ロゴ 東京都議会

Tokyo Metropolitan Assembly

厚生委員会速記録第十九号

令和二年十一月二十四日(火曜日)
第七委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長うすい浩一君
副委員長桐山ひとみ君
副委員長白石たみお君
理事細田いさむ君
理事柴崎 幹男君
理事もり  愛君
森澤 恭子君
やまだ加奈子君
藤田りょうこ君
栗林のり子君
小宮あんり君
鳥居こうすけ君
つじの栄作君
後藤 なみ君

欠席委員 なし

出席説明員
福祉保健局局長吉村 憲彦君
健康危機管理担当局長初宿 和夫君
次長理事兼務後藤 啓志君
次長総務部長事務取扱雲田 孝司君
技監医療改革推進担当部長事務取扱田中 敦子君
指導監査部長本多由紀子君
医療政策部長新型コロナウイルス感染症医療政策担当部長兼務矢沢 知子君
保健政策部長新型コロナウイルス感染症保健政策担当部長兼務成田 友代君
生活福祉部長坂本 尚史君
高齢社会対策部長村田 由佳君
少子社会対策部長高野 克己君
障害者施策推進部長藤井麻里子君
健康安全部長高橋 博則君
感染症対策部長武田 康弘君
企画担当部長事業推進担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務齋藤 善照君
企画調整担当部長奈良部瑞枝君
医療政策担当部長鈴木 和典君
地域保健担当部長新型コロナウイルス感染症対策連絡調整担当部長兼務池上 晶子君
高齢者施策推進担当部長新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長兼務山本 謙治君
子供・子育て施策推進担当部長西尾 寿一君
障害者医療担当部長石黒 雅浩君
食品医薬品安全担当部長中村 重信君
感染症危機管理担当部長医療連携推進担当部長兼務杉下 由行君
感染症対策調整担当部長中川 一典君
新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長花本 由紀君
新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長新型コロナウイルス感染症対策企画調整担当部長兼務遠藤 善也君

本日の会議に付した事件
福祉保健局関係
事務事業について(質疑)

○うすい委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、福祉保健局関係の事務事業に対する質疑を行います。
 これより福祉保健局関係に入ります。
 事務事業に対する質疑を行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○雲田次長 十月二十日の当委員会におきまして要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の厚生委員会要求資料をごらんください。
 資料は、目次にございますように、全部で十七項目となっております。
 それでは、一ページをお開き願います。1、国民健康保険への東京都支出額の推移といたしまして、(1)、特別区への支出金及び(2)、市町村への支出金といたしまして、国民健康保険への都の支出額の推移を、(3)、東京都国民健康保険事業特別会計への繰出金といたしまして、国民健康保険への都の繰出金の推移を、それぞれ平成二十六年度から三十年度にわたり記載してございます。
 二ページをお開き願います。2、国民健康保険における加入世帯数並びに被保険者資格証明書及び短期被保険者証の交付件数の推移といたしまして、三ページにかけまして、国民健康保険の加入世帯数並びに被保険者資格証明書及び短期被保険者証の交付件数の推移を、区市町村ごとに平成三十年度から令和二年度にわたり記載してございます。
 四ページをお開き願います。3、国民健康保険料(税)率の推移といたしまして、五ページにかけまして、基礎賦課と後期高齢者支援金等のそれぞれの所得割、資産割、均等割及び平等割の推移を、区市町村ごとに平成二十九年度から令和二年度にわたり記載してございます。
 六ページをお開き願います。4、国民健康保険料(税)の減免件数の推移といたしまして、国民健康保険料、税の減免件数の推移を、区市町村ごとに平成二十九年度から令和元年度にわたり記載してございます。
 七ページをごらんください。5、国民健康保険における一部負担金減免件数の推移といたしまして、国民健康保険の一部負担金減免件数の推移を、区市町村ごとに平成二十九年度から令和元年度にわたり記載してございます。
 八ページをお開き願います。6、国民健康保険料(税)の滞納に対する新規の差押件数、差押額及び差押物件の内訳の推移といたしまして、区市町村ごとの新規差し押さえ件数及び差し押さえ額につきまして、九ページにかけて(1)に、一枚おめくりいただきまして、一〇ページの(2)に、新規差し押さえ物件の内訳につきまして、それぞれ平成二十九年度から令和元年度にわたり記載してございます。
 一一ページをごらんください。7、国民健康保険料(税)の滞納世帯数及び収納率の推移といたしまして、国民健康保険料、税の賦課対象世帯数、滞納世帯数及び収納率の推移を、区市町村ごとに平成二十七年度から令和元年度にわたり記載してございます。
 一二ページをお開き願います。8、特別養護老人ホームへの入所申込者数の推移といたしまして、厚生労働省が全国調査を行いました平成二十五年度、二十八年度及び令和元年度の区市町村ごとの特別養護老人ホームへの入所申込者数を一四ページにかけまして記載してございます。
 一五ページをごらんください。9、重症心身障害児(者)施設の状況といたしまして、(1)に、平成二十九年度から令和二年度までの都立施設における看護師の定数及び現員の推移を、(2)に、平成二十九年度から令和二年度第一・四半期までの短期入所の運用状況の推移を、(3)に、平成二十八年度から令和元年度までの重症心身障害児者の入所待機の状況をそれぞれ記載してございます。
 一六ページをお開き願います。10、認可保育所の定員、入所児童数及び待機児童数の推移といたしまして、区市町村ごとの認可保育所の定員並びに年齢別の入所児童数及び待機児童数につきまして、一六ページの(1)に平成三十年十月一日現在、一七ページの(2)に平成三十一年四月一日現在、一枚おめくりいただきまして、一八ページの(3)に令和元年十月一日現在、一九ページの(4)に令和二年四月一日現在のものをそれぞれ記載してございます。
 二〇ページをお開き願います。11、認可保育所における職員の平均経験年数別施設数といたしまして、職員の平均経験年数別の施設数の推移を、平成二十七年度から令和元年度にわたり記載してございます。
 二一ページをごらんください。12、認可保育所における設置主体別、職員の平均経験年数別施設数(令和元年度)といたしまして、設置主体ごとに令和二年三月三十一日現在における職員の平均経験年数別の施設数を記載してございます。
 二二ページをお開き願います。13、社会福祉施設等及び病院の耐震化状況といたしまして、(1)に、社会福祉施設等の耐震済みの棟数を、(2)に、病院の耐震化状況をそれぞれ記載してございます。
 二三ページをごらんください。14、保育所等利用待機児童数調査における申込児童数及び認可保育所等利用児童数の推移といたしまして、区市町村ごとの申込児童数、認可保育所等利用児童数及びそれを差し引いた人数につきまして、二三ページの(1)に平成三十年四月一日現在、一枚おめくりいただきまして、二四ページの(2)に平成三十一年四月一日現在、二五ページの(3)に令和二年四月一日現在のものをそれぞれ記載してございます。
 二六ページをお開き願います。15、介護保険料の滞納件数及び収納率の推移といたしまして、介護保険料の滞納件数及び収納率の推移を、二七ページにかけまして、区市町村ごとに平成二十七年度から令和元年度にわたり記載してございます。
 二八ページをお開き願います。16、介護保険料の滞納に対する新規の差押件数及び差押物件の内訳の推移といたしまして、区市町村ごとの新規差し押さえ件数につきまして、二九ページにかけて(1)に、一枚おめくりいただきまして、三〇ページの(2)に、新規差し押さえ物件の内訳につきまして、それぞれ平成二十八年度から三十年度にわたり記載してございます。
 三一ページをごらんください。17、福祉保健局所管の政策連携団体における障害者雇用人数及び雇用率の推移といたしまして、各団体における障害者雇用人数及び雇用率を、平成二十九年から令和元年にわたり記載してございます。
 以上、簡単ではございますが、要求資料のご説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○うすい委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○もり委員 まず初めに、新型コロナウイルス感染症対策について質問させていただきます。
 新型コロナウイルス感染症の全国の一日当たりの陽性者数が二千五百名を超え、東京都においても一日当たり五百人を超える日が続いた中で、第三波の到来が懸念をされます。
 東京都としても、一日の検査容量を大幅に拡充し、高齢者施設等の予防的検査にも取り組んでいただいております。ピーク時の検査体制を六万五千件として整備の拡充に取り組んでおり、陽性率を掛ければ、一日の感染者数は今後もふえていくことが予想されます。
 大事なことは、一日の陽性者数に一喜一憂することではなく、いかに感染による重篤化のリスクの高い方の重篤化を防ぎ、命を守ることであると考えます。また、春から長期化する状況に医療現場の逼迫も懸念され、医療崩壊を起こさぬための支援強化も重要です。
 そこで、第三波の到来が懸念をされる中において、東京都が厚生労働省に報告したインフルエンザ流行に備えた体制整備の状況についてお伺いをいたします。

○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 都では、季節性インフルエンザと新型コロナウイルス感染症との同時流行に備え、国の通知を踏まえた体制整備を進めてきました。
 体制の整備に当たりましては、東京iCDCで取りまとめた医療提供体制や検査体制等についての対応方針を踏まえ計画を策定し、十月末から運用を開始しております。
 受診や相談体制につきましては、発熱患者等の診療などを行う診療・検査医療機関をこれまでに約三千機関指定したほか、東京都発熱相談センターを開設し、症状のある方からの相談や医療機関の紹介に二十四時間体制で対応する体制を構築し、運営しております。
 また、検査体制につきましては、ピーク時の一日当たりの検査需要を六万五千件として、必要な検体採取と検査処理能力の整備を十二月上旬を目途に進めております。
 このほか、国とも協力し、必要な個人防護具が診療・検査医療機関に確実に届くよう支援しております。

○もり委員 ありがとうございます。
 診療・検査医療機関での診療、検査を行うときは、発熱等の症状がある患者が新型コロナウイルス感染症に罹患しているかどうか不明な状態にあるため、感染防止のため、その患者の動線を分離するなど配慮をすることになっておりますが、診療・検査医療機関での感染防止はどのようになっているでしょうか、お伺いいたします。

○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 発熱患者等の診療や検査を行う診療・検査医療機関の指定に当たりましては、発熱患者以外の方への感染防止の観点から、要件を定めております。
 具体的には、医療従事者が感染防止対策を行うこと等に加え、発熱患者が他の疾患の患者と接触しないよう、可能な限り動線を区分することが必要であり、物理的に動線が分けられない場合には、診療時間を分けることで対応することとしております。
 指定を希望する医療機関に対しては、これらの要件を周知した上で、指定の申し込みの際に要件を満たしていることを医療機関みずからが確認した上で、申請を行う仕組みとしております。
 さらに、都が指定した診療・検査医療機関に対し、サージカルマスクや手袋、ガウン等の個人防護具を国と協力して配布するなど、感染防止に万全を期しております。

○もり委員 インフルエンザと新型コロナウイルス感染症を鑑別するため、発熱外来では、新型コロナウイルスの定性抗原検査で検査を行うこととしているようですが、その精度及び陽性と判定された方への確定診断はどのように行うのかお伺いをいたします。

○杉下感染症危機管理担当部長医療連携推進担当部長兼務 現行の定性抗原検査は、PCR検査を基準として比較すると、ウイルス量が少ない検体での検出感度が低いと考えられています。
 一方、定性抗原検査を含む国が定めた検査で陽性と判定された方を医師が診察し、感染症法に規定された届け出基準に基づく臨床的特徴があり、感染が疑われる要件を満たすと判断した場合、新型コロナウイルス感染症の患者と診断することとなっております。

○もり委員 ありがとうございます。
 七月の補正予算の区市町村への財政支援について、五十億円のうちPCR検査に要する経費の補助、また、九月補正予算における高齢者や障害者施設等における新型コロナウイルス感染症対策強化事業三十億円のそれぞれの対象となる検査と行政検査との関係についてお伺いをいたします。

○遠藤新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長新型コロナウイルス感染症対策企画調整担当部長兼務 区市町村との共同による感染拡大防止対策推進事業は、区市町村が実施をいたします新型コロナウイルス感染症対策事業のうち、重症化リスクの高い高齢者、障害者施設等及び接待を伴う飲食店の従業員等に対し実施するPCR検査の費用を支援するものでございます。
 具体的には、小規模施設や通所施設など、重症者が発生するリスクの高い施設等の入所者及び職員を対象とした検査費用を支援するものでございまして、グループホームや小規模な特別養護老人ホーム等におけるPCR検査を補助対象としております。
 また、高齢者施設等における新型コロナウイルス感染症対策強化事業では、高齢者や障害者等が広域的に利用し、感染者が発生した場合に影響が大きい入所施設を対象に、新規入所者や職員への定期的な検査など、感染予防のための支援を行っております。
 これらの事業は、行政検査の対象にはならない検査を支援の対象としたものでございます。

○もり委員 ありがとうございます。
 地元の福祉施設からも、こういった本来行政検査の対象にならない検査においても、東京都がしっかりと予防的な検査の拡充を行っていただいていることに、高く感謝の声が聞かれております。
 これからも経済を安全に回していくためには、やはりこうした予防的な検査の拡充も大変重要だと考えておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。
 続きまして、子供たちと子育て家庭の包括支援について、子育て世代包括支援センターについてお伺いをいたします。
 コロナの影響により、地域の子育て広場事業や対面式での両親学級の開催を見合わせている自治体も多い中、子育て家庭の孤立が懸念をされております。妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援のためには、母子保健施策と子育て支援施策との連携が重要です。
 子育て世代包括支援センターは、両施策の一体的な提供を通じて、妊産婦や乳幼児のご家庭を包括的に支援するものであり、その実施場所は、保健所であったり市役所であったり、自治体によってさまざまであると聞いております。
 国では、二〇二〇年度末までに子育て世代包括支援センターの全国展開を目指しているとのことですが、そこでまず、子育て世代包括支援センターの機能と、東京都における実施自治体数と設置数についてお伺いをいたします。

○高野少子社会対策部長 国は、平成二十八年度の母子保健法改正により、母子保健施策と子育て支援施策との一体的な提供を通じて、妊産婦や乳幼児を包括的に支援する子育て世代包括支援センターを創設し、本年四月一日時点で都内では四十三の自治体が実施しており、設置数は百四十一カ所となっております。

○もり委員 ことしの四月時点で都内四十三区市町村が実施、設置数は百四十一カ所とのことで、我が会派でもたびたび質疑をさせていただき、私も一昨年の一般質問において伺わせていただきました。その時点で四十一自治体とのご答弁をいただいたので、ふえていることを確認させていただいております。
 全ての母子と子育て家庭を支え、地域における妊娠、出産、子育ての切れ目のない支援体制の構築に向けて、子育て世代包括支援センターのさらなる設置を促す施策が求められております。
 東京都として、子育て世代包括支援センターの実施の拡大に向けて、区市町村に働きかけるべきであると考えますが、都の見解をお伺いいたします。

○高野少子社会対策部長 都は今年度から、とうきょうママパパ応援事業を実施する場合、子育て世代包括支援センターを設置すること、または設置計画があることを事業要件に加えております。
 区市町村は、子育て世代包括支援センターを開設する場合、施設の改修や備品購入について国の利用者支援事業を活用でき、その負担割合は、国三分の一、都三分の一、区市町村三分の一となっており、都は、とうきょうママパパ応援事業において、その区市町村負担分を六分の一に軽減しております。
 また、開設準備のための職員の雇い上げや協議会の開催等については、国の子育て世代包括支援センター開設準備事業を活用でき、その負担割合は、国二分の一、区市町村二分の一となっており、都は、その区市町村負担分を四分の一に軽減しております。
 今後とも、こうした事業を活用しまして、子育て世代包括支援センターの設置を区市町村に働きかけてまいります。

○もり委員 ありがとうございます。
 とうきょうママパパ応援事業は、多くの区市町村が取り組んでおり、そうした事業の要件に子育て世代包括支援センターの実施を加えていただき、また、都として区市町村の負担軽減を行っていただいているとのことで、これは区市町村の取り組みを大きく後押しするものであると考えます。都の取り組みを高く評価いたします。
 ことし八月の厚生労働省子ども家庭局母子保健課からの依頼による自治体からの調査結果では、未実施自治体がセンターを実施していない理由で最も大きいものは、専門職の確保が難しいとの回答が見られました。運営自治体においては直営が九四%ですが、NPO法人や社会福祉法人が運営している自治体もあり、ぜひ東京都として、人材育成とともに、地域の子育てNPOや社会福祉法人の力を生かしながら、地域の実情に合ったセンターの整備が進むよう、引き続き、自治体への働きかけをお願いいたします。
 次に、コロナ禍において産後鬱の拡大が懸念をされております。
 十月の専門家の調査では、産後鬱を発症している可能性のある割合が従来の二倍以上、四人に一人のお母さんが産後鬱の傾向があるとの調査結果もあり、産後鬱対策として、妊産婦に寄り添い支援する産後ケア事業の拡充が求められます。
 産後ケア事業も、とうきょうママパパ応援事業の重要な事業の一つであり、我が会派としても事業の拡充を求めてまいりました。
 都の産後ケア事業の事業内容と今年度の実施自治体数について伺います。

○高野少子社会対策部長 産後ケア事業は、子供の健やかな育ちと母親の心身の健康を支えるため、退院直後の母子に対し、保健指導や授乳指導、母親に対する療養上の世話、心理的ケア、育児指導等を行う取り組みでございます。
 実施方法は三類型ございまして、病院、診療所、助産所、保健センター等への来所により産後ケアを行う通所型、宿泊によりケアを行う短期入所型、助産師等が利用者の居宅を訪問してケアを行う居宅訪問型がございます。
 今年度は、都内四十二区市町が実施予定でございます。

○もり委員 コロナ禍はもとより、産後の女性は、ホルモンバランスの変化から誰でも不安な状況に陥りやすく、産後の母親の心身を支えることは、切れ目のない支援を実現するためにとても意義のある事業だと考えます。
 東京都としても、より多くの自治体で事業が進むよう、産後ケア事業に取り組む区市町村を支援すべきであると考えます。どのような支援を行っているか伺います。

○高野少子社会対策部長 都は現在、とうきょうママパパ応援事業により、専門職による妊婦への面接等とあわせて産後ケア事業を行う区市町村を独自に支援しております。
 産後ケア事業の負担割合は、国二分の一、区市町村二分の一であり、今年度から、とうきょうママパパ応援事業におきまして、その区市町村負担分を全額補助しております。
 また、より多くの区市町村が産後ケア事業に取り組めるよう、母子保健研修における先進的な取り組み事例の紹介や、母子保健事業担当者連絡会において区市町村の取り組み状況について周知を図っているところでございます。

○もり委員 今年度から区市町村負担分を全額補助するとのことで、自治体も産後ケア事業に取り組みやすくなったと考え、高く評価いたします。
 コロナ禍でさまざまな課題を抱えながら支援を必要としているご家庭が多くあり、必要性が高まっていると考えます。また、自治体ごとに三類型の支援があり、ゆったりとケアセンターで短期入所して心身のケアを受けられる自治体もあれば、地元大田区では、ケアを受けられる施設が都内になく、神奈川の助産院にご協力をいただいており、今後は、ケアを受けるお母さんの身体的な負担も考え、より身近な場所で、民間の産後ドゥーラなどの活用など、お母さん方のニーズに合った支援が、必要とする方に届くよう願います。
 また、産前産後の夫の支えはとても重要です。一方で、母子保健法に父親が位置づけられていないことで、産前産後施策に父親が法的に組み込まれていない点が挙げられ、幾つかの自治体では、父親の育児参加に力点を置いた両親学級をファザーリング・ジャパンとともに実施し、独自の父子手帳を発行する取り組みなどが好評です。
 コロナ禍で相談したくても外出が難しい中、お母さんたちの悩みに寄り添っていただいたのが、東京都助産師会のオンライン事業です。
 このコロナ禍の終息が見通せない中で、子育てに不安を持つお母さんたちを支える相談体制の整備は、虐待防止の観点からも重要です。現在、両親学級の実施を見合わせている自治体も多い中で、ユーチューブによる動画での両親学級や産前産後の悩みに応える動画を作成していただいており、ぜひ多くの子育て家庭の方にも活用していただきたいと考えます。
 都としての相談事業自体は終了したとのことですが、コロナ禍の状況により、オンライン相談等、一層の相談体制の強化を要望いたします。
 次に、医療的ケア児の支援について伺います。
 先日、現場で相談事業に当たっていた助産師の先生方から、ダブルケアのお母さん方とコロナ禍の課題についてオンラインで意見交換をさせていただき、そこで聞かれたのが、とりわけ支援を必要とするNICUを出た医療的ケア児のお母さんへのケアが十分ではないとの課題を伺いました。医療的ケア児の在宅への移行支援は重要な課題です。
 そこで、医療的ケア児及び保護者への支援について、都の取り組みをお伺いいたします。

○藤井障害者施策推進部長 都は、病院を退院した医療的ケア児等が在宅で適切な支援を受けながら安心して生活できるよう、看護師が自宅を訪問して、家族に対し看護技術指導や相談、助言等を行う在宅療育等支援事業を実施しております。
 また、家族の休養と本人の健康の保持などを目的として、看護師が自宅を訪問してケアを行う在宅レスパイト事業を実施する区市町村を包括補助で支援しております。
 さらに、医療的ケア児の支援にかかわる関係機関の連絡会議を設置するほか、地域において支援を担う人材の育成研修を実施しており、今後とも、医療的ケア児の支援体制の整備を進めてまいります。

○もり委員 ありがとうございます。
 また、女性の社会進出とともに、晩婚化や核家族化が進み、子育てと介護に同時に直面するダブルケアのご家庭がふえております。しかし、ダブルケアの問題への認知が低くサポートが受けられない、子育てと介護の窓口がばらばらで必要とする支援に結びつかないといった声も聞かれます。
 ダブルケアの課題については、会派の後藤議員からも質疑がございますが、先日お話を伺った方は、上のお子さんと医療的ケア児の二人のお子さんを抱えるダブルケアとのことで、子育てと介護のみではないさまざまな課題を同時に抱えている子育て家庭に寄り添う支援が求められます。
 まさに先ほど質疑をさせていただきました子育て世代包括支援センターの中にも、ダブルケアの視点が求められると感じました。福祉施策と子育て施策の地域資源をシームレスに、全ての子供と子育て家庭を支える支援体制の強化に取り組んでいただきたいと願います。
 医療的ケア児の支援拡充については、たびたび議会で質疑をさせていただき、先日の病院経営本部での事務事業質疑でも、医療と福祉の連携強化について質疑と要望を重ねております。
 学齢期の医療的ケア児が安心して特別支援学校に通うことができるよう、東京都では、特別支援学校の通学バスへ看護師の配置も行い、また、自治体における重症心身障害児向けの放課後デイサービスの設置も進めております。
 そこで、医療的ケア児が特別支援学校卒業後、日中の居場所について、都の取り組みについてお伺いをいたします。

○藤井障害者施策推進部長 都は、特別支援学校の卒業生や在宅の障害者等の多様なニーズに応えるため、障害者・障害児地域生活支援三か年プランにより、整備費の事業者負担を軽減する特別助成を行うなど、日中活動を行う通所施設の整備を促進しております。
 また、生活介護や就労継続支援等を行う通所事業所の運営費の一部を区市町村を通じて独自に支援しており、医療的ケアを要する利用者の受け入れなどを加算の対象としております。
 今後とも、医療的ケア児が地域で安心して暮らせるよう、取り組みを進めてまいります。

○もり委員 東京都として、事業者の負担軽減や自治体の整備が進むよう、加算の対象としていただいているとご答弁いただきました。障害児者の切れ目のない支援が求められます。地域で安心して暮らせるよう、さらなる整備の促進を要望いたします。
 続きまして、児童虐待防止施策の推進について伺います。
 昨年の児童虐待件数は過去最高の十九万件を超えたとの報告があり、コロナ禍での児童虐待防止対策は喫緊の課題です。失業や家計の収入減など、社会背景を受けて、緊急事態宣言下においては先の見えない中、家庭の中で一番立場の弱い子供たちがはけ口にされていると支援団体の方は訴えています。
 東京都で始められたLINE相談等、虐待を早期に把握し、支援につなげるための相談事業の強化はとても重要です。家族に聞かれると相談できないといった電話相談も難しい中で、必要とする子供たちが声を上げる手段として期待をされております。
 大田区では、ことし六月、三歳のお子さんが自宅に置き去りにされて亡くなる事件がありました。ひとり親家庭で行政の支援とつながっておらず、コロナ禍で地域のつながりが希薄化する中で、周囲から見えづらい家庭の状況にどのように対応していくか、子供の命を守るためには、背景にあるひとり親の困窮に寄り添う施策が求められます。
 大田区で起きてしまった事案では、ご家庭は行政の支援とつながっておりませんでしたが、三歳児健診が未受診であり、保育所も退所していました。ひとり親でありながら保育園をやめた時点で、その後の子供のケアについて丁寧な聞き取りや必要な子育てサービスとつなげるための支援が求められると考えます。
 乳幼児健診未受診者や保育所等を退所した所属のない子供を支援につなげるための取り組みについてお伺いをいたします。

○西尾子供・子育て施策推進担当部長 区市町村では、母子保健法に基づき、乳幼児健康診査を実施しておりまして、未受診児がいた場合には、電話や書面に加え、状況に応じて家庭訪問により保護者に受診を勧奨しております。
 また、未就園、不就学等で福祉サービスを利用していないなど、関係機関が状況確認できていない児童がいる場合には、その家庭を訪問し状況を把握しており、都は今年度からこうした区市町村の活動に対しまして、必要な経費を補助しております。
 区市町村がこうした取り組みを通じまして要支援家庭を把握した場合や、あるいは状況確認ができない場合には、子供家庭支援センター等の支援につなげているところでございます。

○もり委員 ありがとうございます。
 よりアウトリーチ型のご家庭への働きかけなど、支援につなげることができていたら救えた命かもしれません。そうした声にならないSOSを見逃さない体制が求められます。
 東京都では、ことしから未就園児のご家庭への訪問事業の経費助成を開始していただいたとのことであり、区市町村での体制強化につなげていただきたいです。
 また、虐待の中で近年ふえているネグレクト等に対しても、地域で預けやすい一時保育の場とつながっていられたら救えたのかもしれない。理由を問わない一時預かりの保育の拡充についても、都からの働きかけを要望いたします。
 東京都として児童虐待防止対策の強化が求められる中、より現場の課題に密接な区市町村への児童相談所の移管の動きがあり、地元の大田区も移管に向けた準備に取り組んでおります。
 現在、複数の区が児童相談所を設置する意向であり、児童福祉司等の育成が急務です。今後、児童相談所の設置を予定する区への人材育成に対する都の支援についてお伺いをいたします。

○西尾子供・子育て施策推進担当部長 特別区が児童相談所を設置する場合は、それぞれの区で児童福祉司や児童心理司などの専門人材を確保し、育成することが必要でございます。
 都は、特別区職員の研修派遣を受け入れておりまして、平成二十九年度は三十五名、三十年度は六十六名、令和元年度は七十六名、二年度は八十四名の受け入れを行っております。
 また、児童相談所の運営等について理解が深まるよう、虐待相談や非行相談、一時保護等に関する勉強会を開催し、人材育成を支援しております。

○もり委員 ありがとうございます。
 児童相談所の区への移管においては、地域の子育て拠点である子供家庭支援センターと区児相の地域内の連携とともに、都区の児童相談所において、児童養護施設などを広域的に利用するなど、連携して児童虐待等に対応していくことが必要であると考えます。
 都区の児童相談所の広域連携について、都の取り組みを伺います。

○西尾子供・子育て施策推進担当部長 児童相談所では、虐待をした保護者からの児童の連れ戻し防止や非行児童の入所施設の分散、感染症の拡大防止などを図るため、一時保護所や児童養護施設等の入所に当たりまして、広域で調整を行っております。
 一方、特別区児童相談所は、施設や里親等の偏在や地理的状況等から、こうした対応を区が単独で実施することは困難と思われることから、特別区の児童相談所開設後におきましては、一時保護所や児童養護施設、児童自立支援施設、里親等につきまして、行政区域にかかわらず、都区の児童相談所で広域的に利用することとしております。
 施設の広域利用に当たりましては、都が施設の入所状況の一覧表を作成し、これをもとに都区の児童相談所が施設と入所調整を行うほか、行政専用のネットワークであるLGWANの電子掲示板を活用し、里親委託の調整を行っております。

○もり委員 ありがとうございます。
 移管が進んだ後でも、東京都とのそうした広域的な連携は大変重要だと考えますので、引き続きの都区の連携をよろしくお願いいたします。
 児童相談所とともに、虐待を受けた子供たちの最後のとりでとなるのが一時保護所の役割です。一時保護は、児童の安全の迅速な確保、適切な保護を行い、子供の心身の状況や育成環境を把握するために行うものであり、入所期間においても、虐待を受けた子供たちの心のケアと子供の人権に配慮した子供の最善の利益が求められます。子供の意見を酌み取ることが重要です。
 一時保護所において、児童の意見表明権をどのように保障しているか、都の見解をお伺いいたします。

○西尾子供・子育て施策推進担当部長 一時保護所では、入所時に担当児童福祉司がリーフレットを活用いたしまして、児童自身が困っていることや不安などを相談できるよう説明するとともに、子供の権利擁護相談用紙により、児童自身が児童相談所職員、東京都子供の権利擁護専門員宛てに意見表明ができる仕組みを整えております。
 また、平成三十年度から弁護士による第三者委員制度を開始し、月に一度、児童からの相談に直接対応するとともに、令和元年度から児童の声を聞くための意見箱を設置するなど、意見表明機会のさらなる確保を図っているところでございます。
 今後とも、児童の最善の利益を図ることを最優先に、児童の意見を十分に傾聴しながら、個々の状況に配慮した支援を行ってまいります。

○もり委員 ありがとうございます。
 虐待から保護された後の自分の意見をうまく伝えることが難しい子供もいるため、子供の立場に立って気持ちを酌み取るアドボケートの取り組みはとても重要です。我が会派では、以前から児童相談所への常駐弁護士の配置を求めております。改めて、子供の権利擁護の取り組みが進むよう要望いたします。
 次に、一時保護所における学習支援について伺います。
 一時保護児童の学習を保障するため、個々の児童の状況や学習に配慮したきめ細やかな学習指導が必要であると考えます。
 ことし三月には、東京都児童相談所一時保護所支援改善検討会報告書がまとめられ、一時保護所の一人当たりの平均保護日数は、全国平均が二十九・六日であるのに対し、東京都では四十日間を超える現状があります。一時保護所から学校に通うことが難しい中で、学習のおくれが懸念をされます。
 学校では、一人一台タブレット端末を配置するGIGAスクール構想に向けて整備が進められておりますが、一時保護児童の学習を保障するため、個々の児童の状況や学習に配慮したきめ細やかな学習指導が必要であると考えます。
 一時保護所においても、学習環境の充実を図る必要があると考えますが、都における状況と課題認識についてお伺いをいたします。

○西尾子供・子育て施策推進担当部長 一時保護所におきましては、学習の習慣が身についていない児童や学習のおくれのある児童も入所しているため、教員免許を有する非常勤の学習指導員を配置し、学年や学習の習熟度に応じました学習指導を実施しております。
 また、進学時期の児童に対しましては、在籍校と緊密に連携した受験対策なども実施しているところでございます。
 今後、音楽や体育など専門性の高い教科への対応や、ICTを活用いたしました個々の学力に応じた学習指導の実施など、学習環境のさらなる充実について検討してまいります。

○もり委員 家庭での学習の習慣が身についていない児童や学習のおくれのある児童の入所も見られるとのことで、一時保護所における学習はとても重要であると感じました。また、学齢期の多感なお子さんにとって、学校から引き離される心理面でのサポートに加え、一時保護所で学習のおくれが出ることがあってはならないと考えます。
 近年、虐待の相談件数が増加の一途をたどる中で、一時保護所の逼迫状況も伝えられており、一人一人の学習の習熟度に応じた学習指導には、タブレットは適していると考えます。学習環境のさらなる充実に取り組んでいただきたいと要望いたします。
 東京都には、親の病気や虐待などさまざまな理由により、親と暮らせない子供たちが約四千人いる中で、その九割の子供たちが施設で暮らしている現状があります。
 一人でも多くの子供が家庭の温かさを感じながら養育されるよう、里親制度の構築には、里親を支えるフォスタリング機関の役割がとても大切です。東京都としても、里親制度の推進に向けて、なり手の確保と子供たちとのマッチングを行うフォスタリング機関事業が開始されました。
 フォスタリング機関事業の進捗状況をお伺いいたします。

○西尾子供・子育て施策推進担当部長 都は本年十月から、里親のリクルート及びアセスメント、里親への研修、児童と里親のマッチング、養育の支援といった一連の業務を包括的に民間機関に委託いたしますフォスタリング機関事業のモデル実施を多摩児童相談所の所管地域で行っております。
 里親と長期にわたって信頼関係を築きながら、個々の里親の強みや課題を理解した上で支援を行うことが重要でございまして、現在、フォスタリング機関が児童相談所と連携しながら、里親家庭への訪問や面談、カウンセリングなど、里親に寄り添った支援を始めているところでございます。

○もり委員 ありがとうございます。
 多摩児相からモデルが始まったとのことで、検証を踏まえて、ぜひ全都的に取り組みが進むことを願います。
 次に、障害者グループホームの整備について伺います。
 障害者グループホームは、入所施設などから地域生活に移行する障害のある方や、親元を離れ必要な援助を受けながら地域で自立した生活を希望する障害のある方にとって大変重要な役割を担っており、障害のある方が地域で安心して暮らすことができるよう、さらなる拡充が求められます。
 そこで、まず、障害者の地域居住の場の一つである障害者グループホームの整備状況についてお伺いをいたします。

○藤井障害者施策推進部長 都は、障害者の地域生活への移行を進めるとともに、地域で安心して暮らせるよう、障害者グループホームの整備を促進しております。
 そのため、障害者・障害児地域生活支援三か年プランを策定し、障害者グループホームの定員数を平成三十年度からの三年間で二千人分ふやす目標を掲げまして、整備費の事業者負担を軽減する特別助成のほか、定期借地権を利用する場合の一時金や借地料への補助などを実施しております。
 整備状況につきましては、平成三十年度から令和元年度までの二年間で千七百人分を整備し、令和元年度末時点で定員の合計は一万七百七十七人分となっております。

○もり委員 障害者グループホームが、目標に沿って着実に整備を進めていただいているとの答弁をいただきました。どんなに障害が重くても、必要とするサービスを利用しながら、障害者本人が希望する地域で安心して暮らせる社会を実現することがとても重要であると考えます。
 昨今、障害者の高齢化、重度化とあわせて、ご家族の高齢化も進んでおります。地元では、障害のある方の親御さんから親亡き後のことを心配する声も多く、本当に切実な課題です。
 また、障害者グループホームをついの住みかと考える利用者の方もいる中で、障害者の地域居住の場である障害者グループホームの果たす役割はますます大きくなっています。
 安心して地域で暮らす障害者の生活を支えていくためには、その運営面においてもしっかりと支援していくことが重要であると考えます。都における認識と取り組みについてお伺いをいたします。

○藤井障害者施策推進部長 障害者が地域において自立し、日常生活及び社会生活を送っていくため、その居住の場である障害者グループホームの果たす役割は大変大きいものと考えております。
 中でも、近年、障害者の高齢化や障害の重度化が進んでおり、重度の障害者であっても、地域で安心して暮らせる仕組みをつくることが課題であると認識しております。
 都では昨年度から、身体や行動の特性上、特別な支援を必要とする重度の障害者を受け入れるため、国で定める基準以上に職員を手厚く配置する事業者への支援として、障害者グループホーム体制強化支援事業を実施し、重度の障害者が地域で安心して暮らせる基盤づくりを推進しております。
 あわせて、サービス提供単位や運営規模が小さく、職員の質の確保に苦慮している障害者グループホームも多いことから、障害者グループホーム従業者向けの研修を昨年度より開始し、人材の育成を支援しております。

○もり委員 施設整備や、また人材育成にも支援をしていただいているとのことで、引き続き、推進されることを要望いたします。
 最後に、ひきこもり支援についてお伺いをいたします。
 我が会派ではこれまで、年齢を問わないひきこもり支援の拡充に向け、福祉保健局への移管を要望し、支援の拡充を訴えてまいりました。
 昨年九月に支援協議会が立ち上がり、切れ目のない細やかな支援が求められております。ひきこもりは、特別な人に特別に起こることではなく、誰にでも起こり得ること、だからこそ、見落とさずに初期の段階で支援とつながることが重要であると考えます。
 東京都ひきこもりに係る支援協議会から中間の取りまとめが出されたところですが、今後の協議会の予定についてお伺いをいたします。

○坂本生活福祉部長 都では、昨年九月に東京都ひきこもりに係る支援協議会を立ち上げまして、本年十月、これまでに開催した四回の協議会で議論いたしました内容を踏まえ、ひきこもりに係る支援を取り巻く現状と課題、支援の基本的な考え方や今後の方向性などについて記載いたしました中間の取りまとめを公表したところでございます。
 また、現在、区市町村や保健所等の関係機関などを対象に、ひきこもり当事者や家族の状況、支援機関による支援の現状などを把握する調査を実施しているところでございまして、年度末をめどに調査をまとめる予定でございます。
 今後、本協議会での議論を進めまして、来年度には協議会の提言をまとめる予定としております。

○もり委員 ありがとうございます。
 都としての実態調査は大変重要で、我が会派も要望してまいりました。現在、区市町村また保健所や関係団体を対象に、ひきこもり当事者や家族の状況と支援状況を調査中とのことで、当事者の方も、ご家族も、社会的孤立によりSOSを発信することができず、支援とつながっていないご家庭もまだ多くあると考えます。
 ご両親の介護に伺った先で、どうやら自宅にひきこもりのお子さんがいることがわかるケースもあり、ひきこもりの八〇五〇問題では、さまざまな地域の福祉資源と連携しながら、支援とつながる小さな糸口を見つけることが重要ですので、ぜひきめ細やかな調査をお願いいたします。
 学校を卒業した若者がひきこもりの状況となって、どこに相談したらよいかわからないといった声が寄せられました。東京都は昨年度、ひきこもりサポートネットの年齢制限を撤廃しましたが、若者へのアプローチも引き続き重要です。
 新型コロナの影響による外出自粛によって学校もオンライン授業となり、つながりを持てない学生や、景気の悪化で就職活動も思うようにいかず、多くのストレスを受けて不安を抱えている若者がふえている状況に、対策強化が求められていると考えます。
 東京都ひきこもりサポートネットが若者にもわかりやすく相談しやすい窓口となるよう、周知が必要であると考えますが、都の見解を伺います。

○坂本生活福祉部長 都は、ひきこもり当事者やご家族に対しまして東京都ひきこもりサポートネットの事業を周知するため、ホームページへの掲載や、事業内容、相談窓口を紹介いたしましたリーフレットの作成、配布などをしているところでございます。
 また、お話の若年層への周知といたしましては、リーフレットを区市町村の青少年対策を担当している部署や、教育センター、都内の中学校、高等学校などの教育機関に送付などの取り組みを進めております。
 今後とも庁内関係部局の推進会議などを通じまして、若者分野を含む各分野と連携いたしますとともに、巡回相談などの機会も捉えて本事業の周知に取り組んでまいります。

○もり委員 窓口へのリーフレットの設置などをしていただいているんですが、やはり若い人は、なかなか紙だと届きにくいというような状況もあると思いますので、コロナ禍で緊急度が増している中、若者に向けての情報発信は、電話によるコミュニケーションが苦手な若者でもつながることができるよう、SNSやネット等を活用した相談体制の強化を行うことが必要であると考えます。
 引き続き、都民安全推進本部が所管する若ナビαとも連携をして事業の周知を行い、必要とする方が支援につながることができるよう、取り組みの推進をお願いいたします。
 地元大田区では、おおた不登校・ひきこもり地域家族会が発足し、地域での茶話会や、コロナ禍でも、社会福祉士さんと支援団体が中心となってひきこもり当事者と支援者との交流会が開催されるなど、生きづらさを抱えた家族や当事者を支える今後の支援に向けた取り組みが始まっております。
 ひきこもりに係る支援には、当事者や家族の意見を反映することが欠かせないと考えます。都の見解をお伺いいたします。

○坂本生活福祉部長 昨年設置いたしました東京都ひきこもりに係る支援協議会には、委員といたしまして、ひきこもり当事者の団体や家族会の代表者に参加していただいておりまして、本協議会において、当事者や家族の視点から貴重なご意見をいただいているところでございます。
 引き続き、本協議会におきまして、当事者や家族の意見を伺いながら、支援の方向性について検討を進めてまいります。

○もり委員 ありがとうございます。
 当事者と家族に寄り添う支援の充実を願い、全質問を終わります。ありがとうございました。

○柴崎委員 私からは、まず、児童相談所について伺います。
 児童相談所が対応した虐待件数も年々ふえている中で、本年度より、特別区に児童相談所が三カ所開設されました。
 この三区の児童相談所の運営状況についてお伺いしたいと思います。

○西尾子供・子育て施策推進担当部長 本年四月に世田谷区及び江戸川区、七月には荒川区が児童相談所を開設いたしました。
 三区の児童相談所の運営状況等につきましては、全区市町村が参画する東京都児童相談体制等検討会で共有することとしております。
 九月に開催いたしました検討会では、まず、世田谷区からは、保健所や保育所などで職務経験がある職員が児童相談所に配置されているため、地域の関係機関との連携がとりやすいことなどの利点がある一方、児童相談所と子供家庭支援センターを区内でそれぞれ運営しており、両機関のそれぞれの役割に応じた職員の専門性の向上など、人材育成等に課題があるとの報告がございました。
 また、江戸川区及び荒川区からは、児童相談所と子供家庭支援センターを一体的に運営しており、従来の子供家庭支援センター部門と児童相談所部門が所内で合同会議を実施できることなどの利点がある一方、経験の浅い職員が多く、知識や経験の蓄積等に課題があるといった報告がございました。

○柴崎委員 今答弁いただきまして、それぞれスタートしたばかりですから、まだまだ課題もあろうかと思います。
 こうした中で、今年度から、都と区の連携モデル事業として、練馬区の子供家庭支援センター内にサテライトオフィスを設置したということを聞きましたが、この事業を開始いたしました経緯について伺いたいと思います。

○西尾子供・子育て施策推進担当部長 子供たちを虐待から守るためには、住民に身近な地域で支援を行う子供家庭支援センターと、専門的知識や技術が必要となるケースに対応する児童相談所が連携、協働していくことが重要でございます。
 昨年度立ち上げました児童相談体制等に係る都と区市町村との合同検討会では、児童相談所と子供家庭支援センターの連携強化に向けて、人材の活用策や効果的な情報共有方策等を議論しております。
 その中で、練馬区から、子供家庭支援センター内に東京都児童相談所のサテライトオフィスを設置することについて提案があり、今年度からモデル事業として実施しているところでございます。

○柴崎委員 経緯についてはよくわかりました。
 北新宿の児童相談所からは、週二回職員が練馬区のサテライトオフィスに来ているとのことですが、都と区でどのような連携を図っているのか、これについて伺いたいと思います。

○西尾子供・子育て施策推進担当部長 サテライトオフィスでは、児童相談所職員が虐待相談に対応するとともに、都と区の連携拠点として、日常的に打ち合わせや情報共有を行うほか、合同での調査や個別ケース検討会議などを実施しております。
 また、児童相談所が持つ専門的な知識や技術を活用し、児童相談所職員が子供家庭支援センター職員へ必要な助言を行うなど、人材育成にも取り組んでいるところでございます。

○柴崎委員 事業が始まってまだ半年たっていないわけでありまして、練馬区の子供家庭支援センター内に設置されたサテライトオフィスにおける実績と効果を伺いたいと思います。

○西尾子供・子育て施策推進担当部長 サテライトオフィスにおきまして、都の児童相談所が児童や保護者との面接や家庭訪問を実施した実績は、七月の開設から九月末までで百件となっております。
 また、都と区のケース対応に関する打ち合わせや情報共有、合同での訪問や面接など、連携にかかわる実績は九十件となっております。
 こうした取り組みにより、都と区の情報共有や協議の機会がふえたことから、子供家庭支援センターが受けたケースを迅速に児童相談所の一時保護につなげることができた、ケースの引き継ぎが円滑に実施できたなどの事例の報告を受けております。

○柴崎委員 今答弁いただきまして、この短期間なんですけれども、かなり実績を上げているということがよくわかりました。
 また、テレビ電話を活用しながらも、迅速な対応ということで取り組まれているということも聞いております。ぜひ、このモデルケースを成功されるように取り組まれることを大いに期待しているということを申し上げまして、次の質問に移りたいと思います。
 次は、高齢者施設の新型コロナウイルス対策について伺いたいと思います。
 高齢者施設では、新型コロナウイルス感染症対策には特段の注意を払って、施設内での感染を防ぐ努力をされているということであります。
 高齢者が感染症で重症化しやすい、これはもう当然いわれていることでありますが、介護が必要な高齢者が入所する施設では、面会制限を行っているところが多いのはやむを得ない状況ではあろうかと思います。
 しかしながら、新型コロナウイルス感染症の終息がなかなか見通せない中で、かなり長期間にわたりまして面会ができないという切実な声も、多くの家族からいただいているところであります。
 やはり、直接会って入所者の状況を把握したいということだと思いますが、高齢者施設の入所者への面会について、感染対策に留意しながら各施設が実施できるよう、都も支援すべきと考えますが、見解を伺いたいと思います。

○山本高齢者施策推進担当部長新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長兼務 高齢者施設における面会につきましては、国の通知において、感染経路の遮断という観点と、つながりや交流が心身の健康に与える影響という観点から、地域における感染症の発生状況等も踏まえ、各施設の管理者が制限の程度を判断することとされております。
 都は、各施設が地域の実情に応じた面会が実施できるよう、オンライン面会の取り組み事例や対面による面会の注意点を取りまとめホームページに掲載するなど、各施設に周知を行っております。
 対面での面会を実施する際は、面会場所にアクリル板やビニールカーテンを設置するなど、施設内で感染対策を徹底する必要があるため、これらの費用については、施設への補助を実施しているところでございます。

○柴崎委員 ここのところ陽性者の数もふえているなど、高齢者施設を管理する方々にとれば、まだまだ予断を許さない状況かと思いますが、やはり家族とすれば、何らかの形で入所者と接触を図っていきたい、これもよくわかる話でございます。
 したがいまして、今答弁にありましたように、ぜひ施設の支援をしっかりとしていく中で、家族が面会等をできるよう、これからも引き続き取り組まれることを要望して、次の質問に移ります。
 続きまして、身体障害者補助犬給付事業の制度についてお伺いしたいと思います。
 都の身体障害者補助犬の給付事業の中で最も歴史のある盲導犬給付事業について伺いたいと思います。
 この盲導犬育成事業は、昭和四十四年より開始されまして、四十七年間、何の問題もなく推移をしてきたところであります。しかしながら、都は、公平性を保つということで、平成二十八年に今までの制度を大きく変更したわけであります。
 この制度変更によりまして、四年間が経過をいたしました。使用者となる障害者にとりましては、大変不便になったというような声が聞かれる中で、本日の質疑に至ったところでございます。
 初めに、都がいう平等性、公平性、これを保つために制度の変更を行ったということであります。どういったことが平等性、公平性を保てないのか伺いたいと思います。

○藤井障害者施策推進部長 都は、お話のとおり、盲導犬の給付事業を昭和四十四年に開始いたしました。
 平成十六年度からは、給付対象を聴導犬、介助犬にも広げており、現在では、全国に十一の盲導犬育成団体、二十の聴導犬訓練事業者、二十五の介助犬訓練事業者があるなど、社会環境は大きく変化しているところです。
 身体障害者補助犬を必要とする障害者が確実に給付を受けられるようにするためには、障害者の生活状況、就労状況、育成する事業者の状況等を考慮した給付の仕組みが必要であり、都は、平成二十八年度から、盲導犬の給付事業について審査会を導入いたしました。
 今後とも、公平、公正な手続のもと、円滑に給付決定が行われるよう努めてまいります。

○柴崎委員 今質問したのは、平等性、公平性を保てないことから制度を変更したんだということなので、何が平等性、公平性を保てないのか、再度お伺いしたいと思います。

○藤井障害者施策推進部長 身体障害者補助犬法の成立を契機といたしまして、平成十六年度から、都においては盲導犬に加え、介助犬、聴導犬を給付事業の対象としておりまして、介助犬、聴導犬の給付につきましては、給付候補者及び委託事業者を公平に選考するため、制度当初より審査会を設置しておりました。
 審査会による選考方式は、給付候補者及び委託事業者を適切に選定できる仕組みであることから、介助犬、聴導犬について既に審査会を設置していることを踏まえまして、平成二十八年度からは、盲導犬の給付につきましても審査会を設置することにしたものでございます。

○柴崎委員 今、介助犬、聴導犬のお話が答弁の中にありました。
 この事業は、いつからそもそも始まったんですか。そしてまた、介助犬、聴導犬につきましては、毎年何頭、この給付をしているんですか。その辺、お答えいただけますか。

○藤井障害者施策推進部長 ただいまお尋ねのありました介助犬、聴導犬につきましては、身体障害者補助犬法の成立を契機といたしまして、平成十六年度から、都において事業を開始したものでございます。
 給付の件数−−済みません、ちょっと資料を持ってきたいと思いますので、ちょっと失礼いたします。

○うすい委員長 待っていていいですか。−−いいですか。

○柴崎委員 では、頭数は後でまた教えてください。
 いずれにしても、これは平成十六年から始まっているわけで、盲導犬は、先ほどいったように、もう昭和四十四年からスタートしている事業なんです。それが、新しい事業に制度を合わせるということが今わかりました。
 あわせて、盲導犬については、所管が国家公安委員会なんですね。介助犬、聴導犬は厚労省が指定する法人になっています。この点、本来は違うわけですが、一つの法律の中で動いているというのも、少し問題点があろうかと思っております。
 そして、この制度改正、制度変更を行うに当たりまして、当然、盲導犬の育成団体ですとか、あるいは盲導犬の使用者、こういった方々の意見は事前にお聞きになったものと思います。
 どのような経過を経て、この制度変更に至ったのかお伺いしたいと思います。

○藤井障害者施策推進部長 平成二十八年四月からの制度変更につきまして、盲導犬訓練事業者からは、意見聴取や周知が不足していた旨、伺っておりまして、改めて事業者と意見交換を行い、制度の改善に向けた検討、調整を行っております。
 平成二十九年度からは、こうした事業者の意見も踏まえまして、再度、制度の見直しを行っております。

○柴崎委員 今私が聞いたのは、この制度改正、平成二十八年にされるに当たって、事業者なり障害者の方と事前にお打ち合わせされたのかと聞いたんです。
 しているのか、していないのかでお答えいただけますか。

○藤井障害者施策推進部長 平成二十八年四月からの制度変更の経緯についてでございますが、盲導犬訓練事業者からは、都は、平成二十七年秋ごろに訓練事業者に制度見直しの話をした後、平成二十八年三月に制度見直しの結果を伝えるまでは何も相談がなかったといわれております。
 そこで、平成二十八年度に改めて事業者と意見交換を行い、制度の改善に向けた検討、調整を行っているところです。平成二十九年度からは、こうした事業者の意見も踏まえて、再度、制度の見直しを行っております。
 今後とも、必要に応じ調整を図っていきたいと考えております。

○柴崎委員 事前の相談をされなかったということなんですね。極めてこれは残念なことです。
 いずれにしても、次の質疑に入りたいと思いますけれども、次には、申請書、申請手続について、お伺いをしていきたいと思っております。
 申請については、墨字のみというふうになっております。墨字による申請書であるために、障害者にとりましては晴眼者の目が必要となってくるわけでありまして、例えば家族がいらっしゃらない場合、ヘルパーに依頼をするしかないわけなんですね。
 点字が使える方に対しては、この申請書を点字対応とすべきではないかなというふうに考えますが、所見を伺いたいと思います。

○藤井障害者施策推進部長 盲導犬の利用者には、全盲の方のほか弱視の方もおり、また、中途失明者など点字を使えない方もおり、給付申請の手続においては、申請者の障害の特性に合わせた合理的配慮を提供することとしております。
 これまでも、申請窓口において代筆等にも対応するよう、区市町村に周知しております。

○柴崎委員 代筆というふうに今おっしゃっていましたけれども、どの程度浸透されているのか、あるいは代筆してもいいような内容なのかどうか、その点についても、これからちょっと確認をしていきたいと思います。
 そうした中で、もう一つ、申請書、申請手続をするに当たりまして、こんな問題点がございます。つまり、申請の記載内容がふえたということなんですね。以前の制度に比べましてふえたということなんです。
 これ、できるだけ申請書の記載内容、記載事項は簡素にすべきだというふうに思います。しかしながら、現状では、新規に希望される方、あるいは代替要求で希望される使用者も、申請に当たりましては、この制度変更によって膨大な量の記載事項、これを記載することになっているようでございます。
 平成二十七年度までは必要なかった記載項目、これも制度変更でふやしてきたわけですが、そのお考えをお伺いしたいと思います。

○藤井障害者施策推進部長 審査会では、視覚障害者の生活状況や就労状況等をきめ細かく確認する必要があり、平成二十八年度の制度改正におきましては、生活環境、住居環境、健康状態、就労、就学状況、外出状況、外出時の介助、その他社会参加の状況などを補助犬利用者が記載して申請することといたしました。
 しかし、平成二十八年度の事業者との意見交換を踏まえまして、こうした情報は、事業者が利用者から給付相談を受けた際に把握していることから、利用者の負担軽減のため、平成二十九年度からは、事業者が適性調査兼生活状況等調査票に生活環境等の情報を記載して都に提出するよう、制度を改正しております。

○柴崎委員 そのほかにまだ育成団体、それから獣医師からも意見書をとるというふうになっているようでございますが、獣医師の先生にしても、例えば代替をする時期というのは、なかなかこれは把握できないのではないかと思うんですね。健康状態とか、そういうのはわかるのかもしれませんけれども、それを獣医師の先生に依頼をしているということでございますので、その点についてもやはり改善が必要ではないかと考えております。
 こうした中で、先ほどから出ておりますが、審査会というのがこの制度変更によって追加をされたわけであります。
 審査会が審査するということなんですが、この審査会の構成されている方々、構成の人数、それから、審査会の開催時期、どのようなスケジュールで進められているのか、そして審査内容についてもお伺いしたいと思います。

○藤井障害者施策推進部長 身体障害者補助犬給付審査会は、補助犬の給付に当たりまして、給付候補者、補欠候補者及び委託事業者を厳正かつ公平に選考するために設置しておりまして、都の管理職のほか、外部の有識者を含む五人の委員で構成しております。
 審査会の開催時期につきましては、補助犬訓練事業者の訓練開始時期を踏まえまして設定しており、おおむね一月、七月、十月の年三回としております。
 また、利用者からの申請は随時受け付けておりまして、緊急対応が必要なときは、臨時で審査会を開催することとしております。
 なお、審査の内容といたしましては、利用者の生活状況や就労状況等を確認いたしまして、補助犬の必要性等を審査し、給付候補者及び委託事業者を選考しております。
 また、先ほど答弁漏れで大変失礼いたしました。介助犬と聴導犬の育成状況につきましては、介助犬が平成三十年度までで九頭、聴導犬が平成三十年度までで十二頭となっております。

○柴崎委員 済みません、今頭数のご答弁いただいたんですが、年間何頭出しているんですかという質問なんですけれども、年間でわかりますか。

○藤井障害者施策推進部長 介助犬、聴導犬につきましては、その年々によりまして、育成している頭数はゼロ頭から二頭までの数となっております。

○柴崎委員 介助犬、聴導犬はそういった形で、年間ゼロの場合もあれば、多くても二頭、二つ合わせてということが今わかりました。
 それで、先ほどの質疑の流れの中で、審査の内容について、ご答弁頂戴しました。
 この審査のことで申し上げますと、これ、従来の制度ですと、特に新規で希望者が出た場合などは、盲導犬の育成団体が希望者と面接をして、そして居住地を見るなどして、盲導犬と同居できるか、そういった現地調査を行っているんですね。こうして、盲導犬の使用が可能かどうかの判断を下していたわけなんです。
 現在の審査会、この審査会は、今のお話を聞いていると書類での審査のように感じました。
 したがって、書類だけの審査、これで本当の審査というものができるというふうに判断しているんでしょうか。この点について伺いたいと思います。

○藤井障害者施策推進部長 補助犬の給付を希望する方は、あらかじめ補助犬訓練事業者に給付相談を行うこととしておりまして、事業者は、必要に応じて面接、現地調査等を行い、適性調査兼生活状況等調査票を都に提出することとなっております。
 審査会では、その適性調査兼生活状況等調査票の内容も踏まえまして、審査を行っているところです。

○柴崎委員 今答弁いただきました。育成団体に相談をして、そして育成団体が現地を調査するということで、都にその結果を提出することになっているんですが、これ、あくまでもここまでは以前の制度と変わりがないんですよ。こういう形で決まっていたわけなんです。
 ただ今回変わったのは、そこで、プラスアルファの工程が入ったんですね。この作業工程というのは審査会なんです。ということで、審査会という一工程がふえたということだけなんですね。で、この調査結果に基づいて、多分、想像するには、審査会がだめは出せないんだと思うんですけれども、いずれにしましても、そういったことがよくわかりました。
 そして、もう一つお伺いしたいのは、審査会のメンバー。これ、都の管理職とはどういった職種の管理職の方々ですか。そしてまた、外部の有識者という方はどういう方が参加されているのかお伺いしたいと思います。

○藤井障害者施策推進部長 都の管理職につきましては、障害者施策推進部の事務職の管理職であり、外部の有識者は、身体障害者の自立と社会参加の促進に関する専門的な知識、経験を有する社会福祉法人の職員でございます。

○柴崎委員 それと審査会が、先ほど年に三回開催されているということでございます。そうすると、申請書が提出されてから数カ月経過してから審査会が行われるということもあり得るわけですよね。
 従来の制度であれば、使用者から事前に希望があり、本人の健康状態を確認して、そして、本人の日程希望を盲導犬の育成団体が確認をしながら−−歩行指導に四週間かかるんですね、四週間の日程を決定して都に報告をしてきた、こういう流れだったわけです。
 つまり、この歩行指導四週間というのは、その間の仕事を休んだり、あるいは家事を休んだり、そういったことをしなくちゃいけないので、事前に調整しなくちゃいけないわけなんです。したがって、どの方々も、希望者はやはり急を要するんです。申し込みをしたときには、ある程度の日程をとってから、こういった申し込みをしてくるんですね。
 したがいまして、審査会という一工程がふえたということであるならば、この審査会は随時申し込みがあって行っていくべきだと思いますが、その点についてはどう考えていますか。

○藤井障害者施策推進部長 審査会の開催時期につきましては、事業者の訓練開始時期を踏まえて、支障のないよう年三回の開催といたしております。
 また、利用者からの申請は随時受け付けており、緊急対応が必要なときには、臨時で審査会を開催することとしております。

○柴崎委員 今のご答弁ですと、やはり臨時で審査会開催というのも、外部の方を招くということですから、なかなかそうすぐにはできないんじゃないかと思います。
 それと、今の制度であれば、年度初め、例えば四月の歩行指導というのは非常に困難だと思うんですね。それと、やっぱり夏の暑い時期、七月、八月というのは歩行訓練は避けているようでございます。
 したがって、今までうまく使用者に対応できたこの仕組みを変えたことが、大きな問題になってきているわけなんです。
 したがいまして、視覚障害者の自立支援を推進するのであれば、やはりもとの制度に戻すべきであると思います。所見を伺いたいと思います。

○藤井障害者施策推進部長 審査会の開催時期につきましては、先ほど申し上げましたとおり、事業者の訓練開始時期を踏まえて、支障のないよう年三回の開催といたしております。
 具体的には、最初の審査会は、一月下旬に開催し審査結果を通知し、四月からの訓練に間に合うよう調整しております。
 二回目の審査会は、七月下旬に開催し審査結果を通知し、九月からの訓練に間に合うよう調整しております。
 三回目の審査会は、十月に開催し審査結果を通知し、十二月以降の訓練に間に合うよう調整しているところです。
 さらに、利用者からの申請は随時受け付けており、緊急対応が必要なときは、臨時で審査会を開催することとしております。
 引き続き、利用者の目線にも立った制度改善に努めてまいります。

○柴崎委員 今まで質疑を繰り返してまいりました。こうした中で、この審査会というものが本当に必要なのかどうか、これについても改めてご検討いただきたいと思います。
 そして、給付頭数も年間十頭以下なんですよ。したがって、以前のような制度で十分に事足りるのではないかなと、こんなふうに考えております。
 使用者にとりまして、大変不便になったと、そして、やはり負担がふえたと、こういう声が聞かされるわけなんです。やはり、今、最後にご答弁いただきましたように、使用者、障害者の目線に立った制度にしていただきたい、そのことを申し上げまして、最後の質問に移ります。
 最後に、局長にお伺いしたいと思います。
 来年は、いよいよオリンピック・パラリンピックがこの東京で開催をされるわけでございます。しかしながら、いまだに盲導犬の入場を断るスーパー、飲食店、あるいは宿泊施設、数多くのそういった施設があるのが現実でございます。
 こうした中におきまして、障害者差別解消法によりまして、法的権利として、盲導犬同伴の受け入れというものが義務づけられているわけであります。したがいまして、福祉保健局がやはり先頭に立っていただいて、広く、都内さまざまな施設に、きちっとこのことを周知徹底を図っていただきたい、そんな思いでいるところでございます。
 したがって、最後に、局長からのこれについての決意を伺いまして、私からの質疑を終えたいと思います。

○吉村福祉保健局長 来年、オリンピック・パラリンピックを迎えるに当たりまして、そのレガシーの一つとなるべく、心のバリアフリーを含めた東京バリアフリーのまちづくりを進めていくことが重要だというふうに考えてございます。
 都はこれまで、障害者差別解消条例の施行に伴いまして、ロゴやパンフレット、ハンドブック等を作成いたしまして、身体障害者補助犬の入店拒否が差別的取り扱いになることなどを周知してまいりました。
 また、昨年度は、飲食店における入店拒否の事例を踏まえまして、改めて全保健所に飲食店への周知徹底を依頼するなど、関係機関とも連携協力体制を構築しているところでございます。
 さらに、今年度は、障害者差別解消に関する相談事例集を新たに作成する予定でございまして、その中でも盲導犬の入店を断られた事例を取り扱うなど、都民及び事業者の関心と理解をさらに深めてまいります。
 引き続き、身体障害者補助犬利用者を含めまして、誰もが地域で安心して生活できる社会の実現を目指しまして、しっかりと取り組みを進めていく考えでございます。

○細田委員 まず、私からは、新型コロナウイルス感染症対策について伺います。
 先週、都内の新型コロナウイルス感染症状況、都は警戒レベルが最高峰に引き上げられました。
 知事は、五つの小、小人数、小一時間、小声で話す、小皿に取り分ける、小まめに換気や手洗い、マスクを着用する、このような対策を進めることを訴えられて、そして、重症化リスクの高い高齢者感染者の増加に対して、高齢者と同居する人の会食参加はできるだけ控えてほしいと警鐘を鳴らされました。
 感染の広がりが来つつある今、福祉保健局におかれましては、必死に感染防止策にこれまで尽力してきていますけれども、さらに使命感を担って、そしてコロナ感染防止対策を進めようと考えていると推察いたします。
 そこで、新型コロナウイルス感染症の現状の認識と今後の対応に向けましたご決意について、初宿局長にお伺いいたします。

○初宿健康危機管理担当局長 ことし一月の国内発生以来、新型コロナウイルス感染症との闘いは長期に及んでおり、都民生活のさまざまな場面に大きな影響を与えております。
 都はこれまで、都議会の皆様を初め、都内の医療機関などとも連携をいたしまして、入院医療体制の確保に努めますとともに、ホテル事業者の協力もいただきながら、軽症、無症状向けの宿泊療養施設の整備を図ってまいりました。
 また、最前線で業務に当たっております保健所を支援するため、疫学調査などに従事するトレーサーの採用や、都職員の派遣などを行ってまいりました。
 さらには、感染拡大防止に向けた区市町村の取り組みを進めるための補助制度の創設や、高齢者、障害者施設が実施いたします検査への支援などの取り組みを進めております。
 現在、新規感染者数が増加基調にございまして、本格的な冬の到来の前に、インフルエンザとの同時流行にも備える必要がございます。
 今後、これまでの対策に加えまして、地域のかかりつけ医などの協力のもと、既に指定いたしました約三千の診療・検査医療機関に対し、年末年始の診療等の協力を求めますとともに、検査体制のさらなる拡充も図ってまいります。
 また、感染症対策の司令塔でございます東京iCDCの取り組みを本格化させ、その知見を生かしますとともに、都議会の皆様のご協力をいただきながら、新型コロナウイルス感染症対策の強化を図ってまいります。

○細田委員 わかりました。都民の負託に応えて、ともどもに必ずやコロナ禍、乗り越えていきたいと思います。
 続きまして、高齢者肺炎球菌ワクチン予防接種についてお尋ねいたします。
 世界保健機関、WHOでは、肺炎球菌ワクチンは、新型コロナウイルスには効果はないが、肺炎など呼吸器疾患の予防のために接種を強く推奨しています。
 国内でも、肺炎の原因のトップは肺炎球菌であり、こうした患者さんを一人でも減らす必要があり、一人でも多くの方が接種することが望ましいとしております。
 また、日本感染症学会では、本年二月に新型コロナウイルス感染症に関する学会の知見を発表しまして、高齢者または基礎疾患のある方に対して、インフルエンザワクチン、そして肺炎球菌ワクチンを接種されていない方は医療機関での接種を受けましょうと、この二つのワクチンの接種を呼びかけています。
 ほかにも、本年四月に日本循環器学会や日本プライマリ・ケア連合学会−−これはワクチンのプロジェクトチームですけれども、などでも推奨されていまして、国立感染症研究所が発表しています感染症情報の中には、避難所での過密状態が継続すれば肺炎リスクが高まることが指摘されており、避難生活が長期化する場合には、高齢者肺炎球菌ワクチンの定期接種対象者の方で未接種の方は、早目に接種することが勧められております。
 私は、平成三十年の予算特別委員会におきまして、高齢者の肺炎球菌ワクチンの接種を進めていくべきと主張をさせていただきました。都民の健康を守るために、費用対効果が大変に高く、有効性の高い肺炎球菌ワクチンの接種を進めていくこと、都民に最新の情報を提供していくこと、定期接種漏れの方に対して、再接種に取り組む区市町村に対して補助を行い、接種を推進していくことを強く訴えさせていただきました。
 さて、高齢者肺炎球菌ワクチンの予防接種について、このときの都の答弁では、正しい情報を伝え、肺炎球菌ワクチンの接種を進めることが重要であると認識しているとのことでありました。
 その後の都の取り組みについてはいかがでしょうか、答弁を求めます。

○杉下感染症危機管理担当部長医療連携推進担当部長兼務 都は、高齢者の方に肺炎球菌感染症についての正しい知識を伝え、ワクチン接種を促すため、都のホームページに肺炎球菌感染症の定期予防接種に関するページを開設し、普及啓発を図っております。
 具体的には、肺炎球菌の特性や定期接種の対象者についてわかりやすく説明するとともに、国のリーフレットやホームページを紹介することで、正確かつ最新の情報を都民に伝え、肺炎球菌ワクチンの定期接種を促しています。

○細田委員 平成二十六年十月の六十五歳の者を対象とした定期接種化後、平成二十六年十月時点で六十六歳以上だった方の接種機会を確保するために、国は、五年間の経過措置を設けて対象者の拡大を図りました。
 それから六年が経過しましたが、この間の都内の接種率についてはどのような状況でしょうか、答弁を求めます。

○杉下感染症危機管理担当部長医療連携推進担当部長兼務 高齢者肺炎球菌ワクチンが定期接種化された平成二十六年十月から平成三十年度までの都内の平均接種率は、約三割となっております。

○細田委員 平成三十年の予算特別委員会でも尋ねましたが、厚生科学審議会感染症分科会の予防接種部会ですけれども、ここの平成二十三年のワクチンの評価に関する小委員会の報告によりますと、とても高い医療経済的効果が示されておりました。
 毎年六十五歳になった方の全員がワクチンを接種した場合に、今、三割というご答弁ありましたけど、その七割も足して全員が接種を行った場合、そして効果が五年続くと計算した場合−−一度打てば続きますよという、こういうワクチンですけれども、一応計算上、五年というふうに計算した場合、一年当たりに約五千百十五億円の保健医療費が削減されるという推計です。
 毎年毎年、五千百十五億円削減される。東京で単純にこの一割とした場合に、東京地域におきましても毎年毎年、五百億円ほどの保健医療費が削減されていく、こういう効果がいわれているわけです。
 このように、高齢者肺炎球菌ワクチンは、国が費用対効果も高いと知見を示していますが、都はどのように認識をしているのでしょうか、所見を求めます。

○杉下感染症危機管理担当部長医療連携推進担当部長兼務 国において、平成二十三年度以降の定期接種の対象者について議論するに当たり、技術的な評価を行うため、平成三十年に国立感染症研究所によるワクチンに関するファクトシートが作成されたところです。
 この中で、肺炎球菌ワクチンによる医療経済学的な評価が行われ、高齢者に対する肺炎球菌ワクチン投与により、医療費の削減並びに健康状態維持についての改善が得られるものと結論づけられたと認識しております。

○細田委員 都も、医療経済的な効果がある、このように認識している、このことが確認できました。
 さて、先ほどの接種率ですけれども、都内の平均接種率は三〇%ということであり、以前と余り変化はないということでありました。
 助成措置のある方に基づいた定期接種という点では、接種はお一人に一生一度のチャンスですけれども、七割の方が接種できていないという状況下、平成二十六年からの一巡を終えて、そして昨年の三十一年度から、再チャンスの二巡目、五年間をかけてもう一巡、こういうことが特別にスタートして、未接種の方に対しての機会を提供することになったわけです。本年度はその二年度目を迎えているわけです。
 平成三十年度末の審議会において、国は接種率向上のため、引き続いて、対象者の経過措置を令和五年度末まで延長することとしました。
 一方、今申し上げましたように、都内の定期接種率は三割にとどまっています。厚労省によると、過去三年の全国平均は三五%でありまして、残念ながら全国平均を下回っている、こういう現状であります。
 接種率向上を図るためには、予防接種の実施主体である区市町村との連携が必要不可欠と私は考えますが、都の見解を求めます。

○杉下感染症危機管理担当部長医療連携推進担当部長兼務 ご指摘のとおり、接種率を向上させるためには、予防接種の実施主体である区市町村との連携が不可欠であります。
 このため、都はホームページに、各自治体の定期予防接種の費用負担の有無や、定期予防接種以外の助成の有無、さらに担当部署の連絡先も掲載するなど、区市町村の取り組みをまとめ広く周知しています。
 各区市町村における高齢者肺炎球菌ワクチン定期予防接種の実施状況等について適宜把握を行っており、今後とも区市町村と連携しながら、接種率の向上に努めてまいります。

○細田委員 定期接種の三巡目があるなんてことは、万が一にも考えてはならないと思っています。
 コロナ禍において、高齢者肺炎球菌ワクチンは極めて大切なものになります。これまでのこの質疑を踏まえまして、また、都議会公明党は第三回定例会でも訴えさせていただいておりますけれども、ぜひ、高齢者肺炎球菌ワクチンの接種について、私は補助を実施するべきであると考えますけれども、都の見解を求めます。

○杉下感染症危機管理担当部長医療連携推進担当部長兼務 高齢者の肺炎球菌ワクチンの都内における接種率は約三割となっており、今後、接種率のさらなる向上を図る取り組みが必要であると認識しております。

○細田委員 私は、助成をすべきだといったんですけど、接種率の向上を聞いたんじゃないので、その点についてはどうなんでしょう、もう一度、ご答弁お願いします。

○杉下感染症危機管理担当部長医療連携推進担当部長兼務 接種の補助についてということですが、まずは接種率のさらなる向上の取り組みを進めてまいりたいと認識しております。

○細田委員 接種率を向上していただいて、そして、今申し上げたとおり、助成をぜひ実現していただくことを要望いたしまして、次の質問に移ります。
 続きまして、糖尿病の重症化の予防についてお尋ねいたします。
 都の福祉保健局が発行されているパンフによりますと、糖尿病は、初期段階では自覚症状が乏しいことが少なくありません。治療しないで放置すると、網膜症、腎症−−糖尿病性腎症ね、これは即透析ということですけれども、神経障害など、深刻な合併症を引き起こしますというふうに書かれております。
 最初は、喉が渇く、またはおしっこの回数が多くなる、疲れやすい、目がかすむなどでわかりにくいけれども、今いわれたような重篤な合併症を引き起こすことが起こる。中でも糖尿病性腎症は、進行すると腎不全となり、人工透析をしないと命を保てなくなってしまいますと。QOLを著しく低下させて、医療経済的にも大きな負担となります、このように、都は警鐘を鳴らしてくれております。
 ちなみに、これにかかる日本の医療費は八兆円に上って、世界第七位の糖尿病大国となっていて、また、二〇一七年の腎透析の状況ですと、患者の方は、月額四十万円ほど人工透析にかかっているということ、日本で約一・五七兆円のお金がかかっているといわれています。日本では、約一千万人の糖尿病の患者の方がいらっしゃると、こういうような状況です。
 さて、ここでお伺いいたしますけれども、都内の糖尿病患者の現状について、統計上で把握している最新の人数及び糖尿病が原因で透析になっている方の割合をお尋ねいたします。

○池上地域保健担当部長新型コロナウイルス感染症対策連絡調整担当部長兼務 厚生労働省が実施した平成二十九年患者調査によりますと、都内の糖尿病の推計患者数は約十九万六千人でございます。
 また、日本透析医学会が公表しています「わが国の慢性透析療法の現況」によりますと、平成三十年の糖尿病による人工透析新規導入患者数は都内で千六百十六人であり、人口十万人当たりの新規透析導入率は一一・七でございます。

○細田委員 糖尿病対策の実施主体であります区市町村に対して、減らす対策を実施するために、都はいかなる支援策を実施しているのでしょうか。また、都民の糖尿病重症化予防のために、都としていかなる政策を実行しているのか答弁を求めます。

○池上地域保健担当部長新型コロナウイルス感染症対策連絡調整担当部長兼務 これまで都は、区市町村が住民の糖尿病予防を図るため実施する講演会や予防教室などの取り組みに対し、包括補助事業による支援を実施してきております。
 また、平成三十年三月には、糖尿病性腎症重症化予防プログラムを策定し、東京都医師会、区市町村等の関係機関と連携して、区市町村国保及び後期高齢者医療広域連合の被保険者の重症化予防に向けて取り組んでおります。
 さらに、職場における糖尿病重症化予防対策や重症化予防に取り組む保険者、企業の好事例などの紹介などを記載したパンフレット等を作成し、医療保険者や企業の健康管理担当者等に向けて、早期医療や治療継続の重要性を啓発しております。

○細田委員 二〇一九年三月に厚生労働省より出されました糖尿病性腎症重症化予防に関する事業実施の手引きによりますと、国保データベースシステム、KDBと呼びますけれども、KDBからレセプトデータを分析しますと、健診を受けていない都民の中から治療中断者を抽出できて、そして受診勧奨が可能になるとされています。
 都内の区市町村において、治療中断者を抽出して、健診未受診の治療の中断者に対して受診を勧めている、受診勧奨を行っている自治体の数はどのくらいあるのでしょうか。状況はどうなのでしょうか、都の見解を求めます。

○池上地域保健担当部長新型コロナウイルス感染症対策連絡調整担当部長兼務 都の糖尿病性腎症重症化予防プログラムでは、区市町村は、健診データやレセプトデータを活用して対象者を選定し、受診勧奨等の重症化予防に取り組むこととしております。
 都が行った令和二年一月時点の事業実施状況調査では、治療中断者や未受診者に対して受診勧奨をしている区市町村は五十カ所であり、このうち、特定健診を受診していない糖尿病治療中断者に対して受診勧奨を実施している区市町村は十九カ所ありました。
 糖尿病の重症化予防を進めるに当たっては、健診未受診者も含めてハイリスク者を抽出し、受診勧奨等を行うことが重要でございまして、今後は、こうした先進的に取り組んでいる事例も含めて好事例を紹介するなど、区市町村の取り組みを促してまいります。

○細田委員 ぜひ好事例を紹介していってください。
 国は、透析予防の観点から、治療中断者の受診勧奨は最重要である、このように認識を示し始めました。そして、国の施策の先に行ってリードをしていく、これが東京都の福祉の歴史であります。
 今受診勧奨を実施している区市町村、十九カ所というご答弁でしたけれども、まだ三分の二以上の自治体が、特定健診未受診者の糖尿病の治療中断者へのフォローに未着手であると、そういうご答弁です。
 特定健診に行っていない、そして、過去に糖尿病の治療歴があるのに、現在治療中断中でレセプトがない、ここを見つけてフォローしないと、糖尿病性腎症の重症化をしていく都民をなくしていくことができない、ここが大事なんだということを申し上げたいと思います。
 糖尿病の重症化予防を進めるためには、実施主体の区市町村における環境整備が必要です。都は、国保データベースシステムを運用している国保連合会と連携して、特定健診未受診者を含めた治療中断者を抽出して、区市町村を支援すべきであります。
 加えて、レセプトデータは過去五年まで保存されており、治療中断期間は長くなるほど重症化リスクが高くなります。
 都は、国保連合会と連携して過去五年までさかのぼった治療中断者を洗い出して、国保の共同保険者である東京都として、区市町村における治療中断者対策を支援していくべきと私は考えますが、局長に見解を求めます。

○吉村福祉保健局長 生活習慣病の重症化予防には、生活習慣の改善や継続した治療が重要でございまして、特にお話の糖尿病は、初期には自覚症状が乏しく、症状が進行すると人工透析が必要となるなど深刻な合併症を引き起こし、患者の生活の質を低下させるだけではなく、医療財政への影響も大きいことから、早期に対策を講じることが重要でございます。
 区市町村では、お話のKDBデータを活用しながら、国民健康保険の保健事業を実施しており、その円滑な事業実施を支援するため、都は今年度から、国保連合会や東京大学と連携して、データ分析に基づく保健事業の進め方等について助言する事業を開始したところでございます。
 また、地域で実際に糖尿病重症化予防に取り組んでいる医師や自治体職員を講師とした研修会を通じ、好事例の紹介も行っているところでございます。
 さらに、糖尿病を初めとする生活習慣病対策に取り組む区市町村に対しては、都は財政面でも支援しているところでございまして、今後も区市町村が地域の健康課題に応じた効果的な保健事業を実施できるよう支援してまいります。

○細田委員 国保の共同保険者であり、都の国保に責任を持っている東京都として、責任を分かち合っている東京都として、今おっしゃっていただきました施策をぜひ強力にお進めいただいて、そして、都内自治体の国保データベースシステムのデータを、また分析した上で、過去五年分のレセプトで糖尿病の受診歴はあるものの直近の一年間で受診歴を確認できない人のリストの作成、そして、その提供を区市町村にしていけるような、こういう取り組みをぜひ検討し進めていただいて、また、今いわれている中でも、この角度の話をぜひ進めていっていただいて、重症化予防を加速して進めていっていただくことを要望いたしまして、次の質問に移らせていただきます。
 続きまして、ドクターヘリの導入に向けた準備状況についてお聞きします。
 公明党はこれまで、災害医療に役立つドクターヘリの全国配備を提案し推進してまいりました。現在では四十四道府県で導入されております。
 都は現在、東京消防庁と連携し、東京型ドクターヘリを多摩や島しょ地域の救急搬送に運用しておりますが、全国的に展開されている小型ドクターヘリは機動力が高く、効果的な救急災害医療体制の強化につながります。
 昨年、令和元年の第四回定例会で、小池知事は、都議会公明党からの導入の提案に対して検討していく考えを示して、本年の第二回定例会において、都からはドクターヘリの導入に向けて着実に取り組んでいくとのご答弁がありました。
 そして、我が党公明党の山口那津男代表よりも、小池知事に直接この件は要望させていただきました。
 さて、都の現在の取り組み状況についてご答弁を求めます。

○矢沢医療政策部長新型コロナウイルス感染症医療政策担当部長兼務 本年六月に開催いたしました救急医療対策協議会におきまして、都はドクターヘリを配備し、事業を委託する基地病院に杏林大学医学部付属病院を選定いたしました。
 また、基地病院と連携して、ドクターヘリに搭乗する医師、看護師の派遣などを行う協力病院の選定を進めております。
 今後、基地病院、協力病院、ドクターヘリの運航会社及び東京消防庁とも連携しながら、ドクターヘリの運航に関する具体的な内容等について検討してまいります。

○細田委員 ありがとうございます。
 基地病院に杏林大学医学部付属病院が選定されて、来年度の整備に向けて着実に前進していることを大変にうれしく思います。
 さて、ドクターヘリの運航に対する財政支援について、国は道府県に対して、ドクターヘリの運航に必要な経費について財政支援を行っています。
 その内容と、この財政支援に対する認識について都の見解を求めます。

○矢沢医療政策部長新型コロナウイルス感染症医療政策担当部長兼務 国は、ドクターヘリ導入促進事業によりまして、都道府県に対し、ドクターヘリの運航に必要な経費を支援することとしておりまして、都もこの事業の活用を考えております。
 対象となる経費は、ドクターヘリの運航経費、搭乗医師や看護師等の確保に必要な経費等であり、令和二年度の補助基準額は約二億五千万円、補助率二分の一となっております。

○細田委員 本年十月三十日の参議院本会議で、全国配備が進むドクターヘリについて、公明党の山口代表は、新規導入の財政支援に加えて、人件費や飛行時間に応じた補助金の増額など、安定的な運航を確保するための支援をお願いしたいと強く主張して、菅総理に求めました。菅総理からは、予算編成過程で必要な対応を行うとのご答弁でありました。
 国の支援も前進していくことになります。国の財源も大いに活用して、着実かつ積極果敢に整備していただくことを要望しておきます。
 次に、ドクターヘリの運航距離と運用地域についてお尋ねします。
 都内では、救急医療体制の確保に寄与するものとして、救急車のほか、東京型ドクターヘリ、東京DMAT、そしてドクターカーなどが既に運用をされています。今後、ドクターヘリを導入し、それぞれの特性を生かして活用することで、救急医療体制を重層的にすることができると考えます。
 そこで、ドクターヘリの運航距離と運用地域について答弁を求めます。

○矢沢医療政策部長新型コロナウイルス感染症医療政策担当部長兼務 国のドクターヘリの適正配置・利用に関する研究の報告書によりますと、ドクターヘリが有効と考えられる飛行範囲は七キロメートルから七十五キロメートルとなっております。
 都は、救急医療対策協議会におけます議論を踏まえまして、運用地域は、現在多摩地域を想定して準備をしております。

○細田委員 七キロから七十五キロというこの範囲は、とても広域でカバーがされる、このように理解いたしました。基本的に基地病院から、そして立川飛行場から都内全域、二十三区をカバーしていくことができます。都内には、救急の差しさわりになる渋滞や、また高層集合住宅、丘陵や低地帯など、さまざまな特性があり、小型ドクターヘリにより安全はさらに広がっていきます。
 そして、次に、近隣県との連携に向けた準備状況についてをお尋ねします。近隣県では既にドクターヘリが導入されていて、隣接する県との相互の応援が進んでいます。
 東京都においても、限りある医療資源を有効に活用できるよう、ドクターヘリの受け入れなど近隣県と連携すべきと考えますが、現在の準備状況について答弁を求めます。

○矢沢医療政策部長新型コロナウイルス感染症医療政策担当部長兼務 都はこれまで、各県の実施体制やドクターヘリの要請基準など、さまざまな情報を収集するとともに、埼玉県や神奈川県に伺いまして情報交換を行ってまいりました。
 その後、その他の近隣県も含め、相互乗り入れや運航方法について具体的に検討を進めてまいります。

○細田委員 ありがとうございました。
 埼玉県、神奈川県と既に意見交換をされているということで、埼玉県ですと川越の基地病院であったり、また、神奈川県ですと伊勢原であったり、そういうところともう既に意見交換は進んでいると。さらに、その他の近隣県といいますと、まさに山梨県と千葉県が近隣県、隣接県でありますから、そこの運航方法についても具体的に検討していくということです。
 まさに近隣県は、今後−−例えば区の東部、私が住んでいる江東区でいいますと墨東病院やがん研有明病院、そして、まだヘリポートはできていないかもしれないけれども、二十三区の東北部、足立区や葛飾区の方向の方、また、南部の荏原病院などのカバーは、千葉県との相互乗り入れをすれば、互いにとって、さらに大変に価値的な重要なことになってくると思います。これもぜひ進めていただきたい、意見交換をしてほしい、このように要望させていただきます。
 そして、その他の近隣県との緊密な連携のもとで提携していただきまして、全国に展開されている小型ドクターヘリ、早期に都内全域を、さらに安心して整備できるようお願いをしておきます。
 続きまして、被災者に対する支援制度について質問させていただきます。
 私は、昨年九月、台風十五号の被害を受けました大島町を被災直後に訪れて、被害調査を行いました。都立大島海洋高校では窓ガラスが百八十枚割れて、体育館の屋根が吹き飛び、また、助けが来るまで身動きがとれずにトイレに隠れていたという大きな被害があった商店や家屋などの調査を行いまして、倒木や瓦れきの処理場を確認し、町民の方々のお声を伺いました。
 地元自治体に大きな負担が生じており、町長からの復旧に向けた要請も受けて、都議会公明党は、市町村総合交付金の拡充や復旧に向けた早急な補正予算編成の実施を求めて、小池知事に緊急要望をいたしました。知事は、災害対策の補正予算について、しっかりと精査していきたいと応じて行動を起こしてくれました。
 加えて、十月の台風十九号の後にも、都議会公明党は、奥多摩、檜原村、そのほかさまざまに被害調査、そして、これに基づく要望を重ねました。都内では多摩川などの河川が氾濫したことに関して、早期復旧とともに、浸水被害のあった住民の生活再建を全力で支援するよう、これも知事に緊急要望で求め、これについても、知事は、補正予算などを含めて工夫をして対応していくとお答えをしていただきました。
 さて、都は、被災者生活再建支援法に基づく国の制度の適用とならない自治体や、国の制度では対象外としている損害の割合が四〇%未満の世帯に対して、都議会公明党の緊急要望に応えて都独自の支援を行ってくれました。
 そこでまず、改めて、この福祉保健局の事業スキームと実績について答弁を求めます。

○坂本生活福祉部長 都では、平成二十三年の東日本大震災によります都内での住宅被害を契機といたしまして、地震や台風などの自然災害により住宅に著しい被害を受けた方で、被災者生活再建支援法の適用とならない区市町村におけます全壊世帯及び大規模半壊世帯や住宅の損害割合が二〇%以上四〇%未満の半壊世帯に対しまして、区市町村と連携して独自に補助を実施してきたところでございます。
 お話のように、直近では昨年の台風第十五号及び第十九号によります住宅被害に対しまして補助を実施しておりまして、昨年度の実績でございますが、台風第十五号の災害に対しましては、五区一町二村の計二十八世帯に対しまして、補助額約一千五百七十二万円、また、台風十九号の災害に対しましては、二区五市計二百二世帯に対して、補助額が約一億二百三十八万円となっております。
 また、本事業でございますが、被災された方からの申請につきまして、受け付け期間を昨年九月及び十月の被災日から十三カ月間としていることから、今年度についても、引き続き被災者の支援に取り組んでいるところでございます。

○細田委員 都が独自の支援を行ってくれたことを高く評価しております。
 ですが、この事業は、災害その都度の対応だったために、事務手続に時間を要したという声も届いています。都が補正予算を編成し、その後に区市町村が補正予算措置を行う、どうしても時間がかかってしまうわけです。
 気候変動の影響により、これからも発生する可能性のある台風や自然災害などの激甚災害に備えて、より迅速な対応が必要です。
 より迅速な財政支出が可能になるよう検討を進めていくべきと考えますが、都の所見を求めます。

○坂本生活福祉部長 今お話がございましたように、地震や台風などの自然災害でございますが、いつ、どこで発生するのか、予想できませんので、本年につきましても、七月に熊本県などの地域におきます豪雨による災害が発生いたしまして住宅に著しい被害を受けた方に対して、被災者生活再建支援法による支援が実施されているところでございます。
 都ではこれまで、被災者生活再建支援法の対象になる方に対しましては、発災後、速やかな支援に向けた対応を行ってまいりますとともに、都独自の支援につきましても、発災の都度、事業実施の根拠となる要綱などを制定いたしまして、被災した方の居住する区市町村と連携し、事業の実施に努めてまいりました。
 今後につきましても、発災時におきまして、都の単独支援についてより迅速な対応が可能となりますよう、事業の実施方法などにつきまして早急に検討を進めてまいります。

○細田委員 わかりました。本事業は、局の予算要求にも反映されている、このように承知しています。ぜひ実現化をと期待をしています。
 さて、最後に大綱五点目、認知症施策についてお伺いします。
 昨年の六月に国が出しました認知症施策推進大綱では、認知症になっても住みなれた地域で自分らしく暮らし続けられる共生を目指して、認知症バリアフリーの取り組みを進めていくとともに、この共生を基盤にして、通いの場の拡大など予防の取り組みを進めていくこととされています。この共生と予防は、いわば車の両輪として位置づけられています。
 認知症の予防とは、認知症にならないという意味ではなくて、認知症の発症をおくらせる、認知症になっても進行を穏やかにするという意味だと理解をしています。高齢化の進展により、認知症は誰もがなり得るもの、家族や身近な人が認知症になることも含めて、多くの人にとって切実な問題となってきています。
 生活上の困難が生じた場合でも、家族や地域の理解と協力のもとに、本人はもとより、家族も希望を持って暮らせる社会をつくっていくことが大切なことであり、認知症の発症の遅延を、リスクの低減を、早期の対応を、そして重症化の予防など、具体的な取り組みを推進していくことが極めて重要であると思います。
 今、世界では、AI、IoTなどを活用した社会実装の取り組みが進展していますが、認知症対策にもこうした新技術を活用していかなければなりません。まさに今年度から、認知症に関して期待される二つの新規事業が開始されておりますので、確認をいたします。
 一つ目は、東京都健康長寿医療センターが実施するAI等を活用した認知症研究事業です。これは、未来の東京戦略ビジョンに掲げられている事業でありまして、五カ年の計画で進められる大きなプロジェクトです。認知症予防に結びつくことが大いに期待されます。
 そこでまず、今年度から東京都健康長寿医療センターが開始したAI等を活用した認知症研究事業の事業の目的とその取り組みの内容、そして進捗状況について都の答弁を求めます。

○山本高齢者施策推進担当部長新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長兼務 健康長寿医療センターは、AI等を駆使した新たな認知症予防の取り組みを推進するため、これまで蓄積してきた臨床研究に係るビッグデータを活用して、主に三つの事業に取り組むこととしております。
 まず、センターが保有する生体試料、画像データ等のビッグデータを取りまとめ、認知症研究のプラットホームとなる東京健康長寿データベースを構築して、認知症研究の基盤を確立し、新たな治療法や治療薬の開発につなげるため、このデータベースを大学や研究機関等に提供します。
 また、認知症の早期発見、早期支援のため、初期の診断が難しい軽度認知障害などの診断をより確実に行えるAIを活用した医師診断の補助システムを開発するとともに、会話により認知機能の低下や心身の不調を確認できるAIを搭載した自動会話プログラムも開発します。
 さらに、認知症に対する予防的介入の確立、普及を図るため、センターが保有する地域コホート研究データの統合、分析等により、生活習慣や病歴等が認知機能に及ぼす影響を把握することができる認知症リスクチャートを作成します。
 いずれの事業も、現在必要な専門人材の確保や設備整備などを実施しており、初年度の計画どおり進んでいるところでございます。

○細田委員 五カ年計画の事業が順調にスタートを切れたとのことですが、どうぞ引き続いて着実に前進してください。
 また、本事業は、認知症対策を行っている関係機関とも連携して進めていくと理解をしています。さまざまな認知症対策を行ってきている国立長寿医療センターなどの機関と連携を強化していただき、より大きな事業の成果を得られることを期待いたします。
 さて、もう一つの新たな事業は、認知症高齢者問題を多面的に解決する東京アプローチの確立です。これは、都が大学研究者から提案を受けて、都民投票等を実施して採択された大学研究者による事業提案制度に基づく事業でありまして、今年度から三カ年の計画で実施されるものであります。
 本事業は、東京に集積されている知を−−知恵の知ですね、知るっていう字です、喫緊の課題の一つである認知症対策に活用できる取り組みとして大いに期待されます。
 そこで、本事業の目的、そして現在の取り組み状況、今後の見通しについて都の答弁を求めます。

○山本高齢者施策推進担当部長新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長兼務 本事業は、AIとIoTを用いた認知症高齢者のQOLの向上、家族、介護者の負担軽減を目的に、認知機能障害や認知症の周辺症状、いわゆるBPSDの予兆を検知するシステムを開発するものであり、現在、電気通信大学の研究チームがシステムの開発に向けた全体設計を行っています。
 来年度は、認知症高齢者やその家族、介護施設等を選定し、心拍、呼吸、体温、表情といった生体行動データを収集します。収集したデータはAIを活用して分析するとともに、専門家により分析結果の検証を積み重ね、システムの精度向上を図る計画となっております。

○細田委員 重要な事業だと期待をしております。早く都民に成果が還元されていくことを望みます。
 いわゆる二〇二五年問題、超高齢化社会を迎えるに当たりまして、認知症対策は避けて通れないテーマです。認知症の発症をおくらせ、認知症になっても希望を持って日常生活を過ごせる社会づくりを目指すとともに、認知症の方を支えるご家族や介護現場で奮闘していただいている方々にとっても、介護負担の軽減につながる、未来に希望が持てる取り組みにするため、都としてもしっかりサポートをしていただくことをお願いいたしまして、質問を終わります。

○藤田委員 初めに、新型コロナウイルス感染症対策について質問いたします。
 十一月に入り新型コロナ感染症の新規陽性者は急増し、十一月四日と比べると二週間で約二倍となっています。インフルエンザとの同時流行に備え、医療提供体制を強化するとともに、医療崩壊を起こさない対策が急務です。
 十一月十九日の東京都のモニタリング会議では、複数の病院でクラスターが発生したと述べられています。院内感染の発生は医療崩壊に直結する深刻な問題であり、新規陽性者が急増している現在、医療機関においても、クラスターを発生させないための戦略が必要です。
 小池知事は七月三十日、高齢者施設でのクラスターの発生を防ぐ観点から、戦略的に検査を実施していきたいと述べていました。また同時に、全ての救急医療機関に対して、PCR検査機器の導入を働きかけるとも話していました。
 PCR検査機器は、都内の二次救急医療機関二百三十八カ所のうち何カ所に整備されていますか。

○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 都が実施した調査では、回答を得た医療機関百五十九カ所のうち、八割以上の二次救急医療機関が、みずからの施設でPCR等の検査を実施していると伺っております。

○藤田委員 百五十九カ所の医療機関のうち八割以上ということですから、少なくとも約百三十カ所の二次救急医療機関では、既にみずからの施設でPCR等検査を行っているということです。そのほかの百カ所以上の医療機関については、まだ整備がされていないところも残っているということです。
 PCR等の検査機器の導入について、早急に整備すべきと考えますが、いかがですか。

○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 都は、第三回定例会補正予算により、二次救急医療機関等におけるPCR検査機器の導入支援のため、十分の十の補助を実施しております。既に検査機器が整備された医療機関も含め、九十四カ所の二次救急医療機関が補助金を活用し、PCR等の検査機器を導入する見込みでございます。
 なお、先ほどもお話ししましたが、都の調査に回答した八割以上の二次救急医療機関において、PCR等の検査機器が整備されております。

○藤田委員 既に整備した医療機関も含めということなので、重複もあるということですが、九十四カ所の二次救急医療機関でPCR等の検査機器を導入見込みであるということです。
 患者への診療のみならず、医療施設でのクラスターの発生を防ぐ観点からも、戦略的に検査を実施していただくよう要望いたします。
 次に、十一月十日の新型コロナウイルス感染症対策本部に出された資料でも、新宿区歌舞伎町においては、大規模、地域集中的なPCR検査を実施したことにより、陽性者が減少したことが統計的分析で明らかになっているとされています。これについて、都の受けとめを伺います。

○杉下感染症危機管理担当部長医療連携推進担当部長兼務 今般、国の新型コロナウイルス感染症対策本部において配布された資料に、ご指摘の分析の記載があったことは把握しております。
 地域における感染拡大防止策については、本年九月十五日及び十一月二十日に国が通知を発出しており、都はこうした国の考えに基づき、適切に対応することが重要と考えております。

○藤田委員 歌舞伎町における大規模、集中的な検査の実施が、陽性者の減少につながったという対策本部資料にある分析については受けとめを述べられませんでしたが、国の考えに基づいて適切に実施ということですから、陽性者が発生していない店舗や施設等についても、地域の関係者を幅広く検査することが重要と考えているということです。
 都の現在の検査能力は一日二万五千件、最大稼働時、四万六千件までふえましたが、実際の検査数は最大でも約九千件にとどまっています。能力を生かして検査数をふやす戦略を検討するよう求めるものです。
 また、こうした戦略は、市中の感染状況に応じて保健所設置自治体が実施することになると思うのですが、これだけ感染者がふえている状況から見ると、地域の保健所として新たな対応を行う余裕は少ないのが現状です。保健所の負担軽減のための方策を検討するとともに、都として、戦略的に検査が行われるためにも、保健所の体制強化を行うよう強く求めます。
 また、多摩地域は都の保健所が所管していますので、ぜひとも都の対策として、施設や医療機関への一斉、定期的な検査の実施を行っていただくよう要望いたします。
 あわせて、都の保健所が広大な多摩地域に対して五カ所しかないという現状では、地域の感染状況の分析は困難だと思われます。保健所の数をふやすことについても検討すべきと訴えさせていただきまして、コロナ関連の質問は終わります。
 来年度は、東京都の高齢者保健福祉計画と障害者・障害児施策推進計画の改定年度であり、ぜひとも見直し、充実を行っていただきたいということで、それぞれの事業について質問いたします。
 初めに、特別養護老人ホーム整備事業について伺います。
 私が訪問看護を行っていたご家庭では、背の高い九十代の夫を小柄な八十代後半の妻が一人で介護をしていました。要介護五でしたが、特養ホームの申し込みは二年目で、入所の決定がいつになるのか体力との闘いだと妻は話していました。
 都内の特養申込者数は、委員会資料8にもあるように、三年間で一千六百人程度減少はしていますが、深刻なのは、介護者に病気や障害がある場合や、介護者がいない場合、虐待リスクの高い家庭など、入所の優先度が高いと判定された申込者も一万人近くに上っているということです。
 こうした方が速やかに入所できるよう、都は特養ホームの整備を急ぐべきなのですが、現状では、毎年の整備目標に整備数が追いついていません。
 整備目標が達成できていない状況をどう受けとめていますか。

○山本高齢者施策推進担当部長新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長兼務 第七期高齢者保健福祉計画におきまして、今年度最終年度でございますけれども、令和二年度の特別養護老人ホームの整備見込みは、必要入所定員総数五万四千四百十六人に対し、整備見込み数は五万一千四百四十五人、達成率は九五%となっております。
 第七期計画によりましては、介護サービス基盤の整備を重点分野に位置づけまして、都有地の減額貸付や土地賃借料の負担軽減、整備率が低い地域への補助単価の加算、建築価格の高騰に対応する整備費補助の加算など、さまざまな独自の支援策を講じております。
 さらに、今年度からは、定期借地権の一時金について、整備率が低い地域で整備を行う場合、地価に応じて補助額を増額するなど、特別養護老人ホームの整備を促進しているところでございます。

○藤田委員 達成率が九五%ということですが、整備が順調に進んでいるような印象を受けるのですけれども、総数をもとに計算すると、前回の三年計画の終わりの二〇一七年度末、四万七千四十八人分から全くふえていなかったとしても達成率は八六%になります。そうではなくて、ふやす必要のある数と実際にふやした数で考えるべきです。そうすると、七千三百六十三人分ふやす必要があったところ、ふえる見込みは四千三百九十七人分ということですから、達成率は約六〇%ということになります。何より、都の置かれた実態に目を向けることが重要です。
 実際には、特養ホームに申し込んでも入れないという状態は毎年続いています。要介護四で、ひとり暮らしの方は、ほかの区に住んでいる子供二人が手分けをして通い介護を行っていました。特養の申し込みは毎年必要なので、その方はこれまで六回申し込んでいましたが、介護者がいるということで順番は何百番という状況でした。
 しかし、長期間の通い介護に疲れ、ほかの区から通っていた子供たちは二人とも精神疾患を患ってしまいました。それでも特養には入ることができず、通い介護が続けられなくなったために、ご本人は老健へと入所しました。
 特養の待機者は、場合によっては何年間も待機し続けており、介護している方が倒れるなどの緊急事態とならない限り、介護生活は終わりが見えない場合が少なくありません。介護者は、精神的にも肉体的にも追いやられてしまうという実態があります。
 都は、高齢者保健福祉計画の中で、二〇二五年までに六万二千人分の特養ホームを整備する目標を掲げていますが、都の目標を達成するための早急な整備を都として進めるよう強く求めます。
 都の目標を達成していくためには、現状では、来年度以降、毎年二千百人以上の新たな施設整備を行う必要がありますが、実際には、この三年間で年々整備される数が減少しています。今年度の整備見込みは約九百人分です。
 東京都は、特養ホームについて、六万二千人分の整備目標をどのように達成しようと考えているのですか。

○山本高齢者施策推進担当部長新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長兼務 都におきましては、特別養護老人ホームの施設の整備に適した土地の確保が困難なこと、また地価が高いこと、また建築価格の高騰などといった課題があるというふうに受けとめております。
 お話の第七期高齢者保健福祉計画におきましては、先ほどご答弁させていただきましたけれども、介護サービス基盤の整備を重点分野に位置づけ、都有地の減額貸付や土地賃借料の負担軽減、整備率が低い地域への補助単価の加算、建築価格の高騰に対応する整備費補助の加算など、さまざまな独自の支援策を講じております。
 さらに今年度からは、定期借地権の一時金につきまして、整備率が低い地域で整備を行う場合に、地価に応じて補助額を増額するなどしております。
 こうしたことによりまして、特別養護老人ホームの整備を促進してまいりたいと考えております。

○藤田委員 区長会の都への要望では、毎年、特養ホーム等の高齢者福祉施設の用地取得補助制度の再開を求めています。こうした要望にも応え、用地確保支援と施設整備補助を拡充するよう要望いたします。
 また、施設整備とあわせて、経営支援も重要です。都は、特養ホームの利用者サービスの維持向上を図ることを目的として、特養ホーム経営支援事業を行っています。
 この補助金の額は、施設がふえたとしても、予算額は三十四億円とほとんど変わらない状態が続いています。そもそも一九九九年度には二百億円を超える額を特養ホームに補助していました。都の補助金を抜本的に引き上げることを強く要望いたします。
 一方、介護職員の不足は相当深刻となっています。公益財団法人介護労働安定センターの調査では、東京都で介護人材の不足感がある事業所は六五%に上り、不足の原因は、募集をしても採用が困難が最も多く、二〇一六年度には七六%だったものが、昨年度は八九%に増加しています。採用が困難な理由は、他産業と比べて労働条件が悪いというものが例年半数以上となっています。
 東京都社会福祉協議会が昨年度行った都内特別養護老人ホーム入所待機者に関する実態調査によると、特養ホームの入所稼働率が低下した理由として、介護職員、看護職員の不足を挙げた施設は、複数回答で三割に上っています。そのうちの四割以上が、職員の不足のために入所案内を控えたと回答しています。職員の不足は、入所者の受け入れにも影響しているということです。
 特養ホーム入所希望者を安定して受け入れる体制のためにも、都独自に労働条件をよくしていけるような施設への支援が必要です。要介護度が三以上の入所者が中心となったことで、労働の負担は増しています。
 また、医療的ケアが必要な方が増加し、長期間待機しているという実態からも、看護師が二十四時間、交代で勤務できるような支援が求められています。
 このようにさまざまな支援の充実が求められており、来年からの高齢者保健福祉計画でも、支援を充実し積極的に整備を進めるべきと考えますが、いかがですか。

○山本高齢者施策推進担当部長新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長兼務 都は現在、第八期の高齢者保健福祉計画の策定に向け、外部の有識者等から成る計画策定委員会での議論や区市町村へのヒアリングを行っておりまして、それらを踏まえ、介護サービス基盤の整備促進について検討してまいります。

○藤田委員 今のままだと目標達成は困難であり、支援の抜本的な拡充を求めます。
 さらに、待機している方の状況として、低所得が原因で、せっかく順番が来ても施設に入れないというお話も伺いました。
 現在特養ホームには、多床室、従来型の個室という料金設定と、ユニット型個室という設定があり、それぞれ介護度に応じて本人負担額が変わっています。
 ことし七月に東京都が国に出した提案要求では、所得段階第二段階、第三段階の方はユニット型個室の利用料を支払うことは困難であるとしています。負担額の試算も載っていて、例えば第三段階というのは、一年間の年金等が八十万円超えの方ですが、特別区で要介護四の場合、ユニット型個室の年間の利用者負担は約百万円になります。これでは負担をすることは困難です。
 国は、特養ホームの新設や増築を行う際の整備について、ユニット型を基本としていますが、こうした背景から、都は独自に三割まで、より負担の少ない多床室を認めてきました。
 そしてさらに、今年度の区長会の都への要望でも、ニーズが高い多床室の整備において、増加定員数の三割を超えても補助対象とすることと新たに記載がされました。この内容について、都の受けとめを伺います。

○山本高齢者施策推進担当部長新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長兼務 特別養護老人ホームの整備につきましては、国は、入居者の尊厳を重視したケアを重視するため、個室で構成されるユニット型での整備を基本としております。
 都は、ユニット型での整備を基本としつつ、地域の実情に応じて、区市町村が必要と認める場合には、増加定員の三割を上限に多床室の整備に対して補助を行っております。
 また、低所得者もユニット型を利用できる仕組みを構築するよう、国に対し提案要求を行っているところでございます。

○藤田委員 本来、セーフティーネットである特養ホームに、経済的理由で入ることができないということはあってはなりません。こうした基礎自治体からの要望も踏まえ、介護サービス基盤の整備のあり方や室料負担を軽減するための都独自の支援について検討するよう強く求めまして、高齢者施策に関する質問を終わります。
 最後に、重症心身障害児(者)等在宅レスパイト事業について質問いたします。
 在宅の医療的ケア児の推計値は年々増加し、政府の資料によると、二〇一八年時点で十年前の約十倍、全国で約二万人に上っているとされています。
 在宅の医療的ケアが必要な子供たちは、施設への通所や訪問型保育を利用されたりして生活をしています。しかし、利用できる施設や事業所が不足しているのが現状で、二〇一五年度の政府の調査では、直近三カ月で障害福祉サービスを使用しなかったと答えた割合は、医療的ケア児全体の約六割に上っていました。
 そうなると、夜間も頻繁に観察やケアを行っているご家族は、一日のうち二十四時間、全く休まる時間がないというケースも珍しくないということです。そうしたご家族がとても頼りにしているのが、東京都が行っている重症心身障害児(者)等在宅レスパイト事業です。
 初めに、この事業の意義について伺います。

○藤井障害者施策推進部長 重症心身障害児(者)等在宅レスパイト事業は、在宅の重症心身障害児者等に対しまして、訪問看護師が一定時間ケアを代替することで、その家族の休養を図ることにより、重症心身障害児者等とその家族の福祉の向上を図るものでございます。
 都は、この事業を実施する区市町村を包括補助により支援しております。

○藤田委員 二十四時間つきっきりでケアに当たっているご家庭にとって、とても重要な事業です。
 事業を利用している方にどのような時間の使い方をしているのかお話を伺いました。私がお話を伺ったAさんのお子さんは、現在五歳で人工呼吸器と酸素を使用しています。座ることや手をつなぐと歩くこともできて、自分の手で酸素のチューブや気管切開部をさわってしまうので、目が離せません。しかし、運動機能やIQから重症心身障害児には当たらないため、区内の通所支援や医療型の短期入所は利用することができず、ご家族が二十四時間看護に当たっています。
 在宅レスパイト事業は、一回二時間から四時間までの間で三十分ごとに利用時間を選ぶことができます。お子さんは、夜間でも二、三時間置きにたんの吸引が必要なため、Aさんは睡眠が途切れ途切れになっています。四時間の利用時間の中で、テレワークがあるときは、三時間を仕事に、一時間を休息に充てているとのことでした。ほかにも、一歳の兄弟の予防接種や待ち時間の長い通院など、四時間あることで、ちょっと遠くまで出かけられるということで、とにかく助かっていると話していました。
 お話を伺う中で、この在宅レスパイト事業が、ご家族の体調管理や社会参加を支えたり、ほかの兄弟との時間をつくったりと、まさに子供とご家族の福祉の向上につながっていることを感じました。
 また、在宅レスパイト事業には、年間で九十六時間まで、一月の利用上限が四回までという上限があるために、毎月複数回利用する場合には、年間計画を立てて、上限を超えないように気をつけなければならないと話していました。
 しかし、ことしの二月以降、急拡大した新型コロナウイルス感染症の影響で、年間計画どころではなくなってしまいました。四月の緊急事態宣言のときには、下の一歳のお子さんも保育園に通えなくなってしまったためにダブルケアとなり、とても一人では見ることができなくなったといいます。そこで、この在宅レスパイト事業を従来より頻繁に使わざるを得ず、このペースだと半年しか利用できなくなるという事態に陥っていました。
 そこで伺いますが、東京都は、この在宅レスパイト事業を利用している方の中で、年間の利用時間、上限に達した人、上限があって利用を控えている人、このままだと上限を超える人などは把握していますか。

○藤井障害者施策推進部長 都は、本事業の利用実績につきまして、補助金交付に際しての区市町村からの実績報告により把握しております。
 詳細な利用状況につきましては、実施主体である区市町村が把握しているものと認識しております。

○藤田委員 詳細な利用時間は、実施主体である区市町村が把握しているだろうと、つまり、都としては把握していないということです。
 日本共産党中野区議団は、区民の声を受け、利用時間の上限について議会で取り上げました。それにより中野区では、先月から、年間の利用時間の制限を百二十時間に引き上げるという対応を行っています。
 こうした中野区の対応をAさんもとても歓迎されていました。というのも、先ほどのお話のとおり、Aさんは緊急事態宣言時の対応で、九月までに年間利用上限の九十六時間を超えてしまっていたからです。さらに、今の時期には、来年四月から通う特別支援学校の見学に行ったり、下の子の保育園の面談や通院などを予定していました。通常の学区内の小学校と違い、Aさんの場合は、学校の体制が医療的ケアに対応できるのか、通学手段はどうなっているのか把握する必要がありましたので、区内にある知的特別支援学校と自宅からかなり離れた肢体不自由特別支援学校などに何度か足を運ばなければなりませんでした。そうした事情からも、時間の上限を引き上げる対応はとてもありがたかったということです。
 中野区の担当者からお話を聞いたところ、Aさん以外にも上限を超えそうなペースで利用していたケースが四家族いらっしゃったということですが、どのご家族も年間上限を超えないようにみずから利用をセーブしていたということがわかりました。区の対応でセーブしなくても大丈夫ということがわかると、区民の方は十月以降の使い方を変えるといっていたそうです。
 利用者は、在宅レスパイト事業をとても頼りにしていますが、こうした自治体側の働きかけがあることが重要だと感じました。こうした改善につなげるためにも、実態の把握は重要です。
 区市町村を通じて、都として実態を把握するべきと考えますが、いかがですか。

○藤井障害者施策推進部長 都は、区市町村における事業実施状況につきまして、必要に応じ、区市町村から情報提供を受けており、今年度は、区市町村からの意見を踏まえ、新型コロナウイルス感染症対策として、月の提供回数に関し、柔軟な対応を行っております。
 引き続き、区市町村の状況も踏まえて、必要に応じた対応を行ってまいります。

○藤田委員 今年度は、区市町村からの意見を踏まえて、月の提供回数に関し、柔軟な対応を行っているということです。具体的には、回数の上限をなくす対応が行われています。
 事前に質問通告していないのですが、やりとりをしている中で疑問が生じたので一つ伺わせていただきたいと思います。今回、都はなぜ回数の上限をなくす対応をしてきたのか。また、そのために、具体的にどのようにして区市町村から意見を聞いたのか。その二点について追加で伺わせていただきます。

○藤井障害者施策推進部長 柔軟な対応を行った理由としましては、今お話がありましたとおり、柔軟な対応をとることによって、新型コロナウイルス感染症の状況におけるご家庭の支援を行えるという考えからでした。
 そして、区市町村からは、随時、情報提供を受けまして、この意見を伺っております。

○藤田委員 随時、情報提供を受けているということでしたけれども、今回、実際にはアンケートというような形で、二十九区市に対してアンケートを行い、具体的にどういった要望があるのかを伺っていたということを事前に伺っていましたが、やっぱりそういったことが、こういったコロナの状況じゃなくても、常に行えて、制度の見直しや拡充など図れるような体制が必要だと思います。
 今回は、具体的に月四回まで、年間二十四回までという回数の上限がなくなったということですが、それによって、短い訪問時間をやりくりすることで、何とか対応できる幅が広がると思います。
 一方で、年間の時間数の上限は九十六時間のままなので、コロナ対策の中では、やはりAさんのように年度途中で利用時間の上限に達してしまうというケースも当然発生します。
 また、都が、回数の上限について区市町村に出した通知に添付してあるQアンドAには、年間九十六時間について、区市の実情に応じて対応をとされています。しかし、そうなると、超えた分については、全額区市町村の負担か利用者の自己負担になってしまいます。
 先ほどの答弁では、今後も、区市町村の状況を踏まえて必要に応じた対応を行っていくということでしたので、ぜひとも、今年度途中で、上限があるから利用を控えているというケースが発生していないかも含めて、対応は急がれますので早急に状況を把握し、必要に応じた対応を行っていただきたいと思います。
 そうした実態を踏まえて、年間九十六時間という利用時間の上限についても引き上げを行っていただくよう要望いたします。
 しかし、年間上限があることによる利用控えというのは、今年度に限ったことではありません。利用者の生活状況が多様であるからこそ、利用者の切実な背景に合わせて利用できる制度にするべきです。
 そうなると、そもそもなぜ利用回数や時間に上限があるのかという疑問が生じます。在宅レスパイト事業の利用回数の上限は、年間二十四回ということですが、月に四回という上限いっぱいまで利用してしまったら、六カ月、半年しか利用できないということになります。
 在宅レスパイト事業は、年間で九十六時間まで、一月の利用上限が四回までとなっているのですが、その根拠を伺います。

○藤井障害者施策推進部長 この事業につきまして、都が補助する上限については、一年度の間に二十四回を超えない範囲で月四回までとなっており、時間にすると最大九十六時間までとなっております。
 補助対象となる範囲につきましては、在宅の重症心身障害児者やその家族等の状況を把握している区市町村の意見や、重症心身障害児者等に対応できる訪問看護ステーションのサービス提供の状況等を踏まえ、設定したものでございます。

○藤田委員 回数や時間の上限を決めている根拠は、区市町村の意見や訪問看護ステーションの状況等ということで、当事者や家族の実態や意見が根拠ではないということだと思います。何より、本人やご家族の実態や意見に基づいて、充実が必要なら検討するという姿勢が求められています。
 また、医療的ケア児に対応できる訪問看護ステーションの充実が課題になっているのは確かですが、中野区のように、区市町村で対応可能と判断できるところは、上限時間を引き上げればよく、都が一律に補助する時間の上限を設ける必要はありません。
 訪問看護ステーションの体制については、都は、二〇一八年度から医療的ケア児訪問看護推進モデル事業を開始し、医療的ケア児への看護が行える訪問看護ステーションをふやす取り組みを行っています。ぜひとも、この事業をさらに充実させ、在宅で療育されているご家族と本人が必要とする支援へとつなげていただくことを要望いたします。
 先ほどのAさんのお子さんは、どこにも通う先がなく、Aさんは一日中子供と一緒に過ごしています。そのため、もし在宅レスパイト事業が使えなくなったら、自分もだんだんつらくなるとAさんは話していました。Aさんのご家族は、九月末までに年間上限の九十六時間を超えて利用しています。中野区の対応で、十月以降、新たに二十四時間利用できるようにはなりましたが、その時間も、二人の子供のための用事を優先しなければならないので、家族の休息にはつながりません。
 利用者は、上限があることで何とかその範囲内で対応しようとさまざま我慢しているのが実態であり、最も後回しにしているのが、家族の生活と健康です。中野区の対応は大変重要ですが、さらなる充実が求められており、そのためにも東京都の姿勢が重要です。
 二〇一五年度、厚労省による在宅医療ケアが必要な子どもに関する調査によると、主な介護者の睡眠時間は、四人に一人が断続的となっており、半数が六時間未満というものでした。
 障害児者が住みなれた家庭で安心して生活できるためにも、介護者への支援は欠かせません。重症心身障害児(者)等在宅レスパイト事業を充実し、本人と家族の福祉向上を図っていただくよう強く要望いたしまして、私からの質問を終わります。

○うすい委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時四十二分休憩

   午後三時五十九分開議
○うすい委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○森澤委員 福祉保健局の事業には、社会的に弱い立場にある人たちのセーフティーネット、最後のとりでというべきものがたくさんあります。
 その制度、事業が本当に必要としている人に届いているのか、その制度、事業によってその方々の暮らしはよい方向に変わっているのか、常に検証し改善をしていかなければならないと考えます。そういった観点から質問をしていきます。
 まず、宿泊療養施設の運営についてお伺いをいたします。
 福祉保健局を初めとする都の職員の皆様が、軽症者を受け入れるための宿泊療養施設の運営について日々ご尽力いただいていることは、心より感謝を申し上げるところです。
 一方で、当初は緊急的な対応で、都職員で全てを行うということもいたし方なかったと考えますが、その負担により、本来なすべき通常業務全体を俯瞰しながら、施策一つ一つの着実な執行と検証、改善といった司令塔的役割を果たせているのかという懸念もあります。
 そこで、適切な宿泊療養施設の運営体制の整備を求め、幾つか質問いたします。
 厚生労働省の新型コロナウイルス感染症の軽症者等宿泊療養マニュアルによりますと、収容人数百名程度の宿泊施設で、全体統括一名、健康管理の医師、看護師、保健師のほか、入退所者対応、管理対応四名から八名、生活支援担当四名、施設管理担当一名が目安とされています。
 現在、都における宿泊療養施設の開設状況と、都の宿泊療養施設ではどのような体制をとり、どの部分を都の職員が担っているのか伺います。

○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 現在、都の宿泊療養施設は、区部に八施設、多摩地域に一施設の合計三千二百五十一室を開設しております。
 宿泊療養施設には、入所者の健康管理を行う医師や看護師を配置しております。さらに、都の公衆衛生医師等が各宿泊療養施設を訪問し、感染防止対策や健康管理に関する指導、調整を行っております。
 また、入所者の生活支援等を行う事務局職員として、日中は十名程度、夜間は五名程度を配置しており、都の職員やホテル従業員が共同してその業務を担っております。
 具体的な事務局職員の役割とその人数でございますが、日中はホテルの運営全般を統括し、保健所などの関係機関との連絡調整を行う全体統括が二名程度、入退所の準備や手続を行う入所者管理担当が四名程度、弁当の準備や廃棄物の処理を行う集配担当が四名程度となっており、夜間はそれらを全て担う事務局職員が五名程度で運営を行っております。

○森澤委員 厚生労働省のマニュアルには、外部企業への業務委託に加え、必要に応じて人材派遣業者との派遣契約により、生活支援等の業務に従事するスタッフや施設設備の管理等、専門的な業務に従事するスタッフを確保することも考えられるとあり、例示として、食事の配膳とごみの回収等の生活支援や緊急時の対応やリネン交換、客室対応などの施設管理などをホテル側が対応している例が例示されています。
 つまり、必ずしも全てを都の職員が行う必要がないわけです。ぜひ、ホテルを初めとする民間への委託をさらに進めていただきたいと考えます。
 今後、事態が長期化する中で、ホテル側に対応の協力を依頼することや、民間の人材を活用した体制構築について都の見解を伺います。

○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 四月七日に第一号となる宿泊療養施設を立ち上げて以降、多くの都の職員がさまざまな宿泊療養施設での運営に携わるとともに、業務についての改善を図りマニュアル化するなど、宿泊療養施設の運営方法を確立してまいりました。
 こうした中で、入所者管理業務や集配業務等の定型的な業務については、ホテル事業者等への委託化を進め、より少ない人数の都職員で運営可能な体制の構築を現在進めているところでございます。
 引き続き、効率的な宿泊療養施設の運営を行ってまいります。

○森澤委員 責任者などは、引き続き職員を配置する必要はあるなどと思いますが、できるだけ早く委託化を進めていただきたいと思います。
 また、宿泊療養施設の運営に当たって、ホテルや協力事業者に業務を依頼する場合は、契約や役割、業務分担について明確に定めるとともに、わかりやすく説明し、委託内容の理解が不十分なことによるトラブルが起きないよう取り組むべきと考えますが、都の見解を伺います。

○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 宿泊療養施設の定型的な業務につきましては、ホテル事業者等に委託し、効率的に運営を行っていく必要がございます。
 委託契約に当たりましては、入所者の個人情報の管理、感染防止対策の徹底や作業手順の詳細などを仕様書に盛り込むことで、宿泊療養の円滑な実施を確保してまいります。

○森澤委員 これまで都として余り経験のない契約や依頼について、ホテルが所在する地元の事業者にご協力いただく部分も多くあると思います。地元の方々の理解や協力が不可欠です。契約や依頼において、慎重で丁寧な対応をお願いいたします。
 次に、災害への備えについて幾つか質問いたします。
 まずは、災害時の心のケアについて伺います。
 このコロナ禍にあって、精神的な不調を来す方もふえている中で、災害が起きたときを考えると、さらに重要性は増していると考えます。都では、これまでに都内三十の民間精神科病院等と協定を締結し、常設で災害時に特別な配慮が必要となる精神障害者に適切に医療を提供するチーム、いわゆる東京DPATを創設しています。
 災害時にはどのように展開されるのか、また、災害時に機動的に派遣されるよう、日ごろからの情報共有、連携体制の構築も重要だと考えますが、見解を伺います。

○石黒障害者医療担当部長 東京DPATは、精神科医、看護師、業務調整員等の四人程度を一チームとして編成し、災害派遣医療チーム、いわゆるDMATや保健師チーム等と連携し、精神保健医療のニーズアセスメント、被災精神科病院からの転院搬送、災害ストレスによる被災住民、支援者への対応、地域精神保健活動への支援などを実施いたします。
 都内発災時には、東京都災害対策本部内に設置するDPAT調整本部のもと、二次保健医療圏域ごとに設置するDPAT活動拠点本部に参集し、区市町村の要請に基づき支援活動に従事いたします。
 また、発災時に専門性の高い精神科医療の提供と精神保健活動の支援を行うためには、日ごろからの情報共有や連携は重要でございまして、都は、活動支援マニュアルを整備するとともに、区市町村等と合同で実施される医療救護活動訓練に参加しております。

○森澤委員 これまでどのように隊員の養成を行い、どれくらいの隊員を確保しているのかお伺いをいたします。

○石黒障害者医療担当部長 都では、新たに東京DPAT隊員としての登録を希望する者を対象に、東京都の災害医療体制や東京DPATの活動内容、災害時の心のケア活動などの基本的な知識と技能を習得するための養成研修を実施し、令和二年三月三十一日現在で二百九十五人の隊員を確保しております。
 さらに、今年度からは、東京DPAT隊員の技能の維持や習熟を図ることを目的に、三年ごとの隊員登録の更新の際にフォローアップ研修を実施しております。

○森澤委員 更新の際にもフォローアップ研修を行い、スキルのアップデートを行っているということでした。災害時の心のケアの重要性は増しています。災害時には、要請に応え、機動的に派遣されるよう、引き続き養成に取り組んでいただきたいと思います。
 次に、災害時要配慮者対策の推進について伺います。
 要介護度の高い高齢者や重度の障害者など、災害時において特に配慮を要する人が災害時に決して取り残されることのないよう、どこに避難すべきなのか、どこに協力してもらうのか、平時に確認する意味も込めて、避難行動要支援者一人一人の避難支援プラン、個別計画を策定することは非常に重要です。
 都は、この個別計画策定を推進するため、区市町村に補助をしていますが、個別計画作成済みの自治体数と個別計画作成率について伺います。

○雲田次長 個別避難計画の作成状況についてでございますが、令和元年六月一日時点で、対象者全員の計画を策定しているのが四自治体、一部を作成しているのが三十五自治体となっております。

○森澤委員 まだまだ取り組みが必要だということがわかりました。
 新型コロナウイルスの感染が続く中で災害が発生した際には、避難所が三密にならないよう、より多くの避難先を確保するなど、これまでとはまた違った方向から検討する必要も出てきており、より一層この個別計画の重要性が増していると考えます。
 政府は、法的根拠が弱いことが作成おくれの一因となっていると捉え、来年の通常国会で法定計画へと格上げするとともに、市町村の努力義務とするなどの規定を追加する方針だということです。これにより、区市町村の取り組みが進むことを期待したいですが、一方で、根本的な課題を解決しない限り、劇的に進むことはないのではないかと危惧しています。
 広域行政として、各自治体で取り組みが進まない要因を把握し、その課題を克服できるよう支援するとともに、取り組みが進んでいる区市町村の事例やノウハウを共有するなどして、より多くの区市町村が取り組むよう、また作成率が向上するよう取り組むべきと考えますが、都の見解を伺います。

○雲田次長 個別避難計画の作成が進まない理由を区市町村に調査いたしましたところ、主な課題といたしましては、支援者の選定が困難であること、避難行動要支援者本人の同意が得られないといったことなどが挙げられております。
 都は、各区市町村の担当者を対象とした研修会を毎年開催し、計画策定に関する先行事例等を紹介するなど、区市町村の取り組みを推進しております。

○森澤委員 本人の同意については、その重要性をどう理解していただけるよう取り組むのか、支援者の選定については、町会、自治会や地域の防災人材など、地域の理解や連携が必要であり、引き続き取り組みが進んでいるところの知見を共有するなど、区市町村の取り組みの支援を強化いただきたいとお願い申し上げます。
 次に、在宅人工呼吸器使用者療養支援事業について伺います。
 在宅人工呼吸器使用者やその家族にとって、災害時の避難は物理的にも精神的にもハードルが高く、特にコロナ禍に災害が発生した場合には、自宅もしくは地域の通いの場である放課後等デイサービスなどに、非常用電源装置を補助してほしいという声が上がっています。
 都では、医療保健政策区市町村包括補助事業などで非常用電源整備を推進しているとのことですが、現状では取り組んでいない区市町村も多く、さらなる活用を促していただきたいという点は、先日の斉藤れいな都議の一般質問で取り上げさせていただきました。
 一方で、本補助事業では蓄電池を対象としておらず、都内ではマンション等に居住する場合、発電機の使用には騒音等の困難があるという指摘があります。
 札幌市や神戸市など、発電機に加えポータブル電源、蓄電池購入費用を助成している自治体もあります。都においても、都心の住宅事情やコロナ禍で在宅避難や宿泊施設等での避難が見込まれることも踏まえ、ポータブル電源の購入も補助の対象とすべきと考えますが、見解を伺います。

○鈴木医療政策担当部長 都では、在宅人工呼吸器使用者療養支援事業において、難病患者以外の在宅人工呼吸器使用者の停電時の安全確保を図るため、区市町村が自家発電装置や吸引器等を在宅人工呼吸器使用者に無償貸与、または給付するための経費を包括補助により支援しております。
 人工呼吸器使用者が療養に当たって必要となるバッテリーにつきましては、医療機関が人工呼吸器使用者に給付や貸与を行った際に診療報酬を算定できることとなっており、都では対象品目に蓄電池を含めてございません。
 なお、都は国に対して、人工呼吸器に装着する外づけバッテリー等の予備電源等に対し、実勢価格を精査し診療報酬を的確に評価することを提案要求しております。

○森澤委員 都としては、診療報酬で適切に評価されることを国に要望しているということは理解しました。
 一方で、今、困られている現状があること、ほかの自治体では実際に蓄電池購入を助成している自治体があることなども鑑み、ぜひ、国が対応するまでの間でも、この蓄電池購入の補助について検討いただきたいと改めて要望しておきます。
 次に、災害時の備蓄について伺います。
 昨年の千葉県の台風被害では、県が発電機を所有し貸し出してくれることを各市が知らなかったというケースを耳にし、県と市の日ごろからの情報共有や連携が大切であることを改めて認識しました。
 また、被害が大きい場合、区市町村に余力がなく、都に対し、すぐに物資支援の要請ができないことが想定されます。
 東京都地域防災計画には、プッシュ型支援ができるよう、あらかじめ必要な品目を備蓄するなどの支援体制を整えるとあります。そういった意味で、日ごろから都の備蓄についての区市町村との情報共有、実際に機能的に配布がされる連携体制の構築などが重要だと考えますが、取り組みについて伺います。

○坂本生活福祉部長 東京都地域防災計画では、発災後三日間は原則として地域内備蓄で対応するものとしておりまして、区市町村は避難所等で備蓄を行いますとともに、都は、広域的な観点から、区市町村を補完するため備蓄を行っているところでございます。
 発災時には、都災害対策本部のもとに物資輸送チームを設置いたしまして、関係者間で必要な情報共有や調整を行い、迅速に被災地の要望を把握して物資を提供できるよう対策を講じることとしております。
 また、都の備蓄状況につきましては、区市町村の防災担当者との会議を通じまして、必要に応じまして情報提供を行いますとともに、トラック協会など関係機関などと連携いたしまして、定期的に輸送訓練を実施するなどの体制の構築を図っているところでございます。

○森澤委員 非常時には、担当者同士の日ごろからの顔の見える関係性もきいてくるものです。ぜひ、そういったことも念頭に、引き続き、日ごろからの小まめな情報共有、連携について取り組んでいただきたいと思います。
 また、地域計画には避難所の多様なニーズに対応できるよう、備蓄、調達品目及び数量等について検証するとありますが、乳児や女性、高齢者や障害者など、要配慮者の割合などを考慮した物資配分計画も重要であると考えます。
 どのような検証を行ってきたのか見解を伺います。

○坂本生活福祉部長 都では、令和二年四月一日現在でございますが、例えば、高齢者や飲み込みが困難な嚥下障害の方に配慮した食料の供給を図るために、白がゆのアルファ化米四十六万食を備蓄しております。
 また、透析患者など、たんぱく質の摂取が制限されている被災者を対象といたしました難消化性たんぱく質の相対的に割合が高い品種の米を原材料といたしますアルファ化米につきましても、十五万食備蓄をしているところでございます。
 加えまして、食物アレルギーの方に配慮した備蓄品といたしましては、アレルギー特定原材料二十七品目未使用のアルファ化米について七十五万食、米粉のクッキーについて八十万食の備蓄をしております。
 そのほか、乳幼児用及び要介護者用の紙おむつなど、要配慮者に考慮した備蓄も行っているところでございます。
 今後とも、要配慮者向けの備蓄食料の確保に努めてまいります。

○森澤委員 一定程度備蓄をしていることは理解しました。
 一方で、非常時に適切に必要な方々に着実に届くよう、区市町村と連携し配分計画も考えていただきたいと申し述べておきます。
 また、先ほど質問させていただいた個別計画の作成が進むと、より要配慮者への支援の必要性が見えてくると思います。連携した取り組みを求めます。
 災害については以上で、次に、子育て関係についてお伺いいたします。
 まずは、未受診妊婦の支援について伺います。
 都では、ことしから、予期しない妊娠、経済的困窮、社会的孤立、DVなどのさまざまな背景により、妊娠、出産についてご自身で周囲への相談や受診をすることが難しいと判断された、いわゆる未受診妊婦について、産科受診同行支援を開始しています。
 これにより駆け込み出産の防止につながり、適切な受診、支援へとつながることを期待しているものですが、これまでの実績についてお伺いいたします。

○高野少子社会対策部長 都は、妊娠相談ほっとラインにおきまして、妊娠や出産に関する相談に看護師等の専門職が電話やメールで対応しており、特に継続的な支援が必要な場合は、区市町村の保健所や保健センターへの相談につなげております。
 このほっとラインの相談の中で、区市町村への相談に抵抗を感じている妊婦や産科受診等が困難な妊婦がいた場合には、民間団体を活用して、産科等医療機関などへの同行や初回産科受診料への支援を行う特定妊婦等に対する産科受診等支援事業を本年一月から開始いたしております。
 事業開始から九月までに、ほっとラインから同行支援を行う民間団体に引き継いだ相談は十六件でございました。引き継いだ民間団体が相談支援を行う中で、区市町村の支援や自発的な通院につながり対応が終了したケースもあり、産科への受診同行を行ったのは三件でございました。

○森澤委員 十六件の引き継ぎ、三件の同行支援ということで、必要とする方がいるということが明らかになりました。引き続き、この取り組みが必要な方に届くよう、周知の強化もお願いしたいと思います。
 そういった妊婦の中には、背景にDVなどもあり居場所がない方もいると聞きます。同行支援の対象となった方について、分娩までに時間がある場合、その際の居場所の確保についてはどのように取り組んでいるのか見解を伺います。

○高野少子社会対策部長 本事業では、支援を行った妊婦をその後も継続的な支援につなげていくため、必要に応じて区市町村の関係窓口への同行支援や地域の関係機関との情報共有を行うこととしており、お話のように、居所の確保が困難な妊婦がいた場合には、民間団体が保健センターや福祉事務所等と連携して、生活保護申請や婦人保護施設への入所などにつなげております。

○森澤委員 民間団体が行政等と連携し、生活保護や婦人保護施設への入所につなげているということでした。
 一方で、施設を利用する際のさまざまな制約から利用に抵抗感がある妊婦さんもいらっしゃり、一人一人の状況に寄り添った、より柔軟な形での居場所確保を、一時的に民間団体が行っている場合があります。そういったところへの支援なども検討していただくことを要望いたします。
 コロナ禍で産後鬱のリスクが深刻化しています。先ほどもありましたけれども、十月の専門家の調査では、産後鬱を発症している可能性のある割合が従来の二倍以上との結果が出ています。
 そういった中で、産後鬱で退院した後、ある区から様子を見に派遣されてきた保健師さんの対応が、通り一辺倒で、決して産後鬱の母親に寄り添う形ではなかったという事例を耳にしました。産後鬱になった方に対しては、より慎重な接し方が重要であり、そういった妊産婦に接する専門職は、常に最新の情報や研究を更新すべきだと考えます。
 都のみならず区市町村の母子保健にかかわる専門職に対して、産後鬱への理解に対する研修等を行っていくべきだと考えますが、見解を伺います。

○高野少子社会対策部長 都では、保健所、区市町村及び医療機関等の母子保健医療に従事する職員に対しまして、最新の母子保健、医療技術等に関する専門知識等を習得させ、職員の資質向上を図る母子保健研修を実施しております。
 この研修では、母子の心身の健康につきまして、その理解を促進し、産後鬱にも適切に対応できるよう、母親のメンタルヘルスについてや産後ケアのさらなる推進についてなどをテーマとして取り上げているところでございます。

○森澤委員 ベテランであるほど、過去の情報ややり方にとらわれているといったことも耳にすることであります。ぜひ、新人の方からベテランの方まで満遍なく研修に参加することで、最新の情報を取り入れ、今の母子に寄り添えるように取り組んでいただきたいと思います。
 また、最近では父親の産後鬱も注目され、厚生労働省では父親の産後鬱の実態を調べ、支援策を検討するため、母子保健の専門家や精神科医などでつくる研究班を設置したということです。今後、都においても、母子だけでなく父親のケアについても頭に入れていっていただきたいと申し述べておきます。
 関連して、そういった近年社会課題となっている事柄に対して、母子保健にかかわる専門職の専門性の向上も非常に重要です。児童虐待についても早期発見が間違いなく必要であり、早期の段階でその芽を見つけ支援につなげていく必要があります。
 児童虐待の対応力の向上の取り組みについて見解を伺います。

○高野少子社会対策部長 先ほどお答えしました母子保健研修においては、悩みを抱える母子を早期に発見し、地域で連携して児童虐待防止に取り組めるよう、支援につながりにくい妊婦への支援や育てにくさを感じる親に寄り添うなどもテーマとして取り上げているところでございます。
 また、児童虐待の発見に関連の深い医療機関関係者に対しまして、児童相談所や子供家庭支援センター等の地域の関係機関との連携強化を図り、医療機関における虐待対応力を向上させるため、要支援家庭の把握と適切な支援に関する児童虐待対応研修を実施しているところでございます。

○森澤委員 あらゆる場面で早期発見ができるよう取り組み、早期の段階で適切な支援につなげていくことが非常に重要です。引き続きの取り組みをお願いいたします。
 産後ケア事業について伺います。
 今年度、とうきょうママパパ応援事業における産後ケア事業について、専門職による妊婦への面接等とあわせて本事業を行う場合、区市町村負担分を都が全額補助するよう補助率を引き上げました。
 産後ケアについて、とうきょうママパパ応援事業の前身である、ゆりかご・とうきょう事業が開始された平成二十七年度以降の区市町村の取り組み状況について伺います。

○高野少子社会対策部長 産後ケア事業の実施自治体数は、平成二十七年度は三区のみでございましたが、年々増加しまして、令和元年度は三十三区市町、今年度は四十二区市町となる見込みでございます。

○森澤委員 取り組む区市町村が着実にふえてきていることは非常に重要です。
 一方で、やはり産後ケアの内容、質についても着目し、質の高い産後ケア事業をより一層広げていく必要があります。本当の意味での切れ目のない支援という意味で、私は、兵庫県丹波篠山市で始まった産前産後を一貫して同じ助産師でケアするMy助産師制度のような取り組みに注目しています。第一回定例会の一般質問でも申し上げましたが、産後ケアのその手法ごとの効果や課題を把握し、より一層適切な支援を講じるべきと改めて要望いたします。
 次に、在宅子育て支援についてお伺いいたします。
 就任最初の一般質問でも、保護者の就労の有無にかかわらず、誰もが安心して子育てできる東京の実現のため、在宅で子育てしている家庭に対する支援を充実すべきと申し上げさせていただきました。特に保育園を利用していなかったり、幼稚園に通っていない三歳未満の家庭が孤立しないよう、引き続き取り組んでいくことが必要です。
 都は、家事支援を通じて、保護者の負担軽減とともに、支援が必要な家庭を適切な行政支援につなぐ在宅子育てサポート事業を行っています。また、食の支援をきっかけとして、家庭の中の問題を把握し、必要な支援につなげ、子供の養育環境を整える子育て家庭に対するアウトリーチ型の食事支援事業も行っています。
 これらの事業の区市町村における取り組み状況と、実際にサービスや支援につながった具体的な事例についてお伺いいたします。

○西尾子供・子育て施策推進担当部長 都は、育児負担の大きい三歳未満の子供を在宅で育てる保護者の負担を軽減するため、区市町村を通じて家事支援サービスの利用を支援いたします在宅子育てサポート事業を実施しております。昨年度の実績は四自治体でございまして、今年度は五自治体が本事業の活用を予定しております。
 取り組み自治体からは、利用者から育児不安についての相談がヘルパーにあり、子供家庭支援センターの相談窓口につないだ事例などがあったと聞いております。
 また、未就園児のいる家庭等を対象といたしまして、食事の調理を行うヘルパーを派遣する区市町村の取り組みを支援いたしますアウトリーチ型の食事支援事業を実施しておりまして、昨年度の実績は一自治体、今年度は三自治体が本事業の活用を予定しております。
 取り組み自治体からは、家庭に派遣されたヘルパーが家庭の状況を把握し、生活保護の部署や養育支援訪問事業のサービスにつないだ事例などがあったと聞いております。

○森澤委員 いずれも、当初の事業の目的である行政の支援につながった事例があることがわかりました。
 在宅子育て家庭の負担軽減、児童虐待未然防止の観点からも、こういったアウトリーチ施策については非常に重要で、都としてメニューを用意してくださっていることは本当に大事なことであると思うのですが、区市町村がその意義を理解し、優先順位を上げてくださらない限り、結局、支援が必要な都民、区民につながらないという現実があります。
 区市町村に対して、今ご答弁いただいたような実際に出てきている好事例などを紹介しながら、事業の意義について丁寧に説明し、導入していただけるよう取り組んでいただくことを強く要望します。
 育休中であったり、在宅で子育てしている家庭が、地域やほかの子育て家庭とつながる場所として、子育て広場の存在は重要です。
 一方で、特別な支援が必要なお子さんであったり、そういった可能性があるお子さんがいる保護者は、なかなか足を踏み入れるのが難しいといった声を聞くところでもあります。
 また、保護者が障害や発達についての不安や悩みがある場合に、気軽に相談できる仕組みも必要です。
 そういった中で、都は、令和元年度から、子育て広場を気軽に利用できる環境を整備することを目的とする、ふらっとひろば事業を開始しています。
 この事業の取り組み状況と、実際に支援につないだ具体的な事例についてお伺いいたします。

○西尾子供・子育て施策推進担当部長 都は、障害の有無にかかわらず、就学前の子を持つ全ての親子が、より気軽に子育て広場を利用できるよう、心理司や保健師などの専門職を配置する、ふらっとひろば事業を昨年度からモデル事業で実施しております。
 モデル事業は三自治体で実施しておりまして、取り組み自治体からは、保護者から子供の発達に関する相談を受けた心理司や保健師が、子供への接し方などを示しながら保護者の不安の軽減に取り組んでおり、状況に応じて保健センターや児童発達支援センターにつないだ事例などがあったと聞いております。

○森澤委員 こうやって敷居を低くして、身近な場で発達の不安を軽減し、行政の支援にもつなげる仕組みはとても重要だと思います。モデル事業を経て、多くの区市町村で取り組みが広がることを期待したいと思います。
 次に、医療的ケア児の支援について伺います。
 医療的ケア児が年々ふえていく中で、保健、医療、福祉、子育て、教育等の必要なサービスを総合的に調整し、医療的ケア児とその家族に対してサービスを紹介するとともに、関係機関と医療的ケア児とその家族をつなぐといった重要な役割を担う医療的ケア児等コーディネーターの存在はより重要度を増しています。以前伺った小児総合医療センターでも、その存在の重要性を伺いました。
 国は、障害福祉サービス等及び障害児通所支援等の円滑な実施を確保するための基本的な指針の中で、医療的ケア児に対する総合的な支援体制の構築に向けて、市町村においては、コーディネーターとして養成された相談支援専門員、保健師、訪問看護師等の配置を促進することが必要としています。
 実際に、令和元年八月現在の厚労省の調査によると、医療的ケア児コーディネーターの都内区市町村での配置状況は、特別区で三区、多摩地域、島しょで八市町村ということです。このほかに事業所に配置されているということですが、医療的ケア児を育てる複数の保護者から、コーディネーターにお会いしたことがないという話を伺うところであります。
 都内の医療的ケア児に対して、きめ細かい支援を行うためには、都として、養成後の配置状況についても実態を調査し、より多くの区市町村、また事業者にコーディネーターが配置されるよう養成をさらに促進していくとともに、区市町村にも働きかけていくべきと考えますが、見解を伺います。

○藤井障害者施策推進部長 都は平成三十年度から、障害児者のサービス利用計画の作成等を担う相談支援専門員などを対象に、医療的ケア児コーディネーター養成研修を実施しております。
 本研修の受講修了者は、平成三十年度は五十二人、令和元年度は百十四人であり、二カ年で百六十六人となっております。
 医療的ケア児が適切な支援を受けられるよう、今後とも区市町村に医療的ケア児コーディネーターの制度について周知を図るとともに、医療的ケア児コーディネーターの養成を進めてまいります。

○森澤委員 区市町村への周知をしっかりお願いしたいと思います。
 また、相談支援事業所で医療的ケア児コーディネーターとして働く際に、計画策定に報酬がないということもあり、せっかく養成研修を修了しても働き続けられる方が少ないという課題も伺っています。このあたりも実態を把握し、都からも国に要望していただきたいと思います。
 次に、医療的ケア児の保育園の受け入れについてお伺いいたします。
 保護者の就労継続、また、インクルーシブな環境で子供が育っていくという中で、保育園で医療的ケア児を受け入れていくことは重要です。また、医療的ケア児と一言でいっても、重度な方から動くことができる軽度の方まで、さまざまなお子さんの状況に合わせた支援が必要です。
 都は、保育所等に看護師等を増員し、医療的ケア児の受け入れに取り組む事業者を支援するため、独自に平成二十九年度から、区市町村への包括補助として医療的ケア児支援事業を実施しています。
 一方、国事業である医療的ケア児保育支援モデル事業も平成二十九年度から実施しています。
 そこで、令和元年度における医療的ケア児保育支援モデル事業の都内の活用状況と、さらにより多くの区市町村において、保育所での医療的ケア児の受け入れが進むよう取り組んでいくべきと考えますが、見解を伺います。

○高野少子社会対策部長 医療的ケア児保育支援モデル事業では、保育所等における医療的ケア児の受け入れ体制を整備するため、保育所での看護師の配置経費等を区市町村を通じて支援しており、令和元年度は二市で実施しております。
 今年度からは、区市町村が看護師等を雇用して保育所へ派遣する場合も補助対象とするとともに、医療的ケア児の受け入れについて検討する関係者会議等の設置経費を支援しており、八区市から事業の実施計画等が提出されているところでございます。
 また、区市町村が医療的ケア児の保育ニーズに応えられるよう、東京都待機児童対策協議会におきまして先進的な取り組みの紹介を行うとともに、それぞれの自治体が受け入れ対象としている医療的ケアの内容等について情報提供をしており、医療的ケア児の受け入れが進むよう、引き続き区市町村へ働きかけてまいります。

○森澤委員 より多くの区市町村で、希望するできるだけ多くの医療的ケア児の受け入れが進むよう、さらなる働きかけを求めます。
 次に、児童相談所の第三者評価について伺います。
 年々増大する相談件数に対応するため、都は、児童相談所の人材確保をあらゆる採用手法で行い、経験に応じた研修体制の充実や、チーフ制やOBの活用により、経験の浅い職員もOJTでフォローし成長させるような取り組みを行っていると認識しています。
 一方で、児童相談所において、親への対応と子への対応を同じ福祉司が行っているようなケースも指摘され、そういった場合に、子供への対応の不足などが懸念されることなどもあり、親の利益よりも子供の最善の利益を一義的に考えるためにも、子供の利益を代弁する第三者の目が相談部門に入る必要性について、斉藤れいな都議からもかねてから質疑させていただいておりました。
 児童相談所のかかわりを必要とする子供の安全確保並びに子供の権利擁護を図るために、児童相談所の相談業務のさらなる質の向上を目指し、第三者機関からの評価の実施が必要であると考えますが、国及び都の取り組みについて伺います。

○西尾子供・子育て施策推進担当部長 本年四月に施行された改正児童福祉法におきましては、都道府県知事は、児童相談所が行う業務の質の評価を行い、当該業務の質の向上に努めなければならないことが明記されました。
 国は、昨年度末に、児童相談所における相談部門の第三者評価ガイドラインを発表し、今年度から複数の児童相談所においてモデル事業を実施する予定でございます。
 都におきましては、外部機関による相談部門の評価の導入に向けた検討会を今年度立ち上げる予定であり、今後、国のモデル事業の実施状況も踏まえ、検討を進めてまいります。

○森澤委員 既に始まっている一時保護所に加え、相談部門に第三者の評価の導入の検討が進められるということは大変重要なことであると認識し、取り組みを注視してまいりたいと思います。
 都においては、区の設置する児童相談所と都の児相で、福祉司の対応する対応件数の違いが出てきているということや、都児相の中でも負担にばらつきがあるとも伺っています。
 先ほどご答弁にありましたけれども、児相と区の子育て支援担当が近いことで、区児相設置地域にどのような成果や効果が生まれているのか、そもそもの児相のあり方も今後検討していくことも求めて、次の質問に移ります。
 次に、社会的養育について伺います。里親について伺います。
 都は、平成三十年度に一四・三%だった里親等委託率を、令和十一年度までに三七・四%にすることを目指しています。
 一方で、現状、里親に委託されたものの、うまく折り合わず、委託解除となるケースも多いと聞いています。実際に、民間で全国の里親に行ったアンケート調査によると、里親のおよそ四人に一人に当たる二六・六%が養育に困難を感じるなどして、子供との関係を解消する委託解除の経験があると答えています。
 それまでの生育環境などを背景に、あえて問題行動を起こして、里親の愛情を試そうとするお子さんもいることから、子供を育てる難しさに直面するということです。里親の丁寧なフォローやサポートが、この里親制度を広げていく鍵となると考えます。
 まず、里親になることを考える方の中には、最初の入り口の段階で、実の子がいないため里親にと考える方と、子供の生活保障のためにと社会的養護として考える方の二パターンに分けられるということです。
 そういった中で、社会的養護の意味や意義、どういったお子さんを預かることになるのか、養子縁組との違いなどが理解されていない場合、ミスマッチが起きていると指摘されています。
 養育家庭について、養子縁組里親との制度の違いなどをわかりやすく説明し、啓発していくべきと考えますが、見解を伺います。

○西尾子供・子育て施策推進担当部長 養育家庭は、養子縁組を目的とせず、一定期間子供を預かり育てる里親であり、一方、養子縁組里親は、養子縁組によって養親となることを目的とする里親でございます。
 都は、これらの制度につきまして、リーフレットやウエブサイトを活用して広く周知するほか、里親希望者に対しましては、児童相談所において、養育家庭と養子縁組里親について丁寧に説明し、意向を聞き取っているところでございます。
 また、認定前研修におきましても、改めて里親制度の詳細な説明を行っております。

○森澤委員 引き続き丁寧な説明を行い、入り口でのそごがないよう取り組んでいただきたいと思います。
 里親さんは初めて子育てする方も多く、また、先ほど指摘したような愛着障害など、かなり難しいお子さんを育てることも多いため、事前の里親のトレーニングの質、内容がかなり重要だと考えます。
 研修充実のためにどのように取り組んでいるのか見解を伺います。

○西尾子供・子育て施策推進担当部長 都は、養育に必要な知識やスキルを里親に学んでもらうため、認定前研修におきまして、里親制度や子供の心の発達等に関する講義や、先輩里親を交えたグループワーク、施設での実習も行っております。
 また、登録後研修では、子供の特性を知るをテーマに、児童養護施設の心理職が虐待の影響による愛着障害等についての講義を行うとともに、登録後二年ごとに受講する更新時研修において、対応の難しい子供の子育てや自立支援といった、より実践的なテーマについてグループワークを行うなど、研修の充実に取り組んでおります。

○森澤委員 これらの研修は義務として行われ、登録更新時や受託後は、より実践的なテーマでグループワークを取り入れているということでした。引き続き、里親さんが実際の生活で直面することを想定し、それに対処、対応ができるような研修を充実させていただきたいと思います。
 一方で、研修で頭でわかっていてもなかなか対応が難しく、悩んだり不安を抱えるといったこともあると推察します。先ほどの調査でも、養育で困っていることはあるかと尋ねたところ、八割の里親があると答えたということです。
 そういった中で里親が相談しにくい、弱音を吐きにくいという状況があると聞いています。先月より都は、フォスタリング機関を設置しました。
 このフォスタリング機関から、養育中の里親が支援やサポートを受けられる状況をどのようにつくっていくのか見解を伺います。

○西尾子供・子育て施策推進担当部長 都は本年十月からフォスタリング機関のモデル事業を開始したところでございまして、本事業では、措置権限を持たない民間機関が相談対応することで、里親がさまざまな悩みを気軽に相談できる環境を整備するとともに、訪問や面談、カウンセリングなど、里親と子供に寄り添った支援を継続的に行いながら、里親との信頼関係を築いていくこととしております。

○森澤委員 一義的に措置権限のある児相でないフォスタリング機関に里親さんが相談できる体制をとることで、里親さんが気軽に相談できる環境を整えていくことは非常に重要です。
 令和六年度までに都の全ての児童相談所での実施を目指すということですが、モデル実施での検証等を踏まえた上で、できるだけ早い設置を期待したいと思います。
 また、里親は、里親同士のネットワークに救われるという話も聞きます。お互いフォローし合えるような関係性をつくれるよう、ネットワークづくりにも力を入れていくべきと考えますが、見解を伺います。

○西尾子供・子育て施策推進担当部長 都は、里親同士の交流の促進を図り、不安を解消する機会を提供するため、互いに養育の悩みなどを話し合う里親サロンを定期的に開催しております。
 また、各児童相談所において、一定の経験を積んだ里親が、養育家庭支援員として養育家庭からの相談に応じるなど、里親同士が交流しながら安心して子供を養育できるよう支援しております。

○森澤委員 まだまだ身近な地域に里親仲間がいない中、また、コロナ禍で、オンラインで里親交流会を行うような民間団体もあります。気が合う里親さん同士がつながり支え合えるよう、引き続き取り組んでいただきたいと思います。
 里親委託が進まない理由の一つに、里親に子供をとられてしまうといった感情を抱き、実親の承諾が得られないということもあると伺います。養育里親であれば、実親にかわって一定期間養育する、いわば子育てをサポートする立場ともいえます。
 実親に対し、養育里親の理解を深めるための説明を丁寧に行い、子供が育つ上での最善の環境につながるよう取り組んでいくべきと考えますが、見解を伺います。

○西尾子供・子育て施策推進担当部長 都は、要保護児童を措置する際には、家庭養育優先の原則に基づき、まずは里親等への委託を検討しております。
 養育家庭への委託に実親が不安を抱いた際には、児童福祉司が面接等を通じまして、家庭的な環境が児童の成長を促すこと、そのため養育家庭が望ましいことなどを、先ほど申し上げたリーフレットも活用しながら丁寧に説明をしております。

○森澤委員 子供の健康、成長のために必要であり、一緒に子育てをしていく仲間だというような理解を促していくことがとても大事だと思います。引き続き、丁寧にわかりやすく取り組んでいただきたいと思います。
 また、子供たちへのフォローも重要です。里親委託中の子供について、カウンセリングやメンタルサポート、里親へのフォローを行うことで、よりスムーズに養育家庭になじむよう取り組むことも必要であり、地域において関係機関が連携した支援を行うことが必要だと考えますが、見解を伺います。

○西尾子供・子育て施策推進担当部長 都では、平成三十年度から児童相談所が中心となり、民間団体や児童養護施設などの関係機関と定期的に里親子に関する情報交換を行い、それぞれの役割に応じた専門的な支援を行いますチーム養育の体制を整えております。
 この体制のもと、施設の里親支援専門相談員が里親家庭を定期的に訪問するとともに、里親支援機関が里親のカウンセリングを行うなど、里親子が地域で孤立しないよう支援を行っております。
 また、児童相談所の児童福祉司が、個々の児童の状況を把握し自立支援計画を作成するとともに、児童心理司が必要に応じて里子のケアを行うなど、きめ細かく支援を行っております。

○森澤委員 フォスタリング機関のモデル実施がスタートし、里親子への支援も少しずつ充実させてきているものと認識します。
 一方で、地域や学校、保育園、幼稚園なども含め、社会全体の里親制度についての理解により、社会全体が里親子を温かく見守り、時にサポートするような雰囲気をつくっていくことも重要だと思います。
 引き続き、社会が正しく理解することについての啓発についても強化いただきたいと思います。
 次に、新生児委託推進事業について伺います。
 新生児委託推進事業については、今年度実施する乳児院を多摩地域に一カ所ふやしましたが、開始の状況についてお伺いいたします。

○西尾子供・子育て施策推進担当部長 都は平成二十九年度から、乳児院と児童相談所に専任の職員を配置し、養子縁組が最善と判断した場合には、できる限り新生児のうちに委託につなげる新生児委託推進事業をモデル事業として開始をいたしました。
 今年度からは、事業を実施する乳児院を多摩地域にも一カ所確保し、合計二カ所の乳児院で本格実施しておりまして、十一月までに七名の乳児を里親に委託しております。

○森澤委員 引き続き、できるだけ多くの子供が早期に委託されるよう取り組んでいただきたいと思います。
 また、実親が妊娠期から、出産後に実子を養子縁組里親に委託したいと考えている場合は、妊娠期からの委託に向けた取り組みを開始することができる愛知方式について、改めて里親支援をされている方などからも最適な方法であるとお伺いしたこともあり、一度は検討されたことだと認識していますが、改めて愛知方式での取り組みの検討を要望して、次の質問に移ります。
 先日の一般質問で、斉藤れいな都議からも取り上げた就労時の保証人の問題についてです。
 厚生労働省の委託を受けて民間団体が行ったアンケートによると、新型コロナの感染が流行していた都市部においては、お金や暮らしのことで困ったという人が七割弱にも上り、失業や借金などの困難を抱えている実情が明らかになっています。
 特に若年女性やDV被害者、また児童養護施設退所者など、就労を望んでいるけれども保証人を立てることが難しく、望むような職場と出会うことができない方々がいることは解決すべき課題といえます。
 企業等から保証人の提示を求められた場合、都では自立援助促進事業補助において、児童養護施設退所者などについて、施設長等が就職時等の保証人になることに対して支援しているということですが、その内容と実績について伺います。

○西尾子供・子育て施策推進担当部長 都は、児童養護施設を退所する児童などが、就職や進学、アパートなどへの入居の際、施設長等が保証人となり、損害賠償や債務弁済の義務が生じた場合、一定額を支援いたします東京都自立援助促進事業を実施しております。
 本事業の対象となる被保証人は、児童養護施設を退所する児童のほか、里親に委託されている児童、母子生活支援施設、婦人保護施設に入所している女性などとなっており、対象となる保証人は、入所している施設の施設長や里親などでございます。
 令和元年度、本事業を活用し施設長等が保証人となった実績は、就職の身元保証が二十八件、進学の身元保証が四件、アパート入居の連帯保証が十一件の計四十三件でございます。

○森澤委員 施設と折り合いが悪く退所し、施設長などに頼めない場合、退所から時間がたってしまった場合はどうするのか。また、困難を抱える若年女性やDV被害者について、現在民間支援団体が、善意で、個人的に保証人になるなどしている現状があります。ぜひそういった現状も把握し、民間支援団体へと対象を広げるなどの検討をしていただくことを強く要望いたします。
 次に、ひとり親家庭支援センター「はあと」について伺います。
 コロナにより在宅することがふえ、離婚を検討している夫婦がふえているといった指摘があります。また、経済的困難を抱えるひとり親家庭もふえています。
 そういったコロナ禍における社会情勢に対応するためにも、「はあと」における離婚前後の法律相談などは、オンラインでの相談を行うべきと考えますが、見解を伺います。

○高野少子社会対策部長 都は、ひとり親家庭支援センター「はあと」におきまして、生活相談や就業相談、離婚前後の法律相談などの専門的な相談を実施しております。
 こうした相談につきましては、現在、電話や来所、メールにより対応しておりますが、オンラインによる相談につきましても、実施に向けて準備を進めております。

○森澤委員 感染が拡大している中で、早期のオンライン相談開始を求めます。
 また、ひとり親家庭支援センターの存在や、民間団体が行っている面会交流支援などのさまざまな支援について、まだまだ知られていないという現状があります。
 広報を工夫し、周知拡大に努めるべきだと考えますが、見解を伺います。

○高野少子社会対策部長 都は、ひとり親家庭支援センターを広く利用していただくため、福祉事務所や子供家庭支援センター、ハローワーク、民間の関係団体等でリーフレットを配布しております。
 また、ひとり親家庭支援センターでは、相談者の状況に応じまして、民間団体が実施しているさまざまな支援についても紹介しているところでございます。
 さらに、今年度は、ひとり親家庭支援センターを初めとする行政の相談機関や、民間団体が行っている支援の取り組みなど、ひとり親家庭にとって役立つ情報をまとめたポータルサイトを新たに開設することとしております。

○森澤委員 民間支援も含めて、ポータルサイトに掲載するということでした。
 当事者がそういった情報を検索する際は、必ずしもひとり親ということではなく、離婚相談、養育費、面会交流、離婚、子育て、東京など、さまざまなワードで検索されると思います。
 サイト開設時には、こういった想定される検索ワードでサイトが上位に表示されるよう取り組んでいただきたいと思います。そうすることで、都の支援や民間関係団体の取り組みを知ってもらい、適切な支援につながるよう進めていただきたいと思います。
 次に、介護予防における区市町村への支援について伺います。
 高齢化は今後さらに進展する一方、財政状況は厳しさを増していく中、社会保障費の増大を抑え、もとより、高齢者が健康で地域の中で暮らし続けるため、高齢者の自立支援、重度化防止を推進することが求められています。
 特に介護予防においては、都民一人一人が予防に取り組むとともに、社会とのつながりを保ち続けることができる地域づくりが非常に大切であり、区市町村が実情に応じて創意工夫をして進めていくことが重要です。
 一方で、厚生労働省の審議会が取りまとめた意見では、区市町村が高齢者の自立支援、重度化防止に取り組むべきであるが、取り組み状況にばらつきが見られ、機能強化が課題であるとも指摘しています。
 そういった中で、都は、都内区市町村の介護予防の取り組みを推進するため、区市町村をどのように支援しているのかお伺いいたします。

○村田高齢社会対策部長 お話のとおり、介護予防を推進するには、予防につながる活動等を促す地域づくりが重要でありまして、高齢者等が集い交流しながら、興味や関心、健康状態等に応じて参加できる多様な通いの場を身近にふやすことが必要でございます。
 都は、こうした住民主体の通いの場の拡大や、活動の効果向上を担う専門職である介護予防・フレイル予防推進員を配置する区市町村を支援しております。
 また、今年度から、東京都健康長寿医療センターに介護予防・フレイル予防推進支援センターを設置し、地域における多様な通いの場づくりに取り組む区市町村職員等を対象に、人材育成や相談支援など専門的知見を生かした支援を行っております。

○森澤委員 区市町村において、何が効果的なのかわからないという声が聞こえていく中で、活動の効果向上を狙う専門職である介護予防・フレイル予防推進員の存在は重要だと考えます。
 その介護予防・フレイル予防推進員の活用状況と、都は区市町村における効果的な活用を促すため、具体的にどのような支援を行っているのかお伺いいたします。

○村田高齢社会対策部長 介護予防・フレイル予防推進員は、現在、二十五区市町に三十九人が配置されております。
 都は、推進員が地域において効果的に取り組みを進められるよう、実践的な研修を行っておりまして、社会参加の促進や低栄養の予防等、フレイル予防の観点を踏まえたプログラムを普及するノウハウを提供しております。
 また、介護予防・フレイル予防推進支援センターが行う相談支援において、推進員を初めとした区市町村の介護予防担当職員に対し、通いの場に関する取り組みの評価について専門的な見地から助言を行うなど支援をしております。

○森澤委員 通いの場の取り組みの強化を着実に行うことで、有効な取り組みが推進されることを期待したいと思います。
 コロナ禍においては外出を控える高齢者も多く、心身の衰えが懸念されます。また、今また感染が拡大し、事態の長期化が見込まれる中、再び通いの場が中断されることはできるだけ避ける必要があると考えます。
 そこで、コロナ禍において、地域における介護予防の取り組みが継続されるよう、都はどのように取り組んでいるのか伺います。

○村田高齢社会対策部長 今年度、都が実施した調査によりますと、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う外出自粛により、高齢者の心身機能低下や他者との交流機会の減少が確認されております。
 都は、高齢者が感染リスクに注意しながら、適度な運動や人との交流を行うなど、健康な生活習慣の維持を啓発するリーフレットを作成し配布を進めております。
 また、健康長寿医療センターが作成した地域の通いの場へ参加する際の留意点や、活動場所における感染症対策についてまとめたチェックリストを、介護予防・フレイル予防推進支援センターを通じ区市町村や都民に周知するなど、住民主体の介護予防活動の継続を支援しております。

○森澤委員 できるだけ感染防止がしっかりとされている中で活動を維持し、心身の機能低下を防ぐことは非常に重要です。対面が望ましいものではありますが、感染拡大自体の長期化が見込まれる中、オンラインで活動が継続できるような取り組みも早期に進めていただきたいと要望します。
 次に、就労継続支援B型事業所について伺います。
 企業の切り出した業務を就労継続支援事業所につなぐ取り組みを行っている民間企業にお話を伺いました。就労継続支援事業所の職員は福祉の専門家なので、企業から仕事をとってくる、つまり営業が得意ではないため、ビジネス分野の専門家が間に入ることで、障害者の特性や能力を生かした付加価値の高い仕事を受注することができ、それにより大幅に工賃も上がるというお話がありました。
 区市町村ネットワークによる共同受注体制の構築とその活用は重要だと考えます。
 その中には福祉的な視点だけでなく、ビジネスとしての視点も持ち、実際に企業に働きかけられるよう、共同受注窓口の運営や区市町村ネットワークの機能強化も必要だと考えますが、現在の取り組みについて伺います。

○藤井障害者施策推進部長 都は、共同受注窓口の運営を委託しており、区市町村ネットワークに対し、将来的に、みずから効果的な営業が行えるよう支援しております。
 共同受注窓口の運営については、企業、学識経験者、区市町村ネットワーク代表者などを委員とする全体会議を年二回開催しており、福祉的視点だけでなく、経営的な視点から意見を聞いた上で事業を実施しております。
 また、全体会議のもとにワーキンググループを設置しており、今年度は、業務を実際に発注した企業代表者を講師に招き、発注者側が求めるニーズや作業基準を学ぶことにより、ネットワークの機能強化を図っております。

○森澤委員 共同受注窓口で経営的視点を持って、区市町村のネットワークを強化していることはわかりました。
 では、同じく就労継続支援B型事業所工賃向上を目指すために、自主製品の魅力発信をしていくKURUMIRUの取り組みについて伺います。
 地元品川区のあるB型事業所では、KURUMIRUで販売される製品を製作しています。売れる商品をつくるため、KURUMIRUの高い出品基準をクリアしようと、さまざまな努力、工夫をされているということでした。
 では、それが売り上げの向上、ひいては工賃向上につながっているのかということを見ていく必要があります。
 そこで、KURUMIRUの令和元年度の売り上げと、売り上げた商品単価の実績、三店舗の運営が始まった平成二十九年度からの伸び率について伺います。

○藤井障害者施策推進部長 KURUMIRU三店舗合計の令和元年度の売上額は約三千万円、売上商品平均単価は六百九十一円となっております。
 平成二十九年度と比較しますと、平成二十九年度の売上額は約二千九百万円、令和元年度の約三千万円と比べますと、伸び率は約五%増となっております。
 また、売上商品平均単価につきましては、平成二十九年度が六百四十二円に対しまして、令和元年度は六百九十一円となっており、伸び率は約八%の増となっております。

○森澤委員 売り上げや売上商品平均単価は、わずかにふえているということはわかりました。KURUMIRUで商品が並ぶこと自体が、その事業者や障害者の誇りにつながるといった定性的な部分は評価します。
 一方で、令和二年度予算ベースで一億七千万円の事業であり、工賃向上の推進を主たる目的とする事業であることから、定量的な成果、売り上げ、さらには工賃向上にどれだけ寄与したのかもこだわっていく必要があると考えます。一つの考え方として、成果連動型の委託契約とすることなども検討いただきたいと思います。
 冒頭紹介した企業では、ある事業所の平均工賃について、三カ月間で、月一万二千円から月五万四千円へと四・五倍にアップさせた事例があるということでした。これは、その時々に高単価な仕事を受注すること、それを得意とする障害者に適切にマッチングしていくことを積み重ねた結果だということです。こういった取り組みからも学び、都内事業者の工賃向上に本気で取り組んでいただきたいと強く要望します。
 また、新型コロナウイルス感染症の影響により、障害者の解雇や雇いどめが進んでいるとの報道がありますが、その要因として、リモートワークにふなれだったり、オンラインでのケアをする仕組みが浸透していないことが挙げられます。
 この話を一般就労のことだと無視してはいけません。二〇二〇実行プランによれば、福祉施設から一般就労への移行者数を、二〇一六年の一・五倍とする目標が掲げられており、福祉的就労の現場においても、リモートワークの可能な環境づくりや支援のあり方を構築していかなければならないということです。
 リモートワーク、テレワークはこれまでやったことがない、できないだろうと決めつけずに、障害のある方々の可能性を信じ、挑戦していける環境を整えていただきたいと強く要望します。
 次に、自殺対策について伺います。
 警察庁発表の自殺者数は、男性は前年比二一・三%増の千三百二人、女性が八二・六%増の八百五十一人で、七月以降は四カ月連続で増加しているということです。
 さまざまな要因を背景としてそのような行動に至ってしまったことは大変残念であるとともに、どうにかしてその手前でつながることはできなかったのかと悔しさが募るものです。
 そのような意味から、相談につなげる、つながるために全力を尽くさなくてはなりません。都は、相談窓口の回線をふやしたり、検索連動型の広告を打つなどして対応しているとのことですが、思い詰めている状況にあっては、みずから相談に向かうことのできない人たちも多いと思います。
 そのような方々に対して情報を届け、相談へとつなげていくアウトリーチ型の取り組みが必要だと考えますが、見解を伺います。

○成田保健政策部長新型コロナウイルス感染症保健政策担当部長兼務 都は、自殺の背景となる多重債務、失業、いじめ、過労、健康問題、家庭問題への相談に的確に対応するため、相談窓口の一覧を掲載したリーフレットを区市町村や相談業務を実施する関係団体、都の関係部署に配布するなど、関係機関等が幅広く連携し、悩みを抱える人に対する相談を実施しております。
 また、区市町村や民間団体では、自殺に関連するキーワードを検索した方に対しまして相談を促す広告を掲載し、相談に誘導するなどの相談事業が実施されており、都は、こうした地域の実情に応じて実施される取り組みを支援しております。
 引き続き、区市町村連絡会等でこうした取り組み事例を紹介しながら、区市町村や民間団体の取り組みを支援してまいります。

○森澤委員 自殺に至るには四つ以上の要因が重なっているといわれており、そのいずれかの場面で接点を持つことができれば、自殺に至らずに済む可能性もあると考えられます。
 今回、相談対応の質向上に役立てるためのアンケート調査を行ったとのことですが、解決に至らなかったような回答が一定数見られます。
 相談につながったのにもかかわらず、そのような回答に至ってしまった要因をしっかり分析し、今後の改善につなげるべきと考えますが、見解を伺います。

○成田保健政策部長新型コロナウイルス感染症保健政策担当部長兼務 都は、SNS相談の質の向上を図るため、本年六月から、利用者の相談理由や心の変化等を相談直後に尋ねるアンケートシステムを導入いたしました。
 本年六月のアンケート調査結果では、ご自身の気持ちを受けとめてもらえたと感じましたかとの質問に対して、そう思う、ややそう思うの合計が約六七%である一方、そう思わないが約八%、わからない、回答しないの合計が約二五%でございました。
 引き続き、相談者へのアンケートを実施いたしますとともに、回答の分析を進め、実際の対応事例をもとに研修や事例検討に活用するなど、相談の質の向上を図ってまいります。

○森澤委員 相談の質の向上を図っていくというご答弁でした。命を守る最後のとりでとしての立場や責任を果たしていただくためにも、医療、福祉、就労などのさまざまな主体が連携をして、チームで取り組むことが非常に重要です。
 また、相談員の方々のメンタル不調を引き起こしてしまう可能性にも十分留意し、引き続き最善を尽くしていただくようお願い申し上げます。
 次に、東京のセーフシティーを進めるに当たり、都内の再犯率は五割ということであり、再犯防止は喫緊の課題です。その背景には、貧困や孤独、障害や病気があるとのことで、出所後に適切な福祉や支援につながらず孤立してしまうことが挙げられます。
 都では、再犯防止推進計画を策定しましたが、その中で福祉保健局が担う役割は非常に大きいと考えています。
 まずは、依存症対策について伺います。
 依存症については、本人が依存症と認めないことで、なかなか適切な支援につながらないことが課題であり、周囲の正しい理解に基づく働きかけが非常に重要です。
 著名人による薬物依存症やアルコール依存症が原因と見られる事件などもたびたび報道される中、依存症について、都民の正しい理解をより一層促すべく、窓口の周知も含めた情報発信などに努めるべきと考えますが、見解を伺います。

○石黒障害者医療担当部長 都は、都内三カ所の精神保健福祉センターを依存症相談拠点と位置づけ、アルコールや薬物等の依存症に関する専門相談を行うとともに、患者本人に対する認知行動療法の技法を取り入れた回復プログラムや、本人への適切な対応方法等を学ぶ家族教室等を実施しております。
 また、都民が依存症に関する正しい知識を身につけていただけるようホームページやリーフレットによる情報発信や、アルコール、薬物、ギャンブル等の依存症治療の専門家による講演等を内容とする依存症対策フォーラムを開催するなどの普及啓発を実施しております。

○森澤委員 薬物使用で一度逮捕された後に、現在は依存症から回復し啓発に取り組む方からお話を伺いました。その方は家族の支えが大きかったというお話とともに、適切な医療にたまたまつながることができたことが、現在の生活につながっているということです。
 一方で、そうした支えやつながりが持てない方も多く、犯罪を繰り返してしまうのが現状だと警鐘を鳴らしています。
 そのような意味から、多様な主体が手を携えて、広く網を張って取り組むことが重要だと考えます。
 そこで、地域の関係機関と連携し、再犯防止の観点からも、依存症もしくは依存症と見られる方への支援にもつなげるべきと考えますが、見解を伺います。

○石黒障害者医療担当部長 都はこれまで、精神保健福祉センターにおいて、精神保健福祉に携わる行政機関や相談機関などの地域の関係機関の支援技術の向上を図るための研修を実施しております。
 また、今年度からは、地域の関係機関との連携強化のための会議を三カ所の精神保健福祉センターで実施することとしておりまして、保護観察所や依存症の治療を行う医療機関等の地域の関係機関と連携し、依存症対策に取り組んでまいります。

○森澤委員 地域の関係機関との連携強化のための会議をことしから始められたということでした。そういった中で、ぜひ自助グループなど民間団体との情報交換などにも取り組んでいただきたいと思います。
 次に、地域生活定着支援センターについて伺います。
 先ほど述べた依存症については、支えとなる存在や適切な医療とつながることが重要ですが、高齢者や障害者にとっては、住居や就労も含めた適切な福祉、支援につながり、生活を立て直すことが重要です。
 そのような意味から、都は、地域生活定着支援センターにおいて、どのように取り組んでいるのか見解を伺います。

○坂本生活福祉部長 東京都地域生活定着支援センターでは、身寄りがなく、矯正施設退所後、福祉的な支援を必要とする高齢者、障害者を対象といたしまして、矯正施設入所中から面接を実施し、心身の状況等を把握するとともに、区市町村などと連携し、グループホームや更生保護施設などの退所後の生活の場の調整や、矯正施設退所後についても継続相談を実施するなど、地域での生活の安定が図れるよう支援を行っているところでございます。
 今後とも、矯正施設や東京保護観察所、区市町村などの関係機関とも連携いたしまして、矯正施設退所者の地域生活の定着の支援をしてまいります。

○森澤委員 センターが関係機関と連携し取り組んでいることがわかりましたが、地域生活の定着のためには、受け入れ施設の広がりも重要です。
 受け入れた施設側の好事例を共有することで、受け入れに取り組む福祉事業者に広がりが出てくると考えますが、見解を伺います。

○坂本生活福祉部長 福祉的な支援が必要な矯正施設退所者の地域生活に向けた円滑な調整や支援を行うためには、地域社会での支援対象者への理解を促進することが重要でございます。
 このため、都は毎年、区市町村養護老人ホームや障害者グループホームなど、福祉関係施設の事業者、更生保護施設などの関係機関と東京都地域生活定着支援センターとの連絡会を開催いたしまして、同センターの事業概要でございますとか運営状況、支援事例について、説明や意見交換を実施しているところでございます。
 また、同センターでは、利用者の状況に応じた受け入れ施設の開拓に向け、区市町村や地域包括支援センターなどの協力を得まして取り組みを進めております。令和二年度は六十八人の家庭の支援を開始しているところでございます。

○森澤委員 引き続き、受け入れ施設の拡大に取り組んでいただきたいと思います。
 一方で、支援の前段階において、それを本人が拒否してしまうこともあると聞いています。
 センターで支援を受けることの意義、受けたことでうまく社会復帰をした事例などを共有し、本人にできるだけわかりやすく理解してもらえるよう、法務省との連携を強化すべきと考えますが、見解を伺います。

○坂本生活福祉部長 都では毎年、法務省関係でございますが、東京保護観察所でございますとか、矯正施設、更生保護法人などの関係機関で構成いたします特別調整協議会に、東京都地域生活定着支援センターとともに参加いたしまして、矯正施設入所者などに対する福祉的支援の現状などについて、各機関と協議を行っているところでございます。
 また、法務省と厚生労働省が主催いたしまして、東京矯正管区の職員や保護観察所の特別調整官、関東甲信越などの十一都県の地域生活定着支援センター職員などが参加いたします刑務所出所者等に対する福祉支援に係る事例研究会にも参加いたしまして、具体的な事例研究や各地域の取り組みなどについて、情報共有や意見交換を実施しているところでございます。
 引き続き、こうした取り組みなどを通じまして、保護所関係の機関との連携を深めまして、利用者支援に取り組んでまいります。

○森澤委員 支援を拒否してしまう方の中には、行政に対する不信感がある方や、認知症、知的障害、発達障害の方もいることを念頭に、取り組んでいただきたいと思います。
 先日、民間企業が発行する出所者専門の求人誌を読ませていただきましたが、漢字には全てルビを振り、仕事の内容は写真で示すなど、イメージが湧きやすいように工夫されていました。ぜひ、彼ら、彼女と同じ目線で取り組んでいただきたいと申し述べておきます。
 最後に、宿泊施設における性的マイノリティーへの対応について質問します。
 国の旅館業法では、宿泊者名簿の記載項目は、氏名、住所、職業とされていますが、都では、旅館業法施行細則において、性別、前泊地なども定めているということです。
 性的マイノリティーの方の中には、性別記入に強い抵抗感や苦痛を感じる方もおり、宿泊者名簿からの性別記入を削除してほしいという声が上がっています。
 一方で、宿泊施設側からは、性別記入は旅館業法施行細則に定められていることから、記載を求めないと法律違反になるとの解釈から、対応が難しいとの声が聞こえています。
 千葉県など性別の記載を求めていない自治体もあり、世田谷区では、区が定める旅館業法施行細則における宿泊者名簿の性別記載を本年度中に削除する方向で調整するとしています。
 そこで、都においても、旅館業法施行細則における性別記載について配慮をすべきと考えますが、見解を伺います。

○高橋健康安全部長 宿泊者名簿は、感染症や食中毒、災害等事故発生時の調査のために備えることとなっております。
 そのため、旅館業法で定められている宿泊者の氏名、住所及び職業のほか、都では、同法施行細則において、性別、年齢、前泊地、行き先地、到着日時、出発日時及び宿泊する部屋の名前である室名の記載を求めております。
 宿泊者名簿の記載方法は、各施設において決めており、性別の記載の仕方についても、施設において配慮することは可能でございます。

○森澤委員 宿泊施設において、男女のみならずその他の欄を設けるなどの配慮が可能だということはわかりました。人権条例の趣旨も踏まえ、性別記載についての配慮が可能な旨を、ぜひ宿泊施設にもお伝えいただくとともに、施行細則からの性別記載の削除について、今後検討いただくようお願いいたします。
 今、現行の制度や仕組みには当てはまらないような課題があふれ返っています。社会的に弱い立場にある人たちの暮らしがさらに厳しさを増して、目に見える形で課題として明らかになっています。制度上は正しくやっている、自分の担当する範疇ではないという物の見方、制度から社会を見るのではなく、社会から制度を見る、どうしたらその人を救えるのだろうかという視点をぜひ持っていただきたいと考えます。
 コロナ禍で出てきた課題は、今後の都民生活を向上させていくためのヒントでもあると考えます。
 最後に、社会的に弱い立場にある人たちのために、さまざまな独自施策を打ち出している兵庫県明石市の泉市長の言葉を紹介します。
 目の前で溺れている人がいたら助ける、国に助けていいですかと聞く必要はない、浮き輪がなかったら、あるもので助けるしかない、市民の声を聞いてそれを形にしていくとのことです。もちろん、市長と都の立場や状況は違います。
 ただ、都民と同じ目線で、小さな声を聞き逃すことなく、困っている姿を見逃すことなく、その解決に実直に取り組んでいく、そういった福祉保健局であり、都政であってほしいと心から願い、質問を終わります。ありがとうございました。

○鳥居委員 二つのテーマで質疑させていただきます。一つ目は、がん対策についてです。
 がんによる死亡者数は高齢化を背景に増加し続け、都においては、一九七七年以降より死因の第一位となりました。
 そのような中、多くのがん患者が命をかけて訴え続けた結果、二〇〇六年、国によりがん対策基本法が成立し、がん医療の均てん化の促進などが基本的施策として定められました。
 また、がん対策推進基本計画を策定する厚生労働省がん対策推進協議会の委員には、がん患者及びその家族または遺族を代表する者を加えるとされました。
 都においては、二〇一六年以降、およそ三人に一人ががんで亡くなり、二人に一人が一生のうちにがんと診断されると推計されております。都民の誰もが、がんにかかる可能性があります。
 我々も、がん検診の推進などのがん予防や、がん患者の置かれた年齢、性別、心身の状態に応じた適切な医療、緩和ケアの提供や、がん罹患後も就学、就労及び地域社会での生活ができるよう、がんとの共生等の施策を総合的かつ計画的に推進するよう訴えてきました。
 そのような中、本年当初から続く新型コロナウイルス感染症の蔓延の中で、がん検診やがん治療を含む新型コロナウイルス感染症以外の疾病の予防、治療対策が大きく後退することが懸念されております。改めて現状を把握し、患者の声に耳を傾け、がん対策を進める必要があると認識します。
 まずは、がん検診について伺います。
 年間三十八万人の命を奪うとされるがんも、転移が起こっていない多くのがんにおいて、九〇%近い患者が診断後五年たっても生存しているという結果が示されております。
 現在は、がんになっても克服することができるといわれておりますが、そのためには、自覚症状がないうちから定期的にがん検診を受け、早期発見、早期治療につなげることが大切です。
 まず初めに、がん検診の受診率を向上させる主な取り組みについて伺います。

○成田保健政策部長新型コロナウイルス感染症保健政策担当部長兼務 これまで都は、がん検診の受診率向上のため、啓発イベントやホームページ等を通じて、検診の重要性を都民に周知してまいりました。
 また、検診の実施主体である区市町村に対しまして、受診率向上の手引を配布するとともに、個別勧奨、再勧奨等の取り組みを包括補助で支援しております。
 さらに、企業に対しまして、従業員にがん検診受診を促す取り組みへの支援や職域団体と連携した普及啓発を行っております。
 今年度は、職場での検診の機会がない女性や実際に検診につながっていない女性に効果的にアプローチするため、女性特有の健康問題に関する情報を集約したウエブサイトを作成するとともに、がん検診に理解があり若い女性に影響力のあるインフルエンサーを起用したSNSでの周知を図ってまいります。

○鳥居委員 コロナ禍において、早期発見の切り札であるがん検診の受診率低下が懸念され、既に複数の議員から、健康診断等を受診できる取り組みを構築するよう質疑がなされております。中断されることがあったがん検診や特定健診も、六月以降の実施状況調査では、全ての区市町村で実施または準備がされているとのことです。
 一方、がん検診受診者数は減少していると想定されており、日本対がん協会によると、がん検診受診者は、緊急事態宣言が出た四月の受診者数は前年比約一五%、五月には約八%と低く、受診者が今年度三割程度減ると予測、年間のがん発見数が四千人近く減る可能性があるとしております。この状態が続くと、来年以降、進行がんの割合が増すことにつながります。
 そこで、都における、新型コロナウイルス感染症に際して新たに実施されたがんの予防、がんの早期発見の取り組みについて伺います。

○成田保健政策部長新型コロナウイルス感染症保健政策担当部長兼務 ことし五月二十六日の国の緊急事態宣言解除を受け、都は、区市町村に対しまして、新型コロナウイルス感染症対策を徹底した上で検診を実施し、その受診機会の確保に努めていただくよう通知いたしました。
 六月以降、がん検診の実施状況調査を行い、委員ご指摘のとおり、全ての区市町村で実施または準備がされていることを確認しております。
 今後、実施状況等を把握しながら、さまざまな機会を通じて、区市町村に感染防止を徹底した検診の実施を働きかけていくとともに、引き続き、がん検診の受診の重要性だけでなく、検診会場において感染症対策が実施されていることもSNSなどで発信し、都民がより安心して、がん検診を受診できますよう取り組んでまいります。

○鳥居委員 ありがとうございます。
 先ほど企業に対して、従業員にがん検診を促す取り組みへの支援や、職域団体と連携した普及啓発を実施とのご答弁がございました。
 そこで、職場の検診実施状況と都の取り組みについて伺います。

○成田保健政策部長新型コロナウイルス感染症保健政策担当部長兼務 平成三十年度東京都がん予防・検診等実態調査の結果では、正社員へのがん検診を実施した都内事業所の割合は、胃がん七〇・一%、肺がん六七%、大腸がん六四・三%、乳がん五八・二%、子宮頸がん五四・八%となっております。
 都は、職域でのがん検診を実施する企業をふやすため、東京商工会議所と連携いたしまして、早期発見、早期治療の重要性について経営層に周知いたしますとともに、がん検診を実施しております企業の取り組み状況の紹介などにより検診の実施を促すなど、従業員の健康に配慮した企業の取り組みを支援する職域健康促進サポート事業を実施しております。

○鳥居委員 ありがとうございます。
 本年一月の日経新聞によると、富士通では従業員の健康への意識向上のため、国内グループの従業員約七万人を対象に、がん予防及び治療と仕事の両立支援をテーマとしたがん教育を実施、がんの予防や治療に関する正しい知識の習得を目指すとしております。
 また、本年三月、日経Goodayには、日立システムズが行っている、がんと就労セミナーの記事が掲載されており、企業におけるがん教育として、がんの予防や治療、またがんと就労が注目されております。都としても引き続きの啓発をお願いいたします。
 一方で、がん検診受診率に格差があることにも留意が必要です。本年八月の日経新聞によると、検診受診率は保険の種類によって三倍以上の開きがあることが示され、共済組合の加入者の受診率が最も高く、例えば大腸がん検診については、男性で四八%に対し、健保組合では三八%、協会けんぽでは二七%、区市町村の国保では一九%、生活保護受給者や無保険者らでは一三%と低下しております。また、この傾向は、胃がん、肺がん、乳がん、子宮がんでも見られるとされております。
 また、本年六月、日本癌治療学会の学術誌で、企業規模と肺がん検診受診との関連を分析し、肺がん検診の受診率は、企業規模が小さくなるほど小さくなると報告されました。男性正社員の場合、中規模企業の検診受診率を一とすると、大規模企業は一・三三と高く、逆に小規模企業は〇・八と低いことが示されました。
 受診率の格差をなくすための行政施策や普及啓発を推進するよう、改めて強く要望いたします。
 次に、がん検診受診率及び精密検査受診率の目標値の設定基準及び現在の受診率について伺います。

○成田保健政策部長新型コロナウイルス感染症保健政策担当部長兼務 がん検診受診率につきましては、国が平成十九年六月、第一期がん対策推進基本計画におきまして、目標値五〇%を設定したことを受け、都でも平成二十年三月に策定した東京都がん対策推進計画において、受診率五〇%の目標値を設定いたしました。
 都では、受診率の進捗管理を行うための調査を五年に一度実施しておりまして、直近の平成二十七年度は、胃がん三九・八%、肺がん三七・二%、大腸がん四一・九%、子宮頸がん三九・八%、乳がん三九%となっております。
 また、精密検査受診率につきましては、国が平成二十九年十月、第三期がん対策推進基本計画におきまして、目標値九〇%を設定したことを受け、都でも、平成三十年三月に改定した東京都がん対策推進計画におきまして、精密検査受診率九〇%の目標値を設定いたしました。
 直近の精密検査受診率である平成二十九年度は、胃がんエックス線七三・一%、胃内視鏡九三・九%、肺がん七一・五%、大腸がん五六・一%、子宮頸がん六七・六%、乳がん八五%となっております。

○鳥居委員 ありがとうございます。
 早期発見、早期治療を目的として行われるがん検診ですが、直近の調べでは上昇傾向にあるとは認識しておりますが、目標の五〇%には届いておりません。
 平成二十年度の厚生労働省の調べでは、諸外国での大腸がん検診受診率は、フランス五〇%、イギリス六〇%、フィンランド七三%に上ります。
 また、平成二十六年度の報告では、同じアジア圏の韓国でも大腸がん検診受診率は六〇・一%に上がることから、日本のがん検診受診率は国際的に見ても低い水準にあるといわれております。
 がん検診を受けるメリットが高いと考えられる対象年齢者には、がん検診のお知らせが届く仕組みがつくられている中で、がん検診受診率は国際的に見ても低い水準であることを熟慮し、今後の対策を進めることが急務であることを強く申し述べておきます。
 次に、ウイルスや細菌の感染に起因するがんについて伺います。
 日本人のがんの発症において、ウイルスや細菌の感染は、男性では喫煙に次いで二番目、女性では最も大きな要因になっております。
 胃がんと関連するヘリコバクター・ピロリ菌、子宮頸がんと関連するヒトパピローマウイルス、成人T細胞白血病と関連するヒトT細胞白血病ウイルス1型、肝がんと関連するB型、C型ウイルスがあります。
 最近ではC型肝炎の治療が進展し、患者支援が充実されてきた一方、現在もなお、肝炎ウイルスに感染していながらそれを自覚していない方や、自覚していても適切な医療に結びついていない方も多いと推定されております。
 そこで、ウイルスや細菌の感染に関する正しい知識を普及させることが、がん予防には重要ですが、都での取り組みについてお聞きします。

○成田保健政策部長新型コロナウイルス感染症保健政策担当部長兼務 ウイルスや細菌の感染からがんへ進行することを防ぐために、感染経路について正しく理解することは、偏見、差別を防ぐ上でも重要でございます。
 お話の肝炎ウイルスにつきましては、都は東京都肝炎対策指針を定め、予防、啓発、肝炎ウイルス検査実施体制の整備等に取り組んでおります。
 肝がんの予防のためには、肝炎の早期発見や感染した場合の早期治療が重要でございまして、今まで肝炎ウイルス検査を受けていない都民に対して、広報紙やホームページなどを通じ検査を促すとともに、検査での陽性者に対する受診勧奨や治療継続等を推進するための取り組みを実施しております。
 今後とも、区市町村、企業、関係団体などと連携しながら、感染症に起因するがんの予防に関する正しい知識と早期発見の普及啓発に努めてまいります。

○鳥居委員 本年十月の日経新聞にも、日本人のがんの発症原因の約二割と高い割合を占めるウイルス、細菌の感染症がんに対し、欧米では、がんの病因のうち五%程度が感染症とされています。
 肝炎ウイルスの予防が進んだ結果、肝臓がんによる死亡率は十年で半分近くに減ったように、日本の感染症がんの多くは減少に向かう途中であると認識しますが、しかし、ヒトパピローマウイルスの感染が発がん原因のほぼ一〇〇%を占める子宮頸がんの死亡率が上昇しているのも大きな問題と認識されております。
 スウェーデンのカロリンスカ研究所は、本年十月、十歳から三十歳の女性が子宮頸がんワクチンを接種すると、子宮頸がんの発症リスクが六三%減るとの研究結果を世界トップクラスの米医学雑誌に発表しております。約百六十七万人の女性について、接種の有無で発症リスクが異なるかを調べ、十歳から十六歳に限ると発症リスクは八八%減ったことが示されました。
 また、本年七月には、米製薬大手メルクの日本法人が、子宮頸がんの予防につながる新型ワクチンについて厚生労働省から製造販売が承認されております。
 一方で、厚生労働省による、二〇一八年、約三千人を対象に子宮頸がんワクチンの理解度を調査したところ、ワクチンの意義や効果を知らない、聞いたこともないと答えた人が約三四%に上がったとしております。
 接種率向上には、保護者を初め、国民全体の正しい理解が不可欠と認識します。引き続き、ウイルスや細菌の感染に起因するがんについての正しい知識と早期発見の普及啓発に努めていただくようお願いいたします。
 次に、AYA世代のがんについて、私からは一言申し上げ、問題意識を共有させていただきたいと思います。
 本年十月、国立がん研究センターと国立成育医療研究センターの集計によると、十五歳から三十九歳までのAYA世代と呼ばれる層では、女性のがん患者が非常に多く、特に二十歳以降は約八割の患者が女性です。子宮頸がんや乳がんが若い世代に多いためとされております。
 現在、日本では年間一万人以上の女性が子宮頸がんを発症し、約二千八百人が亡くなられております。患者は二十代後半から急増し、ピークは三十から四十歳代と、妊娠、出産を希望する年代の女性に多いのも特徴です。
 AYA世代のがんについては、近年、ライフステージに応じたがん対策の推進が注目される中で、これまで我が会派からも、AYA世代のがん患者に対し多くの場面で支援を要望し、多様なニーズに応じた相談支援体制、環境整備などの必要性が明らかとなりました。
 特に妊孕性温存については、我が会派の桐山ひとみ都議による質疑を介して、都の対策が一層進められてきたと認識します。引き続き、AYA世代のがんに対する施策を進めていただくことを要望いたします。
 次に、仕事と治療の両立支援についてです。
 我々は、専門の医師を初め、日本対がん協会の垣添会長、また、がん対策推進協議会の委員経験者で、がん患者支援団体の方々との面談を重ねてきました。患者の就労を支援するCSRプロジェクトを進められている桜井なおみさんもその一人です。がんでも働きやすい社会を目指し、患者の雇用機会の創出や相談事業に取り組まれ、非常に共感を得ました。
 まずは、東京都におけるがん患者の就労継続状況について伺います。

○鈴木医療政策担当部長 都は、平成三十年度に、都内がん診療連携拠点病院等で治療を受けているがん患者等に対し、就労等に関する実態調査を実施いたしました。
 この調査結果によりますと、がんの罹患がわかった時点で働いていた人のうち、その後も就労を継続していると回答された方の割合は、有給休暇の範囲で休み仕事を継続したという方が三六%、病気に伴う長期休業をしながらも、復職、継続したという方が三三%、現在休職中だが復職予定であるという方が一一%でございました。

○鳥居委員 ありがとうございます。
 ご答弁いただいたとおり、平成三十年度の都の調べによると、六九%から八〇%のがん患者が、仕事の継続、復職または復職予定ということを理解しました。
 では次に、治療と仕事の両立を希望される患者を支援するために、どのように取り組まれているのかを伺います。

○鈴木医療政策担当部長 がん患者が治療と仕事を両立するためには、働きやすい職場環境づくりや、自宅や職場の近くなど希望する場所で治療が受けやすい環境の整備が必要でございます。
 都はこれまで、がん治療の基礎知識等をまとめた企業向けハンドブックや社員研修用のDVDを作成し配布するなど、治療と仕事の両立に向けた取り組みの推進を企業に働きかけてまいりました。
 また、平成三十一年度からは、働きながら治療を受けやすい医療提供体制の構築等に向け、平日の夜間や土日に外来薬物療法を行うモデル事業を実施してございます。

○鳥居委員 働く世代ががんにかかったとき、仕事をどうするかは大きな問題として知られております。治療のための入院日数が少なくなるよう、外来で通院しながら治療をするケースがふえてきていると認識いたします。
 治療と仕事の両立がうまくできれば、患者は社会とのつながりを感じられ、働きがいや生きがいを得られます。そのためには、職場におけるがん患者への理解が欠かせないと考えます。引き続きの支援をお願いいたします。
 次に、二つ目のテーマであります重複多剤服薬管理指導事業の促進について質疑いたします。
 必要以上の薬や不要な薬を服薬することは、副作用や薬事有害事象の発症をもたらし、患者の健康リスクやQOLの低下につながる可能性があります。
 また、重複多剤服薬は、平成二十九年度の調べでは、国民医療費の一八・一%と約二割を占め、調剤医療費の増大につながり、全国的に大きな問題となっております。
 高齢になると複数の持病を持つ人がふえてきます。そして、病気の数だけ処方される薬も多くなります。七十歳以上の高齢者では、六つ以上の薬を使っていることも珍しくないといわれております。
 都においては、高齢化が進み、また、二〇二五年には団塊の世代全体が七十五歳以上になる年です。団塊の世代は第一次ベビーブーム世代とも呼ばれ、二〇一五年の国勢調査によると約六百三十八万人とされ、突出して人口の多いこの世代の高齢化が進むため、医療や介護サービスの需要が急増し、費用も大幅に膨らむと懸念されております。
 そのため、薬をとり過ぎることにより副作用など有害事象を起こすこと、すなわち、ポリファーマシーの抑制による都民、国民の健康やQOLを守ること及び重複多剤服薬による国民医療費を抑制することは重要な取り組みであると認識します。
 第三期東京都医療費適正化計画によると、同一月に三医療機関以上から同一成分の薬剤の投与を受けた東京都における国民健康保険、国保等の患者の割合は、平成二十五年十月において〇・一一七%で全国ワースト三位、同一月に十五剤以上の薬剤の投与を受けた患者の割合は三・二%と報告され、都や区市町村が保険者となっている国保の分野で、この課題の取り組みを進められてきたと認識します。
 そこで、令和元年度までの東京都及び区市町村の重複多剤服薬に関する取り組み状況についてお伺いします。

○池上地域保健担当部長新型コロナウイルス感染症対策連絡調整担当部長兼務 区市町村では、重複多剤服薬者をレセプトデータから抽出し、服薬情報の通知や服薬指導を実施しており、都はこうした取り組みに対して、都繰入金により財政支援を行っております。
 服薬指導等の事業を実施している区市町村の数は、平成二十八年度は十四、平成二十九年度は十八、平成三十年度は三十三、令和元年度は三十七と毎年増加しております。
 昨年度、都は、区市町村における重複多剤服薬の解消に向けた取り組み状況の調査を行い、その中で確認した好事例を自治体向け研修会で紹介するとともに、都民向けの啓発のためのリーフレットを作成し、区市町村がダウンロードして活用できるようホームページに掲載するなど、区市町村における取り組みの促進を図っております。

○鳥居委員 区市町村による取り組みは年々増加していることがわかりました。また、都は、令和元年度より、区市町村の取り組みをさらに支援していることから、関心の高さを感じます。
 東京都は、全区市町村に普及するよう、重複多剤服薬の対策をさらに進めることを期待しますが、令和元年度まで事業を進める中で見えてきた課題について伺います。

○池上地域保健担当部長新型コロナウイルス感染症対策連絡調整担当部長兼務 昨年度実施した調査では、重複多剤服薬の解消に向け、薬剤師会と連携して取り組んでいる区市町村は少なく、また、精神疾患患者への投薬に関し専門知識を有する人材が不足していることから、そうした患者への服薬指導が困難であるとしている区市町村が多くございました。
 また、現在の仕組みでは、薬局においてレセプトデータによる薬剤情報の確認ができず、患者が複数の医療機関から同一成分の薬剤を処方されているかどうかの把握が困難となっております。
 こうした状況を踏まえると、重複多剤服薬解消に向けた取り組みをさらに進めていくためには、レセプトデータにより薬剤情報を把握できる区市町村と薬剤に関する専門知識を有する薬剤師とが連携し、服薬管理のニーズが高い方にアプローチできるよう支援していくことが必要でございます。

○鳥居委員 実効性のある服薬指導を行うためには、服薬管理を担う薬剤師との連携が重要となる中で、区市町村単独で地区薬剤師会との調整を行うにはハードルが高く、連携が十分には行われていないこと、また、薬剤師は患者のレセプトデータを確認することができないため、患者が複数の医療機関から同一の効果を有する薬剤を処方されていること等の把握が困難であること、また、ほとんどの区市町村では薬剤に関する専門人材の不足により、重複多剤の主な原因である精神疾患の患者に対する指導が行われていなかったこと等を課題として浮かび上がらせたことを報告いただきました。
 そのような中、都は、令和二年度に重複多剤服薬管理指導事業を実施しておりますが、今お聞きした課題を踏まえると、都薬剤師会と連携した取り組みが重要と考えます。
 都では、これまでに見えてきた課題を踏まえて、令和二年度重複多剤服薬管理指導事業にどのように取り組んでいるのかを伺います。

○池上地域保健担当部長新型コロナウイルス感染症対策連絡調整担当部長兼務 本年度からは都は、東京都薬剤師会と連携して、重複多剤服薬管理指導事業を開始しております。
 本事業では、レセプトデータから重複多剤服薬者を抽出し、各地区の薬剤師会を通じて薬剤情報を薬局に提供し、薬剤師による服薬管理指導につなげる取り組みを都が指定したモデル区市町村が行っており、その結果を他の区市町村にも提供することで、区市町村と地区薬剤師会との連携の促進を図ってまいります。
 また、適正服薬の重要性を患者に普及するためのツールとして、残薬バッグとリーフレットのセットを四十万人分作成し、都内の薬局において、国民健康保険の被保険者のうち、六十五歳以上の方で重複多剤服薬が確認された方に配布をしております。

○鳥居委員 重複多剤服薬が進む東京都において、その課題に最も精通している専門集団である都薬剤師会との連携により行う本事業、これは非常に意義があると考えます。
 次に、残薬バッグやリーフレットの配布による医薬品適正使用の普及啓発の取り組みについてです。
 本年度実施の新たな事業では、残薬バッグやリーフレットを配布されますが、改めて残薬バッグやリーフレット配布の意義と薬剤師が取り組まれる内容について伺います。

○池上地域保健担当部長新型コロナウイルス感染症対策連絡調整担当部長兼務 残薬バッグは、患者が自宅にある全ての薬とお薬手帳を一まとめに入れ、薬局で調剤を受ける際には常に持参してもらうことで、薬の飲み残しや飲み忘れ、同一成分の薬の重複などを薬剤師が確認し、必要な服薬指導を実施することができるものでございます。
 また、患者にとっても、残薬バッグを活用することで、自分の服薬の管理をすることが容易となり、災害等の緊急時にも、日常的に使っている薬とお薬手帳をすぐに持ち出すことができるようになります。
 リーフレットには、薬に関する困り事のチェックリストや解決方法などを記載し、患者が薬を正しく服用できるよう促しております。
 薬局の薬剤師は、残薬バッグやリーフレットをコミュニケーションツールとして活用し、患者と信頼関係を築きながら、薬の正しい服用の仕方について意識啓発を実施することとしております。

○鳥居委員 残薬バッグの使用等を通じ、患者の方には、飲み残した薬の調整のほか、同じ作用の薬の重複の危険性や飲み合わせの注意点など、薬剤に対する正しい知識を理解し、薬を上手に服用されるようになることを期待します。
 次に、残薬バッグ及びリーフレットを、都内の国保加入者のうち六十五歳以上七十四歳以下に配布することとした理由及び配布数の算出方法について伺います。

○池上地域保健担当部長新型コロナウイルス感染症対策連絡調整担当部長兼務 高齢者は、加齢に伴う生理的な変化により、薬物反応性などが一般成人と異なることや、複数疾患を治療するために投与された薬剤同士で薬物相互作用が起こりやすいことなど、薬物有害事象が問題となりやすく、また、統計上、六十五歳以上七十四歳以下の方のうち約三割が五種類以上の薬剤を投与されております。
 こうした状況を踏まえまして、本事業における残薬バッグ等の配布対象者を六十五歳以上の国民健康保険の被保険者約百二十万人の約三割とし、四十万人分を作成いたしました。

○鳥居委員 平成三十年九月末の調査によれば、国民総人口における国保被保険者の年齢構成は、七十四歳以下七十歳が最も高く七七・六%、次いで六十九歳以下六十五歳が六五・七%です。六十四歳以下六十歳までは三九・五%、以下五歳刻みで年齢が低下するに従い、二四・一、二〇・九、二〇・〇、一八・九%と、その構成割合は低下します。
 六十五歳から七十五歳以下の国保加入者の割合が六五・七%以上と極めて高く、また統計上、六十五歳以上七十五歳以下の方のうち約三割が五種類以上の薬剤を投与されていることなどから、我が会派が求めてきた残薬バッグの配布は、まずは必要性の高い年齢層を対象に、四十万人に対し取り組まれたと認識いたします。
 残薬バッグを活用した取り組みの効果検証により、その成果が認識されたら、その横展開等、事業拡大が見込めると考えます。どのように効果検証を行うのかを伺います。

○池上地域保健担当部長新型コロナウイルス感染症対策連絡調整担当部長兼務 この取り組みでは、薬局において薬剤師が、患者に残薬バッグ等を配布する際に残薬が生じているか、生じている場合はその理由を確認し、状況に応じた服薬指導を行うとともに、その後も残薬バッグを活用して、薬剤師が患者の服薬状況を継続的に管理することで、患者が薬を適切に服用できるよう支援していくこととしております。
 こうした残薬バッグ等を活用した取り組み状況につきましては、東京都薬剤師会から報告を受け、その結果を検証し、重複多剤服薬の課題解決に向けた今後の取り組みにつなげてまいります。

○鳥居委員 ポリファーマシーの抑制には、患者に期待する行動変容の誘導に向け、薬剤師会と連携する踏み込んだ取り組みが必要と考えます。引き続き、取り組みの充実を要望いたします。
 一方、七十五歳以上では、五種類以上の薬剤を投与されている方の割合が約四割に増加すること、ポリファーマシーの影響が七十五歳以上では約四人に一人へと割合が増加することを熟慮すると、本来は七十五歳以上を対象に対応を進めることが望ましいのはいうまでもありません。
 また、今回事業対象となった六十五歳以上の方は、国保加入者だけとは限らず、重複多剤の対応が必要な国保以外の方も事業対象として広めていくべきと考えます。
 そこで、このたびの事業対象から外れた、対策が必要な方に対する今後の都の取り組み方針を伺います。

○池上地域保健担当部長新型コロナウイルス感染症対策連絡調整担当部長兼務 被保険者の健康保持増進に資する保健事業は、各医療保険者が担っており、七十五歳以上の方については後期高齢者医療広域連合が、国保以外の医療保険加入者については各健康保険組合等が、それぞれの被保険者の状況に応じた事業を実施しております。
 都は、本年度実施している重複多剤服薬管理指導事業の取り組み状況を検証した上で、保険者協議会などの場を通じ、ほかの医療保険者の取り組みに資するよう情報提供する予定でございます。
 今後も、区市町村や関係団体等と連携し、重複多剤服薬の解消に向けた効果的な取り組みが実施されるよう検討してまいります。

○鳥居委員 ご答弁いただいたとおり、今回は事業の対象とならなかったが、重複多剤の対策が必要な方々に対し、今後も効果的な事業実施ができるよう、引き続き取り組みを検討していただくことを要望いたします。
 最後に、薬剤情報のオンライン化について申し述べます。
 令和三年三月からマイナンバーカード等を活用して、医療機関や薬局で即時に保険の資格確認が可能となるオンライン資格確認の導入が予定されていますが、これに伴い、薬剤情報をオンラインにより開示する方針が示されており、オンライン化が普及すれば、残薬バッグ、リーフレット配布を行う重複多剤服薬管理指導事業の必要性が解消されます。
 しかし、オンライン資格確認の導入を円滑に進めるためには、多くの方のマイナンバーカードの取得が必要であり、その普及率が現時点で二〇%と低いことから、即時の普及は困難とされております。
 なお、健康保険の記号番号での資格確認は可能とされますが、情報量でマイナンバーカードには大きく及ばず効果的ではありません。
 また、医療機関や薬局がオンライン資格確認を利用するには、顔認証つきカードリーダー等の導入が必要であり、その上で、薬剤情報の開示には患者の同意が必要となります。
 オンライン資格確認の導入に当たっては厚生労働省が推進し、マイナンバーについては内閣府や総務省が事業を推進しているため、課題解消に向けては、我々も含め関係者が協力して必要な働きかけを行っていくことが肝要と考えます。
 以上を加味しますと、令和三年十月からオンラインによる薬剤情報の閲覧が可能となりますが、マイナンバーカードの取得や患者の同意が必要となり、即普及することは望めないと考えます。
 そのため、都としては、区市町村に対する情報提供を適切に行うなど、オンライン化の取り組み促進に協力しつつも、残薬バッグの配布を開始した重複多剤服薬管理指導事業を介して、ポリファーマシーから都民の健康やQOLを守り、また、国民医療費の抑制につなげていただく取り組みの継続を要望し、質疑を終わります。

○やまだ委員 私からは、大きく三点について伺ってまいりたいと思いますが、この間の質疑で重複する部分もありますので、その点については割愛させていただきながら進めてまいりたいと思います。
 まず一点目については、児童虐待対策について、児童虐待について伺ってまいります。
 今月十一月は、児童虐待防止推進月間、オレンジリボンキャンペーンであります。全国でさまざまな取り組みがなされており、東京都でも、都庁や東京タワーのオレンジ色ライトアップ、子供虐待防止オレンジリボン運動公式ポスターコンテストなど、ことしも行われております。
 このような児童虐待の根絶に向けた取り組みの一方で、厚生労働省の速報値によると、全国の児童相談所が二〇一九年度に対応した十八歳未満の子供への虐待件数は、先ほどの質疑でも出ておりましたが、十九万三千七百八十件と過去最大だったことが明らかになりました。前年度から三万三千九百四十二件、率にして二一・二%の増加となっています。この増加率も過去最大だったことが明らかになりました。
 そこで、令和元年度における都内の児童相談所における虐待対応件数と、前年度と比較して増加している要因について、まず伺いたいと思います。

○西尾子供・子育て施策推進担当部長 令和元年度に都内の児童相談所が虐待の疑いで相談対応いたしました件数は二万一千六百五十九件であり、前年度から四千六百九十二件増加しております。
 主な増加要因といたしましては、DVの目撃等により子供が受けます心理的虐待に関する警察からの通告がふえたことが挙げられます。

○やまだ委員 二万一千六百五十九件、やはり前年度に比べて二割強の増加率になっている、都内でも増加の一途であることが明らかになりました。
 児童虐待は、子供たちが健やかに育つために絶対にあってはならないことであります。増加要因にもなっている心理的虐待を、いかに対策していくのか。虐待防止には、これまで質疑も出ておりましたが、産前産後ケアの寄り添った支援とともに、体罰によらない子供との接し方などを理解することも必要だと考えています。
 都における児童虐待防止に向けた普及啓発の取り組みについて伺います。

○西尾子供・子育て施策推進担当部長 都は、年間を通じまして、区市町村や関係団体と一体となって虐待防止の普及啓発に取り組みますとともに、十一月の児童虐待防止推進月間を中心にオレンジリボンキャンペーンを実施しております。
 また、都は、昨年四月に施行いたしました東京都子供への虐待の防止等に関する条例に保護者による体罰等の禁止を明記し、体罰等によらない子育ての推進に向けた啓発を進めておりまして、今年度は、子育て世代向けの広報に加え、子供や家庭にかかわる支援者向けの普及啓発を実施する予定でございます。
 具体的には、相談機関や保健、教育、保育などの各分野に携わる支援者向けに、体罰等によらない子育ての理解の促進や保護者に寄り添った声かけの仕方、保護者への説明方法などを掲載いたしましたハンドブックや動画を作成し、広く啓発を行ってまいります。

○やまだ委員 子供や家庭にかかわる支援者向けの普及啓発、体罰によらない子育ての推進が進められていくとのご答弁でありました。
 これは、保護者、子供たちに関係する保育園や学校の先生、行政の保健師さんや相談員の方々などに、まず、子供への接し方、保護者に寄り添った声かけや説明方法を伝え、それぞれの場面で気がついた際に保護者へその対応を伝えていく、そのような取り組みだと認識をいたしました。
 保護者も初めから体罰や虐待を行おうと思っている人はいないと思います。頭でだめだと思っていても、なかなか子供との接し方がわからない、自分でもやめたいがやめられない、苦しいというようなお声もいただいています。
 どう育てたらよいのか、また、どのように接したらいいのかなど、事あるごとにそれぞれの関係、支援者の方々から、かかわる機会がふえていくことは大変有意義で、実践的でよいと考えます。
 また、これらの子供との接し方など、トレーニングとして、産後のケアとして、ペアレントトレーニングやワークショップなども、各区市町村で現在も既に取り入れられています。
 この産後のトレーニングとともに、産前の、妊娠中のですね、接し方、パパやママが産前に学ぶ、そういった機会、ママパパ学級などでの利用率が高いこういった事業の中で、産後の子供との接し方のトレーニングですとか、そういった講習もメニューとしてふやしていくことも有効かと考えています。
 私も、産後、息子を産んで生後四カ月のときに、区の親育ちサポートワークショップ、ノーバディーズ・パーフェクト・プログラム、NPプログラムといいますが、区内では、児童館の中で、子供を預けて、こういった親育ちの講座が多く開かれています。
 自分では想定しなかった子供の反応など、こういったトレーニングの中で、もしくは同じママ友としての悩みを相談できるグループの中から学びを感じたり、また、悩みを相談できる、このことが非常に子育てに大きな影響を与えたと今でも感じています。
 多世代間の家族で当たり前に赤ちゃんや子供の扱いや接し方が体得できてきたことが、現在の核家族化で子供に接する機会が少なく、どう接したらいいかわからない人が多くいるという前提で、さまざまな事業を設定していく必要があるのではないでしょうか。
 初めてのことは誰もわかりませんし、子育てに一律こうすればよいという答えがありません。一人一人の子供の性格や、それぞれの家庭の環境が異なるからであります。
 虐待は絶対にしてはならないこと、虐待をする親に対しての批判、これはあるものでありますが、しかし、どう接したらいいかわからない親に対して、保護者を過度に責める風潮が、社会の目や評価を恐れて相談を遠ざけてしまう状況に陥り、支援を受ける機会を失って、さらに虐待が続く、そのような連鎖が起こらないように、社会の理解が必要だと考えています。
 また、虐待の未然防止と早期発見という視点では、社会とのつながりが少ない家庭へのかかわりが重要になっていきます。先ほども質疑がありましたが、虐待を受けた約七割がどこにも所属をしていない子供とのデータが出ています。
 質疑がありましたので、ご答弁は求めませんが、社会との接点が少ない、孤立しがちな在宅の子育て家庭に対して、行政が積極的に手を差し伸べてサービスにつなげていく必要性があると考えています。各区市町村とともに連携をしながら、どこにも所属しない児童がいる家庭の状況を把握すること、都においても区市町村に対し積極的な支援を求めておきたいと思います。
 データによりますと、東京都の就学前児童約六十三万人のうち、幼稚園、保育園、こども園等に就園しているのは約七三・五%の四十六万人で、十七万人が未就園児童です。
 在宅での子育ても多く、その中でさらに何も行政のサービスを受けていないなど、対象者をリストアップし、全戸訪問していく−−職員が直に行うのは大変負担が大きいと感じていました。この訪問に関する助成金を、今年度から、都として各区市町村に負担分の約半分、全体で四分の一を東京都が補助していく、この制度に関して、大変有効だと思っております。広く区市町村が活用いただけるよう、ぜひ積極的に推進していただきたいと思います。
 また、子育てにかかわる職員の負担軽減を行い、本来の業務である子供や家庭に接する時間をとれるように、新たな支援も検討いただきたいと思います。
 また、在宅での子育て親子が行政サービスや施設を利用しやすい環境をつくっていくなど、在宅で子育てをしている家庭に対する支援も一層充実していくべきと考えますが、先ほども質疑がありました在宅子育て応援事業、アウトリーチ型の食事支援事業など取り組まれておりますが、改めて東京都としての取り組みについて伺いたいと思います。

○西尾子供・子育て施策推進担当部長 区市町村では、保健師等による家庭訪問、子育て広場や子供家庭支援センターでの育児相談のほか、保護者が病気や育児疲れなどの場合に子供を預かる一時預かりやショートステイ等、さまざまな取り組みを行っており、都は、これらの取り組みを包括補助で支援をしております。
 また、区市町村が全ての子育て家庭の状況を妊娠期から把握し、継続した支援を行えるよう、保健師等の配置や育児パッケージの配布を行いますとうきょうママパパ応援事業を実施しております。
 今後とも、在宅で子育てしている家庭を初め、全ての子育て家庭が必要なサービスや適切な支援を受けられるよう、区市町村の取り組みを支援してまいります。

○やまだ委員 相談体制や一時預かり、ショートステイや子育て広場等、まちの中で気軽に立ち寄れる場所の整備など、多くの補助事業が整備されており、子育て家庭に関して支援が広がっていることを感じました。
 子育て支援メニューの見直しやリニューアルも、ぜひ区市町村と、十分意見を聞きながら連携をして、きめ細かくニーズに応えられるよう対応していただくことを求めておきたいと思います。
 児童虐待の対策について、また子育て支援について伺いましたが、突き詰めれば、少子化対策であるとも思います。この推進には、やはり社会全体の子育て当事者への理解が必要であります。
 お母さんは、保護者は、世間の目を気にして行動に制限をかけてしまうことがあります。子供を連れて出かけたいけれど、泣かれたりぐずったらどうしようなど、その行動が制約されます。
 昨年、あるエッセイストのツイートが共感を呼びました。電車内で泣く赤ちゃんに腹を立て、泣きやませる努力が足りないと母を責めるツイートに対して、赤ちゃんは思いどおりにならないこともある、それよりも、ママは完璧という妄想を捨てる努力をしたらどうか、子育て中の人が申しわけないと思わされる世の中よりも、大抵の人が安心して機嫌よく暮らせる世の中の方がいいでしょうという内容でした。私も同じように感じます。
 改めて、子育て家庭が孤立せずに、安心して子育てができる環境を整備するためには、社会全体で子育てを支えていくことが重要だと考えますが、都の見解を伺いたいと思います。

○高野少子社会対策部長 誰もが安心して子供を産み育てることができる環境を整備していくためには、都民、企業、行政など、社会全体が連携して取り組むことが重要でございます。
 そのため、都は、経済、流通、交通、教育、保育など、さまざまな分野の機関や学識経験者で構成する子育て応援とうきょう会議を設置しております。
 現在、会議の趣旨に賛同する約六百六十の団体が地域で協働して機運醸成に取り組むとともに、子育て世代や子育て支援者向けのポータルサイトでございますとうきょう子育てスイッチを通じまして、子育てに役立つ情報を発信する等、さまざまな取り組みを推進しているところでございます。

○やまだ委員 社会全体で連携できるよう、子育て応援とうきょう会議の取り組みに期待しています。約六百六十の団体が賛同して取り組んでいただいている、大変心強い数字であると感じました。また、この構成メンバーに保護者の代表も入るなど、さらにリアルな議論がされるのではないかと思います。ぜひ検討いただきたいと思います。
 子育て家庭にも、子供を産まないと選択した家庭にも、まだ子供を持っていない人たちにも配慮した働き方改革や制度づくりをしながら、東京都がリーダーシップを持って子育て支援の広域的な仕組みをつくるとともに、社会全体での機運醸成に積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 続きまして、高齢者の課題について二点、質疑をしたいと思います。
 高齢者の生きがいづくりについて伺います。
 超高齢社会の中、元気で長生きのためにも、高齢者の社会参加、生きがいづくり、また、高齢者の経験や能力を地域社会に生かし、地域の担い手となっていただくことも、大変重要な存在であります。
 昭和三十年代から長らく活動を続けている老人クラブは、そのような高齢者の社会参加、生きがいづくりとしても重要な役割をこれまでも長く担っていただきました。
 そこでまず、この老人クラブの位置づけと近年の都内の老人クラブ数の推移について伺いたいと思います。

○村田高齢社会対策部長 老人クラブは、同じ地域に居住される六十歳以上の会員により組織される任意団体でありまして、それぞれのクラブの会員数は、おおむね三十人以上とされております。
 老人クラブ数でございますが、平成十一年は四千百十七クラブ、令和元年は三千五百三十九クラブとなってございます。

○やまだ委員 この二十年で、都内老人クラブの数は六百クラブ近く減少しているとのご答弁でした。
 定年の引き上げや高齢者の活動の場が広がる中、老人クラブの方々の活動はどのように変化しているのか。老人クラブの方々からは、会員をふやすための工夫や活動内容の拡大などを行っていると伺っています。
 例えば、スポーツ大会も、会員の方だけではなく地域の子供たちや学生にも参加してもらい開催する、異世代間の交流や見守りなど、目的も広げて取り組んでいると伺っています。これらも地域貢献につながっています。
 高齢者の社会参加や生きがいづくりに重要な役割を担っているこのような老人クラブですが、改めてどのような活動を行っているのか伺いたいと思います。

○村田高齢社会対策部長 老人クラブは、高齢者みずからの生きがいを高め健康づくりを進める活動や、ボランティア活動を初めとした地域を豊かにする活動など、多様な社会活動を実施しております。
 具体的には、教養講座等の文化活動、スポーツ大会等の高齢者の心身の健康増進活動、見守り活動などの各種ボランティア活動を行っております。

○やまだ委員 ご答弁にありましたように、高齢者自身の生きがいづくりに資するだけではなく、地域美化や清掃活動などで地域貢献をいただいたり、また、先ほども申し上げましたが、異世代間交流や地域の見守りなど、地域社会にとりましても非常に有益な活動を行っていることがよくわかります。
 また、東京都全体としても、東京都老人クラブ連合会芸能大会など、これも毎年行われていますが、私も何度か応援に行ったことがあります。区内の各代表チームがそれぞれ舞台ですばらしい発表をされて、区ごとに順位を争うわけでありますが、とにかく皆さん元気で、区を越えての交流も元気の源になっているんだなということを感じました。
 このような重要な役割を担っている老人クラブ活動について、都の認識を改めて伺いたいと思います。

○村田高齢社会対策部長 身近な地域で行われる老人クラブ活動は、地域の見守りや支え合いに資するだけではなく、高齢者の社会参加としても重要でございます。
 このため、都は、仲間づくりを通じ、生きがいや健康づくりなどを推進する老人クラブなどの多様な活動を区市町村等を通じて支援しております。
 今後とも、老人クラブ活動を支援してまいります。

○やまだ委員 ありがとうございます。
 ご答弁いただいたとおり、引き続き、しっかりと老人クラブ活動の支援をいただきたいと要望しておきたいと思います。
 一方、人生百年時代といわれる中で、多様なニーズを持つ高齢者の社会参加や生きがいづくりへの支援も、さまざま求められています。
 そこで、都は、高齢者の社会参加や生きがいづくりを推進していくため、区市町村をどのように支援しているのか伺いたいと思います。

○村田高齢社会対策部長 高齢者の社会参加、生きがいづくりを推進するためには、高齢者が、みずからが望む生き方をさまざまな選択肢の中から主体的に選ぶことができるまちづくりが重要でございます。
 このため、都は、高齢者を対象とした文化、教養、スポーツや地域コミュニティに関する講座など、生きがいづくりや自己実現につながる多様な活動の実施等に取り組む区市町村を人生百年時代セカンドライフ応援事業により支援をしております。令和元年度は四十四区市町村が活用されております。
 また、この補助事業を活用し、区市町村がそれぞれの地域で取り組んでいる好事例を取りまとめ、情報発信をしております。
 今後も、多様なニーズを持つ高齢者の生きがいづくり等に取り組む区市町村を支援してまいります。

○やまだ委員 ありがとうございます。
 人生百年時代セカンドライフ応援事業、この補助事業は、事業の委託費であったり、活動団体への直接活動費の支給であったり、また、対象の範囲も広く、シニア世代のコミュニティビジネスのスクールであったりと、就労に関する事業も含まれるなど、まさに人生百年時代のセカンドライフをイメージできる、支援する取り組みだと思います。
 区市町村を支援しながら、高齢者の社会参加、生きがいづくりに取り組む老人クラブや区市町村への引き続きの支援を改めて都にお願いをして、次の質問に移りたいと思います。
 最後に、災害時の要配慮者支援について、先ほど質疑がございましたので、一点だけ、かぶらないところでご質問させていただきたいと思います。
 避難行動要支援者一人一人の個別避難計画の策定に当たっては、避難支援の内容について、本人の理解を得ながら進めていくことが必要だと考えています。このことは先ほどの質疑でもございました。
 ただ、個別避難計画の策定に当たっては、選定が困難である、また、本人の同意が得られないなどのことが壁になって、なかなか進んでいないというご答弁も伺いました。
 区市町村全体の中でも、全部作成済みに関しては四自治体、一部作成済みが三十五自治体と、まだまだ課題が多く残る状態だと思っています。
 この個別避難計画の作成を進めるために、避難行動要支援者本人はもとより、地域住民に対して計画作成の重要性等を広く周知し、理解してもらうことが重要であると考えます。都の取り組みについて伺いたいと思います。

○雲田次長 区市町村では、個別避難計画の策定が進むよう、自治会等の地域団体や高齢者、障害者等を対象といたしまして、個別避難計画の説明や防災活動事例の紹介等を行うシンポジウムを開催するなど、計画策定に向けた周知と普及啓発を目的としたさまざまな取り組みが行われております。
 都は、こうした避難行動要支援者や避難支援者等関係者を対象とした研修などの取り組みを包括補助により支援しているところでございます。

○やまだ委員 区市町村について、シンポジウムを開催するなど普及啓発を行っているということでありました。
 地域住民の協力が大変重要であります。町会や自治会、民生児童委員など、大きな役割を果たしていただけると思っておりますので、当事者の方々はもちろん、そういった住民の方々にも広く理解を求める活動を、さらに東京都としても推進していただきたいと思います。
 この件に関して取り上げさせていただきましたのは、聴覚障害の団体の方々から、災害時の避難所の場所についてのご質問やご要望がありました。どこに逃げたらいいのかわからない、このような率直なご質問に対して、やはり当事者である方々への説明がまだまだ十分でないことが明らかでありました。そういった意味で、今回、質問として取り上げました。
 区市町村とともにしっかりと住民の方々にご理解、そして当事者の方にご理解いただきつつ、個別避難計画の推進を求めておきたいと思います。
 以上で私からの質問を終わります。

○うすい委員長 この際、議事の都合により、おおむね三十分間休憩をいたします。
   午後六時二十四分休憩

   午後六時五十五分開議
○うすい委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○栗林委員 私の方からは、ECMOの医療に関して伺わせていただきたいと思います。
 感染者が増加傾向の中、特に重症の方がふえているという中で、万全な対策で、都も懸命に対応いただいていることに深く感謝申し上げます。
 特に、安全・安心の医療体制が重要でございます。初めに、重症患者のとりでといわれておりますECMOについて伺わせていただきます。
 補正予算にもありますけれども、医療機関に対する設備整備補助では、人工呼吸器、ECMOの購入も、また設置工事も補助されているということでございます。
 しかし、ECMOは、機器を購入すれば、簡単に患者の治療に使われるわけではないと聞いております。ECMOは、患者の状態に合わせてきめ細かな管理を行うとともに、トラブルが生じても適切に対応できる能力が求められます。
 ECMOの器材整備とともに、ECMOによる治療を適切に行える人材の育成が大事であります。厚生労働省は、ECMOnetに委託をし、各都道府県で研修を実施していると聞いています。
 そこで、都内の医療機関で使用できるECMOは現在何台あるのか、また、この補助によってECMOは何台整備されるのか、また、ECMOを取り扱う人材の研修への都のかかわりと研修の内容、今後の人材育成について伺わせていただきます。

○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 都内の医療機関が病床などの情報を登録するBCポータルサイトを活用して全病院を対象に行っている調査では、患者に対応することが可能なECMOは、十一月十九日現在、百十七台となっております。
 また、東京都新型コロナウイルス感染症医療提供体制緊急整備事業において、ECMO三十三台分の整備費を交付決定しており、各病院において整備を進めております。
 厚生労働省がECMOnetに委託して実施しているECMO研修については、都内では八月十五日及び十六日の二回実施しており、都は研修生の募集や研修後のアンケートの回収などで協力しております。
 研修では、医師、看護師、臨床工学技士等で編成されるチームで、ECMO管理の概要やECMOのモデルを活用した実践的な訓練を実施しております。
 今後も、厚生労働省の委託研修を行う際には、都として引き続き協力してまいります。

○栗林委員 ぜひ器材の整備と人材育成、これを同時にしっかり対応できるよう、よろしくお願いいたします。
 続きまして、産後ケア事業についてお尋ねしたいと思います。
 先ほども質疑ございましたけれども、違った角度から伺わせていただきたいと思います。都議会公明党は、産後ケア事業が各市区町村で取り組みが進むよう、平成二十四年より議会質問などで取り上げ、進めてまいりました。
 私の地元世田谷区では、二〇〇八年に日本初の産後ケアセンターが開設をされました。これは区議会、当時、私も区議会議員だったんですけれども、公明党が議会で取り上げ、また、当時の区長にも直接要望するなど働きかけてまいりまして、設置が実現いたしました。
 ここは宿泊型で、病院から退院後、すぐに利用ができるという施設になっておりまして、育児不安を抱えるお母さんたちにも大変好評でございました。オープン当時はどのぐらい利用があるかとか全然わからなかったんですが、もう予約がとれないぐらいいっぱい、で、また、そこを利用した若いママたちからは、産後ケアセンターのおかげで子育てができますとかいう声がたくさん聞かれました。
 私も、開所された当時、何度か伺ったときに−−当時は武蔵野大学さんという助産師さんを育成する大学に委託していたんですが、その助産師さんたちがサポートをしてくださっていました。そこのセンター長の言葉に感動したんですね。それは、利用者さんに対して、いいのよ、ゆっくりお母さんになりましょうという言葉を投げかけているんです。私は本当、その言葉を聞いただけで泣いちゃうぐらいの心境じゃないかなと思いました。
 そういった中でこの事業も進んできたところでございますけれども、都もゆりかご・とうきょう事業、今はママパパ応援事業ですね、こういった支援事業で、しっかり区市町村で産後ケアが推進できるよう取り組んでいただいてきたことから、実施自治体も増加傾向にございます。
 公明党は、この産後ケア事業を国会議員と区市町村議員と連携をとり、取り上げてきたところでございます。このたび、国も法改正をして、来年度から産後ケア事業の実施が区市町村の努力義務とされました。ケアの必要な時期が、従来の出産後四カ月から出産後一年に拡充されました。
 と同時に、今でも四カ月までの赤ちゃんとママをケアする体制、これが延長されたとなると、この受け皿が絶対的に足りないという、こういう課題が生まれております。そうしたことから、産後ケアを受けられる施設をふやすために、保育ママや小規模保育等の定員にあきのある施設を活用することも一つの方策と考えます。
 そこで、産後ケアを行う場合の実施場所について伺います。

○高野少子社会対策部長 産後ケア事業の実施場所の要件等につきましては、国の産後ケア事業ガイドラインで定められております。
 短期入所型または通所型におきましては、病院や診療所、助産院等とされております。また、それ以外の場合については、原則として、居室、カウンセリングを行う部屋、乳児の保育を行う部屋、その他事業の実施に必要な設備を有する施設であり、適当な換気、採光、照明、防湿及び排水の設備を有することとされております。

○栗林委員 小規模保育等の施設を転用する場合、建てかえとか、また内部の改修、こういったことが必要となる場合があります。
 そこで、産後ケア事業について、施設の整備や改修などの事業の開始に当たり、どのような支援があるのか伺います。

○高野少子社会対策部長 区市町村は、産後ケア事業を行う施設を整備する場合、国の次世代育成支援対策施設整備交付金を活用でき、負担割合は、国二分の一、区市町村二分の一となっております。
 また、冷暖房器具や幼児用沐浴槽、玄関スロープの設置など、産後ケア事業を実施する場所の改修については、国の妊娠・出産包括支援緊急整備事業が活用できることとなっております。
 負担割合は、国二分の一、区市町村二分の一となっておりますが、都は、とうきょうママパパ応援事業におきまして独自に支援を行っており、区市町村負担分を四分の一に軽減しているところでございます。

○栗林委員 夜中の授乳とかおむつ交換など、母体が回復しない中で心身の疲労が蓄積していく、そういうときに、保健指導、育児指導を受けながら、心身、また心理的ストレスを軽減できるよう、レスパイト的なことも重要ではないかと思います。保育ママなど小規模保育等の活用は、施設の活用だけではなく、保育士などを産後ケアに活用することも有効と考えます。
 そこで、産後ケア事業を実施するために必要な体制について伺います。

○高野少子社会対策部長 産後ケア事業の実施体制につきましては、国のガイドラインにおきまして、管理する者を定めるとともに、助産師、保健師、看護師のいずれかを一名以上置く必要があり、特に出産後四カ月ころまでの時期は、褥婦や新生児に対する専門的ケアを行う必要があることから、原則、助産師を中心とした実施体制での対応が望ましいとされております。
 その上で、事業の内容に応じまして、保育士など育児等に関する知識を有する者や、心理に関する知識を有する者等を置くこととされております。

○栗林委員 先日、小規模保育や家庭的保育の事業者の皆様と意見交換をさせていただきました。その際に、近ごろ認可保育所の拡大によりまして、保育所の待機児童の問題が解消に向かう地域も出てきておりまして、小規模保育とか保育ママの施設に定員にあきが出てきたり、また、一人もいないというような、そういう事業者さんも出てきているというお話がございました。
 こうした小規模保育所等の保育施設の空きスペース等を活用して、産後の育児疲れによるレスパイトのための一時預かり事業を実施できるのではないかと考えますが、所見を伺います。

○高野少子社会対策部長 一時預かり事業は、育児疲れによる保護者の心理的、身体的負担の軽減等のため、認可保育所や小規模保育事業所等において児童を一時的に預かる事業でございます。
 本事業では、専門のスペースを確保する以外に、お話の空きスペースを活用する場合等も補助対象としておりまして、令和元年度は五十五区市町村で実施されております。

○栗林委員 少しの時間でも睡眠や休憩など利用ができたら、それだけでも気持ちにゆとりが生まれるのではないかと思います。
 そうしたことを考えると、ベビーシッターを活用することも有効ではないかと思います。しかし、残念なことに、ベビーシッターについては、先日、マッチングサイトを通じた利用により、わいせつ事件が発生したという、そういったこともあって、安心・安全に利用ができないという誤解が生まれているところもございます。これは、そういう誤解を払拭をしてイメージアップを図る必要があるのではないかと思います。
 そこで、都は、ベビーシッター利用支援事業において、保護者や子供が安心してベビーシッターを利用できるよう、さまざまな取り組みをしていると聞いています。改めて取り組み状況について伺います。

○高野少子社会対策部長 ベビーシッター利用支援事業につきまして、都は、保育の質を確保し保護者が安心してサービスを利用できるよう、参画する事業者について、保育の提供体制、保育の質、事業の安定的運営、利用者支援の四つの観点から独自の基準を定め、事業者を審査、認定するとともに、本事業に従事するベビーシッターには、保有する資格等に応じ、認可型に準じた研修の受講を義務づけ、研修を実施してきております。
 今年度は、お話の事件等を踏まえまして、認定事業者に対し、事故等の発生防止に向けて取り組むよう注意喚起するとともに、指導監督を強化するため、サービス提供約款を改正し、立入調査から認定取り消しまでの指導等の手順を明記いたしました。
 また、十月下旬から全ての認定事業者に対する立入調査を開始し、認定基準等の遵守状況を順次確認しているところでございます。

○栗林委員 今ご答弁ございました全ての認定事業者に立入調査をする、そして、研修なども行っていくということで、本当にああいう事件が起きると、全体のイメージが低下してしまう、それはもったいないことだと思います。
 ベビーシッターさんには、本当にキャリアのスペシャリストもそろっていますし、全て、子育てのオールマイティーというような方もたくさんいらっしゃいます。そういった安心できる制度ということを、ベビーシッターというものは安心できて、皆様に使っていただけるという、それを広く周知を図っていただきたいと思います。
 また、本年度開始したベビーシッター利用支援事業の一時預かり利用支援の実施状況について伺います。

○高野少子社会対策部長 都は今年度から、ベビーシッター利用支援事業で養成している保育人材を有効に活用し、子育て家庭を幅広く支援するため、日常生活上のさまざまな事情による一時的な保育や、ベビーシッターと一緒に育児を行う共同保育を必要とする保護者を新たに助成対象としておりまして、現在、二区市が活用しているところでございます。

○栗林委員 二区市ということで、本当に残念だなと思うんですね。私の地元の世田谷区民の子育ての親御さんから、何で使えないんですかって、もう本当、何人かからもお声をいただいています。でも、これは区が手を挙げなければ使えない事業なんですということを申し上げながら、区にも働きかけているところでございますが、やはりニーズがあるのに、実際に踏み切らないという自治体がまだまだ多い現状でございます。
 また、一時預かり事業も活用できるということになりますと、産後ケアのサポート事業、直接の産後ケア事業じゃなくても、産後ケアのサポート事業ということで有効と考えます。
 ベビーシッターに対するその誤解を払拭していただき活用が進むよう、区市町村にいい事例をどんどん紹介していただいて、積極的に周知をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
 次に、ひとり親家庭への食の支援について伺います。
 特に、コロナ禍の中で失業や休業など、経済的な影響を受けているひとり親家庭はふえている状況でございます。中でも、育ち盛りのお子さんがいる家庭にとっては、食は大変重要でございます。
 そこで、ひとり親家庭に対して食の支援を行うことが大事かと思いますけれども、現在の都の取り組みを伺います。

○うすい委員長 どなたでしょうか。

○高野少子社会対策部長 都は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大への緊急対策の一環としまして、区市町村と連携し、本年七月から児童扶養手当を受給している全てのひとり親家庭を対象に、食料品など生活に必要な物品を提供する支援を開始しており、九月からは、感染症の影響を受けて収入が大きく減少した方等も対象に加え、十月末時点で約六万世帯に支援を行っております。
 また、ひとり親家庭等生活向上事業によりまして、ひとり親家庭の子供たちの生活支援や学習支援に取り組む区市町村を支援しており、その中で、ひとり親家庭に食料品等を配布する取り組みも支援の対象となっておりますことから、事業の活用につきまして、改めて区市町村へ働きかけを行ってまいります。

○栗林委員 ひとり親家庭支援事業とあわせまして、子供食堂とか、子供宅配とかという食をお届けする、そういった事業にも支援をしていただいていると思います。そういう支援を利用する家庭に出向くことで、行政につなげるような課題を見つけたりとか、そういう大きな役割を担っているとも思いますので、ひとり親家庭にしっかり寄り添い、支援を強化していただきたいと思います。
 次に、医療的ケア児への通所支援について伺います。
 都の重症心身障害児者の通所事業所への運営費補助の対象が重症心身障害児に限られているため、医療的ケアを対象とする事業所の整備が困難であるという声を伺います。
 医療的ケア児も対象とする制度が必要であると考えますけれども、都の所見を伺います。

○藤井障害者施策推進部長 都は、重症心身障害児者通所事業におきまして、望ましいサービスの質を確保できるよう看護職員等の配置など、都の基準を満たした事業所を対象に運営費の加算を実施しております。
 一方、医療的ケア児を受け入れる障害児通所事業所につきましては、平成三十年度の国の報酬改定におきまして、看護職員を加配した場合の加算が新たに創設されました。
 また、国は現在、報酬改定検討チームにおきまして、令和三年度の報酬改定について検討をしているところでございますが、その中で、医療的ケア児の区分の創設や看護職員加配加算の見直しなどが論点となっております。
 都は、医療的ケア児の受け入れ状況等の実態を踏まえまして、適切な報酬上の評価を行うよう国に提案要求いたしますとともに、今後とも、医療的ケアが必要な障害児の支援の充実に取り組んでまいります。

○栗林委員 今のご答弁に令和三年度の報酬改定について国も検討しているというご答弁がございましたので、しっかり注視していただきたいと思います。
 現状の助成の設計ですと、医療的ケアを必要とする障害児へのサービス提供が困難で、看護師の配置が全て事業所さんの持ち出しとなってしまって、安定的な運営が難しいというお声を聞きます。ですから、なかなか事業所がふえていかないという、そういうお話も伺っておりますので、この国の報酬改定、これをしっかり注視していただき、より取り組みを強めていただきたいと思いますので、お願いいたします。
 次に、てんかん患者と家族の支援について伺います。
 てんかんは、百人に一人が発症するといわれておりまして、このてんかんという病気の名前や主な病状として、突然の発作があることはよく知られていると思います。
 しかし、この病気は人生のあらゆる年代で発症するものであることや、また、その原因も先天的なものから、頭部外傷や認知症に伴う後天的なものまでさまざまある、そういったことは余り知られていないと思います。
 さらに、患者や家族が、その年齢や原因に適した診断や治療を行える医療機関を見つけることに大変苦労をされていらっしゃいます。
 そこで、都議会公明党は、てんかん患者やその家族などが運営する団体から、診療を担う医療機関等の連携や専門相談窓口の充実を求める切実な訴えを伺い、その声を東京都に届けてきたところでございます。
 そこで、てんかん患者やその家族が安心して生活できるよう支援が必要と考えますけれども、これまでの都の取り組みと、今後診療にかかわる連携体制を構築するために、どのようなことが必要と考えているのか伺います。

○石黒障害者医療担当部長 都はこれまで、てんかんに対応できる医療機関の情報を東京都医療機関案内サービス「ひまわり」で提供するとともに、てんかんを含めた精神疾患患者や家族からの相談を精神保健福祉センターにおいて実施してきました。
 てんかん診療については、東京都保健医療計画において、地域の医療提供体制の構築に向け関係団体等と協議を行うこととしておりますが、円滑に協議を進めるためには、地域における診療の状況等を十分踏まえる必要がございます。
 今後、都内の医療機関において実施可能な検査や治療などの診療実態を把握するとともに、診療の中核を担う医療機関の機能やその役割、あり方についての検討が必要だと考えております。

○栗林委員 ぜひ積極的に検討を進めていただき、安心した体制構築をお願いしたいと思います。
 次に、中部総合精神保健福祉センターについて伺います。
 新型コロナウイルス感染症が流行する中で、生活様式の変化を求められることは、多くの人たちにとってストレスを感じることにつながります。このような中、心の健康に不安を抱える方が多くなってきています。
 中部総合精神保健福祉センターは、世田谷区の八幡山に、松沢病院のお隣にあって、さまざまな事業を通じてお世話にもなり、また、都民の心の健康の維持に関する役目を果たしていただいていると思います。
 そこで、まず、中部総合精神保健福祉センターの位置づけと、そこで実施されている事業について伺います。

○石黒障害者医療担当部長 都は、精神保健福祉法に基づき、精神保健福祉センターを都内三カ所に設置しており、中部総合精神保健福祉センターは、世田谷区を初め十区を管轄し、都民の精神的健康の保持増進、精神障害者の自立と社会参加の促進のための事業を実施しております。
 具体的には、精神保健及び精神障害者の福祉に関する相談及び指導、薬物やギャンブル等の依存症に関する相談、鬱病や統合失調症などの方に対する精神科デイケア等を実施しております。

○栗林委員 心の健康に関するさまざまな事業を実施しているということでございます。
 我が党はこれまで、医師などによる面接を通じて、心の負担を軽くする認知行動療法、この普及をずっと主張をさせていただいております。ただいま答弁があったように、精神科デイケアの実施に関しても、認知行動療法の手法を用いたプログラムが好評であるとの声を聞いております。
 そこで、中部総合精神保健福祉センターにおける認知行動療法を用いたプログラムの内容及びその実績を伺います。

○石黒障害者医療担当部長 センターでは、物の考え方や受け取り方である認知の偏りを修正し、問題解決を手助けすることによって治療する認知行動療法の技法を取り入れ、鬱病の方等を対象にした復職に向けたプログラムや、依存症の方を対象としたグループ形式で行う回復に向けたプログラムを実施しております。
 令和元年度の実績は、鬱病の方等を対象としたプログラムは五十九人、依存症の方を対象としたプログラムは二百六十七人でございます。

○栗林委員 認知行動療法は、大変、お薬の量を減らしながら、この療法で回復をしていく−−つじの先生、そうでしょうか。非常にこれ、推進をさせていただいているんですが、区民の方は、松沢病院と中部総合精神保健福祉センターは同じ敷地なので、一括していろんな支援が受けられるというふうに思っている方も多くて、でも全然別々ですよね、病院経営本部と福祉保健局でございますので。
 ですから、松沢病院で診断を受けた方が、認知行動療法を受けに行きたいといっても、それはまた別ルートで、区の方からのアプローチで受けるという、何か非常に、精神福祉の総合拠点なので、もう少し都立病院の精神の専門病院との連携みたいなこともできたらいいのにな、でも、今のこの組織体制だと難しいのかなとか、いろんな課題も見えてきたところでございますが、できたら本当に連携をとり合いながら、今精神疾患を抱えて、地域でも理解されないで、地域でトラブルになったりとか、解消していかなければいけない課題が非常にたくさんあります。
 治療と、そして住みなれた地域での生活、こういったこともしっかり今後ご検討いただき、システムをつくっていっていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 質問の最後になりますが、動物愛護について伺わせていただきます。
 我が党は、動物との共生社会推進プロジェクトチームを結成しておりまして、これまでも積極的に動物愛護施策の推進を求めてきたところでございます。私も二年前の四定で、動物愛護ボランティアへの支援を求めてまいりました。
 そして今年度、新たに区市町村医療包括補助事業に加わった地域における動物の相談支援体制整備事業ができました。この概要と実施状況について伺います。

○高橋健康安全部長 本事業は、今後の超高齢化を見据え、ペットを飼う高齢者の増加にも対応するため、動物の飼養等に関し、身近な地域で相談ができ支援を受けられる体制の整備に取り組む区市町村を支援するものでございます。
 取り組みに当たりましては、区市町村が動物愛護活動のノウハウを持つボランティア団体の協力を得て、飼い主等への相談支援や動物の一時保護、譲渡等を行えることとしておりまして、都としては、これにかかわる経費を補助するものでございます。
 今年度は、一自治体が本事業を活用した取り組みを始めておりまして、都は今後とも、区市町村とボランティア団体とが連携した相談支援体制の整備を促進してまいります。

○栗林委員 一自治体なんですよね。本当にいい制度をつくっていただいたので、これはとっても喜んでいただけるんだと思ったところ、やはり使い勝手がよくないんじゃないかと思います。
 ボランティアさんというのも、区境とかいろいろ、例えば世田谷でしたら、杉並とか目黒とか大田とか、そういったところの範囲で、保護、譲渡活動をやっているボランティアさんもいますので、区で縛りをかけられると、なかなか難しいところもあるのかなと思います。
 私は、二年前の四定で要望したのは−−動物愛護相談センターと連携をしている動物愛護のボランティア団体さんがございます、共同で事業をするようなパートナーという位置づけのボランティアさんがいます。そこに、やはり直接ですね、そうした動物愛護相談センターの事業に協力をしてくれている登録ボランティアさんに直接、その支援、費用支援ができるように、ぜひしていただきたいと思っております。
 これは、大変ボランティア団体さんからも期待され、本当に喜んでいただけそうだった事業でもありますので、ぜひ実効性ということを考えて改善をお願いしたいと思います。またあるいは、手を挙げてこない自治体にどこに課題があるかとか、そういったことも一度検証をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 また、今回、動物愛護管理法の改正によって、動物の適正飼養のための規制が強化され、都道府県知事の不適正飼養に係る指導等の権限が拡充されたと聞いています。
 この改正を受けて、今後、不適正飼養について都はどのような対応が可能になるのか伺います。

○高橋健康安全部長 今回の法改正によりまして、動物の不適正な飼養等により周辺の生活環境が損なわれていると認めるときは、原因者に対し、従来の規定による勧告、命令に加え、必要な指導助言を行うことができることとなりました。
 また、指導助言、実態把握のため、報告の聴取及び動物の飼養場所への立入検査が規定され、より効果的に実態の把握と改善を図ることが可能となりました。
 今後、不適正飼養を探知した場合には、こうした新たな規定も踏まえ、動物愛護相談センター等による動物の適正飼養のさらなる徹底を図ってまいります。

○栗林委員 より強い立入調査と、そういう指導助言というものも行えるようになりますので、積極的に取り組みをお願いしたいと思います。
 東京都は、殺処分ゼロに取り組み、それを達成して、ずっと継続をしていく。そのためには、保護した動物、そして譲渡するという、こういったことをしっかり定着をさせていただかなければならない。そのためには、幾ら保護して譲渡しても、蛇口、ここをしっかり閉めないと、これはもういつまでたっても続けなければいけない。
 ですから、そういう無責任な飼い主をつくらない、あと、不適正な飼養はだめだ、また、環境の悪い、そういうところで販売をしているような、そういったところにも厳しくしっかりルールを設ける等々、蛇口をしっかり閉めるというのもあわせてやっていかなければ、これは、いつまでたっても、保護して譲渡して、保護して譲渡してというような、これが続いてしまうと思います。
 動物たちにとっても最適な環境、動物が動物らしく、本当に実感できるようなそういう環境を一日も早くつくっていかなければならないなと思います。やはり飼い主教育とか、不適正な販売の防止だとか、保護から譲渡とか、さまざまなこういう仕組みをつくっていくには、やはり総合拠点、何度も申し上げているんですけど、総合拠点が必要でございます。
 都も、今計画をつくりながら検討はしていただいているとは思いますけれども、先日、昨年オープンした神奈川の動物愛護保護センター、視察させていただきました。動物共生社会推進PTで行かせていただきました。神奈川も、二十五年、二十六年に犬と猫も殺処分ゼロを達成して、それからもうずっと継続をしていると。処分する施設から生かす施設というふうにテーマもしっかり位置づけて、オープンした新しいセンターで活動が開始されていました。
 本当に保護した犬や猫、動物たちのシェルター、保護施設もきちっと設けてあって、ボランティアさんがきれいにして譲渡できる体制に持っていくという、そういうシステムも構築され、また、今はコロナ禍で多頭飼育崩壊が起きていて、その多頭飼育崩壊で保護した猫ちゃんたちを全部一つのお部屋に保護しているという、そういう状況も見てまいりました。
 そして、やはり維持をしていくためには、税金だけではないことが大事だということで、基金をつくられて、かながわペットのいのち基金という基金、寄附ですね、そういう仕組みもつくられて、保護した費用はそういった基金から使っていく、そういう仕組みもつくられていました。
 ぜひ東京は、次、東京都動物愛護相談センター、これが新しくオープンするときには、日本中が、世界中が注目する拠点になると思っております。前から申し上げていますけれども、都民に開かれたテーマパークのような、最高に希望の持てるような愛護センター建築に向けて、ぜひご検討いただきたい。このことを強く申し上げて、質問を終わります。ありがとうございます。

○白石委員 初めに、シルバーパスについて質問をいたします。
 シルバーパス制度は、一九七三年に全ての七十歳以上の高齢者を対象に創設がされた都営交通局の無料乗車券が原点となっております。それから半世紀近く経過をしておりますが、その間に所得制限が設けられ、制度の名称や内容の変更が行われるたびに、制度のあり方について議論が交わされてきました。
 二〇一八年度に都が行った調査では、シルバーパスは都内で約百三万人が利用しているということになっております。これは、対象である七十歳以上の高齢者の約四六%になります。つまり、対象の半数近くがシルバーパスを利用しているということになります。
 初めに伺いたいと思います。シルバーパス制度の重要性について、どのような認識をしているでしょうか。

○山本高齢者施策推進担当部長新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長兼務 シルバーパスは、高齢者の社会参加を助長し、もって高齢者の福祉の向上を図ることを目的としております。
 現在、多くの高齢者がシルバーパスの発行を受けて、社会参加と生きがいの活動に活用されており、重要であると認識しております。

○白石委員 シルバーパスは、高齢者の社会参加促進だけでなく、病院の受診や買い物など、高齢者の生活を支える上でも重要な役割を担っている制度です。
 これまで東京都は、シルバーパス制度のあり方や利用実態などについて幅広い都民にアンケート調査を行って、制度のあり方について具体的に検討を進めています。
 都の財政負担の削減や抑制を考えるのではなくて、高齢者の負担軽減や制度の拡充をすることで、今後本格的に突入する超高齢化社会に対応した制度となるということを、改めて、まず初めに強調しておきたいというふうに思います。
 都は、ことし二月に、シルバーパス利用者や都民の約一万五千人から寄せられたアンケート調査を集約して、結果報告書を取りまとめています。この調査結果についても幾つか質問を進めてまいりたいというふうに思います。
 まず、シルバーパス関連調査報告書では、一週間のバス以外の都営地下鉄、都電、日暮里・舎人ライナーの利用回数を調査して、市町村と特別区を比較しています。比較の結果について伺いたいと思います。

○山本高齢者施策推進担当部長新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長兼務 シルバーパスについて広く都民の意見を把握するため、二十歳以上の都民を対象とした制度のあり方調査及びシルバーパスの利用者を対象としました利用実態調査を実施しまして、令和二年二月に結果を取りまとめております。
 同調査の中で、バス以外のいわゆる都営地下鉄、都電、日暮里・舎人ライナーの利用につきまして、一週間の利用回数の平均値を比べたところ、制度のあり方調査のうち、七十歳以上の方の平均利用回数は〇・八回でございました。居住地別では、特別区が一・二回、市町村が〇・二回となっておりまして、市町村の方が少なくなっております。
 また、シルバーパス利用者への実態調査では、平均利用回数は一・二回でございました。居住地別では、特別区が一・七回、市町村が〇・三回となっており、市町村の方が少なくなっております。

○白石委員 バス以外の交通機関の平均利用回数は、二十三区に住んでいる住民より多摩・島しょ地域の住民の方が少ないという結果です。
 では、どのような理由によりこの差が出たと考えていますか。

○山本高齢者施策推進担当部長新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長兼務 都営地下鉄、都電、日暮里・舎人ライナーは、区部を運行しているものであるため差が生じたと考えております。
 しかしながら、地域によりまして、存在する公共交通機関の種類や交通事情はさまざまでございまして、利用者それぞれ利用する乗り物の種類や利用頻度も異なるため、一概には比較できるものではないとも考えております。

○白石委員 シルバーパス利用実態調査でも、多摩地域の住民は〇・三回と、ほとんど利用していません。今、答弁されたように、都営地下鉄、都電、日暮里・舎人ライナー、これ、多摩地域で運行していませんので、利用回数が少ないのは当たり前です。
 先ほど一概に比較できないと、このように答弁されましたが、これは報告書では、しっかり比較をしています。一概に比較できないものをわざわざ報告書で比較したことになるという答弁になっちゃいますね。
 私には、ちょっと意味がよくわからない、理解できませんけれども、地域による格差がないかを考える上で、利用回数の比較には重要な意義があると私は思います。少なくとも、この結果から明らかなことは何かというと、多摩地域ではバス以外の交通機関は利用できないということなんです。シルバーパスにおいても、いわゆる多摩格差があるということが浮き彫りになるということです。
 シルバーパスのこれからのあり方調査で、七十歳以上の方にアンケートもとっています。では、その調査で、居住地区別の市町村で最も要望が高かったのは何なのか伺いたいと思います。

○山本高齢者施策推進担当部長新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長兼務 シルバーパスのこれからのあり方に対する考えとして、制度のあり方調査におけます七十歳以上の市町村居住者の回答は、鉄道やモノレール等で利用可能とするの割合が三三・七%で、最多でございました。

○白石委員 今ご答弁があったとおり、都が行ったアンケート調査においても、バス以外の交通機関を利用できるようにしてほしいというのが、シルバーパスの対象世代で最も高い要望となっております。
 この調査からも、多摩地域で運行する多摩モノレールなどの交通機関を利用可能にしてほしいということが切実に求められているということは明らかだというふうに思います。
 二十三区と多摩地域では、シルバーパスを利用できる交通機関に差があるだけではありません。都内で乗っても都外でおりると対象外となるなど、シルバーパスの利用のしやすさについても大きな差があります。
 二十三区と多摩地域と、この差について、東京都はどのように認識をしているでしょうか、具体的に伺います。

○山本高齢者施策推進担当部長新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長兼務 昨年度の調査におきまして、居住地によりシルバーパスを利用できる交通機関や環境に差があるという声もいただくなど、さまざまなご意見があることは認識しております。
 シルバーパスは、一般社団法人東京バス協会が主体となって行っている事業でありまして、都は事業に必要な費用を補助しております。
 東京都シルバーパス条例及び同条例施行規則では、このシルバーパスの利用交通機関は都営交通及び路線バスになっておりまして、また、路線バスの利用区域は東京都の区域内としております。

○白石委員 都県境の負担について具体的に紹介したいと思います。きょう、パネルを用意させていただきました。
 例えば、町田市の都営武蔵岡にお住まいの方です。こちら、パネルをごらんいただきたいと思いますが、病院や買い物などで、JR横浜線と京王線の接続する橋本駅に行くことが多いと。ここですね、橋本駅。武蔵岡から橋本駅北口のバス停、こっちが武蔵岡ですね、これ直線で、路線バスに乗っていけば一本で乗りかえなく橋本駅に行くことができます。
 ところが、終点の八百メーター手前、バス停では三つ手前の寿橋バス停が都県境になりますので、ここから、乗ったら初乗り百八十円がかかってしまうということです。
 一方、武蔵岡から相原駅、これ電車です。この相原駅に、バスに乗って、JRの横浜線に乗りかえて、ここの相原駅から橋本駅に乗っていきますと、料金は百四十円で済みます。
 だから、こういうふうな交通事情、シルバーパスの制約によって、本当は一本のバスで行きたいけれども、ここから百八十円かかってしまうから、相原駅から橋本駅に電車で乗り継いで行くというふうな、こういうふうな実態があります。
 重要なことは、この橋本駅というのは、地域の方にとっては生活圏なんだということなんです。日常生活で利用する駅となっていると。生活圏がほんの少し、八百メーター手前、ここだけの差でシルバーパスが使えなくなってしまうと。こういうふうなところで、東京都を越えるだけで発生するこの負担コスト、私、解消すべきだというふうに思っております。
 そこで、シルバーパスを多摩地域でさらに利用促進するためにも、都県境や多摩モノレール、コミュニティバスなどにも対象を広げることが重要というふうに考えますが、いかがでしょうか。

○山本高齢者施策推進担当部長新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長兼務 シルバーパスにつきまして、さまざまなご意見があることは承知をしております。
 シルバーパスは、一般社団法人東京バス協会が主体となっている事業でございます。都は事業に必要な費用を補助しているところでございます。
 東京都シルバーパス条例及び同条例施行規則におきまして、このシルバーパスの利用交通機関は都営交通及び路線バスとなっております。また、路線バスの利用区間につきましては東京都の区域内というふうになっております。

○白石委員 意見は承知していると。あとは制度の説明をしただけの答弁となります。
 そうしたら、もう一つ事例を紹介したいと思います。シルバーパスを利用するご夫婦の方は、神奈川県のJR横浜線の古淵駅を買い物でよく利用いたします。この古淵駅には大手スーパーが二つ、イオンとイトーヨーカドーがありますが、少しでも安いものを買いたいと、特売日などには買い物に行くと話しておりました。
 しかし、都県境からわずか直線距離で今度は四百五十メートルです。この四百五十メートルですが、バスが神奈川県に入った瞬間に、先ほどいった初乗り料金、百八十円の料金がかかります。夫婦二人で買い物に行った場合、シルバーパスを利用しても初乗り料金がかかってしまうため、一人往復で三百六十円、二人だと七百二十円かかります。せっかく特売で安く買い物をしても、結果としては高くつくことになると、このように話します。
 ほかの方、行きは都内の最終バス停でおりて歩き、帰りは荷物がふえるからバスに乗るようにして節約をしていると、このようにも話しておりました。
 このように都県境の近くに住む方々はさまざまな不便を感じています。都県境についても、やはりシルバーパスが利用できるように検討すべきだというふうに思いますが、いかがでしょうか。

○山本高齢者施策推進担当部長新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長兼務 繰り返しのお答えで申しわけございませんが、東京都シルバーパス条例及び同条例施行規則におきまして、このシルバーパスの利用交通機関は都営交通及び路線バスになっておりまして、また、路線バスの運用、通用区間につきましては東京都の区域内となっております。
 利用交通機関につきましても、ご意見がさまざまあることについては承知をしております。

○白石委員 私、検討してほしいと、部長にも、今二つの事例をいいました。橋本駅周辺が生活圏になっている方、古淵駅が周辺な−−今、特売日で行って、ただシルバーパスの制約によって結局お金がかかってしまうと、こういう声をどういうふうに受けとめているのかということなんです。
 部長、もう一度お聞きしますけれども、こういった事例、都県境の負担について、どういうふうに受けとめていますか。

○山本高齢者施策推進担当部長新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長兼務 先ほどご答弁申し上げました利用実態調査等におきましても、都民の皆様からさまざま意見をいただいております。
 また、本日、副委員長からお話しいただいた内容につきましても、意見として受けとめさせていただきます。

○白石委員 今一応、部長、意見として受けとめておくというふうな答弁でした。
 町田市に隣接する横浜市や川崎市でも、都のシルバーパスと同様の敬老パス制度がありますが、市境を越えても制度が適用されて対象となるということになっています。町田市に、横浜市や川崎市から市境になったとしても、横浜市や川崎市ではしっかりこのシルバーパス、まあ敬老パスですね、制度は対象となる、使うことができるんですね。
 川崎市や横浜市ではできて、都ではできないということなんてありません。ぜひとも、この交通機関の対象拡大、そして都県境についても、しっかりと受けとめて、検討、そして改善してほしいというふうに思います。
 答弁を今聞いていても否定しませんでしたので、アンケート結果も踏まえて、しっかりと多摩モノレールやコミュニティバスにも利用できる、そして、都県境の路線にもしっかり適用される、対応される、こういうふうな改善を要望したいというふうに思います。
 シルバーパスの負担額は、住民税が非課税の方や所得が百二十五万円以下の方は千円となっておりますが、それ以外の方は二万五百十円となっております。
 東京都市長会からシルバーパス利用料について、負担額の大きな差を緩和するために、中間所得層に向けた新たな利用料軽減枠を設けることと重点要望が出されております。
 市長会からの要望について、都はどのように受けとめておりますか。

○山本高齢者施策推進担当部長新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長兼務 シルバーパスにつきましては、さまざまな要望があることは承知をしております。
 シルバーパスは、若年世代との間に負担の不公平があることなどの課題があったことから、平成十二年に都民の理解を得て見直しを行い、所得に応じて区市町村民税非課税の方は千円、課税の方は二万五百十円の利用者負担をいただく仕組みとなってございます。
 また、平成十八年度から、課税の方であっても合計所得金額が百二十五万円以下の方には、税制改正に伴う経過措置として千円でパスを発行しております。

○白石委員 東京都市長会からも、一度ではなく繰り返し要望が都に出されております。しかも、この利用者負担についての要望は、これまでは一般要望とされてきましたが、ことしの八月に出された要望では重点要望に格上げがされております。都として、ちゃんと受けとめていただきたいというふうに思うんです。
 都のあり方調査でも、二万五百十円について、高いと思うが調査結果としても全体で最も高くなっております、明らかになっているんです。
 そこで、現在の千円と二万五百十円に、新たに三千円と五千円を加えて、中間層の利用者にも負担軽減を図るべきだというふうに思いますが、いかがでしょうか。

○山本高齢者施策推進担当部長新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長兼務 シルバーパスは、若年世代との間に負担の不公平があることの課題がありましたことから、平成十二年に都民の理解を得まして見直しを行いました。所得に応じて区市町村民税非課税の方は千円、課税の方は二万五百十円の利用者負担をいただく仕組みとなってございます。
 平成十八年度から、課税の方であっても合計所得金額が百二十五万円以下の方につきましては、税制改正を伴う経過措置として千円でパスを発行するということで、経過措置を今継続しているところでございます。

○白石委員 先ほどから答弁で、若い世代との間に負担の不公平があると、このようにいっていますけれども、年をとって退職すれば収入は減りますし、医療や介護の支出はふえます。そうした高齢者が安心して暮らせるように負担軽減をするのは、私、当然のことだと思います。さらにいえば、若い世代の老後の安心にもつながるんです。
 また、都民の理解を得てと、このように今おっしゃられますけれども、負担軽減を求める声は根強くあるんですね。だからこそ、先ほどいった市長会からの重点要望、格上げされているわけです。こういうところをしっかりと受けとめていただきたいというふうに思うんですよ。
 高くて諦めた事例、紹介したいと思います。例えば、七十代女性の方は、定期的にバスを利用し病院に通院しています。買い物や友達と会ったりするときもバスは使うけれども、生活が苦しくて、シルバーパスを利用したいけど病院以外は節約すると。通院回数とバスの利用を計算して、シルバーパスは諦めたと話します。
 高齢者の社会参加や高齢者福祉の向上がシルバーパスの目的です。多くの高齢者がシルバーパスを利用できるようにするためにも、今は二万五百十円となっている方に対して、三千円や五千円の中間層の料金設定を新たに設けて、負担軽減と利用促進を図ることを強く要望したいと思います。
 最後に、シルバーパス制度について、都民アンケート調査などは現在終了はしていますが、都はさらに調査検討を行うと、このようにしております。
 そこで伺いたいと思いますが、今後どのような調査を行って、いつごろをめどに検討結果の取りまとめを行うのか具体的に伺いたいと思います。

○山本高齢者施策推進担当部長新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長兼務 昨年度実施いたしました制度のあり方調査及び利用者実態調査、こちらの結果でございますけれども、制度に対する都民の考え方等や利用状況について概要を把握することができたということになっております。
 一方で、調査への回答の背景にございます高齢者を取り巻く環境や地域の状況などにつきまして、さらに把握する必要があることも明らかになったことから、現在、都内区市町村に対する高齢者の社会参加施策等に関するアンケート調査や、将来の高齢者像と社会参加促進策に関する企画立案等業務委託などを実施しておりまして、今年度末までに結果を取りまとめる予定でございます。

○白石委員 さらに調査を行うと、このようにいっていますけれども、例えば答弁にあった将来の高齢者像と社会参加促進策に関する企画立案等業務委託、これは将来の高齢者のニーズに対応した社会参加促進策を企画立案し、都の施策を検討することを目的に委託調査を行うと、このようにしております。
 将来というのは何かというと、二〇四〇年代なんですね。現在のシルバーパスのこの制度の検討なのに、なぜ二〇四〇年代のニーズを考えるのかと。それよりも、都民の実態やニーズ、市長会の要望を踏まえることこそ重要ではないでしょうか。地に足をつけた検討を具体的に行っていただきたいと思います。
 やはり先延ばしのような調査検討をするんじゃなくて、中間層の負担軽減や交通機関の対象拡大、都県境の路線でシルバーパスを利用できるようにするなど、制度の拡充に早急に踏み出すよう改めて要望いたしまして、このテーマでの質問を終わりたいというふうに思います。
 次に、島しょ医療について質問をいたします。
 島しょ地域は、医療資源が不足していることから、周産期や高度専門医療、難病、障害者医療などを受けるには、島外の医療施設に足を運ぶ必要があります。受診するには船や飛行機の交通手段を使わなければならず、時間も交通費も負担は重くのしかかります。また、多くの場合宿泊をしなければならず、宿泊代の負担も重なります。
 相次ぐ年金の切り下げや保険料など社会保障の負担増とあわせて、医療を受けるために、交通費、宿泊代の負担は、命や健康にかかわる負担となっております。そのことからも、島民の医療に係る負担軽減に福祉保健局として取り組むことは重要と、このように考えます。
 そこで伺いますが、島しょ医療をさらに拡充していくことが必要だと思いますが、都の認識、いかがでしょうか。

○矢沢医療政策部長新型コロナウイルス感染症医療政策担当部長兼務 島しょ地域におきまして、患者が安心して医療を受けられるよう、本土の医療機関とも連携しながら、島しょの医療提供体制を支援する必要があると認識しております。
 このため、都は、島しょにおける医療従事者の確保支援、島しょに勤務する医師への支援、医療施設や医療機器の整備に対する支援などを行っております。
 また、本土に入院中から、島しょの医療機関等との連携を構築することによりまして、住みなれた島での療養生活を安心して送ることができますよう、本土の医療機関と島しょの医療、介護関係者によりますウエブ会議システムを活用した取り組みなどを支援しております。

○白石委員 島しょ地域における医師や看護師を確保する、こういうことや医療機器の整備を充実するということはもちろん重要だと思います。しかし、それだけでは島の住民が安心できる医療体制とはならないと申し上げたいと思います。
 例えば、がんの場合の多くは、定期的な検診や高度な治療が必要となります。例えば、新島から都心の医療機関を受診するには、大型船の場合、船賃は往復で島民割を含めて約八千円かかります。その上、新島から竹芝桟橋まで七時間から八時間の乗船時間がかかり、竹芝桟橋に着くのは夜の七時ぐらいになります。
 高速のジェット船でも、到着は夕方になるということなので、いずれにしても、受診の前日までに海を渡って、宿泊してから医療機関を受診するということになります。飛行機の場合、三十分ぐらいで着きますけれども、島民割があっても往復で約一万七千円程度かかるということになります。
 どの交通機関を利用しても、一回の受診当たり、宿泊代も含めれば二万円から三万円、少なく見積もってもかかると、このように島の方々、お話を聞いたらいっておりました。
 また、利島の住民の方からお話を聞きますと、年金生活で月の収入は六万とか七万円、都心の医療機関にかからなければならなくて、一回の受診に二万や三万かかってしまう、だから極力控えている、このように訴えております。
 まさしく必要な医療を受けられない、こういう実態です。だからこそ、それぞれの島で独自に補助制度をつくって、受診のためにかかった交通費や宿泊代を補助しているということだと思います。
 そこで伺いたいと思いますが、島しょ地域の住民が本土の医療機関を受診するための交通費、宿泊代の負担軽減に取り組んでいる自治体は幾つあるでしょうか。

○矢沢医療政策部長新型コロナウイルス感染症医療政策担当部長兼務 島しょ地域の住民が本土の医療機関を受診するため、交通費の負担軽減に取り組んでいる都内の自治体は七町村となっております。

○白石委員 伊豆諸島と小笠原を含めれば九つの自治体がありますが、全ての島で補助制度があるわけじゃありません。今、二つないとおっしゃられました。青ヶ島には補助制度がありません。島によって対象となる住民も異なっております。答弁で七町村といいましたけれども、多分、新島は入っていないと思うんです。
 新島では、我が党の綾亨村議も住民の声を訴え続けて、昨年一月一日から、島外医療にかかる交通費、宿泊代の補助が実現をしております。ぜひ調べていただきたいと思います。
 しかし、新島の制度というのは年齢制限が設けられております。村としては、できれば全世代を対象にした制度にしたいけれども、財政的課題で踏み出せないと、このようにも村自体が話しているということです。
 村だけに島外医療の交通費や宿泊代の補助を任せるんじゃなくて、都がしっかりと補助制度を創設して医療格差の是正を図って、島しょ地域の医療の充実を行うことが必要であると、強く私は訴えたいと思いますし、要望もしたいと思います。
 そこで伺いたいと思いますけれども、町村会から、島しょ地域において、通院費の負担軽減制度を創設するよう都に要望が出されていると思いますが、この要望について東京都はどのように受けとめているでしょうか。

○齋藤企画担当部長事業推進担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 東京都町村会から、難病患者、障害者に対する通院のための助成制度の創設を求める要望が出されていることは承知しております。

○白石委員 今、承知しているというふうにおっしゃられました。私、今回の質疑をする上で、やっぱり一番課題だなと感じたこと、何かというと、この医療にかかる交通費、宿泊代について受けとめる部署が福祉保健局にないということなんです。
 それぞれの島でも交通費と宿泊代というのは、医療や福祉の一環として位置づけて補助制度がつくられております。福祉保健局として承知していると、このように答弁されましたので、やっぱり島の声を受けとめるとともに、島外医療にかかる交通費、宿泊費の負担軽減を医療政策として位置づけるように強く要望して、このテーマへの質問、終わりたいと思います。
 最後に、障害者福祉会館のインターネット環境の整備について質問を進めたいと思います。
 東京都はことし二月に、スマート東京実施戦略を策定いたしました。その中の戦略の取り組み方針では、電波の道で、いつでも、誰でも、どこでも、何でも、何があってもインターネットがつながる環境を整備、つながる東京を構築するなどと、小池知事、掲げております。
 では、伺いたいと思いますが、福祉保健局が所管する施設において、利用者がインターネットを活用できるように整備されている施設は、何施設中何施設でしょうか。

○藤井障害者施策推進部長 障害者施策推進部が関係する事業所についてお答えさせていただきますが、障害者施策推進部関連事業所は、指定管理者が運営するものを除くと、支所等を含め十カ所ございます。その中に、利用者が自己のパソコン等を自由にインターネットに接続し、利用できる施設はございません。

○白石委員 障害者分野に限っての、今ご答弁でした。驚きだなというふうに思います。現在の障害者福祉会館初め、障害者施策推進部が所管する全ての事業所では、利用者がインターネットを利用できないということです。
 つまり、知事は、つながる東京、こういうふうにいっていますけれども、インターネットにつながらないのが都立の障害者施設なんですね。だって、電波の道、ありませんから。だから改めて、本当にやっぱりここを、しっかりと対応していただきたいと思います。
 改めて私たちの立場も述べたいと思いますけれども、私たちは暮らしに役立つデジタル化は進めるべきだと、こういうふうに思っております。
 そこで伺いたいと思いますけれども、障害者がインターネットを活用できるように整備していくことは、生活の質を向上させる上で重要というふうに考えますが、都の認識、いかがでしょうか。

○藤井障害者施策推進部長 障害者がITを活用し情報の入手を容易にするなど、生活の利便性を高めることは重要と考えております。
 都は、障害者のIT利用を支援するため、東京都障害者IT地域支援センターを設置し、障害者からの利用相談や障害者のIT支援者養成などを行っております。

○白石委員 視覚障害者の方から、障害者福祉会館にインターネットを整備してほしいという強い要望が、これまでも繰り返し繰り返し東京都に出されております。
 障害者福祉会館には、視覚障害者日常生活情報点訳等サービス、いわゆる文字サービス事業があります。これは、生活一般にかかわる、例えば手紙とかチラシ、契約書、電化製品などのマニュアルを技術員の方が朗読をしてくれたり、そして点字に変換してくれたりする事業になっております。
 私も障害者福祉会館に視察に行きました。行ったときに、視覚障害者の方が電動歯ブラシの証明書を技術員の方に朗読してもらって、そして使い方を学んでいるところをちょうど見させていただきました。
 視覚障害者にとって非常に役立っているのが、この文字サービスということになります。家に入ってきたチラシとかそうですし、電動歯ブラシもそうですし、何か製品を買ったときに、動かそうとか、どういう使い方かといったときに、点字ではほとんどありませんので、そういったときに、この技術員の方が朗読をしてくれたり点字に変えてくれたりという、こういう非常に大事なサービスです。
 ところが、これを行う文字サービス室には、パソコンはあるんですけれども、インターネットにつながっていないんですね。非常に不便が生じています。
 例えば文字サービスを受けているときに、もう少し詳しく調べないと書類が書けないとなった場合でも、その場で調べることができないんですね。自宅など、改めて家に帰って、インターネットなど、情報を受け取って調べ直した上で、次の週に文字サービスを予約しなければならないということになります。
 また、文字サービス室には、点字に変換する機器もありますね。電化製品のマニュアル、先ほど電動歯ブラシをいいましたけれども、これ、インターネットで簡単にマニュアルとかのデータをPDFで入手できます。インターネットにつながっていれば、そのPDFのデータがあれば、その場で点字に変換することもできるんですけれども、それもインターネットにつながっていないので、できないという状況です。
 また、視覚障害者の方が個人で使えるパソコン室もありますが、同様にインターネットにつながっていないので、不便さ、同じくあります。
 視覚障害者の方からは、都には繰り返し要望をしていると、早くインターネットを整備してほしいと、このように訴えております。
 デジタルトランスフォーメーションを東京都は推進をしておりますが、障害者福祉会館など福祉保健局所管の福祉施設は対象となっているのかどうか伺いたいと思います。

○藤井障害者施策推進部長 都は、都政のデジタルトランスフォーメーションを推進しておりまして、今年度は、都政の構造改革実行プランの年度内の取りまとめに向け、未来型オフィスの実現、五つのレスの徹底推進など、七つのコアプロジェクトを選定し取り組みを進めております。
 この都政のデジタルトランスフォーメーションにつきましては、都庁全体を対象としているものでございます。

○白石委員 つまり、障害者福祉会館を含め、全ての障害施設、東京都の施設というのは対象だというご答弁です。
 そもそもデジタルトランスフォーメーションと、こういうふうにいうまでもなく、利用している障害者の声に耳を傾けて、ネット環境がないような状況こそ、やっぱり真っ先に改善すべきだというふうに思います。
 コロナ禍により、障害者同士が会議で集まることや企画が現在困難となっております。多くの、例えば障害者団体、視覚障害者団体だけじゃありません、聴覚障害の団体やそういう関係者、こういう方々からは、こういうときだからこそオンラインで障害者同士がつながり交流を深められるように、障害者の拠点である障害者福祉会館でこそ、ネット環境の整備を早急にやってほしいと、もう切実な訴えがあります。
 障害者福祉会館にインターネット環境を、整備に向けて具体的に検討すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○藤井障害者施策推進部長 都政のデジタルトランスフォーメーションの推進におけるコアプロジェクトの成果につきましては、今後、都庁全体に横展開することとしており、その中で、障害者福祉会館のインターネット環境の整備につきましても検討してまいります。

○白石委員 これまでインターネットの環境整備は障害者福祉会館では困難と、このようにしていましたが、今ご答弁で、インターネット環境の整備を検討すると、この答弁、本当に大変重要だと思います。これ聞いている障害者の方々も大変喜ぶと思います。
 早急に整備をするためにも、例えば来年度の予算に障害者福祉会館のインターネット整備、予算計上してほしいと。先ほど十施設、全部つながっていないといいました。だったら障害者施設、まずはインターネット環境を整備するということ、具体的に検討し予算をつけていただきたい。つながらない障害者福祉会館からつながる会館へと整備していただきたいと思います。
 コロナ禍でも障害者の拠点となる障害者福祉会館に改善するよう強く要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。

○桐山委員 私からは、まずコロナ、それからフレイル、そしてAYA世代のがん、最後にKDBという順番で質疑をさせていただきたいと思います。
 まず最初に、新型コロナウイルス対策についてです。
 この三連休を前に、東京都医師会が注意喚起を促すために、二十日の午後、緊急記者会見を行っています。その前日の十九日は五百三十四名、そして、その緊急記者会見をされた二十日の日に五百二十二名の感染者が報告をされて、その日の六十五歳以上が約八十人、そして一週間の増加比を見ると一・三三倍になっているということで、この記者会見の中でも、このまま有効な抑制政策ができないでいると、四週間後には千二十名という数になるという試算も出ているというような、会見の中での医師会長のお言葉もございました。
 そして、この感染予防対策をとっていかないと、きょうは減っていましたけれども、また五百人台が毎日続くということになると、この東京の医療体制がかなり逼迫する危険な状態だと思っていると。そして、これがさらに千人というふうな一日の数になっていくと、もうこれは東京の医療はもたないだろうという考えも持たれているというように会見もされていたところです。
 また、この連休を前に、特に飲食からの持ち込みの傾向がふえているよという言及もあったり、また、飲食には、七月、八月は夜のまちとかが多かったけれども、今は家庭内感染、職場内の感染がふえて、特に飲食から持ち込んで、家庭内や職場内に感染が広がっているというような傾向がふえるというような会見内のお言葉もあったところでございます。
 今回私は、コロナ対策についての中では、PCR検査の検査の体制について質疑をさせていただきたいというふうに思っています。
 まず最初に、検査の費用についてお伺いをしていきたいと思います。
 まず一点目なんですが、保健所が行っております行政検査の対象、そして自己負担についてお伺いをしたいと思います。

○杉下感染症危機管理担当部長医療連携推進担当部長兼務 保健所では、国立感染症研究所から示された新型コロナウイルス感染症患者に対する積極的疫学調査実施要領に基づき、患者及び濃厚接触者に積極的疫学調査を行い、必要な方に行政検査を実施しております。
 検査対象者に自己負担はございません。

○桐山委員 次に、この行政検査のうち、保険適用の検査はどのような場合に行われるのか、また、この費用負担についてもお伺いしておきます。

○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 新型コロナウイルス感染症が疑われる方が、医師の判断により新型コロナ外来等で検査を受ける場合、保険適用となります。
 初診料等につきましては、保険適用後の自己負担分を支払う必要がありますが、検査費用については、自己負担分が公費負担となり被験者の費用負担は生じないことになります。

○桐山委員 ありがとうございます。
 今お伺いしたのは、行政検査ということで自己負担が発生をしないということですけれども、一方で、今検査の中に、社会経済活動を回していくための検査というものがあって、例えば、ビジネスの場面でいわゆる陰性証明を必要とする場合、本人の希望で行う検査と位置づけられている検査は、あくまでもこれは陰性であることの証明を得るために行う検査なので、医療機関で自由診療として検査費用は全額自己負担となって、今ご答弁があった、いわゆる医師が必要と判断をした場合に受ける新型コロナウイルス感染症の検査というものは保険の適用になるので、これは自己負担がないということになります。
 この自由診療というのが、今結構課題になっているかと思いますけれども、また、この辺のルールがなかなか定められておりませんけれども、今後も非常に、本人の希望で行う検査というものも一方でふえてくると思います。
 またその中で、本人の希望の検査、郵送等とかでも簡単にできるキットとかが今ある中で、それで自分が陽性になった場合に、あくまでも保健所に申し出て、当該の感染症にかかっていると疑うに足りる正当な理由のある者という形で、行政検査の対象として位置づけられるというような、その辺のはっきりしたルールというものがまだ定められていないのかな、そういうことがまだ知られていないこともあるので、そういったことについても、今後課題としてあるのかなというふうな認識を持ち合わせていることを申し述べておきたいと思います。
 次に、五月、六月ぐらいまでは、例えば障害者の方々とか、介護施設にいらっしゃる方々−−今ちょっと補正予算とかで任意の方のスクリーニングの補正予算がありますけれども、そういう方々のいわゆる行政検査という部分で、出張、出向いて検体を採取するというものが、五月、六月ぐらいまでは、あくまでも保健所の医師その他、保健所の検体採取可能な専門家というふうにされていたと思います。
 しかしながら、その後、状況の変化とともに、出張という形で保健所以外の都の委託契約をした医療機関、いわゆる検査協力医療機関といいますが、及びPCR検査センターも、この検体が採取できるようになったと思います。
 そこで、都の契約をした医療機関及びPCRセンターが、高齢者施設等に出張して検体を採取することができることを都内の医師会と認識を共有していただきたいと考えますが、都の見解を伺います。

○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 新型コロナ外来やPCRセンター等は、往診、訪問診療により、在宅や施設での感染が疑われる方への検査を行うことが可能となっております。
 これまで都は、都医師会等と緊密に連携しながら検査体制の整備を進めてきました。
 今後も引き続き、都医師会等と協力し、必要な方が迅速に検査を受けられる体制を整備してまいります。

○桐山委員 状況が変化をして、厚労省は、先ほど申し上げたように、以前は、まだ保健所の医師その他または保健所の検体採取可能な専門家しかできなかったけれども、今は、行政検査ですけれども、医療機関やPCRセンターも検体を採取しに出張して、出向いてとりに行くことができるというふうに変わってきております。
 たしか、新宿は早い段階で出張検査をされていたと思うんですけれども、どのぐらい出張で採取をされているかというのがまだ把握できていないというようなことも聞いておりますので、今後、これからまた感染者数もふえて、検査の体制も強化をしていかなければならないと思いますので、こういった行政検査というところで、ぜひ医師会を通してこういったPCR検査センターにも協力をしてもらいながら、保健所の負担を軽減するためにも、ぜひ柔軟で、そして検体採取から医師の診断まで、迅速でスピード感を持って体制の構築ができるように要望しておきたいというふうに思います。
 次に、都の保健所が所管する区域の、多摩地域なんですけれども、多摩地域におけますPCR検査センターの設置状況について、どのぐらいの数があるのかお伺いしたいと思います。

○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 令和二年十一月二十日現在、八王子市及び町田市を除く多摩地域のPCRセンターは十七カ所でございます。

○桐山委員 ありがとうございます。
 現在では、八王子、町田、保健所設置市ですけど、それ以外の東京都所管の多摩地域でいくと、PCRセンターは十七カ所ということです。
 二十六、差し引きますと、まだまだ少ないのかなというふうに思っておりますが、厚労省の九月四日の事務連絡の中でも、この検体の採取体制については、インフルエンザの流行に備えた体制整備ということで、少なくとも二次医療圏に複数、しっかり目安として検査センターを設置することというふうにも書かれておりますので、ぜひ今後も、設置をさらに促進していただけるように、こういった協力をぜひ働きかけていただきたいことも要望しておきたいと思います。
 次に、唾液の採取について質疑をさせていただきます。
 唾液の採取は、医師または医師の指導のもとで看護師等によって行われることが適切であるとはいえ、法律的には、いわゆる医師免許がなくても採取できるものではないかと考えておりますが、都の見解を伺います。

○杉下感染症危機管理担当部長医療連携推進担当部長兼務 唾液の採取は、医療従事者の管理下であれば、医師免許がなくても可能であり、被験者自身が採取できるものであります。

○桐山委員 医師の免許がなくても採取可能、先ほども申し上げたように、キットが送られてきても、自分たちが採取をしてサンプリングを送り返すということもできるということです。
 そこで、東京都が採用した会計年度任用職員のトレーサー班に対して、サンプリングの方法や手順等の研修を行うなど人材育成に取り組むべきと考えますが、都の見解を伺います。

○遠藤新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長新型コロナウイルス感染症対策企画調整担当部長兼務 都は、新型コロナウイルス感染症対策により、業務負担が増大している保健所の支援を行うため、保健所支援拠点を設置いたしまして、感染症対策業務に従事する会計年度任用職員を配置しております。
 本年九月に採用し、保健所支援拠点及び多摩地区の都保健所に配置している職員に加えまして、今月、さらなる感染者の急増に備えるため、看護師等九名、事務職員三十九名、合計四十八名を採用し、体制を増強いたしました。
 これらの職員は、採用後、関係機関と連携し専門的な研修を実施した上で、保健所支援拠点や多摩地区の都保健所等に配置をいたしまして、検査センターの運営や積極的疫学調査支援等の業務に従事いたします。
 この研修の中で、看護師等医療従事者に対しては、唾液検査のサンプリングを初めとした検体の取り扱いについて、演習を実施してまいります。

○桐山委員 ありがとうございます。
 できるだけ、まあ今月、さらなる感染者の急増に備えるために、看護師等九名だったり、事務職員三十九名、合計四十八名の採用、体制を増強して強化をしていくということでございます。
 こういった唾液による検査ということも、厚労省もどんどん活用を促進していくべきだということも、事務連絡等でも来ておりますので、できるだけそういった体制整備がつくれますように、さらなる強化をお願いするものでございます。
 最後に意見なんですけれども、これまでコロナは、昨年度末からずっと現在までもふえ続けて、急激にまたふえ続けておりますけれども、医療従事者の方々は最前線で働いていらっしゃって、本当に敬意を表するところでございますが、それら、医療崩壊をしないために、もちろん局一丸となって、体制またはこの環境をしっかり整備をして支えていくために、今、この局の中で、初宿局長を初め、新たなるコロナ対策に関する職場が設けられたと思います。
 その人材がやはり疲弊をしては私はいけないと思っていますので、ぜひ、それぞれ、見えない敵と闘っていて、本当に成果も何もない中で、本当にご苦労も多いかと思いますけれども、皆さんのメンタルな部分だったりですとか、あるいは体調を壊されませんように十分留意をしていただいて、ぜひ、それぞれ応援体制も築き、それぞれ助け合いながら、このコロナに打ちかっていただけますようによろしくお願いをしたいというふうに思いますので、コロナに対しての質疑を終わります。
 次に、フレイルの方に移っていきますが、このコロナ禍におけます高齢者の身体への影響について、私も決算委員会の質疑を通しても、問題提起もさせていただいております。
 本当に現在もふえ続けている中で、特に高齢者は、疾患を持っていらっしゃる方が多くて重症化しやすいといわれていて、それ以外の病気も、外出を抑制したり、受診控えになっていたりということで、大変身体への悪影響というものが、極めて深刻だなというふうに思っております。
 東京都は、フレイル対策というものを昨年よりしっかり予算化をしているということも、決算委員会の中でも評価をさせていただいたところなんですが、やっとこのフレイル、走り出したというところで、このコロナが、今まだまだ感染拡大しているところなので、本当は高齢者の方々にこのフレイルというものの気づきを早くしていただいて、いつまでも元気でいていただきたいところなんですけれども、非常にこの外出控えということで、人と人と対面することも避けていらっしゃるし、コミュニケーションがとれないということもあって、市区町村も予算は持っているけれども、どうしていったらいいのかという非常に悩ましい現状だというふうに伺っています。
 私が決算委員会の際に伺ったときに、パンフレット、リーフレットをコロナ禍において作成をしたということでございました。
 そこで質問ですが、このコロナ禍において都が策定をされましたフレイルの予防の啓発リーフレットについて、その配布先、そして配布に当たりどのような工夫を行ったのか、詳細について伺います。

○村田高齢社会対策部長 お話のリーフレットは、高齢者が新型コロナウイルス感染症やインフルエンザ等への感染を防ぎながらフレイル予防に取り組めるよう、改めて呼びかけるため、既に二万五千部を配布し、今後、さらに三万五千部を追加で配布をする予定でございます。
 配布先についてでございますが、区市町村を通じ、地域包括支援センターや地域の高齢者等が集う通いの場、区民センターなど、高齢者が入手しやすい場所に配置を進めているところでございます。
 また、高齢者が通院の際、手にとることができますよう、関係団体の協力を得て、医療機関にも配布をしております。
 さらに、閉じこもりの高齢者等へも情報を届けるため、区市町村では、民生児童委員にリーフレットの周知を行い、見守りや訪問の際に高齢者へ情報提供を促すなどの活用が図られておりまして、今後とも普及啓発の取り組みを推進してまいります。

○桐山委員 ありがとうございます。
 毎回なんですけど、こういったリーフレットとか冊子もたくさんつくっていただけて本当に大変ありがたく思うんですけれども、やはり確実にいいものをつくられていると思って、評価もさせていただいておりますので、こういった資料といいますかリーフレットを、市区町村を通じて渡していただけるということのご答弁もありましたが、高齢者は、今は積んであっても絶対とりに行ったりとかもできないので、できるだけ、今もう閉じこもって家を出ていかない人たちもふえている中で、着実にそういった方々に、やっぱり声も届かなきゃいけないし、知ってもらわなきゃいけないし、家でできることもやってもらいたいしということがあるので、市区町村が、例えば郵送でそれを送った場合の財政支援の面ですとか、そういったところを、着実に手に届くような支援を、ぜひ区市町村とも、要望をしっかり聞いていただく中で対応していただけるようお願いしたいと思います。
 それから次ですけれども、昨年度、食事の面でも、非常にバランスよく食べましょうということで、七品目のお弁当をされたりとか、今年度は、配食サービスを通じて、バランスよくご飯を食べましょうということで、フレイル対策ということで、よく食べるというところでの一連の取り組みを行っていますが、このフレイル対策の中で、やはりお口から入る、食物をかんだりとか飲み込む力が弱ってしまうということで、これをオーラルフレイルというふうに呼ばれておりますが、それも大変、対策も重要だと思います。
 そこで、お口の健康という観点から、糖尿病予防に対する歯周病予防の指導や啓発、オーラルフレイルの側面から見たかみ合わせや嚥下指導など、これまで市区町村補助の中で対応していると思いますが、都がさらなる財政支援を含め強化すべきだと考えますが、見解を求めます。

○鈴木医療政策担当部長 平成三十年三月に策定した東京都歯科保健推進計画では、いわゆるオーラルフレイルの概要を記載するとともに、生涯を通じて食事や会話を楽しむことができる歯と口の機能の維持を支援していくこととしております。
 そのため、在宅歯科医療に関して実施している歯科医療従事者向け研修会の中で、平成三十年度からオーラルフレイル対策についても講義内容に盛り込んでいるところでございます。
 また、都は、口腔機能の維持向上に向けたリーフレットとDVDを作成し、昨年度、区市町村や歯科医療機関等に配布いたしました。
 今年度からは、新たにそれらのリーフレット等を活用し、講演会や研修会等で普及啓発に取り組む区市町村を包括補助事業により支援しております。

○桐山委員 ありがとうございます。
 お口の健康ということで、オーラルフレイルが東京都歯科保健推進計画の中にも盛り込まれて記載されているということで、重点的に取り組んでいかなければならないものなのかなというふうな認識を持たせていただいておりますが、歯周病というものが、やはり糖尿病や喫煙などと同様に生活習慣病の一つと考えられておりまして、実際、歯肉で炎症が続いていると、歯周病菌や菌の出す毒素が血流に乗って心臓に運ばれたり肺に入ったりして全身疾患を引き起こすおそれがあるともいわれている、実は結構大事な歯周病予防というふうにいわれています。
 また、高齢者に多い誤嚥性肺炎を予防するためにも、この歯周病ケアというものが非常に重要だというふうにもいわれているので、高齢者に対しましても、ぜひこういった歯磨き指導といいますか、歯周病予防は何よりもお口の中を清潔に保つということとブラッシング指導を丁寧に行う、知っておくということが大事だと思いますので、ぜひ積極的に、歯科衛生士さん等を活用しながら、市区町村包括補助も使っていただきながら、ぜひそういったオーラルフレイル、お口の健康ということで、今後も強化をしていただきたいというふうに要望しておきたいと思います。
 続きまして、シニア予備軍向けの読本についてですけれども、これはどのような場所で配布をしたのか、対象者に確実に手にとっていただくためにどのような工夫をしたのかお伺いしておきます。

○村田高齢社会対策部長 お話の読本でございますが、主に五十代から六十代前半の、これから高齢期を迎える世代を対象に、今後のライフプランを考える上でのヒントやフレイル予防のポイントなどの情報を盛り込み、百万部作成をしたものでございます。
 配布に当たりましては、確実に対象者の手に届きますよう、人間ドックや歯科医院、保険薬局の窓口等で直接配布をするとともに、経営者団体の協力を得まして、企業に対象年齢となる従業員向けに配布をお願いしたほか、専用ウエブサイトを通じて個別の配送依頼にも対応しているところでございます。
 ごらんいただいた方々からは、自治会の対象年齢の方に配布をして勉強会をしたい、地域で活動している仲間の方に配って講習会をしたいなど、地域で活用したいとの意向やライフプランづくりに取り組んでみたいなどといった声が寄せられております。
 読本の内容はホームページにも掲載されておりまして、引き続き都民への情報発信を行ってまいります。

○桐山委員 ありがとうございます。
 これまでちょっとフレイルに触れてきましたけれども、シニア予備軍向け読本、私も見させていただきまして、非常にユニークでカラフルな冊子というか、いいものをつくっていただいたなというふうに思っております。
 これもやはり確実に、この対象者、特にフレイル、私まだフレイルじゃないみたいな、私も五十代入りましたけれども、五十代から六十代のこの世代、これから老化が激しくなっていく世代なんですけれども、そういう方々にしっかりと、先ほども申し上げた早い段階で気づいていただくということについて、そして、フレイルになったらどういうことが起こるかということを、やはり早い段階から知っていただくということが私は重要だと思っています。
 こういった冊子、先ほど申し上げましたように、やっぱり積み上げるだけだったら、こんなに百万部もつくって積み上げたらもったいないので、できるだけ、こういった自治会の方々が勉強会したいというお声もいただいているようなので、しっかり地域の中で活用していただけるような、また、ライフプランづくりに取り組んでみたいだとか、そういった声が寄せられているということですので、そういった活用をぜひしていただきたいです。
 また、この読本の内容をホームページでも掲載されているということなので、自治体が、切り張りじゃないですけど、自分たちでまた、各区市町村がそういった読本のページを活用しながら、何か取り組んでいただけるような形の働きかけもいいのかなというふうに思いますので、そちらの方もよろしくお願いします。
 次に、AYA世代のがんについてなんですが、鳥居議員からも質疑がありました。私からは妊孕性温存について質問いたします。
 平成三十年十一月の厚生委員会の事務事業質疑で、私が、まず最初に取り上げました。それから三十一年度の第一回定例会の一般質問でも取り上げさせていただき、その後、令和元年第三回定例会で増子幹事長が代表質問でも取り上げさせていただきました。これまでも、我が会派がいち早くこの妊孕性温存に対する公費助成制度を求めてまいりました。
 放射線や抗がん剤による治療は、精巣や卵巣にダメージを与えて不妊を招くおそれがあるといわれておりまして、卵子や精子などの凍結保存、このリスクを回避する手段なんですけれども、これが非常に費用が高くて、医療保険の適用対象外ですので、この凍結保存に百万円以上かかることもあるともいわれていて、経済的に大変困窮な方々にとっては、やはり妊娠を諦めたりとか、先に治療を優先するとか、あるいは、そんなこと知らなかったということもあるようなことも聞いているところでございます。
 このがん治療に伴う不妊に備えまして、凍結保存する費用に助成制度を設ける都道府県が、もう年々ふえてきております。東京都ではまだ実施をしていないわけですけれども、一方で、この計画のない都道府県からは、全国共通の課題だ、そして国の動向を注視するなどの、やらない理由も上がってきているとも聞いています。
 そこで、二〇一八年から二〇二〇年、現在ですけれども、全国的にこの生殖機能温存のための費用助成の取り組みが進んでいる中、他県の状況についてお伺いをしたいと思います。

○鈴木医療政策担当部長 厚生労働省研究班の調査によりますと、生殖機能温存に対する助成に取り組んでいる全国の状況は、二〇一八年、平成三十年度は五府県でありましたが、二〇一九年、令和元年度には、神奈川県、山梨県、静岡県など七県で実施となり、計十二府県で実施となってございます。
 今年度は、宮城県、秋田県、福島県など、新たに十県で助成事業を開始すると聞いておりまして、全国で二十二府県が取り組む予定となってございます。

○桐山委員 ありがとうございます。
 年々ふえているということで、今年度、結果、二十二府県が取り組む予定ということで、約半数の都道府県が実施を予定したり、実施をしていたり、創設をしているということがわかりました。
 東京都においては、まだ実施をされていないんですが、平成三十年度に実施をした東京都がん医療等に係る実態調査、これはAYA世代の患者に関する実態調査をされております。その結果では、生殖機能温存にかかわる費用の助成などの支援が必要とされていることが明らかになったと思います。
 こうした結果も踏まえ、生殖機能温存支援について、都はどのように検討しているのかお伺いいたします。

○鈴木医療政策担当部長 ただいまお話しの実態調査の結果を受けまして、令和元年十二月に、各道府県及び都内区市町村に対して、がん患者の生殖機能の温存に係る治療費等の助成に関する実施状況を調査いたしました。
 また、本年三月には、日本産科婦人科学会に登録している都内の医療機関十七施設に対しまして、医学的適応による生殖機能の温存療法に係る実態調査を行い、費用や人員体制、治療の種類、意思決定支援の有無などの実態を調査いたしました。
 現在、がん対策推進協議会及びワーキンググループにおきまして、その結果を踏まえながら、生殖機能の温存に係る費用の助成制度や患者に対する意思決定支援のあり方について検討を進めております。

○桐山委員 ありがとうございます。
 以前、私は多摩総合医療センターに視察に行かせていただいた際に、AYA世代のがんに対することで質問を少しさせていただいた際に、こういったAYA世代のがんの妊孕性温存についてはどうですかというふうにお伺いさせていただきました。
 そのときの回答は、もちろん都立病院では、今凍結保存治療といいますか、管理したりとかということはやっていないので、治療に当たる前に、選択といいますか、そういう保存療法もありますよということをきちっと説明をしていますということで、民間の医療機関でやっているところも紹介しているということも伺ったところです。
 こういった、ちょっと縦割りであれなんですが、病院経営本部の中にあります都立病院の方でも、そういった連携もぜひとっていただきたいというふうに思いますし、また、今ご答弁にありましたように、しっかりと認識を持っていただいていることがわかりましたし、東京都の予算要求、来年度の予算要求の中にも入っていたかと思いますので、大いに期待したいというふうに思います。
 最後に、KDBを活用した保健事業の推進についてに移りたいと思います。
 令和二年四月から、法改正によりまして、都道府県は区市町村が行う保健事業の適切かつ有効な実施を図るため、必要な支援を行うよう努めることが定められました。また、予防・健康づくり支援交付金の創設など、保険者努力支援制度も拡充され、人生百年時代を見据え、より積極的な事業企画が求められています。
 こうした状況を踏まえ、都は、区市町村における保健事業の推進に向けた支援を充実させていく必要があります。
 国保の保健事業やKDBの活用については、これまで私もたびたび質問をさせていただいております。その答弁によりますと、都は、国の保険者努力支援制度や都の繰入金を活用して、区市町村の取り組みを財政面から支援をしている、そして好事例の横展開も図っていくなど理解をしたところです。
 こうした取り組みを糖尿病、本日も細田理事からも質疑がありましたが、こういった重症化予防など具体的な成果を上げていくことが非常に重要だというふうに考えております。
 本年第一回定例会の私の一般質問では、データヘルス計画の策定、見直しが行えるよう、専門家を区市町村に派遣する予定との答弁がありました。区市町村がKDBデータを活用して効果的な事業展開が図れるよう支援することが重要だと思います。
 そこで、区市町村がKDBデータを活用した保健事業を推進できるよう、都はどのような支援を行っているのか、その取り組み状況についてお伺いいたします。

○池上地域保健担当部長新型コロナウイルス感染症対策連絡調整担当部長兼務 国民健康保険の被保険者の健康を保持増進し、医療費の適正化を図るためには、区市町村がレセプトや健診データ等を分析して、地域の健康課題を明確にしたデータヘルス計画を策定し、保健事業を展開していくことが必要でございます。
 都では本年度から、東京大学及び国保連合会と連携し、KDBデータを活用した健康課題の抽出や課題に応じた保健事業の進め方等について、区市町村に助言をする事業を開始いたしました。
 本年度は、既に計画を策定している五十五区市町村のうち十二団体について支援を実施し、残りの四十三団体については、来年度以降、順次支援を実施する予定でございます。
 また、計画が未策定の七団体につきましては、今後、データ分析に基づく計画策定の考え方等について助言をし、計画策定に向けた支援を実施してまいります。

○桐山委員 区市町村が効果的な保健事業が実施できるように、このデータヘルスの支援の実績、ノウハウのある東京大学、国保連合会と連携をして、その他、ヒアリングなども通じて、KDBを活用した健康課題を抽出、課題に応じた保健事業、企画実施、この事業の評価の見直しなどなど助言をされているということがご答弁でわかりました。
 このデータを分析して保健事業を展開している自治体も出てきているかと思いますが、そこで、今年度、策定済みの区市町村を支援する中で横展開できるような取り組み事例はあったのかお伺いしたいと思います。

○池上地域保健担当部長新型コロナウイルス感染症対策連絡調整担当部長兼務 KDBデータの分析から、特定健診受診率が低い四十歳代から五十歳代に対するアプローチを行った事例や、特定健診の結果説明と特定保健指導の初回面談日を同日に実施することにより、特定保健指導の実施率が向上した事例がございました。
 こうした事例をウエブ形式の研修会において区市町村に紹介するとともに、区市町村から問い合わせの多かったKDBシステムを活用した地域の健康課題の分析方法について、情報提供を行ったところでございます。
 今後も、好事例について区市町村に横展開するなど、KDBデータを活用した保健事業の推進が図られるよう、区市町村の取り組みを支援してまいります。

○桐山委員 ありがとうございます。
 このKDBのデータ分析なんですが、私は国保連合会に出向きまして、実際このデータ分析がどういうふうにできるのか、説明していただきながら体験もしてきました。
 医療と介護と健診データとありますね。歯科もあったのかな。そのデータがかなり詳細に蓄積をされている中で、例えば地域別、この地域の今の重症度がどうかとか、細田理事がおっしゃっていました例えば糖尿病の患者の数といいますか、そういった支援を受けなければならない人の数とか、そういったデータもしっかりと分析を行えば、しっかり事業展開ができるというふうに、私自身、操作もさせていただきながら、実感をしているわけでございますが、実際のところ、私は技術支援をしてほしいというのは、実際、いいものがもう蓄積をされているにもかかわらず、やっぱり区市町村に行くと、それを使いこなせない現場が実はあります。
 そういった中で、技術支援も含めた−−出向いていただいて、かなり今も動いていただいているということがご答弁にもありましたけれども、国保連合会も、今、研修制度をどんどん、うちにも来てくださいということとか、非常に区市町村担当職員に声をかけていただいているようですので、このKDBは、うまく活用すれば、本当に医療費の抑制ですとか、今まで重複していた保健事業が、本当にピンポイントで、より効率的な効果的な保健事業が展開できるというふうに私自身確信をしているので、ぜひそういった支援を引き続きお願いをし、引き続き国保連合会と連携をとっていただいて、区市町村の支援、お願いをしたいというふうに要望いたしまして、私の質疑を終わります。

○小宮委員 新型コロナ対策について、再び感染が拡大する中だからこそ、改めて重要なのは、医療崩壊を防ぎ、医療提供体制を維持して、重症患者をしっかりと適切な医療機関で受け入れられることです。
 重症患者一人に要する医療機関の負担は重く、重症患者に対応できるICU等の設備にも限りがあります。これまでも東京都として独自に、重症患者の受け入れ数に応じて、二百億の支援金を給付してきたところですけれども、通常の医療との両立を図りながら、重症患者や重症化リスクのある方に対応するためには、東京の医療機関が有する資源をバランスよく有効に活用していくことが不可欠です。
 そこでまず、現在、重症患者の入院について、どのように調整を行い、その結果、各医療機関でどの程度の重症患者を受け入れているのか伺います。

○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 都では、重症患者を確実に受け入れられるよう、感染症指定医療機関を初め、都立、公社病院や公立、公的医療機関、そして高度医療を担う大学病院等の状況に応じて、病床の確保を要請してきました。
 要請に当たりましては、感染拡大の状況や医療機関の負担も考慮し、重症度に応じた病床の確保を段階的に進めております。
 確保した病床を有効に活用できるよう、医療機関が日々の受け入れ可能病床等の情報を登録する都独自のBCポータルサイトを通じて、医療機関から患者の入院状況や受け入れが可能なICUなどの空床情報を毎日把握し、円滑な入院調整に努めております。
 十一月二十三日時点での医療機関における重症患者の入院状況ですが、四十一名の重症患者を感染症指定医療機関や高度な医療を提供する大学病院などの特定機能病院を初めとする二十五の医療機関で受け入れており、一医療機関当たり、多いところで七名の重症患者が入院しております。

○小宮委員 一部の医療機関では、都の要請に応じて重症患者を積極的に受け入れている状況があります。ここ数カ月は、幸いにも重症患者の規模は一定の水準にとどまっていましたが、今後、感染拡大が続けば、重症患者も増加していくことが予想されます。
 重症患者がさらに増加する事態に直面しても、通常の医療にも対応しながら、新型コロナウイルス感染症患者、とりわけ重症の患者に必要な医療を提供していくために、東京の医療機関全体でバランスよく重症患者を受けとめて、負担の分散を図ることが重要です。
 東京都の医療機関が総力を挙げて、より多くの重症患者を受け入れていくことができるよう東京都は努めるべきと考えますが、見解を伺います。

○花本新型コロナウイルス感染症対策調整担当部長 都は、新型コロナウイルス感染症患者の受け入れのために、入院重点医療機関の指定を行い、重症患者等の病床確保を支援し、入院治療が必要な方を着実に受け入れられるよう体制を整備してきました。
 また、こうした入院重点医療機関等が重症患者に適切な医療を提供できるよう、人工呼吸器やECMOの整備を助成しており、環境整備についても支援を行っております。
 さらに、通常の医療と両立しながら受け入れ可能な人数について、大学病院等の特定の医療機関から個別にヒアリングを行うなど、各医療機関の状況を踏まえ、適切な入院調整が行えるよう取り組んできました。
 今後、より多くの重症患者を受け入れられるよう、受け入れ可能な病床など医療機関の状況をしっかりと把握するとともに、負担の状況なども考慮しながら、東京都新型コロナウイルス感染症対策の調整本部で適切に入院調整を行ってまいります。

○小宮委員 病床を確保できても、対応する看護師らが、このコロナ禍が長期にわたっているものですから、非常にメンタル的に追い込まれているということを現場からお話を伺っておりますので、そういった意味でいいますと、想定の数字や見込みどおりに運営ができるのかという不安や困難に現場は見舞われていると思います。
 特定の病院に負担が集中することのないように、都の調整本部には、今まで以上の配慮と工夫で臨んでほしいと思います。
 過日、第二回定例会の厚生委員会で質疑をしたところですけれども、乳児院や児童養護施設において感染が発生した場合、職員さんたちが自宅待機を強いられた際に、施設の子供たちをどう養育するか、施設からの不安の声について東京都に見解をただしたところ、通常の勤務のローテーションに入らない専門職の活用など、柔軟な人材配置や国制度の活用による人材確保を働きかけるとのご答弁でした。
 その後、さまざまな検討や調整が行われていると聞きますが、改めて、児童等が入所している児童養護施設等で新型コロナウイルスの集団感染が発生した際は、職員も濃厚接触者になるなど施設の運営が困難となります。
 こうした場合の都の現在の支援に向けた取り組み状況を伺います。

○西尾子供・子育て施策推進担当部長 児童養護施設等におきまして、新型コロナウイルス感染症の集団感染により、多数の感染者や濃厚接触者が発生した場合には、お話のように、職員の勤務に影響が出るなど施設運営に支障が生じるおそれがございます。
 そのため、都は、前回の答弁でも申し上げましたが、こうした場合に、里親支援専門相談員や自立支援コーディネーターなど、通常勤務ローテーションには入らない専門職も入所者の生活支援に当たることを認めておりまして、柔軟な人員配置による施設運営を支援しております。
 また、現在、都独自に施設が相互に応援職員の派遣を行う仕組みの構築を検討しておりまして、事業者団体である東京都社会福祉協議会と具体的な調整を進めているところでございます。

○小宮委員 いざというとき、これまでは一つの施設内での調整や工夫によるというところでしたけれども、それだけでなくて、民間団体や事業者と連携して助け合う、支え合う、そういった仕組みを東京都独自で構築しようという姿勢を、これは子供や施設の安心につながるものですから、評価したいと思います。よろしくお願いいたします。
 さて、コロナ禍で健診を控える方が多いという話が先ほどもありました。
 他の病気の発見のおくれにつながるということが懸念をされるところですけれども、特にがんについて、東京都としては平成三十年からの六年間が東京都がん対策推進計画第二次改定の期間ということで、今ちょうどその中間年に当たると思いますけれども、その計画の中の特に緩和ケアに関する基本的な方針をまず伺います。

○鈴木医療政策担当部長 平成三十年三月に策定した東京都がん対策推進計画第二次改定では、がんと診断されたときから切れ目のない緩和ケアを提供できるよう、医療提供体制の充実を図ることとしております。
 このため、主治医等が行う基本的な緩和ケアから、専門知識や技術を有する多職種の緩和ケアチーム等が行う専門的な緩和ケアにつなげる体制の強化など、拠点病院が行う取り組みを支援しているところでございます。
 また、緩和ケア病棟の役割の明確化と機能分化を進めるとともに、在宅移行に向けた拠点病院等と地域の医療機関との連携確保や、在宅療養患者の病状変化時の受け入れ体制の強化を図ることとしております。

○小宮委員 ホスピスは、特に終末期のケアを示す言葉として使われておりますが、緩和ケアは、がんと診断されたときから切れ目のないケアを提供するということで、そのためにも、拠点病院への支援だけでなく、在宅療養の体制を強化するものでなければならないと思います。
 そこで、今年度立ち上げた緩和ケア地域移行モデル事業の目的について伺います。

○鈴木医療政策担当部長 切れ目のない緩和ケアを受けられる体制の整備を進めるためには、がん患者が住みなれた地域での医療機関で適切に緩和ケア等を受けられる体制を確保することが必要でございます。
 このため、都は、患者及びその家族が、診断、治療、その後のフォローも含め、全ての時期に必要な緩和ケアを受けられるよう、がん診療連携拠点病院等で初期治療を終えた患者の在宅移行を支援する病院に必要な機能、人材や地域との連携のあり方を検証するモデル事業を開始いたしました。

○小宮委員 済みません、まとめて質問すればよかった。モデル事業の現在の状況及び今後の展開について教えてください。

○鈴木医療政策担当部長 事業の実施に当たりまして、がん対策推進協議会のもとにワーキンググループを設置し、モデル事業を実施する病院の具体的な施設要件等を検討いたしました。
 その結果を踏まえ、都では、緩和ケア病棟を有する越川病院と一般病棟で緩和ケアに取り組んでいる浅草寺病院、この二病院を選定いたしました。
 各病院には、本年十月より地域との連携のかなめとなる専門職を配置し、拠点病院等からの患者の受け入れや在宅療養への移行支援などに取り組んでいるところでございます。
 今後、本事業の実施状況を検証し、がん患者と家族が住みなれた地域へ安心して移行することができる体制の構築に取り組んでまいります。

○小宮委員 拠点病院で治療を終えた患者さんを地域で受けとめる緩和ケアに取り組む病院にどんな機能が必要か、この専門医からは、病院だけでなく、在宅における住まいの問題や介護力の違いといった、一人一人の違いといった難しさの話を聞いています。
 モデル事業の検証を通じて、医療と介護、生活支援などの介護や住まい、こういった幅広い分野で都として検討するきっかけとしてほしいと思います。
 コロナ禍で外出を自粛する高齢者の孤立や要介護度が上がるという懸念も指摘されている中でありますけれども、東京都では、高齢者保健福祉計画の第八期改定に向けて検討が進められております。
 中でも、従前より重点事項の一つに位置づけられております介護人材対策、この取り組み状況と課題を伺います。

○村田高齢社会対策部長 都は、第七期高齢者保健福祉計画において、介護人材対策の推進を重点分野の一つとして位置づけ、都内で必要とされる介護人材の安定した確保、定着、育成に向けて、職場体験事業などの多様な人材の参入促進、介護職員宿舎借り上げ支援事業などの労働環境の改善、現任介護職員資格取得支援事業などの資質の向上の視点から対策を進めております。
 一方で、介護人材対策における現状としましては、少子高齢化による労働力人口の減少や他の業種の求人状況の動向に影響されまして、令和元年度の東京都における介護関係職種の有効求人倍率は七・一五倍と、全職業平均の一・八〇倍を大きく上回っております。

○小宮委員 これまで職場体験や資格取得支援や宿舎借り上げ支援など、東京都としてさまざまな事業を実施してきたけれども、有効求人倍率は七・一五倍ということで、平均を大きく上回ったままになっています。
 第八期高齢者保健福祉計画の中で、こうした課題を踏まえて、今後どのように介護人材対策に取り組むのか伺います。

○村田高齢社会対策部長 都は、学識経験者や区市町村、事業者等で構成する東京都介護人材総合対策検討委員会を昨年六月に設置しまして、都内の介護人材を取り巻く状況や課題に関する調査を行い、今後の対策について検討してまいりました。
 都が実施した調査では、職員の離職理由としまして、ライフイベント等の個人的事情、職場環境等への不満が大きく上がっていること、職員の確保や離職防止に向けた取り組みが小規模事業者ほどできていないこと、介護事業所で働く職員には圏域ごとに居住地や通勤手段の特色があり、地域特性を踏まえた介護人材対策が必要であること等といった課題が見えてまいりました。
 委員会ではこうした課題等を踏まえまして、これまで行ってきた取り組みに加えまして、働きやすい職場環境の醸成、介護現場におけるマネジメント力の向上及び地域の特色を踏まえた支援の拡充といった新たな施策の方向性が示されておりまして、今後、第八期計画におきましては、こうした観点も踏まえ、介護人材対策に取り組んでまいります。

○小宮委員 小規模事業者が都の支援を活用しやすくなるような取り組みですとか、また、身近な地域で働く方が多いという、この介護分野の特性を踏まえて、区市町村への支援をさらに拡充していただきたいと要望しておきます。
 コロナ禍においても、東京都が独自に設けた認知症疾患医療センターにおいては、オンラインなども活用して、必要な研修や人材育成に取り組んでいるというふうに聞きました。
 認知症高齢者の急速な増加が見込まれる中、認知症対策は非常に重要であるということは変わりません。
 認知症対策について、区市町村では担えない専門性が東京都には求められている中で、東京都はこれまで、二次保健医療圏ごとに地域の拠点型の認知症疾患医療センターを十二カ所指定し、さらに、都民にもっと身近な場所に専門の機関を設けようということで、島しょ地域を除く、あと、医療資源がなかったとかいう関係で檜原村もありませんけれども、全ての区市町村ごとに地域の連携型の認知症疾患医療センターの整備を進めてきました。
 改めて、認知症疾患医療センターの運営事業の目的と役割について確認します。

○村田高齢社会対策部長 都は、保健、医療、介護機関等と連携を図りながら、地域において認知症の進行予防から地域生活の維持までに必要となる医療を提供できる体制の構築を図ることを目的に、平成二十四年度から認知症疾患医療センターの設置を進めておりまして、現在五十二カ所を指定しております。
 認知症疾患医療センターは、専門医療機関として、認知症の診断や治療などを行う役割、地域連携の推進機関として、地域で認知症の人の支援に携わる関係者のネットワークづくりを推進する役割、人材育成機関として、地域で専門医療や地域連携を支える人材を育成する役割を担っております。

○小宮委員 いまだ根治的な、根本から完全に治す治療薬がない認知症に対しては、認知症の本人と家族を支える取り組みや、医療と介護の連携の促進、人材育成が極めて重要です。
 そのことからも、認知症対策の中核となる地域の拠点型の認知症疾患医療センターではどのような取り組みを行っているのか、令和元年度のそのセンターの活動実績を確認します。

○村田高齢社会対策部長 認知症の人や家族介護者等を支援するため、専門医療相談に加え、家族介護者教室を開催するなど、医師や精神保健福祉士等の専門職が本人やご家族をサポートする取り組みを実施しております。
 また、医療機関同士や医療と介護の連携を推進するため、地区医師会や地域包括支援センター、区市町村等により構成する認知症疾患医療・介護連携協議会を年二回以上開催し、二次保健医療圏におけるネットワークの構築を推進しております。
 さらに、地域の医療従事者の認知症対応力向上を図るため、かかりつけ医や一般病院の看護師等を対象として、認知症の人への適切なケアの確保に向けた研修を実施しておりまして、令和元年度は、かかりつけ医認知症研修を四百六十三人、認知症ケアの基本を学ぶ看護師認知症対応力向上研修を千二百五十人が修了しております。

○小宮委員 島しょ地域を除く区市町村ごとに整備を進めてきた地域連携型認知症疾患医療センターの取り組み内容と都の支援について確認します。

○村田高齢社会対策部長 地域連携型認知症疾患医療センターは、より身近な地域で認知症の人を支える体制を構築するため、区市町村における認知症に係る医療、介護連携の推進役として取り組みを実施しております。
 専門医療相談や鑑別診断、認知症の人と家族介護者等の支援など、地域における認知症の専門医療機関としての役割を果たすとともに、区市町村の認知症施策への協力、医療、介護従事者を対象とした研修の実施など、地域連携の推進機関や人材育成機関としての取り組みを行ってございます。
 また、都は、認知症疾患医療センター職員を対象とした研修の実施や、センター間の取り組み内容や課題について情報交換を行う相談員連絡会等の開催により、職員のスキルアップや各センターの活動促進を図っております。

○小宮委員 二〇二五年には、六十五歳以上の高齢者の五人に一人が認知症になるといわれて久しいわけですけれども、認知症対策に重要なのは、日ごろからの予防と早期の発見、早期の診断、早期の治療に結びつけるということです。
 コロナで、そうした点が心配される環境にありますけれども、東京都として、区市町村や民間事業者と連携して、コロナ禍にあっても、そうした認知症対策を着実に進めていただきたいと思います。
 最後の質問ですが、平成十三年以来、ゼロ歳児保育や十三時間開所といった、当時は当たり前でなかった大都市特有のニーズに応えてきたのが認証保育所です。
 創設以来二十年がたとうとしていますが、平成二十六年には、施設数が七百十九カ所で、定員が二万四千五百二十七人、ここがピークでして、ことしは、施設数が五百三十七になりまして、定員が一・八万人ということで、二万人を切ったわけです。
 この間、認可保育所の設置が進みまして、多様な保育サービスが提供されたことで、そうした数字の低下につながっておりますけれども、それでも、利用者との直接契約や独自の特色ある保育サービスを展開することで、事業者は、都の認証保育所として保育事業に積極的に取り組んでおられます。
 今年度に実施した認証保育所に対する新たな支援策及び制度改正の内容を伺います。

○高野少子社会対策部長 都は今年度から、認証保育所の空き定員を活用しまして、待機児童数の約六割を占めます一歳児の受け入れを促進するための支援を開始いたしました。
 また、保護者の多様な就労形態等に対応できますよう、補助対象となる利用時間の下限を一月当たり百六十時間から百二十時間に引き下げております。
 さらに、ゼロ歳児から二歳児までとしていた認証保育所B型の補助対象児童を、卒園後の移行先が確保できない場合などにおいても継続して利用できますよう、三歳児まで拡大しているところでございます。

○小宮委員 一歳児の受け入れに関しては、世田谷区と武蔵野市で採用されている状況があると伺いましたし、一カ月当たりの百六十時間以上利用という対象を百二十時間に縮めることによって、これは長時間の勤務をしているご家庭では、認可保育園に入りやすいようになりましたから、短時間勤務でお勤めの方への対応であるというふうに思います。
 それから、二歳児までとしていたB型に関しては、三歳児までの受け入れを拡大したというのは、これは兄弟で一緒の保育園に入りたいというご両親や家庭の希望があるということに柔軟に応えられる体制を考えていただいたということだというふうに思っております。
 ゼロ歳児保育が当たり前となりまして、認可がふえた今になりましては、認証保育所というのは、改めて認可保育園にはできない、そうしたニーズというものを子供や家庭のために考えていかなければならない、そういうときに来ているというふうに思います。
 その際には、ぜひ、今後の事業展開に当たっては、検討に当たっては、事業者の意見を聞きつつ、各事業者の創意工夫を生かせるような、より柔軟な制度へとしていただきたいということを要望いたしまして、質問を終わります。

○うすい委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後九時十八分休憩

   午後九時三十四分開議
○うすい委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○つじの委員 私からは、本日、自殺対策と薬物乱用対策について質疑させていただきます。
 まず、自殺対策についてお伺いいたします。
 厚生労働大臣指定法人いのち支える自殺対策推進センターのコロナ禍における自殺の動向に関する分析、緊急レポートですけれども、そこでは、警察庁の自殺統計によれば、我が国の自殺者数は本年一月から六月までは対前年比で減少し、七月以降は増加している。この間、政府は四月七日に新型インフルエンザ特別措置法に基づく緊急事態宣言を行うなど、新型コロナウイルス感染症の拡大を防ぐための対策を推し進め、あわせて、雇用の維持や事業の継続、生活の下支えを目的とした新型コロナウイルス感染症に関する緊急対策や生活不安に対応するための緊急措置を講じてきたと指摘しております。
 その内容を分析しますと、総数では、男性の割合が依然として六〇%を超えておりますが、三十代以下の若い世代、とりわけ若い女性の自殺者数が増加している点は、メディア等でも報道され知られることとなりました。
 東京都でも、令和二年三月と六月から八月にかけて、自殺者数は、各月百七十人超から二百人超で推移し、前年比で増加している現状があります。直近の本年十月の速報値では、都内で二百五十五人の方が亡くなられたというふうに聞いており、事態は非常に深刻な状況にあると推測されます。
 同緊急レポートによれば、自殺の背景には、抑鬱状態に陥るなど精神保健上の問題だけではなく、過労、生活困窮、育児や介護疲れ、いじめや孤立などのさまざまな社会的要因が知られていると指摘があります。また、同レポートでは、本年の自殺の動向は、例年と明らかに異なっていると指摘しています。
 直近でも、北海道では新型コロナウイルス感染症拡大対策で警戒レベルを高めており、東京都でも新規感染者数が高どまりの様相があり、不安や緊張を強いられる世相があることは、それぞれが多かれ少なかれ感じているところだと存じます。
 令和二年九月に開会した厚生委員会で、自殺対策を更に推進することに関する陳情の審議においては、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた自殺対策の取り組みについて白熱した議論がなされましたが、改めて、本年九月までの都における自殺対策についてお伺いします。

○成田保健政策部長新型コロナウイルス感染症保健政策担当部長兼務 新型コロナウイルス感染症の影響は、健康問題にとどまらず、失業や休業等による就労環境の変化や生活の不安定化等による心身面の不調など、都民生活のあらゆる面に拡大しており、自殺リスクの高まりが懸念されております。
 都は、心理的な不安に対応するため、本年六月から、電話相談やSNS相談の体制を強化するとともに、相談ニーズの増加を受け、民間団体が実施する相談事業の拡充に要する経費を補助率十分の十で支援しております。
 また、本年九月に実施いたしました自殺防止東京キャンペーンでは、新たにポスター、チラシを作成し、区市町村や社会福祉協議会等の関係団体並びに鉄道会社と連携した啓発を行うとともに、九月十日から十六日までの自殺予防週間では、都庁舎におきまして、命を支えるという決意が込められた四色のライトアップを新たに実施いたしました。

○つじの委員 ご答弁いただきました。
 本年九月に比較して、直近の報告では、新型コロナウイルス新規患者数の増加が懸念される状況で、感染症拡大防止対策をとりながら、社会経済活動を継続しなくてはならず、事業継続や雇用の維持等、景気や経済的な不安や懸念を抱えながら過ごされる方々もふえていく可能性があります。
 社会不安が高まる中、東京都としては、さらなる自殺対策が必要と考えます。SNS相談は、近年インターネットインフラやスマートフォン等端末の普及が著しく、若者を中心に気軽に相談できる手段として、自殺対策に対して有効で高い効果が期待できるものです。私は、SNS相談の相談体制を強化していくことが重要と考えます。
 都は、SNS相談の質の向上につながるアンケートシステムを導入していると聞いていますが、その取り組み状況についてお伺いします。

○成田保健政策部長新型コロナウイルス感染症保健政策担当部長兼務 都は、SNS相談の質の向上を図るため、本年六月から、利用者の相談理由や心の変化等を相談直後に尋ねるアンケートシステムを導入いたしました。
 このアンケート調査結果につきましては、今月四日に開催いたしました自殺総合対策東京会議の重点施策部会に報告し、本部会の委員から、SNS相談は電話では相談しづらいというニーズに応えていると評価いただいた一方、年代ごとのニーズについて、さらなる分析が必要とのご意見をいただきました。
 引き続き、相談者へのアンケートを実施いたしますとともに、回答の分析を進め、実際の対応事例をもとに研修や事例検討に活用するなど、相談の質の向上を図ってまいります。

○つじの委員 ご答弁いただき、ありがとうございます。
 自殺防止の効果に有効と思われるSNS事業で、東京都のさらに踏み込んだ対策を確認できたと思います。
 本事業が、死ぬことを考えるほど極限の苦しみにさいなまれている方々にとって有益な事業であることを、今後も改善を重ねながら充実させていただくことを強く要望いたします。
 また、本事業が、今回、今現在の質疑、答弁も含んで、その内容が広く都民の皆様に知られ、極限で困っている方々へ、本事業の内容、情報が届き、困難の解決につながることを心から望みます。
 次に、東京都の取り組む自殺対策について、ゲートキーパーに関する質問に参ります。
 厚生労働省のホームページによれば、自殺対策におけるゲートキーパーとは、自殺の危険を示すサインに気づき、適切な対応、具体的には、悩んでいる人に気づき、声をかけ、話を聞いて、必要な支援につなげ、見守ることなのですけれども、そういったことを図ることができる人のことで、いわば命の門番とも位置づけられる人のことというふうにされております。
 また、ゲートキーパーは、我が国のみならず海外でも、自殺対策の分野でも広く使用されている用語、概念であって、WHOを初め、多くの国々で使用され、その養成プログラムが実施されていますというふうに書いてあります。
 私は、自殺防止対策でゲートキーパーの果たす役割は極めて重要であると認識しております。というのも、私は精神科医でございますが、今までの臨床経験上、死ぬことを考える方は、多くは抑鬱状態にあり、極限の心理状態に陥っており、心身の摩耗も激しい状態であると推測することができます。
 こういった状況では、幾ら周囲に助けとなる情報があっても、みずからその情報を知ろうとはできない方もいらっしゃるのではないかと存じます。このような状況で大切なのは、周囲の気づきや傾聴、精神科医など専門家等へのつなぎ、見守りと声かけであります。
 実際には、声をかける、声かけということにはちゅうちょする場合もあるかもしれないと思いますけれども、周囲からの声かけがあって、結果として、苦しみ、悩んでいる方の助けとなる場合もあるかと存じます。
 私が所属している都内の精神科診療所の団体でも、都内の特定非営利活動法人の活動の一環である都内の鉄道の駅での声かけの運動に賛同しています。会員の精神科医にも声かけの参加を呼びかけています。
 このように自殺予防対策に重大な役割を果たすゲートキーパーですけれども、その育成が極めて重要と考えますが、都の取り組みについてお伺いいたします。

○成田保健政策部長新型コロナウイルス感染症保健政策担当部長兼務 ゲートキーパーには特別な資格はなく、かかりつけの医師、相談窓口職員、民生委員などに加えまして、家族や同僚、友人など、支援が必要な方の周囲にいる人々が、それぞれの立場や職業によって異なるゲートキーパーの役割を持っておりまして、一人でも多くの方に、それぞれの立場でできることから進んで行動していただくことが重要でございます。
 都は、さまざまな分野におきまして、ゲートキーパーとなる人材を育成できますよう、区市町村や民間団体が実施する取り組みを支援しております。
 また、本年十月には、都職員を初め、福祉、労働、経済、教育等の窓口職員に、ゲートキーパーの役割を周知いたしますため、新たにリーフレットを作成いたしました。
 引き続き、多重債務などの相談職員を対象とした研修を実施していきますとともに、ホームページ等を通じ実践的な対応方法をお示しするなど、多くの方にゲートキーパーの役割を担っていただけますよう取り組みを進めてまいります。

○つじの委員 ご答弁いただき、ありがとうございます。
 ゲートキーパーの役割は、繰り返しますけれども、極めて重要であると強調しておきます。
 コロナ禍のもと、今年度は、従前の対面等でのゲートキーパー養成のための研修を代替の手段で行ったと聞いております。コロナ禍のもと、死を考えるほどに苦悩にさいなまれている方々に対して、東京都として、質とともに人数の面でも、ゲートキーパー養成のための対策を継続することを強く要望しておきます。
 ことし初めより、コロナ禍のもとで感染症拡大防止対策をとりつつ、社会経済活動の維持を行ってきた現実があります。
 また、秋冬の気温の下がる季節を迎えて、東京都を含む全国で新規感染者数の増加が認められます。新型コロナ感染症感染のリスクの恐怖、不安を強く意識して生活される方々も少なからずいらっしゃると存じます。
 感染症拡大防止の協力を、行政が都民、国民の皆様にお願い申し上げ、人の行動パターンが劇的に変化していく中で、飲食や旅行業界、接客業等、あるいは各鉄道、航空会社等、社会的インフラを担う企業等でも、業績の悪化、雇いどめ、配置転換などの報道がなされるようになり、多くの事業者、またその関係者の皆様が、前段の繰り返しになりますけれども、経済的な不安に駆られる状況にもあるかと存じます。
 いっときいわれていた円高、デフレの期間には、失業問題を含む経済的な困窮と自殺者数の増加には相関があるとの論調は、何度となく耳にしました。今回のコロナ禍は、全世界での出来事であり、さきのリーマンショックを超える未曽有の経済危機をもたらすという声もあるようです。
 そこで、失業など経済的な困窮による自殺リスクの高まりが懸念されますけれども、都の取り組みについてお伺いします。

○成田保健政策部長新型コロナウイルス感染症保健政策担当部長兼務 都は、失業などの自殺の背景となる相談に、関係機関が連携して的確に対応するため、相談者が抱える問題や悩みに応じた相談窓口の一覧を掲載したリーフレットを、区市町村や相談業務を実施する関係団体、消費生活総合センターや労働相談情報センター等の都の関係部署に配布しております。
 また、相談窓口に対し、失業者に対する支援策を含め、国や都が実施する生活資金の貸し付けや給付金等の各種支援策について情報提供しており、相談者の悩みに応じた支援策の案内に活用していただいております。
 新型コロナウイルスの影響に伴う失業や休業等による就労環境の変化等により、自殺リスクの高まりが懸念されますことから、今後、セルフケアの手法や生活を支えるための支援策を案内するリーフレットを今年度中に作成し、区市町村やハローワーク並びに社会福祉協議会等の関係団体を通じて配布する予定でございまして、引き続き、関係機関と連携し、必要な支援につなげてまいります。

○つじの委員 ご答弁ありがとうございます。
 この三連休にも、多くの報道にありましたとおり、東京都のみならず全国的な新型コロナウイルスの新規感染者数の増加が懸念されています。
 このような状況で、健康に関する不安や懸念、感染症拡大がある中での経済的な面での、それらにさいなまれるリスクは一段と高まり、それらを含む複合的な理由で一層の困難な状況に陥る方もふえるのではと推測されます。東京都は、一段と柔軟に、そして踏み込んで自殺防止対策を行っていく必要があります。
 今回の自殺対策に関する質疑の中で、最後に私が強調したいことは、繰り返しますけれども、ゲートキーパーの役割でございます。
 私自身が都議会議員として、精神科医として、ゲートキーパーの役割を果たしていく所存ですが、声かけの重要性を多くの皆様と共有し、自殺防止対策の一助になれば幸いと思います。
 次の質問に参ります。
 次は、東京都における薬物乱用対策についてお伺いしたいと存じます。
 今回の質問に先立ち、私、ちょっとこの冊子ですね、東京都薬物乱用対策推進計画、平成三十年度改定版ですけれども、これを一読させていただきました。これまでの都の取り組みや本計画に盛り込まれている対策を改めて知ることができました。
 繰り返しますけれども、私は精神科医でございまして、薬物に起因する精神症状を抱える患者様を病院等勤務時に担当した経験もございます。
 薬物による精神症状に苦しむ患者様、または薬物を断つための苦悩を抱える方々を医師の立場で知れば、入り口のところで、とりわけ将来のある青少年が薬物使用のきっかけとならないよう、啓蒙、啓発を引き続き強化していくことはいうまでもなく極めて重要なことであると考えます。
 東京都薬物乱用対策推進計画、平成三十年度改定版ですけれども、これを読み込むと、詳細な事項にも踏み込んでおり、対策としては実にしっかりできているのではと、そのような印象を持ちました。
 そこでまず、東京都として、薬物乱用に対しての現状と課題の認識と、その対策の概要についてお伺いいたします。

○中村食品医薬品安全担当部長 都はこれまで、薬物乱用のない社会づくりを目指し、啓発活動の拡大と充実、指導取り締まりの強化、薬物問題を抱える人への支援を三つの柱として、さまざまな取り組みを行ってまいりました。
 この結果、危険ドラッグは、平成二十七年七月に都内販売店舗がゼロになって以降、検挙者数は減少傾向にあります。
 一方、大麻につきましては、全国の検挙人数が薬物事犯全体の三分の一を占め、平成二十六年度以降増加が続いており、特に二十歳代までの若年層による増加が顕著となっております。
 また、覚醒剤につきましては、その検挙人数は依然高どまりの状態となっており、その再犯者率は十三年連続して増加し、六六%となっております。
 こうした若年層への大麻の広がりや薬物事犯の再犯者率の高さを踏まえ、薬物乱用対策は、大麻及び覚醒剤ともに、まず、薬物に絶対に手を出さないようにすることが重要であり、そのためには、普及啓発を強化していくことが必要であると認識しております。
 このため、平成三十一年三月に改定した東京都薬物乱用対策推進計画では、啓発活動の拡大と充実を計画の三つの柱の一番目に定め、関係機関や地域団体と連携しながら、総合的な取り組みを行っております。

○つじの委員 ちょっと私の方で勘違いしていたかもしれませんが、改定した年度がちょっと違っていたような気もしますが、内容としてはほぼ同じものだと思います。ただいまご説明いただきました薬物乱用に関しては、いかなる状況でも、それを阻止しなければならないことはいうまでもありません。
 とりわけ、将来のある若い世代の薬物汚染は何が何でも食いとめなくてはいけないと、薬物により精神症状を呈されている方々や依存症の克服に取り組んでいる方々を医師の立場でかかわってきた私の経験から強く思うところでございます。
 一旦、薬物を摂取すると依存を形成し、長期の使用や乱用の結果、精神症状を抱えるリスクがあり、依存を形成したご本人のみならず、周囲の家族や友人を悲しませることにもなります。
 薬物依存に苦しむ方々の支援については、これも重要な支援の一つでありますけれども、繰り返しますが、入り口のところでの薬物を使用しないための啓蒙、啓発、広報が大変重要だというふうに考えております。
 そこで、これまでに東京都が取り組んできた児童生徒を含む若年者への薬物乱用防止に対する啓蒙活動の内容についてお伺いします。

○中村食品医薬品安全担当部長 都では、小学生から大学生まで、年代別に参加型の普及啓発を行っており、小学生では、都が認定した薬物専門講師や薬物乱用防止指導員を活用し、薬物乱用防止教室を開催するなど普及啓発を行っております。
 中学生におきましては、薬物乱用防止ポスター、標語を募集し、最優秀作品は、啓発用のポスターやリーフレットに活用して、広く薬物乱用防止を訴えております。
 高校生では、薬物乱用防止高校生会議を開催し、高校生がみずから薬物乱用防止について考え、麻薬・覚醒剤乱用防止運動東京大会で演劇発表やリーフレット作成を行うことを通じて、同世代に向けた発信を行っております。
 また、大学生は、薬物乱用防止メッセージを募集し、無料コピー機の用紙の裏面にメッセージを掲載する、いわゆるタダコピによる普及啓発を行っております。
 さらに、学校に通っていない方を含めた青少年に対しては、多くの若年層が利用しており啓発効果が高いSNSやユーチューブにおいてスポット動画を放映し、広く効果的に普及啓発を行っております。

○つじの委員 ご答弁いただきまして、ありがとうございます。
 繰り返しますけれども、学校に通っていらっしゃる学童、生徒のみならず、全ての若者に対して薬物乱用防止を多様な手段において啓蒙、啓発することが大変重要であると、重ね重ね強調しておきます。
 さて、ご答弁の中にありました薬物専門講師について、具体的な内容についてお伺いします。
 薬物専門講師を担当する職種というんでしょうか、方々についてお伺いいたします。

○中村食品医薬品安全担当部長 薬物専門講師は、薬物乱用防止に関する専門的知識を有し、学校や地域等で開催される薬物乱用防止講習会の講師を務めている方からの申請に基づき、都が薬物専門講師であることの証明書を交付し、その活動を支援するものでございます。
 証明の要件は、三年の間に、薬物乱用防止講習会の講師を三回以上務めていること、都主催の薬物専門講師研修を一回以上受講していることとしております。
 この講師には、薬剤師、民生委員、児童委員、自治会役員、保護司などの方に就任いただいております。

○つじの委員 ご説明いただき、ありがとうございます。
 薬物専門講師を担当する職種についてお伺いしました。医療職の中での専門職としては、薬剤師の先生方が担当されている、就任されているということが確認できたと思います。
 ちょっと話が少しずれるようなんですけれども、私は山口県の公立高校を卒業したんですが、在学中に、地元の、宇部というところなんですけれども、産婦人科の開業の先生が体育館で壇上に立って、一学年の全生徒を集めて、その前で性教育の講演があったのを思い出しました。
 その先生による自然科学的、あるいは医学的な裏づけに基づいて、かつ興味本位にならない程度に実践的な産婦人科の先生の臨床経験に基づいた講義に、聞いていた生徒は自分のこととして、その内容に強い関心を持っていたと、当時の高校生の私も思い出すんですけれども、私もその講義の内容は、一部記憶に鮮明に残っております。
 それで翻ってなんですが、薬物乱用防止対策の一環としての薬物専門講師に、児童生徒の皆さんに対して、薬物の使用に危機感を持っていただき、自分のこととして危機感を持って考えていただくために、薬物乱用によって引き起こされる精神症状の治療に当たる現場の精神科専門医の講義を行えるよう要望いたします。薬物専門講師担当の専門職に、ぜひ精神科専門医がいていただきたいと、そういうふうに存じます。
 また、さきのご答弁の中にもありましたけれども、資料によれば、中学生の薬物乱用防止ポスター及び標語の応募総数が年々ふえており、平成三十年度には、事業開始以来最多となる五万六千百二十九作品の応募があったというふうに聞いております。
 これまで都が取り組んできた薬物乱用防止対策が奏功している例と解釈できると考えて、私は高く評価したいと思います。
 昨年度は若干応募総数が減じておりますが、今後も引き続き、本事業を初め、青少年の薬物乱用防止対策を拡大、充実させていくことを要望いたします。
 次の質問に参ります。
 繰り返しますけれども、私は精神科医として、臨床経験上、薬物に起因する精神症状を抱える方々の対応に、医師としてかかわった経験がございます。
 国際疾病分類、ICD10において、精神及び行動の障害の分類で、大麻使用による精神及び行動の障害も、精神作用物質の使用による精神及び行動の障害に分類されております。
 大麻に関する都の認識と取り組みについてお伺いいたします。

○中村食品医薬品安全担当部長 大麻につきましては、インターネット上で、たばこより害がない、依存性が低いなどといった誤った情報が流れ、若い世代に大麻の使用を容認する考えが広まりつつあります。
 また、若年層を中心とした検挙人数が増加し、覚醒剤等へのゲートウエードラッグとなっているといわれており、その対策が急務であると認識しております。
 そのため、若年層に対し、大麻の危険性、有害性について啓発の強化を図るため、昨年度、小学校高学年の児童への啓発にも活用できる新たな啓発用のDVD、ポスター、リーフレットを作成いたしました。
 DVDは、実写とアニメを融合したゲームの世界でオリジナルキャラクターとともに、クイズ及びバトル形式で興味を持ちつつ、生徒に考えさせる内容となっております。
 また、現場の教師が薬物乱用防止教室において活用しやすいよう、使用方法の説明書やクイズの答案を記載するワークシートも同時に作成し、DVDとともに、ことし三月から都内の全小中学校や特別支援学校に配布しており、今後とも、こうした取り組みを推進し、正しい知識の普及啓発を図ってまいります。

○つじの委員 東京都としましては、ご答弁の中にあったような、しっかりとした対策で、引き続き薬物乱用防止対策を進めていくことを要望いたします。
 大麻に関しては、安全であるとか、医療用にも用いることができて有用であるなどの誤った意見を、ネット情報などで私も目にすることがあります。我が国では、大麻に関しては大麻取締法があり、厳しくその所持等が制限されております。
 また、ご答弁の中にありましたように、大麻は、いわゆる危険ドラッグと同様に、麻薬等への乱用のゲートウエードラッグ、日本語でいうと入門薬というんでしょうか、となるおそれがあるとの指摘があります。
 精神科医なんですけれども、精神科医の中には、いわゆるエナジードリンクすら、頻回に使用することで、薬物依存の入り口となり得るというふうな指摘があるぐらいのものでございます。
 未来ある青少年が、好奇心や友人から誘われて断り切れなくてなどの安易な理由で、彼ら、彼女らの将来を健全に過ごすことを妨げる薬物乱用に関しては、行政とともに、私たち大人が薬物の正確な知識を持ち、青少年にそれらを教えていく必要があると考えます。
 東京都の家族類型別世帯の推移を見てみますと、既に単身世帯、夫婦のみの世帯が過半数を超えております。
 これは裏を返すと、現在の青少年が子供から大人に成長する過程で、両親とごく近しい家族以外に、周囲に生活の知恵を教えていただける、例えば、おじいさん、おばあさん、親戚のおじさん、おばさんなど、近しい人との関係性が薄れているのではないかと推測します。
 核家族化が進み、以前と比較して、より多くの若い世代の皆様が、自分自身の判断で物事のよしあしを判断せざるを得ない状況にあるのではないかと考えます。
 そこで、都における保護者等、若年者にかかわる大人に対しての普及啓発についてお伺いいたします。

○中村食品医薬品安全担当部長 青少年による薬物乱用を防ぐためには、保護者や地域住民による普及啓発を推進し、地域全体の規範意識を向上させることも重要であります。
 このため、都は、保護者を初めとする大人向けにも普及啓発用DVDを作成し、子供の様子が変化した際の注意点、薬物に手を出させないための七カ条、悩んだときの相談機関先等を収録しております。
 また、DVDも活用し、学校公開日等に出席する保護者や教員、地域の自治会等の方々に対して、薬物乱用防止教室や講習会を行っております。
 さらに、東京都教育委員会が発行する保護者向け広報誌「とうきょうの教育」に、薬物乱用防止の啓発内容を掲載するとともに、東京都公式動画チャンネル、東京動画での動画配信、六・二六国際麻薬乱用撲滅デー都民の集い、「広報東京都」など幅広く普及啓発を実施しております。

○つじの委員 ご答弁いただき、ありがとうございます。
 私が先ほど指摘したような核家族化とか、そういう昨今の社会状況のもと、東京都が果たす薬物乱用防止対策は、極めて重要な役割を果たすことを改めて指摘しておきます。
 薬物乱用防止対策については、質問するべき内容が多岐にわたり、時間が幾らあっても足らないぐらいですが、次の質問が最後にさせていただきます。
 東京都における覚醒剤乱用に関する都の認識と対策を具体的に説明をお願いいたします。

○中村食品医薬品安全担当部長 覚醒剤につきましては、先ほども申し上げましたとおり、本国で最も乱用されている違法薬物でありまして、検挙人数は依然高どまりしております。
 また、精神依存性が高く、再犯者率は十三年連続して増加しており、六六%となっております。
 こうした強い依存性や再犯者率を踏まえ、最も重要なことは、繰り返しになりますが、薬物に絶対手を出さないようにすることであり、そのためには、普及啓発を強化していくことが必要であると認識しております。
 今後とも、各世代に向けて、薬物の危険性、有害性を訴える普及啓発を幅広く実施し、薬物乱用のない社会の実現に向けて取り組んでまいります。

○つじの委員 覚醒剤乱用に関しての都の認識と取り組みについてお伺いいたしまして、ご答弁いただきました。
 ご答弁の中にありましたように、各世代について、いろいろ対策が必要なんですけれども、とりわけ、きょう強調していますけれども、若い世代に対する覚醒剤乱用防止対策に関しては、十分過ぎて十分過ぎることはないというふうに思います。繰り返し繰り返し、若い世代にその危険性を強く意識していただくことを啓蒙、啓発していかなくてはなりません。
 本当に繰り返しますけれども、精神科の臨床医として、薬物中毒、依存症に苦しまれる方々を担当した経験がありますが、一医師としても、このような苦しい状況に至ることは断固として妨げなくてはならないということを心の底より痛感しております。
 本日、きょう二十四日、法務省は、覚醒剤や大麻使用などの薬物犯罪を特集した二〇二〇年版犯罪白書を公表しました。
 たまたま、ちょっとネットで見かけたんですけれども、毎日新聞によりますと、法務省の担当者は、若者が覚醒剤や危険ドラッグから大麻にシフトしている、インターネットで大麻の害悪を矮小化した説明が拡散し、入手、栽培方法などの情報も出回り、安易に大麻に手を出していると薬物乱用に関してコメントしているというふうな記事がございました。
 東京都におきましては、冒頭紹介しました東京都薬物乱用対策推進計画、改定版にもありますけれども、これは本当に何度も繰り返しますけれども、非常に緻密によくできた計画であるというふうに評価しますが、都は、こちらの方に活字であるんですけれども、このサブタイトルにありますように、薬物乱用のない社会づくりのために、引き続き、国の方針と足並みをそろえながら薬物乱用対策を推進されることを、一都民、一医師の立場からも強く要望し、私の質問を終わります。

○後藤委員 私からは、地域共生社会の実現に向けて、福祉分野全般で縦割りをやめて、包括的に支援をしていただきたいという観点から、まず質問をさせていただきます。
 今、福祉分野のさまざまな現場でよくいわれるのが、地域共生社会という言葉です。
 ここにいる皆さんの中では、もう釈迦に説法だというふうに思いますが、現在、国でも、地域共生社会の実現というのをコンセプトに法整備等の改革を進めておりまして、我が事、丸ごとという二つのコンセプトで施策展開が進められているという現状があります。
 我が事というのは、地域住民の方の当事者意識を育むための取り組みということで、東京もそうですが、核家族化や地域コミュニティの希薄化によって、地域の問題がなかなか自分事にならないという課題があります。
 それを自分事として考えられるような施策を展開するというのが我が事、そして、丸ごとというのが、分野の縦割りを超えて包括的に支援していきましょうというようなことです。
 私自身、厚生委員会、所属して三年目になるわけなんですけれども、じゃあ、この我が事、丸ごとというのが、福祉保健局、東京都全般の施策において、十分に機能しているかというところでいうと、やはり十分とはいえない状況であると思っています。
 きょうの全体の質疑の中でも、部局を超えているからできないみたいな話だったりとか、担当する部署がありませんみたいな、皆さんの質疑、たくさんありました。
 私たち議員でも、日々そういうことを感じるということは、都民の皆さんは、よりそれを感じて、縦割りの中で、制度のはざまで苦しんでいる方がいらっしゃるということだと思います。
 ちょっと悪くいっちゃったんですけれども、都は、個別の施策を見ていくと非常にすばらしいものもたくさんやっていらっしゃるんですけれども、その各施策を部局を超えて連携するとか、特に福祉保健局を超えて、ほかの局と連携するとかというのはすごく苦手な印象を持っています。
 今、国では、行政改革の一環で、縦割り一一〇番とか、やっていますけれども、昨今、ダブルケアだったりとか、八〇五〇のひきこもりの問題とか、いろんな縦割りの弊害が課題化している中で、都でも、やっぱり横断的に取り組みを進めていただきたいというふうに思っています。
 そうした包括的な支援を進めていくに当たって非常に重要になるのが、東京都地域福祉支援計画というものです。
 この計画では、福祉分野を超えたきめ細かな対応をしていくために、三つの施策の方向性というものを示していまして、一つ目が、各福祉分野に共通する基本的な考え方というのをつくって福祉政策全般を支えるということ、二つ目が、個別の計画のはざまを埋めるということ、そして三つ目が、各福祉分野を横につないでいく、この三つの方向性を示しているわけなんですけれども、じゃあ、この施策の三つの方向性が福祉保健局全体の福祉政策全般に行き渡っているかというところでいくと、私、まだまだだというふうに思っていまして、やっぱり、この計画の位置づけが弱いんじゃないかなというふうに思っているところです。
 何度も、一般質問であったりとか、去年の事務事業でも取り上げさせていただきましたけれども、厚生労働省の地域福祉支援計画策定のガイドラインでは、この計画というのは、子育て施策や高齢者施策、そして障害者施策等々、全体の計画分野の中の上位概念に位置づけられているというふうにしています。
 つまりは、この計画が東京都の福祉政策全般の大枠を本来は位置づけをして、共通的に取り込むものというものを決めて、各分野に波及させる目的があると考えています。
 そして、この支援計画なんですけれども、もう既に計画策定から三年がたっておりまして、来年度が計画の改定時期に当たるというふうに認識をしています。
 そこで、現状の課題認識と次期計画策定の方向性について伺います。

○齋藤企画担当部長事業推進担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 東京では、高齢者のみの世帯や単身世帯の増加、住民同士のつながりの希薄化など、世帯や地域の状況が変化しております。
 そうした中で、委員のご指摘にもございましたが、ダブルケアや八〇五〇世帯など、住民が地域で生活していく中で抱える問題は、複雑化、複合化しております。
 このため、分野や世代を超えたきめ細かな支援を行う包括的な支援体制を構築する必要がございます。
 こうした課題認識のもと、地域福祉全体を支える計画として策定してまいります。

○後藤委員 ありがとうございました。
 この地域福祉支援計画では、認知症の親に加えて、先ほど、もり委員から質疑もありましたが、医療的なケアが必要な子供と同居するダブルケア世帯など、困難な状況に陥っているケースがあると想定をして、課題の背景にある世帯全体の状況を把握して対応することが非常に大事ですよというふうに書いております。
 私自身も、育児と介護の二つを同時に抱えているダブルケアラーの支援に関しては、非常に重要であるというふうに思っておりまして、議会でも何度も取り上げておりました。
 二つのケアが同時に訪れるということで、精神的にも経済的にも非常に負荷が高いということもありまして、今回、この地域福祉支援計画の次の取り組みとして、包括的な支援体制構築に向けた実態調査事業というのが、本年度展開をされているんですが、この事業、非常に期待をしております。
 具体的な施策展開に向けた第一歩だというふうに認識をしているわけですけれども、そこで、この調査の目的と次期地域福祉支援計画との関係について伺いたいと思います。

○齋藤企画担当部長事業推進担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 この調査では、ダブルケアなどの複合的課題に対応する包括的な相談支援体制の構築に向けた課題を抽出するため、地域の資源や連携状況等を調査するとともに、都内外の先進的な取り組み事例を調査いたします。
 この調査結果も踏まえまして、区市町村支援のあり方を検討し、次期地域福祉支援計画に反映していくことを予定しております。

○後藤委員 ありがとうございました。
 包括的な相談支援体制の構築に向けて、区市町村の支援のあり方というのを、いろいろ聴取して検討しますというお話がありました。
 ダブルケア家庭の具体的な支援から、断らない相談窓口というのが、今、福祉の分野でキーワードとしていわれておりまして、地域の高齢者の方であったり、ダブルケアラーの方だったり、役所に行ってもいろんな部署をたらい回しにされてしまって、結局、課題解決につながらないみたいなことをよく聞くわけです。こうしたものがないように、断らない相談窓口の開設というものに向けた支援、ぜひ来期、計画に反映をしていただきたいというふうに思います。
 また、介護する家族への支援として課題が大きいのが、ダブルケアに加えて、ヤングケアラーの支援というものがあるというふうに思っています。
 ヤングケアラーとは、十八歳未満で、大人が担うような介護やその家族の世話に当たる子供というふうに位置づけられておりまして、十五歳から二十九歳以下で家族の介護や世話をしている若者というのは、全国で約二十一万人いるといわれています。
 そして、十五歳未満の人数については、統計調査もとられていないことから、ほとんどその実態が把握されていないというのが現状です。
 ただ、実際に、私も地元でヤングケアラーの子供たちと話をする機会がありましたけれども、実際には生活もままならず、学校生活や進路にも支障を来す子供たちが多いのが現状です。
 しかし、その実態がほとんどわかっていないということで、埼玉県は全国に先駆けて、ケアラー支援条例というものを制定しております。そして、実態調査をしっかりと行って、ヤングケアラーたちを支援するという非常に先進的なことをやっております。
 そして、国の方も動き出しておりまして、病気や障害のある家族の介護をする十八歳未満の子供たちに関して、全国の教育現場に対して初の実態調査を行うという方針、十二月にも、この実態調査をやるというような形で方針を固めております。
 こうした課題が顕在化して、世の中が動き出しているときだからこそ、都もこうした動きを機を逸することなく、しっかり対策を講じていただきたいというふうに思います。
 そこで質問なんですが、ヤングケアラーについて、都の課題認識を伺いたいと思います。

○齋藤企画担当部長事業推進担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 厚生労働省が要保護児童対策地域協議会を対象として、平成三十年度に行った実態調査では、年齢や成長の度合いに見合わない重い責任や負担を負って、本来、大人が担うような家族の介護や世話をすることで、みずからの育ちや教育に影響を及ぼしている十八歳未満の子供をヤングケアラーと定義しております。
 この実態調査では、ヤングケアラーは、子供自身が声を上げることが難しく孤立しやすいことや、親の支援と子供の支援が十分に連携できていないことが課題としております。

○後藤委員 ありがとうございます。
 今のご答弁でも、ヤングケアラーたちは、自分たちで声を上げていくということが難しいということや、支援が十分に連携できていないというような課題認識がありました。
 こうした課題認識をいただいているんですけれども、いろんな計画、都の福祉の計画を見ても、ヤングケアラーに対する支援というか、そもそも支援の対象としても位置づけられていないのが現状であります。
 国の実態調査もこれから結果が公表されるわけですから、まずは東京都としても、次期計画の改定時には、ヤングケアラーの支援に関しても、しっかりと支援の対象として位置づけていただきたいということ、あとは、これも先ほどの制度のはざまの話になりますけれども、ヤングケアラーの課題に関しては、非常に学校現場との緊密な連携というのが不可欠になりますので、ぜひこの縦割りを超えて、教育庁とも連携をしながら具体的な施策というものを検討いただきたいというふうに思います。
 また、この来期、計画を策定するというふうにお話されているんですけれども、これについてちょっと細かい要望をしたいと思いますが、本計画を私も何度も読んでいるんですけれども、これ読むと、やっぱり結構薄くて、各部局が既に取り組んでいる内容を記載しているにとどまっている印象を私は受けました。
 あとは、参考事例というものが非常に厚く入っているんですけれども、もともと方向性として示していたような、制度のはざまを埋めるとか、横でつなぐとか、支えるとかという要素が、ちょっとまだ薄いのかなというふうに感じています。
 ぜひ、局や部局を超えて、この制度のはざまで誰ひとり残される人がいないように、分野横断の施策の方向性、ビジョンをしっかり示していただきたいというふうに思います。こうしたことを要望いたしまして、次の質問に参ります。
 そして次に、今、こうした福祉の縦割りの話をしましたけれども、福祉を支える大きな基盤となる社会福祉法人の経営改革にかかわる取り組みについて伺いたいというふうに思います。
 高齢者施設や保育所などを運営しているのが社会福祉法人でありますけれども、この社会福祉法人は都内に約一千法人あるといわれておりまして、地域における福祉サービスの担い手になっているというのは、もう皆さんご存じのとおりだというふうに思います。
 社会福祉法人は、その事業の非営利性、そして公益性というものに鑑みて、運営に当たっては強く法的規制というものを受ける一方で、法人税の原則非課税とか、補助金の交付ということで、さまざまな支援を受けております。
 その観点から、株式会社などの民間の運営に比較して、より地域を見て地域社会に貢献するという視点が求められているわけでございます。
 私も先ほど地域福祉支援計画でも触れましたけれども、人口減少だったり、地域のつながりが弱くなる中で、社会福祉法人のように地域を知っていて、そして、地域の福祉の課題を解決できる、やはりコーディネーター的な人材の重要性というのは、ますます高まっているというふうに思っております。
 都はこれまでも、民生委員の育成や生活支援コーディネーターの配置等々、地域を支える人材として支援を行っているんですけれども、もう皆さんご存じのとおり、民生委員さんは高齢化が進んでいる問題があります。
 そして、生活支援コーディネーターは、数がやはり全然足りませんということで、対策はしていただいていると思うんですが、なかなか課題があるということで、そういった中で、地域をよく知る社会福祉法人がその地域をケアする担い手になるということは、課題解決の大きな一つの方向性になるのではないかと思っています。
 国の方向性としても、平成二十八年の社会福祉法人改革に伴う法改正がございました。その中において、社会福祉法人には、地域における公益的な取り組みの実施というものが義務化されております。そして、そういった取り組みをしっかりしているかという報告を、都の方も管轄をしていると思います。
 そこで質問なんですけれども、まず、この社会福祉法人に義務化されている地域における公益的な取り組みというのは、具体的にどのようなものを想定しているのか、具体的な事例について伺います。

○本多指導監査部長 平成二十八年の改正社会福祉法により、社会福祉法人の公益性、非営利性を踏まえ、新たに地域における公益的な取り組みの実施が法人の責務として位置づけられました。
 厚生労働省通知によりますと、社会福祉法人には、これまでに培ってきた福祉サービスに関する専門性やノウハウ、地域の関係者とのネットワーク等を生かしながら、地域における公益的な取り組みの実践を通じて、積極的に貢献していくことが期待されております。
 具体的な取り組み事例としては、地域の要支援者に対する相談支援、地域の要支援者に対する配食、見守り、移動等の生活支援、また、社会福祉の増進に資する人材育成確保事業などがございます。

○後藤委員 ありがとうございました。
 地域の要支援者に対する相談支援などなど、具体的な事例についてもご紹介をいただきました。
 そこで伺いたいんですけれども、都は現在、都社協ですね、東京都社会福祉協議会と連携をして、社会福祉法人が地域における公益的な取り組みというものを実施するためにサポートというものを行っているんですけれども、都内の社会福祉法人における、地域における公益的な取り組みというのがどのぐらい普及しているのかということで、実施率について伺いたいと思います。

○本多指導監査部長 平成三十一年四月一日現在、都内の社会福祉法人は、厚生労働大臣所轄法人を除き、千四十三法人ございますが、現況報告書の提出のあった千三十九法人のうち、千法人、九六・二%で地域における公益的な取り組みを実施しております。

○後藤委員 ありがとうございました。
 実施率九六%ということで、この数字自体は、四十七都道府県の中を比較しても非常に高い数字であるということで、これすばらしい取り組みであるというふうに思っているんですが、私自身の課題意識としては、公益的な取り組みをやっていればいいということではなくて、今後は、これだけ地域の課題があるという中ですから、この公益的な取り組みの質を上げる取り組みというのを、ぜひ都としてもサポートをしていただきたいというふうに思っています。
 私自身、議員になる前は、社会福祉法人のさまざまな先進事例なんかをいろいろ施設へ行って回って取材をしていたんですけれども、公益的な取り組みというのも、社会福祉法人によって、もう本当に千差万別でグラデーションがあるというふうに思っています。
 よく聞くのは、認知症サポーターを開講していますとか、保育をやってる社福さんなんかだとベビーマッサージ講座をやっていますとか、そういうのもあるんですけれども、それもそれでいいんですけれども、より踏み込んだ取り組み−−これだけ課題が地域である中ですから、非課税でやっていらっしゃる事業というところもあって、より一歩踏み込んだ社会課題を解決する取り組みというものができるように、支援をしていただきたいと思っています。
 その一歩進んだ取り組みというのは、例えば私が見てきた施設でいくと、特養などを運営している町田市にある社会福祉法人合掌苑さんという法人なんかでは、就労困難なシングルマザーを支援するマザーズプロジェクトというものを立ち上げておりまして、特養だけどシングルマザーの支援をするということなんですけれども、シングルマザーが安価で入居できるシェアハウスというものを自身で運営をして、シッターが代理で保育園のお迎えに行ってくれたり、食事づくりなどをしてくれるチャイルドケアというのを自分たちで取り組んで、小さなお子さんを抱えているので、働きたくても働けないシングルマザーの支援を独自にやっている法人があったり、あるいは、神奈川で介護サービスを展開している社会福祉法人伸こう福祉会さん、これも割と大きな法人ですけれども、ここなんかでは、介護が必要になっても仕事をしたいという高齢者の方々の要望を受けて、サービスつき高齢者住宅ではなくて、仕事つき高齢者住宅というものを整備しております。
 これは何かというと、要介護状態の高齢者も取り組める畑仕事なんかを用意して、一回当たり三百円の分配金というものを支払っています。こうすることで地域の高齢者の方々のやりがいを創出したり、要介護度を下げるような健康増進にも役立っているということです。
 これらどちらも、社会福祉法人が実際にやっている事業でございまして、今後、都としても、今ある事業、情報提供だけではなくて、一緒に伴走をして、地域の公益的な取り組みというのを一歩、二歩、進化させていただくような取り組み、支援を期待したいと思います。これはちょっと監査部ではなく高齢分野の要望にはなりますけれども、ぜひお願いをしたいというふうに思います。
 次に、認知症対策について質問をしていきたいと思います。
 先ほど細田理事や小宮委員からも質疑がありましたけれども、認知症に関する−−もうこれは高齢者施策における国家的なテーマになっておりまして、共生と予防というテーマで施策展開が進んでおります。
 先ほどお二人の委員からは、予防に関する質疑が中心であったかなというふうに思いますので、共生の部分にスポットを当てて質疑をしていきたいというふうに思います。
 私自身、この共生の取り組み、非常に重要だというふうに思っておりまして、東京都自体も認知症疾患医療センターを非常に整備をしたりとか、今回質疑があったように、東京アプローチであったり、さまざまな予防施策、充実していただいていると思うんですけれども、結局、認知症早期診断、早期発見したとしても、その先の社会が充実をしていなければ、認知症になった後、やっぱり認知症の方が絶望してしまうということになると思うんです。
 そのためには、認知症になった後の暮らしが、今までと変わらずに暮らしていけるような社会をつくる、いわゆる共生ということが非常に大事だというふうに思っておりまして、私自身も、何度も質疑をさせていただいているんですけれども、今回は、認知症サポーターと認知症の方をつなぐチームオレンジの取り組みについて伺いたいんですけれども、認知症の方々の社会参画を進める取り組みの一つとして、代表的なものに認知症サポーターがあります。
 全国で養成をされておりまして、都内でも約八十五万人の認知症サポーターの方がおりますが、取った後になかなか地域で活躍する場がない、しにくいみたいな課題があるわけでございまして、私自身も認知症サポーター、もう随分前に取りましたけれども、そこから先の、やっぱり具体的なアクションになかなか結びついていないというような現状があります。
 国も、認知症サポーターの育成にかかわる方向性というのを、量的な育成というところから、その先の活躍というところに軸足を置くようになっておりまして、私もこうした問題意識から、平成三十一年の一般質問で、認知症の方とサポーターをつなぐ制度をつくるべきだというふうに提案をさせていただいて、今回、新規事業でチームオレンジの整備ということで、認知症の人や家族の支援ニーズと認知症のサポーターをつなぐ取り組みというものを区市町村支援で行うというふうになったことは、非常にうれしいなというふうに思っているところなんです。
 まず伺いたいのが、本事業で想定している認知症の方やその家族の支援ニーズというのは、具体的にどんなものを想定しているのか伺いたいと思います。

○村田高齢社会対策部長 国は、令和元年六月に取りまとめました認知症施策推進大綱において、令和七年までに、全区市町村で本人、家族のニーズと認知症サポーターを中心とした支援をつなぐ仕組みであるチームオレンジなどを整備することを目標として明記をいたしました。
 チームオレンジの運営に当たっての全国基準となる内容を収録した手引の中では、散歩や買い物等に同行する外出支援、自宅を訪れて話し相手になるなどの出前支援、常日ごろからの声かけや見守りなどが支援メニューの例として記載されているところでございます。

○後藤委員 ありがとうございます。
 認知症サポーターを受講した方が、具体的な支援として取り組みやすい声かけや見守り、そういったものが想定されているのだということを理解いたしました。
 そこで、チームオレンジの整備を進める区市町村に対して、都は、具体的にどのような支援を行うのか伺いたいと思います。

○村田高齢社会対策部長 都は、チームオレンジの中核となり、チームの立ち上げや運営支援を行うコーディネーターを養成する研修を今後実施する予定としております。
 その中で、チームオレンジについての基礎知識やコーディネーターの役割、チームの立ち上げの準備についての講義を行うほか、模擬的にチームをつくるグループワーク等を実施し、チームオレンジを整備する区市町村の取り組みを支援してまいります。

○後藤委員 ご答弁の中では、研修をやって、区市町村が地域でチームオレンジの立ち上げ支援ができるように、側面支援を都がやっていくというようなご答弁がありました。
 ちょっとここから先は、要望をぜひしたいんですけれども、私自身もこの手引を読ませていただいて、実際にチームオレンジの取り組みを地域でできないかということで、認知症支援に関心の高い地域の方々と一緒に取り組みを進めるようにということで動いたんですけれども、結局手引を読むと、地域でチームをつくるところから、さっきあったような買い物の外出支援とか、見守りとか、全部無償でボランティアということなんですね、端的に読むと。
 この手引を実際に地域の介護職であったり、地域包括の方だったり、専門職の方に見ていただくと、さすがにこれはちょっときついと。これ全部、認知症サポーターの善意に頼った制度設計になっていて、これだとなかなかやっぱり、認知症サポーターを取ったけれども、ちょっとやりたいぐらいの方々に対してはインセンティブが働きづらい制度であるというような話がありました。私もそうだなというふうに思っています。
 実際に、認知症の方やその家族と認知症サポーターをつなぐというコンセプトは非常にいいものだというふうに思っているんですけれども、今後、実際的な取り組みはこれからになっていくと思うので、区市町村の意見や実際に実行した方々の意見も集約していただいて、ぜひしっかりと認知症サポーターの方にとってインセンティブが、動く理由をつくれるような制度にしていただきたいというふうに思っています。
 例えば足立区では、介護支援ボランティアという制度があります。これは、区内の介護施設などでボランティア活動に参加をしてポイントをためていただくと、年間最大五千円の活動交付金というものが支給されるという仕組みになっていまして、こうしたインセンティブが付与されていることで、現時点での登録者が区内で二千七百人を超える、約二千八百人の方々の登録があるということだそうです。
 チームオレンジの取り組みもすごく方向性はいいものだと思っているので、ポイント制度等、ほかの事例を参考にしていただきながら、より実効性が高く、認知症サポーターの方々が一歩踏み出すことができる体制の整備を要望して、次の質問に参ります。
 次に、保育施策について伺いたいと思います。
 東京都は、小池知事が就任した直後から、非常に待機児童の解消というものを公約の一丁目一番地に掲げて対策をしてきておりまして、待機児童対策を本当に強力に進めてまいりました。その結果、待機児童は二千人台まで減少するなど着実な成果となっています。
 しかし、いまだ待機児童は二千人超いるという一方で、急速な整備に伴って空きが生じている保育園があるなど、待機児童対策が進んだ先の課題というものも出てきていると認識をしています。
 そこで、都は、今後どのように待機児童対策を進めていくのか、方向性について伺いたいと思います。

○高野少子社会対策部長 都はこれまで、待機児童の解消に向けまして、保育所等の整備促進、人材の確保、定着の支援、利用者支援の充実の三つを柱に、区市町村や事業者の整備費の負担軽減、都有地活用の推進、宿舎借り上げ支援の充実など、さまざまな取り組みを進めてまいりました。この結果、本年四月の待機児童数は二千三百四十三人となっております。
 今年度からは、区市町村の状況に応じました待機児童対策をさらに後押しするため、整備費の負担軽減を行う待機児童解消区市町村支援事業の補助率の引き上げ要件を緩和するとともに、認可保育所や認証保育所の空き定員を活用した一歳児の受け入れを拡大する施設に対する運営費の補助を拡充しております。
 今後とも、区市町村と連携しまして、待機児童解消に向けて取り組んでまいります。

○後藤委員 さまざまな支援の内容をご答弁いただきました。
 これまでの都のスタンスとしては、待機児童対策に対しては、もうやれることは何でもやるということで取り組んでいただいていたと思いますし、実際にそうした取り組みの結果が、この待機児童の解消につながっているわけでありまして、これは本当に、都の保育施策を担っている皆様の取り組みを高く評価をしたいと思っているんですけれども、ここから先は、待機児童解消も見えてきたということで、ぜひその先を見据えて、この先の保育政策をどうしていくのかという方向性も、それに応じてアップデートしていくべきなのではないかと思っています。
 例えば、区市町村全体で見ると、今、待機児童ゼロという地域はふえていますけれども、実際にその区の中もエリアで割ってみると、このエリアは待機児童がまだまだいるとか、隠れ待機児童なんて話もありますけれども、そういう地域の偏在性みたいな問題があったりとか、あるいは経営が苦しくて、今、認証保育所なんかも非常に話が多いんですけれども、保育園を閉じる園というのも、非常にニュースになってきています。
 先ほど、栗林委員からの質疑にもありましたけれども、そうした場合のほかの用途への転用みたいなものも含めて、待機児童解消のその先の議論というものを、ぜひ考えていただきたいというふうに思います。そうした形で、ぜひ持続可能な制度というものを念頭に、その先の議論を進めていただきたいというふうに思います。
 また、待機児童解消によって、課題の一つとなっているのが、都の独自制度である認証保育所の担う役割であります。課題認識については、先ほど小宮委員からいろいろご説明していただいたので割愛をしますけれども、認証保育所は認可保育所だけでは応え切れていないニーズに対応していただいてきたということであります。
 こうした待機児童減少の動きに伴って保育ニーズが変化しております。そうした中で、認証保育所が担う役割というのも変化をしているということであります。
 非常に苦しいという認証保育所の経営者の皆様の声も聞いているところなんですが、都は、こうした変化についてどのように認識をして、そして対応をしているのか伺いたいと思います。

○高野少子社会対策部長 本年四月の待機児童数につきましては、年齢別では一歳児が約六割を占めております。また、待機児童の保護者のうち、主に保育に当たる保護者の状況につきまして、近年、常勤で就労中の保護者の占める割合が低下する一方、非常勤で就労中の保護者の占める割合が増加しております。
 都は、こうした状況を踏まえまして、今年度から認証保育所の空き定員を活用して一歳児の受け入れを促進するための支援を開始するとともに、保護者の多様な就労形態等に対応できるよう、補助対象となる利用時間の下限を一月当たり百六十時間から百二十時間に引き下げたところでございます。
 認証保育所は、都の保育施策の重要な柱の一つでございまして、今後とも地域の保育ニーズの変化に的確に対応できるよう、必要な支援や制度の見直しについて検討してまいります。

○後藤委員 ありがとうございます。
 今ご答弁で、部長からも認証保育所は都の保育施策の重要な柱の一つであるという答弁がありました。これはとても重要な答弁で、今、認証保育を運営している方々からは、非常に運営が厳しい中で、この認証保育所制度自体がどうなってしまうんだろうというような不安を抱えていらっしゃる事業者さんもたくさんいらっしゃいます。
 ぜひ、制度構築から二十年もの月日が経過していますので、事業者からの声をしっかり聞いていただきつつ、さまざまな要望があると思います、もう承知をしていただいていると思いますけれども、こうした声を制度に反映していただいて、都の認証保育所をサポートしてほしいというふうに思います。
 そして次に、保育事業者の事務負担軽減について伺いたいと思います。
 待機児童に向けて、さらに取り組みを進めるとともに、保育の質を高めていくという取り組みも非常に重要だと考えます。
 そのためには、近年増大する保育士等の業務負担の軽減というのが大きなテーマになっておりまして、都は、既に本年度、保育事業者の事務負担軽減に関する調査、分析事業というものを、こうした課題認識から実施していただいているというふうに認識をしているんですけれども、この進捗状況について伺いたいと思います。

○高野少子社会対策部長 都は、本年九月に認可保育所の事務負担等を把握するため、千二百施設の施設長、事務担当者及び保育士の方を対象にしまして、アンケートを実施いたしました。
 アンケートでは、保育施設の業務を五十種類に分類し、個人の業務量と施設全体の業務量、ICTサービスの活用状況や業務改善要望等につきまして調査し、集計したところでございます。
 その結果、施設長及び事務担当者につきましては、運営費の請求や補助金の交付申請、保育士につきましては、保育日誌の作成や登降園の記録等に係る業務負担が大きく、ICTサービスの活用ニーズが高いという結果となっております。
 今後、アンケート結果につきまして、事務負担軽減の取り組みの有無と業務量の関連性のクロス集計などの分析を行うとともに、効率的な業務を実施している施設等を対象としたヒアリングや、介護サービス等の他分野の先進的な事例等の調査を実施することとしております。
 こうした結果を踏まえまして、保育事業者の事務負担軽減に向けた有効な方策を検討してまいります。

○後藤委員 ぜひお願いをしたいというふうに思っています。昨今、さまざまな業界で働き方改革というふうに叫ばれているわけですけれども、保育の業界では、保育士さんの残業であったり持ち帰りの仕事というのが非常に多いというふうに伺っております。
 実は、私の母も還暦を過ぎて保育士に異業界から転身をしておりまして、日々、保育の現場で奮闘しているんですけれども、やっぱりいつも家で持ち帰りの、何か制作とかをやっているわけです。結構夜遅くまでやっているんですけれども、持ち帰りの業務負担があるんだなというところと、私も子供を育てている中で保育園に通っているんですけれども、毎日子供一人分の日誌を書くだけでも結構大変だなと思うんですけれども、それを園児全員分の日誌を書くとなると、相当な事務負担になるのかなというふうに思っています。
 ICTの活用というのは、保育士にとっても保護者にとっても双方からのニーズが非常に高い事業だと思うので、この調査がしっかりと次の施策に生かされることが大事なので、ぜひ分析を進めていただきたいというふうに思います。
 また、保育人材の確保については、現場からは、保育従事職員宿舎借り上げ支援事業、これが非常に人材確保に効果を奏しているというふうに伺っておりまして、ぜひ継続してほしいとの声が上がっております。
 本事業の活用により、保育従事者の確保や待遇改善という効果もあり、今後事業を継続することで職員の定着も進み、質の確保にも効果があるというふうに考えていますが、都の見解を伺います。

○高野少子社会対策部長 保育従事職員宿舎借り上げ支援事業は、保育人材の安定的な確保のため、平成二十八年九月の緊急対策におきまして、都独自に採用後の年数制限を撤廃し、全ての職員を対象としており、昨年度は五十の区市町村で活用されております。
 また、平成二十八年度以降、保育サービスの拡充を進めていく中で、利用実績は毎年五千人程度増加しており、昨年度は約二万件となっているなど、この事業が保育人材の確保と定着に大きな役割を果たしていると考えております。
 こうした認識のもとで、今後も区市町村や保育事業者と連携しながら、保育人材の確保に向けた取り組みを支援してまいります。

○後藤委員 この宿舎借り上げの事業は、本当に絶対に必要な支援なので、ぜひ継続を求めたいというふうに思います。
 そして最後に、動物愛護に関する質問についてしていきたいと思います。
 時間がないので、手短に進めていきますが、ことし六月から動物愛護法が改正されたわけですけれども、この法律の改正によって、マイクロチップ装着の義務化や、生体販売、生後五十六日、八週経過しない犬または猫の販売を規制するといったような、さまざまな施策が改正されたわけですけれども、国の動物の愛護及び管理に関する法律の法改正に伴って、東京都の動物愛護施策がどのように対応しているのか、その状況について伺います。

○高橋健康安全部長 今回の動物愛護管理法改正では、議員がおっしゃいましたように、動物虐待に対する厳罰化等が令和二年六月に施行されました。また、動物取扱業者が遵守すべき犬猫の販売日齢の規制や適正な飼養管理方法等の具体的な基準が令和三年六月に、マイクロチップ装着登録の義務化等が令和四年六月にそれぞれ施行されます。
 法改正の概要につきましては、動物取扱業者や飼い主などに啓発するためのチラシを作成、配布するとともに、動物取扱業者を対象に、概要の内容を解説した動画を配信し周知しております。
 現在国では、動物取扱業者が遵守すべき具体的な飼養管理の基準やマイクロチップの装着登録についての検討を進めており、このような動きを踏まえながら、法改正に適切に対応してまいります。

○後藤委員 ありがとうございます。
 今のご答弁で、動物虐待の厳罰化というお話もありました。
 これは非常に重要で、動物の虐待というのが大きな犯罪につながるというような各国のエビデンスもありまして、動物虐待を厳しく取り締まっていくことが大事だと思っております。
 都としても、動物虐待防止のさらなる周知啓発を行うべきだと考えますが、見解を伺います。

○高橋健康安全部長 都はこれまでも、動物の遺棄、虐待の防止を目的といたしまして、区市町村、警察署等の関係機関と連携した啓発を行っております。
 今年度は、法改正を踏まえ、保健所や警察署の連絡先が表示されるQRコードを刷り込んだ新たなポスターを作成し、都立公園等に配布いたしました。
 今後も飼い主等に対し、動物の遺棄、虐待の防止、終生飼養の責務及び動物の適正な取り扱いについて普及啓発してまいります。

○後藤委員 ちょっと時間がないので、最後の質問にいたします。
 東京都は動物愛護施策において、殺処分ゼロというものを既に達成をしておりますけれども、その先の動物愛護の取り組みというのが、具体的な目標がないということです。
 東京都は、動物愛護施策において、殺処分ゼロのその先を見据えて、具体的なビジョンと重点施策の選定、そして目標設定をすべきだと考えますが、見解を伺いまして、質疑を終わります。

○高橋健康安全部長 都は、動物愛護施策の指針となります東京都動物愛護管理推進計画の中間見直しを行うに当たり、平成三十年八月、東京都動物愛護管理審議会に今後の動物愛護管理行政のあり方について諮問し、同年十二月に中間報告が取りまとめられました。
 その後、令和元年六月の動物愛護管理法改正、本年四月の国の動物愛護管理基本指針改正を受けまして、現在審議会では、都の動物愛護施策の取り組み状況や施策を取り巻く状況の変化等も踏まえ、重点的に取り組む課題と施策の方向性について検討を進めております。
 今後、審議会からの答申等を踏まえまして、年度内に推進計画の中間見直しを行い、動物の適正飼養を初めといたしました動物愛護施策の展開を図ってまいります。

○うすい委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○うすい委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 以上で福祉保健局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後十時五十四分散会

ページ先頭に戻る