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Tokyo Metropolitan Assembly

厚生委員会速記録第四号

令和三年三月十六日(火曜日)
第七委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長のがみ純子君
副委員長桐山ひとみ君
副委員長白石たみお君
理事柴崎 幹男君
理事谷村 孝彦君
理事もり  愛君
森澤 恭子君
やまだ加奈子君
藤田りょうこ君
小宮あんり君
まつば多美子君
鳥居こうすけ君
岡本こうき君
伊藤 ゆう君

欠席委員 なし

出席説明員
病院経営本部本部長堤  雅史君
経営企画部長谷田  治君
サービス推進部長西川 泰永君
経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務藤本  誠君
計画調整担当部長船尾  誠君

本日の会議に付した事件
議席について
意見書について
病院経営本部関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 令和三年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 病院経営本部所管分
・第十八号議案 令和三年度東京都病院会計予算
・第百二号議案 令和三年度東京都病院会計補正予算(第一号)

○のがみ委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 初めに、議席について申し上げます。
 議席につきましては、ただいまご着席のとおり変更いたしたいと思いますので、ご了承願います。

○のがみ委員長 次に、意見書について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、意見書一件を提出したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件については、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○のがみ委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○のがみ委員長 次に、予算の調査について申し上げます。
 令和三年度予算については、予算特別委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について議長から調査依頼がありました。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

令和三年三月十二日
東京都議会議長 石川 良一
厚生委員長 のがみ純子殿
   予算特別委員会付託議案の調査について(依頼)
 このことについて、三月十二日付けで予算特別委員長から調査依頼があったので、左記により貴委員会所管分について調査のうえ報告願います。
     記
1 調査範囲 別紙1のとおり
2 報告様式 別紙2のとおり
3 提出期限 三月十八日(木)午後五時

(別紙1)
厚生委員会
 第一号議案 令和三年度東京都一般会計予算中
        歳出
        債務負担行為 厚生委員会所管分
 第五号議案 令和三年度東京都国民健康保険事業会計予算
 第六号議案 令和三年度東京都母子父子福祉貸付資金会計予算
 第七号議案 令和三年度東京都心身障害者扶養年金会計予算
 第十八号議案 令和三年度東京都病院会計予算
 第百一号議案 令和三年度東京都一般会計補正予算(第一号)中
         歳出 厚生委員会所管分
 第百二号議案 令和三年度東京都病院会計補正予算(第一号)

(別紙2省略)

○のがみ委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、病院経営本部関係の予算の調査を行います。
 これより病院経営本部関係に入ります。
 予算の調査を行います。
 第一号議案、令和三年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為、病院経営本部所管分、第十八号議案及び第百二号議案を一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○谷田経営企画部長 去る二月十六日の本委員会で要求のございました資料につきまして、お手元配布の厚生委員会要求資料に基づきご説明申し上げます。
 恐れ入りますが、表紙をおめくりください。資料は、目次にございますように、合計十四件でございます。
 一ページをごらんください。1、都立病院及び公社病院における医師の診療科別定数及び現員でございます。
 (1)は都立病院、次のページの(2)は公社病院における令和三年二月一日現在の医師の診療科別定数及び現員を記載しております。
 三ページをごらんください。2、都立病院及び公社病院における職種別職員定数及び現員でございます。
 都立病院と公社病院における令和三年二月一日現在の職種別職員定数及び現員を記載しております。
 四ページをお開き願います。3、都立病院及び公社病院における看護要員の採用、退職者数の推移でございます。
 都立病院と公社病院における看護要員の採用者数及び退職者数について、平成二十七年度から令和元年度までの推移を記載しております。
 五ページをごらんください。4、都立病院及び公社病院における看護要員の年次有給休暇平均取得日数でございます。
 令和元年における看護要員の年次有給休暇平均取得日数を病院別に記載しております。
 六ページをお開き願います。5、都立病院及び公社病院における研修医受入状況でございます。
 (1)は初期臨床研修医について、七ページの(2)は後期臨床研修医について、それぞれ令和元年度及び令和二年度の定数を病院別に記載しております。
 八ページをお開き願います。6、都立病院におけるPFI事業に関わる経費及び内訳の推移及び累計並びに各事業の契約額でございます。
 都立病院におけるPFI事業にかかわる経費につきまして、(1)は推移と累計、(2)は契約額を病院別に記載しております。
 なお、累計は、令和元年度までの決算額の累計でございます。
 九ページをごらんください。7、一般会計繰入金の推移(施設整備関連経費以外・病院別)でございます。
 一般会計繰入金のうち、施設整備関連経費以外の経費について、平成二十九年度から令和三年度までの推移を病院別に記載しております。
 一〇ページをお開き願います。8、一般会計繰入金の推移(施設整備関連経費)でございます。
 一般会計繰入金と、このうち施設整備関連経費について、平成二十九年度から令和三年度までの推移を記載しております。
 一一ページをごらんください。9、都立病院における経営指標の推移でございます。
 平成二十九年度から令和三年度までの都立病院における経営指標の推移を、入院、外来別に記載しております。
 一二ページをお開き願います。10、公社病院に対する運営費補助金の推移でございます。
 平成二十九年度から令和三年度までの各公社病院に対する運営費補助金の推移を記載しております。
 一三ページをごらんください。11、東京都から公社病院への診療科別医師派遣者数の推移でございます。
 平成二十八年度から令和二年度までの診療科別医師派遣者数の推移について、このページから一八ページにかけて、各公社病院ごとに記載をしております。
 一九ページをごらんください。12、都立病院における看護要員の離職率の推移でございます。
 平成二十七年度から令和元年度までの都立病院における看護要員の離職率の推移を、既卒、新卒別に記載しております。
 二〇ページをお開き願います。13、都立病院における専門看護師及び認定看護師の人数及び分野の内訳でございます。
 (1)は専門看護師について、二一ページ及び二二ページの(2)は認定看護師について、それぞれ分野ごとの人数を病院別に記載しております。
 二三ページをお開き願います。14、新型コロナウイルス専用医療施設の医師及び看護要員配置状況についてでございます。
 令和三年二月一日現在の医師及び看護要員の配置人数を記載しております。
 以上、簡単ではございますが、要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○のがみ委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を求めます。

○鳥居委員 令和三年度の補正予算から質疑いたします。
 病院経営本部における令和三年度の補正予算は、旧府中療育センターを活用した新型コロナウイルス感染症専用医療施設の運営費、都職員への特殊勤務手当の増額の二つです。
 令和二年度追加の補正予算の質疑にて、既に事実確認がなされておりますので、このたびの補正予算の対象期間について、いずれも四月から六月までの三カ月としておりますが、その考え方について伺います。

○谷田経営企画部長 新型コロナウイルス感染症対策として行います医療提供体制に関する取り組みについては、直近の感染状況に応じた実効性のある対策を迅速に講じるため、これまでも随時、補正予算を編成して対応してまいりました。
 今回の補正予算につきましても、直近の感染状況に応じた当面の備えとして、三カ月分としたものでございます。

○鳥居委員 例えば特殊勤務手当等の支給に際しては、二連勤の看護職員の手当内容、これが見直されるなど、不公平感が生じないようきめ細かい配慮を持って、引き続き環境整備に努めていただくようお願いいたします。
 次に、令和三年度の一般会計予算について伺います。
 令和三年度の一般会計予算には、東京都保健医療公社が運営する公社六病院の運営等に必要な経費として百五十二億円が計上されております。
 新型コロナウイルス感染症について、公社六病院は、地域における中核病院として、妊産婦、家庭内感染した家族、小児、認知症患者など、他の医療機関では受け入れが困難な患者を積極的に受け入れており、高く評価したいと思います。
 コロナとの闘いが続く現在では、非常時であり、病院運営のあり方も平時と異なる対応が求められていると考えます。
 そこで、令和三年度の一般会計予算における地域病院等の運営について、どういう取り組み方針で経費を見積もったのか伺います。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 地域で重要な役割を果たす公社病院は、地域の医療機関と連携を図り、適切な医療を提供することを役割としており、感染症対策を着実に実施することで、一般医療の安全な提供につながると認識しております。
 このため、院内感染対策の徹底が重要でありまして、令和三年度は、新たに感染防御に必要となる防護具等の整備や、荏原病院における感染症病棟全体の陰圧機能をさらに強化する空調設備の改修等に必要な経費を予算案に計上しております。
 こうした取り組みにより、院内感染対策をこれまで以上に徹底し、患者さんや医療従事者の安全を確保することで、地域に求められる一般医療を着実に提供できる体制を整えてまいります。

○鳥居委員 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う患者様の受診控えは、患者様自身の健康リスクを高めることとなります。感染対策を徹底し、患者様が安心して来院できる環境を整備することで、コロナ患者の受け入れと一般医療の両立を図ること、これはアフターコロナの病院運営においても非常に重要と考えます。
 令和三年度の一般会計予算に感染症対策用防護具の整備として六千五百万円が計上されておりますが、本予算の内容とその狙いについて伺います。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 新型コロナウイルスの感染拡大期には、防護服や手袋等の防護具の確保が十分できない時期がございました。
 このため、令和三年度には、東京都新型インフルエンザ等対策行動計画等に基づき、改めて備蓄体制を強化し、防護服、手袋、N95マスク、フェースシールド、シューズカバーの五品目を一セットとして、現在の備蓄数の約二倍に当たる七万五千セットを整備することとしております。
 こうした取り組みにより、院内感染防止の徹底を図り、蔓延期にも切れ目のない医療提供体制を確保していきます。

○鳥居委員 ありがとうございました。
 公社病院が地域の中核病院として役割を果たすために、しっかりとした感染対策を行うことで、都民の安心・安全を確保できるように取り組みを着実に進めていただくよう求めて、次に移ります。
 病院管理運営について質疑いたします。
 改めて新型コロナウイルスの感染拡大によるニューノーマルの時代を迎えている今、従来の生活様式や働き方を変えていく必要があります。これまで病院のスタッフと地域の患者様や連携施設のスタッフは密に接してきましたが、従来と同じようには会えない状況になるなど、病院を取り巻く環境も変化しております。
 アフターコロナを想定した予算であることは承知しておりますが、病院運営においても転換が求められていると考えます。
 令和三年度予算では、都立病院歳出予算の九八%を占める病院管理運営にかかわる経費として一千七百五十八億五千六百万円が計上されております。病院管理運営は病院運営に必須な経費であることは承知している中で、前年度比一・六%増と余り変化がない。
 そこで、確認をさせていただきます。病院管理運営の内訳とほぼ同規模とした考え方について伺います。また、新たな変化への対応などについて、病院経営本部では予算上どのように整理しているのかをあわせて伺います。

○谷田経営企画部長 病院管理運営に係る予算は、都立八病院の病院運営に要する給与費や医薬品及び診療材料等の材料費、委託料等の経費など、病院運営に必須のものでございます。
 病院運営を取り巻く環境が変わっても、行政的医療の安定的かつ継続的な提供と地域医療の充実への貢献という都立病院の役割は変わることはないため、病院管理運営に係る予算額は前年度と同規模としたものでございます。
 一方、地域医療機関等とのICTを活用した情報共有の取り組みや、患者支援センターにおけるオンライン相談の実施等、新型コロナ対応を踏まえた新たな取り組みなどにつきましては、病院管理運営以外の項目において予算を計上しております。
 また、先ほどご答弁申し上げましたが、新型コロナウイルス感染症対策や医療提供体制に関する取り組みは、直近の感染状況に応じ実効性のある対策を講じるため、適宜、補正予算で対応することといたしております。
 今後とも、都立病院が有する病床、人材などの医療資源を最大限活用し、新型コロナウイルス感染症への対応を含め、都民の医療ニーズに的確に対応してまいります。

○鳥居委員 ありがとうございました。
 都立病院は、全ての都民のための病院であり、限られた医療資源を最大限有効に活用し、より多くの都民に都立病院の持つ高水準の医療機能を生かした適切な医療を提供していく必要があります。
 こうした中、常に患者ファーストの視点で、しっかりと都民の安全・安心を支えているという理念のもと、医療サービスを提供していただいておりますが、コロナの感染拡大により、都の医療提供体制は、図らずも大変革期に直面していると認識します。
 都立病院は、こうした未曽有の危機においても、都の医療政策に基づき、都民から求められる医療を提供していくことが重要です。
 そこで、都立病院新改革実行プラン二〇一八では、都立病院がどのような役割を果たすことで、都の医療政策に貢献するとしているのか、改めて伺います。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都立病院は、高水準で専門性の高い総合診療基盤に支えられた行政的医療を適正に都民に提供し、都における良質な医療サービスの確保を図ることを基本的な役割としています。
 この基本的な役割を担っていることから、少子高齢化の進展等に伴い、変化する医療ニーズへの対応や、地域包括ケアシステムの構築など、都が抱える医療課題に対して、都立病院が培ってきた医療機能を生かし、都の医療政策の推進に貢献していくことが重要です。
 具体的には、都立病院が地域の実情を踏まえるとともに、他の医療機関等と密接に連携しながら、例えば、感染症医療、がん医療、小児医療、災害医療、島しょ医療などの医療課題に対して、中核的な役割を果たしていくことが求められています。
 こうした個々の医療課題に対して、各都立病院が持つ特性を生かし、付加価値を創出することで、都の医療政策において先導的な役割を果たすことを目指しております。

○鳥居委員 八つの都立病院は、それぞれの強み、特性を生かしながら、さまざまな医療課題を行政的医療として位置づけて取り組んでいると認識します。
 こうした中、都立病院は、昨年一月末以降常に最前線でコロナ患者様の対応に当たってきたと認識しておりますが、改めて、都立病院における感染症医療の位置づけ、役割について伺います。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 感染症医療は、法令等により対応が求められる典型的な行政的医療でありまして、従来想定していた新型インフルエンザやエボラ出血熱等の患者受け入れはもとより、現在のコロナ患者の受け入れも含め、平時からの備えや専門医療スタッフの確保、専用の設備や医療資器材の整備が必要となる医療として位置づけています。
 また、都立病院では、駒込病院、墨東病院が感染症指定医療機関に指定されており、駒込病院が三十床、墨東病院が十床の指定病床を確保しております。

○鳥居委員 ありがとうございます。
 そうした役割を踏まえた、これまでのコロナへの対応状況と今後の取り組みについて伺います。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都立病院では、これまで八病院全てでコロナ病床を確保するとともに、各病院の役割や機能に応じて、重症患者や透析患者を初め、高齢で基礎疾患がある方、妊婦、子供、島しょからのヘリコプター搬送の受け入れなど、他の医療機関では対応困難な感染患者さんに対応しており、昨年一月末から本年二月二十六日までの間で、公社六病院も合わせて七千六十一名の患者さんを受け入れてきました。
 また、都内の感染拡大状況に合わせて、適宜、確保病床の拡大に努めることで、入院が必要な患者さんを一人でも多く受け入れられるよう、本年二月一日には、昨年十二月に開設した旧府中療育センターの専用医療施設及び公社六病院も合わせて千七百床を確保しました。
 今後は、感染症医療機能をさらに強化するため、これまで取り組んできた病床確保や患者さんの受け入れ、地域医療機関との連携や役割分担などについて一定の検証を行った上で、課題を明らかにし、具体的な対策を講じていきます。

○鳥居委員 ありがとうございました。
 次に、コロナ後遺症相談窓口について伺います。
 新型コロナウイルス感染症の患者の中には、感染症の症状が治った後も後遺症に悩まされる方も数多くおります。具体的には、味覚や嗅覚の障害、息苦しさ、だるさなど、その症状はさまざまです。こうした後遺症を抱えている方々の中には、日常生活だけではなく、仕事にも支障が生じている方もいることを聞いております。
 このようなことから、本年三月九日の予算特別委員会の代表質問において、我が会派の伊藤ゆう都議より、新型コロナウイルス感染症の後遺症に苦しむ方々に対する相談窓口を設置するなど、都は適切に対応するべきではないかと質問をしました。
 これに対して知事から、今月をめどに新型コロナウイルス感染症への対応を行っている都立、公社病院の患者支援センターに、新たにコロナ後遺症相談窓口などを設置する旨の答弁がありました。
 そこで、都立、公社病院のコロナ後遺症相談窓口の開設に向けて、どのような検討が行われているのかを伺います。

○西川サービス推進部長 都立、公社病院では、患者や家族のさまざまな相談にワンストップで、多職種により対応する患者支援センターを設置しておりまして、医療ソーシャルワーカーや看護師等の職員がそれぞれの専門性を生かしながら、患者等の相談に当たっております。
 新型コロナウイルス感染症の後遺症につきましては、現段階では実態が明らかになっておらず、治療法も確立されておりません。新たに患者支援センターに設置するコロナ後遺症相談窓口では、息苦しさや呼吸機能を初め、味覚、嗅覚障害などの症状への相談に応じることとしております。
 現在、本部では、病院の意見を聞きながら、相談に対応する職員の職種、相談で把握すべき項目、相談後の対応などにつきまして、各病院の提供する医療の特性を踏まえて検討しておりまして、三月中の窓口開設に向け準備を進めております。

○鳥居委員 着実に準備を進めていただくことを求めて、次に移ります。
 国では、マイナンバーカードを健康保険証として利用し、医療機関や薬局の窓口において、オンラインで直ちに医療保険資格の確認が行える、いわゆるオンライン資格確認を本年三月から開始することとしました。
 これは、顔写真入りのマイナンバーカードに格納されている電子証明書を活用することで、患者様の確実な本人確認が可能になるほか、服薬履歴の閲覧も可能になるなど、患者様と医療機関、薬局の双方にメリットがあるものとして期待されております。
 一方で、服薬履歴の閲覧に患者様の同意が必要で、丁寧な説明が求められるほか、マイナンバーカードの普及率は四分の一と低く、課題もあります。
 そこで、都立病院におけるオンライン資格確認の導入に向けた取り組みについて伺います。

○西川サービス推進部長 オンライン資格確認は、医療機関や薬局の窓口におきまして、専用のカードリーダーによりマイナンバーカードに記録された情報を読み取り、オンラインで直ちに医療保険資格の確認ができるものでございます。
 この仕組みを導入することにより、医療機関におきましては、保険証に係る情報をシステムに入力する作業の削減、保険証の失効に伴う誤った請求の防止、他の医療機関での投薬情報の参照など、業務の効率化や患者さんの利便性の向上を図ることが可能となります。
 国は、マイナンバーカードの健康保険証としての利用などにより、普及を促進しております。こうした国の動きに合わせまして、現在、全都立病院において、オンライン資格確認の導入に必要な配線工事や、カードリーダーの受付窓口への設置などを行っておりまして、社会保険診療報酬支払基金のシステムとの通信テストなどが完了した後、三月末までに運用を開始する予定でございます。
 四月以降は、カードリーダーを設置する窓口を拡大していくとともに、院内の電子カルテと接続することで、オンライン資格確認のメリットを十分に生かしてまいります。
 なお、服薬履歴等の閲覧の同意につきましては、患者さんへの十分な説明を行ってまいります。

○鳥居委員 重複、多剤服薬におきましては、現在、国民の医療費の約二割を占めているとされます。また、七十歳以上の方が六種類以上の薬を使用されているという情報もあり、七十五歳以上は四人に一人がポリファーマシー、すなわち多くの薬の服用による副作用、この影響を受けているということで、多くの問題があると認識しております。
 そのような中、この取り組み、事業が推進されれば、こういう課題の解決の糸口となると期待はしておりますが、ご存じのとおり、マイナンバーカードの普及の困難さ等を含め、なかなか進んでいない現状がございます。
 国としっかりと東京都は連携いただきまして、着実に推進していただくようお願い申し上げます。
 次に移ります。
 コロナ禍において感染防止のため、患者様やその家族と病院職員等の対面での相談が行いにくい状況も発生していると聞いております。
 病院経営本部では、来年度予算案に患者支援センターにおけるオンライン相談環境の整備として百六十万円を計上しておりますが、感染防止に配慮しつつ、患者支援の充実に寄与することを想定してのことと考えます。
 そこで、オンラインによる相談の導入目的やその活用について伺います。

○西川サービス推進部長 都立病院におきましては、患者さんのさまざまな相談にワンストップ、多職種で対応する患者支援センターを設置し、病院職員による医療福祉相談のほか、弁護士による法律相談を平成三十年度に、また社会保険労務士による治療と仕事の両立支援相談を令和元年度に開始するなど、相談体制の充実に努めてまいりました。
 しかし、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、患者さんとの面会を制限せざるを得ないなど、対面による相談が実施しづらい事態となったため、感染防止を図りながら必要な相談を継続できるよう、令和三年度予算案に、オンライン相談環境整備に係る経費を計上いたしました。
 具体的には、インターネットを用いたテレビ会議システムを使用しまして、病院の端末と外部の端末とをオンラインで結ぶことにより、入院している患者さんが弁護士や社会保険労務士と相談を行うことや、患者さんやそのご家族が自宅にいながらこれらの専門家や患者支援センターの職員と相談を行うことが可能となります。
 さらに、患者さんの退院後の療養生活につきまして、患者さんとそのご家族、訪問看護ステーション等のスタッフを交えたカンファレンスへの活用も期待できるところでございます。

○鳥居委員 ありがとうございました。
 アフターコロナを見据え、またニューノーマルな時代の対応として予算を計上、いわゆるインプットがなされていると認識します。これらの情報をしっかりと精査し、また着実に進め、アウトプット、アウトカム、成果へと結びつけていただくことを要望し、次の質問に移ります。
 警察庁が二月に発表した令和二年の犯罪情勢によれば、暫定的ではありますけれども、令和二年の児童虐待の通告児童数は初めて十万人を超え、配偶者等からの暴力であるDVの相談等の件数も、前年に引き続き八万二千件に及んでおります。
 こうした件数は年々増加傾向にありますが、新型コロナウイルスの感染拡大で在宅時間が延びたことも増加の一因の可能性があるとの報道もあります。引き続き注視していく必要があると考えております。
 都立病院では、地域医療機関等と連携し、虐待等の被害者の早期発見や支援を図るため、虐待防止に関する専門的知識を有する職員を育成するとして、虐待等防止対策研修の予算を計上されました。
 さらなる深刻化が懸念されている虐待等の防止に向けて、都立病院における虐待防止研修の取り組みについて伺います。

○西川サービス推進部長 都立病院における虐待等防止対策研修につきましては、平成二十三年度から本部主催によりまして、病院職員を対象に年二回実施してまいりました。
 令和二年度からは、より実践的で充実した研修とするため、各病院が提供する医療の特性に合わせてテーマを設定し、区市町村の地域包括支援センターや子供家庭支援センターなど、地域の関係機関にも参加を呼びかけ、病院ごとに年二回の研修を実施することといたしました。
 しかしながら、新型コロナウイルス感染症の拡大により、外部からの参加を含めた集合形式による研修の開催が困難となりましたため、今年度は、虐待対応の基本を共通のテーマとして各病院がテキストを作成し、eラーニングシステムによる職員研修を実施いたしました。
 これは初めての試みではございましたが、多くの職員が受講したことによりまして、研修の実施後、虐待が疑われるケースのソーシャルワーカー等への連絡がふえるなど、具体的な効果が見られました。
 今後も虐待防止に向けた取り組みを着実に進めるため、新型コロナウイルスの感染状況を踏まえながら、研修の実施方法を工夫するとともに、内容の充実を図ってまいります。

○鳥居委員 虐待防止、これは喫緊の課題であると認識します。着実に推進をしていただくようお願い申し上げます。
 次に、Tokyoヘルスケアサポーター養成講座について質疑させていただきます。
 平成三十年度から実施されているTokyoヘルスケアサポーター養成講座は、各都立病院がこれまで実施してきた公開講座を体系化し、加齢に伴いリスクが高まる、がん、認知症、生活習慣病の三疾患のほか、都民の関心が高いフレイル対策や地域包括ケアシステムの構築を見据えた医療との向き合い方の五項目の講座を実施しております。
 私も、都民が健康意識を高めるきっかけになることからも、予防医療的で健康維持増進の取り組みとして注目してきました。区部では、新たに女性の心と体に関する講座を開催したとも聞いております。
 本講座の受講修了者は、サポーターとして認定されます。我が会派では桐山ひとみ都議、また、木下都議、後藤都議もサポーター認定を受けており、サポーター認定の取り組みは、自身の健康に関する知識の習得にとどまらず、身近な地域で日常から積極的に健康づくりに取り組んでもらうとともに、それらの知識、情報をさまざまな交流の場で共有することにより、健康づくりに関する自助、共助意識の向上に資するものと期待しております。
 一方で、Tokyoヘルスケアサポーター養成講座の開催方法や内容については、コロナ禍を踏まえた工夫や都民のニーズに対応することが必要であると考えますが、見解を伺います。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 これまで、Tokyoヘルスケアサポーター養成講座の開催に当たりましては、受講者が都立病院の講堂など一堂に会して開催してきたところでございます。
 一方、昨年度末からのコロナの感染拡大に伴い、いわゆる三密を回避するなどの感染予防の観点から、集合形式による開催方法を見直し、年度内に講座内容を、ウエブを活用し、動画で配信するよう準備を進めております。
 また、講座内容につきましても、コロナの感染拡大を踏まえ、自宅で実践可能なフレイル予防のための運動方法の紹介や、感染症専門医によるコロナの特徴的な症状や治療法などの講義も予定しています。
 来年度の開催に向けては、コロナの感染拡大状況を踏まえて臨機応変に対応するとともに、講座内容についても、アンケートにより把握している受講者の意見やニーズにかなう内容となるよう検討を進めてまいります。

○鳥居委員 ありがとうございました。
 次に移ります。
 都立病院と民間医療機関の間で診療情報を相互参照することを可能とする取り組みの推進は、地域医療の連携を推進していく上で重要なものであると考えます。
 東京都医師会が平成三十年七月から運営している事業であります東京総合医療ネットワークは、病院や診療所の電子カルテシステムを相互に接続し、医療機関同士の連携を安全・安心に途切れなくサポートすることで、都内の地域包括ケアを実現することを目的としております。
 このネットワークへの参加により、薬の処方歴や検査結果などの診療情報を参加する医療機関同士で共有し、薬の誤投与や検診の重複を防ぐことで、患者様に対して、より適切な医療を提供可能にすると認識しております。
 来年度予算案には、神経病院及び小児総合医療センターについて、ネットワークに接続するためのシステムの導入経費を計上し、今後、都立病院においてもこのネットワークに順次参加するものとしておりますが、東京総合医療ネットワークへの参加に向けた都立病院の準備状況について伺います。

○西川サービス推進部長 東京総合医療ネットワークは、都内の地域包括ケアを実現する上で重要な基盤であり、都立病院においてもシステムの有用性、安全性などを十分に検討した上で、順次参加することといたしました。
 東京総合医療ネットワークへ参加するためには、電子カルテから必要なデータを抽出し、そのデータを参加医療機関が共同で使用するサーバーへ送信するためのシステムを導入する必要がございます。
 都立病院では、令和元年度に多摩総合医療センター、令和二年度には広尾病院及び駒込病院へこのシステムの導入を行いました。
 また、これらの都立病院におきましては、東京総合医療ネットワークとの接続に必要なシステムテストを行っているほか、運用ルールや患者同意の取得方法などの検討を行っておりまして、準備作業が終了次第、順次ネットワークに参加してまいります。

○鳥居委員 ありがとうございます。
 これまでの前例としては、例えば、島しょが多く存在する長崎県、また広島県でも進んでいるということで話も伺ってきております。
 人口が非常に多い都においては、解決する課題も多く存在すると認識しておりますが、都においてもしっかりと準備を進めていただくことを要望します。
 次に、東京医師アカデミーについて伺います。
 東京医師アカデミー修了者のその後の進路状況について伺います。

○谷田経営企画部長 研修修了後の進路につきましては、過去三年間で見ますと、都立、公社病院に勤務した者が五四・四%、公立、民間、大学病院等の都内の医療機関に勤務した者が二三・六%となっており、修了者の七八%が都立、公社病院を初めとした東京の医療現場で勤務をしております。

○鳥居委員 ありがとうございます。
 多くの修了者に都立、公社病院で勤務を継続してもらうためには、各自のキャリアプランに応じて、より深い専門知識や技術を身につけられる、いわゆる環境を提供していくことが大変重要だと考えます。
 そのような中で、東京医師アカデミー修了者の半数が都立、公社病院で勤務をし続け、また、全体の七八%が東京の医療現場で勤務いただいていることは、一定の成果を得られていると認識します。引き続きのご対応をお願いいたします。
 平成三十年度から、日本専門医機構が統一的な基準で認定する新たな専門医制度が開始され、シニアレジデント修了後に、さらに細分化や横断化したサブスペシャルティー領域の専門医を取得する新たな制度を設けていくと聞いております。
 サブスペシャルティー領域の専門医とはどのようなものであり、都立病院においてもその資格が取得できることとなるのかを伺わせていただきます。

○谷田経営企画部長 新たな専門医制度は、基本領域の専門医を取得した上で、サブスペシャルティー領域の専門医を取得する二段階制を基本としております。
 原則としまして、初期研修終了後にシニアレジデントとして、内科専門医、外科専門医など十九の基本領域のいずれかの専門医を取得し、その後、さらに細分化した消化器病専門医、循環器専門医、呼吸器外科専門医といったサブスペシャルティー領域の専門医を取得していくこととなります。
 現在、日本専門医機構では、サブスペシャルティーの整備基準などについて詳細を検討しており、都立病院におきましても、機構の動きを注視しつつ、専門研修施設となるよう準備を進めているところでございます。

○鳥居委員 ありがとうございます。
 高度な技術専門集団であります、医療従事者に対しまして、しっかりと医療従事者の方々が役割を果たしていただけるよう、その環境整備、引き続きしっかりとご対応いただくことを求めておきます。
 次に、コメディカル職員への資格取得支援の内容、状況、狙いについて伺います。

○谷田経営企画部長 医療の高度化、専門化が進む中、都立病院が質の高い医療を都民に提供していくためには、専門性の高い職員の育成が不可欠でございます。
 そのため、都立病院では、コメディカル職種を対象に、ECMOなどの操作技術を認定する体外循環技術認定士を初めとして、五十の資格について、取得に係る学会参加費や試験受験料等の支援を行っております。
 平成三十年度は百七十一名、令和元年度は百七十七名が支援を利用して資格取得や認定更新に取り組んでおり、支援を受けた職員は、専門的な知識を生かして質の高い医療の提供に貢献しております。

○鳥居委員 ありがとうございます。
 資格取得に係る学会参加費や試験受験料等を支援され、対象資格も拡大して現在は五十に及ぶというふうに認識しております。
 先ほども申し上げましたが、技術的な集団が集まるこの病院現場においては、技術向上の環境整備、これは必須でございます。引き続き対応を進めるように要望し、次に移ります。
 次に、医師等の働き方支援の取り組み状況、医師事務作業補助、看護補助の取り組み状況について伺います。

○谷田経営企画部長 これまで都立病院では、各病院の実情を踏まえ、医療従事者の負担軽減や専門性を発揮できる職場環境を整備するため、医師事務作業補助者や看護補助者等の配置などを進めてまいりました。
 来年度は、大塚病院、駒込病院、墨東病院、多摩総合医療センターにおいて、医師事務作業補助者の配置を拡充する予定でございます。
 今後も、医師事務作業補助者等の活用を進め、医療従事者が専門性を発揮できる職場環境を整備してまいります。

○鳥居委員 ありがとうございます。
 タスクシフティングの取り組み、これは進んでいると認識しております。医師事務作業補助者等の活用を進めて、医療従事者が専門性を発揮できるよう、引き続き職場環境、これの整備に努めていただきますよう要望し、次に移ります。
 次に、都立、公社病院における新型コロナワクチンの接種体制について伺います。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 新型コロナウイルスワクチンの接種は、コロナの発症を予防するとともに、死亡者や重症者の発生をできる限り減らし、結果として、新型コロナウイルス感染症の蔓延の防止を図ることを目的としております。
 接種は、国の指示のもと、都道府県の協力により市町村において実施することとされていますが、とりわけ医療従事者への接種につきましては、都道府県が接種体制の調整を行うこととなっております。
 こうした中、都立、公社病院の各施設に勤務する医療従事者への接種に当たりまして、十五施設中十一施設は、みずからの施設の職員や地域の医療従事者への接種に加え、連携型接種施設へのワクチンの配分を行う基本型接種施設となっておりまして、残りの神経病院、小児総合医療センター、松沢病院、がん検診センターの四施設は、みずからの施設の職員や地域の医療従事者への接種を担う連携型接種施設となっております。

○鳥居委員 総合病院については基本型、その他の専門病院や施設は連携型とのことでありまして、それでは次に、都立、公社病院における新型コロナワクチン接種の現在の状況について伺います。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 三月一日の週から、順次、基本型接種施設に対して、都から配分された第一弾のワクチンは、みずからの施設の職員を優先に接種することを前提としておりまして、都立、公社病院の最も早い施設では、三月四日から接種を開始しました。
 接種に当たりましては、各施設が職員に対して十分な説明を行った上で接種希望者を募っており、都立、公社病院の十五施設では、常勤職員のほか、会計年度任用職員、委託職員など、合計で約一万八千人の接種を予定しております。
 なお、今後行われる住民への接種につきましては、区市町村からの要請に基づき、可能な限り協力を行ってまいります。

○鳥居委員 都立、公社病院は、コロナ感染症患者を多く受け入れ、そのため、コロナ最前線で対応いただいております医療従事者が多くおります。医療従事者のワクチン接種により、感染拡大を防ぐとともに、医療従事者が少しでも安心・安全に業務に従事いただけるように、ワクチンが到着次第、速やかに接種していただくとともに、住民への接種についても、できる限り速やかに対処するよう要望して、次の質問に移ります。
 多摩総合医療センター感染症対策の体制整備で、医療従事者十七人増員の理由について伺います。

○谷田経営企画部長 多摩地域における感染症患者受け入れ体制強化のため、今後、多摩総合医療センターにおいて、第二種感染症指定医療機関の指定を受ける予定でございます。
 指定に向けまして、現在の結核病棟を再編整備いたしまして、結核病棟と感染症病棟の二つに分けることとしております。
 この感染症病棟運営に必要な医療従事者として、看護職員十六人及び医師一人、合計十七人を増員するところでございます。

○鳥居委員 多摩地域における感染症患者受け入れ体制強化に伴う専門の医療従事者の増員であることがわかりました。
 新型コロナウイルス感染症の急速な拡大により、感染症に対応できる医師や看護師の確保が大変だったと認識します。
 新型コロナ専用医療施設を百床増床し、また重点医療機関化を進めるなど、コロナ感染症対策を進めるに当たり、どのように人員を確保したのかを伺います。

○谷田経営企画部長 都立病院の経営の標準となる病院ごとの定数は、民間医療機関だけでは担うことが困難な行政的医療の安定的な提供、持続可能な病院運営のための効率的な経営の実現、医療法等の諸法令の定めや診療報酬改定に伴う施設基準への対応、東京都保健医療計画や医療環境の変化に伴うその時々の医療ニーズなどを勘案し算定しております。
 新型コロナ専用医療施設は臨時的な施設であり、職員定数は恒常的な業務について措置されるものであると認識しております。
 新型コロナウイルス感染症専用医療施設を含めた都立病院、公社病院の運営に必要な職員は、病院間や病棟間の異動などによりまして弾力的に確保しております。

○鳥居委員 必要な看護職員等については、年度途中の採用や病棟間の異動などによって弾力的に確保されたとのことです。
 感染症に対処するためには、一定の経験や専門的知識、また適切な訓練が必要かと思います。平時からの取り組みとしては、東京看護アカデミーを介した教育プログラムや、認定看護師等の資格取得支援といったキャリア形成を組織的に支援する魅力ある研修体制の整備が重要と認識します。
 都における令和三年度の新卒看護師採用選考においては、予定数三百三十名に対して応募者五百五十名と増加傾向にあると認識します。より適切な教育環境の提供を心がけていただき、緊急時にも対応いただける人材の育成を進めていただくことを要望します。
 次に移ります。
 都立、公社病院の地方独立行政法人化について、都は、令和四年度内の地方独立行政法人への移行を目途に準備を進めているところです。
 独法化に当たっては、都立病院と東京都保健医療公社が運営する公社病院を一体的に運営する法人を新たに設立することに伴い、法人運営に必要なさまざまな制度を新たに構築する必要があると思います。
 また、法人は都立八病院と公社六病院、がん検診センターという大規模な組織となることから、その準備作業の量も膨大なものになると考えております。
 このように、独法化に向け質的にも量的にもさまざまな対応が必要と想定される中で、来年度予算では、今年度に引き続き地方独立行政法人への移行準備として、合計約三十九億円が計上されております。
 まず、この独法化移行の準備予算の内容について伺います。

○船尾計画調整担当部長 病院会計予算案では、地方独立行政法人への移行準備費用として二十二億四千八百万円を計上しており、その内訳は、人事給与制度、財務会計制度等のシステム構築や、外部の専門家から移行準備に必要な技術的、専門的支援を受ける移行準備支援業務委託などとなっております。
 また、一般会計予算案では、公社病院の移行準備費用といたしまして十六億三千百万円を計上しており、その内訳は、新たに構築するシステムへの移行に伴う費用などとなってございます。

○鳥居委員 十四病院、一施設が足並みをそろえて移行するための準備、これは多岐にわたると思いますが、着実に準備を進めるよう要望します。
 都立、公社病院の地方独立行政法人化に当たっては、将来にわたって公立病院としての役割を果たし続けていくとともに、十四病院それぞれの強みや特色を磨き、医療資源を最大限活用しながら、今以上の質の高い医療を提供することが重要です。
 今後、二〇二五年には全ての団塊の世代が七十五歳を迎え、二〇四〇年には団塊ジュニア世代が六十五歳以上の高齢者となり、都民の三人に一人が六十五歳以上という極めて高齢化の進んだ社会の到来が予想されております。
 これにより、複数の疾患を有する患者様が増加するなど、医療需要の増加や疾病構造の一層の変化が見込まれる中、行政的医療を安定的かつ継続的に提供していくためには、必要な医療機能の充実強化、これをさらに図っていく必要があります。
 また、介護の需要がさらに増加していくことが見込まれており、地域包括ケアシステムの構築に向けて、住みなれた地域で医療と介護を受けながら療養生活を送ることができる体制の整備が課題となっており、法人が地域の医療機関等と連携協力しながら、地域における在宅療養生活を支えていく取り組み、これも重要となっていきます。
 独法化に当たっては、そうした観点を踏まえて、各病院の医療機能強化、これを図っていくべきと考えます。
 そこで、独法化後の各病院の医療機能強化について、今後どのように検討を進めていくのかを伺います。

○船尾計画調整担当部長 独法化後の医療機能強化につきましては、急速な高齢化の進展など、今後の医療環境の変化に柔軟かつ機動的に対応していくための行政的医療等の一層の充実と地域医療の充実への貢献の、この二つの柱を基本としております。
 独法化によりまして、機動的な人材確保や民間医療機関等への職員派遣などが可能となることから、こうした独法化のメリットを生かしまして、各病院の特徴に応じた機能強化を図ることとしております。
 引き続き、各地域の患者数の動向や、他の医療圏で患者さんが治療を受けている状況といったデータを活用するなど、患者さんや地域ニーズの把握に努め、各病院との意見交換を重ねながら、さらに具体的な検討を進めてまいります。

○鳥居委員 行政的医療の提供、これは、都立、公社病院の重要な役割です。独法化後も、時代の変革や、都民、地域のニーズに応じた医療が提供できるよう、行政的医療を初めとする医療を充実強化していただくことが重要であり、都民が安心して必要な医療を受けられるよう、患者様や地域のニーズを酌み取りながら機能強化を進めていただくよう要望します。
 また、都民が住みなれた地域で安心して在宅療養生活を送れる体制の構築は大きな課題であり、地域の医療機関等と連携協力した取り組みも推進してもらうことを要望いたします。
 各病院の特徴や患者様、地域のニーズを踏まえて、各病院と意見交換を綿密に行い、独法化後の各病院の医療機能強化をしっかりと検討するようにお願いいたします。
 次に、行政的医療等の充実強化を検討する中で、現在、この新型コロナのような感染症のパンデミックのときや、首都に大震災が起こったときなど、緊急時の対応もしっかりと検討していかなければなりません。
 感染症医療や災害医療は、まさに行政的医療です。災害時などの緊急時においては、法人がみずから率先して役割を発揮することはもとより、全都にまたがる対応が必要となる場合、例えば、今回の新型コロナ対応における重点医療機関化など、都の指示のもと対応していくことが重要です。
 緊急時においても、都の求めに応じ、独法化のメリットを生かして、柔軟、機動的に対応して、都の政策に貢献していく必要があります。
 一部の声に、独法化になれば、今回の対応のように、都の医療政策の中で都立病院の役割が果たせなくなるという不安の声もあり、我々の会派にも届いております。
 昨年の事務事業質疑で、我が会派の後藤都議、また複数の会派からも質問がなされましたが、体制が整ってきた現時点で、改めて、独法化後も知事の判断で、今回のコロナ対応における広尾、荏原、豊島で行った重点医療機関化や、多摩総合医療センターの専用医療施設設置による百床の確保のような緊急時の対応を法人に確実に実施させることが可能となるのかを伺います。

○船尾計画調整担当部長 災害や感染症の緊急事態の発生時に、都が、都内の医療提供体制等を統括、調整する中、それに応じて法人が役割を果たしていくことは重要でございます。
 このため、法人の根本原則である定款におきまして、法人の役割として、感染症医療など行政的医療を提供することや、災害時等の緊急時に、知事の指示のもと都が求める対応を行う旨を明記することを検討しており、有事の際も今と変わらず確実に対応してまいります。

○鳥居委員 緊急時における対応こそ、都立、公社病院に対する都民の期待は大きいと認識します。
 今回のような緊急事態が今後発生する可能性も意識し、また想定した上で、独法化の準備を着実に進めていただくことを要望し、質疑を終わります。

○やまだ委員 私からは、大きく三項目について質問をさせていただきたいと思います。
 一つ目は、都立、公社病院における病児、病後児保育の取り組みについて伺ってまいりたいと思います。
 女性の活躍推進、また就業支援、子育て支援など、さまざまな観点から病児、病後児保育のニーズは高まっている一方で、その運営は、事業主体である事業者の事業の運営がなかなか難しいという観点があります。
 利用見込みの立て方、また実績、申し込みの後、直前のキャンセルが多いなど、そういった特性の中で、運営することがなかなか難しい、イコール設置が難しいということで、地域の中、もしくは区市町村では、ニーズが高まる一方で設置が進まないという側面を持ち合わせています。
 都立、公社病院では、病児、病後児保育を順次実施しており、これまで墨東病院、また駒込病院が、公社病院では多摩北部医療センターのほか東部地域病院の四病院が、病児や病後児のための保育室を開設しているところであると思います。
 そこでまず、この四病院のうち、区部の病院での病児、病後児保育室の開設状況と利用状況について伺いたいと思います。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 墨東病院は、事業主体である墨田区から病児、病後児保育事業を受託し、平成二十八年二月に開設しました。現在の定員は四名でございます。
 今年度の二月までの利用実績は、延べ利用者数が十六名、利用率が二・一%で、昨年度と比較すると、利用者数が四百六十六名、利用率が五二・二ポイントの減となっております。
 東部地域病院につきましては、葛飾区から病児保育事業を受託し、平成三十一年二月に定員八名で開設しました。
 今年度の二月までの利用実績は、延べ利用者数が百十名、利用率が六・三%で、昨年度と比較すると、利用者数が四百一名、利用率が二二・九ポイントの減となっております。
 駒込病院につきましては、文京区から事業を受託し、令和三年二月に定員二名で開設したことから、利用実績は本年二月のみであり、延べ利用者数が二名、利用率が五・六%でございました。

○やまだ委員 それぞれの実績についても伺いました。このコロナ禍の中で、これまで、大体五〇%を推移していた利用率が、マイナス五〇ポイントですね、減になるという−−ことしは二・一%の利用率だったということ、また、六・三%とかなり低く推移しているということは、墨東病院、東部地域病院については、この落ち込みというのは長期化するコロナの影響によるものだと思っています。施設内での感染の不安から生じたものであると推測されます。
 都立、公社病院以外の病児、病後児保育の実績も、約三〇%減で推移しているということも聞いています。
 そういった中で、利用実績が伸び悩む中で、コロナ禍拡大に伴う在宅勤務導入などを初めとした保護者の方々の働き方改革、また多様化も影響していると思います。
 とはいえ、こうした状況でも、やはりこれから共働き世帯など子育てにおける不安軽減においては、病児、病後児保育、コロナ後も大変重要なものになってくると思います。
 そういった点からも、コロナの状況を踏まえても、さらに拡大していくという点からいけば、子育て支援のセーフティーネットとしての役割、点から面に広げていく−−先ほどの利用実績の中では、二つの区で利用している例なども挙げていただきました。
 こういった点も含めて、今後の都立、公社病院の病児、病後児保育においては、他の自治体の子供を受け入れる広域的な利用の仕方を実施していくべきと考えていますが、見解を伺いたいと思います。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都立、公社病院の病児、病後児保育では、地元や近隣自治体のニーズに応じ、複数の自治体から児童を受け入れる広域利用を行うこととしております。
 広域利用の実施に当たりましては、実施主体であります自治体ごとに利用料や開所時間等が異なるため、広域利用を行う自治体間の調整が必要となります。
 東部地域病院におきましては、葛飾区から事業を受託するとともに、葛飾区が近隣の足立区と連携を図ることで、双方の病児の受け入れを行っております。
 また、現在整備中の小児総合医療センターの病児、病後児保育室の開設に当たりましては、地元府中市を初め、近隣の国分寺市、国立市の三市と連携し、具体的な運営内容の調整を行っているところでございます。
 今後は、既に開設している墨東病院、駒込病院におきましても、自治体間の事業体系が異なることを踏まえつつ、周辺区のニーズ等に応じ、対応を行ってまいります。

○やまだ委員 ありがとうございます。
 東部地域病院に関しては葛飾と足立で連携を図っている、また小児総合医療センターでは三市で共有しているということで、受託するに当たって、条件がそれぞれ異なる中での利用、共有していくということは、非常に難しい点もあろうかと思うんですが、利用ニーズとしては、やはり区や市境ということを関係なく利用される保護者の方々がいらっしゃいますので、その点については、ぜひ配慮していただきながら、積極的な取り組みを行っていただきたいと思います。
 多様な働き方が普及する中で、コロナ禍と相まって、引き続き、病児、病後児保育のニーズは高いと考えています。都内のさまざまな地域で利用可能となるよう、ぜひ、その利用ニーズに応えていただくよう積極的な取り組みをお願いして、この質問を終わりたいと思います。
 先ほども質疑が出ましたので、同じ部分については割愛をさせていただきながら、都立、公社病院における虐待防止の取り組みについて伺いたいと思います。
 先ほどもお話ございました急増する児童虐待の件数、毎年その相談件数は更新され、昨年度、十九万三千七百八十件、過去最多を更新し続けている。こういった状況の中で、先ほどは研修内容についても出ておりますので、その点についての質問は割愛させていただき、実際に都立病院は、職員の研修の後、防止に向けて取り組んでいただいたと。
 その研修をもとに、昨年、実績として、虐待件数、どのぐらい通報として、通告としてされた件数があったか、その実績を伺いたいと思います。

○西川サービス推進部長 昨年度、都立病院が対応いたしました虐待等の件数は九百七十九件でございまして、その内訳は、児童虐待が八百五十九件、高齢者虐待が五十七件、障害者虐待が三十件、DV、ドメスティック・バイオレンスが三十三件となっております。
 また、これらのうち、病院から関係機関に通報または通告した件数は、児童虐待が七十一件、高齢者虐待が十六件、障害者虐待が四件、DVが七件でございまして、合計で九十八件、対応件数全体の約一割となっております。

○やまだ委員 昨年度対応した件数が九百七十九件、そのうち八百五十九件が児童虐待、高齢者が五十七件、障害者虐待三十件、DV三十三件ということで、やはり割合から見ても児童虐待の件数が多いことがわかります。
 そして、都立病院では、医療の現場として、虐待の事実に敏感に気づいていただき、通報までされているという、その取り組みがよくわかりました。
 このような都立病院の虐待防止に関する取り組みをさらに実効性を高めていく、そのためには、病院と、また地域との、関係機関との連携ということが非常に重要になってくると思います。
 通報、通告とあわせて、都立病院で、地域の関係機関との連携をどのように構築されているのか、具体的に伺いたいと思います。

○西川サービス推進部長 都立病院が虐待防止を効果的に進めていくためには、地域の関係機関と連携して対応することが不可欠でございます。
 児童虐待を例にとりますと、児童相談所、警察、学校、区市町村の子供家庭支援センターなど、虐待防止に係る関係機関が多岐にわたりますことから、これらの関係機関との間で情報を共有するとともに、役割分担の明確化を図ることが重要でございます。
 このため、小児総合医療センターでは、令和元年度から、多摩地域の子供家庭支援センターの職員との情報連絡会を開催しております。
 この情報連絡会では、事例を用いたグループワークを通じまして、小児総合医療センターと子供家庭支援センターの機能と役割分担について、相互に理解を深めながら実践力を高めるとともに、子供家庭支援センターの医療ソーシャルワーカーなどの支援技術の向上を図っております。
 こうした取り組みを通じまして、病院が地域の子供家庭支援センターとの連携を強化することにより、児童虐待により的確に対応できるよう努めております。

○やまだ委員 ありがとうございます。
 地域との連携、関係機関との関係構築に取り組んでいただいていることもわかりました。案件としても多くありますので、緊密な連携というのは非常に重要になってくると思います。
 研修に関しても、その時々の傾向というものも変わってきますので、そのときに合った研修を、その都度新たなものとして工夫していただきながら、医療機関、医師だけではなく、看護師、それから医療ソーシャルワーカー、受付の方々、多くの目で児童虐待の芽を摘むような取り組みにつなげていただきたいと思います。
 あわせて、私は病院の中も拝見したことがありますが、児童虐待の早期発見とともに、抑止として、予防していくというか−−八百件にわたる取扱件数があるということで、児童の場合は必ず保護者等と病院に訪れると思います。そういったときに、保護者が当事者である場合、虐待をしている当事者であった場合に、思いとどまるようなポスターの掲示ですとか、お手洗いに相談のカードですとか、そういったことも病院の中には設置されているのも拝見しております。
 児童虐待の防止とともに、こういった早期発見、それぞれの取り組みに、連携をして今後も取り組んでいただきたいと思います。その点については要望しておきたいと思います。
 そして最後に、コロナに関してです。
 実質的な専門病院となった広尾病院を初め、都立、公社病院のコロナ対応、医療体制について伺いたいと思います。
 年末年始の急増するコロナ患者への対応として、コロナの感染者への医療が最優先されました。感染者病床を千七百までふやして拡大をし、取り組んでこられた。
 その中でも、実質的に専門病院となった広尾病院の現在の医療体制はどのようになっているのか、その状況を伺いたいと思います。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 広尾病院は、新型コロナウイルス感染症で入院が必要な患者さんを一人でも多く受け入れられるよう、島しょ医療や救急医療などの行政的医療を休止した上で、コロナ専用病床を二百四十床確保しております。
 医師、看護師を初め、所属していた診療科にかかわらず、病院全体で受け入れ体制を構築することで、軽症から重症まで幅広い症状の患者さんを受け入れております。
 島しょ地域からのヘリコプター搬送や都の入院調整本部ルートでの受け入れを初め、宿泊療養施設や他の医療機関からの搬送、保健所からの受け入れ要請などにも対応しておりまして、都のコロナ患者の入院受け入れに大きな役割を果たしております。

○やまだ委員 ありがとうございます。
 病院全体で取り組んでいただいている、その体制について伺いました。
 当初、一月七日の知事の発言以来、このコロナ病床の専門病院としていくことについて、現場では非常に不安の声や、さまざまな話が出ていたということも伺っています。病床の内容が変わることで、このまま勤務を続けていけるのか、そういった不安な声が医療従事者の中からも出ていたというふうに聞いています。
 そういった中で、医療従事者の皆さんが使命感のみでといっていいほど、その思いで、このコロナ、ご自身の危険も踏まえながら取り組んでいただいている。まさに病院関係者のその思いだけで、思いがもう大きくかかわって取り組まれていると思います。
 コロナ患者の受け入れは、こうした専門病院化した広尾病院などの現場の頑張りで成り立っている、回っていると感じていますが、このことについて、知事も含め、病院経営本部がどのような認識をお持ちなのか伺いたいと思います。

○堤病院経営本部長 昨年一月に都内で初めての感染例が発生して以降、知事は、荏原病院を初めといたしまして、多くの患者を受け入れている都立、公社病院を訪問いたしまして、感染するリスクにさらされながらコロナ対応に従事をしております職員に対しまして感謝の意を伝えるとともに、現場の実情ですとか現場の意見を聴取してまいりました。
 また、本年一月五日には、都立、公社病院の全ての院長と、患者の受け入れ状況や円滑な病床運用のための工夫、地域関係機関との連携状況、職員への差別の問題など、現場が抱える多岐にわたる課題、要望について意見交換を行っております。
 都立、公社病院の職員が、医療の最前線でまさに粉骨砕身、昼夜を問わず都民の安全・安心を最優先に患者の治療に当たっておりますことは、病院経営本部としての認識であるのみならず、知事も同じ思いであるというふうに考えております。
 その上で知事は、都立、公社病院の職員を含めまして、コロナに対応しております全ての医療従事者に対して、感謝と敬意の念を抱いているものと認識をしております。

○やまだ委員 知事を初め、幹部の皆さんの思いということも伺いました。やはり現場を支える医療従事者の方々と、そして全体を仕切って、どのような方向で進めていこうとされていくのか、執行部側との思いが一緒にならなければ、取り組みについては不安や疑念の声が出てくる、こういった原因になると思います。
 今後、コロナに対応する専門病院をふやしていく場合には、入院や通院している患者さんや病院職員などの関係者に、あらかじめしっかりと説明をした上で実施すべきと思います。こういった点が足らないと、先ほどお話ししました医療従事者の方々の不安な気持ちですとか、そういった声が届いてくるのだと思います。改めてその点で伺いたいと思います。
 今後、コロナに対応する専門病院をふやす場合の取り組みについて、入院、通院している患者さんや病院職員関係者に、あらかじめしっかりと説明した上で実施すべきと思います。その見解を伺いたいと思います。

○堤病院経営本部長 新型コロナウイルス感染症との闘いにおきましては、あらゆる事態を想定して、スピード感を持って医療体制を確保し、難局を乗り越えていかなければならないというふうに考えております。
 今後、新型コロナ対策を進める上で、病院の運営体制に変更が生じる場合には、受診する患者さん、そのご家族、そして勤務する医療従事者に対しまして、さまざまな方法で引き続き丁寧に説明を行ってまいります。

○やまだ委員 ありがとうございます。
 十分、組織全体で迅速な対応ができるよう、そのためには、それぞれの現場と都庁との意思疎通が一番だと思います。この点については丁寧に進めていただきながら、そして、何より患者さん、ご家族の方々に不安を与えないような、そういった取り組みをこれからも続けていただきたいと思います。
 その点について要望し、質問を終わります。

○のがみ委員長 本来でありましたら、谷村孝彦理事の質疑でございますが、省略をいたしまして、まつば多美子委員、お願いいたします。ご了承願います。

○まつば委員 昨年からの長きにわたる新型コロナウイルス感染症のご対応につきまして、病院経営本部の皆様、そしてまた医療従事者の皆様方におかれましては、大変なご尽力をいただいておりますことに、まず心より感謝を申し上げます。
 ことしの一月からは広尾病院、荏原病院、豊島病院の三病院が、特に新型コロナウイルス感染症重点医療機関としてご対応をいただいているところでありますけれども、広尾病院では、その運用を行うため、実際に入院をされていらっしゃる患者さんや入院を予定している患者さんに転院をお願いすることになりました。
 そうした中で、広尾病院で出産を予定していた二百名以上の妊婦さんに対し、都立、公社病院や近隣の民間病院への転院をお願いされたわけでございます。
 その際、妊婦さんから、ご心配やご不安の声を私もいただいたところであります。すぐに病院経営本部の皆様に、丁寧な転院調整やさまざまな支援についてお願いをさせていただきました。また、小池知事に対しましても一月十二日に申し入れをさせていただき、十分に配慮をするよう要請させていただきました。
 十四日には、知事は転院に伴って出産費用がふえた場合の差額分を支給するなど、最大限の支援を行う方針を表明されたわけでございます。
 そこで、広尾病院で出産を予定されていた妊婦さんの転院に当たり、都が行う支援の内容についてお伺いをいたします。

○西川サービス推進部長 妊婦さんの通常の出産に係る費用は保険診療の対象外であることを踏まえまして、今回の重点医療機関化に伴う転院をお願いするに当たりましては、広尾病院で出産した場合との差額などをご支援することといたしました。
 具体的には、妊婦の方が転院先で負担した出産費用のうち、ご自身の希望により利用された特別室に係る料金を除いた額と健康保険法等に基づき支給される出産育児一時金四十二万円との差額分や、また、転院先への通院に利用した際のタクシー代を支給するものでございます。
 また、転院した後も、妊婦さんからのお問い合わせや転院先の医師からの照会があった場合には、広尾病院のもとの主治医が対応することとしております。
 なお、広尾病院から他の医療機関をご紹介する際の診療情報提供料は無償としております。

○まつば委員 都が必要な支援体制を整えていることを改めて確認させていただきました。
 今回の支援に該当する妊婦さんの中には、既に転院先で出産をされ、支援金の支給を受けるため、申請書類を提出していらっしゃる方もおられるのではないかと思っております。
 そこで、今回の支援に係る申請の受け付け件数などの状況についてお伺いをいたします。

○西川サービス推進部長 広尾病院から他の医療機関への転院により支援の対象となられた妊婦さんは二百十九名いらっしゃいます。
 出産費用の差額やタクシー代の支給に当たりましては、申請書のほか、転院先で発行される出産等に係る診療費の領収証やタクシーの領収書の写しなどを妊婦さんから都に対してご提出いただきまして、都において書類を確認の上、支給をいたします。
 三月十五日の時点におきましては、七人の妊婦さんから申請をいただいておりまして、そのうちお二方については、書類の確認が終了し、現在、支給手続を進めているところでございます。
 今後も、妊婦さんから申請をいただいた場合は、速やかに手続を進め、出産費用を支給してまいります。

○まつば委員 今回の支援の対象となった妊婦さんは、出産間近になって転院となった方もいらっしゃり、心理的な負担も重く、さらには転院に伴う経済的な負担も加わったわけでございます。申請があった場合は速やかに支給の手続を行い、出産後間もない方々に安心していただくよう、丁寧なご対応をお願いいたします。
 広尾病院のコロナ重点医療機関化によりまして、転院が必要となった妊婦さんの中で、希望される方は、大塚病院や荏原病院で受け入れを行っていると聞いておりまして、都立、公社間の連携が機能しているということが実感をされたわけであります。
 産婦人科の安定的な運営に当たりましては、産科医の確保が非常に重要でありまして、これまで何度も議論されてきたとおりでありますけれども、都立、公社病院においても、こうした課題にしっかりと取り組み、産科の運営体制を維持することは大変に重要なことであると考えております。
 そこで改めて、都立、公社病院の産科設置の意義についてお伺いをいたします。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都内の分娩取扱施設は、平成二十年には百九十一施設あったものの、平成二十六年には百六十九施設となり、六年間で二十二施設が減少しております。
 都立、公社病院は、周産期医療を行政的医療と位置づけ、こうした分娩取扱施設が減少する状況におきましても、都民が安心して出産できるよう、必要な体制を確保することが必要と認識しております。
 都立、公社病院では、十四病院のうち、広尾病院、大塚病院、墨東病院、多摩総合医療センター、荏原病院、豊島病院の六病院におきまして産婦人科を設置しておりまして、令和元年は合計で五千八百三十一件の分娩を取り扱いました。これは、都内の総分娩件数十万二千九百八十九件の約六%を占めております。
 一方、都立、公社病院におきましても、一部の病院におきまして産科医の確保が困難となり、分娩の取り扱いを休止した時期もありましたが、人材確保を最優先に取り組むことで分娩の取り扱いを再開させるなど、都内の周産期医療体制の維持に努めてまいりました。
 今回の広尾病院の妊婦さんの転院に当たりましては、丁寧かつきめ細かく対応するとともに、安全に転院していただくことが極めて重要なことから、民間医療機関等への転院のほか、都立、公社病院のネットワークも活用し、大塚病院、荏原病院でも受け入れを行ったところでございます。

○まつば委員 都立、公社病院が、都の周産期医療提供体制の確保のために、産科の体制維持に尽力されてきたということでありました。
 とりわけ大塚病院では、平成二十九年度から大規模改修工事が行われておりまして、今年度は周産期部門の工事が予定されておりましたが、未受診妊婦さんやコロナに感染した妊婦さんへの対応など、引き続き重要な役割を担う必要がありまして、工事を延期していただいたことも承知をいたしております。そうしたご判断をされた病院経営本部の責任感というのは、私はあったというふうに思っております。
 そうした判断があったことによりまして、今回、転院が必要となった広尾病院の妊婦さんが大塚病院に円滑に転院することができたということで、大変安堵をいたしたところです。
 今後も、都の周産期医療提供体制の中核として、普通分娩はもとより、リスクの高い妊産婦さんに対する高度な医療について、引き続き重点的に担っていただくことをお願いいたします。
 次に、女性生涯医療外来について質問をさせていただきます。
 女性は、思春期からの長い人生の中で、女性ホルモンの変動によって、男性とは異なった心身の変化をしていくといわれております。このため、結婚、出産など、さまざまなライフステージを経ていく中で、こうした心身の変化に対応しながら、健康で充実した人生を送っていただくためにも、女性に対するきめ細やかな医療提供は極めて重要であると考えております。
 都議会公明党は、これまで一貫して、女性の心身にあらわれる症状を総合的に診療する女性専用外来の設置を提案してまいりました。のがみ純子議員が初めに提案をさせていただいたものでございます。
 平成十五年、二〇〇三年七月に大塚病院で開設以降、墨東病院、多摩総合医療センターの三病院での開設に結びついたものでございます。その後、十五年以上が経過をして、女性の活躍の場が多様な分野で広がるとともに、晩婚化などの婚姻に関する変化や平均寿命のさらなる延伸など、女性を取り巻く環境は大きく変化をしてきております。
 こうしたことを踏まえ、令和元年十月一日に、大塚病院におきまして、女性生涯医療外来をリニューアルオープンしております。
 そこでまず、従来の女性専用外来と現在の女性生涯医療外来のそれぞれの診療実績についてお伺いをいたします。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 大塚病院は、平成十五年七月に女性専用外来を開始し、女性特有の身体症状やストレスなどの心身の変調などを対象とした総合的な診療や、症状に応じて院内の専門医へつなぐ振り分けの機能を担っていました。
 開設初年度の平成十五年度の受け入れ患者数は千五百三十九人、平成十七年度には過去最高の三千七十一人を受け入れましたが、その後、院内体制の変更やレディースクリニック等の増加により、女性専用外来が民間のクリニック等にも定着してきたことから、大塚病院の平成三十年度の受け入れ患者数は三名となりました。
 一方、令和元年十月一日に開設した女性生涯医療外来につきましては、令和三年二月までの一年五カ月の合計で二千百十三名の受け入れを行いました。

○まつば委員 冒頭申し上げましたとおり、最初に女性専用外来を開設してから十五年以上が経過して、近年の受け入れ患者数は減少の一途をたどっていたということでありますが、女性生涯医療外来へと新しい展開をすることにより、受け入れの患者数が急激に増加へ転じたということだったと思っております。
 それでは、大塚病院の女性生涯医療外来はどのようなコンセプトでグレードアップを図ってきたのかお伺いをいたします。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 大塚病院では、従来の性差を考慮した女性特有の病気に対する専門医療のみならず、女性のライフスタイルの多様化に伴う新たなニーズにも対応するため、従来の女性専用外来を女性生涯医療外来として再構築し、複数の診療科や職種の緊密な連携のもとで運営することといたしました。
 具体的には、女性医師による女性総合外来を初め、思春期成長外来や内視鏡外来など、さまざまな専門外来が緊密な連携のもとで、女性のライフステージに応じた幅広い疾患に対応しています。
 また、看護師等による女性医療コンシェルジュを新たに導入し、受診に至らない段階から、若者や働く方なども含めたさまざまなライフスタイルの女性の不安等に寄り添いながら相談に応じ、各専門外来へつなぐとともに、患者さんの状況に応じた関係機関への橋渡しなど、ワンストップで切れ目なくサポートしております。
 この女性生涯医療外来を開設するに当たっては、令和元年十二月に開催したTokyoヘルスケアサポーター養成講座で案内を行ったほか、民間の病院情報サイトへの院長メッセージの掲載、院内公開講座でのPR、医療連携訪問時のチラシの配布、病院ホームページへの掲載等を行いました。

○まつば委員 ご答弁で詳しくご説明いただきましたけれども、現代の女性のニーズに合った運営体制に改善をしていただき、また、さまざまな悩みを抱える女性をワンストップで切れ目なくサポートする体制を整えていただいたということであったと思います。
 また、さまざまな悩みを抱える女性に寄り添う取り組みとして、これまで以上に利用しやすい受診環境を整えるため、紹介状によらなくても気軽に相談などができるコンシェルジュ機能を新たに導入するなどの機能強化も図っていただいております。
 今後もさまざまな悩みを抱える女性に寄り添った運営をしていただくよう要望させていただきます。
 また、Tokyoヘルスケアサポーター養成講座につきましては、一昨年の十二月には私も参加をさせていただき、大塚病院の女性医師の講義を受けさせていただきました。女性特有の悩みや病気についてさまざまな角度から学ばせていただいたところでございます。
 他の委員から質疑がありましたので割愛をしたいと思いますけれども、年度内に講座内容を、ウエブを活用し、動画で配信するよう準備を進めているというようなご答弁等々が予定されておりましたけれども、特に私が申し上げておきたいのは、コロナ禍でありますけれども、だからこそ、ぜひ多くの都民の皆様にご受講いただける機会を工夫していただいて設けていただきたい、このように思っておりますが、病院経営本部長、よろしいでしょうか。

○堤病院経営本部長 ただいまお話しいただきましたとおり、Tokyoヘルスケアサポーター養成講座につきましては、第一回目から非常に多くの聴講生の方においでいただきまして、まつば委員にもご出席をいただきました。
 これからも、健康の保持というのは、とにかく都民が活躍する、それから女性活躍ともいわれておりますので、その礎でございますので、多くの方が興味を持つ、あるいは、私、女性の回にも申し上げましたけれども、女性の健康は女性だけが聞いて理解すればいいものではなくて、やはり男性も理解をする。それから、フレイルであれば、年長者の方だけではなく、若い方もフレイルについてきちんと理解をすることが都民全体が健康になると、こういうことであろうかと思いますので、テーマ選定から、方法−−ICTといいましても、場合によりましては、高齢者の方はなかなかICTになれていらっしゃらないということもございますので、そのあたりもきちんと工夫をしながら、Tokyoヘルスケアサポーター養成講座を充実してまいりたいというふうに考えてございます。

○まつば委員 急にお答えいただいてありがとうございます。
 今、病院経営本部長からもありましたけれども、女性の特有の疾患、さまざまな、そういうお話でしたけれども、やはり男性の方も知っていただく、こういうことが大事だというお話でありました。
 やはり、そういったことも含めまして、都民の皆様方がこの講座を通して、健康ということについて、さらに知識も深めていただいて健康増進を進めていただく、こういう取り組みを進めていただきたいと思っております。
 最後に、コロナ後遺症相談窓口について質問をいたします。
 都議会公明党は、本会議代表質問におきまして、新型コロナウイルス感染後、回復したものの、強い倦怠感や気持ちの落ち込みなどの後遺症に苦しむ方がふえていることを踏まえまして、専用相談窓口の必要性や、実態調査をし、その結果を踏まえ後遺症の対策を講じるべきと質問いたしました。さらに、先日の予算特別委員会で、私も、この点をさらに質問をさせていただきました。
 それに対し知事からは、都立、公社病院の患者支援センターで、今月をめどに新たにコロナ後遺症相談窓口を設置する等の答弁があったところでございます。早期の運用開始が望まれております。
 そこで、都立、公社病院におけるコロナ後遺症相談窓口の現在の検討状況についてお伺いをいたします。

○西川サービス推進部長 都立、公社病院の患者支援センターにおきましては、医療ソーシャルワーカーや看護師等の職員がそれぞれの専門性を生かしながら、患者さんやそのご家族の相談に当たっております。
 新型コロナウイルス感染症の後遺症につきましては、現段階では実態が明らかになっておらず、治療法も確立されておりません。
 新たに患者支援センターに設置するコロナ後遺症相談窓口では、息苦しさやせきなどの呼吸機能を初めとした後遺症の相談に応じることといたしております。
 現在、本部では、病院の意見を聞きながら、相談に対応する職員の職種、相談で把握すべき項目、相談後の対応などについて、各病院の提供する医療の特性を踏まえて検討しておりまして、三月中の窓口開設に向けて準備を進めております。

○まつば委員 これまで多くの新型コロナウイルス感染症患者さんを受け入れてきた都立、公社病院に相談の窓口が設置されることは、後遺症に苦しまれておられる患者さんにとって心強いものとなり、また、都民の皆様にとっても安心できるものになると考えております。
 一日も早く体制を整えて運用を開始いただきますよう取り組みをお願いいたしまして、質問を終わります。

○藤田委員 新型コロナウイルス感染症患者の受け入れに当たっては、都立病院、公社病院がその役割を大いに発揮をしております。改めて、医療現場で奮闘している皆さんに心から敬意を表したいと思います。
 新型コロナウイルス感染症への対応が始まって約一年が経過しましたが、現在も有効な治療法は確立しておりません。加えて、後遺症についても、想像以上に幅広い年齢層で続いているということがわかってきました。新型コロナウイルスは、細胞の中でふえるので、ふえた場所によって症状や後遺症もさまざまです。
 こうした中、多くの症例を蓄積して分析することが治療法の開発などを行う上で非常に有効だと考えます。都内では、都立病院と公社病院が最も多くコロナ患者の入院を受け入れてきていますので、退院後の症状についても、まとまった検証をすることができるのではないかと思います。
 そこで伺いますが、これまで都立病院と公社病院では、何人の新型コロナ患者の入院を受け入れてきましたか。また何人の方が回復して退院されたのか伺います。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 令和二年一月二十九日から令和三年二月二十六日までのコロナ患者の受け入れ数ですが、都立病院が三千七百九十七名、公社病院が三千二百六十四名で、合計七千六十一名でございます。
 また、退院数は、都立病院が三千三百二十五名、公社病院が二千九百十七名で、合計で六千二百四十二名でございます。

○藤田委員 約一年で、都立病院、公社病院で合わせて六千二百四十二名の方が回復し、退院されているということです。
 東京iCDC専門家ボードの大曲貴夫医師が公表した後遺症に関する疫学調査によると、国立国際医療研究センターでは、昨年二月から六月に退院した七十八名の新型コロナ感染症回復患者に対して聞き取り調査を行ったところ、二カ月で四八%、四カ月たっても二七%の患者で何らかの後遺症を認めたとしています。
 新型コロナ感染症は、重症化する方の割合は高齢者が多く占めていましたが、後遺症については若い世代でも高い割合で認められていました。
 都立病院や公社病院の患者支援センター等に、退院した回復後の方からの問い合わせはありましたか。また、その中で後遺症に関する診療の希望はありましたでしょうか。

○西川サービス推進部長 個別の事例については把握しておりませんが、退院後の患者さんから何例かご相談等があったと聞いております。

○藤田委員 事例の把握はしていないということですけれども、多くの新型コロナ患者の診療を行った都立病院と公社病院こそ、多くの患者のデータが集まっているわけですから、コロナ後遺症に関しても、都立病院、公社病院で症例の蓄積をしていくことを求めたいと思いますが、いかがですか。

○西川サービス推進部長 新型コロナウイルス感染症の後遺症に関しましては、それぞれの病院の提供する医療の特性を踏まえて相談窓口の設置を検討しているところでございまして、ここで相談に応じるとともに知見を蓄積していくこととなります。

○藤田委員 相談窓口での対応に限らず、新型コロナ患者の診療を行った都立病院と公社病院で、後遺症に関しても症例の蓄積を行うことを求めます。
 また、その場合、どういう知見を蓄積するかが共通認識となっている必要があります。ぜひ、後遺症の分析、研究に生かせるようにしていただきたいと思います。
 あわせて、今答弁のあった都立病院、公社病院の患者支援センターを初め、新型コロナ回復後の相談と診療を実施すべきと思いますが、見解を伺います。

○西川サービス推進部長 新型コロナウイルス感染症の後遺症を含めまして、都立、公社病院を退院した後に体調不良等のご相談があった場合は、症状を確認の上、軽微な症状の場合には、まず、かかりつけ医にご相談していただくことになります。
 息苦しさや呼吸機能にかかわる症状があるなど医師が必要と判断した場合や、かかりつけ医がいない場合には、感染症科等の外来で対応することとしております。

○藤田委員 ちょっと確認をさせていただきたいのですが、かかりつけ医や感染症科等での対応ということでしたが、患者支援センターでも相談対応をするということでよろしいでしょうか。

○西川サービス推進部長 今、ご答弁申し上げましたように、都立、公社病院を退院後に体調不良になった患者さんにつきましては、症状を確認の上、かかりつけ医等に相談をしていただいているところでございます。
 そういった都立、公社病院から退院をされた患者さんについて、患者支援センターは、その相談の窓口となっております。

○藤田委員 患者支援センターは総合相談窓口ということですね。ちょっと済みません、うまく聞こえなくて。
 症状が軽微ならかかりつけ医、重ためなら診療を行うと。症状によって形式的な対応をするのではなくて、症状は軽微だったとしても、やっぱり症例の蓄積が大事だと思っておりますので、どのような症状がいつから続いているのかなど、聞き取りによる調査もあわせて実施していただきたいと思っております。要望いたします。
 次に、この間、繰り返し求めていることですが、都立病院と公社病院での院内感染を防ぐための守りの検査を実施することについて伺います。
 三月十二日、東京iCDC専門家ボードから、感染再拡大の防止に向け、さらなる取り組みの強化として戦略的検査の実施が提言されました。
 これまで都立病院では、症状がある場合などに医師の判断で検査を実施しているとしてきましたが、やはり、無症状者から感染が広がることを防ぐためには、可能な限り早期に感染者を発見する定期的なスクリーニング検査が重要だと思っております。
 東京iCDC専門家ボードの提言では、入院重点医療機関などで定期的スクリーニング検査を行うとしています。
 東京iCDC専門家ボードの提言を受け、都立病院、公社病院の職員や患者等に対する定期的スクリーニング検査の実施を求めますが、いかがですか。

○西川サービス推進部長 都立、公社病院におきましては、院内で感染が複数確認された場合や、患者及び職員の個々の状況に応じて医師が必要と判断した場合に、症状の有無にかかわらず検査を実施して感染防止に努めているところでございます。
 本年三月十二日に開催された東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議におきまして戦略的検査の実施が提言され、検討施設として入院重点医療機関、療養病床を有する病院、高齢者施設等が示されていることは承知しております。
 今後、提言に基づき実施される都の施策に合わせて、都立、公社病院においても適切に対応していくものと考えております。

○藤田委員 入院重点医療機関などについては、優先して実施する施設ということで検討されております。まさに都立病院と公社病院を含む医療機関だと思います。
 また、同日のモニタリング会議では、今後、変異株により急激に感染の再拡大が起こる可能性があり、いま一度、感染防止対策を徹底する必要があると指摘されております。
 院内感染が一たび起きれば、感染経路などの調査や職員体制の変更など、さまざまな負担が発生します。医療機能の縮小になることもあります。都は、定期的スクリーニング検査を実施する方向で検討しているわけですから、都立病院、公社病院では、速やかに職員、患者等に対する検査を実施していただくよう求めます。
 昨年一月二十九日に中国武漢からチャーター機で帰国した新型コロナ疑い患者の受け入れから約一年、都内での感染拡大が繰り返されるたびに、都立病院、公社病院では、コロナ患者の受け入れと診療のために、その医療機能や病棟、病床の使い方、人の配置などを大幅に転換しながら、今日まで都民の命と都内の医療機能を支えてきました。
 職員が安心して働ける環境をつくるために、院内感染対策としての定期的なスクリーニング検査を行うとともに、職員の体制強化とさらなる処遇改善を進めていただくよう求めまして、質問を終わります。

○のがみ委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時休憩

   午後三時十五分開議
○のがみ委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○森澤委員 私からは、三点お伺いをさせていただきます。
 まず、コロナ禍における受診控えについてお伺いいたします。
 都内に限らず、そして都立病院に限らずのことではありますが、特に新型コロナの新規感染者数が増加している時期には、各医療機関で受診控えがふえる傾向にあるということで、特に小児科や耳鼻科等で対昨年比でマイナスの割合が高いということも、日本臨床実態調査のデータにより明らかになっています。
 受診控えは、さまざまな疾患の早期発見や予防を行えなくなるという健康上のリスクを高めることにもつながります。
 こういったことについて、都立病院としてはどのように対応しているのか、見解を伺います。

○谷田経営企画部長 現在、全ての都立病院において、新型コロナウイルス感染症患者を受け入れております。
 病院で感染してしまうのではないかと不安を感じる患者さんもいらっしゃると想定し、受診が必要な患者さんが安心して来院できるよう、それぞれの病院のホームページにおきまして、動線の分離や専門のスタッフの配置など、患者が院内で感染しないための具体的な取り組みを行っていることを周知しております。
 今後とも、患者さんが安心できるよう情報の発信に努めてまいります。

○森澤委員 都立病院は、行政的医療を担う役割が大きいというところから、特に現在は、集中的に新型コロナの患者の治療を一手に引き受けてくださっている一面がある一方、過度な受診控えにつながらないよう、患者さんが安心して受診できる環境の整備を進めてくださっていることはわかりました。
 そういったことが、コロナ以外で受診をされたいという方にご理解いただけるよう、引き続き積極的な周知をお願いいたします。
 次に、患者支援センターのオンライン相談についてお伺いいたします。
 患者さんが安心して地域生活へ復帰できるよう支援する患者支援センターの重要性は高まっていると考えます。そういった中で、来年度、オンライン相談の費用が計上されています。
 こちらの内容につきましては、既に質問が出ましたので割愛をさせていただきまして、私からは一点、患者さんには高齢者の方も多くいると思われます。オンラインに対応する機器等を使いこなせないといったことも想定されます。
 患者さん側のオンライン対応についても支援が必要だと考えますが、見解を伺います。

○西川サービス推進部長 都立病院の患者支援センターで実施するオンライン相談は、一般的に広く普及しているインターネットを用いたテレビ会議システムを使用する予定でございます。
 入院中の患者さん等は、病院のタブレット端末を使用していただきまして、また、ご自宅等にいらっしゃる患者さんやそのご家族の場合は、ご自身のスマートフォンやパソコンを用いてテレビ会議システムに接続をしていただきます。
 相談する患者さん等のご負担を軽減するため、ウエブサイト上の会議室の立ち上げは病院の職員が行いまして、また、例えば、ご高齢の患者さんがご自宅等から相談を行う場合は、パソコン操作に対応できるご家族に対して電話を通じてシステムへの接続方法をご案内するなど、必要な支援を行ってまいります。
 なお、テレビ会議システムを使用できない患者さんやご家族につきましては、対面による相談も引き続き実施してまいります。

○森澤委員 対面を進めながら、オンライン相談も、必要な方にはしっかりと丁寧なフォローをしていくということで、よろしくお願いいたします。
 最後に、看護師の働き方改革の推進についてお伺いいたします。
 看護補助者の導入の重要性については、一年前の厚生委員会でも、斉藤れいな議員から質問させていただいております。
 先日の委員会でもお伺いさせていただきましたが、コロナ専用施設でも、清掃や消毒について民間委託をされているなど、看護師の負担軽減に取り組んでいると同様、今後、通常医療でも、引き続き看護師の負担軽減を推進していく必要があると考えます。
 そこで、今年度の看護補助者の配置の状況とその成果、今後の取り組みについてお伺いをいたします。

○谷田経営企画部長 都立病院では、今年度、大塚病院、墨東病院、多摩総合医療センターにおいて看護補助者を配置しております。
 看護補助者が食事介助及び入浴介助などを補助することによりまして、看護師の負担が減少し、患者の処置や重症患者への対応に集中することが可能になるとともに、患者さんの要望に迅速に対応できる体制が整備されたところでございます。
 引き続き、各病院の実情を踏まえた看護補助者の活用を進め、看護師の負担軽減や専門性を発揮できる職場環境を整備してまいります。

○森澤委員 今年度、配置を進めてくださっているということを確認させていただきました。
 今後も、実情を踏まえ活用を進めてくださるということですので、看護師が医療行為の従事に専念できるよう、ぜひ取り組みを進めていただきたいと思います。
 特にコロナ患者の受け入れを進める重点医療機関においても、高齢の患者の方は、入院中に体力が落ちてしまい、さまざまな介助が必要となるケースもあるというふうに伺っています。柔軟かつ早急に看護補助者を適切に配置していただけるよう要望をさせていただきます。
 また、看護師のスキルアップやキャリアアップも重要です。都としてどのような支援を行っているのかお伺いいたします。

○谷田経営企画部長 医療技術が急速に進歩する中、都立病院が質の高い医療を提供していくために、患者さんの身近にいて直接ケアを担う看護師が、スキルアップやキャリアアップを図れる環境を整備することは重要であると考えております。
 そのため、都立病院では、東京看護アカデミーにおいて、一人一人の習熟段階に応じてキャリアアップを組織的に支援しているほか、専門看護師や認定看護師などの資格取得に係る費用や服務上の支援を行っております。
 さらに、最新の知識や技術の習得、研究発表を支援するため、専門図書の購入や学会への参加費なども負担しております。
 今後とも、職員が日々進化する医療技術に対応できるよう、スキルアップやキャリアアップを図れる環境を整備してまいります。

○森澤委員 主に経費等の支援を行っていることはわかりました。
 実際に、都立病院に勤務する看護師の方からは、スキルアップやキャリアアップを目指し、看護研究の論文作成などを行う場合、休日や深夜の勤務時間外に行うことが推奨されているということが、家庭との両立などにおいて負担となっているという声もいただいております。
 医療従事者の研究や研さんは、提供される医療の質向上のためにも大変重要なものであり、勤務時間において、その業務が進められるよう、ぜひ福祉保健局とも連携して、国にガイドラインや診療報酬の改定等を要望していただきたいと申し述べ、私からの質問を終わります。

○小宮委員 コロナ禍において、都立病院は、都の医療政策の一環としてコロナの対応病床を確保してきました。本年二月には、公社病院も合わせて千七百床のコロナ病床を確保することで、都のコロナ対策に貢献をしてきたと思います。
 また、そうした病床確保という量的な面だけでなくて、質的な面においても他の医療機関では受け入れが困難な患者に積極的に対応して、コロナ禍でも都民の多様な医療ニーズに的確に応えてきております。
 例えば、コロナに感染した妊婦を受け入れたり、また言語や宗教、文化の違いに関する対応が必要な外国人、こうした方の受け入れであったり、それから小児を含む親子の入院、島しょ地域からの搬送にも対応するなど、他の医療機関では受け入れにくいとされているさまざまな症状や背景を持ったそうしたコロナ患者を受け入れてきていただいています。
 また、特に高齢者施設のクラスターが今もって課題となっているわけですけれども、入院受け入れが難しい患者背景の一つとして、そうした高齢者の中には、認知症の疾患がある感染者に関しては、やはり徘回してしまったり、治療に必要な器具をみずから外してしまうということで、感染対策の徹底が難しいことから、どうしても受け入れをしてくれる病院というのが限られてくるというふうな課題が、今もってあるというふうに伺っております。
 そこで、認知症など精神疾患があるコロナ患者の受け入れに当たりまして、精神科医療の専門病院であります松沢病院、この役割について伺います。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 松沢病院は、都の精神科医療の拠点として、コロナ専用病床十八床に加え、患者急増時には機動的に増床することで、他の医療機関では対応困難な精神疾患がある患者さんを中心に、これまで約二百二十名を受け入れてまいりました。
 また、重症化した際には、人工呼吸器を使用するなど、高度な医療も提供しております。
 さらに、他の精神科病院で患者さんの院内感染が発生した場合には、松沢病院職員が訪問し、患者さんの容体確認や、松沢病院等への転院に向けた患者トリアージ、感染管理助言等の支援にも取り組んでおります。
 今後も、回復期にある患者さんを地域医療機関で受け入れていただくなどの役割分担や連携を図ることで、急性期患者さんを積極的に受け入れ、コロナに感染した精神疾患患者さんのセーフティーネットとしての役割を果たしてまいります。

○小宮委員 既に松沢病院においては、地域の医療機関と連携もできているし、役割分担も進んでいるということが確認できます。
 こうした感染症も含めた対応は、独法化後に当たっても、定款に明記をされ、実施をされるということを、さきの予算特別委員会の我が会派の代表質問において確認をさせていただいておりますが、松沢病院に限らず、都立病院の持つ専門性を生かしながら、受け入れが困難とされる患者への対応などを実施するとともに、それぞれの地域医療の充実にも努めていただきたいと要望しておきます。
 それから、コロナへの対応には、感染症の専門医を初め、呼吸器管理やECMOを取り扱うことのできるそうした医師などの幅広い分野の専門医が協力して治療に当たっております。
 今回のコロナの一連の対応を見ておりますと、やはり大切なのは、箱をつくればよしではなくて、そこを支える医療の中核を担う医師や看護師、こういった方々を安定的に確保、育成していくということだと思います。
 東京医師アカデミー、平成二十年度に東京都が創設をしておりますけれども、まず、これまで医師の育成についてどのように取り組んできたのか伺います。

○谷田経営企画部長 東京医師アカデミーでは、八つの都立病院と六つの公社病院が一体となって、合わせて約七千床のスケールメリットと豊富な症例を生かした魅力あるプログラムを提供し、総合診療能力と専門臨床能力をあわせ持つ質の高い医師の育成に取り組んでまいりました。
 さらに、感染症医療や災害医療の研修、ERにおける救急医療の研修、島しょ医療機関への派遣などを通じまして、他の医療機関では従事する機会が少ない行政的医療についても経験し、都立、公社病院の役割についても理解することができるプログラムとなっております。
 例年百名を超える若手医師を採用しており、毎年度の修了生の進路を見ますと、研修修了者の半数が都立、公社病院に勤務し、修了生全体の七五%以上が東京の医療現場で勤務するなど、東京における医師の確保、育成に貢献してきたと認識しております。

○小宮委員 東京医師アカデミーの創設から十年以上が経過しまして、この間、安定的に医師の確保、育成に取り組んできたということでした。
 また、コロナの重症患者や中等症患者を受け入れた都立、公社病院では、患者さんをケアする看護師にも、呼吸器の管理など専門的な知識や高い技術が求められました。
 質の高い医療を提供していくためには、ふだんからのそうした看護師の人材育成も重要となってまいります。
 そこで、都立、公社病院では、看護師の育成にどのように取り組んでいるのか伺います。

○谷田経営企画部長 都立病院では、東京看護アカデミーにおいて、新人からベテランまで一人一人の習熟段階に応じてキャリア形成を組織的に支援する研修体系を構築し、看護師の育成に取り組んでおります。
 具体的には、看護師としての自立を目指す基礎コースに始まり、高度な看護実践能力や管理能力を高めるコースなどを設け、各人がキャリアプランに基づき、日々進化する医療技術に対応できるスキルを磨いております。
 また、感染管理や救急などの分野において卓越した看護技術を有する看護師を育成するために、専門看護師や認定看護師の資格取得の支援にも取り組んでおります。
 また、公社病院におきましても、都立病院と同様に、体系的に水準の高い看護師の育成に取り組んでいるところでございます。

○小宮委員 東京医師アカデミーや東京看護アカデミーを通じて、医師や看護師とも着実に人材を育成しているということがご説明されました。
 今後、都立病院と公社病院は、一体的に地方独立行政法人に移行されるということに、まあ予定していますけれども、独法化後、人材育成にどのように取り組むのか確認します。

○谷田経営企画部長 新法人でも、引き続き行政的医療の安定的かつ継続的な提供と地域医療の充実への貢献という役割を果たしていけるよう、その実現に貢献できる人材を育成していくことが重要であると考えております。
 都立病院、公社病院では、総合診療能力を有する医師や専門分野で高い実践能力を発揮できる看護師など、行政的医療を適正に都民に提供できる人材の育成に取り組んでまいりました。
 法人移行後は、これまでの取り組みに加えまして、地方独立行政法人のメリットを生かして、民間医療機関や訪問看護ステーションへの診療応援や技術協力等の人材交流を進めることにより、地域医療の実情を理解し、地域医療の充実に貢献できる人材の育成にもしっかりと取り組んでまいります。

○小宮委員 そうすると独法化後も、今まで東京医師アカデミー、東京看護アカデミーで培ってきた人材育成の仕組みであるとか、ノウハウは引き継がれるというふうに考えてよろしいんでしょうか。

○谷田経営企画部長 基本的には、今まで培ってきたその経験、知見等を新法人でも引き継いでまいりたいというふうに考えております。

○小宮委員 ありがとうございました。
 専門性や高い技術を備える人材の育成というものが、独法化後は、またさらに地域医療にも貢献できるように取り組んでいっていただきたいと要望しておきます。
 去年も確認をしているので、広尾病院の整備事業について質問します。
 広尾病院は、災害、島しょ、救急医療の拠点、また一月からはコロナの重点医療機関となったというお話も先ほど来出ておりますけれども、都の医療提供体制において重要な役割を担っています。
 この広尾病院については、昭和五十五年の十月に竣工以来四十年が経過していまして、施設、設備面の老朽化が進んでおります。
 広尾病院の整備については、日常の医療を継続しながら、あの狭い敷地の中で工事を順次進めていくために、既存の施設の解体、新施設の建設、既存施設からの新施設への機能移転、こういったことがこれから予定されている、計画をしていかなければならない大変な工事になるわけですけれども、広尾病院の整備に向けて、現在どのような取り組み状況か伺います。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 広尾病院の整備を検討するため、総合評価一般競争入札によりまして、令和二年八月にPFIアドバイザーと業務委託契約を締結いたしました。
 契約締結後は、技術面、法務面、財務面で専門的な知見を有するPFIアドバイザーの助言を受けながら、広尾病院の現場とのヒアリングを重ね、現在整備に向けた詳細な検討を行っております。
 具体的には、現地建てかえ工事期間中の広尾病院の診療機能の維持や、患者及び病院スタッフの利便性のさらなる向上、患者動線への配慮、工事騒音、振動等への配慮など、さまざまな重要課題について検討を進めております。

○小宮委員 昨年度の質疑では、PFI方式の導入の適否について決定をする特定事業の選定手続は、アドバイザーとの委託契約締結から一年かけて詳細な検討を行うとの答弁があったところなので、今のご答弁では、令和二年の八月にそのアドバイザーと契約を結んでいますから、ここから一年かけて検討をするわけだと思います。
 そうしたことも含めまして、広尾病院の整備手法の決定に向けて、今後のスケジュールを確認します。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 令和三年度は、PFIアドバイザーと業務委託契約を締結する経費として、六千万円を予算案に計上しており、広尾病院の整備に向け、さまざまな重要課題について、より一層の詳細の検討を行っていく予定です。
 本年秋以降には、PFI法に基づく実施方針を策定、公表し、PFI事業として実施することが適切と判断した場合には、特定事業に選定していきます。

○小宮委員 広尾病院について、来年度はPFI事業として特定事業に選定していく予定というふうに受けとめました。
 既にPFIというのは、多摩、小児であったり駒込だったり松沢などで実施をされております。
 そうした病院においては、整備手法の一つとして実施をされているものですけれども、今後、独立行政法人化した後は、都立と公社十四病院のスケールメリットを生かすという点からも、このPFIを十五年ですとか一定の期間実施をしていくことになっておりますけれども、そうしたPFIを採用している病院とそれ以外の病院の間の調整であったり、考え方の整理も今後は必要になってくるんであろうというふうに思います。
 広尾病院については、大変狭い土地の中での現地再整備であったり、長期にわたる工期、こういったやりくりなどを考えると、PFI事業が適当というふうな形で検討されているものと理解をいたしますけれども、独法化後のメリットというふうにいわれるものの整合性なども含めて、このPFI事業と独法化後の考え方、今後、その整理に関して注視をしていきたいということを申し上げまして、質問を終わります。ありがとうございました。

○白石委員 私からも、独法化について質問をいたします。
 先日の予算特別委員会では、独法化の狙いについて、都の財政負担の削減であるということを改めて明らかにいたしました。財政負担の削減という目的を達成させるためには、稼ぐ医療に転換する、これが迫られるんだということも予算特別委員会で申し上げました。
 収支が改善されるほど都の財政負担が減らされ、さらなる効率化を迫られるという、こういうサイクルに陥ります。それが独法化という経営形態であるということは、この間、資料もそうですし、全国の独法病院の実態なんかも明らかにしながら指摘をいたしました。
 初めに、基本的なことを伺いたいと思いますが、不採算医療というのはなぜ不採算となるのか伺いたいと思います。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 不採算となる医療は、対象となる患者さんがいない場合であっても、常時その医療の提供に必要な医師、看護師等の人員や空きベッドを確保するとともに、さまざまな医療資器材を準備しておく必要がある一方で、これらに要する経費が診療報酬で十分に反映されないことなどから不採算になるものと認識をしております。

○白石委員 今、答弁あったように、例えば、感染症医療や救急、それから周産期、障害医療、島しょ医療などは、一般的医療の体制だけでは提供し切れないため、人材も医療機器などもあらかじめ整備をしておく必要がある。しかし、必要とする体制整備を行おうとすれば、これは現在の診療報酬だけでは赤字になってしまうと。民間の医療機関では当然担い切れないということになります。それが具体的な答弁だったと思います。
 不採算であっても都民に必要な医療を提供するのは、やはり東京都の責務だからこそ、都が責任を持って必要な人員を確保して、そして財政をしっかりと投入することが何よりも重要だというふうに思います。
 つまり、都が直接責任を持つ形態こそが、安定的に不採算医療を提供する一番の保障であるというふうに改めて申し上げたいと思います。
 不採算の行政的医療を都民に安定的に提供するためには、これも繰り返しいっておりますけれども、都の財政負担は生命線であると。これは多分間違いのない事実かと思います。皆さんとも共有できると思います。
 ところが、この生命線である自治体の財政負担が、先行して独法化した大阪では、例えば第三期中期目標期間の二〇一七年度から二〇二〇年度までの各年度の当初予算において、前年度比一億円の削減を行うと、はっきりと資料にも示されております。きょう持ってきましたけれども、予算特別委員会でも皆さんにお配りをしましたので、当然ごらんになっているかというふうに思います。
 削減は毎年積み上がっていきますから、これまでに、資料を見る限りでも十億円もの負担金が削減をされています。まさしく、一律削減だと思います。
 そして、さらなる縮減に向けて検討、協議をすると、これも開示資料で書いてあるんですね。第四期中期目標の五年間、今第三期で、次の第四期の五年間、その次の第五期も一律一億円削減すると、表ではもう既に書いてあるという状況です。
 これまで東京都は、都立、公社病院の独法化の検討段階から、大阪を改善事例として評価をしてきました。これも資料で明らかですので事実です。
 都立、公社病院の独法化を検討する際に、大阪府立病院機構にヒアリングを行っていると思いますが、大阪の財政負担の削減については、その際、聞き取ったのかどうか、まず伺いたいと思います。

○船尾計画調整担当部長 大阪府立病院機構へのヒアリングでございますけれども、運営費負担金の状況について聞き取りを行っております。

○白石委員 今、運営費負担金、つまり大阪府の財政負担、これがどうなっているかという聞き取りを行ったということを認めました。
 聞き取りを行ったということですけれども、運営費負担金、つまり大阪府の財政負担はどのようになっていると聞いたのか、具体的に内容を説明していただきたいと思います。

○船尾計画調整担当部長 ヒアリングでございますが、独法の運営状況のヒアリングということでお伺いをさせていただいております。
 職員採用ですとか、あるいは予算ですとか、執行等のほかに、先ほどの運営費負担金につきましても聞き取りを行っておりますが、具体的な内容につきましては、公開を前提に聞き取りをしたものではございませんので、この場ではお答えの方は差し控えをさせていただきたいと思います。

○白石委員 つまびらかに全部明らかにしろとはいいませんけれども、確認ですけど、毎年一億円ずつ削っていくと−−運営費負担金の話をしたということですから、一律に毎年一億円機械的に削減していくよというようなことというのは、お聞きになったことはあるかないか、それだけお答えください。

○船尾計画調整担当部長 先ほどもご答弁いたしましたとおり、公開を前提に聞き取りをしたものではございませんので、この場ではお答えを差し控えさせていただきますが、公開されている資料ですと、運営費負担金につきましては、減少している年もあれば増加をしている年もあるということを確認しております。

○白石委員 公開されている資料を見ればというふうにいいましたが、私たちは大阪に情報開示請求をかけまして見ましたけれども、毎年一律一億円が削減をされています、これは大阪府立病院機構の方から取り寄せましたので。
 だから毎年、運営費負担金、上限があるというふうにいわれますけれども、この仕組みというのは、まず運営費負担金がありまして、計算上積み重なってこのぐらいが必要だよと、そこから毎年一億円を削減していくということなんです。
 だから、毎年いろいろ増減はあるというのは確かだと思いますが、そこの計算が積み上がった運営費負担金の総額から毎年一億円を削減していくと。これが大阪府のやり方なんですね。これ事実だということなんです。
 これは公開前提ではないので、この大阪の運営費負担金については、聞き取ったは聞き取ったけど中身はいえないよということはわかりました。
 ただですね、これ聞き取った際に、このことというのは多かれ少なかれ、やはり独法化するに当たってどうですかというふうなのは、多分聞いているのかなというふうにも思っております。
 この一律削減が、これまでもずうっと私も指摘をしてきましたけれども、やはり起こり得ると。こういうことが大阪を見れば、情報開示請求をかければわかりますので、こういう前提で独法化を進めようとしてきたということです。
 なぜそういうことを−−要するに全国の独法、先ほどもいいましたけれども、病院経営本部は独法化を検討する際に、この大阪府立病院機構、それから神奈川なんかも、これまで改善事例として取り上げてきている、具体的に評価しているわけですね。
 そういうふうな中で、この不採算医療の、行政的医療の生命線であるこの財政負担がどうなってしまうのかというのは、一番、本来であれば調べなければいけないですし、調べたのであろうとも思いますが、なぜこういうことを都民や議会に説明をしなかったのか伺いたいと思います。

○船尾計画調整担当部長 運営費負担金でございますけれども、採算の確保が困難な行政的医療を提供するために不可欠な経費であるということでございますが、一方で独法の制度でございますが、交渉権入札など新たな契約制度の導入等によって、できる限り効率的、効果的に運営をしていくものでありまして、医療水準を下げることなく、むしろ今以上に保ちながら、効率化によって費用を節減して収益を上げていく、そういった制度でございます。
 一方、医療の提供状況を見ますと、大阪につきましても評価結果を見ますと、全体として中期目標を十分達成しているというふうに評価をされておりまして、適切に医療が提供されているというふうに認識をしているところでございます。

○白石委員 私が今質問したのは、全国の、先行して独法化されたこういう自治体の財政負担が、一律、機械的に大阪なんかは削減されていますよと。こういうことをなぜしっかりと、都民や議会に対してこれまで説明してこなかったのかということを聞いているんです。もう一度お願いします。

○船尾計画調整担当部長 私どもも全国都道府県の独法法人の運営費負担金の状況、初年度がどうだったのか、現在がどうなのかということを調べておりまして、ほぼほとんどの法人で、何というんでしょう、先ほど申し上げたような状況によって、ふえているところもあれば減っているところもあるというところでございます。

○白石委員 だったら、大阪も調べたということでよろしいですか。

○船尾計画調整担当部長 大阪府につきましても、公開資料を拝見いたしまして、状況は把握をしているというところでございます。

○白石委員 ということは、一律に削減をしてきたと、こういうことがあるということは認識はしていた、事実は知っていたということでよろしいでしょうか。

○船尾計画調整担当部長 各自治体のといいますか、法人の運営費負担金でございますけれども、毎年度、総務省の方から繰り出し基準というのが出ておりまして、それに準じまして、設立団体、自治体が適切に負担すべきものというふうにされておりまして、その繰り出し基準をもとに各自治体がルールを定めて、それに基づいて算定をされているというものでございます。
 大阪についても、全体が独法後どうなっているのかという状況を見ますと、先ほど申し上げたように、ふえている年度もあれば減っている年度もあるというところでございます。

○白石委員 はっきりとおっしゃらないと。ただ、全国の独法化された運営費負担金、どうなっているかというのは調べてきたと。もちろん、大阪も調べてきたということはおっしゃられたと。つまり、この機械的に削減というのも、当然把握していなければおかしい話です。
 やはりそういうときに、都民にも議会にも説明してこなかったというのは、これは紛れもない事実だと。都合が悪いことは説明しない、これがこれまで都が行ってきた独法化の進め方だと改めて指摘したいと思います。
 こういうやり方は、断じて許されないと。やはり事実は事実としてしっかりと説明する、これが本来のあるべき姿だというふうに思います。
 では、大阪府は行政的医療の生命線である自治体の財政負担、先ほどから指摘していますが、機械的に削減していると、こういうことを都はどのように評価をしているのかお伺いしたいと思います。

○船尾計画調整担当部長 地方独立行政法人は、機動的な人材確保によりまして、医療の質を向上させ、新入院患者の確保ですとか、診療単価の向上等によりまして収益を改善するとともに、柔軟な契約手法の導入などによりまして費用を縮減するなど、効率的な運営が可能となる制度でございます。
 こうしたことによりまして、収支の改善が図られ、結果的に運営費負担金の縮減につながるものというふうに認識をしてございます。

○白石委員 収支の改善が図られて、結果的に運営費負担金が縮減できたと肯定的に答弁されました。
 ということは、東京都でも同じことは十分あり得るというふうなことでしょうか。

○船尾計画調整担当部長 都におきましても、行政的医療の提供等に必要な経費は、運営費負担金として都が負担するものであるというふうに考えております。
 そして、もう既に設立をされている健康長寿医療センター、こちらが公表している財務諸表等を見ますと、当然に運営費負担金は一律に削減をされているものではございませんで、例えば独法初年度に、運営費負担金が平成二十一年度は二十五億三千七百万円だったんですが、令和元年度は二十五億八千四百万円というふうになっておりまして、ほぼ同額だというところでございます。

○白石委員 いや、私が聞いたのは、大阪みたいに一律で削減は、東京都としては絶対ありませんよということでよろしいでしょうかということです。

○船尾計画調整担当部長 運営費負担金でございますけれども、必要な行政的医療に対しまして、適切に都が負担されるべきものというふうに考えております。

○白石委員 つまり、ちゃんと聞くと否定しないんですね。本当に十分あり得るという答弁になっちゃうんですね。ないというんだったらないとはっきりいえばいいと。ただこれ、聞けば聞くほど否定されないと。本当にね、本当大変危険だと。
 先ほど答弁で、収支の改善が図られて自治体の財政負担が削減されたと答弁されました。
 それでは、収支の改善というのは、大阪ではどのぐらい改善されたのか伺います。

○船尾計画調整担当部長 大阪の独法でございますけれども、公表されております資料によりますと、常勤職員が三千十六人から四千六十二人というふうに大きく増加をしておりまして、医業収益も人員を増強することで患者さんをふやしたということもありまして、医業収益の方は九三・九%増というところに大きく増加をしているというふうになっております。

○白石委員 いや、私が聞いたことに答えてくれていないと。収支の改善によって削減が図られてきたと。
 まともにちゃんと答えられないので、私、調べました。
 大阪が機械的に毎年一億円を削減し出したのは二〇一七年度からになります。その前の二〇一六年度の大阪府立病院機構の経常損益、マイナス一・五億円でした。二〇一七年度、翌年度から一億円ずつ減らされていきます。二〇一七年度は、前年度比二・六億円のマイナス、悪化しております。さらに二〇一八年度、五・八億円のマイナス、悪化をしております。二〇一九年度、五・二億円のマイナスということで、収支の改善はされていないと。それにもかかわらず毎年一億円が減らされている、これが大阪の実態なんですね。
 やはり、こういうことを踏まえて答弁していただきたいと。答弁に責任を持たないで、収支の改善が図られたから、だから運営費負担金、つまり自治体の財政負担が削減、縮減されてきたんだと肯定的にいいましたけれども、実際にどうかと見たら、しっかりこういうふうに出ているんですね。
 そういうところもちゃんと調べずに、あたかも収支の改善といいますけど、先ほど私もいいましたけど、自治体の財政負担を削減していくには、稼いでいかなければいけない、収支を上げなければいけない、収支を上げれば上げたほど、また財政負担が削減されていく、このサイクルに陥るんです。やはりこれが構造的な問題だというふうに、ずっと私いっています。
 そもそも、毎年一億円削減するということを何年も先まで決めているんですね。先ほど収支の改善、収支の改善といいましたけど、これは公開、まあ開示請求ですから公開されている資料では、第四期、第五期、次の中期目標の五年間、その次の中期目標の五年間も、しっかりと削減していくんだと、収支にかかわらずですよ、一億円。こういうふうに書かれているわけですね。収支改善の結果だという説明は、そもそも成り立たないというふうに思います。
 例えば大阪府知事の松井氏、当時ですね、独法化以前に何といっていたか。本当に必要な運営費に対する繰入金は一律カットするようなことはすべきではないと議事録に書いてあります、いっておりました。しかし、結局府知事になって、そのときに一律で一億円の削減を行ったんです。
 独法化する前は、きちんとお金を出すと、このようなことをいっていて、独法化したら不採算医療である行政的医療の生命線である財政負担を一律に削減すると。そのためには飽くなく、要するに稼ぐ医療、収支を上げるんだと、このようなことをやっていかなければいけないと。
 この間も、私、指摘していますけれども、健康長寿医療センターだって収支改善のために、例えば看護師さんの夜勤の手当の見直しして、今まで四回だったのが五回入らないと、しっかりと手当が出ないというようなことの、そういう、制度も変えられていると。そうやって収支を改善していっていると。そして改善をしたら、収支が上がったら、すなわち自治体の財政負担が削減されていく、こういうサイクルに入っているということは、この間もいってきました。
 そして、この東京で同じことが行われないなどということは、何の説得力もないと思います。本当に、行政的医療、不採算医療を安定的に提供しようとするのであれば、一番いいのは都立直営でやることです。
 来年度の予算で独法化準備のための予算は、都立、公社病院でまず幾ら予算が計上されているか伺いたいと思います。

○船尾計画調整担当部長 地方独立行政法人への移行準備費用といたしまして、来年度予算でございますが、病院会計予算案では二十二億四千八百万円、一般会計予算案では十六億三千百万円、合計で三十八億七千九百万円を計上してございます。

○白石委員 答弁されたように、約三十九億円もの予算が来年度予算案に盛り込まれております。これは独法化しなければ必要ないお金となります。
 今、三十九億円もあるのであれば、例えばコロナ対応のために使うべきだと思います。職員をふやす、処遇をさらに改善するなど、こういうことにお金、税金をやっぱりしっかり振り分けるべきだと思います。
 都は、人を柔軟に確保するために独法化すると繰り返しこの間も説明をしてきております。そんなに人がふやしたいのであれば、この三十九億円は人をふやす予算にこそ使うべきだと思います。
 コロナ患者の対応に人手が必要となり、一般病棟を一部閉鎖せざるを得ない実態は各病院で起こっております。さらに、コロナのもとで緊張を強いられて、職員の負担、ふだん以上に増しているという状況です。
 職員の大幅増が今ほど求められているときはないと。それにもかかわらず、来年度の都立病院の定数、わずか九増。看護職員四人の減です。
 これは病院経営本部の皆さんの責任ということではないと。総務局であったり、やはり小池都政の姿勢にかかわってくる問題であると、ここは申し上げておきたい。
 人材を柔軟に確保するために都立、公社病院を独法化するという説明は、やはり通用しないと思います。本当にそう思っているんだったら、今こそ東京都を挙げて、看護職員だったり医師だったりふやすと。そして準備予算、この三十九億円、これを人件費に使う、そういうことを本来やるべきだと、変えるべきは経営形態ではないと思います。
 コロナ禍でこれほど逼迫している都立病院の職員をふやそうとしない、やはり知事や都の姿勢こそ変えなければならないと申し上げます。
 質問を進めたいと思います。
 独法化したら、都立、公社病院の都庁の体制は、現在からどのように変わるのか伺います。

○船尾計画調整担当部長 病院経営本部は、現在、庁内の各部局との連絡調整を行うほか、都立病院の管理運営、東京都保健医療公社の指導監督の役割を担ってございます。
 独法化後は、十四病院と一施設の管理運営は法人の方で担うことになるため、法人を管轄する都の部署を設置することになりますが、その内容につきましては、現在検討をしているところでございます。

○白石委員 これまで都立、公社病院は、コロナ対策などに柔軟かつ機動的に対応をされてきました。それは、都立、公社病院が東京都の医療政策の柱として位置づけられているからです。
 ところが独法化後には、わずかな職員体制で他の業務と兼務となり、法人との連絡窓口のような体制になりかねないと思います。
 実際に都がこれまでに独法化した法人、調べてみました。都立大学、産技研、健康長寿医療センター、これらの独法化した法人の都庁体制はどうかというと、例えば、都立大学は都庁内の職員わずか七名、産技研六名、健康長寿医療センターも六名です。しかもこの人数は、兼務の方も結構含まれておりますので、いずれも法人との連絡窓口のようになってしまいます。
 なぜこういう体制になってしまうのかというと、そもそもの独立行政法人法に何と書かれているか。自治体が直接実施する必要のないものを行う法人であると、これが独立行政法人なんだと法律で明記をされています。
 病院経営本部は現在、およそ百名ほどいらっしゃると思いますが、独法化されたらその一割にも満たない体制となることは容易に想定ができます。体制の縮小により、医療現場のことがわからなくなっていく。そのことがさらには都の医療政策の大きな後退を引き起こすことを改めて厳しく指摘したいと思います。
 緊急事態宣言の再延長など、都民の必死の努力により新規感染者は減少傾向にありますが、感染者数は下げどまりから、今、再増加に転じる局面にもなっております。
 変異株の市中感染も危惧をされている中、コロナ感染を徹底的に食いとめるための具体的な対策が必要です。とりわけ、医療崩壊させないために、病院経営本部が文字どおり一丸となってコロナ対応に取り組むことが求められます。
 そこで伺いますが、病院経営本部の独法化準備に専任している体制について、部課長が何人で、職員は合計何人か伺います。

○船尾計画調整担当部長 独法化準備に専任している職員でございますが、担当部長が一名、担当課長が三名含めまして、全体で十名を専任で配置をしているというところでございます。

○白石委員 病院経営本部の職員の体制は、先ほども述べましたけれども、約百名ぐらいいらっしゃると伺っております。その一割が独法化準備だけを進めるための専任として特別に配置をされています。つまり、感染者が一日二千人を超えていた一月の段階でさえ、コロナ対応ではなく独法化の準備のための特別体制となっております。
 コロナ感染拡大により、病院現場では医療崩壊の危機に直面しながらも、都民の命を守るために日夜必死の対応がされております。
 そんなときに、独法化のためだけに特別体制を整えるというのではなくて、本当の意味で、病院経営本部長も本当にいっていますが、都庁と病院現場が一丸となってコロナ対応をしていくことが、改めて求められるというふうに思いますが、本部長、どうでしょう。

○堤病院経営本部長 これまでも申し上げておりますとおり、コロナ対応、これをしっかりやっていくというのは当然のことでございまして、病院経営本部一丸となってやってございます。
 独法の担当職員につきましても、例えば、福祉保健局で入院調整本部を運営する際に、私どもからも職員を派遣しておりますけれども、その中に入りまして、コロナへの対応もしっかり行っているところでございます。
 ですので、これまでもご説明しておりますけれども、そのような中でもやはり高齢化の進展、二〇二五年問題がある中で、しっかりした医療体制をつくらなきゃいけないということで独法化を進めているわけでございます。
 コロナもしっかり対応し、独法化も進める、こういうことが、我々が行わなければならないことだというふうに思っております。
 それから先ほど、済みません、ご指摘をいただきましたが、効率的な運営を行わなきゃいけないのは、これは直営でも同じでございまして、地方公営企業法のもとでは、効率的な、原則、独立採算ということで定められているわけでございますので、効率的な運営を行わなければいけないということでございます。
 大阪の事例ですとか他団体の事例を頂戴しましたけれども、今お話あったとおり、中期計画で定めている、あるいは運営費負担金ということですので、それは各団体の予算として毎回それは議会にかかっているわけでございますし、それから、中期計画につきましても、五年に一度のものを決定する際には、議会にそれぞれの団体がお諮りしているものだというふうに捉えております。
 都は、先ほど部長からも答弁申し上げましたが、健康長寿の例にございますように、必要な予算を配置している、議会のご議決を経て配置しているものだというふうに考えております。

○白石委員 全くこの独法化の危険性、踏まえられていないと。この独法化を検討するというふうなときに何がいわれたか、まずは東京都の財政負担の削減が効果的にできるんだと、そういうこと。
 全国の独法を見ても、同じく収支の改善をさせるために、先ほど、健康長寿の職員の手当の見直しが行われたりと、そういうような労働条件の悪化にもつながっている、そういうことをやりながら収支の改善をして、どんどんどんどん削減されていくと。
 本当に不採算となる行政的医療を守り、充実させ、しっかり提供していこうというなら、一番いいのは都立直営で運営することです。当たり前のことです。
 それを、独法化をバラ色に描いて、そして全国の先行独法された自治体の実態を、私、何度も何度も取り上げるが、それを正面から受けとめない。しかもそれを答えようともしないと。この姿勢に大きな問題があるというふうに思います。
 コロナ対応で一丸となるというのであれば、今こそ独法化はやめて、全員でコロナ対応をしっかりとしていくと。こういうことこそ、今求められていると思います。
 都の医療政策の後退を招く独法化は、直ちに中止することを強く求めて、質問を終わりたいと思います。

○のがみ委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○のがみ委員長 異議なしと認め、予算案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で病院経営本部関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時十四分散会

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