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Tokyo Metropolitan Assembly

厚生委員会速記録第十六号

平成二十四年十一月二十日(火曜日)
第七委員会室
   午後一時開議
 出席委員 十四名
委員長大津 浩子君
副委員長遠藤  守君
副委員長くりした善行君
理事滝沢 景一君
理事早坂 義弘君
理事三原まさつぐ君
加藤 雅之君
しのづか元君
岡田眞理子君
伊藤まさき君
ともとし春久君
三宅 茂樹君
野島 善司君
大山とも子君

 欠席委員 なし

 出席説明員
病院経営本部本部長塚田 祐次君
経営企画部長和賀井克夫君
サービス推進部長中野  透君
経営戦略・再編整備担当部長齊藤 和弥君

本日の会議に付した事件
 病院経営本部関係
事務事業について(質疑)

○大津委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 初めに、今後の委員会日程について申し上げます。
 先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程のとおり申し合わせましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、病院経営本部関係の事務事業に対する質疑を行います。
 これより病院経営本部関係に入ります。
 事務事業に対する質疑を行います。
 本件については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○和賀井経営企画部長 去る十月九日の本委員会におきまして要求のございました資料について、ご説明申し上げます。
 お手元にお配りしてございます厚生委員会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
 資料は、目次にございますように八点でございます。
 恐れ入りますが、一ページをお開きいただきたいと存じます。1、公社病院の病棟休止状況(平成二十四年十月一日現在)でございます。
 公社病院における病棟の休止状況について、それぞれ病院別に記載しております。
 二ページをお開き願います。2、都立病院及び公社病院におけるがん患者取扱実績(平成二十三年十月十九日ワンデイ調査)でございます。
 昨年実施いたしましたワンデイ調査におけるがん患者取扱実績について、(1)は都立病院、(2)は公社病院の実績を、それぞれ病院別に記載しております。
 三ページをごらんください。3、都立病院及び公社病院における医師の定数及び現員の推移(診療科別)でございます。
 (1)は都立病院について、次の四ページの(2)は公社病院について、平成二十年度から平成二十四年度までの常勤医師の定数と各年度十月一日現在の現員の推移を診療科別に記載しております。
 五ページをお開き願います。4、都立病院におけるPFI事業にかかわる経費の推移でございます。
 平成二十年度から平成二十四年度までのPFI事業にかかわる経費について、各事業別に記載しております。
 六ページをお開き願います。5、公社病院に対する運営費補助金の推移でございます。
 平成十九年度から平成二十三年度までの各公社病院に対する運営費補助金の推移を記載しております。
 七ページをごらんください。6、公社病院における看護職員の固有・派遣職員数の推移でございます。
 平成二十年度から平成二十四年度までの各公社病院における看護職員の各年度四月一日現在の定数及び固有、派遣別の現員の推移を記載しております。
 八ページをお開き願います。7、大久保病院建物賃料等及び東京都健康プラザ土地信託事業における信託配当金等の推移でございます。
 (1)は都が支払う大久保病院建物にかかわる賃料及び共益費の平成二十年度から平成二十四年度までの推移について、(2)は東京都健康プラザ土地信託事業における信託配当金及び長期借入金残高の平成十九年度から平成二十三年度までの推移について、それぞれ記載しております。
 九ページをごらんください。8、都立病院及び公社病院における分娩件数及びNICU受け入れ件数でございます。
 都立病院及び公社病院における分娩件数及びNICU受け入れ件数について、平成十九年度から平成二十三年度までの推移を記載しております。
 簡単ではございますが、以上で要求のございました資料の説明を終わります。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○大津委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含め、これより本件に対する質疑を行います。
 発言をお願いします。

○伊藤委員 私からは、第二次都立病院改革実行プログラムと災害対策について何点か質問をいたします。
 都立病院は、都立病院改革を進めるための基本的な計画として、平成十三年十二月に都立病院改革マスタープランを策定した後、その具体的な事業計画である都立病院改革実行プログラムを平成十五年一月に策定、第二次実行プログラムを平成二十年一月に策定し、この十年間、都立病院の改革を推進してきております。
 こうした中、第二次実行プログラムの中心的な事業としている都立病院の再編整備についてお伺いをいたします。
 まず、都立病院の再編整備の状況についてお伺いをいたします。

○齊藤経営戦略・再編整備担当部長 都立病院の再編整備は、都立病院の基本的な役割である行政的医療を適正に都民の皆様に提供し、他の医療機関等との密接な連携を通じて、都における良質な医療サービスを確保していくために取り組んできたものでございます。
 具体的に申しますと、まず、府中病院を多摩地域における広域基幹病院として整備した多摩総合医療センター、清瀬、八王子、梅ケ丘の小児三病院を移転統合し、小児に関し、心から体に至る高度専門的な医療を提供する小児総合医療センターを、ともに平成二十二年三月に開設いたしました。多摩総合医療センターと小児総合医療センターを同一の施設で開設したことで医療機能が拡充され、その一端として、総合周産期母子医療センターの指定を受けました。
 駒込病院では、病院を運営しながら全面改修をし、緩和ケア病棟の新設や手術室の増強、最新の放射線機器の導入などを行うことでがん医療の機能向上を図り、平成二十三年九月に全面供用を開始いたしました。
 松沢病院では、精神科急性期医療や精神科救急医療等の強化を目的に、敷地内に分散配置されていた各病棟を集約しまして、平成二十四年五月に新館を開設いたしました。

○伊藤委員 都立病院では、医療機能の集約とネットワークの充実強化の考え方のもと、ハード面での再編整備を終了し、そこで計画した医療機能の強化としたことがうかがえます。
 これは議会でもいろいろありましたけれども、答弁にありました多摩総合医療センター、小児総合医療センター及び駒込病院、松沢病院の整備に当たっては、PFI手法でこの病院を整備されております。
 そこで、施設を整備するに当たりまして、どのような導入効果があったのか、お伺いをいたします。

○中野サービス推進部長 PFI事業でございますが、設計、建設、施設の維持管理、運営業務など事業を実施する目的で設立される特別目的会社、いわゆるSPCに包括的に発注いたしまして、都との協議を交えながら、都が示した業務要求水準を満たすよう、みずからの創意工夫により施設設計や業務設計を行い、具体的な仕様を定め、実施していく性能発注の仕組みとなっております。
 更地に病院を建設するケースで、都直営で建設した場合とPFIにより建設した場合とを比較いたしますと、都直営で建設いたしました五百床規模の豊島病院や荏原病院では、建設工期は三十数月でございました。一方、倍以上の千三百床規模を有する多摩総合医療センター及び小児総合医療センターでは、SPCが全体の工程を管理いたしまして、設計側と施工側との十分な協議を図ることにより、三十月で竣工いたしました。
 さらに、診療を継続しながら改修工事を行う方式をとった駒込病院では、八百床規模での病棟の閉鎖、改修、開設、患者の移動という複雑な工程を繰り返しながら、包括契約のメリットを生かし、SPCのマネジメントのもと、施設整備、施設の維持管理、運営業務を行う協力企業が一体となって取り組むことで、工期三十月で事故なく改修工事を終えることができました。

○伊藤委員 工期に至っては、倍近くある病院を三十月、同じぐらいの工期で完成することができました。また、私、たまたま駒込病院に、ちょうど改修しているときに、何度かお見舞いに通ったことがあるんですけれども、大変複雑な工事だったわけでありますけれども、非常に適切に誘導員の配置を行っていただいて、非常にわかりやすく受付に回していただけるということもやっていただけました。完成した後も、食堂のご飯も非常においしいし、売店についても、ほかの公社病院も何個か行ったことがありますけれども、比較をするとかなり充実した品ぞろえで、焼きたてのパンなんかもコンビニエンスストアで売っていたり、これはまさに直営ではなかなかできない、民間ならではの手法を用いて、このSPCがやっていただいているんだなということがよくわかりました。
 PFIの導入時にはいろんな議論がありましたけれども、最近、この議論が余り行われていないような気がします。ぜひとも、これは長い期間きちんと安定的に運営をしていただくということが基本になろうかと思いますので、その業務の中身については東京都としても適切に把握をしていただいて、きちんとした病院の運営をしていただければというふうに思っております。
 ただいま、ハード面での進捗状況についてお伺いしましたが、次に、医師、看護師の確保、育成についての取り組みについて、どうであったか伺いたいと思います。
 第二次実行プログラムの考え方では、ハード面の整備とともに、ソフト面にも重点を置いた都立病院改革が示されております。ソフト面の核となるのは当然、人であり、優秀な人材の確保、育成が重要となります。
 平成二十年四月に開講した全国初の専門医養成機関である東京医師アカデミーは、質の高い医師の養成に取り組むということになっております。東京医師アカデミーによって、多数の若手医師を優秀な専門医に育成し、平成二十二年度からは修了生の輩出も始まっているとお伺いいたしております。
 そこで、東京医師アカデミーにおける専門医育成のための取り組みの内容と、その成果についてお伺いをいたします。

○和賀井経営企画部長 東京医師アカデミーでは、毎年度約百名の若手医師を継続的に確保し、育成をしております。
 研修コースは、内科系、外科系を中心としつつ、各病院の特色を生かしたコースを設定しております。例えば、救命救急センターを有します広尾病院、墨東病院、多摩総合医療センターには救急科コースを、総合周産期母子医療センターを有する大塚病院、墨東病院、小児総合医療センターには新生児科コースを設置するなどの取り組みによりまして、多様な領域の専門医を育成しております。
 平成二十二年度の第一回修了生、それから平成二十三年度の第二回修了生ともに、全体の約五〇%以上が都立、公社病院に就職しており、成果を上げております。

○伊藤委員 近年では、大学のいわゆる医局がうまく機能していないという問題も指摘をされております。そこで、東京都が専門医の育成の機関をつくるということは、非常に時宜にかなった政策だろうというふうに思います。
 しかし、東京都が税金を使ってやるということになりますと、当然、都立病院や公社病院に就職をしてもらいたいというのが、思いとしてはあると思うんですけれども、あんまりそれを縛り過ぎちゃうと、今度は人が集まりにくくなると。そこら辺のバランスが非常に難しいとは思うんですが、今、答弁で、二年間で全体の半分以上、五〇%程度が、実際に都立、公社病院に就職していただいているということですので、ちょうどいいバランスなんじゃないかなというふうに思っております。
 お聞きしますと、医局ともいろんなやりとりをしていただいているようですし、やはり日本全体の医師不足の問題についても、首都東京が一定の役割を果たすということが重要であるというふうに思います。
 現在の医療は高度専門分化しており、都立、公社病院の安定的運営のため、専門医を育成することが不可欠であります。また、看護職を初め、コメディカル部門においても専門分化が進んでおります。病院経営本部では、医療人材の中心を成す看護職員の資質向上とともに、専門職としての能力伸長を目指し、実践的な研修システムを再構築した東京看護アカデミーを、平成二十年度に運用開始したということであります。
 ここでの目的は、都立病院で長年蓄積された研修ノウハウをブラッシュアップし、平成二十二年度により実践的な研修システムへと再構築したものであり、新人からベテランまで、一人一人の習熟段階に応じてキャリア発達を組織的に支援する研修体制と聞いております。
 そこで、実践的な研修システムを再構築した東京看護アカデミーの成果についてお伺いいたします。

○和賀井経営企画部長 東京看護アカデミーの都立病院看護キャリアパスでは、全看護職員が受講するコースとしまして、採用後三年間での自立を目指す基礎コースと、看護実践能力に磨きをかけますジェネラルコースの二つのコースで構成されております。さらに、高度看護実践能力及び管理能力の向上を目指す看護職員向けに、ジェネラルコースの上級としてマスターコースというものを設けております。
 また、専門分野において卓越した看護実践能力等を習得した看護師を育成するために、認定資格取得までにかかる費用を公費負担し、専門看護師、認定看護師の資格取得を支援する仕組みを用意してございます。
 その結果、平成二十四年十一月現在でございますが、都立病院には、専門看護師として、がん看護など四専門分野に十二名、認定看護師として、緩和ケアなど十六専門分野に八十二名の職員を配置しており、都立病院において多数のスペシャリストがその専門性を発揮して活動しているところでございます。

○伊藤委員 患者さんの一番身近に寄り添う看護職員が日々進化する医療技術に対応できるようスキルを磨き、一人一人が成長する都立病院ならではの研修体制であるということがわかりました。引き続き、看護職員の資質向上や専門性能力の向上のため、東京看護アカデミーがさらに充実されることを望みます。
 さて、本年度は、第二次実行プログラムにおける計画の最終年度であります。そこで、第二次プログラムに続く次の計画はどうするのかお伺いいたします。

○齊藤経営戦略・再編整備担当部長 これまでの都立病院改革の取り組みの検証や、本年九月に提出された都立病院経営委員会報告、今後の都立病院のあり方についてを参考にしまして、急速に変化する医療ニーズに的確に対応した都立病院の次期計画を、今年度末を目途に策定する予定でおります。

○伊藤委員 今ご答弁の中にありました都立病院経営委員会は、外部の有識者から成る専門家会議で、以前より都立病院に対する指導助言をいただいてきたと聞いております。
 そこで、この都立病院経営委員会のメンバーの選定の考え方についてお伺いをいたします。

○齊藤経営戦略・再編整備担当部長 ご指摘のありました都立病院経営委員会は、都立病院における医療の質の向上と効率的な経営を実現するため、病院や企業の経営及び財務事務などに精通した専門家による直接指導や、実効性の高い改善策の提案等を得ることを目的としております。
 具体的には、病院管理学や病院の財務、経営、地域医療及び患者サービス等に精通した民間病院長、企業経営者、学識経験者、公認会計士、東京都医師会、東京都看護協会、患者団体代表、外部評価機関、民間病院事務長といった外部有識者から委員に選定してございます。

○伊藤委員 いろんな分野の専門家と、また、患者団体など、バランスよく委員が配置をされているのかなというふうに思っております。
 お聞きしますと、十五名の委員がいらっしゃって、本部長の諮問機関という位置づけだそうであります。今、状況変化が大変激しいので、最新の専門的な知見に基づいて病院が運営できるように、今後も適切にメンバーの選定をしていただきたいというふうに思います。
 次に、災害対策についてお伺いをしたいと思います。
 これまで質疑をしてきましたこの第二次プログラムというのは、当然、震災前の計画であります。平成二十四年四月の東京都の発表によりますと、東京湾北部を震源とするマグニチュード七・三の首都直下地震では、死者が九千七百名、そして、約十四万七千六百人の負傷者が想定をされております。
 東日本大震災では医療機関も甚大な被害を受け、被災三県では、災害拠点病院でも外来や入院の受け入れ制限や停止を余儀なくされるなど、医療機能に多くの影響が出ていたと聞いております。
 そこで、東日本大震災の状況を踏まえ、災害対策をどのように講じているのか、状況を伺います。

○和賀井経営企画部長 都立病院及び公社病院は、従前から災害拠点病院に指定されるなど、東京都の災害時の医療提供体制の中で重要な役割を担っております。
 第二次都立病院改革実行プログラムの中では、中長期的な方向性として掲げております、発災後三日間、病院運営を継続していくためのライフラインの確保や、計画的な人材育成や訓練など、着実に対策を実施してまいりました。
 また、平成二十三年五月に都が取りまとめました東京緊急対策二〇一一では、東日本大震災の教訓を踏まえた新たな災害対策を掲げ、充実強化を図ってきたところでございます。
 具体的には、ライフラインのさらなる強化を図るため、耐震性にすぐれた中圧ガスを燃料とする自家発電システムを広尾病院へ導入することや、災害時に安定的に水を供給するため、墨東病院及び松沢病院において給水ルートの複線化などを図ることとし、整備を行っているところでございます。
 また、発災時に一般電話回線や行政防災無線が途絶えた場合でも情報連絡体制を確保するために、衛星通信端末を全都立、公社病院のほか、病院経営本部及び公社事務局に配備をいたしました。
 さらに、災害時においても病院の医療機能を継続し、できるだけ早期に復旧を遂げるための計画としまして、各病院にBCP、いわゆる事業継続計画を策定することとし、今年度中に全病院で策定が完了する予定でございます。

○伊藤委員 大震災においては、被災三県で計三十三の災害拠点病院がありましたが、被災直後、外来の受け入れ制限に至っては二十病院で、入院の受け入れ制限は十八病院で、実際に影響が出ております。
 都としては、ハード面、ソフト面で準備をしていただいているということですけれども、BCPをつくるというのは当然必要ですが、計画をつくっただけじゃなくて、実際にやっぱり、いざそういうときになった場合に、どういうふうに職員が動くのかということについては、常に、恐らく防災訓練など、定期的にやっていただいているとは思いますけれども、実際に職員が本当に動けるように、計画だけじゃなくて、そこにきちんと魂を入れて、十分な対応準備をしていただいていると思いますけれども、今後とも、していただきたいというふうに思います。
 災害対策は、他の局だけでなく、区市町村、また、国などとの連携が重要でございます。医療救護活動においても、一医療機関で対応できることには限界があり、他の医療機関や関係機関との連携が重要だと考えます。
 そこで、災害時の医療提供体制の構築に向けて、関係機関とはどのように連携を図っているのか、現状と考え方についてお伺いをいたします。

○和賀井経営企画部長 災害時に医療救護活動を円滑に行うためには、関係機関との緊密な連携体制が必要であることから、これまでも協力関係の構築に努めてまいりました。
 先週、修正内容が公表されました東京都地域防災計画では、被害情報を効率的に集約し、発災直後から限られた医療資源を最大限活用できるよう、今後は災害医療コーディネーターを中心とした災害医療体制を構築していくとしております。
 ことし五月には、広尾病院、墨東病院、多摩総合医療センター及び小児総合医療センターの医師が、第二次保健医療圏の地域災害医療コーディネーターに任用されているところでございます。これら三つの災害拠点病院は、発災時には医療対策拠点として、また、平常時は地域災害医療連携会議を運営する中核的な役割を持つことから、連携体制の強化に向け、積極的に役割を果たしていくことが重要であると認識しております。
 今後は、各病院がそれぞれの医療圏の地域災害医療連携会議に参画し、災害発生時に備え、関係機関との連携体制の一層の強化に努めてまいります。

○伊藤委員 最新の計画では、本部に全部集約するのではなくて、二次医療圏を中心に、それぞれが有機的に動けるようにシステムを整備していただいているということです。
 平常時においても、また、いざというときにおいても、都民の大きな期待にこたえられる都立病院、公社病院になるように、今でもそうですけれども、今後とも適切に運営していただくことを要望いたしまして、質問を終わります。

○早坂委員 過日の厚生委員会におきまして、病院経営本部の事務事業概要についてご説明がありました。改めてのお話になりますが、病院経営本部は、都立病院の運営を所管するとともに、地域病院を運営する公益財団法人東京都保健医療公社を所管しています。
 ご説明によると、都立病院の役割は、高水準で専門性の高い総合診療基盤に支えられた行政的医療を適切に広く提供すること。一方で、公社病院の役割は、地域の医療機関との連携に基づく地域医療のシステム化を推進するとのことでありました。
 まず、都立病院が担う行政的医療とは何か、また、都立病院が担っている行政的医療が、東京都全体の中でどの程度を占めているのか伺います。

○和賀井経営企画部長 都立病院は、その時代の社会状況や医療需給の変化などに応じまして変遷を遂げながら、都民に対する医療サービスの提供をその役割としてまいりました。
 現在は、他の医療機関では対応が困難な、高度で専門性の高い総合診療基盤に支えられました行政的医療の提供をその役割としており、項目別に分類し、その考え方を整理しております。その内容は、法令等に基づきまして、行政の積極的な関与が求められる医療や、一般的な医療機関では対応が困難であるなど、社会的要請から対策を講じなければならない医療なのでございます。
 代表的なものとして、感染症医療、救急医療、精神科身体合併症医療及び周産期医療がございます。このうち、感染症医療では、都内の全病床数百十二床のうち、都立病院は四十床で、その割合は三五・七%を占めております。また、精神科身体合併症医療では、平成二十三年度の都内の患者数七百二十人のうち、都立病院は三百八十六人と、その割合は五三・六%でございます。同様に、救急医療の中でもより高度な医療が求められます救命センターの平成二十三年度の都内の延べ患者数十九万九千十八人のうち、都立病院は二万二千三百八十八人で、その割合は一一・二%でございます。また、周産期医療におけます都立病院の割合は、M-FICU、母体胎児集中治療室の病床数で二四%、平成二十三年度の母体搬送受け入れ数で二七・七%を占めております。さらに、NICU、新生児集中治療室では、病床数で一九・八%、二十三年度の新生児搬送受け入れ数では三三・〇%を占めているところでございます。

○早坂委員 都内すべての病院のうち、都立病院は、病床数では四・四%、外来患者数では三・五%を占めるにすぎません。その一方で、行政的医療に関しては、例えば、産科医師の不足などにより社会的な問題であった周産期医療における母体搬送受け入れ数に関しては三〇%を占めるなど、大きな役割を果たしていることがわかります。
 しかしながら、行政的医療のすべてを都立病院だけで担えるわけではありません。例えば、救急医療は、公社病院も重点医療課題として取り組んでおり、その違いは明確ではありません。
 そこで、公社病院の位置づけについて伺います。

○和賀井経営企画部長 都立病院は、先ほど例示をいたしました行政的医療を提供していくという役割を担っておりますが、公社病院は、都内の限られた医療資源を有効に活用すべく、さまざまな機能を有します医療機関の役割分担と連携による地域医療のシステム化の推進を図っております。具体的には、地域の医療機関との紹介、返送、逆紹介などに積極的に取り組み、地域の医療ニーズに的確に対応する中核的な病院として運営しているところでございます。
 診療報酬制度の中で、高い紹介率と逆紹介率を条件に認められる地域医療支援病院という制度がございますが、公社病院は、いずれの病院も一定水準以上の紹介率、逆紹介率を維持しておりまして、地域医療支援病院の承認を受けております。
 さらに、患者の紹介、逆紹介等を通じまして、地域の医師を対象とした研修を行うなど、地域医療機関等との連携を図りながら、がん医療を初めとした、各公社病院の強みを生かした特色ある医療の提供に努めております。

○早坂委員 公社病院は、地域医療支援病院としての役割、すなわち、限られた医療資源を有効活用するために、患者さんが病院に集中しないように、診療所と病院に患者さんを振り分ける役割を持つのが公社病院であると理解をいたしました。患者さんは、まず地域の診療所で受診していただき、そこで手に負えない重篤な患者さんをその診療所の紹介で受け入れる。また、重篤な状態を脱した患者さんを地域の診療所にお戻しする。すなわち、診療所への紹介と逆紹介という方法を用いて、診療所と病院の役割分担を図るのが公社病院の役割であります。とはいえ、都立病院は行政的医療だけ、公社病院は地域医療支援病院としての役割だけを果たしているのではなく、互いに重なり合う部分があります。これは当然のことであると思います。
 さて、行政的医療を担う都立病院の役割は、先ほどの具体例を見てもわかるとおり、都民にとって大変重要であります。将来の都立病院の役割を考えた場合にも、ますますその役割を果たしていかなければなりません。
 実際、この九月に出された都立病院経営委員会報告においても、こうした役割を前提に、医療環境や医療課題の変化へ対応すべきことが提言されております。一方、この経営委員会の報告では、都立病院の経営力の強化も求めております。都立病院の存在意義が行政的医療であるゆえに、これは一見すると二律背反的な要求に思えます。というのも、不採算分野だからこそ民間が手を出さず、したがって、行政が主体となって取り組まなければならないのが行政的医療だからです。そこに採算性を持ち込むとなると、公社病院が本来果たすべき役割を果たせなくなるのではないかという懸念が生じかねません。
 そこで、今後の都立病院の役割と経営力の強化について、両者の関係、考え方について伺います。

○和賀井経営企画部長 東京の医療環境は、急速に進行する少子高齢化や、人口減少社会の到来、社会構造の多様化、複雑化に伴う患者の疾病構造など、大きく変化をしております。そのような状況の中におきましても、公立病院としての都立病院が担うべき医療は、社会的な要請としての医療課題などでございまして、これに的確に対応していく必要があると考えております。
 都立病院は、その時代の社会状況や医療需給の変化などに応じながらも、その基本的な役割は、他の医療機関では対応が困難な行政的医療を適正に都民に提供し、また、他の医療機関との密接な連携を通じて、都における良質な医療サービスの確保を図ることであると考えております。また同時に、採算を確保することが難しい行政的医療の提供に当たりましても、常に効率的で効果的な運営が求められているところでもございます。
 都立病院におきましては、一層のコスト削減を図るなど経営力の強化に努め、真に必要な部分につきましては、一般会計の適正な負担を得て、都民から納得の得られる医療サービスの提供と、理解が得られる公的な支援の最適なバランスを目指して運営をしてまいります。

○早坂委員 行政的医療には、当然、一定程度のコストがかかります。しかしながら、都立病院は、行政的医療だけを担当しているのではなく、一般的な医療に関しても取り組んでおります。その部分については効率化が必要であることはいうまでもありません。取り組む医療内容に応じてコスト感覚を磨いていくことが、経営力の強化につながるのだろうと思います。
 第三回定例会における我が党代表質問に対して、年度内を目途に、新たな都立病院に関する次期計画を策定するとのことでありました。都立病院が立つべきスタンスをしっかりと押さえた上で、計画をつくり上げてほしいと思います。
 さて、これまで、都立病院改革マスタープランと二つの実行プログラムのもと、着実に都立病院改革を進めてきました。限りある医療資源を有効活用するために、ハード面では再編整備を行う一方で、ソフト面では、病院運営を支える医療人材の確保、育成を図るため、勤務条件の改善や福利厚生の充実に取り組んだほか、東京医師アカデミーや東京看護アカデミーを開講するなど、新たな取り組みを全国に先駆けて行ってまいりました。こうした取り組みを我が党も全力で支えることで、多摩、小児の両総合医療センターの開設、駒込病院の全面改修、松沢病院の新病棟の開設など、都民医療サービスの向上に確実につながってきたと考えます。
 今後も都立病院としての基本的な役割を果たしていくために、どのように取り組んでいくのか、本部長のご決意をお伺いします。

○塚田病院経営本部長 病院経営本部は、都立病院改革の理念であります、安全で安心できる患者中心の医療の実現と都民サービスの向上を使命として、これまでさまざまな取り組みを進めてまいりました。
 人口構造の変化や医療制度改革など、医療を取り巻く環境は大きく変化しております。このような環境の変化の中におきまして、都立病院改革を的確に進めるためには、課題の適切な把握と、医療現場と一体となった取り組みの強化が不可欠であります。
 ことしの九月には、病院経営本部の専門家会議として設置しております都立病院経営委員会から、今後の都立病院のあり方について意見をいただきました。今後の都立病院の運営に当たりましては、これまでの都立病院改革の取り組みの成果を踏まえますとともに、この経営委員会報告もしっかりと受けとめ、さらには、都民アンケートや、最前線での医療現場との意見交換を実施いたしまして、今年度末を目途に次期計画を策定いたします。
 今後とも、都民の命と健康を守るため、組織を挙げ、職員一丸となって改革に取り組んでまいります。

○遠藤委員 それでは、私からも何点か質問させていただきます。
 今の早坂理事と皆さんとのやりとりの中で、都立病院が担う行政的医療の提供、こういう役割があると。そして一方、公社病院については、地域医療のシステム化が最大の眼目であると、こういうようなお話がございました。
 その土台、前提の上で、私からは、いわゆる入院患者の方の出口政策、すなわち、病院で入院されている方が別の病院に転院をされる、または在宅で診療所に移られる、介護施設に入られる、または、場合によっては在宅、家に戻られる、この出口政策について何点かお伺いをしたいと思います。
 私は、地元からJR新宿駅で下車して都議会に来ておりますけれども、本当に最近、駅で高齢者の方が目立つなという印象を受けます。高齢化の波というものを、本当に日々、実感しております。
 その一方で、病院数は、ここ数年、減少傾向にあるということであります。まさにこの高齢化による、増加する患者さんに対して、都内の医療機関が総ぐるみになってどう対応していくかということが、今後の医療の最大のかぎになってくるのではないか、このように思います。
 東京は、高度な医療機能を有する大学病院や、かかりつけ医となる診療所が数多くあることが特徴であるといえます。逆に、私もこの厚生委員会に、ことしも含めて二年ほど在籍をさせていただく中で、いろんな病院経営本部さんの方、または福祉保健局の職員の方ともいろいろ話しますけれども、この東京が持っている、医療機関がたくさんあるというところが東京の最大のメリットであると同時に、何かやろうとするとなかなか思うようにいかないという、こういう二律背反するところが東京の医療の特徴であるということも感じているわけであります。
 こうした意味では、東京が持つ医療資源を最大限、利活用するためには、今後重要になってくるのが、それぞれの特性や役割をいかに生かして、この医療連携を推進していくか、これが最大のかぎになるのではないかと、このように日々、思っているわけであります。
 都立病院などは急性期を担う医療機関でありますけれども、今後増加する患者の診療に適切に対応していかなければならない、これはもちろんでありますけれども、その一方で、冒頭申し上げましたとおり、出口政策という観点では、急性期を脱した患者さんについて、急性期の病院から療養病床なり介護施設への転院を促したり、在宅への移行を円滑に進めることが重要である、繰り返しになりますけれども、このように思います。
 病院間の転院や介護施設への入所は、受け入れ施設がなかなか見つからない、こういう話も耳にいたします。病院経営本部の事務事業で、昨年もこの話をいたしました。先日の福祉保健局との事務事業でもこの話をいたしました。繰り返し、私はこだわりを持ってこの話をしております。皆さん方の中にも、恐らく、皆さんのご両親や、または祖父母の方で、病院から病院、病院から施設へという調整をするのは本当に厄介な問題であるということを痛感なされている方、たくさんいらっしゃるかと思います。
 そんなわけで、過日の福祉保健局との事務事業の中で、私は、今現在、この転院先探しというものは、限られた情報しかない患者家族や、患者さんの入院中の病院にゆだねるだけではなくて、都が持っている情報やネットワークを使って、よりベターな転院先を紹介する仕組みづくりを、ぜひ東京都として行うべきだと、こういうように提案をいたしました。福祉保健局からは、そのとおりである、しっかりと検討を進めますと、このように明言がございました。
 そこで、皆さん方も、こうしたご相談もいろいろと来ているんだと思います。先ほど、早坂理事との質疑の中で、繰り返しになりますけれども、都立病院の役割、または公社病院の役割というものをご答弁がありましたけれども、この都立病院、公社病院においても、その医療特性を生かしながら、今申し上げました地域の在宅医療支援や病病連携、または病診連携に、より一層貢献していくべきと考えますけれども、いかがでありましょうか。

○中野サービス推進部長 都立病院や公社病院は、急性期医療を担う病院として、患者さんが地域で安定した療養生活を送ることができるよう、これまでも、かかりつけ医に対する情報提供や教育支援を行うとともに、在宅に戻られた患者さんの緊急時の入院対応など、在宅医療の支援に取り組んでまいりました。
 今後とも、療養型の病院、診療所、地域の自治体、訪問看護ステーションなどの関係機関との連携を強化するなど、役割分担を踏まえた機能連携や在宅医療に向けた支援を進めるとともに、東京都保健医療計画の改定に向けた検討状況や国の動向などを踏まえ、病院としての支援の方策について検討してまいります。

○遠藤委員 今、最後の答弁の中で、東京都保健医療計画の改定に向けた検討状況や国の動向などを踏まえ、病院としての支援の方策について検討をしていきたいと、こういうような答弁がありました。
 また、先ほど、本部長でしょうか、または部長でしょうか--の方から、やはり都立病院、公社病院は、地域との密接な連携が重要である、または役割があると、このような答弁もあったやに記憶をしております。
 この都立、公社病院は、地域において中核的役割を担う病院であるため、都民の期待も大変大きいと思いますので、その先駆的な取り組みをぜひ進めていただきたい、このように期待を申し上げまして、次の質問に移らせていただきます。
 これは関連でありますけれども、今申し上げました、地域の医療機関同士の連携、または転院、退院支援をしていくためには、お医者様などに加えて、やはりさまざまな知識と経験を持つMSW、すなわち医療ソーシャルワーカーのお力というものが重要になっているわけであります。これについても、昨年度の病院経営本部との事務事業質疑において、MSWの大幅な拡充がぜひとも必要であると、このような認識のもとで、ここでやりとりを行わせていただきました。
 都立病院のMSWは、年間約二十八万件以上の相談を受けております。びっくりしましたけれども、二十八万件も、患者さん、または家族の皆さんの相談を日夜受けられていると。その内容は非常に多岐にわたりまして、受診の援助や入院の援助、または医療費の問題、経済問題、または退院した後の就労問題、家に帰ってからの日常生活の支援、さらにそれは、心理、情緒的援助、心の問題まで、いってみれば、お金のことから、心のことから、すべてにわたって相談を受けている。その結果が、年間二十八万人という膨大な相談に対応されていると、こういうことであります。
 特に相談として多いのが、先ほど来、お話ししておりますけれども、転院並びに退院の支援についての問題である、このように聞いております。実際、在宅療養支援や転院、退院支援の推進には、このMSWの関与が欠かせないわけであります。
 そこで、この医療相談という多忙な業務を担うMSWは、実際、医療現場において、いかなる役割を担って、退院、転院調整にどうかかわっているのか、現状をお伺いしたいと思います。

○中野サービス推進部長 MSWでございますが、患者さんやご家族と面談いたしまして、療養費の支払いなど経済的な側面、福祉制度の活用など社会的な問題などの支援調整を行っております。
 転院と退院の調整に当たりましては、病状や経済的な側面を照らし合わせつつ、療養型の病院、リハビリ施設、介護老人保健施設、訪問看護ステーションなどに円滑に移行ができますよう、患者さん、ご家族と、各施設等との調整に努めているところでございます。

○遠藤委員 今、部長から答弁ありましたとおり、本当にこの相談、特に転院、退院の支援というのは大変です。私も立場上、いろんな方から相談を受けますけれども、やはりこの転院調整に当たっては、まず患者さんの病状の問題と、入院コストの問題、そして、介護、看護しますから、自宅からの距離の問題、この三つが複雑に絡み合って、病院から一、二、三、四と、転院先だとか、いろいろ提示をされるけれども、この三つがかなうのはなかなか厄介であると。場合によっては、そのうち二つを満たすのも厄介であると。しかも、その限られた中で、限られた時間で次を見つけなければいけないという、これは患者さん、または家族にとっても相当程度の心理的なプレッシャーになる。私も何度も泣きつかれたわけですので、その泣きつかれる先は、やはりMSWの方が一手に担っていただいているんだと思います。
 そうした意味では、今後、都立病院や公社病院のMSW、この方々が中心となって、地域の関係施設との連携を一層進めていくべきだと思うが、現在、どのような連携を図っているのか。そして、先ほど、繰り返しになりますけれども、地域との密接な連携、こういわれておりますので、ぜひ私は、この連携体制を一層強化していくべきと考えますけれども、いかがでしょうか。

○中野サービス推進部長 急性期を担う都立、公社病院が転退院に向けた調整を円滑に進めていくためには、地域の医療機関や介護老人施設等の状況を把握することが重要でございます。このため、MSWは、日ごろから多くの医療機関や関係施設の専門性や、空きベッドの状況などの情報把握に努めるとともに、ケアマネジャー会議や地元自治体の会議等を通じまして、地域の看護師やMSWとの情報交換や交流を行うなど、病院や施設の実情をお互い理解し合える関係を築くよう努めております。
 今後、地元自治体や地域の診療所、療養型の病院、地域包括支援センター、訪問看護ステーションなど関係機関との連携を進めていく中で、それぞれの役割分担を踏まえつつ、連携体制を強化できるよう検討してまいります。

○遠藤委員 連携体制を強化できるよう検討すると、こういう明言をいただきました。ぜひ大いに検討いただいて、民間病院の範を示すような取り組みを仕上げていただきたい、このように思います。
 繰り返しになりますけれども、都立病院の使命は行政的医療の提供、または公社病院の使命は地域医療のシステム化、こうありますけれども、都立病院においては、この行政的な医療を単に提供するというだけではなくて--やはり一番困っているのは出口政策ですね。これを本当に--公社病院も同じです。地域医療のシステム化ということですので、なおさらだと思います。この出口政策に大いに力を入れていただければ、私は多くの患者、家族の皆さんは安心されるんだと思いますので、繰り返しになりますけれども、ぜひ民間病院の範となるような仕組み、機能を確立していただきたいと、このように強く要望させていただいて、次のテーマに移らせていただきます。
 これも何度もしているテーマであります。がんの緩和ケアであります。
 がん患者または家族の苦痛軽減を図る緩和ケアの体制整備は特に重要であるという観点で、繰り返し、私たち公明党は議会で取り上げてまいりました。
 国においても、ことし三月、がん対策推進基本計画、変更案でありますけれども、その中に、前の計画を引き継ぐような形で、がん患者とその家族が可能な限り質の高い生活を送れるように、がんと診断されたそのときから、診断、治療、在宅医療など、さまざまなステージで切れ目なく緩和ケアが提供されるよう、それが必要であると、そのように議論が進んでいるということであります。
 そこで、都立病院及び公社病院における、これまでの緩和ケアの取り組みについて、概要をお伺いしたいと思います。

○中野サービス推進部長 まず、緩和ケア病床でございますが、都立駒込病院では、改修に合わせまして、緩和ケア病棟二十二床を整備いたしまして、平成二十三年四月から運営を開始しております。また、公社豊島病院におきましては、平成十一年から緩和ケア病棟二十床を運営しております。
 さらに、広尾病院など都立六病院、公社各病院におきましては、医師、看護師、薬剤師等の多職種から成る緩和ケアチームが病棟訪問を行いまして、対象となる患者さんの身体症状や精神症状を把握いたしまして診療やケアを行うとともに、カンファレンスや院内研修を実施しているところでございます。

○遠藤委員 緩和ケアの病床については、都立の駒込と公社の豊島、この二拠点、さらに、緩和ケアのチームによる医療提供は、都立の六病院及び他の公社病院、ここで漏れなく提供されていると、こういうことだと思います。引き続き、この緩和ケアの質の向上に向けて、積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 緩和ケアの推進に当たりましては、そういう体制を整備することとあわせて、がん医療に携わる医師または看護師、こうした方々が、緩和ケアの基本というものを理解し、知識と技術を習得することが、やはり重要であると思います。この点についても、都議会公明党は、医療従事者への研修など、緩和ケア提供体制の推進に向けた取り組みを何度も要請してまいりました。
 こうしたところ、東京都のがん対策推進計画では、本年度、これが年度の期限になりますけれども、この計画の期限になりますけれども、本年度末までに、がん医療に携わる都内のすべての医師に対し、医師緩和ケア研修を実施するとされているということでありましたので、先日の福祉保健局の事務事業質疑の中で、このケア研修の実績を確認させていただきました。答弁では、この研修は、平成二十年度からことし十月までの間に百七十一回開催し、その受講者数は三千七百三十三人、今年度末までに、目標としている三千八百人がこの研修をすべて修了すると、このような答弁でありました。
 そこで、確認でありますけれども、都立病院及び公社病院の医師緩和ケア研修の受講状況と、間違いなくやっていただいていると思いますけれども、今年度末までに目標がしっかりと達成できるのかどうか、これをお答えいただきたいと思います。

○中野サービス推進部長 医師緩和ケア研修の実績でございますが、平成二十四年七月現在、都立病院、公社病院を合わせまして、二百二十名を超える医師が受講しているところでございます。
 また、がん診療連携拠点病院に指定されております駒込病院及び多摩総合医療センター、東京都認定がん診療病院に認定されております墨東病院では、医師緩和ケア研修会を開催しております。平成二十三年度の開催実績は、駒込二回、多摩総合一回、墨東一回で、合わせて百十五名の受講がございました。

○遠藤委員 済みません、ちょっと通告はしておりませんでしたけれども、今聞きましたけれども、一応、目標を立てていたものは度末までにできるということで、そういう認識でよろしいですか。わからなければ、後からまた確認して答えをいただければいいんで。どうでしょうか。

○中野サービス推進部長 計画というのが、我々として特に目標というものは立てていなかったものですから、ちょっと後日またご相談させていただきたいと思います。

○遠藤委員 済みません、数字のことなんで事前にいっておけばよかったんですけれども、聞いてしまいましたので、後でしっかりと教えてもらえればと思います。
 国では、この五年以内に、がん診療に携わるすべての医療従事者が基本的な緩和ケアを理解し、知識と技術を習得する、これを一大目標にしたわけであります。これは当時、自公政権のときの自由民主党の総裁、当時の安倍総理と私どもの太田昭宏代表で、ぜひ、このがん対策を進めるに当たって緩和ケアが重要である、国を挙げて、五年間でこの研修をやろうではないか、我々の責任でやろうではないか、こういう話から始まったわけであります。
 都立病院、公社病院においても、患者とその家族は、がんと診断されたときから、体の痛みだけではなくて、やはり、その人が一家のあるじであれば、仕事をどうするかとか、子どもをどうするかとか、こういうような心理的な、いわゆる社会的な痛みもあるんだろうと思います。そうしたものが、わずかながらも緩和できるように、また、その医療が提供されるように、しっかりと、この歩みをとどめることなく進めていただきたい、このことを強く要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

○大山委員 私からは、在宅療養支援、脳卒中について、そして次期の行政計画について確認しておきたいことがありますので、お願いします。
 在宅療養支援ですけれども、高齢化が進む中で、在宅療養患者もふえています。在宅診療を行う診療所もふえてきましたし、それから訪問看護ステーションもあるわけですね。病気があっても暮らしなれた家で過ごしたいという方々が、安心して在宅療養を続けるためには、病状の急変のときの対応と介護者の負担軽減が重要です。
 九月二十七日のこの厚生委員会のご答弁で、今後増加する在宅患者さんの急変時の救急受け入れに対応していくため、地域の医療機関との連携によりまして体制を整備していくべく取り組みを図っているところ、また、地域医療機関などとの連携体制の強化を図るべく取り組んでいると答弁されていましたけれども、具体的にはどういう取り組みをしているんでしょうか。

○齊藤経営戦略・再編整備担当部長 都立病院では、既に、医師、看護師、医療ソーシャルワーカーなどから成る地域医療連携室を設置しておりまして、医療連携協議会を定期的に開催するとともに、地元区市町村や地域医療機関から意見を聴取、あるいは地域の医師会等と連携に関する協定を締結しまして、協議会や連絡会を開催したり、地域医療連携クリニカルパスの参画や医療連携紙を発行するなど、さまざまな取り組みを実施しているところでございます。

○大山委員 地域連携は非常に重要なことですし、病診連携も病病連携も重要な課題です。しかし、急変時にすぐに入院できるか、診療所の医師も家族も心配なんですね。
 国立長寿医療研究センターの在宅療養支援の内容というのは、登録制を用いた新しい在宅医療支援モデルとして、診療所医師と在宅患者が登録をして、登録医が入院が必要と判断したら、登録患者が国立長寿医療研究センターの在宅支援病棟に入院することができるんですね。すべての在宅医療ケアへの対応、それから地域医療連携室やリハビリ、薬剤師の院内連携と、多職種共同による在宅への退院支援を行って、在宅ケアチーム、これは、登録医、訪問看護師、ヘルパー、訪問リハビリ、ケアマネジャーなどですけれども、この在宅ケアチームと病院チームによる切れ目のない医療ケアが実践されています。
 やはりここでも、大府の国立長寿医療研究センターでもおっしゃっていましたけれども、在宅療養したいけど、難しいのは急変時の受け入れと家族など介護者の負担なんだと。
 国立長寿医療研究センターの在宅療養支援について、どう認識していらっしゃいますか。

○齊藤経営戦略・再編整備担当部長 在宅療養支援におきましては、急性期医療機関、療養病床を有する医療機関、診療所、訪問看護ステーション、地域包括支援センターや介護サービス事業者などが、それぞれの役割に応じたサービスを連携しながら提供することが、切れ目のない医療、ケアの実践につながるものと考えております。
 国立長寿医療研究センターの在宅医療支援病棟で行われている取り組みは、在宅医療活性化に向けたシステムづくりを目指し、平成二十一年四月から独自に、モデル的に実施しているものと認識しております。

○大山委員 在宅医療活性化に向けたシステムづくりを目指して、モデル的に実施しているわけですね。モデルとして実施して、実績も上げています。
 現在、登録患者は百七十一人です。登録医さんは七十人で、六十六診療所。二〇〇九年、二〇一〇年の二年間で五百十四件、二百八十人が利用しました。年齢は二十二歳から百四歳まで、幅広いわけですね。病床利用率は、二〇一一年の一月から三月が、六五・八%から八八・一%です。平均在院日数は十八・八日。入院患者の基礎疾患は悪性腫瘍、つまり、がんが二九・四%ですから、約三割で一番多いんです。神経筋疾患が二五・三%、脳血管障害が一四%、認知症が一〇・三%、呼吸器疾患が九・九%と続きます。入院の目的は、一番多いのが治療です。急性期と、それから慢性期疾患の急性増悪、これが約五六%です。退院支援、指導が一〇%、胃瘻を交換するなどの維持治療が九%で、レスパイトも九%弱あります。同じ病院、同じ医師、同じ看護師のもとに、いつでも必要なときに入院できる。ですから、安心して在宅療養ができるんだというんですね。
 国のナショナルセンターでも在宅療養支援を実施しているんですから、都としても学んで、都立病院や公社病院でも在宅療養支援を実施する、地域の核となって行うことが求められているんではないでしょうか。

○齊藤経営戦略・再編整備担当部長 都立、公社病院では、これまでも、地域における患者さんの容体が急変した場合等の救急対応などによりまして、在宅医療を実施する医療機関を支援してまいりました。
 引き続き、急変時の救急対応など、それぞれの医療体制などに適した方法で、在宅医療を実施する医療機関の支援を行ってまいります。

○大山委員 もちろん、急変時の救急対応はしなきゃいけないことです。一般的な救急だけでは、患者さんや家族は不安なんですね。しかも、東京は救急搬送時間が長くて、とりわけ、このような在宅療養支援が求められているんじゃないでしょうか。モデルで実施しているんですから、東京都も学ぶ姿勢を持つべきです。
 国立長寿医療研究センターに調査に行ったことはあるんでしょうかね。病棟開設後の主な実績に挙げていることは、一番目が、地域の在宅医、診療所と病院の連携が広がったということなんです。開設時、登録医は十二名でしたけれども、現在は七十名に広がっています。患者さんを真ん中にして、病院のチームと在宅のチームが一緒に検討するし、連携することになります。
 また、在宅復帰率が九四%で、入院した人の多くが自宅に戻っています。自宅に戻っても、必要なときには入院できますから、安心して自宅に戻れるんですね。
 三つ目は、病棟を利用され、自宅で最期を迎えられた方の割合、つまり在宅死率が三三%です。二〇〇九年度の愛知県の平均は一一・九%ですから、約三倍近い割合を維持しています。自宅で最期を迎えたいという方がそうすることができる、そういう支援をしている、システムになっているということなんですね。
 新宿区では、国立長寿医療研究センターのやり方とは違うんですけれども、緊急一時入院病床確保事業というのを実施しています。これは包括補助で二分の一は東京都から出ているんですけれども、きっかけは何だったかといいますと、区の医師会から、かかりつけ医が必要だと判断したら入院できるような仕組みをつくってほしい、こういわれたんですね。それがきっかけです。
 病床確保ということで、区が一床当たり約六百万円出して、三床確保しています。確保病床は三床なんですけれども、昨年度の実績を出してもらいましたら一三四・七%です。ですから、例えば厚生年金病院なんかは、空いていれば二床でも提供してくれるんですね。年間の稼働率は、厚生年金病院が二〇三・八%、大久保病院も一二〇・二%ですから、大久保病院も一床だけでなく二床提供してくれることもあるということですね。
 この事業に参加している病院は、今申し上げた厚生年金病院と社会保険中央総合病院と大久保病院なんです。三つとも公的病院ですから、本当に公的病院の果たす役割というのは大きいといえます。大久保病院は、今の、新宿区の緊急一時入院病床確保事業に参加して、在宅療養患者のかかりつけ医が入院が必要だと判断したとき、受け入れています。
 病院経営本部は、大久保病院のこの事業についてどのように評価しているでしょうか。

○齊藤経営戦略・再編整備担当部長 ご紹介の事業は、入院治療が必要な在宅療養の患者さんのための病床を一床確保する事業でありまして、あくまでも、かかりつけ医及び大久保病院の医師が入院の必要性を認めた患者さんが対象となっております。これは大久保病院の医療機能を活用した事業でありまして、新宿区の強い要望で、区の事業として例外的、限定的に実施しているものと認識しております。

○大山委員 例外的、限定的ということなんですけれども、現場は本当に助かっているんです。現在、在宅療養している高齢者が、大体どういうことでその事業を利用することが多いかというと、肺炎か、もしくは夏場は、ことしや去年なんかは結構多かったんですけれども、熱中症ですね。在宅療養している高齢者が肺炎になったり、熱中症で水分管理が必要だけど、その家族も高齢ですと、なかなか在宅でということも困難なんですね。そんなときに、かかりつけ医が必要だと判断すれば入院することができる病院がある。もちろん、大久保病院も必要だと思うわけですよ、重要です。
 私がお話を伺った訪問看護師さんは、在宅療養が難しいのは、急変時の受け入れと介護者の負担なんだと、この制度があるから在宅療養ができているんですと話していました。レスパイトは対象外ですけれども、実質的にレスパイト的なものもあるということでした。今後は、区は、病院とかかりつけ医、それから訪問看護師、ケアマネジャー、保健センターなどと情報を共有して、連携して、さらに充実させていきたいと語っていました。確保病床が各病院一床なんですけれども、二床も提供してくれるのは、病診連携が進んでいるからではないか、こう話していました。この事業をやることによって、さらに病診連携が進んだということなんですね。
 新宿区のこの事業は、区の医師会の要望を受け、区が主導で仕組みをつくったわけですけれども、東京都の病院の役割として、ほかの公社病院や都立病院も、地域の在宅療養患者の緊急時の受け入れの仕組みをつくっていくべきではないでしょうか。

○齊藤経営戦略・再編整備担当部長 先ほどもご答弁させていただきましたが、公社病院や都立病院は、これまでも、在宅療養の患者さんの容体が悪化し、救急医療が必要になった場合、救急受け入れ体制の中で適切に対応しております。

○大山委員 先ほども私もいいましたけれども、一般的な救急だけでは心配だから、医師会の先生たちが、ぜひつくってくれ、こうすれば在宅の療養が安心してできるんです、そういうことでつくったわけですよね。新宿区のような事業を、お隣の文京区だとか中央区でも実施したいと考えているようですよと、新宿区の人がいっていましたけれども、それは、在宅療養患者の入院先を確保したい、入院が必要なときは必ずできるようにしたいということからなんです。
 救急受け入れ体制の中で適切に対応とおっしゃいますけれども、文京区や中央区は病院があれほどたくさんある地域で、でも、在宅療養患者の急変時の入院先に苦労しているということなんじゃないんですか。実態をきちんと把握してからいってもらいたいと思います。在宅療養支援というなら、国立長寿医療研究センターからも学んで、実態を把握して、都立や公社病院が率先して仕組みをつくっていくべきです。
 ことしに入って、高齢のお母さんを介護していた娘さんが先に亡くなって、お母さんも亡くなったケースだとか、障害児のお母さんが先に亡くなって、その子も亡くなってしまったという悲しい事件が続きました。在宅療養支援を位置づけるというなら、介護、看護している人の健康も含めて支援できるようにするべきです。病気や胃瘻などだと、高齢者でもショートステイも難しいわけですね。もちろん、病院経営本部だけではできないことでありますが、今後は、介護者のレスパイトも視野に入れて在宅療養支援を位置づけなければならないということを述べておきます。
 続きまして、脳卒中についてです。
 脳卒中は、脳の血管が詰まる脳梗塞、脳の血管が破れる脳出血などの総称ですけれども、東京では、脳血管疾患の患者数は、二〇〇八年の患者調査では二万六千九百人。そのうち、六十五歳以上の患者が二万二千四百人ですから、高齢者の患者が多いということは明らかです。今後、さらなる高齢化でふえるといわれているわけです。それだけに、都民がいつでも、どこでも、だれでも最良の脳卒中治療を受けられるようにすることが、命を救うと同時に、本人や家族にとっても困難な後遺症を最小限に抑える道です。
 患者調査の数字を見ますと、脳血管疾患の中でも約七五%は脳梗塞の患者です。とりわけ、発症の患者数も多い脳梗塞に対する効果的な治療薬である血栓溶解薬、t-PAが開発され、日本では二〇〇五年十月から医療保険が適用されています。
 t-PA治療の必要性や有効性について、どう認識していますか。

○齊藤経営戦略・再編整備担当部長 お話のありましたt-PA治療、いわゆる血栓溶解療法は、脳梗塞の患者さんに対して適切に使用すれば、劇的な治療効果が期待できる治療法といわれております。ただし、三時間以内に治療を開始しないと効果がないことや、脳血管疾患の既往歴があったり、他の部位でも出血しやすい部分がある場合には、重大な合併症を併発する可能性があるなど、使用方法に十分注意する必要があるというふうにいわれております。
 そのため、この治療法を実施するには、専門的な能力と迅速な検査体制、十分な人員と設備が整備されている必要があると考えております。

○大山委員 t-PA治療について、日本脳卒中学会が患者さんや家族向けにつくった説明書を読みますと、その効果について、米国で行われた臨床実験では、t-PAを使った人の三九%が、三カ月後に障害のない状態にまで回復し、使わなかった人では二六%、三カ月以内の死亡率は一七%、使わなかった人は二一%でした、日本の全国調査(二〇〇五年から二〇〇七年)では、t-PAを使った人の三三%が障害のない状態にまで回復し、死亡率は一三%でした、ただし、脳のCTやMRIで脳梗塞による変化が強くあらわれている人や血圧や血糖の調節が困難な人などは、副作用の危険が高くなるため、t-PAを使わない場合がありますとなっています。先ほどの答弁のように、劇的な治療効果が期待できるわけですね。
 また、副作用については、最も多い副作用は出血です、その程度はさまざまですが、特に、出血性脳梗塞などの頭蓋内出血に注意する必要がありますと、こう説明しています。障害を残さない状態にまで回復すると同時に、使うときには、専門的で熟練された判断が必要だということですね。
 日本脳卒中学会が、最新の知見や、薬や機器の承認が相次ぎ、ことし八月三十一日から、発症四・五時間までのアルテプラーゼ療法の保険適用が可能になったことを踏まえて、十月に発行したアルテプラーゼ静注療法適正治療指針第二版では、発症後四・五時間以内に対して行うこと、しかし、治療が早いほど良好な転帰が期待できるから、患者が来院した後、少しでも早く、遅くとも一時間以内にアルテプラーゼ静注療法を始めることが望ましいとなっています。ですから、先ほどご答弁されたように、時間が勝負になるということですね。
 日本脳卒中協会のホームページには、t-PA治療を行っている医療機関の検索というのがあります。この検索システムの目的として、残念ながら、我が国では今のところ、ごく一部の患者さん、脳梗塞患者の二%しか、この有効な新しい治療を受けていないのが現状です、この治療は発症三時間以内に開始しなければなりません、つまり、発症二時間以内にt-PA治療を直ちに実施できる医療機関に到着する必要がありますが、間に合う患者さんが少ないのです、こうなっています。
 t-PA治療を実施できない患者さんもいますけれども、t-PA治療ができる患者さんについては、時間が過ぎてしまって実施できなかったということを最小限にする体制整備が必要だと思いますけれども、どうですか。

○齊藤経営戦略・再編整備担当部長 都では、福祉保健局が東京都脳卒中医療連携協議会を設置しまして、都全域を視野に入れた、脳卒中に関するさまざまな施策を推進し、速やかな搬送先の調整と受け入れ体制の確保等について、既に体制整備を進めております。

○大山委員 はっきり、ストレートにはおっしゃいませんけれども、結局、時間が間に合わなくてできなかったということがないようにするために、さまざまな施策を推進して、体制整備を進めているということですよね。
 荏原病院のホームページを見ますと、荏原病院というのは、都立病院の時代からt-PA治療を実施していますよね。ホームページでは、こう書いてあります。脳卒中発生に対して、専門医療スタッフが専用電話を携帯して、救急隊や連携医療機関からの要請受け入れのため二十四時間体制で待機していること、救急室に運び込まれた患者さんは、専門医による診察の後、直ちに放射線科で最新機器を駆使して、診断プログラムによる病巣診断、病態診断を行いますと、それで、時間との勝負となる血栓溶解療法、t-PAを初めとする超急性期治療を速やかに選定し開始しますと。時間が勝負だから、可及的速やかに対応できるようになっているんですということが書かれています。
 こうした受け入れ体制を、都民がどこに住んでいても整備することが求められています。もちろん、都立や公社病院だけでできることではありませんから、都内の病院で連携をとるというのは必要不可欠です。しかし、都立や公社病院が率先して実施していくことが求められています。都立病院や公社病院でのt-PA治療体制はどうなっていますか。

○齊藤経営戦略・再編整備担当部長 都立では、広尾、大塚、墨東、多摩総合の四つの総合病院が、公社では、東部、多摩南部、大久保、多摩北部、荏原、豊島の六つの病院がt-PA治療に対応しており、東京都脳卒中急性期医療機関リストにも登録されております。

○大山委員 都立の四つの総合病院と公社の六病院がt-PA治療に対応しているということなんですが、脳卒中は、平日の日中を選んで起こってくるわけではありませんから、二十四時間三百六十五日の受け入れが重要なわけですね。
 二十四時間三百六十五日の体制で実施できているのは、広尾、墨東、多摩総合、荏原病院ですね。大塚病院は、月、水、金は二十四時間ですけれど、火曜、木曜は日中だけ。大久保病院は、月曜から金曜日は二十四時間ですけれども、土曜日は日中のみ。豊島病院は、日曜日から金曜日は二十四時間、水曜日は日中のみ。東部地域病院と多摩北部医療センターは、月曜から金曜の日中のみ。多摩南部地域病院は、月曜と金曜の日中のみということですね。
 例えば、せっかくt-PA治療があるんですけれども、月曜と金曜の日中のみしかt-PA治療を実施できない多摩南部地域病院、この病院がある南多摩二次医療圏には、さっきから出ている脳卒中の連携の病院のリストでは、t-PA治療を実施できる病院は九カ所となっています。
 人口が南多摩医療圏よりも少し少ないんですけれども、区西南部二次医療圏、ここは、t-PA治療ができる病院は十三カ所あるんですね。面積で見ますと、南多摩医療圏は、今、十三カ所あるといった区西南部医療圏の三・七倍大きいんです。
 都立病院がない地域の公社病院ですから、行政的医療である救急医療に役割を果たす必要があるわけですが、どう認識していますか。

○齊藤経営戦略・再編整備担当部長 多摩南部地域病院は、地域の中核的な病院として二次救急に対応しております。
 脳卒中につきましては、既に都で、脳卒中急性期医療機関の認定基準を定めまして、患者さんの発生時にt-PA治療が可能かどうかを消防庁の救急端末に表示できるようにするなど、速やかな搬送先の調整と受け入れ体制の確保に向けた取り組みも進んでおります。
 こうした取り組みの中で、公社病院も可能な限りの対応を既に実施しているところでございます。

○大山委員 面積が三・七倍広いところに、t-PA治療ができるところが九カ所、しかも、月曜日と金曜日の日中しかできないところも含めて九カ所ですよね。可能な限りの対応をしていくということなんですけれども、病院に到着する時間が発症から二時間以内でぎりぎりなんですよね。そのためには、網の目を細かくすることが必要です。一般的に可能な限りではなくて、地域の医療資源の不足を把握して積極的に取り組んでもらいたいと思います。
 健康科学総合研究事業で、脳卒中・心筋梗塞罹患率の推移とADL低下状況に関する研究というのがあって、鈴木一夫秋田県立脳血管研究センター疫学研究部長の推計では、脳卒中患者数は、二〇二〇年までに増加が続いて二百六十四万人に達し、とりわけ全介助を要する方は二〇三〇年までふえ続け、その後は緩やかに減少していく、こう書いています。
 今後もまだまだ医療体制の拡充が求められているわけですね。ですから、今だってもうやっているんだということですけれども、さらなる拡充が、網の目をもっと細かくすることが、面的にきちんと実施することが求められているわけです。
 都内の連携体制をとることは欠かせません。そのためにも、都立や公社病院が率先して実施できる体制を整えることが重要です。都立病院、公社病院は、どこでも二十四時間三百六十五日実施できる体制を計画的に整えることが求められていますけれども、どうですか。

○齊藤経営戦略・再編整備担当部長 先ほどもご答弁申し上げましたように、都では、東京都脳卒中医療連携協議会を設置しまして、脳卒中に対応するためのさまざまな施策を推進しております。
 t-PA治療も含め、脳卒中を発症した患者さんが速やかに適切な急性期の治療を受けられるような仕組みづくりを行うなど、提供体制は整いつつあります。都立病院、公社病院は、そのような仕組みの中で役割を果たしております。

○大山委員 何でもかんでも、あれもこれもやれといっているわけではなくて、行政的な医療として--とりわけ脳卒中の場合は、時間がたつほど脳の機能は失われるということなんですよね。だから、都立や公社病院の役割は大きいんじゃないんですかということなんです。
 脳卒中では、発症直後の集中治療を行う脳卒中ケアユニット、SCUだとか、準急性期の診療を行う脳卒中ユニット、SUなどの施設と、チーム医療が重要だと思いますけれども、SCUやSUの役割、重要性をどう考えているでしょうか。

○齊藤経営戦略・再編整備担当部長 SU、SCUは、専門の医師、看護師、理学療法士などのチームにより脳卒中の総合的な医療を行う病床であり、集中的に脳卒中治療に当たっております。
 脳卒中治療は、必ずしもSU、SCUでなければできないものではなく、SU、SCUを有していない病院も、ICUまたは一般病棟の中で対応しております。

○大山委員 ICUだとか一般病床でも、チーム医療ができるんですよということですよね。
 また出しますけれども、荏原病院のホームページには、通常の患者さんは直ちにSU(六床)に入院して、神経内科医または脳神経外科医と専門看護スタッフによる急性期専門治療が開始されます、同時に、リハビリ科各種療法士による治療も速やかに開始されます、SUでの治療により急性期を脱し、病状が安定した患者さんは、神経内科または脳神経外科の一般病棟に移動し、リハビリを続けるとともに、再発予防のための治療方針や社会復帰、家庭生活支援を含めた今後の治療方針を立てますというように、治療とその後のリハビリを専門職のチームで行って、障害も最小限にできるように、退院後の生活の質をなるべく落とさないようにするためには非常に重要なSUであり、SCUだと思いますけれども、都立病院、公社病院のSUとSCUの設置状況というのはどうなっていますか。

○齊藤経営戦略・再編整備担当部長 まず、SCUですが、多摩総合医療センター及び荏原病院に設置されております。
 SUにつきましては、墨東病院、大久保病院、豊島病院に設置されております。

○大山委員 ICUなどでも対応できるんだということなんですけれども、脳卒中専門のSU及びSCUは、都立病院は二カ所、公社病院は三カ所にしかないということなんですね。脳卒中でのチーム医療ができるSUやSCUの体制を都立病院や公社病院で整えることが求められていますが、どうでしょうか。

○齊藤経営戦略・再編整備担当部長 都立、公社の各病院は、それぞれが特色を持った医療の提供を行っておりまして、各病院の医療機能を最大限に活用しながら、都民の皆様に適切な医療を提供していくべきものと考えております。
 SCUにつきましては、先ほどご答弁申し上げましたとおり、脳卒中治療は、必ずしもSU、SCUでなければできないものではなく、SU、SCUを有していない病院も、ICUまたは一般病棟の中で対応しております。

○大山委員 後遺症をなるべく少なくする、それから、きちんと生活のADLを上げていくということでも、やはり重要なSUやSCUですから、もちろんICUでも対応できるんだということなんですけれども、やはり急性期というか、ちゃんと、脳卒中の人たちにきちんと集中的にチーム医療で対応できるというSU、それからSCUの、引き続き計画的な整備を求めておきます。
 それで、最後ですけれども、在宅医療支援も、それから行政的医療についても、都立病院経営委員会報告とも関連することですね。今後の都立病院のマスタープランと呼ぶのかどうかわかりませんけれど、経営委員会報告を受けての行政計画について、先ほどからのやりとりで、今年度じゅうに策定する予定なんだということなんですけれども、ちょっと幾つか確認しておきたいと思います。
 これまでの都立病院改革マスタープラン、それから都立病院改革実行プログラム、第二次都立病院改革実行プログラム、これらによって、三小児病院の廃止を初め、都立病院の統廃合、PFI、公社化などが進められてきました。さらに、都立病院の独立行政法人化などは、やめてほしいと多くの都民の方々が願っています。それだけに、都民は、都立病院が今後どうなるのか注目しています。都民だとか、それから職員の意見を反映させた計画にすることが求められているわけですけれども、どのように意見を聞いて反映させようとしているんでしょうか。

○齊藤経営戦略・再編整備担当部長 次期計画の策定に当たりましては、各病院の院長を初め、各病院のスタッフとの調整を行っております。
 また、都民の皆様へのアンケートも実施する予定でございます。

○大山委員 最前線で都民の皆さんと接している現場の職員の意見を反映させるということは重要ですから、今おっしゃったように、きちんと反映できるものにしてもらいたいと思います。
 都民の皆さんに対してはアンケートを実施するということなんですけれども、都立病院に何を望んでいるのかというのを調査するというのは重要ですし、それを反映させることも必要だと思っています。
 都民に対するアンケートというのをぜひやってもらいたいわけですけれども、それだけではなくて、具体的な計画の案に対する都民の意見をきちんと聞くべきです。せめてパブリックコメントを募集して、それらの意見を反映できるようにするべきですが、どうですか。

○齊藤経営戦略・再編整備担当部長 パブリックコメントという形式ではございませんが、次期計画の策定に当たりまして、都民の皆様のご意見を伺うべく、都民アンケートを実施することとしてございます。

○大山委員 そのパブリックコメントという形ではないけれども、アンケートをするというのは、例えばどういう内容でアンケートをするんですか。

○齊藤経営戦略・再編整備担当部長 まだ内容については精査中でございますが、都立病院に対する要望ですとか、あるいは、今後、都立病院に対してどのような医療を望むのかというようなことを、一般的に都民の皆様から広く意見を伺う予定でございます。

○大山委員 今おっしゃったように、都立病院に対して、都民の皆さんがどういうことを望んでいるのかというのをきちんと把握する、アンケート調査をするというのは、これはこれで重要なことですから、どうぞやってください。と同時に、その具体的な案について、都民の皆さんがこの間、やっぱり病院を残してほしい、それから小児病院も残してほしいということをいい続けてきたけれども、実施されてしまったわけですけれども、やはりそういう行政計画ですけれども、案の段階で、一般的な調査もするし、それから、きちんと、せめて都民のパブリックコメントぐらいしてほしいと思います。
 と同時に、今年度いっぱいに計画をつくるとなれば、第一回定例会には、きちんと議会にも案を報告して、質疑できるように、必ず質疑できるように要望しておきます。
 以上です。

○岡田委員 私からは、島しょ医療についてお伺いいたします。
 島しょ医療については、地理的な条件などの制約から医療の確保が困難な町村に、医師確保のための取り組みや診療支援などを、福祉保健局が中心となって行っているところであります。
 私たち会派の島しょ振興調査議員連では、毎年、伊豆諸島を視察しておりますが、ことしも六月二十五日から二十八日にかけて、三宅島、御蔵島、八丈島を訪問し、診療所等、各施設を視察してまいりました。
 そうした島々の皆様から耳にいたしますのは、医師が不足している、特に産科医師や外科の医師が常駐してくれたらどんなによいかなどといった言葉で、島しょ地域の住民の方々は、本土で受けられるような高度で専門的な医療体制を望んでおられます。また、救急医療体制の確保も同時に望んでおられます。
 都では、広尾病院を島しょ基幹病院として位置づけ、重点医療に掲げています。
 そこで、広尾病院における島しょからの入院と外来の受け入れ患者数についてはどのようになっているでしょうか。また、救急患者数はどの程度あるのでしょうか。平成二十三年度の状況についてお伺いいたします。

○齊藤経営戦略・再編整備担当部長 広尾病院において、平成二十三年度に島しょから入院された患者さんの数は千百九十三人で、比率にしますと、入院された患者さん全体の約一一%を占めております。
 外来の患者さんの数は、ワンデイ調査の結果ですが、一日十六人程度となってございます。
 また、広尾病院において、平成二十三年度に島しょから救急で搬送された患者さんの数は二百六十二人となっております。

○岡田委員 島しょからの救急患者の受け入れは民間病院もしており、平成二十三年度では島しょ全体で三百四十四人の救急搬送があり、都立病院及び公社病院はその八五%を受け入れていると伺っております。
 また、都立病院及び公社病院で受け入れた島しょ救急患者のうち、九〇%は広尾病院に搬送されているとのことですし、まさに広尾病院が島しょ医療の拠点となっていることがうかがえます。私の知り合いも新島から搬送され、広尾病院に運ばれ、治療を受けていたことがございます。
 島しょからの救急搬送については、東京消防庁のヘリコプターや、一千キロ以上も離れた小笠原諸島などは、海上自衛隊の協力を得ているとも伺っております。
 平成二十年に赤坂プレスセンターヘリポートの緊急時使用の運用が開始し、東京ヘリポートと広尾病院の屋上ヘリポート以外にも、新たな救急搬送ルートができ上がりました。
 そこで、島しょから多くの患者を受け入れている広尾病院の救急搬送患者の受け入れはどのようになっているでしょうか。ヘリコプターによる搬送件数なども含めてお伺いいたします。

○齊藤経営戦略・再編整備担当部長 患者さんの状況、離着陸の際の天候やヘリポートの状況に応じ、着陸するヘリポートが異なりますが、平成二十三年度における広尾病院への島しょからの患者さんの救急搬送は、新木場にある東京ヘリポートを経由して救急車で搬送されるケースが百三件、赤坂プレスセンターヘリポートを経由したケースが八十三件、広尾病院の屋上ヘリポートを直接利用するケースが十九件となっております。
 また、夜間時に島しょから救急搬送される患者さんの受け入れ体制を強化するため、広尾病院では、近隣住民の方々の同意をいただき、平成二十年三月から、夜間も含めた二十四時間の屋上ヘリポートの運用を行っております。
 ヘリコプターを利用した救急搬送を行う場合には、患者さんの救命を第一に、搭乗員の安全の確保や近隣住民の皆様の理解などが必要でございまして、多くの関係機関との協力と連携を図り、救急の患者さんの身体状態に最適な受け入れを行っております。

○岡田委員 島しょ地区からの救急患者の受け入れ体制の強化、充実を図るため、多くの関係機関が協力していることがわかりました。また、一人の患者の命を救うために、多くの関係者や医療従事者の大変なご苦労、ご尽力があることもわかりました。
 さて、島しょ地区における病院や診療所の医療従事者の確保も重要な問題であります。
 福祉保健局では、医師確保のため、自治医科大学における医師の養成や卒業医師の派遣、島しょや山間地域での求職希望者の登録事業として東京都へき地医療支援機構無料職業紹介事業所を設置して、医師の確保を支援しています。
 また、僻地勤務医師等確保事業における医師等の派遣では、民間病院や都立病院も協力していると伺っております。
 そこでお伺いいたします。都立病院は、島しょ地域の医療機関へ、医師などの支援をどのように行っているのでしょうか。

○齊藤経営戦略・再編整備担当部長 福祉保健局が実施している僻地勤務医師等確保事業による医師等の派遣は、僻地の町村長からの要請に基づき派遣するものです。
 都立病院では、平成二十四年度、新島村本村診療所へ一名、三宅村中央診療所へ一名、原則三カ月交代で派遣を行っております。
 また、島しょにおける診療所の常勤医師が休暇などで一時的に不在となることを回避するため、医師の短期または臨時派遣の要請が僻地の町村長からあった場合、都立病院及び自治医大卒業医師等が派遣に応じており、平成二十三年度の都立病院からの臨時派遣の実績は、延べ二百四十八人となっております。

○岡田委員 ありがとうございました。島しょ地区の医師を切れ目なく提供することは大変な調整があると思われます。引き続き、医師の派遣を継続するためにご尽力をお願いいたします。
 次に、遠く離れた場所でも専門医などの医師の支援を行う遠隔診断支援が、沖縄県などでは行われているという報道をよく耳にします。NHKの番組でも紹介されていたのを、私も見たことがございます。
 そこで、広尾病院に設置してある画像伝送装置はどのように活用されているのかをお伺いいたします。

○齊藤経営戦略・再編整備担当部長 お話のありました画像伝送装置とは、島しょ地域の診療所等の機能を充実させるため、広尾病院と島しょ地域の十一医療機関を専用回線で接続し、島しょ地域の診療所で撮影したエックス線写真やCTなどの画像を島しょ側から送信し、広尾病院の医師との間で情報交換することによりまして、離島診療所等の診療活動を支援するものでございます。
 これによりまして、患者さんが島にいながらにして専門医の診断が受けられるとともに、島の医師も助言が受けられ、また、事前に初期の診断を可能とすることから、救急搬送時においても、重篤な患者さんに対しても速やかな対応ができるメリットがあります。
 このシステムは、福祉保健局により平成六年に導入されて以来、随時、機器の更新が行われており、その精度を高めております。
 具体的には、平成二十三年八月の小笠原村への光回線の開通など、環境の変化や技術の進歩などにより高精細な画像が受電できるようになり、より一層精度の高い診断が可能となりました。
 なお、平成二十三年度における広尾病院の画像受け付け件数は七百四十九件で、前年度に比べ一・七倍となっております。

○岡田委員 島をつなぐ通信回線が飛躍的に改善されたことで、高精細な画像が多く送受信できるようになったことで診断精度が向上し、さらに画像受け付け件数も二倍近くになったということです。通信機器の進歩があるとはいえ、広尾病院が島しょ医療を重点医療として取り組んでいる実態がよくわかりました。
 島で暮らす方々が、いながらにして高度な医療支援を受けられることは、住民の安心、疾病の早期発見や、派遣されている医師にも心強い味方となることと思います。
 現在、島しょの人口は二万八千人とわずかですが、これからは高齢化が進み、医療への期待はますます高まることと思われます。今後も、さまざまな形で島しょ医療確保のためご尽力いただきますよう要望いたしまして、質問を終わります。

○三原委員 せんだって、福祉保健局のときに、認知症対応について伺いました。そのときにも申し上げたんですけど、本席で認知症罹患に一番近いのは私なものですから、熱心に質問させていただきたいと、こう思います。
 先ほど来の委員の先生方の質問にもありましたけど、これから少子高齢化社会がどんどん進んでいくわけで、数字も、平成二十三年ごろが約二百六十万人ぐらいの都内の高齢者がおられるのが、十四、五年たつと三百五十万人ぐらいになるというようなデータも出ていますし、さらに、それから十年ぐらいたつと、もっとふえて三百九十万、四百万というようになるだろうと、こういうふうにいわれています。
 それで、先ほど来、ご質問の中にもありましたけれども、都立病院は、おのおのの病院に特徴を持たせて、特に駒込病院などは、がん対策ということで非常に力を入れておられて、効果が大変出ていると思います。
 朝日新聞だったと思いますけど、各都道府県の中心的ながんセンターの五年生存率というようなのを発表しましたけど、駒込病院は、たしか乳がんが九一%、大腸がんなら七二%、子宮頸がんなら六五%強と、いずれも四十七都道府県の中心的ながん医療センターの中でもトップクラスの治療実績を上げているということが出ておりまして、これは行政の皆さん方のご努力、そして、お医者さん方の研究や技術の錬磨の成果だろうと思いまして、大変ありがたいことで、心から敬意を表しておきたいと、こう思います。
 そういうことで、高齢者の三大疾患というと、がんと心臓と脳血管ということですが、これらがだんだん医学的にも、それから行政の力もあって、治癒力が非常に高くなって、そう心配は要らないと。かかっても対応ができると。
 先ほど、脳血管の治療についてのご質問もありましたけど、こういうのがだんだん進んで、例えば昔は、お医者さんからがんと宣告されたら、頭が真っ白になって、もうどうしていいかわからなくなったというような話を聞いたり、物の本で読んだんですけど、今、がんということをお医者様からいわれても、頭が真っ白になって、どうしようもないということではなくて、これは適切な治療を受ければ回復する可能性があるからというので、そんなにご心配ないといういい方は失礼かもしれませんけど、それぐらいになってきていると思うんですね。
 だけれども、そういうふうに高齢者の三大疾患、あるいは糖尿病なんか入れて四大疾患というようないい方もされていますけど、こういうものが医学的に解決される、治癒するというふうになってきても、最終的に高齢者の方は認知症にはかかるということが残っているというような気がするんです。
 もちろん、これから認知症の医学がどんどん進んでくれば、治療方法もあるでしょうし、認知症から完全に奪還することもできるんではないかと、こう思います。ただ、これからどういうふうに進むんだろうかという想像ですけれども、平成二十三年には高齢者の中で三十二万人ぐらい、これが十四、五年たった平成三十七年の予測では五十二万人、こういうことですから、十四、五年で高齢者が百万人ふえて、そのうちの二十万人は認知症になられる方がふえてくると、こういうことだと思いますので、これはかなり認知症についてしっかりと行政が対応していく必要があるんではないかというふうに思っています。
 今申し上げた認知症の数ですけれども、平成二十三年が三十二万人というのも、多分、鑑別診断を受けられた方、さらには介護支援を受けておられる方等で、かなり認知症としてきちっと把握ができている方の数と、それに基づいた予測ということになっていると思うんですけど、実は一番ネックなのは、認知症の場合は初期診断がなかなかうまくスタートしない。
 ほかの疾患ですと、症状が出れば、もう待ったなしで病院に行くという気持ちになりますけど、認知症の場合は、まずご本人が認知症になっているという感覚が余りないんだろうと思いますし、家族も余り認知症と思いたくないような部分もありますから、初期診断が一番ネックになっているという気がいたします。
 それにしても、とにかく認知症の診断に力を入れていかなきゃいけないということは、もういうまでもないことで、先ほど来、話題に出ている、ことしの九月の都立病院経営委員会の、今後の都立病院のあり方というのにもいろいろと出ていますが、認知症のことにかなりウエートがあるなという気がします。
 例えば、医療環境の変化というところを見ると、十年前と比較して精神疾患は大幅に増加しますと。それから、認知症症状の高齢者がふえますと。さらに、高齢者の精神疾患に対応する救急医療がどんどんふえて、例えば認知症患者を搬送したというようなのが、平成二十二年の分析でも一〇・七%ある。十人に一人は認知症患者を救急車が搬送していると、こういうようなことも書いてあります。
 したがって、今後の都立病院のあり方は、先ほど来、質問に出ていましたけれども、行政医療をしっかり提供していくということが中心ですけれども、その中に、増加が見込まれる認知症患者への医療の提供が必要だということをきっちりとうたっていますので、これは都立病院あるいは公社病院が、これから先に向かって認知症医療対応をかなり進めなきゃいけませんよということが、この報告書には入っているという気がするんです。そこで、都立病院における認知症の診療対応等を伺いたいと思うんです。
 福祉保健局にも、この認知症対応のことを聞いたんですけど、福祉保健局は、いうならば医療の中の一部分の認知症を、社会全体でどう支援するかというイメージが強くて、やっぱり現場を直接持っていないという感じがするなという気がしました。
 病院経営本部は、認知症を診察する現場を持っているわけですので、そこで、松沢病院などは認知症疾患医療センターに指定されたり、荏原病院もそうですね、なっていますけど、まず、今、都立病院がどういう体制で認知症診断を進めているかをお伺いします。

○和賀井経営企画部長 都立病院におけます認知症の診療についてでございますが、先生お話しの松沢病院では、東京都認知症疾患医療センターに指定されておりまして、その中で物忘れ外来を開設し、精神科及び神経内科の認知症の専門医が、週四日、計八枠での診察を行っております。
 物忘れ外来は、患者、家族の負担軽減のため、初診日にワンストップで、専門医による診察、それから臨床心理士による心理検査、MRIまたはCTを用いました画像診断をすべて実施いたしまして、認知症の鑑別診断を行っております。その結果、入院が必要だというふうな診断が下った場合には、認知症専門の病棟において入院診療を行っております。
 認知症におきましては、先生お話しのとおり、他の疾患と同様に早期発見、早期治療が重要であるために、松沢病院では、一般の方や地域の医療機関向けの講演会を広く実施いたしまして、認知症に関する啓発活動も行っておるところでございます。
 また、その他の都立病院では、具体的には広尾、大塚、駒込、墨東及び多摩総合医療センターでございますが、認知症の専門医または神経内科の医師などが内科等の外来にて診察をし、症状に応じて継続診察や返送、逆紹介を行っております。
 精神科の病床を有します広尾病院、墨東病院及び多摩総合医療センターでは、必要に応じて入院診療を行っておりますけれども、精神科の病床を有しません大塚病院及び駒込病院では、他の医療機関を紹介しております。

○三原委員 それじゃ、もう一つ、公社病院についても同様に、どういう形で認知症についての診断体制をとっておられるか、お伺いします。

○和賀井経営企画部長 公社病院におきましては、これも先ほど先生からお話がありました荏原病院が東京都認知症疾患医療センターに指定されておりまして、認知症の鑑別診断、医療福祉相談、他の医療機関等との連携活動を行っております。
 荏原病院での物忘れ外来は、精神科医または神経内科医が診察を行っておりまして、土日を除きます毎日、週十枠を設定しております。
 物忘れ外来では、まず、精神保健福祉士が相談を受けまして、患者、家族の話を受けとめた上で診療に結びつけたり、関係機関を紹介するなど、ニーズに応じた対応を行っております。
 鑑別診断は、専門医による診断、臨床心理士による心理検査、MRIまたはCTを用いた画像診断で行いまして、鑑別診断後は、適切な処方薬等を指示してかかりつけ医に戻しております。また、入院が必要な場合には、他の専門医療機関を紹介しているところでございます。
 さらに、近隣の医療機関や地域の医師会、地元区などの委員から成ります連携協議会を設置いたしまして、今後の認知症対策の展開について検討も行っております。
 その他の公社病院でも、例えば、豊島病院や多摩北部医療センターでは、認知症専門医または神経内科の医師などが外来で診療に当たっておりまして、必要に応じまして他の医療機関への紹介を行っております。

○三原委員 都立病院は松沢病院がセンターに指定され、公社病院は荏原病院がセンターに指定されているということで、そこでは成果が上がっているだろうと思いますが、他の都立病院や公社病院は精神科で診察を受けるというだけのようでございますし、その結果が出てからまたいろいろあると思いますけれども、先ほど申し上げたように、早期受診というのが認知症の場合はなかなか難しいというのは、私自身でもわかりますし、あるいはまちのお医者さんに聞いてもそのようです。
 例えば、頭が痛いとか、おなかが痛いとかというのは、もうこれは医者に行かなきゃというふうにみずからなりますけれども、いわゆる認知症の症状、どういう形のものが出るかわかりませんけど、いろいろありますが、そういうのを本人が自覚していないので、なかなかお医者さんにかかろうと思わないし、家族もなかなか、それで説得をして連れていくというのは難しい。受診拒否患者さんみたいなのは、潜在的にはかなりあるような気がするんですね。
 そこで、受診すると、今お話あったように精神科が窓口になるわけですけど、どうも精神科を受診するということには、私を含めて、私世代の高齢者にはなかなか抵抗感があるわけで、物忘れ外来というお話が出ましたけれども、松沢病院や荏原病院に物忘れ外来があるとすれば、ほかの都立病院や公社病院にも物忘れ外来という形で受診できるようなセクションがあれば、本人も、あるいは家族も比較的連れていきやすいのではないかと、こう思います。
 もちろん、今の認知症対応の基本的なステップは、近所のかかりつけ医に診てもらって、そのかかりつけ医の人が認知症対応力向上研修を受けておられれば、さらには、そうでなくてもサポート医というのがおられるので、その人と相談をして、そして地域の精神科のある病院、あるいはまた、指定されたセンターにつないでいくというシステムにはなっているんですけど、かかりつけ医の人が、認知症対応力向上研修を受けたお医者さんかどうかって全然わからないですよね。まさかお医者さんに、先生、認知症のことについてわかりますかというようなことは聞けませんから、患者側は。それも形としては非常にうまくできているんですけど、運用がどうもうまくいっていないんではないかなと私は推測しているんですね。
 ですから、物忘れ外来という言葉が使われているんですから、都立や公社病院ではそういうものを副称のようにつけて、精神科を受診するというんではなくて、物忘れ外来に行って診てもらうという、軽いイメージといういい方は失礼かもしれませんけど、心安く行きやすいという感じのものになれば、もっとそういう診療成果が上がってくるという気がします。
 早期対応になれば、完全な治癒は無理でも、軽くしていくとか、初期症状を持続させて余り悪くさせないという方法はあるやに聞いていますので、その辺は都立病院として、あるいは公社病院としてもどうでしょうか。お考えを聞かせてください。

○塚田病院経営本部長 認知症に関しましては、お話のように早期対応が重要であるというふうに認識しております。
 認知症対策に関しましては、「今後の認知症施策の方向性について」をもとに、ことしの九月、国は、認知症施策推進五か年計画、いわゆるオレンジプランを策定いたしまして、早期診断、早期対応や、地域での生活を支える医療サービスの構築など、具体的な取り組みが示されました。
 現在、都におきましては、民間病院を含めまして、東京都認知症疾患医療センターを圏域ごとに定め、地域医療機関との連携や医師の研修などを通じて、地域医療における認知症対応力を向上させる対応を講じているところでございます。
 都立、公社病院につきましては、認知症患者のケアに関して医療サービスを提供する立場といたしまして、東京都認知症疾患医療センターである松沢病院及び荏原病院を中心に認知症医療を提供しております。
 今後は、都立病院経営委員会から提言された認知症への対応や、ただいまお話のございましたことを含めまして、国の動向の把握や福祉保健局との調整を踏まえ、地域医療機関や保健所等の関係機関との役割分担など、さらなる検討を進めてまいります。

○三原委員 本部長がご答弁いただいて恐縮です。そのご決断は承りましたが、物忘れ外来というような名称を使うのが是か非かという議論もあると思いますけど、先ほど申し上げたように、まちのかかりつけ医が認知症についてどういう認識を持っておられるかというのが、我々一般の患者側からわからないんですよ。だから、福祉保健局と相談して、まちのかかりつけ医も認知症対応ができるのならば、認知症受診の相談承りますみたいないい方でもいいですから、わかるようにしてもらえれば、内科だったり、あるいは呼吸器科だったり、あるいは消化器科だったりというようなところに我々はかかっていますから、あるいは整形外科もあるかもしれません。そういうところにかかっているんですから、認知症のことの研修を受けた先生は、そういうふうに記してくれれば、先生、認知症のことわかりますかというようなことを聞かなくても、逆に、認知症も診てくださいよというふうにいえるわけですし、まず、そういう窓口をしっかりするということが一つ。
 それから、今お話の中で、医師会との関係だとか、医療法との関係があるように聞いていますけれども、例えば、物忘れ外来という言葉が使いづらいとしても、確かに医療法上そういう名称はないのかもしれませんけど、例えば我々がしょっちゅう目にするのに、ペインクリニックってありますね。これは神経系の病気を診察するんでしょうけど、それ専門ということですね。
 それから、最近、非常によく耳にしますけれど、心療内科というのがあります。これも医療法上どういう--内科の分野ですけど、心療内科という科目表示はないのかなと。先ほどのきょうの資料を見ても、内科にはこういうのを含んでいますと書いてありますけど、心療内科があるとは書いていないですね。だから、あの心療内科というのは、やっぱり物忘れ外来と同じで通称名称というか、特別な呼称なんだろうと思うんですけどね。でも、それは、心で悩んでいる人、例えばノイローゼだとか何とかというような人が、心療内科へきっと相談に行くんだと思うんですけど、心療内科と書いてあると、そういう方がかかりやすいですよね。精神科ではちょっとかかりづらいんだと思うんですよ。
 だから、そういうことも踏まえて、この名称をどうするか、これはぜひ真剣に考えていただいて、もちろん福祉保健局、あるいは医師会、あるいは法律上の問題があればそういう、厚生労働省もあるでしょうし、ぜひ認知症対応が進んで、かつ高齢者がそうなったときに積極的に受診しやすい窓口を開いてもらいたいと思います。今、答えを出してもらうことじゃありませんから、まだまだ、これから何度もこういう議論をする機会はありますので、ぜひご検討いただいて、一歩でも前進するように対応をとっていただくことをお願いして、質問を終わります。ありがとうございました。

○加藤委員 まず初めに、先ほどもやりとりがありましたけれども、今年度が計画に定められました最終年度となっています第二次都立病院改革実行プログラムについて伺います。
 この計画では、再編整備などハード面の整備を着実に進めるとともに、ソフト面にも重点を置いた都立病院改革を推進することを基本的な考え方にしております。
 ハード面の再編整備については、都立の小児三病院を移転統合した小児総合医療センターを初め、多摩総合医療センター、駒込病院、松沢病院が順次開設をしています。
 では、ソフト面では、掲げた目標が達成されているのか確認をしていきたいと思います。また、東京の医療課題に対する都立病院の取り組みはどうであったのかも重要な視点であります。
 病院事業は人即事業でもあり、ソフト面での核となるのは人であるため、優秀な医療人材を着実に確保し、育成していくことが重要であります。
 そこで、都立病院の使命として行政的医療ということが挙げられますが、その行政的医療の中心ともいえる東京ERとして強化拡充を図ってきた都立病院の救急医療がどのように強化されたのかを伺います。

○齊藤経営戦略・再編整備担当部長 都立病院の救急医療は、主に三次救急医療、休日・全夜間診療を含む二次救急医療として救急対応を行っております。
 特に、救命救急を担っている東京ERでは、地域特性を踏まえた診療体制を図るため、広尾病院、墨東病院、多摩総合医療センターで、来院時のトリアージ機能を強化して、患者さんの状況に応じた適切な医療が得られるよう体制の強化を行いました。
 再編整備が行われました小児総合医療センターでは、小児の救命救急や重症の患者さんに対応する拠点として、小児救急医療体制を強化いたしました。
 都立病院における救急の患者さんの数は、平成二十三年度では十七万五千七百三十一人、一日当たり約四百八十人を受け入れております。

○加藤委員 救急患者への対応は、超高齢社会を迎え、ひとり暮らしの高齢者や精神疾患患者への対応など、困難事例が増加していると聞いています。
 今後も、都民の安心・安全を支える救急医療体制の充実を図ってもらいたいと思います。
 次に、全国的に、産科医師の不足から、周産期医療機能が低下した時期がありました。そういう中で、都立病院は、さまざまな工夫をして危機を乗り切ったと聞いております。第二次都立病院改革実行プログラムでは、周産期医療についても強化するとされています。
 そこで、都立病院の周産期医療はどのように強化され、その実績はどうだったのか伺います。

○齊藤経営戦略・再編整備担当部長 平成二十三年度の都立病院の分娩数は三千五百四十一件、同様に、NICUの延べ患者数は一万九千百八十五人であり、第二次都立病院改革実行プログラムの初年度となる平成二十年度と比較をいたしますと、分娩数で九百六件、NICUの延べ患者数で五千四百九十人増加しております。
 第二次都立病院改革実行プログラムの期間中に、大塚病院と墨東病院ではNICUの増床を図りまして、多摩総合医療センターと小児総合医療センターは再編整備により機能強化を図りました。
 これらの病院は、母体と胎児におけるリスクの高い妊娠に対する医療や、高度な新生児医療を提供する総合周産期母子医療センターに指定されておりまして、平成二十三年度の実績で申しますと、ハイリスク分娩が七百四十四件、帝王切開が九百三十一件、多胎妊娠分娩百十四件、母体搬送受け入れが五百二十九件となっております。

○加藤委員 今、答弁されたのは、本日の資料にも、分娩件数、NICU受け入れ件数が示されていますけれども、実行プログラムで着実に増加し、強化されていることがうかがえます。
 平成二十年の十月、残念なことに、いわゆるたらい回しの問題が起きまして、私もすぐさま、議員ではありませんでしたけれども、先輩議員とともに都に対策を申し入れました。翌年には、多くの署名を携えて、救急搬送体制の整備、NICUの増設等を要望いたしました。
 そうしたことから、都立病院における周産期医療体制の強化、他局の取り組みになるかもしれませんが、周産期搬送コーディネーターの設置、母体救命搬送システム等の整備、こうしたことを高く評価いたします。
 今後も、大切な未来の主役を守る取り組みをお願いしたいと思います。
 次に、こうした医療課題を支えるのは人であり、ソフト面での核となる人について伺います。
 第二次都立病院改革実行プログラムによると、医師については、勤務医離れの傾向と、平成十六年度から導入された臨床研修医制度のもと、全国的に大学医局による医師の引き揚げが行われた影響などにより、病院勤務医の不足が生じていました。
 こうした状況下、都は、若手医師の確保、育成体制を確立し、将来的には、大学医局派遣に加え、修了生を中心として都立、公社病院の医師を充足することを目的として、東京医師アカデミーを平成二十年四月に開講いたしました。
 東京医師アカデミーでは、総合診療能力と高い専門性を兼ね備えた若手医師を育成し、修了生の半数程度が都立、公社病院に就職するなど、一定の成果を上げていると聞いております。
 そこで、医師の不足は病院の運営に深刻な影響を及ぼすことから、医師の充足による安定的な医療の提供が喫緊の課題であります。また、都立病院医師の給与水準は、全国的に見ても低い水準にあったと聞いています。そうした点からも、医師確保のための対策が必要であったと思いますが、これまでの取り組みとその成果について伺います。

○和賀井経営企画部長 民間の医療機関との格差を縮小するために、例えば、手術のために緊急登院した場合の手当の増額ですとか、さまざまな医師手当の増額あるいは創設を行ってまいりました。
 お話のございました医師アカデミーに関しましても、若手医師の育成に係る指導医の負担増に報いるために、指導医業務手当を創設いたしました。
 また、医師周辺業務の負担を軽減するために、事務作業を補助します医療クラークを導入し、医師が診療業務に専念できる体制を確保してまいりました。
 さらに、小児医療や周産期医療などの体制強化のため、医師の増員を図っておりまして、都立病院が八病院体制になりました平成二十一年度と、ことし、平成二十四年度の医師定数を比較いたしますと、七百九十九人から九百十七人となりまして、百十八人、率にして一四・八%の増となってございます。

○加藤委員 今ご答弁ありましたように、きょうの資料でも三ページのところに、そのことが出ております。
 小児医療、周産期医療を担う小児科、産婦人科も、例えば小児科なら平成二十一年度、七十七から二十四年度、九十七、産婦人科も三十六から五十三と着実にふえているということで、本当にいいことだと思います。
 次に、看護師については、平成十八年度の診療報酬改定で七対一看護基準が導入されたことに伴う大学病院等での看護師の大量採用などにより、都立病院でも、看護師確保、離職防止に向けた取り組みの強化を行う必要があったと聞いています。
 都は、看護職員の確保に向けて、きめ細かな卒後臨床研修による新卒者の定着や、看護キャリアパスによる人材育成の充実を図ってきており、その研修体系を平成二十二年度に東京看護アカデミーとして再構築しました。
 しかし、看護職員は、不規則な勤務や、結婚、出産などにより、年度途中の欠員が多く生じる職種であります。一方で、患者さんの病態に応じた質の高い看護の提供が常に求められておりますが、そのための取り組みと、その成果について伺います。

○和賀井経営企画部長 医師確保と同様に、より多くの優秀な看護師を確保するために、さまざまな取り組みを行ってまいりました。
 具体的には、看護職員の多様なライフスタイルに対応するために、これまでの三交代勤務に加えまして、二交代制勤務も順次導入し、拡大しているところでございます。
 また、特定の看護分野に従事する看護師の専門性を評価する手当を創設するとともに、特に女性職員が多い職場の特性にかんがみまして、院内保育室の二十四時間保育の導入や育児短時間勤務制度の導入など、ワークライフバランスを確保するため、勤務環境の整備にも取り組んでいるところでございます。
 これらの取り組みによりまして、看護師の受験倍率が、平成二十一年度は一・〇七倍だったものが、平成二十四年度は二・二四倍に上昇しておりまして、看護師の安定的な確保につながったものと考えております。
 また、高度医療への対応や病棟看護体制の充実などによりまして、看護要員の定数は、平成二十一年度と二十四年度を比較いたしますと、三千八百二人から四千三百七十五人と、五百七十三人、率にしまして一五・一%の増となってございます。

○加藤委員 民間に比べて職場環境がいいという声や、特定看護師、認定看護師の資格取得に向けた支援も民間に比べたらいいというお話も聞いております。
 引き続き、人材確保、育成の取り組みをお願いいたします。
 さて、ことしの九月、我が党の働きかけもあり、白血病など血液の難病に有効な治療法である造血幹細胞移植を一体的に推進するための、移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律、いわゆる造血幹細胞移植推進法が成立をいたしました。この法律は、今、iPS細胞など再生医療研究に臍帯血の活用を認める法律として注目を集めています。公明党は、その第二弾として、再生医療推進法案の成立に向けて取り組んでいるところであります。
 iPS細胞の医療技術は、日本が世界に先駆けて研究を進めてきており、今後、高齢化が進行していく中で、一日も早く臨床活用が待たれている技術であります。こうした先進技術を都立病院の先進医療として取り入れていくことは、患者さんにとって、選択の幅を広げ、診断、治療に大きな希望を与えるものであり、都立病院にとっても評価を高めることができると考えます。
 そこで、都立病院では、先進医療にどう取り組み、今後どのように展開していく考えなのか、見解を伺います。

○中野サービス推進部長 都立病院は、高度専門的な医療に取り組むとともに、患者さんの選択肢を広げ、適正な負担で効率的に高度な医療技術を提供できる先進医療についても積極的に取り組んでおります。
 先進医療は、将来の保険導入のための評価を行うものでございまして、例えば墨東病院におきましては、肝臓がんの手術患者さんに対しまして、患部のCT画像を三次元化し、切除する肝臓の容積を適切に推定することによりまして、有効かつ安全な術式を選択する、肝切除手術における画像支援ナビゲーションを実施してまいりましたが、この技術はその有効性が認められまして、平成二十四年四月に保険診療として導入されているところでございます。
 本年の九月現在、がんなどに対応する先進医療を、駒込において二技術、多摩総合において一技術、小児総合において一技術実施しております。また、うつ症状に対応する先進医療を、松沢病院で一技術実施しているところでございます。
 今後とも、医療の安全性に留意しつつ、先進医療に取り組んでまいります。

○加藤委員 マスタープランで、高水準で専門性の高い総合診療基盤に支えられた行政的医療を適正に都民に提供しと、こういうふうにありますけれども、行政的医療には、この造血幹細胞移植など、一般医療機関で対応困難な医療や新たな医療課題に対して、先進的に、先導的に取り組む必要がある医療も含まれておりますので、引き続き先進医療にも取り組んでいただきたいと、このように思います。
 次に、私の地元でもある墨東病院では、第二次都立病院改革実行プログラムの中で計画されている東京ERの充実に加え、福祉保健局による東京都地域医療再生計画に基づき、墨東病院の機能強化が図られているところであります。
 その内容は、感染症診療機能の強化、救急対応能力の拡充、基幹病院としての診療基盤の強化とされています。特に救急対応能力の拡充では、救命救急などの機能を集約し、また、あわせて診療棟の部分改修を行うことで、医療機能の強化を図るものであります。
 現在は、ちょうど基礎部分に当たる掘削工事が進められており、このことについては、住民説明を通じて地域に説明され、機能強化の内容も説明を受けました。
 墨東病院は、区東部保健医療圏に属しており、また、集合住宅を中心とした人口の増加が著しい地域でもあります。一方で、この医療圏は中核となる医療機関が少なく、墨東病院の医療機能の強化は、住民が期待するところでもあります。
 第二次都立病院改革実行プログラムに引き続き、東京都が平成二十二年一月に発表した東京都地域医療再生計画、区東部保健医療圏は、非常に期待が大きいものです。
 そこで、まず、地域の中核的な医療機関である墨東病院が、この計画でどのような役割を担っているのかについて伺います。

○齊藤経営戦略・再編整備担当部長 東京都地域医療再生計画における墨東病院の役割は、小児医療及び周産期医療の確保を図るため、地域の医療機能を強化するとともに、重症の小児の患者さんの対応が可能な医療機関等と密接な連携体制を構築して、医療水準の向上を図ることであると考えております。
 また、区東部保健医療圏の中核病院として、新型インフルエンザ等新たな感染症の多数の患者さんを受け入れ、軽症から重症まで対応できる病床を整備するとともに、地域の開業医等との連携体制を構築し、大流行時における医療提供体制の強化を図るという役割も担っております。

○加藤委員 三・一一の大震災のような衝撃的なことがありましたので、住民の記憶からは多少薄れていると思いますが、平成二十一年度の新型インフルエンザの集団発生時のことは忘れてはならないと思います。
 今後、ますます判別がつかない感染症の脅威があるといわれている中で、災害への対策と同様に、新興感染症への対応は、軽症から重症、そして新生児から成人まで幅広い年齢層に対応する重要な対策であります。
 そこで、墨東病院の感染症診療機能は、今後の施設整備も含め、どのように強化されるのか伺います。

○齊藤経営戦略・再編整備担当部長 墨東病院はこれまでも、感染症指定医療機関であり、医療圏における中核病院として、その役割を果たしてまいりました。
 今後、新興感染症への対応として、外来及び入院の患者さんに対する感染を防ぐため、他の外来や病棟から独立して、感染症の患者さんに対応することが可能な感染症外来を設置するとともに、空調が調整可能な感染症対応病棟を整備いたします。
 具体的には、一類感染症に分類される疾患に対応する病床二床、二類感染症に分類される疾患に対応する病床八床の再整備に加えまして、重症化して人工呼吸器等を装着した患者さんを受け入れる感染症緊急対応病床を三十床整備するとともに、陰圧対応可能な人工透析室も設置いたします。
 また、パンデミック時には臨時の病床を設置できるようなスペースを確保して、感染症診療機能を拡充いたします。
 あわせて、平常時から、新興感染症発生時における地域連携を協議する部会を設けまして、地域全体で感染症診療体制の整備を図ってまいります。

○加藤委員 新たな感染症への対応は、災害時の対応と類似しているといえます。深刻な感染症を対象とする対応力の強化は、行政医療として重要なものであり、新たな感染症が出現した場合、墨東病院が持てる力を最大限活用できるようお願いをいたします。
 次に、墨東病院は、年間五万件を超える救急患者を受け入れており、墨東病院の東京ERは、人口が増加する地域にとっては極めて重要であります。同時に、超高齢社会を迎え、何かあれば墨東病院が助けてくれるというのも、この地域の特性であります。
 そこで、墨東病院の東京ERはどのように強化されるのか伺います。

○齊藤経営戦略・再編整備担当部長 ご指摘がございましたように、墨東病院は、区東部医療圏最大の病床を持つ基幹病院として、さまざまな医療需要にこたえております。
 特に、救急医療の需要は高まる一方でございまして、救命救急医療の強化とユニット系治療室等の新築や増築を行い、治療効果のさらなる向上を目指すこととしております。
 具体的に申しますと、救命救急特定集中治療病床の強化を行い、高度な治療を行うための脳卒中ケアユニット、いわゆるSCUを六床、ハイケアユニット、いわゆるHCUを二十床整備いたしまして、救命率の向上とともに治療効果も向上させてまいります。あわせて、心疾患への対応として、心臓疾患特定集中治療室、いわゆるCCUを、これまでの三床から六床に増床いたします。このほか、脳梗塞や心筋梗塞などへの対応として、高気圧酸素治療室の設置や、救命救急病床の一部も陰圧対応にするなど、感染症への診療機能向上も図ります。
 今後は、さらなる救急医療体制の強化に向け、医師や看護師の確保など、必要な対策を進めてまいります。

○加藤委員 墨東病院は、区東部医療圏の基幹病院であり、この整備計画を着実に推進し、医療機能の拡充と強化を図ってもらいたいと思います。
 また、医師アカデミーや看護アカデミーで育成が行われた医師などの医療人材が都立病院で活躍し、今後も、墨東病院が地域の中核的な医療機関としての機能を果たし、区東部地域の住民が安心して暮らせるよう、病院経営本部が一丸となって、各施策の実施に向け努力されることを希望して、質問を終わります。

○大津委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大津委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 以上で病院経営本部関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時三十一分散会

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