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Tokyo Metropolitan Assembly

厚生委員会速記録第四号

令和二年三月十八日(水曜日)
第七委員会室
午後一時一分開議
出席委員 十四名
委員長斉藤やすひろ君
副委員長菅原 直志君
副委員長白石たみお君
理事小林 健二君
理事小松 大祐君
理事木下ふみこ君
後藤 なみ君
斉藤れいな君
藤田りょうこ君
伊藤こういち君
たきぐち学君
岡本こうき君
大場やすのぶ君
小宮あんり君

欠席委員 なし

出席説明員
福祉保健局局長内藤  淳君
次長松川 桂子君
技監矢内真理子君
理事後藤 啓志君
総務部長雲田 孝司君
指導監査部長本多由紀子君
医療政策部長矢沢 知子君
保健政策部長成田 友代君
高齢社会対策部長村田 由佳君
少子社会対策部長谷田  治君
障害者施策推進部長松山 祐一君
健康安全部長高橋 博則君
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長高齢者施策推進担当部長兼務奈良部瑞枝君
事業推進担当部長池上 晶子君
医療改革推進担当部長田中 敦子君
医療政策担当部長櫻井 幸枝君
地域保健担当部長上田 貴之君
事業調整担当部長藤井麻里子君
子供・子育て施策推進担当部長遠藤 善也君
障害者医療担当部長石黒 雅浩君
食品医薬品安全担当部長花本 由紀君
感染症危機管理担当部長吉田 道彦君

本日の会議に付した事件
福祉保健局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 令和二年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 福祉保健局所管分
・第五号議案 令和二年度東京都国民健康保険事業会計予算
・第六号議案 令和二年度東京都母子父子福祉貸付資金会計予算
・第七号議案 令和二年度東京都心身障害者扶養年金会計予算
・第百七号議案 令和二年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出 福祉保健局所管分
付託議案の審査(質疑)
・第五十二号議案 東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例
・第五十三号議案 東京都看護師等修学資金貸与条例の一部を改正する条例
・第五十四号議案 東京都安心こども基金条例の一部を改正する条例
・第五十五号議案 東京都立療育医療センター条例の一部を改正する条例
・第五十六号議案 東京都立重症重度心身障害児者施設条例の一部を改正する条例
・第五十七号議案 食品衛生法施行条例の一部を改正する条例
・第五十八号議案 東京都薬物の濫用防止に関する条例の一部を改正する条例
・第九十三号議案 世田谷区の児童自立支援施設に係る事務の受託について
・第九十四号議案 荒川区の児童自立支援施設に係る事務の受託について
・第九十五号議案 江戸川区の児童自立支援施設に係る事務の受託について
付託議案の審査(説明・質疑)
・議員提出議案第五号 子どもの属する世帯に係る国民健康保険料又は国民健康保険税の補助に関する条例

○斉藤(や)委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、福祉保健局関係の予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 これより福祉保健局関係に入ります。
 初めに、理事者の欠席について申し上げます。
 福祉保健局の坂本生活福祉部長は、所用のため、本日の委員会に出席できない旨の申し出がありました。ご了承願います。
 予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 初めに、第一号議案、令和二年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為、福祉保健局所管分、第五号議案から第七号議案まで、第五十二号議案から第五十八号議案まで、第九十三号議案から第九十五号議案まで及び第百七号議案、令和二年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、福祉保健局所管分を一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○雲田総務部長 二月十八日の当委員会におきまして要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の厚生委員会要求資料をごらんください。
 資料は、目次にございますように全部で八項目となっております。
 目次をおめくりいただきまして、一ページをごらんください。1、二次保健医療圏別NICU病床整備状況といたしまして、令和二年一月一日現在のNICU病床数を都内十三の二次保健医療圏ごとに記載してございます。
 二ページをお開き願います。2、療養病床を有する医療施設数及び療養病床数(医療保険適用・介護保険適用)の推移並びに介護医療院の施設数及び定員数といたしまして、(1)に、平成三十年から令和二年まで、それぞれ一月一日現在の療養病床を有する医療施設数及び療養病床数の推移を医療保険適用と介護保険適用に区分して記載しますとともに、(2)に、令和二年一月一日現在の介護医療院の施設数及び定員数を記載してございます。
 三ページをごらんください。3、地域密着型サービスの事業所数の推移といたしまして、表の中ほどにございます認知症対応型共同生活介護(グループホーム)につきましては、平成十七年から平成三十一年まで、その他の地域密着型サービスにつきましては、創設された年から平成三十一年まで、それぞれ四月一日現在の事業所数の推移を記載してございます。
 四ページをお開き願います。4、地域包括支援センターの設置状況といたしまして、五ページにかけて、(1)に、区市町村ごとの令和二年二月一日現在の地域包括支援センターの設置数及び平成三十一年一月一日現在の六十五歳以上の人口を、(2)に、地域包括支援センター職員の配置基準を記載してございます。
 六ページをお開き願います。5、障害者グループホームの定員数といたしまして、平成三十一年三月一日現在の障害者グループホームの定員数を区市町村ごとに記載してございます。
 七ページをごらんください。6、被爆者の子の健康診断受診票の交付者数及び健康診断受診状況の推移といたしまして、平成二十六年度から平成三十年度まで、(1)に、健康診断受診票の交付者数を、(2)に、一般検査及びがん検診の種類別の受診者数を記載してございます。
 八ページをお開き願います。7、都内障害者グループホームの国加算算定状況といたしまして、令和元年十一月に国の各種加算が算定された都内障害者グループホームの事業所数を加算の種類ごとに記載してございます。
 九ページをごらんください。8、東京都調理師試験受験者数の推移といたしまして、平成二十六年度から平成三十年度までの東京都調理師試験の受験者数を記載してございます。
 以上、簡単ではございますが、要求資料のご説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○斉藤(や)委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を一括して行います。
 発言を願います。

○菅原委員 それでは、質疑をさせていただきます。
 まずは、新型コロナウイルス感染症によって亡くなられた方、そしてまた、ご遺族の皆様に対して深く哀悼の意を表したいと思います。そしてまた、いまだに重い病状の中で闘われている患者の皆様、感染者の皆様の一日も早い回復をお祈りいたします。
 一月から都知事を先頭に、都庁職員の皆様は昼夜を問わない業務を進められていることも承知しております。都民の一人として感謝を申し上げたいと思います。
 本日の質疑は、三月十二日に東京都が発表しました新型コロナウイルス感染症東京都緊急対応策(第三弾)の施策展開が中心となります。
 この施策は、今年度の予備費での対応と聞いておりますので、本日の厚生委員会の付託案件ではないという議論もあるとは思いますが、今、東京都が立ち向かっている政策課題の緊急性に鑑み、取り上げさせていただきたいと思います。
 まずは、東京都の感染者発表のあり方についてです。
 東京都は、一月二十四日の都内感染者発生以来、都内コロナウイルス陽性患者を発表しております。
 同じように全国の都道府県でも陽性反応の感染者の発表を行っております。北海道や埼玉県、また千葉県、神奈川県、大阪府などの発表資料を見ると、患者の居住地、つまり市町村までは発表しております。東京都はあくまでも都内在住という発表の形となっています。
 都道府県の間で、感染者の発表の考え方が違うのだと思いますが、その違いが必要以上の不安感を醸し出す一つの原因となるのではないかという指摘がございます。さらに、東京都と区市町村の感染者情報の発表も、その考え方の違いから統一したものにはなっておりません。
 東京都は基本的に都内在住という程度の発表ですが、状況によっては、区市町村の首長が、私たちの何々区から感染者が発生したと発表する場合もあります。私が把握をしているだけでも、例えば日野市、足立区、江東区、世田谷区、調布市、また、杉並区などが、それぞれ独自の判断で発表しております。
 感染者発表については、個人情報の保護の観点や風評被害、差別や偏見が起こらないように配慮することは大前提だと思いますが、発表基準がばらばらな状況は整理すべきではないかと思うのです。連日の感染者発表を続けてきた経験から、感染者情報の発表のあり方について注意をしてきた点も東京都としてあるんだと思います。
 東京都の感染者発表の基準や現在の取り組みについて伺います。お願いいたします。

○吉田感染症危機管理担当部長 都内の医療機関から患者等の発生についての報告があった場合、都区の協定等に基づき、広域自治体の立場から感染拡大防止のため、都内全域にわたり、一元的に都は報道発表を行っております。
 発表に当たっては、都民等の安全確保の目的と患者等の利益を不当に侵害しないという観点とを比較考量し、プライバシーの保護や風評被害の発生防止にも十分配慮し、原則として本人や関係者の同意を得た上で、実施しております。
 お話の患者等の居住地については、区市町村名を周知することにより、風評被害の発生のおそれがある一方、感染拡大防止に不可欠とはいいがたく、原則として都内か都外かにのみとどめております。
 一方、個人の行動歴につきましては、勤務状況や医療機関の受診状況等、感染拡大のリスクに応じた具体的な内容を提供してございます。
 また、患者等の発生時、速やかに都民に周知するために、情報収集が完了していない段階で発表することや集団発生の可能性がある場合は、より詳細な情報を公開するなど個別に検討し、判断しているところでございます。
 都民の不安を少しでも解消するため、今後の発生動向などを踏まえながら、必要な情報提供を積極的に実施するように努めてまいります。

○菅原委員 東京都の立場、考え方を示していただきました。
 今回、先ほども申し上げました、新型コロナウイルス感染症東京都緊急対応策(第三弾)、この中の三五ページには、このような記載がございます。
 国への要望事項ということです。国への要望事項として書かれておりますのは、地方自治体による感染者情報の公表に対して、統一的な公表基準を国として示してほしい、それを広く周知してほしいと、こういうことを東京都が国に対して要望しているという記載がございます。これは重要なことだと思います。
 東京都も、都道府県ごとに発表のあり方が違うということに対して問題意識を持っているんだなということが読み取れます。ぜひ国とも調整をしていただければと思います。
 次に、緊急対応策の第三弾の中で、都と区市町村が連携して進める施策の取り組みについて伺いたいと思います。
 まずは、学童クラブの午前中の開所の運営費について、二つ目は、児童館の見守り支援を行う職員の配置について、三つ目は、子供食堂の臨時休止への都の支援、同じく子供食堂の宅配に対する都の支援、また、認可保育所や認証保育所に小学生の一時預かりスペースを確保すること、その事業への都のかかわり方、また最後に、ベビーシッターの利用支援の事業に小学生を追加することについて、具体的にどのように進めているのか伺いたいと思います。
 この六つを取り上げたのは、全て東京都と、そして区市町村が連携して進めなければいけない、この観点からご答弁をいただきたいと思います。お願いいたします。

○谷田少子社会対策部長 国が二月二十八日に学校の臨時休業を要請したことに伴い、保護者が働いている家庭の子供たちが、日中を安全・安心に過ごすことのできる居場所の確保が急務となったところでございます。
 このため、都は平日の午前中から開所する学童クラブに対し、運営費を補助するほか、休校中の子供たちの居場所として児童館等を活用する取り組みを支援することを、区市町村に対し三月三日に通知し、五日にQアンドAを発出したところでございます。
 これらに加えまして、認可保育所等を活用し、小学生の一時預かりを実施する取り組みを支援するほか、ベビーシッター利用支援事業等の対象を小学生にも拡大することを区市町村に対し三月三日に通知し、三月六日に補助金交付要綱の案を発出いたしました。
 また、子供食堂につきましても、区市町村から寄せられた地域のニーズを踏まえまして、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため事業を臨時に休止した場合、その準備に要した経費を支援すること、さらに、宅配等により食事の提供を行う事業者に対しても補助を行うことを区市町村に対し三月十二日に通知をいたしまして、翌十三日にQアンドAを発出したところでございます。
 それぞれの取り組みにつきまして、今月中に区市町村からの交付申請を受け付け、審査の上、交付決定を行う予定でございます。

○菅原委員 ありがとうございます。
 今回の対応というのは、予備費での対応だと伺っております。予備費の対応となりますと、今年度中の申請を受け付けて、そして精査をして、そして事務を進めていくということになるんだと思います。
 今まさに、区市町村と東京都が書類を行ったり来たりしているのかなというふうに感じております。毎晩、多分遅くまで業務に当たられているんだろうなということ、漏れ聞こえてまいります。職員の皆様のご労苦に、まずは感謝を申し上げて、ぜひ今年度内の執行を進めていただきたいと思います。
 少し角度を変えて進めたいと思います。
 都内の新型コロナウイルス感染症に感染した患者の方は、きのうの時点で百名を超えました。
 政府は、まだパンデミックといえる状況ではないという認識です。それは、日本の医療体制のすばらしさや、また政治、行政の冷静な対応、または国民の努力など、さまざまな要素が作用している結果だと思います。
 しかし、決して安心できる状況ではないということも、これは共有できる認識だと思います。
 国は三月一日、各都道府県の衛生担当局向けに、次の通達を出しております。地域で新型コロナウイルス感染症の患者が増加した場合の各対策の移行についてという文書です。
 この通達は、患者が増加した場合、少しではなくて大きく増加した場合ですね、大きく増加した場合という表現が使われています。現在は感染したら、まず入院というルールが適用されておりますが、感染者がふえて今のルールが適用されなくなった場合を想定して、あらかじめ対応策を準備しておくようにという趣旨でございます。
 本日は、この中から医療提供体制、入院をした場合のことを取り上げたいと思います。
 地域での感染拡大によって、入院が必要となる患者が増大をして、重症者や重症化するおそれの高い方に対する入院医療の提供に支障を来すと判断される場合を想定して、あらかじめの準備を進めてほしいという通達を受けて、東京都としてどのように対応していくのか、これが問われております。
 新型コロナウイルス感染症に対する入院医療提供体制の確保に向けて、都はこれまでどのような取り組みを行ったのか、そして今後どのような取り組みを進めていくのか伺います。お願いいたします。

○吉田感染症危機管理担当部長 都は、これまで新型コロナウイルス感染症の感染拡大に備え、院内感染対策を講じつつ、より多くの入院患者の受け入れ体制を確保するよう、感染症指定医療機関に加え、感染症入院医療機関などに対しても通知を発出するとともに、説明会を三回開催してまいりました。
 また、受け入れ体制を確保した医療機関には、医療従事者の二次感染を防止するため、あらかじめ防護服を提供してございます。
 実際に、疑い例等によって検査した結果、陽性だった検査陽性者百二名は、感染症指定医療機関等で受け入れ、そのうち三十人は既に退院しているなど、新型コロナウイルス感染症患者に対して適切な入院医療を提供しております。
 今後、急激な患者増加に備えるため、新型コロナウイルス感染症対策に関する協議会を新たに設置いたしまして、関係機関と連携しながら都内の状況の進展に応じた入院医療体制について検討し、最適な対策を実施してまいります。

○菅原委員 新型コロナウイルス感染症は、現在のところ正体のわからない敵という表現がされます。
 ワクチンや特効薬はもちろん、病原体の本質的な分析すらこれからという状況の中、行政、私たちも、政治もそうですけれども、最悪の事態も想定して準備を進めていかなければいけません。ともに頑張りたいということをまずは表明させていただきたいと思います。
 大きく話は変わりますが、周産期の母子医療センターの件に進みたいと思います。
 まずは、周産期母子医療センターの配置の現状と過不足がないか、その認識について伺いたいと思います。お願いいたします。

○矢沢医療政策部長 国の周産期医療の体制構築に係る指針によりますと、総合周産期母子医療センターは、原則として三次医療圏に一カ所整備するものとし、ただし、都道府県の面積や人口等を考慮して、三次医療圏に複数設置することができるとあり、令和二年三月一日現在、都内に十三施設ございます。
 また、地域周産期母子医療センターは総合周産期母子医療センター一カ所に対して数カ所の割合で整備するものとし、一つまたは複数の二次医療圏に一カ所、または必要に応じ、それ以上整備することが望ましいとありまして、令和二年三月一日現在、都内に十四施設ございます。

○菅原委員 ありがとうございます。
 周産期母子医療センターは総合と地域と両方あるんですけれども、必ず必要となるのは医療機関との連携だということです。
 医療機関との連携をどのように進めているのか伺いたいと思います。

○矢沢医療政策部長 都では、周産期の搬送ブロックを八つに分け、それぞれに周産期ネットワークグループを構築し、周産期母子医療センターを中核として、診療機能情報の共有や搬送基準について検討を行うなど、ブロック内の連携を推進しております。

○菅原委員 ありがとうございます。
 東京都は周産期母子医療センターなどに対して対応するということですけど、NICU等の整備について伺いたいと思います。
 都の資料によりますと、平成二十九年の三月現在で三百二十一床NICUがあると。ことしの三月の時点で三百三十五床だということを伺っています。
 いわゆる整備計画では、NICUを三百四十床にしていくというふうにされていますが、その取り組みについて伺いたいと思います。お願いします。

○矢沢医療政策部長 都は、周産期母子医療センター等に対しまして、NICUの運営費や施設整備費、新生児医療に従事する医師の手当に対する補助等により支援を行っております。

○菅原委員 ありがとうございます。
 もう一つ伺いたいと思います。救急搬送があると思います。この受け入れや、または合同症例検討会の開催などというのも資料には記載されておりました。
 周産期の連携病院、または地域周産期医療関連施設などとの連携の体制を構築する上での現状と、そして課題について伺います。お願いします。

○矢沢医療政策部長 限られた医療資源のもと、周産期医療が適切かつ円滑に提供されるためには、周産期医療施設がリスクに応じた役割分担や、それに基づく医療機関相互の連携体制を構築することが重要でございます。
 このため都は、ブロック内の連携体制を強化するよう、周産期母子医療センターを中核といたしまして、診療機能情報の共有や搬送基準に関する検討などを行っております。

○菅原委員 日本は世界的に見て、周産期の死亡率が低いというデータもありますが、未熟児の数は日本全体ではふえているのが現状です。今後も周産期母子医療センターの役割が重要となりますので、着実な取り組みをお願いしたいと思います。
 東京都は、新生児集中治療室、NICUに長期に入院をしている子供たちが、自宅に帰るための施策展開も進めております。
 具体的には、五つに代表されると思います。支援コーディネーターの配置、または、在宅移行支援病床運営補助、または整備費の補助をする、在宅療養児の一時受け入れの事業助成をするということ、小児等在宅移行研修事業、またはNICU等入院児の在宅移行支援事業と名前は似ていますけど、それぞれ役割を変えて進めているということです。ここについて伺いたいと思います。
 都は、在宅移行の支援コーディネーターの配置の推進など、これらの施策の推進の課題をどのように認識しているのか伺います。

○矢沢医療政策部長 医療ニーズや療育支援の必要性が高いNICU等の入院児は退院後の在宅生活においても、育児に加え高度な医療ケアが必要であることが多く、児と家族が安心・安全に療養生活を継続できる支援体制を整備する必要があると認識してございます。

○菅原委員 ありがとうございます。
 それでは、今後の事業の充実強化というのも必要になってくると思いますので、充実強化のための具体的な取り組みをご答弁いただきたいと思います。

○矢沢医療政策部長 NICUに長期入院している子供の在宅移行が円滑に進むよう、来年度は都主催の周産期医療関係者の連絡会等において七回、外部の訪問看護関係団体の研修会等にも二回出向きまして、具体的な取り組み事例を紹介することとしております。
 また、入院早期からの在宅生活に向けた支援や移行後の療養生活を支える人材を育成するため、来年度、周産期母子医療センター等の職員や地域の医師、看護師、保健師等に対しまして、小児の在宅療養に必要な最新の知識、技術等に関する研修を実施することとしておりまして、約二百八十名が参加する予定でございます。

○菅原委員 医療ケアが必要なお子さんたちが家に戻るときの大事な事業ですので、ぜひ着実に進めていただきたいと思います。
 角度を変えます。在宅療養の拡充についてです。
 先日の都議会の一般質問でもACPの議論がされました。ACP、アドバンス・ケア・プランニングの考え方からも、患者が最後の治療の方法を自分で選択できる環境の整備が求められています。
 ACPですが、ご存じのない都民の方も多くて、また医療、介護関係者の理解もまだ進んでいないというふうに聞いております。都民、医療、介護関係者も含めて、社会全体で認知度を上げていく必要があるのではないかと思います。
 そこで、東京都としてACPに対する積極的な取り組みを進めるべきと考えますが、都の見解を伺います。

○田中医療改革推進担当部長 みずからが望む医療やケアについて、本人と家族、医療、介護関係者等であらかじめ十分に話し合い、共有するというACP、アドバンス・ケア・プランニングは、住みなれた地域でその人らしく暮らし、希望に沿った最期を迎えられるようにするために重要な取り組みでございます。
 平成三十年三月に公表された国の調査では、ACPについて知らないと回答した一般国民が七五・五%、医師が四一・六%、介護職員が五一・六%等となっております。
 都は来年度、希望する医療やケアについて繰り返し話し合うことの重要性や話し合いの進め方の具体例等を盛り込んだ都民向けリーフレットを作成するとともに、医療、介護関係者を対象とした研修を実施するなど、ACPの理解促進に向けた取り組みを充実してまいります。

○菅原委員 ありがとうございます。ぜひ進めていただきたいと思います。
 またちょっと角度を変えたいと思います。いわゆる児童扶養手当についてです。厳しい環境にある子供たちの生活を支える手当のあり方です。
 国は、児童扶養手当の支給回数を、従来の年三回から奇数月に出す年六回の支給に見直しをいたしました。一回の支給金額は減りますが、家計を計画的に切り盛りできるということは、その上で妥当な判断だと思います。
 転じて、都の児童育成手当は年に三回のままでございます。国の手当が奇数月ですので、例えば都の手当を偶数月にする、こういうことができないでしょうか。これによって家計が計画的になるのだと考えます。
 この事業の主体は区市町村ですので、一定の調整が必要だとは思いますが、事務の課題が整理されれば可能ではないかと考えます。都の見解を伺います。

○谷田少子社会対策部長 児童育成手当は、ひとり親家庭等における児童の福祉の増進を図ることを目的に、児童一人につき月額一万三千五百円を都独自に支給するものであり、都及び区市町村の条例に基づき実施しております。
 支給月は二月、六月、十月となっておりまして、対象となる家庭には奇数月に支給される児童扶養手当と合わせまして、年九回手当が支給されております。
 児童育成手当の支給に当たりましては、実務を担っております区市町村で、対象家庭の生活状況の変化や所得の確認などさまざまな業務を行っており、支給回数を変更するには各家庭の実情をきめ細かく把握した上で、費用対効果などを踏まえて区市町村との協議や調整が必要になることから、慎重に検討しなければならないと考えているところでございます。

○菅原委員 事務的な問題が解決されれば実現することだと思いますので、ぜひ前向きに進めていただきたいと思います。
 人が亡くなって、その死因を究明することについてです。それは最後の医療だと思います。人権の問題だともいわれます。
 この死因究明の制度が二十三区と多摩地域では違っております。死因究明については、東京都死因究明推進協議会の中で検討が進められておりまして、少しずつ改善する議論も展開されていると聞いております。
 都は、国の監察医制度の法整備の改正も強く求めていることも認識しておりますが、並行して多摩格差の解消の立場からも、多摩地域での監察医制度の事業化を進めるべきだと考えますが、都の見解を求めます。お願いします。

○矢沢医療政策部長 都は、政令で監察医を置くべきとされている二十三区に限らず、多摩地域でも適切に死因究明が行われるよう、東京都医師会や大学等の協力を得て、監察医制度に準じて検案や解剖を行っております。
 また都は、医師会や学識経験者等から成る死因究明推進協議会で検討を重ねまして、昨年九月に東京都における持続可能な死因究明体制の推進について報告書を取りまとめ、多摩地域での体制整備を進めております。
 死因究明体制は、本来国が必要な法整備を行い、地域を限定せずに整えるべきものであり、監察医制度が都内全域に適用できますよう、都は引き続き、国に強く働きかけてまいります。

○菅原委員 ありがとうございます。
 それでは、きょう予定した最後のテーマに移りたいと思います。多胎育児の支援についてでございます。
 双子、三つ子などに代表される多胎育児の議論は、この半年で大きく議論をされてきました。
 多胎育児家庭の共通した課題というのが多分あると思います。それは、一応六つぐらいに整理してみました。
 周産期のリスクが大きいということ、二つ目は多胎育児に特化した相談機関が少ないということ、三つ目は出産直後からの育児の担い手も少ないということ、四つ目は多胎育児の当事者同士の連携も少ないということ、五番目は移動そのものが大変だということ、六つ目が子育てを社会全体で支える機運が当事者に届いていないということです。
 これらが指摘をされます。これらを踏まえて、移動の支援や育児のサポート、そして孤立を予防する当事者同士の仲間づくりなどの取り組みが重要と考えます。
 東京都は、子供・子育て支援総合計画の中で、安心して子供を産み育て、子育ての喜びを実感できる社会を実現する、または、社会全体で子供と子育て家庭を支援するとしており、スペシャルなニーズを必要とする多胎児家庭を支えることが必要となります。
 とうきょうママパパ応援事業により、多胎育児家庭の身体的、そして精神的な負担や孤立感の軽減に配慮した具体的な事業について伺います。

○谷田少子社会対策部長 区市町村では、保健師等による妊娠期からの助言や指導に加えまして、育児学級や講演会などさまざまな取り組みを通じて、多胎児を育てる家庭を支援しております。
 都は、多胎児家庭への支援を充実するため、来年度から、予防接種などの母子保健事業を利用する際の移動経費の支援や、家事、育児や外出時の補助を行うサポーターの派遣に取り組む区市町村への支援を開始いたします。
 また、保護者同士の情報交換や仲間づくりのための交流会、専門家によるカウンセリング、訪問相談等の取り組みについても支援するなど、多胎児を育てる家庭の不安感や孤立感を軽減し、安心して子育てできる環境整備を進めてまいります。

○菅原委員 このたび、私も多胎児の保護者の声を聞いてまいりました。今までその現実を知らなかった自分に恥じ入りました。
 しかし、知ったからには自分の問題として、そして、社会全体の問題としてかかわりたいと思いました。東京都の素早い対応と施策展開はすばらしいと感じています。
 さらに施策を進めていただくことをお願いして、質疑を終わります。

○小林委員 初めに、新型コロナウイルス感染症対策について質問します。
 局の皆様には、連日、この対策のさまざまな対応、大変にお疲れさまでございます。心より感謝申し上げたいと思います。
 都議会公明党は、補正予算に盛り込んだ対策に次ぐ追加の緊急対策の取りまとめを急ぐ必要があると考えまして、三月十日に小池知事と面談をし、二十八項目にわたる提言を要望させていただきました。
 十二日に発表された東京都緊急対応策には、その提言の内容も多く盛り込まれておりますので、その中の取り組みについて確認をさせていただきたいと思いますが、学童クラブと子供食堂への支援につきましては、先ほど菅原副委員長の質疑の中で答弁もございましたので割愛をさせていただき、二点お伺いをさせていただきます。
 初めに、医療機関、社会福祉施設などにマスクなどを提供するとのことですが、私もマスクの不足については大変多くの方々からお声をいただいております。
 このたびの緊急対応策で、都が医療機関、社会福祉施設などにマスクを提供することとした経緯についてお伺いをいたします。

○奈良部企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長高齢者施策推進担当部長兼務 都は、感染予防に資するマスク等の安定的な流通に向け、メーカーや卸売業者等に適切な生産、供給を働きかけるよう、二回にわたり国に緊急要望を行ってまいりました。
 また、衛生資材を取り扱う業界団体に対しましても、医療機関や社会福祉施設等に優先的に供給するよう要請しております。
 しかしながら、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴いまして、マスクの需要はさらに高まり、入手が困難な状況が続いておりますことから、今般、都が直接購入し、施設等に配布することといたしました。

○小林委員 都が直接購入するとのことでございますけれども、マスクをなるべく多くの施設などに、できるだけ早く届くようにすべきでありますけれども、配布の時期及び配布方法についてお伺いします。

○奈良部企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長高齢者施策推進担当部長兼務 今般の緊急対策で購入するマスクの数量につきましては、年度末までに納入可能で円滑に配送できる量を試算しまして、三百五十万枚といたしました。
 その配分につきましては、現場において必要な数量を見込み、感染症指定医療機関やクリニックなどに二百万枚、特別養護老人ホームなど高齢者関連施設等に六十万枚、児童養護施設や保育所など児童関連施設等に六十万枚、障害者の入所施設や通所施設など障害者関連施設等に三十万枚といたしました。
 先週、契約手続を行いまして、今週中には納品される予定であり、納品後速やかに区市町村を通じて配布する予定でございます。

○小林委員 特に医療機関は、大変ご苦労されている状況でございますので、いち早く現場に届くようにお願いをしたいと思います。
 次に、生活福祉資金貸付制度の特例を設けて、休業などにより収入が減少した世帯などを対象に、一時的な貸し付けを行うべきであるということも私どもは提言をさせていただきましたが、今回の緊急対応策の中で、貸し付けの特例について触れられておりますけれども、その内容と今後の進め方についてお伺いいたします。

○藤井事業調整担当部長 国は、今回の新型コロナウイルス感染症の発生による休業や失業等により、一時的または継続的に収入が減少した世帯を対象といたしまして、生活福祉資金貸付制度に特例措置を設けることといたしました。
 具体的には、福祉資金のうち緊急小口資金につきまして、新たに、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、休業等により収入の減少があり、緊急かつ一時的な生計維持のため貸し付けを必要とする世帯に対象を拡大するとともに、新型コロナウイルス感染症拡大防止策として、臨時休業した小学校等に通う子などの世話を行うことが必要となった労働者がいるときなどの世帯は、貸付金額を二十万円以内に引き上げ、さらに貸付金の据置期間と償還期限を延長することといたしました。
 また、総合支援資金につきましても、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、収入の減少や失業等により生活に困窮し、生活の維持が困難となっている世帯に対象を拡大いたしまして、単身世帯は月十五万円以内、二人以上世帯は月二十万円以内を原則三カ月間、無利子で貸し付けることといたしまして、さらに据置期間を延長するとともに、保証人がいない場合でも無利子貸付といたしました。
 また、貸付金の償還時において、なお所得の減少が続く住民税非課税世帯の償還を免除することができるなど、生活に困窮された方の生活にきめ細かな配慮を行うこととし、現在、今月下旬からの速やかな実施に向けまして、実施主体である東京都社会福祉協議会などと準備を進めております。

○小林委員 ありがとうございます。
 状況は時々刻々と変化をしておりますので、私ども都議会公明党は、今後も生活の現場の声を聞いて、今後も必要とあれば、一つ一つ要望させていただきますので、引き続きよろしくお願いしたいと思います。
 続いて、令和二年度予算案に盛り込まれている事業についてお伺いをいたします。
 初めに、がん対策についてです。
 私も、がんについては、治療、また、がん治療に伴った生活面の相談など数多くいただいておりますが、その中の一つに、緩和ケアについてのご相談も多くいただいております。
 以前、都立駒込病院の緩和ケアの取り組みを視察させていただきましたが、最近は在宅での取り組みについても課題となっております。
 緩和ケアというと、以前は終末期のケアであるという認識が一般的でありましたけれども、現在では身体的、精神的、社会的苦痛の全人的な苦痛への対応を診断時から行うことを通じて、患者とその家族の生活の質の向上を目標とするものとされております。
 がんと診断されたときから、患者がどこで療養していても、切れ目なく適切な緩和ケアが迅速に提供されることによって、生活の質の維持向上が図られ、患者自身が希望する場所で安心して療養することができることが重要であると思いますが、見解をお伺いいたします。

○櫻井医療政策担当部長 がん患者が、住みなれた地域で安心して療養生活を送るためには、切れ目のない緩和ケアを受けられる体制の整備が重要でございます。
 このため都は、がん診療連携拠点病院等での治療後などにおきまして、在宅移行支援を行う病院を確保しますとともに、必要な支援機能などを検証し、患者及びそのご家族がそれぞれの状況に応じて、診断、治療、その後のフォローも含めた全ての時期に必要な緩和ケアを受けられる体制を構築するためのモデル事業を来年度から実施いたします。
 今後はこのモデル事業を通じ、がん患者とご家族が住みなれた地域へ安心して移行することができる体制の構築に取り組んでまいります。

○小林委員 次に、ひとり親家庭支援についてお伺いをいたします。
 昨年十月の当委員会の事務事業質疑の中で、私はひとり親家庭に対する支援策などの情報発信について、SNSを活用した情報発信、相談支援につなげる仕組みを構築してもらいたいという旨、要望させていただきました。
 このたび、ひとり親家庭向けポータルサイトを創設する予算が計上されていますが、このポータルサイトの開設時期並びにその内容についてお伺いをいたします。

○谷田少子社会対策部長 ひとり親家庭を対象とした支援施策はさまざまございますが、それぞれの家庭がそのニーズに合った支援策を的確に活用できるようにするためには、まず、その内容を知っていただくことが重要でございます。
 そのため、ポータルサイトには、ひとり親家庭が必要とする就労支援や住宅支援、経済的支援、民間団体の情報等を幅広く、かつわかりやすく掲載することとしており、来年度半ばの開設を目指しまして、準備を進めてまいります。

○小林委員 来年度半ばの開設を目指すというご答弁でございましたけれども、ともかくポータルサイトを活用してもらうことで、多くの支援に結びつくような取り組みをお願いしたいと思いますが、そのためには、まずはポータルサイトの存在を広く周知していくべきであると思います。
 その取り組みについてお伺いをいたします。

○谷田少子社会対策部長 ポータルサイトは、都のホームページ等で周知するほか、ひとり親家庭支援センターにおきまして、QRコードを掲載したリーフレットの配布やメールマガジンを活用した広報を実施いたします。
 また、区市町村や民間団体当事者の協力も得ながら、幅広く周知に取り組んでまいります。

○小林委員 昨年の事務事業のときにも発言をさせていただきましたが、ひとり親家庭の方々、どういった支援が受けられるのかわからないといった声が多数ございましたので、こうしたことを知っていただくことによって、自分に適切な支援に結びつけることが大事であるというふうに思っておりますので、できればひとり親家庭の皆様方には、漏れなくこのポータルサイトが知れ渡る、そういう形の取り組みをお願いしたいと思います。
 次に、若年性認知症についてお伺いをいたします。
 私も今まで若年性認知症につきましては、質疑の機会があるたびに取り上げてまいりましたが、課題の一つとして、若年性認知症の患者さんを理解し、社会で共生していく取り組みというものが重要であります。
 私は昨年十二月、都が主催をしました若年性認知症企業向けセミナーに参加いたしましたが、若年性認知症を理解し、就労支援に結びつけていく大事な取り組みであるというふうに実感をいたしました。
 そこで、令和二年度における若年性認知症の理解促進に向けた取り組みについてお伺いをいたします。

○村田高齢社会対策部長 都は、若年性認知症に対する職場の理解と支援の機運を高めるため、今年度は若年性認知症の特徴や医療費助成などの利用できる制度、就労支援を行っている企業の事例等を紹介するセミナーを開催しておりまして、企業、団体の人事労務担当者、産業医、治療と仕事の両立支援コーディネーターなど百五十人が参加をいたしました。
 また、介護サービス事業所や障害福祉サービス事業所等においても、若年性認知症の方の特性を踏まえたサービスが提供されるよう、事業者向けマニュアルを年度内に作成をいたしまして、認知症の原因疾患ごとに比較的あらわれやすい症状、支援をする上で考慮すべきポイント、社会参加活動等を実施する先進的な取り組み事例を紹介することとしております。
 来年度はこのマニュアルを活用いたしまして、介護サービス事業所等を対象とした説明会を新たに実施するほか、企業向けのセミナーを引き続き開催するなど、若年性認知症への理解促進に向けた取り組みを推進してまいります。

○小林委員 今、ご答弁にもありましたが、事業者向けのマニュアルを作成して、来年度は説明会等を新たに実施するということでございますけれども、私が日ごろからご指導いただいておりますある社会福祉法人は、私の地元練馬区におきまして、若年性認知症の患者さん向けのショートステイを実施されております。
 私も、近所に若年性認知症の患者さんがいらっしゃって、そこをご紹介させていただいて大変に助かったというお声もいただいておりますので、より多くの事業者の皆様方が若年性認知症という部分に目を向けていただいて、その取り組みを推進していただくことは大変に重要であるというふうに思っております。
 いずれにしても、東京都は若年性認知症については、まさに全国に先駆けて国をリードしていくような政策を、さまざま取り組みを進めているところでございますので、今後もさらに充実させた取り組みをお願いしたいと思います。
 次に、障害者差別解消についてお伺いをいたします。
 平成三十年十月に障害者差別解消条例が施行されました。条例では、合理的配慮の提供を義務化し、相談、紛争解決の仕組みを設けるなどの規定が設けられていますが、大事なことは、条例の制定を契機として社会全体で障害者への理解がより一層進んでいくことであると考えます。
 障害者差別解消法では、地方公共団体が障害者差別解消支援地域協議会を設置できるとされていますが、この協議会の役割と都の取り組みについてお伺いをいたします。

○松山障害者施策推進部長 障害者差別解消法では、地方公共団体は、医療、介護、教育その他の障害者の自立と社会参加に関連する分野において、障害者差別解消の取り組みを効果的かつ円滑に行うことができるよう、障害者差別解消支援地域協議会を組織することができることとされております。
 また、国の障害者差別解消の推進に関する基本方針では、協議会に期待される役割として、相談窓口の紹介、具体的事案の対応例の共有、協議等が挙げられております。
 都は、こうした方針を踏まえて、障害当事者を初め、行政や企業、福祉、教育等の関係機関から成る障害者差別解消支援地域協議会を設置しており、都に寄せられた相談事例の共有や普及啓発施策への助言をいただくなど、さまざまな立場の方々の意見を踏まえながら、障害者差別解消の取り組みを進めております。

○小林委員 区市町村においても、こうした協議会の設置や障害者差別解消条例を制定するなど障害者への理解を推進しておりますが、子供のころから身近な地域や学校などで障害者への理解を深める取り組みが重要であると考えます。
 区市町村に設置されている障害者差別解消支援地域協議会の活動を促進して、地域において、子供のころから障害特性への理解を深める取り組みを推進していくべきと考えますが、見解をお伺いいたします。

○松山障害者施策推進部長 お話のように、障害者への理解を深めるためには、子供のころから身近な地域や学校等で、障害者に関する理解を深める取り組みが重要でございます。
 このため都は、来年度から新たに住民に身近な区市町村が地域協議会を活用して、教育関係機関との連携を図るなど、地域の実情に応じて行う取り組みを包括補助で支援いたします。
 具体的には、障害等に対する子供の理解促進を目的として、副教材の作成や障害当事者を講師とする出前授業の実施、障害のある子供とない子供の交流会の開催など、地域協議会で検討した取り組みを実施する区市町村を支援してまいります。

○小林委員 先日、重度脳性麻痺のある方からお話を伺いました。
 その方は、脳性麻痺のために言葉をうまく発することができない状況ですが、あるお店に行って店員に必死に話をしていたところ、横に小学校低学年の男の子を連れた母親がいたそうであります。その男の子は、その方がうまく言葉を発することができない様子を口まねして遊んで、横にいた母親は注意するわけでもなく似ているといって笑っていたそうです。そこには母親の母、つまり男の子にとっての祖母もいたそうですが、祖母は男の子に対し、ああいうふうに生まれなかっただけでもお母さんに感謝しなさいといったそうであります。
 こうしたことは、まだまだこの東京にもあまた存在していると思います。今後とも障害者差別解消に向けた取り組みの推進を、さらに充実をさせていただきたいと思います。
 次に、高齢者施設などにおける災害対策についてお伺いをいたします。
 私は、さきの一般質問で災害拠点病院におけるBCPの策定支援について取り上げましたが、新年度予算案の中では、高齢者施設等のBCP策定支援事業として予算が計上されております。
 災害対策に取り組んでいく上で、災害時に事業を継続していくためのBCPの策定は大変重要な取り組みでありますが、まず、都内の高齢者施設におけるBCP策定の現状についてお伺いをいたします。

○村田高齢社会対策部長 都が、平成三十年十二月に特別養護老人ホームと介護老人保健施設を対象に実施した調査では、BCPを作成している施設の割合は、特別養護老人ホームが約七割、介護老人保健施設が約三割でございました。
 また、BCPに基づいて、停電時を想定した訓練を実施している施設の割合は、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設とも約五割でございました。

○小林委員 特別養護老人ホームが七割、介護老人保健施設が三割と、顕著な差が出ているわけですが、いずれにしても既に策定済みの施設、そしていまだBCPを策定していない施設においても、実効性のあるBCPを策定していくことが重要であります。
 高齢者施設などの事業者に対し、BCPの必要性の理解促進と具体的な策定に対する丁寧な支援が必要であると考えます。
 事業者に対する今後の取り組みについて見解をお伺いいたします。

○村田高齢社会対策部長 高齢者施設には、心身の機能が低下した高齢者が入居しておりまして、災害時の優先業務や対応手順を定めましたBCPをあらかじめ策定し、サービスが維持できる体制を構築する必要がございます。
 東京都社会福祉協議会が平成三十年に行った調査では、BCPを策定する上での課題として、進め方がわからない、策定の人手が確保できない、策定に対する意識が低いなどが挙げられております。
 そこで、都は来年度、事業者等を対象にしまして有識者等による講演やパネルディスカッションを盛り込んだ防災、減災セミナーを開催し、災害対策についての普及啓発を広く行うほか、BCPを未策定または改定予定の施設に対し、講義や演習などの講座を実施いたします。
 さらに、講座を受講しました施設を対象にメールや電話、訪問等によりコンサルタントの助言が受けられる個別支援を実施しまして、高齢者施設におけるBCPの策定を支援してまいります。

○小林委員 次に、児童相談所についてお伺いいたします。
 本年は、世田谷区、荒川区、江戸川区が区単独で児童相談所を設置する予定であり、また、私の地元練馬区においては、都と共同のモデル事業として、区の子供家庭支援センター内に、都の児童相談所のサテライトオフィスを設置するなど、児童相談体制の新たな動きがございます。
 そうした中、都民提案として児童相談所情報標準化・人材育成事業の取り組みが新年度に予定されておりますが、この事業の内容についてお伺いをいたします。

○谷田少子社会対策部長 この事業は、大学研究者による事業提案制度によりまして採択された事業でございまして、児童福祉司のリスク判定に必要な情報収集項目等を標準化するとともに、収集いたしました情報から虐待のリスクを予測できる情報システムの仕様を作成し、経験が浅い児童福祉司の情報収集能力やリスク判定能力を向上させ、人材育成を図る取り組みでございます。
 本事業は、令和二年度から四年度までの三カ年を予定しておりまして、令和二年度は、研究調査としてリスク判定に必要な項目の抽出や相談記録の分析等を行いまして、続く令和三年度は、抽出した項目からリスクを予測するプログラムを開発いたします。
 これらをもとにしまして、令和四年度に情報システムの仕様を作成するとともに、リスク判定の情報収集に係るマニュアルの作成や職員研修等を行うものでございます。

○小林委員 最後に、第五十七号議案、食品衛生法施行条例の一部を改正する条例についてお伺いをいたします。
 このたびの改正は、食品衛生法等の一部を改正する法律の施行による食品衛生法の改正に伴った規定の整備でありますが、法律の改正により、HACCPに沿った衛生管理が制度化をされました。
 初めに、全ての食品事業者にHACCPに沿った衛生管理の実施が求められるようになった背景についてお伺いをいたします。

○花本食品医薬品安全担当部長 HACCPによる衛生管理は、アメリカやEUなどの先進国を中心に義務化が進められており、国際標準の衛生管理手法となっております。
 国内に流通する食品の安全性のさらなる向上を図るためには、事業者みずからが食品衛生上の危害の発生を防止するために、特に重要な工程を管理するための取り組みを行うHACCPに沿った衛生管理を広く定着させていく必要があります。
 HACCPに沿った衛生管理は、一部の食品製造業者だけが取り組むのではなく、原材料の生産から消費に至るまでのフードチェーン全体で取り組むことにより、フードチェーン全体の衛生管理が見える化され、国内に流通する食品全体の安全性が向上すると考えられております。
 そのため、平成三十年六月の食品衛生法の改正により、全ての食品等事業者にHACCPに沿った衛生管理が義務づけられることとなったと認識しております。

○小林委員 都の食品衛生法施行条例において定められていた、公衆衛生上講ずべき措置の基準、営業施設の基準は、このたびの改正によって、それぞれどのような扱いに変わるのかお伺いいたします。

○花本食品医薬品安全担当部長 これまで食品等事業者が遵守すべきソフト面の基準である公衆衛生上講ずべき措置の基準及びハード面の基準である営業施設の基準は、それぞれ食品衛生法に基づき、自治事務として都が条例で定めてきたところでございます。
 ソフト面の基準である公衆衛生上講ずべき措置の基準につきましては、国際整合的な衛生管理の実施を全国の食品等事業者に求めること及び地方自治体による運用を平準化することを目的として、今回の法改正により厚生労働省令で定められることとなりました。
 そのため、改正法の施行前に条例から公衆衛生上講ずべき措置の基準を削除する必要があり、今回、ご審議をお願いする議案でございます。
 ハード面の基準である営業施設の基準につきましては、合理性の乏しい地域格差を解消し、全国の平準化を図ることを目的として、今回の法改正により厚生労働省令で基準を定め、都はその基準を参酌して、今後、条例で定めることとなっております。

○小林委員 全ての食品事業者に衛生管理計画の作成が義務化された中、HACCPに基づく衛生管理が求められる事業者とHACCPの考え方を取り入れた衛生管理が求められる事業者の二つの区分がありますが、特にHACCPの考え方を取り入れた衛生管理が求められる事業者が地域には数多く存在すると思います。
 HACCPの考え方を取り入れた衛生管理の対象として、小規模事業者が挙げられておりますが、この小規模事業者の範囲はどの程度まで含まれるのかお伺いいたします。

○花本食品医薬品安全担当部長 今回の法改正では、全ての食品等事業者にHACCPに沿った衛生管理が求められており、事業者の規模等に応じてHACCPに基づく衛生管理、または、HACCPの考え方を取り入れた衛生管理の二つの衛生管理手法のいずれかの管理を行わなければならないとされています。
 HACCPの考え方を取り入れた衛生管理を行うことができるとされている小規模事業者等は、提供する食品の種類が多く、メニューの変更頻度が頻繁な飲食店や食品の取り扱いに従事する者の数が五十人未満である小規模事業所を有する営業者などとなっております。

○小林委員 今までHACCPの取り組みを行っていなかった小規模な事業者においては、若干の戸惑いも予想されるのではないかと思います。
 こうした事業者に対しては、このたびの改正を踏まえ、丁寧な周知と計画作成の支援を進めていく必要があると考えます。
 見解をお伺いして、私の質問を終わります。

○花本食品医薬品安全担当部長 HACCPの考え方を取り入れた衛生管理ができるとされている小規模事業者等は、事業者団体が作成し、厚生労働省が内容を確認した手引書にのっとって衛生管理を実施することとされております。
 都は、都保健所が管轄する施設のうち、件数の多い飲食店を支援するため、事業者団体が作成した小規模な一般飲食店向け手引書に沿った衛生管理計画と記録用紙を合わせた食品衛生管理ファイルを令和元年六月に作成いたしました。
 このファイルは、自身の店舗の取り扱いに合わせてチェックを入れるだけで衛生管理計画が作成でき、かつカレンダー形式の記録用紙が附属しているため、実施できた日に丸をつけていけば記録もできるものとなっております。
 このファイルの使い方を、飲食店向け法改正説明会や食品衛生講習会で丁寧に説明し、活用を促すことで、小規模な事業者の衛生管理計画の策定を支援しております。
 また、新たに届け出の対象となる小規模な事業者への周知の方法等につきましては、実務を担当する保健所職員をメンバーとする検討会において、現在検討しているところでございます。

○小宮委員 東京都は、三月十二日に新型コロナウイルス対策として第三弾の百十一億円の緊急対応策をまとめております。
 また、東京都主催のイベントの中止や延期も今月末まで延長とするなど、引き続き感染の拡大局面にある、そういう状況というふうに認識しておりますけれども、福祉保健局では今回の対策の中に、先ほどご質問がありましたマスク三百五十万枚を医療機関や社会福祉施設に提供するとしていまして、配分については先ほどのご答弁にあったとおりで、医療機関に二百万枚、高齢者関連の施設に六十万枚、児童の関連施設に六十万枚、障害者関連施設に三十万枚ということです。
 一方、国も、三月十日に示した対策では、医療機関に対して全国で一千五百万枚のマスクの提供、これはサージカルマスクになるんでしょうか、それから、福祉施設には全国に向けて二千万枚の、これは布製のマスクを提供するとしています。
 また、区市町村においては、独自に備蓄をしているマスクを医療機関などに配布するということで、それぞれ個別の対応になっているという感が強いわけです。
 東京都としては、マスクなど入手が不可能な状況というものにあって、広く浅く、まずは対応したという段階なんだと思いますけれども、今後は、状況によって国や区市町村の動きを把握しながら対応すべきと考えますが、見解を伺います。

○奈良部企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長高齢者施策推進担当部長兼務 新型コロナウイルス感染症は、基礎疾患があると重症化するリスクが高いとされておりまして、重症心身障害児を初め、障害者の施設におきましてはこうしたリスクへの配慮が必要でございます。
 また、学童クラブや保育所等は、保護者が働いており家に一人でいることが困難な年齢のお子さんが利用するものであることから、学校休業期間中も開所することとなっておりまして、利用する子供や家庭の安全と安心を確保するため、感染防止の対策措置を講じる必要がございます。
 こうしたことから、今回は医療機関に加えまして、リスクが高いといわれている高齢者施設のほかに障害者施設、児童の施設等、広く配布することといたしております。
 今後ですけれども、今般の緊急対策は先ほどのように、こうしたことで一括して購入して配布することにいたしましたが、今後の施設等へのマスクの供給につきましては、感染拡大の状況や市場の流通状況、国の動向を踏まえまして、地域の実情を把握している区市町村とも連携いたしまして、その必要性を精査しながら適切に対応してまいりたいと思います。

○小宮委員 国にもマスクチームなるものができたようですので、どこにどれだけのマスクが必要かということを、ぜひ連携を図っていただきながら配布をしていただきたいというふうに要望しておきます。
 それから、国への緊急要望の中には、医療、検査体制の強化として、PCR検査実施体制の整備促進なども改めて求められておりますけれども、三月六日からPCR検査が保険適用となりまして、保健所を通さずに検査ができるようになったと、新しい流れができたということに対しまして、陽性患者の把握、対応について、医療機関や保健所と連携するという答弁を先日の予特の中でもいただいております。
 現在、どのように取り組んでいるのか伺います。

○吉田感染症危機管理担当部長 都は、帰国者、接触者外来等の医療機関と保険適用によるPCR検査を行政検査として委託する契約の締結手続を行っておりまして、この契約の中で医療機関が保険適用となる検査を実施した場合やその検査結果が出た場合には、医療機関を管轄する保健所に報告することを定める予定でございます。
 これによりまして、保健所が検査の実施や結果を把握し、検査で陽性と判明した場合の入院等について医療機関と連携して対応してまいるところでございます。

○小宮委員 それから、第三弾の対応策の中には、島しょ部、島の方々への対応も明記されておりまして、大島や三宅島、八丈島、小笠原村にある保健所の出張所では、電話相談を行っていただいておりまして、二月の七日から三月の十六日までに百八十二件の相談があったそうです。
 島しょ部というのは、都内と違いまして医療資源は限られており、帰国者、接触者外来があるのは八丈島ぐらい、PCR検査はもちろんできないわけですけれども、島しょの保健所管内で陽性と疑わしい患者が出た場合、その対応について確認します。

○吉田感染症危機管理担当部長 島しょの医療機関において疑い患者が確認された場合は、医療機関と島しょ保健所で協議をいたしまして、検査及び入院が必要と判断される場合は、消防庁の協力を得て、島しょにおける島民の緊急輸送その他の行政目的達成のためのヘリコプター、いわゆる行政ヘリコプターで搬送することとしております。なお、小笠原村の場合には、自衛隊の協力を得て航空機で搬送するとしております。
 搬送いたしました患者につきましては、都が受け入れ医療機関を調整いたしまして入院していただきますとともに、検査を行い適切な治療を受けていただくこととしております。

○小宮委員 来年度の補正予算として入っておりますけれども、三月の三日に知事は世田谷にある東京都医学総合研究所を視察されまして、新年度予算について、ワクチン開発のためとして一億円を盛り込んだということでして、この一億円の内訳と考え方について確認します。

○池上事業推進担当部長 医学総合研究所では、がん、感染症を初めとする未解明の重要疾患の制御等に関する研究を行っておりまして、これまでも新型インフルエンザやデング熱に関するワクチンの研究開発に取り組んでまいりました。
 来年度からは、これまで確立したワクチン開発技術を用いて、現在流行している新型コロナウイルスだけではなく、今後新たなコロナウイルスが発生した場合にも対応可能なワクチンの開発に着手することとし、研究経費として予算案に一億円を計上しております。
 内訳としましては、研究員の人件費が約三千二百万円、マウス、試薬などの経費が約二千八百万円、国立感染症研究所など他機関との共同研究費が四千万円となっております。
 ワクチンの開発は単年度で成果を上げられるものではなく、数年単位での研究を要するものでありまして、医学総合研究所が行う基礎研究だけではなく、その後の民間企業による臨床試験なども必要でありますが、これまでの研究所において蓄積された研究技術を生かしながら取り組んでまいります。

○小宮委員 どうしても起こったことに対する対処と対応というものに追われてしまう、そんな二カ月になろうかと思いますけれども、一千四百万都民のために、東京都として積極的に国に先駆けてというか、国とは別に、できることにはしっかりと取り組んでいってほしいと思います。
 それでは、次の質問に移ります。
 障害者の就労支援についてです。
 東京都では、昨年十二月に障害者など就労困難な都民を支援するための条例を制定しております。
 そうしたソーシャルファーム、定義に関してはことしの六月ごろまでに産業労働局の方でお決めになるということですけれども、ソーシャルファームを推進しようとしているわけですが、一方、福祉保健局におきましては、企業での就労が困難な障害者を対象とした就労支援サービスを所管しておられまして、具体的には、障害者の企業への就職に向けた支援を行う就労移行支援事業所、これは、都内に三百四十二事業所あるそうです。
 それから、障害者の働く場となっている就労継続支援事業所のA型とB型、A型は百事業所程度あって、雇用契約に基づく就労が可能な事業所となっていますが、B型に関しましては、都内で事業所数が八百を超えておりまして最も利用者数が多いということで、B型の作業所の利用者は企業では雇用が困難な障害のある方たちの働く場であるということで、清掃の請負であったり、印刷物の封入、封緘であったり、そういった軽作業であるとか雑貨類や食品などの自主製品の製作や販売、こうしたことを手がけておりまして、生産活動から得られる事業収入から事業に必要な経費を控除した額が工賃として利用者に支払われることになっています。
 工賃の向上、底上げのために、東京都としてもこれまでさまざまな支援をしてきまして、平成三十年度における一カ月当たりの平均工賃は一万六千七十八円ということで、五年前と比較すると一〇%ほど増加をしているわけですけれども、それでもまだまだ障害者が働きながら生活する上では、工賃の底上げが重要となります。
 そこで、B型事業所の工賃の向上のための課題と、それから、それらの課題に対して都としてどう取り組むのか、あわせて伺います。

○松山障害者施策推進部長 都は、平成三十年度に令和二年度までの三年間を計画期間とする東京都工賃向上計画を策定し、B型事業所が工賃向上に向けて取り組むべき課題を整理しております。
 具体的には、B型事業所を障害者の就労の場として重視していない事業所の意識改革、利用者の特性や高齢化などによる変化に配慮した作業工程の見直しや作業環境の整備などの生産性の改善、事業所の製品の販路開拓、品質向上や仕事量の安定的確保などでございます。
 そのため、事業所の課題に対応する取り組みを以下のように行っております。
 まず、事業所の意識改革や生産性の向上の課題につきましては、工賃アップセミナーを実施し、事業所職員の経営意識を高める基礎研修に加え、個別の相談会や中小企業診断士等の専門家による事業所への派遣等によって、それぞれの事業所が利用者の特性や作業の内容を踏まえた作業環境の改善などの課題を解決できるよう助言を行っております。
 また、生産性の向上や受注機会の拡大を目的として、事業所が導入する生産設備の整備に対する補助を行っております。
 次に、製品の販路拡大、品質向上や仕事の確保等の課題につきましては、自主製品の魅力を発信する福祉・トライアルショップKURUMIRUの運営、軽作業等の大口受注を確保するための都の共同受注窓口の設置などの取り組みを行っております。

○小宮委員 今、ご答弁にあったKURUMIRU、おなじみなのは都庁店であると思いますけれども、都内に三カ所あって、丸井の錦糸町店、伊勢丹の立川店ということで活動も三年を迎えるということになってきました。
 KURUMIRUは自主製品の品質を高めたり販路を拡大する、これを目指す事業ということで、B型事業所を支援する大切な意義があるというふうに思っております。
 そこで、KURUMIRUに出品している事業所数の推移と具体的な支援方法について伺います。

○松山障害者施策推進部長 KURUMIRUへの出品事業所数は、平成二十八年九月のスタート時は百二十一事業所でございましたが、直近の令和二年二月末現在では百七十六事業所となっております。
 出品事業所に対する具体的な支援としては、事業所の自主製品が市場で流通する商品としての質を確保できるよう、安全性や品質表示などの出品基準を設け、説明会を開催して詳細な説明を行っております。
 また、自主製品の魅力を高め販路を拡大できるよう、流通分野の専門家が事業所で働く障害者の適性を踏まえた作業工程の工夫や原材料の仕入れ方法、商品開発の進め方、布製品、革製品などアイテムごとの販路などについて、丁寧なアドバイスを実施しております。

○小宮委員 きめ細かなアドバイスを行って、出品したいという意欲のある事業所もふえているというふうに伺っております。
 引き続き、事業所のやる気ですとか向上心を高めていってほしいと思いますし、一般企業での障害者雇用が進んでいる中であっても、B型事業所においては障害の重い方ですとか高齢者がふえているというお話を伺っております。
 障害の重い方であっても、高齢の方であっても、個々の能力を生かして生き生きと働ける場としてのB型事業所への支援は大変重要であると思います。
 来年度は、次期工賃向上計画の検討を行うと伺っておりますので、B型事業所の実態を踏まえた検討を、ぜひ要望いたしまして、質問を終わります。

○藤田委員 私からは、条例案に対して一つと予算に対して三点の点から質問をさせていただきます。日本共産党の藤田りょうこです。
 初めに、第五十七号議案、食品衛生法施行条例の一部を改正する条例について質問いたします。
 この条例は、二〇一八年に改正された食品衛生法がことしの六月から施行されることに伴い、東京都の条例もそれに合わせて改正するものですが、最も大きな変更は食品を扱う全ての業種にHACCPが義務づけられるということです。
 HACCPとは、原材料から最終製品までの食品の製造工程そのものの衛生管理計画を作成し、チェックすることで、食品の安全を確保しようとする仕組みのことです。
 食品の衛生管理は食中毒の発生を予防する観点などからも重要と考えます。しかし、従業員が一人しかいない零細業者や高齢夫婦の家庭、家族経営などの事業者にとって、細かく計画を作成することは容易ではありません。インターネットの環境もないお店もあります。
 衛生管理計画の立て方の説明会や研修、計画のチェック方法など丁寧に支援していかなければ、衛生管理の実効性が伴わないばかりか、HACCPの導入による負担だけがふえ、これまでの業務に支障を来す可能性もあります。
 衛生管理の精度を上げるためには、新たにHACCPを導入する業者に対して、十分な支援が行える体制整備が不可欠です。
 今回、新たにHACCPの義務づけがされる食品等事業者は都内に幾つありますか。

○花本食品医薬品安全担当部長 HACCPに沿った衛生管理が求められる食品等事業者は、改正食品衛生法に基づき営業の許可を受けた者及び届け出を行った者でございます。
 現在、把握している特別区、八王子市及び町田市を含めた都内の食品衛生法に基づく営業許可並びに食品製造業等取締条例に基づく営業許可等の数の合計は約三十四万件であり、このうち都保健所等が直接管轄する地域における営業許可等の数は約五万六千件となっております。

○藤田委員 東京都は約五万六千件の事業者に対して、HACCPの義務づけがされますよと、衛生管理計画の作成と日々の点検をしなければならなくなりますよと説明し、全ての事業者が実施できるようにしていかなければならないということです。
 では、これまで幾つの事業者に衛生管理計画についての説明を行いましたか。

○花本食品医薬品安全担当部長 都の管轄する区域内の食品等事業者に対し、法が改正された平成三十年度以降、許可更新時の食品衛生講習会や夏季、歳末一斉監視指導の立入検査時等に説明を行っております。
 また、都保健所管内にある許可件数の多い飲食店営業、約一万二千件に対し、法改正の概要と説明会の案内を送付し、説明会では衛生管理計画の作成について解説しております。
 平成三十年度以降、都の保健所等が開催する食品衛生講習会や法改正説明会において、延べ約二万三千人に対し、衛生管理計画の作成などHACCPの取り組みについて説明しております。

○藤田委員 事業者は約五万六千件ですけれども、説明を行った対象は約二年間で延べ二万三千人ということで、事業者の半分どころかもっと少ない範囲にしか説明できていないということです。
 説明会の案内を送付した団体は飲食店営業ということですが、厚生労働省のQアンドAには、団体に加盟していない事業者にも自治体などの保健所が周知、普及することとしています。
 小さな事業者についても、都が責任を持って説明しなければならないというもので、一度も説明を受けないまま、来年六月の本施行を迎える事業者があってはならないと思います。
 HACCPの義務づけがされた場合、東京都はどのようなことを事業者に対して行うのですか。そして、その業務を行う職員の体制はどのようになっているか、あわせて伺います。

○花本食品医薬品安全担当部長 東京都における食品衛生にかかわる監視体制についてでございますが、現在、多摩地域及び島しょ部にある六カ所の都保健所や健康安全研究センター広域監視部、市場衛生検査所等の関係事業所に所属する二百二十五人の食品衛生監視員が営業施設への監視指導等を行っております。
 令和三年六月の改正法の本施行後は、同様の体制で許可更新時の実地検査や通常の監視指導の際に、HACCPに沿った衛生管理が適切に実施されていることを確認していく予定でございます。

○藤田委員 二百二十五人の体制で事業者への説明も行い、法改正の本施行後には営業施設への指導など、通常業務を行いながら衛生管理についても確認していくということです。
 ある事業者は、事前の説明会の案内が来ても、仕事を休めないから参加ができないと話していました。従業員が少ない事業者では、監視員が営業施設に出向いて説明できることが必要で、その際、今の体制で十分対応できるのか検討すべきだと思います。必要な体制確保を行うよう要望いたします。
 小規模な事業者などに丁寧な支援が必要です。どのように取り組むのですか。

○花本食品医薬品安全担当部長 今回の法改正では、全ての食品事業者にHACCPに沿った衛生管理が求められておりまして、事業者の規模に応じて、HACCPに基づく衛生管理、またはHACCPの考え方を取り入れた衛生管理、この二つの衛生管理手法のいずれかの管理を行わなければならないとされております。
 提供する食品の種類が多く、メニューの変更頻度が頻繁な飲食店などを含む小規模な事業者につきましては、厚生労働省が内容を確認した手引書にのっとって衛生管理を実施する、HACCPの考え方を取り入れた衛生管理を行うことができるとされております。
 都は、都保健所が管轄する施設のうち、件数の多い小規模な飲食店を支援するため、事業者団体が作成した小規模な飲食店向け手引書に沿った衛生管理計画と記録用紙を合わせた食品衛生管理ファイルを令和元年六月に作成いたしました。
 ファイルはチェックを入れるだけで衛生管理計画が作成でき、実施できた日に丸をつけていけば記録もできるものでございまして、このファイルの使い方を丁寧に説明し、活用を促すことで、小規模な事業者の衛生管理計画の策定を支援しております。
 また、新たに届け出の対象となります小規模な事業者への周知の方法等につきまして、実務を担当する保健所職員をメンバーとする検討会において、現在検討しているところでございます。

○藤田委員 手引書に沿った衛生管理計画ということですけれども、どのような計画をつくらなければならないのかということで、これが、衛生管理の手引書になるんですけれども、こっちは、大きな研修で使った一般のなんですけれども、こちらは豆腐屋さんでして、全部で四十四ページ、手引書の中身が書かれています。
 大豆から豆腐をつくるまでの工程ごとに衛生管理のポイントを決めて、毎日、実施記録をつけていくというものです。
 ある豆腐屋さんにお話を聞いたところ、創業九十年というところで、この間、一度も食中毒を出したことはなく、衛生管理には自信があると話していました。衛生管理の重要性は理解しているけれど、計画をつくったり、実施確認をしたりする必要性について理解しやすい説明が必要だと感じました。
 さらに、お店は一人で営んでいて、工程ごとにチェックして記録するという作業自体が負担だとも話していました。厚生労働省のホームページにあるQアンドAでは、都道府県などからの質問の中にも、手引書の内容は難し過ぎるというものがありました。
 先ほどの答弁では、都が独自に食品衛生管理ファイルを作成して、ファイルの使い方を丁寧に説明するともしていました。ぜひ実行していただきたいと思いますし、そのためにも、繰り返しになりますが、説明や支援に当たる職員の体制の強化を行っていただくよう要望いたします。
 続きまして、ひきこもり支援について質問いたします。
 都は昨年、東京都ひきこもりに係る支援協議会を設置し、これまで二回の協議会を開催しています。ひきこもりの状態にある方とご家族への理解を深め、当事者が真に求めている支援のあり方について検討するための重要な場であると思います。
 よりよい政策につなげるために質問いたします。
 今回の都の協議会の委員を見てみますと、学識経験者、これは社会福祉、心理、精神科医療といった分野の専門家が四名、そして福祉、医療、就労支援などの自治体と民間の関係機関が九団体、また、区市町村というメンバーに加えて、家族会や当事者団体からも委員が選任されています。
 都の協議会の委員に、当事者の方や家族会からも委員を選任した理由について伺います。

○藤井事業調整担当部長 ひきこもりに係る支援協議会は、当事者、家族の状況に応じた切れ目のない支援のあり方について検討を行うことを目的としたものでございます。
 そのためには、ひきこもり当事者の団体や家族会の意見を聞くことが望ましいと考えまして、本協議会に参画いただくことといたしました。

○藤田委員 ひきこもりの歴史の中で、東京都の協議会に家族会や当事者が入った意義は非常に大きいと考えます。
 一方、ひきこもりの長期化した問題は、いまだ実態がつかみ切れていないのが現状です。とりわけ、これまで表面化されてこなかった当事者の声を十分に聞き、提言に反映されるようにしていただきたいと思います。
 これまでの相談窓口や支援ではつながれていない、把握できていないひきこもり状態の方が多くいると想定して、調査や支援のあり方を検討すべきです。調査についても、国の調査などよりも実態をつかめる内容にする必要があります。
 昨年の内閣府の実態調査から、中高年のひきこもりの人が全国で六十一万人を超え、若い世代以上に多いという推計が発表されました。
 都は来年度、ひきこもりにかかわる調査を行う予定であり、予算案にも計上しているところです。
 どのような内容の調査を行おうと考えていますか。また、それはいつごろ実施する予定ですか。

○藤井事業調整担当部長 ひきこもりとは、さまざまな要因の結果として六カ月以上にわたっておおむね家庭にとどまり続けている状態像であり、年齢や性別等によらず、さまざまな悩みを抱える当事者、家族が存在しております。
 このため都は、昨年九月、学識経験者、当事者団体や家族会等で構成するひきこもりに係る支援協議会を立ち上げ、当事者、家族の状況に応じた切れ目のない支援のあり方について検討を進めております。
 協議会における議論に当たりまして、当事者、家族の状況や支援機関による支援の現状等を把握するため、区市町村や関係機関等に対する調査を来年度実施することとしておりまして、現在、調査内容について検討を進めているところです。

○藤田委員 以前、当事者団体の方にお話を伺ったところ、ひきこもりは百人百様だとおっしゃっていました。当事者の意見をよく聞いて、設問の仕方にも工夫して調査票をつくっていただくよう要望いたします。
 第二回の協議会で、当事者団体の委員は、ひきこもり、生きづらさに関する実態調査をウエブと紙媒体で行い、全都道府県から約一千七百名の当事者から回答を得たことを報告しています。
 そのうち六割が女性という結果だったと報告していますが、都はこの内容についてどう受けとめていますか。

○藤井事業調整担当部長 ひきこもりは、精神疾患、障害等さまざまな要因の結果として、六カ月以上にわたっておおむね家庭にとどまり続けている状態像であり、年齢や性別等によらず、さまざまな悩みを抱える当事者、家族が存在しているというふうに受けとめております。

○藤田委員 二〇一九年の内閣府の調査では、ひきこもりの方のうち女性が占める割合は二三・四%であったり、従来の支援である自助会、当事者会では男性が多い傾向にありました。
 しかし、調査では家事手伝いを除いているので実態を示してはいません。三十年ほど前までは夫婦共働き世帯よりも専業主婦の世帯が多かったように、以前は男性は外で働き、女性は家庭を守るという考え方が主流でした。
 女性が家庭にとどまり続けていることに対して、ひきこもり状態とはいわれなかったと思います。家事手伝いはそのことを象徴している肩書だともいえます。けれども、家事手伝いという方の中には、ひきこもり状態になっている女性の方も多くいると受けとめるべきだと思います。
 また、先ほどの当事者団体の調査では、生きづらさを感じる理由に性的指向、性自認と答えた割合も約一割という結果が出ています。性的指向、性自認の少数者であるということが生きづらさを抱え、ひきこもりにもつながる大きな要因になっているといえます。こうした方への支援はとりわけ配慮が必要だと思います。
 ひきこもりの支援に当たって、女性や性的マイノリティーの方の目線に立った支援を行うことが重要だと思いますが、見解を伺います。

○藤井事業調整担当部長 お話の女性や性的マイノリティーという視点も含めて、一人一人の状態やその家族の状況に応じまして、適切に支援していくことが重要であると考えております。
 このため都は、現在、学識経験者、当事者団体や家族会等で構成するひきこもりに係る支援協議会におきまして、当事者、家族の状況に応じた切れ目のない支援のあり方について検討を進めているところでございます。

○藤田委員 いろんな立場に立った方に配慮した対応が必要だと思います。
 例えば、これまでの国の調査も自治体の調査でも、あなたが生きづらさを感じる理由は何ですかという設問はこれまでありません。
 聞かなければ、ひきこもりとなった背景に性的マイノリティーがあることは把握できません。まだ協議会の提言を受けていないから、なかなか踏み込んだことはいえないかもしれませんが、相談窓口に行って非常に傷ついたという方も少なくありません。
 生きづらさを抱える背景も百人百様だと思いますし、委員の方も指摘されていましたが、当事者と家族への尊厳に最大限配慮した支援のあり方を検討していただきたいと思います。
 そのためにも、都が来年度実施を予定しているひきこもりに関する調査では、ぜひ当事者の意見を聞いて内容を決め、実態が反映できる調査票にすべきだと考えます。都の見解を伺います。

○藤井事業調整担当部長 昨年九月に立ち上げましたひきこもりに係る支援協議会には、当事者団体や家族会からも委員としてご参加いただいておりまして、調査の依頼先や調査項目など、内容につきましては、本協議会の委員にご意見を伺ってまいります。

○藤田委員 ぜひとも委員の方のご意見を反映した調査票にしていただきたいと思います。
 また、協議会では、当事者団体の調査の自由記述欄に支援に対しての不満とか疑問の声は物すごい数が来ていますという発言があります。
 また、協議会委員で精神科医の斎藤医師は、彼らは福祉を利用しない可能性がとても高い、罪悪感とか引け目とか、あともう一つは恐怖、役所に行ったら叱られるとか思い込んでいるので、まず行かないんですよと述べています。
 家族会の委員の方も、公的機関に相談しても、いまだに本人が来なければ相談を受けられませんといわれたり、育て方を責められるのではないかと不安で窓口に行けませんという親の声などを聞いているといっています。
 行政の今ある相談窓口に行きやすくすることが重要だと思うのですが、都の見解を伺います。

○藤井事業調整担当部長 都は現在、学識経験者、当事者団体や家族会等で構成するひきこもりに係る支援協議会におきまして、当事者、家族の状況に応じた切れ目のない支援のあり方について検討を進めており、相談しやすい体制づくりなどにつきましても意見が出されております。
 引き続き、議論を進めまして、本年秋には本協議会において今後の支援の方向性について取りまとめてまいります。

○藤田委員 ここは非常に重要な部分です。
 二〇一八年十一月十五日の総務委員会で我が党の質問に対して、青少年対策担当部長は、ひきこもりに悩む本人やご家族は、最初からその悩みを詳細に伝えることが難しいケースもあり、相談や支援を受けることに対し心理的なハードルを下げることは、何よりも非常に重要なことと答弁しています。この姿勢は、所管が福祉保健局に変わったとしても引き継がれるべきものだと思います。
 一方、家族会の調査によると、当事者が支援を求めようと思わない理由で一番多かったものは、支援や支援者に対する不信感でした。たらい回しに遭った、理解してもらえていない、親身になって対応していないと感じる、恐怖心が強過ぎる、最初の面談で力尽きるなどです。
 支援で必要なのは、当事者と家族の尊厳に配慮したかかわりであり、窓口の職員の対応によって、その後の支援の継続に大きくかかわってきます。
 都の相談窓口や区市町村のさまざまな窓口の相談対応職員への研修は、どのようなことを行っていますか、伺います。

○藤井事業調整担当部長 都は、これまでも区市町村や民間支援団体の職員を対象としまして、当事者や家族に対する相談支援の対応力の向上を目的とした研修を実施しております。
 来年度は、地域包括支援センター等の職員を対象とした研修を実施する予定でございます。

○藤田委員 スキルアップは重要です。一方で、これまでの研修を受けた支援者の方の対応で当事者や家族が傷つき、支援を求めようと思わなくなった当事者が現にいるということです。
 当事者団体の方は、ひきこもり支援はどうやって生きてもらうかという生きることへの支援ですと話していました。当事者への調査結果では、自分のことを嫌いだと感じるときがある方は九割以上に上り、あなたが感じる生きづらさの理由に対しては、八割近い方が自己否定と答えています。
 自由記述でも自分が生きていていいとは思えない、生きていることが申しわけない、申しわけなさ過ぎて道の端っこしか歩けないという内容があることから、支援者には当事者が物すごく苦しい自己否定感を持っているということへの理解が求められています。
 都の相談窓口や区市町村のさまざまな窓口の相談対応職員への研修では、ぜひとも当事者の声を聞く内容を取り入れていただき、ひきこもりへの理解促進を東京都から進めていただくよう要望いたします。
 これまでのひきこもりの方への支援では、就労がゴールとされてきましたが、それは支援者や親御さんにとってのゴールだと思うと当事者団体の委員の方が協議会で発言しています。
 この間、ひきこもりが社会問題化したのは、生活を支えていた家族が高齢になったために、何とか一人でも暮らせるようにと支援を求めたことが大きかったのではないかと思います。
 行政の窓口に当事者は怖くて行けず、家族は??られるのではないかと思っているので、ひきこもりの方やご家族のうち、支援に結びついていない方は非常に多くいると思われます。
 人数に見合った相談体制の強化が必要であり、地域福祉コーディネーターなどの育成支援をより強化するべきと考えますが、見解を伺います。

○藤井事業調整担当部長 現在の相談体制につきましては、区市町村の実情によりまして、ひきこもり相談窓口の所管部署や地域福祉コーディネーターの配置状況が異なっております。
 昨年九月に立ち上げましたひきこもりに係る支援協議会には、区市町村からも委員として参画いただいており、今後の相談体制も含め議論を進め、本協議会において支援の方向性について取りまとめてまいります。

○藤田委員 協議会に出ている都の資料にも、国の調査結果から推定される都内のひきこもりの方の推定数は約十一万人ということですので、推定人数に見合った体制強化についても検討いただくよう要望いたします。
 また、学識経験者の委員からは、居場所が選べるということが大事なことだとして、自助会の活動をもっとサポートしていくという発想を大いに進めていただきたいと発言しています。
 都は、ひきこもり支援策として、居場所をつくることの意義をどう考えていますか。また、当事者や家族会でつくる居場所に対する都独自の支援策を講じる必要があると考えますが、いかがですか。

○藤井事業調整担当部長 都は現在、ひきこもりに係る支援協議会におきまして、当事者、家族の状況に応じた切れ目のない支援のあり方について検討を進めておりまして、安心できる居場所の確保などについても意見が出されております。
 引き続き議論を進め、区市町村の実情に応じた居場所のあり方も含め、本協議会において支援の方向性について取りまとめてまいります。

○藤田委員 当事者団体の行った調査では、よかった支援で最も多かったのは当事者会、当事者の集まる居場所であり、最も少なかったのはハローワークでした。
 また、支援の満足度で就労支援に満足した人は一二・八%であったのに対して、当事者によるサービス、当事者会や当事者が行うイベントに最も満足した人は五六・九%でした。
 居場所について、四十代の男性当事者はいてもいい場、就労支援目的ではない場、緊張しても不安でもいられる場、何かを意図されない場、追い立てられない場であるといっていたと当事者団体の委員からは報告がされていました。
 こうした当事者がつくる居場所はそもそも資金があるわけではないので、例えば、行政が会場費の支援をすることで開催しやすくなりますし、また、当事者は収入のない場合が多いので、居場所のあるところまで通うために交通費が大きな負担となります。全国で居場所づくりができるように支援することも必要だと思います。
 我が党は家族会からお話を伺った際、暴力的支援団体の規制を行ってほしいと伺いました。協議会の発言でも、いわゆる支援ビジネス、暴力的支援に対して非常に問題という発言がありました。
 都として、自立支援の名をかりた暴力的支援団体の規制ができるよう国に求めることや、相談支援の実施を要望いたします。見解を伺います。

○藤井事業調整担当部長 都は現在、ひきこもりに係る支援協議会におきまして検討を進めており、その中でもいわゆる暴力的支援団体等への対応の必要性について意見が出されているところです。
 引き続き、議論を進めまして、本協議会において今後の支援の方向性について取りまとめてまいります。

○藤田委員 さまざまな相談支援を受けようとしても、かたくなに自宅から出てこない、実際には出てこられない、そうした当事者に対し、親としては自分がいなくなった後のことが一番の不安となっています。
 こうした親心を逆手にとった支援ビジネスが急増しており、多くの支援団体がこの規制を求めています。ぜひ暴力団体への実効性ある対応を求めます。
 ひきこもり状態になった背景は百人百様です。支援のあり方も百様となるためには、当事者に寄り添い、その人にとってどうなることが幸せなのか、安心して生きていける方向はどっちなのかということを一緒に考えて、支えていくという支援でなければなりません。
 東京都がこれからつくっていくひきこもりの方への支援が、真に当事者が求めるあり方に近づいていけるよう要望いたしまして、次の質問に移ります。
 予期せぬ妊娠への相談対応についてお聞きします。
 ことし一月、足立区で生まれたばかりの赤ちゃんを置いてアルバイトに出かけていた女性が、赤ちゃんを衰弱死させたとして逮捕された事件がありました。
 頼る人がなく一人で自宅で出産を迎え、その翌日からアルバイトに行っていたということです。報道されている範囲ではベビー服を着せるなど、決して虐待しようなんて思っていなかった、そんな状況がうかがえますが、赤ちゃんを育てられずに死なせてしまったことで、この出来事は児童虐待死事件として扱われています。
 東京都は、児童虐待の防止のために、妊娠期から子育て期まで切れ目のない支援を行うことが重要との認識を示していますが、どうやってこの支援につながるかが重要だと思います。
 都は、妊娠期から支援を始めるために、現在どのような取り組みを行っているか伺います。

○谷田少子社会対策部長 都は平成二十七年度から、ゆりかご・とうきょう事業を開始いたしまして、全ての子育て家庭の状況を妊娠期から把握して、継続した支援を行う区市町村を支援しております。
 具体的には、妊娠届け出時などに全ての妊婦を対象に面接を行う保健師等の配置や出産、子育てに向けた準備を支援する育児パッケージの配布を支援しております。

○藤田委員 妊娠届を出すことで切れ目のない支援につないでいるということでした。
 厚生労働省の子供虐待死亡事例等の検証結果等について、第十五次報告によると、二〇一八年度の一年間に子供虐待による死亡事例は六十五人で、そのうち母子健康手帳を交付していなかった事例は二八・八%という結果となっていました。
 ほとんどの妊婦が分娩までの間に妊娠届を出し、母子手帳の交付を受けているということですから、全体から見ると、妊娠届を出していない妊婦は本当にごくわずかということです。
 一方、子供虐待死亡事例では約三割が妊娠届を出していないということですから、妊娠届を出さない方の虐待リスクは非常に高いということだと思います。
 ちなみに東京都は、人口十万人に対する常勤保健師の数が四十七都道府県のうちで四十五位という状況もありますので、届け出を行った方に対しても、専門的な視点から必要な支援につなぐことができるように、保健師の増員についても取り組んでいただくよう要望いたします。
 妊娠の届け出ができないという背景には、さまざまな理由が存在します。妊娠するずっと前から幾つもの困難を抱え、貧困や虐待などによって家に居場所がなく、まちをさまよい性被害に遭った妊娠、未婚の妊娠、相手がわからないとか社会的にオープンにできないといった妊娠、十代や学生という立場の妊娠などですが、どう対処してよいかわからない、親にも相談できないといった場合が多くあります。
 先ほどの第十五次報告では、子供死亡事例のうち約半数がゼロ歳児で、生後ゼロ日、生まれたその日に亡くなった事例では、六割にも上る事例が予期せぬ妊娠、計画していない妊娠であることがわかりました。予期せぬ妊娠をした方が誰にも相談することなく出産を迎えた場合、児童虐待のハイリスクとなります。
 妊娠をした、もしくは妊娠した可能性がある人や身近な人が相談しやすい窓口があることは重要であると考えますが、都の認識を伺います。

○谷田少子社会対策部長 妊娠期からの支援、特に予期しない妊娠などの悩みを抱える方が相談しやすい体制を整備することは重要でございます。
 このため都は、妊娠や出産に関する悩みを抱える方の相談に対し、看護師等の専門職が電話やメールで匿名の相談に応じます、妊娠相談ほっとラインを実施しております。
 また、区市町村は妊娠届け出時の面接等さまざまな機会を通じまして、悩みを抱える妊婦を把握し、支援につなげる取り組みを行っておりまして、都はゆりかご・とうきょう事業や包括補助で支援しております。

○藤田委員 予期しない妊娠など悩みを抱える方が相談しやすい体制整備は重要ということです。
 妊娠相談ほっとラインは、株式会社法研が都の委託を受けて運営していて、午前十時から午後十時までの電話相談と、メールでの相談を行っているということです。
 妊娠相談ほっとラインの普及啓発のために活用しているのが、リーフレットや普及啓発カードということですが、これらの配布先はどのようになっていますか。

○谷田少子社会対策部長 妊娠相談ほっとラインの普及啓発のために作成しておりますリーフレットは、妊婦健康診査実施医療機関、都内大学、区市町村母子保健主管課、福祉事務所、女性相談センター等に配布しております。
 また、普及啓発カードについては、保健所、保健センター及びドラッグストア等に配布しております。

○藤田委員 自治体や病院だけではなくドラッグストアなどにも配っているということですが、肝心なのは妊娠にまつわる悩みや不安を相談しにくい立場の人に、いかに相談窓口があることを知ってもらうかだと思います。
 厚労省の人口動態統計によると、日本の全出生数のうち母親の年齢が十代という割合は約一%で推移していますけれども、心中以外の虐待死事例における十代の割合は一割台から二割台です。この統計からも、いかに若い世代の相談につながれるかが重要だと思います。
 十代の虐待死事例の割合から見ても、予期せぬ妊娠をした場合でも、また妊娠したかどうか不安な場合でも、相談する先があるということを小中高校生のうちから知っていることが相談につながりやすくなると思いますが、見解を伺います。

○谷田少子社会対策部長 都は、妊娠、出産を含むさまざまな健康上の悩みを抱える女性を支援するため、思春期から高齢期まで年齢を問わず、健康に関する相談に応じる女性のための健康ホットラインにおきまして、看護師等の専門職が電話やメールで助言を行っております。
 この相談窓口の周知を図るため、ポスターとカードを作成いたしまして、区市町村や都内の高校、大学を通じて配布しております。
 また、若い世代に妊娠、出産に関して正しい知識を普及啓発するウエブサイトにおきましてもこの窓口を紹介しておりまして、今後とも若い世代への周知に努めてまいります。

○藤田委員 私もウエブサイトを検索してみたんですが、実は見つからなくて、妊娠、東京というキーワードを入れて、やっと妊娠相談ほっとラインというのを見つけました。そういう状況でした。
 カードも女性の健康ということになると、妊娠に関する不安の相談窓口になるのかなと思います。さらに、この内容では高校に配布していたとしても、男子学生には配られていないのではないかとも思います。やはり少なくとも全ての高校、せめて都立高校くらいには、妊娠相談ほっとラインの普及啓発カードを学生全員に配っていただくことを要望いたします。
 まだ支援につながらない方が多い中で、積極的にアウトリーチなどの支援を新たに行いたいといっている団体もあります。
 こうした民間の力を生かすためにも、二〇一七年度から国が実施している産前・産後母子支援事業を都としても実施すべきと考えますが、見解を伺います。

○谷田少子社会対策部長 都は、平成二十六年度から妊娠や出産に関する相談に看護師等の専門職が助言等を行います、妊娠相談ほっとラインを実施いたしまして、特に継続的な支援が必要な場合は、区市町村の保健所や保健センターへの相談につなげており、引き続き、妊娠や出産に悩む女性を適切に支援してまいります。

○藤田委員 予期しない妊娠であっても、ハイリスクな出産や子供への虐待につながらないためにも、より相談しやすい窓口を東京都から支援していただくよう改めて要望いたします。
 電話相談などで受診を勧められても、十代で産婦人科などに行くことは非常に勇気が要ることです。当然、保険証や受診料も必要になります。
 都は、ことし一月から妊娠相談ほっとラインに相談したケースで、一人で医療機関を受診することに不安を抱える方などに、産科等医療機関などへの同行支援を行う事業を開始しました。
 妊娠相談ほっとラインにおいて、同行支援を開始した理由とその目的について伺います。

○谷田少子社会対策部長 妊娠相談ほっとラインの相談者の中には、区市町村への相談や医療機関の受診に不安を抱えるために医療機関の受診に至らない方がいらっしゃいます。
 こうした相談者を関係機関につなげ、医療機関未受診の出産を予防するため、本年一月から民間機関を活用した産科等医療機関などへの同行や初回産科受診料の支援を開始いたしました。

○藤田委員 同行支援や受診料の支援は重要です。
 厚生労働省は、二〇一九年度予算で女性の心身に関する悩みや予期せぬ妊娠等の相談対応を行っている女性健康支援センター事業において、特定妊婦と疑われるものを把握した場合には早期からの支援が受けられるよう、医療機関等へ確実につなぐ体制を整備するとしており、その制度を活用したものです。
 さらに、受診につながった後も、継続して健康診査が受けられる体制整備が必要だと思います。
 都は、リーフレットなどで妊婦健康診査の受診勧奨を行っていますが、健診を受けることの重要性について伺います。

○谷田少子社会対策部長 医療機関を受診していない妊婦は、早産や自宅や搬送中での分娩などのリスクの高さが指摘されております。
 そのため妊娠中は定期的に健診を受診し、母体や胎児の健康の確保を図ることが重要でございます。

○藤田委員 定期的に妊婦健康診査を受診することが重要だということでした。
 現在の妊婦健診は、妊娠届の際に自治体から配布される受診券を持って受診することで、検査項目に応じて自己負担の軽減を受けることができます。厚生労働省の平成二十七年三月三十一日告示では、妊娠初期から出産までおおむね十四回、妊婦健診を受けることが望ましいと基準を示しています。
 しかし、妊婦健康診査は受診券を使っても、都内では一回目は一万円前後、二回目以降も約五千円の自己負担が毎回発生するため、支払いが困難であれば、やはり受診を中断する可能性があります。
 厚生労働省が行った調査によると、二〇一八年四月一日現在の妊婦健診の公費負担の金額は、妊婦一人当たり全国平均が十万五千七百三十四円であるのに対し、東京都は八万六千七百四十二円でした。四十七都道府県中二番目に公費負担が少ない、自己負担が多い自治体ということです。
 全国一、合計特殊出生率が低い状況を改善しようとするのであれば、妊娠、出産に係る費用を軽くすることが求められています。また、答弁でいわれたように、さまざまなリスクを減らすためにも妊婦健診を受けやすくすることが重要です。ぜひとも区市町村を支援して、せめて全国平均並みに公費負担の額を引き上げ、妊婦健診に係る自己負担を減らすことができるよう要望いたします。
 若年妊娠や予期せぬ妊娠になる背景には、自宅に居場所がなかったり、妊婦自身が虐待を受けているなどの問題があります。帰るところや居場所のない妊婦が安全に過ごせる場所の提供が重要です。
 現在、行き場のない女性を保護できる婦人保護施設は都内に五カ所ありますが、その中でも妊産婦専用の婦人保護施設は都内にある慈愛寮一カ所のみです。慈愛寮は妊娠三十六週にならなければ入所することができません。
 東京都はこうした居場所のない妊婦の支援を行うために、二年前から妊婦支援制度をつくり、妊娠三十六週に満たない妊婦を都内にある四カ所の婦人保護施設に保護できるようになりました。
 この二年間、慈愛寮以外の都内の四つの婦人保護施設で妊婦の保護を行った件数は何件ありましたか。

○谷田少子社会対策部長 慈愛寮以外の婦人保護施設での妊婦の保護実績は、昨年度は五件、今年度はこれまでのところ四件でございます。

○藤田委員 慈愛寮に入所される方は未受診の妊婦が多いと話していました。産婦人科を受診するためにはお金がかかるためという理由からです。経済的な困難を抱えての妊娠のために妊婦の過ごす環境が悪く、出産した赤ちゃんは低出生体重児や黄疸、低血糖など、影響としてあらわれるとのことでした。
 慈愛寮を利用できるまでの期間、婦人保護施設に入所できるようになりましたが、その場合も入所前に平均十六日間、東京都女性相談センターの一時保護所に入所しなければなりません。一時保護所の利用にはスマートフォンが使えないなど制約が多く、そのことが利用をためらわせ、居場所のない妊婦が再び劣悪な環境で生活せざるを得なくなっています。
 一時保護所に入らずとも、直接妊婦が婦人保護施設に入所できるようにすべきですが、いかがですか。

○谷田少子社会対策部長 さまざまな困難を抱える女性を適切な支援につなげるためには、女性の状況を丁寧に把握する必要がございます。
 そのため、東京都女性相談センターの一時保護所においては、医師や心理職などの専門職を複数配置して、インテークや心理面接などをきめ細かく実施し、個々の状況に応じた適切な支援につなげております。
 都としては、婦人保護施設への直接入所につきましては、慎重な検討が必要と考えております。

○藤田委員 婦人保護施設以外に、こうしたハイリスクの妊婦が安全に過ごせる場所がないことが事実です。
 慈愛寮の方のお話で見過ごすことができないと感じたのは、十代の入所者が二〇一八年から急増しているということです。二〇一八年には十代の妊婦は五人でしたが、二〇一九年には十人以上、二倍になったそうです。二十代も多く、二〇一八年度では入所者六十六人中四十七人が二十代までだったと話しています。
 若年ではさらに貯蓄もなく、ネットカフェで過ごす妊婦も多いです。貧困が広がる中、保護が必要な方が安心して利用できる仕組みに切りかえることは急務となっています。妊婦が直接婦人保護施設に入所できる検討を早急に進めていただくよう要望いたします。
 婦人保護施設では、DVのパートナーから逃れてくる女性が子供を連れてくるケースも少なくないため、国事業において同伴児童のケアを行う指導員を配置する補助金があります。指導員という名前ですが、実際は保育士を配置することになります。
 しかし、慈愛寮では必ず児童が一緒に入所する状況となり、かつその子供は新生児という状況から見ても、今の事業では十分な体制がとれません。
 婦人保護施設において、常勤の、同伴児童のケアを行う指導員の配置ができるようにすべきと考えますが、見解を伺います。

○谷田少子社会対策部長 婦人保護施設では妊産婦が入所することもあり、同伴児童への対応も必要でございます。
 婦人保護施設に支弁される措置費において、同伴児童の人数に応じ対応する指導員の雇い上げ経費を加算する仕組みとなっております。

○藤田委員 子供の人数がふえれば加算がつくというお話でしたが、連れてくる子供の数を、予定していた体制にすることはできません。慈愛寮で生まれる赤ちゃんの数は大抵一人です。何より子供は権利の主体です。同伴児という名前も改めて、子供を中心にした支援を行うようにする必要があります。施設の職員が安定して働ける環境整備が必要だと思います。
 事業は国の制度ですが、ぜひとも東京都が上乗せをして、支援が必要な母親と子供たちへの支援を手厚くしていただきたいと要望いたしまして、最後の質問に移ります。
 新型コロナウイルス感染症対策についてです。
 新型コロナウイルス感染症の対応では、東京都健康安全研究センターを初めとした都の職員の皆さん、保健所職員の皆さん、医療機関などの関係機関の皆さんのご奮闘に改めて敬意を表します。
 この間の東京都の緊急対策では、検査機器をふやすなどの体制強化を進めてきましたが、改めて健康安全研究センター職員の計画的な体制強化が必要であると思います。
 都の健康安全研究センター内にあるウイルス研究科の定数と現員は現在何人ですか。十年前、二十年前からの推移も同時に伺います。

○吉田感染症危機管理担当部長 東京都健康安全研究センター、ウイルス研究科の職員定数でございますが、今年度は十六人で、十年前の平成二十一年度は十四人、二十年前の平成十一年度は十三人でございました。
 また、現員でございますが、各年度四月一日現在の現員につきまして、今年度は十三人、十年前の平成二十一年度は十二人、二十年前の平成十一年度は十三人でございます。

○藤田委員 この二十年間で定数は三、ふえていますが、現員については横ばいということです。
 センターの事業概要を見ると、センター内は五つの部署と精度管理室があり、全体で三百六十人ほどの職員が働いています。
 今回の新型コロナウイルス感染症対応のために、東京都健康安全研究センターでは、現在何人の検査技師でPCR検査を行っているのか伺います。

○吉田感染症危機管理担当部長 東京都健康安全研究センターにおける新型コロナウイルス感染症のPCR検査は、ウイルス検査部門を中心といたしました専門性を有する二十三名の職員で実施しております。

○藤田委員 現在は体制を強化して対応しているということだと思います。東京都感染症予防計画では、検査などの体制を確保とか健康安全研究センターの検査機能、精度の維持向上と書かれています。
 東京都は、感染症にかかわる検査、研究を行う体制についてどのような計画を持っているのか伺います。

○吉田感染症危機管理担当部長 病原体の検査は、感染症発生時の原因究明や対策の実施に不可欠であることから、都は感染症予防計画において、健康安全研究センターの検査機能、精度の向上を図るとしております。
 それを受け、毎年検査機器等の更新や新型インフルエンザに備えた検査機器、検査試薬等の備蓄を行うとともに、平常時から検査業務を通じて専門性の向上を図り、センターの検査体制の維持向上を図っております。

○藤田委員 専門性の向上は大事ですが、人をふやす話はありませんでした。
 新型インフルエンザのパンデミックが発生したのは十年前ですが、外国との行き来がますます活発になっていることから、より短い期間での新興感染症の流行が予想されます。
 新型インフルエンザを初めとする新興、再興感染症の流行に備え、今から計画的に健康安全研究センターの職員体制の充実に取り組むべきと考えますが、都の見解を伺います。

○吉田感染症危機管理担当部長 東京都健康安全研究センターが実施いたします各種検査は、高い精度が必要とされるところでございます。そのため、平常時から精度管理による信頼性の確保とともに、OJTや学会発表の機会の付与など人材育成に継続的に取り組み、検査法の習得や検査技術の向上を図っております。
 今般の新型コロナウイルス感染症も専門性を有する職員により対応してございまして、今後も計画的に人材育成を行い、検査体制を確保してまいります。

○藤田委員 専門性を有する職員が必要な部署だからこそ、いざというときに何人のベテラン技師が必要なのか、その確保のために新人や若手をどのように採用し、育成していくのかという計画性が求められます。今回、補正予算で、機器の購入で検査可能件数を倍にふやすことになりましたが、同時に人員体制についても増員していくことを強く求めます。
 三月六日からPCR検査は保険適用となり、医療機関が持つ検査施設や民間の検査会社でPCR検査が行えるようになりました。一方、感染症協力医療機関から民間検査会社へPCR検査を依頼しようとしたところ、判定までに十日ほどかかるといわれたという事例がありました。
 現在、都が把握している以外の民間の検査会社では、何件のPCR検査を行っているのか、現在把握ができているのでしょうか。
 感染症指定医療機関及び協力医療機関からのPCR検査の依頼を積極的に実施していただくよう、東京都から民間検査会社へ働きかけていただきたいと思うのですが、いかがですか。

○吉田感染症危機管理担当部長 現行のところ、現在の時点でございますが、民間の検査機関で実施しております検査件数については把握できてございません。
 ただ、今後、都が行政検査の委託を行う中で、契約先医療機関から保険適用により実施した検査の件数などにつきましては、報告していただくようにする予定としてございます。

○藤田委員 民間の協力医療機関からは、簡単に民間の検査会社に依頼ができないという状況もありましたので、ぜひとも民間検査会社へ、検査がスムーズに実施ができるよう働きかけていただきたいと思います。
 それでも民間検査会社へ依頼できない場合には、今までどおり健康安全研究センターに依頼せざるを得ず、今でも保健所から検査を断られるケースがあると聞いています。
 再度確認したいのですが、新型コロナウイルス感染症の判断のため、PCR検査は診察した医師が必要と判断したら検査できるということでよろしいですか。確認させていただきたいと思います。

○吉田感染症危機管理担当部長 委員ご指摘のとおり、医師の判断によりまして検査が必要とされた方については、都の健康安全研究センターで可能な限り、検査をお受けしていくという体制でございます。

○藤田委員 現在、保健所の職員の皆さんも日々大変な対応をしていらっしゃると思いますので、その中で混乱が生じることもあるかと思います。ぜひとも現在の、医師が判断したら検査できるという基準を徹底していただきたいと思います。
 さらに、保健所への連絡方法として、医療機関からも一般都民と同じ回線を使わざるを得ず、保健所に医療機関から相談するのに一時間以上電話がつながらなかったというお話もありました。ぜひとも医療機関から保健所へ相談する際の電話は、一般の方と別回線となるよう整備を行っていただきたいと要望いたします。
 検査体制が強化されるとともに、新型コロナウイルス感染症の陽性者も増加することが予想されます。先週出された緊急対策第三弾では外来診療の充実が出されていますが、一般患者と動線を分けたり、人員の確保など医療機関での体制整備も必要となります。
 国に財政措置を求めていることは適切ですが、都として財政面を含めた支援も検討すべきではありませんか。見解を伺います。

○吉田感染症危機管理担当部長 今後の新型コロナウイルス感染症の感染拡大の可能性を見据えまして、感染が疑われる場合に受診する新型コロナ外来の体制強化を早急に進めていくことが必要であると考えております。
 そのため都は、これまで医療機関向けに説明会を開催いたしまして、患者を診療した医師からの症例説明や院内感染防止策の説明を行うなど、医療機関における体制整備を図ってまいりました。
 このたびの補正予算では、感染症診療協力医療機関を対象として、外来や経過観察室の陰圧化等の機能強化に係る経費を補助することとしておりました。引き続き、外来患者への医療提供体制の強化を進めてまいります。

○藤田委員 陰圧化は大事ですが、改善を行った場合でも六施設分です。多くの医療機関が外来対応をするわけですから、幅広く使える支援を行うよう改めて求めておきます。
 また、緊急対策第三弾では、収入の安定への対応を国に求めていますが、自営業やフリーランスでは収入の大半を失っている方も少なくありません。
 我が党のアンケートに寄せられた声を紹介します。
 給食納入業者の八百屋さんは、学校の休校に伴って生活費の七割から八割を失っているということです。発注の取り消しができなかった分については、自治体が補助してくれますが、一回分の発注にとどまり、三月分の収入がなくなるといっています。生活ができなくなるだけでなく、四月分の給食の仕入れもできなくなります。
 仕事がなくなり、所得が激減している自営業者やフリーランスへの支援として、災害時に行っているような国保料の緊急減免を行うべきと考えますが、都の見解を伺います。

○上田地域保健担当部長 国民健康保険の保険料、保険税の減免につきまして、国民健康保険法及び地方税法では、災害等で生活が困窮した場合など特別の理由や事情がある場合に区市町村の条例の定めるところによりまして、保険料、保険税を減免することができるとされております。
 新型コロナウイルス感染症への対応に伴いまして、国は保険料、保険税の徴収猶予に関する事務連絡を三月十日付で発出いたしました。
 都は、区市町村に対し速やかに周知を行っておりまして、これに基づきまして各区市町村において適切に対応されるものと認識をしております。

○藤田委員 ぜひとも都民の暮らしに寄り添った対応を求めたいと思います。
 最後にマスクの不足についての要望をいたします。
 大田区内の歯科診療所からマスクの在庫があと二週間でなくなるため、診療が続けられなくなるという切実な相談が私のところに寄せられました。多くの医療機関、福祉施設などで同様の相談があると思われます。
 今回、緊急対策第三弾として、医療用マスク三百五十万枚を初め、マスクの供給が行われるというお話でした。
 先ほどの答弁では、その対象が医療機関や指定医療機関、クリニック、高齢者入所施設、児童養護施設や保育施設、障害者入所施設や通所施設などといわれておりましたけれども、その内容の中に歯科の開業医、クリニックは入っておりません。
 ぜひとも三百五十万枚以外でも、地域の歯科診療所や開業医のところにもマスクが提供されるようにしてほしいと思います。
 その際、医師会や歯科医師会を通じて開業医のところへこれまでは配られていたとのことですが、医師会、歯科医師会はそれぞれ加盟率が五割、六割という状況です。
 ぜひとも各医師会に加盟していないクリニックに対しても、東京都からのマスクの供給が十分に行われるよう強く要望いたしまして、私からの質問を終わります。

○斉藤(や)委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時二十一分休憩

   午後三時三十六分開議

○斉藤(や)委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○斉藤(れ)委員 昨年の事務事業に引き続き、困難を抱える女性の支援のあり方について伺います。
 婦人保護事業の根拠である売春防止法については、昭和三十一年の制定以来、規定の見直しが行われておらず、そもそも法律が実態にそぐわなくなってきているということで問題提起が行われ、平成三十年七月に国が困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会を設置し、昨年十月に法制面の見直しを検討すべきとする中間まとめを発表したということを、前回のときにご答弁をいただいております。
 この中間まとめに、婦人保護事業の運用面においても、一時保護委託の積極的活用についてや携帯電話等の通信機器の使用制限等の見直しについての記載がございます。
 東京都の婦人保護施設である女性相談センターは、大変、入所に当たってのルールが厳しいということもあり、実際に十代、二十代の若年女性からは、入所を勧められても断る、怖くて行きたくないという声を伺っています。
 ルールの一つで大変問題となっているのは、入所中はスマホを使ってはならないなどの通信機器の利用制限でございます。被害女性の自立に向けた求職活動や地域生活を再建していくための連絡等においては、スマホを初めとした通信機器の使用は必須でございます。
 一律に制限される取り扱いを見直すべきであるという方針に照らして、東京都としても被害女性の置かれた状況を鑑み、保護の必要な入所者と支援の必要な入所者を分けるなど、柔軟な対応をするべきであると考えますが、見解を伺います。

○谷田少子社会対策部長 女性相談センターは、DV被害者の一時保護所としての機能を有していることから、利用者の安全・安心の確保を図るため、居場所が特定されないよう携帯電話などの通信機器は預かるなど一定のルールを定めております。
 一方、必要な場合には安全な場所で携帯電話を使用できるようにするなど、工夫をしながら利用者を支援しております。
 今後ともさまざまな困難を抱える女性に対し、個々の状況に応じたきめ細かい支援を行ってまいります。

○斉藤(れ)委員 ただいまご答弁で、必要な場合は携帯を使用できるようにしているとの答弁もあったんですけれども、都の施設は一律でスマホを取り上げられてしまうというブログなどもありまして、実際、都の工夫について正しい認識が余り広がっていないということがあると考えております。適切な情報発信を求めるところです。また、せめて施設内に自由に使える端末を配置していただきますようにご検討をお願い申し上げます。
 そして、先ほど藤田委員の方からもご質問がありましたので、質問は割愛しますけれども、一時保護委託の積極的活用につきましても、直接委託というところが、望んだ方については柔軟に対応いただけますように、私の方からも要望したいというふうに思っております。
 次に、婦人相談員の専門性の向上について伺います。
 私たち東京みらいでも婦人保護施設や民間シェルター等を視察して、共通して伺ってまいりましたのは、DVなどの被害者や当事者を支援する人の重要性でございます。
 これに当たるのが婦人相談員ですけれども、市町村の方では、なり手不足または予算不足の問題で、母子相談員が兼務しているなどの状況がありまして、DV支援やケースワークをできる人が少ないという話を伺ってきております。
 婦人相談員の専門性の向上に向けた取り組みについて検討すべきと考えますが、見解を伺います。

○谷田少子社会対策部長 女性相談センターでは、区市町村の婦人相談員等の資質向上を図るため、新任、転入職員向けの基本研修や職員が婦人保護事業に係る理解を深める専門研修を実施しております。
 また、地域の関係機関を集めた情報交換会を実施するとともに、センター職員が区市町村の相談員連絡会に出席するなど、さまざまな場を活用いたしまして相談業務に係る助言を行っており、今後とも婦人相談員の専門性向上を支援してまいります。

○斉藤(れ)委員 ありがとうございます。
 お答えいただいた研修なんですけれども、研修の参加回数は現在年一回が多いということで約三割です。あと電話相談員の割合は、一年間に一回も参加の機会がなしという方が三割から四割を占めているということが、厚生労働科研費の研究の方でも明らかになっております。
 この理由として、研修の参加費や交通費が自己負担となることや職場の人員不足で休みがとれないことなども挙げられております。参加費や交通費負担をどうするかという点に加えまして、研修内容が法的相談や情報、関係諸機関との連携や相談対応のスキルなど専門性向上に資する内容となっているか、随時研修成果の評価も行っていただきたいと要望いたします。
 次に、母子生活支援施設の活用について伺います。
 母子生活支援施設の現状の活用状況と今後の方向性について伺います。

○谷田少子社会対策部長 母子生活支援施設は、母子で入所できる唯一の児童福祉施設であり、DVや経済的困窮などさまざまな課題を抱える母子の生活の安定と自立に向けて、子育てや就労など生活全般にわたって支援を行っております。
 平成三十一年四月一日現在、都内には三十二施設ございまして、入所定員は全体で六百三十九世帯、入所率は七二・五%となっております。
 都は、望ましいサービス水準を確保するため、国基準を上回る職員配置等の経費を補助するほか、区市が母子生活支援施設を活用して実施いたします緊急一時保護や支援が必要な母子を短期間受け入れ育児や家事の支援を行う取り組みを独自に補助しておりまして、引き続き、施設の運営支援と活用促進を図ってまいります。

○斉藤(れ)委員 母子生活支援施設は、現在入所率が年々下降する傾向にあるということで、平成三十年の四月は七五・六%というふうに思っておりましたけれども、今の答弁では平成三十一年は七二・五%と、さらに下がっているということがわかっております。
 また、母子の自立支援のために重要な施設でありながら、DV等の支援をする施設としての役割もあるため、情報発信に限界があり知られていないことが多いというふうに伺っております。この施設を必要としている方に適切に情報発信が図られるように、東京都としても取り組んでいただけますように強く要望いたします。
 また、ご答弁にもありました東京都の母子一体型ショートケアの--こちらの事業だと思うんですが、母子生活支援施設を活用していただけるように、現在区市や法人の当事者の方で連携して行っていると伺っているんですけれども、こちらもまだ都内では二施設で行われているのみということですので、さらなる広がりに向けた働きかけをお願いしたいと思います。
 次に、児童虐待対策について伺います。
 東京都で新たに児童相談のあり方等に関する抜本的改革の検討を行う専門部会が立ち上げられるということで、対症療法的な取り組みではなく、真に虐待予防につながる施策の検討が本部会で進められることを期待させていただきます。
 この部会の新たな検討の内容にも入っている社会的養護のあり方について、本日、幾つか伺わせていただきます。
 先般公表された東京都社会的養育推進計画(案)では、令和十一年度に里親委託率を三七・四%とするという目標が示されています。平成三十年度は、実際一四・三%でありましたので、飛躍的に里親登録数も伸ばしていかねばならないという課題に加え、里親等委託の可能性がある児童についても丁寧にそのニーズや状況を見ていく必要があります。
 現状では、里親委託が適していないとされる家庭復帰に向けて施設による交流等支援中だった児童について、今後、里親委託が適していた児童に追加するという点については、児童本人の希望を踏まえ、慎重に判断していく必要があると考えています。
 国が示した計画や目標に沿う形で、里親文化の醸成がまだ未発達といえる中で、数値目標に合わせて里親委託推進を進めてしまうことには、大変な危険性も伴うと考えておりますので、慎重に委託を進めていただきたいと考えます。
 二〇一八年、自立支援計画書をもとに東京都社会福祉協議会児童部会によって作成された子供の意向調査によりますと、総数二千八百四十一のうち、実親への家庭復帰を願うお子さんの数は千百七十三、施設からの自立を目指すのが千百二十三、養育家庭への委託を願うお子さんは十、養子縁組を願うお子さんは一という数字がございます。
 これは、事情はさまざまあるでしょうけれども、児童にとっての願いがかなえられることを支援する必要性を強く感じる次第でございます。
 そこで、児童の福祉を考え、何よりも児童本人にとっての望みである実親、家族の再統合が効果的に推進されていくよう、都として実親支援ペアレントトレーニングをさらに充実させていくべきであると考えますが、現在の状況と今後の方向性について伺います。

○谷田少子社会対策部長 児童相談所は児童虐待を行った保護者に対しまして、家族機能の回復を図ることを目的に、児童福祉司や児童心理司等による家庭訪問や面接指導のほか、精神科医によるカウンセリングなどを実施しております。
 また、児童相談センターでは虐待を受けて児童養護施設に入所している子供や養育家庭に委託されている子供、その保護者に対して、家族合同でのグループ心理療法や親のグループカウンセリング、家族カウンセリングなど家族再統合のためのさまざまな援助を行っております。
 親子関係の再構築を図るためには、親みずからが虐待に至った要因に気づき、愛着を持って子供と向き合うことが必要であり、保護者への指導やカウンセリングなど家族再統合への支援を強化してまいります。

○斉藤(れ)委員 ありがとうございます。ぜひ支援の強化をお願いしたいと思います。
 また、多摩地域の方からは、現在、新宿の児童相談センターでのみ行われている親支援、ペアレントトレーニングを受けに行きたいけれども、小さな子供もいてなかなか通いづらいという声も伺っております。
 現在、児相の区設置が進む中で、東京都児童相談所の再編に当たりましては、多摩地域でも多摩児童相談所などでペアレントトレーニングが受けられるよう、また、場合によっては区市町村の子供家庭支援センターへもそのプログラムの共有が進められるように、支援の強化の検討を進めていただきたいということを要望させていただきます。
 同じく社会的養護に関連して、里親フォスタリング機関事業についてです。
 社会的養護推進計画には、将来に向け、必要な里親等登録数は令和十一年度に二千六百二十二家庭とされています。一方で、東京都児童福祉審議会専門部会資料によると、登録里親数は平成三十年度に八百四十九家庭ですが、これは平成十九年の六百四十五家庭から十一年間かけて、ようやく二百四家庭ふえて、一・三倍になったという現実がございます。
 十一年で二百四家庭ふやしてこられたのは、福祉保健局を初め関係機関の皆様のご尽力かとは思いますけれども、次の十年に今度は千七百七十三家庭ふやし、今の三・〇八倍の登録家庭数を有しないといけない、この数字が本当に実現できるのだろうかと危惧する声を多く伺っております。また、里親に委託された児童が、その後どう人生を歩んでいるか、それもしっかり見ていかねばならないと考えます。
 東京都児童相談所の事業概要によりますと、過去五年間の養育家庭委託解除理由別内訳のうち、委託解除後に施設などへの措置変更となった例が最も多く四五・四%、そして、養子縁組に至った例は〇%、ゼロ件でございました。
 これは里親委託をされた場合でも、その後児童が里親家庭から何らかの理由で施設等へと帰されるケースが非常に多いということをあらわしています。中には、実家庭で虐待をされ保護された児童が、里親家庭で再び虐待をされてしまうというダブル虐待の被害が生じているという例もあると伺っております。
 ちなみに、里親委託の先進国ともされますアメリカ合衆国の方なんですけれども、養子縁組も含む里親委託率は七〇%以上なんですが、里子に出された児童が里親間をたらい回しにされる問題があり、里子児童はそのたびに学校も友達も全てが入れかわる不安定な環境で精神的に不安定になってしまったり、また自殺率が高くなったりするという点も指摘をされています。
 ただ委託率の目標達成を目指すのではなく、その先に児童に安定した生活と不安のない人生がしっかりと確保されるように努めていかねばならないと感じています。
 実際、里親と里子が暮らしを続けていくことには、実親子と同じかそれ以上に難しさがあることも現実で、里親委託を推進していくに当たっては、リクルートやマッチングのみならず、伴走型の支援が継続的に行われる必要がありまして、その意味で東京都において、新年度フォスタリング機関事業について、一貫した相談支援を行う機関がモデル実施されることには大変意義があると考えております。
 このフォスタリング機関ですが、より早期に準備をしていただくためにも、早期に事業の詳細を決定し、公表するべきであると考えますが、新年度の事業者の公募や選定についての方法や時期はどうなっているか伺います。

○谷田少子社会対策部長 フォスタリング機関事業については、来年度は一カ所の児童相談所の所管地域で十月からモデル実施する予定でございます。
 事業者はプロポーザル方式により選定することとしておりまして、実施地域を多摩児童相談所の所管地域とすることや支援対象、事業の主な内容等について、既にホームページで公表しております。委託業務の詳細についても来年度の早い時期に公表して、事業者選定の具体的な手続を速やかに進めてまいります。

○斉藤(れ)委員 ご答弁のとおり、福祉保健局のホームページによりますと、新年度のモデル事業は、まず多摩児童相談所の所管地域を実施地域として行われるということが確認できました。
 多摩地域を選ばれた経緯なのですが、人口規模や委託率、登録家庭数など総合的に検討していただいた結果なのだろうと推測しますけれども、事業内容を見てみますと普及推進等のリクルート事業、研修などのトレーニング事業、委託推進事業や支援事業、養育家庭等自立支援強化事業など業務は多岐にわたります。
 また、多摩児童相談所に常駐で四名、こちらのフォスタリング機関から職員を置いてもらうことになるということもスキームとして検討されているということですが、多摩児相は人とスペースが足りない中に狛江市を組み入れたこともありまして、なかなかに現在、過渡期にある状況でありまして、しっかり都としてもさまざまにご支援をいただきたいと考えております。
 また、ぜひこの事業に取り組みたいと考えている事業者にとっても、準備期間がしっかりと与えられるように、事業の詳細についてなるべく来年度早くに公表していただけますように要望いたします。
 次に、新生児委託推進事業について伺います。
 まず、未受診妊婦の産科受診同行支援を開始したことが、駆け込み出産の防止につながることを期待しております。
 新生児委託推進事業は、昨年も触れさせていただいたんですけれども、現在、都内一カ所のみで事業が行われているため、同時期に生まれた新生児の委託ができなかったという体制の不十分な状況があったということで、新年度は多摩地域へも拡充をしていただきたいと考えます。見解を伺います。

○谷田少子社会対策部長 都は、平成二十九年度から養子縁組が最善と判断した場合には、できる限り新生児のうちに委託するモデル事業を実施しております。
 このモデル事業では、区部にある乳児院一カ所に専用の受け入れ枠、一床を確保し、児童相談所と乳児院のそれぞれに専任の職員を配置しておりますが、同時期に複数の新生児が候補となったため、新生児の委託につながらなかったケースも生じております。
 こうしたことも踏まえまして、来年度からは事業を実施する乳児院を多摩地域にも一カ所確保し、合計二カ所で取り組むなど、早期の委託に向けた取り組みを一層強化してまいります。

○斉藤(れ)委員 この体制強化によりまして、委託される必要のある新生児が一人でも多く養子縁組里親のもとにつながっていくことを期待しております。
 また、できる限り新生児のうちに委託するという東京都の新生児委託推進事業ですが、駆け込み出産といわれるものでない場合、つまり実親が妊娠期から出産後に実子を養子縁組里親に委託したいと考えている場合は、妊娠期からの委託に向けた取り組みを開始することができ、実際に愛知県ではそのような取り組みが既に進められております。
 これについては、実親が実際に出産した後に気持ちが変わり、ご自身でお子さんを育てたいとなることもあるなどの懸念が示されてきたようですけれども、そういった可能性も含めて養子縁組里親に周知をするとともに、実親、養子縁組里親、関係機関全てがお子さんの最善の利益を考えて取り組む体制をつくっていくべきであると考えます。
 妊娠期から自分で自分の子供を育てることができないと考えている親にとって、伴走して胎児の成長を見守ってくれる相手とのやりとりは大きな安心感にもつながり、その安心感は間違いなく胎児にも伝わります。
 その後、育児をスタートする養子縁組里親家庭にとっても、登録しているとはいえ、ある日突然、新生児の委託の連絡が来て、そこから三週間ほどの間にさまざまな準備を整えることよりも、時間をかけて親になる準備をすることができる愛知方式はメリットも大きいと考えます。
 一度は検討されたことかもしれませんけれども、改めて東京都でも愛知方式にて養子縁組委託に取り組んでいただくことを検討してくださることを要望して、次の質問に移ります。
 次に、ひとり親の支援について伺います。
 昨年、一般質問でも取り上げた養育費確保の支援を行う事業が、新年度、東京都でスタートすることに大変期待を寄せております。
 一方で、養育費は、そもそも離婚時に公正証書作成などの取り決めを行っている夫婦が三〇%以下という調査結果もありまして、まずは離婚相談の段階で養育費の取り決めがしっかり行われるようアドバイスされなければなりません。都の取り組みを伺います。

○谷田少子社会対策部長 都は、現在ひとり親家庭支援センターにおいて、養育費が適切に支払われるよう、金額の取り決めや支払い履行などに関する相談に家庭裁判所の元調査官等が応じるとともに、法的な相談については家事事件に精通した弁護士が対応しております。
 来年度からは、離婚前の早期から離婚が子供に与える影響や養育費の意義などについて学ぶ講習会を実施いたします。また、民間保証会社と連携し、養育費の立てかえ保証等を行う区市町村への補助も開始いたします。

○斉藤(れ)委員 ひいては、この取り組みが多くの区市町村に活用していただけるように周知や、説明会では事業のニーズや効果についてお伝えいただきたいと考えております。
 また、離婚前の早期から養育費や面会交流に関して学ぼうとする姿勢を持つことができる方は、そう多くはないと感じております。大抵のひとり親の方は離婚を検討しているそのときから、育児や家事や仕事に大変忙しくされておりまして、こういった情報収集もネットなどに頼らざるを得ないのも現実です。
 講習会については、平日日中のみならず土日も行うことや、お子さん連れで来てもお子さんは別室で待っていられるような託児サービスを行うことなども検討していただきたいと要望させていただきます。
 次に、ひとり親家庭向けポータルサイトの創設について伺います。
 母子、父子家庭それぞれでお困りの内容が違うということや行政や地域に求めているサポートの内容も多様であるということがあります。
 このニーズについて当事者の声をどう調査し、ポータルサイトの内容に反映していくか伺います。

○谷田少子社会対策部長 ひとり親家庭の状況を把握するため都で行っております調査において、現在困っていることを尋ねたところ、母子家庭の回答では家計が最も多く、次いで子供の教育、進路、就職、そして仕事、さらに住居と続いております。
 また、父子家庭の回答では子供の世話と子供の教育、進学、就職が最も多く、次いで仕事、家事となっております。
 こうした調査結果等を参考にしながら母子家庭、父子家庭それぞれが必要な情報にアクセスしやすくなるよう、ポータルサイトの構成等について検討してまいります。

○斉藤(れ)委員 同じ調査によりますと、お答えいただいた回答に加えて、ひとり親家庭は周囲とのつながりに一定のご不安があるということも明らかになっております。
 行政の相談窓口に相談したことがある世帯は父親ではわずか三〇・八%でございます。また、ひとり親の友人や仲間がいるかについては、父親がやはり五〇%がいないということで、ひとり親同士の情報交換が行える場の提供にも、こういったポータルサイトが一役買っていただけないものかと大変期待をしております。
 口コミや人の紹介に頼って情報収集をしている方も多い中、情報が一元化されるということは大変意義がありますけれども、こちらに載せる情報としては、例えば支援を行う団体情報に加え、行政の相談窓口や支援の取り組みへ的確につながるようなサイトにしていただけますようお願いを申し上げます。
 次に、子供の居場所創設事業について伺います。
 昨年から個人的に期待を寄せております子供の居場所創設事業ですが、これを活用すれば子供たちへの朝食提供事業も可能になるという本事業でありますが、昨年度、二区でしか行われておらず、なかなか取り組むのにハードルが高い部分があるようなお声もいただいております。その後の展開がどうなっていくか大変関心を寄せております。
 そこで、子供の居場所創設事業の課題と今後の方向性について伺います。

○谷田少子社会対策部長 子供の居場所創設事業は、区市町村が民間団体等と連携し、子供に対する学習支援や食事の提供、保護者への養育支援などを一体的に行う居場所づくりを支援する事業でございまして、今年度は二区十四カ所で実施しております。
 本事業により創設された居場所は、日々の子供とのかかわりや保護者からの相談を通じて家庭の状況を把握し、支援が必要な場合は関係機関と連携して支援するなど、子供や家庭を地域全体で支える拠点の一つとなっております。
 一方で、区市町村からは事業実施に当たりまして、常勤職員を配置することや食事の調理が可能な施設を確保することが課題となっているという意見が寄せられております。
 本事業においては、居場所の開設状況などを踏まえた弾力的な職員配置や近隣の子供食堂と連携した食事の提供も可能としていることから、今後は事業内容をわかりやすく説明するとともに、効果的な取り組み事例を紹介するなど、区市町村に積極的に働きかけ、より多くの地域で子供の居場所づくりが進むよう支援してまいります。

○斉藤(れ)委員 丁寧なご説明ありがとうございました。
 今後は、さらに事業内容をわかりやすくご説明いただきまして、子供の居場所創設事業がさらに広がっていくことを期待したいと思います。
 次に、認証保育所の活用について伺います。
 親の働き方によらず、多様な保育の充実に向けて認証保育所の果たしてきた役割は大変大きいと考えております。
 認証保育所の保育は、それぞれに特色がありまして、地域によっては自治体が実施している保護者向けのアンケート調査で、上位に認証保育所が幾つも並んでいるところもございます。
 これまで保育の質をはかる基準とされてきた、児童一人当たりの面積や保育士等の配置数だけでは判断することができなかった質の高い保育が行われていることは、今も各地に人気の高い認証保育所があることからもわかります。
 認証保育所制度のさらなる活用に向けて、新年度の都の新たな取り組みを伺います。

○遠藤子供・子育て施策推進担当部長 都は来年度、保育ニーズの高い一歳児に対応するため、認証保育所の空き定員を有効活用する仕組みを創設いたします。
 具体的には、一歳児を積極的に受け入れる認証保育所に対しまして、ゼロ歳児を受け入れた場合と同額の運営費補助となるよう、補助単価の差額を加算する事業を開始いたします。
 また、保護者の多様な就労形態等に対応できますよう、補助対象となる利用時間の下限を一月当たり百六十時間から百二十時間に引き下げるとともに、ゼロ歳児から二歳児までとしております認証保育所B型の補助対象児童を、継続して利用する三歳児まで拡大をいたします。
 認証保育所は都の保育施策の重要な柱の一つであり、地域の多様な保育ニーズに的確に対応できるよう、引き続き、区市町村とも連携しながら支援をしてまいります。

○斉藤(れ)委員 待機児童解消に向けて、認証保育所で一歳児受け入れを促進されるということと補助対象利用時間を従来の百六十時間から百二十時間へ拡大をされたこと、また、認証B型の卒園児が認可園に移行できなかった場合に、三歳になっても通い続けることができるという制度改正があるということで、これをもって認証保育所がさらに活用されることを望み、次に、保育士の確保についてお伺いをします。
 待機児童対策において、保育士の確保はどの区市町村にとっても大変重要な課題と考えております。保育士にとっても処遇改善が定着支援に向けて重要であることから、保育従事者宿舎借り上げ支援事業について伺いたいと思います。
 区市町村での運用ルールに開きがあり、ある区では小規模や認証保育所、また企業主導型で働く保育士が排除されていたり、逆に保育士以外にも対象を広げていたりするということを伺いました。
 また、豊島区の方では、地域型保育事業事務連絡会の方で資料として、保育士宿舎借り上げ支援制度の継続の廃止が検討されているという資料が提出されるなど、継続についての不安の声も届いております。
 制度の継続に加え、ルールの開きについての見解を伺います。

○遠藤子供・子育て施策推進担当部長 都は、平成二十六年度から国事業に加えまして、認証保育所や定期利用保育事業、保育士以外の職員も支援対象とするとともに、区市町村及び事業者の負担割合を八分の一に軽減するなど独自の充実を図っております。
 また、平成二十八年九月の緊急対策におきまして、国事業では採用後五年目までとされていた要件について、採用後六年目以降の職員も対象に加え、さらなる充実を図っており、こうした都の補助要件につきましては、区市町村向け説明会などの機会を通じまして、毎年周知を図ってまいりました。
 保育の実施主体である区市町村は、国及び都の事業スキームや地域の実情を踏まえまして、補助対象とする施設種別や職員の要件などを検討し、それぞれ保育人材の確保、定着に向けた取り組みを展開しているものと認識をしております。
 都は、来年度も本事業を実施し、保育人材の確保、定着を図ってまいります。

○斉藤(れ)委員 このことを、最初東京都の担当の方に問い合わせをしても、ちょっと現状がわからないということでしたので、都内区市町村の担当課に独自に調査をしましたところ、特に区部よりも多摩地域で小規模保育所や認証保育所が対象外とされているところが散見されました。
 運用ルールのばらつきについては、今のご答弁では実施主体である区市町村が決めることというような内容をお示しいただいたと思います。東京都としての基準は、国事業に加えて認証や小規模保育所の保育士さんや、また保育士さん以外の職員さんにも対象を広げて事業を展開しているということを確認できました。
 また、継続については、既に令和三年度以降の事業をどうするという検討に入っている区市町村もありますので、引き続き、令和三年度以降の事業継続に向けて都としても検討を進め、区市町村に情報周知をしていただきたいと考えます。
 次に、医療的ケア児等コーディネーターについて伺います。
 先日、小児総合医療センターに伺いまして、患者に、個別に生活や教育、福祉の支援を調整するコーディネーターの育成の重要性について伺ってきました。
 先日、厚生委員会でも医療的ケア児の保育所受け入れについての陳情がありましたけれども、在宅人工呼吸器を必要とする小児患者数は、平成十七年からの十年間でおよそ十倍強にふえておりまして、在宅医療的ケア児は、二〇一六年度で東京都総人口一万人当たり一・五七人で二千百四十人、在宅人工呼吸児は四百八十四人いると推計をされています。一方で、患者それぞれの状態はさまざまで、医療的ケアは必要とするものの、歩ける、会話もできるといった方もいらっしゃいます。
 保育所の陳情に見られましたように、教育や福祉に求められる適切な体制整備のためにも、患者に、個別に生活や教育、福祉の支援を調整するコーディネーターの配置が急務というお話を伺いましたが、医療的ケア児等コーディネーターの役割と、これまでの養成研修実施における養成実績について伺います。

○松山障害者施策推進部長 医療的ケア児等コーディネーターは、保健、医療、福祉、子育て、教育等の必要なサービスを総合的に調整し、医療的ケア児等とその家族に対しサービスを紹介するとともに、関係機関と医療的ケア児等とその家族をつなぐといった重要な役割を担うこととされております。
 都は、平成三十年度から障害児者のサービス等利用計画の作成などを担う相談支援専門員等を対象に、医療的ケア児コーディネーター養成研修を実施しております。本研修の受講修了者は、平成三十年度は五十二人、令和元年度は百十四人であり、二カ年で百六十六人となっております。

○斉藤(れ)委員 お答えいただきました研修の受講者は、現在二年間で百六十六人いらっしゃるとのことですが、相談支援事業所で医療的ケア児コーディネーターとして働く際に、相談支援専門員に報酬が出ないということもあり、せっかく養成講座を修了しても働き続けられる方が大変少ないという課題も伺ってきました。
 既にこの百六十六人の中に、もう医療的ケア児コーディネーターとして働いていらっしゃらない方もいるという話を伺いました。今後、医療的ケア児コーディネーターの定着支援策についても早急に検討していただきたいと要望し、次の質問に移ります。
 高齢者の自立支援、重度化防止について伺います。
 昨年、事務事業質疑では、高齢者の自立支援について、事業所のインセンティブが働いていない可能性を指摘させていただき、現在どれほどの事業所がADL維持等加算を取得できているかを伺わせていただきました。
 千五百七十八中、百十三事業所ということで、とても少ないところにとどまっていることから、自立支援や重度化防止の結果、つまりアウトカムを評価する仕組みを早急に設けることを国へ要望していただきたいと感じるものです。
 一方で、平成二十九年の介護保険法改正で、区市町村が保険者として高齢者の自立支援や重度化防止に取り組むことが制度化されたことにも、事務事業、そして先週の予算特別委員会で奥澤都議からも触れさせていただきました。
 国が来年度、新たな交付金を創設され、区市町村の取り組みの競争を促していくという内容と認識をしていますが、具体的に、区市町村による介護予防の取り組みを効果的なものとしていくために、都はどのように取り組んでいるか伺います。

○村田高齢社会対策部長 区市町村が介護予防事業を効果的かつ効率的に実施するためには、効果をアウトカム指標により評価しながら取り組みを進めることが重要でございます。
 都は、健康長寿医療センターに設置した介護予防推進支援センターにおいて、区市町村や地域包括支援センター等を対象に、介護予防活動に参加する高齢者の状態像の変化を評価する指標設定や測定方法のノウハウについて、専門的な知見を生かして研修や相談支援を行っております。
 また、本年一月、区市町村職員を対象とした研修を実施し、指標で評価しながら通いの場づくりを進めている市の取り組みを紹介するなど、PDCAサイクルに沿った効果的な事業展開を促しているところでございます。
 今後とも効果を指標により評価しながら、高齢者の自立支援、介護予防に取り組む区市町村を支援してまいります。

○斉藤(れ)委員 正直、この分野については区市町村の担当の皆様も大変重要な政策として取り組まれていると認識をしておりますが、本当に自立支援や介護予防につながるのが何なのかがわかりづらく、一体何をやればいいのかがわからないという意見が聞かれることもありました。
 今回、東京都の実施された研修では指標評価の方法も含めた、とある市の先進的なやり方が紹介されたようですが、本来は指標評価は全ての区市町村で取り組むことができるように、とある自治体の方策を紹介するのみならず、都として直接提示、支援することが望ましいと考えております。
 また、事業所が、今後より事業所評価加算などのアウトカムにかかわる加算を取得していくことができるように、都として効果的な支援策を講じることを要望させていただきます。
 最後に、コロナ対策関連について伺いたいと思います。
 厚生労働省は、八日までに本格的な流行に備えて医療体制の見直しを検討するよう求め、東京都は外来患者四万五千四百人、入院患者二万五百人、重症患者七百人分を推計値として病床の確保が必要とされているという報道がありました。
 これ自体は、対策をとらなかった場合の最悪の事態を想定して推計されたものですが、今の段階で今後の一般医療機関での受け入れについて、関係機関と意見交換や調整を開始し、必要な設備改修費の支援や医療体制構築に向けた技術的支援を行うことは重要と考えます。
 先ほど菅原委員の方からも、都がこれまで行ってきた取り組みについて、こちらは質疑をされておりますので割愛させていただきますが、もう一つの方は少し違うところもありますので、伺わせていただきます。
 今後の感染拡大を見据えた入院医療体制の確保に向けて、都はどのような取り組みを行っていくか伺います。

○吉田感染症危機管理担当部長 新型コロナウイルス感染症が感染拡大をした際には、重症者に重点を置いた入院医療体制の確保が必要でございます。
 このため、感染症指定医療機関や感染症入院医療機関を中心に、さらなる病床の確保を進めていく必要があると考えてございます。
 今後は、区市町村や東京都医師会などから成る協議会を開催し、患者の重症度に応じた入院医療体制の構築に向けた検討を実施してまいります。

○斉藤(れ)委員 今後、新たに協議会を開催し、患者の重症度に応じた入院医療体制の構築に向けて検討されるということでした。
 これは重症者、ハイリスク患者の命を守るとともに医療崩壊を防ぐ、重症、軽症、無症状をそれぞれ分けて対応すると発表した大阪のトリアージ形式が、東京でも進められることになると期待をさせていただいております。
 その際に、東京都としては司令塔として何らかの新たな機関が設けられるのか、そこまでは今回は明らかになりませんが、最悪の事態が起きた場合でも対処ができるように、今のうちから適切な役割分担を可能にする体制の構築に向けて検討を進めていただきますようお願い申し上げ、また日夜、人々の命の安全や暮らしの安心のためにご尽力をされていることに心よりの感謝と敬意を表明し、私の質問を終わります。

○木下委員 私の方からも、新型コロナ感染症対策に関連して、少しお伺いをいたします。
 二月二十七日の全国一斉休校措置を受け、直後の土日の二日間で板橋区民を中心ではありますけれども、七十名以上の方々のご意見を直接お伺いいたしました。
 その中で、社会を献身的に支えている方々や非正規、フリーランスなど弱い立場の方々にしわ寄せが来ている実態が見えてまいりました。
 そこで、フリーランスへの支援についてお伺いをいたします。
 新型コロナ感染症対策の影響により、フリーランス、例えば芸能、舞台関係者などはイベント自粛などで仕事がなくなり困っています。
 このことに関し、私からはさきの予算特別委員会の質疑にて、少なくとも都が主催するコンサート、演奏会等は中止にするのではなく無観客で実施しネット配信することで、より多くの方々に芸術文化を体験する機会を提供するとともに、関係者の生活を保障することにもなることから、都が全国に先駆けて実施すべきとご提案をしたところでございますが、これに加えて、企業を介して休業補償を受けられないフリーランスの方々で、休業により収入が減少した方々への救済策を講じるべきという部分を、見解を伺おうと考えておりましたが、小林委員のご質問の中でご答弁をいただきましたので、ご答弁自体はここでは割愛をさせていただければというふうに思います。
 ポイントとしましては、国としての緊急対応で生活福祉資金貸付制度の特例が設けられて、新たに緊急小口の対象となった、緊急にお金が必要な方には十万円以内の貸し付け、また、子供が小学校に通うために仕事ができなくなった方には二十万円以内の貸し付けが可能になったことや総合支援金に対象が拡大になって、単身世帯は月十五万円以内、二人以上の世帯は月二十万円以内を借りることができるようになった。
 また、さらに減収が続く場合は、住民税非課税世帯は償還を免除できるなどという、こういった国の対応を、まずは福祉保健局としてはこれで十分というか、これで対応していくというふうなご答弁をいただく流れでございました。
 そういった見解ではございますけれども、今後の感染症拡大の状況を注視しまして、このような立場の方々への支援についても滞りなく行っていけるよう、今後目くばせをきちっと続けていただきたいという旨を要望させていただきます。
 続きまして、特別支援学校についてお伺いをいたします。
 都立の特別支援学校では、在校生の保護者が就業などの理由で養育ができない場合、学校で受け入れ、その子を送迎するスクールバスも稼働する措置をとっており、大変喜ばれております。一方で、都立の特別支援学校だけでなく、区立、市立の小中学校の支援学級に通う子供たちもたくさんいます。
 今回の休校措置に伴い、学童クラブで急遽預かることになっている例もあるというふうにお聞きしました。ですが、学童クラブの職員は障害児ケアの指導の専門的なスキルもなく、大きな負担となっているというお声が届いてまいっております。
 そこで都は、学童クラブにおける障害のある子供たちの預かりに対して、特段の支援をすべきと考えますが、都の見解をお伺いいたします。

○谷田少子社会対策部長 都は、これまでも学童クラブにおきまして、障害のある児童の受け入れを促進していくため、必要な施設の改修や設備の整備、備品の購入等を支援するほか、専門的知識を有する職員の配置に要する経費を支援しております。
 また、今回の新型コロナウイルス感染症防止のための学校の臨時休業に伴う財政措置として、国は平日の午前中から障害児を受け入れる場合、一日当たり六千円を支援することとしております。
 都におきましても、平日の午前中から開所する学童クラブに対し、国の財政措置を超える費用につきましては、独自に一日当たり一万二百円の補助を行うこととしております。

○木下委員 ありがとうございます。
 ただいまのご答弁によりまして、財政的支援の準備があることはわかりました。けれども、現在のような緊急事態のもと人が確保できるのかどうかがかなめとなりますため、人員の紹介やリクルートなど各施設の取り組みを区市町村が支援するよう、都からも働きかけを行ってほしいということをご要望させていただきます。
 次に、学童クラブ事業についてご質問してまいります。
 都では、来年度改定します子供・子育て支援総合計画におきまして、学童クラブの質と量を充実するというふうにしておりますけれども、今回の全国一斉休校の要請を受けて、お話を伺った学童クラブ支援員の方々の年収がかなり低いことに、私は驚いております。
 子供たちの安心で良質な居場所をつくるという観点から、学童クラブの放課後児童支援員の待遇改善が必要と考えますが、都の見解をお伺いしたいと思います。

○谷田少子社会対策部長 学童クラブで働く放課後児童支援員は、必要な知識と技能を持って育成支援に当たるとともに、関係機関と連携して子供にとって適切な養育環境が得られるよう支援する役割を担っております。
 都は放課後児童支援員の経験年数や研修実績等に応じまして、段階的な賃金改善の仕組みを設けている学童クラブに対し、区市町村を通じまして賃金改善に必要な費用の一部を補助しており、昨年度は五区市、百九十七支援単位の学童クラブに助成を行いました。
 来年度は、この補助事業の要件となっております資質向上研修を、都としても新たに実施することで、より多くの区市町村で待遇改善の取り組みが進むよう支援してまいります。

○木下委員 ありがとうございます。
 ご説明いただきました学童クラブへの賃金改善、費用の補助でございますけれども、まず、実施しているのがわずか五区市であるということから、まずはこの制度がもっと多くの自治体で活用されるよう、取り組みを強化することをご要望させていただきます。
 また、この数字はあくまでも学童クラブへの支援実績でございまして、私が先ほど驚きましたような一人一人の支援員に届いているかどうかは、区市町村も把握していないというふうに伺っております。支援員の方々に届くよう、区市町村に促していただきたいという部分も要望をさせていただきます。
 そこで、今ご答弁いただきました、来年度、都で新規に予定している資質向上研修の内容と規模についてお伺いをしたいと思います。

○谷田少子社会対策部長 都が来年度から開始いたします、放課後児童支援員資質向上研修は、五年以上の勤務経験を有する放課後児童支援員に対して必要な知識及び技術の習得並びに課題や事例を共有する講義や演習を行うことにより、支援員の資質の向上を図ることを目的に実施するものでございます。
 研修の内容は、来年度立ち上げます学識経験者や放課後児童支援員等で構成いたします、カリキュラム検討委員会で検討いたしまして、九月から一千二百名の規模で実施する予定でございます。

○木下委員 ありがとうございます。
 多くの方々にこの研修が届き、また多くの支援員の方々の待遇改善につながっていくことを希望いたします。
 次に、待機児童対策についてお伺いをしてまいります。
 今年度末の待機児童ゼロに向けて、今、あらゆる打ち手を講じているところと思います。
 そこで、都が待機児童対策の一環で実施している送迎保育ステーション事業の目的と実績について改めてお伺いをしたいと思います。

○遠藤子供・子育て施策推進担当部長 送迎保育ステーション事業は、近隣の保育施設にあきがない場合でも、自宅から遠距離にある新規開設、またはあきのある保育施設を利用できるよう、学校や駅前など保護者の利便性の高い場所に送迎保育ステーションを設置し、バス等で児童を送迎する取り組みを行う区市町村を支援するもので、平成二十六年度から実施をしております。
 国におきましても、同様の目的の事業を広域的保育所等利用事業として実施をしており、平成三十年度は両事業を合わせまして、二区一市において五カ所の送迎保育ステーションを設置しております。

○木下委員 ありがとうございます。
 区市町村を通して支援という枠組みに対しまして、都が事業所への支援を加えて行っていることを評価させていただきます。
 けれども、利用しているのは二区一市にあります五カ所ということで、これは残念ながら少ないといわざるを得ないというふうに思います。
 そこで、送迎保育ステーション事業の活用を促進すべきと考えますが、都の見解についてお伺いしたいと思います。

○遠藤子供・子育て施策推進担当部長 認可保育所や認証保育所、認定こども園などの多様な保育サービスの拡充に加えまして、バス等を活用し既存の保育施設の有効活用を図ることは、待機児童解消に向けた有効な方策の一つでございます。
 そのため都は、東京都待機児童対策協議会におきまして、送迎保育ステーションを設置している自治体の取り組み事例等について、情報共有を行っております。
 また、待機児童解消に向けた取り組みといたしまして、昨年七月、待機児童数が多い自治体を中心にヒアリングを実施いたしまして、送迎保育ステーション事業の活用につきましても意見交換を行っております。

○木下委員 ありがとうございます。
 ただし、この事業の周知は恐らく区市町村経由で事業者に行われているというふうに考えております。
 それで十分なのかなということが気になっておりまして、区市町村から事業者に対し、送迎保育ステーション事業の周知活動がどのように行われているのか、また、この状況をどう捉え、送迎保育ステーション事業を今後どのように拡大していくのか、都の見解をお伺いしたいと思います。

○遠藤子供・子育て施策推進担当部長 東京都待機児童対策協議会で行いました送迎保育ステーション事業の実施状況調査では、保育需要の地域偏在を解消するための方策として有効に活用している自治体がある一方、今後、地域の需給状況の偏りが顕著になってきた場合に実施の可能性を検討するとしている自治体、行政区域の面積が比較的狭く通園可能な場所に保育施設を配置していることから、送迎の必要がなく事業の実施に適さないとの意見の自治体など、区市町村によって状況はさまざまでございます。
 今後、事業者団体等を通じまして、保育事業者に広く本事業を周知するとともに、区市町村の状況を丁寧に把握し、活用を働きかけてまいります。

○木下委員 ありがとうございます。区市町村の状況は把握しつつも、しっかり事業周知を行い、活用が広がるよう取り組みを行っていただくことをご要望させていただきます。
 次に、保育士のなり手をふやすことも待機児童対策としては重要というふうに考えます。
 そこで、高校生を対象に保育の仕事職場体験事業を保育人材・保育所支援センターに委託して都が実施していますが、この事業の概要と令和元年度の実績についてお伺いをしたいと思います。

○遠藤子供・子育て施策推進担当部長 都は、平成二十六年度から保育士の仕事への理解、興味を深めることを目的といたしまして、都内の高校生を対象に夏季休業期間を利用し、保育施設で二日間の職場体験を行います保育の仕事職場体験事業を実施しております。
 令和元年度は、認可保育所、認証保育所など二百五十三カ所の保育施設で、六百六十名の高校生が園児たちとの遊びや食事の補助などの活動を通じまして、保育の仕事を体験しております。

○木下委員 ありがとうございます。大変多くの高校生が参加しているということがわかりました。
 この事業をよりよいものとしていく上で、参加した高校生たちの声を把握すること、また、この高校生たちの進路がどうであったのか把握すべきと考えますが、都の見解をお伺いいたします。

○遠藤子供・子育て施策推進担当部長 令和元年度の参加者に対して実施をいたしました体験後のアンケートでは、回答者の九割以上が保育の仕事の魅力や意義について学べた、保育の仕事への関心が高まったと回答しております。
 また、昨年十二月に参加者に対して実施をいたしました進路に関するアンケートでは、回答した高校三年生の約八割が、卒業後の進路につきまして保育士の資格を取得できる学校へ進学と回答しております。
 引き続き、次世代の保育人材確保に向け、都内の高校生に対しまして保育の仕事の魅力を伝えてまいります。

○木下委員 ありがとうございました。九割以上が満足しているということ、また約八割の高校生が保育士の資格を取得できる学校へ進学しているということで、非常に地道な取り組みということでもありますけれども、確実に保育士をふやしていく、そういった施策について貢献しているというふうに思います。引き続き、よろしくお願いしたいと思います。
 次に、災害時のペットの同行避難についてお伺いをいたします。
 昨年十月の台風十九号では、区市町村によってペットの同行避難に関する対応が異なっていたことから混乱が生じました。
 年末の第四定例会の我が会派の一般質問に対して、内藤局長より大規模風水害検証会議において、区市町村から同行避難への対応に苦慮したため、都に統一見解を求める意見があったと報告されていることを踏まえ、今回の風水害時の各自治体の対応状況や課題について調査を行い、全区市町村に対して年度内に情報提供するほか、専門家からも意見を伺いながら、風水害時の具体的な対応策を取りまとめ、同行避難の受け入れ体制整備を支援するというふうにご答弁いただきました。
 そこで、各自治体の対応状況や課題の調査、区市町村への情報提供、同行避難の受け入れ体制整備の支援の取り組み状況についてお伺いをしたいと思います。

○高橋健康安全部長 都は、昨年十二月、都内全区市町村に対し、台風第十九号への対応状況や課題に関する調査を実施いたしました。
 その結果、避難所においては、屋内に動物の飼養場所を確保することを想定していなかった、動物を受け入れる避難所等の情報発信が不足していた、また、ケージ等動物用避難用具を持参しない飼い主がいたなど、さまざまな課題が明らかとなりました。
 今後、この調査結果とあわせて、避難所の屋内に飼養場所を設定する場合のポイントや、ホームページやSNSを用いた情報発信などの具体的な対応策を区市町村に情報提供いたしまして、区市町村における同行避難がより円滑に進むよう支援してまいります。

○木下委員 ありがとうございます。
 私も台風十九号のとき、本当にたくさんの方々から同行避難の状況について情報提供を求められました。そして、我が区内でも混乱が生じ、大変多くの方々が困ったという状況があります。
 皆さんご存じのことでございますけれども、今、家庭にいる子供の数よりもペットの数の方が多いというような時代でございまして、猫がいるから避難できないというおばあさんをどうしたらいいんだろうかというご相談が寄せられているというようなこともございますので、しっかりと区市町村への情報提供をして、都内においては同行避難をスムーズに行えるような体制整備を強く求めたいと思います。
 引き続きまして、新規事業として、大学と自治体及び企業、NPOの協働による高齢者の福祉向上を目指した動物との共生社会の実現と拠点形成という事業が計上されております。これについて質問をさせていただきたいと思います。
 まず、この事業の具体的な内容についてお伺いをいたします。

○高橋健康安全部長 本事業は、大学研究者による事業提案制度に基づき採択されたものでございまして、大学において問題行動の修正訓練や動物由来感染症病原体調査を実施した動物を高齢者との触れ合い活動に用いるというものでございます。
 また、一般の方にもこの事業内容ですとか、また成果を公開するため、動物の問題行動等をテーマといたしましたシンポジウムを開催することとしておりまして、こうした取り組みを通じ、飼い主や動物愛護団体等に対する適正飼養の普及啓発にも広く活用してまいります。

○木下委員 ありがとうございます。これは高齢者に対して動物を介在した活動を実施し、検証を行っていく事業というようなご説明でございます。
 私はこれまで厚生委員会におきまして、アニマルセラピーの活用が進み高齢者施設での導入が進むよう、都として取り組みを進めてほしい旨、提案をさせていただいてまいりました。本事業は、その意味で大変注目をさせていただいております。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 最後に、介護事業所の業務効率化についてご質問をしたいと思います。
 介護職員を書類作成業務から本来あるべき利用者のケアに集中していただくために、書式の統一やガイドラインの手続の標準化、それからICT化を推進し、介護事業所の業務を効率化し、生産性を高めるべきと考えますが、今後の都の取り組みについてお伺いをしたいと思います。

○村田高齢社会対策部長 今後、増加が見込まれる介護ニーズに適切に対応し、質の高いサービスを提供していくためには介護事業所の業務を効率化し、生産性を向上することが必要でありまして、都は、来年度新たに介護記録様式の見直しやICTの活用も含めた情報共有の効率化など先進的な取り組みを紹介するセミナーを開催し、ノウハウを普及いたします。
 介護報酬の請求など介護分野の文書に係る負担軽減について検討していた国の専門委員会は、今後三年間に取り組む内容とスケジュールをまとめており、本年三月六日、国はこれを踏まえた通知を発出いたしました。
 今後、この通知に基づきまして、処遇改善加算等の届け出を一本化して、電子メールでの提出を可能にするなど文書の簡素化、標準化、ICT等の活用を進め、事業所の負担軽減と業務の効率化を図ってまいります。

○木下委員 ありがとうございます。多くの事業所の負担軽減、業務の効率化に資することと期待をさせていただきたいと思います。
 高齢化で、介護職の圧倒的な不足が予測されております。また、介護職離職も大きな問題となっております。業務の効率化は大変重要でございます。しっかりと進めていただくことをご要望しまして、私の質問を終わらせていただきます。

○伊藤委員 私からはまず、日々刻々と変化をする新型コロナウイルスへの対応について、福祉保健局が連日対応に当たっていただいておりますことを心から感謝を申し上げますとともに、福祉保健局は大きな組織であります--それこそ保健、また医療、感染症、こうしたことのみならず、子供、そしてまた高齢者、障害者、また生活困窮者など、さまざまな都民を対象とした大きな組織でありますので、どうか収束するまで局長を中心に、局長のもとで一致団結をして取り組んでいただきたい、このことを申し上げておきたいと思います。
 私からは来年度予算に関連して、島しょ地域における医療、介護の充実について質問をいたします。
 令和の時代が幕をあけまして、いよいよ東京二〇二〇大会が目前に迫ってまいりました。
 都は、昨年の末、二〇二〇年のその先の東京の姿を描いた未来の東京戦略ビジョンを策定いたしました。戦略ビジョンの中には、島しょ地域は豊かな自然を有している一方、自然災害、人口減少、高齢化などの課題に直面している。都と町村がこれまで以上に緊密に連携協力することで課題を解決し、にぎわいと活力に満ちあふれる地域社会をともにつくり上げていくと記されております。
 伊豆七島、小笠原は、いうまでもなく魅力が詰まった東京都の宝ともいうべき地域でありますけれども、それはそこに人がいるからこそ、その魅力が発揮されることはいうまでもありません。小池都知事もビジョンの中で、人が輝く東京をつくり上げたいと思いを語っております。
 しかし、島しょ地域の高齢化は加速の一途をたどっておりまして、その中で喫緊の課題となっているのが医療と介護の充実であります。
 都議会公明党は折あるごとに各島を訪れ、その際、必ず医療、介護の課題を調査する中でよくいわれることは、島しょ地域は地理的特性などから医師や看護師などの医療従事者の確保と定着に大変苦労することがあって、スキルアップの機会が限られていることもその要因の一つになっているという話をよく伺います。
 そこでまず、島しょに勤務する医療従事者の確保、定着のための取り組みやスキルアップの機会確保について、都の取り組みを伺いたいと思います。

○矢沢医療政策部長 都は現在、自治医科大学卒業医師の派遣や都内大学病院等の協力医療機関から医師を派遣するへき地勤務医師等確保事業を実施するとともに、東京都へき地医療支援機構に無料職業紹介事業所を設置し、医師、看護師などの医療従事者を島しょの医療機関へ紹介しております。
 また、島しょの医療機関に勤務する医師、看護師がスキルアップの機会を得やすいよう、研修参加時や職場不在時の代替職員の確保を支援しております。
 このほか、ウエブ会議のシステムを用いました症例検討や研究会等を行っております。

○伊藤委員 ありがとうございます。
 島によって規模の違いはありますけれども、各島に診療所や病院を設置しておりまして、限られた医療資源の中で医師や看護師、薬剤師などの医療スタッフが島しょ医療を支えてくれているということで、島に行くたびに感謝の思いでいっぱいになるわけであります。
 一方、総合診療に加えて、専門診療を望む声も寄せられることがあります。
 ふだん各島の島民の方は、専門診療を内地の病院で受診するために船--小笠原は船しかありませんので片道二十四時間、約一週間に一本の船ということでありますけれども、船であったり、あるいはまたヘリコプターであったり、飛行機があるところは飛行機であったりとか交通機関を使わなければならず、まさに島しょならではの、地理的問題であります。
 一方、八丈島では高齢化が進む中、白内障の手術を希望する方が増加する中、島内で手術を受けられる体制整備が求められ、都議会公明党は何度も八丈島にお伺いをし、お話を伺い、そして強力に推進をして、二〇一三年から白内障手術が開始され、昨年度までに約五百人の島民が手術を受けたということでありました。
 また、二〇〇〇年に噴火した三宅島は、五年後の二〇〇五年から帰島が始まりましたけれども、全島避難となった島民の中には避難先で人工透析が必要な状態となり、帰島できずにおりました。こうした方々や家族からは、島の診療所で人工透析を受けられるよう切望する声が高まりまして、都議会公明党は強力に推進をし、二〇一四年から人工透析が開始されました。
 こうした事例に限らず、島しょに勤務する医師や看護師だけで対応できない専門性の高い医療を島で実施することについて、都としてどのように町村を支援していくのか伺いたいと思います。

○矢沢医療政策部長 都は、眼科、耳鼻咽喉科、整形外科など、島しょの町村内で確保することが困難な診療科において専門医師等を確保し、定期的に診療を実施する場合に、その経費を補助するへき地専門医療確保事業を実施しております。
 今後とも、島しょ町村と密接に連携しながら、僻地医療の充実を図ってまいります。

○伊藤委員 専門診療を行う医師等を確保するための経費を補助するという答弁でありましたけれども、人を探すのに大変に苦慮しているという話もありますので、どうか人材を確保することにも、しっかりと都は町村と連携をして支援していただきたいと求めておきたいと思います。
 次に、島しょにおける介護の充実について質問をいたします。
 都議会公明党は昨年、小笠原の父島、母島、また三宅島、八丈島などを視察調査いたしました。その際、いずれの島においても高齢者を支える介護人材の確保と定着、またスキルアップへの支援を切望する声が上がっておりました。
 具体的には、介護従事者の研修についての支援策の強化でありました。介護従事者の研修は実に多岐にわたっておりまして、例えば介護職員初任者研修、これは介護業界の第一歩、ホームヘルパーや介護職員になるための研修であります。
 また、介護職員実務者研修、これは実践的なスキルを上げていく、そしてまたサービス提供責任者となっていくための研修、そしてまた介護支援専門員、いわゆるケアマネの研修等々、そのほかにもたくさんあるわけですけれども、そのスキルによってさまざまな研修があるわけであります。
 そこで伺いますけれども、島しょ地域の介護人材がスキルアップのために研修を受講する場合、都はこれまでどのような支援を行ってきているのか伺いたいと思います。

○村田高齢社会対策部長 介護職員の資質の向上を図る上では、地域の実情や職場の環境も考慮して取り組むことが必要でございます。
 このため都は、昨年度、地域の実情に応じて介護人材対策に取り組む区市町村を支援することを目的に、区市町村介護人材緊急確保対策事業補助金を創設しており、区市町村が地域で介護職員初任者研修を実施する場合や研修受講料の軽減に取り組む場合に、必要な経費の四分の三を補助しております。
 また、実務研修や更新研修など、介護支援専門員が受講する法定研修について独自に通信制を導入し、受講生が自宅で学習することのできるDVDを作成、配布することで、集合研修の日数を減らし、受講者の負担軽減に配慮しているところでございます。

○伊藤委員 町村が支援を行う場合に都は四分の三の補助を行うということで、研修受講料の軽減補助をすることや都独自に、例えばケアマネジャーのスキルアップのために、都独自に通信制、これを導入して受講生が自宅で学習することができるように、DVDを活用して集合研修の日数を減らすなどの負担軽減に配慮したということでありました。
 しかし、これを一例として、今年度のケアマネの実務研修を見てみますと、内地においての集合研修、これは前期が五日間、日程が飛び飛びでありました。例えば、前期第一日目は六月十二日、第二日目が六月二十五日、第三日目七月の十三日、四日目、五日目と続くわけです。そして後期も五日間、これも朝から夕方まで同じように日程は飛び飛びであります。
 実務研修のほかにも、専門研修という研修もあります。この研修は全七日間で、一日目は九月十一日、二日目は九月十七日、三日目は九月三十日、四日目は十月十六日、五日目、六日目、七日目となっていくわけでありますけれども、島から研修に行った方は、その間、内地の方に宿泊するのか、それとも一回ごとに島に帰るのか、これは時間も費用も大変な負担であるわけであります。
 都は、未来の東京戦略ビジョンに示したとおり、町村とともに課題解決を図るためにも研修の受講料、旅費、宿泊費などの負担軽減策を図るべきであります。
 また、研修を受講する間、どうしても内地で集合研修を受けなきゃいけない場合もあるわけであります。そうした場合は、代替職員を都から派遣するなど人的支援も行うべきだというふうに思います。
 島しょ地域の介護人材が研修を受けやすい環境を整備し、一層の人材確保とスキルアップを図ることで島の高齢者を支え続けることができるよう、一層の支援策を講じるべきと思いますけれども、都の見解を求めたいと思います。

○村田高齢社会対策部長 人口減少や高齢化が急速に進んでいる島しょ地域等におきまして、介護人材の確保や資質向上に向けた取り組みを支援することが必要でございます。
 このため都は、来年度、区市町村介護人材緊急確保対策事業補助金の補助対象に、新たに離島、中山間地域等における介護人材確保対策支援事業を加えることとしており、地域外から講師を招いて介護職員の資質向上研修を実施するために必要な経費や、介護職員が地域外で資質向上研修を受講するために必要な旅費や宿泊費、研修受講中の代替職員の確保に必要な経費等を補助いたします。
 また、介護支援専門員研修について、受講生の負担軽減を図るため連続しまして日程を設定するなど、受講しやすい日程や通信制の拡充等を検討いたします。
 今後とも、島しょ地域の介護人材が研修を受講する機会を確保し、資質の向上を図れるよう取り組んでまいります。

○伊藤委員 研修受講料の軽減に加えて、都は新たに地域外から島に講師を招いて研修を実施する場合の補助、そしてまた介護職員が地域外、島の外でスキルアップの研修を受講するために必要な旅費、宿泊費の補助、そしてさらに介護職員が内地で研修受講中の代替職員の確保に必要な経費等を補助する、さらに介護支援専門員の研修、ケアマネの研修、内地での集合研修の負担を減らすために、受講しやすい日程や通信制の拡充等を検討するということでありました。
 都の積極的な支援内容でありまして、大変に評価したいと思います。ぜひとも来年度予算で取り組む、都から島の各町村への支援策について、早急に周知をしていただきまして、東京都の宝、伊豆七島、小笠原の方々に安心を届けていただきたいと要望いたします。
 また、先ほどの島しょの医療従事者への支援のように、介護分野においても島で研修、あるいは会議、情報交換が行えるようウエブシステムを活用することも提案をし、質問を終わりたいと思います。

○小松委員 私の方から、初めにスタディークーポンについて伺いたいというふうに思います。
 お茶の水女子大学の調査研究もありまして、学校外の教育への支出、そして親の所得というのが大変きれいに相関しているということ、そして、あわせて、学校外の教育支出と学力というのも相関しているというのは、よくご存じのことと思います。
 こうした中で、子供の教育格差を、家庭の経済的な格差との相関がある中で、こうした問題を解消するとともに、生活保護世帯のお子さんの自立を支援するために、現在東京都が行っている塾代の支援というのは大変有効な施策であるというふうに思っています。
 特に高校受験を控える中学生など、こうしたサービスを必要とする多くの子供たちに利用していただきたいなというふうに思っています。
 そこで、現在行っている塾代の助成について、中学生における利用状況は一体どのくらいなのか伺いたいと思います。

○藤井事業調整担当部長 都は、生活保護世帯に対する自立促進のため、学習環境整備支援費として塾代等を助成する区市を包括補助で支援しており、現在、都内の全ての区市で実施されております。
 本事業の平成三十年度における中学生の利用実績は千八百六十三人となっておりまして、同年七月末現在の十二歳から十四歳までの被保護者数をもとに利用率を試算いたしますと、おおむね四割程度の中学生が利用したこととなっております。

○小松委員 ただいまのご答弁で、都内の全ての区市で実施されていること、また対象者のおおむね四割程度が利用されているということがわかりました。
 現在の塾代助成の制度というのは、生活保護世帯の苦しい家計の中から親が塾に現金で先払いをする仕組みのため、大変負担感が生じていると聞いています。
 また、子供の教育に関して余り関心がない親御さんに対しては、この制度利用の必要性について積極的に働きかけていく必要があろうかというふうに思います。
 先ほどもご答弁いただきましたけれど、対象となる中学生の四割弱が利用されているこの塾代助成の利用をさらに伸ばすために、来年度からクーポン券方式の事業を始めるというふうに伺っていますが、その概要について伺います。

○藤井事業調整担当部長 生活保護世帯の子供たちの状況は、個々の家庭が抱える課題も異なり、その状況に応じたきめ細かい学習支援が必要でございます。
 このため、これまでの塾代助成に加えまして、来年度は新たに小学生から高校生までの子供がいる生活保護世帯に対しまして、ボランティア等を活用した家庭訪問による学習相談などのサポートと地域の学習塾等を利用できるクーポン券の給付を実施する区市に対しまして、包括補助で支援を行うことといたしました。
 今後とも、こうした取り組みを通じまして、生活保護世帯の子供に対する学習支援策を進めてまいります。

○小松委員 この取り組みによって、貧困の連鎖の解消につながることを期待するところであります。そして、これは継続的に支援していくことが不可欠であるということもつけ加えたいと思います。
 学習環境の支援がしっかりと成果につながっているのかどうかということの検証についても、忘れずに行っていただきたいということを要望したいと思います。
 昨今でいくと、コロナのこともありまして、国内、国外を問わず通学ができない子供たちが大変多いわけでありまして、ウエブを活用した動画配信での学習サービスの提供などの状況が、例えば中国であったりとか海外もそうなんですけど、国内でもそうしたサービスを提供されているというふうに聞いています。
 文科省は、一人一台の端末を配布する準備というのを進めている中で、教育庁が、今東京都でも取り組んでいますけれども、今後もこうしたICTの活用、5G時代というふうにいわれているわけですが、こうしたサービスも視野に入れて、学習支援をしっかりと着実に成果の上がるものにしていただきたいなということを申し上げまして、次の質問に移りたいと思います。
 東京都は、今年度から包括補助の選択事業に予約受付管理システム構築事業を追加して、病児保育施設の利用を希望される方が、居住する自治体の全施設の空き状況の照会や予約を行えるよう、システム構築を行う区市町村に対して必要経費を補助するとした事業をスタートするわけでありますが、この事業の補助額と導入の実績について伺いたいと思います。

○遠藤子供・子育て施策推進担当部長 予約受付管理システム構築事業の補助基準額は、一自治体当たり一千万円としておりましたが、今年度包括補助の選択事業といたしまして、本事業を選択した自治体はございませんでした。

○小松委員 予約受付管理システム構築事業の実績がなかったということでありましたが、その要因についてはどのようなことが考えられるのか伺います。

○遠藤子供・子育て施策推進担当部長 本事業につきましては、昨年度末の区市町村向け予算説明会において事業説明を行うとともに、昨年七月の区市町村の児童主管課長会等で改めて積極的な活用を働きかけております。
 この補助事業の活用を検討している自治体に、本年度補助申請に至らなかった理由を確認したところ、既に同様のシステムを導入している施設が複数あり、個々の施設のシステムと当該自治体が新たに構築するシステムとの連携が技術的に困難なため、実施を見送ったとのことでございました。

○小松委員 東京都がICTを活用したり、またシステムの運用などの取り組みを進めるということは、同様に各自治体であったり、事業者の方もそれぞれ取り組みをスタートされているわけでありますので、場合によっては連携するということが技術的に困難といったケースが、今後もいろいろあるのかなというふうに思います。
 ということを踏まえますと、民間サービスの活用であったり、先進自治体の取り組みをより積極的に研究して見ていく必要が、有効なのかなというふうに思います。
 例えば、テレワークが進む中、働き方や子育ての保育のニーズというものの多様化の中で、一時預かりの保育といったものも大変重要な、今後の課題だというふうに思いますが、一時預かりの事業においても、保育園のいわゆる空き枠の活用と、そうした保育ニーズのあるご家庭とをマッチングする、こうしたシステムを開発、提供している事業者が、実際に福岡市で実証実験を行っているとも聞いています。
 病児保育の施設を含めて、こうした取り組みなども参考に保育園の空き枠活用を、しっかり取り組みを推進していくべきというふうに考えます。
 ベビーシッターも一つの手だったと思いますけれども、実際には、なかなかさまざまな課題もあって、事業が当初の思い描いたようにはいかないわけでありますので、こうした保育園も--待機児童は多いけれども、地域によっては、また保育施設によっては実は何人か空き枠はまだまだあるんですといったところが、企業型の保育施設とかも聞きますので、こうした取り組みなども参考に見解を伺いますが、いかがでしょうか。

○遠藤子供・子育て施策推進担当部長 都は、今年度開催いたしました待機児童対策協議会におきまして、空き定員の有効活用に向けた取り組み等について意見交換を行い、認可保育所や認証保育所の定員の弾力化、広域利用や一時預かり事業の促進、緊急一歳児受入事業の拡充などの取り組みを進めております。
 今後は、他の自治体の取り組み事例なども参考に、一時預かり事業や病児保育施設などの利用者の利便性や施設稼働率の一層の向上に向けまして、区市町村と連携し、取り組みを検討してまいります。

○小松委員 よろしくお願いをいたします。
 続きまして、高齢者施策について伺うんですが、今回は中でも高齢者、障害のある高齢者の方について伺いたいというふうに思います。
 昭和、また平成に比べますと、最近は電動車椅子を利用されている方、お一人で移動されている方、またヘルパーの方やご家族と仲よく会話を交わしながらまちを歩かれている障害者の方とすれ違うことというのは、数十年前、私が子供のころに比べても明らかにふえているということを実感しているところであります。
 かつては障害児の親御さんというのは、我が子や家族の将来の不安をご家族で抱え込んで、なかなか外に出さなかったというケースもよく伺うわけでありますが、明らかにそのころと比べますと、現在は、世の中の、社会の理解も進んできたなというふうに思いますし、中でも東京都を初めとするそれぞれの行政が、障害者を支援する制度というのが充実してきたんだろうというふうに、このことについては評価するものであります。
 しかし、時代は変わってサービスが幾ら充実しても、障害児、障害者のいる家族の不安というのは、親なき後、このことについては変わることがないわけであります。
 私も実際、そのような立場に立つ一人としているわけでありますので、そうした障害者のニーズに十分に応えられているのかというふうにいいますと、まだまだ改善できる課題というのはあるだろうというふうに思います。
 その中でも、生活の基盤となる住まいというのは大変重要なことだと思っています。
 東京都は今年度、障害者の生活実態を公表したわけですが、その中で、障害者は将来どこで暮らしたいというふうに考えているのか、調査の結果を伺いたいと思います。

○松山障害者施策推進部長 都は、福祉保健基礎調査により、五年に一度、障害者の生活実態を把握しております。直近では、平成三十年度に調査を行い、令和元年十月に報告書を公表したところでございます。
 この調査によると、将来どこで暮らしたいと思うかとの設問に対して、身体障害者、知的障害者、精神障害者及び難病患者のいずれの方も、家族が住んでいる家の割合が最も高くなっております。また、二番目に割合が高いのは、知的障害者ではグループホーム、精神障害者では家族から独立して生活となっております。

○小松委員 多くの障害者は在宅での生活を希望されているということでありました。一方で、意思決定や生活の多くの場面で支援が必要となる知的障害者は、グループホームでの生活を希望している人も一定程度いるということが確認できました。
 これらの、さまざまなこうしたニーズに応じて、計画的にグループホームの整備を進めることが必要だというふうに考えますが、都の取り組みを伺います。

○松山障害者施策推進部長 都は、障害者・障害児地域生活支援三か年プランを策定し、グループホームの定員数を平成三十年度からの三年間で二千人分ふやすことを目標に挙げ、整備を促進しており、令和二年一月までの一年十カ月で千六百八人分を整備し、定員の合計は一万六百八十五人分となっております。
 この目標達成に向け、引き続き、整備費の事業者負担を軽減する特別助成のほか、都有地の減額貸付や定期借地権の一時金に対する補助を実施し、グループホームの整備を促進しております。

○小松委員 三年間で二千人の計画に対しては、順調に整備が進んでいるということが確認できました。
 これらのグループホームにおいて、障害者が安心して生活できるためには、支援の質を確保するということも必要になります。都としての支援が必要であると考えますが、この取り組みについて伺います。

○松山障害者施策推進部長 都は今年度から、身体や行動の特性上特別な支援を必要とする重度の障害者を受け入れるため、国の報酬で評価される利用者四人に対して世話人一人を配置する体制以上に、職員を手厚く配置する事業者への支援を開始いたしました。
 また、障害者グループホームに従事して間もない世話人等に対し、障害者理解や権利擁護の基本的な知識を学び、あわせて、日ごろの利用者支援を振り返ることを目的とした研修を今年度から開始しており、計十回の開催で約九百名が受講しております。
 来年度は、これらの取り組みの規模を拡充することとしており、引き続きグループホームへの支援の充実に努めてまいります。

○小松委員 先ほどの基礎調査によって、障害者の方は、一番多いのは家族が住んでいる家というふうにお答えされた方が多いということでありましたが、単身高齢者がふえている昨今、家族がいないまま高齢期になった障害者の方も、当然、今後ふえてくるわけでありますから、引き続き、量そして質の両面で支援の充実に努めていただきたいと思います。
 少し話が変わりますけれども、障害者の生活をより豊かなものとするためには、さまざまな場所に気軽に出かけて、さまざまな人と触れ合うというような社会である必要があると思います。しかし、障害の程度や状況によっては、障害者が一人で移動するということに危険がつきまとうこともあります。
 障害者が安全に移動するためには、区市町村が実施する移動支援というのは有効ですが、残念ながら、区市町村によって差はありますし、十分なものとはいえないというふうに思います。
 移動支援の充実に当たっては、これまでも事あるごとに定例会で質問させていただきましたが、都としては引き続き、国の方に対して十分な財源を確保するように要望するということをお願いしたいと思います。
 同時に、またアプリの話で恐縮なんですけど、今、法的な調査を行っているようなんですが、まだまだ元気だけど定年を迎えられた方とか、移動支援に積極的に取り組みたいなと思っていらっしゃる方に対して、移動支援サービスを必要とする障害者の方とのマッチングをつくるアプリみたいなものも、今、一生懸命研究開発されている事業者さんもいるようでありまして、まだ法的な調査が必要だということなんですけれども、今後、ICT化が進んでいくと、そうしたマッチングみたいなものが進めば、東京都の財政的な負担、区市町村の財政的な負担を今後これ以上ふやすことなく、有効な取り組みができることもあるのかなと思いますので、こちらも研究を進めていただきたいと思います。
 あと二点なんですが、新型コロナウイルスに関連して幾つか質問させていただきたいと思います。
 先日、予算特別委員会で小宮委員の方からも質問させていただいたわけですが、その後、ますます長期化する中で、日本各地の医療機関でマスクとか消毒液とか防護服が不足したというニュースが顕著になっておりまして、その辺を踏まえまして、幾つか確認をしたいと思います。
 東京都は、防護服を五回に分けて合計三十三万六千着余りを中国の方へ提供したというふうに伺っています。そのうち、第二回目の二月七日には十万着を提供したというふうに伺っております。
 東京都は、伺っているところによると、防護服の使用年限というのを定められているということなんですけれども、十万着を提供した際に送った防護服というのは、いつ納入したものであって、そのときの購入の単価は幾らなのか伺います。

○吉田感染症危機管理担当部長 中国に送付いたしました防護服十万着は平成二十七年度に購入したものでございまして、購入単価は約一千五百円でございます。

○小松委員 済みません、確認ですけど、一千五百円といいましたか。--はい。
 先日、内藤局長の方から、武漢市中心医院や湖北省人民医院などを初め、中国各地の二十六の病院や衛生所管局に十万着を配布いたしましたと、このときの十万着の行き先についてのご答弁をいただいたわけであります。
 しかし、一方で、中国のEコマースの大手企業のアリババグループのホームページを見ますと、同グループが日本側から二階幹事長を通じて寄附をもらったと、東京都とは書いていないんですけど、日本側から寄附をもらったというふうに記載があったんです。なので、小宮委員の方から確認をさせていただいたわけですが、そのときの局長のご答弁というのは、人道的な観点から配布したものというような、少し見当違いというとあれですけれども、答弁の趣旨が変わっておりました。
 我々が確認したいのは、東京都の備蓄倉庫からどのような経過をたどって、中国のどちらの方に納品されたのかということを聞きたいわけであります。
 アリババがいっているように、アリババさんの方に一度納めたものなのか、それとも当初、局長の方がご答弁いただいたように、幾つかの病院や衛生所管局の方に直接納品されたものなのか、こちらについて伺いたいと思います。あわせて、送付先のリストがあるのかも伺っておきたいと思います。

○吉田感染症危機管理担当部長 都は、備蓄倉庫から防護服十万着を出庫いたしまして、一般社団法人日本医療国際化機構の手配いたしました車両に引き渡しております。その後、中国の各地方政府倉庫に一旦収納され、中国湖北省等の医療機関に配送されたものと伺っております。
 この配送につきましては、先方の示されたリストに沿ったものというふうに聞いております。

○小松委員 二月十七日には、新型コロナウイルスの感染者拡大により、防護服の納入におくれが出たため、福島第一原発で使う防護服の一部をレインウエアで代用するとの東京電力の発表もありました。
 東電によりますと、代用されたのは原発構内の水漏れやタンクの水抜きなどの作業で着る防水仕様の防護服で、レインウエアでも問題はないというようなことであるんですが、通常では防護服を使用して作業をしているのでありまして、こうしたニュースがあったので、有識者の方とか都民の方からも、都のこのときの判断というのは優先順位が少し違ったのではないかという批判の声もあります。
 そこで確認をしたいんですが、二月七日に十万着を配布したのは、自民党の二階幹事長からの要請文があったことだと思いますけれども、この要請文には中国の各地方政府への提供というふうに、よって十万着が必要だというふうな記載があったわけですが、これ以外の場所とか目的に使用されていることはないというふうな理解でよろしいでしょうか。

○吉田感染症危機管理担当部長 防護服の送付先リストに示されたとおり、武漢市中心医院や湖北省人民医院などを初め、中国各地の病院や衛生所管局に配布され、使用されるものと伺っております。

○小松委員 リストのとおりに配布されているというふうに東京都は理解しているということが確認できました。
 また、五回目の二十万着に及ぶ納品については、北京市からの要請を都としてお受けしたものですとご答弁をいただいているわけですが、その答弁のとおり受け取りますと、当然行政同士のやりとりなんだろうなと、友好都市だしなというふうに認識をしていたんですが、実際には、川松都議の質問の際には、北京市ではなくて北京の北京市赤十字会であることがわかったわけであります。
 我が国にも赤十字社はありまして、小池知事は東京都の赤十字の代表というふうに伺っておりますが、五回目の二十万着に及ぶ防護服の依頼については、北京市なのか、北京市赤十字会なのか、一体どこの誰から、東京都のどなたに連絡が来て対応を決定されたのか伺いたいと思います。

○吉田感染症危機管理担当部長 過日の予算特別委員会におきまして答弁がございましたように、北京市側から政策企画局に防護服提供にかかわる要請がございまして、都として防護服提供を決定したものでございます。

○小松委員 これで防護服のことについては質問を終わらせていただきますけれど、やはりさまざまな、いろんな臆測も出ておりますので、我々も、小宮委員も予算委員会のときにいいましたけど、人道的な観点から都がそうした対応をしたこと自体は批判するものではないし、友好都市として必要な対応もあろうかというふうに思っておりますが、都民の貴重な福祉財産でもあったわけなので、どんな目的でどのような決定プロセスを経て、どこに送ったのかということは、少なくとも後日明らかになるような対応をとらなければいけないんだろうなというふうに思います。
 内藤局長も大変てんやわんやだったんだというような、当時のことをおっしゃっていました。実際そうなんだろうと思います。なので、その日そのときにどうなっているんだということを確認したいわけではなく、やがて振り返ったときにはこういうことでありましたということを、堂々と説明できるようになっていなくてはおかしいんじゃないかなということを申し添えて、最後の質問に移りたいと思います。
 最後は、児童相談所の設置のことについて、一つだけ確認をさせていただきたいと思います。
 これは都区財調にも絡む話なので確認なんですが、先行三区がいよいよ児童相談所を直接運営されるわけであります。
 我々としては、今回突如、〇・一%という落としどころで都区財調の対応が見受けられたので、大変大きな政治判断だろうと思うのにもかかわらず、何か急速に決められてしまったんじゃないかなということを大変憂慮しているわけであります。
 必要な事業に対して補助金で対応するということを福祉保健局としては検討されなかったのか見解を伺います。

○谷田少子社会対策部長 児童相談所の運営につきましては、一般財源で運営するようなことになっておりまして、私どもは補助金としての施策という形では検討を行いませんということを申し上げたいと思います。

○小松委員 補助金などの特定財源を措置する検討はしていないということがわかりましたので、私の質問は以上で終わります。

○白石委員 てんかんについて、まず初めに質問したいと思います。
 てんかんは発作を起こす脳の病気になります。年齢、性別関係なく発病をいたします。てんかんは百人に一人が発症するといわれ、日本では百万人の患者がおり、都内には十三万人のてんかん患者がいらっしゃいます。
 てんかん発作は、全身のけいれんや体の一部がぴくぴくしたりとか、ぼんやりして呼びかけに反応しない状態など、人により発作の特徴はさまざまといわれております。
 医療の進歩、早期診断、治療により七割の患者さんは発作をコントロールできるとされていますが、その一方で、発作をとめることができない難治性の患者は三割おります。てんかんのある方が地域で適切な支援や診断、診療を受けられることは重要だというふうに思います。
 そこで伺いたいと思いますが、都内のてんかんに対応できる医療機関はどのぐらいあるでしょうか。

○石黒障害者医療担当部長 東京都医療機関案内サービス「ひまわり」で提供している医療機関情報によりますと、てんかんに対応できると報告している医療機関は、現在八百機関以上ございます。

○白石委員 てんかんに対応している医療機関は八百機関超あるというふうなご答弁でした。
 てんかんの適切な診断と治療を行うには、必要な知識と経験を持っている医師にたどり着くことが、まずは重要だというふうに思います。しかし、どの診療機関がどういう特徴のてんかんを専門的に診断、治療しているのかの情報を患者や家族が容易につかめる環境整備というのは、私も「ひまわり」を見ましたけれども、まだまだ不十分かなというふうに思います。
 そこで伺いたいんですが、てんかん患者が安心して地域で暮らし、住み続けられるために、都としてどのような課題があると認識をされているでしょうか。

○石黒障害者医療担当部長 てんかん患者は、適切な診断、手術や服薬等の治療によって症状を抑えることができます。また、治癒する場合もございます。社会で活動しながら生活できる場合も多いということがございます。
 そのため、てんかんに関する正しい知識を普及するとともに、患者を適切な診断、治療につなげるため、てんかんに対応できる医療機関について情報提供することが重要でございます。

○白石委員 今、正しい知識の普及と、それから情報提供の重要性を答弁していただきました。
 今ご答弁があったように、適切な診断と治療を受けるために、医療機関の情報提供は本当に欠かせないというふうに思います。また、てんかんだけではなくて、知的障害や高次脳機能障害、精神症状などを合併している場合もあります。それだけに、特性に応じた適切な医療機関の情報提供が重要だと考えます。東京都医療機関案内サービス「ひまわり」での情報提供を、一層、患者、家族目線で改善をしていただくことも要望しておきたいというふうに思います。
 また、てんかんはあらゆる年齢で発症いたしますけれども、八割が小児期に発病するとされております。保護者の方からはどういう声が上がるかというと、例えば親の余力があるうちに自立に向けて動こうと思っているとか、それから親亡き後が心配なんだという声も出されます。家族が将来のことを相談したり、利用できる制度をもっと知るための相談窓口の充実が求められているというふうにも思います。
 そこで伺いますが、てんかんに関する相談窓口の整備の重要性について伺いたいと思います。

○石黒障害者医療担当部長 てんかん患者やそのご家族が地域で暮らしていく上では、治療に加え、利用できる福祉サービス、生活面の課題等について相談できることが重要でございます。
 都内三カ所の精神保健福祉センターでは、電話や面接等による精神保健福祉相談を実施しておりまして、てんかんも含めた精神疾患患者やご家族からの相談に対応しております。

○白石委員 都内に十三万人いるてんかん患者やその家族が、気軽に安心して相談できるようにするためには、都内三カ所の精神保健福祉センターの相談窓口だけでは少な過ぎるというふうに思います。都として、さらなる相談窓口の体制の拡充を改めて求めておきたいというふうに思います。
 また、てんかんの理解不足から誤解や偏見も現実的にはあるんです。なので、あわせて、社会的にてんかんの理解促進を図るための取り組みも、より一層、東京都としても拡充をしていただきたいというふうにも思います。
 都として、てんかん地域診療連携体制整備事業に取り組んで、診療拠点機関などを指定して、どの地域でも安心して、てんかん医療が受けられる体制を構築すべきだというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。

○石黒障害者医療担当部長 現在、小児科や脳神経外科、脳神経内科、精神科等、数多くの診療科がてんかん医療を担っておりまして、それぞれの医療機関が連携しながら患者の治療を行っております。
 地域における医療提供体制の構築に向け、こうした医療機関の役割分担や連携のあり方等について、関係団体等と協議、検討してまいります。

○白石委員 今ご答弁があったとおり、地域における医療提供体制の構築に向けて、関係団体と協議、検討していくと、このご答弁、大変重要だというふうに私は思います。
 国のてんかん地域診療連携体制整備事業が二〇一五年度からモデル事業として始まり、現在、全国八つの自治体でこのてんかん診療拠点機関を指定して、てんかんに関する知識、技術の普及啓発や他の医療機関への研修などが行われてきました。
 国は昨年度から、新たに地方自治体の補助事業として位置づけを行って、さらに全国でてんかんの診療における地域連携体制の確立に向けて、取り組みが現在進められております。
 都内のてんかん診察は、これまで国立精神・神経医療研究センターなどを中心に、多くの医療機関や医療関係者が連携することで維持されてきました。これらの医療機関の連携を生かして、どの地域に住んでいても安心しててんかん医療が受けられる体制を構築するように改めて要望して、次のテーマに移りたいというふうに思います。
 続いて、障害福祉サービス等職員宿舎借り上げ支援事業について質問をいたします。
 初めに、宿舎借り上げ支援事業の目的を伺いたいというふうに思います。

○松山障害者施策推進部長 都は昨年度より、障害福祉サービス等職員宿舎借り上げ支援事業を開始しております。
 本事業は、障害者施設、事業所に対して、住宅費負担の軽減等による働きやすい環境整備の確保と災害時の運営体制の強化を図ることを目的としており、福祉避難所の指定を受けた施設等の運営事業者が、施設周辺で職員用の宿舎を借り上げる場合に支援するものでございます。

○白石委員 障害者分野の宿舎借り上げ支援事業と同様の目的である高齢者分野の宿舎借り上げ支援事業は、一事業所当たり補助の上限は四戸とされてきましたけれども、来年度から二十戸まで上限を拡大して、職員の確保や定着に向けて拡充がなされる、このような予定となっております。介護分野だけではなく、障害者分野でも、人材の確保、育成、定着は大きな課題、このようになっています。
 今後、宿舎借り上げ支援の拡充が一層求められてくるというふうにも思います。そこで、障害者分野における人材確保の重要性を都はどのように認識しているのか伺いたいと思います。

○松山障害者施策推進部長 障害者が身近な地域で将来にわたり安心して生活していくためには、障害福祉サービスが適切に供給されることが必要でございます。そのためには、サービスを担う人材を安定的に確保し、定着を図ることが重要でございます。

○白石委員 都も、人材確保の重要性について認識をされているということです。
 障害者が安心して地域で暮らす東京を実現していくには、障害者施設の整備がとりわけ重要だと思います。
 しかし、介護サービスを初め、福祉分野においては、一般に他の業種と比較して、有効求人倍率、それから離職率が高いというふうにいわれております。人材の確保、定着や計画的な人材育成が難しい状況にも、現在あるというふうに思います。
 人材の質が、やはりサービスの質となるため、多くの事業所が宿舎借り上げ支援事業を使いやすく、上限戸数も引き上げていくことが、私はこれからさらに重要になってくるなというふうに思っております。
 そこで、高齢分野では同様の事業を来年度から拡充をするということですので、障害者分野でも拡充をするべきだというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。

○松山障害者施策推進部長 障害分野では、本事業を平成三十年度から開始しておりまして、平成三十年度において、補助上限となる四戸を借り上げた事業所が、本事業を利用した全十四事業所のうち三事業所でございました。
 事業実施二年目となる今年度は、本事業をより活用してもらえるよう説明会の回数を昨年度の四回から九回にふやし事業の周知を図っており、事業実績の把握をしながら、引き続き障害福祉人材の確保、定着に取り組んでまいります。

○白石委員 今ご答弁があったとおり、二〇一八年、二年前からこの制度が始まって、まだまだ周知のところでは課題があるというようなご答弁でもありました。
 ぜひとも、今ご答弁があったとおり、制度の周知に向けて、説明会を九回にふやしたというふうなご答弁でしたので、しっかりと説明会も開催をして、各事業所にこの制度をどんどん知らせてもいただきたいというふうにも思いますし、宿舎借り上げ支援制度の拡充に踏み出していただきたいなというふうにも思っております。
 先ほども述べましたけれども、人の確保というのは、障害分野でも非常に今困難、課題になっているという中で、一つ一つのこういう制度も拡充をしながら、障害のある方が安心して暮らしていける地域、東京都を実現させるためにも、ぜひとも東京都の、しっかりと対応、そして拡充も含めて、改めて求めて、質問を終わりたいというふうに思います。

○斉藤(や)委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後五時三十分休憩

   午後五時四十五分開議

○斉藤(や)委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○岡本委員 本日も、私、発熱もせきも一切ありませんが、念のため、コロナウイルスは八割の方が軽症または無症状だということでありますし、また、この時期に周りに唾を飛ばしてしまったら大変に失礼でありますので、念のためマスクをさせていただいて質疑をいたします。
 受動喫煙対策についてお伺いいたします。
 予算概要三三ページ、受動喫煙防止対策の予算が前年度に比べて二億七千八百万円の減額となっております。この減額の理由について伺います。

○成田保健政策部長 受動喫煙防止対策の推進に関する令和二年度予算案は約二十一億六千四百万円でございまして、今年度予算と比較し、約二億七千八百万円の減額となっております。
 主な増減の内訳は、地域の実情に応じて設置する公衆喫煙所に対する補助が、区市町村に対する意向調査やこれまでの整備状況を反映し、約五億五千万円の減額となっておりますが、保健所設置区市への事務移譲に伴う財源措置と都保健所における相談等の業務に要する経費として約一億六百万円、また、普及啓発等の経費で約一億六千九百万円と、それぞれ増額となっております。
 令和二年度予算案につきましては、区市町村等の意向を踏まえまして、必要な経費を計上しております。

○岡本委員 減額の主な理由は公衆喫煙所の設置に関するもので、他の項目はむしろ増額されているものと理解をいたしました。
 次に、今定例会において、総務委員会に付託の事務処理特例条例の改正により、受動喫煙防止条例に基づく事務が、都から二十三区及び八王子市、町田市に移譲されることになります。
 区市の保健所が具体的な事務を処理した場合の都の財源措置について伺います。

○成田保健政策部長 保健所設置区市が事業者に対する指導助言など受動喫煙防止条例に基づく事務を行った場合、都は、対象となる事務ごとに、処理件数に応じまして、区市に対し事務処理特例交付金を支払うこととしております。

○岡本委員 対象事務ごとに、具体的には、従業員の有無を電話で確認した場合には二百五十二円、立入検査をした場合には七千百二十八円など、内容に応じて具体的に単価が設定される予定だというふうに伺っております。
 二月一日から三月三十一日まで、受動喫煙防止条例全面施行へのカウントダウンキャンペーンを実施するとのことでしたが、新型コロナウイルス対応によりPR活動が一部中止となりました。二月十一日の知事と港区長が先頭に立った街頭での共同キャンペーンは無事に実施されましたが、その後、二月二十二日に予定されていた知事と中央区長出席の街頭での共同キャンペーンは、残念ながら中止になってしまいました。
 また、保健所のマンパワーやリソースも、コロナウイルス対応に当たるために、受動喫煙対策への影響があったのではないかというふうに思います。
 カウントダウンキャンペーンなどを含めた普及啓発の取り組みや条例の全面施行に向けた準備状況について、コロナウイルス対応の影響の有無、現在の状況について伺います。

○成田保健政策部長 四月一日の受動喫煙防止条例の全面施行に向け、都民や事業者の皆様に新たなルールを周知するため、啓発ポスターやグッズ、動画及び事業者向けリーフレットなどを新たに作成いたしました。こうした媒体を活用いたしまして、区市町村や関係団体と連携し、街頭や都立施設などで二月一日からカウントダウンキャンペーンを実施しております。
 新型コロナウイルス感染症の発生状況を踏まえまして、二月の後半から一部街頭キャンペーンなどの取り組みを中止しておりますが、施設管理者向け説明会や区市町村の担当者向け説明会につきましては、感染防止対策を講じた上で実施いたしました。
 引き続き、啓発ポスターの掲示、事業者向けリーフレットの配布、街頭ビジョン等での動画の放映、東京都広報番組での特集など、条例の全面施行に向けた啓発を実施してまいります。

○岡本委員 当初の予定や想定とは異なる点もありますが、四月一日の全面施行に向けて、引き続きよろしくお願い申し上げます。
 都が十二月下旬から一月中旬に郵送で調査を実施した飲食店へのアンケートによれば、飲食店の現在の状況について、全面禁煙四三・六%、完全分煙三・七%、不完全な分煙が一〇・三%、対策をしていないが四〇・七%という結果でした。
 そして、全面施行後の対策予定としましては、全面禁煙が五二%と約八%アップし、喫煙専用室が三・九%、加熱式たばこの喫煙室が一・四%、喫煙可能、喫煙目的の施設が合わせて約一二%、未定が一二・六%という結果でした。この未定と回答した一二・六%への啓発が特に重要であると考えます。
 なお、私の主観的な受けとめ方では、加熱式たばこ喫煙室一・四%というのはもっと多くなるかなというふうに想定していたんですけれど、思っていたよりも少ないなという印象を持っております。ただ、医療関係者には、喫煙専用室が三分の一強もあって、これは多いというような評価もあるところであります。
 いずれにしましても、引き続き、この未定と回答した飲食店一二・六%へのアプローチを強くお願いを申し上げます。
 次に、喫煙歴と新型コロナウイルスの重症化について、密接な関係性があることが指摘されております。
 中国の患者千九十九名の臨床所見を調べた調査におきまして、喫煙でCOVID-19感染症患者の人工呼吸器装着または死亡のリスクが三・二四倍となるという研究報告が出されております。また、武漢の検討症例七十八例、これは症例数が少ないので信用性にはやや疑義がありますが、武漢の検討では、オッズ比十四倍という非常に高い数値が示されております。
 ここからいえることは、コロナ肺炎の重症化リスクとして、年齢以上に喫煙歴が影響しているという可能性も考えられるところです。中国で男性の高齢者が重篤化しているということの説明としてよく符合いたします。
 また、若年層の感染者数が少ないこと、軽症が多いことも符合いたします。若年層は年齢的に免疫力があるだけではなく、喫煙歴がない、少ないということで説明がつきます。
 朝日新聞の二月十八日の記事によりますと、新型コロナウイルスによる肺炎は、たばこを吸っている人が重症になりやすい可能性、中国で死亡した感染者の割合が男性で特に多く、喫煙率が高いこととの関係が指摘されている、感染者のほぼ半数は五十歳以上で、致死率は男性だけで見ると四・五%で、女性の一・三%の三倍以上に上った、この男女比の差を説明するものとして、中国の高い男性の喫煙率というのが挙げられています。
 東京都医師会は三月十二日にコロナウイルス対策として、四つのお願いというものを発表しておりまして、その中の一つに、喫煙者の方は重症化率二・二倍、死亡率三・二倍との報告があります。ご自身の身を守るためにも、この機会にぜひ禁煙を考えてくださいと発表しております。
 そもそもたばこを吸う人はインフルエンザにかかりやすく発症リスクが高いこと、また、入院リスク、重症化してICUに入るリスク、いずれも高いことが研究によりかねてより示されておりますが、先ほど述べた研究からすると、インフルエンザのみならずコロナウイルスにも同様のことが当てはまりそうであります。
 今後、新型コロナウイルスへの対応は、長期的な対応を要することも想定されます。新型コロナウイルスの肺炎の重症化を未然に予防するには禁煙が重要と考えますが、見解を伺います。

○成田保健政策部長 喫煙と新型コロナウイルス感染症との関係性は、現段階では科学的に明らかになっておりませんが、喫煙は肺がんを含む全身のがん、心臓病、脳卒中、肺炎などあらゆる病気の原因となりまして、喫煙を原因とする死亡者は国内で年間約十三万人とされております。
 都は本年度、禁煙教育として、喫煙及び受動喫煙が健康に及ぼす悪影響につきまして正しい知識を普及するため、授業でも活用できますよう小中高校生向けの副教材を作成いたしました。
 来年度は、引き続き、禁煙を希望する住民に対しまして、医療機関等での禁煙治療の費用を助成する区市町村の取り組みを包括補助で支援いたしますとともに、妊娠、出産を機に喫煙による健康影響の理解促進を図るため、新たに禁煙啓発資材を作成し両親学級等で配布するなど、喫煙及び受動喫煙が健康に及ぼす悪影響について啓発してまいります。

○岡本委員 ご答弁ありがとうございました。今ご答弁いただいたように、能動喫煙を原因とする死亡者は年間約十三万人、死者の一割と推計されております。ちなみに、受動喫煙は年間一万五千人と推計されております。
 二〇一八年の統計では、肺炎は日本人の死因の五位、死亡総数九万四千六百五十四人という実数であります。死因の六・九%を占めています。ちなみに、インフルエンザは別に集計されておりまして、三千三百二十三人、死因の〇・二%であります。そもそも、非常に多くの高齢者の方が肺炎で亡くなっているということです。コロナウイルス対策としてのみならず、そもそも肺炎対策としても禁煙推進、たばこ対策が重要だということを改めて強調しておきます。
 そして最近、屋内の喫煙室がコロナウイルス感染のクラスター化するおそれがあるのではないかという指摘も出始めています。狭い空間に多数の喫煙者が集まる。他人との距離が二メートル以内になる。当然たばこを吸うときにはマスクを外します。そして、顔や口の周りを素手でさわることになります。こうした要素から、感染が拡大する場所になるのではないかというような指摘もあり、喫煙室を使用停止とする施設管理者も広がりつつあります。
 福祉保健局といたしましても、本日、私が述べたような情報についても、ぜひ啓発をするようにお願いをいたします。そのように要望しておきます。
 コロナ対策については、未知の点が多いものでありますけれど、一定の、中国や武漢での科学的なデータも出ております。科学的な根拠に基づいて対策を進めるべきだというふうに私は考えております。
 二月二十七日に安倍首相が、全国全ての学校の臨時休業を要請しました。私は、これについては科学的な根拠を欠くのみならず、科学的な妥当性も欠くというふうに考えております。効果が小さく、不利益が大きい。そして、その不利益のしわ寄せが非常にアンバランスであるということで、私はこの政策には、今回の要請には反対の立場であるということを表明しておきます。
 もちろん、個々人が感染拡大の対策を、個人個人が一生懸命とっていくということは非常に重要でありますけれど、個人の権利や自由や、また、経済活動を大幅に制約するような、そうした行政的な対策に対しては、私は反対の立場である。得られる効果とそれに伴うデメリットとをしっかりと考慮する必要があるというふうに考えております。イギリスの対策というものも学ぶところが多い、参考にすべきところがあるというふうに考えております。
 では、次のテーマに移りたいと思います。児童虐待についてお伺いいたします。
 乳幼児揺さぶられ症候群が疑われる場合の対応について伺います。
 厚労省の平成二十五年八月版、子ども虐待対応の手引きでは次のように書かれています。シェークン・ベビー・シンドローム、SBSは、子供の頭部が暴力的に揺さぶられることによって生じる頭部外傷である、泣き声にいら立って激しく暴力的に揺さぶることで起きることが多い、九十センチ以下からの転落や転倒で硬膜下出血が起きることはほとんどないといわれている、したがって、家庭内の転倒、転落を主訴にしたり、受傷機転不明で硬膜下血腫を負った乳幼児が受診した場合は、必ずSBSを第一に考えなければならない、受傷の原因が特定できず、虐待の可能性がある限りは、安全を第一に分離の判断をせざるを得ないと厚労省の手引はしています。
 他方で、六カ月から二歳までの子供の家庭内のささいな事故で起こる、中村Ⅰ型と称する急性硬膜下血腫の可能性を強調する専門家もいます。報道によれば、この中村Ⅰ型は、脳神経外科の教科書に掲載されているもので、小児科医の間では否定的に理解されてきた。脳神経外科医と小児科医の間で見解の相違があるということが報道されております。
 厚労省の対応の手引は、小児科医の通説だけを前提に作成され、親の説明をうそだと疑い、虐待ありきで対応すべしという内容になったというふうに批判的に報道されております。厚労省の手引では、虐待の可能性がある限りは分離の判断としており、このような一律硬直的な判断には強い批判があります。
 二月二十八日の山内れい子議員の一般質問への福祉保健局長の答弁では、虐待に該当するかどうかなどについて、丁寧な調査と慎重な判断を行っている。子供の病状把握、受傷に至った原因や経過などに関する情報を総合的に収集ということでありました。
 都は、丁寧な調査と慎重な判断ということでありますが、具体的な事案において、SBSの疑いで一時保護した場合でも、総合判断の結果、乳児院への入所措置をせずに親元へ乳児を帰す事例があるのか、その場合、重視する要素は何か伺います。

○谷田少子社会対策部長 乳幼児揺さぶられ症候群は、頭部の受傷により後遺障害等を引き起こし、最悪の場合は死に至ることもございます。
 そのため、児童相談所は、医師や保護者等からさまざまな情報を総合的に収集するとともに、協力医師にセカンドオピニオンを得た上で、児童の安全を第一に、援助方針を検討し決定をしております。
 ケースワークを進めるに当たりましては、家庭訪問や保護者等との面談を通じ、受傷の背景やこれに至るまでの状況等を確認し、家庭内または保護者がいる中で子供に重篤な症状が起きた事実を保護者と児童相談所が共有することが重要でございます。
 その上で、子供と保護者の愛着関係構築の観点から再発防止策を講じ、児童相談所の指導、支援のもとで改善に取り組んでいく場合には、一時保護中においても面会交流を実施しております。
 家庭復帰につきましては、一時保護中、入所措置中のいずれの場合におきましても、親子交流を実施していく中で、保護者の養育力の確認等を行うとともに、親族の協力や地域資源の活用のほか、要保護児童対策地域協議会による地域の支援体制の構築等を図った上で実施しております。

○岡本委員 ご答弁ありがとうございます。
 都は、厚労省が示すような硬直的な親子分離ではなく、一時保護中の面会交流をしたり、また、乳児院への入所措置をとらないで一時保護から家庭復帰したりと、個々の事案に応じた対応を行っているものと理解をいたしました。
 厚労省の虐待対応の手引は、SBSに対する認識が偏っており、かなり問題があるものであり、そのような一律硬直的なマニュアルにとらわれることなく、子供と保護者の愛着関係構築も含め、子供の最善の利益となる対応を今後も行っていただくようお願いいたします。
 次に、予算概要八五ページの新規事業であります児童相談所情報標準化・人材育成事業についてお伺いする予定でありましたが、先ほど小林健二理事の質問で、既に、重複になりますので、質問については割愛をさせていただきます。
 この新規事業について少し意見を述べておきたいと思います。
 これまで経験則として、再婚や内縁の連れ子について虐待のリスクが高いということをいわれることがしばしばありますが、事例の集積やデータ化することによって、これまでの漠然とした経験則を数値化や可視化するということは重要であると考えます。また、さまざまな項目を抽出、分析することによって、新たな視点が得られるかもしれません。
 また、先ほどSBS事案に関して、家庭復帰を判断する上で重視する要素は何かということをお伺いいたしましたが、この新規事業によって、どういう要素がある場合に再発の可能性が低く、他方、どういう要素がある場合に再発のリスクがあるのかといったことも判明し、判断に際して役に立つかもしれないということが考えられます。この新規事業に期待をするところであります。
 では、次の質問に参ります。
 昨年、令和元年十月二十九日の厚生委員会で、一時保護所の第三者委員の弁護士の意見書について取り上げました。朝日新聞に、一時保護所、子の人権侵害--子供の人権侵害ですね、私語禁止、会話制約、目を合わせるのも禁止といった見出しの記事が掲載された件であります。
 この十月二十九日の委員会質疑後に新たに改善された内容があるか伺います。また、その後の現在の第三者委員の弁護士の意見について伺います。

○谷田少子社会対策部長 都は昨年九月から、他の児童に威圧感を与えるなどの理由で実施しておりました入所時の髪の黒染めを取りやめるとともに、児童の声を聞くための意見箱の設置などに取り組んでまいりました。
 また、十月には一時保護所支援改善検討会を立ち上げまして、児童相談所長や現場の職員に加え、弁護士や学識経験者など外部の委員も交え、一時保護所の支援のあり方について検討を重ねてまいりました。
 検討会ではこれまで、一時保護所において築いてきた援助技術、創意工夫も踏まえ、児童に対する支援力の向上や個別的な支援のあり方、私物所持のあり方など八項目について検討を行い、現在、各項目の改善案を取りまとめているところでございます。
 また先月、第三者委員と意見交換を行っておりまして、こうした現在の取り組み状況について評価をいただいているところでございます。

○岡本委員 引き続き改善に取り組んでいただきますようお願いを申し上げます。そして、都の一時保護所が子供の権利をしっかりと擁護し、傷ついて入所してきた子供たちに安心感を育むことができる施設となるように期待を申し上げます。
 また、第三者委員の弁護士の意見書は、不適切な対応がなされる現状の一番の原因は、職員の疲労感にあると指摘しておりました。職員にゆとりをということも提言されておりました。根本的な原因とされる職員の疲労感の改善もあわせて取り組んでいただきますようにお願いを申し上げます。
 次に、児童相談所における弁護士の常勤化について述べたいと思います。
 昨年、平成三十一年第一回定例会二月二十八日の本会議での私の一般質問及び三月十八日の厚生委員会で、質疑、要望をいたしました。また、昨年十二月十九日付の我が会派の予算要望書では、非常勤弁護士の常駐配置についても要望いたしました。
 これに関しまして、ことし令和二年一月、東京都社会的養育推進計画(案)の五〇ページに、日常的に弁護士に相談できる体制の整備を促進するとともに、弁護士に求める役割の検討や常勤弁護士の配置について検討を行いますということが記述されました。引き続き常勤弁護士の配置、または非常勤弁護士の常駐配置を実現されるように要望いたします。
 常勤弁護士と現行の非常勤弁護士及び協力弁護士の体制とでは、目的や関与の質が異なるもので、両立をさせていただきたいということを改めて述べておきます。
 後者、現行の体制は、職員が相談したいことを相談するための弁護士の活用で、相談するしないの判断を誤れば、そもそも相談がなされません。他方、常勤弁護士は、より日常的な案件関与ができ、家庭裁判所の手続や法解釈の相談だけでなく、さまざまな場面でより深くケースに関与し得るものです。
 ただ、常勤弁護士は、人材面で経験豊富な弁護士の応募はなかなか見込めないでしょうから、即戦力というよりは、OJT、オン・ザ・ジョブ・トレーニングで、ある程度継続的な期間をかけて経験を積んでいただくという面も必要かと考えております。
 常勤弁護士を配置したら、それによって現行の非常勤弁護士及び協力弁護士の体制を減らすといった関係ではなく、むしろ両立し、さらに両制度とも拡充をすべきです。私としては、まずは児童相談センターで常勤弁護士を採用してみて、その上で有効性を検討していただきたく思います。
 次に、現行の非常勤弁護士については、平成三十年度に、各児相で月二回、十六時間、令和元年度は、各児相で月四回、三十二時間の配置をしていると伺っております。日によって来る弁護士が異なることで、一貫性や効率性の面では難点があるかもしれませんが、それでも、より日常的に身近に弁護士との相談ができるよう、一層の配置拡充を図っていただきたいと考えます。
 また、常勤弁護士の配置ができない場合には、非常勤弁護士のローテーションによる常駐化を検討いただきたいと思います。
 我が会派で福岡市及び福岡県の視察をいたしました。また、専門家の意見なども踏まえて、弁護士の関与をより一層ふやすことが子供の最善の利益につながると同時に、また、職員の精神的な疲弊を減らすものと考えております。
 では、次のテーマに移ります。
 昨年、第四回定例会においてソーシャルファーム条例が可決し、成立いたしました。そして、その条例制定前の十一月十二日の有識者会議の報告書には、児童養護施設退所者への就労支援という内容についても検討がなされておりました。
 そこで、予算概要の七六ページにあります児童養護施設退所者等の就業支援事業の事業内容について伺います。

○谷田少子社会対策部長 本事業は、児童養護施設退所者等の自立を支援するため、NPOと連携し、施設退所者等に対し、働きやすい職場の開拓や就職後の職場訪問等を実施するものでございます。
 あわせて、金銭教育やコミュニケーション等、社会に出て自立するために必要な知識や就職活動に係る実践的なスキルを習得できるよう支援しております。

○岡本委員 こうした取り組みの経験やノウハウは、今後のソーシャルファーム条例の実施に生かすことができる可能性があると思いますので、ぜひ、産業労働局と連携をし、情報共有をしていただきたいと思います。
 また、このほかにも、先ほど述べました就労困難者に関する有識者会議の報告書には、障害者、生活困窮者、ひとり親、刑務所出所者等、それからひきこもりの方への就労支援などが検討されておりました。福祉保健局がこれまで取り組んできた分野と共通する面が多々あると思いますので、ぜひ今後、福祉保健局の各所管課におきまして、産業労働局に知識や経験を情報提供していただきまして、連携をとって、ソーシャルファームの制度がよりよいものになるよう、ご協力をお願い申し上げます。
 次に、この児童養護施設の就業支援に関連いたしまして、自立支援コーディネーターについてお伺いいたします。
 児童養護施設に配置されている自立支援コーディネーターの概要について伺います。

○谷田少子社会対策部長 都は、平成二十四年度から独自に、児童養護施設に自立支援コーディネーターを配置する取り組みを行っております。自立支援コーディネーターは、施設を退所した児童が自立し安定した生活を送ることができるよう、入所中はもとより、退所後も継続して生活や就労に関する相談支援等を行っており、現在五十四の施設に配置されております。

○岡本委員 私も、弁護士会の子どもの権利委員会に所属いたしまして、その一員として、自立支援コーディネーターの方々との情報交換会に参加をしたことがあります。児童養護施設の退所者は、社会に出て自立した矢先に法的なトラブルに遭いやすいという話を伺いました。
 アルバイト先、あるいは夜の水商売への就職、ノルマや違法な天引き、ブラック企業への就職、また親権者とのトラブル、特に虐待をされて児童養護施設に入っている場合などには、各種契約や予防接種などに関して親権者の同意が得られない、あるいは対人関係、また詐欺被害にも遭いやすい、若年妊娠、それから外国人の子供の場合には在留資格など、非常にさまざまな、多岐にわたる分野の法的な問題に巻き込まれやすいという面があります。
 しかしながら、なかなか弁護士に相談するということ自体を知らない。早期の法的な支援を受けられず、問題がより悪化する傾向にある、よりこじれていってしまうという傾向にあります。そういう場合、時々、自立支援コーディネーターの方に相談が来るんだけれど、自立支援コーディネーターも法的な知識を持ち合わせておらず、また、通常、弁護士へのアクセスに余りなれていないというのが実情としてあります。
 そこで、今、弁護士会としても、そうした自立支援コーディネーターとの連携、パイプを持っていこうという動きをしておりますけれど、児童養護施設の退所者や自立支援コーディネーターや児童養護施設の職員の方々が、弁護士に相談をして法的な助言を得られることを支援し、身近に弁護士の紹介を受けられる、あるいは無料で相談を受けられるというような仕組みを、ぜひともご検討いただきたいと思います。まずはそうしたニーズがあるということを、ぜひとも調査をしていただきたいというふうに思います。
 あわせて、先ほど述べた趣旨、目的とはやや異なりますが、児童養護施設内の虐待防止や子供の権利に対する職員の意識の向上、また、児童養護施設における入所児童と親権者との利害が対立する場合の調整などの観点から、児童養護施設の職員または入所児童が身近に日常的に弁護士に相談して、法的な助言を得られるような仕組みについてもご検討いただきたいと思います。
 近年、スクールローヤーの制度が広がりつつあります。都立学校や区立の学校がトラブルの発生当初から気軽に弁護士に相談でき--この発生当初から早目に相談できるというところがポイントだと思いますけれど、訴訟になる前に、訴訟が必要となる前に、早目に相談を受ける、助言を得られる、そうした仕組みを設けることが広がりつつあります。そうした制度も参考にしつつ、児童養護施設の関係者らが気軽に早期に弁護士に相談できる仕組みを、ぜひとも検討していただきますようにお願いを申し上げます。
 児童養護施設に関しては、このたび新規事業として、予算概要の八八ページに二つの事業が新規に上がっております。時間短縮の観点から質問の形にはいたしませんが、児童養護施設等体制強化事業として、将来的に児童指導員等となる人材の確保を図ることを目的とし、指導員等を目指す者を雇い上げる事業、それから、児童養護施設等の措置費の拡充として、児童養護施設及び養育家庭等で養育されている高校生の塾代を都が独自に加算を行うものが挙げられております。こうした新規事業にも期待をするところであります。
 次の質問に参ります。自立援助ホームの実態調査について伺います。
 令和元年第三回都議会定例会における九月十日の我が会派の内山真吾議員の一般質問に対して、自立援助ホームにおける児童の入居状況について実態を把握する--自立援助ホームが、形式的には足りているけど実質的には足りていないんじゃないか、なかなか入所ができないんじゃないかといった内山議員の一般質問に対して、実態を把握するとの答弁がありました。取り組みの内容と現在の状況について伺います。

○谷田少子社会対策部長 都は、自立援助ホームの入居状況についての実態を把握するため、昨年十二月に自立援助ホーム及び児童相談所を対象とした調査を依頼いたしました。
 自立援助ホームに対しましては、相談時の居場所、入居の可否、入居しなかった理由等について、また、児童相談所に対しましては、入居を打診したホーム数、入居までに要した期間、入居できなかった理由等について調査をしておりまして、現在その結果を取りまとめているところでございます。

○岡本委員 ありがとうございます。調査結果をお待ちしております。
 次のテーマに参ります。養育費についてです。
 先ほど、斉藤れいな議員も、養育費の取り決め率についての話がありました。母子と夫との養育費の取り決め率は、平成二十八年の全国ひとり親世帯等調査におきまして、取り決め率が四三%、受取率が二四%という数字が出ております。
 そして、予算概要七九ページの新規事業に、養育費確保支援事業があります。これは、弁護士でもある明石市の泉房穂市長が二〇一八年十一月に先進的に打ち出した明石市養育費立替パイロット事業のトライアルが先行例になっているものと思います。東京都で、早速、来年度の新規事業としていただいたことを高く評価したいと思います。
 この事業について、明石市スキームでは、市が保証会社に直接初回保証料を支払います。大阪市スキームでは、補助金を養育費受取人に支払います。また、保証料、補助金に上限があるかといったようなあたり、このあたりのスキームについて都はどのように考えているのか、実施主体となる区市町村が選択することになるのか、そういった観点から、来年度から都が実施するこの事業について、事業スキームについて伺います。

○谷田少子社会対策部長 都が来年度実施いたします養育費確保支援事業は、都民からの提案に基づき、ひとり親家庭が元配偶者などからの養育費が不払いになったときに備えて、民間保証会社と連携し、養育費の立てかえ保証等を行う区市町村を支援するものでございます。
 具体的な支援内容は、ひとり親が支払う保証料の一部のほか、事業周知に係る広報経費や、ひとり親家庭からの相談、審査に係る事務経費を補助することを考えており、その他詳細につきましては現在検討中でございます。

○岡本委員 スキームは現在検討中ということでありました。
 海外、フランスやスウェーデンでは、保証会社ではなく国が直接取り立てるという仕組みも実施されているそうです。
 そして、報道によりますと、明石市は、トライアルとしては民間の保証会社を使ったけれど、今後は、市が一〇〇%実施する公的な立てかえ制度を実施することを検討しているということであります。民間保証会社の場合は、特に、養育費を払う元夫に関して審査等があり、その審査によっては立てかえの実施がなされない場合もある。そういう場合を市としてはカバーするということで、全て市が行うということを検討しているようであります。そうした市が直接行う場合についても対象となり得るようにご検討いただければというふうに思います。
 そもそも日本は諸外国に比べて三十年から四十年おくれているということがいわれます。この明石市長、泉市長はもともと弁護士でありまして、この問題について非常に熱い気持ち、そして使命感を持っておられます。
 その記者会見を一部拝見いたしました。昨年の九月二十五日の記者会見で、非常にその思いも述べておられます。そもそも養育費の取り決めをしなくても離婚を認める日本の制度が不備であり大変珍しい、本当に子供の養育費を届けるような制度をつくりたい、全ての子供たちをまちのみんなで本気で応援する、そして養育費は単なるお金ではなく愛情の色がついたお金である、単にお金が助かるからという論点だけではなくてそれを超えた親子というテーマがあるという思いも語っておられます。そして、強制よりも任意がよい、できれば同意を得て給料の天引き制度をつくりたいということをいっておられます。
 この九月二十五日の記者会見には非常に具体的ないろんな提案がなされておりまして、大変参考になるというふうに思いました。中にはちょっと実現可能性が難しいような、養育費を払わない親の水道料金をとめるといったような検討も一部には書かれておりますし、また、氏名を公表するといったところで、賛否があるところもありますけれど、さまざまな方法を駆使して、しっかりと子供の養育費を確保していこうと。そもそも二四%しか支払われない、法律で支払うということが義務づけられているのに、その履行率が非常に低いというところは、ぜひとも改善をしていくべきだというふうに思います。
 私の発言は以上で終わらせていただきます。どうもご清聴ありがとうございました。

○大場委員 昨年の末より拡大しております新型コロナウイルス感染症対策に関しまして、東京都における責任部署として、朝昼晩、土日を問わず奮闘されていらっしゃる、専門職であられる技監、健康安全部長、感染症危機管理担当部長、そして感染症対策課長のお姿を幾度となくテレビなどで拝見させていただいております。お役目、お立場とは申しましても、新たな感染症対策に全力で取り組まれている皆様のご苦労、察して余りあるものでございます。本当にお疲れさまでございます。
 そして、関係する部下職員の方々も同様に大変なご負担がかかっていらっしゃり、文字どおり不眠不休で取り組まれていらっしゃることと存じます。心より感謝を申し上げます。この状況で難しいとは思いますが、くれぐれもご自身のお体をいたわっていただければと思っております。一言申し上げさせていただきまして、質疑に入らせていただきます。
 初めに、高齢者施設における危機管理についてお尋ねいたします。
 昨年、令和元年になりましてから、極めて勢力の強い台風十五号や十九号などがもたらした記録的な大雨などによりまして、島しょを初めとする都内各地で多くの被害が発生いたしました。私の地元の世田谷区におきましても、老人ホームが浸水により一時停電し、利用者の方々が非常用発電機により一夜を過ごしたということがございました。
 高齢者施設には、車椅子をご利用されていらしたり、たんの吸引などの医療的配慮を必要とされていらっしゃる方が多数入居してございます。このような方々は、大規模な自然災害が発生した際におきましても、公的避難所などに移動することは困難であるという課題が、以前よりも指摘されているところでございます。
 台風や地震などによって電気の供給が長時間ストップいたしまして、空調、照明、給排水や調理設備、医療関係機器などのライフラインがとまることになりますと、施設において生活なさっていらっしゃる高齢者の方々の健康に重大な影響が生じたり、場合によっては生命の危機につながることになりかねません。
 そのため、特別養護老人ホームや介護老人保健施設、軽費老人ホームや養護老人ホームなどの高齢者施設におきましては、非常時でも施設の機能を維持、継続するために、ライフラインを支えるバックアップ役の非常用自家発電設備の整備を進めることは極めて重要であると考えます。
 そこで、高齢者施設における非常用自家発電設備の整備について、都としてどのような支援を行っているのかお伺いいたします。

○村田高齢社会対策部長 都は今年度から、国の交付金を活用しまして、停電時に医療的配慮が必要な入所者等の安全を確保するため、特別養護老人ホーム等を対象に非常用自家発電設備の整備への補助を行っており、補助基準額は九百十八万円、負担割合は、国二分の一、事業所二分の一となっております。
 来年度、国の交付金は、長時間の停電に対応できる大規模な容量の設備整備が可能となるよう、補助基準額の上限を撤廃し、下限五百万円以上の整備を対象とすることとし、負担割合は、国二分の一、都四分の一、事業者四分の一とされたところでございます。
 都内では、敷地や建物の制約もあることから、都は、国が定める下限の五百万円に満たない小規模な整備について独自に支援することとし、負担割合は、都四分の三、事業者四分の一とすることとしております。

○大場委員 一方で、今年度における実際の補助申請件数は、現時点では十施設と聞いてございまして、都内の高齢者施設の総数から考えますと、非常用自家発電設備の導入は一部にとどまっているものと推測をされます。
 今後、いつ何どき発生するかわからない大規模自然災害に備えまして、必要な費用の補助はもちろんのこと、それだけではなく、施設において非常用自家発電設備の導入が進むような都の取り組みが必要と考えます。所見をお伺いいたします。

○村田高齢社会対策部長 都は昨年、事業者団体や区市町村の代表と、大規模停電発生時等に施設の運営を継続するために必要となる非常用自家発電設備の整備について、意見交換を行いました。
 その中で、停電時に稼働すべき水道や空調等の設備の範囲や稼働時間等の目安が必要であること、また、設備を稼働するための電力量の算出が困難等の意見をいただいたところでございます。
 そのため、都は施設運営が三日間継続できるよう、設備の優先順位などを定めた非常用自家発電設備の整備方針を策定するとともに、技術職を配置していない施設においても必要な電力量を簡易に算出できるシートを作成いたしました。
 今後、これらの取り組みによりまして、高齢者施設における非常用自家発電設備の導入を支援してまいります。

○大場委員 高齢者施設は、一たび自然災害が発生した場合には、その入居者ばかりでなく、場合によっては地域にお住まいの高齢者の方々の受け入れ場所となることも想定されます。引き続き、全施設への非常用自家発電設備導入に向けた着実な取り組み、そして支援を継続するよう強く要望させていただきます。
 続きまして、児童対策に関しましてご質問させていただきます。
 近年、小さなお子さんにかかわる痛ましい事件が数多く発生しております。児童虐待でございます。この児童虐待に関しましては、私が改めて指摘するまでもなく、日本全国で大きな社会問題となっており、メディアにより多々報道がなされると同時に、解決に当たっては、大変な困難を伴う複雑な事案が年々増加してきているものと認識されております。
 それぞれの家庭におきましては、適切なしつけは行われているわけですが、児童虐待というレベルに至るという事態の背景、環境、経済問題、疾病、親御さんの生い立ちなど、考慮すべき要素はさまざまあるかと思いますが、私はどのような理由であろうとも、どのような事情があろうとも、小さな子供に対する虐待行為は一切許されるものではなく、また、誰であろうとも許してはいけないと考えております。ましてや、幼い命が奪われるということなど絶対にあってはいけません。起こしてはいけません。
 そこで、都における児童虐待対応件数についてお答え願います。その傾向についてもあわせてお示し願います。

○谷田少子社会対策部長 都の児童相談所における児童虐待対応件数は、近年一貫して増加しておりまして、平成三十年度は一万六千九百六十七件と、十年前の五倍以上となっております。
 その中でも、特に警察からの通告が多くなっておりまして、全体の約四割を占め、内容別では、面前DVなどの心理的虐待が約六割を占めております。

○大場委員 都におきましては、平成三十年三月に、保護者からの虐待により五歳の女の子が亡くなるという事件が発生したことなどから、昨年度、児童相談体制の強化に向けた緊急対策を発表し、児童福祉司、児童心理司の確保や、警視庁との情報共有範囲の拡大などに取り組んでこられました。
 加えまして、非常勤の弁護士の勤務日数を拡大することによる法的対応力の強化など、相談体制の強化にも努めているとのことでございます。
 しかしながら、増加を続ける児童虐待に関する相談に的確に対応するためには、さらなる体制強化を図っていくべきであると考えます。
 そこで、来年度の都の対応強化策につきましてお伺いいたします。

○谷田少子社会対策部長 都では、児童相談所の体制強化を図るため、来年度、児童福祉司を三十五名、児童心理司を二十三名増員いたします。
 また、児童相談に係る情報を迅速、確実に共有するため、今年度、児童相談センター、北児童相談所、小平児童相談所の三所及び練馬区の子供家庭支援センターに試行的に導入しておりますテレビ会議システムについて、来年度は、全ての児童相談所と練馬区、大田区、青梅市の子供家庭支援センターに設置箇所を拡大するとともに、試行期間を令和三年度まで延長し、効果検証を行うこととしております。
 今後とも、深刻化する児童虐待に的確に対応するため、児童相談所の体制強化に取り組んでまいります。

○大場委員 児童虐待に係る相談は、数自体が増加しているのと同時に、深刻で困難なケースやお子様の命にかかわる事例も多くなっているため、第一線の児童相談所におきましては、十分な職員の確保とともに、より高い専門性や経験が求められると考えます。
 専門職員の増員には引き続き取り組んでいただきたいところでございますが、担当部門からお伺いしたところによりますと、国が示す新たな配置基準に対して、児童福祉司や児童心理司が、都においても百人単位で不足する見込みであるとのことでございます。
 また、人数的には確保に努めたとしても、その一方で、経験が浅い職員の割合は増加しておりまして、スーパーバイザーや指導的な役割を担う基幹的職員の重要性も指摘されているところであります。今こそ、相談対応には専門性の高い人材が求められております。
 人材の確保、育成につきまして見解をお伺いいたします。

○谷田少子社会対策部長 都では、児童福祉司の採用に当たりまして、新卒者等を対象とする採用試験に加え、専門的な知識や経験を有する人材を一定期間任用する任期つき職員制度や、民間経験者等を採用するキャリア活用採用制度などを活用しております。
 また、児童福祉司等の育成に当たっては、研修計画に基づき職員の経験等に応じた幅広い内容の研修を行うとともに、新任児童福祉司については、OB等によるOJTにより実務能力の向上に取り組んでおります。
 さらに、来年度は専門課長を増員し、これまでの児童相談センター、江東、立川の両児童相談所に加えまして、八王子児童相談所の計四カ所に配置する予定であり、人材育成の体制を強化し、児童福祉司の専門性の向上を図ってまいります。

○大場委員 よろしくお願いいたします。子供と家庭に関する相談につきましては、専門的知識や技術が必要となるケースに対応する児童相談所と、住民に身近な地域で支援を行う子供家庭支援センターが連携して取り組んでおります。
 虐待から子供たちを守るためには、都の児童相談所の体制強化は当然ですが、それだけでなく、区市町村も含めて総合的に児童相談体制を強固たるものとする必要があります。
 そのため都は、今年度、児童相談体制について区市町村との合同検討会を立ち上げたと伺っております。
 その合同検討会のこれまでの検討状況と来年度の取り組みについてお答えください。

○谷田少子社会対策部長 今年度立ち上げました児童相談体制等に係る区市町村との合同検討会では、人事交流の強化、人材育成の連携、保護者支援の協働、保有施設の活用、情報共有方策の検討、東京ルールの見直しの六つの検討事項につきまして、実効性の高い方策を幅広く議論してまいりました。
 これまでの検討を踏まえ、来年度は、区市町村派遣研修職員の受け入れ人数の拡大や合同研修の充実などを行い、区市町村の人材育成の支援を強化してまいります。
 また、子供家庭支援センター内に都の児童相談所のサテライトオフィスを設置する共同モデル事業を実施するほか、ICTを活用した情報共有ツールの開発等を行い、都と区市町村の連携を一層強化してまいります。

○大場委員 引き続き、区市町村との連携強化を期待しております。
 さて、児童相談に当たりましては、面接や家庭訪問などの対人援助技術のほか、子供の発達状況や障害、関連法令に関する知識など、さまざまな専門性が不可欠であります。こうした専門性は、研修はもとより、実際の業務の中でさまざまな経験を通じて磨いていくことが有効であります。
 合同検討会における検討結果を踏まえまして、来年度は、区市町村派遣研修職員の受け入れ人数の拡大や合同研修の充実などにより、区市町村の人材育成の支援を強化することになったとのことでございます。
 児童相談分野における人材育成は喫緊の課題ですが、区市町村の人材育成支援強化に係る具体的な取り組み内容についてお伺いいたします。

○谷田少子社会対策部長 都は、区市町村から児童相談業務に携わる派遣研修職員を児童相談所に受け入れており、派遣研修職員に対しては、年間を通じて児童の発育や心理の基礎知識など、多岐にわたる研修を実施するとともに、ベテラン職員が家庭訪問に同行するなど実践的な相談支援能力の向上を図っております。
 研修受け入れ人数は、今年度、都全体で七十七名となっており、来年度は、区市町村の意向を踏まえまして、八十九名の受け入れ体制を確保しております。また、都の児童相談所の職員研修について、区市町村職員が参加可能な科目の拡大や演習型の合同研修の充実を図るとともに、児童相談の基礎に係る研修DVDを作成し貸し出すなど、区市町村職員の研修機会を拡大いたします。
 こうした取り組みに加えまして、区市町村職員に対し、保護者に子供とのかかわり方を指導する技法の研修や、児童相談所での短期実習なども実施し、区市町村の人材育成を支援してまいります。

○大場委員 都が区市町村の人材育成を支援し、子供家庭支援センターの相談対応力を強化することは、児童に対する虐待の未然防止や重篤化防止につながる有効な取り組みであると考えます。
 また、こうした研修を通じた共同の機会を創出すること自体が、児童相談所と子供家庭支援センターの相互の理解を深め、連携強化につながると考えますので、確実な推進を強く要望します。
 さて、子供たちに対する人的資源は限られております。その限られた人材の力を最大限発揮できる環境は、業務の効率化や迅速化などが実現して初めて整えられると考えます。そのためには、ICTの活用が有効であるといわれております。
 ICT化については、合同検討会においても議論が行われ、来年度にはICTを活用した情報共有ツールの開発等を行うとのことですが、具体的な取り組みについてお伺いいたします。

○谷田少子社会対策部長 都においては、虐待対応等における児童相談所と子供家庭支援センターの連絡調整に係る独自のルールがありまして、この中に虐待事案の進行管理や、両機関の共通理解を図るためのリスクアセスメントシートを定めております。
 来年度は、この活用状況の調査分析を行い、リスクアセスメントシートに係るアプリの開発を行います。
 また、令和三年度に全国の要保護児童等に関する情報共有システムの開発が予定されており、このシステムへの参加に向けて、区市町村と共有する情報の範囲などを検討してまいります。

○大場委員 宮坂副知事が推し進めていらっしゃる5Gではありませんが、先進都市東京ならではのICT化の推進を、児童対策分野でも積極的に実施をお願いします。
 続いて、児童養護施設についてお尋ねします。
 児童養護施設におきましては、人材の確保に大変ご苦労されていらっしゃるとのことでございます。児童虐待の深刻化を初めとする子供を取り巻く環境が大きく変化し、社会的養護を必要とする子供の数が絶対的にふえている中で、施設においても子供をケアする職員の確保は不可欠であります。
 そこで、施設職員の確保のため、都としてどのような支援を行っているのか、現状をお伺いいたします。

○谷田少子社会対策部長 都は、児童養護施設や乳児院が意欲ある人材を確保できるよう、施設への就職を希望する実習生を指導する職員の代替職員経費や、実習を受けた学生を就職前に一定期間雇用するための経費を補助しております。
 今年度から、離職率の高い勤続年数の浅い職員の住居費負担や通勤負担を軽減するため、事業者が職員用の宿舎を借り上げる場合の経費の補助を開始したところでございます。

○大場委員 施設において必要な職員が確保できるよう現場の声にも十分に耳を傾けながら、人材確保に全力で取り組んでいただきたいと思います。
 社会的養護のもと育つ子供たちへの支援に当たりましては、児童相談所、区市町村、施設などの個々の主体がその役割を的確に果たし、さらには、その連携による相乗効果が求められることはいうまでもありません。そればかりではなく、地域の力を活用することも重要と考えます。
 先ほど、職員確保のための都の支援についてご答弁をいただきましたが、現在、児童養護施設では、いわゆる小規模化、地域分散化によりまして、これまでの大きな入所施設から複数の小さなグループホームへの転換が進んでいるところです。
 こうした中、グループホームでは施設の職員数が少ないため、一人一人の職員の業務が多岐にわたることになり、子供たちの食事づくりや洗濯などの身の回りの世話や、学校などとの連携などの負担が大変ふえているとも聞いております。そのために、地域の力を活用することも視野に入れるべきともいわれているところでございます。
 そこで、施設で働く職員の負担の軽減を少しでも図ることが効果的と考えますが、いかがでしょうか。
 また、高い専門性や専門の資格は必要でありますが、資格がなくても児童養護の分野に意欲のある人材を確保し、その人材を育成するという手段も検討に値するのではないかと考えます。都の見解をお伺いいたします。

○谷田少子社会対策部長 都は、今年度から児童養護施設等の職員の負担軽減や、施設に対する地域の理解を深めるため、入所児童の話し相手や身の回りの世話などに、地域の高齢者や高齢者予備軍を活用する取り組みを支援しております。
 来年度からは新たに、児童指導員等を目指す者を雇い上げ育成することで、将来的に児童指導員等になる人材の確保を図るとともに、施設職員の業務負担軽減及び離職防止を図る取り組みを支援することとしておりまして、今後とも、施設における人材の確保、育成を支援してまいります。

○大場委員 課題を抱える子供が児童養護施設においてもふえている状況の中、人材育成面からも、子供たちの支援に関する適切な環境を整えていただきたいと思います。
 続きまして、子供の自立に対する支援に関して幾つかお尋ねさせていただきます。
 児童養護施設を退所し、仕事や就学をしながら自立を目指す子供たち等にとりまして、日常の相談を初めとする生活上の援助や、生活指導等を行う自立援助ホームは大変大きな役割を担っていると理解しております。
 そこで、自立援助ホームにおいて実施されているさまざまな取り組みの中で、ジョブトレーニング事業についてお尋ねします。都の取り組み内容と状況についてご答弁をお願いします。

○谷田少子社会対策部長 都が平成二十五年度から実施しておりますジョブトレーニング事業は、児童福祉司任用資格及び就労支援の実務経験を有する者を自立援助ホームにジョブトレーナーとして配置し、入居している児童及び退去した児童の自立を支援する事業でございます。
 ジョブトレーナーは児童の特性を踏まえた支援計画を作成し、それに基づいて就労先の企業に対する指導方法の助言や、児童に対する作業手順の説明を行っております。ジョブトレーナーを配置するホームは年々増加しておりまして、今年度からは、全十八ホームに配置しております。

○大場委員 自立援助ホームにおけるジョブトレーニング事業と、その事業についてジョブトレーナーさんが大切な役割を担っていらっしゃることがわかりました。ジョブトレーナーさんは指導員さんと兼務しているなどの状況が多いため、就労定着に向けた支援を行える日や時間が限られているなど、臨機応変な対応が困難な場合があると聞いているところでございます。
 自立援助ホームにおける就労支援体制の強化に向けて、今後どのような取り組みを行っていくのか、所見をお伺いいたします。

○谷田少子社会対策部長 都は、ジョブトレーナーの配置の充実を図るため、来年度から新たに、支援対象者が多く、また、訪問支援や対面支援の実績が多い自立援助ホームへの補助を加算することとしております。
 これによりまして、ジョブトレーナーの複数配置や常勤配置などを支援し、自立を目指す児童に対してきめ細かい支援を行ってまいります。

○大場委員 ぜひ、子供一人一人の状況に応じたきめ細かい支援に、今後とも取り組んでいただきたいと要望させていただきます。
 本日は、児童福祉施策に関する都の取り組みを中心にご質問をさせていただきました。このたびの質疑を通じまして、都が一人一人の子供やそれぞれの施設の状況に応じてきめ細かく対応すべき体制強化を図っていることがわかりました。
 また、それとともに、来年度におきましても、新たな児童福祉施策に取り組み始めるということがわかりました。これらは、子供たちにとっても、施設にとっても、率直に評価ができるものであると受けとめさせていただきます。
 大切なことは、社会的養育を必要とする子供を含めまして、全ての子供たちが健やかに育っていける環境づくりを推進し、そして子供たちが成長して大人になってから、その能力を存分に発揮できる社会を実現することであります。そのためにも、都はさまざまな施策を有機的に展開し、社会的養育の充実を強力に推進していくことが重要であると考えます。
 都民与党である我々都議会自民党といたしましては、思いつきでパフォーマンスだけの打ち上げ花火的な施策ではなく、真に都民のためになる地道な施策にこそ注力すべきと考えており、本日お答えいただいた児童福祉施策につきましては、これまで以上に強く後押しをしていきたいと考えております。
 その観点から、今年度中に策定されると聞いている東京都社会的養育推進計画には大変注目をしているところであります。
 この推進計画を踏まえまして、最後に、内藤局長に、社会的養育の充実に向けて取り組む強いご決意をお伺いさせていただき、私の発言を終えたいと思います。

○内藤福祉保健局長 社会的養護が必要な子供たちに加え、養子縁組成立や家庭復帰後を含めた家庭で生活する子供たちが、生まれ育った環境に左右されず、家庭や家庭と同様の養育環境において健やかに育ち、自立できるよう養育環境を整備することが重要だと認識してございます。
 都は、里親等への委託を推進するため、令和十一年度までに里親等委託率を三七・四%とする考えであり、フォスタリング機関事業の実施を初めとして、里親制度の普及、里親登録家庭数の拡大、里親支援など、里親等委託に向けた取り組みを強化いたします。
 一方、情緒面や行動面の問題を抱えるなど、個別的なケアが必要で施設での養育が必要な児童に対しましては、施設の定員数を十分確保するとともに、できる限り良好な家庭的環境での養育や治療的、専門的ケアが実施できる体制を整備していきたいと考えております。
 また、社会的養護のもとで育つ児童が、みずからの意思で希望する未来を切り開いていけるよう、学習、進学支援、就労に向けた支援、施設退所後の継続的な相談支援など、自立に向けた支援を充実してまいりたいと考えております。
 今後、社会的養育の充実に向け、子供の最善の利益の観点から、在宅での支援から、特別養子縁組、代替養育や自立支援など、取り組み全体を俯瞰しながら、新たに策定する社会的養育推進計画による施策を着実に進めてまいります。

○後藤委員 私からは、高齢福祉、子育て支援関連について質疑を行います。
 まず、高齢者施設における基盤整備について伺いたいと思います。
 都では、高齢者保健福祉計画において、介護サービスの基盤整備について、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、そして認知症高齢者グループホームの三つに対して、それぞれ整備目標を定めています。来年度が計画の最終年度となりますので、それぞれについて見てまいりたいと思います。
 まず、特別養護老人ホームの整備計画についてですが、都は、令和七年度末までに定員を六万二千人分までふやす目標を掲げておりますが、今年度末の整備見込み数と来年度の支援策について伺います。

○村田高齢社会対策部長 都は、これまで特別養護老人ホームの整備を促進するため、都有地の減額貸付や土地賃借料の負担軽減など、さまざまな独自の支援策を講じており、今年度末は五万五百六十八人分の整備を見込んでおります。
 近年は、都内の地価が上昇していることから、来年度は定期借地権の一時金について、整備率や地価に応じて補助基準額を段階的に設定いたします。
 具体的には、現在、一律に路線価の二分の一を補助基準額とし上限十億円の補助を行っておりますが、来年度は、高齢者人口に対する整備率が一・四%未満の区市において整備を行う場合、都内公示地価平均以上の区市においては、路線価の四分の三、平均未満の区市においては、路線価の三分の二まで補助基準額を引き上げ、事業者の初期負担の軽減を図ることとしております。

○後藤委員 ありがとうございました。令和七年度の整備目標、六万二千人分に対して八〇%近くまで整備が進んでいるということがわかりました。
 また、特に整備率に課題がある区部などに対しては、本年度より上乗せの補助を行うということで、さらなる整備の促進が進むことを期待したいと思います。
 そして、こうした特別養護老人ホームの整備が進む一方で、今まで区部より入所申込者の受け入れを行っていた多摩部の施設関係者からは、入所率が低下するのではないかというような不安の声も聞いております。
 そこで、都内特別養護老人ホームにおける区部と多摩部における入所率の差があるのかどうか伺いたいと思います。

○村田高齢社会対策部長 都内特別養護老人ホームの入所率は、令和元年十二月末現在、定員四万九千四百七十五人に対し、入所者四万七千百九十一人で九五・四%となっております。
 そのうち、特別区は九五・〇%、市と西多摩の町村を合わせた多摩地域では九五・八%となっており、大きな差は生じてございません。

○後藤委員 ありがとうございます。区部九五・〇%、多摩地域九五・八%ということで、入所率に大きな差がないということはわかりました。
 こうした事実について、多摩部の施設経営者、複数の方々にヒアリングをさせていただいたんですが、実際は入所率に関して堅調を維持しているものの、二十三区からの受け入れ要請が減っているということは事実であって、医療的ケアが重い、区部で受け入れが難しい利用者を受け入れたりするなどして、入所率を下げないための工夫をしているというような話も伺いました。
 特養の建設コストは、認知症高齢者グループホーム等と比べると非常に割高でございまして、二〇一八年度調査の建設単価で換算すれば、五十床当たり大体六億八千万ぐらいの建設費用がかかるといわれています。その多くに都民の税金が使われているということからも、都内の特養整備が進む一方で、利用されない地域が出ることのないように、基盤整備が進んだその先の未来も見据えた、多摩部への適切な経営支援のあり方というものについても、今後は検討していただきたいというふうに思います。
 また、来年度は八期の高齢者保健福祉計画の改定に向けた議論が始まるということで、昨年末に発表された都の特別養護老人ホームへの入所申込等に関する調査というものが出ていますが、その結果によると、特養の入所を待っている都民というのは、昨年度、二〇一九年度四月一日時点で二万九千百二十六人という推計があるんですが、三年前と比べて五%減少している。つまり、ニーズが減少しているということがわかっておりますし、また、二〇一八年度の日経新聞の調査では、首都圏の特別養護老人ホームの入所者のうち、待機者の一割に相当する約六千人分のベッドがあいていたという調査結果も出ております。
 さらに、都は、他県に比べても、有料老人ホームやサービスつき高齢者住宅等々、さまざまな高齢者の受け皿があるということも、この需給状況についてもあわせて鑑みる必要があると考えています。
 七期の整備目標の設定に当たっては、こうした他サービスの整備状況というのが算定根拠に入っていません。特にサービスつき高齢者住宅などは国の政策的な後押しもありまして、かなり都内に今ふえているということもございます。
 来期以降の計画策定に向けては、こうした民間を含む多様な介護サービスの基盤の整備状況や、利用者ニーズの変化も踏まえた整備目標の計画の策定をしていただきたいと思います。
 さらに、都内の特養を訪問すると、多床室は満室であってもユニット型にはあきがあるというようなお話をよくお聞きします。ユニットケアの新型特養というのは、施設が充実している分、居住費などの利用負担に反映されるという現状がありまして、従来型の多床室の月額利用料に対して割高となる傾向があります。
 今、都が定めている高齢者保健福祉計画でも、特別養護老人ホームの施設整備に関して、ユニット型を基本としながらも、居住費が高いことから、特別養護老人ホームの整備に当たっては、低所得者への配慮が望まれるというふうにありますが、どのような配慮が行われているか伺います。

○村田高齢社会対策部長 国は、特別養護老人ホームの整備に当たっては、入居者の尊厳を重視したケアを実現するため、個室で構成されるユニット型での整備を基本としております。
 都は、ユニット型での整備を基本としつつ、高齢者の多様なニーズへの対応や、低所得者の負担軽減等のため、地域の実情に応じて区市町村が必要と認める場合には、増加定員の三割を上限に多床室の整備に対して補助を行っております。
 また、国に対し低所得者もユニット型特別養護老人ホームを利用できる仕組みを構築するよう提案要求しております。

○後藤委員 ありがとうございました。都として、多床室整備の要件緩和であったり、国への要望ということでさまざまな措置が行われていることがわかりました。
 特養は病院等と違って生活の場であると考えます。利用者の権利保護という観点でも、ユニット化は大変重要なことだというふうに考えておりますし、また、昨今の感染症対策の面でも、多床室に関しては、高齢者の方々が一緒に寝食をともにするということで、非常に感染リスクが高いということで、ユニット型のメリットというのが、今回の件でも再考されるきっかけになったのではないかなと考えています。
 一方で、特養は介護の入所施設におけるセーフティーネット機能でもあるというふうに考えておりまして、既に生活保護世帯の方々には利用料の軽減措置などがとられておりますけれども、そこに当てはまることのない経済的に不安がある方でも、最低限の基準として、個室でのケアを受けることができるように対策を講じていただきたいというふうに思います。
 また、今後は、介護保険制度の重度化シフトということに伴いまして、医療的ケアの重い方々をどのようにして受け入れていくか、そして支援していくかというところが論点となってくると考えます。
 次期計画策定に当たっては、こうした点も踏まえながら支援策について検討を進めていただくことを求め、次の質問に移ります。
 次に、認知症高齢者グループホームの整備について伺います。
 まず、都は、令和七年度末までに定員を二万人分までふやす目標を掲げておりますが、現状、一万一千二百六十一人と厳しい状況にあります。
 整備における課題認識と対応策について伺います。

○村田高齢社会対策部長 都内は地価が高く施設整備に適した用地の確保が困難なことから、都は、これまで土地所有者等が賃貸目的で施設を整備し、運営事業者に貸し付けを行うオーナー型へも補助を実施してまいりました。
 さらに、平成二十九年度からは、土地所有者等と運営事業者を結びつけるマッチング事業を開始し、現場見学会や区市町村と連携した説明会等を開催し、グループホームの内容や事業の安定性、社会的意義などを土地所有者等に周知を図っているところでございます。
 今後とも、国基金による補助に加えた整備費補助、整備が進んでいない地域への加算や都有地の減額貸付等により、認知症高齢者グループホームの整備に取り組む区市町村を支援してまいります。

○後藤委員 今のご答弁では、地価の高さが課題としてあるというようなお話がありました。既に都は、独自に他県に比べてもかなり多くの支援制度を導入しているというふうに考えておりますけれども、なかなか現状、事業者へのメリットが伝わっていないのかなというふうに感じます。
 また、同じく基盤整備の目標として設定をされている介護老人保健施設については、令和七年度までに目標三万人ということで掲げておりますが、現状、二万一千八百七十九人と同じく課題が残る現状があります。
 介護老人保健施設については、制度上、病院から在宅へ復帰するための中間施設というような位置づけをされておりますけれども、実態は老健退所後の行き先が自宅と答えた入所者の割合は二割に満たないというような現状がありまして、今後は都としても、老健の在宅復帰支援を手厚く行うということを求め、次の質問に参ります。
 次に、介護の人材対策について質問をいたします。
 都内における福祉関連職の求人倍率に関しては、令和二年、本年度一月時点で、介護が七・二三倍、そして保育士で五倍ということで、他県と比較しても突出して依然として高い求人倍率となっているという現状があります。こうしたことからも、都は今までの取り組みに加えて、実効性の高い人材確保の施策の展開というものが求められているところであります。
 実際に介護や保育の現場からは、福祉人材に関しては人件費率が非常に高いという構造上の課題がありまして、厳しい求人環境の中で悪質な人材会社などもあるということで、こうしたこともあって、採用コストが非常に高く経営を逼迫しているという話も聞いています。
 そんな中で、都が対策の一つとして講じているのが福祉人材情報バンクシステム、ふくむすびであります。
 ふくむすびは、都の福祉人材ポータルサイトとして事業所情報や都の研修情報などを掲載しておりますが、私も、平成三十年度の事務事業質疑でもこの件について取り上げておりまして、その際に、本サイトの趣旨については、今後ますます必要となる福祉人材を確保するため、福祉職場に興味のある方々に対して情報発信を行い、一人でも多くの方を福祉職場につないでいくためのポータルサイトであるというような答弁がありました。
 一方で、先日都が発表した都の介護施策の効果測定、それぞれの施策がどのように認知されて効果が出ているのかというような調査の結果を見てみますと、このふくむすびに関しては、活用をしている事業者のうち、効果がないと答えた割合が四二%にも上り、本ポータルサイトを通じた人材確保における効果面についての課題があるということがわかっています。
 そこで、ふくむすびの人材確保における登録効果について、どのような課題認識を持っているか伺います。

○藤井事業調整担当部長 平成三十年一月に開設いたしました福祉人材情報バンクシステム、ふくむすびでは、都内の福祉事業所の所在地等の基本情報、職員募集や職場体験の受け入れ情報、働きやすい職場づくりに取り組む事業所の情報、イベントや講習会等の開催情報を発信しております。
 福祉職場に興味のある方々を福祉職場につないでいくためには、それぞれのふくむすびに対する認知度の向上を図り、サイトを活用していただくことが重要であり、事業所の基本情報に加えて、事業者みずからが職場体験やイベント情報などの職場情報を積極的に発信し、コンテンツの充実を図っていくことも必要だと認識しております。

○後藤委員 ありがとうございました。サイトの活用と事業者側の情報発信が課題であるというような趣旨のお話がありました。
 私は昨年度の事務事業質疑においても、ふくむすびに掲載をされている働きやすい職場宣言情報の好事例等を発信するなどして、より積極的に対策を行うことを求めてきました。
 そこで、ふくむすびの効果促進に向けて対策を講じるべきだと考えますが、見解を伺います。

○藤井事業調整担当部長 ふくむすびにつきましては、平成三十年一月の開設後も、より使いやすいものとするため、サイトのトップページや働きやすい職場宣言情報の表示方法の改善、福祉職場で働く若手職員のインタビュー掲載などの改善に取り組んでまいりました。
 来年度は、働きやすい職場づくりに積極的に取り組んでいる事業所に対しまして、好事例の聴取を行うとともに、サイトを通じてその効果を広く周知し、働きやすい職場づくりに取り組む事業所の拡大につなげていくこととしておりまして、引き続き区市町村、関係団体、ハローワークなどと連携しまして、ふくむすびの普及啓発に努めてまいります。

○後藤委員 ありがとうございました。サイトの効果を広く周知していただけるということですので、ぜひ行っていただきたいということもありますし、民間事業者等々とも連携をしながら、ユーザー側に使っていただけるようなサービスの施策展開、対策について行っていただきたいと要望をいたします。
 次に、介護人材の定着について質問をいたします。
 東京都介護職員キャリアパス導入促進事業についてでございますが、本事業は、平成二十七年度より始まっているキャリアパスの導入に取り組む介護事業者に対する都独自の補助制度であります。
 人材不足が深刻な介護業界におきまして、キャリアパスの仕組みを整備するということは、現職の介護職員の定着率を向上させるということだけではなく、介護業界への入職も促すことが期待される仕組みでございます。
 都は、介護現場のキャリアパス構築を、導入前、導入中、導入後という形でそれぞれきめ細かく支援をしているものの、なかなか導入数に伸び悩んでいるという現状があります。
 そこで、東京都介護職員キャリアパス導入促進事業における現状と課題認識について伺います。

○村田高齢社会対策部長 都は、介護職員の育成、定着に向け、国のキャリア段位制度を活用してキャリアパスの導入に取り組む介護事業者を支援するため、平成二十七年度からキャリアパス導入促進事業費補助を実施しております。
 この事業では、段位制度に基づいて評価を行うアセッサーを事業所に配置し、所属する介護職員が段位のレベル認定を受ける場合に補助を行っております。
 この段位制度につきまして、国の検討会では、評価項目自体の見直しなどによる効率化、簡便化を進めることが必要、認定に係る事務負担が大きく時間を要するなどと指摘をされており、都内介護事業者においても、こうしたことからレベル認定を受ける者が十分に輩出されないことが課題と考えております。

○後藤委員 ありがとうございました。レベル認定者が十分に輩出されないという課題があるというようなお話がありました。
 介護現場からも、アセッサーの負荷が非常に高いということで、なかなか運用に乗っていないという事業者や、キャリアパス導入促進事業を導入したものの、運用が形骸化している事業者もあるというふうに聞いています。
 既に、平成二十七年度に事業を創設してから四年余りを経過しておりまして、導入事業所数が頭打ちとなっているという現状において、前提としては、この事業自体は積極的に進めていただきたいという前提はあるんですけれども、持続可能なものにしていくという観点でいえば、本制度の導入において、事業者においてどんな効果があったのか、そして、実際にキャリアパス制度が現場においてどれほど浸透していくのかなど、多角的にしっかりとアウトカム評価を行った上で、事業の検証をすべきなのかなというふうに考えています。
 そこで、本制度による効果検証をしっかりと行うべきだと考えますが、見解を伺います。

○村田高齢社会対策部長 キャリアパス導入促進事業においては、平成三十年度から、離職率の低下など本事業による成果を評価する助成制度を実施しております。
 具体的には、キャリアパス導入促進事業費補助を受給した初年度から起算して三年間継続して受給した事業所を対象とし、受給した二年目と三年目の平均離職率が三〇%以下であるとともに、受給前二年間の平均離職率より低下している場合に助成を行っているというところでございます。
 平成三十年度は対象となる三十九の事業所のうち二十事業所に対して、令和元年度は対象となる七十八事業所のうち三十四事業所に対し、この助成を行ったところでございます。
 なお、令和元年度の国の調査研究事業では、キャリア段位制度に取り組んでいる事業所を対象として、その効果検証を含めた実態調査を行っておりまして、都はその結果を注視してまいります。

○後藤委員 ありがとうございます。今、国が行っている実態調査を注視していきますというようなご答弁がありました。そうした調査を総合的に見て判断されるということかと思いますが、私自身は、本事業において抜本的な見直しを行うタイミングに来ているのではないかなと考えています。
 都は、他道府県と比較をすると、圧倒的にキャリア段位の認定者やアセッサーの数も多いわけなんですけれども、これは、都がこれまで打ってきたさまざまな対策の成果なのだというふうに考えています。ここまでやっても、なかなか普及が頭打ちになっているということは、やはり、そもそもこれが、国が定めているキャリア段位制度の運用設計そのものに課題があるということなのではないかなと考えます。
 今後は、国の調査結果を踏まえつつ、事業のあり方も含めて検討をしていただくということを求め、次の質問に移ります。
 次に、認知症対策について質問します。
 私からは、国で示されている認知症大綱における共生と予防のうち、共生に関する施策について、主に質問をしてまいりたいと思います。
 東京都は、認知症疾患医療センターでの診断事業や来年度計上されているAIを使った予防モデル事業など予防に資する事業について、積極的に行っているという認識を持っています。
 そんな中、今後は、認知症と診断された後の共生社会をどう政策的に実現していくかということが課題となっていくと考えます。そもそも、認知症の治療に関しては、アリセプトなど治療薬はあるものの、効果は限定的というふうにされておりまして、早期診断をして医療につながったとしても、全ての患者に効果を発揮するものではありません。
 認知症は、加齢に伴う老化現象でありまして、人が老いていく一つのプロセスだと考えるのが自然であると思います。早期診断をして、それが早期絶望とならないように、社会全体が認知症対応を行い、認知症となっても安心して今までと変わらない暮らしができるための支援というものが求められていくと考えます。
 私は昨年の一般質問でも、認知症を介護保険制度や福祉政策の中で語るだけでなく、認知症の方を取り巻く交通や通信手段、そして金融や住宅行政サービスなど、全庁横断で認知症対応を進めるべきだと提案をしてまいりました。
 こうしたことを踏まえ、都が次年度より、金融機関や小売店などの民間事業者に求められる認知機能の低下等、高齢者の特性を踏まえたサービス提供のあり方について検討するということで、検討会設置について予算措置をされたことについて、まず高く評価をしたいと思います。
 そして、まず本事業の目的と概要について伺いたいと思います。

○奈良部企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長高齢者施策推進担当部長兼務 年齢を重ねるとともに認知機能は低下していくことから、高齢者は金銭の管理や取引が困難になったり、消費行動でも適切な判断ができなくなるといった傾向があることが指摘されております。
 本事業は、都民が高齢になっても、買い物や金融機関の利用など日常生活に必要な活動を、事業者等の協力を得て適切に行えるよう、民間と連携して方策を検討することを目的としております。
 来年度、学識経験者、金融、商業分野の事業者、福祉団体等で構成する検討会を設置いたしまして、高齢者の特性を踏まえた顧客対応や店舗等の環境整備、サービス、商品の開発、契約時の公正性の確保等について検討してまいります。

○後藤委員 本事業は、八期の高齢者保健福祉計画に反映する予定とされておりますけれども、金融サービスのあり方や小売等、福祉保健局の所轄を超えているものも多いと認識をしています。局の縦割りを超えて横断的に進めていくことが重要だと考えます。
 そこで、本検討会の取りまとめに当たっては、金融や小売等を所管する他局とも連携をしていくべきだと考えますが、見解を伺います。

○奈良部企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長高齢者施策推進担当部長兼務 検討に当たりましては、民間事業者や福祉関係者に加えまして、都の産業、消費者行政等に関係する部署や、区市町村の福祉部門とも積極的に情報交換するなど、緊密に連携していく考えでございます。

○後藤委員 今のご答弁で、緊密に連携をしていくというご答弁がございましたので、ぜひよろしくお願いをいたします。
 そして、もう一点申し上げたいと思います。今、東京都に住む軽度認知高齢者への調査では、九割の方が日常的に近所の散歩や買い物に出かけているということに対して、一人で公共交通機関を利用して外出しているというふうになると、二割まで落ち込むということがわかっておりまして、その理由としては、道に迷ったり、券売機などの機械操作が難しいといった認知機能に関する内容であるということがわかっています。
 そうしたことから、昨年の一般質問でも、私は認知症の重度化防止の観点からも、特に軽度認知症の方々が以前と変わらずに外出や交流機会を継続できる環境づくりに向けて、公共交通機関の認知症対応というものに対して求めておりました。
 そこで、本検討会においても、金融機関や小売事業者以外に、公共交通機関等の移動のあり方についても検討すべきだと考えますが、見解を伺います。

○奈良部企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長高齢者施策推進担当部長兼務 高齢者が利用するサービスは生活全般にわたりますことから、検討会では、さまざまな分野の民間事業者の対応事例や取り組み等につきまして、ゲストスピーカーとして発表していただくことやヒアリングを行うことを予定しております。
 高齢者が地域で生活を継続する上で、公共交通機関等を円滑に利用できることも重要な課題の一つであると考えておりまして、こうした点も踏まえながら検討してまいります。

○後藤委員 検討いただけるというご答弁がございましたので、ぜひよろしくお願いいたします。
 次に、認知症サポーター活動促進事業について伺います。
 認知症の方々が地域で暮らしていく際に役割が期待されているのが認知症サポーターです。私は平成三十年度の一般質問においても、都内では現在、約八十三万人が認知症サポーターとしているものの、地域の中で活動できていない人がいるということについて指摘をし、認知症サポーターと認知症の方をつなげるための施策というものを求めてきました。
 今回、都において認知症の方と認知症サポーターをつなげる認知症サポーター活動促進事業が新設されたことを評価するものです。
 そこで、認知症サポーターの活動促進に向けて、都はどのような取り組みを行っていくのか伺います。

○村田高齢社会対策部長 認知症サポーターの活動を促進するため、区市町村では認知症サポーターに対しステップアップ講座を開催するとともに、チームオレンジの立ち上げや、認知症の人や家族のニーズとのマッチングなどの運営支援を担うコーディネーターを配置しまして、地域の実情に応じた仕組みを構築してまいります。
 都は、こうした区市町村の取り組みを支援するため、認知症サポーター養成講座やステップアップ講座の講師となるキャラバンメートを養成するほか、区市町村が配置するチームオレンジのコーディネーターやチームリーダー等を対象に、チームの運営等に関する研修を実施してまいります。
 また、チームオレンジに関する先進的な取り組み事例を紹介するなど、区市町村における認知症サポーターの活動促進に向けた取り組みを支援してまいります。

○後藤委員 ありがとうございました。役割としては、区市町村が主体となって行いながらも、都はコーディネーター研修等の間接的な支援を行っていくというような答弁がありました。ぜひこれからスタートする事業でございますので、実施区市町村の声をきめ細かに聞いていきながら、施策のアップデートを図っていくことを求め、次の質問に参ります。
 次に、選択的介護モデル事業について伺います。
 選択的介護とは、介護保険が適用される介護保険サービスと介護保険が適用されない保険外サービスをあわせた保険サービスのことであります。選択的介護は、将来の社会保険費の抑制が期待される一方で、現場で運用する上で大きなハードルがありました。それは、厚労省が示している、厚労省は混合介護という形で呼んでおりますが、混合介護は保険内サービスと保険外サービスが明確に区別されているということを明示しているわけであります。
 これは、例えば利用者の食事をつくることはできるのですが、利用者の家族の分も一緒につくるということはできないわけでございまして、家族の分も利用者が一緒につくってほしいとするならば、介護保険内のサービスと一緒に介護保険外のサービスを使えば家族の分もつくってもらえるものの、その分の費用は全額自費になるというところであります。
 そうした課題の克服や効果の実証実験を目的に、都では、国家戦略特区制度を用いて選択的介護モデル事業を創設しました。そこで、選択的介護モデル事業のこれまでの取り組みの経緯について伺います。

○村田高齢社会対策部長 介護保険サービスと保険外サービスを柔軟に組み合わせた選択的介護は、利用者の利便性や介護事業者の運営効率の向上に資することが期待されております。
 このため都は、平成二十九年二月の国家戦略特別区域会議でモデル事業の実施を提案し、同年六月には豊島区と連携して有識者会議を立ち上げ、検討を進めてまいりました。
 こうして取りまとめたモデル事業案は、平成三十年四月の国家戦略特区ワーキングで国から支障がないとの見解を得まして、同年八月から豊島区で訪問介護と保険外サービスとを組み合わせたモデル事業を開始いたしました。
 さらに、昨年十二月には、通所介護等と保険外サービスとを組み合わせたモデル事業を開始しているところでございます。

○後藤委員 ありがとうございました。私は先日、本事業を実施している豊島区の行政担当者にヒアリングを行いました。そこでは、モデル事業がスタートしてから、試行錯誤しながらも多くの手応えを感じているというお話がありました。
 例えば、認知症の方のケアを行った後に、自費サービスで一週間分の手紙を整理してあげたりとか、あとは行ってみたかった和菓子屋さんに一緒に食べに行って、お店までついてきてもらったりなど、これまでの介護サービスではかなえることができなかった利用者ニーズを満たせるということで、事業者からも好評であるというお話がありました。
 さらに、懸念があった利用者負担が高くなるのではないかということについても、自費サービスの利用に関しては十五分単位で設定できるということから、例えば十五分で週一回利用すると月三千円程度ということで、そこまで金銭的な負担にならないのではないかというような担当の方のお話もありました。
 そこで、平成三十年度に開始したモデル事業の実施により見えた成果と課題について伺います。

○村田高齢社会対策部長 平成三十年八月から開始したモデル事業では、介護保険サービスの訪問介護に、利用者のペットの世話や外出への付き添い、ICT機器を活用した見守りなどの保険外サービスを組み合わせて実施をしております。
 その中で、利用者の精神的安定、独居高齢者の外出回数の増加、ご家族の安心など、さまざまな効果を確認しております。
 また、本年二月に行った事業者やケアマネジャーに対するヒアリングでは、利用者と事業者との信頼関係が向上した、職員のモチベーションや意識が向上した、視野の拡大などにつながるといった声が寄せられております。
 現在、利用者数は延べ三十四人となっており、今後、さらに利用が進みますよう、選択的介護を利用者に提案できるケアマネジャーや提供事業者の拡大、広報等によるさらなる周知を図るとともに、こうしたサービスが他の地域にも広がるよう、効果や運用方法をまとめた報告書を作成して公表してまいります。

○後藤委員 ただいまのご答弁では、非常に効果があったという話と、今後は周知を図るとともに、効果や運用方法についてまとめた報告書を作成するというようなご答弁がありました。今後は、この事業の成果をしっかりと取りまとめていただき、近いうちに東京全域で広めていただくための支援策を行うことを要望し、次の質問に参ります。
 次に、ファミリーサポート事業及びとうきょうチルミルプロジェクトについて質問をします。
 ファミリーサポート事業とは、子供の送迎や預かりが必要なときに、地域の協力会員が有償で預かってくれる制度であります。
 先日、政府が行った新型コロナウイルス感染症対策における学校の休校要請については、政府が学童保育を利用できない人について、自治体が実施するファミリー・サポート・センター事業を代替措置として講じるというようなニュースが報じられたわけですが、そのニュースが報道されると、私のもとには多くの保護者から怒りの声が届いております。政府は、子育ての現場を、実態を理解していないという声が多かったのですが、その一つとして、ファミリーサポート事業の利用実態にあると考えています。
 私は昨年度の決算特別委員会においても、本事業の課題について取り上げましたけれども、平成三十年度時点で、ファミリー・サポート・センター事業の利用希望者十一万二千六百三十三人に対して、サービス提供者は一万五千三百二十四人ということで、七倍近い倍率があるというのが現状でございます。圧倒的にサービス提供者が足りない現状の中で、提供会員拡大のための施策展開や積極的な広報というものを、決算特別委員会の場で都に求めてまいりました。
 今回、都の新規事業として、とうきょうチルミルプロジェクトというものが予算化をされました。
 本事業は、ファミリーサポート事業にかかわらず、ベビーシッターや子育て支援員、保育士など、東京の子育てを支え、見守る人の全てをとうきょうチルミルと総称し、広く周知をするということで、子育て支援の人材を幅広く確保するための施策でございます。
 そこで、とうきょうチルミルプロジェクトにおいては、普及啓発が非常に重要だと考えますが、どのように取り組んでいくのか伺います。

○谷田少子社会対策部長 プロジェクトの実施に当たりましては、とうきょうチルミルという名称の認知度向上とともに、ファミリー・サポート・センター事業の提供会員や子育て支援員など、さまざまな活動方法があることを知ってもらうことが重要でございます。
 現在、都の戦略的な広報展開に向けて、各局の広報物の制作等への助言を行いますクリエーティブディレクターを活用し、KPIの設定や媒体の選定等について検討をしております。
 来年度は、これを踏まえまして、動画配信やウエブ広告、グッズ配布等、民間のノウハウ等を取り入れ、効果的な広報を実施してまいります。

○後藤委員 ありがとうございました。さまざまな広報施策を展開していくというご答弁がございました。
 また、決算特別委員会の場では、私はファミリーサポート事業の提供会員となる地域の元気高齢者というものが、地域の子供たちのために何か力になりたいと考える方々が一定数いるものの、ファミリーサポート事業自体が新しい制度のため、知らない方も多くいらっしゃるという点に触れ、地域の高齢者が集まる場所などでの周知など、潜在的な提供者への普及啓発を強化するということに対して求めてきました。
 そこで、本事業の推進に当たっては、特に元気高齢者へのアプローチが重要であると考えますが、どのように取り組むのか伺います。

○谷田少子社会対策部長 経験や意欲のある元気高齢者に、とうきょうチルミルに興味、関心を持っていただけるよう、高齢者が利用する公共施設等へのポスター掲示や、高齢者が読者となっている雑誌等を選定して、広告記事の掲載などを検討しております。
 また、高齢期を元気で楽しく過ごせるための社会参加の一つとして、とうきょうチルミルを知っていただけるよう、シニア予備軍向け読本への掲載を予定しております。

○後藤委員 ポスター掲示や雑誌の広告等、対策を行っていただくことに加えて、シニア予備軍向け読本、これから世に出ると思いますけれども、こちらにも載せていただけるということで、ありがとうございます。ぜひ、積極的な施策展開を求めます。
 そして最後に、家族などの身近な人に対して無償で介護や看護を行っている、いわゆるケアラーへの支援について要望をさせていただきます。
 私は一昨年、昨年と一般質問等において、介護と育児が同時に訪れるダブルケアの課題について問題提起を行ってまいりました。
 都は、他県に比べ核家族化が進んでいるという現状がありまして、親世帯が介護状態になると、子供世帯の介護負担が大きくなる傾向にあります。ダブルケアのように、親の介護に加えて子供の育児が加わると、介護者の負担はさらに大きくなりますし、経済的な困窮や孤立化も課題となります。
 また、近年、介護状態の家族のケアに当たっている若者、いわゆるヤングケアラーの課題も浮き彫りになっています。総務省調査によると、介護をしている十五歳から二十九歳の若者は全国で十七万七千人にも上り、別調査では、高校生の二十人に一人が家族の介護をしているということがわかっています。
 ヤングケアラーについては、教育機会の保障や孤立防止などが課題になっています。日本ケアラー連盟の調査では、将来ケアラーとして役割を担うことへの不安について質問をしたところ、非常にある、ややあるを合わせた回答者は七六・一%にも上るということがわかっております。
 ダブルケアラーやヤングケアラーにおいては、近年、課題が顕在化する一方で、制度のはざまで支援からこぼれてしまっているという課題があります。
 次期計画策定においては、ケアする人をケアするというような発想で、こうしたダブルケアラーやヤングケアラーなどについても支援が必要な対象として位置づけ、個別の支援策を講じることを強く要望し、私の質問を終わります。

○たきぐち委員 それでは、最後になります。何点か質問させていただきたいと思います。
 まず、薬物乱用防止、危険ドラッグ対策について伺いたいと思います。
 先月、有名ミュージシャンが覚せい剤取締法違反容疑で逮捕されました。昨年の一年間を見ても、俳優、アイドルグループの元メンバー、元オリンピック選手、ロックバンドの元メンバー、タレント、女優など、覚醒剤や大麻所持などによる事件が後を絶ちません。
 都内の薬物事犯の検挙人員は、十五年ほど前の三千人を超えていたピーク時から減少傾向にありましたが、ここ数年は増加しつつありまして、現在は二千人を超えている状況であります。
 都は、昨年三月に薬物乱用対策推進計画を改定しました。薬物乱用防止については、平成十年に青少年に対する薬物乱用防止対策がまとめられた後、総合的な対策としての推進計画への改定も含め、おおむね五年ごとに見直しをしているものと認識をしております。
 そこでまず、昨今の薬物をめぐる状況を都はどのように認識し、計画の改定に当たったのか伺います。

○花本食品医薬品安全担当部長 乱用薬物につきましては、危険ドラッグは平成二十七年七月に都内販売店舗がゼロになって以降、検挙者数が減少傾向にありますが、大麻につきましては、二十代までの若年層を中心に近年乱用者が増加しており、全国の検挙者は二年連続して過去最高を更新しております。
 さらに、覚醒剤事犯につきましては、再犯率が平成十九年以降連続して増加しており、平成二十九年には検挙者のうち三人に二人が再犯者となっております。
 こうした若年層への大麻の広がりや薬物事犯の再犯率の高さを踏まえ、薬物乱用対策は、最初に薬物に手を出させないようにすることが重要であるとの考えから、平成三十一年三月に改定した東京都薬物乱用対策推進計画では、啓発活動の拡大と充実を計画の三つの柱の一番目に定めております。
 また、新たな取り組みとして、若年層を対象とした大麻の危険性、有害性に関する正しい知識の付与を初め、在留外国人や帰国子女など、日本語の習得が不十分な方に対する普及啓発の強化や、再乱用防止のための関係機関による継続的な支援の実施を計画に盛り込んでおります。

○たきぐち委員 私自身、地域で担っている役割の中で、薬物事案にかかわることがあります。今、ご答弁ありました再犯率の高さ、大変大きな課題だと思っております。
 少年刑務所において、かつては窃盗が多かったけれども、今は詐欺と大麻だというのは、薬物にかかわる関係者の話であります。警視庁が昨年一年間に大麻取締法違反容疑で摘発した未成年は百五人に上り、前年比四十人増で二十五年ぶりに百人を超えたと聞いております。
 大麻については、摘発者の半数以上が二十九歳以下の若者が占め、大学生や中学生も少なくないと聞いております。ネットやSNSでの、大麻は健康に害がないといった誤った情報を信じているケースも多いと聞いております。
 都は、薬物乱用対策推進計画の中で、若年層を対象とした普及啓発を強化するとありますが、こうした昨今の状況を踏まえた普及啓発を展開すべきと考えますが、見解を伺います。

○花本食品医薬品安全担当部長 中学生が大麻により検挙される事案が発生していることを受け、大麻の危険性、有毒性についての啓発を強化するため、今年度、小学校高学年の児童への啓発にも活用できる新たな啓発用のDVD、ポスター、リーフレットを作成いたしました。DVDは、実写とアニメを融合したゲームの世界でオリジナルキャラクターとともにクイズ及びバトル形式でわかりやすく学べる内容となっております。
 また、都内には在留外国人の児童や生徒が増加しており、日本語の習得が不十分な方にも理解が深まるよう、DVDとポスターは日本語と英語の二カ国語、リーフレットはこれに加えまして、韓国語、スペイン語など、八カ国語対応としております。
 これらの啓発資材を都内の全小中学校や特別支援学校等に配布や貸し出しを行い、薬物乱用防止指導員等が学校で児童生徒を対象に行う薬物乱用防止教室や講習会等において活用することで、正しい知識の普及を図っており、今後も引き続きこうした取り組みを推進してまいります。

○たきぐち委員 これが、今、ご説明がありました八カ国語のリーフレットでありまして、今、ご説明がありましたけど、いろいろと工夫されてご苦労されたというお話も聞きました。ポスターは、早速事務所に掲示をさせていただきました。
 これまでも公立の小中学校、高校、大学、専門学校など、教育、普及に取り組みを進めてきたと承知をしております。我が家にも、ちょうど小中高と一人ずつそろっておりまして、薬物の授業を受けたかどうか聞いてみました。そうしましたら、三人ともやったよという回答がありまして、その内容まで聞きませんでしたけれども、高校の娘は、学年が上がるたびにリアルになってきて、もうやめてほしいんだけどということを申しておりました。つまり、それだけ薬物の怖さが伝わる内容になっているんだろうと、一受講者の声から推察をするところであります。
 大麻を入り口として覚醒剤につながっていく危険性を懸念する更生保護施設の関係者の声も聞いております。引き続き、警視庁、教育庁、生活文化局などとも連携を図りながら、世代に応じた、また、教育現場での機会に、触れる機会のない年齢層、なかなか届かない層も含めて、最近の状況、最新の動向を踏まえた指導、普及啓発に努めていただきたいと思います。
 一方で、学校教育に携わっている関係者と話をしますと、多くの若年層は薬物に関心はない、むしろ携帯、スマホ、ゲーム、いわくデジタルヘロインといえるような実態にあると危機感を述べられていました。依存症という通底する問題が横たわっているんじゃないかと感じているところでもあります。
 危険ドラッグ対策については、予算書にも記されているとおりでありますが、都は、定期的な試買調査などによって、未規制成分を検出し指定薬物を追加指定するとともに、流通実態調査や販売サイトのビッグデータの解析によって、ネットにおける監視体制に取り組んでいると理解をしております。
 先ほどの答弁で、危険ドラッグについては減少しているというふうにありましたが、冒頭に申し上げたミュージシャン、これは二年前の薬物所持という異例のものでありましたけれども、この容疑は、覚醒剤とラッシュと呼ばれる危険ドラッグの所持でもありました。関係者との話の中でも、危険ドラッグという言葉自体、聞くことは少なくなったけれども、いつ何をきっかけに再燃するかわからないということであります。引き続き、実態調査等々、対策を講じていただきたいと思います。
 厚労省の調査によりますと、十代の若者が乱用する薬物は、危険ドラッグから大麻、さらには市販の風邪薬や、せきどめなどに移行している実態がわかっております。
 金パブという言葉を聞いたことあるでしょうか、金パブ。これは、市販薬である風邪薬パブロンゴールドのことで、隠語でそう呼ばれているということでありました。このほか、せきどめとか、鎮痛剤とか、市販薬に含まれる成分のさまざまな情報が流れているということであります。
 市販薬を本来の用法ではなく、気分を盛り上げるなど、違法薬物の代用品のように使う手法が広がりつつあるといいますが、こうした市販薬の乱用も含め、ネット上で広がる薬物乱用問題に対して監視を強化すべきと考えますが、見解を伺います。

○花本食品医薬品安全担当部長 危険ドラッグについては、ビッグデータ解析により膨大なインターネット情報を収集、分析するほか、ソーシャルメディア解析ツールを活用し、隠語を用いたブログの書き込み等を都の薬事監視員がリアルタイムで調査することにより、販売サイトや流行品の実態を迅速に把握し、効率的なインターネットの監視に努めております。
 また、向精神薬を含めた処方薬がSNS等で不正に販売される事案に対しましては、都から直接出品者に対しメールによる警告を行い、広告や販売の中止を指導しております。せきどめ薬などの市販薬につきましても、フリマサイト上で販売される事案が散見されてきたことから、フリマサイト運営企業と連絡会を立ち上げまして、情報の共有を図るとともに、不適正な出品については都から削除要請を行うなど、迅速に排除する体制を構築し、監視指導の強化を図っております。
 今後とも、フリマサイト運営企業を初め、国や警視庁などの関係機関との連携を図り、効果的な対策を講じることで、インターネットを使った薬物の不正流通防止に努めてまいります。

○たきぐち委員 処方薬についても、ご答弁いただきました。市販薬依存と同時に処方薬依存という実態もあるようであります。どのクリニックに行ったら自分に合う処方薬を出してくれるかというような情報も流れているということでもあります。不正流通の防止に向け、関係機関と連携を図りながら取り組んでいただきたいということを申し上げ、次の質問に移りたいと思います。
 生活困窮者自立支援について伺います。
 生活保護受給者が二百万人を超え、とりわけ稼働年齢層の割合の増加に伴い、生活保護に至る前の段階で自立支援策を強化すべく、生活困窮者自立支援法が施行されて四年が経過をいたしました。
 生活困窮者制度では、区市が実施主体となり、就労など自立に関する相談窓口を設置し、自立に向けたプランを作成して就労に結びつけるものであります。
 そこで、新規相談やプランの作成件数、就労増収率の推移、現況について伺います。

○藤井事業調整担当部長 都内の自立相談支援機関における過去三年間の新規相談件数は、平成二十八年度が二万四千三百三十件、平成二十九年度が二万六千二百十件、平成三十年度が二万九千二百四十四件となっており、また、継続的な支援のためのプランを作成した件数は、平成二十八年度が七千四十四件、平成二十九年度が七千四百九十九件、平成三十年度が八千六百四十七件と、それぞれ着実に増加してきております。
 また、都内の就労支援対象者数に対する就労者、または増収者の占める割合、いわゆる就労増収率は、平成二十八年度が六一%、平成二十九年度が六八%、平成三十年度が六〇%となっており、就労支援対象者のおおむね六割以上の方が一般就労に結びついている状況にございます。

○たきぐち委員 区市が行う必須事業は自立相談支援事業と住宅確保給付金の支給で、就労準備支援事業や家計改善支援事業などは任意事業となっておりまして、区市の取り組みにばらつきがあります。
 生活困窮者が自立した生活を送れるよう、自立相談支援に加え、就労準備支援事業など任意事業の実施や就労自立に向けた取り組みが進むよう、区市に対して、都が広域的な役割を担うことで、区市の施策推進に結びつけるべきと考えますが、見解を伺います。

○藤井事業調整担当部長 生活困窮者自立支援法では、都は広域的な役割を担う立場から、これまで区市に対し、同法の任意事業の実施を積極的に働きかけてきており、お話の就労準備支援事業は、現在二十三区十四市で実施しており、来年度からさらに三市で実施予定となっております。
 都は、区市における体制整備を支援するために、自立相談支援窓口で相談支援に携わる相談支援員や就労支援員等の専門人材向けの研修を実施しており、今年度中に就労支援の実践や工夫を収集、紹介した就労支援の事例集を作成、配布する予定です。
 来年度は、就労訓練先に加えまして、就労準備支援の就労体験先を開拓し、対象者の状態像に応じたマッチングなどを行うこととしておりまして、引き続き区市の取り組みを積極的に支援してまいります。

○たきぐち委員 区市の相談受付には、稼働年齢層で一般就労に結びつかない人や、ひきこもりの家族からの相談もあると聞いております。ひきこもりの当事者に対しては、地域とのかかわりやつながりを持たせ、社会参加へのきっかけをつくることで、社会的な自立を促していくことが重要であります。
 ひきこもりのサポートネットが福祉保健局の所管となって、三十五歳以上の方への支援が開始されたことによって、区市における取り組みとの連携強化を図ることが必要だと考えます。
 同時に、例えば障害や精神疾患の疑いのあるひきこもりであったり、ひきこもりに至った背景にもさまざまな要因があって、当事者や家族の状況に応じた慎重かつきめ細やかな対応をしていかなければなりません。
 現在、ひきこもりにかかわる専門家や関係機関、当事者、家族も含めた支援協議会が実施されていると承知をしております。協議会での意見集約も踏まえ、区市との連携を図りながら、きめ細やかな就労支援、就労準備支援につながることを要望して、次の質問に移りたいと思います。
 第二次東京都健康推進プラン21について伺いたいと思います。
 都は、健康増進法に基づいて、都道府県健康増進計画として、第二次東京都健康推進プラン21を策定し、都民の健康長寿の実現を目指して取り組んでいます。
 昨年度、中間評価を行って、二十七の指標のうち十三指標で改善している一方、不変の指標、さらに二十から六十四歳の一日当たりの歩数や睡眠時間、女性の飲酒などは悪化との評価もありました。
 中間評価を踏まえ、改善の見られない項目など施策を強化してきたと思いますが、今回、予算が大きく増額された第二次東京都健康推進プラン21の推進に関して、どのような取り組みを実施していくのか伺います。

○成田保健政策部長 東京都健康推進プラン21(第二次)では、健康格差の縮小を総合目標の一つに掲げております。健康格差は、区市町村別六十五歳健康寿命の最大値と最小値の差により評価しておりまして、男女ともにプラン策定時から同程度で推移していることから、昨年度に実施した中間評価におきまして、この指標はおおむね不変と判定されております。
 そのため、来年度は都民約七万人を対象といたしまして、都民の健康や地域とのつながりに関する意識や活動状況等を把握する調査を実施し、区市町村間における健康格差につきまして、比較検討を行う予定でございます。
 この調査結果を区市町村と共有し、健康格差の縮小に向けまして、区市町村が行う地域の実情に応じた取り組みを推進してまいります。

○たきぐち委員 総合目標として、健康寿命の延伸と健康格差の縮小を掲げていますが、健康寿命の延伸は男女とも改善が見られたけれども、健康格差は不変と判定されており、来年度、七万人を対象に調査を実施して、区市町村間の健康格差についての比較検討を行うための予算と理解をいたしました。
 プランは二〇二二年度を最終年度としておりますが、研修やさまざまな機会を通じ、新たな概念や今日的な課題など、社会状況に応じた情報を積極的に発信することで、最終評価に向けた指標の改善、次期プランの策定につなげていくべきと考えますが、見解を伺います。

○成田保健政策部長 都では、東京都健康推進プラン21(第二次)の中間評価におきまして、健康に関する情報を適切に収集し、正しく理解して、それを実際の行動につなげていけますよう、都民のヘルスリテラシーの向上の支援を取り組み方針の一つに位置づけ、今年度は女性の飲酒をテーマに、その健康リスクや、適度な飲酒の重要性をビール酒造組合と連携し普及啓発を行いました。
 来年度は、休養をテーマに、働く世代を対象といたしまして睡眠に関する正しい知識の普及啓発を行う予定でございます。こうしたプランに掲げた目標の達成に向けた取り組みの実施状況につきましては、毎年有識者会議において把握、評価しておりまして、今後とも国の動向や社会情勢の変化なども踏まえ、健康に関する情報をさまざまな手法を活用して広く発信し、令和三年度から行います最終評価に向け現状を改善し、次期計画の策定につなげてまいります。

○たきぐち委員 今年度は女性の飲酒、来年度は睡眠ということで、改善されていないテーマに対して重点的に取り組んでいくということでありました。
 予算委員会の我が会派の総括質疑で、EIM、エクササイズ・イズ・メディシンの考え方について見解を伺いました。直訳すれば、運動は薬ということでありますが、アメリカスポーツ医学会によって提唱された、適度な運動こそは健康寿命を延ばす医療そのものであるという考え方に基づいて、社会全体で運動で健康になるという機運の醸成を図る取り組みであります。
 中間評価では、運動習慣者の割合も改善しておらず、まさに私自身も意識を変えなければいけないと思っているところでありますが、都民のヘルスリテラシーの向上を支援するためには、都民により響く言葉で意識啓発が図られることが重要だと考えております。ぜひ積極的に取り入れていただきたいと思います。
 同時に、今日的な課題について情報を発信していくことが求められると考えております。
 例えば、近年、複数の薬を服用することによって有害な事象が生じる多剤服用、ポリファーマシーの問題が指摘されています。特に高齢者は、生活習慣病を初めとする慢性疾患の増加によって服用する薬がふえ、そのことが認知機能の低下や食欲不振、ふらつきなどの症状の原因となる場合があるということで、最近、社会問題として、さまざまな場で取り上げられるテーマでもあります。
 プランにおける高齢者の健康課題の一つとしてご認識いただき、次期改定の策定につなげていただきたいと求めておきたいと思います。
 最後に、災害用の備蓄について伺います。
 都の備蓄倉庫は、直営十カ所、兼用十カ所、さらに寄託倉庫として、区市町村合計で七百五カ所あり、食料、毛布、敷物、紙おむつ、生理用品を備蓄しています。
 都の直営倉庫について、私も現場での積み込み訓練を視察させていただく中で、災害が多様化、激甚化する中で、ハンドリフトの配備やパレット化を進めるなどの運用改善のスピードアップの必要性を感じているところでもあります。
 新年度における毛布及びカーペットのリパック、パレット化、さらに備蓄倉庫の運用改善に向けた取り組みについて伺います。

○藤井事業調整担当部長 災害備蓄品のうち、食料につきましては、現在、全量がパレットによる保管となっております。また、こん包が古いなどの課題がありました毛布及びカーペットにつきましては、平成二十九年度から順次切りかえを実施しておりまして、今年度末の実施率は、毛布が約五八%、カーペットが約五五%となっております。
 令和二年度は、毛布約四万五千枚、カーペット約十一万七千枚を再こん包の上パレット化することとしておりまして、来年度末の実施率は約七一%となる予定でございます。また、今年度で十一カ所の倉庫に五十六台のハンドリフトの配備を完了いたしました。
 今後も、発災時において必要な備蓄物資を避難所等に速やかに搬送できるようリパック及びパレット化を計画的に進めるとともに、備蓄物資の搬送等について協定を締結している東京都トラック協会等と訓練を行うなど、運用改善の取り組みを推進してまいります。

○たきぐち委員 コストをできるだけ抑えながらのリパックの作業は非常に大変な作業だということも聞いておりますが、近年の風水害のリスク等々を考えますと、運用面での改善は不可避だと考えております。ぜひ、迅速かつ着実に進めていただきたいと思います。
 食料備蓄品については、賞味期限の情報管理等、局としての適切な体制整備と有効活用、さらに横断的な取り組みを求めたところでもあります。これまでも寄附基準に基づいた運用、活用を実施してきたとのことでありますが、新年度、新たに事業化されたことを評価いたします。
 区市町村や公益団体との一層の連携を図りながら、効果的な活用を図るべきと考えますが、見解を伺います。

○藤井事業調整担当部長 災害救助用に備蓄しているアルファ化米やクラッカー等の食料につきましては、賞味期限を五年としており、賞味期限を迎える食料の活用につきましては、現在、区市町村や社会福祉施設等と連携し、防災訓練での利用やフードバンクへの寄附など有効活用を行っております。
 来年度に賞味期限を迎える食料は約二百九十四万食と、今年度の約五倍の量となることから、これまでの取り組みに加えまして、来年度は食料の寄附を希望する社会福祉施設等の調査や配送、新規活用先の開拓などの取り組みを新たに実施することとしております。
 今後とも、年間を通じてこうした取り組みを着実に行うとともに、区市町村や社会福祉施設等との連携を強化しまして、備蓄食料の有効活用を推進してまいります。

○たきぐち委員 液体ミルクの対応については、先日の予算特別委員会での滝田議員の質問に対し、知事から、都としての備蓄を開始するとの答弁がありました。大きく前進したものと評価をしたいと思います。
 また、環境局が新年度、区市町村も含む防災備蓄品とフードバンクなどをマッチングするサイトのシステム設計を行うと聞いております。備蓄用食料という性質上、活用先を開拓するということは容易なことではないかと思いますが、ぜひ、さまざまなチャンネルを使って、局横断的に進めていただきたいということを求めておきたいと思います。
 結びに、きょうも各会派からさまざま質疑がありましたが、新型コロナウイルスの感染症対策について大変な状況は続くかと思いますが、引き続き、内藤局長を先頭に対応方、お願いを申し上げまして、質疑を終わらせていただきたいと思います。

○斉藤(や)委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○斉藤(や)委員長 異議なしと認め、予算案及び知事提出の付託議案に対する質疑はいずれも終了いたしました。

○斉藤(や)委員長 次に、議員提出議案第五号を議題といたします。
 本案について提出者の説明を求めます。

○藤田委員 お手元配布の子どもの属する世帯に係る国民健康保険料又は国民健康保険税の補助に関する条例案についてご説明いたします。
 本条例案は、国民健康保険料、税のうち、子供に係る均等割の分の額を減免する区市町村に対し補助を行うものです。
 減免した子供の均等割額の全額を都が補助し、子供の均等割負担をゼロ円にします。二〇二〇年度の分以降の保険料、税の減免を行った場合を対象にします。
 国民健康保険の均等割は、ゼロ歳の赤ちゃんも含め、国保に加入する全ての家族にかかります。そのため、子供のいる世帯にとって、国民健康保険料、税の負担はとりわけ重いものになっています。
 例えば二十三区に住む給与年収四百万円の四人世帯が国保に加入している場合、保険料は年四十万円を超えます。一方、雇用されている方が加入する健保組合や協会けんぽなどの保険料には均等割はありません。上記と同じ年収、家族構成の世帯が協会けんぽに加入した場合、保険料の本人負担分は年間約二十万円であり、二倍もの格差が生じています。
 子供の均等割は、子育て支援や子供の貧困対策にも逆行するものです。全国知事会などの地方団体も国に改善を求めるなど、負担軽減は非常に重要な課題となっています。
 そのため、国に先駆けて、子供の均等割負担の軽減を行うため、本条例案を提案するものです。
 説明は以上です。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○斉藤(や)委員長 説明は終わりました。
 これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○斉藤(や)委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○斉藤(や)委員長 異議なしと認め、議員提出議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で福祉保健局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後八時六分散会

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