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Tokyo Metropolitan Assembly

厚生委員会速記録第二十一号

令和二年十二月十一日(金曜日)
第七委員会室
午後一時一分開議
出席委員 十四名
委員長うすい浩一君
副委員長桐山ひとみ君
副委員長白石たみお君
理事細田いさむ君
理事柴崎 幹男君
理事もり  愛君
森澤 恭子君
やまだ加奈子君
藤田りょうこ君
栗林のり子君
小宮あんり君
鳥居こうすけ君
岡本こうき君
伊藤 ゆう君

欠席委員 なし

出席説明員
福祉保健局局長吉村 憲彦君
健康危機管理担当局長初宿 和夫君
次長理事兼務後藤 啓志君
次長総務部長事務取扱雲田 孝司君
技監医療改革推進担当部長事務取扱田中 敦子君
医療政策部長新型コロナウイルス感染症医療政策担当部長兼務矢沢 知子君
生活福祉部長坂本 尚史君
高齢社会対策部長村田 由佳君
少子社会対策部長高野 克己君
障害者施策推進部長藤井麻里子君
感染症対策部長武田 康弘君
企画担当部長事業推進担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務齋藤 善照君
企画調整担当部長奈良部瑞枝君
医療政策担当部長鈴木 和典君
感染症危機管理担当部長医療連携推進担当部長兼務杉下 由行君
新型コロナウイルス感染症対策担当部長医療連携推進担当部長兼務田口  健君
感染症対策調整担当部長中川 一典君
東京感染症対策センター担当部長新型コロナウイルス感染症対策企画調整担当部長兼務加倉井祐介君
新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長花本 由紀君
病院経営本部本部長堤  雅史君
経営企画部長谷田  治君
サービス推進部長西川 泰永君
経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務藤本  誠君
計画調整担当部長船尾  誠君

本日の会議に付した事件
意見書について
福祉保健局関係
契約議案の調査
・第二百一号議案 東京都東村山福祉園(二)改築工事請負契約
付託議案の審査(質疑)
・第百八十七号議案 令和二年度東京都一般会計補正予算(第十三号)中、歳出 福祉保健局所管分
・第二百十号議案 東日本大震災における原子力発電所の事故に係る損害賠償請求に関する和解のあっせんの申立て(その四)について
・第二百十九号議案 東京都リハビリテーション病院の指定管理者の指定について
・第二百二十号議案 東京都立心身障害者口腔(くう)保健センターの指定管理者の指定について
・第二百二十一号議案 東京都船形学園の指定管理者の指定について
・第二百二十二号議案 東京都八街学園の指定管理者の指定について
・第二百二十三号議案 東京都勝山学園の指定管理者の指定について
・第二百二十四号議案 東京都片瀬学園の指定管理者の指定について
・第二百二十五号議案 東京都七生福祉園の指定管理者の指定について
・第二百二十六号議案 東京都八王子福祉園の指定管理者の指定について
・第二百二十七号議案 東京都千葉福祉園の指定管理者の指定について
・第二百二十八号議案 東京都清瀬喜望園の指定管理者の指定について
付託議案の審査(説明・質疑)
・議員提出議案第二十二号 東京都島しょ地域外の医療機関への通院に係る交通費等の補助に関する条例
・議員提出議案第二十三号 東京都シルバーパス条例の一部を改正する条例
・議員提出議案第二十四号 東京都児童育成手当に関する条例の一部を改正する条例
陳情の審査
(1)二第九五号 東京都新型コロナウイルス感染症対策条例に関する陳情
病院経営本部関係
報告事項(質疑)
・都立病院・公社病院の地方独立行政法人への移行に向けた検討状況について
・「多摩メディカル・キャンパス整備等事業実施方針」の策定について
請願の審査
(1)二第八号 都立病院及び公社病院における地方独立行政法人化の中止と医療体制の充実に関する請願

○うすい委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 初めに、委員の所属変更について申し上げます。
 議長から、去る十一月二十七日付をもって、本委員会から、つじの栄作議員が総務委員会に、また、後藤なみ議員が経済・港湾委員会に所属変更になり、新たに岡本こうき議員が総務委員会から、また、伊藤ゆう議員が経済・港湾委員会から本委員会に所属変更になった旨の通知がありましたので、ご報告いたします。
 この際、新任の岡本こうき委員、伊藤ゆう委員をご紹介いたします。
 岡本こうき委員です。

○岡本委員 よろしくお願いします。

○うすい委員長 伊藤ゆう委員です。

○伊藤委員 よろしくお願いします。

○うすい委員長 紹介は終わりました。

○うすい委員長 次に、議席について申し上げます。
 議席は、ただいまご着席のとおりといたしますので、ご了承願います。

○うすい委員長 次に、意見書について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、意見書一件を提出したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件については、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○うすい委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○うすい委員長 次に、契約議案について申し上げます。
 契約議案は財政委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について、議長から調査依頼がありました。
 本件については、調査結果を財政委員長に報告することになっております。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

令和二年十二月九日
東京都議会議長 石川 良一
厚生委員長 うすい浩一殿
   契約議案の調査について(依頼)
 左記の議案について調査し、財政委員長にご報告願います。
     記
1 調査議案
 第二百一号議案 東京都東村山福祉園(二)改築工事請負契約
2 提出期限 令和二年十二月十一日(金)

○うすい委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、福祉保健局関係の契約議案の調査及び付託議案の審査、病院経営本部関係の報告事項に対する質疑並びに福祉保健局及び病院経営本部関係の請願陳情の審査を行います。
 これより福祉保健局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、福祉保健局長から幹部職員の紹介があります。

○吉村福祉保健局長 それでは、このたび人事異動がございました幹部職員を紹介させていただきたいと存じます。
 新型コロナウイルス感染症対策担当部長医療連携推進担当部長兼務の田口健でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○うすい委員長 紹介は終わりました。

○うすい委員長 次に、契約議案の調査を行います。
 第二百一号議案を議題といたします。
 本案につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。−−発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○うすい委員長 異議なしと認め、契約議案に対する質疑は終了いたしました。
 お諮りいたします。
 本案は、異議のない旨、財政委員長に報告いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○うすい委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 以上で契約議案の調査を終わります。

○うすい委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 初めに、第百八十七号議案、令和二年度東京都一般会計補正予算(第十三号)中、歳出、福祉保健局所管分、第二百十号議案及び第二百十九号議案から第二百二十八号議案までを一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○もり委員 補正予算について、まず初めに、年末年始の診療・検査体制の確保支援事業についてお伺いをいたします。
 新型コロナウイルス感染症と季節性インフルエンザの同時流行に伴う発熱患者等の診療及び検査の需要に対応するため、東京都では、新規事業として、年末年始の診療・検査体制の確保支援事業の実施について、年末年始の診療と検査体制を確保するものであり、我が会派としても、第四十一回目となる都知事への緊急要望として、年末年始の診療や検査体制の確保を初めとした医療体制の充実を求めてきたものであり、東京都の迅速な対応を高く評価いたします。
 そこで、幾つか質問をさせていただきます。
 指定を受けた診療・検査医療機関が診療と検査に当たるとのことです。地域の医師会との連携が欠かせないと考えます。
 東京都では、既に三千二百施設を指定し、診療等を実施しておりますが、これからの中で、できるだけ多くの医療機関に年末年始の診療を実施していただくためには、東京都は医師会等と連携するなど、どのように取り組むのかお伺いをいたします。

○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 都は現在、既に指定した約三千二百の診療・検査医療機関に対し、年末年始の診療や検査を実施していただくよう、都医師会と連携し協力を呼びかけております。
 協力いただける医療機関の診療予定の日時などの情報は、ホームページから登録していただいており、診療・検査医療機関の登録状況を日々把握しております。
 今後、東京都医師会とも登録状況を共有しながら、必要に応じて連携して、さらなる登録を呼びかけるなど、取り組みを進めてまいります。

○もり委員 ありがとうございます。
 年末年始に子供の急な発熱があった場合、例年でも親御さんは大変心配なものです。先日は、PCR検査を受けられずに、陽性者の方がそのまま自宅で亡くなるという悲しい事例もありました。
 新型コロナウイルス感染症とインフルエンザはどちらも発熱を伴いますが、新型コロナウイルスは、基礎疾患のある方にとっては急に容体が重篤化するなど、判断を誤り検査を受けられないことは命にかかわる疾患です。年末年始においても、必要とする方がしっかりと検査を受けられる体制整備が求められます。
 不安を抱える都民に、指定医療機関をどのように周知を行っていきますか。また、年末年始に検査を望む都民は、どのように指定医療機関で検査を受けることが可能になるのか、診療までの流れを確認させていただきます。

○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 都は、発熱等の症状がある方で、かかりつけ医がいない場合などの相談に対応するため、十月三十日に発熱相談センターを開設しており、都民からの問い合わせに対して、必要に応じ指定した診療・検査医療機関を紹介しております。
 発熱等の症状が生じた際の相談から受診への流れは、都ホームページや「広報東京都」等でセンター開設直後から広く周知しております。
 年末年始には、かかりつけ医が休診する可能性があるため、これまでの周知に加えてLINEやツイッターなど、SNSや関係団体とも連携して広報を行うなど、都民が受診先に困ることのないよう、相談センターの周知を徹底してまいります。
 年末年始に発熱等の症状が生じた方については、発熱相談センターが紹介する最寄りの診療・検査医療機関を受診した上で、医師が発熱患者等を新型コロナウイルスの検査が必要だと判断した場合には、受診した医療機関等で検査を実施いたします。

○もり委員 ありがとうございます。
 ぜひ本当に診療や検査を必要とする都民がわかりやすいように、また、地域の医師会の先生方とも連携をしながら、地域の医師会でのホームページでも呼びかけていただくなど、必要とする方に届くような診療体制をどうぞよろしくお願いいたします。
 かかりつけ医で発熱患者の受け入れを行っていただく上で、感染拡大をさせないための患者の動線を分けることが求められます。動線の確保には、パーティションなどの環境整備の費用や、クリニックによっては分けることが難しい医療機関もあると思います。
 都としてどのように指導、また支援をされるのかお伺いをいたします。

○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 発熱患者等の診療や検査を行う診療・検査医療機関の指定に当たっては、発熱患者以外の方への感染防止の観点から、要件を定めております。
 具体的には、医療従事者が感染防止対策を行うことなどに加え、発熱患者が他の疾患の患者と接触しないよう可能な限り動線を区分することが必要であり、物理的に動線が分けられない場合には、診療時間を分けることで対応することとしております。
 指定を受ける医療機関に対し、都は、これらの要件を周知した上で、指定の申し込みの際に、要件を満たしていることを医療機関みずからが確認した上で申請を行う仕組みとしております。
 また、都は、医療機関が新型コロナウイルスの感染防止のために行う発熱患者用の診察室の設置や動線の確保、診療所のレイアウト変更などに要する経費について、入院病床のない診療所であれば百万円を上限に補助を行うことで、医療機関での感染拡大防止のための取り組みを支援しております。

○もり委員 ありがとうございます。
 入院病床等のない診療所に対しても百万円を上限として補助を行っていただいているということで、より多くの医療機関に周知を行っていただき、広がることを願っております。
 今回の年末年始の診療に伴う協力金は、一日四時間以上の診療時間の設定が条件となっておりますが、一日でも対象となるのでしょうか。年末年始の診療の要件についてお伺いをいたします。

○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 今後、新たに創設する協力金では、都が指定した診療・検査医療機関が十二月二十九日から一月三日までの六日間に発熱患者等の診療や検査を行った場合、その実績に応じて支給することとしております。
 具体的には、発熱患者等を診療する専用の診療室を設けるか、または専用の診療時間を設けた上で、一日当たり四時間以上、発熱患者等の診療や検査を行うことを要件としております。
 また、協力金は、四時間で十五万円を支給することとしており、例えば、六日間毎日二十四時間実施した場合、五百四十万円を支給することになります。

○もり委員 ありがとうございます。
 ぜひ多くの医療機関にしっかりと周知を行っていただいて、不安に思う発熱等の都民の方が、しっかりと年末年始も医療が受けられるような体制整備をお願いいたします。
 次に、住居喪失不安定就労者・離職者等サポート事業についてお伺いをいたします。
 コロナ禍において、非正規就労者の雇いどめ等、コロナの影響による離職者が増加しており、東京都の完全失業率は六月の数字で三・二%と全国平均を上回っており、この数カ月でさらに厳しさを増しており、特に若年男性の失業率は五%と最も高くなっており、失業に伴うセーフティーネットの整備拡充は喫緊の課題です。
 我が会派としても、第四十一回知事への緊急要望において求めたものであり、年末年始において、新型コロナウイルス感染症の影響で住居を失った方に対し、東京都が補正予算において迅速に一時住宅等の提供を事業化していただいたことを高く評価し、感謝申し上げます。
 その上で、より利用者の思いに寄り添う支援となるよう、幾つか質問させていただきます。
 春は緊急事態宣言措置により、ネットカフェや漫画喫茶への休業要請を行ったことから、東京都は、四月七日に補正予算の専決処分を行い、ビジネスホテル百室、一時利用住宅五百戸を迅速に確保していただきました。
 その際の支援内容についてお伺いをいたします。

○坂本生活福祉部長 都は、ネットカフェ等で寝泊まりしながら不安定な就労をしております方を対象に、TOKYOチャレンジネットにおきまして、生活、居住、就労等の支援を行っております。
 本年四月の新型コロナウイルス感染症拡大によるネットカフェ等への休業要請に伴いまして、居場所を失った方への支援といたしまして、チャレンジネットを活用し、緊急的な一時宿泊場所としてビジネスホテルの提供などを行ったところでございます。
 ビジネスホテルを利用された方のうち、就労により自立した生活を目指す方につきましては、引き続き、チャレンジネットにおきまして一時利用住宅を一定期間提供し、就労やアパートへの入居などの支援を行ったところでございます。
 また、生活保護など福祉的支援が必要な方につきましては、区市の福祉事務所や自立相談支援機関につなげるなど、関係機関と連携し支援を行ったところでございます。

○もり委員 ありがとうございます。
 先日は、支援団体の皆様と、本定例会に補正予算案として計上されている年末年始の生活困窮者の支援について意見交換をさせていただきました。
 日雇い労働で賃金の未払いを受けた方など、寒い中で本当に困窮している方たちが炊き出しに来ているとのことで、先月末の炊き出しには三百人近くの方が来て、例年に比べ倍増しているとのことを伺いました。年末年始の不安を抱えている方が本当に多くいらっしゃることを実感しています。
 緊急事態宣言中の対応では、TOKYOチャレンジネットを経由した方と、区市の窓口を経由して同様にビジネスホテルに寝泊まりしながら、食事の提供がある方とない方がいたとのことですが、現在、ネットカフェや漫画喫茶などで寝泊まりしながら不安定な就労に従事している方にとって、年末年始は日雇いの仕事を見つけることも難しく、さらに、所持金のない方にとっては、ひもじい思いをする方もいるのではないかと伺っております。
 一人一人にどのような支援が求められているのか、必要な支援に確実につながるようにサポートしていただくよう強く要望いたします。
 TOKYOチャレンジネットの窓口は、都内で新宿に一カ所しかないとのことですが、新型コロナウイルスの影響によって仕事と居住を失った方にとって、新宿の近隣区在住でない方にとっては、TOKYOチャレンジネットの窓口まで来ることにもハードルがあるのかもしれません。
 年末年始の不安を抱える方が多くいらっしゃる中で、区市の福祉事務所、生活困窮者の相談窓口において、年末年始も相談できる体制が求められると考えます。
 そこで、年末年始の相談体制についてお伺いいたします。

○坂本生活福祉部長 都は、先月下旬に出されました国の通知を受けまして、福祉事務所等におけます生活に困窮する方への年末年始の相談体制の確保などについて、区市に通知をしたところでございます。
 各区市では、年末年始の閉庁期間におきましても、地域の実情に応じて臨時的に福祉相談窓口を開くなどの対応を検討しておりまして、都としても、年末年始の期間にTOKYOチャレンジネットを活用し、一時宿泊場所を提供するなどの支援を実施することとしております。

○もり委員 ありがとうございます。
 一時宿泊所の利用者に対して、年末年始の居住期間が終われば、また不安定な就労と生活に戻ってしまうのでは希望が見出せないと危惧します。
 支援団体の方は、ぎりぎりの生活をされている方はぎりぎりまで働いて頑張ろうとするが、仕事も住まいも失い、希望がなく、あとは死ぬだけだと生活保護も拒否する方もいるとのことでした。
 年末年始の一時宿泊所の利用者が、居住の確保や就労、安定した生活を見出せるよう、その後の居宅での支援に移行できるよう支援することが重要であると考えます。
 東京都としての出口支援をどのように行っていくのかお伺いをいたします。

○坂本生活福祉部長 年末年始の期間に一時宿泊場所を利用する方へのその後の支援についてでございますが、就労により自立した生活を目指す方については、チャレンジネットの支援対象者といたしまして、ビジネスホテルの利用後、引き続き一時利用住宅の提供を行いますとともに、就労やアパートへの入居など居宅生活への移行を目指し、継続的な支援を行ってまいります。
 また、各区市の福祉相談窓口を通じて一時宿泊場所を利用され、就労による自立が難しく、生活に困窮されている方などにつきましては、区市の福祉事務所や自立相談支援機関などと連携いたしまして、個々の方の状況に応じた支援につなげてまいります。

○もり委員 ありがとうございます。
 今の個々の方の状況に応じた支援というのは大変重要であると考えますので、ぜひお願いいたします。
 コロナ禍において、社会経済活動がストップし、雇用が奪われている緊急事態です。代表質問でも質疑があったように、失業率と自殺は相関関係があり、自殺対策ともあわせて本気で命と暮らしを守るセーフティーネットの整備が求められております。
 リーマンショックの後、政府は雇用対策本部を立ち上げて、市区町村での清掃の仕事等、区市町村が仕事を用意した過去の経緯もあります。ぜひ局横断的に就労支援と居住の確保支援の拡充に取り組んでいただき、一人一人に寄り添い、必要な支援につなげていただくよう強く要望して、質問を終わります。ありがとうございます。

○やまだ委員 私からも、年末年始の診療・検査体制の確保支援事業について伺ってまいりたいと思いますが、今の質疑の中でさまざまご答弁いただきましたので、それらを除いた部分で何点か伺いたいと思っております。
 病院の体制ですとか、その登録方法、病院への呼びかけ、また、検査の流れ、動線への指導や今回の応募の要件など、それぞれありました。これらの中で、年末年始、診療機関の方に依頼をしていく、これから数が出てくると思うんですが、コロナの診療では、身近な診療機関である診療・検査医療機関のほかに、新型コロナ外来として地域の拠点となっている病院が対応していらっしゃると思います。その機能が年末年始も確保されるかということもすごく重要だと思います。
 新型コロナ外来の年末年始の診療等を呼びかけるということとともに、また、保健所などとの情報共有も大切だと思いますが、この点についての見解を伺いたいと思います。

○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 新型コロナ外来については、現在、年末年始の診療の実施について協力を呼びかけるとともに、診療の実施予定についての調査を実施いたしました。複数の救急指定の医療機関を初めとする新型コロナ外来の医療機関などから、年末年始の協力をいただけるとの回答もいただいております。
 今後、情報を集約した上で、都の発熱相談センターや都内保健所などに提供し、相談等の対応に活用していただきます。

○やまだ委員 発熱患者の診療や検査を行う医療機関、現在協力をお願いしているところということです。しっかりと医師会や関係機関とも連携をしていただいて、地域での診療をしてくれる医療機関をできるだけ多く、引き続きご協力いただけるよう対応をお願いしたいと思います。
 その上で、関連していきますが、発熱患者の対応では、診療を受けた後の検査ができる、その体制の確保も非常に重要だと思います。
 診療を受けたけど、その検査体制がきちんと整っていなければ、やはり、その後の感染拡大ということがとめられないと思いますので、医療機関での検査体制−−医療機関で検体を採取した後に、多くは検査機関に検査を依頼する形になると思うんですが、年末年始に民間の検査機関がどの程度営業しているか、どの事業が営業を行うのかということ、これについてもポイントになってくると思います。
 都は、民間検査機関の年末年始の対応状況など情報収集をして、必要な検査体制をしっかりととることが重要だと思いますが、この点についての見解を伺います。

○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 都は、新型コロナウイルス感染症と季節性インフルエンザの同時流行に備え、令和二年十一月中に、一日当たり最大約六・八万件の検査処理能力を確保したところでございます。
 同年十一月、都内の検体を取り扱う二十八カ所の民間検査機関に年末年始の対応状況を調査した結果、半数以上の機関が年末年始にも検査を行う予定と回答しております。
 また、そのうち、大手の四つの民間検査機関で約二万件の検査処理能力を有しておりますが、いずれの機関も通常どおり、または規模を縮小で検査を行う予定となっております。
 十一月の調査では、年末年始の対応が未定の機関もあったことから、現在改めて同様の調査を行っているところでございまして、調査結果を踏まえ、民間検査機関に働きかけを行い、年末年始も必要な検査が円滑に実施できる体制の確保を進めてまいります。

○やまだ委員 検査についても、年末年始でも一定の検査能力が確保できるという見込みだということがわかりました。しっかりと、この点についても医療機関とそうした情報を利用できるよう、医師会や関係機関と連携を丁寧に、これは都として行っていただきたいと思います。
 外来等で検査を行い、万一陽性になった場合、入院または宿泊療養ということになると思います。新型コロナウイルスに感染した場合、無症状、入院の必要のない軽症の方の療養になっている宿泊療養施設は、医療体制の維持に大変不可欠なものだと思います。
 年末年始について、医療機関の逼迫がより懸念される中、年末年始であっても宿泊療養施設での受け入れが安定的に行われることが重要になると思いますが、宿泊療養施設の年末年始の運用状況についても伺いたいと思います。

○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 現在、宿泊療養施設は都内に九施設を運営し、約三千室を確保しております。来週、十二月十七日には新たに一施設を開設し、計十施設、約四千室に規模を拡大し、年末年始に備えることとしております。
 また、宿泊療養施設の運営に不可欠な看護師等の医療スタッフを初め、都職員やホテルスタッフ等についても、年末年始の受け入れが通常どおり維持できるよう二十四時間体制で必要な配置を行い、入所者の宿泊療養をサポートしてまいります。

○やまだ委員 ありがとうございます。
 年末年始、都の職員の方々も二十四時間体制での配置を行ってサポートしていただくということで、本当に改めて感謝させていただきたいと思いますが、現在、陽性者が六百人を超えるなど、拡大は本当に深刻な状況にあると思います。年末年始に向けて、残された期間は少ないんですけれども、できるだけ、さまざまな想定を踏まえながら、体制整備をお願いしたいと思います。
 今回の補正予算の中で、医療機関に協力を求めていくことと、そしてその先の全体の体制づくりも含めて伺いました。引き続き、皆様のご努力、そして医療機関の皆様に感謝申し上げながら、私の方からの質問を終わりたいと思います。

○細田委員 私の方からも、年末年始の診療、そして検査体制の確保、この支援事業についてお尋ねいたします。さきの委員との質問、かぶらないように質問させていただきたいと思っています。かぶるところは避けていきたいと思います。
 ご承知のとおり、感染は急速に拡大していまして、予断を許さない状況下にあります。医療機関のまさに手が薄くなる、この年末年始でも、発熱患者が診療や検査を受けられる体制を確保することは必要であります。
 そこでまず、現在の発熱患者の診療を行っています診療・検査医療機関の指定等の状況についてはどうなっていますでしょうか、お尋ねいたします。(花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長発言を求む)あ、済みません、まだです。ごめんなさいね。お尋ねしますでちょっととめちゃいましたからね、済みません。
 そして、一万ほどのうち、既に三千二百を超える医療機関を指定して、診療や検査を行っていただいていると理解していますが、地域で受診できないということがないように、バランスをとっていくことが必要です。
 都は、どのようにこの指定を進めて、例えば区部、また多摩地域など、この指定はいかなる状況になっているのか、これも含めてお尋ねいたします。

○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 都は、指定を進めるに当たり、都医師会や保健所とも連携し、地域ごとの登録状況も踏まえながら、継続的に医療機関に協力を呼びかけることで、今月四日時点で三千二百を超える医療機関を指定しております。
 地域ごとの状況といたしましては、区部で約二千四百、多摩地域では八百を超える医療機関を指定し、診療や検査を実施していただいております。

○細田委員 地域のバランスのほか、休日や夜間でありましても必要な方が診療等を受けられるように、その体制を確保することが重要です。
 これまでに指定を受けた医療機関のうちで、どの程度の医療機関が休日や夜間に診療を行う、このようにしているのでしょうか。この点についてお尋ねいたします。

○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 今月四日までに指定した約三千二百の診療・検査医療機関のうち、十七時以降の夜間に診療等を行っている医療機関は、およそ半数の千六百九十一機関でございます。
 また、土日のいずれかに診療等を行っている医療機関は二千四百七十一機関となっており、休日や夜間の診療ニーズに対応しております。

○細田委員 数字的に、まあ対応しているという今のご答弁でありますが、引き続きまして、時間数もありますし、それぞれの医療機関によって異なっていることもありますから、精査、また、よく注視していただいて、今ご答弁いただきましたニーズに対応していくという、そのことが実行できるよう、また注視して、もしももっと問題があれば即座にご対応をしていっていただきたいと、このように求めます。
 診療、検査を行うために、検査体制も十分である必要があります。東京都は現在、どの程度の検査能力を確保できているのでしょうか。PCR検査、そして抗原検査のそれぞれの状況についてお尋ねいたします。

○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 これまで都は、新型コロナウイルス感染症と季節性インフルエンザの同時流行を見据え、民間検査機関への検査機器の導入支援や、抗原簡易キットの活用促進等により、検査体制の拡充を進めてきております。
 現在、都は、一日当たり最大約六・八万件の検査処理能力を確保しており、内訳は、PCR検査が約四・七万件、抗原定量検査が約〇・七万件、抗原簡易キットが約一・四万件となっております。

○細田委員 今いわれましたこの体制を生かしていただいて、発熱などの症状のある方が年末年始に当たっても安心して診療を受けていただけるよう、より多くの診療、また検査医療機関に協力していただくことが重要であります。
 都は、この年末年始の診療や検査を実施する医療機関に協力金を支給することになっていますが、まずは、この協力金の具体的な支給要件、そして金額について答弁を求めます。

○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 今後、新たに創設する協力金では、都が指定した診療・検査医療機関が十二月二十九日から一月三日までの六日間に発熱患者等の診療や検査を行った場合、その実績に応じて支給することとしております。
 具体的には、発熱患者等を診療する専用の診療室を設けるか、または専用の診療時間を設けた上で、一日当たり四時間以上、発熱患者等の診療や検査を行うことを要件としております。
 また、協力金は、四時間で十五万円を支給することとしておりまして、例えば、六日間毎日二十四時間実施した場合、五百四十万円を支給することとなっております。

○細田委員 四時間で十五万円で、一日全部やったら九十万円、そして六日間だから五百四十万円で、最大はそういう金額だというふうに、今ご答弁いただきました。
 ちょっと話は異なりますけれども、この中には、大きな病院も、またちっちゃな病院も、医院も入っています。けれども、都立は対応しているけれども、多分この中には数に入ってると思うんですけど、都立病院は公務員なので、多分この支援の枠組みには入っていないんだろうというふうに思います。
 そこのことをちょっと確認で伺いますけれども、それから、もしそういう場合に、公務員としての規定であるんですけれども、そこで頑張って、そして、年末年始を乗り切った段階で、病院経営本部の方とも連携して、どんなふうに頑張っていただいたのかということをちゃんと把握していただいた上で、明年、頑張っていただいた公立病院、都立病院、公社病院と、こういうようなものに対しても努力が報われるように検討をしていっていただくことをこの場で要望をしておきます。
 ちょっと一点、今の公社病院、都立病院は、この数には入っているのか、そして、今私がいった理解は間違っていないのかという点についてお尋ねいたします。

○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 協力金の枠組みの中には、公社病院は入っておりますが、都立病院は入っておりません。

○細田委員 そうしましたら、都立病院も、今申し上げた中で、ちゃんとその努力に報いるような、そういうような総括をしていただくことを要望しておきます。
 続きまして、診療・検査医療機関に対して、現在、国が体制確保のための補助金を支給していますが、この補助金は、患者を診察すればするほど支給される金額が減少していく仕組みになっています。患者を多く診療する医療機関ほど補助額が減少する、このようになっています。
 体制を確保して診療を行っていただく上では、体制確保に対して支給する形が望ましいですけれども、協力金はこの仕組みを解消しているのかどうか、この点について答弁を求めます。

○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 今後新たに創設する協力金は、診療・検査医療機関が発熱患者等の診療や検査を実施できる体制を確保することで、年末年始の医療提供体制を強化することを目的としております。
 このため、診療等を行う体制を確保することを要件としておりまして、実際の人数の有無にかかわらず、診療時間に応じて支給する予定としております。

○細田委員 わかりました。まさに、逆に診療をすればするほど補助額が少なくなる、そういうことがないんだという、そういう制度設計の中で都が頑張っているということがわかります。ぜひこれがいい形で、きちっと届いていくことを望んでおります。
 次に、年末年始の診療日は特定の日に偏ることも予想されます。偏り等のバランスをとって、診療を受けるようにされることが必要ですけれども、この点については、いかに取り組むつもりなのでしょうか、ご答弁を求めます。

○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 現在、都が指定した診療・検査医療機関に年末年始の診療や検査について協力を呼びかけており、診療等の予定日時をホームページから登録していただいております。
 これによりまして、診療・検査医療機関の登録状況を日々把握でき、東京都医師会とも状況を共有しながら、必要に応じて連携しさらなる登録を呼びかけるなど、取り組みを進めてまいります。

○細田委員 安心が、また安全が広がるよう、さらなる取り組みを広めていただけるということなので、引き続いてどうぞよろしくお願いいたします。
 さて、医師会という話が今ありましたけれども、より多くの医療機関に診療・検査医療機関になっていただくためには、医師会に加入している医療機関はもちろんですけれども、加盟していない医療機関にも広く協力していただくことが重要になります。呼びかけていくことが必要です。この点について、東京都の対応はどうなっていますでしょうか、見解を求めます。

○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 新型コロナウイルス感染症と季節性インフルエンザの同時流行に備えた医療提供体制を整備する上では、かかりつけ医など、より多くの地域の身近な医療機関に登録していただくことが重要でございます。
 このため、都は、診療・検査医療機関の指定に当たり、都医師会とも連携し、医師会の会員である医療機関に働きかけるとともに、会員でない医療機関に対しても協力を依頼するリーフレットを直接送付し、登録の呼びかけを行っております。
 この結果、医師会の会員でない医療機関についても、今月四日時点で二百を超える規模で指定しております。

○細田委員 それでは、年末年始の診療で、コロナで陽性となった場合ですけれども、この場合には、宿泊療養や入院になりますけれども、この年末年始の体制はいかになっているでしょうか、都の所見を求めます。

○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 医療機関で実施する検査により陽性が判明した場合には、保健所が入院等の勧告を行うことになります。土曜日、日曜日についても、都では保健所からの要請を受け、入院のための調整や宿泊療養のための調整を行っております。
 年末年始においても、同様の体制により入院や入所の調整を実施することとしており、保健所からの要請に適切に対応してまいります。

○細田委員 感染拡大が進行している中で、まさに東京都の発熱相談センターやかかりつけ医がいらっしゃる、また、加えて、年末年始の診療、検査体制の確保が着実に前に進んでいる、このような答弁でありました。
 どうぞ年末に向けて、診療、また検査を都民がしっかり受けられる体制を確実に、引き続いて遂行していただいて、また状況を注視していただいて、課題には、事前に、即座に対応していく努力を引き続いて行っていただくことを求めまして、私の質問を終わります。

○藤田委員 私からも、第百八十七号議案、令和二年度東京都一般会計補正予算(第十三号)について質問をいたします。
 感染拡大がとまらない状況であり、とりわけ医療機関と保健所については逼迫した状況が続いています。改めまして、都民の命と健康、命と生活を守るために日夜奮闘いただいている医療従事者、保健所を初めとした職員の皆様に、心から敬意を表したいと思います。
 先日の都内の新規陽性者数は六百二人となりましたが、感染対策、短期集中がどうなっているのか、本当に有効な対策になっているのかといわざるを得ません。いかに無症状者を発見する検査を行えるか、それが感染拡大を抑え込む一番の鍵となっています。
 先日のモニタリング会議のコメントでも、無症状や症状の乏しい感染者の行動範囲が広がっているとして、引き続き、感染機会があった無症状者を含めた集中的なPCR検査等の体制強化が求められるとしています。
 改めて、一人でも感染者が発生した施設等では、濃厚接触者でない無症状者も含めて広くに検査をすること、クラスターが複数発生している地域においては、高齢者施設や医療機関等の職員、入院、入所者全員を対象に、一斉、定期的な検査を行うことを求めます。
 それらを保健所と連携して、体制強化などの支援も行いながら実施できるように援助していただくことを重ねて要望いたします。
 昨日のモニタリング会議のコメントでは、医療機関の受け入れ体制は逼迫し始めているとされ、入院患者の急増により、受け入れ可能な病床数が少ない状況が続いているとしています。
 また、十二月二日の国の通知では、年末年始における発熱患者等への診療、検査を担う診療・検査医療機関や、新型コロナウイルス感染症疑い救急患者や入院患者の受け入れ医療機関について、十分な医療提供体制を整備できるよう、調整を行うよう求められています。
 診療・検査医療機関は、今回の補正予算もつけて確保が進められていますが、年末年始の新型コロナウイルス感染症疑い救急患者や新型コロナによる入院患者の受け入れ医療機関の確保はどのように進めるのですか。

○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 新型コロナウイルス感染症患者等の入院を受け入れる医療機関を確保するため、疑い患者受け入れ協力医療機関や入院重点医療機関を指定しております。
 年末年始におきましては、医療提供体制の強化に重点的に取り組む観点から、入院重点医療機関を中心に、入院患者を受け入れる当番医療機関を設定し、対応してまいります。

○藤田委員 入院重点医療機関を当番制にするなどの対応を行っているということです。
 救急や入院のための医療機関の確保は必要ですが、医療従事者にとって負担になります。こうした医療機関に対して財政支援を行うことは、診療体制の確保を支える力になります。
 救急や新型コロナ患者及び疑い患者の入院について、年末年始体制をとっている医療機関に対しても体制確保支援を行うことを求めますが、いかがですか。

○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 都は、疑い患者受け入れ協力医療機関や入院重点医療機関が受け入れ体制を確保する場合、医師や看護師等の配置を含めた病床確保料を補助しております。
 また、本定例会におきまして、入院重点医療機関に対する病床確保料を引き上げるとともに、年度末まで延長するための補正予算案を提案しております。

○藤田委員 補正予算などでの支援を行うことは重要です。お話の内容は、年末年始に対応するものではなく、今も土日の入院調整が難航していることなどを考えると、何らかの支援が必要と考えますので、改めて実施を求めるものです。
 また、新型コロナ受け入れ医療機関以外の医療機関については、支援は十分とはいえない状況ですが、それらの医療機関で働いている方々も、この一年、緊張して働いてきて年末年始を迎えるわけです。年末年始は、例年でも出勤する職員に対して年末年始出勤手当を支給している医療機関が多くあります。一時金まで減らされている中では、そうした医療機関に対しても何らかの支援をしていただくことを要望いたします。
 また、現時点でも、入院調整が、翌日に持ち込むことが多く、入院が可能となる体制のためにも、一層医療機関が連携していかなければなりません。
 新規陽性者に占める高齢者の割合が二割前後となっていることから、夏と比べるとそれだけ重症化しやすい方も多いということです。高齢者は、感染症の症状による消耗や治療による安静などによって、入院前に比べ、身体機能が低下しやすい傾向にあります。
 また、人工呼吸器が必要となれば、装着している期間、モニタリング会議のコメントによると、その期間は平均約十日間となっていますが、その期間は、薬剤によって意識をなくして治療を行うため、筋力低下は一層進んでしまいます。
 そうしたことから、コロナ感染症の治療が終わったとしても、もとの生活に戻れないなどの理由で退院できない方も多く、ほかの病院との連携も必要となっています。
 新型コロナの新規陽性患者さんを受け入れる体制確保のためにも、引き続き広域的な立場から、そうした連携体制の確保を図っていただくよう要望いたしまして、質問を終わります。

○森澤委員 私からも、補正予算についてお伺いいたします。
 年末年始の診療・検査体制の確保支援事業については、これまで質疑がありましたので割愛をさせていただきますが、感染拡大の状況を受けて、発熱した際の診療への不安はいつもの年末年始よりも高まっていると考えます。
 都民の皆さんが、年末年始にかかりつけ医があいていない、どこを受診したらいいのかなどとパニックにならないよう、発熱した場合の受診手順についての広報強化、周知徹底をよろしくお願いいたします。
 また、医療従事者等への慰労金の支給についても一言申し上げます。
 都内の医療機関に勤める方から、院内にコロナ対応病棟とそうでない病棟があり、特殊勤務手当分の給与の差が生じているというお話がありました。直接的にコロナ対応をしていなくても、忙しさやストレスや不安、また、安全な医療行為の提供という面では同じような環境であるにもかかわらず、そこに差が出てしまうのはおかしいという訴えでした。
 もちろん、病院の経営判断といってしまえばそれまでですが、都内医療機関で起きているこうした不協和音も敏感に察知し、未然に対応していただくことも医療体制を守ることにつながると考えます。ぜひ実態を注視していただきたいとお願いいたします。
 続きまして、生活福祉資金貸付事業補助についてお伺いいたします。
 事態の長期化に伴い、厳しい状況に置かれる方はさらにふえることが予想され、休業や失業で、生活資金でお困りの方への支援はさらに重要性が増しています。
 緊急的にお金を貸し付けた上で、困窮につながっている現状、就労や住まいなどのお困り事を把握した上で、適切な情報提供と支援につなげていく必要があると考えます。また、事態が長期化する中、貸付期間が終了した場合、次の支援にしっかりとつなげていく必要があると考えますが、見解を伺います。

○坂本生活福祉部長 国は、新型コロナウイルス感染症の影響による収入の減少や失業等により生活に困窮した方に対しまして、本年三月から、生活福祉資金の特例貸付を実施しているところでございます。
 この貸し付けでございますが、東京都社会福祉協議会が各区市町村の社会福祉協議会等を通じて実施しておりまして、貸し付けの終了後も生活に困窮される場合は、各区市の福祉事務所や自立相談支援機関などが、その方の状況に応じまして支援を行うこととなります。

○森澤委員 さまざまな支援制度はあっても、厳しい状況に置かれた中で、なかなかご本人が自分にどの制度が適当なのかという、選んでいくことはなかなか難しい状況です。個々の状況を的確に捉えた支援の必要性について、各窓口での意識を共有した上での対応を引き続きお願いいたします。
 コロナ禍において、自宅で過ごす時間がふえるなどして、DV被害の相談の増加傾向は続いています。
 DV被害者など、住民票と居住地が違う方へも滞りなく支援を届けられているのか、また、失業に伴い住まいを失った方、TOKYOチャレンジネットの対象になるような住居がない方への貸付支援も柔軟に行われているのか見解を伺います。

○坂本生活福祉部長 今お話ございましたDV被害者の方などで、住民票の異動が困難な場合でございますが、必要書類の取り扱いにつきましては、生活福祉資金の貸付申請の際に東京都社会福祉協議会などにご相談いただきますことで、個々の方の状況に応じた対応を行っているところでございます。
 また、TOKYOチャレンジネットに利用登録をした方で、生活福祉資金の貸し付けを申請される場合でございますが、一時利用住宅の所在地に住民票の登録を行うなどによりまして、個々の方の状況に応じて対応しているところでございます。

○森澤委員 個々の方の状況に応じた対応がなされていること、わかりました。引き続き、丁寧な対応がなされるようお願いしたいと思います。
 次に、住居喪失不安定就労者・離職者等サポート事業についてお伺いいたします。
 新宿の西口を見ていても、若いホームレスの方もふえていて、経済状況の悪化というものも肌で感じるものです。
 一方で、一時宿泊施設の利用者は、四月を最大にして減っているという現状を認識しています。春と今では、この制度を必要としている人や、その困窮度合いも変わってきているのではないかと考えます。さらに想像力を働かせ、誰に届けるべき事業なのか、各窓口が認識をともにして届けてほしいと思います。
 四月、五月では、相談に行っても、例えばあなたは要件に当てはまらないなどと追い返されるような事例もあったというふうに認識しています。
 これまでに運用を改善するなど、春先の課題を解決するよう取り組んでいることは認識しておりますが、区市町村での窓口も含め、まず、受け入れる姿勢が必要だと思います。また、要件に合わなかった場合は追い返すようなことをせず、ほかの適切な支援につなぐことができているのか見解を伺います。

○坂本生活福祉部長 生活や住まいに困窮した方の支援については、その方の居住地または現在地の福祉事務所や生活困窮者自立相談支援機関などが相談を受けまして、個々の方の状況に応じて、生活保護や住居確保給付金などの支援を実施することとなります。
 あわせて、都は、住居を失い不安定な就労に従事する方の相談窓口でありますTOKYOチャレンジネットを活用し、各関係機関と連携し、年末年始の支援を実施してまいります。

○森澤委員 いうまでもなく、福祉政策は、本当に必要な人に届いて、使われて、そしてその人が救われて初めて意味があるものです。都は、直接の相談窓口をさまざま持っているのと同時に、区市町村にもさまざまな窓口があり、また、最近では民間団体のアウトリーチもあります。
 必ずしも、困った方が最初にたどり着いた窓口が適切な窓口とは限りません。自分の担当ではないなどとせずに、その方にとって適切な支援につながるよう意識をともにしていただきたいと思います。
 そして、困った方は、必ずしも最初に行政の窓口に足を運ぶわけでもありません。困っている方がどこに足を運ぶのか、どこにいるのかといったことを、民間支援団体の協力も得ながら、その接点となり得るあらゆる場面で支援策についての周知が進み、本当に必要な人に支援が届くよう、引き続き取り組んでいただきたいと思います。
 チャレンジネットの登録からどれくらいの期間で、そしてどのくらいの割合の方が自立につながっているのか、その取り組み状況についてお伺いいたします。

○坂本生活福祉部長 TOKYOチャレンジネットに登録した方につきましては、三、四カ月間程度、チャレンジネットが確保しております一時利用住宅を提供いたしまして、生活、就労などの相談支援を行います。その後、就労や民間アパートへの転居など、自立した生活への移行を促進しているところでございます。
 本年四月から十月の支援実績でございますが、登録者のうち、就労につながった方が、一般就労を紹介した方については約七二%、介護職場での就労を目指します介護職支援コースについては、支援期間中に資格取得をした方の約九七%となっております。

○森澤委員 現状について、わかりました。
 一方で、女性の雇用への打撃も多い中で、女性が相談しやすいようにどのように取り組んでいるのか、また、どのような仕事にマッチングをしているのか見解を伺います。

○坂本生活福祉部長 TOKYOチャレンジネットでは、女性の方にも気軽に安心して相談いただけますよう、女性相談員が対応する専用フリーダイヤルを設けておりまして、本年四月から十月までの本事業の登録者一千三十六人のうち、女性の割合でございますが、百七十六人で約一七%となっております。
 チャレンジネットで職業紹介を行った主な職種でございますが、全体としては警備や建築関係、飲食、調理などとなっておりますが、女性の就業先といたしましては、福祉関係の介護職が多くなっております。

○森澤委員 ぜひ女性専用の窓口があることなども、さらに積極的に周知いただくとともに、女性に紹介できる職業の幅を多様にするよう努めていただきたいと思います。
 また、これは男女問わずですが、失業者対策において、企業の開拓を進めている産業労働局と連携するなどして、事業利用者ができるだけ自分の能力や適性を生かすことのできる仕事について、長期的な就労へとつながるよう取り組んでいただきたいと思います。
 さらに、本事業については、補正予算成立後にホームページやSNS等を通じて広報を行っていくということですが、これまでは、四月に報道されたニュースで知る場合もあったと聞いております。年末に向けて、ネットニュース等で報じていただくことも有効だと思いますので、メディアを通した広報にも力を入れていただきたいと思います。
 一方で、インターネット上の情報だけでは、スマホを持っていない、使っていない、検索でうまくたどり着かないなど、真に必要とする人に情報が届かないという指摘もあります。
 民間支援団体の協力を得ながら、必要と思われる方々にチラシを手配りしたり、ネットカフェにチラシを置くなどといったことを幅広く行い、周知に努めていただきたいと要望しておきます。
 最後に一言申し上げます。
 福祉保健局の皆様におかれましては、事態の長期化、感染者の増加に伴い、業務負担がかなり重く、精神的にもかなり厳しい状況にある方もいるというふうに聞いています。
 せんだって、宿泊療養施設の運営について、民間への委託を進めてほしいということも申し上げましたが、全てを抱え込まないで、本当にやるべきこと、職員の皆様にしかできないことは何かをいま一度整理、考えた上で、手放す勇気も必要だと考えます。
 皆様が健康な状態で持続可能な働き方をすることが、結果として都民サービスの質の向上にもつながります。大変な中で都民のためにご尽力いただいていること、心から感謝を申し上げ、質疑を終わります。

○うすい委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○うすい委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。

○うすい委員長 次に、議員提出議案第二十二号から第二十四号までを一括して議題といたします。
 本案について提出者の説明を求めます。

○白石委員 条例案についてご説明いたします。
 まず初めに、議員提出議案第二十二号です。お手元に配布をされていると思います。ご参照いただきたいと思います。
 初めに、島しょ地域住民の島外への通院に係る交通費等の補助に関する条例についてです。
 本条例は、島しょ地域の住民が島しょ地域外の医療機関に通院するためにかかる費用に対し、町村が助成を行った場合に東京都が補助を行うものです。町村が助成を行った額の全額を東京都が補助いたします。
 助成の対象となるのは、島しょ地域外の医療機関に通院する必要があると町村長が判断した方の交通費、宿泊費です。通院に付き添う方の交通費、宿泊費も、町村長の判断により助成対象になります。
 交通費は半額を助成いたします。ただし、客船の部屋の等級は第二等の運賃まで、等級のある飛行機では普通席の運賃までを助成対象といたします。
 宿泊費は半額を助成いたします。ただし、宿泊費が一日当たり一万六千円を超える場合は、八千円を助成いたします。
 施行日は、二〇二一年四月一日です。
 提案理由ですが、島しょ地域は医療資源が不足しており、島で必要な医療が受けられない場合は、島外の医療機関へ通院する必要があります。島外の医療機関へ行くには、船などの交通費と現地での宿泊費が必要となり、住民にとって重い負担になります。
 そのため、多くの町村が通院に係る交通費などの助成制度を実施していますが、東京都からの財政支援がありません。東京都として、町村への補助制度を創設することで、島しょ地域の町村の事業を支援し、実施、拡充を後押しするため、本条例を提案するものです。
 続きまして、議員提出議案第二十三号です。東京都シルバーパス条例の一部を改正する条例についてご説明いたします。
 シルバーパスの発行に必要な費用負担額は、住民税非課税または所得百二十五万円以下の方は千円、それ以外の方は二万五百十円となります。この費用負担額を所得に応じた額とするよう条例に定めることによって負担を軽減いたします。
 具体的には、住民税課税で所得百二十五万円超、二百万円以下の方を対象に、三千円パスを発行することを考えております。
 また、現在、シルバーパスを利用できる交通機関はバス及び都営交通ですが、新たに多摩都市モノレール、「ゆりかもめ」でも利用できるようにいたします。
 さらに、現在の制度では、都営でないバスに乗る場合は、乗車、降車の両方が都内の停留所である必要がありますが、これを乗車、降車の一方が都内の停留所であれば利用できるように改めます。
 施行日は、二〇二一年十月一日です。
 提案理由ですが、シルバーパスの負担額は、住民税課税で所得が百二十五万円を超えると、千円から一気に二万五百十円に上がるため、負担軽減を求める声が大きく広がっております。市長会も、中間所得層に向けた新たな利用料軽減枠を設けることを東京都に要望しております。
 東京都が都民を対象に行ったアンケート調査でも、二万五百十円の利用者負担金に対する考えは、高いと思うが最も多くなっていました。そのため、負担軽減を行う必要があります。
 また、多摩都市モノレール、「ゆりかもめ」は、東京都の第三セクターによる公共交通機関ですが、シルバーパスは利用できません。沿線の住民からは適用を求める声が根強くあり、条例を改正して利用できるようにする必要があります。
 さらに、東京都と他の県の境の近くに住む都民は、生活圏が都外に及ぶことが少なくなく、都外でシルバーパスが使えないため、さまざまな不便が生じております。そのため、少なくとも乗車または降車の一方が都内であれば利用できるようにする必要があります。
 以上の理由から、東京都シルバーパス条例の改正を提案するものです。
 最後に、議員提出議案第二十四号、東京都児童育成手当に関する条例の一部を改正する条例についてです。
 現在の児童育成手当制度では、ひとり親世帯に対し、子供一人当たり月一万三千五百円が支給されております。この児童育成手当の金額を引き上げ、月一万五千五百円といたします。
 施行日は、二〇二一年四月一日となります。
 提案理由ですが、ひとり親家庭の多くは、新型コロナウイルスの感染が広がる以前から経済的に困窮しています。東京都の調査でも、年収二百万円未満の世帯は、母子世帯の三六%、父子世帯の一四%に上ります。国の国民生活基礎調査でも、ひとり親世帯の貧困率は四八%にもなります。
 東京都の児童育成手当は、ひとり親世帯の生活を支える上で重要な役割を果たしていますが、その額は、一九九六年度以降、全く引き上げられておりません。
 その上、新型コロナウイルス感染症の広がりによる経済への影響で、ひとり親世帯はさらに困難な状況に陥っております。NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむが実施した調査では、シングルマザーの四〇%以上が減収となり、三から四割の方が、米などの主食や肉、魚、野菜を買えなかったことがあったと回答いたしました。
 公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンによる都内ひとり親家庭高校生給付金利用者の調査では、八割の家庭が赤字で、高校中退の可能性があるとの回答が三割を超えております。
 したがって、ひとり親世帯の経済的な困窮を改善するため、児童育成手当の額を引き上げる条例案を提案するものでございます。
 説明は以上です。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○うすい委員長 説明は終わりました。
 これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○うすい委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○うすい委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後二時九分休憩

   午後二時二十五分開議
○うすい委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 陳情の審査を行います。
 陳情二第九五号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○武田感染症対策部長 お手元にお配りをしております陳情審査説明表に従いましてご説明をさせていただきます。
 整理番号1、陳情二第九五号、東京都新型コロナウイルス感染症対策条例に関する陳情は、吉井一絵さんから提出されたものでございます。
 陳情の要旨は、東京都新型コロナウイルス感染症対策条例について、重症化し命にかかわるリスクの高い人やその家族が必要最低限の日常生活を送ることができるよう、罰則を科すなど条例の実効性をより高めるための改正をすることというものでございます。
 次に、現在の状況についてご説明をさせていただきます。
 都は、今後の新型コロナウイルス感染症の感染の再拡大を見据え、対策の実効性をより高めるため、令和二年十月に東京都新型コロナウイルス感染症対策条例を改正し、都民及び事業者の具体的な責務を規定いたしました。
 まず、都民には、知事または特別区もしくは保健所設置市の長の求めに応じて、必要な検査を受けるよう努めることを定めてございます。
 患者等には、知事または特別区もしくは保健所設置市の長の求めに応じて、医療機関に入院し、宿泊療養施設に入所し、または居宅等において療養し、みだりに外出しないよう努めること、さらに、知事または特別区もしくは保健所設置市の長の求めがあったときは、必要な調査に協力するよう努めることを定めてございます。
 事業者には、知事または特別区もしくは保健所設置市の長の求めがあったときは、必要な調査に協力するとともに、関係者のうち感染のおそれがある者に対して検査に協力することを促すよう努めることを定めてございます。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○うすい委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○岡本委員 三年間、この厚生委員会に所属しておりました都民ファーストの会の岡本です。また、この厚生委員会に戻ってまいりました。どうぞよろしくお願いいたします。
 十二月二日に、私ごとではありますが、椎間板ヘルニアを発症してしまいまして、現在、腰を真っすぐ伸ばすことや左足を伸ばすことが、痛みとしびれがありまして、お見苦しい点多々ありますが、どうぞご容赦お願いいたします。
 また、この委員会の運営に当たりまして、休憩時間の設定や立ち居振る舞いに関して格別の配慮をいただきまして、皆様に感謝を申し上げます。どうもありがとうございます。
 それでは、座ったままで恐縮ですが、質疑をさせていただきたいと思います。
 陳情二第九五号、吉井一絵さんの新型コロナウイルス感染症対策条例に関する陳情に関して質疑をさせていただきます。
 この陳情の願意としては、罰則を科すなど条例の実効性をより高めるための改正をしていただきたいということであります。
 私たち都民ファーストの会は、九月九日に、罰則つきの条例の改正案について、案を発表いたしました。個人の検査拒否、それから感染者の外出、そして事業者の感染防止という主に三つのテーマがありますので、それぞれのテーマごとに質疑をさせていただきたいと思います。
 まず、検査拒否について質疑をさせていただきます。
 濃厚接触者が、保健所の要請にもかかわらず検査に応じないケースとして、これまでどのようなものがあったのか伺います。

○杉下感染症危機管理担当部長医療連携推進担当部長兼務 これまで、都や区市の保健所が濃厚接触者として検査を案内した際に、自分は元気だし心配はしていないという理由や、コロナはただの風邪、あすに健康観察期間が終了するのであれば、自宅待機、健康観察のみで様子を見たいという理由などで検査に応じない例がございました。

○岡本委員 三つほど検査拒否の理由をご答弁いただきました。
 その一つとして、健康観察期間の終了が近い場合というのがございました。
 これは早期に検査を実施できなかったということでありますので、濃厚接触者などの調査の業務負担の増大という課題が根底にあるものだというふうに思われます。これについては、都によるトレーサー班の拡充などの保健所の支援を引き続きよろしくお願い申し上げます。
 次に、ご答弁いただいた理由として、自分は元気で心配はしていないという主張がありました。
 自分は元気であるというこの主張に関しては、仮に陽性であっても、無症状であれば他人に感染させないという主張とも通ずるものがあります。
 そこで伺います。新型コロナは、無症状の陽性者も他人に感染させるのか伺います。

○杉下感染症危機管理担当部長医療連携推進担当部長兼務 国の新型コロナウイルス感染症診療の手引きによれば、有症者が感染伝播の主体であるが、発症前の潜伏期にある感染者を含む無症状病原体保有者からの感染リスクもあるとされています。
 また、国立感染症研究所の新型コロナウイルス感染症患者に対する積極的疫学調査実施要領によりますと、無症状病原体保有者の感染可能期間は、陽性確定にかかわる検体採取日の二日前からとされています。

○岡本委員 今ご答弁いただきました。
 自分自身が無症状であっても他人に感染させる可能性があるということが、この新型コロナ感染症の特徴であり、これまでの感染症に比べて、特に封じ込めやコントロールが難しい理由だというふうに考えられています。
 国立国際医療研究センターの忽那賢志専門医が、ヤフーニュースにわかりやすい記事を繰り返し書いておられます。その一部をご紹介したいと思います。
 新型コロナの感染伝播の総量を一〇〇とすると、発症前の無症状者からの伝播が四五%、そして無症状のまま経過する無症候性感染者からの伝播が五%ということで、合計すると五〇%は無症状者からの伝播であるという研究が紹介されていました。
 この無症状から感染しているのが全体の五〇%に当たるという研究、これは非常に注目すべきものだというふうに思います。
 次の質問に行きます。
 先ほどご答弁いただいた要請に応じない理由として、コロナはただの風邪という主張がありました。このコロナはただの風邪という主張に関して伺います。
 新型コロナと季節性インフルエンザの感染力や致死率や症状などの違いについて伺います。

○杉下感染症危機管理担当部長医療連携推進担当部長兼務 日本感染症学会が本年八月に提言した今冬のインフルエンザとCOVID-19に備えてによると、COVID-19は、発症日にウイルス量が最大量となり感染性が強くなるのに対し、インフルエンザでは、発症二、三日後にウイルス量が増加するという違いがあります。
 致死率については、インフルエンザは〇・一%以下、COVID-19は三から四%となっております。
 症状については、インフルエンザはワクチン接種の有無などにより程度の差がありますが、しばしば高熱を呈するのに対し、COVID-19は発熱に加えて、味覚障害、嗅覚障害を伴うことがあります。

○岡本委員 感染させる時期の違いや、また致死率の違いについてご答弁いただきました。
 COVID-19は三から四%の致死率ということですが、高齢者や疾患がある方については、これよりもさらに飛躍的に、二〇%とか、そういうような非常に高い致死率も示されています。また、後遺症などの障害などについてもご答弁いただきました。
 また、インフルエンザとの違いとして、ことしはインフルエンザの感染がかなり抑えられておりまして、十一月十六日から二十二日の一週間で、全国の患者は四十六人だけというふうに報道されています。昨年の同時期、約一万五千人に比べると、〇・三%という報道があります。
 これについて、その理由として、ウイルス干渉という仮説もありますけれど、欧米ほどコロナ感染者が多くない日本において、この説に関しては、私は疑問だというふうに思っています。
 そうすると、なぜこれだけ感染が抑えられているかという理由としては、やはりマスクや手洗いの徹底、消毒液を使う習慣というものが、インフルエンザの流行を抑えているんだろうというふうに考えられます。
 そうすると、その中でもこれだけ感染が拡大している新型コロナとインフルエンザということを比較すれば、新型コロナはインフルエンザよりも社会の中において感染力が非常に強いということがいえると思います。
 コロナはただの風邪と主張する人たちの中には、インフルエンザでは年間三千人死亡していて、新型コロナは三千人も死亡していないじゃないかという主張をする人がいます。
 これは、昨年以前のインフルエンザとことしの新型コロナを比較するのは、比較の対象として適切ではないというふうに思います。ことしは緊急事態宣言をやりました。そして、新しい日常で対策も継続しています。そうした中でもこれだけ感染が拡大している新型コロナというものと、ことしのインフルエンザ、これを比較しなければ、比較の対象にならないというふうに思います。
 また、何も対策しなければ、日本でも爆発的な感染や死亡者が発生していた可能性があるというふうに考えられます。このコロナはただの風邪という主張は、非常に危険なものであるというふうに感じています。
 みずからが感染しても構わないというのみならず、他人に感染させても構わないという主張や運動が行われています。
 これは、ことしの十月二日の厚生委員会や十一月二十七日の総務委員会でも述べさせていただきましたが、ノーマスク運動とか密になろう運動などの感染を拡大する行為を意図的に展開し、SNSでそうした運動が広がっています。
 こうした積極的な感染拡大を助長するような行為、こうした行動に対しては、罰則によって抑止をする必要があるというふうに考えられます。
 もちろん、感染症で個人に罰を科すというようなことは、本来であれば避けるべきだというふうに思います。しかし、いざ医療崩壊が起きれば、誰もが命を落とす危険性をはらんでいる。また、この新型コロナで、非常に危険な、リスクの高い人たちがいる。そうした命の危険を考えれば、あえて実効性を高める議論をすべきだというふうに思います。都民の命を預かる与党議員としての責務だというふうに考えています。
 先ほども述べました、新型コロナは陰謀だというふうに信じる人々、反自粛を呼びかける動き、こうした動きに対して、しっかりと対処をしていく必要があるというふうに考えます。
 こうした方々と、私はフェイスブック上で、私のコメントも含めて、それからいただいたコメントも含めて、約四百件のコメント、対話をしました。ある程度合理的な話で対話ができる方もいらっしゃいますけれど、そうではなくて、対話が非常に困難な、完全にコロナはフェイクだとか、そういうことを熱狂的に信じて、攻撃的な書き込みをする方もいます。
 そういう方々に対して、もちろん対話をして説得していくということは重要だと私も思っておりますけれど、一定の場合には、やはり罰則をかける必要があるというふうに、議論をして、改めてそのように感じるところであります。
 以上、検査拒否の理由について見てまいりましたが、次に、そうした人々がどれぐらいの割合で存在するのかということを検討したいと思います。
 代表質問でも触れましたが、東京iCDCリスコミチームによる都民意識に関する予備調査の結果が公表されています。この調査の概要について伺います。

○加倉井東京感染症対策センター担当部長新型コロナウイルス感染症対策企画調整担当部長兼務 新型コロナウイルス感染症に対する取り組み状況や関心事を把握するため、東京在住の二十代から七十代までの男女を対象に、令和二年十月十五日から同月十七日で、ウエブアンケート調査を実施いたしました。
 今回の調査は予備調査であり、有効回収票数九百三十五票とサンプル数が少なく、対象者の属性も東京都の人口構成比率に即したものでないことから、代表性が担保されたデータとはなっておりません。
 現在、予備調査結果も踏まえ、本調査の実施に向けて準備を進めているところでございます。

○岡本委員 予備調査ということでありまして、インターネットのモニターに登録している若年層に回答が比較的多いというバイアスがあるものだと思いますが、一定の参考にはなる数値だというふうに思っております。
 この調査の中には、周囲に感染者が出ても検査を受けたくないというアンケート項目がありました。これに対する回答として、当てはまる、やや当てはまるを合わせると、一一・八%が検査を受けたくないという回答になります。また、九・五%がわからないという回答をしています。
 おおむね七八%に関しては検査を受けていただけるものだと思いますが、約一割から二割の方々が検査を受けたくない、あるいはわからないという回答をしているということになります。
 また、別のアンケート項目で、コロナかなと思っても受診しないについて、当てはまる、やや当てはまるを合わせると、やはり一一・九%という数字が出ています。
 これまでに、スーパースプレッダーという概念が感染症学会でいわれたことがあります。
 四月十八日のシンポジウムにおいても、次のようにいわれました。実は、八割近くの人が誰にも感染させていない。十数%の人が一人に感染させている。一方で、また少数の人が非常に多くの人に感染させる。そうした感染者が存在するということです。
 つまり、多くの人は誰にも感染させていないんだけれど、一部の人が非常にたくさんの感染をさせることによって感染を広げているということであります。こうしたスーパースプレッダーを出さないということが対策として非常に重要ということになります。
 多くの七割から八割の都民の方、また九割の方かもしれませんが、こうした多くの方々は、検査に協力をし、また、他者への感染もさせていないというふうに考えられますが、一部の感染者が検査を拒否したり、また、多くの人に感染を生じさせているというふうに考えられます。
 都は、感染拡大を防止するために、検査を拒否する人にどのような働きかけをしていくのか伺います。

○杉下感染症危機管理担当部長医療連携推進担当部長兼務 東京都新型コロナウイルス感染症対策条例第七条第一項では、特措法に基づく東京都新型コロナウイルス感染症対策本部設置期間において、都民は、知事または特別区もしくは保健所設置市の長の求めに応じて、必要な検査を受けなければならないとしています。
 また、東京都感染症予防計画でも、感染症発生時には、感染拡大の防止に協力することを都民の責務として定めており、これに基づき、対象者に蔓延防止の意義を説明し、検査への協力を求めてまいります。

○岡本委員 働きかけはもちろん重要だというふうに思います。協力を求めていくことは重要です。できれば、強制的な手段を用いずに済むならば、その方が望ましいと思います。しかし、検査を拒否する人に説明と協力を求めていくだけでは、保健所の負担も一層過重なものとなり、やはり一定の強制力が必要だというふうに思われます。
 そこで伺います。
 感染症法十六条の三、検体の採取等の第三項には、検体採取の直接強制を定めています。法律上は強制的にこの新型コロナに関しても通達で適用があるとされておりますが、政令でそのようにされておりますが、法律上は強制的に検体を採取させることができるとされていますが、これを発動した例があるのか伺います。

○杉下感染症危機管理担当部長医療連携推進担当部長兼務 感染症法第十六条の三では、都道府県知事は、蔓延を防止するため必要があると認めるときは、検体の提出もしくは採取に応じることを勧告できるとしており、勧告を受けた者が従わないときは、検体を採取することができると規定しています。
 現状では、感染症法第十五条に定める積極的疫学調査に基づき、保健所が対象者に検体の提出もしくは採取を求めており、都内保健所において、感染症法第十六条の三に基づく直接強制を行った例はございません。

○岡本委員 法令上、この新型コロナに関しても直接強制が定められていて、当該感染症にかかっていると疑うに足りる正当な理由のある者は、検査の義務があります。にもかかわらず、直接強制というのは執行が困難で、発動は実際にはされていません。そうすると、この法律は絵に描いた餅ということになります。
 他方で、我々議員で検討している過料と比べると、直接強制という方が人権への規制の程度は高いというふうにいえます。
 例えばですけれど、刑事事件で、覚醒剤等の使用に関しては、尿検査ということを刑事捜査で行います。これに関しては、刑事捜査で行う場合には、当然、裁判官が発する令状が必要になります。
 それに比べると、これは行政処分ですので、令状は必要ありません。令状なく、都知事の判断で、強制的に検査を受けさせるということはできるわけです。
 できるということになっていますけれども、これは人権への制約としては非常に強烈です。こうした強過ぎる規制を定めていて、法令上は定めているけれど、実際には発動していない、意味をなしていないということはいえます。
 ですから、より実効性のある、意味のある過料の罰則を設けるべきだというふうに考えます。既に法律上定められている検査の義務について、実効性を持たせるためにこそ、過料の罰則を設けるんです。
 厚労省が監修している感染症法の逐条解説、この逐条解説本には、最終的に強制的な履行が担保されているため、罰則は法律上不要であり、設けられていないという解説になっています。
 強制的な履行が担保されているんであれば、それは罰則は不要かもしれませんけど、実際にはこの強制的な履行が発動されない、使われないわけです。使われないんであれば、やはり罰則は必要だという理屈になると思います。
 まとめますが、多くの都民に呼びかけただけで、多くの都民の方にとっては十分だというふうに思いますが、一割あるいは二割の程度の人たちには、呼びかけやお願いだけでは不十分な可能性がありますし、そうした方々からの感染拡大を防止するためには、やはり罰則が必要ではないかというふうに考えるわけです。
 では、次のテーマに移ります。外出について伺います。
 先ほどの東京iCDCによる都民の意識予備調査の結果によりますと、この調査が行われたのは十月十五日から十七日ですけれど、夏と十月とを比べて、次のアンケートがあります。
 風邪の症状があるときの外出は控えるかというアンケート項目です。これについて、夏も今も特に気をつけていない、気をつけていない、風邪の症状があっても外出はするという方が五・五%で、夏の方が気をつけていたという方が四・六%ということで、夏よりも十月の方が緩んでいるというふうにもいえると思います。
 これは風邪の症状の場合ですけれど、では次に、陽性であるということが判明した方については、これは外出を控えるということの要請や必要性は、さらに一層高まるというふうにいえます。
 こうした陽性者が宿泊療養を断るケースは、これまでどのようなものがあったのか伺います。もちろん、保健所としても、一律に宿泊療養を求めているわけではなくて、家族構成や生活環境などを踏まえて、宿泊療養が妥当か、自宅療養が妥当か、個別に判断しているはずですので、そうしたことを踏まえて宿泊療養が妥当だと判断したにもかかわらず、これを断る場合、どのような場合があるのか伺います。

○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 区や都の保健所などから聞いているところでは、宿泊療養を拒まれる事例としては、自由がない、仕事ができない、家から遠い、部屋が狭い、あと数日なので自宅で過ごしたいなどのケースがあると伺っております。

○岡本委員 このように、宿泊療養を求めても断られているケースが幾つもあるということであります。
 さらにまた、宿泊療養で一旦ホテルに入った陽性の人が、あるいは病院に入院した患者の方が、無断で抜け出すという事例が都外で幾つか報道され、問題となっております。
 直近では、十二月二日、埼玉県の事例ですけれど、新型コロナウイルスに感染して入院中に無断で病院を抜け出して入浴施設を利用したとして、埼玉県警が偽計業務妨害などの疑いで逮捕したという報道がありました。
 これ、偽計業務妨害罪に本当になるのかというのは、ちょっと私は疑問があるところで、無理な拡大解釈をしていないか、無理な適用をしていないか、かえってそうした刑事罰の適用というのは、人権保障の観点で疑問がないわけではありません。ですので、むしろ明確な罰則がある方が、より人権保障にも資するというふうに考えます。
 また、これまでの報道として、大阪府において、新型コロナウイルスに感染し、大阪市内のホテルで宿泊療養中だった二十代の男性が、十一月十七日に警備員の説得を無視して外出し、京都の福知山市内に滞在していたという報道があります。そして、これは酩酊状態だったということであります。
 また、福知山市を管轄する、今度、大阪とはまた別の京都府の保健所でも、立ち寄り先や濃厚接触者について調査を進めているということで、保健所への負担もかなり発生しているということになります。
 また、そのほか、大阪で八月に、五十代の男性が警備員らの説得を振り切ってホテルの敷地から強行外出して、コンビニやピザ屋に立ち寄った。これも警察に通報して捜索したということで、こうした脱走事案が、この時点で大阪では四件報告されていたということでありますし、また、七月には横浜市で、市内の宿泊療養施設に入所していた男性が無断で外出し、高さ二メートルのバリケードをよじ登って外に出たという報道もあります。
 こうした報道事例のほかに、都立病院においても、コロナの陽性患者が勝手に自主退院して出ていったという件についても、数件あったということで病院経営本部から聞いております。
 こうした外出制限に関して、もちろん行動の自由に対する制約は非常に強いものですので、一律に罰則をかけて外出を制限すべきだというふうには私も考えておりません。おおむね十日間は、できれば外出は控えていただきたいというふうに思いますが、一律に外出したら直ちに罰則というのは、私としては行き過ぎだというふうに考えております。
 その一方で、外出をして他人と濃厚接触するとか、例えばマスクもせずに飲み会をするとか、ひいては他人に感染させるといった、こうした場合には、これはもはや単なる外出制限を超えて、明らかに不当な行動だというふうに思います。そうした一部の行動に対しては罰則をもって臨むべきで、罰則でもって抑止をしていくべきだというふうに考えます。
 一部の都議会議員や一部のメディアが、都民ファーストの会の罰則案に対して、感染させたら罰金だというふうな喧伝をして、都民に誤解を与えるような発言をしていたということは、これはミスリードでありまして、遺憾だというふうに考えております。あくまで、感染者が外出制限に反して一定人数以上の他人に感染させた、あるいは濃厚接触をした、そうした要件を絞ることで、人権にも配慮した案となっています。
 もちろん、気づかないうちに他人に感染させてしまったと、そういうようなことを罰するものではありません。そうした誤解を与えるというのは非常にミスリードです。あくまで感染が判明した方が、行動制限に反していて、かつ他人に感染させたと、あるいは濃厚接触していると、そういった非難可能性の高いものに限定しているものであります。
 次に伺いますが、感染症法では、これ、勘違いなんですが、人権の観点から罰則を設けることが一切できないように誤解をしている人がいます。感染症法を全く読まないで、罰則を設けることは人権侵害だ、人権侵害だといって私のフェイスブックに書いてこられる方もいます。
 そうした方も含めて改めて確認をしたいんですが、七月二十日の厚生委員会でも質問したんですが、改めて確認をしておきます。感染者の行動の制限に関して、感染症法上、どのような罰則があるか伺います。

○杉下感染症危機管理担当部長医療連携推進担当部長兼務 感染症法第十八条では、陽性者は、就業制限の通知を受けた場合には、感染症を公衆に蔓延させるおそれがある業務に、そのおそれがなくなるまでの期間従事してはならないと規定しています。
 また、同法第七十七条第四号では、通知を受けた者が当該期間中に就業が制限されている業務に従事した場合、罰金を科すことができることを規定しています。

○岡本委員 感染症法十八条と施行規則の十一条二項三号によって、一定の業務、具体的には飲食物に直接接触する業務と、それから接客業その他の多数の者に接触する業務の就業が制限されていて、法律の七十七条四号で、五十万円以下の罰金刑が規定されています。
 これは刑事罰でありまして、行政罰よりも非常に重いということがいえます。これ、罰として非常に重過ぎるために、そしてまた、刑事手続であって、行政手続ではない、警察等が関与するという手続でもありますので、これも重過ぎることによって絵に描いた餅になっている、実際には発動が困難になっているというふうにいえます。
 ですので、こうした、より実効性を高めるために、より現実的な行政罰によって実効性を高めるべきだというふうに考えます。
 また、この対象が就業制限、特定の業務に限定されていますけれど、外出制限に従わない場合も対象にすべきだというふうに思います。
 これまでの厚生委員会でも、私、取り上げましたけれど、愛知県蒲郡市のように−−これは就業ではありません。むしろ飲み歩いて、外出をして他者に感染させたというふうに考えられる事例ですけれど、仕事をする以上に、飲み会に行く方がよほど感染リスクが高いわけです。ウイルスをばらまいてやるといって、居酒屋や女性が接待するパブに行って実際に感染を発生させたという事例において、これもより明確な罰則を設けるべきだというふうに考えます。これについても、やはり実効性を高めるということが、我々都議会議員としてのなすべき責務だというふうに考えるわけです。
 次のテーマに移ります。次は、事業者について伺います。
 事業者が保健所の調査に協力しないケースとして、これまでどのようなものがあったのか伺います。

○杉下感染症危機管理担当部長医療連携推進担当部長兼務 事業者が保健所の調査に協力しない例としては、窓口の職員が電話に出ない、接触者リストを提出しない、濃厚接触者に検査を受けさせるが出社させる、連絡がとれなくなるなどが挙げられます。

○岡本委員 連絡がとれなくなるということが、今ご答弁いただきました。
 東京iCDCの先ほどの都民意識の予備調査の結果によりますと、保健所の調査には協力したくないというアンケート項目がありました。これについては、九・八%が協力したくないという回答をしています。
 このように、多くの方々が協力していただけるわけですけど、一定の方々が非常に協力的でないという事例があるということであります。
 最近の報道事例でありますが、千葉県の船橋市で、物流倉庫に関する会社で大規模な集団感染、従業員百六人の集団感染が発生したという事例で、二人の従業員の感染が確認されたにもかかわらず二人と連絡がとれなくなったとか、それから、検査の対象となっていたのに連絡がつかないなどの理由で、検査できなかった従業員が五十四人いたという、こうしたことも報道されています。
 こうした調査の協力に関しては、福岡県におきまして、感染が判明した人に、原因となった可能性のある行動や感染経路の特定のために、必要な情報の報告を義務づけるという議員提案の条例が現在検討されています。報告を拒否すると、罰則を科すという内容になっています。こうした福岡県の県議会の動向についても注視をすべきだというふうに思います。
 最近、事業者に関して、夜のまちのクラスターという報道を比較的余り聞かなくなったというふうに思うんですが、最近どのような場所で感染が発生しているのか伺います。

○杉下感染症危機管理担当部長医療連携推進担当部長兼務 最近は、日常生活の中での感染リスクが高まっており、同居する人からの感染が最も多い一方で、職場、施設、会食、接待を伴う飲食など、感染経路は多岐にわたっております。

○岡本委員 家庭内感染がふえており、割合的にも大きな割合を占めているということでありますが、絶対数で見ると、今ご答弁いただきましたように、職場や施設や会食や接待を伴う飲食なども、必ずしも減少しているとはいえず、むしろ、こうした感染は、今後の家庭内感染へと連鎖していくということも想定されます。
 やはり、依然として施設や会食などの対策も重要であります。こうした事業者への対応というのは、やはり引き続き必要であります。
 私もこの間にお伺いしたところ、飲食店や施設、バーなどにおいても、酒場とか、そういうところにおいても、今もクラスターは起きていると。報道はされていなくてもクラスターは起きているということであります。
 こうした、報道においては家庭内が注目されておりますけれど、依然として事業者における、施設における感染を、対策をとっていく、そうすることが、二週間後、四週間後の家庭内感染を防いでいくということにつながるというふうに思います。
 それから、罰則つきの条例を設けると、ますます経済が疲弊するとか、自殺者がふえるんではないかといった反対意見も見られます。
 しかし、これについては逆だというふうに考えています。罰則つきの条例によって、感染者の感染拡大の非常に高い行動を抑止することによって、むしろ健全な経済活動をするということにつながる、経済活動にむしろプラスになる面があるというふうに考えます。感染防止と経済活動の両立を目指すものです。
 むしろ陽性者が出歩いている、感染を拡大させているということになれば、かえって経済活動への萎縮効果も大きいと、むしろそうしたことをしっかりと抑止している社会の方が、より経済活動にもプラスになるというふうに思います。
 これまで、検査拒否や陽性者の宿泊療養拒否や陽性者の外出、出歩き、また事業者等について、感染を拡大するおそれがある行為に対して一定の罰則を設けるべきだということを明らかにしてまいりました。
 また、必要に応じては、罰則と同時に金銭的な給付も必要であろうというふうに思います。例えば、新宿区が、新型コロナの陽性が判明すると、一律に十万円の見舞金を給付するといたしまして、これについては賛否の議論がありました。
 他人に感染をさせないよう行動すべきだということは、これは全国民が負うべき一般的な制限で、特別な犠牲や特別な人権侵害ではないというふうに考えれば、法理論上は、補償は不要というふうに考えられます。
 他方で、実効性を高めるためには、政策的に一定の給付をするということも考えられます。特に、健康保険の傷病手当金が出ない人々−−この傷病手当金は、具体的には欠勤が連続して三日間あった場合の、四日目を過ぎてから休んだ日に対して支給されるものですが、健康保険ではなくて国民健康保険とか自営業の方、こうした方々に関しては、そもそも傷病手当金がないので、そうした傷病手当金がない方々に対して配慮し、引き続き検討を行っていくということは必要だろうというふうに思います。
 先ほどあった意見書に関しては、ちょっと傷病手当金そのものではないので、あくまで傷病手当金にかわるものとして検討すべきだというふうに思いますが、そのような何らかの手当てというのは、検討していく必要があるんではないかというふうには私も思っております。
 この陳情について、改めてこの内容に戻りたいと思いますけれど、この陳情者の方、吉井さんは、六歳の娘さんの命にかかわる大きな脅威を感じておられるということであります。
 こうした、この陳情の方に限らず、多くの方々が、感染が疑われる場合については検査を受けてほしいと、そして、陽性ならば、他人に感染させないように行動を控えてほしいと、こういうふうに思うということは、これは過度な要求でもないと思いますし、過度な人権侵害でもないというふうに思います。あくまでリスクが高い人の命を守るということと、医療崩壊を防ぐということのために必要な、誰もが受けるべき一般的な制約だというふうに思います。
 また、この間、私どもの会派におります龍円議員と話をしました。龍円議員は、ご承知のとおり、ダウン症のお子さんを持っておられます。ダウン症のお子さんは、非常に感染症に対してリスクが高いということがもともといわれており、非常に不安の強い中で生活をしておられるということでした。
 もともとRSウイルスの感染症に関しても重症化のハイリスクでありまして、免疫不全、もともとダウン症の方は、免疫が弱い、また、心臓にも疾患があるという方が多いということで、このRSウイルスの重症化のリスクということで、通常の場合よりも高頻度で予防接種を受けるというふうにされているということであります。
 また、いわゆるただの風邪であっても、重症化して命にかかわるということです。ですので、命にかかわる、新型コロナで非常に命の危険を感じておられるという方は、もうこれは切実な問題だというふうにいえるわけです。
 そして、この新型コロナについては、知見がもともと少ない中で、ダウン症に関しては、十月になってようやくイギリスの大規模調査の結果が出たということです。ダウン症の人は、死亡のリスクが十倍高いという結果が示されました。
 子供については、まだ知見が十分ではありませんけれど、知見が不十分な状態においては、やはり命の危険を考えて、安全サイドで対策を講じて、感染しないように対策をとっていくしかないというふうにご本人や親が考えるということは、これはもう自然なことだというふうに思います。大変理解ができるというふうに思います。
 こうした感染拡大を防止してほしいという強いこの陳情者の思いに、我々は都議会として応えるべきだというふうに思います。
 もちろん、防ごうとしても、やむを得ない感染が生じてしまった、そういう場合に罰則を科すということは、これは行き過ぎだというふうに思いますけれど、容易に防ぐことができる感染、あるいは意図的に感染を拡大するような行為、これに対しては、やはりこれを防止する、抑止するために、我々都議会としてできる対策を講じていくべきだというふうに思います。
 では、次に伺います。
 都は、国に対してどのような法改正を求めているのか伺います。

○武田感染症対策部長 都は、本年七月、新型コロナウイルス感染症対策に関する要望におきまして、休業や検疫の要請等、感染拡大防止対策の実効性を確保するための法的措置について、新型インフルエンザ等対策特別措置法、検疫法の改正を含め、検討することを要望してございます。
 また、八月には、要請に伴う経済的支援措置の規定や要請に応じない施設管理者への罰則を規定するなど、新型インフルエンザ等対策特別措置法の改正を速やかに講じるよう要望してございます。

○岡本委員 ご答弁いただきましたように、七月や八月から要請しているにもかかわらず、法改正がなされないということであります。だからこそ、東京都でできることを考えるのが、都議会議員としての使命だというふうに考えます。
 次に、東京都医師会がどのような法改正及び条例改正を望んでいるのか、都の認識を伺います。

○武田感染症対策部長 東京都医師会が本年七月三十日に行った記者会見で、法的強制力を持った補償を伴う休業要請を限定地域で期間を定めて行うことについて要望していることは認識してございます。

○岡本委員 最前線で治療に当たっておられる医療従事者のご努力や、また、人工呼吸器や体外式膜型人工肺、ECMOを用いた救命措置、こうした医療従事者の大変な努力によって、これまで重症者の死亡数を比較的少なく抑えられてきたというふうに思います。
 しかし、今後、本格的な冬になって気温が下がれば、人の免疫力もまた下がりますし、また、換気の頻度も少なくなって、密の状態になることもふえることが考えられ、感染拡大のリスクが非常に高まっている状況であります。
 こうした感染者数の絶対数がふえてくると、医療機器、ベッド数、もちろんICUや人工呼吸器など、そうした数が足りても、さらにその医療従事者の方々の負担というのが非常に大きくなるというところで、既に国内の一部の地域においては、心身の負担、そうした責任の重さなどから、医療機関の医療従事者の方の離職も散見されるということであります。
 重症患者の受け入れ体制に非常に困難が迫っている、こうした状況において、我々としては、この感染拡大を抑止していかなければ非常に危険な状況にあるというのが現在の状況であります。極めて深刻な医療崩壊のリスクが近づいているということで、そのためには、やはり適切な検査、きちんと検査を受けていただく、そして、症状の有無にかかわらず、陽性であった方、感染した方については、適切な感染拡大の防止をしていただくということが必要だというふうに思います。
 先ほども述べましたように、そもそも我々が提案している罰則つきの条例案というのは、必ずしも感染拡大を防止する、この今の局面だけにおいて必要だというわけではなく、そもそも経済活動と両立を図る上で必要なものだということで提案をして発表したものでありますけれども、今のこの冬場になって、東京の感染状況が非常に危機的な状況において、ますますこの条例の制定の必要性が高まっているということがいえます。
 そこで、このたび、都民ファーストの会において都民にアンケート調査を行いましたので、その結果をご報告したいと思います。なるべく、これは我々としても客観的な都民の意識を知りたいということで、できるだけ誘導などもせずに、ニュートラルな形で質問をつくって聞きました。
 ここに示しておりますように(パネルを示す)感染している可能性が高い方が、保健所からの要請に従わず、PCR検査を拒否するケースが生じている。これに関して、拒否する場合に過料五万円以下の行政処分を定める案について、どう思いますかというアンケートを実施しました。
 これについて、この案で妥当という方が四九・三%、ほぼ半数の方がこの案で妥当だという回答をしていて、さらに、もっと重い刑事罰にすべきだという方が三一・三%。ということは、これを足すと、八割以上の方が罰則を望んでいるというのが都民の意識であります。より低い額にすべきが七・一%であります。いずれにしろ八割以上。で、罰則は一切科すべきでないという方は一〇・九%ということで、ちょっと我々も、私もちょっとこの結果を見て驚いたんですけど、もっと重くすべきだという方がこんなにたくさんいて、これだけの方が罰則を望んでいるということについては、ぜひ皆さんも真摯に受けとめていただきたいなというふうに思っております。
 こうした結果も踏まえまして、改めて全ての議員の方々に、この実効性のある罰則つきの条例制定への賛同を求めるものであります。
 じゃあ、最後の質問をお聞きしたいと思いますが、条例は、憲法九十四条、法律の範囲内、地方自治法十四条一項、法令に違反しない限りにおいて、制定できるとされております。
 都の新型コロナ条例に罰則を設けることは、憲法九十四条及び地方自治法十四条一項に反することになるのか、あるいは反せず、これを制定することができるのか、都の認識を伺います。

○雲田次長 ただいま委員お尋ねの内容に関する判例によりますと、こちらは最高裁判所の判決ですが、条例が国の法令に違反するかどうかは、両者の対象事項と規定文言を対比するのみでなく、それぞれの趣旨、目的、内容及び効果を比較し、両者の間に矛盾抵触があるかどうかによってこれを決しなければならないとされております。
 条例に罰則を設けられるか否かは、こうした判例の趣旨を踏まえまして判断することになると考えております。

○岡本委員 最高裁の規範としては、抽象的な規範が示されておりまして、これは幅を持った解釈が可能だというふうに考えられます。
 法律の趣旨に照らして罰則を設けることはできないという立論も可能でしょうし、他方で、罰則はむしろ条例で制定できる、そこまでの条例での制定を禁止はしていないという解釈をすることもできる。どちらの解釈も、どちらも定義することは可能だというふうに思います。
 我々が提案している罰則内容というのは、国の法律が人権に配慮してあえて規定していないというわけではなくて、むしろ本日明らかにしたように、法の不備を補うものだというものであります。
 むしろ、もっと人権制約の強い直接強制を定めていたり、あるいはもっと強い就業制限の罰金、こうしたより強い人権制限や規制を定めている。けれど、実際には使われない、発動しにくい、そうした非現実的な強い規制、そうしたものを、より現実的な、実効性のある規制にしていこうと。そうした現実的な、実効性がある規制を欠いているのがむしろ法の不備だというところを補う、そうした条例であるからして、この法律には反しないというふうに解釈をしているところであります。
 改めて、我々としては、罰則が必要だと。条例の実効性をより高める、感染症法、特措法の実効性を高めることが必要だという、この陳情に賛同いたしまして、そしてまた、他の議員の方々に罰則つきの条例の必要性をぜひご理解いただいて、賛同を求めて、私の質疑を終わりたいと思います。
 どうもご清聴ありがとうございました。

○藤田委員 東京都新型コロナウイルス感染症対策条例に関する陳情について発言いたします。
 陳情の理由にもあるように、重症化リスクの高い方やそのご家族が新型コロナウイルスへの感染を大変心配され、日常生活もまともに送ることができなくなっている実態は深刻であり、感染拡大防止対策の抜本的強化が急務となっています。
 しかしながら、そのために必要なことは、条例で罰則を定めることではなく、無症状者を含めて幅広く検査を実施し陽性者を早期に特定するとともに、陽性者の保護、感染経路の追跡調査を行うことです。
 また、安心して検査を受けたり休業などを行えるよう、十分な補償を行って生活を支えること、差別や偏見をなくすために強く取り組むことです。
 そのため、本陳情は不採択にすることを求め、発言といたします。

○伊藤委員 本陳情に対する私ども会派の意見を改めて申し上げておきたいと思います。
 この罰則つき条例につきましては、会派でもさまざまな議論を経て、今定例会においても提出を検討してきたところでもございます。
 そもそも、こうした条例においては作用と反作用がありますので、もちろん私どもとしても、例えばこうした条例ができることによって人権が侵されるんではないかと、そうした声については真摯に受けとめをさせていただいているところでありますし、こうしたぎすぎすした社会を生みやすい条例は、ないにこしたことはありません。
 ですので、私たちも、つくることを目的化するのではなくて、むしろ今の現状に照らして必要なものを提案していく必要があると、このように考えております。
 そして、この陳情におかれましても、まさに今、医療崩壊の危機が迫っている中で、みずからのお子さんの命を考えてご提出されたものというふうに承知をしております。
 医療崩壊が起きれば、一たび起きてしまえば、交通事故に遭っただけでも命の危険にさらされます。まだ報告はありませんけれども、しかし、二週間、三週間後に、例えば救急車のたらい回し、何時間も病院が受け入れてくれない、こういうような事態というのも容易に予想されるところであります。
 そういう意味では、私たちは、一刻も早く打てる手を打っていく、作用と反作用をてんびんにかけながらも、時に作用が強いというふうに思えば副作用の部分もいとわず、しかし、一方でその副作用については、また別個の対策支援というものをしっかり用意をする、そういう施策が必要であるというふうに考えているところであります。
 先ほど岡本議員が紹介をしたアンケート調査というのは、きょう、その調査結果が上がってきたものです。現時点では七百十五名の都民の皆様方からいただいたアンケートの結果であり、最終的には、きょうじゅうに千人のアンケート結果というものを最終集計として取りまとめる予定でおりますが、先ほどご紹介をさせていただいたように、私たちとしても、当初とらせていただいた調査結果以上に、現時点において都民の皆様方がより強いものを求めていらっしゃるということが、ある意味では驚きとともに、きょうわかりました。
 そういう意味で、こうした陳情の願意というものを、都民の命を預かる都議会議員として、また都議会としてしっかり受けとめさせていただきたいという考えを都民ファーストの会として表明をして、意見の表明にかえさせていただきたいと思います。
 以上です。

○うすい委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○うすい委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二第九五号は不採択と決定いたしました。
 以上で陳情の審査を終わります。
 以上で福祉保健局関係を終わります。

○うすい委員長 これより病院経営本部関係に入ります。
 報告事項、都立病院・公社病院の地方独立行政法人への移行に向けた検討状況について外一件に対する質疑及び請願の審査を行います。
 本件については、いずれも関連がありますので、質疑をあわせて行いたいと思います。ご了承願います。
 報告事項については、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○谷田経営企画部長 去る十一月二十七日の本委員会において要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元にお配りしてございます厚生委員会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
 資料は、目次にございますように、合計五件でございます。
 恐れ入りますが、一ページをお開き願います。1、「多摩メディカル・キャンパス整備等事業実施方針」の検討経過でございます。
 本実施方針の策定について検討した経過を記載しております。
 二ページをお開き願います。2、「多摩メディカル・キャンパス整備等事業実施方針」において事業者が実施することとされている業務範囲並びに「多摩広域基幹病院(仮称)及び小児総合医療センター(仮称)整備等事業」において事業者が実施している業務範囲の比較でございます。
 次のページにかけまして、本事業と現行のPFI事業それぞれにおいて、対象となる業務内容に丸を付しております。
 四ページをお開き願います。3、「多摩メディカル・キャンパス整備等事業」及び従来のPFI事業におけるVFMの算定方法でございます。
 このページから七ページにかけまして、多摩メディカル・キャンパス整備等事業及び従来の各PFI事業につきまして、まず、ア、算定要素でございますが、VFM、バリュー・フォー・マネーの算定に当たり考慮いたしました主な経費等を記載するとともに、イ、算出方法にVFMの算出方法を記載しております。
 八ページをお開き願います。4、「多摩メディカル・キャンパス整備等事業実施方針」における「一部の医療器材・器具の点検・保守業務」の対象となる医療器材・器具の範囲でございます。
 それぞれの施設において、点検、保守業務の対象となる医療器材等に丸を付しております。
 九ページをごらんください。5、神経病院及び改築後の難病医療センター(仮称)の有料病床数(患者負担額別)でございます。
 神経病院及び改築後の難病医療センターにおける有料病床数を患者負担額ごとに記載しております。
 簡単ではございますが、以上で資料の説明を終了いたします。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○うすい委員長 説明は終わりました。
 次に、請願二第八号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○谷田経営企画部長 それでは、お手元の資料、厚生委員会付託請願審査説明表を二枚おめくりいただきまして、一ページをお開き願います。
 整理番号1、請願二第八号についてご説明申し上げます。
 この請願は、豊島区の新日本婦人の会東京都本部代長の佐久間千絵さん外一千七十七人から提出されたものでございます。
 請願の要旨は、都立病院及び公社病院の地方独立行政法人化を中止し、都民の命と暮らしを守るため、医療体制を一層充実させていただきたいというものでございます。
 現在の状況を説明させていただきます。
 都では、超高齢社会の本格化や医療の担い手不足など、医療課題が深刻化していく中でも、医療環境の変化や都民ニーズに迅速かつ柔軟に対応できる病院運営を実現し、行政的医療の安定的、継続的な提供や地域医療の充実への貢献等の役割を将来にわたって果たし続けるため、都立病院と公社病院を一体的に地方独立行政法人へ移行することとしております。
 新型コロナウイルス感染症については、都立、公社病院はこれまで、感染の状況を踏まえながら、率先して専用病床を確保するとともに、合併症のある対応困難な患者等を積極的に受け入れるなど、その役割を果たしてまいりました。
 今後、高齢化の進展に伴い、医療の質や量が大きく変わることが予測されている中、都民ニーズに確実に対応できる医療提供体制の整備が急務であり、また、新型コロナウイルスのような感染症が新たに発生した場合にも、より柔軟、迅速に対応する必要があるため、こうした将来の医療課題にも機動的に対応できる地方独立行政法人への移行準備を着実に進めております。
 以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○うすい委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより報告事項及び請願に対する質疑を一括して行います。
 発言を願います。

○桐山委員 私からは、まず、多摩メディカル・キャンパス整備等事業実施方針の策定について質問させていただきたいと思います。
 多摩メディカルキャンパスは、各病院が、がん、難病、小児疾患など、それぞれ特色のある医療を展開し、多摩地域の医療拠点としての役割のみならず、東京都全体にとって重要な医療機能を有しているところでございます。
 これまで、我が会派の鳥居委員から、神経病院の難病医療の強化の取り組みについては、一般質問や委員会などを通しまして質問を行わせていただいたところでございます。
 その際に、病院経営本部長からは、東京都難病診療連携拠点病院に、神経病院が多摩総合医療センターと一括して指定を受け、将来の難病医療センター、仮称ですけれども、この医療機能強化に向けて着実に取り組みがなされる旨の答弁もいただいたところです。
 多摩メディカルキャンパスが、多摩地域の医療拠点として、臨床研究等にも積極的に取り組んでいくという方向性というものもわかったところでございます。
 今回の整備をきっかけにして、都は、機能強化を図ることとしておりますが、まずは、今回整備する多摩メディカル・キャンパス整備等事業を通じたキャンパス内の医療機能の強化についての基本的考え方というものを改めてお伺いしておきたいと思います。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 老朽化している神経病院については、都の難病医療の拠点として、キャンパス内で移転改築し、検査、診断から治療、地域での療養支援に至る総合的な難病医療を提供する難病医療センター(仮称)として整備することとしています。
 難病医療センターでは、多摩総合医療センターで対応しているリウマチ、膠原病などの免疫系難病も加え、ほぼ全ての脳神経系及び免疫系の難病患者に対し、高度で包括的な医療を提供します。
 東京都がん検診センターについては、外来がん検査・治療センター(仮称)として整備し、多摩総合医療センターの別館として位置づけ、内視鏡検査、治療体制の充実等を図ります。
 また、多摩総合医療センターにおいては、免疫系難病部門を難病医療センターへ移行後、がん患者の受け入れ病床の拡充を行うなど、別館である外来がん検査・治療センターの取り組みとあわせて、がん医療提供体制の強化を図ってまいります。
 こうした取り組みにより、キャンパス内の医療機能を一層強化し、医療水準の向上に貢献していくこととしております。

○桐山委員 基本計画を踏まえた将来の多摩メディカルキャンパス内の医療機能の強化について、改めて確認をさせていただきました。
 私は、平成三十一年の第一回定例会の厚生委員会の質疑の際に、多摩メディカルキャンパスの整備事業を着実に推進をして、多摩地域の医療を担っていただくことはもちろんのことなんですが、キャンパス整備においては、今後多くの投資がなされ、また、基本計画案で概算事業費も示されたところでございまして、総額で約二百億円を超える巨額な費用がかかるということでございました。
 財政面においても効率的な整備計画として進めていただきたいと思っておりますし、そして我が会派からも再三にわたり、ワイズスペンディングの観点から、最適な整備手法を検討していただくことも要望をしてきたところでございます。
 こうした中で、都は、今回、民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律、いわゆるPFI法に基づいて、実施方針と要求水準書案を示されております。
 今後、どのようなプロセスを経て特定事業の選定を行っていくのかお伺いしたいと思います。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 内閣府が定めるガイドラインでは、実施方針の公表後、民間事業者からの意見を受け付けることに加え、質問に対する回答を作成し公表することは、民間事業者との意思疎通を図る上で有効とされております。
 このことは、地方公共団体と民間事業者との間での考え方にそごが生じないようにするとともに、民間事業者の創意工夫を最大限発揮するような条件整備をすることができるメリットがございます。
 このため、まず、十二月九日に、十八者の事業者が参加した実施方針等に関する説明会を実施いたしました。
 また、十二月二十八日までを期限として事業者からの質問、意見等の受け付けを行い、令和三年一月下旬までに質問に対して回答する予定でございます。その際、民間事業者から有効な意見や質問があった場合には、適宜、実施方針等の内容を見直すとともに、変更した実施方針等を遅滞なく公表してまいります。
 こうしたプロセスを経て業務範囲等の事業内容を確定させ、従来方式と比べてPFI方式の方が事業費をどれだけ削減できるかという、いわゆるVFMの算出による定量的評価と、あわせてサービス水準の向上等の定性的評価を行っていきます。
 評価の結果、PFI事業として実施することが適切と判断した場合には、特定事業に選定する予定でございます。

○桐山委員 ありがとうございます。
 もう先日の九日に、十八者の事業者が参加をされた中で、実施方針等に関する説明会をされたということでした。その中で、今後、事業者からの質問、意見等の受け付けを行うということで、これ、メールというふうに書かれておりまして、郵送でも可能だということで、意見をしっかりと聞いていく。そして、意見があった場合は、それに対してしっかりとお答えされる中で、変更した実施方針はできるだけしっかりと公表されていくということだったと思います。
 できるだけ、こういったプロセスというものが、非常に不透明になってくるということが指摘をされておりますので、ぜひ速やかに公表されて、透明性を高めていただいて、PFI事業として、しっかりと評価をされるよう要望しておきたいと思います。
 実施方針にあります事業スケジュールによりますと、特定事業の選定後、公募により事業者を選定し、令和四年四月にPFI事業契約を締結することになっております。今後、都立病院は、令和四年度内をめどに独法化をすることを打ち出しています。
 そこで、独法とPFIの関係について伺います。
 地方独立行政法人がPFIを導入する際の法的な位置づけや、同法人がPFI事業を行うことは可能なのかお伺いしたいと思います。また、こうした事例が他県では存在しているのかについてもあわせて伺います。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 PFI法上の公共施設等の管理者等につきましては、法律上、第二条三項に規定がございまして、同項三号には独立行政法人が位置づけられているため、地方独立行政法人がPFI事業を行うことは可能であると認識をしております。
 多摩メディカル・キャンパス整備等事業では、事業契約の締結を令和四年四月としております。都立病院が地方独立行政法人へ移行した後は、同法人が本事業を進めていくことになります。
 また、全国でPFI方式を導入している公的医療機関は十五病院あり、このうち、管理者が地方独立行政法人である公的医療機関は七病院ございます。

○桐山委員 ありがとうございます。
 この神経病院、今後、独法化が先行して行われていくということで、全国でも、独立法人に移行した際も、そういった同法人が−−PFIを導入している公的医療機関というものも十五病院があり、このうち、独法化されているところの公的医療機関が七病院あって、問題がないということがわかりました。
 難病医療センターは、先ほども答弁がありましたように、老朽化をしている神経病院を移転改築し、脳神経系難病医療に対応している神経病院に、多摩総合医療センターのリウマチ、膠原病など免疫系難病部門を加え、検査、診断から治療、地域での療養支援に至る総合的な難病医療を提供する難病医療の拠点として整備をする計画でございます。
 いうまでもなく、今、多摩総合医療センターの方には外来があり、神経病院の方には外来がないということで、センターを設置することによって、診療から、外来から、しっかり入院まで、切れ目ない形でセンターでとり行っていくということだと思います。令和十一年四月の供用開始を目指しているということで、この先、九年ございます。
 一方、都は、令和四年度内の地方独立法人への移行に向けて、その準備を進めております。
 難病医療センターを建てている間も、神経病院は存続をしております。その中で、神経病院が独法化により、どう機能強化をされ、それを難病医療センターにどう引き継いでいくのか、都の認識についてお伺いしておきます。

○船尾計画調整担当部長 新たに整備する難病医療センターは、神経病院の建てかえに際しまして、難病疾患の特性に応じた検査から地域での療養支援に至る高度で包括的な医療や、地域におけます医療人材の育成支援などの機能を強化することで、東京都難病診療連携拠点病院としての役割を果たしていくこととしております。
 このため、新センターのスタート時にこうした機能を十分に発揮できるよう、独法化後から、柔軟に人材が確保できる人事制度等を活用いたしましてALSセンターの体制強化を図るなど、神経病院の専門性を一層強化していきまして、難病医療センターへのスムーズな移行に向けて着実に取り組んでまいります。

○桐山委員 ありがとうございます。
 一方で、先ほども申し上げましたように、独法化は先に進んでいくということで、この難病医療センターの開設まで九年ということで、長期にわたります。
 他の都立病院に比べますと、その機能強化という部分については、やはり九年間の間というところで、何も変わらないということではなくて、今答弁にありましたように、しっかりと独法化後から、柔軟に人材を確保できる人事制度を活用してALSセンターの体制強化を図っていくということでございますので、長期にわたっていくので、開設までの間、独法化のメリットをしっかりと生かしていただきながら、神経病院の医療機能を強化されて、そして、都民の求める医療を十分に提供できることを要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございます。

○柴崎委員 私の方からは、独法化に向けての検討状況についてお伺いしていきたいと思います。
 新型コロナウイルス感染症の対応におきましては、他の医療機関とも連携しながら、都立病院、そして公社病院が率先して対応し、重要な役割を果たしているわけでございます。
 こうした中で、都立病院、公社病院におきましては、各病院の役割や機能に応じて、既に合計八百床、うち重症用の病床を二十五床確保しているというふうに聞いております。また、都の医療政策の中におきましては、感染拡大に応じて、さらに病床を確保する準備を進めているということであります。
 こうした感染症への対応、これはまさに行政的医療そのものであり、独法化後もこうした役割をしっかり果たすべきと考えます。
 その点、今回の検討状況の報告におきましては、定款に行政的医療について法人の役割として明記することや、緊急時に知事の指示のもとで対応する旨を明記することとしている、このことにつきましては、我が会派としても賛同するところであります。
 そこで、今回の報告の中では、感染症医療について、独法化後、より一層機動的に対応していくというふうにしておりますが、感染症医療について、緊急時にどういう点で対応が強化できるようになるのか都の見解を伺いたいと思います。

○船尾計画調整担当部長 感染症医療など民間医療機関だけでは対応困難な行政的医療を提供することは都立病院の使命であり、その役割は独法化後も変わることはございません。
 特に、感染症など公衆衛生上の緊急事態が発生した際には、都立病院が率先して対応する必要があり、柔軟な人材確保などが可能となる独法化のメリットを生かしまして、東京iCDCを司令塔として、都の医療政策と緊密に連携をしながら、十四病院が一体となって一層機動的に対応してまいります。
 具体的には、一般医療機関では対応が難しい重症患者を初め、透析が必要な方や認知症を有する方が感染した場合に、より一層率先して受け入れをするため、多様な専門医や看護師等を機動的に確保し、総合診療基盤を強化いたします。
 また、必要な医療機器を迅速に整備することで、感染症の医療提供体制を強化してまいります。
 また、民間医療機関等にも柔軟に専門人材を派遣できる人事制度を構築することで、例えば、流行状況に応じて専門医や感染管理の認定看護師などの専門人材をクラスターの発生した地域医療機関や高齢者施設等へ派遣をして、感染拡大防止に向けて技術支援を実施するなどの取り組みを検討しているところでございます。

○柴崎委員 独法化後も、都の医療政策の中で、東京iCDCの仕組みのもと必要な役割を果たすということは、今とは全く変わらないわけでありますが、独法化後、さらに柔軟、機動的に対応できるということでの、今答弁がありました。
 また、専門人材を派遣できる人事制度を構築するということは大変難しいところもあろうと思いますが、しっかりこれは検討を進めていただきたい、このように考えます。
 それから、我が党でこれまで申し上げてまいりましたけれども、これから急速な少子高齢化におきまして、住みなれた地域で安心して暮らせる医療提供体制をつくっていくために、二〇二五年を目標年次とする地域医療構想の実現、つまり地域包括ケアシステムの構築に向けまして、地域医療の充実に都立病院が積極的に貢献していくべきであるというふうに訴えてまいりました。
 そのためには、まず地域の医療機関との役割分担の中で、地域ニーズに応じて、地域に不足している医療を補完するということが必要だと考えます。
 今回の報告では、独法化後の地域に不足する医療への着実な対応として、消化器センターや脳卒中センターなど、疾患別のセンターをつくって医療機能を強化する取り組みなどを掲げております。
 こうした中で、各病院の取り組みの検討に当たりましては、どのような視点から地域ニーズを捉え、検討していくのか伺いたいと思います。

○船尾計画調整担当部長 地域医療構想の実現に向けまして、都立病院、公社病院は、公的な病院として民間医療機関等との連携と役割分担のもと、地域ニーズに応じまして、地域に不足する医療の提供が求められております。
 各病院の医療機能強化の取り組みにつきましては、身近な地域で必要な医療が受けられる体制が構築できるよう、地域の患者数の動向や、他の医療機関での対応状況、他の医療圏での患者さんが治療を受けている状況などを踏まえまして、各病院が中心となって検討しているところでございます。
 具体的には、例えば豊島病院におきまして、これまで重点医療として取り組んできたがん医療のうち、消化器内科の患者数は増加傾向である一方、他の医療圏にある医療機関で治療を受ける患者さんの割合が高いため、消化器センターを設置して体制を強化していくことを検討しております。
 今後、地域の医師会等の意見も聞きながら、各地域のニーズを踏まえ、さらに具体的な検討を進めてまいります。

○柴崎委員 地域医療の中心を担っているのは、地域の診療所や病院であります。適切な役割分担の中で、地域住民に必要な医療が確実に提供されるよう、地域の医療機関や地域の医師会などの関係団体等の意見も聞きながら、地域のニーズを的確に把握するよう検討するとの、今答弁がありましたが、しっかり取り組んでいただきたいと思います。
 そして、地域包括ケアシステムの構築には、患者が切れ目なく必要な医療やケアを受けられるよう、医療と介護、この連携の取り組みが必要であります。
 しかしながら、高齢者の医療におきましては、都立病院が中心となって地域医療機関との緊密な連携を図ることにより、介護にならないよう対策を講じていくことも重要な取り組みの一つであります。
 こうした中におきまして、今後、在宅療養の需要も増加していくと思います。都立病院が地域をバックアップすることで、体制づくりに大いに貢献していくべきと考えます。
 また、地域の医療機関におきましては、患者の容体が急変したとき、このようなときは、都立病院あるいは公社病院で入院を受け入れてくれるということで、安心して診療ができるため、こうした点を求める地元医療機関の声もよく聞くわけであります。
 そこでお伺いしますが、独法化後、在宅療養の支援についてどのように取り組んでいくのか都の見解を伺いたいと思います。

○船尾計画調整担当部長 地域包括ケアシステムの構築には、今後増加する在宅療養に対する支援体制が必要でございます。
 急性期治療後の患者さんが在宅で安心して療養生活を送れますよう、退院後の生活も見据えた関係機関との調整を早期に開始するなど、退院支援の取り組みを充実するとともに、地域の医療機関では対応困難な、急変、増悪した患者さんの受け入れ体制を強化してまいります。
 また、診断から治療、在宅療養に至るまでのさまざまな不安を解消するため、患者さんやそのご家族等のニーズに応じた相談支援体制を充実してまいります。
 さらに、民間とも柔軟に人材交流できる人事制度を構築いたしまして、在宅療養において求められる褥瘡に対するケアや、病気の後遺症や加齢により食べることや飲み込むことが難しい方の専門的なケアについて、認定看護師等の専門人材を在宅診療を行うクリニックや訪問看護ステーション等に派遣をして、ケア等の技術力の向上を支援していきます。
 こうした取り組みにつきまして、病院ごとの地域性や専門性に応じて具体的に検討してまいります。

○柴崎委員 また、医療から介護まで切れ目なく提供できる体制をつくっていくためには、病院、かかりつけ医、そして訪問看護ステーション、介護事業者等の関係者が患者情報を共有することも必要だと考えております。
 先日、公営企業決算特別委員会におきまして、あるいは厚生委員会におきましても、我が会派自民党から質疑を行いました。
 都立病院では、専用SNSで地域の在宅療養関係者と患者情報を共有するモデル的な取り組みですとか、都内の地域包括ケアを実現することを目的とした都医師会が運用する東京総合医療ネットワークに順次参画する等、ICTを活用した情報共有に取り組んでいるわけであります。
 ICTの技術革新に合わせまして、独法化後は、迅速な経営判断により機動的な投資を行い、先導的な取り組みをさらに推進することを期待しております。
 都立病院は、平成三十年に作成いたしました都立病院新改革実行プラン二〇一八で、地域医療の充実への貢献を新たな役割と位置づけ、これでも、さまざまな取り組みを行ってきております。
 独法化後は、公社病院と一体となるわけであります。これまで地域の中核病院として地域医療を支えてきた公社病院のノウハウも活用しながら、より一層、効果的な取り組みを推進していくべきだと考えます。地域で必要な医療が受けられる体制が構築されるよう、引き続き、病院ごとに地域ニーズを捉まえ、具体的な検討を進めることが重要だと考えます。
 こうしたさまざまな取り組みを進めていくために、医療の専門人材の確保が欠かせないことはいうまでもありません。東京では高齢化に伴い、医療需要の増加や疾病構造が変化していく一方で、医療の担い手となる人材の確保が一層困難になると見込まれております。
 現状におきましても、医師は全国的に不足をしており、麻酔科医などは特に確保が難しいというふうに聞いております。看護師やコメディカルにおいても、少子化の影響で、今後は新卒採用者を確保していくことが難しくなっていくのではないかと予測されております。また、ニーズが高まっているがんゲノム医療では、遺伝カウンセラーや遺伝子情報の解析を行う新たな専門職を採用する必要が生じていると聞いております。
 民間病院におきましては、院長のリーダーシップのもと、適切な処遇で迅速に必要となる人材を確保していると聞いておりますが、地方独立行政法人のメリットを生かしまして、必要な人材を柔軟、迅速に確保していく方策を検討すべきと考えますが、見解を伺います。

○谷田経営企画部長 高齢化の進展等に伴い、質的、量的に変化する医療ニーズに的確に対応していくためには、必要な人材を機動的に確保していくことが重要でございます。
 地方公務員法などの制約にとらわれない柔軟な勤務制度や人事給与制度等を設計することによりまして、職員にとって働きやすく働きがいのある環境を整えていくほか、環境の変化に応じて、処遇の見直しや新たな職の採用を迅速に決定できる仕組みや手続等につきましても検討し、必要な人材を確保してまいります。

○柴崎委員 必要な人員を確保した上で、その職員にしっかり活躍してもらうということが大切だと思います。
 病院におきましては、医療現場で働く職員の意欲や能力を高めることが、直接質の高い医療を患者さんに提供することにつながると思います。そのため、職員が高い意欲を持ち、その能力を最大限発揮してもらうことは重要であり、その実現に当たりましては、人事給与制度が果たす役割は大変大きいものと考えます。
 最新の医療を患者さんに提供するために専門的な知識や技術を学び、自己研さんに励む職員もいると思います。また、育児や介護を行いながら働いている職員をフォローするために、人よりも多く夜勤に入っている看護師さんもいると聞いております。今回の新型コロナウイルス感染症の対応に当たりましても、緊張感を常に保ちながら、最前線で患者さんの治療に当たっている職員も多数いるわけであります。
 このような頑張っている職員がしっかり評価される、そして報われる人事給与制度を設計し、職員が前向きに業務に取り組める環境をつくっていくことが、最終的には、都立病院の目指す医療の方向性で示した行政的医療の充実強化や、地域医療の充実への一層の貢献の実現につながっていくと考えます。
 この法人独自の制度構築ができるという地方独立行政法人のメリットを生かして、これまで以上に頑張った職員が報われるという視点を持ちながら人事給与制度を設計していくべきと考えますが、見解を伺います。

○谷田経営企画部長 独立行政法人化後も、都民の求める医療を提供し、都民の安全・安心を支えていくためには、職員が能力を最大限に発揮し、組織が活性化するような人事給与制度の構築が重要でございます。
 先行して独法化した他団体では、職員の能力発揮を促し、それを適切に評価するため、専門医や認定看護師等の有資格者への手当の創設や、人事考課に関して医療現場に即した評価項目の導入などに取り組んでいる事例がございます。
 職員の声を聞きながら、他団体の事例も参考に、職員の能力や職責、勤務実績を適切に処遇に反映し、職員が前向きに業務に取り組める人事給与制度の設計を進め、頑張った職員が報われる病院運営を実現してまいります。

○柴崎委員 質疑の中でも申し上げてまいりましたが、頑張っている職員が正当に評価され報われる人事給与制度を構築することが、質の高い人材確保にもつながっていくと考えます。
 そして、そのためにも、やはり一生懸命努力をされている方とそうでない方、必然的に処遇の面でも差が出てくるのはやむを得ないことであります。
 これから独法化に向けまして、こうした公平な制度設計の作成を推進していくことを期待いたしまして、私の質疑を終了といたします。

○細田委員 私からも、都立病院・公社病院の地方独立行政法人への移行に向けた検討状況についてお伺いいたします。
 まず、超高齢社会が急速に進展していく中で、医療の質や量が変化していく中でも、都立病院、公社病院は、都民や地域が必要とする医療を確実に提供し、東京における医療のセーフティーネットの役割を果たし続けていくことが使命であります。
 さて、都は、さきの都議会公明党の代表質問に対して、独法化後も、都民の生命と健康を守る役割を果たし続けていくと答えています。
 都議会公明党はこれまでも、幾つもの病院を視察調査に行ってまいりました。行ってきています。私も、二〇一八年に静岡県立総合病院や独立行政法人神戸市民病院機構を視察調査し、意見交換などをさせていただきました。
 公的病院としての健全経営を担保してスタートしたある病院機構では、中期目標、中期計画を策定し、学識経験者などの評価委員会による外部評価を実施して、そして重要事項は、議会の議決を必要としております。また、年度評価、事業報告は、首長より議会に報告されています。
 都は、都議会公明党の申し上げました先日の代表質問に対して、地域の感染症対応力の向上に貢献する取り組みを法人に確実に実施させるとして、法人の基本ルールである定款や中期目標に、都が対応を指示する旨を明記すべきと考えていると、このようなことでありました。
 これは常に都民の側に立つ病院を維持していく、この意味において重要なことであると私は思っています。
 まず、この定款や中期目標に明記することで、いかなる効果、いかなる成果が得られると企図しているのか都の見解を求めます。

○船尾計画調整担当部長 感染症医療など民間医療機関だけでは対応が困難な行政的医療を提供することは都立病院の役割の一つであり、独法化後も変わることはございません。災害医療や感染症医療は、行政的医療の最たるものでありまして、法人として率先して対応する必要がございます。
 一方で、災害や感染症は、発生状況に応じまして、都が都内全域の医療情報等を集約、一元化して、医療提供体制等を統括、調整する中、法人は公的医療機関として先導的な役割が求められます。
 こうしたことから、引き続き都民の安全・安心を確保していくため、都の求めに応じて、法人に迅速に医療を提供させることを定款や中期目標に明示することで、法人に緊急時を想定した取り組みを促すことを検討しております。

○細田委員 災害などの緊急事態が起こった場合において、病院の形態にかかわらず、確実に都民に必要な医療が提供されることが必要であり、そのことが担保されていることが重要であります。
 ある独立法人化された病院機構では、法人の設立後のメリットについて、制度的な制約、これから脱却することによって、医療を提供する専門組織へ転換が図れることができた、そして、実情に即した採用、給与、人事制度の構築、自由度の向上、迅速な意思決定ができるようになったというようなことは確認してきたところです。
 また、デメリットとしては、中期計画、その作成や人事給与事務や健康管理事務などの業務量の増大や、債務超過に陥る可能性もある、このような認識を持っているということも確認いたしました。
 病院を運営する地方独立行政法人は増加傾向でありまして、本年の四月一日、二〇二〇年四月一日時点で六十一の法人が、大都市を抱える大阪府や神奈川県でも独法化されていまして、埼玉県でも、明年の四月に法人が設立される予定であると仄聞しております。
 法人の運営体制については、既に実施しているほかの自治体での体制を参考にしたとき、課題とするべき点、積極的に取り入れるべき点に対する検討状況をいかに反映させたのか、この検討状況について報告に反映させたのか、都の所見を求めます。

○船尾計画調整担当部長 独法化後は、高齢化の進展に伴い、医療環境が大きく変化する中におきましても、都民や地域の医療ニーズ等を的確に把握し、柔軟、迅速に対応していくことが求められます。
 他の独立行政法人におきましては、迅速な意思決定を支援するために、法の規定では設置が任意となっております理事会を設置しているほか、病院現場の課題や患者ニーズを踏まえた法人の方針策定のために病院長を理事に登用するなど、理事長のマネジメントを支援する仕組みとしております。
 こうした法人の事例も参考にしながら、さまざまな課題を機動的に解決できる運営体制を検討しているところでございます。

○細田委員 法人の運営の方向を決定して、十四病院と一施設が目的を共有して一体となり取り組んでいくことは、法人を代表する理事長のトップマネジメントにかかっていると思います。柔軟で機動的な法人運営を行うために、理事長を補佐する役員の体制や、迅速な意思決定を行うための理事会の設置が検討されています。
 法人の運営体制では、理事長の権限が大きくなります。スピードと実行力が増すのではとは思いますが、例えば、方向性が違うのではと、都や都議会、法人役員会などが判断をするとき、これを是正するためのルールは必要です。
 これはどこに担保されているのでしょうか、都の答弁を求めます。

○船尾計画調整担当部長 中期計画など法人の重要事項の意思決定は、理事長、副理事長、理事で構成される理事会において行うことを検討しております。
 一方、法人が行う業務の計画や実施状況につきましては、都の医療政策を実現する観点から、知事が議会の議決を経て策定される中期計画や法人の業務遂行の要領である業務方法書を認可すること、また、中期計画を達成するための年度計画の届け出を受けること、さらに、法人の業務実績を評価し議会に報告することなどが法定をされており、それぞれの段階で、法人の業務等を都がチェックする仕組みとなっております。
 また、法人が都の医療政策の実現に向けて適切に機能していくよう、法人運営に関して調整し、また、必要に応じて助言するための都の組織を設置することとしております。

○細田委員 今ご答弁がありました法人が都の医療政策の実現に向けて適切に機能するための都の組織、これを設置するとのことですが、その機能を含めて、これはとても重要なことであると思っています。また、仕組みの中で、重要事項に関する議会の議決、関与がなされることは重要であり、必要であります。
 現在の病院経営本部は、法人との窓口となる行政である都の部局として都に残るのでしょうか。それとも、全て東京都立病院機構に移行するのでしょうか。今の段階では、それはわからないかもしれませんけれども、いずれにしても、今の答弁のように、法人を管轄する都の部局は必要になります。
 そこで、独法化後の法人に対する都の監督体制はいかになるのか、この点について所見を求めます。

○船尾計画調整担当部長 病院経営本部は、現在、庁内の各部局との連絡調整を行うほか、都立病院の管理運営、東京都保健医療公社の指導監督の役割を担っております。独法化後は、十四病院と一施設の管理運営は、法人本部が担うことになります。
 また、法人を管轄する都の部署として、新たに組織を設置することにもなります。
 この都の新たな組織は、庁内の各部局との連絡調整を行うほか、法人の業務実績の評価などを通して、法人の業務が適切に行われているかチェックするとともに、法人運営の調整や助言を必要に応じて行うこと等を想定しておりまして、現在内容を検討しているところでございます。

○細田委員 独立行政法人化を実施する場合、法人名を東京都立病院機構として、また、病院の現行の名称に東京都立をつける、東京都立、例えば〇〇病院、墨東病院、駒込病院、こういうふうにつけるとなっていますが、これは都民に本当わかりやすく、都民のための病院という本質が今までと変わらないんだというメッセージを都民に発信していくことにもなり、とてもいいことだと思います。
 そして、その場合、今後都の医療政策と緊密な連携を図っていくために、また外部の意見を反映しやすくするために、また同じ目的に向かうワンチームである都立病院機構、そして東京都、またその東京都の法人を、東京都の一組織として法人を管轄する窓口であるその都の組織、またそれに加えて議会がしっかりと意見交換ができるように、近くにいて意見交換ができるように、法人本部は設立時のみならず、恒常的に都庁舎内に本部を置くべきと考えますが、都の認識をお尋ねします。

○船尾計画調整担当部長 独法化後も都立病院であり続けることから、行政的医療の提供など、その役割を果たし続けていくために、都の医療政策との緊密な連携や、都民の声を適切に反映した病院運営が大前提であると認識をしております。こうした考えのもと、法人の設立時、法人本部を都庁舎内に置くことを検討しております。
 また、先ほど申し上げた都の組織につきましても、都の役割を果たすという観点や、都民や議会の声を生かし、多様なニーズに適切に対応していくという観点等から、検討を具体化していきます。
 引き続き、都民ニーズに即した病院運営ということを常に念頭に置きながら、独法への移行準備を着実に進めてまいります。

○細田委員 わかりました。私の方からは、恒常的に都庁舎内に置くべき、このように改めて要望させていただきます。
 続きまして、もう一つの、報告されている目指す方向性の中の地域医療の充実への貢献ということです。
 地域医療に不足している専門的な医療や、高齢化に伴って増加が見込まれている、これに対応する、地域の状況に応じたその支援ですけれども、この取り組み例の中に脳卒中センターの設置というものが挙げられています。
 ご承知のとおり、脳卒中、脳血管障害、そして心疾患障害、これは心疾患、脳疾患を合わせれば、がんとほぼ匹敵する死亡者数になっていて、がんで亡くなられる方が全国で約三割、そして心疾患、脳疾患が三割弱という実情は変わっておりません。
 このような状況の中、脳血管障害、心疾患障害に対して、独法化後の医療提供体制の強化、これはどのようにしていくのか、特に重篤な形になったり、また、予後に時間がかかる、さまざまなサポートをしなくちゃいけない、こういうような形になります。
 どのような医療提供体制の強化をしていくのか、この点についてお尋ねいたします。

○船尾計画調整担当部長 都内の医療機関におきましては、地域医療構想の実現に向けた取り組みが進められており、都立病院、公社病院には、民間医療機関等との連携協力のもと、地域の医療提供の状況に応じた取り組みが求められております。
 脳血管障害や心疾患は、他の疾患と比較しても、できるだけ早く治療を開始する必要があることから、急性期医療における医療提供体制の整備が進められております。
 こうしたことを踏まえまして、例えば大塚病院では、病院が所在する豊島区内に、血栓溶解療法、いわゆるtPA療法といいますが、これが可能な医療機関が区内にはほかにないということから、脳卒中医療の一層の充実を図っていくことを検討しております。
 また、例えば豊島病院では、高齢化に伴い、心疾患の患者さんがふえる見込みである一方、心疾患を含む循環器系疾患の患者さんが圏域外の病院で治療を受けるケースが多いことから、救急医療提供体制の強化を検討しております。

○細田委員 次に、地域包括ケアシステム構築の推進、地域医療の充実への貢献ということで、在宅がん患者に対してのことで伺いたいんですが、先日の事務事業質疑でも、駒込病院の件、また墨東病院の件で、がん患者支援、これについて伺いましたが、在宅がん患者に対しての独法化後の取り組みについて、都はいかに考えているのか、その考え方、見解について答弁を求めます。

○船尾計画調整担当部長 お話の地域包括ケアシステムの構築、これが今進められております中、住みなれた地域で安心して療養生活を送りたいというニーズが高まっており、がん患者に対する地域の在宅ケアへの対応力も強化が求められております。
 このため、地域医療機関等と連携協力して、訪問看護ステーションの看護師など、地域で在宅がん患者を支える人材のケア等の技術力の向上を支援していくことが重要と考えております。
 具体的には、民間医療機関等との柔軟な人材交流が可能となる人事制度の構築等によりまして、緩和ケア認定看護師など、がんに関連した専門人材を地域のニーズに応じて訪問看護ステーション等に派遣し、地域全体の技術力の向上を図るなど、地域ニーズを踏まえた取り組みを検討しております。

○細田委員 専門人材の派遣による地域への技術支援だという、そういうような力強いご答弁だったと思いますが、独法化が成った暁には、ぜひ今にも増して後押しがされることを期待いたします。
 都議会公明党は、これまで積極的に、AYA世代の方々のがん対策を進めてまいりました。私も先ほども申し上げましたが、十一月の事務事業質疑で、AYA世代の方々のがん対策について取り上げさせていただきました。
 都立駒込病院の先導的な取り組みのほか、墨東病院でも、AYA世代の方々のがん患者の就労、就学や妊孕性、生殖機能の温存についての相談にも応じてくれていることも挙げて、うれしく、頼もしく感じていることを申し上げました。
 先日の他会派の代表質問の答弁で、知事から、妊孕性、生殖機能の温存にかかわる新たな費用助成の検討をする旨の答弁がありました。これの早期実現に期待をしていますが、これとともに、医療機関での医療手法のあり方の違いによる生殖機能の温存の難しさも語られていました。
 独法化後のAYA世代のがん患者に対する取り組みの考え方についてどうなるのか、都の見解を求めます。

○船尾計画調整担当部長 AYA世代のがん患者さんは、就学や就職、結婚など、さまざまなライフイベントと治療とが重なり、治療による不妊への対応など個々の状況に応じた支援や、白血病、脳腫瘍など、さまざまな疾患への対応が必要とされております。
 このため、AYA世代のがん患者さんが抱える不安や悩みなどに対応できる相談支援体制の構築や、多様な疾患等に対応できる診療体制の充実が重要でございます。
 具体的には、例えば小児総合医療センターでは、ハローワーク等の関係機関と連携した就労相談や、生殖機能の温存に関する相談などの相談支援体制の一層の強化や、造血幹細胞移植などの高度先進医療のさらなる充実等について検討しております。

○藤田委員 本日は、都立病院・公社病院の地方独立行政法人への移行に向けた検討状況の報告の質疑とあわせまして、都立病院及び公社病院における地方独立行政法人化の中止と医療体制の充実に関する請願が議題になっています。請願に賛成をする立場で一括して質疑を行いたいと思います。
 これまで病院経営本部は、医療ニーズに対応するには、迅速かつ柔軟に人材確保が可能となる独法化がふさわしいと繰り返し述べてきました。
 今回の報告は、目指す医療の方向性等を各都立病院、公社病院から聞き取りを行ってまとめたということで、いわば、ここに書かれている内容が、都立病院、公社病院に対する医療ニーズということになると思います。
 医療ニーズについて伺いたいと思います。
 報告資料の一〇ページと二三ページには、それぞれ広尾病院、豊島病院の取り組みが記載されていて、左下には、土日リハビリテーションの実施となっています。
 この土日リハが都民の医療ニーズということになるわけですが、これは土日も含めて、毎日リハビリを行うことで効果が高くなるというもので、三百六十五日リハとも呼ばれています。さらに、発病早期からリハビリを開始することで、入院期間の短縮にもつながるということも明らかになっています。
 しかし、これがなぜ独法化の検討事項の報告に含まれているのかが疑問です。有効だと考えているのであれば、速やかに実施すべきだと思うのですが、現在の都立病院で三百六十五日リハビリテーションを実施することは可能でしょうか。

○船尾計画調整担当部長 現在、都立病院における急性期リハビリテーションの提供は平日のみでありまして、三百六十五日のリハビリテーションを実施していくためには、患者さんのニーズに応じたリハビリ専門職などの体制強化が必要となります。
 現行の経営形態では、必要な人員は毎年度の要求、調整を経て、東京都職員定数条例により年度末に次年度の定数が決定されるため、こうした手続を経て体制強化が可能となります。
 また、定数をふやせば人員がすぐに確保できるというわけではないため、病院現場に合った働きやすい勤務制度や任用制度など、人材が確保しやすい仕組みづくりが必要であると考えております。

○藤田委員 可能かどうかということをお聞きしたのですから、端的に答えてください。
 要するに、可能だということですね。もう一度お答えください。

○船尾計画調整担当部長 現在、ふやすためには、定数条例によって定数を確定させていかないといけないという、そういった手続を経た上で体制強化が可能になります。

○藤田委員 聞いたことに端的に答えていないんですが、できないわけではないんですよ。こうしたことが独法化の理由にはなりません。
 実際、広島県尾道市の公立みつぎ総合病院では、二〇一一年から三百六十五日リハを実施しています。リハビリ病棟の整備にあわせて職員の定数条例を改正し、リハビリ士や介護福祉士の増員を行っています。公立みつぎ総合病院は二百四十床で、そのうち七十二床が回復期リハビリ病棟となっていて、リハビリ士は九十名も配置されています。
 あれこれいっていましたが、十年近く前から行っているところがあるのに、都立で行われていないのは、人材を確保する仕組みの問題ではありません。都としての政策選択の問題です。患者ニーズに合わせた人材を確保するという都立病院としての方針を持てばよいのです。
 都民が脳卒中や心疾患等で一時的に動けないとか安静が必要となっても、早期からリハビリを行うことで、機能低下を最小限に抑えることができます。そのことで、早期退院、早期社会復帰や、拘縮予防、介護や二次障害などを防ぐことにもつながります。都立直営で三百六十五日リハビリテーションを実施すべきです。
 また、三百六十五日リハ以外にも、専門人材の地域支援、脳卒中センター、内視鏡センターなど、病院ごとの具体的取り組み例も、どれも都立病院、公社病院のままでできるものばかりです。都民に必要ならば、速やかに実施に向けた検討を行うよう求めます。
 次に、報告にもある災害、感染症等の緊急事態に機動的に対応することについて伺います。
 請願者は、今回、新型コロナ感染症が広がる中、都立病院や公社病院が多くの患者を受け入れ、検査や治療を行ったということで、その重要性が明らかになったとしています。
 一方、火曜日の本会議で病院経営本部長は、今、あえて独法化を進める必要性について聞かれたのに対し、コロナ患者の受け入れ体制をつくるために院内から人材を確保し、その後の人員を確保できず、新規患者の制限や手術の繰り延べをせざるを得なかったということを答弁しています。そして、独法化後は、柔軟な人材確保が可能となるので、機動的に対応できる体制を構築すると述べていました。
 現場がコロナ対応に奮闘している今、独法化を進める理由が、再来年度をめどに行うという独法化より後に人材確保をするためだという理解できない話ですが、一般医療に影響を与えずにコロナ対応を行おうとすれば、大幅な増員が必要となります。本気で人をふやす必要があると考えているのであれば、直ちに増員に全力で取り組むべきです。
 新型コロナ感染症と一般医療との両立ができるよう、医師、看護師の大幅増員を直ちに行うべきですが、いかがですか。

○谷田経営企画部長 新型コロナ感染症対応につきましては、現在、都立、公社病院において、十四病院全てで八百床を確保しまして、民間の医療機関等と連携して患者さんを受け入れております。
 今後も、感染拡大の動向に応じて病床の確保に努めますとともに、感染症以外の行政的医療や一般医療等も含め、他の医療機関では受け入れ困難な患者さんを受け入れ、都民が必要な医療を受けられるよう、各病院の役割や機能に応じまして適正に人員を配置してまいります。

○藤田委員 今ご答弁のあったような役割を本気で果たすためには、大幅な増員が必要なんです。大幅な増員を行うよう取り組むことを求めるとともに、独法化がまるで人材確保のためであるかのようにいうのは、まるでまやかしです。
 現場のことを本気で考えるのであれば、独法化の準備は直ちに中止し、今、職員を確保するために全力を挙げるべきです。そのことを強く指摘しておきます。
 次に、人事給与制度について伺います。
 報告には、職員の能力や職責、勤務実績を適切に処遇に反映などと書かれています。しかし、それで全体として、給与がどうなっていくのかがよくわかりません。
 そこでお聞きしますが、独法化後の給与制度に移行することで、人件費は全体としてふえるのですか、減るのですか。

○谷田経営企画部長 独法化後の人事給与制度については、現在検討中のところでございます。

○藤田委員 検討中ということですが、能力や実績などを評価するという名のもとに給与の抑制が進められることが多く、独法でもそうしたことが行われています。
 勤続年数と役職といったわかりやすい形で昇給する仕組みの場合、ベテラン職員が多くなれば人件費は当然ふえることになります。
 しかし、成果主義制度では、どの職員が何の評価によって手当が上がったのか、逆に、給与が上がらない、評価がされていないとなった場合でも、同じ勤続年数の職員と比較することができず、自分がどの程度評定されたのかがわかりにくくなるという特徴があります。そうした特徴から、総人件費を管理側がコントロールしやすくなるので、成果主義制度の目的は、総人件費の抑制だとされています。
 実際に、例えば六年前に独法化された大阪市民病院機構では、中期目標に、経験、職務能力、職責などの適正な評価に基づく給与制度の構築と給与水準の見直しがともに掲げられ、抑制が進められてきました。
 静岡県立病院機構の理事長も、総務省が地方独立行政法人病院を評価するのも、独法化に当たり、医師以外の給与が民間より高いといわれている給与制度の見直しがなされることも期待してのことだと思われると述べています。給与引き下げにつながるという点でも、独法化は進めるべきではありません。
 そして、職員の身分が公務員でなくなるというのも、独法化の大きな特徴です。
 独法化後も、身分を都の職員のままにしたいと希望した場合、どう対応するのですか。

○谷田経営企画部長 医療環境の変化に確実に対応し、持続可能な病院運営を行っていくためには、短時間勤務制度等を含む多様な勤務形態など、病院の実情に応じた人事給与制度の構築が可能な一般地方独立行政法人がふさわしく、そのための身分移行であるということを職員へ丁寧に説明していくことが大切であると考えております。
 地方独立行政法人法の定めによれば、別に辞令が発せられない限り、職員は地方独立行政法人の職員に移行するとされております。
 病院事業において運営の根幹をなすのは職員であることから、丁寧な説明を行った上で、法に基づき、職員は原則として法人へ身分移行することとなります。

○藤田委員 まるで説明は、あなたのためだというかのような内容でしたけれども、都の職員のままにしたいと希望したとしても、法律上、原則としてそれは許されないということです。
 職員の考えを聞いても結果は変わらないので、やることは丁寧な説明だということです。同意なく雇用主が変わるということは、通常はあり得ないことなので、独法化の重大な問題です。
 先月の公営企業決算特別委員会の和泉都議の質疑でもあったように、定数でいうと、医師では九百六十三人、看護師では四千二百六十五人、そのほかの職員も含めて病院経営本部全体で六千八百人以上の職員がいますが、病院職員は、原則として独法化によって一気に都の職員ではなくなります。
 公務員試験を受けて入庁したけれど、独法化によって、その身分が失われる重大な手続なのに、実際には、現場はコロナ対応で、丁寧な説明などできるような状況ではありません。独法化自体にも反対ですが、このようなやり方は到底認められません。
 最後に、私たちが繰り返し指摘している東京都の一般会計繰入金、独法化後の運営費負担金の問題について伺います。
 今回の報告には、法人における運営費負担金は、これまでの都立病院における一般会計からの繰入金と同趣旨と書かれています。しかし、具体的な金額が同じなのかどうかについては書かれていません。
 そこで伺いますが、運営費負担金の金額の具体的な計算式は、現在の一般会計繰り入れと変わるのですか、変わらないのですか。

○谷田経営企画部長 運営費負担金の具体的な計算式ということでございますが、これにつきましては、今後の検討事項でございます。
 なお、これまでも医療環境の変化等に応じまして、一般会計繰入金の対象範囲等については随時見直しを行っておりまして、その考え方は、現行制度においても、また独法化後も変わらないものと考えております。

○藤田委員 今後の検討課題ということは、少なくとも引き下げられる可能性は否定できないということでしょうか、お答えください。

○谷田経営企画部長 現在も、都立病院につきましては、一般会計繰入金につきまして、適正に行政的医療につきまして、その負担をしているところでございます。
 これについては、独立行政法人におきましても同じ考え方でございまして、それが引き下げが前提になっているというものではなく、その時々の状況に応じて、それについては現状でも増減がございますし、今後もまた、そういうものであると、そういうふうに認識しております。

○藤田委員 引き下げられないということは、いえないわけです。
 東京都顧問も務めていた上山信一氏は、二〇一五年に、雑誌「地方行政」に書いた文書、府立と市立の病院改革、赤字構造解消に向けての中で、一般会計繰入金または運営費負担金について、基準は、個々の自治体にかなり委ねられており、公立病院に幾らの補助金を投入するか、あるいはしないかは、自治体の意思によってかなり左右されるといえるであろうとし、大阪府、大阪市の独法の病院について、どこまで補助すべきかは大いに検討の余地があると述べていました。
 実際に、維新府政、市政のもとで、病院への財政支出は削られ、現場は疲弊させられました。
 大阪府知事、大阪市長を務めた橋下徹氏は、新型コロナウイルスの感染が広がる中、僕が今さらいうのもおかしいところですが、大阪府知事時代、大阪市長時代に徹底的な改革を断行し、有事の今、現場を疲弊させているところがあると思います、保健所、府立、市立病院などと述べざるを得ませんでした。
 大阪市民病院の独法化は、まさに橋下市長時代に行われたもので、独法化が医療を充実させるためのものであれば、このような発言が出てくるはずがありません。
 にもかかわらず、新型コロナウイルス感染症が広がるもとで、都立病院、公社病院の重要性がますます鮮明になっている今、独法化を進めることなど、あり得ないことです。
 都立病院、公社病院の地方独立行政法人化は中止し、現行のままで医療の充実を図るよう強く求め、質疑を終わります。

○森澤委員 まずは、都立、公社病院独法への移行に向けた検討状況についてお伺いをいたします。
 給与、人材確保、医療機器の購入といった必要な対応を、適時適切に柔軟にスピーディーに行うために、どのような経営形態であるべきかという視点は重要です。私たちは、あくまでも提供する医療サービスの質を改善し、最善の医療提供体制をつくるために独立行政法人化を求めてきました。
 一方で、独法化後、できることがふえて、各病院の自由度が上がる分、法人としての経営力、マネジメント力が問われると考えます。
 そういった意味で、都の医療政策に沿って行政的医療などの役割を果たし続けていくため、法人全体で適切なガバナンスを発揮して運営していくことが重要だと考えますが、見解を伺います。

○船尾計画調整担当部長 独法化後、各病院が現場の医療課題に機動的に対応するため、病院長に適切に権限を付与していく必要がございます。
 一方で、行政的医療の安定的、継続的な提供を初め、都の医療政策に貢献していくため、統一的な方針のもとで法人を運営することが必要であり、現場の機動性とのバランスのとれた法人のガバナンス体制の構築が重要でございます。
 このため、法人に理事会を設置し、法人としての運営方針や中期計画、年度計画、予算、決算などの重要事項について決定し、その方針のもとで各病院が運営していく体制や仕組みが必要でございます。また、各病院がその方針に沿って適切に運営されているか、法人内でチェックすることも重要でございます。
 こうした法人の具体的なガバナンス体制について、今後、さらに検討を進めてまいります。

○森澤委員 まさに現場の機動性とバランスのとれた法人のガバナンス体制の構築、非常に重要だと思いますので、適切な体制が整えられていくことを注視していきたいと思います。
 そういったガバナンスがとれているか、また、都民や地域のニーズに即した病院経営を行うため、外部から意見を聞いていくということも重要です。
 各病院の運営については、地域の関係者等から成る病院ごとの運営協議会が設置されている病院が多いということですが、今回の報告によりますと、法人全体としても有識者会議(仮称)の設置を検討しているということです。
 有識者会議の設置目的と狙いについてお伺いをいたします。

○船尾計画調整担当部長 地方独立行政法人法では、毎年度、法人が業務実績の自己評価を行い、それを知事に報告し、知事は、評価委員会の意見を聞いて法人の業務実績を評価するといった次年度の取り組みや業務改善につなげていく仕組みがございます。
 こうした法定の仕組みに加えまして、法人の自律的な活動として、医療環境の変化を踏まえた行政的医療の提供や、地域の医療ニーズに対応した医療の提供、患者さんの視点に立った質の高い医療サービスの提供、こういったものができているかどうかについて、外部の意見を踏まえて改善し、新たな取り組みにつなげていく必要があると考え、有識者会議の設置について検討しているところでございます。

○森澤委員 有識者会議で出てきた意見が、しっかり反映される仕組みにしていっていただきたいと思います。
 行政的医療が都民の見えないところで縮小していかないように、外部のチェック機能としての意義もあると思います。委員の人選も含め、中立性、透明性が確保されるよう検討を進めていただけますよう、よろしくお願いいたします。
 医療機能の充実強化の方向性についても報告がありましたけれども、今後、各病院の現状や課題を踏まえ、各病院の強みを発揮するなどしての医療課題に対応するため、中期目標で法人に指示していく必要があると考えますが、中期目標の策定の考え方についてお伺いいたします。

○船尾計画調整担当部長 超高齢社会の本格化や医療の担い手不足などにより、医療環境が大きく変化する中でも、都は、その時々の新たな医療課題や都民ニーズに着実に対応していく必要がございます。
 このため、独法化後は、都として、都立病院に求める役割や医療等について、中期目標を通して取り組みを指示し、法人に具体的な計画の策定を求めていくことになります。
 例えば、行政的医療につきましては、救急医療や周産期医療など、現在担っている医療を引き続き充実強化することや、新たな医療課題にも先導的に取り組むことなどを、また、地域医療の充実への貢献につきましては、地域医療構想の実現に向けて、公的病院としての役割を積極的に果たすことなどを中期目標に盛り込むことになりますが、具体的な内容につきましては、今後検討してまいります。

○森澤委員 これまで、それぞれの病院と近隣の地域医療機関等との連携が殊さら強かったと考えます。もちろん、そういった地域連携も非常に重要ですけれども、その専門的な知見やノウハウを当該地域のみならず、都内全ての地域に横展開していくことも大切です。
 今後、独法化により都立病院と公社病院が一体となって運営されていく中で、各病院が有する医療資源を広域的にどのように活用していくのか、その考え方についてお伺いいたします。

○船尾計画調整担当部長 独法化後も、地域医療機関等と連携協力しながら、地域医療の充実への貢献等を通して、地域医療構想の実現に向けた役割を果たしていくことが重要と認識しております。
 このため、民間医療機関等と柔軟に人材交流できる人事制度の構築などによりまして、診療応援のため、専門医を公的病院等へ派遣することや、技術協力のため、看護師を地域の訪問看護ステーション等の関係機関へ派遣することなど、医療人材の専門性の活用を幅広い地域のニーズを聞きながら検討してまいります。

○森澤委員 都立病院の専門性がより広域的に活用できるよう取り組んでいただきたいと思います。
 以前、斉藤れいな都議からもお伝えさせていただいておりますが、例えば、都立松沢病院は、都内随一の精神医療の提供を行っていますが、精神医療は特に地域での退院後の療養継続や自立支援に課題があります。そういった知見がより広域的に貢献されることを今後期待したいと思います。
 地域医療の充実への貢献として、患者支援センターの機能強化を図ることとしていますが、具体的にどのように機能強化を図っていくのか、その考え方についてお伺いいたします。

○船尾計画調整担当部長 高齢化の進展に伴いまして、退院後に在宅療養や介護サービスを受ける方や、身近に支援者がいない単身高齢者など、継続的な支援を必要とするケースが増加しており、医療と介護を切れ目なくつなぐ地域包括ケアシステムの構築が進められております。
 このため、多様な人材を患者さんや地域のニーズに応じまして柔軟に確保できる人事制度を構築するなどによりまして、患者支援センターの機能を強化し、外来受診時から退院後の療養生活も見据えた一貫した支援の充実や、地域医療機関等との連携強化を図っていくことが必要と考えております。
 具体的には、例えば患者さんやご家族、地域のニーズに応じた相談支援体制を充実することや、ICTを活用した介護サービス事業者等との患者情報の共有を推進することなど、さまざまな支援につきまして、地域性も踏まえながら具体的に検討してまいります。

○森澤委員 病院と地域医療、福祉とのより一層スムーズな連携により、病院利用者とその家族の地域での暮らしの安心につながるよう取り組んでいっていただきたいと思います。
 次に、多摩メディカル・キャンパス整備等事業実施方針について伺います。
 まず、このPFI事業における性能発注の狙いについてお伺いをいたします。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 施設を整備し、維持管理、運営を行う際、PFI事業では、設計、建設、維持管理、運営の全ての業務を一括して長期契約するとともに、性能発注方式により業務を委ねることになります。
 性能発注方式とは、従来のように細かな仕様を定めるのではなく、性能を満たしていれば細かな手法は問わない発注方式でございまして、都が求める業務の要求水準を達成するための方法を事業者に任せるという手法でございます。
 この手法により、民間事業者が新たなアイデアに基づく提案を行うことが可能となるなど、民間の持つノウハウや創意工夫を発揮することで、効率的に運営することができます。

○森澤委員 民間事業者にとって自由裁量が大きく、ノウハウや創意工夫を発揮できる利点があるということはわかりました。
 一方、PFI事業で重要なのは、発注に当たり、事業者に対して、いかにニーズを具体的に理解してもらえるかという点だと考えます。
 細かい仕様を定めない中で、都の考え方を事業者にどこまで浸透させるのかということについて、どのように取り組んでいくのかお伺いいたします。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都がPFI事業を公募した際、説明会の開催や事業者からの質問への回答等により、都の求める要求水準を事業者に対し浸透させていきます。
 こうしたことにより、事業者は、都が求める業務の要求水準を満たし、さらに創意工夫を重ねた提案をすることになります。
 都と事業者が契約を締結し、PFI事業を開始した後は、都は、求める要求水準を達成できているか、本事業を実施するために設立された特別目的会社、いわゆるSPCの業務履行状況を確認、評価するとともに、患者さんのニーズ等に応じて十分にサービスが提供されているかなどについて、モニタリング制度を通じて継続的に検証してまいります。

○森澤委員 先ほど、実施方針の事業者への説明会等も開催されているというお話がありましたが、引き続き、しっかりと双方向のやりとりが実現するよう取り組んでいただきたいと思います。
 事前事後で都の考え方がしっかり理解され、要求水準が満たされ、結果として、患者さんに質の高いサービスが提供されるよう、丁寧に取り組んでいただきたいと思います。
 総合評価一般競争入札では、価格とサービスの質で事業者を決めていくということですが、評価方法は具体的にどうしていくのか見解を伺います。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 総合評価一般競争入札とは、価格だけではなく、サービス水準などもあわせて総合的に評価するものであり、最も評価が高い入札参加者が落札することになります。
 多摩メディカル・キャンパス整備等事業において事業者を決定する際には、総合評価一般競争入札を採用することとしています。
 事業者を決定するに当たりまして、外部の有識者などから成る審査委員会を設置します。審査委員会では、具体的な評価基準等を定めるとともに、事業者の提案を審査、評価することになりますが、詳細は今後検討していきます。

○森澤委員 性能を点数評価した性能点を価格で割る除算方式と、入札価格を点数化して性能点と足し合わせる加算方式、どちらをとるかということは、これから検討されることと認識しています。
 価格がより重視されるような評価方式ではなく、サービスの質がしっかりと評価されるよう取り組んでいただけますよう、よろしくお願いいたします。
 また、評価はあらゆる角度から客観的に行われる必要がありますが、外部の有識者等から成る審査委員会を設置するということですが、中立で公正な評価を行えるような人材選定などを慎重に行っていくことは必要です。
 審査委員会において中立かつ公正な評価を行うために、どのような人材選定や運営を行っているのか見解を伺い、質問を終わります。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都立病院で過去にPFI事業を選定した例では、医療分野やPFI分野、法務分野、建築分野など、さまざまな専門性を持った方を審査委員に選定しております。また、審査委員会の座長には、外部の有識者の方にご就任いただいています。
 本事業についても、中立、公正な評価を行うため、これまでの取り組みを踏まえながら検討していきます。

○鳥居委員 私からも、都立病院、公社病院の地方独立行政法人、独法への移行に向けた検討に関して質疑をいたします。
 都立、公社病院の独法化については、本年三月に新たな病院運営改革ビジョンを策定し、ビジョンを踏まえて、令和四年度内の独法化を目指し、法人の運営体制などについて検討されております。
 都立、公社病院の独法化の目的は、将来にわたって、行政的医療の充実や地域医療の充実への貢献といった役割を果たし続けていくことであり、そのための取り組みを充実していくことが必要です。
 今後、東京の人口は二〇二五年をピークに減少し、本格的な人口減少社会に突入する一方、団塊ジュニア世代が六十五歳以上となる二〇四〇年代には高齢化が一層進み、都民の約三人に一人が六十五歳以上という、極めて高齢化が進んだ社会の到来が予想されております。
 これにより医療や介護の需要がさらに増加していくことが見込まれており、団塊世代が後期高齢者となる二〇二五年に向けては、住みなれた地域で医療から介護までを提供できる体制整備が課題です。
 このため、地域医療関係等との連携のもと、地域の医療ニーズに的確に対応していくことが重要となります。また、都民の生命と健康を守り続けていくためには、その時々の都民の医療ニーズに機動的に対応する必要があると考えます。
 独法化後は、そうした観点を踏まえて医療機能強化を果たしていくべきと考えますが、まず、報告にあった独法化後の医療機能強化の方向性について、その考え方を伺います。

○船尾計画調整担当部長 今後の超高齢社会を背景に医療需要が増加し、疾病構造も大きく変化していくことが想定されるため、地域医療機関とも一層連携しながら、こうした変化や医療ニーズに柔軟に対応し、救急医療やがん医療など行政的医療等を充実強化していく必要がございます。
 また、高齢者が可能な限り住みなれた地域で自分らしい暮らしを送ることができるよう、地域包括ケアシステムの構築を推進していく必要があり、安心して療養するための地域における在宅療養等の質と量の確保が重要であることから、地域の技術力を高めるなど、都立病院、公社病院の医療資源を活用する必要もございます。
 こうしたことから、独法化後の各病院の医療機能強化の方向性は、行政的医療等の一層の充実と地域医療の充実への貢献のこの二つの柱を基本としております。

○鳥居委員 ありがとうございました。
 ご報告いただきましたとおり、機能強化の方向性に沿って各病院で検討されている取り組みが例示されていると認識しております。
 さて、人類の歴史は、医学、医療の進歩を背景にした疾病との闘いともいわれ、科学技術の進歩はさらに加速度を増していきます。その応用ともいうべき医療技術は発展し続けておりますが、そのような中、医療スタッフは、患者に対して安全で質の高い医療を提供するという使命のもと、常に最新の専門知識や技術を学び続けていると認識しております。
 すなわち、医療を支えるのは人、独法化後の人材育成の方針については、これまで我が会派の議員も質疑を繰り返してきたとおり、ほかの医療機関との人材交流が容易になり、そのことにより得られる技術や知識が飛躍するよう、独法のメリットを生かして、多くの医療スタッフがその能力を十分に発揮でき、使命を果たされる環境づくりに努めていただくことを改めて要望いたします。
 さて、独法化後に新型コロナウイルス感染症のような事態が発生した場合には、都の指示のもと、必要な医療が提供されると考えますが、都の指示を待つことなく、みずからが率先して取り組むことで、法人の存在意義を示されることが望まれます。
 そのための取り組みとして、患者の受け入れ体制の強化は重要であり、また、地域における日ごろからの感染症医療への対応力の向上も非常に重要です。
 そこで、独法化後の地域における平時からの感染症医療への対応力強化について考え方を伺います。

○船尾計画調整担当部長 感染症医療につきましては、有事の際の受け入れ体制などの対応力強化だけではなく、地域の医療機関や介護施設等において、平時からさまざまな事態を想定し、施設内の感染防止を初め、感染管理に対する知識や技術力の向上を図っていくことが重要でございます。
 そのため、独法化後は、保健所等と連携し、地域のニーズに応じて法人の人的資源を活用して、地域全体の対応力の強化を図っていく必要があると考えております。
 具体的には、感染管理認定看護師など専門人材を訪問看護ステーション等に派遣し、感染予防、感染拡大防止等に関する知識や技術力の向上を支援するなどの取り組みについて検討を進めているところでございます。

○鳥居委員 感染症医療への対応は、まさに行政的医療の提供であり、都民や地域からの期待は大きいものです。引き続きの検討を進め、独法化後も重要な役割の一つとして、感染症医療に取り組んでいただくようお願いいたします。
 高齢化の一方で、少子化により、都の生産年齢人口は、二〇二五年以降減少すると予想されており、医療の担い手の確保が一層厳しくなることが見込まれております。そのような中でも、ご答弁のあった方向性に基づき医療機能を強化していくためには、必要となる人材を確保し、病院の体制を強化していくことが必要です。
 広尾病院の取り組み例では救急医療提供体制の強化を挙げておりますが、救急科の医師はもちろん、手術に対応するための麻酔科医もしっかり確保していく必要性があります。また、土日にリハビリテーションを実施するためには、理学療法士の増員も必要になってくると思います。
 そこで、医療機能のさらなる強化に向けて、どのように医療人材を確保していくのか考え方を伺います。

○谷田経営企画部長 人材を機動的に確保し、行政的医療などを充実強化していくためには、多様な人材がその能力を発揮し、働き続けることができる人事給与制度等を構築していく必要がございます。
 法人独自の制度構築が可能となるメリットを生かし、現場の状況に合わせた医師事務作業補助者や看護補助者の拡充によるタスクシフティングの推進や、他の医療機関等での研さん機会を拡大する兼業、兼職要件の緩和、迅速に必要な人員を配置できる採用制度、育児や介護との両立など、さまざまなニーズに対応する柔軟な勤務制度など、人員確保に資する人事給与制度を検討し、病院運営に必要な人材を確保してまいります。

○鳥居委員 ありがとうございます。
 専門的な医療人材を確保し、高度で専門性の高い医療を都民に提供した結果として得られる症例は、都民にとって貴重な財産と考えます。多摩メディカル・キャンパス整備基本構想案で、研究体制の整備に関して言及されているように、医療の質を高めるためには、臨床に対する研究は重要と考えております。
 また、神経病院を有するキャンパスは、希少性疾患の症例を活用して研究を進めるとともに、臨床への応用により、診断や治療に反映できる体制の構築を目指していくべきとも考えております。
 難病医療は、民間では採算性の問題から研究が進まない分野であり、そういった分野こそ、公的医療機関が正確な診断や効果的な治療が行えるよう、研究開発を進めていく役割を担っていると考えます。
 また、かつて、キャンパス内三病院の連携を強化し、キャンパス全体でほぼ全ての指定難病に対応できる体制を構築していくとの難病医療拠点構想の決意をお伝えいただきました。
 難病医療体制の構築は、もちろん容易ではありません。独法化により、キャンパス内三病院の連携に加え、さまざまな専門医療機関との強固な連携など、多くの要因が重ねられないとなし得ないことと考えます。
 これまでの体制と異なり、三百をも超える指定難病への医療体制構築は、一見、無謀に見えるかもしれませんが、しかし、得られる多くの症例をもとに研究を進めることにより、新たな治療方法の開発につながるサイクルが生まれる可能性は高いと認識します。
 先人たちがそれぞれの一生をかけて築いた成果をもとに、後人たちが新たな発見につなげ科学が発展してきたように、東京都の取り組みが医療全体の持続的な発展につながることを期待しております。
 そこで、改めて、医療研究、臨床研究を初めとする研究の推進について、独法化後の考え方を伺います。

○船尾計画調整担当部長 都立病院、公社病院の豊富な症例を活用し、臨床研究や治験等を通じて、新たな治療技術の開発等に貢献し、その成果が、また都民に還元されていくということは重要でございます。
 独法化後は、研究機関等との人材交流を柔軟に行うことができる人事制度のほか、民間企業などから複数年にわたる研究費を受け入れやすくする財務制度等の構築が可能となります。
 今後、各種制度の検討を進め、大学や研究機関、企業などとの協力連携を強化し、臨床研究や治験等を一層推進してまいります。

○鳥居委員 引き続き、独法化のメリットを最大限活用して、研究機関や大学等との連携を積極的に進めていただくよう要望いたします。
 冒頭にも述べたとおり、他国が経験したことのない未曽有の日本の高齢化は、少子化も伴って人口減少に転じていきます。高齢化が進み、生産年齢人口は不足し、人口の減少がもたらす社会構造の変化は、医療のあり方、地域の医療的な課題に対するシフトそのものが変わることを求めているといわれております。
 これまでのように、専門分化した医療のみの対応で、地域の医療を守ることが難しくなってきており、例えば、小児の少ない地域では小児科の専門医療の運営は困難で、そのような状況下では子育てにも大きな影響が出る中、適切な教育を受けた総合診療の必要性がうたわれております。
 近年、患者を総合的に診られる医師を育成するため、日本専門医機構では、新たな専門医制度において、内科、外科、小児科などと並び、十九の基本領域の一つとして、総合診療医が専門医として認定されました。
 先進国のデータでは、プライマリーケアの強化が医療資源の適正使用につながることが示されております。プライマリーケアとは、大病院での専門医療に対して、ふだんから何でも診療してくれ、相談に乗ってくれる身近な医師による総合的な医療であり、その担い手が総合診療医です。
 地域では運営が困難で設置できない専門医療施設などがなくても、一般的な疾患に適切な初期診療等を行う総合診療医が地域にいることで、地域医療の持続化が図られると考えます。
 地域医療の持続化に向けて、患者を総合的に診ることができる総合診療医を育成していくことも重要と考えますが、総合診療医の育成について、独法化後はどのような考えで進めていくのか見解を伺います。

○船尾計画調整担当部長 高齢化の進展により、複数の疾患を抱えた患者さんが増加することから、これまでの臓器別の診療科の枠を超えた総合的、包括的な診療のニーズも高まっておりまして、救急医療の充実や地域医療の充実に向けて、総合診療医の育成は課題であると認識しております。
 このため、独法化後は、大学等と柔軟に人材交流できる人事制度を構築するなどによりまして、大学や地域の医療機関等と連携しながら指導育成体制を強化し、育成に努めてまいります。
 まずは、多摩北部医療センターにおきまして、取り組みの検討を進め、総合診療医の育成、輩出に段階的に取り組んでいきたいと考えております。

○鳥居委員 ありがとうございました。
 地域医療を支える人材の育成も、法人が果たすべき役割の一つになると考えます。引き続き、総合診療医の重要性や必要性に留意した対策を検討し、オンタイムな対応ができるよう人材育成に取り組んでください。
 改めて、法人移行後は、高度専門医療を修得するとともに、豊富な症例を臨床研究に生かせる医師や、小児や認知症を初め特定の分野での高い実践能力を発揮できる看護師など、病院現場で中核となり得る人材の育成をさらに強化することに加え、地域医療の実情を理解し、地域医療を支える人材の育成も進めていただくよう要望いたします。
 また、都立、公社病院の独法化に当たっては、行政的医療の提供や地域医療の充実への貢献を果たしていくとともに、十四病院それぞれの強みや特色を磨き、所有する医療資源を最大限活用し、安定的に質の高い医療の確保、医療スタッフの育成に取り組んでもらうことを要望し、質疑を終わります。

○うすい委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後五時十四分休憩

   午後五時三十分開議
○うすい委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○やまだ委員 私からは、多摩メディカル・キャンパス整備等事業実施方針の策定について伺います。
 この間、さまざま質疑ありましたので、かぶらないところで、割愛しながら進めさせていただきたいと思います。
 本キャンパスの整備、着実に進めていくに当たって、改めて一点伺いたいと思うんですが、各施設や利用者の安全確保を大前提とした上で、可能な限り工期短縮とコストの削減を行い、効率的な施設整備を行うことが重要だということで考えております。
 そこで、改めて、この多摩メディカル・キャンパス整備基本計画上の整備手法に関する方向性について、どのような内容だったかを確認したいと思います。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 多摩メディカル・キャンパス整備基本計画においては、整備手法に関して、設計と施工を分離して発注する従来方式と、設計、施工、維持管理等を一括して発注するPFI方式について、比較検討を行っております。
 PFI方式による整備では、設計、施工、維持管理等の一括発注により工期短縮が可能となります。また、確認申請期間中に一部準備工事を開始することが可能となるため、業務の効率化が図られ、加えて、ライフサイクルコストを考慮した設計も可能となるなど、総事業費抑制のメリットがあるとしています。
 このため、基本計画では、整備手法としてPFI方式を選択肢の一つとして示したところでございます。

○やまだ委員 ありがとうございます。
 この間も、PFI方式に関しての質疑ありましたが、このPFI方式を導入するためには、建築や設備、施設運営に関することなど、事業者と都との役割分担などは、専門かつ広範囲にわたっての検討が必要になるかと思います。
 そこで、基本計画策定後、どのように検討を行ってきたのか伺いたいと思います。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 内閣府のPFI事業導入の手引きによりますと、PFI事業の検討を行うに当たっては、金融、法務、技術等の専門知識が必要であり、先進事例の多くは、外部のアドバイザーの支援を受けて検討を進めているとあります。
 病院経営本部では、令和元年十二月に、多摩メディカル・キャンパス整備事業に関するPFIアドバイザリー業務委託契約を結び、専門的知見を有する受託者の助言を受けながら検討を進めてきました。
 まず、建設会社、維持管理会社、医療サービス会社の民間事業者に対してヒアリングを実施し、本事業への参画意向や、その際の業務範囲等について確認し、意見を伺いました。加えて、技術面においては、新設する施設や設備等の条件の詳細化、法務面においては、都と事業者の明確なリスク分担のあり方等について検討してきました。
 こうした検討を踏まえ、今回報告している実施方針や要求水準書案を作成したところでございます。

○やまだ委員 さまざま、アドバイザー支援、アドバイザリー業務委託契約をしながら検討を進めてこられた、その結果、今回の実施方針の策定に至ったということがわかりました。
 実施方針では、新設する外来がん検査・治療センター(仮称)及び難病医療センター(仮称)、既存の多摩総合医療センター及び小児総合医療センターについては、一体的に四つの施設の維持管理、運営業務を行うとあります。
 実際には、多摩総合医療センター及び小児総合医療センターは、現在、PFI事業により維持管理、運営業務を実施しております。残りの二施設は開設時期が異なります。
 そこで、なぜ四施設の維持管理、運営業務を一体的に実施するのか見解を伺いたいと思います。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 外来がん検査・治療センター(仮称)は、内視鏡診断、治療体制を強化するなど、がん医療提供体制の充実を図るため、多摩総合医療センターの別館として位置づけ、運用を行うこととしています。
 さらに、難病医療センター(仮称)と外来がん検査・治療センターは、施設や医療機器の共同利用を行うため、両施設との間に渡り廊下を設け、患者さんやスタッフの往来を可能にすることとしております。
 多摩総合医療センターと小児総合医療センターは、現在同一の建物内にあるため、一体的な運用をしており、他の二つの施設も合わせると、四施設がそれぞれ密接に連携した施設となります。このため、維持管理、運営業務を四施設で一体化することが重要であると認識しています。
 この場合、平時においては、一つの施設において業務上の課題などが生じた際には、四施設全体で課題等を共有し、必要な改善を行うことが可能となります。
 また、災害時や緊急時等の際は、防災センター等から各施設に速やかに情報共有がなされ、病院職員や事業者の迅速かつ機動的な対応が可能となります。
 こうしたことから、四施設一体的に維持管理、運営業務を行うことで、効率、効果的な施設運営を行ってまいります。

○やまだ委員 四施設が密接に連携した施設であり、一体的に維持管理、運営業務を行うことで、効率的、効果的な施設運営を行っていくというご答弁でありました。
 あわせまして、続いて、今回の実施方針で示されているPFI事業の業務範囲についてなんですが、既存のPFI事業と比べて異なる点が見受けられます。
 例えば、多摩総合医療センター、小児総合医療センターでは、提出された資料を見ますと、検体検査、調達、経営支援など、多くの業務範囲をPFI事業者が担っているところですが、今回の多摩メディカル・キャンパス整備等事業においては、それらが業務範囲には含まれていません。
 今回の実施方針に示されているPFI事業の業務範囲については、既存のPFI事業と比べて業務範囲が縮小している、この点について、どのような考え方に基づいてなのか見解を伺いたいと思います。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 業務範囲を設定するに当たっては、昨年度報告した都立病院PFI事業の検証結果を踏まえ、民間事業者へのヒアリング、病院現場の職員と数多くの意見交換等を行い、検討してきました。
 今回の業務範囲については、施設整備や施設整備と関連が深い維持管理、運営業務等についてはPFI事業の対象とする一方、専門人材の育成や将来の医療環境の変化に柔軟に対応する観点から、病院みずからが対応すべきと判断したものについては見直しを行い、PFI事業の対象外としております。
 例えば、検体検査業務は、病院職員がみずから実施することで、診療報酬上の上位の施設基準を取得でき、かつ専門性の高い人材育成の観点からも有効であるため、PFI事業の対象外としています。
 また、医薬品や診療材料等の調達関連業務においては、医療技術の進歩等に応じて、病院の収益に大きな影響を与えるものであるため、病院みずからが対応することとし、対象外としています。
 こうした考えから、質の高い医療サービスを効率的、効果的に提供していくため、事業者が担うべき業務範囲を整理いたしました。

○やまだ委員 専門人材の育成や将来の医療環境の変化に柔軟に対応するため、病院みずからが対応すべき点については、業務範囲を整理して範囲から外したということで、大変前向きな取り組みだというふうに思っております。
 民間へのヒアリングや病院職員との意見交換などを通して、多摩メディカル・キャンパス整備等事業をPFIで行う場合の業務範囲、このように見直されたことについて非常に評価いたしますし、理解をいたしました。
 一方で、今回のPFI事業から対象外とした業務の取り扱いについても確認したいと思います。
 そこで、対象外とした業務は、今後どのように実施していくのか伺います。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 現行PFI事業から対象外とした業務については、病院が直接実施または業務委託で対応することとなります。
 都立病院の独法化後は、法人のメリットを生かした柔軟な契約手法の導入や、十四病院のスケールメリットを生かした契約の実施などにより、より効率的、効果的な病院運営が確保できるものと考えております。

○やまだ委員 独法化も含めた総合的な考え方のもとで運営が設定されているということで、よく理解をいたしました。業務範囲に関する都の考え方を理解しました。
 実施方針のスケジュールを見ますと、現在、事業者からの質問や意見等、受け付けを行っているという段階だと認識しています。
 事業者の声ももちろんですが、十分耳を傾けながら、都民に求められる医療を適切に提供できるように、よりよい施設整備を進めていただくよう改めて要望して、質問を終わりたいと思います。

○栗林委員 では、私の方から、多摩メディカル・キャンパス整備等事業実施方針について何点か質問をさせていただきます。
 今回、病院経営本部から本委員会に報告された多摩メディカル・キャンパス整備等事業実施方針においては、一つは、東京都がん検診センターを多摩総合医療センターに統合して、その別館として新たに外来がん検査・治療センターを整備する。二つ目は、キャンパス内の難病医療を集約して機能を強化するため、神経病院を難病医療センターとして整備することとしています。
 この外来がん検査・治療センターと難病医療センターに、既存の多摩総合医療センターと小児総合医療センター、これを加えて、四施設を一体的に維持管理、運営業務を行っていくということでございます。
 多摩総合医療センターと小児総合医療センターについては、施設整備と、それに続く管理運営がPFIにより既に行われており、事業開始から約十五年が経過しております。
 このPFI事業については、病院経営本部が検証を実施して、昨年十一月の委員会にその結果を報告してくださっています。
 今回の多摩メディカル・キャンパス整備等事業も、PFIにより実施することを検討しているということでありますけれども、この実施方針の作成に当たっては、昨年度の検証の結果を踏まえていることと思います。
 そこで、まず、具体的に、昨年度の検証結果が今回の実施方針にどのように踏まえられているのか伺います。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 駒込病院、多摩総合医療センター及び小児総合医療センター、松沢病院の都立病院のPFI三事業は、病院の運営開始から約十年が経過しており、病院経営本部は、この間に、医療環境が大きく変化したことを踏まえて検証を実施し、昨年十一月、検証結果を本委員会に報告いたしました。
 昨年度の検証は、PFI事業の業務内容を病院の建設や改修などの施設整備、日々の医療関係業務の運営、医薬品や診療材料等の調達の三つに分け、各業務について定量的評価と定性的評価の両面から検証するという手法により実施しました。
 その結果、設計、施工、運営の一括発注による効率化や、医療サービス水準の向上というPFI導入の目的はおおむね達成されているとともに、ここ数年の当初の予想を超えた急速な医療の高度化は、PFI事業費の変動の要因になっていることを確認しました。
 こうした検証結果を踏まえ、今回の多摩メディカル・キャンパス整備等事業実施方針を作成しております。

○栗林委員 今ご答弁いただきましたように、昨年度の検証結果を踏まえて、多摩メディカル・キャンパス整備等事業実施方針が示されているということがわかりました。
 一方、国においても、民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律、いわゆるPFI法が施行されてから約二十年が経過したことを背景に、PFI事業の事後評価について検討を進めていると聞いています。
 そこで、この国の動向について伺います。

○西川サービス推進部長 ご指摘のとおり、国におきましては、民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律の施行から約二十年が経過し、当該法律が施行された当時に開始したPFI事業の多くが期間満了を迎えつつあることを踏まえまして、PFI事業の事後評価について検討を行っております。
 具体的には、国はPFI事業の期間満了後も当該施設の運営について民間の創意工夫を活用することが有効な場合には、引き続く新たな事業期間においてもPFI等の手法を検討するべきであるとしておりまして、その際、事後評価を適切に実施して、今後の事業方式の選定や事業内容の改善に生かすことが必要であるとの考えから、本年二月、事後評価の実施時期や実施体制、評価項目などについて基本的な考え方を示しました。
 現在、国の民間資金等活用事業推進委員会におきまして、事後評価の具体的な手法や仕組みについて検討が行われているところでありまして、国は来年三月にPFI事業の事後評価等のマニュアルを策定するとしております。

○栗林委員 それでは、このような国の動向を踏まえて、病院経営本部では今後どのような対応をしていくのか伺います。

○西川サービス推進部長 国が本年二月に示しましたPFI事業の事後評価等に関する基本的な考え方によれば、事業期間満了のおおむね三年程度前に事後評価を取りまとめることが望ましいとされていますことから、令和六年度末に事業が終了する多摩総合医療センター、小児総合医療センターのPFI事業につきまして、事後評価の準備に着手をしたところでございます。
 具体的には、本年十月に民間資金等活用事業推進委員会の事業推進部会におきまして、検討が進められている評価項目などの案を踏まえながら、必要なデータの収集や整理、分析など、事後評価の準備を進めております。
 今後、国が事後評価のマニュアルを確定、公表した後は、当該マニュアルに沿って評価作業を実施いたします。

○栗林委員 今ご答弁にありましたように、国の動向を踏まえて、既に事後評価の準備に着手しているということでございました。
 来年三月に国が公表するマニュアルに従って事後評価を実施するということでございますけれども、その評価を今後の多摩メディカル・キャンパス整備等事業に生かしていくためには、できるだけ早く評価結果を出すことが必要と考えます。
 そこで、昨年度病院経営本部が行い、本委員会にも報告された検証の結果を有効に活用するべきと考えますが、見解を伺います。

○西川サービス推進部長 今回ご報告させていただきました多摩メディカル・キャンパス整備等事業を進めていく場合、国のマニュアルに従って事後評価を速やかに実施することが重要と考えております。
 現在国で検討されている評価項目のうち、事業目的の達成状況及び契約内容の履行状況や、事業効果や課題、改善点、事業手法等の妥当性などにつきましては、昨年度の検証結果にもお示ししておりますことから、事後評価に当たっては、これらを活用してまいります。
 また、SPCの経営状況、施設の利用状況、利用者の評価等などの評価項目につきましては、既存の資料やデータを用いて整理を進めますとともに、事業者による自己評価につきましては、PFI事業を実施する特別目的会社である、SPCである多摩医療PFI株式会社に対して、評価作業を依頼しているところでございます。
 今後も事後評価の準備作業を着実に進め、国が事後評価のマニュアルを公表した後は、速やかに評価を完了させます。

○栗林委員 ただいまの答弁によりますと、事業効果や課題、改善点や事業手法等の妥当性など、評価の重要な部分については昨年度の検証報告書に示されているということであり、そして事業者による自己評価については、PFI事業を実施する特別目的会社、SPCである多摩医療PFI株式会社に対して、病院経営本部は国の動きに先んじて、都立病院PFI事業の検証を実施したともいえるのではないかと思います。
 ぜひ、国が示すマニュアルに基づく事後評価も適切に実施し、今後の都立病院の整備や運営に役立てていただきたいことを要望いたします。
 変わりまして、特にこの一年、都立病院を取り巻く状況にも大きな変化がありました。いうまでもなく、新型コロナウイルスの感染拡大でございます。
 多摩総合医療センター、小児総合医療センターにおいても、未知のウイルスと闘うためにさまざまな対応を迫られてきたと思いますし、また、あわせて、最前線で活躍されている皆様に、心から敬意と感謝申し上げる次第でございます。
 そこで、この両病院においてPFIという事業手法のメリットは、新型コロナウイルスへの対応において、具体的にどのように生かされたのか伺います。

○西川サービス推進部長 多摩総合医療センター、小児総合医療センターにおきましては、平成十八年度のPFI事業開始以来、SPCが施設の設計、建設を担うとともに、運営開始後は二十以上の協力金をマネジメントしながら業務を実施してきております。
 今回の新型コロナウイルス感染症への対応におきましても、こうした長期にわたる包括的な契約のメリットが生かされております。
 例えば、病院の設計や構造を熟知しているSPCの職員は、病院幹部による運営会議に出席し、感染防止に必要な施設整備等について具体的な対応案を示すとともに、病棟の陰圧化に対応するための空調設備へのフィルターの設置や、病室へ入る前の前室の確保などを迅速に実施しております。
 また、SPCは協力企業に感染防止対策を周知するとともに、協力企業の従業員やその家族の体調不良について、その情報を一元的に把握して病院へ報告する体制を構築しております。
 さらに、新型コロナウイルス感染症病棟の患者が退院をする場合には、当該患者さんが使用したベッドやその周囲の什器、壁、床を清掃することが必要であり、SPCと協力企業が連携して、業務に熟達した従業員による作業班をその都度特別に編成し、感染の危険が伴う作業を効率的かつ安全に実施しております。

○栗林委員 PFIの事業の開始から業務を担っていただいておりますSPCが、その蓄積した経験や知識を、協力企業との信頼関係を生かして新型コロナウイルス感染症への対応においても、重要な役割を担っていることが、具体的に今ご説明いただきわかりました。
 来週十二月十六日には、多摩総合医療センターの病棟として、旧府中療育センターの建物を活用して、新型コロナウイルス感染症の専用医療施設が開設される予定でございます。
 そこで、この専用医療施設の開設準備に当たり、SPCの対応状況はどうなっているのか、また、先ほどご答弁があった取り組みも含めて、今回の新型コロナウイルス感染症への対応という観点から、病院経営本部としてはどのように評価をしているのかあわせて伺います。

○西川サービス推進部長 このたびの新型コロナウイルス感染症専用医療施設は、多摩総合医療センターの病棟の一つとして位置づけられるものでございまして、その開設準備におきましても、SPCは、今まで築いた協力企業との関係を生かして適切に対応しております。
 例えば、SPCが協力企業と交渉を重ねた結果、食事の提供、洗濯、医療事務などの業務につきましては、協力企業が実施することとなり、専用施設の運用体制の速やかな整備に貢献をしております。
 また、専用医療施設で使用する医薬品や診療材料の管理搬送業務につきましては、SPCからの提案によりまして、多摩総合医療センターの収納庫からの取り出しや専用医療施設での所定の場所への格納を協力企業が担うこととなり、これにより医療従事者の負担軽減が期待できます。
 さらに、機械設備の知識を有するSPCが都に対しまして、旧府中療育センターのボイラーや大型洗濯機を速やかに点検、修理の上、活用することを提案したことにより、専用施設内において患者の洗濯物を熱湯で洗浄、殺菌することが可能となっております。
 先ほどご答弁申し上げた内容も含めまして、こうしたSPCの一連の取り組みについて、病院経営本部といたしましては、多摩総合医療センター、小児総合医療センターにおける新型コロナウイルスの対策につきましても、PFIのメリットが生かされていると考えております。

○栗林委員 新型コロナウイルス感染症への対応においても、SPCが病院と協力をしながら、工夫を凝らしつつ取り組みを進めていただいているということがわかりました。
 こうした取り組みは、SPCと協力企業との間で時間をかけて信頼関係を築き、だからこそ実現できたと思います。これは、金銭的なものに価値を換算することは大変難しいことではありますけれども、PFIの重要なメリットではないかと思います。今回のように、PFI事業は、社会状況の変化にも迅速に対応できることが大事だと感じました。
 今回、本委員会に報告されている多摩メディカル・キャンパス整備等事業の整備手法については、PFIを含め、今後しっかりと検討していただくことを要望させていただきます。
 これまで病院経営本部は、都民の命と健康を守るために、その時代時代に合わせて、社会的に求められている質の高い医療体制の構築に取り組んでいただきました。
 多摩メディカルキャンパスで構成されるこの四つの施設も、整備するまでの間、本当にさまざまなご努力があったと思います。
 多摩総合医療センターにおいては、約七十年前、結核病院である都立府中病院が開設されて、そして一九七〇年に救急医療を主体とする総合病院になり、そして二〇一〇年に現在地に全面改築移転するとともに、多摩総合医療センターと名称も改称しました。
 同じく、二〇一〇年三月に隣接する小児総合医療センターが開設。そのとき清瀬、八王子、梅ケ丘の三つの小児病院、これが老朽化したこともあり、この三小児病院が統合されて、心の病床と体の病床、これが整備されて、都の一大小児医療拠点病院として誕生したのが小児総合医療センターでございます。
 当時は、この統合に物すごい反対運動も起こりました。身近なところで小児病院がなくなるから困るという、そういう不安を訴える方も大勢いらっしゃいました。
 しかし、それを乗り越えて、開設後には、きれいになった、また新しい最新医療施設が整った高度な医療となり、結果的には皆様、大変喜んでいらっしゃいます。
 そして、ここに大きな病院ができただけではなくて、跡地、清瀬、八王子、梅ケ丘、今まで小児病院があったところはどうなったかというと、今ですね、清瀬は、障害者や高齢者の特養などの福祉的な用途として活用されています。
 また八王子は、小児・障害メディカルセンター、これは八王子市がつくられて、予約がとれないぐらい大変評判のようでございます。
 そして三つ目が、梅ケ丘。私、地元世田谷なんですが、もうこれも大変なことになっていまして、今の世田谷区の保健医療福祉総合拠点ということで、名称は、うめとぴあっていうんですけれども、リハビリ施設に老健、訪問介護、通所介護、生活介護、認知症サポートセンター、障害者の入所施設、保健センター等々がそこに整備されまして、後利用も最大限に活用されて、新しくその地域に貢献する施設となっています。こうしたことも、もう一つの大きな成果ではないかと思います。
 そして三つ目は、今回老朽化している都立神経病院をキャンパス内で移転改築をして、難病医療センターとして、神経病院で対応しているパーキンソン病などの脳神経系難病と多摩総合医療センターで対応しているリウマチとか膠原病などの免疫系の難病を集約して、ほぼ全ての脳神経系、免疫系の難病患者に対応して、高度で包括的な医療を実施するということでございます。
 しかし、長年神経病院を利用されていた方からは、少し、なくなってしまうみたいな、ちゃんとした正確な情報が届いていないというところも一部あるかと思いますので、丁寧に、より高度な医療体制をお届けできることを、説明もしていただきたいと思います。
 そして四つ目が、東京都がん検診センターを多摩総合医療センターに統合して、その別館として新たに外来がん検査・治療センターを整備するとなっております。がんの早期発見、早期治療にもつながる施設になると思いますので、大事な取り組みでございます。
 本構想は、こうした将来を見据えた大変重要な医療構想でございます。多摩メディカルキャンパスが着実に整備されるよう、一層の取り組みを要望し、質問を終わります。

○白石委員 私からも、多摩メディカル・キャンパス整備等事業実施方針の報告について質問をしたいというふうに思います。
 この実施方針は、いろいろありましたけれども、多摩の医療拠点である多摩メディカルキャンパス内にある神経病院の建てかえに伴い、新たに改築される難病医療センターと外来がん検査・治療センターにPFI事業を導入し、既に導入されている多摩総合、小児総合と一体で実施するということが目的化されております。
 PFIというのは、本来東京都が責任を持って運営するべき都立病院の業務を、例えば三菱商事、そして清水建設など、大手ゼネコンや総合商社などに一括で発注して、都の財政負担を削減する、都の財政負担の削減の手法です。
 そのPFI事業は、これまでに駒込病院、多摩総合医療センター、小児総合医療センター、松沢病院の四つの都立病院で導入がされております。そして、PFIの総事業費というのも、今数千億円に上っているということだと思います。
 都立病院にPFI事業を導入するかしないかの最大の判断材料というのは、バリュー・フォー・マネー、いわゆるVFMですね。このVFMは、都直営での総事業費と、それからPFIで行った場合の総事業費を積算して、どちらの方が総事業費が安く抑えることができるか、これを比較するというものだと思います。
 このPFI事業の導入の妥当性を図る最大の、やはりVFMというのは指標になりますから、このVFMの妥当性や信憑性がどれだけあるものなのかが問われるというふうに思います。
 PFIは、事業者のノウハウが生かされることによって建設費や運営費が削減できると、このようにご説明されております。
 これがVFMといわれるものですけれども、このVFMで事業者が削減できるとする根拠というのは、どのように示されているのか初めに伺いたいと思います。

○西川サービス推進部長 特定事業の選定に当たりVFMを計算する場合、まず、都が従来の手法で実施する場合の費用を、施設整備や運営などの個々の業務について過去の実績に基づいて算出いたしまして、現在価値に割り戻して合算することにより、PSC、これは行政が直接実施する場合の費用をPSCと申しますが、PSCを算出いたします。
 次に、当該個々の業務についてアドバイザーが行った市場調査の報告をもとにした施設整備費の削減や業務の包括化による委託料の縮減などにより、民間が実施した場合の金額を算出した上で、同様に現在価値に割り戻して合算することにより、PFIライフサイクルコスト−−これはPFIでやった場合の行政側の支出額です、を算出いたします。
 このようにして計算したPFIライフサイクルコストが、PSCを下回る場合にVFMがあるということになります。

○白石委員 ご丁寧な答弁ありがとうございます。
 都直営の場合は、建設費と運営費のみですね。これはきょう要求資料の四ページ、五ページ、六ページ、七ページを見ていただければ、主な経費を見ていただければわかると思います。都の直営の場合というのは、建設費、運営費というのが基本ですが、PFIの場合は、加えてPFI事業に係る特有の経費なども都が支払うということになりますから、単純に考えれば、PFI事業の方が総事業費は上回るはずなんですね。
 では、なぜPFIの方が総事業費は安くなるのかということなんですけれども、そのからくりというのは削減率にあります。この削減率を設定して計算することによって、都直営よりもPFI事業の方が総事業費が安くなるということなんですね。
 つまり、VFMの計算において一番重要なのが、削減率だということです。この削減率については、国のVFMガイドラインに関するフォローアップ調査報告書にも記載がされていると思います。
 どのように書いてあるかというと、削減率の根拠というのは、今答弁でもありましたが、民間事業者へのヒアリングとか、そういうふうな結果、聞き取りとか、市場調査とかの結果などを参考にして削減率を設定するとしています。
 つまり、民間事業者からの削減提案に基づいて削減率が設定されるということになります。民間事業者からの聞き取りなどで示された提案がもとになるということですので、あくまで根拠は、民間事業者がいっていることになります。これでは十分な客観性というには欠けると、私はいわざるを得ないと思います。
 ましてや、民間事業者は、PFI事業になった方が自分たちの仕事になりやすいですから、都直営よりもコストが高くなるというようなことは、まず示さないと思います。だって仕事なくなっちゃいますから。絶対都直営よりもコストが高くなるようなことは示さない。
 だからこそVFMの事後検証がないと、妥当性も信憑性も担保されないということになると思うんですね。やっぱりPFIやってどうなのかと、VFMが一体どうなのかというのが、やった後の事後検証がないと根拠にならない、妥当性や信憑性も担保されないというふうに思います。
 これまでに、駒込、多摩総合、小児総合、松沢の都立四病院では、PFI事業を実施されております。東京都は、既に実施されているPFI事業の事後検証を行っておりますね。
 VFMの事後検証はいつから行われて、これまでに何回積算されたのか、それぞれお答えいただきたいと思います。

○西川サービス推進部長 PFI事業におけるコスト、先ほど申しましたPFIライフサイクルコストですけれども、及び直営で実施したと想定した場合のコスト、PSCを算出いたしまして、VFMを算定する作業については、平成二十七年度にがん・感染症医療センター(仮称)整備運営事業を対象に行い、平成二十八年度に多摩広域基幹病院(仮称)及び小児総合医療センター(仮称)整備等事業を対象に行いました。
 平成二十九年度は、平成二十七年度、八年度の作業に時点修正を加えるとともに、精神医療センター(仮称)整備運営事業を対象にVFMの算定作業を行いました。

○白石委員 正確なご答弁ありがとうございます。
 簡単にいいますと、駒込病院は二〇一五年度に、多摩総合と小児総合は二〇一六年度、松沢病院は二〇一七年度と、三年間かけてVFMの事後検証を、PFIが導入された四病院それぞれで、病院経営本部が行ってきたということだと思います。
 それでは、事後検証でVFMの積算を委託した業者はどの業者か、そしてまた、委託費というのは幾らになっているのか、あわせて伺いたいと思います。

○西川サービス推進部長 株式会社日本経済研究所に対する東京都病院経営本部PFI事業に関するアドバイザー業務委託におきましては、事業契約に基づく協議等に関する支援や協議書類の作成に関する支援のほか、平成二十七年度から二十九年度にかけては、VFMの算定を通じたPFI事業の事後評価に関する支援を業務内容としております。
 各年度の契約額は、平成二十七年度が九百九十九万五千五百二十九円、平成二十八年度が六百五十二万四千四百十八円、平成二十九年度が七百四十五万五千七百四十九円でございます。

○白石委員 今の答弁を合計しますと、約二千四百万円もの都民の税金使いまして、日本経済研究所に委託をして、その業務の一つとしてVFMの事後検証を行ったということだと思います。
 VFMの事後検証がされた報告書を、私たち情報開示請求によって入手をしております。きょう、その一部は持ってきました。こういう形で、ほとんど黒塗りの資料となっているので、三年間、それぞれ、先ほどいった四つの病院、事後検証ということでVFMやられておりますけれども、実際には、その積算が、算定結果がどうなったかというのは、私たちはわからないという状況です。
 そこで、どのようにしてVFMの事後検証がなされてきたのか、さらに質問を進めてまいりたいと思います。
 この報告書には、実績と変動要素を反映させて事後検証を行ったとしておりますが、この実績と変動要素というのは一体何なのかご説明いただきたいと思います。

○西川サービス推進部長 平成二十七年度から二十九年度までのうち、事後検証に関する業務支援委託におきましては、当初の都における従来手法による費用の積算に用いた患者数や収益などの変動要素や病院面積などをPFI事業運営後の実績に置きかえることで、仮に直営の委託で運営した場合のコストをシミュレーションし、その結果を実際のSPCへの支払い額と比較しようとしたものでございます。
 平成二十九年度の委託業務におきましては、平成二十七年度に検証作業を行った、がん・感染症医療センター(仮称)整備運営事業及び二十八年度に検証作業を行った多摩広域基幹病院(仮称)及び小児総合医療センター(仮称)整備等事業につきまして、先ほどの患者数などを時点修正いたしました。

○白石委員 答弁聞いていてもなかなかわかりにくいと思いますので、簡単にいいますが、つまりPFI実施後の実績を都直営の場合に置きかえて計算をして、これまでに民間事業者に支払った総額と比較をして、都直営よりもPFI事業の方が高いのか、それとも安いのか、これを、PFI実施後のこのVFMを算出したということです。
 ところが、三年かけて行ったVFMの事後検証は、都民にも議会にも一切公開されていないんですね。これ本部長も答弁されているんですね、事後の算出というのは困難であるという結果にたどり着いたと、だから公表できないというふうなご答弁もされております。
 先ほど、いろいろ重要な評価や検証が、これまでやられてきているんだというふうにいうんですけれども、PFI事業の、まず一番最初の最大の指標というのはVFMになるんです。
 このVFMが事業実施後、一体どうなったのか、本当に実施前のVFM、要するに都の直営よりもPFIの方が総額は安くなるんですといって進むわけですから、絶対にこれは、検証がなければおかしい話だよというのは、この間私たちやってきました。だけれども、いまだにそれはわからないということに、現在なっているということです。
 そこで、改めて伺いたいと思うんですけれども、事後検証では、都の契約制度に従って実施した場合を想定しなければならず、事業開始後のVFMの算定は困難と、このようにされております。
 これどういう意味なのかということをご説明いただきたいと思います。

○西川サービス推進部長 PFI事業を導入する時点で算定したVFMは、当時都が従来手法により運営していた都立病院の実績や決算などをもとにしまして、都が実施した場合の費用の積算、PSCと同じ内容の事業を民間事業者が実施した場合の費用、PFIライフサイクルコストとを比較して計算をしております。
 事業期間開始後におけるVFMを算定しようとする場合、SPC、これはPFI事業を実施する特別目的会社ですけれども、SPCが実施している全ての業務について、都が実施した場合を想定してPSCを算定することが必要となります。
 一方、SPCには都の契約制度が適用されないため、業務を行うための協力企業を十数年の事業期間を通じて都の承認のもと自由に選定でき、また必要に応じて複数の協力企業と調整して業務分担や仕様を変更して効率化を図るなど、柔軟な対応が可能でございます。
 このような条件のもとでSPCが独自の方法で行っている個々の業務について、都の契約制度に従って実施しようとする場合、仕様書や契約の方法、契約手続に要する時間、事業者の受注金額などについて多くの仮定を重ねざるを得ないため、事業開始後のVFMの算定は困難であると判断したものでございます。

○白石委員 今、長々と説明していただきましたが、つまり、今の答弁を簡単にいいますと、SPCが独自の方法で行っている個々の業務、これが都の契約制度では条件が違います、手法も違います、だから仮定の域を超えないんだと。
 要するに困難ですと、出すのは困難ですというその理由というのは、仮定の域を超えないから出すことができないんだと、これはできないんだと、こういうふうに私、答弁受けとめたんですけれども、改めて確認したいと思いますが、VFMの事後検証を困難とした理由は、仮定の域を超えないから困難であると、こういう理解でよろしいでしょうか。

○西川サービス推進部長 仮定の域を超えないということもございますけれども、たくさんの仮定を重ねざるを得ない結果、客観性や正確性が必ずしも担保できないということでございます。
 したがって、そういったことから事後的にVFMを算出することは困難であるというふうに判断したものでございます。

○白石委員 仮定を重ねなければいけない、仮定の域を超えない、だから要するに算出はできないんだと、このような答弁でしたけれども、三年間を費やして都民の税金をかけて行ったVFMの事後検証結果を公表できないというのは、私、本当に通用しないというふうに思うんです。
 例えば、多摩総合で、仮定の域を超えない、超える結果を出そうと思ったら、さっきいったように、仮定のいろんなことを重ねないとできないから、だから極めて困難なんだというふうにいいますけれども、じゃあ多摩総合で、仮定の域を超える結果を出そうと思ったら、多摩総合と同じ病院を都直営でつくって、そして建設費を比較して、そしてPFIで運営している現在の多摩総合と同様の、例えば薬品、医療器具を購入する、こういうことをしないと、で、同じ病院運営をして、都直営でかかった総事業費を比較しなければ、これね、今のご答弁だとですよ、絶対に出ないんですよ。
 だから、そんなことできるわけないと。だって仮定なんですから。この仮定の域を超えられないというのは、これはいいわけでしかないと、本当に私、通用しないというふうに思うんです。
 それでは逆に、事業者選定時のVFMでは、SPCが独自の方法で行う業務はどのように反映をされているのか伺いたいと思います。

○西川サービス推進部長 都立病院PFI事業の事業者選定に当たりましては、総合評価一般競争入札方式により実施しておりまして、事業者提案に基づく性能評価点の審査と、入札価格による価格点を合計して事業者を選定したものでございます。
 また、事業における都の財政負担につきましては、事業者みずからが提案した施設整備や業務の実施方法に基づき積算した入札価格を踏まえてVFMを算出しており、事業者の提案に基づくPFI事業として実施することにより、都が直接実施する場合と比べて、事業期間全体で都の財政負担を縮減することが期待できることを確認しております。

○白石委員 つまり、事業者選定のときには、想定できない変化がある未来については条件を定めてVFMを計算すると。しかし、それで都直営よりも安くできてお得だとして導入がされてきたということですね。
 大事なのは、要するに選定前、実施前には想定できない未来のことも条件を定めてVFMが計算されて、VFMがあるかないかが結果として出てくると。例えば、駒込病院では約六十一億円、松沢病院では約二十七億円、多摩総合と小児総合は合計で約百四十九億円、都の直営よりも安くできるとして、PFIがそれぞれ導入されました。
 一方で、事後検証のVFMについては、多くの仮定を重ねざるを得ないためVFMの算定は困難と判断したと。計算結果をだから公表しないんだと、このようにしております。
 未来が計算できて過去ができない、そんな理屈が通るわけないというふうに思います。誰が聞いたって、やる前のVFMが出るんだったら、やった後だって同じようにしっかり計算して出さなければいけない、計算結果が出ないなんていうことには、私はならないと思うんです。
 事後検証においては、VFMを積算できないと委託業者から報告を受けたのかどうなのか、ここを確認したいと思います。

○西川サービス推進部長 ご答弁させていただく前に、今のご指摘の件ですけれども、事業者を選定するときのVFMを出すときのPSCについては、特定事業の選定のときの数字を使ってよいと国のガイドラインに書かれてありますので、それは応札してきた事業者と同じことをやった場合のPSCをはじく必要はないというふうに国は定めております。
 では、ご答弁の方に入らせていただきます。
 平成二十七年度から二十九年度まで、都立病院のPFI三事業につきまして、事業開始後のVFMの算定作業を行いましたが、SPCが独自の方法で行っている個々の業務について、都の契約制度に従って実施した場合を想定しなければならず、そのためには多くの仮定を重ねざるを得ないことが明らかになりました。
 こうしたことから、事業開始後のVFMの試算は、PFI事業の検証方法としては有効なものとはいえない旨の報告をアドバイザーから受けました。

○白石委員 今、部長が、選定のときのVFMというのは、国のガイドラインがあるからできるんですと。PFI実施後の、後にはガイドラインがないから、定めがないからなかなか困難なんですと、そういうふうなことをいいました。
 でもね、委託で三年間やっているんです。だったら、何でこの、要するに事業実施後のVFMの検証をされたのか伺いたいと思います。

○西川サービス推進部長 PFIによる病院運営開始後、医療を取り巻く環境は、医療技術の進歩に伴う高額医薬品の登場やゲノム医療の進展など大きく変化し、各病院が提供する医療の内容や方法も変化してきております。
 こうした変化を踏まえまして、各病院の運営状況を分析することを通じて、残りの事業期間における医療サービスの向上を目的として検証を実施いたしました。検証に当たりましては、事業開始後のVFMを算定することが定量的評価として有効と考えたものでございます。
 なお、今、副委員長ご指摘のとおり、国のガイドラインにおいても、事業期間中のVFMについては言及がございません。

○白石委員 今の部長の答弁ではっきりしているのは、要するに東京都は、このPFIの、VFMですね、実施後、やっぱりしっかり検証しようと、私、それは大事だと思うんですよ。
 それでやったんだから公表しなきゃだめなんですよ、そもそもが。だって有効だと思ったからやったんでしょう。それで三年かけて、委託かけて、日本経済研究所に委託をして、それぞれ、松沢、駒込、多摩総合、小児総合というふうな形で計算をして、VFMが出されているということなんです。
 そもそも、先ほどVFMの事後検証を日本経済研究所に委託したと。この仕様書を見てみると、選定時のVFMとPFI実施後の変動要素を反映させてVFMが把握できるシステムの構築を支援する、こういう契約が交わされて三年間やられているんですね。
 三年間も日本経済研究所に委託調査した結果が、仮定に基づくものだから事後検証のVFMの試算は有効なものとはいえないと一言で片づけるのは、誰も納得できないと思うんです。
 だって仮定の中での話をしなければ、選定時だって仮定なんですから。だからこそ、これ出さなきゃいけないと。だったら、算定結果を明らかにした上で、ちゃんと明らかにした上で、有効でないと考えた根拠を具体的に示せばいい話じゃないですか。だってそうでしょう、積算されているんですから。
 その積算が、いろいろな仮定を重ねなければいけないから有効なものとはいえませんよというふうにいうんですけれども、都民の税金が入って、三年間かけて、しかもVFMというのが何なのかと、PFI事業をした後の、本当にVFMというのは効果あるのかどうなのかっていうふうなのを検証しようとして積算をされたんだから、しっかりとその結果は出して、その上で課題があったりとか、有効でないというんだったら、その理由をちゃんと都民、それから都議会に説明すればいいだけの話なんです。
 それを公表しないっていうのは、おかしな話なんです。私、厳しく指摘したいというふうに思いますし、それを公表しないで、ひた隠しにしてお蔵入りにするというのは、私には理解ができません。ぜひ出していただきたいと思います。
 まさかと思いますけれども、ないと思いますよ、ないと思いますけれども、困難とした理由は、都直営よりPFI方式の方が、総事業費が上回る計算結果となったからではないのか。そうでないならそうでないと答弁していただきたいと思いますが、いかがですか。

○西川サービス推進部長 アドバイザーに委託したバリュー・フォー・マネーの事後検証につきましては、多くの仮定を重ねたことから、その客観性及び正確性を十分に備えているとはいいがたいことから、公表にはなじまないと判断し、情報公開についても非開示とさせていただいたところでございます。
 こうしたことから、ご答弁については差し控えたいと思います。

○白石委員 答弁、差し控えたいと。でもやっぱりそういう疑念が出てきちゃうんです。私、まさかとは思っていますよ。でもやっぱりちゃんと出せばいいと思うんです。それで本当にこれが有効じゃないというふうな理由も含めて、ちゃんと説明すればいい話ですから、本来はね。
 だからそれをひた隠しにしてお蔵入りにするということが−−改めて都民も、そして私たち議会だって検証できないんですから、VFMは。やった後が検証できないんですから、結果が出てこないんですから。だからこそ、しっかり示していただきたいというふうに思います。
 改めて、日本経済研究所が行った事後検証は、都民の税金で行われたものであり、PFIの導入前に期待されたVFMがあったのかに関する極めて重要な資料です。しかも都民の財産でもあるというふうに思います。直ちに公表するように、改めて強く求めたいというふうに思います。
 最後に、多摩メディカルキャンパスの外来がん検査・治療センターと難病医療センターが、PFI方式の導入が検討される対象となっております。
 実施方針では、既にPFIが導入された多摩総合医療センターと小児総合医療センターと比べて業務範囲が縮小されておりますが、その理由というのは何か、また、他県で行われているPFI事業の業務範囲もあわせて伺いたいと思います。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 施設整備や施設整備と関連が深い維持管理、運営業務等につきましては、PFI事業の対象とする一方で、診療報酬上の上位の施設基準を取得でき、かつ専門性の高い人材を育成するなどの観点から有効な検体検査業務や、医療技術の進歩等に応じて病院の収益に大きな影響を与えるために、病院みずからが対応した方が望ましい医薬品等の調達業務は対象外とするなど、全体として十四業務を除いています。
 また、全国でPFIを導入している公的医療機関のうち、直近で新たに開設した三つの病院PFI事例を見てみましても、本事業の業務範囲と同様の傾向となっております。

○白石委員 ちょっと答弁が長くてよくわからないので、改めて質問したいと思いますけれども、業務範囲から除外された業務というのは、PFIより都が直営、直接行った方が合理的で病院にとってよりよいというふうにしたと、だから業務の範囲を縮小したということでよろしいですか。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 ただいまご説明申し上げましたとおり、人材育成の観点、それから病院の収益に大きな影響を与えるといった観点から、病院みずからが対応した方が望ましいということで対象外としております。

○白石委員 今、部長が端的に答弁していただきましたけれども、つまり都の直営、直接行った方が合理的で病院にとってよりよい、だから業務の範囲を縮小したということだと思います。直接行った方が合理的だし効果的だから業務範囲を縮小したと。
 PFIの導入理由については、医療サービス水準の向上なども出されています。先ほどもいろいろ答弁や質問もありました。ここにも私、強い疑問は抱いております。
 例えば駒込病院では、病室で患部、うんでいるところですね、この患部を切開しようとしたらメスがなく、看護師が急いで別の病棟に借りに行くという事態が過去に発生をしております。
 現場からは、メスなど医療器具の提供管理はPFIの委託業者の仕事、そうした基本的な医療器具が欠品になるのはゆゆしきことですと。医療現場を知らない企業に運営を丸投げすることで費用を削り、医療水準を落としてしまうと、強い懸念が出されております。
 また、小児総合では、食事の配膳では−−これ藤田都議やりました、期限切れのジョアの提供があった、飲み物ですね。賞味期限を一カ月も超過したオレンジジュースが提供された、こういう事故も発生しております。
 こうしたインシデントに対して、その都度きちんと対応することが重要だと、ことし三月、厚生委員会での藤田都議の質問に病院経営本部はしっかりと答弁しました。しかし、改善されたのかどうなのかということが問われるわけですけれども、病院経営本部は改善されたとはいえないということなんですね。
 今回業務が縮小された検体検査業務では、PFI事業で行っていると、検査機器を所有して、検査技師を雇用するなどするのが病院でなくて委託先になるために、検体検査管理加算がとれなくなる、上位のものが、というふうに、私、説明も受けております。そのとおりだと思うんですけれども、だから、直営に戻すことが今検討されているということなんですね。
 いろいろ独法化の議論、この間私もやってきました。皆さんよくいうのが、診療報酬の取得に必要な職員を迅速に配置できないんだと、加算がとれなかったと、再三にわたり、制度的制約だと、このように私たちにも説明してきましたね。それは皆さんご記憶あると思います。
 この検体検査管理加算、都独自で導入したPFIによって取得ができなくなっているということなんです。いっていることとやっていることが全く違うと指摘したいと思います。
 これまでは、何度もいいますけど、診療報酬の取得に必要な職員を迅速に配置できないとか加算がとれないんだと、これが制度的制約なんだと、独法化の議論でずうっと説明されてきましたが、じゃあ事PFI見てみると、どうなのかといったら、今度は検体検査の管理加算が、このPFIに一括で発注して委託をしていることによって加算がとれないと、こういう事態が起こっている。だから今回、業務範囲を縮小して直営に戻すんだというふうなことの説明でした。
 やっぱり今回の実施方針では、給食や検体検査は業務範囲から外れたからよいといえば、そうじゃないんです。良質なサービスが提供できるというPFIのメリットとされることの根幹にかかわる問題なんだと。やっぱりここの、医療現場と命を預かる現場なんだというところもしっかりと見ていただきたいというふうに思います。
 ましてや、コロナ危機のときにPFIなど、やっぱり導入すべきじゃないと、はっきりと私、申し上げたいというふうに思います。
 そういうふうな立場でこのコロナ危機をどう乗り越えていくのか、医療崩壊させないのかと、病院経営本部長も、この間もずうっと一丸となって一丸となってといってきました。
 だからこそ、現場の今の疲弊している実態、医療崩壊寸前の緊張感を持ってやっているこの実態、しっかり踏まえていただいて、こういうPFIや独法化をこういう時期に推し進めようと、そういうことはやっぱり立ちどまるべきなんだというふうに、私、強く申し上げて、質問を終わりたいというふうに思います。(堤病院経営本部長発言を求む)質問は終わっているよ。

○うすい委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○うすい委員長 異議なしと認め、報告事項及び請願に対する質疑は終了いたしました。
 これより請願の採決を行います。
 請願二第八号を採決いたします。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○うすい委員長 起立少数と認めます。よって、請願二第八号は不採択と決定いたしました。
 以上で請願の審査を終わります。
 以上で病院経営本部関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後六時四十三分散会

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