本文へ移動

ロゴ 東京都議会

Tokyo Metropolitan Assembly

厚生委員会速記録第十四号

平成二十八年十一月一日(火曜日)
第七委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長小林 健二君
副委員長上田 令子君
副委員長木村 基成君
理事大場やすのぶ君
理事和泉 武彦君
理事中山 信行君
前田 和茂君
和泉なおみ君
藤井  一君
斉藤あつし君
畔上三和子君
山加 朱美君
石毛しげる君
野島 善司君

欠席委員 なし

出席説明員
福祉保健局局長梶原  洋君
次長理事兼務山岸 徳男君
技監笹井 敬子君
総務部長後藤 啓志君
指導監査部長松浦 慎司君
医療政策部長西山 智之君
保健政策部長上田  隆君
生活福祉部長坂本 尚史君
高齢社会対策部長西村 信一君
少子社会対策部長松山 祐一君
障害者施策推進部長高原 俊幸君
健康安全部長小林 幸男君
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務奈良部瑞枝君
事業推進担当部長古賀 元浩君
医療改革推進担当部長成田 友代君
医療政策担当部長矢沢 知子君
地域保健担当部長本多由紀子君
生活支援担当部長高橋 博則君
施設調整担当部長村田 由佳君
子供・子育て施策推進担当部長横手裕三子君
障害者医療担当部長平賀 正司君
食品医薬品安全担当部長仁科 彰則君
感染症危機管理担当部長矢内真理子君

本日の会議に付した事件
福祉保健局関係
事務事業について(質疑)

○小林委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、福祉保健局関係の事務事業に対する質疑を行います。
 これより福祉保健局関係に入ります。
 事務事業に対する質疑を行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○後藤総務部長 去る十月十八日の当委員会で要求のございました資料につきまして、お手元の厚生委員会要求資料にまとめてございます。
 表紙をおめくりいただきまして、目次にございますように、資料は全部で三十八項目となっております。
 初めに、一ページをお開き願います。国民健康保険における加入世帯数並びに被保険者資格証明書及び短期被保険者証の交付件数の推移といたしまして、平成二十六年度から二十八年度までの加入世帯数などの推移を区市町村ごとに二ページにかけて記載してございます。
 隣、三ページをごらんください。国民健康保険料(税)率の推移といたしまして、基礎賦課と後期高齢者支援金等のそれぞれにつきまして、所得割、資産割、均等割、そして平等割に区分いたしまして、平成二十五年度から二十八年度までの区市町村ごとの推移を四ページにかけて記載してございます。
 五ページでございます。国民健康保険料(税)の減免件数の推移といたしまして、平成二十五年度から二十七年度までの減免件数の推移を区市町村ごとに記載してございます。
 六ページをお開き願います。国民健康保険における一部負担金減免件数の推移といたしまして、平成二十五年度から二十七年度までの一部負担金減免件数の推移を区市町村ごとに記載してございます。
 隣、七ページをごらんください。国民健康保険料(税)の滞納世帯数及び収納率の推移といたしまして、平成二十三年度から二十七年度までの対象世帯数、滞納世帯数及び収納率の推移を区市町村ごとに記載してございます。
 八ページをお開き願います。国民健康保険料(税)の滞納に対する新規の差押件数、差押額及び差押物件の内訳の推移といたしまして、区市町村別の新規差し押さえ件数及び差し押さえ額につきまして九ページにかけて(1)に、新規差し押さえ物件の内訳につきまして一〇ページの(2)に、それぞれ平成二十五年度から二十七年度までの推移を記載してございます。
 一一ページをごらんください。国民健康保険への東京都支出額の推移といたしまして、特別区及び市町村につきまして、平成二十二年度から二十六年度までの支出額の推移を記載してございます。
 一二ページをお開き願います。介護保険施設等の定員・病床数及び高齢者人口に対する割合といたしまして、高齢者人口、施設ごとの入所定員または病床数、さらにそれぞれの高齢者人口に対する割合を都道府県ごとに記載してございます。
 一三ページをごらんください。認可保育所の定員、入所児童数及び待機児童数の推移といたしまして、定員、年齢別の入所児童数及び待機児童数につきまして、区市町村ごとに、平成二十五年から二十七年までについてはそれぞれ四月一日、十月一日現在のものを、平成二十八年については四月一日現在のものを一九ページにかけて記載してございます。
 二〇ページをお開き願います。認可保育所における常勤・非常勤従事者数及び非常勤従事者比率の推移といたしまして、平成二十二年度から二十六年度までの常勤従事者数などの推移を記載してございます。
 二一ページをごらんください。認可保育所における職員の平均経験年数別施設数といたしまして、平成二十三年度から二十七年度までの平均経験年数別の施設数を記載してございます。
 二二ページをお開き願います。重症心身障害児(者)施設の状況といたしまして、平成二十五年度から二十八年度までの都立の各施設における看護師の定数及び現員の推移を(1)に、平成二十五年度から平成二十八年度第一・四半期までの一日当たり利用件数など短期入所の運用状況の推移を(2)に、それぞれ記載してございます。
 二三ページをごらんください。社会福祉施設等及び病院の耐震化状況といたしまして、社会福祉施設等につきまして耐震済みの棟数を(1)に、病院の耐震化状況につきまして施設数を(2)に、それぞれ記載してございます。
 二四ページをお開き願います。盲ろう者通訳・介助者派遣事業登録利用者数の推移といたしまして、平成二十二年度から二十七年度までの登録利用者数の推移を記載してございます。
 二五ページをごらんください。少子社会対策部、高齢社会対策部、障害者施策推進部及び生活福祉部が所管する専門職研修一覧といたしまして、各部で所管しております研修の名称、回数、定員、概要につきまして、三一ページにかけて記載してございます。
 三二ページをお開き願います。身体障害者手帳・知的障害者「愛の手帳」・精神障害者保健福祉手帳の交付者数の推移といたしまして、平成二十三年度から平成二十七年度までの身体障害者手帳交付者の総数と年齢別内訳を(1)に、知的障害者愛の手帳交付者の総数と年齢別内訳を(2)に、精神障害者保健福祉手帳所持者数を(3)に記載してございます。
 三四ページをお開き願います。区市町村別年齢別待機児童数の推移といたしまして、平成二十六年から二十八年までのそれぞれ四月一日現在の区市町村ごとの年齢別申込児童数、待機児童数及びその割合の推移を三六ページにかけて記載してございます。
 三七ページをごらんください。区市町村による認証保育所等利用者負担軽減制度の実施状況といたしまして、平成二十六年四月一日現在で利用者負担軽減制度を実施しております区市町の事業名、内容、対象、月額単価につきまして、四四ページにかけて記載してございます。
 四五ページをお開き願います。児童相談所の虐待相談受理件数及び虐待相談対応件数(虐待内容別)の推移といたしまして、平成二十五年度から二十七年度までの受理件数、虐待内容別の相談対応件数の推移を記載してございます。
 四六ページをお開き願います。妊娠相談ほっとラインの相談実績の推移といたしまして、平成二十六年度から二十八年度までの相談件数と対応内容の内訳の推移を記載してございます。
 四七ページをごらんください。里親委託等、乳児院及び児童養護施設の児童数と割合の推移といたしまして、平成二十五年度から二十七年度までの養育家庭等・ファミリーホーム委託児童数、乳児院、児童養護施設の入所児童数とそれぞれの年度ごとの割合の推移を記載してございます。
 四八ページをお開き願います。新生児等の新規措置先といたしまして、平成二十六年度の新生児等の措置時の年齢別、措置先別の人数を記載してございます。
 隣、四九ページをごらんください。児童養護施設等措置変更数といたしまして、平成二十四年度から二十六年度までの養育家庭委託解除理由別の内訳を(1)に、児童養護施設退所理由別の内訳を(2)に記載してございます。
 五〇ページをお開き願います。都内の児童養護施設退所者のアフターケア施設の活動状況及び補助額の推移といたしまして、平成二十五年度から二十七年度までの実施箇所数、相談実績、サロン参加者数、決算額の推移を記載してございます。
 五一ページをごらんください。児童養護施設退所者等の進路等把握状況といたしまして、平成二十五年度から二十七年度までの退所者等の人数、進路等の内訳の推移を記載してございます。
 五二ページをお開き願います。東京都の指定する救急医療機関・こども救命センターの受入実績の推移といたしまして、平成二十五年度から二十七年度までの受け入れ患者数の実績の推移を、指定二次救急医療機関(内科・外科)、指定二次救急医療機関(小児科)、救命救急センター搬送患者、東京都こども救命センター、それぞれに記載してございます。
 五三ページをごらんください。都内・都外障害者支援施設一覧といたしまして、平成二十八年四月一日現在の都内障害者支援施設の一覧を五四ページにかけて(1)に、都外障害者支援施設の一覧を五五ページの(2)に記載してございます。
 五六ページをお開き願います。重症心身障害児(者)施設の入所定員及び待機者数並びに通所定員の推移といたしまして、平成二十六年から二十八年までのそれぞれ三月末現在の入所施設の定員、待機者数、通所施設の定員の推移を記載してございます。
 隣、五七ページをごらんください。有料老人ホームにおける事故件数・実地検査実施状況といたしまして、平成二十五年度から二十七年度までの事故件数を(1)に、実地検査実施状況を(2)に記載してございます。
 五八ページをお開き願います。自立支援医療費(精神通院医療)の公費負担額の推移といたしまして、平成二十三年度から二十七年度までの自立支援医療の公費負担額の推移を記載してございます。
 五九ページをごらんください。自立支援医療費(精神通院医療)受給者証所持者数及び死亡・病状改善を理由とする受給者証返還数の推移といたしまして、平成二十五年度から二十七年度までの自立支援医療費受給者証所持者数を(1)に、死亡、病状改善を理由とする受給者証の返還数を(2)に記載してございます。
 六〇ページをお開き願います。医療法人に対する指導・監督の実施件数の推移といたしまして、平成二十五年度から二十七年度までの指導監督の実施件数の推移を記載してございます。
 六一ページをごらんください。福祉保健局が所管する事業のうち事業者に対して行った不利益処分の推移といたしまして、平成二十五年度から二十七年度までに事業者に対して行いました不利益処分につきまして、改善等の義務を課すもの、事業活動を一定程度停止させるもの、事業者が有する権利等を取り消すもの、それぞれの件数の推移を記載してございます。
 六二ページをお開き願います。福祉保健局への公益通報の事由別件数の推移といたしまして、平成二十五年度から二十七年度までの公益通報の受理件数とその事由を記載してございます。
 六三ページをごらんください。都内における動物の引取り・収容数の推移といたしまして、平成二十五年度から二十七年度までの動物の引き取り、収容数の推移を、区市町村ごとに記載してございます。
 六四ページをお開き願います。都内における動物の致死処分数の推移といたしまして、平成二十五年度から二十七年度までの動物の致死処分数の推移を記載してございます。
 隣、六五ページをごらんください。第一種動物取扱業者に対する勧告及び命令の実施実績といたしまして、平成二十五年度から二十七年度までに実施いたしました勧告及び命令の内容を記載してございます。
 最後に、一番後ろの六六ページでございます。医療保健政策区市町村包括補助事業を活用した飼い主のいない猫対策の実施状況といたしまして、平成二十七年度にこの包括補助事業を活用して、飼い主のいない猫対策を実施いたしました区市町村の内訳を記載してございます。
 以上、簡単ではございますが、要求資料のご説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○小林委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○木村委員 私からは、待機児童解消と食品衛生の二点についてお伺いをいたします。
 まずは、待機児童解消について伺います。
 待機児童解消というと、まずは保育所などをふやすことを考えると思いますが、現場である保育所では、保育人材の確保や定着に相当苦しんでおります。既存の園では、やっとの思いで新卒人材を採用して、スキルを十分身につけると、より好待遇の保育所などに移ってしまうとか、既存の園も新規開園の園も、求人を出しても保育士が集まらないという話はさまざまなところで伺います。保育士の資格があっても、ほかの職種についた方が待遇がいいから保育士に戻るつもりはないという内容の話を聞くこともあります。そうなると、保育士の待遇改善を求めることが必要だと思います。
 私たち都議会自民党は、これまで、保育士などのキャリアパスの導入に取り組む事業者に対する支援だとか宿舎借り上げ支援の事業推進について取り組んできたのですが、平成二十七年度以降の保育士等キャリアアップ補助の事業者からの申請状況、加えて宿舎借り上げ支援事業の市区町村からの申請状況についてお伺いをいたします。

○横手子供・子育て施策推進担当部長 保育士等キャリアアップ補助は、キャリアパスの仕組みを導入することを条件に、処遇改善に係る経費の一部を補助するものであり、認可保育所、認証保育所、地域型保育事業等を対象としております。
 平成二十七年度は対象施設の約八割に当たる二千三百三十事業所、二十八年度の当初交付申請では二千五百八十六事業所から申請を受けております。
 宿舎借り上げ支援事業は、国が補助対象としていない認証保育所、定期利用保育事業なども対象に加え、常勤保育従事職員を対象に、区市町村及び事業者の負担が、国事業ではそれぞれ四分の一であるものを、八分の一になるよう補助しております。
 平成二十七年度は十六区二市から補助金の申請があり、二十八年度は現時点で二十一区七市から補助金の申請を受けております。

○木村委員 ありがとうございます。実績をお伺いいたしましたが、キャリアアップ補助は、保育士等の安定的な確保、定着につながると思います。その補助内容についても、都議会自民党の代表質問で、保育士等キャリアアップ補助は、国の動向なども踏まえながら、さらなる充実を検討していくという答弁をいただいております。さらに取り組みが進んでいくように、ぜひ引き続きしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 さて、宿舎借り上げ支援事業ですが、区市町村の取り組みが進んできたということでありますけれども、特別区に比べて市町村の取り組みが少ないように感じます。こういった取り組みが進まない市町村も含めて、東京都全体で保育人材の確保、定着というのが進むように事業に取り組んでもらうことが必要だと考えますが、見解を伺います。

○横手子供・子育て施策推進担当部長 宿舎借り上げ支援事業は、これまで対象となる職員を採用後五年目までの常勤保育従事職員としておりましたが、事業者や区市町村からの意見を踏まえ、第三回定例会の補正予算において、都独自に採用後六年目以降の職員にも拡大いたしました。
 さらに、区市町村及び事業者の取り組みを加速するため、年度内に新たに宿舎を借り上げた場合には、礼金を上乗せして補助することといたしました。
 本事業によりまして保育人材の確保、定着の取り組みが確実に進むよう、区市町村の保育担当課長会での周知や区市町村向け説明会を実施しており、今後とも、さまざまな機会を通じて本事業の積極的な活用を働きかけてまいります。

○木村委員 区市町村に対して働きかけていくとのことでしたが、区市町村の抱える課題というのはさまざまだと思います。
 保育主体は区市町村でありますけれども、とはいっても、東京都には、区市町村の意見や要望、地域の実情などを相当丁寧に酌み取っていただいた上で事業を進めていくことが必要だと考えますが、いかがでしょうか。

○横手子供・子育て施策推進担当部長 今回の待機児童解消に向けた緊急対策の策定においても、調査やヒアリングにより把握した区市町村の状況、国の施策などを踏まえ検討を行い緊急対策として取りまとめたものでございます。
 ご指摘のとおり、待機児童解消に向けた取り組みをさらに進めていくためには、保育の実施主体である区市町村の意見を十分に踏まえていくことが重要であることから、都と区市町村とが直接話し合う場を新たに設置することを予定しております。
 今後とも、各区市町村と十分に意見交換を図り、地域の実情を把握、分析した上で、都としての新たな支援策を検討し、平成二十九年度予算案に反映してまいります。

○木村委員 ありがとうございます。待機児童解消に向けた緊急対策においては、保育サービスを拡充するための支援策が多くを占めております。待機児童解消に向けて保育所等をふやすためには、いうまでもなく、それを支える人材の確保と定着に向けた取り組みが不可欠だと思います。我が党はこれまで全力で取り組んできましたが、知事も注力しており、今回の緊急対策によって、待機児童ゼロに向けてしっかりと取り組んでいただけますようお願いをいたします。
 次に、食の安全について伺います。
 三年後の二〇一九年には、アジアで初めてのラグビーワールドカップが日本で開催されます。調布の東京スタジアムが会場になることは、皆様ご存じのとおりです。私の地元の小金井でも大いに盛り上がっております。
 今後は、競技場の周辺等で大会に先駆けてさまざまなプレイベントが開催されるのではないでしょうか。こうしたイベントは、大会を盛り上げ、地域の経済にも好影響をもたらすので、歓迎すべきことだと思います。
 イベント時には臨時の飲食店が出店したりして実に楽しい空間ができ上がるわけですが、ことしの五月に都内のイベント会場で大規模な食中毒が発生いたしました。このような事故が起きれば、被害は多くの来場者に及び、大会のイメージや臨時店舗に対する安心感などが損なわれるのではないかと危惧するところです。イベントを楽しんでもらう前提として、そこで提供される食品が安全なものであることはとても重要なことだと思います。
 そこで、イベントにおける食品の安全を確保するため、主催者等に事前にどのような指導をしているのか伺います。

○仁科食品医薬品安全担当部長 イベント等で簡易な施設を設けて臨時に食品を提供する場合、主催者などが、食品衛生法等に基づき、所轄の保健所へ許可申請や届け出を行う必要がございます。
 都は、こうした手続が適正に行われるよう、イベント等で取り扱える食品の種類や施設の基準、届け出方法、出店するに当たっての注意事項などを記載したリーフレットを作成し、各保健所で、地元の商工会や市町村の産業振興を担当する部署、公園等の設置者などに配布するとともに、インターネットにもその内容を掲示して、広く周知しております。
 また、主催者などが届け出や事前相談で保健所に訪れた際には、生ものを取り扱わないこと、原材料の仕込みは事前に行うこと、ポリタンクなど手指の洗浄消毒に必要な設備を設置することなど、各基準について詳細に説明するとともに、さまざまな相談に応じております。こうした細かい事前指導によりまして、イベントにおける個々の施設の衛生管理の徹底を図っております。

○木村委員 ありがとうございます。実際に開催されるイベントの中には、数日間にわたって行われているものや夜間に開催されるものなど、さまざまな様態が見受けられます。
 先日、小金井市食品衛生協会の研修会に私は出席したのですけれども、イベントの大規模化や多様化に伴って食中毒の発生リスクが高まることを非常に懸念しておりました。また、長年営業を行ってきた営業者は、食品の衛生管理に真剣に向き合い、誇りを持って取り組んでいることがよくわかりました。私はその姿勢に非常に感動を覚えた次第であります。
 こうした地元の営業者のノウハウをイベントの衛生対策で活用すれば、効果的な指導ができるのではないか、あるいは営業者の食品衛生に対する取り組みについて都民の理解が進むのではないか、ひいては食品の安心につながるよい機会になると考えました。
 そこで、都は、イベント開催時の衛生指導を効果的に行うため、どのように取り組んでいるのか伺います。

○仁科食品医薬品安全担当部長 イベントの開催に当たりましては、まず保健所の食品衛生監視員が、各店舗の設備や食品の取り扱いなどについて監視指導を行っております。
 また、各地域では、飲食店の事業者団体等が食品衛生にかかわる自主的な活動を行っており、食品衛生法に基づき、都が委嘱した食品衛生推進員や事業者団体が選任した食品衛生自治指導員がその活動の中核を担っております。
 都では、保健所が行う監視指導に加え、推進員や自治指導員と協力しながら、各イベントできめ細かな衛生管理の助言や指導等を行っております。
 さらに、こうした活動が効果的に行えるよう、推進員等を対象とした講習会を食品衛生事業団体と連携して開催し、技術指導や衛生管理に関する最新の情報の提供などを行っております。

○木村委員 イベントなどでの食品衛生の確保は、都の指導だけでなく、地域の食品事業者の方々の活動も相まって効果的に行われているということであります。
 今後も、東京都食品衛生協会など事業団体と協力して、地域一丸となって食品の安全に取り組んでいただきますよう要望いたしまして質問を終わります。

○藤井委員 私からも、ただいま質疑がありました保育士、待機児童の対策についてお伺いをいたします。
 特に我が党は、保育士等の処遇改善について、今回の代表質問等でも知事に訴えさせていただきました。
 ご承知のとおり、多くの待機児童が発生をしております。その背景といたしまして、先般、知事が打ち出しました緊急対策も活用して、保育サービスのさらなる拡充に取り組んでいるところでありますが、保育サービスの拡充というのは、単に保育所の数をふやすだけではない。先ほど木村副委員長もおっしゃっていましたけれども、同時に保育の現場で働く保育士等を確保していくことが必要と考えます。
 先日も私、電車に乗って、駅を、プラットホームを歩いていましたら、保育士募集という大きなポスターがありました。どこでもやっぱり保育士の不足が今大きな問題だと思います。
 我が党はそのことに関しまして、さきの定例会の代表質問で、保育士や保育補助者の賃金の低さから、保育士になりたいと希望する方がふえないという課題を指摘いたしまして、保育士等の賃金アップの支援について訴えたところであります。
 保育士等の処遇の改善を考えるに当たりましては、まず現状の賃金水準がどうなっているのかということをしっかりと認識をしていかなければならないと思います。
 そこで、都内の保育所等で働く保育士の給与の状況と、例えば二十五歳、三十歳の全職種における平均給与の状況について伺います。

○横手子供・子育て施策推進担当部長 国の平成二十七年賃金構造基本統計調査によりますと、東京都の保育士の平均年齢は三十三・六歳、平均給与月額は二十三万九千円となっております。
 一方、同調査による東京都の二十五歳から二十九歳の全職種の平均給与月額は二十九万九千円、三十歳から三十四歳は三十五万一千円となっております。

○藤井委員 ただいまありましたように、保育士の平均月額は二十三万九千円、大体同年齢の全職種の平均月額が三十五万円ですから、約十二万近い差があるわけです。
 保育士の給与水準は全職種と比べて低いという状況がわかりました。保育サービスの拡充に向けて、保育士等の確保、定着を進めていくためには、まずこの給与水準の引き上げをしなければならないというふうに考えます。
 そこで、保育士等の処遇改善に向けて、現在、東京都では具体的にどのような支援を行っているのか伺います。

○横手子供・子育て施策推進担当部長 都は、国の公定価格における処遇改善等加算に加え、キャリアパスの仕組みを導入する事業者に保育士等の処遇改善に係る経費の一部を補助する独自の保育士等キャリアアップ補助を実施しております。
 平成二十八年度の当初交付申請では、対象施設の約八割に当たる二千五百八十六事業所から申請を受けております。
 また、処遇改善の取り組みとして、採用後五年以内の保育従事者を対象に、一室当たり八万二千円を上限として宿舎を借り上げる経費を支援する宿舎借り上げ支援事業を実施しており、第三回定例会の補正予算において、対象者を採用後五年目までから六年目以降も対象とし、全員に拡大をしました。
 平成二十八年度の当初交付申請では、二十一区七市から申請を受けております。

○藤井委員 これは大変すばらしいと思います。我々も保育関係者からこの宿舎の借り上げ支援を拡大してほしいという要望を受けておりますけれども、今回、東京都の措置に対して、関係者も大変喜んでいる状況でございます。
 次に、保育の現場は保育士だけではありません。看護師、調理師、保育補助者など、さまざまな人材が支えておりますが、この処遇改善の取り組みは保育士に限らず、保育現場で働く全ての保育従事者を対象とすることが重要と考えますが、各事業の対象となる職員の範囲はどうなっているのでしょうか。

○横手子供・子育て施策推進担当部長 保育士等キャリアアップ補助は、保育士を初め、看護師、調理員、事務職員、保育補助者など、全ての職員を対象としております。
 また、宿舎借り上げ支援事業は、国は対象となる職種を保育士に限定しておりますけれども、都は保育士に限定せず、全ての保育従事者を対象としております。

○藤井委員 都は国を上回る取り組みを行っているということについては、大いに評価をしたいと思います。
 先ほども話しましたように、定例会における我が党の投げかけに対しまして、知事も処遇改善の重要性について認識を共有していると、来年度予算ではさらなる充実を検討していくという答弁をいただいております。
 一方、国においても、さらなるこの支援策が検討されているというふうに聞いておりますが、具体的にどういう内容か伺います。

○横手子供・子育て施策推進担当部長 国は、ニッポン一億総活躍プランにおいて、二%相当の処遇改善を行うとともに、保育士としての技能、経験を積んだ職員について、全産業の女性労働者との賃金差がなくなるよう、四万円程度の追加的な処遇改善を行うとしており、内閣府の来年度の概算要求に盛り込まれております。

○藤井委員 四万円程度の追加的な処遇ということでこれが実現しますと、保育所で働いていらっしゃるベテランの職員の方の生活が、非常に大きく改善されるのではないか、定着するのではないか、若い人たちも、将来自分も保育園でずっと働いていこうという希望になるのではないかというふうに期待されます。
 ぜひ、来年度予算におきまして、福祉保健局といたしましても、こういった保育士の処遇に対する充実策を、局長を中心に検討していただきたいということを強く要望したいと思います。
 次に、児童虐待について伺います。
 都における平成二十七年度の児童相談所の虐待相談件数、対応件数というのですか、これは過去最多の九千九百九件であるということであります。これは、三年前の平成二十四年度と比較して倍増しているというのが状況であります。最近のマスコミ報道においても児童虐待の痛ましい事件を見るにつけて、本当に心苦しい状況が続いております。
 児童相談所に対して相談や通告があった場合、迅速な対応に努めているところと思いますが、これだけ児童虐待の件数が増加していることを踏まえますと、現場はぎりぎりの状況になっているのではないかというふうに憂慮しております。
 そこでまず、児童相談所の相談対応の中心となっている児童福祉司一人当たりの虐待相談対応件数はどうなっているのか伺います。

○松山少子社会対策部長 平成二十七年度における虐待相談対応件数は九千九百九件であり、これを同年度の児童福祉司の定数である二百九人で割り返すと、一人当たりの虐待相談対応件数は四十七件となっております。

○藤井委員 一人当たりの対応件数は四十七件と。それぞれのケースがいろんな問題を抱えていて、一律に対応できるわけではないと思います。また、児童相談所では、児童虐待だけではなくて、十八歳未満の児童に関するあらゆる相談に応じているというふうに聞いております。それだけに迅速な対応が求められる児童虐待の件数にこれだけ対応しているということは、本当に大変なことだと感じます。
 一方、都はこれまで、増加を続ける児童虐待への対応のために、児童相談所の体制強化に取り組んできているというふうに聞いておりますが、今年度の児童福祉司を増員した状況について伺います。

○松山少子社会対策部長 都はこれまで、深刻化する児童虐待に迅速かつ的確に対応するため、児童相談所の体制強化に取り組んでおり、今年度も児童福祉司を十八名増員いたしました。
 増員した児童福祉司は、虐待相談件数の多い児童相談所に集中的に配置して、虐待通告を受けてからの情報収集、児童の安全確認、保護者対応等、援助方針の決定に至るまで専任のチームで行う体制を整備いたしました。

○藤井委員 東京都は、児童相談所の体制強化に引き続き取り組んでいただきたいと思います。
 一方で、ことし六月に児童福祉法が改正されました。これによって特別区も児童相談所を設置できるようになったわけでございますが、そこで、確認のために、この特別区における児童相談所の設置について、ことし六月に公布されました改正児童福祉法はどういう内容なのか伺います。

○松山少子社会対策部長 児童福祉法において、児童相談所の設置義務がある自治体は、都道府県及び政令指定都市のみとなっております。中核市やその他の一般市は、希望した場合、事務遂行体制や都道府県との連携体制の確保について、都道府県と十分に協議を行い、児童福祉行政の円滑な実施が見込まれることを確認した上で、政令指定を受け、設置できることとなっております。
 現在この制度を活用して児童相談所設置市となっている自治体は、横須賀市と金沢市のみでございます。
 今般の法改正により、特別区も中核市や一般市と同様の取り扱いとなりました。
 このように、今回の改正は、都から業務を移管するものではなく、各区が希望する場合に、区として新たに児童相談所を設置するものでございます。

○藤井委員 ただいま答弁がありましたように、あくまでも希望する区による新たな設置であるということであります。事務執行体制の確保などについての都道府県との協議や政令指定の手続を経て初めて設置が決まるということであります。今回の法改正で、全ての区が児童相談所を設置することになったわけではありません。現在、広域自治体である都道府県が設置、運営している児童相談所の業務は、非常に専門性が高い。そのために、特別区が設置する上でさまざまな課題があるのではないかと考えております。
 そこで、特別区が児童相談所を設置する場合の主な課題と、それに対する都の対応についてお伺いをいたします。

○松山少子社会対策部長 特別区が児童相談所を設置する場合には、区において、一時保護所の整備や、児童福祉司などの専門人材の確保、育成等が必要となります。また、都内外の児童養護施設等への入所調整には、新たに都と特別区及び特別区相互間での連携協力が必要となります。さらに、児童相談所設置市として、児童福祉審議会の設置、児童福祉施設に関する事務、認可外保育施設に関する事務、小児慢性特定疾病医療費の支給等に関する事務を初め、児童福祉法で定める事務についても所管することとなります。
 現在、各区において設置に係る課題の解決に向けた検討を進めていると聞いており、都は特別区長会からの求めに応じて、本年七月には児童相談所業務の内容や専門人材の確保、育成の状況などについて説明を行うとともに、検討に当たり必要な情報についても提供しております。
 引き続き区の動向を見きわめつつ、子供たちの安全や安心をいかに確保していくかという観点から、都としての対応を検討してまいります。

○藤井委員 聞くところによりますと、現在、特別区二十三区のうち、練馬区を除く二十二の区がこの児童相談所設置を検討しているというふうに聞いております。しかし、児童相談所を設置、運営するためには、財政面から見ても大きな負担が生じることは間違いありません。一時保護所を含めて児童相談所の施設を新たに整備しなければなりませんし、新たに配置する職員の人件費も必要となります。そのほか、措置費など、区にとっては今まで全く負担していなかった部分も新たに負担することになり、財源をどうやって捻出するか、これが大きな課題だと思います。
 また、児童福祉司を初め、専門人材の育成が急務であります。これまでも各区は、児童相談所に子供家庭支援センターの職員を研修派遣し、人材育成に取り組んでおりますが、多くの区が設置に向けて具体的に動き出したら、こうした派遣要望が一気に増加することも予想されます。児童相談所の物理的な受け入れ可能数も限られていると考えられ、その中でどのように育成していくのか、これが大きな課題であります。
 さらに、施設整備のことを考えますと、当然土地の確保も必要になります。一時保護所を含めて区有地の中で必要な用地を確保できるのか、こういった大きな課題もあります。
 このように、区が児童相談所を設置する上で乗り越えなければならない課題は数え切れないぐらいあります。今後、都には各区からさまざまな相談、要望が来ると思います。各区の考えなどを丁寧に聞きながら、子供たちの安全・安心をいかに確保していくかという視点で適切に対応していただきたいことを強く要望したいと思います。
 次に、児童相談所についての著作について伺います。
 私は、昨日たまたま本屋に行きましたら、「告発 児童相談所が子供を殺す」という、とても刺激的なテーマの本を手に入れました。(資料を示す)ちょうどこの質問をするので、昨日ぱっと読んでみました。
 この方は山脇由貴子さん、私は宣伝するつもりはありませんが、児童相談所に十九年勤めたベテランで、児童心理司をやって、著作もたくさん出しています。
 内容を読みますと、現場にいなければわからないような状況がたくさん書かれておりました。これが全部真実かどうかはわかりませんが、この本では児童相談所の現場の状況についてさまざま書かれています。私は、児童相談所の職員は現場で厳しい思いをしながら子供たちを守るために日々頑張っていただいていると思っていますので、この本の指摘が全て当たるものではないと信じております。ただ、児童福祉司が一人の判断で物事を進めているかのような記述もありました。
 そこで、児童相談所に虐待の相談や通告があった場合、所内においてどのように対応方針を決定しているのか伺います。

○松山少子社会対策部長 児童相談所に虐待の相談や通告があった場合、児童相談所長、児童福祉司、児童心理司などをメンバーとする緊急受理会議を速やかに開催し、調査等の対応方針や一時保護の要否について組織的な対応を行っております。その後、原則として、四十八時間以内に子供の安全確認を複数の職員で行うとともに、子供の心身の発達状況や保護者の養育状況等について調査を行っております。
 また、調査内容を踏まえ、社会診断や心理診断等を行い、児童相談所長ほか職員が参加する会議において、虐待をした保護者の状況、虐待の程度、児童の年齢や心理的な影響などを総合的に判断し、援助方針を決定しております。

○藤井委員 そこで、私が感じた、この本の中で指摘された内容について何点か、皆様にご報告しながら進めたいと思います。
 ことし三月二十二日にわかった相模原市の児童相談所での生徒の自殺がここで取り上げられております。児童相談所が相談を受けながら、生徒が自殺してしまった。なぜ子供本人が助けを求めたのに、児童相談所は子供を保護しなかったのか。実は、児童相談所には、親の同意が得られなくても子供を保護できる権限がある。それなのに、多くの児童相談所は、親の同意がとれない場合は子供を保護しない。これこそが児童相談所の問題なのだ。まずこういった指摘があります。
 また、児童相談所は、親との敵対を避けたがる。どこの児童相談所も、子供との関係よりも親との関係を優先する。内容が虐待であっても、子供の訴えがあったとき児童心理司が心理検査をすれば、子供の訴えの深刻さの判断は確実にできる。しかし、児童心理司の大半は、この心理検査による判断ができていない。子供の訴えだけでは不十分だというなら、心理検査による分析を行うべきだという指摘もされております。
 また、この相模原で児童が亡くなってしまったのだけれども、児童相談所は児童相談所の中で行われていることを発表しなくても許される。それが根本的な間違いであり、児童相談所が劣化を続けている原因だと。児童相談所が自分たちの間違いを認めなければ、児童相談所は改善されないともここで指摘されております。
 さらに、児童相談所が虐待として受理した家庭に継続的にかかわるのが児童福祉司指導である。指導の中身も全て児童福祉司の裁量に任されている。問題なのは、そこに全く何の基準もなく、全てが児童福祉司の独断によって決定されているということである。指導中であっても、ほとんど何もしない例も珍しくない。学校や保育園などの子供の所属先に、何かあったら連絡くださいとお願いして、連絡がなければ何もしないということは児童福祉司指導の基本だといっています。
 しかし、虐待に関しては、定期的に虐待進行管理という会議が開かれ、管理職が、児童福祉司が何をしたかをチェックする。さすがに、関係機関にお任せしただけでは許されない。だから、虐待進行管理の直前に様子を聞くために電話をする、児童福祉司がね。その電話で親が、変わりありません、たたいていませんというと、その言葉をそのまま会議で報告する。そして、二、三カ月で児童福祉司指導を終了してしまう児童福祉司は少なくない、こういう指摘もあります。
 さらに、ほとんど全ての児童福祉司は、どうすれば虐待を抑止できるかを知らない。児童心理司も同様だが、なぜこの家庭で虐待が起こっているのか、どうしてこの親が子供を虐待するのか、その原因が分析できていないのだから、解決方法がわかるはずがない。だから、ほぼ全ての児童福祉司は虐待してはいけないと繰り返し、そして親がたたいてしまったといったら、だめじゃない、次からはたたかないようにしてくださいねと電話で注意する、これが児童福祉指導の実態でありますと。
 こんな中身なのに、虐待に関する事件が起きると、児童相談所は公的に児童相談所として適切な指導をしていましたと発表する。こういう中身もありますね。
 あと、ありますけど、時間もありませんので、もう一つは、特に私が感じたのは、こうあります。
 児童福祉司は、通報された虐待が疑われる案件も虐待としては受けたがらない、受け取りがたい、受け取りしたくない。なぜ児童福祉司は虐待を虐待として受けたくないのか。担当のケースとして持ちたくないのか。なぜできるだけ早く終えようとするのか。
 まず、児童虐待への取り組み強化が要因の一つです。児童福祉司には全てを決定できる権限があるといっても、虐待に関しては、管理職のチェックを受ける。経過の報告が必要であり、放置しておくことはできない。そして終了させるにしても、ほかの相談に比べればハードルが高い。だから早く終わりにしたいのだ。虐待ではない、相談としたいのだと。
 そして、児童福祉司が虐待を担当として持っていたくない最大の理由が、親との敵対である。親と敵対することイコール苦情対応がふえるということだ。怒鳴る親、威嚇する親、死んでやると騒ぐ親、子供を返すまでつきまとい続けてやると脅迫する親もいる。けがをさせられた児童福祉司もいる。訴えられた児童福祉司もいる。責められ続けたくないと思うのは当然であると。
 まさに私も福祉事務所でケースワーカーをやった経験もありますから、困難なケースが来ると嫌ですよ。まあ、人間ですからそういう心理はわかりますけれども、いずれにいたしましても、こういった実態があるというふうに書かれている。本当かどうかわかりません。しかし、一部はこういったこともあると私は思います。
 こういった意味で、やはり児童虐待がなくならない、ふえていく、それに対する対応の職員が、もしこういった実態があるならば改善していかなきゃならないと思いますが、今までの質問も含めまして、局長に答弁を求めます。

○梶原福祉保健局長 るる児童虐待あるいは児童相談所の現状についてのご質問だったというふうに思います。
 その著者は、かつて私の部下でありましたので、非常によく知っております。私は、児童相談センターの次長として、四十八時間以内の現地確認、いわゆる子供の確認あるいは虐待対応、さまざまなケースというのも、もちろん緊急受理会議の所長、次長が中心になって対応します。そのときにさまざまなケースをやってきた。
 るる、私もその本を読みましたけれども、私どもとしてはそのときも、今でもというふうに思っていますが、そのときも彼女も含めて私どもは組織としてきちっと対応してきたというふうに私は思っております。
 ただ、これだけ虐待の対応の件数がふえていく中で、私も両親というか親からの攻撃、あるいはそれは生命の危険を感じるぐらいの攻撃、中傷、さまざまな経験もございます。その意味で、児童相談所の業務というのは、ある種逃げたくなる、ある種、今ご指摘のあったような心情に当たるというのも、事実の面は否定できないということであります。
 その中でやっぱりこういうケースを扱うに当たっては、まさに組織として対応していかなければならない。
 これが個々人の責任、個々人の対応ということで、今、個々人がそういう対応をしているということがありましたけれども、これは、子供を救うに当たっても、あるいは職員を守るに当たっても、組織としてきちっと対応していかなければ児童相談所というのは動かないというのは、これはもう私も実感としてよくわかっております。
 そういう意味で、児童虐待ケースへの対応に当たって重要なことというのは、まさにその虐待の対応力の向上と関係機関の連携だというふうに思っています。
 そのために、これまで児童福祉司、児童心理司を大幅に増員するなど体制の強化に取り組むとともに、子供家庭支援センターの専門職の増員など区市町村の対応力の向上も図っております。
 また、子供家庭支援センター、児童相談所、学校、警察、保健所、地域の関係機関で構成するネットワークを構築しており、情報共有を図りながら援助方針を確認して、適切な支援を行っております。
 例えばゼロ歳のときからケースを扱うということになると、二十年にわたってその子の人生というのを児童相談所というのはケースとして扱うということであります。また、非行あるいは虐待、保護者あるいは児童の問題というのも、背景にある問題というのは非常に複雑でありまして、解決するには、多々困難な面があるというのも事実であります。
 これは、書かれている本の指摘というのは指摘として私どもは真摯に受けとめて、児童の福祉あるいは子供の最善の利益を図るため、今後とも組織としてきちっと対応し、あるいは関係機関と連携を図りながら、児童虐待に全力で取り組んでいきたいというふうに考えております。

○藤井委員 局長のすばらしいご決意をお伺いさせていただいて安心しました。
 現状として一点、この児童相談所の担当者に、いわゆる児童福祉司なり、また専門の資格を持っていない人も異動で担当しているというふうに聞いております。
 私はこういった子供の微妙な心理を理解し、そしていろんな親との接触、親との関係もうまくやるためには、やはりそれなりの専門の知識を得た人がやらなければ、素人が下手に子供に接触すると子供の心を傷つけたり、逆に児童虐待を増大させるということも考えられます。
 ぜひ、こういった児童相談所の職に当たる方については、しっかりと研修なり資格を持った職員が対応して、児童虐待がなくなるような、そういう専門の人たちの今後とも活躍を期待しまして、質問を終わります。

○和泉(な)委員 私からはがん対策について、まず、がん検診の受診率を引き上げる取り組みへの支援について伺います。
 平成十九年四月一日に施行されたがん対策基本法は、国民の疾病による死亡の最大の原因ががんとなっていることに鑑み、がん対策に関し基本理念を定め、国、地方公共団体、医療保険者、国民及び医師等の責務を明らかにし、がん対策の推進に関する計画の策定について定めるとともに、がん対策の基本となることを定めることを目的としています。
 これを受けて、平成二十年に、都はがん対策推進計画を策定し、平成二十五年には第一次改定が行われました。
 第一次改定までのがん検診における五年間の評価と、平成二十五年の計画策定時の状況、そして課題について、まず伺います。

○上田保健政策部長 都では、平成二十年に策定しましたがん対策推進計画におきまして、がん検診受診率を五〇%に向上させることを目標に掲げ、都民への幅広い普及啓発、企業向けがん検診ハンドブックの作成、配布、検診実施主体である区市町村の取り組みの支援を行ってまいりました。
 その結果、平成二十二年度及び平成二十七年度に都が実施いたしました健康増進法に基づくがん検診の対象人口率等調査では、胃がん検診の受診率は三六・七%から三九・八%に、肺がんは三五・一%から三七・二%に、大腸がんは三七・二%から四一・九%に、子宮頸がんは三五・九%から三九・八%に、乳がんは三二・八%から三九%にと、いずれも向上いたしましたが、いまだ目標には到達してございません。
 がん検診受診率のさらなる向上のためには、対象者に応じた普及啓発、がん検診を受診しやすい職場環境の整備、区市町村の個別勧奨、再勧奨等の効果的な取り組みの推進などが必要でございます。
 都は、平成二十五年に改定しました計画におきまして、引き続き、がん検診受診率五〇%を目標に掲げ、関係機関と連携したがん検診受診率向上施策を推進してございます。

○和泉(な)委員 さまざまな取り組みを行って、若干上がっていると。けれども、まだまだ目標には到達していないという答弁でした。
 私の地元である葛飾区は、がんによる七十五歳未満年齢調整死亡率、七十五歳未満の年齢の人口十万人に対する死亡率ですけれども、これが全国、東京都どちらの平均と比べても高くなっています。がん検診の受診率も、肺がんについては四二・三%ですが、大腸がんは二〇・八%、胃がんは一・五%、子宮頸がんは二一・七%、乳がんが一三・一%と低いのが現状です。
 区もがん検診の受診率を上げる必要性を重視していまして、ことし六月にがん検診の受診意向についての調査を行いました。その結果、がん検診について、三割を超える区民が、実施日や場所が限られていて受診が難しい、忙しくて平日は受けられないと感じていることがわかりました。また、対象年齢に対する無料クーポンが配布されればがん検診を受けると答えた方が六割を超えました。
 職場の健康診断に組み込まれていれば、確実に受診率を上げることができると思いますが、そうでなければ、仕事をわざわざ休むのは難しいんです。無料である肺がんの検診受診率が高いことを考えると、肺がん以外が有料であるということもまた受診率を引き下げている要因と思われます。
 今さらいうまでもなく、がんは早期発見、早期治療が大事です。そのために、がん検診受診の機会を広げることが重要だと思います。
 土日でもがん検診を受けられるような体制の確保や、無料でがん検診を受けられるような取り組みへの支援が必要だと思いますが、いかがでしょうか。

○上田保健政策部長 がん検診の受診率を向上させるためには、実施主体である区市町村が、住民が受診しやすい環境を整備するとともに、対象者に応じた効果的な取り組みを行うことが必要でございます。
 都では、区市町村向けに受診勧奨に当たっての対象者の決め方や周知方法、受診しやすい環境整備などについて取りまとめた手引を作成し、研修会を実施するなど、技術的な支援を行っております。また、個別勧奨、再勧奨等、がん検診の受診率向上に取り組む区市町村に対して、包括補助事業により支援を行っております。
 引き続き、都は区市町村と連携し、がん検診の受診率向上に向けて取り組んでまいります。

○和泉(な)委員 平成二十五年の計画を見ますと、胃がんと肺がんの平成二十二年の受診率は、平成十七年、計画を作成する前より下がっています。その後、平成二十七年度の調査ではふえてはいるものの、肺がんは平成十七年度より低いままです。
 計画を立てる前よりも検診の受診率が下がっているということを正面から受けとめる必要があると思います。都としてもしっかり分析し、もっと積極的な支援を考えるべきじゃないでしょうか。
 職域での受診機会という点では、国民健康保険組合が行うがん検診への補助も有効だと思います。もちろん、区市町村の主体的取り組みは重要です。けれども、都自身が、がん対策推進計画の中で検診の受診率五〇%を目標として掲げているわけですから、実効性を担保する都の主体的取り組みを強く求めたいと思います。
 続いて、がんの医療体制について伺います。
 平成二十五年に改定されたがん対策推進計画において、先ほど、がん検診における評価と課題について伺いましたが、同様に、がん治療の医療体制について、当初計画から五年間の評価と、平成二十五年の計画策定時の状況と課題について伺います。

○矢沢医療政策担当部長 東京都がん対策推進計画の計画期間である平成二十年度から二十四年度の五年間に、国が指定するがん診療連携拠点病院が十施設増加をいたしました。
 また、平成二十四年四月には、都独自に、肺、胃、大腸、肝臓、乳腺、前立腺の発症部位ごとに東京都がん診療連携協力病院を新たに十五カ所整備いたしました。
 さらに、都内医療機関が共通で利用できる東京都医療連携手帳を整備するなど、都におけるがん診療連携体制の充実を図りました。
 平成二十五年の計画策定時には、高齢社会の進展や、それに応じたがん対策の推進、がん患者の就労支援などに取り組む必要があるといたしました。

○和泉(な)委員 今、ご答弁のあった、がん診療連携拠点病院、それと東京都がん診療連携協力病院、さらに東京都がん診療連携拠点病院、地域がん診療病院、それぞれの役割についてご説明ください。

○矢沢医療政策担当部長 東京都が推薦し、国が整備指針に基づいて指定する病院は、都内に三種類ございまして、都道府県がん診療連携拠点病院は、都全体のがん医療水準の向上やがん診療連携体制において中心的な役割を担っておりまして、現在、二施設が指定されております。
 地域がん診療連携拠点病院は、担当する二次医療圏を中心に、医療連携体制の構築や相談支援などを行っておりまして、現在二十三施設が指定をされております。
 そのほか、国は、拠点病院が設置されていない二次医療圏におきまして、隣接する医療圏の拠点病院と連携して治療を行う病院を地域がん診療病院として指定をしておりまして、現在、区東北部に東京女子医科大学東医療センターを指定しております。
 また、都は独自に、国が指定する拠点病院と同等の診療機能を有する病院を東京都がん診療連携拠点病院として、現在八施設指定しています。
 さらに、東京都がん診療連携協力病院を、がんの発症部位ごとに現在二十施設指定し、都のがん診療連携体制の充実を図っております。

○和泉(な)委員 都内でも、がん協力病院については、大腸がんで指定を受けている病院が相当数あります。肺がんについては、二十病院のうち四病院しかありません。
 肺がんの協力病院の指定要件と、大腸がんの協力病院の指定要件で最も大きな違いは何なのでしょうか。
 肺がんの協力病院が少ないのはどのような理由によるものだと考えられるか、伺います。

○矢沢医療政策担当部長 肺がんの東京都がん診療連携協力病院は、放射線治療を行う機器の設置が必須要件になっており、大腸がんの協力病院は、その設置が必須要件ではございません。
 協力病院は、病院からの申請に基づきまして、指定要件を満たしている病院を都が指定しております。

○和泉(な)委員 肺がんの治療には放射線治療を行える医療環境が必須であるために、病院からの申請も、この放射線治療機器があることが前提条件になっていて、なかなか指定がふえないということなんです。
 葛飾が属する区東北部医療圏は、国制度による拠点病院も東京都がん連携拠点病院もなく、大腸がんの協力病院が一カ所、東部地域病院が指定を受けているだけです。区内の男性のがん死亡率は肺がんが最も高くなっていますが、肺がんの協力病院の指定はありません。慈恵医大葛飾医療センターは、ことし放射線治療を再開しましたが、近隣の市からも患者が流入してくるため、区内のがん診療施設は足りていません。
 区東北部のような、がん診療医療機関の整備がおくれている地域の診療体制についてどう進めていくのか、伺います。

○矢沢医療政策担当部長 区東北部二次医療圏に隣接する区中央部にある日本医科大学付属病院は、区東北部を担当するがん診療連携拠点病院としての指定を受けております。
 また、平成二十七年四月から、東京女子医大病院東医療センターが、国の地域がん診療病院として都立駒込病院とのグループ指定を受けておりまして、両病院が連携してがん医療を提供しております。
 都は、高度な医療から緩和ケア、在宅療養など切れ目のない医療が提供されますよう、地域における円滑ながん診療連携体制を引き続き推進してまいります。

○和泉(な)委員 けれども、東京女子医大東医療センターにも放射線治療機はないんです。治療施設として拡充したり、機能強化されたりした上で地域がん診療病院の指定を受けたわけではありません。
 地域の医療資源が充実されてこそ、がん診療体制の強化といえるんじゃないんでしょうか。どう考えても、区東北部のがん診療体制が不十分なことは明白です。葛飾を含む区東北部のがん診療体制の向上のために、地域連携だけにとどまらず、医療圏内で高度ながん治療が受けられるようにするために、東京女子医大東医療センターや、東部地域病院への放射線治療機導入のための支援など、都として積極的な役割を果たしていただくよう強く求めます。
 続いて、待機児問題について伺います。
 東京での待機児童は八千四百六十六人と七月に発表されましたが、葛飾では、公表されている四月時点での待機児数が百六人となっています。
 ところが、区のホームページを見ると、十一月入所選考後の入所希望者は、延べ人数で、ゼロ歳児だけでも千三百人を超えています。入所申込書には第四希望まで書き込めるようになっていますので、延べ人数千三百人の四分の一、おおよそ三百人以上が、入所を待っていると推計できます。
 同様に推計すると、一歳児も約三百人、二歳児も約百人です。年度途中の申し込みがあるのと、保育園に入れなくても待機児に数えられない子供がいるからと考えられますが、圧倒的にゼロ、一、二歳の受け皿が足りていないんです。
 この状況を都としてどう解消しようと考えているのか、伺います。

○横手子供・子育て施策推進担当部長 保育所等の整備費の負担割合は、原則、国が二分の一、区市町村と事業者がそれぞれ四分の一となっておりますが、都は、保育サービスの整備促進を図るため、区市町村や事業者の整備費の負担を軽減するための独自の補助を行っております。
 この補助では、ゼロ歳から二歳児について、ことし四月一日時点の待機児童数以上の保育サービスの定員拡充や、百五十人以上の保育サービスの定員拡充を行う場合に、区市町村や事業者の負担を最大十六分の一まで軽減しております。
 都はこうした取り組みにより、都内の待機児童の約九五%を占めるゼロ歳から二歳児の保育サービスの拡充に取り組む区市町村を支援しております。

○和泉(な)委員 それぞれの年齢で数百人の子供たちが待っているという状況では、小規模保育園や保育ママではとても追いつかないというのが区の現状です。もちろん三歳児以上の定員を一緒にふやしていかなければ、ボトルネックになることも想定されますから、全体の定員をふやしていくことが必要です。
 葛飾が調査を行ったところ、一人目のお子さんは保育園に入っていて、二人目を出産した。ところが、二人目の子供さんが保育園に入れなくて、やむを得ず育休を延長したところ、上の子供さんの退所を今、迫られている、そういうお母さんの声がありました。
 それと、同じ保育園に入れることができずに、上の子供さん、下の子供さんを別々の保育園に入れた。結果的に、園の行事がそれぞれでばらばらになると、二重に休みをとらなければいけない。逆に、同じになった場合には片方の子供さんの行事には行けない。兄弟二人で同じ保育園に入ればいいけれども、今のこのような深刻な状況では望むべくもない、そういう深刻な声が聞かれています。
 三歳児以降の定員も同時にふやしていくという際には、三歳未満児の定数を従来よりも多く設定して認可保育園を増設すること、認可保育園建てかえ時に、三歳未満の定数をふやすことなど、認可保育園の整備を中心とした対策が必要だと考えますが、いかがでしょうか。

○横手子供・子育て施策推進担当部長 保育サービスは、保育の実施主体である区市町村が、認可保育所、認証保育所、認定こども園、小規模保育、家庭的保育など、地域のさまざまな保育資源を活用して整備するものでございます。
 都は地域のニーズを踏まえ、多様な保育サービスの充実に取り組む区市町村を支援しております。

○和泉(な)委員 葛飾だけじゃないんです。足立や荒川を見ても、やはり三歳未満の入所申し込み数が多くなっています。
 都内の待機児の九五%がゼロ歳から二歳に集中しているという答弁も先ほどありました。新定義の待機児童八千四百六十六人のうち、八千人以上がこの年齢層ということになると思います。
 一方、小規模、認証、家庭的保育を合わせた利用児童数の前年比の増は、二〇一四年四月は約千九百人、二〇一五年四月は約七百人、二〇一六年四月は約四百人で、一番ふえた小規模保育も、三年間で約四千五百人分なので、これらの事業の補完的な役割は決して否定するものではありませんが、解消できる数字には限度があります。
 認可保育園のゼロ歳から二歳の利用児童数は、前年比で二〇一四年四月は約四千五百人、二〇一五年四月は五千二百人、二〇一六年四月は約六千人分となっていますので、果たしている役割は非常に大きいといえます。
 地域の保育ニーズを考えれば、認可保育園の増設目標を立てて、三歳未満の定数をふやすための広さ、保育士の確保に特別の支援が必要だと考えますが、いかがでしょうか。

○横手子供・子育て施策推進担当部長 保育サービスは、先ほども申し上げましたけれども、保育の実施主体である区市町村が、認可保育所に限らず、認証保育所、認定こども園、小規模保育、家庭的保育など、地域のさまざまな保育資源を活用して整備するものでございます。
 保育所の創設や既存施設の定員をふやすための増築については、国の保育所等整備交付金により補助が行われておりまして、都は独自に区市町村や事業所の整備費の負担を軽減するための補助を行っております。
 また、保育士の確保を図るため、就職支援研修と就職相談会の一体的な実施、保育人材コーディネーターによる定着支援、保育従事職員の宿舎借り上げ支援などを実施しております。都は地域のニーズを踏まえ、多様な保育サービスの拡充に取り組む区市町村を支援してまいります。

○和泉(な)委員 この間の東京都の取り組み、そして今回の待機児童解消に向けた緊急対策についても、整備費補助や借地料補助の拡充、都有地の積極的な活用、宿舎借り上げ支援の拡充などについて、私は評価しています。
 しかし、ここまで待機児問題が深刻になったのは、第三回定例議会の代表質問で我が党の大山議員が指摘したように、約三十年にわたって認可保育園の増設を抑えてきた、このことが最も大きな要因です。計画的に増設を進めていれば、今ごろ認可保育園だけで就学前児童の半分、三十二万人分の認可保育園ができていたはずだと思います。
 これは国だけでなく、都にもやはり大きな責任があります。今、区市町村が担っている苦労を都も当事者意識を持ってともに担う、まさに都の本気度が問われています。ゼロ歳から二歳までの定員を厚くした認可保育園をふやすこと、そのための保育士確保のために処遇改善にも取り組むことを改めて強く求めておくものです。
 最後に、感染症対策についてです。
 二〇一三年から二〇一四年に風疹が大規模に発生したことに伴い、都内では十六人の先天性風疹症候群の患者が発生しました。
 その後、二〇一五年、二〇一六年の都内の風疹の罹患数、先天性風疹症候群の発症数の推移について伺います。

○矢内感染症危機管理担当部長 都内の風疹患者の報告数は、二〇一五年が三十三人であり、二〇一六年は、第四十二週である十月二十三日までで十五人でございます。
 先天性風疹症候群の患者は、二〇一五年以降発生報告はございません。

○和泉(な)委員 風疹の罹患も落ち着いている、先天性風疹症候群の報告もないということなので少し安心いたしました。けれども、油断せずに予防対策を進めることは引き続き重要だと思います。
 二〇一五年、二〇一六年において、都内で風疹に罹患した人のうち、二十代から四十代の男女別の内訳について教えてください。

○矢内感染症危機管理担当部長 二〇一五年に報告された風疹患者三十三人のうち、二十代から四十代は二十人であり、内訳は男性が十二人、女性が八人でございます。
 また、二〇一六年に報告された風疹患者十五人のうち、二十代から四十代は十一人であり、内訳は男性が六人、女性が五人でございます。

○和泉(な)委員 全体の数は減ってきているものの、二十代から四十代の比率が高いという実態です。東京は、二〇一四年の麻疹、風疹ワクチンの二期接種率が八九・八%、全国四十七都道府県中四十六位でした。
 第二期風疹予防接種の接種率を上げるためにどのような取り組みを行っているのか、伺います。

○矢内感染症危機管理担当部長 定期予防接種は、予防接種法に基づき、区市町村が実施しており、接種率向上に向けて、対象者への個別勧奨を行うとともに、麻疹、風疹第二期接種についても、就学時健診等のさまざまな機会を活用して接種勧奨を行っております。
 都は、区市町村に対し積極的な接種勧奨について協力を依頼するとともに、医療、教育、保育、行政等の関係者から成る麻しん・風しん対策会議において、定期予防接種の実施状況や効果的な普及啓発の方法等について協議を行い、その結果を区市町村に還元するなど、接種率の向上に努めております。
 また、東京都医師会と連携し、保育所、幼稚園等の職員を対象といたしまして、予防接種の理解促進についての研修会を開催しております。
 さらに今年度からは、スマートフォン等を通じて適切な接種時期を保護者にお知らせするサービスを区市町村が実施する場合、その経費を包括補助により支援し、接種率の向上を促しているところでございます。

○和泉(な)委員 昨年、教育庁から区市町村の教育委員会に協力依頼の通知を発送したことで接種率が上がったというのが、現場の医師としても実感があるというふうに聞いています。
 これは、福祉保健局から教育庁への働きかけもあったのだという説明を受けていますが、区市町村を初め、医師会、都立病院や都内医療機関、その他団体に対して、具体的にどのような協力を依頼しているのか、伺います。

○矢内感染症危機管理担当部長 都では、区市町村を初め都内の学校、保育所、幼稚園等に対し、麻疹、風疹の第二期定期接種対象者への積極的な勧奨等について協力を依頼しております。また、麻しん・風しん対策会議においても、医療、教育、保育、行政など多方面の関係者に対して、接種率向上に向けた周知、啓発等の取り組みを依頼しております。

○和泉(な)委員 本人や保護者の認識を高める上で、スマートフォンという話も先ほどありましたが、テレビや新聞、都の広報などの媒体の活用も有効ではないかと思いますので、ぜひ検討してください。
 二〇一三年の大規模発生時には、男性の場合、感染経路は職場関連が六八・五%、女性の場合の感染経路は、職場と家族がほぼ同程度で、家族からの感染のうち四四・二%が夫からの感染です。
 さらに、罹患した人の七割は成人男性、そのうち、二十代から四十代が八割を占めています。女性よりも男性の方が罹患率が高く、男性の場合は、職場で感染する確率が高く、さらには、女性は夫からの感染が四割を超えるという状況です。
 また、抗体検査については、妊娠を予定または希望する全ての女性に対して全額助成されていますが、配偶者等に助成を行っている区は十六区、市町村ではゼロ。予防接種も、女性に対しては全額または一部助成が行われていますが、配偶者等に対する助成を行っているのは十一区だけです。
 妊娠を予定あるいは希望する女性だけでなく、男性の予防接種率を上げるための支援が必要だと思いますが、いかがでしょうか。

○矢内感染症危機管理担当部長 国の策定いたしました風しんに関する特定感染症予防指針によれば、発生の予防に最も有効な対策は、風疹への免疫が十分でない方が予防接種により免疫を獲得することとされております。
 都では、先天性風疹症候群の発生防止対策における最も重要な対象である妊娠を予定または希望する女性を対象に、予防接種を抗体検査と一体的に行う区市町村の取り組みを包括補助により支援しております。
 また、昨年度からは、職域における感染症対策を推進するため、風疹の予防対策を含む事業を立ち上げ、従業員への普及啓発や、風疹抗体検査と予防接種等に取り組む企業への支援を通じて、お話の働く世代の男性を含めた予防接種率の向上に努めております。

○和泉(な)委員 先天性風疹症候群という重篤な障害の発生の予防を最も重要な対象だけに絞り込んでいていいんでしょうか。妊娠期の感染の可能性をでき得る限り排除するための予防対策をとるべきではないでしょうか。
 抗体が一〇〇%つくとは限らないことから考えても、発生そのものを抑えることが重要で、そのためには、性別を問わず予防接種が必要です。国の指針でも、より幅広い人を対象としています。
 せめて、抗体検査について男性にも補助を行って、抗体価が低い場合には、確実に予防接種へとつなげるべきです。企業への支援は、より具体的に直接的支援となるようなものが必要だと思いますので、ぜひ力を入れていただきたいと思います。
 女性に対する予防接種促進事業は、医療保健政策区市町村包括補助事業となっていて、二分の一を都が補助しています。しかし、抗体価が十分でない者が補助の対象になっていて、まず抗体検査を受けているということが前提になります。
 抗体検査を条件とせず、抗体検査を受けてからMRワクチンを接種するか、受けずにMRワクチンを接種するか本人が選択できるような補助条件とするべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○矢内感染症危機管理担当部長 国の予防指針によれば、風疹にかかったことがないと認識している人も、一定の割合で風疹の免疫を保有していると考えられ、国民の八割から九割程度は既に風疹抗体を保有している状況を踏まえ、積極的に抗体検査を実施することで、より効果的かつ効率的に予防接種が実施できるとされております。
 また、予防接種法に基づく定期予防接種として、一歳と小学校入学前一年間の二回の接種が定められ、定期予防接種が確実に実施されるよう配慮する必要があるとされております。そのワクチンについては、定期予防接種の対象者を中心に接種需要を見込み、計画的に生産されているところでございます。
 都は、先天性風疹症候群の発生防止対策における最も重要な対象である、妊娠を予定または希望する女性を対象に、予防接種を抗体検査と一体的に行う区市町村に対して、包括補助による支援を実施しているところでございます。

○和泉(な)委員 けれども、国立感染症研究所は、抗体検査を実施せずにMRワクチンを接種しても医学的に問題はないといっています。国立感染症研究所が出しているQアンドAを見ても、風疹の予防接種の前には、まず風疹の抗体検査を受ける必要があると聞きましたが、二度も医療機関に行くのは時間的に大変ですという問いに対して、時間のない場合は予防接種の前の抗体検査は必ずしも必要ありませんと答えています。
 国の指針によれば、国民の八割から九割程度は風疹抗体を持っているという答弁もありましたが、その指針も、必要があると認められる場合には積極的に抗体検査を実施するとなっており、必ず行うことまで求めているものではありません。
 条件はもっと柔軟にしてもいいんじゃないでしょうか。ワクチンの生産も、数が足りなくなるという話ではなくて、新たにワクチン接種が必要になる人の数も需要見込みに加えて生産すればいいんじゃありませんか。
 これから新しい家族を迎えたい、あるいは迎えよう、そういう若い夫婦が安心して妊娠、出産をするために、夫婦そろって予防接種を受ける、その環境を整えるための積極的な支援を都が行うよう重ねて要望し、質問を終わります。

○斉藤委員 それでは私の方からは、高齢者と保育、障害、医療の四つのテーマで順に質問していきたいと思います。
 まず最初に、高齢者として、特別養護老人ホームに関しての質問をさせていただきます。
 現在、単純に特別養護老人ホームの待機者はというふうな問いになると、大体特別養護老人ホームの申込者とイコールで考えるという考え方がございます。都内において約四万三千人と推計をされているということであります。これはつまり、申込者から割り出したものでございます。
 しかしながら、最近、ことしに入ってですけれども、多摩地域の方で施設を運営している幹部の方と話をしていたら、例えば実際に亡くなられてあきが出るということはよくあるわけなんですが、亡くなられてベッドがあきましたということで、待機者の方で一番リストの上の方、大体今入っている入所者の次に重い人がリストの一番上に来るというふうなことに理屈上なるんですけれども、電話をしますと、ご家族が出て、いや、もう実は主人は亡くなりました、せっかくお電話いただいたのに病院で亡くなりましたというふうなことだったりするんですね。
 仕方なく次に電話しますと、いや、今入院をしていまして、手術があしたでございますみたいな感じで、特別養護老人ホームがせっかくあいたけれども、今その手続に移れる状態ではないというふうな話があったりします。
 これは結構、実は何回も繰り返して、ちょうど今、すぐにでも入所できますよというふうにいわれて、あ、わかりましたということで動いていくという方は、何件か電話してからやっとつながるという状態ということであります。
 もともとこの申込者の四万三千人という推計に関しては、重複で申し込んでいる人もある程度整理している数字ですので、これ自体で重複がもう全部入っているということではないらしいんですけれども、もちろん私個人としては、一カ所の特別養護老人ホームを待っているなんていうことはしないで、介護保険ですから、複数見に行って話を聞いて、パンフレットをもらってよく考えて、複数申し込んでチャンスを待つということは、むしろいいことだというふうに、今までも聞かれたときには答えております。
 そういった重複を整理して四万三千人というふうになっているんですが、実際には施設側の方に聞くと、思った以上に、申込者の方に連絡をすると、なかなか決まらないということがあるということであります。
 もちろん、みんながみんな、全ての施設が、毎回毎回必ずそうだというふうにはいいませんけれども、そういうことがふえてきているということであります。そういうことを踏まえると、待機者の状況というものについては、詳細に見ていくことで的確な介護需要の把握ができるというふうなことになります。当然そうすると、適切な施設計画というふうになると考えます。
 今の話を前提にしまして、東京都の今後の特別養護老人ホームの建設計画についてはどのようになっているんでしょうか、伺います。

○西村高齢社会対策部長 平成二十八年四月一日時点で開設している都内の特別養護老人ホームは四百八十五施設でございまして、定員は四万三千三百九十人となっております。
 都は、平成二十七年度からの第六期高齢者保健福祉計画におきまして、区市町村が地域のニーズに基づき算定するサービス見込み量などを踏まえ、平成三十七年度末までに特別養護老人ホームを定員六万人分確保する整備目標を設定しております。
 この目標の達成に向け、整備費補助の拡充や都有地の減額貸付など、さまざまな取り組みを実施し、特別養護老人ホームの整備促進に努めております。

○斉藤委員 今現在、特別養護老人ホームの入所定員を合計すると四万三千三百九十人ということで、これは実は、待機者の推計と今入っている入所者、つまり今入っている人と待っている人の数がほぼ同じ、四万三千人ぐらいなんですね。これはたまたま今現在の数字が非常に近いので、聞いていてちょっとわかりづらいと思うんですが、入っている人と同じぐらいの人が待っているということになります。
 ただ、四万三千人の待機者がいるといっても、多分恐らく、こうじゃないかなと思う方も多いと思うんですが、みんながみんな重い人なのかどうかというのは、ちょっとわかりませんよね。つまり、もちろんまだ早いけれども申し込みということは別にできるわけでありますので、実際には重い方、軽い方がその中に混じっているということになります。
 優先的に入れるべき人というふうなことが重い方と考えるのであれば、この四万三千人という待機者数、重複申し込みで整理した数ということを前提に、本当に優先すべき重度者というふうに考えられる人は、この人数のうち何人か、伺います。

○西村高齢社会対策部長 都は、東京都高齢者保健福祉計画の策定の基礎資料とするため、特別養護老人ホームの入所申し込み状況について三年ごとに調査を実施しており、平成二十五年度に実施した直近の調査では、入所申込者は四万三千三百八十四人でございました。
 要介護度別に見ますと、特別養護老人ホームの入所対象である要介護三以上は三万一千四百十一人でございまして、このうち、介護老人保健施設や有料老人ホーム、病院などにいる人を除いた在宅の申込者は一万四千六百八十七人でございます。
 いわゆる重度の要介護者である要介護度四以上に限りますと二万一千百九人でございまして、このうち在宅の方は、九千十七人でございます。

○斉藤委員 今、いろいろ数字をいっていただきました。実際には介護度三以上の方が特別養護老人ホームに入れるんですけれども、実際にはかなりお困りの場合と、実際に入られている人の介護度を見ると、要介護度四と五の方が大変多いという状況であります。
 そういうことを考えると、待機をしている人は本当に急ぎの方、要介護度四または五というふうな方が本当に重度の待機者というふうなことになると思いますので、そうすると、全体では二万一千百九人で、そのうち在宅で待っている人は九千十七人ということでありました。
 さらにちょっと深掘りをしていきますと、全体で二万人の方が要介護度四以上の待機者といっても、実際に、さっきいったみたいに入院をしてしまうと、今すぐ動かせるというふうな場合ではないという人もかなり混じっているわけでありますね。
 そこで、ちょっとさらに深掘りをしまして、本当に急いで入所するのが望ましい待機者というふうにさらに絞っていきますと、推計方法もあわせてですが、どのぐらいの数になるかというのを教えていただきたいと思います。

○西村高齢社会対策部長 特別養護老人ホームへの入所の優先度について、都は、国の運営基準を踏まえてガイドラインを策定しておりまして、これをもとに、区市町村や施設において、介護の必要の程度、家族や住居の状況等を勘案して入所の必要性を判定する仕組みとなっております。
 平成二十五年度に実施した調査によれば、先ほどご答弁申し上げました要介護三以上の入所申込者三万一千四百十一人中、入所の必要性が高いと判定された人は一万三千七百三十三人でございまして、その内訳は、施設や病院にいる方が七千五百九十六人、在宅の方が六千百三十七人となっております。

○斉藤委員 ありがとうございます。また数が絞られまして、今、施設や病院にいる人が七千五百九十六人とありました。恐らく病院といっても急性期の病院と、慢性期で、たまに病院の方から、いつまでいてもとりあえず大丈夫だよといわれているような病院もありますので、この辺は少し幅があると思います。
 また、施設についても、老人保健施設であれば、本来は老人保健施設が制度的に始まったときから見ると、三カ月から半年というのが退所する一つの節目だったんですけれども、それもかなり幅がありますので、そういう有期的な施設もあれば、一方で有料老人ホームみたいに、ある程度ご本人、入所者の方の意向を反映できる、そういう施設もありますので、かなりこの部分も幅があるかと思います。そういう意味では、本当にすぐ出なきゃいけないというふうな方が七千五百九十六人とは限らないと思います。
 また、それに加えて在宅の方が六千百三十七人というふうな数字になっているということで、先ほどの数字からまたさらに絞ることになりました。
 こうして見ますと、このデータ自体が平成二十五年度ですので、今もう平成二十八年度ですから、そろそろ調査をしているかなというふうなところで、大変次の調査の結果が楽しみなところなんでありますけれども、そういうふうな数字が今後出てくるということをにらみながら、また三年前とは違った対策というものを考えるいい時期かなというふうに思っております。
 特別養護老人ホームの待機者が全て特別養護老人ホームだけしか入所先として適切であるというふうなことは、個々の待機者の方の状態等にもよりますので、いい切れるものではありませんけれども、私はほかの種別の介護サービスでもその方に対応できるということが可能な場合というのもふえてきているんじゃないかなというふうに思います。
 このあたりについては、東京都の今の考え方を最後にしっかり伺いたいと思います。いかがでしょうか。

○西村高齢社会対策部長 在宅での生活が困難な中重度の要介護高齢者の受け皿といたしまして、平成二十八年四月一日現在で都内には特別養護老人ホームの四万三千三百九十人分のほか、介護老人保健施設が二万七百三十一人分、認知症高齢者グループホームが九千八百九十六人分、また、介護つき有料老人ホームなどの特定施設が四万一千四百七十二人分整備されております。
 一例として、このうちの特定施設について見ますと、二十八年三月の介護保険サービス利用者三万九千九百七十九人のうち、要介護度三以上の方が二万八百四十八人と、五割を超えております。

○斉藤委員 ありがとうございます。以前私も予算委員会の中で少し話題にしたんですけれども、特別養護老人ホームが昔は二十四時間の介護が必要というふうな前提で一番重かったというふうなイメージがあるんですが、今でも一番重いことは重いんですが、じゃあほかのところと差がつくほどそこにばかり重い人が集中しているかというと、そんなことはないというのが最近の私個人の印象でもありましたが、東京都の方もある程度そういうのを少し見ているというふうなことはわかりました。
 この部分の議論について、また今後の数字とかも踏まえて、より現実的な対策というものを議論していくものだと思っておりますが、しかしながら、年々歳々制度も変われば、高齢者がふえていく中で、一般の方も思いも変わってまいりますので、そこはやはりその都度いろんな研究をして、方向性をしっかり決めていくというふうにしたいと思います。
 これについては、また今後私も議論をしていきたいと思いますが、大変、私が初めて聞くような数字も含めて伺いましたので、特別養護老人ホームについての質問はこのあたりにしたいと思います。
 では次に、高齢者福祉で、地域包括ケアシステムなどの話をしたいと思います。
 現在、各市区町村では、医療や介護に加えて介護予防や生活支援などを一体的に提供する地域包括ケアシステムの構築が進められておりまして、あわせて介護保険制度の改正による介護予防・日常生活支援総合事業も自治体ごとに移行が始まっております。
 既存の事業者やNPOといった多様な主体がサービスを提供する仕組みとして見直されたほかに、地域に不足するサービスの創出や担い手を養成する生活支援コーディネーターという新しい名前の設置などが行われております。
 こうした新しい仕組みを、高齢者やその家族も含めて一般都民に対してどのように理解をしてもらうかということについては、これはかなり大変な感じだなというのが実感であります。
 そこでまず、実施主体になります市区町村や事業者の理解が必要なわけですけれども、東京都による市区町村や事業者への説明や周知の今の状況について伺います。

○西村高齢社会対策部長 平成二十七年四月の介護保険制度の改正によりまして、従来、予防給付として提供されていた訪問介護、通所介護は、平成二十九年度末までに区市町村が実施する地域支援事業に移行することとされております。
 都は、制度改正前に、区市町村の担当者や介護サービス事業者に対しまして改正内容等に関する説明会を開催しており、制度改正後も、区市町村向けの各種研修等の機会を捉えて改正内容等に関する説明を行っております。
 また、地域支援事業への円滑な移行に向けて、介護予防に関する幅広い知識と経験を有し、事業の企画立案や、予防機能強化のための実践的な研修等を行う介護予防機能強化支援員を地域包括支援センター等に配置する区市町村を支援しております。

○斉藤委員 ありがとうございます。私も質問をして、いつも思うんですが、だんだん、制度が新しくなると新しい単語がふえるなあというふうなことで、自分は間違って理解していないかすごい気をつけているんですけれども、今、答弁を聞いても、難しい単語が並んでいるなというのは、多分しゃべっている部長も思ったことだと思います。
 恐らくこのあたりを一般の高齢者と家族にわかれというのは、なかなか、大変難しいというのは、お互い実感できるところじゃないかと思うんですけれども、介護保険法第四条第一項においては、国民はみずから要介護状態となることを予防するために、常に健康の保持増進に努めるとともに、要介護状態となった場合においても、その有する能力の維持向上に努めるものとするというのが実は介護保険法に書いてあります。予防のことが書いてあるんですね。
 先日、たまたま厚労省が企画をしています生活支援を軸とした研修に参加する機会があったんで、実際に行って、講習、全部受けられなかったんですが、講演の方を聞いてまいりました。その中で、たまさか東京都の社会福祉審議会の委員でもあります兵庫県立大学の大学院の筒井孝子教授の話を聞いたんですけれども、この方がぜひこのことはしっかり覚えておくようにと。参加していた方、介護保険事業者の方が大変多かったんですが、この制度は、今回の地域包括ケアシステムの肝は、高齢者自身によるセルフケアというものを念頭に置いて進めましょうというのが実は肝としてあるということを念押ししていたんですね。介護保険制度は高齢者一人一人に自覚と覚悟を求める制度なんだと。それが今回、さらにその性格が強くなったという説明があったんです。
 確かに、いわれてみればそのとおりです。そのとおりだなと思ったんですが、しかしながら、地域包括ケアシステムの話を聞いていると、事業者の方はどうしても自分の方でやっているサービスが大きく変わるというものについて神経をとがらせますし、さっきいったみたいに単語が難しいと、その部分を追うのに気をとられてしまったりということがあるんですけれども、実際には、利用者の方にはこういうことを、今いった、高齢者自身によるセルフケアの強化だということをしっかりわかってもらわなきゃいけないというふうなことをいっていたわけです。
 しかしながら、私もそれを聞いて、いや、自分たちも自覚をしなきゃいけないけれども、一般の人にはなかなか十分伝わっているとはいえないんじゃないかなというふうに感じたわけであります。
 そこで、東京都が高齢者に対して、住みなれた地域で可能な限り自立した日常生活が送り続けられるよう、こうした理念について高齢者に理解をしてもらうことは非常に重要だと思うんですが、東京都としてはどう考えるでしょうか。

○西村高齢社会対策部長 高齢者が可能な限り住みなれた地域で生活するためには、適切な住まいが確保され、医療や介護、介護予防や生活支援サービスが、日常生活の場で切れ目なく提供される地域包括ケアシステムの構築が必要でございまして、このシステムは、高齢者本人の地域生活を継続したいという選択と、それに対する本人や家族の心構えを前提として成り立つものでございます。
 こうした地域包括ケアシステムの概念は、地域包括ケア研究会の報告書における、いわゆる植木鉢のイメージ図を使って説明されておりますが、このイメージ図の中で、本人、家族の選択と心構えが、本人の選択と本人、家族の心構えへ平成二十八年三月に改められまして、本人の選択を重視するという考え方がより明確にされております。
 都は、高齢者や家族からの相談を受ける地域包括支援センターの職員を初め、高齢者の日常生活を支えるサービス提供体制を構築する生活支援コーディネーターなどに対する研修の中で、地域包括ケアシステムの概念について説明しておりまして、今後もさまざまな機会を捉えて周知してまいります。

○斉藤委員 ありがとうございました。私も今回改めて見直してみて、今までの介護保険の制度の違いというものを確認できましたので、私も含めて、このあたりの趣旨をしっかり伝えていけたらなというふうに思っております。
 それでは、続きまして、保育について伺います。先ほどから保育の待機児童の話も出ておりますが、ちょっと違う角度で伺います。
 今回いただいた資料の中で、二五ページから三一ページまでに、研修について私、調べていただきました。大変、担当の方、苦労していただいて、保育以外にも高齢者の介護なども含めて、東京都が実施している研修についてまとめていただきました。
 実は私、東京都の研修を非常に評価しております。うちの政党は、いいものはいい、悪いものは悪いというふうにいうとなっておりますので、ちゃんといいものはいいといわせていただくんですが、実は、うちの方の周りに、高齢者介護も、また、保育もかなりいろんな多岐にわたる福祉関係者の方がいて、東京都の研修がいいと私にいってくれるんです。この前、よかったよと。この前、話を聞いたら、どこの部署とかけんかになるといけないのでいわないですけれども、係長さんが説明してくれたけれどもとてもおもしろかった、よかったというふうなことをいわれまして、基本的に、私が聞いている限りでは、別に気を使ったわけではなくて、部署関係なく、研修はどれも東京都は非常にいい研修をしているというふうな評価をいただいております。
 その中で、今回は保育の研修の話について伺うんですが、保育の質を確保するために、保育従事者の人材育成の機会を確保するのが行政の役割であると。行政の部分で担ってもらうと大変助かるというものでありますけれども、保育士などを対象にした現任保育従事者向けの研修というのは、全体としてどのようなものがあるのか教えてください。

○横手子供・子育て施策推進担当部長 認可保育所等に対しましては、保育の実施主体である区市町村が、国の子ども・子育て支援体制整備総合推進事業費補助金を活用して、地域の実情に合わせた研修を実施するほか、民間団体等が開催する研修の参加費用の補助などを行っております。
 また、認証保育所や認可外保育施設に対しましては、都が施設長研修や中堅保育士研修、テーマ別研修を実施し、質の向上を図っているところでございます。

○斉藤委員 ありがとうございます。
 じゃあ、もうちょっと詳しく。東京都が実施しています現任保育従事者向けの研修……
   〔「エリアメール」「音消して」と呼ぶ者あり〕

○小林委員長 ちょっと速記をとめてください。
   〔速記中止〕

○小林委員長 速記を再開してください。

○斉藤委員 都が実施しています現任保育従事者向けの研修内容やテーマについてはどのようなものになっているのか、そこを伺います。

○横手子供・子育て施策推進担当部長 都の認証保育所向けの研修は、施設の管理運営上必要な知識、技法や保育実務などを内容としており、施設長を対象とした研修は年二回、中堅保育士を対象とした研修は年三回実施しております。
 また、認可外保育施設向けの研修は、保育理論や発達心理など保育に関する基本的な科目のほか、事故防止や災害時の危機管理など、安全の確保に必要な科目、救急救命訓練実習など、受講者のニーズや保育事情を踏まえた科目などを内容としており、今年度は二十二科目、合計七千人の定員規模での研修を実施する予定でございます。

○斉藤委員 ありがとうございます。都が待機児童解消に向けて緊急対策などを行った結果、保育所などの施設がふえると、当然、それに比較して研修をした方がいい、しなくてはいけないという定員というのは単純にふえると思います。
 今、かなり頑張っているということでありますけれども、この後、それの数でいいとはならないですし、また、保育士さんから唯一いわれるのは、申し込んだけど次回ねと、ちょうど申し込んだのに入れなかったとか、いろいろ事情があって、そのときは行けなかったんだけれども、次の回はいつかしらというふうなご意見をいただくことがあるんですけれども、このように、研修の定員というのはふえていかなくてはいけないというふうに考えるんですが、そこはどうなっているんでしょうか。

○横手子供・子育て施策推進担当部長 都が実施する現任保育従事者向け研修の受講定員は、これまでの受講状況や受講ニーズを踏まえて設定しております。受講希望者が定員を超えた場合は、会場の状況等を踏まえて、一人でも多くの方が受講できるよう柔軟に対応しているところでございます。

○斉藤委員 ありがとうございます。柔軟に対応していただいて、なるべく研修をふやしていただいているということです。
 ちょっと私ごとなんですけれども、うちの妻がちょうど今、国分寺で看護師として病後児保育の勤務をしているんですけれども、保健師、看護師になってきますと、小さな保育園でも就職しようと思うときには、ちゃんと研修があるかどうかというのが非常に専門職として大事になってくるわけであります。
 特に、東京都の方が整備をしているのが認証保育、もしくは認可保育、認可外保育というふうになってきますと、多分、規模的に小さいので、スキルがある方、ベテランの方、資格が希少な方なんかは就職するのに二の足を踏んでしまうということがあります。この研修の機会がふえないと、やはり採用につながらないというふうなことは当然あると思いますので、保育従事者の研修の機会をしっかり確保することを、予算も含めて要望して、次の質問に移りたいと思います。
 それでは、次の障害者の福祉なんですけれども、こちらの方は資料三二ページを今回つくっていただきました。障害者の認定数でございます。また、ちょっと関連してくるのかなと思ったのが、二二ページに施設数の推移がございます。
 ちょっとそれで伺うんですが、直近の五年間における障害者手帳交付の増加状況と、あわせて、障害者福祉の予算の推移について伺います。

○高原障害者施策推進部長 直近の五年間でございますが、平成二十七年度末の障害者手帳の交付者数は、身体障害者手帳が約四十八万一千人、知的障害者、愛の手帳が約八万三千人、精神障害者保健福祉手帳が約九万四千人で、平成二十三年度末と比較をいたしまして、身体障害者手帳が三%の増、愛の手帳が一五%の増、精神障害者保健福祉手帳が四〇%の増となってございます。
 また、障害者施策推進費の当初予算でございますけれども、平成二十四年度が約一千四百五十九億九千九百万円、平成二十八年度が約一千八百一億七千八百万円でございまして、約三百四十二億円、二三%の増となってございます。

○斉藤委員 私がちょっと心配したとおりというか、見込みどおり、予算の方も二三%ふえているということであります。障害者の増加とあわせて、予算が増加というふうなことがわかりました。
 それで伺うんですけれども、同様に、直近五年間において、どのようなサービスが伸びているのか、障害者福祉サービスの利用の増加状況について伺います。

○高原障害者施策推進部長 東京都国民健康保険団体連合会の統計データ等に基づきまして、実績を把握できる直近の年度でございます平成二十六年度と平成二十二年度の年度末月におけます月間の障害福祉サービスの利用実績を比較した場合でございますが、主なものの増加率は、グループホームが五一%の増加、日中活動系のサービスですが、生活介護が六七%の増、就労継続支援B型が九八%の増、短期入所が四九%の増で、また、居宅介護、重度訪問介護などの訪問系サービスでは、全体で二〇%の増となってございます。

○斉藤委員 制度のつくり方もいろいろあるということもあるんですが、物によっては九八%の増、また、訪問でも二〇%の増ということで、やはり確実にふえているのを実感いたします。日中活動系サービスを中心に、こういったサービス需要は確実に伸びているわけなんですが、このまま伸びていくと、どこまで伸びるかというのは大変心配になるところであります。
 ただ、障害者福祉サービスについては、障害者の生活に不可欠なものでありますので、これは今の医療の進歩や、もしくは、精神疾患のように、比較的大人になってからも途中で認定をしてもらう比率が高い障害というのも、昔は制度になかったものができたりということで、必ずしも今までのような単純な自然増とかふえ方ということではなくて、制度的にふえるということは当然ありますので、障害者に対して出すサービス量、それに対するコストというのは、絶対的にふえていくというのがあるわけであります。
 そういうことでありますので、これは福祉保健局に聞くのはむしろ酷で、財務局あたりにいうべきものかなと私は思っているんですが、しっかり手当をしてほしいわけであります。このような動向などを十分に把握した上で、ニーズに応じて施策を充実していくということが求められていると思うんですが、今後の障害者福祉施策全体の進め方について、どのように考えているのか伺います。

○高原障害者施策推進部長 現在、都では、平成二十七年度から二十九年度までを計画期間といたします第四期の障害福祉計画に基づきまして、地域におけるサービス提供体制の整備等を進めているところでございます。
 一方、国におきましては、本年四月に障害者差別解消法が施行されたほか、障害者総合支援法施行三年後の見直しの検討が行われ、障害者の地域生活を支援するサービスや就労定着を支援するサービスなどが新設されるなど、支援の一層の充実が図られたところでございます。
 今後、こうした国の動向や第四期計画の達成状況を踏まえるとともに、障害者施策推進協議会などを活用した障害者団体からの意見聴取、区市町村へのヒアリングなどを通じまして、的確に障害者のニーズを把握し、来年度には平成三十年度からの新たな障害福祉計画を策定いたしまして、施策の一層の充実を図ってまいります。

○斉藤委員 平成三十年度からの計画の策定というのがありますので、その部分ではどういうふうになっていくのか私も見ていきたいと思いますけれども、いかんせん、なかなか福祉保健局の中だけで議論するというのは現実ちょっと難しいし、それが現実的ではないというのも確かだと思いますので、このあたりは財務局と絡めていきたいというふうに思います。
 それでは、最後のテーマでございます。医療に関してでございます。
 地域医療構想が、少し前ですけれども、説明がございました。こういうのをいただきました。
 夏に地域医療構想の案を見たときについては、データによっては、過去に見たことがある福祉保健局のデータというものを活用してはいるんですが、一方で、全く新しいそういったものの横断的な分析や、詳細な患者の受療動向というところあたりなんかは新しいデータでつくられておりまして、きちんとこういった患者の動向などを把握しようという、非常に気概を感じるものでございました。これもまた、いいものはいいということで褒めさせていただきますが、ページの構成なども見やすく、ある程度こういった行政文書を見なれている方でも大丈夫ですし、見なれていない方でも非常に入りやすいページ構成だなというのが印象でございました。非常に現況に、リアルに近づく構想が今回できるというのは、ちょっと期待できるんじゃないかなというふうに思ったところなんですが、そして、策定された構想を今後も大変興味を持って見させていただきたいなと思っております。
 さて、この地域医療構想には、病床のうち、精神、結核、感染症を除く一般病床及び療養病床について、高度急性期、急性期、回復期及び慢性期の四機能ごとに二〇二五年の病床数の必要量の推計を記載するというふうになっております。東京都では、他県も含めた患者の受療動向の分析を行って、その結果を踏まえて病床数の推計を行ったというふうに聞いております。
 改めて伺うんですが、東京都と他県との患者の流出入の状況と、二〇二五年の病床数の必要量の推計に、どのようにこれが反映したのか、そこを伺います。

○西山医療政策部長 東京には大学病院等が集積しておりまして、高度急性期、急性期及び回復期機能の病床に、隣接する埼玉県、千葉県及び神奈川県から多くの患者が流入しております。一方、慢性期の患者は、埼玉県や千葉県など他県の病床へ流出をしております。
 こうした状況を踏まえまして、都道府県間の調整方法に関する国の通知に基づいて、各県と協議を行い、患者の流出入を見込んだ二〇二五年の病床数の必要量を推計いたしました。

○斉藤委員 なかなか他県のことを踏まえるというのは、地方自治体は難しいところですけれども、それも踏まえてあるということです。
 では、この地域医療構想では、地域の医療別、疾患別の需要と供給についても触れられております。このようなデータの活用というのは、地域におけるある程度の対応可能な医療機関を平準化し、つまり、医療種別の偏りの是正につながるというふうに私は期待をしておりますので、これは患者さんにとってもいいことなんじゃないかなというふうに思っています。
 一方、このデータを活用すれば、地域の需要を把握するということも可能なんじゃないかなということを期待するわけなんですが、この地域医療構想、細かく活用の方向性についてわかる医療機関というのは、医療機関の規模とかにもよると思うんですが、まだ必ずしも多くはないんじゃないかなというふうに思うわけです。
 そこで伺うんですが、この地域医療構想の区域ごとのデータを効果的に活用するためには、まず、地域の医療機関が東京都地域医療構想について理解を深めるということができるのがいいんじゃないかと思いますが、そして、それのために東京都が情報提供を行っていくということがおのずと重要になってくると考えるんですけれども、これについての東京都の取り組みについてはいかがでしょうか。

○西山医療政策部長 都は、地域医療構想の策定段階から、地域の医療機関等を集めた意見聴取の場を構想区域ごとに開催し、地域の医療の状況について情報提供を行い、その場で伺った地域の声を構想に反映いたしました。また、地域医療構想策定後には、より多くの関係者に理解を深めていただくため、説明会を実施し、六百五十人を超える医療関係者等の参加がございました。
 引き続き、さまざまな機会を捉えて情報提供を行い、東京都地域医療構想に対する理解促進を図ってまいります。

○斉藤委員 ありがとうございました。例えば、診療所を地域でやられていて、患者の動向などがわかれば、もしくは、そういったものについて知識があると、今後の自分のところに運営に役立てられるのになと思っている医療機関がありましたら、確かに、この部分についてはそのヒントになるのではないかなというところも期待しております。もちろん、これで全てがわかるというふうなことをいうと、細かくは限界があると思いますけれども、そのきっかけになるんじゃないかなというふうに思います。
 さて、この地域医療構想を理解した上で、今後、医療機関自身が、地域の医療に関する詳細なデータをもとに、地域の医療の現状を共有しながら自由に議論を行って、地域における自分の診療所の位置づけを確認したり、機能転換を検討、実施していくということが地域の医療バランスを図るとともに、医療機関の経営の安定につながっていくということも可能性があると考えられるわけです。こうした議論の場が地域医療構想調整会議であるというふうには聞いております。
 そこで、地域医療構想調整会議において、医療機関が活発な議論を進めていくために、東京都はどのような支援をしていくのか伺います。

○西山医療政策部長 都は、医療機関に加えまして、医療関係団体、保険者、区市町村等の代表者が、それぞれの立場から地域に必要な医療機能の確保等について意見交換する場として、構想区域ごとに地域医療構想調整会議を設置いたします。
 調整会議には、疾患別の患者数の推移や、毎年実施する病床機能報告から得られる情報を集計、分析いたしましたデータ、他の構想区域の状況などを提供いたしまして、地域の関係者が医療の状況を適切に把握し、活発な意見交換が行われるよう支援してまいります。

○斉藤委員 この地域医療構想の策定によって、二〇二五年に向けての東京都の医療提供体制を、維持だけではなく発展させていくという方針が定まっていくということで、今後、調整会議を十分に活用しながら、今度はその次の実現に向けた一層の取り組みの強化というのをお願いしたいと思います。
 また、こういった大変見やすい、また、データの部分の理解が非常に進むような、こういった印刷物の製作というものについては、また今後もぜひ続けていただきたいと思いまして、最後の質問とさせていただきました。ありがとうございました。

○小林委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時十二分休憩

   午後三時三十分開議

○小林委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○上田委員 私はまず、保育園待機児童の問題から始めたいと思います。
 舛添前知事は、四年で待機児童解消を掲げ、小池新都知事も本腰を入れてスピード感を持って取り組むと、過日、発言をされていました。女性、殊に母親の社会進出及び就労の継続は、税収の確保と少子高齢化対策に大いに寄与するものでありながらも、この二十年間、先送りとなり続けてきました。
 保育園待機児童となりました私の長男、次男も大学生と高校生になりました。遅きに失した感も否めませんが、だからこそ、迅速かつ子供ファーストの保育体制の整備が求められるものです。
 つきましては、人材不足、るる委員からもご指摘もありました。また、残念なことに、死亡事故も認可外保育所で東京都は発生をしております。財源確保、保護者の負担軽減等の地域的ばらつき、これは18資料でございます。
 待機状況の地域的ばらつき、これも9、17の資料をごらんいただければわかると思いますが、諸課題山積の中、どう人材と財源と施設を確保していくべきかという観点から、前の知事は四年で解消という公約を掲げましたが、9、17の資料を見る限りは、結果が見出せていないかなという点を踏まえて、ご所見をお示しいただければと思います。

○横手子供・子育て施策推進担当部長 都はこれまで、保育サービスの拡充に向け、区市町村や事業者の整備費の負担の軽減や、国有地、民有地の賃借料補助など、さまざまな独自の整備促進策を実施するとともに、保育人材の確保、定着を図るため、就職支援研修と就職相談会の一体的な実施や、保育人材コーディネーターによる就職相談から就職後の定着支援、保育士等キャリアアップ補助、宿舎借り上げ支援などを行ってまいりました。
 昨年度の保育サービス利用児童数は、整備目標の一万二千人を上回る一万四千百九十二人分増加いたしましたが、出生数の増加や人口流入、共働き世帯の増加などにより、都内の保育ニーズはふえており、本年四月時点の待機児童数は昨年より六百五十二人増加し、八千四百六十六人となっております。
 こうした状況を踏まえ、待機児童の多い区市町村を中心に、保育ニーズの動向や保育サービスの整備状況、待機児童解消に向けた取り組み内容、都への施策の要望などについてヒアリングを実施し、待機児童解消に向けた緊急対策を取りまとめたところでございます。
 緊急対策では、保育所等整備促進を図るため、整備費補助の高騰加算や建物賃借料補助を創設するとともに、補助率の引き上げにより、区市町村の財政負担を軽減する仕組みを講じております。
 また、保育人材の確保、定着を支援するため、保育従事職員の宿舎借り上げ支援の拡充を行っております。
 さらに、利用者支援の充実を図るため、児童一人当たり四万円を上限に、区市町村が実施する認可外保育施設の利用者負担軽減を支援するとともに、認可外保育施設に対する巡回指導チームを編成し、指導体制を強化することとしております。
 今後四年間の保育サービスの整備目標は、保育サービスの利用率が現在の四一%から五〇%になっても対応できるよう、保護者のニーズや区市町村の計画、就学前児童人口の推移などを踏まえ、年内に策定する実行プランの中で定めることとしております。
 今後とも、さまざまな機会を通じて、保育の実施主体である区市町村から意見を聞きながら、地域の実情に応じて多様な保育サービスを拡充できるよう支援してまいります。

○上田委員 東京都の包括的な取り組み、殊に補正予算百二十六億円は、ただ渡しておしまいではなく、区市町村及び保育現場の声を反映した内容であったと高い評価をさせていただきたいと思います。
 一方で、やはり地域的ばらつきの象徴的な事例として、私どもの江戸川区は、いまだに公立保育園ではゼロ歳児が実施されておらず、民営化をしても、同一法人に民営化をしてゼロ歳児保育を実施していないということで、非常にゼロ歳児保育の受け皿格差というものが東京都内にも存在をしております。東京都内というよりも、全国的にも公立、区立保育園でゼロをやっていないというのは珍しいと思いますけれども、こうした区市町村格差につきましてのご所見をお尋ねしたいと思います。

○横手子供・子育て施策推進担当部長 保育の実施主体は区市町村であり、地域のニーズに基づき、保育や子育て支援の提供について計画を策定し、施策を展開しております。
 江戸川区の子ども・子育て支援事業計画には、家庭は教育の原点であり、子供の人格形成に大きな影響を与えるものと考え、家庭保育を支援するための乳児養育手当の創設や、家庭的な雰囲気の中でゼロ歳児を保育する家庭的保育制度を充実発展させてきたと記載されております。
 こうした考え方のもとに、江戸川区では、公立保育所などでゼロ歳児保育を行っていないものと認識しております。

○上田委員 なかなか利用者ニーズをはかるという姿勢が見えないまま、私もずっと議論を続けているところであります。また、利用者ニーズということでは、保育園待機児童のカウントの仕方ということ、詳細ニーズをはかるためには、カウントの仕方というのは非常に重要なポイントだと思います。
 東京都におけます待機児童のカウント方法の考え方を伺いたいと思います。

○横手子供・子育て施策推進担当部長 待機児童のカウントの方法についてでございますけれども、国の通知において把握することとされている保育所等利用待機児童とは、保育の必要性の認定がされ、保育所や認定こども園などの特定教育、保育施設、または小規模保育事業や家庭的保育事業などの特定地域型保育事業の利用の申し込みがされているが、利用していない児童のことでございます。
 この通知では、保護者が求職活動中の場合は待機児童に含めることとするが、調査日時点で求職活動を休止していることの確認ができる場合は待機児童数には含めないこと、あるいは、付近に保育所や小規模保育事業がないなど、やむを得ない理由により区市町村における単独保育施策などを利用している児童は待機児童数に含めないこと、ほかに利用可能な保育所や小規模保育事業等があるにもかかわらず、特定の保育所等を希望し、保護者の私的な理由により待機している場合には待機児童数には含めないこと、保護者が育児休業中の場合については、待機児童数に含めないことができることなどが規定されております。
 この通知に基づきまして、区市町村は待機児童数をカウントしているところでございまして、例えば世田谷区では、保護者が育児休業中の場合についても待機児童数に含めることとしておるところでございます。

○上田委員 一九ページを見ればわかるんですけれども、世田谷が千百九十八ということで、二位が江戸川、三百九十七ということですが、世田谷区は先進的にニーズをはかって、正直にカウントをした結果だと思いまして、潜在需要は、例えば江戸川区は二位ですけれども、明らかにもっとふえて、区内でトップとなるのではないかというふうに考えております。
 先ほど確認させていただいたように、特殊なゼロ歳児保育事情なことから、先週、先々週と、私は地域の育休中のお母さんたちを中心に保活講習会を開催しました。本当、顔面蒼白、逼迫したママたちが百人近く集まりまして、一番、赤ちゃんと過ごす大切な時期を保育園に入れない不安にさらされ、笑顔がなくなってしまうことは、赤ちゃんにとっては健やかな育ちに影響を与えかねないといつも心配をしているところでございます。すぐ効く、よく効く、子供ファーストの保育施策を何とぞ推進をしていただきたいと強く要望する次第でございます。
 次に、社会的養護についてお尋ねします。
 これまで、本会議や委員会でたびたび里親や特別養子縁組など、家庭養護推進を求めてきましたが、さきの私の一般質問にて、子供にとって家庭は安らぎの場であります、そして、人間形成の行われる最初の場でもございます。こうした考えのもとで、社会的養護の施策展開に当たりましても、養育家庭を初めとした里親制度の活用を中心に進めていきたいと、これまでで初めて、里親制度の活用を中心にと知事は明言をされ、感慨無量でありました。ようやく世界の趨勢に歩調を合わせられてこようとしております。この観点からお尋ねをいたします。
 虐待事案につきまして、これまでの課題とご所見、子供の心身の安全最優先に動くことができたか、このあたりを踏まえまして、ご所見をお聞かせいただければと思います。

○松山少子社会対策部長 虐待相談対応件数が毎年増加する中、深刻化する児童虐待に迅速かつ的確に対応することが求められております。
 そのため、都は、児童福祉司や児童心理司の増員、虐待対策班の設置など、児童相談所の体制強化に取り組んでおります。
 相談援助活動に当たっては、子供や保護者等の人権に十分配慮しながら行うとともに、常に子供の最善の利益を図ることを最優先にしております。

○上田委員 19、四五ページの資料の中に、子供たちの悲鳴が聞こえるような感じがいたします。こうした子供たちの多くは児童相談所のお世話になることも多いと思いますが、児童相談所移管が、いよいよ法改正ができまして、私、決算では総務局の担当でございましたけれども、総務局でも法改正に当たりまして、推進の方向性であるという答弁をいただきました。
 現場をつかさどります福祉保健局につきましては、移管に向けての体制づくり、どのような段階になっているのか、ご報告いただきたいと思います。

○松山少子社会対策部長 今般の児童福祉法の改正により、市と同様に特別区も児童相談所の設置を希望する場合、政令指定を受け設置できるようになりました。
 特別区が児童相談所を設置する場合には、区において、一時保護所の整備や児童福祉司などの専門人材の確保、育成等が必要となります。また、都内外の児童養護施設等への入所調整には、新たに都と特別区及び特別区相互間での連携協力が必要となります。
 さらに、児童相談所設置市として、児童福祉審議会の設置、児童福祉施設に関する事務、認可外保育施設に関する事務、小児慢性特定疾病医療費の支給等に関する事務を初め、児童福祉法で定める事務についても所管することとなります。
 現在、各区において、設置に係る課題の解決に向けた検討を進めていると伺っており、都は、特別区長会からの求めに応じて、本年七月には児童相談所業務の内容や専門人材の確保、育成の状況などについて説明を行うとともに、検討に当たり必要な情報についても提供しております。
 引き続き、区の動向を見きわめつつ、子供たちの安全や安心をいかに確保していくかという観点から、都としての対応を検討してまいります。

○上田委員 江戸川区では、全国的にも本当に報道されました小一男児虐待死事件がありました。あのときに、もし移管が済んでいればと、私は区議会議員でしたけれども、非常にいまだに悔やまれてなりません。ぜひ、法改正に当たりまして、区市町村に施設がない、人材がないではなくて、積極的に東京都からアウトリーチをかけて、地域での児童相談所設置に向けてのご尽力を重ねてお願いしたいと思っております。
 一時保護所のお話が出ました。こちらいろいろな今、報道がされておりまして、東京都では二カ月以上、長引く一時保護ということで話題にもなっております。現状と課題を踏まえてのご所見をお聞かせください。

○松山少子社会対策部長 一時保護所は、虐待等の理由により、家庭から一時引き離す必要がある子供や、援助方針を決定するため十分な行動観察、生活指導等を行う必要がある子供などを一時保護しております。
 虐待相談対応件数の増加に伴う一時保護需要の増加に適切に対応することが求められており、都はこれまで、一時保護定員を平成十八年度の百四十四人から、現在二百十三人まで拡大するほか、児童養護施設等への一時保護委託などを実施しております。
 また、一時保護所の人員配置については、国の基準よりも職員を手厚く配置するとともに、看護師、心理専門職、学習指導の職員等を配置し、一人一人の子供の状況に応じた適切な援助に努めております。

○上田委員 江東児相には私も視察に行かせていただきました。質の向上と、あと、やはり里親委託等、さまざまな選択肢で子供の環境を整えていただきたいと思います。
 続きまして、では、23、四九ページの資料にありますけれども、児童養護施設の適切な運営に向けまして、予算委員会でも私、ちょっと議論させていただきましたけれども、ダンボールいっぱいの全ての児童養護施設の置き手紙、指導検査の結果を取り寄せまして、全て見させていただきました。膨大な量でしたけれども、さまざま、やはりいろいろな指摘をきちっと東京都はしております。課題もはっきりと見させていただきました。
 子どもの権利条約の理念を踏まえまして、児童養護施設の適切な、適正な運営に向けた取り組みと課題についてのご所見をお示しください。

○松浦指導監査部長 都は、児童養護施設に対し、原則として年に一回、指導検査を実施し、施設等の適正な運営やサービスの質の確保、利用者支援の向上を図っております。
 検査の結果、不適切な状況が認められた場合には、その内容や程度、原因などに応じまして口頭指導や文書指摘を行い、是正、改善に向けた指導を行っております。
 万一、重大な事故等が発生した場合などには、随時特別に検査を実施しており、児童の安全を確保する必要がある場合には、関係機関と連携し、適切に対応しております。
 指導検査によって把握された課題につきましては、翌年度の指導検査実施方針を策定する際に重点項目として定め、指導検査に生かしており、平成二十八年度の実施方針では、虐待防止策などの利用者の人権に配慮した処遇や、事件、事故の発生予防や発生時の迅速、的確な対応などの安全対策の徹底などを重点項目としております。

○上田委員 施設にいるときのお話はわかりました。
 続きましては、養護施設退所者への進路指導、資料24、25ですけれども、アフターケアの状況と実態把握の必要性への所見、青少年・治安対策本部では、私の質疑によりまして、若ナビを平成二十七年から施設に配布をしております。現状をお聞かせくださいませ。

○松山少子社会対策部長 都は、児童養護施設を退所した児童が社会で自立し、安定した生活を送ることができるよう、自立支援コーディネーターを専任で配置する取り組みを行っており、現在、五十六施設で実施しております。
 自立支援コーディネーターは、入所児童の就職や進学に向けた準備を行うほか、進路指導に関する施設職員への助言や、学習支援に取り組む地域のボランティア団体等との連携などの取り組みを行っております。
 また、退所後も継続的に支援を行っており、退所者の進学や就労の状況については、職場や家庭等へ訪問し、仕事や生活上の悩みについて相談支援を行うことなどにより、実態把握をしております。

○上田委員 続きまして、里親推進です。
 里親と対等な信頼関係に基づいてこの制度が行われてきたか、それを含めた検証と、制度推進の取り組み状況と課題についてお示しください。

○松山少子社会対策部長 都は、児童を委託している養育家庭に対しては、児童相談所の児童福祉司や児童心理司が家庭訪問し、養育の相談に応じております。
 また、民間団体に委託し実施している里親支援機関事業につきましては、臨床心理士等の資格を有する者が定期的に訪問し、養育に関する悩みや不安を受けとめ、必要な支援を行っております。
 昨年八月より、児童福祉審議会において、養育家庭の開拓と資質の向上、支援体制の強化など、家庭的養護を進める具体的方策をご議論いただいており、その中で、養育家庭に対する研修の充実や、養育家庭を含めた関係機関の連携の強化など、さまざまなご意見が出ております。
 今後、審議会からいただく提言を踏まえながら、養育家庭を初めとした家庭的養護の推進に一層取り組んでまいります。

○上田委員 資料21を見ますと、一二・一%と、里親委託率が全国平均一六%より低いということで、ますますの取り組みをお願いします。
 また、平成二十三年に退所者アンケート調査を東京都は実施されているので、これもまたやっていただくことを期待しております。
 知事の決意もありますことから、今後は、理事者の皆様も堂々と、家庭的養護ではなく、里親中心の家庭養護推進施策を展開できると思いますので、子供一人一人の成長、発達の権利を保障する家庭環境が確保されるよう、大いに期待をしております。
 次に、愛知県では、赤ちゃん養子縁組の取り組み推進により、予期せぬ妊娠で生まれた赤ちゃんが、すぐに特別養子縁組へスムーズに移行ができることが可能になっております。
 資料22にありますとおり、都では、一カ月未満の特別養子縁組はゼロどころか、里親委託も実施されていません。虐待で死亡するのは赤ちゃんが多く、そのうち六割が予期せぬ妊娠の結果、生まれた子供たちという調査結果もあります。
 つきましては、予期せぬ妊娠への対策について、妊娠相談ほっとラインの取り組み状況と、区市町村や関係各機関との連携体制について、具体的にご所見をお示しください。

○松山少子社会対策部長 妊娠相談ほっとラインでは、妊娠や出産に関する電話やメールの相談に看護師等の専門職が助言などを行っております。
 平成二十六年七月の開設から本年九月までの間に約三千五百件の相談に対応しており、そのうち、予期しない妊娠や望まない妊娠に関する相談が三分の一を占めております。
 この窓口では、相談内容に応じて、医療、保健、子育て支援など、さまざまな都内の関係機関を紹介しており、特に継続的な支援が必要と判断したケースについては、区市町村の保健所、保健センターに相談するように働きかけております。

○上田委員 同様に、児童相談所の予期せぬ妊娠への相談体制から、特別養子縁組や里親制度あっせんなどの取り組み状況と課題をお示しください。

○松山少子社会対策部長 児童相談所は、虐待、障害、非行など、十八歳未満の子供に関するあらゆる相談に対応しております。
 予期せぬ妊娠により、子供の養育が困難であるとの相談があった場合は、保健所、保健センター等の関係機関と情報を共有し、まずは、できる限り家庭での養育ができるよう、連携して必要な支援を実施しております。
 その上で、家庭での養育が困難な場合には、子供の福祉を第一に考え、ケースごとに個別の状況を総合的に勘案しながら、まずは養育家庭等への委託を検討しております。

○上田委員 愛着障害防止の観点からも、乳児即施設ではなく、今後は児童相談所での、予期せぬ妊娠から里親委託、特別養子縁組への積極的な誘導策と支援、区市町村との強固で的確な連携を強く求めます。
 次に、障害者福祉です。
 我が国が障害者権利条約を批准し、当事者主義の政策展開が新たなステージに入ろうとしております。都におきましても、今までの蓄積を踏まえ、障害者が地域の中で育ち、充実した生活を送り、家族をも支える、より一層の取り組みが、当事者参画のもと、求められていると考えます。
 つきましては、重症心身障害児の療育について、こちらも保育園同様、待機児、殊に母親が就労している場合は本当に困っているという声が届いております。
 通所と入所の現状につきまして、12、28の資料をごらんいただければと思いますけれども、現状についてお示しください。

○高原障害者施策推進部長 重症心身障害児者施設への入所に係る待機者も、平成二十八年三月末現在では五百七十七人となってございます。
 また、通所施設につきましては、これは利用者と施設の個別契約によることになりますので、都では待機者数を把握できませんが、施設によりましては、利用申し込みが多いときには一時的にお待ちをいただいたり、利用希望日数にお応えできないケースもあると承知をしてございます。
 こうした状況を踏まえまして、都では、重症心身障害児者通所施設につきまして、障害者・障害児地域生活支援三か年プランに基づきまして、整備費の特別助成を行うなど、設置促進を図っております。
 さらに、入所待機者も含めまして、重症心身障害児者が在宅でも安心して暮らせるよう、一時的に家庭での療育が困難になった場合に施設等に短期間入所し、介護等を行うための病床の確保に努めているほか、訪問看護、訪問健康診査、療育相談等を行う在宅療育支援事業や、看護師が訪問し、家族にかわってケアを行う在宅レスパイト事業を実施してございます。
 今後とも、重症心身障害児者への支援の充実に取り組んでまいります。

○上田委員 施設確保に向けては、ご苦労があるところでございます。
 続きましては、資料27であります、都外施設の現状と課題、やまゆり園のこともありましたので、課題につきましてお尋ねいたします。

○高原障害者施策推進部長 都外施設に対しましては、適切なサービスの提供の確保という意味の観点から、施設の所在する自治体におきまして、障害者総合支援法に基づき、定期的な指導検査を実施しており、その検査結果につきましては、都も把握をしてございます。
 また、都は、都外施設に対して運営費の補助を行っていることから、毎年度、必要な施設に対して実地確認を行い、運営指導を実施しておるほか、大規模修繕等の現況調査などの機会を捉えて、施設運営や利用者支援の状況把握にも努めてございます。
 今後とも、地元自治体などと連携をいたしまして、都外施設が質の高いサービスを提供し、安定した運営ができるよう、指導に努めてまいります。

○上田委員 北は青森から岐阜までにわたるということで、確認をさせていただきました。
 次に、急増する発達障害者、障害児への現状の対策と課題について、ご所見をお示しください。

○平賀障害者医療担当部長 発達障害児者が身近な地域で安定した生活を送るためには、ライフステージごとの支援体制を整備し、乳幼児期から成人期まで継続的に支援を行うことが重要でございます。
 このため、都は、発達障害者支援センターを設置し、本人や家族からの障害や就労に関する相談等に応じるとともに、早期発見、早期支援のための体制の構築や、成人期の発達障害者支援に取り組む区市町村を包括補助事業により支援しております。
 また、区市町村や相談支援事業者、医療機関等の従事者を対象とした専門研修などを実施し、発達障害児者への支援に必要な知識や実践的な技術の習得を図っております。
 今後とも、こうした取り組みを通じて、発達障害児者や家族への支援に取り組んでまいります。

○上田委員 今度は、その中身についてでございます。
 障害者への向精神薬等投薬など、適正性確保についての実態と現状のご所見をお伺いいたします。

○平賀障害者医療担当部長 先ほどもご答弁申し上げましたとおり、都は、区市町村や相談支援事業者、医療従事者を対象とした専門研修などを実施し、発達障害児者への支援に必要な知識や実践的な技術の習得を図っております。
 専門研修では、発達障害児者の特性に応じた適切な支援手法等を中心に実施しており、薬物につきましては、困りぐあいが大きいときや、本人、家族の希望に応じて補助的に用いることもあること、薬物療法によってどの程度改善が見込めることなどを十分に説明する必要があることなどを周知しております。

○上田委員 丁寧なお取り組み、理解できました。
 34も公益通報、やっぱり障害者のことがあったようでございますけれども、障害者福祉、保育園同様、療育待機も深刻な問題であります。
 障害者の母親の就労の継続の観点をさらにお持ちいただきまして、また急増する発達障害においては、安易な投薬、安易な医療機関に結びつけることなく、地域包括ケアの理念のもと、きめ細かい家族ぐるみ、地域ぐるみのサポート体制の整備に向けて、関係機関と連携し、より一層の取り組みを求めるものでございます。
 続きまして、精神医療についてです。
 昨年七月、生活保護受給者である精神疾患患者を、特定の医療法人が、江戸川区、大田区、港区の計三区の福祉事務所で相談員の派遣をし、医療グループが複数の患者を劣悪な環境下、お風呂のないシェアハウスに居住させ、みずからのクリニックへ囲い込んでいた問題で、塩崎厚生労働大臣により、東京都へ適正な指導を求める異例の要請があり、東京都も対応に追われました。
 この件は、昨年六月から、私、文書質問を実施し、その後、委員会でもただしてきました。どうしてこれが看過され、公然とまかり通っていたのか、首をかしげざるを得ない事件でありました。
 ついては、生活保護者の囲い込みの事案につきまして、発生時からこれまでの経緯についてご報告ください。

○坂本生活福祉部長 お話の事案の経緯でございますが、昨年六月以降、都内の精神科医療を行う特定の医療機関が、生活保護の受給者をシェアハウスと称します賃貸住宅に住まわせ、通院させている情報が寄せられたところでございます。
 このため、都では、各区市におけます当該シェアハウスの利用状況の調査を行い、お話がございました大田区、江戸川区等、複数の区で利用している事実が確認されました。このことから、通院する被保護者の多かった大田区及び江戸川区に対しまして、昨年七月及び八月に、生活保護法に基づきます特別指導検査を実施したところでございます。
 その結果、訪問調査によります居住実態の確認、それから最低生活費の計上に必要な賃貸契約の内容確認、保護金品の支給方法、医療機関の受診指示などにおきまして、不十分または不適切な事例が見られました。
 このため、両区に対しまして改善を勧告し、その後、両区からは改善した旨の報告が提出され、都としても、その旨確認しているところでございます。
 さらに、都内の全ての福祉事務所に対しましては、被保護世帯の適切な住まいの確保及び住宅扶助の適正な計上、不適切な受診誘導の防止などについて、改めて指導を徹底したところでございます。
 また、当該シェアハウスに入居していた被保護者の方につきましては、その後、各区が転宅指導を行いまして、アパートなどへの転居、更生施設入所などによりまして、ことし九月末に確認した時点におきましては、全員が転居した旨、確認しているところでございます。

○上田委員 全員が無事に転出をしたということであります。ほっといたしました。
 当該法人にも指導をしたようでございますけれども、よもや今、どんな状況なのかなと思いまして、当該法人の現状も含めた対応状況をお示しください。

○西山医療政策部長 当該医療法人の開設する診療所につきましては、昨年十二月、医療安全上確認が必要な情報があり、所管の保健所が立入検査を実施しております。
 また、都は、法人に対して、運営する各診療所における安全管理を徹底するよう指導いたしました。
 法人は、本年三月に大田区内に新たな診療所を開設し、五月には豊島区内にある診療所を拡張しておりまして、都は、いずれも法人の定款変更認可の審査において事業内容や経営状況等を確認した上で必要な指導を行い、認可をいたしました。現在、法人は、都内四区に五診療所を運営しております。
 今後とも、必要に応じ、所管の保健所と連携し、法人に対する指導監督を行うこととしております。

○上田委員 この囲い込み事案を見ますと、氷山の一角ではないかと懸念をしております。
 自立支援医療制度が運用の段階で貧困メディカルビジネスの温床、悪用されていないのか、確認させていただきたいと思います。

○坂本生活福祉部長 生活保護の受給者が、障害者総合支援法に基づきます自立支援医療を利用する場合には、各福祉事務所におきまして、被保護者一人一人の状況に応じた必要な支援が受けられますよう、適切な援助方針を定め、継続的に支援していくことが重要でございます。
 都では、全ての福祉事務所に対しまして、毎年一回、生活保護法に基づきます指導検査を行っておりまして、その中で、訪問調査活動により生活実態を把握し、適切な援助方針を立てているかどうか、保護費を医療機関に送付する場合には、被保護者本人が受領し、金銭管理契約を締結しているかどうか、賃貸契約の内容や実家賃額を確認して適正に住宅扶助を計上しているかどうかなどにつきまして確認を行ってございます。
 今後とも、今回のような情報も含めまして、生活保護の実施上で問題となる事案が寄せられた際は、関係機関に対し速やかに調査を行い、事実を確認し、是正を図っていくとともに、不正事案の発生防止措置を講じるよう、各福祉事務所へ指導助言を行うなど、生活保護の適正な実施に努めてまいります。

○上田委員 これも精神医療の中のお話ですけれども、精神保健指定医について、十月二十六日、厚労省における大量処分につき、東京都では、どんな医者がヒットするかなと思ったら、何と松沢病院のお医者様でありました。きょうの都政新報にも取り上げられております。五人が該当したということです。
 松沢病院は、日本の精神医療の草分けであり、由緒ある松沢の発展が精神医療の発展であります。そこで起こっていいことなのか、手本にならなければいけないのに、ことしの二月には、失効をしながら診察をしていて、懲戒処分になっている医師もいました。今回の不正等もあってはならないのではないか、ほかの病院の手本となるべきなのに、あるまじきことではないかと思っております。
 無資格者が措置入院などを行ってきた等、具体のことから、都の精神医療全般にわたる所見と対策を伺います。

○平賀障害者医療担当部長 都では、精神保健福祉法に基づき、精神科病床を有する病院に対して、診療体制や人権に配慮した患者の処遇等について実地指導を毎年行うとともに、精神医療審査会を設置し、医療保護入院の入院届や措置入院等の定期病状報告等に関する審査を行っております。
 また、措置診察業務を行う精神保健指定医全員を対象に、措置診察業務説明会を開催し、措置入院の判断基準や指定医の責務などについての理解を深めるなど、適正な精神医療の確保に努めております。

○上田委員 また、逆に、お金の方から見ていきたいと思います。
 資料31ですが、自立支援医療は鬱も含まれているのに、返還が少ないと。治療に至っていないと見ざるを得ないのかなと思っております。
 資料31、16の(3)を見るに、急増していて、金額としては、毎年二億ずつふえている。巨額の財源を投資しているのに、治癒や自立支援に至ってはないのではないかなと、数字的には見ざるを得ないのですけれども、ご所見とご説明をいただきたいと思います。

○平賀障害者医療担当部長 精神疾患は再発を繰り返しやすい特徴があることから、多くの精神障害者は継続的な医療を必要としております。
 自立支援医療制度は、こうした精神障害者の経済的負担を軽減し、通院医療を継続することで、病状の悪化の防止や障害の軽減などに寄与するものでございます。
 今後も、制度の適切な運用を行ってまいります。

○上田委員 例の囲い込み事案ですけれども、昨年の十二月、医療上安全確認が必要な情報があったにもかかわらず、新しい診療所ができて、豊島では拡張できたのは、正直、不思議でなりません。類似事業を展開するほかの法人はもちろんのこと、殊にこの法人に対しては厳峻な管理監督を求めるものです。
 精神科医においては、厚労省の異例の大量処分の重さを東京都も真摯に受けとめていただき、日本の精神医療の先駆といわれる松沢病院を持つ東京都として、厚労省と連携を密にし、責任を持って、人権ファーストの精神医療に取り組まれていただきたいと思います。
 関連して、病院の質の維持向上のための取り組みについて伺います。
 本年六月、順天堂病院に立入検査がありました。ほかにもたびたび発生する病院トラブル報道にありまして、都は事前の指導監督体制がとれているのか、懸念をしているところでございます。
 この順天堂病院の事案の当事者、患者の家族は、都の相談窓口に、ちょうど昨年の今ごろ、連絡をしておりました。患者の声窓口ですよね。結果的に硬直的な対応になり、記者会見をし、法的手段に踏み切るようなところまで発展をしてしまいました。
 また、この窓口には一万三千件ほどの都民の声も寄せられており、医療関係者からの苦情、都民の苦情、内部告発、通報をどのように受けとめて生かしているのか、現状と課題を問いたいと思います。

○西山医療政策部長 患者の声相談窓口は、医療法に基づき、医療に関する患者、都民の苦情、心配や相談に対応し、助言、情報提供を行うことにより、都民の医療に対する信頼の確保を図っております。
 相談窓口が受けた苦情や通報は、相談者の秘密保持、個人情報の保護に留意しつつ、組織で共有し、事案に応じ、関係機関と協力して対応しております。
 また、医療法に抵触するおそれがある情報が提供された場合には、病院等に調査を行い、指導等を行っております。
 相談窓口は、相談者と医療機関との相互に中立的な立場から相談等に対応しておりまして、その立場について、相談者から理解を得られないことが課題と認識しております。

○上田委員 32の資料ですけれども、立入検査実績ですけれども、苦情の割には少ないのかなというふうに思っております。平成二十年は、十件ほど立入検査をされていました。
 つきましては、これまで立入検査があったときに、第三者からその記録を求められたときに情報開示を行ってきたのか、出さなかったとしたならば、それはなぜか、今後はどうしていくのか、ご所見を伺います。

○西山医療政策部長 病院の立入検査の結果に対して、第三者から開示請求があった場合は、個人に関する情報、事業運営上の地位などが損なわれる情報、検査の適正な遂行に支障を及ぼすおそれのある情報に該当する部分については、非開示としてきました。
 定例の立入検査の実施状況の概要については、毎年、ホームページに掲載をしております。
 現在、公文書開示制度のより適切な運用と積極的な情報公開の観点から、立入検査の結果について、開示のあり方を検討しているところでございます。

○上田委員 開示のあり方を検討いただくということで、知事がかわれば情報公開が進むということを痛感しております。ぜひ積極的な開示を早急に進めていただきたいと思います。
 都民の命を守る医療を提供できる体制づくりには、機動的な指導監査が非常に重要であります。あってはならぬ、事前情報を医療機関に流す、かばうなどはもってのほかで、ないとは思いますが、情報公開も進めば、おのずと襟元を正す組織になっていくのだろうと思っております。
 くれぐれ、出身大学、病院、医局や医療法人よりも、まず都民の命と健康を守る東京都の医療政策であることを強く求めたいと思います。
 次に、動物愛護です。
 現在、ネコノミクスなどともてはやされ、ペットをめぐる経済効果ばかり注目され、動物たちが物扱いとなって、生き物として命の尊厳が大きな危険にさらされております。
 知事は、所信表明で、歴代知事初の殺処分ゼロを掲げ、これは里親推進と同じく、画期的な方向性を打ち出されたということになります。いずれも、小さな命を守るというところが肝だと思っております。
 これまでの東京都の動物愛護事業の課題を踏まえ、新たな方針のもと、大きな期待を込めまして質問をさせていただきます。
 本年、これも六月でしたか、全国初の、墨田区にあります劣悪猫カフェの資格取り消し事案を東京都が断行していただきました。これはよき前例になったと思います。
 しかしながら、これは事業者もたくさんいまして、氷山の一角ではないかと。現状、当該店舗が形を変えて営業を続けているのではないかという危惧の声も届いているところでございます。
 この事例も含めまして、取扱事業者指導監督状況の今後の課題をぜひお示ししてください。資料は33になります。

○小林健康安全部長 都は、第一種動物取扱業者に対し、定期的に立ち入り、動物愛護管理法等で規定する飼育施設や設備の管理、動物の管理などの基準の遵守状況について監視指導を実施し、都民等から苦情を受けた場合は、速やかに立入検査を実施しております。
 また、問題のある事業者に対しては、重点的に監視指導を行い、改善が図られない場合は、法に基づき、勧告や命令を行っております。
 動物取扱業については、その登録数が毎年増加し、業態の多様化が進んでいることから、効果的、効率的な指導等が必要であり、都は、動物取扱責任者研修等の機会を通じて、法改正による新たな規制等の情報を提供するとともに、事業運営をより適切に行うための自主管理の方法を指導しております。

○上田委員 次に、地域猫対策です。
 区市町村、民間団体との連携体制の現状と、今後どう広げていくのかを伺います。

○小林健康安全部長 都はこれまで、飼い主のいない猫対策に関する普及啓発や、不妊去勢手術の実施などの取り組みを進める区市町村に対して、包括補助により支援を行っております。
 今年度から、飼い主のいない猫対策を充実強化するため、行政、町内会、獣医師会、ボランティア等で構成される推進協議会の設置や推進計画の作成など、総合的な対策を実施する場合には、包括補助事業の先駆的事業と位置づけ、新たに実施しております。
 今後、これらの取り組みの成果などを他の区市町村に情報提供するとともに、包括補助のさらなる活用を働きかけてまいります。

○上田委員 これまでのお取り組みと事業者への指導を受けて、また知事の殺処分ゼロの発言を受けまして、実態と課題を解決していく、殺処分ゼロへ向けての具体的なお取り組みを伺いたいと思います。

○小林健康安全部長 都はこれまで、東京都動物愛護管理推進計画に基づき、動物の致死処分数のさらなる減少を目指し、動物の適正飼養や終生飼養の普及啓発、ボランティア団体等と連携した譲渡活動など、さまざまな取り組みを推進してまいりました。
 その結果、平成二十七年度には、苦痛から解放するために行った場合を除いた動物の殺処分は、二百三頭まで減少しております。
 今後、処分数のさらなる減少が必要であり、飼い主のいない猫対策、離乳前の子猫の育成や譲渡、子供を対象とした普及啓発など、区市町村との連携を一層強化し、ボランティア団体や都民等の理解や協力を得ながら取り組みを進め、二〇二〇年東京大会までには動物の殺処分ゼロを目指してまいります。

○上田委員 ゼロを目指すということと、特に子供たちへの教育ということは心強いと思います。
 35以降の資料では、面積、人口規模も大きい世田谷よりも江戸川区が最も多く、胸が痛む次第でございます。
 江戸川区もそうですけれども、どこの自治体にも猫好きもいますし、猫に困っている人もいます。地域猫活動を行政とともに担いたいという団体、NPO、個人もいますので、ぜひ区市町村とともに連携をとられ、都のハンドリングがききます都有地や公園から順次開始していくことを希望いたします。目の前の一匹から始まると思います。
 次に、高齢者福祉でございます。
 高齢者福祉の進展に伴い、高齢者の自立と生活の質の確保も重ねて課題になっております。
 介護保険の導入から十六年余りたち、サービス供給における民間事業者の活動は、高齢者福祉において不可欠なものとなっております。多くの事業者は、高齢者のために日夜全力で事業展開をしているところですが、残念ながら、資料29にあるように、事故件数が急増しております。
 私も、江戸川区内の介護つき有料老人ホームで、相次いでご夫妻の骨折事故が発生されたにもかかわらず、事故報告書が存在しておらず、ご家族の求める説明に即応しなかった事例に当たったこともあります。
 全国的にも、介護者による虐待や暴行、殺人にまで至る事案も報道されておるところでございます。
 つきましては、民間高齢者施設における事故対応と人権擁護における指導管理体制について伺います。

○西村高齢社会対策部長 有料老人ホームは、老人福祉法第二十九条に基づく施設でありますが、その設置や運営に関する基準については、法令上、具体的な規定がございません。
 このため、都は、東京都有料老人ホーム設置運営指導指針を策定いたしまして、有料老人ホームの設置や運営に当たり、事業者が遵守すべき事項を定めております。
 この指導指針の中で、有料老人ホームで死亡等の重大な事故が発生した場合には、事故の状況や経緯、事故発生の原因、再発防止策等を都に報告することを求めておりまして、都は、運営事業者を対象とした集団指導の中で、事故報告の徹底を図っております。
 また、平成二十七年十二月には指導指針を改正し、事故防止の取り組み強化と重大事故発生時の報告の徹底などを盛り込んだところでございます。

○上田委員 なかなか介護人材の確保が厳しい中で、質の担保というのも難しいところではありますけれども、これこそ行政がする仕事だと思います。
 許認可等々は東京都、そして現場は区市町村ということで、なかなかいい連携が図れない事例もあり、双方ともに苦労されているというお話も聞いておりますので、区市町と手を組みまして、一人でも虐待や暴行や殺人事案を東京都は起こさない先鞭を切っていただきたいと思っております。
 最後に、福祉と財政についてお話をさせていただきたいと思います。
 お金の面、30、31の資料で私も指摘をさせていただきましたけれども、ニーズにばかり着目した福祉では、事業は無制限に膨張をしていくと。福祉費は四・四%ずつ、東京都はふえているところでございます。毎年毎年四・四%ふえております。
 財源を踏まえた事業展開が求められるものではありますが、財源による制約ばかりに着目すると、本来のニーズまで切り捨てることになりかねないというのは、私もよく承知しているところでございます。
 現場にいらっしゃる福祉保健局の皆々様が、そのバランスを一番よくご存じだと思っております。このバランスにつきまして、事業局としてどう受けとめていらっしゃるか、また、その認識をいかに現場に浸透させ、適切な福祉を進めていかれるのか、ご所見を伺います。

○奈良部企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 福祉、保健、医療の各分野の計画の策定や、毎年度の予算編成に当たりまして、それぞれの事業の実績、都民ニーズ、区市町村の意見、国の動向、社会経済状況等を踏まえまして、新たな施策の構築や既存事業の見直しを不断に行っているところでございます。また、事業の実施に当たりましても、事業者や関係機関、区市町村へのヒアリングですとか、利用者の意向確認等によりまして、現状の把握に努め、効率性や実効性が向上するように取り組んでおります。
 今後とも、限られた資源を最大限活用し、効果的、効率的に施策を展開することで、多様化する都民ニーズに的確に対応してまいります。

○上田委員 さきの決算特別委員会では、約八百万人といわれる団塊の世代が、七十五歳である後期高齢者になる二〇二五年問題、二〇二八年には、東京都の財源の非常に頼りになる法人二税と福祉保健費が拮抗すると質疑をさせていただきました。
 福祉充実と財政再建とを両立させるには、非効率で不公平な福祉事業はますます改めるよう、財政面においても求められていくことになるかと思います。東京全体の福祉資源、施設サービスの、より効率的で効果的な共有と活用を求めたいと思います。
 最後になりますけれども、医療現場、そして障害者福祉の現場、児童福祉の現場で、患者さんたちや子供たちや障害者の皆様が尊厳を奪われず、健康に健やかに過ごせるよう、とにかく都民ファーストの福祉を優先していただきたい。
 そのためには、行政が持つ、よい公権力、監査、そして指導の機動的な徹底をお願い申し上げまして、私の質疑を終わらせていただきます。

○山加委員 きょうから十一月、児童虐待防止推進月間がスタートいたしました。
 近年、増加の一途をたどっている児童虐待でありますが、私は、平成二十年の第一定例会で、当時、平成十八年の数字でありましたが、都内の児童相談所に寄せられた虐待相談対応件数が三千二百六十五件だったことを踏まえて、このまま虐待がふえ続けると大変なことになりますよという警鐘を本会議場で鳴らさせていただきました。
 それから約九年たって二十七年、認知件数九千九百九件、約一万件に迫る勢い、三倍近くにふえ続けたわけであります。
 このことは、都が、やはり次々に施策を打ち出し、現場でそれまで埋もれていたものを表に出してきた、そういうこともあると思いますが、しかし、実際に虐待件数が大きく減少していないというのも、また事実であります。
 しかし、都は、十一月の児童虐待防止推進月間、さまざまな強化グッズを打ち出しておりまして、ことしも都の虐待防止の推進にかける思いが伝わってくるんですが、これはマスクです。それから、ウエットティッシュ、それぞれにキャラクターのOSEKKAIくんが入っています。ボールペン、それからファイル、ことしは何かこういう大変目立つエコバッグ。私は、十一月はぜひこれを持ち続けて普及啓発活動をしたいと思っております。
 委員の先生方も、きょうからスタートしましたので、ぜひこのオレンジリボン運動にもご協力をいただきたいと思います。私は、推進月間、十一月だけでなく、三百六十五日、このオレンジリボンをつけ続けまして、さらに二〇二〇年、東京都は世界で一番の安全・安心都市を目指しているわけでありますので、二〇二〇年東京五輪のマークとともに、二〇二〇年には虐待という悲惨な事件により失われる命がゼロになってほしい、そんな思いを込め、ダブルでつけているわけでございますが、委員会の先生方もぜひご協力をお願いしたいと思っております。
 オレンジリボンに込められたメッセージをいま一度心に刻み、都民一人一人が児童虐待防止について改めて考えるきっかけになってくれることを願い、きょうは確認の意味も込めて何点かお伺いをしたいと思います。
 国は、ことし、児童福祉法等の改正を行い、その内容は、法の理念の明確化を初め、児童虐待の発生予防、児童虐待発生時の迅速的確な対応など、多岐にわたっております。発生予防はもちろんですが、発生時にいかに迅速的確な対応ができるか、虐待の重篤化を防ぐためには大変重要なことであります。
 児童家庭相談の第一義的な窓口は区市町村でありますが、今回の法改正では、区市町村における支援拠点の整備の努力義務について規定をされました。
 そこで、まず児童虐待発生時の迅速的確な対応のため、これまでの区市町村の体制強化に向けた都の取り組みについてお伺いをいたします。

○松山少子社会対策部長 都は、独自に、平成七年度から、児童家庭相談の第一義的な窓口である区市町村を設置主体とする子供家庭支援センター事業を実施しており、平成十五年度からは、児童虐待に対応する地域の総合的な拠点として、先駆型子供家庭支援センター事業を開始しております。
 先駆型子供家庭支援センターには、虐待対策ワーカーや心理専門職員、関係機関との連携や調整を担う虐待対策コーディネーターの配置等を支援し、体制強化を図っております。
 また、今年度から、増加する児童虐待相談にきめ細かく対応するため、虐待対策コーディネーターの増員を支援するとともに、虐待対応の中核を担う人材を育成するため、中堅職員を対象に、困難ケースへの支援方法等に関する研修を、年間を通じて全部で十二回実施しております。
 今後とも、こうした取り組みを進め、区市町村の虐待対応力の一層の強化を図ってまいります。

○山加委員 一方で、児童相談所は、専門的な知識、技術を要する事例への対応や広域的な対応等を行っていますが、今回の法改正では、これまでの児童福祉司の配置に加え、児童心理司、医師または保健師、弁護士の配置等について規定されていますので、これまでの児童相談所の体制強化に向けた都の取り組みについてお伺いいたます。

○松山少子社会対策部長 都はこれまで、深刻化する児童虐待に迅速かつ的確に対応するため、児童福祉司や児童心理司の増員を初め、虐待対策班の設置、保健師の資格を有する医療連携専門員、非常勤の弁護士の配置などを行ってまいりました。
 今年度は、児童福祉司を十八名、児童心理司を十三名、それぞれ増員するとともに、人材育成等を担う児童福祉及び児童心理の専門課長の増員や、新任職員の個別指導等を担う児童福祉司や児童心理司のOBの増員も行っております。
 今後も、順次、児童福祉司や児童心理司を増員することとしており、児童相談所の体制を一層強化してまいります。

○山加委員 ありがとうございます。きょうから児童虐待防止推進月間ということもあり、都としての区市町村と児童相談所への体制強化への取り組みについて、確認の意味でお伺いをいたしました。
 子供の命はかけがえのない宝であり、日本の未来そのものであります。今後とも都として、区市町村と児童相談所の体制強化に、今まで以上にしっかり取り組んでいただくことを改めて要望しておきます。
 また、今般の法改正では、児童相談所の設置を希望する特別区が政令により指定を受けた場合に、児童相談所を設置できることになりました。
 繰り返しになりますが、現状、児童相談行政は区市町村が身近な地域で児童家庭相談の第一義的な窓口を担い、児童相談所が専門的な知識、技術を要する事例への対応、広域的な対応等を行うという、それぞれの役割を担っています。
 虐待事案において、保護者との住所地から離れた一時保護所に保護すること、複数の児童がかかわる非行事案において、児童を分散して保護することが、広域的な対応の一例として挙げられます。
 区市町村と児童相談所は、ただいま申し上げた役割分担のもとで、それぞれの強みを生かし、緊密な連携を図りながら児童家庭相談に対応しており、設置主体がどこかというよりも、まず子供の安全・安心ということを第一に考え、現状の連携をより一層強化していくことこそが必要なのではないかと私は考えます。
 児童虐待ゼロを目指し、今後とも、都の立場からできることは全力で取り組んでいただきたい、そのことをお願い申し上げます。
 次に、ヘルプマークについてお伺いいたします。
 私は、平成二十四年予算特別委員会一般質問で、私も障害当事者でありますが、外から障害があることがわかりにくい方、助けや配慮を必要としている方などの統一したマークを都として作成し、不自由さ、不便さを抱えていても安心して外出できるよう、障害のあることがわかりにくい方への理解を社会で一層促進していくことを提案いたしました。
 都がそれに応え、その年の十月に、このヘルプマークを具体的に作成いたしました。当時、交通局の全面協力のもと、都営大江戸線の優先席へのステッカー表示を開始し、それ以降、順次路線を拡大して実施していただいていると聞いております。大変迅速かつ精力的に対応していただいたことを高く評価したいと思います。
 そこで、改めてヘルプマークに関するこれまでの取り組み実績についてお伺いをいたします。

○高原障害者施策推進部長 お話のありましたとおり、都は、平成二十四年の十月から、ヘルプマークにつきまして、都営大江戸線におけます配布やポスター掲示、優先席へのステッカー表示等を開始いたしまして、現在、全ての都営交通、「ゆりかもめ」、多摩モノレール、都内の民間バス事業者十八社に拡大をして実施してございます。
 また、普及のための特設サイトを開設するとともに、デジタルサイネージや映画広告などを活用した広報や、東京都総合防災訓練あるいは東京二〇二〇大会に向けたスポーツイベント等でのブース出展など、さまざまな媒体や機会を活用し、普及啓発を図っております。
 さらに、平成二十六年度からは、ヘルプマークの広報等の取り組みを行う区市町村を包括補助により支援もしております。
 こうした取り組みにより、ことし七月末までの累計で約十三万個のヘルプマークを配布したところでございます。

○山加委員 このヘルプマークの普及啓発については、まさに局の壁を越えて、福祉保健局、交通局の取り組みにとどまらず、庁内各局や各区市町村が連携をして取り組みを進めていくことが重要と思います。
 同時に、日常生活の中での現場での小さな普及啓発の積み重ねも、大変大切ではないかと思うわけであります。
 例えば、一例ですが、病気やけがなどで障害を負うことになった方々は、病院でのリハビリを経て地域での生活に戻っていかれます。そのときに、リハビリのスタッフの方々がこのヘルプマークを知っていれば、患者は退院時から、このマークへの知識を得ることができ、障害がある者にとって大変心強く、地域生活への新たな一歩を安心して踏み出すことができると思います。
 私ごとですが、ことし三月に人工股関節の入れかえの手術をいたしました。そのとき、リハビリの先生方がこのマークをご存じなかったものですから(実物を示す)一言申し上げました。
 さらなる周知に向けて、積極的に都が取り組みを進めてほしいと思います。
 そして、ヘルプマークをより実効性のあるものにしていくためには認知度を高めていくことが重要ですが、普及啓発を東京だけで行うのでは十分ではありません。
 東京には他県からの通勤、通学者が多く、地方からも毎日多くの人が訪れています。また、都内の障害者、不自由さをお持ちの方も、仕事や旅行で都外に出かけていきます。
 聞くところによりますと、路線が他県にまたがる鉄道事業者は、東京都のヘルプマークにはまだ協力をいただけていないと聞いておりますので、大変残念なことだと思っております。
 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック大会には、国内外から恐らく想像を超えた多くの人々が、東京、日本国内を訪れます。その中には、障害や不自由さを抱えた人々もたくさんいらっしゃると思います。大会を見据えたとき、ヘルプマークは、東京都だけのものではなく、全国的な取り組みとして展開していくことが重要と思います。
 そこで、ヘルプマークの広域的な普及に向けた取り組みの他の自治体での普及啓発、普及状況についてお伺いをいたします。

○高原障害者施策推進部長 ヘルプマークを身につけられた方が、全国どこでも適切に援助を受けられるよう、広域的な普及を図っていくことは大変重要と考えております。
 都では、ヘルプマーク作成・活用ガイドラインを作成いたしまして、他の自治体や民間企業等によるマークの活用を推進しております。
 さらに、十六大都道府県障害福祉主管課長会議等の大都市会議におきまして情報提供を行い、マークへの理解と協力も求めております。
 また、昨年度は、ヘルプマークの広域普及について、障害者団体と連携をし国へ要望を行ったほか、ことし六月には、都の提案により、関東地方知事会として、ヘルプマークを含む障害者マークの普及について、国へ提案要求を行いました。
 他自治体の状況でございますが、現在、把握をしているところでは、今年度末までに京都府、和歌山県、徳島県、青森県、奈良県及び市川市の五県一市で導入をされる見込みであるほか、横浜市、岐阜県、神奈川県などにおいて、導入に向け、具体的な検討がなされていると聞いております。
 今後とも、ヘルプマークが広く理解を得られるよう、広域的な普及に取り組んでまいります。

○山加委員 徐々に広がっている、他県でもこのことに関心を持っていただいていることを大変心強く思うところであります。
 ことし、自民党の衆議院でも障害者等マーク普及PTが六月にまとめた提言におきまして、東京都が進めるヘルプマークは、都内だけでなく、複数の府県にも普及しつつあるが、二〇二〇年オリ・パラを見据え、政府としても、ヘルプマークの普及促進の支援を行うこと、そんなふうにしています。
 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック大会まで、あと四年を切りました。この大会を契機に、身体のハンディキャップを抱えた方はもちろんでありますが、高齢者、小さなお子様、妊産婦の方、認知症、精神障害がある方など、全ての方が安心して、外出に不安を感じることなく社会参加できる、外に出かけることができる、そういう社会を実現するためには、ハードのバリアフリーだけでなく、さまざまな心身の特性や考え方を持つ、全ての人々が相互に理解を深めようとコミュニケーションをとり、支え合う心のバリアフリーが重要であります。
 そして、私は、これを促進できるものの一つが、東京発信のこのヘルプマークであると確信をいたしております。日本全国、そして、いずれは海外でも通じる共通のマークになるよう、さらに迅速に取り組みを進めていただくことを強く要望いたします。
 次に、身体障害者補助犬の給付事業についてお伺いをいたします。
 日本全国、目のご不自由な視覚障害の方は、約三十万三千人といわれています。都内では約四万人の方が視覚障害で、身体障害者手帳の交付を受けていらっしゃいます。
 目のご不自由な方々は、何よりも音が頼りといわれ、音楽を愛好されている方も多くいらっしゃいます。このようなことから、私は、都議会議員になる以前、当時、音楽にかかわる仕事に携わっていましたので、私自身が事故による障害当事者、中途障害を背負ったということもあり、盲導犬の啓発、そのような福祉啓発活動を継続してまいりました。
 視覚障害者というハンデは極めて大きく、健常者と同様の生活を送るためには、一般市民の方々の一層の理解と協力が必要とされていますが、私が盲導犬の啓発活動を始めた平成四年ころ、まだ盲導犬に対する知識が社会の中で大変希薄でございました。
 その後、身体障害者補助犬法が平成十四年の十月に施行されたわけであります。盲導犬、聴導犬、介助犬などに対し、少しずつではありますが、日本の社会の常識が世界の常識に近づいてきたのかな、近づきつつあるのかなと、そのように私は思っています。
 東京都では、盲導犬の給付事業について、国に先駆け、昭和四十四年から今日まで事業を継続し、平成十一年度までは盲導犬貸与事業、平成十六年度からは給付対象を聴導犬、介助犬にも広げ、昨年度末までには四百頭弱の補助犬を育成、給付してきたと聞いております。
 そして、東京都が事業を開始した当初に比べると、補助犬の育成にかかわる環境も大きく変化をしています。現在では、全国に十一の盲導犬育成団体、二十一の聴導犬訓練事業者、二十四の介助犬訓練事業者があります。
 補助犬はペットと違い、しっかりと訓練をされておりますので、障害のある方の生活を手伝う、まさにパートナーであります。障害のある方にとって、補助犬は自立と社会参加に欠かすことのできない存在であります。そういった真に補助犬を必要とする障害者が確実に補助犬の給付を受けられるためには、適正に給付決定手続が行われることが必要であります。
 そこで、補助犬の給付を受けるまでの流れと、審査の方法についてお伺いをいたします。

○高原障害者施策推進部長 身体障害者補助犬の給付を受ける場合の現在の流れでございますが、まず、世帯構成、就労、就学状況等を記載しました申請書等を区市町村を通じて提出していただき、補助犬の管理能力等の適性検査を経た後、都の身体障害者補助犬給付審査会で審査を行い、給付候補者を決定いたします。
 審査会におきましては、利用者の障害の程度、家族構成やヘルパー利用などの生活状況、就労などの社会参加への効果及び適性調査の結果等を総合的に判断して、補助犬の必要性を審査し、給付候補者を選考いたします。
 その後、給付候補者に選考された方は、ご本人が希望する訓練施設において、盲導犬の場合で四週間に及ぶ合同訓練を行い、無事訓練を終えた方が補助犬の給付を受けることとなります。
 今後とも、公平公正な手続のもと、円滑に給付決定が行われるよう努めてまいります。

○山加委員 今後とも、補助犬の給付に当たっては、適正に審査を行い、くれぐれも特定の団体への偏りのないよう、公正公平に給付を受けられるよう、着実に取り組むことを強く要望いたします。
 さて、盲導犬、聴導犬及び介助犬は、身体障害者補助犬法により、公共施設、交通機関を初め、飲食店、スーパー、ホテルなど、さまざまな場所に同伴することが認められています。
 しかし、実際には、まだ利用に際し、同伴を断られることがあるようです。また、全体頭数が少ないためか、聴導犬、介助犬、まだ全国でも十何頭しかおりませんので、当然それを見たことのない方もいらっしゃいます。その存在すら知らない人も多いようであります。
 ことし四月には障害者差別解消法も施行されており、こうした状況を変えるためにも、都として、身体障害者補助犬の普及啓発に積極的に取り組むことが必要と考えております。
 そこで、身体障害者補助犬に対する普及啓発の取り組み状況についてお伺いをいたします。

○高原障害者施策推進部長 都は、区市町村、商業施設、飲食店等へのリーフレットやステッカーの配布や、ホームページへの掲載等を通じて、身体障害者補助犬法の内容等の周知に努めてまいりました。
 また、本年四月からは、障害者差別解消法が施行されたことから、補助犬受け入れ施設での対応方法等について記載をいたしました東京都障害者差別解消法ハンドブックを作成、配布をいたしましたほか、動画やパンフレットを作成し、身体障害者補助犬の入店拒否が差別的取り扱いになること等を周知しております。
 さらに、この十一月にそれぞれ開催をされます聴覚障害者に関する普及啓発のためのイベント、TOKYOみみカレッジや、人権啓発イベント、ヒューマンライツ・フェスタにおきまして、身体障害者補助犬のデモンストレーションも行う予定でございます。
 今後も障害者の自立と社会参加を促進するため、身体障害者補助犬の普及啓発に積極的に取り組んでまいります。

○山加委員 次に、動物愛護についてお伺いいたします。
 さきの定例会で、知事はペット殺処分ゼロについて所信を表明されました。私は、この殺処分ゼロ、これは、きょう、あしたでできることではありません。最終的な到達目標ですが、殺処分ゼロを唱えるときには、殺処分の方法もセットでなければならないと思っております。現に苦痛からの解放等のため、処分しなければならない動物がいることも事実であります。
 私は平成二十年の本会議で、致死処分のより適切な方法について質問をしています。まず、確認のために、この間、致死処分数の減少に向け、都はどのような取り組みを行ったのか、また平成二十七年度の致死処分数はどの程度減少したのか、お伺いをいたします。

○小林健康安全部長 都は、平成十九年度から平成二十八年度までの十年間を計画期間とした東京都動物愛護管理推進計画を平成十九年四月に策定し、致死処分数減少への取り組みを柱の一つに掲げ、飼い主への適正飼養、終生飼養に関する普及啓発、地域における飼い主のいない猫対策及びボランティア団体等と連携した譲渡事業などの取り組みを推進してまいりました。
 また、平成二十六年三月には本計画を改定し、致死処分数のさらなる減少を目指した取り組みを推進することとし、都やボランティア団体との譲渡活動を紹介するPRイベントの開催や、地域における飼い主のいない猫対策の強化などを図っております。
 こうした取り組みにより、平成二十七年度には、平成二十年度の致死処分数五千六百八十六頭の約七分の一の八百十六頭まで減少し、苦痛から解放するために行った場合などを除けば、二百三頭となっております。

○山加委員 私が質問をさせていただいてから、約八年がたちました。そのころに比べて、今の答弁を伺いまして、致死処分数は五千六百八十六頭、当時の数から、現在八百十六頭、そして具体的には致死処分数は二百三頭、まさに大きく減少しているということは、都が区市町村、関係団体と連携して、ペットの適正飼養、終生飼養について飼い主の意識を大きく向上させてきたこと、また譲渡拡大などに着実に取り組んできた、その結果であり、私は高く評価をいたしております。
 しかし、一方で、前回の質問でも申し上げましたが、動物愛護の先進国であるイギリスでは、実験動物について、炭酸ガスによる殺処分を法律で禁止をしています。また、EU諸国の多くも、犬や猫などのペット動物の殺処分については、炭酸ガスではなく、麻酔薬の注射による方法で行っております。
 都においても、殺処分の数が減ってきた現在、殺処分のより適切な方法、動物が苦しまないよう、最大限の配慮を行う必要があると考えております。改めて所見をお伺いいたします。

○小林健康安全部長 都は、高齢、重度の負傷や病気など、健康上の問題があり、譲渡が難しいものや、生まれて間もない子猫などを致死処分しております。
 国は、平成七年に策定した動物の殺処分方法に関する指針の施行通知の中で、動物にできる限り苦痛を与えない方法として、炭酸ガスの吸引または麻酔薬の注射等を示しております。
 現在、負傷や感染症の苦痛から解放するための致死処分につきましては、麻酔薬の注射で行っております。
 また、高齢の動物や生まれて間もない子猫などは、麻酔薬の注射または炭酸ガスの吸引の方法を用いており、今後これらの動物の殺処分をゼロにすることを目標としております。
 今後とも、動物の致死処分につきましては、動物福祉に配慮して対応してまいります。

○山加委員 命あるものとしての動物との共生社会の実現に向けて、やはり命の重さ、人間と同じように、私は貴重なものであると思っております。今、家庭で飼われているペットが子供の数を上回ったと聞いておりますけれども、殺処分の方法に関しては、世界の先進国の仲間入りを早く果たしてほしいなと願っております。よろしくお願いいたします。
 最後に、社会福祉法人についてお伺いをいたします。
 少子高齢社会において、都民が必要とする福祉サービスを利用できるためには、福祉サービスを提供する担い手が、その役割をしっかりと果たすことが重要であります。
 介護保険法の施行を契機に、福祉サービスの提供者には、民間企業、NPO法人など多様な事業主体が参入していますが、その中でも依然として、社会福祉法人は地域における福祉サービスを提供する貴重な資源であります。この社会福祉法人が今後とも質の高い福祉サービスを提供していくためには、法人の運営基盤がより一層強固なものになることが重要であります。
 一方で、一部の社会福祉法人には不適正な運営が指摘されたこともあり、国において社会福祉法人制度改革に関する検討が進められ、その結果、ことしの三月、改正社会福祉法が公布されました。
 今回の改正は、これまでにない大変大規模な改革となっています。法人には、来年四月からの本格的な法施行に向けて、ガバナンス、財務規律の強化への具体的な対応が求められるなど、大変大きな影響があります。評議員会が議決機関となることにより、理事会と評議員会の運営方法を大幅に変更する必要があることなど、法人の現場は今回の法改正の対応に大変苦労されているというお話を伺います。
 私は、昨年の第一回定例会の厚生委員会で、制度改正のポイント、都の取り組みについて伺いましたが、本日は法人への支援という観点からお伺いをいたします。
 まず、都内の全ての法人が新制度の内容を理解した上で、円滑に準備を進めていくことが重要でありますが、都は法人への周知をどのように行ってきたのか伺います。

○松浦指導監査部長 社会福祉法人が新制度に円滑に移行できるよう、都は都内の全法人を対象に、本年一月及び八月に説明会を開催いたしました。一月の説明会では、制度改正の趣旨や内容等につきまして、八月の説明会では、新たに設置が義務づけられました評議員会の権限や評議員の選任要件、定款変更の留意点など、法人が準備すべき具体的事項につきまして説明を行いました。
 今後、国の政令、省令等が公布され、法改正に伴う運用方法の詳細が明らかになりますことから、本年十二月にも法人向けの説明会を開催いたしますほか、法改正に対応する具体的な運用方法を示したパンフレットを作成し、法人へ配布いたしますとともに、都ホームページに掲載することなどにより、法人に対しまして制度改正の内容を周知徹底してまいります。

○山加委員 今のご答弁で、ことしの初めから適宜、具体的なご説明が行われ、これからも具体的な運用方法が示されることがわかりました。法人の準備も進んでいくことと思います。
 さて、今回の制度改正では、法人のガバナンスの強化が求められています。これを実効性のあるものとするためには、これまでとは異なる評議員の役割など、法人役員に十分理解をしていただき、法人役員等の機能強化を図り、法人運営を適正に行っていくことが重要であります。
 法人役員等の機能強化を図るために、都はどのように対応するのか伺います。

○松浦指導監査部長 社会福祉法改正により、定款変更など、法人運営の重要事項を議決する機関として、評議員会を必ず置かなければならないこととされました。
 このため、その構成員である評議員に対しまして、法改正の内容、評議員会の運営、評議員の責任と権限などに関する説明会を開催する予定でございます。
 また、法人業務の執行状況や財務状況などを監査する監事に対しましては、監事がみずから法人の課題を早期に発見し、対応できますよう、監事監査のポイントなどに関する説明会を開催する予定でございます。
 これらの説明会によりまして、社会福祉法人の役員機能の強化を支援してまいります。

○山加委員 今回の法改正では、この評議員、監事の方々の責任、果たすべき役割、これが大きく変わりますので、どうぞしっかりと理解をしていただき、法の趣旨に沿った法人運営が行われるように、丁寧な説明をお願いしておきたいと思います。
 また、今回の制度改正では、財務規律の強化として、一定規模以上の法人には会計監査人の設置が義務づけられました。義務づけられていない法人についても、財務規律の強化が求められています。
 そこで、一定規模に満たない法人が財務規律の強化を図ることができるよう、都はどのような対応をしていくのか伺います。

○松浦指導監査部長 都は、法人の業務運営や会計処理が適正かどうか、法人がみずから確認できるよう、既に貸借対照表等の金額の整合性などの確認事項をまとめました決算書確認シートを作成、配布してございます。
 また、役員の要件や理事会の運営など、法人の内部統制にかかわる事項や会計処理など、法人運営が適正かどうか、監事や法人職員が確認すべき事項等をまとめました自己点検シートにつきましても、今後、国から発出されます政令、省令等により、新制度の詳細を確認した上で作成し、法人へ配布する予定でございます。
 これらに加えまして、今年度は、都内の中小規模の社会福祉法人が専門家による確認や助言を受けることにより、経営改善を図る取り組みに対して補助を行う社会福祉法人経営管理改善支援事業によりまして、法人がみずから財務規律を強化する取り組みを支援しております。

○山加委員 失礼をいたしました。法人役員等の機能強化を図るために、都はどのように対応するのかということをちょっと抜いてしまったようでありますが、しかし、現在の答弁によりまして、小規模な法人に対しても支援策がしっかりと用意をされていることがわかり、大変心強く感じているところであります。
 ところで、今回の制度改正のポイントの一つである内部留保を明確化するための資産の算定方法について、いまだに確定をしていないと伺っております。確定をしていないわけですから、きょうは伺いませんけれども、都は今後、国から発令される政省令等の内容についても法人が十分に理解をし、円滑に対応できるよう迅速に周知を図っていただくなど、社会福祉法人が適正な運営を行えるよう、引き続き支援をしていただくことを要望しておきたいと思います。
 以上で質問を終わります。

○小林委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後五時休憩

   午後五時十六分開議

○小林委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○中山委員 初めに、福祉避難所について質問いたします。
 避難所の指定は、福祉避難所に限らず、区市が行うものであります。しかし、障害者や介護状態にある高齢者、そして病弱者などの災害弱者、要配慮者は、全てここにいらっしゃる福祉保健局の所管に係るものであります。
 また、都内や都の近郊で大規模な地震や水害が発生する場合は、すべからく複数の区市町村にまたがる広域の災害となります。その意味で、広域自治体である東京都、特に福祉保健局は、要配慮者の避難を受け入れる福祉避難所について、実態として都内でどのような状況にあるのか、どのような課題を抱えているのか、それに対して各基礎的自治体がどのように対処しつつあるのかを把握し、局としても都庁内の総務局などと連携し、的確に支援するべきと考えます。
 福祉避難所のありようについては、議論すべき課題が多岐にわたっておりますが、本日は手始めとして、要配慮者の存在に係る情報提供の問題について確認をしておきたいと思います。
 まず、そもそも高齢者や災害弱者など、災害時において配慮の必要な方に対する対策はどうなっているのかという点からお伺いをいたします。

○後藤総務部長 災害対策基本法では、区市町村長は、高齢者や障害者など、発災時あるいは発災のおそれがある場合に、みずから避難することが困難で、避難に当たって特に支援を必要とする方、これを避難行動要支援者というふうに定義づけておりますけれども、こうした方々の把握に努め、避難の支援、安否の確認、生命または身体を災害から守るため必要な措置を実施するための基礎となります避難行動要支援者名簿を作成することが義務づけられております。
 都内自治体におきますこの名簿の策定状況は、総務省消防庁の調査によりますと、平成二十八年四月現在で四十三の自治体で名簿が策定済みで、十九の自治体が作成中ということになってございます。
 また、内閣府の指針によりまして、この避難行動要支援者名簿の作成にあわせて、避難行動要支援者一人一人につきまして、誰がどのように、どこへ避難させるのかといったような具体的な避難の内容を定めた個別計画を策定することが求められておりまして、名簿作成済みの四十三の自治体のうち、三十一の自治体で作成中となってございます。

○中山委員 まず、名簿を現在作成中というところがあるということでございますので、十九の自治体について早く作成できるように、アドバイスのほど、よろしくお願いしたいと思います。
 あわせて、個別計画が非常に大事だと思うんです。まず、個別計画をつくっておかないと、訓練とかしたときに実際にどうなのかという話が、見直しができないわけです。そういう面でも、防災の避難訓練とかも各自治体で地域ごとにやったりとかして、個別計画は一応つくったけれども、実際にはもっとこういうふうにしなきゃいけないとか、そういうようなことを見直しをしておかないと、役に立たない個別計画になっちゃったら意味がないので、その意味ではまず個別計画をつくっておかないとどうしようもないというところがありますので、よろしくお願いをしたいと思います。
 それから、避難所に関しては、それぞれの区市町村で、域内の福祉避難所にどの程度の数の要配慮者の受け入れを想定して、準備すべきかをあらかじめ把握しておかなければ、いざというときに対応できるか心もとないものとなります。そういう意味で名簿は非常に大事だということです。
 どういった支援が必要な方が域内に存在するのかという情報は、関係者間できちんと共有しておくことが対策の第一歩といっても過言ではないと思います。こうした課題で、いつも壁となってきたのが個人情報の問題であります。かつては個人情報の提供は、本人同意が原則とされており、災害時の支援に関する情報もそれが壁となってまいりました。この点、国は平成二十五年に法改正を行い、課題の打開に乗り出したと認識しておりますが、どのような改善がされたのか、お伺いをいたします。

○後藤総務部長 お話の平成二十五年の災害対策基本法の改正は、東日本大震災における被災者全体の死者数のうち、高齢者や障害者の割合が高かったことを踏まえまして、避難行動要支援者に対する実効性のある避難支援がなされますよう、区市町村等の責務を明確化しております。
 その一環といたしまして、先ほど申しましたように、区市町村長はそれぞれの地域防災計画に基づきまして、避難行動要支援者名簿を作成することが義務づけられておりまして、この名簿をあらかじめ消防機関あるいは警察、民生委員等の避難支援等関係者に提供することとされております。
 この提供に当たりましては、個人情報保護の観点から、区市町村の条例で、特別の定めのない限り本人同意を得ることとなっておりますけれども、現に災害が発生または発生のおそれが生じた場合には、避難行動要支援者の方々の避難支援の実効性を高めますために、本人の同意の有無にかかわらず、名簿情報を避難支援等関係者、その他の者に提供できるというふうに規定されてございます。

○中山委員 現に本人同意を得る得ないという段階の前に、災害が発生するとなった場合には、法改正によって、本人同意の有無にかかわらず、関係者の方に提供することができるというふうに規定されたと、こういうことで、これは大変、一歩前進だというふうに思っております。
 名簿情報を条件つきながら、本人同意なしで関係者間で共有できるような仕組みに法改正されたことは、まずは第一歩として評価すべきでありますが、実態として、都内では名簿情報の共有はどのように進んでいるのか、お伺いをいたします。

○後藤総務部長 各区市町村は、避難行動要支援者本人に対しまして、名簿情報の関係者間での共有につきまして、あらかじめ書面確認によります本人同意を得るほか、外部への名簿情報の提供について、条例に特別の定めを設けるなど、平常時から名簿情報の関係者間での共有を進めておりまして、災害時に適切に対応できるように対策を講じております。
 平成二十八年四月現在、先ほど申し上げました名簿作成済みの四十三の自治体のうち、三十六の自治体で本人に対する書面での同意確認や、条例の定めによりまして、関係者間での名簿情報の共有が既になされております。

○中山委員 ぜひそうした事柄について、区市とも連携しながら、法改正がされて、そういう体制準備を進めつつあるんだということを広く認識させていただきたいと思うんです。そうしないと、情報管理という点においても漏れがあってはいけませんし、また、そういうものがまだできていないと認識している方々もいらっしゃって、どうしたらいいんだろうかという方も多いと思いますので、よろしくお願いしたいというふうに思います。
 それから、今ご答弁があったとおり、区市町村では、それぞれの名簿情報の共有に努めているというようなことでありますが、せっかく情報を共有して備えを講じていても、名簿の情報が古くて実態と異なるようであっては、やはり対応に支障が生じかねません。名簿情報の更新はどのようにされ、関係者で更新ごとに提供されていくのか、その点をお伺いしたいと思います。

○後藤総務部長 内閣府の指針では、避難行動要支援者の状況は常に変化し得ることから、区市町村は定期的に情報を更新し、名簿を最新の状態に保つことが求められております。その更新頻度は、一年から半年程度が望ましいとされております。
 名簿作成済みの各自治体におきましては、この指針に基づいて名簿更新を行っておりまして、先ほど申し上げました名簿情報の共有がなされております三十六の自治体におきましては、その都度、関係者間で情報共有を行っておると聞いております。

○中山委員 この点も、実際にそういう望ましいといわれている一年から半年ほどでの更新の頻度というようなことがちゃんと行われていくかどうかということですね。これも見ていただく必要があって、そういう面でも福祉保健局は、いろんな要配慮者の団体の方々、当事者や家族の団体の方々と接触する機会が多いので、こういうことをきちっと法改正を踏まえてやっていますよと。そのことに関して、地元でどうなっているのかということを、その当事者のお立場からも関心を持って見ていただくということを呼びかけた方がいいのではないかというふうに思います。
 それで、法改正があり、区市町村の要配慮者対策も進んでおります。しかしながら、冒頭申し上げましたように、都内や都の近郊で大規模地震が発生した場合、区市町村の区域をまたいで被害が広がることが想定されます。区市町村の取り組みが、地域によって差があってはいけません。
 災害対策基本法では、住民の生命、身体と財産を守ること、避難所の指定、運営は一義的には区市町村の責務とされていますが、広域自治体である東京都は、区市町村の取り組みに差が生じないように支援していくべきであります。今後、都は区市町村の要配慮者対策をさらに支援していくべきと考えますが、見解をお伺いいたします。

○後藤総務部長 都は、区市町村の福祉保健部門と防災部門の両担当者を対象といたしました研修会を開催いたしまして、先進的な取り組みを行っている自治体あるいは団体のさまざまな事例を紹介してございます。
 また、個別計画の策定や要配慮者の避難訓練など、要配慮者の避難を支援する体制、さらには避難所、福祉避難所等におけます避難生活を支援する体制の整備を行います区市町村に対して、包括補助によりまして支援をしておりますけれども、今後ともこうした取り組みを進め、区市町村の要配慮者対策が一層進むよう働きかけてまいります。

○中山委員 今回、冒頭この質問をさせていただきましたのは、私の知り合いの町会長さんと懇談をさせていただいたときに、その方は、災害時には人命救済が最優先だから、要配慮者の方々については、場合によっては、ご本人から拒否されても助けに行くという強い決意を述べておられました。後で訴訟で訴えられても構わないんだぐらいの強いことをおっしゃっておられました。すごい方もいらっしゃるんだなというふうに思った次第なんですが、既に都民の防災意識はそこまで向上しつつあるという面もあるわけであります。
 こうした地域の意気込みを無にしてはなりません。行政側の意識や対応が周回おくれとなって、そうした使命感のある、とうとい都民の意欲が無駄に終わることのないよう、都の福祉保健局としても、今ご答弁がありましたように、ぜひ積極的に区市町村とかかわり、さらに実態を把握し、課題への対応、支援に力を注いでもらうことを要望したいと思います。
 特にふだんから行う情報提供が漏れたりとかすると、そのことがあだとなって、せっかくそういう情報提供をいざというときにはできるというようなことが後退するような雰囲気になってしまっても困りますので、ぜひそういったあたりをよろしくお願いしたいと思います。
 続きまして、今の福祉避難所に関連して、保育所などの震災対策についてお伺いしたいと思います。
 まず、都内の保育所で、耐震性の上で課題を抱えている園はどのぐらいあるのか。学校教育の上では、区市町村の小中学校の耐震性について、都の教育庁は積極的にかかわって、都費も入り、積極的に取り組んでいると思います。区市町村主体とはいえ、都費も入ってかかわっている、頑張っていると。
 保育所でも同様の対応が求められますが、いかがでしょうか。現状把握と対応についてお伺いをいたします。

○横手子供・子育て施策推進担当部長 都内の保育所の耐震化の状況につきましては、平成二十八年四月現在、公立保育所は建物数九百十八棟のうち、耐震基準を満たしている建物数が八百八十棟、耐震基準を満たしていない建物数が三十八棟、耐震化率は九五・九%となっており、私立保育所は建物数千六百二十四棟のうち、耐震基準を満たしている建物数が千五百九十三棟、耐震基準を満たしていない建物数が三十一棟、耐震化率は九八・一%となっております。
 都は、自力で避難が困難な乳幼児の安心・安全を図るため、私立の認可保育所や認証保育所等の保育施設の耐震診断、耐震改修に係る費用の一部を補助しております。

○中山委員 公立、私立ともに、大変数字の高いところで耐震化が進められている現状がよくわかりました。
 とはいえ、まだそれぞれ、公立は三十八棟、私立は三十一棟、耐震基準を満たしていない建物が現存しているということでございますので、ここら辺について、恐らく何か理由があって、いろんな補助制度があっても進んでいないんだと思いますので、個別の問題のところがあると思うんです。
 ただ、個別の問題のあるところが、政策全体が手を打つのが遅いからだということにならないように、区市町村と連携しながら、耐震性の一〇〇%を目指して頑張っていただきたいというように思います。
 それで、あと次いで、大規模地震の発災時、保育所は交通機関などの被害状況に応じて、入園児を一部にではあっても迎えに来られない保護者が発生し、終日、もしかしたら何日間か、園児を預かる必要も考えられます。災害用備蓄品の整備や復旧工事の補助制度などの目安がないと、積極的な対応が困難になることも予想される向きもあります。今すぐにでも前向きな情報発信を行うべきと考えますが、いかがでございましょうか。

○横手子供・子育て施策推進担当部長 都は、今後発生が予測される首都直下型地震等の大規模災害に備え、保育所における備蓄品の購入など防災対策の強化に資する事業に対し包括補助により支援しております。
 また、災害復旧工事に対する補助制度については、社会福祉施設等災害復旧費国庫補助金や保育所等整備交付金の活用が可能でございます。現在、区市町村の事務担当者に対する説明会等において、災害用備蓄品の購入や災害復旧工事に対する補助制度の周知を行っており、今後とも、さまざまな機会を通じ補助制度の周知を図ってまいります。

○中山委員 今のご答弁で補助制度が整っていることはわかりましたけれども、支援制度が整っているからということだけでは、都の責任を果たしたことにはならないと私は考えます。
 都の帰宅困難者対策の基本方針は、無理をして帰宅をしないという点にあります。なぜなら、大規模地震発災時には、都内で複数同時的に大規模火災が発生して、徒歩などで帰宅を急ぐ人々が道にあふれていれば、二次被害に遭う可能性も強く指摘されているからであります。そのために、都は企業などにも社会貢献の側面も踏まえて備蓄を呼びかけているわけであります。
 当然、保育所に子供さんを預けている保護者の方の中にも、電車通勤をしていらっしゃる方が大勢いらっしゃいます。そうした保護者が、我が子が保育所で安全に保護されている、自分が迎えに行くまでは帰されたりすることはないということが明確に伝わっていれば、無理をして帰宅しないことに自然とつながるわけであります。
 当然、連絡がつけば、ちゃんと預かっていますよということ、保育園と連絡がつけば安心されるわけですけれども、電話連絡がつかない場合もあったりするし、その電話連絡をすべき保護者自体が被災をしているという場合もあったりとかします。そうした場合には、おじいちゃんやおばあちゃんとか、そうした周りの方々がすごく心配して大騒ぎをするということになるのかもしれません。
 その意味で、区市町村任せにしないで、都としても責任を持って強力にメッセージを発信すべきと思っております。保育所ごと、自治体ごとに保護者へのメッセージの発信のニュアンスに相違が生じれば、一体的な効果は薄まってしまいます。帰宅しなくても大丈夫だという認識というものに薄まりが出てしまう。
 そのためにも、万全の準備ができているという自信が保育所側には必要であります。自信がなければ、ない袖は振れない状態になってしまい、それが保護者に伝わってしまうからであります。
 そのため、都の補助制度の周知とあわせて、大規模災害への備えや対応について、区市町村や事業者に具体的に情報発信に努めていくことが必要と考えますが、見解をお伺いいたします。

○横手子供・子育て施策推進担当部長 お話のように、保育所において大規模災害に備え事前に対応を確認しておくことや、水、食料等の必要物資を備蓄しておくことは重要なことと認識しております。
 都は、大規模災害時の帰宅困難者対策を推進するため、東京都帰宅困難者対策条例を定め、大規模災害発生時の都や事業者の責務、必要な備蓄量、保育所や学校等の児童の安全確保等について規定をしております。
 この条例の内容を踏まえ、東京都帰宅困難者対策ハンドブックを作成し、備蓄品目や備蓄量の目安、災害用伝言ダイヤル等災害時の安全確認の方法、災害発生時の行動内容など、事業所における具体的な帰宅困難者対策を盛り込んでおります。
 今後、区市町村の事務担当者に対する説明会や保育事業者の運営指導等の機会を捉えて、災害用備蓄品の購入や災害復旧工事に対する補助制度だけでなく、大規模災害時に適切に行動できるよう、東京都帰宅困難者対策ハンドブックの活用を働きかけてまいります。

○中山委員 区市町村の事務担当者に対し、説明会等を通じてハンドブックを周知するということでございますけれども、これは非常に大事な視点で、そうしたものを各園ごとに、公立、私立問わず認識していただいて、帰宅困難者対策という点でも万全にしなければいけないということについてご理解をいただくことがとても大事だと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。
 続きまして、子育て支援に関連しまして、子育て支援員研修についてお伺いしたいと思います。
 認証保育所の保育従事者は、四割まで保育士資格を有していなくてもよいことになっております。都は、二十七年度より子育て支援員制度のスタートに伴い、保育士等キャリアアップ補助金の補助要件として、常勤保育士以外の職員に研修の受講を求めることとし、この要件を満たさない場合は補助金を五〇%減額するとしております。
 しかし、二十八年度は第二期の研修が定員オーバーとなっており、しかも、国が二十八年度から開始した企業主導型保育事業では、大変期待が大きいわけですけれども、職員の五割を子育て支援員でよいこととしていることから、今後研修の受講希望者がふえることが予測されるわけであります。受講規模を拡大させるべきと考えますが、どのようにされていくのかお伺いをいたします。

○横手子供・子育て施策推進担当部長 子育て支援員研修の地域型保育コースは、認証保育所や企業主導型保育事業の職員等も受講対象としておりまして、この研修コースの定員を昨年度の七百二十名から千三百六十名に拡充しております。
 また、今年度の応募状況や国が開始した企業主導型保育事業従事者等の受講希望者の増加が見込まれることから、第三回定例会の補正予算において定員を三百名増員しました。
 今後とも、応募状況等を踏まえて適切に対応してまいります。

○中山委員 当初予算でも対応をしているし、積極的に補正予算も組まれたということでございますので、期待をしたいというふうに思います。
 少なくとも希望している受講枠の関係で認証保育所の職員が研修を受講できずに、認証保育所に対する補助金が減らされたりすることがないように、認証保育所の受講希望者には優先枠を設置していただくなど特別措置を講ずるべきと考えますが、いかがでございましょうか。

○横手子供・子育て施策推進担当部長 地域型保育コースの定員規模は、受講を希望する認証保育所の数などを考慮した上で設定しております。
 今後とも、認証保育所の受講希望者が受講できるよう柔軟に対応してまいります。

○中山委員 実際の認証保育所の受講希望数等に応じて定員を考えていただけるということなので、その点をよろしくお願いしたいと思います。
 介護、保育等を通じまして、福祉人材のイメージアップということについて、職場のイメージアップということについてお伺いしたいと思います。
 福祉人材の不足を補いますためには、一層の待遇改善、そういう具体的な措置とあわせてイメージアップの取り組みがとても大事であります。認証保育所の団体や保育人材を育てる専門校の団体などから、私どもも、介護職員や保育士について、現状でも待遇改善が進んでいる面があるにもかかわらず、職のイメージが余りにも悪く喧伝され過ぎていて希望者がふえない、あるいは減っているといった嘆きの声を伺います。
 認証保育所の団体の会長さんは、ボーナスも支給できるようになったんですよとか、こういうふうにふえていて、ご近所の中小企業と比べても全然遜色ないんですというようなことを強くアピールされておられました。
 事実に基づいて、都は正しくイメージアップを図るべきだが、どのように取り組んでいるのかお伺いをいたします。

○坂本生活福祉部長 都では、介護や保育を初めといたします福祉の仕事のマイナスイメージを払拭しその魅力を伝えるため、昨年度でございますが、「変わりゆく福祉職場の今」というタイトルのDVDを新たに作成したところでございます。
 このDVDでは、福祉業界の将来性やキャリアアップをした場合の給料、働きやすい職場環境に向けた取り組みなど事実に基づいた新しい切り口での福祉の職場を紹介しておりまして、都内全ての中学校、高校への配布や都のホームページ上で動画を配信するなどの周知を図っているところでございます。
 また、今月十三日でございますが、都内の大学でTOKYO SOCIAL FES 二〇一六というものを新たに開催いたしまして、高校生、大学生などの若年層を対象として、介護のプロの方によります実演でございますとか、最新の福祉メカの体験などを通じまして福祉の仕事の魅力を発信してまいりたいと考えております。
 さらに、保育の仕事に興味、関心を持つ方を対象といたしまして、平成二十六年度から保育のおしごと応援フェスタを開催しております。現役の保育士を交えたワークショップや、保育の仕事に関します講演会、就職相談会などを一体的に実施しているところでございます。
 今後とも、福祉の仕事のイメージアップに向けまして積極的に取り組んでまいります。

○中山委員 今ご答弁の中でありましたTOKYO SOCIAL FES 二〇一六の効果がどうであったのか、これがとても大切であると思います。
 福祉人材を職業として希望する方々の動向は、高校生などを見ましても、一年生で見ると高いんですけれど、実際に就職を間近に控えた高学年になってくると、だんだん減ってきてしまうというようなことがあると聞いております。こうした傾向に、よい意味で今回のイベントがどう影響を与えていくのか、この点が大切であります。
 都は、イメージアップの効果がどう得られているのかについてアンケート調査なども駆使して検証するとともに、一過性のイベントで終わらせることなく、その他の普及啓発の取り組みとの相乗効果を図っていくべきだと考えますが、見解をお伺いいたします。

○坂本生活福祉部長 お話のとおり、福祉の仕事のイメージアップを図っていくには、事業の適切な効果検証でございますとか、他の事業とも連携した継続的な取り組みが重要でございます。
 今回実施いたしますTOKYO SOCIAL FES 二〇一六でございますが、昨年までは介護のコト体験フェアとして実施してきたものをリニューアルして実施する事業でございます。
 このイベントの開催後に来場者のアンケートの分析を行いますとともに、その結果に基づいて、東京都福祉人材対策推進機構の専門部会で、学校関係者、それから介護や保育の事業者などから意見や提案をいただくこととしておりますし、また、これらを踏まえてイメージアップについて必要な改善を図りまして、来年度の、より効果的な実施につなげてまいりたいと考えております。
 また、介護職員等が都内の中学、高校を訪問して福祉の仕事の魅力を伝えます、フクシを知ろう!なんでもセミナーでございますとか、高校生を対象に保育の仕事の意義や、やりがいを伝えます保育の仕事職場体験事業などを実施しているところでございます。イベント開催後も、これらの取り組みを継続的に実施するなどイメージアップのさらなる推進を図ってまいりたいと考えております。

○中山委員 今の福祉の仕事のセミナーですかね、何て名前でしたっけ、坂本さん。

○坂本生活福祉部長 失礼いたしました。じゃあ、再度申し上げます。福祉のセミナーでございますが、福祉の仕事の魅力を伝えます、フクシを知ろう!なんでもセミナーでございます。

○中山委員 フクシを知ろう!なんでもセミナーっていいですよね。だから、ぜひそういうのを都の教育庁と連携してやっていただいて、まだまだ職場体験の場所を確保するのに苦労している学校もありますから、セミナーを受け入れていただいたところについては優先的にやってあげるとか、そういうことを地域で十分連携している学校もたくさんありますけれども、わくわくWeek Tokyoとかも中学生はやっておりますので、ぜひ進めていっていただきたいと思います。
 ことしの予算特別委員会でも、私は都社協の中でのご努力を取り上げさせていただいて、福祉の現場で、先輩の職員の方がちょっと後ろ向きなことばかりが多くて、若手の方が、もっと若手に任せてくれたら、楽しくて意欲のある、工夫、改善のできる職場になるのに、そういうことをさせてほしいということを何かアピールされている状況をお伝えさせていただきましたけれども、そうした面で、若い意欲のある、働いている方々にとって、本当に力を発揮できる現場に福祉の仕事の現場がなっていくことを導いていただきたいというふうに思います。
 続きまして、ちょっと順番を変えまして、介護人材のキャリアアップ補助についてお伺いします。国のキャリア段位制度を活用した都の独自補助についてお伺いいたします。
 急速な高齢化により介護需要が見込まれる中、介護人材の定着が進まず、慢性的な人材不足が深刻化しております。介護職員の育成、定着を図るためには、職責に応じた処遇を実現するキャリアパスの仕組みを構築することが必要であります。
 都は昨年度から、国のキャリア段位制度を活用し、職責に応じた処遇を実現するキャリアパスの導入に取り組む事業者を支援する介護職員キャリアパス導入促進事業を実施しておりますが、今年度の実施状況についてお伺いをいたします。

○西村高齢社会対策部長 今年度の事業実施に当たりましては、本年五月に事業者向け説明会を開催し、具体的な補助内容や補助金の申請方法などを説明しますとともに、国のキャリア段位制度の実施機関でございますシルバーサービス振興会からも段位制度の説明を行いました。
 また、説明会では、新たに経営コンサルタントによるキャリアパス導入の意義を伝える講演を行いまして、事業者に対し本事業への理解と活用を促進しております。
 説明会には約七百事業所の八百七十名が参加しておりまして、九月末現在で約三百事業所から、本事業を活用し段位取得者を輩出する計画書が提出されております。
 今後、十一月から十二月にかけまして、計画書を提出した事業所の管理者等を対象とした職場の人事管理、人材育成及び経営改善に関するセミナーを開催しまして、本事業に取り組む事業者を支援してまいります。

○中山委員 七百の事業所から反応があったということで、一割近いところまでだんだん来たなというところだと思います。まだ始まったばかりですから、大変なことですけれども。
 キャリアパス導入に取り組む事業者を支援する意味で、五月に開催されました説明会で、新たに経営コンサルタントによるキャリアパスの導入の意義を伝える講演を行ったという興味深い取り組みでございますけれども、具体的にはどういう内容が伝えられたのか、お話しされたのかお伺いします。

○西村高齢社会対策部長 今年度から新たに実施した講演では、介護事業者を対象とした相談業務やコンサルティングなどの十分な実績や知見を有する経営コンサルタントにお話をいただきました。
 具体的な内容といたしましては、人材の育成、定着を図るためには、新人には丁寧に基本業務を教える、中堅には次なる目標を一緒に考える、役職者にはリーダーシップや高度専門スキルの習得に向けたバックアップを行うなどが重要でございまして、各成長段階に応じた適切な支援を行う上でキャリアパスの導入が効果的であること、また、導入したキャリアパス制度を形骸化させないためには、経営者や上司の積極的な関与とサポートが必要であることなど、キャリアパスの導入の意義や、その効果的な運用に向けた内容でございました。

○中山委員 介護現場の現状等を理解し、介護施設等の経営課題を解決している経営コンサルタントが専門的な視点からキャリアパスの導入を伝えることは非常に重要なことと私も考えます。ある面でモラルの向上が経営という面でもすごく役に立つんだということではないかというふうに思います。
 先ほど、約三百事業所から本事業を実施したいという計画書が提出されていると都の答弁がありましたけれども、本事業の対象となるためには、国のキャリア段位制度に基づき段位の評価を行うアセッサーを確保して、その上で段位取得者を輩出することが条件となっております。
 本年三月の委員会でも指摘しましたが、キャリア段位制度については、事業所から、段位の評価を行う職員を養成する講習会が年に一回しかなくて受講しづらい、あるいは講習会の時期が遅いため年度内での段位取得につながらない、段位取得の認定審査に時間を要するなどの課題があったというふうに聞いております。
 本事業を進めていくためには国のキャリア段位制度の課題解決が重要でありますが、どのような取り組みが行われているのかお伺いをいたします。

○西村高齢社会対策部長 都は、本事業で活用する国のキャリア段位制度の推進を図るために、国及び制度の実施機関でございますシルバーサービス振興会に対し、段位制度を効果的に実施できるよう働きかけてまいりました。これを受け、今年度からアセッサー講習会における開催回数の拡大や開催時期の前倒しが実施されており、一定の改善が図られたほか、段位取得の認定審査の効率化に向けた検討も進められております。
 また、本事業の実施に当たっては、シルバーサービス振興会と連携しながら、ホームページやリーフレットなどを活用して、介護事業者などに対しキャリア段位制度を積極的に周知しております。

○中山委員 都は、国に対して制度上の課題を解決するため引き続き積極的に働きかけて、全ての介護事業者でキャリアパスの導入が進むよう、本事業の普及拡大に努めていただきたいと思います。都内の全事業者に拡大していただきたいのが私どもの要望でありまして、そのためにも今後努力をしていただくと同時に、局としても財務局と真剣に折衝していただいて、粘り強くやっていただきたいというふうに思います。
 ともかく、前もお話ししましたけれど、もともとこれは内閣府の事業でした。厚生労働省の職員に聞いても、キャリアパスというのが、段位取得制度があるというのを知りませんでした。でも、東京都がこれに着目をして、保育事業者の質の向上を図ろうということでやり始めたときに、後から厚生労働省の方に所管がえして、風前のともしびであった事業が活気づいたわけでありますけれども、ぜひ東京都の職員の方々の着目によって、いい経営視点での取り組みが進んでいくと思います。
 やはり、努力しても努力しなくても同じというのは私はよくないと思います。私も前職は公務員でしたけれども、悲喜こもごも職場でありましたが、やっぱり、これはイデオロギーの問題を超えて、自分の子供には努力せよというのは当たり前の話でありますから、そういう面で、きちっと努力した人には評価が与えられるような、そういうことを進めていくことによって、また若い方々が意欲を持って職場に入っていこうとすることにつながっていくのではないかというふうに思っております。
 続きまして、ちょっとまた順番違うかもしれませんが、都外施設についてお話をさせていただきたいと思います。
 リンゴに文字を書くというのはご存じでしょうか。リンゴはもともと色が最初から真っ赤ではありません。そこにシールか何かを張って光が当たらないようにすると文字が浮かび上がるわけです。
 私はこのことを自分の目で見たのは、秋田県の東京都の都外施設に行ったときに、その施設の周辺にあるリンゴ園で、真っ赤なリンゴにお父さんの名前とかお母さんの名前とかご自分自身の名前とかを浮かび上がらせて、そのリンゴを毎年親元に送るということが、また、それを楽しみにしている保護者の方がいらっしゃるということを、お伺いして初めて知ったわけでありますけれども、そのリンゴ園も保護者の方が長年かけて寄附をして、その施設の周辺に整えてくださったものであります。
 都内でまだまだ障害者の施設をつくることに理解が得られなかったときに、地方の方々と、いろんなご努力、また保護者の方のご努力もあって、中には随分批判をされたり、つらい思いをした場合もあったと思うんですけれども、都外施設というものをつくってこられた。これは、それこそ東京と地方が相互ウイン・ウインで築き上げたすばらしい歴史だというふうに思っております。
 都外施設の入所者が住みなれた施設のある周辺で地域生活の継続を希望する場合にも、都内への地域移行と同様に、都は積極的に支援すべきと考えております。
 ことしの予算特別委員会におきまして都の見解をお伺いしたところであります。都は、改めて都外施設の入所者やその家族の希望を調査し、都外施設入所者の地域移行への支援方法について検討するとの答弁でありましたが、現在の検討状況をお伺いいたします。
 ポイントは、都外施設から地域移行する際のグループホームを都内にだけつくるというのではなくて、その施設の周辺にもつくれるようにすべきだと、支援すべきだということがポイントなわけですけれども、現在の取り組み状況についてお伺いをしたいと思います。

○高原障害者施策推進部長 検討に先立ちまして、都では本年度、都外施設について、入所者やそのご家族の地域移行に関する意向調査を行いました。
 調査結果、詳細につきましては現在分析中ではございますが、今後移行が見込める入所者のうち、本人からの聞き取りでは、現在の施設で生活を希望する方が約六割、地域での生活を希望する方が約四割といったような状況でございました。
 このうち地域での生活を希望する方におきましては、移行先としては入所前の地域で暮らすことを希望する方が多いものの、施設周辺で暮らすことを希望する方も一定程度いらっしゃいました。
 今後は、この調査結果を精査するとともに、都外施設の周辺も含め、グループホームに移行する際の支援方法について具体的に検討してまいります。

○中山委員 ことし三月の予算特別委員会で、その当時の知事に画期的な答弁をしてもらって、いなくなっちゃったわけです。すごくがっくり来たわけですけれど、そのときに、やっぱり梶原局長に答弁を一緒にしておいていただいてよかったなと本当、思っております。今、精いっぱいの答弁をしていただいたと思います。
 私は、四割という数字は、これはまさに実際にはもっと上がるんだろうと思います。というのは、親もどんどん高齢化していきますし、ご本人と一緒に小さいころ遊んでいた兄弟なんかもどんどん独立して別家庭を持ったりしていますから、都内に戻ってこられても親も兄弟も面倒見れるというわけではありません。もちろんグループホームをきちっとしておいた方がいいのかもしれません。
 ただ、正月やお盆に帰ってきても、親元だから帰りたいんだけれど、帰ってきても、都内の喧騒と大変自然豊かな地方の、秋田とかの大自然の中で育ってきた者との差が余りにも大きくて、親元へ帰りたいですかといわれれば帰りたいというんだけれど、帰ってみて三日もたつと、またもとの施設に戻りたいといい出すことが多いんです。そういう面で、ぜひ前向きにご検討いただきたいというふうに思います。
 次に、障害者の施設の入所者を持つご家族の中には、せっかく入所できたのに、地域移行という概念もあって、いつかは退所を迫られるんじゃないかという不安を抱いている方もいらっしゃると聞きます。親亡き後も現在の施設入所での生活を望んでいるご家族もいらっしゃいます。このようなご家族の不安を共感を持って私は受けとめていくべきだと考えます。
 入所施設の入所者のご家族の不安について、都はどのように受けとめているのかお伺いをします。

○高原障害者施策推進部長 入所施設は、施設において専門的支援が必要な障害者に対して安定した生活の場を提供するものというふうに認識をしております。
 国におきましては、その基本指針で、施設入所者を削減することとしておりますが、都では、現在の第四期障害福祉計画におきまして、引き続き定員数を維持してございます。
 また、施設がご意向に反して地域移行を行うことはないと承知はしておりますが、もしご不安をお持ちのご家族がいる場合には、地域移行はあくまでご本人やご家族の希望を十分に踏まえながら行うものであることを施設等を通じて丁寧に説明してまいります。
 また、移行を希望する場合におきましても、入所中にグループホームでの生活を体験する機会を設けるなど、移行については丁寧に対応してまいります。

○中山委員 ぜひ、今お話がありましたように、グループホームの体験機会とか、そういった形で丁寧に地域移行がある場合には進めていっていただきたいなというふうに思います。
 いろんな訓練をすることによって状態が改善される人においては、確かに地域移行というのもあるのではないかと思いますけれど、むしろ、そうした方は入所というよりは治療目的のロングのショートステイみたいな感じで、入所という枠とは別にした方がいいんじゃないかという気がするぐらいです。
 入所者の方に関していうと、高齢化によって状態が悪くなっていくことはあったとしても、なかなか状態が改善されるということは、想定することは非常に困難、難しい。そういう面では、地域移行という概念はとても大事な概念ですけれども、その人にとって一番どういう生活がいいのかということは、入所前の段階でこそですね、苦労して、検討するべきであって、せっかく入った方々に対して取り組む角度ではないんではないかということを思います。
 そういう中、国が減らす方向の中を東京都はしっかりと確固たる信念を持っていただいて、むしろそれを減らさずに定数を維持していただいているということですけれども、さらに実際のニーズに応じた規模の拡大というものも、私どもも考えていきたいと願っているところでございます。
 続きまして、障害者、高齢者を通じて生活弱者の方々の権利を守る上で大切な成年後見制度についてお伺いします。
 低所得者の方が安心して使える制度としていくことが必要であります。ご説明いただきましたけれども、財産をどれくらい持っているかということに応じて成年後見人の方の報酬というのは変わってくる。また、しっかりした方を選ぼうとすると、いろんな国家資格を持っている方々にお願いせざるを得ないという面があって、当然費用もかさむ。
 そうした点で、低所得者の方々が安心して使える制度とするために、都はどんな点を課題として捉え、取り組んでいらっしゃるのかお伺いをいたします。

○坂本生活福祉部長 身近に頼りになる親族がいなくて経済的な余裕もない場合、それから地域住民によるきめ細かな見守りなどの支援が必要な場合、地域の権利擁護の担い手として活躍する、いわゆる市民後見人が果たす役割は大変重要なものでございます。
 この市民後見人の養成につきましては、地域のニーズに対応した制度の活用を総合的に進める必要があることから、平成二十六年度から区市町村が後見人等候補者の養成に取り組むこととしておりまして、都は包括補助により支援し、平成二十七年度でございますが、二十九区市町村で補助を行っているところでございます。
 また、後見開始の申し立て経費や後見人等の報酬を負担する能力がない場合でも成年後見制度が活用できるようにすることが重要でございます。現在、区市町村がこれらの費用に対しまして助成を行った場合、介護保険法や障害者総合支援法による補助対象となりますほか、都としても包括補助により支援しているところでございます。
 平成二十七年度は申し立て経費に関します助成が三十六区市町村、後見人等の報酬に関します助成は三十九区市町村で実施しているところでございます。
 今後とも、引き続きこうした区市町村による主体的な取り組みを支援してまいります。

○中山委員 区市町村の取り組みの数はわかりましたけれども、人数とか件数とか、そういった点はわかっていらっしゃるんでしょうか。お伺いしたいと思います。

○坂本生活福祉部長 平成二十六年度の区市町村での後見人等養成講習の修了者数でございますが、二十六年度が二百一名、二十七年度でございますが二百二十名でございます。また、二十五年度までに東京都で養成いたしました人数は五百九十人となっておりまして、これまで、累計一千十一人の方が養成講習を修了しております。
 一方、平成二十七年度の後見開始の申し立て経費の助成でございますが、国の補助の利用が百二十七件、都の包括補助の利用が三百十六件、後見人報酬の助成の方では、国の補助の利用が百五十四件、都の包括補助の利用が百六十四件となっております。

○中山委員 今お示しいただいた数字は、私も区名、市名が入った形で頂戴をいたしました。ただ、やはりいえることは、取り組んでいる区市と全く実績のない区市があるということです。恐らく実績がない区市でも、需要がないかというと、そんなことは全然ないんだろうと思うんです。むしろ、あっておかしくないんじゃないかなと思うような次第でございます。
 なぜそういう実績が積み重ねられないのかということについては、それぞれの区市での状況の違いがあるかもしれませんけれども、よく意見を聞いていただいて調査をしていただきたいと思うんです、何が課題なのか。補助制度があるということだけではない別の課題があるのかもしれませんので、そこにおいて都の支援というのが必要になってくることも考えられますので、丁寧に対応していただきたいと思います。
 成年後見人に関連しまして、相続人のいない家庭では、死亡時に、家屋を含め国庫に納めることになるわけであります。いわば行政に贈与するという形になると。
 成年後見を利用している方が死亡した場合、葬儀、財産処分、納骨などの事務を後見人の方が適切に処理できる環境を整えることが重要と考えますが、見解をお伺いいたします。

○坂本生活福祉部長 本年四月でございますが、民法が改正されまして、第八百七十三条の二といたしまして、成年被後見人の死亡後の成年後見人の権限に関する規定が定められたところでございます。この改正によりまして、成年後見人が被後見人の死亡後の相続財産に属する債務の弁済、火葬または埋葬に関する契約の締結、相続財産の保存に必要な行為をすることができるようになりました。
 また、この改正にあわせてでございますが、成年後見制度の利用の促進を図るために成年後見制度利用促進法が制定されまして、その基本方針の中に、成年被後見人等の死亡後における事務について、その範囲を検討し、必要な見直しをすることとして定められております。現在、国において、同法に基づきます成年後見制度利用促進基本計画の策定に向けた議論が始まっております。
 都といたしましては、区市町村から制度の運用状況に関する情報を収集いたしますとともに、引き続き国の議論を注視し、適切に対応してまいります。

○中山委員 被後見人の方が亡くなられた後について、成年後見人の方が火葬等の契約の締結をすることが可能になったと、これは大事な法改正であったと思いますし、今検討をされている、同時に成立した成年後見制度利用促進法では、被後見人が死亡した後の事務について、その範囲を今検討していらっしゃるということですので、これも大事な視点だと思います。
 東京都は、もう七十五歳以上の人口が、中堅どころの県の人口と匹敵するぐらいの人口になっていっているわけですので、毎年メガデスといいますか、多くの方が亡くなっていく。
 当然、お墓の問題とかそういったこともありますけれども、家族がいない、核家族化の時代、私のところも子供がおりませんし、そうした状況の中で亡くなっていったときにどうしていくのかというようなことについては、全国的にも課題かもしれませんけれども、東京都こそそういったことについてこうあるべきだということを発信していかなきゃいけないんだろうと思います。国の動向を見るだけじゃなくて、都からもいろいろ具申をしていっていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。
 続きまして、障害者、特に聴覚障害者への対応についてお伺いしたいと思います。
 民間事業者が主催する行事等における手話通訳者の確保の問題でございます。国のモデル要綱と、現在、各区市が定めている要綱との間には差があります。これは前にも指摘しました。
 国は目的を問わない、政治目的であるとか商業目的であるとか宗教目的であるとか、それは一切問わない、手話通訳者は確保されるべきだというふうになっています。ただ、区市は、公費で助成する対象としては、やはり公の目的といいますか、そういうものに今限定しているというのがある。
 主催者が社会的責任を果たすというのが本来の姿だと思います。だけど、それが、そういう認識が本当に広まって、実際どこの企業に行っても、どんな集会に行っても主催者の側でそれを確保するということが当たり前の状態が整うまでの間は、じゃあ、誰がそれを補うのかということが問題点であります。
 私は、都が一旦立てかえる形で経費を支払って、都と主催者のしかるべき案分を決めて、都が主催者に支払いを請求する形というのが必要じゃないかというふうに思っておりますけれども、それぞれいろいろご意見があるかもしれません。
 ただ、この社会的責任で主催者側がそれを行うべきだということの目的、大きなうたい文句については誰も異論がないとしても、それを実現するためにどのように環境整備をしていくのか、その点についてお伺いをしたいと思います。

○高原障害者施策推進部長 本年四月、障害者差別解消法が施行されました。ここでは、事業者に対し、障害者に対する合理的な配慮の提供が努力義務と明記され、手話通訳者の確保などについては事業者が自主的に取り組むことが求められております。
 都は、その法の円滑な施行に向けまして、障害者差別解消法ハンドブックやパンフレットを作成、配布したほか、事業者等から依頼があった場合には出前研修を行い、聴覚障害者への配慮に関して、手話通訳や要約筆記の手配方法等について説明をするなどの周知を行っているところであります。
 さらに今後は、お話も踏まえ、手話通訳者の派遣手続等について、障害理解のための特設サイトでございますハートシティ東京の中での紹介等の活用や、差別解消法に関する相談窓口に対する情報提供など、そういったことで周知手法を工夫してまいりたいというふうに考えてございます。
 今後とも、手話通訳者を初め民間事業者が適切に合理的な配慮を提供できるよう、その環境整備には努めてまいります。

○中山委員 都が、当然一〇〇%補助するということはあり得ないんだと思いますけれども、一部であれ都が負担するということについては、それをしている限り、企業や団体側の社会的責任というものの意識が芽生えることは期待が薄くなってしまうという点もよくわかります。
 そういう面で、私は、例えば商工団体と連携していただいて基金を設置するなどして、その基金から運用を図るとか、そうした事柄の努力を私はすべきだろうと思います。
 バリアフリーという点で、今、エレベーターとかエスカレーターの設置とかは、公的な助成も含めてやっているわけですが、単価が高いという面があって、それが鉄道事業者の負担にもなっているという点がありますけれども、手話通訳に関してはそれほどの単価ではありませんので、商工団体等が、都も協力しなきゃいけないかもしれませんが、基金を設置して、そこで運用を図るという手も一つあるのかなというふうに提案させていただくものであります。
 それから、同じ手話通訳の方を夜間、休日、緊急時において派遣してもらいたいという要請、夜間とか休日とかそういうときに来た場合に、受け付けの体制ですけれども、当然行く範囲が区市の中にとどまっていれば区市ごとに対応するということになるわけですけれど、ただ、夜間に人を配置しておくということを区市ごとにやるとなると、それは人件費等を含めて大変な、費用対効果という点でどうなのかなと、効率性という点では問題があります。窓口は一本化しておいた方がいいと思います。
 東京手話通訳等派遣センターを活用した共同事業化などの工夫を都が提案して、区市の理解を得て進めていくことが大事だと私は思います。区市からも大変感謝されると思いますが、この点についてのお考えをお伺いします。

○高原障害者施策推進部長 障害者総合支援法では、地域の聴覚障害者を対象とした手話通訳者等の派遣は区市町村の役割とされ、お話の夜間等の手話通訳者派遣の受け付けにつきましても、一部の区では実施しているところはございます。
 区市町村による受け付けの共同実施のご提案でございますけれども、都といたしましても各自治体の意向を確認いたしまして、東京手話通訳等派遣センターの活用など、広域的な立場から協力はしてまいります。

○中山委員 ぜひ、東京手話通訳等派遣センターの活用など、そうしたものが進むように都も協力をよろしくお願いしたいというふうに思います。
 それから、今後、国のモデル要綱のような概念がきちっと社会的に認識されていって、手話通訳の方々の活躍の場がふえていくことは大変望ましいことなんですけれども、同時に、それを全てマンパワーだけで対応していこうとすると非常に限界がある。
 また、新しい世代の方々を含めて、手話通訳者の方とは本当に壁なしに、人間対人間で全てを理解していただいてみたいな形になりますので、プライバシーというような点でも気にされる方々もいらっしゃる。中には、込み入った話については地元から派遣される手話通訳じゃなくて、全然関係ないところから派遣される手話通訳者の方を使いたいというお声も伺ったりするわけであります。
 そういう面では、ICTを活用して音声の文字化を進めるとか、あるいは手話で発信されたものをきちっと読み取って、それを理解して情報として対応するとか、そういうような技術というものは、これからどうしても必要になってくるというふうに思うわけですけれども、ICTを活用した手話通訳の仕組みづくりにおいて、都は今後どう役割を果たしていくのかお伺いをいたします。

○高原障害者施策推進部長 都では、今年度から都庁所管部のほか、聴覚障害者の利用が予想をされます心身障害者福祉センター、大江戸線の都庁前駅、都庁内の東京観光情報センター、消費生活総合センター及び多摩総合医療センターの六カ所にタブレット端末を設置いたしまして、コールセンターに待機をしている手話通訳者がタブレット端末の画面越しに手話通訳を行う遠隔手話通訳サービスをモデル的に実施してございます。
 過去、東日本大震災では、手話通訳者の確保が困難となった被災自治体で遠隔手話通訳が活用された例があるとも聞いており、今後は、そういった先行例も踏まえながらモデル実施の効果等を検証し、遠隔手話サービスを初め、ICTを活用した仕組みづくりのあり方について検討を進めてまいります。

○中山委員 これで終わります。本当はご用意いただいた子供の学習支援とかユニバーサルデザインのものがあるんですけれども、ちょっと私の質問が稚拙で時間がかかっちゃいましたのでできませんでした。おわびを申し上げたいと思います。
 申しわけないんですけれども、ICTについては、ぜひ研究開発主体と、それから利用者、その二つのつながりをつくったプロポーザル方式みたいなもので提案をいただいてやるという形をご検討いただきたいと思います。
 というのは、先進技術は幾らでもあるんでしょうけれど、量販モデルにならないと安く使えないと。そのためには、やはり開発したいというところと実際の聴覚障害者の方々とのつながりを持って利用しやすいものにしたいと。そのコンビというものがとても大事だと思うんです。大学でも結構なんですけれども、そういうプロポーザルで、組み合わせで新しい提案をしてくださるようなところをしっかり応援していくというようなことがとても大事じゃないかと思いますので、よろしくお願いいたします。
 以上で終わります。

○畔上委員 私は大綱四点で伺いますが、まず最初に、重度心身障害者が地域で暮らしていく上で欠かせない通所、短期入所、グループホームなどについて伺いたいと思います。
 初めは通所施設なんですけれども、まず、重度心身障害者通所施設の果たしている役割、これについての認識をまず伺います。

○高原障害者施策推進部長 重症心身障害児者通所施設は、重症心身障害児者の日中活動の場であると同時に、医療的ケアや機能訓練などの必要な療育を提供する施設であり、重症心身障害児者が安定した在宅生活を継続するために欠かせないものと考えております。

○畔上委員 そうですね。その欠かせない通所施設も残念ながら不足するという中で、本来なら毎日通いたいけれども、週一回しか通所できない、こういった声も寄せられております。
 通所施設については、第四期の障害者福祉計画の三カ年計画で、重度心身障害児者百三十人分をふやすこととなっているわけですけれども、現状とその取り組みについて、どうなっているか伺います。

○高原障害者施策推進部長 都では、重症心身障害児者通所施設の設置促進を図るため、整備費の事業者負担を軽減する特別助成や定期借地権の一時金に対する補助などを行っており、計画期間の初年度であります平成二十七年度実績では、新たに三十八名分の定員を確保したところでございます。

○畔上委員 ということは、来年度末までに、あと九十二名分の定員をふやす目標ということですが、ぜひ家族や利用者ご本人、その要望も聞いて整備に努めていただきたいというふうに思うんです。
 例えば、あきる野市にあります上代継在宅地域支援センターもえぎ、ここでは、毎日通うようになって本当に笑顔が出るようになり、円形脱毛症も治ったと。医療を必要とする超重症児にとっては通所は社会とのつながり、さまざまな経験ができる唯一の手段であって、絶対に必要な施設だと本当に我が子のこういった成長からも実感していますと、こういった声を伺いましたけれども、本当に漏れなく各地域につくる必要があると実感したわけです。
 そのもえぎでは、二十九人、今、通所されているんですが、そのうち九人が青梅から通っていらっしゃると。そういう点では遠距離通所の困難さ、これも訴えられておられました。
 利用者、そして家族の要望に寄り添って、やっぱり地域的な課題も考慮して施設整備を行っていただきたいというふうに思いますし、こういった未設置の地域に積極的に設置が各自治体ができるように、都としても都有地の積極的な活用など努めていただきたいと思います。
 支援の継続と抜本的な強化で通所施設の設置目標、あと九十二という、来年度末までにこれを達成していただいて、そして、さらに実態に見合った施設整備に今後も努めていただくことを求めたいと思います。
 ショートステイも、地域生活を行う上でも欠かせない施設になっておりますが、このショートステイで--あるお母さんが突然病で倒れました。その際に、短期入所の空きがそのときなくて、緊急で利用されていた別の方が、じゃあ、私が何とかするということで我慢されて、状態の悪い方を優先してくださいということで譲ってくださって、何とか入所利用につながったと、こういうお話も伺っております。
 ご家族は本当にぎりぎりまで自分たちの力で何とか頑張ろうとされているわけなんですが、病気になる前に、重くなる前に本当に利用ができる、そして冠婚葬祭にも利用ができるような短期入所の拡充をすべきだと思うんです。
 ショートステイについて、今の東京都の取り組みと実績について伺います。

○高原障害者施策推進部長 都では、介護者の病気や家族のご都合等により一時的に家庭での療育が困難になった場合にも利用できるよう、医療機関等に委託をいたしまして、必要な病床を確保しているところでございます。
 平成二十八年、直近の十一月一日現在で、四カ所の都立療育センターにおきまして六十八床分、民間施設等十カ所におきまして五十三床分、合計百二十一床分を確保しているところでございます。

○畔上委員 ということは、今年度十七ベッドふやしたと、そのご努力はわかりました。しかしながら、実態としてはまだまだ不足をしているといわざるを得ません。
 医療型のショートステイについて申し上げれば、地域医療構想の中でもこうした議論がなされているのかなと思ったんですが、残念ながらそうした議論はなされておりません。ぜひ、これは福祉保健局全体で、医療型も含めてショートステイ、短期入所を早急に増設していただきたい、このことを要望しておきたいと思います。
 障害者のグループホームも待ったなしの課題となっております。親亡き後の保障をと、以前から親御さんたちから切実に求められている入所施設なわけですが、東京都の方針として、先ほどもご説明ありましたけれども、施設から地域へということで、在宅生活を支援する、そういう方針になっていますが、実態は本当に厳しい状況です。
 今は、家族会の方たちとお話をしますと、もう既に親御さんが亡くなっていて、年をもうかなり重ねられたご兄弟の方が家族会に出ていらっしゃるというのが、この間ふえているなということを私自身も実感しています。お子さんの将来を心配しながら亡くなられた親御さんのことを思うと、本当に胸が痛むばかりです。
 先日も、妹のことが心配で死ねないと、そういった切実な声も伺いました。介護できる、そういった家族がいなくなれば在宅生活は続けられず、近くの施設やグループホームに住むこともなかなか厳しいということが実態です。
 重度心身障害者の場合は、グループホームをつくろうとご家族の方たちも自分たちが何とか元気なうちにということで努力されているんですけれども、医療的ケアの問題とか、それから車椅子の通れる廊下など施設設備も非常に条件が厳しくて、普通のグループホームよりもアパートの改修、こういったことではなかなか困難な場合も多くて、ご苦労しているんだという話を聞いております。
 この重度心身障害者の方々の住まいについて、都はどう考えていらっしゃるのか伺いたいと思います。

○高原障害者施策推進部長 重症心身障害児者の方につきましては、医療的ニーズも高く、切実なニーズがあることは都としても承知をしております。重症心身障害児者が必要とするサービスを利用しながら地域で安心して暮らせるよう、地域における専門的支援の提供体制の整備に努めているところであります。
 具体的には、障害者・障害児地域生活支援三か年プランによりまして、日中活動の場である重症心身障害児者通所施設や短期入所などの地域のサービス基盤の充実を図るとともに、家族の休養と本人の健康の保持などを目的に、看護師が自宅を訪問してケアを行う在宅レスパイト事業を実施する区市町村を包括補助で支援しております。
 引き続き、重症心身障害児者が地域で安心して暮らせるよう支援をしてまいります。

○畔上委員 そうした支援は大変重要なんですが、地域で暮らしたいと思っても、やっぱり家庭では抱え切れない、本当にせっぱ詰まった状況が今たくさんあるんですね。グループホームで暮らせることができるように夜間の介助者配置のための重度加算など、この間されているんですけれども、その増額などをやっぱりしっかり行っていただきたいというふうに思います。
 障害者グループホームでは、昨年度からスタートした国有地、また民有地の借地料補助がございますけれども、その実績というのはあるんでしょうか。

○高原障害者施策推進部長 都では、障害者グループホームの設置促進を図るため、事業者が国有地等を借り受けて新たに整備をする場合に要する経費の一部を補助してございます。
 平成二十六年度の制度開始後、平成二十七年度末までの障害者グループホームを運営する事業者への借地料補助の実績は、現在五件となってございます。

○畔上委員 ぜひ、そうした障害者グループホームなどの施設整備に対するこうした支援を周知していただきたいと思いますし、やはり重度の心身障害者も入所できるようなソフト、ハードの両面での支援の拡充、これをぜひ求めておきたいと思います。
 あわせて、やはりグループホームでは医療的ケアに限界があって、重度の心身障害を持っていても入れる、こういった医療型の入所施設も必要だと思います。先ほどもそういった議論がありましたけれども、今、入所施設の待機者は五百七十七人いらっしゃると。地域移行の地域支援型の入所施設の整備、これを一応目標と掲げていますけれども、なかなか進んでいないというふうに伺っています。
 施設から地域へという方針は、地域で暮らしたい、暮らし続けたい、こういう願いから理解はできるんですけれども、医療的ケアの実態からいいますと、私は、施設も地域もというふうにならなければ、やっぱり圧倒的に足りないのが実情だというふうに思います。
 先ほども、都は減らさずに頑張っているというお話もありましたが、来年度からの五期の計画がこれから進められていくわけですけれども、この第五期の計画の策定に入るということですから、やっぱり東京都としてもさらに頑張っていただいて、医療型の入所施設の整備、これも抑えるというのではなくて、やっぱり具体的に整備を進めていく、私はそういう決意が必要だというふうに思います。そのことを強く求めておきたいと思います。
 重度心身障害者の皆さんの中には、人工呼吸器の装着、それから酸素吸入、気管切開、経管栄養、吸入、吸引など医療的なケアを本当に必要とする、こういう人たちが非常に多くなっている。ある施設では、そうした医療的ケアが必要な方が九五%になっているというふうに伺っています。
 職員の増員とともに、日常的に看護ケアができる看護師の拡充は欠かせないと思います。看護師のプロフェッショナルナース育成研修など、人材養成のさらなる拡充も必要だと思います。求めますがいかがでしょうか。

○高原障害者施策推進部長 都では平成二十一年度から、重症心身障害児者施設等の看護人材の育成を図るため、看護師確保対策事業として、重症心身障害看護の実務経験が三年以上の看護師を対象とする重症心身障害プロフェッショナルナース育成研修や、認定看護師の資格取得のための派遣研修を実施しております。
 さらに、平成二十六年度からは、重症心身障害看護の実務経験が三年未満の看護師を対象に、基礎的な知識、技術を学ぶ基礎講座も開始をいたしました。
 引き続き、重症心身障害看護に携わる職員の人材育成に取り組んでまいります。

○畔上委員 ぜひ拡充していただきたいと思うんですが、この重症心身障害プロフェッショナルナース育成研修、これは二十一年から二十六年の五年間で修了者は百十三人、原則月一回の二年間の研修ということですが、人手が足りない中で研修参加の人数が限られているのが実態かと思います。看護師確保のための補助も拡充して、人材育成の拡充が図れるよう求めておきたいと思います。
 次に、社会的養護の必要な子供たちの支援についてです。
 私たちも議員をやっていますとさまざまな相談を受けるわけですが、親の病気、貧困、未成人の出産など、養育に困難を抱える家庭が本当に多いなということを実感しています。しかし、どのような環境の中で生まれたとしても、全ての子供たちの人権をあらゆる手だてを講じて守り抜かなきゃならないわけです。
 子供たちがどのような理由で社会的養護を必要とするのか、その傾向はどうなのかということでは、先ほど来、こもごもお話が出ておりました。本当に虐待がふえているんだということであります。伺ったところ、養育家庭の委託理由や児童養護施設への措置理由、この六割近くにも虐待がなっているわけですね。
 そして、社会的養護の必要な主な理由の中に保護者の病気というのもあるんですが、これも一五%から二〇%あるということです。
 そうした困難を抱えながら、子供一人一人がどう地域の中で暮らしていけるのか、どう支えていけばいいのか、子供の最善の利益のためにさまざまな取り組みがされているわけですけれども、先ほどご説明がありましたが、すぐに保護する必要がある場合や、保護することによって生活指導が必要な場合などは、一時保護が行われているわけです。
 一時保護所の定員を昨年度十五名ふやす、こういうご努力はされていますが、実態はどのような状況なんでしょうか。過去三年間の一時保護と一時保護委託状況について伺います。

○松山少子社会対策部長 過去三年間の一時保護所の新規入所件数は、平成二十五年度が千六百九十九件、二十六年度が千九百十五件、二十七年度が千九百九十七件となっております。
 また、一時保護委託の件数は、二十五年度が五百二十一件、二十六年度が六百二十件、二十七年度が七百二十五件となっております。

○畔上委員 一時保護も、それから一時保護委託も、かなりふえているということですね。
 先ほど、初めのころに局長からも大変困難なケースもあるというお話を伺って、大変胸に迫ったわけですけれども、ことしの七月に都の児童福祉審議会児童虐待死亡事例等検証部会が、二〇一三年三月に三歳の男の子が両親の虐待を受け死亡したケースの検証結果と再発防止策を提言していますが、この子を一時保護所に入所させる予定が、一時保護所入所状況の中で、つまりいっぱいで入れなかったために在宅支援サービス対応になったとされていて、児童福祉司等の増員や一時保護所の定員増など、児童相談所等の体制を一層強化と、改善策を提言しています。一時保護所が十分あれば命を落とさずに済んだかもしれない、そう思いますと、本当に悔やんでも悔やみ切れません。
 現在の児相の一時保護定員は二百十三名ですが、さらに定員をふやす努力とともに、やはり増加している委託数に見合った施設などへの支援の強化を求めたいと思います。グループホームをふやし、ふえた定員を活用して一時保護枠を設定して委託の受け入れを拡充、拡大するために、施設整備に対する都の支援の拡充も重要だということを指摘させていただきたいと思います。
 先ほど来、皆さんからもお話がありましたが、児童福祉司、この増員は欠かせないと思います。厚労省もこの十月に児童福祉司の配置標準の見直しを打ち出しました。現行の人口おおむね四万から七万人に一人、これを四万人に一人プラス虐待相談対応件数に応じて上乗せをするというふうにしております。
 現在の児童福祉司の人数と、新たな配置標準の配置人数、これを伺います。

○松山少子社会対策部長 今年度の児童福祉司の定数は二百二十七人でございます。
 児童福祉司の配置基準は、これまで政令において人口おおむね四万人から七万人までに対して一人が標準とされておりましたが、二十八年六月に公布された改正児童福祉法を踏まえ、政令が改正され、経過措置期間を経た平成三十一年四月以降は各児童相談所の管轄人口四万人に対して一人が標準とされました。
 新たな配置基準に基づき、平成二十七年の国勢調査の人口を用いて算出いたしますと、必要となる児童福祉司数は三百四十二人となります。

○畔上委員 ということは、百人以上、かなりふやさなければならないということですね。今、ご説明では三カ年の経過措置があるということなので、それでも毎年四十人近くはふやす必要があるということですから、来年度、児童福祉司の大幅な増員を求めたいと思います。また、それに見合って児童心理司もふやすことを求めたいと思います。
 事情があって、祖父母、それからおじさん、おばさんが育てている、そういったケースが見受けられるわけですが、親族里親として認定されていないことが多いんです。親族里親として認定されている方は、今、都内で何人いらっしゃるんでしょうか。

○松山少子社会対策部長 平成二十七年度末現在の親族里親の登録数は三家庭であり、各家庭に一人ずつ、合計三人の児童が委託されております。
 なお、親族里親は直系親族というふうに規定されておりまして、おじ、おばにつきましては一般の養育家庭、通常養育家庭(親族)という形になるんですけれども、そのように取り扱っております。

○畔上委員 そうすると、祖父母がということになりますね。
 そうしますと、三人以外の方は申請もしていないということになります。申請すれば親族里親として認定され、子供の生活費、それから教育費、医療費が出る、そのことを知らない方々が大勢いらっしゃるんじゃないかというふうに思います。里親制度で生活が改善される子供はたくさんいるはずです。ですから、もっと親族里親のこと、周知をすべきだと思います。
 また、里親に遠慮して誰にも相談できなかったり、里親との関係に悩んでいても、里子自身が抱え込んでしまうなどということもあると思います。里子の相談窓口、これを設置する必要があると思いますが、いかがですか。

○松山少子社会対策部長 済みません。先ほどの親族里親の認定要件のところで私の説明が漏れておりまして、親族里親は直系親族でございまして、なおかつ、親族に養育を委ねた場合に、その親族が経済的に生活が困窮するなど、結果として児童福祉施設への入所措置を余儀なくされる場合に適用するという規定になっております。ですので、通常の直系親族であれば扶養義務がございますので、扶養義務がなかなか果たせないような場合に親族里親として認定されるということでございます。
 ご質問の里子の相談窓口でございますが、養育家庭に委託されている児童からの相談は児童相談所が受けております。児童相談所では、児童福祉司や児童心理司が児童との面接を通じて相談を受け、その内容を踏まえ必要な対応を行っております。

○畔上委員 継続的な困窮があるというのが前提ですけれども、それはそういった方々も、知らないために利用してない方もいらっしゃる可能性があるということで、私は周知をしていただきたいというふうに申し上げたわけです。
 今、児童福祉司や児童心理司が相談に応じているということでしたけれども、先ほども児童福祉司が圧倒的に足りないという議論が皆さんからもいろいろあったわけです。児童福祉司の方はやっぱり子供に寄り添った支援をしたいと、そう思っても、寄り添うだけの体制にまだなっていないというのが現状じゃないでしょうか。里子がいつでも相談ができるような窓口の設置を求めたいと思います。
 里親にも支援が大事だと思いますが、どういう支援があるんでしょうか。乳児院及び児童養護施設の里親支援体制の現状について伺います。

○松山少子社会対策部長 都は里親支援の充実を図るため、平成二十四年度から、施設入所児童の養育家庭委託等の推進、施設を退所し養育家庭等委託となった児童のアフターケア等を実施する里親支援専門相談員の配置を支援しております。
 現在、里親支援専門相談員は、乳児院十施設、児童養護施設二十二施設に配置されております。

○畔上委員 先日、私も児童福祉審議会の専門部会も傍聴させていただきました。その中でも議論されていましたけれども、里親が社会的養護のチームの一員としてさまざまな支援機関と連携するために、チーム養育体制の整備を強化する、そのことを提言に盛り込むことも、その審議会の中では確認をされていました。
 これから養育家庭への支援の充実の中身が具体化されていくものと思いますけれども、養育家庭等の支援はあくまでも子供が安心して生活ができるような支援、これをどう行っていくのかと、子供の最善の利益をどう守るのかという視点がやはり大事なんだというふうに考えます。
 今後、十一月二十八日にこの児童福祉審議会が開かれる予定と伺っていますが、答申が出たら議会にも報告していただくようお願いして、次の質問に移りたいと思います。
 次は、保育の規制緩和です。
 第三回定例議会には、補正予算案とともに待機児童解消に向けた緊急対策が出されました。補正予算には私ども賛成をいたしましたが、緊急対策の中には本当に待機児解消になるのかと疑問に思う内容もありました。
 その一つが、小規模保育の対象を三歳児以上に広げるということです。
 そもそも小規模保育というのは、待機児の多いゼロ歳から二歳児の受け皿として、小規模ということで設置しやすい場所につくる、このことを目的としているわけです。定員は原則十九人が上限になっております。三歳児が入るとなれば、当然、ゼロ、一、二歳の定数は減ることになって、差し引き待機児は減らないし、六年いられるようにするのであれば定員は約四十人となって、初めから認可保育園をつくればいいんじゃないかなというふうに思います。現行の定数に上乗せして六年いられるようにするというふうになれば、そういうことじゃないかと思います。
 また、東京大学の大学院発達保育実践政策学センターというところの調査があったんですが、その調査では、室内外の動的、静的環境の確保を含めた保育環境全般について、小規模保育、認可外保育施設はほかの施設形態に比べ課題があるとされており、体を動かす環境やくつろぐ空間について、こうした差が二十三区で顕著だったとなっています。活発に動くようになる三歳児以上に対して、実態として小規模保育で十分な環境を保障できるのかなと思います。
 東京都は、小規模保育の三歳児以上の規制改革というのは一体どういう内容を考えていらっしゃるんでしょうか。

○横手子供・子育て施策推進担当部長 児童福祉法では、小規模保育事業は原則としてゼロ歳から二歳の児童を保育することを目的とする施設において保育を行う事業とされております。三歳以降も小規模保育事業を利用できるようにすることで保護者の選択肢が広がることから、設備や人員基準を満たすことを前提に、対象年齢を就学前児童全体に拡大するよう国に提案しているものでございます。

○畔上委員 基準を満たすことを前提にということなんですが、一人当たりの面積は同じでも、定員が少なければ合計の必要面積、部屋の広さは小さくなるわけです。今、保育園の申請の用紙が配られる自治体がふえてきていますが、そういう時期になってきましたけれども、区役所に行くと、派遣で半日勤務ならもう認可保育園は厳しいですねと窓口でいわれて絶望的になっている、こういった保活中のママからも、何とか認可保育園をふやしてほしいと切実な声が私のところにも寄せられております。繰り返しになりますが、やはり認可保育園を中心にした対策を望みます。
 また、知事は保育室の光の基準緩和も要望されていますが、これは地下への保育園設置の緩和につながるものです。しかし、体やリズムをつくっていく成長期に日中に日の当たらない場所で子供たちが過ごすことへの影響や、防災上の不安など、規制緩和は子供の最善の利益を守るという観点が欠如しているといわざるを得ません。
 児童福祉施設の基準でも、採光、それから換気その他の、入所者の保健衛生に十分考慮した構造設備を設けなければならないとして、こうした基準はあくまでも最低基準であり、それを超えるようにしなければならない、そういった旨を書いています。
 子供の権利を守る保育を進めるために、規制緩和は行わず、保育の質を守りながら待機児童対策を進めるべきであると考えますが、都の見解を伺います。

○横手子供・子育て施策推進担当部長 保育サービスは、質を確保しながら量の拡大を図っていく必要があると考えております。
 今般、国に提案した保育所の規制改革は、国とも連携し、待機児童の解消に取り組んでいくために行ったものでございまして、保育の現場を担っている区市町村や保育事業者の意見等を踏まえたものでございます。
 都が提案した規制改革の目的は、多様な保育ニーズに柔軟に対応できるよう、地方自治体の裁量権を拡大し、待機児童解消に向けて保育サービスの拡充を一層進めることでございます。

○畔上委員 区長会から地下階での保育所整備の規制緩和の要望が出ているのは承知していますが、なし崩し的に職員の基準も施設基準も緩和することは、結局、保育の質の低下につながっていくということを指摘しておきたいと思います。
 待機児童対策は喫緊の課題であって、抜本対策とともに緊急にどう拡充していくのか、このことが今問われているわけです。
 あちこちの認証保育所を見学した保活中のあるママは、こう指摘していました。保育室は広いのに、保育士不足のために定員まで子供を受け入れられない、そういった実態もありました。保育士の賃金の大幅引き上げが緊急対策として必要だと思いますとおっしゃっていました。
 先ほど来、各委員からも人件費の引き上げということがいわれておりましたけれども、私もこの人件費の抜本的な引き上げが緊急対策としても必要だというふうに思います。
 北区では、緊急対策として区立の保育園の定員を千九十人分拡充を打ち出しました。そして、正規保育士を八十人募集しました。そうしたところ、五百三十八人もの応募があったと伺っています。処遇改善こそ待機児童解消の決め手だということを見事に示したものだと私は思いました。
 都が本当に打ち出さなければならない緊急対策というのは、やはり処遇改善と施設整備、確保の抜本的な拡充だということを改めて強調しておきたいと思います。
 最後の課題は、介護についてです。
 この間のたび重なる制度改悪や介護報酬の引き下げによって、深刻な事態が広がっております。
 一つは、これまで介護保険の対象となっていた要支援の訪問介護と通所介護が総合事業に変わったことです。
 私の地元の江東区においても、四月から総合事業がスタートいたしました。結局、自治体や地域によって受けられる介護保障が異なる、そういうふうになってしまったわけです。
 要支援を介護保険制度から外し、さらに昨年の八月からは、補足給付の縮減、利用料の二割負担の導入が行われてしまいました。利用料の二割負担の導入や補足給付の縮減などの影響について伺います。

○西村高齢社会対策部長 平成二十七年八月に施行された利用者負担の見直しは、保険料の上昇を可能な限り抑えつつ、制度の持続可能性を高めるため、これまで一律一割に据え置いていた利用者負担について、相対的に負担能力のある一定以上の所得の方の自己負担割合を二割とするものでございます。
 平成二十八年五月末時点で都内要介護、要支援認定者数は五十六万二千七百九十六人でございまして、このうち利用者負担が二割の方は八万九千百七十五人、一五・八%となっております。
 また、補足給付は、施設入所等に係る費用のうち、原則自己負担となっている食費及び居住費について、住民税非課税世帯の方はその申請に基づき補足給付を支給し、負担を軽減するものでございます。
 平成二十七年八月に施行された補足給付の見直しは、在宅で暮らす方や保険料を負担する方との公平性をさらに高めるため、一定額以上の預貯金等の資産を有する方々にはご自身で負担していただくこととしたものでございます。
 補足給付の見直し前である平成二十七年七月分の都内区市町村の給付実績における地域密着型を含む特別養護老人ホーム入所者数は四万四千四百七十八人となっておりまして、そのうち補足給付受給者数は三万四千六百三十二人でございまして、入所者に占める補足給付受給者の割合は七七・九%となっておりました。
 平成二十八年七月分の同入所者数は四万五千七百三人となっておりまして、そのうち補足給付受給者数は二万九千二百五十四人でございまして、入所者に占める補足給付受給者数の割合は六四・〇%となっております。

○畔上委員 このことによって、かなりの方々の暮らしを直撃しております。
 認知症の人と家族の会が、この影響についてアンケート調査をされています。ある若年性のアルツハイマーで要介護五の夫が特養に入所中という六十代の女性の方でしたけれども、その方は月八万二千円の負担増で二倍になり、ショックで介護者も体調を崩してしまったと。全個室の施設から多床室の施設に移ったけれども、それでも毎月十三万円もかかると。夫の年金だけでは払えずに、不足分は自分の給与から補填していますが、このままだと家族の生活も破綻する、こういったケースなど重大な影響が起こっていることが示されております。
 都としても、この間の介護報酬の改定、介護利用料の二割負担、補足給付の対象からの除外、特養入所の要介護三以上の方への限定など、どのような影響があったのか、今後、介護保険制度のあり方の根幹にかかわるものですから、聞き取り調査など実施していただきたいし、その検証から東京都としての必要な対策も私は見えてくると思います。影響実態調査を求めたいと思います。
 これだけ重大な改悪が続き、多くの国民から不安や困難の声が上がっているにもかかわらず、国の社会保障審議会では、さらに要介護一、二の人が受けている訪問介護の生活援助サービスと、それから福祉用具を保険給付から外し、原則自己負担にすることや、自治体の裁量と予算で行う地域支援事業に通所介護とともに移すことを議題といたしました。
 ある車椅子使用の方は、月五千円の自己負担が月五万円になったら、とても返上せざるを得ず、外出ができなくなってしまうといいます。
 都議会では、さきの定例議会において全会派一致で、この福祉用具貸与等の給付の見直しにおいては、高齢者の自立を支援し、介護の重度化を防ぐという介護保険の理念に沿って、介護が必要な方の生活を支える観点から検討するよう求める、こういった旨の意見書を上げたところであります。
 この福祉用具を介護保険給付から外すこと、これについては都としてはどういう見解を持っていらっしゃるでしょうか。見解を伺います。

○西村高齢社会対策部長 福祉用具は、利用者の居宅における自立した日常生活において生活機能の維持改善を図り、状態悪化の防止に資するとともに、介護者の負担軽減を図る役割を担っております。
 都は国に対し、介護保険制度の改正に当たっては、保険者の意見を聞くとともに、被保険者、保険者及び介護保険事業者に過度の負担が生じないよう十分に配慮するよう提案要求をいたしております。

○畔上委員 都として国に対する要望として上げたことは大事だと思います。引き続き、都民に大きな犠牲や負担を強いる、こういう見直しについては都としてもしっかり物をいっていただきたいと思います。
 福祉用具とともに保険給付から外されようとしているのが生活援助です。介護一、二の方の生活援助が介護保険から外されますと、専門職による利用者の状態変化に合わせたケアはできなくなって、重度化も進行して、自立支援に逆行です。
 介護一、二の人たちが受けている介護というのは、介護が必要になった初段階での大変重要な支援だと思います。ヘルパーが行う買い物、調理、洗濯などの生活援助は、一見、誰でもできるかのように見られがちですけれども、ヘルパーは、生活援助の中で要介護者の様子を観察し、自立を促進する動機づけや、相談に乗ったり、ケアマネジャーや医療機関につなげています。まさに、技術と知識に基づく介護観察をすることによって得た情報を医療やケアに結びつける大事な役割を担っているわけです。
 ヘルパーは単なる家事の代行ではないわけです。そうした専門性を軽視することは、結果的には自立を困難にし、そして介護度を高めてしまうんじゃないでしょうか。
 生活援助サービスを担うヘルパーの専門性について、都の認識を伺います。

○西村高齢社会対策部長 訪問介護サービスの生活援助は、訪問介護員等が利用者の居宅を訪問し、調理、洗濯、掃除等の家事を提供するものでございます。
 訪問介護サービスの提供を行う訪問介護員等は、国家資格である介護福祉士や、介護の業務を遂行する上で必要な知識、技術を付与する介護職員初任者研修の修了者等であることが要件となっております。
 現在、国の社会保障審議会介護保険部会では、訪問介護サービスの生活援助に対する給付につきまして、自立支援や重度化防止といった介護保険の理念に加えまして、人材確保に制約がある中での介護人材の専門性に応じた有効活用や、制度の持続可能性などの観点から、さまざまな議論が行われているところでございます。

○畔上委員 国の社会保障審議会の議論は承知しているんですが、都の認識を伺ったんですけれども、お答えがありませんでした。
 ちょっと時間の関係で質問はしませんけれども、日本ヘルパー協会、ここは以前から、いわゆる軽度の利用者にも予防的に介護保険の利用が必要だと、介護実践に裏づけられた意見を表明していました。初期からの専門性の高い生活支援が大切であり、そのことが将来の介護給付費削減につながるんだというふうに日本ヘルパー協会も表明されています。こうした生活援助の介護保険給付外しは言語道断だと私は申し上げているわけです。
 そもそも介護保険制度は家族介護から社会介護へとしたものであって、介護保険の要介護、そして要支援認定を受けた方の約六五%の人たちを介護保険制度から外すということになるわけで、重大な約束違反といわざるを得ません。認知症の人と家族の会の方は、専門家による介護と福祉用具が重度化を防ぐとともに、本人だけでなく家族の心身両面の負担軽減になっているのに、外されたら家族も本人も生きる支えを失うと声を上げていらっしゃいます。
 東京都内の介護保険事業や地域密着型サービスの事業者、それから認知症の当事者や家族の会、そして職能団体など十九の団体が、九月七日に内閣総理大臣などに対して、介護一、二の給付削減と利用者負担の拡大、居宅介護支援費への利用者負担導入は行わないことという、この二点の要望を提出しています。審議会の中でも、要支援の介護保険外しの検証もしていないのに問題だなどといった指摘もあって、社会保障審議会では生活援助の保険給付外しは見送りとなったわけです。
 福祉は人です。一人一人の人権を守る介護保険制度へ改善することこそ、今、求められていると思います。その姿勢にぜひ東京都が立つように強く要望して、私の質問を終わります。

○和泉(武)委員 もう時間も時間なので、簡潔に、最後なので話をさせていただきます。僕は、外国人旅行者への医療提供体制について四問と、あと地域医療構想について二問、お願いしたいと思います。よろしくお願いします。
 まず、外国人旅行者への医療提供体制についてですけれども、私、先日の第三回の定例会のときに、訪日外国人観光客の医療サポート体制について伺わせていただきました。
 とにかく外国人というのは非常に急増しておりまして、オリンピック・パラリンピック東京大会の開催を控え、在住外国人もしくは外国人旅行者が滞在中に病気やけがなど医療機関を受診する機会がふえることが予想されます。
 そして、昨年度、東京都は、病院や外国人旅行者等に対して医療情報等に関するアンケート調査を行っております。それについて、まず昨年度行った調査の内容について、どんなことをやったのか、確認のためにちょっと伺いたいんです。

○成田医療改革推進担当部長 都は、外国人患者が安心して医療機関を利用できるよう、外国人に対する医療提供体制や医療情報の充実に向けた検討を行うため、都内病院、宿泊施設及び外国人旅行者を対象とした調査を実施いたしました。
 病院に対しましては外国人患者の受け入れ状況や課題等について、宿泊施設に対しましては宿泊客への対応状況等について把握する観点からアンケート調査を実施し、それぞれ三百十五病院、二百七十四施設から回答がございました。
 外国人旅行者に対しましては、医療情報に関するニーズ等を把握するため、東京タワーを訪れた百十九名の方に対面調査を行ってまいりました。

○和泉(武)委員 実際、このような外国人を受け入れている医療機関とか、あるいは宿泊施設とか、もしくは外国人旅行者から、アンケートなどを通じて直接声を聞くというのは大変重要なことだと思います。
 実際にこの調査を行った結果について教えてください。

○成田医療改革推進担当部長 調査結果によりますと、四分の三の病院につきまして外国人患者の受け入れ実績がございまして、今後必要な対策として、医療通訳の確保や未収金への対応、問診票や院内表示の多言語化などを挙げております。
 宿泊施設につきましては、半数近くの施設が外国人宿泊客から病気やけがの申し出、医療機関や薬局の情報照会などの問い合わせを受けており、対策が必要と考えております。
 また、外国人旅行者につきましては、医療機関を受診する際には対応言語や支払い方法、診療時間等の情報が必要と回答しております。
 このほか、ひまわり救急通訳サービスの利用状況や関係機関との連携の必要性など、今後の取り組みの参考となる調査結果が得られております。

○和泉(武)委員 このような調査結果というのは生のデータとしては大変重要なものなので、ぜひこのデータをしっかりと分析して生かしていただきたいと、そのように思います。
 先ほどの答弁の方で、この調査結果等を確認しますと、医療機関というのは、大体その状況というのはある程度、問題点というのは認識はしているんです。だけど、実際にどのようにして解決していくかということが、医療機関側としてはなかなか最初の一歩を踏み出しにくいという現状があります。
 このような医療機関というところをしっかりと支援して、そして外国人患者の対応というものをできる医療機関をふやすというのは重要だと思うんです。都は医療機関に向けた外国人対応の研修というものを実施することとしているというふうに伺っておりますけれども、この研修の内容とか、あるいは今後の実施の予定について伺いたいと思います。

○成田医療改革推進担当部長 都は今年度、医療機関の外国人患者対応を支援するため、病院や診療所に従事する職員を対象とした研修を実施してまいります。
 研修内容といたしましては、医療制度、宗教や文化、慣習の違いから発生する問題とその対処方法や、日本の医療機関の概要や医療制度の伝え方、医療費の支払い方法などを盛り込んでおります。
 この研修は十二月と二月の二回開催する予定でございます。

○和泉(武)委員 このような外国人患者への取り組みを始めた医療機関が円滑に対応できるように、医療機関のボトムアップというのは重要だというふうに思いますけれども、それと同時に、既に外国人患者への対応を行っている医療機関に対して、さらに取り組みが進むように後押しすることも重要だと思います。
 そこで、外国人患者受け入れ体制の充実を目指す医療機関を支援するためのどのような取り組みを行っているかということについても伺います。

○成田医療改革推進担当部長 都は今年度、外国人患者の円滑な受け入れを推進するため、外国人患者受け入れ医療機関認証制度、JMIPの認証取得に取り組む医療機関に対する独自の補助を開始いたしました。
 この認証制度は、医療機関における診療案内や診察の多言語対応、患者の宗教、習慣の違いを考慮した対応、院内スタッフへの教育、研修体制などを評価するものであり、医療機関の外国人患者対応力の向上を図るものでございます。
 現在、都内の四医療機関が、この支援制度を活用してJMIP認証取得に向けた取り組みを進めております。

○和泉(武)委員 外国人の方々が来られたときに、どのような思いで来られて、そして病気についてどのような思いを持ちながら過ごされるかということを、ぜひ皆様方も認識していただければと思います。
 例えば、ぐあいが悪くなったときに、病気は何だろうとか、もしかして死んじゃうんじゃないかとか、そういった不安感が必ず、例えば胸が痛いとなったときに、自分は本当に大丈夫なんだろうかという不安というのは誰でも思うわけですけれども、それが日本に来たときになりますと、言葉は違う、そして習慣も違う。運ばれた病院がきれいな病院だったらいいですけど、そこそこの病院だと本当に大丈夫なんだろうかと、いわゆる医療の質の問題だって心配になる。そのような中で、外国人の方々というのは不安なまま治療を受けなきゃいけない。我々が想像を絶する以上の不安というものがあるということを理解していただきたいと思いますので、そういう意味では丁寧な対応をお願いしたいというふうに思います。
 次が地域医療構想についてですけれども、東京都は七月に地域医療構想を策定しましたけれども、この地域医療構想の中ではさまざまな提言もありますが、病床数の推計に関しては以前から大分注目をされておりまして、それに関して注目というものが集まりがちなんですけれども、重要なのはその後に記載されているような、東京の大都市特性を十分に踏まえた東京における理想的な将来の医療の姿を描くべきということで、二〇二五年の医療グランドデザインというのが掲げられております。
 このグランドデザインの実現に向けて四つの基本目標というものも設定されておりますけれども、確認のために改めて基本目標の内容について伺います。

○西山医療政策部長 お話のように、東京都地域医療構想は、東京の保健医療の現状や地域特性を踏まえ、将来にわたって東京の医療提供体制を維持発展させていくために、グランドデザインを掲げ、その実現に向けて四つの基本目標を設定いたしました。
 四つの基本目標は、第一に高度医療、先進的な医療提供体制の将来にわたる進展、第二に東京の特性を生かした切れ目のない医療連携システムの構築、第三に地域包括ケアシステムにおける治し、支える医療の充実、第四に安心して暮らせる東京を築く人材の確保、育成を掲げました。
 また、それぞれの基本目標に対しまして、課題別に取り組みの方向性もあわせて記載してございます。

○和泉(武)委員 今、四つの目標をおっしゃっていただきました。簡単に一言でいいあらわしてありますけれども、この中には、本当に一つ一つが奥が深い内容であります。
 一つ一ついろいろお伺いしたいところですけれども、今回は、三番目に挙げられた地域包括ケアシステムにおける治し、支える医療の充実ということについてちょっとお伺いしたいと思います。
 これに関しては、今後、やはり目標をどのように達成していくかということが重要なポイントになってきます。先ほどの話にもあった取り組みの方向性というものは都として重点的に取り組む事項を示すものだと思うんですけれども、この治し、そして支える医療の充実に向けた取り組みの方向性について教えてください。

○西山医療政策部長 誰もが住みなれた地域で生活し続けるためには、地域全体で治し、支える地域完結型医療を確立していくことが必要でございます。
 そのため地域医療構想では、二〇二五年に向けた取り組みの方向性として、都民一人一人ができるだけ生涯にわたり健やかな人生を送ることができるよう予防、健康づくり、日常的な健康管理等を行うかかりつけ医、かかりつけ歯科医、かかりつけ薬剤師の普及、病気になっても患者と家族が安心して療養生活を継続できるよう在宅療養生活の支援、人生の最終段階となっても希望に応じた自分らしい生活を送れるようみとりまでの支援の四つを掲げてございます。

○和泉(武)委員 医師ですから、治しというのは当然なんですね。だけど、今回新たに掲げられた支えるというのは、やはり医師にとってはあんまりなかった話なんですね。だけど、これからはこの地域包括ケアシステムということで、支えるというのが非常に医師にとっても重要、医療にとっても重要になってくるというふうに思うんです。
 ちょっと余談ですけれども、私、学生のころに学長からいわれたのが、あなたたちは将来、医者になるわけではないんだと、医師になるんだということはいわれました。必ず医師というのは人に対していろいろと指導して、教えたりとか、あるいは導くというのが重要だということをいわれました。これは余談ですけれども。
 問題は今後、平成三十年に東京都保健医療計画が改定されて、あとは東京都高齢者保健福祉計画、これも同時に改定されていきます。来年度はそれに向けた取り組みというものを、構想というものを描いていかなきゃいけないわけですから、ここが多分最大の山だと思います。この山をしっかりと東京都がつくり上げていって、そしてこれから十年、二十年、さらにもっと先を見据えた医療、そして介護というものを皆様方がぜひきちっと認識していただいて、そして東京に住んでよかったと思えるような体制というものをつくっていただくことを心からお願い申し上げまして、私の質問とさせていただきます。
 どうもありがとうございました。

○小林委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○小林委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 以上で福祉保健局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後七時二十一分散会

ページ先頭に戻る