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Tokyo Metropolitan Assembly

厚生委員会速記録第十五号

平成二十八年十一月二十二日(火曜日)
第七委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長小林 健二君
副委員長上田 令子君
副委員長木村 基成君
理事大場やすのぶ君
理事和泉 武彦君
理事中山 信行君
前田 和茂君
和泉なおみ君
藤井  一君
斉藤あつし君
畔上三和子君
山加 朱美君
石毛しげる君
野島 善司君

欠席委員 なし

出席説明員
病院経営本部本部長内藤  淳君
経営企画部長矢田部裕文君
サービス推進部長谷田  治君
経営戦略担当部長
オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務
大久保達也君

本日の会議に付した事件
病院経営本部関係
報告事項(説明・質疑)
・契約の締結について
事務事業について(質疑)

○小林委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、病院経営本部関係の事務事業に対する質疑及び報告事項の聴取を行います。
 これより病院経営本部関係に入ります。
 初めに、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○矢田部経営企画部長 動産の買い入れ契約につきまして、お手元にお配りしております資料、契約締結報告書に基づき、ご報告申し上げます。
 恐れ入りますが、一ページをお開き願います。本日ご報告申し上げます契約五件の総括表でございます。
 以下、順次、契約の概要についてご報告申し上げます。
 二ページをお開き願います。この契約は、都立広尾病院において使用いたします一・五T磁気共鳴断層撮影装置の買入れでございます。
 契約の方法は一般競争入札、契約金額は二億三千七百六万円で、契約の相手方は富士フイルムメディカル株式会社でございます。
 三ページをお開き願います。この契約は、都立墨東病院において使用いたします一・五T磁気共鳴断層撮影装置の買入れでございます。
 契約の方法は一般競争入札、契約金額は二億千九百二十四万円で、契約の相手方は株式会社イノメディックスでございます。
 四ページをお開き願います。この契約は、都立墨東病院において使用いたします血管連続撮影装置の買入れでございます。
 契約の方法は一般競争入札、契約金額は二億二千四百九十六万四千円で、契約の相手方はグリーンホスピタルサプライ株式会社でございます。
 五ページをお開き願います。この契約は、都立大塚病院において使用いたします三T磁気共鳴断層撮影装置の買入れでございます。
 契約の方法は一般競争入札、契約金額は二億四千六百二十四万円で、契約の相手方はエム・シー・ヘルスケア株式会社でございます。
 六ページをお開き願います。この契約は、都立駒込病院において使用いたします手術用支援ロボットシステムの買入れでございます。
 契約の方法は一般競争入札、契約金額は三億四千三百三十一万四百円で、契約の相手方は株式会社イノメディックスでございます。
 簡単ではございますが、以上で契約締結のご報告を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

○小林委員長 報告は終わりました。
 本件に対する質疑につきましては、後ほど事務事業に対する質疑と一括して行いますので、ご了承願います。
 次に、事務事業に対する質疑を行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○矢田部経営企画部長 去る十月十八日の本委員会におきまして要求のございました資料についてご説明を申し上げます。
 お手元にお配りしてございます厚生委員会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
 資料は、目次にございますように、合計十八件でございます。
 恐れ入りますが、一ページをお開きいただきたいと存じます。1、公社病院の病棟休止状況でございます。
 平成二十八年十月一日現在の公益財団法人東京都保健医療公社の病院における病棟の休止状況について、病院別に記載しております。
 二ページをお開き願います。2、都立病院及び公社病院におけるがん患者数でございます。
 平成二十七年十月二十一日に実施いたしましたワンデー調査におけるがん患者数について、(1)は都立病院、(2)は公社病院の実績を病院別に記載しております。
 三ページをごらんください。3、都立病院及び公社病院における医師の定数及び現員の推移でございます。
 常勤医師の定数と各年度十月一日現在の現員の推移を、(1)は都立病院、次の四ページの(2)は公社病院につきまして、それぞれ診療科別に記載しております。
 五ページをごらんください。4、都立病院におけるPFI事業に関わる経費の推移でございます。
 都立病院におけるPFI事業にかかわる経費につきまして、病院別に推移を記載しております。
 六ページをお開き願います。5、公社病院に対する運営費補助金の推移でございます。
 公社病院に対する運営費補助金の推移につきまして、病院別に記載しております。
 次に、七ページをごらんください。6、公社病院における看護職員の固有・派遣職員数の推移でございます。
 公社病院における看護職員の各年度四月一日現在の定数及び固有、派遣別の現員の推移を病院別に記載しております。
 八ページをお開き願います。7、都立病院におけるM-FICU、NICU及び小児特殊医療の入院患者数の推移でございます。
 (1)はM-FICU及びNICU、(2)は小児特殊医療につきまして、入院患者数の推移を記載しております。
 九ページをごらんください。8、都立病院における精神科特殊医療の入院患者数の推移でございます。
 (1)は医療観察法病棟、(2)はアルコール及び薬物依存等について、入院患者数の推移を記載しております。
 一〇ページをお開き願います。9、都立病院における感染症医療及び結核医療の患者数の推移でございます。
 感染症及び結核の患者数につきまして、推移を記載しております。
 一一ページをごらんください。10、広尾病院の改修・改築に向けた調査の委託契約概要でございます。
 平成二十七年度に実施いたしました広尾病院の改修、改築のあり方に関する調査及び広尾病院整備に係る調査につきまして、契約の概要を記載しております。
 次に、一二ページをお開き願います。11、東京看護アカデミーの事業実績でございます。
 東京看護アカデミーにおける研修の種類及び本制度による資格取得の実績を記載しております。
 一三ページをごらんください。12、都立病院及び公社病院における分娩件数の推移でございます。
 都立病院及び公社病院における分娩件数につきまして、それぞれ推移を記載しております。
 一四ページをお開きください。13、都立病院及び公社病院における誤嚥に関する報告件数の推移でございます。
 都立病院及び公社病院における誤嚥に関する報告件数につきまして、それぞれ推移を記載しております。
 一五ページをごらんください。14、病院経営本部における懲戒処分の件数の推移でございます。
 病院経営本部における懲戒処分の件数及びその内訳について記載しております。
 一六ページをお開きください。15、小児総合医療センターにおける死亡退院患者数の推移でございます。
 同センターにおける死亡退院患者数につきまして、(1)は疾病分類別、次の一七ページの(2)は年齢別に推移を記載しております。
 一八ページをお開きください。16、松沢病院における死亡退院患者数の推移でございます。
 同病院における死亡退院患者数につきまして、(1)は疾病分類別、(2)は年齢別に推移を記載しております。
 次に、一九ページをごらんいただきたいと思います。17、都立病院における一般会計繰入金の推移でございます。
 都立病院における一般会計繰入金につきまして、病院別の推移を記載しております。
 二〇ページをごらんください。18、広尾病院移転に係る検討経緯でございます。
 広尾病院の改築に向けたこれまでの検討経緯につきまして、時系列に記載してございます。
 簡単ではございますが、以上で資料の説明を終了いたします。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○小林委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、事務事業及び報告事項に対する質疑を一括して行います。
 発言を願います。

○山加委員 さきの福祉保健局の事務事業でも、私はこのヘルプマークの普及について質問いたしましたが、(実物を示す)病院経営本部におかれましても、その普及啓発の輪をさらに広げていただきたい、そんな願いも込めて、お伺いをいたしたいと思います。
 このヘルプマークは、障害手帳を有する者だけでなく、認知症、そしてまた精神障害、妊娠初期の女性、外からわからなくても、配慮や、また援助を必要としている方が身につけ、支援ニーズがあることを周囲の皆様に知っていただく、そのことを目的とするマークであります。
 私は、みずから中途障害の体験者として、四年前の予算特別委員会でこのマークの提唱をし、それを受け、福祉保健局が平成二十四年、具体的にこのマークのデザインを決め、そして実現をしてくれました。
 具体的に、デジタルサイネージ、映画館、広告など、さまざまな手段を用い、このヘルプマークの周知を福保は行っています。また、局を超え、都営交通でも大江戸線、多摩モノレール、「ゆりかもめ」の駅などで、実際このヘルプマークの無料配布を行ってくれています。
 啓発の経過もかなり効果があらわれてきたと思っています。不自由さをお持ちの方に、これをつけていると何かあったときに精神的に安心だと、障害当事者もそうですし、ご家族からもそんな喜びの声を私自身も耳にしておりますし、また、まち中を歩いておりますと、手荷物にこれをつけている方も最近よく見かけるようになってまいりました。
 しかし、健常者の方にこのマークがどういう意味があるのかということを知っていただかないと、その啓発の拡大にはつながっていきません。マークに対する認知が健常者の方にも広がっていただきたい。
 そんな中で、病院経営本部所管の都立病院、また公社病院ですが、改めて病院はさまざまな疾患を抱えた患者さんが利用する場所であり、見た目ではわからないけれども、障害や不自由さを持っているなど、まさにこのヘルプマークを必要としている方がたくさんいらっしゃいます。そうした方にこのヘルプマークをさらに認知していただくことは大変重要と思います。
 都立病院でもこれまで、このヘルプマークの周知に協力をしてきたことは私も存じておりますが、さらに取り組みを充実すべきと思いますので、所見をお伺いいたします。

○谷田サービス推進部長 ご指摘のとおり、都立病院に来院する患者の中には、例えば人工関節を有する方や難病の方など、外見からはわからなくても、支援や配慮を必要とする方がいらっしゃいます。こうした方にヘルプマークの存在を知っていただき、活用していただくことは非常に重要であります。
 これまでも、都立病院では、ヘルプマークに関するポスターを外来に掲示するなど、患者さんや来院者への周知を図ってまいりました。ヘルプマークをさらに広めていくため、今後、全ての都立、公社病院で、患者支援センターの窓口など、希望される方に対し、ヘルプマークの配布を行ってまいります。
 同時に、病院の職員が、ヘルプマークをつけた方に対して声がけなど適切な対応ができるよう、目的、意義について改めて周知を行います。
 障害を持つ方はもちろん、都立病院を訪れる全ての方が安心して受診できるよう、さまざまな角度からサービス向上の取り組みを進めてまいります。

○山加委員 どうぞよろしくお願いいたします。
 私も都立病院、よく整形外来を、私も人工股関節ですから、受診をするときに、ポスターを張っていただいているなあと。しかし、何カ月かすると、ポスターですから、汚れたり破けたりすると思うんですけれども、何かいつの間にかなくなっていたり、やはりポスターを継続して張っていただく、そのことに意味があると思いますので、ぜひ破れたり汚れたりした場合には新しいものに張りかえるような努力をしていただきたいなと思いますので、よろしくお願いいたします。
 次に、精神保健指定医についてお伺いをしたいと思います。
 先月末に、精神科医師の持つ専門資格であります精神保健指定医の資格の不正取得があったとして、厚生労働省は、全国で八十九名という精神保健指定医の資格取り消し処分を発表いたしました。八十九名という前例のない大規模な処分であったことから、新聞やテレビで大きく報じられたのは記憶に新しいところであります。
 そもそも、この処分の発端は、昨年、聖マリアンナ医科大学病院で、実際に診察していない患者のケースレポートを使用して指定医資格の不正取得を行ったとして、二十名以上の医師について資格の取り消し処分が行われました。これを機に、厚生労働省が過去に提出された全国のケースレポートを調査したところ、指定の取り消しに相当する事案が多数確認されたためとのことであります。
 精神保健指定医は、精神保健福祉法に定める医師の国家試験で、精神科医療において、患者本人の同意によらずに措置入院、身体拘束の判定を行うなど、患者の人権を制限する極めて責任を持つ者ですが、残念なことに、今回取り消し処分を受けた八十九名の中には、申請当時、都立病院に所属をしていた医師が五名いました。三名が多摩総合医療センター、二名が松沢病院の医師でありました。
 この五名中四名は既に退職をしているとのことですけれども、現在、その医師がいないとしても、都立病院で起きた事故であることは変わりがありません。
 今後、このような事故を起こさないためにも、不正取得であると認定された具体的な原因を追及することは不可欠であります。
 資格取得の手続としては、一定の臨床経験を積んだ後、厚労省の定める八つの症例に関するケースレポートを提出し、厚生労働省の資格審査を受けるという流れでありますが、さきの聖マリアンナ医科大学の事例では、あってはならないことですが、先輩医師からケースレポートのデータを使い回しし、ほぼ同じ文章で提出することが常態化していたとの報道もあります。
 都立病院で今回のような不正取得の発生した原因や背景について、どのように考えているのか伺います。

○谷田サービス推進部長 今般の取り消し処分を受け、指定医本人に当時の状況を確認したところ、いずれの医師も、患者へのインタビューやカンファレンスへの参加など、患者の診療には関与していたとのことでございますが、カルテへの記載が不十分でございました。
 一方で、厚生労働省の発表によれば、ケースレポート症例は、診断または治療等に十分なかかわりを持った症例としては認定されなかったとのことでございます。
 このような事案が生じた背景としては、法令に定める申請要件に対する医師本人の理解が不十分であったことに加えまして、法令によれば、ケースレポートの症例管理は、申請する医師本人と指導医のみで行われ、申請手続も医師みずからが行う仕組みになっていることなどから、組織的なチェック体制が不十分だったことなどが考えられます。

○山加委員 ご答弁で、指定医本人の話によると、関与の度合いはどうあれ、患者の診察には携わっていたとのことであり、マスコミで報道されているような、診察をしていない患者についてケースレポートを使い回すような組織的な不正ではないと思われる。その一方で、ケースレポートの作成から提出までの一連のプロセスが医師個人に委ねられており、組織的に管理する体制が欠如していたことは問題であろうかと思います。
 二度とあってはならないことですが、今後再び資格の取り消し処分を受けるような事態を招かないために、具体的にどのように再発防止に取り組むつもりか、所見をお伺いいたします。

○谷田サービス推進部長 今回の取り消し処分が発表された翌日に緊急の事務局長会を開催しまして、全ての病院に対し注意喚起を行うとともに、再発防止を指示いたしました。
 具体的には、厚生労働省が定めます精神保健指定医の新規申請等に係る事務取扱要領の内容を再度確認し、申請要件等への理解を深めるとともに、ケースレポートへの症例重複が起きないよう、診療科内での管理を徹底すること、事務局でケースレポートのデータベースを作成し、管理を行っていくことといたしました。
 今後は、組織全体で資格取得手続や症例管理を行ってまいります。

○山加委員 ぜひ実効性のある確実な再発防止策を講じていただきたいと思います。
 そして、再発防止と並んで重要なのが、当該指定医のもとで診療を受けていた患者さんへの影響であります。
 先ほども申し上げましたが、精神保健指定医は、措置入院、身体拘束など、本人の同意なしに、その権利を制限することができます。
 当該指定医が行った業務について、判断は適正であったかなど確認を行っているのか、また、患者さんの不安の払拭に向け、どのように取り組んでいるのかお伺いいたします。

○谷田サービス推進部長 今回の取り消し処分は、過去にさかのぼらず、本年十一月九日付で資格を取り消すものでございましたが、両病院では、患者の人権擁護を第一に考え、厚生労働省の指示を待たずに、過去に行いました指定医業務の有効性の検証に着手しております。
 具体的には、措置入院や医療保護入院の判断など、当該指定医が在籍中に行いました全ての指定医業務について、副院長や他の精神保健指定医が診療録等により確認を行っているところでございまして、その結果を踏まえまして、対応については検討してまいります。
 厚生労働省から指定医業務の有効性確認等について指示があった場合には、別途、適切に対応してまいります。
 また、患者を含めた利用者、都民に対しては、両病院のホームページにおわびの文書を掲載し、再発防止の徹底など、今後の対応をお知らせしてまいりました。

○山加委員 患者さんへの人権擁護を第一に考え、迅速に検証に着手しているとのことでありますが、厚生労働省や福祉保健局の方針に従って、今後も適切に対応していただきたいと思います。
 また、精神保健指定医については、ことしの二月にも、都立病院の医師が指定医の資格更新を怠り、資格を失効したまま業務を行ったとして、停職七日間の、このときは懲戒処分を受けています。
 厳しいことを申し上げますが、今回の資格の取り消し処分といい、続けざまにこのような事故が起こっていることは、都立病院に対する信頼が大きく揺らぎかねない事態と憂慮しています。この際、過去の事例も含めて徹底的に問題点を洗い出し、うみを出していくべきと思います。
 これまでの事故を受け、医師の専門資格の管理について、病院経営本部として今後どのように対応していくのかお伺いいたします。

○谷田サービス推進部長 これまでの二つの事案を受け、既に各病院では、精神保健指定医を初めとする医師の専門資格の確認やケースレポートのデータベースの作成など、病院全体で資格を管理する仕組みを構築するとともに、医師の資格更新等について総点検を実施いたしました。
 その結果、現在、精神保健指定医の更新手続の不備が疑われる事案があることから、確認を行っており、事実関係が明らかになった段階で適切に対応してまいります。
 精神保健指定医は、精神疾患の治療に伴う非自発的入院、隔離、拘束など、患者の人権制約を含む治療上の決定を行う権限を持つもので、この資格について不正取得があったことは、精神科医療全般に対する信頼を損なうことに通じるものであり、この事実を深く受けとめまして、再発防止に努めてまいります。

○山加委員 ぜひとも不適正な事例は、ぜひ今回で終わりにしていただいて、いま一度都立病院が都民からいかに必要とされ、そのことを肝に銘じて信頼回復に努めていただきたいと思います。
 次に、広尾病院の改築についてお伺いをいたします。
 都は、国に先んじて、三百六十五日二十四時間体制で救急医療を提供する東京ERを、墨東病院に続いて都立広尾病院に開設をしました。
 そして、広尾は、阪神・淡路大震災以降も基幹災害拠点病院にも指定され、都の災害医療を牽引する重要な役割もこれまで担ってきています。まさに、多くの都民を救う命綱であります。
 そして、オリンピック・パラリンピック大会が開催される二〇二〇年に向けて、今後、都を訪れる外国人、また在留外国人のさらなる増加が今予想されている中で、都立病院として最も多く外国人患者を受け入れてきたのが広尾病院であります。ですから、この広尾の役割はますます高まっていることは、いうまでもありません。
 厚生委員会の管内視察で、私たちは平成二十五年十二月に広尾病院の視察をさせていただきました。その際、党派を超えてかなりの方が、施設が大変老朽化していることをこの目で見て感じてまいりました。抜本的な改築の必要性を私も感じましたし、ほとんどの委員の方も感じられたと思います。
 例えば、東京ERと一般病棟の入り口は別でも、中に入りますと、ERから入った大変重篤な患者が、一般の外来で来ている方の動線で、前を通ってレントゲン室に入るとか、まるで動線も分けられていない。そういう意味でも改築の必要性を感じたわけであります。
 そのような中、今年度、広尾病院を改築して首都災害医療センター、仮称ですが、整備に向けた検討が始まったものと認識をしています。
 そこでまず、なぜ今、広尾病院の改築が必要であるかについて、改めて確認の意味でお伺いしたいと思います。

○谷田サービス推進部長 委員ご指摘のとおり、現在の広尾病院の中心となる建物は、昭和五十五年竣工でございまして、築三十六年を経過し、施設整備を検討すべき時期に来ております。
 また、建築当時、災害拠点病院を想定した設計となっていないことから、玄関前や院内にスペースの余力がなく、災害時に多くの傷病者を受け入れるためのスペース確保などに課題がございます。
 今回の改築は、施設老朽化への対応と、広尾病院の担う重要な役割の一つでございます災害医療機能の強化の二点を主な目的としております。
 病院の改築には、工事竣工に至るまで多くの手順が必要でありまして、一定期間を確保し、改築を計画的に進めていくため、今年度基本構想の策定に着手することとしたものでございます。

○山加委員 改築の必要性についてはわかりましたが、広尾病院の改築に当たっては、現地建てかえ、改修、移転について、かなり検討してきたと聞いております。
 それぞれの手法について、改めてどのような課題があるのかお伺いいたします。

○谷田サービス推進部長 現地建てかえでは、工事期間中に診療制限が伴うため、いつ起こるかわからない災害への対応という観点からは、災害拠点病院としての機能維持に課題が残ります。
 改修では、工事期間中の診療制限のほか、災害時のスペース確保といった課題を抜本的に解決することが困難でございます。
 もっとも、移転におきましても、土地取得コストや患者の受療動向が異なることへの対応などの課題が生じるものでございまして、どのような方法によっても、解決すべき課題は生じるところでございます。

○山加委員 現地建てかえ、改修、移転、いずれの方法においても大なり小なり課題があることがわかりました。
 私も、先ほど申し上げたように、委員会で視察をし、この老朽化した広尾病院を拝見し、都民の命をしっかりと守るためにも、やはり改築は必要と思っておりましたので、委員会でも何度か改築が必要ですよということを、特に二〇二〇年オリンピック・パラリンピックに向けては、海外から大勢の皆様がこの日本にいらっしゃって、そして世界で一番の首都を目指しているわけですから、世界で一番の医療を提供しなければならない。その意味でも、現在の広尾の改築は必要と申し上げてきました。
 そして、今回の改築について、ことし三月の厚生委員会においても、都民にとっても大変喜ばしいことであると思う旨を述べましたのは、言葉だけがひとり歩きをすると、その前後の意味がわからない方もいらっしゃいますので、現地建てかえや移転新築のいずれがよいということではなくて、老朽化した広尾の施設への対応に今までめどが立っていなかったわけですから、一応のめどが立ったことに対して、都民にとっても喜ばしいと述べたわけであります。
 今答弁いただいたように、いずれにしても課題があることからすれば、大事なことは、場所がどこであろうとも、今回の改築が都民にとって喜ばしいことであるかどうかであります。
 そこで、都民の期待にしっかりと応えていけるよう、広尾病院の役割の検討を今後どのように進めていくのか伺います。

○谷田サービス推進部長 広尾病院の改築は、平成二十六年度から検討を開始し、施設の老朽化対応とあわせ、災害医療機能の向上を図ることを前提としてまいりました。
 具体的には、整備手法として、現地建てかえ、現地改修、移転新築のそれぞれに課題が伴うことを念頭に、整備期間中、広尾病院の重要な役割の一つである基幹災害拠点病院の機能を維持することに重点を置いてまいりました。
 今年度、専門家や関係者を加えた基本構想検討委員会を立ち上げ、これまでの経緯を詳しく説明するとともに、現在の広尾病院の特徴について意見を交換してまいりました。
 今後は、病院運営の現状分析だけでなく、地域医療構想策定の動きを踏まえ、将来担うべき医療や地域との協働関係のあり方など、さまざまな観点から議論を深めていく必要がございます。
 こうした議論を重ねながら、今後の広尾病院が目指すべき病院像を見きわめ、都民の期待に応える病院となるよう、改築のあり方全体を検討してまいります。

○山加委員 今、都政はこれまでになく厳しい都民の目にさらされています。都庁内の各局は、それぞれ真摯に行政運営に取り組んでいると信じていますけれども、これまで以上に汗を流して、適切な行政運営を心がけ、都民の信頼を回復しなければならないと思っています。
 そこで、都民から信頼される都立病院の運営に向けた本部長の強い決意を最後に伺い、私の質問を終わります。

○内藤病院経営本部長 都立病院は、行政的医療や総合診療基盤に支えられた高度な医療サービスをいっときも、一刻も欠かすことなく提供してございまして、その役割、責務は極めて重いものと認識してございます。
 ただいまご質疑いただきました、まず広尾病院の改築に当たりましては、引き続き、基本構想検討会の場などを通しまして、必要な医療機能や規模等に関する議論を丹念に重ねながら新しい病院像を見きわめ、患者や地域の方々からも、より一層頼りにされる病院を築いてまいりたいと考えております。
 また、精神保健指定医の問題につきましては、精神科医療そのものの信頼性を損なうことになりかねず、まさにあってはならないものと認識してございます。ご指摘を重く受けとめまして、再発防止に全力で取り組んでまいります。
 地域医療のあり方が大きく変化する中、これからの都立病院が担うべき医療につきまして改めて検証、検討し、来年度策定する次期中期計画にも反映していく予定でございますが、その前提といたしまして、何よりも欠かせないことは、都民や地域からの信頼だと認識しております。
 都民の生命と健康を守るという使命のもと、これまで以上に信頼される都立病院を目指しまして、各病院現場と経営本部とが一体となって、日夜、安全・安心な医療の提供に万全を期してまいりたいと考えております。

○中山委員 では、きょう私は、人材確保、病児、病後児保育、それから患者支援、そして広尾病院の改築、この問題について質疑をさせていただきたいと思います。
 まず、人材確保でございますけれども、都立病院が継続的かつ安定的に行政的医療を提供していくためには、医療を担う人材の確保が何よりも重要であります。
 私は、昨年の事務事業質疑におきまして、都立病院の医師確保や看護師確保の取り組み、また、その定着に向けた勤務体制の工夫、出産、育児をしながらも女性職員が働き続けられる環境の整備について質問をし、病院経営本部が多様な対策を行っていることを確認したところでありました。
 一方、人材の確保、定着には、業務多忙である医療従事者の負担軽減を図ることも必要であります。今回の質疑では、こうした観点から、都立病院でどのような取り組みを行っているのかをお伺いしたいと思います。
 まず、医師の負担軽減についてでございますが、都立病院では十年ほど前にERで医療クラークの配置が始まったと記憶しております。
 そこで、都立病院におきます医療クラークの導入の経緯と現在の状況、また、どのように医師の負担軽減が図られているのかお伺いをいたします。

○矢田部経営企画部長 ただいま理事のお話がございましたとおり、都立病院では平成十九年度に、広尾病院など三つの病院のERに合計八名の医療クラークを配置いたしました。その後、段階的に人員をふやしてきたところでございまして、平成二十八年十月一日現在では、全都立病院で合計百十名の医療クラークを配置しております。
 医療クラークは、医師の指示のもとに診断書等の文書作成補助や、また診療データの整理などの業務に当たっており、医師の事務作業に係る負担が軽減され、より診療に専念できる環境の整備につながっております。

○中山委員 医師の負担を軽減するために医療クラークを導入してきたことがよくわかりました。
 ところで、平成二十二年の診療報酬改定により、急性期病院におきます看護補助者の手厚い配置を評価する急性期看護補助体制加算が新設され、看護職員の指導のもとに、療養生活上の世話などを行う看護補助者の導入が進んでいると聞いております。
 都立病院でも、平成二十七年から多摩総合医療センターでモデル事業として、看護補助者が配置されました。
 そこで、現在の運用状況についてお伺いしたいと思います。

○矢田部経営企画部長 多摩総合医療センターでは、看護補助者を各病棟にそれぞれ二名程度を基本として配置し、平成二十八年十月一日現在の職員数は合計三十名でございます。
 看護補助者は、これまで看護師が行っていた患者の食事、トイレ等の介助、検査室等への患者搬送などの看護師資格を必要としない業務に当たっており、これによりまして、看護師の負担が軽減されているところでございます。

○中山委員 医療クラークの増員や看護補助者の導入により、一定の効果が上がっていると思いますけれども、患者の高齢化や医療の高度化などに伴い、医師や看護師が専門職として行う業務はますますふえていくものと思われます。
 そこで、医療従事者の負担軽減を図り、より質の高い医療を提供していくため、医療クラークや看護補助者の配置をさらに拡充していくべきと考えますが、見解をお伺いいたします。

○矢田部経営企画部長 都立病院が質の高い医療サービスを提供するためには、人材の確保、定着が重要でございまして、医師や看護師の事務作業などの負担を軽減し、専門的な業務に専念して働きやすい環境を整備することが必要だと認識しております。
 補助者を配置することによる医師や看護師の負担軽減効果や、また患者サービスの向上といったプラス面とあわせまして、人件費の増大による経営面への影響や人材確保の可能性なども考慮しながら、各病院の状況に応じ、補助者の拡充に努めてまいります。

○中山委員 医療クラークや看護補助者の整備というのは、当然、医師確保や看護師確保にとって役に立つだけではなくて、医師や看護師が提供する診療行為等を通じての患者サービスの質の向上ということにもつながりますし、大変大事な課題であると思います。
 特に、医療クラークにおいては、百十名もいらっしゃるわけですから、ぜひ調査とかアンケートとかをしっかりやっていただいて、より活用の効果的なあり方というものについて検討していただいて、職場環境によっていろいろ工夫していると思うんですけれども、さらにこういう工夫例もあるよというようなことを広めていただきたいと思っております。
 また、医師や看護師さんが中心であるかもしれないけれども、それを支えるクラークの方や補助者の方々も誇りを持って、仕事をしていただけるような、そういう環境も大事だと思います。
 特に、看護補助者の方々も、看護師とは違うかもしれませんけれども、患者の方々と接する方々でございまして、そうした方々が意欲的に仕事に取り組めるかどうかということは、患者さんにとっても過ごしやすい、精神的に安定した形で自分の治療に臨める上で大事な環境になると思いますので、よろしくお願いをしたいというふうに思います。
 次に、病児、病後児保育についてお伺いをしたいと思います。
 私は、昨年の三月の予算特別委員会でこの問題を取り上げさせていただいて、都立病院や公社病院での病児、病後児保育の推進ということを強く求め、病院経営本部長からも前向きなご答弁をいただいたところでございます。
 当然、お子さんが病気になれば、誰もが親として、できることならば寄り添って、付き添って子供の面倒を見たいところでありますけれども、どなたも全てが自由に有給休暇をとれるという環境にあるわけではありませんし、中には個人事業主的な働き方をしていて、なかなか会社組織による代替がきくというようなことができない社会的な使命を帯びた方々もいらっしゃいます。
 そうした方々、特に女性の方々を中心として、就労継続--就労といっても、それは個人のわがままではなくて、家族を養うために就労しているわけでありますから、その就労継続を図りながら子育てもできるような環境を整えるということで、医師や看護師の確保ということについては地域でも大変苦労していますので、都立病院、公社病院での取り組みをお願いしたいと思っております。
 子供は、病気を経験しながら育っていくものといえるかもしれません。しかし、実際に自分の子供が急に病気になったら、仕事をどのように調整したらいいか、急には仕事を休めないと悩む保護者も多いと思います。このようなときに病児、病後児保育があることは、保護者にとって大変心強いものと考えます。
 働く保護者がふえる中、病児、病後児保育のニーズは高まっております。都は、これまでも病児、病後児保育の事業の実施主体である区市町村の取り組みを支援してまいりましたが、都立病院、公社病院においても区市に積極的に協力していくべきであります。
 まず、都立病院、公社病院の病児、病後児保育室の設置状況と運営状況についてお伺いをいたします。

○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都立、公社病院における病児、病後児保育につきましては、事業実施主体である区市の状況を踏まえ、協力していく必要があると認識しております。
 都立病院では、平成二十八年二月に墨東病院に病児、病後児保育室を設置しており、平成二十八年四月から十月までの延べ利用人数は百四十四名でございました。利用率は五〇・三%となっております。
 公社病院につきましては、平成二十五年十一月に多摩北部医療センターに設置しており、平成二十八年四月から十月まで延べ利用人数は二百八十二名、利用率は四九・三%という状況になってございます。

○中山委員 平成二十八年二月に都立墨東病院で病児、病後児保育室を設置していただいたということで、二十七年三月の予算特別委員会の私の質疑を踏まえていただいて、また当然ですけれども、地元の区とのたび重なる協議を踏まえて実施していただいたことを評価したいと思っております。
 小児科の医師のいる都立病院、公社病院の病児、病後児保育室に子供を預けられれば、保護者も安心して働くことができると思います。今後、他の都立病院、公社病院にもふやしていっていただきたいと思います。
 その予算特別委員会の際も、小児救急における都立病院、公社病院の受け入れ数の比率が非常に高いということを私はいわせていただいて、そういうところにこそ病児、病後児保育の保育室があると、大変安心できるんだということをいわせていただいたところであります。
 また、病児、病後児保育は、病気の流行や季節性、子供の病状回復によるキャンセル等により、利用率が安定していないということも、なかなか取り組みが広まりにくい課題の一つであると聞いております。
 単一の区市町村の範囲では、病児、病後児保育のニーズが不安定であり、そのために設置に踏み切れない区市町村もあるかと思います。
 今後は、隣接する区市が病児、病後児保育室を共同利用する広域利用を積極的に推進していく必要があると思いますが、都立病院、公社病院におきます病児、病後児保育の広域利用について、今後の見解をお伺いしたいと思います。

○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都立、公社病院における病児、病後児保育の広域利用についてでありますが、病児、病後児保育施設の設置を検討している小児総合医療センターにおきまして、隣接する市が共同利用する広域利用も視野に入れ、府中市及び隣接する市と協議を行っているところでございます。
 また、既に病児、病後児保育を実施している病院や小児科のある他の都立、公社病院におきまして、実施主体となる地域のニーズと関係区市町村間の調整状況等を踏まえ、対応してまいります。

○中山委員 ぜひ、小児総合医療センターにおきまして、広域利用が地元の自治体の意向を踏まえて実現していくことを期待するものであります。
 隣接する区市が病児、病後児保育施設を共同利用することができれば、施設のない区市町村に暮らす都民も助かりますし、施設の安定医療にもつながると思います。恐らく、そういう面では、自治体が単独で東京都と協力してやるよりも、一つの自治体の負担も減るのではないかというふうに思います。
 私の地元の足立区の隣の葛飾区には東部地域病院があります。東部地域病院は葛飾区にありますけれども、足立区と区境から数十メートルしか離れていませんので、足立区民にとっては、足立区にある病院ぐらいに思っているところもございますけれども、東部地域病院に病児、病後児保育室が設置され、広域利用ができれば、都民に大変広く喜ばれることになると期待しております。
 東部地域病院における病児、病後児保育の方向性について、見解をお伺いしたいと思います。

○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 東部地域病院における病児、病後児保育につきましては、保育事業の実施主体である葛飾区及び足立区と地域ニーズや病児、病後児保育関連事業の取り組みの状況等について意見交換を行っているところでございます。
 実施に向けては、両区による需要の把握や運営にかかわる取り決めの検討に加えまして、地区医師会との協議など、さまざまな課題を調整する必要がございます。また、東部地域病院の施設の状況も踏まえ、実現可能性について検討する必要も、あわせてございます。
 まずは、主体となる地元区からの要請があることが前提でありまして、引き続き、実施主体である葛飾区及び足立区の地域ニーズと調整状況等を踏まえて検討してまいります。

○中山委員 葛飾区の公明党の区議団では、先ごろ青木区長さんに対して、東部地域病院における病児、病後児保育の実施を求めるよう、都に強く要請してほしいということを口頭でお伝えして、近々、正式に要請文をお渡しする予定であると聞いております。
 また、足立区につきましても、区役所の幹部に私が直接お伺いしたところ、東部地域病院における病児、病後児保育の実施を大変期待する声をいただいたところでありますので、さまざま課題はあると思いますけれども、ご検討を前向きによろしくお願いしたいと思います。
 ところで、病児、病後児保育にはどの程度の費用が必要なのかという点が非常に大事でありまして、その点で墨東病院の病児、病後児保育の運営に係る費用におきまして、区の負担のあり方もあわせてお伺いしたいというふうに思います。

○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 墨東病院の病児、病後児保育室は、運営を民間事業者に委託しており、この委託にかかわる経費は、看護師及び保育士の人件費が大半でございますが、年間約千二百万円となっております。
 実施主体である墨田区の支出額は、実績見合いとしているため変動をしますが、例えば先ほど答弁をしました利用率五〇%で推移した場合、年間約六百七十万円となる見込みでございます。この支出額約六百七十万円のうち、国及び都がそれぞれ三分の一を補助する仕組みとなっております。
 なお、墨東病院の病児、病後児保育室開設に当たりましては、施設整備費等は約四千三百万でありましたけれども、全額都で負担しております。

○中山委員 病児、病後児保育室の運営には、ある程度の費用がかかることが今の答弁でわかったところでございます。そういう面でも、できましたならば、地元自治体の負担部分については、できる限り費用の低減化を今後ともご検討いただきたいというふうに思います。
 まずは、施設整備費用と初期費用ですけれども、今回、墨東病院の例でご説明いただきましたけれども、そのたびごとに地元の自治体と協議するというのでは、なかなか自治体側もめどを立てにくいというところがございまして、できましたならば、墨東病院の場合は全額都が負担したということですけれども、そうしたことを実例としてベースにしていただいて、今後、地元自治体が臨みやすい環境整備に努めていただきたいと私から要請させていただきたいというふうに思います。
 また、費用面だけではなくて、病児保育の実施には医師の関与が必要であり、拡大は簡単ではないため、都立、公社病院への期待が大きいところであります。
 そういう面で、区市町村ニーズの把握に努めていただいて、特にこの点は直接出かけていって把握をしていただきたいと。くれぐれも書面上の把握にとどまらないでやっていただきたいということをお願いして、今後の積極的な取り組みを望んで、次の質問に移りたいと思います。
 続きまして、患者支援でございます。
 昨年の事務事業でも質問させていただいたとおり、私は、かねてより数ある病院のスタッフの中でもMSW、すなわち医療ソーシャルワーカーの重要性について指摘をさせていただいたところであります。
 いうまでもなく、病院はさまざまな専門職の方から構成されているわけでありますが、MSWは医師や看護師などに比べるとなじみが少なく、どちらかというと地味な存在と思われるかもしれません。
 しかし、家族や地域の結びつきが薄れる中、退院後も療養が必要な方や自力で生活することが困難な患者さんに対して、条件に沿った転院先を探したり、自治体の相談窓口へつないだりと、さまざまな方面から相談に乗ってくれる、悩みを抱えた患者さんや家族にとっては大変大きな心強い存在であります。
 都立病院では、MSWや看護師等、さまざまな職種がそれぞれ対応してきた相談業務を統合して、平成二十七年度から、全ての都立病院、公社病院に患者支援センターを設置したと伺っております。
 そこでまず、患者支援センターはどのような職種構成になっているのかお伺いをいたします。

○谷田サービス推進部長 患者支援センターは、高齢化が進展する中で、患者さんが抱えるさまざまな悩みにワンストップで対応し、初診から退院後の地域療養生活まで一貫して支援を行うことを目的として設置いたしました。
 患者支援センターの主な職種構成といたしましては、転院支援や福祉相談を行う医療ソーシャルワーカー、心理面での相談、カウンセリングなどを行う臨床心理士、在宅療養への移行支援を行う退院調整看護師、地域の医療機関の紹介などを行う事務職の医療連携担当、これらを統括いたします医師の患者支援センター長など、多数の職種から構成されております。
 このほかにも、がんに関する相談や周産期支援コーディネーターによる周産期サポートなど、各病院の医療機能の特性に応じまして、さまざまな相談支援を実施しております。

○中山委員 ただいまのご答弁にありましたとおり、患者支援センターは、医師、看護師、MSW、事務など、実にさまざまな職種で構成されているわけであります。
 これだけのさまざまな職種で構成されている相談の専門機関を持つということは、行政医療としての都立病院、公社病院の特性を生かした大変すばらしい取り組みであると思っております。
 とりわけMSWは、転院、退院に向けた調整を行うなど、患者支援センターの中でも中心的役割を果たしているものと考えております。
 そこで、患者支援センターにおけるMSWの役割及び平成二十七年度の相談実績についてお伺いをいたします。

○谷田サービス推進部長 医療ソーシャルワーカー、MSWでございますが、保険医療機関におきまして、社会福祉の立場から、患者さんやその家族の抱える経済的、心理的、社会的問題の解決を援助し、社会復帰の促進を図ることをその役割としております。
 具体的には、患者さんの希望や条件に応じた転院先となる療養型病院や介護施設等との調整や、生活保護や医療費助成などの福祉制度の紹介、退院に向けた地域の関係機関との連絡調整業務などを担っております。
 平成二十七年度におけるMSWの相談件数は、都立八病院合計で延べ三十六万四千七百六件でございました。また、二十八年度上半期の相談件数は十九万九千百六十三件となっておりまして、年間で換算いたしますと、約九%の増加となっております。
 増加する相談ニーズに適切に対応できますように、二十七年度におきましては、相談内容などの情報集約と共有をさらに強化するため、患者支援センターシステムの改修を行ったところでございます。

○中山委員 二十八年度上半期の相談件数も、年間換算で約一割近い増加数ということで、都民、利用者の方々から大変期待され、活用していただいている大事な機関であるというふうに思います。
 また、情報の集約と共有を図るための患者支援センターシステムの改修も行ったということでありまして、不断の努力を重ねていただいているところを評価したいというふうに思います。
 行政的医療を担う都立病院には、経済的に困窮している方、出産後に子供を育てるための家庭環境が整っていない妊婦の方、児童虐待が疑われる事例など、まさに現代社会の縮図ともいうべき、さまざまな悩みを抱えた患者さんが受診をしてまいるものと思っております。こうした方々の相談に対応するMSWの負担も相当なものと思われます。
 ぜひ、MSWの方々が専門性を発揮し、意欲を高められるよう、人材育成や環境整備に今後とも努めていただきたいと思います。
 次に、人材活用の視点からお伺いをいたします。
 患者支援センターは、複数の職種のスタッフが既にその専門性を生かして相談業務を行っていらっしゃるわけでありますけれども、常勤で雇うことはできないかもしれませんけれども、例えば外部の専門職なども支援センターの方にお越しいただいて、より幅広い相談支援をしていくためのスタッフとして協力していただく、そういった展開の仕方もできるのではないかと考えます。
 都立病院で外部人材を活用した相談事例があるのか、その点をお伺いしたいと思います。

○谷田サービス推進部長 八つある都立病院では、それぞれの医療機能に特性があり、患者さんの抱える問題もさまざまであることから、各病院では、その特性に応じた相談業務を展開しております。
 相談の実施に当たりましては、必要に応じて外部の人材を柔軟に活用しております。
 例えば、駒込病院では、がんを初めとする長期療養の患者さんが、治療を行いながら仕事との両立を行うことができるよう、ハローワークの職員が病院を訪れ、就労に向けた調整やアドバイスを行っております。
 小児総合医療センターでは、同じ疾患のお子さんを育てるご家族と交流ができるピアサポートを実施しております。
 また、駒込病院、墨東病院、多摩総合医療センターでは、がんの療養上の悩みや療養生活の工夫など、患者やがん治療の経験者で語り合う患者サロンを開催しております。
 こうした多様な人材を活用して、相談支援の充実を図っております。

○中山委員 がん患者の方々にとって、がんを宣告されて、そのことが会社に伝わった段階で解職といいますか、それをいい渡されるというような事例を私も相談の中で耳にいたします。まことに残念な気がいたしております。
 やはり経済的に働かなければならない方々も患者さんの中にはいらっしゃいますし、そうした面で職業の安定というのが生活の安定にもつながりますし、前向きに疾病に立ち向かっていく心を、態勢を整えるためにも大変大事なことだと思います。
 難病患者さんも同様な悩み事を持っていらっしゃる場合が多くありますので、ハローワークの職員の方に病院に来ていただいて、就労に向けた調整やアドバイスを行っているという事例がございましたけれども、ぜひそうした取り組みを拡充していただきたいと思います。
 また、ピアカウンセリング的な取り組みも、やはり同じような悩みをご経験された方々と話し合うことによって、病気に前向きに立ち向かっていく気持ちを整える意味で、とても大事なことではないかというふうに思いますので、その充実もよろしくお願いしたいと思います。
 ここまでMSWの取り組みを中心に、患者支援センターが実施する相談業務について、人材活用の観点から質問してまいりました。
 延べ件数ではありますけれども、MSWだけでも四十万件近くの相談を受けており、この膨大な情報を患者支援センターの一層の充実や病院全体のサービスの向上に役立てることができるのではないかというふうに考えます。そうした事柄をちゃんと分析すれば、そうした方面に生かしていける情報も出てくるというふうに思います。
 相談支援の中で聞かれた意見や要望などをどのように病院運営に反映させていくのか、その考え方をお伺いしたいと思います。

○谷田サービス推進部長 相談業務を行う過程でいただいた意見や要望は、必要に応じまして、患者支援センターの運営改善に反映させております。
 例えば、患者支援センターが外来から遠くわかりにくい、あるいは相談ブースの遮音が不十分などの声を踏まえまして、広尾病院や駒込病院では相談支援センターの移転改修を行っております。
 また、患者支援センター長の医師や担当者が集まります連絡会を年二回開催しておりまして、さまざまな事例や課題を共有することにより、各病院のセンターの運営の充実につなげております。
 今後とも、患者さんの声を丁寧に聞くことで、業務改善、サービス向上を図ってまいります。

○中山委員 ぜひ、そうした連絡会等も活用していただいて、意見、要望などを今後の病院経営本部全体の都立病院、公社病院の取り組みに生かしていただきたいと思います。
 特色ある外部人材の活用の仕方の実例として、私が存じ上げているのでは、例えば榊原記念病院においては、精神対話士といわれているような民間資格の方々ですけれども、活用していらっしゃるということをお伺いしました。
 こうした方々は、東日本大震災のときにも避難所でボランティア的に役割を果たしていただいて、避難生活の中で精神的に行き詰まって鬱病状態になったり、あるいは自殺傾向につながったりとかするような方々に寄り添って、心の健康を取り戻すという役割を大事に果たされている。病院さんの中にも、そうしたものを病院の機能として組み込んで、患者さんの不安や家族の不安や、場合によっては病院スタッフの中の心の負担感みたいなものの軽減に役立てて、治療効果につなげているというふうに伺っている例もございます。
 ぜひこうした外部の人材も活用し、行政医療を担う都立病院、公社病院であるからこそできる仕組みを構築していっていただきたいと思います。
 先ほど申し上げましたけれども、患者支援センターはすばらしい取り組みでありますので、これだけの職種の方々が誠心誠意に対応しているということを、ぜひ東京都としても、病院経営本部としても、報道機関、マスコミなどを通じて、その活動の模様を都民に広く知ってもらうということを、いろんな機会を通じて心がけていっていただきたいというふうに思うところでございます。
 最後に、都立広尾病院の改築についてお伺いします。
 基幹災害拠点病院として重要な役割を担っております広尾病院は、築三十五年を経過し、老朽化が進んでいたことから、本年度、病院会計で基本構想検討経費三千百万円、用地会計で移転候補地の土地取得費三百七十億円が計上されております。
 このように、移転を検討するための経費が予算措置されておりますけれども、一部の報道によりますと、この検討経過が不透明、不可解といった報道もなされているのも事実であります。
 そこで、広尾病院の改築に至る検討経過について確認をさせていただきたいと思います。

○谷田サービス推進部長 広尾病院につきましては、施設の老朽化への対応、基幹災害拠点病院としての機能の維持強化という課題認識のもと、平成二十六年度から、現地建てかえや改修、移転も含めて複数の候補地を想定いたしまして、検討を開始いたしました。
 具体的には、これまでの都立病院の改築事例を踏まえ、工事の手順や期間、病院運営への影響などを念頭に、内部検討を進めてまいりました。
 加えて、平成二十七年二月以降、広尾病院の担う医療機能のあり方検討に向けた現状把握や現地建てかえ、移転等の整備手法に係る課題整理のための外部委託調査を重ねてまいりました。
 このような検討を進める中、広尾病院と同一区内にあります青山の国有地について国から売却の打診があり、平成二十七年六月以降、現地建てかえと青山への移転改築を軸として検討を継続いたしました。
 最終的に国有地取得の可能性を見きわめた上で、今年度、基本構想を策定するための予算計上に至っており、一定の手順を踏んだものでございます。
 なお、専門的な見地から、改築後の広尾病院の機能等をご議論いただいております第二回基本構想検討委員会におきまして、去る十月二十六日ですが、外部にも全面公開のもと、これまでの検討経緯の詳細について改めて説明をしたところでございます。

○中山委員 広尾病院の改築につきましては、まずは、なぜ改築が必要なのかという点が一番大事であります。
 その点については、先ほど山加委員の質疑の中でも答弁がございましたので、重複は避けさせていただきますけれども、基幹災害拠点病院として、いざというときには大変な数の傷病者の方が来られます。やはりロビーとか通路とか、そういったところにも患者さんを受けとめなければいけない。そういうときに、複数の電源が確保されているのかとか、いろんな課題があるのではないかと思います。
 そうした面で、都立広尾病院がその役割を担うために、改築が必要な内容をしっかりと都民に示していく、それが大事なことだと思っております。
 今、全面公開というお話がございましたけれども、都民に対しての情報発信というのは非常に大事であります。
 広尾病院の改築に向けた検討をやはり都民がよくわかるように、今後、この検討の過程というものを明らかにして進めていくべきだと思いますけれども、その点の考えをお伺いいたします。

○谷田サービス推進部長 今年度、基本構想検討委員会を設置し、病院運営の現状分析だけでなく、新たに策定された地域医療構想も踏まえ、将来担うべき医療や地域との協働関係のあり方等について、各分野の専門家や医師会代表者、行政関係者など、さまざまな立場から議論を深める予定でございます。
 この検討委員会は、外部に全面公開するほか、会議資料や議事録は、会議終了後、随時ホームページに掲載し、情報公開に努めております。
 検討委員会における議論を重ねながら、今後の広尾病院が目指すべき病院像を見きわめまして、改築のあり方全体を検討してまいります。
 また、都議会における質疑等を通しまして、ご理解をいただけるよう努めてまいります。

○中山委員 今お話があったとおり、外部に全面公開のもと、資料や議事録も公表する、そうした基本構想検討委員会であるということが明らかになったわけでございます。今後ともこの姿勢をしっかり堅持していただきたいと思いますし、随時、いろんな進捗があった段階で、本委員会でも質疑をさせていただけるようご配慮をお願いしたいと思っております。
 一方、今年度、移転改築に向けた検討を進めるために、検討経費とあわせて移転候補地の土地取得予算が計上されております。しかし、まだ土地は購入していないというふうに聞いております。
 そこで、基本構想検討委員会の取りまとめはいつごろ予定しているのか、土地取得予算の執行にも影響を及ぼすと思われますので、このことについてお伺いいたします。

○谷田サービス推進部長 基本構想検討委員会では、改築後の病院が担うべき医療機能、規模等について、年度内をめどに、さらに議論を深めていく予定でございます。
 移転候補地の取得には大きな経費が伴うことから、検討委員会における議論を重ねながら、改築後の病院のあるべき姿について、全体の方向性を見きわめていくことが先決と考えます。
 検討委員会の検討状況を見定めながら、所管局と連携を密に図り、慎重に対応してまいります。

○中山委員 先ほどもお話がありましたとおり、広尾病院につきましては、大事なことは広尾病院がこれからも都民の期待に応えていく、そしてまた、改築する前よりも、より一層その使命の発揮において十全な機能を整えるということが大事な点であります。
 ただし、その点については、やはり最少経費で最大効果という原則を踏まえなければなりません。したがって、経費においても、経費規模が適切であるのかどうかということも都民の重大な関心事でありまして、そのことを含めて重要な、それぞれの事柄について、我々委員としても見きわめていくことが大事であると思っております。
 我が党といたしましても、今後の検討の推移、経過をしっかりと見きわめて、見守りながら、都民のために一番いい選択がなされていくよう見守っていきたいと思っております。
 以上でございます。

○畔上委員 山加委員、また中山理事からも今お話がありました都立広尾病院について、まず伺いたいと思います。
 都立広尾病院は、先ほど来お話があったように、基幹災害拠点病院として、医療機能と救急医療、そして地域医療にとって大変重要な役割を果たしております。とりわけ、島しょの患者さんの受け入れや、また母子医療などの都立病院ならではの大事な役割を担っているわけです。
 それだけに、移転計画については、地域住民を初めとした都民の皆さんの声にしっかりと応えるとともに、広尾病院が都立病院ならではの役割を果たし、都民にとってよりよい医療と療養環境を提供できるようにする、そういう必要があると思います。
 そこで、改めて伺いますが、都立病院としての広尾病院が果たしている役割について、都の認識を伺います。

○谷田サービス推進部長 広尾病院は、総合診療基盤に支えられた行政的医療を適正に都民に提供し、良質な医療サービスの確保を図る上で重要な役割を果たしております。
 また、救急医療では、他の医療機関で受け入れ困難な傷病に対応するほか、基幹災害拠点病院として、都の災害医療の水準向上に貢献しております。
 さらに、島しょ医療の基幹病院として、救急患者の受け入れや遠隔画像診断支援を行うなど、島しょ医療に大きな役割を果たしております。

○畔上委員 広尾病院の病院機能を検討した東京都立広尾病院における医療機能のあり方に関する調査業務報告書、これを読みました。
 そうしますと、患者の費用負担について分析をしているんですが、分娩費用が低く、室料差額についても、病床総数に占める費用徴収病床比率は、一ベッド当たりの費用とともに近隣の病院よりも低いことを指摘して、費用負担が難しい、そういった患者さんに対して医療提供を行うという都立病院としての役割を発揮しているというふうに評価されていました。こういう役割はとても重要だというふうに思います。
 同時に、私が大変心配なのは、今の広尾病院の果たしている都立病院ならではの役割の、病床を削減することとか、また診療科目の縮小、こういったレベルダウンはあってはならないと思いますが、その点どう考えていらっしゃるのでしょうか。

○谷田サービス推進部長 地域医療構想の策定など、地域医療のあり方が変化していく中、改築後の病院については、地域医療の動向を捉え、担うべき医療機能、規模等を見定めることが必要であると思っております。

○畔上委員 担うべき医療機能、規模というなら、やはり民間病院とは異なる、都立ならではの医療機能を考え、規模を縮小することはあってはならないと考えます。
 私がこうした質問をしたのは、東京都立広尾病院における医療機能のあり方に関する調査業務報告書や、また広尾病院の移転に関する検討会、この中で、広尾病院の病床利用率の低さを理由に、病床が過剰だという議論が出されていたことが気がかりだったからなんです。
 確かに、昨年度の病床利用率、これは六三・一%でしたが、これは恒常的な傾向ではありません。現に、二〇一一年度は八三・九%で、それまではおおむね八五%から九〇%で推移しておりました。
 なぜ病床利用率が低下したと考えていらっしゃるでしょうか。また、現在の病床利用率はどのような傾向になっているのか伺います。

○谷田サービス推進部長 広尾病院の病床利用率低下の主な要因といたしましては、医師の退職者が予定外に急増し、特に平成二十七年度は消化器内科の診療体制の維持すら困難になるなどにより、入院患者の大幅な減少につながったことが挙げられます。
 今年度四月からは、新たな経営体制のもと、必要な医師確保はもとより、地域医療機関との連携強化や救急車受け入れルールの見直しなどを図った結果、病床利用率も回復傾向にございます。

○畔上委員 確かに、医師の充足率が昨年度は八〇%近くまで落ちるという異常な事態でした。ご説明がありましたけれども、医師の欠員による利用率の低下が、広尾病院が都立病院として都民から必要とされていないことを意味しないのは当然だと思いますし、また先ほどのご説明でも、回復しているということであります。ここ数年の低下に基づいて必要病床数を考えることは、私は不適切であるというふうに考えます。
 先ほど取り上げた報告書のまとめには、近隣の大規模病院が避けたがる患者の受け入れ機能として、当院が重要な役割を果たしているという指摘もしておりました。一度減った患者数の回復というのは一朝一夕には難しい面もあると思いますが、経営的には厳しいものもあると思いますけれども、都立病院の本来の役割である公共性を発揮する医療や、また、本質的に収益と結びつかない医療、都民の医療ニーズにしっかりと応える病院として頑張っていただきたいというふうに思います。
 先ほど答えのあった地域医療構想との関係なんですけれども、地域医療構想は今後、構想区域ごとに協議の場で具体化するというふうになっていますが、高齢化が進むこと、それから地域の実情を踏まえて、あくまでも医療機関の自主的な取り組みで進めるものという理解でよろしいのでしょうか。

○谷田サービス推進部長 本年七月に福祉保健局が策定いたしました東京都地域医療構想では、策定後、構想区域ごとに地域医療構想調整会議を設置し、医療機関の自主的な機能分化、連携の取り組みや、医療機関相互の協議を促進することとなっております。

○畔上委員 自主的な取り組みで協議ということで、上から削減を押しつけるようなことはしないということを確認したいと思います。
 しかも、地域医療構想の検討会では、病床削減に否定的な発言がさまざま出ております。ましてや多くの都民に必要とされている都立病院を縮小する根拠はありません。広尾病院の大きな役割の一つ、島しょの救急医療について、次に伺いたいと思います。
 島しょの救急患者は、全体で年間何件あって、そのうち都立広尾病院に搬送されているのは何人なのか、また家族の宿泊施設はどのぐらい利用されているのか、実績を教えてください。

○谷田サービス推進部長 平成二十七年度にヘリコプターを利用して都内、都外に搬送された救急患者は全体で二百六十二件あり、そのうち七六・三%、二百件が広尾病院に収容されております。
 二十六年度は全体の八四・五%、二百三十五件が広尾病院に収容されております。
 また、患者家族の宿泊施設の利用実績は、平成二十七年度、七百二十六泊でございます。

○畔上委員 ヘリコプター使用の場合は、広尾病院に直接ヘリで来る場合と、それから赤坂プレスセンターにヘリコプターを着陸させて、そこから救急車で搬送する場合があるというふうに伺っていますが、今のお話だと、島の搬送者の八割の方々が広尾病院に搬送されているということがわかりました。島しょなどの救急患者にとっては、まさになくてはならない病院だということだと思います。
 家族の宿泊施設があるということもわかったわけですけれども、この島しょの方々は、救急搬送がどうなるのだろうかという不安を持っていらっしゃいます。移転によってどうなってしまうのかということです。この移転によって移送の方法が変わるのでしょうか、また、家族の宿泊施設の数、それから利用方法、これは変わるのでしょうか、伺います。

○谷田サービス推進部長 先ほどお答えしたとおり、広尾病院はこれまでも島しょ医療の基幹病院として、島しょ地域の医療水準向上に取り組んでまいりました。
 改築後におきましても、島しょ医療については、基幹病院としての位置づけはいささかも変わるものではなく、適切に実施してまいります。

○畔上委員 ぜひ、島しょの皆さんの不安を解消できるように、基幹病院としての位置づけ、それから家族宿泊の利用方法も、今のご答弁ではいささかも変わらないということなので、ぜひ周知していただきたいと思うんですが、ちょっと数のことはおっしゃらなかったんですが、確認ですが、数も変わらないという認識でよろしいのでしょうか。

○谷田サービス推進部長 先ほどもお答えしましたとおり、基幹病院としての位置づけはいささかも変わるものではございませんので、適切に実施してまいります。

○畔上委員 ふやすことがあっても減らすことのないように、お願いしたいと思います。
 また、基幹災害拠点病院としての役割も重要です。厚労省は、基幹災害拠点病院の条件として、二十四時間緊急対応し、災害発生時に被災地内の傷病者等の受け入れ及び搬出を行うことが可能な体制であること、それから災害発生時に被災地からの傷病者の受け入れ拠点にもなること、それから複数の災害派遣医療チーム、DMATを保有し、その派遣体制があること、災害医療の研修に必要な研修室を有することなど、八項目の条件を打ち出しています。東京全体の災害医療に責任を持つ病院としては、これらの条件に加え、免震構造にすることを初めとして、より万全な対応を整える必要があります。
 けさも大きな地震があって、福島の方は心配ですけれども、東京もこの三十年のうちに大きな地震が起こる可能性は七割といわれております。そういう点では、この基幹災害拠点病院としての役割はますます重要になっていくと思います。
 厚労省の条件をクリアし、都における災害医療全体の水準向上にも貢献できる、そういう病院としての役割が果たせるようにするためには、スペースの問題と同時に、体制の強化を図る必要があるというふうに考えますけれども、ご見解はいかがでしょうか。

○谷田サービス推進部長 現在、設置、開催しております外部の専門家や関係者で構成されます基本構想検討委員会において、改築後の病院が担う災害医療機能のあり方についても検討していくこととしておりまして、こうした議論を重ねながら基幹災害拠点病院としてのあるべき姿を見きわめてまいります。

○畔上委員 広尾病院では、看護師で夜勤回数が三交代で九回以上の方が五割、それから二交代で五回以上の方が四割を超えて、現場の職員をふやして負担を軽減することは急務だというふうに思います。
 また、スペースも大変狭く、先ほども山加委員の方からもお話がありましたけれども、例えば整形外科の病棟では、六人部屋ですけれども、車椅子が部屋に入らずに、廊下に並べざるを得ないという現状や、トイレが少ないなど、今でも療養環境としては改善が必要なわけです。
 被災による傷病者の方たちを受け入れられる十分なスペースを確保するとともに、この基幹災害拠点病院の役割を果たせる、そういう人員体制の拡充も強く求めておきたいと思います。
 増加している障害者、また障害児に対応したショートステイ、こうしたショートステイなどの拡充も検討すべきだと考えますけれども、いかがでしょうか。

○谷田サービス推進部長 先ほどもお答えしたとおり、基本構想検討委員会において、改築後の病院が担うべき医療機能等について検討していくこととしております。

○畔上委員 医療型のショートステイは全都的に不足をしていますが、ぜひ、こういった医療型のショートステイも拡充していただきたいといった要望もたくさん受けております。お願いしたいと思います。
 それから、都立広尾病院整備に係る調査報告書を読むと、ここではⅥP病棟が含まれていましたけれども、ⅥP病棟はやるべきでないと私は考えますが、いかがでしょうか。

○谷田サービス推進部長 改築後の病院が担うべき機能等については、基本構想検討委員会において検討していくことにより見定められるものでございます。
 なお、委託調査は、さまざまな視点や前提のもとで、病院経営本部の一連の検討プロセスにおける参考資料、データ等として活用するものでございます。

○畔上委員 みずほ情報総研の報告書ではⅥP個室二十室、伊藤喜三郎建築研究所の報告書ではⅥP六床としていました。これはデータだということですが、所得の低い人への支援こそ求められていますが、ⅥP病棟というのは正反対のものです。現在都が示している都立病院の役割にも全く含まれていないものだと思います。
 少しでも一般病棟のベッド数を確保する必要があるのですから、やはり私はⅥP個室、病棟はやめるべきだと思いますし、やめるよう求めたいと思います。
 現在、首都災害医療センター構想検討委員会が行われております。第一回目が八月三十一日、第二回目が十月二十六日でした。
 我が党の和泉委員が三月十四日の厚生委員会において質疑した際に、基幹災害拠点病院としての機能に加えて、今後新たに対応すべき医療課題につきましても広範に検討していく必要がある、また、医療機関等の理解と協力が不可欠、どのような検討委員会を設置するかは庁内で検討して決める旨の答弁をされていました。結果的には、外部委員の方は医療関係者のみというふうになりました。
 基本構想にどのようにして地域住民や島しょ関係者の声を反映するつもりなんでしょうか。

○谷田サービス推進部長 検討委員会においては、医療関係者のほかに、地域の実情に精通した地元自治体や、救急医療の現場をあずかる東京消防庁など、幅広い関係者に委員として加わっていただいております。
 また、病院の利用者の声につきましては、日々の病院運営の中で得られた意見の集約や、外来に設置しました意見箱、患者退院時アンケートなどを活用しまして、把握に努めてまいります。

○畔上委員 しかし、島しょの関係者は委員に含まれていませんし、今のご答弁でも、患者になったときにアンケートを書いたり、意見をいったりというぐらいしか意見を出す場がないわけです。島の関係者の方が検討委員会で正式に意見がいえるように委員に加えたり、それから、せめてヒアリングを行うなどの対応は必要なのではないでしょうか。その点はどう思われますか。

○谷田サービス推進部長 先ほどもお答えしましたけれども、今、我々の中では、退院時のアンケート等も含めて意見の集約をいたしておりまして、また、今の検討委員会の中でもいろいろな識見を持った方もいらっしゃいますので、そうしたことも通じまして、今後も幅広く意見を集約してまいりたいと思います。

○畔上委員 検討委員会の審議が公開される、こういうふうになったことは、私は少し変化したなと思いましたけれども、やはり都民参加と、そういった点では、もっと強めなければならないと思います。アンケートにも今後の移転計画に対する意見を記載できるような、例えば今おっしゃったような患者アンケートをとるのであれば、今後の移転計画に対する意見を記載するような項目を加えるとか、それから意識的にそういった意見を聞くような取り組みを強めていただきたいと思います。
 パブリックコメントはいつ実施されるんでしょうか。

○谷田サービス推進部長 現時点におきましては、検討委員会において、さまざまな立場から議論を深め、病院像を見きわめていくことを優先しておりまして、パブリックコメントは予定しておりません。

○畔上委員 検討委員会にも住民代表は入っていないと、そして、パブコメもやらないと。やっぱりこれでは、地域住民を初め都民の切実な医療要求とか、それから療養環境の実態を把握することはなかなか困難だと思います。
 お金の心配のない療養環境にしてほしいとか、それから災害時の障害者や難病対応を丁寧に検討してほしいとか、そういった声も上がっているわけですが、やっぱりそういう声にしっかりと耳を傾けて、基幹災害拠点病院としての機能の充実などにしっかり反映させていく、そのことが大事なんじゃないでしょうか。
 私は、パブリックコメントはやるべきだと思うんですが、もう一度お答えいただけませんか。

○谷田サービス推進部長 先ほど来お答えはしておりますけれども、我々は通常の中で、退院時のアンケート等も含めていろんな形で声を聞く機会はございます。また、我々の本部にもいろいろと都民の方からも声もいただいております。そうした声には真摯に耳を傾けまして、また一方で、先ほども申し上げましたが、今、検討委員会を開催しておりまして、さまざまな立場から議論を深めているところでございます。
 ですから、現時点では、検討委員会において議論を深め、病院像を見きわめていくことを優先して、パブリックコメントは予定していないと、そういうことを申し上げたところでございます。

○畔上委員 私も、検討委員会はちょっと傍聴できなかったので、議事録を全部読みましたけれども、いわゆる利用者、それからいろんな都民の難病を抱えている方、障害者の方たちの意見が反映されるのかなという不安が非常にありました。ですから、利用者、それから現場で働く職員の皆さんの意見、こういった意見が置き去りにされるようなことは絶対あってはならないと思いますので、その点については一言申し上げておきたいと思います。ぜひ、こうした働く人たちの意見、それから利用者の皆さん、都民の皆さんのさまざまな立場の方々の意見を伺っていただきたいと思います。
 次に、墨東病院の総合周産期センターについてです。
 先日、墨東病院の総合周産期医療センターを視察させていただきました。五百グラム未満で生まれた赤ちゃんも含め、懸命なNICU、GCUのスタッフの皆さんの支えで、昨年度の実績では一年間で五百七十九人もの新生児のとうとい命を救うことができたというお話を伺いました。赤ちゃんの入った保育器、そして赤ちゃんが生きていく上で必要なさまざまな高度医療機器も並んでいて、ドクターや看護師さんたちが丁寧に治療や看護をされている姿を目の当たりにしまして、私自身、大変感動いたしました。
 本来、まだお母さんの子宮内にいるはずだったお子さんの場合が多いものですから、部屋も薄暗くしていて、お母さんやお父さんもいつでも子供に触れられるようにして、新生児の心身の育ちを大事に考え抜いた、そういった医療現場を視察することができまして、総合周産期医療センターの重要な役割というのを私自身改めて認識することができたと思っています。
 墨東病院の総合周産期センターの果たしている役割に対する都としての評価、局としての評価と今後の方向性についての見解を伺います。

○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 墨東病院は、区東部ブロックの唯一の総合周産期母子医療センターとして、母体胎児集中治療管理室、いわゆるM-FICU九床、新生児集中治療管理室、NICU十五床を有し、母体の救命救急への対応、ハイリスク妊婦に対する医療、高度な新生児医療などを担っております。
 母体搬送に関して公表されている最新のデータである平成二十六年度の実績では、墨東病院の受け入れ件数は二百六十件であり、都内の総合周産期母子医療センターの中で最も多く受け入れている状況にあります。
 今後とも、周産期医療の拠点として役割を果たしてまいります。

○畔上委員 区東部地域の母体の救急搬送や救急救命の対応とかハイリスク妊娠、高度な新生児医療などで大変重要な役割を果たしているということです。
 地域の若い方たちからは、江東区も人口がふえておりまして、分娩できる施設が少ないという中で、ハイリスク分娩だけではなくて通常分娩も墨東病院でもっと受け入れてほしいと、こういった声も聞いているんですが、墨東病院の通常分娩の受け入れ状況についてお示しください。

○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 平成二十七年度の墨東病院の分娩件数は八百五十五件であり、そのうち通常の分娩の件数は五百二十二件でございました。

○畔上委員 今のご答弁を聞くと、一時期に比べて大分ふえているんですね。さらに、医師や助産師の体制整備で誰もが安心してお産ができるように、ぜひ努めていただきたいと、これは要望しておきたいと思います。
 都立病院の大切さを痛感するとともに、もっと広いスペースと人員配置が必要なことも実感いたしました。十五床のNICUは、ベッド、保育器もかなりのスペースが必要ですが、さまざまな医療機器もそれぞれの保育器の横に設置されていて、ドクターとか看護師さんだけでなく家族の方たちもいると。部屋の中は、私も視察をしているとき、もう本当にカニ歩きじゃないと歩けないほど、狭くなってしまっているんですね。
 GCUにも行かせていただきましたが、そこでも、ミルクを上げる横で、もう肩が触れ合うような感じで、それほどの距離で別の赤ちゃんをあやす、そういう状況もありました。そういう点ではもう少しプライベートも守れるようなスペース、それからもう少し一人一人のスペースが確保できることが必要なんじゃないかというふうに思いました。
 墨東病院の周産期医療に係る施設の整備をすることを求めたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 周産期医療関連の施設整備につきましては、今年度、ハイブリッド手術室の工事を行っており、前置胎盤の場合など、帝王切開時に大量出血により危険が伴う母体への救命対応力の強化につながると考えております。

○畔上委員 その母体救命対応力強化、これも本当に大事なことだというふうに思いますが、ぜひ現場の皆さんの声もよく聞いていただいて、現場もぜひ--もちろん皆さんはしょっちゅう行っていらっしゃるんだと思いますけれども、行っていただいて、施設整備を拡充していただきたいというふうに思います。
 あわせて、NICUでは三交代でやっていらっしゃると伺いましたが、その際、夜勤の回数を聞いたら、一人大体月十回から十二回だというふうに、大変多いことが視察の際に伺ってわかりました。看護師さんというのは女性が多い職場ですから、やっぱり夜勤のできる人が限られているという状況もあります。そういう点では、施設の整備とともに職員の体制整備もあわせてお願いしたいと思います。
 そのことを申し上げまして、私の質問を終わります。

○小林委員長 この際、議事の都合によりおおむね十五分間休憩いたします。
   午後二時四十分休憩

   午後二時五十五分開議

○小林委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○斉藤委員 それでは、私の方からは、なるべく長くならないように、また先ほどの中山理事の質問と一部かぶったところがありますので、素直に削りまして、短くやりたいと思います。前半、松沢病院について、そして中盤は地域医療構想について、そして最後は広尾病院の改築について伺います。
 まずは都立松沢病院についてです。
 精神科病院の退院促進については、これは世界的な潮流として、民間病院も当然のこととして今取り組んでいる最中であります。このあたりも、今後、都立松沢病院の運営において考慮すべき要素ではありますが、人権の観点からも、都立松沢病院が率先して旗を振って取り組まなければいけないものだというふうに私は考えております。
 現在、精神疾患の患者の入院依存解消を目指す動きに対して、都立松沢病院の長期入院の解消に向けた具体的な取り組みについて、そしてその効果について伺います。

○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 長期入院解消に向けた取り組みには、新たに入院した患者の入院期間を長期化させないための取り組みと、長期入院している患者の退院支援とがございます。
 まず、入院期間を長期化させない取り組みでは、精神保健福祉士や看護師で構成する退院促進チームが、入院早期から各病棟のリンクナースとカンファレンスを繰り返し行っております。
 また、長期入院している患者の退院支援では、医師、看護師、社会復帰支援室長等で構成しております退院促進委員会で個別の事案ごとに検討し、困難事案の場合には弁護士なども活用してございます。
 こうした取り組みの結果といたしまして、五年前の平成二十三年度には百十五・一日であった平均在院日数が、平成二十八年度、これは九月までの累計でございますけれども、八十・三日と短縮しております。

○斉藤委員 退院までの日数はかなり短くなっております。また、五年前というと、ちょうどそのころ新しい本館が、松沢病院改築される直前ぐらいのデータだと思いますけれども、旧館のときに比べて大分短くなっているということであります。
 そしてさらに、都立松沢病院の行政医療の中で一つ伺うんですが、旧来から重要な役割を担っているというのは、精神科の身体合併症に関する救急医療でございます。これについては、特に夜間、休日における対応というのが大事でありまして、たしか夜間、休日の精神科合併症救急については、以前にも、何年か前の委員会で確認させていただいたことがあるんですが、当番制度で指定をされておりまして、都立病院が主体になってやらねばならない、実際に主体になってやっていたと思うんですが、やらねばならないものであります。
 その現在の状況について、夜間、休日の精神科身体合併症医療において松沢病院はどのような役割を担っているのか伺います。

○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 夜間、休日の精神科身体合併症救急医療では、福祉保健局が運営している精神科救急医療情報センターを経由して、当番病院が受け入れることとなっております。
 当番病院には、都立病院では広尾病院、墨東病院、多摩総合医療センター、松沢病院が、公社におきましては豊島病院がそれを担っております。
 直近の十月の状況を見ると、松沢病院が月四回、それ以外の病院が月二回を担当している状況にございます。
 このほか、時間帯を問わず、精神科病院から松沢病院へ直接の受け入れ依頼にも対応しており、受け入れ件数は年々増加している傾向にございます。

○斉藤委員 精神疾患を主症状とした患者の場合に、なかなか一般の病院に対して合併症、もしくは精神科とはまた別に併発しているような病気に対して、簡単に普通の病院にかつぎ込むというわけにはいきません。いろいろ制約がありまして、精神科の合併症を診てもらえる救急病院、しかも夜間、休日というふうになると、おのずと限られてくるということで当番制をしいているわけですが、実際にはその当番制度を使って入ってくるというのは、どうも聞いたところによると、必ずしも多くはなく、ただ一方で、その当番にかかわらず、今答弁がありましたように、直接搬送されるという人は、受け入れ依頼が来るというのは年々増加しているということで、この部分についても、少し制度を見ただけではなかなかわからないところがあるということであります。ただ、夜間、休日の救急については年々増加しているということであります。
 そういうふうなことで行政的医療をやっている都立松沢病院でございますが、平成二十四年の五月に本館を新しく開設いたしました。私は、それまでの暗く古い建物の方がなじみがある--なじみがあるって、別にそっちがいいとかという話ではなくて、なじみがあるのですが、それが大変立派になったということは、非常に素直に喜ばしいことであります。
 しかし、気になるのは、診療報酬でどの程度この立派な建物が維持できるのかなというところであります。全面建てかえで、患者にとってもきれいな環境になっただけじゃなくて、職員側にとっても気持ちよく働ける環境になったというのは、私も一目見てわかるものでございます。
 しかし、気になるのは、建設費の支払いでございます。精神科の診療報酬というのは収入をふやすには、仕組み上、限界があるというふうに認識をしておりますので、少し設備投資を多くしたからといって、こうしよう、ああしようというふうにすぐに反映できるものではないと思います。
 現在、一般会計の繰り入れについては、先ほど資料の方でもページがございましたけれども、平成二十七度決算で五十八億円というふうなことになっています。なぜこれほど繰入金が必要になるのか。特に行政的医療をしているということであれば、どのような理由で繰入金が多くなるのか、また今後の動向としてはどのようになっていくのか、そこを伺います。

○矢田部経営企画部長 松沢病院は、都における精神科医療の拠点として、精神科急性期医療を中心に、精神科救急医療や精神科身体合併症医療、薬物依存症等の専門医療などを実施しております。
 これらの医療では、急性期の患者が多く入院しており、処置や観察に手がかかることなどから、手厚い人員配置を必要としております。
 また、精神科の診療報酬は単価が低く、診療報酬のみで賄うことは困難であることから、地方公営企業法の規定に基づきまして、一般会計繰入金を受け入れております。
 今後とも、松沢病院は、一般精神科病院では受け入れが困難な患者に対応していくこと、その役割は変わらないものと認識しておりまして、一般会計繰入金は必要不可欠でございますが、地域の医療機関との連携強化による新規の患者の確保など、収支改善に努めているところでございまして、その縮減を図ってまいります。

○斉藤委員 先ほども触れさせていただきましたけれども、松沢病院において、答弁の方にも単価が低いとありましたけれども、診療収益の大幅増というのはなかなか期待ができないというところが松沢病院の課題ではないかと思います。この調子で施設整備費の負担というか、ちょっと企業債なんかも使っているので、債務とでもいいましょうか、これを後々きちんと解消していけるのかというのが大変気になるところであります。
 これについては、率直にどのように思っているのか伺います。

○矢田部経営企画部長 一般的に申し上げまして、施設整備に要する経費につきましては、減価償却費や企業債の利息がかさむことから、一定期間は自己収支が下振れし、結果的に一般会計繰入金の増加につながる傾向にございます。
 しかしながら、松沢病院の自己収支比率は、新病院を開設した二十四年度には四九・二%であったものが、昨年度、二十七年度におきましては五六・一%まで改善するなど経営努力を重ねておりまして、今後ともこうした努力を継続しながら経営の安定化を図ってまいります。

○斉藤委員 ありがとうございました。もちろん長い目で見ていくものではありますが、しかしながら、構造上、簡単に借金返済みたいな感じになかなかならないのが非常にジレンマであります。この部分については、また私どももしっかりと見守っていかなくてはいけないと考えております。
 では次に、福祉保健局のときの事務事業質疑でもちょっと話題になりました地域医療構想について伺います。
 この福祉保健局で進めております地域医療構想についてですが、地域の病院や診療所を主軸に、地域の医療資源のバランスをとるということもまたできるような方向に進むと考えるものでございます。
 ただ、この中で、資料なんかを見ますと、都立病院の立ち位置というものがどのようなものなのかよくわからないということになっておりますので、地域医療構想を踏まえて、都立病院はこの構想の中でどのような立ち位置になるんでしょうか、教えてください。

○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 地域医療構想を踏まえた都立病院の果たすべき役割につきましては、さまざまな視点から総合的に検討する必要があると考えております。
 総務省が策定した新公立病院改革ガイドラインでも、地域医療構想との整合性を求めているところでございます。
 現在、今後の都立病院が担うべき医療の方向性について、外部有識者による部会を設置し、検討中でございます。今月から開催される地域医療構想調整会議における意見等も踏まえながら、次期中期計画を策定する予定でございます。

○斉藤委員 今のお話では、地域医療構想の中では、都立病院というのは機能性の高い病院でもありますから、まだこれがどの立ち位置になるかというのはさまざまな視点から総合的に検討する必要があるということで、今のところは、これはこの中に入っていないというふうな感じでいいのかと思います。
 では、よく東京都がやっている地域病院みたいないわれ方をします、地域性が強い、地域病院という認識もある公社病院の方、これもちょっとよくわからないんですね。恐らく都立病院と公社病院では、地域医療構想においても立ち位置が違うんじゃないかななんて私は思っているんですけれども、実際には地域医療構想の中で、公社病院はどのような立ち位置になるんでしょうか、教えてください。

○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 保健医療公社が運営しております六病院は、地域の中核病院としての役割を担っております。
 現在、公社におきまして、地域医療構想や地域医療構想調整会議において意見等も踏まえながら、今後求められる公社病院の役割等につきまして検討中でございます。
 公社病院における次期中期計画を策定する予定でございます。

○斉藤委員 公社病院の方も役割等については検討中ということでありますので、こちらもちょっと地域病院的であるから地域医療構想に入ってくるかなと私は思ったんですけれども、現在検討中ということであります。
 では、それでしたら、両方とも検討中ということで、まだ入っていないということでありますが、この地域医療構想の中では、都立病院というのは恐らく大学病院なんかと同じように、ちょっと地域とは一線を画す高機能病院として考えられるというふうな解釈はあると思うんです。
 しかしながら、一方、一定程度の救急救命や機能特化した病院だとしても、外来診療に来ることができる患者となると、やはり周辺地域の利用者が多くなるんじゃないかというふうに思います。機能に特化をしていても、広い地域の中では、やはりより近い住民が来るというのは当然かと思います。
 こういったことを踏まえて、地域から来る外来患者に対しては、どの程度都立病院というものは配慮するものなのか、経営と機能の両面から、地域住民に対する都立病院の軸足の重さというものについてはどのような程度になっているのか、そこを教えてください。

○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都立病院は、各種医療機能のセンター的な役割や重点医療を掲げ、都全域あるいは複数の二次医療圏を対象に行政的医療を提供する一方、総合診療基盤を活用し、行政的医療以外の専門的な医療も提供しております。
 新公立病院改革ガイドラインでも地域との連携が掲げられており、今後、地域医療構想を踏まえつつ、次期中期計画に向けて、地域へのさらなる貢献や安定した経営の実現の視点から検討してまいります。

○斉藤委員 ありがとうございました。都立病院なんかが近くにあると、近いから必ず診てくれるというわけではないというのは、地域の住民の人から見れば、ちょっとがっかりしてしまう部分であります。
 かといって、行けば知り合いに会ったりして、ある程度やっぱり近いところから来ているなということを実感します。そういう意味では、地域の外来とかに関しては、どの程度都立病院というのは目を向けているかというふうなことは、なかなか判断がしづらいところでありますけれども、ただ、その部分については、やはり地域の方にご協力をいただいて、そこで救急の搬入などや、周辺の駐車場や道路渋滞の問題なんかも含めてお世話になっている部分がございますので、こういった地域へのさらなる貢献というものについてある程度配慮しつつ、構想の中での立ち位置というものをぜひ考慮していただきたいというふうに思います。
 思ったよりテンポよく進んでおります。では、後半の都立広尾病院の移転に関して伺います。
 先ほど三人の方から話が出ましたので、幾つかイメージがつきやすいところがあるかと思いますけれども、ちょうど資料の方の一一ページにも、広尾病院の改修・改築に向けた調査の委託契約概要というのが載っております。この中で、(2)の方の広尾病院整備に係る調査という方で一つ伺うんですけれども、平成二十八年一月末に報告が発表されました都立広尾病院整備に係る調査報告書というものについて伺います。
 この報告書は、病院経営本部が都立広尾病院の建てかえ方法を考えるために調査委託をして、報告も平成二十七年度に行われているものであります。平成二十七年度の中で委託もしたけれども、報告も出たと。この報告書の二ページ目を見て、私は非常に疑問があるものですから、これを伺わせていただきます。
 はじめにという前提が書いてあるページです。この中の調査の目的というところの本文の六行目にこうあるんです。いろいろとつらつら書いてありまして、しかし、広域基幹災害拠点病院の運営を継続しながら、現在の病院敷地内に大規模な建築物を改築するのは非常に困難であると想定されていると、こう書かれております。はじめにということで、その前には余りページがないんです。それでいきなり、想定されているという前提を出されたのですけれども、これを見ると、これはどこの想定かなというのが読み取れないんですね、どうしても。
 この想定は、いつどこでつくられた想定のことをいっているのか、教えてください。

○谷田サービス推進部長 広尾病院の施設の老朽化対応は、平成二十六年度から現地建てかえや改修、移転も含めて検討を開始したところでございます。  委員ご指摘の調査報告書上の記述でございますが、これまでの都立病院の改築事例に照らし、検討当初から持ち合わせていた想定でございます。

○斉藤委員 さっき、いろんな委員さんからの質問を聞いていると、やや柔軟な議論みたいな感じのイメージがあったんですけれども、ただ、少なくとも平成二十八年一月の段階での報告書を見ると、もう最初から現地再整備というのは困難というふうにも前提ができているようにも聞こえてしまうんですね。
 この同じ年度、二十七年六月にございます、資料一一ページの中にも(1)で登場します、みずほ情報総研の広尾病院の改修・改築のあり方に関する調査業務報告書では、ここまでの明言というのは、中を見ても書いてございません。だから、僕はもうちょっと前のものが何か出てくるのかなというふうに思ったんですね、これ、質問として出しているときに。しかしながら、前から温めていたものだけれども、別に何とか報告書とか何とか計算書の中に、それが出てきているというわけではないようでございます。
 この前文だけ見ると、前文と今の答えを聞いていると、思っていたことはあっても、明確な公表が過去になく、結論に必ずしも至りきっていないような前提を示していたというふうにも答弁を聞くと聞こえてしまうわけなんですけれども、事実誤認、つまりさっきいったみたいに、何かどっかに想定が存在するというふうな事実誤認であったり、そしてまた柔軟な議論ができないと、そもそもできないんだというふうな事実誤認であって、そういうものをしやすいようなちょっと間違った記述なんじゃないかなというふうにも読み取れてしまうんですが、間違った記述ということでよろしいんでしょうか。

○谷田サービス推進部長 お話のありましたいずれの委託調査につきましても、さまざまな視点や前提のもとで、病院経営本部の一連の検討プロセスにおけます参考資料、データ等として活用するものでございます。
 ご指摘の調査報告書の記述については、正誤といった視点で捉えるものではないものと認識しております。

○斉藤委員 ちょっと先ほどのほかの委員さんや理事さんの質問なんかも踏まえて聞いて、今の答えを聞いていると、今の答弁の中で、さまざまな視点や前提--さまざまな視点や、多分さまざまな前提のもとというふうな意味だと思うんですけれども、さまざまな前提があるといいと思うんですが、一方で、伊藤喜三郎事務所が出してきたものには、さまざまどころか、最初から現地再整備は難しいという前提を何かセッティングされてしまって、何かとらわれてしまっている可能性もあるんじゃないかと思えるような前文が入っているんですね。そうすると、さまざまな視点というふうにいうにはちょっと不自然な感じがしてならないです。
 これを見て私は、最初から現地再整備は難しいと考えていいのか、自由に考えていいのかというのがよくわかりません。ですので、これについては、この後少し検討委員会の話もありますので、そのことも検討委員会のところでまたいろんな議論の部分については触れさせていただきたいんですけれども、一回ちょっと横に置きまして、都立広尾病院の移転の費用について、二つ目の疑問として伺わせていただきます。
 病院経営本部は、今年度、青山に都立広尾病院の移転先として購入予算を確保しました。たしか土地購入費用だけで三百七十億円ぐらいだったと思います。これだけの費用を捻出するということは当然--当然というふうに設定し過ぎちゃってもいけないのかもしれませんが、私なんかが思ったのは、これは、今の広尾病院の土地を売却して費用を捻出するんじゃないか、全体のコストを軽減するんではないかというふうに思ったりするんですけれども、それについてはいかがでしょうか。

○谷田サービス推進部長 改築により移転した場合には、現広尾病院敷地を病院事業用地として確保する必要がなくなることから、まずは都庁内での活用を視野に、病院会計から一般会計へ有償所管がえになるものと想定しております。

○斉藤委員 そうでございます。私も今の質問の中で当然というふうにいっていましたから、そのようになるだろうと思っています。
 ただ、現広尾病院の土地価格というのは、青山の土地価格よりもかなり低いのもになっております。この購入額をカバーできるのか非常に疑問がございます。
 実際に、病院経営本部については、この購入とか売却に関して差額が出ると思うんですが、この差額をどのように想定しているのか、そこを教えてください。

○谷田サービス推進部長 ただいまお答えしたとおり、移転した場合には、現広尾の土地は一般会計へ所管がえになるものと思われますが、現時点ではその価格等については算定してございません。

○斉藤委員 算定していないということで、次の質問は確認みたいな感じになってくると思うんですが、恐らくこの上にさらに病院の建屋が出てくるわけでございます。今、一方で、先ほどちょっと話題になりました検討委員会なんかも並行して行われていますので、私の方の意見は、別にこれを縛るようなつもりでは全然ございませんが、しかしながら、それでも病院経営本部の中で、ある程度想定というものはあるだろうと。縛るという意味じゃなくても、ある程度想定があるものだろう、物を買ったりつくったりするときには、幾らぐらいかかるかなというものはあるだろうというふうな意味でお伺いいたします。
 建設費用については、どのようにつくるかで変わってくるとは思いますが、このあたりがさっきいった検討委員会の部分を縛るものではないというふうなことであります。建物がどうなるかで変わってくると思いますけれども、土地価格と合わせた金額については、東京都が支出する金額としては、上限は幾らくらいまでなら適当であると考えているんでしょうか。

○谷田サービス推進部長 病院施設の建設費用につきましては、地域の医療動向等を考慮して、改築後の病院に求められる医療機能、規模等を見きわめまして、今後、総合的に判断してまいります。

○斉藤委員 最初の方の答弁からするとそうなりますが、いずれにせよちょっとわからないということです。
 ここで仮に、余り決め切ったいい方をしてしまうと、検討委員会の方の議論を待たずというふうになってしまうので、とにかく今、もともとは想定がなかったということがよくわかりました。そのことを踏まえて、十月二十六日の第二回首都災害医療センター(仮称)基本構想検討委員会での議論について、ちょっと伺わせていただきます。
 一回目は八月の末にあったんですけれども、十月二十六日に二回目がございました。一回目の方の議論を受けて、さまざまな質問が委員の先生方から出まして、それに答えるという部分もこの第二回の検討委員会の前半の部分での主な流れだったんですけれども、委員の先生方は、業界では著名な先生方も多く、また著名なお医者様も多く、また福祉保健局の方からも医療政策の部長が参加するという形態でございました。移転に関するさまざまな疑問がここで議論されたので、大分わかりやすくなったものもございました。
 ところで、この検討委員会の結論については、先ほど中山理事が質問の中で、いつまでというふうなことでしたが、一応年度内ということで議論をしたいということでよろしいですね、そういうことでしたね。
 ということは、当然その結論が出るまで土地購入予算というのは凍結だと思いますね。ただ、これは、検討委員会に実際に行ってみて、その議論の雰囲気を聞いてみると、なかなか議論が白熱しております。なかなかこれをいつまでというふうに言葉を差し挟むのは、私も横で傍聴していて、差し挟みづらいなというぐらい白熱した議論がございました。
 これは、場合によっては年度内に終わらないというようなことが仮にあれば、これは当然、土地購入の予算というのは不用額になるというふうなことでよろしいですね。

○谷田サービス推進部長 改築後の病院のあり方については、基本構想検討委員会において、まずは担うべき医療機能、規模等を検討していくことにより見定められるものでございます。
 今年度の土地購入予算の取り扱いにつきましては、その検討の推移を見きわめながら対応していくものと認識しております。

○斉藤委員 きちんとした新しい病院の機能や規模、必要要件というものを整理してから場所や構造などを決めていくのがいいというのは当然かと思います。検討結果を待って動く方が、私も正しいというふうに思います。
 だとしたら、私は、これは検討委員会の方の議論の雰囲気を見た中でいわせていただく話ではありますが、青山の土地の購入予算案というのはちょっと拙速な感じというのを否めないという印象を持ちました。これは私どもについても反省するような話になってしまうので非常にいいづらいところですが、そこまで早く決める理由というものがあったのでしょうか、伺います。

○谷田サービス推進部長 移転を考えるに際しては、現実的な適地確保の見きわめが必要であり、結果的に国有地の交渉のタイミングもあり、先行して予算計上に至ったものでございます。
 病院機能や地域とのかかわりなどの詳細については、今年度の基本構想の中で具体的に検討していくとの考えが当初からあったものでございます。

○斉藤委員 理由を伺ったので、タイミングがあったということであります。なるほど、理由はよくわかりました。
 今は略称して検討委員会といっていますけれども、首都災害医療センター(仮称)基本構想検討委員会のことでございます。この中でいろんな議論がありました。これはちょっと確認なんですけれども、豊洲新市場の話では、専門家会議、技術会議の決定意見を結果的に東京都が戦略的に無視してしまいました。そういうことは今回ありませんよね。

○谷田サービス推進部長 他の事例について言及することは差し控えますが、病院機能などの詳細については、先ほども述べましたとおり、当初から、今年度、専門家を交えて検討していくことを予定したものでございます。
 検討委員会で得られた外部の専門家や関係者による意見等を最大限尊重し、事業執行に生かしていくことが重要でございます。

○斉藤委員 ちょっとそういうほかの局のいろんな反省すべき事案があったからかはわかりませんけれども、この検討委員会の中盤を過ぎたあたりで、このとき、二回目の座長を務めておりました杏林大学病院の山口先生が、これは救急の有名なお医者さんなんですけれども結構有名な方です。山口先生が、、途中で確認の発言をいたします。座長なんですが、質問をされておりました。これは、当時の言葉を極力再現したものでございますから、丁寧に読ませていただきます。
 山口座長が病院経営本部に対して、こういう質問をしました。役割や機能を議論してから移転などはその先の問題として考えましょう、これは検討委員会が考えましょうと。ちょっと中略がございまして、質問の部分は、移転か建てかえかについては、議会が予算を可決していても、例えばここ--これは検討委員会のことです。検討委員会での審議が、そのどちらがいいのかということを反映できる余地があるのかないのかというふうに聞いています。
 つまり、ここで議論をしました。議論があったけれども、実際に実行するときにちゃんと反映してくれる、そういうふうになっているんですよねと、反映できるものだと思って我々は自由に議論したらいいんですよねというふうな趣旨で聞いているんだと思います。
 それに対して内藤病院経営本部長が、ここで方向感をいただいた上で、それをどう具体化するかというときに、もし必要であれば、知事や議会に説明していくのが我々行政の役目だと思っていると。いろいろな提言をいただいた上で、最終的に私どもで責任を持って判断し、対応していくということかと思うと答えています。
 この検討委員会での議論は自由に行ってよく、そして、その結果がどのようなものであっても、その議論はもともとの想定の部分に縛られない。そして、その結果、病院経営本部がきちんと計画に反映してくれるのかということを聞いているわけなんでありますが、この検討委員会での議論の結果を病院経営本部がきちんと計画に反映してくれるということについては、委員会の中で病院経営本部長が答えたとおりでございましょうか。

○谷田サービス推進部長 先ほどお答えしましたとおり、検討委員会で得られた意見等については、最大限尊重し、事業執行に生かしてまいります。

○斉藤委員 実は私もこれを横で傍聴で聞いて、非常に複雑な思いでもありました。もちろん私は、その検討委員会の方の議論というのは縛られるものではない。せっかくこれだけの委員の方々が集まっていますから、縛っていいものではないと思っております。自由に議論をしてもらいたいと思います。
 ただ、聞いている限りでは、内藤病院経営本部長から知事や議会に説明をしていく。もちろん説明はいいんですが、ただ、質問の想定自体が、山口座長の想定が、どちらか、つまりこのどちらかというのは、移転か建てかえか、青山に行くか広尾に行くかという部分についても、予算が可決をしていてもというふうなことを前提にして質問をしております。つまり、青山、広尾のどちらに行くかどうかということについては、縛られないで議論をしていいんだよね、そしてそれは反映してくれるんだよねというふうなことを聞いていることも全部含んでいるわけですけれども、内藤病院経営本部長が、それは当然提言をしていくというふうに答えているということになります。
 そうすると、私ども議会の予算を通していて、それに関して、もちろん予算どおりになってくれる、もしくは予算どおりになるような準備がもうできているなというふうなことがあるから、その賛否を問おうかという話というのが大体一般的でございます。ですので、ここに来て、これは十月二十六日ですから、上半期が終わったところで、どっちか、予算が可決していても、場合によっては反映する中で、絶対にこうというわけじゃないんだよねというふうにいわれたときに、そのとおりになかなかならないというのは、気持ち的にはあれとは思うんですが、しかしながら一方で、この検討委員会の議論を自由にやってほしいと。本当にいい病院をつくるために、運営面でも、機能面でも、規模面でも自由にやってほしい、時には場所についても自由に議論してほしいというのは、私は傍聴しているからだけではなくて、本当に思っていることであります。
 そういうふうなことを考えてみると、非常に複雑な気持ちでやりとりを傍聴したわけでございますが、これの評価については、またちょっとうちの会派の方へ持っていって話題にはしたいと思っているんですけれども、いずれにせよ、青山と決まったわけではなく、場合によっては年度内に議論が終わらないこともあるんじゃないかなというふうにちょっと見ながら思っているんですが、そういうことも当然あるというふうに解釈ができるというところで、一通り確認をさせていただきましたので、私の質問を終わりたいと思います。

○上田委員 私は、端的に病院経営本部の事業につきまして質問させていただきたいと思います。
 まず最初に、災害派遣医療チームDMATカーについてです。
 本年三月に策定されたDMATカーの新たな運用指針をどう現場で生かしているか、これまでの変更点、改善点を踏まえて所見を伺います。
 取り寄せた資料によれば、広尾は訓練とそのほかで五回、多摩総合は一回、年一、二回程度、墨東に至ってはゼロ回という出動回数です。そもそも車は日常的に動かさないとトラブルが起きます。緊急時に用をなさないことを懸念するものでございますが、日常はどのように車両を保管、管理し、メンテナンスをどうしているのでしょうか。

○矢田部経営企画部長 東京DMATカーが配備されている三つの病院におきましては、いずれも病院の敷地内の駐車場で、要請があれば迅速かつ確実に出場できるように管理しております。
 また、性能維持のための日常点検を行うとともに、二年に一回の法定点検を行っております。

○上田委員 さらにこのDMATカー専属運転手がいないという状況で、二十四時間体制が確保されている状態なのでしょうか。
 また、DMAT隊は東京消防庁の車両に同乗しているとのことであれば、DMATカーにいかなる必要性があるのかお示しください。

○矢田部経営企画部長 DMATカーは、大規模な地震災害などが発生した際、災害医療派遣チームである東京DMATが被災現場で活動できるよう、指定病院に配備されているものでございます。
 都内で災害が発生して、出場要請を受けた東京DMATは、東京消防庁の連携隊とともに出場することになっており、また都立病院におきましては、運転登録している職員が出場要請に備えております。

○上田委員 また、さきの福祉保健局の事務事業質疑の委員会資料で、こども救命センターの受け入れ実績を見ますと、受け皿の必要性を感じます。都立小児総合医療センターにDMATカーは配備されていませんが、必要ではないのでしょうか。
 また、災害時における同センターの位置づけ、役割につき、ご所見を求めます。

○矢田部経営企画部長 小児総合医療センターにおきましては、災害対応を目的としたDMATカーではなく、ドクターカーを二台配備しており、日常的に患者搬送などを行っております。
 小児総合医療センターは、同一の建物にあります多摩総合医療センターとあわせまして、北多摩南部二次保健医療圏の地域災害拠点中核病院に指定されております。

○上田委員 私も息子がいまして、何度か墨東病院の救急にはお世話になりましたけれども、子供は一秒一刻を争いますので、ぜひ漏れのない救急救命医療にDMATカーを活用していただきたいと思った次第でございます。
 運用指針によれば、DMATカーは災害時以外にも使用可能となっております。運用実態を把握し、非常時以外でも病院間搬送などにも積極的に活用すべきと考えます。
 DMATカーの運用状況とその課題、今後の活用の方向性につき、現状のままでよいのか、ご所見を求めます。

○矢田部経営企画部長 福祉保健局の通知によりますと、東京DMATカーは、緊急の要請に応じていつでも出場できる体制を確保する必要がございますが、活動に支障がない範囲で、配備された病院が行う業務に活用できるとのことでございます。
 病院経営本部としては、病院の意見を聞きながら、東京DMATカーの活用について、例えば病院間搬送に使えないかといった検討を行ってきたところでございます。
 車両の構造上、患者搬送に適していないことや、また運転が容易でないことなどの制約がございますが、引き続き医療救護班としての出場や訓練を初め、可能な範囲で有効に活用してまいります。

○上田委員 この件に関しては、我が会派では両角、おときた両議員の指摘により運用指針も見直しになってきており、都度指摘したことが形になっていることが確認できました。今後も、都民の血税、一台三千万円の貴重な福祉資源でございますので、運転手の確保など、安定的かつ機動的な運用をなさることを希望いたします。
 次に、医療政策についてです。
 都内には全国を対象とした高度医療を提供する十五の特定機能病院を初めとした六百を超える病院があり、そのうち都立病院では、都内の病床数の約四%を担い、行政的医療を適正に都民に提供することを基本的役割とし、ほかの医療機関などとの密接な連携を通じ、良質な医療サービスの提供に努めているとのことです。  都立病院改革推進プランの主柱をなす患者中心の医療の実現に向けて、都立病院の果たすべき役割について、現状と課題を踏まえ、ご所見を求めます。

○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都立病院では、患者の病状や治療法につきまして十分な説明を行い、納得、同意して自分の治療法を選択できるようにするなど、患者が医療に主体的に参加できる患者中心の医療に努めております。
 超高齢社会の到来により、医療を取り巻く環境が大きく変化していく中にあっても、引き続き、患者中心という理念を第一に、医療の質と患者サービスを向上させ、都立病院が担う役割を果たしていくことが必要であると考えております。

○上田委員 患者中心ということを確認させていただきました。民間医療機関におけます医療過誤、虐待、殺人等が報道されている中で、自治体病院である都立病院の先導性、存在意義、存在価値についての考え方をお示しください。

○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都立病院においては、法令等に基づき対応が求められる医療や一般医療機関では対応が困難なものなど、社会的要請から特に対策を講じなければならない医療、さらには新たな医療課題に対して先導的に取り組む必要がある医療を行政的医療と位置づけて、基本的な役割としております。

○上田委員 事ほどかように、都立病院、公社病院、療育センターや監察医務院等の都所管の医療関係機関、国の医療機関、各種医療系大学や研究機関等、都内には多種多様な医療関係機関が存在します。これらの医療関係機関といかに役割分担し、時に連携していくのか、現状を踏まえて、基本的な考え方をお示しください。

○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都立病院及び公社病院は、患者紹介を初めとして、それぞれ地域における他の医療機関との連携を密にしているところでございます。
 また、大学病院や研究機関との間では、人的交流や共同研究など、それぞれの役割分担を踏まえた連携を行っているところでございます。

○上田委員 続きまして、精神医療についてでございます。
 同僚委員からも指摘がありましたが、精神保健指定医に係る不正取得による厚生労働省の前代未聞の八十九名の大量処分がありました。東京都内で処分を受けた医師五人は、全て都立病院の医師でした。
 また、本年二月、私も指摘しましたが、指定医資格を失効したまま診察に当たり、処分を受けた都立病院医師もいます。五人のうち実際に診察した二名は、多摩総合で措置入院診断書を十五、医療保護入院届一、隔離、拘束の指示二十一等、合計三十七件、松沢病院は、医療保護入院届十五、うち未成年は一件、隔離、拘束の指示五十二件等、合計七十一件となっています。
 さきの福祉保健局答弁では、都では、精神病床を有する病院に対して毎年度、実地指導を実施、精神医療審査会において、医療保護入院の入院届や措置入院等の定期病状報告等に関する審査を実施、また措置診察業務を行う精神保健指定医全員を対象に措置診察業務説明会を開始し、措置入院の判定基準や指定医の責務などについて理解を深めるなど、適正な精神科医療を確保としていますが、立て続けに都立病院で精神保健指定医の不祥事が発覚したというのは、それまでの適切とする答弁に説得力が失われているものと思われます。
 今回処分された精神科医の不正は、それぞれ悪質性にもいろいろなレベルがあり、悪質なのは、指導医のサインを偽造して、あたかもオーケーが出たように提出したケースもあったとのことです。さきの質疑によりまして、これは都立病院ではなかったということでありますが、このような診察は、公文書偽造にとどまらず、患者の尊厳を奪い、都立病院全体の信頼を失墜するものと受けとめざるを得ません。都立病院において人権意識に欠けた不祥事が蔓延している状況に強い懸念を抱いております。つきましては、以下伺います。
 指定医の資格を失効した専門医が指示した措置入院や行動制限について、妥当性を検証したのでしょうか。検証のプロセス、誰がどのように検証したのかについて、逐次ご説明をお願いします。

○谷田サービス推進部長 今般の取り消し処分は、十一月九日付で資格を取り消すものであり、過去にさかのぼらないとしておりますが、両病院では、患者の人権擁護を第一に考え、過去に行った指定業務の有効性の検証に着手しております。
 具体的には、措置入院や医療保護入院の判断など、当該指定医が在籍中に行った全ての指定医業務について、副院長や他の精神保健指定医が診療録等により確認を行っております。
 厚生労働省から指定医業務の有効性確認等について指示があった場合は、別途適切に対応してまいります。

○上田委員 指示の対象となった患者や家族に対してどのような説明をしているのか、あるいは今後していくのか、有効性が確認できた場合とできなかった場合、それぞれについてお示しください。

○谷田サービス推進部長 指定医業務の有効性については現在確認中であり、個別の説明は行っていませんが、両病院のホームページにおわびと今後の対応について掲載しているところでございます。
 今後、指定医業務の有効性が確認された場合は、全体の検証結果についてホームページでお知らせするとともに、万が一有効性が確認されなかった場合は、当該患者さん、家族に対して説明を行うこととなると考えております。

○上田委員 ぜひ家族、患者に対する説明を重視していただきたいと思います。
 さて、今回の処分対象者の医師には現役の医師もいます。監察処分についてはどのような対応をしていくのでしょうか。

○矢田部経営企画部長 資格取り消し処分を受けた医師から事実関係の詳細を確認しており、それを踏まえて厳正に対処してまいります。

○上田委員 処分対象者中、既に退職した職員については、地方公務員法によれば、さかのぼって懲戒処分をすることはできないということですが、刑事告発は考えられるのでしょうか。今後の対応、綱紀粛正策について、ご説明ください。

○矢田部経営企画部長 刑事告発につきましては、事実関係の詳細を確認した上、犯罪があると思われるときは、刑事訴訟法に基づき対応いたします。
 また、厚生労働省による取り消し処分の発表があった翌日に緊急の事務局長会議を開催いたしまして、綱紀粛正を図ったところでございます。

○上田委員 適正な公権力の行使をお願いしたいところです。
 さて、今回の不正がどのように認定され、症例レポートが捏造されていったのか、その経緯と詳細について具体的にご説明ください。

○谷田サービス推進部長 処分対象者に当時の状況を確認したところ、申請者は、患者へのインタビューやカンファレンスへの参加など、患者の診療には関与していたとのことでございますが、申請者の診療について、カルテへの記載は不十分でございました。また、指導医は、本人自身が署名を行っていることも確認されてございます。
 一方、厚生労働省の発表によれば、ケースレポートの症例は、診断または治療等に十分なかかわりを持った症例としては認定されなかったとのことでございます。
 なお、一部の報道にあるようなケースレポートの使い回し、指導医のサインの偽造などは、都立病院では行っていないものと認識してございます。

○上田委員 カルテに記載されていない時点で、本当は診療していたという主張は一切通用しないことは、医師として基本中の基本ではないでしょうか。本件の場合、みずから担当として診断または治療等に十分なかかわりを持った症例について報告するものであり、少なくとも一週間に四回以上、当該患者について診療に従事した者という厚生労働省の定める要件を満たしていたものの、当該医師の診療をカルテに記載していなかったために処分されたということなのでしょうか。カルテに記載していない時点で、既に医師法第二十四条や保険医療機関及び保険医療養担当規則第二十二条違反であり、ましてや主治医の立場なのにカルテに記載していないこと自体が非常に大きな問題であると思われます。
 さらには、当該医師が患者の診療には関与していたとのことですが、カルテに書かれていない以上、関与自体が虚偽である疑いは免れません。
 都はどのようにして、カルテに記載していないにもかかわらず、当該医師がその症例に関与したと認めることができたのか、所見と説明を求めます。

○谷田サービス推進部長 指定医本人によれば、患者の診察に関与していたとのことでございますが、診療録に十分な記載がなかったために、要件に合致するとは認められなかったと厚生労働省が判断し、処分したものでございます。
 なお、今回のケースレポートの対象となった患者にはそれぞれ主治医がおりまして、カルテ等の記載は行われております。

○上田委員 改めまして、今回の事件を受けまして、再発防止策につき、今のカルテの方の説明もいただきましたけれども、考え方と具体的な対応状況につきましてご説明をください。

○谷田サービス推進部長 今回の処分が発表された翌日に緊急の事務局長会を開催いたしまして、全病院に注意喚起を行うとともに、再発防止の指示をしたところでございます。
 具体的には、厚生労働省が定めます申請要件の周知徹底や、診療関与を客観的に示すための十分なカルテ記載、診療科及び事務局双方でのケースレポートの管理など、組織全体で管理体制を構築したところでございます。

○上田委員 カルテ記載ですが、指定医本人によれば患者の診察に関与していたとのことであるが、診療録に十分な記載がなかったということなんですけど、医療政策について先ほどお答えいただいた理念のもと提供する、全国の自治体医療を代表する都立病院という点が、ほかの自治体と違って責任が格段に重いと考えております。ましてや処分対象が全て都立病院であったことは甚大な問題ではないでしょうか。ご答弁では、都立病院では問題ないと判断していたが、厚労省が処分を下したとも聞き取れてしまいます。
 そもそも厚労省や私に指摘される前に、当たり前の患者中心の精神医療を提供すべきではなかったのではないでしょうか。このような状況が都立病院並びに各地で散見するに当たりまして、国においては精神保健指定医の資格審査と措置入院後の支援の--やまゆりの件もありました--法改正の動きがありますが、今回の具体的な不祥事と国の方向性の流れを受けて、日本の精神科医療を牽引する松沢病院を有する東京都の精神科医療のあり方につきまして、ご所見を求めます。

○谷田サービス推進部長 松沢病院は精神科急性期医療を中心とし、専門性の高い精神疾患に対応するとともに、地域の医療機関や保健福祉施設などと密接に連携しながら、東京都における精神科医療の拠点としての役割を果たしてまいりました。
 精神保健指定医は、精神疾患の治療に伴う非自発的入院、隔離、拘束など、患者の人権制約を含む治療上の決定を行う権限を持つ者で、不正取得があったことは精神科医療全般に対する信頼を損なうことに通じるものでありまして、この事実を深く受けとめるとともに、今後の法改正の動きにも適切に対応してまいります。

○上田委員 その松沢病院ですが、資料13、16をごらんください。昨年の公営企業決算審査におきまして、私は、松沢病院の死亡退院につき、年間死亡退院数の割合が一割程度、全国平均からすると数字だけ見れば倍近く、また死亡に至る疾病理由につき呼吸器が三割もあり、通常の日本人の死因が、一位がん、次いで心疾患、脳血管疾患の順位からすると、過去五年平均でトップということに違和感を禁じ得ないと指摘いたしました。専門医によれば、向精神薬の多量多剤処方の副作用として錐体外路症状が発現し、嚥下作用の低下により誤嚥しやすくなるとの見解もあるそうです。
 さきに都は、患者の誤嚥性肺炎も含めて呼吸器疾患などによる死亡退院が多い状況となっておりますが、これは精神疾患を持つ患者が高齢化などより身体の疾患を併発し、一般の精神病院から松沢病院の合併症病棟に転院するケースが多くなっているためだとの答弁をされましたが、相次ぐ不祥事が多発している中で診察されたとなれば、不適切な診察、治療、大量処方などあったのではないかと懸念を持たざるを得ません。
 つきましては、改めまして、死亡退院の現状と死亡原因につき、処分事案の影響の有無を含め、ご所見を伺いたいと思います。相関関係について何らかの分析、検証がなされているのか、なされているなら具体的な結果についてもご説明を求めます。

○谷田サービス推進部長 松沢病院における平成二十七年度の死亡退院数は六十七人で、前年度と比較して三十一人、率にして四六%減少しております。
 松沢病院は、精神疾患を持つ患者が身体の疾患を併発し、転院してくるケースが多いこと、がんの専門的治療が行えないことなどから、呼吸器疾患等による死亡退院が多い状況となっております。こうした病院の特性や機能から、日本人の死因の割合とは異なった死亡原因の比率となっております。
 なお、特定分野の医療機能を持つ個々の病院と、日本人全体の死亡原因を比較して議論することは適切でないと考えております。

○上田委員 適切でないということですが、適切かどうかの判断は、医療者だけではなく、患者本人からの視点で判断すべきことをWHOも指摘しておりますし、都立病院の患者権利章典にも示されているところであります。章典の徹底をお願いいたします。
 つきましては、その権利章典の理念のもと、身体拘束、隔離について伺います。国際的な趨勢や、これまで繰り返されてきた医療機関での虐待などの事案を受け、厚労省では身体拘束ゼロに向けて取り組みを進めている中、松沢病院では、いまだ身体拘束千五百名、隔離三千が対象となっております。利益相反手続違反で顧問医が去った小児総合医療センターの子供たちも、身体拘束九十七、隔離六百八十七です。
 松沢では、五十二件も処分を受けた医師が診察していたことを鑑み、それを受けて、改めまして患者の人権尊重及びQOLに即した身体的拘束の廃止に向けての取り組み、隔離に関しての必要性と現状の課題、今後どうしていくかについて、具体的にお示しください。

○谷田サービス推進部長 隔離、拘束につきましては、精神保健福祉法に基づき、患者の安全と適切な医療の確保のため、必要最小限の範囲で行っております。
 松沢病院では、民間病院では対応が困難な重症患者を多く受け入れておりますが、治療する上でやむを得ず隔離、拘束を行う場合でも、患者や家族に理由を説明して理解を得るなど、インフォームド・コンセントに努めております。また、隔離、拘束している患者については、十五分から三十分置きに頻回に患者の状況を確認するなど、安全に十分配慮しております。
 身体拘束率は、平成二十七年度が六・一%で、三年前の平成二十四年度と比較して九・二ポイント減少しておりまして、今後もこうした努力を重ねてまいります。

○上田委員 努力していただいているということです。
 次に、電気けいれん療法です。WHOの二〇〇五年の勧告では、電気けいれん療法は、患者本人もしくは家族、もしくは保護責任者からインフォームド・コンセントを経た場合のみに限って使用すべきとあり、効果に懐疑的な神経科医も少ない中、実際に効果が上がっているのか、ご所見を伺います。

○谷田サービス推進部長 松沢病院や小児総合医療センターでは、電気けいれん療法の内容、必要性や危険性について、文書を用いてわかりやすく説明し、同意が得られた患者に対してのみ実施しております。
 電気けいれん療法については、薬物治療の効果が見られない場合や、自殺の危険が迫っているなど、早急に状態の改善が必要な場合であり、かつ治療効果が見込まれるものに限るなど、十分適用を検討した上で実施しております。ほとんどの場合、自殺念慮や興奮が消失するなど顕著な効果が見られ、臨床的に有効な治療法であると考えております。

○上田委員 ちょっと電気ショックというと、「カッコーの巣の上で」という映画を思い出すところでございますが、松沢では一千件を超えているところです。小児総合医療センターでは、子供へ七十一件実施をしています。
 今回の一件を踏まえて、改めまして治療法に関する対応状況、都としての見解をお聞かせください。また、副作用、後遺症等の可能性を含めて、患者、家族にいかにエビデンスを示してインフォームド・コンセントを行っているのか、ご説明ください。

○谷田サービス推進部長 電気けいれん療法については、早急に状態の改善が必要な場合で、かつ治療効果が見込まれるものに限るなど、適用を十分検討した上で実施しております。それぞれの病院では、患者や家族に対して電気けいれん療法の説明書を示して、治療内容や治療の必要性だけでなく、副作用の可能性や出現率等の危険性についても丁寧に説明しております。

○上田委員 続きまして、子供への向精神薬投与についてです。
 小児総合医療センターの顧問医師であり、日本発達障害ネットワーク理事長であるI医師が、製薬会社から二年で七百万円と多額の報酬を得ながらも利益相反手続を適正に行っていなかったことを、本年の予算調査の私の質疑で指摘、当該医師はセンターを去ることになりました。
 昨年決算では、小児における精神科薬物療法については慎重を期しており、特に就学前の子供に対しては投薬以外の方法を第一選択とすることはいうまでもないとの答弁をいただいており、安心したのですが、独自調査で、そのI顧問が病院の子供たちの投薬データを、(パネルを示す)これだけ子供たちのデータを活用していて、七百万円、製薬会社から報酬をもらっていたことを鑑みますと、背筋に冷たい汗が流れる思いです。故意ではないが、必要な手続が行われていなかったことは、遺憾では済まされないのではないでしょうか。
 改めまして、児童精神科の入退院及び外来患者、発達障害医療、特にADHDに関しまして慎重に慎重を期すこと、これらの一件を踏まえて、都としての、子供、未成年者への向精神薬投与の考え方、方針をお示しください。

○谷田サービス推進部長 小児における精神科薬物療法については、これまでと同様に慎重を期し、投薬が必要な場合にも最小限にとどめております。
 ADHDについても、投薬する場合でも就学年齢以降に限り、投与を開始した場合も、成長の過程において減薬や中止を試みることを原則としております。

○上田委員 同様に、投薬方針を立てるに当たり、副作用、後遺症等の可能性を含めて、患者、家族にいかにエビデンスを示してインフォームド・コンセントを行っているのか、ご説明ください。

○谷田サービス推進部長 小児総合医療センターにおいては、患者や家族一人一人に症状や病態の説明を行い、それに対する投薬内容や効果、予想される副作用などの説明を行い、同意を得た上で処方を行っております。

○上田委員 次に、精神科の入院患者様の人権尊重についてです。
 精神病棟において、いうことを聞かなければ退院させない等、脅迫的なことはないか、患者、患児が、病院関係者を通さず直接外部へSOS発信できる環境にあるか、人権尊重の取り組みにつき、成果と課題について改めて具体的にお示しください。

○谷田サービス推進部長 精神科病棟に入院する患者の人権尊重については、精神保健福祉法の趣旨を踏まえて適切に対応しております。
 例えば、精神保健福祉法第三十七条に基づき、厚生労働省が定める基準によりまして、全ての病棟に公衆電話を設置し、スタッフに気兼ねなく話すことのできる環境を確保しているほか、面会時にはできるだけ病棟内を患者家族に見てもらうよう配慮しております。さらに松沢病院では、退院時アンケートなど、患者の生の声をホームページに公開し、運営の透明性の確保に努めております。

○上田委員 これまで指摘してきましたように、日本の精神科領域では、エビデンスに基づかない不適切な治療が漫然と行われてきた実態が、たびたび学会や報道で指摘されてきました。むしろこれらは氷山の一角にすぎないのではないかと危惧するところです。
 最近になって、保険診療において多剤処方に規制がかかり、軽症鬱に対して安易な薬物療法を推奨しないガイドライン、睡眠薬、抗不安剤の長期漫然処方を不適切とみなすガイドライン等が策定されつつあります。さらに、全国二十の精神科医療施設でガイドライン効果を検証する研究も始まっています。
 都立病院においては、このようなガイドラインが考慮され、エビデンスに基づいた治療がなされているのでしょうか。海外症例の最新情報の取り入れ状況と今後の利活用について、どのような体制で取り組むのか、ご所見を求めます。

○谷田サービス推進部長 松沢病院では、精神科医療に関するさまざまな学会のガイドラインなども参考にするとともに、大学の講師等を招いて、医学的見地に基づく新たな知見や実際の国内外の症例などについての勉強会を毎月開催しております。また、主に向精神薬の作用について扱う精神薬理の専門家を招くなど、適切な薬剤の処方に関する知見を得ております。
 こうした取り組みを通じまして、今後も質の高い精神科医療を提供してまいります。

○上田委員 質の高い精神科医療の提供という言葉を聞きました。今まで精神保健福祉行政に関する質問のたびに、再発防止、適切な指導監督をする等答弁をいただいておりますが、ここまで残念ながら不祥事が重なると、今までの答弁が空虚に聞こえてなりません。特に入院患者は人権を制限されており、彼らを不適切な治療や人権侵害から守れるのは現場のお医者様、指導の権限のある行政しかありません。その場しのぎのいいわけや、非現実的な方法ではなく、改めてここで徹底した指導をお約束いただけるのか、お答えいただきたいと思います。

○谷田サービス推進部長 先ほどもお答えしましたとおり、今回、精神保健指定医の取り消しということもございましたが、我々、各病院に対して、今回の持つ意味合いをきちんと自覚しまして、再発防止、原因究明も含めて徹底してやっていくということを確認したところでございます。

○上田委員 指定医におきまして再発防止が徹底されるという言質もいただきまして、ぜひお願いをしたいと思います。
 次に、アルコール依存症対策についてです。
 重篤化しますと、人間関係、生活環境を患者みずからが破壊し、社会復帰を困難にさせます。特にお酒は、また向精神薬と違って、非常に安易に手に入りやすいというところもあります。
 つきましては、都立病院の精神科におきましてのアルコール依存症の男女別診断件数と、その増減傾向、その治癒の状況について、ご説明ください。

○谷田サービス推進部長 アルコール依存症に対応する松沢病院では、平成二十七年度のアルコール依存症での入院患者は二百四十三人でございます。過去五年間は二百人台で推移しておりまして、明らかな増減傾向は見られないところでございます。

○上田委員 増減傾向がないということで、一安心しました。
 アルコール依存症患者の社会生活を継続するには、家族を中心に、地域、職場等の生活環境を支え、整えていくことが必要とされます。都立精神科病院としてどのような対応をしているのか、現状と課題について確認いたします。

○谷田サービス推進部長 松沢病院においては、アルコール依存症の患者本人に適切な治療を提供するほか、依存症に関する学習会を開催して、継続的な治療への動機づけを行っております。また、入院中のデイケアを通じて患者の社会復帰を支援するほか、退院後の患者を支える家族に対しても家族講座などを開催し、啓発や教育の支援を行っております。さらには平成二十七年六月に、アルコール依存症等の治療と回復支援をテーマとした一般の方向けの公開講座を開催するなど、アルコール依存症の正しい理解を広める取り組みを行いました。
 松沢病院では、アルコール依存から離脱困難な患者や家族のサポートが得られにくい患者にも対応していることから、自助団体とも連携をして、患者が安定した社会生活を送れるよう支援しております。

○上田委員 福祉保健局ではリーフレットも作成しており、自分も、読むと該当するかなみたいな、どきどきしちゃうところがございます。自助団体とも連携していくということであります。引き続き、区市町村や各保健所、民間団体との連携の強化を、オール東京で取り組んでいただきたいと思います。
 次に、患者、家族への接遇についてでございます。
 まず、個人情報の扱いについてです。このたび、争訟事案に当たり、都立病院の患者の個人情報が手続を経ずに一病院職員により持ち出されて、書証として裁判所に提出されていたことが判明しました。具体的な内容につきましては言及を控えますが、さきの各会計決算審査で、個人情報の適正な取り扱いと私的利用の防止策、また、万が一職員から持ち出しがあったときの情報の回収のあり方についてただしたところ、生活文化局は、都は個人情報保護条例において個人情報の目的外使用を禁止しており、個人情報の庁舎外への持ち出しを原則禁止、持ち出す場合は所属長の許可が必要である、生活文化局及び各局が毎年悉皆研修を開催、職員の意識啓発で個人情報の不正利用の防止を図る、不適正な取り扱いが発生した場合は、情報の早期回収等により、被害の拡大防止のための適切な措置を講ずるとの答弁がございました。
 つきましては、医療情報という最も人間の尊厳にかかわる個人情報を有している病院経営本部における個人情報保護、漏えい防止のための対応状況等、ご所見を求めます。

○矢田部経営企画部長 病院経営本部では、東京都個人情報保護条例及び東京都個人情報取扱事務要綱、さらに病院経営本部保有個人情報安全管理基準により、保有する個人情報の管理を行っております。
 病院におきましては、ただいま申し上げました個人情報安全管理基準に基づきまして管理責任を明確にするとともに、管理状況の点検や取り扱いに関する教育研修を行っております。

○上田委員 とのことですが、事案が発生しておりまして、医療現場でその対応を今後どう徹底していくのか、具体的にご説明ください。

○矢田部経営企画部長 病院職員の一人一人が個人情報の重要性を認識、意識し、適正な管理に努めるよう、日常的な指導や研修を通して徹底してまいります。

○上田委員 どうぞよろしくお願いいたします--当然のことではございますが。
 続きまして、資料14を見ていただきたいと思います。患者、家族へのハラスメントについてです。
 患者本人はもとより、重症患者を抱える家族にとっては、医師からPT、看護師、あまねく病院職員は、力関係からいって、いいたいこともいえない状況にどうしてもあります。医療従事者は知識を圧倒的に持ち、患者は情報の非対称性にさらされております。こうした関係性に配慮し、何より患者権利章典の理念を遵守しなければなりません。
 ついては、まず、ハラスメント防止策を職員へどう行っているかお示しの上、個別の患者や家族へのパワハラ、モラハラ、セクハラなど、あらゆるハラスメントに対する苦情の状況、過去三年間の内訳と対応状況、服務事故者への処分を含めた対応状況、再発防止策につき、ご説明ください。

○矢田部経営企画部長 病院経営本部では、ハラスメントなど非行防止研修のほか、事故防止の点検を毎年実施し、職員の注意を喚起しております。ハラスメントに関する統計はございませんが、個別にハラスメントが疑われる場合には、事実関係を確認した上で、適切に対応しております。
 また、職員による非行及び事故を確認した場合には、処分の対象とし、過去三年間では、看護師の患者に対する暴力事案一件について懲戒処分がなされております。本事案の発覚を受け、緊急の事務局長会を開催し、患者の権利を尊重する意識の徹底を図ったところでございます。

○上田委員 ぜひ今後はハラスメントの把握と、個別というよりも、相談窓口をやはりもうつくっていただくような状況に入ったかなというふうにも思っております。いつでも相談ができるような環境とは思いますが、中には話しづらいという内容のこともあるかと思います。
 こうした問題が発生して、時に裁判まで発展してしまったとしても、都立病院は一般医療機関での対応が困難なものなど社会的要請から特に対策を講じなければならない医療と、先ほどの答弁にありましたとおり、治療行為は患者にとって不可欠であるとともに、病院に依存しなければならない患者やご家族に対しては、トラブルがあろうと、裁判にまで発展しようとも、接遇態度を変えることなく、医療倫理にのっとり、誠心誠意、職務に当たることを確認させていただくものです。
 次に、翻りまして、逆に職員の労働環境についても私は心配といいますか、懸念をしているところでございます。
 昨年の決算審査では、規定の定数に対して人員、現員が不足している点を指摘させていただきました。現場の人員が足らず、職員に過剰勤務というしわ寄せが起きていないかと危惧をしております。
 過去に労務問題につき労基署が入っていたことがあったようですが、どのような部署に、どのような指摘がされたのか、労基署が入ってからの事後処理はどうなっているのか、改善されているのか、職員の労働環境改善の取り組み状況と課題について、ご説明ください。

○矢田部経営企画部長 労働基準監督署の是正勧告及び指導内容は、医師について、断続的な宿直または日直勤務許可を受けず宿日直勤務に従事させていること、また、時間外労働に関する協定届に定める範囲を超えて時間外労働を行わせていたことなどでございます。
 病院経営本部では、こうした勧告を重く受けとめ、割り増し賃金の精算、宿日直の許可手続、交代制勤務導入、さらには職員定数の措置などにより対応しております。
 引き続き、必要な人員の確保を初め、労働環境改善に取り組んでまいります。

○上田委員 医療人材の確保は頭の痛いところでございますが、都もご努力をしていることは重々承知をしておりますので、引き続き、周辺、労働基準局とも連携を図りまして取り組んでいただきたいと思います。
 さて、知事も所信表明といいますか、入庁してすぐに、イクボス宣言をされたところでございます。女性医師が安心して産育休がとれることはもとより、男性医師も育児休業をとることで、患者接遇への幅もできると考えます。
 男女別の取得状況と、取得促進に向けた今後の課題について、ご所見をお示しください。

○矢田部経営企画部長 平成二十五年度から平成二十七年度までに育児休業を取得した医師は、男性二名、女性四十一名、合計四十三名でございます。このほか、男性職員が配偶者の出産に当たって取得できる出産支援休暇や育児参加休暇などの制度も整備しているところでございまして、こうした制度のさらなる利用拡大が課題でございます。

○上田委員 人員と、知事のいうところ、こうしたライフワークバランスですか、非常に難しいところではございますが、このかじ取りをできるのがやはり自治体病院だと思いますので、引き続き職場環境の適正化を進めていかれることを求めるところでございます。
 ほかの委員からも指摘がありました広尾病院についてです。
 広尾病院の青山への移転については、こどもの城を残したいなどとする方々から反対運動が起き、嘆願書が出たと聞いております。また、一部報道にあるように、前院長も移転計画の策定にかかわる告発をしているといいます。
 波乱含みな、急な移転計画となっていると見受けられますが、移転計画が立ち上がった理由と決定していったメカニズム、どのような検討により、どのようなメンバーがかかわって入札から建築会社決定まで至ったのかのプロセスについて、具体的に時系列でご説明ください。

○谷田サービス推進部長 平成二十六年度から、現地建てかえや改修、移転も含めて検討を開始したところでございます。その後、外部委託調査も活用しながら内部検討を進めていく中、青山の国有地について国からの売却の打診があり、最終的に国有地取得の可能性を見きわめた上で予算計上に至ったものでございます。
 先月開催いたしました外部の専門家や関係者で構成される基本構想検討委員会において、全面公開のもと、これまでの経緯を詳細に説明し、委員の皆様にはご理解をいただいたものと認識しております。
 なお、これまでの間、外部委託調査は実施しておりますが、建築会社の決定はないところでございます。

○上田委員 適正な入札選定もチェックをしていきたいと思っております。
 広尾建てかえと青山移転の需要、受け入れ体制について、どのように比較検討をされたのか、両地区の周辺住民には検討過程で、緊急車両やヘリ等の地上、上空の交通を含むいかなる説明がされ、いかなる反応があったか、具体的に時系列でご説明ください。

○谷田サービス推進部長 それぞれの土地における医療需要等は、外部委託調査などを活用しながら比較検討をしてまいりました。対外的な説明は、当時、国からの用地取得に向けた交渉を続けていたことから差し控えていたものでございます。
 病院建設の前提となる医療機能等の詳細については、当初から、今年度の基本構想の中で具体的に検討していくことを予定していたものでございます。

○上田委員 では、なぜ前院長がマスコミ等に告発するに至ったのか、幹部職員との意思疎通や情報共有がなされなかったのか、ご説明いただきたいと思います。豊洲新市場の設計に対する指摘を引くまでもありませんが、第一線の現場に立つ医療従事者の声を聞かずして、都民にも医療者にも使い勝手のよい病院とはならないのではないか、逆からいうと、早目にやれば、使い勝手のよい病院になるんじゃないかというふうに思っております。
 現場職員との連携、意見聴取の状況、反映について、ご所見を求めます。

○谷田サービス推進部長 改築の検討については、必要な意見交換をしながら進めてきたものでありまして、最終的には、その方針について前院長も了解したものと認識しております。
 現在開催している基本構想検討委員会には、広尾病院長のほか、東京消防庁や医師会の代表者など、幅広い関係者にご参加いただき、検討しているところでございます。

○上田委員 跡地利用については、ほかの委員の皆さんの答弁で、病院会計から一般会計へ有償所管がえということですが、これって財務局に入るのか、ちょっと、どこの一般会計というイメージが湧かないんですけど、わかる範囲でお答えください。

○谷田サービス推進部長 一般論でございますけれども、私どもの局で仮にその移転をして、その用地が不用だということになった場合に、ほかの局で活用するという前提で、財務局に一旦所管がえになると思います。

○上田委員 現状確認をさせていただきました。前の院長が了解しながら告発をされたこと自体、いまだ釈然としないところでございますので、引き続き定点観測を続けます。
 一部報道では、豊洲新市場に続く第二の移転問題ともいわれております。白いブラックボックスとならないよう、経緯、現状、今後及び経費を常に都民に公表するとともに、特に関係者と地域住民には納得を得るべく説明を尽くされること、基本構想検討委員会も議事録は公表ということですが、さらにフルオープンとなることも期待をしていきたいと思っております。
 監察医務院についてです。
 昨今、法医学者が警察を告発する事案が発生しておりまして、改めて、監察医務院という都が有する医療資源の重要性を感じております。
 昨年の決算審査での答弁は、監察医務院で行われております死因究明の過程で得られた貴重な情報は、医学教育や臨床医学等に還元され、医学の進歩に貢献しているものと考えております。また、都立病院におきましては、同様に剖検や臨床研究に取り組んでおりまして、それぞれが医学の発展に貢献しているものと考えているということで、具体的に都立病院で監察医務院の知見がどう生かされているのか、いま一つ不明な点があるように感じておりました。
 そこで改めまして、行政医療として、都立病院、公社病院と監察医務院の連携、協力、成果、課題の現状について、ご説明ください。

○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 東京都監察医務院は、検案、解剖を行い、その死因を明らかにすることを通じて公衆衛生の向上に寄与することを目的としており、そこで得られた貴重な情報は論文や公開講座等で発信され、医学の進歩に貢献しているものと考えております。また、昨年度は、監察医務院が行っている研修に都立病院の医師が参加をしております。

○上田委員 行政解剖、司法解剖の必要性が日本全国で問われている中、世界最高水準ともいわれている監察医務院の知見を、ぜひ今後も生かしていただきたいと思っております。
 地域包括ケアとの連携についてでございます。昨年度から自治体ベースの施策として開始された地域包括ケアの連携を中心に、退院支援について伺います。
 収支均衡が求められる財政のもと、自治体病院がある地域は国保医療費が安いという傾向が指摘されております。地域包括ケアの考え方は実は新しいものではなく、当事者の自立と自己決定による地域生活を目指し、社会的入院の解消と患者家族のQOL向上を基礎づけるものでございます。これまで、医療人材の育成、予防医療、そして経済的に弱い立場の人、疾病などにより支援が必要な人への公平な医療を展開してきた自治体病院、都立病院が中心となって地域と協力し合ってきた形を、今日的に再構築するものと考えます。
 具体的には、ケースワーカーがグループホームとの連絡調整を行う。介護においては地域ネットとして、地域包括システムにおいて移行支援を行う。医療においては、地域包括ケアと切り離せない在宅医療の充実、医療人材の確保、救急医療部隊を創設等、取り組みが求められております。
 また、昨年四月から、松沢病院では患者支援センターを設置して、退院支援の取り組みを強化、ケースワーカーが入院時から退院に向けた支援を行っていると聞いております。
 ついては、地域包括ケアの連携による退院支援について伺います。都立病院、公社病院における地域包括ケア病棟の整備の状況につき、ご説明ください。

○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 地域包括ケア病棟につきましては、都立病院では設置している病院はございません。公社病院では大久保病院、荏原病院に設置しております。

○上田委員 都立病院では設置をしていないということで、ますます地域連携が必要というふうに拝察しました。
 退院支援に当たり、ケースワーカー、作業療法士の専門職が果たしている役割と、取り組みの実際を踏まえた地域包括ケアの整備状況、地域の受け入れ体制について、ご説明ください。

○谷田サービス推進部長 患者が円滑に退院するためには、転退院の調整を行う医療ソーシャルワーカーや在宅医療移行支援を行う退院調整看護師など、専門的な知識、技術を持つ職員が大きな役割を果たしております。
 患者の退院に当たっては、これらの専門職員がチームとなって訪問看護ステーションや地域包括支援センターとのカンファレンスを行う等、地域との連携強化に努めております。

○上田委員 やはり人材ありきということがわかりました。サポートと連携をお願いしたいと思います。
 次に、都立病院における患者支援センター全般の取り組み状況、他院といかに共有していくか等、成果と課題について、殊に松沢病院においては精神科の特性を踏まえまして、ご説明ください。

○谷田サービス推進部長 患者支援センターでは、医療ソーシャルワーカーや退院調整看護師、医療連携担当職員等、患者を支える複数の部門を一体的に組織し、ワンストップの相談窓口を設置、また、入院前に手術の説明等を行う入院サポートを開始するとともに、他の病院等と情報共有し、在宅療養移行支援の充実強化を図っております。
 松沢病院では、退院後に安定した生活が送れるよう、精神科ソーシャルワーカーが中心となり保健所やグループホームとのカンファレンスを開催するとともに、必要に応じて退院前に家庭訪問を行う等、患者の生活全般にわたり、さまざまな支援を行っております。

○上田委員 東京都としての取り組みはわかりまして、今示された状況ではございますが、ただ、区市町村等、地域の受け入れ体制においては、都内において、環境や各区市町村の取り組み状況などに地域間に温度差があるように見受けられます。
 この点についての現状認識と、もし何らかの対応があれば、対応状況をご説明ください。

○谷田サービス推進部長 医療機関や福祉施設等の状況は地域によってさまざまであることから、各都立病院では、地域の実情に応じて関係機関と連携を緊密にとることで、患者一人一人の特性に応じた、きめの細かい退院支援を継続してまいります。

○上田委員 都立病院と地域医療との福祉資源をコーディネートして、退院患者一人一人に寄り添ったケアマネジメントを構築しているか、今後、地域包括ケアを絡めた取り組みをどう生かし、広げていくのか、ご所見をお聞かせください。

○谷田サービス推進部長 都立病院では、今後も患者支援センターの取り組み等を通じまして、地元行政、他の医療機関、福祉施設等と連携をしながら、患者が住みなれた地域で生活できるよう、地域の包括ケアシステムの構築に寄与してまいります。

○上田委員 やはり急性期を診るというのが都立病院はあると思いますので、地域に患者さん、あるいは退院された方々を送り出して、その後もサポート体制とか、各区市町村とのばらつきを見据えながらのお取り組みをよろしくお願いしたいと思います。
 最後になりますけれども、経営戦略の取り組みについてです。
 二〇一五年十月二十三日の公営企業決算特別委員会第二分科会において、収益性分析についての比較、職員給与費の比較、一般会計繰入金、今回の資料の5と17を見ていただければわかりますが、諸問題の観点から質疑をいたしました。この内容は審査報告書にも反映されております。
 総務省は二〇一五年三月三十一日付で、公立病院改革の推進についてを通知し、その中に新公立病院改革ガイドラインが示されました。都においても都立病院改革推進プランを推進しているということでございますが、病院の一般会計繰入金、医業収益比率の計算方法が違い、計算結果が違うことから、現状として、病院経営本部はどのガイドラインやプランを採用しているのか、具体的なメリット、デメリットを比較しつつ、採用理由をご説明ください。

○矢田部経営企画部長 一般会計繰入金対医業収益比率は、総務省決算統計では経常収益における一般会計繰入金と医業収益の比率となっております。これに対しまして、都立病院におきましては、一般会計繰入金と、一般会計繰入金を控除した医業収益との比率としております。これは、繰入金への依存度をより明確にする観点から、国の基準よりも厳しく見ているものでございます。
 また、都立病院間で経営指標を比較する場合には、自立性を高める観点から、自己収支比率など、一般会計繰入金を控除した指標を用いておりますが、他の自治体病院と比較する際などには、比較を容易とするため、基本的に総務省決算統計の基準に従った経営指標を使用しております。

○上田委員 そのときに合わせた経営指標を使用しているということでございます。自治体病院の必要性を経済合理性のみで判断することはできませんが、ほかの自治体病院との比較を容易にする経営指標を使用することで東京都の現状を把握することは、基本的なことだと思います。どの指標が正確なのか、総務省と統一化を図りまして、各自治体病院への一般会計繰入金の削減プランを考えてこそ、自治体病院の独立採算制が担保されると考えられますので、引き続き、ご努力くださることを願い、私の事務事業質疑を終わりますが、続きまして一問だけ。先ほどありました、契約締結報告について、一問だけ。
 高額医療機器の購入に当たっては、実勢価格を反映した予定価格を組むと同時に、メンテナンス等を含めたトータルコストを比較できる契約方式を検討することが望ましいと、昨年の決算の意見開陳で申し上げました。今回の契約締結報告につきましては、この趣旨にのっとった公正、適正な買い入れ、入札が行われたか、事業者選定に至るまでの経緯を具体的にお示しください。

○谷田サービス推進部長 今回の契約は、財務局において、いわゆるWTO一般競争入札を行ったものであり、適正な手続で実施したところでございます。また、予定価格については、財務局の方針に基づき、複数の業者から見積書を徴取し、適正に設定いたしました。
 しかしながら、購入とメンテナンスの一体契約など、種類の異なる契約形態を複合した契約につきましては、東京都契約事務規則に定められていないことから、医療機器の購入と保守管理を一体として契約することはできないと考えております。

○上田委員 また、こうした購入や入札については、小池知事も、非常にクリアにしていくという改革マインドを示されているところでございます。残念ながら、メンテナンスとの一体契約は規約で定められていないということでありますので、こうしたことの見直しも進められていくのかなというところも、私も研究をしていきたいと思います。
 これをもちまして、私の質疑を終わらせていただきます。

○前田委員 よろしくお願いいたします。私からは、都立病院の災害対応についてお伺いいたします。
 都立病院の重要な責務の一つに、災害時の医療提供があります。東京都では七つの都立病院が東京都災害拠点病院に指定されており、医療救護活動の拠点となるとともに、医療救護所などへの救護班の派遣や、重症者や専門的な治療患者の受け入れ、治療を行うこととなっております。
 ことし四月に発生した熊本地震においても、医療機関の倒壊のおそれによる病院機能の停止、入院患者の移動を迫られた中で、都立病院からDMATや医療救護班などを迅速に派遣し、一カ月にもわたり支援を継続したと聞いております。
 今後も、東京で起こり得る可能性のある首都直下地震に対しても、東京都民の安全・安心を守るため、災害時における都立病院の役割について、改めてお伺いいたします。

○矢田部経営企画部長 都立病院は、神経病院を除いた全ての病院が、災害時において主に重症者の収容、治療を行います東京都災害拠点病院に指定されておりまして、各地域における医療救護活動の拠点となるとともに、医療救護班の派遣を行うなどの役割を担っております。
 このうち、広尾病院、墨東病院、多摩及び小児総合医療センターは、二次保健医療圏の医療救護活動を統括、調整する機能を有しており、各病院の地域災害医療コーディネーターが中心となり、地域の実情に応じた具体的な方策の検討や、関係機関との連携体制の構築などの役割を担っております。
 さらに、広尾病院は、都道府県におきます拠点病院の中心的な役割を果たす区部唯一の基幹災害拠点病院として、都の災害医療体制を牽引しております。

○前田委員 広尾病院などでは、医療活動の統括、調整を行い、地域の実情に応じた連携体制を構築されているとご答弁をいただきました。
 都においては、二次医療圏に応じた体制、急性期の対応から、情報連絡体制、医療支援、搬送支援、医療品の確保まで、きめ細かな災害医療体制を整備されていることに安心はできますが、もしも災害拠点病院に指定されている都立病院に被害が出ると、都の医療提供体制に大きな影響を及ぼす可能性があります。
 ことし地震のあった熊本県の病院を例として考えさせていただきますと、熊本県は県外企業誘致の際に、地震が起きない県を売りにしていたほど大地震の経験がなく、地震に対しての備えが十分でなかったといわれています。病院の耐震化率は全国四十一位の六二・六%しかなく、二百三十四の病院、診療所が倒壊、損壊の被害を受け、入院患者の搬送、患者受け入れが休止となりました。
 東京都は、病院経営本部耐震化整備プログラムを策定し、都立病院本体の耐震化は全て完了しており、倒壊の可能性は極めて少ないものの、壁、天井などの一部損壊により入院の継続ができないことも考えられます。例えば熊本地震では、スプリンクラーの作動で院内の一部が水浸しになり、診療できない状態になった病院もあると聞いております。
 そこで、都立病院において入院診療が継続できなかった場合の対応について、お伺いいたします。

○矢田部経営企画部長 都立病院を含む都内の医療機関が診療を継続できなかった場合には、福祉保健局が策定した災害時医療救護活動ガイドラインに基づきまして、災害医療体制に従うことになります。
 具体的には、震度六弱以上の地震が発生した地域では、基幹災害拠点病院及び地域災害拠点中核病院が医療対策拠点となります。医療対策拠点に配置された地域災害医療コーディネーターは、診療が継続できなくなった病院などの患者を受け入れる病院を、まずは同じ二次保健医療圏内で確保いたします。また、必要に応じて他の医療圏への搬送、さらには都外への広域医療搬送の調整を行います。

○前田委員 東京都全体の災害医療体制で、二次医療圏ごとの医療対策拠点で地域災害医療コーディネーターを配置されるなど、入院患者を受け入れる病院の確保ができていることを理解いたしました。しかし、受け入れ病院が確保できても、移動手段がなければ入院患者を搬送することができません。
 そこで、入院患者の搬送が必要な場合の搬送手段について、お伺いいたします。

○矢田部経営企画部長 医療機関等への患者搬送は、区市町村及び都が対応することになっており、重症度、傷病者数及び搬送距離に応じて、陸路、空路及び水路による搬送手段を、警察、消防、自衛隊と連携して確保することになっております。軽症者は、原則として自力歩行により、近隣の医療機関または医療救護所に移動することになります。

○前田委員 関係機関と連携して、入院患者の重症度などに応じて搬送手段を確保する体制をとられていることがわかりました。しかし、さらに被害が深刻な場合、道路の分断など、二次医療圏内での移動でも困難になることも想定しなくてはなりません。また、実際に搬送が必要な患者数と、移動可能範囲内での受け入れ可能なベッドの数などが問題になる場合も考えられます。受け入れ先がない最悪の状況で入院患者を動かさざるを得ない場合は、医師の判断で患者の重症度などを考え、自宅療養に切りかえるなどの方法をとられる場合も考えられます。
 しかし、ご自宅の被災状況では、体育館などの避難所へ移動される方がいらっしゃるかもしれず、患者に対して決してよい環境ではない場合もあります。私の出身地である熊本県宇土市では、入院施設の一部損壊を知ったホテル経営者が入院患者を引き受けました。被災した自宅や体育館などの避難所よりも、何かしらの病気、けががある入院患者にとっては、よい環境になったと思われます。
 現在、東京都ホテル旅館組合との防災協定は、避難所としての宿泊施設の提供、帰宅困難者に対する水、トイレ、避難情報の提供とあり、また、全日本シティホテル連盟などとは、各広域自治体から派遣される応急危険度判定員への宿泊提供とありますが、例えば災害発生後一定期間内は入院患者受け入れ専用の避難所として協定するなども考えられます。この点に関しては、都立病院だけでなく、東京都全体の災害医療体制としてご検討いただきたいと思います。
 災害時の病院では、入院患者の問題だけでなく、災害によりけがをされた方、ぐあいが悪くなられた方など、新たな患者が数多く病院に来ることへの対策も考えなければなりません。災害時は、受け入れベッド数の緊急増床など、災害拠点病院としての機能強化を行い、受け入れ患者数の増加に対応する体制づくりを視野に入れた計画が必要と考えます。
 また、実際の災害発生時では、緊急医療を必要としない帰宅困難者や避難者が、避難所に指定されていない病院に殺到することも予想されます。震災発生後の避難者の混乱は必至であり、各自治体では避難所の用意があるものの、熊本地震の際は多くの人が避難所に指定されていない病院に殺到いたしました。これは避難者の心理として、緊急度の高いけがや病気でなくても、もしものときの安心感で病院に来たがる人が多かったことにあります。これが公営の病院である都立病院であれば、何とかしてくれるかもしれないという思いが強くなることも予想されます。
 熊本地震で避難者を受け入れた病院は、水、食料など備蓄品の不足、また、配給に職員の手が必要となり、少なからず患者の診療業務体制に影響が出たと聞いております。
 また、避難所でない、受け入れを断った例としては、東日本大震災の渋谷区であります。渋谷区ではいち早く、帰宅困難者対策を区の総合防災条例に追加し、災害時の対応検討の中で、長期滞在の可能性がある地元避難者と、翌日には帰れる可能性があるいっとき避難の帰宅困難者の避難所を別々とし、災害用備蓄品も短期のものと長期生活に必要なものを用意いたしました。
 このことが震災発生直後は大問題となりました。比較的場所がわかりやすい住民向けの避難所に帰宅困難者が殺到し、帰宅困難者向けの避難所を案内しても、避難民を見捨てるのか、これ以上歩かせるかなどと職員に罵声が浴びせられ、電話よりもつながりやすかったネットには数多くの非難が寄せられました。
 熊本地震での避難者受け入れの病院の経過と、東日本大震災での渋谷区の経験も踏まえつつ、災害発生時の避難者、帰宅困難者への対応について、所見を伺います。

○矢田部経営企画部長 ただいま、委員より、熊本地震や東日本大震災での事例のご紹介がございましたが、災害の発生直後には、都立病院では入院患者の対応に加え、被災した重症患者の受け入れなどの応急対策が加わることで業務量が膨れ上がることが予想されております。
 こうした中、災害拠点病院である都立病院は、主に重症者の収容、治療を行うことを役割としており、病院機能を維持し、診療を継続するために、病院前トリアージにより軽症と判断された患者や医療サービスを必要としていない避難者などにつきましては、医療救護所や避難所などに誘導いたします。

○前田委員 都立病院においては、主に重症者の収容、治療を行うことが重要な役割であるとご答弁いただきました。帰宅困難者や避難者にもこのことを理解していただいた上で、一時滞在施設や避難所のわかりやすい案内をお願いいたします。
 実は渋谷区では、避難所をすみ分けしたことによる非難が、五日後には賞賛に変わりました。もしも阪神・淡路大震災のような火災による二次被害が起こった場合、帰宅困難者と長期避難者と、その後の生活を考えての対応であったとマスコミで報じられるようになりました。しかし、地元民でないので地理に明るくない方は、国道沿いなどわかりやすい場所に、いっとき避難所に集中してしまったなど、帰宅困難者向け避難所へのさらにわかりやすい誘導の方法など課題は残っていますが、そのことを踏まえて、案内体制を要望しておきます。
 また、災害拠点病院として緊急受け入れ数の大幅な拡大が行える抜本的な計画をお願いいたします。災害時、病院の廊下に緊急ベッドを配備する増加だけでなく、会議室なども緊急入院施設とできる機能強化など、検討すべきと考えます。今後、都立病院においての大規模改修、建てかえなどの際には、関連施設も含めて、災害時には緊急入院施設へ転用できる施設になるよう検討いただくことを要望しておきます。
 これは公営病院だからこそできる取り組みだと考えますので、今後、都立病院の災害拠点としての機能強化を実現できるよう、大規模改修、建てかえや、また移転を検討される場合、現在検討されている広尾病院の近隣は特に、移転可能な面積の土地はなかなか出てきません。別の方の答弁にもありましたように、土地の交渉はタイミングが大事であります。逃すと購入できない可能性があります。
 特に、こどもの城の跡地は、年数的にはまだ十分使える施設でありながら、社会保険庁の施設ということで、民主党政権の事業仕分けで売却が決定され、地元からは、民間のオフィスビルでなく、公共施設を残してほしいなどの国への意見書などが出されたと聞いております。また、青山病院が廃止の後も、復活を望む声が多く寄せられていることもどうぞお酌み取りいただき、検討していただくことを要望し、私の質問を終わらせていただきます。

○小林委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後四時四十分休憩

   午後四時五十五分開議

○小林委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○藤井委員 私の方からは、駒込病院の放射線治療機器並びに今回の提案に出ております手術支援ロボット、緩和ケア、産科医師確保策について、何点かお伺いいたします。
 委員長から早く終わるようにいわれておりますので、できるだけ早くやりたいと思います。
 まず、がんは、今、日本においては二人に一人ががんにかかって、三人に一人ががんで亡くなるといわれるぐらい、日本人の死亡率のトップががんであります。そういう意味で、今現在、都立駒込病院においては、まさにがん治療のリーディングホスピタルということで、大変貢献をされているわけです。
 駒込病院におけるがん治療、中でも放射線治療について、私は過去何回か、この放射線治療について議会でも訴えてまいりました。ご承知のとおり、現在、がん治療においては手術でがんを切る、また、薬物療法で治す、そして、三番目に放射線療法というのがあるわけですが、これを組み合わせて効果的な治療をしているのが現状です。
 しかし、残念ながら、この放射線治療、まだまだ日本人といいますか、我が国においては放射線治療が十分活用されてないというのが現状です。何といっても、放射線治療はがん治療の中で一番副作用が少ないといわれておりますし、また、早期のがんから末期のがん、いわゆる緩和ケアまで幅広く使われているのが放射線治療です。さらには、がん治療の中で一番経済的というふうにもいわれております。
 しかし、残念ながら、放射線治療を受けた患者は、日本においては患者全体の約二五%といわれています。しかし、アメリカにおいては放射線治療を受けているのは六六%、ドイツにおいては六〇%が放射線治療を受けているというふうにもいわれております。まさに、がん治療の半分以上が放射線治療であるというのが世界的な潮流になっているわけですが、残念ながら、まだまだ日本では放射線治療の認識が広がっていないというのがあります。
 今後、十年後、がん患者の数が日本においてもさらにふえるわけですけれども、将来的には放射線治療をしっかりと拡大をしていく必要があるというふうに私は思います。
 何といっても、放射線治療はがんを切らずに治すことができる。また、がん細胞に放射線をできるだけ集中することが大事だといわれております。今までの技術ですと、体の中にあるがん細胞に外から放射線を当てましても、そのがん細胞に届くまでにほとんど効力が失われたり、あるいはがん細胞の周りの正常な細胞まで影響を与えてしまうということがありましたけれども、最近は大変、放射線の高度な治療機器がどんどん開発をされております。
 あるお医者さん、がんの専門医にいわせますと、完全にがん細胞にだけ放射線を当てて周りの正常細胞に当たらなければ、放射線を無限にがん細胞にかけることができる、そうすれば一〇〇%がんは治るというふうにもいわれておりました。そういう意味では、これから技術の進歩によって、将来はがんも治る時代が来ると期待されているところでございます。
 そういう中にあって、駒込病院では、大規模改修を行った際にトモセラピー、サイバーナイフ、Veroといった高精度な放射線治療器を導入いたしました。私もこのことを提案していた一人として大変うれしく思っているわけですが、例えばトモセラピーという機械は、複雑な形をしたがん細胞であっても、その形に沿って放射線を照射できるという特徴であるとか、あるいはVeroとかというものは、何と今の日本のミサイル技術、すばらしいミサイル技術がありますけれども、体の中にあるがん細胞に対して、ミサイル技術ですから、体が動いたり呼吸したりしてもがん細胞に直接当たるという、こういう大変すばらしい機械があります。
 それ以外にも、私は重粒子線だとか陽子線とか、いろいろと各地を見てまいりました。もっともっとすばらしい放射線機器があるわけですが、そこで、これらの駒込病院におきます放射線治療装置による平成二十七年度の治療実績はどうか伺います。

○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 委員からご紹介のありました放射線治療装置の平成二十七年度における稼働実績は、トモセラピーが五千二百八十件、サイバーナイフが二百七十件、Veroが四千二百四十件となっております。
 平成二十五年度の実績と比較しますと、トモセラピーが四千二百四十四件、サイバーナイフが百三十件、Veroが三千七百七十三件であり、順調に治療実績を伸ばしております。

○藤井委員 今後も、治療効果の高い機器の導入を図って、がん患者に対して、多くの方が治療できるようしっかり取り組んでいただきたいと思います。
 次に、放射線治療を担う人材についてお伺いをいたします。
 放射線治療を行うに当たっては、最新鋭の機器の導入と同時に、その機器を使いこなせる専門家、いわゆる人材がこれからもさらに必要になると思います。
 しかし、日本では、欧米に比べまして、先ほど申しましたように放射線科の医者が少ないそうです。現在、日本では約五百名程度の放射線の専門医師がいるそうですけれども、これではまだまだ足らない。慢性的なマンパワー不足に陥っているという現状があります。
 そこで、今後がん患者がふえて、放射線治療を必要とする方がふえることが想定されますので、放射線治療を担う医師を、都立、公社病院でしっかりと確保し育成をしていくことが重要だと考えます。
 そこで、この都立、公社病院に現在何名の放射線治療の専門医がいるのか、そして専門医師の確保、育成のために具体的な取り組みについて伺います。

○矢田部経営企画部長 がん患者に対して放射線治療を行う常勤の専門医は、都立病院では、駒込病院に五名、墨東病院に一名、多摩総合医療センターに一名の計七名、また、公社病院では、多摩北部医療センターに二名が在籍しております。
 放射線科の医師の確保、育成のためには、東京医師アカデミーにおいて、放射線診断、治療の幅広い基礎知識、技術を習得し、放射線科専門医の資格取得を目指すコースを設け、これまで二十二名が研修を受講し、常勤や非常勤医師として九名を採用しております。
 さらに、医師アカデミーの放射線科コースには現在十二名が在籍し、研修を通じて放射線科の運営に貢献しております。

○藤井委員 今後も、がん患者に対します放射線治療の数が増加していくと見込まれていますので、都立病院においても、その治療機器を取り扱う放射線技師の育成、確保にしっかり取り組んでいただきたいというふうに思います。
 そこで、都立、公社病院の放射線治療機器を取り扱う人材の確保、育成に都はどのように取り組んでいるのか、具体的にお伺いをいたします。

○矢田部経営企画部長 放射線治療を適切に実施するためには、医師を支える専門家の確保、育成が重要でございます。
 都立病院では、診療放射線技師の中でも、治療に関して高い専門性を持つと認定される放射線治療専門放射線技師という資格の取得を支援しております。学会、セミナー、講習会への参加経費や受験料、登録料を負担しております。現在、資格を持つ職員は十三名であり、同様に公社病院では九名が資格を保有しております。
 また、診療放射線技師のレベルアップを図るため、首都大学東京と連携し、放射線治療計画装置の操作、照射の最適化などに関する知識と技術を深めるための連携講座を開催しております。さらに、駒込病院の高精度放射線治療装置の導入に伴いまして、医学物理学に関する高度な知識、経験を有する医療技術職を外部から確保するための採用選考を行っております。
 こうした取り組みにより、放射線治療を支える専門的な人材の確保、育成に努めております。

○藤井委員 次に、手術支援ロボットについて伺います。
 本日の委員会には、高額医療機器の契約に関する報告がありました。この中に、駒込病院における手術用支援ロボットシステムというのがあります。契約金額は約三億四千三百万円と非常に高額なわけです。都立病院では駒込病院に初めて導入されるということですけれども、手術支援ロボットシステム導入のメリットは何か、この点についてお伺いいたします。

○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 手術支援ロボットシステムは、内視鏡での手術ロボット機能を組み合わせたもので、3Dカメラと鉗子と呼ばれる手術器具を取りつけたアームを医師が3Dモニターを見ながら遠隔操作で手術を行うものでございます。
 このシステムの使用による患者にとってのメリットといたしましては、開腹手術に比べ傷口が小さいため、手術後の疼痛が軽減されることや、出血が少なく感染症のリスクが低減することなどが挙げられております。患者の早期回復にも資するものであると考えております。
 また、手術を行う医師にとっては、内視鏡手術よりも医師の見える範囲を確保でき、鮮明な三次元画像で患部を診ることができるとともに、手ぶれ防止機能により手術器具をスムーズに操作できるなど、安全で精度の高い手術が可能となっております。

○藤井委員 私、先日テレビを見ていたら、「ドクターX」という、米倉涼子さん、私、大好きなのでテレビを見ていましたら、これがちょうど出ていました。やっぱり欧米はこういったものがどんどん進んでいて導入されているんですけれども、確かに大きい画像、おなかの中がでかく拡大されて、お医者さんは何か機械をつまんで手術ができる、大変すばらしい機械だなと思っておりました。
 こういったものが初めて駒込に導入されたわけでして、ぜひこれを使って多くの患者さんの命を救っていただきたいというふうに思います。
 一方、この手術支援ロボットシステムによる手術は、保険適用になる手術が限定されているというふうに伺っております。
 そこで、現在、保険適用となる手術の種類と、駒込病院における手術件数についてお伺いいたします。

○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 現在、手術支援ロボットシステムによる手術で保険適用となる手術は、前立腺がんの全摘除と腎臓がんの部分切除の二つでございます。
 駒込病院における平成二十七年度の症例数は、前立腺がんの全摘除が三十七件、腎臓がんの部分切除が三十五件でございました。

○藤井委員 ただいま保険適用の範囲が非常に限られているということですけれども、駒込病院での手術の件数をお聞きしますと、採算性という観点から果たしてどうなのかなという疑問も感じるわけです。
 この手術支援ロボットの採算性についてどう考えているのか、また、患者さんにも医療提供者にもメリットがある装置を有効に活用するための方策についてお伺いをいたします。

○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 委員ご指摘のとおり、保険適用となる手術だけで採算性を確保するためには、相当数の件数の手術を実施しなければならないことになります。
 このため、装置の有効活用策としての観点のみならず、患者の選択肢をふやすという観点や、症例を積み重ねることで高度な医療の普及に寄与するという観点からも、先進医療となっております胃がんや、その他のがんについても適用の拡大を検討し、安全性の検証など、準備の整ったものから実施する考えでございます。

○藤井委員 ぜひ、多くの病気にこの機械を活用できるように、拡大を国に要望していただきたいと思います。
 次に、緩和ケアについてお伺いします。
 がんの治療をする過程で、多くの患者さんは体の痛みとか吐き気とかいった不調や、将来への不安、死の恐怖などの心の問題と向き合わなければならないといわれております。こうした方への痛みや不安を軽減する専門的なケアであります緩和ケアの取り組みが重要だと考えます。
 日本はがん治療の後進国といわれておりますが、緩和ケアもおくれているわけです。がんの痛みを和らげることが緩和ケアの大事な役割でありまして、主な治療というのはモルヒネを飲むことなんです。
 モルヒネというと、戦前っていうか、戦後というか、痛みをとめる注射というイメージがありますけれども、それを続けると何か体に悪いというような、そういう先入観がありますが、モルヒネの使用量は、日本は大変少ない。
 例えば、日本のモルヒネの使用量はカナダやオーストラリアの七分の一だといわれています。また、アメリカやフランスの四分の一しかない。麻薬を使わない、モルヒネを飲まないということは、やっぱり痛むわけです。でも、患者さんは、やっぱり飲むと何か後で副作用が来るんじゃないかということで、飲まないと痛んで寝れない、食べれないという状況がある。そういう痛みに耐えているのが日本のがん患者であって、がんの激痛に苦しんでいるという現状があります。
 しかし、専門家によりますと、モルヒネなど麻薬系の薬を飲んでも中毒は起こらないというふうにいわれております。日本のがん対策は、そういう意味で、緩和ケアと放射線治療がこれからの大変大事な視点だと思います。
 そこで、都立、公社病院における緩和病棟の病床数、入院患者数について、まず伺います。病院別にお願いします。

○谷田サービス推進部長 高齢化が進み、がん患者さんがふえる中で、がん患者さんの疼痛、呼吸困難、嘔吐、倦怠感等の身体症状、または不安、抑鬱等の精神症状を緩和する治療やケアを行う緩和ケアの取り組みは重要と認識しております。都立病院では駒込病院に、公社病院では多摩南部地域病院及び豊島病院に緩和ケア病棟を設置しております。
 駒込病院における緩和ケア病棟は、病床数は二十二床で、平成二十七年度の延べ入院患者数は六千九百六十人でございました。豊島病院については、病床数は二十床で、延べ入院患者数は六千四百九十七人、多摩南部地域病院については、病床数は十六床で、延べ入院患者数は三千百八十四人でございました。

○藤井委員 ただいま答弁にありましたように、三つの病院を合わせて、延べの患者数は一万六千人を超えているということで、緩和ケアのニーズは高いというふうに思います。
 実際、こういったすばらしい緩和ケアの、私も駒込病院を見たことがありますけれども、入った方はすばらしい施設と職員の対応に大変感謝をしておりました。
 そういう意味では、この緩和ケアをより多くの人が受けられるように、さらに拡大をしていく必要があるというふうに私は思っております。一部の方だけが緩和ケアを受けられるということでは、やはり受けられる人と受けられない人の大変大きな格差があると思うんですが、そういう意味で今後とも拡大をしていただきたいと要望したいと思います。
 次に、緩和ケアチームの活動状況、どういうふうに活動しているのか伺います。

○谷田サービス推進部長 現在、神経病院、松沢病院を除きます六つの都立病院及び全公社病院で、専門的な知識と技術を持つ医師や看護師、薬剤師、MSW等の多職種から構成する緩和チームを設置し、患者や家族に対して、身体的、精神的なつらさを和らげるためのケアを提供しております。
 緩和ケアチームでは、患者さんらしさを大切にし、QOLを維持、改善する視点に立ち、個々の患者さんに関するカンファレンスを行った上で、定期的に病棟の患者を訪れる病棟ラウンドを実施しております。こうした活動を通じまして、前向きにがんとつき合い、納得した医療を受けられるよう、丁寧に説明や相談、情報提供などを行っております。
 また、国や都のがん診療連携拠点病院である駒込、墨東、多摩総合医療センターでは緩和ケア週間を設定し、一般都民向けの公開講座などの普及啓発活動を行っており、この中で緩和ケアチームは相談などに対応しているところでございます。

○藤井委員 緩和ケア病棟を持っていない病院でも、都立、公社病院では緩和ケアチームというのが組織されているということで、大変心強いと思います。
 また、地域との連携、普及啓発にも力を入れるなど、精力的に活動しているという答弁でした。これらの取り組みをしっかり継続していただきたいと思います。
 また、緩和ケアというと、がんが末期で、もう治療方法がなくて、最後に終末期のターミナルケアだというふうにイメージする人が多いと思いますけれども、これまでの答弁の中で、必ずしも末期の方だけを対象としているわけではないということでございました。そういう意味で、緩和ケアのあり方や最近の動向が変わってきているのかなと。
 そこで、最近の緩和ケアの特徴、どんなものがあるか伺います。

○谷田サービス推進部長 緩和ケアは、従来、終末期医療とされており、治癒の見込みのない末期の患者さんに対して、治療よりも心身の苦痛を和らげることを重点とするものでございました。
 しかし、二〇〇二年に、WHOが緩和ケアについて、生命を脅かす疾患に直面する患者と家族に対して、痛みなどの身体的問題や、心理社会的問題等を早期に発見、対処を行うことによってQOLを向上させる医療と定義したことから、緩和ケアは治療の早期から開始すべきものとして位置づけられたところでございます。
 また、二〇〇七年には、我が国でもがん対策推進基本計画が策定され、緩和ケアの提供体制の充実が必要と明記されております。
 こうした一連の流れにいち早く対応し、豊島病院では、一九九九年に緩和ケア病棟を開設しております。また、現在、各病院では、専門的な緩和ケアを早期から積極的に導入する目的で、積極的治療中の患者さんであっても、いつでも緩和ケアについて相談が受けられるようにしております。また、症状緩和後は、患者さんの希望に応じて積極的な在宅支援を行っております。

○藤井委員 今後、高齢化がさらに進んで、がん患者の増加が見込まれる、そういう状況から、この緩和ケアへのニーズもますます高まるというふうに思います。
 そこで、今後、都立、公社病院においてどのように緩和ケアを充実させていくのか、具体的な対策についてお伺いいたします。

○谷田サービス推進部長 がん治療においては、がんの診断があったときから、身体的苦痛や心理的不安を軽減し、QOLを向上するために、放射線治療や抗がん剤治療などと並行して切れ目なく緩和ケアを提供することが重要でございます。
 こうしたことから、これまで都立、公社病院では、緩和ケア病棟における緩和ケアの提供のほか、多職種から成る緩和ケアチームによる入院患者へのきめの細かいコンサルテーション、さらには、都民に緩和ケアに対する理解を深めていただくための普及啓発活動など、さまざまな観点から緩和ケアに取り組んでまいりました。
 今後、こうした取り組みに加えまして、医療従事者を対象とした研修や、退院後の在宅療養で緩和ケアが円滑に受けられるよう地域の医療機関等が参加する合同カンファレンスを開催するなど、地域の医療機関との連携を一層深めながら、質の高い緩和ケアの提供を推進してまいります。

○藤井委員 次に、都立、公社病院の産科について、また、産科医の確保策について伺います。
 日本産婦人科医会の調査によると、二〇〇九年以降微増してきた産科医の数が、ことし七年ぶりに減少したという報告がありました。高齢出産などのリスクの高いケースがふえて、産科医不足解消が求められる中、この日本産婦人科医会は、危機的な状況だと、医師の診療科や地域の偏在への対策が必要だというふうに報告しております。
 都道府県別に見ても、東京都の千件の分娩当たりの産科医の数は、二〇〇六年の十・八から二〇一六年は八・八と、全国平均を上回っているものの減少しております。過去十年間の東京都の分娩数が増加している中で産科医師が減少していることは、今後出産する都民にとっては不安なことだと思います。
 私の地元、大田区にあります公社病院、荏原病院では、以前、産科医が不足した際、院内助産所を設置しておりました。また、助産師外来も行っていたわけですけれども、この荏原病院における院内助産所、助産師外来の実績について、まず伺います。

○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 院内助産所の実績についてでございますけれども、荏原病院では、産科医が不足したため、平成十九年九月に緊急的な対応といたしまして、助産師が主体となって分娩を扱う院内助産所を設置しました。その後、医師の確保ができたことから、医師による分娩を再開することとし、院内助産所は平成二十一年六月に閉鎖をしております。この間の院内助産所での分娩は二十七件でございました。
 現在、委員お話のあったとおり、高齢出産などでリスクの高いケースがふえているため、分娩に当たりましては、母子の安全を第一に考え、産婦人科医師、小児科医師、助産師、看護師等の医療チームが協力して対応しております。
 助産師外来につきましては、医師と助産師との役割分担、連携のもと運営をしておりまして、平成二十七年度の実績は二千五百八十一件でございました。

○藤井委員 院内助産所については現在行っていないということですけれども、チームでの分娩対応や助産師外来は、産科医師の負担軽減と助産師の活躍の場も広がる取り組みであるというふうに考えます。
 それでは、この都立、公社病院の産婦人科医の充足状況は現在どうなっていますか。

○矢田部経営企画部長 全国的に産科医が不足する状況においても、都民が安心して出産するため、都立病院、公社病院において必要な医師を確保することが重要と認識しております。
 平成二十八年度の都立病院の産婦人科医師の定数は五十八名で、十月一日現在の現員は四十七・五名であり、充足率は八一・九%となっております。また、公社病院の産婦人科医師の定数は十七名で、十月一日現在の現員は十六名であり、充足率は九四・一%となっております。都立病院、公社病院とも不足がある分につきましては、非常勤医師を配置し必要な人員の確保を図っております。

○藤井委員 ひととき、産科医師の不足が大変大きな問題になったことがあります。なぜかというと、産科医師、小児科の場合は小さなお子さんを扱いますので、手術をして、例えば亡くなってしまった、障害を残してしまったとなると親から訴えられる、訴訟件数が一番多いのが産科、小児科だと、そういった意味で、将来、医者になりたいという卵が、僕は産科にはなりたくない、小児科にはなりたくないという、そういう状況もあったというふうに聞いております。
 そういう意味では、これから安心して子供を産んでもらうためには、やはりしっかりと都立病院、公社病院において産科医、小児科医を確保していく必要があると私は思います。
 そういう意味で、全国的に医師不足が問題となっている中、とりわけ不足が叫ばれる産科医をどれだけ確保して体制を維持するかという、そういった大変なご努力があると思いますけれども、都立、公社病院での産科医師の確保策、どのような確保策をやっているのかお伺いいたします。

○矢田部経営企画部長 都立、公社病院では、合わせて十四病院のスケールメリットを生かすことにより、総合診療能力を備えた専門医を育成する東京医師アカデミーを平成二十年四月に開講いたしました。
 産婦人科コースではこれまで三十四名が受講し、常勤、非常勤の医師として二十五名を採用いたしました。また、現在、産婦人科コースには十七名が在籍し、専門知識や技術を習得することを通じて、都立病院、公社病院の産科運営の一助をなしております。
 このほか、院長を初め病院幹部が大学医局を訪問し、関係強化にも努めておりまして、医師の確保が困難な産科についても、継続的に医局から医師が派遣されている、そういった状況でございます。

○藤井委員 ところで、女性医師の方が年々ふえているといわれております。福祉保健局の平成二十六年十二月の医師・歯科医師・薬剤師調査(東京都集計結果報告)によると、医療施設に従事する医師に占める女性医師の割合は二八・四%だそうです。産科と産婦人科で見れば、その割合は四三・五%と高くなりまして、こうした女性医師が働き続けられる環境の整備というものが重要だと考えます。
 そこで、都立、公社病院の女性医師が育児中でも働き続けられるようにするために、どのような取り組みを行っているのか伺います。

○矢田部経営企画部長 都立病院では、育児と仕事の両立を支援するため全病院に院内保育室を設置しており、利用のニーズを踏まえて二十四時間保育も実施しております。平成二十八年十月現在、女性医師三十六名が院内保育室を利用しております。
 また、育児短時間勤務制度を平成二十年七月に導入したところ、女性医師の利用者は、導入時点では二名であったものが、平成二十八年十月時点では十二名となっており、制度利用が進んでおります。
 また、公社病院においても、子育てを支援するため、子供一人当たり五万円を上限に保育料の二分の一を助成する保育料助成制度を設けており、平成二十七年度は女性医師二十八名が利用しております。育児短時間勤務制度につきましては、平成二十年七月に導入しております。

○藤井委員 都立病院、公社病院が都民や地域の住民の方たちに産科医療を提供する役割を担っていくことは極めて重要であります。引き続き、産科医の確保に努めていただきたいと要望したいと思います。
 最後に、都民の命を預かる都立病院の今後の運営に当たって、病院経営本部長の決意を伺いたいと思いますが、今まで議論してきました、例えば高度な放射線治療器も、駒込病院だけではなく、ほかの都立病院にも設置するとか、あるいはもっと高度な重粒子とか陽子線だとか、こういったものを整備するとか、あるいは緩和ケアも、三つの都立病院、公社病院ではなくて、できるだけ多くの都立、公社病院で緩和ケアが受けられるようにするとか、いろいろな課題があるわけでございまして、そういった課題を解決する病院経営本部長の力強い決意をお伺いしたいと思います。

○内藤病院経営本部長 都立及び公社病院が質の高い医療サービスを提供するため、その基盤となる良質な人材確保と必要な施設整備の両面から、今、藤井委員の方からさまざまなご指摘、ご示唆をいただいたところでございます。
 病院にとりまして、医師を初め看護師、コメディカル、医事事務職など、医療現場を支える高度な専門人材は最大の財産でございます。また、治療効果が高く患者の負担も少ない最新の医療機器等を計画的に導入することは、専門人材の高度なスキルの活用と相まって、他では対応しにくい医療にも積極的に取り組むことが可能となります。
 こうした人的、設備的な整備を将来にわたり拡充させていくためには、常日ごろから無駄のない効果的、効率的な病院運営に努めなければなりません。この点につきましては、先ほど中山理事の方からも最少の経費で最大の効果をと、この視点に相通ずるのかなと考えております。
 とりわけ、新たな地域医療構想の策定など、地域医療のあり方や医療提供体制の見直しが議論されている昨今、医療機関、医療現場では公民を問わず、より一層効率的、機能的に医療を提供することが求められております。
 今後とも、都立及び公社病院が、患者に寄り添いながら、いつでも患者中心の医療を提供できるよう、安定した執行体制と、それを支える経営力の強化に全力で取り組んでまいります。

○和泉(な)委員 私からは、まず、児童精神科診療体制について伺いたいと思います。
 平成二十五年に策定された都立病院改革推進プランですけれども、平成二十九年までを計画の期間というふうにしていますので、来年度は計画の最後の年になります。実際に次の計画に向けての検証や点検が行われることになると思いますが、これまで都立病院が果たしてきた役割、そして今日的な課題、今後果たすべき役割は何なのか、都立病院の使命である都民の命と健康を守る、この観点が貫かれた検証、点検が必要だというふうに思います。
 現在、都立病院経営委員会の中に、「今後の都立病院の担うべき医療の方向性」に関する検討部会が設置され、九月二十六日に第二回の会議が行われています。このときに配布された資料に、前回の検討部会における論点整理、つまり第一回検討部会でどんなことが議論をされたのかということをまとめた資料がありますが、小児精神医療は区部の民間病院でやっているところは極めて少なく大塚病院に集中している、発達障害の認識が広まった影響で患者数は年々ふえており、待ち日数もふえているという記載があります。大塚病院の児童精神科外来における患者数について、梅ケ丘病院の廃止前の実績と現在の実績について伺います。

○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 大塚病院の児童精神科外来は平成二十一年十月に開設し、梅ケ丘病院は平成二十二年三月に廃止しており、実績の単純な比較はできないと考えております。
 あくまで実績ということであれば、梅ケ丘病院廃止までの六カ月間における大塚病院の児童精神科外来の初診患者数は三百八名でありました。平成二十七年度における同一期間に当たる平成二十七年十月から平成二十八年三月までの初診患者数は二百七十二名でございました。

○和泉(な)委員 梅ケ丘病院の廃止前と最近の初診患者数では若干減っているようですが、単純な比較はできないと私も思います。
 大塚病院のホームページを見ても、開設をされた翌年、二〇一〇年度の外来延べ患者数は五千二百三十一名、二〇一四年度は七千三百八十八名、二〇一五年度が若干減ってはいますが、一日平均の外来患者数も二〇一〇年度以降ふえている傾向にあります。
 やはり、現場の先生たちの実感としてはふえているんじゃないかということがあるんだと思うんです。検討部会の資料にあるとおり、発達障害の認識が広がって、患者は相対的にふえていると私も思います。
 今後、小児精神医療の医師を育成することも含めて、重要な医療分野だと考えますが、小児精神医療に関する都立病院の今後の取り組みについて伺います。

○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 小児精神医療に関しましては、患者さんが早期に受診できるよう、初診枠や再診枠の設定方法など運用方法の工夫を図っております。
 また、豊富な症例を活用して小児精神科医療にかかわる医師の育成に努めるため、東京医師アカデミーに児童精神科コースを設けてもおります。
 小児精神科医療におきましては、単なる医療の提供にとどまらず、地域の医療機関や地元自治体の保健福祉関連者などと密接な関係のもと対応していく必要がございます。このため、患者の症状に応じて地域の医療機関と役割分担を図ることに加え、地元の保健福祉関係者と合同で子供の症状に悩むご家族の相談にも対応しております。引き続き地域の医療機関と連携しながら対応してまいります。

○和泉(な)委員 地域連携、それから医師の育成も含めて、さまざまな工夫をしているという答弁でした。ぜひ、さらに積極的な取り組みを期待したいというふうに思います。
 区部の患者が大塚病院に集中するのは、民間の病院が極めて少ない上に、府中の小児総合医療センターがやはり遠いということもあるんじゃないかと思うんです。梅ケ丘病院を廃止したことで、区部における小児精神医療の病院は極めて足りない状態になってしまった。大塚病院が受け皿になっているといいますが、都の説明では、区部の患者のうち、入院が必要な患者は小児総合医療センター、比較的軽度の患者は区部の民間病院を紹介し、大塚病院では中間的な患者の治療を行うということです。
 都は、そうした振り分けをしているから、待ち日数は改善されてきているんだというふうに説明をしていますけれども、患者さんの側に立てば、果たしてそういえるんでしょうか。
 例えば、私の住んでいる葛飾から小児総合医療センターまでは片道一時間半かかります。交通費は往復で約千八百円です。もちろん、大事な子供の健康にはかえられませんから、家族は頑張って通うでしょう。しかし、ほかにも兄弟がいたり、働いていたりすれば、それは大変な負担を伴います。
 せめて区部で入院できれば、時間的にも経済的にも負担はずっと軽くなります。医師の育成とあわせて、児童精神科医療を行う病院をふやし、入院治療ができる小児精神病院を設置することを求めておきます。
 続いて、病児、病後児保育について伺おうと思っておりましたが、先ほど中山理事に対しての答弁の中で、墨東病院に続いて小児総合医療センターで、今、府中と調整中である、そして、葛飾にある東部地域病院で広域的な利用を目指して葛飾区や足立区と意見交換を進めているという答弁がありましたので、私の方から重複して質問を行うことは避けたいというふうに思いますが、都立病院や公社病院で行われる病児、病後児保育は、何よりもやはり親にとって安心です。
 非正規で働く親にとっては、一日休むだけでも大きな減収になりますから、休んであげたくても休めないという状況もあると思います。さまざまな調整が必要であることは先ほど来の答弁でもよくわかりましたが、ぜひ実施を広げるために都が主体的に自治体への働きかけを行っていただくよう、私からもお願いします。
 私は、福祉保健局の事務事業質疑や決算特別委員会の分科会を通して、がん検診受診率向上のための支援、がんの治療体制の強化など求めてきました。早期発見、早期治療を進めるための施策とともに、がんと闘うための闘病中の生活を支える経済基盤を確保することも重要です。会社をやめない、やめてもしっかり再就職できる、そういう環境の構築を急ぐ必要があると思います。
 事業概要の中にある平成二十八年度病院経営本部行動計画の中には、毎週木曜日、予約制で駒込病院でがん患者に対する就労支援が行われていると記載されています。その具体的な内容について伺います。

○谷田サービス推進部長 駒込病院で行っております就労支援は、がんを初めとする長期療養の患者さんが治療を行いながら、仕事との両立を行うことを目的とするものでございまして、週一回、ハローワークの就労支援ナビゲーターが病院を訪れ、医療ソーシャルワーカーも交えた就労相談を実施しているところでございます。

○和泉(な)委員 ハローワークからナビゲーターが来ているというのは大きいと思うんです--やはり就労支援のプロといっていいと思いますので。
 現在は、都立病院や公社病院で就労支援を行っているのは駒込病院だけで、しかも週一回ということですが、実際に就労につながった方も五名いらっしゃるということですから、先ほどから答弁で出ています患者支援センターの中にこの就労支援も組み込むとか、ハローワークとの連携も含めて重要な取り組みだと思いますので、さらに一層広げていただけるようにお願いしたいと思います。
 がんになっても、その先の人生をその人らしく豊かに生きるために、さまざまな施策を国に対して求めるということも必要でしょうし、都としても、でき得る支援を積極的に行っていただくよう求めて、質問を終わります。

○石毛委員 それでは、私からは、多様な治療法の選択についてお伺いいたします。
 先日、私、オリンピック閉会式に、リオに同僚と行ってまいりましたけど、私費でございますからね、私、私費で行ってまいりました。一週間ぐらいいたんですが、最後の方で左脇の上が痛くなりまして、スマホでどんな病気かなと検索をしますと、精巣捻転症というんですかね、これだろうというふうに同僚となりまして、睾丸がねじれて、そうすると壊死になって、取るようになると、こういう病気だろうと。大変心配して、飛行機の中で、もう早く飛行機着けと、こう願っていたわけであります。
 それで、(「変なもの食べたんじゃない」と呼ぶ者あり)変なものは食べてないんですけれども、同僚が何色だろうねなんていうから--これ、実は壊死になると取らなきゃいけないんですね。そうしたら、同僚が、大丈夫、取ってもインプラントがあるからと。あれ、インプラントっていうんですね、歯だけじゃなくて、体に埋め込むのはみんなインプラントというんですかね、私、初めて、ああ、インプラントなんだと思って。大丈夫、それを入れればバランスがよくなるからと、わけわかんない、全然慰めにならないんです。
 飛行機の中でそんな話をしておりまして、早速、成田に着きまして担当の方にお電話いたしまして、おかげで、私、ここで今、質問をさせていただいているところでございますが、最初、泌尿器科の方に行きまして、そうしたら、いや、睾丸捻転ではないということで、最終的には何か鼠径ヘルニアということで、そちらの方に行くことになったんですね。
 それで、鼠径ヘルニアの質問を、内容はあるわけですが、時間も八時までに皆さん帰らなきゃいけないということもありまして、若干省かせていただいて、それで、担当のお医者さんが大変親切で、今の状況を的確に説明をしていただきまして、そうしたら、じゃあ手術しましょうと。
 特に、海外、私もちょこちょこっと行くもので、海外に行ったときに、嵌頓というんですか、要するに脱腸の部分が一回外に出て戻らなくなると。戻らなくなると、もう組織、腸が壊死して激痛が走ると。そんなことに海外でなったら大変だということで、状況はどうですかと聞いたら、あんまり大したことはないというんですよ。だけど、じゃあ手術しましょうといって、手術をすることになったんですが、都立多摩総合医療センターでは二泊三日だというんですよね。
 ちょっとこれ長いなというので、ぜひほかの方法はないかといったら、その先生に幾つか日帰りで帰れるところを教えていただいたんです、親切でね。その人は説明を、私の体をこうやって一生懸命描いて、とっても絵が上手なんです、先生にならなきゃ画家になっていたんじゃないかぐらいですね。ともかく、最終的には違うところで手術をさせていただきました。
 そこで、病院で手術を行うために二泊三日とかじゃなくても、最近、忙しい方々はぜひとも、仕事の都合で休暇をとるのは難しいと、もちろん症状によりますが、簡単な手術で日帰りや一泊、二泊などの複数のメニューがあれば、治療の選択肢が広がるのではないかと。患者にとっては大変便利でありがたいのではないかというふうに思います。
 この日帰り手術というのはデイサージャリーと呼ばれまして、アメリカで一九七〇年、最初に導入されて、一九八二年にアメリカの政府がこの手術の医療の提供を認可したところから、ぐうっとふえて、今、何とこのデイサージャリー、日帰り手術ですね、七〇%というふうになっております。この定義は、手術をして二十四時間以内に退院を含むというのがデイサージャリーの定義になっております。
 日本で病院のベッドの、入院数ですけれども、これ、OECDのヘルスデータってちょっと古いんですけど、二〇〇八年、アメリカでは五・六、イギリス七・五、スウェーデン四・六、カナダ七・二とか、オーストラリア六とか、いろいろあるわけです、フランス五・四とか。日本はどうかというと十九・二と、至ってこの三倍ぐらい。平均が七・六六なんです。
 これは、昨年の病床でいくと十六・五になっていて、ある意味で十年前から三・三減っているというのが現状であります。このように欧米に比べて入院日数が長いという点は、長年にわたって指摘され続けている我が国の医療改革の課題といえるのではないかと思います。
 そこで、導入に当たっては、特に大規模で広域的な観点で基幹となっている病院では、この効果が大きいのではないか。そこで、まず、多摩総合医療センターと墨東病院の二つの病院の状況を伺いたいと思います。多摩総合医療センター及び墨東病院の二十七年度の病床利用率及び予約入院の平均待ち日数についてお伺いいたします。

○谷田サービス推進部長 平成二十七年度の病床利用率は、多摩総合医療センターで九〇・四%、墨東病院で八七・七%となっております。また、予約入院の平均待ち日数は、平成二十八年九月時点で、多摩総合医療センターで二十七・四六日、墨東病院で二十・四日となっております。

○石毛委員 わかりました。今、皆さん聞いたように、利用率、両方とも九〇%前後ということで、大変高い利用率になっているわけです。また、予約の入院の待ち日数も二十日以上となっていることから、高水準の病床利用率を維持しながら患者の入院待ち日数を減らすためには、手術を伴う入院日数を減らしていくことが効果的で、中でも日帰り手術は有効ではないかというふうに思うわけであります。
 そこで、両病院における日帰り手術の導入状況についてお伺いいたします。

○谷田サービス推進部長 日帰り手術は、仕事や家庭の都合で長期間の入院が難しい方などにとっては利便性の高いシステムであるとともに、身体への負担を最小限に抑えた手術を行うため、速やかに日常生活に復帰することが可能となるところでございます。また、病院にとっては、短期滞在手術を日帰り手術に移行することで入院病床の有効利用にもつながります。
 こうしたことから、多摩総合医療センターでは、外科、整形外科など九つの診療科で計百種類弱の日帰り手術を実施しております。また、墨東病院では、平成二十八年一月から日帰り手術センターを開設いたしまして、皮膚科など五つの診療科において日帰り手術を導入しております。

○石毛委員 わかりました。多摩総合医療センターのように、既に百種類近くも日帰り手術を行っている病院もあれば、今回、墨東のように、ことし開始した病院もあるということであります。多摩総合の日帰り手術において、どのような手術を行っているのか、また、利用した患者さんのアンケート、よかったよとか悪かったよとか、そういった感想があれば、そうした意見が出ているかお伺いいたします。

○谷田サービス推進部長 多摩総合医療センターにおきましては、総合診療基盤を活用しまして、さまざまな日帰り手術を実施しております。例えば、形成外科では地域に診療科自体を設置している医療機関が多くないことから、皮膚皮下腫瘍摘出術やリンパ節摘出術などを行っております。また、整形外科では靱帯修復術、眼科では後発白内障手術、耳鼻咽喉科では鼻腔粘膜凝固術などを実施しております。
 日帰り手術利用者へのアンケート調査は行っておりませんが、利用した方からは、子供を預ける必要がなくなり助かるといった声や、何日も入院せず日帰りで済んでよかったなどといった利便性に関する感想が多く聞かれているところでございます。

○石毛委員 いい声が、すばらしいというか、よかったと思います。鼠径ヘルニアについても、ぜひやっていただきたいなと思うんですけれども。
 京都大学の中川靖章教授によれば、この日帰り、デイサージャリーを受けた患者の八〇%は再度希望されていると。また、アメリカのワーナー医師の報告によれば、三万八千五百九十八人の患者のうち、周術期中、死亡事故は四件、〇・〇一%。その内訳は、二人が交通事故、二人が心筋梗塞、つまりデイサージャリーにはほとんど関係ないという報告があります。
 私も、今回手術をするに当たって幾つかの注意点をいわれたんです。その中の一つが、印象的だったのは、手術を受けた後は--まず、自宅まで一時間以内の範囲の人ですねといわれた。そうですねと。自分で運転して帰られちゃ困りますよということをいわれたんです。これは何か短期滞在手術等基本料の中に一時間以内というのが入っているらしいんです。おおと思いながら、私はその話を聞いて、後で、先ほどの交通事故で死んじゃったという二人の、これも関係があるのかななんて思いながらも、そういう状況でありました。
 そこで、都立病院において日帰り手術を拡充すべきと考えますが、ご意見をお伺いいたします。

○谷田サービス推進部長 日帰り手術の導入に当たりましては、麻酔管理などの患者の安全を第一に考慮した上で、病院の施設、人員の状況や地域ニーズなどを総合的に勘案しながら、対象となる手術を選定しております。
 実施の段階では、患者本人の希望、生活の自立度、術後の合併症の危険性など、個々人の条件を見きわめた上で日帰り手術の適用を決定いたします。日帰り手術が適用となった場合においても、手術後の容体などによっては、安全のため一泊入院とするなど、柔軟に対応しているところでございます。
 今後も、患者にとっての治療の選択肢をふやす観点からも、医療技術の動向などを考慮しながら、入院期間を短縮できる診療科や手術を拡大し、一層の患者サービスの向上を図ってまいります。

○石毛委員 わかりました。大変いろんな条件があって簡単ではないという、麻酔の先生やら何やら何やらという意味では、それなりに大変だろうと思うんですが、それでも民間はそういう意味で、しているということと同時に、できているということでございますので、改めてその辺は考えていただければなというふうに思います。私は、本当は多摩総合で手術をしていただきたかったんですが、残念ながらそういう状況でございますので、お客さんがそういったとき、違うふうに流れる場面もございます。
 さて、患者さんが安全に手術を受けられることは絶対条件であり、そうした面を考慮しながらも、患者サービスに資する取り組みだと思います。ぜひ充実していただきたい。患者の選択肢が広がっても、病院で行っている治療法など、必要な情報が患者に適切に提供されなければ意味がありません。
 そこで、各病院で実施している治療方法について、どのように周知を行っているのか伺います。

○谷田サービス推進部長 治療方法の周知に向けましては、各病院のホームページで、診療科が取り扱う主な疾病や治療方法を紹介しているほか、患者が都立病院の医療の質を継続的に評価できるよう、臨床評価指標、クリニカルインディケーターを導入いたしまして、主要手術の件数や患者受け入れ実績、患者満足度などの数値を公表しているところでございます。
 診療の現場におきましては、医師が治療法や薬の内容について患者に十分な説明を行い、同意を得た上で治療を行うインフォームド・コンセントを徹底しております。さらに、各病院では、地域の医療機関向けに連携だよりを発行し、地域のかかりつけ医が患者に対して当該病院の適切な診療科を紹介できるよう、診療科の体制、診療実績、実施可能な手術や検査などをお知らせしているところでございます。
 今後とも、さまざまな方法を用いて、都立病院の提供する医療に関する情報を都民にわかりやすく伝えてまいります。

○石毛委員 では、最後になります。再度でありますが、日帰り手術は提供側に高度な技術を必要とし、また、患者側のメリットもあり、このような医療行為が不幸な結果に終わらないように、医療側には細心の注意が必要であります。技術的にも高いレベルにあるにもかかわらず、手順あるいは体制の不備により、患者のみならず医療従事者も犠牲者になってしまうことを避けなければならないと思います。
 そのためには、患者と医療の共同認識、術前の情報の収集の徹底などリスク共有が必要と考えます。こうしたことを徹底していただくことをお願い申し上げまして、都立病院日帰り手術の質問を終わりたいと思います。
 最後でありますけれども、一回こっちを手術して、違うところにまた出てくることもあるそうなんですよ。次には、多摩総合医療センターで日帰りで受けられればいいなと思っておりますので、そういうことを含めて質問を終わらせていただきます。

○木村委員 私はもう粛々とやりますから。皆様、お疲れさまです。私からは、多摩メディカルキャンパスの整備について質疑を行わせていただきます。
 多摩キャンパスは、平成二十二年に開設された多摩総合医療センター及び小児総合医療センターにおいて、救急、がん、周産期などを中心に、重症度の高い救急、急性期医療を提供しています。また、神経病院や東京都保健医療公社が所管する東京都がん検診センターなどが、それぞれ特色ある医療を提供しており、多摩地域の医療拠点としての役割を果たしていると認識しております。
 東京都では、多摩メディカル・キャンパスあり方検討会報告書を本年二月に策定し、今後提供する医療のあり方と機能強化の方向性をまとめました。この方向性については、本年の第一回定例会で議論され、その後、半年が経過したことから、検討が進んでいるのではないかと存じます。
 そこで、この報告書でまとめられた多摩キャンパス整備の概要を改めて確認します。あわせて、現在の取り組み状況についてもお伺いいたします。

○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 外部有識者を含む検討会でまとめられた本報告書では、今後の医療環境の変化を踏まえ、多摩キャンパスを都内で最も高度に機能集約した医療集積群として整備を行い、多摩地域の医療拠点として、地域全体の医療水準のさらなる向上を図っていく必要があるとされております。
 具体的には、神経病院を改築し、都における難病医療の拠点として整備するとともに、多摩総合、小児総合医療センターの医療機能をさらに充実させ、多摩地域においてさらなる充実が求められる医療や、新たな医療課題への対応力を強化することとしております。
 現在の取り組み状況でございますが、本報告書を踏まえ、新たに整備する難病総合医療センターやリハビリテーション医療の新たな取り組みなどについて、各病院の幹部職員と議論を重ね、基本構想の策定に向け検討を進めております。

○木村委員 多摩キャンパスの整備は、多摩地域にとって期待される事業でありますので、着実に進めてくださいますようお願いをいたします。
 次に、多摩キャンパスのがん医療について伺います。
 今日、我が国では、二人に一人ががんに罹患し、三人に一人ががんで亡くなっております。がん治療に関しては、放射線治療や内視鏡下手術など、体へのダメージが少ない治療法の進歩が顕著であります。がん患者は、こうした治療を求め、高度な医療が必要になると、身近な医療機関ではなく、多少遠くても大学病院本院や特定機能病院等まで通っている現状があると聞きます。
 多摩地域に特定機能病院は一病院のみですが、多摩総合医療センターも地域がん診療連携拠点病院として高度ながん医療を提供しているものと思います。
 そこで、多摩総合医療センターのがん医療の取り組み状況について伺います。

○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 多摩総合医療センターでは、総合診療基盤を活用し、五大がんを初め希少がんまで、幅広い領域のがんに対し、手術療法、内視鏡治療、放射線治療、がん薬物療法などを効果的に組み合わせた集学的治療を行うとともに、がん細胞に放射線を照射して治療する、いわゆるリニアックを二台活用し、低侵襲な治療を実施しております。
 また、がんと診断された時点から、医師、看護師、薬剤師、臨床心理士などの多職種で構成した緩和ケアチームが、身体的症状の緩和や精神、心理的な問題への援助をするため、入院中の患者を往診し、患者や家族が質の高い生活を送れるよう支援しております。
 さらに、隣接する東京都がん検診センターのがん検診において、がんと診断された患者が多摩総合医療センターで治療を受ける場合、両施設の医師が合同で手術方法や切除範囲に関するカンファレンスを行い、高い検診技術を治療に活用しております。
 平成二十七年度のがん患者の入院実績は、延べ五千六百八十七名であり、全患者の約三割を占めております。このうち七十歳以上の患者は四八・三%であり、開設翌年の平成二十三年度と比べ四・七ポイント増加している状況にございます。

○木村委員 多摩総合医療センターが診断、治療、緩和ケアと質の高いがん医療を提供しているということであります。また、高齢者の割合というのが増加している現状も理解いたしました。
 しかしながら、報告書では、多摩地域でも今後十年間でがん患者が現在より二割程度増加するとされております。がん患者の増加とともに高齢な患者が増加すると、できるだけ身近なところで、高精度で確実な診断だとか、体の負担が少ない治療を求める都民の声が高まっていくのではないでしょうか。
 こうした声に応えていくためにも、多摩キャンパスにおいて、より高度ながん医療を提供できるよう、さらに機能を強化していくべきだと思います。
 多摩キャンパスにおけるがん医療をどのように機能強化していくのか伺います。

○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 将来にわたり多摩地域のがん医療の拠点として適切に対応していくためには、多摩キャンパスのがん医療を一層強化し、地域では対応困難ながん患者に積極的に対応していく必要がございます。このため、多摩キャンパス整備とあわせ病床機能の見直しを図り、がん患者の増加に適切に対応してまいります。
 また、質の高いがん医療を提供するため、高精度放射線治療装置等の導入を検討し、より高度で低侵襲な診療体制を整備することに加え、検診でがんの疑いとされた患者を早期に診断、治療へつなげていける体制を構築してまいります。こうした取り組みを通じ、多摩地域のがん医療の一層の充実を図ってまいります。

○木村委員 医療資源にも限りがあるわけで、そうした中、多摩地域全体のがん医療の水準を向上させていくには、多摩キャンパスで実施するがん医療は、検診から治療まで、地域では対応が困難な高水準なものとすることが求められると思います。
 地域でできる検診や治療は地域で実施し、多摩総合医療センターは、地域がん診療連携拠点病院として高水準ながん医療を提供するとともに医療連携で地域を支えていく、このような体制は、地域医療構想の実現という点でも、また、医療提供の効率性の観点でも重要ではないでしょうか。多摩地域のがん医療水準を向上させるような取り組みを推進していただきたいと思います。
 次に、多摩キャンパスの小児救急医療について伺います。
 多摩地域は、小児人口十万人当たりの小児科を標榜する医療機関や、小児科医師が区部と比べて少なく、小児救急医療体制の確保が課題となっています。
 かつて都内に三カ所あった都立小児病院を集約して小児総合医療センターを整備しました。同センターでは、小児医療に特化した総合診療基盤と専門医療機能を有しており、小児救急医療センター的医療機能として掲げ、小児の重症、重篤患者などの救急救命に対応しています。
 そこで、小児総合医療センターの救急医療の現状について伺います。

○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 小児総合医療センターでは、東京ER・多摩小児及び東京都こども救命センターとして、一次から三次まで全ての小児の救急患者に対し、救命救急科を中心に、集中治療科、総合診療科などと協働して救急医療に当たっております。
 同センターでは、平成二十七年度に取り扱った救急医療の実績は三万八千百三十人、そのうち中等症以上とされる救急車での搬送が三千百七十九人でございました。重篤及び重症な患者を対象とするこども救命センターの実績は二百九十八名であり、これは都全体で対応した患者の三割を超えております。
 都内全域の状況を見ますと、小児救急搬送患者に占める重症以上の割合は約三%であり、軽症、中等症の割合が高い、また、同センターの救急医療においても、軽症から重症、重篤な患者まで幅広くさまざまな患者に対応しておりますが、重症患者の割合は、こども救命センター事案だけでもその三倍となり、約九%でありました。他と比べ、重症患者の受け入れ割合が高くなっております。
 このため、東京ER・多摩小児では、重症な患者が早期に診療を受けられるよう、救急診療に精通した看護師が来院した救急患者の状況を把握し、より多くの患者に対応できるよう、適正なトリアージを行っているところでございます。

○木村委員 小児総合医療センターが、ほかの医療機関では救命治療が困難な重篤、重症な患者を都全体の約三割も受け入れているのですから、まさに都における小児医療の重要な拠点であるといえるのではないでしょうか。
 出生数が減少し、少子化が進展していく一方、低出生体重児は増加し、乳児や新生児の死亡率は減少しており、重篤な小児患者はふえていると聞きます。また、こうした患者への救急対応には高度な知識と技術が要求されることから、対応できる医療機関が少なく、高機能な病院に集中している現状があります。
 そこで、小児医療の基幹病院である小児総合医療センターでは、重症患者を確実に受け入れていくため、どのような取り組みを実施しているのか伺います。

○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 小児総合医療センターでは、救急部門に隣接した場所にCTや検査室を配置し、早期に適切な診断、治療が行える環境を整備しております。平成二十七年度には、夜間に救急患者の一時入院先となるER病棟の運用を本格化し、受け入れ体制を一層強化しております。
 一方、継続的かつ安定的に重症患者を確実に受け入れていくためには、急性期の治療を終えた患者については、在宅や地域の医療機関に円滑に転院、退院していただき、限られた小児救急の医療資源を有効に活用する必要がございます。
 このため、平成二十六年度から退院支援コーディネーターを配置し、医師、看護師、ソーシャルワーカーなどから成る多職種による地域移行支援チームと協働して、患者や家族だけでなく、地域医療機関に対し、さまざまな転退院の支援を実施しているところでございます。
 今後とも、多摩地域唯一のこども救命センターとして重症患者の受け入れ体制の充実を図ってまいります。

○木村委員 限られた医療資源で救急患者に確実に対応していくためには、容体の落ちついた患者を円滑に転院や退院につなげる取り組みが重要であると思います。多摩地域における小児救急医療の中核として機能を十分に発揮できるよう、ほかの病院や診療所と連携を図りつつ、一層の機能強化を行っていただきたいと思います。
 次に、多摩キャンパスの災害医療について伺います。
 都民の命を守るために都立病院に求められる役割は重要であり、災害時であっても、その医療機能を継続させることは都立病院の責務であります。多摩キャンパスには多摩地域唯一の都立総合病院や小児の基幹病院があり、災害時においても重要な医療拠点となることが期待されています。
 このため、発災時には、医療救護活動を行う一方で、入院患者の急変時対応や、救急医療など優先度の高い通常診療にも対応しなければなりません。平時から災害を想定した取り組みを行うことが重要となります。
 そこで、多摩キャンパスにおける災害医療の取り組みについて伺います。

○大久保経営戦略担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 発災直後、多数の負傷者が発生した状況において、多摩キャンパスには多くの負傷者が搬送されるため、多摩総合、小児総合医療センターでは、BCPにおいて約二百人の重症患者の受け入れが必要となると想定しております。
 こうした対応には、多摩キャンパスの総力を挙げた対応が必要であるため、都立三病院だけでなく、府中看護専門学校や府中療育センターなどキャンパス内の施設と災害時相互応援に関する協定を締結し、災害時の人員派遣や、傷病者の一時受け入れのための施設の提供について定めているところでございます。
 また、多摩総合、小児総合医療センターは、地域災害拠点中核病院として圏域内の医療救護活動を統括、調整する立場にあるため、平時から関係機関との連携を密にし、災害時に迅速かつ適切に対応することができることが重要となっております。
 このため、本年一月、両センターの地域災害医療コーディネーターが中心となり、当該二次保健医療圏の六市と地区医師会、医療機関などから、約百名が参加した図上訓練を行ったところでございます。
 今後は、訓練で得られた課題をもとに、より実践に即した地域との連携体制について検討し、医療救護活動の重要な拠点として災害対応力の強化を図ってまいります。

○木村委員 災害時においても多摩キャンパスの機能を十分に発揮し、都民の命を守れるよう、災害対策への不断の取り組みをお願い申し上げます。
 医療環境の変化が激しく、病院にとっては厳しい環境でありますが、このキャンパスが平常時から災害時まで多摩地域の医療拠点として機能を最大限発揮していけるよう、整備を進めていただきたいものであります。
 そこで、最後に多摩キャンパス整備に当たっての本部長の決意を伺って、質問を終わります。

○内藤病院経営本部長 平成二十二年三月に多摩総合医療センター、小児総合医療センターを開設し、この間、救急医療、がん医療、小児、周産期医療等におきまして、必要な機能強化を図りながら、診療実績を着実に向上させてまいりました。現在では、両センターは多摩地域にとって重要な医療拠点を形成しているものと認識しております。
 一方、少子高齢化が進展し、地域の医療需要の質的、量的変化が予測される中、地域医療の提供体制も大きく変化していくものと認識しております。都立病院におきましては、こうした時代の変化を鋭敏に捉え、担うべき医療機能等をきちんと見きわめながら、将来にわたって安全・安心な質の高い医療を提供できる体制を整備していかなければなりません。
 多摩キャンパスにおきましては、神経病院も含め、都立三病院で千六百床を超える都内最大となる医療資源が集積してございます。今後とも、この集積メリットを最大限に活用するため、これまで以上に地域との連携関係を緊密にしつつ、多摩キャンパス総体の医療機能を効果的、効率的に再構築するなどして、そのポテンシャルをさらに引き出せるよう組織を挙げて取り組んでまいります。

○小林委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小林委員長 異議なしと認め、事務事業及び報告事項に対する質疑はいずれも終了いたしました。
 以上で病院経営本部関係を終わります。
 皆様のご協力で円滑な委員会運営となりました。大変にありがとうございました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後六時十三分散会

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