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Tokyo Metropolitan Assembly

厚生委員会速記録第十一号

平成二十四年九月二十七日(木曜日)
第七委員会室
   午後一時開議
 出席委員 十四名
委員長今村 るか君
副委員長遠藤  守君
副委員長くりした善行君
理事山加 朱美君
理事三原まさつぐ君
理事増子 博樹君
小林 健二君
吉住 健一君
西沢けいた君
たきぐち学君
田の上いくこ君
ともとし春久君
野島 善司君
大山とも子君

 欠席委員 なし

 出席説明員
福祉保健局局長川澄 俊文君
次長梶原  洋君
技監前田 秀雄君
総務部長中川原米俊君
指導監査部長高原 俊幸君
医療政策部長浜 佳葉子君
保健政策部長高橋 郁美君
生活福祉部長小林 秀樹君
高齢社会対策部長中山 政昭君
少子社会対策部長桃原慎一郎君
障害者施策推進部長山岸 徳男君
健康安全部長中谷 肇一君
企画担当部長篠原 敏幸君
事業調整担当部長萱場 明子君
医療改革推進担当部長笹井 敬子君
医療政策担当部長小林 幸男君
地域保健担当部長松浦 慎司君
生活支援担当部長市川郁美子君
施設調整担当部長枦山日出男君
事業推進担当部長廣瀬  豊君
障害者医療担当部長熊谷 直樹君
食品医薬品安全担当部長鈴木 達夫君
感染症危機管理担当部長清古 愛弓君
病院経営本部本部長塚田 祐次君
経営企画部長和賀井克夫君
サービス推進部長中野  透君
経営戦略・再編整備担当部長齊藤 和弥君

本日の会議に付した事件
 意見書について
 病院経営本部関係
報告事項(質疑)
・都立病院経営委員会報告について
・私債権の放棄について
 福祉保健局関係
契約議案の調査
・第百七十八号議案 東京都監察医務院(二十四)本館改築その他工事請負契約
付託議案の審査(質疑)
・第百六十一号議案 東京都指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営の基準に関する条例
・第百六十二号議案 東京都指定介護予防サービス等の事業の人員、設備及び運営並びに指定介護予防サービス等に係る介護予防のための効果的な支援の方法の基準に関する条例
・第百六十三号議案 東京都保護施設等の設備及び運営の基準に関する条例
・第百六十四号議案 東京都軽費老人ホームの設備及び運営の基準に関する条例
・第百六十五号議案 東京都婦人保護施設の設備及び運営の基準に関する条例
・第百六十六号議案 介護保険法施行条例
・第百六十七号議案 食品衛生法施行条例の一部を改正する条例
・第百六十八号議案 食品製造業等取締条例の一部を改正する条例
・第百八十二号議案 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター中期目標について
・第百八十三号議案 特種用途自動車(災害時医療支援車)の買入れについて
・第百八十四号議案 磁気共鳴断層撮影装置(MRI)の買入れについて
報告事項(質疑)
・私債権の放棄について
・平成二十三年度地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター業務実績評価について
・都立障害者支援施設の民間移譲について

○今村委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 初めに、委員の所属変更について申し上げます。
 議長から、去る九月十八日付をもって、斉藤あつし議員が当委員会から文教委員会に変更になり、新たに、西沢けいた議員が文教委員会から当委員会に所属変更になった旨通知がありましたので、ご報告をいたします。
 この際、新任の西沢けいた委員をご紹介いたします。

○西沢委員 西沢けいたです。どうぞよろしくお願いいたします。

○今村委員長 紹介は終わりました。
 次に、議席について申し上げます。
 議席につきましては、ただいまご着席のとおりといたしたいと思います。ご了承願います。

○今村委員長 次に、意見書について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、意見書四件を提出したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件については、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○今村委員長 ご異議なしと認め、そのように決定をいたしました。

○今村委員長 次に、契約議案について申し上げます。
 契約議案は財政委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について、議長から調査依頼がありました。
 本件については、調査結果を財政委員長に報告することになっております。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略をいたします。

平成二十四年九月二十六日
東京都議会議長 中村 明彦
厚生委員長 今村 るか殿
契約議案の調査について(依頼)
 左記の議案について調査し、財政委員長にご報告願います。
     記
1 調査議案
第百七十八号議案 東京都監察医務院(二十四)本館改築その他工事請負契約
2 提出期限 平成二十四年十月二日(火)

○今村委員長 本日は、お手元配布の会議日程どおり、福祉保健局関係の契約議案の調査及び付託議案の審査並びに病院経営本部及び福祉保健局関係の報告事項に対する質疑を行います。
 これより病院経営本部関係に入ります。
 報告事項、都立病院経営委員会報告について外一件に対する質疑を行います。
 本件については、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○和賀井経営企画部長 去る九月十三日の本委員会におきまして要求のございました資料につきましてご説明を申し上げます。
 お手元にお配りしてございます厚生委員会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
 資料は、目次にございますように、1、各都立病院における診療圏、2、小児総合医療センター及び大塚病院における児童精神診療実績でございます。
 恐れ入りますが、一ページをお開き願います。1、各都立病院における診療圏でございます。
 病院を中心とし、車による移動時間や距離から計算された十五分圏、三十分圏、六十分圏及び九十分圏の範囲について、各都立病院別に記載をしてございます。
 次に、四ページをお開き願います。2、小児総合医療センター及び大塚病院における児童精神診療実績でございます。
 小児総合医療センター児童・思春期精神科及び大塚病院児童精神科の診療実績について、平成二十一年度から同二十三年度までの実績を記載してございます。
 以上、簡単ではございますが、要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○今村委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含め、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○たきぐち委員 今回の都立病院経営委員会によってまとめられました今後の都立病院のあり方についての報告書につきまして、総論的な部分で何点か質問させていただきたいと思います。
 この報告書では、医療を取り巻く環境の変化、すなわち人口構造、疾病構造、医療提供体制の変化を踏まえた上で、行政的医療をいかに提供していくのか、そして経営力をいかに強化していくのかという観点から提言がなされているかと思います。
 行政的医療というのは、不採算な医療や地域の医療機関では対応が困難な医療、さらには政策的にやらなければならない医療と認識をしておりますが、そのために毎年一般会計から約四百億円を繰り入れているという状況かと思います。
 とりわけ、ことしは、いわゆる団塊といわれる世代が六十五歳を迎えて、超高齢化社会が進んでいる中で、高齢者疾患の特徴であって、一般の医療機関では対応が難しい合併症や、複数の疾病を持つ患者の増加に対応していくことが求められていると考えます。
 報告書にも記載されているとおり、この十年間で病院数が約五%減少しているのに対して、一般診療所は約九%増加しております。
 こうしたさまざまな環境の変化を背景に、行政的医療を安定的に提供していくためには、地域医療機関との連携が極めて重要であって、報告書では地域医療機関との協働体制を構築すると記載されておりますが、そのために地域の医師会等とどのような取り組みをしているのか伺います。

○中野サービス推進部長 都立病院では、地域医師会や地元自治体、学識経験者を交えました運営協議会等を開催いたしまして、病院運営に関するご意見をいただくなど、医療機能やサービスの向上、地域との連携を推進しております。
 また、近隣医師会を対象として、症例検討会や講演会等を実施し、情報共有を図るとともに、交流を深めております。
 さらに、近隣の医師会を対象といたしまして、病院の取り組みや実績を紹介いたします連携だよりですとか、診療科医師の専門分野などを紹介する医師プロフィールなどを発行するなどしまして、都立病院に対する理解を深めていただき、医療連携の強化に努めております。

○たきぐち委員 運営協議会であったり、あるいは症例検討会で情報共有を図っているというお話でした。
 この八つの都立病院というのは、当然ながら、診療科目、あるいは地域性、置かれているバックグラウンドが異なるわけでありまして、地域医療機関との連携のあり方もそれぞれ異なってこようかと思います。
 連携が図られているかをはかる尺度として、紹介率や返送、逆紹介率があるのかと思います。各都立病院の紹介率、あるいは返送、逆紹介率は、近年どのように推移をしているのか、また、今後いかに取り組んでいくのか伺います。

○中野サービス推進部長 都立病院の紹介率でございますが、比較を明確にするため、この間進めてまいりました再編整備の影響を余り受けておりません広尾、大塚、墨東の三病院を比較させていただきますと、平成二十三年度では、広尾、五六・三%、大塚、七四・八%、墨東、六三・五%でございまして、五年前の平成十八年度と比較いたしますと、広尾で八ポイント、大塚で一〇・一ポイント、墨東で一二・二ポイント上昇しております。
 次に、都立病院から紹介元の医療機関に患者さんをお返ししたり、地域の他の医療機関に患者さんを紹介する返送、逆紹介率でございますが、平成二十三年度では、広尾、三七・九%、大塚、四二・四%、墨東、四五・一%でございまして、同じく五年前と比較いたしますと、広尾で一八・二ポイント、大塚で〇・五ポイント、墨東で九・六ポイント上昇しております。
 地域の医療機関との役割分担を踏まえまして、今後もより一層、医療連携の推進に努めてまいります。

○たきぐち委員 今、三病院についての紹介率と逆紹介率の数字をいただきました。こうした紹介率、あるいは返送、逆紹介率は、五年前と比べて上昇しているということで、これは連携が進んでいる結果だと思います。
 当然、これは病院によって差があるわけでありますが、今ご答弁がありましたとおり、地域の医療機関との分担のあり方というのが重要だと思います。それぞれの病院で診療科目や地域性、あるいは立地が異なる中で、それぞれの病院によって、地域の患者さんが多いところと、あるいは外部から、外から来られる患者さんの割合が高いところ、それぞれ特徴があろうかと思いますので、それぞれの都立病院がどういうスタンスでいるのかということを、その認識を、地域の医療機関と共有していくということが、さらなる連携が進んで、結果として、紹介率や返送、逆紹介率が上がっていくものだと認識をしておりますので、引き続き、役割分担を踏まえて、そして地域の医療機関とその認識を共有しながら進めていただきたいと思います。
 救急医療や高度で専門的な急性期対応の行政的医療を安定的に提供するためには、患者を適切に受け入れられる入り口機能と、治療後に円滑に地域の医療機関や在宅に移行していく出口機能の強化が重要だとこの報告書でも指摘をされています。
 とりわけ、超高齢化社会において、在宅患者の急変による救急対応や急性期を脱した後の連携体制が重要だと思います。福祉部門との連携を含めて、在宅医療支援をどのように進めていくのか伺います。

○齊藤経営戦略・再編整備担当部長 都立病院では、これまで、地域の医療機関などと連携をしまして、退院する患者さんが在宅医療に移行する際に、看護師や医療ソーシャルワーカーを中心にしまして、患者さんやそのご家族への支援を行ってまいりました。
 具体的には、訪問看護施設や介護施設などの情報収集やあっせん、施設利用のコーディネートなどを行いまして、退院する患者さんが在宅医療に移行することがスムーズになるような取り組みを実施しております。

○たきぐち委員 今ご答弁にありましたとおり、訪問看護施設や介護施設等の情報収集やあっせんを行っているということですが、こうした情報をいかに都立病院の方でも持つことができるか、情報を共有できるかが、緊密な関係を構築できるかということにつながってくるかと思いますし、在宅医療支援につながってくるんだと思います。
 国が地域包括ケアにシフトする中で、在宅医療支援というのは重要な役割でありますので、地域医療機関と連携をしながら進めていただきたいと思います。
 そこで、在宅医療支援を進めるに当たりまして、レスパイト入院、つまり、在宅で介護している人が疲れ切ってしまうことを防ぐための短期の入院であったり、介護が困難な場合に一時的に行う入院のことでありますが、地域医療機関と連携を図りながら、このレスパイト入院というのも行政が担うべき役割の一つと考えますが、認識を伺います。

○齊藤経営戦略・再編整備担当部長 都立病院は、治療が必要な患者さんに医療を提供することを基本としておりますので、急性期を担う医療機関として、患者さんが急変した場合の緊急入院には、現在でも積極的に対応しております。
 今回の報告書によりますと、在宅医療を実施する診療所のうち、約四割が緊急入院、レスパイト入院を課題としているとされております。都立病院がレスパイト入院を実施することについては、将来的な課題であるというふうに考えております。

○たきぐち委員 経営委員会の議事録を見ましても、このレスパイト入院に対しては、そこまで都立病院がやるべきことであるのかといったような議論もあったようであります。緊急性があったり、患者さんの状態が重い場合、あるいは状況が難しい場合、ほかの医療機関では対応が困難な場合を想定して、一定の基準をつくるなり、都立らしいレスパイトというのも考えられるのではないかなというふうに思います。
 診療所の四割が課題として挙げられていますので、そうした実態を踏まえながら、都立病院として、このレスパイト入院を、将来的な課題であるということでありますが、そのあり方をぜひ模索、検討していただきたいと思います。
 次に、経営力の強化ということで、収益力強化、コストの削減、経営管理体制の強化ということで、この報告書では示されております。
 ここでDPCの分析ということが頻繁に出てきますけれども、このDPC制度によって診療報酬のあり方が変わったというご説明も受けました。このDPCというのは、傷病名と治療方法などを組み合わせることによって、入院医療を受けた患者さんを区分するための手法であるというふうにも伺いました。
 このDPCの実施によって、どのような効果が得られるのか伺います。

○齊藤経営戦略・再編整備担当部長 DPCとは、診療群分類に基づいて評価される入院費の一日払い定額制度でございまして、平成十五年度より開始されまして、全国の急性期病院で順次導入されてきている制度でございます。
 都立病院でも、総合病院である広尾、大塚、駒込、墨東、多摩総合医療センターに既に導入されております。
 従来は、投薬、注射、検査などの診療行為を行った分を合計して計算する、いわゆる出来高払い方式でございましたが、DPCでは一日当たりの点数が決められております。したがいまして、投薬、注射、検査などの診療行為を多く行う必要があった場合でも、一日当たりの包括診療費は変わりません。
 このDPCの導入によって標準化された各種診療情報について、医療機関の間や経年的な比較分析を行うことにより、医療の質と経営の向上、改善を図ることが可能となってまいりました。
 また、DPCは、患者さんにとりましても、対象病院の病名ごとの治療実績や入院費、入院期間などの情報が明らかになりまして、適切に病院を選択できるようになるというメリットもあるというふうにされてございます。

○たきぐち委員 都立病院では五つの病院で導入をしているということで、小児総合では今準備中ということだと思います。
 このDPCデータを活用する、分析をする体制を整備していくということで報告書の中に述べられておりますが、今、このDPCの効果についてお話を伺いましたが、例えば、このDPCを導入することによる変化、平均の在院日数が短くなれば病床の利用率は低下をするわけで、そうなると、それをカバーするためにさらなる医療連携が必要になってくるとか、あるいは入院から外来へシフトをする傾向にあるとか、効果とあわせて、さまざまな予想される変化があろうかと思いますので、そういったところを十分認識しながら取り組んでいただきたいと思います。
 次に、コスト削減ということでも指摘をされているところでありますが、都立病院の課題として、コスト意識がなかなか職員に根づかないということが、これはもう以前から指摘をされているところです。
 この委員会でも、経営形態のあり方などを議論する中でも、このコスト意識についての議論が必ずあるわけでありますけれども、どのような形態であっても、職員がコスト意識を持つということは必要なことであろうかと思います。都立病院として、これまで、このコスト意識を根づかせるためにどのような取り組みをされてきたのか伺います。

○齊藤経営戦略・再編整備担当部長 今回の経営委員会の議論の中では、都立病院は、民間病院と比較して経営改善へのインセンティブが働きにくく、経営感覚、コスト意識が醸成されにくいとの指摘がございました。
 都立病院は、これまでも、他の病院とのベンチマーク比較が可能となるシステムを導入したり、外部講師を招いての研修を実施するなど、日々のコスト削減に努めてきているところでございます。
 さらには、BSC、いわゆるバランススコアカードによる経営管理を導入しまして、各種の経営指標を財務の視点として盛り込むほか、病院独自の経営改善目標を掲げまして、職員の経営感覚、コスト意識の醸成に努めてきております。

○たきぐち委員 さまざまな取り組みをされているということでありますが、コストを削減すると、コスト意識を根づかせていくということは当然重要なことであります。ただ同時に、ちょっと細かい話ではありますけれども、ある病院で建物が新しくなったと同時に脱脂綿が変わったと。その職員さんは、コストの削減というのはここに来たかというふうに感じたらしいんですけれども、医療用の材料の品質であったり、あるいは使い勝手というのを一番把握しているのは現場の方だと思います。コスト意識を高めながら、どの部分を削って、どの部分は削らないと、そういったことを現場と一緒になって考えていくことも必要ではないかと思います。
 今回の報告書の説明を会派で受けましたときに、これはあくまで経営委員会としてまとめられたものでありますから、いってみれば当然のことではありますけれども、経営力の強化というところに重点が置かれているということを懸念する声も一方ではありました。
 例えば、松沢病院も新しくなりましたけれども、精神科というのは、ほかの科と比べて診療報酬が低い中で病院経営を行っていくということで、各病院ごとに取り組んでいる医療が当然異なるわけでありますから、医療収益に対する適正な費用、あるいは目指すべき経営のあり方というのも当然異なってこようかと思います。
 その点を十分踏まえながら、今回の報告書では、病院経営本部の重点的に取り組む分野として、経営分析力の強化ということがうたわれているところでありますので、そういった各病院ごとの収益と費用と、この点を十分踏まえながら経営分析力の強化を図っていただきたいというふうに思います。
 最後に、一点、障害者歯科医療について伺いたいと思います。
 先日、墨東病院を視察させていただきました。ERと三次救急と、そして短時間でありましたけれども、障害者歯科の現場を見させていただきました。
 この障害者歯科医療というのは、各区市で歯科医師会によって実施されているところが多いわけでありまして、私の地元の荒川区にはこういった取り組みがないものですから、以前、隣の区の口腔ケアセンターを視察したことがあります。
 また、飯田橋には都立の心身障害者口腔保健センターがあります。
 都立病院では、この障害者歯科医療を行政的医療として位置づけて取り組まれているわけでありますが、こうした地域で障害者歯科医療に取り組んでいる診療所とどのように役割分担をして連携しているのか伺いたいと思います。

○齊藤経営戦略・再編整備担当部長 障害を持つ方々にとって、歯科診療は大変大きな問題であるにもかかわらず、肢体が不自由なため治療姿勢が保てないことなどから、全身麻酔が必要であったり、難易度の高い抜歯になるなど、一般の歯科診療所では対応が困難なケースが少なくありません。
 都立病院は、一般の歯科診療所では対応が困難なケースにつきまして、歯科診療所から紹介をいただき、障害を持つ患者さんに対する適切な歯科診療、歯科医療を実施しております。

○たきぐち委員 近年、口腔がんの予防であるとか、いろいろといわれるようになっておりますけれども、今ご答弁がありましたとおり、全身麻酔が必要な患者さんや難易度の高い治療を都立病院が担っていくというお話でありました。
 通院の負担などを考えたときに、やはりここでも都立病院と地域の診療所との連携が必要になってくると思いますし、その際、患者さんの情報や、あるいは技術の情報なども共有しながら役割分担を図っていただきたいと思います。
 墨東病院を視察させていただいたときに、全身麻酔をするための設備、ベッドというんでしょうか、いすというんでしょうか、これがもう十年以上たって古くなってしまったという声もありましたので、最後にそのこともお伝えをして、質問を終えたいと思います。

○吉住委員 一昨日、我が党の代表質問で都立病院経営委員会報告に関してお伺いしましたが、関連して何点かお伺いします。
 昨年十二月に公表された「二〇二〇年の東京」によれば、今後十年間で人口構造の変化により、都におけるさまざまな行政施策に影響が出るとされています。東京の人口は今後も当分の間増加を続け、平成三十二年ごろをピークに人口減少に転じると推計されています。同時に、急速な少子高齢化が進行し、平成三十二年には東京に住む四人に一人が六十五歳以上となり、その後、人口が減少していく中でも、高齢者比率は増加するとされています。今後、こうした人口構造や医療の提供体制が変化していくなど、医療を取り巻く環境はより一層厳しくなるものと考えられます。
 このような厳しい環境は、平成十三年に策定した都立病院改革マスタープランにおいても一定程度想定されていたことと思います。
 我が党は、都立病院改革会議の報告以来、都立病院は、安全・安心を支える質の高い患者中心の医療の実現と、都民に対する医療サービスの向上を使命として、しっかりとその役割を果たしていくことが不可欠であると主張してきました。あれから十年が過ぎ、世界的には類を見ない急速な少子高齢化は、医療環境に予想以上の影響を及ぼそうとしています。
 これまで都立病院は、いち早く東京ERを立ち上げ、救急医療体制の充実を図ってきました。まさに都の救急医療体制を考える際、都立病院抜きには考えられないといっても過言ではないと思います。
 今回提言された報告書においては、人口構造の変化が救急医療に変化を及ぼしていると報告されています。そこで、救急医療における疾病構造がどのような変化を見せているのかお伺いします。

○和賀井経営企画部長 東京消防庁によりますと、平成二十二年の救急搬送患者の半数近い約四五%が六十五歳以上の高齢者で占められているとされております。過去十年間を見ましても、高齢者の搬送患者の数と割合は増加しておりまして、今後もその傾向は続くと予想されております。
 また、平成二十二年度に福祉保健局が実施しました救急搬送実態調査によりますと、救急搬送調整が困難となる患者が全体の約二六%でございまして、そのうち、精神疾患、急性アルコール中毒や認知症など、何らかの精神的な症状を有する症例が約四割と大きな割合を占めてございます。
 今後も、高齢化に伴います複数の疾患を有する患者や精神科身体合併症患者など、救急搬送の増加が見込まれているところでございます。

○吉住委員 わかりました。
 救急医療は、その時代の医療状況を反映するといわれています。このことは、生活文化局が平成二十四年二月に公表したスポーツ・運動と保健医療に関する世論調査を見てもよくわかります。
 この調査の中に、関心のある保健医療問題についてという設問があり、これを見ると、保健や医療に関することで関心の高いものは、脳卒中、心臓病、がん、糖尿病など生活習慣病、これが五〇・三%で最も高く、次いで、救命救急医療が三九・三%、高齢者等が身近な地域で生活を続けることができる在宅医療、看護の仕組みが三五%、認知症や寝たきりなど、高齢者のための医療や介護制度のあり方が三二%となっています。前回行われた平成十八年の調査と比べ、救命救急医療の関心度が高く、約五ポイント増加しています。この結果は、いかに都民が救急医療の充実を望んでいるかを満たした結果であると考えます。
 今後の都立病院は、この救急医療をさらに充実させていってもらいたい、このことをお願いしておきます。
 さて、救急医療と並んで、都立病院が担うべき医療に小児周産期医療があります。これまで都は、小児周産期医療の充実強化を重要な施策として掲げてきました。出生率は下げどまったとはいえ、ゼロ歳から十四歳の年少人口は将来的にも減少するとされており、少子高齢化対策という点からも、周産期医療は今後も極めて重要な医療であると考えます。
 今回の報告書では、周産期医療を取り巻く環境をどのように分析されているのか伺いたいと思います。

○和賀井経営企画部長 都内におけます出生数は微増にとどまっていますが、リスクの高い二千五百グラム未満の低出生体重児の出生数は、平成十二年が八千六百七十九人、平成二十二年は一万百四十七人と増加しております。
 また、三十五歳以上の母親から生まれます出生数は、平成十二年の一万六千五百十七人に対しまして、平成二十二年は三万四千百六十人と倍増しております。
 また、女性の結婚年齢及び出産年齢の上昇に伴いまして、ハイリスク妊婦の増加等を背景とします低出生体重児に対する医療需要は、今後も増加傾向にあると考えております。

○吉住委員 この傾向に対応して、また取り組みを進めていただきたいと思います。
 病院経営本部がこれまで取り組んできた大規模な再編整備事業を着実に実現し、急速に変化する医療環境や都民の高度化する多様な医療ニーズに対応できる医療提供体制を整備したことは、現在も、そして将来に向けても大きな意味を持つものであります。
 特に、将来に向けて救急医療や小児周産期医療を充実強化していくことは、これまでも我が党が一貫して主張してきたことであります。今後も、救急医療や小児周産期医療を行政的医療の核として取り組んでいってもらいたいと、このことを強く要望しておきたいと思います。
 ここで少し視点を変えてお聞きします。
 都立病院は、行政的医療を提供するという役割を、今後も安定的、継続的に果たしていくことが求められるとも報告されています。私もそのとおりだと思います。
 都民のニーズにこたえ、不採算な行政的医療を提供するためには、一定の財源が必要となります。今回の報告の中でも、経営力の強化について報告されていますが、不採算医療と経営の効率化を同時に行うことは非常に大変なことであると思います。
 そのためにも、各都立病院の医療機能を強化することはもちろんですが、他の医療機関と効率的な連携を図るという視点も重要になると思います。この点は経営委員会でも活発な議論がなされたと聞いております。
 これまで、都における診療機能の構築や医療連携の推進を図るに当たっては、東京都保健医療計画で定めた一次から三次の保健医療圏をもとにしてきたと思いますが、今回の報告書、第五章のところでしょうか、各都立病院の中長期展望というのがございますが、そこで、診療圏という考え方を用いて各都立病院の地域性を述べています。
 そこで、保健医療圏と診療圏の違い、それから診療圏をどのように活用していくのかについて、お伺いをいたします。

○和賀井経営企画部長 保健医療圏は、行政が保健医療資源の適切な配分を図るとともに、都民に対する保健医療サービスの提供や医療機関相互の機能分担と連携を推進する上での地域的な単位として設定したものでございます。
 今回、経営委員会から助言をいただいた診療圏という考え方は、病院を中心としまして、車による移動時間や距離から計算された範囲を示したものでございます。この診療圏に厚生労働省が公開しております各病院の診療実績を加味することで、当該病院から見た地域の人口構造の特性や近隣医療施設の機能、実態の分析が可能となりまして、各病院の個々の医療機能が近隣医療施設と競合していないかどうかなどが明らかになると考えております。
 高度な医療を提供する大規模な医療機関が集中しております都内におきましては、他の医療機関との役割分担と連携が必要でございまして、都立病院の今後の医療機能や経営改善策を検討していく上で有効に活用できると考えております。

○吉住委員 診療圏という語感から、その範囲にある患者中心に診療が行われるようなイメージを抱いていましたが、診療圏がその範囲の住民しか診療しないというものではなく、近隣の医療機関の診療実態を分析し、今後の都立病院の機能を考える上で有効なものであるということがわかり、安心いたしました。
 医療資源が減少する中で、民間医療機関などと効率的な連携を図っていくことは、これからの医療提供体制の中で重要なことであると考えております。ただいま答弁いただきました診療圏という考え方は、医療連携の面でこそ活用できるのではないかと思います。
 そこで、医療連携の面ではどのように活用していかれるのか伺いたいと思います。

○和賀井経営企画部長 今回の委員会要求資料としてお示ししましたとおり、診療圏は、病院を中心に、車による移動時間や距離から計算された範囲を示したものでございまして、十五分圏内、三十分圏内、六十分圏内と、時間の経過に伴って広がっていっております。その範囲にあります近隣の医療機関につきましては、厚生労働省のデータをもとに、医療の状況も一定程度分析できる環境が進んできております。
 これまで、医療連携は患者の紹介や返送、逆紹介が中心でございましたが、医療の状況が分析できることで、近隣医療機関の得意分野を把握することや、その規模などもわかることから、これまで以上に適切な役割分担に基づく医療連携ができるものと考えております。
 例えば、小児医療の分野におきましては、医師不足や、小児科を標榜する医療機関が減少しておりまして、役割分担に基づく医療連携をこれまで以上に推進していくことで、小児総合医療センターが有します高度で専門的な医療機能がより有効に活用できるものと考えてございます。

○吉住委員 医療連携を一層推進しまして、都立病院が持つ高度で専門的な総合診療基盤を地域で有効に活用できるよう検討していくことは、今後増加が見込まれる在宅医療を支援していくためにも重要なことだと考えております。次期計画では、この点についてもしっかりと具体化を図っていってほしいと要望しておきます。
 代表質問に対する答弁の中で、都立病院経営委員会報告を踏まえ、次期計画を策定するという答弁もございました。次期計画では、この都立病院経営委員会報告をどのように活用していかれるのか伺います。

○和賀井経営企画部長 都立病院は、これまで、社会的要請から特に対策を講じなければならない医療を行政的医療として取り組んでまいりました。今回、都立病院経営委員会からいただいた報告により、少子高齢化に伴って、高齢者救急、合併症医療や精神疾患への対応など、新たに医療課題への対応が明らかにされました。
 また、地域医療機関や在宅医療を実施する施設の協働体制も一層強化していく必要があるともされてございます。
 一方、東京都保健医療計画につきましては、現在、第五次改定が進められておりまして、その中で、大学病院を初めとした特定機能病院、地域医療支援病院、公的医療機関や民間病院などが担う役割も明らかにされると考えております。
 今後は、都立病院経営委員会報告を踏まえるとともに、改定される保健医療計画との整合性も図りながら、都立病院の次期計画を今年度中を目途に策定してまいります。

○吉住委員 都立病院が都民の安全と安心を守るためには、再編整備事業や東京ERの強化など、行政的医療を提供するための総合診療基盤を最大限活用し、新たな医療課題に確実に対応していくべきであると考えます。
 都立病院の病床数は、都内全体の四・四%であり、数としては決して多いものではありませんが、都立病院の担う役割は非常に大きいものであると考えています。都立病院改革マスタープランの理念である、いつでも、だれでも、安心して医療を受けられる社会は都民の願いでもあります。
 最後に、今後の都立病院改革に向けた病院経営本部長の決意を伺いまして、質問を終わります。

○塚田病院経営本部長 病院経営本部におきましては、都立病院改革の理念である、安全・安心を支える患者中心の医療の実現と都民サービスの向上を使命といたしまして、これまでさまざまな取り組みを進めてまいりました。
 一方、人口構造の変化や医療制度改革など、医療を取り巻く環境は大きく変化しております。
 このような環境の変化の中で都立病院改革を的確に進めるためには、課題の適切な把握と、医療現場と一体となった取り組みの強化が不可欠であると考えております。こうした観点に立ちまして、七月一日に着任後、私は八つの都立病院を順次訪問いたしまして、医療現場の状況を把握しますとともに、病院関係者との意見交換も行ってまいりました。
 今後、少子高齢化が一層進行する中で、急速な医療環境の変化にも迅速かつ的確に対応することがますます強く求められるものと考えます。
 今後の都立病院改革に当たりましては、これまでの取り組みの成果を踏まえますとともに、今般提出された経営委員会報告もしっかりと受けとめ、都民の命と健康を守るため、組織を挙げ、職員一丸となって改革に取り組んでまいります。

○小林委員 私からも、都立病院経営委員会報告の今後の都立病院のあり方について、何点か確認をさせていただきます。既にお二人質問をされておりますので、若干趣旨がかぶる点もあるやもしれませんが、よろしくお願いをいたします。
 今回の報告に当たっては、都立病院は、行政的医療の提供を基本的役割とし、不採算な医療や地域の医療機関では対応が困難な医療など、社会的要請が高い医療に積極的に対応していると評価をした上で、現在の社会状況を踏まえた報告がなされております。
 今回の報告が次期計画に反映されてくるものと思いますが、病院経営本部では、平成十三年に発表した都立病院改革マスタープランのもと、具体的な取り組みを行う上での実行プログラムを二度にわたって策定した上で、今日まで都立病院の社会的役割を高めるべく、ご努力をされてきたと思います。
 そこで、まず初めに、マスタープラン、実行プログラムを中心に進めたこの十年間の都立病院改革の成果について、確認をさせていただきます。

○齊藤経営戦略・再編整備担当部長 病院経営本部は、平成十三年の都立病院改革会議の報告を受けまして、都立病院改革を推進する道筋を明らかにするため、同年、都立病院改革マスタープランを策定いたしました。
 その後、二期にわたる実行プログラムのもと、高水準で専門性の高い総合診療基盤に支えられた行政的医療を都民の方々に提供するとともに、他の医療機関との密接な連携を通じて、都における良質な医療サービスの確保をすることを基本的な役割として、この間、現在まで十年間にわたってさまざまな事業を展開してまいりました。
 具体的に申しますと、救急医療の強化を図るため、墨東病院、広尾病院及び当時の府中病院に東京ERを創設したこと、都立病院の再編整備としてPFI手法を導入しまして、多摩総合医療センター及び小児総合医療センターの新規開設、駒込病院の全面改修、松沢病院の本館診療棟開設などを行ったこと、また、全国的な医師、看護師不足に対応すべく、質の高い医療人材を安定的に確保するため、東京医師アカデミー及び東京看護アカデミーを創設するなどのさまざまな取り組みを行ってまいりました。

○小林委員 この専門性の高い行政医療、そして他の医療機関との連携、これらを中心に首都東京における安心の医療の一翼を担ってきたと思います。
 報告書の中では、今後、医療環境の変化や都民の医療ニーズが一層多様化、複雑化していく中、都立病院が担ってきた役割は、これまで以上に重要となると述べられております。
 そこで、都立病院の基本的な役割として、新たにどのような機能が必要とされているのかお伺いをいたします。

○齊藤経営戦略・再編整備担当部長 報告書では、都立病院が提供する行政的医療として掲げる医療は、少子高齢化など医療環境が変化する中にあっても、引き続きニーズの高い医療でありまして、今後も都立病院が医療課題として取り組むことが求められるとしております。
 今後、高齢化の進行により、診療を受けることが多くなる高齢者の方々に対する急性期対応や救急医療などの重要性が増すことになると考えております。
 報告書におきましても、特に高齢者疾患の特徴であり、一般の医療機関では対応が困難とされている合併症や複数の疾患を有する患者さんに対する医療に積極的に取り組むことが期待されるとされております。

○小林委員 今、都立病院の新たな役割ということでご答弁をいただきましたけれども、今のこのご答弁を伺いまして、一つ思い出した質疑がございます。本年三月二十二日の厚生委員会におきまして、私は、今後の松沢病院の医療機能の充実強化についてお伺いさせていただきましたが、その際のご答弁は、他の医療機関では対応困難な精神科救急医療、また、精神科身体合併症医療などについて機能強化を図っていくというものでございました。
 今のご答弁を伺いまして、救急医療、また、合併症医療など、既に都として精神科医療の分野で取り組みを開始した中で、今度は高齢者という視点で充実をさせていかなければならないということではないかと思います。
 都立病院は、行政的医療の象徴ともいえる東京ERを立ち上げ、救急医療体制の強化を図ってきましたが、さらにこの機能を高めていくとともに、他の医療機関では対応が困難とされるからこそ行政的医療への期待が大きい合併症医療の充実を、ぜひともお願いしたいと思います。
 昨年の十一月二十九日の厚生委員会で、私、都立病院の地域での医療連携について質問いたしました。その際、都立病院が病院ごとに医療連携協議会を開催することや、疾患ごとに複数の地域の医療機関と診療計画を共有して治療を行う地域連携クリニカルパスに参加するなど、地域の医療機関との連携強化に努めているとのご答弁がありました。
 今回の報告書でも、都立病院は他の医療機関とこれまで以上の連携強化を図っていくことが重要であるとされ、地域の医療機関などとの協働という表現で述べられています。連携ではなく協働という表現には一歩踏み込んだ感がありますが、辞書を引きますと、この協働という意味は、同じ目的のために、対等の立場で協力してともに働くことというふうに記されております。
 この報告書で述べられている地域の医療機関などとの協働とは、どのような意味が込められているのかお伺いをいたします。

○齊藤経営戦略・再編整備担当部長 都民の皆様がそれぞれの症状に応じて適切な医療を受診できるためには、各医療機関の有機的な連携を図っていく必要があると考えております。
 報告書では、超高齢社会を目の前にして在宅医療の必要性が高まる中、これまで以上に連携を深め、地域の医療機関との協働体制を築いていくことが重要とされております。
 都立病院では、これまで、地域医療機関と紹介、返送及び逆紹介を中心とした医療連携を行ってまいりました。現在、一部の都立病院では、患者さんが退院後に地域の医療機関でも継続した治療が受けられるよう、医師や看護師、医療ソーシャルワーカーなど多職種による退院前カンファレンスや地域の医療機関などとの情報共有を図っております。
 このような取り組みを今後より一層発展させ、地域の医療機関などとの連携体制の強化を図ることが、地域の医療機関等との協働であるというふうに考えております。

○小林委員 医療資源が少なくなる中、今後、医療連携がますます重要なものになってくると思います。医療連携を通じて、高度で質の高い医療サービスが受けられる体制、特に退院後の患者の皆さんが安心できる医療が提供できる体制の整備が非常に大事になってくると思いますので、この協働という視点をぜひとも具現化していただきたいと思います。
 また、今ご答弁にもありましたが、今後は在宅医療の必要性が高まってまいります。今年度末に予定されている東京都保健医療計画の改定においても、在宅医療が大きな柱として位置づけられる議論が進められております。
 報告書の中でも、在宅医療は、地域の慢性期及び回復期患者への医療提供において、今後重要な役割を担うことが期待されていると述べられております。
 また、都立病院には次世代の在宅医療支援のモデルとなる取り組みを提示することが期待されるとした上で、その先導的なモデルとなる取り組みの実施を大塚病院に期待すると踏み込んでおります。
 今回は報告ということになっておりますので、具体的な取り組みや今後の検討を待たねばならないと思いますが、都立病院における在宅医療支援の基本的な考え方についてお伺いをいたします。

○齊藤経営戦略・再編整備担当部長 都立病院では、これまで、地域の医療機関などと連携をしまして、退院される患者さんが在宅医療に移行する際に、看護師や医療ソーシャルワーカーなどを中心に、患者さん及びそのご家族への支援を行ってまいりました。
 一方、厚生労働省が平成二十三年に行った、在宅療養支援の実態把握と機能分化に関する研究によりますと、在宅医療支援を実施するに当たり、診療所のうち約四割は、緊急入院、レスパイト入院を課題としておりまして、また、約三割の診療所の方々が、時間外の救急対応や死亡診断への対応を課題としているとの報告がなされております。
 今回の報告書にもございますように、在宅医療について、今後は時間外を含めた患者さんが急変した場合の円滑な受け入れや、高度で専門的な医療の知識、経験を地域の医療従事者の方々に提供するなど、地域医療全体のレベルアップに貢献することが重要であるというふうに考えております。

○小林委員 都立病院が急性期の病院として診療を行うとともに、患者の退院後のフォローのため、さらに進んで、地域医療機関などとの協働体制を構築することは、在宅医療を進める上で効果的と思いますので、ぜひとも医療面での支援の形を具体的にご検討いただければというふうに思います。
 続いて、先進医療についてお伺いをします。
 報告書の中では、都立病院が担う重点医療は、その医療分野を先導していくという役割も期待されており、先進医療などは積極的に取り組む価値が高いと述べられております。
 一方、先進医療の実施に当たっては、当該医療の将来性などを十分に検討した上で、新たな医療機器などの投資を判断するべきであるとも記されております。
 最新機器は決して安価なものではなく、しっかり予算を確保して導入していく以上は、やみくもに導入するのではなく、その有効性、また、将来性を過たず判断していかなければならないと思います。
 先般、駒込病院において、高精度放射線治療機器が全面供用開始となりましたけれども、都議会公明党も視察をしてまいりましたが、真に患者のために必要な機器として、国内屈指の最先端機器が都立病院に設置されたことも大変に喜ばしいことと思います。
 そこで、都立病院における先進医療への今後の取り組みについて見解をお伺いします。

○齊藤経営戦略・再編整備担当部長 都立病院におきましては、駒込病院を初めとして、これまで、高度で最新の医療機器を使用した各種検査、治療や治験及び臨床研究など先進医療等に取り組んでまいりました。
 報告書では、これまで強化してきた医療資源を有効に活用し、先進医療、治験及び臨床研究に積極的に取り組むこと、特に合併症や再発がん、小児疾患等の希少性の高い分野の治験や臨床研究に取り組むことが重要であるとされております。
 今後は、これまで整備してきた高度で最新の医療機器を有効に活用するなど、先進医療に積極的に取り組んでまいります。

○小林委員 ありがとうございます。
 最後に、災害時における都立病院の役割についてお伺いをいたします。
 今、都政における最重要の課題として、災害対策に取り組んでいかねばなりませんが、その重要な視点として、災害医療は喫緊の課題であります。
 この報告書の中では、広尾病院が広域基幹災害医療センターとして、今後も重要な役割を担うことが重要であるとされております。災害時の危機管理対応として、事業継続計画、いわゆる都立病院のBCPの策定も今進めていることと思いますが、今後の災害時の都立病院における医療の提供に向けた考え方についてお伺いをいたします。

○和賀井経営企画部長 都立病院では、災害時医療を行政的医療と位置づけまして、積極的に取り組んできております。
 現在、本部が所管いたします都立全八病院のうち、外来機能を持ちません神経病院を除く七つの都立病院が災害拠点病院に指定されておりまして、中でも広域基幹災害医療センターであります広尾病院を中心として、ハード、ソフトの両面から災害医療体制の構築に取り組んできております。
 お話しの都立病院BCPにつきましては、昨年度から、全都立病院におきまして順次作成をしているところでございます。
 さらに、ことし五月には、広尾、墨東、多摩総合医療センターの医師が、東京都地域災害医療コーディネーターに任用されまして、発災時に当該二次保健医療圏の医療救護活動を統括、調整する役割を担うこととなりました。
 災害時に一人でも多くの命を救うよう、地域の医療機関、医師会など関係機関との連携をさらに強め、今後も災害医療体制の充実に努めてまいります。

○小林委員 ありがとうございます。
 私も都政にお送りいただいて三年がたちますが、この間、多くの方々から都立病院についてのご相談をいただいております。それだけ都民にとっては都立病院の存在、そして期待が大きいのだと実感をいたします。
 都立病院改革マスタープランを掲げ、今日まで一つ一つ成果を積み上げてこられたわけですから、今回の報告書をベースに、次期計画の策定に当たって、さらに都民の皆様が渇望するような都立病院に生まれ変わっていただきますよう要望いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

○大山委員 先に資料を配らせていただきたいと思います。
 それでは、質問させていただきます。
 第二次都立病院改革実行プログラムでは、都立病院の新たな経営形態の検討として、都立病院経営委員会報告で制度的には最も柔軟な経営形態であるとされた一般地方独立行政法人(非公務員型)について、十分な検証を行っていきますとされていました。独立行政法人化には多くの都民の皆さんの反対があり、独立行政法人化しないで都の直営で拡充してほしいとの請願陳情も多く出されていました。
 今回の病院経営委員会報告で独立行政法人化を具体化しなかったことは重要です。報告案の最終の議論をした六月二十八日の経営委員会の議事録を見ますと、担当部長さんが、経営形態については、これまでもいろいろな情報収集や検討をしてまいりましたが、どのような形態であっても課題が多く、現時点で何らかの方針を打ち出すものではありませんと答えています。そのように、独立行政法人化は課題が多いということです。委員の発言でも、経営形態が変わればいいというものではないという趣旨の発言もありました。
 この報告書を受けて次期の中期計画をつくることになりますが、直営を堅持することこそ都民の願いです。それだけに、わざわざ、引き続き経営形態の検討も必要と書かれていることは重大です。
 今回の報告書では、都立病院の役割の重要性に改めて光が当てられていますが、それらを実践するには、独法化に向けた検討はもうやめて、都が直接運営してこそ実現できることです。病院経営委員会の議事録を見ますと、はっきりいっていじり過ぎ、病院に力をつけることが重要という趣旨の発言もあるほどです。
 この間のマスタープランで、今までやってきた統廃合やPFIという形で民営企業による運営を導入するなどの路線は反省して、直営で拡充していくことにこそ力を注ぐべきです。
 経営委員会報告は、部分的には前向きの内容も含まれています。しかし、深刻な都民の状態、医療環境からすれば、不十分といわなければなりません。この立場で幾つか指摘もし、積極的な提案もしていきたいと思います。
 まず、伺いますけれども、今も質問の中で出ていましたが、診療圏という新しい概念が取り入れられました。具体的にどういう概念で、何に役に立つのかということです。

○齊藤経営戦略・再編整備担当部長 診療圏とは、病院の医療機能を検討する際、病院を中心として、車による移動時間や距離から計算された範囲のことをいいます。各都立病院の役割を検討する際の参考資料として、この範囲における人口構造の特性や近隣医療施設の機能、実態を分析するのに有効だと考えております。

○大山委員 診療圏、それが概念なんだということなんですが、診療圏について、病院経営委員会の議事録を読むと、よくわかるんですね。経営委員会の部会で自分が情報を提供してきたという委員さんから、行政的医療というのが何なのかを考えるときに、地域の医療ニーズと提供できている医療の現状にはギャップがあるから、そのギャップを埋めなければならないのが行政的医療として期待されている、このときに重要なのが、病院の周りの地域をどれぐらいの規模で考えるかということで、救急車で搬送した結果、医療を提供して命が救える、ないしは患者さんの予後が改善できるもの等、患者さんの選択も含めて受診をするための範囲があると。この二点を考慮して考えたということなんですね。その範囲が、車での移動時間が三十分圏内で、それが診療圏だということですね。行政的医療が何なのかということを、都立病院の果たす役割が明らかになるというわけです。
 この診療圏を各病院ごとに地図に落として、資料として出していただきました。それと同時に、この経営委員会報告の冊子の資料編、四三ページに九番という資料で、都立病院居住地域別患者数があります。
 ほとんどの都立病院は、外来の場合、六割から九割近くの患者が三十分圏内から来ています。例えば、広尾病院だったら、渋谷、港、品川、目黒、世田谷、半分ぐらいですかね。そうすると七〇・三%です。大塚病院も七九・三%というように、六割から九割近くの患者が三十分圏内から来ています。
 ところが、小児総合医療センターは、三十分圏内からの患者、見てみますと、府中、国分寺、小平、立川が三十分圏内の自治体といえますけれども、この自治体から来ている患者さんは外来で三一・六%です。入院では二二・四%でしかありません。圧倒的に、病気の子どもたちが三十分以上の時間をかけて通院せざるを得ない状況になっているわけです。
 外来では八王子や町田、それから入院では八王子、東村山など、八王子小児病院や清瀬小児病院があった地域からの患者さんが一定数いるわけです。八王子市からの入院患者さんは一割に上ります。外来患者は六%。一時間も一時間半もかけて通ってきているということではありませんか。
 経営委員会の考え方からいっても、小児病院を統廃合したことは矛盾なのではないですか。

○齊藤経営戦略・再編整備担当部長 小児病院の再編整備の目的は、小児科医師の不足という社会的な状況と、建物の老朽化という現状を踏まえまして、さまざまな医療資源を集約化することにより、限られた医療資源を最大限に生かし、機能強化していくということにございました。
 診療圏におきましても、近隣医療施設の機能や実態の分析により、限られた医療資源を最大限生かし、役割分担や医療連携のもと、各都立病院の役割を検討する際の参考資料となるものでありまして、両者の考えに矛盾はないというふうに考えております。

○大山委員 建物の老朽化なら、その場で建てかえればいいわけです。清瀬小児病院だったら、あの広大な土地があるわけですから、診療をしながら同じ敷地内で建てかえられましたよ。八王子小児病院だって、かつては具体的に移転建てかえの用地まで決まっていたではありませんか。梅ケ丘病院だって、順次建てかえることだって可能です。
 小児科医の不足といいますけれども、清瀬や八王子、梅ケ丘の拠点は残して、医師を初め医療人材を計画的に養成するとか、小児医療センターの開設を段階的にするなど、私たちはさまざま提案もしてきました。初めに統廃合ありきだったといわざるを得ません。
 伺いますけれども、経営委員会報告で、特に多摩地域において、年少人口が多いにもかかわらず医療資源が十分に整備されていない地域に対し、今後、来院を促していくような取り組みを実施することも必要と書かれています。この多摩地域において、年少人口が多いにもかかわらず医療資源が十分に整備されていない地域というのは、どの地域のことを指しているんですか。

○齊藤経営戦略・再編整備担当部長 平成二十三年一月一日現在の各市町村の年少人口を、平成二十二年十月一日現在の当該市町村の小児科を標榜する医療機関数で割り返した一病院当たりのゼロ歳以上十四歳以下の年少人口で比較をいたしますと、多摩地区平均が七百五十四人に対し、西多摩保健医療圏千八十七人、南多摩保健医療圏八百八十一人となっております。
 これらの保健医療圏におきましても、休日夜間急患センターの設置ですとか、在宅当番医の配置、休日・夜間診療事業における小児科医師配置など、さまざまな取り組みによりまして、小児医療体制の整備が図られております。

○大山委員 先ほど、A3の紙、資料を配布させていただきましたが、これは本部から資料で出していただいたそれぞれの都立病院の診療圏の地図を、一つの地図に重ねたものです。松沢病院は入れてありません。地図のちょうど真ん中あたりの星が小児総合医療センターです。この東京全体でも、都立病院の診療圏がどうなっているのか、診療圏から外れるところがどこなのかというのが、重ねてみると、より一層わかりやすくなるということなんですね。
 今答弁された南多摩保健医療圏は、八王子市、町田市、日野市、多摩市、稲城市です。広大な空白になったところに八王子小児病院がありました。まさに、地域の子どもたちの貴重な医療資源を、都みずからがなくしてしまったということではありませんか。三十分以内が診療圏、通うのも適切だから--車の移動で三十分なんですよね。そういっておきながら、報告書には来院を促していくような取り組みを実施することも必要、ですから、結局、苦労しても遠くから来なさいということなんでしょうか。
 医療資源が十分に整備されてない地域を病院経営本部がつくってしまったということを真剣に反省して、今からでも遅くありませんから、不足しているところに小児総合医療センターのブランチを出すなどの工夫も含めて対応することこそ、病院経営本部の責任だと思います。
 小児総合医療センターの心の分野について、経営の状況には、平均在院日数を急速に短縮したことにより、新入院患者は増加しているものの病床利用率が低下している、こうした上で、病院経営のあり方では、適正な規模について検討することも必要であると、こう書かれています。
 以前、小児総合医療センターの統合の目的の一つは、医師だけでなく看護師や心理士等のスタッフを含めた医療人材の集約化によって、児童精神科医療をさらに充実強化するものと答弁していましたけれども、充実強化とも逆行するのではないでしょうか。

○齊藤経営戦略・再編整備担当部長 小児総合医療センターにおきましては、医療資源の集約化により医療機能を充実したことから、短時間で密度の高い医療を提供することができるようになったため、平均在院日数が短縮したものでございます。また、病床の回転率が高いため、病床利用率には反映されておりませんが、患者さんの受け入れ実績は、開設以来、年々増加をしております。

○大山委員 小児総合医療センターの役割は、もちろん重要なんです。高機能な病院に集約することで身近な地域の病院を廃止するやり方は間違いだといっているわけです。
 今ご答弁されたのは、短期間で密度の高い医療を提供できるようになったということなんですけれども、けがなどだったら、そのけがが治ればすっきり済みますけれども、児童精神科ではそうはいかないわけです。時間もかかるし、継続した対応が必要です。丁寧にゆっくり対応することが求められているのではないでしょうか。
 梅ケ丘病院だったら、庭にも直接出られました。地元の商店街も温かく子どもたちを受け入れて、見守ってくれていて、体調がよくなってくれば商店街に買い物に行ったり、高校生なら商店街でアルバイトもさせてくれるなど、それ自体が、社会に出ていく、退院するに当たっての助走にもなっていました。小児総合医療センターでは、このような地域との関係を持てる環境にもないということ自体が問題です。結局、充実強化といいながら、縮小するということではありませんか。
 児童精神は身体の分野とは別にすべきだということ、たとえ総合病院になったとしても、単独の施設であることが最低限必要だという病院の現場からの指摘さえも踏みにじって、総合病院の一つの科としてしまいました。急性期の患者と、ゆったりした対応と環境が必要な児童精神科を一緒の病院にすることの矛盾があらわになっているのではないでしょうか。結局、病院のドアはかぎがかかり、外にも自由には出られないような環境にせざるを得なかったわけです。不採算部門の児童精神科を縮小していくということではないですか。
 患者の受け入れが年々増加しているといいますが、初診を申し込んだ日から診療を受けるまでに待つ日数は短くなったというものの、小児総合医療センターは、平均八十一・八日ですから、二、三カ月は待つということです。大塚の児童精神科も、二人だった医師が昨年度から三人になったものの、平均待ち日数は四十二・〇日ですから、一、二カ月は待つということですよね。本来だったら、もっと体制を拡充して、二カ月も三カ月も待たせないようにするべきです。
 昨年の決算特別委員会の質疑では、大塚病院児童精神科外来を受診しているお子さんの住んでいる地域というのは、区西北部が三七%、区中央部が一六%と偏在していることが明らかになり、小児総合医療センターの三十分圏は、きょう出してもらったとおりです。大塚病院と小児総合医療センターにしか児童精神科がないのですから、梅ケ丘から撤退したらその地域は知らないということでは余りにも無責任です。現実的なのは、世田谷の梅ケ丘病院の跡地に児童精神科を開設することですが、どうですか。

○齊藤経営戦略・再編整備担当部長 梅ケ丘病院を小児総合医療センターへ統合した目的の一つは、医師や看護師などの医療人材の集約化によりまして、児童精神科医療をさらに充実強化するということにございました。
 児童精神科医療は、医師、看護師のほか、作業療法士、心理士、精神保健福祉士、保育士がチームとなって治療に当たるものでございまして、限りある医療資源を効率的に活用しなければならず、児童精神科外来を新たに設置することは考えておりません。

○大山委員 大塚病院でもお話を伺いましたけれども、児童精神科ですから、小さい兄弟もいることが多いわけですよね。ですから、遠くの病院に通うのは大変だということなんです。集約して、結局、縮小していくのではないかということですが、世田谷区は跡地利用についてまだ具体化していないわけですから、区とも相談して、せめて児童精神科の外来だけでも設置するべきだということをいっておきます。
 今回の報告では、在宅医療体制の充実について重視していることがわかります。在宅医療体制の充実が求められる超高齢社会では、在宅患者急変時の救急対応の必要性が一層高まり、入院が必要な患者を適切に受け入れられる体制整備が重要な取り組みになると一〇ページに書いてありますけれども、これは非常に重要な指摘だと思います。
 愛知にあります大府の国立長寿医療研究センターにも、急変時に受け入れる在宅医療支援病棟があります。全国初の試みで、ナショナルセンターとして実施に踏み出しました。これまで実施した結果によれば、人口三十万人に二十床あれば、ほぼ間に合うとのことでした。
 地域の開業医さんや訪問診療の医師と連携して、いつでも受け入れられるように体制整備するべきですが、どうですか。

○齊藤経営戦略・再編整備担当部長 都立病院は、これまでも、救急医療におきまして、在宅患者さんが急変した場合の受け入れを実施してまいりました。報告書では、在宅療養支援の課題として、緊急入院や時間外の急病対応を掲げておりまして、今後、在宅医療の必要性が高まる中では、これらの対応が求められるとされております。
 今後増加する在宅患者さんの急変時の救急受け入れに対応していくため、地域の医療機関との連携によりまして体制を整備していくべく、取り組みを図っているところでございます。

○大山委員 急変時だけでなく、介護している家族のレスパイトだとか、かかりつけのお医者さんが必要だとしたときには、受け入れられるように体制整備をしていってもらいたいということを要望しておきます。
 退院時に地域の医療や福祉の資源を結びつけること、コーディネートする役割が重要です。地域の核として、都立病院がこの役割を果たすことが求められていますが、どうですか。

○齊藤経営戦略・再編整備担当部長 都立病院は、行政的医療を提供するため、必要な総合診療基盤を活用しまして、これまでも地域の医療機関と連携して、地域の住民の方々が安心して診療を受けられる医療提供体制を確保してまいりました。
 報告書では、急速な高齢化の進行や在宅医療の必要性が高まる中、地域医療が重要となるため、これまで以上に連携を深め、地域医療機関との協働体制を築いていくことが重要とされております。
 このような状況を踏まえまして、地域医療機関などとの連携体制の強化を図るべく取り組んでいるところでございます。

○大山委員 いち早く超高齢社会を迎える東京ですから、都立病院が在宅療養支援の分野でも、全都の先進的なモデルになるように進めていっていただきたいと思います。
 最後に、都民の暮らしの状況を見ますと、どうしてもいっておきたいことがあります。経営委員会報告の、都立病院の現状と課題のところで、未収金の問題が、景気低迷と相まって長期にわたり社会問題になっているとして、経営力の強化の章では、未収金の発生防止と確実な回収に取り組むとあります。
 しかし、今の都民の暮らしの状況を見れば、むしろ都立病院の役割として、無料低額診療事業に踏み出すことこそ重要なときです。
 朝十時から夕方五時まで、六台の電話が鳴りっ放しだったという、受話器を置いたらすぐに鳴る状態だったという、八月末に実施された国保・医療なんでも相談には、例えば、ことしの保険料がまだ払えない、妻はうつ病で療養中、国保六千円、介護保険料は夫六千百五十円、妻が三千六百九十円、後期高齢者の医療保険は月二万円は高過ぎる、医療費も毎月二万円ぐらい、生活できないとか、六十四歳のご夫婦と三十六歳の娘さんと三十四歳の息子さんの家族は、夫が早期退職して子会社へ再就職した後に喉頭がんが発見されて、住宅ローンもあと三十年残っていて、退職金は医療費に回っている、四月から再入院で、医療費、もう本当に何とかならないか、そういう切実な、深刻なものばかりだったということなんですね。
 日本医師会の調査で、過去一年間に、経済的な理由により受診しなかったことがある患者、約一割です。このうちの半数強が受診を控えた結果、症状が悪化したとありますように、実際に経済的な問題で受診抑制があり、しかも症状が悪化しているわけです。
 今回の経営委員会の報告には、都立病院の役割の中で、すべての都民のための病院、こうなっています。今の都民の暮らしの状況を見れば、経済的な困難は明らかで、すべての都民のための病院を実践するためには、都立病院として無料低額診療事業に踏み出すことが求められていますが、どうですか。

○中野サービス推進部長 都立病院におけます無料低額診療制度の実施についてでございますが、本事業は社会福祉法に基づく社会福祉事業として位置づけられておりまして、その実施につきましては、都立病院の役割や経営に与える影響、地域医療機関との医療連携のあり方や機能分担、加えまして、国の動向など、さまざまな課題があると認識しております。

○大山委員 大阪警察病院は無料低額診療事業を実施しているんですね。経営に与える影響といいますけれども、社会福祉法人だと固定資産税が免除ということになりますけれども、都立病院は最初から必要ないのでその恩恵はありませんが、最近の都民の経済状況を勘案すれば、都立病院や公社病院が実施することは社会的な要請といえます。民間の医療法人でも固定資産税の免除は当てはまりませんけれども、新たに無料低額診療事業を始めるところも出てきているんです。
 数年前に始めた病院に、どうしてやろうと思ったのか伺いましたら、経済的な理由で医療を受けられない患者をなくすため必要だとのことで決断したというんです。まさに東京都の役割なんじゃないでしょうか。ぜひ検討してもらいたいということを求めて、質問を終わります。

○田の上委員 私からも、今後の都立病院のあり方について質問をさせていただきます。大きく二項目にわたって質問をいたします。
 まずは、外国人の未収金の問題についてです。
 まず、今回の報告書の中で、経営上の課題として未収金の課題が挙げられていますが、都立病院全体ではどれくらいになるのか、また、過去と比較して増加しているのかどうか伺います。また、そのうち外国人における未収金の金額と割合はどれくらいになるのでしょうか。お尋ねいたします。

○中野サービス推進部長 都立病院におけます平成二十四年三月末現在の過年度の個人未収金額でございますが、約十一億四千九百万円でございまして、これまでは増加傾向にありましたが、今回、前年度と比較いたしまして、約三千五百万円減少しております。
 次に、外国人の未収金額と割合でございますが、病院の担当者が氏名や面談等から外国人と判断し、集計した数字でございますが、平成二十四年三月末現在、約二億五千四百万円で、全体に占める割合は約二二%でございます。

○田の上委員 大変ご努力しているということは認識しております。未収金自体は前年度と比較して減少したということでございます。
 また、二〇一一年の公営企業会計決算特別委員会で、同じ会派の吉田議員が質問したときにはわからなかったのですが、外国人の割合というものも今回は調査をしていただいたということで、ありがとうございます。いずれにいたしましても、外国人の未収金の割合が二億五千四百万円という金額、そして全体の二割を超えたということで、ちょっとびっくりしております。
 外国人の医療機関利用の場合は、吉田議員もご指摘をしていましたけれども、他人の保険証を使用するというような悪質なケースもあるかとは思いますが、国民健康保険などに加入しないままに緊急のケースで搬送される、または外来で訪れる場合もあるのかと推測いたします。
 外国人が、日本の公的医療保険制度、健康保険制度を知らないということはあるのでしょうか。また、保険証の提示をしなくても、もちろん自己負担であれば診療を受けられるわけですが、外来で訪れた場合、外国人の方にも事前にそういった説明をされているのでしょうか。お伺いいたします。

○中野サービス推進部長 健康保険に加入しないまま都立病院を受診した場合、窓口で健康保険制度を説明するとともに、ケースワーカーが必要に応じまして、自治体の国民健康保険課などを案内しております。
 なお、病院窓口において保険証の提示がない場合につきましては、外国人、日本人を問わず、全額自己負担になる旨をご説明しております。

○田の上委員 私も直接、地元の自治体に確認をいたしましたが、そこでは外国人登録証明書を申請するときに、日本の国民健康保険制度等のご案内をしているということでございました。
 例えば、健康保険なんですけれども、標準報酬月額に保険料率を掛けるような仕組みでございますので、加入することが、長期滞在で働いているとすればどれほど負担になるのかよくわからないのですが、観光などの短期滞在、短期留学、短期の就労以外で長期滞在する場合は、加入する方がむしろメリットではないかというふうに思います。私自身も、海外に滞在していたときは、その国の保険制度に加入をしていたわけでございます。
 また、保険証の提示がなければ全額負担になる、自己負担になるということも事前に説明をしているということでございますが、それでも未払い、不払いといった方がいいのでしょうか、そういったことになるというのは、例えば不法滞在など、正当な手続を経ない在留で、自己負担がそもそも無理であったとか、もしくは、そもそも医療の応招義務を利用した悪意のケースであった場合などではないかと思っております。
 三年前、住民基本台帳法の改正があり、入管法等改正法の施行に合わせて、ことしの七月から、永住外国人に対しては外国人登録証明書が廃止され、特別永住者証明書というカードが交付されるようになりました。これも順次切りかわっているようではございますが、ある意味、短期の在留なのか、永住なのかは見分けやすくなったといえます。
 どうしても医療費の徴収ができない外国人の場合は、せめて身分証明を確認し、国籍のある国の大使館に請求するということも可能かと思いますが、いかがでしょうか。ご見解を伺います。

○中野サービス推進部長 都立病院での受診に際しましては、外国人に限らず、保険証の提示を求めまして、本人確認を行っております。その際、保険証を持っていない方、未加入の方につきましては、運転免許証やパスポートなど、本人確認ができるものの提示を求めております。
 また、大使館に医療費の請求を実施した実績はございますが、いずれも医療費の支払いはできないという回答を受けております。
 今後、医療費を支払えない理由を確認するなど、医療費回収に向けて努力してまいります。

○田の上委員 受診に際しては本人確認を行っているとのことです。当然ですけれども、照会をしたときに、他人の保険証であったり、身分証明書であったりというようなことがないように、まずはしっかりと本人確認をしていただきたいとお願いをいたします。
 大使館への医療費請求に際し、支払いができないという回答であったということですが、どういった理由で拒まれているのか、そこがわからないので何ともいえませんけれども、もし制度上の課題というようなものがあるのであれば、制度改善を国に働きかけていくというようなことも必要かと思います。
 年間で二億五千万円を超える外国人の未収金のうち、国ごとの内訳があるわけではないのでわかりませんけれども、国によっては大きな金額になることと思いますので、その旨お伝えをしておきたいと思います。
 救急で搬送された場合、日本人でもひとり暮らしで身寄りがなく、また、さらに意識がないなど、お金を動かすことができない、そして支払いが滞るケースというのがあるかと思いますが、日本人の場合は、判断能力が不十分な方々を保護する成年後見制度を利用することができ、任意で難しい場合は区市町村長の申し立てによることもできます。外国人の場合はどのようになっているのでしょうか。

○中野サービス推進部長 成年後見制度でございますが、日本の国籍を有していなくても、日本に住所または居所を有する場合、法定後見制度を利用することができます。外国人が成年後見制度を利用する場合、ケースワーカーが必要に応じまして、家庭裁判所や社会福祉協議会等をご案内することになります。

○田の上委員 当然、これにもきちんとした身分証明が不可欠ではございますが、まず入院する期間が長い、症状が重いとなれば、日本人と同様に成年後見制度を利用するということも考えなくてはいけません。先ほども申し上げましたが、住民票に登録が可能になった方もいますので、活用していただきたいと申し上げます。
 医療機関としては、正当な事由がなければ診療の求めを拒んではならないという応招義務があることも承知しておりますが、都立病院の未収金は一般会計からの繰り入れにつながり、都民の税金負担となってまいります。日本人の患者に診療費未払いの請求をしていくことはもちろんでございますが、同様に、外国人に対しても徴収努力が必要なことはいうまでもありません。
 未払いの二割強が外国人であるということは、社会問題の変化も含めて大変ショッキングなことでございます。病院経営本部には、しっかりとした認識を持って、これからも未収金の回収にさらなるご尽力をお願いしたいと思います。
 次に、墨東病院について伺います。
 墨東病院の診療圏は二百二十万人と、他と比較しても多く、高齢化率は一七・五%となっていますが、今後も高齢化は進んでいくものと思われます。区東部は、今もなお臨海部の人口増が続いています。一方で、報告書の中では、区東部における医療資源の不足も指摘されています。
 こうした中、病院の経営力強化では、医薬品等材料費のコストの見直しなどが必要だと思いますが、病床運用の効率化、早期の退院の促進だけでは解決しない問題があると考えております。
 報告書では出口戦略の強化を掲げていますが、区東部における都立病院以外の病床数はどれくらいあるのでしょうか。診療科目ごとに充足しているのかどうかもあわせて教えてください。

○齊藤経営戦略・再編整備担当部長 平成二十四年四月一日現在の区東部保健医療圏における既存病床数でございますが、これが八千四十二床でございまして、唯一の都立病院である墨東病院の医療法許可病床数七百三十六床を除く病床数は、七千三百六床となります。
 区東部保健医療圏における、東京都保健医療計画で定める、いわば病床を規制するための基準病床数は八千四十二床となってございまして、この基準病床数と、先ほど申し上げました既存病床数が同一となっております。
 東京都保健医療計画に定める基準病床数は、当該保健医療圏の人口や患者動向、病床利用率等を考慮して定められるため、診療科目ごとには定められてございません。

○田の上委員 区東部保健医療圏における病床数としては、墨東以外で七千三百六床ということです。基準病床数と既存病床数が同じということで、十分な病床数であるというご認識なのかと思います。しかし、その一方で、報告書では病院数、医師数ともに都平均、全国平均を下回り、厳しい状況であるという見解も書かれています。
 また、診療科ごとの基準病床数は、人口や患者動向、病床利用率等を考慮するために定められていないということなんですが、地元の医療機関等でいろいろな話を聞く中で、例えば、精神科などは不足しているのではないか、そういった診療科もあるのではないかと推測をいたします。
 出口戦略では、医療機関だけではないかと思いますが、療養施設や在宅の場合の訪問看護ステーションなど、区東部の地域資源をどのように認識をしているのでしょうか。NICUの場合は、退院支援モデル事業として、NICU入院児支援コーディネーターが地域の関係機関と連絡調整をしていたかと思いますが、こういった仕組みをほかの診療科目にも広げていくお考えはあるのでしょうか、伺います。

○齊藤経営戦略・再編整備担当部長 墨東病院が連携する地域医療支援でございますが、各施設との連携の窓口となる医療福祉相談室において、福祉保健局が発行する医療機関名簿やインターネットを活用して把握し、訪問看護ステーションを対象にした講演会の実施や、地域の各機関とのカンファレンスなどにより情報交換を行っております。
 NICU入院児支援コーディネーターにつきましては、地域の関係機関との連携や行政機関との調整、家族の在宅療養に向けた準備の支援などを実施し、円滑な在宅療養への移行を支援してございます。
 今回の報告書の中でも、都立病院が都民の方々に対し、安定的に行政的医療を提供していくためには、入り口機能と出口機能を一層強化していく必要があるとされております。
 今後、高齢化の一層の進行による、合併症を有する患者さんの増加が見込まれる中、入院が必要な患者さんを適切に受け入れていくためにも、地域の医療機関との協働を進めていくとともに、病院総体として、退院支援を引き続き進めていく必要があるというふうに考えております。

○田の上委員 地域資源としては、訪問看護ステーションの数なども、必ずしも充足しているとはいえない状況ではないかと考えております。ぜひ密な連携と情報交換により工夫をしていっていただきたいと思います。
 また、高齢化の進行により、医療福祉相談室において退院支援機能を強化していく必要等に触れていただきました。効率だけが先行しないよう、退院機能強化という意味では、あらゆる資源の活用を検討できる体制をつくっていただきたいとお願いをいたします。
 先日、墨東病院を視察させていただき、確認をさせていただいたところ、墨東病院の職員定数は、二十三年度、二十四年度でほとんど変わりがありませんでした。非常勤の勤務医等の数はふえているのでしょうか、お尋ねいたします。

○齊藤経営戦略・再編整備担当部長 墨東病院非常勤医師は、平成二十三年八月一日現在の実人員が百二十四人、平成二十四年八月一日現在の実人員が百七十一人となってございます。

○田の上委員 正規職員はほとんどふえていないけれども、非常勤はふえているということかと思います。非常勤の方がいないと対応できない状況がうかがえます。また、非常勤の補充では間に合わないというような声も聞くところです。外来数や入院数などに見合う職員配置として、適宜見直しをしていただきたいと要望させていただきます。
 墨東病院にERが開設されて十年になりますが、報告書では、待てない急性期医療を中心とした病院であり、待てる急性期医療は他の医療機関との役割分担であるという文言があります。しかし、本当に役割分担できるのか疑問があります。地域に、初期、二次救急に対応できる病院はどれくらいあるのでしょうか。また、区東部の医療圏は、都全域の平均と比べ、どのような状況となっているのでしょうか。

○齊藤経営戦略・再編整備担当部長 墨東病院が所在する区東部保健医療圏におきまして、初期救急を実施する医療機関は、平成二十二年十月一日現在、墨田区、江東区及び江戸川区の三区で六施設を指定しておりまして、二次救急を実施する東京都が指定する救急告示医療機関数は、平成二十四年四月一日現在、三十施設がございます。
 平成二十四年四月一日現在、人口一万人に対する救急告示医療機関数は、都全体では〇・二五施設、区東部保健医療圏は〇・二二施設となっております。

○田の上委員 〇・二五と〇・二二を比較してどうかというと非常に難しいのですが、平均して少ないということであると思います。
 墨東病院は、救急車の出動が年間一万件を超え、救命センターの利用は都内で一番多いと聞いております。ERでは当直で系列数をふやし、六名の医師が常勤する体制を整えたり、また、設備では救急診療科を設置したり、救急救命センター初療室を一室から二室にふやしたり、また、救急病棟の病床を五床から十床へふやすなど、さまざまなご努力を重ねてきていることは評価しております。
 しかし、ERだけに集中することもできず、墨東がこのまま救急の受け入れ体制を続けることには無理があるのではないか、改善が求められるのではないかというふうに思っております。
 地域連携を進めることが大変重要ではございますが、地域の医療機関との話し合いはどのように行われているのでしょうか、伺います。

○齊藤経営戦略・再編整備担当部長 墨東病院では、近隣にある病院訪問を重ね、病院間の診療連携を強化する取り組みを進めるとともに、近隣地区医師会との医療連携推進委員会や江東七地区歯科医師会との情報交換会を定期的に開催するなど、地域医療機関との意思疎通の活性化を図っております。
 また、区東部における二次または三次救急を担う医療機関による区東部地域救急会議におきまして、区東部地域の救急医療の課題などについての議論を行い、情報共有を図っております。

○田の上委員 医療機関であるとか医師会だとかと、診療連携ということで話し合いをしていただいているということでございます。
 重要なのは、今後、墨東で初期、二次救急をどうするのか、地域の医療機関の協力で、その役割分担を明確にすることで本当に可能になっていくのか、それともERの機能の拡充とともに初期、二次救急の対応も強化していくのか、方向性をどのようにするのかということだと思います。
 今回の報告書では、病院別の分析が一、二ページずつしかありませんが、ぜひ個々の事情に合わせた方向性を打ち出していただきたいと思っております。
 最後に、新棟の開設で墨東病院はどのように変わっていくのか、伺います。

○齊藤経営戦略・再編整備担当部長 墨東病院は、区東部保健医療圏最大の病床を持つ基幹病院としてさまざまな医療需要にこたえてまいりましたが、新棟の開設により、さらなる医療機能の向上を図ることとしております。
 具体的に申しますと、救命救急医療の強化として、高度な治療を行うための脳卒中ケアユニットや肺ケアユニットを整備するとともに、心疾患への対応として、心臓疾患特定集中治療室を整備し、救命率の向上とともに治療効果も向上させていきます。
 また、感染症医療機能の強化として、一類、二類感染症に分類される疾患に対応する病床や、感染症緊急対応病床を整備いたします。あわせて、陰圧対応可能な人工透析室も設置、また、パンデミック時には軽症から重症まで対応可能な感染症診療機能を整備いたします。
 今後とも、区東部保健医療圏最後のとりでとして、基幹病院としての役割を果たしていきたいというふうに考えております。

○田の上委員 医療機能の強化について、丁寧にご説明をいただきました。救命救急医療の強化や感染症医療の強化も含めて行われるということで、大変期待をしております。
 今回の質問では、区東部の人口、患者に対して墨東病院の受け入れは十分なのか、機能できるのかという懸念を示すものではございますが、基幹病院として期待する思いからでございます。
 安全で質の高い医療を目指しているものと認識していますが、地元では、診療の忙しさゆえか、サービスに対して疑問の声も聞くところです。安全で安心な医療を目指し、さらなる改善に取り組んでいただきたいと要望をさせていただき、質問を終わらせていただきます。

○今村委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○今村委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑はいずれも終了いたしました。
 以上で病院経営本部関係を終わります。
 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後二時四十五分休憩

   午後三時開議

○今村委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 これより福祉保健局関係に入ります。
 初めに、契約議案の調査を行います。
 第百七十八号議案を議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○今村委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○今村委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 お諮りいたします。
 本案は、異議のない旨、財政委員長に報告したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○今村委員長 異議なしと認め、そのように決定させていただきました。
 以上で契約議案の調査を終わります。

○今村委員長 次に、付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
 第百六十一号議案から第百六十八号議案まで及び第百八十二号議案から第百八十四号議案まで並びに報告事項、平成二十三年度地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター業務実績評価についてを一括して議題といたします。
 本案及び本件については、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○中川原総務部長 過日の厚生委員会でご要求のありました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の厚生委員会要求資料(報告事項)をごらんいただきたいと存じます。
 資料は目次にございますように、全部で六項目となっております。
 一ページをお開き願います。地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターの新施設の概要といたしまして、平成二十五年度の開設を予定しております東京都健康長寿医療センターの新施設の概要について記載してございます。
 二ページをお開き願います。地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターの職種別職員数の推移といたしまして、東京都健康長寿医療センターの医師等の職種別職員数の推移について記載してございます。
 三ページをごらん願います。地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターの医師数といたしまして、東京都健康長寿医療センターの診療科別の医師数について記載してございます。
 四ページをお開き願います。地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターの経営指標の推移といたしまして、東京都健康長寿医療センターの入院及び外来の経営指標の推移を記載してございます。
 五ページをごらん願います。地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターのその他医業収益の推移と内訳といたしまして、東京都健康長寿医療センターのその他医業収益の決算額の推移とその内訳について記載してございます。
 六ページをお開き願います。地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターに対する運営費負担金及び運営費交付金の推移といたしまして、東京都健康長寿医療センターに対する運営費負担金と運営費交付金の決算額の推移について記載してございます。
 以上、簡単でございますが、ご要求のありました資料につきましてご説明申し上げました。よろしくお願い申し上げます。

○今村委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含め、これより本案及び本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○田の上委員 私からは、百六十五号議案と百八十二号議案について伺います。
 まず、東京都婦人保護施設の設備及び運営の基準に関する条例です。
 これは一括法、二次分の制定に伴い都条例を定めたものですが、まず、今回の条例が新設されるに当たって、婦人保護施設の方々の意見を聞く機会はあったのでしょうか、伺います。

○廣瀬事業推進担当部長 今般の条例制定は、国の第二次地方分権改革に基づき、婦人保護施設の設備運営に関する省令を踏まえて、都として条例を定めるものでございます。
 条例の規定の内容を検討するに当たり、都内の婦人保護施設の設備運営の実態を勘案しながら、必要とされる基準について規定するため、婦人保護施設の代表者や学識経験者など、女性福祉に関する専門家の意見を伺ったところでございます。

○田の上委員 婦人保護施設の代表者の方々や関係者の方々からお話を伺ってくださったということです。
 婦人保護施設の設備及び運営の基準に関する条例について、婦人保護施設自体は売春防止法を設置根拠とし、成人を保護する施設であるのに、児童福祉施設の設備及び運営の基準に関する条例の基準と同内容の項目が採用される理由を教えてください。

○廣瀬事業推進担当部長 婦人保護施設では、配偶者暴力被害で避難している場合など、女性が児童と一緒に保護されるケースがございます。
 都が本年三月に制定した児童福祉施設の設備及び運営の基準に関する条例では、母親と子どもを保護し、支援する母子生活支援施設も対象としているため、利用形態が類似している婦人保護施設についても、一部同様の内容を規定したものでございます。

○田の上委員 児童福祉施設の中でも母子生活施設を参考にしたということかと思います。
 では、婦人保護施設では児童同伴の方がどの程度いるのか、単身の方はどれくらいなのか、教えてください。

○廣瀬事業推進担当部長 本年九月一日現在、都内の婦人保護施設に保護されている女性は百二十九人おり、そのうち子どもと一緒に保護されている方が二十一人、単身の方が百八人でございます。

○田の上委員 単身の方の方が大分多いようです。もちろん、児童同伴の方に配慮するのは必要でございますが、本来は売春防止法を設置根拠とする施設であり、婦人保護の施設であるということを忘れないでいただきたいと思います。また、職員の方々の意識の中にも醸成していただきたいと考えます。
 第十一条の衛生管理等に関して、都は独自に入浴や清拭の条文を設けていますが、どのような背景があって盛り込まれたのか、ご説明をいただきたいと思います。

○廣瀬事業推進担当部長 婦人保護施設は、入所者が施設設備を共同で利用して生活することから、施設内の清潔を保ち、感染症等の発生を予防する手だてを講ずることが必要でございます。
 このため、入浴や清拭の項目について、施設長や学識経験者の意見も踏まえ、母子生活支援施設と同様に条例に盛り込むところとしたところでございます。

○田の上委員 婦人保護施設に限らず、入所施設は感染症等を予防する観点から衛生管理が必要であるということです。
 四項の、入所者の希望等を勘案し、清潔を維持できるよう入浴させ、または清拭しなければならないは、施設の責務であると理解いたしますが、婦人の尊厳というものを考えたときに、法律と同じ文言であっても、表現として適当かどうかと懸念をするところです。
 本来であれば、清潔を維持できるよう入浴、清拭するための施設または設備を整えなければならない等の文言が適当だったのではないかと思いますので、意見として申し上げます。
 第十八条の業務の質の評価等では、定期的に外部の者による評価を受け、公表とされていますが、評価項目は、婦人施設としての評価基準になっているのでしょうか、お尋ねいたします。

○廣瀬事業推進担当部長 都では、福祉サービスの質の向上を目的として、施設サービスごとに評価項目を定め、第三者評価事業を実施しております。
 このうち、婦人保護施設については、組織運営にかかわる項目のほか、提供するサービスに関して、安定した就労のために雇用先との関係調整や開拓などの必要な支援を行っているか、利用者が安心して感情を表現できるよう工夫しているかなど、女性の自立支援や配偶者暴力被害者へのケアに関する施設特性を踏まえた評価項目を設定しているところでございます。

○田の上委員 特性を踏まえた評価項目になっているということで、確認をさせていただきました。
 婦人保護施設は、一九五六年に売春防止法が根拠となって設置をされていますが、現在では、さまざまな理由で保護されている方もいると聞いております。
 そこで、売春防止法に基づく入所者はどれくらいいるのか、また、そのほかの理由はどのようなものなのか、お伺いいたします。あわせて、多様な入所者に対してどのようにケアを行っているのか、お尋ねいたします。

○廣瀬事業推進担当部長 本年九月一日現在、都内婦人保護施設に保護されている女性は百二十九人おり、そのうち売春を理由として保護された方は三人でございます。売春以外の婦人保護施設への入所理由としては、居どころがない、配偶者暴力を受けているなどがございます。
 入所者に対しては、規則正しい生活習慣や転宅に必要な資金を得るための就労支援、配偶者暴力を受けた方への心理相談など、入所理由も勘案しながら、個々に状況に応じた支援を行っているところでございます。

○田の上委員 さまざまな事情で入所される方がいらっしゃるということがわかりました。
 当然ながら、すべて同じように扱うことだけが平等ではありません。それぞれの事情、健康状態を見ながら対応を考えていくことが必要です。
 二〇〇九年の厚生委員会で、少子社会対策部長が、婦人保護施設の目的や利用実態に照らしますと、まず何よりも安全で安心して生活できる場所の提供、それから、暴力等で傷ついた人へのケアが大切という旨を答弁されていました。施設の設立当初とは異なるさまざまな利用者に合わせて、きめ細やかなケアをしていただけるよう、改めてお願いをいたします。
 今回の条例提案は、婦人保護施設の人員配置などの基準を定めることが目的ですが、東京都は平成二十三年四月に、都立の婦人保護施設、新生寮を民間移譲しています。移譲前の質疑では、移譲前後で職員の人員配置は変わらないというご答弁がありましたが、今回最低基準が定められたことにより、職員配置に影響がないのか伺います。

○廣瀬事業推進担当部長 新生寮は、都が法人と締結している協定に基づき、民間移譲後においても、都立施設であったときと同様の人員配置を維持しております。
 また、今回制定する条例では、第三条三項において、最低基準を超えて設備を有し、または運営する婦人保護施設は、最低基準を理由として、設備または運営を低下させてはならないと規定しております。現在、施設運営における、都として望ましいサービス水準を確保するために、独自に経費を補助しておりますが、その考え方に変更はなく、今般の条例が制定されたことによる施設への人員配置の影響はございません。

○田の上委員 人員配置について確認をさせていただきました。ぜひこういった人員配置を初め、サービスの質の低下がないようにしていただきたいと思います。
 今回、児童福祉施設の基準に合わせて条例が設定されています。対象が異なるのに同じ基準にすることが適切かどうかを再考する機会ととらえました。
 売買春問題と取り組む会というところが、七月に、厚生労働大臣等に法改正の要望書を提出しています。そこでは、現行法のように売春女性に重い負担をかけるのではなく、性を売る女性を支援の対象にすることや、彼女たちが活用できる社会資源であることを知らせるなど、婦人保護事業の強化、すなわち自立への支援を要望しています。
 今回の条例で対象の施設は婦人保護事業の拠点となるところなので、東京都としての婦人保護の受け皿としてしっかりと認識し、充実させていただきたいと思います。
 先ほど、民間移譲後の体制の確認をいたしましたが、民間になったことで、柔軟な運営をしていくことも可能と考えます。ぜひ女性の尊厳を大切にし、都のいうところの自立につながる施設としてご努力いただけるよう要望いたしまして、次の質問に移ります。
 次に、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター中期目標についてです。
 東京都健康長寿医療センターは、高齢者医療及び研究の拠点として、高齢者の医療の充実と健康維持、増進を目指す研究に、長きにわたり取り組んできました。超高齢社会において大きな役割を果たす施設であると感じております。
 先日も視察させていただきましたが、トランスレーショナルリサーチとして、さまざまな課題に取り組むための医療と研究の連携、ブレインバンクで臨床データ、病理組織をデータベース化していくこと、また、健康な脳との比較をしていくことで認知症発生のメカニズムを研究するなど、重要な役割を担っている施設です。進行する高齢社会の中で、要介護にならない期間を一年長くするだけで大変な経済効果があるというお話も伺い、社会に貢献する貴重な施設であると認識をしております。
 このたび、平成二十三年度の業務実績評価書の報告とともに次期の中期目標が提出されていますので、質問をさせていただきます。
 平成二十五年度から第二期中期目標となるわけですが、第一期中期目標中に明らかになった課題にはどのようなものがあるのか、まずお伺いいたします。

○枦山施設調整担当部長 健康長寿医療センターは、地方独立行政法人化後、三年経過いたしましたが、東京都地方独立行政法人評価委員会から、全体としておおむね着実な業務の進捗状況にあるとの評価を得ております。
 一方、第二期中期目標期間に向けての課題として、医療と研究の一体化のメリットを生かし、臨床に応用できる研究をより一層推進すること、経営基盤の安定化に向けたコスト管理体制を強化することなどの課題が示されております。
 また、都としては、高齢者が今後急速に増加する中で、健康長寿医療センターが、急性期病院としての役割に加え、在宅療養を推進する地域の仕組みづくりにおいても役割を積極的に果たすことが重要であると考えております。これらを踏まえまして、第二期中期目標案を策定したところでございます。

○田の上委員 健康長寿医療センターの役割を踏まえての意識が確立した目標案であるということがわかりました。
 病院と研究機関が一緒になっているという特徴を有するセンターですが、その成果を社会に還元していくことが大変重要になってきます。
 具体的に、どのように地域の医療機関と治療法などの情報を共有しているのでしょうか。また、医療と介護の連携モデルとして発信するとしていますが、板橋ナーシングホームの民営化施設との連携はどのように行うのか伺います。

○枦山施設調整担当部長 健康長寿医療センターがその機能を十分に発揮していくためには、地域の医療機関、介護施設等との密接な情報交換が重要であると認識しております。
 地域の医療機関とは、センターの症例を題材とした公開臨床病理検討会を定期的に実施しており、二十三年度は八回開催し、延べ十二医療機関から参加がございました。また、板橋区などの地区医師会と共同で勉強会や講演会を開催するなど、積極的な情報発信を行っております。
 また、板橋ナーシングホーム民営化後の施設事業者の公募に当たっては、センターとの連携を要件としており、今後、人材育成や在宅復帰支援などの分野で、新たな大都市モデルとして発信していく予定にしております。

○田の上委員 ぜひ積極的に情報提供をして、医療の向上に役立てていただきたいと思います。
 また、板橋ナーシングホームは、これまでにも退院後における高齢者の在宅生活を支えてきたと聞いております。民営化後も、密な連絡により医療の成果が生かされるようお願いをいたします。また、モデル事業を経て、広く生かされる医療と介護連携に引き続き取り組んでいただけるよう、お願いをさせていただきます。
 平成二十一年に地方独立行政法人化をして三年となります。今回の中期目標に、業務経営の改善及び効率化に関する事項として、地方独立行政法人の特性を生かすとありますが、具体的にはどのような特性を考えているのか伺います。

○枦山施設調整担当部長 健康長寿医療センターは、その自立性を発揮し、効果的かつ効率的に医療の提供、研究の推進を図ることを目的として地方独立行政法人化したものでございます。
 具体的には、予算執行や人員配置などの面で、柔軟で機動的に対応できるという特性を有しております。組織や人員が当初予算に縛られていた独法化以前は困難でありましたが、独法化により、年度途中に体制を変えることが柔軟にできるようになりました。例えば、看護の質の向上を目指した七対一看護の導入、救急患者の受け入れ体制強化のための救急診療部の設置などを行いました。
 また、東日本大震災の発生を受け、災害時における高齢者の支援を新たなテーマとして掲げ、震災が都内在住療養高齢者に及ぼした影響について調査を実施いたしました。
 第二期においても、事業の重要度や収支状況を勘案して必要な取り組みを行い、高齢者の医療ニーズなどに柔軟に対応してまいります。

○田の上委員 医療機関等においてはさまざまな経営形態があるとは思いますが、病院としては、医療の低下を招かないこと、そして充実させることが何よりも必要と考えます。柔軟な対応により、年度途中でも救急診療部等が設置できたとのことで、ぜひこういったメリットを今後も生かしていただきたいと考えております。
 健康長寿医療センターは、平成二十四年四月から認知症疾患医療センターとして運営を開始しました。東京都には、基本的に二次保健医療圏ごとに認知症疾患医療センターがあり、現在十カ所となっています。健康長寿医療センターの専門医療相談室でも、多くの相談を受けているとのことでした。
 認知症疾患医療センターの役割には、専門医療相談の実施、認知症の診断と対応や地域連携、情報発信など幾つか挙げられますが、今後ふえてくるであろうと思われる認知症の相談や医療の提供にどのように対応していくのか伺います。

○枦山施設調整担当部長 健康長寿医療センターでは、認知症疾患医療センターの指定に先立ち、平成二十三年六月より準備室を開設し、精神保健福祉士や臨床心理士等の専任の相談員を配置し、受診の必要性についての相談、患者や家族が抱える不安に関する相談等、多くの相談を受けてまいりました。
 認知症疾患医療センターの指定を受けた四月以降は、その役割である患者や家族からの相談件数は大きくふえており、区市町村など地域の関係機関からの相談もふえております。
 今後とも、地域での診療体制構築のため、地域における人材育成機関及び地域連携推進機関として、医療従事者向けの研修の実施、二次医療圏内での連携協議会の開催など、認知症疾患医療センターとしての役割を積極的に果たしてまいります。

○田の上委員 認知症疾患医療センターが現在十カ所であるということを先ほど申し上げましたが、二次医療圏ごとということで、あと二カ所も早期に指定していただき、都内各地域での体制を確立していただけるよう、要望をさせていただきます。
 認知症は、初期で治療を始めれば進行をおくらせることができると聞きます。ところが、実際には物忘れと勘違いしたり、年齢のせいにして気にしないようにしたりなど、医療機関を訪ねたときには既に進行が進んでいると聞きます。
 健康長寿医療センターでは、啓発や患者、家族への周知について、どのように取り組まれているのか伺います。

○枦山施設調整担当部長 健康長寿医療センターでは、認知症等に関する理解と知識を深めてもらうため、区市町村と連携し、広く都民を対象とした老年学公開講座を実施しており、中でも認知症に関する講座は関心が高くなっております。
 二十三年度は、介護予防と認知症予防のABCと銘打った認知症に関連する講座を二回開催し、延べ一千二百人以上の参加がございました。
 第二期も引き続きこうした取り組みを行うとともに、さまざまな媒体を活用して、広く積極的に都民に情報を発信してまいります。

○田の上委員 認知症を患うと、本人はもちろんですが、家族のショックが大きいと聞きます。連れ合いや子どもは理解できず、また、認めることができず、結果、暴力に至るというケースもあるそうです。医療としての知識を一般にも普及できるよう、取り組みの充実を要望しておきます。
 最後に、認知症に関して、若年性認知症についても触れておきたいと思います。
 六十五歳未満で発症する若年性認知症の人は、都内で約四千人ともいわれており、認知症高齢者と比べると非常に少数です。しかし、四十歳代、五十歳代という働き盛りで発症する若年性認知症の人や家族の多くは相談相手もなく、孤立した状態の中で、介護保険サービス等の支援制度を十分に活用できず、深刻な経済的負担や心理的負担を抱えながらの生活を強いられるという、若年性認知症ならではの難しさがあるといいます。私の知人で、若年性認知症を発症し、仕事をやめなくてはならず、ひとり暮らしで、このまま進行していく若年性認知症に対して非常に心配だという方がいました。
 私の地元の江戸川区には、若年性認知症に特化したデイサービスを行っている施設も一カ所だけありますが、一般的な施設では高齢者向けのデイサービスしかありません。介護保険は利用できるものの、高齢者を想定したケアであるためになじめないという課題があるようです。
 このように、若年性認知症は、高齢期に発症する認知症とは病理学的な違いはないものの、異なる問題や課題が存在し、社会的な対策はおくれています。病理学的な研究のみならず、社会科学系の分野でも認知症研究に取り組んでいる健康長寿医療センターの幅広い研究の成果に今後も期待をいたしまして、質問を終わります。

○大山委員 今定例会には、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターの二〇一一年度の業務実績報告があり、第二期の中期目標が議案として提出されました。
 健康長寿医療センターをめぐっての新しい状況としては、新しい病院施設がもうすぐ立ち上がるということ、それからナーシングホームを廃止して民間の介護施設ができるということです。健康長寿医療センターをめぐっての大きな環境の変化といえます。
 新病院の概要を出していただきましたが、病床数が五百五十床となっています。現在の病床数は五百六十九床と聞いていますけれども、少なくする理由は何なんでしょうか。また、どの診療科の病床を減らすのでしょうか。

○枦山施設調整担当部長 病床数は、法人設立に当たって都が平成十九年度に策定した板橋キャンパス再編整備基本計画に基づくものでございます。医療圏の医療需要の動向や病診連携、病病連携の拡充を踏まえるなど、さまざまな角度から勘案し、病床数を算出したものでございます。
 なお、診療科ごとの病床数は、病院を運営する上で必要な一つの指標ではございますが、現実には、患者の受け入れ状況に応じ弾力的に対応するものであり、その時々で変動するものであると認識しております。

○大山委員 以前の厚生委員会の資料を見ますと、二〇〇八年の四月一日現在では、老人医療センターの病床数は六百五十九床でした。現在の病床数が五百六十九床、そして新病院になったら五百五十床ということですね。
 第一期の中期目標のときにも病床数のことが問題になって、地元の板橋区議会は超党派で七百床にしてほしいと要望をしていたにもかかわらず、ベッド数を減らして、そのときは、リハビリテーション科、内分泌科、神経内科、精神科でそれぞれ十床以上削減しました。つまり、回転の低い、収益性の低い病床が削減されました。それらの科のベッド数は、神経内科のベッドが八十五床から五十六床に--減らし過ぎたんでしょうか、現在は六十一床になっていますが、ほかのところは減らしたままです。
 五百五十床にするということは、さらに十九床減らすということです。どこを減らすかというのは弾力的なんだというような答弁もありましたけれども、必要な患者さんが入院できないなどということは決してあってはならないことを指摘しておきます。
 新病院の建設費ですけれども、これは東京都から借り入れて返済することになりますが、総額は幾らで、毎年幾らずつ返済することになるんでしょうか。返済の財源はないと思うんですけれども、どのように返済するのでしょうか。

○枦山施設調整担当部長 貸し付けの総額は約百八十億円であり、無利子貸付でございます。
 償還期間は平成二十五年度からの三十九年間で、新施設に係る毎年度の減価償却費相当額を償還することとしております。
 具体的には、前半の十五年間では毎年約七億七千万円、十六年目以降は毎年約二億八千万円で、法人の収入を財源として償還されることとなっております。

○大山委員 総額で約八十億円で、毎年七億七千万円も返済するということですね。今の診療報酬のもとで、幾ら減価償却費といっても、返済していくためには収益を上げる方向に行かざるを得ないということになるんではないでしょうか。
 中期目標の基本的な考え方の中で、業務運営の効率化、収益増の取り組み、コスト管理の強化などに一層取り組んでいかなければならないと書かれています。収益増の取り組みとは、具体的にはどういうことを指しているんですか。

○枦山施設調整担当部長 これまで健康長寿医療センターは、外来化学療法の拡充や心臓外科の体制強化など、高齢者に特有の疾患に対応する多様な医療体制を充実し、診療単価の増額や、より多くの患者の受け入れに取り組んでまいりました。また、従来の十対一看護から七対一看護体制とし、診療報酬の評価においても収入増を図っております。
 これらの取り組みにより、法人全体としての収益を順調に増加させてきました。
 第二期中期目標期間におきましても、病床利用率の向上、救急医療体制の充実、新規患者の積極的な受け入れ、適切な未収金対策などに、引き続き取り組んでまいります。

○大山委員 病床は少なくして、病床利用率を向上させるということですね。あと、五番の資料を見ますと、その他医業収益は着実にふやしているわけですね。
 伺いたいんですけれども、現在の病院には個室はありますけれど、それは医療上必要な患者さんのためのもので、差額ベッドではありませんね。新しい病院は、差額ベッドは想定しているんでしょうか。予定しているとしたら、幾つ設置するつもりなんでしょうか。

○枦山施設調整担当部長 健康長寿医療センターにおいては、現在の中期計画において個室使用料の取り扱いを定めております。都立老人医療センターの時代についても、同様に条例で定めておりました。しかし、現在は重症対応、無菌治療対応など、医療上必要な個室として使用しており、個室使用料は徴収しておりません。
 新施設においては、高齢者の血液疾患に対する移植手術の需要にこたえるための無菌治療対応個室など、医療上必要な個室をふやす予定でございます。あわせて、入院中の患者の療養環境に配慮した個室もふやす予定でございます。したがいまして、今後は希望する方が個室を利用することができるように配置してまいります。

○大山委員 希望する人が個室を利用するということは、差額ベッド代を徴収しますよということですよね。それで、幾つ設置するつもりですかというふうに聞いたんですが、差額ベッド料を取る個室を幾つにするのかというのと、それから新しい病院に個室は幾つつくっているのかというのは、どうですか。

○枦山施設調整担当部長 新施設の個室は二百十六室を予定しております。新施設におきましては、入院中の患者の療養環境に配慮した個室をふやす予定でございます。

○大山委員 差額ベッドをふやすんだということなんですけど、個室は二百十六室ということですね。五百五十床のうち個室が二百十六室だということは、約四割なんですね。そのすべてを差額ベッドにするわけではないというのかもしれませんけれども、少なくとも二百十六室、約四割は個室をつくっているということなんですよね。
 私の家のすぐ近くに、国立国際医療研究センターがあります。国立病院でしたけれども、二〇一〇年度から独立行政法人になりました。やはりそこも病院の建物を改築した。それをきっかけにどういうことになったかといいますと、差額ベッドの割合が、改築前は一三%程度だったんです。それが改築後は約四割が差額ベッドになりました。そのときの料金表を見ますと、一番高いところが、何と一部屋一日で十四万円、これが独立行政法人化かと思いました。
 参考に、都立病院の差額ベッドはどうなっているか調べましたが、ことし五月の数字は、都立病院全体で九・三%です。結局、独立行政法人は独立採算だといわれて、患者負担をふやす道に行かざるを得ない状況になっているということなんですね。
 重要なのは、病院に東京都から出している運営費負担金です。運営費負担金の算定根拠はどうなっていますか。

○枦山施設調整担当部長 運営費負担金は、病院部門に係る経費のうち、行政的医療または不採算医療に係る経費について負担するものであり、精神医療、高度医療などについても交付しております。
 運営費負担金の算定に当たっては、健康長寿医療センターの収入及び費用を勘案し、都が負担すべき適切な額を算定しております。

○大山委員 つまり、精神科医療だとかリハビリテーション医療、救急医療の確保、高度医療、保健衛生行政事務、医師及び看護師等の研究、研修などの事項での収入と費用に基づいて、東京都が勘案して決めるということなんですね。
 費用の中には、給与費だとか、委託費だとか、材料費だとか、水光熱費だとかを初めとして、施設関係費も入ると思いますが、減価償却費も入るんでしょうか。入るんだったら、全額入るんでしょうか。

○枦山施設調整担当部長 負担金は、設立団体である都が、精神医療や高度医療などの行政的医療、不採算医療に係る経費について負担するものでございます。そのため、こうした医療に係る減価償却費については、負担金として算定しております。

○大山委員 減価償却というか、返済が年間七億七千万円、それ、全額が見られるということなんですか、見ることができるということなんですか。

○枦山施設調整担当部長 精神医療や高度医療などの行政的医療、不採算医療に係る経費について負担しておりまして、こうした医療に係る減価償却費については、負担金として算定をしていますということでございます。

○大山委員 はっきりしないわけですけれども、出してもらった資料6を見ますと、独立行政法人に対する運営費負担金、つまり健康長寿医療センターの分は、二十二年度はふえたものの、二十三年度は二十一年度より減額になっています。患者負担増の道に踏み込まないためにも、東京都が勘案するということだったら、必要十分に運営費負担金を負担することが重要だということをいっておきます。
 同時に、研究所への運営費交付金も、二十一年度の都の職員の退職引当金相当だということで、特別運営費交付金がありますけれども、それを差し引いても、毎年減額になっています。
 業務実績評価で、外部研究資金の獲得ということでは、運営交付金は、例えば外部資金を獲得すれば、その分マイナスになる、減額になるんですよね。業務実績評価で、外部研究資金の確保というところはBになっています。中期目標では外部資金獲得が強調されていますけれども、地道な主体的な研究を継続できるようにするためにも、外部資金獲得にばかり価値を置くようなことにはならないようにすることが必要ではないでしょうか。
 中期目標には、高齢者がん医療として緩和ケアの実施があります。その具体的な内容はどういうことになるでしょうか。また、緩和ケア病棟には何床を予定しているんでしょうか。

○枦山施設調整担当部長 健康長寿医療センターでは、二十三年度に緩和ケア内科を設置するとともに、緩和ケア内科や精神科など複数の診療科の医師、専門看護師、薬剤師、管理栄養士、医療ソーシャルワーカーなど多職種で構成される緩和ケアチームを結成し、疾患により生じる身体的苦痛、精神的苦痛などに対する診療や相談に取り組んでおります。
 新病院で設置する緩和ケア病棟は、本日の厚生委員会要求資料の1にありますとおり、一病棟でございまして、病床数は二十床程度を予定しております。

○大山委員 広島県にこの間行ったんですが、広島県では、県立広島病院の中に県の緩和ケア支援センターがあります。末期になってからではなくて、がん治療の初期から、身体的問題だとか痛み、それから心理、社会的問題、それからスピリチュアルな問題を和らげる緩和ケアを行って、患者の生活の質を向上させています。
 緩和ケア病棟といっても、症状が重くなったら入院して最期を迎えなければならないということではなくて、在宅で医療を受けるという選択肢も選べます。そのためには、地域で緩和ケアを受ける環境の整備が不可欠で、医療や福祉の関係者を対象とした研修を行っていました。
 また、退院した患者が適切な医療を受けて、安心して暮らせるよう、地域の関係者と退院時に話し合いや情報提供を行います。地域の関係者を結び、コーディネートする役割は、県の緩和ケア支援センターがやっているわけですが、役割は非常に不可欠なものだと思っています。
 さっき病院経営本部でもいったんですが、国立長寿医療研究センターでは、地域の診療所の医師に登録してもらって、患者が退院するときには、地域の医療、福祉関係者との協議を行って、切れ目のない医療を提供できるようにしています。
 さらに、在宅で療養している登録した患者さんを、登録している診療所の医師が必要だと判断したときにすぐ受け入れることができる在宅医療支援病床を二十床確保しています。救急の対応や、患者が希望すればみとりまで、また、介護者のレスパイトも含め、いざというときにあらゆる医療に対応できるようにして、安心して在宅で過ごせるようにしていました。
 この二つの病院に共通しているのは、在宅で過ごすための地域の医療機関との連携であり、必要なときにいつでも入院できる安心なんですね。このような取り組みに学び、実践が求められていると思いますが、どうですか。

○枦山施設調整担当部長 健康長寿医療センターでは、患者の退院時に、地域の医療、介護機関等との合同カンファレンスを実施し、在宅療養への円滑な移行を支援するほか、外来化学療法等による通院治療の充実など、在宅療養支援に取り組んでまいりました。
 第二期中期目標期間におきましては、これらの取り組みを一層進めるとともに、地域の医療機関と連携し、在宅療養患者の病状に応じた一時的な患者の受け入れにも取り組むことを予定しております。

○大山委員 在宅療養、一時の受け入れも予定しているということなんですが、在宅療養を継続するためには、地域での診療所などの医師や、それから訪問看護、ホームヘルパーを初めとした在宅福祉が欠かせませんし、急変したときや、介護している方のレスパイトも欠かせませんので、より一層の拡充を要望しておきます。
 民営化されてしまうナーシングホームですが、養育院時代からの医療と福祉と研究の三位一体の取り組みが求められています。
 今後、運営主体は違いますが、この医療と福祉と研究の三者が連携をとって、より充実させていくことが必要ですが、具体的にどうすることにしているんでしょうか。

○枦山施設調整担当部長 医療と介護の連携について、板橋ナーシングホーム民営化後の施設事業者の公募に当たっては、健康長寿医療センターとの連携を要件として事業者の選定を行いました。
 今後は、在宅復帰や人材育成の分野で一層の連携を図っていく予定でございます。

○大山委員 改めて、養育院として貫いてきた全人的、包括的医療、医療と福祉と研究で、高齢者を病気で切り分けるのではなくて、一人の人間としてよりよく生きるための医療と福祉と研究の実践の価値を見直すべきだと思っています。
 老人研究所は、高齢者の健康づくりにも貢献してきた歴史があります。お達者健診とその後の筋トレなどは画期的なものだったわけで、介護予防の先端を切り開いてきたわけです。
 積極的な健康づくりということでは、健康診断などの結果に基づいて、医師や栄養士や保健師や運動指導員などのチームで、その人に合った健康づくりのメニューをつくることなども積極的に行うことが求められていると思いますが、どうですか。

○枦山施設調整担当部長 健康長寿医療センターでは、これまでも、研究部門において介護予防のプログラム等を開発し、区市町村の事業として普及するなど、高齢者の健康づくりに取り組んでまいりました。
 第二期中期目標案では、高齢者の社会参加などをテーマとした研究に取り組み、活気ある社会を支えることを目標としており、今後も引き続き、高齢者の健康の維持増進のため、臨床と一体となった研究を一層進めてまいります。

○大山委員 ぜひ研究と一緒に取り組んでいってもらいたいし、それを全都的にも広げるような事業もしていってもらいたいと思っています。
 健康長寿医療センターでも、人間ドックや脳ドックなども実施することだとか、その結果とその人に合った健康づくりメニューのセットにするとか、また、敷地も広いですから、そういう敷地を利用して、農作業などもできるようなリハビリ農園のようなものも考えてもいいのではないでしょうかということも提案して、終わりにします。

○たきぐち委員 私からは、食品衛生法施行条例の一部を改正する条例並びに食品製造業等取締条例の一部を改正する条例に関連して、何点か質問をしたいと思います。
 昨年の四月から五月にかけて、富山県を中心に六店舗で発生した食中毒事件は、記憶に新しいところであります。焼き肉チェーン店で提供されたユッケによる腸管出血性大腸菌O111及びO157を原因として、患者数が百八十一人、うち重症者三十二人、そして、六歳の男の子を含む五人の方が亡くなりました。大変痛ましい事件でありました。
 この事件が発生する以前の状況を確認いたしますと、平成八年にレバーの生食で、やはり腸管出血性大腸菌O157を原因とする食中毒が発生して、二年後の平成十年に生食用食肉等の安全性確保についてという衛生基準が厚生省通知として出されました。
 この通知では、衛生基準の成分規格目標を満たすように指導することとなっていますが、罰則規定がないことから、不適切な取り扱い、つまり、基準を守らない事業者が存在していたといえます。
 そこでまず、都は、昨年の事件が発生する以前は、生食用食肉の対策をどのように講じてきたのか伺います。

○鈴木食品医薬品安全担当部長 都では、平成十年に国が衛生基準を示した後も、食肉を生食することのリスクについて、健康安全研究センターでのさまざまな食中毒菌の実態調査、加熱実験や各種研究データをもとに、東京都食品安全情報評価委員会で評価を実施しております。その評価結果を踏まえまして、都、区、市連携のもと、事業者へ生食での提供をしないよう指導してまいりました。
 平成二十二年度からは、年間計画である食品衛生監視指導計画の中で、生食用食肉の監視指導を重点事項として位置づけるなど、監視を強化してまいりました。
 あわせて、都民へは生食を控えるよう、リーフレットの配布やポスターの掲示、映画館や電車内でのスポットCMの放映など、普及啓発を実施してまいりました。

○たきぐち委員 生食のリスクを調査等しながら、事業者に対して生食での提供をしないよう指導してきたということであります。
 昨年の事件の直後に、厚生労働省の通知によって緊急調査が実施をされましたけれども、その際には、都内の飲食店営業では、全体一万四千七百八施設のうち四八%がこの平成十年の衛生基準通知に適合していて、残りの半数を超える五二%が適合していないという結果でありました。つまり、五二%の事業者が基準を守っていなかったということになります。
 この調査結果を受けて、昨年の十月から、食品衛生法に基づく生食用食肉、これはレバーを含まない牛肉でありますけれども、規格基準が施行されました。つまり、平成十年の通知によるガイドラインから、罰則も適用される規格基準に格上げをされたといえるかと思います。
 この内容としては、枝肉から小分けしたブロック肉の表面から深さ一センチ以上の部分を六十度で二分以上加熱をして、飲食店は原則、この業者が加熱処理した肉を仕入れて、周囲を削り取るトリミングをして、火が通っていない部分を調理すると。そして、加熱処理やトリミングには専用の場所や器具が必要という内容だと思います。
 そして、十月に規格基準が施行された後に、生食用食肉を扱うすべての施設への立入検査を実施したところ、都内では九十五施設が生食用食肉を取り扱っていて、そのうち九十三施設が規格基準に適合していなかったという結果が出ました。
 適合しなかった施設は、当然ながら、取り扱いをその段階で中止したと思われますけれども、現在、都内で生食用の牛肉を扱っている施設はあるのか、確認をいたします。

○鈴木食品医薬品安全担当部長 都では、平成二十三年九月の食品衛生法の規格基準改正、施行に伴い、区、市と連携して一斉監視を実施し、規格基準に適合しなかった九十三施設に対して、直ちに生食用牛肉の提供を中止するよう指示いたしました。
 一方で、事業者が基準に適合した方法で生食用牛肉の加工、調理が行えるよう、制度の周知や生食用食肉取扱者を認定する講習会を開催しております。
 平成二十三年十月からは、生食用食肉取扱施設の届け出制を導入し、施設の把握と規格基準の適合に向け、確実な指導が行える体制を構築しております。
 平成二十四年七月末現在、生食用牛肉を取り扱っている施設としましては、飲食店営業二十軒、食肉販売業二軒、食肉処理業一軒の計二十三の施設がございます。

○たきぐち委員 先週末に、焼肉チェーン店の安楽亭が規格基準をクリアしたとして、ユッケの販売を再開するというニュースがありましたけれども、既に都内では二十店舗の飲食店で生食用の牛肉が提供されているということがわかりました。
 昨年、届け出制を導入したということで、東京都のほかにも埼玉県や島根県でも導入されているということでありますが、これによって施設の把握はしやすい体制になったと考えます。
 既に法の規格基準では、手、指の洗浄など、設備に関する施設要件が設けられているわけでありますが、今回、条例で改めて施設基準を定めることで何が変わるのか伺います。

○鈴木食品医薬品安全担当部長 今回の条例改正による施設基準は、法の規格基準で規定された内容を担保するために、必要な設備に係る規定を示したものでございます。
 例えば、法で手、指の洗浄設備を設けることの規定に対しまして、条例では、従業員専用の手洗い設備を使用に適した位置に設けることなど、具体的に規定しております。
 また、肉の表面殺菌に係る、六十度で二分以上加熱を行うことという規定に対しましては、条例では、それを担保するために、加熱殺菌を十分に行う能力を有する設備、温度計など、必要な計器類を備えることと規定しております。
 こうした施設基準を許可要件として条例で規定することによりまして、生食用牛肉を提供しようとする事業者が、加工等に必要な設備、器具などを確実に整備することとなります。

○たきぐち委員 条例では、飲食店営業、食肉処理業、食肉販売業に分類をして、それぞれに、今ご答弁がありましたように、施設、洗浄設備、器具及び計器類の要件が具体的に定められたということでありました。
 ここで、飲食店が生食用食肉を扱う際の流通は、と畜場から直接仕入れるケース、食肉処理業、肉の卸から仕入れるケース、食肉販売業、お肉屋さんから仕入れるケースの三通りがあろうかと思いますが、飲食店で生食用牛肉の調理を行う場合には、その店舗が施設基準を満たすことはもちろんではありますが、その仕入れ元である食肉処理業並びに販売業でも施設基準を満たす必要があるのか伺います。

○鈴木食品医薬品安全担当部長 飲食店、食肉処理業及び食肉販売業のいずれの業種におきましても、生食用牛肉の加工、調理を行う場合には、施設基準を満たすことが必要でございます。

○たきぐち委員 いずれにおいても基準をクリアしていかなければならないということでありますので、現状ですと、先ほど七月現在での数字をいただきましたけれども、仕入れ先というのは、食肉販売業が二施設、食肉処理業が一施設、都内であればこの施設からしか仕入れることができないという現状だと思います。
 そこで、仕入れを行う際に、それが基準を満たしたものであるかということを表示するということも重要かと思いますが、規格基準が昨年の十月に定められたのと並行して、食品衛生法に基づいて、生食用牛肉に関する新たな表示基準が設定されました。
 生食用牛肉の表示基準がどのような内容であるのか、また、都はどのように指導を行っていくのか伺います。

○鈴木食品医薬品安全担当部長 生食用牛肉にあっては、一般の食肉の表示事項に加えまして、容器包装の見やすい箇所に、生食用である旨、と畜したと畜場の名称と所在地の都道府県名のほか、生食はリスクがあること、子どもや高齢者など抵抗力の弱い人は生食を控えることといった注意喚起を表示することを法で義務づけております。
 また、飲食店では、同様の注意喚起を店舗内の見やすい場所に掲示することを義務づけております。適正な表示の遵守に向け、都では、事業者が生食用牛肉の取り扱いを開始する前に、表示の見本を確認し、指導しております。
 また、生食用牛肉を取り扱っている施設については立入調査を行い、適切な表示がなされているかの監視指導を継続して実施してまいります。

○たきぐち委員 新たな表示基準によって、生食用である旨やと畜場の名称、さらにはリスクがあることの表示が義務づけられたということで、飲食店においても表示がなされたものを仕入れて、提供する際にも注意喚起を店舗内に掲示するということであります。ルールとしては、安全確保に向けた体制が整ったといえます。
 さはさりながら、生食の肉を食するということはリスクがあることでありまして、特に子どもや高齢者にはリスクがあるという認識は必要なことでありますので、適切にこの表示基準が守られているか、指導をしっかりと行っていただきたいと思います。
 昨年の十月からの一連の動きにおいては、と畜場については触れられておりません。つまり、と畜場においてはルールは変わっていないということがいえるかと思います。
 と畜場については、平成十年の厚生省の通知で衛生基準が示されているわけであります。先ほどから、生食を食さないように、あるいは事業者に対しても提供しないようにという指導をしてきたというご答弁がありました。また、福祉保健局のリーフレットでも、牛肉を生食用として流通させないように指導してきたということであります。
 ここにリーフレットが、コピーがあるんですけれども、ここでも、現状では生食用の食肉は流通していませんというふうに啓発をしているわけであります。
 ただ、と畜場のルールが変わっていないということは、逆にいえば、昨年以前から生食用として使うことができるというようにも理解できるわけでありますけれども、なぜこのような指導をしていたのか、そしてまた、現在、と畜場から出荷される牛肉はすべて生食用の原料として使用が可能だと認識をして間違いないのか、伺いたいと思います。

○鈴木食品医薬品安全担当部長 平成十二年、と畜場における衛生管理基準等が施行され、牛枝肉への汚染防止措置の向上が図られております。しかし、生食用牛肉の安全確保には、と畜場での衛生管理だけでなく、その後の加工、流通段階での安全性の担保が必要でございます。
 平成十年の厚生省通知による衛生基準では、牛肉の表面の過熱殺菌は規定されておりませんで、加工、流通段階での十分な安全性の担保は困難でございました。このため、都といたしましては、牛肉を生食として提供しないよう指導してまいりました。
 と畜場における衛生管理基準、法に基づく規格基準及び今回の条例改正により、と畜段階での汚染防止措置、加工段階での過熱殺菌、調理段階での専用の設備による取り扱いが定められたことから、と畜から加工、調理、提供まで、すべての段階で衛生管理が図られております。
 このように、と畜、加工、調理、提供のすべての段階での衛生管理体制が整ったことにより、現在、と畜場から出荷される牛肉は、基準に合った加工をすることを前提に、生食用牛肉の原料として使用することが可能でございます。

○たきぐち委員 ご答弁がありましたとおり、と畜場においては、平成十二年以降、汚染防止措置が施されていたわけでありますけれども、加工、流通段階でその安全性が担保されていなかったということでありました。
 以前、芝浦の食肉処理センターを視察いたしましたけれども、どうやって牛の腸管から腸管出血性大腸菌を枝肉につけないようにするかというと、例えば、食道を結んでから切ったり、肛門にビニール袋をかぶせて、ふんが枝肉に汚染しないように外していくなどの方法で対応しているということでありました。こうした対応がとられながら、生食用の牛肉が出荷されているという公のデータはなくて、しかし、一方では、お店でユッケが提供されていたという実態がありました。
 このあたりの誤解、あるいは流通過程におけるルール化のおくれというのは、厚労省の対応が問われるところだと思いますけれども、いずれにせよ、今回、と畜から加工、調理、消費まで、流通段階での基準が規定をされたわけでありますので、生食用牛肉にかかわるこの基準が遵守をされるよう、指導の徹底を図っていただきたいと思いますが、所見を伺います。

○鈴木食品医薬品安全担当部長 都は、平成二十三年十月から、生食用牛肉を取り扱う事業者の把握と監視指導を実施するため、開始報告書の届け出制度を導入しております。
 届け出事業者に対しましては、立入検査を実施し、規格基準への適合を確認した上で届け出済みステッカーを交付して、施設内で消費者が見やすい位置に掲示するよう指導しております。
 さらに、食品衛生法に基づき毎年度策定する食品衛生監視指導計画の中で、生食用牛肉の規格基準の遵守等を重点事項として位置づけ、区、市と連携して監視指導を徹底しております。
 今回の条例制定を踏まえまして、保健所等が事業者に対する監視指導を実施し、生食用牛肉の規格基準への適合を継続的に確認するとともに、消費者へ食肉の生食のリスクを周知することで、生食用食肉を原因とする食中毒防止対策を徹底してまいります。

○たきぐち委員 知人の焼き肉屋さんに聞きましたら、やはり新たに個別の手洗いの設備を設置したり、作業場所を別に設けるというのは、調理スペースに限りがあるとなかなか対応が難しいというお話も聞きました。
 ユッケが好物の方は、なかなか触れる機会がふえないかもしれませんが、昨年のような痛ましい事件を起こさないためには、引き続きリスクについての周知を図りながら、事業者に対しては、各流通段階でしっかりと衛生管理がとられるように指導管理をお願いしたいと思います。
 あわせて、牛のレバーについては、七月から法的に禁止をされたということであります。鳥については、検討はされているけれども罰則規定がないままだということでありますので、こういった現状も認識をしながら、事業者や消費者には引き続き啓発に努めていただきたいということを要望して、質問を終わります。

○今村委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案及び本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○今村委員長 ご異議なしと認め、本案及び本件に対する質疑はいずれも終了いたしました。

○今村委員長 次に、報告事項、私債権の放棄について外一件に対する質疑を行います。
 本件については、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○今村委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○今村委員長 ご異議なしと認め、報告事項に対する質疑はいずれも終了いたしました。
 以上で福祉保健局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時十三分散会

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