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Tokyo Metropolitan Assembly

厚生委員会速記録第四号

平成二十九年三月二十二日(水曜日)
第七委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長小林 健二君
副委員長上田 令子君
副委員長和泉 武彦君
理事和泉なおみ君
理事中山 信行君
理事山加 朱美君
前田 和茂君
大場やすのぶ君
木村 基成君
藤井  一君
斉藤あつし君
畔上三和子君
石毛しげる君
野島 善司君

欠席委員 なし

出席説明員
福祉保健局局長梶原  洋君
次長理事兼務山岸 徳男君
技監笹井 敬子君
総務部長後藤 啓志君
指導監査部長松浦 慎司君
医療政策部長西山 智之君
保健政策部長上田  隆君
生活福祉部長坂本 尚史君
高齢社会対策部長西村 信一君
少子社会対策部長松山 祐一君
障害者施策推進部長高原 俊幸君
健康安全部長小林 幸男君
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務奈良部瑞枝君
事業推進担当部長古賀 元浩君
医療改革推進担当部長成田 友代君
医療政策担当部長矢沢 知子君
地域保健担当部長本多由紀子君
生活支援担当部長高橋 博則君
施設調整担当部長村田 由佳君
子供・子育て施策推進担当部長横手裕三子君
障害者医療担当部長平賀 正司君
食品医薬品安全担当部長仁科 彰則君
感染症危機管理担当部長矢内真理子君

本日の会議に付した事件
福祉保健局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成二十九年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 福祉保健局所管分
・第五号議案 平成二十九年度東京都母子父子福祉貸付資金会計予算
・第六号議案 平成二十九年度東京都心身障害者扶養年金会計予算
付託議案の審査(質疑)
・第四十四号議案 東京都国民健康保険運営協議会条例
・第四十五号議案 東京都国民健康保険調整交付金条例の一部を改正する条例
・第四十六号議案 東京都児童福祉施設の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・第四十七号議案 東京都障害者支援施設等に関する条例の一部を改正する条例
・第七十五号議案 八王子市指定介護療養型医療施設の指定等に係る事務の受託について
・第七十六号議案 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターに対する出資について
・第七十七号議案 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター定款の変更について
・第八十七号議案 東京都指定障害児通所支援の事業等の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・第八十八号議案 東京都指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・第八十九号議案 東京都障害福祉サービス事業の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
請願の審査
(1)二八第五〇号の一 保育の充実と待機児童対策及び保育士の待遇改善を求めることに関する請願
(2)二八第五二号 待機児童の解消と保育の質の向上を求めることに関する請願
付託議案の審査(説明・質疑)
・議員提出議案第四号 東京都シルバーパス条例の一部を改正する条例

○小林委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 初めに、傍聴人の数についてお諮りいたします。
 本委員会室の定員は二十名でありますが、傍聴希望者が定員以上でございますので、さらに二十名を追加したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小林委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○小林委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、福祉保健局関係の予算の調査及び付託議案の審査並びに請願の審査を行います。
 これより福祉保健局関係に入ります。
 予算の調査及び付託議案の審査並びに請願の審査を行います。
 第一号議案、平成二十九年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為、福祉保健局所管分、第五号議案、第六号議案、第四十四号議案から第四十七号議案まで、第七十五号議案から第七十七号議案まで、第八十七号議案から第八十九号議案まで並びに請願二八第五〇号の一及び請願二八第五二号を一括して議題といたします。
 予算案及び知事提出の付託議案につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料及び請願について理事者の説明を求めます。

○後藤総務部長 それではまず、去る二月十七日の当委員会で要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の厚生委員会要求資料をごらんください。
 表紙をおめくりいただきますと、目次でございます。資料は全部で二十八項目となっております。以下、順にご説明申し上げます。
 それでは、一ページをお開き願います。1、二次保健医療圏別NICU病床整備状況といたしまして、十三の二次保健医療圏ごとにNICUの病床数を記載してございます。
 二ページをお開き願います。2、療養型施設数及び療養病床数(医療保険適用・介護保険適用)の推移といたしまして、平成二十七年から三カ年のそれぞれの施設数と病床数の推移を医療保険適用と介護保険適用に区分して記載してございます。
 隣の三ページをごらんください。3、地域密着型サービスの事業所数の推移といたしまして、表の中ほどにございます認知症対応型共同生活介護(グループホーム)につきましては平成十七年から、その他の地域密着型サービスにつきましては、それぞれの制度が創設された年から平成二十八年までのそれぞれの四月一日現在の事業所数の推移を記載してございます。
 四ページをお開き願います。4、地域包括支援センターの設置状況といたしまして、区市町村ごとのセンター設置数及び六十五歳以上人口、そして五ページの下にありますように職員の配置基準を記載してございます。
 六ページをお開き願います。5、障害者グループホームの定員数といたしまして、平成二十八年三月一日現在の定員を区市町村ごとに記載してございます。
 隣の七ページをごらんください。6、被爆者の子の健康診断受診票の交付者数及び健康診断受診状況の推移といたしまして、平成二十三年から五カ年の被爆者の子の健康診断受診票の交付者数、さらに一般検査の受診者数及びがん検診の種類別の受診者数の推移を記載してございます。
 八ページをお開き願います。7、乳児院及び児童養護施設の在所期間別在籍児童数といたしまして、平成二十七年三月一日現在の乳児院と児童養護施設の在所期間別の児童数とその割合を記載してございます。
 隣の九ページをごらんください。8、児童養護施設及び養育家庭等における措置児童の進路状況といたしまして、中学校卒業児童と高等学校等卒業児童につきまして、卒業後の進路ごとの児童数とその割合を記載してございます。
 一〇ページをお開きください。9、都内の児童養護施設退所者のアフターケア施設の活動状況及び補助額の推移といたしまして、平成二十五年度から三カ年の実施箇所数、相談実績、サロン参加者数、決算額の推移を記載してございます。
 隣の一一ページをごらんください。10、都所管の児童養護施設への指導検査における文書指摘数の推移といたしまして、平成二十五年度から三カ年の文書指摘数、さらにその内容別の内訳の推移を記載してございます。
 一二ページをお開きください。11、児童養護施設及び児童相談所一時保護所における人権教育・外部通報に係る取組状況といたしまして、児童養護施設及び児童相談所一時保護所におきまして、平成二十七年度に実施いたしましたそれぞれの取り組みの内容を記載してございます。
 隣の一三ページでございます。12、特別区の児童相談所設置に係る都の対応といたしまして、児童福祉法等の一部を改正する法律が成立いたしました平成二十八年五月から平成二十九年二月までの特別区との対応内容を記載してございます。
 一四ページをお開きください。13、重症心身障害児(者)施設の待機者数の推移といたしまして、平成二十四年からの五カ年の待機者数の推移を記載してございます。
 隣の一五ページでございます。14、都外の障害児入所施設の入所者数の推移といたしまして、平成二十四年からの五カ年の入所者数の推移を、主たる対象とする障害の種類ごとに記載してございます。
 一六ページをお開きください。15、都が所管する社会福祉法人への指導検査における文書指摘数の推移といたしまして、平成二十五年度から三カ年の文書指摘数とその内容別の内訳の推移を示してございます。
 隣の一七ページでございます。16、社会福祉法人が運営する都内の高齢者施設及び障害者施設において入院・死亡に至った事故件数(平成二十七年度)といたしまして、高齢者施設、障害者施設それぞれの年齢、性別ごとの事故件数を、一八ページにかけて事故の内容別に記載してございます。
 一九ページをお開きください。17、障害者グループホームの設置状況といたしまして、二〇ページにかけまして平成二十八年三月一日現在の障害者グループホームの設置状況を、区市町村別、定員規模別、設置主体別及び主たる対象者別に記載してございます。
 二一ページをお開きください。18、特別区及び多摩地域における検案・解剖実績といたしまして、平成二十七年の実施者ごとの検案及び解剖の総数と一人当たりの件数を記載してございます。
 二二ページをお開きください。19、監察医務院における妊産婦自殺の検案数の推移といたしまして、平成十七年からの十年間で監察医務院において実施いたしました妊産婦自殺の検案数と方法別の内容を記載してございます。
 隣の二三ページをごらんください。20、医療法人に対する指導・監督の実施件数の推移といたしまして、平成二十四年度から五カ年の指導監督の実施件数の推移を記載してございます。
 二四ページをお開きください。21、医療法人の定款変更認可の審査及び債務超過医療法人への対応といたしまして、医療法人が医療機関等を新規に開設する際の定款変更認可申請及び債務超過医療法人への対応につきまして、根拠法令、審査の内容及び対応の状況を記載してございます。
 隣の二五ページでございます。22、医療政策部医療安全課所管の附属機関等委員の所属団体・職名、選定基準、在任年数等といたしまして、東京都死因究明推進協議会、東京都衛生検査所精度管理(調査)検討委員会、東京都医療安全推進協議会及び東京都医療審議会医療法人部会、それぞれの委員の氏名、所属団体、職名、選定基準、在任年数等を二八ページにかけて記載してございます。
 二九ページをお開きください。23、保育所等利用申込児童数といたしまして、平成二十八年四月一日時点の申込児童数と、そのうち保護者が育児休業中の者の数を区市町村別に記載してございます。
 三〇ページをお開きください。24、病児病後児保育施設の施設種別と受入れ実績といたしまして、平成二十五年度から三カ年の病児対応型施設と病後児対応型施設の延べ利用児童数を記載してございます。
 隣の三一ページでございます。25、家庭的保育事業の区市町村別実施状況、家庭的保育者数、利用児童数及び保護者負担額といたしまして、平成二十八年四月一日現在の家庭的保育事業の国制度及び都制度の実施状況、平成二十四年度からの五カ年の家庭的保育者数及び利用児童数、都制度の保育料について、区市町村ごとに三二ページにかけて記載してございます。
 三三ページでございます。26、区市町村別年齢別待機児童数といたしまして、平成二十六年から二十八年までのそれぞれ四月一日現在の区市町村ごとの年齢別申込児童数、待機児童数及びその割合を三五ページにかけて記載してございます。
 三六ページをお開きください。27、区市町村による認証保育所等利用者負担軽減制度の実施状況といたしまして、平成二十六年四月一日現在で利用者負担軽減制度を実施しております区市町の事業名、内容、対象、月額単価につきまして、四三ページにかけて記載してございます。
 四四ページをお開きください。28、とうきょう保育ほうれんそうの受付実績といたしまして、平成二十八年九月から平成二十九年二月までの各月の受け付け件数を記載してございます。
 以上、簡単ではございますけれども、要求資料のご説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○横手子供・子育て施策推進担当部長 お手元にお配りしてございます請願審査説明表に従いましてご説明させていただきます。
 一ページをお開き願います。整理番号1、請願二八第五〇号の一、保育の充実と待機児童対策及び保育士の待遇改善を求めることに関する請願は、豊島区の新日本婦人の会東京都本部会長の佐久間千絵さん外二千七百五十五人の方々から提出されたものでございます。
 請願の趣旨は、次のことを実現していただきたいというものでございます。
 第一に、認可保育所増設のため、都としての整備目標を持ち、整備補助の拡充を責任を持って進めること。
 第二に、公立保育所の整備及び運営費の補助を国に求めるとともに、支援を行うこと。
 第三に、認証保育所や保育室など、認可外保育施設の保育条件の向上のための支援及び指導の強化を進めるとともに、都の立入調査結果や園の職員における有資格者数、見学の受け入れ等の情報を、都や自治体のホームページ等で公開し、保護者が安全な保育所を確認できるようにすること。
 第四に、国に対し、保育士の配置基準や施設基準の緩和の撤回を求め、都としても保育所の基準緩和を行わないこと。
 第五に、保育士の待遇を改善することという内容でございます。
 現在の状況でございますが、第一につきましては、都は、平成二十八年十二月に策定した二〇二〇年に向けた実行プランにおいて、待機児童解消を図るため、平成二十八年度からの四年間で保育サービス利用児童数を七万人分ふやすことを目標に定めております。
 保育サービスは、保育の実施主体である区市町村が、認可保育所、認証保育所、認定こども園、小規模保育事業、家庭的保育事業など、地域のさまざまな保育資源を活用して整備するものであり、都は、区市町村が地域の実情に応じて多様な保育サービスの整備を進められるよう、国の整備費補助に加え、建築資材や労務単価の高騰に対応した高騰加算や借地料補助など独自の補助制度により支援しております。
 第二につきましては、公立保育所の整備費は平成十八年度に、運営費は平成十六年度に区市町村へ税源移譲されております。
 第三につきましては、都は児童福祉法等に基づき、認証保育所を含む認可外保育施設について指導監督や立入調査を行っており、平成二十八年度から、認可外保育施設の保育サービスの質の向上を図るため、新たに巡回指導チームを編成し、指導体制を強化しております。
 また、認可外保育施設の指導検査結果及び各施設の開所時間や定員等の基本的な情報は、都のホームページで公開しております。
 さらに、施設の有資格者数や保育サービスの内容などは、東京都認証保育所事業実施細目及び認可外保育施設指導監督要綱において、事業者が利用者に示すこととしております。
 第四につきましては、保育所の居室面積基準について、国は、大都市部の一部の地域に限り、待機児童解消までの一時的な措置として、国の基準を標準として、合理的な理由がある範囲内で、都道府県が国の基準と異なる内容を定めることができるとしております。都は、東京都児童福祉審議会での意見を踏まえた上で、都議会の議決を経て、平成二十四年三月、東京都児童福祉施設の設備及び運営に関する条例を定めております。
 また、保育所の職員配置基準について、国は、保育における労働力需要に対応するよう、保育の質を落とさずに、保育士が行う業務について要件を一定程度柔軟化することにより、保育の担い手の裾野を広げるとともに、保育士の勤務環境の改善(就業継続支援)につなげるという考え方に立って、当面の措置として、平成二十八年二月に保育士配置の特例的運用を可能とするための省令の改正を行っております。都は、東京都児童福祉審議会での意見を踏まえ、平成二十八年三月に東京都児童福祉施設の設備及び運営に関する条例施行規則を改正いたしました。
 第五につきましては、国は、保育士の処遇改善を図るため、平成二十九年度から二%相当の処遇改善を行うとともに、保育士として技能、経験を積んだ職員について四万円程度の追加的な処遇改善を行う予定でございます。
 都は、保育人材の確保、定着を図るため、平成二十七年度から、キャリアパスの導入に取り組む事業者への独自の補助を実施しており、平成二十九年度からは、各施設の財務情報等の公表や非常勤職員の賃金改善を行うこと等を条件に、補助の充実を図る予定でございます。
 続けて、三ページをお開き願います。整理番号2、請願二八第五二号、待機児童の解消と保育の質の向上を求めることに関する請願は、新宿区の公的保育・福祉を守る東京実行委員会代表の橋本宏子さん外八万八千七十三人の方々から提出されたものでございます。
 請願の趣旨は、次のことを実現していただきたいというものでございます。
 第一に、待機児童の解消は、認可保育所の増設を基本にすること。
 第二に、保育士の賃金や労働条件などを改善するための補助制度を拡充すること。
 第三に、保育の環境や基準を改善することという内容でございます。
 現在の状況でございますが、第一につきましては、都は、保育の実施主体である区市町村が地域の実情を踏まえ、認可保育所や認証保育所、認定こども園、小規模保育事業など、多様な保育サービスを拡充できるようさまざまな支援を行っております。
 第二につきましては、国は、保育士の処遇改善を図るため、平成二十九年度から二%相当の処遇改善を行うとともに、保育士として技能、経験を積んだ職員について四万円程度の追加的な処遇改善を行う予定でございます。
 都は、保育人材の確保、定着を図るため、平成二十七年度から、キャリアパスの導入に取り組む事業者への独自の補助を実施しており、平成二十九年度からは、各施設の財務情報等の公表や非常勤職員の賃金改善を行うこと等を条件に、補助の充実を図る予定でございます。
 第三につきましては、職員配置や必要な面積などの認可及び認定の基準は、認可保育所及び認定こども園は都道府県が、小規模保育事業や家庭的保育事業等の地域型保育事業は区市町村が、児童福祉法に基づき定めることとされております。
 都においては、東京都児童福祉審議会や東京都子供・子育て会議での意見を踏まえた上で、都議会での議論を経て、認可及び認定の基準を条例等で定めております。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○小林委員長 説明は終わりました。
 これより、ただいまの資料を含めまして、本案及び本件に対する質疑を一括して行います。
 発言を願います。

○前田委員 よろしくお願いいたします。
 私からは、新規事業など、大きく四点の質問をいたします。
 新規予算で、ユニバーサルデザインのまちづくり緊急推進事業が計上されております。予算特別委員会で我が党から質問をしておりますので、私からは具体的な実施計画をお伺いいたします。
 まずは、住民参加による点検、いわゆるまち歩き事業を実施するとあります。私も道路や施設の危険箇所の陳情を受けることがありますが、自宅の近所であっても気がつかない箇所があったように、日々利用される頻度の多い方ほど道路事情等を把握されていると思います。
 そこで、点検する住民は具体的にどのような方をお考えか、お伺いいたします。

○坂本生活福祉部長 ユニバーサルデザインのまちづくり緊急推進事業は、施設や設備の改修に当たりまして地域住民の視点を反映するため、地域住民の参加による施設などの使いやすさ等の調査を行うとともに、その調査に基づいて実施する段差解消や手すりの設置などのバリアフリー改修の実施まで、区市町村によります一体的な取り組みを推進するものでございます。
 地域住民のまちづくりへの参加を促進することを目的に実施することとしております。
 そのため、本事業の調査に参加する住民でございますが、高齢者や障害者など当事者を含みます地域に居住する住民の方で、日ごろから施設等を利用する方など、事業の趣旨や地域の実情を踏まえて、区市町村が選定するものと考えております。

○前田委員 道路事情は、日々利用される頻度が多いほど、そして困ったことがあった方などの方がよく把握されております。利用される方が多く参加されるのは理想ですが、ぜひ地域の高齢者の要望を聞ける民生委員との連携なども検討されるべきと申し上げます。
 次に、対象範囲についてお伺いいたします。
 私の地元渋谷区では、国立競技場の最寄り駅として、千駄ケ谷駅、北参道駅、代々木駅、原宿駅があります。特に北参道駅は国立競技場のイベント開催時のみ通行量が多い、いわゆる抜け道にされている区道もあり、バリアフリー整備が十分でない道路もあります。
 そこで今回、住民参加で点検する道路の範囲についてお伺いいたします。

○坂本生活福祉部長 本事業で調査対象といたします道路の範囲でございますが、区市町村が管理する道路で、調査後に本事業を活用した整備を行うことができる道路と考えております。
 具体的な事業の実施に当たりましては、各区市町村から個別にヒアリングを実施いたしまして、適切に対応してまいります。

○前田委員 この事業は、区市町村を支援するということですけれども、道路の利用者には、都道も区道も同じ道路で違いはありません。今回はスポーツ活動の場とその周辺のバリアフリー化とのことですので、ぜひ都と区市町村で連携協力をして実施していただくように要望いたします。
 例えば、都、区市町村、住民による協議会を立ち上げ、実施計画を策定するなど、検討いただければと思います。また、行政連携とともに、各局との連携もよろしくお願いします。
 特に、このバリアフリー化の話は、私も長く区議会の福祉保健におりましたが、地下鉄駅などのエレベーター設置によるバリアフリー化なども障害課が所管になり、道路の設置箇所での安全性、交通量、案内方法などの質疑が、道路行政が専門でないので、なかなか厳しかったこともありました。ぜひ建設局など各局と連携をして取り組んでいただきますように要望します。
 また、道路のバリアフリー化の推進をお願いした一方、無理な改修工事がないように重ねてお願いをいたします。つまずき防止の段差解消を無理やり行うと急勾配になり、車椅子や小さなお子様などが逆に危ない箇所になってしまったこともあります。ぜひ、改修が難しい箇所がある場合は、安全なルートへ誘導する方策も考えていただけますよう要望します。
 現代は、ネットの普及で、抜け道や最短ルートが簡単に調べられ、ふだんは余り通らない道が検索されていることもありますが、誘導サインを活用することを各局とも連携して行っていただきますよう申し上げ、次の質問に移ります。
 地域福祉推進区市町村包括事業についてお伺いいたします。
 二十九年度予算要求では、子供に対するさまざまな支援を実施する事業の立ち上げや関係団体の連携を推進し、生活困窮世帯の子供への支援を図る子供サポート事業立上げ支援事業が計上されておりました。
 提案予算では、包括補助事業に含んで実施されているとのことですが、まず、この子供サポート事業立上げ支援事業の具体的な内容をご説明ください。

○高橋生活支援担当部長 本事業は、NPO法人などの民間団体が、生活困窮世帯の子供を対象に実施する子供食堂や学習会などの取り組みの充実を図るため、区市町村に対し包括補助により支援するもので、事業のメニューといたしましては、立ち上げアドバイザーの配置と立ち上げ支援との二つがございます。
 立ち上げアドバイザーは、民間団体の事業の立ち上げや運営に当たっての相談など、団体の支援、育成を行いますとともに、団体間の情報共有の場を設け、団体間の連携によるネットワーク化に取り組むなどを想定しており、立ち上げアドバイザーの人件費や活動経費を補助対象としております。
 また、民間団体の立ち上げ支援につきましては、机や調理器具の購入など、事業立ち上げの際の初期投資費用を区市町村が助成する場合に補助するものでございます。

○前田委員 昨今、格差社会における子供の貧困問題をよく耳にします。確かに、教育に関しては、家庭の収入により格差が生じているといわれますが、福祉における貧困の定義をお伺いいたします。

○松山少子社会対策部長 国は、子供の貧困に関する指標として、子供の貧困率を挙げており、これは十七歳以下の子供全体に占める等価可処分所得の中央値の半分の額に満たない子供の割合、いわゆる相対的貧困率を指すものでございます。

○前田委員 お答えいただきました相対的貧困率は、日本で六人に一人ともいわれています。この問題にもしっかりと取り組んでいかなければなりません。
 しかし、必要最低限の生活水準を維持するための食料、生活必需品を購入できない絶対的貧困で、子供が最低限の栄養がとれず、栄養失調に陥ることは普通には考えられません。
 世界基準での絶対貧困ラインは、一日一ドル二十五セント、日本円で百四十円といわれています。物価の高い日本では到底当てはまらない金額ですが、それでも生活保護基準でも十分に必要最低限の食料、生活必需品を購入できると考えます。
 しかし、現実問題として、子供の栄養失調の問題はあります。どうしても食料が一人分しかない場合、私でしたら自分よりも子供を優先する、その感覚が普通だと思いますけれども、そうでもない方もいらっしゃいます。原因がネグレクトなのか、異常なまでに無頓着なのか、さまざまなケースが考えられますが、ぜひ原因及びそこに至った背景まで理解された上で、改善指導へ向けた取り組みをよろしくお願いをいたします。
 次に、認知症グループホームマッチング事業についてお伺いいたします。
 高齢化の進展に伴い、認知症高齢者は、平成二十五年の三十八万人から、平成三十七年には六十万人に増加すると推計されており、認知症グループホームの整備は喫緊の課題と考えられます。
 整備のための用地、物件の確保に各事業者が苦戦している中、保育園の用地、物件確保のため、不動産や金融の専門家と連携するマッチング事業の手法を認知症グループホームに取り入れられたことは大いに期待をいたします。
 都は、平成三十七年度末までに、定員二万人分確保を目標に挙げられていますが、認知症グループホーム整備に向けたこれまでの取り組みと、昨年度の開設実績についてお伺いいたします。

○西村高齢社会対策部長 都は、認知症高齢者グループホームの整備を促進するため、国制度による補助に加え、都独自の取り組みとして、一ユニット当たり二千万円の整備費補助を実施しておりまして、高齢者人口に比べ、整備状況が十分でない区市町村については重点的緊急整備地域に指定し、補助額を一・五倍の三千万円としております。
 今年度からは、この重点的緊急整備の対象となる地域を拡大しております。
 また、グループホームの整備用地として都有地の減額貸付を行うとともに、土地所有者等が賃貸目的で整備するオーナー型への補助を都独自に実施しております。
 平成二十七年度の開設実績は、二十三カ所、三百九十九名分でございまして、累計では、平成二十七年度末現在、五百八十四カ所、九千八百九十六名分となっております。

○前田委員 平成二十七年度の実績は三百九十九人とご答弁いただきました。二万人の定員増にはまだまだペースを上げる必要がありますが、だからこそ、このマッチング事業に期待するところが大きくなります。
 この事業で対象となる不動産をお持ちのオーナーは、社会的貢献という側面がありながらも、最終的には収益ベースで考えられる方が多いと思います。福祉事業者との契約年数、創設経費に対しての回収期間、また開設に向けての手続など、不明な点を解消できる丁寧な説明が必要と考えます。
 そこで、認知症グループホームマッチング事業の具体的な内容をお伺いいたします。

○西村高齢社会対策部長 補助実績の半分を占めるオーナー型整備をより一層促進するためには、グループホームとはどういったものか、また事業としての安定性や社会的意義などについて、土地所有者等の理解と関心を高め、運営事業者と結びつけることが必要でございます。
 このため、来年度から実施するマッチング事業では、家庭的な雰囲気の中で運営されているグループホームの紹介や、整備費補助の内容をわかりやすく解説したリーフレットを作成し、土地所有者等を対象に説明会を開催するとともに、現場見学会や個別の説明会を実施いたします。
 その上で、土地所有者等と運営事業者との仲介を行うとともに、開設に向けた各種手続の相談など、きめ細かな支援を行ってまいります。
 今後とも、多様な手法を活用しながら、グループホームの整備を促進してまいります。

○前田委員 ご答弁ありがとうございました。福祉事業者と不動産オーナーの契約の条件は、民間同士の内容なので具体的にはお伺いできませんが、ぜひ、事業実施の推移を見ながら検証をお願いいたします。
 心配される要素として、私は本会議の一般質問で指摘した、障害者グループホームでの都心区での整備状況の悪さと同じく、地価の高い都心区でマッチングの条件が合うかどうか不安視しております。
 私は、福祉事業者とグループホームに賃貸ししているオーナーさんからお話をお伺いしました。グループホームの利用料は施設により違いますが、都心であっても月二十万円を超える利用料をいただくのは厳しい、その中で高い賃料を捻出しなくてはならない、不動産所有者は、現状渡し、原状回復、いわゆるスケルトン戻しであれば考えられるが、施設整備費をオーナー持ちだと長い契約年数でないと難しい、また一から建設する場合では、グループホームは潰しがきかない、転用がしにくいので、同じく契約年数がポイントとなるといわれました。
 金額を公表しないとの条件に賃料をお聞きしましたが、利用料にして高額であり、創設費用の回収まで考えると、さらに高額になることが予想され、障害者グループホームと同じく、地域間で偏在が出ないよう推移を見ながら、例えば賃料補助や固定資産税の減免制度など、地価が高い地域に対しての検討もよろしくお願いをいたします。
 また、対象を不動産オーナーだけでなく、可能性のある方へ広げていただくことも要望します。
 例えば高齢の方で、貯蓄をご子息などのために収益不動産に、場合によれば賃料収入を何人かで分けられる方などにとっては、長期契約が可能な認知症グループホームへの賃貸し事業に興味を持たれると思われます。そのような方の情報は、不動産業者と連携してこの事業を行う金融機関がお持ちかもしれません。さまざまな可能性を検討しながら、この事業が成功され、平成三十七年の定員二万人の確保につながることを要望し、次の質問に移ります。
 最後の質問として、市場の安全性を保健衛生の観点からお伺いいたします。
 豊洲市場では、見学者の専用通路が設けられ、買い出し業者と立ち入る場所が分けられております。しかし、築地市場は開放型であるため、海外からの観光客を初め、さまざまな人たちの見学に衛生面での対策が必要とされています。
 現在、築地市場において、安全な食品が日々、都内を初め、広く全国に送られていることは、事業者の方々の努力にほかならないと考えます。
 そこで、食品の安全の観点から、現在の築地市場での取り組みについて何点か質問します。
 まず、食品の安全確保に関して、事業者の方が守るべき基準を定められている法令にはどのようなものがあるか、お伺いいたします。

○仁科食品医薬品安全担当部長 食品の安全性の確保のため、公衆衛生の見地から、食品の製造方法や保存温度など、必要な基準等を規定している法令として、食品衛生法が規定されております。
 また、この法律では、都道府県は、公衆衛生上講ずべき措置に関し、条例で必要な基準を定めることとされており、都は、食品衛生法施行条例において、営業施設の基準や食品の取り扱い方法などの基準を定めております。

○前田委員 魚介類や食肉には、食品衛生法により、保存温度など具体的な基準が定められているとのことですが、築地市場の魚介類の保存温度について、どのように定められているのか、お伺いいたします。

○仁科食品医薬品安全担当部長 食品衛生法では、厚生労働大臣が、魚介類を初め、各種の食品に関する保存温度などの基準を定めることと規定しております。
 これに基づき切り身やむき身にされ、刺身などの材料となる生食用の鮮魚介類は、冷蔵では十度C以下、冷凍ではマイナス十五度C以下で保存しなければならないとの基準が設けられております。

○前田委員 魚介類の保存温度として、冷蔵で十度以下、冷凍ではマイナス十五度以下という基準が定められているとのことですが、開放型の築地市場ではコンクリートに覆われており、日中の温度管理は容易でないことが想像されます。
 温暖化の影響により、真夏の猛暑中での温度管理には特に苦労があると思われます。
 そこで、福祉保健局では、食品衛生法の基準が卸売市場で守られているのか、監視のため、市場衛生検査所を設置しておりますが、この検査所で、こうした猛暑でも魚介類の保存基準が守られるよう、どのような取り組みを行っているのか、お伺いいたします。

○仁科食品医薬品安全担当部長 築地市場で扱われる魚介類の多くは、切り身やむき身にされる前のものでございますけれども、食品衛生法の保存温度の適用を受けるものではありません。
 しかし、市場衛生検査所では、これに準じた保存方法での取り扱いを指導しております。
 具体的には、発泡スチロール容器に入れられる、入荷される魚介類には、容器内に適正な量の氷が使用されていることや、冷凍状態のものは一度解凍されることにより、霜の付着がないかどうかなどの確認を徹底するなど、卸売業者に指導をしております。
 また、仲卸業者に対しましては、日々の監視指導の中で、各店舗に並べられている品物の温度を確認するとともに、冷凍マグロの解体や解凍などに当たっては、品物の温度が上昇することのないよう、迅速な処理について指導をしております。
 さらに、猛暑の折には、冷蔵のための氷を順次追加することや、冷蔵、冷凍庫の温度確認を頻繁に行うなど、きめ細やかな温度管理についても注意喚起を行っております。

○前田委員 築地市場で働く方々は、ただでさえ忙しい通常業務に加え、猛暑の折には冷蔵のための氷を順次追加するなど、きめ細かな温度管理が行われていることで安全が担保されていることはよくわかりました。
 築地市場は、施設全体が一定の温度に保たれ、食品の管理もしやすい閉鎖型構造でないので、事業者の方々が、より多くの手間をかけ、品質を守っていただいていることに敬意を表させていただきます。
 もう一つ、閉鎖型でないデメリットとして、害虫などの侵入が容易である点も挙げられます。そうした害虫の発生や害虫による食品への汚染に対し、どのような対策を講じられているのか、お伺いいたします。

○仁科食品医薬品安全担当部長 市場衛生検査所では、害虫の発生を防止するため、市場内の事業者に対して、営業終了後に日々の清掃を徹底するとともに、廃棄物を確実に除去するか、ふたつきの容器におさめるよう指導しております。
 また、害虫の発生が認められた場合には、粘着シートなど、食品に影響を与えない方法による駆除を助言するなど、各事業者による自主的な取り組みを支援しております。

○前田委員 ありがとうございました。
 知事は、さきの予算特別委員会の代表質問に際して、築地市場については、法令上安全、そして都民の絶大な信頼を得ているという二つの意味において安全だと述べられました。
 しかし、そうした安全は、事業者の方々が猛暑の折には冷蔵のために氷の追加を行うなどきめ細かな温度管理を行っていたり、日々の施設清掃の徹底や、害虫駆除には食品に影響のない粘着シートを使用されているなど、現代の施設では必要ないご努力により守られております。
 私も、ほんの少しですがお気持ちがわかるのが、東京都議会に来る前に通っておりました渋谷区役所は築五十年、現在は建てかえのため解体されておりますが、老朽化のため、かなりのふぐあいで大変苦労いたしました。ドアなどの建具のふぐあいは当然として、空調がフロアごとの管理であり、開催日以外では議会フロアに冷房が入らない日があったり、時代的にパソコン利用が想定されていない建物ですので、Wi-Fiが届かず、有線もつなげず、パソコン通信に利用できる部屋が限られたり、本会議場の固定椅子が会議の最中に真っ二つに折れたり、録画モニターは三時間前から電源を入れないと色の調整ができなかったり、質問時間残表示表の速度が急に速くなったりと老朽化した施設であり、また機器が古いため修理費用が異常に高く、新型に交換したくても設備が古過ぎて部分入れかえは不可能であり、結局、いろんな面でだましだまし使い続けているという限界ぎりぎりの努力を続けてまいりました。
 築地市場においても、それ以上の限界ぎりぎりと思われる努力によって安全が守られていることを忘れてはならないことを申し上げ、私の質問を終わらせていただきます。

○小林委員長 ただいまの前田委員の築地市場の食の安全・安心に関する質疑につきまして、山加理事、野島委員より関連質疑の申し出がありました。
 初めに、山加理事の関連質疑を認めます。

○山加委員 今、委員長からお許しをいただきまして、前田委員の関連質疑で、築地市場における食の安全についてお伺いをさせていただきます。
 本定例会で我が党は、築地市場が抱える課題について、衛生面、建物の老朽化や狭隘化、また地下埋設物に関することなど、さまざまな観点から指摘をしてまいりました。
 幾つか振り返りますと、まず、本会議の代表質問では、我が党の高木幹事長がHACCPについて取り上げ、現在の築地の市場施設が対応することは可能なのかと質問したところ、中央卸売市場長は、開放型で温度管理等が難しい築地市場におけるHACCP対応は、異物混入や品質管理等について、よりきめ細やかなプランの策定とその確実な実施が必要となります、こうしたことから、HACCPの導入は事業者にとって大きな困難を伴うものと考えられますという答弁でありました。
 HACCPは、現在、国が導入を検討している制度であり、原材料の入荷から製造、出荷まで全ての重要な工程を継続的に監視することにより、食の安全を確保するという国際標準となっている衛生管理手法であります。
 築地市場は日々、国内外からさまざまな種類の魚介類や青果が出荷され、都内を初め、首都圏等へ広く流通をしていく、まさしく食品流通の一大拠点であります。したがって、日々多くの市場関係者の手を経て食品が取り扱われ、取引が行われております。
 扱われている食品も多種多様で膨大な量になります。食品の安全を担保するためには、現在検討中のHACCPも含め、科学的根拠に基づきチェックなどを行っていくことが何よりも重要であり、これを担保していくのが食品衛生法に基づく基準であると考えます。
 先ほどご答弁ございましたけれども、個別の食品に対する保存温度の基準を定め、刺身に用いる魚介類は冷蔵が義務づけられており、また漬物など青果物の加工品には使用可能な添加物に制限があるなど、厳しい、大変厳しい基準が設けられています。
 そこで、食の安全・安心のうち、安全に絞って何点かお伺いいたします。
 先ほど前田委員の質疑の中で、食の安全を守るために市場衛生検査所を設置しているとのお話がございました。
 まず、この検査所ではどのような取り組みを行っているのか、伺います。

○仁科食品医薬品安全担当部長 市場衛生検査所では、卸売市場に流通する食品の安全を確保するため、食品衛生法に基づき、食品衛生に関する監視指導と食品の試験検査を一体的に実施し、日々市場に流通する食品のチェックを行っております。
 築地市場では、競りが行われる前の午前四時から、食品衛生監視員が二名体制で早朝監視を実施し、有毒魚の有無や、食品の保存温度の確認等の監視指導を行うとともに、食品を抜き取り、試験検査を行っております。
 午前八時からは、通常監視として、二名体制の監視班を六班構成し、各種販売業や飲食店などの市場内の営業者に対しまして、食品の取り扱いや適正表示などについて指導を行っております。
 平成二十七年度には約十二万件の監視指導を行うとともに、試験検査を約二万七千件実施し、有害、不良な食品の早期発見と、市場内にある食品流通からの排除に努めております。
 さらに、事業者が食の安全に関する基準を適正に遵守できるよう、市場内の営業者や関係団体を対象とした講習会の開催や個別の相談対応を通じまして、食品衛生に関する知識や技術の普及啓発を行っております。

○山加委員 築地におられる事業者の方々は、衛生面での課題を抱えながら、日々大変なご苦労をされ、また今ご答弁ございました市場衛生検査所も大変厳しく目を光らせて、まさに市場における食の安全が守られているのだなと、改めて敬意を申し上げたいと思います。
 ただ、それでもなお、開放型の築地市場では、衛生管理面で、より多くのリスクにさらされるのは否めないと思います。この点について、さきの予算特別委員会の代表質問で我が党の崎山政調会長が、閉鎖型の豊洲と開放型の築地とで、どちらが衛生的なのか所見を伺うと質問し、それに対し知事は、衛生面での基準、法的な基準等も年々変遷をしており、それらに適合するように豊洲が閉鎖的な衛生面での確保を狙ったと考えていると答弁されました。
 また、翌日の一般質問で我が党の神野都議がこの問題を取り上げまして、開放型の築地で問題ないと知事はお考えかと質問し、知事は、築地は開放型であるがゆえにさまざまな問題を抱えている、衛生面の法的な規制も変わってきている、世界的には、HACCPなど閉鎖的で、温度管理などをしっかりしていくということであるので、そういう流れとすれば、確実に沿うような方向である、雨、風、ちりなど自然の影響を受けない閉鎖型が衛生面ですぐれているということは否定するものではないと答えられました。
 小池知事は環境大臣もなさっていらっしゃいますから、この辺のことはよくご理解をなさっていらっしゃると思うんです。私は、開放型と閉鎖型の市場では、衛生面で明らかに違いがあると思っております。
 現に、築地市場では、開放型の施設であるがゆえに顕在化している問題があります。ちょっとフリップを使わせていただきます。その一つ、ネズミの問題であります。これはちょっと予特で使われたものをお借りしてきました。
 市場で扱われる食品、生鮮食品である刺身、サラダの原料となる野菜など、こうした食品がネズミによって汚染されれば、都民への健康影響も懸念されるところでありますが、関係者のたゆまない努力によって、そうした事態への未然防止が図られているものと思います。
 そこで、ネズミがいることは事実でありますので、こうしたネズミによって食品が汚染されることを防ぐため、市場衛生検査所では事業者の方々へどのような指導や助言を行っているのか、お伺いをいたします。

○仁科食品医薬品安全担当部長 市場衛生検査所においては、日常の監視指導の中で、卸売業者や仲卸業者の施設がネズミの餌場とならないよう、食品の残りかすなどの確実な除去、清掃の実施を指導するとともに、食品の保管に際しましては、容器包装や保管庫等への収納など、技術的助言を実施しております。
 また、事業者団体を対象に、衛生講習会などにおいて施設の整理整頓を促し、巣の材料となるビニールや布などの放置やネズミの隠れ場所をなくすことで、巣をつくりにくい環境づくりに努めるよう指導をしております。
 なお、築地市場の開設者である中央卸売市場では、衛生的な環境を確保する観点から、市場業者と協力して、粘着シートなどを活用した駆除や、進入口を塞ぐなど、防除対策を実施していると聞いております。

○山加委員 先ほど前田委員もおっしゃっていましたが、本当に皆様の、多くの皆様のたゆまない努力と、そして監視の目を光らせていただいていることで、安心・安全が保たれているのだなと改めて感じるところでございます。
 開放型の築地市場は、このようにネズミ一つを取り上げても課題を抱えています。こうした現に直面をしている課題だけでなく、将来に向けて、卸売市場としての機能が維持可能なのかといった観点で安全性を判断することもまた必要であります。
 最近も、先週の十七日に、築地市場で使用しているろ過海水、市場内の洗浄の一部及び活魚用水に使用されているろ過海水、これが、水産卸売り店舗で施設の一部に供給できないという事態が発生をいたしました。原因は、設備の老朽化による配管の不備、接合部分が外れたということでありました。この点を捉えても、築地市場の施設が限界に来ている証左であると思えるのであります。
 それから、知事は、築地市場の敷地はコンクリートやアスファルトで覆われており、土壌汚染対策法等の法令上の問題はなく、人の健康に影響を与えることはないと考えていると発言をなさっています。しかし、土壌はコンクリートで覆われていても、地上部にある建物の大屋根にはアスベストが使用されています。
 これも予特で使われたフリップをちょっとお借りしてきたんですが、この問題について、予算特別委員会の代表質問で我が党の崎山委員から質問したところ--この黒いところがアスベストです、中央卸売市場からは、日々の監視を行い、営業に支障がないよう取り組んでいくとの答弁がありました。日々の監視を行い、営業に支障がないように取り組んで、大変なご努力をなさっていらっしゃるわけであります。
 また、一般質問では、築地市場の老朽化を踏まえての対応についての鈴木錦治、我が党の議員の質問に対し、知事からは、点検の頻度を高め、ふぐあいがあれば対処するとの答弁がございました。
 しかしながら、首都直下型地震の発生などにより施設の損壊があれば、大量のアスベストが、場内はもとより周辺にも飛散しないとも限らない、築地市場はそうした大きなリスクを抱えている、持っている施設であることは現実でございます。多くの皆様の努力によって、この安全・安心が保たれているわけであります。
 そこで、アスベストはどのようなもので、どのような健康被害があるのか、改めてお伺いをしたいと思います。

○小林健康安全部長 アスベストは、熱や摩擦などに強く、丈夫で変化しにくいという特性を持っていることから、過去、建材などに広く使用されてまいりました。
 しかし、その発がん性が指摘されたことなどから段階的に使用が制限され、平成十六年には、代替が困難な一部の製品を除き、製造、使用等が原則禁止となりましたが、これ以前に建てられた建築物の内部には、アスベストを使用した建材等が残されている可能性がございます。
 アスベストは、肉眼では見ることができない極めて細かい繊維から成っており、飛散すると空気中に浮遊しやすく、吸い込むことにより、人の肺の奥にとどまることが知られております。
 アスベストを吸い込むことによって生じる疾病としては、肺がんのほか、胸膜や腹膜等の悪性腫瘍である中皮腫、肺が繊維化する石綿肺などがあり、呼吸器系の症状があらわれます。
 これらの疾病は、アスベストに暴露されてから、場合によっては三十年以上もの非常に長い潜伏期間を経て発症することが大きな特徴でございます。

○山加委員 食の安全を初めとする築地市場の安全は、繰り返しますが、さまざまな関係者の工夫、知恵、努力の上に成り立っている、このこと自体は深く敬意と感謝を表するところでございます。
 しかし、今の老朽化した施設では、世界に誇れる衛生的で安全な市場として発展し続けていくことは難しいのではないかと私は思います。
 実は私、平成二十二年、今から七年前でありますが、秋に、自民党四名で、敷地面積二百三十ヘクタール、世界有数の規模を誇るフランスのランジス国際卸売市場を視察したことがございます。その規模や機能性はもちろんでありますが、近代的な水産卸売市場、まさに高床式の完全閉鎖型施設、年間を通じて館内の施設は十度前後に保たれておりました。
 HACCP方式で食の安全・安心のための高度な衛生、品質管理機能など、大変、私は築地しか存じなかったものですから、まさに驚かされました。当時、かなりの衝撃でございました。
 フランスのランジス国際卸売市場も当初はパリの市内の真ん中にあり、狭隘化、そして老朽化、さまざまな課題を抱えているということで、このランジスに移転をしたわけであります。ですから、私たちは当時、築地から豊洲へという、そんな中で、どんなところが参考になるかということで視察をさせていただいたわけでありますけれども、視察の最後にやはり気になったのが、移転に反対はなかったのでしょうかと伺いました。当時の事務長でありましたけれども、即答でこのように返ってまいりました。当時のドゴール大統領が強いリーダーシップで移転を決断し、実行したと返答がございました。
 私たちは、今、この現在の次代、未来につながっていくわけであります。東京にも強いリーダーシップによる決断が、今、求められています。
 三年後にはオリンピック・パラリンピックを開催し、世界に向けてその魅力を発信すべき東京において、私は、世界に誇る市場にするために、未来に恥じない市場にするために、東京の台所と呼ばれる卸売市場は、やはり国際標準に対応したものであることが必要不可欠だと思うわけであります。
 歴史に残る、後世に語られる、私は小池知事にそんな強い決断を求めて、そしてまた、私は小池知事とは同じ練馬区の選挙区で、防衛大臣、そして環境大臣を歴任された当時の自民党の衆議院議員の小池先生とずっとご一緒させていただきました、ぜひ、この都民の思いをしっかりとご自身の豊富な経験を持って受けとめて、強い決断をしていただきたいなと、同じ練馬でご一緒させていただいた都議会議員の一人として強く思うわけでございます。
 都民の安心を得るために詳細な情報を確実に届ける努力は惜しんではなりません。そのことを最後に、また皆様方のご努力、これからもどうぞしっかりと現在の築地の安全・安心、都民に不安を与えることなく守っていただきたい、そのことをお願い申し上げ、関連質問を野島先生に。

○小林委員長 続いて、野島委員の関連質疑を認めます。

○野島委員 審査の効率化のために、私の発言をお許しいただきました委員長に心から敬意を表する次第でございます。ありがとうございます。
 それでは、前田委員、そして山加理事に関連いたしまして、築地の安全・安心、とりわけ、食のということで何点かお尋ねをいたします。
 安全とは何なんだと、こういうことであります。これは安心を保全すること、安心を保全すること、これを担保するのは施設整備です。したがって、安全ということでなければならないと思います。
 反対、反語は何があるか。危険であります。しかし、科学といえども全知全能ではありませんので、そのことを前提に考えなければいけないと思っております。安心とは何なのか、そういうハード整備があるから安心ですよと、こういうことだと思います。安らかな心であります。そして、これは行政でいえば、これこれこういうことをやるから安心ですよというメッセージを発しなければ、都民は納得をしないわけであります。
 私は、安心というのは、一般サービス行政だと思っています、行政用語上は。安寧というのは公安職掌用語です。現に安らかですよということを伝えていかなければ、危ない危ないということが伝わってしまったらいけないわけでありますから、安寧は公安職掌用語だというふうに私は理解しております。
 そして、この安心に対する反語は不安であります。そしてこれは、それぞれ個々人の受けとめ方でありますから、人間も全知全能じゃないですからね、受けとめ方ですから、無限に心配しない人と無限に心配する人と、こういうふうに僕は分かれてくると思います。
 しかし、行政は執行する中で、その中の調和を求めていかなければ行政施策は成り立たないわけでありますから、そういう努力が私は行政にとって必要だと思います。
 私の講釈はこれくらいにして、その上で質問をいたします。
 安全・安心を築地で確保していくためにご努力をいただいています。市場当局はもちろんでありますけど、関連部局もそうであります。昨日、都市整備委員会で老朽化の問題を取り上げました。そして、きょうは前田委員、山加理事の方から、ネズミの問題、あるいはアスベストの問題、こういったようなものも取り上げていただきました。市場当局を初め、関係者、福祉保健局も、そういう意味では食の安全ということですから、その努力に心から敬意を表したいと思っております。
 そこで、食の安全を担う福祉保健局に、食の安全は確保されていますかと、このことをお聞きいたしたいと思います。

○仁科食品医薬品安全担当部長 築地市場では、各事業者の自主的な取り組みや市場衛生検査所によります監視指導を通じまして、食の安全は適切に保たれていると考えております。

○野島委員 全くそのとおりだと思うんですね。いや、安全に不安がありますといったときに風評被害ですよ、執行側なんだから。議会側は執行権ありませんから、いろんなことをいいます。
 そこで、ここに先日の三月十四日の未確定原稿なんですが、野上(ゆ)委員がいろいろ話をしておりまして、野上委員は概要を、きょう山加理事がやったようなことで、ネズミのパネルを示すなどいかに不衛生であるかと繰り返す発言がありましたが、築地市場で風評被害をあおろうという姿勢は看過できません、こういう質問に対しまして、知事は、ご指摘のとおりかと思います、築地市場は現に営業を行っております、多くの市場関係者が胸を張って日々働いておられます、むやみに不安をあおるということは厳に慎んでまいりたいと思います。
 今定例会、知事は、議員の質問力を試したいといっておりました。私どもは総力を挙げてこの問題で質問をつくっております。私どもは、これからは知事の答弁力を試しますので、これは皆さんに関係ないことですけど、ついつい熱くなっちゃったものですから。
 そんなことで、野上委員の発言は、さっきいったように執行権がないので、これは聞き流すことにいたします。しかし、我が党に対する冒涜であることは間違いありませんので、別の場面でしっかりと対応していきたいと思っております。
 その後、知事は当然執行権がありますので、安全と安心を混同しているのではないかと受けとめざるを得ないんですね。ここは、知事は指摘はしていませんけれども、ほかの場面でお聞きすることもあろうかというふうに思っております。
 豊洲の比較は、安心という部分については、今までいろんなことをいっていますので、何が本音なのかよくわからないんですよ。だけど、いっていることは、豊洲との比較は、知事は、開業していないので比較のしようがないといいながら、法令上の安全は確保されているとのことです。このことは私は素直に受けとめていきたいと思います。
 さて、それでは、食の安心について伺います。
 先ほどもいったように、知事は、土壌汚染については、コンクリートを覆蓋してあるので安全、そしてさっきやりましたように、何よりも営業しているのがその証左と認識、要するに安全ですよと、こういうことであります。
 そういう意味では、知事が、築地は安全であり安心ですよ。しかし、さっきのネズミの話もありました。アスベストの話もありました。そういうことで、豊洲に比べれば開放型ですから、多くの課題をしょい込むことは当然だというふうに思います。
 そこで、築地の現況は安心ですかと、このことをお尋ねしたいと思います。

○仁科食品医薬品安全担当部長 今までご答弁いたしましたように、事業者や市場衛生検査所のさまざまな取り組みは、多くの都民の信頼が得られていると認識しておりまして、こうしたことから、安心についても確保されているものと考えております。

○野島委員 私どもの見解の違いは、私どもは議会ですから発言だけです。執行側は当然、財源も含めて権限持っていますから、そういう意味において私は、私の感想ですよ、正しいかと思います。
 しかしながら、多分、いや、あそこが安心じゃないですよ、これもう、すぐ風評被害につながっちゃいますから、それは極めて正しいと思っております、執行側のお話としては。
 しかしながら、私は、安心という部分はそれぞれ違います。先ほどいったように、無限に不安だということと無限に安心だという人、これはたくさんいるんですよ。しかし、行政はそのことを受けとめながら、このことはやっていかなきゃいけないから、反対が多数を占めたってやらなきゃいけないんです。ある意味では、賛成の方がこれだけしかいないけれども、反対の方が多いからやめるということは、行政の責任の放棄になっちゃうんですね。私はそんな思いを持っておりますよ。
 そこで、その安心も、さっきアスベストの話とかネズミの話もありました、事業者がどう対応している、局がどう対処している。安心のパーセンテージという話をしたいと思います。さっきいったように無限です、両方とも。
 その中で、前回、前田委員、あるいは山加理事との話の中で、ポイントとしては、私は、豊洲の方が相当ポイント高いと思いますよ、安心度の。だって、閉鎖型なんだもの。こっち開放型なんだもの。向こう新築ですし、こっちは老朽化で、地震に対して何とかしなきゃいけないという、こういうこともあるわけでありますので。わかりました。安心ということ、わかりましたけれども、多分、その安心を確保するためには、アスベストのことなんかは、安心確保することは極めて困難と市場もいっていますけれども、私は全く不可能だと思いますよ、現場やりながら。全部覆蓋して、一歩もアスベストが飛散しないようにしないとならないんですよ、環境庁の作業マニュアルで。そういうこともありますけれども、ここはそこまでにしましょう。
 そこで、そろそろまとめてまいりたいと思っております。
 さて、冒頭申し上げましたとおり、科学も人間も全知全能ではありません。しかし、科学はうそをつきません。ベンゼン濃度の問題、これもうそをつけないんです。あるいはモニタリング井戸が不調になりましたよと、これはあります。全知全能じゃないんだから。最大限モニタリングができるようにやったけれども、周囲の状況の変化の中で、例えばパイプが曲がっちゃったとか折れちゃったというのは僕はあると思いますよ。
 人間もまた全知全能ではありません。人間はうそをつくとはいいませんが、何らかのオブラートに包んで本音を明かさないということは、私はしょっちゅうやっています。愚かな人間ですから。しかし、絶大な権限を持つ行政府のトップがそれをやってしまったら、市場行政どころか、自治体行政が大混乱すると思うんですよ、私。
 東京大改革、もし仮に、まさかそんなことはないと思うんですけれども、知事がそういうことで取り組んで、この都議選の争点にするんだというふうなことを考えているのであれば、私どもは全面的に対決していきたいと、こういうふうに思っております。
 いわば、二元代表の地方自治において、知事には二つの顔があります。政治家小池百合子知事です。あと一つの顔は、東京都知事小池百合子です。行政府のトップとして、行政事務皆さんやっている、築地もそうです、そういったふうなものをちゃんとグリップしながら、行政の方向をこういうことでいこう、こういうことでいこう、こういうことでやろうという指示を出しながら、それを裁可するというのは当たり前の話なんです。二元代表制のトップが莫大な権限を持つと。その中で、政治家小池百合子知事と東京都知事小池百合子という二つの側面をしっかり認識していかなければいけないと思うんですね。
 石原元知事が、私が豊洲に決めました、責任は認めますよと。政治責任です。だから、英断なんです。
 一方、行政府のトップとしていろんな事業を進めていくことは私の責任ですよと。しかし、さっきいったように全知全能ではありませんから、行政マンだって全知全能でもありませんから、専門家会議とかいろんな機関を経て、その上で決定していくわけでありまして、そんなことを一々、知事に裁可を求めたら、そういうのを木っ端役人っていうんですよ。そういうことなんですよ。
 それで、知事は、都民ファーストでありますから、都民の声を聞くということであります。それで知事になったわけでありますから、さっきいったように、賛成、反対いろいろあります。しかし、知事は最初の所信表明で、対立があれば調和へといっているんですね、たしか。希望が何とかだけれども、希望を与えていきたいと。これでいえば、市場関係者は今、大変な混乱ですよ、先が見えないんだから。やっぱりそういうところにちゃんと希望を与えるような知事の姿勢がなければ、この混乱は絶対修復できないというふうに思っております。
 そんな余計なことをお話しいたしまして、私どもは、申し上げましたように、豊洲移転、何としても実現させたい。それを拒むのは誰かとなったときに、やっぱり権限を持つ知事なんですよ。そのことをちゃんと知事に認識してもらいたいというふうに思います。
 都議選の争点にするということは、移転するのかしないのか、知事は豊洲か築地しかありませんと、豊洲へ動くか築地でそのままやるか、こういうことであります。知事は、何でしたっけ、ワイド、何とかスペンディングって何でしたっけ、横文字。
   〔「委員長、この委員会は中央卸売市場の委員会とは違うので、福祉保健局の議論をするべきだと私は思いますので、その点よろしくお願いいたします」と呼ぶ者あり〕

○野島委員 私も質問しております。と同時に、さっきいったようにこれでまとめますということであります。委員会における発言は、当然、所管のことでありますが、その背景も明らかにしていきたいというのが私でありますので、以上で終わります。

○中山委員 初めに、福祉保健局が担います都民の命に直接かかわる大事な施策について何点か質問したいと思います。
 まず、食料備蓄についてであります。
 私の先日の本会議一般質問で、備蓄倉庫のあり方の改善を取り上げ、梶原福祉保健局長からは意欲的な答弁をいただいたところであります。
 その上で、本日は備蓄食材の問題を取り上げてまいりたいと思います。
 まず、都が備蓄している食料について、現在の状況をお伺いいたします。

○坂本生活福祉部長 災害時に備えました食料の備蓄でございますが、東京都地域防災計画で、発災後三日間は原則として地域内備蓄で対応するものとしておりまして、四日目以降は原則として炊き出しにより対応するものとしております。
 こうした考えに基づきまして、都は広域的な見地から、区市町村を補完する役割といたしまして、都が設置しております二十一カ所の備蓄倉庫に加えまして、区市町村が設置する六百七十九カ所の備蓄倉庫に、クラッカー三十四万食、ショートブレッド三十八万食、アルファ化米四百二十八万食を備蓄しております。
 さらに、日本即席食品工業協会と協定を締結いたしまして、即席麺二百二十万食を近県に所在する五カ所の倉庫に、いわゆるランニングストック方式で確保しておりまして、平成二十九年二月現在でございますが、合計約七百二十万食となっております。

○中山委員 ところで、我が党は、食品ロスの問題を本会議や委員会で繰り返し取り上げてまいりまして、その改善や都民運動としての盛り上がりを求めてきたところであります。
 都が備蓄する食料につきましては、ことしの二月と四月に更新時期を迎える食材が約六十七万食と聞いております。都は、都議会公明党の提案を受け、放っておけば廃棄されてしまう更新時期を迎える備蓄食料においても、備蓄品を有効活用する取り組みを実施するとしており、主な配布先は、社会福祉施設、フードバンク、町会、自治会と伺っております。
 実際、この一月から二月にかけて、恩賜上野動物公園などの各イベント会場で、二月末に賞味期限を迎えるクラッカーなどの防災備蓄食品が数万食配布されました。聞くところによりますと、これまでは備蓄食品の約八割が廃棄されていたということでございます。
 今回の備蓄食品の配布は、都として初めての取り組みであり、小池知事みずからも配布を行われた、大変よい取り組みだと思います。
 ところが、都の備蓄品であるクラッカーにつきまして、配布を受けた都民の中からは、味や食感としていかがなものかという声も上がっております。クラッカーだから、ぱさぱさしてというのもあるのかもしれませんけれども、余りいいにくいんですが、食べられないくらいまずいという声もあったと伺っております。
 もっとも、味覚には個人差がありますから一概には論じられません。しかし、食べやすさという点は大事な視点だと考えます。
 避難者は精神的にも落ち込んでいたり、ショックを受けていたり、肉体的にも精神的にも食欲旺盛というわけにはいきません。食料は命や体調を維持する上で欠かせないものでありまして、多くの避難者に少しでも元気を出してもらうために、食べやすさという視点は大切であります。
 災害時なんだからぜいたくはいうなとか、我慢しろというのは簡単ですけれども、それをいい張り続けることよりも、せっかくお金をかけて用意する以上、食欲が出やすい食料品を備蓄するべきであります。
 一方、都民からは、区市などでの自治体で配布している、用意している備蓄食料品の方がおいしいという声も聞きます。食べやすいといった声も聞きます。おいしさや食べやすさにこだわるためには、個別の製品名を指定して購入する必要があります。
 都が用意しなければならない数量、ロットの大きさを考えますと、特定の製品を指定して購入するというのは、いささか課題も多いというのは理解できる点もあります。
 こうした壁があることを前提に、それでも食料の備蓄は福祉保健局が担わなければなりません。都の行政的使命を果たすためにも、食べやすさなどの改善に乗り出すべきと考えます。
 一方で、備蓄品に関する都民の関心を高める工夫も大切です。都民の関心が高まれば、自助努力の意識も高まりますし、災害時の助け合い意識も高揚するものと考えます。その意味で、備蓄品を更新する時期を捉えての試食会などの活用が肝心で、有効なアイデアと思っております。
 先日の我が党の代表質問では、都立施設の帰宅困難者一時滞在施設の備蓄品について、例えば、子供や高齢者の皆様に食べていただき、災害時に口に合うか貴重な意見を聞き、意見を反映させて更新すべきと訴えました。
 これに対して総務局からは、試食機会を設けるなど、都民の多様なニーズの把握に生かすと答弁がありましたが、今後、福祉保健局としてはどう対応していくのか、見解を求めます。

○坂本生活福祉部長 都が備蓄しております食品の品目でございますが、ちょうど三十年前、昭和の時代は、まだ乾パンだけでございました。その後、平成二年度から、先ほど申し上げました即席麺のランニングストック方式での調達を開始いたしまして、平成五年度からはアルファ化米を新たに加え、平成九年度からは乾パンを今度は、先ほどお話ございましたクラッカーへと順次切りかえてきたところでございます。
 また、直近でございますが、平成二十六年度からは、より食べやすいショートブレッド方式を導入しておりまして、これまで順次、品目については見直しを行ってきているところでございます。
 また、先ほどお話ございましたが、備蓄品目につきましては、東京都契約事務規則に基づきまして競争入札において契約を締結しておりまして、品目の選定に当たりましては、賞味期限が五年間であることであるとか、一定のカロリー量を確保することなどの水準が必要となっております。
 この間、技術革新により、同じ品目についても品質の向上が図られてきているというふうには考えております。
 今回、環境局とも連携いたしまして、期限切れ前の備蓄食品につきまして、社会福祉施設等への提供や上野動物公園などのイベントで都民に広く配布するなど、モデル的な取り組みを行ったところ、味などの食べやすさに関するご指摘もございました。
 今後、こうしたイベントでの実食の機会などを通じまして、都民からご意見を伺いまして、備蓄食品の品目の選定に生かしてまいりたいと考えております。

○中山委員 本当に、これだけ膨大な人口を抱える東京都の食料の備蓄ということを担う局のご努力は大変だと思いますけれども、ぜひ今後の備蓄品購入の参考として、広く都民の声を拾い集めていただいて、財務当局に対しても、予算獲得や制度改善に向けて、説得力を持って迫っていただきたいと思います。
 加えて、私が一般質問で触れましたように、備蓄品に関しては、倉庫管理という新たな視点への対応が必要となってまいりました。必要な人員と予算の獲得に向けて、意欲を持って臨んでいただきたいと、そういうふうにお願いいたしたいと思います。
 続きまして、命にかかわる課題の二番目に、AEDの問題を取り上げます。
 AEDとは、すなわち心臓の停止時に電気ショックを行い救命処置ができる自動体外式除細動器であります。
 AEDに関しましては、先般の予算特別委員会の代表質疑、総括質疑で、我が党の橘議員に対し、消防総監から、AEDによる救命効果が高いこと、またAEDを使用できる都民の育成を広く行っていく旨の答弁があったところでありますが、本委員会におきましては、AED配置の促進の視点を取り上げてまいります。
 昨年末、副議長であります我が会派の小磯善彦議員が、地元の都営住宅の餅つき大会に参加しており、急に倒れたご婦人に心臓マッサージを素早く行って、救急車内で脈と呼吸が回復したという出来事がございました。急性心筋梗塞だったようで、今では無事社会復帰されていると伺っております。
 しかし、小磯善彦議員は、懸命に心臓マッサージを行いながらAEDを周囲に求めてみたものの、都営住宅内にはなく、近くの高齢者福祉センターにはあったんですけれども、設置場所が病院であったために休日で持ち出せず、結局、救急車到着までAEDは全く使えなかったということでありました。
 餅つき大会も一種のイベントでありまして、人が集まるイベントの中にAEDを必要とするような事態が発生する可能性もあります。そうした際に、近くにないということになれば大変怖いわけであります。
 心停止は、一分処置がおくれると救命率が一〇%減るとされており、いかに素早くAEDを使えるようにするかが重要な鍵となります。そもそも救命処置のファーストタッチは、救急隊よりも市民の方が現場に居合わせる確率が高いわけでありますから、AEDを市民が使用できる環境というものを広く整備していけば、救命率は今よりずっと高まることになります。
 その意味で、不特定多数の方々が集まるイベント時における心肺停止などの不測の事態の際には、速やかな応急処置が行えることが重要と考えます。
 都は、イベント開催時にもAEDの設置状況の確認や準備を行うよう促すべきだと考えますが、見解を求めます。

○西山医療政策部長 日本救急医療財団が作成したAEDの適正配置に関するガイドラインでは、AEDの設置に当たっては、多くの人が集まること、高齢者が多いこと、運動やストレスなどに伴い一時的に心臓発作の危険が高いことといった環境であることを考慮すべきとされておりまして、都はAEDの設置を進めるため、このガイドラインを区市町村等にも周知してまいりました。
 お話のような多くの人が集まる地域のイベントも、こうした環境にあると考えられますことから、来年度からは、区市町村や関係機関と連携し、イベントの主催者に対し、会場の近接地でAEDが設置される場所を事前に把握するよう働きかけるとともに、自治体による貸出制度や民間事業者によるレンタル事業に関する情報を周知してまいります。

○中山委員 ちょっと確認でお尋ねしますけれども、ガイドラインというのは、こういう場所、機会であれば優先的にAEDの整備を図るべきという考え方の基準を示すというものでよろしいですか。

○西山医療政策部長 設置を推奨するための方針でございます。

○中山委員 このガイドラインの内容を理解するということはとても重要だと思います。その具体的なきっかけとして、イベント主催者への周知を図ることは効果的であります。
 区市町村は、町会、自治会、体育団体など、イベントを開催するタイミングの多い主催者と接する機会が多く、区市町村に対し、その啓蒙を図ることはさらに有益であります。ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 私は、小磯善彦議員が経験した出来事の内容を伺いまして、いつ自分も救命救急の現場に立ち会うことになるのかわからないと、しみじみ実感いたしました。私も昨年、救命講習を受講いたしましたけれども、身近な場所に使用可能なAEDがないと救命活動ができないわけであります。身近な場所に、誰でもわかる場所にあって、二十四時間いつでも開店している、AEDを取り出せるということで思い浮かぶのはコンビニエンスストアであります。
 例えば、コンビニエンスストアなどに二十四時間使用可能なAEDの設置を進めていく必要があると考えますが、都の見解を伺います。

○西山医療政策部長 都は現在、AEDの設置場所を示すマップの作成や、二十四時間誰でも使えるAEDを設置する民間団体等に助成を行う区市町村を包括補助で支援しておりまして、今後、説明会の機会を活用して先行事例を紹介し、地域の実情に応じた区市町村の取り組みを支援してまいります。
 また、区市町村や業界団体等を通じて、AED設置者に対し、全国AEDマップを運営する日本救急医療財団への設置情報の登録を呼びかけておりまして、今後とも、都民が必要な情報を入手できるよう、AEDの使用可能日、時間帯、設置場所までの案内などについて情報を登録するよう、区市町村などに働きかけてまいります。

○中山委員 具体的なAED設置促進のための予算措置というのは、三十年度に向けてまた新たに考えていきたいというふうに、私どもも提案させていただけるように頑張っていきたいと思いますが、ぜひコンビニ業界にAED設置の協力を求めていくとともに、都や区市町村が保有、管理するAEDから登録が進むよう、都庁全体を通して働きかけてもらいたいというふうに思います。
 東京都がAEDマップの先進都道府県になるように、梶原局長の時代に、ぜひ時代を切り開いていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 命にかかわる項目の三番目に、医療分野を取り上げたいと思います。
 まず、地域医療構想であります。
 地域医療構想は、平成二十六年の医療法改正に伴って、都が担い、策定することになったものでありまして、地域にふさわしいバランスのとれた医療機能の分化と連携を進め、今後増大する医療、介護サービスの需要に適切に対応する体制を確保するため、医療計画の一部として策定するものであります。
 都は、昨年七月に東京都地域医療構想を策定いたしました。我が党は、策定の進め方などについて議会で質問するとともに、骨子案、最終案などの策定の機会を捉えまして、福祉保健局と意見交換を重ねてきたところであります。地域医療構想を実現していくためには、行政、医療機関などが協力して、地域に必要な医療提供体制を確保していくことが重要であります。
 そこで、地域医療構想の実現に向けた今後の進め方についてお伺いをいたします。

○西山医療政策部長 東京都地域医療構想では、東京の保健医療の現状や地域特性を踏まえ、構想区域ごとの平成三十七年の病床数と在宅の必要量を推計するとともに、誰もが質の高い医療を受けられ、安心して暮らせる東京の実現を、東京の将来の医療、グランドデザインとして掲げまして、四つの基本目標と施策の方向性を示しました。
 今年度は、構想区域ごとに、医療機関、医療関係団体及び区市町村などの代表で構成する地域医療構想調整会議を設置し、病床機能報告制度の結果などの情報を共有し、地域に必要な医療の確保に向けた検討を開始いたしました。
 また、より多くの関係者からご意見をお聞きするため、全ての病院、区市町村、医療関係団体等を対象に、地域医療の現状や今後の課題等に関するアンケート調査を行ってございます。
 地域医療構想は、平成三十年に改定する保健医療計画に一体化することとしておりまして、今後、こうした地域や医療関係者の意見を聞きながら、次期計画には、構想に掲げた四つの基本目標の実現に向けた具体的な施策を盛り込んでまいります。

○中山委員 私は今月、足立区医師会の病院部の会合に参加いたしまして、全日本病院協会の副会長である猪口雄二先生の、どうなるか、これからの医療提供体制と題されたご講演を拝聴してきました。当日は、ほかの先生方は忙しかったのか、都議会議員は都議会公明党で私しか参加しておりませんでした。門外漢で、私はそのほとんどを理解できませんでしたが、青森県の津軽構想区域での地域医療構想調整会議の事例紹介に、一種の緊張感が会場に走っていたことを覚えております。
 地域医療構想調整会議の役割が変容されていくのではないかという不安、懸念だと思います。さらに、宿直体制における医師の取り扱いが時間外勤務とされる動きがあり、それが都内の病院の経営不安に直結するおそれも指摘されていました。
 本当はもっと高尚なことがたくさん話題になっていたんだと思いますけれども、私が理解できたのは一部だけであったので、ご紹介するのが恥ずかしいぐらいでございますが、そうした中、ここで取り上げておきたいのは、中小病院が、回復機能を果たす病床として積極的に生き残り戦略を果たしていくということについて、一つの有効な戦略的展開として、かかりつけ医や介護との連携による在宅医療・介護連携推進事業のかかわりという点、そして慢性期の病床の展開としての介護医療院という名の新しい介護保険施設への言及があったところであります。
 特に、回復機能病床の選択は、いわゆるリハビリを提供していなくても、急性期を経過した患者への在宅復帰に向けた医療を提供していく場合には、回復期機能を選択できることに留意すべしという点が強調されていたことが印象的でありました。
 いずれにしても、都民の健康寿命の増進を図る上では、医療と介護の連携、特に医療側からの積極的な地域へのかかわり、その点が大切であります。
 そこで、次は、在宅療養支援窓口についてお伺いしたいと思います。
 在宅療養支援窓口は、在宅医療・介護連携推進事業として、平成三十年四月から全ての区市町村において取り組むこととなっている在宅医療、介護連携に関する相談支援の一つであり、具体的には、医療、介護関係者の連携を支援するコーディネーターの配置等による在宅医療、介護連携に関する相談窓口、都では在宅療養支援窓口との名称になるわけでありますが、その設置、運営を行うものであります。
 住みなれた地域で暮らし続けるためには、病気やけがなどで病院に入院し、治療が終わった後、円滑に在宅療養生活に戻れることが必要でありますが、例えば自宅から離れた病院に入院した場合、病院と地域の医療、介護関係者とのつながりがないため、ケアマネジャー等の地域の関係者に退院の連絡が届かず、暮らしの場に戻るのが難しくなるといった話を私もよく相談事として多く聞きます。
 地域において、病院と地域との橋渡しを行い、病院から在宅への移行を支援する役割を担うのが、この在宅療養支援窓口でありますが、重要な取り組みであります。
 そこでまず、在宅療養支援窓口の都内の設置状況についてお伺いしたいと思います。

○成田医療改革推進担当部長 平成二十九年三月現在、在宅療養支援窓口を設置している区市町村は三十六でございます。
 設置場所は、地域包括支援センターや地区医師会、病院など区市町村によってさまざまでございまして、地域の実情に応じた取り組みが進められております。

○中山委員 現在、在宅療養支援窓口を設置している区市町村が三十六、六十二区市町村のうち二十六区市町村はまだ設置していないという状況にあるということでございました。全ての区市町村が取り組まなければならないのは平成三十年四月でありまして、もう間近であります。既に取り組んでいる区市町村においても、まだ試行錯誤の段階で模索をしている自治体が多いと聞いております。地域の実情に合った、より一層の質の向上が必要であります。
 そこで、在宅療養支援窓口の設置に向けた区市町村の取り組みの促進、また窓口の質の向上に向けた都の取り組みをお伺いしたいと思います。

○成田医療改革推進担当部長 都は、平成三十年四月には、全ての区市町村におきまして在宅療養支援窓口を設置できますよう、包括補助事業を活用して支援しております。
 また、区市町村や地区医師会の在宅療養担当者が一堂に会する連絡会等におきまして、具体的な取り組み方法について周知するなど、窓口設置に向けた働きかけを行っております。
 さらに、窓口に従事する職員等のスキルアップを図るため、先駆的な取り組みを行う窓口の紹介や、在宅移行が困難な患者の事例に関するグループワーク等を盛り込んだ研修を実施しております。
 今後とも、全ての区市町村が在宅療養支援窓口を早期に設置し、円滑に運営できますよう、区市町村の取り組みを後押ししてまいります。

○中山委員 今、先駆的な取り組みの窓口の紹介を、グループワーク等云々で話がございましたけれども、質の高い窓口がいかに魅力的なものか、それはいろんな意味で魅力的、地域の方々にとっても魅力的ですし、主催する側にとっても魅力的だ、そういうことであることをしっかりとアピールしていくことが大事だと思います。
 ぜひ、各地域の医師会等と連携をしていただいて、生き残りや社会的使命の達成に向けて懸命に取り組んでいる中小病院の協力を積極的に引き出し、医療、介護の理想的な連携の姿を東京で現出していただきたい。期待申し上げますので、よろしくお願いをいたします。
 次に、障害福祉政策にかかわる課題について何点か伺ってまいります。
 まず、障害者への合理的な配慮の促進、とりわけ社会参加の促進に欠かせない福祉のまちづくりの充実についてであります。
 障害者などの当事者が、身近な地域においてまちづくりに参加する取り組みは、障害者理解を図り、心のバリアフリーを推進するための取り組みとして極めて有効であります。
 都は、これまでどのような取り組みを行ってきたのか、まずお伺いいたします。

○坂本生活福祉部長 都はこれまで、思いやりの心を醸成する心のバリアフリーの推進に向けまして、福祉のまちづくりサポーターなどの養成に取り組む区市町村に対しまして、包括補助により支援してまいりました。
 この福祉のまちづくりサポーターでございますが、高齢者や障害者等の当事者を含めた地域住民によります、まちづくりに関するまち歩き点検でございますとかワークショップ等の講師を担う人材でございまして、こうした人材の養成を支援することで、心のバリアフリーの推進に向けまして、区市町村と地域住民が協働して活動する仕組みの促進を図るものでございます。
 平成二十八年度は三区に対して補助をしております。また、昨年三月に作成いたしました心のバリアフリー及び情報バリアフリーガイドラインにおいても、こうした区市での取り組み事例を紹介し、周知しているところでございます。

○中山委員 障害の当事者である方々が参加するということは極めて重要だと私も考えます。まちづくりへの当事者の参加をさらに進めるとともに、当事者の意見をまちづくりに反映させていく仕組みづくりを今後さらに推し進めていくことが必要と考えますが、来年度はどのように取り組んでいくのか、お伺いをいたします。

○坂本生活福祉部長 地域におけるまちづくりに高齢者や障害者等の当事者が参加し、その意見を反映させていく取り組みの推進を図るため、来年度、新たにユニバーサルデザインのまちづくり緊急推進事業を実施することといたします。
 この事業では、福祉のまちづくりサポーターなど、障害者等の当事者を含めた地域住民により、施設などの使いやすさなどの調査を実施し、その課題を把握するとともに、調査に基づきまして、区市町村が建築物、道路、公園などの段差解消、視覚障害者誘導用ブロック、手すりの設置などのバリアフリー改修を実施する場合の経費を支援いたします。
 こうした一連の取り組みを通じまして、当事者の意見をまちづくりに反映する取り組みをより一層推進させてまいります。

○中山委員 私は前職、区役所におりまして、足立区から目黒区というところに通っておりました。そのときに、コミュニティカルテ事業というのがありまして、地域住民の方々に参加していただいて、まちを歩いていただいて、防災や防犯、バリアフリー、子供の健全育成、にぎわいの創出、そうした課題についていろいろご意見をいただく、そういう事業を展開した覚えがあります。
 入区間もない私が、住民参加をサポートさせていただく機会を通じて区の政策立案にかかわることができたということで、大変有意義な思い出でございました。
 しかし、ある程度の数の方々が一度に参加できる機会というのは限られておりますし、その機会を有効的に活用するためには、公平、公立で適切な情報提供が極めて重要であります。ましてや、障害者の方々ということになれば、その方々が必要とする十分な知識というものを適切に提供できることが大事であります。
 参加する障害者等が十分な調査を行えるためには、参加者に情報保障などの配慮をすることや、研修の機会を設けることが必要であります。
 本事業では、こうした取り組みに対しても支援するとともに、事業を実施する区市町村が確実に取り組むことができるよう、都からも有効な働きかけを行うべきと考えますが、見解をお伺いいたします。

○坂本生活福祉部長 ユニバーサルデザインのまちづくり緊急推進事業におきまして、障害者等の当事者がきめ細やかな調査ができますよう、障害特性に応じた情報保障などを行うことや、研修の機会を設けることは重要なことでございます。
 そのため、本事業では、調査に参加いたします聴覚障害者のための手話通訳者や、視覚障害者のためのガイドヘルパー、点字や音声による資料の準備などに係る経費のほか、参加者への研修を行う専門家などへの謝礼についても補助対象といたします。
 また、事業の実施に当たりましては、心のバリアフリー及び情報バリアフリーガイドラインも活用しながら、必要な情報保障や研修の実施など、参加者への配慮につきまして、区市町村の担当者説明会などを通じまして周知してまいります。

○中山委員 ぜひそうした情報保障を提供する取り組みが実際の区市町村でも適切に行われていきますように、守っていただきたいというふうに思います。
 二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックを控えた今こそ、まちづくりへの当事者参加を通じて障害者等に対する理解を深め、心のバリアフリーを広げる絶好の機会と考えますが、本事業の実施期間はどう設定されているのか、お伺いをいたします。

○坂本生活福祉部長 本事業でございますが、二〇二〇年の東京大会に向けまして、当事者参加の取り組みを普及させるとともに、都内の施設などのバリアフリー改修の促進を図るため、実施期間につきましては、来年度から平成三十一年度までの三カ年としております。

○中山委員 こうした事業が本格的に成果を上げていくためには、都民、障害者の参加による点検、提案活動に対する社会的評価の機運、盛り上がりを得ていく必要があります。二度目のパラリンピックを迎えることへの機運の醸成も、こうした中で高まっていくものと考えます。
 加えて、大会終了後も、その機運をさらに一歩高いステージに高めて、障害者への合理的な配慮の徹底、ノーマライゼーションの進展を本格的に図っていく、そうしたことが、日本の誇りある姿として世界に向けて発信され、高く評価されるぐらいまでに育ってもらいたいものと期待しております。
 その意味で、三年後の事業見直しの時期におきましても、よもや形骸化しているとか、余り効果を上げていないなどと事業評価されて打ち切られたりすることがないよう、むしろ、質的により高い、よりよいものに改善され、継続実施され、日本社会、東京の新たな伝統と尊敬を得られるくらいまで頑張っていただくことをお願いしておきたいと思います。
 続きまして、障害に関する課題の二番目に、発達障害を取り上げます。
 発達障害にかかわる団体の皆様からは、早期発見、早期相談の体制の充実、切れ目のない、特に学齢期を挟むことがあっても、その前後で継続的な支援が得られる充実などの課題を指摘していただいてまいりました。
 そこで私は、かつて、世田谷区にあります東京都発達障害者支援センターを訪れ、お話を伺ったことがあります。平成十五年の開設時に比較すると、就学前の相談の割合が減り、成人期の相談者の割合がふえているということだそうであります。この変化は、障害の診断を受けたいといった初期の相談事は、身近な区市町村立の支援センターなどで解決でき始めている一方で、進学や就職や恋愛や結婚など、さまざまなライフステージに応じて経験する出来事、新たな不安や症状の深刻化に悩む方が多くなっていることを物語っている証左と考えるのであります。
 発達障害は、そうした出来事に応じて症状が発生します。けれども、そのことを、自分が発達障害者であることをご本人が自覚して、ライフステージの展開に応じて、あらかじめ適切な対処方法を自分の中で整えていくことができれば、障害に伴う混乱を未然に軽減し、自分の能力を適切に発揮していくことが可能になってまいります。
 したがって、そうした支援は、学齢期に入った後も継続が必要であります。
 都は、福祉と教育が連携し、学齢期の発達障害を支援すべきと考えますが、見解を伺います。

○平賀障害者医療担当部長 都は、発達障害児者に対する支援を総合的に行う地域の拠点として、東京都発達障害者支援センターを設置いたしまして、障害や教育、就労などさまざまな相談に応じており、学齢期の発達障害児について、本人や家族からの相談に、来所や訪問、電話等で対応するほか、教員に対しましても、障害特性や対応方法等について助言しております。
 また、保健、医療、福祉、教育等の関係部局や、学術経験者、当事者団体など関係機関等の連携を図るため、発達障害者支援体制整備推進委員会を設置いたしまして、学校での取り組みや地域の支援機関に求められる専門性など、学齢期の発達障害児への支援について情報共有や意見交換を行っております。
 今後とも、発達障害者支援センターを中心に、教育を初めとした関係機関との連携を図りながら、発達障害児やその家族を支援してまいります。

○中山委員 ちょっと今お伺いしますが、発達障害者支援体制整備推進委員会の設置時期がわかれば、今お答えいただけますか。わからなければ、後でも結構です。

○平賀障害者医療担当部長 東京都発達障害者支援体制整備推進事業でございますが、委員会の設置は、二十二年の七月六日でございます。

○中山委員 この委員会は非常に大事でございまして、発達障害者支援センターなどにより、教育委員会、教育機関との、福祉行政との連携が図られていく、そういうことの一つの起点になるものだと思います。
 都庁内で教育と福祉の連携が進んでいけば、区市町村においても教育と福祉が連携をしていく、そういうことのよいお手本になっていくものと思います。
 しかし、福祉保健局と教育庁との連携は、ただ単に連携の会議体を都庁内に設置していれば進むというものではありません。
 一方、都の発達障害者支援センターのスキルとノウハウの蓄積は大変高いものでありますが、都内の全ての相談にそこで応じていくことは困難であります。身近な区市町村において、発達障害児者やその家族に対して、適切な支援が行われる機能や人材の育成を図ることが重要であります。
 学齢期の発達障害児が、学校生活も含め地域で安心して暮らせるよう、都は一層、区市町村への支援を強化していくべきと考えますが、見解を伺います。

○平賀障害者医療担当部長 都は、発達障害の相談に携わる区市町村職員等の支援力を向上するため、学習障害、LDの特性と合理的な配慮についてや、発達障害児やその家族が対人関係や集団行動を上手に営むためのスキルを習得するソーシャルスキルトレーニング等の実践的な研修を実施しております。
 また、発達障害児が受けた支援の情報を家族や学校等が共有するサポートファイルの作成や、教育と福祉をつなぐコーディネーターの配置など、発達障害の支援に取り組む区市町村を包括補助で支援しております。
 平成二十六年からは、地域の取り組み状況や社会資源を把握し、支援体制の整備について指導助言を行うため、発達障害者支援センターに地域支援マネジャーを配置し、五十二区市町村を訪問いたしました。
 今後とも、研修を充実するとともに、地域支援マネジャーを通じて効果的な取り組みの周知を図るなど、区市町村の取り組みを支援してまいります。

○中山委員 私が発達障害者支援センターを訪れた当時と比べれば、訪問した区市町村の数も大変ふえておりますし、大変ご努力を重ねられていらっしゃるということを評価したいと思います。
 発達障害者が抱える課題、困難のうち、特に行政、健常者の側が当事者に寄り添って対処すべき課題は、家族が抱える困惑、困難であります。ソーシャルスキルトレーニングというのも非常に大事なことですけれども、そうしたものも親がしっかり理解しているかどうかということも大変なことであります。
 発達障害と診断された子供を持つ親は、子供の育て方や進路などさまざまな悩みを抱えています。都は、こうした親に対してどのような支援に取り組んでいくのか、お伺いをいたします。

○平賀障害者医療担当部長 都は、発達障害の子供を持つ家族からの育て方や進路などのさまざまな相談に対しまして、東京都発達障害者支援センターにおいて助言を行いますとともに、福祉サービスや医療機関等についての情報提供を行っております。
 来年度は、子供が発達障害の診断を受けて間もない親などへの支援を充実するため、発達障害のある子供を持つ親がみずからの子育て経験を生かして悩みに共感したり、子供へのかかわり方の助言を行うペアレントメンターの養成を開始いたします。
 また、センターにコーディネーターを配置いたしまして、養成したメンターを区市町村等が実施する保護者交流会や相談会等に派遣し、家族を支援する体制づくりを支援してまいります。

○中山委員 我が子の障害の特性を正しく親の方々に理解していただくことは、その子とプラス親の方々の幸福に直結する、左右する大事な取り組みであります。ペアレントメンターの取り組みは極めて重要、効果的な取り組みと考えますので、地道な取り組みでありますけれども、そうしたものを本当に花開かせて、いろんな地域において効果的に育っていくように、施策の充実を図っていただきたいと思います。
 次に、発達障害に関連しまして、さまざまな原因が絡み合って発生するひきこもりの支援についてお伺いいたします。
 ひきこもりはこれまで、不登校などが原因で起きる、思春期や若者の問題と一般的に理解されてきました。しかし近年、二十代、三十代から、職場の人間関係や病気がきっかけでひきこもるケースが出てきています。
 さらには、八十、五十問題というものが顕在化しております。この問題は、例えば、高齢の両親と未婚の子供が同居している場合、子供は働いていなくても親の年金などで暮らすことができますが、親が八十代、子供が五十代になり、親の介護が必要になってくると、親子共倒れになりかねないという問題であります。このように、家族周辺では問題が複雑化してきております。
 我が党の同僚議員が、先日、全国実態調査を発表した家族会と懇談し、先の見えない不安を抱えている都民がふえている切実な話を伺ったところであります。ひきこもりが長期化した家族では、子供のひきこもりの問題と高齢の親自身の介護の問題を抱え、親亡き後の子供の支援を大変心配しておられました。
 自立相談支援の窓口に、このようなひきこもりを抱えた家族が相談に訪れた際には、親の問題も子の問題も世代にかかわらず受けとめ、生活全般にわたる支援を行う必要があると考えますが、窓口ではどのように支援を行っているのか、お伺いいたします。

○高橋生活支援担当部長 生活困窮者自立支援法に基づき、区市が設置しております自立支援相談機関では、生活困窮者やその家族が抱えるさまざまな問題について、必要な情報提供及び助言を行いますとともに、福祉事務所、ハローワーク、保健所など関係機関と連携して支援を行っております。
 ひきこもり状態にある方を抱えるご家族からの相談につきましては、まず、そのお話に耳を傾けて、親子が抱える多様な問題を受けとめ、話し合いながら必要な支援内容や連携する支援機関を検討した上で、ひきこもりの専門相談機関につなぎます。
 また、親世代の介護につきましては、地域包括支援センターなど地域の関係機関につなぎ、それぞれの問題に応じた支援を行います。
 また、つないだ関係機関とは、その後も必要に応じ情報を共有し、ひきこもり状態が改善され、就労に向けた支援が必要となった方につきましては、自立相談支援機関が中心となってプランを作成するなど、きめ細かく対応いたします。

○中山委員 先ほど同僚議員と申し上げましたけれども、目黒区の斉藤議員はこの問題にすごく取り組んでおりまして、特にこうした包括的な支援を実施している自立相談支援の窓口が重要ということを彼も訴えておりました。現場の支援員の資質向上、これが非常に大事なキーワードになると思います。
 その資質向上を担うために、都は、区市を積極的に支援していくべきと考えますが、見解を問います。

○高橋生活支援担当部長 都は、自立相談支援機関の相談員の資質向上を図るため、相談にいらした方の状況に応じた就労支援の手法や、家計表、キャッシュ・フロー表に基づいた家計相談の手法などの実践的な研修を実施しております。これらの研修にこれまで三百五十人以上が受講しております。
 また、具体的な事例に即したグループ演習を通じて、生活困窮者の生活実態などに合わせたケースワークの手法を習得する検討会も実施し、百人以上が受講するなど、区市の自立相談支援窓口への支援を行っております。
 来年度は、区市の相談員のさらなる資質向上を図るため、民間団体等の協力も得て、発達障害、DV、ひきこもりなどのテーマ別研修を実施いたします。
 また、相談員が窓口で適切な支援を行えるよう、都内の実際の支援事例を踏まえた自立相談支援マニュアルを作成いたします。

○中山委員 この自立相談支援マニュアルというものの内容、水準というものは、高いものであっていただきたいというふうに思います。やはり当たり前のことをただ書いているだけではなくて、そこを書き込んでいるかどうかということが、本当に問題に対処してきた当事者の方々にとって、十分問題の本質がわかっているなと、そう思ってもらえるようなマニュアルであっていただきたいと、そういうふうに思いますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。
 最後になりますけれども、福祉人材の確保、育成に向けた課題について何点かお伺いをいたします。
 今、多くの福祉現場では、人材が確保できない状況が深刻化しております。これを受け、本年四月から介護人材と障害福祉人材について、月額平均一万円相当の処遇改善を実施するための報酬改定が実施される予定とのことであります。
 報酬改定はもちろん重要であり、さらに充実させていかなくてはなりませんけれども、人手不足の抜本的な解決に向けては、それだけではまだ不十分であります。
 かねてより申し上げているとおり、待遇改善とあわせて、福祉の仕事のマイナスイメージを根拠を持って払拭していくことは極めて重要であります。
 私が知っている事業所は足立区内にありますけれども、ユニークな職員採用や人材育成を行っており、かなり前からお伺いをしておりますが、人材確保に一度も苦労したことがないというふうに豪語していらっしゃいました。
 そうした努力をしている福祉事業所の情報を学生や求職者に正しく伝えていくことが重要であります。学生や求職者から見て魅力ある福祉現場というのはどういうものなのか、それを選択できるように、職場環境に関する情報を積極的に、また適切に公表すべきと考えますが、見解をお伺いいたします。

○坂本生活福祉部長 委員お話しのように、働きやすい福祉職場の情報を公表することは、学生や求職者の方の選択に資することから、都は来年度、福祉人材の確保に向けまして、就労環境の改善に取り組む事業所情報の公表を行う取り組みといたしまして、働きやすい福祉・介護の職場宣言情報公表事業を開始することといたしました。
 本事業でございますが、人材育成や職場環境など、事業者が目指すべき働きやすさの指標となります項目を明示したガイドラインを策定いたしまして、これを踏まえた職場づくりに取り組む事業所が職場宣言を行い、その職場環境に関する情報をインターネットで公表いたします。
 本事業で公表を検討する職場情報でございますが、給与、休暇などの労働条件、研修やキャリアパス、資格取得支援などの人材育成の取り組み、ICTの導入など、職員の業務負担の軽減に向けた取り組みなどでございまして、これらの情報を公表することで、学生や求職者の方が事業所間の職場環境を比較しやすい制度としてまいりたいと考えております。

○中山委員 私の知り合いの福祉関係の職場では、社長さんがまず面接のときに夢を聞くそうです。どういうことを将来したいのかと。その夢を常に社長さんがわかっていて、その夢に向かって、君は今どういうことに取り組んでいるのかということを問いかけながら、そしてそれに応じた提言とか意見の公表とか、そういうことをどんどん受け入れていってあげる、そういうやりとりをしていると。そういうやりとりが面接時に行われるということ自体が同じ若者の間で広まって、あそこはきちっと自分に注目をして福祉の仕事を与えてくれるんだということが、うわさがうわさを呼んで求職者がふえているそうですけれども、接遇という点でも、ランチだけで数万円かかるようなランチを提供する老舗のお店に、新幹線にわざわざ乗せて、接遇ということのあり方みたいなものを勉強させに行かせたりもしているそうであります。
 事業所情報の公表の実効性を高めるには、できる限り多くの事業者が、ガイドラインを踏まえた職場づくりに取り組み、職場宣言を行うことが望まれます。そして何より、公表された情報がより多くの方に活用されることが重要であります。そのためには、ガイドラインや公表する情報の項目について、求職者の目線に近い若手の福祉事業者や現場を熟知している専門家などの意見を十分に聞いた上で策定する必要があります。
 多くの事業者が手を挙げ、宣言された情報を多くの方に活用してもらうためにも、さまざまな立場の方の意見を聞いて制度をつくるべきと考えますが、所見をお伺いいたします。

○坂本生活福祉部長 本事業により、職場宣言した事業所の情報をより多くの方に利用していただくには、事業の開始に当たりまして、事前に専門家や若手職員など、さまざまな立場の方から公表の項目や公表の方法などに関し意見を伺い、より実効性のあるものとすることが重要と考えております。
 このため、学識経験者、経営コンサルタント、自治体職員、福祉施設経営者に加えまして、今お話ございました若手の介護従事者などで構成いたします、働きやすい福祉介護職場ガイドライン検討委員会を設置いたしまして、働きやすさの指標となりますガイドラインの項目と達成基準、公表する職場の情報などについて検討を行うこととしております。

○中山委員 都の広域的自治体の役割としてのガイドラインというのはよくあることなんですけれども、本当に福祉保健局がつくる各ガイドラインは、時代を変えて、現場を変えていくことにつながるすばらしいものであっていただきたいと思いますので、ぜひよろしくお願いをいたします。
 最後になりますが、保育士関連に関してお伺いいたします。
 居宅訪問型保育について、まずお伺いいたします。
 待機児童対策として、多様な保育サービスの整備が急がれる中、子供の自宅に訪問し、一対一の保育を提供する非施設型の保育サービス、居宅訪問型保育の活用も重要であります。
 この事業の担い手は、保育士資格者はもとより、広く門戸を開くため、資格者以外の活用も必要となってまいります。
 居宅訪問型保育の担い手として一定の研修を受け、保育スキルを持つ人材の育成が必要だと考えますが、都の取り組みをお伺いいたします。

○横手子供・子育て施策推進担当部長 区市町村認可の居宅訪問型保育事業に係る職員の従事要件は、保育士資格の有無にかかわらず、国が定める居宅訪問型保育研修を受講する必要がありまして、障害または疾病の児童を保育する場合は二十三科目二十六・五時間の講義及び演習と、三、四日の演習、それ以外の児童を保育する場合は十七科目二十時間の講義及び演習と、一、二日の演習の受講が必要であります。
 この居宅訪問型保育研修とは別に、保育士資格を有していないが、幼稚園教諭、看護師、家庭的保育者として一年以上の経験がある者は、保育の知識及び技術の習得を目的とした家庭的保育者認定研修として、八科目八十八時間の研修及び実習が必要であります。そのほかの者につきましては、さらに保育所における二十日間の実習が必要とされております。
 都は、今年度から、この家庭的保育者認定研修に加えまして、居宅訪問型保育研修を新たに実施しております。
 なお、認可外の居宅訪問型保育事業は、保育従事者の資格要件は定められていませんけれども、一定の質が確保されるよう、都が実施する居宅訪問型保育研修の受講対象者として受け入れを行っております。

○中山委員 保育園等に入れなかった場合に、こうした居宅訪問型保育の活用というのは大変極めて有効な方策だと思います。
 ただ、この資格を保育士に限定してしまえば、もともと保育士不足で保育園が建たないという状況がある中で使えない制度になってしまいますし、かといって、スキルを下げるような、ただ単に門戸を広げた形であっては事故等も発生しかねないということがあります。
 日本ではまだまだ、自宅に来てもらうということについて、いろいろ抵抗感もありますので、そういう面では、質をちゃんと確保しながら、そして必要なだけの人員の数というものも確保していけるようにご努力をお願いしたいと思います。
 来年度の二十九年度は、モデルケースで二万一千円相当の上乗せに通じる、さらなる処遇改善を保育士を対象に図るとされております。保育現場は、保育士だけで構成されているわけではありません。非常勤職などの関係職の処遇改善は、保育現場全体の労働意欲の向上に欠かせないものと考えますが、これまでの補助の効果を確認するとともに、来年度では一層明確に補助対象の拡大を図るべきと考えますが、見解をお伺いいたします。

○横手子供・子育て施策推進担当部長 平成二十七年度キャリアアップ補助の実績を見ると、常勤保育従事者の平均賃金月額は二十八万七千三百二十一円で、一人当たり月額約二万三千円改善されており、また非常勤保育従事者は平均賃金月額が十七万六千五百九円、一人当たり月額約一万二千円の改善が図られております。
 来年度は、新たに非常勤保育従事者の賃金改善を補助要件に加えた上で、補助額を拡充する予定でございます。

○中山委員 ぜひ、非常勤職を含め、充実をお願いしたいと思います。
 初任給などの底上げは、職種全体の賃金上昇につながるものであり重要でありますが、それだけではいろんな困難があっても働き続けていくという意欲を刺激することには直結するとは限りません。特に保育士の場合、結婚や出産、子育てを経験された女性の方々の職場復帰が人手不足解消の重要なポイントとなります。保育の現場で働き続けることの魅力の上昇につながる改善が必要であります。
 この点、保育の現場は必ずしも実績の積み重ねに応じて賃金がアップしていく仕組みとはなっていない点が課題となっており、そうした改善を望む声を私も直接、何人もの方からお伺いをしております。
 あわせて、保育士は数だけそろえていればそれで済むというわけではありません。その質の確保も重要であります。特に、保育士のスキルや人格は子供の健全な育成に重要な影響を与えます。国は来年度、ベテラン保育士など一定の経験を積んだ職員に追加的な処遇改善を行うとしておりますが、こうした職員のスキルを確保することが必要であります。
 保育士のキャリアアップの仕組みの充実や、処遇に応じた保育士のスキル確保が必要と考えますが、取り組みをお伺いいたします。

○横手子供・子育て施策推進担当部長 都は、キャリアアップ補助の実施に当たり、キャリアパス要件の届け出や賃金改善に関する実績報告書等の提出を求めており、来年度は、保育士が将来を見通し、安心して働き続けられるよう、施設ごとに経験年数や職責に応じたモデル賃金を公表することなどを要件に加えてまいります。
 また、国は来年度、経験年数がおおむね七年以上で副主任保育士または専門リーダーとなる職員に月額四万円、経験年数がおおむね三年以上で職務分野別リーダーとなる職員に月額五千円の処遇改善を実施するとしております。
 副主任等になるには、都道府県等が行う幼児教育や障害児保育など分野別研修の受講が義務づけられておりまして、都はこうした取り組みを通じて、保育士の技能向上とキャリアアップの仕組みを充実させてまいります。

○中山委員 先ほどの答弁でもありましたモデル賃金というのは非常に大事で、施設ごとに公表されるということでございますので、そのとおりになっていくということが信頼を高めていくことになっていくと思いますので、ぜひフォローをしっかりしていただいて、よろしくお願いしたいと思います。
 今のご説明によりますと、キャリアアップに係る研修の受講を条件として、国は四万円の処遇改善を実施するということであります。また、都も独自に既に実施した二万三千円分と、これから都が独自に実施する二万一千円分、合計で四万四千円の処遇改善を実施いたします。
 都は、国に対してキャリアアップの仕組みを構築するよう求め、都の緊急対策でも処遇改善の取り組みを打ち出してきたことから、処遇改善は人によってではありますけれども、八万数千円に及ぶというふうに受けとめてよいのかどうかという点、そして、さらに七万人分という、いまだかつてない保育士増に挑んでいくわけですけれども、そうした目標に臨む決意について、最後に梶原福祉保健局長にお伺いしたいと思います。

○梶原福祉保健局長 私も保育園に通わせる一人の親としても、保育園の重要性であるとか現場の大変さというのは理解しているつもりでございます。
 保育士の確保、定着を図るためには、やりがいを持って長く働ける環境を整えることが必要でございます。
 そのため、都は独自にキャリアアップ補助を実施しており、来年度は補助額を大幅に拡充いたします。
 国もキャリアアップの考え方に立った新たな処遇改善策を行うこととしており、お話にありましたように、保育士等の大幅な処遇改善が図られるものと考えております。
 昨年策定をいたしました二〇二〇年に向けた実行プランでは、平成三十一年度末までに保育サービスを七万人分拡充し、待機児童を解消する目標を掲げております。
 来年度は、区市町村の状況を踏まえながら保育サービスの整備目標を改めて検証し、東京都子供・子育て支援総合計画を改定する予定でございます。
 今後とも、整備目標の達成に向け、区市町村と連携しながら効果的な施策を進めてまいりたいというふうに考えております。

○小林委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩をいたします。
   午後三時十六分休憩

   午後三時三十六分開議

○小林委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○斉藤委員 それでは私の方からは、高齢者福祉のテーマで一つ、そして保育の関係でテーマを二つ、質問をいたします。
 最初に、高齢者福祉で伺います。
 特別養護老人ホーム整備については、長年、喫緊の課題とされてまいりました。特に最近は、公共交通機関が発達していて、圏域を越えた移動が容易であるような東京の場合は、その特徴から、多摩地域を含めて東京都全体で施設整備を進めていくようなことが、実際には整備の進め方になってくるんじゃないかなというふうに思います。
 一方、後期高齢者医療制度の財政負担など地元自治体の負担は大変大きく、つまりこの場合は、自治体の方の規模や人口からしてみて、既に施設が充足している地域といったところでは、新たな整備は進みにくいということです。
 簡単にはいえば、そこに住んでいる人とそれに見合った施設数があるのが理想ですけど、実際には自治体を越えて特別養護老人ホームなどの施設に入るというふうなことになります。圏域を越えて移動して、施設がたくさんあるところに行くというふうなのが現状でございます。もちろん、最近の障害者の施設なども含めて、地域で生活するというのは理想ではありますが、現実にはそのようなことになっておりません。
 こういった状況を鑑みてか、知事は施政方針の中で、広く都民が利用できる施設を都内全体でふやしていくため、地域のニーズを超えた特別養護老人ホーム整備のインセンティブを設けるというふうに表明をしていましたけれども、どのような仕組みなのか、伺います。

○西村高齢社会対策部長 来年度創設する制度は、都内全体で必要な特別養護老人ホームの定員数を確保するという観点から、地元の必要数を超えた施設整備に同意する区市町村に対しまして、新たに整備する施設の定員数に応じた財政支援を行うものでございます。
 例えば、東京都高齢者保健福祉計画で定める老人福祉圏域の必要入所定員総数が既に充足されており、高齢者人口に対する既存施設の定員数が二%以上の自治体が、新たに定員百名の施設整備に同意する場合には、当該自治体に二億五千万円を交付することとなります。

○斉藤委員 今、百床の施設をつくる場合、二億五千万円という、ちょっと大きな数字のような感じがしますが、昔、介護保険が平成十二年にスタートする前のときに、ちょっと悪いいい方をすれば、いわゆるベッド買いといわれているように、自治体が特養ホームのベッドを確保する場合に、大体その相場観で計算するとやっぱり一ベッド二百五十万という数字があるんですね。ですので、何となくその数字を思い出すような話だなと思っていました。
 もちろん、この施設が自治体の中に非常に少ない地域から見れば、充足した上にさらにというのはイメージしづらい方もいらっしゃるかと思いますけれども、小平市から以西、西側の方の西多摩の地域、特にこの質問については西多摩地域を選挙区とします私どもの会派の島田幸成議員と一緒につくった質問なんですけれども、多摩地域の中でも同じ自治体の中に特別養護老人ホームがたくさんあるという自治体がございます。そういったところから見れば、今回のインセンティブというものについては、実に内容について着目をしている、注目をしているものであります。
 特にこういった介護系の施設、有料老人ホームでさえ、今、大手の有料老人ホームなんかに聞きますと、住居型の方は認可をされるけど、地元の自治体が嫌がるので、もしくはなかなかオーケーを出してくれないので、介護型の有料老人ホームというのはほとんどつくっていないというんですね。介護型の方をつくったりして介護保険の保険料なんかにはね返るなど、実際に市民の方の理解がトータルでは非常に受容されづらいという事情があるもんですから、どうしてもそういうふうに、株式会社であっても民間の有料ホームで介護型の方はつくれないというふうなことをいっております。
 そんなこともありまして、特養はなおさらというふうなことになるわけですが、それについてインセンティブをのせてくれるというのは、多摩地域の自治体にとってみれば、なるほどなと、大変興味深いなというものであります。
 そこで、区の方にどのぐらいこの対応になるようなところがあるかわからないんですが、市区町村の方に交付された資金というものはどのように活用されることになると想定しているのか、そこを伺います。

○西村高齢社会対策部長 都は区市町村に対しまして、特別養護老人ホームの施設整備の着工年度に一括して資金を交付し、これをもとにしまして、区市町村は五年間活用できる基金を設置することができることとなります。
 この基金は、高齢者福祉に限定せず、子育て支援や障害者福祉なども含め、地域の実情に応じて地域福祉全般に幅広く活用できることとする考えでございます。

○斉藤委員 高齢者福祉に限定しないというのも大変必要なことかなと思います。障害者の施設も、多摩地域の中で比較的古い施設なんかは、特に駅から離れところでも建設をされていたりというケースがございますし、また今後もそういうことがあるかもしれないという状況の中で、余り高齢者福祉に限定をされてしまうと、そういうときに困ってしまいますので、活用の幅が広いというのは大変歓迎すべきというところであります。
 だからといって、実際に多摩地域のところで施設がどんどんというわけでもありません。ちょっといろいろ関係者の方なんかに聞くと、待機者の数字が仮にあったとしても、実際にそのホームで空床が出たときに電話をしてみると、今入院中ですぐに施設に入れません、もしくは亡くなりましたといったようなことで、待機者のリストの順番に電話しているんだけれども決まるまで若干時間がかかるというのが前よりも多くなってきたといいます。
 これは待機者自身が多くなったということもあるし、重複の申し込みというのもあるし、そういうふうに、必ずしも、流動的な待機者の動きというのがありますので、若干少し前よりは入りやすくなっている場合もあるのかなというふうに思います。それでも今後、施設建設については、どうしても多摩地域にややしわ寄せが来るというふうな表現になるかと思いますが、可能性がありますので、今回のこういった基金で、ある程度その動向を見て、対策をまた考えるというふうなことで、これを請け負う市区町村に対して、きちんとインセンティブを与えていくということをぜひ取り組んでいただきたいと思います。
 それでは、高齢者福祉から保育のテーマに移りたいと思います。
 保育園のことに関しては請願の方も二件出ているわけなんですが、具体的なアイデアでこの課題に対して、保育園の不足に対して課題を考えていきたいと思います。
 幸い小平市の方は、今の市長が四年で十七園、二十九年度も四月に八園を新しく建てる予定になっておりまして、比較的ここ何年かでは、私の地元の小平市は保育園が非常にふえているんですけれども、しかも全部、テナントではなくて別個に建てるというのがほとんどなんですけれども、残念ながら保育園を建てる土地がない、認証保育室など小規模の保育園が入ることができるような適切なテナント物件がないという問題について伺います。
 東京都は、待機児童解消に向けた緊急対策として、今回、都有地活用推進本部というのを設置して、都有地を保育園立地に活用するという対策が打ち出されたわけであります。このような対策というのは、過去、平成二十年代に入って、高齢者施設の設置で対策が進められたので、恐らく福祉保健局としては過去の経験も生きる部分が、部署こそ違え、あるんじゃないかなというふうな気がします。
 また、民有地を保育園設置に提供した場合に、固定資産税の減免という制度もスタートさせるということであります。
 それでは、保育所を所管している専門の部署であります福祉保健局にちょっと伺うわけなんですが、保育所を設置するための土地が不足しているというこの問題について、実際には、きっかけとなるような形ではどのような声が寄せられているのか、伺います。

○横手子供・子育て施策推進担当部長 昨年の待機児童解消に向けた緊急対策の検討に当たりまして、待機児童の多い区市を中心に、保育ニーズの動向や保育サービスの整備状況、都に対する施策の要望などについてヒアリングを実施したところ、複数の自治体から、保育所を設置するための土地の確保が難しくなっていることや、あいている土地があっても賃料が高いため活用できないことなどの意見や要望がございました。
 また、昨年十一月に実施した知事と区市長との意見交換でも、待機児童解消に向けた課題として、保育所用地の確保が困難であることが挙げられております。

○斉藤委員 それでは、土地が必要ということでありますが、そうすると実際にちょっと話を具体的に考えようと思ったときに、どのくらいの土地だったら足りているといえるんだろうか、どのくらいの土地だったら建てられるんだろうかという基礎的な知識がわからないと、なかなかこれを、何かいい策を進めるのに考えてあげるということがなかなか難しいです。
 ですので、次の質問に移りたいんですが、保育園を設置するために必要な土地の面積というのは、たぶん定員の規模や建物の階数などによってもかなりさまざまだと思うんですけれども、具体的な事例として、最近開設した保育園の定員の平均、恐らく七十名ぐらいなんじゃないかなというふうに聞いているんですけれども、定員七十名の保育所を二階建ての建物でつくった場合、建築面積や敷地面積というのはどのくらいになっているのか、伺います。

○横手子供・子育て施策推進担当部長 昨年度都が認可した保育所のうち、二階建ての建物で定員七十名の保育所は二カ所あり、一カ所は、建築面積が三百六十三・九八平方メートル、敷地面積が六百四十五・九七平方メートルでした。もう一カ所は、建築面積が三百四十一・一二平方メートル、敷地面積が一千三百七十三・四六平方メートルとなっております。

○斉藤委員 今伺ったところ、二つの例は、敷地面積は大分、倍ぐらい違うんですが、でも小さいと六百四十五平米ぐらいはあればというふうなことになります。もちろん、その地域の用途とか容積なんかの関係はあると思うんですが、七十名だとこれぐらいでできるというふうなことになります。
 このぐらいの土地があれば何とか建てられるんだけど、その確保が苦しいと、難しいというわけなんですけれども、土地の確保が難しいという意見や要望については、具体的にどの自治体から寄せられているのかを伺います。

○横手子供・子育て施策推進担当部長 先ほど申し上げました昨年十一月の知事と区市長との意見交換の実施に当たりまして、区市町村に対し、待機児童解消に向けた課題などを調査したところ、保育所用地の確保が困難であると回答した自治体は、特別区では、世田谷区、杉並区、目黒区など十五区、市町村部では、立川市、武蔵野市、府中市など八市でございました。

○斉藤委員 具体的なところで教えていただきまして、ありがとうございます。
 保育所の建設に対する周辺住民の反対というのがあるとも聞いております。この反対の声が全部悪いというふうなことは全然私も思っていなくて、いろんな事情が、状況があるんだろうなというふうには思いますが、それでも何とか、いい折り合いをつけてほしいというのがあります。
 そこで、区市町村の中には、保育所の設置に反対される方から実際にはどのような不安の声が寄せられているのか、そこを伺います。

○横手子供・子育て施策推進担当部長 区市町村からは、保育所の設置に対する近隣住民の方の不安や懸念の声として、子供の声や工事の騒音に対する不安や、子供の送迎時に自転車や車の通行量がふえることへの懸念などが寄せられていると聞いております。

○斉藤委員 どうしても、子供たちも含めて工事の騒音などの音の問題、そしてまた送迎のときの自転車、場所によっては自転車でも十分邪魔になる場所がありますし、また車となれば通行量がふえたり、出入りで目の前の道路の交通が非常にとまってしまうというような懸念があるということです。これは、土地がある多摩地域でもそういう議論はないわけじゃないんですが、やはり全体の敷地が広かったり前後の余裕があればある程度解決するんですが、なかなかないところでは難しいということがあります。
 じゃあ、今回出てきた都有地活用推進本部、この本部の下に設置した都有地の問い合わせ窓口であります、とうきょう保育ほうれんそうの問い合わせ実績について伺います。これについては、今みたいな困ったことがあるわけですから問い合わせが来ていると思うんですけれども、現在東京都において、どのような都有地を区市町村に情報提供しているのか、そういった形で伺います。

○後藤総務部長 都有地活用推進本部、昨年九月に設置されたところでございますけれども、こちらの方で全庁的に都有地の洗い出しを行いまして、先月までに、財務局の未利用地と合わせまして二百二十八件の都有地に関する情報を区市町村に提供してございます。
 お話のありました、とうきょう保育ほうれんそうは、こうした都有地に関する区市町村や民間事業者などからの問い合わせ窓口として昨年十月に設置したものでございまして、実績としましては資料28にもお示ししてございますけれども、直近の実績を申し上げますと、昨日、三月二十一日までに五十九件の照会や提案を受け付けておりまして、一部の土地につきましては活用の意向も示されているところでございます。
 現在、区市町村に対して提示、情報提供しております土地は、全て百平方メートル以上で、原則として現段階で具体的な活用方法あるいは処分計画が決まっておらず、保育所として活用の可能性があるというふうに考えられる土地でございます。

○斉藤委員 ありがとうございます。私もちょっとホームページでリストを見たら、大体四ページにわたってかなりの数、この土地が出ているということであります。ルールの百平米というちょっと小さめなサイズのものも掲載しているということと、何より大変親切だなと思うのは、ある程度、中で具体的な活用、処分が決まっていないところの土地の性質とか目的を一度フィルターにかけて掲載をしているということですから、問い合わせをしたときに、載せてはいますが実はというふうにいって断られることが少ないような載せ方になっているというのは非常に評価ができると思います。一度フィルターをかけていただいているのは大変便利だなというふうに思います。
 ということで、こういうふうにして土地がないと非常に困っているわけなんですけれども、今の推進本部の保育ほうれんそうの方で見つけられたらいいなと思っています。
 ただ、残念ながらこの一覧を見ると、これは別に福祉保健局が何とかという話では全然なくて、実際に見ると、江東区、もしくは葛飾区とか江戸川区とか、この出ている土地がどうしても偏っているといえば偏っているんです。別にこれは満遍なくできるものではないと思っているので、僕もそれは承知をした上で見ていたんですけれども、大変待機児が多いといわれている世田谷区なんかは、あれだけ広い面積であっても二件しか、どうしてもこれを満たせる土地がない。そしてまた、渋谷区では一カ所、中野区でも一カ所、豊島区に至っては全くゼロ、目黒区に至っても出している公有地がゼロということですので、かなり地域によって差があるというわけです。
 しかも、ちょっとかわいそうだったのは、さっき三問目の答弁でいただいたときに、十五区の中に目黒区も入っていますが、目黒区はかわそうにこの都有地の中にも一件も入っていないんですね。こういうことは、こういうミスマッチはもうしようがないことだと僕は思ってはいるんですが、この制度自体は非常に前向きで評価できる分だけ、これを見て、ないと、自治体の担当者はきっと、はあっと思うんだろうなと思うと、ちょっとかわいそうな気になっております。
 もちろん、百平米以上の都有地を情報提供しているということでありますので、定員二十名とか三十名という小さな規模の保育所も想定はされているんですが、それにもちょっと引っかからないというふうなことでは、じゃあ次の手はどうしようかというふうに悩む自治体もあるんじゃないかなというふうに思います。
 先ほどの答弁では、定員が七十名の保育所でも敷地の面積が六百五十平米で整備された例があるということでありますから、それぐらいのサイズが出ていればちょっと望みがあるかなというふうに自治体の担当者は思うんだろうなというふうに思います。また、事業者の方も興味を持って問い合わせをしてくるんだろうなと思います。
 ここで少し具体的な話で一つ質問していきたいんですが、実は先日の予算特別委員会で私ども東京改革議員団の三鷹市の中村ひろし議員が都市整備局に対して、都営住宅の空き駐車場の土地活用について質問をいたしました。実は私の地元の小平でも、都営住宅に行きますと、駐車場が十台あれば五台はあいている、つまり、契約がないという状態になっておりまして、赤いカラーコーンがビスでとめてあるというふうになっていて、はたから見ても、ここ使わないのといって、納税者の方から見ればちょっと怪訝に思われるというような状況になっております。実際にもったいない面積だなというふうに私も思っておりまして、実は、三鷹の中村議員も同じように気にしていまして、この活用についていろいろ研究をしました。
 実際、都営住宅の多摩地域の方の駐車場はちょっとあいているのかもしれない、でも、区部の方はさすがにあいていないだろうと思って、実際にちょっといろいろ調べてまいりました。これを調べるときに、さっきの公有地の話がありましたけれども、都営住宅の中には保育園があるところが幾つか、実際に国立でも小平でも豊島区の大塚あたりでもあるんですけれども、そういうのがありますので、これ、あいているところで少しまとまったあき方をしているところなんかは保育園一棟ぐらい建つんじゃないかななんていう話をしまして、じゃあ区部の都営住宅が実際にそんなにあいているものかねと、多摩地域の都営住宅、広い駐車場ばっかり見ているから区部のがわからないやということで、先日ちょっと一日かけていろんなところへ行ってまいりました。
 そしたら、ちょっとここでパネルを、委員会なので余り大きくなくていいかなと思ったんですが、で、ちょっと小さいんですが、二〇一六年度待機児童一位の世田谷区にあります桜上水五丁目アパート、これは二〇一〇年から二〇一二年という、都営住宅の中でもかなり最近、新しい、整備されたところであります。
 実はこの敷地は結構広くて、全体で保育園がもう既に一棟建っております。それに加えて、さらに駐車場もあるんですね。さっきいいましたように、活用推進本部のリストでは、世田谷区というのはあいている公有地が二カ所しかないという、大変人口規模に対して心もとない場所なわけでありますけれども、この世田谷の桜上水五丁目アパートへ行きますと、実際に二十九台という大変広い駐車場があるんですが、このあいているところというのは、ごめんなさい、ちょっとちっちゃくて見づらいかもしれませんが、こういう黄色い馬が立っているんですね。ですから、契約ができていない、あいている駐車場というのはもう一目瞭然で、二十九台中十九台あいています。六五%は空き駐車場です。しかもこの前後には、当然のことながら車の出入りを考えて、かなり敷地自体は広いんですね。ですと、さっきのような小さな、七十名もなければ十分に建つんじゃないかと。
 しかも、都営住宅は、子供の声とかいいますが、もともと一階に保育園が入っている都営住宅なんか山のようにありますし、そもそも車の出入りだって、これ、駐車場ですから車の出入りは当たり前に設定されているんですね。
 こういうところを見ると、いや、もうちょっと活用できるんじゃないかなというふうに思うわけであります。
 これは六五%もあいているんですが、しかも、このほか、じゃあ、世田谷のこのぐらいじゃないかというふうな気がしていたんですが、私も実際に、運営者の方と仲がよくて、テナントで保育園をつくるときにテナントを探すのにすごい苦労したという豊島区なんかを見ますと、高松三丁目第四アパートというのがありまして、三十二台の駐車場のうち十二台が空き駐車場なんです。三十二台中十二台。
 さっき目黒区の話がありました。目黒区の雅叙園に近いような目黒一丁目アパートでも十五台中六台があいております。ここなんか、出入りは多分周りの民家よりも非常に出やすいような駐車場になっております。なおかつ、ちょっとこの後ろの部分、もう一個、世田谷区の池尻二丁目アパート、これ、建物が高層でコの字型になっていて、真ん中のところに駐車場があるんですけれども、こちらの方も四十台中十八台があいているということで、四五%あいているんですね。
 大体どこを見ても、渋谷区の都営住宅って駐車場がほとんどなかったんですが、あるところを見たときに三分の一以上があいていると。僕ら、高齢者の方がだんだん車を運転しづらくなっている、もしくは危なくて運転しなくなったという方が多くて前より車の利用が減っているということは承知をしていたんですが、駐車場が大きいところ、戸数が大きいところを見ていくと、三分の一ぐらいがどこも駐車場あいているんですね。これ、駐車場の台数について台数の必置義務がありますから、これ見たら二〇一二年ぐらいにできているものでも大きなものをつくっちゃったんですが、実際には乗る人がいなくてこんなにあいちゃっているんですね。しかも、埋立地とかじゃなくて住宅地の中にあったりするわけですから、これは、私なんか、もっとつくれるんじゃないかなというふうに思うんですね。
 さっき福祉保健局に何平米あったら保育園ができるのかというふうに質問しましたけれども、実はほかの局、これはその局の専門外だから仕方がないんですけれども、その局の名誉のためにどこの局とはいいませんけれども、二千平米ぐらいないとできないというふうに思っていた局なんかもあるらしくて、いや、実際には二千平米なくても十分建ちますよと、どうかおたくの局の中でうまく使える場所を探してくださいよというふうに、全庁的に一生懸命探せば、もう少し出てくるんじゃないかと。
 今いったみたいに公有地がないと思われているところでも、ちょっと違う工夫をすれば、この公有地のリストじゃなくても建てられるところが出てくるということも当然考えられるんじゃないかというふうなことで、これはもちろんほかの局は局なりにいっぱい苦労があるので、保育園のことばかり考えていられないよという局もたくさんあると思います。
 しかしながら、やはり今、社会問題にもなっていますし、全庁的に頑張るという中で、工夫を福祉保健局さんなんかはとてもされていますから、ぜひほかの局に、いや、こういう土地だったら大丈夫ですよというふうにアピールをしてもらいたいというふうに思って、この話をしたわけであります。
 ぜひ、ちょっとこれで、同時に駐車場がうまく活用されれば、周辺の納税者から見ても、もったいないじゃないかとか、そういうふうにいわれなくなるので検討に値するんじゃないかと思います。
 そこで質問ですけれども、都営住宅内で保育園を建設、運営するというのは特段問題があるということではないと思うんですが、いかがでしょうか。

○横手子供・子育て施策推進担当部長 既存の都営住宅において、駐車場を廃止し、新たに保育所を建てる場合には、建築基準法や各種条例など関係法令への適合に加え、居住者や近隣住民の理解が必要であると聞いております。
 その上で、一般論として申し上げれば、東京都児童福祉施設の設備及び運営の基準に関する条例、同条例施行規則及び要綱に定める基準を満たしていれば、都の認可を受けて保育所を設置することは可能でございます。

○斉藤委員 ありがとうございます。ぜひ他局の方に、より具体的にアピールをしていただいて、探してみたらこういうところがあった、こういうアイデアがあったということをぜひ見つけていただければなというふうに思っております。
 それでは、次のテーマに移りたいと思います。
 かなり以前に新宿区の高齢者施設に視察に行ったときに、建物の床面積は十分あるのに全然ベッドを使っていないという特養の老人施設があったんですね。で、どうしたんですかと聞いたら、介護職員の不足から、建物としては十分許可を得ているんだけれども、全部のベッドを使用することができないという話でありました。この話は結構いろんなところで聞いていた話でありますので、知っている方も多いかと思いますが、これ、平成二十四年ごろだというふうに思っております。
 先日、保育園の運営事業者の方とお話をする機会があったんですけれども、そのときに、実は保育園でも同様のことがあるんじゃないかというふうなことを大変懸念されておりました。保育所を開設する際に、例えば定員百名の児童に対応できる保育室などを整備した上で、開設時は定員を九十名に抑えるなど、設備面では受け入れ可能な数よりも少ない定員を設定して開設するというのがあるというのは、何となくそれは聞いたことがあるんですけれども、この場合はどのような事情によるものなのかを教えていただきたいと思います。

○横手子供・子育て施策推進担当部長 ゼロ歳から二歳児に比べて、四歳や五歳児の新規申込児童数は少なく、開設後二年から三年間は、四歳や五歳児の定員にあきが生じる場合があることから、開設時は四歳児や五歳児の認可定員を少なく設定し、開設後の入所状況を踏まえて定員をふやすことがございます。

○斉藤委員 ありがとうございます。そのような部分で計算されたものであればいいんですけれども、実はこれを心配された方というのは、どこの自治体も今保育園が欲しいと、設置してくれないかというふうにいろんな話を、経験がある事業者の方に話を持ってくる場合がある。だけれども、受ける事業者側の方も、ぜひとかいうことで前向きにいろいろ下調べをして設置をするところまでこぎつけるんですが、実際には保育士が今大変不足をしている、確保し切れない。
 しかしながら、せっかくここまで進めたんだしとか、もしくはせっかく何々区と仲よくなったんだしという思いの中で、多少無理やりでも、とにかく認可までたどりついて設置をしたいというふうな思いが強くて、ややもすると職員確保の部分について十分な余裕を持っていない状態、十分な確約がない状態で物を進めてしまう事業者が出てきているんではないかということを、事業者の中でも、ちょっとその運営の様子を見ていて大変心配することがあるという指摘でありました。
 実はこの質問をつくった後に、そういうことは都市部だとあるかもななんて思っていたら、先般のニュースで、皆さんご存じのように、姫路市で私立の認定こども園であります、わんずまざー保育園というところが、最初のニュースは給食がちょびっとしか出ていないという話だったんですが、どうも全く届け出をしていない定員を二十二人、個別に契約をしていたという問題があったりして、職員も不足をしている状況を隠蔽していたんじゃないかというニュースになりまして、兵庫県がこの認可の取り消しということで動くというニュースがありましたので、まさか東京ではなくて姫路であったというのは、ちょっと私、驚いたんですけれども、まさにこの心配にかなり近い話でありましたので、決して絵空事ではないなというところであります。
 開設時に定員を低く設定するというような場合に、認可を受ける上での問題というのは、先ほどのような例も含めて、特にないんでしょうか。また、今のように保育士が不足をするというようなことがあった場合に定員を変更するという場合があるとしたら、どのような手続が必要なんでしょうか。

○横手子供・子育て施策推進担当部長 保育所の設置を認可する際は、開設時の定員数に対して必要な設備や保育士等が確保されていることを確認しております。
 開設後、入所状況を踏まえて定員変更を行う場合も、変更後の定員数に対して必要な設備や保育士等が確保されていることを確認しており、いずれも基準を満たしていれば特段の問題はございません。
 また、認可定員を変更しようとする場合、保育所の設置者は、あらかじめ区市町村を経由して、東京都に対し、職員の構成や施設の定員、保育室の面積等を記載した書類を添付し、児童福祉施設内容変更届を提出する必要がございます。

○斉藤委員 開設した後に保育士の離職などによって必要な保育士が足りなくなるという場合は、現実、現場ではあるかと思います。これはもう仕方がないことですし、それをなかなか、やめるなといって無理やり引きとめるというふうなのも限界があります。ですので、当然、かわりの保育士を探すというふうなことになるのが流れだと思いますけれども、保育士不足の現在ではすぐに保育士を確保できないという場合は当然あるかと思います。その場合、東京都や区市町村はどのような対応をしていくのでしょうか。そこを最後に確認したいと思います。

○横手子供・子育て施策推進担当部長 保育従事者の配置状況が基準に抵触している保育所に対しては、児童福祉法に基づき、職員の確保、定着を図るための具体的な取り組みと確保状況について報告を求め、改善が図られるまで指導を行っております。
 また、改善後も引き続き適切な運営が確保されるよう、関係区市町村とも連携しながら、施設の運営状況を確認し、必要に応じた指導を行っているところでございます。

○斉藤委員 ありがとうございました。ちょうどこれにちょっと類するようなニュースがあったわけなんですけれども、恐らく一生懸命やっているけれども、たまたま何かの都合で職員がやめてしまって途中で不足をしてしまうということは、一生懸命やっている保育園でもあるかと思います。もちろんそういった場合に、何でもかんでも定員を削れというふうにすぐにいえません。実際には園児が入っているわけですから、中に。ですから、その部分については上手にサポートしてあげてほしいなというふうに切に願うばかりでありますし、お願いをするところであります。
 ただ同時に、先ほどの話があったように、運用を見ているとちょっと心配だと、ひょっとしたら認可を受けるのが余りにも先というふうになり過ぎてしまって、無理なスタートをしているのではないか、無理な設置をしているのではないかというケースは、恐らく、同業者の方から見ても自分たちの流れの中で感じるものがあったり、もしくは行政の方から感じるものがあったりするかと思います。ぜひそういうものを、事故が起こる前に未然に発見して、速やかな定員変更などの手続を促すと、そして指導するということをしっかりやっていただいて、ニュースのような事件が起こらないようにしていただきたいと思います。
 以上で質問を終わります。

○畔上委員 それでは、私からも大綱五点について伺いたいと思います。
 まず、議案第八十七号についてです。
 放課後デイサービスは、障害のある子供たちにとっては、放課後の大事な居場所でもあり、家庭や学校とはまた異なる人間関係を通じて発達、成長できるかけがえのない場所だと思います。また、障害児の親の仕事や社会参加を支える、そういう役割も果たしていると思います。
 この放課後デイサービスの人員配置基準について、置くべき従業者を児童指導員、保育士または障害福祉サービス経験者とし、そのうち半数以上を児童指導員または保育士としなければならないことと、あわせまして自己評価結果公表の義務づけの規定を設ける、こういう施設運営のハードルを上げる条例改正です。
 そこでまず伺いたいんですが、放課後デイサービス等の都内の事業者の推移はどのようになっているでしょうか。

○高原障害者施策推進部長 児童福祉法の改正により放課後等デイサービスが創設されました平成二十四年四月一日時点の事業所数は百十二カ所でございました。その後、各年四月一日時点で、平成二十五年、二百十六カ所、平成二十六年、三百七カ所、平成二十七年、四百五十七カ所、平成二十八年、六百三十八カ所、そして直近の平成二十九年二月一日現在では七百二十九カ所でございます。

○畔上委員 この五年間で六倍近くに急激にふえている。それだけ切実な施設であるというわけなんですが、同時に、もうけの対象として開設する、こういう施設が残念ながら増加しています。
 このたび条例改正で、放課後デイサービス等に関する従業者の配置の基準、これを改めることとなったその背景について伺います。

○高原障害者施策推進部長 放課後等デイサービスにつきましては、営利企業が数多く参入し、量的な拡大が著しい一方で、単なる居場所となっている事例や、発達支援の技術が十分でない事業所が軽度の障害児を集めている事例等が、平成二十七年十二月の社会保障審議会障害者部会の報告書において指摘をされているところでございます。
 同報告書では、発達支援等の子供に関する支援の専門的な知識、経験を有する者の配置をすべきとしており、これを受けて国はこのたび省令改正を行ったものでございます。これを踏まえ、都におきましても、放課後等デイサービスの支援内容の適正化と質の向上を図るため、本定例会に条例改正案を提出してございます。

○畔上委員 放課後デイサービス事業は簡単に開設できます、もうけることができますと、こんなうたい文句であっせんするコンサルタント会社がふえたり、保護者からも、私たちのところに、テレビばかり見せていて子供のための施設とはとてもいえないといった相談もございました。
 障害のある子供たちの発達と成長を保障することと親の働く権利を守るための放課後デイをもうけの道具にするということは、絶対あってはならないことだと思います。
 配置基準では二分の一以上が児童指導員となることは前進だと思いますが、今後は、配置基準の全ての職員がそうなるようにしていくべきだというふうに、そのことも一応述べておきたいと思います。
 ガイドラインに沿った自己評価、この公表なんですけれども、新たに義務づけられたことに対しまして、放課後デイに取り組んでいらっしゃる現場の方たちにご意見を聞きました。そうしましたら、そもそも自己評価というのは、この目的は、子供にどう寄り添っているのか、それからどう保護者の思いに応えているのかと、みずからの事業を顧みて、これからの自分たちの事業をよりよくしていくという大事なものだということなんですが、その公表を目的にしていくと、どうしても見ばえのよい自己評価にならないか、そういう心配もあるんだという声も伺いました。また、自己評価表の作成などによる事務作業がふえてしまうために報酬単価への反映もしてほしいと、こういった声がありました。
 ガイドライン自体に、ガイドラインの内容は不断の見直し、改善が必要だと書かれておりました。そういう点では、厚労省にぜひその点も求めていただきたいと思いますし、また、現場などから寄せられる声をしっかり聞いていただいて、条例改正後の実態も把握していただきたいということを要望しておきたいと思います。
 あわせて、放課後デイサービスの事業所からは、医療的ケアの必要な子供たちもいることから、看護師の配置の要望も上がっております。このたび予算では、障害児通所支援医療的ケア対応促進モデル事業ということで、看護師さんの配置が新規で入ったことは重要だと思いますが、この対象になぜ放課後デイ等が入っていないんでしょうか。

○高原障害者施策推進部長 たんの吸引や経管栄養など医療的ケアが必要な未就学の障害児につきましては、NICU等から退院した後、特別支援学校に就学するまでの間において、日常生活における基本的な動作の指導、知識、技能の付与、集団生活への適応訓練等の療育を行うための日中活動の場を確保することが必要でございますが、現在、受け入れ先が少ないのが実情でございます。
 そのため、都は来年度、未就学の障害児を対象としています児童発達支援センター及び児童発達支援事業所に看護師を配置することにより、医療的ケア児の受け入れ促進を図るためのモデル事業を実施するとしたものでございます。

○畔上委員 今回のモデル事業は、今のご答弁ですと、児童発達支援事業所が対象なんだということなんですが、必要性という点からいいますと、やはり放課後デイも私は同じだと思います。ぜひ前向きに今後検討していただきたいと、これは要望しておきたいと思います。
 次に、議案の第八十八号、八十九号です。
 省令の改正により、指定就労継続支援A型事業所の運営規程、賃金及び工賃の支払い等の基準に係る規定を設けるための条例改正と、それから就労継続支援A型事業所の運営規程等に係る規定を設けるための条例改正です。
 この事業所は、一般就労が困難な障害のある人の継続的な就労を保障する大切な場所であります。しかし近年、先ほど放課後デイのように、福祉を利用して給付金獲得のために新たにA型事業所をつくるなど、こういった問題が全国的に発生しているわけです。
 就労継続支援A型の都内事業所数の直近の五年間の推移について伺いたいと思います。

○高原障害者施策推進部長 直近五年間では、各年四月一日時点で、平成二十四年、三十七カ所、平成二十五年、五十二カ所、平成二十六年、六十三カ所、平成二十七年、七十九カ所、平成二十八年、九十八カ所で、直近の平成二十九年二月一日現在では百六カ所となってございます。

○畔上委員 こちらもかなりの勢いでふえているということであります。
 就労継続支援A型に関する運営基準を改めることになりました、その背景について伺います。

○高原障害者施策推進部長 就労継続支援A型につきましては、全国的に近年事業所数が急激に伸びている中、平成二十七年九月、国の通知におきましては、収益性のない仕事しか提供せず生産活動による収益だけでは最低賃金が支払えない場合や、全ての利用者の労働時間を一律に短時間としたり、一定期間経過後に事業所を退所させるなど、不適切な支援を行う事業所の存在が指摘をされてございます。
 このため、平成二十七年十二月の社会保障審議会障害者部会の報告書では、就労継続支援A型につきまして、利用者の就労の質を高め、適切な事業運営が図られるよう、運営基準の見直し等を図るべきとしており、国はこれを受けましてこのたび省令改正を行ったものでございます。
 省令改正を踏まえまして、都におきましても、事業運営のさらなる適正化を図るため、本定例会に条例改正案を提出しているところでございます。

○畔上委員 国に倣っての条例改正だと。全国では、狭い一室にぎゅうぎゅうに障害のある人たちが入って軽作業をさせられ、そしてトイレに行きたくても挙手をして順番に行かされるなどの、まさに人権侵害ともいうべき事業所の実態も告発されています。
 インターネットでも、今注目のフランチャイズビジネス、事業収益例ということで例が出ていたんですが、年間売り上げ二千六百四十万円で、営業利益は一千百万円などと出ているんですね。こうした営利コンサルティングには、やはり厳格な行政の指導が必要だというふうに思います。
 都内の事業所の中にも、私も近隣の方から、本当にあそこは大丈夫なんでしょうかという不安の声が寄せられた事業所もございました。障害のある方々に寄り添って、本当に就労を継続してできるようにするそういう事業、そして障害者の方々の就労の権利を保障する事業という、本来の目的の事業を推進するためには、やはり条例改正でその運営基準を明確にするということと同時に、こうした目的とはほど遠い事業所が本当にないかどうか、実態をしっかり把握することが非常に大事だというふうに思います。
 都として就労継続支援A型の実態調査を行うべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○高原障害者施策推進部長 都は、就労継続支援事業所に対しまして毎年度、利用者に支払う賃金及び工賃の実績について調査を行うほか、生産活動の内容に関する調査を実施しております。
 加えて来年度は、就労機会が適切に提供されているか、賃金が生産活動による収益から適正に充当されているか等についての調査を実施することを予定してございます。

○畔上委員 今のご答弁だと、条例改正を受けて調査の拡充もされるということですから本当によかったと思いますが、ぜひ、声を上げにくい、声を上げることができない障害のある方々の大切な就労の場でありますから、障害者の権利を守る立場で調査、指導に取り組んでいただきたいということを要望しておきたいと思います。
 次に、議案第四十七号についてです。
 都立の障害者支援施設及び都立障害者福祉サービス事業所の民間移譲の条例改正についてです。高次脳機能障害の方の機能訓練、また入所できる練馬障害者支援ホーム、それと、都としては唯一の視覚障害者の方々の生活支援センター、そしてもう一つが重度の肢体不自由の方の施設の八王子自立ホーム、この三カ所の民間移譲です。
 これまでも、都立施設の福祉水準の維持向上の役割や、指定管理施設とはいえ都が現場を持っていることの意味は大きいんだという立場で、都立施設の民間移譲の問題には繰り返し意見を述べてまいりました。
 私は、民間の社会福祉法人やNPO法人の方々の本当に福祉にかける思いや情熱、これもたくさん触れてまいりましたが、民間で実に苦労されていながら本当に頑張っている姿を見て、支援の強化とともに、やはりこうした福祉の質的水準を維持向上するための都としての役割、公的責任を果たすことが求められているというふうに痛感しています。民間移譲によって施設運営がどう変わるのかという点について、何点か伺いたいと思います。
 まず、二〇一七年度民間移譲される、先ほど申し上げました三つの施設の年間運営費はそれぞれどのぐらいになる見通しなんでしょうか。

○高原障害者施策推進部長 民間移譲後、各施設は、国からの給付費のほか、都のサービス推進費補助及び建物維持管理費補助により運営を行うこととなります。
 平成二十七年度のこれらの実績等をもとに試算をいたしますと、東京都練馬障害者支援ホームは約二億四千百万円、東京都八王子自立ホームは約二億四百万円、東京都視覚障害者生活支援センターは約八千万円と推計されます。

○畔上委員 そういうことになりますと、現行の指定管理でいえば、練馬でいえば約二千六百万円の減額、視覚障害者支援センターでは二千四百万円の減額、八王子で約二千六百万円の減額というふうになるわけです。
 では、今後、移譲先の法人が建物の増改築や修繕等を行う際には、その費用は誰が負担するんでしょうか。

○高原障害者施策推進部長 民間移譲後は原則、移譲先法人が創意工夫を生かし、自主的に施設を運営することとなります。
 したがいまして、老朽化等に伴う施設の建てかえは法人みずからが計画し実施をいたしますが、その際、都は建てかえに要する経費の八分の七を補助することとしてございます。
 また、建てかえを行うまでの間は、建物の躯体部分の修繕や計画的に行う大規模修繕は東京都が費用を負担し、日常的な修繕や簡易、小規模な修繕は移譲先法人が費用を負担することとなってございます。

○畔上委員 つまり、建てかえが終われば、その後は大規模改修の負担も法人が持つということになるわけですね。
 民間移譲後の各施設の職員数は、それぞれどのぐらいになる見通しなんでしょうか。

○高原障害者施策推進部長 都は現在、指定管理施設につきまして職員配置に関する指定管理基準を定め、国基準を上回る職員を配置してございます。
 今回の民間移譲の公募、選定におきましては、職員配置に関する指定管理基準を示した上で、さらにサービス水準の維持向上を図ることを事業実施に関する公募条件とし、職員配置計画の提出を求めたところでございます。

○畔上委員 サービス水準の維持向上を図ることを事業実施に関する条件とするんだといっても、先ほどのご答弁にもあったように、施設運営費の八割は人件費ですから、先ほども示していただいたように二千六百万減額された中で、事業所としても、人数をそろえるためには、結局、非常勤をふやすなど、働く者にとっては、また運営にとっても、創意工夫の名のもとに大変苦しい選択を迫らざるを得ないということになると思うんです。
 民間移譲後の施設運営がどのように変わったのか、そして利用者にとって、また職員にとってどう変わったのかが重要だと思うんです。これまで民間移譲してきた施設の後追いの調査というのは実施されてきたんでしょうか。

○高原障害者施策推進部長 都は、民間移譲を実施した一年後に、当該施設の利用者を対象といたしまして、利用者サービスの充実度やこれに対する満足度など、移譲後の運営状況に関するアンケート調査を実施してございます。
 さらに、建物の無償貸付期間である五年ごとに、施設の運営状況を確認するため、運営状況評価も実施してございます。初回は学識経験者、弁護士、公認会計士、関係自治体職員等により構成をいたします民間移譲施設運営事業者評価委員会、これを設置いたしまして評価を行い、その後は書面による総合的な評価を実施してございます。

○畔上委員 東京都は、二〇〇六年二月に福祉・健康都市東京ビジョンを策定して、これまで三十もの都立施設を移譲してきたわけです。その一つの重度身体障害者施設、清瀬療護園、ここでは今どのような実態になっているかちょっと調べてみました。五年前に民間移譲した施設なんですが、当時と比べて、療護単体の予算、これは大幅に減額となりました。それをどのように賄っていらっしゃるのかということを現場に聞いたら、ベテランの職員の給与は月七万ほど削減をしたと。新人は月一万円から二万円の削減だと。給与改定して下げざるを得ないという状況でした。
 その上、建てかえを今迎えていて、今後は建物の大規模改修などの費用は出なくなって、約三千五百万が削減されるということです。五年間は何とかサービス推進費をこれまでの経過措置として上積みしていただいてきたが、今後はなくなっていくと。今時点でも職員が足りなくて、利用者を待たせることがふえてしまったと。現場の職員は大変悩んでいらっしゃいました。
 利用者が楽しみにしていた宿泊旅行も日帰り旅行もなくなりました。入所者の家族の方からは、職員が減っている上に、重い障害者のケアになれていない職員がふえて大変心配だとの声も寄せられました。これで本当にサービス向上といえるんでしょうか。私は、都立の障害者施設において必要な都立としての公的責任を果たすべきだということを強く申し上げておきたいと思います。
 次に、難病対策についてです。
 二〇一五年一月に、難病の患者に対する医療等に関する法律がスタートして、それに伴って医療費助成の対象となる従来の五十六疾病から、昨年七月には三百六疾病へと拡大されました。
 私が心配になったのは、まず、来年度は今年度と比べて難病の国疾病の予算、これは都じゃなくて国疾病の予算が六十二億円でしたか、六十億円余も減額されていると。難病国疾病の予算の大幅の減額、この理由をお示しください。

○上田保健政策部長 平成二十七年一月に難病の患者に対する医療等に関する法律が施行され、同年七月までに、医療費助成の対象疾病の数が従来の五十六から三百六へと大幅に拡大されました。
 平成二十八年度の予算は、国が示した疾病拡大後の受給者数百五十万人という試算をもとに、全国に占める都の人口の割合から、都の受給者数を約十五万人と見込み積算したものでございます。平成二十九年度の予算は、平成二十七年度末の全国の受給者数約九十四万人、都内の受給者数約八万八千人という実績等をもとに、改めて積算をしたものでございます。

○畔上委員 国疾病の対象は拡大したけれども、対象者の見込みが予定よりもかなり少なかったということですね。私が大変危惧しているのは国の重症基準、これを満たさないと対象にならなくなって、三年間の経過措置はあるものの軽症者ははじかれることもあるわけです。対象者が見込み数よりも少なかったという理由の一つになっているんじゃないかと心配しています。
 例えば、膠原病の患者さんで、対象から外され不安という方もいらっしゃいました。軽度のうちからしっかり治療が続けられるように、東京都として実態をよく調査して、国に対しては、重症基準や所得制限の緩和、経過措置の延長など、意見をぜひ上げていただきたいと、これは要望しておきたいと思います。
 それから現在、都の特殊疾病対策協議会において、今後の難病対策の方向性についての議論が行われております。議事録も読ませていただきましたが、今月の三十日にその報告が出るということであります。
 難病患者に対する療養生活の支援の拡充について、協議会においてどのような議論がされているでしょうか。

○上田保健政策部長 現在、都では、学識経験者や支援機関の代表者等で構成する東京都特殊疾病対策協議会におきまして、今後の難病対策の方向性を検討しております。
 これまでの協議会では、療養生活の支援の拡充につきまして、多くの難病患者が療養生活を送るとの状況を踏まえまして、今後も効果的な相談支援体制について検討していくこと、就労支援について現状の取り組みを検証し、より一層の充実を検討すること、相談支援の専門性を確保するため、医療との連携をより密に図り、専門医を初め多職種からのバックアップを受けられる体制を確保すること、都は、患者等が気軽に集い、関係機関の支援者と交流できるような場を設置し、支援が必要な患者につきましては関係機関や適切な支援サービスにつなげていくことなどにつきまして議論が行われたところでございます。

○畔上委員 これは要望しておきたいんですが、私も議事録を読もうと思ってホームページを見たら、まだ去年までの議事録しかないんですね。ことしの二月二十日にも協議会が行われているんだけれども、まだ載っていないと。できるだけ早期にこうした協議会の議事録は載せていただきたいなと、これは要望しておきたいと思います。
 内容の方なんですけれども、療養生活の支援の拡充を行っていくということなんですが、医療機関、それから福祉、労働行政、こことしっかり連携して支援体制が求められていると思いますが、その具体化をぜひとも進めていただきたいと思います。
 そうした中で、難病支援センターの機能、これはどのように変わるんでしょうか。

○上田保健政策部長 先ほどお答えしましたとおり、現在、都は東京都特殊疾病対策協議会におきまして、今後の難病対策の方向性を検討してございます。
 協議会では今年度中に今後の難病対策の方向性に係る報告書を取りまとめる予定でございまして、その内容も踏まえ、今後の難病相談・支援センターの機能のあり方について検討してまいります。

○畔上委員 三月三十日に出される予定の報告書の中身を踏まえて検討するということですが、難病相談・支援センターは、何よりも患者さんの皆さんに寄り添った相談活動、それから支援をされている拠点であります。先ほどのご答弁では、都はより多くの疾病に対応できる体制整備、就労支援のより一層の充実の検討を進めるというご答弁があったんですが、やはり利用者の方々の意見をよく聞いていただいてより充実するとともに、相談事業の空白がつくられることがないように都として十分配慮していただきたいと、このことを要望しておきたいと思います。
 最後のテーマは保育の拡充です。
 来年度の認可保育園の申込結果が通知をされ、改めて保育に対する声が私のところにも寄せられています。ゼロ歳、一歳と、また入れなかったと。仕事をやめたら夫だけの収入では生活できませんと。こういった声や、一歳児で区役所の申請窓口に行ったら、まず厳しいでしょうねといわれ、ママ友に聞いたら、自分よりも点数の高い人も入れなかったと聞いて、申し込みそのものを諦めてしまったと。そういう深刻な事態になっています。
 都議会にも、この厚生委員会に付託されました待機児解消と保育の質の向上を求める請願、これは八万八千七十三人のたくさんの方たちの署名で提出されている。さらに、もう一つの請願も、二千七百五十五人という方たちから提出されています。本当にたくさんの方々の切実な声として、私は、都としても、また都議会としても、この声をしっかり受けとめなければいけないというふうに思います。
 都は、二〇二〇年に向けた実行プランで、保育サービスの増設目標を四年で七万人分まで引き上げたこと、それから来年度予算案で保育士の処遇改善の費用を大幅に増額したこと、そして保育園を建てるために二十三区内で土地を貸し出す方に対する固定資産税及び都市計画税の減免措置を創設したこと、これは大変重要だというふうに思います。しかし、まだまだ保育園が足りないというのが現実なわけです。
 私たち都議団は、都内のことし四月入園の一次選考における不承諾数等の調査を行いました。十八区二十五市三町一村、まだ二月の段階だったんで、そこの到達なんですが、一次選考の不承諾数または未内定者数を把握することができました。合計で二万八千五十一人でした。
 四年間で七万人の目標、これをぜひ前倒ししていただきたいと思いますが、いかがですか。

○横手子供・子育て施策推進担当部長 二〇二〇年に向けた実行プランで定めた整備目標は、就学前児童人口の推移や保護者のニーズなどを踏まえて設定したものでございます。
 来年度は、区市町村の計画なども踏まえ、保育サービスの整備目標を改めて検証し、東京都子供・子育て支援総合計画の中間の見直しに反映する予定でございます。

○畔上委員 ということは、整備目標は改めて検証するということですね。
 去年の待機児童数、いわゆる隠れ待機児も含めて、二万七千人でした。職場復帰しようと思っていた保育士さん自身も入れないという実態があります。働く女性が増加する中で、前倒しでふやせるように求めたいと思います。
 来年度で一万八千人という保育整備の目標、この内訳をお示しください。

○横手子供・子育て施策推進担当部長 保育サービスは、保育の実施主体である区市町村が、地域の実情を踏まえ、認可保育所、認証保育所、認定こども園、小規模保育など、さまざまな保育資源を活用して整備するものでございまして、サービス種別ごとの整備目標は定めてございません。

○畔上委員 保育の整備目標の達成はさまざまな保育の活用でということですね。しかし、現実は、認可保育園をふやすことが中心になっています。現にこの一年で、区部と多摩で見ましても、認証保育はむしろ定数が減っています。認可保育園で一万六千七百四十六人分ふえています。以前も申し上げましたけれども、この間の教訓というのは、やはり認可保育園に予算をつけてこそ保育定数がふえるということであります。それは、保護者や関係者の切実な願いでもございます。この立場で引き続き認可保育園増設に努めていただきたいと思います。
 私は今回の代表質問におきまして、緊急対策として、公立保育園をこの間ふやしている北区の取り組みを紹介いたしました。そして推進を求めました。公立保育園の保育士の求人には応募者が殺到しています。公立保育園を増設することは、保育士を確保し、待機児童解消を進める最も効果的な方法の一つなわけです。ところが、公立保育園は、ふえるどころか、この十年で百施設、四千人分以上も減っていると。本当にもったいない話だというふうに私は思います。北区だけではなく府中市からも、公立保育園の保育環境整備の補助、これを求める声が、厚労省の聞き取り調査、去年行いましたが、そこでも明らかになっています。
 改修時期を迎えている公立保育園の整備補助、これを求める声が自治体からも上がっているということについては、どのように受けとめられているんでしょうか。

○横手子供・子育て施策推進担当部長 公立保育所を整備するかどうかは、区市町村がみずから判断するものでございます。
 なお、公立保育所の整備費は、平成十八年度に税源移譲されておるところでございます。

○畔上委員 区市町村の判断なんですけれども、しかし、そういう区市町村からも声がある、一日も早く保育園の受け入れをふやしたい、そういう自治体の声にやっぱり耳を傾けていただきたいなと思います。
 公立保育園が減っている背景には、施設整備費への補助、それから運営費の補助が、国からも都からも、先ほどご説明があったように、税源移譲されて出ないという問題があります。待機児解消対策が急務となっている中で、やはり公立保育園増設、建てかえ、これに伴って定員増を行う場合の施設整備に都が補助する、こういうことを初め、区市町村が公立保育園を活用する取り組みをぜひ後押しする、そういう支援に踏み出していただきたいということを求めておきたいと思います。
 公立保育園については人件費の問題も大きいといわれていますが、必要な公務員はやはりきちんとふやすということは行政の公的責任だということも申し上げておきたいと思います。
 厚労省の自治体の聞き取りの中でも、また、保育現場で働く方々の声を、私もこの間さまざまな場で聞かせていただきましたが、本当に保育士の処遇改善は待ったなしの課題だというふうに思います。先ほども中山理事からもお話がありましたが、本当にそうだと思います。
 国の公定価格、これは十一時間開所、それから土曜日の開所が十分考慮されていないなど、基本的な単価では最低限度の人員配置しかできないわけです。保育園として、本当にゆとりを持ったいい保育をしたいと、人員配置や長期的に見込まれる費用を保障できる単価が欲しいと思っているけれども、実際にはそうなっていないということなわけです。
 そのために、非正規をふやして人員体制を何とか確保すると。そうなると、正規の職員の方が担うべき仕事量がどうしてもふえて負担が重くなると。この矛盾を解決するためには、やはり現場で必要な、本当に必要な人員配置を十分できる、そういう人件費が必要なんだというふうに思います。
 都として、国の公定価格の抜本的な見直し、これを求めるべきではないでしょうか。

○横手子供・子育て施策推進担当部長 公定価格での事務職員に関する経費については、基本分単価に非常勤事務職員分が含まれているとともに、延長保育、一時預かり、病児保育等の事業を実施している施設に対しては、事務職員雇い上げ費加算が適用されております。
 都は、子供・子育て支援施策の強化推進を図るため、恒久的、安定的財源を十分に確保するとともに、大都市の実情に応じた財政支援を行うことを国に繰り返し提案要求しているところでございます。

○畔上委員 今ご答弁があったように、やっぱり加算なんですよね。やっぱり基本単価できちんと上げていくということが非常に求められていると思います。ぜひ強く引き続き要望していただきたいと思います。また、この基本単価を上げるということを求めていただきたいと思います。
 ある保育園では、四人が産休中にもかかわらず、新たに人を確保できないために、常勤職員に大きな負担となってしまい、一人が退職、一人が病休、二人から退職願が今出ている状況だというふうに伺いました。子供は大好きだけれども、もう好きだけでは続けられません、給与の引き上げとともに、ゆとりを持った人員配置ができる職員配置基準を本当に見直してほしいなど、賃上げとともに職員の配置基準の見直しを求める声、これは本当に多く寄せられています。ぜひ、こうした保育現場の声に即した公定価格に抜本的に見直すよう求めていただきたいということを改めて申し上げておきたいと思います。
 キャリアアップ補助については、先ほど中山理事の方からお話があったので飛ばします。
 来年度の予算では、所管は産労になるんですが、企業主導型の保育、これを百カ所ふやしたいという目標になっております。企業主導型保育というのは認可外施設です。保育士基準は、十九人以下の子供を見る小規模保育事業所B型と同等で、保育士の半分は保育士資格がない、そういう保育補助者でもよく、保育の質の低下や安全性が危惧されております。一方で、子供の年齢制限も人数制限もございません。
 企業主導型保育の保育の質、これを確保するために、都はどのような対策を講ずるんでしょうか。

○横手子供・子育て施策推進担当部長 企業主導型保育事業は、児童福祉法第五十九条に基づく認可外保育施設でございまして、都は同条に基づく立入調査や書面による報告徴収、巡回指導などを実施してまいります。
 なお、企業主導型保育助成事業の実施主体として国が選定しました公益財団法人児童育成協会が、職員配置や設備の基準など助成要件に関する指導監査を行うこととなっております。

○畔上委員 育成協会が指導監査するということなんですが、この間、私は規制緩和による保育の質の低下について何度も問題点を指摘してまいりましたが、何よりも、子供の命と発達にかかわる、こういうことだからです。都としても、保育の質を守る対策として、保育施設の巡回指導、事前通告なしの調査を実施することにした、このことは大変大事なことだというふうに思っています。
 この保育の巡回指導がスタートして、まだスタートしたばかりなんですけれども、この三カ月の指導の特徴、また課題について伺いたいと思います。

○横手子供・子育て施策推進担当部長 認可外保育施設の巡回指導についてでございますが、現在、巡回指導員六名が指導を行う上で必要となる知識や技術等の研修を修了し、二名一班体制で認可外保育施設に対する巡回指導を実施しております。
 巡回指導の方法は、都が独自に作成した認可外保育施設巡回指導チェックリストをもとに、日々の保育方法や午睡対応等を指導助言しております。
 チェックリストは、職員配置、建物設備の状況、災害対策、保育内容、健康、安全の管理など、日々の保育を行っていく上での具体的な項目で構成されております。
 また、抜き打ちにより午睡対応等についても確認してまいっているところでございます。

○畔上委員 今月の八日に都の検証委員会で、事業所内保育で一歳児のうつ伏せ寝での死亡事故についての報告書をまとめました。私も読ませていただきましたが、保育の質について大事な提言が行われた報告書だなというふうに思いました。
 亡くなったお子さんのお母様が先日記者会見をされていましたけれども、その中で、提言を現実に実行していかなければ意味がありません、国や自治体、事業者は、提言を一つ一つ実現していってほしい、もしこれが自分の子供だったらと考えてください、現実問題として難しいことがいっぱいあるのはわかるけれども、誰かが信じて実行しないとゼロにはなりませんと訴えられていたことを深く受けとめたいと思いました。
 都にもしっかりと、十四の提言が出ておりましたが、この提言をしっかり具体化をしていただきたい、これを要望しておきたいと思います。
 東京都は、認可外保育施設の立入調査の報告を出していますけれども、この報告を見ますと、人員配置や施設整備で指導されているケースが意外と多いんですね。行政が指導監督でかかわっているという面ではよいことだというふうに思うんですが、基準をクリアせずに、現に子供を保育しているということ自身が大変心配です。
 認可外保育施設に対する立入調査はどのような観点で行っているのか、改めて伺いたいと思います。

○松浦指導監査部長 都は、保育を受ける児童が心身ともに健やかに育成されるよう、児童福祉法に基づいて、認可外保育施設に対する立入調査を行っております。
 立入調査では、認可外保育施設指導監督基準に基づき、職員の配置状況や設備の維持管理状況などの運営面と、保育、食事、健康管理の状況などの保育内容について、基準に適合しているか確認しており、基準を満たしていないことが認められた場合には、口頭または文書による改善指導を行っております。

○畔上委員 基準自体が低いのに、それを満たしていないということは子供の命にかかわるわけです。保育士などの配置基準が守られていない、そういう状況が続いている事業所には、区市町村とも連携して、本当に丁寧な指導を繰り返し行っていただきたいというふうに思います。
 また、報告を見ますと、子供の安全や衛生面の確保にも欠けるような施設がある、このことが問題だなというふうに思っています。例えば、必要なトイレや手洗い、これも配置されていないところも見受けられています。
 建物、設備に関する事項、これは改善が難しい場合はどのように指導されているんでしょうか。

○松浦指導監査部長 建物や設備に関しましても改善を図るよう指導しており、例えば児童専用のトイレがないなどの指摘事項に対しましては、踏み台を設置し、大人用の便器に児童用の補助便座を置くことなどにより改善が図られております。
 また、手洗い設備が不足しているなど、大規模な改修工事や施設の移転が必要となる場合がございます。こうした直ちに改善を図ることができない場合につきましては、安全確保のため、現状においてできる最善の方法をとるよう助言を行っております。

○畔上委員 基本的なトイレとか手洗いとか、そういう設備ができないというところは、そもそも申請前の段階で指導がなされるようにしなければ、やはり被害をこうむるのは子供たちなわけです。基本はやっぱり認可保育園をしっかりふやすことだというふうに思いますが、現に子供たちがそこで保育を受けているという現状があるわけですから、そのことを考えれば、やはり最善の努力を指導することを強く求めたいと思いますし、やっぱり事前相談の段階で対策をきちんと講ずるようにぜひ指導していただきたいと、そのことも求めまして、私の質問を終わります。

○小林委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩をいたします。
   午後五時一分休憩

   午後五時十六分開議

○小林委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○上田委員 私もマタハラに遭いまして、保育園に入るのに非常に苦労しました。そのときの息子は、大学をことし卒業しまして、四月から新社会人になります。まずは、私の一丁目一番地の政策、そしてテーマでございます、保育園待機児童解消に向けての質問をさせていただきたいと思います。
 資料26を見ますと、深刻な状態が見てとれます。子供、子育て支援制度におきまして、幼保一体化の議論も進められているにもかかわらず、こども園が伸び悩んでいるという現状です。こども園に移行する障壁緩和策として、幼稚園の預かり保育に対しての補助拡充などが盛り込まれております。
 知事就任後、補正予算百二十六億円を投入した待機児童解消緊急対策から新予算を踏まえた待機児童の現状と課題、それに対するお取り組みについて福祉保健局の所見をお示しください。

○横手子供・子育て施策推進担当部長 都はこれまで、保育サービスの拡充に向け、区市町村や事業者の整備費の負担の軽減や、国有地、民有地の賃借料補助など、さまざまな独自の整備促進策を実施してまいりました。
 待機児童の解消に向け、保育サービスの整備をさらに加速させる必要があることから、昨年九月、保育所等の整備促進、人材の確保・定着の支援、利用者支援の充実の三つを柱に、整備費補助の充実や都有地活用の推進、保育従事者のための宿舎借り上げ支援の拡充、認可外保育施設利用者の支援など、十一の対策から成る待機児童解消に向けた緊急対策を取りまとめました。
 また、来年度は、保育人材の確保、定着を図るため、保育士等キャリアアップ補助を拡充することとしております。
 都内の保育ニーズは出生数の増加や人口の流入、共働き世帯の増加などにより、依然としてふえております。二〇二〇年に向けた実行プランでは、平成三十一年度末までに保育サービスを七万人分拡充し、待機児童を解消する目標を掲げており、来年度は区市町村の状況を踏まえながら、保育サービスの整備目標を改めて検証し、東京都子供・子育て支援総合計画を改定する予定でございます。
 今後とも整備目標の達成に向け、区市町村と連携しながら、効果的な施策を進めてまいります。

○上田委員 小池知事新体制になりまして、いよいよ絵に描いた餅から実動的な計画となり動いてきたことが見てとれました。
 さて、幼保一体化の推進に当たりまして、幼稚園の参入を促すための各局との連携を踏まえたお取り組みを確認させてください。

○横手子供・子育て施策推進担当部長 都は、子供、子育て支援に関する施策の総合的かつ計画的な推進に関し、必要な事項及び施策の実施状況を調査審議するため、東京都子供・子育て会議を設置しております。
 子供・子育て会議は、特に児童福祉と幼児教育の双方の観点を持った者が参加し、地域における子供、子育て支援について調査審議していく必要があるとされており、保育事業者団体や私立幼稚園団体の代表者に参画いただくとともに、福祉保健局、生活文化局及び教育庁などが連携して会議を運営しております。
 子育て支援施策の検討に当たりまして、私立幼稚園を所管する生活文化局や公立幼稚園を所管する教育庁と連携しております。

○上田委員 幼稚園は文科省、保育園は厚労省ということで、縦割りになりがちな幼稚園の参入インセンティブを福祉保健局としてどう促していくのか、都の独自補助に期待する効果をあわせて問わせてください。

○横手子供・子育て施策推進担当部長 私立幼稚園等一時預かり事業費補助の活用などにより、幼稚園における預かり保育が進むことで、就労家庭等の子供の幼稚園への入園が可能となるなど、保護者の多様なニーズに対応できるものと認識しております。
 また、幼稚園と小規模保育施設との連携促進により、小規模保育の整備促進が期待されます。
 補助制度が積極的に活用されるよう、生活文化局と連携し、区市町村に働きかけてまいります。

○上田委員 よろしくお願いします。
 そして資料25では、江戸川区では、断トツな保育ママの数ということで、これがメーンでやっておりますが、利用者からすると選択肢が限られ、ママの人材確保も苦慮しております。
 美濃部都政時代から始まった保育ママ制度への現時点での評価についてご説明ください。

○横手子供・子育て施策推進担当部長 家庭的保育事業は、ゼロ歳から二歳児を主な対象とし、保育者の自宅など家庭的な雰囲気のもとで、少人数の乳幼児に対し、同一の保育者によるきめ細かな保育を提供するものでございます。
 都は、保育の実施主体である区市町村が、地域の実情を踏まえ、認可保育所、認証保育所、認定こども園、小規模保育事業など、さまざまな保育サービスを拡充できるよう支援を行っており、家庭的保育事業はこうした多様な保育サービスの一つであると認識しております。

○上田委員 確かに待機児童に非常に貢献はしてくださっているとは思うんですが、やっぱり保育ママと赤ちゃんと、どうしても密室保育になってしまいます。安全の担保を踏まえた今後の展望を伺います。

○横手子供・子育て施策推進担当部長 都は、家庭的保育者の質の向上を図るため、家庭的保育者向けの研修を実施するとともに、保育者の休暇取得時に代替の保育の場を確保したり、複数の保育者が共同して保育を実施する場合の支援を行っております。
 また、区市町村が実施する研修機会の確保や家庭的保育支援者等による定期的な巡回指導、連携保育所の確保等に係る経費を補助しております。
 今後とも区市町村と連携しながら、家庭的保育事業における質の向上に取り組んでまいります。

○上田委員 児童福祉法をしっかり読み込むと、あくまでも保育ママは二次的なものということで、やはり保育園メーンというスタイルは変えずに進めていただきたいと思います。
 次に、杉並区では、今、あきのある保育園が出ておりまして、ワーストワンの世田谷区や練馬、武蔵野、三鷹といったやっぱり待機児童の多い近隣自治体のご父兄から問い合わせが来ているということです。
 これで、この保育園が杉並区に区を超えての募集を問い合わせたところ断られてしまったということでございまして、つきましては区市町村域を超えた園児募集などにおける現状の制度、申請を予定する保護者への隣接自治体の空き情報など、情報提供のサポートにつきましてご説明ください。

○横手子供・子育て施策推進担当部長 保護者が居住地と異なる区市町村に所在する保育所の利用を希望する場合、保護者は居住する区市町村に申し込みを行い、保護者が居住する区市町村と保育所が所在する区市町村との間で調整を行います。施設が所在する区市町村は、他の区市町村に居住する住民の利用に関する優先度の取り扱いに基づき、当該保護者の保育の必要度を踏まえつつ、地域における待機児童の発生状況や保育所の定員の状況などを勘案して利用調整を行います。利用調整の結果、入所できなかった保護者に対しては、保護者が居住する区市町村が他の保育サービス等の利用調整を行うことが基本とされております。
 都は、区市町村が保育所等の利用を希望する保護者にきめ細かく対応できるよう、情報提供や相談、助言などを行う保育コンシェルジュの増配置を支援しております。
 なお、お話の杉並区では、杉並区外に居住する方が杉並区内の保育所の利用を希望する場合、杉並区に転入予定がある方、もしくは杉並区に在勤、在学している方に限り、申し込みを受け付けております。

○上田委員 杉並区は待機児童が多くて、せっかく事業者が出てきて、あきがあると、子供一人に予算がつくので非常に運営が厳しくなるかと思いますので、何とか、規制緩和と申しますか、していただければというふうに思います。
 次に、今度、東京都では、保育園等の事務軽減化におきまして新しい取り組み、保育事務のICT化を、私は大いに期待するところであります。事務軽減化におきまして、ツールを配っておしまいではないかと心配をしております。
 どのような保育現場の要望があり、事務軽減化を受けとめてこの事業を開始するのか、具体的な経緯と解決に向けての対策をご説明ください。

○横手子供・子育て施策推進担当部長 国は現在、保育所等における保育業務支援システム等の導入を支援する事業や、ICT化を進める保育事業者に対する助言指導等を支援する事業を実施しておりまして、このうち、システム等の導入を支援する事業は、今年度で終了する予定でございます。
 都が保育事業者に対しヒアリングを実施したところ、今年度中のシステム導入は困難であり、引き続き事業の継続を希望する声が複数ございました。このような保育事業者からの意見を踏まえ、来年度、都独自に保育所等のICT化の取り組みを支援する事業を実施し、保育業務支援システムの導入経費を補助いたします。

○上田委員 私は、実は二〇〇一年、保育園の第三者評価導入におきまして、東京都に選んでいただきまして第三者評価連絡協議会のメンバーでありました。ですので、第三者評価は非常にいいんですけれども、事務量が非常に多いというように今いろいろ現場から声も聞いております。
 つきましては、福祉保健局を中心とした行政側の申請手続の効率化など、現場に不要な負荷をかけないような事務作業効率化に向けた見直しをすべきと考えておりますが、問題意識と検討についての所見を伺います。

○横手子供・子育て施策推進担当部長 行政への申請手続は、最大限効率化する必要があると考えますが、一方で、補助金等の場合は、都民の貴重な税金であることから、適正な審査を行うための書類の提出を求める必要がございます。
 都は、保育士が保育に専念できるよう業務負担の軽減を図るため、先ほど申し上げたように、ICT化の取り組みを支援するとともに、日誌の作成や翌日の準備などを行う保育補助者や、清掃や給食の配膳など周辺業務を行う補助者を雇用する事業者を支援しております。
 また、子ども・子育て支援新制度の複雑な給付費の算定等を簡素化するなど事務負担軽減を図ることを、都と政令指定都市で構成する児童福祉主管課長会議を通じ、国に対して要望しております。

○上田委員 サポート状況がわかりました。
 次に、畔上委員からもご指摘がありましたが、巡回指導体制について聞きたいと思います。三月八日に公表された東京都教育・保育施設等における重大事故の再発防止のための事後的検証委員会からの報告及び提言についてでございます。
 遅きに失した感は否めませんが、これまでになく、第三者の立場に立って、児童福祉の専門家、医師、弁護士を交えた検証委員会を設け、事故に遭われた家族へのヒアリングを行ったことは、再発防止に大きく貢献し、何より、失われた余りにもとうとい命への、二度とこのような事故を起こさないという強い思いと受けとめさせていただいております。改めまして、亡くなられたお子様のご冥福をお祈り申し上げます。
 ついては、これらの経緯を踏まえて巡回指導体制を強化、新予算に盛り込んでいただきましたが、現場での運用が真に機能するためにはどのような内容となっているのか、具体的な対策を伺います。また、新規事業者への今回のこの報告書の啓発についての取り組みも伺います。

○横手子供・子育て施策推進担当部長 来年度の巡回指導は、非常勤職員を二十名配置し、一班二名による十班体制に編成して実施することとしております。
 巡回指導の方法は、都が独自に作成した認可外保育施設巡回指導チェックリストをもとに、日々の保育方法や午睡対応等を指導助言してまいります。
 チェックリストは、職員配置、建物、設備の状況、災害対策、保育内容、健康、安全の管理など、日々の保育を行っていく上での具体的な項目で構成されております。
 また、抜き打ちによる午睡対応について確認してまいります。
 今回の検証委員会からの報告書の内容は全ての保育所等に周知しておりまして、認可外保育施設の開設を考えている事業者等への事前説明会や開設届けのあった際にも内容の周知を図ってまいります。

○上田委員 また、巡回の人手が足りないという現場の皆さんの声も聞いていたので、今回予算もついて、こうした実質的なことも実現できることも非常に喜ばしいと思います。
 そして、一般的にリスクが高いとされるうつ伏せ寝についてなんですが、これをやはり禁止して、都の全ての児童福祉の現場で徹底を求めるものですけれども、対応を伺います。

○横手子供・子育て施策推進担当部長 検証委員会からの報告では、国に対し、自治体や保育事業者が取り組みやすいよう、午睡で留意するべき内容を具体的に示すこととされております。
 また、都や区市町村に対しては、一歳以上でも、子供の家庭での生活や就寝時間、発達の状況など、一人一人の状況を把握できるまでの間は必ずあおむけに寝かせて、子供の安全確認をきめ細かく行うことなどを都内全保育所に対して周知徹底することとされております。
 都はこの提言を踏まえ、全ての保育所等に報告書の内容を周知するとともに、巡回指導において、抜き打ちで午睡時の対応を確認するなど、保育の現場の取り組みを徹底してまいります。

○上田委員 殊に、認可外への周知徹底をお願い申し上げて、次に、児童相談所です。
 全国の警察が、児童虐待における児相の通報は十二年間連続で過去最多を更新、最悪の五万四千二百二十七人と、昨今報道されました。私も何度もいっていますが、七年前に江戸川区では小一男児が虐待死をいたしまして、実際に私の地元江戸川区では、ようやっと児相の移管が進むということで、あと幾つかの区でもそうですが、一時保護所を含めた児童相談所設置に向けて新年度予算に計上させていただいております。
 施設などのハード、人材確保などソフトの観点から、現状の具体的な課題や懸念事項、区への児童相談所移管をクリアにするために東京都がどう区をサポートし、スムーズな移管に取り組んでいくのか、所見を伺います。

○松山少子社会対策部長 昨年の児童福祉法の改正により、市と同様に特別区も児童相談所の設置を希望する場合、政令指定を受け、設置できるようになりました。国は、児童相談所設置市への移行を希望する市から政令指定の要請があった際には、希望市における事務遂行体制が確保されていること、希望市と都道府県との連携体制が確保されていること、それらについて希望市と都道府県とが十分に協議を行い、希望市の児童相談所設置市への移行後も児童福祉行政の円滑な実施が見込まれることを都道府県において確認することなどを確認した上で、政令指定に必要な手続を行うこととしております。
 特別区が児童相談所を設置する場合には、区において、一時保護所の整備や児童福祉司などの専門人材の確保、育成等が必要となります。また、都内外の児童養護施設等への入所調整には、新たに都と特別区及び特別区相互間での連携協力が必要となります。さらに、児童相談所設置市として、児童福祉審議会の設置、児童福祉施設に関する事務、認可外保育施設に関する事務、小児慢性特定疾病医療費の支給等に関する事務を初め、児童福祉法で定める事務についても所管することとなります。
 現在、各区において、設置に係る課題の解決に向けた検討を進めていると聞いており、都は、特別区長会からの求めに応じて、児童相談所業務の内容や専門人材の確保、育成の状況などについても説明を行うとともに、検討に当たり必要な情報についても提供しております。
 また、区職員の研修派遣の受け入れについては、児童福祉司では従来二十人程度であったところ、来年度は受け入れ枠を三十五人まで拡大することとしております。
 都は引き続き、子供たちの安全や安心をいかに確保していくかという観点から対応してまいります。

○上田委員 資料12でもお示しいただきましたように、丁寧に進めていること、そして確実に移管に向けて動いていることを確認させていただいております。
 何よりもやはり大事なのは、一時保護所や養護施設の子供の人権と教育だということは、私、過去、質疑を重ねさせていただいていました。現状の児童相談所はもちろんですが、移管後、初めてのことが多いと思いますので、その相談所において子供の人権と教育を受ける権利ファーストであることはいうまでもないことです。
 昨年五月に成立した改正児童福祉法で、十月一日施行分で義務化された児童相談所への弁護士配置の取り組みについて伺いたいと思います。

○松山少子社会対策部長 昨年の児童福祉法の改正により、児童相談所に弁護士の配置、またはこれに準ずる措置を行うことが規定されました。
 都では、児童相談所の公的対応力の充実を図るため、平成十六年度から全ての児童相談所に非常勤弁護士を一名ずつ配置しており、定期的に児童相談所職員への法的な助言を行える体制をとっております。
 また、あわせて、緊急案件等への対応のため、協力弁護士として登録している弁護士に随時の相談を行える体制もとっております。

○上田委員 親権も絡むので、リーガルサポートが児相にあるというのは大変いいことだと思いますが、一点ちょっと確認したんですが、子供や保護者へのリーガルサポートはまた別の話ということでございますけれども、相談機関等がどこかに掲示をする等、保護者と子供へのリーガルサポートをちょっと要望したいと思います。
 さて、一時保護所、児童養護施設においてですが、人権擁護の環境、子どもの権利ノートの活用、一時保護所での憲法上これらが保障されている教育を受ける権利の保障、受験指導--受験期の子供なんかも入ってくると思います、資料11で示していただきましたけれども、現状を伺いたいと思います。

○松山少子社会対策部長 一時保護中の児童に対しては、児童福祉司や一時保護所の職員等がさまざまな機会を捉えて、虐待やいじめ等から守られる権利があることを説明しております。児童養護施設に入所する児童に対しては、嫌なことから守られる権利があることや困ったときの相談先などを記載した子どもの権利ノートを児童福祉司から説明の上配布し、児童養護施設の職員等が日常的な指導や子供会等での学習など、日々の生活の中で権利ノートを活用し、子供の権利について説明をしております。
 また、子供の教育について、一時保護所では学習指導員を配置し、子供の学年や学習の習熟などに応じた学習指導を実施するとともに、進学時期の子供に対しては、在籍校との緊密な連携を図り、受験対策も実施しております。

○上田委員 確実な実施のお願いをしたいと思います。
 私がこれまで確認させていただいておりました、どうしても子供というのは、ある意味家庭とか地域から遮断されてしまいますので、それでも例えば施設内や一時保護所内で虐待とか子供たちの人権が踏みにじられることがあった場合どうするのかということを確認しておりました。
 一時保護所内、児童養護施設内の子供のSOSの連絡体制、人権保障、担保、その後のお取り組みを伺います。

○松山少子社会対策部長 都では、一時保護所や児童養護施設に入所している児童に対し、児童福祉司等が定期的に面談しております。
 また、児童養護施設には権利擁護を担当する職員が定期的に訪問し、児童が生活する上での困り事等を確認しております。
 さらに、施設長や施設職員、一時保護所の新任職員に対しては、児童の人権や意見表明権の尊重などについて研修を実施しております。
 施設職員等による虐待については、児童本人や周囲の人から通告等を受けた際は、児童福祉法に基づく調査を実施し、必要に応じて施設等に対し改善指導を行っております。

○上田委員 ありがとうございます。子どもの権利ノートの後ろの方にも、SOSといいますか、子供たちの連絡先等書いてあるんですけれども、ちょっと電話が事務所の前にあってかけづらいとか、あと、それらがほとんど行政機関でちょっとどうかなというふうに思っておりますのと、あと、退所した子や一時保護所や、あるいは施設にいて出てきた子に聞いても、さっぱり子どもの権利ノートを見たことないというようなご意見も聞いて、子供だから忘れてしまうとは思うんですけれども、今後は、その連絡先にNPOさんとか加えていただきたいということと、やはりこの権利ノート、非常によくできていますので、ご活用をお願いしたいと思います。
 次に、里親委託推進についてでございます。
 事務事業質疑で、私、妊娠ほっとライン利用の数値を取り寄せました。これを見ますと、予期せぬ妊娠は潜在的には相当数あると考えました。
 都では、小池知事が家庭養護推進を明言、これまでゼロ件であった乳幼児からの里親委託、養子縁組を目指して新年度から乳幼児里親委託事業に注力することとなり、大いに期待するものでございます。
 かねがね私とおときた都議も推奨していました愛知県の赤ちゃん縁組のように、児童相談所が中心となって、乳幼児、妊娠中からの里親委託や養子縁組を推進するべきと考えております。こうして児相がかかわることにより、昨今、劣悪な養子縁組団体が逮捕されたこともありますので、民間を牽引し、民間を育てる支援にもつながると思います。
 ほっとラインと連携して、予期せぬ妊娠から特別養子縁組、里親委託など、児相を中心にした切れ目のない要保護児童対策についての検討、所見を伺います。

○松山少子社会対策部長 妊娠相談ほっとラインの窓口では、相談内容に応じて医療、保健、子育て支援などの関係機関を紹介するとともに、特に、継続的支援が必要と判断した場合は、保健所、保健センターへの相談を勧めております。
 児童相談所は、虐待、障害、非行など十八歳未満の子供に関するあらゆる相談に対応しており、予期せぬ妊娠により子供の養育が困難であるとの相談があった場合は、保健所、保健センター等の関係機関と情報を共有し、まずはできる限り家庭での養育ができるよう、連携して必要な支援を実施しております。
 その上で、家庭での養育が困難な場合には、子供の福祉を第一に考え、ケースごとに個別の状況を総合的に勘案しながら、まずは養育家庭等への委託を検討しております。
 また、来年度から、養子縁組が最善と判断した場合に、児童相談所と乳児院が連携しながら、できる限り新生児のうちに委託するための新生児委託推進事業を開始いたします。

○上田委員 都政史上初めての新生児委託事業、大いに期待したいと思います。ただ、委託事業では、乳児院と里親委託とは利益が相反する場合も考えられかねませんので、その点については懸念としておりますので、愛着障害が出ることなく、里親さんのもとへ一日も早く赤ちゃんが抱かれるようなシステムを希望します。
 次に、施設からの里親推進についてですが、不調となることと仄聞しております。施設から里親への推薦基準は明文化されていないようですが、今後明文化するのか、どのような運用がされているのか、どうマッチングをしているのか。本来、里親委託になじむ子を出さずに、課題のある子供を推薦しているのでないかと、ただちょっと個人的に懸念をしていることから、実際のところをご説明ください。

○松山少子社会対策部長 児童養護施設から養育家庭に措置変更を行う児童につきましては、児童の福祉を第一に考え、年齢、生育歴、心身の発達状況、保護者の家庭引き取りの可能性など、児童一人一人の状況を総合的に勘案し、児童と保護者の意向を踏まえ、施設と協議を行った上で児童相談所が決定しております。
 施設は、入所中の児童について一律の基準により判断するのではなく、児童やその家族、それぞれの状況等を勘案して条例に基づき自立支援計画を策定することとなっており、支援計画を策定する中で児童相談所と協議し、養育家庭委託が適当とされた児童については、支援計画に明記して支援を行っております。

○上田委員 明文化がされていなくても、どこかでルールのようなものが存在するということが把握できる状況であることは確認をしました。
 資料7で、在所期間等を出していただきましたが、私個人は、推薦する子供、しない子供の乳児院、児童養護施設での通所、入所期間も知りたいところでしたが、把握していないということでありました。マッチングに向けて細かいサポートをお願いいたします。
 私がここにこだわるのは、退所後の子供たちの行方を懸念するからでございます。児童養護施設等退所者の実態調査結果も二月に発表されたところであります。つきましては、資料8では、大学進学率は養育家庭の方が児童養護施設の倍となっております。数字でも家庭養護の推進が求められるところであります。これ、親御さんによってはお金も出してくれるということで、非常に税の負担も少ないのかなと思っています。
 施設におけます私立高校、私立大学進学指導についてはどうなっているのか、お尋ねします。

○松山少子社会対策部長 児童養護施設においては、学校等と連携し、保護者などの支援の意思も確認しながら、児童の希望や施設退所後の生活状況なども勘案して、公立、私立の区別なく進学指導を行うこととしております。
 なお、都では独自に、私立高校の進学、通学にかかる費用を全額補填できるよう支援しているほか、大学や専修学校等の入学に要する経費などについても支援を行っております。

○上田委員 学校での進路指導もありますが、画一的なコースを児童養護施設の方から提示されるというようなお話も伺っております。今度、新予算では私立高校の無償化も始まりますので、たくさんのメニューを子供たちに出してあげてほしいと思います。
 また、資料9と、あと実態調査結果を見ても、退所後の子供たちの寄る辺ない姿が目に見えるようでございます。アフターケア施設の利用も年々上がっているようです。
 今後、里親推進が進めば児童養護施設は減っていくと考えられます。その分、養護施設でのアフターケア事業の開始、拡充など検討すべきと考えますが、ご所見をお聞かせください。

○松山少子社会対策部長 都では、児童養護施設を退所した児童が、社会で自立し安定した生活を送ることができるよう、自立支援コーディネーターを専任で配置する取り組みを行っており、現在、五十六施設で実施しております。
 自立支援コーディネーターは、入所児童の就職や進学に向けた進路指導を行うほか、退所者の進学や就労の状況について、職場や家庭等へ訪問し、仕事や生活上の悩みについて相談支援を行うなど、退所後も継続的に支援を行っております。
 来年度は、支援する対象者の人数や支援の回数に応じて、自立支援コーディネーターを複数配置できるよう、支援の充実を図ってまいります。

○上田委員 複数配置ということで、かなり調査結果も生かされて進んでいるということを確認させていただきました。
 次に、医療政策です。
 まず最初は、発達障害のお取り組みについて確認したかったんですが、中山理事が大変深く確認をしてくださったので、重複しますので、私からは、今、発達障害は初診が十カ月待ちとか、あと向精神薬、知的障害児の一割に処方というような報道もありますことから、発達障害においてはそもそも投薬第一だという答弁も頂戴しておりますので、そちらの方向性を進めていただきたいということで、精神保健福祉センターについてに移ります。
 このセンターは開設以来、地域の精神保健の拠点として役割を果たし、存在価値が非常に今もって高いということです。その後は、精神障害者の退院促進、地域移行へということになりまして、間接支援となりつつあります。
 つきましては、精神保健福祉センターにおいて、精神保健福祉に係る相談事業を実施していると思いますが、間接支援になりましたその後の実績について伺いたいと思います。

○平賀障害者医療担当部長 都では、三カ所の精神保健福祉センターにおきまして、こころの健康相談やアルコール、薬物等の依存症に関する相談など、精神保健福祉全般について電話や来所による相談を実施しております。
 平成二十七年度の精神保健福祉相談の件数は、延べ三万二千二百八十四件となっております。

○上田委員 センターはアウトリーチ事業もやってありますが、相談があった方については必要なサービスや支援機関につなげていくこともできる一方で、相談につながらず地域生活に困難を来している事例もあると思います。このような方に関しましては、精神保健福祉センターの医師等の専門職が区市町村と連携して支援をする取り組みが必要と考えております。医師だけじゃなくて精神保健福祉士、看護師等いろいろな職員をセンターでは配置していると思うので、お取り組みと見解を伺います。

○平賀障害者医療担当部長 都は、未治療や医療中断等のため地域社会での生活に困難を来している精神障害者に対して、医師、看護師、福祉職などの多職種チームが区市町村等と連携して支援を行うアウトリーチ支援事業を精神保健福祉センターにおいて実施しております。
 本事業では、区市町村の保健師等が訪問支援に同行するほか、区市町村や医療機関等の関係機関と情報を共有し、支援方針や役割分担を検討するため、合同のケース会議を実施するなど、連携して支援をしております。

○上田委員 ありがとうございました。地域との連携強化が大事ということで、区市町村との連携をお願いしたいと思います。
 続きましては、医療法人の管理監督についてです。
 昨今、知事の方も告発をしました吉祥寺の産婦人科の病院の問題、新宿セントラルクリニックや東大、慈恵医大の医療過誤、不正行為等の事例が後を絶ちません。こうした事案を未然に防げなかったのか、都の部長級が立入検査に立ち会った過去三年の実績を踏まえて、都の病院におけます管理体制を伺います。

○西山医療政策部長 都は全ての病院を対象に、医療法及び関連法令により規定された人員及び構造設備を有し、かつ適切な管理を行っているか否かについて、定期的に立入検査を行っております。
 この立入検査を行う医療監視員は、職層、職種を問わず知事から任命されており、部長級職員が立入検査を行うこともございます。
 また、病院における医療事故等のうち、死亡等の重大事例、管理上問題となる事例などが発生した場合には、都への報告を求めております。病院から医療事故等の報告があった場合には、再発防止策の指導を行い、医療を安全に提供する上で管理上重大な問題があると疑われる場合には、臨時の立入検査を実施し、病院の適正な管理運営の確保に努めております。
 さらに、最新の医療事故についての講習会を開催するなど、都内の病院に対して注意喚起を行ってございます。

○上田委員 資料22を見ますと、内部の立ち入り管理体制も大事ですけれども、外部機関というのがやはりあります。二七ページですけれども、医療政策部安全課所管の附属機関等であります医療安全推進協議会メンバーが、行政機関や業界組織代表で占められております。診療所のドクターなどが現場を知っていて入るのは理解ができるところでございますけれども、業界の方といいますと、利益相反、COIを鑑みますと、管理、監査を受ける立場の組織の代表でいいのか、もっとフェアな人材を含めるべきだと考えますが、ご所見をお聞かせください。

○西山医療政策部長 医療安全推進協議会は、厚生労働省医政局長が定める医療安全支援センター運営要領に基づき、医療安全支援センターの運営方針及び医療安全推進のための方策を検討するため設置されております。
 協議会の委員は、国の運営要領に基づき、中立性、公平性を確保するため、医療サービスを利用する者、医師会等医療関係団体の担当者や弁護士などの有識者などから複数選任しております。
 今後も、運営要領を踏まえ、協議会の適切な運営に努めてまいります。

○上田委員 COIのことなんですが、附属機関資料では残念ながら医療安全推進協議会委員の出身大学が掲載されていなかったんですね。私が別途取り寄せた、いわゆる東京版医療技官、公衆衛生医師についても、個人情報ということで出身大学を明記できないということだったんです。でも、利益相反を明確にするためには、今後、出身大学、自分の出身大学に立ち入りをしなきゃいけないということもきっと出てくると思いますよね。こういった、明示した方がいいと、そうじゃない公衆衛生医師を出した方がいいというようなことができると思いますが、この出身大学を明示する以外にどう利益相反の有無を確認できるのか、ご説明ください。

○西山医療政策部長 先ほどご答弁申し上げました医療安全推進協議会には、医療安全の推進に係る方策を検討するために、前年度の患者の声相談窓口の実績や、前年度に実施した医療法に基づく定例立入検査の結果について報告をしておりますが、個別の病院に係る事項については議論することはございません。
 協議会は原則公開としておりまして、議事録をホームページに掲載するなど、協議内容の透明性も確保しております。
 また、公衆衛生医師を含む都職員は、東京都職員服務規程により、全体の奉仕者としての職責を自覚し、法令、条例、規則その他の規程及び上司の職務上の命令に従い、誠実、公正かつ能率的に職務を遂行しなければならないとされてございます。

○上田委員 透明性の強化に引き続き努めていただきたいと思いますし、こちらも定点観測を続けたいと思います。
 次に、資料21を見ていただくように、債務超過の医療法人が結構多店舗展開しているということを、私、独自調査で以前も指摘させていただきました。これが結構、薬局主導の新規クリニックの展開というのが散見されておりまして、医療法人の非営利性について厳正に行われているか危惧をするところでございます。
 医薬分業につきまして、どのように厳正に行われているのかの取り組みを伺います。

○西山医療政策部長 厚生労働省通知、医療機関の開設者の確認及び非営利性の確認についてでは、医療機関の開設手続について、特に、開設者が実質的に医療機関の運営の責任主体たり得ること及び営利を目的とするものでないことを十分確認することとされております。
 都はこの通知を踏まえまして、医療法人の設立認可の審査において、開設主体、設立目的、運営方針、資金計画等を総合的に勘案するとともに、開設者が当該医療法人を運営する意思を有していること、第三者からの資金提供がある場合は、医療法人の開設、経営に関与するおそれがないこと、当該医療法人と利害関係にある営利法人等の役員を兼務していないこと、収益事業を経営しないことなどを確認しております。
 開設認可後においても、医療法に基づき、医療法人から毎会計年度終了後に提出される事業報告書等で事業内容や経営状況等を確認しており、法令違反の疑いがある場合は関係書類の提出を求めるなど、詳細に調査を行った上で改善報告を求め、必要に応じて立入検査を実施し、医療法人の適切な運営の確保に努めております。

○上田委員 制度としては、二重、三重に整っていることがわかりました。医師会は開業医の先生方が非常に多くて、現場のクリニック情報等々も持っていると思いますので、医師会とよく連携を図りまして、情報をとりながら、その制度の活用をよろしくお願いしたいと思います。
 動物愛護です。
 殺処分ゼロに向けて、小池百合子知事も高らかに掲げたところであります。私の一般質問の答弁でも、新しい動物愛護相談センターがようやっと改築するということで、新しい飼い主へのかけ橋となる施設にしたいと明言をされました。具体的にはどのような内容なのか、ご説明ください。

○小林健康安全部長 動物の殺処分ゼロを達成するためには、動物愛護相談センターで引き取った動物の譲渡をさらに拡大する必要がございます。
 そのため、新たな施設では、譲渡に適した健康状態を保つために、動物の個体ごとの管理や運動設備の確保など、動物の健康やストレスに配慮した使用環境を整えるとともに、譲渡をさらに進めるために、ボランティア団体と連携して譲渡会などを行うことができるスペースを設けることとしております。
 また、飼い主が高齢化や病気などの理由で動物を飼うことが困難となった場合の譲渡方法や譲渡された動物の飼い方など、さまざまな相談に対応できるよう、プライバシーに配慮した相談スペースを設ける予定でございます。

○上田委員 大変楽しみなかけ橋施設になりそうで期待をするところであります。
 さて、地域猫対策ですが、動物愛護相談センターには獣医師さんがいらっしゃいます。どのような支援を行っているのか、教えていただきたいと思います。

○小林健康安全部長 動物愛護相談センターは、飼い主のいない猫問題への取り組みが始まったばかりの地域を抱える区市町村に対し、専門的、技術的支援を行っております。
 具体的には、センターの獣医師がその専門知識を生かして、猫の生態や習性を踏まえた対策の実施方法に関する助言、効果的に取り組みを進めるためのノウハウの提供、不妊去勢手術の実施など、区市町村における地域ごとの取り組みを促進するための支援を行っております。

○上田委員 この不妊去勢手術の実施をしているということが、私、初めて知りまして、非常に獣医という資源を活用されているってことで、知らない市町村もあるかと思うので、この周知徹底をしていただきたいと思います。
 どうしても命を、獣医師さんというのは動物を救いたくて獣医師になるところでございますが、一代の命をつなぐことに、ここでその力を活用していただけることは大いに結構なことだと思いますので、普及をお願いしたいと思います。
 次に、動物愛護相談センター整備基本構想について、NPOと地域猫で、皆さん手弁当でやっていらっしゃって、現場をよく知っているんですね。こうした方々の意見をどのように集め、反映をしていくのか、お聞かせください。

○小林健康安全部長 基本構想の策定に当たっては、昨年十二月及びことしの二月に東京都動物愛護管理審議会を開催し、専門家やNPO法人の代表など委員の方々から、ボランティアとの連携は重要、災害時にも施設が機能することが必要、明るく開かれた人々が集まりやすいような施設にすることが必要などの意見をいただきました。
 また、ことしの二月九日から二十二日までパブリックコメントを実施し、NPO法人を含む多くの方々から、監視指導の徹底、殺処分ゼロの実現、適正飼養の普及啓発の推進など、さまざまな意見をいただいたところでございます。こうした意見も踏まえながら、年度内には基本構想を策定する予定でございます。

○上田委員 土日に家族連れが猫ちゃんやワンちゃんを引き取りに来るような、そうした施設になるよう、一応、土日開設になるといいかなということをご要望申し上げます。
 次に、障害者です。
 障害者一人一人が持っている個性、特性を伸ばし、さまざまな可能性の芽を摘むことなく育むべきだと考えております。
 障害児が成長して、教育を受けて、教育期間を終えて社会に出るまでの切れ目のない支援のため、障害者を送り出す教育側と受け入れる福祉側の連携が不可欠であり、受け入れる福祉側の対応と学習やリハビリ継続機会の保障が重要だと考えております。
 障害者の学習支援の充実や交流のための活動など、卒後のさまざまな社会参加のための活動を支援すべきと思われますが、都の所見を伺います。

○高原障害者施策推進部長 都内区市町村では、地域生活支援事業として、相談支援の中核的役割を担う基幹相談支援センターを設置いたしまして、障害者からの教育や就労等についての相談に応じるとともに、学校や企業など関係機関との連絡調整を行っております。
 また、都においても、基幹相談支援センターの設置を促進するため、実践事例などを記載した運営マニュアルを作成、配布してございます。
 さらに、障害者が地域住民や学生等、さまざまな人々と交流し、社会で生きる力の向上を図れるよう、ボランティア等と互いに学び合う事業や、工芸、調理実習などを共同で行う事業に取り組む区市町村に対して包括補助事業で支援をしてございます。

○上田委員 皆さんご承知のとおり、私の政調スタッフは障害を抱えながら大学院まで行きました。その都度その都度、いい支援者と教育者に導かれて大学まで行けるということになりましたので、ぜひ支援学校や各種自立支援の施設におきましても、アカデミックな場への導きとかご支援をお願いしたいというふうに思っております。
 次に、私が当選以来手がけてきました西東京市のたんぽぽ、平成十四年から非常に告発等、またいろいろな相談等があったにもかかわらず--私も、情報公開をしました。まさにノリ弁状態でございましたが、丹念に調べ上げまして、これがやっと認められて、社会福祉法人田無の会が運営する障害者支援施設たんぽぽに対し、身体的虐待等を理由として、平成二十五年十月から平成二十七年九月まで新規利用者の受け入れ停止処分がなされました。そして、最終的には、理事長も交代をするということになりました。
 処分は終了しましたが、その後の都の対応と法人の再発防止策に向けた取り組みを伺います。
 また、この事案を受けての、平成十四年からずっと放置され、事実上放置とされていたといわざるを得ないような状況につきまして、都におけます障害者虐待の防止に向けたお取り組みについて伺います。

○高原障害者施策推進部長 都では、当該施設に対しまして、平成二十七年九月末の処分期間経過後も西東京市と合同で実地検査を行ったほか、毎月施設を訪問し、運営体制に改善が図られていることを継続的に確認しております。
 施設においても、今年度、豊富な知識と経験を有する職員を採用し、職員体制を充実させるとともに、東京都社会福祉協議会が主催する研修会へ職員を参加させるほか、他施設へ派遣をし、実践的な支援を学ばせるなど、支援力を強化する取り組みを実施してございます。
 これらの取り組みを踏まえ、昨年十二月からは新規利用者の受け入れを再開しましたが、今後とも必要に応じて施設へ訪問するなど、西東京市とも連携しながら運営状況の確認を適切に実施してまいります。
 また、都における障害者虐待の防止に向けた取り組みでございますけれども、従来から障害者福祉施設の管理者等を対象に、障害者虐待防止・権利擁護研修を毎年実施してございます。
 来年度からは、受講を希望する施設の管理者等が適切に研修を受講できるよう、研修規模につきまして、従来の二百人から五百五十人にまで拡大をし、取り組みを一層充実してまいります。

○上田委員 この事案に関しては、都内の全ての障害者施設に周知をして、皆様、襟元を正す思いだという声も届いております。東京都の英断ということ、大変評価をさせていただきたいと思います。
 次に、障害者グループホームの整備につきまして、区市町村別の設置状況を見ますと、市町村部におけるグループホームの設置数と比べて、地価が高い区部の設置は少なく、地域格差が生じているように思います。
 障害者は、都内ではどこにいてもグループホームを利用できるよう整備を進めていくべきと考えますが、都の取り組みを伺います。

○高原障害者施策推進部長 都は、障害者グループホームにつきまして、障害者・障害児地域生活支援三か年プランにおきまして、平成二十七年度からの三カ年で二千人分の定員増を目標に掲げるとともに、整備費の事業者負担を軽減する特別助成を実施し、整備を促進してございます。
 また、地価の高い区部等での整備を進めるため、都有地の減額貸付を行うとともに、借地料や定期借地権を利用する場合の一時金への補助を実施するなど、事業者を支援してございます。
 さらに、都有地の減額貸付につきましては、都内公示地価平均を超える部分について、貸付料の減額率を九〇%まで拡大しているほか、借地を活用する場合の補助におきましては、地価に応じて三段階の補助基準額を設定するなどしてございます。

○上田委員 一九ページを見てわかるように、葛飾区なんかは本当に頑張って百一施設があるというところで、今、きっと東京都と連携を図りながら、着実に数を伸ばしていると思うんですね。
 江戸っ子が一生、特に区部で生涯を全うできるよう、区部での整備を進めていただきたいと思います。
 次に、介護人材の確保についてです。
 これはもう二〇二五年問題ということで、二百五十万人の介護職が必要なのに二百十五万人しか確保できないというような現状で、喫緊の課題であります。その解消のために、介護向けの基金事業、東京都独自の人材確保策と国の基金事業が併存をしております。
 前者は、事務手続が煩雑で使い勝手のいい事業がなく、執行率が低くて、区市町村等が二の足を踏んでいて、一方で、国の基金は、ひもつきで自由度が低くて、さらに毎年使い切らなきゃならなくて、結果、外郭団体や大手民間企業を使うことになって、基金を使うことになっております。
 その費用対効果を検証できず、疑問なものも散見されております。区市町村が地域特性に合った事業が展開できるよう、自由度の確保に向け、例えば限定列挙ではなく例示列挙として見せるようにする、応募期間が短くて予算編成作業や個別計画策定のタイミングに合わない、申請業務に人手とコストがかかってしまうなどの課題がある中、新年度予算におけます活用率を上げるお取り組みをお聞かせください。

○西村高齢社会対策部長 まず、来年度予算案についてでございますけれども、介護人材対策の平成二十九年度の予算案につきましては、事業実績等を踏まえて、規模や事業手法等を見直してございます。
 例えば、職責に応じた処遇を実現するキャリアパス導入促進事業につきましては、専門家による個別相談やアセッサー養成講習の受講料の助成を開始するなど、施策の充実を図ることとしております。
 次に、国制度の使い勝手についてお話があったかと思いますけれども、国制度の地域医療介護総合確保基金につきましては、法令等により充当できる事業が限定列挙されておりますことから、都は国に対し、自治体が地域の実情に応じて有効な施策の展開を図れるよう、弾力的に活用できる仕組みとすることを提案要求しております。
 また、都としての取り組みでございますが、都は、区市町村が地域の実情に応じた独自のさまざまな取り組みを包括補助により支援しておりまして、その中で介護人材対策といたしましては、介護従事者への研修や施設介護ボランティアの養成などを支援しております。

○上田委員 まさに国と区市町村の狭間で苦闘する東京都の姿が見えました。引き続き、使い勝手がいいように働きかけをしているということなので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 次に、福祉機器につきましてです。
 職場における腰痛予防対策指針が昨年六月に改定され、人力による人の抱え上げを原則禁止するということになりました。私も腰痛持ちなんですが、腰痛は介護人材不足の要因の一つになっておりまして、非常に気持ちがわかるところであります。
 福祉保健財団でも機器についての研修をしていますが、例えば私が提案した車椅子シーティング技術などはいまだ把握をされておりませんでした。日進月歩なので、こうした技術は。
 今後、区市町村施設等、こうした最先端の機器を導入すべきであり、その情報収集と補助についての考え方をお示しください。

○西村高齢社会対策部長 都は今年度から、介護職員の負担軽減や介護の質の向上を目的として、ロボット介護機器や福祉用具の活用を支援するモデル事業を行っております。
 具体的には、都内の特別養護老人ホームと介護老人保健施設の二カ所をモデル施設に指定し、アドバイザーの関与のもと、導入方法等について助言しますとともに、導入費用の補助や効果検証を行っております。その中で、腰痛予防に資する装着型の移乗介助機器も効果検証する予定でございます。
 来年度には、これに加え、地域医療介護総合確保基金を活用したロボット介護機器の導入費用の補助を開始いたしますとともに、ロボット介護機器を導入した施設に対し、アドバイザーを派遣し、効果的な使用方法について助言する取り組みを開始する予定でございます。
 来年度は、これらの取り組みにより得られた成果を広く周知し、効果的な導入を促すことで、都内で働く介護職員の負担軽減につなげてまいります。
 また、福祉機器等の最新の技術動向について、引き続き情報収集を図ってまいります。

○上田委員 介護ロボットは、たしか予算委員会で三多摩地区の中小企業の支援ということを知事もいっていましたが、たしか八王子かどこかで、非常に新しい技術で頑張っているところもありますので、こうした最新情報を現場に近い方で判断できるような運用を行っていただきたいと思います。
 先進区市町村独自予算での取り組みを応援していただきたいと思っております。
 子供の貧困です。
 子供の生活実態調査結果の概要中間まとめ、これも本当によくできていました。これを見ますと、学習支援と子供食堂など、子供たちは情報が得られたら行きたいという結果が出ておりました。
 つきましては、これらの情報をいかにして子供たちへ届けるために、都はどのような取り組みをして、また調査結果を受けましての今後のご所見をお聞かせください。

○松山少子社会対策部長 都が今年度実施した子供の生活実態調査では、五割近くの子供が、家の人がいないときに食事ができる場所について、使ってみたい、興味があると回答しております。
 勉強を無料で見てくれる場所については、五割から六割の子供が、使ってみたい、興味があると回答しております。
 また、子供食堂などの食事支援や学校以外が実施する学習支援に関するサービスを利用したことがない家庭のうち、その理由として、サービスを知らなかったと回答した割合が、生活に困難を抱える家庭では四割から六割となっており、一般層と比べて高くなっております。
 このため、都は来年度から、専任職員を配置して、生活に困窮する子育て家庭等の状況やニーズ等を把握し、関係機関と連携しながら、必要な支援につなぐ取り組みを行う区市町村への支援を開始いたします。
 また、母子健康手帳の交付、保育所の申し込みや小学校入学、転入届の提出など、子供の成長の節目や家庭の状況の変化等さまざまな機会を捉え、区市町村と連携して、子育て支援施策の周知を図ってまいります。

○上田委員 私も地域の仲間たちと子供食堂を開設して間もなく一年がたちますが、本当に子供のところに情報が行き届く難しさを感じているんですね。
 学校での配布が一番子供に情報が届くと考えますが、福祉保健局として、子供を中心に貧困施策につきまして縦割りにならず、教育庁、区市町村とどう連携を図っているのか、お考えをお聞かせください。

○松山少子社会対策部長 都は、子供・子育て施策推進本部のもとに設置した福祉保健局や教育庁など庁内各局で構成する子供の貧困対策推進連携部会において、関連施策の情報共有や拡充策の検討等を行っております。
 また、今年度から、首都大学東京の子ども・若者貧困研究センターと連携した調査研究を実施しており、来年度は、センターによる区市町村向けの子供の貧困対策にかかわる研修会の開催や区市町村が実施する実態調査への助言等を行うこととしております。
 こうした場を通じて、関係各局、区市町村と連携しながら、子供の貧困対策の充実を図ってまいります。

○上田委員 ぜひ学校を通じて、子供たちを一人でも多くつなげていっていただきたいと思います。
 次に、先ほど来、申請の話が出ていますが、福祉保健局は多くの許認可権限を抱えまして、福祉、医療分野の多様な法人を指導監督しております。これらの手続においては、行政手続法、行政手続条例に基づいて適正な手続が担保されなければなりません。
 つきましては、最初に、福祉保健局が受けた申請届け出の現状について、ご説明ください。

○後藤総務部長 福祉保健局では、日ごろから各部署におきまして、お話のように非常に多くの申請や届け出を受けておりますけれども、担当職員は東京都職員服務規程に基づきまして、全体の奉仕者としての職責を自覚し、法令、条例、規則、その他の規制及び上司の職務上の命令に従い、誠実、公正に職務を遂行するとともに、行政手続法あるいは東京都行政手続条例に基づきまして、申請や届け出に対する審査や応答、さらに必要な情報の提供など、丁寧かつ適正な対応に努めているところでございます。

○上田委員 福祉保健局が事業者に対して行った不利益処分の状況は、どのような性質のものが多いのかについてもご説明ください。

○後藤総務部長 福祉保健局が所管いたします事業のうち、事業者に対して行いました不利益処分の件数は、平成二十七年度で四十四件でございました。
 このうち、最も件数が多かったのは、食中毒の発生によります関連施設の営業停止など、事業活動を一定程度停止させるものでございまして、三十五件ございました。

○上田委員 不利益処分や不作為に対する不服申し立て、提訴の実績はゼロ件ということでありましたが、最後に、福祉保健局が受けた申請届け出を受理しなかったり、そもそも申請用紙を渡さないなど、申請届け出が阻まれた事例の有無について、把握の状況をご説明ください。

○後藤総務部長 行政手続法第七条及び東京都行政手続条例第七条におきましては、行政庁は、申請がその事務所に到達したときは遅滞なく当該申請の審査を開始しなければならないこととされております。
 また、同法第九条第二項及び同条例第九条第二項では、行政庁は、申請者からの求めに応じて、申請書の記載及び添付書類に関する事項その他申請に必要な情報の提供に努めることとされてございます。
 こうした規定に基づいて適切に手続を行うことはもとよりでございますけれども、福祉保健局では、冒頭申し上げましたように、非常に多くの申請や届け出を受けておりまして、案件によっては審査に一定の期間を要することもございますため、事前の説明会や申請前の相談の機会を設けるなど、申請者の方の手続が円滑に行えるような取り組みを行いまして、行政手続の適切な執行に努めているところでございます。

○上田委員 私がお尋ねするのは、これからグループホームもそう、とうきょうほうれんそうでいろいろな事業者さんが新規参入をしてきます。法、条例に基づいて、適正手続が保障されているんだなということが確認でき、安心できました。
 引き続き、公権力の行使にあっては、都民ファースト、当事者ファーストの観点から、公平性とともに、デュープロセスの確保をお願い申し上げます。
 続きまして、監理団体です。
 福祉保健財団との事業のすみ分け、二重行政、三重行政になっていないかというふうに懸念をしております。基本的な考え方をお示しください。

○古賀事業推進担当部長 東京都福祉保健財団は、福祉保健局の監理団体として、都の政策との連動性が高い事業を実施し、区市町村支援を初め、広域行政を担う都の福祉保健医療施策を補完しております。
 具体的には、福祉保健医療人材の研修など、都内全域で一定の水準が求められる事業や、福祉保健医療に関する相談、情報提供、福祉サービス評価など、公平性、中立性の確保が必要な事業を実施しております。
 都としては、財団において蓄積された経験や専門的知識を活用し、公立的、効果的な事業実施を図っていると考えております。

○上田委員 今後、改革本部もできるということで、そちらの方の動きも注視してまいりたいと思います。
 次に、監察医務院についてです。
 資料19で、妊産婦自殺についてなんですが、平成二十七年度に開始したゆりかご・とうきょう事業は、全ての子育て家庭の状況を妊娠から把握し、継続した支援体制の整備を進める区市町村を支援する事業としていますが、自殺を回避するためにさらなる取り組みが必要だと思っております。
 また、妊婦への向精神薬の投与につきましても、病院経営本部で取り寄せた資料24にも投与されていることがわかり気になっているところです。
 妊産婦自殺にかかる所見と対策の方向性をお聞かせください。

○松山少子社会対策部長 都は、妊娠相談ほっとラインを開設し、妊娠や出産に関する悩みを抱える女性の相談に対して助言等を行っております。
 相談内容に応じて、医療、保健、子育てなどの関係機関を紹介するとともに、特に継続的支援が必要と判断した場合は、保健所、保健センターへの相談を勧めております。
 また、区市町村では、妊娠届け出時の面接や新生児訪問など、さまざまな機会を通じて、妊産婦の精神面や身体の状況を把握し、産後ケア等の必要な支援につなげる取り組みを行っており、都は、ゆりかご・とうきょう事業や包括補助で支援しております。

○上田委員 東京版ネウボラ、どうぞよろしくお願いをしたいと思います。
 次に、三多摩格差につきましてです。
 資料18によりますと、死亡診断書の発行を受ける費用や検案数などについて、三多摩と区部で格差が生じているように見受けられます。三多摩には監察医務院がないため、検案の技術についても下がるのではないかという都民の声も寄せられております。
 このことについての考え方、現状の把握状況、対応状況についてご説明ください。

○西山医療政策部長 死体検案書は、遺族に対して無料で一通交付しております。
 また、遺族の求めに応じて交付する二通目以降の死体検案書の費用は、特別区においては、東京都監察医務院関係手数料条例第二条の規定に基づき、一通千五百円、謄本の場合は一通九百円となっており、多摩・島しょ地域においては、検案を実施した医師が定めております。
 都は、検案の精度向上を図るため、監察医制度の適用外である多摩地域の検案医を対象に、地元の大学の法医学教室と協力し、症例検討等を取り入れた研修会を昨年十月から開始いたしました。
 また、島しょ地域に勤務する自治医科大学卒業医師や地域の医師を対象に監察医務院による研修を行っております。

○上田委員 私は、監察医務院に視察をしまして、全て見させていただいております。世界最高峰の技術だということを実感しました。
 やはり三多摩地区におきましても、監察医務院の対象とすることが必要だと強く思ったところです。新設する必要があると考えておりますけれども、いかがでしょうか。

○西山医療政策部長 死因が不明な死体を検案、解剖する監察医を置くべき地域は、政令により、東京二十三区、大阪市、名古屋市、横浜市、神戸市の五つの地域と定められております。そのための組織として、都は監察医務院を設置しております。
 政令で定められていない多摩・島しょ地域では、東京都医師会や大学等の協力も得ながら体制を確保し、遺体の検案を行っております。さらに任意で遺族のご承諾をいただいた上で解剖も実施しております。
 死因究明の体制は、本来、国が必要な法整備を行い、地域を限定せずに整えることが必要でございます。都は、監察医制度が都内全域に適応できるよう、繰り返し国に求めております。

○上田委員 繰り返し国に求めているということで、大変安心をしました。
 監察医務院のOBの死体は語るという名著がありますけれども、その語る声を聞くドクターとやっぱり施設が必要ということで、ぜひ三多摩地区の監察医務院の新設に向けまして、ご努力を続けていただきたいと思います。
 在宅医療についてです。
 在宅医療の提供側の課題として、まず在宅医療の量的不足に対する懸念があります。首都圏では、後期高齢者の絶対数が二〇三〇年には二倍から二・五倍ぐらいになり、現状の在宅医の数では対応不能に陥るということになっております。
 本来、在宅医療は地域のかかりつけ医の仕事だと思いますが、介護と連携しながら二十四時間対応もしなければならないことから、東京の開業医の在宅医療への取り組みがなかなか進むのが厳しいようです。
 二十四時間対応が大変なら、最近展開を進めている在宅医療専門クリニックにその部分を助けてもらうという方法もあるかなと考えております。こういう連携の取り組みは、残念ながら余り広がっておりません。
 患者情報共有のために電子カルテシステムを共有したり、診療報酬上の取り扱いの煩雑さなどがあったりする中、一つ目の課題として、どうすれば在宅医療を担う医師をふやせるか、また、在宅医療専門クリニック拡充に向けての対応状況と現状への所見をお聞かせください。

○成田医療改革推進担当部長 高齢化が進み、在宅医療に需要の増加が見込まれる中、担い手である在宅医を確保することは大きな課題となっております。
 都は現在、かかりつけ医が在宅医の訪問診療に同行する研修など、かかりつけ医に在宅医療への理解を深めてもらう取り組みを進めております。
 また、複数の在宅医が相互に補完し、訪問看護ステーション等と連携しながら、二十四時間訪問診療が行える体制づくりやICTを活用した効果的な情報共有など、在宅医の負担軽減や在宅療養をチームで支える他職種連携の強化を図る取り組みを支援し、在宅医の確保につなげております。
 在宅療養の実施主体である区市町村におきましては、一人で診療するかかりつけ医を在宅医療を中心に行う診療所の医師が二十四時間サポートする仕組みをつくるなど、地域の実情に応じた取り組みを進めておりまして、都は今後とも、こうした区市町村の取り組みを支援し、地域における在宅療養体制の整備を推進してまいります。

○上田委員 二つ目の懸念は、在宅医療の品質に関するものでございます。
 在宅医療を提供している医療機関がきちんと夜間対応しているのか、急変に対応しているのか、自宅でみとりサポートができているのか、このあたりを評価する指標をつくる必要を感じますが、医師会との連携を含めての在宅医療の質の確保に向けたお取り組みにつきお示しください。

○成田医療改革推進担当部長 都は、在宅療養の取り組みを進めるため、医師会と連携しながら、二十四時間対応可能な訪問診療体制の整備や、ICTを活用した患者情報の共有等に取り組んでおります。
 また、病状変化時に利用できる後方支援病床の確保や、みとりに対する医師の理解を深めるための研修の開催など、患者が安心して在宅療養生活を送ることができますよう取り組みを進めております。
 こうした取り組みについて、東京都保健医療計画推進協議会において、毎年度評価を行っているところでございます。
 来年度は、東京都保健医療計画の改正を行うこととなっておりまして、東京都保健医療計画推進協議会において、在宅療養の質の確保、向上についても検討してまいります。

○上田委員 在宅医療の量と質の担保を考えますと、まず住民の意識改革と自分自身の健康管理、人生のマネジメントに対する責任感と、あと緊急医療の見直しも必要かと感じております。
 そこで、地域の医療機関が連携して患者を受け入れられる体制を整備するとともに--大体は、救急は高齢者や精神疾患、アルコール、警察沙汰、ホームレス等々の軽傷者に占められることもあり、現場も疲弊しないかという懸念を持ちまして、緊急性の高い患者の命を守るためのトリアージを推進する必要があると考えますが、都はどのように取り組みを進めるのか、見解を伺います。

○西山医療政策部長 都は、地域の救急医療機関が相互に連携協力して患者を迅速に受け入れられるよう、救急医療の東京ルールを定め、搬送先の選定が困難な場合に患者の受け入れ調整を行うとともに、みずからも患者を受け入れられる地域救急医療センターの設置を二次保健医療圏ごとに進めておりまして、現在、八十八カ所の医療機関を指定しております。
 また、二次保健医療圏ごとに、全ての二次救急医療機関、消防、警察、区市町村の福祉部門、保健所等が参加する地域救急会議を設置しており、地域の特性や医療資源の状況を把握した上で、医療機関の専門性を生かしながら、地域の実情に応じた救急患者の受け入れ体制づくりを進めております。
 さらに、緊急性の高い患者から優先的に診療が受けられるよう、地域救急医療センターにトリアージナースの配置を進めており、現在、三十二施設において配置を支援しております。
 今後とも関連機関と連携し、受け入れ体制の整備を推進してまいります。

○上田委員 東京都は設備も精度も高いのはよくわかっておりますが、ブラックジャックが赤チンを塗るようなことがないよう、医療資源のトリアージをぜひ進めていきたいということの質問でございました。
 さて、今回の予算は、全体は引き締めて福祉は拡充という過不足ないワイズスペンディングで、福祉が届かず絶望にあるところに希望をともす都民ファーストの予算と評価させていただきまして、私の四十五問にわたります質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○大場委員 保育人材の確保と定着について伺ってまいります。
 保育人材の確保、定着を図るためには、やりがいを持って長く働ける環境を整えることが重要であり、知事が昨年九月に示した待機児童解消に向けた緊急対策により、これまで採用後五年までであったものを、採用後六年目以降の常勤保育従事職員までも対象にした宿舎借り上げ支援事業の拡充や、来年度からは、キャリアアップの仕組みを導入することを条件とする保育士等キャリアアップ補助の補助額を大幅に拡充するなど、保育士等の処遇改善については大変評価するところであります。
 しかし、処遇改善だけではなく、職員の確保、定着を図るためには、事業者とのきめ細かなマッチングを行うことによる潜在保育士の掘り起こしなど、さまざまな取り組みが必要であると考えますが、都のこれまでの取り組みをお伺いいたします。

○横手子供・子育て施策推進担当部長 都はこれまで、新卒者等の未経験者を対象としたセミナーや職場体験実習、保育人材・保育所支援センターのコーディネーターによる就職相談から就職後の定着支援までを行うほか、事業者向けに人材育成や働きやすい職場環境づくりに関する研修などを実施しております。
 また、今年度から、離職防止を図るため、保育従事者への巡回相談等を行う区市町村への支援や、潜在保育士の再就職を支援するため、二年間継続して従事すると返還免除となる再就職準備金の貸付制度などを開始しております。

○大場委員 ただいまのご答弁で、これまでも都は、新卒者等の未経験者を対象としたセミナーなど、さまざまな取り組みをしていることをお聞きしましたが、待機児童解消を目指して七万人分の保育サービスの拡充という目標に向けては、やはり保育人材の確保、定着のさらなる取り組みの充実が求められると思いますが、都の見解を伺います。

○横手子供・子育て施策推進担当部長 保育人材の確保、定着を進めるため、来年度からは職場復帰する保育士が認可外の居宅訪問型保育サービスを利用する場合の利用料や、業務負担軽減に向けた保育所等のICT化の推進に必要な経費を補助する区市町村を支援してまいります。
 また、保育人材・保育所支援センターのコーディネーターを増員し、事業者と就職希望者のマッチングや定着に向けた支援を強化するなど、保育人材の確保、定着に取り組んでまいります。

○大場委員 ただいまのご答弁で、保育人材・保育所支援センターのコーディネーターを増員して、事業者と就職希望者のマッチングを、定着に向けた支援を強化すると、こういうご答弁をいただきました。
 これは保育人材の確保、定着につながることと期待をいたしておりますので、ぜひともよろしくお願いをいたしまして、私の質問を終わります。

○藤井委員 どうも長時間にわたりまして、大変ご苦労さまでございます。
 私からは、最初に、特別養護老人ホームの整備についてお伺いをいたします。二点目には認知症対策、三点目にはがん対策ということでお聞きをいたします。
 まず、急速な高齢化が進んでおりまして、東京都内の特別養護老人ホームの待機者がふえているという現状があります。それに対して、東京都は、平成二十七年度に特養の入所者が四万三千八百八十五人であるわけですけれども、目標として平成三十七年度までに六万人に、この特養入所者を拡大するという整備目標を掲げております。
 この目標を実現するために、都は、来年度の予算の中に新規事業といたしまして、広域的に利用する特別養護老人ホームを整備する、そのための地域福祉推進交付金を創設しました。
 そこでまず、この地域福祉推進交付金の目的は何か、その内容について及び交付金の対象となる要件について伺います。

○西村高齢社会対策部長 今回創設する制度は、老人福祉圏域の必要入所定員総数が充足されている地域においても、広域的に利用される特別養護老人ホームの整備を進め、都内全体で必要な定員数を確保することを目的としております。
 具体的には、地元の必要数を超えた施設整備に同意する区市町村に対し、福祉目的で自由に活用できる基金を設置するための資金を交付する制度でございまして、対象となる施設は、利用者本人や家族の利便性を考慮し、鉄道駅周辺に立地しているなど、公共交通機関によるアクセスが容易であることを条件とする考えでございます。

○藤井委員 今、答弁にありましたように、要は、東京二十三区ではなかなか特養ホームをふやすことが難しい、しかし、三多摩の方は、割と土地が広い、安い、建てやすい、そういう意味で、鉄道駅の周辺に立地しているということで、公共交通機関によるアクセスが容易であるならば、二十三区の方が三多摩につくった特養ホームに入れると、こういうことだと思います。
 この交付金制度によって、東京都全体における特別養護老人ホームの整備が促進をされ、多くの待機者が入所できるということが期待をされるわけでございますが、また、二十三区だけでは待機者を解消できないために、この多摩地域の市町村に協力していただく新たな取り組みというふうに聞いております。
 そこで、この制度を実効あるものにするために、今後の都の具体的な取り組みについてお伺いをいたします。

○西村高齢社会対策部長 都は今年度、特別養護老人ホームの今後の整備促進策を検討するに当たりまして、実効性のある施策となるよう、さまざまな調査を実施いたしました。
 具体的には、七十五歳以上の都民を対象に施設入所に関する意向を把握するためのアンケートの調査を実施いたしました。また、施設や区市町村を対象に実施したヒアリング調査では、入所者の状況や家族の訪問頻度、施設整備に伴い生じる自治体の課題等を把握いたしました。
 本制度では、これらの結果を踏まえて構築をさせていただいております。
 また、制度の実施に当たりましては、自治体や整備を行う事業者の理解が必要となることから、本制度の考え方については、既に区市町村に説明をいたしております。
 今後は、事業者を対象とした説明会等でも周知を図るなど、制度の積極的な活用を働きかけてまいります。

○藤井委員 ただいまご答弁ありましたように、今回のこの制度をつくるに当たって、アンケート調査を実施し、またヒアリング調査等を行いながらいろいろと検討されてつくったと、私は大変すばらしい制度になると期待をしております。
 その中で、皆さんもご記憶あると思いますが、日本創成会議というところが、いわゆる首都圏、東京なら東京の、今後、介護難民、介護者が入るところがない、病院に入院するところがない、それに対して、いわゆる地方の方は、逆に、病院もあいている、特養ホーム等の施設もあいている、だったならば、都市部で入れない、東京で入れない高齢者を地方の病院や特養に入所させるという案を出しました。
 まさにこういう高齢者、東京で頑張ってこられた高齢者を、東京で入れないんであれば、地方の医療や介護や福祉の施設に入れようというのは、まさに現代版のうば捨て山だと、このようにいえると思うんですね。
 東京で働いて、そして役割を終えたら地方へ帰れ、まさにこういった非人間的なやり方ではよくない、私はこのように思います。やはり、お年をとった老後も、楽しく生きがいを持って、そして暮らせる、そういう環境をつくるということも、私は東京の大事な役割だと、こう思うわけでございます。
 そういう中で、私も実はこの問題については何度も福祉保健局の担当課長さんと議論をしてまいりました。何をいいたいかというと、東京には、多摩と島しょ地域があります。この島しょ地域、ご存じのとおり、三宅もあり、大島もあり、八丈島、新島、神津、そして青ヶ島、小笠原もありますけれども、こういった島しょ地域は、先日、知事が所信表明でも述べておりましたように、大変豊かな自然に恵まれておりますし、またそれぞれの島の特徴もあります。
 私は、実は島しょ担当で、全部の島に行っておりますけれども、一年中温暖な気候で生活ができる。行ってみた方たちは、本当にこう、あ、こんなにいい島があるのかというふうに思う人が多いと思います。
 そういう中で、この島しょ地域をこれから活性化していくためには、やはり各島の課題があります。その中で大きな課題は何かというと、それぞれの島では、若者が高校を地元で卒業しますと、仕事がないために、一旦東京や大都市に出るわけですね、中には帰ってくる人はいますけど、帰ってきたくても働く場所がないというのが大きな課題でございます。
 そういう意味では、やはり先ほどいいましたように、地方のところに、東京の人が特養ホーム入れないから、あなた島根県の特養ホームに行きなさいなんてことはいえないけれども、伊豆諸島は東京都内ですよ、三多摩も都内ですよ。だけれども、何度も私は議論をしました、福祉保健のこの特養ホームの担当と。島というのは、イコールうば捨て山という、皆さん方のこの考えに、島流しというような根底がある。それは今後変えていかなきゃいけないと私は思うんですね。
 今回、せっかくこういういい制度をつくった。私はぜひ、これを島しょにも適用すべきだということを主張したいと思います。
 先ほど答弁にありましたように、この制度が適用になるのは、地域福祉推進交付金を活用するためには、要件として公共交通機関によるアクセスが容易であることというふうにありました。
 しかし、伊豆諸島といっても、皆さんご存じだと思いますけど、八丈島に行くのに羽田空港から四十五分ですよ。飛行機でもっと早く着きますよ。あるいは大島で、調布から飛行機で一時間弱です。また、三宅島も調布から飛行機が出ています。船で行っても、竹芝から大島までジェットで一時間四十五分、そんなに変わらないですよね。
 私、山岸次長がさっきからずっと座っていらっしゃるのを見て、やっぱり一度ぐらいは立たせてあげたいと思って質問をしますけれども、同じ東京都内ということで、今後やはり、この島しょ地域の活性化の面もそうだし、二十三区のお年寄りで、特養ホームに入りたいんだけれども入れないでずっと待っている、家族も介護で大変だ、そういう方はいっぱいいるわけですよ。そういう人に--伊豆諸島のすばらしい環境のもとで老後暮らせるということは、これは決してうば捨て山じゃないし、島流しじゃないと思いますけど、この点について、福祉保健の大変ベテランの山岸次長のご意見、ご所見をお伺いしたいと思います。

○山岸次長理事兼務 先ほど部長からもご答弁申し上げましたように、都民に対してこのたび実施をいたしましたアンケートの調査結果から考えますと、直ちに本制度による特養整備の対象地域として島しょを想定することは困難であるというふうに考えられますので、まずは、まずは多摩地域での整備に向けて事業を進めていきたいというふうに考えております。
 私どもは、島しょを決して島流しというふうに考えているわけではございません。島しょ地域での特別養護老人ホームの整備につきましては、現在、建築価格が割高な島しょ地域特有の事情を踏まえた補助単価の加算も行っておりまして、引き続き、島しょ地域での施設設備を支援させていただく考えでございます。

○藤井委員 次長、ありがとうございました。ぜひ今度、次長、全部の島、見てきてくださいね。
 次に、認知症対策について伺います。
 今は認知症ではないんだけれども、正常な方と認知症の間にあるというのがMCIという方だそうです。MCIという方が正常と認知症の間の方。ですから、この方たちは十年たつとほとんどが認知症になる、四年以内で約半分が認知症になるといわれておりますけれども、この方たちが、MCIが全国で三百八十万人いるといわれております。
 そういった意味で、都内には約三十八万人の認知症の高齢者がおりまして、このMCIの有病率、認知症になる率は一三%という国の調査結果が出ているそうでございますが、そういう意味では、認知症を発症する前の段階、あるいはその軽い段階で早期に発見するということが非常に有効であるというふうにいえます。
 そこで、都として、認知症の早期発見、早く発見するための取り組みはどのように進めていくのか、まず伺います。

○西村高齢社会対策部長 軽度認知障害や認知症の疑いのある方を早い段階から支援につなげていくためには、かかりつけ医や歯科医師、かかりつけ薬局のほか、町内会やNPOなどの地域のネットワークの中で気づき、適切に対応していくことが重要でございます。
 そのため、都はこれまで、かかりつけ医や看護師を対象に、認知症への対応力向上を図る研修を行ってまいりました。今年度からは、歯科医師、薬剤師向けの研修も開始しておりまして、来年度は研修の規模を拡大するほか、新たに管理監督的立場にある看護師向けの研修を実施いたします。
 また、区市町村では、認知症支援コーディネーターが地域拠点型認知症疾患医療センターのアウトリーチチームと連携して、認知症が疑われる方等を訪問し、早期診断や必要なサービスにつなげておりまして、都はこうした区市町村の取り組みを支援しております。
 今後とも、認知症の早期発見の取り組みを進めてまいります。

○藤井委員 ぜひ積極的に取り組んでいただきたいと思っております。
 福祉保健局は、我が党の要望を受け入れまして、昨年十一月に、日本全国と世界の先進的に認知症対策を進めている事例を冊子にまとめました。私も先日、見せてもらいましたけど、立派な冊子ができました。関係者の皆さんのご努力に敬意を表したいと思います。
 この事例集では、健康長寿医療センターが開発いたしましたシニアの絵本読み聞かせプログラムというのがあるそうですけど、それを初めとして、研究機関におけるエビデンスがあって、かつ行政でも取り組みやすい事例が多く紹介をされているわけです。
 この事例集は一千部作成したというふうに聞きましたけれども、せっかくいいものをつくっても、こういったものがもっともっと関係者にも広まらなければもったいないというふうに思います。認知症予防に向けた具体的な取り組みにつなげることが重要だと考えます。
 そういう意味で、もっともっとこういった事例集を多くの区市町村が活用できるように、配布を拡充すべきだと考えます。
 また、都内の高齢者を初め、多くの方に認知症に対する正しい理解をしていただく、また認知症に対してどうしたら予防ができるのかというような、やはりそういったきっかけとなるように、こういった啓発パンフレットをさらに拡充すべき、配布すべきと考えますが、この点いかがでしょうか。

○西村高齢社会対策部長 お話の事例集は、今年度、認知症の予防を共通テーマに、全国九つの自治体や海外の取り組みを収集、整理し、そのプロセスや効果、成果などを取りまとめたものでございます。
 現在、事業実施の参考とできるように区市町村に配布しておりまして、今後、新たに地域包括支援センターや認知症疾患医療センターなどにも配布する予定でございます。
 また、都は、都民の方に認知症を理解していただくため、パンフレット、知って安心認知症を作成し、これまで八万五千部配布するとともに、認知症に関するポータルサイト、とうきょう認知症ナビを作成するなど、普及啓発に努めてまいりました。
 来年度は、このサイトをスマートフォン対応とするなど、都民がより使いやすくなるよう、リニューアルしてまいります。

○藤井委員 現在、アメリカを初め、海外でもこの認知症の早期発見のための研究が行われているというふうに聞いておりますが、こうしたチェックリストの結果次第で病院での診断を勧奨する仕組みをつくることが重要だというふうに考えます。
 東京都は、先ほどの普及啓発用のパンフレット、知って安心認知症の中に、自分でできる認知症の気づきチェックリスト、私もちょっと見させてもらいましたけど、こういうふうに認知症のチェックリストというのがあるんですね。石毛さん、やりましたか。(石毛委員「ちょっと、できなかったね」と呼ぶ)そうですか。
 このチェックリストをより多くの都民に普及するための取り組みが必要だというふうに考えますが、この点について都はどのように取り組むか、お伺いします。

○西村高齢社会対策部長 都はこれまで、自分でできる認知症の気づきチェックリストを掲載したパンフレットの要約版を作成し、新聞折り込みにより都内全域で約三百七十五万部配布するとともに、認知症は相談できるをキャッチフレーズに映像広告を作成し、トレインチャンネルや大型ビジョンなどを活用して情報の発信を行ってまいりました。
 来年度は、とうきょう認知症ナビに掲載しているチェックリストの項目を画面上で入力し、集計結果を表示できるようにするとともに、必要な場合は医療機関への受診を勧めるメッセージを表示するなど、都民がより活用しやすいものとしてまいります。

○藤井委員 大変すばらしいことだと思います。
 このチェックリスト表は、自分でやっても自分で集計しなくちゃいけない難しさがあるんですが、今、答弁でありましたように、チェックすると、チェックリストで項目を画面上でやると、あなたは認知症の予備軍だとか、あなたは認知症ですとか、そういうふうに出るそうですので、厚生委員会の皆さん、ぜひやっていただきたいと思います。
 そこで、先般、小池知事のもとに作成されました都民ファーストでつくる「新しい東京」二〇二〇年に向けた実行プランという中で、三つのシティーが掲げられていますが、中でもダイバーシティー、誰もが生き生きと生活できる都市東京は、こうした観点から大変大きな柱だと考えております。
 例えば、実行プランで挙げられております認知症の人やその家族が安心して暮らせるための支援策の構築に向けて、東京都医学総合研究所や東京都健康長寿医療センター、こういったところの研究機関を活用して、その成果を広く都民に還元することが重要だと考えます。
 そこで、認知症の人の支援に関するこれらの研究機関を活用した取り組みについてお伺いいたします。

○西村高齢社会対策部長 都は、東京都医学総合研究所と東京都健康長寿医療センターと共同いたしまして、認知症の人の在宅生活を継続するためのケアモデルの構築に向けて、今年度から二年間のモデル事業を実施しております。
 認知症の方の在宅生活を阻害する大きな要因の一つに、例えば世話や介護を拒否したり、他人をたたく、叫ぶなどの行動心理症状、いわゆるBPSDがございます。東京都医学総合研究所では、このBPSDに着目した研究を世田谷区、足立区、武蔵野市の三区市の協力を得て進めております。
 具体的には、ケアの対象となる認知症の方の食事、睡眠、体の痛み等のさまざまな状況を観察、記録し、BPSDの背景となっている要因を把握するための手法を開発しております。
 今後、この手法を活用し、BPSDの発生、増悪予防につながるケアの普及を目指してまいります。
 一方、東京都健康長寿医療センターでは、今年度、板橋区高島平一丁目から五丁目にお住まいの七十歳以上の高齢者全員を対象として生活実態調査を実施しておりまして、現在、認知症の疑いのある方の把握を進めております。
 今後、認知症で支援が必要と判断される方に対しまして、医療、介護サービスに加え、買い物、通院の付き添い等の生活支援、生活環境の調整等の居住支援などを行いまして、その効果を評価、検証することにより、認知症になっても住みなれた地域で在宅生活を継続できる都市型認知症ケアモデルの構築を目指しております。

○藤井委員 認知症は基本的に治らない病気というふうにいわれております。ただ、認知症にならないような予防策、まずはならないような予防策、また、そのための治療といいますか、あるいはなったとしてもその進行を抑える、そういう、今、研究が行われているわけです。
 例えば、認知症の進行を抑制する効果があると承認されている薬が、今現在四つあります。アリセプト、リバスタッチパッチ、レミニール、メマリーとか、こういった薬は承認されておりますけれども、抜本的に認知症をなくす、ならないという薬は、まだ発見されておりません。
 最近ではシロスタゾールという薬が開発されていまして、国立循環器病研究センターというところで、アルツハイマー型の認知症で軽度の認知障害に効果があるといわれているこのシロスタゾールの開発が、二〇一五年六月十五日から患者の組み入れが解消されて、臨床試験として今、登録済みということだそうでございますが、一日も早くこういった認知症に対する研究が行われて、予防なり、治療なりが受けられるような、そういった成果が出るように、私は東京都医学総合研究所に期待をしているわけでございますが、後ほどのがんと一緒にあわせてお聞きしたいと思います。
 それでは、続いて、がんについてお聞きしたいと思います。
 今、日本人の二人に一人ががんになり、三人に一人ががんで亡くなる、まさにがん大国日本といわれております。がんについて研究も行われているわけですけれども、いずれはこのがんも治る病気になる時代が来るのではないかと期待している一人でございます。
 早期発見がやはり大事ですけれども、最近では、がんになっても生存率が向上して、がんに対する不治の病という認識も変わってきました。
 一方、がんの死亡数の約八割を六十五歳以上の高齢者が占めております。こうしたことから、全世界でがんの研究、がんの発生のメカニズムとか治療法、治療薬、こういう研究を継続していくことが重要であると考えます。
 そこで、東京都医学総合研究所においても、がんの研究も行っているというふうに聞いておりますが、まず、この研究所の設立目的についてお伺いいたします。

○古賀事業推進担当部長 東京都医学総合研究所は、平成二十三年四月に東京都神経科学総合研究所、東京都精神医学総合研究所及び東京都臨床医学総合研究所の三研究所の統合により、財団法人として発足いたしました。その後、平成二十四年四月に公益法人化し、現在に至っております。
 医学総合研究所は、基礎医学及び臨床医学の振興を図るとともに、都立病院等における高度専門医療を支えるための研究体制を確保し、もって都民の医療と福祉の向上に資することをその目的としております。
 研究分野といたしましては、神経系及びその疾患に関する研究、精神障害の本体、成因、予防及び治療等に関する研究、がん、感染症を初めとする未解明の重要疾患の制御等に関する研究にわたり、現在、二十七のプロジェクト研究のほか、都の重点施策推進のため、がん、新型インフルエンザ及びデング熱の三つの特別研究を行っております。

○藤井委員 いろんな研究を行っているということでございますが、一つは都立病院に併設されていた研究所を統合してつくったこと、それから基礎研究と応用研究、その両方の研究を幅広い分野において行っているということでございました。
 その中で、がんについては、主にどういう研究を行って、またどのような段階にあるのか、この点について伺います。

○古賀事業推進担当部長 医学総合研究所では、尿から検出されるタンパク質、ジアセチルスペルミンの活用等により、各種がんの早期診断法等の確立に向け、都立病院等と連携し、臨床研究を進め、既に特許を取得しております。
 患者数の多い大腸がんの早期診断等に有効な補助診断薬につきましては、早期の製造、承認申請を目指して、現在、関係機関と準備を進めております。
 また、肝臓がん発症の主な原因である肝炎ウイルスに対する治療法の基礎的研究を進めており、このうち肝硬変に関する治療薬につきましては、医師主導治験を都立駒込病院で実施しております。

○藤井委員 駒込病院のがん研究の、非常に大きな力になっているのかなというふうに思います。
 そこで、このがんの診断あるいは治療に有効な研究に取り組んで、中には実用化の近いものもあるということでございましたが、このがん研究を初めとする研究成果は、都民あるいは研究者に対して積極的に情報発信して、医学総合研究所の認知度を向上させたり、研究内容の周知を図ることが重要と考えますけれども、この点についてはいかがでしょうか。

○古賀事業推進担当部長 医学総合研究所では、最新の研究内容や成果を都民にわかりやすく伝えるため、年八回、都民講座等を開催しているほか、研究者等を対象としたシンポジウムやセミナーを開催しております。
 また、研究内容につきましてホームページで公表するとともに、科学誌に掲載される研究成果については、新聞などでも広く紹介していただけるよう、積極的な広報活動を実施しております。

○藤井委員 この医学総合研究所のパンフレットをいただいて読みましたらば、今のご答弁にあったような研究をしているということと、こうありました、がんに関する研究で新しい治療法の開発を行いますというふうに掲載されています。
 新しい治療法の開発を行いますということで、がんの正しい治療法をこの東京都医学総合研究所でぜひ早く開発していただきたいなと期待をするわけでございますが、認知症のプロジェクトもあるそうで、認知症の発症と進行機序の解明というところに、この目的の一つに、認知症の進行を抑える薬剤や治療法の開発を目標とするというふうに出ています。
 まさに今、大きな課題であります認知症やがんに対して、老人総合研究所あるいは長寿医療センターが連携して、早急に、皆さん方の不安である、認知症になる不安や、あるいはがんになる不安、こういったものを早く解消していただきたいと、こう思うわけでございます。
 私もがんについていろいろ関心を持ってきておりますが、最近、近赤外光線免疫治療法というのが発表されました。ご承知だと思いますけど、近赤外線というのは、簡単にいうと、テレビのスイッチで出る線ですよね。これを近赤外線というそうですけれども、二〇一一年に日本人を中心とします研究グループが開発したがんの治療法だそうでございまして、もう既に何年かたっています。
 アメリカの国立がん研究所の主任研究員をされております小林久隆さん、日本人の研究グループが発表した近赤外光線免疫治療法、どういうものかというと、特殊な薬品と近赤外線を使ってがん細胞を破壊するという内容です。
 この近赤外線というのは、人間の細胞に害を与えることなく、体の組織の内部に到達することができる。人体に無害な近赤外線を照射して、体の中のがん細胞を消滅させる新しい治療法だと。
 これは、今現在、がん患者を対象に臨床試験も順調に進んで、二、三年後には実用化を目指しているというふうにいわれております。これができれば画期的なことになるかなと思っております。がん細胞が死ぬ率が極めて高いそうです。
 どういう治療をやるかというと、抗体、IR700という物質を静脈注射で体内に入れます。そうしますと、抗体であるIR700はがん細胞に結合する。一方、正常細胞には何も結合しない。そこに近赤外線の光を照射すると化学反応を起こして、がん細胞が破壊される。一、二分でがん細胞を破壊するそうです。で、正常細胞には影響がないと。
 まさに一回の照射で治療が終わるということで、こういった研究を行っている学者もいるわけでございまして、東京都も日本の先進的な、こういった研究を行う研究所において、ぜひ成果を出していただきたいと、このように期待をするわけでございますが、以上、認知症あるいはがんという、こういった大きな人類の課題に対して、東京都として、これらの疾病の予防、治療等に関する研究を充実させて、一日も早く、梶原局長のときに成果が出るようにやっていただきたいということを込めて、最後に局長の決意をお伺いいたします。

○梶原福祉保健局長 今、委員お話しのように、現在、都民のおよそ三人に一人はがんで亡くなっています。また、二人に一人はがんにかかるといわれております。
 また、急速に進む高齢化に伴い、何らかの認知症の症状を有する方というのは、平成三十七年には平成二十五年の一・六倍である約六十万人に増加するというふうに予測されております。
 都としては、がん対策、認知症対策ということで、さまざまな取り組みを行ってきたわけでありますが、今ご質問の研究所の研究というのも支援をしてまいりました。
 医学総合研究所というのは、高度専門医療を支える研究体制の確保等を目的に設立されたものであります。これは、昨年の四月、トムソン・ロイターというところが研究機関ランキングというのを発表しているんですが、日本の研究機関の中で、いわゆる引用論文数、そこで書かれた論文数を発表しているんですが、生物学、生化学分野では十位、分子生物学では六位ということで、名だたる大学を差しおいて、そういう実力を持っているところであります。
 また、健康長寿医療センターというのは、高齢者のための高度専門医療及び研究で高齢者の研究の維持及び増進に寄与することを目的に設立したものであります。これは、一九七二年、昭和四十七年に自然科学と社会科学を一体的に研究するという老人総合研究所、当時は老年学という言葉が余りない時代で、日本でまず最初にできた、そういう社会科学系と自然科学系を組み合わせる研究所でできました。
 私ども、こういう医学総合研究所、あるいは健康長寿医療センターという貴重なといいますか、さまざまな能力を持った研究機関を持っておりますので、今後とも、私どもとしては、研究所の取り組みを支援して、がん、認知症に対する研究の充実を図って応援していきたいというふうに思っております。

○小林委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後七時十八分休憩

   午後七時三十五分開議

○小林委員長 休憩前に続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○石毛委員 ランプがうちだけがついていて、あとは全部消えておりまして、ワークライフバランス、逆ですか、ライフワークバランス、どっちだろう。どちらにしろ、八時までに本当だったら終わらなきゃいけないんです。ブラック企業とかブラック委員会なんていうふうになってはいけないと思いますが、先ほど藤井議員が、治らない病気、認知症、私の顔を見て認知症じゃないかと。ちょっと外れてはいないと思うんですけれども……(藤井委員「たまたまそばに」と呼ぶ)ああ、そばにね。
 判断能力が不十分な人の財産管理や契約を代行する成年後見制度の利用を促進するための政府がまとめた基本計画が見えてまいりました。制度を利用すると失われる仕事や権利の見直しを行うことや、地域での見守りの体制整備などが盛り込まれております。
 基本計画は二〇一七年度から五年間の工程表などで構成され、制度を利用した場合に制限される権利など、見直しについて一九年五月まで必要な法制上の措置を行うというものであります。
 現在は、成年後見らがつくと二百を超える資格や職業が制限される。公務員や弁護士などとして働くことが難しくなるため、利用が広がらない要因の一つとなっているようであります。
 計画には、司法書士、行政書士、福祉士などの関係者が参加する地域連携ネットワークを各地域に整備すると盛り込まれております。使用しようとする人の早期発見につながるほか、日常的に地域で見守る体制をつくるのが狙いであります。
 ネットワークなどがこの生活状況などを裁判所に伝える仕組みをつくり、裁判所が利用者に合った後見人を選べるようにするための検討を行うことも盛り込まれております。
 認知症の患者や高齢者の増加が見込まれる一方で、成年後見制度は十分に普及しているとはいえません。
 さて、そこで、成年後見制度は、今、申し上げたように、認知症などにより判断力が十分でない方の権利を守る制度でありますが、今後、認知症高齢者の増加が見込まれており、成年後見制度を利用する人もふえていくことが予想されます。制度を利用したい人が確実に利用できるよう、体制を整える必要があります。このような観点から、質問をさせていただきます。
 まず、成年後見制度の都内における申し立て件数についてお伺いいたします。

○坂本生活福祉部長 成年後見制度でございますが、平成十一年十二月の民法改正によりまして、平成十二年四月一日から開始された制度でございます。
 制度開始の平成十二年から平成二十七年までの都内の申し立て件数でございますが、累計で五万五千二百十八件となっております。
 毎年の申し立て件数の推移を見ますと、平成十二年は年間一千七件でございましたが、その後、年々増加してきておりまして、平成二十七年は五千百七十四件と約五倍にまで増加しているところでございます。

○石毛委員 五倍に伸びているということでございます。
 制度開始以降、こうやって伸びているわけでありますが、これは、都や区市町村における体制が整ってきたといえましょう。
 都内における成年後見制度に関する取り組みについてお伺いいたします。

○坂本生活福祉部長 都は、平成十七年度から成年後見活用あんしん生活創造事業を実施しておりまして、区市町村におけます成年後見制度の利用を促進する体制の整備を支援しているところでございます。
 本事業では、後見人等候補者の養成、後見活動の支援、地域のネットワークづくりなどを行います成年後見制度推進機関を設置する区市町村に対しまして、包括補助で支援を行っております。現在、推進機関は四十八区市に設置されております。
 また、都みずからも実務を担当いたします区市町村及び推進機関の職員を対象といたしました研修や、困難事例についての助言などを実施しております。
 また、市民後見人の候補者の養成につきましては、平成十七年度から二十五年度までは都が、平成二十六年度以降は住民に身近な区市が、都の補助を活用して基礎講習を実施しておりまして、今年度まで合わせて一千二百二十一名の養成が終了する見込みとなっております。

○石毛委員 後見人の活用を進めようと体制が整ってきているということがわかったわけでありますが、ただし、申し立て件数については着実に伸びている一方、ここ何年間か、例えば二十四年だと五千二百九十一、二十五年、五千百三十五、二十六年、五千百五十六、二十七年、五千百七十四と、こういった数字で横ばいになっております。この傾向は、東京だけでなく全国も同じような傾向であります。
 こうした状況を踏まえて、国において成年後見制度の利用を促進するための法を制定し、基本計画策定の検討が始まっております。
 成年後見制度の利用促進に向けた国の動きについてお伺いいたします。

○坂本生活福祉部長 昨年四月、成年後見制度の利用の促進に関する施策を総合的かつ計画的に推進することを目的といたしました成年後見制度利用促進法が成立したところでございます。
 この法では、国が成年後見制度利用促進基本計画を策定することになっておりまして、昨年九月より、計画に盛り込む事項につきまして議論をされているところでございます。
 本年一月に公表されました基本計画案では、国、地方公共団体、関係団体等の役割を明確にいたしますとともに、今後の施策目標といたしまして、利用者がメリットを実感できる制度運用の改善、権利擁護支援の地域連携ネットワークづくり、不正防止の徹底と利用しやすさの調和などが示されております。
 現在、国は、本年一月から二月までに実施いたしましたパブリックコメントを踏まえた調整を行っているところでございまして、都といたしましては、引き続き国の動向を注視し、適切に対応してまいります。

○石毛委員 わかりました。利用促進に向け、国を挙げて取り組んでいるということがわかったわけでありますが、今後、東京都においても適切に対応していただきたいというふうに思います。
 埼玉県志木市では、成年後見制度の利用を促進するための条例などを大変進めておりまして、各自治体は、こうしたことを学ぶべきものがたくさんあると思いました。
 都と各自治体というのは、都が支援をする場面でありますが、こうしたところも今後しっかりと参考にしていただきながら、進めていただきたいと思います。
 そして、成年後見制度、その活用を希望する誰もが安心して利用できるよう、今後も積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 それでは次に、母子健康手帳についてお伺いいたします。
 核家族や地域のつながりが希薄になり、進む中、子育ての知恵や経験が伝承されにくくなっております。区市町村では、それぞれ工夫しながら子育て家族、家庭にさまざまな情報やサービスを提供しているところでありますが、どこの区市町村でも必ず配布しているのが母子健康手帳であります。
 確認のため、現在、一般的に配布されている母子健康手帳はどのようなものでしょうか。

○松山少子社会対策部長 母子健康手帳は、母子保健法に基づいて、区市町村が妊娠の届け出をした者に対して交付しているものであり、省令により文言が定められている省令様式と、記載事項のみが定められている任意様式とからなっております。
 省令様式には、妊婦健診や乳幼児健診、予防接種等の記録欄が設けられており、これらの記録を一元的に管理することにより、異なる場所で異なる時期に異なる専門職が母子保健サービスを行う場合でも、継続性、一貫性のあるケアを提供することができるものでございます。
 任意様式には、新生児や乳幼児の養育に当たり必要な育児上の注意や栄養の摂取方法等の情報を記載することとなっております。

○石毛委員 わかりました。妊娠期から乳幼児期までの健康に関する情報を一つの手帳で管理していれば、複数の機関で専門職が関与しても、一貫性のあるケアを行うことができます。
 母子健康手帳が非常にすぐれたツールであることを改めて確認いたしました。
 ところで、都が来年度新規に行う子供手帳モデルの検討についてでありますが、子供が学齢期になっても使える手帳があれば、生涯を通じた健康管理に一層役立つのではないかと考えます。都の新規事業がどのようなものか、お伺いいたします。

○松山少子社会対策部長 都は来年度、母子健康手帳の内容をさらに充実させ、子供の成長に合わせて長期間にわたって使用できる手帳のモデルとして子供手帳を策定し、区市町村に提供することとしております。
 この手帳には、学齢期までの子供の成長と健康に関する記録欄や子育て情報を盛り込む考えであり、具体的な内容については、都民や区市町村のニーズを調査し、母子健康手帳の課題を分析した上で、外部の有識者を交えた検討会を立ち上げて検討することとしております。

○石毛委員 まだ十分固まっていないような場面もあるようであります。それだけに、内容が充実したものになるよう、しっかりと検討していただきたいと。
 また、障害のあるお子さんの家庭や、あるいは母子家庭、里親など、さまざまな子育て家庭への配慮もぜひともしていただきたい、それをお願いいたしまして、終わりにいたします。

○和泉(な)委員 私からは、まず、被爆者の子の制度について伺いたいというふうに思います。
 私ごとで恐縮ですけれども、私の母は早い時期に疎開先から広島の市内にある実家に戻って被爆をし、被爆者手帳の交付を受けていました。私がそのことを知ったのは、両親が離婚し、父親に引き取られてから何十年もたってからで、ようやく昨年、被爆者の子の健康診断受診票の交付を受けました。
 被爆者の子の制度に関しては、この委員会でも何度か取り上げておりますけれども、国の給付である一般健診、多発性骨髄腫検診のほかに、都が独自で医療費助成やがん検診を行っている、これは非常に重要だというふうに思っています。
 一方、国は昨年四月から、被爆者胃がん検診の検査項目に胃内視鏡検査を加えました。東京都における現在までの進捗状況をまず伺います。

○上田保健政策部長 国は、原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律に基づき、都道府県が実施する胃がん検診の検査項目に胃内視鏡検査を加えることとし、平成二十八年三月三十一日に原子爆弾被爆者がん検診実施要領を改正し、都道府県に通知しました。
 そこには、胃内視鏡検査の実施に当たりましては、日本消化器がん検診学会の対策型検診のための胃内視鏡検診マニュアル二〇一五年度版を参考にすることとされております。
 都はこのマニュアルに基づきまして、制度管理体制や安全管理体制など、胃内視鏡検査に必要とされる要件を満たし、かつ被爆者へのがん検診実施の意向のある医療機関を選定し、被爆者の方々へ周知を行い、平成二十八年十一月から胃内視鏡検査を導入いたしました。
 平成二十八年度の実施医療機関は五十施設で、三月十六日現在、医療機関から報告を受けております受診者数は約百人でございます。

○和泉(な)委員 胃内視鏡検査を実施している医療機関は五十施設ということですが、ちょっと少ないんじゃないかなというふうに思っていますが、どのような理由によるものなんでしょうか。

○上田保健政策部長 胃のエックス線検査に比べ、胃内視鏡検査は偶発症を招く可能性が高く、粘膜の裂傷や麻酔などによるアナフィラキシーショックなどの報告事例がございます。また、機器の洗浄、消毒が適切でなければ、感染症リスクを高める可能性もございます。
 こうしたリスク等を踏まえまして、胃内視鏡検査を実施するに当たりましては、先ほど申しました対策型検診のための胃内視鏡検診マニュアル二〇一五年度版に基づいた制度管理体制や安全管理体制などを有する医療機関を選定し、検査実施を委託しているところでございます。

○和泉(な)委員 この対策型検診のための胃内視鏡検診マニュアル二〇一五年度版、これに基づくと、通常の胃カメラの検査よりも実施要件のハードルが高く設定されているということなんでしょうか。今後の被爆者の子の胃カメラ検診実施に向けての見通しとあわせてお答えいただければというふうに思います。

○上田保健政策部長 先ほど申しましたように、この対策マニュアルにつきましては、対策型検診を行うときには、やはり制度管理体制、安全管理体制が何より大切と考えてございます。健康な方に対する検診でございますので、通常の内視鏡検査とは異なりまして、対策型検診に関しましては、そういったハードルと申しますか、条件を高く設定しているところでございます。

○和泉(な)委員 今後の被爆者の子の胃カメラ検診実施に向けての見通しもあわせてお願いいたします。

○上田保健政策部長 先ほど申しましたように平成二十八年度で胃内視鏡検査が実施可能な医療機関は五十医療機関でございます。
 現在は、被爆者が胃内視鏡検査を円滑に受診できるよう実施体制の確保に努めているところでございまして、その拡大につきましては、まずは被爆者における検診受診体制の整備状況を見ていくことが必要であると考えているところでございます。

○和泉(な)委員 医療機関の体制整備も促進して実施医療機関をふやすということに、まず最大限の努力をしていただきたいというふうに思います。
 私、昨年もこの問題で質問をいたしました。そのときには、区の実施要領をまだ改正しておらず、実施方法の詳細が明らかになっていないという答弁でした。国の動向を注視していくということでしたが、もう既に被爆者の方では五十施設の医療機関で実施が始まっているということですから、国の動向を注視するという状況ではないということだというふうに思います。
 既に胃内視鏡での検診も始まっているわけですから、少なくとも被爆者の胃内視鏡検診が実施されている医療機関において、今現在もう既に被爆者の胃内視鏡検診が実施されている医療機関においての対応は可能なんじゃないかというふうに思いますので、ぜひとも一日も早い実施に向けて最大限の努力をお願いしたいと思います。
 もう一つ、実務的なことですけれども、一つ伺っておきます。
 被爆者の子の医療費助成申請に係る診断書の新規申請用様式、第十七号様式というものがありますけれども、現在の治療状況及び今後の治療方針を記入する欄がないため、被爆者が医師から苦情をいわれるケースが多い、困っているんだという話を聞いております。
 この十七号様式に現在の治療状況及び今後の治療方針を記入する欄を設けるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○上田保健政策部長 医療費助成に係る診断書である十七号様式につきましては、医師が治療状況や治療方針等の必要事項を確実に記入できるよう、診断書裏面の記載要領を改善したところでございまして、既に区市町村の被爆者援護対策関係窓口に送付してございます。

○和泉(な)委員 都として改善をしていただけたということでございますので、今後、もし何かありましたら、さらなる改善をお願いしておきたいというふうに思います。
 被爆者の子の検診については、かねてから受診の時期が限られているために医療機関の予約が入れられない--私も入れられませんでした、せっかく交付していただきましたが予約が入れられませんでした、被爆者と同様に、これが通年で受けられるようにしてほしいという要望が出されています。医療機関が少ないという制約がある中でも、通年で受けられるようにしていただければ、もっともっと被爆者の子が胃がん検診を受けられるようになるんじゃないかというふうに思うんです。
 その実態は、きょういただいた資料にも数字としてあらわれているんじゃないでしょうか。実際健康診断受診票の交付数は七千人を超えているのに、がん検診の受診数はふえてきているとはいえ、最も多い大腸がんでさえ千三百五十一人にとどまっています。
 被爆二世はまだ現役世代も多く、平日はなかなか会社を休んでまで検診を受けに行くということが困難です。
 胃内視鏡検査の早期実施とあわせて、検診時期も被爆者と同じ条件にしていただくよう強く求めてこの問題を終わります。
 続いて、特別養護老人ホームの問題です。
 現在、特別養護老人ホームの新規増設はユニット型が基本ということになっています。ユニット型では、トイレや洗面所が部屋に配備されている完全個室で、十人前後の少人数グループを生活単位として、きめ細かくケアを行うものです。入所者のプライバシーや生活の質の確保などがされており、ユニット型自体は批判するようなものでは決してありませんが、ユニット型は居住費が高く、毎月利用料を払えるだけの収入が必要になります。居住費、食事代の軽減が行われる補足給付も介護保険の改悪で外されてしまった、そういう方たちから、高くて払うのが大変だという声が寄せられています。
 葛飾の施設では、補足給付が打ち切られ利用料が高くなったために退所し在宅に移行した方、多床室へ移ることを希望する方が実際に出ています。特養ホームのユニット型、多床室の居住費というのはそれぞれどのように設定されているのか、伺います。

○西村高齢社会対策部長 特別養護老人ホームの居住費は、介護保険法に基づき厚生労働大臣が基準費用額を定めておりまして、ユニット型個室は日額千九百七十円、多床室は日額八百四十円となっております。なお、低所得者については、所得の状況に応じて負担軽減の措置が講じられております。

○和泉(な)委員 一カ月三十日として計算すると三万三千九百円も違うわけなんです。
 私が先日視察した施設では、要介護三の方の場合で、介護サービス費、食費、居住費を合計した利用料は、ユニット型の個室だと十二万九千五百五十四円になります。年額で百五十五万円です。夫婦で二百四十万円の年金があったとしても、残ったお金は月七万円で生活しなければならず、借家の場合などはとてもこれでは生活できません。所得に応じた負担軽減があるとはいっても、やはりユニット型ではかなりの負担で、この補足給付の所得第二段階、第三段階の方がユニット型の個室料を払うのが困難だ、このことは国への提案要求で都も述べていることです。もっと多床室をふやせば、経済的な心配をせずに安心して入れる方がふえるんじゃないでしょうか。
 国は、施設全体の七割以上をユニット型個室で整備することを基本というふうにしていますが、都は、一定の条件のもとで三割まで多床室を設置することにも補助を行っています。
 直近三年間のユニット型と多床室の整備状況がどうなっているか、教えてください。

○西村高齢社会対策部長 平成二十六年度に開設した特別養護老人ホームの定員数は、千七百五十八人分でございまして、うちユニット型個室が千四百六十八人分、従来型個室が五十八人分、多床室が二百三十二人分となっております。
 二十七年度は、千三百四十九人分が開設しておりまして、内ユニット型個室が千二百十人分、従来型個室が三十五人分、多床室が百四人分となっております。二十八年度は、千八百二十二人分が開設しておりまして、内ユニット型個室が千七百四十六人分、多床室が七十六人分となっております。

○和泉(な)委員 施設全体の三割まで多床室に補助を行っているわけですから、もっと多床室がふえてもいいのかなと思います。
 多床室というと、一つの部屋にベッドが並んでいる病院の多床室をイメージしていましたけれども、都の整備費補助の条件は、個室に転換した場合でも必要面積が確保でき、可動壁などでプライバシーの確保ができること、各ベッドが窓に面していることなどとなっています。
 私は、先日この基準を満たす多床室がある北区の特養ホームを視察してきました。二階、三階がユニット型個室で六十六室、四階部分が四人部屋の多床室六室で二十四床というふうになっています。多床室といっても、一人一室全てドアのついた個室です。どの部屋も窓から日差しが入って、これまでの多床室のイメージとは全く違っていました。
 先ほどの答弁では、三年間で整備されたのが全部で四千九百二十九人分、その内多床室はわずか九%の四百五十二人分です。施設整備の促進とともに、施設に入れる条件、環境、これを整える必要もあるんじゃないかと思います。
 地域の実情に合わせて、より多床室の割合をふやせるようにすることやユニット型の利用料を軽減するための補助など、低所得の高齢者でも安心して入れる特養ホームが増設できるような支援を、都としてぜひ検討していただくよう求めておきたいと思います。
 最後のテーマとして、子供の貧困対策とひとり親支援について伺います。
 私は二〇一五年十一月の事務事業質疑において、首都大学東京に子ども・若者貧困研究センターが立ち上げられたことを取り上げ、このセンターとの連携を積極的に進めることを求めました。
 その後、都が首都大学東京との連携で、子供の生活実態調査に取り組み、貧困対策の充実に取り組んでいることは非常に重要です。
 この子供の生活実態調査の中間まとめが二月に発表されましたが、都の受けとめと今後の取り組みについては、先ほど上田副委員長の質問に対する答弁がありますので、私の質問は省きたいと思います。
 私もこの生活実態調査に目を通しましたが、シングルマザーのダブルワーク、トリプルワークだけでなく、二人親の世帯で正規社員の保護者がいない世帯が一三%から一六%もいるということに、子供の貧困を取り巻く深刻な実態が浮き彫りになっていると感じました。
 支援を必要としている子供や家庭を支えるためにさまざまな施策を充実していくという答弁が先ほどもありましたので、調査結果をさらに深く分析して、施策の充実につなげていただきたいと思います。
 非正規雇用の拡大は世帯全体の生活を不安定なものにし、経済的にも時間的にも親からゆとりを奪います。それはいやが応にも子供にはね返り、健全な発達や教育、未来が阻害される大きな要因にもなっています。たとえ家庭の経済状況が厳しくても夢や未来への希望を諦める必要はない、そう思える施策の展開とともに、支援を必要とする家庭に情報が確実に届く工夫が必要です。
 昨年の予算特別委員会で、我が党の大山議員が、受験生チャレンジ貸付の問題を取り上げ、連帯保証人をつけるという要件を外すよう求めたことに応え、今年度からはこの要件が緩和されています。
 このように、支援を必要としている方たちに高いハードルを設定して支援が受けづらくなっている施策はないかという見直しもまた必要なんじゃないでしょうか。
 この生活実態調査でも、支援制度を知らなかったから利用しなかったという回答は少なくありません。しかも、困窮しているほどその数が多くなっているということは重大だと思います。
 都がこれまで行ってきた施策も、周知の徹底や手続の簡素化、アウトリーチやワンストップ相談窓口の拡充などでもっと支援が広く行き届くものにする必要があると思いますが、都の見解を伺います。

○松山少子社会対策部長 都は来年度から、生活に困窮する子育て家庭等について、関係機関と連携しながら、必要な支援につなぐ取り組みを行う区市町村を支援する子供の貧困対策支援事業を開始いたします。
 この事業では、専任の職員を配置し、関係機関の連携会議と子供や保護者に対する支援施策の周知強化を行うこととしており、地域の実情に合わせて、子育て家庭の生活実態や支援ニーズなどの把握、夜間、休日相談や訪問相談など相談しやすい仕組みの整備、転入世帯への相談支援なども実施することとしております。

○和泉(な)委員 重要な取り組みだと思います。
 自治体の広報紙やホームページなども困窮層では利用率が低いということがこの調査の結果として出ています。私は相談に来るのを待つだけではなくて、支援が必要だと思われる人を自治体がいち早く見つけて支援につないでいくことが重要だと思います。学校や行政の窓口など、さまざまな機関が連携して、ぜひアウトリーチも行えるよう都として支援していただくことを提案します。
 子供の貧困対策としての都の施策は幾つかの局にまたがっていますが、それぞれの局がそれぞれで動くのではなく、互いに情報を共有しながら連携することで、より効果が上がると思います。
 子供の貧困対策推進連携部会では、相互の連携をどのように取り組んでいるのか、伺います。

○松山少子社会対策部長 都は、子供・子育て施策推進本部のもとに設置した福祉保健局、教育庁、産業労働局など庁内各局で構成する子供の貧困対策推進連携部会において、関連施策の情報共有や拡充策の検討等を行っております。
 今年度は部会を四回開催し、区における先駆的取り組みの紹介、学習支援や子供の居場所など各施策の連携に係る意見交換、子供の生活実態調査の内容確認、貧困対策に係る施策の充実に向けての検討などを行いました。

○和泉(な)委員 今のところ意見交換、それから施策の充実に向けての検討ということです。
 首都大学東京の子ども・若者貧困研究センターは、研究成果を行政にフィードバックしていくことを目的の一つとしています。
 調査だけにとどめず、引き続きこの首都大学東京とも連携をして、連携部会がその役割をしっかりと発揮できるようなものにしていっていただきたいというふうに思います。
 子供の生活実態調査でも、シングルマザーの場合、非正規雇用が四割を超え、シングルマザーの暮らしの実態が深刻であるということを示しています。
 平成二十四年度の東京都福祉保健基礎調査では、母子世帯が困っていることに、七二・六%が家計と、五二・八%が子供の教育、進路、就職、三九・四%が仕事と答えています。
 いずれも暮らしの根幹にかかわるものであり、それぞれに支援の充実が求められていると思いますが、都の見解を伺います。

○松山少子社会対策部長 都は現在、ひとり親家庭自立支援計画に基づき、相談体制の整備、就業支援、子育て支援や生活の場の整備、経済的支援を柱に、関係するさまざまな分野の機関と連携して、総合的な支援に取り組んでおります。
 家計や仕事に対しては、より安定的な就業と収入を確保するため、それぞれの状況に合わせた就業支援や資格取得等への支援を行っております。
 ひとり親家庭に育つ子供に対しては、学習や進学の意欲を維持し、将来の自立につながるよう、身近な地域で子供たちの学習の機会を確保する学習支援の実施を推進しております。
 また、民間団体等と連携して、学習支援と食事の提供などを一体的に行う子供の居場所づくりに取り組む区市町村への支援事業も行っており、来年度は居場所と地域の子供食堂との連携や、学校給食がない夏休みなどに昼食等を提供する取り組みなどに対する支援を行ってまいります。

○和泉(な)委員 子供の貧困対策推進法では、教育の支援、生活の支援、保護者に対する就労支援、経済的支援という四つの柱を立てて貧困対策に取り組むことを地方自治体にも求めています。
 しかし、都のひとり親家庭自立支援計画、第三期経済的支援に関しては、児童扶養手当、児童育成手当、母子、父子福祉資金貸付、受験生チャレンジ貸付、ひとり親家庭等医療費助成などが書かれており、一つ一つもちろん大切ですけれども、基本的には従来の施策の枠を出ないものになっています。
 厳しい実態がさまざまな調査で浮き彫りになっているのに、経済支援が乏しいということにはならないでしょうか。
 児童扶養手当は子供が一人の場合には、所得が五十七万円を超えると十円単位で低減されています。二人目、三人目の手当の金額が上がったとしても、物価や住宅費が高い東京においては、経済的支援としては不十分だと思います。
 低減された手当分を都が補填するとか、都独自に所得制限の基準を引き上げて、児童扶養手当を満額支給する対象を広げてはどうかと考えますがいかがでしょうか。

○松山少子社会対策部長 児童扶養手当は、児童扶養手当法に基づく国の制度であり、その制度のあり方については、ひとり親家庭の現状を踏まえながら、国で議論すべきものと考えております。
 また、ひとり親家庭施策は、安定的な職業と収入を確保するための就業支援を基本としながら、一人一人が抱える課題に適切に応えるための相談体制の整備、子育て支援や生活の場の整備、経済的支援を総合的に進めていく必要があると認識しております。

○和泉(な)委員 子供の貧困は、親の健康、就労、経済状態と不可分です。都の児童育成手当についても、一九九六年までは毎年上がっていましたが、以降、一万三千五百円でずっと据え置かれたままです。
 子供の貧困対策推進法第十三条では、地方公共団体も各種の手当の支給、貸付金の貸し付けその他の貧困の状況にある子供に対する経済的支援のために必要な施策を講ずるものとするとなっているわけですから、国の責任にだけするのは私はおかしいと思います。
 そもそも、子供の貧困対策のためにあらゆる施策を展開する必要があるときに、最も必要とされている施策に都が取り組まないというのは、自治体としての本気度が問われるんじゃないでしょうか。貧困に苦しむ家庭が自立して安定した生活を営めるような仕事につけるよう支援することはもちろん重要です。そのための資格取得の支援も必要でしょう。
 しかし、日本の子供の貧困は、親が働かないから貧困なのではなく、働いていてもなお貧困の状態にあるというところが特徴であり、それだけに深刻なんです。
 ぜひ、経済支援をもっと拡充していただくよう強く求めて、私の質問を終わります。

○小林委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案及び本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小林委員長 異議なしと認め、予算案、知事提出の付託議案及び請願に対する質疑はいずれも終了いたしました。

○小林委員長 次に、議員提出議案第四号を議題といたします。
 本案について提出者の説明を求めます。

○和泉(な)委員 趣旨説明の時間をいただきましてありがとうございます。東京都シルバーパス条例の一部を改正する条例案の趣旨説明をさせていただきます。
 今回提出する条例案の改正点は、第一に、多摩モノレール、「ゆりかもめ」も使えるようにすること、第二に、パスの発行を受ける際の費用負担を所得に応じた額とすること、第三に、乗る停留所、おりる停留所のいずれかが都内であれば使えるものにすることの三点です。
 現在は、住民税課税者で、所得が百二十五万円を超える方の費用負担を、一律二万五百十円としていることについては、高過ぎるという批判と中間の料金設定を求める声が寄せられています。
 対象である七十歳以上人口に占めるシルバーパス利用者の比率は、一九九九年度の七二%に対し、二〇一五年度には四六%まで低下をしています。高齢者の社会参加を促進するためにも負担を軽減し、利用の拡大を図ることが求められています。
 現在の費用負担が、原則二万五百十円となっているものを、所得に応じてと新たに条例の中に加えることにより、費用負担額そのものを所得に応じた設定にすることが原則というふうになります。
 具体的な所得段階と負担金については、別途規則で定めるとしていますが、私たちは、住民税課税で所得が百二十五万円を超え、百九十万円以下の方について三千円のパスを発行することを考えています。
 また、多摩モノレールなどへの適用拡大は、沿線住民からの強い要望となっています。
 横浜市、名古屋市、神戸市、広島市の高齢者への交通助成制度では、第三セクターの交通機関も対象になっており、利用促進のために多摩モノレールなどへの拡大が必要です。
 現在は都県境近くに住んでいる都民が、隣県にある最寄りの鉄道駅に行く際に、シルバーパスが使えないなど不便も生じています。町田市議会からは意見書が二回にわたり提出されるなど、都県境のバス路線で利用できるようにすることは、住民の強い要望となっています。
 高齢者への交通助成制度を実施している政令指定都市のうち、第三セクター以外の民間交通機関を対象にしているのは十二市ですが、そのうち八市では、利用を乗車と降車の両方が市内の場合に限っていません。東京都でも少なくとも乗車または降車の一方が都内である場合は対象にするべきです。
 必要財源は、三千円パスの発行で三十億円、多摩モノレール、「ゆりかもめ」の適用で十二億円、都県境の路線への適用で十億円、合計で五十二億円と見込んでいます。
 条例の施行日は、シルバーパスの更新時期を考慮し、二〇一七年十月一日とします。よろしくご審議ください。

○小林委員長 説明は終わりました。
 これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○野島委員 大変貴重なご提案をいただいたことに、まず敬意を表したいと思っております。
 その上で、質疑時間の効率化のために、本条例案にかかわる私が作成しました資料、これを議員各位にご配布させていただきたいんですが、委員長、よろしゅうございますか。

○小林委員長 はい。

○野島委員 ありがとうございます。それでは、配布願います。(資料配布)今、申しましたように私が作成したんです。ただし、局側に協力をいただきながら作成したものです。まずは、局の対応に感謝を申し上げたいと思います。
 小池知事は、都政改革の一丁目一番地は情報公開、このようにいわれております。加えて、これからは議員の質問力が試されるともいわれているようであります。
 私は常々思っているんです。執行側の情報はスーパージャンボジェット機です。それも財源という燃料をたっぷり腹におさめたスーパージャンボジェット機です。審議側、我々の立場は、正直なところヘリコプター程度。このヘリコプターは、実はさっきいった財源という燃料を積んでおりませんから、ブリキなんていうと今の人はわからないかもしれないけど、ブリキのおもちゃ程度です。
 それだけに、この二元代表制の地方議会の中では、審議側と執行側が情報を共有しなければ議論は進まないというふうに私は思っているんですね。
 ところが、何を勘違いしているのか、これは福祉保健局ではありませんよ、どうもその資料は情報公開制度によって要求してくださいということが散見されるんですね。情報公開制度で要求して何を要求できるか、僕らわかりゃせんですよ、そんなの。さっきいった情報量の違いがあるんだから。少なくとも執行済みの事業、これでいえば、この条例は既に執行されて今日まで来ているんです。そういうことですね、ここに書いてあるように。これについては、やっぱりちゃんと知らせてもらわないと。
 その上で、私たちは、じゃあこの事業をどうするんですかという政策提言をしていくことができるんです。でないと、私たちは知事に挑発されています、質問力が試される。そんなことだったら質問力なんか高まらないんですよ。
 だから、知事はちゃんと情報を審議側にも提供しなさいと。自民党にじゃないですよ、審議側に提供しなさいよというべきだというふうに思っております。
 そういう意味で、局側のご協力に重ねて感謝を申し上げます。
 梶原局長以下皆さん方は、大変優秀な官選の公務員です。いわば東京都という地方自治体に就職しようということで、大変優秀な能力を持って採用されて今日まで至っているというふうに思っております。
 知事は公選公務員です。そして都民ファーストだそうであります。都民ファーストにするのは、審議側と情報を共有して、じゃあこれからその政策をどうするのということを我々がいわなければ、都民ファーストにならないんです。
 我々は都民ファーストなんです。それも、都政に責任を持つという立場の都民ファーストですから。審議側ですから何でもいっておきゃいいというふうに思うかもしれないけど、やっぱり責任を持って都政を進めていかなきゃいけないという、そういう立場でやっているわけであります。
 そんなことで、二元代表制の議会の役割という極めて重要な課題でございますので、この間の私が資料を作成したという経過について、あえて冒頭申し上げておきたいというふうに思います。
 大変貴重な提案をいただきまして、質疑の機会をいただいたことに私からも感謝を申し上げて質問に入ります。
 質問の内容は、今、申し上げたような柱立てでやりますので、たしか前これが出たとき、僕がちまちまちまちま条例の逐条解釈みたいなのをやって大変ご迷惑をおかけしたと思っていますので、きょうはそれはやりません。ざっくりした政策論を展開したいというふうに思っております。
 なお、委員長さん、提案者との事前調整は一切行っておりませんので、もし質問の意味がわからないということがありましたら、もし逆質問があれば対応していただきたいということ、それから二十五分ということで予定時間をお願いしてございますけど、精緻な議論をしていきますと、ざっくりした話でも多分、私が答弁側に立って答弁するときの想定で答弁してくれればもっと短縮できますけれども、恐らくそれは立場の違いで、ないと思いますので、極力お願いした時間の中でおさめるようにしてまいりたいというふうに思っております。
 さて、まず一弾目の質問は、今般「ゆりかもめ」と多摩都市モノレールが対象事業者に加わりました。その理由について、先ほどありましたけれども、改めて確認の意味でご答弁をお願いいたします。

○小林委員長 挙手をしてお願いいたします。

○和泉(な)委員 済みません、答弁になれておりませんもので。
 先ほども趣旨説明の中でお話をさせていただきました多摩モノレールについても、「ゆりかもめ」についても、いずれも周辺住民から強い要望が出ているもの、そして、条例の第一の目的である高齢者の社会参加を促進するという意味においては、いずれも対象に加えるのがふさわしいという判断をして、多摩モノレールと「ゆりかもめ」を加えました。

○野島委員 地域の要望が極めて強いんですよと、こういうことだろうと思います。私ども常に都政の課題は地域にありということでやっておりますから、そういう意味では大変合意のしやすい話だと思います。
 実は、我が会派にも都市モノレールを追加すべきという意見もあるんです。特に、沿線の自治体選出の議員さん、共産党さんにもいらっしゃるのかな、余計なことだけどね、そういう議員さんもいらっしゃる。
 私はこの際、せっかくワイズ何とか、要するに賢い支出ということなんでしょう、知事さんがなったので、この間の、事業が始まってから今日までの社会経済情勢は大きく変わっています、そういったふうなことで、抜本的な見直しによって賢い支出をした方がいいんじゃないかという立場に立っているんです。
 ところで、この追加により多摩都市モノレールには--さっき金額の話がありました。それはお金が多摩都市モノレールに入るということです。これは企業会計上、どういう科目で立てられるというふうに思っていますか。--細かく調べるならいいです、後でまた私の方でやります。

○和泉(な)委員 多摩モノレール、「ゆりかもめ」の財政補填ということでよろしいんでしたでしょうか。すみません、逆質問してしまいまして。
 現在バス協会分は福祉保健局の予算、また都営地下鉄と都電荒川線、日暮里・舎人ライナーは財務局から交通局に支出をされております。必要な額は補填される必要がありますけれども、実務上、多摩モノレール、「ゆりかもめ」の場合にどうするかというのは条例の可決を受け、行政と一緒に考えていくということになろうかと思います。

○野島委員 わかりました。わかりましたということは、よくわからないということがわかりましたと、こういう意味でありますから誤解をなさらないようにしてください。
 公共企業体の、要するに東京都の財政支出と、三セクなり、株式会社が受けて入る金というのは、全然性格が違うんですよ。
 例えば多摩都市モノレールにお金が入るでしょう、後でやりますけど、それは事業収入に入らないんですよ、多分。俺も財務会計全然よくわかんないんで、当てずっぽうでいってるんだよ、入らないんですよ。補助金収入はその他の収入になるんですよ。まあ、それはそれでいいです。
 いずれにしても、これは、財政規律からいかがかというよりも、むしろ否定されるべき話だろうと思っております。
 かつて貿易摩擦の折に、日本に外国の商品が入ってこられないじゃないか、こういうことで日本に対する批判がありました。補助金行政によって、その分が、商品から当然安くなります、そのために補助金を出してるんですから。外国製品はその恩恵にあずかれません。したがって、価格差が出ますからこちらには入ってこられないと。そういうことなんです。
 これを本件に当てはめますと、純粋な民間事業者がやっている事業というのがありますよね。例えば民営バス、これは後で沿革の中で話をさせていただこうかというふうに思っておりますけど、そこの方はどう思うでしょう。
 かつて、郵政民営化のときにこの議論ができました。そして、その後も金融行政の中で、民間事業者は、官の丸抱えでやっている事業、これと競争がイコールフッティングになっていないと。だから、株の放出は、あるいは郵便局の貯金の限度額は、株の放出に合わせてふやしていくしかないんですよ。それをやらなかったら民間事業者はたまったもんじゃないんですよ。そういう課題もあります。
 これからは余り質問的じゃないので申しわけないんですが、私の申し上げました社会経済情勢の変化についてということで、幾つかこの資料に基づいて、私の見解をいわせていただきたいと思っています。
 現在、これは七十歳以上の都民ですよ、こういう方です。寝たきりの方を除く。寝たきりの方は出かけようにも出かけられないですから。
 それで、これ実は私、むしろ七十五歳以上にすればいいと思っているんです。私、今六十八歳です。ヘルスメーターに乗りますと、あなたの体年齢はと出てくるんです。要するに、体脂肪率だとか内臓脂肪率だとか体重、BMI、こういったことであなたの体年齢は何と五十二歳と出てくるんです。文字どおり元気高齢者。そういうこともあります。高齢学会も高齢者は七十五歳以上にすべきだという提言もされておるわけでございまして、それが一つ。
 それと、元気高齢者がまちに出ていってまちに活気をやるためには、キョウイクとキョウヨウですから、きょう行くところがある、きょう用事がある、こういうことで参加していけば地域も活発になってくるわけであります。と同時に、これはフレイル対策にもなると思うんですね。
 フレイル対策というのは、ただ単純に体の劣化じゃないんですよ。社会参加に足が向かないから家にいるという、ひきこもりになってしまう、そうすると体も使わないわけですから体も劣化しちゃうと、こういうことになりますので、そういうフレイル対策とあわせて区市町村がやっている事業にむしろ補助金を出した方が、私は、政策効果すなわち高齢者の社会参加を助長し、もって高齢者の福祉の向上を図ると。
 先ほど沿線住民から強い要望があるというふうにお話しになりました。東久留米なんか、多摩都市なんか全然関係ない。そういう地域課題、地域の地政学的なことでいえば、むしろやめてほしいと私は思ってるんです、市民の一人として。それよりも、さっきいった事業の方に補助金を出してくれた方が、よっぽど社会参加を助長しという、このことにつながるなというふうに私は思っております。
 次に、手数料の問題であります。福祉施策ですよね。しかし広い意味では、高齢者の社会参加を促進するという意味では、社会保障政策なんです。
 それで、ここにあるようにこの沿革の中で、鈴木知事の段階で名称変更及び所得基準を導入しているんですよ。要するに財政出動は、受ける側のスタビライザーに寄与しなきゃいけないんです。それなくしてやったら単なるばらまきなんですよ。
 さっきのお話の中で、高いから安くしなさいよと、そういうことも入りますよと。それは大いに結構なんです。大いに結構なんですよ。が、もっとたくさん所得を持っている人に安くする必要は僕はないと思う。これが二つ目。
 それから、財政規律の問題。さっきいったように、多摩都市モノレールに入る都のお金は、利用実人員であれば、これは多分事業収入として立てられるから、かかる経費は差っ引きになります。しかし、多分その他収入になるでしょう。
 そうしますと、経費性の支出をどうやって区分するんですかという、極めて厄介な企業会計上の問題が起きてくるんです。
 すなわち、これが入ることによって全体の売上高はふえると思います。しかし、経費性のないものにお金が入ってきて、経費性がないわけですから、差っ引きになると今度は利益が減少になるんです。これは民間事業者がよく落っこちちゃうんです、ここにね。十分注意しないと落っこちちゃうんですよ。
 そうしますと、企業の財務体質に重大な危機があるということで、上場企業であれば株価はどんどんどんどん下がってきます。と同時に、これは東京都と沿線の自治体、それから民間事業者のバスも入って、たしか多摩都市モノレールというのは資本構成そうなっていると思うんです。
 それをやっていきますと、収入はふえるけど、充てるべき経費性が否定されちゃいますから、しかし人件費は出さなきゃいけないということになりますから、行き着くところは人件費倒産。
 しかしその前で、じゃあ、そこをどう補填するのということになると、東京都なり株主が増資しなきゃいけないんです。ワイズスペンディングどころじゃないんです。ワイズじゃないのよ、賢い支出どころじゃないです、各自治体にとっても。そういう課題をはらんでおります。事ほどさようにたくさんのクリアしなければならない課題がございます。
 それで、これは馬の耳に念仏ですから余計なことはいいませんけど、私どもの立場は、財政支出を伴う条例、すなわち今回のような、これは、その財源確保について、執行側とある程度の、むしろ明確なものが出ませんと、議員提出するのはいかがかなと思っているんです。
 自治法では、議員の条例提案権は崇高な権利として認めておりますから、大変すばらしい貴重な提案をしていただいたんです。
 ただし、行政実例としては、地財法は、正式な文言はわかりません、私も読んだことないから、当該事業を執行するに当たっての財源担保がなければ、条例は提出してはならないという規定もあるはずなんです。
 したがって、そういうことで、せっかく小池知事が賢い支出を目指すんだといっておりますので、僕はその部分だけは極めて素直に受けとめているんですよ。素直にですよ、私は性善説ですから。善司さんっていうぐらいだから。素直に受けとめているんです。
 それで、ぜひこれから私どもも執行サイドにそういう提案をどんどんどんどんしていきたいと思うんです。
 それで、さっきいった議員の提案権という崇高な権利、地財法上の制約、執行側とよく詰めて、それは何が賢い支出かということを詰めてやった段階で、ぜひ共産党さんにも共同提案をしていただければ、あるいは皆さんにも、各党会派にも提案していただければ、共同提案していただければ大変ありがたいというふうな夢物語を描いております。大体私この次、こういう席にいるかどうかわからないんだから、そういう意味では夢物語です。
 それで、そういうこともありますからぜひ、せっかく提案された方に取り下げたらどうですかなんていう、やぼなことを聞いちゃいけませんが、そのご意向だけ一つお聞かせいただけますか。

○和泉(な)委員 行政に精通している野島先生からのお話でございます。不勉強で大変申しわけないとは思いますが、私たちは議員の議案提出権というものは、地方自治法においてしっかりと認められているものだというふうに解釈をしております。
 確かに、普通地方公共団体の議会の議員は議会の議決すべき事件について、議会に議案を提出することができる、ただし、予算についてはこの限りでないということで、議員は予算の提案権については持ち合わせていませんよということを明確にうたっております。
 ただ、このとおり解釈いたしますと、予算提案権を持っていない議員は議案を提出できないということにもなります。そうすると、この議員の議案提出権が大きく制約をされるものになるだろうというふうに私たちは考えています。
 地方議会議事通説でも、あらかじめ執行機関の長と連絡の上、財源の見通しを得る必要があるとすることは、同法第百十二条第一項の規定の趣旨に反するという節もあるということから、議案提案権を使って、住民の願いに応える条例案を積極的に提案していくということもまた議員の責務であろうというふうに思っているところです。

○野島委員 おっしゃるとおりだと思っていますよ。私のいっていることが、もっとおっしゃるとおりなんです。崇高な議員提出議案、ただし、予算を伴うということは財源担保を、予算というのは財源ですから、そういうものはいじれませんよということなんです。それで地財法かどうかわからないけれども、執行側は財政権を持っているんだから、さっきいったように、ばかでっかい財源という燃料を積んで、スーパージャンボジェット機だから、そこはちゃんと歯どめをかけているんです。当該事業に要する財源を担保しない限り提出できないんですよ。
 今、ご答弁された方は、通説と書いてあるんです。学者さんの言なんです、通説。そうですよね。私どもがやっていくことは行政実例です。
 ということで、終わります。

○小林委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小林委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で福祉保健局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後八時四十七分散会

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