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Tokyo Metropolitan Assembly

厚生委員会速記録第十四号

平成二十三年十一月十六日(水曜日)
第七委員会室
   午後一時開議
 出席委員 十四名
委員長松下 玲子君
副委員長遠藤  守君
副委員長吉住 健一君
理事田の上いくこ君
理事山加 朱美君
理事三原まさつぐ君
小林 健二君
柳ヶ瀬裕文君
たきぐち学君
野島 善司君
ともとし春久君
斉藤あつし君
増子 博樹君
大山とも子君

 欠席委員 なし

 出席説明員
福祉保健局局長杉村 栄一君
次長真田 正義君
技監桜山 豊夫君
総務部長梶原  洋君
指導監査部長松浦 和利君
医療政策部長中川原米俊君
保健政策部長前田 秀雄君
生活福祉部長小林 秀樹君
高齢社会対策部長中山 政昭君
少子社会対策部長桃原慎一郎君
障害者施策推進部長芦田 真吾君
健康安全部長中谷 肇一君
企画担当部長浜 佳葉子君
事業調整担当部長萱場 明子君
医療改革推進担当部長高橋 郁美君
医療政策担当部長山岸 徳男君
地域保健担当部長松浦 慎司君
生活支援担当部長市川郁美子君
施設調整担当部長高木 真一君
事業推進担当部長秀嶋 善雄君
障害者医療担当部長熊谷 直樹君
食品医薬品安全担当部長鈴木 達夫君
感染症危機管理担当部長笹井 敬子君

本日の会議に付した事件
 福祉保健局関係
事務事業について(質疑)

○松下委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、福祉保健局関係の事務事業に対する質疑を行います。
 これより福祉保健局関係に入ります。
 初めに、過日の委員会において紹介できませんでした幹部職員について、局長から紹介があります。

○杉村福祉保健局長 過日の厚生委員会を欠席させていただきました当局の二名の幹部職員を紹介させていただきます。
 次長、真田正義でございます。事業調整担当部長、萱場明子でございます。
 以上でございます。よろしくお願い申し上げます。
   〔理事者あいさつ〕

○松下委員長 紹介は終わりました。

○松下委員長 これより事務事業に対する質疑を行います。
 本件については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○梶原総務部長 過日の厚生委員会でご要求のありました資料につきまして、お手元の厚生委員会要求資料にまとめてございますのでご説明申し上げます。
 資料は、目次にございますように、全部で十七項目となっております。
 初めに、一ページをお開き願います。国民健康保険における加入世帯数並びに被保険者資格証明書及び短期被保険者証の交付件数の推移といたしまして、平成二十一年度から二十三年度までの加入世帯数などについて、区市町村ごとに二ページにかけまして記載してございます。
 三ページをごらん願います。国民健康保険料(税)率の推移といたしまして、所得割、資産割、均等割及び平等割に区分し、平成二十年度から二十三年度までの区市町村ごとの推移を、四ページにかけまして記載してございます。
 五ページをごらん願います。国民健康保険料(税)の減免件数の推移といたしまして、平成二十年度から二十二年度までの減免件数について、区市町村ごとに記載してございます。
 六ページをお開き願います。国民健康保険における一部負担金減免件数の推移といたしまして、平成二十年度から二十二年度までの一部負担金減免件数について、区市町村ごとに記載してございます。
 七ページをごらん願います。国民健康保険料(税)の滞納世帯数及び収納率の推移といたしまして、平成十八年度から二十二年度までの対象世帯数、滞納世帯数及び収納率について、区市町村ごとに記載してございます。
 八ページをお開き願います。国民健康保険への東京都支出額といたしまして、特別区及び市町村について、平成十七年度から二十一年度までの支出額を記載してございます。
 九ページをごらん願います。介護保険施設等の定員・病床数及び高齢者人口に対する割合といたしまして、六十五歳以上の高齢者人口、施設ごとの入所定員または病床数及び高齢者人口に対する割合について、都道府県ごとに記載してございます。
 一〇ページをお開き願います。療養型施設数及び療養病床数(医療保険適用・介護保険適用)の推移といたしまして、施設数と病床数の推移を医療保険適用と介護保険適用に区分して記載してございます。
 一一ページをごらん願います。認可保育所の定員、入所児童数及び待機児童数の推移といたしまして、待機児童に関する新定義、旧定義に分け、定員、年齢別の入所児童数及び待機児童数について、区市町村ごとに平成二十一年から二十三年まで、それぞれ四月一日、十月一日現在のものを二〇ページにかけまして記載してございます。
 二一ページをごらん願います。認可保育所における常勤・非常勤従事者数及び非常勤従事者比率の推移といたしまして、平成十七年度から二十一年度までの推移をそれぞれ記載してございます。
 二二ページをお開き願います。認可保育所における職員の平均経験年数別施設数といたしまして、平成十八年度から二十二年度までの平均経験年数別の施設数を記載してございます。
 二三ページをごらん願います。後期高齢者医療制度における保険料の軽減対策といたしまして、均等割及び所得割について、平成二十三年度の軽減対策を記載してございます。
 二四ページをお開き願います。がん検診において自己負担金を徴収している区市町村数の推移といたしまして、平成二十一年度から二十三年度までの区市町村数について、がん検診ごとに記載してございます。
 二五ページをごらん願います。重症心身障害児(者)施設の状況といたしまして、(1)には看護師の定数及び現員の推移を、(2)には、短期入所の運用状況の推移を記載してございます。
 二六ページをお開き願います。二次保健医療圏別NICU病床整備状況といたしまして、都内各二次保健医療圏のNICU病床数を記載してございます。
 二七ページをごらん願います。都有施設における集団補聴設備等の配置状況等といたしまして、集団補聴設備等の配置対象及び都有施設における配置状況等につきまして、それぞれ記載してございます。
 二八ページをお開き願います。社会福祉施設等及び病院の耐震化状況といたしまして、(1)では社会福祉施設等、(2)では病院につきまして、それぞれ耐震化の状況について記載してございます。
 以上、簡単ではございますが、ご要求のありました資料につきましてご説明申し上げました。よろしくお願い申し上げます。

○松下委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含め、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○斉藤委員 それでは、図らずも最初に質問をさせていただきます。
 先日、都立の駒込病院に行ったときに、院長先生とスタッフの方とお話をさせていただいたんですが、その中で話題に出たんですけども、がん治療の中心的存在である駒込病院でも、治療し、安定した後、退院させようと思っても気管切開や人口肛門、胃瘻や経管栄養などの処置をした状態では、やはり療養病床が必要になってくるという話でありました。
 このように、以前より療養病床の需要自体は高いんですけれども、供給が実際追いついていないという状態が続いております。以前のように、なくしていこうという動きに比べたら、維持されているということは、現実、現場から見ればいいことなんですけども、実際には需要が非常に高いままで、十分にそれに対応できてないということは、以前と余り変わりはないようです。
 がんばかりじゃなくて、脳梗塞や脳出血といった脳血管性障害の急性期を脱する際にも療養病床が当然必要となってまいります。
 これらの急性期病床というのは、つまりは二次救急、もしくは三次救急という、病院にとっては非常に、病院の中心的な部分であります。これらの病床が患者さんを次に、療養病床もしくはそれ以外に送ることによって病床があかない限り、新しい救急患者の受け入れができないというふうになってしまう場合が大変多いわけです。療養病床が足りないために、救急病院が本来の役割を果たせないということにつながってまいります。
 そこで療養病床の整備状況について、都の整備目標と昨年度の実績について伺います。

○山岸医療政策担当部長 療養病床の整備目標数は、平成二十四年度末で二万八千七十七床と設定しておりまして、昨年度末までの病床数は二万一千三十九床でございます。
 都では、二十年度から都独自の療養病床整備費補助事業を実施しており、二十二年度からは補助率を二分の一から四分の三に引き上げることで整備促進を図っております。

○斉藤委員 病院の経営サイドの方に伺うと、ついきのうも、地域の保健医療をやられている先生方なんかからもちょっと話を伺ったんですけども、経営サイドからしてみると、療養病床の報酬単価が低いために積極的にふやそうという気になれないという声が結構多いということです。
 これは、ちょっと国の施策の方とも関係があることではありますけれども、この間の東京都の病院の経営面からの療養病床を支える取り組みというものについて伺います。

○山岸医療政策担当部長 病院経営者の中には、医療療養病床への転換後の経営上の不安を抱えているところが多く、この解消を図る必要があることから、今年度より、転換を検討している医療機関に対しまして、経営コンサルティングの専門家による支援事業を実施いたします。
 具体的には、まず、病院の経営状況及び地域の医療資源について実態調査を行いまして、これらのデータをもとに、病院が療養病床に転換後、黒字経営をするための課題を抽出いたします。
 そして、この課題をクリアした場合の収支シミュレーションを提示することで、医療機関が療養病床転換後の適切な事業計画の策定の参考とできるよう支援してまいります。
 また、療養病床に転換後の医療機関に対しましても、病院経営者や管理者に対する経営研修会や各施設の経営状況等に合わせた個別相談を実施いたします。

○斉藤委員 ちょっとその経営という部分で、いわゆるコンサルティングを入れるという、余りほかの事業の中ではそんなに聞くような事例ではない、聞くような手法ではないのですが、いろんな角度からの取り組みという点で、こういうのもやってみたらいいんじゃないかなと本当に思います。
 その効果について伺いたいところでもあるんですが、ただ、短い時間で結果が出るような話でもないですし、またちょっと始めて余り期間がたってるわけじゃありませんので、それについてはまた、今後伺っていきたいというふうには思っておりますが、そのほかの施策として、きょう、この幾つかの課題を聞くんですけども、三点目として、療養病床を有する病院に、急性期後の医学的な管理ができるスタッフを抱えておくということも非常に重大であります。
 この部分については、研修とかというふうな形におのずとなってくると思うんですが、そういった側面で何らかの支援を行っているのか、できるのか、そこを最後に確認したいと思います。

○山岸医療政策担当部長 療養病床を有する医療機関が、急性期を脱した患者さんやご家族の多様なニーズにこたえられるよう、二十一年度から病院スタッフを対象とした研修を実施し、療養病床における患者さんの受け入れ範囲の拡大など、機能強化のための支援を行っております。
 研修テーマは、研修運営委員会において精査をいたしまして、例えば二十一年度実施したがん患者の疼痛管理については、看護師さんを中心に好評でありましたため、昨年度も引き続き、同テーマで講義形式の研修を実施いたしました。今年度は、昨年度の受講者を対象に、フォロー研修として講師を交えたグループ討議を行うなど、内容の充実を図っております。
 今後とも患者さんやご家族、病院スタッフのニーズに的確に対応し、タイムリーなテーマで実施できるよう、アンケート結果を検証した上できめ細かな研修となりますよう努めてまいります。

○斉藤委員 スタッフの方の研修について、わかりました。
 ただ、これについても、療養病床自体がふえていかないとなかなかこの人材を発揮するという場面も少ないですので、先ほど二点目で答弁いただきましたコンサルなどを含めた療養病床をふやしていく、転換していくというふうなところでどのような結果が出るのか、その結果を踏まえてまたいろんなアイデアをこちらからも提言していきたいと思いますので、ぜひとも今後の報告についても期待するところであります。
 それでは、大きく二点目に入りたいと思います。
 数年前より強毒性インフルエンザによるパンデミックを警戒して、対策を都でもずっと行ってまいりました。ちょうど私が前回、厚生委員会にいたときに非常にパンデミックの危険が、危機が近いということで、相当数の予算をつけていろんな備蓄をふやしました。
 このインフルエンザウイルスの動きというものについては、海外での動向を追うことによって、ある程度その年の動きが予測できるものですから、急に慌てふためいて準備をするというふうなことは必ずしも必要がないので、少し事前に予測が立てられるというのは、準備をする際には、非常に予測がしっかりしていれば上手にできるというふうなものだと思います。
 恐らく、ことしも東京都では、海外の動向をよく読んで予測を立てていると思いますけども、平成二十一年度に発生した新型インフルエンザの現状と、今季のインフルエンザ発生状況並びに都民への普及啓発活動、これについて伺いたいと思います。

○笹井感染症危機管理担当部長 平成二十一年四月に発生し、世界的に流行した新型インフルエンザは、本年四月一日から季節性のインフルエンザ、H1N1二〇〇九として取り扱われることとなりました。
 都内における今季の発生状況につきましては、AH3N2、いわゆる香港型及びB型のウイルスが検出されておりますが、定点医療機関当たりの患者数は、十一月第二週の時点で〇・〇六人であり、流行の目安となる一・〇人を超えている地域はまだございません。
 今季のインフルエンザの流行に向けて、今月初めから手洗い、せきエチケットなど、インフルエンザの予防について車内広告を実施するとともに、発生状況を迅速に把握してホームページに掲載するなど、広く都民に注意喚起を行っております。

○斉藤委員 ことしの流行については、比較的心配はないというふうな状況であり、また、そういった予兆も現在ないということで、ちょっと安心する話でございました。
 平成二十一年当時に発生をした当時の新型インフルエンザということについては、そういうふうに観察されているということなのですが、こういう過去のものは今、新型じゃないということですが、この冬の流行、今後の新たな新型インフルエンザの発生に備えた対策について確認をしておきたいと思います。

○笹井感染症危機管理担当部長 国は、本年九月、新型インフルエンザ対策行動計画を改定いたしました。今後、水際対策、ワクチン接種、医療体制等のガイドラインの改定を行うとしております。
 一方、都は、平成二十一年に発生した新型インフルエンザの対応を検証し、本年四月、国に先駆けて新型インフルエンザ保健医療体制ガイドラインとして改定いたしました。
 このガイドラインは、強毒性の新型インフルエンザの対応を基本としつつ、病原性や感染力に応じた柔軟な相談、防疫、医療、情報連絡などの体制について明記したものでございます。
 都は、このガイドラインに基づいて、二次保健医療圏単位を基本としたブロック協議会を引き続き活用し、区市町村、保健所、医療機関等と連携して、地域における医療連携体制の整備に取り組んでいるところでございます。

○斉藤委員 ありがとうございました。今回ちょっと伺いたかったのは、やはりことしの冬の動向について大変心配をしていたのですが、まあ安心だということと、また同時に、旧来の、二十一年度当時のいろんな事象を糧として、現在、新しい体制に取り組んでいるということで、ことし、このまま何もなければ一番いいわけですが、それはそれとして、今後もまた油断することなく取り組んでいただければと思います。
 では、大きな三点目に移ります。
 以前、私は予算委員会の中で、発達障害に関して質問を結構まとまった形で、まとめてたくさんの質問をさせていただきました。発達障害において、以前は、本当につい少し前までは、なかなか私も含めて、そんなに正しく理解をするということ自体もまた難しかったところなのですが、このあたりにつきましては、本当にここ近年、研究が進みましたし、また、そういった知識の普及というのも進んでまいりました。
 特に発達障害において、早期発見による早期支援の開始というものが非常に重要であると。また、そういった支援ができるというふうなことが一般的に知られるようになりまして、東京都の方では早期発見、早期支援のモデル事業を行っているところだと思います。
 この平成二十二年度から、包括補助によって財政支援を行って、その成果を区市町村に広めていくとしていたとたしか聞いておりますけれども、最近の状況について伺いたいと思います。

○芦田障害者施策推進部長 乳幼児期における有効な発達支援手法等を確立するため、平成十九年度から二十一年度まで、三つの区でモデル事業を実施いたしました。
 この事業では、臨床心理士等による保育所への巡回指導を行い、保育士による早期の気づきや支援力の向上などの効果が見られたほか、保護者や主治医、関係機関による個別支援会議を開き、支援計画を策定し、共有することで継続的支援を図るなどの取り組みが行われました。
 こうしたモデル事業の成果を普及するため、昨年度から、区市町村における発達障害の早期発見、早期支援体制の整備を目指す取り組みに対し、包括補助事業を活用した支援を開始しましたところ、二十一の区市町村で取り組みが行われました。
 それぞれの区市町村では、子ども家庭支援センターや保健センターなどの支援機関に、医療、心理、福祉などの専門職員を配置して、保護者相談や保育士等への助言、対象児に対するグループ指導を行うなど、地域特性に応じた取り組みが実施されております。

○斉藤委員 幼稚園や保育園で早期に気づいて、そのまま適切な支援というふうにつながっていくと大変スムーズですね。そういうふうにできることって非常に大事だと思います。
 ただ、幼稚園教諭や保育士、個々にかなりスキルが異なっておりますし、また、この発達障害に対する考え方の一つのセンスというんでしょうか、そういったものについては、なかなか個人差が大きいと思います。気づいた後に利用できる支援も自治体ごとにかなり異なっております。
 研修などをしっかりと受けてもらって、できるだけ早く気づける力をつけ、気づいた後にどのように対応したらよいかという知識を持って子どもたちに接してもらうようにするというのは非常に前向きで、かつ、大変、直接子どもとのトラブルが少ないという点でも有効だと思うんですけれども、実際にこういった会議をするような、スタッフに対する研修への取り組みについて、そこの今の状況について教えていただきたいと思います。

○芦田障害者施策推進部長 発達障害者の乳幼児や学童期などのライフステージを通じた支援力向上を図るため、昨年度から、区市町村等の保育士や幼稚園教諭を含む相談支援者向けと、病院等の医療従事者向けの専門研修を実施しております。
 昨年度は計八回開催し、延べ九百十七人と、多数の関係者が受講をしております。

○斉藤委員 発達障害の早期発見と早期支援については、さまざまな手法で取り組みが行われているというのは、私がことし予算委員会で聞いた中でも答弁でいただきました。
 今のように、育児に伴う、もしくは保育に伴うスタッフに対しての研修というのも、これもまた継続してやっていただきたいところであります。そういった点では、気がつかないうちに子ども、もしくはその保護者と、幼稚園、保育園が、その最初のところで十分な知識がないためにトラブルになって、むしろまずその部分での人間関係が損なわれてしまって、双方の意見交換、情報交換が上手にいかないというのは、これはまた非常に不幸な話でございますので、そこを防ぐ意味でも非常に重要だと思います。
 さらには、これは要望でございますけれども、三歳と就学時健診の間、四歳半や五歳のときに健診を行うことも有効な方策というふうに聞いております。子どもの健診については、二回の乳児健診、一歳半、三歳の健診が法定で行われておりますけれども、三歳の後が各自治体で行う義務教育の就学時健診となると、そこで初めて発達障害が指摘されるというふうなことが実際には多いようです。
 三歳ぐらいですと、発達障害かな、どうかなと見きわめが非常に難しい場合もあって、就学時健診までちょっと間があいてしまうと。ただ、その間が二年間ぐらいありますから、その間の適切な支援が十分に届かないということも可能性としてはあるわけです。
 一方で、三歳児健診を行う小児科の内科医師における発達障害の適切な対応が徹底してくれば、三歳の時点ではっきりわからなかったけれども、その後、少しずつ少しずつ時間を置いて、引き続き相談機関につなげていく、もしくは、要注意、要経過観察等を広めにとって、対象者を絞った四歳、五歳時点での健診や経過確認を行うなどの方策も考え得るんじゃないかというふうに思うわけです。
 早期支援ができた場合とできなかった場合では、やはり家族の負担や、家族の接し方、もしくは周囲の接し方についても違いが出るというふうに思います。
 かけがえのない幼少期に、単に困った子どもとして過ごさなければならない時間を少しでも短くして、一人でも多くの子どもができるだけ早く適切な支援や周りとの関係というものをつくれるように体制整備をしていくのが必要ではないかと思いますので、これはより一層、区市町村に東京都の方から支援をしていただいて、そういう機会が持てるよう準備をして、体制を整えていただけるようお願いさせていただきます。
 それでは、最後の質問でございます。
 これは、多分、議員の方もある程度、自分自身も、今話をする相談者の立場になったことが結構あるんじゃないかなというふうに私も思ってますが、よく地域で近隣に精神障害者ではないかなと思われる住民がいて、奇行や問題行動を起こしている、もしくは起こすということが割と周りに知られている。ただ、適切な医療を受けた方がよいのではないかと推測される、思われる場合に、多くの都民というのは、どこにどのように相談したらいいかというのを最初からわかっているわけではございません。このような場合に、都民はまずどこに相談をしていいか、どこで対応してくれるのかというのをちょっと伺いたいと思います。
 この質問については、先般もうちの会派の議員の方から私に相談があって、全く地元の人じゃないんだけれども、たまたま前から個人的に知っている人で、こういう、ちょっと電話をしょっちゅうかけてくる、しかもその電話が非常に変な時間だったり、すごい回数だったり、別に内容については嫌がらせというわけじゃないんだけれども、ちょっと内容について踏み行って対応するというのが現実、難しいような内容のことをいわれる。どうもやりとりからしてみて、実はかなり調子が悪いんじゃないかと思われるんだけど、いかんせんその人とは電話だけで、直接の部分では非常に離れたところに住んでいて、ただ、不幸なことに、特に若い人だったんですが、ひとり暮らしをしていて、周りに本人のために相談してあげられるような家族がちょうどいないというような状況の中で、どうしたらいいだろうかという話が具体的に私の関係でございました。
 そういうふうに思う方というのは結構たくさんいらっしゃるんではないかと思うんです。ただ、いかんせん東京都の方から、こういうふうにしてください、こういうふうにしたらいいですよみたいな、ちょっと事前の知識みたいなものを得る機会がない人がほとんどで、これは同じ会派の議員の例だったわけですけれども、実際に一般の市民の方からもこういう相談を受けることが多々ございますので、どこで相談をしたらいいのか、対応してくれるのか、そこを確認したいと思います。

○熊谷障害者医療担当部長 精神障害に関し、医療につながっていないケース、専門的な対応が必要なケースなどについては、一義的には地域の精神保健福祉業務の中心的な役割を担う保健所が相談窓口となり、必要な支援につなげてまいります。
 議員が例示されたようなケースの場合、区市町村の一般的な総合相談窓口や警察なども含め、身近な行政機関にご相談いただければ、ケースの内容に応じ、保健所などが相談を引き継ぎ、保健師が適切な専門的支援を行います。
 また、都内三カ所の精神保健福祉センターにおきましても、専門職による精神保健福祉相談を行っております。保健所や精神保健福祉センターでは、精神障害を持つ当事者やそのご家族以外からのご相談も含めて対応しております。

○斉藤委員 これはちょっと多摩地域の話で恐縮なんですけれども、例えば、今ちょっと保健所が--大体、東京都としては区市町村というよりは、むしろ保健所といった方が東京都の施設ですから、ある程度責任を持って対応するということで答弁もしやすいかと思いますが、実際、多摩地域あたりですと、保健所が複数の自治体に一カ所というふうなことになっています。
 実際に、保健所が地域によっては顔の見える施設ではない、遠くにある施設というイメージのところも結構あるんですね。そうしたところでは、こういったいわゆる未受診、受診をしてなくて重症で、重症でというのは、つまりはたから見てもちょっと調子が悪いのがわかってしまうぐらい重くなっていて、なおかつ、その未受診重症精神障害者というふうにちょっと呼びましょうか、そういった思われる事例について、保健所が近くにない、保健所が身近でないという感覚のところで市町村役場に相談をすると。
 その後、都の保健所に引き継がれるということなんですが、都の保健所ではどういうふうにその後支援を、さっきは相談の窓口という話で質問したんですが、今度は相談を受けて、保健所がどう動くかということについて伺いたいと思います。
 また、相談者、例えば電話でいえば、相談者というのは、自分は身内でも友達でもなく、ただ近隣にいるとか何かの関係で接点があるんだけども、そういうふうにちょっと縁が遠い方が相談者になっているような場合、親族でないような場合なのですが、こういった近隣住民でやるような場合、当事者に相談者が、実際にその電話をした人がだれなのかというのを余り知られたくないんだというふうに思う方が結構たくさんいらっしゃると思います。
 実際に自分が電話をしたときに、何かの拍子に、当事者の方に自分の素性というか、名前とか、もしくはどんな関係の人というのが何となくわかってしまうようなことがないかどうかというのは大変不安だと思います。
 また、実際にこういった方が電話をするのには相当勇気が要ると思います。勇気が要るというのは、この間に何らかの形で迷惑行為みたいなものを受けていると。かなり切迫している状態だけれども、変な話、きょう電話をしなかったら、多分今晩、もしくはあした、同じような迷惑行為で自分もまた何かもう少し迷惑をこうむるんではないかという不安があって、やむにやまれずこの時期に来て電話をするという方もたくさんいらっしゃるようです。
 ですから、こういったときに、すぐに保健所が対応してくれるというのがわかっていれば、本当に頼りにして電話するわけなんですが、実際にその後--例えば救急車を呼ぶとか、パトカーが来るとかいうような電話であれば、あ、来てくれたんだなというのがわかるんですが、保健所は何もいわずに来てしまうものですから、その家にちゃんと保健所の人が行ったどうかなんていうのは全然わかりません。
 そうすると、自分は電話をしました。変な話、一番悪いケースでいうと、自分の素性がわかってしまいました。なおかつ、保健所は来ません。だれも来ませんみたいなことになってしまう。電話して相手との関係が悪くなるだけで、勇気を出したのに全く報われなかったというふうになってしまうんじゃないかと、こういうふうに思う人も結構いて、なかなかこの電話をするというのは勇気が要るようでございます。
 実際に、そういう意味で、保健所、もしくは、先ほど相談窓口として出た市町村、こちらに相談した場合に、どちらの場合であったとしても、両方においてどのように対応しているのか、ここを確認したいと思います。

○前田保健政策部長 実際、保健所へのご相談につきましては、半数近くが市町村と関係機関からのご相談も含めているということでございますけれども、こうした保健所への直接の相談でございましても、市町村から引き継いだ相談でございましても、相談の内容に応じて、保健師による家庭訪問や精神保健専門医相談等を活用し、また、精神保健福祉センターとも連携いたしまして受診につなげますとともに、その後、市町村と連携して地域生活の支援を行っているところでございます。
 実際、年間数百件程度の新規のご相談がございまして、中には数回の対応では医療につながらないようなことも少なくございませんので、そうした場合につきましては、夜間、深夜等、昼夜を分かたぬ形での家庭訪問や電話相談連絡を行いましたり、またあるいは安否を気遣う手紙の送付など、繰り返し行いまして、あるいは、今、委員のご指摘の遠方に家族がいらっしゃるという状況であれば、そうした遠方に住む家族であっても協力していただくよう働きかけるなど、さまざまな方法を駆使いたしまして、数カ月、あるいは、場合によっては一年以上かけまして受診につなげるなど、確実な対応に努めているというところでございます。
 また、相談者のご不安につきましては、市町村から引き継いだ事例でございましても、直接、相談者のお話を伺うとともに、保険所が対応している旨をお伝えして、不安の軽減、解消を図っております。
 なお、その際、当事者、相談者双方の個人情報につきましては最大限の配慮を行っております。

○斉藤委員 それでは、この問題の最後の質問ですけれども、今、保健所の方で、もしくは市町村の方で前向きにやっているということで、大変その部分は実は私もある程度聞いておりましたので、そこはもう今後とも継続して、ぜひ頑張っていただきたいと思いますし、また、相応の予算もつけていただきたいというふうに思っています。
 ただ、一点この問題について、ちょっとこれは結構難しいところかなというふうな質問なんですが、行政の相談窓口については、実際に今、一問目の答弁でありましたように、いろいろやっているわけなんですが、実際には、一般の人から見たときに、この相談窓口についてこういうふうになりますよと、ちゃんと保健所に連絡が行くんですよと、そしてまた、二問目については、こんなふうに支援が行くんですよというふうに実際やっているわけですけれども、ただ、そうなるということが都民に、なかなか最初からわかっているわけではないというのがちょっと厄介なところであります。
 実際、こういうふうになりますから、どうぞ心配しないで電話してくださいねというような、そういうストレートな広報というのは、なかなか言葉の表現的にも難しいです。近所の人でちょっと精神的にぐあいが悪い人がいたら連絡してくださいねなんていうのは、ちょっと広報の文書としていかがなものかというのがありますので、そういう点では、広報をするという点でなかなか表現が難しいと。
 誤解を与えるようなこともなかなか大っぴらにいえませんし、そういう意味では、この広報の充実を図るということについては困難がつきまとう部分だと思うんですが、必要な人に必要な支援が行くような、そういった努力をするために、この広報の充実というか、広報が皆さんの感じている部分の気持ちにうまくシンクロするような表現で広報されるというところに努力というか工夫を重ねていくということも重要じゃないかと思うんですけれども、これについて所見を伺いたいと思います。

○熊谷障害者医療担当部長 精神障害者の場合、症状が悪化するほど、みずから医療や福祉サービスを求めることができなくなるという特徴がございますため、ご家族や友人、近隣住民を含め、身近な人々の気づきと、その後、速やかに適切な支援につなげることが重要でございます。
 そのため、住民に対し、精神障害への理解を促すための普及啓発を行うとともに、身近な地域の行政機関の相談窓口にご相談いただけるよう、区市町村や都の相談窓口に関する周知を広報紙やホームページ、パンフレットなど、さまざまな媒体を活用し、行っております。
 また、相談内容に応じて、適切な支援機関に速やかに引き継がれ、必要な対応を行うことが欠かせません。そのため、精神保健福祉に関する協議会や、個別ケースに対する支援活動などを通じ、区市町村や保健所、精神保健福祉センター、相談支援事業者、警察、医療機関など、地域におけるさまざまな関係機関による顔の見える連携づくりを今後とも進めてまいります。

○吉住委員 申告はしておりますが、時間もいろいろありますので、精いっぱい要領よくやっていきたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
 まず初めに、児童福祉施設基準の条例化について伺います。
 核家族化の進行や地域社会のつながりの希薄化、共働き世帯の増加などにより、児童を取り巻く環境が大きく変化しております。この現代社会において、次代の社会の担い手たる児童の健全な育成を保障するためには、保育所や児童養護施設などの児童福祉施設の役割が今後ますます重要となってまいります。
 児童福祉施設の運営等に係る基準については、これまで他の社会福祉施設と同様に、全国一律の基準として国の省令で定められていましたが、地方分権改革の流れの中で、都道府県等が制定する条例に委任されることになりました。
 そうした中、都は、保育所の居室面積基準について、児童福祉審議会に専門部会を設け、議論をしてくるなど、児童福祉施設基準の条例制定に向けた準備を着実に進めてきていると認識しています。
 都は、これまで、大都市特有のニーズに対応するため、都独自の認証保育所制度を創設し、推進してまいりました。本制度は、年度途中における面積基準を弾力化することなどにより、待機児童の解消に大きく貢献しています。我が党もこれを評価し、積極的に取り組みを支援してきたところであります。地域の実情に応じた整備運営を可能とするという条例委任の趣旨にかんがみれば、これまでの都の取り組みの成果を踏まえた基準の検討を行うことが有用であると考えます。
 今回、十月に国の省令が改正されたと聞いておりますが、保育所を含めた児童福祉施設について、来年四月からの条例施行に向けて、いよいよ具体的な準備を行う時期に来ています。児童福祉施設について、今回条例で定める基準の内容と、都の条例制定に向けた検討状況、条例案の議会への提出時期について伺いたいと思います。

○桃原少子社会対策部長 児童福祉法に基づく児童福祉施設の設備運営に関する基準は、現在、省令で定められておりますが、一括法により都道府県の条例に規定をゆだねることとされております。その内容は、施設を運営する上で必要不可欠な基準ということでございます。
 都は、この間、昨年十一月に児童福祉審議会において、区、市の代表者、保育事業者、学識経験者から成る専門部会を設けまして、保育所の居室面積基準を中心にご議論いただきましたが、基準緩和に関する都の提案内容を了承するというのが多数意見でございました。
 これにつきましては、当時、一括法が成立していない時点での検討であったため、議論の整理としてまとめ、本年六月の審議会に報告し、了承されたものでございます。
 その後、十月に条例制定事項の詳細を示す省令が公布されたことで、国の考え方が明らかになりましたことから、今後、児童福祉審議会におきまして、児童養護施設など、その他の施設に関する設備運営の基準につきましてもあわせてご議論いただくこととしております。
 今後、そこでの審議結果を踏まえ、準備ができ次第、条例案を議会に提出する予定となっております。

○吉住委員 児童福祉施設基準の条例化に向けて、着実な検討が進められていることがわかりました。
 昨年度の児童福祉審議会での議論では、現在の待機児問題の深刻さと、さらなる対策の必要性について委員の認識が一致する中で、さらなる定員の弾力化を図ることも対策の一つであり、都の提案内容を了承するというのが多数意見であったと聞いております。
 この取り組みが有効であることは、認証保育所制度の実績から明確であります。今後も、児童福祉審議会における検討結果を踏まえ、議会提出に向け、しっかりと準備を進めていただきたいと思います。
 さて、これらの基準が条例にゆだねられたからといって、保育サービス水準や児童養護施設などにおける処遇水準の低下を招くようなことがあってはならないことは、言をまつまでもありません。
 都は、これまでも、国の基準を上回る取り組みに対して支援を実施してきていますが、条例制定後における都の取り組みについて伺いたいと思います。

○桃原少子社会対策部長 児童福祉司における人件費を初めとする基本的な運営に要する経費につきましては、児童養護施設などについては措置費で、認可保育所については負担金によって賄われております。
 都は、これに加えまして、例えば児童養護施設につきましては、提供するサービスについて望ましい水準を確保し、施設経営者の自主的かつ柔軟な施設運営が図られるよう、サービス推進費補助金を交付し、職員配置などの充実を図ってまいりました。
 また、保育所につきましても、実施主体である区市町村が地域の実情に応じた取り組みを進められるよう、子育て推進交付金や子ども家庭支援区市町村包括補助などの財政支援を行っております。
 今後も、都は、こうした独自の取り組みを推進することで児童福祉施設におけるサービスの充実に取り組んでまいります。

○吉住委員 今後も、児童や家庭が必要なサービスをしっかりと受けることができるよう、認証保育所制度や、答弁にありました都独自の支援策などを活用して、引き続きサービスの充実に取り組んでいただきたいと思います。
 続いて、災害時における要援護者への支援について伺います。
 障害者等の災害時要援護者が災害発生時に迅速かつ安全に避難するには、身近な区市町村が中心となって、地域の中で適切な支援を行う必要があります。
 まず初めに、東京都としては、これまで災害時における障害者支援についてどのように取り組んでこられたのか、伺いたいと思います。

○芦田障害者施策推進部長 障害者を含む災害時要援護者の安全確保につきましては、区市町村が中心となって、防災知識の普及啓発、地域の協力連携による避難支援体制の充実に努めているところです。
 都は、災害時に障害者が必要とする支援や、障害特性に応じた対策などを具体的に示した災害時要援護者への災害対策推進のための指針を作成し、広域的な立場から、災害時要援護者対策を行う区市町村の支援に取り組んでまいりました。
 また、災害時要援護者名簿の整備や、避難支援プランの策定などを行う区市町村を支援するため、作成するための手順や先進事例を示したパンフレットの作成や、区市町村の福祉、防災担当者向け研修会を実施してまいりました。また、避難支援プランの作成経費等や、公共機関における聴覚障害者等に配慮した非常時避難誘導設備の整備について、区市町村包括補助事業におきまして財政支援を行っております。

○吉住委員 取り組みについてはわかりました。
 さて、東日本大震災では、通信手段の滞りや交通機関の麻痺等により、避難活動が容易に行うことができませんでした。特に視覚や聴覚に障害を持った方たちは、見た目で障害を持っているとわからない場合などもあり、周囲の支援を得られる場合とそうでない場合があったと聞いております。
 今後、首都圏直下型や、立川断層等を震源とする震災が発生した場合などに、こうした方々を安全に避難誘導するための手だてはどのように講じているのか、お伺いをいたします。

○芦田障害者施策推進部長 災害が発生したときには、障害者はまず第一に、周囲に支援を求めるとともに、周囲の人も、障害特性に応じた適切な対応をとることが大切でございます。
 このため、都は、指針の中で災害発生時に障害者がとるべき行動や障害特性に応じた対応例を示しております。例えば、情報を入手しづらい視覚障害者や聴覚障害者につきましては、周囲の人に障害者であることを伝え、災害状況等の情報を得るための支援を求める必要がある旨をお示ししております。
 また、周囲の人に支援を求めやすくするために、障害者本人にかかわる個人情報や、必要な支援内容、緊急時の連絡先等を記載した防災手帳などを例示し、障害者が常に持ち歩くことを推奨しております。
 さらに、住民に対しましては、災害時要援護者に関する知識や情報を周知するとともに、障害特性に応じた救援方法を習得できるようにするため、災害時要援護者が参加した防災訓練を行うよう区市町村に対し示しております。今後とも引き続き、区市町村の取り組みへの働きかけを行ってまいります。

○吉住委員 次に、障害者団体が安否確認や支援のために被災地に赴いた際に、被災者に関する情報提供を自治体に求めたところ、拒否されたとの報道がありました。我が党も、独自に団体の皆さんのご意見を聞いて、そのような状況をお聞きしております。
 第二回定例会におきまして、我が党も指摘させていただきましたが、内閣府が平成十八年九月に実施した個人情報保護に関する世論調査によれば、防災、防犯のためであれば、積極的に個人情報を共有、活用すべき。また、必要最小限の範囲で個人情報を共有、活用してもよいとの回答が全体の九割を占めております。
 このような調査結果を踏まえれば、行政は日ごろから災害時要援護者の情報を関係団体等に情報提供するなど、行政と関係団体等が連携した取り組みを進めるべきと考えますが、所見を伺います。

○芦田障害者施策推進部長 災害時要援護者の避難支援は、行政の支援に加え、民生児童委員、町会、自主防災組織など、地域の関係団体や障害者団体等との協力体制の構築が大切でありまして、災害時要援護者名簿は、こうした団体等と平時から共有しておく必要があります。
 総務省消防庁が実施しました調査では、平成二十三年四月一日現在、災害時要援護者名簿を整備している都内四十区市町村のうち、三十八の区市町村におきまして、平時または災害時に、地域の関係団体等と名簿を共有しております。
 今後も、区市町村の福祉、防災担当者向け研修会や、区市町村との会議の場など、さまざまな機会をとらえまして、地域の関係団体等との協力体制の構築を働きかけてまいります。

○吉住委員 実際の災害の際には大変な状況になっていると思いますので、あらかじめの取り組みが大切だと思います。
 最後に、都は先月、区市町村や障害者団体に対し調査を実施しているとお聞きしておりますが、どのような調査を行い、その結果をどのように生かしていかれるのか伺いたいと思います。

○芦田障害者施策推進部長 副委員長お話しのように、都は区市町村に対し、災害時要援護者名簿の関係団体との共有状況や、災害時における支援体制、関係団体等との協力体制などについて調査を実施いたしました。
 また、障害者団体に対しましては、東日本大震災が起こった際の会員への対応状況、障害特性に応じた必要な支援内容、区市町村との連携状況について調査を実施いたしました。
 現在集計中でございますが、区市町村からの回答の中には、増加傾向にある要援護者へ災害時に十分な支援を行うためには、民間事業者、民間団体、障害者施設などとの連携が不可欠。また、どの程度の規模の災害が発生したら安否確認を行うのかというルールが明確になっていなかったことが課題というような意見がございました。
 また、障害者団体からの回答では、災害発生後の避難時の支援や、避難所などでの生活に当たって、障害特性に応じた情報提供手段の確保などについての意見が、特に多く挙げられております。
 今後、都は、これらの調査結果を年度内に集計、分析し、その結果を踏まえ、広域的な立場から区市町村と関係団体等との連携を働きかけるとともに、東京都地域防災計画の修正に反映させてまいります。

○吉住委員 ただいま、ヒアリングの状況、また今後の生かし方についてお答えをいただきました。そのほか、関係団体の方とお話しした中では備蓄品の話などもございましたが、市区町村と連携したり、そもそも公設公営であったらご本人たち、民設でやってる場合はご本人たちとか、いろいろ規模等もございますが、どうか連携しながらうまくやっていっていただきたいと思っております。
 それでは、本日最後の項目でございます。TPPについて伺います。
 去る十一月十一日の夜、野田首相は、TPPへの交渉参加へ向けて関係国と協議に入ると表明し、翌十二日にハワイのホノルルにおいて開催されたAPEC、アジア太平洋経済協力会議、首脳会議の場で、その旨を関係国に伝えました。
 野田首相の言葉によると、我が国の現在の豊かさを次世代に引き継ぎ、活力ある社会を発展させるためには、アジア太平洋地域の成長力を取り込む視点が極めて重要であり、そのためにTPP交渉参加に向けての関係国との協議に入るとのことでありますが、新聞を読んでもおわかりのとおり、TPPへの参加については、多くの有識者から、時期尚早であるといった意見や反対論が寄せられています。
 さらに申せば、そもそもTPPについて、都民、国民は、情報を十分に得ているのだろうか。情報も十分にない中で、協議入りの手続が先行しているのではないか。このような感もぬぐえません。
 そこで伺います。TPPとは、まずどのようなものか、客観的にご説明いただければと思います。

○萱場事業調整担当部長 TPP協定は、現在、九カ国で交渉中の経済連携協定で、環太平洋パートナーシップ、トランス・パシフィック・パートナーシップの頭文字をとって、TPPと呼ばれております。二〇〇六年にシンガポール、ニュージーランド、チリ、ブルネイの四カ国が発効させた経済連携協定、通称P4協定を発展させるものでございます。
 P4協定の特徴は、物品貿易について、原則として、全品目について、即時または段階的な関税撤廃を掲げていること、また、サービス貿易、政府調達、競争、知的財産、人の移動を含む包括的な協定であることでございます。
 この協定が、APEC、アジア太平洋経済協力会議参加メンバーに開放されていることから、昨年三月に米国、豪州、ペルー、ベトナムを加えた八カ国でこのP4協定を拡大、発展させた広域経済連携協定を目指す交渉が開始され、その後マレーシアが加わり、九カ国となりました。先日、日本が交渉参加を表明したところでございます。現在、二十一分野にわたる二十四の作業部会が設置され、議論が進められてございます。

○吉住委員 それでは、日本がTPPに参加することによって、どのような問題が起こり得るのか、現在得られている情報の範囲で構いませんので、お答えをお願いします。

○萱場事業調整担当部長 政府の資料によりますと、TPP協定交渉の対象となる二十一分野の多くにわたって、慎重な検討を要する可能性がある点が挙げられております。
 例えば、物品市場アクセスという分野では、米を含む九百四十品目の関税撤廃を求められる可能性があるとしております。また、越境サービス貿易という分野では、個別の資格、免許の相互承認を求められる場合には、我が国の国家資格制度の趣旨を踏まえ検討する必要があるとしております。

○吉住委員 新聞などの報道におきましては、TPPに参加した場合、このようなことになってしまう、さまざまな例示も行われておりますが、なお報道で仄聞するところ、政府内部でも実はそういう懸念を持っている方もいらっしゃると。そういったようなことを国民が果たして知っているのか、その辺に疑問もございます。
 政府が交渉参加を表明した先週末の十一日から三日間で実施したNHKの世論調査では、TPPへの交渉参加について、賛成が三四%、反対が二一%と、賛成が上回っているように見えます。しかし、一番多いのは、どちらともいえないの三八%です。国民がTPPへ参加することの本当のメリット、デメリットは何なのか、判断するための必要な情報を十分に得ていないということではないかと思います。このような状況で、交渉参加に向けた協議をどんどん進めてもよいものか、疑問があります。
 先月、全国知事会が、TPP協定交渉に関する緊急要請を行ったということですが、その中で、TPPに関する情報提供をもっと国民にすべきだという内容だと聞いております。この要請はどのようなものだったか、お伺いいたします。

○萱場事業調整担当部長 全国知事会は、十月十九日に、TPP協定交渉に関する緊急要請を行いました。この中で、全国知事会は、TPP協定については交渉分野が多岐に及ぶにもかかわらず、物品の関税を原則撤廃するという以外、国民に情報提供がほとんど行われず、どの分野にどのような影響があるのか明らかにされないことから、国民的議論が進んでいないなどの状況を指摘しました。
 その上で、TPP協定が国民生活のあらゆる分野に大きな影響を与えることが予想されることから、国民に対する十分な情報提供を行うとともに、地方の農林水産業者、商工業者、医療関係者、消費者など、国民各層の意見をしっかりと聞いた上で、国民的議論を行うことや、東日本大震災からの復興を目指す被災地域の活力をいささかも損なうことのないよう、慎重に対することを提言いたしました。

○吉住委員 国民に対する情報提供を十分にすべき、国民に開かれた議論が必要、この二点、まさにそのとおりだと思います。
 ところで、TPPに関しては、この知事会だけではなく、盛んなのは農林水産業の団体による活動もございますが、さまざまな団体の活動も活発になっております。その中でも、医療分野において日本医師会などの団体が意見を表明していると聞いております。そこで、日本医師会などの団体が、このTPPに関してどのような意見を表明しているのか伺います。

○萱場事業調整担当部長 日本医師会、日本歯科医師会、及び日本薬剤師会は、十一月二日、TPPへの交渉参加について政府が国民皆保険を守ることをはっきりと表明し、国民の医療の安全と安心を約束しない限り、交渉への参加を認めることはできないと表明いたしました。
 あわせて政府に対して、TPPにおいて、将来にわたって日本の公的医療保険制度を除外することを明言すること、及び混合診療の全面解禁を行わないこと、医療に株式会社を参入させないことなどを、個別具体的に国民に約束することの二点を要請しました。

○吉住委員 三師会がTPPに対して、反対あるいは異論を持っているということがわかります。その三師会の中でも、特に中心的に行動している日本医師会がTPPに参加することで、日本の医療がどのように変化することを危惧しているのか伺いたいと思います。

○萱場事業調整担当部長 昨年十二月に日本医師会が発表した日本政府のTPP参加検討に対する問題提起によりますと、TPPへの参加により、日本の医療に市場原理主義が持ち込まれ、最終的には国民皆保険の崩壊につながりかねない面もあるとし、具体的な懸念事項として次の四点を挙げております。
 一、混合診療の全面解禁により、公的医療保険の給付範囲が縮小する。
 二、医療の事後チェック等により、公的医療保険の安全性が低下する。
 三、株式会社の医療機関経営への参入を通じて、患者の不利益が拡大する。
 四、医師、看護師、患者の国際的な異動が、医師不足、医師遍在に拍車をかけ、さらに地域医療を崩壊させる。
 以上の四点でございます。

○吉住委員 三師会が主張し懸念されている内容はよくわかりました。仮に国民皆保険の崩壊につながるということになれば、これは非常に問題だと思います。特に米国は、以前より日本の医療における市場原理の導入、つまり混合診療の全面解禁や医療への株式会社の参入などを求めてきた経緯があります。より自由な診療をできるようにすべきとの理由からでありますが、都民の健康を守っていくためにも、しっかりと現在の制度を維持できるように、TPPの交渉に臨むべきです。
 また、労働人材の国際的な異動に関していえば、看護師や介護福祉士のサービスが相当しますが、この二つの職種は、現在、インドネシアとフィリピンとの経済連携協定に基づき、日本の資格を取得して初めて、日本国内で看護師、介護福祉士として従事することができます。
 しかし、TPPに参加した場合には、出身国の資格さえ持っていれば、自由に日本国内で看護職や介護職に従事できるようになる可能性が生じてまいります。そうなれば、看護や介護の現場において、患者や職員との意思疎通の混乱、サービスの質の低下、賃金の低下など、さまざまな問題が生じてまいると思われます。
 国会の予算委員会での質疑を聞いておりましても、閣僚の答弁が必ずしも首相の答弁の趣旨と沿っていない場合も見受けられます。国民への情報提供が少なく、国民的な議論も不十分、また政府内においてのすり合わせも不十分な中で、外交交渉が大変困難をきわめると思われます。
 さきも米国の発表と首相の発言の発表、それぞれの見解が異なったこともございます。さまざまな団体からの懸念も示されていますが、私は、TPPへの交渉参加に向けた協議に対しては、慎重に対応していくべきだと考えております。
 既に交渉参加の表明が行われた現段階でありますが、都としても、TPPが医療福祉分野にどのような影響を及ぼしていくのか、これからも注視し、そして主張すべきことがある場合には即時に対応するなど、適切な行動をとることを望みまして、私の発言を終えたいと思います。

○小林委員 私の方から大きく四点お伺いさせていただきたいと思います。
 初めに、食品の安全確保についてお伺いさせていただきます。
 都では、先週八日から流通食品について、都民が日常的に摂取する食品及び子どもが継続的に摂取する食品を中心に、放射性物質のモニタリング検査を開始されました。非常に関心の高い問題であるために、マスコミなどでも大きく報道されましたが、私も地元の主婦の方を中心に、今回の検査開始を報告しましたところ、多くの方々から、この都の取り組みを評価する声が寄せられております。
 確認のためお伺いさせていただきますが、今後の検査をどのように進めていくのか、また、暫定規制値を超えた食品が確認された場合の対応について、お伺いさせていただきます。

○鈴木食品医薬品安全担当部長 流通している食品の放射性物質汚染について、不安を感じている都民も多いことから、都民が日常的に購入する小売り段階の食品について、年度内に五百検体の検査を実施する予定でございます。
 初めに、スクリーニング検査を実施し、スクリーニング検査で一キログラム当たり五十ベクレルを超えたものについては、確定検査を実施いたします。検査結果につきましては、東京都のホームページで公表いたします。確定検査で暫定規制値を超えた食品は、商品名や生産地等について、ホームページでの公表及びプレス発表を行い、都民に迅速に情報提供をいたしてまいります。さらに、当該食品につきましては、食品衛生法違反として、生産地等を管轄する自治体に通報し、販売の中止及び回収等の措置を実施いたします。

○小林委員 先週、九日には、第一回目の検査結果が都のホームページに掲載されました。検査した二十品目について、放射性沃素、放射性セシウムのいずれも検出せずとの結果でありましたが、その結果の記載方法として、検出せずとの表記の横に、検出できる最小の値である検出限界値が記されておりますが、記載事項が理解しにくいとの声もあり、ともすれば、何か問題があるのではないかとの漠然とした不安を招いてしまう懸念があるのではないかと思います。
 三月十一日以前においては、余り日常的ではなかった放射性物質が、今は大変に大きな関心が寄せられており、敏感な問題だからこそ、細かいようでも丁寧な対応が求められてくると思います。
 このたびのモニタリング検査は、食の安全・安心を一層確保するために行われているものですので、都民の皆様が誤解をされないよう、よりわかりやすく丁寧な表現や説明で、検査結果を公表していくべきと考えますが、見解をお伺いします。

○鈴木食品医薬品安全担当部長 ホームページにおける流通食品の放射性物質検査の結果の公表に当たっては、検査方法や検査結果の見方について、解説を作成して対応しております。今後も、都民から寄せられた質問等を参考にホームページの充実を図るなど、都民にわかりやすい情報提供に努めてまいります。

○小林委員 ありがとうございます。今ご答弁にもありましたホームページの充実、またわかりやすい情報提供、ぜひとも強く推進していただきたいと思います。
 次に、低所得者、離職者支援についてお伺いいたします。
 本年七月時点における生活保護受給者が、二百五万四百九十五人となり、戦後最多を更新しました。また、生活保護に次ぐセーフティーネットともいわれる生活福祉資金の貸付済額も、都において、平成十七年度に約十四億九千四百万円であったものが、昨年、平成二十二年度においては、五十五億四百万円と大幅に増加をしております。大変に厳しい経済雇用情勢が続いており、低所得者や離職者に対しての一段の取り組みを促進していかねばならないと思います。
 都においては、平成二十年度から、緊急三カ年事業として実施してきた生活安定化総合対策事業を昨年度終了しましたが、今年度より事業を再構築して、区市町村が取り組む低所得者、離職者対策への支援を新たに開始したと聞いております。この新たな事業がスタートしてまだ七カ月ほどではありますが、現段階における取り組み状況について、お伺いいたします。

○市川生活支援担当部長 都は、区市町村と連携して実施してまいりました生活安定化総合対策事業の実績を踏まえ、包括補助事業を活用し、今年度から低所得者、離職者の安定、自立した生活を促すことを目的として、区市町村が行う地域の実情に応じた主体的な取り組みに対する新たな支援を開始いたしました。
 これまでに十二の区市町村で低所得者、離職者に対する常設の相談窓口が設置され、また、六区市町村ではハローワークのOBやキャリアカウンセラーなどを相談員として配置し、面接指導等の就労支援を行うなど、全体で五十四の区市町村において取り組みが進んできております。
 都は、各区市町村におきまして、地域の実情を踏まえたさまざまな取り組みが展開されるよう、他の取り組み事例を紹介する連絡会を開催するなどによりまして、低所得者、離職者対策の促進を図っております。

○小林委員 新規事業でもありますので、今後とも区市町村が地域の実情に応じて独自の工夫を行い、積極的に事業に取り組んでいけるよう、都としてもさらなる支援をお願いしたいと思います。
 また、都の独自の取り組みとして、住居を失い不安定な就労状況にある方や、離職者などの生活の安定をサポートする事業、いわゆるTOKYOチャレンジネットの取り組みを行っておりますが、その取り組み内容と、今日までの実績について確認をさせていただきます。

○市川生活支援担当部長 都は、平成二十年度に、インターネットカフェなどに寝泊まりしながら不安定な雇用形態で就労する方々に対するサポートセンターを開設し、生活支援や居住支援、資金貸付等を実施してまいりました。二十二年度末までに約二千三百名に対して支援を行い、住宅確保や就労に結びつけてまいりました。
 また、平成二十一年三月からは、住居喪失状態またはそのおそれのある離職者等に対しまして、介護資格取得支援や生活費等の資金貸付により、介護職への就労支援を行い、二十二年度末までに約三千名の方が資格を取得し、そのうち約千七百名が就職するなど、離職者の生活の安定に成果を上げてきたところでございます。
 こうした成果を踏まえまして、今年度より、住居喪失不安定就労者・離職者等サポート事業として事業を再構築し、生活居住就労支援や介護資格取得支援、生活費等の資金貸付を実施しております。
 また、貸し付けには就労継続により償還免除の仕組みも設けております。本年九月末までの六カ月の実績といたしましては、約四百名の住居喪失不安定就労者や離職者に対して相談支援等を行うとともに、そのうち約百名に対しましては、介護職の資格取得支援等を実施しているところでございます。

○小林委員 堅実な成果を上げておられると思いますが、今、ご答弁にもありましたように、このTOKYOチャレンジネットには、介護資格取得のメニューがありますが、介護現場では現在も人材不足であり、この資格取得のメニュー、これは大変に大事であると思っております。
 先ほどの答弁にもありましたけれども、就労継続をすれば償還免除になる仕組み、これは職場への定着を図るための本人への大きな触発にもなると思います。そこで、どのような場合に償還免除になるのか。また、償還免除の実績について確認をさせていただきます。

○市川生活支援担当部長 介護職への就労を目指す離職者に対して行っております生活費等の資金貸付におきましては、ホームヘルパー二級の資格取得後一年の間に、介護職として六カ月間就労するなど一定の要件を満たした場合には、貸し付けの償還を免除できる取り扱いとしております。
 要件を満たすまでには一定の期間が必要でありますことから、平成二十二年度末までに、支援を開始した方の実績について申し上げますと、貸し付けを受けた方が五百二十七名でありまして、このうち六カ月間の就労により要件を満たし償還免除となった方は、本年九月末時点で二百五十八名でございます。

○小林委員 先日、私はこの介護資格取得メニューで資格を取って、介護現場への就労を実現された若いお母様とお会いしました。ご本人からさまざまお話を伺いまして、私自身もこの事業の成果を認識したわけですが、六カ月の就労継続で償還免除となるのは非常に有効な制度であり、今後さらに実績が伸びていくことを期待しております。
 このTOKYOチャレンジネットは、不安を抱えながら、わらをもすがる思いで利用される方もいらっしゃると思います。利用される方が、この制度を十分に理解していただくことが大事であり、相談窓口においても、利用者の立場に立って、わかりやすく丁寧な説明を心がけていただき、利用者が希望を持って前進できるような取り組みを、ぜひともお願いしたいと思います。
 次に、福祉のまちづくりについてお伺いいたします。
 都は、十年後の東京の姿として、ユニバーサルデザインのまちづくりが面的に整備され、だれもが不自由なくまち歩きを楽しむことができているという目標を掲げ、ご年配の方や、障害を持たれている方を含むすべての人々が、安全・安心、快適を実感できるまちづくりを推進していますが、今日まで、鉄道駅のエレベーター設置、ノンステップバスの導入、都道のバリアフリー化など、関係各局と連携しながら一歩一歩整備を進めてこられたと思います。
 ユニバーサルデザインのまちづくりは、当然のことながら、都だけではなく区市町村との連携も必要であり、区市町村の取り組みに対しても支援事業を実施されていますが、これら区市町村の取り組みを一層促進するために、都では、平成二十一年度より区市町村福祉のまちづくり取り組み発表会の事業を開始していると伺っております。
 そこで、この取り組み発表会の開催意義や、これまでの開催実績についてお伺いをいたします。

○小林生活福祉部長 区市町村福祉のまちづくり取り組み発表会は、区市町村による福祉のまちづくりの先駆的な取り組みの事例を紹介し、他の自治体へ波及させることを目的といたしまして、平成二十一年度から開始してございます。
 これまで、道路、公園等の設計段階における地域住民から成るまちづくり団体との合同点検の実施や、健常者と障害者とがともに利用できるよう工夫した公園遊具の整備など、区市町村の独自の取り組みを紹介してまいりました。
 さらに、学識経験者、障害者、事業者の方にも参加していただき、パネルディスカッション形式での意見交換を行ってまいりました。今後とも、これらの成果を踏まえまして、区市町村の取り組み事例等の共有化を図りながら、福祉のまちづくりを推進してまいります。

○小林委員 やはり先駆的な事例を紹介していくことは、他の区市町村の取り組みへの大きな参考にもなり、触発にもなってくると思います。取り組み発表会を始めてまだ日は浅いですけれども、これまでの開催の中で見えてきた課題などを整理し、より一層充実した発表会の開催にご努力いただき、全都を挙げてのユニバーサルデザインのまちづくりが促進される取り組みをお願いしたいと思います。
 福祉のまちづくりに当たっては、時代状況を的確に掌握し、施策に生かしていくことも重要であると考えます。だれもが安心・安全、快適を実感できるまちづくりの推進に当たっては、その対極にある不安、危険、不便といった視点にどれだけ敏感になれるかが大事ではないかと思います。
 その意味において、今大きな問題となっているのが自転車対策であります。昨今、自転車の歩道における危険な走行が大きな問題となっております。当然のことながら、自転車を運転する人のモラルが問われる問題でありますが、総合的な取り組みが必要であり、都議会公明党は、本年の第一回定例会の代表質問において、東京都自転車条例の制定を主張させていただいたところであります。この自転車の問題は、福祉のまちづくりを推進していく上でも、見過ごすことのできない課題ではないかと考えます。
 そこで、福祉保健局は、福祉のまちづくりの観点から、高齢者や障害者の安全・安心を確保した歩道の整備についてどのように取り組んでいるのか、お伺いさせていただきます。

○小林生活福祉部長 すべての人が安全に移動し、快適な生活を送るためには、高齢者や障害者等も自由に歩行できる環境の整備に取り組んでいくことが重要でございます。東京都福祉のまちづくり条例施行規則の整備基準では、原則として、歩道と車道とを分離するとともに、車いす利用者同士がすれ違える幅員を確保するよう定めております。
 また、都の施設整備マニュアルでは、望ましい水準として、歩道の有効幅員を狭める置き看板、放置自転車などの障害物をなくすためのPRの実施や、状況により、歩行者と自転車の分離の検討などを行うよう求めています。
 都といたしましては、これらの取り組みを促進するよう、区市町村への支援を行っております。

○小林委員 この自転車対策については、警視庁や、また青少年・治安対策本部といったところが主になるかとは思いますが、福祉のまちづくりを推進していく上では、ぜひご年配の方や障害を持たれている方の安全・安心という視点から、福祉保健局の皆様にも積極的に関係局と連携をとっていただきたいと思います。
 最後に、難病対策についてお伺いいたします。
 原因が不明で治療法が確立されていない難病は、膨大な数があるといわれています。私も都政に送り出していただいてから、多くの難病患者の方々とお会いし、ご要望をいただいております。原因の究明、また治療法の確立は、医学の分野での研究の前進を待たねばなりませんが、難病患者の方のお声をお聞きしますと、病気に対する社会の認知不足から、誤解や偏見を招いていることが多数あるというふうに伺っております。
 そこで、都として、難病患者に関する理解と、患者支援のための対策にどのように取り組んでおられるのかお伺いします。

○前田保健政策部長 都では、難病患者に関する理解を深めるため、ホームページや保健所等で実施する講演会などにより、普及啓発を行うほか、東京都医師会を通じて専門医や保健師による相談会を実施しております。
 また、難病患者の日常生活の相談支援を行う拠点として、東京都難病相談支援センターを設置しております。センターでは、講演会の実施や情報資料室の活用、ホームページによる関係団体との相互リンクなど、わかりやすい情報提供を行うとともに、患者支援の対策として、専門職等による相談、専門医による医療相談会、患者同士の交流の場を提供しております。

○小林委員 都の難病対策の中核として、この東京都難病相談支援センターが設置されているわけですが、この難病相談支援センターで実施している難病医療相談について、具体的な取り組みや、その相談内容についてお伺いいたします。

○前田保健政策部長 難病相談支援センターの難病医療相談につきましては、電話相談を中心に実施し、保健師が、医療や療養に関する相談に応じるとともに、患者やその家族による自身の経験を踏まえた生活相談を行い、年間延べ二千人程度の方がご利用されています。
 また、医療相談会につきましては、神経系、膠原病系等、難病の系統別に年五回程度実施し、専門医が治療内容や療養上、日常生活上での課題について相談に応じ、年間百人程度の方が利用されています。
 今後とも、患者団体や医療機関等と連携をして、難病患者の方やそのご家族の方が抱える医療面でのご心配や、療養面上でのご相談、ご不安の解消に努めて運営してまいります。

○小林委員 ありがとうございます。
 私は先日、声を出そうとすると自分の意思に関係なく声帯が異常な動き方をし、声が詰まったり、かすれ声になったりと、正常な発声ができない原因不明の病気であります、けいれん性発声障害で苦しまれている患者の団体である発声障害患者会の集会にお伺いいたしました。
 このけいれん性発声障害については、昨年の第一回定例会の私の一般質問でも取り上げさせていただきましたが、社会的認知の向上が大きな課題であります。発声障害患者会の代表の方ともお話をさせていただきましたが、病名の社会的認知が一番の目標であると、こういうふうにおっしゃっておりました。
 集会の中で、三人の女性が体験発表をされていましたが、この病気により内定していた会社を辞退せざるを得ない状況に追い込まれてしまったことや、誤解や偏見で、今日まで精神的苦痛を味わってこられた体験を赤裸々に語っておられました。
 そのうちの一人の女性の方が、対症療法として手術を受け、症状が改善されましたが、その女性はこれでようやく社会に認められた思いがしたと話をされておりました。私はこの言葉を聞いて、このような病気で苦しんでおられる方々に寄り添うことができない、また、認めることができない社会こそがおかしいのだと強く感じました。
 難病対策と一口にいっても、その膨大な数やさまざまな課題など、簡単なことではないことは十分承知をいたしております。苦しんでいる人がいる限り自分も安閑としてはいられない、この感覚こそが人権意識の核である。こう語った人がおります。
 社会において、難病で苦しんでおられる方々がいる。その方々に対し何をなすべきか、そして何かできないか。この思いをともに共有して、今後の難病対策の一層の充実を心からお願いいたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

○松下委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後二時二十八分休憩

   午後二時四十五分開議

○松下委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○大山委員 きょうは、高齢者の医療、介護の問題、それから不育症の問題、そして保育や児童養護のこと、重症心身障害児者のこと、内部被曝、TPPということで、順次、質疑させていただきたいと思います。
 まず、高齢者の医療、介護にかかわる問題についてですけれども、まずは療養病床です。先ほどと重らないようにやりますので、大丈夫です。
 東京は高齢者のひとり暮らしや、高齢者のみ世帯が多いわけです。高齢者が救急などで入院しても、急性期を過ぎると転院先を見つけるのに、大変、また在宅で過ごしている高齢者の体調が急変したときなどにも、なくてはならないのが療養病床です。
 重症化した患者を受け入れる施設なしに、在宅療養は成り立ちません。急変時の入院施設としても、またレスパイト入院の機能を持つことができる療養病床は不可欠だといえます。また、療養病床は、救急医療の後方病床として機能しておりまして、極めて厳しい状況に置かれている救急医療を支えるためにも、療養病床の増床は不可欠です。
 ところが、東京都は人口に対する療養病床数は少なくて、人口十万人当たりの療養病床数の全国平均は二百六十三・七床ですけれども、東京は、百五十九・八床しかありません。東京都は、一般病床から療養病床への転換等を図ることを進めていますが、二〇一二年度末、つまり来年度末までに療養病床を二万八千七十七床とする都の計画に対して、現状はどうなっているのかということと、また、整備目標を掲げて以降、毎年どれだけ増床してきたのかということをお願いします。

○山岸医療政策担当部長 療養病床数については、本年九月一日現在で二万一千二百四十八床でございまして、平成十八年十月時点の病床数二万一千三十三床から、ほぼ横ばいに推移し、現時点で微増となっております。

○大山委員 つまり、約五年間で二百十五床の増加、微増だと。ご答弁のとおりですね。二〇一二年度末ということは来年度末ということですから、計画では二万八千七十七床、来年の末までに目標を達成するには、あと六千八百二十九床ふやさなければなりません。この二〇一二年度末の目標をどうやって達成するのでしょうか。

○山岸医療政策担当部長 先ほどもお答え申し上げましたが、都はハード面での対策といたしまして、平成二十年度から、都独自の施設整備費補助を開始し、二十二年度からは補助率を二分の一から四分の三に引き上げました。また、ソフト面におきましても、多様な患者ニーズにこたえられるよう機能強化を図るための研修を二十一年度から実施をいたしますとともに、新たに今年度から専門家による経営コンサルティングなど、転換促進を図る事業を開始いたします。

○大山委員 平成二十年度から開始した施設整備費補助は、最初、二分の一だったんですね。二十年度と二十一年度の申請数は、それぞれ約三百床でしたけれども、四分の三に補助率を引き上げたら、申請数が約七百件と大きく増加しました。財政的な支援を充実したら、つまり補助率を上げたら、ちゃんと申請数がふえるのですから、療養病床の増床を目指す東京都の計画実現に向けた大きな力になるということは、これは明確だと思います。
 目標は、あと一年で六千八百床以上整備するということですから、急性期医療の後方病床としての役割も担っている療養病床がふえなければ、患者の行くところがなくなってしまうという状況で、ますます深刻です。ですから、今まで以上の思い切った支援が必要です。療養病床整備の財政支援を、さらに強化する必要があると思いますけれども、どうでしょうか。現状の施策の延長線上で、目標達成できるんでしょうか。

○山岸医療政策担当部長 療養病床の内訳を見てみますと、診療報酬制度の対象となります医療療養病床の病床数については、平成十八年十月の一万三千百二十二床から、本年九月には一万五千三百五十五床と、着実に増床の傾向にございます。先ほど申し上げましたとおり、施設整備費補助を初め転換促進に向けたハード、ソフト両面からの支援を引き続き実施してまいります。

○大山委員 補助率を引き上げたことが非常に重要だったわけですけれども、一年間であと六千八百残っているわけですから、さらなる支援の拡充なしに目標を達成できないことは明らかです。よかったことはさらに拡充して促進することが必要ですし、考えられるあらゆる支援が必要だと思っています。運営に対する支援も重要ですけれども、どうでしょうか。

○山岸医療政策担当部長 医療の根本にかかります運営費につきましては、基本的に診療報酬で対応すべきものと考えております。

○大山委員 地代だとか、家賃だとか、人件費が高い東京で、現在の療養病床入院基本料では低いわけですね。そのために、都内では差額ベッド代で低い診療報酬を補てんせざるを得ない状況が続いています。ですから、差額ベッド代も他県に比べて高くて、入院したくてもできないこともあります。運営が成り立たない状況では、せっかく整備費の支援をしてもふえるはずがありません。
 低過ぎる診療報酬を補うため、都が独自の運営費補助の実施をすることを求めておきます。在宅療養支援にとっては欠かせない療養病床なのですから、高齢者の福祉施設で行っている都有地の活用を、療養病床の増設に対し実施することが重要だと思いますけれども、どうでしょうか。

○山岸医療政策担当部長 都有地活用の対象は、認知症高齢者グループホーム、特別養護老人ホームなど、都有地活用による地域の福祉インフラ整備事業実施要綱に明示された施設に限定をされておりまして、現時点で、療養病床の医療機関に対する都有地の活用は考えておりません。

○大山委員 現時点ではということですね。在宅療養をするためには欠かせないものですから、やはりぜひ今後検討していってほしいと思います。二〇一二年には、療養病床の看護師配置が引き上げられる等、増床がさらに難しくなるという声が上がっているんですけれども、都の認識はどうでしょうか。

○山岸医療政策担当部長 医療法の施行規則によりまして、療養病床の看護師等の配置基準には、平成二十三年度末まで経過措置が認められております。現在、看護師の配置基準が、例えば医療療養病床のうち、療養病棟入院基本料二を算定されている病院につきましては、二十五対一となっておりますが、この経過措置がなくなりますと、最低基準に抵触し存続することができなくなってしまいます。
 国の社会保障審議会医療部会等で、経過措置延長の動きはあるものの、現時点で療養病床の将来に対する国の考え方は不透明なままでございます。都は、医療療養病床を将来に向け安定的に確保する方針を、国の責務として速やかに明示するよう、国に対して求めております。

○大山委員 国には確保する方針で、責務として速やかに明示してほしいということを求めているということですね。看護基準が二十対一になるということはいいことなんですけれども、看護師確保ができないわけです。ですから、そうすると二十五対一の届け出病床は存続できなくなるということで、看護師確保への支援も含めて対応をしてほしいということを求めておきます。
 後期高齢者医療制度です。二〇一二年から一三年度の後期高齢者医療制度の保険料のたたき台が夏に明らかになりました。それを見ますと、保険料抑制のために現在行っている自治体からの一般財源投入をした場合でも、一人当たり平均保険料は、今年度比で一万四千二百六十五円もの大幅値上げになると試算されています。投入しない場合では、二万千六百円の値上げ、約二六%もの値上げになるケースも示されました。
 七十五歳以上人口の増加と、それから医療費の増大によって、年々保険料が上昇する、制度の根本的な欠陥が改めて浮き彫りになったといえます。七十五歳以上の方々だけの医療保険をつくってしまったのですから、医療費は年々大きくなり、それから保険料を払う人はほとんど年金生活者ですから、後期高齢者医療制度の維持、運営にはより手厚い公費での財政支援がなければ成り立たないということは、最初からわかっていることなんですね。
 また、来年度保険料がこのままいくと上がってしまう、年金は上がらない、介護保険料も後期高齢者医療制度の保険料も年金から天引きされて、手元に残る年金はもうごくわずかで、これでどうやって生活しろというのかと、高齢者の怒りと困難というのは大きくなるばかりなんです。生活保護世帯が多くなっている事実がありますけれども、年金だけでは生活できないからということは、大きな原因だと思っています。医療費も負担は大きくなり、保険料も値上げ、介護保険料も利用料も払わなければならない。国民年金、満額もらっても六万四千円ではやりくりさえできないという状況です。
 広域連合と東京都は協議していると聞いていますけれども、広域連合から東京都に対して、どのような要望が出されているんでしょうか。

○松浦地域保健担当部長 広域連合から平成二十四年度、二十五年度の保険料改定に際しまして、保険料上昇抑制のため、財政安定化基金を活用することについて協議したい旨の申し入れがございました。

○大山委員 これですよね。十一月十日ということで、福祉保健局長様ということで来ているわけですが、この中を見てみますと、財政安定化基金活用の協議についてという依頼の文書です。現時点における試算結果によると、新保険料率に基づき算定された一人当たり保険料が、平成二十三年度の保険料と比べて著しく増加することとなり、このまま保険料改定を実施した場合、百二十万人を超える後期高齢者医療制度の被保険者のみならず、高齢者の都民に大きな不安や混乱を与えることは歴然としています。広域連合の危機感は大きいわけです。来年度以降の保険料値上げを抑えるため、広域連合に対する都の財政支援が必要だと思いますけれども、どう対応するのでしょうか。

○松浦地域保健担当部長 後期高齢者医療制度の財源につきましては、一割を被保険者の保険料とし、残りの九割のうち四割を現役世代からの支援金、五割を公費で賄うことを原則としております。保険料上昇抑制のために公費を投入することは、この原則を崩すことになるものでございます。都は保険料の法定軽減分の負担など、国や区市町村とともに応分の負担を担うこととしており、現時点では、保険料上昇抑制のための財政支援は考えておりません。

○大山委員 公費投入は、原則を壊すんだと答弁されていますけれども、その原則自体が誤りだから、毎回保険料を引き上げざるを得ないわけですよね。しかし、東京都はこの間も、前回は東京都は保険料値上げを抑えるために、基金を国と都と広域連合で十四億五千万円ずつ積み増しをして、財源補てんをして、基金を取り崩して保険料値上げを抑えたわけですよね。
 後期高齢者医療制度が始まるとき、スタートするときには、東京都がシステム開発費を出すことによって、保険料を少し抑えることができたわけです。今までも、東京都は保険料を何とか抑えるための手だてをとってきたわけですよね。それは、高齢者の実態を見たら、そうせざるを得ないからではないんでしょうか。現時点では、保険料上昇抑制のための財政支援の予定はないとご答弁されていますけれども、東京都の財政支援なしでは、もう成り立たないことは明らかであることを指摘しておきます。同時に、七十五歳以上の高齢者の医療費無料化についても、都として踏み出すよう強く要望しておきます。
 介護保険ですけれども、介護保険計画が第五期を迎えるわけですが、介護保険料の負担は高齢者にとって非常に大きいです。先ほどもいったとおりの高齢者の経済状況、介護保険法改定で、財政安定化基金を取り崩して保険料を抑えるために活用することができるとなりましたけれども、都はどう対応するんでしょうか。

○中山高齢社会対策部長 お答えいたします。今回の介護保険法改正によりまして、平成二十四年度に限り、介護保険財政安定化基金の一部を貸し付け等の目的以外に取り崩すことができることとされました。取り崩した基金の活用につきましては、区市町村は、保険料の増加の抑制を図るために活用し、都及び国は介護保険に関する事業に要する経費に充てるよう努めるものとされております。都は、取り崩した基金につきまして、今後ますます高齢化が進展する中で増大する介護ニーズに対応するため、サービス基盤の整備などに有効に活用していきたいと考えております。

○大山委員 財政安定化基金を取り崩して保険料の増加を抑制するために活用することは重要な前進といえます。しかし、それだけでは不十分です。国がそのようなことを認めざるを得なくなったのも、三年ごとに保険料を値上げせざるを得ない状況になっていて、限界だと考えたからではないでしょうか。したがって、国がきちんと財政支援をすることと同時に都も財政支援することが必要です。
 また、都独自の生計困難者に対する介護サービス利用者負担軽減措置事業の利用実績は、使いにくい制度のため低迷したままです。市長会厚生部会も、来年度の東京都予算編成に対する重点要望の一つとして、所得基準等の要件の見直しを行い、対象者の拡大を図るよう求めています。これらについても直ちに具体化するよう求めておきます。
 次は、不育症です。赤ちゃんが欲しいのに持てない病気には、不妊症がよく知られていますけれども、もう一つ不育症という病気があります。不育症というのは、妊娠はできるのに胎児が育たないで、流産や早産、死産になってしまう病気で、妊娠は可能なのに、その妊娠を維持することが難しく、流産や早産、死産などで子どもを持てない症例をいいます。
 不育症患者、九十六人からの聞き取り調査というのがあります。これを見ますと、流産の回数は、五回が四人、四回が十五人、三回が三十二人、二回が三十三人、死産を経験した方も十三人います。
 赤ちゃんが欲しくて、妊娠して、喜んだのもつかの間、流産をする。今度は大丈夫かと思っても、また流産。何とか出産までこぎつけても、死産であったり、妊娠も出産も正常で無事に赤ちゃんが生まれたにもかかわらず、出産七日以内に赤ちゃんが亡くなってしまうケースも不育症に含まれます。本当につらいことです。
 先ほどのこのアンケートでも、精神的にかなり落ち込んだと答えた方が七十五人ですから、七八%です。
 不育症をあきらめないという本を書いた、生殖内分泌学、生殖免疫学、不妊症、不育症が専門の医学博士の牧野恒久氏によると、不育症を乗り越えれば、この世に授かるかもしれない赤ちゃんの数は、既婚夫婦の総数から割り出すと、六万六千人、自然流産の総数から割り出した数字が年間五万三千人となっています。
 例えば、産婦人科の中で注目を集めている、体外受精により生まれてくる赤ちゃんは、年間一万八千人です。我が国の一年間の総出生数の五%ないし六%は不育症治療により、出生し得るということです。不育症の方々の現状と切実な要望、支援の重要性を、どう受けとめていますか。

○桃原少子社会対策部長 不育症とは、一般的に妊娠はするものの流産や死産などを繰り返してしまうこととされておりますが、いまだはっきりした定義、標準的な検査、治療法が確立していない状況にございます。こうしたことから、都としては国における不育症に関する研究や施策の動向を注視しているところでございます。
 また、不育症で悩む方々に対しましては、精神的なサポートを行う観点から、SIDS、乳幼児突然死症候群電話相談事業を通じまして、流産や死産などで子どもを亡くされた方からの相談に対応しております。

○大山委員 精神的なサポートは、現段階でも必要だと認識しているわけですね。これは重要なことだと思います。原因もわからないまま、自分のせいで赤ちゃんを死なせてしまったと悔やみ、自分を責めている人もいます。たび重なる流産に疲れ果て、あきらめてしまうカップルもいます。なかなか相談する相手もいません。東京都は不妊ホットラインで相談を受けていますが、同じ不妊で悩んだ経験のある女性が、ピアカウンセラーとしてあなたの気持ちを大切にしながら相談に応じますということでパンフレットに書いてありましたが、週一回ですけれども、相談を受けていることは、これは重要なことです。電話相談事業、この不妊ホットラインの対象に不育症も追加して、名称も不妊不育症ホットラインなどとして、不育症に対するアクセスしやすい相談事業を実施する必要があると思いますけれども、どうでしょうか。

○桃原少子社会対策部長 不妊ホットラインにも相談を寄せられておりますが、先ほど申し上げたSIDS電話相談事業におきまして、病気、事故、死産などで子どもを亡くされた方の相談を受けております。この事業の広報に当たりまして、広く相談を受けられる仕組みであることを明示することで、不育症に悩んでいる方々にも事業の周知を図っております。現在も、SIDS相談に不育症も含めまして、流産や死産などで子どもを亡くされた方々からの相談が寄せられております。

○大山委員 SIDS、乳幼児突然死症候群の電話相談事業の中で受けているんだということなんですよね。しかし、不育症の人が相談できるんですよというのが、わかるようにした方がやっぱり相談しやすいんですよね。と同時に、SIDSの電話相談では、家族会の相談員と保健士さんが相談に乗り、それから、不妊ホットラインでも、ピアカウンセラーが相談に乗っているわけですよね。不育症の名称がないということは、不育症の専門の相談員がいないということなんですね。より周知され、アクセスしやすく、不育症の専門の相談員を配置して相談を受けるように改善してほしいと要望しておきます。
 厚労省は、不育症に悩む者に対する専門相談員の配置と、不育症に関して相談できる連絡先を、リーフレットの作成として、来年度予算の概算要求をしています。国もこうやって概算要求をしているんですから、東京都も、不育症を位置づけてほしいと思います。要望します。
 経済的な負担は大きくて、先ほどのアンケートでも不育症の検査、治療、分娩に、合計およそ幾らかかりましたかという質問に、全体の平均が約百四万円、ヘパリン治療というのをしていらっしゃる方々の平均は約百二十二万円でした。出産にかかる費用は通常の妊娠の二倍以上、精神的サポートだけでなく、経済的サポートや医療体制整備も必要です。不育症治療費の保険適用は、不育症の皆さんの大きな要望の一つです。不育症治療の保険適用及び不妊治療費助成と同様の助成の実施を国に求めるとともに、不妊治療費助成と同じように、助成を国に先駆けて都として実施することを求めますが、どうですか。

○桃原少子社会対策部長 国におきましては、不育症に関するさまざまな研究が行われており、その中で、保険の適用に結びついた治療法も一部ございますが、現在のところ全体的には、いまだはっきりしていない定義や標準的な検査、治療法が確立していない状況でございますことから、今後とも国の動向を注視してまいります。

○大山委員 国の動向を注視ということですが、不育症の治療が保険適用の方向に向かっているということは明らかですね。先ほどの調査でも、助成金が出たら産む子どもの数は変わりますか、こういう質問に七十八人ですから、八割以上の方が、ふえるかもと、こう答えています。
 どんどん研究も進んできて、不育症の原因はおよそ四つに分けられて、原因に応じて治療できるものとできないものがありますけれども、その八割程度は治療によって症状を改善することができるというんですね。そして不育症では、半数以上の女性は的確な治療さえ受ければ出産することができるということなんです。日本では、不育症に対して、社会的にもまだまだ認知度も低くて、医療機関そのもの、それからそのものの積極的な取り組みもごく限られた施設でしか見られません。
 日本産婦人科学会の小委員会が、全国の代表的な病院を約五百選び出して、不育症に対する臨床現場の対応を調査したことがあります。その結果、不妊症を専門とする病院は九〇%あります。しかし、不育症を専門とする機関はわずか一四%でしかありませんでした。その大部分は不妊症外来との併設でした。不育症に取り組む医療機関をふやすことも重要です。
 専門医の育成も欠かせません。不育症の専門医になるには、産婦人科の専門医、生殖医療の専門医になってから、さらに免疫学の基礎、生殖に関する免疫学、抗リン脂質抗体症候群などの自己免疫疾患などなど、学ぶべき免疫学の幅がさらに広がると。また免疫にかかわる疾患全般に関して、その検査の進め方、診断法、治療法などの領域も修得しないと、不育症の臨床には役立たないということなんですね。
 ですから、都としても、医師育成の一つに、不育症専門医の育成を位置づけることも検討する時期に来ているのではないでしょうか。また、患者の病態や事情を把握した上で、その患者に最も適した医師や、医療機関を紹介する医療コーディネーターの存在も重要です。きょうは、不育症については私も初めて質疑しましたけれども、今後も引き続き取り組んでいきたいと思っています。
 次は、保育などの条例化の問題や、新システムの問題です。最初に、保育所最低基準の条例化の問題です。政府は、先ほどもありましたけれども、地方分権改革だといって、児童福祉施設の設置及び運営に関する基準を都道府県の条例に委任するとして、施設設備運営の基準を、自治体の判断で決めることを可能にしました。
 つまり、福祉教育の分野などで国の最低基準をなくし、都道府県が条例で決めるということになったわけです。このことは、地域のことは地域住民が責任を持って決めるよう地域主権改革という名のもとに、福祉や教育におけるナショナルミニマムを保障する国の責任を放棄するものといわなければなりません。現行の保育所最低基準は、世界で比べても極めて低い水準ではありますけれども、国の財政保証の基準となるなど、重要な役割を果たしています。絶対になくしてはならないものです。
 しかも、現行の最低基準には、厚生労働大臣は、最低基準を常に向上させるように努めるものとすると明記されていますけれども、国会の審議の中でも、都道府県の条例の基準となる厚生労働省令が、現在の最低基準よりも、下がるのか、上がるのか、同一なのかも示しませんでした。さらに子どもたちの命にかかわる保育園の避難用滑り台の設置も義務づけられないということが明らかになりました。本当に無責任だといわなければなりません。東京都が、保育園の最低基準を都の条例で決めるということになりましたけれども、条例案をつくるに当たり、児童福祉審議会に諮問するとか、都民の意見を募集するなどのことを含めて、どのような段取りで進め、その条例案はいつ議会に出すことになるんですか。

○秀嶋事業推進担当部長 昨年三月に国が地域主権改革推進一括法案を国会に提出したことを踏まえ、同年十一月、児童福祉審議会に区市の代表者、保育事業者、学識経験者から成る専門部会を設け、東京等の一部の地域に限り認められる保育所の居室面積基準の特例措置を中心に議論していただきました。本年十月に公布されました厚生省令によりまして、すべての児童福祉施設の設備及び運営に関する基準について、国の考えが明らかになったことに伴い、今後、児童福祉審議会において、居室面積以外のその他の設備基準等についても審議していただくことにしております。その審議結果を踏まえ、準備ができ次第、条例案を議会に提出する予定でございます。

○大山委員 児童福祉審議会で設置して、今後、また児童福祉審議会で居室面積以外のことについても審議し、その結果を踏まえ条例案を出すと答弁されていますけれども、条例の施行は来年の四月一日ですね。人生の基礎となる乳幼児期の成長発達を保障するための条例です。施設設備基準だけでなく、人員配置基準など、よりよい保育を保障できるかどうかの重要な条例です。何より、東京都が児童福祉法の最低基準は常に向上させるよう努めるものとするという立場に立ち返ることが必要だと思っています。条例案をつくるに当たっては、東京都の現在の保育水準を切り下げないことはもちろんのこと、子どもたちの成長発達を保障するために、より充実した保育条件をつくることが求められていますけれども、どう認識していますか。

○秀嶋事業推進担当部長 地域におけます保育サービスの提供につきましては、認可保育所だけでなく、認証保育所、認定こども園、家庭的保育事業など、さまざまな保育資源を活用し、地域の実情に応じて、保育の質、量ともに充実を図っていくことが保育の実施主体である区市町村の役割でございます。都は、区市町村がこうした役割を十分に果たせるよう、子育て推進交付金や、子ども家庭支援区市町村包括補助事業などの独自の支援を行っているところでございます。

○大山委員 さまざまな保育形態があるんだと、独自に支援しているんだということなんですけれども、最低、東京都が保障する基準が認可保育所の最低基準、これを条例で決めるわけですよね。東京のどこに住んでいても最低限保障する基準は、東京都が現在の保育水準を切り下げるような条例であってはならないと思っています。
 東京都は、かつて余りにも低過ぎる国基準を超えて、子どもたちの豊かな成長発達を保障するためにということで、必要な保育士などの人員配置を中心に、東京都の認可基準をつくりました。例えば一歳児は子ども五人に保育士一人を配置、調理師の増配置、保健師あるいは看護師の配置、十一時間開所のために、時差出勤をするために保育士の増員、保育充実のための保育士の増配置など、順次、拡充してきました。石原都政のもとで都基準は廃止され、都加算の個別補助をなくして、包括補助にして、さらに二〇〇六年度からは子育て推進交付金としました。
 しかし、二〇〇六年度の予算、百四十五億円の積算では、包括補助の内訳であるかつての都加算補助事業が根拠になっています。その後は、百四十五億円を基準に規模増に伴って毎年増額しているわけです。つまり、かつての都基準が予算の中には現在も生きているということなんです。こうやって東京の保育水準は維持されてきました。
 区市町村はそれぞれ要綱などで、かつての都基準あるいは各自治体でさらに上乗せをした基準を持っています。
 先ほど答弁にもありましたけれども、東京都は、昨年十一月、東京都児童福祉審議会に専門部会を設置してもらって、保育所の居室面積基準について審議してもらいましたね。都の具体的な提案は、現在はゼロ歳児、一歳児、一人当たり三・三平米以上を、年度途中に定員を超えて入所させる場合は、一人当たり二・五平米以上とするというものでした。
 専門部会からの報告内容の案として専門部会に出されたものは、この都の今の、年度途中で二・五平米に下げるという都の提案内容を了承することで、おおむね合意ということを専門部会の案として提示をしたら、区長会の代表の委員が合意などしていないと厳しく指摘して、その区長会の代表の委員は、区長会の代表として今回の流れについては反対してくると区長会の了承をとってきたと。つまり、区長会はみんな、面積基準緩和には反対なんだということを発言しましたね。それから保育園長も、私も最初から反対と明確な立場を示す発言をしました。
 先ほどのほかの委員の質疑で、都の提案を支持する意見が多数というような趣旨の答弁をしていたと思うんですけれども、都の提案を、おおむね合意というまとめはできなかったということが児童福祉審議会の決定なんですよね。児童福祉審議会をお願いしておいて、審議をお願いしておいて、その決定をゆがめるなどとんでもないことだと指摘せざるを得ません。議論はまとまらずに、議論の整理ということになったわけですけれども、この児福審の決定は、条例案づくりにどのように生かされるんでしょうか。

○秀嶋事業推進担当部長 児童福祉審議会の専門部会では、保育所の居室面積基準を中心に濶達に議論をしていただいたところでございますが、居室面積基準の緩和に関する都の提案内容を了承するというものが多数意見でございました。これについて、法律が成立していない段階でございましたため、議論の整理としてまとめ、六月の本会議で報告し委員長により了承されたところでございます。今後、児童福祉審議会において、保育所の居室面積以外のその他の設備基準等についても議論していただき、その内容を踏まえて条例案を策定してまいります。

○大山委員 多数の意見だったなどといいますけれども、それは勝手な解釈ですよ。区長会全体が、その緩和には反対なんだという意見を持って参加し、そして専門部会からの報告は、そうしたらどういう報告になったんですか、結果をいってください。

○秀嶋事業推進担当部長 児童福祉審議会専門部会の議論の整理でございますけれども、その中で、都の提案内容を了承するというのが多数意見であったというのがまとめの中にございます。

○大山委員 結局、ゼロ歳児、一歳児の居室面積を下げていいとする内容は、合意されていないんですよね。だから、了承することでおおむね合意という文言は、議論の整理ということで、合意はされなかったということなんですよ。ですから、この議論の結果も、条例案にきちんと反映させるということなわけですよね、児童福祉審議会なんだから。
 同時に、現在の最低基準で定めているものの条例化ですから、人員配置基準を初め、設置の基準をすべて条例で定めるものですね。全国知事会は、この全国知事会、保育所最低基準すべてを市町村に移譲するべきだと要望しました。その回答は、厚労省は保育士の配置基準や保育室の面積等は、直接保育の質に大きな影響を与える基準である。特区制度による取り組みを行うことは適切でない。匍匐室の面積基準は、諸外国と比較しても高い水準とはいえないと、非常に常識的な回答をしました。
 しかし、それにもかかわらず、全国知事会は再検討要請、それでも納得しないで、再々検討を要請したんですね。この再々検討要望に対し厚労省は何と答えたか。現行水準よりも高い基準を自治体独自で定めることは可能である、そう回答したんですね。つまり、国際的に見ても、よりよい子どもの成長発達を保障する立場から見ても低過ぎる基準を都独自に、より高い水準を条例で定めることは可能なんですということなんです。その立場できちんと条例案を検討してほしいと要望しておきます。
 ところで、待機児解消についてなんですけれども、五年間の年度ごとの認可保育園の増加数と待機児数はどうなっていますか。

○秀嶋事業推進担当部長 まず、認可保育所の増加数でございますが、平成十八年度から二十二年度までの五年間について申し上げますと、平成十八年度二十五カ所、十九年度十六カ所、二十年度十六カ所、二十一年度三十五カ所、二十二年度六十カ所でございます。待機児童数でございますけれども、平成十九年から二十三年までの、各年四月一日現在で申し上げますと、平成十九年四千六百一人、二十年五千四百七十九人、二十一年七千九百三十九人、二十二年八千四百三十五人、二十三年七千八百五十五人でございます。

○大山委員 もう、本当に今の数字が明確に示していると思うんですけれども、認可保育園設置のための補助率を引き上げるために、国が安心こども基金、東京都が待機児童解消区市町村支援事業を二十一年度から始めましたね。これは区市町村に大いに歓迎されました。補助率を引き上げた効果はてきめんで、二十五カ所、十六カ所、十六カ所で毎年きた増加数が、二十一年度に三十五カ所、そして二十二年度は六十カ所に大幅増加です。
 認可保育園がふえれば待機児だって今年度は減ったわけですね。認可保育園を増設することが待機児解消の一番の早道だということなんです。待機児解消を口実に、面積基準を切り下げるようなことは決してあってはならないということを述べておきます。認可保育園を増設できるよう、都有地活用の拡充や、用地費助成、改築の際に必要となる仮園舎用地の賃料の補助、公立保育園改築への補助など、さらなる支援の拡充を求めておきます。
 子ども・子育て新システムについてです。この子ども・子育て新システムについては、多くの方々から、国民から反対の声が上がっているわけですが、都内でも十八の区議会、市議会で、この新システムに反対する意見書が国に対して出されています。都として、この状況をどう認識していますか。

○秀嶋事業推進担当部長 都内の区、市議会から、子ども・子育て新システムに関する意見書が国に対して提出されております。その内容はさまざまでございますが、保護者、保育所関係者等の意見を十分尊重し、慎重な検討を求めているものが多いところでございます。都といたしましても、子ども・子育て新システムの具体的な制度設計に当たりまして、地方公共団体と十分な協議を行い、その意見を反映するよう国に要望しているところでございます。

○大山委員 昨年の第三回定例会あたりから意見書が上がるようになっているわけですね。慎重な検討と、地方自治体や保護者、保育現場などの意見をきちんと聞くようにというものが多いし、それから新システムのさまざまな問題点を指摘しています。それに加えて、最近の特徴は、昨年から出されている意見書が新システムの問題点を指摘する内容だったわけですけれども、そこから法制化反対、提出撤回を求める趣旨に変化してきている。これが最近の特徴であり、これは東京都内の区、市議会だけではなくて、全国的にも同様の傾向となっています。
 ことしの第三回定例会では、都内では七つの市議会から意見書が提出されていますけれども、表題自体にはっきりと子ども・子育て新システムの撤回ということを明記している意見書が四議会、それから拙速な導入は避けることを求めるという表題でも、具体的な要望項目には、今年度じゅうの法案提出、都の方針を撤回することというものもあります。また慎重な検討、見直しということも、具体的には法案提出に待ったをかける内容です。昨年のうちに早々と撤回を求めている区議会も複数あります。
 議会の、世論の大きな流れは、子ども・子育て新システム反対なんですね。そして、撤回なんです。実施主体の区市の意見書は都民の世論を大きく反映したものであり、重く受けとめるべきだと思います。都が国に提出している予算に関する提案要求と新システムの方向はほぼ共通していると思うんですけれども、都の認識はどうですか。

○秀嶋事業推進担当部長 平成二十三年七月二十九日、国の少子化社会対策会議において、子ども・子育て新システムに関する中間取りまとめが決定されました。しかしながら、その内容は費用負担や財政支援の仕組みなど、制度の根幹にかかわる課題が多く残されております。都は、従来から保育所制度改革について、利用者と施設の直接契約や、多様な事業者の参入とサービスの競い合いにより、利用者本位の仕組みとなるよう国に提案要求してきたところでございます。
 区市町村の関与のもとで、利用者が施設と契約する直接契約や、民間企業の参入を促進するなど、新システムの中には、都の考えと同様の手法を取り入れた部分もございます。しかしながら、国は保育事業者の指定について、現行の認可基準を基礎とした全国一律の仕組みとするなど、地域の実情に応じた仕組みとはなっておりません。このように、国と都の考え方は一致しているわけではございません。

○大山委員 東京都が政府に提出している提案要求では、新システムの制度設計に当たってはなどといって、新システムが前提になっていること自体問題だと思います。しかも、都の提案要求の内容は、今もるる述べましたけれども、政府の新システムと同様に現在の公的保育制度を破壊しようとするものです。都のこうした姿勢を根本的に転換するべきです。
 例えば、調布市議会の意見書ではこうなっているんです。国の責任で福祉として行われている保育制度は、社会的養護が必要な子どもや、経済的に困窮している家庭の子どもの保育という大きな役割を担っている。子ども・子育て新システムで考えられているイコールフッティングによる企業参入により、長い歴史の中で培われてきたこの保育制度の根幹が崩壊し、安定した生活基盤の確保が担保されなくなるおそれがある。すなわち憲法で保障されている最低限の文化的な生活を営む権利が脅かされることにほかならない。こう根本問題を指摘しているんです。
 この調布市議会だけじゃなくて、ほかの議会の意見書でも、新システムの導入は保育現場に市場原理が持ち込まれることになり、福祉としての保育制度が維持されないことや、保護者の負担増につながる制度見直しになるなどの懸念があり、国の責任で、福祉として行われてきた保育制度の根幹が大きく揺らぐおそれがあるなどと、保育制度の根幹が崩されることを指摘しています。この立場が重要なことだということを指摘しておきます。
 今回の最低基準の条例化には、認可保育園だけじゃなくて児童養護施設もあります。児童養護施設は被虐待児の増加だとか、発達障害児など、より丁寧で専門性の高い対応が求められているわけですけれども、都は、国基準以上に職員配置を厚くしてきましたけれども、その主な内容と、その根拠はどういうことでしょうか。

○桃原少子社会対策部長 人件費を初めとする施設の基本的運営に要する経費は、先ほどもご答弁申し上げましたが、措置費の中で確保されております。都は施設経営者の自主的かつ柔軟な施設運営により、利用者に提供するサービスにつきまして、望ましい水準を確保するため、サービス推進費補助金を交付し、職員配置などの充実を図っております。このほか、施設に対しましては、虐待などで情緒行動上の問題を抱える児童の適切な支援や、グループホームの設置の推進などのための補助についても実施をしております。

○大山委員 東京都は、子どもたちへのよりよい処遇を保障するため、児童へのサービス向上を促進するためということで、都基準をつくってきたのはさっきの保育園と同じなわけですね。都基準はなくしたものの、現在もその都基準が維持できるように、サービス推進費で予算上の基準として、都内の児童養護施設には職員を増配置させてきました。
 例えば、小学生以上の子どもたちの職員配置は、国の基準は子ども六人に対して直接処遇職員が一人という配置ですけれども、東京都のサービス推進費の、補助金の算定上の職員配置は、子ども五人に一人です。必要だからこそ、職員を増配置してきたわけです。児童養護施設の処遇水準をより充実するために、東京都は、最低基準で現行以上のものを保障することが求められていますけれども、どうでしょうか。

○桃原少子社会対策部長 児童福祉法に基づく設備運営に関する基準につきましては、先ほどご答弁申し上げたとおり、都道府県の条例にゆだねることとされておりますが、その内容は施設運営上、必要不可欠な基準ということでございます。一方、サービス推進費につきましては、施設経営者の自主的かつ柔軟な施設運営によってサービス水準を確保することを目的として行っているものでございまして、一律に規定する設備運営基準とは基本的な性格が異なるものと考えております。

○大山委員 何をいっているのかというか、東京都は子どもたちに必要だから、子どもたちが安心できて、安定できる児童養護施設にするためには、低過ぎる国基準ではなくて、上乗せしてきたわけですよね。最低基準というのは、すべての子どもたちに東京都が責任を持って保障する最低の基準です。財政的にももちろん責任を持つ重要なものです。それを東京都が向上させてきた実績があるんですから、現状よりも低いところで定めるなどということはあってはならないと指摘しておきます。
 条例問題の最後に確認したいんですけれども、保育園、児童養護施設だとか乳児院などの地方条例化は、二十四年四月一日施行となっていますけれども、国では猶予を定めていますが、地方条例をつくる期限というのは、いつまででしょうか。

○桃原少子社会対策部長 一括法の附則におきましては、改正児童福祉法の施行につきましては平成二十四年四月一日となっております。このことから、基準を定める条例の施行につきましても、期日に合わせるよう準備を進める必要があるものと考えております。なお、一括法におきましては、条例の制定につきまして、児童福祉法改正施行から一年を超えないものとする経過措置の規定がございます。

○大山委員 経過措置があって一年を超えないようにということですから、つまり二十五年四月一日が最終だということですね。
 最後に、条例問題ではないんですけれども、児童養護施設について聞いておきたいことがあります。
 東京都は、児童養護施設などの退所者の、正規雇用の割合のアンケートを行ったんですよね、正規雇用の割合が男性は五六・五%、女性は三三・九%という厳しい状況というのがわかって、施設退所直後には孤独感と孤立感を抱きながら、経済的にも大変な状況が明らかになりました。この実態調査は、非常に重要な実態調査だと思いますし、ぜひとも施策に生かしてほしいと思っています。
 東京都社会福祉協議会の提言では、退所者の自立支援センターの創設など要望されていますけれども、実態調査に基づいて、東京都はどのような支援を考えているんでしょうか。

○桃原少子社会対策部長 児童養護施設を退所した児童が社会で自立し安定した生活を送るためには、入所中の指導はもとより退所後についても必要な支援を継続する必要がございます。そのため、都ではこれまでも退所した児童を対象に、生活や就労に関する相談指導などの支援を行う施設に対しまして、独自の補助を行ってまいりました。
 今回、行いました児童養護施設などで育った児童を対象とする調査結果においても、退所直後に困ったこととして、孤立感や金銭管理、職場での人間関係が挙げられ、相談相手としては施設職員に寄せる期待が大きいことが示されております。都といたしましては、今回の調査結果も踏まえまして、児童養護施設の入所中から退所後に至るまでの支援策につきまして、先日発表いたしました平成二十四年度予算要求の中に対策を盛り込んだところでございます。

○大山委員 ぜひ積極的に進めていってほしいと思います。
 次に、重症心身障害児者が在宅で安心して暮らすためにということで、それらの施策の充実について質疑したいと思います。
 重症心身障害児に対する療養療育環境の拡充に関する総合研究というのがありまして、全国的にも、NICUやGCUの長期入院率は減少しているんですね。その一方、人工呼吸管理を要する状態で、一年以内に新生児管理を受けた医療機関を退院する子どもは、二〇〇九年出生児は、二〇〇六年出生児の二倍以上に増加していたということなんです。つまり、NICUから人工呼吸器をつけたまま退院する子どもがふえているということなんです。東京都内の状況、これはどうなっているでしょうか。

○中川原医療政策部長 NICUやGCUにおきます長期入院患者の状況につきましては調査を行っておりますが、NICUやGCUから人工呼吸管理を要する状態で退院する子どもの数につきましては、把握してございません。

○大山委員 入る子は把握しているけれども、出る子は把握していないということなんですが、その病院を出せばそれでいいということではなくて、NICUからどういう状態でどこに出ていったのか、それから人工呼吸器などをつけたまま在宅で暮らす子どもたちに、東京都が責任を持つ上でも、やはり把握することがまず最初ではないでしょうか。
 いずれにしても、全国的には人工呼吸器などをつけたまま退院する子がふえているのですから、東京も例外ではないと考えるのが通常です。医療的なケアが必要な子どもたちが、家で安心して暮らせるための施策がますます重要になっていることは確かです。
 ところで、NICUやGCUに長期入院している子どもたちが在宅に移行するために、NICUなどと家庭との中間的な病床を整備することが必要ですけれども、これはどうですか。

○中川原医療政策部長 都におきましては、NICUやGCUに長期入院している子どもが在宅生活へ円滑に移行できるよう、在宅へ移行する前の訓練を行う在宅移行支援病床を設置する病院に対します支援を平成二十二年度から行っております。

○大山委員 在宅移行支援病床を設置するところには支援を行っているというわけですから、やはり在宅で暮らす支援を地域でつくっていく上でも、NICUからどのような状況でどこに行ったのか、その地域で支援を受けているのかなどということをきちんと把握することが必要だと思います。
 東京都重症心身障害児在宅療育支援事業のご案内というパンフレットを見ますと、重症心身障害児とはとして、重度の知的障害及び肢体障害が重複した状態にあると、こうなっています。東京都内には、重症心身障害児者は何人いるのでしょうか。

○芦田障害者施策推進部長 重症心身障害児者数の推計に当たりましては、全国的には愛知県の調査に基づいた出現率が用いられております。
 この出現率を平成二十年度の東京都の人口に乗じますと約三千八百人と推計されますが、都では、各事業のサービス利用の実態などから、重症心身障害児者数を約四千三百人と推計しております。

○大山委員 各事業の利用実態から見ると、おおむね四千三百人ということなんですけれども、その方々が現在どのような施策を利用しているのかということで、その内訳を教えてください。

○芦田障害者施策推進部長 四千三百人の内訳ですが、施設入所者が約一千三百人、在宅者が約三千人となっております。
 在宅者が利用している施策の内訳は、特別支援学校在籍者が約千人、通所施設利用者が約四百五十人、訪問事業利用者が約四百五十人、そのほかは短期入所利用者や重症心身障害児施設の外来利用者などでございます。

○大山委員 在宅で暮らしている三千人のうち、特別支援学校が千人、通所利用者が四百五十人、訪問事業利用者が四百五十人ですから、そのほかの約千百人の方々は、通所にも行ってないし、訪問も受けてないし、学校でもないと。
 その他の方々というのが、どうしているのか。困っていることなどないのかということなど、実態は把握されているんでしょうか。

○芦田障害者施策推進部長 都では、通所事業、訪問事業などの各事業を通じて、年齢や心身の状況などにつきまして実態を把握しております。
 また、社会福祉法人全国重症心身障害児(者)を守る会などとも定期的に意見交換を行っており、ニーズや要望などを聞いております。
 今後も都内の重症心身障害児者のニーズ等を把握しながら、適切に事業を推進してまいります。

○大山委員 各事業を通じて実態を把握しているというふうにおっしゃいますが、やはり施策をより対象者の実態に合ったものにするためにも、どのような生活をしているかとか、何が大変なのかだとか、どういう状況、経済的な状況はどうかだとか、負担に思っていることはどうなんだとか、実態の把握がやはり欠かせないと思います。
 まして施策が届いていない方々がどうなっているのかというのは、積極的に東京都がつかまないとならないことだと思いますので、ぜひ、すべての重症心身障害児者の実態調査を行うことを求めておきます。
 東京都は在宅重症心身障害児者訪問事業というのを実施していますけれども、具体的には、どのようなねらいで、どのような方を対象として、どのように実施していて、実際何人ぐらいの訪問をしているんでしょうか。

○芦田障害者施策推進部長 都では平成二十二年度から、重症心身障害児の在宅移行支援と療育支援を行うために在宅療育支援センターを設置し、このセンターにおきまして、重症心身障害児在宅療育支援事業を実施しております。
 この事業では、重症心身障害児者の家庭に看護師を派遣する在宅重症心身障害児者訪問事業を実施するほか、NICUと医療機関からの在宅移行支援、訪問看護を担う人材の育成、地域関係者の連携を推進する地域連携会議など四つの事業を実施しております。
 このうち、ご質問の訪問事業では、在宅で暮らす重症心身障害児者を対象にその家庭を訪問し、医療的ケアや療育支援を行うほか、必要に応じて専門医が訪問健康診査を行っております。また、家族に対しましては看護技術指導や相談、助言を行うことで、家族が自信を持って日々の看護に当たれるように支援をしているところでございます。
 平成二十二年度の事業実績は、約四百二十人の重症心身障害児者を対象に延べ約一万一千件の訪問看護を実施いたしました。対象者はゼロ歳から六歳の未就学児が約八割を占めており、また約七割が超重症児、準超重症児でございます。

○大山委員 東京都が訪問看護事業部をつくって、在宅での重症心身障害児者を家族が自信を持って看護したり、暮らせるように支援することは重要だと思ってます。
 今答弁されたように、四百二十人でゼロ歳から六歳までが七割ということは、在宅になりたての子どもたちのお母さんの支援ということで、指導したり、それから安心して自分でも看護できるようにということで、そういう学習だとか相談だとかが重要な役割になっているわけですけれども、お母さんがいるとき、親御さんがいるときに来るわけですよね。二十四時間三百六十五日、普通の訪問看護みたいに受けられる制度ではないわけです。制度自体は重要なんです。しかし、在宅のすべての重症心身障害児者が安心して暮らすには、まだまだ不十分だといわなければならないんですね。
 重症児者が三十代、四十代になって、父母も高齢になっているわけです。体位交換したり、呼吸管理したり、吸引などして夜も眠れないと。親は恒常的に疲労しているというのが重症心身障害児者を抱えた親御さんの状況で、重症心身障害児だけじゃなくて、自分が高齢になってくると自分の親も高齢になって、病人を抱えていたり、高齢者を抱えている家族もいるわけですよね。ぎりぎりの状態で生活をしています。
 墨田区内に、訪問診療と訪問看護ステーションを開設して、重症児者の在宅での暮らしを支援しているところに、私、話を伺いに行きました。既に松戸市で実践を重ねてきたドクターなんですけれども、話を伺って共感したことが多かったです。
 基本は地域循環型にするということなんです。在宅で暮らしている重症心身障害児者に、日常は訪問診療を月に二回もしくは週一回、二十四時間三百六十五日対応できる訪問看護で、急性期のときだけ病院にかかって、十人から二十人規模のレスパイト施設で年間二十日から三十日のショートステイがそのほかにあれば、千の家族をカバーできると、こうおっしゃるわけです。
 ショートステイは幾つものレベルで、小規模なものがいいし、日中の預かりも必要なんだと。看護師とヘルパーを配置すれば、医療機器は本人が持っているので、それを持って行けばいいから、設備はそれほどかからない。ぐあいが悪くなったら往診医が対応すればいいということなんです。
 訪問診療は月に二回ですね。さっきもいいました。もしくは週に一回診察していて、重症児はふだん診ていないとわからないから、月に二回。月に二回というのは医学的にも適正で、訪問診療をしているとほとんど入院しなくて済むので、病院の負担も小さくなるし、長期入院しなくて済むということなんですね。
 在宅を支える重要な役割を果たすのが訪問看護で、訪問看護は本人のことがわかってないとできないということなんです。訪問看護師が退院支援からかかわっていることがスムーズで、訪問看護師は診療所との関係、それから受診の計画など、ケアコーディネーターの役割も果たしているということなんです。ケアの技術もたけていることが求められて、日常生活を支え、成長、発達を軸にするといいます。地域のお医者さんにとっても頼りになる看護師となっているということなんです。子どもたちのところにフットワークよく行くことが重要だとお話ししていました。
 在宅を支援するには、このような訪問看護と訪問診療、ショートステイが重要だと考えますけれども、どうですか。

○芦田障害者施策推進部長 都は、在宅の重症心身障害児者やその家族が住みなれた地域で安心して生活ができるよう、看護師が家族に対して看護技術の指導や療育相談等を行う訪問事業を行い、訪問看護ステーションやかかりつけ医とも連携しながら看護を提供しております。
 また、短期入所の病床確保を行うとともに、短期入所施設におきまして、特に医療ニーズの高い在宅の超重症児を積極的に受け入れるため、受け入れ促進員を配置しております。
 都は、これらの都独自の施策を実施し、重症心身障害児者の在宅での生活を支援しているところでございます。

○大山委員 在宅を支援しているわけですけれども、現在、重症心身障害児者への訪問看護も訪問診療も圧倒的に少ないのが現状なんですね。
 二十四時間三百六十五日やっている在宅療養支援診療所のアンケートでは、小児科領域の患者を今後在宅にて診療しようと思いますかという問いに、診療したい、状況によっては診療したい、これを合わせますと四八・七%になります。
 同時に、小児科領域の患者を診療するに当たり、これならば診療できると思うものを一つお答えくださいという問いには、一番多いのは、地元、紹介元の病院がいつでも受け入れてくれるなどの支援があればというのが三九%ですから、約四割ですね。小児科医とのグループ診療ならというのが二七・九%です。小児に対応した訪問看護師の支援があればというのが八・八%でした。約半数の在宅療養支援診療所が、条件が整えば訪問診療をしたいということなんですから、条件を整える努力を行うべきだということを要望しておきます。
 これ、「週刊医学界新聞」というんですけれども、小児在宅医療の普及に向けてという座談会がトップ記事です。その中で、例えば訪問診療で五カ月間在宅診療をした重症の染色体異常児の総医療費は、保険外の看護師の長期滞在や頻回な訪問を含めても、NICUで治療を受けた同じ疾患の患児の一カ月分の医療費以下。在宅療養は、医療経済的にも非常にメリットが大きい。
 一方で、忘れてはいけないのは、医療費が五分の一に圧縮されたのは、病院であれば医師や看護師、理学療法士などが行っていることを保護者が担っているからだということなんです。せめて家族が人並みの生活をしながら子どもを見られるように手当てをしないことには社会的にも不公平だと、こう座談会で語られているんですね。
 お話を伺いに行った診療所には東京都の地図が壁に張ってあるわけです。患者さんが、行っているところを赤い丸で張ってあるんですね。墨田区にあるんですけど、多摩地域まで赤い丸があって、かなり広範囲に訪問診療をしています。
 その先生がおっしゃるには、これまでの経験から、クリニック一施設当たり医師が三人いれば、自宅で療養する重症児を百五十人から二百人程度カバーできることがわかってきた。小児科医三人、看護師が四、五人、ケースワーカー一人、理学療法士三人が勤務するクリニックが三施設あれば、二十三区は無理なくカバーできるんではないか。大学病院の小児科の一病棟ぐらいの規模といっていました。このような在宅療養支援を検討するべきだと要望しておきます。
 在宅療養支援を進めるためには、在宅医、訪問看護師、理学療法士、ヘルパーなどの人材育成が急務です。病院環境とは異なる在宅環境下で必要な技術を明確にして、教育プログラムをつくる必要があると思いますけれども、どうですか。

○芦田障害者施策推進部長 重症心身障害児者に対応できる訪問看護人材を育成するために、訪問看護ステーション等の訪問看護師を対象に研修会や訪問実習等を実施し、在宅療育を支える人材の育成を行っております。
 研修プログラムは、研修生の経験や技術レベルに応じたコースの設定や、実技の演習も取り入れた内容を工夫しております。
 今後も重症心身障害児者の在宅療育を支える人材の育成に努めてまいります。

○大山委員 引き続き、人材育成と、それから今の地域での内容についても検討していただきたいし、より充実させてほしいということを要望しておきます。
 重症心身障害児者は、ふだん診ていないと体調の変化などがわからないので、訪問診療は月に二回訪問するとさっきもいいましたけれども、ショートステイでも、ふだん診ているところでショートステイすることが重要です。
 ある方がどこもショートステイがあいていなくて、七年ぶりの病院でショートステイをしたときに、通常の状態がわからないので、本当は体調が悪化してたんですが、わからなかったんですね。熟達した、熟練した看護師さんがいて、これは変だということで適切に対応してくれたので事なきを得たけれども、もう少し遅かったら危なかったと重症児のお母さんから聞きました。
 島田療育センター八王子分園も、人員配置を充実させることはもちろんですけれども、日中一時保護と、将来的にはショートステイができるようにしてほしいというのが保護者の願いです。通えて、泊まれて、訪問してくれる、高齢者の小規模多機能施設のようなところをつくるのが一番いいですというのが、先ほどのお話を伺った先生の話です。
 最後にですが、確認しておきたいのですけれども、自立支援法と児童福祉法の改定で、重症児者の通所も自立支援法になるということなんですが、通所の保護者が本当に心配しているんですね。重症度は増し、医療的なケアが必要な通所児者がふえ、職員配置は現状でも厳しいから、看護師を増員してほしいというのが通所施設の保護者からも職員からも出ています。
 そんな中で、自立支援法の実績主義でやっていけるのか。また、重症児者にとって通所バスは欠かせないです。自立支援法の改定で区市町村が実施主体になるけれども、複数の自治体にまたがった通園でどうなるんだろうか。重症心身障害児者の生きがいになっている、この通所。保護者のよりどころであって、レスパイトでもある通所の現状の水準をさらに向上させるために、人員配置などをさらに厚くすることこそ求められているわけです。また、バスでの現状の通所を保障することも欠かせないんですけれども、どう考えているんでしょうか。

○芦田障害者施策推進部長 重症心身障害児者が常に医療的ケアを必要とすること、また、座位や寝たきりの状態であることから、施設への送迎にはリフトつきバスが必要であること、毎日通えない重症心身障害児者の障害特性などに配慮し、人員体制の確保や送迎が可能となる法定給付費の報酬単価設定が必要であると考えております。
 都では、九月に国へ緊急提案を行っており、引き続き、都として国に働きかけてまいります。

○大山委員 国に、しっかり対応できるように要望するということは重要ですし、やらなければいけないことです。同時に、重症児者は毎日生きて、成長してるわけですから、一日たりとも施策が滞ってはならないわけで、東京都は責任を持って現状のサービス水準を維持するということを求めておきます。
 次ですが、内部被曝を最小限にするためにということで、放射能対策については、東京都は空間放射線量の測定、測定機器の区市町村への貸し出し、それから都内にも局所的に高い線量があるということを認めて、さらに食品の放射線量測定では、生産地検査だけでなくて、市場に流通している食品のモニタリング検査も始めたことなど、都民の世論や議会での議論を踏まえ、少しずつ前に進んでいるということは重要だと思ってます。
 福島第一原発の事故から八カ月がたって、食品などによる内部被曝をどう防ぐのかということが重要になっています。内部被曝は、呼吸だとか食事によって体の中に入った放射性物質から出た放射線で被曝してしまうものですね。放射性のちりが体の外にある場合の外部被曝は、飛距離の長いガンマ線が体に向けて来たときだけ被曝します。しかし、内部被曝の場合は、飛距離の短いアルファ線、ベータ線のすべての方向に出されている放射線が分子切断します。
 放射線は飛んでいるときにエネルギーを使い果たしますから、飛距離が短い放射線の方が、より密度高く遺伝子を切断して、密度高く破壊された遺伝子が再びつなぎ合わされるときに、つなぎを間違うことによって遺伝子の変性が起こると。内部被曝は、その放射性のちりが体の中にある限りその被曝状態が継続することも、内部被曝がより危険な被曝形態だといえるものです。
 福島第一原発から吐き出された放射性物質が、東日本、東海など広い範囲にまき散らされ、また、海に放射性物質が垂れ流されたことによって、農産物や海産物が放射能汚染されています。東電や、国策として進めてきた歴代政府の責任が厳しく問われます。
 都民の、とりわけ子どもたちの命と健康を守るためには、食べ物を通じての内部被曝を防ぐことが重要だと思いますけれども、どう認識していますか。

○鈴木食品医薬品安全担当部長 食品中の放射性物質については、国が暫定規制値を定めております。
 国は、生産地として検査を実施する自治体や、重点的に検査すべき品目、検査の頻度等を示し、対象となった自治体は検査計画を作成し、実施しております。また、暫定規制値を超える農産物や水産物等については出荷制限等の措置を講じております。
 都は、都内産の農産物等について検査を実施しているほか、都内流通食品のモニタリング検査を実施しております。暫定規制値を超えた流通食品については、食品衛生法違反として販売の中止及び回収等の措置を行うこととしております。こうした取り組みにより食品の安全の確保を図っております。

○大山委員 国の暫定基準値をにしきの御旗にして、それさえ守っていればよいという立場では、子どもたちの二十年、三十年後の健康は守れないといわなければならないわけで、実際、都内の子どもたちがどうなっているのかということなんです。
 港区に住んでいる五歳とか三歳とかの幼児の尿検査をしたんですね。その受けた四人が、別の家族です、四人が四人とも、微量ですけれどもセシウムが検出されました。江戸川区の高校生や世田谷区の子どもからも検出されています。このような状況をどう認識していますか。

○鈴木食品医薬品安全担当部長 食品中の放射性物質については、国において暫定規制値が定められ、これを上回る食品が流通することがないよう検査を実施しております。暫定規制値以内の放射性セシウムを含む食品を喫食しても、尿中に微量の放射性セシウムが検出されることはあり得ると認識しております。

○大山委員 尿から検出される量というのは、体の中にある量のごく一部でしかありません。排せつは、尿だとか、便だとか、汗だとか、さまざまで、尿はその一部です。実際に体の中にあるセシウムは、検出された数十倍から数百倍と見てよいというのが内部被曝の専門家の意見です。
 セシウムの内部被曝についてはチェルノブイリ膀胱炎が有名ですけれども、汚染されたほこりや食品から体内にセシウムを取り込むと、腎臓を通って尿から排せつされるのは四十日から九十日かかるわけですね。その間じゅう、セシウムがDNAを激しく傷つけ、変性してしまったという事例が多数報告されているわけです。
 暫定基準値を守っているだけでは、東京の子どもたちも内部被曝するということですよね。暫定規制値が、日本では、野菜がキログラム当たり五百ベクレル、穀類も肉も卵も魚も五百ベクレルという規制値が、いかに高いかということなんですね。
 チェルノブイリの事故のとき、日本では、輸入する際の基準値はキログラム当たり三百七十ベクレルでした。でしたというか今もです。同時に、チェルノブイリ事故でウクライナは汚染されたわけですけれども、子どもたちの健康を守るために、より厳しい基準値を設定しました。ジャガイモはキログラム当たり六十ベクレル、野菜は四十ベクレル、果物七十ベクレルなど、何度か改定するわけですけれども、より厳しく基準を改定してきました。このように、最大限内部被曝をゼロに近づける。それは都でも努力するべきことだと指摘しなければなりません。
 放射能に関して、より感受性が強くて、影響を受けやすい子どもたちへの被曝量を最小限にする努力が求められます。保育園や学校などの給食食材の検査を実施すべきですが、どうですか。

○鈴木食品医薬品安全担当部長 国は、生産地として検査を実施する自治体や、重点的に検査すべき品目、検査の頻度等を示し、対象となった自治体は検査計画を作成しております。また、暫定規制値を超える農産物や水産物等については出荷制限等の措置を講じております。
 都は、都内産の農産物について検査を実施しているほか、都民が日常的に摂取する食品及び子どもが継続的に摂取する食品を中心に、都内流通食品のモニタリング検査を実施しております。こうした取り組みにより食品の安全の確保を図っております。

○大山委員 そういうふうにいってらっしゃいますけれども、実際、東京の子どもたちも内部被曝しているわけですよね。この東京の子どもたちの尿検査で、さっきの江戸川や港や世田谷の子だけじゃなくて、ほかの子にも出ています。私は、子どもたちの尿検査でセシウムが検出されたことをどう見たらいいのかということを、矢ヶ崎克馬先生だとか内部被曝の専門家に聞きました。
 氷山の一角があらわれていると見なければならないこと、それから氷山の一角ですから、ほかの都民も内部被曝していると見なければならない。尿検査に出す人は、親御さんが食事などにも気をつけている人なんですよね。ですから、そういう人から検出されたということは注目すべきことで、ほとんど影響がないレベルなどと切り捨てさせてはならない。こうおっしゃってました。現実を直視すべきです。
 実際、都内の自治体でも努力が始まっています。例えば東村山市は、保育園、小学校の給食食材について、その日の食材を市役所にも同じものを納品してもらって、簡易測定キットなんですけど、百ベクレルを超えるものについては、その食材の使用をストップすることにしたというんですね。その百ベクレルがどうかということは議論があるところですけれども、測定して、それを超えたら、その日使用しない。そういうことは非常に重要だと思います。
 きょうの新聞では、品川区も給食の食材を測定するという記事が載っていました。
 東京都が、やはり全都的に実施できるよう踏み出すべきだということを要望しておきます。
 福島から避難している方々が都内でも生活していますけれども、乳幼児を初め子どもたちを放射能から守るために避難してきた方が多いんですね。
 水素爆発したときも情報もなくて、どう行動したらいいのかという情報もなくて、沃素剤も配られずに、一番放射性物質が出てきていた日に給水車に子どもを二時間も並ばせてしまったなど、親としての悔しさをにじませていました。
 中学生が、数日後に今まで余り出さなかった鼻血を出したので、その子の体調が悪かったのかと思っていたら、友人も何人か鼻血が出ていたということなんですね。放射能との関係が懸念される症状も出ていたということなんです。
 福島県から都内に避難している方々にもこういう不安が広がっているということをどう受けとめていますか。

○前田保健政策部長 目に見えない放射線による健康被害への不安につきましては、もとの居住地や食生活など生活環境を要因とするもののほか、漠然とした将来への不安や正確な情報の不足によるものなど多種多様でございます。
 このため、これらの避難者の方からの健康相談について、身近な地域の保健所、保健センター等が訪問あるいは来所相談等を通じて対応することとしており、その中で、個別の状況に応じた不安の解消に努めてまいります。

○大山委員 どこでどんな相談ができるかということを、インターネットだけでは伝わらないだけに、きめ細かく、区市町村とも相談しながら、さまざまな施策を伝えてほしいと思いますし、不安の解消は、事実をきちんと把握して、それにどう対応するかということで解消できるわけですから、充実させていってほしいと思います。
 チェルノブイリ事故のときとの比較が重要なわけですけれども、チェルノブイリ原発から西に百十キロから百五十キロ離れたウクライナのルギヌイ地区というところとほとんど同程度のレベルでのセシウム汚染濃度を持っているのが、福島市、郡山市です。
 ルギヌイ地区の特徴というのは、爆発後の五年ないし六年後から甲状腺疾病があらわれて、甲状腺のがんが異常に高い罹患率となっている。免疫力の著しい低下や先天性形成障害の発生率が増加するなど、さまざまな健康被害が報告されています。
 これらに学んで、健康被害を最小限にするために、もちろん国や福島県が中心ではありますけれども、都内に避難している方々がよりスムーズに健康診査などを含めて受けられるようにすることが重要です。
 先日、福島県から都内に避難している高校生に健康管理調査のお知らせが来ました。甲状腺検査だとかホールボディーカウンターの検査などもあります。通常の健康診査もあって、福島県は、避難している先でも受けられるように甲状腺学会などと協議しているようですけれども、協力できることは東京都としても協力してほしいと思いますし、尿検査などは一回三万円ぐらいかかるんですよね。で、高額ですから、なかなか受けることはできないので、福島から避難している十八歳以下の子どもたちが、都内で内部被曝の検査が、尿検査などができるように支援することなども検討してほしいということを求めておきます。
 最後です。TPPについてです。
 今、大きな問題となっているTPP、環太平洋連携協定に関して、確認しておきたいと思います。さっきもお話に出てきましたけれども、TPPというのはすべての関税を撤廃し、貿易を自由化。同時に、物の貿易以外でも、金融や保険、公共事業への参入、医療の規制緩和、食の安全など、国民生活を守る国内のさまざまな制度、仕組みを、国を超えた自由な取引、企業活動に対する規制としてとらえ、その緩和、撤廃を迫るという特徴を持っています。
 都民生活にかかわる分野も多いわけですが、一つは食の安全にかかわるものです。TPPに参加した場合、日本の食の安全に対する影響をどう考えていますか。

○鈴木食品医薬品安全担当部長 TPPに参加した場合でございますが、まだ表明した段階でございますので、食品の安全に関する分野についても国の動向を注視してまいります。

○大山委員 十三日に、オバマ大統領との首脳会談で、野田首相は米国からの牛肉輸入について、BSE、牛海綿状脳症対策で、現在は月齢二十カ月以下の牛に限って認めている輸入を月齢三十カ月以下に広げる考えを伝えました。既に伝えましたね。オバマ大統領に歓迎されたわけですが、既に規制緩和を始めようとしてるわけです。
 残留農薬や食品添加物の基準、遺伝子組みかえ食品の表示など、東京都が先進的に都民の食の安全を守るために積み上げてきたものが壊されてしまいかねないと指摘せざるを得ません。
 もう一つ、日本の医療に対する影響を東京都はどう考えていますか。

○萱場事業調整担当部長 TPPにつきましては、全国知事会が先月行った要請でも指摘しているように、国民に情報提供がほとんど行われていない状況であるため、日本の医療に与える影響については、現時点では明らかではございません。
 日本医師会はかねてより、TPPへの参加によって日本の医療に市場原理が持ち込まれ、国民皆保険の崩壊につながりかねないと懸念しています。
 それに対して、首相は、世界に誇る日本の医療制度は断固として守り抜くと明言しており、公的医療保険制度についても、昨日の参議院予算委員会において、断固我が国の制度を守るために交渉すると表明したことが報道されております。
 いずれにせよ、都といたしましては、引き続きTPP交渉参加の経過を注視してまいります。

○大山委員 日本医師会、歯科医師会、薬剤師会などの皆さんの懸念というのはそのとおりだと思いますし、今、野田首相が、日本の医療制度、公的医療保険制度について守ると国会で答弁しているとおっしゃいましたけれども、十二日の日米首脳会談後に公表した報道発表文では、日本のTPP交渉参加方針の表明に対して、大統領は、すべての物品及びサービスを貿易自由化交渉のテーブルに載せるとの野田首相の発言を歓迎したとの指摘があり、日本の外務省は、そのような発言を行った事実はないとしていますけれども、アメリカには訂正は求めないという状況です。
 国民皆保険制度についても、根本から変える場合は拒否すると述べる一方で、自由化の対象となることが場合によってはあるかもしれない。一〇〇%どうかはわからない。混合診療がどうなるかわからないなど無責任な答弁をしています。
 都民の命と安全を守るためにも、TPP参加は断念するよう都からも意見を上げるべきだということを述べて質問を終わります。

○柳ヶ瀬委員 それでは、私の方から幾つか質問してまいりたいと思います。
 まず養育家庭制度についてでございます。十一月は児童虐待防止推進月間ということで、多くの方がオレンジのリボン等々されていますけれども、福祉保健局におかれましても、さまざまな取り組みをされていると思います。本当にご苦労さまでございます。
 しかし、残念なことに、連日のように児童虐待事件の報道がなされています。きのうでしたでしょうか、ことしの八月に埼玉県春日部市で五歳の子どもが父親に暴行を受け、亡くなったという事件が報道されておりました。食事も与えられることがなく、死亡したときの体重は十キロで、平均体重の半分だったという報道がございました。
 昨年度、児童虐待相談件数は過去最高五万五千百五十四件となっており、対応が急がれるとともに、社会的養護が必要とされる子どもが非常に多くなってきている現状があります。
 しかし、その一方で、その受け皿となる児童養護施設は、ほぼ満員の状況である。そこで、東京都としても受け皿をふやしていく、また、より家庭に近い温かい環境で養育していくということで、家庭的養護を推進するという方針をとっております。その家庭的養護の中で中心となっているのが養育家庭制度の里親制度ということだと思います。きょうは養育家庭制度について質問を何点かしていきたいと思います。
 昨年の八月末に、杉並区で里親家庭に預けられている三歳の女の子、里子が死亡するという事件がありました。委託中の児童が死亡するという重大な事案であり、私もその事件直後、昨年の決算特別委員会でこれに関して質問をさせていただきました。
 当時は、事件、事故の両面から捜査中であり、個別事案には答えられないということでございましたけれども、その後、ことしの八月に養育家庭の里母が傷害致死容疑で逮捕されるに至りました。
 そこで、状況が変わった中で、改めてこの里親制度についての課題を議論したいと思います。
 私は大きく、この里親制度は二つの課題があると思います。一つは、里親としてその役割を果たせるかどうか。適切な人物が認定されているのかどうかということです。二つ目は、児童を委託した後、適切なケアがなされているかどうかという、この二点ですね。
 まず最初の認定についてですけれども、里親として適切な人物かどうかは都が認定をします。里親になりたいというふうに考えた方は、まず児童相談所が相談窓口となって、申請書を書いていただきます。その後、研修や家庭訪問調査を経て、児童福祉審議会の里親認定部会で里親として的確かどうか審議がなされます。その結果を受けて、都知事が認定し、登録されるという一連の流れとなっております。
 そこで、この児童福祉審議会の里親認定部会での審議結果についてのデータを見てみると、諮問件数--これは申請件数ですが毎年百件程度なのに対して、不適格、里親になるには適格ではないと判断された数が毎年ゼロから一名となっておりました。平成十七年度から二十一年度までの諮問件数が合計四百八十八名なのに対して、不適格とされたのはたった三名という結果なんですね。つまり、希望された方はほとんど適格と判断されているという状況がそこにはあります。
 この里親認定部会は年間六回程度開催されるということですが、一回二時間程度で行われています。里親として認定するかどうかの審査は児相から上がってくる書面をもとに行いますけれども、二時間で十件から二十件程度審査するということで、その時間内に書面だけで問題点を見抜くのはかなり難しいのかなというふうに私は考えています。
 では、認定部会はこのように行われているとして、児相がどのように里親として適格かどうか判断しているのかというと、面接や研修、家庭訪問はしますけれども、基本的には自己申請なんですね。
 里親の認定基準の中に、基本要件があります。心身ともに健全であることとか、児童に対する豊かな愛情を有するかどうかといった項目がありますが、これは自己申請に基づいて判断するということになっています。普通に考えて、申請される方が自分にとって余りよろしくないことをそのまま記述されるというケースは少ないだろうなと、考えにくいと思うんです。
 そこで、これまで周辺の方からの聞き取り調査、聞き合わせが必要ではないかということを提案させていただいてきたわけですけれども、これもさまざまな事情があって、実施はなかなか困難であるというふうに聞いております。
 そこで、より適切に家庭の養育力を把握する必要があるというふうに考えますけれども、都の見解をお伺いしたいというふうに思います。

○桃原少子社会対策部長 養育家庭の認定につきましては、ただいま委員の方からもお話がございましたとおり、里子の養育が適切に行われるよう、里親となることを希望する方に対しまして、その動機や子どもの養育について考え方、養育環境などの事項を申請書に記載していただいております。これをもとに児童相談所が家庭訪問を行い、家庭状況や里親の健康状態などについて調査した上、児童福祉審議会の認定部会での審査を行ってきたところでございます。
 現在、ご指摘がございましたこの事故後におきまして、里親認定部会におきまして、養育家庭の認定のあり方について再点検を行っているところでございます。
 また、同じく審議会の死亡事例検証部会におきまして、養育家庭制度の運用や児童相談所の関与のあり方について、この事件を通しての検討を行っているところでございます。
 これらの検討結果をもとにいたしまして、認定を含めました制度の運用全体につきまして必要な見直しを図っていく予定としております。

○柳ヶ瀬委員 制度全体について、今、見直しをされているというところだと思いますので、これはぜひ見直しをしていただきたいと思うんですね。自己申請は自己申請でいいんですけれども、そこに第三者的な視点を入れるということが重要なのかなと思います。
 ぜひその点を検討いただきたいというふうに思いますけれども、何でこの提案をするのかというと、今後、東京都は、平成二十六年度には四百七十人まで里親をふやしていくという目標を掲げているんですね。しかし、これは数をふやすだけであってはいけません。しっかりと質を確保するということが必要だと思います。
 私も十歳の子どもが一人いるんですけれども、自分の子どもを育てるのもかなり大変であるということは、私も身をもって感じてまいりました。まして、この里親というのは、自分の産んだ子ではないわけですよね。さらには、養育が非常に難しいお子さんが多いというふうにも聞いています。
 つまり、この里親というのは、かなり高い適性、高い能力というものが求められるものだろうというふうに考えます。ですから、この事業を拡大していく上で、適切な里親を選定できるかどうか、これが課題だろうというふうに思います。
 二〇〇二年には、宇都宮で里親が里子を殺してしまうという事件がございました。また、一昨年の十月に、大阪で里親が里子に対する傷害事件で逮捕されるという事件もありました。この二つの事件でも、検証の中で、里親認定に当たってしっかりとした調査が必要だというふうにされているんですね。
 大阪市が出した、里親による里子への傷害事例検証結果報告書がございます。ぜひこれはお読みいただきたいと思うんですけれども--多分もう読んでいらっしゃると思うんですけど、この中にも、里親申込者調査の充実が必要とされていて、ちょっと読みますけれども、他人の子どもを家庭に迎え入れ、その人格を受けとめ養育に当たるものであり、その負担と責任は重大であることから、その重責に耐え得るかどうかという視点から調査は不可欠である。よって、現在でも申込者調査は聞き取りを中心としているものの、その生育歴、夫婦関係等を初め、申込者自身さえ気づいていない背景、事情まで掘り下げて聞き取りをしている。他方で、第三者に対する聞き合わせなどのいわゆる裏づけ調査は行われていない。本事例では、里親の親族に対し聞き合わせを行っていれば、里母が気づいていないか、気づいても調査者にいいたくない事情が調査の段階で明らかになっていた可能性があると、このようなことが書いてあるわけです。
 つまり、自己申請だけではなくて、第三者に対する何らかの、第三者的な視点が必要なのではないかということだと思います。
 ですから、これからその制度全体について必要な見直しを図られるというふうにおっしゃいました。ぜひこの認定のあり方を検討していただいて、より適切に家庭の養育力を把握するように努力をしていただきたいと思います。
 そして、次の課題が、里親に子どもを委託した後に、しっかりとアフターフォローができているのかどうかという点です。
 養育家庭に対する訪問指導等については、厚生労働省の児童相談所運営指針に基づき実施をしていて、養育家庭への委託後半年程度は、委託児童と里親との関係の構築を確認するためきめ細かく訪問し、委託児童と里親の関係が安定した場合、児童の年齢や状況に応じた訪問指導を行っているというふうに聞いています。
 それでは、具体的にどれくらいの回数、児童福祉司が家庭へ訪問指導に行っているのかということなんですけれども、これは平成二十年度の実績で、全部で二百九十八の家庭があるんですけれども、年に一度も訪問していないという家庭が三十四、一一・四%、年に一回訪問するというのが五十三家庭、一七・八%、年二回から六回が百八十七家庭ということで六二・八%、年七回から十一回が二十一の七%。つまり、月一回以上というのは三家庭しかいない。一%ということですね。
 これはあくまでも児童福祉司が家庭に対して訪問を行った数であり、これ以外に児童相談所に来て面談をする場合や、養育家庭専門員という方がいらっしゃいますね、この方が訪問している場合もあるというふうに聞いています。
 これは前回も指摘をさせていただきましたけれども、非常勤の養育家庭専門員ではなくて、まさにプロフェッショナルである児童福祉司、この人が責任を持たなければいけない。その児童福祉司が一度も里親の家庭に行っていないという件数がこれだけあるということが、私はこれが心配なんです。心配なんですね。
 そこで、委託後の訪問指導の状況ですが、今回の事故が起きた後、また、里母が逮捕された後、どのように対応されたのか。その状況についてお聞かせいただきたいと思います。

○桃原少子社会対策部長 平成二十二年八月の事故発生後、児童相談所ではすべての養育家庭に対する訪問指導や、児童相談所への来所による指導などを行うことによりまして、児童の養育状況の確認を行っております。
 また、本年八月、里母が逮捕された後でございますが、すべての児童相談所におきまして、登録されている養育家庭に対しまして、この間の状況説明を行うとともに、相談支援の現状に関する意見や要望を伺ったところでございます。
 養育家庭に対しまして児童を委託した後は、児童の心身の状態や家庭での養育状況を確認するため、児童福祉司による訪問指導を実施することとしておりますが、各児童相談所に対しましては、改めましてその趣旨の重要性について徹底をしたところでございます。
 また、この間、養育家庭や児童相談所の意見を踏まえまして、相談体制の一層の充実や地域の関係機関との連携による見守りの強化などの取り組みを始めたところでございます。
 今後、先ほど申し上げました死亡事例等検証部会などの検討結果なども踏まえまして、児童相談所を中心とする養育家庭に対する支援体制のさらなる強化を図ってまいります。

○柳ヶ瀬委員 この事件を受けて訪問指導を強化されているということですけれども、引き続きのご対応をお願いしたいというふうに思います。
 虐待やネグレクト、施設での長期集団生活などによって愛着形成に問題を抱えた子どもの養育は大変な困難を伴います。経験の浅い里親や知識の乏しい里親への丁寧な訪問指導によるきめ細かい養育環境の把握が必要だということだと考えています。
 そして、これらのことも熱心にやっていらっしゃるというふうに思うんですけれども、ただ、先ほどの訪問回数のデータを見ると、やっぱり根本的な問題としてはマンパワーが足りていないのかなというふうには思います。
 そこで、都としては二十一年から、養育家庭への一層の充実を図ることを目的として里親支援機関事業を始めています。この事業は、簡単にいうと、新たに民間の里親委託等推進員というものを配置しまして、子育て経験のない養育家庭に対しては養育体験の機会を提供し、委託中の養育家庭に対しましては希望に応じて里親による訪問支援のコーディネートなどを行うという事業だというふうに聞いています。正しいですよね。--はい。
 この事業の現状と今後の拡充について、どのような状況になっているのかということをお聞かせいただきたいと思います。

○桃原少子社会対策部長 里親支援機関事業は、今年度から児童相談所三カ所で実施しておりまして、児童の心理に係る内容は臨床心理士が、里親特有の悩みには里親経験者が訪問や電話により相談対応するなど、養育家庭からは、相談しやすく安心感が得られるとの評価をいただいております。
 これらの成果を踏まえまして、里親支援機関事業の実施につきましては、都内のすべての児童相談所に拡大するとともに、夜間や休日の対応も可能となるよう支援の充実に向けた検討を行っており、先般発表いたしました平成二十四年度の予算要求にも、これを反映させているところでございます。

○柳ヶ瀬委員 ありがとうございます。私も、つたない頭でこれをどうしたらいいのかなということを考えたんですけど、多分、こういう事業しかないんだろうというふうに思います。ですから、非常に重要な事業だというふうに思います。
 そして、極めて現実的な対処であろうというふうに考えています。ぜひ、今おっしゃった、全児相で実施をするということ、また、夜間、休日など拡充していきたいということだと思いますけれども、ぜひ実施に至るようにご努力をしていただきたいというふうに要望したいと思います。
 そして、今回のこの事件についてなんですけれども、今後どういうスケジュールで、検証をどのように実施していくのか。その点について教えていただきたいというふうに思います。

○桃原少子社会対策部長 今回の事故につきましては、現在、先ほど申し上げた死亡事例等検証部会で検討を行っておりまして、今後、早い段階で一定の提言をいただく予定としております。
 この部会におきましては、先ほど申し上げたとおり、本事例を通じて、児童相談所の関与のあり方、養育家庭の支援のあり方などについて、ご提言をいただくこととなっております。
 また、認定基準等につきましても再点検を行っておりまして、これらの部会の検討結果を踏まえ、必要な対応が図られるように進めてまいりたいと存じます。

○柳ヶ瀬委員 ありがとうございます。その検討結果を、私もしっかり注視をしていきたいというふうに思いますし、できるならば、また、その点について考えることがあれば、再度質問をさせていただきたいなというふうに思っておりますので、よろしくお願いしたいというふうに思います。やっぱり私もこの虐待の問題等々、長い間取り組んできたつもりでございますけれども、根本的な問題としては児相のマンパワー不足があるということ、これはずっといわれてきたところですし、私もずっと、何度も申し上げてきたことでございます。
 児童相談所の個別の児童福祉司がどれほどの担当件数を抱えているかという調査の結果がありますけれども、これを見ると、やっぱり百件から二百件を超える案件を抱えていらっしゃる方もいます。このマンパワーで本当に現在の業務がこなせているのかどうかというのが、非常に心配だということなんですね。
 児相の人手不足は慢性的であって、職員は次々と発生する児童虐待事案等に追われ、里親、養育家庭に関しては、一たん子どもを預けたら里親に頼りっ放し、預けっ放しになってしまっているんではないかというようなこともいわれていたわけでございます。
 そこで、こういった問題の根本的な解決として、児童福祉のマンパワーについてどのように強化をしていくのかということ。この点について見解を伺いたいと思います。

○桃原少子社会対策部長 児童虐待の相談件数が年々増加する中にありまして、児童相談所では、児童福祉司、児童心理司を初めとする職員が、それぞれ専門性を発揮しながらさまざまな事例に組織的に対応しているところでございます。
 平成二十三年度、この中にありまして、地域における虐待への対応力を強化するため、区市町村の子ども家庭支援センターなど、さまざまな関係機関とさらなる連携を図る観点から、児童福祉司を十一名増員いたしたところでございます。
 また、児童福祉司や児童心理司を対象といたしまして、複雑、困難化する事例に対応する職務能力の向上を図るため、経験年数や職責などに応じまして、きめ細かな研修を現在、実施しております。
 今後とも、児童相談所の役割を適切に果たせるよう、必要な体制強化に努めてまいります。

○柳ヶ瀬委員 ありがとうございます。特筆すべきは、私もこれは見落としておったんですけれども、平成二十三年度は児童福祉司を十一名増員されているということを聞きました。これは非常に画期的なことだなというふうに私は感じておりまして、大変な成果であるというふうに思っております。
 これもなかなか、この児童福祉司の増員ということをいってきましたけれども、一気に十一名が増員されたということで、何があったのかなというふうに思うぐらいでございますけれども、すばらしい成果だと思いますし、また、これは都が困難な状況にある児童をしっかりと救っていくんだという非常に大きなメッセージになるだろうと思います。ぜひ引き続きご対応をいただきたいなというふうに思います。
 ちょっと余談ですけれども、この事件があった後に、その当時は雜賀さんが部長でございまして、雜賀さんは今ちょっと異動されて、いらっしゃらないですよね。知事本に行かれたんですかね。
 雜賀さんが、この事件の後に、非常に悔しいんだいうことをおっしゃっていたんですね。私はその話を聞いて、ああ、こういう人がやっているんだなということを、本当に熱い思いを感じたんです。私も非常に悔しかったんです。これは、困難な状況にある児童がいて、それを東京都が、ある意味助け出して養育家庭のもとに送り込んだわけですよね。その養育家庭のもとで亡くなってしまったということで、本当に悔しい事案でございます。
 雜賀さん、本当に悔しいということをおっしゃっていました。それを聞いて、そういう思いで本当にやっていらっしゃるんだったら、ぜひそのまま真っすぐに施策を進めていただきたいという思いを持ちました。
 多分皆さんも同じ思いでやっていらっしゃるんだろうというふうに思いますので、ぜひ、この施策を前に進めるようにご努力をお願いしたいと申し上げまして、次の課題に進んでまいりたいと思います。
 続いて、放射能対策について質問をしていきたいというふうに思います。
 福島原発から飛散した放射性物質は、遠く離れた東京にまで到達し、さまざまな問題を引き起こしています。この放射性物質の問題で対処が困難なのは、その影響がよくわかっていないということですね。高線量の放射線を浴びれば、がんの発症率が上がるという確かな知見はあるわけですけれども、低線量被曝がどのような影響を与えるかというのは、これはよくわかりません。私もさまざまな文献を見てきましたけれども、これが大きな影響を及ぼすんだという文献もありましたし、全く影響はないんだという方もいました。正直、これは二分されています。私は影響があるだろうというふうに思っているわけですけれども、よくわかりません。その実態はよくわかっていないんですね。
 ですから、私たちがこの問題に対処するに当たり、とり得る方針というのはただ一つであって、被曝量、放射性物質を可能な限り低減するという方針しかないというふうに思います。つまり、私たち都議会と東京都は、都民の健康を守るために、この大方針を掲げて施策につなげていくべきだというふうに、前提として考えています。
 そして、都民の健康を守るという役割を考えると、この福祉保健局が非常に重要な役割を担っていること、これも間違いありません。これまでも都民の健康を守るためにさまざまな施策を講じて、努力されてきたことというふうに思います。感謝を申し上げたいと思います。
 そこで、安全と安心を確保するためには、まずは現状の汚染状況を正確に把握することが重要です。そこで都は、先ほどもちょっと出ましたけれども、多くの自治体の声にこたえて、みずから空間放射線量の測定に努めるとともに、六月から区市町村に対して測定機器の貸与を始めました。DoseRAE2という小型のシンチレーション式のサーベイメーターですね。これは地域での空間放射線量測定を支援するために始めたものでございますけれども、まずはこの貸し出しの実績について教えていただきたいというふうに思います。

○中谷健康安全部長 都は、六月に小型測定器を七十台購入いたしまして、さらに七月には十五台を追加購入いたしております。ほぼすべての区市町村に貸与を行っております。
 現在まで、購入した小型測定器のほとんどを継続して貸与しておりまして、区市町村の測定に活用されているところでございます。

○柳ヶ瀬委員 ありがとうございます。そうですね、区市町村がこれは恒常的に使って、常に計測しておるという状況であるというふうに思います。独自に購入しているところもあると思いますけれども、区市町村の公表している空間放射線量は、この機器での測定結果が使われているということだと思います。
 それが、これはことしの九月に独立行政法人国民生活センターが実施した、比較的安価な放射線測定器の性能という性能評価試験で、この都が貸与しているDoseRAE2について、これは正確に測定できない機器であるという結果をこの中で公表しているわけですね。
 そこで、この機器の性能について、都としてはどのような見解を持っているのかお伺いしたいと思います。

○中谷健康安全部長 都が区市町村に貸し出しました小型測定器でございますけれども、先ほど委員の方からお話がございましたように、ガンマ線を測定するシンチレーション式の測定器でございます。区市町村には、さまざまな場所で実際に私どもの方で測定した結果をもとに、測定器の性能を十分に説明いたしまして貸し出しを行ったところでございます。
 その後、都では、都内保健所にシンチレーション式のより精密な測定器を配置いたしました。この測定器は、国内でガンマ線を測定する標準的な機器でございまして、国がマニュアルで示している測定器と同種のタイプでございます。
 この測定器ではかった数値と、先ほどからお話ししてございます小型測定器は、ほぼ同等の数値を示しておりまして、測定器の信頼性は十分に確保されているというふうに考えております。
 それらの比較対照いたしました実際の測定結果につきましては、東京都健康安全研究センターのホームページで公表しております。

○柳ヶ瀬委員 ありがとうございます。そうですね、実測した数値から信頼性が確保されていると。標準的な、使っているもの、非常に高価なものだと思いますけれども、それと同等の値がこのDoseRAE2で出ているということですよね。ですから、都としては、この信頼性が確保されているというふうに考えているということ、よくわかりました。
 何でこういうことを聞くのかというと、この機器は都が貸与している製品だということで、非常に多くの方が使っています。実際に、私もこれを使っているんです。それが、この試験結果が出てから、この数値が信用できないという方が非常に多くいらっしゃったんですね。
 それで、福祉保健局が都に、市区町村に貸与しているものが信頼ができないなんてことはないだろうと私は思いまして、ぜひ答弁をしていただきたいなというふうに思ったわけですけれども、今のご答弁を聞いて、この性能が、実測をした結果、正確な水準を示しているということがよくわかりました。
 この機器自体、非常に高価な機器です。なぜ多くの方が個人でこのような機器を購入するようになったかといえば、既存の情報だけでは不安だからですね。都内でも、空間放射線量は地域によって大きく異なることも判明しました。また、同じ地域でも局所的なホットスポットが存在することが明らかになり、自己防衛として、個人による測定が広まっているというふうに私は考えています。
 そこで、都が都民の安全と安心を確保するためには、きめ細かに測定をして、その結果を正確に公表していくことが必要だと考えます。
 都は、補正予算の中で、空間放射線量の測定を強化するためにモニタリングポストの増設をすることとしています。江戸川区の都立篠崎公園と小平市の東京都薬用植物園の二カ所、これをふやすということですよね。
 設置予定時期として十月下旬というふうにされていたわけですけれども、これがまだ測定を開始していないようだというふうに聞いております。その進捗状況、どうなっているのかお伺いしたいと思います。

○中谷健康安全部長 ただいまお話がございましたとおり、都が独自に設置する二カ所でございます、江戸川区の都立篠崎公園及び小平市の東京都薬用植物園につきましては、既に本体の設置工事は完了してございます。現在、通信システムの調整中であり、その後にデータテストを経まして、年内に測定結果の公表開始を予定しております。
 また、国の委託で増設する四カ所につきましては、国の手続に合わせまして準備を現在進めてきておりまして、年度内に設置予定となっております。

○柳ヶ瀬委員 ことしじゅうには測定開始ができるということです。ぜひ早急に測定ができるように努力していただきたいというふうに思います。
 先ほどの機器の話もそうなんですけれども、より多くの正確な情報を提供していくことが、この不安解消に対しても大事なことだというふうに私は考えています。
 そして、このモニタリングポストのように定点で連続して測定をする、できる機器は国内でもこれはわずかしか設置されていません。そういった意味では非常に貴重なデータ源になるわけですね。ですから、これはできるだけ早く測定を開始していただきたい、ご努力のほどよろしくお願い申し上げたいと思います。
 また、これからの季節は、冬になります。空気が乾燥します。すると、土ぼこりが舞って、放射性物質が風で再飛散する可能性があるのではないかというふうにいわれています。
 新聞報道によれば、東京大学、茨城大学などのチームの調査で、地面に落ちた放射性物質が風によって再び大気中に浮遊している可能性が高いということがわかったという報道がございました。これは過去の測定値を分析し、放射能濃度が風向きに依存しているということを突きとめ、その根拠としています。
 茨城大学の北教授は、空気が乾燥する冬は土ぼこりの量がふえる可能性がある、監視の強化が必要だとコメントをしています。子どもたちがこの土ぼこりを吸って内部被曝する可能性があるんではないかということを私は懸念しています。
 東京都も、土壌の汚染について測定していて、新宿の健康安全研究センターの土で放射性セシウムが一キロ当たり七百九十ベクレルであったということを公表しています。過去五年間の測定結果が二から三・六七ベクレルであったことを考えると、それの三百倍以上ということで、これは原発事故以降、都内の土もかなり汚染されているという状況がわかっています。
 そこで、都は、土壌や浮遊じんの測定を、これは新宿だけではなくて、都内の複数箇所で実施する必要があると考えますが、見解を伺いたいというふうに思います。

○中谷健康安全部長 土壌からの放射線量の状況につきましては、大気中の放射線量を地表に近い地点で測定することにより把握できるとされております。
 都においては、モニタリングポストを増設いたしまして、放射線量の連続測定を行うとともに、引き続き区市町村の行う測定を支援してまいります。
 また、浮遊じんについても、東京都立産業技術研究センターにおきまして毎日測定しているところでございます。

○柳ヶ瀬委員 ありがとうございます。これ、想定外の事態が今も次から次へと起こっているんですね。
 今月二日には、福島原子力発電所二号機で、半減期の短いキセノン135などの放射性ガスが検出され、これは再臨界ではないかという、その可能性が懸念されました。
 また、世田谷区では、民家やスーパーで、過去に埋設されたであろうラジウムなどが発する高い放射線量が確認され、住民の皆さんが非常に不安を感じたという事例もございました。このような事象が後を絶たないんですね。次から次へと起こってくるということなんです。
 で、この不安を解消して安全を確保するためには何が必要かと考えると、これは繰り返しですけれども、さまざまな角度から現状をとらえた正確なデータが必要だろうというふうに私は考えます。
 例えば、ことしの夏、何があったかというと、私の事務所にもたくさんの声をいただいたのは、学校のプールなんですね。これが大丈夫なのかという相談が多数寄せられました。子どもをプールに入れて健康に影響がないかどうかということなんですけれども、私もいろんな方にご相談をさせていただきまして、まず、水道水のデータを示しました。プールがしっかりと清掃されているということが前提となれば、その後入れる水は飲んでもよいといわれている基準にありますよということを説明したわけですね。
 そういうと、じゃあ、雨の影響はどうなんだと。水を張った後、雨が降ってくるわけです。それから、土ぼこりの影響はどうなのかと。周辺からも土ぼこりが舞って、プールに入る可能性があるということ、そういうことを聞かれるわけなんです。
 雨は降下物の測定を新宿でしていますから、これを示しました。示したんですけれども、私の地元は大田区でございまして、新宿とちょっと遠いんですね。私、健康安全研究センターの屋上の降下物を測定する機械を見に行きましたけれども、まあ、その、なんというのでしょう、東京都を代表する降下物の測定というのはなかなか難しいかなと。というのは、このでかい容器の中のものを採取して、それを分析をかけるわけですけれども、何かちょっとしたものがぴゅっと、容器の中にちょっと入ると、それが出てしまうわけです。ですから、新宿の健安研の屋上の降下物の測定が東京都を代表しているかというと、なかなかそれもいえないかなというふうに思います。
 他県でもこの降下物は測定しているわけですけれども、やはりちょっと距離が遠いんですね。さらには、土壌に関してはその当時はほとんどデータがなかったんです。文科省から委託されたこの健安研の新宿の土の調査も、これは九月六日の実施で、当時は信頼の置けるデータがほとんどなかったという状況でした。そのような状況では、不安を解消するにはとても至らないと思うんです。
 放射能汚染という、これまで体験したことのない状況の中で、不安に感じるのは当然のことですよね。都民の健康を危うくする可能性がわずかでもあるならば、それは徹底して調査して明らかにする必要があります。不安を感じる都民の方がいれば、その解消に向けてあらゆる努力をする必要があると思います。そのためには、これはさまざまなデータが必要なんです。
 これから先、どのような問題が起きてくるかわかりません。ですから、これ、空間線量、土壌、降下物、浮遊じんなど、きめ細かな測定のためにこの検査の充実をしていただきたいということ、これを要望したいというふうに思います。
 その中でも、今一番の不安は、汚染された食品による内部被曝でございます。きょうも多くの方から、この内部被曝の話が出ました。内部被曝の説明については、先ほど大山さんが詳しく話をされていました。私も全く同じ認識でございますので、この部分は割愛をさせていただきたいというふうに思いますけれども、私たち都議会民主党も、生産地検査だけではなくて、消費地としての食品検査を実施すべきだということを主張してきました。六月三日には緊急要望を提出させていただきました。
 その直後の七月には、何があったかというと、放射性セシウムを含む稲わらを与えた肉牛が出荷されて流通していたことが明らかになり、都内の学校給食でもこれが提供されるという事態になりました。これは暫定規制値以上のものですね。
 八月には、政府が食品の放射性物質検査を求めた東北、関東などの十四都県のうち、約百市町村を産地とする農産物が七月末時点で一度も検査をされていないということ、こんなことが判明したわけでございます。つまり、非常時の中で食の安全を確立するために実施されてきた生産地での検査が完全には機能していないということが明らかになったんですね。
 そして、この十一月になって、東京都は消費地としての観点から、都内流通食品のモニタリング調査を開始したわけでございますけれども、まずは、なぜこのタイミングだったのかということ、その点についてお伺いしたいと思います。

○鈴木食品医薬品安全担当部長 食品中の放射性物質につきましては、国の通知に基づき、都を含めた生産地において計画的に検査を実施し、暫定規制値を超える食品は出荷制限等が行われております。
 都では、生産地として、都内産農産物等の計画的な検査のほか、放射性物質に汚染された稲わらを給与された牛の食肉の検査等、高い精度で検査が可能なゲルマニウム半導体核種分析装置により実施しております。
 国においては、生産地における検査の効果を検証するため、小売店に流通している食品の検査を実施しております。
 国は、牛肉、米、麦については簡易に測定可能なシンチレーションスペクトロメーターによるスクリーニング検査法を示し、その後、飲料水や乳、乳製品を除く一般食品についても検査できるよう、適用範囲を拡大いたしました。
 都は、食の安全・安心を一層確保するため、ゲルマニウム半導体核種分析装置を増設したほか、シンチレーションスペクトロメーターを四台更新するなど、検査体制を整備し、都民の関心が高い流通食品について検査を実施することといたしました。

○柳ヶ瀬委員 その理由としては、機械の能力が、体制整備ができていないからということなのか、それとも消費地での検査は余り必要ないというふうに考えていたのか、ちょっとこの辺はよくわかりませんけれども、ちょっと時間がないのでこれは先に進みますが、時期の問題、私はあると思います。もう少しこれは早く開始ができなかったかなというふうに私は思います。
 ただ、これは時期の問題はありますけれども、このモニタリング検査を始めるという英断を東京都がされたということ、これは私は大変評価されることだと思います。これこそまさに多くの都民の方が望んでいたことであり、ぜひこれをきめ細かく実施をしていただきたいというふうに思うんです。
 そこで、検査品目についてお伺いしたいんですけれども、この検査品目はどのようにチョイスをされているのか、お伺いしたいと思います。

○鈴木食品医薬品安全担当部長 都内の小売店に流通している生鮮食品、加工食品を検査品目としております。このうち生鮮食品については、主として東日本で生産されたものをサンプリングいたします。
 加工食品については、主要原材料が単一な国産食品のうち、都民が日常的に摂取する食品及び、子どもが継続的に摂取する食品を中心にサンプリングをしていく予定でございます。
 また、検査する食品の割合については、平成二十一年度東京都民の健康・栄養状況に基づく摂取量を参考にしております。

○柳ヶ瀬委員 という話だと思うんですけれども、これは、その検査結果、どういったものを調査したのかということを見ると、生産者、製造者、販売者等の区別が書いてあって、その所在地が書いてあるんですね。その所在地だけを見ると、(資料を示す)これ、今回二十件、第一回目ということでやったんですけれども、その所在地が、青森、茨城、愛媛、埼玉、長野、新潟、青森、群馬、群馬、岩手、愛知、大阪、東京、東京、東京、栃木、長野、長野、兵庫、北海道ということで、多分これは幅広くとろうということでやられたのかもしれませんけれども、私はもうちょっと東北等々に絞ってもいいのかなというふうに率直に感じました。
 それと、さっきのチョイスの仕方の中で、子どもが継続的に摂取するものということをおっしゃっていましたけれども、私は非常に正しい考え方だなというふうに思います。であれば、これは子どもが継続的に摂取する食品の一つである牛乳、これは非常に今、保護者の皆さん、お母さんたちが心配をされています。
 学校給食の牛乳もそうなんですけれども、市販されている牛乳、これをある一定程度調査すれば、学校給食もどれくらいの状況にあるのかということはよくわかると思います。
 ですから、この牛乳を重点的に検査するべきというふうに考えますけれども、どうでしょうか。

○鈴木食品医薬品安全担当部長 平成二十一年度東京都民の健康・栄養状況によれば、今回の検査対象食品の中で、牛乳や乳製品が占める割合は一二・六%となっております。
 この割合を参考にしながら、牛乳や乳製品については、子どもが継続的に摂取する食品を中心に検査するという考え方から、二〇%程度の割合でサンプリングすることとしております。

○柳ヶ瀬委員 ありがとうございます。栄養価的には一二%程度であるけれども、調査のサンプリングとしては二〇%程度やっていただけるということですよね。ですから、これ、二十品目ありますけれども、このうちの四品目ぐらいは牛乳ということでやっていただけるということだと思います。本当にありがとうございます。ぜひ調査をしていただきたいというふうに思いますけれども、もうちょっと欲をいわせていただくと、もう少しこれは調査品数をふやしていただけないかなというふうに思うんですね。
 これは決して比較をするわけではないですけれども、イオンが店頭での放射性物質ゼロを目標に検査体制を強化するということで、これを発表いたしました。非常に大きなインパクトを消費者には生んでいます。実施の内容というのはどういうものかというと、これは自主検査をしていくわけですけれども、十一月から一月までの三カ月で約五千件を調査すると。店頭からほとんど、イオン基準というものを設けて、それを超えて検出された場合は販売を一切しませんよと、将来的にはこれはゼロを目指していくんですよということを大きく掲げて、三カ月で五千件やっていくという、非常に広大な試みだなというふうに思います。
 なぜイオンがこれをやるのかということですよね。それは、やっぱり求めているから。相当な費用がかかると思います。でも、その費用を超えてもこれを買ってくれる、利益を生み出せるということでこういった事業をするんだろうというふうに思います。
 五千件というのは、なかなか難しい状況であるかもしれませんけれども、現状のゲルマニウムを二台増設したということを考えると、五百といわずに、もう少し努力をすることができないのかということ、これ、ぜひ検討していただきたいというふうに思います。
 そして、この検査の一つ、私が心配していることは、例えば検出、暫定規制値が五百ベクレルだったとして、五百ベクレルを超えた場合には食品衛生法違反ですから、その食品名を公表して解消するということになると思うんですけれども、超えなくて、例えば四百ベクレルの牛乳が出ましたといったときにどういうことが起きるのかということなんですね。
 多分、この調査は非常に多くの人が見ています。非常に注目されている調査です。そこで、群馬産の--例えばですよ、群馬産の牛乳が四百ベクレル出ましたという書き方だけでは、多分これはメーカーによっても違うと思うんですけれども、すべての群馬産の牛乳の買い控えが起こってしまうのではないかなということが懸念されるんですね。
 それで、私は、これは今の書き方は食品のカテゴリー、品目、加工食品の中のトマトジュースとか、加工食品の中のゆでうどんとか、そういったことしか書いてないわけですけれども、私は、これは都民に結果を公表するに当たって、商品を特定をして出してしまって構わないのではないかなと。むしろ、その方が都民の安心に寄与することができるんではないかというふうに考えるんですけれども、その点についてはいかがでしょうか。

○鈴木食品医薬品安全担当部長 委員お話しのように、暫定規制値を超える食品があった場合には、ホームページの公表及びプレス発表を行い、商品名を公表いたします。
 都内流通食品を一般的に幅広くモニタリングするための検査でございまして、個々の商品に着目した検査でないことから、暫定規制値を超えない場合には商品名は公表いたしません。
 なお、各自治体が実施しております生産地における検査や、国が実施している流通食品検査におきましても、暫定規制値を超えない場合には商品名は公表しておりません。
 また、牛乳につきましては、ベクレルの基準は二百ベクレルでございますので、よろしくお願いいたします。

○柳ヶ瀬委員 ありがとうございます。そうですね。牛乳の場合は二百ベクレルということですので、高い数値が出たときにどういった形をとるのかなというのがちょっと心配されます。
 多分、相当程度のお問い合わせが来ると思いますけれども、問い合わせが来ても商品名の公表はしないということですよね。そうですね。--はい。
 難しい判断だなと。私は商品名を公表した方が安心には寄与するのかなということ、ぜひ、今後、推移を見守りながら検討していただければありがたいなと思います。
 今回、福祉保健局では、このゲルマニウム半導体核種分析装置を二台増設し、シンチレーションスペクトロメーターを四台更新したということを聞きました。これは体制を強化したわけですけれども、これによってどこまで検査能力が上がったのかということなんですね。
 そこで、例えば暫定規制値を超えて都内の飲食店で提供、または小売販売された牛肉の量、これは稲わらの問題が起きていました。この牛肉の量、これはどれくらいだったのかという、その数値を教えていただきたいと思います。

○鈴木食品医薬品安全担当部長 現在も調査は継続中でございますが、十一月十四日までに判明したところでは、都内の飲食店で提供されましたり、小売店において販売された暫定規制値を超えた牛肉の量は二・五トンとなっております。
 なお、都民の年間牛肉消費量は約八万トンと推計されております。

○柳ヶ瀬委員 二・五トンの暫定規制値を超えた牛肉が都民の口の中に入ってしまった可能性があるということだと思うんですけれども、今後このような想定外の事態が起こって、汚染稲わらを給与された牛の食肉検査のように突発的な放射性物質検査の必要性が生じた場合、今回増強した体制で対応ができるのかどうか、どのようにやっていくのかということについて説明をいただきたいと思います。

○鈴木食品医薬品安全担当部長 牛肉の検査の際には、緊急事態としてゲルマニウム半導体核種分析装置を二十四時間稼働させ、職員についても最大限確保して対応してまいりました。
 その後、第二回定例会で可決されました補正予算で検査機器を増設するとともに、非常勤職員を確保するなど、検査体制を強化いたしました。
 同様の緊急事態が発生した場合には、検査の重要度や必要性に応じて優先順位を組みかえて対応することとしております。
 さらに、局間で連携し、福祉保健局以外が所有する検査機器も活用するなどして対応してまいります。

○柳ヶ瀬委員 優先順位を組みかえて対応する、または、産技研のゲルマなども活用していくということだというふうに思います。このような対処も必要だというふうに思いますけれども、できるだけ広く都民の声にこたえるためには、民間の検査機関、これを活用すべきではないかということを提案したいと思います。
 食品中の放射性物質に関する検査を実施することが可能である登録検査機関、これは厚労省が定めていますけれども、全国で三十一カ所、うち十カ所が都内にあります。これは、この検査機関であれば正確な測定が可能というふうに国が認定をしているものでございます。
 そこで、緊急時対応として、民間検査機関とあらかじめ提携しておく、こういう状況になったら、これぐらいの、ゲルマ一台分は確保してくれと、そういった提携をしておくなど、これを活用すべきというふうに考えますが、見解を伺います。

○鈴木食品医薬品安全担当部長 食品の検査には正確性や、高い検査精度が求められることから、各都道府県等は、公的検査機関の設置が義務づけられ、対応しております。
 国は、検疫所や試験研究機関の検査機器を整備し、放射性物質の検査体制を強化することで自治体が行う検査を支援することとしており、都はこれまでも、国の検査機関の情報開示や自治体からの検査要請を積極的に受け入れるよう要望してきたところでございます。
 現在、食肉市場においては、民間検査機関による牛肉のスクリーニング検査が行われており、確定検査が必要な場合は都が実施することとしておりますが、事業者からは公的機関による検査を求める要望が強く、都は検査機器を整備し、検査を実施する予定でございます。
 都は、今後も公的検査機関としての責務を果たし、都民や事業者の要望にこたえてまいります。

○柳ヶ瀬委員 ありがとうございます。これは検査機器なども、民間の検査機関も非常にこれは充実をしておるということなんですね。これもしっかりと説明をすれば、都民や事業者の方もご理解いただけるんではないかというふうに思っております。
 これまで、非常に多くの先人たちの努力があって、また、長い年月をかけてこの東京の安全と安心をつくり上げてきていただきました。東京の空気をきれいにしたいと、石原知事は全国に先駆けてディーゼル車規制を行いました。
 チェルノブイリ原発事故が起きて、食材の放射能測定を開始した。その後、二十五年間にわたって福祉保健局の皆さんは、この都民の食の安全を守るために努力をされてきたわけでございます。どれだけ多くの職員の努力がこの都民の健康を守るために費やされたのか。そのご苦労がこの原発事故によって、非常に、こう一瞬にして去ろうとしているという状況があると思います。
 私たちは、多くの皆さんの力で築き上げてきたこのすばらしいまちを次世代に引き継いでいく責任があります。どうか皆さんの英知を結集して、将来に禍根を残すことのないように、この放射性物質の対策、これに取り組んでいただきたいというふうに思いますけれども、もし局長、何かございましたら、その決意を一言聞かせていただきたいと思います。
 以上でございます。

○杉村福祉保健局長 ただいま部長から種々答弁を申し上げましたけれども、放射能対策に関しましては、状況が刻々と変化する中、都として最大限の取り組みを行ってまいりました。
 環境中の放射線量の正確な把握に向けまして、モニタリングポストによる空間放射線量等を継続的に測定し、結果を迅速に公表してきたほか、測定機器の貸与や技術的指導を通じまして、区市町村によるきめ細かな測定も支援してまいりました。
 また、食品中の放射性物質につきましては、国の仕組みにのっとり、都内農産物や汚染稲わらを給与された牛の食肉の検査等も実施してまいりました。
 さらには、都民の不安に対しまして、電話相談窓口の設置やホームページによる正確な情報発信、都民向けフォーラムの開催など、積極的な情報提供も行ってきたところでございます。
 一方、国に対しましては、モニタリング体制の整備や食品中の放射能の規制値の設定に向けまして提案要求を行っております。現在、補正予算を活用いたしまして、検査体制の一層の強化を図っているところでございまして、今月には流通食品のモニタリング検査も開始したところであります。
 今後、増設をいたしましたモニタリングポストによる測定を開始いたしますとともに、牛肉につきましても、東京都による全頭検査に着手をする予定でございます。
 今後とも、状況の変化に的確に対応いたしまして、国へ対しても強く働きかけを行っていくとともに、関係局とも十分連携をいたしまして、都として持てる資源も最大限に活用し、都民の安全・安心の一層の確保に向けた取り組みを進めてまいります。

○松下委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後五時二十八分休憩

   午後五時四十五分開議

○松下委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○山加委員 救えるはずの命が救えなかった、そんなことがあっては絶対にならないわけであります。児童虐待ゼロを目指し、私自身も日々啓発、この児童虐待防止のオレンジリボン運動を展開している一人であります。
 先ほども児童虐待、また、里親のお話がございましたけれども、今月十一月、東京都の児童虐待防止推進月間であります。
 このオレンジリボンキャンペーン、ぜひ、党派を超えて応援をいただける先生がふえることはうれしいことでありますので、先ほど質疑をいただいた柳ヶ瀬先生もぜひつけていただきたいと思います。--お願いいたします。
 私は、平成二十年の第一回定例会におきまして、当時、十年間過去右肩上がりに東京の児童虐待件数が増加していることに、アメリカにおける虐待の状況と比較しながら、このままでは欧米並みに虐待件数がふえてしまうといち早く警鐘を鳴らしたところであります。そして、機会があるたびに、社会全体で子どもを虐待から守っていくための都民に対する普及啓発の推進、また支援の充実、施策の充実について取り上げてまいりました。
 児童虐待防止法は平成十二年の十一月に施行されたわけでありますが、十一年たつわけであります。この間、児童相談所を初め、区市町村の子ども家庭支援センター、保健所、学校、病院など、多くの機関が児童虐待防止に向けた取り組みを懸命に行ってくれております。
 しかし、残念なことに、児童虐待の数は、この十一年間も右肩上がり、そして、決して減らないわけであります。そのことが非常に危惧されることであります。
 虐待により子どもが死亡する、その痛ましい事件は、全国で後を絶ちません。都民、そして国民一人一人が児童虐待防止の意識を持って、子どもたちが伸び伸びと笑顔で生活できるよう、改めて取り組みを進めるべきだと考えます。
 新聞報道によりますと、本年七月に公表された、全国の児童相談所が平成二十二年度に受けた児童虐待の相談対応件数、宮城、福島、仙台では、三・一一、震災を受けたことで速報値が出ておりませんが、そこを除いた速報値は五万五千百五十二件、前年度比一万二千件、二八%と大幅な増となっているわけであります。
 そこで、まず、都における児童虐待の現状について、お伺いいたします。

○桃原少子社会対策部長 平成二十二年度に東京都の児童相談所が受理した児童虐待の相談対応件数は四千四百五十件となっておりまして、前年度と比較いたしまして、一千百件、三三%の増加を見ております。
 また、区市町村の子ども家庭支援センターにおける対応件数は七千七百二十八件で、前年度に比べまして、二千二百七十二件、四一%の増加となっております。
 この中では、調査の結果、事後に実際に虐待と見られた件数も増加しておりますが、都と区市町村がこの間、児童虐待防止に向けた取り組みを進めた結果、地域の住民の皆様方の意識が高まり、虐待が疑わしい場合も含めて相談件数全体がふえたものと考えております。
 昨年度、児童相談所が受けた四千四百五十件のうちでも、一千二十九件につきましては、調査の結果、虐待の事実がなかったことが判明しておりますけれども、何よりも通報していただくことが重要なものと考えてございます。

○山加委員 都及び区市町村の関係機関それぞれにおいて、児童虐待の件数が急激に増加していることと、件数が増加した背景の一つとして、住民意識の高まりが考えられることがわかりました。
 しかし、四千四百五十件のうち、千二十九件は虐待の事実がなかったとしても、残りの三千四百二十一件、つまり、最低でも三千四百二十一名の子どもたちに何らかの虐待の事実があったわけであります。これは、やはり大変なことであります。
 しかし、児童相談所、子ども家庭支援センターなど、この関係機関の職員の方は、表に出てくる数がふえたということは、それだけ大変な状況と思います。
 身近な住民からの通報が増加するということは、児童虐待を早い段階で発見でき、また、重度化する前に対処することができるなど、大変評価すべき点でもあります。しかし、その裏にある虐待件数が減っていないということは、しっかりと心の中に秘めていただきたいと思います。
 また、児童虐待に陥るおそれのある親子を早期に発見し、地域で支えていくためには、地域の関係機関はもとより、一人でも多くの住民に、児童虐待防止に対する理解を深めていただく、この取り組みが重要であります。また、子育て中の方々に対して、児童虐待に関する知識、相談、支援の方法について周知する取り組みは極めて重要であります。
 都では、平成十九年度より、児童虐待防止オレンジリボンキャンペーンを行って、さまざまな取り組みを通じ、この普及啓発に努めてくれているわけであります。
 五年間継続をしてくれているわけでありますが、児童虐待防止オレンジリボンキャンペーンについて、現在までの都の取り組みを確認の意味でお伺いしたいと思います。

○桃原少子社会対策部長 児童虐待の防止は、社会全体で取り組むべき課題でございまして、区市町村の子ども家庭支援センターや民生児童委員、保健所、学校など、地域の関係機関と連携いたしまして、一人でも多くの都民に理解を深めていただけるよう、広く児童虐待防止を訴えることが必要であると考えております。
 都は、平成十九年度から、十一月におきまして、児童虐待防止オレンジリボンキャンペーンを開始いたしまして、集中的にイベントなどを企画、実施するとともに、啓発グッズの作成、配布を行うなど、区市町村や民間団体と一体となって普及啓発に取り組んでまいりました。
 具体的には、広く一般都民に向けたシンポジウムや講演会などを開催するほか、特に子育てをしている若い世代に呼びかけをするため、リボンやリーフレットの街頭での配布や、商店街イベントにおけるPR活動を行っております。また、サッカーやアメリカンフットボールなど、プロスポーツの公式戦でのキャンペーン活動などについても実施しております。

○山加委員 都が平成十九年度から、オレンジリボンキャンペーンにおいて、さまざまな取り組みを行われ、児童虐待防止を図る上で大変有意義なものとなっていることは高く評価をしたいと思います。
 私もこの趣旨に賛同し、冒頭申し上げましたが、一人でも多くの方にこの問題についての関心を持っていただきたいと十九年度当初からオレンジリボンを身につけまして、まさに十一月だけではなく三百六十五日PRをし、児童虐待防止の啓発に、そして、その重要性を訴えているわけであります。
 ことしは、この蛍光の、これはバッグとかにちょっとつけるものでありますが、これと、それからシールですね。これもちょっと物に張りつける。そして、これがノートであります。もう皆さんご存じだと思いますが、これも一式差し上げますので。--ぜひ、こういうものを、児童虐待をやはり訴えるからには、どういう啓発をしているかをみずから身につけて--リボンが反対でございますので、ちょっと逆さまにつけないようにしていただきたいと思いますが。
 しかし、これをつけていますと、これ何って聞かれるんです、必ず聞かれます。これが児童虐待防止啓発のオレンジリボンですよと申し上げると、ああ、そうなんだ、オレンジリボンがそうなんですねと、その時点で、私は啓発に貢献をしていると思うわけであります。
 しかし、そのリボン、オレンジリボン、それ何ですかという質問がなくなることを私は願っております。都民のだれもが、このオレンジリボンを見たら、これは児童虐待防止啓発リボンなんだと、その啓発の重要性が大変大切だと思います。そう思いますと、この活動中、まだまだ声があるということは、オレンジリボンに対する認知度がまだ低いのかなと感じて残念でなりません。都民に広く周知されるよう、都はさらなる取り組みを行う必要があるのではないかと思っております。
 そのためには、志のある民間企業を巻き込んで、児童虐待防止推進月間だけでなく、年間を通じて継続的に実施していくことが重要と考えるわけでありますが、都民への普及啓発を進めていくために、都は今後どのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。

○桃原少子社会対策部長 都は、この間、十一月の児童虐待防止オレンジリボンキャンペーンを中心として普及活動を行ってまいりましたが、オレンジリボンの認知度をさらに高め、児童虐待防止への理解を社会全体の中で深めていただくためには、ご指摘のように、年間を通じた啓発活動に取り組んでいくことが重要と認識しております。
 今後、区市町村やNPOに加えまして、民間企業との連携をさらに強化する中で、より宣伝効果の高いイベントであるとか、PRグッズの企画などにさらに取り組むことによりまして、普及啓発活動を一層推進してまいりたいと存じます。

○山加委員 こうした取り組みによって、児童虐待がゼロになることを強く願っております。ぜひとも、都の取り組みを飛躍的に強化していただきたい、このことを要望しておきます。
 さて、あわせて今月、里親月間でもあるわけであります。虐待など、さまざまな理由によって親と暮らせない子どもたちを養子縁組を目的とせずに一般のご家庭で預かっていただくというこの養育家庭制度を、東京都は、昭和四十八年、全国に先駆けて独自の制度として創設し、推進しております。家庭的な環境のもとで、里親との信頼関係を通じて子どもをはぐくんでいくという、大変、非常にすばらしい制度で、私も平成二十年の本委員会におきまして、養育家庭の普及啓発に積極的に取り組むよう取り上げてまいりました。
 しかし、せっかくのすばらしい制度であっても、ことし八月のような痛ましい事件が起きますと、報道の中には、養育家庭制度が正しく理解されないような心ない内容の報道もあり、誤解を生じることにもなります。
 養育家庭制度を推進していくためには、子どもを養育する養育家庭を支える仕組みを一層充実するとともに、社会全体、とりわけ地域で養育家庭の理解を得ることが重要であります。
 都は、養育家庭について広く理解を得るために、どのような取り組みをしているのか伺います。

○桃原少子社会対策部長 養育家庭にとりましては、地域住民や学校などの関係機関において、里親制度が正しい理解を得ることが安心して日常生活を送る上では不可欠なものでございます。
 このことから、都は、区市町村と連携しながら普及啓発に取り組んでまいりました。普及啓発に当たりましては、十月、十一月の里親月間を中心といたしまして、都民や学校などの関係機関に向けまして、さまざまな取り組みを進めております。
 具体的には、都民向けといたしましては、養育家庭経験者による体験発表会の実施を行っておりまして、平成二十三年度は、合計五十一の区市町での開催を予定しております。また、里親と行政が連携いたしまして、地域のイベントを活用した普及啓発を行うなどの取り組みも実施しております。
 今年度は、さらに、養育家庭の状況が具体的に伝わりますよう、里親と養育家庭に育った子どもの体験などを掲載いたしましたリーフレットを新たに作成いたしまして、普及啓発に活用いたしております。
 また、教育機関との間におきましても、里子が心身ともに安定した学校生活を送ることができるよう、教員の研修におきまして、制度の説明や体験発表の取り組みを始めるなど、連携の強化を図っております。
 今後とも、これらの活動を推進する中で、養育家庭について広く理解を得るよう、促進を図ってまいります。

○山加委員 子どもたちは、我が国の未来そのものであります。養育家庭を含め、すべての子育て家庭が地域全体から支えられ、子どもたちの笑顔を守れることを願って、次の質問に移らせていただきます。
 次に、社会福祉分野での地方分権について、お伺いいたします。
 本年八月、地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律、ちょっと息を切らずにいうのは大変な、長い法律名ですが、いわゆる第二次一括法が成立し、公布をされました。
 この法律の施行により、四十七の事項が都道府県から区市町村へ権限移譲されます。そのうちの一つに、社会福祉法人の事項があるわけであります。
 その内容は、社会福祉法人の実施する事業が複数の区市町村にまたがる場合は、引き続き都が所管、事業の実施区域が一つの区市に限られる場合は、社会福祉法人の設立、定款の許可や指導検査の権限などが都から当該の区市に移る、こういうことで間違いがないと思うんですが、確認の意味で整理をしてわかりやすく説明をしていただきますとともに、あわせて、そうなりますと、現在、都内にある社会福祉法人のうち、許可や指導権限が都から区市に移るのはどのくらいあるのか、お伺いいたします。

○松浦指導監査部長 まず、社会福祉法人に関するいわゆる第二次一括法の内容でございます。
 具体的に申し上げますと、社会福祉法人が幾つかの事業を実施している場合に、その事業を実施している場所がA区とB区というふうに複数の区市町村にまたがる場合は、これまでどおり都が所管いたします。
 一方、社会福祉法人の主たる事業者が例えばA区にあり、かつ、その行う事業がA区の区域のみというふうに当該の区や市に限られる、こうした法人の所管が、平成二十五年四月から、都から当該の区市に移るというものでございます。
 都から区市に移る権限でございますけれども、社会福祉法人の設立認可、定款の認可や、社会福祉法人に対する報告徴収及び検査、さらに、業務停止命令や解散命令などでございます。
 次に、都内にある社会福祉法人の数でございますけれども、平成二十二年度末現在でございますが、千十七ございます。そのうち、区や市に権限が移譲される社会福祉法人の数は、その六七・六%に当たります六百八十七でございまして、移譲される法人数が多い区市を挙げますと、八王子市が五十一法人、町田市四十八、青梅市四十、板橋区三十五、世田谷区三十二、足立区二十九、葛飾区二十八、練馬区二十四でございます。

○山加委員 平成二十二年度末現在千十七ある社会福祉法人のうち、今のご答弁によりますと六百八十七法人、つまり、約三分の二に当たる法人に対する指導検査権限がそれぞれの区市に移譲されることになるわけであります。私の地元の練馬区も、三十ある社会福祉法人のうち二十四法人に関する権限が移譲されると、今、伺いました。
 区市は、今後、権限が移譲されるものプラス、これから新たに設立される社会福祉法人の設立許可も行わなければならないわけであります。
 地方分権の観点から権限移譲は望ましいものの、準備期間が何にせよ一年半しかないわけでありますから、しかも、社会福祉法人の許可事務、指導検査業務のノウハウが恐らくおありにならないので不安という声も上がってくると思います。東京都は、こうした不安の解消に全力で努める責務があると思います。
 そのためには、社会福祉法人の許可、指導検査が権限移譲される区市に対し、都は、許可事務や指導検査のノウハウの引き継ぎのために研修の実施など、積極的に技術支援をしていくべきと考えますが、所見をお伺いいたします。

○松浦指導監査部長 区市に対する技術支援でございますけれども、都は、本年三月に、社会福祉法人の適正な経営の確保に向けました区市町村の関与のあり方ガイドブックというものを作成しまして、区市町村に配布するとともに、七月に、区市町村の職員を対象に説明会を実施しております。
 今後の支援でございますけれども、区市における社会福祉法人の許認可を担当する予定者に対しまして、社会福祉法人の設立事務、定款の変更事務などの研修を実施いたします。また、指導検査を担当する予定者に対しましては、社会福祉法人の運営や会計等に関する指導検査の研修を実施いたします。
 三点目としまして、区市と権限移譲連絡会、これは仮称でございますけれども、こういう連絡会を設置しまして、移譲事務の具体的な課題を調整した上で、移譲される個別法人ごとに具体的な内容について、当該の区や市と引き継ぎを行います。
 移譲後の平成二十五年度以降におきましても、区市による社会福祉法人許認可事務や指導検査事務について、区市からの問い合わせに対しましてガイドラインを示すなど、丁寧に対応してまいります。

○山加委員 ぜひ、しっかりとした引き継ぎをお願いしたいと思います。
 さて、私は、昨年十月の本委員会で、社会福祉法人の経営の適正化を図るために、法人理事が法人の経営状況をみずからチェックできる有効な財務指標を検討し、わかりやすいガイドラインとして公表するよう要望させていただきました。
 それを受けて、都は本年四月に、ホームページ上に社会福祉法人財務分析計算シートを載せ、決算数値を入力すると、十一の財務指標が自動的に計算できるようにしました。これは大変活用されていると聞いております。これによって、各社会福祉法人が経営分析できるようになったわけであります。
 社会福祉法人の経営の適正化のためには、課題の早期発見、早期対応が必要であることはいうまでもないことであります。
 ことし三月に、社会福祉法人経営適正化検討会報告書、これが発表され、それを受けて、都は、今後、社会福祉法人経営適正化事業をどのように実施していくのか。また、こうした社会福祉法人の経営適正化のノウハウも、指導検査等が権限移譲される区市に引き継いでいただきたいと思いますが、所見をお伺いいたします。

○松浦指導監査部長 まず、都が実施する社会福祉法人経営適正化事業でございますけれども、山加理事ご指摘のとおり、社会福祉法人の経営適正化のためには、課題の早期発見と早期対応が重要というふうに考えております。
 社会福祉法人の課題を早期に発見するために、理事会運営、財務状況、事業運営とか人事管理、利用者サービスなどの各分野におきまして、重大な課題になりやすい項目につきましてチェックリストを作成しまして、指導検査のときに調査を実施しております。これを引き続き充実してまいります。
 経営分析につきましては、個々の社会福祉法人が継続的に経営状況をみずからチェックできますように、都は毎年度、都内のすべての社会福祉法人の決算書全体を分析しまして、十一の財務指標、例えば事業活動収入対借入金の比率とか、流動比率とか、純資産比率、こうした財務指標につきまして、各年度の都内の社会福祉法人の平均値を、保育とか特養とかを経営する事業種別ごとに算出し、公表してまいります。
 社会福祉法人の課題の早期、かつ専門的な対応につきましては、指導検査による調査の結果、重点的に指導を要すると判断された社会福祉法人等につきまして、法律、会計、人事管理などの専門家などから構成されます社会福祉法人専門家会議を設置し、専門家会議の助言を受けて、指導を強化してまいります。
 こうした課題の早期発見、早期対応という都におけるノウハウにつきまして、区や市に対して、先ほど申し上げました研修会や、権限移譲連絡会等で引き継いでいくとともに、移譲後におきましても、指導方法についての区市からの相談にきめ細かく対応してまいる所存でございます。

○山加委員 東京都が実施する経営適正化事業によって、すべての社会福祉法人の経営を適正化した上で、平成二十五年度に、区市に社会福祉法人の指導検査権限などが移譲されることが望ましいと考えます。それは、なかなか難しいと思います。
 時間も一年半しかないわけでありますが、しかし、都によってできる限り、社会福祉法人の経営適正化を図っていただくとともに、権限移譲された後も、区市による社会福祉法人に対する経営適正化への指導を都が支援していただくことを強く要望いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

○遠藤委員 私からは、がん対策及び在宅療養の推進、この二点につきまして、何点か質問をすると同時に要望をさせていただきたいと思います。
 最初に、がん対策であります。
 自公政権において、数々の有意義な法律が新たに制定された中、がん対策基本法も制定されたわけであります。このがん対策基本法の制定を受け、都は、現行のがん対策推進計画、これを策定したわけでありますけれども、この推進計画は平成二十年度から五年間を計画期間としており、来年度はいよいよこの計画の第一期の総仕上げの時期になると同時に、次期の計画に向けた改定作業が行われる年であろうと思っております。
 そこで、まず、我が党が強く要望してまいりました、一つに放射線治療の充実、二つに緩和ケアの促進、そして、三つに院内がん登録の推進、このそれぞれの実施体制の強化について、これまで四年間の主な成果を伺いたいと思います。

○山岸医療政策担当部長 まず、放射線治療につきましては、平成二十年度から三年間、がんにかかわる放射線治療用のリニアックの整備に要する経費の助成を行いまして、現在、三十四のがん診療連携拠点病院及び東京都認定がん診療病院すべてに、放射線治療機器が整備されております。また、医師、放射線技師を対象に、放射線療法の専門研修を実施しております。
 緩和ケアにつきましては、拠点病院、認定病院において、医師緩和ケア研修を実施いたしまして、本年八月までに二千五百二十四名が研修を修了いたしました。
 院内がん登録については、拠点病院、認定病院のがん診療に関する情報を把握するとともに、都のがん医療水準の向上を図るため、昨年度より都立駒込病院内に院内がん登録室を設置いたしまして、各医療機関の院内がん登録データの集計や、院内がん登録実務者研修を実施しているところでございます。

○遠藤委員 今、答弁いただきました、この基本法ができる前までは、いわゆる北は北海道から南は九州、沖縄まで、それぞれの医療機関で、それぞれの治療が行われていたわけですけれども、この法律ができることによって、認定病院等々が設置されて、そこで総合的ながん医療が飛躍的に進んだということが今の答弁でも明らかになったと思います。
 二番目に答弁がありました緩和ケア、この提供体制の推進に向けて、都は実態調査を行い、その結果を踏まえて、東京都のがん対策推進協議会に新たに緩和ケアの検討部会を設置し、今後の取り組みについて現在検討中であると、このように聞いております。
 そこで、この実態調査の結果の概要と、検討部会での検討事項を今後の計画にどのようにフィードバック、還元していくのか、それぞれお伺いしたいと思います。

○山岸医療政策担当部長 都は、平成二十二年十月に、都内医療機関における緩和ケア提供体制等について実態調査を実施いたしました。
 その中では、身体的な痛みに対応可能な病院は全体の八四・二%、精神症状に対応可能な病院が五六・七%、年間の在宅みとりがん患者が一人もいなかった在宅療養支援診療所が三九・六%などの結果を得ております。
 そこで、お話のございましたように、都における緩和ケアの一層の推進を図りますため、東京都がん対策推進協議会の中に、緩和ケアのあり方検討部会を設置いたしまして、特に、在宅緩和ケアにおける地域連携、緩和ケアに携わる人材の確保や育成、緩和ケアに関する都民への意識啓発について、課題や対応策を検討しております。
 今後、これらの検討結果を次期東京都がん対策推進計画に盛り込んでまいります。

○遠藤委員 先日、ここにいる小林議員ともども、都立の駒込病院を視察してまいりました。さまざまなところを見せていただきましたけれども、その中の一つに、緩和ケア病棟もございました。二十二床の緩和ケア病棟があって、常に満員でお待ちの方もたくさんいらっしゃるということでありました。
 今、答弁がありましたとおり、こうした院内で緩和ケアを行うというのも重要なことでありましたけれども、やはり、すべての皆さんが院内でというわけにはいかないと思いますので、答弁にありました地域連携が極めて重要だと思います。
 地域で在宅で緩和ケアを行う、これについては、ちょっと名前は忘れましたけれども、小平市で有名な先生が、(「山崎先生」と呼ぶ者あり)ありがとうございます。山崎先生が小平市でネットワークをして、私も初当選させていただいた直後に、そこをお邪魔して、先生からいろいろ聞いてまいりましたけれども、いい取り組みだなと思うんですけれども、それが広がっているという実感がありません。
 大切な取り組みだと思いますので、推進計画に盛り込んでいくと、このように答弁がありましたけれども、盛り込むだけだったらだれでもできるので、それをどう進めるかということでありますので、ぜひ、全力でこの推進をしていただきたいと思っております。
 ところで、我が党は、このがん対策、各定例会ごとに取り上げてきたといっていいほど、さまざまな形でがん対策を推進してまいりましたが、平成二十一年三定で、小児がん患者への支援ということで、より重層的な取り組みを求めるとともに、次期東京都の推進計画にこの小児がん対策を明記すべきであると、このように提案をいたしました。
 この間の東京都の取り組みと、次期推進計画への明示について、それぞれ都の見解を求めたいと思います。

○山岸医療政策担当部長 国は、小児がん患者への支援体制の仕組みづくりを研究する中で、長期フォローアップ体制の確立を目指し、小児がん長期フォローアップ拠点病院を指定いたしました。指定を受けました都内の四つの拠点病院においては、小児がん経験者の健康管理や、成人期以降に発生する後遺症、合併症の予防等を行う長期フォローアップ外来を設置するなど、きめ細やかな支援を行っております。
 また、現在、国のがん対策推進協議会の中に小児がん専門委員会を設置し、今後の小児がん対策について検討しております。
 都は、小児がん患者さんやご家族が診断時から切れ目のない治療、支援が受けられるよう、国の動向を注視しながら適切に対応してまいります。

○遠藤委員 今、答弁にもありましたけれども、小児がんの患者さん、または、その家族への支援というのは、何も小児期のときだけじゃなくて、それよりも、むしろ青年期に入ってからの支援の方が長く、また必要だということであります。
 なぜ平成二十一年三定の質問当時に、これを我が党として取り上げたかといえば、私も小児がん患者の家族の方からヒアリングする機会がありまして、その当時はお母さんと会って、息子さんだったんですけれども、今はこのように元気に育っていますと、だけれども、彼が、息子がこれから高校を卒業し大学に行ったときに、例えば就職の問題一つにしても、または、生命保険にもなかなか加入ができないということで、一生涯リスクをしょって暮らしていくんですと。
 やはり、こうした支援をきめ細やかく東京都でもやってもらいたい、こんな願いがあったもので、そうしたきめ細かな取り組み、配慮というのは、国は当然やってもらわないといけないんですけれども、やはり、地域密着の区市町村なり、また、それを広域的な視点からサポートしていく東京都の取り組みが大事であると、このように思ったから二十一年の三定で取り上げさせていただいたわけであります。次期東京都の推進計画についての明記、これについては、今答弁ありませんでしたけれども、都は、小児がん患者や家族が診断時から切れ目のない治療、支援を受けられるように、適切に都としても対応していくと、このように答弁ありましたので、ぜひ、しっかりやっていただきたいと思います。
 次いで、在宅療養の推進について質問させていただきます。
 先日、ある物の本を読んでいたらば、日本慢性期医療協会の武久会長の論が載っておりました。問題意識として、こんなことをいっておりました。
 二〇二五年までに、ですから、これから約十四年後でありますけれども、二〇二五年までに、救急病院から在宅までの対象となる患者が日本で約三百万人増加すると、このうち二百五十万人近くは、その後、住居系施設を含む在宅療養になると。すなわち、慢性期医療の患者が全国で二百五十万人以上ふえるということであると、このように指摘をされておりました。
 今後、急速にこのような高齢化が進んでいく中にあって、病院から退院し、在宅での療養を行う方がふえていくということになるのは当然の理であります。医療の側面からも、病院から地域へ、この流れが大きくなっていくということを考えれば、都はもちろんのことでありますけれども、とりわけ、地域の中で住民に最も身近な区市町村に求められる役割は、これまで以上に大きくなってくると思います。
 しかしながら、一概に、地域または区市町村といっても、人口、面積を初め、医療や介護資源など、区市町村によって高齢者を取り巻く環境はさまざまであるわけであります。このような中にあって、それぞれの地域に即して、病院スタッフと医療、介護の在宅スタッフ、この連携、いわば橋渡しをする、調整する窓口機能の整備が重要になってくると思います。
 都は、平成二十二年度に、退院し、在宅に移る高齢者がそれぞれの地域で医療、介護サービスを適切に受けられるよう調整する仕組みとして、私の地元であります大田区を初め、調布市、そして小平市、この三地区で窓口のモデル事業を実施いたしましたけれども、この事業の具体的な取り組み内容と、今後の展開について、お伺いしたいと思います。

○高橋医療改革推進担当部長 二十二年度に行いましたモデル事業は、病院から在宅への円滑な移行や在宅医療の継続に当たりまして、地域全体で顔の見える関係を構築するため、その調整機能として在宅医療連携調整窓口を設置するものでございます。
 窓口の設置に当たりましては、医療や介護資源など、それぞれの地域の実情を踏まえ対応する必要があることから、地域の医療を支える地区医師会の協力を得て実施いたしました。
 その際、地域に即した取り組みとなるよう、例えば、人口が多く面積も広い大田区では、区内三つの医師会に窓口を設置し、お互いが連携して事業を実施しております。また、窓口の担当者も、病院と地域との橋渡しができる専門職として、ケアマネジャー、看護師などを配置し、それぞれの地域で工夫して取り組んでいただいております。
 昨年度の実績ですが、十月から順次窓口を開設して以降、三区市合わせて九十六件受け付けております。
 具体的なケースといたしましては、例えば、脱水症状による発熱で入退院を繰り返している患者が訪問診療を希望しているとの病院からの相談に対しまして、当日でも対応できる在宅医を紹介したり、また、がんの患者を在宅で疼痛コントロールしているが、家族が看病に疲れてしまったため一時入院させられないかとのケアマネジャーからの相談に対しまして、地域の病院で受け入れてもらうなど、窓口の担当者が専門性を生かし、精力的に調整を行いました。
 今回、モデル事業を実施した三地区は、すべて今年度から包括補助事業を活用して引き続き実施しておりますが、この取り組みをさらに広げるため、現在、東京都在宅療養推進会議の中でモデル事業の検証を行っておりまして、今後、都といたしましては、この結果をもとに積極的に区市町村へ働きかけてまいります。

○遠藤委員 このような、本当に画期的な事業であると思います。三地域でのモデルを踏まえて、新たに区市町村にその推進を働きかけているということでありますので、私も全力で応援させていただきますので、ぜひこれをやっていただきたいと思います。
 冒頭にも、日本全国の話をしましたけれども、都内においても、二十四年後の平成四十七年には、老齢人口の割合が三割を超える、三人にお一人が高齢者となる超高齢社会になるわけであります。
 これに対応するため、都は、昨年十二月に東京都在宅療養推進会議を立ち上げて、在宅療養推進のための課題と、今後の方向性、これらについて検討を行ってきて、また、私も読ませていただきましたけれども、こういう報告書もつくっております。
 超高齢社会の現実という、まさに待ったなしの状況にあって、課題解決に向けて、目標を定めると同時に、着実かつスピード感を持って、この目標の達成に向けて取り組んでいくことが大事だと思います。
 このためにも、地域の中で住民に最も身近な区市町村の主体的な取り組みをもっともっと都として支援していく、この姿勢を示すことが大事だと思います。
 引き続き、この在宅医療の推進については、私も強い関心を持って、福祉保健局の皆さんと二人三脚で頑張っていきたいと思います。そのことをお誓いし、私の質問とさせていただきます。ありがとうございました。

○田の上委員 都型学童クラブについて質問いたします。
 この間、私は、保護者のニーズを調べるために民設民営の学童保育施設などを視察してまいりましたが、遅くまで開所している学童クラブの利用を希望する保護者の多くは、もともと認可保育園で延長保育を利用していた方や、認証保育所や認可外保育所を利用していた方々です。看護師など、勤務時間帯が不規則な方も多いと聞きます。公設公営では満たされない開所時間のニーズを民間が担っていました。
 東京都では、平成二十二年度から都独自の補助制度を創設し、午後七時以降も開所するなど、サービス向上に積極的な民間事業者の運営を支援し、保護者の時間延長ニーズに対応する都型学童クラブ事業をスタートさせました。
 まず、改めて伺いますが、この都型学童クラブ事業を始めた意義を教えてください。

○桃原少子社会対策部長 子どもの居場所となる学童クラブの開所時間がそれまで通っていた保育所より短くなるといった、いわゆる小一の壁問題に加えまして、学童クラブの利用希望者が増加している現状もありますことから、サービス向上に積極的に取り組む民間事業者を対象とする補助制度でございます都型学童クラブ事業を昨年度に創設いたしまして、学童クラブの量的、質的な拡充を図っております。
 この事業は、保護者の時間延長ニーズに対応いたしまして、午後七時以降までの開所とあわせまして、指導員に保育士などの有資格者を配置することなどの義務づけ、その運営に係る経費を独自に補助するものでございます。
 本事業の創設によりまして、区市町村が直接設置、運営する学童クラブの取り組みをも促す効果が期待でき、都内の学童クラブのサービス向上に寄与するものと考えております。

○田の上委員 平成十九年度の福祉保健局の調査によると、学童クラブを利用、または利用しようと考えている保護者が理想とする終了時間は、夕方六時から七時までと回答した割合が最も多く、約四割を占めています。
 そこで、都内の学童クラブのうち、夕方六時を過ぎて開所しているクラブについて、公設公営、公設民営、民設民営ごとに、その数と、それぞれに占める割合について教えてください。

○桃原少子社会対策部長 平成二十三年五月一日現在、都内の学童クラブのうち、十八時を過ぎて開所しているものにつきましては、公設公営クラブが千百三十五クラブ中百三十四クラブで約一二%、公設民営のクラブが四百五十三クラブ中三百二十六クラブで約七二%、民設民営クラブが百十三クラブ中百四クラブで約九二%となっております。

○田の上委員 全体として見れば、約三割程度ということかと思います。
 では、都型学童クラブ事業補助を受けた施設数並びに補助を実施した区市町村を教えてください。

○桃原少子社会対策部長 事業創設の初年度でございます二十二年度の補助実績でございますが、補助を受けたクラブが八十クラブございます。
 また、事業を実施した区市町村でございますが、新宿区、中野区、練馬区、八王子市、武蔵野市、町田市、国分寺市、福生市、狛江市、多摩市の合計十区市でございます。

○田の上委員 平成二十三年五月のデータでは、五百六十四クラブが夕方六時以降も開所をしていますが、昨年度補助を受けたのは十区市八十クラブということで、少なく感じます。
 それでは、補助を実施した自治体のうち、民設民営の施設に補助をした自治体はどれぐらいあるのでしょうか。

○桃原少子社会対策部長 中野区の五カ所、武蔵野市の一カ所の二区市に対しまして補助を実施しております。

○田の上委員 この事業は、公設公営のクラブは対象になりませんので、つまり補助の対象となったほとんどが公設民営の学童クラブということでございます。民設民営の学童クラブが、区市町村にこの事業を利用したいというふうに問い合わせをしても、その制度は採用していないと断られる事例があると聞きます。
 実施主体が区市町村なので、区市町村が利用しなければ、この制度は生きないわけですが、都型学童クラブ事業を利用しない自治体が多い理由を、都ではどのようにお考えでしょうか。

○桃原少子社会対策部長 事業創設初年度である昨年度は、十区市八十クラブの補助実績でございましたが、今年度におきましては、実施区市町村数とクラブ数、いずれも昨年度を上回る規模で補助する見込みでございまして、着実に制度が拡充しつつある状況と認識しております。
 昨年度、都型学童クラブ事業を実施した区市の中には、この事業をきっかけといたしまして、公設公営の学童クラブを含めまして、すべてのクラブで時間延長を開始するなど、学童クラブ全体のサービス向上に対する効果があらわれているものと考えております。
 今後も、区市町村に対しまして、民間事業者の活用が、開所時間の延長など学童クラブの量的、質的拡充につながるという意義につきまして働きかけを行うことで、より一層の取り組みを促してまいります。

○田の上委員 補助の割合が二分の一のため、制度の活用に消極的な区市町村もあるかと推測いたしますが、ただいまのご答弁では、制度の内容が理解できれば、必要な区市町村は利用していくというようなお考えなのかと思います。
 また、今年度はもっと伸びるということですので、期待していきたいと思いますが、面積や職員等の諸条件もありますので、正確に、適正という形では判断できませんが、民設民営の学童クラブで九二%が夕方六時以降も開所しているのに、都型学童クラブ事業を利用しているのが六クラブだけですので、今後、この民設民営の学童クラブがどれだけこの事業を利用できるのかというのが課題だと考えます。
 先ほど、昨年度、都型学童クラブ事業を実施した区市の中には、本事業をきっかけにすべてのクラブで時間延長を開始する例があったというようなご答弁がございましたが、一自治体のみではなく、ほかの自治体でも、まずは制度の活用から広げていく必要があると考えます。
 区市町村に対し、より一層の取り組みを促していくとのことでしたが、具体的にはどのように区市町村に対しての促進を図っていくのでしょうか。伺います。

○桃原少子社会対策部長 都型学童クラブ事業の実施主体は区市町村でありますことから、制度の創設以降、すべての区市町村を対象とした制度の説明を続けてまいったところでございます。
 先ほどご答弁申し上げたとおり、都型学童クラブ事業を実施したことによって、地域の学童クラブ全体のサービス向上が図られた自治体の事例もあることから、これらの効果につきまして、区市町村に対してさらに具体的な説明を続けることによって、取り組みを促してまいりたいと存じます。

○田の上委員 平成二十一年五月一日現在の十八時を過ぎて開所しているクラブは、公設公営が八%、公設民営が三九%、民設民営が九一%で、全体数は異なるものの、二年の間に遅くまで開所している学童クラブが、大体二〇%から三三%程度までふえました。しかし、まだまだ働きかけが必要と思います。区市町村の取り組みを促す際には、補助の利用がしにくい現実はないのかなど、ぜひヒアリングもしていただきたいと要望いたします。
 区市町村で保護者のニーズ調査をしているのかと思いますが、就学までは午後七時、八時まで預かってもらえる保育施設があったのに、小学校に入学したら夕方六時の暗い時間に学校から歩いて帰宅させなければならないという、不安や困惑を抱えた保護者は多いことと思います。今まで利用していた認証保育所に学童保育機能を要望する都民の声も、私は聞いてまいりました。
 私の地元江戸川区では、一概にはいえませんが、都心までの通勤時間が一定程度かかる方が多く、午後五時に仕事が終わっても、六時に帰宅できるという人は多くありません。また、自治体によって平均世帯所得も異なると思いますが、遅くまで働かなくては生活ができない方もたくさんいます。
 都型学童クラブ事業が、こういった方々も含め利用者のニーズにこたえる、事業者にとって利用しやすい形となるよう、鋭意ご尽力いただきたいと要望して、次の質問に移ります。
 平成十九年度に、東京都が認定こども園運営費補助事業を開始して、五年近くがたちました。幼稚園の教育は、私も地元の幼稚園によく行きますが、とても感心させられることが多く、保護者の就労の事情で保育に欠けるとされた子どもが、その教育を受けられないというのは改善すべきだと常々思っていましたので、認定こども園の設置の意義も感じています。幼保一元化という言葉どおりになっているかどうかはまだまだ課題がありますが、認定こども園がふえてきたことに一定の前進を感じています。
 東京都は、職員資格や施設設備に関する国基準を緩和し、大都市東京の特性に配慮し、柔軟な教育、保育の提供を可能にする仕組みをつくってきました。現在の国の制度には課題がありますが、事業者の参入障壁をなくし、緩和された東京都の制度がどのように生かされてきたのか、幾つか質問をしてまいります。
 国の動きも不確定ではございますが、今後、こども園に移行する幼稚園や保育園がふえてくることと思います。平成二十三年四月一日現在、全国で七百六十二カ所、東京都では六十五カ所の認定こども園があると聞いておりますが、これは当初の計画と比較して順調に推移しているのでしょうか、お伺いします。

○秀嶋事業推進担当部長 国は、平成二十年に閣議決定された教育振興基本計画の中で、認定こども園の整備目標について、計画期間中である平成二十四年度までの早期に二千件以上になることを目指すとしております。東京都では、保育サービス全体の目標を設定しておりますが、認定こども園単独での目標は設定していないところでございます。

○田の上委員 都では、認定こども園自体の目標設定をしていないということですが、国の当初目標からは明らかに異なる結果となっています。
 それでは、東京都の認定こども園を利用する定員数と利用児童数は、どのようになっているのでしょうか。

○秀嶋事業推進担当部長 保育施設の利用児童数につきまして、まず、認可保育所、認証保育所など、保育制度ごとに集計を行っているところでございまして、認定こども園としてはこれらの保育制度以外の部分でございます。まず幼保連携型を構成する幼稚園の保育に欠ける子と幼稚園型の保育に欠ける子について集計を行っているところでございます。平成二十三年四月一日現在でございますが、この二つの類型の合計で、定員は二千四百五十三人、利用児童数は千八百八十人となっております。

○田の上委員 非常に複雑な仕組みなんですが、幼保連携型と幼稚園型の保育に欠ける子どもについて、数をお答えいただいたというところです。統計の方法により、認定こども園全体の利用児童数はわからないということかと思います。現在ある施設において、保育に欠ける子どもの受け入れはまだ余裕があるということだけはわかりました。
 幼稚園の児童数は学校基本調査になると聞きましたが、保育に欠けない子どもも含めての数くらい把握できるように、何とか工夫ができるのではないかと思いますので、今後ご努力いただきたいと要望いたします。
 東京都では、独自の補助制度、すなわち補助率二分の一の制度があり、他の道府県と異なり、サポート体制も進んでいるものと思いますが、例えば新宿区では、平成二十七年度までに区立保育園全園を認定こども園に、また幼稚園を十園残してすべて認定こども園にする予定と聞きます。自治体によって積極的に進めているところもあれば、全く認定こども園がない自治体もあります。これについて、福祉保健局の認識を伺います。

○秀嶋事業推進担当部長 待機児童を解消するためには、地域の実情に応じた多様な保育サービスを総合的に展開する必要がございますが、どのような保育サービスを提供していくかについては、保育の実施主体でございます各区市町村が地域の実情に応じて判断するものでございます。
 都といたしましては、区市町村が保育サービスを適切に提供できるよう支援を行っているところでございます。

○田の上委員 認証保育所と同様に、区市町村がまず判断をして都の認定へと進んでいくのですから、地域の実情があるのは当然でございますが、都は、地域における保育サービスの供給体制は認可保育所、認証保育所、認定こども園、家庭福祉員など、さまざまな保育資源を活用して確保していくべきものとし、ここ数年は、保育サービス拡充緊急三カ年事業としても定員増を図ってきたのではないでしょうか。東京都は、認定こども園についての促進の必要性をどのように考えているのか、改めて伺います。

○秀嶋事業推進担当部長 どのような保育サービスを提供していくかについては、保育の実施主体でございます区市町村が、地域の実情に応じて判断するものでございますが、認定こども園についても保育サービスの拡充に向けて活用すべき制度の一つと考えております。

○田の上委員 また同じようなご答弁がございました。地域の実情に応じて設置するものであり、保育サービスの拡充の一つの制度だということでございますが、認定こども園は、あくまでも区市町村の選択肢の一つというお考えなのかなというふうに思います。
 東京都の認定こども園を見ていくと、幼稚園型が多いんですが、一方、保育所型が少ないように見受けられます。この原因はどのようにお考えでしょうか。

○秀嶋事業推進担当部長 認定こども園は、保育に欠けない子も受け入れる施設でございまして、保育所型認定こども園については、保育に欠ける子どもの利用が制限される可能性もございますことから、待機児童が多数いる中、保育の実施主体でございます区市町村が、保育に欠ける子に対するサービスの拡充を優先しているためというふうに考えております。

○田の上委員 保育所型認定こども園は、保育に欠ける子どもの利用が制限されるというご答弁でございました。つまり、保育所型では、待機児童の解消は図れないという意味かと思います。保育所型では、幼稚園児の受け入れがあるため、全体の定員の変更をしない限りは、保育に欠ける児童の受け入れ枠が小さくなってしまいます。
 そこで伺います。都では、認可保育所や認証保育所、認定こども園など、多様な保育サービスを組み合わせて定員増の整備をしてきました。福祉保健局、生活文化局、教育庁と三局にかかわるので、それぞれの認識も異なるのかもしれませんが、そもそも、この認定こども園に待機児童の解消の役割は期待できるものなのでしょうか、改めて伺います。

○秀嶋事業推進担当部長 どのような保育サービスを提供していくかにつきましては、先ほども答弁いたしましたが、保育の実施主体でございます各区市町村が地域の実情に応じて判断するものでございますが、認定こども園につきましても、保育サービスの拡充に向けて活用すべき制度の一つとして、待機児童解消に資するものであるというふうに考えております。

○田の上委員 保護者の就労増加と保育ニーズの高まりの中、公立幼稚園が廃止になる傾向が見られます。今までの都議会の質疑の中では、都内の私立幼稚園で、定員に対する在園児数が少ないという話もございました。幼児教育など、幼稚園ならではのよさを生かすために、廃止になった幼稚園を認定こども園にすることも考えられます。
 国のQアンドAでは、地方裁量型の認定こども園において、運営費等補助の対象となっていないところに入所する児童は、待機児童のカウント数から外れないということが書いてありました。幼稚園型であれば、年齢区分型のゼロ歳から二歳児の保育と、年齢区分型、単独型の三歳から五歳児の保育で、保育に欠ける児童を預かることができると考えますが、これは待機児童の解消にならないのでしょうか、伺います。

○秀嶋事業推進担当部長 東京都におきましては、地方裁量型認定こども園は認証保育所の基準を満たすことを認定要件としております。すべての園が運営費補助の対象となるとともに、その利用児童は待機児童算定から除外されているところでございます。
 また、幼稚園型の認定こども園の利用児についても待機児童算定から除外されることから、認定こども園制度は、多様な保育サービスの一つの類型として待機児童解消に資するものと考えております。

○田の上委員 東京都独自の基準があるということですが、東京都の場合は、地方裁量型の保育所部分が認証保育所が基準になっているため、待機児童から外れる。また、幼稚園型についても、運営費等補助の対象となっている保育所しか対象としていないため、ここに入れば待機児童から外れるということと理解をしています。
 東京都は四類型のどれを進めたいということはいわないのでしょうが、待機児童解消という観点から見ると、幼稚園型などが具体的に待機児の課題に貢献するということかと思っております。
 次に、今までに幼稚園で受け入れていた発達障害など軽度の障害児や、保育園で受け入れていた障害児について、基本的に選定が自由な認定こども園ではどのように受け入れをしているのでしょうか、伺います。

○秀嶋事業推進担当部長 認定こども園におけます入所の決定は設置者が行うものでございまして、公立の認定こども園については区市町村が、私立の認定こども園については、それぞれの設置者が障害児についても入所の決定を行っているところでございます。

○田の上委員 国の指針において、認定こども園は障害のある子どもだけでなく、児童虐待防止の観点から、特別の支援を要する家庭、ひとり親家庭または低所得者家庭の子どもなど、特別な配慮が必要な子どもの利用が排除されることのないよう、入園する子どもの選考を公正に行わなければならない。また、認定こども園は地方公共団体との連携を図り、こうした子どもの受け入れに適切に配慮しなければならないというふうにされています。
 今後、国の制度改正が加速すれば、こども園化は進んでいくものと考えますが、特別な配慮が必要な子どもの入園が担保されなければ、行き場がなくなってしまうのではないかと懸念するところです。基本的に選考は設置者の判断とはいえ、東京都がしっかりと指導監督をするべきですし、区市町村が関与するように求めていくこともできるのではないかと考えます。
 東京都では、保育サービス全体では目標が設定されているのに、個別の事業では数値の設定がなく、また利用児童数の全体数すらつかめません。都が今後、認定こども園の設置促進をしていきたいのかどうか意欲が感じられず、また課題の解決に前向きとは思えません。都は、区市町村に保育の選択肢を与えるために制度を整えたにすぎないという印象があります。
 以前は、待機児童の解消についても、「十年後の東京」で全体数が示され、認定こども園での人数も答弁されていたかと思います。待機児童の解消を認定こども園が担えるのかどうかということも、東京都の指導力次第ではないでしょうか。今後いやが応でもこども園化するという動きになったときに、どのように対応するかは受け身ではよいとは思いません。東京都としての強いスタンスがなければ、認定こども園の魅力も全く伝わりませんし、国も含め、所管が複数になるというような縦割りの弊害など、諸課題の解決にもつながりません。
 現在、認定こども園を運営している方や利用者の声を聞きながら、国にしっかりと主張していくぐらいの意気込みを持っていただきたいと強く要望させていただき、質問を終わります。

○三原委員 一時からもう六時間になりまして、理事者の皆さんもご苦労さまですけど、もう一息ですから頑張っていただきたいと思います。
 ちょっと細かいことで恐縮なんですけれども、さきの定例会のときに、私債権の放棄というような質疑があったような気がいたしますので、それに関連してちょっとお尋ねをしておきたいなと思いますので、よろしくお願いします。
 福祉保健局全体で、いわゆる収入未済の金額は総額でどれぐらいになるのか。また、その中で、回収見込みの立たないもの、回収不能といっては失礼でしょうけど、回収見込みの立たないものがどれぐらいあるのか、この二つの数字を出してください。

○浜企画担当部長 平成二十二年度決算における福祉保健局の収入未済額は、一般会計、特別会計を合わせまして九十九億七千七百九十八万五千十一円でございます。このうち、東京都債権管理条例及び東京都債権管理マニュアル等に基づき、債務者に対して督促等を行うなど徴収努力を行った結果、債務者の倒産、破産、明らかな無資力、所在不明など、事実上回収見込みの立たない債権の総額は、公債権、私債権を合わせまして十億七千七百九十万三千円でございます。

○三原委員 改めて聞くと、九十九億七千万の収入未済金というんですから、一口にいうと約百億ですね。これは皆さんひとつ十分認識をしていただきたいと思います。また、回収不能というか、回収見込みの立たないのが十億七千万あるというお話でしたから、したがって、収入未済、今からいただかなきゃいけないんですけど、現時点ではまだいただいておりませんというのが九十億ぐらいあるということですから、これは大変だなと私は思うんです。
 たしか病院経営本部が受診をされた方から回収できていない支払いが二十億とか二十二億あるという報告も聞いたことがあります。それから、我々がよく耳にすることで、都営住宅の使用料滞納というのがあります。これも都がいただくべきものがいただけてないという数字ですけど、これもたしか二十四億ぐらいなんですね。だから、比較すべきことではないかもしれませんけど、二十億とか二十四億とかという数字と比べて、約百億、あるいは回収見込みが立たないからあきらめてますというのも引くと、それでもまだ九十億ぐらい回収してない収入未済のお金があるということは、ちょっとやっぱり認識を新たにしなきゃいけないかなという気が私はします。
 そこで、回収見込みの立たない、十億七千万ぐらいあるんですけど、この内容はどんなものでしょうか。金額とかを教えてください。

○浜企画担当部長 平成二十二年度末で回収見込みの立たない債権でございますが、昭和四十五年度から平成八年度まで、生業に必要な資金を貸し付けていた同和生業資金が三百四十九件で四億二千九百二十四万四千円と一番高額となっております。
 本債権は、時効期間が経過後、時効の援用があった債権等につきましては、財務局と協議の上、不納欠損処理を行い、また時効の援用が得られない債権につきましては、財務局及び主税局と協議の上、東京都債権管理条例に基づく債権放棄を行うこととなります。
 次いで高額なものといたしまして、平成十年度、十一年度に整備費補助を行いました老人保健施設施設整備費及び設備整備費補助金の交付決定取り消しによる補助金返還請求に係る違約加算金及び補助金返還金でございまして、それぞれ二億七千六百八十万八千円、二億五千四百五十九万四千円となってございます。これらの債権は、平成十九年度に法人が破産手続を開始いたしまして、既に一部が収入済みとなった後のものでございます。本年度末に不納欠損処理をする予定でございます。

○三原委員 私の計算が間違っていたら申しわけないですけど、九億六、七千万円は回収できないということで、不納欠損処理あるいはまた私債権の放棄みたいなことになるということで、これはやむを得ないといってしまえばそれまでなんですけど。ただ、私は、旧来の委員会でも、余り私債権を回収するのに力が入り過ぎると、本来の業務が少しお留守になってはいけないということもありますので、せっかく私債権放棄の条例もできたことですから、適切に私債権を放棄していくのはやむを得ないことだというふうに思っていまして、そういう意味から、これは仕方がないなと、こう思うんです。しかし、収入未済で回収可能性があるという、回収しなければいけないという建前の約九十億ですけど、その中で最も高額なものといいますか、そういうものを提示していただきたいと思います。

○浜企画担当部長 平成二十二年度決算における収入未済額のうちでは、母子及び寡婦福祉法に基づく母子福祉資金が百五十万六千五十件で、六十九億二千四百四万八千円と一番高額になっております。次いで、同和生業資金が七百六十件で九億五千百八十五万八千円となってございます。

○三原委員 お話の同和生業資金の貸し付けなんかはたしか平成八年ですか、事業は終わっていますから、これからいろんなことが起きるということはないので、それは回収しなければいけないことに変わりありませんけど、母子福祉資金の方は六十九億か七十億か収入未済金があるということのようですけど、これはこれからも事業は続いていくわけですし、当然ふえてくる可能性もあるかなという気がしますが、この母子福祉資金の貸し付けの内容、これを少し詳しく説明してください。

○桃原少子社会対策部長 母子福祉資金の平成二十二年度におけます貸付金額は約四十一億円、貸付件数は八千三十三件でございました。貸し付けの多くは、母子家庭の子どもの大学の入学金や授業料などに充てるための資金となっておりまして、その分につきましては合計約三十九億円、貸付額全体の約九五%を占めております。近年の大学進学率の上昇などを背景に、ここ数年、単年度の貸付額は増加しております。
 償還期限の到来した貸付金のうち収入未済額は、先ほどの答弁にありましたとおり、約六十九億円となっておりまして、母子家庭を取り巻く厳しい雇用環境なども反映いたしまして、これも増加傾向にございます。償還金は次の貸付金の財源になりますことから、償還を促進することが重要であると認識しておりまして、実際に事務を担っている区市などに対しまして、さまざまな働きかけを行っているところでございます。
 具体的には、区市における事務改善を図る観点から、連帯借受人である子どもの面接など、適切な貸付時の審査の実施や、借受人である母親だけではなく、連帯借受人である子どもや連帯保証人に対しても債務の履行を促すなど、未収金の回収に関する取り組みの徹底を図るため、区市の職員を対象とした研修を毎年実施しております。さらに、償還率の低い区市に対しましては、これらの指導内容を直接行っているところでございます。

○三原委員 内容はわかりましたが、私なりに調べたところで、逆に私の方からも説明しておきたいと思いますけど、平成十二年と平成二十二年と、この十年間の動きで、貸付件数は平成十二年ごろは七千九百件ぐらいが、今は約八千件ぐらい、百件ぐらいしか伸びてないですね。貸付金も今四十一億というお話がありましたが、十年前は三十二億ぐらいですから、貸付金も九億ぐらいしかふえてない。
 ところが、ここから重要なんで、平成十二年の収入未済金は二十九億、つまり、回収しなきゃいけないけど、できてないというのが二十九億。ところが、十年たった平成二十二年だと六十八億。この十年間で貸付件数は百件伸びて、貸し付けたお金も九億円伸びてますけど、収入未済で回収しなけりゃいけないというお金は四十億ふえているんですね。だから、ここは十分に認識をしていかなきゃいけないなというふうに思います。
 お話にもありましたように、高学歴社会になったり、あるいは社会情勢全体が変わったり、さらには昨今は非常に景気の低迷があったりして、非常に社会的弱者の立場にあられる方は大変だろうということはよくわかります。
 ですから、そのことは重要なんですけれども、収入未済金はどんどんふえていっているということは我々が認識していかなきゃいけないことだと、こう思いますが、もう一つ、新聞で最近見させていただいて、不勉強だったんですけど、生活福祉資金というのが全国で三百七十五億ぐらいやっぱり回収できなくなっていると、こういう報道がありました。これも全国的な数字で大きいんですけど、東京都もきっと大きいだろうなと、こう思いますけど、どうでしょうか。

○市川生活支援担当部長 生活福祉資金貸付は、東京都社会福祉協議会が貸付主体となりまして、低所得者世帯等に日常生活で一時的に必要となる資金や、就学のための資金などを貸し付けるとともに、必要な相談支援を行うことによりまして、世帯の経済的自立の促進等を図ることを目的とした制度でございます。
 本制度は、昭和三十年に創設されましたが、近年では離職者等を対象とした総合支援資金貸付の創設や、本年の震災被災者への特例貸付の実施など、社会経済情勢の変化に応じた制度運用を行っておりまして、平成二十二年度末までに貸し付けた額が累計で約三百四十五億円に達しております。このうち未回収となっておりますのが、二十二年度末までの累計で約四十一億七百十万円となってございます。
 回収に向けた取り組みについてでございますけれども、三カ月間連続して償還されない場合には、東京都社会福祉協議会が定期的に督促状を送付いたしますとともに、また長期にわたり償還されない場合には、必要に応じ、弁護士名による督促状の送付や、訴訟の提起なども行っているところでございます。
 なお、死亡や破産等によりまして償還が見込めない場合には、世帯の状況に応じまして償還免除などの手続を行っております。
 都といたしましては、本制度がその目的に照らし適切に運用されるように、今後とも東京都社会福祉協議会と連携いたしまして、適正な債権管理に努めてまいります。

○三原委員 それでは、わかりました。生活福祉資金は四十一億回収できていないということですが、お話の中にもありましたけれども、私は、皆さん方の努力が足らないとか、もっと厳密にやりなさいとか、そういうことを申し上げるつもりはありません。社会的弱者の人をしっかりお助けをするというのが福祉保健局の大きな役目でもありますし、この委員会だって、そういうことを主眼に皆さん方もきょうずっと審議をしておられるんですから。
 ただ、数字的なことはしっかり、役所の人も、そして我々も認識をしなくちゃいけない。決してわずかな金額という話じゃないですから。地方自治体だと、市とか町で、あるいは村では、年間二十億とか三十億という財政で切り盛りしているというようなところもあるわけです。ところが、東京都は百億も収入未済金があるよとかいわれたら、えらいルーズなことをやっているんじゃないかと誤解を招きますから、そういう意味で、みんなで認識しなきゃいけない、こう思いますし、決して私自身の発言が誤解を招いてはいけない、こう思いますが、ただ一点だけ、役所の皆さんにはちょっと釈迦に説法かもしれませんけど、ぜひ議員の皆さんも認識してもらいたいと思いますけど、母子福祉資金の場合も、国と東京都が貸付原資を出して、実務は区とか市、町村は別ですけど、区とか市にお願いをしています。貸付手続も、返してくださいという手続も、全部区市にお願いしていると、こうなりますね。
 それから、生活福祉資金も、国と都が貸付原資は出していますけど、東京都社会福祉協議会に任せてますからと、こういうことです。そこが私は若干問題があるのではないかなというふうに思います。
 大変失礼ないい方かもしれませんけど、東京都は、区市に事務はお任せしておりますのでと、こうなる。区市からいうと、これは国と都のお金ですから、うちは条例で事務処理だけ引き受けているのでと、こうなっちゃう。生活福祉資金も同じですね。国と都がお金を出して、社会福祉協議会が事務処理をやりますから、あれは社協が事務処理をしておりますのでと、こうなるし、社協からいうと、国と都が出してくれるお金で、足らないとまた出してくれるものですからと、こうなってしまうので、その辺で心の緩みが出てはいけないなということを非常に感じますから、ぜひ、皆さんには失礼かもしれませんけど、局の幹部の方も、十分、区や市と連携を密にしていただいて、収入未済金がかなり大きいよということを頭に入れて事務処理をしていただきたいなと、こう思います。
 収入未済のことについてはその程度にいたしまして、次に、前の、第一定だったでしょうか、皆さん方、大変議論されたんですけど、通所介護事業所で宿泊サービスをする。これは大変重要というかニーズが大きくて、積極的にやっておられる。
 ところが、実際に、どなたかの委員の質問にもありましたけど、お泊まりサービスをやっているところを現実に見ると、プライバシーも余り確保されてない、非常に衛生状態がよくない。あるいは、一番心配なのは、緊急時、火事とか地震とかいうときに、何人かのお年寄りが寝ておられるのに、当直している人は一人しかいないから、どうして助け出すんだよと、これは大問題だよという議論がここでもえらい活発に行われました。
 そこで、東京都は、国がなかなか制度化しないので、一歩先んじて、それじゃ、指導指針みたいなのをつくって、届け出をして、その内容をまた公表して、業界といいますか、通所介護事業所の宿泊サービスをより適切なものにしていこう、こういうことでございました。
 五月に届け出制を始めて七月から公表すると、こういうことだったんですけど、どのように今進んでいるのか、状況を教えてください。

○中山高齢社会対策部長 お答えいたします。通所介護事業所等が自主事業として実施する宿泊サービス、いわゆるお泊まりデイは、単身高齢者や高齢者のみ世帯の増加、仕事を持つ家族介護者の増加などを背景に、比較的簡便に利用できるものとして急速に利用者が増加してまいりました。
 このような状況を踏まえまして、都は昨年十二月に実態調査を実施し、この結果をもとに、利用者の安全を確保し、適正なサービスが提供されるよう、独自の基準を示し、届け出、公表を行う制度を本年五月一日より施行しております。
 この基準は、人員基準や居室面積などの設備基準のほか、健康への配慮や非常災害時の対応、必要な消防設備の設置など、適切なサービス提供のために必要な事項を盛り込んでおります。
 現況でございますが、本年十一月一日時点で二百二十の事業所から届け出を受理しました。そのうち八十一事業所について、都において届け出内容の確認、指導を行った後、福祉保健局のホームページに掲載をしております。
 これまでの成果でございますけれども、この届け出、公表制度を実施することによりまして、区市町村においても基準に沿った指導ができるようになりました。また、事業者みずからがチェックを行いながら、基準に沿った適切なサービス提供に努めるようになってきていると考えております。

○三原委員 なかなか大変なところを事務処理していただいていてありがとうございます。国が制度化してくれなきゃいけないんだと思いますので、都は、これからそれに向かってどういうふうに取り組まれるかをお尋ねしたいと思いますが、同時に、これは私は考えているだけですけれども、届け出をして公表はしてもらっているけど、例えばホームページで公表してますといったって、高齢者が一々ホームページを見て、この介護事業所は大丈夫とか大丈夫じゃないとか、判断するかどうかわかりません。もちろん家族の人が判断するんでしょうけど。そういう届け出がされたということをちゃんと明示するようなこともあってもいいんじゃないかなと、こういう気がいたしますけどね。
 したがって、都は、これからどういうふうに--いいことだと思いますけど、さらにどういうふうに積極的に進めようとしておられますか。

○中山高齢社会対策部長 現在、届け出をした事業所の数は確実にふえておりまして、この都独自の取り組みは、事業者及び都民に理解されてきているものと考えております。
 しかしながら、こうした新たなサービスにつきましては、本来、国において、基準や届け出の仕組みなどを法令で位置づけるべきものであります。都は国に対して、必要な法整備等を早急に行うよう提案要求をしてまいりました。
 今後、国において法整備が行われるまでの間、区市町村等関係機関と連携しまして、未届けの事業所への届け出勧奨や、必要に応じて事業所を訪問し、適切なサービス提供に向けた指導を行ってまいります。とともに、国に対しては引き続き提案要求をしてまいります。
 また、ただいま先生のお話にありましたような表示の仕方、これについても、公表制度の推移を見ながら工夫をしていきたいと思っております。

○三原委員 どうぞひとつ、国に対しての働きかけは、我々委員も一緒にやらなきゃいけないと思いますし、制度化されれば、もっといろんな対応がよくなっていくだろうと思います。また、都の努力で、届け出制というものは非常に効果が出てくるわけですから、どういうふうに表示したら、この事業所はちゃんと届け出てちゃんとしてますよということを理解してもらうというのはいいことだと思いますから、ぜひ表示の仕方を考えてみてください。
 そこで、高齢者の住まいというのが、私はこれから福祉保健局の一番重要な仕事になるというふうに思っています。先ほどもご質問の中で、これから高齢者の人が非常にふえるというお話が出てまいりました。もちろん私がいうまでもなく、東京都は例の新しい住まいに関するプロジェクトといいますか、猪瀬座長のプロジェクトでもって、俗にいう東京モデルの一と東京モデルの二とシルバー交番と、三つの事業をやりましょうと、こういうふうにやってきているわけでございます。
 国の方も、高齢者の住まいに関する法律というのを改正して、サービスつきの高齢者向け賃貸住宅というふうに一本化してやっていくということになったようで、今までは何度説明を聞いても、高円賃とか高専賃とか高優賃とか、説明が終わったらすっかりわからなくなるというややこしい制度だったんですけど、今度はサービスつき高齢者向け住宅、非常にわかりいいので、何でこんなことを早く改正しなかったかなと思いますけど、そういうことを運用していただければいいんですが、とにかく、高齢者の住まいということが一番重要になってくるわけなんですけど、たまたま私が見ていた資料でそうだなと思いましたけど、内閣府の調査で、高齢者のひとり住まいの人は何が心配ですかといったら、それは、ひとり住まいですから、病気になったらどうしようと、こういうことを一番、心配されている。
 それから、ご夫婦で住んでおられる高齢者の方でも、一人になってしまったらどうしようかと、連れ合いのどちらかが亡くなれば一人になるわけですから、一人になったらどうしようか。それからまた、ひとり住まいであろうと夫婦であろうと、非常に孤独な感じがしてくるというか、孤独感に悩まされるというか、そういうことが一番心配だと、こういうことが発表されておりました。
 もう一つ、これは余りこういう席でいうことでもないんでしょうけど、二十三年版の高齢社会白書では、東京二十三区内で六十五歳以上で自宅で亡くなった方が毎年二千人程度、二十三区内で毎年二千人程度、自宅で亡くなっている方が、これ、ひとり住まいで孤独死といわれる方がほとんどだと、こういうんですね。
 余分なことなんですけど、皆さんおなじみの都営住宅で、病気でお亡くなりになって、後から数日たって発見されましたというのがあるわけですけど、どれぐらいあるのと聞いてみましたら、年間に四百人、これはいわゆる孤独死というか孤立死ということに近いと思います。
 これは、二十三区で二千人とか、都営住宅の二十六万戸の中ですけれども、四百人とかというのが孤独死というようなことになると、これはやっぱり我々は非常に関心を持たなきゃいけないことだ、こう思います。
 そこで、じゃ、どうするのということをいえば、高齢者の住まいとして見守り機能、これがつけば、いわゆる孤独死みたいなことにならないんだろうと、こう思うんですけれども、国の方のいうところのサービスつき高齢者専用住宅というのは、見守り機能というようなものがついてバリアフリーになっているということをいっているようで、これは都市整備局さんが対応して民間にも支援をしていこうと、こういうことでございますし、逆に、福祉保健局の方は、そういったものに医療と介護を連携させた高齢者の専用賃貸住宅をモデル事業としてやろうと、こういうふうに発想されたわけです。これは非常にいいことだと思いますが、まずその医療・介護型、これの連携賃貸住宅のモデル事業がどう進んでいるか教えてください。

○中山高齢社会対策部長 都は平成二十一年度から、高齢者が医療や介護が必要となっても安心して住み続けられる住まいの充実を目的としまして、東京都医療・介護連携型高齢者専用賃貸住宅モデル事業を実施してまいりました。この事業は、サービスつき高齢者向け住宅を運営する事業者と医療事業者及び介護事業者の三者が相互に連携して、入居者に対してサービスを効果的に提供することができる体制を整えた場合に、整備費の一部を補助するものでございます。
 これまでの実績としましては、医療法人や社会福祉法人を中心とした六件の住宅を選定しておりまして、そのうち三件が開設しております。また残り三件のうち二件は、この十二月に開設する予定となっております。
 今後、公募の実施とあわせまして事業の検証を進め、高齢者が医療や介護が必要となっても安心して住み続けられる住まいの充実を図ってまいります。

○三原委員 モデルケースというんですけど、何もそれで終わらなくてもいいので、どんどん進めながら、ぜひモデルが実際になるように進めてもらいたいと思いますし、私どもも、たしか第一号の日野市だったと思いますけど、視察をさせていただいて、非常に期待できるなというふうに思いました。
 もう一つ、都有地を活用しようというのが積極的に出てきているんですけど、都有地が活用できる施設と、残念ながら都有地は使えないんですよという施設があるんですけど、その辺、ちょっとわかりやすくいってくださいますか。それと現況ですね、数字。

○中山高齢社会対策部長 都は、介護保険施設などの整備のため、平成十五年度から、都有地活用による地域の福祉インフラ整備事業を実施しておりまして、対象となります施設は、高齢関係では特別養護老人ホーム、認知症高齢者グループホーム、小規模多機能型居宅介護事業所等でございます。
 平成二十一年度までに六カ所の都有地について活用を図ってまいりました。さらに、平成二十二年度からは、関係局と連携し、さらに多くの未利用地について区市町村の利用意向を確認した結果、現時点で七カ所の都有地について、貸付対象事業者の公募を実施しております。現在施設を整備中のものが三カ所、事業者を決定したものが二カ所、事業者を選定中のものが二カ所という内訳でございます。
 また、これとは別に、現在、区市町村から利用意向が示されました十二カ所の都有地につきまして、活用に向けて条件整備を進めております。
 今後も、高齢化の進展により増大する介護ニーズに対応するため、区市町村とも連携を密にし、都有地を有効に活用した介護保険施設等の整備促進を図ってまいりたいと考えております。

○三原委員 平成十五年から六、七年で六カ所ぐらいだったというのが、一年に一カ所ぐらいしかできなかったのに、ここ二年間で七カ所も手が挙がってきているというのは、非常に皆さん方の努力だろうと思います。
 一つだけ、私の疑問ですから、今答えていただかなくていいんですけど、都有地の場合は、いわゆる土地の使用料というか賃料を五割引きにしていただけるんですね。それから、保証金を三十カ月とかというんですけど、施設整備のために補助金なんか出したりして、えらい厳密に審査して指定するんですから、余り保証金って取らなくてもいいんじゃないかなというふうに私は思うんです。ご検討してみてください。
 それから、都有地が使えるのは、介護保険法とか高齢者福祉法とかいう法的に指定されたというか認められた施設で、特養とか何とかということになっちゃうんだろうと思うんですけど、せっかく皆さん方が考えておられる医療・介護連携型のモデル事業のやつは、都有地というか公有地は使えないんだそうですね。これが非常に残念なので、ぜひ、そういうのも使えるように、これは財務局を説得しなきゃいけないのかわかりませんけど、ぜひ頑張ってもらって、できるだけそういう施設をどんどん公有地の中につくっていく。それは都有地だけじゃなくて、お話にも出ましたが、区市町村の土地も使っていくと。
 特に医療・介護連携型なんかは大きい施設じゃありませんので、区有地、市有地でも結構できると思うんですよね。特養とかいった施設は非常に敷地が広くなりますから、どうしても都有地になるのかなという気がいたしますが、ぜひ医療・介護連携型のモデル事業が公有地でも実施できるというふうに、我々も協力をして財務局を説得するというところで力を発揮してもらいたい、こう思います。
 最後に、局長にご決意のほどを聞きたいなと思っているんですけど、私は、高齢者の住まい、そのために公有地、都有地を使うというと、最終的には私は都営住宅の活用だといい続けているんです。なかなかとっぴな話でだめなので、都市整備局にいうと、ハードの部分は我々ですけど、ソフトの部分は福祉保健局ですから、どうもそれは手が出せませんとかいうし、失礼ながら皆さん方にそういうと、いや、これは地域事情もあったり介護保険法のこともありますから、区市町村が主体になってやっていただかないととかって、なかなかかみ合わないんですよ。
 ですけれども、私は、これから都営住宅の建てかえなんかどんどん進んでいきますから、大体一団地というと、五つとか六つとか七つの棟がありますから、その中の一棟を建てかえたのを機会に、高齢者の専用の住宅にする。先ほど皆さん方が提案して実行しておられる医療・介護連携型で、一階のところにそういう機能をつければ、見守り機能もできるし、介護もできるし、医療もできるということで、都営住宅全体ではありますけれども、年間に四百人からの孤独死の方があるとすれば、もう都営住宅を活用して、そういう高齢者の安心・安全の住まいをきちっと確保していくということにしていかなきゃいけない、こう思うんですね。
 モデル事業でも、たしか六年間で六千戸つくるとかというふうに数字もうたってありますけど、なかなか東京モデル一でも難しいと思うんですよ。さらに、これは私の探してきたデータだから、ちょっと間違っているかもしれませんけど、要介護二の方、要介護三の人、これが医療・介護連携型の住まいに入ってもらうといいだろうなと私が勝手に想像しているんですけど、そういう方で入所を希望している人が九千人ぐらいおられる。その中でも最優先、介護二とか三でも施設に入れてあげた方がいいという方は千六百人ぐらいおられるというんですけど、そういう人たちを特別養護老人ホームというような施設に入れるよりも、入れるというか入っていただくよりも、医療・介護連携型の住まいの方に入っていただく方がよっぽどいいと私は思うんですね。
 そういうことを考えると、都有地をどうとか、区とか市の土地をどうとか、民間の参画していただく事業者の皆さん、どうでしょうかとかいうのも重要ですが、せっかく東京都は二十六万戸の都営住宅、土地と建物を持っていますから、それは全部そうしようというわけじゃありませんけど、仮に一割やっても二万六千戸、五%やっても一万三千戸、一万三千人の人がそういう安全・安心の建物の中で生活をしていただけるようになる、こう思いますから、私は何回も何回もいい続けていきたいと思いますけど、福祉保健局の皆さんと都市整備局の皆さんがしっかりスクラムを組んで、ぜひその方向にかじを切っていただかないと、これから先の、高齢化社会がどんどん進んできて、そこに医療と介護が絶えずついてくると、こうなれば、そういう措置をしていかないと大変ではないかなというふうに思います。局長のご意見をご参考に聞きたいと思います。

○杉村福祉保健局長 ただいま三原理事から、これからは高齢者の住宅の確保が福祉保健局で大変重要な課題ではないかというご指摘をいただきました。
 我々としても、高齢者が安心して住める住まいを整備するとともに、医療や介護、見守りなどの生活支援サービスを日常生活の場で切れ目なく提供していくことが大変重要であるというふうに認識をいたしております。
 このため、都は、先ほど部長から答弁を申し上げましたモデル事業の実施のほか、区市町村が地域の実情に応じて行う医療と介護の連携のための取り組みや、自治会、町会、民生委員などによる声かけや安否確認など、さまざまな取り組みについて、包括補助事業を通じて支援を行っているところでございます。
 また、現在、先ほどお話がございました都営住宅を含めた集合住宅など、高齢者が安心して暮らすことのできる住まいの供給促進を図りますために、福祉保健局と、都営住宅を担当いたします都市整備局の間で、実務者レベルでの連絡会議を設置いたしておりまして、両者の連携の強化に努めているところでございます。
 今後とも、高齢者に必要なサービスを切れ目なく提供していくという地域包括ケアの視点に立ちまして、関係部局、そして区市町村と緊密に連携いたしまして、地域におけるさまざまな取り組みを推進し、かつ高齢者の安心して住める住宅の供給促進に向けて最大限努力をしてまいりたいというふうに考えております。

○たきぐち委員 それでは、きょう最後の質問をさせていただきたいと思います。
 救急搬送、東京ルールについて伺います。
 東京ルールの運用が開始されてから二年が経過いたしました。昨年七月からは、東京都全体での運用が始まっている状況です。東京ルールというのは、患者を迅速、的確に医療機関へと搬送するために、限られた医療資源を必要なところに投じられるよう、ルールづくりをしたものと認識をしております。
 昨年の秋、救急搬送の実態調査を実施して、ことし二月に結果が発表されたところでありますが、この調査結果と直近のデータから、東京ルールによる効果が得られているのか、改めて浮き彫りになった課題はあるのかという観点から、何点か質疑を行いたいと思います。
 まず、東京ルールの運用開始によって、長時間にわたり搬送先が決まらなかった状況が改善されているのか、都の認識を伺います。

○中川原医療政策部長 救急医療の東京ルールの全都での開始を機に、都では昨年九月二十七日から一週間、東京ルールによります搬送調整の対象となりました救急患者を含めたすべての救急搬送の実態につきまして調査を行いました。
 この調査結果では、東京ルール開始前と比較すると、救急隊の医療機関への受け入れ照会回数が減少したことが明らかになりました。具体的には、一回の照会で決定した割合は七一・二%で、東京ルール開始前の平成二十年の調査と比べますと〇・八ポイント増加しております。また、五回までに決定した割合は全体の九八・〇%で、一・一ポイント増加しており、東京ルールによります効果はあらわれているものと考えております。

○たきぐち委員 今ご答弁がありましたとおり、今回の調査で、医療機関への受け入れ照会回数が減少した、効果があらわれているということでありました。東京ルールの運用によって、これまで例えば一時間たっても受け入れ先が決まらなかったような事例が減少したのかどうか。あるいは、東京ルール適用事案、すなわち搬送先選定困難事案そのものが減少しているかどうかということも効果をはかる尺度ではないかと考えております。
 その観点からいえば、東京ルール事案とならない五回までの受け入れの照会で決定した割合が高まっていることや、東京ルール事案の中でも、受け入れが決まるまでに十一回以上の照会を要した割合が減少している結果は、効果のあらわれと見ることができると思います。
 救急隊の方に話を聞きますと、照会をする過程、これは受け入れを断られる過程も含めて、隣でご家族も聞いている中で、東京ルールという制度ができたことによって、ご家族に対する説明がしやすくなった、決まる確率も高まったという声も聞いておりますので、一定の成果が出ているものと認識しております。
 東京ルール開始から半年くらいたったころに医療関係者に話を伺った際に、東京ルール適用事案が運用開始前に想定していた件数よりも少ない状況に対して、東京ルールの開始によって、指定された地域救急医療センターへの症例の集中を嫌った医療機関が積極的に受け入れを図っていることが関係しているのじゃないかという見方がありましたが、昨年の七月一日からことしの六月三十日までの一年間を見ても、東京ルール適用事案の比率は二・二七%、東京ルール運用開始当初が約六%だったと思いますので、その比率は下がっております。
 診療報酬の改定など、救急医療を取り巻く環境の変化なども背景にあるかと考えますが、医療機関の意識の変化によって救急搬送の受け入れを図って、結果的に、東京ルール適用事案の比率が下がっているとするならば、状況は改善されているんだろうと考えます。
 ただし、件数ベースで見ますと、救急搬送全体の件数が増加傾向にある中で、東京ルール事案は、この二年間、おおむね一日当たり四十件前後で推移をしており、減少はしておりません。
 さらに、二次医療圏ごとに状況を見ますと、その状況は二極化しているようであります。区西北部や北多摩南部など、東京ルール適用事案が減少している地域がある一方で、区東北部、区東部は増加基調にあります。こうした地域差が生じている原因をどのようにとらえているのか、都の認識を伺います。

○中川原医療政策部長 区西北部二次保健医療圏、これは、北区、豊島区、板橋区、練馬区の医療圏でございますけれども、この医療圏では、平成二十一年八月三十一日の東京ルール開始後一年間の一日当たりの件数は五・三件でございましたけれども、本年一月一日から十月末まで、直近の実績でございますけれども、この実績で申し上げますと三・六件ということで、三割以上が減少してございます。
 一方で、同様の比較をいたしますと、区東北部医療圏、これは、足立区、荒川区、葛飾区の医療圏でございますが、四・七件が六・六件に、区東部医療圏、これは、墨田区、江東区、江戸川区の医療圏でございますが、五・三件が七・一件に増加してございます。
 こうした原因につきましては、明確にはなっておりませんが、区東北部医療圏や区東部医療圏での地域救急会議、これは、地域におけます救急医療につきまして検討する会議の場でございますけれども、この場で、ひとり暮らしの高齢者や高齢者のみ世帯の増加率が東京都平均と比べ高いことなどの背景から、患者の受け入れ調整に時間を要しているのではないかという意見がございました。

○たきぐち委員 今ご答弁にありましたとおり、区東北部、区東部という、いわゆる下町地域におきましては、ほかの地域と比べて相対的にご高齢者の方の割合が高い地域であります。この地域で東京ルール事案が増加をしているという傾向は、医療環境との相関関係も含めて、詳細な分析が必要だと考えます。
 このように、医療圏ごとに異なる傾向があらわれていることを受けまして、地域ごとに実情を把握をして対応を検討する、対策を講じるべきだと考えますが、見解を伺います。

○中川原医療政策部長 都では、東京ルール開始後、地域救急医療センターを中心といたしまして、救急患者の受け入れのための連携体制を構築するため、医療圏ごとに先ほど申し上げました地域救急会議でございますが、これを設置しております。
 会議では、圏域内におけます東京ルールの運用状況のほか、救急医療に関するさまざまな課題につきまして、地域の二次救急医療機関や地元医師会なども参画して検討を行っております。
 例えば、ある地域の地域救急会議におきましては、東京ルールによります搬送調整の対象となった救急患者の発生をできる限り未然に防止するため、各医療機関に対しまして、受診歴のある患者の場合には、受け入れをより一層努力するよう働きかけております。
 また、会議に区市町村の福祉部門や警察の参加を促すなど、地域の実情を踏まえた連携体制の構築に取り組んでおります。

○たきぐち委員 地域救急センターを中心とした医療圏ごとの地域救急会議において、さまざまなケースの情報共有を図りながら、対策を検討しているということだと理解をいたしました。
 今答弁にはありませんでしたが、区東部においては、地域救急医療センターの運用を二系列から三系列にする。東北部においては、次の地域救急会議から、区の福祉部門の参加を働きかけると聞いております。こうした地域救急会議に福祉部門の担当者や警察の関係者が参画をすることで、地域の実情に応じた連携体制の構築を進めていくということでありますが、このことによってどのような成果があらわれるのか。また、関係機関が加わっていない医療圏に対して、今後どのように取り組んでいくのか伺います。

○中川原医療政策部長 地域救急会議に福祉部門や警察が参画している地域におきましては、それぞれの機関が連絡窓口を確認することなど、各機関との連携強化が図られました。具体的な例を挙げますと、医療的な処置を終えたにもかかわらず、医師の指示に従わない泥酔者などの対応につきまして、地元警察が署内の連絡先を紹介し、医療機関と新たな連携体制が構築されました。
 また、都は、参画してない地域におきましても、参画している圏域の取り組み状況などについて積極的に情報提供を行い、会議の幹事病院とともに、当該地区の福祉部門や警察に対しまして参画を働きかけております。

○たきぐち委員 医療機関の受け入れをさらに促していくためには、患者の状況によって医療機関に過度な負担がかかることなく、その後の対応へとスムーズに移行できるかにあるかと思います。
 今お話にありましたとおり、例えば泥酔者に対しては、地元警察署の協力が不可欠でありますし、身寄りのないひとり暮らしのご高齢者に対しては、福祉部門の協力が不可欠だと思います。
 しかし、これまでは連携を図るといっても、どこに連絡をしていいかも決まっていなかった状況もあるやに聞いております。今回、具体的な連絡窓口が設置をされて、医療機関と地元警察署と新たな連携体制がつくられた圏域もあるということでありますので、そういった圏域につきましては、さらにこれが連携が深まるよう取り組んでいただきたいと思いますし、まだ関係機関が参加していない地域においても、こうした取り組みを推し進めていただきたいと思います。
 東京ルールは、冒頭申し上げたとおり、迅速かつ的確な医療機関への受け入れ体制の構築を目指したものであります。的確な受け入れ体制が進めば、結果として、搬送時間の短縮に結びつくものと考えております。しかし、今回の調査によると、平均救急搬送時間は五十一・五分と、平成二十年の調査よりも三・四分長くなっております。搬送時間に影響を及ぼす理由をどのように考えているのか伺います。

○中川原医療政策部長 今回の調査結果では、患者の背景や救急隊の活動環境が搬送時間に大きな影響を及ぼすことが改めて明らかになりました。主な要因として、患者の背景では、ひとり暮らし、精神疾患などが挙げられ、こうした患者の場合には、救急隊が搬送先選定に必要な患者の症状や受診歴などを確認するのに時間を要する場合が多いということでございます。
 また、救急隊の活動環境では、医療機関における診療部門や病棟部門などとの院内調整のほか、搬送先医療機関について、患者家族への説明などに時間を要する場合が多いということでございまして、この患者家族の説明につきましては、救急隊はできる限り、患者家族の意向を尊重するとともに、トラブルにつながらないよう丁寧に説明をしており、特に高齢者につきましては丁寧に説明しております。

○たきぐち委員 全体として照会回数が減少したり、東京ルール適用事案の比率が下がっているにもかかわらず、搬送時間の短縮には結びついておらず、逆に伸びている状況であります。
 今ご答弁がありましたとおり、患者の背景や、あるいは救急隊の活動環境、これは今お話の中では、院内調整とか患者ご家族への丁寧な説明というお話がありましたけれども、この調査結果を見ますと、例えば高層階のマンションであったり、あるいは狭隘道路であったり、こうしたことが大きな影響を及ぼすということで、東京ルールの運用だけでは、クリアできるものとそうでないものがあると考えます。
 患者の背景ということで見ますと、東京ルール事案のうち、最も多い患者の状況は精神疾患であり、一七・三%を占めております。都は、こうした身体合併症を有する精神疾患患者に対応する医療機関を四カ所指定するということでありますが、今後の見通し、計画を伺います。

○中川原医療政策部長 東京ルールによります搬送調整の対象となりました救急患者のうち、入院が必要な身体合併症を有する精神疾患患者を受け入れるため、拠点となる病院一カ所と、それをサポートする三カ所の連携病院を指定することとしております。
 現在、拠点となる病院の指定に向けまして、候補の病院と具体的な患者搬送手順などにつきまして調整を進めております。また、連携病院につきましても、医療機関に働きかけを行っており、順次指定してまいります。

○たきぐち委員 都全体で拠点病院一カ所と連携病院三カ所ということでありますので、地理的な要件も含めて、これから調整されていくことになるかと思いますが、精神科医療との連携を早期に進めていただきたいと思います。
 私たちは、救急搬送時間をできるだけ短くするということが必要だと考えております。救急搬送時間の短縮は、当然ながら、救急車や救急隊の活動の拡大、すなわち、医療資源の有効活用に結びつくものでありまして、これが脳卒中の救急搬送やCCUネットワークの運用とも無関係ではないということも考えております。
 今回の調査では、六十五歳以上の方の割合が増加していること、初診時の傷病程度が軽症、中等症の方が重症以上よりも搬送時間が長いこと、軽症の比率は下がってはいるものの、件数は増加していて、依然と五割を超えていることなども明らかになりました。
 シャープ七一一九も徐々に浸透しつつある状況にあるかと思いますが、今後、さらなる高齢化が進む中で、医療資源を社会全体の共有財産、資源として都民に意識啓発を促していくことも必要だと考えております。
 また、現状のルールでは、東京ルール適用事案で重症、重篤の患者は、三次医療機関へと搬送されるわけでありますが、ご高齢者のみとり、あるいはがん終末期の患者は、必ずしも三次救急に行く必要もないケースもあるやに聞いております。
 今後、ご高齢者が間違いなくふえていく中で、例えばご高齢者の基準であったり、ADL基準を決めるなど、さらなる対策を講じることも検討されるべきなのかもしれないと考えております。
 もちろん、救急搬送は東京消防庁の活動でありまして、福祉保健局は、その活動がいかにスムーズに実施されるような受け皿づくりや仕組みづくりをする、そういう役割を果たしているということは認識をしておりますけれども、今回の調査結果や直近の動向、さらにはPA連携活動を初めとする東京消防庁の取り組みなどについて、関係機関相互に情報共有、課題の共有をしっかりと図っていただきたいと思います。
 今後、都は救急医療体制のさらなる充実に向けてどのように取り組んでいくのか、伺います。

○中川原医療政策部長 都では、救急患者がその症状に応じた適切な救急医療を迅速に受け入れられるよう、東京消防庁や医療関係機関などとの連携を強化し、東京ルール検討委員会におきまして、救急搬送データなどの客観的な指標を評価、検証しております。
 また、今回の調査結果では、先ほどたきぐち委員からお話がございました軽症患者の割合が五割を超えていることなどから、限られた医療資源である救急医療を守るため、引き続き東京都医師会や東京消防庁と連携いたしまして、都民に対しまして、救急車の適正利用など、東京ルールの普及啓発に努めてまいります。
 今後とも、こうした取り組みを推進することによりまして、迅速、適切な救急医療体制の確保に努めてまいります。

○たきぐち委員 今お話にありました東京ルール検討委員会や、先ほどから話に出ております地域救急会議、これ以外にもコーディネーターとの連絡会やMC協議会などの場で、情報共有や、さまざまな検証がなされているということは承知いたしております。
 今回いろいろとやりとりをさせていただきまして、救急搬送時間を短縮することが目的ではないということは、私たちもその認識でおりますが、的確な救急搬送が、受け入れがなされれば、結果的に、それは搬送時間が短縮していくんだろうというふうに思っております。
 そういった意味では、さまざまな、東京消防庁であったり、あるいは医療機関との情報共有をする場において、現場の経験あるいは意見を吸い上げながら、患者の満足度が下がってしまっては、それは本末転倒になりますので、決して患者の満足度を下げることなく、出動指令があってから医師に引き継がれるまで、どこに工夫ができて、そしてまた時間の短縮に結びつけていけるのかということを検証、そしてまた情報共有をしていただきたいと思いますし、またそのときに、医療圏ごとの搬送時間、これは余り、その実態とは、時間が出されても、実態と合わないんだというようなお話もあるんですが、その医療圏ごとに地域救急会議が設置されて情報共有をされているわけですから、参考値として定期的に、こうした救急搬送時間、医療圏ごとにはこういう状況になっているんだということも、あくまで情報として把握をしていくことは私は必要だというふうに思っておりますので、ぜひ今後、検討していただきまして、さらなる東京ルールの充実と救急搬送の充実に取り組んでいただきたいとお願いしたいと思います。
 次に、がん医療体制の整備について伺います。
 先ほど、がん対策推進計画についてのお話がありました。都内には、都民がどこでも質の高いがん医療を受けられるよう、専門的ながん医療を提供する医療機関として、がん診療連携拠点病院、東京都認定がん診療病院が指定をされております。地域がん診療連携拠点病院については、都の推薦に基づき、国が指定していると聞いておりますが、その指定に当たっては、二次医療圏に一カ所整備することとしています。
 そこで、都における拠点病院、認定病院の配置の考え方について伺います。

○山岸医療政策担当部長 都内には十三の二次医療圏があり、その平均人口が全国平均の約二・六倍で、また国の定めるがん診療連携拠点病院の要件を満たす医療機関の数も多いことから、拠点病院、認定病院を合計した整備目標数については、都全域で十三医療圏の二・六倍の三十四カ所と設定いたしました。
 この目標に基づき整備を進めました結果、本年四月に拠点病院二十カ所、認定病院十四カ所の計三十四カ所の整備目標を達成したところでございます。

○たきぐち委員 ことし四月に新たに二病院が認定病院として加わって、三十四カ所の体制となったということであります。
 ただ、都の拠点病院の配置状況を見ますと、区東部については、都立墨東病院が認定病院になったと思いますけれども、区東北部のように、拠点も認定も一カ所もない医療圏もあるわけであります。距離の離れた医療機関で高度専門的ながん医療を受けた都民が、がんやほかの疾患で身近な地域の医療機関を受診することも多く、これらの医療機関と拠点病院、認定病院との連携が重要であるかと考えますが、所見を伺います。

○山岸医療政策担当部長 お話の地域の医療機関と拠点認定病院との連携について、都は、すべての拠点病院、認定病院、東京都医師会等にご協力をいただき、都内医療機関が共通に使用できる東京都医療連携手帳を作成いたしまして、この手帳を活用することにより、拠点病院、認定病院と地域の医療機関との双方向の連携を推進しております。

○たきぐち委員 先日の決算委員会で病院経営本部での質疑の中で、くまき前委員長から、区東北部におけるがん医療の一層の充実が必要だとの認識から、東部地域病院の取り組みについて現状を伺い、今後の対応を求めたところであります。
 今ご答弁のありましたクリティカルパスの活用を進めて、地域医療機関などとの連携も含めて、こうした地域のがん医療の充実に向けて取り組んでいただくことを要望いたしまして、質問を終わります。

○松下委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○松下委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 以上で福祉保健局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後七時五十七分散会

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