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Tokyo Metropolitan Assembly

厚生委員会速記録第四号

k平成二十八年三月十五日(火曜日)
第七委員会室
午後一時開議
出席委員 十三名
委員長斉藤やすひろ君
副委員長栗山 欽行君
副委員長両角みのる君
理事高倉 良生君
理事早坂 義弘君
西沢けいた君
和泉なおみ君
中山 信行君
和泉 武彦君
島田 幸成君
畔上三和子君
小宮あんり君
野島 善司君

欠席委員 一名

出席説明員
福祉保健局局長梶原  洋君
次長砥出 欣典君
技監笹井 敬子君
理事黒田 祥之君
総務部長山岸 徳男君
指導監査部長飯塚美紀子君
医療政策部長西山 智之君
保健政策部長上田  隆君
生活福祉部長芦田 真吾君
高齢社会対策部長西村 信一君
少子社会対策部長手島 浩二君
障害者施策推進部長高原 俊幸君
健康安全部長小林 幸男君
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務後藤 啓志君
事業推進担当部長坂本 尚史君
医療改革推進担当部長成田 友代君
医療政策担当部長矢沢 知子君
地域保健担当部長本多由紀子君
生活支援担当部長松浦 慎司君
施設調整担当部長村田 由佳君
子供・子育て施策推進担当部長松山 祐一君
障害者医療担当部長平賀 正司君
食品医薬品安全担当部長仁科 彰則君
感染症危機管理担当部長矢内真理子君

本日の会議に付した事件
福祉保健局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成二十八年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 福祉保健局所管分
・第五号議案 平成二十八年度東京都母子父子福祉貸付資金会計予算
・第六号議案 平成二十八年度東京都心身障害者扶養年金会計予算
付託議案の審査(質疑)
・第六十一号議案 東京都後期高齢者医療財政安定化基金条例の一部を改正する条例
・第六十二号議案 東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例
・第六十三号議案 東京都特別養護老人ホームの設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・第六十四号議案 東京都軽費老人ホームの設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・第六十五号議案 東京都指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・第六十六号議案 東京都養護老人ホーム条例を廃止する条例
・第六十七号議案 東京都認定こども園の認定要件に関する条例の一部を改正する条例
・第六十八号議案 東京都安心こども基金条例の一部を改正する条例
・第六十九号議案 東京都障害者支援施設等に関する条例の一部を改正する条例
・第七十号議案 東京都立療育医療センター条例の一部を改正する条例
・第七十一号議案 東京都立多摩療育園条例の一部を改正する条例
・第七十二号議案 東京都立重症重度心身障害児者施設条例の一部を改正する条例
・第七十三号議案 東京都立総合精神保健福祉センター及び東京都立精神保健福祉センター条例の一部を改正する条例
・第百二十一号議案 東京都指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・第百二十二号議案 東京都指定介護予防サービス等の事業の人員、設備及び運営並びに指定介護予防サービス等に係る介護予防のための効果的な支援の方法の基準に関する条例の一部を改正する条例
・第百二十三号議案 東京都児童福祉施設の設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・第百二十四号議案 東京都指定障害児通所支援の事業等の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例
・第百二十五号議案 東京都指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営の基準に関する条例の一部を改正する条例

○斉藤委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 初めに、傍聴人の数についてお諮りいたします。
 本委員会室の定員は二十名でありますが、傍聴希望者が定員以上でございますので、さらに二十名を追加したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○斉藤委員長 異議なしと認め、そのように決定をいたしました。

○斉藤委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、福祉保健局関係の予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 これより福祉保健局関係に入ります。
 予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 第一号議案、平成二十八年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為、福祉保健局所管分、第五号議案、第六号議案、第六十一号議案から第七十三号議案まで、第百二十一号議案から第百二十五号議案までを一括して議題といたします。
 予算案及び付託議案につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○山岸総務部長 過日の厚生委員会でご要求のありました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の厚生委員会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
 資料は、目次にございますように、全部で五項目となっております。
 一ページをお開き願います。二次保健医療圏別NICU病床整備状況といたしまして、都内各二次保健医療圏のNICU病床数を記載してございます。
 二ページをお開き願います。療養型施設数及び療養病床数(医療保険適用・介護保険適用)の推移といたしまして、施設数と病床数の推移を、医療保険適用と介護保険適用に区分して記載してございます。
 三ページをごらんください。地域密着型サービスの事業所数の推移といたしまして、上から四つ目の認知症対応型共同生活介護につきましては、平成十七年から二十七年まで、その他の地域密着型サービスにつきましては、創設された年から二十七年まで、それぞれ四月一日現在の事業所数の推移を記載してございます。
 四ページをお開き願います。地域包括支援センターの設置状況といたしまして、区市町村ごとのセンター設置数、六十五歳以上人口、あわせて職員の配置基準について、五ページにかけて記載してございます。
 六ページをお開き願います。障害者グループホームの定員数といたしまして、平成二十七年三月一日現在の定員について区市町村ごとに記載してございます。
 以上、簡単ではございますが、ご要求のありました資料につきましてご説明申し上げました。よろしくお願いを申し上げます。

○斉藤委員長 説明は終わりました。
 これより、ただいまの資料を含めまして、本案に対する質疑を一括して行います。
 発言を願います。

○小宮委員 先般、国が行った認可保育所の職員配置基準に特例を設ける省令の改正について、幾つかお伺いいたします。
 国は、待機児童対策として、平成二十五年から二十九年の五年間で保育サービスの整備目標を当初四十万人としておりましたが、五十万人分へと拡大をいたしまして、保育の受け皿の拡大を進めているところです。その目標の達成には、保育士の確保というものが大変大きな課題となっております。
 保育サービス五十万人分を確保することに対して、必要な保育士は九万人分というふうに試算されておりまして、平成二十七年十二月一日時点での保育士の有効求人倍率というのは、都内でも六倍へと達しています。
 そうした状況を受けて、国はこのたび、二月十八日になりますが、認可保育所の職員配置基準に特例を設ける省令の改正を行いました。今回の省令改正は、常時複数の配置を求めている保育士配置の要件を緩和するですとか、幼稚園の教諭や小学校の教諭を保育士にみなす、活用できるようにするということであるとか、保育士資格を有していない一定の者、これは十分な業務経験を有する者や子育て支援員といった者だそうですが、そうした活用をするということが示されております。
 これを受けて、東京都は先週、三月の十日ですけれども、児童福祉審議会から意見を聞いています。
 今後、東京都として基準を定めることになると思いますけれども、まず、この規定に当たっての東京都の基本的な考え方を伺います。

○手島少子社会対策部長 今回、国は、児童が少ない時間帯における職員配置基準の緩和や一定の要件を満たす場合に、認可基準上必要となる職員の数の三分の一の範囲で小学校教諭や幼稚園教諭、知事が保育士と同等の知識及び経験を有すると認める者などの多様な人材の活用を認める改正を行いました。
 都が平成十三年度に創設をいたしました東京都認証保育所では、保育士等有資格者を六割としており、認証保育所の実績を踏まえ、現在、都においての基準を検討しております。

○小宮委員 認証保育所の実績を踏まえて検討しているということですけれども、検討した結果として、国基準と異なる内容にする必要がある部分があれば、その内容と理由を教えてください。

○手島少子社会対策部長 改正されました国の基準では、みなしではない保育士、すなわち保育士登録を受けた保育士について、常勤であることを求めておりません。
 現在、保育所に対しては、各組、各グループに一名以上の常勤の保育士を置くことを求めており、改正後においても、この考え方に変わりはございませんが、国基準そのままでは、例えば、ちょっと極端な例ではございますが、常勤職員は保育士とみなされた知事が適当と認める者だけで、保育士資格を有する保育士はアルバイトの保育士だけというようなことが制度上成り立ってしまいます。
 一方、都独自の認証保育所は、必要な職員のうち、四割について多様な人材を認めつつ、六割につきましては常勤有資格者であることを求めていることから、こうしたことは起こりません。
 そこで、今回の保育所の基準改正の検討に当たりましては、認証保育所と同様に、保育士資格を有する保育士については、常勤であることを求める方針でございます。

○小宮委員 東京都が独自の基準で設けた認証保育所は、制度創設から十五年近くがたちました。その質というものについても、大変世間から評価を得ていると聞いています。私も実際、認証保育所を視察したことがありますけれども、保育士の方の安全性も含めた、あるいは教育の点でも、低年齢児から預かっているお子さんに対して教えていこうという内容であったり、大変充実した、家庭的な雰囲気の中で低年齢児が預かられているなということは、認証保育所のまさによさであるというふうにも実感をしたところです。
 先日の東京都の児童福祉審議会に提出をされた保育部会長の山本真実先生の意見書を拝見いたしましたけれども、その中でも、認証保育所の質が確保されているのは、今ご答弁にもありましたけれども、六割の保育士に常勤であるということを求めていることが大きな理由の一つであるというふうに述べられています。
 認証保育所の基準と同様に、常勤であることを求めるということは、保育の質の確保という点からも大変重要な指標になるのではないかなと思っております。
 また、今回のこの改正の中でもう一つはっきりしないのが、保育士以外の人材の活用に当たって、知事が、保育士と同等の知識及び経験を有すると認める者について、国が示した通知の中では、保育所で保育業務に従事した期間が十分にある者であるとか、家庭的保育者、また、子育て支援員研修のうち地域型保育コースを修了した者などが想定されるというふうにしていますけれども、この特例というのが現場でうまく活用されるためには、やはり曖昧な基準であってはいけないというふうに思います。
 東京都が基準を定めるに当たっての考え方を確認します。

○手島少子社会対策部長 児童福祉審議会でのご意見を踏まえ、都が定める基準は、子育て支援員、家庭的保育者、継続して一年以上認証保育所や小規模保育、障害児施設、乳児院などの現場で乳幼児に対する保育や療育などの経験を積んだ方であって、当該施設の施設長や代表者などが適当と認める方などが活用できるよう検討をしているところでございます。
 今後、さらに保育事業者の方々などからのご意見もお聞きしながら決定をしていきたいというふうに考えております。

○小宮委員 昨年、国が、乳児四人以上入所させる保育所における特例として、看護師や保健師の保育士みなし規定の改正をしたという際には、国が認めるとしたその准看護師を東京都は認めないという判断をしております。
 配置された保健師や看護師というのは単なる保育士のかわりではなく、保健師や看護師としての能力を発揮することが期待されているからこそ、法的に医師や看護師の指示がなければ、療養上の世話、または診療の補助を行うことができない准看護師について東京都は認めなかったんだというふうに記憶をしています。
 このときに東京都は、既にみずからの責任で、質というものをしっかりと考えていることを示しているものと思います。
 今回の改正は、基本的には、保育士の代替としての役割を担うことが可能かどうかという点が判断基準になっておりますけれども、保育の質を真剣に考えている東京都ですから、今後、信頼できるよりよい基準というものを考えていただけるものと思っております。
 東京都は、保育士確保にさまざま取り組んでおりまして、ことしから保育士の試験を年二回開催するなど、資格取得支援にも積極的に取り組んでいただいております。このことはとても重要でありますし、体系的に学んで得た保育士資格というものはもちろん大事です。
 しかしながら、資格だけでよい保育ができるということではないと思います。やはり実践を積んでいくということが保育士には求められていると思います。
 新たに資格を取得したばかりの現場経験に乏しい新任の保育士さんだけではなくて、長く保育に携わっている人をうまく組み合わせるということで、より保育の質は高まるというふうに思います。
 ぜひ、この保育の質というものを保ちながら、ニーズに応じたサービス量というものも近づけるように、今回の改正を活用していただくことをお願いいたしまして、保育の件は質問を終わります。
 次に、障害福祉サービス等医療連携強化事業について伺います。
 障害には、種類も程度も本当にさまざまあります。そしてその人たちが皆地域で暮らそうと、本人も家族も一生懸命に頑張っています。
 しかし、地域で暮らし続けたくても一人では困難な、そういう障害者がいます。特に医療的なケアというものが提供されなければ生活できない、そういう障害者には、その家族であるとか関係者にとっても支援が不可欠であります。
 そこで、今回新たに設けられた障害福祉サービス等医療連携強化事業、これは、医療的ケアが必要な障害者に対する短期入所への支援でございますけれども、これについて伺います。
 短期入所というのは、障害児者の家族の病気やレスパイトなど、障害児者や家族が安心して地域での在宅生活を送る上で大変重要なサービスであると思います。とりわけ、人工呼吸器を装着しているなど医療的ケアが必要な障害児者を抱える家族というのは、本当に休む間もなく介護に追われるなど、心身の負担感も大変大きく、苦労されていると伺っています。
 短期入所には、障害者支援施設などで設置する福祉型の短期入所と、それから医療的ケアが必要な障害児者を対象とした、病院や診療所が設置する医療型の短期入所があります。
 短期入所のうち、福祉型と医療型について、直近の事業所数と定員の状況を確認します。

○高原障害者施策推進部長 都内におけます短期入所の事業所数は、平成二十七年十二月一日現在で二百三十七カ所、定員が九百十九人でございます。そのうち、福祉型の短期入所の事業所数は二百二十一カ所、定員でいうと七百六十二人、一方、医療型の短期入所の事業所数は十六カ所、定員は百五十七人となってございます。

○小宮委員 医療型の短期入所の定員は全体の約二割しかないという状況がわかります。しかし、医療型の場合は、病院や診療所などが実施の主体となるため、新規の開設というのはなかなか難しい状況にあると聞いています。
 一方で、福祉型の短期入所でも、例えば訪問看護ステーションなどから看護職員の訪問を受けて医療的ケアを要する障害児者を受け入れた場合には、国の医療連携加算というもので報酬加算が受けられるというふうに聞いています。
 そこで、福祉型の短期入所において、訪問看護ステーションなどから看護職員の訪問を受けて、この報酬加算を取得した事業所数について、直近の実績を伺います。

○高原障害者施策推進部長 福祉型の短期入所におきましては、看護職員が配置されていないため、医療的ケアを要する障害児者を受け入れるに当たっては、訪問看護ステーション等の医療機関と連携することが必要であり、訪問看護ステーション等の看護職員が短期入所の事業所を訪問し介護を行った場合、報酬上、医療連携体制加算を取得することができます。
 直近の平成二十七年十二月一カ月の医療連携体制加算の実績でございますが、都内で三事業所、利用者は四人となってございます。

○小宮委員 三事業所、利用者四人ということで、数字だけ見ると少ないというふうにも思えますけれども、この報酬加算の活用の実績が上がらないのは、福祉型の短期入所事業所において、やはり受け入れに対する不安があるとか、訪問看護ステーションに関する情報がそもそもないとか、地域において福祉と医療の連携が進んでいないということが一つの要因になっているのではないかと思います。
 医療的ケアを要する障害児者を介護する家族支援というものを充実させるためには、医療型の短期入所の数をふやすことはもちろんですけれども、福祉型の短期入所でも受け入れを促進するという必要があるのではないでしょうか。そのためには、地域における福祉と医療の連携を積極的に進めていくことが重要であると考えます。
 東京都は、短期入所における医療的ケアを要する障害者の受け入れを進めるために、地域における福祉と医療の連携というものをどう進めていくのか、今後の取り組みを伺います。

○高原障害者施策推進部長 都は、来年度から新たに、障害福祉サービス等医療連携強化事業を区市町村包括事業に位置づけまして、医療的ケアを要する障害児者への支援のため、地域の中核となる障害者支援施設等に、障害分野に精通した看護師を配置する区市町村を支援してまいります。
 具体的には、配置された看護師が福祉型短期入所の事業所に対して、訪問看護ステーション等に関する情報提供や紹介などのコーディネートを行うとともに、医療的ケアの必要な障害児者の受け入れに係る相談や助言などを行い、福祉型短期入所事業所における受け入れを促進していきます。
 今後、当該事業につきましては、区市町村を対象とした包括補助に関する説明会等を通じ周知を図り、多くの区市町村において実施されるよう働きかけてまいります。

○小宮委員 医療的ケアが必要といっても、その障害の程度は重症心身障害から、知的障害はないけれども、人工呼吸器等の医学的管理のみ必要な方まで本当にさまざまであると思います。医療的ケアが必要な障害児者の地域生活というものを支えるためにも、福祉型短期入所における受け入れを促進していただきたいというふうに思います。
 今ご答弁にもありましたが、区市町村への包括補助事業なので、これからしっかりと、そうした地元自治体に働きかけを行っていくということでしたけれども、医療的ケアが必要な方というのは、大体、重心の方というのが大変多いんだというふうに思います。私も日ごろから地域で、そういった方の家族の方から、短期入所したいけれどもなかなかそういう場所がないというお話はよく聞くんです。
 ただ、全体として、ニーズがどこの区市町村にどれだけあるかということ、全体としてその重症心身障害をお持ちの方というのが、都内で約四千三百人ぐらいいらっしゃるんだというふうに聞いておりますけれども、その四千三百人、医療の程度も違うでしょうし、また住んでいるところがどこなのかということは東京都として把握をされていないということでありました。
 やはりその必要な量というものは、どれだけのニーズがあるかというものを把握するということがどうしても必要なのではないかなというふうにも思っておりますので、ぜひ区市町村に対する働きかけの中で、そうした課題をお持ちいただけたらというふうに思います。
 これから、そうした、東京のどこにどれだけの方が医療的ケアが必要でお住まいなのかという情報を区市町村から得て、行政の支援というものがしっかりと行き届く、そういう東京になってほしいということをお願いいたしまして、質問を終わります。

○中山委員 私の方からは、介護人材不足への対応についてお伺いをしたいと思います。
 急速な高齢化による介護需要増が見込まれる中、介護人材の定着が進まず、慢性的な人手不足が深刻化しております。
 このような状況下におきまして、我が都議会公明党は、介護人材の確保が極めて重要な課題の一つであるとの認識に基づき、この第一回定例会におきましても、本会議、予算特別委員会を通じて取り上げてまいりました。
 今年度から拡充されました介護職員処遇改善加算につきましては、九割近くの事業所が加算を取得し、そのうち八割は最も高い加算区分を取得している状況を確認しました。
 また、来年度創設されます介護職員用の宿舎を借り上げる事業者に対する都独自の補助制度につきましては、事業者が既に借り上げている宿舎についても対象とするなど、事業効果を一層高めるための幅広い補助の適用を求め、質疑を行ってきたところでございます。その方向で検討する旨の答弁をいただきましたけれども、ご努力を高く評価したいというふうに思います。
 本日の厚生委員会では、本年度から開始されましたキャリアパス導入促進事業につきまして、確認のため幾つか質問させていただきたいと思います。
 介護職員の育成、定着を図るためには、職責に応じた処遇を実現するキャリアパスの仕組みを構築することが必要でございます。
 国は、平成二十四年度から介護キャリア段位制度を創設するとともに、平成二十七年度の介護報酬改定で介護職員処遇改善加算を拡充しました。
 都は今年度から、国の介護キャリア段位制度を活用し、職責に応じた処遇を実現するためのキャリアパスの導入に取り組む事業者を支援する、介護職員キャリアパス導入促進事業を開始したところであります。
 本事業の対象となりますためには、国のキャリア段位制度に基づき、段位の評価を行うアセッサーを確保し、その上で段位取得者を輩出することが条件となっております。
 アセッサーという段取りをワンクッション必要とするという点について異論もあるところかもしれませんけれども、質のよい介護人材については、社会的評価を高め、頑張りがいのある、モラールやモチベーションの高い業界気風を育てていくための制度趣旨を現実のものとしていくために、アセッサーに認定される人がいる職場でのみキャリア段位が取得できるとする制度は理解できるところであります。
 そこで、平成二十七年度におきます全国と都内のキャリア段位制度のアセッサー数及び段位取得者数についてお伺いをいたします。

○西村高齢社会対策部長 平成二十七年度におきます段位の評価を行う職員、いわゆるアセッサーの養成数は、全国では前年度と比べ約一〇%減の四千四十六名、都内では約二・四倍の八百八十四名となっております。
 また、平成二十七年度に新たに段位を取得した職員数は、全国では前年度と比べ約一・七倍の七百十九名、都内では約二・七倍の百二十名となっております。

○中山委員 今、答弁がございましたとおり、都内のキャリア段位制度の実績は、全国と比べても伸びています。特にアセッサー資格取得者については、一年間の取得者数の変化を見る限り、国平均ではむしろ減っている中、都は二・四倍にふえていると。これは制度の実施機関でありますシルバーサービス振興会を招いた事業者向けの説明会の実施や、管理職等を対象としたセミナーの開催など、都が独自で取り組んできた成果のあらわれだと考えております。また、アセッサーが大幅にふえており、来年度の段位取得者数増加につながることが期待できます。
 しかしながら、事業者からは、段位の評価を行う職員を養成する講習会が年一回で受講しづらい、あるいは講習会の時期が遅いため、年度内での段位取得ができない、さらには、段位取得の認定審査に時間を要するなどの国制度上の課題があるとも聞いております。
 また、このことを理由として、都が実施する事業の交付決定事業所数は、現在まで五十五事業所となっていることを聞いております。国への働きかけなど、さらなる取り組みの充実が必要であります。
 そこで、都は、介護人材を安定的に確保していくため、都独自のキャリアパス導入促進事業を一層推進していく必要があると考えますが、今後の取り組みについてお伺いをしたいと思います。

○西村高齢社会対策部長 都が今年度から実施しておりますキャリアパス導入促進事業では、事業者が国のキャリア段位制度に基づく段位取得者を輩出することが必要でございます。
 このため、都は国に対して、キャリア段位制度を一層推進し、介護職員のキャリアパスを早急に整備、普及するよう提案要求するとともに、制度の実施機関である一般社団法人シルバーサービス振興会に対しまして、講習会の講習機会の拡大と、段位取得の認定審査の効率化などを強く働きかけております。
 今後とも、キャリアパスの導入に取り組む事業者を積極的に支援し、介護人材の安定的な確保を図ってまいります。

○中山委員 介護職員キャリアパス導入促進事業は、国のキャリア段位制度を活用し、キャリアパスの導入に取り組む事業所を支援する補助制度であります。しかし、昨年のアセッサー研修の実施時期は、たしか十月二十日と伺っております。その認定は十一月にずれ込んでいるということだそうです。それでは、昨年せっかく九百名近くふえた都内のアセッサーの方々によるキャリア段位取得者の増加に向けた取り組みは、ほぼ一年おくれのことしになってからしか効果が出てこないということになります。
 なぜアセッサー研修が年一回なのかについては、一つの同じ映像を全国約十カ所程度の会場で共通して見る講座の仕組みとなっている点にも原因があるのではとの意見もあります。したがって、同じ日で全国の会場を確保するためには、結果的に実施回数が限られてしまうのではと思われます。果たして、本当にこうした大規模な仕組みが必要なのか。
 また、アセッサー研修の実施主体が企画提案方式で毎年選定される仕組みとなっている点の影響も考えられます。委託契約などにおいて、事業者の機会均等を図ること自体は大切なことだと思いますけれども、毎年、事業者に選定されてからでないと具体的な取り組みに着手できない、その点も四月の当初は開催が難しく、どう頑張っても十月実施という時期の遅さにつながっているのではと危惧しております。
 以上述べた点などは、都も改善を国に求めているということでございますし、私も同感であります。この点を我が党の国会議員にも伝えさせていただいております。梶原福祉保健局長、ぜひ連携して、しっかり改善、実現していきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。
 都は、国のキャリア段位制度を活用した都独自のキャリアパス推進事業を展開しておりますけれども、当面三年間の実施であります。都議会公明党としても、介護業界の社会的地位や業界環境をよりよい意味で変えていくためには、都のこの事業が大変有益と考えております。都内の全事業者が一通りはエントリーのチャンスをつかめるまで継続できるよう、財務当局にも促したい気持ちでいっぱいであります。そのためにも、二十八年度、二十九年度の予算執行の成果は重要であり、国の制度改善を急がせたいというふうに思っております。
 事業者はこの補助金を活用し、職員の段位に応じた手当の支給はもとより、就業規則等の変更や経営改善、職員のスキルアップのための研修に要する経費に充当するなど、事業者のキャリアパスの構築に向けた体制づくりを推進していくことができます。
 本事業の対象となるためには、段位取得者を輩出することが必要であります。国の制度上の課題を早期に解決して、事業成果のスピードアップをしていきたいと思いますし、そう努力をさせていきたいと思います。
 都は国に対し、制度上の課題の解決を求めるとともに、引き続き積極的な事業展開をお願いさせていただきまして、質問を終わります。

○和泉(な)委員 私はまず初めに、原爆被爆二世の健康診断、がん検診について伺います。
 市区町村健診での胃がん検診が、レントゲンだけではなく、胃カメラを選択できるようになったというふうに聞いていますが、まず、その導入に当たっての進捗状況について伺います。

○上田保健政策部長 国は本年二月に、がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針を改正し、平成二十八年度から区市町村が住民を対象として行います胃がん検診に関しましては、対策型検診のための胃内視鏡検診マニュアルを参考にいたしまして、内視鏡検査も実施できることといたしました。
 健診の実施に当たりましては、健診の精度管理、出血などの偶発症対策も含めた安全性の担保、十分な受診機会の確保等、実施に向けた体制整備が必要でございます。
 そのため、都は来年度、東京都がん検診の精度管理のための技術的指針を改定するとともに、内視鏡検診従事者を対象とした健診を実施するなど、区市町村の適切な実施に向け、支援を行ってまいります。

○和泉(な)委員 安全性の担保及び十分な受診機会の確保にまだ課題があって、準備のための支援が必要だというご答弁ですけれども、都は一九七五年に東京都原子爆弾被爆者等の援護に関する条例を制定して、被爆者の子にも、いわゆる被爆二世にも健康診断と医療費助成を行うこととしました。
 国が被爆二世の健康診断を実施するようになって以降も、国の検査項目に胸部エックス線、心電図、血清コレステロール検査を加え、あわせてがん検診も無料で受けられるようにしています。国に先駆けて、このような都独自の施策を行ってきたことを私は高く評価しています。
 被爆者や被爆二世にとっては、放射線を当てずに済むことから、レントゲンよりも胃カメラを望む声を多く聞きます。速やかに被爆二世の健診にも胃カメラを選択できるようにすべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○上田保健政策部長 国は平成二十八年度から、被爆者健康診断に胃内視鏡検査を導入することといたしましたが、実施要領はまだ改正されておらず、実施方法の詳細はまだ明らかになってございません。
 そのため、都といたしましては、国の動向を注視してまいります。

○和泉(な)委員 被爆二世のがん検診に対しては、国が動いていなくても都が独自に行ってきた施策のはずです。国の動きを見なくても、直ちに独自の施策として実施できるはずじゃないかと思うんです。
 また、被爆二世の健康診断についても、健診期間が短くて、なかなか予約が入れられないという声が寄せられています。
 現在、都内で被爆二世の健康診断受診票の交付を受けている方は何人でしょうか。また、健康診断、がん検診の実際の受診者数は何人でしょうか、伺います。

○上田保健政策部長 東京都における健康診断受診票の交付件数は、平成二十六年度末で七千二百十七人でございます。
 また、平成二十六年度の被爆者の子に対する健診受診実績は、一般検査受診件数で千七百三十八件、がん検診受診件数で、胃がん、肺がん、乳がん、子宮がん、大腸がん、多発性骨髄腫の六項目合わせて、延べ五千六百八十八件となってございます。

○和泉(な)委員 一般健診は約四人に一人、がん検診も一人が受ける検査が何種類かあるということを考えれば、決して多くない数字だと思います。
 被爆者健診の実施医療機関、がん検診の実施医療機関数は、都内でそれぞれ幾つあるんでしょうか、伺います。

○上田保健政策部長 東京都が契約している被爆者健康診断の実施医療機関数は二百十五カ所、うち、がん検診の実施医療機関数は二百二カ所となってございます。さらに、東京都外にそれぞれ四カ所実施医療機関がございます。

○和泉(な)委員 健康診断受診票が交付されているのが七千二百十七人ですから、やっぱりそれを診てくれる診療機関が都内で一般健診二百十五カ所、がん検診二百二、これでは少ないじゃないかというふうに思います。なかなか予約を入れられないというのも、もっともだというふうに感じます。
 さらに、この健診を受けるのを困難にしているのが、受診期間の短さだと思うんです。受診の時期を春季は五月、六月、そして秋季は十一月、十二月、それぞれ各二カ月間に限定しているという理由は何なんでしょうか。

○上田保健政策部長 都は、被爆者の定期健診の受診時期につきましては、健診実施医療機関の体制を確保するため、春と秋のそれぞれ二カ月、年二回に限定しているところでございます。

○和泉(な)委員 実施医療機関をふやすことも必要だというふうに思います。けれども、だったらなおさら、今、実施機関が少ないんだったら、期間を延ばさなければ受けられないという状況をなかなか改善できないんじゃないでしょうか。二カ月という期間に根拠はないということになるんじゃありませんか。しかも、この五月、六月、十一月、十二月で定着しているというほど受診できていないというのが現状です。
 一般社団法人東友会が結成五十五周年事業として行った被爆二世実態調査を見ても、一般健診では九・九%の人が、がん検診では一八・一%の人が、このような健診がある制度を知らなかったと答えているんです。実際に被爆二世の方にお話を伺いましたが、三月の下旬に受診票が送られてから予約を入れようとしても、五月、六月はもう既にその時点でいっぱいだと。そして十一月、十二月は、自治体によっては、自治体独自の健康診断の期限と重なっていて、これもまた予約を入れるのが大変だと。また、医療機関によっては、月内に全部の検査を入れないと受け付けてくれない、そんな事情もあるようです。
 健診の期限をなくすか、あるいはせめて期間をもっと長くする必要があると思いますが、いかがでしょうか。

○上田保健政策部長 受診期間に関する再度のお尋ねでございますけれども、先ほどもご答弁させていただきましたように、健診実施医療機関が健診を実施するためには、医療体制の確保が何よりも重要でございます。
 例えば、健診時期の医師、看護師、事務等のマンパワーの確保の問題等もございます。
 また、医療機関は健診だけではなくて、日常的に病気の患者さんも診ていらっしゃるということもありまして、例えば胃腸炎ですとかインフルエンザとか、そういった感染症がふえる季節を避けることで医療体制を確保しているという、そういった側面もございまして、春と秋にそれぞれ二カ月設定させていただいているといった、そういった側面もございます。何とぞご理解のほどお願い申し上げます。

○和泉(な)委員 だからこそ実施医療機関をふやす努力をするべきではないんでしょうかというふうに申し上げているんです。三月に受診票が送られて五月、六月では入れられない。十一月、十二月は自治体の受診期限と重なっていて入れられない。これは例えば時期をずらすとかいうことも可能なわけです。
 東京都在住被爆二世実態調査、これは六割の方が、日常生活の中で被爆の影響に何らかの不安を感じているという結果が出ています。そして、がんや高血圧、白血球の病気、原因不明の体調不良などに苦しんで悩んでいる二世の切実な声が紹介されています。
 少し読み上げさせていただきます。母も同様に低白血球症であり、胃がんにもなったので、私の低白血球症と免疫力の低さは被爆によるものだ、遺伝だと思われます。あるいは、小さいときから皮膚が弱く、なかなか治らない。医療費助成の対象外であるが、皮膚というのは体の何らかの血液やその他連動したものなので関係がある。ちなみに母も、物すごく皮膚が弱い。こうして毎日毎日、病気の不安、体調の不安と闘っているんです。
 原爆投下から七十年を経て、二世にも不安が引き継がれて、親となった二世は自分への不安と、そしてさらには子供への不安を抱えています。私自身もその一人です。
 私の長男は強直性脊椎炎という難病で、背骨の一つ一つをつなぐ人体の組織が下から順に固まっていくという病気です。HLA-B27という白血球の型が、ある種の微生物に感染すると発症するらしいといわれていますけれども、まだ研究段階で詳しい原因も治療法もわかっていません。
 私たち姉妹三人とも婦人科系の疾患で手術をしましたが、母の被爆の影響ではと感じていますし、長男の病気も何らかの影響があったのではないかと思うと、彼に申しわけない気持ちになります。
 しかし、私たちの責任でも親の責任でもありません。何のとがもない被爆者や被爆二世は、何十年も何世代もこのような不安を抱えているんです。被爆者や被爆二世の方たちは、二度と自分たちのような苦しみや不安をどの人にも味わってほしくないと強く願って、健康診断、がん検診の調査結果から、原爆が、放射能が人体に及ぼす影響について分析して研究してほしいと望んでいる方もいます。その不安に寄り添って軽減する責任が国と自治体にはあるはずです。
 被爆二世の健診時期を延期すること、胃がん検診を胃カメラで受けられるようにすること、このくらいのことは東京都ならすぐにできることです。長年にわたって不安を抱き続けている人たちの思いに東京都が応えてくれることを強く望みます。
 続いて、無料低額診療について伺います。
 子供の貧困が大きな問題になっていますが、高齢者や若者、国民各層の中に貧困が広がっています。国保料が高くて払えず、資格証が発行されれば、病院での支払いは全額自己負担になります。そうすると、当然病院には行けなくなります。
 そのような中で、無料低額制度は、受療機会を確保し、その後の生活支援につなげる上でも大変重要だと思いますが、都は、無料低額診療の果たす役割についてどのように認識しているでしょうか。

○芦田生活福祉部長 無料低額診療事業は、社会福祉法に基づく第二種社会福祉事業であり、低所得者、要保護者、住居を持たない者など生計困難者に対し、医療受診の機会を提供する上で一定の役割を果たしていると認識をしております。

○和泉(な)委員 その無料低額診療事業の制度について、まだ都民に広く周知されているとはいえないと私は思います。内容や実施施設について、都は、福祉事務所や生活困窮者自立支援法の相談窓口での周知について、どう取り組んでいるのか伺います。

○芦田生活福祉部長 都は、本事業の内容や実施施設を福祉保健局ホームページに掲載して周知をしております。
 福祉事務所に対しましては、毎年度、本事業の活用について通知しているとともに、面接相談員向けの研修におきましても周知を図っております。
 また、昨年四月に生活困窮者自立支援法が施行されたことに伴い、昨年十月に開催されました担当者会議におきましても周知を行ったところでございます。

○和泉(な)委員 民生委員さんなどにも広く知らせていただいて、経済状況にかかわらず、医療が必要な人がちゃんと病院に行けるように、都としてできる限りの努力をしていただきたいと思います。
 それと同時に、この無料低額診療の弱点は、薬局が対象になっていないことだというふうに思っています。院内処方なら対象にできるが、院外処方は対象外になる、これでは、本来この制度の持つ趣旨が十分に担保されないんじゃないかと思いますが、都はどのように考えているでしょうか。
 高知市、旭川市、青森市などでは、無料低額診療の対象者に対し、独自に保険薬局、薬代への助成を行っています。都としても助成に踏み出すべきではありませんか、あわせてお答えください。

○芦田生活福祉部長 本事業は、社会福祉法におきまして、生計困難者のために無料または低額な料金で診療を行う事業と規定されております国の事業でございます。
 院外処方の薬剤に要する費用を対象とすることにつきましては、国において判断すべきものと認識をしております。

○和泉(な)委員 しかし、制度としては合理性がないというのは誰の目にも明らかなわけです。制度の役割は認めているわけですから、せめてそのぐらいの認識は示していただきたいと思います。と同時に、東京都が国に先駆けて行った施策が国を動かしてきたという実績はたくさんあります。制度として合理性を欠いているこの制度に、都として先鞭をつけて国を動かしていただきたいと強く要望します。
 続いて、国民健康保険について伺います。
 都は、国民健康保険制度について、医療費が高く所得が低い高齢者の方や、失業者などの低所得者が占める割合が高く、保険料の確保が困難であることなど構造的矛盾があると認めています。
 都は国に対しても、必要な財源については国の責任において確保するよう繰り返し提案要求していると何度も答弁してきました。
 それに対して、国はどのように応えているんでしょうか、伺います。

○本多地域保健担当部長 都はこれまで、国民健康保険の構造的な問題から生じる財政運営上の課題について、抜本的な解決策を講じるよう繰り返し提案要求をしており、昨年の国民健康保険制度改革に向けた国と地方との協議においても、全国知事会を通じて必要な意見を提案してまいりました。
 その結果、今回の国民健康保険制度の見直しでは、平成二十七年度から低所得者対策を千七百億円拡充することとし、平成三十年度からは、自治体の責めによらない要因による医療費の負担増への対応などのため、さらに千七百億円の国費が投入されることとなりました。
 平成三十年度の実施に向け、現在も国と地方との協議が行われておりまして、都としては、国の調整交付金の配分方法のあり方など、今後とも必要な提案要求を行ってまいります。

○和泉(な)委員 国は、国民健康保険への財政支援の拡充として、平成三十年度以降は毎年三千四百億円の財政支援を行うということです。既に昨年度は五百億円、今年度は千七百億円を保険者に支援しました。けれども、二十三区では来年度も国保料の値上げが予定されています。
 そもそも保険料が高くなっている根本的な原因は、国が国保の歳入全体に占める国庫負担の割合を減らし続けてきたということにあります。一九八四年の国庫負担の割合は五〇%だったのに対して、二〇一三年には二三%と半分以下にまで減らし、その分が保険料にはね返って、低所得者の被保険者が払えないほど高い保険料になっているんです。国庫負担を抜本的に引き上げなければ、国保制度の構造的矛盾を解決するということはできません。
 国と地方の間で行われている協議においても、国庫負担そのものを引き上げ、構造的矛盾を抜本的に解消するよう、都として強く求めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○本多地域保健担当部長 全国知事会は、国保を持続可能な制度とするためには、今回の改革後においても、財政基盤強化策の効果など、国保の運営状況について不断の検証を行いながら、国が将来にわたり責任を持って医療費の増嵩に対応した財政支援などを行うことが必要であると強く要請しました。
 その結果、改正法では、国民健康保険の運営状況を検証しつつ、制度全般について検討を加え、検討結果に基づいて必要な措置を講ずることとされました。
 都は、制度改革後においても、国の動向を注視しながら、引き続き必要な提案要求を行ってまいります。

○和泉(な)委員 制度を維持し続けなければいけないというのは、認識としてはまるっきり私たちも同じです。改正後に財政状況が抜本的に解決する、そんな保証は実際にはないんじゃありませんか。国庫負担の大幅な引き上げを強く求めていかなければ、抜本的な解決は見込めないと思います。
 どれほどこの国保料が高いものになっているか。例えば、四十代の自営業のご夫婦、十代のお子さん二人の四人家族の方です。売上高から経費を差し引いた営業所得が百十四万円です。社会保険料控除、扶養控除、基礎控除を引くと、所得税の課税所得はゼロです。当然、所得税ゼロ円、住民税は均等割の年間五千円だけです。けれども、国民健康保険料は二十四万九千円もかかっているんです。課税所得のない世帯に年間約二十五万円もの国保料が賦課されているのは、余りにも高いと思いませんか、都の認識を伺います。

○本多地域保健担当部長 被保険者の生活実態がさまざまであることは認識しておりますが、国民健康保険制度における保険者は区市町村であり、保険料や保険税の賦課方式や料率は、それぞれの自治体の議会で審議され決定されるものです。
 なお、低所得者の世帯に対しましては、均等割の保険料が所得に応じて、二割、五割、七割減額されております。

○和泉(な)委員 どこがどんな方法で決めているのかと聞いたわけではないんです。高いと思いませんかと聞いているんです。
 私は実際にこの方の確定申告書の控えや住民税への通知書、国保料の通知書も見せてもらい、計算が間違っていないということも確認しました。均等割が減額された後の金額が二十四万九千円なんですよ。所得税がゼロでも、住民税が均等割しかかかっていなくても、これほど重い負担を強いている、それが国保料、国保税なんです。
 保険料が高過ぎて払えない、結果、滞納がふえ収納率が下がる、それが国保財政をますます圧迫する。高過ぎる保険料が持続可能な制度としての存続を危ぶませる要因であるとは思いませんか。
 もう一度聞きます。国保料、国保税は高過ぎると思いませんか。

○本多地域保健担当部長 国の調査によりますと、一世帯当たりの平均所得に対する保険料調定額の割合は、都道府県別では東京都が最も低くなっております。

○和泉(な)委員 先ほど申し上げました。実際に申告書、通知書、全部見せてもらって、所得税がかかっていない、住民税も均等割しかかかっていない、そういう世帯に対しても約二十五万円の保険料がかかるというのが国保料なんです。それなのに、高いという認識とすらいえない。これは住民の暮らしに心を寄せる立場が余りにも弱いといわざるを得ません。
 自治体の中には、高過ぎる国保料を引き下げているところもあります。さいたま市の均等割は二十三区保険料より低い金額ですが、今年度も据え置いています。横浜市や静岡市、名古屋市など、昨年度より今年度の保険料を下げた市は、政令市だけでも八つもあります。都として、都内の区市町村国保料を軽減できるよう支援することが求められています。
 とりわけ、応益負担である均等割を軽減することが低所得者への重要な支援になります。そもそも所得のない子供に対してまで保険料を賦課する仕組みは、社会保障であり、国民皆保険のセーフティーネットである国民健康保険制度の本質と相入れないものだと私は思います。
 子育て支援という観点からも、子供の均等割を軽減することが全国的にも世論になりつつあります。
 全国知事会は、国民健康保険の子供の均等割について、軽減を求めています。また、昨年の国民健康保険法改定のときの参議院の附帯決議でも、子供の均等割の軽減について協議することとなっています。
 子供の均等割軽減について、都はどのように考えているのでしょうか。

○本多地域保健担当部長 全国知事会は、平成二十七年十一月に行った少子化対策の抜本強化に向けた緊急提言において、子育ての負担の軽減策として、国民健康保険制度における子供の医療費助成に伴う国庫負担金等の減額調整措置を早急に廃止するとともに、子供に係る保険料負担の軽減に取り組むよう国に要望いたしました。
 都としても、この提言に賛同しております。

○和泉(な)委員 都も、子供の均等割の軽減は必要だという認識なんだと思います。
 都は、制度設計は国の責任、保険者は区市町村と、こういう立場をとり続けています。しかし、余りにも高い保険料を引き下げるために、都が区市町村を支援することはできます。
 私たちが昨年の第一回定例会で条例提案したように、区市町村が減免の制度をつくって、それに都が支援をするという仕組みは十分可能です。必要性を認識しているからこそ、全国知事会でも一緒に要望しているはずです。子供の貧困対策にも大いに役に立つ子供の均等割の軽減に、文字どおり国に先行して取り組むことを求めたいと思います。
 これほど高い保険料を賦課して、それが払えなければ、今度は厳しい徴収強化がさらに暮らしを追い詰めます。見過ごせないのは、都が、滞納に対して何件差し押さえを行ったのか、どのくらいの割合で差し押さえているか、資格証明書もどのくらいの割合で発行しているか、この件数や割合に応じて特別調整交付金を交付し、収納率向上の取り組みに対する成績評価として推奨していることです。
 被保険者数が十万以上の自治体では、差し押さえを百件やったら一千万、三百件やったら二千万、五百件やったら四千万、そして滞納世帯に占める新規差し押さえの割合が三%以上で三百万、一〇%以上で五百万、資格証の発行割合に関しては、十万人以上の自治体で五%以上なら八百万、一〇%以上で一千五百万です。
 交付金の基準になっている差し押さえ件数、百件、三百件、五百件、滞納世帯に占める新規差し押さえ件数の割合、三%、一〇%、こういう数字は何を根拠にしているんでしょうか。同様に、資格証の発行割合、五%、一〇%、この数字の根拠もあわせてお答えください。

○本多地域保健担当部長 国民健康保険は、被保険者間の相互扶助を基本とした社会保険制度であり、その財源となる保険料の収納確保は、制度を維持していく上での前提であり、被保険者の負担の公平性を確保する観点からも必要不可欠であります。
 このため、収納率、口座振替率、差し押さえ件数など、各区市町村の収納率向上にかかわる取り組み実績に応じて特別調整交付金を交付しております。
 お尋ねの交付基準は、区市町村の取り組みを促すよう、都内における差し押さえの実績及び資格証明書の発行実績を勘案し、設定しております。

○和泉(な)委員 ちょっと理解しがたいのですが、数が多いほど交付金がふえるのですから、単なる実績の追認ではなく、多くなるように誘導しているということは明らかではないんですか。
 都は、この交付金の基準となっている数の差し押さえ、または資格証の発行を行うことが好ましいんだと考えていることになりますが、その根拠を聞いているんです。都民の暮らしを脅かしかねないことを行いながら、その根拠もしっかりと示せないということになります。
 この交付金制度が要綱で決められたのは二〇〇五年です。その時点での差し押さえは九千百十三件、それが二〇〇八年には一万九千七百九十五件、二〇一三年には二万百三十八件です。それまでの実績を勘案したというには余りにも大きな数字の変化じゃないでしょうか。
 資格証を発行されると、病院の窓口で一旦十割払わなければなりません。保険料を払わない人が、十割全額を払えるはずがありませんから、実質的に医療を受けられないということになります。そのため、私たちは資格証は発行するべきではないといい続けてきましたが、都は、資格証発行の目的として、滞納者との接触を図る、これを挙げてきました。
 現場で起きていることはとてもそのようなものではないと思いますが、しかし、資格証の発行割合による交付金を出して、資格証の発行が多くなるように誘導しているということは、こうした都の説明とも整合しないと思います。
 資格証発行の目的が、被保険者との接触の機会を確保することだとしたら、資格証を発行するに至らない時点で接触の機会をつくって、相談を行って対応することがより望ましいはずです。しかし、都の交付基準では、そうした努力をすると交付金はかえって減ってしまう、これは問題じゃないんでしょうか。

○本多地域保健担当部長 資格証明書は、保険料を納付することができない特別の事情がないにもかかわらず、長期にわたり保険料を納付しない滞納者について、納付相談の機会を確保するために交付するものです。
 電話督促や個別訪問などの方法により、滞納者との接触を図り、その実態把握に努めることは保険者としての責務であり、都も区市町村に対し、適切な運用について指導助言を行っております。
 その上で、なお保険料を納付しない滞納者に対して資格証明書を交付しているのであり、こうした区市町村の取り組みを評価するため、資格証明書の交付実績に応じて特別調整交付金を交付しております。

○和泉(な)委員 今の答弁では、なぜ発行数が多いほど評価が高いのかが全くわかりません。差し押さえについても、都の答弁と整合性がありません。
 都は、差し押さえについて、区市町村がきめ細かな対応を行った上で、財産があるにもかかわらず納めない者に対して行うといっています。しかし、差し押さえは、払えるにもかかわらず払わない人のみ、そういう人を対象にしてだけ行うんだとしたら、差し押さえ件数は、あくまで被保険者への丁寧な対応を行った結果であり、その件数自体をふやそうとする性質のものじゃありません。
 しかし、都の交付金の出し方では、区市町村が差し押さえ数の目標を持つことになるんじゃありませんか。これは矛盾すると思いますが、いかがでしょうか。

○本多地域保健担当部長 先ほどのご答弁と重なる部分もございますが、保険料の収納確保は、制度を運営していく上で極めて重要なものでございます。
 そのため、差し押さえ処分に至るまでは、滞納者に対して督促を行い、催告を行い、また納付相談によって生活実態を把握し、必要に応じて保険料の分割納付を案内するなど、きめ細かく対応しておりまして、これは、国保の保険者としての責務として、どの区市町村も取り組んでいることでございます。
 その上でも、財産があるにもかかわらず保険料を納付しないような場合には、被保険者間の負担の公平を確保するために、法令に基づき差し押さえを行っているものでございます。
 都は、資格証明書と同様、こうした区市町村の取り組みを評価するため、差し押さえの実績に応じて特別調整交付金を交付しております。

○和泉(な)委員 やはり私の質問への答えになっていないと思うんです。もしそういうんだったらば、その丁寧な対応にこそ交付金が交付されるべきものではないんでしょうか。結局、滞納者の事情にはかかわりなく、資格証の発行や差し押さえをふやし、強引に徴収を進める制度になっているといわざるを得ません。
 資格証発行も差し押さえも、区市町村が丁寧にきめ細かく対応した結果なのだ、それでも払わない滞納者に対してのみ資格証の発行、差し押さえが行われて、それを評価しているんだという答弁ですが、なぜ、差し押さえが多いことが評価されるのかがわかりません。
 伺いますが、この交付金を交付する際に、滞納者と直接接触をしたのか、払えるだけの収入や財産があることを確認したのか、そのようなチェックを行ってから、この交付金を交付しているんでしょうか。

○梶原福祉保健局長 先ほどから資格証明書の話が出るんですが、それか差し押さえ、つまり、我々は電話督促だとか個別訪問等の方法によって滞納者との接触を図り、その実態把握に努めるというのは国保の保険者としての責務であります。
 国保というのを保険者間の分担、つまり負担で運営をしている、その部分を勘案しないと、国保財政というのが崩壊してしまうということであります。
 それから、資格証、差し押さえの実績を競わせるのではなくということだと思いますけれども、区市町村というのは、督促、催告、給付相談、それから被保険者への直接働きかけではなくて、コンビニエンスストアでの収納、それから新たな納入方法、そういうところをさまざまな工夫をして収納率向上に取り組んでいるわけです。
 それは結果として収納率に反映するわけで、先ほどいわれた、きめ細かな対応をすることによって、例えば分割納付にする、さまざまな対応をする、そうすると、それは収納率の向上に跳ね返る。そうすると、その収納率の向上に対しても、当然、特別調整交付金は前年度の比較としての伸び率を指標として交付しているわけですから、両方あたかも目標を設定してそれをやっていないというのは、区市町村の努力であるとか国保財政にさまざまな努力をなさっているところ、それが区市町村の保険者としての責務であるわけです。その上で我々は、それぞれのそういう督促の、督促というより納付率の向上、あるいは収納率の向上、そういうのに着目して特別調整交付金を交付しているということでございます。

○和泉(な)委員 それだったら、どうやって差し押さえを回避するための努力をしたのか、資格証の発行を抑えるための努力がなされていたのか、そこにこそ手厚い交付金が交付されるべきではないかと思います。
 今の局長のご答弁は、私の質問に対して答えるものにはなっていません。私は、区市町村がそのようなきめ細かい対応をしたことをチェックしたのかどうかと伺ったんです。いかがですか、もう一度聞きます。

○梶原福祉保健局長 国保の保険者は区市町村であります。それが滞納者との接触を図り実態把握に努めることは当然の責務であります。それを一々、国保財政の私の指導監督権限の中でチェックをするというのは、区市町村に対して失礼じゃありませんか。つまり、保険者としての当然の責務としてそういう努力をしているというのは、それは前提の話であって、それをやっていない自治体というのは、僕は寡聞にして知らない。その上で、それぞれの努力の中でやっているというのが、それは各自治体が、各区市町村がやっている国保の職員であり、そうでなければ、我々行政マンとして、責務としてやっていることについて一々チェックをしないと、そういうものが監督できないというのはいかがなものかというふうに思っております。

○和泉(な)委員 この交付金制度は、収納率を向上させるために差し押さえの件数に応じて出しているんですよ。資格証発行の割合に対して出しているんですよ。より時間をかけて丁寧な対応をすればするほど時間がかかって、差し押さえ件数が上がらない、そういう矛盾を持っているんじゃないですか。結果的に差し押さえを急ぐことになる、資格証交付を急ぐことになると、そういう矛盾を持った交付金ではないですかということを聞いているんです。
 チェックを行っているという答弁はありませんでした。保険者である区市町村が当然にそれを行っているということでした。先ほどはきめ細かく対応した上での差し押さえや資格証の発行を評価しているとのことでしたけれども、結局のところは、差し押さえも資格証の発行も、結果の数字だけを評価の対象にしているということです。要綱上もそうなっています。逆に、加入者の状況がどうであれ、資格証の発行によって医療を受けられなくなっても、差し押さえで暮らしや営業が成り立たなくなっても、収納率を上げるための努力をしたとして交付金を出しているということじゃありませんか。
 病院で全額自己負担をしなければならない資格証明書は、実質、医療給付を受ける権利を奪うことになります。国民健康保険が社会保障制度であることを鑑みれば、滞納を理由に医療を受ける権利を侵害する、これは許されることではありません。
 差し押さえに関して、日本共産党都議団が行った調査では、給与や年金が振り込まれる口座だと、それを知っていても差し押さえを行っているという自治体は四十八、最低生活費を残さずに差し押さえているという自治体も二十九に上っています。給与や年金が振り込まれる口座を差し押さえれば、すぐに生活が困窮するとわかっていても差し押さえが行われているんです。これが実態なんですよ。
 そのような差し押さえが行われていることに、都が交付金まで出して推奨している、このことを都としてはどう受けとめるんでしょうか。

○梶原福祉保健局長 先ほどから申し上げていますように、国民健康保険制度は、保険料をみんなで払ってその運営をするというのが基本であるわけです。
 先ほどから、何かインセンティブをつけることによって、無理難題の資格証明書だとか滞納世帯ということ、短期の保険証の話をしていますけれども、都の資格証明書の発行状況というのは、全国に比べれば、短期証が三・二%、資格証が〇・九%。全国は、全世帯に占める割合は、短期証が五・一%、一・二%という状況であって、発行割合は低いという状況になっております。

○和泉(な)委員 もちろん、国保は、被保険者も費用の負担をしなければいけないということになっています。でも、冒頭で述べたとおり、保険料が高過ぎて払えない状態にまでなっているのは、やはり国庫負担をずっと引き下げてきた、これが根本的な原因だということは都も認識しているんじゃないですか。だからこそ、国に対してしっかりとした財政支援をする責任を持つ、そのことを求めているはずなんです。
 税金がかからない人に対してまで国保料をかけているのが実態だという中で、収納率を上げるために東京都が差し押さえ、資格証発行を推奨して交付金を出しているということを問題にしているんです。
 いつも同じような答弁をされるわけですけど、余りに現実を見ていないと思うんです。一度きちんと調査をするべきです。
 他の道府県で差し押さえ件数や資格証の発行枚数に応じて交付金を交付している、そういう道府県が幾つあるのか東京都は把握しているんでしょうか、伺います。

○本多地域保健担当部長 都道府県調整交付金による財政調整は、都道府県が区市町村の意見を十分に踏まえ、都道府県内の状況に応じて自主的、主体的に決めるものとされております。
 他の道府県の交付内容は把握しておりません。

○和泉(な)委員 私たちが調査したところ、回答のあった四十三道府県中、差し押さえに対して交付金を出しているのは、東京都以外には三件のみです。同様に、資格証の発行に対しては二件。しかも、差し押さえの三件のうち二件、資格証の二件のうち一件は、差し押さえや資格証発行を一件でも実施しているか、それが基準です。多いほど交付金がふえるなんていう仕組みにはなっていないんです。そういうやり方ならいいというわけではもちろんありませんが、都のやり方は余りにも突出しています。
 このような交付金を交付する仕組みは直ちに改めるべきではありませんか。

○本多地域保健担当部長 国が定める都道府県調整交付金配分ガイドラインでは、都道府県調整交付金は、地域の実情に応じた市町村の国保財政安定化のために必要な取り組み等に対して交付するとされております。
 収納率の向上は、都における最重要課題でございます。ガイドラインにおいても、特別調整交付金の交付例として、保険者の取り組みが収納率の向上などに資した結果に対して、都道府県ごとの基準により交付することが示されております。
 これを踏まえて、先ほども局長から答弁ございましたが、都はコンビニエンスストアでの収納の導入や電話催告などの収納対策、こういった経費についても交付するとともに、収納率や滞納処分の実績に応じて交付することで、保険料の収納確保対策に取り組む保険者の支援をしているものでございます。
 特別調整交付金は、国のガイドラインに従い、区市町村の意見を踏まえて交付内容を定めておりますので、収納確保対策に応じて交付することは必要であると考えております。

○和泉(な)委員 国の調整交付金ガイドラインは、確かに収納率向上の取り組みに対して交付金使っていいですよというふうになっています。しかし、その交付基準は、都道府県が条例で定めるというふうにされていまして、差し押さえ件数や資格証明書の発行割合に応じて交付金交付しなさいなんて一言も書いていないですよ。
 繰り返しますが、同じガイドラインを参照していても、ほとんどの道府県はこのような基準で交付金交付していないんです。保険料が高過ぎることに対しては、区市町村が決めることだから都には関係ないという立場をとり続けて、たとえ都民の暮らしが困窮しても、医療を受ける権利が侵害されても、差し押さえや資格証発行に応じた交付金を出して、それがあたかも国が具体的に示しているかのように答弁するというのは、都民の暮らしに責任を負う都として、余りにも無責任といわなければなりません。これが、誰もが安心して暮らせる東京をつくると標榜している都の姿勢として許されるんでしょうか。このような交付金、交付基準は直ちになくすべきだと、重ねて強く指摘するものです。
 続いて、東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例への質疑を行います。
 今回の条例改定は、主任介護支援専門員更新研修に関する手数料に係る規定が新たに設定されただけではなく、介護支援専門員実務研修、介護支援専門員更新研修、介護支援専門員再研修、主任介護支援専門員研修などの受講料が軒並み引き上げとなります。
 手数料の額の改定を行う必要があるという説明ですけれども、その必要とはどんな理由なんでしょうか、伺います。

○西村高齢社会対策部長 今後、医療の必要性が高い高齢者や認知症高齢者がふえる中で、介護支援専門員は専門職として、これまで以上に資質向上を図ることが必要でございます。
 今回、国において研修制度の見直しが行われました。具体的には、地域の介護支援専門員に対する助言や指導などの役割が求められる主任介護支援専門員につきまして資格更新制が導入され、その五年ごとの更新に際し、継続的に知識、技術等の向上を図る観点から更新研修が新設されました。
 また、介護支援専門員実務研修などの既存の研修についても、介護支援専門員と医療職との連携を促進するために、医療に関するカリキュラムの充実が行われました。
 今回の手数料額の新設及び改定は、これらの見直しに対応したものでございます。

○和泉(な)委員 細かいことを聞くようですけれども、これらの手数料の額ですが、どのような根拠で算出しているんでしょうか。例えば、介護支援専門員実務研修は、テキスト代が幾らかかるのか、講師謝礼が幾らかかるのか、事務経費、その他どのような経費がかかって、一回の研修を何人が受けると想定して受講料を算定しているのか伺います。

○西村高齢社会対策部長 介護支援専門員研修は、個人の資格取得にかかわる研修でございます。介護支援専門員の実務研修の受講試験に合格した者が受講する介護支援専門員実務研修につきましては、講師謝礼等が約二千九百万円、テキスト代が約八百万円、テキスト代を除く事務経費が約二千万円、人件費が約四千二百万円、その他会場使用料などが約二千六百万円、総額一億二千五百万円でございまして、研修受講料は、これを介護支援専門員実務研修を受講する見込みの人数、二千三百五十五人で割り返し、五万二千八百円と算出してございます。

○和泉(な)委員 介護支援専門員の実務研修は、二万六千四百円から五万二千八百円にまで上がります。しかも、話を聞いたところによれば、一日六時間程度の講習を八十七時間受けるということは十四・五日、約半月分を研修に充てるわけです。受講期間も長くなってスキルアップにつながるとはいっても、かなりの負担になるんじゃないでしょうか。
 都の説明では、介護人材の不足が深刻な中にあっても、ケアマネジャーは不足していないのだということですけれども、現在、都内でケアマネの有資格者、そのうちの実務従事者、主任介護支援専門員はそれぞれ何人いるのでしょうか、伺います。

○西村高齢社会対策部長 平成二十八年三月一日時点で、東京都に登録されている介護支援専門員証の交付を受けた有資格者は三万一千三百五十人でございます。
 同じく、平成二十八年三月一日時点で、都内の居宅介護支援事業所、介護保険施設等から届け出のあった実務に従事中の介護支援専門員は、延べ人数で一万五千七百二十八人でございます。
 また、主任介護支援専門員制度が創設された平成十八年度から今年度まで東京都が実施した主任介護支援専門員の研修の修了者は三千四百三十五人となっております。

○和泉(な)委員 資格を取っても実務に従事しているのは約半数ということになります。さまざまな理由はあるんでしょうけれども、特養ホームを初めとした施設が不足しているという中で、ケアマネは、施設でも在宅でもなくてはならない役割を発揮しています。
 ケアマネの仕事がどれほど重要か、私も親の介護を通して実感しています。状況の変化に応じて随時、家族との連絡もとりながら、病院に入院すれば病院とのやりとり、家族と病院とのカンファレンスにも参加をし、退院後の受け入れ先を探すために奔走し、ケアマネがいなかったら、とてもひとり暮らしの高齢者が住みなれた家で暮らし続けることはできないでしょう。
 しかし、施設経営者の話では、とても介護報酬では採算に合わないのが実態だというふうに伺いました。
 ケアマネジャーの平均年収は三百六十万円から三百七十万円、月収は二十六万円程度といわれていますから決して高くはありません。せめて研修の受講料を抑えるための努力をしていただきたいというふうに思います。都が負担をすることで、少しでも引き下げられるように見直しを求めたいと思います。
 最後、障害者差別解消法について伺います。
 障害者差別解消法の施行に向けて、都は、障害者差別解消法ハンドブック案を策定しました。作成に当たり、障害者その他の関係者を構成員に含む会議の開催、障害者団体等からのヒアリングなど、障害者、その他の関係者の意見を反映させるために必要な措置というのはどのように講じたのでしょうか、伺います。

○高原障害者施策推進部長 障害者差別解消法では、地方自治体が職員対応要領等を作成する際には、障害者等の意見を反映させるために必要な措置を講じることとしてございます。
 このため、都では、法の趣旨を踏まえ、ハンドブック作成に当たり、事前に身体障害者や知的障害者、心身障害者、難病患者等の当事者団体や各種福祉事業者などに対して、ハンドブックの内容を説明する場を設け、ヒアリングを行いました。
 さらに二月十五日からは、二週間パブリックコメントを実施し、都民から広く意見を聴取したところでございます。
 今後、これらの意見を参考にしてハンドブックを作成してまいります。

○和泉(な)委員 パブリックコメントの内容を十分に踏まえた上で、ハンドブックが障害のある人たちの社会的障壁を解消することに寄与するものとなるよう、さらに内容を充実、改善していただくとともに、広く都民と認識を共有するための普及啓発に努めていただくことを求めます。
 法律の実効性を確保するためには、相談窓口に法律の専門家や障害当事者など専門性と対応力を持ち合わせた人材を充てて相談を充実させることは、紛争解決のためにも重要だと思いますが、都としての見解を伺います。

○高原障害者施策推進部長 法は、障害者差別について、あらゆる分野におけるさまざまな場面を対象としておりまして、行政や民間を問わず、それぞれの窓口が障害者等からの相談に対して適切に対応することを求めております。
 また、民間事業者による差別に関しましては、主務大臣が事業分野ごとに対応指針を定めており、相談に当たっては、この指針を踏まえて対応する必要がございます。
 こうしたことから、国の基本方針では、相談体制の整備に当たっては、新たな機関は設置せず、既存の機関等の活用を図ることとしてございます。
 このため、法務局等の専門相談窓口によるほか、都では、職員等に対して障害者差別に関する研修等を実施いたしますとともに、先ほど申し上げましたハンドブックを積極的に活用し、それぞれの事業分野を所管する部署で、相談に対し適切に対応してまいります。

○和泉(な)委員 確かに、新たな機関を設置せずに、既存の機関等の活用をするというふうになっています。しかし、今の答弁には重要な文言が抜けています。既存の機関等の活用だけではなく、充実を図るというふうに基本方針に書かれているはずです。地方公共団体においては、相談紛争解決に当たる職員の業務の明確化、専門性の向上を図るとも記載されています。相談に的確に対応したり、紛争を長引かせずによりよい結論につなげるためには、相談窓口の専門性の向上は欠かせません。いま一度、基本方針の趣旨を踏まえて、都の主体的、積極的な対応を求めておきます。
 障害者差別解消のためには、地域の積極的な取り組みも必要です。基本方針でも、障害者の差別解消を効果的な推進とするために、身近な地域の主体的な取り組みが重要であることを指摘して、地域におけるさまざまな関係機関のネットワークとして、障害者差別解消支援地域協議会を組織することができるとしています。
 この障害者差別解消支援地域協議会を、都としても設置する必要があると思いますが、都の見解を伺います。

○斉藤委員長 最後の質問ですか--いいですか。

○高原障害者施策推進部長 ご指摘のとおり、法は、障害を理由とする差別を解消するための取り組みを効果的かつ円滑に行うために、国や地方公共団体において障害者差別解消支援地域協議会を組織することができるというふうにしてございます。
 今後、都は、障害当事者を初め、行政や医療、福祉、教育等の関係機関から成る地域協議会を設置し、ネットワークを構築することで、差別に関する相談等に関して情報を共有し、各機関が連携し、適切に障害者差別に対応できる体制を整備してまいります。

○和泉(な)委員 重要だと思います。協議会には、当事者や家族の参加などで当事者の意見を反映させることや、性別、年齢、障害の種別なども十分に配慮して組織していただくよう要望して、質問を終わります。

○島田委員 私からは、今、話題になっております待機児童の解消について、まずお聞きしたいと思います。
 待機児童の解消が国でも大きな課題になっております。保育園落ちた日本死ねというようなブログが話題となりまして、保育所に子供が入れないお母さんたちが声を上げまして、厚労大臣に署名を届けたというところでございます。
 先日も、現在の都内の保育所の倍率は二倍という報道がありましたけれども、各自治体では、前年より受け入れ人数をふやしておりますが、それを上回り、希望者が増加している状況でございます。
 国は、特殊出生率一・八を目指して対応されておりますが、まだまだ不十分であります。国、東京都、区市町村、それぞれのレベルで対応していかなければならない重要な課題だというふうに思っております。
 今回、議論がありましたけれども、省令が改正されまして、保育の担い手確保に向けての緊急の取りまとめが発表されましたが、この課題に対する都の対応について最初に質問をさせていただきます。
 この間、国が認可基準に関する省令の改正を行いまして、都道府県の判断で、認可保育所において、保育士以外の多様な人材を活用できるようになりましたが、そこでまず、こうした改正を国が行った背景について、改めてお伺いいたします。

○手島少子社会対策部長 国は、改正省令の公布通知におきまして、待機児童対策として、保育の受け皿拡大を大幅に進めている状況下にありまして、保育の担い手の確保は喫緊の課題であり、より一層の対応が必要であるとし、保育の担い手の裾野を広げることなどが必要であることから、省令の改正を行ったとしております。

○島田委員 保育サービスを二十九年度までに四十万人から五十万人に拡大する目標を立てておりますが、そういう局面にありまして、人材の確保を図るために、今回、この特例が設けられたということと拝察しております。
 そうなると、この特例の扱いですけれども、これはいつからいつまでになるのでしょうか。そしてまた、この特例に関しては、都は条例で定めるのか、あるいは規則で定めるのかお伺いいたします。

○手島少子社会対策部長 今回の特例に係る国の改正省令の施行時期は平成二十八年四月一日であり、都におきましても、四月一日施行に向けて手続を進めているところでございます。
 適用される期間は、省令において、保育の需要に応ずるに足りる保育所、認定こども園、または家庭的保育事業等が不足していることに鑑み、当分の間としており、都におきましても同様に定める予定でございます。
 また、規定の方法についてでございますが、都は、配置すべき職員の種別や、園庭や保育室などの設置すべき設備など、認可基準の基本的事項には条例で、職員の人数や園庭、保育室の面積など具体的な事項は規則でそれぞれ定めております。
 今回の改正は、特例の規定でございまして、基本的事項である保育士を置くという本則を変更するものではないため、規則での変更になる見込みでございます。

○島田委員 今、答弁いただきましたが、改めまして、保育の省令が開始されるときはいつからいつまでということでございますが、この四月一日ということで、今年度ですね、もう本当に時間がないわけでありますが、そして、当分の間ということでございますので、これはあくまで時限的な、特別な措置なんだということでよろしいのでしょうか、ちょっと確認させていただきます。

○手島少子社会対策部長 ただいまご答弁申し上げましたとおり、国におきましても、保育の需要に応ずるに足る保育所、認定こども園または家庭的保育事業等が不足していることに鑑み、当分の間としておりまして、この状態が解消されるまでということで限定をしております。都も同様に考えております。

○島田委員 これは本当に特例ということで、あくまで保育士が基本なんだけれども、人材が足りない。前回の委員会でも確認しましたけれども、現在の求人倍率が六倍という状況で、危機的な状況でございまして、これは何とかしなければいけないと、そういう状況でございますので、あくまで緊急な対応だということでございます。そのことを確認させていただきまして、一方で、保育の質の担保、そしてまた、大きな事故が起きないように、安全においても万全の対策が必要であるというふうにも考えております。
 また、今回は特例の規定で、先ほど答弁がありましたけれども、本則を変更するものではなく、規則の改正だということでありますが、この今回の保育士の規制緩和は大変重要な課題でありまして、私は議会の承認も必要なのではないかと考えておりますが、このことについては意見として申し上げたいというふうに思っております。
 そして、今回の改正のポイントですが、一つ目は朝夕などの配置基準の特例、二つ目は先ほど質問ありましたけれども、保育士資格を持たない方を、一定の要件を満たした場合に保育士とみなすことができるという特例の二点であるというふうに思っております。
 保育士のみなし規定でございますが、これは先ほど質問がありましたので、繰り返し質問は申しませんが、この内容につきましては、国の省令の改正で小学校教諭、そして幼稚園教諭、養護教諭及び一定の条件を満たす場合の知事が認める者を保育士とみなすことができるということでございます。そしてまた、実際の配置において、みなし保育士が認められる人数でございますが、これは今回の改正によるみなし保育士と、以前から定められている乳児四人以上を入所させる場合に保育士とみなされる看護師または保育士一名を合計して、必要な保育士の三分の一を超えない範囲ということを定めているというふうに思います。
 その中で、小学校教諭、幼稚園教諭、養護教諭などはわかりますけれども、先ほども一部質問ありましたけれども、知事が認める者とはどういう方のことをいうのかお伺いいたします。

○手島少子社会対策部長 知事が適当と認める者につきまして、国は、改正省令の公布に当たって発出した通知において、保育所で保育業務に従事した期間が十分にある者、家庭的保育者、子育て支援研修のうち、地域型保育コースを修了した者等が想定されるとしております。
 都は、先ほどもご答弁を申し上げたとおり、児童福祉審議会のご意見を踏まえ、子育て支援員、家庭的保育者、継続して一年以上認証保育所や小規模保育、障害児施設、乳児院などの現場で乳幼児に対する保育や療育などの経験を積んだ方であって、当該施設の施設長や代表者などが適当と認める方などを活用できるよう検討しております。

○島田委員 答弁にもありましたけれども、児童福祉審議会、私も傍聴させていただきました。この中では、一年以上の経験で十分なのかという議論もありました。そしてまた、都は今後--保育士の資格を持たない方も今、子育て支援として独自の研修制度も設けておりまして、認証保育所等で活動していただくことというふうに聞いております。
 こうした都のノウハウも生かしながら研修等も行いまして、そしてまた、一年以上の経験と。そして先ほどありましたけれども、常勤ということでございますよね。国よりさらに厳しい基準で、非常勤でなく常勤ということも含めまして、ぜひとも保育の質の担保に向けてしっかりと対応をお願いしたいというふうに思っております。
 規制緩和というとネガティブに捉えがちでございますが、私はむしろこれをチャンスと考えて、プラス思考で考えるべきだというふうにも思っております。今回のみなし規定に係る改正は、うまく活用することで質の向上にもつながると思います。
 先日の厚生委員会でも申し上げましたが、特に小学校教諭の活用でございますが、これは小学校との円滑な接続に、そして幼稚園教諭は、今、認定こども園がありますけれども、幼保の連携ということに大いに資する可能性を秘めているわけでございます。
 都が基準を定めるに当たっては、こうした人材をよりよい方向で活用できるようにしてほしいと思いますが、見解をお伺いいたします。

○手島少子社会対策部長 幼稚園教諭及び小学校教諭の活用につきましては、幼稚園教諭等の専門性を十分に発揮するという観点から、国においても、幼稚園教諭は三歳以上児、小学校教諭は五歳児を中心に保育することが望ましいとされております。
 都は、東京都児童福祉審議会の意見を踏まえ、幼稚園教諭及び小学校教諭が行う保育につきましては、高年齢児を基本とする方向で検討を行っております。

○島田委員 今ご答弁で、幼稚園教諭は三歳児以上と、それから小学校教諭は五歳児以上を中心にということでございます。
 私も、先ほどありましたけれども、児童福祉審議会の方でこの議論がありました。その中では、幼稚園教諭と小学校教諭は、担当する対象年齢を絞るのかということがございましたが、この点はいかがですか。

○手島少子社会対策部長 幼稚園教諭や小学校教諭としての専門性が生かされるよう、高年齢児の保育を原則としつつ、例えば、四歳、五歳児の合同保育など、保育所の運営方針に合わせた柔軟な対応も可能となるよう、現在、児童福祉審議会のご意見を踏まえて検討を行っているところでございます。

○島田委員 それぞれの専門性を生かすということでございますと、そういった高学年の年齢ですね、交代しないということもあろうかと思いますが、今ご答弁にもありましたが、例えば異なる年齢の児童をまとめて保育をしているような保育所もあるわけでございますし、そしてまた小規模な保育所もあります。そういう保育所においては対象年齢が絞られると活用しづらいという意見も多数、その審議会ではありました。こうした幅広い意見を踏まえつつ、柔軟に対応していただくよう要望を申し上げておきたいというふうに思っております。
 小学校教諭の活用については、保育士の専門性に裏打ちされた保育と学校としての教育が適切にミックスされて提供されるということで、子供たちは小学校に上がる心構えや準備ができます。また、幼稚園教諭の活用につきましては、先ほど申し上げました認定こども園など、幼保が連携した保育所もあるわけでございまして、これらの方々を活用し、専門性を生かすことにより、ぜひ保育の質の向上ということに期待したいというふうに思いますので、よろしくお願いをいたします。
 次に、もう一つの改正のポイントであります、朝夕など児童が少ない時間帯におきまして保育士配置基準の緩和について、まず省令改正の具体的な内容と期待される効果についてお伺いいたします。

○手島少子社会対策部長 保育所の職員配置は、児童の年齢に応じて配置することとされ、具体的には、ゼロ歳児三名、一、二歳児六名、三歳児二十名、四歳、五歳児三十名につき、保育士をそれぞれ一名配置することとされております。
 例えば登園児童がゼロ歳児三名だけだった場合、計算上は保育士一名となりますが、こうした場合でも、現行の規定では二名以上の保育士を置かなければならないとされております。今回の国の改正省令では、このような場合には、保育士一名と知事が認める者一名以上の配置を認めることとしております。
 昨年十二月の国の保育士等確保対策検討会の取りまとめでは、この特例により、園児の多い日中のコアタイムに保育士資格者を集中的に配置することが可能となり、保育所全体で見て、質の向上につながるとしております。

○島田委員 今、答弁をいただきましたが、保育所は延長保育を行わなくても十一時間の開所でございます。早番と遅番があるわけでございますが、ましてですね、地域のニーズに応え、例えば二時間延長保育を実施すれば、朝七時から夜の八時まで保育を行っているわけでございます。朝早くから夜遅くまでの保育をローテーションで回しているわけでございまして、さらに土曜日も毎週行っているわけでございます。そういうことから、勤務形態によりまして、保育士さんの負担はとても大きいというふうに思っております。
 都が行った保育士の実態調査におきましても、潜在保育士さんの再就業の条件としまして、勤務日数や勤務時間など労働条件が上位に挙がっております。この緩和をうまく使うことで、早朝勤務や遅番を少しでも減らしまして、負担を軽減するとともに、日中、子供たちの活動が活発に行われているコアタイム、この時間帯の職員配置を手厚くして、これは質の向上につながるというふうに思いますので、そのことをよろしくお願いを申し上げたいというふうに思っております。
 これまで、保育の担い手確保に向けた緊急対策について議論してまいりましたが、保育のかなめが保育士さんであるということは変わりはないわけでございます。保育士確保につきましては、引き続き全力で取り組んでいただく必要があります。
 とりわけ、保育の質の面からは、長く働いていただくこと、すなわち定着が重要であります。今年度から開始したキャリアアップ補助制度でございますが、この制度は、この点でとても大切な取り組みでございます。
 保育士の処遇改善、これが最も重要な対策であるということはいうまでもないわけでございます。今年度から事業開始されましたので、実績はまだこれからだというふうに思いますが、この事業がキャリアアップや処遇改善に資するよう取り組まれているのか、今年度の取り組み状況についてお伺いいたします。

○手島少子社会対策部長 保育所の職員給与につきましては、今年度から、国の公定価格に処遇改善等加算が創設され、都もサービス推進費を再構築し、保育士等キャリアアップ補助を開始いたしました。
 これまでのサービス推進費は、必ずしも保育士のキャリア形成に結びついていないという実態があったため、新たな補助制度では、補助対象経費を人件費に限定するとともに、職責等に応じた賃金体系の設定など、補助の要件を満たしていることを証明する届け出書や、賃金改善に関する実績報告書などの提出を求めることとしております。
 今年度は、対象となる認可保育所、認証保育所、地域型保育事業等の約八割に当たる二千三百三十事業所から補助金の申請があり、これらの事業所では、キャリアアップや処遇改善が図られているものと認識しております。

○島田委員 今ご答弁ございましたが、これは今年度から開始した事業でありますので、まだ課題の整理はできていないというふうに思いますが、今ご答弁の中で、まだ八割が使われておりますが、二割は活用されていないという事業所もあるということでございますので、また広報活動等、そしてさらなるこの制度の充実を図られたくお願いを申し上げます。
 待機児童解消は、都政において大変重要な課題であります。保育の質を担保しながらも、保育士確保に向けて柔軟な対応をとることが重要であると考えております。そして保育士の処遇改善は、国の対策を待っていられない状況でございます。知事や局長のリーダーシップのもと、しっかりとした措置を求めることを改めて要望いたしまして、次に、死因究明についてお伺いをさせていただきます。
 遺体の検案等によって、死因及び死に至る過程を明らかにすることは、人が受ける最後の医療といわれております。生前に病気やけがをすれば、最良の医療が施されるのと同様に、死因の究明に関して、最良の検案等が行われることが死者の尊厳を守ることでありまして、一人の死を万人の命につなげる、生につなげるということが、すなわち公衆衛生の向上につながるものと考えております。
 東京都における死因究明の実施体制は、監察医を置くべき地域を定める政令に基づき、特別区においては、東京都監察医務院が検案、解剖業務を行っております。
 東京都監察医務院は、老朽化した庁舎の建てかえとともに、その機能を強化することを目的として、平成二十六年五月に新庁舎が竣工し、同年七月から新庁舎での業務を開始したと聞いております。
 この建てかえに伴い、具体的にどのような点が強化されたのか、改めてお伺いいたします。

○西山医療政策部長 新庁舎では、解剖数の増加に対応するため、解剖台を五台から六台へ増設し、感染症に対処するための独立した解剖室も新設いたしました。
 また、より的確な解剖を実現するためのCT画像システムや、違法薬物などを検出するためのタンデム型液体クロマトグラフ質量分析装置を新たに導入いたしました。
 さらに、遺族のプライバシー保護を徹底するため、遺族待合室の増設と個室化を図ってございます。

○島田委員 今ご答弁がございましたが、この解剖数が増加しておりまして、解剖台を五台から六台に増設する、あるいは感染症に対応するための独立した解剖室も新設するなど、大変、施設設備がここで改善されたということで、ぜひ、この施設設備の充実について努められたくお願いを申し上げます。
 そしてまた、この間、国においては、死因究明及び身元確認の実施に係る体制の充実強化が喫緊の課題になっていることを踏まえまして、平成二十六年六月に死因究明推進計画が策定され、その中で、地方の状況に応じた施策等を議論する場の設置が求められたことから、都でも死因究明推進協議会が設置されまして、議論が行われております。
 しかし、この協議会では、死体解剖保存法第八条に基づく二十三区内の監察医解剖と、同じく第七条に基づいて二十三区外で行われる承諾解剖のみが対象となっていると聞いております。
 東京都が所管している事務というくくりになっていることは理解できますが、死因究明のための解剖といえば、司法解剖や、平成二十五年に施行された死因・身元調査法に基づく解剖もありまして、いわゆる新法解剖でありますが、死因究明全体の精度を高め、再発防止等の施策を結びつけるために、総合的に議論の必要があるというふうに考えますが、都の見解をお伺いいたします。

○西山医療政策部長 委員のお話にもございましたが、国は死因究明等推進計画において、都道府県に対し、地方の状況に応じた施策の検討を目的とした関係機関、団体等が協議する場の設置活用を求めておりまして、都では平成二十七年五月に死因究明推進協議会を設置いたしました。
 都では現在、刑事訴訟法に基づく司法解剖及び警察が取り扱う死体の死因または身元の調査等に関する法律に基づく新法解剖は、いずれも大学の法医学教室で行っております。
 また、行政解剖については、特別区では監察医を置くべき地域を定める政令に基づき、検案を含めて東京都監察医務院が実施しておりまして、政令で定められていない多摩・島しょ地域では東京都医師会及び大学等の協力も得ながら検案体制を確保し、必要に応じて解剖を行っております。
 都の死因究明推進協議会では、多摩・島しょ地域におきまして、検案を委託している医師の高齢化が進み、検案医が不在の地域が生じているなどの課題がありますことから、これらへの対応を喫緊の課題として捉え、優先して議論を行っております。

○島田委員 東京都におけます死因究明体制の現状等については、よくわかりましたが、監察医制度の体制がない多摩地域では、二十三区に比べまして死因究明の体制が整っておらず、この体制の整備が喫緊の課題であると、そのことは私も西多摩地区の選出でございますので、よく理解しております。
 一方で、死因究明等推進計画策定におきましては、これは高齢化の進展等に伴う死亡数の増加であったり、犯罪の見逃しの防止であったり、これは災害から発生していますが、平素から身元確認体制を整備していくことの重要性、この三つの観点から、死因究明に係る施策の総合的かつ計画的な推進の必要性が生じたことが基本的な考えにあるわけでございます。死因究明推進協議会においては、それ以外に幅広く総合的な議論をしていただくことを要望させていただきます。
 そしてまた、先ほどご答弁いただいた監察医務院では、かねてから死因究明に係るデータを整備し、熱中症による死亡や入浴中の死亡の発生状況に関する注意喚起など、ホームページや公開講座による情報発信を行いまして、都の衛生関連施策に反映させるなど、公衆衛生の向上に努めておられます。
 しかし、司法解剖事例、新法解剖事例に関しては、そもそもデータが集積されず、さまざまな対策を講じる上で大切なデータを眠らせている状況のようにも見えます。行政解剖、承諾解剖を含め、データの一元化を図ることもあわせて要望しまして、私の質問を終わります。

○斉藤委員長 この際、議事の都合によりおおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時休憩

   午後三時十五分開議

○斉藤委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○両角委員 今後ますます介護需要が見込まれる一方で、介護の担い手不足が見込まれている中で、東京都では、介護人材の確保や育成に関し、さまざまな手を打っております。現場の職員の皆様のご努力に、まずは心から敬意を表したいと思いますし、局長、私、両角みのるは、微力ながら全力でこの都の取り組みを応援するという立場から、この介護人材の確保支援策について何点か質問をさせていただきたいと思います。
 まず、東京都福祉人材センターへの委託事業という形で、平成二十六年度から実施をされております介護人材確保対策事業について伺いたいと思います。
 初年度のこの事業実績というのが、金額ベースでは執行率四割強という状況でありました。そこで、まず、今年度、二十七年度現時点での実施状況を伺います。

○西村高齢社会対策部長 介護人材確保対策事業は、学生、主婦、離職者等が施設等で介護業務を体験する事業や、希望者に無料の研修による資格取得を支援する事業のほか、離職者等に介護施設等を紹介し、働きながらの資格取得を支援するトライアル雇用事業の三つの事業から成っております。
 平成二十七年度は、事業者への周知の充実やトライアル雇用事業者の職場体験事業への参加の呼びかけなどを行いまして、受け入れ事業者を拡大したところでございます。
 また、休日などに受け入れが可能な事業者をふやし、利用者が参加しやすい環境を整備するとともに、ホームページやリーフレットなどさまざまな媒体を通じ、事業者への参加を呼びかけてまいりました。
 その結果、平成二十七年十二月末現在の実績としましては、職場体験事業は千六百人の計画数に対して七百九十八人、資格取得支援事業は八百人の計画数に対し五百三十二人、トライアル雇用事業は四百人の計画数に対しまして二百六十一人となっております。

○両角委員 実績についてお答えをいただきまして、三事業あって、一つの事業、職場体験事業については、率でいうと四九・八七%という形になります。資格取得事業については六六・五、トライアル雇用事業は六五・二五ということで、十二月末現在ということでありますが、昨年の二十六年度実績よりは、これは伸びているということでありますが、なかなかまだ低い数値にあるので、改善余力があるのかなということであります。
 そこで、次に、平成二十八年度につきましては、二十七年度とほぼ同額の予算が確保されているわけでありますけれど、その事業内容並びに過年度の経験と課題を踏まえた取り組みについて伺いたいと思います。

○西村高齢社会対策部長 来年度は、今年度実施した内容に加えまして、トライアル雇用事業による就業者の定着を促進し、介護人材の離職を防止するため、新たに定着促進員を配置しまして、事業者及び就業者に対する相談、助言を行ってまいります。
 また、より多くの方に本事業を活用していただけるよう、介護に関心のある学生等への参加を呼びかける従来の取り組みに加えまして、事業開始時期に合わせたトレインチャンネルでの周知や、新たにフリーペーパーも活用するなど、本事業を幅広く周知してまいります。

○両角委員 告知、広報についての新しい取り組み等を含めてやられるということですから、応援しています。
 それで、次に、新規事業ということで、福祉人材の総合支援事業ということが、これ、芽出しで主要事業の予算書に載っているわけでございます。
 この事業、二億三千万円余という額が計上されているわけでありますけれど、この中で新規の事業として、福祉職場応援プロジェクトというものと福祉職場サポート研修・入門研修というものがあるんですけれど、それぞれについて、目的、対象並びに事業内容について伺います。

○坂本事業推進担当部長 福祉人材総合支援事業でございますが、福祉人材を安定的に確保するため、人材の掘り起こしから育成、職場定着に向けた事業者とのマッチングまでを総合的に支援する取り組みでございます。
 お話の福祉職場応援プロジェクトでございますが、保育や介護等への関心が低い一般大学の学生等を対象にいたしまして、有償のインターンシップを実施し、福祉職場への就業意識を促進することを目的に実施するものでございます。
 また、福祉職場サポート研修・入門研修でございますが、主婦や高齢者等を対象にいたしまして、食事の配膳や清掃等のサポート業務や福祉に関する基本的な知識に関します研修を実施いたしまして、福祉職場での多様な働き方を促進することを目的に実施するものでございます。

○両角委員 ただいまご答弁をいただきまして、ご説明をいただきました。福祉職場応援プロジェクトと福祉職場サポート研修・入門研修という二つの事業なんですが、先ほど、この前に質問をさせていただいた介護人材確保対策事業の三事業と対象とするターゲットが若干重複し、事業内容にも似通った点があるようにも感じるわけでございます。
 事業のすみ分けや重複が心配をされるこの参加者の需要予測というものはどのようになっているのか伺います。

○坂本事業推進担当部長 今お話がございました福祉人材総合支援事業の二事業でございますが、多様な人材の活用に向けまして、福祉分野への関心が低い一般大学の学生や主婦、元気高齢者などに対しまして就業を促進することを目的として実施するものでございます。
 一方、介護人材確保対策事業につきましては、介護業務に関心がある層に対しまして、職場体験や資格取得支援などを実施するものでございまして、事業の対象となる層が異なっております。

○両角委員 ご答弁で、関心のあるなしで、その対象が分かれているんだと、そういう制度設計ですよというお話でございました。
 しかしながら、具体的な対象としては、学生、主婦、元気高齢者ということで、その受け手とかからすると、じゃあ私はこっちにいってみようかな、あるいは、こちらの総合事業の方にしてみましょうかというのは、供給サイドが関心があるなしで分けているとおりにきれいには割れないと思いますので、そういった意味で、ターゲットの重複、取り合いになることがないのか若干心配なんですが、制度設計について今後工夫も凝らしていただければと思います。
 続いて、東京都福祉人材対策推進機構を今後設置していくということなんですが、この機構というのはどのようなものなのか、中身をお聞かせいただきたいと思いますし、また、機構の役割と意義、設立の時期について伺います。

○坂本事業推進担当部長 東京都福祉人材対策推進機構でございますが、福祉人材の確保等に関する取り組みの一層の促進に向けまして、関係機関が連携した一体的な福祉人材対策に取り組むため、新たに東京都社会福祉協議会に設置するものでございます。
 この機構では、これまでの介護人材確保対策事業などの取り組みに加えまして、福祉職場応援プロジェクトなどの事業を新たに実施し、人材の掘り起こしから育成、職場定着に向けた取り組みを総合的に支援することとしております。
 また、都、国、区市町村、福祉事業者、関係団体等の参加を予定しておりまして、来年度、参加団体との調整等、準備が整い次第、設立する予定でございます。
 今後とも、関係機関と連携し、福祉人材の確保に取り組んでまいります。

○両角委員 この機構の必要性、意義というのを明確にしていただいて、成果がしっかり発揮されるような取り組みを期待したいと思います。
 続いて、介護職員のキャリアパスの導入促進事業について伺いたいと思いますが、先ほど他の委員の方からもご質問があったわけでございますが、若干視点も違うところがございますので、先ほどの質疑も踏まえながら質問させていただきたいと思います。
 本年度スタートの介護職員キャリアパス導入促進事業は、先ほどの質疑の中でもご説明がございましたとおり、国のキャリア段位制度を活用して、介護事業所のキャリアパス体制づくりを支援する都独自のものでございます。介護職場にやる気やキャリアアップのインセンティブを生ずることにつながるという点で、意義あるものだと感じているところでございます。
 本年度、平成二十七年度については、約十億円の予算がつけられて事業展開をされているわけでありますけれど、現時点での事業の実施の状況についてお聞かせをいただきたいと思います。

○西村高齢社会対策部長 都は平成二十七年三月に、全ての事業者を対象に本事業の概要を説明したほか、同年五月には、事業者向け説明会を開催し、具体的な補助内容や補助金の申請方法などを説明するとともに、国のキャリア段位制度の実施機関であるシルバーサービス振興会からも段位制度の説明を行いました。
 また、十一月から十二月にかけまして、管理者等を対象とした職場の人事管理、人材育成及び経営改善に関するセミナーを開催し、キャリアパスの導入に向けた事業所内の体制づくりを支援いたしました。
 今年度は、現在までに五十五事業所に対し、交付決定を行っております。

○両角委員 先ほどの他の委員の質問に対して、認定者がまずいないと、要は、評価者がいないと認定が進まないということで、アセッサー数について、都は八百八十四人ですか、平成二十七年度確保されているという話がございましたが、そこが、今後、やっぱり広がっていかないと、この事業というのは伸びていかないということなんですが、十億円ついたこの事業で、五十五事業所について交付決定がなされているという、今ご答弁でありました。
 この事業スキームを見ると、一事業所は、その段位を認定された方に五十万円の補助を出すと。一事業所、四人までだと。だから、最大、一事業所が二百万円まで補助を受けることができる。単純に五十五事業所、四人を全て認定していると、マックスで見て約一億一千万円が現在まで執行されている。執行というか交付決定されている。すなわち、十億円の予算に対して約一割という状況ですね。
 しかしながらこれは、福祉の予算、今、特に介護分野、大変ですから、課題が多いですから、いろんな事業を立ち上げてお金がどんどんつくわけですね。その中で、やはりこのやり方とか段取りということを考えていく必要があるんじゃないか、そんなふうに感じますので、そこで、次の質問に移らせていただきたいと思います。
 平成二十八年度については、実はこの十億円に対して、さらにプラス十五億円が予算措置をされています。すなわち二十六億円、平成二十七年度の二・六倍の予算計上がなされているわけでありますけれど、先ほどの、現時点での本年度の状況を見ると、これはかなり挑戦的というか、むしろ野心的というような、そんなふうにも思えるわけでありますけれど、どのような体制や取り組みでこの事業を実施していくつもりなのか伺いたいと思います。

○西村高齢社会対策部長 本事業は、平成三十七年度までに、全ての介護保険事業所、約一万カ所においてキャリアパスの仕組みが導入できるよう、当面三カ年、段階的に規模を拡大していくこととしておりまして、来年度の対象事業所数は千六百九十カ所としております。
 本事業で活用する国のキャリア段位制度は、事業者から、段位評価者を養成する講習会が年一回で受講しづらい、段位取得の認定審査に時間を要するなどの課題も指摘されております。
 そのため都は、国に対し、キャリア段位制度の推進を図るよう提案要求しますとともに、制度の実施機関である一般社団法人シルバーサービス振興会に対して、講習会の受講機会の拡大と段位取得の認定審査の効率化などを提案してまいりました。
 引き続き、国やシルバーサービス振興会に強く提案するとともに、事業者に対する説明会やセミナーを開催するなど、事業実施に向けた働きかけを行ってまいります。

○両角委員 平成二十八年度から、これから、今ご答弁の中で、平成三十七年度までに、だから十カ年計画で、全ての都内の介護事業所、約一万カ所でキャリアパスの仕組みが導入できるように、そういう目標を設定しているんだというお話でありました。これは重要なことでありますし、そのようにしていくべきだと自分も思います。
 その中で、二十八年度については、千六百九十カ所の事業所にこのキャリアパスの仕組みが導入できるようにこの事業を活用してもらおうではないかという話でありますけれど、ただ、目標設定はいいんですけれど、数字からいうと、平成二十七年度三月十五日現在、きょう、五十五カ所ですよ、そこから千六百九十カ所。来年度は三十倍、数をこなしていくというのは、かなり厳しいんじゃないかな、こんなふうに思うんです。
 それで、この事業自体は非常に意義があるものですが、しかし、段位評価者が存在していることが前提となっている。だから、都は国に対しても、このアセッサーを認定する機会をもっとふやすとか、そういうことも働きかけている。それは、まさに必要なことをやられているということなんですが、この事業を十カ年でやるときに、私は、ステップを踏んでやるべきではないか、ステップ・バイ・ステップでやるべきではないか、こんなふうに思うんです。
 まずは、こういった制度を周知したり、あるいは、アセッサー養成の支援をするとか、そして、土台ができたときに予算をどんどんつけていけば、これは順調に回り出せばすうっと回っていくと思います。そうしないと、現場はお金をつけられて大変じゃないですか。こんなふうにも思います。
 そこで、次の質問でありますけれど、本事業で都内に多くの介護事業所にキャリアパス制度が根づいていくことを期待しているんです。しかしながら、一度補助を得た事業所がキャリアパス制度をしっかりと続けていく、あるいは改善をしていく、一定程度この制度が普及をした後にさらに広げていく啓発などが必要だと思います。今後の展開について伺います。

○西村高齢社会対策部長 介護職員の処遇における一番の問題は、キャリアパスの仕組みが十分でないことでございます。
 そのため都は、国のキャリア段位制度を活用して、職責に応じた処遇を実現するキャリアパスの導入に取り組む事業者に対する都独自の補助制度を開始いたしました。
 この補助制度では、段位取得者に対する手当の支給にとどまらず、就業規則等の変更や経営改善、職員研修の実施など、事業所のキャリアパスの構築に向けた取り組みも支援しております。
 今後とも本事業により、キャリアパス導入に取り組む事業者を支援するとともに、国に対しては、キャリアパスの仕組みが恒久的なものとして定着するよう、現在の介護職員処遇改善加算につきまして介護報酬の基本部分に組み込むことなどを引き続き提案要求してまいります。

○両角委員 やり方の工夫もしていただいて、決して数字だけ、執行率だけを見ているわけではないんですね。ただ、やっぱり問われてしまいますから、そこで、この介護人材確保、支援にかかわる施策の成果検証と再構築ということについて伺いたいと思いますけれど、次年度、平成二十八年度事業では、この介護人材の確保、育成支援に関する新規事業が幾つも立ち上げられておりまして、現在、本年度よりもメニューが豊富になってきております。
 将来、介護人材不足が見込まれることを考えれば、都が最大限の努力をしていることについては敬意を表するものであります。一方で、この事業を立ち上げるときのニーズの把握が甘かったり、あるいは、ターゲットの重複や同じような事業の並立が見えるように受けとめられることもあります。
 こうしたことから、介護人材の確保策の立案、実施に当たっては、施策の成果検証とあわせて事業の再編見直しをすることが必要なのはもちろんのこと、事業に多額の予算がついても、その実施体制や準備が整わなかったりして、あるいは、やり方が、順番がうまくいってなかったりしてこなせないという事態に対処をしなくてはいけないと思います。
 そこで、今後の介護人材確保育成事業全体での調整や見直し、確実な実施についての見解を伺いたいと思います。

○西村高齢社会対策部長 介護人材の確保は喫緊の課題でございます。そのため都は、これまで介護人材確保対策事業やキャリアパス導入促進事業を初めとするさまざまな取り組みを行っておりまして、来年度も、介護職員の宿舎借り上げの支援など、新たな取り組みを行ってまいります。
 各事業の立案、実施に当たっては、その対象や方法について事業間で調整することはもとより、事業実績を踏まえ、必要な見直しを図るとともに、実施方法を工夫するなど、事業の確実な実施に努めてまいります。

○両角委員 まさに今ご答弁いただいたとおりだと思います。しっかり取り組んでいただきたいと思います。
 予算編成は、限られた財源を活用して、必要な事業に実施をするものにお金をつけるということでありますから、お金をつけて不用額がもう連続して出るようなことは、極論すれば、他の事業へしわ寄せが出てくるということになるんだろうと思います。
 きょう、朝テレビを見ていましたら、都知事の海外出張についてやっていました。二十人に五千万円のフランス出張が高過ぎるんじゃないかと。いろんなコメントがありましたけれど、その中で一つ響いたのが、東京都は富裕団体だからだと。東京都は富裕団体だから、いろいろ予算をくっつけて、しかし、執行がなかなかできていなくてもしようがないんだというような、あるいは、東京都は富裕団体だからお金をこんな使い方をしているんだよといわれないような予算編成をしていかなきゃいけないと思いますから、そういった観点も持って事業の再構築等を考えていただきたい、このように思います。
 次に、有料老人ホームでの虐待、あるいは重大事故対応ということで伺いたいと思います。
 川崎市の有料老人ホーム、Sアミーユ川崎幸町で入居者三名が相次いで転落死をした、そういった問題がありました。本年二月に、この当時の介護職員が入居者をベランダから投げ落としていたということで逮捕されたわけであります。
 ついの住みかとして安心を求めて入居した有料老人ホームで、施設職員が入居者を殺害するという事件は非常にショッキングなものであります。殺人までいかなくても、こうした施設での虐待が社会問題となっているのが、しかし現状であります。
 都内には、こうした有料老人ホームが七百以上あり、今後さらにふえていく見込みであるということでありますけれど、東京都は、この事件が明らかになった段階で、どのような対応をとったのか伺いたいと思います。

○飯塚指導監査部長 副委員長お話しの事件が起こりました有料老人ホームは川崎市にございますが、その運営事業者である積和サポートシステム株式会社は、主に神奈川県内及び東京都内で事業展開しており、本社が都内にあるため、都は、介護保険法に基づく運営事業者の業務管理体制整備にかかわる指導監督権限を有しております。
 このため都は、事件が明らかになった直後から、施設を所管する川崎市、積和サポートシステムの親会社である株式会社メッセージを所管する国とも連携し、積和サポートシステムに対し、業務管理体制の整備に係る監査を実施いたしました。
 その結果、施設に対して事故発生時の報告や再発防止策等について適切に指示していない、高齢者虐待防止等の研修を十分に行っていないなどの問題が確認されたことから、昨年十一月、積和サポートシステムに対し、改善を求める勧告を行いました。

○両角委員 川崎市では、この事件が明らかになった昨年九月に、プロジェクトチームを編成し対応を進め、容疑者逮捕の後には、高齢者施設等を指導する職員を増員して、監査、指導体制を充実させる方針を打ち出したと聞いておりますけれど、都は今後、有料老人ホームで虐待等への対応をどのように充実させていくつもりか伺います。

○西村高齢社会対策部長 有料老人ホームは、老人福祉法第二十九条に基づく施設でございまして、都は、法に基づき、届け出等の指導を行っております。
 また、東京都有料老人ホーム設置運営指導指針を策定しまして、指針に適合しない運営が行われている場合には、計画的に改善を行うよう指導しております。
 昨年十二月にはこの指針を改正し、施設が遵守すべき事項として、事故防止への取り組み強化、虐待が疑われる事故が発生した場合の都への報告、介護職員に対する認知症介護や虐待防止に関する研修の実施などを盛り込みました。
 改正内容につきましては、事業者向け説明会を開催して周知徹底を図っており、高齢者虐待への対応の第一義的な役割を担う区市町村とも連携し、有料老人ホームの指導を行ってまいります。

○両角委員 しっかり取り組んでいただきたいと思います。
 高齢者をめぐる問題と同時に、子供さんをめぐる問題というのも今の社会の喫緊の課題なわけであります。
 そうした中で、知事は、二十億円の都の出捐、都民寄附をもとに基金を創設して、それで新たな福祉事業を民間やNPOに展開をしてもらおうという、そんな事業を始めたと。子育て応援事業であります。
 この子育て応援事業は、今お話をしたように、都の出捐と都民寄附をもとに進めていく、そのもとのお金とするということでありますけれど、この都民寄附については、昨年の事務事業でも伺わせていただいたんですが、現在では、その寄附の状況はどのようになっているのか伺いたいと思います。

○坂本事業推進担当部長 都は、社会全体で子育てを応援する機運を醸成することを目的といたしまして、都の出捐及び都民等からの寄附によります東京子育て応援基金を創設し、その基金を財源とした東京子育て応援事業を今年度から新たに実施しているところでございます。
 お話の三月九日現在の寄附の実績でございますが、個人から二十八件、十万九千円、法人などから四十六件、四十二万七千六十三円、イベントでの募金が四千九十四円、合計で五十四万百五十七円となっております。

○両角委員 前回伺ったときは、個人寄附については十八件、六万八千円というお話でございました。その前の段階では一件しかなかったという話ですから、そういった面では、この間、寄附がだんだん集まってきたのかなと思いますが、まだまだ少ないという感じがしますので、この金額の多寡だけではなくて、この基金の趣旨からいって、いろんな都民の方の参画を得るという趣旨からいって、お金を集めていただきたいと思います。
 そこで、この寄附状況に鑑みて、都民の事業への参画意識は進んだのかどうか確認をしたいと思います。

○坂本事業推進担当部長 東京子育て応援事業では、今年度、ホームページへの掲載、メールマガジンの配信、関係団体へのリーフレットの配布などによりまして、その趣旨や寄附につきまして周知いたしますとともに、経済団体、区市町村などに対しまして、本事業への協力を要請いたしました。
 また、二月二十七日に行われました子育て応援とうきょう会議が主催いたしますイベントでは、約七百人の方のご参加がございまして、こうした場でも寄附を募りましたほか、この三月に開催した本事業の中間報告会では、二百八十一団体、三百五十人の方の参加をいただくなど、一定の成果が出ているものでございます。
 都としては、引き続き、本事業の推進に賛同が広く得られますよう周知に努めてまいります。

○両角委員 この子育て応援事業については、中間報告が現在もなされているんでしょうか。三月八日にも新宿で行われまして、私も参加をさせていただきました。
 その事業報告書によれば、平成二十七年度、現在実施中の十六事業の中で、これを自己評価でS、A、B、C、Dの五段階評価をしているわけですが、B、一定の成果が得られたというのは十一、C、限定的な成果が得られたが二、D、成果が得られなかったが二つ、A、すぐれた成果が得られたが一つ、S、特にすぐれた成果が得られたがゼロという報告が、この報告書の中ではなされておりますが、所管の局としては、財団が実施した初年度の子育て応援事業について、どのように評価をしているのか伺います。

○坂本事業推進担当部長 平成二十七年度に採択いたしました十六事業者につきましては、各事業実施団体から一月末現在での事業の成果等報告書が提出されております。
 この報告書では、今お話がございましたように、四分の三に当たります十二業者が、取り組み成果の自己評価を、A、すぐれた成果が得られた、またはB、一定の成果が得られたとしておりまして、この中では、ニートやひきこもり等の状況にある若者にITスキルを付与し、企業でのインターンシップにつなげる取り組みでございますとか、地域の空き地や広場を活用し、多世代が交流する遊び場をつくる取り組みなど、多様な主体による子育ての支援の取り組みが促進されていると考えております。

○両角委員 今、一定の成果があったということで、その十六事業の中で、事業者の自己申告の評価でD評価--D評価はどういうことかというと、成果が得られなかったとみずからいっている事業が二事業あるんですね。
 この二事業を見ると、要は、実質的に事業が現在スタートしてないんですよ。それぞれの事業が、現時点で未着手である理由を伺いたいと思います。

○坂本事業推進担当部長 お話のとおり、本年一月末現在の成果等報告書では、自己評価D、成果が得られないと回答いたしました事業者が二件ございました。
 まず、一件目でございますが、学内カフェを軸にいたしました高校中退予防やプラットホームの開発を行う事業でございますが、これは相談や学習支援を行う大学生ボランティアの募集育成事業という部分がございます。こちらの方は大学生ボランティアを約三十名ぐらい育成中でございまして順調に進んでおりますが、一方、高校に学内カフェを設置し、相談や学習支援を行うことで高校中退を予防する事業の部分につきましては、当初協力を予定しておりました高校が方針転換をしたため、事業の着手がおくれているという報告がございました。
 また、もう一つの事業でございますが、子育て中の女性のための就業支援施設、京王ママスクエアの開業の事業でございますが、これは駅ビルの中にキッズスペース、ワーキングスペース、親子カフェから成る複合施設を設置する予定でございました。しかし、採択後でございますが、当該事業者が店舗開発や開業時期等の事業スキームにつきまして見直しを行いましたことによりまして、未着手というふうになっております。

○両角委員 二事業ですね。学内カフェって、高校中退を予防するように、都立高校で大学生のボランティアが相談を受けたり話をしてということなんですが、今、大学生のボランティアの募集は順調に進んでいるとおっしゃいましたけれど、供給側が順調にいても、受け手の、要はフィールドが決まってないんですよ。やる場所が調整できてないということですよね。心配です。
 もう一つの京王ママスクエアって、これはくしくも私の地元の八王子、京王八王子駅のビルの上のスペースで展開する事業だというのを初めて知りまして、これ、一年事業ですから、あと十五日で何もできなければこれはどうなるんだろうというところでございます。
 そこで、交付要綱というのがございまして、その第七条では、理事長は、助成事業者が提出する報告書等により、その者の助成事業等が交付決定の内容及びこれに付した条件に従って遂行されていないと認めるときは、助成事業者に対し、これらに従って当該助成事業を遂行するよう指導することができるとあるわけですが、今回のこの二事業については、指導するのに該当するものと考えているのかどうか。さらに、今後、財団及び局はどのような対応をするつもりなのか伺いたいと思います。

○坂本事業推進担当部長 本事業の実施状況につきましては、事業の実施主体でございます東京都福祉保健財団が、昨年十一月から十二月にかけまして全ての事業者へのヒアリングを行いまして、その進捗状況を確認しているところでございます。
 このうち、今お話がございました事業のおくれが見られた二事業者に対しましては、東京子育て応援事業助成金交付要綱第七条に基づきまして、本年一月、事業を着実に遂行するよう指導を行っております。
 都といたしましても、今後の事業の実施状況を十分見極めますとともに、東京子育て応援事業実施要綱及び助成金交付要綱などに基づきまして、助成金の交付決定の変更や取り消しなどを含め、適切に対応したいと考えております。
 また、本年度は、公募説明会から申請受付までの期間が短く、事業計画の検討が不十分な事例や、助成事業者決定後の事業の着手がおくれる事例が見られましたことから、来年度は、公募説明会を六月から三月への三カ月間、それから、事業者の決定を八月から七月への一カ月間前倒しすることといたしまして、事業者の計画策定や事業実施の期間を十分に確保するよう見直しを図ることとしております。

○両角委員 この事業は、二十八年度の募集が始まってくるわけですね。五月二十日に締め切りをして、七月中旬に事業者決定をしたいということであります。
 今、事業期間が二十七年度は短くてこういう問題が発生したのではないかという、そんなお答えがあったんですけど、私は期間の問題だけではないと思うんですね。審査に問題があるんじゃないかと。
 要は、いろんな観点から事業の審査をするんですよ。そのときに、実際に、例えば学内カフェであれば、都立高校で、都立高校の縛りがあるわけですよ。しかし、そこを校長が許可をして、開設をしてくださいねといえる見込みがあるんだというところをきちっと担保してもらわないといけないんじゃないか。あるいは、フィールドをきちっと確保できるという担保を、今後の二十八年度のこの事業の審査については、そういう視点を取り入れていただきたいと思いますし、指導もなさっているということなんですが、ただ期限が来て、だめだったら切るということではなくて、途中でちょっとフォローをしていくような、助言をするようなことも必要なのではないかと思いますので、そんな観点も取り入れていただければと思います。
 次に、結婚応援隊無料出会いの場サポート事業というのがあるのですが、これも事業報告を伺いました。取り組みそのものは大変一生懸命やられていて好感を持てるんですけれど、報告会の審査のときもそういう疑義が提示されたようですが、結局、あまたある営利や非営利の結婚マッチ事業の一つなんですね。
 出会い・結婚支援事業というくくりであれば、違った切り口でのアプローチを考えていくべきではないかと思うわけですけれど、平成二十八年度事業審査に当たっての出会い・結婚支援事業の考え方を伺います。

○坂本事業推進担当部長 お話の出会い・結婚支援事業でございますが、将来家庭を築くための出会いの場づくりや結婚に結びつけるための支援をする事業を対象としておりまして、出会いの機会に恵まれにくい若者同士がつながりを持ったり、若い世代が結婚生活をイメージできるような活動を想定しているところでございます。
 先ほどお話がございました事業採択の審査でございますが、外部の学識経験者などを含みます公募審査会で行っておりまして、事業の趣旨が事業目的に合致しているのか、先駆性、先進性の高い事業かといった観点から評価を行いまして、事業者を決定しております。
 平成二十八年度の事業審査に当たりましても、本事業の目的に合致するよう、実施要綱などに基づきまして適正に審査し採択していくこととしております。
 また、助成対象事業の事業区分でございますが、事業実施状況を踏まえまして、都と福祉保健財団で適宜検証を行い、必要に応じて協議の上、内容を含め見直すこととしております。

○両角委員 二十八年度でもう一個の事業が対象で多分審査されていくわけです。私、無理やりこの子育て応援事業ということで、結婚分野、何分野って五分野全部をそろえる必要もないのではないかと思うんですね。続けていかれるのであれば、結婚マッチング事業者という視点のみの取り組みではなくて、例えば、その環境整備とか、何らか違った視点でのアプローチを考えていただきたいということを要望したいと思います。
 この事業の最後に質問させていただきますけれど、二十億円プラス寄附金のアルファを使ってさまざまな事業が展開されるわけでありますけれど、この事業をやりました、あの事業をやりましたでは意味がないと思います。次の東京の子育て支援につながっていく、そういう事業として育っていかなければならないわけであります。
 こうした視点での今後のこの事業の取り組みについて、局長にご見解を伺えればと思います。

○梶原福祉保健局長 東京子育て支援事業、この事業は、NPO法人や企業等の先駆的な、あるいは先進的な取り組みの立ち上げを支援するものでございまして、その取り組みの成果を普及させ、東京の子育て応援の裾野を広げていくこととしております。
 このため、今、副委員長からもるるございましたけれども、本事業の採択の審査を行う審査会では、二年間の助成期間終了後の実施事業化に向けた展開や継続性、事業成果の波及効果といったさまざまな観点から評価を行っているところでございます。
 また、助成対象となった事業につきましては、報告会の実施やホームページへの掲載等により、広くその取り組み状況の周知を行うこととしております。
 子育てというのは、社会全体で応援をしていくということが非常に重要でございます。今後とも、こうした考えに立ってこの事業を進めていきたいというふうに考えております。

○両角委員 まさに局長にお答えをいただいたとおりだと思います。実施事業化に向けた展開や波及効果といったところが本来目的なわけでありますから、そういったこの全体の寄附を集めた事業の趣旨というのを常に意識をして、いわゆる出口戦略を考えてこの事業展開をするようにしていっていただきたい、このように要望させていただきます。
 次に、DMATカーについて伺いたいと思います。
 DMATカーの管理、活用のあり方の検討につきましては、さまざまな場を通じて提案をしてきたところであります。昨年十一月の厚生委員会では、東京DMAT協議会で今検討しているとのご答弁をいただいたわけでありますけれど、そこで、このDMATカーの管理、活用を議題とした東京DMAT運営協議会の開催状況を伺います。

○矢沢医療政策担当部長 昨年七月十五日に開催した東京DMAT運営協議会におきまして検討させていただきました。

○両角委員 昨年七月に一回、このDMATカーの管理、活用を議題とした協議会が持たれたということでありました。
 そこで、そこでの議論がどんなものであったのか伺いたいと思います。また、今年度もあと残すところ半月であります。既にこの七月の協議会から九カ月が経過をしているわけであって、スピード感がまるでないと、こういわざるを得ません。この件については、年度内に結論を出していただくべきだと思いますけど、見解を伺います。

○矢沢医療政策担当部長 東京DMAT運営協議会では、まず、都からDMATカーの活動実績の報告を行いました。次に、DMATカーは緊急の要請に応じられる体制を確保した上で、指定病院が行います病院業務などに活用できますことから、既に行われております転院搬送や訓練時の移動手段などの事例を都から報告し、意見交換を行いました。委員からは、病院業務としての具体例が示されれば、より活用が進むのではないかなどの意見がございました。
 このため、企画調整小委員会におきまして、昨年十一月、さらに意見を聴取し、ことし二月には、具体的なDMATカーの活用例を取りまとめ、確認の意味で、他県における活用状況の調査を行いました。
 これらを踏まえ、都は、今月末に開催いたします運営協議会におきまして意見を聞き、具体的なDMATカーの活用例を指定病院に示すこととしております。

○両角委員 取りまとめをしていただいて、各病院に速やかに周知をしていただけるように期待をしたいと思います。引き続き、見守らせていただきたいと思います。
 最後の質問になりますけれど、今、食品、食に対する関心が大変高まっているわけでありますが、食品の偽装表示、あるいは、廃棄食材の横流しにより賞味期限や消費期限が過ぎた食品の販売が懸念されるなど、食の安全に疑問符がつくような事件が頻発をしているわけでございます。
 都では、これらに対してどのように対処し、都民の安全・安心に応えていくつもりなのか伺います。

○仁科食品医薬品安全担当部長 都は、飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止するため、食品衛生法に基づき、毎年度、食品衛生監視指導計画を策定しております。
 この計画では、食品表示対策を重点事業の一つに位置づけ、スーパーなど店頭における目視検査を年間二十万品目以上実施するとともに、米や牛肉などの遺伝子検査を行い、表示された品質等の適否の確認を行っております。
 また、特別区や保健所設置市と連携協力しながら、食品の製造業や販売業に対し、消費期限を遵守した販売や食材の適切な保管など、衛生管理の徹底につきまして年間六十万件以上の監視指導を実施しております。
 さらに、事業者を対象として食品表示や衛生管理に関する講習会を開催し、食品の安全確保に必要とされる最新の情報を提供するなど、事業者における自主管理の向上を支援しております。
 引き続き、こうした取り組みを着実に実施することで、東京での食品の安全・安心を確保してまいります。

○両角委員 しっかり取り組んでいただくことを要望させていただきまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○和泉(武)委員 では、まず、病床の機能分化についてお伺いいたします。
 先日も予算特別委員会、また、昨日も厚生委員会で、地域医療構想についてお伺いをさせていただきました。地域医療構想というのは、病床を高度急性期、そして急性期、また回復期、そして慢性期という形で四つの機能に分けて、それぞれの将来の病床の必要量と、あと地域医療構想の達成に向けた病床の機能分化、そして相互の連携の推進に関する事項というものを記載しているものですけれども、一方、その地域医療構想と同様に、医療法改正によって昨年度から始まった病床機能報告制度、これに関して、医療機関が自分たちの有する病床において担っている医療機能というものを、七月一日時点、あと、何だか知らないんですけど六年後ということで、予定を報告するものであります。
 いずれにしろ、毎年毎年こういったことを行うことによって、より詳細な病院の実態というものを把握することができるわけでして、その数値を確認することにより、また、ずれというものを把握することもできて、そして、病院が一つの目安になることができるという状況であります。
 ちなみに、今回その平成二十七年度の病床機能報告における医療機能別の病床数において、平成二十七年七月一日の時点、あと、六年後の時点というものが、それぞれどうなっているかをお伺いいたします。

○西山医療政策部長 平成二十七年七月一日時点の医療機能別病床数は、許可病床数ベースで、高度急性期は二万三千四百二十七床、急性期は四万八千三百二十七床、回復期は八千五百七十七床、慢性期は二万三千七十五床となってございます。
 また、六年後の平成三十三年七月一日時点の病床数は、高度急性期は二万四千三百十三床、急性期は四万七千三百五十二床、回復期は九千六百九十三床、慢性期は二万二千百三床となってございます。

○和泉(武)委員 そうすると、七月一日の時点で担っている機能と六年後を比較しますと、超急性期で千床ふえる、急性期で千床減る、回復期では千床ふえて、慢性期では千床減るということで、病院としてのいろいろな思いというものが、六年後にはこうしたいとか、そういった思いというものがあるのかなとは思いますけれども、全体的に見ますと大きな差というものはないわけでありまして、多くの医療機関というものは、現状の機能というものを引き続き担っていくものだろうというふうに思います。
 都の地域医療構想というのはまだ策定がこれからでありまして、構想区域ごとの将来必要とされる病床数というものが明確になっていないというものもありますので、今後、医療機関にとって病床機能を転換するということは、新たな患者さんとか、あるいは、連携医療機関がまた編成が組み直されてしまうということであったり、職員に関しても、また新たな育成とか、あるいは、その病床機能に応じた職員の確保というものが必要であり、これは大きく経営を左右されるような重大な決断というものでありますので、一概に簡単に病床の機能を変更するということが難しいという現状があるんだと思います。
 以前、介護療養病床を介護療養型の老健に転換するということがあったと思うんですけれども、あれも、僕も覚えているんですけれども、最初のうちは、これはいい制度だということで、一部の療養病床の人たちが最初飛びついて転換型老健になったと思うんですけれども、その後、やはり伸び悩んで、なかなか、最終的な数としては転換型老健までは十分な数にならなかったということは、今でも覚えております。
 やはり先が見えない不安であったりとか、あるいはリスクを伴うということで、この間のことに関しては、医療から介護に変わってしまうということもありましたので、そういうカテゴリーが全然違うということで、転換も進まなかったんだと思うんですけれども、今回、今後、地域医療構想で二〇二五年の病床の必要量を定めた後は、従来からの基準病床数の制度のもとで、各医療機関というものは、みずからが担う医療機能というものを選択したりとか、あるいは転換をしていったりとかということを行って、そして必要な体制を確保していかなければならないという現状がございます。
 ですので、都は、病床の機能分化を推進するために、今後どのように医療機関を支援していくのかということをお伺いいたします。

○西山医療政策部長 都は、構想区域ごとに必要となる医療機能を確保するため、病床の整備や病床機能の転換を行う医療機関に対し、施設整備や設備整備への補助を行ってまいります。
 また、新たな医療機能を担う上で必要となる人材の確保や育成への支援を行うとともに、経営上の不安解消策として、経営コンサルティングの専門家による支援も実施いたします。
 こうした取り組みにより、ハード、ソフト両面から病床機能分化に取り組む医療機関を支援してまいります。

○和泉(武)委員 このように病床の転換というものを進めていかなければならないということであれば、やはり経営的な問題というものは、医療機関にとってみれば大変重要な問題でありますし、そういう意味でのコンサルティングの支援とか、あるいは、さまざまな体制が全く異なる設備なんかも、大分その異なる状況に転換しなければならないという現状がありますから、そういった施設整備に対する支援というものを十分にしていっていただきたいと。そうしないと前回の転換型老健のような形になってしまうことを大変危惧しますので、そういったことを要望させていただきたいと思います。
 次ですけれども、救急医療についてお伺いをさせていただきます。
 救急患者の数というものは、平成二十七年では、昨年、過去最高の六十七万三千人ということで、平成十年と比較すると約四割増加していると。その一方、救急患者を受け入れるような救急告示医療機関というものは約二割減少していると。
 なかなか自分たちの周りでも救急医療をすることが困難であるとか、あるいは地域の人たちとのコミュニケーションがあるから、これはやむを得ず救急を続けているけれども、なかなか現状としては厳しいんだという声もたくさん聞かれるわけであります。そういったことになりますと、救急隊による患者の受け入れ医療機関の選定に時間を要する事例というものが生じてしまうと。
 都においては、全ての二次保健医療圏で地域救急医療センターというものを指定して、救急医療の東京ルールというものを策定しているわけでありまして、これによって、二次救急医療体制の強化もしくは充実に取り組んでいるわけです。
 これらの取り組みで、搬送先の選定困難患者数というものは、平成二十七年、昨年度は七千二百八十三件ということで、東京ルールの運用が始まった平成二十三年に比べれば約半減しているということで、当初はかなり東京ルールが適用されていたような実感もありますけれども、最近では大分そういったことも少なくなってきたという声も、確かに現場の声としてもたくさん聞かれます。
 ただ、問題としては、東京ルールの対象として、その選定の病院に一旦収容をされるんですけれども、ただ、そこで対応が非常に困難なケースというものも多々あると。
 例えば、身体の合併症を有するような精神疾患。なかなか精神を専門で診れて、かつ身体的な診断をすることができる、両方ともできる医師というものはほとんどおりませんし、両方とも診れる医師が当直している体制というものもなかなかないという現状もございます。
 また、いわゆる開放性骨折、複雑骨折といわれている完全に外的な、何ていうんですか、骨折した部位が外気にさらされているといいますか、外に開放してしまうということになりますと、そこからばい菌が骨髄に入ってきてしまうと。そうなりますと、緊急に手術をしないと、対応が、後で足を切断しなければならないとか、そういったケースになりますから、普通の骨折であれば数日様子を見れますけれども、そうではなくて、そういった開放性骨折、複雑骨折に関しては、速やかに手術が必要であると。ですから、そういった医療機関にすぐにまた再度搬送しなければならないという現状があります。
 そこで、こうした一度受け入れた患者さんで、さらにそこでは診切れないという患者さん、疾患に関してどのように受け入れていくのかということの、現在での都の取り組みをお伺いいたします。

○西山医療政策部長 都では、地域救急医療センターを八十七カ所指定し、地域の医療機関と相互に連携協力して、東京ルールの対象となった患者を迅速に受け入れております。
 お話のように、身体合併症を有する精神疾患や開放性骨折の患者を受け入れた地域救急医療センター等では、より専門的な治療のために転送が必要となることもございます。
 このため、精神身体合併症患者については、地域救急医療センター等からの相談や転送要請に応じられるよう、精神科医師の配置と空床を確保した拠点病院を指定しております。
 また、開放性骨折の患者についても、転送要請に応える医療機関を指定し、救急患者の受け入れ体制の強化を図ってございます。

○和泉(武)委員 こういった都の東京ルールというものの運用の確認を今させていただきました。最後のとりでという形になるんだと思うんですけれども、そういった精神と身体合併症の患者さんの受け入れ支援病院というものも指定されていると。たしか国立国際医療センターか何かだと思うんですけれども、そこで受け入れされていたりとか、もしくは開放性骨折の受け入れ先病院ということで、たしか帝京大学か何かだと思いますけど、帝京大学の受け入れということでやられて、最後のとりでもしっかりと確保されているという現状があります。
 ですから、まとめると、最初は、救急の患者さんというものは、まず二次救急病院を探すと。その中で、どうしても二次救急の受け入れができないところは、東京ルールにのっとって指定の病院というんですかね、地域救急医療センターに当たっていくと。その中で、さらに困難な症例、とりあえずは受けるけれども、そこで処置が実際は困難な方々に関しては、とりわけ精神、もしくは開放性骨折等に関しては、最後のとりでの病院も存在するということで、非常に流れとしては極めてスムーズな、いい流れが東京ルールでつくられているんだろうと思います。
 しかしながら問題は、東京ルールにのっけないことが一番いいわけですね。東京ルールにのっけないためには、地域救急医療センターに搬送する前の二次救急のところで何とか受け入れをしっかりとしていただくのが一番いいということになるわけです。
 何が問題かというと、こういった積極的に中小病院とか二次救急を受け入れているところで、どうしても休日とか夜間とか、人員体制が少ない時間帯というんですかね、そういうところで非常に時間のかかる、対応に苦慮するような、例えば、ひとり暮らしの高齢者であったりとか、あるいは泥酔状態の方が来たりとか、そういった時間がかなりかかるような患者さんの受け入れに関しては、なかなか、一度来ると、それだけでもう一時間、二時間と、かなり時間がかかってしまうということで、医師とか、もしくは看護師の大きな負担につながってしまうという現状があります。
 できれば、救急医療機関というものでは、今の現状を考えると、一時間、二時間かかってしまうと、ほかに救急を受け入れたいという救急隊からの要請があっても、今現在処置中であるということで断らなければならないという問題がありますので、患者さんの受け入れからの流れというものをスムーズにするべきなんだろうと思うんですね。
 自分の経験上、例えば、メディカルクラークですかね、そういった事務員がしっかりといていただくことによって、例えば、患者さんへの説明とか、あるいは転院されるんであれば、転院前のデータのやりとり、管理とか、あるいは入力の補助ですね、それこそ医師事務補助の方々がいることによって、スムーズに医師は医師の診療に専念することができて、そして看護師は看護業務に専念することができるというふうに思います。
 ですから、こういった救急医療機関における医師とか看護師の負担を軽減するような受け入れ体制の強化というものが必要だと思うんですけれども、都の取り組みについてお伺いをさせていただきます。

○西山医療政策部長 都では、これまで地域救急医療センターにおいて、主にトリアージなどを行う救急看護等認定看護師の資格取得や、指定二次救急医療機関において退院調整を行う看護師等の配置を支援してまいりました。
 来年度からは新たに、医師や看護師の業務を軽減するよう診療情報提供書等の作成や、救急医療情報システムの適時の入力、患者やその家族への対応などの業務を補助する人材を、指定二次救急医療機関に配置するモデル事業を実施することとしてございます。
 今後とも、こうした取り組みを通して救急医療体制の充実強化を図ってまいります。

○和泉(武)委員 やはり、幾つかの限られた医療機関だけが救急を診るんじゃなくて、全体で広く浅く診れる体制が必要ですし、そのためには、なかなか人手が足りない病院に対して、どのような形で支援をしていくかということが多分重要なテーマなんだろうと思います。
 そういう意味では、これからやる都の取り組みというものは非常に期待されるものであって、実際現場の声で一番ストレスがないというのが事務員の確保なんだと思いますので、ぜひ、そういった支援をよろしくお願いしたいと思います。
 次は、在宅の歯科医療の推進についてお尋ねをいたします。
 東京都では、高齢者もこれだけふえてきておりますし、また、在宅療養患者さんもふえてくるという中で、地域包括ケアシステムの構築というものが当然急務になってくるわけですけれども、医療とか、あるいは、この間も、かかりつけ薬剤師の必要性ということで、それに対する診療報酬等も含めた議論が行われているわけですけれども、一番重要なものの一つには、在宅で療養する患者さんのいわゆる口腔ケアとか、あるいは嚥下機能訓練、嚥下機能に関する問題というものが本来は大きな要素を占めるのかなというふうに私自身は思います。
 口腔ケアをすること、今までは、例えば入院をして、そして、入院をしても口の中は実はそのままであったりとか、あるいは、口の中がそのままであると、食事と、また歯垢が一緒に飲み込まれて、それを誤嚥して、あっという間に肺炎を起こしてしまうということで、今、口腔ケアをしっかりやることによって、たとえ誤嚥しても肺炎になりにくいということは、前々から経験ではわかってはいましたけれども、最近ではそういったデータもしっかりとあるということもあります。
 また、嚥下機能の訓練ですね。嚥下機能をしっかりと、例えば嚥下反射ができることによって、誤嚥がなくなると。そのまま嚥下が、せきをすることによって異物を外に出すわけですから、その訓練を、せきをする訓練とか、嚥下の訓練をすることによって、誤嚥性の肺炎を回避することができるということがあるわけです。
 また、食べ物の種類によって、しっかりと、今までは食べ物の種類もしっかりと見当ができないまま食事をすることを強いられたから、そういう意味で食事が食べれなくなってしまっていたということがありますけれども、食事形態とか、あるいは食事形態に合わせた嚥下の機能をしっかりと評価すること、そして訓練することによって、さまざまな在宅での療養を支えることができて、そして、いわゆる延命とかいわれている胃瘻等を回避することができるということがわかっております。
 そういう意味では、またもう一つは、食べたりかんだりすることによって、かむことによって非常に、脳に近いところに、筋肉があるわけですから、頭がダイレクトに刺激されると。で、認知症の予防にもいいと、そういった話もございます。
 ですから、これからの重要な課題というものは、在宅の歯科を含めた、嚥下とか、あるいは口腔ケアとか、こういったものに対する、いわゆる在宅歯科医療の推進というものが重要なんだろうと思いますし、それによって楽しく食事をすることができて、そして生き生きと生活することができると。自分らしさを保って、最期まで幸せに在宅での療養生活を送ることができる。その一つが食事の楽しみなんだろうと思います。
 ですから、これからの在宅の歯科の重要性というものを、とりわけ介護職の方々、あるいは、介護をされているご家族の方々にしっかりと理解していただくことが重要だと思います。
 今回、在宅歯科医療の充実に向け、都はどのように取り組みを行っていくのか教えていただきたいと思います。

○矢沢医療政策担当部長 都はこれまで、歯科医師、歯科衛生士等に対し、在宅歯科医療に関する知識や症例を学ぶ研修会を行いますとともに、歯科医療機関に対し、在宅歯科医療に必要な機器等の整備を支援してまいりました。
 これらに加えまして、平成二十八年度からは新たに、歯科医師等に対し、介護保険制度や地域包括ケアにおけます多職種連携の先駆的な取り組みなどを紹介する講演会を実施いたします。
 また、訪問看護師や介護職などが日ごろの口腔ケアを通じて歯科医療の必要性に気づき、円滑に歯科医療につなぐことができますよう、マニュアルやチェックシートの開発を行います。
 さらに、都民に対しましては、口腔ケアや口腔機能の維持など、在宅歯科医療の大切さについて普及啓発を実施いたします。
 今後とも、このような取り組みを通しまして在宅歯科医療の充実を図ってまいります。

○和泉(武)委員 少しずつだと思いますけれども、ぜひ、歯科を含めた口腔ケアとか、あるいは嚥下の在宅療養に向けた取り組みというものを都も行っていただければと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 ただ、問題は、僕は二つ、実はあるなと思っているんですね。一つは、嚥下等に関してですけれども、嚥下を担当する部署は、一つは歯科医師なんですけれども、もう一つは耳鼻科なんですね。ですから、耳鼻科の先生方の役割というものと、あと、歯科の役割というものをしっかりと明確にしていかなければいけないだろうと思います。そういったものも、やはり都が主導して考えていただくのも一つ重要な課題なのかなと思います。
 もう一つは、歯科医師の中で、歯科医師と、あと歯科衛生士の役割分担についてなんだろうと思います。例えば、医療でいえば、医師と看護師の役割分担というものがあるわけであって、例えば日常のチェックは看護師がやると。ただ、重要な医療行為に関しては医師がやると。ですから、ふだんは定期的に看護師がチェックして、あとは困ったことがあったら医師が対応するというような役割分担というものが在宅医療ではできているわけですけれども、歯科口腔に関しても同じようなことが求められるんだろうと思います。歯科衛生士が定期的なチェックをして、そして歯科医師が大きな方針を決めていくと。
 そういった役割というものをしっかりと明確化していった方がいいと思いますし、それには、歯科医師の中でも衛生士をしっかりと自前で持っていらっしゃるところもあれば、そうでないところもありますので、その辺のことについて、きちっとどんな医師でもしっかりと口腔ケア、そして歯科医師、歯科衛生士が活躍できるような場というものを提供していかなければいけないというふうに思っております。
 次ですけれども、看護職員の確保についてです。看護職員の確保というものを、取り組みを都はずっと行ってきたと思うんですけれども、今でもさまざまな巡回訪問事業とか、あるいはナースなどの定着対策とか、ナースプラザによる無料職業紹介とか、あるいは身近な地域の病院での復職研修などの再就業対策ということで看護職員の確保に取り組んでいるわけですけれども、都内には五十代の看護職員というものは約一万七千人いるというふうにいわれております。病院や施設は、六十歳の定年ということですから、そういった方々は数年すると定年退職を迎えることになると。
 その中で、定年退職を迎える看護職員の中でも、その能力を十分に発揮ができるような看護師もおりますし、また、訪問看護の看護師なんかは、七十過ぎぐらいの方々が自転車に乗って、夜中も含めて走り回っているんですね。ですから、定年だからもうその仕事ができないということではなくて、ほかの多くの看護職員なんかは、定年退職後も必要とされる職場で経験を生かしたいというふうに思っているわけです。
 ですから、今後の看護職員の確保策として、こういった方々の人材というものにも目を向けていく必要性があると思うんですけれども、その辺の都の所見をお伺いいたします。

○成田医療改革推進担当部長 都は、平成二十八年度から新規事業といたしまして、定年退職前の看護職員に対しまして、豊富な経験などを生かし、退職後も引き続き看護職として多様な職場で活躍できるよう、セカンドキャリア支援事業を開始いたします。
 この事業では、幅広い選択肢から自分に合った就業先を見つけていただくため、医療機関の機能ごとの特徴等をまとめたマニュアルを作成いたしますとともに、講習会や施設見学会を開催してまいります。また、医療機関以外の看護業務への理解を深めるため、介護施設や障害者施設などの施設別に利用者の特徴や業務内容等に関する情報を提供してまいります。
 こうした取り組みを通じまして、就業意欲の高い定年退職者への働きかけを行い、看護職員の確保を図ってまいります。

○和泉(武)委員 僕は自分のことは医師というふうに呼ぶんです。医者と呼ばないんです。それは、もともと自分が学生時代にいわれたのは、あなたたちは患者さんをしっかりと導いてあげるんだと。それで、治してあげるようにしっかりと指導していくんだと。だから、あなたたちは、医者じゃなくて医師なんだということをいわれました。
 看護師もやはり同様なんだろうと思います。看護を通じて、患者さんたちを導いてあげると。彼らの中には、やはりナイチンゲールの精神というのを常に持っていて、患者さんを救ってあげる、治してあげる、そういう思いというのは常に幾つになってもずっと思い続けている。そういった思いが看護師にはあるわけです。
 ですから、例えば高齢、年をとったから、もう体力的に厳しいところとかそういった問題はあるかもしれないけれども、本人が仕事ができやすい環境の場所というものは、まだまだたくさんあると思うんです。高齢者の施設であっても、お互い悩みが分かち合えることだってあるわけですし、若者ではなかなか悩みの相談ができないような場所もありますし、とりわけ障害者施設なんかは、実は看護師の皆様方も、何とかしてあげたいという思いというのはたくさん持っていらっしゃるんです。だけれども、障害者というのは、対応がなかなか、知識がないと難しいといわれておりますので、ですから知識さえあれば、彼らの中には、いっぱいやってあげたいという思いがある方もたくさんいらっしゃるわけです。
 ですから、ぜひこういった定年前の方々も含めて、看護師といわれている方は生涯看護師だと思いますから、そういった方を活用していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 最後ですけれども、ウイルス性肝炎の対策についてお伺いをさせていただきます。
 ウイルス性肝炎というものは、今までいわれのない差別、そして徐々に進行して最終的に死に至るような恐怖、そしてそれまでに至るまでの莫大な費用、こういった不安を抱えながら、肝炎患者さんというのは生きているわけであります。彼らの悲願というものは、そして医療人の悲願というものはただ一つなんです。それは早期発見、そして早期治療なんです。
 そういった観点から質問させていただきますけれども、現在でも、潜在的な感染者、あるいは感染を自覚してなくても、適切な医療に結びついてない者がたくさんいるわけですけれども、最近では、とりわけC型肝炎、もしくは内服等で新薬が相次いで開発許可されているということで、肝炎医療も急速に進歩していますけれども、しかしながら、早期に発見して、それで適切な治療をしていくことによって重症化を予防することができるわけです。
 そこで、都における来年度のウイルス性肝炎の対策の取り組みについてお伺いします。

○上田保健政策部長 肝炎の重症化予防には、早期発見、早期治療が重要であることから、都はこれまで、ウイルス肝炎受療促進集中戦略や、東京都肝炎対策指針に基づきまして、ウイルス検査の受検勧奨や医療費助成の拡大などに取り組んでまいりました。
 お話のとおり、近年、C型肝炎の治療におきまして新薬の使用が承認されるなど、肝炎患者にとりましては、早期に適切な治療を受けることがより重要となってございます。
 そこで、来年度、ウイルス性肝炎早期発見・治療キャンペーンを実施いたしまして、早期受診に向けてのより一層の意識醸成を図ります。
 今後とも、肝炎医療などの状況を踏まえまして、肝炎対策に積極的に取り組んでまいります。

○和泉(武)委員 なかなか肝炎というものは自覚症状が早期にはないわけですから、検診を受けるといっても、その人たちが検診を自覚してチェックしようという意思というのがほとんどないのが現状であります。
 ですから、ぜひ早期発見をどのようにしていくのかということを、それがとにもかくにも、肝炎、そして肝硬変、その後の肝臓がん、もしくは肝不全、さらには食道静脈瘤破裂等による死亡原因を抑えることの大きな要因になると思いますので、早期発見に力をかしていただけるようお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。

○高倉委員 それでは、初めに、子育て支援について質問をいたします。
 私たち都議会公明党は、安心して産み育てられる東京にと題しました子育て支援の第一次提言を既に都の方に提出をいたしております。その中で、地域の総合子育て支援を重要な柱の一つと位置づけまして、フィンランドのネウボラという制度、仕組みを参考にした切れ目ない子育て支援体制の構築を求めたわけでございます。
 妊娠期から子育て期の支援の中でも、産後ケアは特に重要であるというふうに思っております。妊娠、出産によって心身が不安定になりやすいともいわれておりますし、あるいは高齢出産になりますと、体調の回復がおくれるといったケースもあるわけであります。
 産後は安静が最も大事でありますけれども、両親の支援を含めまして、身の回りで頼れる人がなかなかいないといった状況も多くなってきているというふうに思います。そうした産後をめぐる課題がある中で、助産院などで産後の心身を休めてもらいながら、子育てについての専門的な相談に対応するといった取り組みなど、産後ケアを実施する自治体がふえてきております。
 この課題について、昨年の本委員会で質疑をした際に、ゆりかご・とうきょう事業や包括補助事業を活用して、七つの区市が産後ケアに取り組んでいるといったご答弁をいただいたところでございます。
 そこでまず、来年度に向けた区市町村の取り組み状況について明らかにしていただきたいと思います。

○手島少子社会対策部長 都は、ゆりかご・とうきょう事業や包括補助事業により、産後のショートステイや相談支援などを実施する区市町村を支援しております。また、妊娠期からの切れ目のない支援の一環として、産後ケアに取り組む区市町村が広まるよう、都は、区市町村の職員向けの研修や担当者連絡会を通じて、積極的に働きかけをしてまいりました。
 こうした取り組みにより、来年度は十区市が産後ケアを実施する見込みとなっております。

○高倉委員 今、来年度は十区市が取り組むというお話がありました。
 この産後ケアについては、それぞれ地域にいろんな実情があることから、そうしたことを踏まえて、区市町村がそれぞれで取り組んでいくということがより効果的ではないかというふうに思っております。しかしながら、各自治体の地元に産後ケアに取り組んでもらえる適当な事業者が必ずしも存在していないといった状況もあるわけであります。
 各区市町村が事業を立案するに当たっては、財政的な支援のほかに、近隣も含めまして、事業者に関する情報を収集して、実施を検討できるような環境づくりを進めるということが大変重要ではないかというふうに思っております。
 都内の各地域における産後ケアの実施を推進するためには、都として、情報提供の面でも、区市町村を積極的に支援すべきであるというふうに思いますけれども、見解をお伺いしたいと思います。

○手島少子社会対策部長 今年度、都は、周産期医療施設における妊産婦への支援の状況を把握するため、都内の産科、婦人科を標榜しています病院、診療所、助産所を対象に、東京都周産期医療施設における産前・産後支援等実施状況調査を実施いたしました。
 この調査は、産前、産後支援の実施状況につきましてアンケートを行ったもので、情報提供の承諾が得られた施設につきましては、産後ケア事業を検討するに当たっての基礎資料として区市町村が活用できるよう、各施設が実施をしております支援の内容、料金、実施体制など、詳細な情報を提供いたしました。
 都は今後とも、産後ケアの推進を図るため、情報提供も含めまして、区市町村を積極的に支援してまいります。

○高倉委員 今、答弁がありました情報提供については、大変重要であると思いますし、区市町村にとっても、こうした情報があるということは、これから産後ケアに取り組んでいく場合に大変貴重だというふうに思っておりますので、ぜひしっかり推進をしていただきたいというふうに思います。
 私の地元の中野区では、都のゆりかご・とうきょう事業を活用しまして、助産師さんと連携をした産後ケアに取り組んでおりまして、大変に好評であります。今後、都内でより多くの自治体が妊娠期からの切れ目のない支援の体制を構築することが強く望まれているというふうに思っております。
 私は、この産後ケアの取り組みが、都内の全自治体で実施がされるように、都としてさらに積極的に働きかけをしていってほしいというふうに思っておりますので、ぜひよろしくお願いをしたいと思います。
 一点つけ加えますけれども、自宅における産後ケアといいますか、こういったことに取り組んでいる団体もあるんです。一般社団法人のドゥーラ協会というのが東京にありまして、こういったことに取り組んでいるわけでありまして、今、私、中野の例を挙げましたけれども、この中野区は、ドゥーラ協会のメンバーがそれぞれの家庭で産後ケアを行っていくときに一定の補助をしている、こういったこともしているわけでありまして、こういう地域にあるいろんな資源も今後しっかりと活用できるような環境づくりも進めていくことが重要ではないかなというふうに思っております。
 次に、養育家庭について質問をさせていただきます。
 先日、私のところに、養育家庭になりたいという共働きのご夫婦から相談がありました。その奥様は、仕事はそのまま続けるというお考えでありましたけれども、共働きである場合に養育家庭として認定をされないんではないかといった、実は心配をされていたわけであります。そのとき、共働きの家庭であると養育家庭として認定されないということはありませんということを伝えまして、安心をしていただいたわけであります。
 東京都は、家庭的養護を推進しているわけでありますが、養育家庭をふやしていくためには、こうした共働きの家庭が養育家庭として活躍ができるようにさまざまな環境整備も考えていく必要があろうかと思います。共働きの養育家庭が子供さんを受け入れる場合、特に就学前の幼児の場合には、保育サービスの利用が欠かせないわけであります。
 養育家庭に委託した子供の保育サービス利用につきまして、都は具体的な支援を行っていくべきであるというふうに思いますけれども、この点についての見解をお伺いしたいと思います。

○松山子供・子育て施策推進担当部長 現在、養育家庭に委託されている子供が保育所等を利用する場合、国の制度に位置づけられている認可保育所や認定こども園、地域型保育事業の利用料は、国の通知により免除となっております。しかし、認証保育所等、国の制度に位置づけられていない保育サービスは免除とならず、延長保育料については、認可保育所等であっても免除になっておりません。
 そのため、都は来年度から、養育家庭が多様な保育サービスを利用できるよう、認証保育所等の利用料と、認可保育所、認証保育所等の延長保育料について独自に支援してまいります。

○高倉委員 今、答弁をいただきましたけれども、来年度から都独自の支援を始めるということであります。ぜひそうした取り組みをしっかり推進していただきまして、共働きの養育家庭を支援していっていただきたいというふうに思います。
 昨年の四月に策定をしました東京都社会的養護施策推進計画の目標に関して質問したいと思います。
 この計画は、平成二十四年十一月に国から出されました通知を踏まえて策定をしたものであります。この通知では、社会的養護を家庭養護、家庭的養護、施設養護の三分類に分けまして、今後十数年間で、それぞれ三分の一ずつにするという国の目標を踏まえまして、平成四十一年度までにこの目標を達成することを目指して、都道府県に対し、都道府県推進計画を策定することというふうにしているわけであります。
 一方、都が策定した推進計画の中では、平成四十一年度において、社会的養護に占める家庭的養護の割合をおおむね六割となるよう、養育家庭等、ファミリーホーム、グループホームを推進していくというふうにしているわけであります。
 都が推進計画の中で、十五年後の目標として、家庭的養護の割合をおおむね六割ということにした考え方についてお伺いしたいと思います。

○松山子供・子育て施策推進担当部長 国は、平成二十四年の通知において、家庭養護と家庭的養護を区分して目標を示しましたが、どのような子供がそれぞれの対象となるかは明らかにしておりません。
 都は、社会的養護を必要とする子供の援助方針については、子供の福祉を第一に考え、心身の発達状況や保護者の家庭引き取りの可能性など、一人一人の状況を総合的に勘案し、決定しております。
 そのため、社会的養護施策推進計画では、子供の状況に合わせた養育の場という観点から目標を定めており、実情の把握を進めた結果、情緒的な問題や健康上の問題など、課題を複数抱える約四割の子供には、施設における専門的ケアが必要と判断いたしました。
 それ以外の子供については、一人一人の状況に合わせて適切な措置委託先を判断することとし、家庭的養護全体で六割とする目標を設定したものでございます。

○高倉委員 社会的養護を必要とする子供は、かつてはそのほとんどが、親がいない、親に育てられないといった子供さんだったように思います。近年は、親からの虐待により心に深い傷を負っていたり、何らかの障害を持っているために個別的なケアが必要な子供がふえているというふうにも聞いております。
 今、答弁で、施設における専門的ケアが必要な子供が四割ということでありましたけれども、家庭的養護の推進、施設での専門的な支援、こういったことはいずれも重要であるというふうに感じました。
 家庭的養護の推進に向けては、都では、養育家庭制度を昭和四十八年から開始し、また、施設におけるグループホームの設置促進も以前から取り組んでいるわけであります。
 家庭的養護をおおむね六割という目標に向けて、それでは現在、どの程度までこの取り組みが進んでいるのでしょうか。また、今後、養育家庭についてもふやしていかなければならないというふうに私は思っておりますけれども、その点についての認識について、あわせてご答弁をいただきたいと思います。

○松山子供・子育て施策推進担当部長 平成二十七年三月現在、社会的養護のもとで育つ子供は都内に三千九百五十八人おり、その内訳は、児童養護施設が二千二百五十五人で約五七%、グループホームが八百八人で約二一%、乳児院が四百五十人で約一一%、養育家庭等が三百七十二人で約九%、ファミリーホームが七十三人で約二%であり、社会的養護全体に占める家庭的養護の割合は約三二%となっております。
 要保護児童の措置委託に当たっては、まずは養育家庭への委託を検討しており、今後、社会的養護施策推進計画で示した、平成四十一年度において社会的養護に占める家庭的養護の割合をおおむね六割にするという目標を達成するため、ファミリーホーム、グループホームとともに、養育家庭についてもふやしていく必要があると考えております。

○高倉委員 社会的養護を必要とする子供の成長には、一人一人の子供の状況に合わせ、より適切な養育環境を提供することが重要であると思います。家庭的養護を推進していくに当たっては、その中心を担っている養育家庭をふやしていくこと、そしてファミリーホーム、グループホームについても、そこで生活することが必要な子供さんがいるため、ふやしていく必要があるということであるというふうに思います。
 そこで、養育家庭、ファミリーホーム、グループホームをそれぞれふやしていくための今後の都の取り組みについてお伺いしたいと思います。

○松山子供・子育て施策推進担当部長 都は現在、養育家庭への委託を推進するため、定期的な家庭訪問や心理カウンセリング等を行う里親支援機関事業を三つの民間団体に委託し、実施しております。来年度は、児童福祉分野に関心のある層にターゲットを絞った広報活動等を行う里親開拓コーディネーターと、経験の浅い養育家庭への実践的な研修を行う里親トレーナーを各団体に配置し、取り組みを強化してまいります。
 また、グループホームやファミリーホームの設置促進に向けて、土地や建物所有者が新設または改修する場合の施設整備費補助を創設するとともに、グループホーム等を増設する施設での職員の確保、育成を支援するため、グループホーム等を三カ所以上設置する場合、後方支援等を行う職員の増配置に係る補助を充実してまいります。
 現在、学識経験者や事業者等から成る児童福祉審議会の専門部会では、家庭的養護を進めるための具体的方策についてご議論いただいており、都としては、その議論も踏まえながら、社会的養護のもとにある子供ができる限り家庭的な環境で養育されるよう、養育家庭を初めとした家庭的養護を推進してまいります。

○高倉委員 ただいま、家庭的養護の推進に向けて施策を充実し、積極的に取り組んでいくといった趣旨のご答弁をいただきました。
 特に養育家庭は、都における家庭的養護の中心的な役割を担っております。家庭的養護六割という目標達成に向けまして、今後もぜひ積極的な取り組みを進めていただくよう要望をいたしたいと思います。
 次いで、ひとり親家庭について質問をいたします。
 ひとり親家庭は、相対的貧困率が五割以上であるというふうによく取り上げられております。都の調査結果などを見ましても、ひとり親家庭の多くは働いておりますけれども、しかしながら、非正規雇用が多いことや、子育ても一人で担っていることから、時間的な制約もありまして、仕事と子育ての両立や、安定した生活をするための十分な収入を得ることが難しい状況にあります。
 ひとり親家庭は、生活、仕事、子育てなど、さまざまな場面で困難に直面しながら毎日必死に生活をされているわけであります。ひとり親家庭が安心して生活をしていくためには、ひとり親が抱える課題をきちんと受けとめられる相談の場が必要であるというふうに思いますけれども、都の支援についてお伺いしたいと思います。

○松山子供・子育て施策推進担当部長 ひとり親家庭の支援ニーズは、ひとり親になった理由や、自身や子供の年齢、住居や同居家族の状況、学歴、職歴、現在の職業など、その家庭によりさまざまでございます。そのため、各区市町村では、母子・父子自立支援員が一人一人の状況を踏まえながら相談に応じております。
 また、都は、生活全般や養育費に関する通年の電話相談、面会交流支援などの専門的な相談支援や、就業支援等を行う東京都ひとり親家庭支援センターを設置し、母子・父子自立支援員とも連携しながら支援を行っております。

○高倉委員 ただいま、ひとり親になった理由についても答弁をいただきました。さまざまな調査によりますと、ひとり親になった理由の多くが離婚であるといったことがあるというふうに思います。子供さんがいる中での離婚になりますと、夫婦の問題だけではなく、子供の養育の問題といったことが生じてくるわけであります。そういったことが解決できませんと、子供との生活がいつまでも不安定で、その結果、子供の成長にも影響を与えてしまうんではないかというふうに思います。
 ひとり親家庭支援センターで行う相談事業では、こうした複雑な問題に専門的に対応していく必要があるというふうに考えますけれども、見解をお伺いしたいと思います。

○松山子供・子育て施策推進担当部長 ひとり親家庭支援センターでは、離婚に伴い生じるさまざまな問題の解決に向け、養育費専門相談等を実施するとともに、法的な対応が必要な場合には、法テラスなどの関係機関へ現在つないでおります。
 来年度からは、ひとり親家庭支援センターにおいても法的課題に対応できるよう、離婚前後の親が抱える子供の親権や養育費、面会交流などについて、弁護士が対応する無料の法律相談事業を開始いたします。
 事業の対象者は、都内在住の二十未満の子供を持つ母親または父親で、離婚などの家事事件に精通した弁護士が対面により、それぞれの状況に応じた法律的な助言を行います。一人につき三回までの継続相談を可能としており、課題の早期解決につながるよう支援してまいります。

○高倉委員 非常に大事な取り組みであるというふうに思います。
 ひとり親家庭が抱えるさまざまな課題については、そうした専門的な対応によりまして、早期の解決といったことが大変に重要であるわけであります。ひとり親家庭の生活が安定し、子供たちが健全に成長できますように、ぜひしっかりとした支援をお願いしたいと思います。
 続いて、認知症の対策について質問をいたします。
 まず、認知症疾患医療センター事業についてでありますけれども、都が、島しょ地域を除く全区市町村に地域連携型認知症疾患医療センターを設置することとし、より身近な地域で認知症の方と家族を支える体制の構築を進めていることは、私ども都議会公明党としても高く評価をいたしております。
 昨年九月一日付けで、二十九医療機関が認知症疾患医療センターとして指定をされたところでありますけれども、残念ながら、十二区市町村では指定がなされておりません。この残る十二区市町村における認知症疾患医療センターの指定を進める必要があると思いますけれども、その進捗状況についてお伺いしたいと思います。

○西村高齢社会対策部長 今、お話がございましたように、平成二十四年度に二次保健医療圏ごとに一カ所の地域拠点型の認知症疾患医療センターを指定しておりまして、その後、より身近な地域で認知症の方を支える体制を構築するために、新たに地域連携型センターを区市町村に一カ所指定する方針といたしまして、昨年九月に二十九医療機関の追加指定を行いました。
 現在未指定となっている十二地区につきましては、区市町村や地区医師会に協力を依頼しまして、指定に向けて地区内の医療機関に認知症疾患医療センターの機能や役割について理解していただけるよう努めてまいりました。昨年十二月十七日に、十二地区内の認知症診療に携わっている全ての医療機関に再公募の書類を送付し、本年三月二日を締め切りとして応募を受け付けたところでございます。
 現在、応募のあった医療機関の審査中でございまして、今後、選考委員会を経て厚生労働省への協議を行い、追加指定を行ってまいります。

○高倉委員 今、具体的な取り組みの説明がありましたけれども、ぜひしっかり推進していただきたいと思います。大丈夫ですね、十二の残るところについては。ぜひお願いしたいと思います。やはり地域的にも、多摩の地域が多分多いというようなことだというふうに思います。いろんな課題はあるとは思いますけれども、ぜひ全てで指定ができますように、引き続きの取り組みをしたいと思います。
 認知症の予防について、次にお伺いしますけれども、平成二十七年の第四回定例会において、都議会公明党の橘政調会長から、認知症予防の推進について質問させていただきました。高齢者の約四人に一人が認知症か、あるいはその予備軍であるというふうに推計をされている中で、認知症予防に対する都民の関心は大変高まっているわけであります。
 各区市町村が認知症予防に一段と力を入れて対策を講じるよう、都としても支援すべきと考えますけれども、来年度の具体的な取り組みについてお伺いしたいと思います。

○西村高齢社会対策部長 認知機能低下の予防には、日ごろからの適度な運動や栄養管理、趣味活動や人との交流とかいうことをいわれております。
 このため、都は来年度、全国の先進的な事例を初め、認知症予防に係るさまざまな取り組みを広く収集し、事例集を作成してまいります。作成に当たっては、首都大学東京と東京都健康長寿医療センターの専門家の協力を得ながら、四月から事例の選定を行いまして、年内には完成する予定でございます。
 あわせて、先進的な取り組みを行っている地域から講師を招いて、区市町村向けの説明会も開催する予定でございます。
 また来年度から、高齢社会対策区市町村包括補助事業のメニューといたしまして、認知症予防推進事業を新たに位置づけ、区市町村が認知症予防に、より一層積極的に取り組めるよう支援を実施してまいります。

○高倉委員 この認知症については、高齢になって認知症になっていくというようなことも大変重大なことなわけですけれども、若い年齢で認知症になってしまう若年性の認知症といったことの対応も、これから大変重要になってくるというふうに思います。
 今定例会の本会議の一般質問において、私どもの小林健二議員の方から、多摩地域に新たに若年性認知症総合支援センターを設置することについて質問させていただいたわけでありますが、多摩地域にこのセンターを設置することの意義についてお伺いをしたいと思います。

○西村高齢社会対策部長 若年性認知症の方への相談支援には、医療や介護だけでなく、就労に関する支援や、障害福祉サービスなど多分野にわたる制度を活用した総合的な対応が求められます。
 このため、都は平成二十四年度に、本人や家族からのワンストップの相談窓口でございます若年性認知症総合支援センターを設置して支援に取り組んでまいりました。
 来年度、新たなセンターを多摩地域に設置することにより、多摩地域に在住する相談者が訪問しやすくなること、地域包括支援センターを初め、就労や障害福祉などの多摩地域の関係機関との連携が迅速に行えるようになることなど、若年性認知症の方に対する、より身近な地域での支援が可能となると考えております。

○高倉委員 一般質問の際ですね、小林健二議員からもご指摘をさせていただいたわけでありますけれども、多摩にセンターを設置するに当たっては、現在、目黒区に所在する既存のセンター、ここで蓄積したノウハウをさらに生かしていくといったことが必要であるというふうに思います。
 既存の若年性認知症総合支援センターのこれまでの実績と、その実績を踏まえて多摩地域ではどのように事業を実施していくのかについてお伺いしたいと思います。

○西村高齢社会対策部長 既存の若年性認知症総合支援センターが開設されてから、三年間で七百九十三人の方から、延べ三千六百五十件の相談を受け付けております。本センターでは電話相談にとどまらず、面接や訪問による相談、地域包括支援センターを初めとする地域の関係機関との連携など、本人やご家族の状況に応じた個別支援を実施していることが特徴となっております。
 多摩地域に新たに設置するセンターにおきましても同様の支援を行うことができますよう、既存のセンターにおける現場実習や情報交換の場の設置など、実績やノウハウの共有を図ってまいります。

○高倉委員 次に、介護現場でのロボットの活用についてお伺いしたいと思います。
 介護の現場では、利用者の方をベッドから車椅子に移すといった力仕事も多いわけでありまして、その結果、腰痛を発症してしまって、結果的に離職、または休職をせざるを得ないといったような介護職員の方もおられるのが現状であります。現場で働いている皆さんの身体的な負担の軽減、こういったことも、介護職員の定着に向けた大きな課題であるというふうに思います。
 それに対する解決策の一つとして注目をされているのが、介護ロボットの活用であります。政府は今年度の補正予算によりまして、介護職員等の負担軽減に資する介護ロボットを導入する事業所への補助事業を予定しております。
 私ども都議会公明党も、昨年、実際に介護ロボットを導入している都内の特別養護老人ホームの視察を行っております。そこでは、高齢者が簡単に階段昇降できる機器や、歩行をアシストする機器、また、赤外線を用いた見守りの機器などを活用しているといった状況でありました。
 このように、介護ロボットの普及への期待が高まっているわけでありますけれども、まず、介護現場でのロボット活用に関する現状と課題の認識についてお伺いしたいと思います。

○西村高齢社会対策部長 介護現場での活用を想定したロボット機器類は、移乗介護、移動支援、コミュニケーション、見守り、入浴支援など、さまざまな分野で技術開発が進められておりまして、実用化が始まっております。
 ロボット介護機器は、介護職員が担っている全ての業務を代替できるものではございませんが、介護業務の中に機器を組み込むことによりまして、介護職員の身体的負担の軽減や、介護の質の向上を図ることが可能でございます。
 一方、ロボット介護機器には、導入や利用に係る費用が高額であるほか、操作性などにおける課題も指摘されておりまして、十分な効果を発揮させるためには、個々の介護業務に合った機器を、介護職員が操作に習熟した上で適切に使用することが必要であると認識しております。

○高倉委員 介護ロボットについては、現場の状況とか、あるいは必要性といったことを見きわめて使って行くことが重要であるといったようなことだと思います。
 本格的な活用に向けては、越えなければならない課題がまだいろいろとあるのが現状であるというふうにも思います。今後の介護ニーズの増大や労働力人口の減少を見据えますと、介護ロボットの黎明期にある今こそ、課題を乗り越え、普及を進めていくための行政の支援が重要ではないかというふうに思います。
 そこで都は、こうした課題を踏まえて、来年度予算で介護ロボットの普及にどう取り組んでいくのかについてお伺いしたいと思います。

○西村高齢社会対策部長 ロボット介護機器を介護現場に普及させていくためには、効果的な使用方法を検証し、適切な使い方を広めていくことが有効でございます。
 そのため、都は来年度から、都内の介護施設をモデル施設として指定した上で、目的に見合ったロボット介護機器等の選定や、適切な使い方についての助言を行うアドバイザーの関与のもと、導入費用に対する補助や、導入効果の検証を行うモデル事業を新たに実施いたします。その上で、モデル事業により得られた成果を広く周知し、効果的な導入を促すことにより、都内で働く介護職員の負担軽減につなげてまいります。

○高倉委員 先ほど私の方から、今年度の国の補正予算で、介護職員等の負担軽減に資する介護ロボットを導入する事業所への補助を行うという話をさせていただきました。これは、介護ロボット等導入支援特別事業ということで、五十二億円の予算が盛り込まれているわけでありまして、一施設に三百万円まで、一〇〇%、国の補助が行われる事業というふうに聞いているわけでありまして、介護ロボットの活用に向けた意欲といったことを非常に私は感じております。
 先ほど答弁をいただいて、都もしっかりと取り組んでいくということでありますけれども、モデル事業ということでありますけれども、ぜひ積極的に、この普及活用に取り組んでいただきたいというふうに思います。
 次いで、聴覚障害者のコミュニケーション手段の一つである手話について質問をいたします。
 四月に施行される障害者差別解消法によりまして、行政機関や民間事業者には、障害者への合理的配慮の提供が求められております。また、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック競技大会開催に向けまして、多くの聴覚障害者の来訪も見込まれるなど、聴覚障害者の意思疎通手段であります手話に対するニーズはますます高まっております。そのため、手話通訳者の養成を進めることは重要な取り組みであります。
 都は、手話のできる都民育成事業を実施しておりまして、手話人口の裾野拡大のために、手話通訳者等の養成を進めてきているわけでありますけれども、この来年度の取り組みについてお伺いしたいと思います。

○高原障害者施策推進部長 都は、従来から実施をしております地域手話通訳者クラス、手話通訳者特別クラス及び指導者養成クラスの三クラスに加えまして、今年度からは、地域手話通訳者の登録はしていない方などが、再度手話技術を習得するための、手話のできる都民育成講習会を開設し、定員総数も百八十人ふやして四百二十人といたしました。
 さらに来年度からは、区市町村において聴覚障害者と手話通訳者との間のコーディネートを行う人材を育成するための意思疎通支援派遣コーディネーター研修を新たに開始いたします。
 これらの取り組みにより、今後とも手話人材の養成の充実を図ってまいります。

○高倉委員 聴覚障害者と手話通訳者のための人材育成を新たに実施するなど、事業の拡大を図っているということについては大いに評価をしていきたいと思います。
 障害者差別解消法の施行に伴い、聴覚障害者の意思疎通について、行政機関や民間事業者に合理的配慮の提供が求められている中で、全てを手話通訳者の派遣で対応していくということは、マンパワー的に困難ではないかと思います。
 その一方で、近年、ICTと呼ばれる情報通信技術の進展は目覚ましいものがありまして、さまざまな技術が民間企業において開発をされております。都議会公明党はこれまでも、これらの技術を活用した情報バリアフリーについて提案を重ねてきておりまして、都の窓口などにおいても、その活用が望まれております。
 そこで来年度、都は新たにICT遠隔手話通訳等モデル事業を開始することとしておりますけれども、この事業の目的や概要についてお伺いしたいと思います。

○高原障害者施策推進部長 お話のとおり、ICT情報通信技術を活用し、さまざまな情報機器が開発、実用化をされておりまして、このような機器の活用は、聴覚障害者に対する情報バリアフリーを進める上で非常に有効であると考えております。
 都は来年度、都庁所管部のほか、聴覚障害者の利用が予想される心身障害者福祉センターや、大江戸線の都庁前駅など六カ所におきましてタブレットを配布し、コールセンターに待機している手話通訳者がタブレット端末の画面越しに手話通訳行う遠隔手話通訳サービスをモデル導入いたします。
 また、タブレット端末には音声をリアルタイムで字幕に変換をするコミュニケーションアプリを導入いたしまして、文字によるコミュニケーション支援もあわせて行う予定でございます。
 モデル事業におきまして、その取り組み効果等を検証いたしますとともに、事業成果を報告書として公表する予定でございまして、これらの取り組みにより、遠隔手話通訳サービスの有用性について広く普及を図っていく考えでございます。

○高倉委員 今、具体的なモデル事業を行っていく場所についての答弁がありましたけれども、ぜひしっかり行っていただきまして、本格実施に向けて積極的に取り組みをお願いしたいと思います。
 最後に一点だけ、重症心身障害児者の短期入所についてお伺いをしたいと思います。
 短期入所はいうまでもなく、在宅の重症心身障害児者を支える事業として、非常に重要なものであります。しかし、重症心身障害児者の通所施設に通う利用者の保護者から共通に上がっているのは、短期入所の利用の難しさといったことであります。具体的には、短期入所の利用の予約をするのにも何カ月もかかってしまうと。緊急時や使いたいときにもなかなか使えないといったような声であります。
 私は、本委員会の事務事業質疑において、都として短期入所事業の充実に努めるべきというふうに強く申し上げたところでありますけれども、改めて、重症心身障害児者の短期入所の確保について、都として積極的に取り組むべきであるということをお聞きしまして、質問を終わりたいと思います。

○高原障害者施策推進部長 重症心身障害者が地域で安心して暮らすためには、本人への支援の充実に加え、介護する家族の負担軽減を図ることが重要でございます。
 そのため、都ではこれまで、介護者の病気や家族の都合等により一時的に家庭での療育が困難になった場合に利用できるよう、短期入所に対する病床確保事業を実施してまいりました。直近の二十八年三月一日現在、四カ所の都立療育センターにおいて六十八床、民間施設等九カ所において三十六床、合計百四床を確保しておりますが、来年度におきましては、さらに十七床の増床を図り、百二十一床を確保してまいります。
 今後とも、重症心身障害児者が安定した在宅生活を継続できるよう、短期入所事業の充実に努めてまいります。

○斉藤委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後五時二十二分休憩

   午後五時三十九分開議

○斉藤委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○畔上委員 それではまず、第七十三号議案の多摩総合精神保健福祉センターの短期宿泊事業の廃止に伴う条例改正についてです。
 精神疾患は、生涯を通じて五人に一人がかかるといわれ、誰にも起こり得る身近な病気です。これまで精神科医療は入院医療が中心でしたけれども、地域生活支援を中心に転換していこうという流れが出てきているということについては前進だと思うんですが、地域生活を支えていくには、まだまだ施策がおくれているというのが実態ではないでしょうか。
 私も相談活動の中で、精神の患者さんのアウトリーチを保健所にお願いしたり、またクリニックに行くのに付き添ったり、精神の患者さんのご家族やご本人からの相談を受けておりますけれども、近隣とのトラブル、例えば先日あったのは都営住宅の中でのトラブルだったんですけれども、その相談があったときに公社にも相談をいたしました。そうしましたら、公社の方も、実はこうしたトラブルが非常に多くなって頭が痛いんだと、そういうお話を伺いました。
 そういった近隣とのトラブルの問題、それから家族との緊張関係、不安定な症状、こういったものは保健所ではなかなか対応し切れない、こういう困難なケースが多々あって、東京都が現在行っております専門スタッフのアウトリーチ等短期宿泊事業、これは大変重要な事業だと思っております。
 そこでまず伺いたいのですが、このアウトリーチとセットで行っている短期宿泊事業の意義について伺います。

○平賀障害者医療担当部長 精神保健福祉センターで実施しております短期宿泊事業は、未治療や治療中断等のため地域生活に困難を来しており、アウトリーチ支援を受けている精神障害者が、一時的に病状が不安定になったり生活機能が著しく低下した場合に短期的にセンターに宿泊させ、二十四時間体制で支援を行うものでございます。
 具体的には、宿泊期間中に医療的ケアを提供するとともに、保健所や区市町村、地域援助事業者等の関係機関と連携しながら、福祉、医療サービス等についての調整を行い、地域生活への復帰を支援しているものでございます。

○畔上委員 つまり、短期宿泊事業は、地域で暮らす精神の患者さんにとっては大事な駆け込みの場であり、大きな支えということであります。とりわけ、東京都の実施しています事業は、医師、看護師、心理、作業療法士、福祉職などの多職種のチームによるアウトリーチ支援もあって、短期宿泊事業とセットで、宿泊しているご本人の状態を見ながら地域生活へ結びつけてくれる、困難なケースを入院ではなく地域で暮らせるように支えている、そういう事業だというふうに思います。
 それにもかかわらず、今回、多摩の総合精神保健福祉センターの短期宿泊事業を廃止するということでありますが、その廃止理由をお聞かせいただきたいと思います。

○平賀障害者医療担当部長 短期宿泊事業は、これまで中部総合精神保健福祉センター及び多摩総合精神保健福祉センターでそれぞれ各十名、合計二十名の利用定員で運営してまいりました。
 今回の見直しでは、アウトリーチ支援事業はこれまでどおり都内三カ所の精神保健福祉センターで引き続き運営するとともに、短期宿泊事業について、現行の定員二十名を維持しつつ、中部総合精神保健福祉センターに集約し、運営体制の効率化を図ることといたしました。
 その一方で、新たに災害時の心のケア体制の整備に取り組むなど、全体として精神保健福祉センターの機能強化を図ってまいります。

○畔上委員 二十名は維持するからと、何ら現状と変わらないよと、そして、効率化なんだというご答弁なんですけれども、私は近くにあるからこそ、このアウトリーチとセットで大切な役割を果たせているというふうに思います。
 治療を中心とした生活にならざるを得ない、そういう入院とは違って、一時的にふだんの生活環境から離れて相談や支援等を受けて、時には診療も受けられるという、こういう短期宿泊なわけです。その後の地域での生活の安定に向けて、地域のネットワークに丁寧につなげられる、そういう短期事業だと思うんです。そういう点では、多摩にも中部にも、また下谷にもあるということこそ必要なんだと思います。
 地元の利用者や保健所、それから中間事業所などの関係機関、こうしたところの意見は聞いていらっしゃるんでしょうか。

○平賀障害者医療担当部長 短期宿泊事業の統合につきましては、市の障害担当課長会や市町村を管轄する都保健所長会で説明を行うとともに、地域活動支援センターや相談支援事業所など、地域の民間事業者に対しても連絡会等の場において説明を行うなど、事業が円滑に進むよう、関係者と意見交換を行っているところでございます。

○畔上委員 私のところには多摩市の方から、多摩総合精神保健福祉センターの短期宿泊事業も、それから一時入所事業も廃止されては本当に困るという声が寄せられています。病院から地域へといわれているのに、東京全体でも地域移行促進事業を実施しています民間事業所はたった六カ所ですね。グループホームの活用型のショートステイ事業も調べてみましたけれども、五カ所しかありません。都の三つのセンターが果たしている役割というのは大変大きいものがあるというふうに思います。
 また、こんな先駆的な、大切な事業であるにもかかわらず、時限事業となっていると聞いていますけれども、やっぱりそのことは見過ごすことができないと思います。アウトリーチ等短期宿泊事業については、今後も継続すべきと考えます。今後の事業の見通しについて伺います。

○平賀障害者医療担当部長 アウトリーチ支援事業及び短期宿泊事業につきましては、その実施状況や取り組みの効果などを踏まえまして、事業の評価、検証を行っていくこととしております。

○畔上委員 私は、東京都の事業の中でも、この事業というのは非常に先駆的なすばらしい事業だというふうに思っています。病院から地域へと、施設から地域へという流れの中で、本当に困難なケースに対応する、そういう専門性を持って貴重な実績も積み上げられていらっしゃる、そういうアウトリーチ支援事業と短期の宿泊事業、これはやっぱりセットだと思うんですね。それをやっぱりきちんと継続して、より拡充こそすべきだというふうに思います。
 私は、多摩でのこの短期宿泊事業の廃止、今回の条例改正には反対するとともに、アウトリーチと短期宿泊事業の継続、拡充を強く求めておきたいと思います。
 続きまして、第六十六号議案、養護老人ホーム条例を廃止する条例についてです。
 養護老人ホームは、老人福祉法の第二十条の四に規定された老人福祉施設で、六十五歳以上の者であって、環境上の理由及び経済的理由により、居宅において養護を受けることが困難な者を入所させ養護するとともに、その者が自立した日常生活を営み、社会的活動に参加するために必要な指導及び訓練、その他の援助を行うことを目的とするという施設であります。
 今、ひとり暮らし高齢者の女性の四割、男性の三割は相対的貧困です。そして、ひとり暮らしの高齢者の三割は民間借家です。おおよそ二十三万人おられると推定されています。
 今後ますます養護老人ホームが必要な方々がふえると思いますけれども、どう認識されていますか。

○西村高齢社会対策部長 今お話にもございましたけれども、養護老人ホームは、住居等の環境上の理由及び経済的理由により、居宅において養護を受けることが困難な高齢者が、区市町村の措置により入所する施設でございまして、介護が必要な場合は外部の在宅サービスを利用しております。
 こうした措置による入所が必要な方は一定程度存在するものと認識しておりますが、都内の養護老人ホームの入所待機者は、平成十年度末の二千九百七十人をピークに、平成十二年度の介護保険制度創設以来、在宅サービスの充実等に伴い減少しておりまして、平成二十七年十二月現在では、二百三十九人とピーク時の十分の一以下となっております。

○畔上委員 ご答弁のように、要養護の高齢者の方、例えば身寄りがないとか、それから家族からの虐待を受けているとか、住まいを失ってしまったとか、そういう人たちのまさに救いの場として大変重要な役割を果たしているのが養護老人ホームであります。
 待機者は、在宅サービスの充実に伴い減少しているという、今ご説明があったわけですが、介護施設は、個人と施設の契約ということですが、契約というシステムにはなかなかなじまない、そういう高齢者の方は、減っているというより、むしろふえているんじゃないでしょうか。地域包括の支援センターにつなげられる場合、もちろんそういうケースも多々あるというふうに思います。
 しかし、私も相談を受けた中で、例えば連れ合いを亡くされて、掃除や片づけが上手にできなくて、在宅での暮らしが困難になって、部屋が本当にごみだらけになってしまったと。しかし、地域とのかかわりを一切持っていらっしゃらないとか、それから、そういう方で下着を着がえずに不衛生な暮らしになってしまっているとか、虐待を受けているとか、本当にそういう点では、基本的な生活の支援が必要なのに、社会的な孤立をしてしまっているという方など、やはり潜在的なニーズはふえているんだというふうに思います。
 もちろん、在宅支援の中でそういう人たちを支えていこうという取り組みも重要な取り組みだというふうに思っています。しかし、同時にこういった施設も重要な役割を果たすというふうに思います。
 一般財源化されてしまって、区市町村の窓口では、今、措置よりも介護保険や生活保護を優先させているというのが現状のように思います。窓口に相談に行きますと、この方は生活支援や見守りが必要ですけれども、まずは生活保護に行ってくださいという形で、すぐに生活保護の方に促されてしまっているのが現状ではないでしょうか。
 この問題は区市町村の問題ではありますけれども、先ほど待機者が減っているというお話でありましたけれども、私はその背景には、こういう対応の問題もあるというふうに思います。
 しかも、今ご答弁にあったように、待機者がいないわけじゃない。二百三十九人も、今も空きを待っていらっしゃる方がいるということです。
 東村山の老人ホームは、病気になれば、キャンパス内の医療機関で治療ができて、まさに医療と福祉の複合施設。持っていたそういう理念やシステムは、やっぱり今後も大変必要なものだというふうに思うんですけれども、その点いかがですか。

○村田施設調整担当部長 東村山老人ホームの民間移譲に当たりましては、中軽度の要介護高齢者の受け入れが可能となりますように、外部サービス利用型特定施設入居者生活介護の指定を受けることを公募条件といたしました。
 このため、民間移譲施設として、平成二十四年七月に開設しましたさくらコート青葉町では、介護保険サービスを利用することが可能でございます。
 また、東村山老人ホームと同様に診療所を併設するとともに、キャンパス内にあります多摩北部医療センターや近隣の医療機関と連携をしまして、入所者の健康管理を適切に行いまして、必要な医療を受けられるようにしているところでございます。

○畔上委員 既に開設をしていますさくらコート青葉町に引き継いでいるというご答弁なんですが、複雑多様化している本当に支援が必要な方たちに対して、その支援ができる、そういうスキルを持って医療とも連携していた東村山老人ホームのような都立の施設というのは、全体の水準を維持するためにも、私は重要な役割を果たしていたと思います。
 住まいと生活支援の先駆的な事業としての役割を果たしてきた、こうした都立の養護老人ホーム、七年前の群馬県の無届け施設で火災があって、死者十名という惨事がありましたけれども、利用者の多くは都内の居住者だったわけです。単身で身寄りがなくて経済的理由で養護を受けることが困難な、こういう人たちの最終的なセーフティーネットの唯一の都立の養護老人ホーム、これはやっぱり建てかえて、拡充することはあっても、廃止することなどはすべきでないというふうに思います。そのことを意見として申し上げておきたいと思います。
 次に、介護人材についてです。
 介護人材の確保については、各委員からお話がありましたが、職員の確保、定着なくして、質の確保も、また深刻な人材不足の解消もできないことは明白であります。
 私たちが、介護報酬の減額によって、ますます介護人材の確保は困難になると指摘をしてきたわけですけれども、東京都はこれに対して、特養ホームでも各種加算を取得すれば、現在とは変わらないと、ユニットだとプラスという試算が出ているんだとご答弁をされていました。
 実際、介護職の賃金初め、処遇は改善されたんでしょうか。

○西村高齢社会対策部長 昨年四月の介護報酬改定では、職員の処遇改善として、職位、職責等に応じた任用要件と賃金体系を整備すること、職員の資質向上のための計画を策定して研修の機会を設けることなどを要件に、一人当たり月額一万五千円相当の従来の加算に、さらに月額一万二千円相当が上乗せされた最上位の加算区分一が創設されました。
 本年二月一日時点の介護職員処遇改善加算の取得状況を見ますと、都内対象事業所の八七・一%に当たる九千四百十七カ所から処遇改善加算の届け出がございまして、そのうち八〇・七%の七千六百四事業所が最上位の加算区分一を取得しております。
 今年度の実績につきましては、現時点で把握することができませんが、処遇改善加算を取得している事業所では、改善が図られているものと認識しております。

○畔上委員 都内の約九割の事業所が処遇改善加算の取得を届け出したんだとおっしゃるんですが、実際のところは、それが賃金等の待遇改善に結びついていないということであります。
 全国の労働組合総連合の介護・ヘルパーネットが、二〇一五年介護報酬改定・処遇改善加算による介護労働者の賃金・処遇状況アンケートを実施したんですが、最終報告がことしの二月の末に発表されました。これはマスコミでも報道されておりましたけれども、毎月の賃金や一時金を含め、処遇改善は五人に一人にとどまり、八割を超える労働者が処遇改善加算を実感できないという結果が出ております。このことをどのように受けとめられていますか。

○西村高齢社会対策部長 お話のアンケート調査は労働組合が行ったものでございまして、詳細は把握しておりませんが、七月の賃金と夏季一時金の状況を調査したものでございまして、年末や年度末の手当等が対象になっていないものと認識しております。

○畔上委員 年末にはふえたはずだということでしょうか。東京のデータもいただいてみたんですけれども、先ほどいかにも処遇改善加算が大きくなったかのようなご答弁だったんですが、都内分の調査結果を見ましても、全国調査と同じ傾向なんですね。八割以上の方が賃上げ効果は実感していないんです。
 二〇一五年四月からの賃金は、五五%の方が変わらない、そう答え、下がったという方も九・二%いたわけです。都内の事業所における賃上げの実態を、私はやっぱり実態がどうなっているのか、このことをしっかりと把握すべきだと思います。
 とりわけ、総額だけでなく、一人一人の賃上げにつながったのか、そのことを把握すべきだと思いますが、いかがですか。

○西村高齢社会対策部長 介護職員処遇改善加算の仕組みにおきましては、事業者は賃金改善等に関する計画を作成し、事業所内の全ての介護職員に周知するとともに、都へ届け出を行い、加算の算定額相当の賃金改善を図ることとなっております。
 また、事業者は事業年度ごとに介護職員の処遇改善に関する実績を都へ報告することが義務づけられております。
 こうした仕組みにより、実態を把握してまいります。

○畔上委員 今のお話がありました実績報告、これはやっぱり総額なんですね。個々の賃上げに本当につながっているのかどうか、やっぱりここをしっかりと把握する必要があるんじゃないかということであります。
 本当に処遇改善がなかなか進まない中で深刻な実態が生まれております。東京都高齢者福祉施設協議会、ここが九月に行った特養ホーム四百五十三施設の調査では、八つの施設が入所を制限しておりました。ある入所制限をしている都内の施設では、重度化に見合って介護職員の配置基準を見直し、介護報酬を引き上げなければ、人はもう集まらないんだと、ネックは職員の賃金だといいました。
 また、都内のある歴史ある特養ホームなんですが、ここでは、ショートステイ二十床の半分を閉鎖しています。施設長さんは、単独型ショートステイは建物の構造上赤字だと。特養の収入で補ってきましたけれども、介護報酬が減らされ補い切れなくなりましたと、そこへ職員不足が重なりましたと語っていました。
 昨年七月、東京都の高齢者福祉施設協議会の介護職員やりがいアンケート報告書では、介護職員の地位向上、賃金アップ、これを求める声が多数ありました。都が、福祉人材不足対策ということでは、来年度新たに介護職員の宿舎借り上げ支援事業を計上したことは前進だと思っていますが、規模は約二百戸ほどなので、より抜本的な対策が求められているんだと思います。
 厚生労働省の二〇一四年賃金構造の基本統計調査によりますと、全産業の六月の平均賃金は約三十万円なんです。ところが、介護職員の賃金は、それよりも月額で約八万円も安いんです。処遇改善加算が実際に一人一人の介護職員の賃金アップにつながっているのか、現場の職員の処遇に改善が本当に見られているのか、そのことをしっかりと現場の実態を把握していただいて、それに基づいて抜本的な改善策を講ずるよう、強く求めておきたいと思います。
 保育士の配置基準の引き下げについてです。
 保育士の職員の配置基準の引き下げや基準職員の資格の緩和を行う都の検討についてです。
 今の保育士不足、この原因は、保育士の資格者が不足しているからではありません。以前の委員会でも具体的にお話しさせていただいたように、低い賃金、長時間労働など劣悪な労働環境にあることは明白です。にもかかわらず、国の保育の担い手確保に向けた緊急的な取りまとめ、ここでは、この根本問題の具体策は全くなく、保育の質の確保といいながら、専ら保育の質を低下させる規制緩和によっての確保策に終始しているわけです。
 東京都が、国とほぼ同様の検討を行っていることに、私は大変不安と憤りを感じているところです。
 そこで、何点か伺いたいと思います。まず、人員確保対策というなら、今回の規制緩和によって何人の人材の確保が見込まれるんでしょうか。

○手島少子社会対策部長 今回の特例措置について、国は、保育の担い手の裾野を広げるものとしており、都も同様に考えております。
 なお、東京都児童福祉審議会の中で、今回の改正の原案となった取りまとめを行いました、国の保育士等確保対策検討会の座長である慶應義塾大学の駒村教授からも、検討会の考え方として、具体的に何人確保するというものではなく、選択肢を広げるためのものであるというご説明がございました。

○畔上委員 私たちは、保育の質を下げるということで規制緩和には反対でありますけれども、それで、どれだけ職員を確保できるかの見通しも示せないということであります。
 そもそも、潜在的保育士は都内には五万人以上いるわけです。その人たちが本当に働きたいと思えるような環境と、それから今働いていらっしゃる保育士が働き続けられる環境をつくることこそ第一の確保策じゃないでしょうか。
 それに、都は二万八千人の保育士確保を目指して、さまざまな支援策等も実施するんだというふうにしているわけです。これを達成すれば四万人分の定員増は実現できるはずです。規制緩和を進めるということは、保育士確保の目標への真剣さを疑わせるものだといわざるを得ないんです。
 先ほどのご答弁の中で、期限の問題で当分の間というお話がありましたが、当分の間というのは非常に曖昧ないい方だと思います。緊急的、時限的な対応ということでありますけれども、実質的には恒久的なものになりかねないという心配もあるわけです。
 保育士不足の対策の最も重要なことは、今私が何回かいいましたけれども、やっぱりこの保育士の待遇改善、ここであるというふうに思いますけれども、都の認識を伺います。

○手島少子社会対策部長 都が平成二十五年度に実施をいたしました保育士実態調査では、過去に保育士として就業していた方の離職の理由の上位三つは、妊娠、出産、給料、職場の人間関係であり、再就職の条件の上位三つは、勤務日数、通勤時間、勤務時間でございまして、職員の確保定着を図るためには、さまざまな取り組みが必要であると認識しております。
 処遇改善に関しましては、国は今年度から処遇改善等加算を創設しました。また、都におきましては、キャリアパスの仕組みを導入することを条件とした保育士等キャリアアップ補助を今年度創設したところでございます。
 また、来年度は新たに、保育士の負担を軽減し離職防止を図るために、労働環境改善に積極的に取り組む保育事業者に対しまして、年額二百九十五万三千円を上限に、保育補助者の雇用に要する費用の貸し付けを行う、保育補助者雇上支援事業を開始することとしております。

○畔上委員 今、取り組みをいろいろお話しされたんですが、私が伺ったのは、保育士確保策で処遇改善が重要という認識はないのですかと伺ったわけなんです。それについてお答えください。

○手島少子社会対策部長 ただいまご答弁申し上げましたとおり、平成二十五年度に東京都が実施をいたしました保育の実態調査におきましても、過去に保育士として就業していた方の離職の理由の上位三つは、妊娠、出産、給与、職場の人間関係、また、再就職の条件として上位三つに掲げられましたのは、勤務日数、通勤時間、勤務時間でございまして、職員の確保定着を図るためには、さまざまな取り組みが必要であるというふうに認識をしております。

○畔上委員 以前の委員会でも、部長はこの離職理由を挙げられたんですけれども、正面から待遇改善が重要なんだよというのを本当に認めたくないのでしょうかね。そんなことをいっていたら、いつまでたっても、質を確保しながら保育士不足を解消することなどできるはずがないと思うんです。
 実は知事は今定例会の白石議員の代表質問に答えて、この待遇改善は非常に重要だと、知事自身はそういうふうにお答えしているんですよね。やっぱり東京都全体がそういう認識に立たなきゃいけないんじゃないでしょうか。
 東京都が実施した保育士の実態調査、やめたいと思う理由、退職意向理由のトップスリーは、前の委員会でも私いいましたけれども、給与が安い、仕事量が多い、労働時間が長いということなんです。本当に保育士不足に真剣に向き合う姿勢だったらば、待遇改善に全力で取り組んで、保育士さんたちがやめないで頑張れるように、そういうふうに応援するのがやっぱり東京都の仕事なんじゃないでしょうか。知事は重要だとおっしゃっているんですよ。知事と認識が違うんでしょうか、もう一度ご答弁ください。

○梶原福祉保健局長 皆様がいっているのは、最も重要なことは待遇改善だといういい方をしているので、私どもはさまざまな取り組みが必要だということをいっているんです。
 つまり、処遇改善加算等加算を国は創設しました。私どもはキャリアパスの仕組みをつくって、百数十億の予算を入れて、我々は、その人がキャリアアップするごとに賃金が上がるような仕組みを導入しているじゃないですか。大体百人規模でいくと、今、東京都の予算規模って一億五千数百万ですよ。国から来るお金は九千数百万ですよ。都のお金と区市町村の中で五千万以上、私どもは認可保育園、それから認証保育所に投入していますよ。処遇改善をやらないといっている--処遇改善というか、処遇改善とキャリアアップを合わせてやっていますよ。
 話を、あるときは全国の平均を使い、あるときは都の役割をいうんですけれども、今、国会でもいろいろ議論されていますけれども、あれは、あくまでも賃金格差というのは、例えば平均年数を考慮していない、それで全産業と比較をしている。我々の調査でいくと、こういうサービス推進費、それを勘案したキャリアアップの補助をやれば、ほかの県よりも給与水準ははるかに高いですよ、認可保育所の保育士は。
 私どもは、そういう意味でさまざまな支援策をやっている。その一つとして、待遇だ、待遇だというから、私どもが一番必要なのは、まずは働き続けられるキャリアアップ、従来でいくとコア人材、勤務年数が長いだけが優秀な保育士じゃないですよ。その職責に合った仕組みをつくっていくことが必要だということで私どもはキャリアアップの仕組みを導入したわけですから。その辺は十分理解をしていただきたいと思います。

○畔上委員 局長ね、私は認識を聞いたんですよ。知事はこういうふうに答えているんですよ、本会議で。待遇改善は非常に重要だと、そういうふうに知事はいっているんですよ。それと認識が違うのかって聞いているんです。

○梶原福祉保健局長 私どもは、全てのものが重要だということを--待遇改善のみが必要かのようなご発言をするから、待遇改善をしていない、もしくは待遇改善が重要でないという、私どもを非難なさるから、私どもは十分なことを、さまざまな施策をやっているということをお話をしているということです。

○畔上委員 国会でも今、大変な議論になっています。先ほども島田委員が、保育園落ちた日本死ねと題したブログに端を発した国会論戦のお話もありました。安倍首相であっても、給与を含めた待遇の問題があると、人材不足の問題は待遇の問題があるんだと。国だって、そういう意味では、給与を含めた待遇改善の重要性を認めているわけです。そこを私は、しっかり認識持っていただきたいということを申し上げているんです。
 さて、開所時間中に配置すべき児童年齢別基準職員の資格の問題では、都の児童福祉審議会は、国同様、幼稚園教諭等と保健師のほかに、知事が適当と認める者を基準職員数の三分の一を超えない範囲で保育士とみなすことができるというふうにしました。先ほど島田委員、それから小宮委員のご答弁の中で、知事が適当と認める者の定義をどうするんですかというお話では、現場で、常勤で一年以上経験があって、園長や代表者が認めた者というご説明をされましたが、代表者が認めれば、保育所や保育業務等で保育経験がある者も、家庭的保育者も保育士と同等だと、そういう認識だと。それは、何を根拠にそういうふうにおっしゃられるのか、ちょっと教えてください。

○手島少子社会対策部長 知事が適当と認める者につきましては、先ほどもご答弁を申し上げましたとおり、児童福祉審議会でご議論をいただきまして、子育て支援員や家庭的保育者のほか、児童福祉施設や認証保育所等において、乳幼児の保育に継続して一年以上の経験がある方で、かつ、雇い上げをする施設長、またはそこの事業者の方々が自分の目で見て、この人は大丈夫だと、そういうふうに二つのキャップがかぶさっているというふうに考えております。
 今後は、さらに保育事業者の方々からのご意見もお聞きをしながら、都の基準について決定をしていく予定でございます。

○畔上委員 いわゆるキャップの方が、施設長や園長が認めた者ということが根拠なんだということなんですが、そうなると、キャップが認めれば無資格の方も同等となると。そうなると保育士という国家資格は一体何なのかということにもなるわけです。
 先ほどの議論の中で、資格と、それから経験の積み重ねが必要だというお話もありましたが、それはもういうまでもないことだと思っています。しかし、無資格者を保育士とみなすことによって、現場でどういうことが起こるのか、私はますます資格を持った保育士に責任が集中して負担が重くなって、長時間労働にもつながり、早期退職にもつながってしまうんじゃないかという心配をしております。大学などの養成校の高い費用をかけて保育士の資格を取っても、専門職として見られなければ、わざわざ保育士にならなくてもよいということになるんじゃないでしょうか。
 朝夕の保育時間帯の配置基準の見直しについては、コアタイムに保育士は手厚くするというお話もありましたが、昼間手厚くするということを条件にはされていません。
 そこで伺いますが、現在の制度では、開所時間内は有資格者を常時二名以上の配置となっていますが、その理由をお示しください。

○手島少子社会対策部長 お尋ねの基準でございますが、国が従うべき基準として示しているものでございますが、国は、本基準を定めた理由について特に明示をしてございません。
 なお、都は認証保育所に対しまして、常勤有資格者一名に加えて、もう一名以上職員を配置することを求めておりますが、この理由は、職員がトイレや来客応対など保育室を離れた場合に、安全性の観点から、児童のみになる時間ができることを避けるためでございます。

○畔上委員 国が定めたと、朝夕の保育時間帯等は保護者との引き継ぎもあって、保育士の目が子供から離れる時間帯なわけです。だから、必ず複数いないと保育の継続が難しくなると。
 お迎えに来たお母さんたち、お母さんだけじゃないですけれども--などの悩みを聞いたり、そういう貴重な保育の時間でも実はあるんですね。そういう時間帯に、今回の規制緩和で保育士資格者は一人でよいとしたことは、やっぱり保育の質を低下させる問題なんだと思います。
 国の保育の担い手確保に向けた緊急的な取りまとめは、幼稚園教諭を認可保育園に配置することについて、三歳から五歳の教育の観点から効果的だとしているんですが、そうなると、保育士は三歳から五歳の教育を行っていないということになるんでしょうか。

○手島少子社会対策部長 児童福祉法では、第六条の三第七項におきまして、保育を、養護及び教育(第三十九条の二第一項に規定する満三歳以上の幼児に対する教育を除く)と規定しており、保育所において教育は行われております。
 なお、第三十九条の二第一項に規定する満三歳以上の幼児に対する教育とは、教育基本法第六条第一項に規定する法律に定める学校において行われる教育とされております。

○畔上委員 ご答弁の保育所の教育というのは、新制度における保育の定義なんですね。国はこの解釈を、家庭における教育のかわりとしています。幼稚園教諭は学校教育法に基づいた教育を行うけれども、保育士は家庭における教育のかわりという差別的な定義なわけです。
 しかし、保育園の教育が劣っているということは決してはありません。乳幼児期の教育とは何かといえば、乳幼児期は生活と遊びの中で学び、成長の土台を耕す大事な時期で、つまり養護と一体になってこそ本来の教育だという認識が必要なんだというふうに私は思うんです。国の報告書は、そうした実践をしている保育園への認識を余りにも欠いているといわざるを得ないと思います。
 国の保育の担い手確保に向けた緊急的な取りまとめは、小学校教諭を活用することについて、幼保小接続の観点から、保育所にとって効果的なものとなるとしているんですが、認可保育園に小学校教諭を配置することについての効果、これについてはどのような調査が存在しているんでしょうか。

○手島少子社会対策部長 この調査につきましては、把握をしてございません。

○畔上委員 その根拠となる調査も、実は国はしていないということなんです。
 厚生労働省の通知には、過去三年間の指導検査において、都道府県知事から勧告や改善命令等を受けている保育所等については、各特例の実施を認めないこととするというふうにありますが、省令には規定されていません。東京都はどうするんでしょうか。

○手島少子社会対策部長 改善勧告や改善命令を行った場合には、国と同様に特例の実施を認めない取り扱いをする予定でございます。

○畔上委員 勧告や改善命令を受けた保育所は特例を認めないということですね。
 そもそも国は、保育園の職員配置基準を決めた保育の担い手確保に向けた緊急的な取りまとめで保育の専門性について書いていて、あくまでも緊急的、時限的な対応なんだというふうにしております。やっぱりこの規制緩和が保育の質を下げるということをみずから告白したものにほかならないと思うんです。
 保護者が求めているのも、安心して預けられる保育であり、今保育に求められているのは、子供たちの育ちを保障する専門性です。このような規制緩和、保育士配置基準の引き下げで人材確保をしようというやり方は、ますます現場を疲弊させ、負のスパイラルを加速させるやり方で、絶対にやるべきではないと思います。
 EU諸国では、保育士は、乳幼児期の大事な時期の保育、教育をしているということで、小学校の先生、小学校教師と同等の給与を支給しています。仕事にやりがいを感じつつも、心身ともにぎりぎりの状態で頑張っている職員が心も体も健康で働くためには、やっぱり賃金の底上げを初め、抜本的な待遇改善、保育士の配置基準の引き上げと正規雇用率を高め、長時間過密労働の改善をすることです。そのことに全力を尽くす人材確保策を強く求めまして、私の質問を終わります。

○西沢委員 私から、障害者の就労支援についてお伺いをします。
 障害者の就労について、東京都が平成二十年度から始めているチャレンジ雇用については、当初、臨時的任用、いわゆるアルバイトの扱いであり、期間も六カ月が上限となっておりました。
 私たちは、平成二十三年度第四回定例会の代表質問において、他の自治体で非常勤職員として採用している例を挙げまして、東京都においても、一般就労に向けた経験をしっかり積めるよう非常勤職員として位置づけるなど、一年以上のチャレンジ雇用を行うべきだと主張してまいりました。
 その後、平成二十五年度から非常勤制度が導入されまして、さらに来年度からは、先日も行われました予算特別委員会においても質疑がありましたが、東京チャレンジオフィスとしての取り組みの充実が図られるということでございます。
 そこで、まず最初に、この東京チャレンジオフィスによって企業への就労を目指す障害者をどのように支援していくのか、お伺いいたします。

○高原障害者施策推進部長 都は来年度、チャレンジ雇用につきましては、一般就労を目指す障害者がそれぞれのニーズに応じて選択ができるよう、最長三年間勤務できる非常勤職員と、一カ月程度の短期の実習生としての受け入れを行うこととしております。
 また、これまで各職場で実施してまいりました障害者の受け入れを、一カ所のいわばオフィスに集約をし、庁内各局から業務を受注することで、例えば会議資料のコピーや印刷物封入発送、データの入力、講演会等の会場設営や受付など多様な業務経験を積むことができるようにしてまいります。
 さらに、現在は分散する各職場を巡回している支援員がオフィスに常駐をして、きめ細かくサポートをするとともに、定期的な振り返り面談を行うなど、障害者本人が働き続ける上での課題を整理し、一般就労に向けた準備を整えてまいります。
 これらの取り組みにより、より多くの障害者が一般就労という目標が達成できるよう、都が率先して支援してまいります。

○西沢委員 チャレンジオフィスでの経験を経て、きちんと有効にステップアップできるよう支援をしていただきたいというように思います。
 さて、一般就労を目指す障害者が多くいる一方で、企業で働くことが困難な障害者の就労の場である福祉施設も都内に七百カ所あり、都は工賃向上計画を策定して、これらの施設の工賃水準の向上に取り組んでまいりました。
 しかし、平成二十六年度は、目標とされていた月額約一万八千円に対して、実績は一万五千円にも満たず、より一層のてこ入れが求められております。
 福祉施設においてはさまざまな自主製品がつくられておりますが、都ではそれらの製品の販路拡大を図るとともに、製品の魅力を広く発信する場として、来年度、福祉トライアルショップの開設を予定しているとのことであります。
 ショップの開設に向けた準備として、ちょうどきのうまでこの都民広場地下一階での販売イベントが開催されておりまして、予特でも、斉藤委員長からの呼びかけに応じて私も行ってまいりましたし、こうした取り組みを拝見させていただく中で、バッグやストール、アクセサリー、木のおもちゃなど多彩な製品がそろっており、ポスター、チラシなど従来の福祉施設のイベントでは余り見られなかったようなデザインで都民にアピールしていこうという姿勢が感じられたわけでございます。
 今後、どう広くしていくのかということでございますが、来年度の店舗開設や運営に当たって、市場のニーズなども踏まえた商品展開やPRの方法などを検討して工夫を重ねていく必要があると考えますが、今後の取り組みについてお伺いいたします。

○高原障害者施策推進部長 福祉トライアルショップを福祉施設の製品の販路拡大や工賃向上につなげていくためには、ショップに立ち寄っていただく方のニーズに合った魅力的な商品をそろえることが必要でございます。
 このため、本年二月から三月にかけまして、委員お話しのとおり、都庁を初め、都内の三カ所で開催をいたしました販売イベント、ユニークプラスマーケット二〇一六では、各会場において来場者へのアンケートも実施をし、製品に対する意見等も聞き取ったところでございます。
 都庁のイベントでは、想定を大幅に上回る売り上げがあったというふうに聞いております。都議の先生方にも多数ご来店、お買い上げをいただきましてありがとうございました。
 来年度のトライアルショップの開催に向けては、アンケート結果やイベントでの販売実績も活用し、各店舗の立地や来店者層を考慮した商品展開を検討するほか、今年一月に開設したショップの特設サイト等を通じて、販売する製品の情報を積極的に発信をし、ショップが自主製品の魅力を広くアピールする場となるよう準備を進めてまいります。

○西沢委員 ぜひこれまでにないような魅力的なショップになるよう取り組んでもらいたいと思います。
 そのとき話していたんですけれども、いいデザインなんかもすごく多い中で、今後、著作権といいますか、そういったところまで考える必要があるんじゃないか、既にコピーライト、Cと書いてあるコピーライトが入っている製品なんかもありましたけれども、そういったところまで考えていければいいなんていう話もありました。ちょっと話は違うかもしれませんが、いろいろな場面を、工夫を凝らしていただく材料にしていただきたいというように思います。
 障害者が働く福祉施設では、自主製品の生産に加えて、企業や官公庁から印刷や封入、封緘、箱詰め等の作業も受注しております。しかし、小規模な施設も多く、大きな受注案件の対応が難しい場合もあると聞きます。
 予算案では、新規事業として区市町村ネットワーク受注促進支援事業を打ち出しておりますが、受注の拡大を初め、ネットワークの強みを生かして大規模受注が実現すれば、工賃向上も期待ができます。
 そこで、区市町村ネットワーク受注促進支援事業を初め、福祉施設の工賃向上にどのように取り組むのか、見解をお伺いいたします。

○高原障害者施策推進部長 都は、これまでも包括補助により、各区市町村における福祉施設のネットワークの構築や受注開拓等の取り組みを支援してまいりました。
 また、昨年度からは、二年間のモデル事業として、調布、府中、多摩市の福祉施設のネットワークを活用いたしまして、共同受注につなげる取り組みも実施してまいりました。
 来年度は、この取り組みを他の地域にも広げまして、都内における各ネットワーク間の連携を強化するため、ネットワーク全体会議や研修会を開催し、活動内容や共同受注のノウハウを共有してまいります。
 また、受注事例等を企業や官公庁に広く発信するなど、受注促進のためのPRも強化いたします。
 これに加え、引き続き施設職員の経営意識を高めるセミナーや生産性向上のための設備整備に対する補助等も継続し、福祉施設の工賃向上への取り組みを支援してまいります。

○西沢委員 引き続き受注開拓など、支援をぜひお願いしたいというように思います。
 次に行きます。受動喫煙防止対策についてお伺いいたします。
 この受動喫煙防止を含む、たばこによる健康影響防止対策にかかわる来年度予算ですけれども、今年度と比べまして増額となっております。具体的にどのような取り組みを行うのかお伺いをいたします。

○上田保健政策部長 受動喫煙防止対策を初めとする、たばこによる健康影響防止に関して、来年度新たに取り組む事業でございますが、飲食店等において、店内の禁煙、分煙状況等がわかるステッカーの店頭表示を促し表示物貼付率の向上を図る取り組み、従業員の受動喫煙防止対策を行っている飲食店等の事例を幅広く収集し紹介するパンフレットの作成、配布、未成年者の喫煙防止対策といたしましては、小学校五、六年生及び中学生を対象とした喫煙防止をテーマにした動画の作成及び都内の小中学校への配布、諸外国の受動喫煙防止対策状況の把握の四事業でございます。

○西沢委員 ステッカーを張る、それからパンフレット、動画と、諸外国の対策状況と、四つの事業で来年度増額をしているという話ですが、二〇二〇年オリンピック・パラリンピックに向けて、受動喫煙防止の意気込みというものが、私はなかなかまだ見えないんじゃないかなという気がいたします。
 昨年の事務事業の中で申し上げましたけれども、いよいよ条例化による規制を検討する段階に来ているんじゃないかというように感じます。そのことを申し上げておきたいというように思います。
 それで、今、答弁の中にもございましたが、既にステッカーをお店に張っているものがございますが、表示物の貼付率向上事業というものが来年度の新規予算になるということでございます。食べログとかぐるなびとか情報検索サイトって皆さんも使われることが多くあると思いますけれども、ここを見ると既に書いてあるわけですよね、たばこを吸っていいとか悪いとか、分煙しているとか、こういうものがあります。こういうものと連携をして進めるということは一つの工夫になると思いますので、この表示物貼付率向上事業が具体的にどのような事業になるのかを、現在の貼付率がどれくらいなのかもあわせてお伺いをいたします。

○上田保健政策部長 平成二十五年度に都が実施いたしました飲食店における受動喫煙防止に向けた取り組み状況調査によりますと、調査対象の飲食店のうち全面禁煙、または分煙を実施している店舗は約四二%でございまして、そのうち禁煙や分煙のステッカー等を表示している店舗は約五一%となってございます。
 来年度は、飲食店等を利用する方が入店の前にその店舗の禁煙、分煙等の状況を把握できるよう、飲食店情報の検索サイトを運営する企業などと連携いたしまして、個別訪問ですとか電話によりまして、店頭表示の趣旨と重要性を説明した上で、ステッカー等を配布し、貼付を働きかけてまいります。

○西沢委員 このサイトの運営企業などと連携して、個別訪問までやったり、電話で働きかけていくというご答弁でございましたが、ぜひ進めていただきたいと思います。外国人もぜひ参考になるように、外国人の方が、多くの方が日本にいらっしゃいますから、既にデザインなどは決まっているところもあると思いますが、そうしたエッセンスも入れていただければと思いますので、お願いをしたいと思います。
 受動喫煙防止も含めた健康政策で、次に、健康寿命の延伸について、健康寿命を延ばそうということについてお伺いをしていきたいというように思います。
 健康寿命はいうまでもなく、生涯を終えるまで、健康な期間を延ばしていこうというものでございますが、来年度の新規予算で、職域健康づくり推進事業というものがあります。従業員の健康づくりに意欲のある企業に保健師などを派遣して、結果を事例集にするというふうに聞いておりますが、具体的な取り組みと企業の数をどれぐらいと想定しているのか、お伺いいたします。

○上田保健政策部長 来年度実施する職域健康づくり推進事業は、職場での従業員の健康管理や健康づくりに意欲のある企業に対しましてきめ細やかな支援を行うもので、合計二十社での実施を予定しております。
 具体的には、経営者や健康管理担当者へのヒアリングなどによりまして、各企業の課題を把握した上で、例えば休憩時間の体操の実施、社内での階段使用の推奨、ヘルシーランチの提供など、それぞれの企業の特性に応じたメニューを提示いたしまして、実施に当たりましては、保健師等により継続した助言を行います。
 本事業の取り組み結果につきましては、翌年度の健診結果の改善状況等により検証を行いまして、業種に応じた効果的な健康づくりの取り組みモデルを作成し、事業者団体等を通じて普及を図ってまいります。

○西沢委員 二十社を想定していると。この二十社の健康づくりを推進することで、それと同じような業種の企業に広めていくというようなことでした。これは二十社だけではなくて普及が大事ですから、ぜひ普及するというところまできちんと進めていただきたいというように思います。
 この健康寿命を延ばそうということでございますが、都道府県のランキングは、平成二十五年のものですけれども、東京都は、四十七都道府県で男性が三十七位で女性が四十二位と大変芳しくない結果となっているということです。首都圏だからなのかなと思いましたら、お隣の神奈川県は、男性が十二位で女性が十三位というようなことで、健康寿命については、東京都よりもはるかに成績がいいということですね。
 神奈川県は、健康寿命日本一を目指そうという取り組みで、特に東洋医学でいうところの未病対策というものを打ち出して、スポーツイベントと連携をしたりとか、県民へウエブなどを通して積極的な呼びかけをして、健康寿命日本一の県になりましょうというような意気込みというものがあります。
 ぜひ東京都も、健康寿命に関しては生活習慣病対策をしているというところにとどまっているように見られますから、健康寿命日本一というようなことを打ち出してもいいんじゃないのかなと思います。
 健康推進プラン21を着実に進めるのはもちろんですが、さまざまな施策を積極的に進めるということを要望いたしまして、質問を終わらせていただきます。

○早坂委員 まず、障害者差別解消法について伺います。
 障害者差別解消法は、障害のある人もない人もお互いに尊重し支え合う共生社会の実現を目指すものであり、二〇二〇年のパラリンピックを成功させるためにも、法の施行に当たっては、行政だけでなく、広く民間事業者にも適切な対応が求められます。
 その意味で、東京都が現在作成している障害者差別解消法ハンドブックが、東京都の職員だけでなく、民間事業者なども対象としていることは非常に重要であり、より積極的な普及啓発が必要です。
 そこで、このハンドブックの目的と今後の普及啓発について伺います。

○高原障害者施策推進部長 障害者差別解消法は、あらゆる分野を対象としており、都や区市町村はもとより、民間事業者も含め、広く周知を図っていくことが重要でございます。
 このため、現在作成中のハンドブックでは、生活場面ごとの合理的配慮の例など具体的な場面における多くの事例を紹介するなど、自治体職員や民間の従業者が日々の活動の中で配慮すべき事項をわかりやすくまとめ、さまざまな障害特性についても解説することとしてございます。
 発行に当たりましては、ホームページに掲載をし、随時印刷も可能とするとともに、区市町村はもとより、鉄道やバス、小売店などの事業者団体へ配布するなど、積極的な周知を図ってまいります。

○早坂委員 障害者への差別をなくすためには、東京都だけでなく、区市町村の取り組みも重要です。法の施行を踏まえ、東京都として区市町村をどのように支援していくのか伺います。

○高原障害者施策推進部長 法を円滑に施行し、東京都全体で障害者への差別を解消していくためには、住民に身近な区市町村と連携して取り組むことが重要でございます。
 このため、都は、今後設置をいたします障害者差別解消支援地域協議会において、区市町村の代表に参加を求め、合理的配慮の取り組み事例等について共有をしてまいります。
 さらに、都と区市町村の連絡会の開催や研修会の実施等を通じて、区市町村の取り組みを積極的に支援してまいります。

○早坂委員 次に、食の安全について伺います。
 近年、訪日外国人は年々増加しており、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けて、その傾向は続いていくものと期待されます。
 東京には、国内だけにとどまらず、世界中からさまざまな食材が集まり、和食はもちろんのこと、中華料理や西洋料理、そのほかさまざまな料理においても、世界最高レベルのグルメ都市であるといえます。その背景には、まずもって食の安全という基盤が構築されていることがございます。
 東京都はこれまで、全国に先駆けて食品安全条例を制定し、さまざまな取り組みを進めています。そうした取り組みを海外にいる方にも理解していただき、東京での食の安全のレベルの高さを発信することは、世界一の都市を目指す東京にとって有益なものと考えます。
 そこで、食の安全情報の発信について、今後の取り組みについて伺います。

○仁科食品医薬品安全担当部長 都は現在、東京の食の安全に関する取り組みを海外の方にも理解していただけるよう、飲食店への監視指導や市場での取り扱う食品の検査を実施していることなどを英語でホームページに掲載し、情報提供をしております。
 来年度は、こうした取り組みをさらに進め、食品の温度管理の実施状況など飲食店での衛生管理に関する監視結果や、食品中の残留農薬や添加物の検査結果など利用者に直接かかわる情報も紹介し、東京の食の安全性を海外にアピールしてまいります。
 また、都独自の自主管理認証制度など食品安全対策を紹介したリーフレットを、英語、中国語、ハングルの三カ国語で作成し、日本政府観光局の協力を得て、海外の観光見本市等での配布やウエブマガジンへの掲載などを行い、広く情報発信してまいります。

○早坂委員 世界中から大勢の日本語を解しない訪日外国人が東京に来てくださると、食堂、レストランでの食事の際に、食物アレルギーの日本語以外での情報を得たいというニーズが一定数発生すると思われます。
 そこで、外国人に対する飲食店における食の安全に関する情報提供について、東京都はどのような支援を行っていくか伺います。

○仁科食品医薬品安全担当部長 飲食店での情報提供が不十分であると、食物アレルギーによる重篤な事故につながる可能性がございます。
 このため、都は来年度、海外からのお客様に対して、料理の食材や厨房で用いられている卵、牛乳などのアレルギー物質の種類を、ピクトグラムや指さし会話シートを用いて簡単に説明する方法のほか、事故発生時に従業員がとるべき対応方法などをわかりやすく記載した飲食店向けのリーフレットを作成し、都内の飲食店に広く配布いたします。
 さらに、事業者団体や特別区等と連携して、飲食店の責任者向け講習会等で食物アレルギーに関する啓発を行い、海外から訪れるお客様に食品の安全に関する情報を適切に伝えられるよう、飲食店の取り組みを支援してまいります。

○栗山委員 まず、福祉のまちづくりに関する取り組みについてお伺いをいたします。
 点字ブロックは、視覚障害者が安全に歩行する上で非常に重要なものであり、バリアフリーの視点からも、設置及び管理は適正に行われるべきものであることはいうまでもございません。
 都では、ユニバーサルデザインを基本理念とした福祉のまちづくり条例を定め、まちづくりを進めてきた結果、鉄道駅のエレベーターの整備率やノンステップバスの導入率は九割を超え、道路の段差解消や点字ブロックも着実に整備してきているものと思います。
 しかしながらということになりますけれども、新宿駅及び都庁周辺では、残念ながら、すべからくこれが達成している、こうは私には思えない部分があり、直近でもさまざまなご相談をいただいたところでございます。
 二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックに向け、ハード、ソフト面で福祉のまちづくりの取り組みを加速させ、文字どおり世界で一番の都市の実現を果たしていかなければなりません。
 そこで確認をいたしますけれども、区市町村や事業者の取り組みに対し、都はどのような支援をしているのか、お伺いをいたします。

○芦田生活福祉部長 都では、区市町村が地域の実情に応じて実施する福祉のまちづくりの取り組みに対しまして、地域福祉推進区市町村包括補助事業により支援をしております。
 具体的には、公共施設や歩道、公園のバリアフリー化のための整備のほか、さまざまな障害の特性等に配慮し、必要な情報を容易に入手できる情報バリアフリーや、思いやりの心を醸成する心のバリアフリーの推進に関する取り組みなど、ハード、ソフト両面から支援をしております。
 また、鉄道事業者による駅のエレベーターやホームドアの整備、民営バス事業者によるノンステップバスの導入等に対しましては、都市整備局において補助をしております。

○栗山委員 今後とも、将来を見据え、新しい取り組みに対しても、しっかり支援をしていただきたいと思います。
 この包括事業では、公共的施設や歩道などのハード整備から、情報バリアフリーや心のバリアフリーといったソフト面の取り組みまで幅広い内容を支援しており、都内の福祉のまちづくりに大きく貢献をしているものと、こう思います。
 そこで、この事業における福祉のまちづくりに関する取り組みについての直近の実績と主な取り組み内容についてお伺いをいたします。

○芦田生活福祉部長 平成二十六年度の包括補助事業における福祉のまちづくりに関する実績は、三十六区市町で百二十九件、補助額は約五億九千八百万円となっております。
 主な取り組み内容は、ハード面の整備では、歩道の拡幅工事を初め、視覚障害者誘導用ブロックの設置や、公共施設や公園における車椅子使用者用トイレの設置、施設の出入り口の段差解消などでございます。
 情報バリアフリーでは、車椅子やベビーカーの利用者などが安心して外出できるための情報を盛り込んだ地域のバリアフリーマップの作成や視覚障害者用の音声誘導システムの整備などがございます。
 心のバリアフリーでは、小中学校に障害者を招いて体験学習を行う取り組みや、地域住民を対象にさまざまな障害特性について学ぶワークショップの開催、商店街を対象とした接遇研修の実施などがございます。

○栗山委員 ハード面の整備、これは着実に進んでおりますけれども、せっかく整備をされておりましても、近傍の人がルールやマナーを守らないと、本来必要とする人が利用できないこともあると思います。点字ブロックの上に自転車や荷物を置いてしまって使えなくなっているのは、日常よく見かける一つの事例だろうと思います。
 そこで重要なのは、心のバリアフリーであると思います。平成二十八年度予算にも心と情報のバリアフリーの普及とありますけれども、今後の取り組みについてお伺いをいたします。

○芦田生活福祉部長 誰もが年齢や性別、障害の有無等にかかわらず、相互に尊重し、思いやることができる社会を実現するためには、心のバリアフリーを推進していくことが必要でございます。
 そのため、都は、先ほど申し上げました学校や地域における取り組みや、社員の意識や接遇の向上のための研修などに区市町村や事業者が取り組む際のポイントや、効果的な実例を盛り込んだガイドラインを今月中に作成いたします。
 来年度は新たに、大学生と障害者が参加するシンポジウムの開催や小中学生のポスターコンクールの実施など、心のバリアフリーへの関心を高め、具体的な行動につなげるための普及啓発にも取り組んでまいります。
 こうしたさまざまな手法を活用して、区市町村や事業者、都民と一体となって心のバリアフリーをより一層推進してまいります。

○栗山委員 ガイドラインの作成やシンポジウムの開催、小中学生などへの普及啓発を行うと、こういう答弁がございましたが、ぜひしっかり事業を実施していただいて、着実な成果を上げていただきたいと思います。
 さて、無線マーカー等を利用して現在位置を特定し、その場に応じた音声案内を提供することで、視覚障害者が的確に移動してまちを楽しむために必要な歩行支援の実現に向けた情報提供手法の検証を行う事業、こうしたものも社会実験として行われているというふうに伺っております。さまざまな方法でバリアフリーを進めていく必要があり、都でも積極的に調査研究を進めていただくよう提案させていただきたいと思います。心のバリアフリーも含め、ユニバーサル社会の実現を図っていくことが肝要かと思います。
 次に、ヘルプマークについてお伺いをいたします。
 外的障害がある場合には、隣人の方は容易に対応することが可能となりますけれども、内部障害などがある場合には、残念ながらこれが確認をできず、ヘルプマークが有効な手段であるというふうに思っております。
 ヘルプマークは、平成二十四年の予算特別委員会で、我が党の山加議員がみずからの体験も踏まえ、外見からの障害があることがわかりにくい方、援助を必要としている方などの統一したマークを作成し、障害のあることがわかりにくい方への理解を社会で一層促していく、促進していく必要があると提案したことを契機として、都が同年の十月に作成したものであり、我が党もこれまで積極的に普及を推進してまいりました。
 現在、約八万五千個が配布をされたというふうにお伺いをしておりますけれども、確かに最近は、まち中でもヘルプマークを見かけることが多くなり、また、新聞紙上でも特集記事が掲載されたり、読者からの投書欄でも好意的な声が多く寄せられております。
 これは、都営交通はもとより、交通事業者への継続的な働きかけ、デジタルサイネージを初め、さまざまな媒体を活用した普及活動、ヘルプマーク作成・活用ガイドラインや、特定サイトを通じた他の自治体や企業等での活用促進など、我が党の声に応え、都が地道な普及活動を行ってきた努力が、ようやっと花開いたものというふうに思っております。
 そこでお伺いをいたしますけれども、他にも、障害者のための各種マークがある中、ヘルプマークが都民の間で広がりを見せていることについて、都はどのように認識をしているのかお伺いをいたします。

○高原障害者施策推進部長 お話のとおり、ヘルプマークは、障害者に限らず、広く援助を必要としている方々が、周囲の理解を得るためのマークであります。
 したがって、ヘルプマークは、障害の有無やその種別をあらわすのではなく、配慮や支援の必要性をあらわすものであるため、障害者等にとって、それを身につけることに対する抵抗感が少ないというふうに聞いております。
 また、利用者からは、外に出る勇気が出た、マークを持っていると安心できるといったような声や、支援者からは、困っている人に声をかけやすくなったという意見をいただいております。
 その結果、当初想定していた内部障害や妊娠初期の方だけではなく、知的障害、精神障害や発達障害、さらには、がんで闘病中の方など多くの都民に利用が広がっているものというふうに考えております。

○栗山委員 確かに、障害があることについて他人に知られるのは抵抗感があると、こういう方もいらっしゃると思います。また、この委員会でも質疑がありましたけれども、生涯において二人に一人ががんになるという時代でございますけれども、医学の進歩により、がんにかかっても働きながら治療を受けて、社会で活躍されている方は大勢おられ、その方々にとっても、ヘルプマークの存在は心強いものと考えます。
 さて、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック大会には、国内外から多くの人が東京、そして日本を訪れますが、その中には、障害のある方を初め、さまざまな理由で支援が必要な人が含まれているものと思います。ヘルプマークが都内のみならず、全国に普及することで、支援が必要な人への理解や互いを思いやる心が醸成され、日本中どこに行っても援助や配慮が受けやすくなると思います。
 また、最近の新聞の見出しにも、都から全国展開、ヘルプマーク広がれとありましたが、来年度は、京都府でも採用されるとお伺いをしており、まさに全国的な展開が始まったといえると思います。
 そこで、ヘルプマークの広域的普及について、都の取り組みをお伺いをいたします。

○高原障害者施策推進部長 都は、昨年六月、障害に関する啓発等のためのマークの普及を国に対して提案要求をしたほか、本年一月には日本身体障害者団体連合会や、知的障害者団体でございます全国手をつなぐ育成会連合会の代表者とともに内閣府へ行き、ヘルプマークの広域的な周知、普及について要望を行ってまいりました。
 また、全国の他の自治体からの視察や問い合わせに対しても丁寧に対応をし、必要な情報提供を行うとともに、近接をする千葉県、埼玉県、神奈川県及び横浜市へは、都職員が直接説明に行き、ヘルプマークへの協力要請を行ってまいりました。
 さらに、十六大都道府県障害福祉主管課長会議などの大都市会議において、ヘルプマークの取り組みについて情報提供に努め、ヘルプマークへの理解と協力を求めております。
 このような取り組みの結果、お話にもありましたけれども、来年度からは、京都府、青森県、徳島県、札幌市など全国十一府県市での活用が予定されております。

○栗山委員 全国レベルの障害者団体から支援を受けているということは、障害者が真にヘルプマークの必要性を認めていると、こういうことでございまして、まことに心強いことだと思います。
 さらに、二月には自由民主党本部において、我が党の国会議員に対して都がプレゼンテーションを行ったという情報も耳にしております。今後の全国展開においては、我が党がしっかり支援をしていくことは大きな力になっていくものというふうに確信をいたします。
 ヘルプマークのより一層の普及を都に強く要望し、私の質問を終わります。

○斉藤委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○斉藤委員長 異議なしと認め、予算及び付託議案に対する質疑はいずれも終了いたしました。
 以上で福祉保健局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後七時散会

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