本文へ移動

ロゴ 東京都議会

Tokyo Metropolitan Assembly

厚生委員会速記録第十二号

平成二十五年十一月十四日(木曜日)
第七委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長まつば多美子君
副委員長塩村あやか君
副委員長早坂 義弘君
理事遠藤  守君
理事和泉 武彦君
理事山加 朱美君
山内  晃君
栗山よしじ君
田中  健君
和泉なおみ君
今村 るか君
ともとし春久君
野島 善司君
大山とも子君

欠席委員 なし

出席説明員
病院経営本部本部長醍醐 勇司君
経営企画部長和賀井克夫君
サービス推進部長中野  透君
経営戦略担当部長野瀬 達昭君

本日の会議に付した事件
病院経営本部関係
事務事業について(質疑)

○まつば委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 初めに、一言申し上げます。
 さきの台風二十六号により甚大な被害がもたらされ、多くのとうとい命が失われました。被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。
 この際、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りし、黙祷をささげたいと思います。
 皆様、ご起立願います。
 黙祷。
   〔全員起立、黙祷〕

○まつば委員長 黙祷を終わります。ご着席ください。

○まつば委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、病院経営本部関係の事務事業に対する質疑を行います。
 これより病院経営本部関係に入ります。
 事務事業に対する質疑を行います。
 本件については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○和賀井経営企画部長 去る九月十七日の本委員会におきまして要求のございました資料について、ご説明申し上げます。
 お手元にお配りしてございます厚生委員会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
 資料は、目次にございます八点でございます。
 恐れ入りますが、一ページをお開きいただきたいと存じます。1、公社病院の病棟休止状況(平成二十五年十月一日現在)でございます。
 公社病院における病棟の休止状況について、それぞれ病院別に記載しております。
 二ページをお開き願います。2、都立病院及び公社病院におけるがん患者取扱実績(平成二十四年十月十七日(水)ワンデイ調査)でございます。
 昨年実施いたしましたワンデイ調査におけるがん患者取扱実績について、(1)は都立病院、(2)は公社病院の実績を、それぞれ病院別に記載しております。
 三ページをごらんください。3、都立病院及び公社病院における医師の定数及び現員の推移(診療科別)でございます。
 このページは都立病院について、次の四ページは公社病院について、平成二十一年度から二十五年度までの常勤医師の定数と各年度十月一日現在の現員の推移を診療科別に記載しております。
 五ページをお開き願います。4、都立病院におけるPFI事業にかかわる経費の推移でございます。
 平成二十一年度から二十五年度までのPFI事業にかかわる経費について、各事業別に記載しております。
 六ページをお開き願います。5、公社病院に対する運営費補助金の推移でございます。
 平成二十年度から二十四年度までの各公社病院に対する運営費補助金の推移を記載しております。
 七ページをごらんください。6、公社病院における看護職員の固有・派遣職員数の推移でございます。
 平成二十一年度から平成二十五年度までの各公社病院における看護職員の各年度四月一日現在の定数及び固有、派遣別の現員の推移を記載しております。
 八ページをお開き願います。7、大久保病院建物賃料等及び東京都健康プラザ土地信託事業における信託配当金等の推移でございます。
 (1)は都が支払う大久保病院建物にかかわる賃料及び共益費の平成二十一年度から二十五年度までの推移について、(2)は東京都健康プラザ土地信託事業における信託配当金及び長期借入金残高の平成二十年度から二十四年度までの推移について、それぞれ記載しております。
 九ページをごらんください。8、都立病院及び公社病院における分娩件数及びNICU受け入れ件数でございます。
 都立病院及び公社病院における分娩件数及びNICU受け入れ件数について、平成二十年度から二十四年度までの件数の推移を記載しております。
 簡単ではございますが、要求のございました資料の説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○まつば委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○早坂委員 病院経営本部は、本年三月、都立病院改革推進プランを策定しました。このプラン作成に当たり、我が党は、昨年の第三回定例会における代表質問やこれまでの厚生委員会において、計画の策定段階から議論を重ねてまいりました。すなわち、医療環境の変化から生じる救急医療の疾病構造変化への対応、周産期医療への対応強化、認知症への対応、近隣医療機関との連携などであり、我が党の主張がプランの中核を占めているものと思います。
 現在、東京都では、新たな長期ビジョンの作成に当たり、広く都民の意見、要望を募集しています。我が党内においても、具体的な施策を展開するため、長期ビジョンに対する提言を鋭意検討しているところでございます。
 さて、プランでは、一つには医療機能の集約とネットワークの充実強化、二つには患者中心の医療を掲げています。これは、医療環境が急速に変化する中でも、継続的かつ安定的に行政的医療を提供することに主眼を置くものであります。
 その中で、救急医療や周産期医療などの強化充実は、少子高齢化という医療環境の変化に対応するものであり、プランの骨格を形成するものであります。
 そこでまず、救急医療に関して、東京ERを含む都立病院の救急患者受け入れ実績について伺います。

○野瀬経営戦略担当部長 都立病院における救急患者数は、平成二十四年度は十七万三千四百二十一人で、平成十二年度と比較いたしますと、約二九%増加しております。
 救急車搬送患者数は、平成二十四年度は三万四千五百五十三人と、平成十二年度比で約三七%増加しております。
 搬送患者数の内訳を見ますと、重症患者の増加などにより、救急車搬送患者のうち入院した患者数は、平成二十四年度は一万四千三百十三人と、平成十二年度比で約四三%増加しております。
 また、救急車搬送患者のうち六十五歳以上の患者の比率は、小児総合医療センターを除き、約四一%となっております。

○早坂委員 都立病院において、救急搬送患者に占める高齢者の割合はおよそ四〇%と高く、また、重症患者が増加しているとのことでありました。
 そこで、医療環境の変化に対応するため、東京ERをどのように強化していくのか伺います。

○野瀬経営戦略担当部長 救急搬送患者の高齢化に伴う、合併症を有する患者や重症患者の増加に対し、先進的な医療機器の導入や施設改修を行い、東京ERの機能強化を図ってまいります。
 具体的には、墨東病院で、特定集中治療室、ICUや、心臓疾患、脳卒中に対応した集中治療室を整備するとともに、急性脳血管障害などの病態の改善を図る高気圧酸素治療装置を設置いたします。
 広尾病院では、救急の初期診療室の改修や、内科と外科が一体で治療を行うハイブリッド手術室の整備に向けた検討を行うなど、救急受け入れ体制の強化を図ります。
 多摩総合医療センターでは、心臓疾患への機能強化を検討してまいります。
 また、小児総合医療センターでは、小児のためのICUであるPICU機能を拡充し、ER病棟を設置するとともに、看護体制の充実を図るなど、機能拡充を進めてまいります。
 さらに、救急を取り扱う全ての都立病院において、中等症や重症の患者に対する救急医療機能の安定的な確保に向け、トリアージ機能と円滑な転退院を支援する体制の充実を図ってまいります。

○早坂委員 東京都における救急告示医療機関は減少しており、都立病院の役割はますます重要になると考えております。医療環境の変化をしっかりと受けとめ、ほかの救急医療機関とも連携し、超高齢社会に対応した救急医療を展開していただきたいと思います。
 もう一点、我が党は少子化対策にも力を入れております。再編整備において、多摩総合医療センターと小児総合医療センターが一体となったスーパー総合周産期センターを運営しています。これは、都立病院が行った再編整備で新たに機能強化されたものであります。
 そこで、強化された総合周産期母子医療センターの実績などについて伺います。

○野瀬経営戦略担当部長 産科を持つ多摩総合医療センターと、都内最大の新生児集中治療管理室、NICUを有する小児総合医療センターは、開院直後から一体となって、母体と胎児におけるリスクの高い妊婦に対する医療や、高度な新生児医療を提供する総合周産期母子医療センターの指定を受けております。
 平成二十四年度における全分娩数は千四百件、前年の千百八十三件と比較して約一八%ふえ、リスクの高い妊娠合併症を伴う分娩は六百七十八件、帝王切開四百八十三件、多胎妊娠分娩七十件、母体搬送受け入れは百四十八件となっております。
 特に、重症な疾患により緊急に母体救命措置が必要な妊産婦を必ず受け入れることになっている母体救命対応総合周産期母子医療センター、先ほど副委員長のお話にあった、いわゆるスーパー総合周産期センターでございますが、この対象となる患者は都内全体で八十六件でありましたが、このうち、多摩小児総合医療センターでは十五件を受け入れております。これは全体の約一七%に当たります。このように、リスクの高い妊産婦などが迅速に救命措置を受けられる体制を確保しております。
 また、多摩地域の周産期、小児医療を広範囲にカバーする、小児用と新生児用のドクターカーがございまして、平成二十四年度に五百八十七件の運用実績があり、一日当たり一・六台が稼働して、地域医療機関を結ぶネットワークを構築しております。

○早坂委員 再編整備の結果、多摩総合医療センターと小児総合医療センターが密接に連携を図り、その成果もあらわれていることがわかります。両センターが、今後も多くの子供の命を救うことを期待します。
 少子高齢化がもたらす環境変化は、行政対応にさまざまな課題をもたらし、都立病院の提供する医療サービスも新たなニーズに対応することが求められます。都立病院が提供する救急医療や周産期医療は、行政的医療の主たるものであり、我が党は、引き続きこれを応援してまいります。
 さて、少し視点を変えて伺います。
 医療の世界は、臨床と研究が一体となって、新たな治療技術や先進的な医療が開発されていくものでございます。そこには多くの時間と経費が必要となりますが、医療を進める上で、さらには医療の質を高めるためには、治験と先進医療への取り組みが必要不可欠です。
 改革推進プランでも、病院経営に必要な四つのクオリティーの充実強化を図るものとし、その一つに医療の質と患者サービスを掲げています。これは、都民に信頼される都立病院を目指し、患者中心の医療を推進し、質の高い医療の提供と患者サービスの向上に取り組むものです。
 そこで、プランに掲げられている質について、都立病院での臨床研究など、先進的医療の推進について伺います。

○中野サービス推進部長 高度医療を提供する都立病院では、患者の選択肢を広げ、利便性を向上するという観点から、駒込病院、多摩総合医療センター、小児総合医療センター、松沢病院におきまして、厚生労働省の承認を受けた先進医療に取り組んでおります。
 また、医薬品などの臨床試験である治験につきましては、各病院に治験管理室を設置し、精度の高い治験に取り組んでおります。
 臨床研究につきましては、社会的重要性や学問的価値があり、都立病院における医療に直接必要な研究及び施設の重点医療に関する研究を、年間百数十件実施しております。
 近年、臨床研究につきましては、品質の保証に対する評価が厳しくなり、適正な研究計画や症例数の設定など、管理体制の強化が必要になってきております。このため、駒込病院と小児総合医療センターに臨床データセンターを設置いたしました。
 センターには、臨床研究の統計の専門家である生物統計家や臨床研究コーディネーター等を配置し、公正で透明性の高い臨床データの管理体制を構築しているところでございます。

○早坂委員 都立病院が高度で専門性の高い医療を提供するため、臨床研究や新たな治療技術の開発、新薬開発にも力を注いでいくことが重要です。
 また、昨今の新聞報道にあったような曖昧なデータの活用や、意図的に臨床データを操作して研究を発表することなど、あってはならないことであります。しっかりとした臨床と、そこから派生する確実なデータを基礎として臨床研究や治験を行っていただき、医療の質の向上を図っていただきたいと思います。
 次に、都立病院の外国人患者受け入れ体制について伺います。
 二〇二〇年オリンピック・パラリンピックが東京に決定し、東京を訪れる外国人観光客の急増が期待されています。そうした中、定住外国人や、今後さまざまな国から訪れる外国人患者に対して対応が必要です。
 そこで、都心部にある広尾病院における外国人対応の現状について伺います。

○野瀬経営戦略担当部長 広尾病院では、平成二十五年四月一日から七日までの一週間の調査によると、外国人患者数は外来で一日平均十四名程度、全患者に占める割合は二・五%でございました。
 入院のうち、新入院患者数は一日平均四人程度で、割合は二・二%でございました。
 来院する外国人患者に対応するため、院内案内板の英語表示、それから病院ホームページの英語版を作成しております。
 また、実際の診療への対応として、英語版の入院案内や問診票を作成しております。
 さらに、必要に応じて通訳サービスの活用も行っております。

○早坂委員 医療の質の確保という点では、日本人であっても、外国人であっても同様に、質の高い診療が要求されます。我が国の医療水準が世界的に見て非常に高いものであると思う方々が、国内には大勢いらっしゃいます。
 そこで、外国人が国内において医療の提供を受ける場合に、客観的な国際的な評価、あるいは基準を獲得しておくことも、医療の質を掲げる都立病院としての役割であると考えます。
 そこで、都立病院の外国人対応についての認識と、今後どのように推進していくかについて伺います。

○野瀬経営戦略担当部長 東京都における外国人人口は、平成二十五年では約三十九万人となっております。今後は、オリンピック・パラリンピックの招致が決まったことに加え、国の進める国家戦略特区構想や東京都のアジアヘッドクオーター特区プロジェクトなどが推進され、外国人が日本を訪れる機会はふえるものと考えております。
 都立病院でも、これらの環境に対応するため、院内案内板の見直しや、直接外国人患者と接する看護職員への語学研修などを検討いたします。
 また、国際標準を意識した医療安全や医療の質を確保するため、患者が来院し、外来、検査、入院、退院に至るまでの実際の経過に沿って医療の質を確認する、国際標準を踏まえた病院運営を検討してまいります。

○早坂委員 医療の質の確保は、都立病院が医療改革で掲げた、いつでも、誰でも、安心して医療が受けられるというコンセプトを支えるものです。安全で安心な医療を提供するという点では、国際都市東京、東京を世界で一番の都市にするという我が党の公約とも一致します。
 二〇二〇年に開催されるオリンピック・パラリンピックは、東京にとっても、また、我が国にとっても、国際基準を視野に入れ、そして文化や習慣を全世界に発信する最大のチャンスだと考えています。病院経営本部のさらなるご努力をお願いいたします。

○遠藤委員 それでは、私の方からは、PFI事業に関する監査の指摘、そして患者支援センター、そして公社病院における緩和ケア、この三点についてお伺いしたいと思います。
 まず、冒頭は、PFI事業に関する監査の指摘でございます。
 委員の皆さん方の机にも、この平成二十五年の定例監査報告書が届いたかと思います。私も中をいろいろと読ませていただきました。
 今回の監査は、平成二十四年度の執行分ということで、ことしの一月七日から九月三日まで、おおむねこの期間に行ったということで、それぞれ各局に監査が入ったわけでありますけれども、そのうち病院経営本部は、指摘事項は十二件であります。うち、歳入については一件、歳出については十件、その他一件ということで、十二件の指摘を受けているわけであります。
 多いところでは、建設局は十六件、水道局は十件ということでありますので、数の大小じゃないですけれども、私どもは、一生懸命仕事をしているからこういう指摘も受けるんであろうと、このように思っております。
 第三回定例会の本会議において、今お見せしましたこれが、提出、報告があったわけでありますけれども、都立病院で導入されておりますPFI手法、この病院運営について何点か質問させていただきたいと思います。
 いうまでもなく、このPFI事業は、建物の設計や建設、施設の維持管理、運営業務など、こうした事業を実施する目的で設立された特別目的会社、いわゆるSPCに包括的に発注し、そのSPCがみずからの創意工夫によって、都があらかじめ示した業務要求水準書を満たすように事業を実施していくというスキームになっているわけであります。
 また、SPCが都の求める要求水準を達成しているかどうかチェックする仕組みとして、いわゆるモニタリング制度というものを導入して、SPCまたはその関連の会社が適切な事業をしているかチェックすると、こういう仕組みになっているわけであります。
 ところで、今回の監査の指摘は大きく分けると二つあって、一つは、このSPCが作成した業務仕様書の内容が都側が示した要求水準と合致していない、こういうものがありますよと、改善してもらいたいと、これが一つと、冒頭申し上げましたSPCの仕事をチェックするためのモニタリング、このモニタリングによる履行状況の確認及び評価が十分に行われていないものもありますよと。しかも、今回一回だけじゃなくて、こういう指摘を受けているのは昨年もですから、平成二十四年にも指摘をされた。二十三年度にも同じようなことがあったと。
 こういったことから、本部に対して、当該病院をしっかりと指導し、適切な業務遂行を確保すべきであると、このようにいわれているわけでありますけれども、そこでまず、今回指摘をされた監査の具体的な内容について、ここに書いてありますけれども、わかりやすく説明してもらいたいと思います。

○中野サービス推進部長 まず、業務仕様書等の内容が業務要求水準書と合致していないという指摘についてでございますが、業務要求水準書で特別目的会社、いわゆるSPCが行うことになっております職員住宅の光熱水費調定の事務補助ですとか、診療費の過誤納還付未済金の還付の具体的な手順が、業務仕様書等に記載されていなかったことにつきまして指摘されたものでございます。
 次に、モニタリングに関しての指摘でございますが、禁止食の誤配膳というインシデントが発生いたしましたが、このことにつきまして、病院ではSPC及び協力企業も加わりまして、リスクマネジメント栄養分科会において改善方法を協議し、再発防止策を講じました。
 また、SPCが設置する、病院職員の問い合わせ窓口でありますヘルプデスクの対応状況につきまして、SPCは一件ごとに記録し、進行管理を行っておりました。
 このような事実に対しまして、今回の監査では、再発防止策の対応状況やSPCの進行管理を含めた履行状況の確認、評価につきましても、モニタリングにおいて行うべきと指摘されたものでございます。

○遠藤委員 今、答弁ありましたけれども、業務要求水準でSPCが行うべきとされている業務について仕様書等に記載がなかったという、ある意味基本的なミスがあったということ、そしてまた、発生したインシデント、インシデントというのはヒヤリ・ハットということでありますけれども、そうしたヒヤリ・ハットに対して、実際は再発防止策をちゃんとしていたけれども、その対策の結果をモニタリングという機会で分析、評価していなかったと、こういったことを指摘されたんだということだと思います。
 それでは、これらの監査の指摘に対して、どう改善しようとしているのか、また、したのか、これを答弁いただきたいと思います。

○中野サービス推進部長 まず、業務仕様書等に関する指摘に対してでございますが、四つのPFI病院全てにおきまして、業務要求水準書と業務仕様書等に整合性がとれているか、改めてSPCがセルフチェックを実施し、その結果につきまして、病院が再点検の上、仕様書等の修正を行っております。
 さらに、本部でも、年内をめどに見直し状況の確認を行う予定でございます。
 次に、モニタリングについてでございますが、モニタリングは、SPCみずからが業務の問題点や課題を把握し、サービスの維持改善につなげていくとともに、都が業務履行確認と評価を行っていくための仕組みでございまして、これまでも都とSPCで検討を重ね、効果的なモニタリングの実施に努めてまいりました。
 その結果、病院職員の問い合わせ窓口であるヘルプデスクの記録をモニタリングに反映させることや、SPCの定期的な現場巡回モニタリングによる課題の早期把握など、業務の維持改善に生かしております。
 今回、監査において指摘のありました食事の提供につきましては、改善策の結果をフォローするという項目をモニタリングに追加いたしまして、また、ヘルプデスクの対応状況につきましては、進捗状況を含めてモニタリングを実施することといたしました。

○遠藤委員 指摘を受けて、既に改善に取り組んでいるということは、今、理解できました。引き続き、しっかりと進めていただきたいと思います。
 この都立病院のPFI事業は、運営期間が十五年と、長期の契約であります。先ほど委員会に提出いただいた資料にも、いかにこのPFI事業で病院経営本部の予算が使われているかというのもあったと思います。そういった意味では、この事業期間を通じて、都の求める業務水準を満たす履行を常に確保していくということが重要であると、このように思っております。
 今回の定例監査において、このモニタリングについて指摘をされたわけでありますけれども、この業務要求水準が達成されたかを確認する手段が、繰り返しますけれども、このモニタリング定例会というのかな、そういう会議だと思いますけれども、それをやっているということであります。これがきちんと行われなければ、そこでチェックされなければ、PFIを導入した目的の一つである業務の効率化等々、また、サービスの向上が図られないと。非常に死活的な、重要な取り組みというか、チェック機能なんだと思います。
 そこで、このモニタリングの実効性を高めるために、今後どんな工夫をしていくか答弁をいただきたいと思います。

○中野サービス推進部長 モニタリングの実施に当たりましては、SPCみずからが個々の業務をチェックするセルフモニタリングの実施と、都への報告を義務づけております。患者ニーズなどの変化を敏感に察知することで、サービスの提供方法をSPCが自主的に見直しております。都は、毎月、SPCの報告をもとに、SPCが提供するサービスをチェックし、要求水準を満たしていない場合には改善を促す仕組みとしております。
 モニタリングの実効性を高めていくため、今後、モニタリング項目の追加や見直しにより、モニタリングにおけるPDCAサイクルを確立し、業務の維持改善の仕組みをより強固なものにするとともに、各事業のモニタリングの評価基準の標準化を図り、モニタリングの精度を向上させてまいります。
 また、各SPCがセルフモニタリングにおいて実施している独自の工夫につきまして、病院間で情報を共有し、参考にするなど、セルフモニタリングの充実を図ってまいります。
 このような取り組みを通じまして、病院と本部が一体となって、SPCとの協働により、業務の効率化やサービスの向上を促進してまいりたいと考えております。

○遠藤委員 病院のそれぞれの機能によって業務の仕様に違いがあって、また、事業ごとにSPCも異なると。SPCの協力企業をマネジメントする考え方や方法も、それぞれやり方がいろいろ違うんだろうと思います。
 したがって、このモニタリング全ての内容を共通のものにするかどうかというのは、いろんな判断があると思います。しかしながら、実効性を高める意味で、統一すべきことはする、しないものはしない、このような形でしっかりと立て分けて、精査していただいて、効果的なモニタリングが行えるようにしっかりと取り組んでいただきたいと、このように思います。
 きょうは、このPFIについて指摘を受けた二つのことについて取り上げましたけれども、この監査の報告書の中ではもう一個指摘されているんですね。それは、アドバイザー業務委託契約のあり方もしっかりとチェックすべきだと、こういうことであります。
 そこに何て書いてあるかというと、このアドバイザー業務委託というのはいろんなことをやるんですけれども、病院経営本部並びに各病院では、なかなか、このPFIというのは新しい手法なものだから、法的な側面、技術的な側面を含めて、わからぬことがいろいろあるでしょうと。したがって、その専門家にチェックを、指導助言をもらうと。そのためのアドバイザー業務委託契約というのを結んでいるということであります。
 今回、そのアドバイザー業務委託契約にも、監査の方からは一部指摘があったわけであります。どんな指摘かというと、さっき一つ、二つ、指摘された二つの事例を取り上げましたけれども、本来だったらば、その一点目の指摘も、二点目の指摘も、アドバイザー契約を結んでいるんだから、ここがしっかりとワークしていれば、一の指摘も二の指摘も受けないでしょうと。その辺もトータルで、病院経営本部として指導していくべきなんじゃないかと、こういうことが書かれているわけであります。
 しかしながら、今の答弁で明らかになったとおり、病院経営本部として、しっかりとやるべきことは、指摘を受けた、改善しないといけない部分はありますけれども、やっている部分は当然ある。けれども、それがなかなか正当にというか、評価されていなかったという側面が、実はあるんだろうと思います。正当に評価されていないというか、病院経営本部と監査側の見解が異なると。
 しかしながら、世に出るものはこの報告書ですから、私もこれ、字面を全部読むと、病院経営本部並びに各病院は何やってきたんだと、これだけを読むと、何やってきたんだと、こういう率直な感想を持ちました。だけれども、今聞いてみると、指摘をされるまでもなく、しかるべき対応もしていたという側面がありますので、この辺はもう少し、事前に、監査が入った場合のやりとりですとか、そういったものにより工夫をして、こういうことがより正確に記載されるように努力してもらいたいと思うんです。
 そうしないと、都民の皆さん、なかなか、この質疑を聞いている方は少ないと思いますし、また、これだけ読んで、このことがひとり歩きすると、これは都民にとっても、病院の利用者にとっても、我々にとっても、皆さんにとっても、いいことはない、このように思いますので、ぜひその辺、よろしくお願いしたいと思います。
 二点目の質問です。患者支援センターの質問であります。
 この患者支援センターについては、これに関連して、私は以前から、病院における転院調整、さらに在宅への移行支援、さらには患者の医療に関する相談や、経済的な問題、福祉に関する相談など、さまざま、こうした点が重要であるということで指摘をしてまいりました。
 ことしの二定の厚生委員会、これは選挙の前でありましたけれども、二定の厚生委員会でも、都立病院の改革推進プランに言及する中で、このほど、都立病院に将来的に設置することを目指した患者支援センターに積極的に取り組むように主張をさせていただきました。
 先日、各局の予算要求概要をヒアリングいたしましたけれども、福祉保健局所管の事業において、都内の病院に向こう二年間ぐらいかけて、転院調整の支援システムを「ひまわり」のサブシステムとして、こういうネットワークをつくって、都内の医療機関を全部電子情報で結んで、転院調整にかかわる適宜的確な情報を患者、家族に提供するというシステムをつくるということを説明を受けました。
 そこでまず、確認になりますけれども、都立病院に設置をしようとしているこの患者支援センターは、どんな業務を行い、また、どんな役割を担っていくのか、これをもう一回答弁いただきたいと思います。

○中野サービス推進部長 患者支援センターでは、患者や家族の意思を尊重した退院準備や、療養の継続に向けたケアの指導を行ってまいります。
 また、退院後の生活を見据えて、介護施設や訪問看護ステーションなどの社会資源の紹介を行うとともに、これら施設との情報交換などの業務を行い、患者と病院、地域の関係機関をつないでまいります。
 こうした活動を通じ、適切な時期に病院を転院、退院し、円滑に次の療養環境に移行できるよう支援するなど、患者の療養生活を総合的に支援する役割を果たすものと考えているところでございます。

○遠藤委員 この支援センター、今答弁いただきましたそれを整備するに当たっては、それぞれの病院のドクターや看護師、またはMSW、事務職員等で構成する患者支援センター整備に関する検討委員会を五月に立ち上げたと、このようなことでもありました。
 この二定のやりとりのときに、五月に設置をいたしたと、こういった答弁だったと思いますけれども、では、この検討委員会、立ち上がっておおむね半年になろうかと思いますけれども、具体的にどんな中身を検討しているのか、答弁を願いたいと思います。

○中野サービス推進部長 検討委員会では、これまで五回にわたる検討を行ってまいりました。
 具体的には、看護相談、医療相談を実施する上で、どのようなことが課題になっているのか、センターを運営していく場合に重要なポイントは何か、院内の他部門とどのように連携していくべきか、情報の共有化をどのように図っていくべきかなど、さまざまな観点から検討を行ってきたところでございます。

○遠藤委員 さまざまな検討を行っているようですけれども、ぜひ患者視点、また、家族の視点を十分に踏まえてやっていっていただきたいと、このように思います。
 その中で、参考になるというか、これも、ことしの予特で私が質問に立ったときに、福祉保健局が都内の全ての医療機関、中小、大病院も全部含めて実態調査を行うと、こういう答弁がありました。その結果も、もう既に出ているようであります。その中に、今話があった患者支援センターの目的を十分にするために、今後検討するために有効となるような結果も恐らく含まれているんだと思います。
 既にお持ちになっているかもしれませんけれども、そうした都内の医療機関、または、そこに寄せられる患者の声なんかもしっかりとチェックをしていただいて、非常にいい取り組みだと思いますので、検討していってもらいたいと思います。
 あわせて、こうした取り組みは、既に都内の民間の病院でも行われているんだろうと思います。そういったものもぜひ参考にしていくべきであると思いますけれども、いかがでしょうか。

○中野サービス推進部長 検討委員会におきましては、東海大学医学部附属病院と東京大学医学部附属病院の患者支援部門の運営方法について視察をさせていただきました。
 急性期の病院では、患者さんの円滑な入院、転退院を行うべく、患者支援部門の充実を図っています。例えば、患者支援部門にいる医師、看護師、ケースワーカー等の職員間の情報共有や連携体制の確保、部門の核となる医師のリーダーシップの重要性など、都立病院の患者センターとして取り入れるべき点が数多く見られ、非常に参考になったところでございます。

○遠藤委員 きのう、おとといかな、都道府県の議員が集まる集いがありました。そこに、委員長と私、公明党を代表して行かせていただいて、その中で、冒頭、増田さんという元総務大臣が基調講演をされて、これから先々、三十年、四十年先、本当に高齢化の問題が大変な話になるということで、そんなことはずっといわれてきているんですけれども、改めて、国立社会保障・人口問題研究所の直近の人口流動のデータも紹介しながら、本当に危機感を持って取り組んでいかないといけないと、こんな指摘をされておりました。
 そんな中で、今後、病院、または介護施設、在宅、いろんな形で総動員でかかっていかないといけないときに、やはり支援センターに類するリエゾン機能をしっかりと強化していくというのは非常に大事なことであろうということを、その増田さんの話を聞いて改めて痛感いたしました。
 これからいろいろ準備していかれるんですけれども、今後、どんなスケジュールでこれを都立病院に設置しようとしているのかを、最後にお伺いしたいと思います。

○中野サービス推進部長 今後、さらに検討委員会での検討を進め、報告を年度内に取りまとめていきたいと考えているところでございます。
 平成二十六年度には、モデルとなる病院を選定いたしまして、現場に即した病院内での組織、運営方法を検討の上、患者支援センターを設置してまいります。
 そのモデル病院での検証を経た上で、翌年度以降、他病院に拡大していきたいと考えているところでございます。

○遠藤委員 今の話だと、報告書を年度内、そして二十六年度にモデル、そして、その次というから、それが二十七になるのか二十八になるのかわかりませんけれども、早ければ二十七年度初頭ぐらいには患者支援センターを立ち上げたいと、こういうことであります。
 これ、確認ですけれども、全ての都立病院に、ぱっと二十七年にやるのか、それとも、そこは少しずつ実験をしながらやるのか、どうですか。

○中野サービス推進部長 モデル病院の設置につきましては、まず二十六年度に行うと。そのモデルの施行状況等を検証しながら進めていくことになるわけですが、今、先生がご指摘いただいた、全て一緒にやるのか、それとも段階的にやるのか、こういったものを含めて、来年度検討していきたいと考えているところでございます。

○遠藤委員 私、急げといっていないので、いいものをなるべく早くやってもらいたいと思います。
 さっき、冒頭紹介した、いわゆる民間の医療機関をつなぐ転院情報支援システムも、聞くところによれば二十七年度の事業開始ということでありますので、そういった意味では時が合わさってくると思います。
 私はシステムはよくわかりませんけれども、こうした福保がやるシステムとも、この支援センターとの情報共有みたいなものを図ることが有効であれば、ぜひここともしっかりと情報共有を図ってもらいたいと、このように思います。
 最後、三点目、公社病院における緩和ケアについてお伺いしたいと思います。
 これも、平成二十四年の厚生委員会の事務事業、一年前において、都立病院、また、公社病院のこれまでのがん患者に対する緩和ケアの取り組みについて、何点か質問をさせてもらいました。
 具体的には、緩和ケア病棟の整備の状況や各都立、公社病院の緩和ケアチームの具体的な取り組み、さらには医師による緩和ケア研修、これは、さきの自公政権のときに、当時の安倍総裁、現総理大臣、そして当時の我が党の代表、太田昭宏さん、この両人の方が、緩和ケアの研修、ドクターの研修は非常に重要だということで、ぜひ全国の医療機関でこの緩和ケアに取り組むドクターに研修をすべきであるということで、当時の与党の二人の代表が心を一つにして提案したやつだと思います。こんなことも聞かせていただきました。
 ところで、平成二十五年の三月には東京都がん対策推進計画が改定されまして、五年終わりましたので一次改定ということになるんですかね、より一層のがん対策の充実強化に向けた取り組みをこの中で示されたわけであります。
 この改定後の計画では、がんと診断されたときからの切れ目のない緩和ケアを掲げて、緩和ケア病棟の整備だとか拠点病院への緩和ケアチームをつくること、緩和ケア外来の体制強化、さらに、今申し上げましたけれども、緩和ケアに関する人材の育成、さらには普及啓発と。この普及啓発については、緩和ケアというと、いわば末期の方がかかるものであるという認識が日本には強いわけでありますけれども、WHOの標準的な考えは、がんと診断された直後から、いわゆる体の痛みだけではなくて、社会的ないろんな痛みがあると。仕事のこととか、家庭のこととか、いろいろあるので、そういう緩和ケアという概念そのもの自体をしっかりと普及啓発していく、そんな方向性がこの中で示されております。
 ことしの九月一日現在、都内には、緩和ケアの病棟が二十六施設、四百六十九病床、ベッドがあって、専門性の高い緩和ケアを提供しているということであります。また、本年七月には、都立の駒込病院、公社豊島病院に加えて、新たに公社の多摩南部地域病院においても緩和ケア病棟が開設されました。
 そこで、先進であります都立の駒込、そして公社の豊島病院、そして、この七月に追加になった多摩南部地域病院における緩和ケア病棟の運営状況について、ご報告をいただきたいと思います。

○和賀井経営企画部長 まず、都立駒込病院の緩和ケア病棟でございますが、現在二十二床ございまして、平成二十四年度の入院患者数は延べ六千六百五十八人、一日当たり十八・二人でございます。
 また、公社豊島病院の緩和ケア病棟は二十床でございまして、平成二十四年度の入院患者数は延べ六千四百六十四人、一日当たり十七・七人でございます。
 最後に、ことし七月に開設をいたしました多摩南部地域病院の緩和ケア病棟は十六床でございまして、十月までの入院患者数は延べ九百十四人、一日当たり八・五人となっております。

○遠藤委員 今、三病院の運営状況を聞きましたけれども、いずれも利用者が多い、こう評価できるんだと思います。
 特に、多摩南部地域病院については、これまで休止していた病棟を新たに活用して、緩和ケア病棟を開設したということでありました。私も公社の評議員をさせていただいておりますので、この公社病院の病棟の閉鎖というのは毎回必ず議論になるところで、そのうちの一カ所、多摩南部地域病院が、休止した病棟を活用して緩和ケアを生み出したというのは朗報だと思います。
 しかし、残念ながら、私の地元、大田の公社荏原病院も、看護師不足を理由として一病棟が休止中なんですね。いろんな利活用があると思うんですけれども、私はぜひ、看護師さんがそろわないとできませんけれども、まずそれをしっかりやっていただくと。看護師さんがそろった暁には、この荏原にも緩和ケア病棟を開設すべきなんじゃないかと、このように思いますけれども、どうでしょうか。

○和賀井経営企画部長 荏原病院では、平成十九年当時、ご指摘のように深刻な看護師不足により、やむなく病棟を休止したところでございます。さらに、平成二十一年四月一日には四十五人の看護師が欠員となりまして、二病棟を休止するという事態に陥ってしまいました。
 ただ、その後、看護学校訪問の機会をふやすとともに、地方選考を実施するなど、看護師確保に努めました結果、平成二十二年十一月に一病棟を再開することができましたが、なお直近の平成二十五年十月一日時点におきましても二十九人の看護師の欠員がございまして、もう一病棟は休止をしたままでございます。
 ただ、この間、公社固有の看護師は徐々にふえてきておりまして、早期に再開ができるよう、引き続き看護師確保に努めてまいります。
 休止病棟の再開に当たりましては、お話の緩和ケア病棟の整備も含めまして、地域の医療ニーズを踏まえ、検討してまいります。

○遠藤委員 緩和ケア病棟も含め、検討するということであります。
 その前に、看護師さんをしっかりと、確保を着実にしないといけないので、皆さん方、努力をされていただいたと思います。引き続き、しっかりと努力をしていただきたいと、このように思います。
 終わります。

○和泉(な)委員 都立病院、公社病院における、がん診療について伺います。
 がん対策基本法が施行され、がんの克服を目指す取り組みが強化されているときに、私が住んでいます葛飾では、慈恵医大青戸病院が放射線治療から撤退をして、区内には放射線治療を行う病院が一カ所もなくなってしまいました。今まであったものが、なくなってしまったんです。
 慈恵医大青戸病院が放射線から撤退することを発表したときに、区民の皆さんが存続を求めて運動して、一万人分を超える署名が葛飾区と慈恵医大青戸病院に届けられました。その中で、親をがんで亡くした、遠くまで通うのは、高齢でがんと闘う親にとってはとてもつらいこと、仕事を休んで、付き添って通院するのは本当に大変だった、近くになくなるのは困ると、涙ながらに署名をしてくれた女性もいました。
 今でも、放射線治療の復活を多くの人が切望しています。地域医療の充実のため、東京都が果たすべき責任は大きいと思います。そうした立場で質問します。
 東京都は、都道府県がん診療連携拠点病院、地域がん診療連携拠点病院のほかに、都独自で認定がん診療病院、部位別がん診療連携協力病院を認定しています。がん対策推進計画第一次改定には、拠点病院、認定病院、協力病院による集学的治療の実施体制を充実させ、都民の療養生活を支える地域のがん医療水準の向上を図るとあります。
 また、部位別がん診療連携協力病院は、がんの発症部位ごとに専門的ながん医療を提供して、地域における医療連携体制の構築に協力すると位置づけられており、大きな高度医療の病院が区中央部に集中している東京都では、地域のがん医療水準の向上のために、部位別がん診療連携協力病院の認定は大変重要です。
 ところが、都立病院、公社病院における部位別がん診療連携協力病院は、都立病院では二カ所、公社病院で五カ所です。部位ごとにいうと、大腸がんが七病院、胃がんが二病院、乳がん、前立腺がんは、ともに一病院ずつです。大腸がんが中心で、肺がんは一つもありません。
 そこで伺いますが、今後、都立病院、公社病院での新規認定は、部位ごとにどの程度見込んでいますか。

○野瀬経営戦略担当部長 公社病院の東部地域病院が認定を受けるべく準備を進めており、平成二十六年度に東京都大腸がん診療連携協力病院として認定される予定でございます。

○和泉(な)委員 認定がふえることは大変重要で、しっかりやっていただきたいと思いますが、やはり部位でいうと大腸です。ほかの部位もふやしていくことが大切です。
 国民の死亡原因の三割が悪性新生物、がんであり、そのうち肺がん、胃がん、大腸がんが、男女ともに死亡率が高くなっています。地域のがん医療水準を向上させるには、大腸がんだけではなく、肺がん、胃がんの部位別がん診療連携協力病院もふやすことが必要だと思いますが、都としてどのような対策を考えていますか。

○野瀬経営戦略担当部長 東京都部位別がん診療連携協力病院の肺がんの認定では、専任の放射線治療に携わる専門的知識、技能を有する医師の配置が必要となっております。
 また、肺がんの年間入院患者数の実績が三百人以上であることや、リニアックなどの放射線治療機器の設置が要件となっております。
 それから、胃がんについても同様に、胃がんの年間入院患者数の実績が三百人以上であることなどが要件となっております。
 肺がんや胃がんのがん診療連携協力病院に認定されていない病院でも、一定数の胃がん、肺がんの治療は行っており、対応困難なケースにつきましては、限りある医療資源を有効活用するため、別途、国が指定するがん診療連携拠点病院や、都が認定する東京都認定がん診療病院などと連携して対応すべきと考えております。
 なお、部位別のみならず、がん全般について高度な診療能力を有する病院として、駒込病院、多摩総合医療センター、墨東病院が、がん診療連携拠点病院や東京都認定がん診療病院として、がん医療提供の中心的な役割を担っております。

○和泉(な)委員 私は今、足りていない部位別がん診療連携協力病院をふやすことが必要なのではないか、足りないことをどう埋め合わせるのかということではなくて、肺がん、胃がんの部位別がん診療連携協力病院をふやすために、どのような対策を考えているかとお聞きしたんです。
 公的病院として、地域のがん医療水準の向上にどう責任を果たすのかということが問われているのではないでしょうか。特に、葛飾区のある区東北部二次医療圏は、連携協力といっても、がん診療連携拠点病院も、都独自の認定がん診療病院も、一つもありません。その上、部位別がん診療連携協力病院も、大腸がんで二つあるだけです。来年度、東部地域病院が部位別がん診療連携協力病院の認定を受けるとしても、やはり大腸がんです。
 答弁にあったように、東部地域病院も、専門医の配置、年間入院患者数の確保、放射線機器の設置などの条件を満たせば、肺がん、胃がんについても、部位別がん診療連携協力病院の認定条件を満たすことができるんです。そのための十分な支援を行うことが、東京都の責任です。
 がん対策基本法は、国及び地方公共団体は、患者がその居住する地域にかかわらず等しくそのがんの状態に応じた適切ながん医療を受けることができるよう、専門的ながん医療の提供等を行う医療機関の整備を図るために必要な施策を講ずるものとするとしています。これを受けて、都が独自で、認定がん診療病院や部位別がん診療連携協力病院を認定していることはとても重要です。
 しかし、がん医療の均てん化を推進するためには、区東北部で、がんの医療機関が足りないままの状態にしておいてはならないと思います。都のがん対策推進計画が全体目標に掲げた、全てのがん患者と家族の不安の軽減並びに療養生活の質の向上、がんになっても自分らしく生活できる社会の構築、これは、通いやすい場所で治療ができてこそ達成できるものではないでしょうか。
 区東北部唯一の公社病院である東部地域病院を、肺がんや胃がんでも部位別がん診療連携協力病院の認定を受けられるような水準に引き上げていくために、東京都が財政も含めて積極的に支援することを強く要望します。
 続いて、小児総合医療センターについて伺います。
 小児総合医療センターは、ことしから小児がん拠点病院に指定されました。治療を受ける子供たちも、それを支える親御さんも、本当に心身ともに大変です。最良の医療を提供するとともに、成長期の子供たちだからこそ、治療とともに成長発達を保障する、子供たちの生活を充実させることが欠かせません。その立場から質問します。
 小児がんの治療中であっても、子供の権利である、遊ぶ、学ぶを十分に保障することができ、闘病中の小児並びに家族のクオリティー・オブ・ライフに十分配慮した医療体制が必要不可欠だと思いますが、どう認識していますか。

○野瀬経営戦略担当部長 都立病院では、特に子供の患者に対しては、常にその成長発達に配慮して、よりきめ細かな医療を提供しなければならないという考え方のもと、平成十九年八月に、都立病院の子ども患者権利章典を策定し、その中で、あなたは、入院していても、勉強したり、遊んだりすることができますと掲げております。
 小児総合医療センターでは、院内に都立武蔵台学園が運営する分教室があり、小学部十三学級、中学部十一学級を運営しているほか、全ての病床に学習机を設置し、入院中の子供の学習環境に配慮しております。
 また、プレールーム、ファミリールームのほか、広場やデッキ、プール、体育館などを備えており、それぞれの子供の体の状態や症状に合った遊びができるようになっております。
 なお、入院が長期化した患者の家庭生活を支援するとともに、付き添いの家族の負担を軽減するため、同一敷地内に、公益財団法人ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパンが運営する宿泊施設を設置しております。

○和泉(な)委員 設備やシステムとしての、子供の学ぶ、遊ぶが保障される環境が整っているということですね。
 人的な配置や体制についても伺います。
 病棟保育士の配置は何人でしょうか。また、増員の予定があるかどうかについても伺います。

○野瀬経営戦略担当部長 病棟保育士は、今年度の定数で十一名配置し、入院している小児の患者の生活支援やグループ活動のサポートなどを行っております。
 なお、現時点では、病棟保育士の増員を行う予定はございません。

○和泉(な)委員 小児総合医療センターは、病床数が五百六十一あります。入院している子供たちが、なるべく日常と変わらない生活が送れるような体制として、増員が必要ではないでしょうか。
 さらに、病棟保育士には、病院で働く保育士特有の専門性が求められます。答弁にも出てきました、子ども患者権利章典、ここには、あなたは、病気のことや病気を治す方法について、十分な説明を受けた上で、自分の考えや気持ちを病院の人や家族に伝えることができますとありますが、それを専門職としているのが、チャイルド・ライフ・スペシャリストであり、ホスピタル・プレー・スペシャリストです。
 チャイルド・ライフ・スペシャリスト協会の調査によれば、全国的にも、チャイルド・ライフ・スペシャリストだけでも二十四、関東には十一の病院に配置されています。
 権利章典を実践するためには、このチャイルド・ライフ・スペシャリストやホスピタル・プレー・スペシャリストを配置すべきだと思いますが、どうですか。

○野瀬経営戦略担当部長 チャイルド・ライフ・スペシャリスト及びホスピタル・プレー・スペシャリストは、入院中の子供の診療や生活の支援を行うため、近年採用する病院があるということは承知しております。
 しかしながら、これらの資格は海外留学をしなければ取得できないということなど、日本においては、いまだに確立されていない状況にあると認識しております。
 小児総合医療センターでは、入院中の子供の診療や生活の支援は病棟福祉士が担っており、現時点では、チャイルド・ライフ・スペシャリスト、もしくはホスピタル・プレー・スペシャリストの配置を行う予定はございません。

○和泉(な)委員 ホスピタル・プレー・スペシャリストの資格というのは、日本でも、静岡県立大学短期大学部による養成講座を受講すれば取得できます。海外留学は不要です。積極的に資格取得を支援するとか、有資格者を増員するなどの体制強化を、ぜひ検討していただきたいと思います。
 子供たちは、治療中で痛いこと、つらいこともたくさんあります。手術も痛いし、怖いし、リハビリはつらいです。子供にも、親御さんにも、そのつらさを乗り越えるための援助が必要です。
 私は、神奈川県立こども医療センターで、ファシリティードッグ、ベイリーの仕事ぶりを見てきました。ファシリティードッグは、癒やしの提供や、治療にかかわる活動を行うため、専門的なトレーニングを受けた犬です。チーム医療の一員として常勤しています。子供たちの長期間にわたる治療の痛みやだるさ、リハビリの苦痛や不安に寄り添って、治療にも立ち会うことで、ベイリーが一緒にいてくれたらお注射する、ベイリーのところまで歩くと目標を立ててリハビリに取り組むなど、治療の一つとして役割を発揮しています。
 子供たちの不安やストレスの解消にも効果があるだけでなく、親御さんも、子供さんの前では見せられないつらさを、ベイリーの首に抱きついて吐露するといったことが、私たちが視察に行ったときにも実際にありました。
 ベイリーが来ると、子供たちは病気を感じさせないような笑顔で歓声を上げるんです。子供たちが耳の中に手を入れようと、尻尾を引っ張ろうと、ベイリーは決して嫌がったり動じたりしません。ぴくっとすることすらありません。それほど厳しく適性を見きわめられ、高度なトレーニングを受けているんです。
 このように、静岡県立こども病院、神奈川県立こども医療センターに常勤で配置されているファシリティードッグの成果を、どう認識していますか。

○野瀬経営戦略担当部長 ファシリティードッグとは、委員がお話しでございましたように、病棟に常駐し、入院中の子供に寄り添い、時には検査や治療にも付き添う、治療への支援を行うことを目的に、平成二十二年に静岡県立こども病院で、二十四年には神奈川県立こども医療センターに導入されていることは承知しております。
 しかし、国内ではまだ極めて数の少ない事例であり、課題などについて慎重に見きわめる必要があると考えております。

○和泉(な)委員 先進的な取り組みに学び、よいものは積極的に取り入れるべきではないでしょうか。
 何より、子供たちが、病院での生活を生き生きと過ごし、前向きに治療に取り組むために、東京都ができることに力を惜しむべきではないと思います。ぜひ都として視察してください。大人では小さな子供たちになかなか伝え切れない言葉の壁を、たった一頭の犬が事もなげに越えてしまう、この現実をぜひ見ていただきたいと思います。
 私は、もしベイリーがいなかったら、この子たちはどうやってつらい病気と闘っていただろう、こんな笑顔が見られただろうかと、本当に深く感動しました。
 都立病院改革推進プランには、患者が快適で充実した療養生活を送れるように、療養環境の改善に努めていくと書いてあります。都立病院経営委員会も、今後の都立病院のあり方についてで、都立病院が担う重点医療は、その医療分野を先導していく役割も期待されていると報告しています。
 病気と闘う子供たちの療養生活の質を向上させ、その家族を支え、子供も親も前向きな気持ちで治療ができるようにするために、ぜひともファシリティードッグの導入を検討していただくよう強く求めて、質問を終わります。

○田中委員 外国人の受け入れ体制について、まずお聞きをしたいと思います。幾つか他の委員とかぶるところがありますが、よろしくお願いいたします。
 日本への観光人口がふえていく中で、定住する人もふえていく中で、さらにオリンピックが決まり、外国人の医療の受け入れ体制の整備や、また、必要性が指摘をされております。
 都は、病院を対象に、米国の国際医療認証機関、JCIの認証を取得するための制度を設けるようでありますが、現在、この制度を取得しているのは、NTT東日本関東病院と聖路加国際病院の二病院と伺っています。
 都立病院でも、この外国人対応を考えているかと思いますが、現時点での都立病院での受け入れ体制はどのようになっているのか、また、今後どのように進めていくことを考えているのか、現状と今後の方針について伺います。

○野瀬経営戦略担当部長 先ほども答弁させていただきましたが、広尾病院では、外来で一日平均十四名程度、新入院患者数は一日平均四名程度であり、院内案内板の英語表示や病院ホームページの英語版などを活用して対応しているところでございます。
 今後は、各都立病院において院内案内板の見直しを行うとともに、医師や看護師が、診療時や診療説明の場面において十分なコミュニケーションを図れるようにするために、語学研修の実施などを検討いたします。
 また、医療安全や医療の質を確保するため、国際標準を踏まえた病院運営を検討してまいります。

○田中委員 答弁の中で、看護師の十分なコミュニケーションをとれる語学研修の話がありました。
 NCSBNという、アメリカの正看護師や准看護師の試験を作成している機関があるんですが、ここで、各国の受験データを発表しているのを参考にさせてもらいました。
 これを見ると、平成二十一年度なんですが、主な国としては、フィリピンが五千二百六人、インドが八百三十七人、韓国が六百六十六人、それに比べると、日本が六十二人とあり、数はこれだけ見ると少ないんでありますが、実はこれ、合格率を見てみると、フィリピンが三〇%や、インドが二四%に比べますと、日本は四三・五%と、大変英語が苦手といわれる日本人ではありますが、大変いい合格率であることがわかり、医療英語の壁を突破するだけで、十分即戦力や、また、外国人に対する対応ができるということが予測できます。
 英語表記やホームページの英語版の、ハードの充実を図っていくというのはもちろんのことでありますが、答弁でもありました、十分なコミュニケーションを図れるような語学研修の取り組みというのを、ぜひとも早く進めてほしいと思っております。
 もちろん、英語を話せる医師はいらっしゃるかと思うんですが、患者と接する時間が長いのは、やはりどうしても看護師さんであります。その看護師さんの英語力が向上することで、外国人に対するホスピタリティーが上がったり、また、対応が、評価が上がるということは間違いないと思いますので、この推進を期待したいと思っております。
 引き続きまして、救急医療体制についてもお聞きします。
 昨年度発表されました都立病院改革推進プランの中で、東京ERの強化が挙げられております。都内の救急医療体制の強化は、いまだに大きな課題であります。この三年間の東京ERへの救急搬送患者の推移と、今後の機能強化策を伺います。

○野瀬経営戦略担当部長 東京ERにおける救急患者数は、平成二十二年度は十四万六千人、二十三年度は約十四万七千人、二十四年度は約十四万四千人で、うち、救急車による搬送患者数は、各年とも二万八千人程度で推移しております。
 これらの救急患者に占める入院患者の割合は、平成二十二年度は一五・一%、二十三年度は一六・一%、二十四年度は一六・二%と、徐々に増加しており、救急患者の重症化に対応した、先進的な医療機器の導入や施設改修などを通じて、ERの機能強化を図る必要がございます。
 具体的には、墨東病院で、特定集中治療室や、心臓疾患、脳卒中に対応した集中治療室を整備するほか、急性脳血管疾患、障害などの病態の改善を図る高気圧酸素治療装置を設置いたします。
 また、広尾病院では、救急の初期診療室の改修や、内科と外科が一体で治療を行うハイブリッド手術室の設置に向けた検討を行うとともに、多摩総合医療センターでは、心臓疾患への機能強化を検討してまいります。

○田中委員 この数だけ聞くと、救急患者数も、救急車における搬送数も、大体同じような数で推移をしているということがわかりますが、消防庁の平成二十二年の救急搬送のデータを見ますと、医療機関の受け入れ状況等実態調査の中で、三回以上の受け入れ拒否は実に四千件もありまして、十回以上の拒否も二百八十件、最も困難だったケースは実に四十一回も拒否をされて、救急隊は三時間も搬送先を探したとあります。
 ちなみに、この患者には躁鬱病がありまして、さらに高齢者であったということで、受け入れを探すのが困難だということもありましたが、原因は、この要介護高齢者に発症した身体合併症や認知症だともいわれています。
 このような状況に対応するために、この後、東京ルールが作成され、それが今、運用されて、このようなことも少なくなったとはいわれておるんですが、この二次救急、三次救急では、もちろん状況は違うんでありますが、共通するのは、何度もいっておりますが、高齢者であることや、認知症や身体合併症の患者がふえているということであります。
 この病院経営本部においても、答弁にあった東京ERの機能強化を進めるということを掲げております。都の救急医療体制の充実に向け、さらに取り組んでいただくことを要望したいと思います。
 その中で、今、認知症という話をしましたが、この認知症について、さらに質問したいと思います。
 東京都では、地域における認知症患者の保健医療水準の向上を図るために、専門医療相談、鑑別診断、身体合併症と行動・心理症状への対応、地域連携の推進、人材育成等を実施する認知症疾患医療センターの準備を、これまで進めてきました。
 平成二十四年の十二月には、都内十二の保健医療圏全てにセンターが整備をされて、公社の荏原病院、都立の松沢病院、都の健康長寿医療センターが指定をされています。
 その中でも、私の地元なのですが、公社の荏原病院の平成二十四年度の具体的な取り組み状況について伺いたいと思います。

○和賀井経営企画部長 平成二十四年度の荏原病院の認知症疾患医療センターの主な実績といたしましては、認知症外来の受診者数が延べ八百八人、このうち認知症の鑑別診断件数は四百三十一件でございました。
 また、電話、面接など、専門医療相談件数が二千四百七十七件、地域包括支援センターとの情報交換を百五十一回実施しております。
 さらに、認知症疾患医療センター連携協議会を二回開催いたしまして、地域のかかりつけ医などの医療機関ですとか、あるいは地域包括支援センター等との連絡、連携ネットワークについて検討しているところでございます。

○田中委員 平成二十四年度、大田区の三医師会が、認知症診断をもとにして調査をしたところ、六十五歳以上の高齢者の一五%が認知症を発症しておって、さらにその予備軍たる軽度認知障害、MCIというそうでありますが、これを含めると三〇%にも及ぶといった調査が、昨年ですが、わかりました。
 大田区は、六十五歳以上が一万四千人ほどおりまして、一五%と仮定しても、二万一千人の人が認知症の可能性、また、認知症の軽度の障害を持っているということになります。この潜在的認知症患者に対応するには、先ほどの荏原病院が年間八百八人であったというんですけど、とてもこの認知症疾患医療センターだけじゃ足らないということは明らかであります。
 先ほど、地域のかかりつけ医との連携をこれから検討していくということでありますが、この必要性は明らかでありますので、ぜひ地域との密な連携を求めたいと思います。
 さらには、ことしの九月十日、厚労省からは、介護を受けている人の実に八割が認知症、要支援一、二の約半数が認知症、要介護一、二の約九割が認知症ということで、大変ショッキングな国のデータも出ております。
 東京都は、認知症疾患医療センターの一翼を担う立場として、また、この制度も始まってちょうど一年ということでありますので、これから、それぞれの地域との連携をつくっていく時期となってくると思います。
 大田区だけの例を挙げましたが、各医療圏で同じような状況が生まれてくるかと思いますので、高齢者の認知症対策ということを、これからも委員会でも議論していきたいと思いますし、さらなる充実を要望したいと思っております。
 引き続きまして、平成二十五年の定例監査報告書を受けて、質問をさせていただきます。
 このたび、定例監査報告書で幾つかの指摘がなされました。先ほど、遠藤理事からはPFIの問題についての質疑がなされましたが、私はもう一つの方の、事務的な問題についてのことをお聞きをさせてもらいたいと思います。
 この中で、自己検査の充実強化のため、自己検査の見直しの一環として、重点項目や検査方法などを具体的に示した、都立病院自己検査マニュアルを作成しているというくだりがありました。
 まず、この都立病院自己検査マニュアルの内容、また、その実際の検査の結果を伺います。

○中野サービス推進部長 都立病院自己検査マニュアルは、自己検査の意義、自己検査担当職員の役割等を明確にするとともに、自己検査担当職員が適切に検査を実施するため、庶務、計理部門、施設部門、用度部門、医事部門の四部門に分けまして、確認ポイント、適切な事務処理の解説、通知等を整理したものでございます。確認ポイントは全体で二百九十三項目ございまして、庶務、計理部門で百九項目、医事部門で百十七項目などとなっているところでございます。
 平成二十四年度の自己検査におきましては、全体で二百七十件を課題のある事項として挙げております。この二百七十件全てにつきまして、病院から改善報告を提出させ、事務処理の適正化につなげているところでございます。

○田中委員 平成二十四年度の自己検査の結果として二百七十件の課題が判明して、それを鋭意、今、適正化を図っているということでありますので、この自己検査マニュアルも大変に成果を上げているというのは答弁の中でもわかるんですが、一方で、この監査報告書の文章をさらに読んでいくと、PFI手法による病院運営についてが一つ、医業外未収金の債権管理を適正に行うべきものについてが二つ目、診療費の過誤納還付未済金の管理についてが三つ目、及び修繕業務の支払い業務を適正に行うべきものについて、この四つは過去にも同様の指摘をされており、しかも自己検査の実施結果を見ると、当該事例については適正と、先ほどいった二百七十件の中で、恐らくこの評価は適正と評価されておって、その問題点の発見や把握には至っていないと、こういうふうに厳しいご指摘がされております。
 先ほどいいました自己検査マニュアルがありながら、どうして過去と同様のこういう指摘が繰り返されてしまうのかお聞きいたします。

○中野サービス推進部長 自己検査は、本庁職員と病院の職員により、限られた時間の中で実施しております。
 例えば、契約に関する書類でございますが、一病院当たり年間で二千件から三千件ございます。限られた時間の中で、こうした膨大な帳票類を全てチェックすることは困難であるため、監査で指摘を受けた事項や間違いやすい事務手続を重点的に実施するなど、工夫を行ってまいりました。
 数多くの誤りを事前に正すことはできましたが、残念ながら至らない点がございまして、監査指摘となったことは事実でございます。指摘を重く受けとめまして、今後も工夫を重ねながら、地道に改善に努めていきたいと考えているところでございます。

○田中委員 今の答弁でいいますと、スケジュールが、限られた時間という中で余りにもタイトで、さらに二千件、三千件の余りに膨大な帳票類のために、ポイントは絞ったのでありますが、今回はたまたまチェックできていないところ、それも今回、適正と評価をしてしまったようでありますが、そこにミスがあったという理解でよろしいんでしょうか。

○中野サービス推進部長 先ほども申し上げましたとおり、至らない点があったことは事実でございまして、監査の指摘につながりました。
 適正な業務執行に向けまして、適切な事務手続を一つ一つ着実に積み上げていかなければならないと考えているところでございます。

○田中委員 済みません、なぜこんな質問をするかというのは、原因がわかっていないと、恐らくまた同じ指摘を受ける、もしくは同じような過ちを繰り返してしまうんじゃないかと思って、質問をさせてもらいました。
 もちろん、現場の職員の人が、現場でそれぞれ工夫をしながら努力していると思いますし、先ほどいったように、検査の中で二百七十も指摘があり、それも改善しているというのもお聞きをしました。
 しかし、何度かやりとりをさせてもらったんですけど、この自己検査マニュアル自体に問題があるのか、もしくは、それを運用する職員の方に問題があるのかという、その原因をしっかりと突き詰めて、そこで解決策を見出していった方がいいんじゃないかというふうに思っております。
 ですので、具体的に聞きますけれども、そのマニュアル自体に問題があるのか、もしくは、それを運用する職員の方に課題がまだあるのか、どのような原因を分析されているかお聞きをします。

○中野サービス推進部長 自己検査マニュアルにつきましては、制度改正、それから監査の指摘事項を反映させながら改定を重ねてまいりました。適正な事務手続を進めるため、自己検査マニュアルを活用しながら、地道な努力を続けていかなければならないと考えております。
 事務処理能力の確保、向上を図るため、自己検査に加えまして、各種研修の実施、医事担当職員によります巡回点検、契約事務の巡回指導なども実施しているところでございます。
 今後も必要に応じ、自己検査マニュアルの改定、改善を行うとともに、さまざまな方法により事務内容に関する職員の理解を深め、適切な事務処理を実施すべく、より一層の努力を積み重ねてまいりたいと考えているところでございます。

○田中委員 お話を聞いていますと、問題点は幾つかもう明らかでありまして、例えば、今の中でいうと、マニュアルに基づく膨大な検査帳票類に、今の体制では間に合っていないというのが現実であります。これは、例えば出張費等のルーチンの事務作業は、今でも紙ベースや現金ベースで行っているというのも聞いていますので、こういうのはネットや、今さまざまなシステムがありますので、そういうものにして作業を効率化していくことは具体的にできますし、もしくは、検査を一日でやってできないと、先ほど答弁の中でもありましたから、やはりこれを二日にするとか、絵に描いた餅にならないように、やる人員を、そのために必要であれば増員もするということでしかないと思っていますので、提案をさせてもらいたいと思います。
 また、それぞれ病院は、独特な制度、現場の制度があって、私も中のことは詳しくわかりませんが、大変いろんなノウハウがあると聞いております。そういうノウハウが今、さまざまな分野が民間委託やアウトソーシングをする中で、それが継続していかなかったり、なかなか全体の像がわかる人がいないというのがあるならば、一人は責任者や正規雇用でもいいから置いて、そういった継続性や全体を見られるような人を配置するのも必要かと思います。
 そのように、具体的に行動を、また、改善点を直していって、私もこれをつついてどうこうというわけではないんですけど、やはり先ほど遠藤理事からもありましたが、一般の都民がこれしか見ないと、何で同じことを繰り返しているのかと、改善をしているのにもかかわらず、そういうふうに見られてしまうのは、誰にとってもいいとは私も思っておりません。
 都立病院改革推進プランを読みますと、経営力というものが強調されて、各病院ごとの改革の方向性も打ち出されており、読ませてもらいました。さらに、この経営力の経営基盤を強固にするためには、収入の確保や経費の節減も求められております。もちろん、これは大切なことでありまして、病院も経営でありますから、切磋琢磨しながら発展していかなきゃならないことも確かなんですが、必要なところに必要な資源が充てられていないのでは推進にもならないと思っております。
 この繰り返される原因の問題を徹底的に追及してもらいまして、その解決のために何が必要なのかを、こちらにいらっしゃる本庁の職員の皆さんや、実際の病院の現場の職員の皆さんと話し合って、このような報告書が、二度と指摘されないように努力することを要望しまして、質問を終わります。

○山加委員 私からは、本日は事務事業質疑でありますので、確認も込めまして五点ほどお伺いをさせていただきます。
 ことしの秋は、台風の多発により、各地に甚大な被害がもたらされたわけであります。特に東京では台風二十六号、本日も冒頭、まつば委員長の衷心よりの哀悼の意と、そしてまた、厚生委員会全員で黙祷をささげさせていただいたわけでありますが--伊豆大島、東京都民であります。大規模な土石流が発生して、きょう現在、三十六名の人命が奪われる痛ましい結果となっております。
 ちょうど一カ月前ですね、十月十五日ですから。しかし、一カ月たっても、まだ発見をされていない方がいらっしゃる。一日も早く発見されることを心から願うばかりであります。
 災害を予測し、いかに早く住民に避難を呼びかけるかという課題が、改めて浮き彫りになったわけであります。
 また、連日、ニュース報道をされておりますけれども、過去百年で最大の台風といわれる猛烈な台風三十号の直撃を受けたフィリピンは、死者が一万人を超える可能性もあるといわれています。
 東日本大震災のときもそうですが、未曽有の災害、想定外の災害、そんな言葉が近年繰り返されています。自然災害の脅威に対し、人は時に無力感を感じることすらあるわけでありますが、しかし、過去の悲惨な体験から常に教訓を得て対策を見直し、また、災害への備えを万全にして対応策をあらかじめ講じておくことは、行政に最も期待が寄せられるところであります。
 さて、大島では、台風二十六号に続いて接近した台風二十七号に伴う避難勧告及び避難指示により島外に避難していたほとんどの方々が既に帰島され、もとの生活を取り戻そうとする動きが始まっております。
 東京都でも、十月三十日に大島応急復旧プロジェクトチームを発足し、早期復旧と復興に向けた支援策の検討を行っているとのことでありますが、これまでも都は、台風二十六号、二十七号の被害に対しては、総務局総合防災部を中心として、まさに各局でさまざまな支援を行ってきたわけであります。
 そこで、厚生委員会では、病院経営本部で、今回の大島の災害において、医療提供の点からどのような取り組みを行ったのか伺いたいと思います。

○和賀井経営企画部長 土石流発生直後の十月十六日午後から十九日にかけまして、広尾病院、多摩総合医療センター、墨東病院から、東京DMATを交代で大島町へ派遣するとともに、広尾病院におきまして、十六日の土石流被害で重傷を負いましてヘリコプターで救急搬送された患者を全て受け入れるとともに、台風二十七号の接近に備えて避難いたしました大島医療センターの入院患者等を受け入れたところでございます。
 また、避難者の宿泊所となりました国立オリンピック記念青少年総合センターへ、各都立病院から看護師を派遣いたしまして、二十四時間体制で健康管理や相談に対応いたしました。
 このほか、救急搬送や島外避難に当たり、高速ジェット船、自衛隊航空機などに添乗する医療救護班及び医師を派遣いたしました。
 なお、一時避難のために広尾病院に入院されていた方々は、十一月八日に、入間基地から自衛隊の航空機で無事帰島されております。

○山加委員 都立病院では、さきの東日本大震災においても、長期間にわたり医療救護班、また、こころのケアチームを被災地へ派遣し、活躍をしてくれました。
 今回の大島でもそうですが、災害医療における都立病院の役割は大変重要であり、都民の期待も非常に大きいものがあると思います。そしてまた、今回もその期待に応えるだけの活動がなされたことを、私は高く評価したいと思います。
 災害時に最も優先されることは、人命の救助であることはいうまでもありません。そして、災害時においても迅速かつ的確に医療を提供できる体制が整備されていることが大事であります。そのためには、東京DMATや医療救護班の派遣など、迅速な医療救護活動を展開するための日ごろの備えが重要であります。既にさまざまな取り組みが行われているからこそ、今回の大島の皆さんにも的確な医療救護活動ができたことと思っております。
 確認の意味でも、災害時に迅速に的確に医療救護活動を行うため、都立病院では平常時にどのような取り組みを行っているのか伺います。

○和賀井経営企画部長 災害時におけます役割を的確に果たすために、東京都の基幹災害拠点病院であり、また、都立病院におけます救急災害医療センターであります広尾病院を中心としまして、これまでも、都立病院全体の災害医療体制の充実に努力をしてまいりました。
 発災直後の初動医療体制の確保に向けまして、東京DMAT指定病院の広尾、墨東、多摩総合医療センターでは、東京DMATの常時出動態勢を整備しており、また、各都立病院では、派遣要請に対し迅速に対応できるように、合わせて二十班の医療救護班を常時設置しております。
 今年度は、新たに災害拠点病院に設置が義務づけられました、いわゆる日本DMATを、都立病院の災害拠点病院全てに設置したところでございます。
 さらに、職員の災害対応力を高めるため、年間計画に基づきまして、研修及び訓練を実施しております。

○山加委員 東京都では、二つの医療機関が基幹災害拠点病院に指定をされています。一つは都立広尾病院、二つ目は立川市にある独立行政法人国立病院機構災害医療センターであります。
 都立広尾病院の基幹災害拠点病院としての役割、具体的にはどのような取り組みを行っているのでしょうか。

○和賀井経営企画部長 基幹災害拠点病院は、その病院の立地いたします二次保健医療圏内の医療機関や関係機関との情報連絡機能に加えまして、都内全域の民間病院を含みます他の災害拠点病院に対しまして訓練、研修を行う役割を持っております。
 そのため、広尾病院では、医療従事者向けの災害研修と、都民、行政機関の防災関係者も対象といたしました公開講座、オープンキャンパス広尾を、それぞれ年十二回程度実施しております。
 また、毎年九月には、首都直下地震を想定いたしました総合防災訓練を院外に公開いたしまして、地震発生後の初動対応や多数傷病者の受け入れ方法など、防災訓練の実践的なノウハウを学んでもらう機会を提供しております。

○山加委員 広尾病院が、都立病院の救急災害医療センターの役割に加え、東京都全体の災害対策を牽引する、大変大きな役割を担っていることがわかりました。
 ところで、今回の大島の台風被害に際して、広尾病院で重傷の救急患者を初めとした患者の受け入れが迅速に行われた背景には、日ごろから島しょ医療を重点医療に掲げて、先頭に立って取り組んできた実績があってのことと思います。
 島しょ地域には約二万七千人の都民が暮らしていますが、入院や手術を必要とする二次救急が可能な医療機関は、大島と八丈島、この二カ所にしかないと聞いております。それだけに、これまでも広尾病院は、島しょ地域には頼りにされる、そんな存在であったと思いますが、今回の取り組みを経て、一層信頼を厚くしたことと思います。災害発生時の対応を視野に入れた、島しょ地域の救急医療体制の確保に向けた取り組みを、引き続きしっかりとお願いしたいと思います。
 次に、災害の中で最も甚大な被害をもたらすと考えられる、大規模地震災害への備えについてお伺いをしたいと思います。
 平成二十四年四月に都が発表した、首都直下地震等による東京の被害想定によると、東京湾北部地震が発生した場合、死者は約九千七百人、負傷者は約十五万人に上ると予想されております。大規模な地震災害発生時において、都立病院が災害拠点病院としての機能を発揮するためには、何よりも、その病院機能を継続することが重要であります。このことは、いうまでもないことであります。
 既に都立病院では、震災時の停電に備え、自家発電装置を導入していると聞いておりますが、東日本大震災後、基幹災害拠点病院として災害時に重要な役割を担う都立広尾病院の医療機能継続のため、ライフラインの強化をどのように図ってきたのかお尋ねをいたします。

○和賀井経営企画部長 都立病院では、電力の供給が途絶えた場合でも、発災後三日間の必要な電力を賄えるよう、非常用電源の燃料の備蓄に取り組んでまいりました。
 東日本大震災の教訓から、電力供給の多様化、分散化を図ることが必要と考え、基幹災害拠点病院である広尾病院に、耐震性にすぐれた中圧ガスを燃料とするガスコージェネレーションシステムを導入することを決め、平成二十四年に工事に着手し、来月には稼働する予定でございます。
 また、老朽化した給排水衛生設備及び空調設備の更新のため、平成二十四年度に実施設計を行い、平成二十五年度から二十七年度にかけて改修工事を実施するなど、基幹災害拠点病院としての責務を果たすべく、広尾病院のライフラインの強化を図ってまいります。

○山加委員 さきの三定一般質問における、我が党の三宅正彦議員の質疑、また、本日も早坂副委員長が、冒頭の質疑にございました答弁で、広尾病院では救急の初期診療室の改修、内科と外科が一体で治療を行うハイブリッド手術室の設置に向けた検討など、広尾病院のER機能の一層の強化を図るとの答弁をいただいているわけであります。先ほどの、今の質問のご答弁とあわせまして、都立広尾病院が基幹災害拠点病院として、ハード、ソフトともに災害に強い病院であろうとする姿が、きょうはよく理解できました。
 災害は、いつ襲ってくるか予測がつきません。また、どんな想定外であろうとも、一人でも多くの命を守り、助けなければなりません。だからこそ、常に備えを万全にすること、これが命を守る大切な手段となります。
 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックに向けて、東京は、世界で一番の安全・安心な都市東京を掲げているわけであります。病院経営本部及び都立病院は、災害時にこの大都市東京の都民の生命を守るため、今後もその責任の重さにかなった十分な対策を講じていただきたい、そのことをお願い申し上げ、最後に、これからも災害に強い都立病院を実現するための今後の取り組み方針について、ぜひとも病院経営本部長の強い決意のほどをお尋ねしたいと思います。

○醍醐病院経営本部長 病院機能は、ご承知のとおり、ハードとしての病院施設設備と、それから医療の担い手となる医師、看護師を初めとする病院職員によって成り立っております。
 そのため、ハード面においては、首都直下地震クラスの地震発災時でも医療機能を十分に継続できるよう、広尾病院以外の都立病院におきましても、施設設備の更新時に合わせて、ガスコージェネレーションシステムの導入など、ライフラインのさらなる強化を検討してまいります。
 また、もう一方、人材面でございますが、災害時におきましても的確に医療が提供できますよう、より実践的な研修や防災訓練の取り組みを充実させ、災害医療に関する知識と技術、そして何よりも高い使命感を持ち合わせた病院職員を育成してまいります。
 こうした取り組みによりまして、病院経営本部一丸となって災害対応力の向上を図り、都民の生命を守る都立病院としての責務を果たしていく覚悟でございます。

○大山委員 まず、インターネット依存について質問します。
 インターネットの世界は仮想空間、バーチャルです。今、自分が生活している世界は現実、リアルです。学校や仕事に行かず、友人も家族も顧みず、命をつなぐために最低限必要な睡眠と食事さえ、ネットをするために犠牲にするのがインターネット依存です。
 インターネットでゲームをしたり、サイトを閲覧したり、その時間がどんどん長くなって、日常生活が破綻する人がふえてきています。学生なら学業に、社会人なら仕事に影響が出てきています。帰宅してから翌朝までネットをする、そのために学校には行けなくなってしまう、登校しても居眠りをする。ネットばかりしていると、宿題や予習、復習も放置して、ネットに時間をとられるし、ついネットのことを考えて、勉強に身が入りません。
 ことし八月、厚労省の研究事業で、中高生のインターネットの病的使用が五十一万八千人と推計した研究が発表されました。病院経営本部として、若者のインターネット依存について、どう認識しているでしょうか。

○野瀬経営戦略担当部長 厚生労働省研究班がインターネット依存の実態について中高生を対象に全国規模の調査を行い、依存が強いほど睡眠時間が短くなるなど、健康に悪影響を与えているとの報道がなされていることは承知しております。
 また、総務省情報通信政策研究所が平成二十五年六月に公表した調査結果では、中学生からネット依存の傾向が強まり、高校生の六割が依存度を示しているとの報告がなされたことも承知しております。
 なお、インターネット依存という概念は、精神医学の中でいまだ確立された疾患概念ではなく、薬物、アルコールなどの治療概念を援用することで対処してよいものかどうかについても、確立された理論はないと認識しております。

○大山委員 ことし、厚労省が、そして総務省が相次いで調査を発表したわけですね。
 病院経営本部は厚労省の調査も、総務省の調査も承知しているけれども、インターネット依存という概念は確立されていないんだということなんですけれども、そんなこといっていたら、都立病院としての役割が問われるといわざるを得ません。
 既に一九九〇年代からインターネット依存が社会問題化しているアメリカで、九八年にピッツバーグ大学の心理学者、キンバリー・ヤング博士が診断基準を作成しています。先ほど承知していると答弁された総務省の調査も、ヤング博士の診断基準を使っています。
 また、インターネット依存の治療を行っている久里浜医療センターのホームページでは、インターネット嗜癖の一致した定義はまだ見られないけれどと述べつつ、インターネット依存症というのはということで、インターネットに過度に没入してしまう余り、コンピューターや携帯が使用できないと何らかの情緒的いら立ちを感じること、また、実生活における人間関係を煩わしく感じたり、通常の対人関係や日常生活の心身状態に弊害が生じているにもかかわらず、インターネットに精神的に嗜癖してしまう状態と、ヤング博士が定義していることを紹介しているんです。
 都民の、とりわけ青少年がどういう状況になっているのか、しっかりと受けとめることが必要です。
 私は、日本で数少ない、ネット依存の治療を行っている久里浜医療センターに行きました。院長先生の樋口進医師にお話を伺って、これは深刻だと実感しました。
 例えば、オンラインゲームは、開始時は無料でアクセスしやすいのですけれども、ネット上でチームを組んでいるために抜けにくい。アバターといって、バーチャル空間で操作する自分を模したキャラクターで別人になることができます。ですから、その中でアイデンティティーを得ることができるんです。ゲームの中で強くなるために得たものを手放したくなくなります。有料のアイテムを買うとゲームを有利に進められる場合もあって、多くのお金を使ってしまうこともあります。
 オンラインゲームだけでなく、LINE、スカイプ、チャット、SNSなどもあります。ツイッターで一日七百ツイートする人もいるとのことなんです。オンラインの友達がとてつもなく大事な友達で、それにつながっていたいというんですね。昼夜逆転になったり、食べるものも食べず、着るものも構わず、お風呂にも入らずということになります。
 実際に久里浜医療センターで治療を受けた人ですが、大学時代からネットにはまり、結局、大学を中退しますが、大学退学後も十年間ひきこもり、ネットをやり続けました。三十歳を過ぎて、就職しようとしたのですが、履歴書に空白が多過ぎて、就職もできない状態だったんです。家族関係も、健康面でも、社会的にも支障が大きくなります。
 先ほどの質問で述べました厚労省の研究事業の調査は、たばこや飲酒についても聞いています。私、深刻だと思うのは、たばこについては毎日喫煙者が六万三千人、一週間に一回以上飲酒する中高生が十五万八千人ですから、喫煙や飲酒と比較しても、中高生のネット依存は病的使用が五十一万八千人ですから非常に多いということなんです。子供、若者が多いネット依存だけに、早期に本格的な取り組みが求められています。
 都立病院で、インターネット依存症についての取り組みはどうなっているでしょう。

○野瀬経営戦略担当部長 都の精神医療の拠点である松沢病院では、平成二十四年六月から二十五年三月までの間、七千三百五十五件の相談を受けておりますが、インターネット依存に関する相談実績はございませんでした。
 また、小児総合医療センターでは、発達障害などの他の疾患の治療で来院する患者さんの中に、関連性は不明でありますが、ネット依存を有する患者さんがおりました。

○大山委員 七千三百五十五件のうち、インターネットには相談はなかったんだということなんですけれども、インターネット依存について相談できますよっていうお知らせがなかったら、相談しようという気にはならないです。小児総合医療センターでは、実際にネット依存を有する患者が見られるというわけです。
 久里浜医療センターの樋口先生は、ネット依存に対しては包括的対策が必要だとおっしゃっていました。久里浜医療センターは、長年の依存症治療の実績に基づく治療、エビデンスに基づく治療の提供、家族の相談にも応じる体制、研究や最新情報収集に取り組むが特徴だということなんです。診察、ミーティングやハイキングなどの活動、入院、家族会、レクチャーなどを行っています。
 また、ネットなしで過ごすということで、日中通ってもらって、ネットなしで過ごす楽しみを見つけてもらうことを目的とした活動はいいですよっておっしゃるんです。どんなことをやるのかといったら、バドミントンだとか卓球などの運動をしたり、美術をしたり、ゲームだとかというのも、インターネットや機械を使わずに、みんなで行うゲームをしたり、医師や看護師、栄養士、作業療法士などによる睡眠、運動、栄養、依存、健康問題などについてのレクチャーを受けたり、ネット依存をさまざまな角度から話し合う小ミーティングをしたり、希望者には臨床心理士による対人関係に関する訓練などを行います。
 久里浜医療センターのホームページではこう書いてあるんです。昼夜逆転の生活が長引いて生活リズムを取り戻しにくい、リアルの世界で楽しいことや得意なことが見つからない、リアルの人間関係が苦手、時間をもてあまして何となくネットの時間が延びてしまっている、社会に出ていく自信が持てないでいる、そんな仲間の参加をお待ちしています、この活動を通じて、少しずつ自信を取り戻し、リアルの世界に羽ばたいていく仲間がふえることを願っています、こう書いてあるんです。
 久里浜医療センターがネット依存の治療を開始したのは二〇一一年七月です。二〇一三年七月、ことしの七月までの間に、久里浜医療センターにはインターネット関係で約三百五十件の電話相談が寄せられて、そのうち三分の一に当たる約百二十人が実際にセンターに来院しています。現在予約して、外来受診ができるのは十一カ月後とのことなんです。
 松沢病院には思春期外来もあります。都立病院として、ネット依存治療、研究、人材育成などに取り組むことが求められていますけれども、どうですか。

○野瀬経営戦略担当部長 国立病院機構久里浜医療センターでは、他の依存症治療で培った専門性をもとにインターネット依存の治療方法の確立を目指し、ネット依存治療研究部門がネット依存治療を行うとともに、ネット依存に関する研究と最新の治療情報の収集を実施しているものと認識しており、その動向を注視してまいります。

○大山委員 動向注視などとおっしゃいますけれども、総務省も厚労省も実態の把握をして、とりわけ若い世代でネット依存の状態があることは明らかです。全国で五十一万八千人ですから、東京も大体約一割といわれますが、五万人以上になるということなんです。ネット依存の治療ができる病院が少ないために、予約から外来まで十一カ月も待つという状況になっているわけです。
 答弁にもありましたように、久里浜医療センターでは、長年の依存症治療の実績に基づく治療、エビデンスに基づく治療の提供、家族の相談にも応じる体制、研究や最新情報収集に取り組むということが特徴といっていましたけれども、その点でいったら、松沢病院はアルコールや薬物依存症医療は専門医療となっています。また、青少年ということでは思春期外来もあります。
 事業概要には、都立病院の基本的役割は、高水準で専門性の高い総合診療基盤に支えられた行政的医療を適正に都民に提供し、他の医療機関等との密接な連携を通じて、都における良質な医療サービスの確保を図ることとなっています。
 都立病院の役割からいったら、動向を注視しているだけでなく、まずは久里浜医療センターなどに研修に行くことなど、都立病院としての取り組みを急ぐべきですが、どうですか。

○野瀬経営戦略担当部長 今お話がございました久里浜医療センターの取り組みは研究段階にあるものと認識しており、現時点では、研修に行くことは考えておりません。

○大山委員 きちんと、リアルにですよ、それこそリアルに把握してもらいたいと思います。例えば、韓国は、政府主導でIT普及政策を推進してきました。世界的にスマホの売り上げを伸ばしていますけれども、その反面、二〇〇〇年初頭からネットゲーム依存が問題になっています。PC房と呼ばれるネットカフェが急増し、ネット連続使用によるロングフライト血栓症で死亡する若者が後を絶たない状況だというんです。特に青少年のネットゲーム依存が深刻で、大勢が危険域にいます。
 そこで、国を挙げての取り組みが始まって、依存の実態を把握し、治療法の研究を進めるとともに、ネット依存症の治療病院を指定しました。二十四時間相談可能なホットラインやネット依存相談センターの開設、また、レスキュースクールといって、インターネットなどのIT環境が全くない状況で十一泊十二日を過ごします。精神療法、音楽や絵画のアートセラピー、陶芸、太鼓、スポーツ、ロッククライミングなどを行います。家族もネット依存症についてレクチャーを受けます。アフターフォローも万全です。参加者は一週間ほどで変化が見られるとのことなんです。
 久里浜医療センターの先生方は、韓国の状況なども既に調査に行っています。久里浜医療センターだけでなく、日本の精神医学、医療の最大の学術団体であります日本精神神経学会の学術総会でも、シンポジウムで韓国の青少年のインターネット依存に関しての報告がされています。医療と研究は切り離せないものですし、先進事例もあるのですから、積極的に取り組んでほしいと思います。
 しかも、これは昨年九月に出された都立病院経営委員会報告です。都立病院改革推進プランに向けた重要な報告ですよね。この中では、今後の都立病院のあり方の中で、先進医療に取り組むことが重要であることが指摘されています。松沢病院については、精神科医療のリーディングホスピタルとして、新たな治療法の開発等の研究を行っていくことも重要な役割である、つまり日本の精神科医療を引っ張っていく重要な役割を持っていると書いてあるんです。本当にそうしてもらいたいです。
 何より、中高生を初め若い人たちに、実際にネット依存がふえているのですから、本腰を入れてもらいたいと思います。せめて、まずは久里浜医療センターに調査に行ってもらいたいということを要望しておきます。
 あともう一つは、アスベスト外来です。
 アスベスト疾患についてですけれども、アスベスト関連疾患であります中皮腫による死者は、九五年には年間五百人でしたけれども、二〇〇九年には二・三倍の一千百五十六人になっています。
 石綿は便利な素材として盛んに使われてきました。吹きつけ材としては一九五六年から九八年まで、保温材、耐火被覆材、断熱材、煙突用石綿断熱材としては二〇〇四年まで、成形板としても二〇〇四年まで製造されていました。労働安全衛生法が徐々に働く人への対策を強化したものの、それ以前に暴露したものについては取り返しがつかなくなっています。
 実際、近年、建設業従事者の中で、肺がん、中皮腫などを発症する人がふえています。過去に一千万トン以上も大量に輸入されたアスベストの大半が建材として使用され、建設工事現場での加工等の際に粉じんに暴露してきたためです。実際、建設国保組合員の健診受診者のうち、アスベストに暴露した人にあらわれる胸膜肥厚斑というんですか、胸膜プラークの有所見者、所見がある人が、四十歳以上の男性組合員の一二・二%に上っています。その割合は、年齢が上昇するごとに高まっています。アスベストによる中皮腫になること自体、避けたいことではありますけれども、最低限、早期発見と労災認定により、安心して療養できることを保障することです。
 専門医による適切な診断が欠かせません。暴露から長期の年月を経て、アスベスト疾患が増加していることから考えても、アスベスト疾患の早期の発見、治療と、健康被害の救済の体制の支援を拡充することが求められています。
 都立病院でアスベスト専門外来が開設されているのは、現在、広尾病院だけです。専門医を育成して、他の都立病院や公社病院にも広げることが求められていますが、どうですか。

○野瀬経営戦略担当部長 都立病院では、平成十七年十一月より、広尾病院において、アスベストによる健康被害に対応するため、アスベスト専門外来を開設しており、平成二十四年度の実績は延べ三十一人でありました。
 なお、診断方法は、胸部単純エックス線撮影、胸部CT撮影、胸膜生検などによって行っており、他の都立の総合病院及び公社病院に、呼吸器症状など自覚症状のある患者が来院した場合には、内科や呼吸器科を中心に、通常の外来診療で対応できております。

○大山委員 通常の外来診療で対応できるとおっしゃいますけれども、専門医がいることが重要です。広尾病院でも、通常の外来だけでは対応できないから、専門外来を設置したんではないでしょうか。
 長年、大工をしていた方が、あるときから息苦しさを感じて近くの病院を受診したところ、間質性肺炎と診断され、治療が始まりましたが、その後も息苦しさが続くんです。苦しいんだけれども、生活のために仕事を続けていました。そんな生活を送っているときに、国保組合から職業病専門医の胸部レントゲン再読影の結果が届いて、職業病の可能性があるということを知って、専門医を受診しました。仕事中に吸い込んだアスベストが原因の石綿肺であると診断され、労災給付を受けることになりました。今は、休業補償のおかげで療養に専念できますとのことでした。専門医による的確な診断がいかに重要なことかということではないでしょうか。
 ぜひとも人材育成もして、広げてほしいということを要望して、終わります。

○今村委員 それでは、本日最後の質疑をさせていただきます。
 自治体立病院を取り巻く環境は、近年、大変厳しいものがあります。一つは、市町村合併による事業者数の減少、また、自治体立病院総数は、二〇〇二年度に千七病院だったものが、二〇一一年度には八百六十三病院と、現在も減少の一途をたどっています。
 また、全国の自治体病院の繰入金総額は、二〇〇二年度に七千三百八億円だったものが、二〇〇七年には六千九百六十一億円まで減少したものの、二〇〇八年度に七千五百九億円となり、その後も七千三百億円程度で推移をしています。
 この間、十年程度の動きを見ても、国においても二〇〇二年、公的病院等に関する関係省庁連絡会議が設置をされ、その後の二〇〇七年の公立病院改革ガイドラインへとつながっています。二〇〇四年度には新臨床研修制度が導入され、その後、病院へ医師を派遣していた大学医局の医師引き揚げなど、医師確保の課題が大きくなりました。二〇〇六年には行政改革推進法が成立し、地方公務員の職員数の純減が求められるようになり、自治体病院を抱える自治体は、より大きな課題を抱えるようになりました。二〇〇七年の公立病院改革ガイドラインでは、一、経営の効率化、二、再編・ネットワーク化、三、経営形態の見直しを基本に、各自治体へ二〇〇八年度中の改革プランの策定を求めました。
 こうした大きな変革の流れの中にあって、病院経営本部は、二〇〇一年十二月に策定された都立病院改革マスタープラン、その後の具体的な事業計画として策定された、二次にわたる改革実行プログラムにより、施設の大規模改修などのハード面の整備、また、医療人材の育成などソフト面にも重点を置いた都立病院改革を進めてきました。ハード面の整備に当たっては、多摩総合医療センター、小児総合医療センター、駒込病院及び松沢病院の四病院について、PFI手法を導入して整備が行われてきました。
 そこで最初に、PFI事業の進捗状況について確認をさせていただきます。

○中野サービス推進部長 多摩総合医療センター及び小児総合医療センターは、平成二十二年三月にPFI手法による運営を開始し、多摩総合医療センターは同年八月に、小児総合医療センターは平成二十三年四月に、それぞれ全病棟をオープンいたしました。
 駒込病院は、平成二十一年四月からPFI手法による運営を始め、診療を継続しながら改修工事を行い、平成二十三年九月に全面供用を開始いたしました。
 松沢病院は、平成二十四年二月に旧館でのPFI手法による運営を開始し、同年五月に新館へ移転、本年五月には改修しました社会復帰病棟の供用も開始し、現在は旧施設の解体工事を行っているところでございます。
 病院建設等の開設準備を経まして、全四病院が本格的な業務運営の段階となったところでございます。

○今村委員 PFI手法を導入したことにより、多摩総合医療センター及び小児総合医療センターの建設工事、駒込病院の改修工事では、従来の直営での工事と比較して工期が短縮されたというふうに聞いております。
 そこで、松沢病院では、本年五月にオープンした新館の建設工事の工期はどうだったのか伺います。

○中野サービス推進部長 直近に都が直営で建設いたしました約四百五十床の豊島病院の建設工期は、三十二月でございました。
 これより規模の大きい松沢病院では、施設設計、業務運営設計、システム導入などにつきまして、特別目的会社、いわゆるSPCが、都との協議を交えながら、全体の工程を管理、調整したことによりまして、新館を二十六月で竣工いたしました。
 なお、工事期間中に東日本大震災が発生した影響により、当初の予定から三月おくれでの竣工となりましたが、メーカーとの交渉によります資材確保や、仕上げ工事の短縮等に努めまして、影響を最小限に抑えました。

○今村委員 松沢病院においても、PFI手法によって、短い工期で新館が竣工したことが理解できました。
 さて、四病院全てがPFI手法による病棟の新改築を経て、運営を開始したことになりますが、運営上のPFIの導入効果にはどういったものがあるのかお伺いします。

○中野サービス推進部長 個別に業務を委託する従来方式と異なりまして、長期包括契約であるPFI事業では、安定的、継続的に業務が提供され、医療周辺業務の効率化やサービス水準の向上が期待できます。
 こうしたPFI事業の特徴を生かすため、病院PFIでは、SPCに、協力企業をマネジメントする委託業務統括機能や病院に対する経営支援機能を、その役割として持たせております。
 委託業務を統括する中では、四病院におきまして、SPCが病院職員からの問い合わせをワンストップで受け付けるサービスデスクを設置し、緊急時の一時対応や専門部署への引き継ぎを行い、病院業務の停滞を防ぎ、患者サービスに支障のないよう努めているところでございます。
 災害への対応といたしましては、SPCは、従業員の非常食の備蓄や非常時の参集連絡体制の整備、安否確認訓練の実施など、災害時においても病院業務に支障を来さないよう、自主的な取り組み、検討を行っているところでございます。
 経営支援の取り組みにつきましては、多摩総合医療センター、駒込病院では、SPCが入院中の診療報酬に関して、同一疾病での投薬、検査等の内容を他病院と比較分析したデータを提供するとともに、収益増やコスト削減について提案を行っております。
 松沢病院では、参加者増を目指したデイケアプログラムの見直しにSPCも加わりまして、利用状況を分析するなどの支援を行っているところでございます。

○今村委員 現在、病院運営が順調に行われており、PFIの効果も得られているということが理解できました。
 しかし、PFI事業の運営期間は、約十五年という長期にわたるものになっております。いうまでもなく、公立病院の使命を果たすためにも、今後も安定した質の高い医療など、サービスの提供に停滞があってはなりません。
 そこで、長期に安定した運営を行っていくため、今後どのように取り組んでいくのか伺います。

○中野サービス推進部長 PFI事業では、SPCが都の求める要求水準を達成できているか否かをチェックする仕組みとしてモニタリング制度を取り入れ、適切な業務運営を図ることとしております。
 モニタリングによる業務履行確認を確実に実施し、事業期間を通じて要求水準を満たす履行を維持するとともに、医療機関の変化に柔軟に対応したサービスを提供していくことが必要であると考えております。
 また、定期的に、本部と病院がSPCから取り組みやその成果など業務全般に関する報告を受け、三者での意見交換により目標や課題の共有化を図るとともに、都からSPCに対して必要な指導を継続的に行い、業務の質の維持向上を図っております。
 民間のノウハウを生かした取り組みを一層推進し、患者サービスの向上や経営改善を促進してまいりたいと考えているところでございます。

○今村委員 病院事業へのPFI導入のメリットは何かを考えますと、一般に、事業費総額のうち約六割を占める医業部分はPFI事業範囲外なので、PFI効果はあらかじめ限定をされてしまいます。
 多摩、小児病院でのPFI導入時試算を見ると、直営で二千二百二十億一千六百万円、PFIで二千七十一億三千百万円、差額が百四十八億八千五百万円となり、VFM、バリュー・フォー・マネーは六・七%となっています。この差額は、建設費など、また、維持管理運営費と金利ですが、病棟建設にかかわるVFMのメリットが終了した現在、監査指摘もあったように、SPC、特定目的会社がその目的を達成しているのか。先ほどの答弁にあったように、モニタリングが大変重要になります。
 本年三月には都立病院改革推進プランが策定され、今後十年程度を見据えた計画が示されています。一連の公立病院改革の流れの中にあって、全国の公立病院においてもさまざまな取り組みが進められています。よい事例や失敗した事例などの取り組みも参考にし、今後、本格的な経営、運営を行うに当たり、単に価格が低いということだけにとらわれることなく、長期に安定した良質な医療サービスの提供を行うため、都立病院の使命を果たすための取り組みを病院経営本部に求め、質疑を終わります。

○まつば委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○まつば委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 以上で病院経営本部関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時十三分散会

ページ先頭に戻る