本文へ移動

ロゴ 東京都議会

Tokyo Metropolitan Assembly

厚生委員会速記録第十五号

平成二十九年十二月十二日(火曜日)
第七委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長伊藤こういち君
副委員長桐山ひとみ君
副委員長和泉なおみ君
理事遠藤  守君
理事小宮あんり君
理事山内  晃君
古城まさお君
藤田りょうこ君
龍円あいり君
鳥居こうすけ君
つじの栄作君
舟坂ちかお君
高橋 信博君
岡本こうき君

欠席委員 なし

出席説明員
福祉保健局局長梶原  洋君
次長理事兼務山岸 徳男君
技監笹井 敬子君
総務部長後藤 啓志君
指導監査部長村田 由佳君
医療政策部長西山 智之君
保健政策部長矢内真理子君
生活福祉部長坂本 尚史君
高齢社会対策部長粉川 貴司君
少子社会対策部長松山 祐一君
障害者施策推進部長高原 俊幸君
健康安全部長高橋 博則君
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務奈良部瑞枝君
事業推進担当部長古賀 元浩君
医療改革推進担当部長成田 友代君
医療政策担当部長矢沢 知子君
地域保健担当部長本多由紀子君
生活支援担当部長横手裕三子君
施設調整担当部長稲葉  薫君
子供・子育て施策推進担当部長加藤 みほ君
障害者医療担当部長石黒 雅浩君
食品医薬品安全担当部長仁科 彰則君
感染症危機管理担当部長吉田 道彦君
病院経営本部本部長内藤  淳君
経営企画部長児玉英一郎君
サービス推進部長谷田  治君
経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務大久保達也君
計画調整担当部長末村 智子君

本日の会議に付した事件
意見書について
病院経営本部関係
報告事項(質疑)
・多摩メディカル・キャンパス整備基本構想(案)について
福祉保健局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百七十五号議案 東京都国民健康保険保険給付費等交付金条例
・第百七十六号議案 東京都国民健康保険事業費納付金条例
・第百七十七号議案 東京都国民健康保険運営協議会条例の一部を改正する条例
・第百七十八号議案 東京都国民健康保険財政安定化基金条例の一部を改正する条例
・第百七十九号議案 東京都心身障害者福祉センター条例の一部を改正する条例
・第二百号議案 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター定款の変更について
・第二百一号議案 東京都船形学園の指定管理者の指定について
・第二百二号議案 東京都八街学園の指定管理者の指定について
・第二百三号議案 東京都勝山学園の指定管理者の指定について
・第二百四号議案 東京都片瀬学園の指定管理者の指定について
・第二百五号議案 東京都七生福祉園の指定管理者の指定について
・第二百六号議案 東京都八王子福祉園の指定管理者の指定について
・第二百七号議案 東京都千葉福祉園の指定管理者の指定について
・第二百八号議案 東京都東村山福祉園の指定管理者の指定について
・第二百九号議案 東京都清瀬喜望園の指定管理者の指定について

○伊藤委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、意見書二件を提出したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件については、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○伊藤委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○伊藤委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、福祉保健局関係の付託議案の審査及び病院経営本部関係の報告事項に対する質疑を行います。
 これより病院経営本部関係に入ります。
 報告事項、多摩メディカル・キャンパス整備基本構想(案)についてに対する質疑を行います。
 本件については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○児玉経営企画部長 去る十一月二十八日の本委員会におきまして要求のございました資料についてご説明申し上げます。
 お手元にお配りしてございます厚生委員会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
 恐れ入りますが、表紙をおめくりください。
 資料は、目次にございますように、合計十件でございます。
 続きまして、一ページをお開きいただきたいと存じます。1、東京都がん検診センターにおける常勤医師数の推移でございます。
 各年度の四月一日現在の常勤医師数の推移を記載しております。
 二ページをお開き願います。2、東京都がん検診センターにおける一次検診事業実績の推移でございます。
 一次検診事業の実績について、市町村別に各年度の推移を記載しております。
 三ページをごらんください。3、東京都がん検診センターにおける診療実績の推移でございます。
 各年度の受診者数の推移を記載しております。
 続きまして、四ページをお開き願います。4、東京都がん検診センターにおけるがん診断者数の推移でございます。
 各年度のがん診断者数の推移を記載しております。
 五ページをごらんください。5、東京都がん検診センターにおける内視鏡治療実績の推移でございます。
 各年度の内視鏡治療の患者数の推移を記載しております。
 続きまして、六ページをお開き願います。6、神経病院の患者支援センターにおける相談件数の推移でございます。
 患者支援センターにおける各年度の相談件数の推移を、医療相談、看護相談別に記載しております。
 七ページをごらんください。7、神経病院の一時受入実績の推移でございます。
 各年度の一時受け入れ実績の推移を、患者数、延べ受け入れ日数別に記載しております。
 八ページをお開き願います。8、神経病院の訪問診療実績の推移でございます。
 訪問診療の実績について、市町村別に各年度の推移を記載しております。
 九ページをごらんください。9、小児総合医療センターの個室及び有料個室数でございます。
 平成二十八年度の個室数と、そのうちの有料個室数について記載しております。
 最後に、一〇ページをお開き願います。10、小児総合医療センターの個室使用料及び個室数でございます。
 平成二十八年度の個室使用料及び個室数について、個室の区分別に記載しております。
 簡単ではございますが、以上で資料の説明を終了いたします。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○伊藤委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○鳥居委員 先日、我々都民ファーストの会の厚生委員メンバーで、多摩メディカルキャンパス三病院の視察を行いました。視察時には、院長を初めとした医療スタッフの使命感や意識の高さが伝わってくる、そのような視察でございました。視察の結果を踏まえまして、先日策定されたキャンパス整備基本構想案に関する質問をさせていただきたいと思います。
 平成二十二年に開設された多摩総合医療センター及び小児総合医療センターでは、救急、がん、周産期などを中心に、重症度の高い救急、急性期医療を提供しています。また、神経病院や東京都保健医療公社が所管する東京都がん検診センターなどが、それぞれ特色ある医療を提供する多摩地域の医療拠点でございます。
 両センターは、多摩地域にとって重要な医療拠点を形成しているものと認識しています。時代の変化に応じるように、安心・安全で高度な専門医療を、将来にわたって安定的、継続的に提供できるように体制を整えていく必要性がございます。
 多摩メディカルキャンパス全体の取り組みに、がん医療、小児、周産期医療、難病医療、救急医療を中心とした重症度の高い急性期医療や専門性の高い医療の提供がございます。これらの特徴を有する本キャンパス内では、集積された医療資源の効果的活用に向けた連携体制を構築していると聞いております。
 まず、多摩総合医療センターと小児総合医療センターの連携の方向性について伺います。

○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 キャンパス内の各病院では、それぞれの持つ高い専門性と特色を生かすとともに、緊密に連携することにより、高度かつ専門的な医療を提供しております。
 特に周産期分野では、緊急時に母体救命措置が必要な妊産婦を必ず受け入れる、多摩地域では二施設しか指定されていない母体救命対応総合周産期母子医療センター、いわゆるスーパー総合周産期センターを、多摩総合医療センターと小児総合医療センターが一体となって運営してございます。
 今後とも、両センターの連携を一層強めることで、低出生体重児や重症新生児を積極的に受け入れ、多摩地域の周産期医療の向上を図ってまいります。
 また、AYA世代のがん患者等の新たな医療課題に対しましては、小児と成人の各診療科との連携を強化し、小児期から成人期に至る切れ目のない医療を適切に提供してまいります。

○鳥居委員 それぞれの病院がその特色を生かして周産期医療への貢献、またAYA世代へのがん対応など新たな医療課題に対応していくこと、これはキャンパスの再構築の狙いであるキャンパス総体としての潜在的な能力を引き出して、将来に向けた安定的、継続的な高度専門医療の提供に必要な技術創出、人材確保、そして育成につながると考えます。引き続き、個々の病院の能力をさらに高める運営を進めていただきたいと考えます。
 次に、多摩キャンパスにおける救急医療の強化について伺います。

○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 多摩総合医療センターは救命救急センターを含む東京ER・多摩総合を、小児総合医療センターは東京ER・多摩小児を運営しており、多摩地域における初期から三次までの幅広い救急患者を多く受け入れております。
 両センターにおいては、高齢化の進行による血管系疾患の増加や小児重症患者の増加等への対応のため、CCU、心臓疾患集中治療管理室やPICU、小児集中治療室等の重症患者の集中治療のための病床の増床やERにおける受け入れ体制の強化により、重症、重篤な患者など高度な救命措置や集中治療が必要な患者をこれまで以上に積極的に受け入れ、安全・安心な救急医療を提供してまいります。

○鳥居委員 都立病院が担う救急医療は、特徴的で非常に重要と考えます。引き続き、安全・安心な救急医療の提供を進めていただくとともに、一方で、医療スタッフの負担にも留意した発展的な職場環境の改良、改善への取り組みも、引き続き進めていただきたいと思います。
 続いて、がん医療について伺います。
 現在の我が国では、二人に一人ががんに罹患し、三人に一人ががんで亡くなります。既に多摩総合医療センターでは、総合診療基盤を活用し、五大がんを初め、希少がんまで幅広い領域のがんに対して、手術療法、内視鏡治療、放射線治療、がん薬物療法などを効果的に組み合わせた集学的治療を行っており、また、がん細胞に放射線を照射した治療や低侵襲な治療をも実施していると聞いております。
 多摩総合医療センターにおいて、質の高いがん医療の提供に加えて、がんの早期発見及びこの重要性が高まりつつある緩和ケアの取り組みについて伺います。

○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 高度な検診技術を有する東京都がん検診センターの精密検診部門を、多摩総合医療センターの精密検査部門に機能統合し、新たに、仮称でございますけれども、外来がん検査・治療センターを整備してまいります。このセンターには、高精度な精密検査機器の導入や内視鏡検査件数の拡充等により、がんを早期に発見できる体制を質的にも量的にも充実を図ってまいります。
 一方、緩和ケアの取り組みについては、地域がん診療連携拠点病院の要件となっており、医師、緩和ケア認定看護師、緩和薬物療法認定薬剤師等から成る緩和ケアチームを中心に、病棟回診や多職種カンファレンスを実施するとともに、院内外の患者のための緩和ケア外来を開設しております。
 加えまして、地域の医療者や介護者を対象とした緩和ケア研修会や勉強会の実施、地域医療機関や訪問看護ステーションとの連携による緩和ケアの支援等を通じて、多摩地域の緩和ケア水準の向上と入院から在宅への切れ目のない緩和ケアの実現を目指してまいります。

○鳥居委員 我々が目指しております健康長寿社会の実現に向けて、がん医療の対策は、認知症や運動器症候群など、それらとあわせて最も重要な課題の一つであるということに間違いはございません。引き続き、早期発見から治療、緩和ケアと、がん医療分野での専門性を常に高めていただくようにお願いしたいと存じます。
 キャンパス総体としての医療の質を高めるためには、臨床に対した研究は重要であると考えております。キャンパス整備基本構想案にも、研究体制の整備に関しては言及されているとおりでございます。
 その軸となっている神経病院では、神経難病医療を提供していますが、難病は治療法が確立されていないことから、国も、難病の診療を効果的に治療を行っていけるように、研究開発を推進しております。それゆえ、多摩メディカルキャンパスは希少性疾患の症例を活用して研究を進めるとともに、臨床への応用により、診断や治療に反映できる体制の構築を目指していくべきであるというふうに考えております。
 そこで、神経病院における難病医療の特徴についてお伺いさせていただきます。

○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 神経病院は、脳神経系疾患、特に神経難病、筋疾患に対する高度で専門的な医療を提供しております。
 具体的には、パーキンソン病等の原因不明の神経疾患に対し、薬物治療だけでなく、リハビリテーションや脳深部刺激療法など、専門性の高い手術、治療を組み合わせることで、患者の症状に応じた最適な治療方法を提供しております。
 また、神経難病は、徐々に症状が進行し、身体機能が低下していくため、話せるうちに自分の声を録音しておき、音声言語障害に対して活用するマイボイスという機器を利用したコミュニケーション支援や、呼吸苦に対する緩和ケア医療を実施しております。
 さらに、ALS等、いまだ原因が不明である疾患の病態解明、治療法の開発に向けた研究にも積極的に取り組んでおります。

○鳥居委員 治療法の確立していない神経難病等に対する本病院の存在は非常に大きく、意味があるものと認識しております。
 近年は、指定難病が拡大し、三百を超える疾患が対象となりました。難病対策が大きく変わろうとしている時期と認識します。そのような中で、今後、都の難病医療の拠点としての、仮称でございます、難病医療センター整備に当たり、キャンパスにおいてどのような難病医療提供体制を構築していくのかを伺います。

○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 多摩総合医療センターのリウマチ膠原病科等の免疫部門を、仮称でございますが、難病医療センターに移設するとともに、同センターを中心としたキャンパス内三病院の連携を強化し、キャンパス全体でほぼ全ての指定難病に対応できる体制を構築していきます。
 また、多摩総合医療センターと連携し、合併症等を有する難病患者には、総合診療基盤を活用した複数診療科による治療を提供していきます。
 さらに、小児総合医療センターと連携した移行期医療を提供することにより、小児期から成人期に至る切れ目のない難病医療を提供してまいります。

○鳥居委員 新しい体制が、難病で苦しまれている患者様にとって光をともせる存在になることを切に願います。
 そのためには、成果につながる取り組みを進める必要性があります。高度専門医療を提供していく都立病院としては、外部資金を活用した臨床研究や治験に積極的に取り組んでいくことが重要で、実際に小児総合医療センターでは国の特区制度を活用した先進医療に取り組んでいることも聞いております。
 そこで、これまでのキャンパス三病院の外部資金を活用した臨床研究や治験の実績について伺います。

○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 平成二十八年度は、厚生労働科学研究費補助金など外部資金を活用した臨床研究を、神経病院では四件、多摩総合医療センターは八件、小児総合医療センターは二十五件実施しております。
 また、治験につきましては、神経病院が十二件、多摩総合医療センターが十九件、小児総合医療センターが十九件という実績でございました。

○鳥居委員 医療分野が今後の成長分野の一つとして注目されております。世界的にも開発競争が激化しております。全体で千六百床の規模を誇る本キャンパスにおいては、多くの患者様が集まるわけでございます。
 今後、我が国において、研究を推進させ、できるだけ早く臨床応用へとつなげていくことが重要な中で、実際に患者様に接しているお医者様、そして基礎研究に携わる研究者、さらには医療、工学分野の技術者を含めた横断的な協力体制を構築して推進していくことが肝要と考えます。
 キャンパス内の質的にも量的にも豊富な症例を活用することにより、臨床への還元、創薬など医療と研究の連携による新たな創造が期待されて、産学医の連携もますます必要になってくるのではないかと考えます。
 そこで、今後、多摩キャンパスで一層積極的に臨床研究や治験に取り組む必要性があると考えますが、その見解をお伺いいたします。

○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都立病院は豊富な症例を有しており、臨床研究や治験を通じてこうした資源を新たな臨床につなげ、患者や都民に還元していくことも重要であると考えております。
 このため、多摩キャンパスでは、小児、難病、がん等、各病院の強みを生かした臨床研究、AI診断やゲノム医療等、最先端の検査技術に関する臨床研究を推進していきます。
 また、東京都医学総合研究所の基礎研究分野や首都大学東京の工学系分野等との連携を強化し、多摩キャンパスの症例を活用した共同研究を積極的に進めてまいります。

○鳥居委員 小児、難病も含めて、希少性疾患の臨床研究や治験の推進が必要だと考えております。
 基本構想案には、新たな臨床研究支援センターを整備するとされております。
 そこで、キャンパス全体でどのように研究を支援していくのかを伺いたいと思います。

○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 キャンパスの豊富な症例を効率的かつ効果的に研究につなげていくため、臨床研究支援機能を集約した、仮称でございますけれども、臨床研究支援センターを整備していきます。
 具体的には、現在積極的に研究を行っている小児総合医療センターにおける支援体制を中心に、臨床研究コーディネーター、症例管理等を行うデータマネジャー等のノウハウや、人材の活用等、体制を強化し、キャンパス全体で共同利用する研究支援体制を構築してまいります。

○鳥居委員 進歩が常のこの医療、科学の分野におきましては、安心・安全で高度な専門医療の継続提供、これは容易でないことは明らかでございます。
 しかし、東京都は、その準備として、多摩メディカルキャンパスを整備してきました。新たな難病医療センターの整備も、キャンパス総体の存在価値を高め、その技術的貢献をこの東京都から日本、世界に発信する大きな機会と捉えていることと思います。その取り組みを後押しするためにも、その仕組みづくりについては、日々、病院経営本部の方々及び医療のスタッフの皆様方との連携が進められていると考えております。
 例えば、今後、研究と臨床の連携、研究成果の実用化を推進していくためには、知的財産管理部門の整備や治験窓口の整備などの体制の充実もさらに必要であり、臨床研究支援センターの整備に当たっては十分に検討していただきたい課題だと考えております。
 本キャンパスが高度専門医療をみずからで生み出す環境にあると思います。ぜひ、超高齢社会の日本が医療の分野でこの東京都からソリューションを生み出すべく、取り組みを進めていただきたいと考えております。
 多摩キャンパスは、都民にとって貴重な財産であります。だからこそ、豊富な症例をもとにした研究や治験の推進を行い、臨床への実用化を図っていただきたい、成果を創出して、それを足場にしたことにより、都民を初めとした多くの方々への医療の還元、そして持続的な発展形の構築を進めていただきたいということを切にお願いいたしまして、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

○古城委員 多摩メディカル・キャンパス整備基本構想案について質問をいたします。
 府中市にある多摩地域の医療拠点である多摩メディカルキャンパスについて、整備基本構想案が先月二十七日に公表されました。この多摩メディカル・キャンパス整備基本構想案、多摩地域の医療水準の向上のためにの「はじめに」によれば、平成二十八年度から、多摩メディカル・キャンパス整備検討委員会を中心に、各病院長や関係部門等がメンバーとなり、がんや難病医療の強化策やキャンパス内の連携強化等、さまざまな議論を展開し、今般、基本構想として策定しましたとあります。
 私は、ここに明示されているがんや難病医療の強化策、そしてキャンパス内の連携強化、特に強化と連携という視点から質問をいたします。
 このキャンパス内の連携という点で申し上げますと、二〇一〇年にオープンをいたしました小児総合医療センターと多摩総合医療センターは、同じ施設内に成人と小児の総合病院が併設される全国初の試みでございます。両総合医療センターの、これは三階であるかと思いますけれども、三階フロアで一体化された総合周産期母子医療センター、これはまさに連携の象徴であるというふうに考えます。
 さて、政府は、平成三十四年度、二〇二二年度までのがん対策の方針となる第三期がん対策推進基本計画を十月二十四日に閣議決定しました。この計画は、がん予防、がん医療の充実、がんとの共生が三本柱になっていますが、がん予防の観点からは具体的に、がんの早期発見、治療につながる二次予防として、自治体が行う一次検診の受診率を五〇%に、一次検診で要検査とされた場合の精密検査の受診率を九〇%にすることを掲げています。
 平成二十七年度の東京都の統計によれば、都全体での精密検査の受診率は、胃がん、男女で七〇・六%、肺がん、男女で六六・二%、大腸がん、男女で五四・六%、子宮頸がん、五八・六%、乳がん、七七・四%とのことです。国が掲げた精密検査の受診率九〇%にはほど遠い現状です。
 先日六日の代表質問において、我が党は、がん対策として、多摩総合医療センターのがん検査体制について、精密検査の受診率向上と検査機能の強化を図る取り組みを進めるべきと訴えました。このことを踏まえ、多摩メディカルキャンパスにおけるがん医療の強化について幾つか質問いたします。
 まず、がん予防について質問します。
 がん検診は、区市町村が実施主体であり、地域の医療機関との協力連携のもと、住みなれた地域で住民が受診しやすい環境を整備することが、検診の目的の一つでもある受診率の向上にも資すると考えます。東京都保健医療公社の東京都がん検診センターは、がんの専門検診機関として、区市町村から委託を受けて行う住民検診、一次検診とともに、精密検査が必要とされた方、地域医療機関から紹介された方、自主的に検診を希望される方に対して行う精密検査までを一貫して実施しています。
 そこでまず、多摩地域における東京都がん検診センターの一次検診事業の受託の状況について伺います。

○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 委員もお話しのとおり、一次検診につきましては市町村の事業とされており、東京都がん検診センターでは、平成二十八年度は、多摩地域の十六の市と町から一次検診の委託を受け、約四万三千人の住民に対して検診を実施しております。
 多摩地域の人口の増加に伴い、一次検診の受診者が年々ふえている中、東京都がん検診センターの多摩地域におけるシェア率は現在七%弱と、平成二年のセンター設立時の一二%と比べて大幅に減少しております。
 なお、多摩地域の一次検診の受診者の九割以上は民間医療機関などで実施しているのが現状でございます。

○古城委員 ありがとうございます。多摩地域の一次検診が九割以上民間医療機関などで行われているというご答弁がございました。
 先ほど紹介をいたしました平成二十七年度の東京都によるがん精密検査受診率の統計を区部と多摩部に分けて見ますと、胃がん、男女では、区部六八・一%に対して、多摩部は八二・四%、肺がん、男女、区部では六四・七%に対して、多摩部は八三・八%、大腸がん、区部では五三・三%に対して、多摩部五七・六%、子宮頸がん、区部では五七・三%に対して、多摩部は六三・六%、乳がん、区部では七五・九%に対して、多摩部は八〇・八%と、いずれの精密検査においても、区部よりも多摩部が高くなっています。
 この数字からも、多摩地域における多摩総合医療センターのがん診療連携拠点病院としての存在意義、なかんずく、区市町村が実施する一次検診事業、地域の民間医療機関などと緊密に連携を図る必要があることがわかるのではないでしょうか。
 整備基本構想案では、多摩総合医療センターは、精密検査を重視し、がんの早期発見、早期診断につなげていくとのことであります。
 そこで、多摩総合医療センターにおけるがん検査、治療機能をどのように強化するのか、伺います。

○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 がん治療では、早期診断、早期治療が重要でございます。このことは、患者にとって、治療の過程で生じる体への負担を少なくすることに加え、治療費が抑えられるなど多くのメリットがございます。
 この点を捉え、多摩総合医療センターでは、精密検査による早期診断、その後の治療への、ワンストップで提供できる新たながん医療提供体制を構築するために、がんの検査機能に加えて、外来通院治療機能を備えた、仮称でございますが、外来がん検査・治療センターを新たに整備してまいります。
 本センターでは、多くの患者に精度の高い内視鏡検査や、検査時にポリープ切除が可能となるよう内視鏡室を拡充するとともに、微小な乳がんでも発見できるPEMなど高精度な画像検査機器を導入し、検査機能を強化します。
 また、がんにかかわるさまざまな相談支援も拡充してまいります。
 さらに、多摩総合医療センターにおいては、IMRT、強度変調放射線治療等、高精度放射線治療機器を導入し、高度で低侵襲な治療を推進してまいります。

○古城委員 ただいまの答弁のとおり、がん検査体制を充実強化することが早期治療へつながる連携の第一歩であると考えます。
 答弁にありましたワンストップとは、一般に複数の用事を一カ所で済ませられることをあらわしますが、多摩総合医療センターにおけるワンストップとは、精密検査、その後の治療、また高度で低侵襲な治療を同一医療機関において行えること、同一医療機関において受けられること。一連の治療経過をカルテなどで確認することができる効率性、これらは患者負担の軽減に資することになるわけですから、まさにワンストップは病院内の連携の効果であるといえます。
 次に、女性のがん対策強化について質問します。
 微小な乳がんでも発見できるPEMも導入されるとのことですが、女性に特有のがんに対する医療機能の強化、女性が受診しやすい体制整備も重要であると考えます。
 この点どのように取り組むのか、伺います。

○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 先ほどご答弁をいたしました、仮称でございますが、外来がん検査・治療センターに女性のプライバシーに配慮した女性専用エリアを整備し、女性が受診しやすい環境づくりを行っていきます。
 また、先生今お話しの一ミリ単位の微小な病変を発見することができる乳がん検査専用のPETであるPEMの導入等、女性特有のがんに対する検査機能も強化してまいります。

○古城委員 ありがとうございます。これまで我が党は、女性に特有のがん対策として、無料の乳がん検診の実施を推進するなど力を入れてまいりました。これからも女性が社会で働きながら検査や治療ができる体制を十分に確保していただきたいと要望いたします。
 次に、がん医療の機能強化、医療人材の連携について質問します。
 昨年の予算特別委員会において、我が党の橘議員が、医療機器の技術革新も目覚ましいものがあり、がんの検査、診断から治療に至るがん診療体制の高度化を図るためには、最新の機器の活用は非常に有効であることから、多摩メディカルキャンパスの整備に当たって、最新の機器の活用によるがん医療の機能強化の具体的な取り組みを提案しました。
 当時、病院経営本部長は、治療機器として強度変調放射線治療装置、IMRTや、診断機器として小さながんにも対応できるPET-CT、またPEMなどの機器の導入を検討するとの考えを示されております。
 先ほど答弁がございましたとおり、PEMやIMRT等、高精度放射線治療機器が導入され、がん医療の高度化をしていくためには、それに携わる人材の確保や育成も不可欠であります。先日の委員会においても要望しておりますが、特に、放射線治療においては、医師、診療放射線技師、医学物理士等の連携が重要であることを重ねて申し上げます。
 そこで、IMRT等、高精度放射線治療機器の導入に伴う医師、放射線技師、医学物理士等の人員の確保と育成について伺います。

○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 多摩総合医療センターで導入を予定しておりますPET-CTやPEM、高精度放射線治療機器等を効率的かつ効果的に運用していくためには、放射線治療にかかわる医師や技師等が新たな知識や技術を習得することに加え、実際の治療の経験を積み重ねることが重要であると認識しております。今後、こうした高度な医療機器を用いた検査や治療に必要な人材を確実に確保していきます。
 また、高精度な放射線治療に欠かせない放射線技師育成につきましては、豊富な症例を生かした研修や実習などを積極的に実施するとともに、放射線治療専門放射線技師や臨床実習指導教員などの認定資格の取得支援についても取り組み、安全性と精度の向上を図ってまいります。

○古城委員 ありがとうございます。これまでの答弁により、国のがん対策を踏まえ、多摩メディカルキャンパスの整備においては、がん精密検査部門の機能強化、これを図ることで、がん診療連携拠点病院としての役割を担っていくことがわかりました。
 次に、がん対策推進基本計画に関連して質問します。
 国のがん対策推進基本計画では、がん対策を実効あるものとして総合的に展開していくためには、国、地方公共団体、関係者等が適切な役割分担のもと、相互の連携を図りつつ、一体となって努力することが重要であるとされています。
 そこで、がん対策推進基本計画の考え方に対して、多摩メディカルキャンパスではどのように取り組んでいくのか、伺います。

○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 がん対策推進基本計画においては、市町村の取り組むべき施策として、科学的根拠に基づいたがん検診を実施し、がん検診の精度管理の向上に取り組むこととされております。
 がん対策で重要なことの一つは、精密検査が必要とされた受診者が確実に精密検査を受診することでございます。このため、検診事業を行う市町村と精密検査を行う多摩総合医療センターとがこれまで以上に緊密に連携していくことが重要となります。
 多摩総合医療センターは、医療機関として、より多くの精密検査に対応できる体制を強化していくとともに、精密検査の受診率向上のため、地域の住民や医療機関に対するがん教育や普及啓発にも積極的に取り組むことで、多摩地域のがん対策の向上に取り組んでまいります。

○古城委員 次に、一次検診事業、市町村との連携について質問をいたします。
 整備基本構想案によれば、東京都がん検診センターを精密検査機能に重点化し、多摩総合医療センターに統合する一方で、一次検診事業は段階的に縮小しながら、いずれ廃止をする、こういう方向性が示されております。
 この方向性について、整備基本構想案では、国の動きや医療環境の状況等を踏まえてとありますが、それにとどまらず、検診事業を受託している市や町の状況も踏まえながら、適切に一次検診事業を他の民間医療機関等へ移行する必要があるのではないでしょうか。
 一次検診を適切に、円滑に地域の検診機関等に移行するため、地元自治体の理解が特に重要であると考えますが、どのように調整しているのか、伺います。

○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 一次検診事業は市町村が実施主体であるため、東京都がん検診センターが現在受託している十六の市や町に対し、多摩キャンパスにおけるがん医療の強化について説明を行っております。
 がんの一次検診を段階的に縮小、廃止し、精密検査機能に重点化を図り、多摩総合医療センターのがん医療を強化していくという方向性については、一定の理解が得られているものと考えております。
 また、関係する地区医師会では、一次検診は身近な地域で受診の機会があること、さらに地域の医療機関等による内視鏡検診も有効であるともご理解をいただいているところでございます。
 東京都がん検診センターが受託している一次検診につきましては、今後も関係する市や町と継続的に打ち合わせを行い、がん検診受診者に支障を来すことのないよう、各地域の現状や検診に対する意向などを十分に踏まえ、丁寧に対応してまいります。

○古城委員 ぜひとも丁寧に対応していただきたいというふうに思います。がん対策推進基本計画にいう適切な役割分担のもとで、区市町村の実施する一次検診事業とともに、がん予防の意義として掲げられた目標値の達成に向けて、一層緊密に連携し、都立病院においては、精密検査における早期発見から早期治療につながる体制の強化を要望させていただきます。
 次に、がん医療の充実について質問します。
 整備基本構想案では、ゲノム医療やAIを活用した最先端の技術に関する臨床研究の推進もうたわれています。これまでの質疑でも触れてまいりましたが、がん対策推進基本計画の二本目の柱は、がん医療の充実であります。
 このがん医療の充実として、最適な薬の投与などによる患者の生活の質、クオリティー・オブ・ライフ、QOLの向上が期待されている、患者の遺伝情報に基づいたがんゲノム医療を進めることや、いわゆるAYA世代、思春期世代と若年成人世代のがん診療体制の整備を促進することに初めて言及されています。
 そこで、多摩メディカルキャンパスでは、AYA世代のがんにどのように対応していくのか、伺います。

○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 現在、小児総合医療センター及び多摩総合医療センターの両センターにおいては、小児期から成人期に至る総合的ながん医療を提供できる体制を構築しております。特に、小児総合医療センターは小児がん拠点病院にも指定され、希少がんや難治性がんに対して専門的な医療を提供しております。
 AYA世代は、十五歳から三十九歳までの世代を示しておりますが、この世代においてのがん治療については最適な治療法が確立しておらず、十五歳未満の小児がんが発生する場合に比較いたしまして、一般的に治療効果があらわれにくいとされております。
 AYA世代のがん診療の専門家が少ない中で、両センターが有する豊富な治療経験を生かし、関係する診療科の協力体制のもと、AYA世代に特有の就学、就労や出産など、さまざまな問題点に配慮し、適切な医療を提供することが重要であります。
 このため、今後、両センターの相互の連携をより強化しながら、AYA世代のがんに対する最適な医療を目指してまいります。

○古城委員 AYA世代のがんは、子供に多い白血病や悪性リンパ腫、脳腫瘍などと、大人に多い胃がんや大腸がん、子宮がんなどが混在するといわれています。だからこそ、小児と成人のがん診療科双方による密接な連携が必要であり、こうした体制が整う多摩メディカルキャンパスへの期待は非常に高いものがあります。
 放射線や抗がん剤の影響により、成長に伴ってリスクを負う不妊や糖尿病、別のがんを発症する晩期合併症への備えも必要です。医療面での長期的なフォローアップが求められる中で、本人の状況や将来への希望を踏まえた支援体制の構築が重要となります。
 また、小児がんは、成長期に行う抗がん剤治療や骨髄移植などの影響で、治った後でも発育やホルモン機能などに障害が残る場合があります。こうした大人のがんとは異なる問題が起こるため、長期的なケアが求められます。
 加えて、就学期に長期の入院治療を行うため、治療後に人間関係や就学、就労などでさまざまな悩みを抱える、こういうこともいわれております。
 がん対策推進基本計画の三本目の柱は、がんとの共生であります。AYA世代の長期診療提供体制の構築とともに、小児がん相談支援体制の充実を要望いたします。
 次に、難病医療について質問します。
 整備基本構想案においては、老朽化した神経病院の改築を軸にキャンパスを再構築し、キャンパスの医療機能を強化するとされています。難病法が平成二十七年一月に施行され、医療費助成の対象となる指定難病は徐々に拡大し、現在では三百三十疾病となっています。難病は、希少かつ多様であるため、発症してから確定診断までに長期の時間を要する場合が多く、できる限り早期に正しい診断ができる体制を構築することが必要であります。
 新たに整備される難病医療センターは、難病医療の拠点として重要な役割を担うことになります。連携の視点から、多摩総合医療センターとの連携として、専門的な治療、合併症対応、小児総合医療センターとの連携として、同様に専門的な医療、合併症対応に加えて成人期への移行が挙げられています。また、多摩メディカルキャンパス全体で診療相談、受診相談において連携が図られることになります。
 そこで、難病医療センターで、具体的にどのように難病の診断や治療機能を強化していくのか、伺います。

○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 多摩総合医療センターのリウマチ膠原病などの免疫系部門を、仮称でございますが、難病医療センターに移設し、キャンパス内の難病医療機能を集約いたします。その上で、新たに専門性の高い外来診療体制を整備もしていきます。
 また、ALSやパーキンソン病等の疾患の特性に対応した専門疾患センターや、分子標的治療等、先進的な治療を提供する難病免疫治療センターを設置し、医師だけでなく、薬剤師や看護師等の多職種による集学的な治療を実施してまいります。
 さらに、遺伝子診断、免疫学的診断や高精度画像検査など、早期かつ正確な確定診断を実施するとともに、遺伝子診断を的確に行うためのカウンセリング実施体制についても強化をしてまいります。

○古城委員 ありがとうございます。専門疾患センターや難病免疫治療センターを設置し、医師、薬剤師、看護師等の多職種による連携が行われることもわかりました。
 次に、難病患者の支援について質問します。
 難病医療の強化も大きな柱となっていますが、難病患者の症状や容体はさまざまであり、患者支援の取り組みも重要だと考えます。
 我が党はかねてから、福祉保健局事業である難病相談・支援センターについて、広尾だけではなく、多摩地域の難病患者の皆様がアクセスしやすいような環境整備を求めてまいりました。また、昨年平成二十八年第二回定例会では、多摩メディカルキャンパス内へ難病相談・支援センター機能を盛り込むべきだと要望いたしました。
 本年十月、神経病院内に東京都多摩難病相談・支援室が開設されました。
 そこで、神経病院に開設された東京都多摩難病相談・支援室は、多摩地域における難病相談拠点としてどのような取り組みを行っているのか、伺います。

○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 福祉保健局から事業を受託している東京都多摩難病相談・支援室は、難病患者や家族を対象とする療養相談や就労支援相談を実施しております。
 具体的には、治療に対する不安や公的手続などに関し、難病相談支援員による相談を実施しております。また、ハローワークとも連携し、難病患者就労コーディネーターによる就労支援も実施しているところです。加えまして、神経病院の患者支援センターとも連携を図り、神経病院が難病医療を提供する中で培ってまいりましたさまざまな相談や診療のノウハウ、地域との連携関係を十分に活用し、患者や家族の立場に寄り添った相談や支援の充実を図ってまいります。

○古城委員 ありがとうございます。ハローワークとの連携による就労支援、また神経病院の患者支援センターとの連携で相談支援の充実を図るとのことですので、難病患者の方々、家族の皆様に寄り添う支援を期待したいと思います。
 次に、島しょ医療について質問します。
 整備基本構想案によると、島しょ地域の医療水準の向上も図るとされています。
 そこで、島しょ医療の強化にどのように取り組んでいくのか、伺います。

○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 島しょ医療につきましては、広尾病院が重点医療として実施しているところでございます。
 広尾病院が対応困難な場合等におきまして、多摩キャンパスは積極的に島しょ救急患者にも対応しています。現在も多摩総合医療センターを中心に、ヘリ搬送も含め、島しょ救急患者を受け入れており、今後とも、周産期の救急患者には、小児総合医療センターと連携した的確な医療を提供するとともに、難病患者の急変時、増悪時におきましては、これも仮称でございますけれども、難病医療センターと連携し、積極的に患者の受け入れを行ってまいります。

○古城委員 ありがとうございます。
 次に、病児、病後児保育について質問します。
 小児総合医療センターの強化として、病児、病後児保育室を設置とあります。働く保護者がふえる中、病児、病後児保育のニーズは高まっています。小児科の医師のいる都立、公社病院の病児、病後児保育室に子供を預けることができれば、保護者も安心して働くことができます。
 都はこれまでも、病児、病後児保育の事業の実施主体である区市町村の取り組みを支援していますが、都立、公社病院においても、区市町村に積極的に協力していただきたいと思います。
 現在、病児、病後児保育を実施する都立、公社病院は二カ所です。我が党は、予算特別委員会などを通して、都立病院や公社病院での病児、病後児保育の推進を強く求めてまいりました。都立病院では、平成二十八年二月、墨東病院に、公社病院では、平成二十五年十一月、多摩北部医療センターに病児、病後児保育室が設置されています。
 そこで、多摩メディカルキャンパスでは、病児、病後児保育室を今後どのように進めていくのか、伺います。

○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 多摩地域の子育て環境の充実に貢献するため、多摩メディカルキャンパス内に新たに保育室を整備し、保育棟内に病児、病後児保育室を開設して、一部を地域に開放することとしております。
 現在、隣接する市や共同利用する広域利用も視野に入れて、地元府中市及び近接する市と協議を行っているところでございます。
 なお、現在、保育棟の実施設計を進めており、来年度には工事を開始する予定となっております。

○古城委員 ありがとうございます。多摩メディカルキャンパスにおいて、病児、病後児保育室の広域利用が、地元の自治体の意向も踏まえて実現されることを期待いたします。
 最後に、整備手法について質問します。
 現在、多摩総合医療センター、小児総合医療センターにおいてPFI事業が実施されており、整備基本構想案では、キャンパスの整備に当たって、PFI導入可能性を検討するとしております。
 そこで、今後の整備手法をどのように考えているのか、伺います。

○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 仮称でございますけれども、難病医療センターの整備に当たり、現在、PFI事業で運営しております多摩総合医療センター、小児総合医療センターとの一体的な運営を確保する観点や費用対効果など、PFI導入可能性の検討を実施することとしております。

○古城委員 ありがとうございます。これまで、強化と連携という視点から質問をしてまいりました。質問を通して、キャンパス内の連携、診療科の連携、医療従事者間の連携、地域との連携、地域医療機関との連携などを訴えてまいりました。もって、がんや難病医療の強化が図られることを期待いたします。
 小児期から成人期まで、多摩メディカルキャンパス内三病院の専門性と強みを十分に発揮するとともに、相互連携の強化により、集積メリットを高め、キャンパス総体として医療機能を強化し、もって、多摩地域全体の医療水準の向上に努めていただきたいと要望いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

○高橋委員 それでは、私の方からは、主に神経病院、難病医療センターの整備について質問をいたします。
 我が党は、さきの第四回定例会代表質問におきまして、都立病院が急性期医療の安定的な提供だけではなく、都立病院が有する医療資源やノウハウを活用し、患者が地域で安心して療養できるよう、地域医療を支援していく必要性について質疑を行いました。
 多摩メディカル・キャンパス整備基本構想案においては、同キャンパスが地域医療支援の拠点としての役割を果たしていくことが示されております。
 また、多摩総合医療センター、小児総合医療センター、神経病院と特色のある三病院が、それぞれの強みを発揮するとともに、相互の連携を強化推進することによりまして、キャンパス総体としての医療機能の強化をしていくとされております。
 神経病院は、神経系難病医療を専門としており、在宅難病医療も重点医療として掲げております。今後、キャンパス内の難病医療を集約化し、都における難病医療拠点として、仮称でございますが、難病医療センターを整備していくことは、ほぼ全ての難病患者に対し、治療や相談も含めた高度かつ包括的な難病医療を受けられるというメリットがあると考えます。
 そこで、現在、神経病院においてどのように在宅難病医療を提供しているのか、現状を伺います。

○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 難病患者が住みなれた地域で安心して療養生活を送るためには、地域医療機関等の受け入れ体制が不可欠でございます。現状では、地域の体制が十分整っておらず、今後、難病患者の地域移行を進めるに当たっては、地域の診療所などの受け入れ体制を強化することが重要であります。
 このため、神経病院では、地域の医療機関や保健所、福祉関連機関等と定期的にミーティングや研修会などを開催して、情報の共有化や在宅療養に必要なスキルの向上など、呼吸や嚥下など各種運動機能に障害を持つ難病患者が、退院後に自宅で安心して療養ができるよう、地域の関係機関を通じた在宅難病医療への支援を行っております。
 また、人工呼吸器や経管栄養など、必要な患者に対しましては医師や看護師等による訪問診療も実施しており、対象患者数は、平成二十八年度でございますが、百二十五人でありました。
 今後も、こうした患者の地域の状況を踏まえ、地域移行に向けた支援を行ってまいります。

○高橋委員 地域の関係機関を通じて、在宅難病医療の支援を実施しているということでございます。難病患者にとっては、身近な地域で安心して療養できるよう、支援することは大変重要であります。
 難病医療センターとして整備するに当たり、高度かつ先進的な治療を提供する一方で、今後、どのように地域を支援していくのか、伺います。

○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 難病医療センターの果たすべき重要な役割といたしまして、重症患者をこれまで以上に積極的に受け入れていくためには、一方で、病状が安定した患者が地域で安心してケアを受けられるよう、地域の医療機関等との連携のもと、地域移行を進める必要がございます。
 このため、在宅医療機関や訪問看護ステーションなどの医療従事者等に対する研修を充実し、地域の医療人材を育成してまいります。
 また、新たに地域医療支援病床を整備し、人工呼吸器等、常時医療的管理が必要な患者の定期評価を行うなど、医療型ケア入院や緊急時や増悪時の一時受け入れにも対応してまいります。
 これらの取り組みを推進することにより、地域で安心して療養を継続するための在宅支援体制を強化してまいります。

○高橋委員 今後、さらに地域に対する支援を強化していくとのこと、よろしくお願いいたします。
 また、多摩地域の医療ニーズや高齢化の進展などによりまして、リハビリの必要な患者がふえることも予想されます。急性期医療を担う多摩キャンパスにおいて、症状が安定した患者が円滑に地域に戻れるようにするためのリハビリテーションも大変重要であります。
 今後のキャンパス整備において、地域への在宅復帰支援のためにどのようにリハビリ医療を提供していくのか、伺います。

○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 難病医療センターにおいては、患者がなるべく早期に安心して地域に戻れるよう、新たにリハビリ専用病床を整備し、入院中の在宅復帰のためのリハビリや在宅療養患者への短期集中リハビリを実施していきます。
 また、全国でも導入例が少ない難病患者へのロボットリハビリを実施し、先進的なリハビリを提供してまいります。
 さらに、多摩総合医療センターや小児総合医療センターにおける急性期治療を経過した脳卒中、脳炎等の患者の円滑な地域移行を図るため、地域では対応が困難な患者に対しまして、難病リハビリのノウハウを活用したリハビリも実施していきます。

○高橋委員 新たにリハビリ専門病床を整備し、全国でも導入例が少ない難病患者へのロボットリハビリを実施し、先進的なリハビリを提供するとの今答弁がございました。
 ロボットリハビリというなかなか聞きなれない言葉でございますけれども、最近テレビのコマーシャルでやっているみたいですけれども、リハビリにつきましても大変進化しているなと思います。これからの時代、ロボットの力をかりないとなかなかうまくいかないという情勢ではないかなと思っております。
 このロボットリハビリとは、どのような患者に対し効果が見込まれるのか、伺います。

○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 ロボットリハビリは、患者に装着するロボットスーツで下肢の動作を補助し、運動を繰り返すことで歩行機能を改善するリハビリテーションでございます。装着した患者の皮膚に電極を張りつけ、脳からの神経信号をロボットスーツが感知して、患者の意思に沿って歩行をアシストする仕組みでございます。
 筋ジストロフィーやALS等の徐々に進行していく神経筋疾患により歩行障害があらわれた患者を対象にロボットリハビリを導入することで、歩行機能の改善に効果があることから、平成二十八年度から保険適用されております。
 現在、神経病院では、来年度のロボットリハビリ導入に向けた運用面での検討や技術の習得など準備を進めているところでございます。

○高橋委員 難病だけではなく、多摩キャンパスには、高齢者から子供まで、いろいろな疾病の患者がいて、患者が円滑に地域に移行するためには、退院後の生活や療養の不安や治療との両立など、さまざまな相談に対応していくことも大変重要であります。
 多摩キャンパスにおける地域医療支援の拠点として、患者支援センターの機能をどのように充実をさせていくのか、伺います。

○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 多摩総合医療センターではがん相談、難病医療センターでは難病相談、小児総合医療センターにおいてはAYA世代のがんや移行期医療相談等、各病院の特色を生かし、取り組みを着実に推進してまいります。
 また、ハローワークや特別支援学校とも連携することにより、就労、学業と治療との両立など、ライフステージに応じた総合的な相談支援機能を充実してまいります。
 今後は、キャンパス三病院の患者支援センターが相互に連携を図り、ライフステージにおいては小児期から成人期まで、また治療に関しては入院から在宅療養まで、切れ目のない患者支援体制を構築してまいります。

○高橋委員 この基本構想案において、災害時における継続した医療の確保、これは、東京都には山があったりいろいろな--多摩の方にあるわけでございます。最近の傾向を見ますと、大規模災害、地震を含めていろんな災害が予想されるわけでございます。その災害時における継続した医療の確保が大変大きな役割を、一つの位置づけとして求められていると思います。
 キャンパスの機能強化として災害対応力の強化が掲げられておりますが、キャンパス内でどのような取り組みを行うのか、伺います。

○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 災害対応力の強化につきましては、ソフト、ハードの両面から取り組むことが重要でございます。
 ソフト面では、キャンパス内三病院の相互協力体制のもとで、災害時の各施設の役割分担や連携により、重症患者の収容、治療の受け入れを強化してまいります。また、府中市を初め、近隣市等との災害時の医療連携体制を強化するため、災害医療訓練や医療従事者向けの研修を実施してまいります。
 ハード面におきましては、災害用医療資器材や食料等を保管する備蓄倉庫を増築します。また、難病医療センターには、人工呼吸器装着患者が継続した医療を受けられる環境を確保するともに、災害時多目的スペースとして活用できる施設を整備してまいります。
 こうした取り組みを通じて、キャンパス全体としての災害対応力をより向上させてまいります。

○高橋委員 ソフト面、ハード面にわたりまして、多摩キャンパスが、災害時において対応力が強化されていくことがわかりました。
 さて、現在においてもキャンパスの交通渋滞がしばしば発生していると聞いております。我が党も、平成二十八年第一回定例会において、多摩キャンパスの構内環境の改善について質疑を行ったところであります。
 これだけの医療機関等が集積してくると、整備後の周辺の交通環境への影響も懸念されます。また、誰もが利用しやすい、利便性の向上も必要であります。
 今後のキャンパス整備に当たっては、どのようにキャンパス内の交通環境を改善していくのか、伺います。

○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 委員お話しのとおり、これまでも駐車場の出入り口の見直しや道路の拡幅等の改善に努めてまいりましたが、キャンパス整備後の将来を見据えた交通環境の改善を図るため、本年度、キャンパス内交通環境調査を実施しております。
 具体的には、キャンパス内の交通状況や周辺の交通環境に与える影響を検証した上で、シミュレーションも実施し、交通動線の改善や適正な駐車台数等を検討しております。
 その結果を踏まえ、キャンパス内や周辺道路の交通渋滞を解消するため、駐車場の増設やバスロータリーの再整備を行い、駐車場の誘導などICTを活用した利便性の向上策もあわせて実施してまいります。来年度は、駐車場増設の実施設計に着手する予定でございます。

○高橋委員 駐車場の増設やバスロータリーの再整備を行い、ICTを活用した駐車場誘導等、利便性の向上策をあわせて実施し、キャンパス内の交通環境の改善に努めていくということでございました。キャンパス内の交通環境の改善については、よくわかりました。
 これからは要望なんですけれども、多摩地域というのは面積が広くて、奥多摩の方、西多摩の方から全部、この多摩キャンパスが最先端の医療設備でございます。特に救急とか、道路事情とか、多摩キャンパスの周辺の道路整備、これは局が違うからちょっと、そこはこちらの経営本部からも要望して、局を挙げて、これは本当に一分一秒を争う病状の人もたくさんいるわけで、救急車が行くといってもあちこち行ったりなんかする。多摩地域全地域のことを考えると、道路の幹線の整備というか、特にこの府中の多摩キャンパスについては府中所沢鎌倉街道線がすぐそばにあるわけでございます。多摩地域には南北道路、そしてまた東西道路があるわけでございますので、その辺のところのアクセスの整備についても、本当にもう大変な状況でございますので、その点も力を入れて経営本部の方からも、そのようにやっていただきたいなと思っております。
 私は多摩地域の選出議員といたしまして、多摩地域の交通網やインフラ整備の推進も積極的に行ってきております。また、これからもそのつもりでおります。多摩メディカルキャンパスの整備と相まって、今まで以上に地域住民がスムーズに受診できるさらなる体制強化をぜひお願いしたいと、その要望をいたしまして、質問を終わります。

○藤田委員 私からは、まず、多摩メディカル・キャンパス整備基本構想案の検診センターについてお伺いします。
 がん検診センターの一次検診事業を段階的に縮小、廃止する方向性が示されていますが、これはどういった経過によって判断されたのでしょうか。

○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 平成二十七年二月から、外部有識者等をメンバーとしました多摩メディカルキャンパスあり方検討会により、多摩地域のがん医療の強化などについて検討していただき、平成二十八年二月に報告書が取りまとめられております。
 この報告書においては、キャンパスにおけるがん医療の水準の向上を図るため、高い検診技術や精度に基づく診断から、適切な治療につなげる一体的な体制の確立について検討していく必要がある、その際、東京都がん検診センターが有する質の高い検診機能を多摩総合医療センターにおけるがん治療に活用していくことが重要であるとの方向が示されております。
 一方、がん検診は市町村事業であり、本年十月に閣議決定された第三期がん対策推進基本計画においても、市町村の取り組むべき施策として、がん検診の受診率の向上と精度の向上が掲げられております。
 また、東京都がん検診センターの一次検診の多摩地域におけるシェア率は現在七%弱と、平成二年のセンター設立時の一二%に比べ大幅に減少しており、多摩地域のがん検診の九割以上は民間医療機関で実施している状況にございます。
 こうした現状の中で、東京都病院経営本部では、平成二十八年五月から、キャンパス内の病院長や東京都がん検診センター所長などをメンバーとした多摩メディカル・キャンパス整備検討委員会による検討を重ねてまいりまして、今般、多摩メディカル・キャンパス整備基本構想案をまとめたところでございます。

○藤田委員 がん検診センターの質の高い検査機能を活用することはわかりました。しかし、一次検診事業を縮小、廃止する理由にはならないと思います。
 がん検診の一次検診は、バリウム検査による胃がん検診と、便潜血検査二回法による大腸がん検診、細胞診検査を行う子宮頸がん検診、マンモグラフィー検査による乳がん検診、レントゲン検査やたんの検査を行う肺がん検診があります。検査の設備とレントゲン技師がいれば行える検査もありますが、胃がん検診と子宮がん検診は、医師がいなければ行えない内容です。
 これらの検査を地元の医療機関で行うことが困難な自治体もあると思うのですが、一次検診の縮小、廃止を行うとそれらの地域ではどういう影響が出るのか、検討はされましたか。

○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 東京都がん検診センターが、現在、一次検診を受託している十六の市と町に対し、多摩キャンパスにおけるがん医療の強化について説明を行っております。
 東京都がん検診センターにおけるがんの一次検診を段階的に縮小し、廃止し、精密検査機能に重点化を図り、多摩総合医療センターのがん医療を強化していくという方向性については、一定の理解が得られているものと考えております。
 今後も、がん検診受診者に支障を来すことのないよう、各地域の現状や検診に対する意向などを十分に踏まえまして、丁寧に対応してまいります。

○藤田委員 東京都から説明したとしている十六の市と町ですが、その中には自治体で行うがん検診の大半を検診センターの一次検診事業に依存しているというところもあります。
 現在の受診率を維持するためには地元の医療機関だけでは対応できないなど、おっしゃるような理解がそうそう得られているとは思えません。
 東京都がん検診センターの一次検診の廃止について、市町村からはどのような意見が出されていますか。また、意見に対してはどのように対応しようとお考えでしょうか。

○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 関係する市や町に説明を行った際、東京都がん検診センターに対する意見といたしまして、多摩総合医療センターの精密検査機能に統合することで、多摩地域のがん医療の機能が強化されることを歓迎する声がある。その一方、次のようなものがございました。
 一次検診を直ちに縮小、廃止されるのは困るので、段階的に調整してほしい、代替機関があるのか不安なので、検診機関を探すことについて協力をしてほしい、受診率向上のため、がん対策の正しい知識について普及啓発など支援をしてほしいというものでございました。
 今後、このような意見に対し、東京都がん検診センターと東京都が適切な役割分担のもと、緊密に連携しながら、関係する市、町との継続的な調整を行い、がん教育や普及啓発等も含めまして、必要な対応を適切に行ってまいります。

○藤田委員 今回の基本構想案について、幾つかの自治体に聞き取りを行いました。私が聞き取った限りでも、地元ではさばき切れない、なくなると困るという意見のほかに、費用面の心配があるというお話もお聞きしました。
 現在、がん検診センターが受託している検診車による胃がん検診の金額はお幾らでしょうか。

○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 胃がん検診に係る受託料は、原則といたしまして、一人当たりの単価に受診人数を乗じた金額となっております。
 なお、個々の契約金額は、受託者である東京都がん検診センターと、各市や町の契約により決定されているものでございます。

○藤田委員 自治体と東京都がん検診センターでの個々の契約であるから、公表はしていらっしゃらないのかもしれませんが、幾つかの自治体に聞いてみたところ、検診車によるがん検診センターでの胃がん検診一人当たりでは、幾つかの自治体で平均しまして、約四千六百円程度であることがわかりました。この中には、検診車の費用や医師の人件費、自治体へ返信する際の通信費も含まれており、これに受診した人数を乗じた委託費をがん検診センターに支払っているということでした。
 一方、検診車の委託を受けているある財団では、胃がん検診四十人分で二十六万八千円でした。これは、受診者が四十人に満たなくても、最低保証料として支払わなければならないということでしたが、単価にしてみますと、一人当たり六千七百円になります。
 また、ある自治体が検診車を民間の団体に委託している場合ですと、同じ条件で一人当たり六千二百円というところもありました。
 現在の自治体負担から見ると、がん検診センターからほかの事業者に変更するということで、一人当たり二千円前後値上げになる可能性があり、がん検診を受ける人が多い自治体の出費がふえ、ひいては自己負担の増加にもつながりかねないという大きな問題だと考えます。
 段階的に縮小、廃止という構想案の中には、東京都として費用補助を行うということも検討されているのでしょうか。

○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 先ほど来答弁を差し上げてございますけれども、がん検診は市町村事業であり、東京都がん検診センターは、他の民間医療機関と同様に受託機関の一つでございます。
 一次検診の縮小、廃止に当たり、受託機関が変更になったからといって、費用の補助が必要であるとは考えておりません。

○藤田委員 がん検診ができる医療機関が地元に少なく、独自で検診車を手配しなければ現在の受診規模を維持できないという自治体もあります。市や町の検診に係る費用の増大は、検診事業の縮小や住民の自己負担の増加につながり、結果として、一次検診受診率の低下を招きかねません。
 東京都がん検診センターの一次検診を段階的に縮小、廃止するという構想は、地域の医療資源に乏しい自治体に暮らす都民にとって大きな不利益だと考えます。民間でも一次検診を行っているからという分析で、一律に一次検診の縮小、廃止を行うことは、住民福祉の向上という地方自治体の精神に逆行するものではありませんか。
 誰もが質の高い医療を受けられ、安心して暮らせる東京というのであれば、このような検診事業こそ続けるべきだと思います。
 また、がん検診センターでは、検診以外にも、養成研修、普及啓発、調査研究などの機能がありますが、これらは、今後どのようになるのでしょうか。

○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 東京都がん検診センターは、検診事業のほか、人材育成、調査研究及び普及啓発の事業も実施しております。
 これらの事業のうち、がん対策として必要な事業については、内容を精査した上で、多摩キャンパス全体の取り組みとして拡充をしてまいります。

○藤田委員 病理検査を行う検査技師の養成やマンモグラフィー検査を実施するレントゲン技師の研修などの人材育成は、まさに東京都が役割を果たすべき重要な事業で、堅持する必要があると思います。ほかの事業も含めて、こうした検診以外の事業についても、広く都民にとってどういう影響があるのかを検討した上で、都の責任でふさわしく拡充する方向で検討を行っていただくよう要望いたします。
 次に、多摩キャンパス内の病院についてお聞きします。
 構想案では、多摩地域における医療ニーズの増大や急激に変化する医療環境への対応を行うとしていますが、一方で、多摩地域の医療人材は、区部に比べて、人口比で医師も看護師も少ない状態です。
 多摩メディカルキャンパス内の三つの病院においても、医師は常に欠員状態です。事務事業でも質問させていただきましたが、特に小児科や精神科といった専門医が不足し、少ない医師に過重な労働が集中しているのが実態です。
 看護師についても、多摩総合医療センターは欠員で、一カ月に九回以上の夜勤を行っている看護師は全体で七八・四%にも上ります。看護師が育児中で時短勤務を行っている場合であっても夜勤要員に数えられ、時間短縮のできない夜勤を行うということも起こっています。
 夜勤回数の増加は離職率とも比例します。構想案を実践するためには、人材確保が欠かせません。現在の欠員や医療現場の課題に今から改善を図っていかなければならないと思いますが、東京都の見解をお聞かせください。

○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 キャンパスの医療機能の強化に伴い、必要となります体制の充実につきましては、今後、キャンパス内の整備内容を具体化する中で検討していく考えでございます。

○藤田委員 具体化しないと細かいところは検討できないということですが、難病の外来診療も一日三百三十人の患者を想定して行い、高度で先進的なリハビリも行う、在宅療養への支援も強化するなど、さまざまな機能強化が出されており、そのためには職員の充実が不可欠です。
 現在、多摩医療センターで免疫系難病、リウマチ、膠原病、消化器系の難病の診療を行っている医師は、その患者だけ診ているというわけではありませんので、難病医療センターができると、多摩医療センターと難病医療センターを行き来する必要が生じることも考えられ、その点でも十分な職員の手当てが必要です。
 さらに、難病医療を行う医師の確保は今後どのように行っていく方針でしょうか。

○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 難病医療センターの医師の確保につきましては、基本構想に盛り込んだ難病医療の強化について具体的に図っていく中で検討し、必要な人材については確保していく考えでございます。

○藤田委員 基本構想に盛り込んだ内容の中での検討になるというお答えでした。
 東京都には、もともと臨床医学総合研究所、精神医学総合研究所、神経科学総合研究所があり、二〇一一年に統合して財団法人東京都医学総合研究所となりました。現在あるこの総合研究所とは、共同研究や症例発表会などで連携するとのことですが、多摩キャンパス内にはこういった研究所はなく、行うのは臨床研究と治験のみです。研究所との綿密な連携ができる環境こそ、研究意欲の高い医師が集まり、同時に、先端的な技術を活用した医療の提供が可能になります。臨床研究や治験にとどまらず、この多摩メディカルキャンパスの構想案に、東京都としても医学の総合研究所の設置を位置づけることを求めます。
 医療の進歩は目まぐるしいものがあります。その対応に人の存在が欠かせません。この構想案についても、医療を必要とする方を支える人の具体的な目標を設定していただきたいと思います。
 また、難病医療センターにおいては、難病診療連携拠点病院としての機能を持ち合わせ、在宅移行の支援のみならず、在宅で安心して住み続けられるための支援も十分に行うよう要望いたしまして、私からの発言といたします。ありがとうございました。

○龍円委員 いつも私の息子の話から始めて申しわけないんですが、ダウン症のある私の息子は、アメリカで二〇一三年に生まれました。アメリカは医療が進んでいることもあり、特殊な病状を抱えた子供にとってはありがたい反面、むちゃなほど高額な医療費は両親にとって大きなストレスとなっております。
 私の息子もてんかんの疑いで二泊三日の検査入院をしましたが、請求額が日本円で約三百九十七万円でした。また、心臓病のエコー検査が一回十一万円でした。アメリカには国民健康保険のような制度がないので、私が加入している民間の健康保険がどこまでカバーしてくれるのか、審査結果が出るまでは生きた心地がしませんでした。
 また、アメリカでは医療が縦割り、分業となっているので、心臓病の定期検査をするためだけに、まず、心臓のかかりつけ医のところに行き、検査をするためのオーダーをいただいて、別の日にエコー検査技師のところで検査をして、その結果を聞きに、また心臓のかかりつけ医のところに行くため、合計で三日間かかりました。アメリカでは、医療的なニーズがある子を育てることは、金銭的にも、そして時間的にも大きな負担となっておりました。
 二〇一五年に帰国してからは、小児総合医療センターにて、遺伝科、循環器科、眼科、歯科などと、ダウン症児が抱えるさまざまな分野において、総合的に定期的な健診を受けております。知識も経験も豊かな医師たちに診てもらえる安心感はとても大きいです。
 また、複数の診療科に同じ日に診てもらえ、検査もその場でできて、カルテや検査結果など全てが連携されているので、本当に頼りになります。
 また、ともすると病院は、無機質で冷たく、気持ちが沈む場所になってしまいがちですが、外光がたっぷりと入ってきて、木材などを使用している明るい内装となっており、一階の外来は子供たちが遊べたり休めたりできるスペースもあり、同じようなスペシャルニーズのあるお子さんを連れた両親同士が自然と会話するような場面もよくあります。
 また、病状によっては数週間の長期入院もさせていただきましたが、実際に私が支払ったのは食事代のみでした。これがもしアメリカであったら破産していただろうと思います。事実、アメリカでは入院による自己破産をしている人が私の周りにもおりました。
 東京は、医療的なニーズのある子供を育てるには非常に安心ができる都市です。また、東京の中でも小児総合医療センターは、特に難しい状況を抱えている子供たちにとっては頼りになっている病院となっております。息子が利用しているほか、先日、視察もさせていただき、いろいろな課題などについても伺わせていただきました。さらなる充実強化について質問させていただきます。
 都内の低出生体重児の数は、平成十二年には八千六百七十九人でしたが、平成二十年以降は一万人を超える数で推移をしております。医療技術の向上により、新生児の死亡率も平成十二年から比べると半減しております。
 周産期医療において、小児総合医療センターの果たしてきた役割はただならぬものがあると思います。多摩メディカル・キャンパス整備基本構想案には、小児総合医療センターの充実として、超低出生体重児や外科的手術が必要な新生児の受け入れを促進するとあります。
 まずは、小児総合医療センターの周産期医療の現状について教えてください。

○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 小児総合医療センターでは、NICU二十四床、GCU四十八床の都内最大規模となる周産期医療体制を整備し、隣接する多摩総合医療センターと一体となって、緊急に母体救命措置が必要な妊婦を必ず受け入れる母体救命対応総合周産期母子医療センター、いわゆるスーパー総合周産期センターとしていますが、高度な医療が必要な周産期患者に対応しております。
 平成二十八年度には、新生児搬送を二百五十九件受け入れるほか、高度で専門的な技術を要する新生児期の外科的手術を七十一件実施しております。
 また、千五百グラム未満の極低出生体重児八十二人、そのうち、千グラム未満の超低出生体重児三十六人に対応するなど、高度かつ専門的な医療が必要となる患者に対する都内でも有数の実績がございます。
 具体的な症状を見ると、ダウン症などの染色体異常や多臓器にわたる先天奇形、生まれつき心臓の形と機能に異常がある先天性心疾患など、重症な新生児の患者に多く対応しております。

○龍円委員 非常に難しい状況の赤ちゃんを積極的に受け入れ、新しい命をつないでいってくれていることがわかりました。超低出生体重児は、複数の臓器に疾患を持っていたり、ダウン症などのいわゆる障害をあわせ持っていることが多く、それぞれに対して医療や支援が必要になるかと思います。
 超低出生体重児を積極的に受け入れていくとすれば、総合的な診療や支援が必要になると思うのですが、どのように取り組んでいくのか、教えてください。

○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 小児総合医療センターは、小児専門の三十四の診療科を標榜しており、新生児期の治療に当たっては、院内の全ての科と緊密に連携をとり、あらゆる疾患に対する医療を提供しております。
 また、外科、循環器科、臨床遺伝科、相談支援部門と多摩総合医療センターの産科が合同で毎週カンファレンスを実施しており、母子の容体や今後の管理について情報交換を行っているところでございます。
 このほか、児童精神科医、臨床心理士を中心としたリエゾンチームや、在宅移行支援担当医、看護師を中心とした療育チームなど、多職種で構成されたチームと協力し、治療はもとより、児童の発達や療育環境の整備など、総合的な支援を入院中から実施しているところでございます。
 今後は、こうしたニーズの増加がますます見込まれることから、診療科間や職種間の連携を一層密にして、適切に対応してまいります。

○龍円委員 ありがとうございます。総合的な治療と支援が多くのお子さんを助け、家族の支えになっていると思います。今後、一層推進していただきますようお願いいたします。
 基本構想には、小児がんへの取り組みとして相談支援体制の充実が書かれていますが、ほかの疾患で入院する患者や家族に対しても相談支援の充実を図っていく必要があると思いますが、いかがでしょうか。

○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 小児総合医療センターでは、MSW、臨床心理士、保育士、看護師、理学療法士などで構成される子ども家庭支援部門において、入院生活や退院後の生活に関する心配や経済的なこと、育児に関することなど、さまざまな相談に応じております。
 家族への相談支援については、小児がんに限らず、病気や障害を持って生まれた子の親に対してもリエゾンチームが病棟を訪問し、精神的に不安定な時期の親へのカウンセリングやアドバイスを実施することで早期に適切な支援につなげております。
 また、ダウン症候群など遺伝子の疾患を持つ子の家族を対象に、合併症を併発しやすい疾患の特徴や公的支援の現状、療育やリハビリなどについて、医師やMSW等の専門チームがわかりやすく説明するとともに、参加した親同士が抱える悩みや不安を共有する場を設け、同じ疾患を持つ家族の交流により、不安解消につなげる取り組みを実施しております。
 なお、入院が長期化した患者の付添者の負担を軽減するため、多摩キャンパス内に、公益財団法人ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパンが運営する宿泊施設を設置してございます。
 今後とも、患者や家族の状態に応じたきめ細かい相談支援の実施に向け、これまで述べたさまざまな取り組みの充実を図ってまいります。

○龍円委員 子ども家庭支援部門があり、入院中から退院後までさまざまな相談に対応していることは非常によい取り組みだと思います。また、ダウン症のあるお子さんの家族向けのグループ診療として、ダウン症児に特化した医療情報、言葉の発達などの療育情報、離乳食の進め方などのダウン症児ならではの子育ての悩みに応えてくれたり、社会福祉資源の活用方法などを総合的に教えてくれる取り組みはすばらしいと思います。
 こちらのグループ診療に私の友人も参加しており、その話を聞かせてもらいました。その友人によりますと、お子さんが一歳を過ぎた時点でグループ診療に参加するよう病院からお誘いがあったということで、周りのお子さんたちも大体同年齢だったということです。
 一歳にもなると、多くのお子さんは心臓疾患などの合併症などについて大体治療が終わり、経過観察になっており、さあこれからどうやって育てていこうと思い始めているころですので、こういう取り組みは大きな意味があると思います。
 ただ、一つ、もっと充実させていただきたいと感じているのが、出産や、障害や慢性疾患などの告知を受けた直後から三カ月くらいまでの間の、親への支援なんです。この時期は、恐らく毎日のように検査や治療、手術などがあり、心配することが無数にある時期です。病院の方もこの時期は医療的な情報提供に終始してしまいがちです。
 しかし、親は子供の症状を心配しながらも、心の中では嵐のような葛藤をしております。何がいけなかったのだろうかと自分を責める気持ち、それまで子育てに抱いていた理想が打ち砕かれて、どんな子育てになるのか見えないという不安、子供の将来が奪い去られたような失望感、さらには、子供をかわいいと思えないかもしれない、私にこの子を育てられるだろうかというような、なかなか周りには打ち明けられないような気持ちなどを抱えております。
 この時期の親にとって必要なのは、必ずしも心のケアではなくて、具体的な情報提供、少し先への見通しや希望、そして一人ではないという安心感なんです。恐らくどんなに優秀な臨床心理士が心を尽くして話したとしても、親には響かない可能性が高いと思います。あなたはスペシャルニーズのある子はいないんでしょう、だったらこの気持ちはわからないでしょうというようなところに行き着くと思われるからです。
 それよりも、同じスペシャルニーズのある子を育てる先輩ママから、大丈夫、かわいいわよとか、うちの子はスポーツが好きで毎日楽しく過ごしているわよなどといった、たった一言がその後の人生を変えるほどの勇気になったりします。
 具体的に、少し先までの見通し、どんな療育機関や支援団体があり、どんなところに仲間がいるのかなどの情報提供をすることで救われる親が大勢いると思います。
 なぜこの話をしているかといいますと、先日視察した日赤乳児院には数多くの重症心身障害などのスペシャルニーズ児や医療的ケア児がおりました。多くのお子さんが、産後、家に一度も帰ることなく乳児院に預けられているそうです。また、民間の養子縁組あっせん事業者に聞きましたところ、コンスタントにスペシャルニーズのあるお子さんの親から相談が来ているそうです。
 どのくらいの年齢のお子さんの親から相談が来ているのか聞きましたら、ほとんどが産後から間もない時期だということでした。もちろん、いろんな理由でお子さんを育てられない親がいることは存じていますが、こういったことからも、産後や告知の直後から、親に対する心理的なケアだけではなく、現実的な希望が持てる情報提供と支援をすることは非常に重要だと感じております。
 いろんな難しいスペシャルニーズや病気を抱えたお子さんの命を救い上げている小児総合医療センターだからこそ、こういったケアをさらに充実していくことを要望いたしまして、質問を終わらせていただきます。

○伊藤委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○伊藤委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で病院経営本部関係を終わります。
 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後二時四十四分休憩

   午後二時五十九分開議

○伊藤委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 これより福祉保健局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第百七十五号議案から第百七十九号議案まで及び第二百号議案から第二百九号議案までを一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○後藤総務部長 去る十一月二十八日の当委員会で要求のございました資料のご説明を申し上げます。
 お手元の厚生委員会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
 表紙の目次にございますように、全部で三項目となっております。
 以下、順にご説明を申し上げます。
 まず、一ページをお開きいただきたいと思います。1、平成三十年度の仮係数に基づく納付金額といたしまして、国から示されました仮係数に基づいて算定いたしました区市町村別の国民健康保険事業費納付金の額につきまして、一般被保険者分と退職被保険者等分に分けて記載してございます。
 二ページをお開きいただきたいと思います。2、平成三十年度の仮係数に基づく一人当たり保険料額といたしまして、国から示されました仮係数に基づいて算定いたしました法定外繰り入れによります軽減を行わない場合の一人当たりの保険料額を区市町村別に記載してございますほか、参考といたしまして、平成二十八年度の一人当たりの保険料額と、それと比較いたしました伸び率を記載してございます。
 三ページでございます。3、平成三十年度の仮係数に基づく標準保険料率といたしまして、国から示されました仮係数に基づいて算定いたしました所得割と均等割から成ります二方式によります標準保険料率につきまして、(1)に区市町村別に医療分、後期支援金分、介護納付金分の区分ごとに記載してございます。
 また、各区市町村の現行の算定基準に基づきます標準的な保険料率を試算いたしまして、四ページの(2)に同じく医療分、後期支援金分、介護納付金分の区分ごとに記載してございます。
 以上、簡単ではございますけれども、資料のご説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○伊藤委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○桐山委員 それでは、まず最初に、国民健康保険の条例案につきまして質疑をさせていただきます。
 いよいよ国民健康保険の制度改正が三十年度四月から施行されるということで、さきに行われました国民健康保険の運営協議会におきまして、先ほども資料の説明もいただきましたように、仮算定に基づきます納付金額ですとか、あるいは標準保険料率などが示されたところでございます。
 この国保の制度改革というものは、前回の事務事業質疑のときにも質疑をさせていただきましたけれども、都道府県が財政運営の責任主体となるということで、都道府県が、保険給付に必要な経費を全額区市町村に交付をし、区市町村が、都道府県に納付金を納付するという新たな財政運営の仕組みに移行するということでございます。
 納付金は、各区市町村の医療水準や所得水準を考慮して都道府県が定める。医療費の所得水準が高い区市町村では保険料率が上がる場合がございます。
 今回、この運営協議会の中でも示されておりましたけれども、激変緩和措置というものが示されているところではございますけれども、いわゆる先ほども申し上げました保険料率がぐんと上がる場合がございます。大幅に上昇する区市町村に対しまして、この激変緩和措置がとられるというふうに伺ったところでございますが、そこで、これはどのような激変緩和を行っていかれるのか、また、対象となる区市町村は今現在でどのぐらいあるのかということをまず教えてください。

○本多地域保健担当部長 今回の制度改革では、各区市町村の医療費水準や所得水準を考慮して、都が区市町村ごとの納付金を決定するものです。
 そのため、医療費水準や所得水準が高い区市町村の保険料が上昇する場合がございまして、保険料の上昇が一定割合を超える区市町村には、国が追加で負担する激変緩和のための公費と、都道府県繰入金の一部を活用して激変緩和措置を行うこととされております。
 国から示された平成三十年度の仮係数に基づく納付金等の算定結果では、おおむね三分の二の区市町村が激変緩和の対象となっております。

○桐山委員 ただいまご答弁をいただきましたように、現在、仮の係数に基づくというところでは約三分の二の区市町村が対象ということで、かなりの区市町村が保険料が上がるということで、対象になるのかなというふうに思っております。
 この激変緩和措置には、東京都の繰入金を活用されるということと思いますけれども、この繰入金は、各区市町村に定率で交付されているものだと思います。そのために、この激変緩和対象の区市町村に配分されると、その分、定率交付分が減るということになります。区市町村の国保財政に影響しますこの点については、都独自の財政支援ということで、市長会からもかなり要望が出ているというふうに聞いております。
 そこで、二問目の質問ですけれども、制度改革に伴うこの激変緩和につきまして、都としても十分に対応していく必要があると考えますが、このあたりの見解を伺っておきたいと思います。

○本多地域保健担当部長 区市町村からは、新たな納付金の仕組みにより保険料が急激に上昇しないよう、都繰入金の活用に加えて、都独自の財政支援について要望が出されております。
 年末には、国が三十年度の納付金算定のための本係数や追加財源を示す予定でございまして、それを反映した納付金の算定結果を踏まえて、都としての対応を検討してまいります。

○桐山委員 ありがとうございます。かなりの区市町村、区長会、そして市長会からも心配の声があります。もちろん、市議会や区議会の方からもそういった声も聞いているところですので、ぜひとも丁寧な対応をしていただきたいというふうに思います。
 そして、年末に、いよいよ国から本係数と追加財源を反映した納付金の算定ということで、さまざまな形の係数が出てくると思います。そういったところを十分に考慮した中で、対応をお願いしたいというふうに思います。
 今回提出されておりますこの条例案の中には、国保の財政安定化基金条例の一部改正がございます。この財政安定化基金というものは、平成二十八年から設置をされまして、国費を財源として、この間、三十年度に向けて準備をされてきた基金だというふうに認識をしております。これは、財源不足等の貸し付けや交付が行われるということが、このたび示されているところでございますが、これはどのような場合に財政安定化基金の貸し付けや交付が行われるのかということを具体的にお伺いをしたいと思います。

○本多地域保健担当部長 今回の制度改革により、都道府県に設置された国保財政安定化基金は、予期せぬ給付増の際に都道府県が取り崩しを行うほか、保険料の収納不足による財源不足が生じた場合に区市町村への貸し付け、交付等を行うことにより、国保財政を安定化させることを目的としております。
 区市町村に対しましては、保険料収納率の悪化等により財政収支の不均衡が生じた場合に、不足額について貸し付けを行います。
 また、災害等の特別な事情に起因する保険料収納率の悪化等による財源不足が生じた場合には、保険料収納不足額の二分の一以内の額を交付することとなっております。

○桐山委員 今回の財政安定化基金というものの貸し付けや交付という意味合いは、予期せぬ給付増ということで、災害ですとか、あるいは単年度を通じまして医療給付がぐうんと上がった際に、そういったところで貸し付けや交付が行われるという認識をさせていただきました。
 一方で、この間、国保財政の中では、基本的には国保の特別会計というものは独立採算制ということで、基本的には保険料で会計を賄っていくというのが本来の趣旨であろうかと思っておりますけれども、一方で、それが保険料で賄えないがために、それぞれの区市町村が赤字補填、いわゆる一般会計から繰り入れをするという形で、現在賄っているという現実があります。
 今回、標準保険料が制定をされて、それぞれの区市町村が保険料を定めていきますけれども、この間の差額については、今のお示しをいただいた不足分に対しての貸し付けや交付の対象外なんだという私なりの認識をさせていただきましたので、その点については、そのように理解をさせていただきます。
 次の質問に行きますが、今回、制度改革に当たりましては、都道府県と区市町村が保険者の事務を共通認識のもとで実施をされていくため、統一的な方針として、都道府県が国保運営方針を策定することとされております。
 これは、先月開催をされました国保運営協議会に諮問され、了承された東京都の運営方針、これ私も見させていただきましたけれども、国保財政の見通しですとか、あるいは区市町村における保険給付、そして医療費適正化の取り組みなどが記載されている中身でございました。
 この財政見通しに関しましては、財政収支の改善の観点、ただいま申し上げました、いわゆる赤字区市町村をどうしていくのか、そういったことが盛り込まれているところに私は注目をさせていただきました。この法定外繰り入れを行っている区市町村が、今後、国保財政健全化計画、いわゆる赤字を解消していく年次計画、目標を立てて計画を策定していかなければならないというふうに示されております。
 そこで、区市町村がこれから策定をされる、この赤字に対応する計画には、どのような内容が盛り込まれていかれるのか、また、東京都といたしましては、区市町村の取り組み、この計画に対しましての取り組みをどう支援していくのか、お伺いをしたいと思います。

○本多地域保健担当部長 国は、区市町村の法定外一般会計繰り入れの計画的、段階的解消が図られるよう、解消削減に向けた方針や目標設定、取り組み等について計画を定めるとの方向性を示しております。
 計画策定の詳細については、今後、国から通知が発出される予定であり、都は、区市町村とともに要因分析や必要な対策の整理を行うとともに、医療費適正化等の取り組みを推進し、区市町村の計画策定及び計画に基づく取り組みの実施を支援してまいります。

○桐山委員 ありがとうございました。今後、国が法定外一般会計繰り入れを計画的、段階的に解消、それが目的ということですので、区市町村が年次目標を決めて、しっかりと赤字解消に努めていかなければならないということが、今後、この計画の中で盛り込まれていくということでした。
 また、国からこの計画策定につきましてはこれから通知が出されるということですので、今後、その推移を見させていただきながら、追っていきたいというふうに思っております。
 次の質問に行きますけれども、区市町村が保険給付、すなわち診療報酬等の支払いを適正に行うには、レセプトの点検というものを的確に行うことが重要であると考えております。
 今回の国保の運営方針案の中でも、かなりこういったレセプト点検ですとか、具体的な医療費抑制のためのインセンティブが働くような形のものも盛り込まれております。このレセプト点検を、今まで区市町村は、東京都の国保連合会が、診療報酬の算定を行っておりまして、これが一次点検ということです。それを行った後に、また保険者、いわゆる区市町村が、被保険者という資格等について二次点検を行っているというのが今まででございますけれども、これからもそのような形で行っていかれると思いますが、三十年度からは都道府県も保険者になるということを踏まえて、こちらの方針案の中では、都道府県によるレセプト点検も行っていかなければならないというふうに記載がされておりました。
 今後、東京都におきます保険給付のレセプト点検というものをどのように行っていかれるのかということをお伺いいたします。

○本多地域保健担当部長 三十年度からの新制度におきましても、保険給付等の事務は区市町村が担うこととされておりまして、レセプト点検等の給付の点検も、引き続き区市町村が実施するものでございます。
 改正後の国民健康保険法では、これに加え、都道府県が、広域的、専門的見地から、区市町村が行った保険給付の点検を行うことができることとなりました。
 国からは、広域的見地からの点検として、同じ申請内容が複数の区市町村に対して行われているような不正請求事案の点検などの例が示されておりますが、都が行う点検の具体的内容につきましては、審査支払い機関である東京都国民健康保険団体連合会とも連携しながら検討してまいります。

○桐山委員 ありがとうございます。このレセプト点検が、今回、この方針案の中でもかなり強硬に示されているのが、柔道整復師、あんまマッサージ、鍼灸師--はり、きゅうですよね、そういったところのレセプト点検というものをかなり強化されているということも出されているところです。
 こういった背景には、かなり不正診療をされているということ、いわゆる不正に診療報酬を請求しているという、こういった背景も、以前から報道を受けて、レセプトの強化というものは、これまでも区市町村が強化をされているというふうに認識をさせていただいております。
 さらに、今後、東京都が関与をしていくという中身におきましては、例えば引っ越しをされたときとか、なかなか追いかけていけない例示がございます。そういったところにおきましての、先ほどもご答弁にありましたような広域的、また専門的な見地から区市町村が行った保険給付の点検を、さらにダブルで実施ができる形になるというようなご答弁だったと思いますので、今後、そのような形で、しっかりとこのレセプト点検等も行っていただきたいというふうに思います。
 国保につきましては最後の質問ですけれども、いよいよこの国保の制度改正がされますと、今度は、保険者であります区市町村、これまでも同様ですけれども、特定健診や特定保健指導など、そういった保険者の責務として課せられております事業もし、さらにそういった医療費を抑制する中で、国からも交付金ですとか、あるいは支援金を得られるというような内容になっております。
 こういった生活習慣病の予防等の保健事業につきましても、引き続き区市町村が担うこととなるわけですけれども、保健事業を効果的、効率的に行っていくためには、健診データや、先ほども申し上げましたレセプトのデータ分析に基づくデータヘルス計画の策定が不可欠であります。
 これまでもデータヘルス計画は各区市町村が策定をされて、第二期の策定に向けて、区市町村では策定の準備を進めているところでございます。
 そこで、東京都は、区市町村が行っておりますこのデータヘルス計画の策定を今後どのように支援されていくのか、お伺いしたいと思います。

○本多地域保健担当部長 被保険者の健康を保持増進し、医療費適正化を進めるためには、各区市町村において、被保険者のレセプト、健診情報等を活用したデータヘルス計画を策定し、被保険者の状況に応じた効果的な保健事業を展開することが重要となります。
 都は、区市町村が計画策定に当たり医療費分析を行う場合、調整交付金により支援をしております。
 また、都国保連合会に設置された保健事業支援・評価委員会では、区市町村が計画を策定する際の助言を行っておりまして、都もこの委員会の委員として、都内区市町村において成果を上げている取り組み事例の情報提供などを行っております。
 今後も、データ分析に基づきまして、被保険者の健康課題を明確にした上で、実効性のある取り組みが行われるよう支援してまいります。

○桐山委員 ありがとうございます。データヘルス計画の策定ということですけれども、私は市議会議員を長年やっておりましたけれども、かなり、十年以上前、もう十八年になりますけれども、私は当初から、この医療費、国保の赤字解消に向けての医療費抑制をどうやっていったらいいんだろうということを、かなり取り組みをさせていただきました。ですが、なかなかこの医療費抑制というものが各区市町村でできていなかった。これがようやく、このデータヘルス計画を作成し、また国保のデータベース化をされた、KDBシステムというんですけれども、この国保のデータベースができたことによって、かなり、各区市町村におけます医療費分析が可能になりました。それによって、健康事業ですとか、さまざまな保健事業の連携ができるようになります。
 そうしたことを、今後、区市町村がこの国保のデータベースをしっかりと分析される中で、東京都におきましてしっかりそれを集約していただきまして、東京都が支援できる、生活習慣病をピンポイントで予防していくような支援策ですとか、そういったことをしっかりと区市町村に、包括補助事業ですとか、そういったところでの支援をできるだけしていただけますような期待も込めているところでございます。
 今後も引き続き、国保の制度改正、かなり大きく変わります、区市町村も相当不安でもありますし、心配でもあるでしょう、その中でも、やはり医療費の抑制をしていくためのこういったレセプト点検の強化ですとか、あるいは保健事業を通して医療費の抑制に努めていかれると思いますので、こういったところには十分支援の対象となりますように、よろしくお願いいたします。
 次に、指定管理者について質問をさせていただきたいと思います。
 平成十五年九月の地方自治法改正によりまして、公の施設の管理に指定管理者の制度が導入をされました。これは直営か指定管理者か選択をしなければならないということでございます。
 東京都は、平成十八年度より指定管理制度を開始されたというふうに聞いております。この制度の目的は、多様化する住民のニーズ、また、より効果的、効率的に対応するために民間の能力を最大限に活用しつつ、住民サービスの向上を図るということが目的でありまして、また経費の節減等を図ることが目的ということが指定管理の趣旨でございます。
 今回、東京都船形学園ほか八施設の指定管理の指定が議案として提案をされております。
 そこで、確認の意味も込めて何点か質問をさせていただきます。
 まず最初に、今回提案の施設は、いずれも特命により指定管理の更新を行っております。その理由について、まずお伺いします。

○古賀事業推進担当部長 東村山福祉園につきましては、平成二十九年度から平成三十四年度にかけまして、施設の建てかえ工事を予定していることから、法人の交代を避け、工事を円滑に実施するため、現行指定管理者を特命しております。
 ほかの八施設は、民間移譲を方針としている施設でございまして、頻繁な法人の交代を避け、処遇の安定性を確保するため、現行指定管理者を特命しております。

○桐山委員 福祉施設のほかの公の施設、この公の施設というのは、例えば福祉施設以外の公の施設といいますと、文化施設ですとかスポーツ施設、あるいは交流施設といったところでしょうか、そういった施設とは異なりまして、利用者と職員の信頼関係が大変重要であるというふうに私も認識をさせていただいております。
 利用者支援の継続と安定的な施設運営を行う上でも、特命、今お答えいただきましたこの特命をすることによって、毎回事業者がかわるようであれば、やはりなれ親しんだ職員ですとか利用者の精神状態ですとか、そういったところも含めて大変考慮をしていただいているということだったと思います。そのことについては大変理解をさせていただいております。
 一方で、とはいっても、こういった指定管理というものは、やはり競争性も働かなければならないという視点も持っていかなければならないということも認識をさせていただいていることを申し添えておきます。
 次の質問ですけれども、今回提案されております九施設のうち、東京都清瀬喜望園を除きます八施設につきましては、東京都社会福祉事業団が指定管理者の候補となっております。いつから指定管理者としてこの施設を運営されているのか、伺います。

○古賀事業推進担当部長 東京都社会福祉事業団は、都立施設のノウハウの継承、柔軟で弾力的な施設運営を目的に平成十年度に設立いたしまして、当該都立障害者施設につきましては平成十一年度から受託運営を開始しております。
 さらに、平成十二年度からは、都立児童養護施設の受託運営を開始しておりまして、その後、指定管理者制度の導入に伴い、平成十八年度から指定管理者として運営をしております。

○桐山委員 平成十八年度からこちらの東京都社会福祉事業団が指定管理ということでなられているということで、現在四期で、次が五期目ということだというふうに認識をさせていただきました。
 ところで、総務局の指定管理選定等に関する指針によりますと、指定期間というものが、施設の目的及び性格を考え合わせますと、都民サービスの安定的な提供及び向上が図られるということで、原則五年ということとなっていたかと思います。
 施設の状況に応じまして、最適な期間を設定することにはなっておりますけれども、結構、指定管理ってかなり、最長十年ですとか、長いことが多いと思うんです。
 このあたりについてちょっとお伺いしたいんですけれども、工事期間中の法人交代を避けるために指定期間を五年とされております。東村山福祉園を除きまして、指定期間が、先ほども申し上げました五年より短い三年となっております。この三年にされている施設の検討状況及び民間移譲の方針を掲げている施設の検討状況についてお伺いしたいと思います。

○古賀事業推進担当部長 都はこれまで、福祉・健康都市東京ビジョンにおける都立施設改革のさらなる展開の方針に基づきまして、民間でできることは民間に委ねるという考え方を基本に都立施設改革を進めてまいりました。
 これまで三十七施設につきまして民間移譲を実施しておりまして、移譲後の施設においては、新規事業の実施、民間ならではの創意工夫を凝らした事業運営など、利用者サービスの向上を実現しております。
 指定期間を三年間としている施設につきましては、いずれも民間移譲等を検討していく施設でございまして、条件が整い次第、順次、移譲できるようにしておく必要があることから、特例として三年の期間としているということでございます。
 これらの施設につきましては、遠隔地に所在していたり、大規模施設であることなどの課題や施設のニーズ等を踏まえ、施設のあり方や適正規模など、民間移譲等に向けた検討を行っておるところでございます。

○桐山委員 ありがとうございます。民間にできることは民間に委ねていかれるという考え方につきましては、大変理解をさせていただきました。
 今後、民間移譲に向けて、各施設のあり方を検討されていかれるということだと思います。確かに、見させていただきますこの児童養護施設ですとか障害者施設はかなり遠方だということで、今後、相当な検討を要していかなければならないのかなという課題も何となく理解させていただいておりますけれども、先ほども申し上げました利用者本位のサービスというところにおきまして、しっかりとこのサービスというものが継続をされていかれるような形での今後の民間移譲の検討を、ぜひ推奨されていかれますように要望して、私の質問を終わります。

○古城委員 私からは、第百七十五号議案から第百七十八号議案に関連して、国民健康保険制度の改革について質問いたします。
 皆様ご承知のとおり、我が国では、国民皆保険制度の維持により、誰もが命と健康を守るために必要な医療を保険をもってひとしく利用することができることとなっており、このことによって国民の健康的な生活が支えられ、世界に誇るべき長寿社会の実現に大きく寄与しております。
 こうした中で、国民健康保険は、国民皆保険の中核を担い、医療保険のセーフティーネットとして国民の健康を支える重要な役割を果たしています。
 しかし、高齢化の進展や産業構造の変化に伴い、近年では区市町村健保の財政運営は非常に厳しくなっており、社会保障制度改革の中で今回の国保制度改革が行われます。
 この点、ことしの九月に行われました平成二十九年度第一回東京都国民健康保険運営協議会において、早稲田大学名誉教授でもいらっしゃる会長の土田武史先生から、次のようなお話がございました。
 この新しい制度は国の立場としては、非常によく巧みにできた制度でございまして、別のいい方をしますと、都道府県に、業務、あるいは財政的に非常に責任の重い内容となっているということでございます。したがって、そこを踏まえながら議論を重ねていくことになりますが、これでは嫌だということで国に返すというわけにはいきませんし、また市町村にまた再び押しつけるということもできませんから、都道府県として背負えるところは背負っていくという覚悟で決めていかなければいけないということでございます。
 この土田先生のお話のとおり、今般の制度改革により、これまで区市町村ごとに運営されてきた国民健康保険が都道府県単位で運営されることになります。特に医療政策分野において、都道府県の役割は大きくなります。
 東京都においては、区市町村との連携が重要です。具体的に申し上げると、新制度の移行に向けては、新たな財政の仕組みにおける納付金の算定を初めとして、都と区市町村が十分な協議を行い、円滑な移行に備えることが必要だと考えます。都では、東京都国民健康保険連携会議を設置して、区市町村との調整を進めてきたと聞いております。
 そこでまず、東京都国民健康保険連携会議とはどのような会議なのか、また、これまでの開催経過について伺います。

○本多地域保健担当部長 国民健康保険連携会議は、平成二十七年五月に成立した持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律を踏まえ、国保制度改革に係る都と区市町村等との調整を行うために設置したもので、都、区市町村の代表及び東京都国民健康保険団体連合会により構成されております。
 平成二十七年七月に第一回の会議を開催した後、これまでに計十二回の会議を開催し、区市町村と協議を重ねてまいりました。

○古城委員 ありがとうございます。先ほど申し上げたとおり、都と区市町村の役割が変わろうとする中、区市町村の意見をきめ細かく聞いた上で新制度移行の準備を進めていくべきであると考えます。
 特別区長会からも、平成三十年度都の施策及び予算に関する要望において、国保運営方針の策定に当たって、区市町村と丁寧な協議を継続的に行っていくよう要望が出されているところでもあります。
 そこで、都は、東京都国民健康保険連携会議の場で、区市町村との協議をどのように進めてきたのか、伺います。

○本多地域保健担当部長 連携会議では、主に納付金、標準保険料率の算定方法や保険料水準の将来的な平準化、国保運営方針等について検討を行ってまいりました。
 会議開催の都度、区市町村課長会で、委員以外の区市町村にも会議における検討事項について説明した上で、全区市町村に対する意見照会を行い、寄せられた意見を反映した案を次回会議に掲示するなど、きめ細かく対応してまいりました。
 国保運営方針につきましても、このような連携会議での協議及び改正国保法に基づく区市町村への意見聴取を経て取りまとめた案を、東京都国民健康保険運営協議会に諮問し、答申をいただいたところでございます。

○古城委員 ありがとうございます。ただいまの答弁によりますと、この東京都国民健康保険連携会議において、納付金、それから標準保険料率の算定方法、また保険料水準の平準化、国保運営方針等において検討が進められてきた。また、この連携会議は、区市町村の代表によって構成がされていますけれども、会議の終了後には、その都度、全区市町村に対して意見照会を行って、またその意見をしっかりと聞いた上で次回の会議に臨んでいたという答弁がございましたけれども、来年度の予算要望において、市長会からも町村会からも、全ての市町村の意見を十分に聞き、こういうご要望が来ておるところと聞いております。
 今、ご答弁いただいた中でも、しっかりと全区市町村に意見照会をしていただいている点がございますので、この点、今後も取り組んでいただきたいというふうに思います。
 そして、いよいよ来年の四月、このタイミングですけれども、新しい制度となって、国民健康保険が再出発をするわけですけれども、区市町村とともに保険者となる都が、区市町村と一体となって国保事業を運営していくためには、引き続き国民健康保険事業における課題を検討して調整をしていくことが重要だと考えます。
 これまでも、東京都国民健康保険連携会議が開催をされ、その結果がしっかりと反映をされてきたというところは理解をするわけですけれども、平成三十年度以降も、この連携会議を活用して、区市町村との協議を行っていくことが必要であると考えますが、見解を伺います。

○本多地域保健担当部長 都と区市町村が国保運営方針に基づき、ともに国保事業を運営していくに当たりましては、PDCAサイクルのもと、財政運営の安定化や区市町村が行う事務の効率化等の取り組み状況を把握し、評価、検証していくことが重要となります。
 そのため、都は、新制度への移行後も、連携会議において国保事業の運営状況について区市町村と課題を共有し、必要な協議を行っていくこととなっております。
 また、国保事業の効率化が図られるよう、現在は区市町村が個別に行っている事務を共同実施するなど、具体的な検討を進めてまいります。

○古城委員 ありがとうございます。この事務の共同の実施、事務の統一的な実施も図られるということで期待をさせていただきたいと思います。
 今後も、国民健康保険が医療のセーフティーネットとしての機能を維持できるよう、また、被保険者である都民に不安を与えることがないように取り組んでいただきたいと思います。その上で、来年度に向けて、国や区市町村、関係機関などと十分に協議をして、新制度の実施に万全を期していただきたい、このことを改めて求めまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

○小宮委員 国民健康保険は、ほかの医療機関に加入をしていない人を被保険者とする国民皆保険制度の基礎であります。この制度によって、我が国では、今、古城委員もお話しになられましたが、誰もが安心して医療を受けられ、長寿社会や高い医療水準、これを実現してきたわけです。
 国民健康保険というのは、もともとは自営業者や農家の保険であったわけですけれども、産業構造の変化、雇用の流動化で、今は加入者の多くが非正規や無職、また高齢者です。年齢構成が高くて、また医療費の水準が高いということで、こうした構造的な課題を抱えております。
 昨年度も、青ヶ島村以外の都内全ての区市町村において、一般会計からの法定外繰り入れというのが行われておりまして、その合計は一千百六十九億円、全国の約三割を占めるまでに至っています。
 こうした実情を踏まえて、この制度を持続可能な医療保険制度として安定化をし、そして維持、継続するために、今般の制度改革が行われることになったというふうに理解をしています。
 そこでまず、今回の制度改革によってどのように国保制度の安定化が図られていくのか、伺います。

○本多地域保健担当部長 今般の制度改革では、国の公費による財政支援が毎年三千四百億円拡充され、財政基盤の強化が図られます。
 また、新制度では、都が財政運営の責任主体として区市町村ごとの納付金額を決定するとともに、保険給付に必要な費用を全額区市町村に交付することで制度を安定化させるものです。
 さらに、都と区市町村が一体となって保険者の事務を実施するための統一的な方針として国保運営方針を定め、区市町村における事務の効率化等を推進してまいります。

○小宮委員 国の公費による財政支援が毎年三千四百億円拡充をされるということ、また、東京都が財政運営の主体になるということで、広域化による安定、リスクの分散が図られるということになるんだと思います。
 保険というのはそもそも助け合いですので、母数が大きいほど安定化をするというのは当然のことですけれども、それからまた、事務の効率化、重複する事務をまとめるなど、規模のメリットがあるということが考えられるわけですけれども、こうしたことが国保制度の安定化につながって、まさにこの改革のメリットというのはそういうところであろうというふうに思います。
 来年度から、東京都が区市町村とともに保険者としてこの国保事業を運営していくことになりますが、国の公費による財政支援が拡充をされ、財政基盤が強化されるとはいえ、やはり国保財政が安定的に運営されるためには、入りの部分で保険料収入をしっかりと確保していくこと、それからまた、出の部分で医療費の給付の伸びを抑えていくという、この両方に取り組むことが、財政運営の責任者として重要になろうかと思います。
 しかし、保険料の収納率、これを見ますと、東京都の収納率は全国で最低であります。これはさまざまな要因があろうかと思いますけれども、やはり人口が多くて、行政と住民の距離が他県に比べて東京というのは遠いんじゃないかなというふうに思っております。
 例えば、親戚の娘さんが役場に勤めているとか、こうした近所の目のような無言のプレッシャーというものがかからないわけです。だからこそ、東京というのは、地方よりももっと工夫と、それから努力というものが、この収納率向上には必要であるというふうに思っております。
 国の公費投入によって赤字が埋められるからといって気を許すことなく、やはり収納率アップの取り組みというのを東京都はしっかりと図っていく必要があると思います。
 収納率には区市町村によって差があるのが現状ですけれども、今後も、収納確保に取り組む区市町村に対して、制度の維持のためにも、東京都として支援すべきと考えますけれども、どのように支援をするのか、伺います。

○本多地域保健担当部長 保険料の収納確保は、制度を維持していく上でも、また、被保険者間の負担の公平性の確保の観点からも重要でございます。
 区市町村は、コンビニ収納等、保険料納付の利便性向上や口座振替の積極的勧奨を行うとともに、保険料納付が困難となった場合にも、納付相談等により、きめ細かく対応するなど、収納の確保に取り組んでいるところでございます。
 都は引き続き、区市町村の取り組み状況を踏まえた助言指導を行うとともに、収納率向上の効果が見込まれる事業の経費や、収納率の実績に応じた都繰入金の交付を行い、区市町村の取り組みを支援してまいります。

○小宮委員 保険料収入の確保とあわせて、出の部分、医療費の伸びを抑制するためには、被保険者の健康を維持し、生活習慣病等を予防していくということも保険者の取り組みとして大変重要です。
 中でも糖尿病は、重症化し、人工透析が必要になると、患者やその家族にとって大変大きな負担になる上、医療費が月四十万円、年間で約五百万円程度かかりまして、医療費を抑制するという観点からも、保険者にはこの重症化というものを予防する取り組みが積極的に求められてくると思います。
 心疾患ですとか高血圧による動脈硬化などいろいろな疾患があるわけですけれども、糖尿病というのは重症化した際の医療費負担が大きくて、何より、透析が一生必要になるなど、患者本人や家族への負担が大変大きく、日々の生活の質にも大変かかわってきます。
 ことしから日野市では、検査項目に糖尿病に関する項目を追加するなどといった取り組みが既に始まっていると伺っておりますが、都として、そうした区市町村の取り組みをしっかりと支援していっていただきたいと思います。
 そこで、区市町村とともに国保事業を担うことになる都には、糖尿病の重症化予防の取り組み、これを積極的に推進していくことが求められると思いますが、見解を伺います。

○本多地域保健担当部長 保険者が特定健診や特定保健指導の実施や受診勧奨等を通じて糖尿病の早期発見、早期介入を行い、重症化予防に取り組むことは、被保険者の生涯にわたる健康の保持増進と医療費の適正化の両面から大変重要となっております。
 都は、区市町村が糖尿病の重症化予防事業を円滑かつ効果的に実施できるよう、国の糖尿病性腎症重症化予防プログラムを踏まえた東京都版のプログラムを新たに策定いたします。
 また、都医師会と連携し、区市町村が地区医師会やかかりつけ医等と協力体制を構築できるよう支援してまいります。

○小宮委員 医療提供体制については、都道府県に権限を集中するというのが大きな流れとなっています。
 医療計画の策定から実施、運営の中で、東京都が保険者として医療費の適正化や需要と供給、こうした点も考え合わせながら、今後、地域医療の充実を図って、そして効率的で、かつ質の高い医療を提供するような、そうした大きなビジョン、地域医療構想の実現であったり、また都の医療計画、そしてこの保険者としての責務、こうした大きな観点の中に今回の国保改革というものもあるべきであろうというふうに思っております。
 医療の提供と財政基盤、この観点をしっかりと踏まえていただいて、今後必要な人材ですとか体制の整備を着実に進めて、これからも誰もが安心して必要な医療をしっかりと受けられる、そうした環境を堅持し、提供していっていただきたいということを申し述べまして、質問を終わります。

○和泉委員 私も国民健康保険関連、それから指定管理の更新について伺いたいと思います。
 来年度から実施される国民健康保険の広域化ですけれども、それに伴って、国民健康保険に関する条例案が四本議案として今回上がっています。
 まず初めに、国民健康保険保険給付費等交付金条例について伺います。
 この条例は、国民健康保険事業を行うに当たって、区市町村が行った医療給付等に係る費用を交付する普通交付金、それから、その他国保事業に要する費用について交付する特別交付金について定めたものですが、政令を引用している部分が多く、条例案文だけでは大変わかりづらいというのが率直なところです。
 第三条第二項第一号は特別調整交付金、第二号は保険者努力支援制度に関するものですけれども、特別調整交付金及び保険者努力支援制度の評価指標のうち、収納率向上に関する取り組みに応じて交付するもの、適切かつ健全な事業運営の実施状況に応じて交付するものの中の保険料、保険税、収納対策に関して交付することについて、その内容をまず伺います。

○本多地域保健担当部長 今回の制度改革に伴い、国は、都道府県及び区市町村の医療費適正化や収納率向上に向けた取り組み等を支援するため、保険者努力支援制度を創設いたしました。
 保険者努力支援制度における収納率向上の取り組みに対する交付としては、区市町村分では、現年分の保険料税収納率が市町村規模別の全自治体の上位に当たる場合、また、収納率が前年度と比較して向上している場合に交付の対象となります。
 都道府県分におきましても、都道府県平均の収納率が全国の上位に当たる場合等に交付対象となります。
 また、国の特別調整交付金のうち、適正かつ健全な事業運営の実施状況の交付メニューは二十九年度末をもって廃止され、主要な項目は保険者努力支援制度の区市町村分の評価指標として追加されます。
 このうち、収納率の確保、向上につきましては、口座振替世帯数割合の増加や短期証、資格証の発行方針、長期滞納者の財産調査や滞納処分の方針を定めていることなどが評価指標とされております。

○和泉委員 例えば、区市町村分の収納率向上に関する取り組みの実施状況では、被保険者規模別に分けた自治体の中で上位三割の収納率を達成していれば来年度分は五十点加点、あるいは一年以上の長期滞納者に必ず財産調査を行うという方針を定めていれば三点加点、このように徴収強化をさらに進める内容になっています。
 都道府県分では、一人当たり医療費を抑えて、全国の上位に入れば加点など、医療費抑制を都道府県レベルで競わせる中身となっていて、やはり問題の多い制度だというふうに思います。
 国のガイドラインによれば、都道府県分は、普通交付金の財源として活用することも、特別交付金として配分することも可能となっています。東京都では、保険者努力支援制度の都道府県分は、普通交付金の財源に充当するんでしょうか、伺います。

○本多地域保健担当部長 保険者努力支援制度の都道府県分は、特定健診、特定保健指導実施率等の区市町村の取り組み実績や、都道府県の一人当たりの医業費の水準、医療費適正化等の取り組み状況に応じて交付されるものでございます。
 新制度では、都が区市町村に対し、保険給付に必要な費用等を普通交付金及び特別交付金として交付することとなり、保険者努力支援制度の都道府県分は、このうち普通交付金の財源となります。

○和泉委員 もし特別交付金とした場合には、徴収強化と医療費抑制をさらに進めるということになりかねません。そうではなくて、普通交付金にするということですが、都が収納率向上や医療費抑制を区市町村に競わせる、あるいは都自身が全国の自治体と競い合うという立場に立つことなく、都民第一の立場で区市町村の支援を行うように求めておきます。
 次に、現在の都道府県特別調整交付金、いわゆる二号交付金といわれているものですけれども、今回の条例案では、第三条第二項第三号がこれに該当すると思います。
 国のガイドラインは、二号繰入金としています。この二号繰入金の交付事由について、区市町村との連携会議の場で協議を行い、あらかじめ交付要綱等に定めておく必要があるとなっていますが、都はどのような基準で交付するんでしょうか。

○本多地域保健担当部長 都道府県繰入金二号分は、都道府県が法定負担する繰入金の一部を地域の事情に応じたきめ細かい調整や医療費適正化のインセンティブ等のために区市町村に交付するものでございます。
 平成三十年度以降の交付基準につきましては、区市町村と協議し、検討してまいります。

○和泉委員 これまで都は、この特別調整交付金を使って、新規差し押さえの件数に応じた交付や資格証明書の発行割合に応じた交付などを行って、徴収強化を区市町村に求めてきました。
 また、国のガイドラインでは、一般会計からの繰り入れの削減を進めた区市町村への交付が例示されています。
 二号繰入金について、これまでのような差し押さえ件数や資格証発行件数に応じた交付、一般財源繰入金の削減に応じた交付、こういった交付は行うべきではないと思いますが、いかがでしょうか。

○本多地域保健担当部長 都繰入金二号分の平成三十年度以降の交付基準につきましては、保険者努力支援制度の評価指標も勘案しつつ、区市町村の意見を踏まえて検討していくこととなっております。

○和泉委員 今後検討ということで否定をされないわけですけれども、そもそも所得の低い方や医療費の多くかかる方がたくさん加入している保険料負担の重い国民健康保険で、機械的な差し押さえや保険料値上げにつながりかねない、そういったお金の出し方はすべきではないと思います。
 交付金に関する国のガイドラインでは、交付金の交付要綱等について、連携会議などで協議するとともに、都道府県の国民健康保険運営協議会で審議するなど、内容を検討した上で制定するとされています。
 開かれた場で議論することは大変重要なことだというふうに思いますが、これに関して、都はどのように対応するんでしょうか。

○本多地域保健担当部長 交付金の交付要綱では、普通交付金の交付時期や回数といった交付の方法や特別交付金の具体的な交付基準等、実務的な内容を規定する予定でございます。
 国は、年末を目途に交付要綱の例を示す予定と聞いておりまして、今後、連携会議等で区市町村の意見を聞きながら、詳細について検討してまいります。

○和泉委員 つまり、運営協議会では議論はしないということだと思います。
 連携会議の中で協議するということですが、この連携会議は傍聴できません。何がどのように議論されているのかも、この間、一切公表されていません。これだけ重要なことが公開の場で議論されずに決まるのは問題ではないかということを指摘しておきたいと思います。
 本来は、ガイドラインに示されているとおり、広く内容を検討する場が必要だったのではないかと思います。この件に限らず、都民の暮らしに大きな影響を与えることに関しては、広く都民に開かれた議論を行っていただくよう求めておきます。
 続いて、納付金条例関係です。
 国保の都道府県化に伴い、都は、国保事業を行うために必要な費用を区市町村ごとに算定をし、区市町村に通知をし、区市町村は、その額を都に納付することとなります。この納付金をもとにして、区市町村が保険料を設定します。
 納付金が少なくなれば、保険料の値上げを抑えることができる。また逆に、多くなれば、当然保険料を上げたり、一般会計からの繰り入れをふやしたりするということになります。
 そこで伺いますけれども、都独自の一般会計からの繰り入れを行うことによる納付金の減額は、法的に可能なものでしょうか。

○本多地域保健担当部長 納付金の算定に当たりましては、政令において保険給付費等の見込み額をもとに、国が負担する療養給付費等負担金や被用者保険から交付される前期高齢者交付金、都道府県繰入金等を加算、減算するほか、都道府県が区市町村に交付する補助金についても減算することとされております。
 しかし、国民健康保険の給付等に要する費用は、原則として法定の公費負担と保険料で賄うものでございます。
 また、今回の制度改革では、国が毎年三千四百億円の公費拡充を行い、その一方で、区市町村が行う決算補填等目的の法定外一般会計繰り入れは、計画的、段階的に解消、削減すべきものとされております。
 こうしたことから、都道府県が同様の繰り入れを行うことは望ましくないものと考えております。

○和泉委員 要するに、法律上のたてつけとしては、都が独自の補助を行って区市町村の納付金を下げ、保険料の抑制を抑えることも法的に可能であると。私は毎年上がり続けてきた国民健康保険料、保険税の負担軽減の方法の一つとして検討するべきだというふうに思います。
 また、納付金額は、医療費や所得水準などを反映して、区市町村が納付すべき金額を算定することとなっていますが、どのように反映するかを検討するに当たって、複数の条件での試算は行ったんでしょうか、伺います。

○本多地域保健担当部長 今般の医療制度改革では、原則として、同じ医療費水準であれば同じ保険料水準となるよう、納付金の算定に当たり、年齢調整後の医療費水準及び所得水準を反映することとされました。
 医療費水準や取得水準をどの程度納付金に反映するかについては、全て反映する場合や全く反映しない場合等について試算をしまして、連携会議において区市町村と検討をしてまいりました。
 都内区市町村の医療費水準の差は大きく、医療費水準が低い区市町村に医療費水準に見合わない納付金の負担を課すことは適当でないことから、医療費水準は全て反映することといたしました。
 また、都は、全国平均と比べて所得水準が高く、所得水準を反映しない場合、所得の低い区市町村に過度な応益割分の納付金が課されることとなるため、所得水準も全て反映することといたしました。

○和泉委員 複数の試算を行ったということですが、公表されているのは最終的にまとまった案のものだけです。納付金の額は保険料率に直結するものなので、検討過程での試算も公表して議論する必要があるというふうに思います。
 続いて、財政安定化基金条例改正について伺います。
 この基金で行う事業には、貸し付けと交付があって、貸し付けを受けた区市町村は、その金額を原則として三年以内に償還すること、また交付を受けた区市町村は、拠出金を負担することとされています。
 保険料について、一般会計からの法定外繰り入れを行った区市町村も基金事業の対象というふうになるんでしょうか、確認します。

○本多地域保健担当部長 区市町村が保険料収納率の悪化により財源不足となった場合や、災害等の特別な事情に起因する収納率の悪化等により財源不足となった場合、都は、区市町村からの申請に基づき、財政安定化基金から貸し付けまたは交付を行います。
 当該区市町村が法定外繰り入れを行っているかどうかは、貸し付けや交付の可否には影響はいたしません。

○和泉委員 国の方は、基金の設置目的を、一般財源からの財政補填等を行う必要がないようというふうにしています。基金が一般会計繰り入れをさせないために使われるということがないように求めておきます。
 基金から貸し付け、交付を受け、貸付金を償還するため、あるいは拠出金を拠出するためのお金を保険料によって徴収することで、結果的に保険料の負担増となる可能性があるのではないかという懸念がありますが、いかがでしょうか。

○本多地域保健担当部長 区市町村は、財政安定化基金から貸し付けまたは交付を受けた場合、貸付金の償還や交付を受けた額の三分の一を補填する拠出金の拠出を行います。
 区市町村が償還金、拠出金に充てる財源については、国は、保険料で徴収するものとしており、標準保険料率の算定に反映するとの方向性を示しておりますが、制度改革後も保険料率は区市町村が議会の審議を経て決定するものであり、実際に償還金等に充てる分を保険料として賦課するかどうかは、区市町村が判断することとなります。

○和泉委員 償還分が標準保険料率の算定に含まれ、保険料で徴収するということになれば、当然保険料は上がります。
 特に貸し付けの場合は、通算で見ると保険料水準の引き下げにつながりません。一方で、交付はごく限られた場合しか行えず、特例基金としての活用は時限的なものです。
 基金が都民の負担軽減に、よりつながるよう、国に対して方向性を改めることを求めると同時に、都としても独自の対策をとるべきだというふうに思います。
 今回の制度改定は、都民への影響が深刻です。十一月二十一日の国保運営協議会で、東京都国民健康保険運営方針案が答申されました。それと同時に、国の仮係数に基づく各区市町村の納付金額、一人当たり保険料額、標準保険料率も報告をされています。
 代表質問でも、我が党の米倉議員が豊島区について試算を示しましたけれども、この東京都が発表した標準保険料率で仮に計算をすると、四十代の夫婦と子供二人、年収四百万円の世帯で、例えば新宿では四十八万三千円から六十二万八千円と、十四万五千円の値上げです。府中市では三十一万三千円から五十一万四千円と、二十万一千円もの値上げになります。これほどの大幅な値上げに向けて、区市町村の一般会計繰り入れ削減を進めようとしている。これを都はどのように受けとめているんでしょうか。

○本多地域保健担当部長 都道府県が示す標準保険料率は、各区市町村が納付金を納めるために必要な保険料率を都道府県内で一律の基準により算定し、参考として区市町村にお示しするものです。
 制度改革後も、区市町村の保険料、税の賦課方式や料率は、それぞれの議会で審議を経て決定されるものと認識しております。

○和泉委員 あくまで保険料率の標準的水準であり、実際の保険料は区市町村が決めることだという答弁でしたけれども、この標準保険料率は、区市町村が一般会計からの繰り入れをしない場合の保険料率として算定されていて、国は、あるべき保険料の見える化というふうに位置づけています。
 さらに、都の国保運営方針案の中でも、一般会計からの繰り入れについては赤字というふうに位置づけて、解消、削減するために計画を策定することを区市町村に求めています。
 保険料を標準保険料率に近づけ、値上げすることを区市町村に求めているのは、都自身ではありませんか。保険料を決めるのは区市町村だなどという答弁は、保険者として区市町村に指導助言を行う立場である都として、余りに無責任だといわなければなりません。
 新たに保険者として責任を担うことになる都が、都民の負担増を抑制するためにどのような対策を講じるのか、これが今問われているんじゃないんでしょうか。
 都の対応について、改めて伺います。

○本多地域保健担当部長 都道府県が区市町村とともに国保の保険者となり、財政運営の責任主体になるということは、財政運営を都道府県単位に拡大し、安定化させた上で、都道府県が医療費水準や所得水準を考慮して区市町村ごとの納付金を算定し、保険給付に必要な費用を全額区市町村に交付するなど、国保財政の入りと出を管理する役割を担うということでございます。
 納付金を都道府県内一律の基準で算定することにより、医療費や所得の水準が高い区市町村の保険料が上昇することがございます。その場合には、国が追加で負担する公費と都道府県繰入金等を活用し、激変緩和措置を行ってまいります。

○和泉委員 もちろん激変緩和措置は行った方がよいものですけれども、六年間の時限措置です。
 これまでも保険料は上がり続け、払えない人がふえている中で、継続的に保険料や保険税の負担を抑えることが重要なのではありませんか。そして、そのための都としての対応が求められているんではないでしょうか。
 区市町村は一般会計からの繰り入れを当面なくせない、このことは、運営協議会で会長が、私が断言してもいいとまでおっしゃったとおりです。区長会、市長会からも、都独自の財政支援を求める声が上がっています。
 国に対してさまざまな財政支援を求めるだけでなく、みずからが独自の財政支援を行ってこそ、財政運営に責任を負う保険者としても責任が果たせるんじゃないでしょうか。
 都が財政支援を行えば、保険料を値上げしないだけでなく、引き下げることも可能です。暮らしを守り、都民の命と健康を守る立場に立って、保険者にふさわしい財政負担を行うことを強く求めておきます。
 最後に、運営方針案の中にある被保険者間の相互扶助について伺います。
 今回提出をされている条例案ですけれども、制度改定に伴って、先般、国保運営協議会で答申をされた国民健康保険運営方針案に基づいて提案をされています。
 この運営方針案第2章、国民健康保険制度の意義と保険者が果たすべき役割という部分で、国民健康保険は被保険者間の相互扶助を基本とした社会保険制度、こういった記載があります。
 被保険者間の相互扶助というのは、国民健康保険法第何条の規定でしょうか。

○本多地域保健担当部長 国民健康保険法上には相互扶助という文言はございません。しかし、社会保障制度は、大きくは公的扶助と社会福祉と社会保険に分かれるとするのが学問上の通説でございます。
 平成十八年三月の最高裁判決、いわゆる旭川市国保料訴訟では、国民健康保険が強制加入とされ、保険料が強制徴収されるのは、保険給付を受ける被保険者をなるべく保険事故を受ける者全部とし、保険事故による個人の経済的損害を加入者相互に分担すべきとする社会保険としての国民健康保険の目的及び性質に由来するとし、また保険料についても、賦課総額を世帯主に応分に負担させることは、相互扶助の精神に基づく国民健康保険における保険料徴収の趣旨に沿うとされておりまして、判例においても国民健康保険は相互扶助の精神に基づく社会保険であることが示されております。

○和泉委員 国民健康保険法上は相互扶助という規定はないという答弁でした。
 第一条には、社会保障という文言が明記をされています。国民健康保険法は、公的医療保険の中でも唯一、第一条の目的に、社会保障に寄与するための制度だということが明記されている制度です。
 先ほど、最高裁の判決で相互扶助という言葉もありましたが、この最高裁判決による相互扶助を使うけれども、第一条の目的にある社会保障は使わない、これは余りにもバランスを欠いた表現ではないでしょうか。
 国や自治体の責任は医療給付などだけでなく、財政運営上の責任も含めてより重いものになっているというのが国民健康保険の制度の特徴です。制度改定に伴って策定をされ、今後三年間の国保事業のありようを示す運営方針案が、制度の意義を被保険者間の相互扶助に置きかえ、国民健康保険法における公的責任を軽視することは、断じて容認できません。
 相互扶助であるにしても、何よりも国や自治体の責任が重い、決して被保険者だけで相互扶助をするという性質の制度ではありません。都は、財政運営上の責任をただ単に、採算、お金の問題だけで捉えるのではなく、公的医療保険のセーフティーネットとしての国保制度を守り、もって、都民の暮らしや健康を根底のところで守り支える、そういった大義の財政責任を担うという立場を明確にしていただきたいと強く申し述べておきます。
 続いて、指定管理の更新についてです。
 今回、指定管理の更新が提案されているのは、船形学園など都外にある児童養護施設が四カ所、東村山福祉園を初めとする障害児者施設が五カ所です。
 初めに、これまで民間移譲された都立の障害者施設、児童福祉施設などは幾つあるのか、伺います。

○古賀事業推進担当部長 福祉・健康都市東京ビジョンにより改革方針を策定した施設のうち、これまで民間移譲した施設は、児童・母子婦人施設が六施設、障害者児施設が三十施設、高齢者施設が一施設、合わせて三十七施設でございます。

○和泉委員 既にこの十二年間で三十七の施設が民間移譲されたということになります。
 そのうち、施設の収入がふえたという事例はあるんでしょうか。あるいは減った事例についてはどうでしょうか。それぞれ伺います。

○古賀事業推進担当部長 指定管理者による運営の間は、都が支払う指定管理料により施設運営されるのに対しまして、民間移譲後は、介護給付費等の収入に基づいて、移譲先法人の創意工夫のもと運営されることとなります。
 指定管理料における移譲前の決算と各施設の平成二十八年度決算での収入を単純に比較した場合には、ふえた施設もございますし、減った施設もございます。例えば、移譲後に創設された補助制度を活用した事業の実施や、サービスの拡充などにより収入が増加している事例もございます。
 このように民間移譲の前後で事業実施の前提条件が異なるため、収入金額の多寡をもって一概に比較することはできないと考えております。
 なお、民間移譲後は、移譲先法人による自主性の発揮により、きめ細かな施設運営が行われておりまして、利用者サービスの向上が図られているものと考えております。

○和泉委員 財政状況がよくなっているところがあるなら、幾つかでも具体を示していただきたいというふうに思って質問しましたが、具体の答弁はありませんでした。
 多くの施設で減っているんではないかということを私は心配しています。事業実施の前提条件が異なるとはいっても、事業内容は変わっていないわけですから、収入の多寡は事業所にとって大変重要です。
 人対人の事業ですから、利用者サービス向上を担保するのは人員の確保、育成、専門性の向上などのはずであり、そのためには十分な人件費の保障が必要で、そのことは都立でも民間でも違いはなく、福祉施設の支出の中心は人件費ですから、十分な収入が保障されることは重要です。
 今回更新される九つの施設のうち、東村山福祉園以外は全て三年間の指定期間となっていますが、これらの施設のこれまでの更新の実績、民間移譲の方針が打ち出された時期について、それぞれ伺います。

○古賀事業推進担当部長 平成十八年度の指定管理者制度導入以来、指定期間三年で更新を行い、今回の更新は五期目でございます。
 平成十八年に策定いたしました福祉・健康都市東京ビジョンにおいて、それぞれの施設につきまして民間移譲に向けた検討を行う方針が示されております。

○和泉委員 十二年間にわたって三年という短期の指定管理が繰り返されてきたということになるわけです。
 なぜこれまで民間移譲せず、短期の指定管理を繰り返すことになったんでしょうか、伺います。

○古賀事業推進担当部長 民間にできることは民間に委ねるとの基本的な考え方によりまして、条件の整った施設から順次、都立施設改革を進めてまいりました。
 今回更新する施設は、遠隔地に所在していたり、大規模施設だったりなどの課題がございまして、利用者の状況や施設のニーズ等を踏まえ、施設の在り方等を検討していることから、現行指定管理者を特命により指定しております。

○和泉委員 遠隔地や大規模施設などの課題があるということでしたけれども、それだけではなく、採算が困難だったり、高い専門性が必要だったりなどの事情があって、民間移譲後の運営が困難だということもあるんではないでしょうか。
 いいかえれば、だからこそ都が運営をすることが重要な施設だということだと思います。
 また、船形学園、八街学園、勝山学園、千葉福祉園は千葉県、片瀬学園は神奈川県にあります。このような都外の児童養護施設や障害児者の施設が仮に民間移譲された場合、所管はどのようになるんでしょうか。

○松山少子社会対策部長 都外に設置した都立児童養護施設が民間移譲された場合、施設の認可及び検査の権限は、それぞれ児童福祉法三十五条第四項及び同法第四十六条第一項に基づき、施設所在県が所管となるところでございます。

○和泉委員 要するに、今後はそれぞれ千葉県、神奈川県の所管になるということです。
 都民が利用するところだけれども、都が指導監督の権限を持たない、これもやはり大きな課題になるんじゃないでしょうか。
 また、民間移譲しようにも、条件が整わないからこれまで三年間の指定管理を繰り返し更新し続けてきたんです。利用者支援の継続性及び事業運営の安定性を確保する必要があるという点からの特命による選定、これ自体は反対はしません。しかし、都がそういう認識があるのなら、安定して事業運営ができる形を整えるべきだと思います。
 さらにこれ以上の民間移譲はやめ、都として責任を担える形を維持することを強く求めて、質疑を終わります。

○藤田委員 私からは、東京都心身障害者福祉センター条例の一部を改正する条例について質問いたします。
 今回の条例では、多摩支所の仮移転先は都営住宅の一階、二階部分であり、現在改修中とのことです。身体障害者が利用するわけですから、バリアフリーなどの問題はないようにするとお聞きしておりますが、十分配慮いただきますよう要望いたします。
 また、仮移転先は、現在より駅から遠くなるとのことです。現在地はスポーツセンターと駅の間を往来する送迎バスを三割の方が利用しています。仮移転するとその送迎バスがなくなるということから、立川駅からの交通手段を整備する必要がありますが、これについても、都は、利用者の分析を行い、愛の手帳申請時間に合わせてシャトルバスを設定するということでありました。
 また、七割の方は自家用車で来所しており、駐車場の数についても、都は、仮移転先で十分対応可能という判断でした。
 この条例につきましては、ぜひ利便性が低下しないよう十分配慮いただくよう要望いたします。
 また、来所が困難になって利用しにくくならないための対策として、より抜本的なことも考えていた方がいいと思います。
 当センターは、来所にて愛の手帳の申請及び装具の判定を行っているとのことですが、来所できない方についてはどのような対応を行っているのでしょうか。また、愛の手帳や装具の判定を希望しながらもセンターに来ることができない方は、何人ぐらいいらっしゃるのでしょうか。

○高原障害者施策推進部長 東京都心身障害者福祉センターでは、判定業務につきまして、知的障害者福祉法に基づく知的障害者更生相談所及び身体障害者福祉法に基づく身体障害者更生相談所として、愛の手帳の申請者に対する知的障害の判定や、車椅子等の補装具費支給の要否判定及び適合判定などを行っております。
 これらの判定は、申請者の状況に応じ、正確、公正に行うため、医学的、心理学的見地などから専門職が携わるとともに、各種検査設備や備品を用いて行う必要がございます。
 このため、センターでは、医師、理学及び作業療法士、義肢装具士、言語聴覚士、看護師など複数の専門職を配置するとともに、検査室、判定用スロープ等を初め、補装具のサンプルなどを整備しており、判定の際には、原則としてセンターに来所をいただいているところであります。
 一方で、遠隔地である等で来所が困難な方に対しましては、愛の手帳に関する知的障害の判定につきましては、市町村からの依頼により、身近な地域において集合判定を行うとともに、補装具費の支給判定等についても、島しょや西多摩地域で巡回により実施をしております。
 その上で、ALSなど重度の障害により医学的に来所が困難と認められる方などについては出張判定を行っており、平成二十八年度におきましては、補装具費支給等身体障害に係る判定百三十四件を初め知的障害の判定など、合計三百三十三件の出張判定を実施いたしました。

○藤田委員 ありがとうございます。遠隔地には集合判定、そして島しょ、西多摩地域などでは巡回判定も行っているということでした。
 医学的に来所が困難と認めたら、自宅などでの出張判定を行っているということでもありましたが、しかし、障害者団体からは、介護者の高齢化など、障害者自身の理由に限定しない運用を求める声が上がっています。
 介護者が高齢などの問題でセンターに行けない方に対しても出張判定ができるようにすべきと考えますが、都の見解をお聞かせください。

○高原障害者施策推進部長 繰り返しにはなりますけれども、知的障害や補装具の判定は、医師や義肢装具士等の専門職が携わるとともに、各種検査設備等を用いて正確、公正に行う必要があることから、センターでは、医師意見書による書類判定で足りる場合等を除きましては、原則として来所をいただいているところであります。
 また、遠隔地の方等に対しましては、身近な地域での集合判定や巡回による判定も行っております。
 その上で、昨年度の事例で申し上げれば、ALSやコントロールできていないてんかんにより重積発作が頻発する方や、自閉症やパニック障害により長年外出できていない方など、身体上の危険や障害特性により医学的に来所が困難と認められる方等につきましては出張判定を行っておりまして、今後とも引き続き適切に対応してまいります。

○藤田委員 各種専門家がかかわること、または各種検査設備などを用いて正確かつ公正な検査を行うために来所してもらっているということだったと思いますが、しかし、自宅などにおける訪問判定の際でも、精度の低い判定をしているわけではないと思います。職員が来所可能と判断したとしても、車での長時間の移動などによってたんの吸引が必要になる方や、介護者が高齢なため車でも搬送が困難な方など、センターに行くことができない方がたくさんいらっしゃると肢体不自由児者父母の会の方がおっしゃっていました。
 寝たきりであっても人工呼吸器は使っていない、介助によって車椅子に乗ることができる、だから来所が可能であると判断されているのかもしれません。
 車椅子に乗車し、介護タクシーで移動、そういった方は遠出がなかなかできません。三十分以上に及ぶ移動では寝台車が必要になります。例えば、青梅市から多摩市までは二十五キロ程度の移動に寝台車を使い、吸引器も借りて、ベッドからベッドの移動を行うための介助者を往復三時間つけると総額五万円程度になります。経済的、身体的な負担を考えたら、来所可能と判断されたとしても、判定に行くまでのハードルは相当高いものだと思います。
 さらに、日本は、障害者権利条約を批准し、障害者差別解消法も施行されています。この法律では、都に合理的配慮の提供が義務づけられています。
 新人の私がベテランの皆さんにいうのもおこがましいですが、合理的配慮というのは、障害者の方が、ほかの人と平等に人権と自由を共有し、行使する上での妨げとなる社会的な障壁を取り除くことです。その背景にあるのは医学モデル、つまり障害者の抱える困難の原因は障害者自身の状況にあるという考え方から、社会モデル、つまり介護の困難の原因は社会の側にあるという考え方への転換です。
 都も、差別解消のための条例を検討している今、出張判定について医学的な状態で判断するという今の考え方がそのままでいいのか、再検討が必要ではないでしょうか。
 家族の状況などによるものも含めて、来所が困難になって障害者が制度を利用しにくくならないよう努めることが、障害者差別解消法のいう合理的配慮だと思うのですが、都の見解をお聞かせください。

○高原障害者施策推進部長 ただいま委員の方から差別解消法との関連でのお話がございました。
 差別解消法は、確かに合理的配慮の提供を行政機関には義務づけておりますけれども、そこにおいては、過剰な負担でない場合においてに限りという条件づけはあるわけでございます。
 むしろ我々の方は、今申し上げましたとおり、一定の、何か一律の基準で出張判定を行う、行わないといったことをやっているわけではなく、できるだけご利用者からの相談に応じた上で、また限られた人員と設備、あるいは備品の中で出張判定をさせていただいて、まさにそれは合理的配慮として行っているという、そういう理解でございます。

○藤田委員 東京都のいう合理的配慮は、明らかに医学的なモデルの面で、本人が来れないことを前提として、そういった人員や設備の配置をしているのではないかと思われます。
 まずはセンターに行きたくても行くことができない方の実態をリアルにつかみ、その方が社会的な問題でこちらに来ることができないのではないか、そういう視点で合理的配慮を行っていただきたいと思います。
 来所できないという困難の原因は社会の側にある、そういう考え方への転換を強く求め、判定を必要とする全ての方が利用しやすい制度になることを要望いたしまして、私からの質問とさせていただきます。ありがとうございました。

○伊藤委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○伊藤委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で福祉保健局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時三十五分散会

ページ先頭に戻る