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Tokyo Metropolitan Assembly

厚生委員会速記録第六号

平成三十年六月七日(木曜日)
第七委員会室
午後一時三十分開議
出席委員 十四名
委員長伊藤こういち君
副委員長桐山ひとみ君
副委員長和泉なおみ君
理事加藤 雅之君
理事小宮あんり君
理事山内  晃君
古城まさお君
藤田りょうこ君
龍円あいり君
鳥居こうすけ君
つじの栄作君
高橋 信博君
岡本こうき君
鈴木 章浩君

欠席委員 なし

出席説明員
福祉保健局局長梶原  洋君
次長理事兼務松川 桂子君
技監矢内真理子君
総務部長後藤 啓志君
指導監査部長村田 由佳君
医療政策部長矢沢 知子君
保健政策部長成田 友代君
生活福祉部長坂本 尚史君
高齢社会対策部長粉川 貴司君
少子社会対策部長谷田  治君
障害者施策推進部長松山 祐一君
健康安全部長高橋 博則君
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務奈良部瑞枝君
事業推進担当部長古賀 元浩君
医療改革推進担当部長田中 敦子君
医療政策担当部長花本 由紀君
地域保健担当部長本多由紀子君
事業調整担当部長横手裕三子君
子供・子育て施策推進担当部長加藤 みほ君
障害者医療担当部長石黒 雅浩君
食品医薬品安全担当部長野口 俊久君
感染症危機管理担当部長吉田 道彦君
病院経営本部本部長内藤  淳君
経営企画部長児玉英一郎君
サービス推進部長山口  真君
経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務樋口 隆之君
計画調整担当部長末村 智子君

本日の会議に付した事件
理事の互選
陳情の取り下げについて
病院経営本部関係
請願の審査
(1)三〇第二号 都立病院の地方独立行政法人化の検討をやめ、直営で充実させることに関する請願
福祉保健局関係
第二回定例会提出予定案件について(説明)
・東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例
・東京都病院及び診療所の人員、施設等の基準に関する条例の一部を改正する条例
・東京都国民健康保険財政安定化基金条例の一部を改正する条例
・東京都女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例
・東京都障害者への理解促進及び差別解消の推進に関する条例
・旅館業法施行条例の一部を改正する条例
・公衆浴場の設置場所の配置及び衛生措置等の基準に関する条例の一部を改正する条例
・東京都受動喫煙防止条例
陳情の審査
(1)三〇第二号 動物の愛護及び管理に関する法律の罰則を大幅に強化することに関する陳情
(2)三〇第八号 別居・離婚後の子どもの共同養育に対する公的支援に関する陳情
(3)三〇第九号 別居・離婚後の子どもの共同養育支援の法整備に関する陳情
(4)三〇第二〇号の一 児童虐待及び虐待死の根絶に関する陳情

○伊藤委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 傍聴人の数についてお諮りいたします。
 本委員会室の定員は二十名でありますが、傍聴希望者が定員以上でございますので、さらに二十名を追加したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○伊藤委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○伊藤委員長 初めに、委員の所属変更について申し上げます。
 議長から、去る五月一日付けをもって、当委員会から遠藤守議員が公営企業委員会に、五月二十九日付けをもって、舟坂ちかお議員が経済・港湾委員会に所属変更になり、新たに加藤雅之議員が公営企業委員会から、鈴木章浩議員が経済・港湾委員会から当委員会に所属変更になった旨の通知がありましたので、ご報告いたします。
 この際、新任の加藤雅之委員及び鈴木章浩委員をご紹介いたします。

○加藤委員 加藤雅之です。どうかよろしくお願いします。

○鈴木委員 鈴木章浩です。どうぞよろしくお願いいたします。

○伊藤委員長 紹介は終わりました。

○伊藤委員長 次に、遠藤守議員の所属変更に伴い、理事一名が欠員となりましたので、これより理事の互選を行います。
 互選の方法はいかがいたしましょうか。

○岡本委員 委員長の指名推選の方法によることとし、直ちに指名していただきたいと思います。

○伊藤委員長 ただいまの動議にご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○伊藤委員長 異議なしと認めます。よって、理事には加藤雅之委員をご指名申し上げます。これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○伊藤委員長 異議なしと認めます。理事には加藤雅之委員が当選されました。

○伊藤委員長 次に、議席についてお諮りいたします。
 議席については、ただいまご着席のとおりといたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○伊藤委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○伊藤委員長 次に、本委員会の担当書記に交代がありましたので、紹介いたします。
 議事課の担当書記の小島作知君です。
 議案法制課の担当書記の吉田瑛爾君です。
 よろしくお願いいたします。
   〔書記挨拶〕

○伊藤委員長 次に、陳情の取り下げについて申し上げます。
 お手元配布のとおり、二九第一二九号、東京二〇二〇大会に向けた路上喫煙対策の実施に関する陳情につきましては、議長から取り下げを許可した旨の通知がありました。ご了承願います。

○伊藤委員長 次に、本委員会の会期中の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、福祉保健局関係の第二回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取並びに病院経営本部及び福祉保健局関係の請願陳情の審査を行います。
 なお、提出予定案件につきましては、本日は説明を聴取した後、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いたいと思います。ご了承願います。
 これより病院経営本部関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、幹部職員に交代がありましたので、内藤病院経営本部長より紹介があります。

○内藤病院経営本部長 四月一日付け、当本部の幹部職員に異動がございましたので、ご紹介をさせていただきます。
 サービス推進部長の山口真でございます。経営戦略担当部長でオリンピック・パラリンピック調整担当部長を兼務いたします樋口隆之でございます。
 どうぞよろしくお願いいたします。
   〔理事者挨拶〕

○伊藤委員長 紹介は終わりました。

○伊藤委員長 これより請願の審査を行います。
 請願三〇第二号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○児玉経営企画部長 それでは、お手元の資料、厚生委員会付託請願審査説明表を二枚おめくりいただき、一ページをお開き願います。
 整理番号1、請願三〇第二号についてご説明申し上げます。
 この請願は、豊島区の都立病院の充実を求める連絡会代表世話人の氏家祥夫さん外二万六千百七十人の方々から提出されたものでございます。
 請願の要旨は、都において次のことを実現していただきたいとしまして、第一に、都立病院の地方独立行政法人化をやめ、直営を堅持すること、第二に、都立病院に予算を投入し、患者負担を減らすことというものでございます。
 現在の状況についてご説明いたします。
 まず、第一についてでございますが、都立病院では、災害医療や感染症医療など、行政の積極的な関与が期待される医療、難病医療や精神科身体合併症医療など、採算の確保が難しい医療及び一般医療機関では対応困難な医療などを行政的医療と位置づけ、その提供を基本的役割としております。
 また、地域医療構想に基づき、誰もが住みなれた地域で安心して医療を受けられるよう、地域医療の充実に貢献する役割も担ってまいります。
 こうした役割を将来にわたり安定的に果たしていくためには、効果的、効率的な運営のあり方について不断に検証することが必要でございます。
 経営形態のあり方につきましては、病院現場の運営実態を踏まえ、丁寧に検討していくこととしております。
 次に、第二についてでございますが、我が国の医療制度は、誰もが一定の自己負担で医療を受けることができる国民皆保険制度であり、これを基盤としつつ、公費負担医療制度などにより負担軽減が図られております。
 都立病院は、保険医療機関として、健康保険法を初めとした各種法令や、東京都立病院条例等に基づき、患者から適正な額の自己負担を徴収しております。
 以上、簡単ではございますが、説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○伊藤委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○鳥居委員 都立病院の一般地方独立行政法人化について質問します。
 都立病院経営委員会報告が出されました。その内容は、都立病院が行政的医療の中核を担っていることが評価されるとともに、新たな役割として、地域医療の充実に一層貢献することが求められているとあります。そして、この役割を果たすためには、より柔軟な経営形態である一般地方独立行政法人への移行について検討すべきとされました。
 この提言を受け、都は、本年三月に策定された都立病院新改革実行プラン二〇一八において経営形態のあり方を検討していくとあります。
 私は、民間企業での経験を長くさせていただきました。民間企業においては、持続性、発展性を視座に企業が果たすべき役割を果たし、その企業の存在意義を創出していくことが必要であると認識いたします。この点からも、変化を伴う改良、改善の声にはしっかりと耳を傾けることが必要であります。
 一方、都立病院の役割には、地域医療の充実とともに、急性医療や周産期医療など、いわゆる行政的医療を安定的かつ効率的に提供し、民間医療機関では対応困難な医療に率先して取り組む必要もございます。
 都立病院の一般地方独立行政法人化による経営形態の検討に当たっては、その必要性を判断できる客観的な事実からの解析も肝要と考えます。
 まずは、全国の自治体病院における経営形態の見直し状況について伺います。

○末村計画調整担当部長 自治体病院の経営形態の見直しでございますが、平成二十一年度から平成二十七年度までの六年間で、都立病院と同じ地方公営企業法一部適用について、五百三十八病院から三百六十九病院へと百六十九病院が減少しております。
 また、同法の全部適用が三百二十二病院から三百六十五病院へと四十三病院が増加するほか、指定管理者が五十六病院から七十八病院へと二十二病院、地方独立行政法人が二十一病院から八十一病院へと六十病院それぞれ増加しております。

○鳥居委員 全国で経営形態の見直しが進められているということはわかりました。
 一方、東京は、全国とは医療機関の集積状況や人口の過密状況なども異なります。東京の実情を踏まえ、よりよい経営のあり方を検討すべきです。
 都民の皆様の関心事は、都立病院がその存在意義である役割を果たせるかと考えます。
 そこで、都民と患者の視点から見て、現在の病院運営にはどのような課題があるのかを伺います。

○末村計画調整担当部長 一例でございますが、高齢化に伴い、人工透析や糖尿病など、慢性疾患を抱える患者が、がんや脳卒中などの急性期疾患を併発するといった、いわゆる合併症の患者が増加していることから、複数の専門医や医療職が総合的に医療を提供する体制が一層求められております。
 また、地域における医療需要の一層の増加が見込まれる中、地域医療を支える多様な事業主体との人材交流が求められております。
 こうした都民の医療ニーズの変化に的確に応えていくためには、必要な専門人材や医療設備などの体制を迅速、柔軟に整備する必要がございます。
 しかし、現状では、人材確保や、予算、契約などにおけます年度主義や、他の医療機関等との兼業の禁止など、制度面の制約がございまして、都民や患者のニーズに迅速に対応することが難しいといった課題がございます。

○鳥居委員 都民ニーズの変化に応じて医療提供体制を迅速、柔軟に整備する必要性がございます。
 現状では、人材確保や、予算、契約などにおける年度主義、他の医療機関等との兼業禁止など、制度面の制約があり、都民や患者のニーズに迅速に対応することが難しいといった課題があることを報告いただきました。
 その課題に対して、都立病院経営委員会報告では、どのような理由で、一般地方独立行政法人が最も適切であるとされたのかを伺います。

○末村計画調整担当部長 地方独立行政法人は、公共的な事業を効果的、効率的に行うことを目的とする制度でございます。
 経営委員会報告では、病院現場の実情に合った適切かつ迅速な人員配置や人材確保、予算単年度主義にとらわれない多様な契約手法が可能になるなど、行政的医療の提供や、地域医療の充実への貢献という都民のニーズに迅速に応えるために最もふさわしい経営形態であることが示されました。
 こうした報告も踏まえ、都では、病院現場の運営実態に照らし、さまざまな経営形態についてメリットやデメリットを検証しております。

○鳥居委員 高齢化が進み、医療環境が大きく変わりつつある中で、時流の変化に応じた対応は肝要と考えます。
 都がこの機会にさまざまな経営形態について検証を進めていくこと、そして、病院現場の実情に向き合い、多様な契約手法による事業の効率化を行うことは理解できます。
 一方、第三者機関である都立病院経営委員会の報告に対して、都立病院全てのベクトルがそろわなければ成果は得られません。本件については、都立病院内の自助努力も必要な案件でございます。
 今後、都立病院がその役割を果たしていくためにも、病院で働く職員にしっかりと説明し、理解を得られるよう努めていただくことが重要です。
 また、検討に際しては、スピード感を持って、病院現場とともにさまざまな経営形態についてメリット、デメリットの検証を進めていただきたいと考えます。
 また、採算性の低い診療部門の再検討や削除のためであると誤解されないよう、検討の節目には、都民にわかりやすく見える化をお願いし、私の質問を終わります。

○加藤委員 都議会公明党は、先日、既に地方独立行政法人化された病院を訪問し、関係者の方々からヒアリングを行いました。そして、独法前と後でどのような変化があったかなどについて調査を行ってまいりました。そうしたことも踏まえまして、何点か質問したいと思います。
 初めに、今回議題となっている請願は、都立病院経営委員会での独立行政法人化の検討もやめるべきだとの主張でありますが、独法化の是非はともかくとして、経営形態の一つである地方独立行政法人化について、メリット、デメリット両面あると思いますが、検討もすべきでないというのは、率直にいってどうなのかなというふうに思いました。
 それは、毎年、都立病院の赤字を埋めるのに四百億円もの都税を投入しており、この負担をどう減らしていくか、経営形態も含め、あらゆる観点から検討するということは大切だと思います。さらに予算を投入して患者負担を減らすべしという気持ちもわかりますけれども、その前にしっかりと赤字の原因を検証し、対策を考えることが大事だと思います。
 経営委員会の報告では、病床利用率も減少しております。
 余談ですけれども、先日、ある地域の中核的な民間病院の院長先生と懇談した折に、民間と比べて都立の病床利用率が低いと驚いておりました。民間なら、病床利用率をもっと上げて収入をふやすというのが普通というか、むしろ、そうせざるを得ないというふうに話しておられました。
 民間と都立の役割や構造は同じでないのはいうまでもありません。行政的医療を行うという使命が都立病院にはあります。例えば、私の地元の墨東病院では、東部医療圏の唯一の救命救急を提供する病院として東京ERがあり、都民の最後のとりでとなっており、大変助かっております。
 また、現在の都立病院は、民間医療機関等との連携と役割分担のもとで、さまざまな特色ある医療を提供しています。
 そこでまず、改めて、都立病院が担うべき役割について伺います。

○樋口経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都立病院はこれまでも、高水準で専門性の高い総合診療基盤に支えられました行政的医療を適正に都民に提供し、他の医療機関等との適切な役割分担と密接な連携を通じまして、都における良質な医療サービスの確保を図ることを基本的役割としてまいりました。
 例えば、今お話しの墨東病院では、高度救命救急センターや地域災害拠点中核病院としての体制を整備するなど、区東部地域におきます高度専門医療の拠点としての役割を果たしてございます。
 このように、都立病院は、都の医療提供におきまして重要な機能を果たしていると認識してございます。
 また、超高齢社会を迎えまして、今後、医療提供のあり方が病院完結型から地域完結型に転換が図られる中、今般作成させていただきました都立病院新改革実行プラン二〇一八におきまして、地域の医療提供体制が確実に整えられていくよう、地域医療の充実に貢献することを都立病院の新たな役割として掲げたところでございます。
 都立病院は、今後、この二つの役割を担い、東京の医療の充実に率先して取り組んでまいります。

○加藤委員 こうした都立病院の役割については、将来にわたって堅持し果たしていくべきであり、都民に必要な医療が絶対後退することがあってはならないと考えますが、その点について見解を伺います。

○樋口経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 今後、さらなる高齢化の進展に伴います疾病構造の変化や診療報酬の見直しなど、病院運営を取り巻く環境が厳しさを増す中におきましても、将来にわたり誰もが安心して医療を受けられる環境を確保することが必要でございます。
 こうした認識に基づきまして、都立病院がその基本的役割であります行政的医療を安定的かつ継続的に提供するため、医療ニーズや医療の高度化などの動向に確実に対応してまいります。
 また、都立病院の有する医療機能や人的資源などを最大限活用し、地域の医療人材の育成を支援するなど、地域医療の基盤づくりに貢献するとともに、各病院がそれぞれの状況に応じまして、地域医療連携のモデルとなる取り組みを実施してまいります。
 こうした地域医療の充実への貢献という新たな役割を果たしていくことで、東京の医療が一層充実発展するよう総力を挙げて取り組んでまいります。
 プランにおきましても、こうした取り組みを明確にお示し申し上げたところでございます。

○加藤委員 請願では、都立病院が独法化されることで、採算性の低い診療部門の再検討、削減などの懸念が示されています。
 行政的医療を引き続き行っていくには、財政的な担保がやはり必要であると思いますが、国の独立行政法人である国立病院機構への法人運営費交付金が段階的に削減されたことを見ると心配になります。
 そこで、地方独立行政法人における採算性の低い医療への財源措置について伺います。

○末村計画調整担当部長 国の独立行政法人と地方独立行政法人では、根拠法令や財源措置等の仕組みが異なっております。
 具体的には、国立病院機構につきましては、独立行政法人通則法によりまして、予算の範囲内で業務に必要な金額の全部または一部を交付できると定められております。
 一方、病院事業を実施する場合に適用されます公営企業型地方独立行政法人は、現行の都立病院と同様に、採算の確保が困難な医療などに係る経費につきまして、設立団体が経費を負担することが法定されていることから、国の独立行政法人のような一律な財源措置の削減はなじまない制度でございます。
 したがいまして、都立病院が地方独立行政法人に移行した場合にも、行政的医療の提供に係る必要な経費は引き続き都が負担していくものでございます。

○加藤委員 地方独法の場合は、国と違って、必要な経費は都が負担するということが確認できました。
 ちなみに、全国に百四十三病院を擁する国立病院機構は、独法前は国の特別会計からお金を投入しており、独法移行時には承継した長期債務残高は七千四百七十一億円もあったそうです。その後、さまざまな改革や柔軟な経営を行った結果、二〇一六年度末の債務残高は大きく減少したというふうにお聞きしております。
 次に、請願では、都立病院が地方独立行政法人化されることで病院規模の縮小も懸念しております。
 現在、地域医療構想や公立病院改革により、地域にふさわしい医療提供体制への見直しが進められていると思いますが、実態について伺います。

○末村計画調整担当部長 公立病院の病床数の見直しでございますが、経営形態にかかわらず、地域の実情に応じた適切な医療提供体制の再構築が全国で進められているものと認識をしております。
 全国の地方自治体の病院に対し、平成十九年に国が示した公立病院改革ガイドラインに基づき、病院の再編ネットワーク化につきまして検討が求められ、平成二十五年度までに六十五事例の再編等が進められました。
 そのうち、地方独立行政法人への移行に当たり、病床数の縮小を伴う事例が六事例、増加した事例が一事例、変動がなかった事例が二事例でございました。
 病床数縮小の理由としては、人口の減少や医療の高度化に伴う入院期間の短縮等によりまして患者数が減少したことなどが挙げられてございます。

○加藤委員 病床数の縮小というのは、人口減など、地域の実情によるところが大きいということですけれども、いずれにしましても、行政的医療を継続的、安定的に提供していくということが大切であり、そのためには、どのような形態であっても、都としての関与が必要と考えます。
 そこで、地方独立行政法人制度の場合、設立団体の関与はどこまでできるのか、どのようなものか伺います。

○末村計画調整担当部長 地方独立行政法人法では、公営企業型地方独立行政法人が達成すべき住民サービスや業務改善等に関する中期目標について、議会の議決を経て知事が定めることとされております。
 また、法人は、中期目標を達成するため、住民サービス、収支計画、料金などを中期計画として策定し、議会の議決を経て知事の認可を受ける必要がございます。
 さらに、各事業年度及び中期計画終了時に、法人の業務実績につきまして評価委員会の意見を聞いて知事が評価を行い、議会に報告することとされてございます。
 このほか、都が行政的医療などの経費について行う財源措置につきましても、毎年度議会の予算審議の関与がございます。

○加藤委員 都議会としても、中期計画や財源負担についても議会審議で関与していくということでありますが、この点については、どこまで今後といいますか、そうなったときに関与できるかなど、また、今後議論したいと思います。
 最後に、請願では、患者負担増の懸念をされております。医療保険が適用される部分については、国において診療報酬が定められているため、仮に地方独立行政法人となった場合でも患者負担がふえることはないと思いますが、医療保険が適用されない有料個室等の使用料負担に対してはどうなのか、都としての見解を伺います。

○山口サービス推進部長 有料個室などの使用料につきましては、健康保険法に基づき、患者みずからが希望した場合に徴収しているものでございます。
 このため、受益者負担の原則に基づきまして、そのサービス対価は利用者が負担するというのが基本的な考え方でございます。
 これまでも、一定期間ごとに適正な使用料であるか検証を行い、必要に応じて改定を行ってきたところでございまして、今後とも、経営形態のいかんにかかわらず、適正な使用料を利用者に負担していただくことに変わりはございません。

○加藤委員 経営形態にかかわらず、今後も、適正な使用料負担をお願いするということを確認いたしました。
 以上、何点かの懸念される事項につきまして確認をさせていただきました。
 私の地元墨田では、先ほどもいいましたように墨東病院がありますので、この都立病院の民営化によって患者負担がアップするとか、また、お金がないと医療を受けられないと、そういった情報が流れて心配しているということも聞いております。
 都としては、今後も、都立病院新改革実行プラン二〇一八に基づき、都民の安全・安心を支えるために全力を尽くしていただくことを要望して、質問を終わります。

○藤田委員 私からも質問させていただきます。
 ことし一月に行われた都立病院経営委員会にて、四百億円という莫大な金額が、なぜ都民の間で問題になってこなかったのかという発言がありました。
 五年前に病院経営本部が行った調査では、都立病院に対しての都税投入を都民はむしろ前向きに捉えた回答をしています。
 二〇一三年に行った都立病院に関するアンケート調査(都民)の結果についてもう一度確認いたします。都立病院に対して、平成二十三年度都税収入の一%程度(約四百億円)を受け入れることについてどのように思いますかという問いに対しての結果です。どのような項目が何%ずつであったか確認いたします。

○樋口経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 平成二十四年度に実施いたしました都立病院に関するアンケート調査は、災害医療や救急医療など、一般の医療機関では経費面等で対応困難とされる医療に対する都税収入の受け入れについての考えを質問したものでございます。
 これに対しまして、都立病院の医療を充実させるために、もっと積極的に都税を受け入れてもよいが三四・二%、現在の医療提供体制を維持するために、現状程度の都税受け入れは必要であるが三一・二%、経営努力等による見直しを図るべきだが、一定程度の都税受け入れはやむを得ないが三三・〇%でございました。

○藤田委員 では、このアンケート結果を病院経営本部としてはどのように受けとめていらっしゃるでしょうか。

○樋口経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 災害医療や救急医療など、行政的医療の提供におきましては採算確保が困難な面もございます。
 一般会計から適正な負担を得ることには、都民から一定の理解を得ているものと考えてございます。
 一方、三三%の方が経営努力等による見直しは図るべきというご意見であったように、都立病院の運営に当たりましては、最少の経費で最大の効果が得られるよう、現状に甘んじることなく、みずからの経営努力を尽くす必要があると受けとめてございます。

○藤田委員 約三割の方が経営努力などによる見直しをいっていますが、それでも都税受け入れはやむを得ないといっています。この部分を除いたとしても、六五%以上の都民は約四百億円の都税導入が必要であると評価し、さらなる医療の充実を求めているのだと受けとめるべきではないでしょうか。
 今回、請願署名を提出した連絡会は、こうした都民の声を代表して都議会へ届けてくれています。五月末までに集められた署名は、約四カ月間という短い期間に二万六千人分以上になり、締め切った後でもまだ届いているそうです。多くの都民が都立病院は都立直営で守ってほしいということと受けとめています。
 都立病院の門前で署名を集めている方の話では、都立病院が都立でなくなってしまえば、患者の自己負担がふえてかかれなくなってしまうという声や、難病患者の管理についても都がきちんと行ってほしい、独法化すると無駄がなくなるというが本当にそうなのか疑問、独法化には反対だという声など、都立でなくなってしまうことへの不安を多く聞いたとのことでした。
 小池都知事は、一月十九日の記者会見で、独法化云々につきましても、これについては、一つのまずはご意見が出ているということを踏まえながら、都民の皆さんからもさまざまなご意見をいただいて、改めて都として検討をしてまいりたいと発言しています。
 東京都は、都立病院新改革実行プラン二〇一八素案に対するパブリックコメントを二月二十六日から三月十六日まで行いましたが、これに対して幾つの意見が寄せられましたか、また、独法化に賛成する声はありましたか。

○樋口経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都立病院新改革実行プラン二〇一八は、公立病院としての役割を将来にわたり安定的に果たしていくため、今後の都立病院の担うべき役割や、持続可能な病院運営を実現するための改革の道筋を示した計画でございます。
 本プランの素案に対するご意見といたしまして、百六十一名の方から、医療機能や患者サービスの向上など、二百二十八件の意見をいただいたところでございますが、経営形態のあり方の検討を特段に取り上げて賛成される意見はございませんでした。
 これに対しまして、経営形態のあり方の検討に関する主な意見といたしまして、地方独立行政法人化により採算重視となり行政的医療が維持できなくなるというご不安や、個室料金の値上げにより患者負担が増加するというご懸念などでございました。
 ただし、こうしたご不安やご懸念は、今申し上げました公立病院として果たすべき役割を将来にわたり安定的に果たすという本プランの基本的な考え方や、取り組みの方向性などについての説明が十分でないことにより生じたものも多いのではないかと考えてございます。
 今後、都民の方々に理解していただくよう、丁寧に説明をしていきたいと考えてございます。

○藤田委員 都民から独法化を求める声は出ていないということです。
 パブリックコメントの行政的医療が維持できなくなるという不安は当然の意見で、正しく理解しているから出ているものだと思います。
 実行プランでは、一般地方独立行政法人を含めた各経営形態の検証を行い、経営形態のあり方についても二〇二三年度までに検討するということを挙げています。検証の結果によっては都立ではなくなってしまうという不安なのです。
 独法化をすれば、経済性の発揮、独立採算性が強く求められます。診療報酬が低く抑えられている中で病院収益を上げるためには、入院期間を短くしながら、ベッドをできるだけあけないように効率よく利用することが求められます。
 しかし、採算重視で、業務量に見合った職員配置がされなければ、医療労働者、とりわけ医者と看護師への労働強化につながり、夜勤も含めた長時間過密労働から働き続けることが難しい環境へとつながります。
 さらに、純粋な診療報酬のみでは、行政的医療は到底成り立たないものになっているため、収益改善のために差額ベッド代などの患者負担の増加や、不採算医療の削減という形で受けられる医療に影響が出るのではないかと心配しているのです。
 東京都は、独法化しても行政的医療についての一般会計による負担は今と同様の仕組みになっている、経営形態のあり方の検討は行政的医療を安定的に提供するためのものだという趣旨のことをパブリックコメントへの回答などで述べていますが、実際に独法化した病院では、不採算医療を担う病床が削減されています。
 都立病院として唯一、二〇〇九年に独立行政法人化した健康長寿医療センターは、独法化に当たって、病床を九十床削減しました。減った病床は、リハビリテーション科、内分泌科、神経内科、精神科、つまり、ベッド回転が低く入院期間が長い、不採算医療を担う病床が削減されたのです。さらに、新病院になる際も十九床のベッド削減を行っており、議会の十分な検証ができなくなった独立行政法人化では、十分にチェックもされないまま病床削減が進んでしまいます。
 当時、地元の区議会などは、もとの老人医療センターと同規模の七百床の確保を求めていたにもかかわらず、中規模病院一つ分に相当する病床を減らしてしまったのです。
 過去の都立病院経営委員会や東京都の計画の中には、私たちから見れば不十分ですが、独法化の課題に触れたものもあります。平成十九年度都立病院経営委員会報告の経営形態見直しにおける課題について、制度面での課題が五つありましたが、これらはどのように評価しているのでしょうか、それぞれお答えください。

○末村計画調整担当部長 平成十九年度の都立病院経営委員会報告では、地方独立行政法人が最も柔軟でふさわしい経営形態であるとした上で、移行に係る課題も挙げられております。
 制度面の課題の一点目は、当時は、非公務員型の地方独立行政法人において、心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療観察法に基づく指定入院医療機関が運営できなかったという点でございますが、平成二十一年の省令改正によりまして、現在は非公務員型地方独立行政法人への移行後も引き続き運営が可能となってございます。
 そして、二点目から五点目でございますが、いずれも地方独立行政法人の導入事例が少なかったことに伴う課題でございまして、他自治体の導入事例の検討が十分でないという点、国の独立行政法人における効率化方針の影響の度合い、法人独自の資金調達ができないという点、法人に引き継がれる職員の職場環境の整備の四点でございました。
 全国で病院を設置する地方独立行政法人の数は、平成十九年度の四法人から平成三十年四月時点で五十五法人に増加をしておりまして、医療、患者サービスの充実、経営改善の成功事例や行政的医療等に係る財源措置の状況、長期資金の調達、職員の職場環境整備等におきまして、さまざまな事例検証が可能となってございます。

○藤田委員 医療観察法の問題を除けば、今の答弁からすると、検証は可能になったが、具体的な検証は基本的にはこれからだということになります。今回のプランには書かれていませんが、制度面での課題が解消されたということにはならないと思います。
 例えば、国立病院機構では、診療に関する交付金がなくなり、そのもとで、結核病床は七割の三千床、精神科病床では二千床が減らされ、病院の廃止も次々決められています。
 国の独法ですが、設立団体による交付金の削減については、当時、課題に挙げられていたことがまさに現実のことになっているということです。地方でも、早い時期に独法化した大阪府立病院では、患者の負担が大きく引き上げられました。こうした事態を生んではいけないと思うのです。
 どのベッドでも削減されたら、都民にとって不利益といえます。さらに、誰もが安心してかかれるためには、できるだけ自己負担を少なくする必要があります。
 都立病院では、有償病床を一〇%に抑えて運営していますが、ご存じのとおり、健康長寿医療センターは二五%になりました。患者負担の増加は、お金のあるなしで医療を受ける権利を奪うものです。都民の受療権を奪う差額ベッド代の拡大は認められません。
 二〇〇七年の経営委員会で挙げられた課題の中で、運営面での二つの課題についてはどのように評価しているのでしょうか。

○末村計画調整担当部長 運営面の課題の一点目は、医師不足への対応の必要性でございますが、当時は、平成十六年度の初期臨床研修医制度の開始に伴いまして、大学医局の人員派遣機能が低下し、医師の採用環境は極めて厳しい状況でございました。
 都では、平成二十年度に東京医師アカデミーの運営を開始するなど、質の高い医師の育成と確保を図っておりまして、一層機動的な人材確保のための仕組みを検討する段階というふうに考えてございます。
 二点目は、当時、四病院でのPFI手法を活用した再編整備の本格的な実施を控えまして、大きな現場環境の変化が予想されていたという点でございますが、四病院の再編、施設整備が数年前に完了いたしまして、本格的な運営段階に入ってございます。
 平成十九年度と比べますと、地方独立行政法人の導入事例もふえまして、状況が変わってございまして、こうした他の自治体のさまざまな事例等も踏まえながら、経営形態のあり方を検討していくものでございます。
 なお、先ほどご指摘の病床数の見直しについてでございますが、公立病院改革ガイドライン等に基づきまして、全国の公立病院等におきまして、地域の実情に応じた適切な医療提供体制の再構築が進められている結果というふうに認識してございます。

○藤田委員 今のご答弁で、その地域の医療状況に合わせて病床数を変動させているという、そういったご答弁もありましたけれども、実際には、健康長寿医療センターが病床削減した際、そこの第二次医療圏の地域での既存病床数が基準病床数に満ちていない中で削減が行われていたということも実態にはありました。
 また、今ご答弁あった医師の不足の点ですが、当時は医師の採用環境が厳しかったということですけれども、医師アカデミーの取り組みなどは大切だと思いますが、例えば三月の厚生委員会の資料を見ても、都立病院の医師の定数九百六十三人に対して、五十六・五人が欠員になっています。さらに、小児医療センターが労働基準監督署から勧告を受けていたということが昨年報道されましたが、今の定数がそもそも仕事量に対して十分でないという問題もあります。
 医師の確保は引き続き大きな課題です。地方独立行政法人についての課題も、運営面での課題も、解消されたとはいえません。
 独法長野県立病院機構では、千三百人の病院職員の年末ボーナスを、県の職員の水準より〇・三五カ月減額して支給したことが昨年報道されました。一人平均十四万七千円、合計二億円の人件費削減です。県職員に準拠という原則が、赤字の可能性のためにやむを得ないと強行しました。
 健康長寿医療センターでも、看護師の採用が進まないために、紹介会社へ一千五百万円の紹介料を支払って十六名の看護師を採用したり、年に八回も看護師の採用試験を行ったりして、看護師不足は切実な課題です。
 労働者へのしわ寄せで人手不足を生むことは、医療の安全にも直結し、患者にとっても大きな損失になります。医療労働者を守ることは、都民の命を守ることにもつながっているのです。誰もが安心してかかることができ、行政的医療を担う都立病院は、都立直営でこそ安定して医療の提供が行えるものとなります。
 都民の命と健康を守る立場である東京都が、都立病院を直営で堅持するために、しっかりと予算を投入することを都民は求めています。よって、請願に賛同することを表明し、私からの質疑を終わります。

○伊藤委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○伊藤委員長 起立少数と認めます。よって、請願三〇第二号は不採択と決定いたしました。
 以上で請願の審査を終わります。
 以上で病院経営本部関係を終わります。

○伊藤委員長 これより福祉保健局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、幹部職員に交代がありましたので、福祉保健局長から紹介があります。

○梶原福祉保健局長 それでは、説明に先立ちまして、このたびの人事異動によりまして当局幹部職員の交代がございましたので、新任幹部職員を紹介させていただきます。
 次長福祉保健局理事兼務の松川桂子でございます。技監の矢内真理子でございます。医療政策部長の矢沢知子でございます。保健政策部長の成田友代でございます。少子社会対策部長の谷田治でございます。障害者施策推進部長の松山祐一でございます。医療改革推進担当部長の田中敦子でございます。医療政策担当部長の花本由紀でございます。事業調整担当部長の横手裕三子でございます。食品医薬品安全担当部長の野口俊久でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○伊藤委員長 紹介は終わりました。

○伊藤委員長 次に、第二回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○梶原福祉保健局長 平成三十年第二回東京都議会定例会に提出を予定しております福祉保健局関係の議案につきましてご説明を申し上げます。
 今回、ご審議をお願いいたします議案は、条例案八件でございます。新たに制定する条例案として、東京都受動喫煙防止条例と東京都障害者への理解促進及び差別解消の推進に関する条例の二件、改正する条例案が六件でございます。
 なお、詳細につきましては、総務部長からご説明申し上げます。
 以上、簡単ではございますが、提出議案の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○後藤総務部長 それでは、私から、平成三十年第二回東京都議会定例会に提出を予定しております議案の詳細につきましてご説明を申し上げます。
 お手元の資料、平成三十年第二回東京都議会定例会条例案の概要をごらんいただきたいと思います。資料の順に従いまして、ご説明をいたします。
 表紙をおめくりいただきまして、一ページをお開き願います。整理番号1と2が新たに制定する条例案でございまして、まず、整理番号1、東京都受動喫煙防止条例でございます。
 都における受動喫煙防止対策を一層推進する必要がありますことから、受動喫煙による都民の健康への悪影響を未然に防止するため、東京都、都民及び保護者の責務を明らかにいたしますとともに、多数の者が利用する施設における喫煙の禁止、義務違反者に対する罰則に関する規定等を設けた条例を制定するものでございます。
 この条例の施行日は、三段階を予定しておりまして、まず、東京都、都民及び保護者の責務等につきまして、公布の日から起算して六月を超えない範囲において規則で定める日、次に、学校等における喫煙の禁止とその罰則、飲食店の標識の掲示等は、平成三十一年九月一日までの間において規則で定める日、最後に、飲食店等その他の対象施設における喫煙の禁止とその罰則等は、平成三十二年四月一日を予定しております。
 その次、整理番号2、東京都障害者への理解促進及び差別解消の推進に関する条例でございます。
 障害や障害者に関します社会的障壁の除去の取り組みを一層推進する必要がありますことから、障害を理由とする差別の解消の推進に関しまして、基本理念を定めますとともに、相談や紛争の解決のための体制の整備に関する規定等を設けた条例を制定するものでございます。
 この条例の施行日は、平成三十年十月一日を予定しております。
 二ページをお開き願います。整理番号3から8までの六件が一部を改正する条例案でございます。
 まず、整理番号3、東京都病院及び診療所の人員、施設等の基準に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 国の介護保険法施行規則等の一部を改正する等の省令によります医療法施行規則の改正に伴いまして、二次保健医療圏ごとの病床数の算定に関する規定を改めますほか、規定の整備を行うものでございます。
 この条例の施行日は、公布の日を予定しております。
 整理番号4、東京都国民健康保険財政安定化基金条例の一部を改正する条例でございます。
 国の国民健康保険法施行令等の一部を改正する政令等によります国民健康保険の国庫負担金等の算定に関する政令の改正に伴いまして、引用条文を改めるものでございます。
 この条例の施行日は、公布の日を予定しております。
 整理番号5、東京都女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例でございます。
 女性福祉資金貸付事業の充実を図りますため、修学資金及び就学支度資金の貸付対象に大学院を追加いたしますほか、所要の改正を行うものでございます。
 この条例の施行は公布の日を予定しておりますが、改正後の規定につきましては、平成三十年四月一日から遡及して適用する予定でございます。
 隣の三ページの整理番号6、公衆浴場の設置場所の配置及び衛生措置等の基準に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 浴槽水の交換の頻度につきまして、週一回以上を認める規定を設けますほか、所要の改正を行うものでございます。
 この条例の施行日は、公布の日を予定しております。
 整理番号7、旅館業法施行条例の一部を改正する条例と、整理番号8、東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例につきましては、旅館業法の改正に伴いまして、旅館業の営業種別のうち、ホテル営業と旅館営業を旅館・ホテル営業に統合するほか、規定の整備を行うものでございます。
 これらの条例の施行日は公布の日を予定しておりますけれども、旅館業法施行条例の一部を改正する条例の中で、旅館業の許可の申請書に添付する書類に関する規定等は平成三十年十月一日を予定しております。
 そのほか条例案の詳細な内容につきましては、お手元の資料、平成三十年第二回東京都議会定例会条例案をごらんいただきたいと存じます。
 以上で提出予定議案のご説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○伊藤委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○藤田委員 資料要求、五点あります。
 一つ目、二次保健医療圏ごとの療養病床の病床数、療養病床から転換した介護老人保健施設及び介護医療院の入所定員数、療養病床からの転換でない介護老人保健施設及び介護医療院の入所定員数。
 二つ目に、ほかの道府県における障害者の差別解消に関する条例の制定状況と制定されている条例の主な規定事項。
 三つ目、ほかの道府県と都内の保健所設置区市における旅館業における衛生等管理要領の改定を受けた玄関帳場の規定の改正の状況。
 四つ目に、ほかの道府県と都内の保健所設置区市における旅館業と公衆浴場の浴槽水の換水頻度についての規定の状況。
 五つ目に、都道府県と都内の保健所設置区市における旅館業と公衆浴場でのレジオネラ属菌の検出数と検出率の状況。
 以上です。

○伊藤委員長 ほかには。--ただいま藤田委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○伊藤委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。

○伊藤委員長 次に、陳情の審査を行います。
 初めに、陳情三〇第二号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○高橋健康安全部長 お手元にお配りしております陳情審査説明表に従いましてご説明させていただきます。
 整理番号1番、陳情三〇第二号、動物の愛護及び管理に関する法律の罰則を大幅に強化することに関する陳情は、栃木県宇都宮市の中山一行さんから提出されたものでございます。
 陳情の趣旨は、動物の愛護及び管理に関する法律の罰則を大幅に強化するよう、国に意見書を提出していただきたいというものでございます。
 現在の状況をご説明いたします。
 動物の虐待等に関する罰則については、昭和四十八年に制定された動物の保護及び管理に関する法律--現在の動物の愛護及び管理に関する法律で、以下、法と申し上げます--において、動物を虐待または遺棄した者は三万円以下の罰金または科料に処することが規定されました。
 また、平成十一年の法改正では、動物をみだりに殺傷した者についての罰則として、一年以下の懲役または百万円以下の罰金が新たに規定されるとともに、動物の虐待または遺棄についての罰則は三十万円以下の罰金に引き上げられました。
 その後、平成十七年及び平成二十四年の法改正に際しても罰則の強化が行われ、現在、動物のみだりな殺傷は二年以下の懲役または二百万円以下の罰金、動物の虐待または遺棄は百万円以下の罰金となっております。
 平成二十四年の改正法附則第十五条では、国は、改正法が施行された平成二十五年九月から五年後を目途として、法律の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとされています。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○伊藤委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○和泉委員 陳情三〇第二号、動物の愛護及び管理に関する法律の罰則を大幅に強化することに関する陳情へ意見表明を行います。
 本陳情は、愛護動物をみだりに殺したり傷つけた者、あるいはみだりに餌や水を与えずに衰弱させるなどの虐待を行った者、遺棄した者を列挙した上で、その罰則をそれぞれ大幅に強化することを求めています。
 その背景に、猫に対する凄惨な虐待事件などに対する強い憤りがあるということも陳情書からうかがえます。陳情者のいうとおり、目を覆いたくなるような凄惨な殺し方をインターネットで公開していたこの事件は多くの人に衝撃を与えました。
 盲導犬、聴導犬、介助犬など特別な訓練を受けた動物だけではなく、ペットは単なる愛玩動物としてだけでなく、私たちの暮らしを支え、ストレスを癒やし、日常生活をより豊かなものにしてくれる大事なパートナーです。そのような動物を殺したり、虐待や遺棄などが許されないことはいうまでもありません。
 ただ、虐待をなくすためには、何より動物の命の大切さについての教育や啓発が重要だと思います。また、虐待を行う人も、さまざまな生きづらさを抱えていたりすることもあるかもしれません。そのような残虐な行為を行ってしまう背景に何があるのか、みずからを振り返り、向き合い、立ち直らせるためには、時に専門家の力も必要かもしれません。総合的な対策が必要だというふうに思います。
 罰則の強化にはさまざまな意見があるとしても、陳情者の願意は、物いわぬ罪のない動物たちの命が人間の身勝手な動機で失われることがあってはならないという趣旨だと思います。
 したがって、その観点から、本陳情は趣旨採択するべきという意見を表明して、終わります。

○伊藤委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○伊藤委員長 起立少数と認めます。よって、陳情三〇第二号は不採択と決定いたしました。

○伊藤委員長 次に、陳情三〇第八号及び陳情三〇第九号は、内容が関連しておりますので、一括議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○谷田少子社会対策部長 お手元にお配りしております陳情審査説明表に従いましてご説明させていただきます。
 整理番号2番、陳情三〇第八号及び整理番号3番、陳情三〇第九号は、いずれも静岡県静岡市の田中とみ子さんから提出されたものでございます。
 整理番号2番、陳情三〇第八号の陳情の趣旨は、都において、兵庫県明石市の取り組みを参考に、別居、離婚後の共同養育支援、面会交流支援及び養育費確保に対する公的支援の実施及び相談体制の充実を図っていただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますが、都は、ひとり親家庭の自立と生活の安定を図るため、平成十四年度から母子家庭等就業・自立支援センター事業、平成二十三年度からは東京都ひとり親家庭支援センター事業を開始し、現在、東京都ひとり親家庭支援センターにおいて、養育費相談や面会交流支援、離婚前後の法律相談等を無料で実施しております。
 こうした取り組みのうち面会交流支援については、厚生労働省のひとり親家庭への支援施策に関する事例集に掲載されております。
 また、区市町村では、ひとり親家庭等の身近な相談窓口である母子・父子自立支援員が、離婚前からの相談、支援を行っております。
 次に、整理番号3番、陳情三〇第九号の陳情ですが、この趣旨は、都において、国及び関係機関に対し、実効性のある共同養育及び面会交流が可能となる法整備を速やかに講じることを求める意見書を提出していただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますが、離婚後の面会交流等については、平成二十四年四月一日に施行された改正後の民法第七百六十六条に、父母が協議上の離婚をするときは、子の監護をすべき者、父又は母と子との面会及びその他の交流、子の監護に要する費用の分担その他の子の看護について必要な事項は、その協議で定める、この場合においては、子の利益を最も優先して考慮しなければならないと規定されており、これを踏まえ、都では、東京都ひとり親家庭支援センターにおいて、養育費相談や面会交流支援、離婚前後の法律相談等を無料で実施しております。
 また、区市町村では、ひとり親家庭等の身近な相談窓口である母子・父子自立支援員が、離婚前からの相談、支援を行っております。
 共同養育等の法制化については、現在、国会議員で構成される超党派の共同養育支援議員連盟が、父母の離婚等の後における子と父母との継続的な関係の維持等に関する法律案の検討を行っております。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○伊藤委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○龍円委員 陳情三〇第八号、別居・離婚後の子どもの共同養育に対する公的支援に関する陳情についてお伺いします。
 陳情者の田中とみ子さんは、共同養育支援、面会交流支援及び養育費確保の支援や相談体制の充実を訴えております。
 一九八九年、国連で子どもの権利条約が採択され、日本もこれを批准しました。子供には、生きる、育つ、守られる、参加する権利があり、子供の最善の利益が社会や親の利益よりも第一義的に考えられるべきだということが示されました。
 私が生まれ育ったスウェーデンでは、離婚や別居後の子供の住居や面会、養育など全てにおいて、この条約に基づいて、子供の最善の利益が最優先されていて、共同養育が基本となっていました。
 そのような国で育った者としては、日本の現状は親の権利ばかりが優先されて、子供の権利が侵害されているのではないかなと首をかしげることが多々あります。
 日本で私が最も理解できないのは、離婚の際に、親である権利を奪い合って、親権がない方はまるで親でなくなってしまうかのように扱いを受けていることです。
 私の考えでは、親であることは権利ということではなくて責任です。離婚していようが、別居していようが、子供は二人の親から保護され、健やかに育つことが保障されるべきで、子供が不利益をこうむってはいけないと思います。
 離婚するなら、その後、親として責任をどう果たしていくかを話し合うべきです。
 日本では、母親が子供を父親に会わせないという話をよく耳にしますが、これも子供の最善の利益の観点から見ると、子供は両方の親を知って親密ないい関係を築くことを保障されるべきです。
 この条約の第七条には、子供はできる限りその父母を知り、かつ、その父母によって養育される権利を有するとあります。
 また第九条には、父母の一方または双方から分離されている児童が定期的に父母のいずれとも人的な関係及び直接の接触を維持する権利を尊重するとあります。
 面会は親のためにあるものではなくて、子供のためにあるべきです。DVなどの福利に反するような事情がない限り、同居していない親との面会は必要なことだと思います。東京では面会交流を行っていない家庭は、母子世帯の五九%に上るそうです。
 もう一つ、よく耳にするのが養育費を払わないという話です。
 スウェーデンでは、養育費は子供が十八歳になるまでの義務であり、支払いを怠った場合は社会保険事務所が養育費を立てかえて支給し、払っていない親からは強制的に取り立てます。
 日本では、母子家庭で養育費を受けたことがない世帯が五六・八%で、養育費を受けている世帯でも、一番多い金額が二万から四万円となっております。困窮するケースが非常に多いということです。
 繰り返しになりますが、親の離婚や別居によって子供が不利益をこうむってはならないと思います。
 私の息子はダウン症があることから苦労しているんだろうなと、よく同情していただくことが多いんですけれども、息子の存在自体は喜びと幸せでしかありません。私にとって重くのしかかってくるのは、私がシングルマザーであるという現実です。
 しかし、世間ではシングルマザーの困窮ぶりというのは余り知られていません。というのも、シングルマザーは悠長に平日の昼間に行政窓口に行ったり、政治家に会ったりして、大変なんですと訴えるような暇がないからです。
 ダウン症児の親は、集まって情報交換をしたりとか支え合ったりしています。しかし、シングルマザーは、集まって励まし合っている場合ではありません。
 どうやって、きょう、そしてあしたを生き抜いていくかで必死なのです。シングルマザーの年間の収入は、平均すると二百万円未満が全体の四一・九%だということからもわかるように、生活に困窮し、そして孤独なことが多いことを世間では余り知られていないように私は思います。
 このことから、私は、離婚や別居の際に子供の権利、子供の最善の利益が脇に置かれてしまっていることを問題視しております。その視点を持って、ひとり親家庭への支援が充実されるべきだと考えています。
 まずは、東京都におけるひとり親家庭に対して、どのような相談や支援を行っているのか伺います。

○谷田少子社会対策部長 都は、ひとり親家庭が安定した就労や生活のもと、子供を健全に育むことができるよう、東京都ひとり親家庭自立支援計画を策定し、相談体制の整備、就業支援、子育て支援・生活の場の整備、経済的支援の四つの施策分野を柱に総合的な支援を実施しております。
 この計画を踏まえ、飯田橋に設置してございます東京都ひとり親家庭支援センターにおいて、生活に関するさまざまな悩み事に対する生活相談、養育費相談のほか、離婚前後の法律相談や面会交流支援などの専門的な相談支援を行っております。
 また、それぞれの家庭の状況に合わせた就業相談のほか、パソコン講習会や適職診断などの就業支援や職業紹介などを実施しており、こうした取り組みによりまして、ひとり親のさまざまな課題に早期に対応できるよう支援しているところでございます。

○龍円委員 東京都ひとり親家庭自立支援計画に基づいた支援ですとか、ひとり親家庭支援センターで相談や支援を行っているということがわかりました。
 支援計画の中に、子供の健やかな育ちを支援するという子供の目線があることは評価しますが、計画を読み進めていくと、ひとり親家庭を一くくりにして捉えていて、子供の最善の利益にフォーカスは当たっていないのが残念です。
 どうか親と子供を別の権利主体として捉えて支援を進めていただけるよう要望させていただきます。
 次に、離婚や別居の前の支援についてお聞きします。
 母親が離婚しようと思うと、経済的に自立できる職業、住む場所の確保、そして、養育費等をきちんと払ってもらえるための知識などが必要となりますが、この三つを同時に全て確保するのは簡単なことではなく、離婚してリスタートするまで何年もかかり、その間に疲弊し、さらには精神的にも病んでしまうほど苦労する母親が多くおられます。
 ここの段階を少しでもスムーズに移行できるようにすることが、その後の大きな助けになると思います。
 東京都では、離婚する前からの相談や支援はどのような取り組みをしているのでしょうか。

○谷田少子社会対策部長 ひとり親家庭支援センターでは、離婚前から、ひとり親家庭になるに当たってのさまざまな悩みや不安について、年末年始を除き、毎日九時から十六時半まで電話での相談を受け付けております。
 このほか、法律相談として、家事事件に精通している弁護士が家庭の状況を十分把握した上で、親権や慰謝料、財産分与等について専門的な助言を無料で行っております。
 また、養育費の専門相談では、家庭裁判所の元調査官などの専門相談員が別居中の生活費、養育費の取り決めや算定に関する相談に応じております。
 さらに、子供がいて離婚を考えている方が互いに交流し、意見交換を行いながら、養育費や面会交流などについて、講師から必要な助言を受けられるセミナーを開催しているところでございます。

○龍円委員 ひとり親家庭支援センターにおいて、離婚前から支援の取り組みをしていることがわかりました。
 しかしながら、東京都福祉保健基礎調査によると、ひとり親家庭支援センターを利用したことがある親はわずか三・三%、制度を知らないという方は四六・四%だということです。
 せっかく支援があっても、その支援を必要としている人に、そのことが伝わらないのであれば意味がありません。東京都ひとり親家庭支援センターのさらなる周知が必要だと思います。
 東京都の具体的な取り組みを教えてください。

○谷田少子社会対策部長 都は、ひとり親家庭支援センターの事業について、都内在住のひとり親家庭の親や、二十歳未満の子を持つ母親または父親に対し、パンフレットやホームページ等により周知を図っております。
 また、区市町村の相談窓口である母子・父子自立支援員が、支援を必要とする家庭をセンターにつなげられるよう、研修等の場でセンターの事業の詳細な内容について説明を行っております。
 さらに、昨年度、都や区市町村が地域で実施しているさまざまな子育て支援サービスを掲載した冊子、とうきょう子育て応援ブックを作成いたしました。この中でセンターについてもわかりやすく紹介しているところでございます。
 この冊子は、子育て家庭に有用な情報を効果的に届けられるよう、都内公立小学校に通う一年生の保護者全員に、学校を通して配布しているほか、区市町村を通じて母子健康手帳交付時や転入時等、さまざまな機会を捉えて配布をしております。

○龍円委員 ひとり親家庭は経済的に逼迫していて、スマートフォンやインターネットにさえアクセスできない方も多くいらっしゃいます。また、行政の窓口に来ることさえ困難な場合もあります。広くいろんな手段で支援に結びつくよう、今後とも取り組んでいただきますようお願いします。
 繰り返しになりますが、日本では子供の権利という観点が抜け落ちていたり、足りていない場面が数多くあります。
 例えば、人工呼吸器をつけている医療的ケア児は親が学校に付き添うことが要求されていますが、親が仕事をしている場合は学校に通うことができず、週三日、二時間の訪問学習の機会しか与えられません。これは、子供の育つ権利と参加する権利が奪われているともいえます。
 また、社会的養護においても、子供を第一に考えるといいながらも、親の声が大きく、親の権利が子供の権利にまさってしまっているケースが多くあります。
 きのうから報道が行われている目黒の五歳の女の子の虐待死事件では、品川児童相談所が訪問しておきながら、親から面会を拒否されたということで面会せずに帰ってきてしまったということです。親を尊重する余り、女の子は、生きる、育つ、守られる、参加する権利全てを奪われ、お亡くなりになりました。
 五歳の女の子の残した言葉は絶対無駄にしてはなりません。都議会の議事録に、この女の子の言葉が残るよう音読させていただきます。
 「ママとパパにいわれなくても しっかりとじぶんから もっともっときょうよりか あしたはできるようにするから もうおねがい ゆるして ゆるしてください おねがいします ほんとうにおなじことはしません ゆるして きのうぜんぜんできなかったこと これまでまいにちやってきたことをなおす これまでどんだけあほみたいにあそんだか あそぶってあほみたいだから やめるから もうぜったいぜったいやらないからね ぜったいやくそくします」
 都の政策の中に、子どもの権利条約に定められている、生きる、育つ、守られる、参加する権利が守られ、子供の最善の利益が、親の利益や社会の利益よりも第一義的に考えられる視点をしっかりと取り入れていってくださいますようお願いして、質問を終わりにさせていただきます。

○古城委員 陳情三〇第八号、第九号に関連して東京都ひとり親家庭支援センター事業について質問を行います。
 両親が離婚をしたとしても、子供にとっては、おのおのの親がお父さん、お母さんであることに変わりはありません。
 子供が、お父さん、お母さんのどちらとも良好な関係を続けることができるように、子供の目線に立ち、子供の立場に寄り添うことが大切であると考えます。
 これまで指摘もございましたが、平成二十四年の民法改正により、父母が協議上の離婚をするとき、協議で定める子の監護について必要な事項の具体例として、いわゆる面会交流及びいわゆる養育費の分担が明示されるとともに、子の事項を定めるに当たっては、子の最善の利益を最も優先して考慮しなければならない旨が明記をされております。
 子の利益の観点からは、離婚後も離れて暮らす親と子との間で適切な面会交流が行われることや、相当額の養育費が継続して支払われることが重要であり、そのためには離婚をする際にはこれらについて、あらかじめ取り決めをしていくことが重要である、このように考えられているからです。
 両親の離婚によって、その子供たちにかかる精神的な負担は大変大きいものがあります。子供たちを守っていくためにも、養育費相談や面会交流の充実、また、相談会の開催など、子供の健全育成にも資する施策の充実が必要となります。
 先ほどの説明によれば、都においては、ひとり親家庭支援センターにおいて、養育費に関する相談や面会交流支援を行っているとのことです。
 そこでまず、都における養育費相談について、どのような相談支援を行っているのか、また、その実績について伺います。

○谷田少子社会対策部長 都は、平成二十年度から、ひとり親家庭支援センターにおいて、養育費相談事業を実施しており、電話による一般相談と家庭裁判所のもと調査官などの専門相談員による電話、面接での専門相談を行っております。
 具体的には、養育費が適切に支払われるよう金額の取り決めや支払い履行、強制執行などの相談に応じるとともに、裁判所等への同行支援も行っておりまして、必要に応じて国の養育費相談支援センターや法テラスとも連携しております。
 平成二十九年度の相談実績は、一般相談が四百二十一件、百六十五人、専門相談が四百八十二件、百五十八人となっております。

○古城委員 ありがとうございます。養育費相談に関する実績について確認をさせていただきました。
 お父さん、お母さんが離婚をしたとしても、離れて暮らすお父さん、またはお母さんと面会し交流することで、子供たちは両親のどちらからも愛されている、このように実感することができるのではないでしょうか。
 子供の健全な養育のために面会交流は大変重要であるといわれております。
 そこで、都において行っている面会交流支援の具体的な内容、また、その実績について伺います。

○谷田少子社会対策部長 都は、民法が改正された平成二十四年度から、ひとり親家庭支援センターにおいて、面会交流支援事業を実施しております。
 具体的には、親双方と事前に面談を行い、面会交流の方法や回数のほか、親同士が互いに守らなくてはならないルールなどを調整し、実施までの連絡調整、当日の子供の受け渡し、面会交流時の付き添い等の支援を行っております。
 平成二十九年度に面会交流を実施したのは、三十九家族となっております。

○古城委員 ただいま答弁いただいた本事業では、双方の親の合意がある場合に面会を支援するものであると理解をしますけれども、この事業の枠内にとどまらない面会交流に関するさまざまな相談もあろうかと思います。
 先ほどの説明にも言及がありました都の面会交流支援が掲載をされている厚生労働省のひとり親家庭への支援施策に関する事例集においても、例えば、子供と会わせるべきなのか、面会交流をどのように決めていけばよいのか、面会することが決まっているがどうしたらよいのかなど、面会交流そのものに関する相談などが数多くあると、このように指摘をされているところでございます。
 まさにこの指摘は、子供を思う親の気持ちを示しているのではないかと感じます。質問を通じて、都における養育費相談、また、面会交流支援の実施内容と実績を確認させていただきました。
 冒頭にも申し上げましたが、子供の目線に立ち、また、子供の立場に寄り添い、これからも支援の充実を図っていただくことを要望いたしまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

○和泉委員 私も陳情第八号、第九号についての意見を述べさせていただきます。
 本陳情は、共同養育に対する公的支援、あるいは共同養育支援の法整備に主眼が置かれたものとなっています。
 子供の健全な成長のために、たとえ離婚しても両親の愛情を受けて育つことはとても大事なことだと思います。
 私自身も十二のときに両親が離婚して父に引き取られました。母親に会いに行ったときに、おまえは俺を裏切った、その言葉に傷ついて、また裏切ったといわれたくない、この思いは、その後、私のさまざまな行動を制約することになりました。
 また、母から捨てられたのではないか、この思いが自己肯定をできない思いにつながって、それを乗り越えるまでに、子供を持たなければ、その思いを乗り越えることができないほど時間がかかりました。
 しかし、面会交流も、また養育費の確保も困難なケースが多くあることは今述べたように事実です。
 先ほど局からも説明があったとおり、そのような場合の相談や支援を都は行っているということです。
 面会交流支援については、厚生労働省の事例集にも掲載されているとの説明もありました。私もこれを見ましたが、面会交流自体は法律に関する知識だけでなく、困難ケースの場合、父母間の折衝や子供の引き渡しなど、高度なノウハウと専門性が必要とされる分野であるため、委託先については慎重に審査を重ねたと記載されています。
 そうして委託されたFPIC、エフピックというんでしょうか、双方の親との事前面接、監護親から面会交流の日程候補が提示された後の連絡調整、面会交流の際の付き添い、児童の受け渡しの支援などが行われています。
 そして、このような支援を通じて、監護親が面会の時間を自分のリフレッシュの時間と捉えられるようになりスムーズな交流につながった、一年間の支援を経てみずから面会を継続できるようになったなどの変化が見られるケースもあった、このことが報告をされています。
 双方の親の合意を前提として、監護親が安心して面会交流に応じるためにも、このような専門家の介在はとても重要だと思います。
 ところが、平成二十七年度、相談件数二百五十一件に対して、面会交流援助件数は八十四件と少なく、その要因が支援要件を満たしていないケースが多いことが一つと分析されています。
 相談先を探している方たちが多くいるのに、要件を理由に支援が届かない。もっと多くの方たちの相談に応じられるような要件の見直しや体制の強化が必要だと思います。
 また、面会交流には、ある程度自由に遊べる一方で、目が行き届く施設が必要なのに、こどもの城が平成二十七年に閉鎖されて以降、適切な場所の確保が課題だということも記載がされています。
 都としての施設の確保もあわせて求めておきたいと思います。
 子供の利益を最も優先して考慮する際に、別居の親との面会が子供にとって精神的、あるいは肉体的に必ずしもいい影響を与えないという場合もあります。
 現在、議論されている法整備に対しては、こうした点が十分考慮されているのかという点で懸念が上がっており、子供の利益を最優先に考えれば、慎重にするべきです。
 したがって、陳情第八号は趣旨採択、陳情第九号は不採択とするべきと述べて、意見表明とします。

○伊藤委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 初めに、陳情三〇第八号を採決いたします。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○伊藤委員長 起立少数と認めます。よって、陳情三〇第八号は不採択と決定いたしました。
 次に、陳情三〇第九号を採決いたします。
 お諮りいたします。
 本件は、不採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○伊藤委員長 異議なしと認めます。よって、陳情三〇第九号は不採択と決定いたしました。
 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時一分休憩

   午後三時十六分開議

○伊藤委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 陳情三〇第二〇号の一を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○谷田少子社会対策部長 お手元にお配りしております陳情審査説明表に従いましてご説明させていただきます。
 七ページをお開きください。整理番号4番、陳情三〇第二〇号の一は、港区の特定非営利活動法人シンクキッズ-子ども虐待・性犯罪をなくす会、代表理事の後藤啓二さんから提出されたものでございます。
 陳情の趣旨は、都において、次のことを実現していただきたいというものでございます。
 第一に、児童相談所は、把握する全ての虐待案件について警察と情報共有すること。また、親が面会拒否、留守等で児童の安否確認が不可能な場合、親に虐待歴がある場合、乳幼児健診が未受診、転居による所在不明、通報先不明等、迅速に児童の安全確保が必要な場合は、直ちに警察に通報すること。
 第三に、都は、区市町村に対し、所在不明の児童及び健康診断が未受診の乳幼児について、関係する区市町村及びその部局、児童相談所、警察等との間で情報共有し、児童等の所在調査や目視での安全確認を行い、面会拒否等の場合は、直ちに警察に通報するよう周知すること。また、不登校事案についても、これまで凄惨な虐待事案が起きていることを念頭に置き、関係機関で必要な情報共有を行った上、連携して児童の安全を確保すること。
 第四に、児童相談所は、一時保護を解除しようとする場合には、警察に連絡の上、警察の協力を得て、保護者と同居または親密な関係にある者の有無、保護者等の暴力的傾向の有無、生活状況等を調査し、児童に危険が及ぶことはないかを十分に調査すること。また、一時保護等を解除し児童を家庭に戻す場合には、事前に警察、区市町村、保育園、学校、病院等と協議し、連携して適切な頻度での家庭訪問等の計画を定め、児童の安全確保を図ること。
 第五に、都は、要保護児童対策地域協議会の実務者会議に、地元の警察を構成員に加え、虐待案件の情報を漏れなく区市町村の部内及び警察等関係機関と共有するよう、区市町村に求めること。
 第六に、児童相談所は、区市町村及び警察とともに、全ての虐待案件について情報共有を行った上、連携して事案に応じて適切な頻度で家庭訪問し、各機関が把握した情報を他機関と常に共有しつつ、児童の安否確認と親への指導、支援を行うことにより、虐待の継続やエスカレートを防ぐ措置を講ずること。
 第七に、陳情事項の実施に当たり、必要に応じ進捗状況を都議会に報告することという内容でございます。
 八ページをお開きください。
 現在の状況でございますが、都はこれまで、警視庁との間で平成二十三年十二月に確認書を、平成二十七年十二月に覚書をそれぞれ締結し、定期的に意見交換を行う場の拡充や、現職警察官や警察官OBの児童相談所への配置を行う等、両者の連携強化を図ってまいりました。
 また、平成二十八年十月には協定を締結し、身体的虐待で児童を一時保護し、その後、家庭復帰した事案等について情報を共有しております。
 児童相談所は、児童虐待の相談や通告があった場合、緊急受理会議を速やかに開催し、調査の対応方針や一時保護の要否等について協議した上で、原則として四十八時間以内に児童の安全確認を行っており、必要があるときは警察と同行して訪問しております。警察から通告を受けた事案については、その後の児童相談所での対応状況を警察に報告し、情報の共有を図っております。
 一時保護の解除を判断する際には、虐待についての保護者の認識や一時保護前後の家庭環境等について調査を行うとともに、地域の関係機関の相談援助体制の状況等を確認しております。
 また、虐待をした保護者の状況、虐待の程度、児童の年齢や心理的な影響などを総合的に判断し、援助方針を決定しており、その方針に基づき、保護者への指導など必要な対応を行っております。
 平成二十九年三月三十一日には、乳幼児健康診査が未受診等で連絡がとれない児童であって、区市町村が所在等の確認が必要と判断した児童について、所在及び安全が確認できるよう頻回な家庭訪問を実施するとともに調査等により情報収集を行うこと、必要に応じて児童相談所や警察等関係機関の協力を通じて、情報収集に努めることとする厚生労働省雇用均等・児童家庭局長通知、市町村子ども家庭支援指針、ガイドラインが発出されており、都は区市町村に周知しております。
 都内全ての区市町村は、子供家庭支援センター、児童相談所、学校、警察、保健所等の地域の関係機関で構成するネットワークを構築し、各関係機関が情報の共有を図りながら、援助方針等を確認し、児童や家庭への支援を実施しております。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○伊藤委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○桐山委員 それでは、児童虐待及び虐待死の根絶に関する陳情に対しまして、質疑をさせていただきます。
 都民ファーストの会は、子供は日本の宝、子供の命と子供の最善の利益を最優先に考える立場として臨んでおります。
 今回、出された陳情理由を見ますと、本年三月五日、目黒区で五歳の女児が父親からの暴力を受け、虐待死された案件について述べられております。都の児童相談所が関与をしながら、警察と情報共有せず、案件を抱え込んだまま、虐待死に至らしめた事件であると主張されています。
 昨日の報道で母親逮捕、そして、女児が生前に手書きの文章を書き残したノートが出てきたとのことであります。その内容は、母親も虐待に関与をしていたかの苦痛の声でした。
 「ママパパにいわれなくても しっかりとじぶんから もっともっときょうより あしたできるようにするから もうおねがい ゆるして ゆるしてください おねがいします」と、先ほどは我が会派の龍円あいり都議の方から全文読み上げましたが、これは悲痛な反省文であり、虐待を受けていても、ごめんなさいして、愛されたいと思う気持ちが推察をされます。死亡する十日前まで続いたそうであります。
 私も昨日のこの報道を受け、大変憤りと悲しみを覚えております。
 また、これまでも、二〇一二年江戸川区、二〇一三年足立区、二〇一四年葛飾区、そして同年、我が西東京市の、私が当時市議会議員だったんですが、義父の虐待を学校が把握しつつ児相につなげなかった中学二年生男子、二十四時間以内に死ねといわれて自殺をされた、そういった案件のことが非常によみがえってまいります。
 事件が起こった各区市町村は早期に、こういった事態を絶対発生させないために、しっかりと地域で連携をとるためにこれまでも取り組んでおります。
 こういう虐待死案件は、決して今後もあってはならないものだと強く述べさせていただきたいと思います。
 まず、陳情者の趣旨には理解をしつつ、何点か質問します。
 児童相談所から警視庁に共有されるようになったのは、平成二十八年四月一日の厚労省の児童虐待への対応における警察との情報共有等の徹底についてとの通達によりまして、児童相談所及び市区町村が虐待通告、相談等により把握した虐待事案のうち、刑事事件として立件の可能性があると考えられる重篤な事案、保護者が子供の安全確認に強く抵抗を示すことが予想される事案等については、早急に子供の安全を確保するため、迅速に警察と情報共有を図るほか、必要に応じ、児童虐待の防止等に関する法律第十条に基づき援助要請を行うなど、連携して対応することが重要であり、このため、児童相談所及び市区町村においてこうした事案を把握した場合は、警察への情報提供を行うとともに、警察が保有している当該子供及び保護者にかかわる情報についても提供を求めるなど、迅速かつ確実に情報の共有を行うよう対応されたいと、ちょっと長くなりましたが、通達の一部文章を述べさせていただきましたが、この文書を受けまして、東京都は、平成二十八年十月に警視庁との協定を締結いたしました。
 その内容は、身体的虐待で児童を一時保護し、その後、家庭復帰した事案と必要だと判断をした事案と、限定されているのが現状でございます。
 ただいま申し上げた警視庁と締結をした協定の内容、そして、その範囲を限定した理由をまずお伺いをいたします。

○谷田少子社会対策部長 ただいま副委員長からお話がありましたように、厚生労働省から平成二十八年四月一日付けで、児童虐待への対応における警察との情報共有等の徹底についての通知が発出されたところでございます。
 通知におきましては、これもお話ございましたが、虐待通告、相談等により把握した虐待事案のうち、刑事事件として立件の可能性があると考えられる重篤な事案、保護者が子供の安全確認に強く抵抗を示すことが予想される事案等については、早急に子供の安全を確保するため、迅速に警察と情報共有を図るものとされております。
 都は、こうした通知の趣旨を踏まえまして、生命、身体に大きな影響を与える身体的虐待のうち、一時保護後に家庭復帰した事案や、その他、児童相談所長が必要と認めた事案について、警察と情報共有をしているところでございます。

○桐山委員 答弁では、私が述べさせていただいた厚労省の通達が根拠であるということは理解をさせていただきました。
 そして、それを受けまして、東京都は今の現在の形で、身体的虐待のうち、一時保護後に家庭復帰した事案と、そして児童相談所長が必要と認めた事案について、情報共有をされているということでございます。
 直近の事案でもおわかりのとおり、児童相談所の専門家も人間ですからミスをすることもあるかと思います。これまでも、児童相談所がかかわっているケースで、児童相談所の判断で警察と連携がとられなかった事案も事実ございます。
 今後は、どのように強化していくかを前向きに検討しなければならない時期に来ていると考えております。
 これまで事件が発生をした、先ほど申し上げました市区町村の体制に対する連携の強化、あるいは他機関との啓発活動、そして、オレンジリボンも普及をされている中での成果でもあるかとも思いますが、現在、虐待相談のあらまし二〇一七年度版を見させていただいても、年々通告やその通報件数の増加、そしてそれに伴う一時保護所も増加傾向であるという報告もされております。
 今度は、児相の体制についてお伺いさせていただきます。
 これまでの児童相談所の体制の強化、これについてはどのような取り組みを行ってきたのか、まず伺います。
 また、さまざま、これは多様化しております相談や通報など増加する事案に対する現在の状況、また対応について、あわせてお伺いいたします。

○谷田少子社会対策部長 都はこれまで、深刻化する児童虐待に迅速かつ的確に対応するため、児童福祉司や児童心理司の増員を初め、虐待対策班の設置、人材育成等担う児童福祉及び児童心理の専門課長、新任職員の個別指導等を担う児童福祉司や児童心理司のOB、保健師の資格を有する医療連携専門員、非常勤の弁護士の配置などを行ってきたところでございます。
 今年度は、児童福祉司を二十三名、児童心理司を十三名、それぞれ増員しているほか、児童福祉司や児童心理司が行う児童記録の作成や関係機関からの照会に係る事務などの業務を補佐する職員を十五名増員しているところでございます。
 引き続き、児童福祉司の増員を図るなど、児童相談所の体制強化に取り組んでまいります。

○桐山委員 ただいまご答弁がありましたように、児童相談所の人員増や専門員の配置など、体制の強化がされてきた現状は理解をさせていただきました。
 さらに、冒頭の説明にもございましたように、区市町村では、子供家庭支援センターや教育機関、福祉機関や医療機関の間との情報共有が重要であるということで、区市町村間でもしっかりとこの支援体制が強化をされているということも承知しております。
 児童福祉法第二十五条に基づきまして、児童虐待を受けたと思われる児童を発見した場合は、全ての国民に通告の義務が課せられていることから、おかしいなと思ったら通告してもいいんだよという啓発もさらに必要です。
 こういう状況があっても、やはり通告をすることにちゅうちょを覚える都民の方がいることも現実あります。
 そういう方を少しでも減らしていって、できる限り通告をしやすい環境、また、万が一、誤った通告があったとしても間違いでよかったねといい合えるような環境をつくっていく、身近な地域で顔の見える関係性をつくっていくことも、特に、核家族において希薄になっている、そういった東京都においては非常に重要な課題だということを認識しております。
 それを受けて、通告や相談への児相の対応が煩雑になってはいけないと思っております。
 先ほども、人員の体制を強化してきたとおっしゃっていましたけれども、実際のところ、命を落としている子供がいるという現実をしっかりと受けとめて、地域連携の強化、さらには、警察との連携強化というものをますます深めていかなければならないのではないでしょうか。
 次に、全件共有についてお伺いします。
 現在では、高知県、茨城県、愛知県の三県が全件共有を実施されております。
 愛知県におきましては、早急、早期に虐待などの疑いがある情報を把握するなど、深刻な事態へと発展することなどを防ぐ狙いであると、大村知事は、全事案を共有することで児童虐待を一件でも減らしていきたいと述べられております。また、茨城県の子ども家庭課の担当の方は、やはり情報を共有することで相互に見守るということで虐待の見逃しを防ぎ、早期発見を図ることができると話されております。
 こういった三県の現状も踏まえまして、東京都として全件共有の考え方をお伺いいたします。

○谷田少子社会対策部長 都の児童相談所には非常勤弁護士及び協力弁護士が四十五名おりますけれども、これらの弁護士からは、児童相談所と警察との連携は重要であるものの、虐待の程度はさまざまであり、その全てについて警察と連携が必要であるとは思われないこと、児童相談所はみずから虐待してしまうことに苦しむ親からの相談にも応じる相談機関であり、相談した内容が警察に流れることになれば児童相談所への相談をためらうおそれがあること、親が相談をためらうことになれば保護者の支援にも支障が生じるおそれがあり、また、結果的に虐待が発見されにくくなるおそれがあること、自分たちの経験から、児童相談所や区市町村の子供家庭支援センター、教育機関、福祉機関、医療機関の間の情報共有が重要であるとの認識を持っていることなどの意見をいただいているところでございます。
 都といたしましては、個々の事案に係る対応も含め、日常的な警察との連携が重要であると考えており、さらなる連携強化に取り組んでまいりたいと思っております。

○桐山委員 ただいまご答弁がありましたように、都の児童相談所の非常勤弁護士、また協力弁護士から意見をいただいているものを述べていただきました。
 その内容を今聞かせていただきましても、弁護士さんからは、全件共有に対しては慎重に慎重を期するのではないかという意見を持たれているという感触を持たせていただきました。
 また、東京都に関しましては、それらの弁護士さんからの意見を受けて、今後も、個々の案件も含めてですけれども、警察との連携を強化していくという考え方だということは今述べていただいたところでございます。
 最後の質問をさせていただきたいと思いますが、先ほども申し上げました陳情者の趣旨には大変私も理解しておりますし、諸課題を前向きに検討して、最終的には私も全件共有をしていくべきだという考えも持ち合わせております。
 しかし、今ご答弁があったように、全件共有に対しては慎重に行うべきであるという意見もあることから、しっかりと今後、課題、問題を整理して、前向きな検討をすべきだというふうに考えております。
 私からは、まず、冒頭に質問させていただきました、今現在、警察と締結をしている協定の範囲の見直しができないのかということをお伺いしたいと思います。

○谷田少子社会対策部長 これまで児童相談所においては、子供の安全確認等で必要があるときは警察に要請し、同行して訪問するほか、警視庁との協定に基づき、身体的虐待で一時保護した子供が家庭復帰した場合にその情報を共有するなど、警察と日常的に連携を図っております。
 また、体制面でも、警視庁から現職警察官の派遣を受けるとともに、警察官OBを全ての児童相談所に複数配置し、連携を図っているところでございます。
 今後、警視庁と共有する情報の範囲を拡大し、協定内容の見直しを行うなど、警察とのさらなる連携強化に取り組んでまいります。

○桐山委員 ただいま、私は、前向きな答弁をいただけたというふうに理解をさせていただきます。
 子供は、みずから親を選べず、虐待の被害から主体的に逃れることも難しいのです。子供の最善の利益を確保する観点から、警察との連携のあり方については不断の見直しを行っていく必要があると、ただいま答弁の中でも述べられており、認識されていることがわかりました。
 陳情の理由に書かれておりました協定での警察との共有が、本当に五%にすぎないのであれば、一日も早く協定を見直すことで情報の範囲をさらに拡大し、即日運用できるよう、強く要望をさせていただきたいと思います。
 昨日の目黒の案件、ありましたけれども、やはり児童相談所、本当に多数、たくさんの事案が今入ってきております。一時保護所も定員がいっぱいの状況であるという認識は持ち合わせております。
 手厚くしていかなければならないところ、市区町村との連携の強化、そして通告をしやすい、風通しのよい、ふだんからのコミュニケーション、さまざまなことをしっかりと地域で取り組み、そして児相のあり方というものをしっかり考えていかなければ、救える命も救えないのではないでしょうか。
 そういったところを十分にご理解をいただきまして、私の質問を終わります。

○古城委員 陳情三〇第二〇号の一に関連し、かけがえのない命を守る立場から質問を行います。
 虐待により幼い命が奪われる痛ましい事件が後を絶ちません。今、国際社会が取り組む持続可能な開発目標、いわゆるSDGsの目標十六には、子供に対する虐待、搾取、取引及びあらゆる形態の暴力及び拷問をなくすことが掲げられています。社会の宝、未来の宝である子供たちは、誰一人として取り残されることがあってはなりません。
 陳情の理由にも記載されている、東京都目黒区のアパートでことし三月、五歳の女の子が父親に殴られた後に死亡した事件は、心を締めつけられる事件であります。
 まず、この事件の経過について確認をさせていただきます。

○谷田少子社会対策部長 まずは亡くなったお子様のご冥福をお祈りしたいと思います。
 本年三月、目黒区に住む五歳の子供が虐待により亡くなるという大変痛ましい事件が起きました。この家族は、ことし一月に香川県から目黒区に転居してきたばかりでございました。
 全国児童相談所長会では、被虐待児童の転居等に伴う相談ケースの移管及び情報提供等の取り扱いについて申し合わせを定めております。申し合わせでは、ケースの移管の対象は、援助方針が決定していない調査中のケースや、児童福祉司指導中、または、継続指導中のケースとされております。
 今回のケースは、児童福祉司指導が解除され、その後、香川県から目黒区に転居してきた事案でございまして、引き継ぎにおいても、本年一月、香川県の児童相談所から電話での一報がございましたが、詳細な情報がなかったため、都の児童相談所から香川県に対し関係資料の送付を求め、提供を受けたという経過となってございます。
 品川児童相談所は、その情報提供を受けまして緊急受理会議を開催し、初期対応の方針を決定し、家庭訪問を行いましたが、子供には会えませんでした。その後、区の子供家庭支援センターなど地域の関係機関で対応を協議しようとしていたやさきに起きた事件でございました。
 こうした経過をたどった事案でございまして、今回の児童相談所の対応として、転居した場合の自治体間の情報提供のあり方、家庭訪問、特に保護者が拒否的な場合のかかわり方などについて課題があったと認識しているところでございます。

○古城委員 今の答弁によりますと、死亡した五歳の女の子は、転居前の香川県において児童相談所が虐待の疑いを把握し、二度にわたって一時保護されていました。その後、家族で都内へ転居しました。転居後に、転入先の児童相談所が書類を引き継ぎ、家庭訪問をしましたが、女の子本人に会うことはできなかったとのことであります。
 この経過ですけれども、引き継ぎにも問題があったのではないか、こういう指摘も出ておるところでございます。
 この点、都の見解を求めます。

○谷田少子社会対策部長 今、委員の方からもお話がありましたが、先ほど経過の方をご説明させていただきましたが、本ケースにつきましては、香川県の方で児童福祉司指導が解除されて、その後、香川県から目黒区に転居した事案でございまして、引き継ぎにおいても、本年一月、香川県の児童相談所から電話での一報があったけれども、そこで詳細な資料がなかったといったようなことでございます。
 先ほどご説明しましたが、全国の児童相談所長会では、ケースの移管について申し合わせを行っているんですが、そうした形の中でのやりとりになっていなかったというようなこともございますので、お話がありましたように、移管の手続の中において課題があったという一定の認識はしております。

○古城委員 何が原因でこのような最悪な事態になってしまったのか、児童相談所として的確な対応をとることができなかったのか、児童相談所の対応には疑念を抱かざるを得ません。
 今回の事例の対応について、都はどのように認識をしているのか、見解を伺いたいと思います。

○谷田少子社会対策部長 大変ダブって恐縮でございます。先ほど申し上げたような経過をたどっているといったようなことがございますので、私どもとしては、やはり今回のケースの中では、児童相談所の対応として、転居した場合の自治体間の情報提供のあり方、それから家庭訪問を今回したわけですが、家庭訪問をした場合に、特に保護者が拒否的な場合のかかわり方などについて課題があったというふうに認識しているところでございます。

○古城委員 今答弁をいただいた点の確認になりますけれども、転居に伴う引き継ぎ、また情報提供のあり方、連携体制、当該児童の直接の確認など、今回と同様のケースというものは今後も起こり得るのではないかとも考えられます。再発を防ぐために、転入の場合の調査体制を明確にすべきであると考えます。
 あわせて、今回は結果として会えなかったわけですけれども、じかに対面し、まさに児童相談所が、もしくは関係機関が目で確認するようにできる、こういうふうにすべきではないかと考えます。
 今後、都はどのように取り組んでいくのか、見解を伺います。

○谷田少子社会対策部長 今回の事件後、児童相談所長会の場で、本事件について、経過の詳細や課題などについて全ての児童相談所の所長で共有するとともに、改めて児童の安全確認や難しい保護者への対応などについて周知徹底を図ったところでございます。
 また、五月には、情報共有や保護者との関係構築などケースワークの進め方について、外部の専門家から成る児童福祉審議会死亡事例等検証部会による検証を開始しており、その結果を踏まえ、研修やOJTなどを通じて現場の全ての児童福祉司に徹底してまいります。
 また、現在、児童福祉司の増員など児童相談所の体制強化を進めておりまして、今後、関係機関との連携も一層強化しながら、児童虐待防止に取り組んでまいります。

○古城委員 繰り返しになりますけれども、転入の場合の調査体制をはっきりさせていただく、また、じかに対面し、目で確認できるようにしていく、この点も今後の検討の中でしっかり取り上げていただいて、具体的な形で進めていただきたいというふうに思います。
 今お話がありましたけれども、児童相談所については、子供たちの心、また体の安全を守るために大変重要な役割を担っている機関だということがわかります。そして今、この中で情報の共有、関係機関との連携、また他県、ほかの管轄との連携、そして何よりも迅速な対応が求められていると考えます。しっかり今ご答弁いただいた内容、取り組んでいっていただきたいと強く要望をさせていただきます。
 さて、都内の児童相談所で受けた虐待の相談、通告の件数が増加の一途をたどっておりますけれども、都内における児童虐待の対応件数とともに、非該当と判明した件数についても、あわせて伺います。

○谷田少子社会対策部長 平成二十八年度に都内の児童相談所が対応した虐待相談件数は過去最多の一万二千四百九十四件となっており、そのうち、調査の結果、虐待ではなかったケースは二千三十一件となってございます。

○古城委員 今の数字は、過去最多とのことでございます。また近年、全国的にも、警察からの虐待通告が、これも増加をしているといわれております。
 先ほど桐山副委員長からもお話がありました、都が発行する、みんなの力で防ごう児童虐待-虐待相談のあらまし二〇一七年度では、このようにあります。虐待は、子供の穏やかな発育、発達を損ない、子供の心身に大変深刻な影響を及ぼします、子供の人権を守り、虐待を防止していくために、私たちはこの問題への理解をさらに深め、さまざまな機関の連携を強化していかねばなりませんとございます。都が掲げるこの役割を果たすためには、警察など関係機関との連携が重要であると考えます。
 そこで、警察からの虐待通告に関して、件数とその対応を伺います。

○谷田少子社会対策部長 警察から児童相談所への通告は、児童虐待の防止等に関する法律に基づくものであり、その件数は、過去三カ年で見てみますと、平成二十六年度が一千四百二十一件、平成二十七年度が二千九百三十八件、平成二十八年度が四千七百十三件となっております。
 なお、警察から通告を受けた事案については、その後の児童相談所の対応状況を警察に報告するなど情報の共有を図っているところでございます。

○古城委員 警察からの通告数もやはり年々増加をしている。これは児童福祉法等の改正の関係もあるかとは思いますが、平成二十八年度の数字でいいますと、そもそも一万二千四百九十四件に対して四千七百十三件ですから、四割に当たるということになると思います。やはりこの数字からしても、児童相談所と警察との連携が重要であるということがわかりました。
 先ほどのご説明の中で、これまで都は、警視庁との間で、平成二十三年十二月に確認書を、そして平成二十七年十二月に覚書を、さらに平成二十八年十月に協定をそれぞれ締結しているとの説明をいただきました。
 そこで、この平成二十八年に締結された協定に基づく児童相談所から警察への情報提供について、改めてですが、具体的に共有している内容と件数を伺います。

○谷田少子社会対策部長 警視庁との協定書に基づき定例的に情報共有、情報提供を行っている事案は、特に生命、身体に大きな影響を与える身体的虐待のうち一時保護後に家庭復帰した事案や、その他、児童相談所長が必要と認めた事案でございます。
 実績でございますが、委員お話しのように平成二十八年十月からの情報共有開始でございますので、直近の一年間、平成二十九年度の実績で申し上げますと四百八十二件となっているところでございます。

○古城委員 先ほども申し上げた、みんなの力で防ごう児童虐待-虐待相談のあらましに記載されている点で申し上げますと、この子供への虐待というのは、身体的虐待のほかに性的虐待、養育の放棄または怠慢、いわゆるネグレクト、さらに心理的虐待に分類をされています。
 今ご説明をいただいた協定に基づく部分では、身体的虐待で児童を一時保護し、その後、家庭復帰した事案等ということでございます。したがって、身体的虐待以外の虐待などを理由とする場合や一時保護とならない場合など、協定に基づく情報共有の事案以外にも警察との連携が必要になる事案があるのではないかと思います。
 そこで、こうした事案にどのように対応しているのか伺います。

○谷田少子社会対策部長 各児童相談所においては、管内の警察署との定期的な意見交換会を実施するほか、子供の安全確認等で必要があるときに、警察に要請した上で同行して訪問するなど、日ごろから必要な情報を共有した上で連携して対応しております。
 また、各区市町村の要保護児童対策地域協議会を活用し、個別のケースについて情報を共有しているところでございます。

○古城委員 子供たちをやはり痛ましい虐待から守っていくためには、私たち大人が知恵を働かせていかなければならないと思うわけですけれども、二年前の国の衆議院の厚生労働委員会における質疑において、厚生労働大臣は、児童虐待につきましては、市町村、児童相談所、そしてまた関係機関と緊密な連携をするということが大事であり、中でも警察との連携というのが極めて大事である、こういう認識を示しておられます。
 どうすれば子供たちの命を守ることができるのか。この点を十分に踏まえて、現在の協定で定められている情報共有の範囲、これを拡大する、先ほど申し上げました、身体的虐待等ではない虐待に基づく一時保護から、それ以後の帰宅、この事案以外の部分も含めて拡大するなど見直しを行って、児童相談所と警察との連携をさらに強化していくべきであると考えますが、見解を伺います。

○谷田少子社会対策部長 都はこれまで、協定書に基づく情報共有や同行訪問など、警察と日常的な連携を図ってまいりました。
 また、警視庁から現職警察官の派遣を受けるとともに、警察官OBを全ての児童相談所に複数配置するなど、体制面の強化も図っているところでございます。
 今後、子供の最善の利益を確保する観点から、児童相談所の体制を強化するとともに、警察との連携のあり方については、警視庁と共有する情報の範囲を拡大し、協定内容の見直しを行うなど、さらなる連携強化に取り組んでまいります。

○古城委員 冒頭にも申し上げましたが、何よりもかけがえのない命を守るために、そして社会の宝、未来の宝である子供たちを守るために、誰一人として置き去りにされることのない社会をつくるために、都の施策を総動員した児童虐待防止対策の強化を強く求めまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。

○藤田委員 私からも、二〇号の一について質疑をさせていただきます。
 児童虐待の相談対応件数の増加は、児童福祉司の増員に追いつかないほどになっています。また、虐待の背景には、親からの虐待の連鎖や貧困、若年妊娠、社会的支援の乏しいひとり親家庭、非正規など不安定雇用、親などの精神疾患など、複雑なリスク要因が多くあり、虐待のあらわれ方もそれぞれ違います。やっとの思いで子育てを行っている保護者にとっては非常にデリケートな問題であり、必要な介入は確実に行う必要がありますが、信頼関係の構築のためにも丁寧な対応が求められます。
 そのためには、児童福祉司によるケース対応の質が維持できるだけの人員配置基準を設けることが重要と思われます。児童福祉司の配置基準は、各児童相談所の所管地域の人口四万人に一人以上配置することを基本とし、全国平均より虐待対応の発生率が高い場合には、業務量、すなわち児童虐待相談対応件数に応じて上乗せを行うことを政令として規定しています。
 東京都では、この国の政令にのっとった対応を検討していますか、また、児童福祉司一人当たりの児童虐待相談対応は何件くらいを想定して増員を行っているのでしょうか。

○谷田少子社会対策部長 児童福祉司の配置基準は、これまで政令において人口おおむね四万人から七万人までに対して一人が標準とされておりましたが、平成二十八年六月に公布された改正児童福祉法を踏まえまして政令が改正され、経過措置期間を経た平成三十一年四月以降、各児童相談所の管轄人口四万人に対して一人が標準とされたところでございます。
 都では、これも踏まえまして児童福祉司の増員に取り組んでいるところでございます。増員する児童福祉司の人数は、配置後の育成を十分行える体制を考慮した上で設定しております。

○藤田委員 国の猶予期間は、来年、平成三十一年四月ということですから、もうすぐではあるんですけれども、現在、増員の状況は二十三人ずつ、昨年度、今年度と行っております。
 今ご答弁いただいた国の配置基準で計算を行いますと、国勢調査の人口で計算しますと、各児童相談所の基準児童福祉司は十一カ所合わせて三百四十二人という計算になります。
 さらに、先ほどお話しした国の上乗せ規定に合わせて各児童相談所の児童虐待相談対応件数から計算したところ、足立児相では十六名、八王子児相では二名、立川、多摩児相ではそれぞれ一名の上乗せを行う必要がある計算になります。
 両方合わせると児童福祉司の配置数の標準は三百六十三名になり、現人員から見ると九十名増員が必要ということになります。到底、来年四月の増員では間に合いません。
 三月の委員会で、基準との差は六十九名とのご答弁でしたが、実際は、さらにそれより二十一名必要な状態です。
 児童虐待に関する相談対応件数は年々増加し、児童福祉司一人当たりの受け持ち件数は、二〇一六年度では五十六件にまで増加しています。一つのケースを丁寧に対応しなければならない児童虐待相談対応に対して、一人当たり五十六件というのは、その数は対応能力を大幅に超えていると思われるのですが、いかがですか。

○谷田少子社会対策部長 お話の児童福祉司一人当たりの虐待相談件数は、一年間の虐待相談件数をその年度の児童福祉司の定数で単純に除したものでございます。
 都では、平成十四年度から、複数の児童福祉司で一定の地区を担当するチーム制を導入しておりまして、複数の児童福祉司が情報を共有し、協議をしながらケースに対応しております。
 また、これに加えまして、児童心理司や虐待対策班、保健師の資格を持つ医療連携専門員、家庭復帰支援員など、さまざまな役割を担う職員が児童福祉司と協働し、ケースへの対応を行っております。

○藤田委員 チーム制というのは、私も病棟で看護師をしておりまして、看護師としても行っているものですけれども、日々の対応や相談はみんなで当たれるので、経験のある児童福祉司の援助を受けながら新人や若手が成長できるという利点はあります。
 しかし、そもそも一人当たりの受け持ち人数が多いとなると、児童福祉司にしかできない仕事もあるわけです。五十六件という数は物すごく大きな負担になっていると思います。
 東京でいえば、先ほどの国の規定に合わせた三百六十三名になると、一人当たり受け持ちは三十四件になります。一気に新人を配置することが育成面での課題なのであれば、どうやったら経験のある児童福祉司をより多く配置できるか、早急に検討すべきです。
 二〇一〇年の総務省による児童虐待の防止等に関する意識調査では、児童福祉司への質問で、担当者一人当たりの児童虐待事件の妥当な受け持ち件数について、十件未満であればいいという方が三〇・二%、十件以上二十件未満が三二・四%、二十件以上三十件未満が二一・一%と、八割以上が三十件までと答えているのです。児童福祉司の受け持ち人数が多過ぎて、対応し切れずに虐待死が起きるなどということは絶対あってはならない、そう思うわけです。
 一方、この陳情者のいう全件共有などについての都の見解、先ほどからも述べられていますが、見解としてもう一度お伺いしますのと、もう一つは、児童相談所の現場で働いている方の警察との連携についてはどのような声を聞いているでしょうか、あわせてお答えください。

○谷田少子社会対策部長 先ほどご答弁したとおり、都の児童相談所の非常勤弁護士及び協力弁護士からは、虐待の程度はさまざまであり、全ての虐待事案について警察との連携が必要であるとは思われないこと、親の視点に立つと児童相談所への相談をためらうおそれがあること、その結果、虐待が発見されにくくなるおそれがあること、児童相談所や区市町村の子供家庭支援センターなど関係機関の間の情報共有が重要であることの認識を持っていることなどの意見をいただいているところでございます。
 都といたしましては、個々の事案に係る対応も含め、日常的な警察との連携が重要と考えておりまして、さらなる連携強化に取り組んでまいります。
 また、児童相談所の現場からというようなお話ですが、児童相談所におきましては、子供の安全確認等で必要があるときは警察に要請し、同行して訪問するほか、日ごろから警察と連絡調整を行っておりまして、こうした日常的な連携が重要と考えているところでございます。

○藤田委員 現場では、必要があるときは日常的な連携が必要ということだけれども、警察と情報共有をすることによって児童相談所への通告をためらうのではないかなどの懸念があるということだと思います。
 児童虐待には、残虐な傷害事件に発展するものや、児童福祉司自体が保護者の暴力などの被害に遭うことも想定されるため、警察との連携は必要であると考えます。しかし、全件共有となると、先ほどいわれたような懸念もありますし、対応の結果、虐待に非該当となるケースが一定あることも考える必要があります。
 著者杉山春さんの児童虐待から考えるの本の中にはこうあります。武豊町三歳児餓死事件でも、大阪二児置き去り事件でも、厚木男児遺体放棄事件でも、三つの事件の親たちの背景を見れば、全員が子供時代、ネグレクトや暴力的な環境で過ごしていると。子供時代には、周囲の親たちに十分に自分の気持ちや意見を聞いてもらえないまま育ち、育ちの過程で強い社会への不信を抱いている。子供のときに大きなストレスを抱えて育った方たちは、そのときの記憶をなくすような特性があります。子供のやわらかい脳によってストレスを回避しようとする傾向にあります。そうした方たちが親になったとき、子育てに対するモデルを持てないまま自分が親になるのです。
 虐待を受けて育った親の三割が我が子を虐待するとされ、山梨県立大学の西澤教授によれば、子供を虐待死させてしまう親の場合は一〇〇%虐待を受けて育っているといっています。
 今は明確にこんな行為が虐待であると定義づけられていますが、私自身、自分の育った環境がどうだったのか余り記憶にありません。今の自分の育児が本当に正しいのかどうか、多くの方が結構不安に感じながら子育てをしているんじゃないかと思います。実際、私も思いどおりにならない子供に対していらいらしたり、子供にとっては理不尽に怒ったりしていたときもありました。
 こんな思いで育児をしているときに、ただでさえ子育てに不安な状況ですから、児童相談所の人が来ただけでも、やっぱり自分の子育ては悪かったんだ、間違っていたんだと思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。ましてやそこに警察官がいたら、犯罪者として見られているのかというショックも受け、さらに子育てに自信をなくす場合もあるかと思います。
 同じく、ルポ虐待という本にも、よい母親になろうとして、うまくいっていない育児を世間の目から隠そうとしたために二人の幼い命が失われたケースが書かれていました。
 必要に応じて一時保護を行う、また、警察と連携し、同行することは必要ですが、この思いにどう寄り添って、どのような支援で親も一緒にケアすることができるのか、多くのことが、児童福祉司やそのチームで健闘する方たちに求められていると思います。
 先ほど紹介した総務省の調査では、施設に入所した児童や継続的に援助が必要な児童に対する支援が困難な理由として、一人当たりの受け持ち件数が多いなど人員配置に余裕がなく、児童や保護者にきめ細かなケアを行う時間がないという方が八八・二%でした。国に求められる今後の取り組みについても、児童相談所の児童福祉司や児童心理司の増員がトップで七二・一%でした。
 東京児相においては、児童福祉司一人当たりの受け持ちの人数や、また、人口が、四十七都道府県の中では受け持ちが多いということが明らかになっています。
 児童虐待及び児童虐待死の根絶のためには、人をしっかり配置することが非常に重要であり、きめ細かな対応ができる体制のためにも、国の基準を満たすのは大前提として、一人当たりの児童虐待相談件数の上限を決めて、緊急に人員増を図る必要があります。
 三月の厚生委員会では、配置後の育成を十分に行える体制を考慮した上で増員数を設定していると答弁されていました。急激な増員では育成が困難ということだと思うのですが、福祉に関する職務経験者の任用では、経験を積んだ児童福祉司を採用することが可能です。
 今年度の児童福祉司の採用は十一カ所の児童相談所全体で四名になっていますが、受験倍率は年々ふえています。緊急策として、児童相談所全体で業務経験ができる人数の採用を進めることを求めます。
 大切な子供の命を一人でも失わないために、連携の強化と、また、人の育成に全力を尽くしていただけますよう東京都に求めまして、私からの質疑を終わります。

○伊藤委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、継続審査とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○伊藤委員長 異議なしと認めます。よって、陳情三〇第二〇号の一は継続審査といたします。
 以上で福祉保健局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時十二分散会

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