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Tokyo Metropolitan Assembly

厚生委員会速記録第十二号

平成三十年十月二日(火曜日)
第七委員会室
午後一時開議
出席委員 十三名
委員長伊藤こういち君
副委員長桐山ひとみ君
副委員長和泉なおみ君
理事古城まさお君
理事小宮あんり君
理事菅原 直志君
龍円あいり君
藤田りょうこ君
つじの栄作君
鳥居こうすけ君
早坂 義弘君
高橋 信博君
岡本こうき君

欠席委員 一名

出席説明員
福祉保健局局長内藤  淳君
次長理事兼務松川 桂子君
技監矢内真理子君
総務部長後藤 啓志君
指導監査部長村田 由佳君
医療政策部長矢沢 知子君
保健政策部長成田 友代君
生活福祉部長坂本 尚史君
高齢社会対策部長粉川 貴司君
少子社会対策部長谷田  治君
障害者施策推進部長松山 祐一君
健康安全部長高橋 博則君
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務奈良部瑞枝君
事業推進担当部長古賀 元浩君
医療改革推進担当部長田中 敦子君
医療政策担当部長花本 由紀君
地域保健担当部長本多由紀子君
子供・子育て施策推進担当部長加藤 みほ君
障害者医療担当部長石黒 雅浩君
食品医薬品安全担当部長野口 俊久君
感染症危機管理担当部長吉田 道彦君
病院経営本部本部長堤  雅史君
経営企画部長児玉英一郎君
サービス推進部長山口  真君
経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務樋口 隆之君
計画調整担当部長末村 智子君

本日の会議に付した事件
意見書について
病院経営本部関係
報告事項(質疑)
・私債権の放棄について
・土地信託契約の更新について
福祉保健局関係
契約議案の調査
・第百八十四号議案 東京都立川福祉保健庁舎(三十)改築工事請負契約
・第百八十六号議案 都立東大和療育センター(三十)改修工事請負契約
・第百八十八号議案 都立東大和療育センター(三十)改修空調設備工事請負契約
・第百八十九号議案 都立東大和療育センター(三十)改修電気設備工事請負契約
・第百九十号議案 都立東大和療育センター(三十)改修給水衛生設備工事請負契約
報告事項(質疑)
・私債権の放棄について
・第二期中期目標期間地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター業務実績評価について
・平成二十九年度地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター業務実績評価について
付託議案の審査(質疑)
・第百七十四号議案 東京都介護医療院の人員、施設及び設備並びに運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・第百七十五号議案 東京都児童相談所条例の一部を改正する条例
・諮問第四号 地方自治法第二百三十一条の三の規定に基づく審査請求に関する諮問について
付託議案の審査(説明・質疑)
・議員提出議案第十八号 東京都マタニティパスの交付等の助成に関する条例

○伊藤委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 初めに、委員の所属変更について申し上げます。
 去る九月二十六日の本会議におきまして、鈴木章浩議員が本委員会から総務委員会に変更になり、新たに早坂義弘議員が総務委員会から本委員会に所属変更になった旨、許可されました。
 この際、新任の委員をご紹介いたします。
 早坂義弘委員です。

○早坂委員 皆様よろしくお願いいたします。

○伊藤委員長 紹介は終わりました。

○伊藤委員長 次に、議席についてお諮りいたします。
 議席は、お手元配布の議席案のとおりといたしたいと思いますので、ご了承願います。

○伊藤委員長 次に、意見書について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、意見書一件を提出したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件については、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○伊藤委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○伊藤委員長 次に、契約議案について申し上げます。
 契約議案は財政委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について議長から調査依頼がありました。
 本件については、調査結果を財政委員長に報告することになっております。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

平成三十年九月二十七日
東京都議会議長 尾崎 大介
厚生委員長 伊藤こういち殿
   契約議案の調査について(依頼)
 左記の議案について調査し、財政委員長にご報告願います。
     記
1 調査議案
 第百八十四号議案 東京都立川福祉保健庁舎(三十)改築工事請負契約
 第百八十六号議案 都立東大和療育センター(三十)改修工事請負契約
 第百八十八号議案 都立東大和療育センター(三十)改修空調設備工事請負契約
 第百八十九号議案 都立東大和療育センター(三十)改修電気設備工事請負契約
 第百九十号議案 都立東大和療育センター(三十)改修給水衛生設備工事請負契約
2 提出期限 平成三十年十月二日(火)

○伊藤委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、福祉保健局関係の契約議案の調査及び付託議案の審査並びに病院経営本部および福祉保健局関係の報告事項に対する質疑を行います。
 これより病院経営本部関係に入ります。
 報告事項、私債権の放棄について外一件に対する質疑を一括して行います。
 本件については、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○児玉経営企画部長 去る九月十八日の本委員会におきまして要求のございました資料についてご説明申し上げます。
 お手元にお配りしてございます厚生委員会要求資料をごらんいただきたいと存じます。資料は、目次に記載してありますように、合計三件でございます。
 恐れ入りますが、一ページをお開き願います。1、都立病院における未収金回収に係る弁護士委任の実績(五年間)でございます。
 都立病院における未収金回収に係る弁護士委任の委任件数、委任金額、納付合意額及び支払い報酬額について、平成二十五年度から平成二十九年度までの実績を記載しております。
 二ページをお開きください。2、都立病院の私債権放棄における無保険者等の実績(平成二十九年度)でございます。
 平成二十九年度に実施した都立病院の私債権放棄における無保険者及び資格証明書提示者の件数と金額について実績を記載しております。
 三ページをごらんください。3、大久保病院建物賃料等及び東京都健康プラザ土地信託事業における信託配当金の推移でございます。
 (1)は、都が支払う大久保病院建物にかかわる賃料及び共益費の平成二十五年度から平成二十九年度までの推移について、(2)は、東京都健康プラザ土地信託事業における信託配当金の平成二十五年度から平成二十九年度までの推移について、それぞれ記載しております。
 以上、簡単ではございますが、要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○伊藤委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○岡本委員 一年前の九月二十九日の厚生委員会でも、都立病院の未収金に関して質問をさせていただきました。その際は、未収金の発生防止、回収、債権放棄に関する都立病院共通の業務マニュアルに基づいた対応についてお聞きしました。
 私からは、公的助成制度や生活保護とのはざまで、患者に資産や収入があるにもかかわらず未収金が発生するというのは望ましくないということを述べさせていただきました。また、未収金の発生防止のため、弁護士を早期、効果的に活用することについても提案させていただきました。本日は別の観点で、特に外国人に関して質問させていただこうと思います。
 平成二十九年度に実施した私債権放棄に占める外国人患者の割合についてお伺いします。

○山口サービス推進部長 平成二十九年度に実施した私債権放棄についてでありますが、全体の放棄件数三百八十二件のうち、外国人患者は七十四件で、割合にして一九・四%でございました。
 また、全体の放棄金額二千四百九十八万円のうち、外国人患者に対する債権額は一千六十二万円で、割合にして四二・五%でございました。
 今回、放棄した私債権のうち最も高額な事例は外国人患者で、金額は約二百三十七万円でございました。私債権放棄した外国人患者では、健康保険に未加入のケースが多く、未収金となった場合には高額になりやすいことが特徴でございます。
 なお、外国人患者の件数と放棄金額につきましては、病院の担当者が氏名や面談などから外国人と判断し集計したものでございます。

○岡本委員 ありがとうございます。件数に比して、比較的金額が高額であるということがわかりました。
 それでは、放棄金額が最も高額となった事例を含め、外国人患者の代表的な高額事例についてお伺いいたします。

○山口サービス推進部長 今回、最も放棄金額が高額となったものを含め、外国人患者の代表的な高額事例といたしましては、患者が健康保険に加入しておらず、自費での入院となり、退院後に一部入金されている例もございますが、最終的には未払いを残したまま転居や出国により所在不明となったものでございます。
 所在が明らかなうちは、電話での繰り返しの支払い督促、また、所在不明後は、所管区役所への住民登録照会、近隣住民への聞き取り、患者が申し出た本人以外の連絡先に問い合わせるなど、相当程度の徴収努力を行ったにもかかわらず回収不能と判断したことから、債権を放棄したものでございます。

○岡本委員 都立病院では、外国人患者が健康保険に加入しておらず、高額の未払いが生じているということでした。
 一般的に、会社で働く外国人は健保に加入します。会社で働いていない外国人で、三カ月を超える在留期間がある場合には、一部の在留資格を除き、留学生や技能実習生や自営業者などは国保に加入する必要があります。
 三カ月未満の短期滞在や、在留期間が切れている外国人や在留資格が特定活動で医療目的の場合には国保に加入できません。
 都立病院では、在留期間が切れていて、不法滞在で国保に加入できない外国人が無保険で医療を受けて、未払いが生じているということが問題だと思われます。
 他方で、国、厚労省において問題視されているのは、本来、医療目的で来日する場合は医療滞在ビザをとり、国民健康保険に加入はできず、日本での医療費は全額自己負担になるはずのところ、医療目的を隠して、留学と偽って日本に入国して、国保を使用して低い自己負担で高額治療を受ける外国人が増加しているということです。
 ところで、昨夜からきょうのニュースで、京都大学の本庶佑特別教授がノーベル賞を受賞されたということです。大変喜ばしいニュースだと思います。授賞理由は、がん免疫治療薬オプジーボ開発への貢献ということです。
 オプジーボは、もともと薬価が高くて、国民皆保険制度が崩壊するとまでいわれた薬です。一年間の使用で薬剤費が約三千五百万円かかり、値下げが進んだ現在でも、一年間の使用で一千万円の薬剤費がかかるとのことです。
 国保加入者では、実質負担額が年間百万円前後でそれを受けられます。報道によれば、オプジーボなどの高額医療費の国保適用を受けた外国人で、在留資格の虚偽申請が疑われるケースもあったということです。
 さきに述べましたように、国保の加入要件を満たさず、都立病院に高額の未払いを発生させている場合も問題ですし、また、後に述べました本来加入資格がないのに偽って国保に加入して、国保を悪用して、国保財政に負担をかけている場合も問題です。税金や保険料の増大にもつながるものです。
 こうした不法滞在外国人による無保険での医療費未払いや、不正入国外国人による国保の不正利用に関して、保険医療のあり方や在留資格に関する抜本的な見直しが必要だと思います。
 訪日外国人の増加や、訪日外国人の医療に関するさまざまな問題が発生している現状において、国では、ことし四月から内閣官房を中心に、訪日外国人に対する適切な医療等の確保に関するワーキンググループが設置されています。
 そこでは、訪日外国人が予期せぬ病気やけがの際に不安を感じることなく、安心・安全に医療を受けられる仕組みを構築するよう、日本の医療機関における外国人患者受け入れのための環境整備を行うとともに、医療費の未収金対策に関する観点からも検討が行われています。
 こうした国のワーキンググループにおける医療費の未払い対策について、病院経営本部の見解を伺います。

○山口サービス推進部長 国が公表しました訪日外国人に対する適切な医療等の確保に向けた総合対策におきましては、医療費の確保や新たな未払い発生防止策として、訪日外国人への旅行保険の加入勧奨や、不払い等の経歴がある者に対する入国審査の厳格化などを掲げております。
 また、医師には、医師法第十九条により、診察治療の求めがあった場合には、正当な理由がなければこれを拒んではならないという、いわゆる応招義務がありますことから、今回の総合対策におきましては、外国人観光客に対する応招義務の考え方も整理するとしております。
 一方、都立病院ではこれまでも、保険証を持たない外国人の未収金対策として、旅行保険加入の有無やパスポート等の身分証を確認するほか、必要に応じて大使館に本国の住所地を照会するなど、医療費回収に必要な情報把握に努めてきました。
 外国人の未収金対策に当たりましては、これまで進めてきた情報把握の取り組みを着実に実施するとともに、今後、国から示される方針や対策等に適時適切に対応してまいります。

○岡本委員 外国人の医療費に関連して、外国人に対する不当な差別や偏見につながってはならないと思いますし、また、そもそも人の生命、健康と、経済やお金の問題をてんびんにかけることもできないと思います。国の医療保険制度のあり方については、さまざまな意見や議論があるものと思います。
 都においては、今後、国の動向を注視した上で、引き続き適切な対応を行っていただきたいと思います。
 以上で私の発言を終わります。

○小宮委員 東京都健康プラザハイジアの土地信託について伺います。
 今回、東京都健康プラザハイジアは、二回目の土地信託契約の更新をことし六月に行ったということですけれども、当時、平成元年ごろですから、三十年前の当時の老朽化した都立大久保病院の改築というものをきっかけといたしまして、公私が連携して健康づくりを総合的に進めていくための中核施設として、この土地信託制度を活用されて建設されたというふうに聞きました。
 土地信託制度は、土地所有者が土地を信託銀行に託して、銀行側が資金調達をして、そこに建物を建設し管理運営する制度ですけれども、東京都では、昭和六十二年に初めて取り入れられて、現在では新宿のモノリスですとか、両国のシティコア、コスモス青山、勝どきサンスクエアなど、都として、この五件の土地信託があるわけです。
 民間の知恵や経験などのノウハウを活用して、土地の持つ収益力というものが発揮をされる、こういう事業であるというふうに思います。
 そこで、当時の都立大久保病院の改築をきっかけとして、東京都健康プラザハイジアを建設するに際して、この土地信託制度をそもそも採用した理由というものを改めて確認したいと思います。

○児玉経営企画部長 大久保病院の改築に際しまして、建築費の確保について、都が直営で建設した場合には多額の費用負担が必要となり、その財源として三十年償還の企業債を発行しなければならず、当時の利率が高かったこともあり、後年度に大きな負担が生じることが課題となっておりました。
 改築の検討を行っている中、昭和六十一年の地方自治法改正により、地方自治体において、土地信託の使用の導入が可能となりました。
 土地信託制度では、初期投資をかけずに、理事お話しのとおり、民間の資金やノウハウを活用して土地利用を図り、都有地を有効に活用できることから、本事業において、土地信託制度を採用したものでございます。

○小宮委員 大久保病院の改築を検討している中で、この土地信託制度がちょうど制度化をされたというタイミングがあって、自治体として費用を出さずに建設できるということで本事業が採用されたという経緯がわかりました。
 また、ハイジアには、大久保病院だけでなく都の関連団体が六二%入居していることになっています。ウェルネスエイジ、プールがあったりして健康増進に役立つ施設であるとか、医療機関の紹介センター「ひまわり」、また、TOKYOチャレンジネットといって、生活や就労支援、こうした機関が入っているということで、多くの都民が利用されていると、病院機能だけでなく、大変複合的な価値ある土地、建物になっているなというふうに思います。
 平成元年に始まった信託期間が終了する前回の平成二十五年当時と、また、今回の更新に当たっても、この健康プラザの土地活用のあり方というものに関して、調査を委託して行っていらっしゃると思いますけれども、その調査結果について伺います。

○児玉経営企画部長 二度の調査は、信託期間満了後の利活用方針について提案を得ることを目的に、マーケット分析等の経済的側面、遵法性などの法的側面、建物調査などの物理的側面の三つの観点から、不動産鑑定士、市場調査会社、建築士などの専門家に委託することにより実施いたしました。
 いずれの調査におきましても、本信託事業の収益性が認められること、事業継続に当たり法的な問題はないこと、建物の管理状況が良好であることなどから、信託契約を延長することが最善の選択肢であるとの結論でございました。

○小宮委員 東京都健康プラザハイジアは、契約締結直後のバブル経済の崩壊によるテナント収入の下落という、この困難な状況も乗り切った後、借入金の返済も終わり、平成二十四年完済ということで、契約更新の際には延長することが最善の選択肢であるという専門家からの、今お答えいただいたような評価を得ているということでした。
 建物が既に約二十五年を経過しているわけですけれども、これからは、そうした建物の経年劣化への対応というものが必要な時期になってくると思います。建物の劣化がサービスの低下につながって、テナントが移転し、収支の悪化を招いてしまうというようなことがないように、修繕工事できちんと経年劣化に対応した上で、同時に収益確保を図って安定的な運営をしていくということも求められると思います。
 そこで、東京都健康プラザハイジアの土地信託について、信託配当の状況を伺いたいと思います。
 また、土地信託事業の収益確保のために、都としてどのように関与をしてきたかということを確認します。

○児玉経営企画部長 信託事業全体から生じる信託利益金につきましては、ここ数年は約二十六億円で推移しており、このうち信託配当金として都が受け入れている金額は、平成二十六年度からは年間五億円となっております。
 信託利益を得るためには、テナント収入の確保が重要でありますが、入居率は、平成三十年四月一日現在で九九・九%となっており、ほぼ満室状態でございます。
 都といたしましては、テナントの確保、管理コストの適正化に向けた取り組みについて、受託銀行から報告を受けた上で、その内容を検証し、適切な対応を受託銀行に求めることにより、適宜、事業の進捗状況をチェックしております。

○小宮委員 東京都が現金収入として受け入れている信託配当金が五億円ということですけれども、信託利益金は約二十六億円ありまして、その差の約二十一億円はどのような会計処理となっているか伺います。

○児玉経営企画部長 施設が建築後約二十五年を経過していることから、ここ数年はエレベーターやトイレのリニューアルといった比較的大きな改修工事を行っており、今後、大規模な改修工事も必要な状況でございます。
 受託銀行と協議し、信託利益金のうち約二十一億円につきましては、毎年の改修工事費に充当するとともに、将来の大規模な改修工事に備えて修繕積立金として積み立てているところでございます。

○小宮委員 今後、必要となる大規模な改修工事のために積み立てを行っているということですけれども、テナントビルとしての競争力、これを維持できるよう適時適切な判断により修繕を行われて、資産価値を守っていただいて、そして、安定した収入が確保できるように、信託事業の委託者として、ただ任せるだけではなくて、しっかりと資産内容の確認を今後も行っていってほしいと思います。
 そこで、東京都は今後の東京都健康プラザハイジアの信託運営について、どのような考え方を持っているのか伺います。

○児玉経営企画部長 今後は、大規模な改修工事を行うことが必要となりますが、現在の財政状況及び収益性に照らせば、毎年度の信託利益及び修繕積立金で全額を賄うことができ、資金不足の問題が生じる可能性は低いことから、都といたしましては、引き続き安定的な信託運営が可能であると考えております。
 今後も、不動産鑑定士、市場調査会社及び建築士などの専門家の意見を聞きながら、大規模修繕の実施状況、賃貸ビルとしての競争力、土地信託事業の収支など、多面にわたる調査分析を行い、都にとって最も有効な利活用策を検討してまいります。

○小宮委員 都にとって、都民にとって、ぜひ、最も有効な利活用策というものを検討していってほしいと思います。
 都民の貴重な財産、この管理のあり方ですとか、方法については、信託のほかにリースバックや直営などあるわけですけれども、このハイジアに関しては、平成元年に、先ほどご答弁もいただきましたが、後世に負担を生じさせないといったような理由から、信託という手法が選ばれたということです。
 また、複合的な価値も結果として生み出されているというふうに思います。その後、平成二十五年、三十年と民間の調査も行っていただいて、この信託を継続するということがふさわしいという報告がなされているところです。
 受託者に信託して運用管理を任せるというだけでなく、引き続き、都民の貴重な財産ですから、しっかりと事業内容を検証していただいて、今後もさまざまな工夫により収益確保のための取り組みが行われること、それによってより安定した資産運用となるよう、適切なかじ取りを行っていただきたいということを申し上げまして、質問を終わります。

○古城委員 私からは、今般、病院経営本部から報告をいただきました平成二十九年度における私債権の放棄に関連して質問を行います。
 都立病院では、毎年一定程度の私債権放棄が行われ、議会への報告がなされておりますが、この私債権の放棄とするその判断は厳格に行わなければならないと考えます。
 未収金については、相当程度の徴収努力を行っても、なお回収不能と判断されるものであることが求められるのではないでしょうか。加えて、この未収金の縮減に当たっては、発生した未収金を確実に回収していくこと、また、未収金発生の未然防止に取り組むことが重要であると考えます。
 この未収金については、平成二十二年度の包括外部監査報告、さらには、昨年度、平成二十九年度の定例監査報告でも指摘を受けているところでありまして、改善への取り組みを病院経営本部として進めておられるかと思います。
 そうしたことが、先般示されました都立病院新改革実行プラン二〇一八において、未収金の発生予防、回収体制の強化として、一つに、医療費等の支払い方法の多様化、二つに、債権回収取り組み強化、三つに、専門家を活用した債権回収強化が掲げられています。これらの視点から、以下、具体的に質問をさせていただきます。
 まず、都立病院が有する未収金の総額と残高の推移について伺います。

○山口サービス推進部長 平成二十九年度末時点におけます過年度未収金の残高は、約九億一千百万円となっており、平成二十八年度末と比較して、約八千三百万円の減となりました。
 また、包括外部監査で個人未収金の滞納管理について指摘を受けて以降、継続的に回収に取り組んできた結果、指摘のありました平成二十二年度末の残高約十一億八千四百万円と比較して、約二億七千三百万円の減となりました。

○古城委員 ありがとうございます。ただいまご答弁いただいた内容ですと、平成二十二年度末と比較をすると、かなりの割合で未収金残高が縮減をしているということになろうかと思うんですが、二十二年度の包括外部監査報告書に示されている前年の二十一年度末では、約九億八千二百万円という指摘でありました。
 一方で、今お示しいただいた二十八年度、二十九年度と比較する二十八年度分を計算してみますと、約九億九千四百万円ということになりまして、やはり、これは年度によって、一年一年で、この未収金の発生というのが増減する中でも、縮減の方向に向かっていると、こういうことがわかるのではないかというふうに思います。
 先ほど来申し上げております平成二十二年度の包括外部監査では、個人未収金に関して幾つかの指摘や意見が付されているわけですけれども、例えば病院ごとに異なる未収金の運用を統一する必要があるですとか、患者さんにとって多額の未収金が残らないようにすることも検討する必要があるのではないか、また、債権管理を病院から本部へ引き継いで、本部が専門の担当者を置くなど、こういう意見、また、指摘がされているところであります。
 これらの包括外部監査での指摘、意見を踏まえて、未収金の回収に当たってさまざまな取り組みを進めてきたものと思いますけれども、これまでの取り組みの内容について伺います。

○山口サービス推進部長 平成二十二年度の包括外部監査におきまして、未収金の回収に当たり、具体的な基準、手順の例示がなく各病院で運用が異なること、不納欠損に相当すると考えられる債権につきましては、早急に処理を行うことなどの指摘を受けました。
 これらの指摘を受け、都立病院ではさまざまな取り組みを平成二十三年度より順次進めてまいりました。
 まず、回収業務マニュアルの業務手順の見直し、未収が確認された時点で迅速に電話や文書で催告を実施するなど、早期着手を全病院に徹底することとしました。
 次に、未収金回収のための非常勤の専任職員を本部及び各病院に計十二名新たに配置し、管理体制の強化を図りました。
 また、交渉に全く応じないなど、病院では対応が困難な案件につきましては、弁護士に納付交渉を委任することとしました。
 こうした取り組みにより、未収金回収及び不納欠損処理を着実に進めてきたところでございます。

○古城委員 ありがとうございます。未収金については、それぞれの都立病院において専門の職員を配置して、本部とも連携をしながら、電話や書面で催告するなど迅速な対応に努めておられる、このように理解をさせていただいたところであります。
 ただいまご答弁いただいたところで触れておられましたけれども、病院の職員の方々だけでは対応困難な案件について、弁護士に納付交渉を委任しているとのことであります。
 この弁護士委任業務について、先ほど申し上げました平成二十八年度執行分に係る平成二十九年度定例監査報告におきまして、委任業務開始から、着手、初回交渉に三カ月もの期間を要しているケースであるとか、また、最終交渉から終了報告まで半年以上も要しているケースのほか、この委任を受けた弁護士の方からの報告書の内容の妥当性など、迅速かつ有効な回収業務となっていない点を含めて、病院経営本部における契約や進行管理が不適切なのではないか、このような指摘もあったところであります。
 定例監査報告でも指摘をされているように、都民の皆様の貴重な公金を当てて行っている業務でありますので、この進捗状況についてはしっかりと病院経営本部として、適宜適切に把握をしていただいて、事務の適正を図っていただきたい、このように要望をさせていただきます。
 また、先ほどお示しいただきました要求資料の中の都立病院における未収金回収に係る弁護士委任の実績(五年間)によれば、この弁護士委任自体は、病院職員等では回収できない案件でも、弁護士が交渉することによって納付の合意に達し、支払いに至るという成果が出ているということがわかるかと思います。
 さて、この未収金の回収の手続を進めていくに当たっては、病院の職員だけでは対応困難な案件、どのようなものがあるかと考えますと、例えば患者さんがお亡くなりになって、相続関係が複雑になった場合の債務者の特定などになろうかと思います。
 そこで、回収の交渉委任以外にも法的なアドバイスを受けるなど、弁護士の活用がさらに必要となるのではないかと考えますが、どのように取り組んでいるのか伺います。

○山口サービス推進部長 未収金に関するさまざまな法的問題について、病院職員が弁護士から迅速かつ的確な意見を得られるよう、これまで都立病院の未収金交渉の委任において実績のあった法律事務所に対し、昨年度から新たに法律相談を委任しております。
 委任により、相続に伴う債務者の特定や時効起算日の考え方など、個々の事例に応じてメールや電話で弁護士から必要な法的助言を受けることが可能となっております。
 また、昨年度より弁護士を講師に招き、病院職員向けに未収金対策について専門的見地から講義を実施するなど、病院職員の知識の向上に努めております。
 なお、先ほど理事からご指摘のありました平成二十九年度の定例監査報告におけます指摘事項につきましては、弁護士との委任契約におきまして、業務の開始や報告書の提出等の時期を明記するなど、必要な改善を図ったところでございます。

○古城委員 ありがとうございます。定例監査報告での指摘も受けてご対応いただいているということでございます。
 今、ご説明をいただきました弁護士の活用についてでありますけれども、都立病院新改革実行プラン二〇一八においても、専門家を活用した債権回収強化ということがうたわれております。専門家の力もしっかりとかりていただきながら回収に努めていく、このようなことであろうかと思いますけれども、先ほどご説明いただいたとおり、まだ、この未収金については、今なお約九億一千万円ほど残っているという現状がございます。したがいまして、回収とあわせて未収金を発生させない取り組みも欠かせないと考えます。
 都立病院新改革実行プラン二〇一八でも、この医療費等の支払い方法の多様化ということが掲げられていますけれども、先ほど岡本委員の質疑でもございましたが、私債権放棄の高額上位を占める外国人の患者さんを含めてですけれども、支払いを担保する取り組み、例えばクレジットカードであるとか電子マネーに加えて、今、世界的に普及をしておりますQRコード決済、こういったものの調査研究を行うことも検討をすべきではないかと考えます。
 そこで、この回収とあわせて未収金を発生させない取り組みについて、どのように対策を講じているのか伺います。

○山口サービス推進部長 未収金の発生防止に当たりましては、患者支援センターの医療ソーシャルワーカーや病棟の看護師、医事課の職員が緊密に連携し、経済的問題を抱えた患者の早期発見に努め、高額療養費制度や、難病医療費、生活保護など公的助成制度等を案内し、申請につなげるよう努めております。
 また、患者が診療費等を支払う際の選択肢の拡大や、緊急時に現金の持ち合わせがなくても安心して受診できるよう、クレジットカードによる支払いを導入しており、昨年度は患者の個人負担額の約四割がカードで支払われております。
 さらに、医療費等の支払い方法の多様化を図るため、本年三月には電子マネーやデビットカードによる支払いを広尾病院で導入し、年内に全ての都立病院で対応してまいります。

○古城委員 ありがとうございます。発生防止に当たっての取り組みについて、これは、まさに先ほど申し上げました平成二十二年度の包括外部監査報告において、例えば高額療養費限度額の申請ができるにもかかわらずしていない結果、こういったことも指摘されていることに対して対策をとっていただいているんだなというふうに思います。
 また、都立病院でも積極的にクレジットカードでの支払いの仕組みを導入していることについて、評価をさせていただきたいというふうに思います。
 患者の方にとっても、また、都立病院にとっても、支払いへの安心の確保という観点から、ぜひ、日本に来られる外国の方々に対しても、クレジットカードが使えますと、このような情報も発信をしていただきたいと思います。
 また、電子マネーでの支払いについて、都立病院新改革実行プラン二〇一八においては二つの視点から位置づけられております。
 一つは、誰もが利用しやすい環境づくりとして、患者の利便性のさらなる向上に向けて、もう一つは、経営力の強化として、先ほど来申し上げている未収金の発生予防に向けてであります。
 この未収金は、病院経営において今後も重要な課題となろうかと思います。日本人、外国人を問わずに、患者さんに対するきめ細かなサービスの提供を行う中で、円滑に意思疎通を図っていただいて、未収金発生の防止、また、回収率の向上へつなげていただきたいと要望いたしまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

○和泉委員 私は報告事項の二つ目、土地信託契約の更新について伺いたいと思います。新宿区歌舞伎町二丁目の大久保病院の底地に関する土地信託契約更新の報告ということですけれども、この土地の土地信託の当初契約から現在までの経緯、これを、まず、ご説明いただきたいというふうに思っておりましたけれども、先ほどの質疑の中で小宮理事が丁寧にご説明なさいましたので、私の方からはあえて聞きません。
 過去の厚生委員会要求資料を見てみますと、長期借入金残高、これは平成二十四年度でゼロになっています。この長期借り入れがなくなったからでしょうか、今回、提出していただいた資料では、信託配当金が、平成二十五年度一千七百万円から平成二十六年度には五億円にふえています。
 しかし、賃料、共益費で一貫して二十億円以上を払い続けているわけです。長期借入金残高がゼロになった後も、信託配当金よりはるかに大きな賃料、共益費を払いながら、土地信託契約を更新する理由はどういったものなんでしょうか。

○児玉経営企画部長 今回の土地信託契約の更新に当たりましては、専門家による委託調査を行い、多角的に今後のあり方を検討いたしました。
 その結果、信託建物の管理状況はおおむね良好であること、信託配当が安定的に行われ一定の収益性を有すること、また、今後の大規模改修に対しても資金不足等の問題が生じる可能性は低いことなどから、契約を更新することが最善の選択肢であるとの評価を専門家からも得られたため、都として契約の更新を行ったところでございます。

○和泉委員 先ほど小宮理事が調査の中身はというふうにお聞きしたときに答弁なさった中身とほぼ一緒なんですけれども、管理状況がおおむね良好、配当も安定していて一定の収益性がある、大規模改修の資金もあるというわけですが、なぜそれが信託配当よりはるかに大きな賃料、共益費を払ってまで土地信託契約を更新する理由になるのかということをお聞きしました。もう一度お答えください。

○児玉経営企画部長 先ほどの答弁の繰り返しになりますが、今回の契約更新に当たりましては、さまざまな観点から検討を行い、その結果として、信託建物管理状況はおおむね良好、あるいは一定の収益性がある、あるいは今後の大規模改修に対しても資金不足等の問題が生じる可能性は少ないといったことを総合的に判断し、これは専門家からの評価でもありますが、都としても、その結果を受けて判断を行ったものでございます。

○和泉委員 では、そもそも最初の契約から振り返りたいと思いますけれども、最初の二十年間で千六百八十一億円という莫大な配当を見込んでいました。実際には、九億八千万円という全く情けない結果だったわけです。
 なぜ、当初二十年間の配当が見込み額を大きく下回る結果となったんでしょうか。

○児玉経営企画部長 当初の事業計画におきましては、信託期間内に高水準なテナント賃料が安定的に上昇し、収入が増加していくことが前提でありましたが、バブル経済の崩壊によりオフィス需要が低迷し、賃料を引き下げざるを得なくなり、その結果として信託配当が当初の見込み額を大きく下回ったものでございます。

○和泉委員 つまり、平成元年、バブル期に土地信託契約をして、これから先も賃料が上がる、収入がふえると過大な収益を見込んだけれども、平成五年に建物ができ上がったときには、バブルが崩壊して計画の見込みが根本から狂ってしまったということだと思います。計画自体にかなり無理があったといわざるを得ません。
 その後は、当初のような過大な信託配当は見込めないけれども、借金は全額返した。それならば、土地も建物も所有権を戻して信託契約を解除すればいいと思うんですけれども、契約を更新しないとどういうことになるんでしょうか。

○児玉経営企画部長 都が現状のまま信託不動産の引き渡しを受けて、土地、建物を所有し、建物につきましては、現存するテナントとの賃貸借契約を承継することとなります。

○和泉委員 繰り返しになりますけれども、土地信託は信託会社が受託している間は、受託者である信託銀行に土地の所有権が移転します。信託銀行は、その土地を使って建物を建て、大久保病院の建物とテナントビルをつくったわけです。
 当初、契約期間が満了した後、土地信託契約を解除すれば、土地の所有権は建物の所有権と一緒に都に戻ってくるということですね。ただ、テナントビルの方は民間のスポーツジムを初め、店舗、オフィスなど多くの賃借人がいます。その賃貸借契約もそのまま都が引き継ぐということです。
 土地、建物ともに都が所有権を持った場合のメリット、デメリット、それぞれご説明ください。

○児玉経営企画部長 メリットといたしましては、都が当該不動産を所有することとなるため、庁舎あるいは政策目的等のために建物を使用することができる点が挙げられます。しかしながら、その場合でも、信託契約の終了後もテナントとの賃貸借契約が承継されるため活用には大きな制約がございます。
 一方、デメリットといたしましては、賃貸事業を継続する場合には、賃料交渉を伴うテナント募集等を都が直営で行う必要があるなど、課題が多いことが挙げられます。

○和泉委員 テナントビルを建てる時点で、賃貸事業が戻ってきたら、継続される、賃料交渉を行うテナント募集などを都が直営で行う必要が出てくる、これは当初の契約からわかっていたことのはずです。
 建物が戻ってきてもテナントが入っているので、都が自由に使うわけにはいかない、新たにテナントを募集したり、賃料を交渉したりということを都が直接やらなければいけないということです。
 当初の土地信託契約のときにどんな議論があったか、過去の議事録を読み直してみますと、当時の知事は本会議でこのようにいっています。都有地の土地信託は、財政負担を伴わないで民間の知識、経験を活用し、都の方針に沿って土地利用ができること、信託期間終了後には土地と建物が返還されるため、将来の行政需要に対応できること、次に、土地の売買を伴わないので地価の高騰を招くおそれがないことなど、種々のメリットを有する制度であります。
 けれども、今、賃貸借契約が承継されるから活用には大きな制約があるということを答弁なさいました。そうすると、将来の行政需要に対応できるという契約当初の答弁との整合性に疑問を持たざるを得ません。
 ノウハウもない不動産業に都が土地信託という方法で手を出した結果、種々のメリットがあるはずだったのに、信託契約期間が満了しても土地建物を都の裁量で活用することもできず、短期で信託契約更新を繰り返さざるを得ない。そもそもの計画が、余りにも近視眼的で長期的見通しのない事業だったということではないんでしょうか。誤った計画であったことを正面から受けとめるべきです。
 このテナントビルを今後どうするのか。このまま契約を繰り返すのではなく、土地信託以外の方法についてちゃんと検討して、都有地が都民の大事な財産だということをしっかり踏まえて、都民の利益第一で活用することを強く求めて、質疑を終わります。

○伊藤委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○伊藤委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で病院経営本部関係を終わります。

○伊藤委員長 これより福祉保健局関係に入ります。
 初めに、理事者の欠席について申し上げます。
 横手事業調整担当部長は、病気療養のため、本日の委員会に出席できない旨の申し出がありました。ご了承願います。
 次に、契約議案の調査を行います。
 第百八十四号議案、第百八十六号議案及び第百八十八号議案から第百九十号議案までを一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○龍円委員 私は、東京都立川福祉保健庁舎について伺います。以下、新庁舎として話させていただきます。
 この新庁舎には、老朽化が進んでいる多摩立川保健所、立川児童相談所、健康安全研究センター広域監視部食品監視第二課を集約して、利用者の利便性の向上を図るとしています。
 利便性というと、まずは訪れる方たちのアクセスがあるかと思います。
 グーグルマップで調べたんですけれども、立川児童相談所は、現在はJR立川駅から徒歩二十一分かかります。これが新庁舎になると徒歩十一分になりますので、駅からのアクセスは、これまでよりぐっとよくなりそうです。
 また、車で訪れる方も当然いるはずです。以前、立川児童相談所に伺わせていただきましたが、駐車スペースが驚くほど狭かったのが印象に残りました。
 そこで、新庁舎には一日どのくらいの人が来ることが想定されているのか、駐車場は何台分あり、そのうち障害者専用駐車場は何台あるのか伺います。

○本多地域保健担当部長 東京都立川福祉保健庁舎の来庁者は、年間約一万七千二百人を想定しており、平日開庁日一日当たりに換算いたしますと、約七十二人となります。来庁者用の駐車場は十二台確保し、そのうち一台が障害者等用駐車区画となっております。

○龍円委員 今度は駐車場も十分に確保できるということで、アクセス面は格段によくなることが確認できました。
 さて、アクセスといえば、バリアフリーも重要です。
 児童相談所には、愛の手帳の判定を受ける知的発達のおくれがある子と親なども訪れます。新庁舎には、さまざまなスペシャルニーズのある方たちが来ることが予想されます。
 施設のバリアフリー対策は十分に対応されているのか伺います。

○本多地域保健担当部長 東京都立川福祉保健庁舎は、高齢者、障害者等が利用しやすい建築物の整備に関する条例及び東京都福祉のまちづくり条例に基づきまして、子供、高齢者、障害者等、全ての利用者が使いやすいユニバーサルデザインに配慮した施設とすることとしております。
 メーンエントランスや駐車場からの来庁者出入り口は、車椅子利用者等に配慮し、段差なくアクセスのできる構造とするとともに、例えば、視覚障害者の円滑な利用に配慮した構造とするため、センサー式音声誘導装置や、訪問先を呼び出すことができるインターホンを設置することとしております。

○龍円委員 新庁舎では、バリアフリーなどの配慮をしっかりと進めていただきますようお願いいたします。
 さて、東京都は、各児童相談所の児童福祉司や児童心理司を、最速のピッチでふやしていらっしゃいます。都民ファーストの会の代表質問でも触れましたが、児童相談体制の強化に向けた緊急対策として、年内に都全体で新たに十九人ふやすことも明らかにされました。
 先日、新宿の児童相談センターに視察に伺いましたが、スタッフが急激にふえているということもありまして、オフィスに所狭しと、皆さんが肩を並べて働いておられました。仕事量が多く、慎重な判断が必要とされている現場ですので、働く方たちの環境はとても大切だと思います。
 現在の立川児童相談所では、何人の常勤スタッフと非常勤スタッフが働いているのでしょうか。また、継続的に人員をふやしている中で、将来的にも、それらの方々が十分に働けるスペースは確保できるのでしょうか伺います。

○谷田少子社会対策部長 立川児童相談所では、一時保護所に従事する職員を除き、平成三十年四月一日時点の常勤職員の定数と非常勤職員の設定数を合わせて四十九名となっております。
 また、今般の緊急対策によりまして、児童福祉司を一名、非常勤職員を二名増員することとしております。
 立川福祉保健庁舎に移転後は、少なくとも七十一席を配置するなど、今後の国の配置基準の見直しの動向等を踏まえまして、十分なスペースを確保できる予定となっております。

○龍円委員 児童相談所は、虐待を受けているお子さんや命にかかわるような案件を数多く扱っていますので、世間では、暗いとか、怖い場所だというイメージが持たれがちです。親が下手に相談に行くと子供を奪われてしまうのではないかというような漠然とした誤解や不安感を、世間では持たれがちな場所ではあるかと思います。
 しかし、本来は困っている親子を支援に結びつけて、虐待などを未然に防ぐためにあるべき場所ですので、相談に気軽に行ける場所である必要があります。
 私が立川児相に伺ったのは息子の手帳判断だったんですけれども、入り口から何となく薄暗くて、気持ちが明るくなるような場所では、正直なところ、ありませんでした。
 私は、この雰囲気というものは、実は大切だと思っています。
 よい取り組みだなと感じているのが、都立小児総合医療センターです。数多くの重篤な病気やスペシャルニーズのある子たちが通う場所なんですが、上手に外の光を利用したり、家具や壁紙を使って明るい、優しい雰囲気をつくっていて、親子の心が沈み過ぎないような工夫がされています。
 児童相談所は厳しい現場があることは承知していますが、新庁舎は、親子が明るくなるような優しい雰囲気を取り入れていただきたいと思います。
 児童相談所を含めた新庁舎全体ではどのような計画になっているのか伺います。

○谷田少子社会対策部長 新庁舎につきましては、都民に親しまれる福祉庁舎といたしまして、多摩産材を活用するなど、木の温かさを感じる施設とする計画でございます。
 また、児童相談所部分につきましては、子供たちを初め、来庁者が安心して相談できる場となりますよう、装飾や備品等にも工夫するなど、親しみやすい環境づくりに取り組んでまいります。

○龍円委員 多摩産材を活用するなどの計画があるということでした。児相は心の面でのケアが必要な親子も多く訪れる施設になりますので、ぜひ環境面を工夫していただくようお願いいたします。
 さて、この新庁舎には三つの施設が入りますが、せっかく同じ建物の中に入るわけですから、利便性の向上という面から見ても、業務などで連携することが必要だと思いますが、取り組みを伺います。

○本多地域保健担当部長 児童虐待の背景に保護者の育児不安や産後鬱、精神疾患やアルコール依存などの問題があった場合には保健所が専門相談を行うなど、これまでも児童相談所と連携した取り組みを行っております。
 今回、多摩立川保健所と立川児童相談所が同じ建物に入ることから、物理的に距離が縮まり、より迅速な連携が可能になるものと考えております。

○龍円委員 ぜひ必要としている方に必要な支援を結びつけていただきますよう、連携できるところは積極的になさっていただきたいと思います。
 以上です。

○藤田委員 私からも、まず初めに東京都立川福祉保健庁舎(三十)改築工事請負契約について質問いたします。
 今回の改築工事に伴い、立川児童相談所も新庁舎へ引っ越しとなります。
 国は、児童福祉司の人数について、二〇一九年四月までに、人口四万人に一人の定数と児童虐待相談対応件数に応じた増員を求めています。
 現在、立川児童相談所の管轄人口に応じた人数は十九名で、相談対応件数に応じた増員は、二〇一六年度の件数で計算すると一名、合計二十名の児童福祉司が必要とされています。
 先ほど龍円委員の質疑でも、この増員に対する今後の席数についてご答弁がありましたので、質問は割愛したいと思います。
 現在の定数は二十名ですが、現地員は十八名と伺っています。定数を満たすようにするとともに、今後も増員が可能となるよう、建てかえと同時にゆとりある事務所にするよう要望いたします。
 また、今回の改築に伴い、現在の仮設庁舎がある土地や健康安全研究センターがある土地が、今後、空き地となることが予想されます。都有地の活用についても要望いたします。
 一つは、児童の一時保護所についてです。
 一時保護所は、二〇一六年度に一カ所ふえたり、定員をふやしたりした経緯はありますが、一方で、入所率の増加が激しく、保護所職員も一人一人に丁寧に対応することが困難になっていると伺っています。とりわけ、学齢期の入所率は高く、この辺の地域でも、直近の最高は一八〇%以上となっています。低くても一一〇%であり、保護された子供たちのためにも、さらなる一時保護所の増設が求められます。
 昨年の一時保護所の子供アンケート調査では、子供同士の関係がうまくいくように職員が気遣ってくれますか、職員はあなたの不満や要望、嫌だなとか、してほしいなと思ったことについて、一緒に考えたり、何らかの対応をしてくれていますか、不安なことや心配を感じたときに、職員は話を聞いてくれますかとの問いに対して、半数前後がどちらともいえないや、いいえと答えています。
 一時保護によって親から離れて生活する子供たちが、いざというときに頼れるのは職員です。しかし、その職員とも頼れる関係にはなり切れていないのが現状なのではないでしょうか。
 より一人一人に寄り添った対応ができるようになるためにも、保護所の入所率が満員にならない程度に施設をふやす必要があります。今回のように都有地が空く場合には、一時保護所の増設も視野に入れた検討を求めます。また、立川市とも連携して、住民の要望も踏まえた都有地の有効活用をするよう要望いたします。
 次に、東大和療育センター(三十)改修工事請負契約について質問いたします。
 初めに、今お配りした資料のご確認をお願いいたします。
 お配りいただいた資料の一枚目から四枚目までは、第一病棟から第四病棟の改修後平面図です。五枚目は、一階全体のフロア、六枚目は、二階全体のフロアの改修後の平面図です。
 都立東大和療育センターの大規模改修工事は、建物を長年使用するための中間での改修であるとして、必要性があることは認識しています。
 病棟は四つあり、事前に説明いただいた話では、四つ全ての病棟で、大部屋の病床をそれぞれ二床ずつ減らして、国基準の療養環境に改善するというものでした。減らした分の病床はなくさず、療育センター全体の病床数を維持したことは重要です。
 しかし、新たに病床をつくる場所が、現在のデイルームであることには疑問があります。
 デイルームがなくなってしまう予定の第一病棟は濃厚な医療ケアが必要な利用者が入所していて、それ以外の病棟は濃厚な医療ケアを必要とする方と比較的医療ケアが少ない方が入所しており、第三病棟では生活支援が中心と事前にご説明を受けましたが、東大和療育センターの病棟では、デイルームをどのように使用していますか。頻度や使用目的を教えてください。

○松山障害者施策推進部長 ベッド上での安静が必要な方以外が、毎日、食事やレクリエーション等、さまざまな療育活動の際にデイルームを使用しております。

○藤田委員 デイルームを食事の場として利用するときは、多くて一日に三回、職員が介助して利用者専用の車椅子やリクライニング車椅子に移乗して、デイルームに移送しているということだと思います。
 レクリエーションは、お聞きした話では、週に二回程度、集団で行っているということでした。
 先日、病棟に伺った際も、ご自分で絵を描いたり、コミュニケーションがとれる方は、車椅子にオーバーテーブルを設置して、自由に動いて生活されていらっしゃいました。
 ある病棟では、食事時間には、経管栄養を行っている方も経口摂取の方も、できるだけデイルームで食事をとるよう心がけている様子で、デイルームに長テーブルを二つ並べて四角くし、毎食、十名から十五名程度の方が車椅子でデイルームに移動して、顔を見合わせながら食事をとられています。
 また、自傷行為があったり、立って生活する方などは、ベッドがかえって危険な場所となることも多く、デイルームで自由に体を動かせるように工夫して生活されていました。
 療育センターでは、デイルームの窓から芝生や木々、空が見えました。入所者がデイルームで、大きなビーズクッションに身を委ねて過ごされている様子を見て、職員がその方の尊厳と安全を同時に守ろうと努めて援助されているのだなと感じました。
 今回の改修工事では、このデイルームが狭くなるかわりとして、二階に多目的室がつくられるとのことでした。病棟全体でのレクリエーション活動は、今後、二階に移動して行うことになります。
 しかし、二階への移動は容易ではありません。
 エレベーターは、車椅子の大きさから考えて、二つ乗れるものと、小柄の車椅子が一つ乗るのが精いっぱいのものの二種類です。入所者のほとんどはリクライニング車椅子を利用しており、病棟から十人、二十人と移動を行うためには、スタッフで何往復もしなければならなくなります。多目的室ができるといって、その移動にかかる職員の負担は、現在と比べてかなり多くなります。
 さらに、同じフロアにプレールームがあるので、日中はそこへ移動して過ごすこともできるとのことでしたが、ここへ行くにも一旦外履きに履きかえて病棟を出ることになり、職員同士の連携は容易にとれない状態になります。病室に残って入所者を担当する職員と分かれてケアに当たることになり、現在より多くの人手が必要となります。
 デイルームを減らしたりなくしたりしていますが、どのようにして入所者の方の尊厳を守るケアを行い、かつ職員の方の労働環境を守ろうとしているのですか、考えを伺います。

○松山障害者施策推進部長 今回の大規模改修の主な目的は、老朽化した設備機器の更新であるとともに、濃厚な医療ケアに対応しやすいよう、病棟において、医療用配管を、現在六十七カ所のものを百三十七カ所とふやすほか、感染症対策として隔離病室の空調方式を改善するなど、衛生環境の向上を図るとともに、病棟等、各部門への入り口を防火設備対応の自動ドアとするなど、利用者の療育環境の向上を図るものでございます。
 また、入所者の病棟に関しては、医療法に基づく一人当たりの病室床面積の基準である六・四平方メートルを満たすように改修を行うものでございます。
 病室床面積を確保するためにデイルームの一部を病室としたことから、デイルームの床面積は縮小することとなりますが、改修後は、一階のプレールームを活用するほか、利用頻度の少ない二階の検査室や親子宿泊室の一部を多目的室として改修し、日中活動の場として計画的に活用してまいります。
 日中活動の際、プレールームや多目的室を利用すると、現在と比較して移動距離が長くなりますが、入所者への支援内容に支障を来さないことや職員の負担軽減も考慮し、効率的な移動の動線確保等に十分配慮してまいります。

○藤田委員 入所者への支援内容に支障が出ないよう、また職員の負担軽減も考慮してとのことでした。
 療育センターは収納場所が少なく、病棟ごとに入所者三十人分の車椅子が、デイルームを中心に病棟のあちらこちらに置かれている状況でした。さらに収納棚が置かれて、現在でもデイルームは全体を使うことができない状態になっています。
 療育センターは開設当初、床をはって移動する方や、ベッドでは転落の危険性が高い方が多く、医療ケアの必要な方以外は床にマットを敷いて生活していたと伺いました。それが現在では、高齢化やケアの観点から、ほとんどの方がベッドを使用しています。
 しかし、ベッド上で立ち上がったり、かえって危険な方もいらっしゃるため、使用しているベッドは、柵が非常に高いものが幾つかありました。
 このような環境からも、日中の活動時間には、できるだけベッドから離れて、自由に体を動かしたり、気分転換を図ったりすることが大切であり、そのためには、職員の目の届く範囲で車椅子や床マットを利用して過ごせる場所が必要です。
 これが現在の改修計画では、デイルームが半分になり、大きな窓も、約三分の二は新たに設置された部屋によってふさがれてしまいます。
 入所者の平均年齢は五十一歳と伺いました。これからの二十年、三十年という人生をどのように過ごすか、環境によって大きく左右されることになります。職員の努力によって補うことにも限界があります。
 居室面積を広げることによる療養環境の改善は、国の基準の変更からも求められることであり、家族会とも話し合いを進めてきたということなので、反対するものではありません。ただ、床面積を変えずに、改修の範囲で行おうとすると、どうしても限界があるということなのだと思います。
 一般論としては今ある建物を大切に使うという方針は理解できますが、東大和療育センターの場合、療育環境も考え、増築なども含めて検討した方がよかったのではないかと思います。
 今回の契約には反対しませんが、入所者への支援内容に支障が出ないよう、また職員の負担軽減も考慮しという答弁もありましたので、そのために職員をふやすことは今からでもできることだと思いますので、移送などの負担増に伴った職員の増員を必ず行っていただくよう要望いたしまして、私からの質問を終わります。

○桐山委員 私からも、東大和療育センターの大規模改修について伺いたいと思います。
 東大和療育センターは、重度の知的障害と重度の肢体不自由をあわせ持つ重症心身障害者の施設として平成四年に開設をされた施設でございまして、地域の重症心身障害児を支援する施設、そして、多摩地域での医療ケアを必要とする利用者も多くいらっしゃると伺っているところでございます。
 ここの施設も、平成四年に開設され、開設から二十五年が経過をしているということで、今回、経年劣化ということでさまざまなふぐあいが出てきたりですとか、そういったところの大規模改修を行う契約案件ということで今回提案をされております。
 改修工事の主な内容ということでご説明いただいていますのも、空調や電気、給水、衛生などの建物の機能維持に不可欠な設備の更新、また、センター本体の療養環境の改善、向上のための改修ということでございます。
 そこで、質問ですけれども、今回、大規模改修に関しまして、入所者の方の生活の場について、どのような改修が予定をされているか伺います。
 また、ただいま藤田委員からもデイルームの質疑があったところではございますが、この病棟のデイルームは、改修後の面積が少なくなると伺っているところでございます。そのための対策は講じているのかということについて、改めてお伺いしたいと思います。

○松山障害者施策推進部長 今回の改修工事では、各病棟の八床室は六床室へ、六床室は四床室にすることで一人当たりの病室床面積を広くし、医療法による一人当たり病室床面積の基準である六・四平方メートルを満たすように改修いたします。
 病室床面積を確保するため、各病棟内のデイルームの一部を病室としたことから、デイルームの床面積は縮小することになりますが、一階のプレールームを活用するほか、利用頻度の少ない二階の検査室や親子宿泊室の一部を多目的室として改修し、日中活動の場として計画的に活用してまいります。

○桐山委員 ご答弁ありがとうございます。ただいまご答弁でありましたように、今回は、各病室の八床室を六床室、六床室あるところを四床室ということで、一人当たりの病床面積を広くされるということでございました。
 開設当時は病床の面積が四・三平方メートルであったということから、医療法の改正によって、改修時に改めて医療法で改正をした広い面積、六・四平方メートルを満たさなければならないということで、今回改修をされ、利用者に対します面積が広くなるということで、呼吸器等もつけている方もいらっしゃるということで、非常に広くなると理解させていただきました。
 また、デイルームにつきましては、先ほども議論がありましたように、デイルームが半分になってしまうというようなご意見もあったところではございます。
 できるだけ、ある決められた面積の中で、今回は病室を広くとったことによってデイルームの一部分を病室としなければならなくて、ちょっと狭くなってしまったということで、多少皆様にはご不便をおかけするのかなというふうには思いますが、ある施設を他に転用していただいて、一階のプレールームを活用したりですとか、あとは親子の宿泊室の一部を多目的室として改修をされるということですので、しっかりと利用者の利便性が確保されますように、ぜひしっかりとそこはお願いしておきたいなというふうに思います。
 次に、大規模改修をしている期間につきましては、敷地内に仮設施設を設置されると伺っております。
 施設の機能を移すとのことですけれども、東大和療育センターは、先ほども申し上げました地域の重症心身障害者を支援する施設でもございまして、入所機能はもちろん、通所や外来の機能についても安全に維持運営されていくことが大変重要だと思っております。
 この仮設移転なんですけれども、リースでもう仮設施設もでき上がっているというふうに伺っておりまして、今後、仮設への移転に向けた安全性の確保や移転のスケジュールについてはどのように考えているのかお伺いいたします。

○松山障害者施策推進部長 仮設棟につきましては、現施設にある病棟、外来、通所、訓練、薬局、管理部門等の事業規模を維持いたします。
 また、安全性につきましては、防火区画、スプリンクラー設備、七十二時間対応可能な非常用発電機などを設置し、十分に配慮してまいります。
 仮設棟の利用期間は現施設の大規模改修が終了するまでの約二年間となりますが、既に竣工、引き渡しを受けており、本年十月十五日に移転を予定しております。
 利用者の仮設棟への移転に当たっては、安全確保を優先し、慎重に対応してまいります。

○桐山委員 ありがとうございます。仮設のスケジュールですけれども、本年の十月十五日に仮設に引っ越しをされるということで、これは多分、事前に伺っていたことによりますと、同時に一日で引っ越しをされるというふうに伺っております。
 この施設には、利用者には電源を必要とされる利用者も多いため、しっかりと、安全確保は大前提で、ぜひ慎重に引っ越しを行っていただきたいと思いますし、二年間という長期にわたる仮設ということではございますが、仮設の中での利用者の利便性にしっかりと配慮をされた運営がなされますように要望させていただきまして、私の質問を終わります。

○伊藤委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○伊藤委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも異議のない旨、財政委員長に報告いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○伊藤委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 以上で契約議案の調査を終わります。
 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後二時二十分休憩

   午後二時三十五分開議

○伊藤委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 次に、報告事項、私債権の放棄について外二件に対する質疑を一括して行います。
 本件については、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○後藤総務部長 去る九月十八日の当委員会におきまして要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の厚生委員会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
 表紙の目次のとおり、資料は全部で八項目でございます。以下、順にご説明を申し上げます。
 それでは、一ページをお開き願います。1、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターの職種別職員数の推移といたしまして、各年度四月一日現在の職種別の常勤職員数を、平成二十六年度から五カ年にわたりまして記載してございます。
 二ページをお開き願います。2、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターの診療科別医師数といたしまして、本年四月一日現在の診療科別の常勤医師数を記載してございます。
 隣の三ページでございます。3、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターの経営指標の推移といたしまして、入院及び外来の経営指標の実績を、平成二十五年度から五カ年にわたりまして記載してございます。
 続きまして、四ページをお開き願います。4、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターのその他医業収益の推移と内訳といたしまして、その他医業収益の決算額とその内訳を、平成二十五年度から五カ年にわたりまして記載してございます。
 隣の五ページでございます。5、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターに対する運営費負担金及び運営費交付金の推移といたしまして、運営費負担金と運営費交付金の決算額を、平成二十五年度から五カ年にわたりまして記載してございます。
 六ページをお開き願います。6、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターにおける患者の退院先別人数の推移といたしまして、各年度の退院患者数の実績を、退院先別に、平成二十五年度から五カ年にわたりまして記載してございます。
 隣の七ページでございます。7、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターにおける個室使用料の推移といたしまして、個室の区分ごとの使用料の金額及び室数につきまして、現在の施設に移転して以降の推移を記載してございます。
 八ページをお開き願います。8、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターの人材紹介会社への職種別支払金額の推移といたしまして、人材紹介会社への支払い金額の実績を、医師及び看護師に分けまして、平成二十五年度から五カ年にわたりまして記載してございます。
 以上、簡単ではございますけれども、要求のございました資料のご説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○伊藤委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○鳥居委員 私からは、健康長寿医療センター業務実績評価について質疑を行わせていただきます。
 健康長寿医療センターは、平成二十一年、東京都老人医療センターと東京都老人総合研究所を一体化した地方独立行政法人として誕生し、その利点を生かし、重点医療や救急医療の充実など、医療体制の強化を図られてきました。
 昨年、我が会派の厚生委員会メンバーで現地を視察、看護を含む多くの職員との意見交換をさせていただき、業務運営の効率化、収入増の取り組み、コスト管理の強化に取り組みながらも、高齢者の心身の特性に応じた適切な医療の提供、臨床と研究の連携を通して、高齢者の健康増進、健康寿命の実現を目指していることを伺いました。
 さて、地方独立行政法人法には、地方独立行政法人は、適正かつ効率的にその業務を運営するように努めなければならないとあります。業務の評価については、できる限り、客観的で、高い透明性を持って行われることが求められています。
 今回、地方独立行政法人法に基づいて知事が行った評価について、既にご報告をいただき、拝見しております。
 一方、健康長寿医療センター自身も、独自に研究業務、研究事業に対する外部評価を行っていると聞いております。
 そこでまず、研究事業にかかわる外部評価がどのような仕組みのもとに行われているのかを伺います。

○粉川高齢社会対策部長 健康長寿医療センターでは、研究部門で実施されているテーマ研究等を対象として、学識経験者、都民代表者及び行政関係者から成る外部評価委員会を設置しております。
 この委員会における評価は、研究計画や研究体制の設定及び見直し、研究資源の配分、次期中期計画での研究の継続の有無などについて決定するために活用されております。
 なお、外部評価委員会は、原則公開としているほか、評価結果の概要をホームページで公表するなど、都民に対し、透明性の高い運営を行っております。

○鳥居委員 都民代表や行政関係者を含む学識経験者が外部評価委員となり、委員会を原則公開とし、さらに評価結果を公表されているなど、透明性の高い運営を行われていることは理解いたしました。
 次に、第二期中期目標において、効率的、効果的かつ適正な業務の運営に取り組むとともに、収入の確保とコスト管理の強化により、財務内容の改善を図ることを求めております。
 そこで、第二期の健康長寿医療センターにおける収入の確保とコスト管理の強化に、どのような取り組みが行われ、また、評価がされたのかを伺います。

○粉川高齢社会対策部長 地方独立行政法人の業務は、地方独立行政法人法において、公共上の見地から確実に実施されることが求められていることから、センターでは、経営基盤の強化を図るため、収入の確保及び適切なコスト管理に取り組んでおり、これを実績評価の対象としております。
 収入の確保につきましては、病院部門において、救急患者の積極的な受け入れや適切な退院支援の実施、診療報酬上の新たな施設基準の取得などの取り組みを行ったこと、研究部門において、共同研究や受託事業など、外部研究資金の獲得を積極的に行ったことなどを評価し、A評価としました。
 コスト管理につきましては、経営分析を進めるための原価計算システムの導入、納入価格を比較分析するためのベンチマークシステムの導入、後発医薬品の採用促進、物流管理を行う事業者を活用した材料管理の効率化など、コスト縮減に向けたさまざまな取り組みを行ったことを評価し、B評価としました。
 都では、第二期評価においてセンターの業務が確実に遂行されるよう、経営基盤のより一層の強化を求めております。

○鳥居委員 救急患者の積極的受け入れ、また、評価書には老化研究などの先進的な取り組みによる外部資金の獲得も記載されておりましたし、そのほか、コスト縮減に向けた取り組みが評価されていることをお示しいただきました。
 最後に、第二期の評価では、都の高齢者医療、研究の拠点として、さらなる研究成果の普及や社会還元に努めてほしいとされております。
 そこで、臨床応用や実用化の成果を都民に普及、還元した事例として、これまでどのようなものがあったのかを伺いたいと存じます。

○粉川高齢社会対策部長 センターでは、病院と研究所を一体的に運営する法人の特徴を生かした研究を進め、臨床応用や実用化につながる成果があらわれております。
 主な研究成果の例としましては、これまで悪性度の判定が困難であった膵臓がんの症例に対して、テロメアという染色体の末端部にある構造の長さを測定する技術を利用して悪性度を判別できる診断方法を確立したことが挙げられます。
 ほかにも、高齢者の方の頻尿を皮膚刺激によって改善する過活動膀胱抑制器具が医療機器として承認され、販売を開始しました。
 また、自分でできる認知症の気づきチェックリストを開発し、都の普及啓発用パンフレット、知って安心認知症に掲載され、認知症を疑うご本人やご家族など、広く都民に活用されているといった事例がございます。

○鳥居委員 研究成果を医療現場の応用につなげる、いわゆるトランスレーショナルリサーチを実践いただいていることもお示しいただきました。
 ご存じのとおり、平成三十年度においては、健康長寿医療センターに対し、研究事業へ運営費交付金として約十九億八千二百万円、病院事業へ運営費負担金として約二十五億九千七百万円が投入されて運営されております。
 研究事業には、老化機構、老化制御、老化脳神経科学など六つの自然科学系チームと、社会参加と地域保健、自立促進と介護予防、福祉と生活ケアなど、特徴的で有益と考えます三つの社会科学系のチームがありまして、科研費なども取得されて運営されていると伺っております。
 運営費の交付金約十九億八千二百万円、この額は、高齢社会における喫緊課題である研究テーマに対する推進や科研費の総額から比べましても決して高い額ではないとは考えておりますが、冒頭で質疑いたしました健康長寿医療センターが行った独自の研究事業に対する外部評価は、自然科学系六チーム、十六テーマに対し、最も評価の高い、特にすぐれているのA評価はゼロ、すぐれているのB評価は十六となっており、社会科学系では三チーム、八テーマで、A評価はゼロ、B評価は七、普通のC評価が一となっております。A評価を得られた研究テーマが皆無であります。
 この理由については、留意する必要があると考えます。A評価の数をふやす、その必要性、その対策については十分に検討をいただき、改善策を捻出していただきたいと考えます。
 もちろん、無から有を生み出すことは容易でないことを把握しております。一方、iPS技術のような技術が上がったことにより多くの基盤研究、応用研究が発展したとおりに、ゼロからではなく、一から二、二から三を生み出す基盤研究や応用研究の方が、一般的には成果が出やすいわけでございます。
 多くの論文を書かなければ評価されず、出世が望みにくい研究者にとって、基盤研究、応用研究に重きを置きがちになり、結果、社会貢献に寄与する有益な研究につながらないことが多くございます。
 過日、ノーベル賞学者が理事長を務められている大隅基礎科学創成財団の理事の皆さんに都議会にお越しいただき、意見交換をいたしました。無から有を生み出す基礎的な研究テーマの目ききとして、そのテーマを発掘され、資金援助をする役割をされていると伺いました。
 都におきましては、引き続き多くの外部評価機関との連携を進め、また、採択の基準や採択数に対しても、例えば少数となっても、基準を厳しくし、資金援助を手厚くするなどの検討も行っていただきたいと考えます。
 高齢社会へのソリューション創出は、世界が経験したことのない未知の研究分野です。成果を生み出せる環境整備に、より一層努めていただくことをお願いいたします。
 これまで、本センターが認知症疾患医療について国際的にもリードしてきた歴史を誇りとして、持続的に発展するためにも、より積極的な行動を起こしていただくことを要望しまして、私の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

○小宮委員 このたび、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターの第二期中期目標期間に対する業務実績評価書が示されております。
 その中では、高齢者の専門病院として、三つの重点医療、血管病、高齢者がん、認知症について、難易度の高い鑑別診断の実施、それから低侵襲な治療の提供、救急患者の積極的な受け入れ、研究を臨床に生かすことなどが高く評価されておりまして、おおむね着実に業務が達成されていると評価されています。
 地方独立行政法人の定義には、民間の主体に委ねては確実な実施が確保できない、こういうおそれがあるものとありますけれども、高度な病院や医療資源の多い東京で、健康長寿医療センターの民間ではできない取り組みとは何なのか。平成二十一年に地方独立行政法人という運営形態で設立をされたわけですけれども、理由を伺います。

○粉川高齢社会対策部長 当時の議論としまして、都では、超高齢社会の到来を迎え、高齢者の特性を踏まえた医療の提供や老化に関する高度な研究が喫緊の課題となっておりました。
 そこで、老人医療センターがこれまで培ってきました高齢者の高度専門医療に関する豊富な実績と、老人総合研究所の老化、老年病に関する研究を、一体的に、より有機的に結びつけることといたしました。
 このため、新たに設立する健康長寿医療センターにおいては、医療と研究の統合の結果を最大限発揮し、高齢者特有の疾病や身体状況への対応、増加する認知症への対応など、高齢者の医療課題に先導的に取り組むという行政的役割を果たすとともに、これまで以上に柔軟で効率的な運営を目指すため、地方独立行政法人といたしました。

○小宮委員 超高齢社会を見据えて、高齢者の医療と研究が一体として行えるという強みを持っていて、高齢者の医療課題に先導的に取り組むということが行政的役割ということですけれども、特に民間にはできない、あるいはまさる、そういうこととして、今後さらに高齢化が進展をしていく中で、センターの重点医療に関する基礎研究を推進して、臨床応用につなげていくことが重要であると考えます。
 これまでにどのような研究成果があったか、先ほど鳥居委員のご質問にもありましたけれども、また、センターが老年医学研究において国内外に誇れる先進的な老化研究の取り組みとは何か伺います。

○粉川高齢社会対策部長 センターでは、高齢者の健康の維持及び増進に寄与することを目的として、老化、老年病などに関する基礎科学研究、医学的研究及び社会科学的研究を総合的に推進しております。
 研究から臨床応用につながった成果としましては、例えば乳がんについて、晩婚や未婚など女性を取り巻く環境の変化により、その患者数は年々ふえ続けており、乳がんホルモン療法を選択すべき症例か否かについて新たな判定基準を確立し、日本乳癌学会による乳癌診療ガイドラインに掲載され、がん治療における治療指針として活用されております。
 また、先進的な老化研究の取り組みとしましては、細胞の表面を覆う糖鎖の研究を通じ、指定難病である筋ジストロフィーに対する根本的な治療法開発への活用が期待される研究成果を上げ、我が国の学術賞として高い権威を誇る日本学士院賞を受賞しました。
 このほか、アルツハイマーやパーキンソン病など、老化に関係した疾患の原因究明や治療法の開発につなげるため、人の死後の脳を系統的に保存する高齢者ブレインバンクを整備し、蓄積された研究リソースを国内外の研究者に提供することにより、次世代の医学の発展に貢献していることなどが挙げられます。

○小宮委員 我が会派も去年でしたか、健康長寿医療センターを視察しておりまして、その際、ブレインバンクの研究の専門の医師、ドクターから大変熱心で熱いお話も聞きまして、その研究の将来的な可能性というものを大きく感じることもできました。今伺ったように、すばらしい研究成果、また、臨床応用がなされているということがわかります。
 がんの免疫療法でノーベル賞を受賞されました京都大学の本庶佑特別教授が話されておりましたけれども、基礎研究が応用につながるということは、しょっちゅうあることではないが、めったにないというものでもない、基礎研究への投資というのは、未来への投資として国がもっと支援すべきだというご発言をされておりました。
 都としても、このすばらしい健康長寿医療センターの研究成果をこれからも支援していただいて、研究者の育成、また次世代の医学の発展に寄与していただきたいというふうに思いますし、評価書の中では、改善充実を求める事項として、先ほどご質問も出ておりましたけれども、研究成果の普及と社会への還元ということが指摘をされております。民間ではなかなかできない研究の成果というものを、都民にとどまらず、広く国内外に還元するということは、都民に支えられた病院として大変価値のあることと思いますので、今後の取り組みに期待をするところです。
 さて、評価書の中にありますけれども、都民に提供するサービス及びその他の業務の質の向上に関する事項という中で、高齢者の医療と介護を支える専門人材の育成が示されております。
 大都市東京にふさわしい地域包括ケアシステム、この構築には多様な人材の育成が不可欠であると思いますけれども、民間ではなかなか担えないこの分野にどう取り組んでいるのか、センターが蓄積してきた高齢者医療、研究の実績やセンター内で取り組んできた人材育成のノウハウを活用して、どのように専門人材の育成を行っているのか、具体的な取り組みについて伺います。

○粉川高齢社会対策部長 センターでは、センターの認定看護師や専門看護師と地域の訪問看護師が連携することを目的に連絡会を開催し、勉強会や意見交換会、シンポジウムを開催し、在宅療養を支える人材の育成に貢献をしております。
 また、都からの委託により運営しております認知症支援推進センターでは、認知症サポート医や認知症支援コーディネーターなどの専門職のスキルアップを図っているほか、介護予防推進支援センターでは、介護予防に取り組む人材の育成や、住民主体の通いの場の立ち上げや活性化を実践的に学ぶワークショップなどを行っております。
 さらに、次代を担う医療従事者及び研究者を育成するため、医師や研究員を大学等に派遣し、高齢者の健康と福祉、社会参加等に関する講義や講演を行い、高齢者医療への理解促進や知識の普及啓発に努めているほか、連携する大学院等から学生を受け入れ、若手老年学、老年医学研究者の育成にも貢献をしております。

○小宮委員 超高齢社会の中で、今後は、病院も病を治して終わりというのではなくて、いかに在宅療養を支えていくかという時代に入ってまいります。
 また、元気で長生きができる、そういう社会にするには、介護予防が重要な時代ともなります。
 在宅も予防も、それを支えるのは人ですから、人材支援センターが行う多様な人材の育成というのは大変重要である、民間にはやはり経営上など、さまざまな理由があって取り組むことが困難であるというふうに考えますので、これからも、こうした人材の育成にはしっかりとこのセンターを通じて努めていただきたいと思いますし、その成果が、超高齢社会にあっても、東京が安心して生き生きと暮らせる、そういうまちになることに貢献、寄与していただきたいということを期待申し上げまして、質問を終わります。

○古城委員 私からは、福祉保健局関係の報告事項、東京都健康長寿医療センターの第二期中期目標期間及び平成二十九年度の業務実績評価に関連して、一つ、健康長寿医療センターが掲げる三つの重点医療の提供体制、二つ、入退院支援の強化、三つ、超高齢社会の特性を踏まえた健康長寿を目指す取り組みをテーマに質問をさせていただきます。
 初めに、重点医療の提供体制をテーマに伺います。
 健康長寿医療センターは、高齢者のための高度専門医療及び研究を行う機関として、高齢者の死亡、そして要介護の主要な原因となっている血管病、がん、認知症を重点医療と位置づけています。
 まず、血管病医療について質問します。
 高齢者の血管病では多様な症例があり、診療科が複数にわたることが多いとされ、高齢者への医療提供では、最新の機器と高度な技術を活用して、身体に負担の少ない低侵襲な治療を実施することが重要であるといわれています。
 当センターの平成二十五年の新施設への移転では、ハイブリッド手術室が設置され、これまで以上に高度な医療が提供されることにより、療養環境も向上しております。
 そこで、血管病医療について、個々の患者に適した低侵襲な治療の提供という観点から、どのように充実が図られているのか伺います。

○粉川高齢社会対策部長 健康長寿医療センターでは、平成二十五年度に、お話のありましたハイブリッド手術室を新設し、高齢者の身体的負担に配慮した低侵襲な血管病治療を行っております。
 このハイブリッド手術室とは、手術寝台と高性能なエックス線撮影装置を備えた手術室のことで、従来は、手術室と心臓カテーテル室、それぞれ別々に設置されていた機器を組み合わせたことにより、手術の精度向上や時間短縮などが可能となりました。
 主な手術例としましては、腹部並びに胸部大動脈瘤に対するステントグラフト治療や、頸動脈狭窄症に対するステント治療などがございます。これらは、開腹あるいは開胸手術を必要とする従来の治療法と比べ、術後の回復も早く、入院期間も短くなるなどの効果があり、これまで身体にかかる負担の大きさから手術を断念していた患者に対する治療が可能となるなど、高齢者医療の充実が図られました。

○古城委員 ありがとうございます。
 次に、高齢者がん医療について質問をいたします。
 このたび、ノーベル生理学・医学賞を京都大学の本庶佑特別教授がご受賞されましたこと、心からお喜びを申し上げる次第です。がん治療において、臨床と研究の橋渡し、連携への期待がいや増して高まる、こういうところであろうかと思います。
 日本では長寿命化に伴って、がんの罹患率、死亡率が上昇傾向にあります。疾患により生じる身体的苦痛、精神的苦痛などに対する相談もふえ、また、緩和ケアへのニーズも高まっています。
 そこで、がんの治療に当たっては、患者の方、また、ご家族の皆様に寄り添った対応が重要であると考えますが、患者、また、家族が安心して療養生活を過ごすことができるよう支援する取り組みについて伺います。

○粉川高齢社会対策部長 センターでは、平成二十五年六月の新施設開設に当たり、がん患者やその家族が安心して療養生活を送ることができるよう、二十床の緩和ケア病棟を設置しました。
 病棟では、緩和ケア内科医師、精神科医師、薬剤師、臨床心理士、専従看護師など複数の専門職による緩和ケアチームが、それぞれの専門性を生かして、がん患者やその家族の意向を適切に把握し、病気の進行に伴うさまざまな身体的、精神的苦痛を和らげる治療やケアを提供しております。
 また、平成二十八年一月には、がん相談支援センターを設置し、センター内外のがん患者やその家族などから寄せられる、緩和ケアについて知りたい、がん治療、検査について不安だといった相談に看護師やソーシャルワーカーが対応するとともに、気軽に医療職に質問でき、患者同士の交流の場でもある患者サロンを開設するなど、支援体制の強化を図っております。

○古城委員 ありがとうございます。
 続いて、認知症医療について質問します。
 認知症は、早期発見、早期診断、早期対応が大切であるといわれております。我が党は、議会質問などを通じて、認知症高齢者の予防対策を含む施策の充実を訴えてまいりました。
 平成二十六年には、認知症の早期発見や診断、対応を進めるため、認知や生活機能の低下などを簡単に確認できる認知症の気づきチェックリストを健康長寿医療センターが開発しています。
 そこで、健康長寿医療センターが開発した、この認知症チェックリストの活用状況について伺います。

○粉川高齢社会対策部長 センターでは、過去の研究と臨床医の診療経験等を基礎に、平成二十五年度に、町田市で生活する在宅高齢者約五千二百人を対象に質問調査を実施し、十項目から成る、自分でできる認知症の気づきチェックリストを作成しました。
 このチェックリストは、平成二十六年十月に約三百七十五万部を新聞折り込みで都内全域に配布したほか、都の認知症の普及啓発用パンフレット、知って安心認知症に掲載され、これまでに、都では約十万四千部を配布するとともに、区市町村では約三十万五千部を作成し活用しております。
 さらに、認知症の基礎知識等を紹介した専用のポータルサイト、とうきょう認知症ナビでは、画面上でチェックリストの項目を入力すると自動的に集計結果が表示されるようにするなど、広く都民がアクセスしやすいようにしております。
 今後も、センターの研究成果を活用し、認知症の早期診断、早期対応の重要性について、都民への普及啓発に取り組んでまいります。

○古城委員 ありがとうございます。今回の第二期中期目標期間における業務実績評価では、今伺ってまいりましたこの三つの重点医療の充実への取り組みは、中期目標の達成状況が良好であるとして、A評定という高い評価が与えられています。法人の設立以来、積極的に取り組んでいるこれらの重点医療を初めとして、高齢者の皆様の心身の特性に応じた適切な医療をこれからも提供していただきたいと思います。
 続いて、第二のテーマとして、入退院支援の強化について質問します。
 超高齢社会を支える安心の仕組みとして、病院も含めた地域の医療、看護、介護の連携体制や、地域の実情に即した取り組みの構築が重要となっています。
 二〇二五年には団塊の世代が七十五歳以上となり、医療や介護を必要とする高齢者がさらに増加します。都においても、病院から在宅療養、介護の移行と、これを支える地域包括ケアシステムの構築は緊急の課題です。
 私は、ことしの第一回定例会の一般質問において、高齢者が病院から退院し、自宅など地域における在宅療養生活に移行するためには、地域の病院とかかりつけ医、訪問看護師、ケアマネジャーなどの多職種が連携し、外来や入院時から退院後を見据えた支援、いわゆる入退院支援を行うことが重要であるとの観点から、都においても、入退院支援の取り組み、病院と地域の医療、介護関係者の連携強化に向けた取り組みを積極的に推進すべきと訴えたところであります。
 これに対して福祉保健局長より、在宅療養に向けた入退院支援について、より円滑に在宅療養に移行するためには、病院が入院前の外来診療時から、退院支援の必要性の評価を行うとともに、地域のかかりつけ医やケアマネジャー等と連携し、患者情報を共有することが重要であるとの認識が示されております。
 健康長寿医療センターは、高齢者の急性期医療を担う病院であり、入院患者の円滑な在宅療養生活への移行に向け、入院する前からも積極的な支援を行うことが重要です。
 先般の診療報酬の改定でも、退院支援加算が入退院支援加算に見直され、また、入院時支援加算が新設されています。
 そこで、健康長寿医療センターにおける、より早期の退院を可能とする入退院支援や、病院と地域の医療、介護関係者の連携強化への取り組みについて伺います。

○粉川高齢社会対策部長 センターでは、入院前から医療ソーシャルワーカーが患者の病状や生活環境を把握するとともに、入院時には、ADL、認知機能、生活環境などを総合的に評価した上で、医師、看護師、医療ソーシャルワーカーなど退院支援チームが中心となって、退院困難事例への対応方法の検討を行うなど、早期の退院を念頭に置いた治療の提供と退院支援を実施しております。
 また、退院時には、退院前合同カンファレンスを開催し、地域の訪問看護師やケアマネジャー等と医療内容や患者の状態等のアセスメントを行うことにより、患者が円滑に転院や在宅療養への移行ができ、退院後も安心して治療が受けられるよう支援をしております。
 このほか、患者が退院後も質の高い医療やケアを継続して受けることができるよう、センターの専門性を生かし、地域の訪問看護師を対象に、皮膚、排せつ、認知症ケアに関する研修を行うとともに、センターの看護師が訪問看護師に同行して褥瘡患者に対する訪問看護を実施するなど、センターと地域の医療、介護関係者との連携強化を図っております。

○古城委員 ありがとうございます。在宅療養へ円滑に移行するためには、入院当初から、退院後を見据えた患者の方の状態や療養環境に応じた支援が必要であります。今ご答弁いただいた中にもありましたように、退院後も質の高い医療やケアを受けられるように、病院とかかりつけ医、訪問看護師、ケアマネジャー等の地域の多職種との連携を一層強化し、今後も入退院支援の充実に取り組んでいただきたいと要望させていただきます。
 第三のテーマとして、超高齢社会の特性を踏まえた健康長寿を目指す取り組みについて質問します。
 まず、専門外来について質問します。
 高齢者の特性として、複数疾患を抱えていることや、老年症候群、生活機能障害を有することなどがあります。高齢者が住みなれた地域で安心して生活を送るためには、重点医療のみならず、高齢者特有の疾患にも対応することが必要です。
 健康長寿医療センターでは、ロコモ外来やフレイル外来など、高齢者に特有の疾患に対応した専門外来を設置し、より専門性の高い医療やケアを提供しています。高齢者専門病院ならではの取り組みといえると思います。
 そこで、ロコモ外来を初めとする専門外来について、どのような取り組みが行われているのか伺います。

○粉川高齢社会対策部長 センターでは、フレイル外来、物忘れ外来、フットケア外来、ロコモ外来などの専門外来を設置し、在宅におけるケアの方法について、患者、家族とともに理解を深め、無理なく継続できるケアの実施を支援しております。
 例えば、ロコモ外来では、急に歩くのが遅くなってきた、転びやすくなってきた、重度の膝の痛みといった症状に対して、足腰の機能低下の原因の精査や、隠れた病因の発見などを目的とした診療を行っております。
 このほか、足腰を強くするロコモーショントレーニング、いわゆるロコトレをリハビリテーション科で指導するなど、高齢者特有の症候群、疾患を持つ患者の生活の質の向上を図っております。

○古城委員 ありがとうございます。
 都議会公明党がセンターのロコモ外来を視察した際に診察を受けておられた八十代の女性は、長年膝の痛みに悩まされ、階段を上るときに激痛が走っていたそうです。この女性は、今ご説明にありましたロコトレ、スクワットや片足立ちといったロコモを防ぐ運動、ロコモーショントレーニング、いわゆるロコトレに毎日取り組んだところ、不思議と階段を上るときも痛みがなくなった、また、歩くスピードも速くなり、周囲から歩く姿が若々しいといわれると喜びを語っておられました。
 高齢化が進み、日常生活に欠かせない運動機能が低下した状態の、いわゆるロコモ、ロコモティブシンドロームがふえれば、要介護や寝たきりの高齢者の方の増加を招くおそれがあるといわれております。ロコモを予防して健康寿命を長くするロコモ外来は大変重要であると感じます。これらの取り組みを通じて健康寿命を延ばすとともに、普及啓発に全力を挙げていただきたいと要望させていただきます。
 最後に、平成二十九年度の業務実績評価でA評定を受けた研究成果、知的財産の活用、この中から、健康長寿医療センターの研究成果の一つとして取り上げられている健康長寿新ガイドラインについて質問します。
 私は先日、公明党東京都本部の一員として、東京大学高齢社会総合研究機構教授の飯島勝矢先生の、国家戦略としてのフレイル予防、フレイル予防を通した健康長寿のまちづくりをテーマとする講演を拝聴する機会がございました。
 皆様ご承知かと思いますが、フレイルとは虚弱な状態を示す概念で、要介護と健常の中間にあり、筋力の低下、活動量の低下、歩行速度の低下、さらには易疲労--疲労しやすい、また、体重減少などを来した状態です。
 昨今、メタボ、また、ロコモ、フレイル、このうちロコモやフレイルは、今質疑で私も申し述べさせていただいておりますが、このように横文字が踊っている中で、今何が課題であるのか、どのような言葉や表現が国民の皆様の心に届くのか等々、健康長寿に向けた大事なお話を拝聴させていただきました。
 また、この講演の中では、加齢などによる筋肉量の減少、いわゆるサルコペニアの例として、高齢者における二週間の寝たきり生活は、実に七年分の筋肉を失うことにつながる、こういうことですとか、社会的孤立、孤独感、それからひとり暮らし、そして、同居者がいるのに孤食--ひとりで食べる食事ですね、これらは高齢者の死亡リスクを高めることから、孤独は肥満よりも健康に悪い、このような大変センセーショナルなお話もございました。
 さらに、飯島先生監修の指輪っかテストによるサルコペニアの簡易評価を私も実体験をいたしまして、個々人の現状把握と継続性を兼ね備えたフレイル予防に取り組む重要性を認識させていただきました。
 さて、飯島先生は、フレイルの特徴として、一、健康と要介護の間にある中間の時期、二、さまざまな機能を戻せる段階である可逆性、そして、三、いろいろな側面を持つ多面的を挙げておられます。先ほどはロコモを中心に申し述べましたが、このフレイルについても、症状が進み、元気な状態に戻れなくなる前の対策が重要です。
 飯島先生を初めとするグループの取り組みが八月一日付の日本経済新聞に掲載されています。高齢者約五万人の東大の調査によれば、一人で黙々と運動する人は、運動をしなくても囲碁や地域ボランティア活動に参加する人と比較して、フレイルの危険が三倍高いことが明らかになったそうです。この結果を受けて、飯島先生は、運動以上に人と人のつながりがフレイル予防になると訴えておられました。
 健康長寿医療センターが昨年六月に作成した健康長寿新ガイドラインでも、健康長寿を実践する上で社会参加の重要性が示されております。先ほど述べました認知症チェックリストも同様でございますけれども、この健康長寿新ガイドラインについては、健康長寿医療センターの長年の調査研究から導き出されたと、このようにうたわれております。
 もし可能であるならば、継続的にブラッシュアップをしていただきたいと思いますけれども、都民の皆様に、この健康長寿新ガイドラインについてわかりやすく説明をし、また、広く社会に還元していくべきと考えます。
 そこで、健康長寿新ガイドラインの内容と、その普及啓発の取り組みについて伺います。

○粉川高齢社会対策部長 センターでは、これまで長年積み重ねてきた健康長寿の疫学研究の成果をまとめ、平成二十九年に健康長寿新ガイドラインを作成いたしました。
 この新ガイドラインは、長寿社会を健やかに過ごすための暮らしの指針として、ふだんから心がけたい日常の過ごし方や健康管理の方法をまとめた健康長寿のための十二カ条と、健康長寿の新たな根拠を集約したエビデンスブック、そして、十二カ条のテーマに沿って、日々の実践ポイントを一般向けに易しく解説した各論パンフレットの三部構成となっております。
 センターでは、新ガイドラインが、高齢者のほか自治体や地域で働く保健師などの専門職、老年学、老年医学の研究者、学生等に幅広く活用されることを期待しており、一般都民向けの公開講座でテーマとして取り扱うとともに、介護予防に携わる区市町村職員等に対する研修において周知を図るなど、普及啓発に努めております。

○古城委員 ありがとうございます。
 健康長寿医療センターは、都における高齢者医療、研究の拠点として設立をされております。高齢者の急性期医療を提供する病院として、重症度の高い患者を積極的に受け入れるとともに、退院後のクオリティー・オブ・ライフ、QOLの向上を目指し、患者のお一人お一人の病状や環境に応じた医療の提供及び入退院支援の推進に向けたさらなる取り組みの充実、さらに、病院と研究所を一体的に運営する法人の特徴を生かし、医療、研究の成果や知見を広く都民の皆様に還元していただくことを要望いたしまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

○藤田委員 私からも、健康長寿医療センター業務実績評価について質問いたします。
 血管病医療を初め、高齢者の特性に配慮した医療の提供が行われていることや、平均年齢が同規模の病院と比べて十一歳以上も高い中で退院支援に取り組まれていることに対し、センターの皆さんや研究所で働かれている職員の皆さんに心から敬意を表したいと思います。
 健康長寿医療センターでは、平均在院日数の短縮が大幅に進められてきました。新病院以前は十八日でしたが、二〇一三年から二〇一四年では約三日短縮され、さらにこの三年で一日短縮されています。
 看護業務の中では、入院を受けることに多く時間がかかります。平均在院日数が短くなるという中で病床利用率を維持していけば、当然、一カ月に受ける入院患者の人数も多くなります。職員増がなければ、入退院の増加によって時間外労働も多くなることは避けて通れません。
 年度計画に係る実績には、超過勤務の縮減を促進するよう、管理職に対して働きかけを行ったとあります。また、平成二十九年度の年報によると、看護部でも超過勤務について適切に取得できるよう考え方を示したとありました。
 この年報には、看護師に対して超過勤務についての職員アンケートを行ったとありますが、これはどのような目的で実施し、どのような結果だったのでしょうか。適切な超過勤務が取得できるとはどのような意味を指しているのか教えてください。

○粉川高齢社会対策部長 健康長寿医療センターでは、平成二十八年度から二十九年度にかけて、看護師定着に向けた改善策について検討するため、看護部と事務部とが共同でワーキンググループを設置し、その一環として、看護師を対象とした超過勤務についてのアンケートを実施いたしました。
 アンケートの結果からは、必要かつやむを得ないと判断されるものについて一定のコンセンサスなどが得られたが、より適切に超過勤務が取得できるよう運用の徹底を図るため、超過勤務の取り扱いに関する基本的な考え方をわかりやすく整理し、各職場において周知したと聞いております。

○藤田委員 具体的なアンケートの内容というのは細かく示されていたわけではありませんけれども、基本的な考え方については、ご答弁のように、看護師の定着や働く環境を改善するということが目的とされていたと思います。そのためには、超過勤務は減らすやなくしていくということが求められると思います。
 看護師の一カ月当たりの時間外労働時間の最長の時間を教えてください。

○粉川高齢社会対策部長 平成二十九年度の看護師の超過勤務時間の最長時間は、月ごとに異なりますが、二十八時間から四十一時間となっております。

○藤田委員 昨年度の内容だということですので、昨年度はまだ退勤時のカードリーダー操作は導入していなかったという状況ですので、自己申告による時間外労働であると思われます。
 ことし八月から、退勤時にもカードリーダーの操作を開始したため、超過勤務に関する基本的な考え方を周知した昨年度の時点で、カードリーダーを操作した時間ではなく、あくまで自己申告した時間での時間外労働の判断を行うという前提で、必要と考えることを周知したのだと思います。
 多くの病院現場では平均在院日数が短くなってきています。日勤では一日に七人も八人も入院患者さんを受け、そのために二時間から三時間の時間外労働が当たり前になっているという職場も少なくありません。入退院の多い職場では、大幅な増員なしに一人一人の負担軽減は図られないのが実態です。
 厚生労働省が策定した労働時間の適切な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドラインでも、自己申告制の不適正な運用によって、違法な長時間労働や割り増し賃金の未払いが生じることのないように、使用者が講ずべき措置をガイドラインの中で具体的に明らかにしています。
 そこには、自己申告により把握した労働時間と入退場記録が、パソコンの使用時間などから把握した在社時間、病院の滞在時間との間に著しい乖離がある場合には実態調査を実施し、所要の労働時間の補正をすること、使用者は、労働者が自己申告できる時間数の上限を設けるなどの適正な自己申告を阻害する措置を設けてはならないこと、さらに、三六協定の延長することができる時間数を超えて労働しているにもかかわらず、記録上これを守っているようにすることが、労働者などにおいて慣習的に行われていないか確認することとしています。
 中期計画の達成状況及び成果として、職員が働きやすい健全かつ安全な職場環境の整備に努めたとありますが、実態として本当に働きやすくなるかどうかは今後の労働管理にも求められています。
 ガイドラインに沿った労働時間の適切な把握を行うよう求め、質問を終わります。

○伊藤委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○伊藤委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。

○伊藤委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 初めに、第百七十四号議案、第百七十五号議案及び諮問第四号、地方自治法第二百三十一条の三の規定に基づく審査請求に関する諮問についてを一括して議題といたします。
 本案及び本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○藤田委員 私からは、東京都介護医療院の人員、施設及び設備並びに運営の基準に関する条例の一部を改正する条例と、東京都児童相談所条例の一部を改正する条例について意見を述べ、質問を行います。
 介護医療院の人員、施設及び設備並びに運営の基準に関する条例の一部を改正する条例では、現在、介護医療院に移行した病院はまだないというご報告でした。検体検査は精度が大切であり、今回の医療法の改正に伴う条例の変更については、基本的に賛成であります。
 東京都児童相談所条例の一部を改正する条例について質問いたします。
 こちらは、足立児童相談所の仮移転に伴い、住所を変更する条例です。
 現在の足立児童相談所の事務所は、職員六十一名、移転後の席数は八十八席となります。移転後の席数を八十八に決めた根拠は何ですか。現在の職員のうち、児童福祉司の定数は何人で、現員は何人か教えてください。

○谷田少子社会対策部長 足立児童相談所では、一時保護所に従事する職員を除き、平成三十年四月一日時点の常勤職員の定数と非常勤職員の設定数を合わせて六十一名となっており、このうち児童福祉司の定数が二十九名、平成三十年八月一日時点の現員が三十名でございます。
 仮設庁舎への移転後の座席は、国の配置基準、今後の児童相談所の体制強化、執務室のレイアウト等を踏まえ、配置しているところでございます。

○藤田委員 国の配置基準を踏まえということでした。
 現在の児童福祉司の配置基準は、あくまでも最低基準です。国は今後のさらなる見通しも検討されているということから、基準の引き上げに対応できるよう、設備の面においても対応できる環境を整えることを求めます。
 今回は同時に一時保護所の改築も行われます。一時保護所の定員は二十四名から三十二名にふやしていますが、一時保護所の定員を三十二名に決めた根拠はどのようなものですか。

○谷田少子社会対策部長 都はこれまで、一時保護需要の増加に対応するため、一時保護所の定員を、十年前である平成二十年度の百四十四名から、現在の二百十三名まで増員をしてまいりました。
 現在、足立児童相談所の現地建てかえを進めており、今回の仮設建物への移転に当たりまして、定員を二十四名から三十二名に拡大いたします。
 一時保護所の定員につきましては、現在の敷地に建てかえられる児童相談所の延べ床面積等を踏まえまして設定をしているところでございます。

○藤田委員 七月に政府が決定した子供虐待の緊急対策には、子供の安全確保を最優先に、一時保護所や施設入所等を適切に実施する、個別性を尊重した一時保護が行われるよう環境整備を進めるというものがあります。
 現在の実態では、都内の一時保護所は入所率が二〇〇%を超えるところもあります。今回の建てかえで保護所の定員をふやしたことは重要ですが、現状を考えれば、一時保護所のさらなる増設が必要です。
 子供の権利を守る立場での改善を求め、条例案に対する質問を終わります。

○和泉委員 私からは、諮問第四号、地方自治法第二百三十一条の三の規定に基づく審査請求に関する諮問について質疑をいたします。
 この審査請求は、西多摩福祉事務所が行った生活保護費の過支給の返還決定と保護変更決定のうち、返還決定処分の違法、取り消し判決が確定した後に行われた保護変更処分についての督促処分、この取り消しを求める審査請求です。
 返還決定は、生活保護法第六十三条、被保護者が、急迫の場合等において資力があるにもかかわらず、保護を受けたときは、保護に関する費用を支弁した都道府県又は市町村に対して、すみやかに、その受けた保護金品に相当する金額の範囲内において保護の実施機関の定める額を返還しなければいけないという規定に基づいて、そして、保護変更決定は、生活保護法第二十五条の第二項、保護の実施機関は、常に、被保護者の生活状態を調査し、保護の変更を必要とすると認めるときは、速やかに、職権をもつてその決定を行い、書面をもつて、これを被保護者に通知しなければならない、前条第四項の規定は、この場合に準用するという規定に基づいて行われているものです。
 この児童扶養手当の収入認定漏れ、それから冬季加算の削除漏れ、これによって起こった過支給はどういった原因で起こったんでしょうか。

○坂本生活福祉部長 まず、生活保護制度でございますが、最低生活費から就労収入、手当、年金などの収入を収入認定額として差し引いたものを支給しているという制度でございまして、今お話ございました今回の案件でございますが、児童扶養手当の収入認定につきましては、平成二十四年二月に同手当につきまして認定を受けました審査請求人が、西多摩福祉事務所長に対しまして同年二月七日に収入申告を行いまして、本来ですと同年五月から収入認定するものでございましたが、事務手続の漏れによりまして、平成二十五年八月まで認定ができなかったというところでございます。
 また、同じく冬季加算の削除でございますが、冬季加算というのは、毎年十一月から翌年三月までの冬季の暖房費として全ての世帯に計上するものでございまして、通常は翌四月の段階で全てのケースを一括で変更処理を行うものでございますが、事務処理上のふぐあいによりまして、結果として、本件のみ一括変更処理の対象から漏れてしまったというものでございます。

○和泉委員 つまり、児童扶養手当の収入認定漏れ、これは本人から収入の申告があったにもかかわらず、事務手続の漏れによって過支給が起こった。冬季加算の削除漏れについては、本来、システム上、一括して削除されるはずだったのに、なぜかこの人の分だけが削除されていなかった。いずれも行政側のミスだということです。
 大前提として確認しておきたいんですが、一般論として、行政のミスによる結果、受給者が健康で文化的な最低限度を下回る生活をせざるを得なくなる、こういったことはあってはならないのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○坂本生活福祉部長 生活保護制度でございますが、憲法第二十五条の理念に基づきまして、国民に対し最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的としておりまして、同制度によります最低生活費でございますが、これは法令などの定めによりまして適正に算定するものでございます。
 また、福祉事務所の現場では、今回の件もございますが、職員の錯誤等により、過払いや過少支給等の事案が発生していることも事実でございます。
 都といたしましては、適正な保護の実施に向けまして、指導、検査、研修などを通じまして、福祉事務所への指導、支援に努めているところでございます。
 一方、過払いとなりました保護費につきましては、返還の免除が可能な場合を除きまして返還をしていただくというのが原則でございます。ただし、返還に当たりましては、生活実態を踏まえまして、その状況に応じて分割納付を求めるなど、適正に対応するように指導しているところでございます。

○和泉委員 もう一度聞きます。行政のミスによる結果、受給者が健康で文化的な最低限度を下回る生活をせざるを得なくなる、これについて、あってはならないことではありませんかという認識を聞きました。もう一度お答えください。

○坂本生活福祉部長 最低限度を下回る生活があってはならないという話でございますが、基本的に、先ほど申し上げましたが、制度は憲法に基づいて、その制度に基づいて制定されました生活保護法、その他関係政省令に基づきまして算定しているものでございます。
 したがいまして、基本的に全ての国民に対して最低限度の生活という形で、最低生活費を保障するものということでございまして、本来ですと算定に従って、適切に、的確に支給するものというのが認識でございます。

○和泉委員 憲法の定めに従ってということがありました。それは二十五条の、すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する、この部分だと思います。ですから、本来であれば、行政側のミスによってこれを下回るような結果になってはいけないということは改めて確認しておきたいと思います。
 児童扶養手当については、平成二十四年五月から平成二十五年八月までが収入認定漏れ、冬季加算については、平成二十五年四月から同年七月までが削除漏れ、合計で六十七万七千八百円が払い過ぎだったとして、そのうち五十九万一千三百円については生活保護法第六十三条の返還処分、直近の七月、八月分の八万六千五百円については同法第二十五条第二項の保護変更処分を行ったわけです。
 けれども、受給者側は正しく申告しているわけですから、払い過ぎがあるなどとは当然思わず、保護費は既に使ってしまっていました。ですから、過支給分を納入しようと思えば、それ以降に支給される保護費から捻出せざるを得ません。そうなると、健康で文化的な最低限度の生活を下回ることにならないかという問題が生じます。
 まさに先ほど答弁があったように、生活実態を踏まえて、この生活実態を踏まえて決定したかどうかが法第六十三条の返還決定の裁判で争われ、違法、取り消しの判決が確定しています。
 この裁判結果について伺います。
 この裁判において、被告である都の立場の根拠となる主張、これに対して、裁判所はどのような見解を示したんでしょうか。

○坂本生活福祉部長 今お話ございました東京地方裁判所の判決でございますが、平成二十五年八月に西多摩福祉事務所長が行いました生活保護法第六十三条に基づきます生活保護費の返還決定処分について争われたものでございます。
 判決の趣旨でございますが、被保護者の資産や収入等の検討すべき諸事情において具体的な基礎を欠き、判断の過程において考慮すべき事情を考慮していないため、裁量権の逸脱または濫用に当たるとされたものでございます。

○和泉委員 考慮しないため、裁量権の逸脱または濫用に当たると先ほど都は答弁なさいましたけれども、判決文は、考慮しないことにより、その内容が法の目的や社会通念に照らして著しく妥当性を欠くものと認められる、だから、裁量権の範囲を逸脱し、または濫用したものとして違法ということになっているんです。ここをちゃんと正面から受けとめる必要があると思います。
 実際、この裁判の判決に対して、都は控訴しませんでした。これは、都としても、判決の判示のとおり、処分が違法であり、取り消されるべきものであることを認めたということになるんではないでしょうか、いかがですか。

○坂本生活福祉部長 本判決でございますが、私どもとしては判決理由を精査いたしました上で、この生活保護制度そのものが国の法定受託事務でございますので、生活保護法の解釈権を持ちます厚生労働省と鋭意協議をいたしました結果、結果として控訴しないという結論に至りました。
 都といたしましては、判決の趣旨を踏まえまして、法第六十三条に基づきます返還決定に当たりましては、生活実態の把握、制度の説明、自立更生免除等の検討を行いまして、ケース記録などに記載し、適正に事務処理を行うよう、当該西多摩福祉事務所を含め、管内の福祉事務所に対し周知徹底を図ったところでございます。

○和泉委員 法定受託事務である生活保護法の解釈権を持つ厚生労働省と協議したんだというお話でしたけれども、では、厚生労働省がこの処分の違法性を認めたということではないんでしょうか。
 法六十三条返還決定処分についての裁判では、処分を行うことが最低限度の生活を保障する法の趣旨に実質的に反するおそれがあるかどうか、原告及びその世帯の自立を阻害するおそれがあるかについて具体的な検討をした形跡は見当たらないとしています。
 二十五条変更決定の際には、これらの検討をされたんでしょうか。

○坂本生活福祉部長 本件の決定処分でございますが、本件の二十五条の保護決定処分につきましては、法六十三条に基づきます返還決定処分とは異なりまして、通常の事務処理によります保護変更決定処分でございます。
 通常どおり、法二十五条第二項及び実施要領等の国の通知の定めに基づきまして決定したものでございます。

○和泉委員 もう一度お答え願います。
 法二十五条による保護変更決定処分をするときに、その処分をすることで被保護者の生活がどうなるか、実質的に法の趣旨に反するおそれがあるかどうか、世帯の自立を阻害するおそれがあるかどうか、この具体的な検討はされましたか。

○坂本生活福祉部長 今回の決定でございますが、先ほどお話ございましたが、通常、保護の変更決定処分というのは、あらゆる収入認定によって行うものでございます。
 法六十三条につきましては、現行の国の取り扱い上は、通常、前々月、三カ月までは遡及できるというふうな規定になっておりまして、それ以前のものについては、法六十三条によります返還決定処分というのが現行の規定でございます。
 本件につきましては、先ほどご説明申し上げましたように、収入認定漏れというものがございましたが、収入認定漏れに気がついた時点におきまして、その時点においてさかのぼれるのが二カ月前までだということがございましたので、通常の、その時点において収入認定ができるという、二カ月前にさかのぼって決定したものでございます。

○和泉委員 要するに、検討していないんです。ケース記録にも、法六十三条の適用とは別に二十五条の適用について検討したという形跡はありません。同じく裁判では、生活保護費の過支給は、専ら福祉事務所の誤りにより生じたとしていますが、この点について、二十五条保護変更処分においても同様の事由により過支給が生じたものだと思いますが、いかがですか。

○坂本生活福祉部長 今のお話でございますが、確かに、今回の収入認定を行った時点については、法六十三条決定処分と、法二十五条に基づきます変更決定処分につきまして同じ時期に行ったことは事実でございます。
 しかしながら、根拠法令が、法六十三条と二十五条では違いますし、また、それに基づきます勘案すべき事案についても異なるところでございますので、今回の審査でお願いしております、もとの処分となりました二十五条の変更決定処分は、通常の収入認定変更に伴う遡及事務として決定したものでございます。

○和泉委員 行政側のミスという同一事由に基づく一連の過支給なんです。それを別々に決定処分したわけですけれども、この裁判の判決を正面から受けとめれば、当然、同一の事案として、保護変更決定についても取り消すべきだと考えますが、都が変更決定を取り消さない理由は何なんでしょうか。

○坂本生活福祉部長 保護変更決定を取り消さないということでございますが、私どもといたしましては、通常、こういった場合においては、法六十三条に基づく返還決定と、法二十五条に基づきます遡及の変更については別々に行うのが通例でございますので、私どもとしては通常の事務処理を行ったというところでございます。

○和泉委員 別々の処分だということを繰り返されているわけですけれども、そうしますと、なぜ法六十三条返還決定に係る審査請求、再審査請求、裁判、その最中に、返還決定と同時に行われた、この法二十五条変更処分に係る督促を行わなかったんでしょうか。

○坂本生活福祉部長 西多摩福祉事務所におけます生活保護法の返還金、徴収金、未収金につきましては、福祉保健局債権管理事務処理要綱に基づきまして、生活保護費返還金等滞納整理事務処理マニュアルを定めております。これに基づきまして督促等の手続を行っているところでございます。
 本マニュアルでは、納付期限を経過し、かつ督促状未発行のものを確認した上で直ちに督促状を発行するとしておりまして、通常は、お話のように納期後速やかに督促状を発行し、返還金等の納付を求めております。
 本事案でございますが、同時期に、今お話ございました法六十三条に基づきます返還決定処分に対しまして審査請求等の提起が行われておりまして、係争の相手方となったことから、当面の間、督促状の発行を控えたというものでございます。

○和泉委員 答弁が矛盾しているんじゃないでしょうか。ご答弁にあったように、納付期限経過後二十日以内に督促するというふうになっているわけです。繰り返し都がご答弁なさっているように、六十三条の返還と二十五条の保護変更決定はまるっきり別のものなんだと、別の条文に基づいて行った別々の行政処分なんだということですけれども、だとしたら、このマニュアルに沿って督促するのは当然なんじゃないかと思うんです。
 二十日以内に督促するというふうに規定している条例及び福祉保健局債権管理事務処理要綱に従って督促を行うはずだというふうに私思うんです。そうしていないのは、裁判が法二十五条の保護変更にも影響すると、都としても考えていたということではないんですか。別の処分だと答弁されましたけれども、同一の事由によって起こった過支給です。そして、先ほど答弁あったとおり、同日に決定されているものです。
 生活保護手帳の別冊問答集によれば、保護変更決定をさかのぼって行った平成二十五年七月分、八月分についても、法六十三条返還処分は可能なはずです。それにもかかわらず、生活保護法第六十三条に基づく返還決定と、二十五条保護変更処分とに分けて、別々の処分とした理由は何なんでしょうか。
 どのような根拠に基づいて行われたのか伺います。

○坂本生活福祉部長 別々になぜ処分を行ったかというお話でございますが、基本的に、生活保護法第六十三条の適用できる範囲というのが定められておりまして、この範囲を超えた部分について、今回、通常の事務処理として保護変更決定処分を遡及して行ったというものでございます。
 確かに委員がおっしゃいますとおり、現行の問答におきましても、六十三条の適用が同時にできるという記載はございますが、あくまで、できる規定でございまして、私どもとしては、今回の決定については別々に処理をするのが適正な処理であるというふうに考えて行ったものでございます。

○和泉委員 答えになっていません。今、答弁なさったじゃないですか。法六十三条でできるんですよ。にもかかわらず、二十五条とに分けた理由は何ですか、根拠は何なんですかとお聞きしました。もう一度お答えください。

○坂本生活福祉部長 私どもの事務処理に当たりましては、保護の実施要領、それから、別冊問答等の通知を参考にしながら、これに従って行うものでございます。
 今お話しの記載に関しましては、あくまで、できる規定としてやっているものでございます。したがいまして、今回の内容につきましては、法六十三条の適用については、過去の支給分として返還いただく部分について返還決定を行ったということでございますし、二十五条に基づきます、いわゆる収入認定変更については、通常、収入認定については、その当時ですと二カ月前まで、現在ですと三カ月前まで遡及することができますので、これはそういった形でやることが適正であるというふうに福祉事務所長が判断し行ったものでございます。

○和泉委員 結局、答えになっていないんですよ。明確な根拠が示されないんです。
 法二十五条にしても国の通知にしても、二つに分けなければならないということを書いているわけではありません。むしろ、先ほどいった生活保護の別冊問答集では、六十三条の規定による返還として決定しても差し支えないと書いてあります。それは先ほども答弁ありました。
 ケース記録を見ますと、これ、ケース記録、裁判で東京都が提出したものですけれども、児童扶養手当の過支給も冬季加算の削除漏れも、システムでさかのぼれる前月、当月については保護変更決定、システムで変更できないそれ以前の分については返還決定という趣旨の記載があるわけです。あくまで、システム上さかのぼれるか否かということで処分を分けたということなんですよ。
 同一の過支給に対して六十三条と二十五条に分けて、別々に行政処分を行わなければならないような法令上の明確な根拠はないということではないんでしょうか。
 六十三条を適用するか二十五条を適用するかで違法かどうかが分かれるほどの違いがあるなら、別冊問答集にも留意点として書かれているはずだと思います。単に差し支えないと書いてあるだけで、実際にはそんなことは書いてありません。原因も同一の事実であり、目的も同じです。そうであれば、違法かどうかの判断も同一と考えるべきじゃないんでしょうか。
 そして、都は、二十五条に基づく保護変更処分と督促も別だとしていますけれども、保護変更処分がなければ督促もないわけですから、前者が違法なら、その違法性は承継されると考えるべきです。
 請求人は、元夫の暴力から逃れ、生活保護を受けながら子供さんと二人で暮らしてきました。平成二十三年十二月に正式に離婚が決定するまで、どれほどの恐怖や不安を抱えていたことでしょうか。このような状況のシングルマザーが精神的に追い詰められていたであろうことも容易に想像することができます。
 保護変更決定による返納分八万六千五百円をもし分納で返そうとしたら、毎月三千円ずつ返しても二年五カ月、二千円ずつなら三年八カ月かかります。本人に過失がないにもかかわらず、最低限度の生活を保障する保護費から払い続けることは、まさに判決の判示と同様に、法の目的や社会通念に照らして、著しく妥当性を欠く決定だと思います。
 よって、都は、督促を取り消すべきであり、当該審査請求を却下することには反対を強く主張して、質問を終わります。

○伊藤委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案及び本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○伊藤委員長 異議なしと認め、本案及び本件に対する質疑は終了いたしました。

○伊藤委員長 次に、議員提出議案第十八号を議題といたします。
 本案について提出者の説明を求めます。

○和泉委員 東京都マタニティパスの交付等の助成に関する条例について、提案の理由を説明させていただきます。
 目黒の児童虐待死事件は、社会に大きな衝撃を与えました。五歳の少女の懸命な訴えに多くの人が胸を痛め、涙しました。虐待によって幼い命が奪われることのないように、さまざまな角度からの施策の強化が必要です。
 また、望まない妊娠や従来の妊娠などによる未受診妊婦の問題、分娩の費用や、生活の困窮や困難が若い親たちを追い詰め、それが児童虐待の引き金になっているケースは少なくありません。
 また、核家族化や近所づき合いの希薄化などによる子育ての孤立化なども子育ての難しさにつながっています。
 私の地元葛飾区では、妊娠をお祝いし、産婦人科等への通院及び日常生活における外出を支援することを目的に、マタニティパスの交付事業を行っています。そして、妊娠届の提出を促し、東京都のゆりかご・とうきょう事業を活用した妊婦面談、ゆりかご面接へとつなげています。この制度を東京都で実施したいと思い、条例案をつくりました。
 全ての子供が社会に祝福されて生まれてきてほしい、そして、お母さんたちの不安に寄り添い、あなたは頑張っているよという応援のメッセージにしたい、さらには、何か心配なことがあったら、いつでも役所を頼っていいんだと思ってほしい、そんな思いをこの条例案に込めました。
 条例案の内容は、母子健康手帳の交付を受けて一年を経過していない妊婦、産婦に、五千五百円分がチャージされた交通ICカード、いわゆるマタニティパスを交付する区市町村に対して、都がその経費を全額補助するというものです。
 施行日は二〇一九年四月一日を予定しています。
 なお、この条例の実施に必要な費用は七億円を見込んでいます。
 説明は以上です。ご審議のほどよろしくお願いいたします。

○伊藤委員長 説明は終わりました。
 これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○伊藤委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○伊藤委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で福祉保健局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時二分散会

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