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Tokyo Metropolitan Assembly

厚生委員会速記録第十八号

令和二年十一月十日(火曜日)
第七委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長うすい浩一君
副委員長桐山ひとみ君
副委員長白石たみお君
理事細田いさむ君
理事柴崎 幹男君
理事もり  愛君
森澤 恭子君
やまだ加奈子君
藤田りょうこ君
栗林のり子君
小宮あんり君
鳥居こうすけ君
つじの栄作君
後藤 なみ君

欠席委員 なし

出席説明員
病院経営本部本部長堤  雅史君
経営企画部長谷田  治君
サービス推進部長西川 泰永君
経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務藤本  誠君
計画調整担当部長船尾  誠君

本日の会議に付した事件
陳情の取り下げについて
病院経営本部関係
報告事項(説明・質疑)
・契約の締結について
事務事業について(質疑)

○うすい委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 初めに、陳情の取り下げについて申し上げます。
 お手元配布のとおり、二第七四号の一、建設現場従事者に対するPCR検査の体制強化と予算措置に関する陳情につきましては、議長から取り下げを許可した旨の通知がありました。ご了承願います。

○うすい委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、病院経営本部関係の事務事業に対する質疑及び報告事項の聴取を行います。
 これより病院経営本部関係に入ります。
 初めに、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○谷田経営企画部長 お手元にお配りしてございます契約締結報告書に基づき、動産の買い入れ契約につきましてご報告申し上げます。
 恐れ入りますが、一ページをお開き願います。本日ご報告申し上げます契約一件の総括表でございます。
 二ページをお開き願います。本契約は、都立駒込病院において使用いたします高精度放射線治療システムの買い入れでございます。
 契約の方法は一般競争入札、契約金額は五億九千八百九十五万円で、契約の相手方はエム・シー・ヘルスケア株式会社でございます。
 簡単ではございますが、以上で契約締結のご報告を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

○うすい委員長 報告は終わりました。
 本件に対する質疑につきましては、後ほど事務事業に対する質疑と一括して行いますので、ご了承願います。
 次に、事務事業に対する質疑を行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○谷田経営企画部長 去る十月二十日の本委員会において要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元にお配りしてございます厚生委員会要求資料をごらんいただきたいと存じます。資料は、目次にございますように、合計八件でございます。
 恐れ入りますが、一ページをお開き願います。1、都立病院及び公社病院におけるがん患者数でございます。
 令和元年十月十六日に実施しましたワンデー調査におけるがん患者数につきまして、(1)は都立病院、(2)は公社病院の実績を病院別に記載しております。
 二ページをお開き願います。2、都立病院及び公社病院における医師の定数及び現員の推移でございます。
 常勤医師の定数と各年度十月一日現在の現員の推移を、(1)は都立病院、次のページの(2)は公社病院につきまして、それぞれ診療科別に記載しております。
 四ページをお開き願います。3、都立病院におけるPFI事業に関わる経費及び内訳の推移及び累計並びに各事業の契約額でございます。
 都立病院におけるPFI事業にかかわる経費につきまして、(1)は推移と累計、(2)は契約額を病院別に記載しております。
 なお、累計は、令和元年度までの決算額の累計でございます。
 五ページをごらんください。4、公社病院に対する運営費補助金の推移でございます。
 公社病院に対する運営費補助金の推移につきまして、病院別に記載しております。
 六ページをお開き願います。5、公社病院における看護職員の固有・派遣職員数の推移でございます。
 公社病院における看護職員の各年度四月一日現在の定数及び固有、派遣別の現員の推移を病院別に記載しております。
 七ページをごらんください。6、各都立病院の医業収支(令和二年度・月別)でございます。
 次のページにわたりまして、今年度八月までの医業収益、医業費用及び医業収支差額につきまして、病院別に記載してございます。
 九ページをお開き願います。7、都立病院及び公社病院における心身障害者医療費助成制度等を利用した障害者の入院状況及び有料個室利用状況でございます。
 令和元年十月十六日に実施しましたワンデー調査における障害者の入院患者数及び障害者の有料個室利用者数につきまして、(1)は都立病院、(2)は公社病院の実績を医療費助成制度の区分別に記載してございます。
 一〇ページをお開き願います。8、都立病院及び公社病院においてコロナ対応により新たに購入した医療機器(令和元年度以降)でございます。
 一二ページにかけまして、新型コロナウイルス感染症対応のために購入した医療機器について、それぞれの台数を年度別、病院別に記載しております。
 簡単ではございますが、以上で資料の説明を終了いたします。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○うすい委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、事務事業及び報告事項に対する質疑を一括して行います。
 発言を願います。

○後藤委員 私からは、都立、公社病院における独立行政法人化について質問をさせていただきたいと思います。
 都立、公社病院の独立行政法人化については、背景となる課題認識や、独法化におけるメリット、デメリットなど、これまでも幾度となく議論がされておりまして、こうした議論も踏まえて、ことしの三月には、新たな病院運営改革ビジョンというものが策定をされまして、都立病院改革の一環として、独立行政法人への移行を検討すべきという報告がされています。
 私たち都民ファーストの会東京都議団も、これまで代表質問や委員会質疑などを、機を逸することなく提言を行っておりまして、ことしの二月には、私も含めて、当時の厚生部会のメンバーで大阪府立病院機構に伺うなどして、視察をすると同時に、理事長ほか関係者にヒアリングを行ってまいりました。
 都においても、急速に進む高齢化や疾病構造の変化が予想される中で、行政的医療の提供や都の医療政策への貢献などの役割を将来にわたって果たしていくという観点において、独法化に向けての準備が始まっているという認識をしております。
 本日は、この独法化の議論の中で、組織と人材、そして地域貢献、この三つにフォーカスをして質疑を行っていきたいと思います。
 独法化の目的の一つは、効率化によって医療サービスをさらに上げていくということが挙げられると思いますけれども、医療サービスを底上げして、都民満足度をより向上させるという意味においては、それを支える職員の方々が万全の状態で働いてもらうということが非常に重要だと考えます。
 昨今、企業経営においても、顧客満足度の向上というものに従業員満足度というのが大きくかかわっているということがエビデンスでも出ておりまして、従来の顧客満足度、いわゆるCSというものの追求から、従業員満足度、いわゆるESですね、こちらに注目をして、さまざまな施策を推進していくということが一般的になっております。
 じゃあ職員満足度を向上させるために何が重要なのかということでいくと、働きやすさと仕事のやりがい、この二つの要素が、両方満たして初めて働きがいのある職場環境になるということだと思いますので、まず、この働きやすさということについて質問をしていきたいと思います。
 この働きやすさについては、快適に働き続けるための労働条件というものを整えていくことが重要だと思います。
 看護師の主な退職理由を見ていきますと、退職経験のある看護職員は、出産や育児、そして結婚を機に退職をしているというケースが大半でございまして、人間関係や超過勤務、そして夜勤の負担などの労働環境も、退職理由に影響しているということが読み取れます。
 働きやすい職場づくりに向けては、仕事と育児などの両立ができる環境整備とともに、超過勤務の縮減など働き方改革を推進することが必要であると思いますが、そこで、ビジョンでは、柔軟な勤務制度の構築やタスクシフティングの推進により、働き方改革を推進するというふうにうたっておりますけれども、独法化後は、職員の働きやすさを高めるために、どのような工夫をしていくのか伺います。

○船尾計画調整担当部長 現状では、地方公務員法に基づきまして、勤務時間について、国やほかの地方公共団体等との均衡が求められるため、例えば、育児以外を理由とした短時間勤務制度など、病院の実情に合った勤務制度の構築には制約がございます。
 独法化後は、法人独自の制度構築が可能となるメリットを生かしまして、委員からもお話のございました仕事と育児、仕事と介護、また仕事と研究との両立など、さまざまなニーズに対応できる勤務制度や任用制度の構築によりまして、多様な人材が働きやすい環境を整備するべく、現在、職員の意見を聞きながら、具体的な制度設計を進めているところでございます。
 また、法人の裁量によりまして柔軟な人材配置も可能となりますことから、医師事務作業補助者や看護補助者等の配置によるタスクシフティングをさらに推進いたしまして、医師や看護師などの医療スタッフが、おのおのの専門分野に、より専念できる、そういった体制を構築してまいります。
 具体的には、例えば医師事務作業補助者は、今年度は全都立病院で百六十名配置しておりますが、現場の状況に応じて拡充を図っていくと、このように考えております。

○後藤委員 ありがとうございました。
 これまで地方公務員法によってできなかった柔軟な働き方やタスクシフティング等、今、さまざまな検討がされているというようなお話がありました。
 ぜひ、こうしたものを積極的に検討していただくと同時に、ビジョンでは、新技術の活用によって、医療におけるさまざまな課題に柔軟に対応するということも記載をされております。独法化に当たっては、日々の業務の無駄をぜひ分析していただいて、ICTもぜひ活用していただいて、超過勤務の減少など、働き方改革を進めていただきたいというふうに思います。
 次に、仕事のやりがいということでお話をしていきたいと思いますが、先ほど、働きがいのある職場環境に向けては、働きやすさと仕事のやりがいが重要だというお話がありましたけれども、やりがいのある環境というのはどういう職場環境かというところでいくと、やっぱりスキルに応じて適切に人材の配置がされていたりとか、頑張った分がしっかりと評価に反映されている、そういう状態が、働きがいのある、やりがいのある職場なのではないかなというふうに思います。
 こうした環境を整備していくためには、キャリアパスの明確化ということと同時に、育成体系というのも重要だというふうに思っております。
 東京都は、既に医師アカデミーや看護アカデミーという制度がありまして、それぞれの職責におけるキャリアラダーというのがしっかり整えられていまして、レベルごとに必要な職務の必要能力というのを分解して、実践的な研修体系というのが既に構築をされているという認識でおります。
 このキャリアラダーや研修体制というのは、かなりしっかりしているものだと思うんですけれども、今後は、この育成制度に、しっかり専門性を評価する仕組みというものが必要だと考えます。
 こうした職員の方々の専門性がしっかりと適切に評価されることで、モチベーションが高まっていくのではないかなと思いますが、しかし、現状では、地方公務員法などによって、医療人材の状況に応じた適切な勤務条件であったり給与を決めるということに制約があるというふうに認識をしております。
 独法化によって、より働きがいのある職場づくり、病院づくりが必要だと考えますが、どのように工夫をしていくのか伺いたいと思います。

○船尾計画調整担当部長 職員が高い意欲を持ち続け、能力を最大限発揮するためには、働きがいに資する人事給与制度が重要でございますが、現状では、地方公務員法によりまして、給与について、国や他の地方公共団体等との均衡が求められるため、専門性に応じた柔軟な給与体系の設定が困難でございます。
 先行して独法化した他団体におきましては、専門医や認定看護師等の有資格者への手当の創出や、大学院、留学等に係る有給の休職制度の導入などによりまして、職員が専門性を発揮し、やりがいを持って働くことのできる環境づくりに取り組んでいる例がございます。
 独法化後は、職員の専門的知識や能力、職責、勤務実績を適切に処遇に反映いたしまして、働きがいとさらなるスキルアップにつながる人事給与制度を構築する必要があります。こうした他団体の事例も参考にしながら、具体的な制度設計を進めているところでございます。

○後藤委員 ありがとうございました。
 現状では、先ほどと同様に、地方公務員法の絡みで、柔軟な給与体系の設定が困難であるというお話と、今後は、能力や職責、勤務実績をしっかりと反映させる必要があるというようなご答弁がありました。
 実際に、やはり若手の職員の方々からは、現行の評価制度では非常に年功序列の色合いも強いということで、なかなか頑張りが評価に反映されづらいというような声も伺っております。医療をさらに充実させるためには、こうした職員の方々の働きがいや働きやすさというものも向上させていくことが非常に重要であると思いますので、ぜひしっかりと検討を進めていただきたいと思います。
 さて、今回議論が進んでいる独法化においては、仮称となっていますが、独立行政法人東京都病院機構、こちらにおいて、八つの都立病院と六つの公社病院、そして、がん検診センターを新たな都立病院として一体的に運営をされるというふうになっております。
 これは組織の話になりますけれども、全国の独立行政法人を見ても、これだけの規模の病院を一体的に束ねて病院運営を行っていくというケースはなかなかありませんで、この組織運営というのは非常に重要だと思っています。
 組織運営に当たっては、法人としてのガバナンスがしっかりと発揮できる運営体制の構築であったり、十四も病院がありますので、この病院を束ねる法人の理事長は非常に大事だと思います。このトップマネジメントが非常に重要だということで、この点においては、私も先日視察に訪れた大阪府立病院機構の理事長ヒアリングでも、独法化の肝は何といってもトップの人事ですというふうに伺っております。
 昨年度の一般質問における鳥居議員や、委員会での木下委員など、我が会派からも再三にわたって、トップマネジメントというのが非常に重要であるというように提言をしてまいりました。
 そこで、今後は理事長のトップマネジメントを支える仕組みが必要だと思いますが、独法化後、どのような運営体制にしていくのか伺いたいと思います。

○船尾計画調整担当部長 独法化後におきましては、トップとなる理事長のリーダーシップのもと、組織の意思決定を迅速に行い、常に都民の医療課題、ニーズに柔軟に対応できる運営体制の構築が重要でございます。
 複数病院を有する先行法人では、理事長の経営判断を支援するため、現場の病院長を役員として登用し、現場の医療課題等の変化を的確に酌み取るとともに、迅速に方針を決定するため、理事会を設置してございます。
 現在、こうした先行事例も参考にしながら、トップマネジメントを支える運営体制を具体的に検討しているところでございまして、医療ニーズに即応した機動的な法人運営を行うための体制を構築してまいります。

○後藤委員 ありがとうございます。
 ぜひ今後も、都民ニーズに柔軟に対応できる法人の運営体制についても、引き続き検討を進めていただきたいというふうに思います。
 また、今はトップマネジメントのお話をお伺いしましたけれども、現場の方にお話を伺いますと、理事長がリーダーシップを発揮して機動的な経営判断を行うには、トップマネジメントだけではなく、事務長など挙げられますけれども、やはり優秀な事務方が非常に重要なんだというようなお話も伺っております。ぜひ、そうした視点についても、今回の独法化の議論の中で前向きに検討を進めていただきたいというふうに思っております。
 また、一部の声では、独法化をして、採算がとりにくい新型コロナウイルスの医療など、取り組めば取り組むほど業績が悪化するのではないかというような、一部の不安の声も届いています。そして、そのために、不採算となる医療が縮減されてしまうんじゃないかという、そんな声も一部で聞いております。
 独法化の目的は、民間病院だけでは対応が難しい行政医療の提供というのは、もう何度も議論をさせていただいているので、共通認識だというふうに思っておりますが、今後も、独法化した後も、都民の命と健康を守っていくために、やはり行政的医療というのは確実に提供し続ける必要があるというふうに思っております。
 そこで、独法化後に、行政的医療の提供というのはどのように担保をしていくのか。また、不採算となる行政的医療の提供、今回の新型コロナに挙げられるような、こうした不採算の行政的医療の提供においては、都からの財政措置というのも欠かせないと思っています。こうした財政措置の検討状況についても、あわせてお伺いをいたします。

○船尾計画調整担当部長 民間医療機関だけでは対応が困難な行政的医療の提供は、都立病院が果たすべき重要な役割でございまして、特に、今回の新型コロナウイルス感染症のような事態ですとか災害時など緊急時におきましては、都立病院が率先して取り組んでいく必要がございます。
 このため、地方独立行政法人に行政的医療を確実に提供させるため、法人の根本原則である定款におきまして、法人の役割として、行政的医療の提供を担うことや、災害等の緊急時に、知事の指示のもと医療を提供することを明記することを検討しているところでございます。
 また、法人に対して、知事が中期目標を通じて、都が求める医療を提供させるための指示を行うことが可能であることから、行政的医療について、中期目標の具体的な記載方法を検討しているところでもございます。
 これら行政的医療は、採算の確保が困難であり、その経費につきましては、現在と同様に都が負担する仕組みが法定されておりますことから、着実に行政的医療を提供していくための運営費負担金につきまして、公社病院も含め検討しているところでございます。

○後藤委員 今のご答弁の中では、根本原則である定款において、しっかりと行政的医療をやっていくんだということを明記していくという話であったりとか、中期目標を設定しますというお話、そして、運営費負担金については公社も含めて検討しますというようなご答弁がありまして、都としても、行政的医療を絶やさぬよう、しっかりやっていくんだという意思が見てとれました。
 今後は、さらに独法化のメリットを最大限生かして、柔軟な人材確保であったり、職員が意欲と能力を最大限発揮できる病院運営を行っていただくことで、行政的医療を初め、質の高い医療を提供していただいて、患者サービスというのをぜひ向上させていっていただきたいなというふうに思います。
 そして、次のテーマなんですけれども、独法化後の地域貢献というテーマについて質問をしたいと思います。
 私自身、今回の独法化における大きなメリットの一つというのが、都立、公社病院の持つ高い専門性であったり、高水準の医療というものを地域にしっかり還元していく−−これは今までもそういうふうにうたっておりましたけれども、独法化をすることで、よりそういったものを進めていくということが重要だというふうに思っています。
 地域医療の充実に貢献していくというのは、都立病院の新たな役割でありまして、住みなれた地域で安心して医療を受けられる体制整備に向けて、積極的に、ぜひ取り組みを進めていただきたいと思っております。
 そこで、質問なんですけれども、まず、地域医療の充実に貢献するための取り組みとして、現在どのような取り組みを行っているのか伺いたいと思います。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都立病院は、都立病院新改革実行プラン二〇一八におきまして、従来からの基本的役割であります行政的医療の提供に加えて、地域医療の充実への貢献を新たな役割として位置づけ、地域の医療機関等に対する支援に取り組んでおります。
 例えば、大塚病院では、周辺地域の高齢者が地元病院での受診を希望する実態に対応するため、地域医療機関や介護施設等との連携を一層強化する在宅復帰支援システムの確立に向けた取り組みを進めております。
 具体的には、ICTを活用した連携医との患者情報の共有や、合併症を有する在宅療養患者の急変、増悪時に大塚病院が受け入れるなど、地域の在宅療養のネットワークづくりに貢献をしております。
 また、小児総合医療センターでは、人工呼吸器等の使用や経管栄養など医療的ケアが必要な障害児を地域で支える体制を構築するため、子ども在宅医療東京トータルサポート事業を実施しております。
 具体的には、子供の在宅療養を支える保健、福祉、教育等の関係機関による情報共有や、地域の医療機関等を対象にした人工呼吸器装着患者に対する実技研修の実施など、医療的ケア児の地域生活支援の向上に貢献をしております。

○後藤委員 今、さまざまな事例を用いてご答弁をいただきました。
 既に都立病院において、さまざまな地域貢献の事業がありますというお話だったんですけれども、私も、さまざまな都立、公社病院、視察に伺わせていただくと、それでも、やっぱりまだ一部制約があるんですと、地域貢献したいけれども、なかなか今の現状の制度ではできない部分があるというような話も伺っています。
 例えば、地域連携でよく聞かれる話でいうと、地域の訪問看護ステーションというのをよりサポートしてほしいという声が上げられます。地域包括ケアの充実においては、地域の訪看、非常に大事なハブの役割を担っておりますので、地域の訪問看護ステーションとの連携を推進してほしいという声も上がっているわけですけれども、こちらも、人事交流については制約があるというふうに伺っております。
 こうしたことから、伺いたいんですけれども、独法化後は、地域包括ケアの充実に向けて、どのように看護師を活用していくのかということで、ご答弁をいただきたいと思います。

○船尾計画調整担当部長 現在の都立病院は、地方公務員法によりまして、民間の医療機関等での勤務に制約がございますが、地方独立行政法人は、法人独自の人事制度を構築することで、一定のルールのもと、民間医療機関などへの柔軟な人材の派遣や人材交流が可能となります。
 このため、地域ニーズに応じまして、例えば地域の訪問看護ステーションとの人材交流を行い、看護師が技術協力を行うことで、患者さんが地域で安心して療養生活を行うことができるよう支援をしてまいります。
 具体的には、例えば地域の訪問看護ステーションにおきまして、小児看護ですとか精神看護の経験が少なく、医療的ケア児や認知症を有する患者さんの受け入れに不安を感じていると、そういった場合は、小児専門看護師ですとか認知症看護の認定看護師等が訪問看護に同行いたしまして、処置やケアを行いながらアドバイスを行うことで、地域で対応可能な人材を育成すると、そういった取り組みを検討しているところでございます。

○後藤委員 独法化によって、これまで地方公務員法によって制約をされていた地域医療機関との人材交流によって、地域医療の貢献に資する取り組み、さまざまお伺いをいたしました。
 特に、今お話をいただいた医療的ケア児や認知症を有する患者の受け入れなどについては、都立病院は高い専門性を持っていると思います。松沢病院であったり小児総合であったりとか、その都立病院が持っている固有の高い専門性を地域に還元していくということで、非常に意味のある取り組みだなというふうに思っています。
 独法化後は、ぜひ各病院で−−それぞれの都立病院、公社病院の中の地域のニーズがあると思います。ぜひ、そういったニーズを丁寧に酌み取っていただいて、何がその地域に求められているのかという観点で、取り組みを検討していただきたいというふうに思います。
 例えば、先ほどご答弁があった、医療的ケアが必要な障害児の方々を地域で支えるという子ども在宅医療東京トータルサポート事業なんかは、小児総合医療センターだけではなくて、区部なんかでも非常にニーズが高いと思うんです。医療的ケア児の対応というのは、今、大きなテーマになっておりますので、ぜひ、こういったいい取り組みというものは、独法化後は一つの法人になるわけですから、情報共有を密にしていただいて、横展開をしていただきつつ、全ての病院で求められるいい取り組みを進めていただきたいというふうに思います。
 以上で、さまざま、人と組織の部分、あとは地域貢献、三つのテーマで質問をさせていただきました。私の事務事業質疑は、これで終了とさせていただきます。

○やまだ委員 お願いします。私からは、都立病院のデジタル化に向けた取り組みについて伺いたいと思います。
 ことし九月に発足しました菅政権、内閣でも、直後の総理記者会見において、デジタル庁の創設など、行政のデジタル化推進について取り組んでいくことも示されました。
 東京都においても、デジタル化推進は重要な政策課題であり、都政のデジタル化をこれまで以上に進めていかなければならないと思います。これは、病院経営においても同じことであります。デジタル化の達成目標を定め、着実に計画を推進していくこと、このことが重要だと考えます。
 まず、そこで、デジタル化に関する都政全体の計画における病院経営本部の取り組みについて伺いたいと思います。

○西川サービス推進部長 東京都が平成二十二年にICTと業務改革が一体となったスリムで効率的な行政を実現していくための計画として策定いたしました業務・情報システム最適化計画におきましては、各局は、所管するシステムを活用した業務の質の向上などを目的としたシステムごとの計画を定めることとされております。
 この計画に基づきまして、病院経営本部は、電子カルテシステムや財務会計システムなどを対象としたシステム整備計画を策定いたしまして、サーバー等の機器更新や機能追加などを計画的に行っております。
 また、東京都が平成二十九年に都におけるICTの利活用と今後の方向性を示すために策定いたしました東京都ICT戦略におきましては、地域医療連携ネットワーク構築の推進、診療データの活用による臨床研究、治験の推進などが定められております。
 病院経営本部といたしましては、この計画を踏まえまして、東京総合医療ネットワークへの参画や、電子カルテシステムなどを活用したデータ集積基盤の整備など、保健医療分野におけるICTの活用につきましても取り組みを着実に進めております。

○やまだ委員 都立病院におけるICTの活用、これまで、平成二十二年から開始されていたシステム最適化計画を初め、ICT戦略、それぞれの取り組みが行われていることがわかりました。
 こういったICTを活用したデジタル化の病院経営については、やはり医療従事者の負担軽減を図ることで、業務の効率化、そして診療データの活用による患者へのサービスの充実などが求められていくと思います。
 病院経営本部のシステムの中で、医療従事者が日々診療を行う上で、こういったことも考えつつ、最も重要であるシステムの中には、やはり電子カルテシステムがあるかと思います。
 この電子カルテシステムを活用し利便性を向上させる、蓄積された膨大な診療データを役立てていくことで、都立病院はもとより、質の高い医療を患者さんに提供できるようになるのではないかと考えています。
 そこでまず、病院を支える基幹システムである電子カルテシステムの導入状況、そして、その効果と今後の展開について伺いたいと思います。

○西川サービス推進部長 都立病院におきましては、平成十五年度から電子カルテシステムを旧府中病院から順次導入いたしまして、現在は全ての都立病院で効率的かつ安定的なシステム運用を行っております。
 電子カルテシステムの導入によりまして、外来待ち時間の短縮、各種チェック機能による医療の安全性向上など患者サービスの充実に加えまして、紙カルテやレントゲンフィルムの削減による関連業務の効率化などを図ってまいりました。
 現在は、二回目の更新となる次期電子カルテシステムの導入を進めておりまして、昨年度は広尾病院と松沢病院に導入し、今年度は駒込病院への導入を予定しております。
 令和四年度末に全ての都立病院で導入が完了する次期電子カルテシステムにおきましては、院内の感染管理を支援する機能など新たな機能が追加されており、システムの利便性が大幅に向上しております。また、主要なサーバー機器は都外のデータセンターに設置されておりまして、災害発生時の業務継続性がより強固に確保されております。
 今後も、電子カルテシステムの機能拡充を継続的に行い、医療現場の業務の効率化を推進するとともに、患者サービスをより一層充実させるための取り組みを行ってまいります。

○やまだ委員 電子カルテシステムの導入、そして更新によって業務の効率化がされ、利便性の向上がされて、患者サービスの充実が図られていることがわかりました。随時こういった更新を図りつつ、さらにサービスの向上に向けて取り組んでいただきたいと思います。
 先ほども申し上げましたが、業務の効率化、そして診療データの活用によるサービスの向上、この二点について、もう少し具体的にそれぞれ伺いたいと思います。
 また、電子カルテシステムで取り扱う診療データは、重要な個人情報でもあり、極めて重要な取り扱いが求められるため、情報セキュリティーの確保にも十分留意していただきたいという、このことは求めておきたいと思います。
 具体的に、業務効率化について伺います。今後、都民がよりよい診療の提供を受けるためには、医療従事者の業務負担を軽減し、診療に専念できる環境を整備することが重要であると思います。
 そこで、関連業務の効率化について、このシステムを活用した電子カルテシステムを初め、その他、システムを活用した医療従事者の負担軽減の取り組みについて伺いたいと思います。

○西川サービス推進部長 都立病院におきましては、電子カルテシステムのほか、放射線検査部門や薬剤部門など多くの診療部門に業務システムを導入し、電子カルテシステムと接続することにより書類を作成する業務を削減することで、業務の効率化と医療従事者の負担軽減を図ってまいりました。
 また、従来は、産科や眼科の一部の業務におきまして、紙や印画紙により診療記録を保存していたため、電子カルテとして保存することが難しかったわけですけれども、これらの業務をシステム化することで、医師等の負担軽減を図っております。
 加えまして、一部の都立病院におきましては、音声を自動で文字に変換する音声認識システムを試行的に導入しており、医療従事者によるシステムへの入力時の負担を軽減しております。
 さらに、次期電子カルテシステムでは、内部プログラムの改善によりシステムの処理速度が向上しているため、業務の効率化に寄与することが期待されます。

○やまだ委員 電子カルテシステムを中心に、さまざまなシステムが導入されているということがわかりました。財務会計システム、院内LAN、庶務事務システムなど、日々進展する事務処理に関するシステムの活用、そして、それに向けた研修も含めてしっかりと行っていただきながら、先ほども質疑でございましたが、労働環境、また条件を整えていく、また働き方改革の一環としても、ぜひシステムを活用した業務改善、業務の効率化に取り組んでいただきたいと思います。
 そしてもう一つ、このシステムを活用して得た膨大な診療データ、この蓄積されたものを活用していく、活用することで、患者さんのサービスの充実、そういったことに寄与していただきたいと思います。その取り組みについて伺ってまいりたいと思います。
 今後は、この各システムに蓄積されたデータを、診療や研究、そして経営改革などに活用すること、また、そのことでサービス充実へつなげていくことが重要になると思いますが、都立病院における診療データの利活用にどのように取り組んでいるのか伺います。

○西川サービス推進部長 都立病院では、電子カルテシステムや部門システムに蓄積されました診療データを、治験や臨床研究などのほか、より安全かつ質の高い医療を提供するため、患者さんの治療方針を院内で検討する際にも活用しております。
 現在、これらのシステムから必要なデータを効率的に抽出し、加工、分析してわかりやすく表示する機能を備えたデータ集積基盤の整備を一部の都立病院において進めており、今後全都立病院への導入を検討しております。
 データ集積基盤の導入によりまして、診療データに加え、診療報酬の請求に関するデータや、薬剤、診療材料などの使用状況に関するデータを同一基盤上で組み合わせて利用することができるため、従来の研究や診療支援におけるデータ分析をより高い精度で行えるようになるとともに、経営改善に向けた取り組みにも活用することができます。

○やまだ委員 診療データを活用されてのデータ集積基盤の整備、また治療方針に活用することで、治療の効率化、患者さんへの負担を軽減していくなど、サービスの向上が図られている、また経営改革、経営基盤の改善においても、データ集積基盤の整備によって取り組みがされているということでありました。特にデータ集積基盤の整備などは、まだ検討ということでございますので、ぜひ全病院での導入に向けた取り組みをお願いしたいと思います。
 あわせて、都民が適切な医療の提供を受けるためには、診療データの利活用とともに、地域医療との連携として、医療機関同士の連携が必要だと思います。保有する診療データを共有し相互に活用することで、都民が適切な医療の提供が受けられる。
 そこで、都立病院と地域医療機関との診療データの共有について、現在どのような取り組みをしているのか伺いたいと思います。

○西川サービス推進部長 東京都医師会では、地域の医療機関の連携を安全・安心に、途切れることなくサポートし、都内の地域包括ケアを実現することを目的として、病院や診療所の電子カルテシステムを相互に接続する東京総合医療ネットワークを平成三十年七月から運営しております。
 このネットワークに参加することで、参加する医療機関同士で薬の処方歴や検査結果などの情報を共有し、薬の誤投与や重複検査を防ぐことで、患者さんに対して、より適切な医療を提供できるメリットがございます。
 今後、都立病院におきましても、このネットワークに順次参画することで、切れ目のない医療連携体制の推進に貢献してまいります。

○やまだ委員 東京総合医療ネットワークの活用、このことについてのご答弁をいただきました。都立病院が地域の医療機関との間で診療データを共有し、地域とのシームレスな連携体制の推進に取り組んでいることはわかりました。
 また一方で、この東京総合医療ネットワーク、都立病院だけでなく地域の医療機関の導入状況が、まだまだこれから課題だと思いますので、そういったことも見据えた形で連携がとれる取り組み、検討をお願いしたいと思います。
 これまでのご答弁で、都立病院ではさまざまデジタル化の取り組みを行ってきたことがよくわかりました。ICTの技術の進展は、我々が考える以上に目覚ましく、速い状況であります。
 医療の分野においても、例えばオンライン診療やAIなどの新しい技術を活用した医療現場での取り組みの検討が進められています。国においては、二〇一八年から、内閣府主導で推進されているAIホスピタルなどが、導入に向けた検討がされています。そして、東京都のスマート東京の中でも、島しょの遠隔医療の検討等、さまざま位置づけがされていると思います。
 研究機関の間でも、例えば実験的にではありますが、医療機関のAIを活用した取り組みとして、誤嚥性肺炎のハイリスク患者の早期抽出をし、入院の期間を短くしていく、そんな取り組みも−−診療データの中から、入院、決まった三日間のデータを集積して、看護師さんの中でハイリスクの方に向けどのような対応をしていくかということの取り組みも始まっていたり、さまざまAIを活用した集積、先ほどもご質問をさせていただいた診療データの集積をどのようにAIを活用してサービスを向上していくか、診療の内容を充実させていくか、こういった取り組みをさらに一歩進めて取り組んでいただきたいと思います。
 そこで、都立病院におけるこれからのAIやオンライン診療などのICT活用について、考え方を伺いたいと思います。

○西川サービス推進部長 AIを活用した診療支援やオンライン診療など、医療分野におけるICTの活用は急速に進んでおり、都立病院におきましても、患者サービスの向上や医療従事者の負担軽減の観点から、ICTの活用が重要と認識しております。
 これまでも都立病院では、電子カルテシステムの導入とその更新、診療科や放射線、薬剤などの各部門における業務システムの導入や、電子カルテとの連携によりまして、患者の診察や会計待ち時間の短縮や、診療業務の効率化を進めてきております。
 また、それらのシステムに蓄積された診療データを活用しまして、臨床研究に役立てるなど、進展するICT技術の効率的な利用に取り組んでまいりました。
 今後も都立病院がより一層質の高い医療を提供していくため、ICTの動向や利用環境を取り巻く変化を注視し、安全性にも十分留意しながら、最新技術の活用を検討してまいります。

○やまだ委員 ありがとうございます。
 都立病院の役割においてのAIやオンライン診療が、どのようなものが求められるのかということを十分検討していただきながら、よりサービスの向上、そして、医療従事者の皆様の負担軽減に向けたさらなる取り組みを求めまして、質疑を終わりたいと思います。

○細田委員 がん医療について伺います。
 がん医療は、日進月歩の勢いで劇的に進化をしています。以前は、がんといえば治らない病気で、長期にわたって病院に入院したまま治療を継続しなければならないというイメージが強いものでありました。
 今日では、治療効果を高めながらも、体へのダメージをより少なくする治療法というものが開発されています。例えば手術では、切除する範囲を可能な限り小さくしたり、早期のがんを内視鏡を使って切除するなど、体の負担が最小限になるような手術が可能となりました。
 また、放射線治療におきましても、がんの病巣だけにピンポイントで照射できる機器が開発されていたり、化学療法では、複数の薬剤を組み合わせることで、治療効果をさらに向上させるなどしている状況であります。まさに、がんとともに生きる、こういう時代になってきていると思います。
 さらには、こうした標準治療に加えて、がんゲノム医療といった新たな技術も開発されています。患者の個別の症状や状態に合わせた治療法が選択できるようになってきております。
 さて、都立病院では、都立病院新改革実行プラン二〇一八の中で、患者本位のがん医療を提供するために、個人の遺伝情報に基づいた個々のがんの患者に最適なゲノム医療を提供する、このようにうたっています。
 まず、改めて、がんゲノム医療について、都の認識とその概要についてお尋ねします。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 まず、ゲノムという言葉ですが、遺伝子、geneと、染色体、chromosomeを組み合わせた造語でございまして、生物の持つ遺伝情報の全体を指しております。
 国は、第三期がん対策推進基本計画におきまして、こうした個人のゲノム情報に基づいて、個人ごとの体質や病状に適した医療を行う、がんゲノム医療の体制づくりを掲げ、がんゲノム医療中核拠点病院等の整備を進めてきたところでございます。
 このがんゲノム医療の保険診療の対象は、標準治療がない場合のほか、局所進行や転移が認められ標準治療が終了している、もしくは終了が見込まれる場合で、主治医が条件を満たすと判断した患者さんが対象となります。
 検査に当たっては、まず、手術などで採取されたがんの組織を用いて、高速で大量のゲノム情報を読み取る次世代シークエンサーという解析装置で、一回の検査で多数の遺伝子を同時に調べるがん遺伝子パネル検査を実施します。
 その上で、ある特定の遺伝子変異が判明した場合には、エキスパートパネルと呼ばれる専門家会議におきまして、治療法や治療薬が検討され、主治医は、その結果を患者さんに説明を行うことで次の治療につなげていきます。
 こうしたことから、より効果が高い治療薬を選択することが可能となるため、治療成績の向上は期待されている一方、現時点では、治療薬の候補が見つかる患者さんの割合が少ないことや、今後のがんゲノム医療のさらなる進展には新薬の開発などの課題もあるといわれております。

○細田委員 劇的な進歩を遂げているけれども、まだまだこれからの課題もある、こういうような状況の中で前に進んでいるということがわかりました。
 それでは、がんゲノム医療ですけれども、都立病院においてはどのような状況なのか、実績についてどうなっているのか、この点についてご答弁を求めます。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都立病院では、都道府県がん診療連携拠点病院の駒込病院、地域がん診療連携拠点病院の多摩総合医療センター、小児がん拠点病院の小児総合医療センターの三病院において、がんゲノム医療を提供しております。
 まず、駒込病院におきましては、昨年九月、遺伝子パネル検査の医学的解釈を実施施設で完結可能ながんゲノム医療拠点病院に指定され、迅速な治療や受診機会の拡大に貢献しております。
 昨年度、遺伝子パネル検査を実施したがんの部位は、大腸、脳、脾臓、乳房、胆道、子宮、卵巣、肝臓など多岐にわたりまして、それらの検査結果の医学的解釈のために実施した三十五件のエキスパートパネルのうち四件は直接治療に結びつき、十六件はエキスパートパネルが推奨する薬剤や治験を紹介しました。
 また、多摩総合医療センターは、昨年四月に、がんゲノム医療連携病院に指定され、中核拠点病院などと連携のもとで、がんゲノム医療を提供しておりまして、昨年度は、がん遺伝子パネル検査を二件実施しましたが、残念ながら治療には結びつきませんでした。
 また、小児総合医療センターでは、本年二月に、がんゲノム医療連携病院に指定され、パネル検査の実施等に向けた準備を進めてきたところでございます。

○細田委員 がんゲノム医療は、まだ途についたばかりであり、繰り返しますけれども、今後のより一層の進展に期待しております。
 さて、冒頭、最近のがん治療法の進歩に関連して、放射線治療の分野におきましても、がんの部分だけにピンポイントで照射できる機器が開発されていることを述べました。
 改めて申し上げますが、放射線治療におきましても、その進歩は目覚ましく、がんの周りの正常細胞への放射線の量を減少させることで、副作用も軽減させることができる高精度放射線治療が行われています。
 駒込病院では、こうした高精度放射線治療の専用装置、いわゆるリニアックのほかに三台を導入しています。
 この高精度放射線治療装置三台のそれぞれの特色について、都の見解を求めます。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 駒込病院では、平成二十五年にトモセラピー、サイバーナイフ、Veroの三台の高精度放射線治療装置を導入しました。
 まず、トモセラピーは、CTの撮影時のように、横になった患者さんの周りを回転しながら、がんの複雑な形状に合わせて放射線を照射することができ、事前のプログラムによって、放射線の強さに強弱をつけることも可能なため、放射線をがんに集中させる一方で、正常な臓器への照射を最小限に抑えることができます。
 また、サイバーナイフは、最先端のロボット技術や画像照合技術により、さまざまな方向から一点に集中して照射する装置で、患者さんのわずかな動きを感知しながら、誤差一ミリ程度の高精度で治療することができます。
 Veroは、赤外線センサーとエックス線透視複合システムを用いて、臓器の動きに合わせて照射することが可能でありまして、例えば呼吸によって上下に動く肺がんに対しても、放射線のビームを動かす動体追尾照射を行うことができます。

○細田委員 では、これが、駒込病院を利用される患者さんにいかに貢献できているのか、トモセラピー、サイバーナイフ、Veroのこの三台が、それぞれ昨年度どうだったのか、稼働実績についてお尋ねします。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 三台の高精度放射線治療装置の令和元年度における稼働実績ですが、トモセラピーが九千九百五十四件で、前年度と比較して千九十八件の増になっております。サイバーナイフが五百四十二件で、前年度と比較して二百二十四件の増になってございます。Veroが五千四百二十六件で、前年度と比較して千百六十一件の増でございました。
 三台の稼働実績の合計は一万五千九百二十二件で、平成三十年度の一万三千四百三十九件と比較して二千四百八十三件増加しておりまして、平成二十五年の導入以来、過去最高の稼働実績となっていることからも、都内外の難しい症状を抱えた多くのがん患者さんから、大変頼りにされているものと認識をしております。

○細田委員 今ご説明いただきましたように、本当に多くの、全国のあらゆるところ、遠くは北海道や、また沖縄からも患者さんが受診される、このように聞いています。
 そういうことにおきましては、積極的にこれらの機械を導入した上で、稼働実績も上げて、がん撲滅に向けて、がんとの闘いにおいて患者さんを救う、そういう闘いがまさに進展をしているんだという、そういうトップランナーとして闘っていらっしゃるんだというふうに理解いたします。
 患者さんたちを助ける最後の、患者さんたちを助けるとりでになっているのではないかというふうにも思います。今後も、国内の屈指のがん専門病院として、これらの最新機器の活用をさらに進めていただきたい。そして、多くの患者さんたちの命が救われる、このことを望みます。
 さて、がん治療という点においては、若い世代、いわゆるAYA世代の患者さんからも相談が多くなってきているという実情があります。私も実感をしております。
 昨今、こうしたAYA世代のがん患者に対する取り組みの強化が強く求められておりますけれども、都道府県がん診療連携拠点病院としての役割を担います駒込病院においても、AYA世代に対する支援体制を充実させていくことは重要であります。
 駒込病院におけるAYA世代のがん患者に対する診療、相談体制の取り組みについて、どうなっているのか、患者に対する診療連携体制についてはどうなのか、東京都の見解を求めます。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 駒込病院では、昨年一月、院内におけるAYA世代がん患者への診療連携体制を強化するため、病棟、外来等でAYA世代がん患者のサポートを担当する現場対応グループと、組織横断的な対応を担当するAYA世代支援チームを設置しまして、AYA世代のあらゆるがんに対応しております。
 現場対応グループは、患者さん個別の状況に応じた多様なニーズに対応するため、支援を要する対象患者さんの抽出や患者さんへの説明等の初期対応のほか、心理的ケア、ピアサポートの運営等について、医師、看護師、患者サポートセンター、リエゾンチームなど、さまざまな職種や組織が連携して対応しています。
 一方、AYA世代支援チームは、現場対応グループを支援するため、現場の実情を踏まえた診療体制等に関する具体的な企画立案を初め、国も含めた関係機関や、がん患者団体との連携を図るなど、現場対応グループと同様、多職種、多組織で対応しております。

○細田委員 厚生労働省によりますと、AYA世代のがんサバイバーの悩みの上位は、年代別に割合が異なりますものの、今後の自分の将来のこと、また後遺症や合併症のこと、不妊治療や生殖機能に関する問題、結婚のこと、そして仕事のことでありまして、いずれも切実に悩みを抱えていることがわかります。こうしたAYA世代のがん患者に寄り添った相談支援体制が大変に重要であります。
 駒込病院におけますAYA世代のがん患者に対する相談支援の体制についてはいかがでしょうか、都の答弁を求めます。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 AYA世代がん患者に対しましては、患者さんごとの疾患やライフイベントなど、個別のニーズに応じた相談支援が必要でございます。このため、駒込病院では、患者さんの相談内容に応じた相談支援体制を構築しております。
 例えば、AYA世代がん患者が就学する際には、患者サポートセンターのソーシャルワーカーが相談に対応するとともに、患者さんの希望に応じて訪問学級の実施に向けた調整なども行っております。
 また、就労や雇用の継続に関しましては、患者サポートセンターのソーシャルワーカーが相談支援を担っているほか、患者サポートセンターにおける定期的な相談窓口の開設や、行政の就職相談等も活用しております。
 さらに、将来子供を持つことを希望するAYA世代がん患者が、がん治療を開始する前に適切な相談を受けられるよう、AYA世代支援チームを中心に、主治医となる各診療科医師はもとより、来院患者さんへの周知を行っております。

○細田委員 駒込病院でAYA世代のがん患者の方に対して、院内での連携や相談体制を整備しているということであります。どうぞ今後もチェックとアクションを続けていただいて、大きく前進していっていただきたい、このように望みます。
 AYA世代の患者に対しては、先ほどの答弁にもありましたとおり、治療だけでなく、就労に関する支援も必要であります。
 私は、平成三十一年の、昨年の第一回定例会一般質問におきまして、がんの中核病院であります駒込病院のがん患者に対する治療と仕事の両立支援について、また、墨東病院が社会保険労務士と連携し独自に実施していた患者支援の取り組みを他の都立病院にも拡充していただきたいと、このように質問をさせていただきました。
 そこで、社会保険労務士との連携も含めて、駒込病院では、現在患者の治療と仕事の両立を支援するためにどのように取り組んでいるのでしょうか、答弁を求めます。

○西川サービス推進部長 がんの患者さんが働きながら治療を受けることを支援するためには、患者さんの病状と治療状況を把握している職員による対応が必要でございまして、駒込病院におきましては、医療ソーシャルワーカーを中心に、療養生活や就労継続に関するさまざまな相談に対応しております。
 駒込病院では、平成二十七年度からハローワークと連携し、がんと診断され長期療養の必要な患者さんのために、治療を行いながら仕事との両立を図ることを目的とした就労支援の相談を行っておりまして、医療ソーシャルワーカーが行う医療相談の中で、患者さんの要望や生活状況、体調などを考慮してこの相談をご案内しております。
 ハローワークの専門相談員である就職支援ナビゲーターが週一回病院を訪れまして、患者さんからの相談や希望に沿った職業紹介に応じており、令和元年度は四十二件のご相談があり、このうち二十件が就職に結びついております。
 また、病院では、患者、家族の情報交換や交流の場所である院内の患者サロンに、厚生労働省が発行した両立支援に関するリーフレットやハローワークの求人票を置くなど、患者さんとそのご家族が就労に関する情報を自由に手にとれるための工夫も行っております。
 こうした取り組みに加えまして、墨東病院が独自に実施していた社会保険労務士による治療と仕事の両立支援相談を、駒込病院におきましても、平成三十一年四月から開始しております。この両立支援相談は、月一回、各回三名の患者さんに対しまして、一時間程度の個別相談枠を設けて実施するものでございます。
 駒込病院における昨年度の相談実績は二十三件でございまして、このうち約半数の十一件は、勤務先の休業制度に関するものなど、治療を受けながら仕事を続けることを目的とする相談でございました。

○細田委員 駒込病院におかれましても、まさにゲノム医療や、高精度の放射線治療などの最先端のがん医療、それだけではなくて、行政としての先導的な取り組みが必要なAYA世代のがん患者の方々、そして、今おっしゃっていただきましたように、就労支援等、幅広く丁寧に取り組んでいるということのご答弁をいただきました。
 私の地元の墨東病院も地域のシンボル的存在でありまして、都のがん診療連携拠点病院としてさまざまながん患者に対応しています。
 一方で、AYA世代のがん患者につきましては、全国的に見てもまだまだ患者数が少なく、全容が把握できていないといわれていますが、墨東病院においても、AYA世代のがん患者の就労、そして就学や、また妊孕性を温存する、これに関する相談の対応を始めたと聞いております。大変頼もしく感じております。
 これからも、都立病院、また公社病院とも切磋琢磨していただいて、取り組みを高めていってもらいたいと要望しておきます。
 次に、オンライン診療について伺います。島しょ医療のことについても触れさせていただきます。
 オンライン診療は、医療提供の一形態として、平成三十年度の診療報酬改定において保険適用されており、オンライン診療料やオンライン医学管理料が創設されたものであります。
 実施に当たっては、日ごろから直接の対面診療を重ねているなど、医師と患者に直接的な関係が既に存在する場合に限って、オンライン診療を利用することが基本であり、原則として、初診は対面で行って、その後も同一の医師による対面診療を適切に組み合わせて行うことが求められております。
 しかしながら、新型コロナウイルス感染症が拡大する中で、国は本年四月に、時限的に、特例的に初診からオンライン診療を行うことを認めました。また、現在では、初診も含めたオンライン診療を原則解禁にする方向で検討が進められております。
 オンライン診療について、都立病院における取り組み状況はいかがでしょうか、病院経営本部の見解を求めます。

○西川サービス推進部長 オンライン診療は、ビデオ通話等により、患者さんの診察及び診断を行い、診断結果の伝達や薬の処方などの診療行為を行うものでございます。
 主として、急性期医療を担う都立病院におきましては、病状に応じて検査や処置が必要な患者さんが多いため、対面診療と比較して得られる情報が少ないビデオ通話などを用いたオンライン診療は実施しておりません。
 その一方で、現在国におきまして、新型コロナウイルス感染防止の観点から、時限的、特例的に認めたオンライン診療について、安全性と信頼性をベースとして、初診も含めて原則解禁とすることについて検討が進められております。
 こうしたことから、引き続き国の動向を注視し、各都立病院が提供する医療の特性を踏まえながら、病院医師等の意見にも十分耳を傾け、都立病院にふさわしいオンライン診療のあり方を検討してまいります。

○細田委員 今の都立病院は、急性期医療が主体だということで、その特性を踏まえた上でのオンライン診療について検討していくと、こういう方向は理解できました。ですが、オンライン診療はICTを活用する、これによっての医療分野に新たな可能性をもたらした、こういう事例もございます。
 こうしたことを踏まえますと、ICTを積極的に活用していくことは、都立病院が重要な役割を果たしています島しょ医療において、実際的にどうしても越えなくちゃいけないこの距離というハンデを越えていくためには大変有効な手段であります。
 最近の報道においても、オンライン診療の高まり、必要性というものが、さらにいわれている、このようなことを皆様方もよく耳にしていると思います。
 これまで、広尾病院がICTを活用して島しょ医療にどのように取り組んできたのか、まず、その点について答弁を求めます。

○西川サービス推進部長 広尾病院では、画像伝送システムにより、エックス線やCT、内視鏡などの静止画像を島しょの医療機関から受信し、島しょの医師に対して、疑われる疾患や推奨される治療、処置内容を助言するなどの診療支援を実施しております。
 画像伝送システムには、ウエブ会議機能が備わっており、広尾病院の医師と島しょ医療機関の医師との間で、双方向の症例検討を行うことが可能になっております。
 この機能を活用することで、現地の医師が専門医と画像や検査データなどをリアルタイムで共有しながら助言を受け、診断や治療を行うことができます。
 また、このウエブ会議機能を用いまして、広尾病院の医師や看護師、医療ソーシャルワーカーが、島しょの医療、介護等の関係者との間で、広尾病院を退院して島しょで在宅療養生活を送る患者さんの情報を共有し、患者さんに対する的確なケアにつなげるためのサポートを行っております。

○細田委員 ICTの活用で、広尾病院が島しょ医療への支援、これを通じまして、安心のサポートに努めていることはわかりますが、このICTの技術は日々進歩していまして、デジタルトランスフォーメーション、これに対応していくことの重要性は高まっております。
 島しょ医療におきましても、ぜひこのデジタルトランスフォーメーションを、しっかりと対応していただいて、より高いレベルの支援を行っていただきたい、このことが期待されます。
 今後、島しょの島民がより質の高い医療にアクセスしやすくする仕組みを構築していくために、ICTを使ってどのように取り組んでいくつもりなのか、東京都の見解を求めます。

○西川サービス推進部長 都政のデジタルトランスフォーメーションの推進の観点からも、都立病院が行う島しょ医療支援にICTを活用して、島民の方がより質の高い医療を受けられる仕組みを構築することは重要であると認識しております。
 先ほどご答弁申し上げました画像伝送システムによる診療支援に加えまして、大容量のデータの送受信を可能にする5G技術を用いて、エコーなどの検査動画をやりとりすることで、島しょへの医療支援をより高いレベルで提供することが期待できます。
 こうしたことから、島しょ医療機関と広尾病院の間の遠隔医療に5Gを活用する実証実験に向けた調査を今年度行うべく、広尾病院及び民間事業者を交えて調整を進めております。
 今後は、今年度の調査やその後の実証実験の結果を踏まえまして、5Gを活用した島しょへの遠隔医療の具体化を進めてまいります。

○細田委員 ぜひ、その実証実験の結果を踏まえて、5Gを活用した島しょの遠隔医療の具体化を推進していっていただきたいと思います。
 そして、今度は地域医療に重要な役割を果たします公社病院の新型コロナウイルス感染症対策について伺います。
 新型コロナウイルス感染症への対応は、まさに未曽有の事態でありまして、発生当初は、治療法や感染対策のノウハウ等の情報も不足しており、手探りの中で、公社病院では、感染症指定医療機関である荏原病院、そして豊島病院が先頭に立って患者を受け入れてきました。
 市中感染が拡大しました三月以降は、感染症指定医療機関以外の四病院でも患者を受け入れて、まさに公社病院の総力を挙げて八面六臂で取り組んできたというふうに認識しています。
 公社病院は、具体的にどのようにこの新型コロナウイルス感染症の患者を受け入れてきたのか、改めて状況を尋ねます。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 一月下旬の中国武漢からのチャーター機や、二月の横浜港に停泊したクルーズ船への対応など、新型コロナウイルス感染症の発生当初は、日々の訓練によって高度な感染管理がなされ、感染症指定病床をそれぞれ二十床ずつ確保している荏原病院と豊島病院で患者さんを受け入れてきました。
 三月以降、新型コロナウイルス感染症の市中感染が拡大し陽性患者が急増したことを受け、感染症指定医療機関以外の四つの公社病院では、感染症に関する荏原病院、豊島病院の患者動線や設備などについての知見を生かしながら、院内感染防止に取り組むとともに、陽性患者や疑い患者の円滑な受け入れを進めました。
 六病院全てで患者の受け入れ体制を整備し、緊急事態宣言下の五月十五日には、公社六病院で三百六十八床の新型コロナウイルス感染症対応病床を確保しました。ことしの十月末までに、疑い患者も含めて、公社病院全体で三千三百二十四名の患者さんを受け入れてきました。
 今後も職員が一丸となって、新型コロナウイルス感染症患者を受け入れ、都民が必要としている医療を提供してまいります。

○細田委員 わかりました。
 現場の医療従事者の方々が社会的な使命感を胸に秘めて、また、日々新型コロナウイルス感染症と最前線で向き合って奮闘してこられましたことに対して、改めて心からの敬意と感謝を申し上げたいと思います。
 今、ヨーロッパ等では再び感染が拡大、これが加速しておりまして、重症患者も増加しております。これから冬を迎えますが、公社病院が引き続いて都民の期待に応えて、新型コロナ感染症患者の受け入れにご尽力していただくことをお願いして、次の質問に移ります。
 都立病院における有料個室の状況についてお尋ねします。
 病院には、重症患者の管理のために必要な個室とともに、患者の負担のもと特別な療養環境を提供するための個室、いわゆる有料個室があります。
 国においては、患者のニーズに対応して、病院が一定の要件を満たして整備した病室を患者が希望して使用する場合は、病院が設定した料金を患者に求めることを認めています。
 都民の方々からは、公立病院にもかかわらず保険適用外のベッドが存在するのはおかしいとの声もあります。不公平や機会均等ではない不平等であってはなりませんし、都立病院や公社病院にそのようなことは、万が一にもないと私は思っています。
 患者の役に立って患者負担を少しでも軽くする、これに努めつつ病院経営に当たらなければならない状況であります。
 入院する患者さんの多様なニーズに応えていくためには、公立病院であっても、ニーズとウオンツに応えていく、このために個室は必要であると考えますが、都立病院においてどのように有料個室を整備しているのか、都の見解を求めます。

○西川サービス推進部長 都立病院におきましては、一人部屋及び二人部屋の病床を有料で使用する特別室として整備しております。
 特別室の割合は、厚生労働省が定める基準により、一般の病院であれば病床数の五割まで、国が開設する病院では二割まで、地方公共団体が開設する病院では三割までとなっております。
 都立病院におきましては、国が開設する病院と同様に二割以内としておりまして、約四百室の病室を特別室として整備して、有料で特別室を希望される患者さんのニーズに対応しております。

○細田委員 それでは、患者さんが有料個室を使用する場合の料金は、これはどのように設定しているのでしょうか、説明を求めます。

○西川サービス推進部長 都立病院では、東京都立病院条例におきまして金額の上限を定めるとともに、患者が使用を希望する場合に限り、個室使用料を徴収することとしております。
 また、同条例の施行規則におきまして、十三段階にランク分けした使用料を規定しております。
 各病院の特別室の料金設定につきましては、各病室の面積やトイレ、シャワーなどのアメニティー設備の整備状況に応じまして、規則でランク分けした使用料を適用しております。

○細田委員 ただいまのご答弁では、患者さんが希望して個室を使用する場合に限り、また、条例や規則で定めている個室使用料を十三段階に細かく分けて徴収することになっているというということでありました。
 患者さんの中には、入院中に同室の患者さんとの会話を楽しみたいという方も当然いらっしゃる一方、また、より静かな環境で、あるいはほかの患者さんに気を遣うことなく入院生活を送りたいという方もいらっしゃいます。
 こうしたニーズに応えるために、都立病院であっても設備の整った療養環境を提供していくことは必要であり、有料個室を整備していくというのは当然のことであると思います。
 一方で、有料個室の使用に当たっては、国がさまざまな条件を定めており、病院では有料個室を適正に運用することが求められています。
 そこで、都立病院の現場においては、有料個室の運用をどのように行っているのでしょうか。使用状況も含めてお尋ねします。

○西川サービス推進部長 厚生労働省が定める基準におきましては、特別室の使用は患者さんの自由な選択と同意に基づいて行うこととされておりまして、受付窓口や待合室など病院内の見やすい場所に、特別室を整備している病棟や部屋数、料金を掲示し、特別室に入院を希望される患者さんに対しては丁寧にご説明をして、患者さんの同意を得ることを求めております。
 都立病院におきましては、これらの基準を遵守しており、患者さんが特別室に入院する際には、説明の上、同意書をいただいた上、個室使用料を徴収しております。
 また、患者さんの病状が重篤なため安静が必要な場合や、免疫力が低下して感染症に罹患するおそれがある場合など、治療上の必要がある場合、また、特別室以外の病室が満床の場合につきましては、国の基準に従い、個室利用料の徴収は行っていないなど、適切な運用を行っております。
 特別室の令和元年度における有料での利用率は、特別室全体で五一・五%となっております。

○細田委員 利用率は、有料というのは約半分だと、そういうふうなご説明だと思います。また、運用が適正に行われているというご答弁でありました。
 公立病院の有料の個室を設置すべきではないというお声も中にはありますけれども、しかしながら、有料でも個室を希望される患者さんがいらっしゃって、そして、公立病院が特別な環境を提供する上では、求めるサービスを受ける方に対して、妥当な範囲での負担を求めることは避けられない対応であると思います。
 重要なことは、その運用が適正に行われて、患者さんが必要としているサービスが適切に提供されて、患者さんの側に寄り添った対応であることであり、一人でも多くの患者さんたちに、今後ともよりよい環境を可能な限り負担をなくして提供していこうとする努力を続けていくことであると申し上げまして、最後の質問に移ります。
 都立病院や公社病院では、これまで多くの新型コロナウイルス感染症患者を受け入れてきましたが、この間、例えば子供を預けることを保育園から拒否されたり、家族が勤務先から勤務をとめられたなど、職員、またその家族に対する風評被害もあったと聞いております。胸が大変に痛む残念なことであります。
 新型コロナウイルス感染症の対応には、現場の職員が安心して勤務ができる環境が必要と考えますが、病院経営本部としてはどのように対応して、いかに職員の方々を支援してきたのでしょうか、この点について伺います。

○谷田経営企画部長 病院経営本部では、ホームページにおきまして、広く都民に対して、職員やその家族に対する差別的扱いや誹謗中傷等のない社会となるよう協力を求めるメッセージを掲載しております。
 また、この間、マスクを初めとした医療用品が多くの方から寄贈されたほか、たくさんの感謝と激励等のメッセージが病院経営本部に寄せられております。こうしたご厚意を病院と共有することで、職員の士気向上にも努めております。
 さらに、現場のさまざまな声や要望を聞き、必要な医療を円滑に提供できるようにするため、職員からメールで意見を募る専用の窓口を設置しております。
 今後とも新型コロナウイルス感染症に対応する職員が安心して職務に専念できるよう、必要な支援を行ってまいります。

○細田委員 今のご答弁のように、病院経営本部一丸となって取り組んでいっていただくことを要望いたしまして、私の質疑を終わります。

○白石委員 私から、都立、公社病院の独法化について質問をしたいというふうに思います。
 新型コロナウイルス感染症の拡大は、依然として高い水準のまま推移をしております。しかも、ここ数日は前の週の陽性者数を上回る日が続いており、さらにふえることが強く懸念もされております。
 また、コロナとインフルエンザの同時流行も懸念されるもとで、都民の命のとりでである都立、公社病院の体制強化、拡充が一層求められているというふうに思います。
 初めに伺いたいというふうに思いますが、コロナ病棟で働いた経験がある看護師は、人工呼吸器の研修を受けていたが、経験が少ない中で、夜中に人工呼吸器二台を二人で見なければならず怖かったと、このような話をされておりました。もともと緊張を強いられる医療現場に加え、いつ自分が感染するかとの恐怖と向き合いながら、必死でコロナ対応をしております。
 東京都医師会の尾崎会長は、現場の医療機関は疲れ果て、メンタルがやられる職員が出てきていると話すように、コロナ対応の長期化も合わさり、医療現場は一層深刻となっております。
 都立、公社病院で疲弊しながらも必死で働く職員の実態について、病院経営本部としてどう受けとめているのか、初めに伺いたいと思います。

○谷田経営企画部長 コロナ禍が続く中、全ての都立病院、公社病院では、感染拡大の初期の段階から、それぞれの病院が有する地域性や専門性を踏まえ、組織一丸となって新型コロナウイルス陽性患者や、その疑いのある患者を積極的に受け入れております。
 陽性患者と疑い患者受け入れに当たりましては、防護服の着脱など、なれない動作を初め、それまで配属されてきた病棟等と異なる病棟へ配属され勤務するなど、長期にわたり緊張が続く毎日の中、使命感を持って対応しているというふうに考えております。

○白石委員 今、部長のご答弁、大事な答弁だと私、思います。その答弁を本当にしっかりとかみしめて、質疑を聞いていただきたいというふうに思います。
 他の病院では受け入れ困難なケースでも、都立、公社病院が受け皿となっております。例えば、認知症でよく歩き回り、介助が必要なコロナ患者の入院先を探すのに、八病院にかけ合ったけれども、どこも断られ、最後は都立病院が受け入れたと、こういう事例がありました。
 次の困難ケースでは、日本語不可の妊娠中の外国の方が新型コロナに感染し、入院が必要となった。しかし、四つの病院に受け入れを断られ、最後は公社病院が受け入れたという事例。
 また、軽症であっても、高齢者で基礎疾患を持っているコロナ患者は、いつ重症化するかわからないため、軽症であってもなかなか受け入れ病院が決まりにくく、やはり都立、公社病院が多く受け入れているということです。
 必ずしも数字にあらわれませんけれども、現場は必死に対応し続けているということだと思います。現場職員が心身を削りながら医療を守っていることを病院経営本部として、やはり数字にあらわれないこの大変さ、疲弊感も含めて、正面から今受けとめていくことが重要だというふうに思っております。
 私がお話を聞いたある病院職員の方からは、目の前の患者対応で精いっぱい、ほかに考える余裕などないと真剣なまなざしで私にも訴えておりました。
 考える余裕がないほど疲弊しながら医療現場で働いている中で、東京都は、独法化した場合の給与や人事面について、約一時間の動画を全ての常勤職員に見るように、現在働きかけております。
 そこで伺いたいと思いますけれども、現在までに何人中何人の常勤職員が見たのか。また、現在の説明は非常勤職員は対象外となっております。非常勤職員に説明する予定は今後あるのかも含めて、それぞれ伺いたいというふうに思います。

○谷田経営企画部長 院内の職員だけが閲覧可能なネットワーク上、ここにおきまして、お話のありました人事給与制度原案を確認したかということを、我々の方として質問しておりますが、令和二年九月三十日の締め切りの時点で、対象職員七千八十二名中、五千九百三十八名から確認したとの回答を得ております。
 また、会計年度任用職員の人事給与制度につきましては、現在検討中でございまして、原案策定後、職員への説明を予定しております。

○白石委員 まあ大体八割の常勤職員が見ているということになります。
 実際にどう主張していたかというと、例えば日勤では、朝、夜間の患者の状態を夜勤の看護師から聞き取ることから始まり、そこからスケジュールを組み、体温、血圧をはかり、午後は手術後の患者を受け入れ、カンファレンス、点滴、記録などをとって終わっていくと。昼間は患者対応が最優先で、受け持ちの患者がいる限り、とても勤務中には見られないということをお話ししておりました。
 夜勤の方。夜十時消灯後に見る時間がとれても、ナースコールのたびに中断しながら見たと話します。中には、夜勤後の徹夜状態で見ざるを得ない人もいらっしゃいました。現場からは、仕事に集中させてほしいと、このような訴えが届いております。
 本当に私、そのとおりだというふうに思います。一時間を割くこと自体もそうだし、そもそもコロナ対応で大変な中で考える余裕などないというのが今の実態だというふうに思います。
 先ほど質問で、独法化でも働きやすさを整備していくんだと、やりがいのある仕事の環境をつくっていくんだと、このようなことも答弁でもされておりますけれども、実際にコロナ対応でここまで疲弊して、そして、こういうときに職員から、仕事に集中させてほしいと、こういう声が上がっているわけです。そういう中で、こういう環境をつくっていいのかと、これが高い意欲を持って働ける職場ですかと、本当に私、こういう今の実態、現場での声というのをしっかりと見ていただきたいというふうに思うんです。
 今、コロナ対応で、最前線で、本当に自分が感染するかもしれないという危険も感じながらやっている中で、そこで日勤の方は日中見ることができないという話もされている。夜勤の人はナースコールの合間に見ていると。で、ナースコールがあったら飛んでいかなければいけない、本当に仕事に集中させてほしいと、この一言、本当に私は重いと思いますよ。
 続いて聞きますが、原案を理解できなかった職員にはどう対応されていますか。

○谷田経営企画部長 いろいろな時間帯の中で、仕事をしながら対応しているということがございますので、ネットワーク上での対応をしているところでございます。
 この院内のネットワーク上で、職員から不明な点について私ども質問を受け付けておりまして、その回答を順次公開しております。それによりまして、職員の理解が深まるよう努めているところでございます。
 今後、新型コロナウイルス感染症の感染状況も踏まえまして、直接職員へ説明する形式での説明会の開催についても、必要に応じて検討してまいります。

○白石委員 複数の職員の方から聞きましたけれども、時間を割いても内容はほとんどわからないと口々に話しております。そのぐらい複雑な、あるいは大きな変更なんだというふうに思います。そうすると、質問を出すのも難しいと思うんです。eラーニングで説明すること自体、非常に私は無理があると思います。
 先ほど答弁で、コロナの状況を踏まえ、説明会を開催することも検討すると、このようにおっしゃられましたが、新型コロナが来年終息するかもわからないという、今状況です。この状態が来年だって続くことは大いに考えられます。そうなると、職員に直接説明することなく、独法化に突き進むということもあり得るということではないかというふうに私は率直に思うんです。
 さらに聞きたいと思います。原案を見ていない職員についてはどう対応されているのでしょうか。

○谷田経営企画部長 原案を確認していない職員に対しましては、声かけを行いまして確認するように促したほか、紙資料を配布する−−例えば医師に対しては、それぞれメールボックスを持っておりますので、そこでその紙資料を配布したり、あるいは看護師さんにつきましては、病棟において閲覧ができるようにしたり、そうした紙資料を配布するなどということの工夫をしまして、対応を行ってきたところでございます。

○白石委員 余裕のない職員に声かけをして視聴を促すと。それでも難しければ、今度は紙の資料で見るように促すと。やっぱりこのコロナで疲弊しながらも最前線で対応している職員の実態を、余りにも、私、理解していないという対応だと思います。
 独法化においては、現場のことなんて全く考えていないと、本当に私は厳しく指摘せざるを得ないというふうに思います。やはり独法化は中止するべきです。
 次に、住民や議会の関与が独法化によりどのように変わってしまうのかについても質問を進めていきたいというふうに思うんです。
 初めに、独法化された場合、住民参加や議会の関与はどのように変わるのか、具体的に説明をしていただきたいというふうに思います。

○船尾計画調整担当部長 独法化された場合の住民参加につきましては、地方独立行政法人法では、住民等に対して積極的に情報を発信し、公表するよう努力義務が定められておりますが、地方自治法に基づく住民監査請求などの制度につきましては規定がございません。
 また、法人に対する議会の関与についてでございますが、法人が担うべき医療や業務改善等に関する中期目標の策定のほか、収支計画などを含む中期計画の認可等の議会の議決や、業務実績の評価結果の報告が法定をされておりますとともに、行政的医療などの経費につきまして、都が行う財源措置などにつきましても議会の議決がございます。

○白石委員 つまり、住民や議会の関与は強まるのか、それとも弱まるのか、端的にお答えいただきたいと思います。

○船尾計画調整担当部長 地方独立行政法人の制度は、地方公共団体とは別の法人格を有する団体を設立しまして、自律的かつ弾力的な業務運営を行うことにより、業務の効率性やサービスの水準の向上を図ることを目的としておりまして、その趣旨から、法人の自主性を尊重し、事後評価を適切に行い、次年度の計画につなげていく制度でございます。

○白石委員 私が聞いたのは、住民や議会の関与は強まるんですか、それとも弱まるんですか、端的にお答えいただきたいというふうに質問しました。答弁をお願いします。

○船尾計画調整担当部長 住民の参加についてでございますが、地方独立行政法人につきましては、法人に対する説明責任の全うが求められておりまして、病院業務は都民の理解と納得のもとに運営されなければならないとの趣旨で、業務内容の公表等を通じて、運営の状況等を都民に明らかにしていくよう努める旨、法定をされているところでございます。
 また、議会の関与につきましては、法人が担うべき医療や業務改善等に関する中期目標の策定のほか、収支計画などを含む中期計画の認可等の議会の議決などが法定されているところでございます。

○白石委員 要するに、正面から答えられないということなんです。弱まることは明らかなんです。とりわけ今は、病院自体の予算が議会にかかり審議がされますけれども、独法になれば議会にかからなくなるということなんです。議会がチェック機能や政策形成機能を発揮する上で非常に重要な予算審議がなくなるということなんです。
 地方独立行政法人法成立時の国会審議が行われた二〇〇三年六月の質疑で、当時の国務大臣が明確に次のように述べております。議会の関与は、この制度設計としては低くしております。できるだけ議会の関与を少なくしよう、こういうふうに述べております。つまり、単に結果的に議会の関与が弱まるということじゃないんです。議会の関与を極力少なくすることを狙ってつくったのが独法の制度なんです。しかも、住民の権利である住民監査請求が制度上なくなることからも、住民の関与も明らかに弱まるということなんです。
 また、先行的に独法化された健康長寿医療センターでは、経営改善に向けてコスト削減策を検討し、手当の見直しを実施したことにより経費の削減を図ったと、このようにいたしました。これでどうなったかと。夜勤に五回以上入らないと、従来よりも夜間看護業務手当が減るということになりました。
 健康長寿はほとんど二交代ということなので、夜勤負担が重過ぎないようにするには、夜勤を四回以内にする必要があるんです。そうすると手当が減るという、こういう見直しがされました。
 実際にこれが−−先ほど質疑でもありました、頑張ったらその分評価する、夜勤いっぱいやればお金どんどん上げますよ、手当がふえますよと、こういう見直しの実態なんです。先ほど答弁でも、仕事と育児の両立、仕事と健康の両立、こんなこといっていましたけれども、実態は違うんです。
 例えば、ひとり親の看護師だったら、この見直しによってどうなるのか。重い夜勤負担を負うか、それとも従来よりも夜勤によってつく手当が少なくなるかのどちらかになってしまうんです。やっぱりそういうことも、これ事後報告となってしまうんです。これが議会の関与が弱まるって話なんです。もう見直された後に報告事項として上がってくるだけです。
 病院経営本部は、議会の関与を少なくするという独法の性質について、メリットであると考えるのか、それともデメリットなのか二択です。どちらですか。

○船尾計画調整担当部長 地方独立行政法人法では、先ほど申し上げたような中期目標の策定や中期計画の認可等について議会の議決が、また、業務実績の評価結果は議会への報告が法定をされておりまして、そのほか行政的医療などの経費について、都が行う財源措置などにつきましても予算の議決がございます。
 このように、法人運営に当たりましての重要事項につきましては議会の関与がなされますことから、制度上のメリットとは感じてはおりません。

○白石委員 メリットとは感じていないということですか。

○船尾計画調整担当部長 済みません、答弁の方、最後いい間違えまして、制度上のデメリットとは感じてはおりません。

○白石委員 重要事項は議会の関与がなされているから、制度上デメリットを感じていないというんですけれども、予算審議、予算議会とか予算のことは、今回、独法になったら重要事項じゃなくなるわけですよ、審議できないんですから。そういうふうな問題なんです。質問に正面から答えていないんです。
 議会の関与が少なくなるということはメリットと考えているんですか、それともデメリットと考えているんですか、どちらですかという二択です。お答えください。

○船尾計画調整担当部長 地方独立行政法人制度は、先ほども申し上げたように、地方公共団体とは別の法人格を有する団体を設立しまして、自律的かつ弾力的な業務運営を行うことにより、業務の効率性やサービス水準の向上を図ることを目的としておりまして、その趣旨から、法人の自主性を尊重し、事後評価を適切に行い、次年度の計画につなげていく制度でございます。
 そうした中で、例えば今、都立病院新改革実行プラン二〇一八、こういったような中期計画がございますが、現在は報告事項というふうにしておりますが、独法化後は、法人の中期計画は議会の議決がないと認められなくなるなど、議会の関与が強まる面もございます。
 こうしたことから、法人運営に当たっての重要事項は議会の関与がなされることから、制度上のデメリットとは感じてはおりません。

○白石委員 委員長ね、質問に答える、長々長々答弁しないでください。端的に私聞いたんですよ。それでメリットが強まる面もあるみたいなことをいいましたけれども、いいですか、地方独立行政法人法が成立したときの審議で大臣が何といっているか。議会の関与を少なくするということがメリットの一つといっているんです。できるだけ議会や設立団体の関与を縮小して自由にやらせるというのに意味があるんですと、当時の国務大臣がもう答弁されている、はっきりしているんですよ。それを正面から答えられない。
 今明らかになりました、メリットかデメリットかどっちなんだと。つまり独法というのは、議会の関与、本当になるべくなるべく距離を置く、遠ざける、議会の関与を少なくするというのがメリットなんだと、これはもうわかり切っていること。それを正面から答えようとしない。今の病院経営本部の姿勢が本当明らかになったと思います。
 議会の関与を縮小することは、民主的なチェックや民意の反映を後退させるということですから、私、デメリットだと思いますよ。しかし、それをメリットだと考えるのが独法の制度の考え方なんだということなんです。制度的制約という一言で片づけていますけれども、その制約は民主的なチェックや民意の反映が削られる、こういう重大問題があるんです。そこをしっかりと、本当に見ていただきたいというふうに思います。
 知事は、議会の関与のあり方について今後検討していくとしておりますが、現在、誰がどのような検討をしているのか、また、これまで何回検討会議が持たれたのか、具体的に伺いたいと思います。

○船尾計画調整担当部長 議会の関与を検討するための会議体は置かずに、病院経営本部におきまして検討を行っているところでございます。
 先ほども申し上げましたけれども、法人に対する議会の関与につきましては、さまざまな議会の議決、あるいは議会への報告というものが法定をされているところでございます。
 こうした点も踏まえながら、都民ニーズを的確に反映できるよう、病院経営本部におきまして議会の関与のあり方を検討しているところでございます。

○白石委員 済みません、答弁ちょっと聞き逃したんですけれども、これまで何回検討会議が持たれたのかというところ、今どういうふうな状況なのか、ちょっと改めて答弁してください。

○船尾計画調整担当部長 議会の関与を検討するための会議体は置いてございません。

○白石委員 会議体もないということが明らかになりました。余り検討されていないということが実態なんです。
 先ほどもいったように、当時の法律成立時でも大臣いっていますけれども、議会の関与をなるべくなるべく少なくするという、これが独法化のメリットなんだということははっきりしているんです。そもそも議会の関与を少なくするということが独法制度の基本的な考えの一つですから、議会の関与について検討するといっても、関与が弱まることは避けられません。
 コロナ対応において、都立、公社病院は重要な役割を発揮しております。例えば、新型コロナ専用病床数は二月時点で四十六床だったものが、現在までに八百床まで確保するなど、都の医療政策の柱になっていると。
 一方で、独立行政法人である健康長寿医療センターは、病床確保などをあくまでお願いする関係性に、独法化になるとなるんです。健康長寿の職員が悪いわけじゃないんです。独法化するということは、自治体からの距離を遠くするということだということなんです。
 新型コロナがいつ終息するかもわからないときに、都の医療政策の屋台骨を切り離すなど絶対にしてはならないと厳しく指摘します。
 最後に、コロナ対応で緊急に必要となった医療機器などの整備について伺いたいと思います。
 まず、都立、公社病院において、新型コロナ対応で緊急に必要となる医療機器など補正予算で整備をしていると思いますが、どのくらいコロナ対策に必要な医療機器が整備されたのか伺いたいと思います。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 令和二年度補正予算では、感染症患者さんの増加に備え、病院の要望を受けまして、都立、公社病院における受け入れ体制の強化のため、機器整備を行いまして、総額十四億二千三百万円を計上しました。

○白石委員 資料要求でも求めさせていただきました。簡易陰圧装置やECMOなど、全ての都立、公社病院で必要とする医療機器を購入しております。当初予算では計上されていない機器を、補正予算など柔軟に組んで購入がされております。
 そこで伺いたいと思うんですが、新型コロナウイルスへの対応の中で、都立病院が直営だから困ったということはありますか。あれば具体的にお答えいただきたいと思います。

○船尾計画調整担当部長 患者受け入れ体制の強化のための医療機器につきまして、整備の必要性が生じてから導入するまでに一定の時間がかかったことが挙げられます。
 具体的には、外来での検査を行うための陰圧対応の採たんブース、たんを採取する装置ですが、これについて補正予算により対応することができましたが、予算の議決を経て、予算が措置された後に契約手続を開始しなければならないため、必要となってから整備するまでに二カ月程度かかってしまうということで、当初必要になったときからですね、当初必要になってからすぐに買えなかったというふうな事例がございました。

○白石委員 つまり二カ月かかったことが制度的制約の一つであると、このように述べているんです。
 では、都立直営の経営形態では、緊急で必要になってもすぐに購入できなかったとして、そういうふうに、それが制度的制約の一つだとするならば、独法化された病院では、新型コロナ対策で緊急に必要とする医療機器であることを、何日で判断がされて、何日で整備がされたのか伺いたいと思います。また、どこの病院でどのような医療機器なのかもあわせてお答えいただきたいと思います。

○船尾計画調整担当部長 他団体の個別の事例につきましては承知をしてございませんが、独法法人における予算執行や医療機器の整備の方法につきましては、各法人におきまして、財務会計制度に関する規定や運用の仕組みを定めて運用しているものと認識をしてございます。
 都立病院の独法化後は、中期計画の範囲内で、年度にとらわれず、都民の医療ニーズに応じて新たな取り組みを行うことや、機器の整備時期の変更など弾力的な予算執行ができるよう、財務会計制度や運用の仕組みについて検討をしているところでございます。

○白石委員 承知していないというふうにお答えになりましたけれども、調べたんですか、調べていないんですか。

○船尾計画調整担当部長 一部調べたものもございますが、他団体の事例でございますので、ここで公表するというか、お話しするのは差し控えたいという意味でございます。

○白石委員 調べたというのであれば、後で私の方に提出していただきたい。
 二カ月かかったことを都立直営の制約とするならば、本来であれば、ほかの独法で一体どれぐらいの期間で医療機器が整備できたのかという比較がなければ、私、いけないというふうに思うんです。ところが、今の答弁で、調べたといってもいえませんと、このようなことをいいました。
 私、民間の医療機関にも問い合わせて聞きました。これは違いますよ、製品が。なので、いろいろ単純な比較はできないと思いますけれども、例えば仮設陰圧ハウスは、事前に病院と業者の打ち合わせから納入まで三から四カ月要したと、このようにも話しておりました。
 機器によって在庫があるとかないとか、業者側の都合もあるということですから、一概に比較はできないというふうに思いますけれども、少なくとも二カ月がそんなに遅いのかと。私は、むしろ病院経営本部の皆さんは、補正予算組んで、そして補正では入らない部分は予算執行もして、緊急で必要な医療機器を整備したと。正直いうと、むしろ本当に都立や公社病院に必要な医療機器をどうやってすぐに購入するかということで真剣にやったと。そういうところは本来評価されなければいけないと。それがこの独法の議論になると、それが制度的制約なんだと、このようにいうと。私、こういうふうなやり方をしていたら、職員の皆さん、向き合っている皆さんたちが、本当にむしろ疲弊していきます。本当に厳しく指摘したい。
 神奈川県立病院機構は、経営が危機的な状況のもとで、原則として職員の増員、純増要求は認めないと、これも予特でやりました。つまり住民が必要とする医療を充実させるために不可欠な職員体制の充実が、原則できなくなっているんです。
 また、必要な医療機器であっても早期のコスト回収の見込みを立てて要求をするよう制約もかけております。医療の安定や充実どころか、病院運営が極めて困難な状況に陥っているのが神奈川県立病院機構の実態だということなんです。
 他の独法でも、職員給与の削減や非正規雇用の増加など、労働環境や処遇の悪化が相次いでおります。このような実態をやっぱり直視して、都立、公社病院の独法化を中止することを改めて強く求めて、質問を終わりたいというふうに思います。

○うすい委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時三分休憩

   午後三時二十分開議
○うすい委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○森澤委員 私からは、まず、周産期医療について伺います。出生前診断についてです。
 厚生労働省では、先月末、NIPT等の出生前検査に関する専門委員会の第一回を開きました。適切な実施体制や妊婦への情報提供のあり方などについて議論をし、来年の取りまとめを目指すということです。
 新出生前診断は二〇一三年に臨床研究として開始し、関連学会は専門家による遺伝カウンセリングを行う体制が整った病院でのみ実施を認めてきた一方で、認定施設においても検査の説明、遺伝カウンセリングにおける説明内容が標準化されておらず、施設によっては十分な情報提供や理解を得られないままに、受検者、妊婦さんが意思決定をせざるを得ない状況にある可能性も指摘されています。検査前に提供する検査説明や遺伝カウンセリングの内容等について質の担保が求められると委員会でも報告されています。
 そこでまず、都立病院での出生前診断の実施状況についてお伺いいたします。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都立病院におきましては、広尾病院、大塚病院、墨東病院、多摩総合医療センターが羊水検査等による出生前診断を実施しております。
 令和元年度は、広尾病院で十二件、大塚病院で十件、墨東病院で八件、多摩総合医療センターで十二件、合計四十二件の出生前診断を実施いたしました。

○森澤委員 今、合計四十二件の出生前診断があったということなんですけれども、都立病院での事前の検査説明や遺伝カウンセリングはどのように行われているのか、取り組み状況についてお伺いをいたします。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都立病院では、出生前診断などの遺伝学的検査、診断の実施に当たりまして、日本医学会の医療における遺伝学的検査・診断に関するガイドラインにおいて、遺伝学的検査、診断に際して、必要に応じて適切な時期に遺伝カウンセリングを実施するとされており、都立病院においても、これに基づき対応をしております。
 総合周産期母子医療センターである大塚病院、墨東病院、多摩総合医療センターでは、臨床遺伝専門医が検査内容を説明するほか、検査実施前後に遺伝カウンセリングを実施しております。
 また、広尾病院では、臨床遺伝専門医の配置はございませんが、先ほどのガイドラインにおきまして、遺伝学的検査、診断を担当する医療機関は、必要に応じて専門家による遺伝カウンセリングを紹介する体制を整えておく必要があるとされているため、遺伝カウンセリングの実施が可能な医療機関を紹介する体制を整えた上で、院内の産婦人科医が適切に検査内容や結果の説明を行っております。

○森澤委員 出生前診断を行っている、とある大学病院でお伺いしたんですけれども、遺伝カウンセラーの方から、カウンセリングなどを通じて夫婦の気持ちの整理、統一をした上で、検査を受けてほしいといった検査前のカウンセリングの重要について伺いました。実施する場合の妊婦とパートナーへの事前の十分な情報提供とカウンセリングの充実に、引き続き取り組んでいただきたいと要望します。
 そして、十分に情報提供をし、カウンセリングをした上で、検査後の妊婦並びにパートナーに対しての支援体制も重要になってきます。胎児に何かしらの疾患や障害が明らかになった際には、どのようなフォロー体制をとっているのかお伺いいたします。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 広尾病院では、検査により疾患や障害等が判明した場合には、自院での対応が困難なため、専門医療機関を紹介しております。
 大塚病院、墨東病院、多摩総合医療センターでは、同様に疾患や障害等が判明した場合、検査結果を踏まえた今後の方向性を臨床遺伝専門医が妊婦さんと話し合い、継続妊娠の希望の有無を確認するほか、胎児の病状に応じた対応方法をあらかじめ伝えておくなど、妊婦さんの意思決定を行うための十分な情報提供を行うとともに、妊婦さんが正しく理解するための取り組みを行っております。
 なお、多摩総合医療センターでは、隣接する小児総合医療センターの医師と連携し、胎児の具体的な疾患や治療方針について妊婦さんに説明するなどの対応を行っております。

○森澤委員 今のご答弁から、医療的な側面についての情報提供、説明などはしっかりされているのだということはわかりました。
 一方で、厚労省のワーキンググループの報告書にも、検査を受けられた方がどのような不安を感じて、どのような支援を必要としているかを見きわめ、検査に関する医学的な情報のみならず、障害を持つ子供の子育て、暮らし等に関するイメージができるような育児支援、社会福祉施策等の情報を提供し、不安、葛藤に寄り添った相談支援等が行われるよう、支援体制の充実が求められるとあります。この支援体制は非常に重要だと考えています。ぜひ、都立病院が率先してこういった取り組みを行っていただくことを要望したいと思います。
 続きまして、妊産婦の産後鬱の取り組みについて伺います。
 大学の研究者と助産師さんが十月に産後鬱の調査を行ったところ、出産後一年未満の母親約二千人のうち、産後鬱の可能性がある人が速報値の集計でおよそ二四%に上り、四人に一人が産後鬱の可能性があり、通常一〇%ほどが発症するといわれている中で、倍以上にふえているということが明らかになりました。
 一方でというか、ちょっと事例を紹介したいんですけれども、最近、とある大病院で出産した−−名誉のために、これは都立病院ではないんですが、妊婦さんが、入院中に対応した看護師さんの無理解で、産後鬱、もともと少し体調とかメンタルを崩されていたのが、さらに看護師さんの無理解で悪化させて、その後、出産のための退院はしたんですけれども、家庭での子育てをし続けることが難しい、かなり危機的な状況になってしまって再入院したと。しかし、その再入院した病院の精神科の先生にも理解のない発言をされてしまったというケースがありました。
 これを聞いたときに、プロに任せていたのにこんなことになったのかというご家族の声も聞いたんですが、この一件から私が感じたのは、誰もが知っているような都内の大病院でも、こういった看護師や医師にも産後鬱の理解がなかったり、適切な対応がなされなかったということに大変驚きました。
 そこで、都立病院における産後鬱への取り組みについてお伺いしたいと思います。
 出産のために入院している妊産婦に接する看護師や助産師などの産後鬱への理解や妊産婦への対応の仕方などを学ぶための研修の実施状況について伺います。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 大塚病院、墨東病院、多摩総合医療センターでは、精神疾患合併妊婦の看護や赤ちゃんを亡くされた母親の看護など、産後鬱を含む妊産婦のメンタルケアに関連したテーマの勉強会を年に数回開催しております。
 また、産後鬱の患者さんの発生の都度、ケースカンファレンスを実施するなど、きめ細やかな対応を行っております。

○森澤委員 今、産後鬱の発生の都度、ケースカンファレンスを実施するというお話がありましたけれども、民間団体の調査によりますと、産後鬱と診断された、診断を受けていないが産後鬱だったと思う、産後鬱の一歩手前だと思うと答えた人を合わせると、八割にも上るという結果が出ています。
 先ほどのちょっとお示しした例も、出産前にはそのような兆候はなくて、出産と同時に産後鬱症状があらわれたそうです。
 これは、ホルモンバランスの関係で誰にも起こり得るものですから、産後鬱と診断されるか否かにかかわらず、全ての方に対してメンタルケアを実施すべきであると考えますが、産後鬱と疑われる場合の妊産婦の具体的な対応についてお伺いをいたします。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 大塚病院では、患者さんのリスクを実態よりも重めに判断するオーバートリアージを行い、精神的リスクのある患者さんに対して妊娠中から介入するとともに、面接の実施を初め、院内の関係スタッフとの情報共有や連携体制の構築などにより、切れ目なく支援を行っております。
 具体的には、妊娠中においては、問診票や保健指導のチェックリストを用いて、全患者さんのリスクの有無についてスクリーニングを行い、支援が必要な患者さんを抽出した上で、精神科医師、看護師、心理士が支援に当たっております。
 出産後は、産後鬱病質問票や赤ちゃんに対する気持ち質問票を用いて、医師や看護師等が気になった患者さんの状況を把握し、産後鬱の疑い事例に対しては、神経科医師、心理士、ソーシャルワーカーで構成する精神科リエゾンチームが介入した上で治療に当たっております。

○森澤委員 大塚病院ではオーバートリアージや多職種での連携で対応に当たっているということがわかりました。
 一方で、先ほどの例ですが、スクリーニングのところで看護師と母親の間に確執が生まれたというふうに聞いています。つまり、看護師はそれまでの兆候からリスクを感じておらず、業務として淡々と調査を行って、それが大きなメンタルの変化を起こしていた母親にとっては苦しいやりとりになってしまったというふうに推察されます。
 こうしたそごを起こさないためには、先ほどから申し上げておりまして、大塚病院などではしっかりやられているとは思いますけれども、まず、全ての人が産後のメンタル不調を起こしているものだという前提で向き合っていただくことだと思います。
 出産直後の余裕がないタイミングのことでありますし、自分が我慢すればいいのだと、言葉にして訴えない方も多いと思います。リスクを実態よりも重めに判断するオーバートリアージ、すごく大事だと思います。声を出しにくい方にも寄り添った取り組みを引き続きお願いしたいと思います。
 さて、産後鬱へのサポートは、出産した病院や家族だけでできるものではありません。社会全体からのサポートが非常に重要です。
 そこで、地域との連携など、退院後の支援についてお伺いをいたします。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 大塚病院においては、患者さんの退院の際に、患者さんの症状に応じてメンタルクリニックを紹介するとともに、大塚病院で実施している母乳・育児相談外来や二週間健診とあわせ、地域の保健所や子供家庭支援センターなどに対し、早期の赤ちゃん訪問を依頼しております。
 また、患者さんと子供が大塚病院に来院する一カ月健診等の際には、患者さんが地域関係機関とかかわりを持っているかや、精神状態、生活環境等について、助産師や心理士、ソーシャルワーカー等が確認を行っています。
 なお、大塚病院は精神科の入院病棟がないことから、入院治療が必要な患者さんについては、同じ二次医療圏に所在し精神病棟を設置している公社豊島病院等を紹介しております。

○森澤委員 今もご答弁ありました、先ほど来よりご紹介いただいている大塚病院での取り組みは、非常に重要だと考えます。
 多くの病院においてこういったきめ細かい対応がされるよう、ぜひ、地域の医療機関を初め、関係機関等へのノウハウの共有を行っていただきたいと考えますが、見解を伺います。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 大塚病院は、都の総合周産期母子医療センターとして、高度専門的な周産期医療を提供するとともに、地域の一般医療機関で対応困難な患者さんに積極的に対応しています。
 大塚病院では、とりわけ産後鬱に特化はしていないものの、総合周産期母子医療センターとしての役割や、さまざまな患者さんを受け入れてきた実績に基づき、保健所との連絡会において妊産婦支援に関する取り組みを紹介しているほか、学校や区の依頼に応じて助産師が講演会を行うなど、地域の関係機関に対する啓発等を行っております。

○森澤委員 産後鬱には特化していないということですが、冒頭お話ししたように、出産後の母親の産後鬱が新型コロナウイルスの影響で以前の倍以上にふえているおそれもあること、あるいは、産後鬱は最悪のケースでは自殺などにつながってしまうこともあるということも踏まえ、ぜひ、保健所との連絡会での紹介や地域関係機関への啓発の際に、産後鬱に関して理解がより深まるよう情報共有などを強化していっていただきたく要望いたします。
 次に、未受診妊婦等、支援が必要な方の出産への対応についてお伺いいたします。
 以前お伺いいたしました多摩総合医療センターでは、未受診妊婦等、支援が必要な方の出産を月平均十二から十四名受けているというふうに伺っています。外国籍の方も多いということです。
 そういった方々にとっては、多摩総合医療センターが唯一、行政的支援へとつながる点となったといえますが、退院後、地域で子育てしていく中で孤立していくことがないよう、地域の福祉に着実につなげていく必要があると考えますが、取り組みと課題についてお伺いをいたします。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 多摩総合医療センターでは、支援が必要な患者さんに対して、面談を実施することで家族状況や経済状況などを把握し、その状況に対応した行政サービスを案内しております。
 具体的には、経済に関する問題に対しては区市町村の生活課や福祉課等へ、育児サポートに関する問題に対しては児童相談所、子供家庭支援センターへ、保健所等へつなぐことで地域に戻った後においても適切な支援を受けることができるように対応しています。
 また、患者さんの退院に当たり、地域の支援につなげていくためには、患者さんの住所地が都外の場合でも公的支援や各種サービスが確実に受けられるよう、患者さんの住所地の自治体との連携強化をしていくことが必要であると認識をしております。

○森澤委員 面談を実施し、必要に応じて児相や子供家庭支援センター、保健所等につないでいるということでした。ここでしっかりと地域や関連機関とつながることで、虐待のリスクなども減らすことができると考えます。また、都外の患者さんの場合でも公的支援やサービスが確実に受けられるよう取り組んでくださっているということで、とても大事だと思います。引き続き、連携強化をよろしくお願いいたします。
 次に、虐待等防止に関する専門的知識を有する職員の育成についてお伺いをいたします。
 昨今ふえているDVや虐待などについて、医療機関でいち早く気づき、適切な対応により、支援につながることは非常に重要です。
 病院経営本部の事業概要によれば、都立病院では、虐待等防止に関する専門的知識を有する職員を育成しているとあります。病院内であらゆる角度から目を配ることで、虐待の早期発見につながっていることを期待するものです。
 この取り組みにおける成果と今年度以降の取り組みの方向性についてお伺いをいたします。

○西川サービス推進部長 病院においては、医療従事者が患者の診察を行う際に、児童虐待、高齢者虐待、DVなどを発見しやすい立場にあるため、都立病院におきましても、虐待を早期に発見するため、職員の育成に努めております。
 具体的には、これまで病院経営本部においては、平成二十三年度から虐待防止対策研修を年二回実施し、都立病院の職員が虐待防止等に関する知識の習得を行ってまいりました。令和二年度からは、各病院の特性や提供する医療内容に応じて柔軟にテーマを設定し、実施回数も各病院がそれぞれ年二回研修を開催いたしまして、区市町村の地域包括支援センターや子供家庭支援センターなどの関係機関にも参加を呼びかけることといたしました。
 しかしながら、新型コロナウイルスの感染拡大を受けまして、外部からの参加も含めた集合形式による研修実施が困難となっておりますため、現在、各病院におきましては、病院職員のみを対象とした院内研修やeラーニングシステム等を活用した実施に向けて検討を行っております。
 今後は、感染者の発生状況なども勘案しながら、地域の関係機関も参加できる方法を検討してまいります。

○森澤委員 年二回の研修を行って、感染状況を見ながらではありますが、地域の関係機関も参加できる方法を検討くださるということでしたので、ぜひよろしくお願いいたします。
 さらに、都立病院新改革実行プラン二〇一八には、児童虐待、DV等への組織的な対応の中で、児相等関係機関との連携体制を強化するとありますが、具体的にどのように取り組んでいるのかお伺いをいたします。

○西川サービス推進部長 児童虐待相談件数が年々増加するなど、虐待などはますます大きな社会問題となっており、各関係機関が連携して対応することが必要でございます。
 このため、平成三十年三月に策定いたしました都立病院新改革実行プラン二〇一八では、医療現場として組織的な対応が求められる虐待等に対し、早期発見、早期対応が可能となるよう、職員への研修を充実するとともに、児童相談所等、関係機関との連携体制を強化することとしたものでございます。
 各病院におきましては、受診された患者さんに虐待等が疑われた場合の対応方針を検討、決定するための院内の委員会を設置しておりまして、その方針に基づき、関係機関への通報等を行います。
 例えば、児童虐待における児童相談所による一時保護の場合は、児童相談所の方針のもと、病院は児童に対して必要な治療を行い、児童相談所は虐待を防止するため児童の一時保護を行うなど、連携しながらそれぞれの役割を担っております。
 先ほどご答弁申し上げました令和二年度から各病院が行う研修におきましては、地域の関係機関からご参加いただくことで、日ごろから情報共有を図るとともに、虐待発生時において速やかな対応が行えることも、その目的の一つでございます。
 現在、研修の実施方法を検討中でございますが、こうした取り組みを通じまして、病院と地域の関係機関との一層の連携強化を図ってまいります。

○森澤委員 ご答弁の中にもありましたけれども、児童虐待がふえていて、新型コロナウイルスによる生活不安やストレスなどにより、虐待やDVの増加の深刻化が指摘されているところでもあります。
 引き続き、虐待やDVの早期発見につなげるため、病院のさまざまな職種の皆さんへの研修の参加を促すとともに、先ほども申し上げましたけれども、地域の関係機関にも参加いただき、連携を引き続き強化いただきたいと思います。
 続きまして、外国人患者の受け入れについてお伺いいたします。
 多文化共生社会の推進、国際金融都市実現に向けても、外国人の方が安心して受診できる医療機関の選択肢が多いことは重要です。全ての都立病院で外国人患者受け入れ医療機関認証制度、JMIPの取得を完了したというふうにお伺いしております。
 令和元年度の入院患者や外来患者の約一%で外国人患者を受け入れたということですが、多言語対応のテレビ通訳サービスや音声翻訳が使用できるタブレット端末は、全病院において導入されたということですが、活用状況についてお伺いをいたします。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都立病院におきましては、全ての病院でタブレット端末を整備しておりまして、総合案内や外来、入院受付等に配置することで、外国人患者の対応に活用しております。
 昨年度は、タブレット端末を用いながら、いつでもどこでもワンタッチで通訳オペレーターにつながり、外国人患者との対応をサポートする多言語映像通訳サービスを、都立病院全体で百二十三件、九言語に活用いたしました。

○森澤委員 そういった取り組みが必要な外国人の方に届くように広報を行っていくべきだと考えますが、見解を伺います。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都立病院では、全病院のホームページを英語にも対応させているとともに、各病院の対応状況に応じて、中国語や韓国語にも対応させています。
 また、お話のあったJMIPの取得につきましても、外国人が病院を選択する際の一つの目安になっていると考えています。
 そのほか、国や福祉保健局が公表している各種の多言語対応が可能な医療機関のリストにも、都立病院が掲載されているところでございます。
 今後、多言語対応が必要な外国人に対し、都立病院の情報が確実に伝わるよう、必要な取り組みを行っていきます。

○森澤委員 ぜひ引き続き取り組んでいっていただきたいと思います。
 外国人患者受け入れにおいては、各病院での課題について共有するなどし、外国人にとって安心して受診できる環境を整備していくべきだと考えますが、どのように取り組みを推進しているのか見解を伺います。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都立病院では、東京二〇二〇大会を見据えた国際化に対応するため、全病院の代表者及び各職種の代表者から構成される都立病院国際化対応検討委員会を平成二十五年度に設置しました。
 また、この委員会には、職員の語学研修や異文化理解等を目的とした研修の計画、実施等の検討を行う語学研修等PTのほか、語学サポートツールの整備や希少言語の対応等について検討を行う患者サービスPTを設置しまして、各病院における外国人患者への対応状況を踏まえた課題を共有するとともに、解決策についても検討を行っております。

○森澤委員 ツールの活用や認証取得などはあくまでも基本となる環境整備であり、恐らく実際個々に日々対応していく中で、ソフト面でのさまざま課題も出てきていると思います。
 今、検討委員会で課題共有をし、解決策についても検討を行っているということでしたが、二〇四〇年に都が目指す外国人も含めた誰もが安心、快適に暮らせるまちの実現の一端を担うということもどこかで意識しながら、引き続き、外国人患者が安心して受診できる環境、体制づくりに率先して取り組んでいただきたいと要望します。
 次に、ICTを活用して地域の医療機関と患者情報等を共有していく取り組みについてですが、本年三月の委員会では、斉藤れいな都議より、一部の都立病院においてセキュリティーが担保された医療用コミュニケーションツールを用いて、地域の医療従事者との双方向のやりとりを通じて、服薬状況や病状などの患者情報の共有を図る取り組みを試行的に実施しているということを伺っていますが、今年度の取り組み状況とその効果についてお伺いをいたします。

○西川サービス推進部長 地域医療の充実に貢献するため、ICTを活用して都立病院と地域の医療機関との間で必要な患者情報を同時に共有することは重要でございます。
 大塚病院では、地域の在宅療養関係者との連携のもと、在宅療養に移行した患者さんをきめ細かくフォローするとともに、患者さんの容体悪化時にスムーズに病院へ受け入れることを目的といたしまして、大塚医療ネットワークを平成三十年十月より試行的に開始し、本年四月より本格運用を行っております。
 現在、大塚病院と地域医療機関の医師、訪問看護ステーションの看護師、ケアマネジャー等のさまざまな在宅療養関係者が、セキュリティーが確保された医療介護専用SNSを活用し、退院後の療養計画や在宅時の問診及び投薬の状況などの患者情報を同時に共有するとともに、円滑な患者さんの受け入れを行っております。

○森澤委員 医療介護専用のSNSを活用して情報共有を容易に行うことで、円滑な患者の受け入れにつながっているということでした。
 より多くの医療機関が参画するなどネットワークを広げていくことで、より多くの人がメリットを享受できると考えます。
 連携する登録医療機関数をふやすための取り組みや周辺地域への展開についてお伺いいたします。

○西川サービス推進部長 大塚病院では、連携する登録医療機関をふやすため、病院がネットワークでケアする疾患につきまして、胃瘻交換、誤嚥性肺炎、尿路感染など柔軟に対応することとしております。
 さらに、大塚病院が所在する豊島区医師会に所属するクリニックなどを対象に説明会を実施するとともに、訪問診療を行っている医療機関に病院職員が直接赴いて働きかけており、こうした取り組みの結果、大塚医療ネットワークに参加する医療機関は、試行時の十一カ所から現在十八カ所に増加しております。
 今後も、本年四月に本格稼働した大塚医療ネットワークの実績を着実に積み重ねていくとともに、引き続き周辺の地区医師会等へ働きかけるなど、ネットワークの展開に努めてまいります。

○森澤委員 病院職員が地域の医療機関に直接赴いて働きかけをするなど地道な取り組みを行い、連携する医療機関をふやしてきているということがわかりました。このネットワークの広がりはもちろんのこと、今後、取り組みによるノウハウやメリットを、ぜひ他地域へも広げていただくことを期待します。
 次に、総合内科、総合医療についてお伺いいたします。
 以前、多摩総合医療センターに伺った際、高齢化に伴い合併症の患者さんがふえている中、さまざまな科にわたる症状があっても、総合的に診て適切な医療を提供していける医師、高水準での質の高い総合医療、専門を持ちつつ総合内科としての顔を持つ医師を育てているという力強いお話がありました。
 都立病院では、駒込病院、墨東病院、多摩総合医療センター、小児総合医療センターで、総合診療科、あるいは総合内科を設けているということですが、東京都全体としても、全ての都民が安心して暮らせるよう、総合診療医等を育成するとしている中で、都立病院の持つそのノウハウや知見を地域医療にも横展開、還元していくべきだと考えます。
 そういった中で、新たな病院運営改革ビジョンでも、高齢化に伴い、特定の臓器や疾患を超えた多様な問題を抱える患者が増加していることなどを踏まえて、さまざまな疾病に対して適切な初期診療と継続的な診療を全人的に提供する総合診療医について、柔軟な勤務制度の整備などを進め人材の確保を図るとともに、多様な診療科を有する十四病院の特性を生かし、地域医療機関や大学医局とも連携しながら育成していくとあります。
 東京医師アカデミーでは平成三十年度から、総合診療科等を持つ広尾病院、駒込病院、墨東病院、多摩総合医療センターの四病院で、総合診療専門医の研修コースを設置したということですが、具体的な育成状況とその活用についてお伺いいたします。

○谷田経営企画部長 都立病院では、東京医師アカデミーにおいて総合診療専門医を取得するためのコースを設置し、これまで五名を採用いたしました。
 例えば、委員が視察いたしました多摩総合医療センターでは、三名のレジデントがさまざまな疾病に対して適切な初期診療ができるよう経験を積んでおりまして、例えば救急・総合診療センターでの診療を中心に、そして小児総合医療センターでの小児患者の診療や、連携する近隣の医療機関や施設において通院困難者や高齢患者の診療にも当たっているところでございます。

○森澤委員 今、研修コースの中では、連携する近隣の医療機関や施設において通院困難者や高齢患者を診察しているということでした。今後、これが地域への取り組みの展開や知見の共有などにつながっていくことを期待したいと思います。
 次に、復職支援についてお伺いいたします。
 東京の医療を支える人材を確保するため、育児等で離職した医師について、全病院でオーダーメード型の復職支援研修を二〇一九年四月から実施しているということです。ほかの職業同様、やはり女性医師にも、結婚、出産期に当たる年代に一旦低下し、育児が落ちついた時期に再び上昇するという就業率のM字カーブがあるということで、男女ともに子育て中であっても働き続けられるような環境整備とともに、復職支援は重要です。
 これまでの実績と復職状況についてお伺いいたします。

○谷田経営企画部長 これまで、駒込病院、多摩総合医療センター、小児総合医療センター、松沢病院におきまして、八名が研修に参加しており、そのうち五名が研修を修了いたしました。
 大学病院に二名、都立病院に一名、療育センターに一名復職したほか、研修継続中の一名が今後都立病院に復職する予定でございます。

○森澤委員 一年半、プログラムを実施してみての課題と取り組み状況についてお伺いをいたします。

○谷田経営企画部長 当初、三カ月程度の研修期間を想定しておりましたが、各人のこれまでのキャリアや離職期間等に応じまして長期の研修が必要となるケースや、小児の脳神経外科など専門性を生かせる病院が限られる特殊な診療科におきましては、復職先が見つかるまでの間、スキルを維持するために研修期間が長期にわたる事例があり、事情に応じて柔軟な対応を行っております。
 また、事業を周知するため、ホームページへの掲載やプレス発表を行ったことで、新聞や医療系サイトに事業が紹介され、問い合わせや応募につながったというケースがございますが、出産や育児等で職場を離れている医師に向けて、事業をより一層周知していくことが必要であると考えております。

○森澤委員 オーダーメードで事情に応じて柔軟に対応しているというすばらしいプログラムだなというふうに思いました。
 そして、今のご答弁に、事業をより一層周知していくことが必要というふうにありましたけれども、先ほど最初のご答弁にありましたように、既に復職した医師が事例として出ているということですので、ぜひそういった事例をホームページ等に掲載するなどしていただきたいなというふうに思っています。今拝見したら、プログラム概要と申し込み用紙があるだけだったので、ちょっともったいないなという気がしますので、広報活動を強化していただきたいと思います。
 そういった側面も含め、より多くの離職中の医師にリーチすることで、取り組みを推進し復職する医師をふやしていただきたいと考えますが、見解を伺います。

○谷田経営企画部長 全国的に医師が不足している中で、出産や育児、介護等で離職した医師の復職を支援して、東京の医療を支える人材を確保することは重要でございます。
 そのため、これまでの取り組みを検証し改善を図りながら、都立病院が有する豊富な医療資源やこれまで培ってきた医師の育成ノウハウ等を活用いたしまして、復職する医師を支援する取り組みを進めてまいります。

○森澤委員 私の周りにも配偶者の海外勤務のために離職をしているという子育て中の女性医師がいます。例えば、そういった医師が復職しようと思ったときに検索するようなワードを調査して、インターネットの検索でひっかかるようにするなど、それは広報活動の強化の一環だと思いますが、せっかくのプログラムが、必要な人たちに届くよう、ぜひ取り組んでいただきたいと思います。
 次に、広尾病院の基幹災害拠点病院としての取り組みについて伺います。
 広尾病院は、都心部唯一の基幹災害拠点病院として、東京都の災害医療に関して中心的な役割を担っていると認識しています。
 そういった中で、今年度、減災対策支援室の体制を強化したということですが、その意義と具体的な取り組みについてお伺いをいたします。

○谷田経営企画部長 基幹災害拠点病院である広尾病院は、他の災害拠点病院への研修、教育を行う役割を担っております。
 近年さまざまな大規模災害が発生していることから、地域の医療機関がなるべく容易かつ日常的に減災対策を進められるよう、基幹災害拠点病院としての役割の重要性が高まっております。
 そこで広尾病院では、そうした役割を着実に果たしていくために、災害発生時の被害を極小化する対策を都内の病院で推進するための組織として、減災対策支援室を平成二十八年度から設置いたしました。
 減災対策支援室では、国内外の災害現場での経験を有し、災害医療に知見のある医師を今年度から常勤職員として採用し、その知識、経験を活用し、より災害の実態に即した実践的な研修、訓練を企画しております。
 今後とも、こうした職員の知識、経験を活用し、他の災害拠点病院が災害対応力を確実に高められるよう、研修、訓練を実施してまいります。

○森澤委員 災害医療に知見のある先生が今年度から常勤職員として採用されたということで、非常に心強いことだと思います。その方が核となってノウハウがさらに院内に共有され、ほかの災害拠点病院にも広がり、都心の病院の災害対応力、レジリエンスが高まっていくことを期待したいと思います。
 基幹災害拠点病院として、今ご答弁にあったように、ほかの災害拠点病院が災害対応力を高めるために、ほかの災害拠点病院をリードする立場にあるというふうに考えます。
 点から面での医療の展開を視野に入れた地域ネットワークの機能の構築に取り組んでいるということですが、具体的にどのような取り組みを行っているのかお伺いいたします。

○谷田経営企画部長 災害発生時、災害拠点病院では、主に重症者を受け入れる役割を担っております。より多くの重症者を受け入れるためには、各災害拠点病院が災害時にも診療を継続できるよう、十分な設備や資器材等を備え、訓練や研修を実施することが必要でございます。加えまして、診療継続に支障を来した病院が発生した場合には、近隣の病院が連携して患者を受け入れる等、地域全体で協力することが重要でございます。
 広尾病院は、基幹災害拠点病院として、災害時に各病院が診療を継続できる可能性を高めるため、研修ツールの配布や合同の研修、訓練の実施などを通じ、他病院等と、ノウハウを提供し共有を図っているところでございます。
 このことによりまして、発災時の各病院の連携を強化し、より円滑に患者が受け入れられるようにするとともに、他病院と直接交流する機会を提供し、多くの病院間に顔の見える関係が構築されるよう努めているところでございます。

○森澤委員 研修ツールの配布や合同の研修、訓練の実施などを通じて、各病院が診療を継続できるよう、具体的な形で牽引されていることがわかりました。また、他病院と直接交流する機会を提供し、多くの病院間に顔の見える関係が構築されるよう努めているということです。この関係性が災害時において非常にきいてくるものだと思います。
 コロナ禍においての災害を想定し、感染症対策も含め、行わなくてはいけないことはふえていると思いますが、引き続き、他病院を牽引する広尾病院の役割に期待したいと思います。
 最後に一言申し上げます。ことしはコロナ禍の対応に奔走していただいており、本当にありがとうございます。
 都立病院や公社病院で働く医師、看護師からは、コロナ対応で最も現場が混乱していたときに、家族への負担や偏見等への対応での疲弊、また、感染者かどうかわからない患者を対応することへの恐怖など、さまざまなお悩み事やお困り事を私たちも伺うことがありました。
 医療現場で働く皆様は、医療事務や薬剤師等も含め、全て貴重な感染症との長い闘いにおける宝ともいえます。感染者が出てしまった現場に非難や誹謗中傷が来てしまうことがないよう、改めて都としての対応や情報発信のあり方にも細心の注意を払っていただきたいと思います。
 また、私たちは早い段階から、都立病院の従業者の給与について増額を図るべきとの立場から条例改正を求めましたが、給与、人材確保、医療機器の購入といった必要な対応を、適時適切に、柔軟にスピーディーに行うために、どのような経営形態であるべきか考えていくことが重要です。私たちとしては、経営を改善するためではなく、最善の医療提供体制をつくるために、独立行政法人化は必要だと表明してきました。その姿勢は変わりません。
 まだコロナ対応は続きますが、引き続き、議会側とのコミュニケーションなども含めて、今の体制で必要な措置をあらかじめ想定し、先手を打つことができるよう取り組んでいただきたいと思います。
 最後に、都立病院や公社病院で働く皆様、そして、病院経営本部の皆様のご尽力に感謝と敬意を表し、質問を終わります。ありがとうございました。

○つじの委員 よろしくお願い申し上げます。私は、このたび、今期二度目の厚生委員会の委員として、今、質問に立たせていただいておりますが、直前には、総務委員会委員として、総務委員会で東京都における災害対策関連等の質問をさせていただきました。
 都民の皆様におかれましても、昨年の関東地方に風水害等を及ぼした大型台風や、いつ発生してもおかしくないといわれる首都直下地震等の備えに対して関心が高いところだと存じます。
 病院経営本部においては、発災時においても、都立病院を中心に、被災された方々の病気やけが等の治療ができる体制を整えておくというのはいうまでもありません。
 そこでまず、BCPについてお伺いします。
 発災時においても都立病院の医療機能を継続するため、全ての都立、公社病院及び病院経営本部、公社事務局でBCPを整備しており、引き続き、災害時にBCPを有効に機能させるため適宜修正を行ったと、こちらの事業概要の方にはあるんですけれども、具体的にはどのような修正を行ったのかお伺いします。

○谷田経営企画部長 全ての都立病院、公社病院では、訓練などを通じて、BCPやBCPを機能させるためのマニュアル等の有効性を検証し、必要に応じて内容を変更してまいりました。
 令和元年度は、松沢病院におきまして、災害時に院内で情報を共有するため、新たに導入いたしましたシステムの利用方法や運用基準等を反映させたほか、大塚病院におきまして、外国人対応についてマニュアルを追加したところでございます。

○つじの委員 ご答弁ありがとうございます。
 各病院の特性があるものと思いますが、ご答弁の中に、具体的に松沢病院、大塚病院について言及がありました。各病院は実情に合わせてBCPを修正していると考えます。
 そこで、実際にBCPを修正するに当たって、どのような点に注目しているのかお伺いいたします。

○谷田経営企画部長 BCP等を修正するに当たりましては、災害時に業務に従事する職員が実際に活用できるかどうか、これを念頭に置きまして、各病院で職員の意見や訓練等を通じてその有効性を検証し、その上で修正をしているところでございます。

○つじの委員 BCP等が現場の意見も踏まえて有効性を検証しながら修正が行われることが確認できました。私は医師なんですけれども、医師として病院勤務等経験がありますが、医療現場の意見をよく聞き、災害に備えることは大事な姿勢であると強調させていただきます。
 次の質問です。
 ことし初めより、新型コロナウイルスの感染拡大防止を踏まえつつ、いわゆる医療崩壊の懸念と社会経済活動の両立を図らなくてはならない社会状況があります。今後、東京でも秋冬の気温が下がる季節を迎え、欧米の感染状況を見ると、新型コロナウイルス感染症拡大のリスクは一層高まるおそれがあると考えます。
 このような状況のもと、災害発生時に備えて、各病院のBCP等は今後どのように修正を行うのか見解をお伺いいたします。

○谷田経営企画部長 来院する患者さんが新型コロナウイルスに感染しているか否か、これにつきましてはすぐに判明しないため、感染リスクを最小限にするため、例えば入り口での検温の実施、動線の分離、あるいは防護服を着用しての診療など、各病院は、現在適宜必要な感染予防策を実施しております。
 災害が発生した場合も、こうしたことと同様に、必要な感染予防策を実施した上で患者を受け入れることになりますが、BCPやマニュアル等としてどこまで反映させるか、これにつきましては、実際に災害時に業務に従事する職員の意見を参考に、各病院で今後検証を進めてまいります。

○つじの委員 ご答弁ありがとうございます。
 ちょっと話がずれるかもしれませんけれども、ご答弁の中で防護服を着用してというコメントがありましたが、ことし初めから新型コロナウイルス感染症拡大がある中で、マスクや感染防止用の手袋、消毒用アルコールの入手が困難であったという事態があり、医療機関においては通常の診療にも難渋するという報道もありました。
 そこで、災害が発生したときに、都立病院等で新型コロナウイルス感染症拡大を防止するための、医療物資を含めて、備蓄、備えについてお伺いします。

○谷田経営企画部長 都立病院等では、災害発生時にも診療を継続できるよう、食料、水、医薬品、非常用発電機の燃料のほか、マスクや防護服等、感染症拡大防止に必要な物資につきましても備蓄をしているところでございます。
 また、こうしたものが万が一不足する場合に備えまして、供給ルートの確保に努めております。

○つじの委員 災害時の備蓄についてご答弁をいただきました。
 新型コロナウイルス感染症拡大のリスクのもと、現在、マスクなどの感染拡大防止のための物資は入手することは比較的容易になっておりますが、災害が発生した場合、各病院は、備蓄のみならず、感染症拡大防止のための防護服、マスク、手袋、消毒用アルコールなどの物資の補給においても、その購入ルートの確保など、平時から準備が必要と私からも強調させていただきます。
 引き続き、都は発災時の医療物資の備蓄、補充の確保について、事業を継続していただきたく存じます。
 次の質問に参ります。
 災害時に必要な知識や技能を習得させることを目的として、令和元年七月一日に医療救護班派遣研修の講師養成研修を実施し、令和二年三月十日には広尾病院で医療救護班派遣研修を実施したとあります。令和二年三月といえば、新型コロナウイルス禍のもと、PCR検査陽性者も国内で千数百人を数えていたと思います。
 当時の状況下で実施された医療救護班派遣研修での新型コロナ感染症拡大予防のための対策についてお伺いいたします。

○谷田経営企画部長 令和二年三月十日に実施いたしました研修においては、感染防止を考慮した必要な規模の参加人数といたしまして、入り口で研修参加者の体調を確認するとともに、アルコール消毒の実施を促進いたしました。
 さらに、研修参加者に常時マスクを着用させるとともに、会場については、参加者間の間隔をあけるといった対応を実施しております。
 なお、当該研修参加者からは、コロナ感染者は発生してございません。

○つじの委員 令和二年三月に実施された研修においては、ソーシャルディスタンスの確保など十分な感染予防策が行われ、感染者が発生していないことが確認できました。
 今後も、広尾病院のみならず同様の研修会など開催される際には、最大限の感染症拡大防止策のもと研修会などを実施し、災害時に対する対策が必要と考えます。引き続き、都の十分な対策の継続を期待します。
 広尾病院に関しては、基幹災害拠点病院として、他の災害拠点病院への研修や訓練を行う重要な役割を果たす必要があります。
 そこで、地域関係機関との連携を通じた災害対応力の向上を図るため、広尾病院が令和二年一月十九日に行った災害医療図上訓練について、その効果をお伺いいたします。

○谷田経営企画部長 当該訓練は、区西南部保健医療圏の関係機関相互間の連携などについて確認及び検証することを目的としたものでございまして、医療圏内の災害拠点病院を初めとした医療機関や、行政、医師会などの関係団体が参加し、傷病者の搬送や受け入れ医療機関の調整、医療救護班の要請や派遣などについて、被害想定を事前に明らかにしないブラインド方式で実施をいたしました。
 関係機関が一堂に会することで、例えば、他機関への傷病者の搬送が十分できない場合に備えて、各病院で対策を強化する必要があるなど医療圏内で課題を共有いたしましたほか、他機関への情報伝達の手順が検証され、関係機関相互間の協力関係がより円滑になるなどの効果が生じております。

○つじの委員 広尾病院での図上訓練での実際とその効果を確認できたところです。広尾病院が訓練において重要な役割を果たしていることも確認できました。
 次の質問が、災害医療関係の最後の質問となります。
 病院経営本部では、令和元年度に災害時に特別な配慮が必要となる精神障害者に適切に医療を提供する東京DPAT隊員の養成を行ったとしているが、その内容についてお伺いいたします。

○谷田経営企画部長 東京DPAT隊員となるためには、東京DPATの派遣等について、都知事と協定を締結した医療機関の職員が、都知事の指定する研修を修了することが必要でございます。
 令和元年度は、都立、公社病院では、広尾病院、多摩総合医療センター、豊島病院の三病院で合計八名の職員が所定の研修を修了いたしました。

○つじの委員 ご答弁いただきありがとうございました。
 東京DPATは、災害発生時、被災によって機能しなくなった精神医療の補填、被災した精神疾患を抱えた方々や災害ストレスによる被災住民の皆様等への対応及び地域精神保健活動の支援等専門的な心のケアに関する対応など、円滑かつ迅速に行うことが求められています。
 研修を受けた職員の皆様が、災害時、都民の皆様の要望に応える活動をされることを心より期待して、災害医療に関する質問を終わります。
 次に、精神疾患医療について質問させていただきます。
 精神疾患は、近年その患者数が増加しており、平成二十五年度から第六次東京都保健医療計画に新たに記載が追加されましたとあります。
 病院経営本部管轄の都立松沢病院で把握している精神疾患を抱える新規の入院患者様の直近の五年間の人数とその疾患名についてお伺いいたします。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都の精神科医療の拠点であります松沢病院におきましては、精神科急性期医療を中心に、精神科救急医療、精神科身体合併症医療、薬物、アルコール依存症等の精神科特殊医療に対応するとともに、他の医療機関や保健福祉施設等と密接な連携を推進しております。
 松沢病院における直近五年間の新入院患者数は、平成二十七年度が三千三百二十一人、平成二十八年度が三千三百七十二人、平成二十九年度が三千三百三十五人、平成三十年度が三千七百二十三人、令和元年度が三千六百七十五人でありまして、令和元年度は平成二十七年度と比較しまして約一一%増加しております。
 また、患者数が多い疾患は、いずれの年度におきましても、統合失調症及び妄想性障害が最多で、年度ごとに変動はあるものの全体のおよそ四〇から五〇%を占めており、次いで認知症等が一二から一五%程度、アルコールや薬物による精神や行動の障害が一一から一二%程度、気分障害が九から一二%程度となっております。

○つじの委員 ご説明いただきありがとうございました。
 松沢病院におきまして、新規に入院される方の数は、令和元年度は平成二十七年度と比較して約一〇%増加していること、また疾患名については、直近五年間のいずれの年度においても、統合失調症及び妄想性障害が最も多く、およそ半分、五〇%前後を占めているということが確認できました。
 松沢病院でも、五年間の期間があれば、変わっていくところ、変わっていないところ、いろいろあると思います。
 それで、私の経験も踏まえて質問を続けさせていただきますが、私は、医学部卒業後、外科、麻酔科で研修医として過ごし、その後、精神科医を志し、関西の大学の医局で精神科医としての研修を始めました。十数年前のことになります。その後、都内の精神科病院に勤務し、十年ほど前に私自身が管理者となり、精神科診療所を都心近くに開設し、以降、今でも運営を継続しております。
 私が精神科の研修を受けていた十数年前の精神科医療を取り巻く環境と、例えば、治療薬、患者さんを取り巻く環境等は、現在とでは状況は異なっていると考えております。また、ことしに入り、新型コロナウイルス感染症拡大のリスクなどの社会情勢がある中、先の見えない状況が続いていると考えます。
 例えば、変わったところと私が耳にしたところによれば、近年、少子化が進み、統合失調症を発症する患者様は減少傾向にあるというふうにいわれていることを聞いたことがあります。また、近年、治療薬の目覚ましい改善があり、外来治療のみで入院治療を行わずに経過を見られる方も比較的ふえているというふうにいわれております。
 コロナ禍のもと、東京都の知り得る情報を的確に判断、分析し、病院経営本部においては、都立病院を初めとして、状況の変化を柔軟に受け入れ、精神疾患に苦しむ患者様本人や家族等、都民の皆様の利益のため、また、精神科医療の最前線で治療に当たる医療スタッフに対して最大限の配慮を行うなど、従前に引き続き努力を継続することを強く要望いたします。
 次に参ります。
 病院経営本部の事業内容について、都立病院においては、松沢病院が平成二十四年四月から、区西南部−−目黒区、世田谷区、渋谷区を担当する東京都認知症疾患医療センターの指定を受け、認知症専門外来、専門医療相談、認知症専門病棟の運営といった地域連携を実施しました。平成二十六年六月には、都から認知症早期発見・早期診断推進事業を受託し、区西南部−−目黒区、渋谷区を対象とした早期診断を実施し、地域医療機関での早期受診やさまざまなサービス導入につなげた。平成二十七年度には、精神科身体合併症救急の受け入れ体制を強化したと、繰り返しますけれども、事業概要の中にあります。
 松沢病院において、認知症領域において認知症専門外来、専門医療相談、認知症専門病棟の運営といった事業については、松沢病院自院でおおむね運営できる内容だというふうに考えております。
 一方、地域連携を実施したというふうにありますが、連携というからには、相手になっていただく連携先があるわけですが、この事業のみならず、松沢病院の地域連携の連携先について、まず全体的にお伺いします。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 精神疾患は、症状が多様であるとともに自覚しにくいという特徴がありまして、重症になるほど病識が薄れることがあるため、できるだけ早期に必要な精神科医につなげ、適切な診断と治療を開始することが極めて重要でございます。
 また、精神障害者や家族が地域で安心して生活を送ることができる地域包括ケアシステムの構築に向け、適切な役割分担のもとで、地域の医療機関、行政機関等と密接に連携していく必要があります。
 こうした中、松沢病院は開かれた病院づくりを進め、他の医療機関で受け入れが困難な患者さんについては、患者さんの居住地にかかわらず、かかりつけ医等から広く受け入れを行っております。
 また、患者さんが松沢病院を退院するに当たりましては、紹介元のかかりつけ医等に返送することを基本としていますが、他の医療機関への転院が必要な場合には、患者さんの疾患や症状はもとより、個別の患者、家族の意向に基づき、連携先を選定しております。
 具体的には、患者、家族が最も重要としている病院の所在地や費用面のほか、患者の継続治療に必要な診療科、リエゾンチームの設置の有無等の条件において、候補となる病院の中から、家族や患者さんが実際に見学の上で決定しております。

○つじの委員 ご答弁いただきありがとうございます。
 ただいまいただきましたご答弁で、松沢病院の広く開かれた病院づくりの具体的な内容が確認できたと思います。引き続き、患者様、患者様を支える家族の方々等のための病院づくりを継続していただくことを望みます。
 次に、松沢病院は、都から認知症早期発見・早期診断推進事業を受託し、地域医療機関での早期受診やさまざまなサービス導入につなげたとあります。ここでも地域医療機関との連携があるかと存じます。
 そこで、松沢病院が本事業において、地域医療機関と連携する際の実際についてご説明願います。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都の認知症早期発見・早期診断推進事業は、地域において認知症の人とその家族を支援するため、認知症コーディネーターと認知症アウトリーチチームが協働して、認知症の疑いのある人を把握、訪問し、状態に応じて適切な医療、介護サービスにつなげるなどの取り組みを進めることにより、認知症の早期発見、診断、対応のシステムづくりを行う事業です。
 松沢病院は、地域拠点型認知症疾患医療センターとして、認知症アウトリーチチームを設置し、二次保健医療圏内の区と協定を締結した上で活動を行っています。
 この事業において連携する医療機関の選定は、対象患者の容体や家庭、経済等の状況や地域の医療資源等の状況を最も把握している区が実施しております。

○つじの委員 本事業において、松沢病院が区と協定を締結した上で活動し、実際、区の方が適切に地域の医療機関を選定し、松沢病院と連携を行っているという旨のご説明をいただいたと思います。
 コロナ禍のもと、医療機関の中には、患者数の減少、感染症対策のコスト負担増などで、これまでの経営を継続することが困難であるということがしばしば報道されるようになりました。医療機関の廃業の報道も、私の耳には、ニュースで聞いたことがあります。
 一方、理想の医療を患者様に提供し、地域医療に貢献したいと志を高く掲げる新たな医療機関を開設されている状況もあります。
 コロナ禍のもと、ニューノーマル、新しい当たり前などがうたわれておりますが、今後、東京都と連携して地域医療を担う医療機関等に関しては、新興の意欲ある医療機関等に対しても、都として常に情報等を発信、また聴取するなど、気配りをし−−今回、認知症を含む事業についての地域連携に関する話題だったんですけれども、意欲ある医療機関等にとっては地域医療を担う立場に円滑に介入できますよう、また、患者様及び患者様を支えるその家族等、都民の皆様、地域の皆様の最大限の利益になり得る提携先の選択があることを強く要望いたします。
 次の質問に参ります。
 精神科身体合併症救急の受け入れ体制を強化したとありますが、その具体的な内容についてお伺いいたします。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 一般医療機関では対応困難な精神科身体合併症医療については、都立病院の強みである総合診療基盤を生かした診療科間の連携を促進するとともに、都立、公社病院間のネットワークの強化により、患者さんの受け入れ体制を充実させてきました。
 具体的には、松沢病院において多様な精神科身体合併症患者に対応できるよう、松沢病院では対応が難しい身体症状を有する患者さんは、総合診療基盤を有する他の都立、公社病院で治療し、精神疾患は松沢病院で治療する都立、公社間ネットワークを構築しています。
 また、身体疾患の診断や治療に不可欠な放射線科及び検査科について、平成二十七年度から当直を開始することにより、夜間、休日も患者受け入れに対応しております。
 さらに、新型コロナウイルス感染症に関しましても、保健所や都の入院調整本部からの受け入れ要請に対して積極的に対応するとともに、都立、公社病院間においても連携することで、円滑に患者さんを受け入れております。

○つじの委員 私、十数年前に上京したんですけれども、その際、現在の自院を開業する前だったんですけれども、都内の精神科病院で、主に入院患者様の主治医として治療を担当しておりました。また、病院業務の一環として当直業務をこなしておりました。
 精神科病棟に入院中の患者様が病棟内で転倒し、骨折や外傷を負う、また身体科の持病が増悪したときの際に、精神科病院では対応し切れない場合は救急車の出動を要請することがありました。私が当直勤務した際にも、何度か救急車に勤務先の精神科病院まで来ていただいた経験がございます。
 当時、夜間の当直帯に精神疾患を持病として抱える患者様の身体疾患の治療を受け入れていただける医療機関を探す作業が大変に難渋したと、そういうふうな記憶があります。ただいまいただいたご答弁をお聞きすると、現場を経験した立場から、松沢病院の受け入れ体制は大変心強く思いました。
 また、新型コロナウイルス感染症に関するご答弁もありましたが、今回のコロナ禍のもと、都内の精神科病院では陽性者が複数出たというふうな報道がありましたけれども、その際、松沢病院、多摩総合医療センターで患者様を受け入れていただいたというふうにお聞きしております。
 病院経営本部としては、精神疾患と感染症を含む身体疾患の治療が並行してできる両病院等、都立病院を中心に受け入れ体制を引き続き強化し、また、繰り返しますけれども、最前線で治療に当たる医療従事者の皆様に、敬意と感染症拡大防止の配慮と実行をもって事業に当たられることを強く期待しています。
 新型コロナウイルス感染症と共存しながら、今後も都は、精神疾患に苦しむ患者様やその家族等の支援を行っていく必要があります。今までの常識が通用しない状況も想定されます。
 そこで、コロナ禍における病院経営本部の精神疾患医療への意気込みを病院経営本部長にお伺いし、私の質問を終わらせていただきます。

○堤病院経営本部長 都立病院ではこれまで、精神科医療を行政的医療と位置づけまして、一般の精神科病院では対応困難な専門性の高い精神疾患に積極的かつ着実に対応してまいりました。
 こうした中、新型コロナウイルス感染症の拡大によりまして、都立病院では、松沢病院を初め、精神科を有する都立、公社病院を中心に、精神疾患があるコロナの陽性患者さん等で、他の医療機関では対応困難なケースを数多く受け入れてまいりました。
 とりわけ、五月に都内の病院で発生いたしました集団感染に際しましては、当該病院との連携や、都立、公社病院間のネットワークを活用いたしまして、六十一名の感染患者さんのうち四十四名、約七割を松沢病院等の都立、公社病院で受け入れたところでございます。
 一方、コロナ禍によりまして、患者さんの受診機会の減少に伴う症状の悪化も懸念されております。特に認知症につきましては、高齢化に伴う患者増が顕著でありますことや、併発している身体症状が急変するおそれもありますため、身近な地域で早期に適切な医療へつなげることが重要でございます。
 そのため、松沢病院では、地域に支えられ、地域を支える病院になることを目標といたしまして、院内の体制の整備ですとか、地域のさまざまな主体との連携、交流を深める中で、民間医療機関からの依頼を断らないという方針を徹底いたしまして、認知症など、さまざまな精神疾患の患者さんを幅広い地域から受け入れております。
 こうしたことからも、都立病院が求められる役割を将来にわたって果たし続けていくためには、地域医療機関との連携と役割分担は不可欠であると認識をしております。
 先ほど来、ご質疑にもありましたように、現在、独法への移行準備を進めているところでございますが、何よりも大切なのは、医療サービスの充実と向上だと考えております。
 人材を初めとした医療資源をこれまで以上にしっかり確保して活用いたしますことで、都民に必要な精神科医療を提供してまいりますので、引き続き、ご指導、ご支援をよろしくお願い申し上げます。

○小宮委員 東京都は、三月の末に、都立病院と公社病院の独立行政法人化の方針として、新たな病院運営改革ビジョンを策定して、令和四年度内を目途に、このビジョンに基づいて地方独立行政法人への移行準備を進めていくこととしております。
 移行に当たっては、経営形態を見直すだけではなく、都民に必要な医療というものが、民間も含めてバランスよく地域の中で提供されるように、都立、公社病院の改革というものも進めてほしいと思いますし、一つ一つの病院が果たすべき機能というものをしっかり検討することが必要であるということを冒頭申し上げておきます。
 まずは、三月以降、策定以降ですね、独法化に向けた準備状況について確認します。

○船尾計画調整担当部長 都立病院の役割は、民間医療機関だけでは対応困難な行政的医療の安定的、継続的な提供と地域医療の充実への貢献でございまして、その役割は独法化後も変わることはございません。
 こうした役割を法人に確実に担わせるため、法人の根本原則となる定款に、法人の役割として明記することを検討するとともに、法人が目指す方向性に沿った運営が可能となるよう、法人の運営体制の検討を進めているところでございます。
 また、医療の質は、医師や看護師などの医療人材に支えられていることから、独自の人事制度等の構築が可能となる独法化のメリットを生かしまして、医療ニーズに応じて、迅速、柔軟に人材を確保する仕組みを構築することが重要でございます。
 現在、行政的医療を初めとした医療の充実強化と地域医療の充実への貢献のこの二つの視点を中心に、独法化後の医療機能強化の方向性につきまして、各病院とも意見交換をしながら具体的な検討を進めているところでございます。

○小宮委員 行政的医療の提供が重要であるということはもちろんですけれども、地域医療の充実という点からしますと、地域医療構想、これは二〇二五年までに必要となる病床数を、四つの医療機能−−高度急性期、急性期、回復期、慢性期ということで、それごとに推計をして、病床の機能分化や連携を進めるというものですけれども、こうしたことの実現に向けまして、住みなれた地域で必要な医療が受けられるように、地域に不足する医療というものを充実させていく考え、これも必要であると思います。
 今のご答弁で、独法化後の各病院の医療機能の強化について検討を進めているということでしたけれども、具体的に地域に不足する医療については、どのような方向性で検討しているのか伺います。

○船尾計画調整担当部長 地域医療構想の実現に向けまして、都立病院、公社病院は、公的な病院として民間医療機関などとの連携のもと、地域の医療水準を向上させるための取り組みや不足する医療の提供が求められております。
 このため、各医療圏を中心とした地域において不足している専門的な医療の提供や、高齢化に伴いニーズが高まるがんですとか心疾患などの疾患への対応など、地域ニーズに着実に応えるための医療を一層展開していく必要がございます。
 現在、各病院において、地域の患者数の動向や他の医療機関での対応状況、医療圏外への患者さんの流出の状況等を踏まえまして、各病院とも意見交換しながら、独法化後の強化すべき医療機能について具体的に検討を進めているところでございます。

○小宮委員 都立と公社病院というのは、一部に、今回復期病床というものがありますけれども、現在、大半は高度急性期や急性期といった病床を担っております。
 地域で不足している医療を補完していくということが、都立、また公社病院の役割であるということを考えますと、今後は、やはり医療圏ごとの状況を踏まえて、必要な機能転換といったものも担うべきと考えるところです。
 各病院が置かれた地域、医療圏の中で、民間病院との役割分担を踏まえて、どういう医療が充足していて、また、どういう医療が不足しているのかということを、地域ごとに、一つ一つの病院ごとに、そういった現状の課題と分析というものをしっかりと行っていただいて、必要な機能ということを考えていただきたいと思います。そうした視点を持ちながら、しっかりと今後の検討を進めていっていただきたいとお願いしておきます。
 また、地域包括ケアシステムの構築に向けては、独法化後の法人が地域医療の充実にさらに貢献していくことが重要です。
 具体的にどのような方向性で検討しているのか伺います。

○船尾計画調整担当部長 地域包括ケアシステムの充実に向けましては、地域医療機関等と顔の見える関係を構築して連携体制を一層強化するとともに、在宅ケアや介護に必要な知識や技術を地域全体でより一層高めていくことが重要でございます。
 このため、独法化後は、民間医療機関とも柔軟に人材交流ができる人事制度を構築いたしまして、医師や看護師等を各病院の特色や地域ニーズを踏まえながら、地域の医療機関や訪問看護ステーションに派遣をいたしまして、診療応援や技術協力を行うこと等を具体的に検討しているところでございます。
 また、こうした人材交流によりまして、法人病院の医師や看護師等が地域医療や在宅療養の現場を知り幅広い知見が身につくことで、それが病院にまた還元をされ、治療後の在宅療養まで見据えた質の高い急性期医療が提供できるものと考えております。

○小宮委員 医療と介護の連携というものが、独法化後には、これまで以上に柔軟に、また積極的に実施をされて、住みなれた地域で病気になっても安心して暮らし続けられる、家にも戻れる、そういったサイクルができるような環境をぜひ構築してほしいというふうに思います。
 こうした地域ごとで必要な医療提供体制が確実に整えられていくように、地域の意見を聞きながら病院運営を行うことが重要と考えますが、独法化後はどのように対応していくのか伺います。

○船尾計画調整担当部長 地域ニーズに即した医療を提供するためには、地域の関係機関と定期的に意見交換しながら、期待される役割や求められる取り組みを把握し、よりよい病院運営につなげていくことが必要でございます。
 独法化後は、病院ごとに設置する運営協議会など、地域の関係機関との連携を図る仕組みを検討するとともに、法人全体としましても、医師会などと意見交換し、都全体の医療提供の状況や地域医療機関等の意見、また地域のニーズ等が法人運営に反映される仕組みを検討しているところでございます。

○小宮委員 新型コロナウイルス感染症への対応も関連して伺っておきます。
 行政的医療の中でも、改めて注目をされているのが感染症医療の提供です。現在、都立、公社病院の現場では、新型コロナウイルス感染症の最前線で取り組んでいただいているというふうに思いますが、独法化によって、この感染症対応に影響があるのかどうか。
 むしろ、柔軟、迅速に対応できるという独法化のメリットを生かして、対応力が強化されるというふうに思いますけれども、今回の新型コロナウイルス感染症について、他府県で独法化した病院ではどのように取り組んでいるのか。また、独法化後は、新型コロナウイルスのような感染症に対して対応強化が重要と考えますけれども、その検討の方向性について伺います。

○船尾計画調整担当部長 先行して独法化した神奈川県立病院機構におきましては、公表されている資料によりますと、県立足柄上病院と県立循環器呼吸器病センターが、国立病院機構の国立相模原病院とともに、第一弾の重点医療機関に指定されるとともに、県立精神医療センターと民間病院が連携して精神科コロナ重点医療機関を設置するなどしておりまして、県の医療政策と歩調を合わせながら、積極的に役割を果たしていることがうかがえます。
 また、独法化後の対応強化でございますが、感染症など公衆衛生上の緊急事態が発生した際は、法人病院が率先して対応する必要がございます。
 東京iCDCの仕組みの中で、都の指示のもと、柔軟、迅速な人材確保など、独法のメリットを生かしながら、十四病院が一体となって一層機動的に対応していくことを検討しているところでございます。

○小宮委員 今後、さまざまな調整や準備を経まして、都立病院と公社病院が一体として東京都から独立した法人となる、その際には、主体性を持って都民に必要な医療、民間だけでは不足する機能などを柔軟に提供できる、そういう法人として、その役割を果たすように期待をしまして、質問を終わります。

○栗林委員 私の方からは、初めに、女性生涯医療外来について質問をさせていただきます。
 女性は、思春期から老齢期に至るまで、女性のホルモンの変動によって、男性とは異なる心身の変化を起こしていくものでございます。このため、就業や結婚、出産等とさまざまなライフステージを経ていく中で、こうした心身の変化に対応しながら、女性に対するきめ細かな医療提供は極めて重要な課題でございます。
 我が党都議会公明党は、これまで一貫して、女性の心身にあらわれる症状を総合的に診療する女性専用外来の設置を提案し、推進してまいりました。
 平成十四年第三回定例会でございます。のがみ議員が女性専用外来の設置を求めさせていただきました。また同時に、各区市町村でも、私ども公明党がムーブメントを起こさせていただき、署名運動等も始まりまして、新宿区においては二万人近い方の署名が集まり、当時の知事にこれを提出して、公社大久保病院にも設置となる、そういう状況もございました。
 平成十五年七月の大塚病院を皮切りに、墨東病院、多摩総合医療センターの三病院での開設に結びついたところであります。当時は物すごい反響で、予約をとるのに三カ月待ちという、そういう大変大きな話題にもなったところでございます。
 しかしながら、それから十五年以上経過する中で、女性の活躍の場が多様な分野で広がったこともあり、また晩婚化など婚姻をめぐる変化とか、また平均寿命の延伸等と、これまでにないスケールで女性を取り巻く環境は大きく変化してまいりました。そしてまた、新たな課題も生まれてきているところでございます。
 こうしたことを踏まえて、我が党は、昨年の第三回都議会定例会で、これもまた、のがみ議員でございますけれども、代表質問で、大塚病院における女性医療のさらなる充実と女性が気軽に利用しやすい受診環境の整備を求め、昨年十月一日に名称も女性生涯医療外来としてリニューアルをしたところであります。
 そこで、初めに、このリニューアルした大塚病院の女性生涯医療外来の取り組みについて確認をさせていただきます。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 大塚病院では、従来の性差を考慮した女性特有の病気に対する専門医療のみならず、女性のライフスタイルの多様化に伴う新たなニーズにも対応するため、従来の女性専用外来を昨年十月一日から女性生涯医療外来として再構築し、複数の診療科や職種の緊密な連携のもとで運営しているところでございます。
 具体的には、女性医師による女性総合外来を初め、思春期成長外来や内視鏡外来など、さまざまな専門外来が緊密な連携のもとで、女性のライフステージに応じた幅広い疾患に対応しております。
 また、看護師などによる女性医療コンシェルジュを新たに導入し、受診に至らない段階から、若者や働く方なども含めたさまざまなライフスタイルの女性の不安等に寄り添いながら相談に応じ、各専門外来へつなぐとともに、患者さんの状況に応じた関係機関への橋渡しなど、ワンストップで切れ目なくサポートをしております。

○栗林委員 私たちが求めさせていただいたのは、まさに受診に至らない段階で相談ができるという、このワンストップの切れ目ないサポート、これが大変重要だと思っております。
 症状が悪化してからじゃないと、なかなか受診というのに至らないというケースが多い。そうでなくて、少し不調だけど、ちょっと不安だなと思ったときに相談に行ける、そういうワンストップのサポートになっているかと思います。
 昨年十月一日から新たな体制で運営を開始していただいておりますけれども、診療科や職種間、この連携体制を強化して幅広い疾患に対応するとともに、さまざまな相談に対応していただいている女性医療コンシェルジュ、こういったものを新たに導入するなど、機能強化を図っていただいていることは大変心強く感じる次第でございます。
 女性生涯医療外来へのリニューアルがされ、それに伴う周知活動によって利用者数がどのように変化したのか、その辺も大変気になるところでございます。
 そこで、従来の女性専用外来から現在の女性生涯医療外来に至るまでの診療実績と周知に向けた取り組みについて伺います。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 大塚病院では、平成十五年七月に女性専用外来を開始し、女性医師による女性のための専門外来として、女性特有の身体症状やストレスなどの心身の変調などを対象とした総合的な診療に加え、症状に応じて院内の専門医へつなぐ振り分け外来としての機能も有していました。
 開設当初は、神経科及び東洋医学の医師が外来を担当し、開設初年度の平成十五年度における受け入れ患者数は千五百三十九人、平成十七年度には過去最高の三千七十一人を受け入れました。
 その後は、神経科や産婦人科の医師が外来を担当するなど、院内体制を適宜変更しながら運営を継続する一方で、レディースクリニック等の増加により、女性専用外来が民間のクリニック等にも定着してきたことから、大塚病院の一昨年の受け入れ患者数は三名にまで減少しました。
 しかし、昨年度、女性生涯医療外来を開設するに当たり、昨年十二月に開催したTokyoヘルスケアサポーター養成講座で案内を行ったほか、ワイドコラボ協定を活用したチラシの配布、民間の病院情報サイトへの院長メッセージの掲載、院内公開講座でのPR、医療連携訪問時のチラシの配布、病院ホームページへの掲載等を行い、昨年度は十月一日以降、八百四十二名の受け入れを行いました。

○栗林委員 十五年という、その流れもあるかとは思いますが、当時三千名だったのが、やはり民間にも女性専用外来が整備されたことがあるとは思いますけれども、三名にまで減少した。しかし、この女性生涯医療外来を設置していただいたことがまた、三名だったのが八百四十二名ということで、時代のニーズに合う取り組みということがあらわれているのではないかと思います。
 先ほどお話にありました昨年十二月のTokyoヘルスケアサポーター養成講座、これは我が党のまつば多美子議員も参加されていまして、大塚病院の女性医師の講義が大変わかりやすかった、そしてまた、参加されていた都民の皆さんが非常に熱心に耳を傾けていたという、この講座を大変絶賛されていました。
 最初に女性専用外来を開設してから十五年以上が経過して、近年の受け入れ患者数は減少の一途をたどっていたところですけれども、現代の女性のニーズに合った運営体制に改善したことで、さまざまな悩みを抱える女性に敏感に反応していただいていることと思い、大変うれしく思っております。
 こうした悩みを抱える女性に寄り添う取り組みとして、私どもがとりわけ強く要望していたのは、これまで以上に利用しやすい受診環境を整えるために、紹介状、こういうものはなくていいのよという、紹介状なしでも、いつでもいらっしゃいという、そういう気軽に相談できるコンシェルジュ機能でございます。
 そこで、この女性医療コンシェルジュが対応した具体的な相談内容について伺います。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 再構築しました女性生涯医療外来では、ワンストップかつシームレスな医療の提供と診療に関するサポート体制を充実するため、女性医療コンシェルジュを設置しました。
 この女性医療コンシェルジュは看護職員が担当し、患者さんと女性生涯医療外来、患者支援センター、地域関係機関等との橋渡しを担うほか、女性患者のよろず相談にも対応しております。
 女性医療コンシェルジュが対応した相談は多岐にわたっており、生理不順や不正出血などの生理に関すること、産後の心身の不調、発汗、不眠、気分の落ち込み等の更年期に関する相談が顕著であったほか、他の医療機関では相談できずに大塚病院に相談したというケースもあり、設置当初の目的を果たしていると考えております。

○栗林委員 ありがとうございます。
 今、ご答弁いただいたよろず相談、これが大変大事だと思います。中には予期せぬ妊娠だとか性被害など等、性に関するこういう相談はハードルが高いんですね。でも、こういったところで聞いていただく、受けとめていただけるということは、それは大変重要な、若い女性が気軽に立ち寄れるワンストップ相談、大変期待するところでございます。
 大塚病院のコンシェルジュがさまざまな不安を抱えている女性にしっかりと寄り添い、求められる役割は大きいと思います。今後も引き続き、ニーズをしっかり把握しながら、的確な対応をしていただきますよう、期待をさせていただいております。よろしくお願いいたします。
 次に、病児、病後児保育について伺います。
 都立病院の病児、病後児保育ですけれども、今、開設をしていただいておりますが、やはり仕事と育児の両立にあって課題になることの一つとして、子供が病気になったときの対応が挙げられます。
 子供は急な発熱など、病気などで急に症状が悪化したりとか、でも、保護者はその日に、どうしても大事なプレゼンがあるとか、大事な契約があるとか、仕事を休めない、いざというときに頼れる人がいない、そういう場面を何度も経験して、その都度、仕事と子育てとの間で葛藤しながら苦労して、仕事と育児の両立を図られている方が多いと思います。
 こうしたときに、保護者にかわって病気の子供の看護と保育を行う病児、病後児保育は、働く保護者にとっては頼りがいがあり、心強い存在でもあり、これは必要不可欠な施設ではないかと思います。
 このような中、都立、公社病院では、病児、病後児保育を順次実施しており、これまで都立病院では墨東病院が、公社病院では多摩北部医療センターのほか、東部地域病院については、我が党の要望に応えて、平成三十一年二月から病児、病後児保育室を開設しているところでございます。
 そこで、この三病院における昨年度の病児、病後児保育の利用状況について伺います。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 墨東病院は、事業主体である墨田区から病児、病後児保育事業を受託し、平成二十八年二月に開設しました。開設当初の受け入れ定員は二名でしたが、墨田区からの要請に応え、平成二十九年十月からは四名に拡大して運営しています。令和元年度の利用実績は延べ利用者数が五百九人、利用率が五二・四%で、平成三十年度と比較すると、利用者数が十名、利用率が〇・八ポイントの減となっております。
 多摩北部医療センターは、事業主体である東村山市から病児、病後児保育事業を受託し、平成二十五年十一月に定員四名で開設しました。令和元年度の利用実績は延べ利用者数が三百五十七人、利用率が三七・二%で、平成三十年度と比較すると、利用者数が四十二名、利用率が三・七ポイントの減となっています。
 東部地域病院は、平成三十一年二月より足立区と葛飾区の連携のもと、葛飾区から事業を受託し、双方の病児を受け入れており定員は八名です。同様に、令和元年度の利用実績は延べ利用者数が五百三十二人、利用率が二七・七%で、平成三十年度と比較すると、利用者数が五百六名、利用率が一九・四ポイントの増となっており、令和元年度は一年を通した開設となったことで利用者数が増加をしています。

○栗林委員 都立病院、公社病院の病児、病後児保育が、地域に定着をしつつあるとともに、地域の保護者から頼られる存在になっていることがわかります。
 これは利用率を比較するものではありませんので、やっぱり子供が元気で、毎日保育園に登園することがうれしいことでありますけれども、こういった施設があるというだけで安心感は違ってきます。
 一方、昨今はコロナ禍の影響により、多様な働き方が広がり、在宅勤務により働きながら子供を自宅で養育するケースもふえつつあると思います。
 こうした中で、依然として通勤が必要な世帯には、引き続き、病児、病後児保育のニーズがあり、都内のさまざまな地域で病児、病後児保育を利用可能な体制整備に向けて、都立、公社病院はさらに貢献していくべきと考えます。
 そこで、今後の病児、病後児保育事業の具体的な展開について伺います。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 今般のコロナ禍の影響により、今年度は、病児、病後児保育の利用者が著しく減少しています。
 一方で、六歳未満の親族がいる世帯の家族類型を見ますと、平成二十七年の都の核家族世帯の割合は九四・八%であり、全国割合の八六・二%より高い状況です。
 さらに、同様に平成二十七年の都における末子が未就学前の家庭における共働きの割合は四一・八%で、全国割合の四八・五%と比較すると低い値になっていますが、平成十七年からの推移では年々増加傾向にあることから、今後もこうした社会情勢の変化を見きわめながら、病児、病後児保育ニーズに対応していく必要があります。
 こうした中、都立、公社病院においては、保育環境の充実に取り組む地元区市のニーズなどを踏まえ、小児科を標榜する病院において、病児、病後児保育を実施していくとしておりまして、現在は、地元区市から要望のあります駒込病院、小児総合医療センターにおいて、施設整備や運営に当たっての調整等を進めております。
 今後も地域のニーズを踏まえながら、都立、公社病院の資源を有効に活用してまいります。

○栗林委員 よろしくお願いいたします。そういう施設があるというだけで安心感を与えていただくことになりますので、着実な整備をお願いしたいと思います。
 最後に、依存症の医療について伺います。
 松沢病院における依存症医療について伺います。
 世界保健機構は、依存症について、精神に作用する化学物質の摂取や、快感、高揚感を伴う行為を繰り返し行った結果、さらに刺激を求め抑えがたい渇望が起こり、その刺激を追求する行為が第一優先となり、刺激がないと精神的、身体的に不快な症状を引き起こす状態と定義しています。これは、つじの委員に聞いた方がいいのかもしれませんけれども、そういうふうにWHOではいっています。
 こうした依存症には、アルコール、薬物、ギャンブル、近年ではゲーム依存などがあるといわれています。また、近年では、芸能人の薬物問題などをきっかけに大きく報道されることもふえてきています。
 厚労省によると、平成二十九年度における全国のアルコール依存症の入院、外来患者数は約十三万人、薬物依存症は約一万三千人、ギャンブル等依存症は約三千八百人で、いずれも右肩上がりに増加しています。
 このため、依存症について、家族や周りの人が正しい知識と理解を持ち、当事者を早目に治療や支援につなげることが非常に重要になってまいります。
 そこで、松沢病院で実施している依存症医療の具体的な内容について伺います。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都における精神科医療の拠点としての役割を担う松沢病院では、薬物、アルコール依存症などの精神科特殊医療について、急性期症状の対応から依存症の回復、社会復帰まで、地域医療機関と連携し、切れ目のない治療を提供しています。
 外来診療においては、薬物やアルコール依存症について、重症度や身体的、精神的な合併症の有無などを評価するとともに、治療計画を立て、必要に応じて入院治療や依存症デイケアを行っています。
 また、入院診療に当たっては、患者本人の同意に基づく任意入院のほか、同意がなくても、精神保健指定医が入院の必要性を認め、患者家族等が入院に同意した場合の医療保護入院の患者等を受け入れ、閉鎖病棟で幻覚や妄想などの急性期症状や身体管理を中心とした治療を行うとともに、薬物等の乱用防止のための入院にも対応しています。
 また、入院中に依存症デイケアへ体験参加していただくなど、退院に向けたきめ細かな支援も行っています。

○栗林委員 松沢病院は、都の精神科医療の拠点として、とりわけ重篤な症状の依存症患者の受け入れを担っているということはわかりました。
 しかしながら、病院からは重症ではないと診断され、入院の必要がないといわれた、でも家族からしてみると、もう毎日暴れる、だから入院して治療してほしいという、そういう要望もある、そうした方の対応は大変難しいんですね。
 こうした患者さんが依存症から、本当、回復していくことが一番大事なことであって、回復していくに当たって、同じ課題を持った人とのかかわりや専門的知識を持った医療スタッフによる支援を通じて依存症の再発を予防して、そして、その状態を継続できるようにする必要があり、このデイケアへの参加が非常に重要ではないかと思います。
 そこで、松沢病院における依存症デイケアの内容と家族支援の取り組みについて伺います。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 依存症は、患者本人の力だけでは回復が困難な病気であるため、松沢病院では、デイケアの参加者や病院職員が一体となって、同じ依存症からの回復を目指す仲間との交流のほか、生活リズムづくり、依存症に対する正確な知識の習得、飲まない、使わない生き方を身につけるための依存症デイケアを実施しております。
 具体的には、生活に関するテーマでグループディスカッションを行う生活ミーティングを初め、依存症の基本的な知識を得る基礎講座や、絵画、書道、各種スポーツなどの活動のほか、アルコール依存症回復者の体験談を聞くなど、さまざまなプログラムを通じて確実な回復へとつなげる取り組みを行っています。
 また、このほかにも、患者さんを支える家族が集まり、回復につながる対応方法のほか、不安や心配事などを共有し助言し合う依存症家族ミーティングを開催するなど、患者さんの社会復帰に向けたさまざまな支援を行っています。

○栗林委員 やはり依存症の回復は、病院での治療と、また障害福祉サービスによる依存症回復、そういった支援を使う、この両方の連携が重要だと思います。
 今、お話ございましたように、松沢病院内でも、さまざまなプログラムでデイケアをやっていただいたり、また家族会でのミーティング等もやっていただいているとは思いますが、まだまだ、そこにつながっていない方たちが大勢いらっしゃいます。
 私、依存症のギャンブル、アルコール、薬物、この依存症からの回復施設ということで、幾つかの施設も長年かけて見せていただいたり、ダルクさん、東京ではダルクという回復施設−−ここは、この間、三、四年ぐらい前ですけれども、周年行事があったときに行くと、日比谷公会堂いっぱいに皆さん集まられて、それで、エイサーを演奏して踊って、皆さん生き生きされていらっしゃるんですね。
 そういう支援の結果、そこまでいったという方だとか、また、奈良県にはワンネスというところがありまして、ここはマイナステンからプラステンということで、治療の共同メソッドをつくり、デイサービス、グループホーム、就労、あとピアサポート、やっぱりピアサポート、一番大事です、そういったところで多角的に展開をしております。
 私、いつも松沢病院にこれを提案してきたんですけれども、農福連携で、あれだけ敷地広いですから、ちょっと畑つくって、そこでお野菜とか果物とかつくって、それを販売したりとか−−また、あの中は森ですね、松沢病院の敷地内は、すてきな森です。あそこに森のカフェとかレストランつくって、パンを焼いたり、そこでとれたお野菜を使ってお料理を出したり等々、そういうのできないんですかというと、できないんですって、やっぱり。制約があるんですね、現行制度ではできないんですよ。
 これね、もう本当、もっともっといろんな方が回復に向けて頑張れるためには、この独法化ということが、これを乗り越える一つのきっかけになればと、私はすごく期待をしているところでございます。
 柔軟な対応で、地域との交流もできて、そして回復して就労につなげて、本当に地域ぐるみで理解が進むという、そのモデルとして、ぜひ松沢病院、期待しておりますので、よろしくお願いいたします。

○うすい委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後五時十三分休憩

   午後五時三十分開議
○うすい委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○藤田委員 都内での新型コロナ感染症対応は、ことし一月末から始まりました。今この瞬間も、リスクと背中合わせの中、都民のための医療を提供する最前線に従事している都立病院、公社病院の職員の皆様には、心から敬意を表するものです。
 私は、本日の質疑で、都立病院をさらに感染症医療に強い病院にしていく立場から質問いたします。
 都立病院は、明治初期に大流行したコレラやチフスなど、感染症の流行に伴い開設されました。以来百四十年にわたり、繰り返し流行する感染症に対して、都の医療政策の中心となって治療に当たってきたのが、都立病院、公社病院です。
 都内の病床に占める都立病院の病床、つまり入院するためのベッドですけれども、その割合はわずか四%であるのに対して、国から感染症の指定を受けている病床は、都立病院が都内全体の三四%、公社の荏原病院、豊島病院で三四%となっています。都民への感染症医療の中心は、都立病院、公社病院が担ってきたということになります。
 都立病院の感染症の歴史は実に百四十年にわたっていますので、感染症医療や対策についても高い専門性を有しています。
 ウイルスも、その個々の持つ特徴は変化し続けています。今回、大流行している新型コロナウイルスは、武漢で確認されて以降も変異を続けており、今までのウイルスにはない特徴を持っています。
 初めに、感染症対策の基本を伺いたいと思います。

○西川サービス推進部長 感染症は、病原体、感染経路及び宿主の三つの要因がそろうことにより感染するため、感染対策におきましては、これらの要因のうち一つでも取り除くことが重要でございます。
 また、病原体を持ち込まない、持ち出さない、広げないことが基本でございまして、特に感染経路を遮断することは、感染防止のためにも重要な対策となっております。
 さらに、感染源に触れないためには、手袋やマスク、ガウン等の個人防護具を適切に着用するとともに、手指消毒の遵守などの標準予防策が必要でございます。
 なお、感染が疑われる場合や感染が確認された場合には、感染者の早期発見、早期隔離により感染拡大を防ぐことが求められます。

○藤田委員 標準予防策は重要です。また、感染していることが症状によってわかる感染症であれば、症状が出てからの対応で感染拡大を防ぐことができます。しかし、新型コロナウイルスは、無症状の感染者が多いという特徴を持っています。
 都立病院での院内感染対策のうち、施設に持ち込ませない対策はどのように行ってきたのですか。

○西川サービス推進部長 院内にウイルスを持ち込ませない対策といたしましては、来院される方へのマスク着用のお願いや、入館時の手指消毒を実施するとともに、病院入り口において発熱の有無を確認し、発熱が確認された場合は動線を分離するなど、発熱がある者との接触が発生しないよう取り組んでおります。
 また、院内におきましては、座席の間隔をあけるなどのソーシャルディスタンスの確保や、窓口におけるビニールカーテンの設置のほか、入院患者への面会制限などの取り組みも実施しております。
 さらに、職員については、勤務前の検温等を実施するとともに、体調がすぐれない場合は勤務を控えさせるなど、さまざまな対策を講じております。

○藤田委員 さまざまな対策を講じているということですが、お答えになった対策は、患者や感染が疑われる方への対応という点でいうと、発熱などの症状がある場合には対応するというものです。
 一方、一般社団法人日本環境感染学会が五月七日に発表した医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応ガイド第三版には、ウイルスの特徴について、こう記述されています。
 新型コロナウイルスは、特に注意すべき点は無症候の感染者であっても他者に感染させてしまう可能性がある点です。そのため、何の症状もない人あるいは咽頭痛程度の人が周囲の人に感染させてしまう可能性があり、感染拡大の要因の一つになっているという内容です。
 また、「ダイヤモンド・プリンセス号」で患者を受け入れた自衛隊中央病院による追跡調査では、入院時に無症状だった陽性者は四一%でした。つまり、無症状である方が多いこと、無症状の方でも感染を広げるということが、この新型コロナウイルスの最大の特徴ということです。
 従来までの呼吸器感染症は、症状が強くあらわれている時期が感染力も強いということが多かったので、答弁でいわれたような発熱などの体調の変化があれば対応という方法でも間に合いましたけれども、新型コロナウイルス感染症では、従来の感染症対策ではウイルスの侵入を絶つことができないということです。現に、先ほど述べられたような対策をとっていても、この間、都立病院では複数の院内感染を起こしています。
 では、都立病院では、これまで何回、複数の陽性者が発生した院内感染が発生しましたか。また、その感染経路は、何割把握できているでしょうか。患者経由と職員経由ではどの程度なのか伺います。

○西川サービス推進部長 これまで都立病院内で患者や職員等に複数の感染者が確認されたケースといたしましては、本年四月に発生いたしました墨東病院、七月の小児総合医療センター、九月の駒込病院、同じく九月の広尾病院及び十月の駒込病院の計五回でございます。
 いずれのケースについても、感染経路は特定されておりません。

○藤田委員 いずれのケースも感染経路は未特定なんです。
 今おっしゃられた院内感染のケースは五回ですけれども、十月の駒込病院は現在進行形というか対応中でございますので、それまでの四回のケースについて、どのような状況だったのか詳しく見ていきたいと思います。
 行ったPCR検査は、四つのケースとも三桁に上り、患者さんや職員など合わせて千五百二十二人にPCR検査を実施しています。千五百二十二人中七十七人が陽性と診断されました。陽性率は五%です。
 陽性となった人のうち、約四割の二十九人が患者さん、約六割が職員等ということで、比率で見ると患者さんの方が少ないのですけれども、亡くなった方は、報道でわかる範囲では、いずれも患者さんでした。公表されている院内感染に関連して亡くなった患者さんは五名ということで、この人数で計算すると死亡率は一七・二%になります。
 全国の死亡率が一・七%なので、院内感染では十倍以上亡くなるリスクが高いということですから、いかに院内感染を防止するか、より効果的な対策を病院として行わなければならないということです。
 院内感染の発生は、医療体制にも影響してきます。
 駒込病院では、十月下旬に患者と職員の院内感染の発生がわかりました。患者さんは感染しているという疑いのない方だったために、多くの職員や患者さんが濃厚接触者となっています。濃厚接触者となった職員は、PCR検査で陰性だったとしても、後に陽性となるケースもあることから、最後に陽性者と接触した日から二週間は、自宅待機して健康観察を行うことになります。
 現在、駒込病院で自宅待機している職員は、どこの病棟のどの職種で何人になっていますか。また、各病棟に所属する看護師のうち、何人が自宅待機になっているのか伺います。

○西川サービス推進部長 十月に駒込病院におきまして複数の感染者が確認されたことに伴い自宅待機となっている職員は、二つの一般病棟の看護師三十八名と、陽性が判明した患者の治療等に関係した医師十二名、看護師十名、診療放射線技師十名、臨床工学技士四名、薬剤師二名、リハビリ職員二名及び委託職員七名の計八十五名でございます。
 また、三十八名の看護師が自宅待機となっている二つの一般病棟につきまして、配置されている看護師のうち待機となっているのは、一方の病棟では二十一名中二十一名全員、もう一方の病棟では二十四名中十七名となっております。

○藤田委員 現在、駒込病院では合計八十五名の職員が自宅待機となっていて、一つの病棟では看護師が全員自宅待機となっている状況です。
 それらの職員が自宅待機となったことで、看護師ではどのような対応を行っているのですか。制限している診療科などはどのように対応しているのか伺います。

○西川サービス推進部長 感染管理のため、新規入院患者の受け入れを停止している二つの病棟につきましては、現在入院中の患者のケアのため、他の病棟の看護師の応援により運営を行っております。
 また、自宅待機している十二名の医師のうち七名が外来を担当しており、これらの医師が実施している内科系の一部の外来を現在休止しております。

○藤田委員 クラスターの発生によって、通常の医療機能も縮小せざるを得なくなるということです。
 駒込病院では、昨日も自宅待機中の職員が発熱して陽性が判明したということで、今後新たに濃厚接触者として自宅待機となる職員がふえる可能性があります。それに伴う診療への影響も懸念されるところです。
 また、墨東病院は、区東部医療圏で唯一の三次救急指定医療機関であり、さらに周産期医療、精神科救急医療のセンター的機能などにも対応する地域中核病院です。
 その墨東病院では、四月に発生したクラスターによって、約四週間の間、救命救急センターの受け入れ中止、ER、周産期、小児救急患者の受け入れ制限をせざるを得ない事態が発生しました。墨東病院の場合も、救命救急センターの多数の職員が新型コロナ感染症患者の濃厚接触者と判明し、自宅待機となったためです。
 通常行っている医療が体制の問題で縮小することは、できるだけ避けるべきだと思いますが、いかがですか。

○うすい委員長 どなたでしょう。

○谷田経営企画部長 通常診療への影響でございますけれども、最小限に抑えることは当然のことであると認識しております。

○藤田委員 通常診療への影響を最小限に抑えることは当然のことであるという認識ですが、答弁としても当然の答弁だと思います。であるならば、多数の濃厚接触者が自宅待機となるような院内感染を起こさないということは重要でして、これまで都立病院で発生した院内感染の教訓からも対策を検討するべきです。
 これまで都立病院内にて院内感染に関係して行ったPCR検査のうち、無症状と有症状はそれぞれ何件で、そのうち陽性者はそれぞれ何件でしたか。

○西川サービス推進部長 先ほどお答えした駒込病院を含む五回のケースについてでございますけれども、感染拡大防止の観点から、症状の有無にかかわらず、感染の発生状況や感染者との接触の程度に着目して検査を行っているものでございまして、無症状と有症状とに区分して検査結果を管理しているものではございません。
 なお、五回のケースに関係したPCR検査の全件数は、現時点で患者と職員全員合計で千六百三十六件でございまして、そのうち陽性の件数は八十四件でございます。
 また、陽性者のうち、患者を除く職員など五十一名について見ますと、有症状者が二十名、無症状者が三十一名でございます。

○藤田委員 都立病院内で発生した院内感染に関係して行ったPCR検査では、陽性者の約六割が無症状ということになります。病院経営本部のホームページを見ますと、濃厚接触者ではなかった方も後に陽性となっていますので、やはり国の指針どおり、陽性者が発生した場合には、濃厚接触者にかかわらず、幅広く検査を実施する必要があるということです。
 さらには、いつウイルスを持ち込んでいるのかが極めて、極めてわかりにくいのが新型コロナウイルスの特徴なので、陽性者がいなくても無症状の方への幅広い検査を行うなど、より一層のウイルスを持ち込まない対策が必要です。
 それでは、各病院で無症状者への検査はどのようなものが行われていますか。また、その意義は何ですか。

○西川サービス推進部長 院内において感染者が確認された場合は、感染の発生状況等を踏まえて、症状の有無にかかわらず、接触者に対して検査を行い、新たな感染者の早期発見、早期隔離を行うことにより感染拡大の防止を図っております。
 病院においては、手術のときの麻酔に伴う気管内挿管等の処置の際にはエアロゾル感染が発生するおそれがあり、無症状であっても、手術を予定している患者さんに対して、必要に応じてPCR検査を実施しております。
 このほか、患者さんへの問診等を通じて医師が必要と判断した場合にも検査を行っております。

○藤田委員 手術前などの場合は無症状であっても検査を行うということです。医師が必要と判断した場合も検査ということですが、いずれも診療報酬上認められている行政検査ですので、当然のことです。
 大学病院などの大病院では、これに加えて、ほかの病院から転院してくる方、新たに入院する方、救急外来での医療行為が必要な方などに対して、積極的にPCR検査などを行っている病院もあります。
 今回、駒込病院で陽性が確認された患者さんは、ほかの病院から転院してきた方だったと報道でも書いてあります。そうしたことからも、やはり院内感染が命に直結するからこそ、こうした幅広い検査が、ほかの病院では行われているということです。
 新たな感染者を早期発見、早期隔離して感染拡大を防止するというのであれば、新型コロナウイルスを院内に持ち込まない対策を徹底して行うべきです。
 院内感染を防止するためには、新たに入院する患者へのPCR検査が有効だと思いますが、いかがですか。

○西川サービス推進部長 新たに入院する患者さんへのPCR検査の実施につきましては、手術予定の患者さんのほか、入院時に感染を疑わせる症状があるなどの場合におきまして、医師が必要と判断した上で検査を実施しております。
 PCR検査につきましては、検査の精度が一〇〇%ではなく、仮に偽陽性となった場合は、本来必要としていた患者さんへの治療がおくれたり、また、患者さんの症状によっては、検査のために不必要な負担をおかけすることもございます。
 こうしたことから、総合的に勘案し、新たに入院する患者さんに対して一律には検査を実施せず、医師の判断のもとで行うこととしているものでございます。

○藤田委員 そもそもPCR検査は、ごく微量のDNAサンプルから、酵素の働きで対象となるDNAを増幅させて分析するもので、少量のものを検出、感知するという点で感度は非常に高いと群星沖縄臨床研修センター長の徳田安春さんは述べています。検体中にウイルスが存在すれば、ごく少量でも一〇〇%に近い確率で検知可能という意味で、非常に感度は高いのです。PCR検査は、感染していない人を感染者と間違って判定する偽陽性の確率も非常に低いということです。
 一方で、肺や気管支の肺胞、細胞、消化管や腎臓、鼻の神経など、身体の中の細胞のどこかにウイルスがいれば、その人は感染しているということになるのですが、そのときとった唾液や咽頭液にウイルスがいなければ、PCR検査をしても、確かに陽性にはなりません。PCR陰性でも感染しているということは起こり得ることです。
 しかし、無症状の方が感染力を持つかどうかは、唾液や咽頭液にウイルスがいるかどうかが決定的なんです。したがって、無症状者の唾液にウイルスがいるかどうかの検査感度は防疫目的で検査をする場合には問題で、そう考えたときの感度は、PCR検査は一〇〇%に近いということです。こうしたPCR検査の特徴からも、院内感染を防ぐ観点でのPCR検査を積極的に行うべきです。
 医療従事者は、自身が感染しないように細心の注意を払って生活していますが、新規陽性者の四割が同居する人からの感染という状況から見ると、職員などでも、院内にウイルスを持ち込む可能性は十分にあり得ます。
 院内へのウイルス持ち込みを防止するためには、職員への定期的なPCR検査の実施が有効と考えますが、いかがですか。

○西川サービス推進部長 職員のPCR検査につきましては、職員が発熱などの体調不良を示した場合に、医師の判断のもと、速やかに自宅待機や受診などをさせるとともに、必要に応じて検査を実施しております。
 このように、職員に対しましても、医師等の判断により必要なときに必要な検査を実施することで職員の感染の有無を確認し、感染防止を図るとともに、診療機能の維持に努めております。

○藤田委員 国の九月十五日の通知では、特に医療機関、高齢者施設等の入所者は重症化リスクが高いことから、施設内感染対策の強化が重要とした上で、感染者が多数発生している地域やクラスターが発生している地域においては、その期間、医療機関、高齢者施設等に勤務する者、入院、入所者全員を対象に、いわば一斉、定期的な検査の実施を行うようお願いしたいと記載されています。つまり、市中感染が広がっている状況を見て、一斉、定期的な検査の実施を呼びかけているわけです。
 都内の新規陽性者数は高どまりとなっていますし、同居する人からの感染が四割を超えていたり、さまざまな場面での感染が散発していると十一月五日の都のモニタリング会議のコメントでも述べられているように、市中感染が広がっているのは明らかです。
 さらに、モニタリング会議のコメントでは、複数の病院、高齢者施設などでクラスターが発生したことを挙げて、高齢者施設や医療施設における施設内感染等への厳重な警戒が必要であると述べています。
 厳重な警戒ということでは、無症状の感染者を早期に発見するためのPCR検査をぜひとも実施していただきたいと思います。
 症状のある患者や職員への早期対応だけでなく、無症状者を見つけるPCR検査を実施する方がウイルスの持ち込みを早期に発見できると思いますが、いかがですか。

○西川サービス推進部長 都立病院において無症状者に対してPCR検査を実施する例といたしましては、院内の同一の場所で感染者が複数確認されている場合や、院内、院外を問わず、感染者との接触があった場合などでございます。
 感染を疑わせる症状がある場合におきましても、無症状の場合であっても、いずれも医師が必要と判断し検査を実施しているものでございまして、その目的は、感染者の早期発見と早期隔離により感染拡大を防止するためのものでございます。

○藤田委員 感染者の早期発見と早期隔離による感染拡大の防止が目的というのであれば、症状のない感染者でも早期に発見できるのがPCR検査です。院内感染防止対策のためのPCR検査は、患者一人一人が感染しているかどうかの診断をすることが目的ではなく、院内で感染症の発生や流行を防ぐという防疫が目的で行うものだということを指摘しておきます。
 第三回定例会では、高齢者施設等で働く職員や利用者などへのスクリーニング目的のPCR検査が実施できる補正予算が議決されました。
 十一月五日のモニタリング会議のコメントでは、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、病院等、重症化リスクの高い施設や訪問看護等において、無症状や症状の乏しい職員を発端とした感染が見られており、高齢者施設や医療施設における施設内感染等への厳重な警戒が必要であると述べられています。
 施設内感染等への厳重な警戒とは、まさにウイルスを持ち込ませないことであり、陽性者をより早期に発見するためには、PCR検査の実施が有効です。
 ウイルスは見えませんし、新型コロナウイルス感染症は症状がない陽性者が感染を広げるという特徴がありますから、ぜひとも、都立病院、そして公社病院でもスクリーニング目的のPCR検査を実施していただくよう要望いたします。
 新型コロナ感染症では、患者が軽症であっても、手指や環境の消毒、防護服などの着脱、動線の分離など、安全に対応するためには、通常よりも大幅に時間が必要となります。そのため、備蓄などのハード面と人員などのソフトの面での体制整備が必要です。
 私たち日本共産党都議団は、五月に多摩総合医療センターに視察に行かせていただきました。その際、看護部長は、新型コロナ専用病棟での夜間の対応が厳しくなったことを受けて、通常三人で行っている夜勤を五人にふやしたと話していました。
 多摩総合医療センターでは、最高で幾つの病棟を新型コロナ専用病棟にしましたか。また、その運用のために幾つの病棟の看護師を動員したのか伺います。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 多摩総合医療センターにおきましては、最大五病棟で新型コロナウイルス感染症関連の患者さんを受け入れ、うち二病棟は新型コロナウイルス感染症関連の専用病棟として運営しました。
 また、二つの専用病棟の運営に必要な看護師は、別の一つの病棟から配置する必要が生じたため、当該病棟を休止しました。

○藤田委員 多摩総合医療センターでは、五つの病棟にもともと配属されている看護師の数では、病状が急変しやすい新型コロナ感染症患者への対応が厳しくなって、一つの病棟を休止するという決断をしてきました。
 感染症医療では今回のような想定外の対応が各地で行われてきたわけですが、こうした緊急事態においても、都立病院にしか提供できない医療を確実に行うという任務もあるため、日ごろからゆとりを持った人員体制にしていることは重要だと思います。
 それでは、看護師の定数はどのように決めているのか伺います。

○谷田経営企画部長 職員の定数につきましては、東京都職員定数条例により定められ、毎年度の要求、調整を経て、改正条例の議決により次年度の定数が決定されます。
 病院経営本部では、看護配置基準に基づき、各病院の機能強化や医療環境の変化に応じ、総務局へ看護師の定数要求を実施しております。

○藤田委員 基本的な考え方は看護配置基準によるということですから、それにどの程度ふやすかというところでは、やはり医療政策によるものだと思います。基本的には、都立病院の看護師の定数の考え方は、ほかの医療機関と同様ということです。
 都立病院新改革実行プラン二〇一八には、新型インフルエンザ流行時の対応力を強化することについて記載されていますが、病棟単位で感染症患者への対応が求められる事態やクラスター発生などの緊急事態への対応はどのようになっているのですか。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都立病院新改革実行プラン二〇一八におきましては、感染症医療を行政的医療として位置づけ、新型インフルエンザ流行時に備えた訓練の実施や資器材の充実を初め、感染患者や疑い患者へ適切に医療を提供していくこととしています。
 一方、今般の新型コロナウイルス感染症の拡大に当たっては、感染症指定医療機関の都立駒込、墨東、公社荏原、豊島の四病院のみならず、全ての都立、公社病院において、現在、合計八百床の病床を確保しており、最大千床の確保を可能としています。
 今後も、感染拡大状況に応じ、通常診療への影響を最小限に抑えながら、広く内科系や外科系診療科もあわせた総合的な診療体制を再構築して、病院ごとに必要な体制を整備するとともに、都からの病床確保要請に対応することで、都民に求められる医療を確実に提供していきます。

○藤田委員 感染拡大の状況に応じて、新型コロナ専用病床を確保する中でも、都民に求められる医療を確実に提供するということでした。
 実際には、通常行ってきた診療を制限せざるを得ませんが、その際も、平時からの人員体制によって、診療への影響の度合いが変わってきます。答弁では体制について触れていませんでしたけれども、都民に求められる医療も継続して提供できるゆとりを持つべきと考えます。
 さらに、旧府中療育センターを改修して運用する新型コロナ専用病院の開設が間近に迫っていますが、職員をどのように確保するのか示してください。

○谷田経営企画部長 都民が必要とする医療を提供できるよう、都立病院、公社病院全体で、専用医療施設の運営が可能な体制を確保してまいります。

○藤田委員 八月に示された新型コロナ専用医療施設は、最大で百人の患者の受け入れができるよう整備しています。都立病院で確保している看護師は施設基準に基づいたものですので、都立病院、公社病院全体から確保するということになると、それぞれ、職員を応援に出す側でも、何らかの制限や夜勤回数の増加など、職員の負担がふえる可能性があります。
 ゆとりのない看護体制では、いざというときに必要な医療の制限につながることから、平時からの増員が必要と考えますが、いかがですか。

○谷田経営企画部長 病院経営本部では、看護配置基準に基づきまして、各病院の機能強化や医療環境の変化に応じ、適正に配置しております。

○藤田委員 増員の必要性については、否定はされておりませんし、先ほどの前の答弁のときにも、看護師の配置基準が基本ではあるとしながらも、やはり今、求められている医療政策に対してどのぐらい必要数があるのかどうかを考える、そういったことは、病院経営本部についても責任があるというところだと思います。
 増員の必要性については答えられませんでしたけれども、職員の定数条例に基づいてということであれば、定数の考え方を見直す必要があります。具体的には、今の配置基準を基本とした考え方ではなく、いざというときにも都民に必要な医療が提供できるよう、ゆとりある体制へ強化するということです。
 これから冬に向けて、インフルエンザと新型コロナウイルスの同時流行に備えた体制整備が求められています。確保した人が職場や業務になれる時間などを考えれば、早急に増員を図るべきですし、そのためには、この間の新型コロナ感染症が流行する中での都立病院の対応を踏まえて、病院経営本部自身が都の医療政策の推進に必要な体制を示すことが必要です。都立病院の人員体制の強化を積極的に図っていただくことを求めておきます。
 最後に、小児総合医療センターに入院する際の重症心身障害児へのケアの充実について質問いたします。
 東京都肢体不自由特別支援学校PTA連合会からの要望では、小児総合医療センターにある入浴施設に物理的な課題があるということから、二週間の入院中に、シャワー浴を含めて一度も入浴の機会を持つことができなかったというお話を伺いました。
 小児総合医療センターにおいて、重症心身障害児がどの病棟に入院しても入浴の機会が持てることが必要と考えますが、いかがですか。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 小児総合医療センターでは、重症心身障害児が入院できる病棟を九病棟設置しています。
 入浴施設については、全病棟でシャワーを設置しているほか、子供が寝たままの姿勢で入浴可能なシンクを一病棟、ストレッチャーのまま入浴が可能な介助浴槽をほかの一病棟に設置しています。
 入浴に当たっては、患者さんの当日の状態や入浴施設の使用状況を確認しながら調整を行っており、今後も効率的な運用を図ることで入浴機会を確保していきます。

○藤田委員 小児総合医療センターでは、神経系の疾患の方が主に入院する病棟の中に、答弁にあったストレッチャーのまま入浴が可能な介助浴槽があります。重症心身障害児の方が入院できる病棟は九つあるということですが、病棟間を移動することは許可されていないため、ほかの病棟に入院した場合は、介助浴槽を利用できません。
 繰り返し入院したことのある方のご家族に、詳しくお話を伺いました。お話によると、子供が寝たままの姿勢で入浴可能なシンクというのは、よく厨房にあるようなステンレス製のもので、赤ちゃんの沐浴というイメージのものです。そのために、体の大きさでいうと、二、三歳くらいまでしか入浴することができないということでした。
 全ての病棟に設置されているシャワー浴というものは、浴槽のあるユニットバスで、体を洗うスペースにはストレッチャーの半分までしか入ることができません。そのため、体の半分を洗ったら、一回体をふいて、ストレッチャーの向きを変えて再び半分を洗う、このような対応をしているということです。入り口の扉もあけたままになるので、体が温まるようなシャワー浴にはならないということです。
 本来、入浴は、皮膚の清潔という目的だけでなく、血行を促し、心身を温めてリラックスをさせる効果を期待した行為です。病状によっては、体の緊張がほぐれ、その後のリハビリや排たん、たんを出しやすくするという効果にもつながります。
 重症心身障害児の方は、胸郭、胸の骨の変形や寝たままの姿勢が長いという状況もありますから、気道の粘膜から出る分泌物が背中側の肺にたまりやすいので、入浴中の蒸気によって、たんをやわらかくして出しやすくするという効果もあります。
 しかし、小児総合医療センターのシャワー浴の施設は、扉を閉めることができない状況でストレッチャー浴をしなければなりませんので、浴室の保温や蒸気をためることが十分できません。こうした環境では、入浴にさまざまなプラスの効果があるとしても、この状況では期待できません。
 入院する病棟によって清潔ケアの質に差が生じることのない施設の整備が必要です。病棟内のスペースには限りがあるとは思いますが、あらゆる可能性を考慮して新たに検討していただきたいと思います。
 小児総合医療センターにおいて、重症心身障害児がどの病棟に入院しても、質のよい入浴の機会が持てるように改善をしていただくよう要望いたしまして、質問を終わります。

○鳥居委員 それでは、質疑をさせていただきますが、既に重複します質疑内容につきましては、一部割愛ないしは要望のみ述べさせていただきます。
 まずは、都立病院の魅力の向上について質疑をさせていただきます。
 少子高齢化の急速な進行や国の医療制度改革など、医療をめぐる環境が大きく変化する中、都は、運営している八つの都立病院ではその存在意義を示すためにも、患者様が必要とする医療提供を行う必要があります。常に新たな医療技術を更新することで、新陳代謝をよくして技術の陳腐化を防止すること、また、その技術を支える専門人材の探求心や知識欲を満たすことで、常に高いポテンシャルを保つ組織づくりが重要と考えます。
 持続的に発展している組織には、人、物、金、知識や技術が集まる好循環が生まれ、顧客にとっても従業員にとっても、さらに魅力的な組織へと成長していくと考えます。
 そこで、都立病院の魅力を向上させる取り組みについて伺います。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都立病院はこれまで、施設、設備の整備や人材の確保、育成、関係機関との連携体制の構築などを通じて、都が直面する医療課題に確実に対応するとともに、複雑化、多様化するニーズにマッチしたサービスをタイムリーに提供していく患者中心の医療を長年にわたり実践してきました。
 都立病院は、こうした取り組みをさらに推進していくため、平成三十年三月には都立病院新改革実行プラン二〇一八を策定し、災害医療や感染症医療など都の医療のセーフティーネットとしての役割を果たすための行政的医療の安定的かつ継続的な提供と、地域医療構想の実現に向けた地域医療の充実への貢献といった医療の変革の過渡期に対応していくための二つの役割を担っていくこととしました。
 また、この実行プランは、二〇一八年度から二〇二三年度までの六年間を計画期間とする一方、病院を取り巻く急速な環境変化に対応するため、本計画を推進する具体的な実施計画を情勢変化に応じてアップデートすることで、サステーナブルな病院運営体制の構築を目指しています。
 こうした取り組みが、都立病院の魅力をさらに向上させるとともに、都民に選ばれる病院となることにもつながると認識しております。

○鳥居委員 お示しいただきましたとおり、都民に選ばれ、存在意義を示すためにも、都立病院の果たす役割の一つは行政的医療の提供であり、行政的医療を提供するためには高度な技術の蓄積が必要です。その行政的医療を安定的、継続的に提供するためには、常に高度で先駆的な医療技術を蓄積する必要があると考えます。
 そして、その技術を地域医療機関や患者様へ還元し、医療分野に貢献するためには、常に最新の医療技術や知見を有するリサーチマインドを持った人材を育成していくことが重要と考えます。
 そのような中、都立病院では、最新の医療技術や知見を習得し、みずからの研究成果を対外的に発表できるよう、国内や海外の学会に参加するための費用や服務上の支援を行い、また、東京医師アカデミーでは、臨床研究発表会を毎年度開催し、シニアレジデントが研究の成果を発表し、研さんできる機会を設けて、リサーチマインドを持った若手医師の育成に努められております。
 引き続き、都立、公社病院のスケールメリットと豊富な症例を生かし、専門人材の探求心や知識欲を満たすカリキュラムを実施いただき、将来の都立病院の中核を担う人材の育成を期待しております。
 次に、総合診療専門医について伺います。
 近年、患者を総合的に診られる医師を育成するために、日本専門医機構では、新たな専門医制度において、内科、外科、小児科などと並び、十九の基本領域の一つとして、総合診療専門医が新設されました。
 高齢者人口の増加に伴い、複数の疾病を有する患者も増加していくと考えられており、そのような状況下では、これまでのように特定の臓器や疾病のスペシャリストとしての医師のみでは対応が難しく、患者を総合的に診られる医師が求められております。
 例えば、総合診療専門医が診療所などで幅広い疾病の治療に当たったり、病院でもERでの初期対応や総合診療科での診療、臓器別の専門医へのつなぎ役や専門治療が必要なくなった患者への対応を行うことで、患者に合った質の高い医療を効率的に提供することができると考えます。
 そこで、都立病院での総合診療専門医育成の取り組みについて伺います。

○谷田経営企画部長 都立病院では、東京医師アカデミーにおいて新専門医制度が開始された平成三十年度から、広尾病院、駒込病院、墨東病院、多摩総合医療センターで総合診療専門医を取得するためのコースを設置いたしました。
 幅広い領域の疾病に対して適切な初期対応ができる能力や、在宅医療や高齢者ケア等、多様な医療サービスを包括的に提供できる能力を身につけられるよう、内科や小児科、救急科、総合診療科での診療や、診療所、中小病院でも研修を行うプログラムとしております。
 具体的には、内科や総合診療科、小児科では、日常的に診察する機会の多い疾患の診療に当たるほか、救急科では、重症患者の初期対応を初めとする救急処置や外傷治療、超音波やCT、MRIなどの各種検査を経験し、診療所や中小病院では、高齢患者への診療や健康管理、在宅医療などの地域医療を学んでおります。
 これまで多摩総合医療センターで三名、広尾病院で二名のレジデントを採用し、現在も全員が研修を継続しており、来年度も多摩総合医療センターで新たに二名が研修を開始する予定でございます。

○鳥居委員 新専門医制度が開始された平成三十年度から、四つの都立病院で東京医師アカデミーにおけるコースを設置されたとのことで、適切に対応されていることがわかりました。
 今後、その需要の拡大状況やカリキュラム内容の質の改善に留意いただき、オンタイムな人材育成に取り組んでいただきたいと思います。
 次ですが、がん医療について、既に細田理事からもご質疑がございましたが、一部整理しながら質疑させていただきます。
 がんにおきましては、日本の国民二人に一人が罹患、三人に一人が亡くなられるという状況でございます。一方、がんの原因も解明されつつあり、例えば細菌やウイルスの感染症に対しては、適切なワクチンを接種することで予防ができます。また、検診等により早期発見、そして早期治療を行うことで、七割、八割の疾患が治るともされております。
 このように、がん医療の進歩は目覚ましい中で、都立病院が新たな技術を応用できるポテンシャルを維持し、患者が適切な医療を安全に受けられる環境整備が重要です。
 駒込病院では、二〇一八年にがんゲノム医療連携病院として指定され、そして、二〇一九年にはがんゲノム医療拠点病院の指定を受けております。既に質疑がありました新規性があり有益性のある、がんゲノム医療、これを行うことができる、すなわち技術の進歩に伴い、新たな技術を導入している、都のがん医療を牽引するポテンシャルを引き続き維持していただきたいと思います。
 このような中で、近年、注目を浴びているのがAYA世代のがんでございます。二〇一七年度の第三期がん対策推進基本計画に記載されたライフステージに応じたがん対策により、ようやく国を挙げて診療連携体制の構築や相談体制の強化などについて具体的な対策を進めることになりました。
 国立がん研究センターの報告によると、二〇一七年に新たにがんと診断された患者数約九十八万人中、AYA世代のがん患者数は約三万人と少ないことから、標準治療が確立していない希少疾患も多いとされます。このような新たな疾患に対し、都立病院として、しっかりと連携し新たな知見を蓄積し解決へと導くことが肝要と考えます。
 そこでまず、都立病院におけるAYA世代がんの診療、そして、連携体制について伺います。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 AYA世代がんの診療に当たりましては、小児及び成人専門の医師、看護師を初め、さまざまな職種が連携して診療を行うことが非常に重要でございます。
 また、患者さんは、中学生、社会人、子育て世代とライフステージが大きく変化する年代であり、患者さん一人一人のニーズに合わせた支援が必要です。
 こうしたAYA世代がん患者の特性に対応するため、小児総合医療センターと多摩総合医療センターにおいては、同じキャンパス内に所在する強みを生かし、合同カンファレンスの開催やAYA世代がんの基礎知識や症例検討に関する研修会の開催など、AYA世代がん患者の診療連携体制の構築に取り組んでおります。
 また、小児総合医療センターでは、成人診療科への転科、転院を控えた子供の自立支援を行うため、移行期外来を設置して移行期医療を推進しています。
 さらに、AYA世代がん患者同士の交流会を開催するなど、患者さんのニーズに合わせたさまざまな取り組みを行っております。

○鳥居委員 AYA世代の認知度が低いこと、また、ケースが少なく疾患構成が多様なため、医療従事者の診療経験が蓄積されにくいなどの課題がある中で、知見の蓄積と共有は重要です。引き続き、この課題に対して積極的に対応していただきたいと考えます。
 次に、がんの治療を開始すると妊娠のしやすさ、いわゆる妊孕性が失われる可能性があり、AYA世代のがん疾患患者が抱える大きな悩みの一つとなっております。
 こうした妊孕性の温存に関しては、既に質疑がございましたので割愛させていただき、要望といたしましては、このような妊孕性温存に対しては、患者のニーズのみならず家族や社会全体の課題として捉え、引き続き支援体制整備に努めていただきたいと考えます。
 次に、就労支援についてでございますが、二〇一六年、国の改正がん対策基本法では、第八条に事業主の責務として、事業主は、がん患者の雇用の継続等に配慮するように努めるとともに、国及び地方公共団体が講ずるがん対策に協力するよう努めるものとすると定められております。
 また、厚生労働省によると、がん患者の約三人に一人は、二十代から六十代でがんに罹患し、仕事を持ちながら通院している方が多くいるとした一方、がんと診断を受けて退職、廃業した人は就労者の一九・八%、そのうち、初回治療までに退職、廃業した人は五六・八%となっており、診断時から治療と仕事の両立についても気軽に相談できる体制づくりが必要としております。
 そこで、都立病院では、治療と仕事の両立を希望される患者を支援するためにどのように取り組まれているのかを伺います。

○西川サービス推進部長 都立病院におきましては、駒込病院が都道府県がん診療連携拠点病院に、そして、墨東病院及び多摩総合医療センターが地域がん診療連携拠点病院に、また、小児総合医療センターは小児がん拠点病院に指定されておりまして、AYA世代も含めて多くのがん患者さんの治療に当たっております。
 とりわけ、働く世代に当たる患者さんは、がんと診断されたときから病気に対する不安に加えまして、仕事の継続に関する心配や、それに伴う経済的問題も抱えることになり、治療と仕事の両立を支援することは重要であると認識しております。
 このため、各都立病院では、医療ソーシャルワーカーを中心に、がんも含めてさまざまな病気で治療を受ける患者さんや、そのご家族からの就労継続に関する相談に対応しておりまして、相談では、患者さんが病気の治療の内容、また、仕事をする上で必要な配慮などを職場にわかりやすく伝えるための助言などを行っております。
 一方、病気に伴う休暇や休職などの就業規則や、病気などで休業中に支給される傷病手当金の申請などに関する相談では、病院職員に専門的な知識や情報が不足しているといった課題もございます。
 こうしたことから、がんを初めとする患者の就労継続を支援するため、令和元年度から全ての都立病院におきまして、労働法規や社会保険制度に関する専門的知見を有する社会保険労務士を活用いたしまして、治療と仕事の両立支援相談を導入し、AYA世代も含めた患者さんへの支援体制の強化を図っております。

○鳥居委員 引き続き、都立病院全体で治療と仕事の両立支援相談の体制強化に努めていただきますようお願いいたします。
 最後に、認知症患者の家族支援について伺います。
 六十五歳以上の認知症高齢者数と有病率の将来推計を行った平成二十六年度の厚生労働省特別研究事業によると、二〇一二年の認知症高齢者数は約四百六十二万人で、有病率は七人に一人の割合となっておりますが、二〇二五年には七百万人、五人に一人まで増加すると試算されております。
 認知症の六七・六%を占めるとされるアルツハイマー病は、一度罹患しますと根本的な治療法がない難治病であり、患者ご本人の不自由に加えて、身内や介護士など介護にかかわる人材の負担も長期にわたり大きくなるため、より本質的な改善も視野に入れながら、きめ細かな対応が重要と考えられております。
 そこで、地域拠点型認知症疾患医療センターとして、また、地域連携型認知症疾患医療センターとして専門性の高い医療を提供し、研修や講習会により地域医療従事者への技術共有や、患者を支え、そして都の認知症医療を牽引しております松沢病院における認知症患者の家族を支援する取り組みについて伺います。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 松沢病院では、医師、看護師、精神保健福祉士、心理士等のさまざまな職種で構成される社会復帰支援室を設置しており、電話、面談等による専門医療相談を実施しております。
 そのほかにも、認知症の患者さんを介護している家族や支援者を対象として、病院への受診方法、患者さんへの対応方法、介護や経済的な問題等に関する物忘れよろず相談の実施や、認知症の一般医学情報、対応方法、社会資源等について情報提供する物忘れ家族教室を開催するなど、多種多様な相談に対応しています。
 さらには、認知症の疑いがあっても受診を拒む方が少なくないため、こうした方への対応に苦慮している家族の相談に対して認知症家族相談を実施し、家族からの話に基づき認知症専門医がアドバイスを行っています。
 今後も、認知症患者を支える家族等に対してきめ細やかな支援を提供していきます。

○鳥居委員 さまざまな取り組みをお示しいただきました。介護家族は、認知症の二人目の患者といわれており、その支援は医療の重要な役割とされております。介護量を減らすための支援や、心理面の負担を軽減するためのサポートなど、引き続ききめ細かな支援を提供いただきますようお願いいたします。
 都立病院では、高度で先駆的な医療の提供を行い、医療分野の牽引役としての役割を担っております。がん医療には拠点となる病院があり、例えば駒込病院は、がんゲノム医療拠点病院として、その専門性を発揮し多くの患者様に医療貢献を行っております。
 医療技術を向上させ、患者様が必要とする新たな医療提供を行うことにより地域の医療水準を高め、患者様への満足度を向上させることにより、都民に選ばれる病院になれると考えます。
 おのおのの病院が有する特徴的ですぐれた分野をさらに伸ばす取り組みを怠らず、また、新たに生み出された都立、公社病院の持つ多様な特徴を都民にお伝えする広報にも力を入れることを留意いただき、都民の理解を得つつ、都立病院が持続的な発展を実現いただくことを希望しまして、質疑を終わります。

○もり委員 本日は、最後の質問ですので、地元の公社荏原病院に話題を絞って質問させていただきます。
 地域医療構想の実現に向けては、都立病院、公社病院と地域の医療機関が連携しながら、都民の命と健康を守るための医療提供体制の構築が求められております。公社病院は、地域における中核病院として、地域の医療機関と機能分担と連携を図りながら、地域住民が必要とする医療サービスを提供する役割を担っています。
 また、各病院はそれぞれの専門性を生かし、精神科医療、感染症医療などの行政的医療を提供しています。
 私の地元の大田区にある荏原病院は、感染症指定医療機関として新型コロナウイルス感染症に対しても、ごく初期から専門性を生かし多くの患者を受け入れてきました。
 荏原病院では、新型コロナウイルス感染症に対してどのように対応したのか、改めて伺います。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 感染症指定病床を二十床有している荏原病院では、一月下旬にチャーター機で帰国した武漢在留邦人の体調不良者を初め、二月には、横浜港に停泊したクルーズ船で確認された陽性者や、感染が疑われる患者さんを受け入れてきました。
 三月以降、市中感染が拡大し都内で陽性患者が急増したことを受け、一般病棟に簡易陰圧装置を設置する工事を行い、新型コロナウイルス感染症に対応できる病棟に転用することといたしました。
 四月十日には、受け入れ病床を百二床まで拡大しており、現在も患者さんの受け入れに必要な病床数を確保しております。
 また、二月から三月にかけて、全職員と患者対応を行う委託職員に対して防護服の着脱訓練を行ったほか、さまざまな職種で構成された感染制御チームによる院内の巡回点検や指導を徹底するなど、職員が新型コロナウイルス感染症に適切に対応できるよう、必要な取り組みを継続して実施してまいります。

○もり委員 ことし一月、まだ新型コロナウイルス感染症の全容もわからぬごく初期の段階から、チャーター機で武漢から帰国した日本人やクルーズ船からの患者受け入れを行っていただき、荏原病院が新型コロナウイルス感染症の感染状況に合わせ、柔軟に対応していただいたことをご答弁いただきました。
 荏原病院は、新型コロナウイルス感染症に関して、どのような患者を受け入れてきたのかお伺いをいたします。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 荏原病院では、二月に、帰国者、接触者外来を設置するとともに、かかりつけ医や地域の医療機関、介護施設等から、感染が疑われる患者さんや陽性患者を積極的に受け入れてきました。
 特に、家庭内感染した家族、妊産婦や小児、認知症を有する患者さんなど、他の医療機関では受け入れが困難な患者さんにも積極的に対応してきました。
 また、都が確保した宿泊療養施設の後方支援病院として、体調不良者の受け入れや羽田空港検疫所からの疑い患者等の受け入れなど、公的医療機関として、さまざまな患者さんへの対応を行いました。
 令和二年十月末現在、疑い患者も含めて七百二名の患者さんを受け入れてきています。

○もり委員 ありがとうございます。
 荏原病院が感染症指定医療機関として、チャーター便やクルーズ船における新型コロナウイルス感染症の初期段階から、ウイルスに関する情報も不足する中、手探りで患者さんの受け入れに尽力し、今日まで多数の患者さんを受け入れていただいたことがわかりました。
 また、家庭内感染した家族、妊産婦や小児、認知症を有する患者等、他の医療機関では受け入れが困難な患者さんにも積極的に対応していただいたとのことで、行政的医療を担う公社病院として、とても重要な役割を果たしていただいております。
 医療資源は限られているため、急増する感染症患者の受け入れを進めるためには、新型コロナウイルス感染症以外の一般医療にも制約が生じたのではないかと感じます。
 新型コロナウイルス感染症患者の受け入れによる一般医療への影響についてお伺いをいたします。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 荏原病院では、感染拡大に伴う患者数の増加に対応するため、一般病棟を新型コロナウイルス感染症に対応できる病棟に転用しております。
 その際、一般病棟の入院患者さんに対して、症状等に配慮しながら、院内の他病棟への転棟をお願いいたしました。また、新型コロナウイルス感染症患者の診療体制を確保するため、一部の手術や検査を延期するなどの対応も行いました。
 外来患者や救急患者の減少などの影響もあり、令和二年度の延べ入院患者数は、八月末現在で三万三千五百七人と、前年度と比べて一万一千二百九十三人減少いたしました。

○もり委員 新型コロナウイルス感染症の終息が見込めない中、現在も病院では懸命な対応が続いていると思います。感染症対策の最前線でみずからの使命感に邁進され、現場で奮闘していただいた医療従事者の方々に、改めて心から感謝を申し上げます。
 ことしの冬は、新型コロナウイルスとインフルエンザの感染拡大が同時に発生するツインデミックも懸念されています。荏原病院は感染症指定医療機関として、引き続き新型コロナウイルス感染症患者への積極的な対応を通じて、都民の安心・安全に貢献していただきたいと思います。
 次に、荏原病院の地域包括ケアシステムへの貢献についてお伺いをいたします。
 公社病院の役割として、感染症医療など行政的医療とともに、これまで培ってきた地域医療連携のノウハウを生かした地域包括ケアシステムの構築への貢献も期待をされております。
 今後、超高齢化社会の本格化により、国は、団塊の世代が後期高齢者となる二〇二五年に向けて、医療、介護需要がさらに増加することが見込まれる中、住みなれた地域で自分らしい暮らしが続けられるよう、住まい、医療、介護、予防、生活支援が一体となった地域包括ケアシステムを構築することとしています。
 地域包括ケアシステムに関して、荏原病院がどのような取り組みを行っているのかお伺いをいたします。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 荏原病院は、これまで培ってきた医療連携のノウハウを活用して、在宅患者の療養支援や、地域の医療機関、福祉、介護施設等の支援に取り組んでいます。
 具体的には、荏原病院の四十八床の地域包括ケア病棟を活用し、急性期経過後の患者さんへの在宅復帰を支援するとともに、在宅療養患者が急性増悪した際の受け入れ体制を充実するなど、在宅療養の支援を推進しております。
 また、地域との窓口となる患者支援センターを最大限活用し、医療機関や事業者に対して、認知症疾患やリハビリテーションに関する症例検討会等を開催し、医療、福祉、介護の人材育成を支援しています。
 今後も、地域包括ケア病棟の有効活用や地域医療を担う医療人材の育成などを通じて、地域包括ケアシステムの構築に貢献できるよう取り組んでまいります。

○もり委員 ありがとうございます。
 荏原病院が在宅療養や地域の福祉、介護施設などへの支援を通じて地域包括ケアシステムの構築に向けた貢献を果たしていくとご答弁をいただきました。
 在宅療養を行っている方の中には、医療的ケアを必要とするお子さんもいらっしゃいます。医療的ケア児への急変時の対応とあわせ、二十四時間体制で看護に当たる家族への負担軽減に向けた支援が重要であり、地域の医療機関が協力して支えていく必要があります。
 荏原病院が福祉保健局から受託し実施している、重症心身障害児者短期入所事業の取り組みについてお伺いをいたします。

○藤本経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 荏原病院では、地域の重症心身障害を持ちのお子さんの保護者のニーズに応じ、一時的に在宅介護が困難となる場合に、期間を設けて受け入れ必要な介護を行う重症心身障害児者短期入所事業を平成三十年四月から新たに実施しています。
 具体的には、在宅で療養されている重度の知的障害と重度の肢体不自由が重複した重症心身障害をお持ちのお子さんを対象に、医学的管理のもと四泊五日を上限として受け入れる病床を二床確保しており、令和元年度は延べ二百二十五人受け入れを行いました。
 今後とも、重症心身障害をお持ちのお子さんとそのご家族が地域で安心して在宅療養生活が送れるよう取り組んでまいります。

○もり委員 ありがとうございます。
 地元にある東京都区南部医療圏においては、医療的ケア児の療育は公社荏原病院に隣接する都立北療育センター城南分園に限られている現状があり、ショートステイ事業、レスパイト機能の拡充を求める声が、以前から多く寄せられております。
 そうした中、一昨年の厚生委員会でも私も質疑をさせていただきました。荏原病院における重症心身障害児の短期入所事業に関しては、地域から感謝の声が寄せられております。ご家族の高齢化と子供たちの重度化により、在宅支援の重要性はますます高まっております。今後も、当事者とご家族に寄り添い、より利用しやすい制度の継続を要望いたします。
 また、先ほど受け入れ困難患者の受け入れについてご答弁をいただきましたが、障害者団体の方々からは、障害当事者の感染や親御さんが感染した際の子供のケアを誰が面倒を見るのか等、多くの心配の声が寄せられております。
 今後も、より一層、医療と福祉の連携を進め、個々の課題に応じた患者の受け入れに対応していただきますようお願いいたします。
 地域包括ケアシステムの構築に当たっての課題は地域ごとにさまざまであり、地域の実情に応じた取り組みが必要と考えます。荏原病院には、今後も地元の医療機関や介護福祉施設などとの連携を強化し、地域包括ケアシステムの構築に向けた在宅療養の支援などを積極的に進めてほしいと願い、質問を終わります。ありがとうございます。

○うすい委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○うすい委員長 異議なしと認め、事務事業及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で病院経営本部関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後六時四十五分散会

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