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Tokyo Metropolitan Assembly

厚生委員会速記録第三号

平成二十三年二月二十八日(月曜日)
第七委員会室
   午後一時開議
 出席委員 十四名
委員長くまき美奈子君
副委員長たきぐち学君
副委員長松葉多美子君
理事早坂 義弘君
理事山加 朱美君
理事今村 るか君
田中  健君
栗林のり子君
中村ひろし君
小磯 善彦君
三原まさつぐ君
大山とも子君
野島 善司君
増子 博樹君

 欠席委員 なし

 出席説明員
福祉保健局局長杉村 栄一君
次長吉岡 則重君
技監桜山 豊夫君
総務部長梶原  洋君
指導監査部長松浦 和利君
医療政策部長中川原米俊君
保健政策部長住友眞佐美君
生活福祉部長藤田 裕司君
高齢社会対策部長狩野 信夫君
少子社会対策部長雜賀  真君
障害者施策推進部長芦田 真吾君
健康安全部長鈴木 賢二君
企画担当部長日置 豊見君
事業調整担当部長枦山日出男君
医療改革推進担当部長高橋 郁美君
医療政策担当部長山岸 徳男君
地域保健担当部長宮垣豊美子君
生活支援担当部長市川郁美子君
施設調整担当部長中山 政昭君
担当部長小室 明子君
事業推進担当部長角田由理子君
障害者医療担当部長熊谷 直樹君
食品医薬品安全担当部長鈴木 達夫君
感染症危機管理担当部長前田 秀雄君
健康安全対策担当部長中谷 肇一君

本日の会議に付した事件
 意見書について
 福祉保健局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成二十三年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 福祉保健局所管分
・第五号議案 平成二十三年度東京都母子福祉貸付資金会計予算
・第六号議案 平成二十三年度東京都心身障害者扶養年金会計予算
付託議案の審査(質疑)
・第六十三号議案 医学系総合研究所の助成等に関する条例の一部を改正する条例
・第六十四号議案 心身障害者の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例
・第六十五号議案 東京都国民健康保険広域化等支援基金条例の一部を改正する条例
・第六十六号議案 東京都認定こども園の認定基準に関する条例の一部を改正する条例
・第六十七号議案 東京都児童福祉施設条例の一部を改正する条例
・第六十八号議案 東京都婦人保護施設条例を廃止する条例
・第六十九号議案 東京都障害者支援施設等に関する条例の一部を改正する条例
・第七十号議案 東京都身体障害者更生援護施設条例の一部を改正する条例
・第七十一号議案 東京都立総合精神保健福祉センター及び東京都立精神保健福祉センター条例の一部を改正する条例
報告事項(質疑)
・東京都板橋ナーシングホームの民設民営施設への転換について

○くまき委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、意見書三件を提出したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件については、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○くまき委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 次に、予算の調査について申し上げます。
 平成二十三年度予算は、予算特別委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について、議長から調査依頼がありました。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

平成二十三年二月二十五日
東京都議会議長 和田 宗春
厚生委員長 くまき美奈子殿
予算特別委員会付託議案の調査について(依頼)
 このことについて、二月二十五日付けで予算特別委員長から調査依頼があったので、左記により貴委員会所管分について調査のうえ報告願います。
     記
1 調査範囲 別紙1のとおり
2 報告様式 別紙2のとおり
3 提出期限 三月三日(木)午後五時

(別紙1)
厚生委員会
第一号議案 平成二十三年度東京都一般会計予算中
        歳出 債務負担行為  厚生委員会所管分
第五号議案 平成二十三年度東京都母子福祉貸付資金会計予算
第六号議案 平成二十三年度東京都心身障害者扶養年金会計予算
第十八号議案 平成二十三年度東京都病院会計予算

(別紙2省略)

○くまき委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、福祉保健局関係の予算の調査、付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
 これより福祉保健局関係に入ります。
 予算の調査、付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
 第一号議案、平成二十三年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為、福祉保健局所管分、第五号議案、第六号議案、第六十三号議案から第七十一号議案まで及び報告事項、東京都板橋ナーシングホームの民設民営施設への転換についてを一括して議題といたします。
 本案及び本件については、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○梶原総務部長 過日の厚生委員会でご要求のありました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元の厚生委員会要求資料をごらんいただきたいと存じます。資料は目次にございますように、全部で七項目でございます。
 一ページをお開き願います。高校生等を対象とした医療費助成といたしまして、特別区及び市町村それぞれにつきまして、高校生等を対象とした医療費助成事業を記載してございます。
 二ページをお開き願います。二次保健医療圏別NICU病床整備状況といたしまして、都内各二次保健医療圏のNICU病床数を記載してございます。
 三ページをごらんください。都内精神科病院における退院患者の状況といたしまして、退院時状況別の患者数の推移及び在院期間別の患者数の推移をそれぞれ記載してございます。
 四ページをお開き願います。認可保育所における職員の平均経験年数別施設数といたしまして、平成十七年度から平成二十一年度までの平均経験年数別の施設数を記載してございます。
 五ページをごらんください。高齢者施設(特別養護老人ホーム・介護老人保健施設)の職員の勤続年数別割合及び平均勤続年数といたしまして、特別養護老人ホーム及び介護老人保健施設それぞれにつきまして、勤続年数別割合と平均勤続年数を記載してございます。
 六ページをお開きください。国民健康保険の保険者に対する支出金の推移といたしまして、特別区、市町村及び国民健康保険組合それぞれにつきまして、平成十六年度からの支出金の推移を記載してございます。
 七ページをごらんください。平成二十一年度における福祉保健区市町村包括補助事業の補助額といたしまして、五つの包括補助事業の平成二十一年度の区市町村ごとの補助額について、八ページにかけて記載してございます。
 以上、簡単ではございますが、ご要求のありました資料につきましてご説明申し上げました。よろしくお願い申し上げます。

○くまき委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案及び本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○中村委員 それでは、精神保健福祉と脳卒中、保育園の待機児童解消の大きく三つの課題について質問します。
 まず初めに、議案である東京都立総合精神保健福祉センター及び東京都立精神保健福祉センター条例の改正に関連して質問します。
 精神疾患は深刻化を増し、その対応がこれまで以上に重要になっています。それと同時に、状況の変化に応じた施策の対応も求められます。
 そこで、最初に、今回の条例改正によりどのような制度の変更があるのか、また変更理由とその概要を伺います。

○熊谷障害者医療担当部長 精神保健福祉センターの病室及びホステルは、社会資源が未整備な状況においては、精神科病院から地域に移行する際の中間施設としての機能を果たしてまいりました。
 近年、精神保健福祉施策が入院医療中心から地域生活中心へと大きく転換する中、地域への移行支援や地域生活基盤の整備が進み、また精神科病院における退院支援の取り組みも積極的に行われるようになってきてまいっております。このような中で、精神科病院から中間施設を経ずに円滑に地域生活に移行するケースが着実に増加しております。
 一方、地域で生活する精神障害者の中には、医療中断などにより症状が悪化し、地域生活の継続が困難になるケースも生じており、地域における対応力の強化が求められております。
 そこで、精神保健福祉センターは、地域の関係機関への支援をより一層強化する方向で機能転換し、病室及びホステルについては今年度末に廃止するとともに、これまで培ったノウハウを生かして、区市町村や保健所と連携し、地域で安定した生活の継続が困難な精神障害者に対し、訪問型支援を実施することといたしました。
 あわせて、訪問型支援と緊密に連携して、症状が悪化する前に精神障害者を受け入れる短期宿泊事業を運営してまいります。

○中村委員 今回の病室の廃止とホステルの機能転換が、精神障害者の方にとって地域移行がより円滑になるような施策になるようにしていただきたいと思います。
 そこで、都は、受け入れ条件が整えば退院可能な精神障害者の地域移行支援にどのように取り組んでいるのかを伺います。

○熊谷障害者医療担当部長 都は、精神障害者の退院を促進し、退院後の安定した地域生活を支援するため、都内十二カ所の地域活動支援センターなどに退院促進の支援員を配置し、入院中の精神障害者に対して退院に向けた働きかけを行うとともに、グループホームを活用した体験入居を実施するなど、円滑な地域生活も支援しております。
 本事業には、平成二十三年二月現在、一年以上の精神科入院患者のいる七十病院のうち六十三病院が協力病院として参画しております。各病院では、対象の患者さんを推薦するとともに、支援員が行う地域の関係機関とのケア会議に参加するなど、円滑な地域移行の推進に協力していただいております。
 さらに、都内三カ所の精神保健福祉センターに専任の職員を配置し、精神科病院と区市町村などとの退院支援に向けた調整や病院と地域の連携など、精神障害者の地域移行に必要な体制づくりを行っております。

○中村委員 民間の病院も多くは協力病院として参加していただいているとのことですので、今後も連携のもと、地域移行支援に取り組んでいただきたいと思います。そのためには、地域で支援体制を構築することが必要になります。
 これまで都は、訪問型支援であるアウトリーチについてモデル事業を行ってきました。その成果について伺います。また、新しい取り組みですから、当然課題もあったと思いますが、その内容と改善策を伺います。

○熊谷障害者医療担当部長 このモデル事業におきましては、医療を中断していた患者の半数が治療を再開したほか、家族の負担が軽減するなどの効果が見られました。
 一方で、専任チームではないため、タイミングよく訪問依頼に対応できない例もあるなどの課題がございました。
 このため、来年度は、医師、保健師などの多職種チームを専任で配置し、機動的な支援を全都で実施してまいります。

○中村委員 これまでのモデル事業から本格実施に向けて、課題の解決を図りながら早期に実施していただくように要望します。
 長期入院を防ぐために、早期発見、早期支援が必要であり、来年度は一般診療科医師への研修に予算がついたのは前進ともいえます。とはいえ、診療所に行く人ばかりでもないので、NPO法人や社会福祉法人などの民間団体の相談支援の取り組みを支援することも必要だと考えますが、見解を伺います。

○熊谷障害者医療担当部長 精神疾患を早期に発見し、重症化を防止するためには、専門相談機関につながることが重要であります。このため、都は、心の悩みに関し、保健所や精神保健福祉センターにおいて、電話や面接での相談を行い、必要に応じ受診を促すなど専門的助言を行っております。また、臨床心理士や精神保健福祉士などによる夜間こころの電話相談事業を十七時から二十二時まで通年で行っております。
 現在、東京都地方精神保健福祉審議会では、精神障害者を支える体制の整備について審議しており、この中で精神障害者に対する今後の相談支援のあり方についても、相談対応の実績や民間団体によるさまざまな取り組みなどを参考にしながら、引き続き検討してまいります。

○中村委員 ご答弁ありがとうございました。審議会の方の審議の様子を見ながらということですが、ぜひとも積極的な取り組みをお願いいたしたいと思います。
 精神保健については、これからますます重要になります。東京都には都立病院という現場を持っています。組織上は別組織で、会計上も公営企業会計という別会計にはなりますが、現場を持つ強みが政策に反映されることで、精神障害のある方にとってよりよい行政施策が可能になります。
 福祉保健局としましても、病院経営本部ともこれまで以上に連携して、東京都としてのより一層の施策推進をお願いして、次の質問に移ります。
 次の項目として、脳卒中の対策について質問します。
 脳卒中で亡くなる方は、がん、心疾患に次いで多く、実に都民の死亡者数のうち十人に一人が脳卒中で亡くなっています。特に脳卒中は、がんと違って突然倒れる場合が多く、家族の驚きや悲しみは大変大きいものです。また、麻痺などの後遺症が残りやすく、療養生活が長くなる病気であり、介護が必要になった方の約四分の一は脳卒中が原因といわれています。
 脳卒中の予防のためには、都民への健康づくりについての普及啓発が必要です。脳卒中も含めた生活習慣病の予防のための健康的な生活習慣を身につけるための取り組みや、市区町村や職域での特定健康診断の受診率向上など、都としても市区町村や関係団体と連携してのさらなる普及啓発をお願いします。
 また、脳卒中の疑いがあったときに、できるだけ早く治療につなげることが必要であることから、本人が早く気づき、また周りの人が受診を進められるように普及啓発の促進が重要です。東京都の取り組みについてお伺いします。

○高橋医療改革推進担当部長 都では、東京都脳卒中医療連携協議会の監修のもと、脳卒中が疑われる具体的な症状などをわかりやすく示したポスターを作成し、医療機関や保健所、薬局、老人保健施設、東京都所管のスポーツ施設など約二万五千箇所に配布いたしました。
 また、再発リスクが高い患者に対して、かかりつけ医が指導する際に活用できるよう、リーフレットを作成し、病院及び診療所に配布いたしました。
 あわせて、早期発見、早期治療の重要性について、新聞、専門誌等に広告を掲載するとともに、東京都提供のテレビ番組「東京サイト」で一週間、特集番組を放映いたしました。
 今後とも、引き続き関係機関と連携し、より一層、普及啓発に努めてまいります。

○中村委員 とりわけ気温が下がるこの冬場は患者もふえると聞きます。早期な気づきが早期の治療につながるよう、引き続きの取り組みをお願いします。
 また、早期に治療を受け、幸いにして軽症で退院される方がいる一方で、急性期の治療が終了した後も継続してリハビリテーションが必要な方も多くいます。とりわけ脳卒中を発症した場合の平均的な入院日数は約百日と、すべての疾患を含めた平均在院日数の三倍近い期間の治療が必要になっているのが現状のようです。脳卒中の医療については、発症してからリハビリテーションを経て長期にわたる療養生活まで一貫した体制が必要と思いますが、都としてどのように取り組んでいるのか伺います。

○高橋医療改革推進担当部長 脳卒中は、命が助かった場合でも後遺症が残る可能性が高く、発症後の迅速、適切な早期治療が究明及び後遺障害の軽減に不可欠でございます。
 都は、専門的な医療機関への速やかな救急搬送体制の確保のため、独自に脳卒中急性期医療機関を認定し、二十一年三月から脳卒中救急搬送体制の運用を開始いたしました。
 また、患者の状態に応じた急性期リハビリテーションや回復期リハビリテーションなど、切れ目のない医療提供体制を実現するためには、地域連携クリティカルパスが重要であり、東京都脳卒中医療連携協議会でパスの普及について検討を進めているところでございます。

○中村委員 二十一年三月からということですから、およそ二年がたったわけですので、またこういったことの効果等を含めて検証していただきたいと思います。
 都としては、独自の救急搬送体制の構築と地域連携クリティカルパスを活用した医療連携によって脳卒中対策を進めているということですが、患者や家族の置かれた状況を見ると、必ずしも切れ目のない連携ができているとはいえない現実があります。病院からは三カ月から六カ月で転院が迫られ、リハビリ施設や老人保健施設になかなか入れないなど、多くの患者、家族が苦労しています。
 私も転院先がない方の相談を受けることがありますが、ご家族が懸命に探し、それこそ都心を離れて遠い郊外や他県にまで足を運ぶなど深刻な状況があります。
 そこで、病院のソーシャルワーカーの能力向上や地域連携クリティカルパスの導入促進だけでなく、退院後に療養する場についての調整を円滑に進める仕組みが必要ではないかと思いますが、所見を伺います。

○高橋医療改革推進担当部長 病院から退院し、介護施設や自宅など地域での療養生活に移行する際、医師や訪問看護師、介護サービス提供者など、医療や介護をコーディネートする機能が必要でございます。今年度、病院から在宅への円滑な移行と在宅療養生活の継続を支援するため、都内三地区において在宅医療連携調整窓口を設置し、病院のメディカルソーシャルワーカーとかかりつけ医、介護事業者等との調整を行うモデル事業を実施しております。
 来年度からは、区市町村が主体となって、地域包括支援センターや医師会等に在宅療養支援の窓口を設置する事業を新たに実施してまいります。
 今後も、患者が病状に応じて適切な医療や介護を受けられるよう、関係機関相互の連携調整の仕組みづくりを進めてまいります。

○中村委員 ご答弁ありがとうございました。脳卒中対策については、国の方でも超党派の議員連盟ができ、立法化を目指す動きも出てきました。今後、都でも、条例の制定やがんのように、行政計画の策定も視野に入れた総合的な施策の推進に取り組むことを要望して次の質問に移ります。
 次に、保育園の待機児童解消への取り組みを伺います。
 待機児童の問題は深刻であり、早急な解消が求められています。子どもを預けることができない保護者の悩みは大きく、保育の質は当然大切ですが、量の拡大も同時に追求しなければなりません。
 まず初めに、現在の都内の待機児童数を伺います。そのうち特にゼロ歳から二歳の待機児童が多いと聞きますが、どのくらいの割合を占めているのでしょうか。また、待機児童解消に向けた取り組みを伺います。

○角田事業推進担当部長 平成二十二年四月の都内の待機児童数は八千四百三十五人でございまして、ゼロから二歳の待機児童がそのうちの九割を占めております。
 東京都保育計画では、認可保育所、認証保育所、認定こども園、家庭的保育事業など多様なサービスを組み合わせまして、平成二十二年度から二十六年度までの五カ年で、保育サービス利用児童数を三万五千人ふやすこととしております。この目標値の達成に向けまして、賃貸物件を活用した保育所整備など、大都市ならではの施策を展開し、待機児童解消に向けた保育サービス拡充の取り組みを強化してまいります。

○中村委員 待機児童と世間では一くくりにされがちですが、ゼロ歳から二歳の低年齢児が九割を占めるということで本当に深刻です。もちろん、この年齢の保育に係る公的費用が三歳児以上に比べて膨大なことが要因として大きいと思います。何歳までは親が育てるのが望ましいという議論もあるのでしょうが、実際にはそれを論じる余裕はなく、とにかく働かざるを得ないという状況があるのも現実です。
 出産後、育児休暇を取得できる環境にあっても、ゼロ歳児の枠と一歳児の枠がそれほど大差ないと、一歳児の枠の多くがゼロ歳からの持ち上がりで埋まってしまうことが予想され、結局は取得できる状況でも実際には取得しない、できないということになってしまいます。社会状況や年齢構成を考慮した整備促進をお願いします。
 とはいえ、先ほどお答えいただいたように、現状の待機児童数からだけ単純に考えると、五年間で三万五千人ふやすということは大変な取り組みです。とはいえ、整備が進めばニーズがさらに高まることも予想されますので、解消に向けての潜在的なニーズを予想していく必要があります。
 保育の需要が必ずしも子どもの数だけではなく、経済状況や労働環境によって左右されるものであり、将来予測はなかなか難しいところと思います。しかし、現在の待機児童数だけを念頭に置いていては、対策は後手に回ってしまいます。保育需要について、潜在的なものも含めてどのようになると見込んでいるのか伺います。

○角田事業推進担当部長 現在整備されております保育サービスは、就学前児童人口の三二%に当たりますが、各区市町村が実施いたしましたニーズ調査では、潜在的ニーズも含めますと、就学前児童のいる家庭の四四%が保育サービスの利用を希望しております。東京都保育計画は、この潜在的ニーズも考慮した上で目標を設定しております。

○中村委員 四四%というとかなりの割合になります。五年間で三万五千人ふやしても追いつかないという驚異的な数値であり、子育てについては社会全体で支えていくという意識の醸成をしていくことが必要だと思います。
 認可保育園の保育料は、市区町村で設定していますのでそれぞれ違いますが、例えば三鷹市では、ゼロ歳児は、保護者負担の平均は一人一カ月二万三千円ですが、公費での負担が四十一万四千円です。五歳児でも、保護者負担は一万四千円に対して、公費負担は七万八千円になっています。これは、保育園の入園案内に記載されていた金額ですが、三鷹市としては、申し込みをする保護者に理解を求める努力をしているものです。
 同時に、認証保育所は、仕組みが違うとはいえ、一般的に認可保育園に比べると保育料が高く、短時間で働く方が認可に入れることができなく、やむを得ず認証に入る場合もありますが、収入と保育料がほとんど変わらない場合もあるという課題があることは指摘をしておきます。
 さて、国では、現在、幼保一元化に向けた検討を進めていますが、既存の幼保一元化の制度として認定こども園があります。この制度は、当初幼稚園を活用した待機児童解消も期待されていたところですが、実際のところどの程度設置が進んでいるのか伺います。

○角田事業推進担当部長 平成二十三年二月一日現在で都内の認定こども園は五十五施設でございます。認定こども園には四つの施設類型がございますが、類型別の内訳は、認可幼稚園を主体といたしました幼稚園型が三十五施設、認可保育所を主体といたしました保育所型が五施設、認可幼稚園と認可保育所が連携をいたしました幼保連携型が七施設、認証保育所を主体といたしました地方裁量型が八施設となっております。

○中村委員 さて、保育のニーズはますます高まることが予想される中、都は認証保育所制度の推進のほか、地価の高さに対応するため、面積基準の緩和などにも取り組もうとされているようです。
 また、さらなる保育所設置促進に向け、例えば一定規模以上のマンションを建設する際には保育所の設置を義務づけたり、逆にマンションに保育所を設置する場合には容積率を緩和するなど、都市整備局とも連携しながら、より一層思い切った取り組みを検討していただくことなどもぜひお願いしたいと思います。
 また、仕事は短時間にして育児をしたい、あるいは在宅で仕事をするなど、働き方の多様化に伴って保育ニーズも多様化してきます。こうしたさまざまなニーズにこたえるための取り組みについて伺います。

○角田事業推進担当部長 保護者の就労形態の多様化に対応いたしまして、パートタイム労働者等にも利用しやすい保育サービスとして、今年度新たに定期利用保育事業を創設をいたしました。現在五カ所で実施しておりまして、さらに多くの区市町村が本事業を実施するよう、積極的な働きかけを行っているところでございます。

○中村委員 保育所の拡充に取り組んでいただくことと同時に、また在宅での子育てがしやすい環境を整え、保育需要そのものを抑えていくことも重要と考えます。ワークライフバランスが進めば、保育所には預けず、在宅で子育てをする家庭もふえていくかもしれません。こうした家庭にあっても、育児疲れや兄弟が病気になったときなど、突発的な出来事で子どもを預ける必要が出てくることもあります。
 また、相談相手もなく、子どもとだけの環境から生まれるストレスが児童虐待を生まないとも限りません。そうした課題やニーズにも積極的にこたえていくべきと考えますが、ご所見を伺います。

○角田事業推進担当部長 核家族化の進行や地域の子育て力が低下する中、保育所等において児童を一時的に預かる一時預かり事業は、在宅で子どもを育てている家庭にとって普遍的に必要なサービスとなっております。
 国制度の一時預かり事業は、実施場所として専用のスペースが必要でございますけれども、昨年度から東京都は独自に、保育所などの定員の空きを活用した事業の実施を可能といたしました。
 その結果、実施施設数は昨年度実績で五百七十九カ所となりまして、平成二十年度から約二百カ所の大幅な増加となってございます。さらに、本年度からは、施設設備に際しての補助率を二分の一から四分の三に引き上げて、一時預かり事業の拡充を区市町村に強く働きかけているところでございます。

○中村委員 ご答弁ありがとうございました。東京都もさまざま努力をされているところですが、待機児童を解消するためには、保育所の整備や多様なニーズに対応したきめ細かいサービス提供に加え、育児休暇をとりやすい環境の整備や在宅の子育てが孤独で不安なものにならないよう、ボランティアやNPOの育成などによる地域での支え合いの仕組みづくりなど、さまざまな取り組みを重層的に実施することが大変重要であると考えます。
 特に待機児童が多いゼロ歳児や一歳児などの低年齢児については、在宅での子育てを支援することで一定程度解消が可能なのではないかとも思います。小さな会社だと、育児休暇の取得による会社の負担が重く、それがかえって採用の見合わせになってしまっては本末転倒になってしまいます。
 家計の状況から働かざるを得ない人もいるのですが、自分で子どもを育てたいのに休めないという人も多くいるとすれば、育児休暇の取得が促進されるよう、取得された会社への経済的な支援をすることも検討されているかと思います。もちろん、国の役割になる部分ですから、産業労働局と協力して国に働きかけることも検討していただきたいと思います。
 少子化対策や子育て支援については、福祉保健局のみならず、局を超えた取り組みを積極的に実施していただくことをお願いをして、質問を終わりたいと思います。

○早坂委員 保育サービスについて伺います。
 平成二十二年四月現在の保有所待機児童数は八千五百人であり、過去最大となっています。東京都は平成二十年度から保育サービス拡充緊急三カ年事業を実施するなど、待機児童の解消に向けた取り組みを強化しています。
 また、平成二十二年度からは、少子化打破緊急対策事業に取り組み、三年間で保育サービス利用児童数を二万二千人ふやすこととしています。
 そこでまず、保育サービスの拡充に向けて東京都はどのような取り組みを行ってきたのか。また、今年度の保育サービスの整備見込みについて伺います。

○角田事業推進担当部長 保育サービスの拡充につきましては、国の安心こども基金の活用のほか、事業者と区市町村の負担を軽減する都独自の支援策を行い、強力に推進してまいりましたところでございます。これにより、昨年度は、当初計画の一・五倍に引き上げました八千人という整備目標をもさらに上回る八千五百三十八人分の定員増を達成したところでございます。
 今年度においても、区市町村や事業者に対しまして、保育所等の新設や既存施設の定員拡充など、引き続き積極的な取り組みを促しました結果、ことし四月には、昨年度の実績をさらに上回る整備が図れる見込みとなってございます。
 今後とも、待機児童解消に向けました取り組みを進め、計画目標値の早期達成を目指してまいります。

○早坂委員 区市町村が計画を上回るペースで保育所等を整備しているにもかかわらず、経済状況の悪化や他県からの転入による人口増などにより、東京都の待機児童数は増加しています。待機児童の問題は都市部の問題であり、かつ三歳未満の低年齢児の問題であります。
 大都市東京の保育ニーズに対応するために創設された東京都独自の認証保育所制度は、待機児童の解消に大きく寄与しています。そこで、認証保育所の設置状況について伺います。

○角田事業推進担当部長 認証保育所は、お話しいただきましたとおり、大都市特有のニーズに的確にこたえるために、十三時間開所とゼロ歳児保育を義務づけた都独自の制度でございます。平成十三年度の創設以来、広く都民の支持を得て着実に設置が進んでおりまして、平成二十三年二月現在の設置数は五百六十カ所、定員は一万八千人を超えるものとなってございます。

○早坂委員 利用者ニーズにマッチしたサービスを提供していること、駅前などの利便性の高い立地条件などがこれだけの増設につながったのだと理解します。
 では、実際に認証保育所を利用している都民の声、評価について伺います。

○角田事業推進担当部長 平成二十一年度に都が実施いたしました世論調査では、認証保育所利用者のうち、満足と回答した方が四七・一%、どちらかといえば満足が二九・四%、合わせまして七六・五%の方に満足をいただいております。
 また、平成二十一年度の福祉サービス第三者評価における利用者調査結果では、一人一人の子どもは大切にされていると思うかとの問いに、そう思うと答えた方が九二・八%、保育時間の変更は保護者の状況に柔軟に対応されているとのお答えが八二・三%など、利用者から大変高い評価を受けております。認可保育所と比較いたしましても、全十五項目の評価項目のうち十三項目において、認可保育所より高い結果となっております。

○早坂委員 認証保育所は都民に高く評価されています。
 ところで、先日の予算特別委員会の代表質問で我が党から質問しましたが、東京都は現在、認可保育所の設備、運営基準について検討しているとのことでありました。現在、国会で継続審議中の地域主権改革一括法案では、認可保育所を含む児童福祉施設の設備、運営基準について、都道府県などが制定する条例に委任されることとなります。国会の審議状況は流動的ですが、可決されるとすぐにでも条例を制定する必要があり、事前に検討を進めておく必要があることから、東京都は児童福祉審議会に専門部会を設置して、保育所の設備、運営基準の中でも面積基準を中心に検討していると伺っております。
 そこで、なぜ面積基準について検討しているのか伺います。

○角田事業推進担当部長 地域主権改革一括法案による条例委任については、三つの類型がございます。従うべき基準と標準と参酌すべき基準の三つでございます。
 詳細は政省令で明らかとなりますが、居室面積基準は、このうち従うべき基準とされております。しかしながら、保育所の居室面積については、特例的に東京等の一部の地域に限り、待機児童解消までの一時的措置として標準扱いとする旨のただし書きが付されました。これは、合理的な理由があれば、面積基準の緩和を許容するという趣旨でございまして、その背景には、国も看過できない大都市東京の極めて深刻な待機児童の現状があるものと考えます。
 冒頭でもお答えしましたとおり、保育所等の施設整備をこれだけ強力に進めましても、待機児童は減らないというのが現実でございます。認可外保育施設を利用している児童もふえてきております。まさしく待機児童対策は揺るぎない猶予もなき課題でございます。面積基準の緩和は、待機児童解消に向けたさらなる取り組みの一つとして考え、現在検討を進めているところでございます。

○早坂委員 具体的には、面積基準はどのように認定する考えなのでしょうか。また、それについて、これまで二回開催された東京都の児童福祉審議会専門部会の中ではどのような意見が出たのか伺います。

○角田事業推進担当部長 一月二十七日に開催いたしました第二回専門部会におきまして、ゼロ歳児、一歳児の居室面積について、現行認可基準と同じ一人当たり三・三平米とする、ただし、国が指定する地域において、事業者が年度途中に定員の弾力化を行う場合には、一人当たり二・五平米とするという考え方をお示しいたしました。
 専門部会の委員からは、待機児童を一人でも多く入所できるようにするべきであるといった意見や、認証保育所が十年近く支障なく運用されてきた実績は大きい、認証の実績を考えれば、二・五平米まで緩和しても問題はないといったご意見が出される一方で、現行基準の範囲内でもまだ取り組めることはある、あるいは面積基準を緩和しても、待機児童が劇的に解消するわけではないといった意見も出されております。

○早坂委員 面積基準の緩和によってどのような効果があるのか伺います。

○角田事業推進担当部長 基準緩和の効果についてでございますが、施設を新設する場合に比べて即効性があり、毎年変動する地域の保育ニーズ等に応じて、既存施設をより柔軟かつ有効に活用できるものと考えます。
 とりわけ、待機児童が最も多く問題が深刻な一歳児については、既に最低基準に近い水準で施設が運用されている実態にございますので、面積基準の緩和によってさらなる弾力的受け入れが可能となると考えております。

○早坂委員 保育の実施主体である区市町村にとっては、面積基準の緩和はどのような意味を持つのか伺います。

○角田事業推進担当部長 都が定める基準は、あくまでも最低基準でございます。すなわち、最低限確保すべき基準でございまして、具体的な運用と施策展開は、現行と同じく保育の実施主体である区市町村が地域の実情を踏まえて主体的に判断し実施するものでございます。
 面積基準の緩和は、区市町村にとって、待機児童解消に取り組む上での選択肢がふえ、地域の実情に応じて工夫をする自由度が広がるものでございます。地方分権の考え方からも、区市町村のそうした多様な取り組みを支援するため、区市町村の選択の幅を広げることが広域自治体としての都の役割であると考えております。

○早坂委員 面積基準の緩和が保育の質の低下につながりかねないという意見もあります。ご見解を伺います。

○角田事業推進担当部長 保育の質につきましては、居室面積などの物的環境だけでなく、保育従事者の資質や保育内容などを総合的にとらえて判断されるべきものでございます。とりわけ、保育従事者の資質が重要であると考えます。
 そのため、都は、これまでも保育の質の向上に向けて各種研修の実施、保育人材の確保など、最大限に取り組んでまいりました。また、さきに提示をいたしました年度途中での二・五平米までの弾力化という基準は、認証保育所A型においては、制度創設以来、実施しておりまして、保育の質の低下につながるという懸念は当たらないものと考えております。

○早坂委員 保育所の面積基準緩和について、区市町村、事業者、利用者など、それぞれの立場によって意見はさまざまでありますが、八千人を超える待機児童解消に向けて、何とかしなければならないという思いは一つであります。児童福祉審議会の専門部会では、十分な議論を行っていただきたいと思います。面積基準についての議論が今後の東京都の保育施設のさらなる拡充に向けた議論へとつながることを期待いたします。
 次に、東京都板橋ナーシングホームの民設民営施設への転換に関して伺います。
 板橋ナーシングホームは、昭和四十五年に特別養護老人ホームとして、都立の直営で事業が開始されました。昭和五十二年からは、リハビリテーション事業も加え、平成十二年の介護保険制度の実施に伴い、指定介護老人福祉施設及び介護老人保健施設として今日に至っています。
 今回、板橋ナーシングホームが民設民営施設に転換することが報告されました。今後、設備運営事業者の選定に当たって、具体的な公募条件は近々示すということですので、その基本的な考え方についてお伺いいたします。
 東京都では、現在、福祉改革の一環として、これまでの福祉サービスを直接提供する役割から、区市町村や民間の社会福祉法人などへの財政支援による地域生活基盤の整備や、大都市東京の特性に合った福祉施策づくりなど、福祉サービス全体の向上を図ることに重点を移しています。
 都立の福祉施設についてはこの方針のもと、都立施設としての経験や成果を引き継ぎつつ、民間事業者の力を活用していくという考え方に基づき、これまで指定管理者制度の導入や民間移譲などを実施してきました。今回の報告は、都立の高齢者施設である板橋ナーシングホームを民設民営施設へ転換するというものですが、改めてその意義について伺います。

○中山施設調整担当部長 お答えいたします。
 福祉改革の基本的な考え方としまして、都は、時代の変化を見据えて、担うべき役割をサービスの直接の提供者からシステム全体の調整者へと大きく変化させてまいりました。また、介護サービスの確保につきましては、平成十二年からの介護保険制度の実施を契機としまして、保険者である区市町村の役割として明確化されたところであります。
 このため、都立高齢者施設につきましては、柔軟で効率的な施設運営を行う民間事業者の活用を図る方針といたしました。こうした考え方を踏まえまして、平成二十年二月に板橋キャンパス再編整備基本計画を策定し、板橋ナーシングホームを民設民営施設に転換することといたしました。
 新たな施設につきましては、施設整備の段階から民間事業者みずからが手がけるものとし、創意工夫を生かした柔軟かつ効率的な運営が可能となると考えております。

○早坂委員 時代の大きな変革に合わせて東京都の役割をシフトさせる。そして、民間の力を活用した柔軟で効率的な施設の運営を図るということであります。板橋ナーシングホームは、昭和四十五年に設立されて以来、都立施設として運営されてまいりました。これまで板橋ナーシングホームが果たしてきた役割、実績について、東京都としてどのように考えているか伺います。

○中山施設調整担当部長 板橋ナーシングホームは、都において民間施設が不十分な時代に、リハビリテーションや認知症の専門的ケアなどを先駆的に提供する施設として重要な役割を果たしてきたと認識しております。しかし、先ほど申し上げましたとおり、サービスの直接の提供者からシステム全体の調整者への都の役割の変化や、また施設の老朽化も踏まえまして、平成二十年二月に策定しました計画に基づいて、民設民営として転換を図っていくこととしたものでございます。
 転換後の新たな施設の運営に当たりましては、民間事業者の自主性を基本としながらも、都立施設として培った経験と実績等のうち、利用者サービスの向上に資するものにつきましては、可能な限り継承していく予定でございます。

○早坂委員 都立施設としてこれまで果たしてきた実績を踏まえつつ、民間事業者の柔軟性と自主性が十分生かされるように取り組んでいただきたいと思います。
 板橋ナーシングホームは、これまで医療的ケアの必要性の高い方々を積極的に受け入れてまいりました。隣接する東京都健康長寿医療センターとの密接な医療連携を図り、利用者の日常的な健康管理、急変時の対応などに適切に対応してきたと思います。
 新施設は、隣接する仲町エリアでの整備となるわけですが、施設内の医療ケア体制とキャンパス内の医療連携がこれまでと同じよう維持されるのか、不安に思う方もいるのではないかと思います。今後の施設の医療ケア体制はどうなるのか、また東京都長寿健康医療センターとの連携体制について伺います。

○中山施設調整担当部長 お話にありましたように、板橋ナーシングホームは医療的ケアの必要性が高い方を積極的に受け入れ、東京都健康長寿医療センターと連携した医療ケア体制を図ってまいりました。民設民営化後の施設におきましても、健康長寿医療センターを協力医療機関として、入所者の急変時の対応や緊急入院対応など、適切な体制を整える予定でございます。
 さらに、公募の条件として、適切な医療対応が可能な人員配置、医療機関等との二十四時間連携体制の確保を明示することによりまして、現状と同程度の医療ケア体制がとれるものと考えております。
 また、健康長寿医療センターと連携して、地域高齢者の在宅生活への支援や地域の医療、介護人材の育成支援も積極的に行っていく予定でございます。

○早坂委員 入所者への医療的ケアにおいて、現状と同程度の体制を確保する公募条件を検討しているとのことでした。さらに、入所者のみならず、地域の在宅生活を送る高齢者への支援や人材育成も行っていくということで、積極的な取り組みを期待します。
 次に、新しい施設においては、現在の板橋ナーシングホームの入所者を受け入れることとしていますので、入所者の経済的な負担の変化について伺います。
 現在は、全室大部屋、多床室となっていますが、現在、特別養護老人ホームの整備はユニット型が基本になっています。ユニット型個室に入居した場合には、居住費、いわゆるホテルコストの負担が新たに生じます。民設民営施設においては、ユニット型個室と多床室の整備割合をどのように設定していくのか、そして、入所者の経済的負担について、ご見解を伺います。

○中山施設調整担当部長 ユニット型個室は、プライバシーへの配慮やユニット内での家庭的な雰囲気での生活を可能とするなど、メリットは大きいものがございます。このため、都では、特別養護老人ホームの整備に当たりましては、ユニット型個室を原則としております。ただし、今回、公募する新施設につきましては、現在の入所者の引き継ぎを前提としまして、経済的負担にも配慮し、ユニット型個室と多床室とをあわせて設置をする予定でございます。新しい施設では、現入所者の経済状況等を勘案しまして、現施設の入所定員、これは百八十五人でございますが、その七割、百三十人を上限とした多床室の整備につきまして、事業者から提案させる予定でございます。また、低所得者に対する負担軽減制度の実施を公募の条件とするなどの配慮により、入所者の経済的負担を軽減していく予定でございます。

○早坂委員 これまでのご答弁から、豊富な経験及び能力のある民間事業者からの自主的かつ創意工夫に富んだ積極的な事業提案を、東京都として期待しているものと理解しました。今回の新設の事業者公募では、二つの法人が共同提案により応募することもでき、また、都内のみならず、広く全国の法人が参加することができるなど、幅広い事業者の応募を即していくと伺いました。十分な経験能力のある民間事業者から、よりよい提案を引き出し、すぐれた事業者を選定していただきたいと思います。板橋キャンパスには、これまで病院、研究所、介護保険施設が相互に連携を図りながら、高齢者医療、福祉の発展に貢献してきました。
 今後とも、各施設が有機的な連携を図り、高齢者の新たな医療、介護サービスのモデルを都民に発信できるよう、東京都が引き続き適切な指導、支援に取り組んでいただきますようお願いをいたします。

○栗林委員 私の方は、精神科医療体制の整備に向けた今後の方向性に関することから伺わせていただきます。
 昨年、東京都地方精神保健福祉審議会では、精神保健医療福祉に関して、都が取り組むべき具体施策について審議をし、都に示されました。早期に推進するべき事項として、本当に大切な課題、これを四点挙げられています。
 一つ目が、訪問型、アウトリーチ支援事業の本格実施、そして二つ目が、地域精神科医療ネットワークモデル事業の実施による地域医療連携の構築、そして三点目が、精神疾患の早期発見、早期対応のための連携構築、そして四つ目が、精神身体合併症医療対応の強化、この四点が挙げられておりました。その中から、今回は、その訪問型、アウトリーチ支援について伺わせていただきます。
 精神障害者の地域生活への移行が進む中、都は、今年度のモデル実施を経て、来年度、訪問型支援の事業を都内全域で本格実施することとなっています。訪問型支援の必要性は、昨年五月、医療や福祉の関係者、また当事者、そして家族の代表で構成する、こころの健康政策構想会議、私も松葉副委員長と一緒に、そのとき参加させていただきましたけれども、こういう提言書も出されておりました。そこで医療や福祉の関係者、また当事者、家族の代表等と精神保健医療改革の実現に向けた提言を取りまとめ、そして、その中で保健、医療、福祉、このすべての分野で多職種チームによる訪問型支援をサービスの基本としていきたいという提言がされております。また、国においても、新たな地域精神保健医療体制の構築に向けた検討も進められておりまして、二十三年度予算では、精神障害者に対する訪問型支援の推進事業が計上されているところです。
 このように、訪問型支援の実施は、今後、精神保健医療の流れに合致したものであり、モデル事業の評価、検証を踏まえて、東京都に合った形で取り組んでいく必要があると思います。都の訪問型支援は、精神保健福祉センターが実施するものではありますけれども、支援に当たっては、区市町村の保健所等の、地域の関係機関との連携が大変重要となってくると思います。
 そこで、今年度のモデル事業では、関係機関との連携のもと、どのような支援に取り組んできたのか伺います。

○熊谷障害者医療担当部長 訪問型支援のモデル事業では、医療の中断などにより、地域での安定した生活が困難な精神障害者に対し、精神保健福祉センターの医師、保健師などの専門職チームが、区市町村、保健所と連携して支援を実施しております。区部は二十三区全域を対象に、多摩は西多摩二次保健医療圏をモデル地区として実施しており、平成二十三年一月一日現在、七十四事例を支援しております。本事業では、区市町村など関係機関職員との同行訪問や、合同での事例検討会、保健所などへ出向いて行う研修などを通じて、関係機関職員の支援力向上を図っております。

○栗林委員 今年度のモデル体制、モデル実施の体制から、来年度は本格実施ということになるんですが、体制はどのように変わるのか。また、来年度から短期宿泊施設を運営するということになっておりますが、その内容と、また体制について伺わせていただきます。

○熊谷障害者医療担当部長 訪問型支援のモデル事業は、現行の人員体制のもとで実施しておりますが、来年度は、医師、保健師、福祉職などの多職種チームを、専任で各精神保健福祉センターに一チーム配置し、全都を対象として実施いたします。実施に当たっては、職員それぞれの専門性を生かし、病状の見立て、生活状況の確認、本人、家族への心理サポートなどを行ってまいります。
 また、訪問型支援の対象者の中には、家族や近隣住民とのあつれきにより精神症状が悪化し、地域生活の継続に危機が生じている事例も見られました。このような事例では、速やかに自宅から離れた場所に移り、専門職による見守りのもと、必要な医療の提供を受けながら、短期間過ごすことが必要であります。
 このため、訪問型支援と緊密に連携して、症状が悪化する前に精神障害者を受け入れる短期宿泊施設を、中部総合精神保健福祉センター、多摩総合精神保健福祉センター、各二十室で運営を開始し、タイミングよく受け入れ、安全で安心できる環境を提供した上で、医療的ケアを初め、地域生活復帰への調整を総合的に実施し、精神障害者の地域生活を支えてまいります。
 訪問型支援及び短期宿泊施設の実施に当たっては、必要に応じ、センター全体のマンパワーを活用し、精神障害者の地域生活を支援してまいります。

○栗林委員 専門チームが機動力を発揮して、そして多職種のそういった方たちがタイミングよい訪問型支援を展開することは、大変期待するところでございます。このような専門職による支援は大変重要でございますけれども、あわせて、精神障害者が安定した地域生活を送る上では、地域住民の方々が障害への理解、そして地域の支える環境、これも不可欠ではないかと思います。訪問型支援においては、精神障害への地域住民の理解促進、この点はどのように取り組んでいらっしゃるのか伺います。

○熊谷障害者医療担当部長 精神障害者が安定した地域生活を送る上では、地域で支える環境が必要です。本事業においては、本人、ご家族に対する支援とあわせて、近隣住民に対し、障害による困難さへの理解を促すとともに、状況に応じた適切な対応ができるよう、接し方の要点などを説明するなどしております。こうした取り組みの結果、近隣住民の不安が軽減し、訪問活動への協力が得られるようになるなどの効果が出ており、地域の理解促進が図られております。

○栗林委員 大変、この訪問型、アウトリーチ支援をより積極的に支えていただくのは、地域住民の理解ではないかと思います。私の地元、世田谷でも昨年の十一月から、このように区民勉強会、意見交換ということで、心の健康を考えるシリーズ、四回にわたって、区民の皆様に本当に障害というものの理解をしていただく、そういうセミナーも取り組んでいます。こういったところを軸としながら、少しずつ地域理解を深めていきたいという取り組みも始まっております。
 先日、ある親御さん、八十代後半のお母様と五十代後半の精神疾患を持つ息子さん、二人暮らしのご家庭だったんですが、お母様が認知症になられて、特別養護老人ホームに入所されるというご家族がいらっしゃいました。そのときから、息子さんがやはりお母様を探してまちじゅうを歩いて、お母さん、お母さんと叫びながら歩かれるという行動が続き、あるときは世田谷から渋谷で保護されて、地域に戻ってきたときに、比較的その地域は理解のある地域だったんですが、たまたまそれが夜間ということで、こういった場合、どこに連絡していいんでしょうかということで私に問い合わせがありました。すぐに区につなぎ、緊急一時で、短期宿泊で対応することができたんですが、やはり地域の理解を深めるとともに、緊急のときにどこに連絡をすれば大丈夫ですという、そういったお知らせもあわせてしていくことが大変重要ではないかと思います。
 ノーマライゼーション社会という、障害も個性と地域の人たちが理解をして、支え合う仕組みづくり、こういった取り組みにも一層力を入れていかなくてはならないと思います。そうしたことを考えますと、将来的には、より多くの医療機関、また、これからこういう世帯が、親の高齢化に伴うにつれ、大変増加傾向にあると思います。そうしましたら、福祉サービス、こういう事業者等の協力を得て、身近な地域への訪問型支援の普及というものを図るべきではないかと思います。
 最後になりますが、この訪問型、アウトリーチ、この支援の普及に関する都の所見、決意を伺いまして、私の質問を終わらせていただきます。

○熊谷障害者医療担当部長 東京都地方精神保健福祉審議会では、精神障害者を支える体制の整備について審議しており、昨年十二月に出された論点整理におきましては、身近な地域での訪問型支援の普及を目指すことが今後の検討の方向性として示されております。
 今後、東京都地方精神保健審議会の議論なども踏まえ、訪問チームの担い手となる医療機関や訪問看護ステーション、相談支援機関などの確保や効果的な連携策について、検討してまいります。

○大山委員 私からは、宿泊デイサービスと介護基盤の整備、それから保育待機児解消問題、そして国保の問題、さらに今のホステル、病室の問題と、コミュニティバスの問題、五つの課題で質疑をしたいと思います。
 まず、宿泊デイサービスと介護基盤整備に関してです。
 デイサービス事業所で、宿泊もさせる事業所があって、主にフランチャイズで展開しているところが急激に店舗をふやしていること。それから、宿泊するところは、昼間はデイサービスで使用しているところに布団を敷いたり、簡易ベッドやソファーベッドで、男女混合でプライバシーもないような状況であること。そのようなところで数カ月、それから、私たちの調査でも二年間などという長期に宿泊をしている方など、社会問題化しているといわなければなりません。
 私、本委員会の十月の事務事業質疑のときには、デイサービス事業所で宿泊していた利用者の方が深夜に救急搬送されて、しばらくしてその方は亡くなったのですけれども、娘さんがその事業所にどんな状態だったのかと聞いても、足のすねに骨が見えるほどのけがをしていたのに気づかなかったなど、納得がいかなかった娘さんが苦情申し立てを行って、その申し立てを受けて国民健康保険連合会が調査し、かなり重大な文書での指導をし、東京都にも直接持参をする、そして、その後、地元の区も調査をして、文書で指導したということですね。
 私も、このケースをきっかけに調査を始めたわけですけれども、当該の事業者はもちろんですが、都議団、同僚と手分けをして幾つかの事業所を訪問しました。さらに、都内千九百五十二カ所すべてのデイサービス事業所に、郵送でアンケート調査もいたしました。調査をしてみると、理念を持って、高齢者に配慮して宿泊事業を実施しているというところもありますけれども、残念ながら、高齢者のネットカフェといわれるような実態も広がっていることがわかりました。
 同時に、私たち、各道府県に対して、宿泊デイサービスについての県独自の対応についても調査をしています。それらの調査をもとに、私たちは、単独じゃなくて、東京都独自にガイドラインをつくることだとか、登録制にして、きちんと対応できるようにするべきであることなどを要望してきました。
 その後、福祉保健局も実態調査をして、国に要望書を出し、同時に、今定例会の代表質問のときには基準をつくるという旨の答弁があり、予算特別委員会では、宿泊サービスを実施する通所事業者に対して求める都独自の届け出基準は、責任者、利用定員、サービス提供場所といった基本的な届け出項目に加え、夜間の職員配置など人員に関する基準、消防法の遵守、一人当たりの床面積など設備に関する基準、健康管理や緊急事態対応など、運営に関する基準などを主な内容とする予定だということを、今年度中に取りまとめると答弁しています。四カ月で重要な前進だと思っています。
 基準をつくるということですけれども、基準をつくるということで重要なことは、老人福祉法がその基本理念で述べているように、老人は多年にわたり社会の進展に寄与してきたものとして、かつ豊富な知識と経験を有する者として敬愛されるとともに、生きがいを持てる、健全で安らかな生活を保障されるものとする。その理念を、やはり実現する立場に立って基準をつくるということが重要だと思っています。
 基準についてですけれども、幾つか具体的に聞きたいと思います。
 第一に、宿泊スペースの問題です。デイサービスの設備基準、食堂、機能訓練室の合計面積は、三平方メートルに利用定員を乗じて得た面積以上と定められています。十人のデイサービス事業所であれば、わずか三十平米が基準だということですね。
 宿泊を実施しているデイサービスのほとんどは、日中、デイサービスをしている機能訓練室などで、その場所を片づけて簡易ベッドだとか、ソファーベッド、それからお布団を敷くなどで宿泊をさせています。このようなスペースを活用した宿泊については、おのずと限界があることです。基準をつくる場合、同種の施設が参考になると思いますけれども、宿泊を伴う他の同種のサービスであります、例えば小規模多機能居宅介護やショートステイ、それからグループホームなどでは、宿泊室の一人当たりの面積基準及び小規模多機能で個室が用意されていない場合に、男女が宿泊するときの対応はどうなっているでしょうか。

○狩野高齢社会対策部長 宿泊室等の面積基準についてでありますが、例えば小規模多機能居宅介護の宿泊室は、定員が原則一人、いわゆる個室でございまして、床面積は七・四三平米以上とし、個室以外の宿泊室を設ける場合は、一人当たりおおむね七・四三平米以上が確保され、同時にプライバシーも確保された構造とすることとされており、具体的には、パーテーションや家具などにより、利用者同士の視線の遮断が確保されていることが必要でございます。
 また、認知症の高齢者グループホームの居室は、定員が一人、床面積は七・四三平米以上とされており、ショートステイの居室につきましては、定員が四人以下、いわゆる多床室でも構わないということですけれども、一人当たりの床面積は十・六五平米以上となっております。

○大山委員 グループホームは個室ということが基本ですね。それから、小規模多機能も原則個室で七・四三平米以上、ショートステイの一人当たりは十・六五平方メートルですね。最低でも、やはり同等の基準を用意することが求められていると思います。個室でなくても、プライバシーが確保できるようにということが必要だということが、今のこの小規模多機能やショートステイ、グループホームなどの基準でわかることだと思います。
 第二に、利用者の安全確保にかかわる問題です。
 消防法の遵守を基準に盛り込むということが答弁されていますけれども、小規模多機能型居宅介護やショートステイ、グループホームなどについては、消防法ではどのような消防設備が義務づけられていますか。

○狩野高齢社会対策部長 消防用設備等の設置についてでございますが、消防法施行令では、例えばショートステイや認知症高齢者グループホームは、主として要介護状態にある者が入所する社会福祉施設でございますけれども、こうした施設を対象とする用途区分、六項ロというふうに呼んでおりますけれども、それに分類をされ、小規模多機能居宅介護は、要介護者が通所する施設等の六項ハという区分に分類をされております。
 前項の六項ロに該当する施設には、消火器、自動火災通報設備及び消防機関へ通報する火災報知設備が、また、延べ床面積が二百七十五平米以上であれば、スプリンクラー設備の設置が義務づけられています。六項ハのいわゆる通所施設等に該当する施設には、延べ床面積により設置義務が異なりますが、消火器は百五十平米以上、自動火災通報設備は三百平米以上、火災報知設備は五百平米以上の施設が義務づけられております。

○大山委員 グループホームだとかショートステイは、消火器や自動火災通報設備、それから消防機関へ通報できる火災報知設備が必要であると。あと、同時に、通所といいますか小規模多機能は、消火器は百五十平米以上だということですけれども、デイサービスで宿泊をさせているところは、とりわけフランチャイズ展開をしているところというのは、民家を借りて、バリアフリーなどの改修もほとんどしないで、手すりをつけるぐらいというところが結構多いんですよね。ですから、定員が十人以下の小規模なものが多いと見ていいんですね。しかし、命を預かっているということについては同じですので、小規模なところが対象にならないようなことは、しないようにしてほしいと思います。
 現在、福祉保健局と消防署が一緒に立入調査をしているときに、スプリンクラーを設置するように指導しているようですけれども、宿泊をさせている事業所ですから、スプリンクラーの設置というのは非常に望ましいことだし、必要なものだと思います。設置を進めるために、都として補助などは行っているんでしょうか。

○狩野高齢社会対策部長 消防法施行令によりまして、スプリンクラーの設置が義務づけられている施設につきましては、本来、事業者の責任において設置すべきものでございます。都では、スプリンクラーの設置が義務づけられていない、延べ床面積二百七十五平米未満の認知症高齢者グループホームや、小規模多機能型居宅介護、有料老人ホーム等の施設に対しましては、防火対策を強化し、利用者の安全・安心の確保を図るため、設置促進策として、その費用の補助を行っているところでございます。お尋ねの宿泊サービスを提供する通所介護事業所に対しましては、補助を行っておりません。

○大山委員 今は、宿泊している通所介護事業所には補助はしていないということですけれども、ぜひグループホームだとか小規模多機能、有料老人ホームと同じように対応してもらいたいと思います。
 三番目には、人員に関する基準です。
 私たちが訪問した幾つかの事業所でも、車いす利用者や認知症の方も多かったです。災害時には、とても一人では避難する、一人というのは職員が一人で避難することは対応できないんじゃないかと思います。宿泊デイサービスを実施しているところで働いていた方からも話を伺ったんですけれども、トイレの介助をしていればほかの人は見られない。ちょっとうとうとしたときに、ベッドから落ちたりということもあるんですね。ですから、夜勤のときは眠れないといっていました。
 東京都の調査では、宿泊サービスを実施しているデイサービスでは、夜間一名の職員を配置はしています。しかし、デイサービスの職員については、特に資格要件が定められていません。無資格でも従事できることになっています。利用、処遇の質の面での心配もあるわけです。認知症の方が利用している小規模多機能やグループホームでの夜間の人員体制及び職員には、資格のほかに何らかの研修等が義務づけられているんでしょうか。

○狩野高齢社会対策部長 夜間の人員体制についてでございますが、小規模多機能居宅介護事業所では、宿泊サービス利用定員の上限は九人でございまして、必要な職員数は、夜間の訪問サービス及び宿泊サービスの提供のため、二人以上となっております。なお、そのうち一人は、宿直勤務でも可能でございます。
 認知症高齢者グループホームでは、一ユニットの定員は九人以下であり、必要な職員数は一ユニットごとに一人以上でございますが、利用者の処遇に支障がない場合には、二ユニットに一人以上でも可能となっております。都では、都独自の施設整備補助を行う場合には、一ユニットごとに一人以上の夜勤職員を配置するようにしております。
 職員の資格につきましては、小規模多機能居宅介護では、必ずしも介護福祉士等の資格を必要としませんが、介護等の知識や経験を有する者を原則とし、従事者のうち一人以上は看護師または准看護師としております。
 認知症高齢者グループホームでは、介護従事者は認知症の介護等に対する知識や経験を有する者を原則として、一ユニットごとに一名置くこととしております。

○大山委員 デイサービスでの宿泊事業に一番似ているというのは、やはり小規模多機能なんですね。小規模多機能では、一人は宿泊でもいいけれども、基本的には、夜の体制は夜勤と宿直ということで、二人の確保がされているということですね。
 福祉保健局の調査でも、宿泊デイサービスの利用者の介護度は平均が二・八ということですが、グループホーム等、小規模多機能施設の介護度の平均というのはどれぐらいになっているでしょうか。

○狩野高齢社会対策部長 データが、母数を何にとるかによってさまざまですけれども、東京都の介護保険事業状況報告の月報ですと、小規模多機能居宅介護の利用者の平均要介護度はおよそ二・七一、それから国の方が調査したデータですと約二・五、それから認知症対応型の共同生活介護、グループホームの都の方の平均が二・七九、それから国の方の平均が二・七となっております。お尋ねのように、宿泊サービスを実施している通所介護事業所の利用者の平均要介護度は、昨年暮れ調査した結果、約二・八となっております。

○大山委員 小規模多機能が、国の調査だと二・五、東京都の調査だと二・七一、それからグループホームは、二・七が国の調査、そして二・七九が都の調査ということですけれども、宿泊デイサービスの利用者の平均介護度が、先ほども申し上げたとおり二・八ということですから、介護度も高い方が多いということですよね。ですから、本当に夜の体制、安全面の体制というのは、きちんとしておくということが重要だと思っています。せめて人員配置は、小規模多機能並みにというのが必要ではないかということを申し上げておきます。
 四番目に、労働基準法などの労働関係法規の遵守ということです。
 宿泊サービスを実施しているデイサービス事業所で働いていた方の話では、夜勤をして、そのまま日中勤務する場合もあるので、日中時間帯の活動に影響があるとか、テレビを一日じゅう見せていたり、体操もせずに、何もせずにぼうっとしている方が多い、こういうわけですね。自主事業ということになっている宿泊事業での夜勤と、それに続く日中勤務、昼間の活動に影響があるということでは本末転倒だと。介護保険法では、事業所に労働関係法規違反があった場合、どう対処しているんでしょうか。

○狩野高齢社会対策部長 現在、介護保険法におきましては、労働関係法規の違反に関する定めは特にございません。都は、介護事業者に対する運営指導において、例えば就業規則が作成されていない、雇用契約がないなど、労働関係法規違反の事実が確認された場合は改善を求めるとともに、所轄の労働基準監督署の指導に従うよう助言をしております。また、事業所の新規指定及び指定更新の事業所を対象とした研修会では、東京労働局労働基準監督官による講義を行いまして、労働関係法規の周知徹底を図っているところでございます。
 なお、国は、今通常国会に提出する予定でございます、次期介護保険法の改正案におきまして、事業者に対する労働法規の遵守を徹底するため、新たに労働基準法等に違反して罰金刑を受けている者については、事業所の指定拒否等を行うことを予定しております。

○大山委員 国の動きもあるんだということですね。私、話を伺った元社員という方は、最高、二泊三日勤務していたというんですね。本当にとんでもないことだと思います。夜勤明けで利用者を送迎させているところもあるんだということなんですね。本当に命にかかわる問題だといわなければなりません。長時間労働など劣悪な労働環境は、利用者のケアの質の低下につながりますので、厳正な対応が求められます。宿泊デイサービスの都独自の届け出基準については、基本的には宿泊を伴う同種の事業の基準と同じレベル以上のものにする必要があることを要望しておきます。
 東京都独自の基準をつくるとともに、例えばベビーホテルで、随分前に死亡事故などが社会問題になりまして、それがきっかけになって、児童福祉法ではベビーホテルも都道府県に届け出をするように義務づけてありますね。だからこそ、全くの無認可施設ですけれども、立入調査も行い、指導検査もできるわけです。ベビーホテルと同じようなケースなのですから、法に届け出制度を明記することも考えられますので、ぜひとも進めてほしいと思います。要望してほしいと思います。
 同時に問題なのは、長期に宿泊しているケースが少なからずあるということなんですね。私たちの調査でも、二年以上の利用者がいると答えたのは三事業所あります。先日も伺ったところでは、三年泊まっているという男性もいました。福祉保健局の調査でも、個人別の一月当たり最多宿泊数を三十泊、一カ月三十泊ですから全部ということですよね。つまり、ずっと宿泊しているということ、こういう回答をした事業所数が四九%に上ります。つまり、入所施設化しているということなんです。このような利用をしている利用者は、特養ホームなり、グループホームが必要な方なんじゃないかと思うんですが、どうですか。

○狩野高齢社会対策部長 通所介護事業所における長期宿泊者についてでございますけれども、こうした事業所において通所介護サービスを、昨年の十月に月十六日以上利用した高齢者の担当ケアマネジャーに対しまして、私どもが特養等の施設入所の申し込みの状況をお尋ねしたところ、約半数近くの利用者は施設の入所申し込みをしておりませんでした。また、そうした利用者のご家族やケアマネジャーの中には、遠くの特別養護老人ホームよりも、こういう地域の通所介護事業所の宿泊がよいというような声も聞かれたところでございまして、必ずしも長期宿泊の方すべてが、施設を希望しているものではないのではないかというふうに考えております。
 都としましては、特別養護老人ホームやグループホームなどの整備につきましては、介護保険の保険者である区市町村が、地域のニーズを踏まえて算定したサービス見込み量に基づいて、今後とも計画的な基盤整備に努めてまいります。

○大山委員 遠くの特養よりも近くの宿泊デイだということですけれども、やはりこれは、近くに特養があれば、そっちの方がいいんだということですよね。宿泊サービスを提供している通所事業所で、半数近くの利用者は施設の申し込みをしていないということは、半数以上の人は利用申し込みをしているということなんですよね。だから、長期に宿泊せざるを得ない方が出てきてしまうということなんです。劣悪だからとわかっていても利用せざるを得ない。それは、特養にも入れない、老人保健施設もあいていない、ショートステイも緊急時は使えない、小規模多機能もグループホームも整備率は全国最下位という、圧倒的な介護基盤整備のおくれが大もとにあるということを指摘せざるを得ません。
 特養ホームの整備については、本会議でも予算特別委員会でも質疑しましたので、きょうは、高齢者が在宅での暮らしを継続するための幾つかの提案をします。
 在宅での生活を保障するためには、ショートステイやデイサービス、ホームヘルプサービスは欠かせません。とりわけ、なれた場所で、なじみの人と宿泊できれば、高齢者は安全・安心ですし、デイサービスに行くときに、出かけるためにも支度を一緒にしてくれる、必要があればしてくれるホームヘルパーも重要です。そんな場所が小規模多機能型居宅介護ですね。二〇〇六年度から制度としてはありますけれども、なかなか整備が進まないで、今、七十四カ所しか都内にはありませんね。
 私も、何カ所か小規模多機能に行って、話も聞いてきました。小規模多機能は、訪問デイサービス、宿泊など、いろいろな対応が必要でありますから、職員にオールマイティーな対応が求められるというんですね。例えば、デイサービスに来るはずの利用者が来ないので、訪問してみたらぐったりしていたので、訪問診療を手配するなど自分で判断して、適切に対応するということが求められるところです。利用者一人一人に合った対応ができるということは、大きな魅力だと思っております。
 東京都は、二〇〇八年に、小規模多機能の整備が計画数を大きく下回っている状況にある理由として、土地価格の上昇、人材不足などの社会状況がある、また、制度内容そのものに課題があるといわれているというふうにして実態調査を実施しましたが、その調査に基づいて、東京都はどう対応したんでしょうか。

○狩野高齢社会対策部長 平成十九年に、小規模多機能型居宅介護の実態調査に基づきまして、都は平成二十年六月に、小規模多機能型居宅介護につきまして介護報酬の単価を見直すとともに、特に要介護一、二の介護報酬の引き上げを行うこと、及び登録定員の上限撤廃や、登録者以外の者の宿泊利用を可能とすることなどを国に緊急提言しました。
 その後、平成二十一年四月の介護報酬におきまして、介護従事者の処遇改善のために三%引き上げが図られるとともに、小規模多機能型居宅介護につきましては、事業開始当初、運営が大変厳しいということで、事業開始後一定の期間、登録者が定員の八割に満たない事業者に対して、報酬を加算する制度が創設されたところでございます。
 その後、国が実施しました平成二十二年の介護事業の経営概況調査によりますと、全国の小規模多機能居宅介護の収支差率は、平成十九年調査時点ではマイナス一八・五%だったものが、ようやくプラス四・四%に、わずかながら改善いたしております。しかし、登録定員の上限等の撤廃については改善が図られていないため、平成二十二年九月に重ねて、登録定員の上限撤廃や登録者以外の者の宿泊利用について、国に提言を行ったところでございます。

○大山委員 国に改善は求めて、一定の改善はして、少しは経営状況もよくなったんだということなんですけれども、東京都独自のことはやっていないんですよね。だから、やはり高齢者人口に対する整備率は、全国で四十七位というところになっているというわけですね。東京は土地も高いし、人件費も高くしないとならないわけです。ですから、全国の基準でやっていれば進むんだということにはならない。これは、東京都の独自の施策が必要なところだし、地方自治体としての東京都の役割が発揮できるところなんですよね。
 なぜ小規模多機能が広がらないのかということでは、一つは介護報酬が低くて、多くの小規模多機能事業所が経営問題で四苦八苦している。さっき、少し経営は改善したんだとおっしゃっていましたけれども、と同時に小規模多機能自体が余り知られていない存在なんだというのを、小規模多機能を経営している、運営していらっしゃる方もおっしゃっていました。
 宿泊代はホテルコストとして徴収しなきゃいけないので、家賃を初め経常経費を反映せざるを得ないという状況なんですね。新宿で、賃貸マンションを借りて実施しているところがありますけれども、何と家賃が、百平米弱のところなんですけれども、月額四十万円以上なんですよ。その上、送迎用に二台、車が必要なんですね。その二台の駐車場代、これが一台で五、六万円だというんですね。ですから、そこの小規模多機能の宿泊代は、一泊六千円にせざるを得ないんですということなんです。一方、区の土地を借りている、区が定期借地で社会福祉法人に貸しているところは、市価の半額で貸していますから、宿泊代は一泊二千五百円に抑えることができているんですと、こう話していました。
 利用者の負担軽減、やはり宿泊料が六千円とか四千五百円とかというと、本当にやっぱり二の足を踏んじゃうんですよね。ですから、宿泊料の軽減というのは欠かせません。東京都の土地を提供すること、それから国などの土地で売却予定のところ、うちのすぐ近所にもあるんですけれども、二〇一三年度までに三カ所、印刷局のところがあるんですよね、宿舎の跡地というのが。国有地などについて、国が安価に区市町村や社会福祉法人に提供するようにということを求めるとともに、都有地活用も積極的に行うことが必要ですが、どうですか。

○狩野高齢社会対策部長 都は、国に対しまして、国有地について定期借地権に基づく貸付制度が開始されましたが、事業者が介護保険施設などの整備に活用しやすくなるよう、貸付料を減額するよう既に提案要求しているところでございます。
 また、都は、特別養護老人ホームや認知症高齢者グループホーム、小規模多機能型居宅介護等の運営を行う事業者に対しまして、未利用の都有地を低廉な価格で貸し付けることにより、施設整備の促進に努めております。この都有地を活用した小規模多機能居宅介護の整備につきましては、現在、一カ所が整備中であり、二カ所が借り受け事業者を決定し、今後、整備することとなっております。

○大山委員 国の貸付料を安くしてほしいということを国に要望するというのは、もちろん重要です。しかし、国がなかなか減額しないという状況のもとでは、やはり都が補てんなどをするということをしないと進まないと思うんですね。やっぱり都心部、特にそうなんですけど、国有地が結構あるんですよね。ですから、ぜひやっていただきたいと思います。小規模多機能の場合は、それほど大きな土地は要らないわけですね。ですから、物納などをされた土地なども含めて、低廉な値段での提供をするようにということで、さらに国に求めることが必要です。
 同時に、国はどこに未利用地があるのかという情報を、各自治体に速やかに提供するように求めてください。適切な公有地がないところは、家賃や土地代の助成、それから駐車場代の助成も含めて実施することを求めますが、いかがですか。

○狩野高齢社会対策部長 地域密着型サービスである小規模多機能居宅介護は、地域の実情に応じまして、区市町村が独自に高い介護報酬の設定を行える仕組みとなっており、現在、都内では六区が設定しております。また、先ほど申し上げましたように、平成二十一年四月の介護報酬改定におきまして、介護従事者の処遇改善のため三%の報酬の引き上げが図られるとともに、小規模多機能居宅介護につきましては、事業開始後一定の期間は、登録者数が定員の八割に満たない事業者に対して、報酬を加算する制度が創設されたところでございます。
 このように、小規模多機能型居宅介護事業所に対する介護報酬につきましては、安定した運営を確保するための一定の措置が、この間、講じられておりますので、都独自の運営費補助は考えておりません。

○大山委員 やはり進めるという立場で、今、何をするのかということが必要だと思うんですよね。自治体が独自に高い介護報酬を設定できるんですけれども、そうすると利用者の利用料に反映しちゃうんですよね。グループホームに合わせて整備する場合の加算は、もちろん重要です。同時に、併設でなくても、併設するとどうしても広い土地が必要ですから、併設でなくても都独自の加算をすることが必要だと思います。要望しておきます。
 ショートステイも整備率、全国では四十七位、ショートステイは通常、特養ホームだとか老人保健施設に併設されますけれども、デイサービスに併設しているところに訪問して話を伺ってきました。施設長さんは、デイサービスにショートステイを併設した理由を、ショートステイはつくってもらいたい施設のナンバーワンなんだと。介護をしている方、されている方も含めてね。だからつくろうと。で、デイサービスに来ている方がなれたら、宿泊するのが理想的なんですと話していらっしゃいました。ショートステイは、毎日、利用者が入れかわるので、ここでも介護職員のレベルも、高さが求められるということを話していました。ショートステイにはOT、PTの専門職が配置できないから、本当はやりたいんだけれども、生活リハビリになる、介護福祉士をしっかりと確保したいんだということもおっしゃっていました。
 ショートステイをデイサービスに併設するということですけれども、二十床以上が基準で、二十床以上のショートステイというのは規模が大き過ぎて、なかなか併設が進まないんですよね。で、二十床未満の小規模のものを初め、積極的に併設を進めることが求められていますけれども、建設が進まない理由というのはどこにあると認識していらっしゃいますか。

○狩野高齢社会対策部長 都は、平成二十一年度までは、特養等に併設する場合にのみショートステイ整備費補助を行ってまいりましたが、民間事業者の参入を促し、さらなる拡張を図るため、平成二十二年度から特養等の施設以外、例えば有料老人ホーム等に併設するショートステイや、定員二十人以上の単独で整備するショートステイにも補助することとしております。
 ショートステイの定員につきましては、原則として二十人以上とされております。ただし、特別養護老人ホームや介護老人保健施設などへ併設する場合や、区市町村の指定を受けて通所介護事業所等に併設する、お話の基準該当ショートステイでは、定員二十人未満でも設置が可能でございます。ただ、国が実施をしました平成二十年の介護事業経営実態調査の結果を見ますと、ショートステイ事業所の収支差率は、定員が少ないと低いという傾向にあり、ショートステイを安定的に運営するためには、一定の定員規模が必要であると考えられます。
 都は、国に対し、この基準該当ショートステイの設置を促進するため、例えば医師の配置については、医療機関との連携が図られる場合には必置を緩和するなど、小規模での運営が可能となるよう基準の設定を提案しているところでございます。

○大山委員 特養以外、つまりデイサービスなども含めて、併設する二十床未満のショートステイにも、今年度から補助を開始し始めたんだということですね。今、答弁されたように、介護保険実態調査でも、安定的に運営するためには一定の規模が必要なんだと。しかし、二十床ものショートステイでは、用地の確保も含めて、前へ進めることがなかなか困難だと。だからこそ、東京都の出番ということになるんですね。小規模のショートステイをデイサービスに併設できるように、東京都の支援、例えば運営費などの補助、規模が小さいから運営が厳しいわけですよね。小規模特養に、以前、補助を出したように、やはりここでの、小規模のショートステイにも、運営費の補助なども求められているといわなければなりません。
 介護職員の確保、定着、これは待ったなしです。東京都が直接、介護福祉士の養成に責任を持つということが求められています。同時に、就職してから介護福祉士などの資格を取得できるように、研修などの時間がとれるよう、都が増配置に補助をすることも有効だと思いますが、どうなっていますか。

○狩野高齢社会対策部長 都では、平成二十一年度から、介護人材の確保育成支援事業等を実施し、特別養護老人ホームや認知症対応型グループホームなどを運営する事業者に対しまして、職員の介護福祉士資格取得経費について補助を行ってきました。平成二十三年度からは、都内に介護サービス事業所を運営する事業所すべてを対象に実施する予定でございます。
 また、現任介護職員の研修受講を支援することにつきましては、平成二十一年度から、国の緊急雇用創出事業を活用いたしまして、居宅サービス事業所や介護保険施設などに研修受講期間中の代替職員を派遣する、代替職員の確保による現任介護職員等の研修支援事業を行っております。

○大山委員 二十一年度から介護人材確保育成事業を実施して、二十三年度からはすべての介護事業所で実施するんだということですので、ぜひ拡充していっていただきたいと思います。
 介護現場のレベルを上げていくためには、職員が熟練できるように働き続ける職場にすることが重要だと。そのためにも処遇改善は切実です。都自身が、特養ホームの人件費割合を大きくするようにということで、国に求めているわけですね。ですから、国に求めるとともに、都が率先して人件費補助を実施することを求めますが、どうですか。

○狩野高齢社会対策部長 介護サービス事業は、サービスの対価として得られる介護報酬で運営することが基本でございます。介護報酬につきましては、平成二十一年四月の報酬改定により、介護従事者の処遇改善のために三%の引き上げが図られ、さらに、平成二十一年度より実施している介護職員処遇改善交付金によりまして、全国の介護職員の平均給与額は月額で約一万五千円増加しております。また、平成二十二年の介護事業経営概況調査結果によりますと、全国の特別養護老人ホームの収支差率は、平成十九年調査時には四・四%であったものが、一〇・七%に改善をしております。
 都といたしましては、国に対し引き続き、介護報酬を大都市の実態に合わせ抜本的に見直すことを再三提案要求しているところでございます。このため、独自に人件費補助を行う考えはございません。

○大山委員 国に再三要望しているんですということは、必要だから要望しているわけですよね。ですから、現在の介護報酬では全く不十分であるということなんですから、国に求めるんだったら、国の制度を前に進めるためにも、東京都が率先して上乗せをしていくべきだと思います。
 今の質疑で、宿泊デイサービスの基準の問題、それから、それが宿泊デイサービスをせざるを得ない、広がる大もとには介護基盤整備の圧倒的なおくれがあるんだということで、圧倒的に基盤整備を進めてほしいということで質疑をしましたけれども、圧倒的な基盤整備の拡充、それから、人がやはり重要ですから、質の向上というのだったら、やはり東京都としてもきちんと支援していくということを求めておきます。
 次の質問ですけれども、保育に行きましょうか。待機児解消の問題です。先ほども質問ありましたけれども、待機児も本当に深刻、もう預けられないから仕事復帰できない、それからお店に連れていくんだ、そんな状況の中であるわけですね。待機児解消ということで、東京都は、保育所最低基準の面積基準について検討するために、東京都児童福祉審議会に専門部会を設けましたけれども、どのような経過で設けたんでしょうか。

○角田事業推進担当部長 現在、地域主権改革推進一括法案が国会で継続審議中でございます。法が成立、施行されますと、保育所を含む児童福祉施設の設備運営基準が都道府県等の条例に委任されることとなります。特に、保育所の居室面積につきましては、東京等の一部の地域に限り、待機児童解消までの一時的措置として面積基準の緩和が可能となることから、条例制定に向けた準備が必要でございます。そのため、児童福祉審議会専門部会において検討をいただいているところでございます。

○大山委員 検討しているんだというわけですけれども、児童福祉審議会はこのことについて、昨年十一月四日、これが本委員会ですよね、そこで、専門部会の設置を十一月に決めて、その後、十二月二十一日に第一回専門部会、年が明けて一月二十七日に第二回の専門部会を開いて、その第二回のときには既に面積基準緩和の考え方、この事務局案、つまり東京都の案が示されているんです。
 この紙には何と書いてあるか。面積基準に関する都の考え方として、待機児解消は喫緊の課題であること、保育所の計画的な整備を推進している、ここまでは私も一致しています。しかし、その次が、現行でも既存施設の定員拡充や定員の弾力化の余地があり、区市町村及び事業者に対して積極的な働きかけをしているということなんですね。それでは足りないからということで、都条例で保育所の面積基準を一部緩和する、こう書いてあるわけですよ。児童福祉審議会に専門部会を設置して、そして一回審議して、その次の専門部会にはもうこの紙を出してくる。結局、結論先にありきじゃないですか。
 病院や保育施設で赤ちゃんを亡くした親御さんが中心となって、これ以上もう赤ちゃんを犠牲にしないようにということで活動している団体である赤ちゃんの急死を考える会は、一九六二年から二〇〇八年に起こった保育施設における死亡事故二百四十件を分析した結果、認可外保育施設での事故が全体の約八五%を占めていること。しかし、他方で、認可保育所では、二〇〇〇年度までの四十年間で十五件だった死亡事故が、二〇〇一年度以降の八年間で二十二件、四十年間で十五件だった死亡事故が、二〇〇一年度以降の八年間で二十二件と大幅に増加していたことについて、二〇〇一年は、小泉改革の待機児童ゼロ作戦によって認可保育所の定員の弾力化の上限枠が撤廃され、最低基準ぎりぎりまでの詰め込みが推奨されるとともに、これに伴う保育士の定員増は短時間非常勤保育士を充ててよいとされ、保育士定数の八割以上が常勤でなければならないという規制がなし崩しにされた年である、こう指摘しているんですね。福祉保健局も、この団体から話を聞いたんじゃないんですか。赤ちゃんの犠牲はどう生かされているんでしょうか。

○角田事業推進担当部長 昨年、赤ちゃんの急死を考える会のメンバーの方々にお目にかかりまして、団体が把握している死亡事故について情報提供を受けるとともに意見交換を行いました。団体が把握しておられる事故につきましては東京都でも把握しております。
 また、団体からは、保育所等の整備、あるいは保育所の物理的な環境の整備とともに、職員配置あるいは保育士の資質向上などについてもご要望がございましたが、東京都は、これまでも区市町村や事業者など現場のさまざまな意見も踏まえまして、保育所の整備や保育士の資質向上などに取り組んでいるところでございます。

○大山委員 せっかく話を聞いているのに、受けとめられないんじゃないかと私は危惧しています。もちろん認可保育所の増設や職員配置をふやすこと、保育士の資質向上は基本ですよ。しかし、この会の分析の核心部分は、規制緩和で定員以上に子どもを入れ始めたことと認可保育所での事故の増加が相関しているということじゃありませんか。赤ちゃんの急死を考える会は、子ども・子育て新システム検討会議に対して昨年十一月に申し入れをしています。
 その部分は、詰め込みの劣悪な認可外保育施設は待機児童が多い地域においてこそ成り立っているのであり、そこで多数の死亡事故が生じているのである。待機児童が多い地域の乳幼児こそ、最低基準により劣悪な保育施設から守られなければならない必要性が高いのに、同地域で最低基準を緩和することは、劣悪な保育施設を認可していくことにほかならない。待機児童対策は、最低基準を守った認可保育所を増設することによって解消すべきであり、政府の方針は本末転倒であると。こう述べて、児童福祉施設最低基準の緩和は、重大事故の多発する認可外保育施設に対する指導監督基準の緩和に直結するものであると警告しているんですね。安易な規制緩和はやってはいけないんですよ。
 そもそも日本の最低基準は世界のレベルでは文字どおり最低レベルであるということは、全国社会福祉協議会が厚労省の委託を受けて行った調査、機能面に着目した保育所の環境・空間に係る研究事業、この中でも明らかです。アメリカ、イングランド、フランス、ドイツ、スウェーデン、ニュージーランド、この六カ国の中の十四の都市だとか州と比べています。一人当たりゼロ歳児と一歳児は十四中十番目と九番目で低いレベルではありますけれども、二歳以上になると断然最下位になっちゃうんですね。このことが子どもたちにどういうことになっているか。
 保育園は、乳幼児が一日のほとんどの部分を過ごす場所であるにもかかわらず、遊ぶところも食事するところも寝る場所も同じということなんです。なぜこのように低過ぎる基準なのかといえば、児童福祉施設最低基準、これは戦後間もない昭和二十三年当時の日本の社会状況を反映して当初目標としていた水準を切り下げて制定したんですね。それが今の児童福祉施設最低基準です。
 その当時、この最低基準は、経済の復興、文化の向上につれて、できればスライド式に最低基準を向上させていかなければならないのは当然だと、こういう論議があって、児童福祉施設最低基準は、第三条五項で、厚生労働大臣は、最低基準を常に向上させるよう努めるものとすると、こうなっているんですね。それを引き下げるというのですから、法の趣旨とも逆行だといわなければなりません。
 しかも、実際に実施主体である区市町村はどうなんだと。先ほど、ほかの議員の答弁の中で選択肢が広がるからいいんだ、こうおっしゃっていましたけれども、区市町村に定員拡充や弾力化の余地があるといいますけれども、区市町村はそれを望んでいるのかということなんですね。
 東京都社会福祉協議会が昨年行った区市町村アンケートのまとめでは、平成二十二年四月までに現行の面積基準に従った定員拡大を行ったかという質問に対して、今のままで現行の面積基準に従った定員拡大を行ったか、拡充を図ったという区市町村は二六・七%です。七三・三%の区市町村は現行の面積基準でも定員拡大しなかったんですね。
 どうして拡大しなかったのか、この理由も聞いています。子どもの安全性や発達面への影響が危惧されるから、これが五九・一%ですよ。最も多いんです。区市町村は子どもたちを詰め込むことはよしとしていない、そういうことなんです。この調査結果、どのように認識していらっしゃるんでしょうか。

○角田事業推進担当部長 先生から幾つかご指摘をいただきましたので、まず最初に、赤ちゃんの急死を考える会と懇談しました際の規制緩和との関係というご指摘でございますが、厚生労働省が把握しております事故は平成八年以降でございまして、赤ちゃんの急死を考える会の方たちの把握していらっしゃるものも全数ではないという状況の中で、二〇〇一年以降、死亡事故が増大しているというふうな形のものは読み取れるものはございませんでした。
 そして加えさせていただきますと、二一年に厚生労働省が報道発表した際に、専門家の方のコメントがそこに付されてございますが、認可保育所がこれほどふえていることや子どもの育ちのさまざまな課題がある中で死亡件数はふえておらず、保育所が事故防止に努めていることがわかるといったコメントが付されておりました。
 それから、全社協の調査についてでございますけれども、これはあくまでも食寝分離を前提としたものということでございますので、現行の最低基準との関係は国からは何ら示されておりません。
 そして、先ほどご指摘をいただきました最低基準のことでございますが、現在は検討しておりますのが最低基準についてでございますので、仮にこれを緩和した場合にも、その最低基準を超えて常に保育所の設備運営の向上に努めていくということは現行と変わりないということでございます。
 それから、区市町村のご意見ということでございますけれども、区市町村の中にはさまざまご意見があるのは承知をいたしておりますが、多くの待機児童を抱える中で既にさまざまな工夫や努力を尽くしている自治体においては、さらなる一手を探りたいというところもございます。そうした自治体が一つでもある以上、待機児童解消に取り組むための選択肢をふやすということが広域自治体としての東京都の役割と考えてございます。分権の意義からも、国が許容しながら都が規制をするということがあってはならないと考えております。

○大山委員 保育園というのは子どもの発達保障をしなきゃいけないんですよ。保護者の働く権利と子どもの発達する権利を両方同時に責任を果たす、それが保育所なわけですね。ただ詰め込めばいい、そういうわけじゃないですよ。
 そして、全社協の調査は厚労省の委託でやったものですね。世界で最低。そして、今いったように、最低基準は引き上げなさいよって、あの戦後間もないときに引き上げていくことが求められていますよということを厚労省自身がいっていたんです。東京都だって都基準をつくって、それで向上させてきたんですよ。保育の量と質を両方一緒に拡充していく。この姿勢がなければ、子どもをしっかりと育てようということを、発達保障させようということの視点が外れているといわなきゃいけないですよ。
 さらに、今の状況でも拡大しないのは、子どもの安全性や発達面への影響が危惧されるからという区市町村が五九・一%ですよ。さらに今後、条例で現行の面積基準を緩和できるようになった場合、現行の面積基準を緩和する予定があるのか、東社協はこう聞いてますよ。わからないが五七・六%、面積基準を緩和する予定があるというのはわずか六・八%、ないというのが三五・六%。予定がない区市町村の理由というのは、やはり子どもの安全性や発達面への影響が危惧されるから。さっきは現行のではどうですかといったら、五九・一%が心配、危惧されるからといいましたけれども、さらにふえて、七一・四%の自治体が子どもの安全性や発達面への影響が危惧されるから、わからない、予定がないということなんですよね。
 つまり都が面積基準を緩和しても、さらに一人当たりのスペースを小さくしようとしても、実施主体の区市町村は、子どもたちの安全や発達保障を考えればできないということなんですよ。法の改正はどうなっていますか。

○角田事業推進担当部長 地域主権一括法案の状況でございますが、平成二十三年一月二十四日に衆議院総務委員会に付託をされ、現在継続審議となってございますが、具体的な審議日程は未定でございます。

○大山委員 子どもたちの安全や発達を保障するためには、最低基準を引き上げることこそ必要なわけですね。たとえ緩和したとしても、区市町村は緩和する立場ではないわけです。法律だって動きようがない状態じゃないですか。
 それを国の改悪を先取りして、今でも小さい、世界の最低水準の最低基準を、面積基準をさらに小さくするなどということは許されませんよ。最低基準があって各自治体が創意工夫するんだったら、このナショナルミニマムの最低基準の上に乗せていく。これこそ地方自治体のやるべきことだといわなきゃならないわけですよ。最低基準を下げていくなんていうのは、もう許されることじゃないです。
 待機児解消なら認可保育所の大幅増設だと。私たちは、ことしも区市町村に認可保育所の申し込み人員、人数と定数、それから施設の現状と計画を調査しました。多くの自治体で認可保育所の増設が始まっていることは重要な変化です。認可保育所の増設の計画が結構出ているんですね。認可保育所の増設に各区市町村が踏み出し始めている要因というのは何だと考えていますか。

○角田事業推進担当部長 保育の実施主体であります区市町村が、待機児童の解消に向けて保育所等の施設整備に精力的に取り組んでおります。こうした区市町村の取り組みを支援するため、国の安心こども基金の活用のほか、事業者と区市町村の負担を軽減する都独自の施策を実施もしております。これらが功を奏して保育サービスの拡充につながっているものと認識しております。

○大山委員 そうなんですね、功を奏しているんですよ。国の補助率のアップ、それから東京都の上乗せ、これが認可保育園を増設できる環境を区市町村につくったわけですよね。これ、重要なことだと思いますよ。
 世田谷区に聞きに行きました。どうして世田谷区に行ったかというと、安心こども基金を活用して、二十一、二十二年度に認可中心に二千人分を整備するという計画で、二十二年度は千五百人分整備する、横浜市に次ぐ整備量だということで頑張っているんだとお話ししていました。
 世田谷区といえば、今までは認証一本やりだったんですね。その認証一本やりからどうして認可保育所整備にシフトしたのか、そう伺いました。そうしたら課長さんは何と答えたか。認証Aをつくり続けても待機児を吸収できるわけではなく、待機児解消は認可保育所でということになったんだと。小田急ムックのこと、つまり補助金の不正受給ですね、これも相当なインパクトがあった、そういっていました。ジャングルのことだとか、それから、日食の食材費の少なさ、そういうことも影響しているんです、あの事件というか、事故はね。補助率のアップ、これは認可保育所を増設するためには大きな力になるということなんですね。ですから、安心こども基金の継続は、とりあえず二十三年度までは延長にはなりましたけれども、さらなる充実と都の上乗せもさらに充実することが必要です。
 来年度の認可保育所への申し込み状況を調べました。昨年も私たちは同じような調査をしたんですが、区部で一昨年から昨年の申込者の増加は三千七百四十七人だったんですけれども、昨年とことしの増加は、二十一区分なんですけれども、四千五百一人の増加です。ですから、昨年の伸び率は一・一倍、ことしの伸び率は一・〇九倍ですから、ほとんど伸び率は変わらないんですね。去年もかなり伸びた。ことしも同じように伸びたということなんです。これは総数の比較なんですけど、保育園ですから、年齢別の受け入れがどうなっているのかというのを見ないと正確のところはわかりません。
 ゼロ歳児の受け入れ可能人数というのは定数どおりと見ていいわけですよね、ゼロ歳最初ですから。一歳児以降は進級する子どもたちがいますから、来年度の年齢別定員と今年度の在籍している一歳児以降の各クラスの乳幼児数を差し引くと大まかな推定値は出るということで計算をしてみました。
 申請している子どものうち、入所できない子どもの人数を申込者数とその入所可能の数と差し引いて推計をしてみました。二十区での集計なんですけれども、認可保育所に申請している子どものうち、ゼロ歳児は千五百七十三人入れない。一歳児は六千百十二人入れない。二歳児は三千三十七人入れない。三歳児は千三百六十一人が認可保育園に入れないということになるんです。保育を必要としている子どもたちの増加に、認可保育園増設には方向は行っているんだけれども、追いついてない、それが今の現状だと思いますが、どうですか。

○角田事業推進担当部長 各区市町村が二十一年度に実施いたしましたニーズ調査では、潜在的ニーズを含めますと、就学前児童のいる家庭の四四%が保育サービスの利用を希望しているという状況がございます。
 平成二十二年度から二十六年度までの東京都保育計画においては、この潜在的ニーズも踏まえて目標値を設定しており、認可保育所だけでなく、認証保育所、家庭的保育事業など、さまざまな保育サービスを総動員いたしまして、今後五年間で保育サービス利用児童数を三万五千人ふやすということとしております。

○大山委員 五年間で三万五千人分ふやすんだということですね。どうするのかということなんです。
 世田谷の話にもあったように、待機児解消は認可保育所の整備なんですね。そのためには、まずは土地です。東社協が昨年実施した区市町村への保育所待機児対策に関する調査では、待機児解消を進める上での障壁と課題、これを聞いています。それは設備費、整備費、用地、この確保が七割の区市町村が課題だとしているんですね。都有地は半額で貸し付けということですけれども、区市町村に都有地のどこが使えるのかなど情報提供することが必要ですけれども、どうなっていますか。

○角田事業推進担当部長 未利用の都有地につきましては、都有地活用による地域の福祉インフラ整備事業によりまして、今年度、土地の所在する区市町村に対し情報提供し、利用意向の調査を実施いたしました。現在、回答のありました区市町村との調整を行っているところでございます。

○大山委員 積極的に情報提供もして、土地を提供してほしいと思います。
 同時に、区市町村からは、都有地を活用して認可保育所の整備を図る場合、保証金を求めないようにしてほしいとかね。保証金があるというのを私も知らなかったんですけれども、求めないようにしてほしいとか、地代を無償または極めて低廉にしてほしい、低額にしてほしいなどの要望が出されていますけれども、どう考えていますでしょうか。

○角田事業推進担当部長 まず保証金につきましてですが、定期借地権を設定する場合の保証金は貸付料月額の三十カ月以上に相当する金額とすることが東京都公有財産規則に規定をされております。
 それから、今お尋ねの無償あるいはさらなる減額というお話でございますが、先ほど申し上げました都有地活用による地域の福祉インフラ整備事業におきましては、五〇%の減額による貸し付けを実施しているところでございます。

○大山委員 五〇%って区市町村ですからわかっているけれども、こういう要望が出てくるわけですよね。
 例えば保証金にしたって、保育園だとか圧倒的に足りない。ほかの特養だとかももちろんそうだと思いますけれども、その必要なものを東京都と区市町村と一緒につくろうという場合なわけですから、よく減額だとか免除という制度もあるわけですから、そんなことも工夫してやってもらいたいと思います。大幅に増設していくというのは東京都の目標でもあるわけですし、都有地なわけですから、無償または極めて低額にという要望は当然だと思います。
 使える都有地があるところはいいんですけれども、私、新宿ですけれども、都有地ってあんまりないんですよね。国の宿舎の跡地などは結構あるわけですね。二十三区内だけでも東京ドーム百三十個分の未利用国有地があるといわれているわけです。
 ところが、国は減額などの制度がないんですね。国有地の減額貸付や、国の機関でも独立行政法人の土地は市価での売却ですって、こう冷たくいうわけです。これでは使えない。せめて半額での、東京と同じように半額での貸し付けなどを国に要望することが求められていますが、どうですか。

○角田事業推進担当部長 国有地の貸付制度は今年度から創設されたものでございますけれども、都は国に対し貸付料の減額を行うよう、既に昨年の秋に提案要求をしております。

○大山委員 必要だから減額要求をするんだということですけれども、ぜひ国が減額の制度を実施するまでは東京都が支援して、都有地と同じような条件で貸し付けることも検討するべきだと思いますが、どうでしょうか。

○角田事業推進担当部長 ただいまも申し上げましたように、国有地の貸付料の減額につきましては既に国に提案要求しております。
 なお、都は平成二十年度からマンション等併設型保育所設置促進事業を実施いたしまして、土地の確保が困難な都市部におきましても保育所の設置が進むよう、賃貸物件の改修費や建物賃借料の補助を行うなどいたしております。したがいまして、土地の確保に対して新たに支援ということは考えておりません。

○大山委員 三万五千人分を整備するという目標を掲げて、それで緊急課題だ、だから解決するんだということでやっているわけですから、国に要望しているんだったら、やはり国が実施するまでは東京都だって頑張るというところを見せた方がずっといいと思いますよ。
 都有地も国有地もない、適地がないというところもあるわけです。そうすると、民間の土地を借りる場合に減額できるように、東京都が民有地に対しても補助することが、やはり前へ進めるために重要だと思いますが、どうですか。

○角田事業推進担当部長 都は今年度から、独自に保育所用地確保のために定期借地権を利用して民有地を賃借する場合に、定期借地権設定時に必要な一時金の二分の一を補助するという事業を既に予算化しております。

○大山委員 一時金の二分の一を補助するということになったということ自体は重要な前進だと思っています。つまり、土地代への支援が重要なんだということを東京都も認識しているんだということですよね。都有地を減額にし、民有地にも賃借料を二分の一補助する。ですから、さらに拡充していく。都心部、特に国有地が結構あるんですよね。宿舎、土地、そういうところも含めて、東京都の制度としても、さらに拡充していくことを求めておきます。
 運営費がネックになっている、これも明らかです。待機児童解消を進める上での障壁と課題、この中で一番多かったのは運営費の確保、これが八〇・四%で最高です。東京都は、公私格差是正事業で人件費補助を行って、働き続けられる公立保育園の職員の給与と私立の保育園の職員の給与をほぼ同等に賃金保障してきたわけです、かつてね。職員の雇用と定着が図られていました。それをサービス推進費にして、さらにそのサービス推進費を改悪して、年齢での加算をなくしてしまいました。そのために私立保育園の労働条件が圧倒的に低下して、保育士不足はマスコミでも取り上げられて社会問題になっています。子どもだけでなく親の相談も受ける、労働と賃金が合わない、これが周知の事実になっています。雇用の確保と定着が大きな問題、課題だと思いますけれども、どう認識していますか。

○角田事業推進担当部長 保育所の運営は、基本的に国が定める保育所運営費負担金で賄われるものでございますが、都は利用者に対するサービスの向上を目的として民間社会福祉施設サービス推進費補助金を交付しております。こうしたことで必要な運営費は確保されているものと考えております。
 なお、保育人材の確保につきましては、昨年度から保育人材確保事業を開始し、保育士の再就職を支援するための研修や相談会を行っております。さらに今年度からは、保育所勤務の経験のない保育士を対象とした現場実習を含む研修を追加し、取り組みの一層の強化を図っているところでございます。
 それから、先ほどご指摘の定着の件で申し上げますと、十六年度に行ったサービス推進費補助金の再構築の後とその前とで比較いたしましても、おおむね職員の平均経験年数は九年と、ほとんど変わってございません。

○大山委員 九年ね、経験年数、わずか九年ですよ。熟練が必要、それから集団的な力が必要、それから一人で決断しなきゃいけない。そういうやはり熟練が必要であって、年齢層もいろんな年齢層の人がいるということが重要な職場ですから、その平均がわずか九年。しかも、これ、国勢調査のですけれども、二十代の保育士が圧倒的なんですよね。ですから、やはりきちんと働き続けられる、そして、やはり労働と賃金が合わないというのがあるわけですね。
 保育士の平均賃金は月額二十一万千四百円、ボーナスなどが年間六十七万三千二百円、平均年齢三十三・八歳です。例えば都の職員の平均経験年数を見たら、平均年齢が出ていますけれども、一般行政職で四十二・八歳ですから十年程度の差があるわけですね。いかに保育所が働き続けることが困難なのかということなんですよ。
 もう一つ、昨年、私、委員会で、私たちがやったアンケートに、区市町村は公立保育園への運営費と整備費を求めているんだと、それがふえたんだということを話したら、福祉保健局はそんなことは聞いていないと答弁されたんですね。東社協の調査でも、東京都への要望では公立保育所の整備や運営に対する補助がちゃんと要望されているんです。区市町村の要望をしっかり聞いて、情報も提供して、認可保育所の増設をさらに進めやすいようにすることを求めておきます。
 保育の問題の最後なんですけど、一つだけ確認しておきたいと思います。今回、認定こども園の年齢区分について、今までは月の初日が年齢区分の基準だったのを年度の初日とするようにということの条例が出ています。つまり、ゼロ歳児のクラスでも、五月生まれの子は五月になったらゼロ歳児のクラスだけれども、一歳になる。だから、もう一歳児の補助金なんだということなんですね。それを今回は年度当初を基準にするということですから、一歳児のクラスにいるうちは、お誕生日が来ても一歳児の補助単価での計算となるわけです。運営費の補助額にかかわるものですから、重要な改善だといえます。
 認可保育所と認定こども園は、これで年度当初が基準日となるわけですけれども、認証保育所だとか保育室なども同様にすべきだと考えますが、どうでしょうか。

○角田事業推進担当部長 認証保育所における取り扱いにつきましては、現在検討を行っているところでございます。

○大山委員 認定こども園と同時に、保育室も含めて、少なくなったとはいえ運営費は切実な問題ですから、ぜひ進めていってほしいと思います。ということで、保育の問題はおしまい。
 次に、東京都立総合精神保健福祉センターと東京都立精神保健福祉センターの条例改定についてということで、これは、精神保健福祉センターが実施している地域生活にスムーズに移行するための病室とホステルを廃止して短期入所施設にするということですね。今年度からアウトリーチ支援をモデル実施していますが、どのような仕組みで実践して、実績はどうなっているでしょうか。

○熊谷障害者医療担当部長 アウトリーチ支援の仕組みと実績でございますが、医療の中断などにより地域での安定した生活が困難な精神障害者に対し、精神保健福祉センターの医師、保健師などの専門職チームが区市町村、保健所と連携して訪問型支援を実施しております。区部は二十三区全域を対象に、多摩は西多摩二次保健医療圏をモデル地区として実施し、平成二十三年一月一日現在で七十四事例について支援しております。

○大山委員 モデル実施ということで、今年度初めてモデル実施が始まったわけですよね。本格実施するにはどうしていくのか、どういうふうに改善したらいいのかとかいうことも含めて検証していくことが必要なわけですが、今年度のモデル実施をどう評価して総括しているんでしょうか。

○熊谷障害者医療担当部長 モデル事業の実施により、医療を中断していた患者の約半数が治療を再開したり、家族の不安が軽減するなどの効果がございました。これらの成果を踏まえ、来年度、全都で実施いたします。

○大山委員 治療を再開したり、家族の不安が軽減する、これは重要なことですよね。アウトリーチ、基本的にはどんどんやってもらいたいと思いますし、と同時に、これ、去年の十二月に出された東京都精神保健福祉審議会の精神科医療体制の整備に向けた今後の検討の方向性、この中にアウトリーチ支援モデル事業について、今ご答弁された効果と同時に、このような成果が得られた一方で、複雑、困難事例は、特に支援当初、緊急対応を要することが多く、保健所等からもタイムリーかつ継続的な支援を求める声があったとか、支援事例の中には、家族や近隣住民とのあつれきによって精神症状が悪化し、地域生活の継続に危機が生じている事例も見られたなどという記述もあります。
 保健所等からの、この継続的な支援を求める声にどう対応しようとするのかとか、家族や近隣等とのあつれきをどうするのか、どう支援していくことが必要なのかということなどは、これから検討していくということですよね。来年度のアウトリーチ支援は、どのような体制で実施するのでしょうか。今年度のモデル実施を受けて、どう改善、拡充したんでしょうか。

○熊谷障害者医療担当部長 モデル事業は現行の人員体制の中で実施しておりますが、来年度は、各精神保健福祉センターに医師、保健師などの多職種チームを専任で配置することで実施いたします。

○大山委員 専任にしたこと自体はいいんですけれども、各精神保健福祉センターに一チームずつでは、余りにも不十分ではないでしょうか。
 ホステルについて、地域での安定した生活を支援する施設へと機能転換するんだというのが今回の条例の提案ですけれども、地域での安定した生活を支援するというのは、具体的にはどのようなことを予定しているんでしょうか。

○熊谷障害者医療担当部長 医療の中断などにより地域での安定した生活が困難な精神障害者に対し、精神保健福祉センターの医師、保健師などの専門職チームが区市町村、保健所と連携して訪問型支援を実施いたします。あわせて、訪問型支援と緊密に連携して、症状が悪化する前に速やかに精神障害者を受け入れる短期宿泊事業を中部総合精神保健福祉センター及び多摩総合精神保健福祉センターにおいて新たに実施いたします。

○大山委員 短期宿泊事業に活用するんだということですね。今までのホステルの役割からは転換するということですよね。これはこれで短期宿泊というのは必要なことなんですけれども、これをもってホステルと病室を廃止する理由にはなりません。
 地域での安定した生活を支援というのは、短期宿泊だけじゃなくて、いろいろな支援というのがその人に応じて必要なわけですから広く考えていただきたいと。地域での安定した生活を支援ということは広く考えなきゃいけないことだと思っていますし、それを東京都は受けとめる、保健福祉センターが受けとめる役割を果たすことが必要だと思っています。
 入院している精神障害者の地域への移行支援やグループホーム等の地域生活基盤の整備が進んでいる、このように説明していますけれども、具体的にどう整備が進んでいるというんでしょうか。

○熊谷障害者医療担当部長 精神障害者が地域生活へ移行するためには、福祉、医療のサービスや身近な地域での相談窓口の充実が重要でございます。都は、精神障害者が地域で安定した生活を送れるよう、独自に整備費や運営費の助成を行うなどグループホームなどの整備を推進しており、精神障害者が専ら利用するグループホームなどの定員は、平成十七年度末の五百六十人から昨年十二月の一千百八十九人へ、また、地域で医療を提供する訪問看護事業所は、平成十九年五月に百九十二カ所であったものが平成二十三年一月には三百四十三カ所となり、それぞれ着実に増加しております。
 さらに、身近な地域で相談を行っている地域活動支援センターは、今年度までにほとんどの区市で設置がなされており、都としても精神保健福祉士などを配置して、日常生活に関する相談対応や医療中断を防止するための通院の動向などの取り組みを行う区市町村に対し、包括補助事業などを通じて支援を行っております。

○大山委員 グループホームは昨年十二月で千百八十九人、これ、全都でですよね。本当に充実しているということではないですよね。整備してきたんだとおっしゃいますけれども、先ほどの地精審の文書では、まとめとして、アウトリーチ支援を受けている精神障害者が症状や生活面でのニーズに応じて利用できる通所サービスなど、地域で安心して過ごせる場の確保についても検討すべきではないかぐらいですから、整備されているわけじゃないわけですよね。ですから、地域での暮らしを支える基盤の整備も、まだまだ不十分なんだということですよね。
 ホステル八十室のうち四十室は短期宿泊事業に使うということなんですが、病室四十室、ホステル四十室、これはどうするつもりなんでしょうか。活用するというなら、どのように使うんでしょうか。

○熊谷障害者医療担当部長 短期的な宿泊施設につきましては、従前のホステルの機能を転換し、運営上効率的な居室の配置を行ってまいります。その他のスペースにつきましては、今後、活用策などを検討してまいります。

○大山委員 今後なんだと。職員定数、これはどうなっているでしょうか。昨年度と今年度と来年度でお願いします。

○熊谷障害者医療担当部長 都内三カ所の精神保健福祉センターの職員定数の総数は、昨年度が百六十二人、今年度が百六十二人、来年度が百三十三人の予定でございます。
 なお、定数が減となる主な理由は、精神保健福祉センターの病室及びホステルの廃止でございますが、これまで病室及びホステルは、社会資源が未整備な状況においては、精神科病院から地域に移行する際の中間施設としての機能を果たしてまいりました。近年、精神保健福祉施策が入院医療中心から地域生活中心へ大きく転換する中、地域への移行支援や地域生活基盤の整備が進み、また、精神科病院における退院支援の取り組みも積極的に行われるようになってきております。
 このような背景を踏まえ、センターは機能転換することとし、これまでのノウハウを活用し、精神障害者の地域生活を支援していくことといたします。

○大山委員 アウトリーチを重視することは賛成ですよ。しかし、アウトリーチチームは、各センター一チーム、地域生活基盤も不十分。そんな中で病室とホステルはさっさと廃止してしまう。その上、職員定数を減らす。精神障害者の施策を充実するというんだったら、職員定数を減らすんじゃなくて、その職員でもっと充実していくということが必要じゃないんでしょうか。
 例えば病室とホステルを継続しながら、徐々に移行していくとかということも含めて検討するべきだと思いますよ。それで、病室とホステルを継続しながら、アウトリーチだとか、ショートステイも充実していく。それから、地域で暮らしを支える、生活を支える基盤もまだまだこれからなわけですから、それも拡充していく。これが精神障害者施策を充実するということなんじゃないんでしょうか。地域生活を支援するということでは、さまざまな対応が必要ですから、さまざまなニーズを幅広くとらえてほしいということを要望しておきます。
 精神障害者が地域で暮らせるようにするためにも、身近な地域にアウトリーチチームが配置されていること、これが求められています。センターでの事業を確認して、それぞれの地域で保健所などとも相談しながら、連携とりながら展開していくことを求めておきます。
 国保です。今回条例が出ているのは、国民健康保険法の改正に伴って、都が定める財政安定化支援方針に要する費用に充てるため、広域化等支援基金の処分事由を追加するというのが改定ですね。法律、国民健康保険法の改定自体が国保の広域化をねらっているものです。広域化というのは、より住民と保険者が遠くなることで被保険者の声が反映しにくくなりがちです。しかも、広域化に伴って旧ただし書き方式に保険料の算定を変えていくことを促しています。今の住民税方式だったら、さまざまな控除した後のものが保険料の算定の基礎になります。
 旧ただし書き方式だと、ひとり親だとか、障害者だとか、高齢者、それから世帯の人数など、生活していく上で必要なものを控除することがないわけですね。つまり、必要な控除がされない所得をもとに保険料を算定することになりますから、より配慮が必要な世帯に、より大きな負担となるといわざるを得ません。
 国は都道府県が広域化等支援方針を策定することを決めましたが、東京都は広域化ではなくて財政安定化支援方針としました。その理由はなぜでしょうか。

○宮垣地域保健担当部長 昨年十二月に東京都が策定いたしました財政安定化支援方針についてでございますが、国は昨年五月、国民健康保険法を改正し、区市町村の国保事業の運営の広域化及び財政の安定化を推進するため、都道府県が区市町村に対して行う支援の方針として広域化等支援方針を策定できるといたしました。
 国民健康保険の運営の広域化は、区市町村間の保険料格差等の是正や、保険財政の安定化に一定程度寄与するものと考えております。しかし、国民健康保険は、加入者の多くが高齢者や低所得者であり、医療費が高い一方で保険料負担能力は低いという構造的課題を有しており、これは広域化によっては解決できない問題です。
 また、国保事業の広域化につきましては、国において高齢者医療制度の見直しの中で検討されていたことから、その状況を見きわめることとし、都の支援方針については、国保財政の安定化を図るために必要な保険料の収納率向上対策や医療費適正化への支援策など、そういった項目を中心に策定し、名称も財政安定化支援方針としたものです。広域化自体に反対しているということではございません。

○大山委員 広域化自体に反対はしていないんだけれども、それだけじゃ解決できないんだということなんですよね。
 今ご答弁されたように構造的な問題、つまり、東京都の支援方針にも書いてありますよね。第三ということで都内区市町村国民健康保険の現状というところで、被保険者は、今答弁されたように、高齢者、無職者の占める割合が高いため、医療費が高い一方、保険料の負担能力は低いという構造的な課題を抱えているという認識を示している。区市町村の国民健康保険というのは、年金生活者や不況の中で本当に大変になっている自営業者、また、雇用の破壊がこれだけ進んで失業した方だとか、不安定雇用労働者などが加入していますから、これを踏まえて保険運営することが重要だと思っています。
 支援方針では、一人当たりの旧ただし書き所得は百六万円で、被用者保険の百六十二万円と比べると大幅に低くなっていると述べて、前期高齢者の割合が高い、被保険者の所得は大幅に低い。被保険者の収入が低いということをきちんと支援方針では述べている、この認識は重要だと思うんですね。
 保険料の高さということでは、一人当たり保険料で比べると、九十八年度は、都内の保険料の一人当たり保険料額は六万九千四百七十円でした。十年後、二〇〇八年は一人当たり八万八千二百三十三円、ですから、一・三倍に値上がりしました。東京都内の国民健康保険料、一人当たりの保険料は上がる、そして所得は下がる。この状況で収納率は下がっています。しかし、来年度二十三区の国保料は、さらに値上げを予定しています。
 今でも払い切れない国保料の負担をさらに引き上げたら、ますます収納率は下がるんじゃないんでしょうか。どう認識されているんでしょうか。

○宮垣地域保健担当部長 国民健康保険制度において、各保険者は、必要な医療給付費に見合った保険料を確保するため、被保険者の方にその方の所得などに応じて保険料を賦課し、低所得の方に対しては軽減措置を実施するなどの配慮を行っております。
 保険者は、保険財政の安定的な運営のために、保険者の責務として保険料を適正に賦課するとともに、収納率の向上に努めていると認識をしております。

○大山委員 収納率を上げる努力をしても、払い切れない保険料では払えないんですよね。来年度、国保料の値上げを予定して国保の運営協議会にも提案したにもかかわらず、立川市や羽村市では値上げ方針を撤回させたほどなんですね。
 払い切れないほどの高い保険料になってしまうのは、一つは国の補助金が大幅に減ったことが大きいです。医療費の四五%だったのが、二〇〇〇年代になってからは三三%にしてしまいました。国民皆保険制度を維持するためにも、国の責任をきちんと果たさせるべきではないでしょうか。減額したものを元に戻すように、国に働きかけることが求められます。
 もう一つは、東京都の法定外の繰り入れを減らしたことです。九六年が約三百六十五億円、東京都は繰り入れていたんですね。今年度は四十一億三千七百三十万円ですから、被保険者一人当たりにすると、九千二百八十八円から千八十二円に減りました。十四年間で九分の一になってしまいました。せっかく支援方針をつくっているんですから、支援するというのだったら財政的な支援こそ求められています。同時に、区市町村の一般会計からの繰り入れを減らすようにと国は指示していますが、これでは、ますます保険料負担をふやす道だといわなければなりません。
 支援方針は、第五として東京都の果たすべき役割と具体的な施策。ここで結局、保険料の値上げの仕方の指導助言、これが一番。収納率向上のために収納率目標を設定して、目標達成に向け、指導助言を行うのが二番目。数値目標まで決めて、それを達成するために、払いたくても払えない人から取り立てを強化することになりかねない計画になっていることを指摘して、国保、おしまいです。
 最後に、コミュニティバスについてです。
 高齢者や障害者、子ども連れの方などを初め、地域を移動する足としてコミュニティバスが、都内、自治体に広がっています。私たちはコミュニティバスの実施状況や都への要望などの調査を実施しました。私たちの調査では、十六区二十二市四町一村が実施していますから、ほとんどの自治体がコミュニティバスを運行していることになります。それだけ都民の要望が大きいということなんですね。
 全都で、運行路線数は百四十、運行台数が三百二十九台、一日当たり利用者が七万二千五百三十六人、これだけの人が利用しているんですね。それだけに区市町村の東京都への要望もたくさんあります。
 現在、コミュニティバス事業への都の補助は、地域福祉推進区市町村包括補助事業のメニューとして実施しています。伺いますが、コミュニティバス導入を地域福祉推進区市町村包括補助事業の対象事業にしている理由は何なんでしょうか。

○藤田生活福祉部長 地域福祉推進区市町村包括補助事業は、区市町村が地域の実情に応じ、創意工夫を凝らして主体的に実施する地域福祉の推進に係る基盤整備及びサービスの充実に資する事業を支援することを目的としております。
 コミュニティバスの導入は、地域における高齢者等の社会参加の促進という観点から地域福祉の推進に寄与するものであることから、区市町村が主体的にコミュニティバスの導入を図る場合について、その事業立ち上げ時の費用を同事業の補助の対象としているものでございます。

○大山委員 地域福祉推進区市町村包括補助事業、この地域の実情に応じ創意工夫を凝らす、ここがみそなんですよね。ところが、その割にはいろいろと制約が多いんです。
 まず一つは、コミュニティバスの基本条件として、これ、あるんですね、交通空白地域を走行することという条件なんです。交通空白地域というのは、既存のバスが運行していない地域、それから二つ目が既存バス停から半径二百メートル以遠、二百メートルより遠い地域、それから鉄道駅から半径二百メートルの地域、この三つの条件をすべて満たす地域だというのが基本になっています。二百メートルというのが基本なんですけど、この二百メートルというのは、どういうことが根拠で二百メートルとなっているんでしょうか。

○藤田生活福祉部長 公共交通の考え方では、一般的に駅やバス停から一定の距離を超えた地域を地域交通、公共交通の空白地域としており、都市と地方では、この一定の距離のとらえ方に幅が見られるところでございます。このため都は、平成十二年三月に関東運輸局が作成をいたしましたコミュニティバス導入に当たってというマニュアルを参考に、二百メートル以遠と定めたものでございます。

○大山委員 関東運輸局のマニュアルを参考にということなんですけれども、そのマニュアルを見てみますと、二百メートルという距離が出てくるのは乗降場所及びバス停留所の間隔というところですね。百メートルから二百メートル程度の間隔で設置する、こうなっているんです。参考にしたマニュアルでも百メートルから二百メートル程度という幅があるんですね。にもかかわらず、都の取り扱いの基本的条件が二百メートルという幅も何もない設定になっているんですね。同じ二百メートルでも、さまざまなんです。例えば、地形的な条件でいえば、地元の新宿もそうですけれども、山坂が多いんですよ。それで、新宿だけでなくて、割と区部は坂が多いところですね。それも結構きつい坂が多いんです。
 例えば、自分の近所はどうかなと思って、標高をはかるのがあったものですから、はかってみました。地下鉄早稲田の駅、イメージがわくでしょうか。地下鉄早稲田の駅から国立国際医療研究センターに行こうということになりますと、どうなるか。地下鉄早稲田の駅の標高が十一・九メートルです。そこから二百メートルぐらい歩きますと標高が二十二・九メートルですから、十一メートルも上るんです。さらに二百メートル歩かなきゃいけない。そこは標高二十四・一メートル、ですから、さらに一・二メートル標高が高くなります。さらに二百メートル歩くと三十六・五メートル、ですから、さらに十二・四メートルも上りました。その後は比較的平たんになって、商店街を通り抜けると標高三十七・七メートルのところで国立国際医療研究センターにたどり着くわけですね。一キロもない距離ですけれども、標高差は二十五・八メートルです。ビルにするとどれぐらいかなと思うんですけれども、七階か八階ですかね、そういうところなんですよね。
 バス路線はあっても一時間に一本しかない、そういう路線もあります。高齢者や子ども連れ、障害者などのことを考えれば、包括補助事業で条件としている交通空白地域の基準というのは実態に合わない。そう思いますけれども、どうでしょうか。

○藤田生活福祉部長 地域福祉推進区市町村包括補助事業で補助をいたしておりますコミュニティバスの導入に当たっての基本的条件の第一番目として、交通空白地域を走行することということに合わせまして、需要が見込まれることを同時に挙げてございます。また、この交通空白地域の条件を満たすかどうかの具体的な審査に当たりましては、原則を満たすことができない場合の最低基準をあわせて示しておりまして、具体的に申し上げますと、まず、交通空白地域における路線距離が、総距離の四分の一以上であること、既存バス路線と重複していない、路線距離が総距離の二分の一以上であること、また、高齢者の生活に寄与する生活施設、公共施設等へのアクセスが改善されることを挙げてございます。したがいまして、現在定めております交通空白地域の基準は個別具体に判定を行うものでございまして、実態に即したものと考えております。

○大山委員 そんなことをおっしゃいますけれども、例えば、そういう山坂のところに走っているこのバス、これ、路線バスの時刻表ですね。平日でも朝八時三十八分が一番最初、午後五時二十分で終バス。この十時間で、八本しかバスが来ないんです、ここは。交通空白地域の、これ、実態と合っていないんじゃないかというのは、私だけがいってるものじゃないんですね。交通空白地域の考え方を緩和してほしいという自治体は幾つもあります。交通空白地域の要件が厳しく、当区の場合は状況は条件に合わない。新宿区ですね、これ。港区は全く条件に該当しない。今、答弁された、やむを得ない理由で原則を満たすことができない場合の最低基準でさえも全く該当しない。ほかにも、四区、空白地域の考え方を緩和してほしい、こう要望しているんですね。きちんと区市町村の意見を聞くべきなんです。しかも、空白地域という概念を、東京都全体に対して一つの基準で画一的に線を引くというやり方は、最初に答弁された、地域の実情に応じ創意工夫を凝らすという地域福祉推進区市町村包括補助事業の趣旨にも合わないんじゃないでしょうか。
 コミュニティバスの役割なんですけれども、高齢者を初めとした方々が地域の中を移動するために大変重要な役割を果たしていると考えますが、どう認識していますでしょうか。

○藤田生活福祉部長 コミュニティバスは、既存のバス路線、電車、地下鉄等では補えない需要に対応する乗合バスであり、高齢者等のより容易な移動を確保する意味において、有効な交通手段の一つであると考えております。

○大山委員 有効なことなんだということなんですね。交通空白地域に関する考え方の違いは置いておくとして、高齢者等の移動保障のためには有効なんです。それだけに、各自治体は、運営は赤字でも頑張って補助して継続させているし、拡大しています。私たちの調査では、運行補助の年限を撤廃してほしい、三年ですよね、それを撤廃してほしいというのが二十九自治体、延長してほしい、十二自治体、両方合わせると四十一自治体ですから、回答を寄せていただいた六六%が継続的な補助を要望しています。
 さらに、現行の補助率を引き上げてほしい。これが二十四自治体であって、継続的な運行費補助と、補助率の引き上げを望んでいるんです。このように多くの自治体が要求している、導入時だけの補助制度ではなくて、運行補助の拡充を行うことが求められていますが、どうでしょうか。

○梶原総務部長 今、コミュニティバス、るるご議論をいただいているわけでございますけれども、例えば交通の遠隔、交通空白地域の中で、新宿区であるとか港区であるとかというところの例が出されました。ただ一方で、山手線の中の地域というのは、例えば地下鉄のエリアを考えると、十分地域の中にほとんど二十三区は入ってしまいます。
 多摩地域で、例えば、武蔵野でやっています、三鷹でやっています、青梅市でやっています。地域によって、このコミュニティバスというところをどうとらえるかという問題があるんだと思うんですね。今、全体のコミュニティバスのお話の中で、坂道のお話があったり、あるいは高齢者の参加ということがさまざまあったわけですけれども、私どもは、各自治体がそれぞれの工夫の中で、各区市町村の需要、ニーズに基づいて、このコミュニティバスを運行する。それは、各自治体の創意工夫のもとだと思うんです。ただ、それを東京都が包括補助として支援をすると。
 例えば、新宿南口と西口を回る、東口と西口を回るところ、台東区のところで観光地を回るところ。これだって、それぞれの自治体にとってはコミュニティバスなわけですね。そうすると、私どもがそういう創意工夫をやっていく中で、何でもかんでも目的に合致してみれば、高齢者の社会参加に合致してみれば、一定の基準を設けていくのは、これは当然の話であって、さまざまなニーズが、区市町村のニーズがあるので、運行の事業費上限額を上げるとか、補助率を引き上げてほしいというのはありますけど、もともとのこの包括補助ということの目的、それからこのコミュニティバスの政策の目的、これを総合的に考えていかないと、私ども、すべて区市町村がそれぞれの工夫をすることは否定するわけでありませんけれども、この包括補助を使ったコミュニティバスの運行費補助ということは、そういうことを十分考えてやっていくべきだというふうに思っております。

○大山委員 今、例を出したのは、地下鉄だとか山手線、鉄道とバス、鉄道の交通の役割と、コミュニティバスという面での交通、足を保障する役割が違うわけですよね。先ほど例に出したように、一キロの間に山坂があんなにあるわけですよ。しかも、いろんな地域で、いろんな状況があるからこそ、例えば、都心区での状況、それから、西多摩の方の状況、それが状況がいろいろ違うわけですよね。だからこそ、それぞれの創意工夫でやっていくことが、地域の実情に応じて創意工夫を凝らすというのが重要なわけですよね。
 だから、コミュニティバスの面での移動、例えば、病院と地域センターと、いろんなところを、福祉施設、そこに鉄道があるわけじゃないですよね。ですから、その地域の実情に合わせた補助制度なんだということをきちんと位置づけるんだったら、せめて関東運輸局のマニュアルにあるように、幅を持たせるとかということも含めて必要なんじゃないんですか。それで、区市町村の要望だとかに耳を傾ける、これが重要なんですよ。車両の購入費補助についても、一路線当たり一回限りの要件を緩和してほしい。これ、最多なんですよ。これは、区部じゃなくて、むしろ市町村の要望が強いです。それから、既存のコミュニティバス路線の車両についても対象にしてほしい。継続して移動保障したいからこそ、区市町村は都の補助の拡充を求めているんですね。こういう要望について、東京都はどう把握しているんですか。

○梶原総務部長 私ども、コミュニティバス、つまりコミュニティバスの有効性、そのバスの有効性というのは否定しているわけじゃございませんし、だからこそ、私どもは包括補助事業で補助をしているわけです。しかし、包括補助をやっていく中では、やっぱり一つの要件が必要、つまり、いろんな意味で、各自治体というのは、このコミュニティバスというのを工夫しています。その一つ一つの要件を見ながら、私どもは広域自治体として応援をしていくというのは、我々の役目じゃないかと思うんです。
 例えば、武蔵野市がこのコミュニティバスを出発点で入れて、あそこは今、黒字で運営をしていると思うんです。本来、やっぱりコミュニティバスであろうとも、いろんな創意工夫をしながら、立ち上げの補助を、もうちょっと運行費補助を長くしてほしいというのは、やっぱりこのルートを考えながら、あるいはいろんなサービス、いろんなことを考えながら、まずは区市町村がさまざまな形で工夫をする、こういうのも必要であって、最初からずっと東京都の包括補助というものを、まあ、頼りにするといったらおかしいんですけれども、私どもはそれぞれの自治体の創意工夫について、必要な場合に補助をする、これが私どもの包括補助の考え方でございます。

○大山委員 要件が必要じゃないなんていうことはいっていないでしょう。要件がそれぞれの地域の実情に合わせる。そして、基本はあったって、それできちんとそれぞれの要件、東京だって、もうこんなに横が広いわけ。東西が広いわけですから、それをちゃんとそれぞれの実情を聞いて、話し合ってさっきおっしゃっていましたから、きちんと、例えば交通空白地域は二百メートルなんだというようなことではなくて、せめて実情に合わせて、もっと話し合いをできるようにしていただきたいと思いますよ。
 武蔵野市のムーバスが、本当に、みんな、それぞれの自治体がすばらしいと思っているわけですよね。武蔵野市だって、今、収支で見ればマイナスですよ。それでもやっぱり頑張って、みんな、自治体で面の移動を支えようということですから、やはりそれぞれの地域の実情に合わせた話し合いをしていただきたいと。区市町村の意見をきちんと聞いて、実態把握して、改善することは改善していただきたいということを求めて、終わります。

○くまき委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後四時休憩

   午後四時十五分開議

○くまき委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○今村委員 それでは、私からも質疑をさせていただきたいと思いますけれども、二十二日の朝、ニュージーランド、クライストチャーチで大規模な地震がありました。震源が浅いこともあって、地震の規模に比べて大きな被害が出たというふうにいわれております。多くの建物、家屋が崩壊をし、大変衝撃的な映像が飛び込んでまいりました。まだ行方不明になられている日本人の方もいらっしゃいます。一刻も早く救出をされることを願っているところでありますけれども、今回の地震は、プレートの滑り込みの反動によって起きたものといわれており、日本の状況も同じようなことがいえるのではないでしょうか。特に、東京でも、東海地震や首都直下地震など、いつ地震があってもおかしくない時期に入っているといわれて久しいわけであります。特に、人口が集積をしている東京で地震があった場合には、被害の大きさははかり知れない。このような事態に備えて万全の策を講じなければならないと思いますが、とりわけ、小さな子どもが生活をする施設についても、この耐震化は喫緊の課題だというふうに考えます。
 そこでまず、保育所についてお伺いをいたしますけれども、認可保育所は、第二次ベビーブーム時代に建てられたものが多くあるというふうに聞いております。また、それらの多くが、現在、建てかえの時期を迎えていると思いますけれども、昭和五十六年以前の旧耐震基準で建築された建物については耐震化が課題となっておりますので、平成二十二年四月現在、都内には認可保育所が千七百四十カ所、また、認証保育所は五百二十八カ所あるというふうに聞いていますけれども、それらの耐震化率はそれぞれどのぐらいになっているのか伺います。

○角田事業推進担当部長 耐震化率は、全建物数に対します必要な耐震性を満たしていると見込まれる建物の割合でございますけれども、都が平成二十年度に実施いたしました調査では、都内の認可保育所の耐震化率は六五%、認証保育所の耐震化率は九六%となっております。

○今村委員 いうまでもなく、保育所は小さな子どもたちの施設でありますので、安心・安全な環境を整備しなければなりません。今、二年前のデータでありましたけれども、認証保育所の耐震化率は九六%と高くなっております。制度ができてから新しいということもあるのかと思いますけれども、認可保育所の耐震化率は六五%ということで大変数値が低く感じられます。積極的な対応をしていただかなければなりませんけれども、都は、こうした認可保育所の耐震化について、これまでどのような支援を行っているのか、お聞かせいただきたいと思います。

○角田事業推進担当部長 都は、施設の耐震化を促進するため、平成二十年度から社会福祉施設等耐震化促進事業によりまして、耐震診断及び耐震改修経費を都独自に補助しております。これまでに五十七カ所の認可保育所が補助を受けて、耐震診断を実施しております。
 耐震改修については、国の安心こども基金を活用するほか、都独自の支援により、施設整備に係る事業者負担を八分の一まで軽減し、耐震化を促進しております。引き続き、区市町村及び事業者に対し保育所の耐震化を強く働きかけてまいります。

○今村委員 ぜひ今後もさらに働きかけを強くしていただきたいというふうに思います。特に保育所については、待機児童解消のために、国の安心こども基金を活用して、施設の新設が優先して進められておりますけれども、既存施設の建てかえに合わせて定員を増加することも、待機児童の解消にもつながるというふうに考えますので、よろしくお願いします。
 また、耐震診断をした後、当然、補強をしなければならない建物の場合には、補強をするのか、または建てかえをする、こういったことになるかと思いますけれども、時期によっては年度途中になってしまうことがあるかと思います。自治体の財政の余力にもよるかと思いますけれども、そうしたこともありますので、ぜひ十分な予算措置なども講じていただけるよう、市町村とともに、特に社会福祉法人などの法人立の保育園に対する支援をしっかりと行っていただきますようにお願いを申し上げます。
 次に、児童養護施設と乳児院についても同じようにお伺いをしたいと思います。
 乳児院は主に二歳未満の乳幼児が暮らしておりますし、児童養護施設は十八歳未満の児童が生活をする施設であります。近年、両方とも入所率が高くなっているといわれております。これらの施設は、子どもたちが今度は二十四時間暮らす施設でありますし、耐震化は子どもたちの安心を守るために、当然欠かせないものであります。乳児院は都内に十カ所、児童養護施設は都内に五十カ所、そして、都外施設が八カ所あるというふうに聞いておりますけれども、これら乳児院と児童養護施設の耐震化率はそれぞれどのくらいなのか、お聞かせいただきたいと思います。

○雜賀少子社会対策部長 都の二十年度の調査によってでございますけれども、乳児院の耐震化率は約八六%、児童養護施設の耐震化率は約七一%でございます。

○今村委員 今ご答弁いただきましたけれども、二十四時間生活をしている施設でありますし、例えば乳児院、そしてまた児童養護施設についても、小さなお子さんが生活をしているところであります。子どもたちが緊急に避難をするということは大変難しい。保育園よりも、ある意味では厳しい状況なのかもしれません。そうすると、乳児院の八六%、そして児童養護施設の耐震化率が七一%というのは、まだまだこれから、この数値を上げなければいけないというふうに考えますけれども、乳児院、そして児童養護施設の耐震化に向けて、都はこれまでどのような支援を行ってきているのか、改めてお聞かせいただきたいと思います。

○雜賀少子社会対策部長 都は、乳児院や児童養護施設も、平成二十年度に創設されました社会福祉施設等耐震化促進事業の対象としておりまして、耐震診断及び耐震改修経費を都独自に補助し、耐震化を促進してございます。また、耐震化などを目的とする施設の建てかえや改修を促進するため、都は施設に対して、国の次世代育成支援対策施設整備交付金を活用するとともに、都独自に補助単価を上乗せしまして、事業者の負担軽減を図っております。
 こうした取り組みによりまして、平成二十三年、ことし二月時点でございますけれども、乳児院につきましては、十施設のうち九施設の耐震化は既に完了し、残る一施設についても耐震工事を検討している最中でございます。
 また、児童養護施設につきましては、五十八施設のうち四十三施設で耐震化が完了しておりまして、残る十五施設のうち九施設は耐震工事を検討中でございまして、六施設が耐震診断を行うということにしてございます。

○今村委員 ぜひ、予定しているものが順調に進みながら、残すところもしっかりと行っていただけるように、さらなる支援をお願い申し上げておきます。
 それから、保育園と同じように、やはり大変入所率が高くなっていますので、耐震補強などをしまして、定員が少なくなるということはないとは思いますけれども、それらを機会に、ぜひ、やはり社会的養護が必要な子どもたちのために、それぞれの施設の余力があるならば、定員をふやすなり、また児童養護施設など、少人数化で養護が行えるような、そんな改善もあわせて行っていただけるようにお願いをしたいと思います。
 そして、保育園、乳児院、児童養護ともにそうでありますけれども、今、二十年度の数値をお聞かせいただきました。都が積極的に取り組んでいる姿勢はよく理解をいたしましたので、できれば、やはり毎年度、四月一日付の耐震化率などを公表することによって、事業者の皆さんにも、その促進をしっかりと、働いていただけるような、そんなことで、この直近の数字を常に公表できるような、そんなことをぜひ要望して、質問を終わりたいと思います。

○三原委員 大変長時間の審議にわたっていますので、たくさん答弁をご用意いただいたんですけど、かなり要約して二十分ということにしましたので、よろしくお願いいたします。
 最初に、通所介護事業所の宿泊サービスですけれども、もう既にこの委員会でも議論がありましたし、特に先日の予算特別委員会で、我が党、自民党の代表の方の質問に細かく答弁をしておられまして、既にそれを拝聴しましたから、省略をさせていただいて、その基準を今月中に決めて、そして四月から、宿泊サービスをやっている事業所に指導に入るというご決断のようです。まことに結構なことだと思いますし、国にも法整備を要望されたようでございますが、ただ、私どもがいうのも変ですけど、国の法整備を期待するのはなかなか難しい。何も、きのうきょうの話じゃなくて、前から、自治体がいろんな要望しても国は動かないというのがならわしみたいになっていますから、そういう意味で、国に期待する前に、東京都が率先して具体的にやっていこうということは重要なことですし、それは知事がおっしゃる、東京から日本を変えようということなんだろうと思うんで、皆さん方が基準を決めて指導を始められるということは大変結構なことだと思います。
 ただ、一番の基本は、人命にかかわる安全上の問題だということが一つ。それから、需要といいますかね、希望というか、ニーズというか、そういうものがだんだんにやっぱりこれからふえていくんだろうと思うんですね。そこを頭に入れて、命は大切。したがって、安全確保に全力を挙げると同時に、高齢者対策の一つとして、需要、あるいは希望がだんだんふえていくことにどう応じていけるかということをしっかり描いて対応していただかなきゃいけない、こう思います。
 そこで、参考に、通所介護事業所がどういうふうにふえてきて、宿泊サービスがどういうふうに行われているか。また、そういう人たちは、我々の想像では、自分が住んでいる近所の通所介護事業所で宿泊サービスを受けるだろう、こう思うんですけど、隣接区に行くとか、あるいは隣接県に行くとかというケースもあると思いますけど、その辺の利用ぐあいも含めて状況を教えてください。

○狩野高齢社会対策部長 都内の通所介護事業所数は、介護保険が始まりました平成十二年の八月時点では四百五十五カ所でございましたが、本年二月一日現在では、二千三十九カ所と四倍以上に増加しております。利用者数はことしの二月の実績で、実に十万人でございます。サービス提供の実績から、利用者の方の住んでいらっしゃる地域を見ますと、事業所所在地の住民の利用率は八七%と、約九割の方が地元のデイサービスを利用しております。ちなみに、こういった宿泊を提供するデイサービス事業所というのは、私どもの調査で百九十四カ所ございました。

○三原委員 十年ぐらいで四倍というんですから、またこれからもっとふえていくんではないかなという気がしますし、その事業所で宿泊サービスは当然需要が出てくるだろう、こう思いますから、それも同じようにふえていくだろうと思います。そうなれば、ますます、人の命にかかわる安全、あるいはまた、それ以外のもろもろの、重要なこともありますけれども、そういうことをしっかり考える基盤に立って、指導していただかなきゃいけない、こう思います。
 ただ、一気に余り厳しい指導をやると、じゃあ、宿泊サービスやめますからというのもあるわけでしょうね。そうすると、今度は、需要といいますか、ご家庭での高齢者の介護、家族介護みたいなものとのバランスで、全く宿泊サービスが受けられなくなると、これまたいろいろ問題が逆に生じることもあるかなという気もちょっとしますから、命は大切ですから万全を期していかなきゃなりませんけれども、しかしまた、需要とのバランスも考えながら、まさに適宜適切としかいいようがありませんけど、うまくやっていただきたい、こう思います。
 特に今お話しのように、九割ぐらいが、自分の住まいの、近所のといいますかね、同じ区、同じ市といったような地域で利用しておられる、こういうことでございますので、そこでぜひ都の皆さんにお願いしておきたいと思いますけど、通所介護事業所の指定は、法律上、東京都がしているということになっているわけでしょう。それに対して、今度、実際に現場を見ているものは、介護保険法の関係もありますけど、市区町村ということになるのかなという気がします。
 別に我々のところにお小言が来ているわけじゃありませんけど、国が何かやるときは、都道府県にぱんと丸投げしちゃうとか、東京都が何か決めると、市区町村にぱんと丸投げしちゃうとかって、そういう妙な批判をする人もいるんですよ。見方によってはそういうケースもないとはいいませんけど、ただ、今度の安全を確保するための基準づくりと、それに対する指導、これは東京都と市区町村としっかり連携をしてやってもらうということで、丸投げして市区町村でやれという姿勢は絶対だめですけど、さりとて東京都が全部面倒を見るったって、それは二千以上ある通所介護事業所で、その中の宿泊サービスについて、二百カ所、一割ぐらいあるわけですから、これ全部きちっとやれといわれてもなかなか大変でしょう。
 特に、東京消防庁、各出先の消防署と連携をしてやるとすれば、当然、区市町村の係の人が出向いて細かく指導するというようなことはあるわけですから、ここはぜひ、東京都と市区町村の係とがきちっと連携ができて、東京消防庁あるいは各出先の消防署、そういうところもきちっと連携がとれて、安全確保のための指導をしっかりしていただきたいな、こう思いますが、どうでしょうか。

○狩野高齢社会対策部長 実は昨年、国が今、介護保険制度の改正を検討しているところですけれども、こういった通所介護事業所のような、いわゆる都道府県に指定権限のある広域型のサービスの指定につきましても、やはり住民にとって一番身近な自治体である区市町村に指定権限を移譲すべきであるという提言をしたところでございます。平成十八年に介護保険法が改正されまして、区市町は、介護サービス事業者に対する指導及び監査の権限を既に有しております。東京都はこれまでも、区市町村に対しては、地区内の介護サービス事業者の運営の確認や指導、それから、監査の計画的な実施について助言をしてきているところでございます。
 さまざま、通所介護事業所だけではなくて、介護サービス事業者の基準違反等の不適正な運営に対しては、区市町村と共同して、これまでどおり法に基づいて厳正に対処していきたいというふうに考えております。
 さらに、今回の実施事業である宿泊サービスについては、都として新たに創設をする独自の、届け出の基準等に基づきまして、実態の把握と利用者の安全確保に努めるよう、区市町村とこれは連携をして対処していきたいと思っております。

○三原委員 ぜひくれぐれもそこのところをよろしくお願いいたします。宿泊サービスって、料金幾ら取っているのか、先ほどの他の委員のご指摘では、何千円とかというお話も出ていましたが、まあ千円とか二千円で泊まっているというような話も耳にしますけど、金額が安いし、自宅での手が少しあくので、安易に宿泊させてもらおうというような形で進み過ぎると非常に危険なんで、もうちょっときちっと法的整備を含めて整えておくということは極めて重要だと思います。都が積極的に今度行動されたことはよかったと、こう思いますので、ぜひ、四月以降は区市町等との連携をよろしくお願いいたします。
 次に、高齢者の住まいの問題でお尋ねしたい、こう思いますが、高齢者の居住の安全を確保するというのは、先ほどの宿泊サービスもそうですけど、極めて重要な福祉政策の課題の一つに今なってきていると思います。国は法律を改正するということでやっていますし、東京都も独自のモデル事業というようなことを出して、高齢者の住まい対策を進めているわけですが、平成二十一年十一月の少子高齢化時代の住まい対策についてのプロジェクトチーム、俗に猪瀬プロジェクトとかいっていますけれども、そこで発表されています中に、これから高齢者の住まいをきちっと確保していくには、都有地であるとか、区市町村の所有地、さらには国有地、そういった公共用地を積極的に活用して整備をするのが最大のポイントだ、このようにそのプロジェクトでも述べています。それはもう全くそのとおりで、きょうの委員会の質問なんかでも類似のことが出ておりました。
 ただ、実際に公有地を活用できているんだろうかなというところ、私どもは正直、心配もしているんです。二十一年十一月にそのプロジェクトチームの公有地活用の議論が出て、一年ちょっとになりましたが、今現在、公有地の活用が、東京都全体で見て、どんなぐあいに進んでいるんでしょうか。

○狩野高齢社会対策部長 都では、特別養護老人ホームなどの施設を対象に、都有地の減額貸付を行う福祉インフラ整備事業を実施しており、その貸付対象は、介護保険法などに基づく事業、サービスとなっております。先ほどお話しのPTの報告書が発表されました平成二十一年十一月以降で見ますと、この事業を活用した事例について申し上げますと、特別養護老人ホームや認知症グループホームなどにおいて四件の公募を行いまして、うち二件については既に事業者を決定しております。残り二件については、現在、事業所を選定中でございまして、二一年十一月以前と比較をしますと、少しずつ増加をしているという状況でございます。

○三原委員 それでは、同じプロジェクトの報告の中で、東京モデル一と二とあるんですけど、東京モデル一の方は中堅所得者層向けのケアつき住まい住宅というようないい方になっておりますが、これの範疇に入るのかなというふうに私は理解していますが、東京都が医療・介護連携型高齢者専用賃貸住宅というのをモデル事業で始めております。これは二十一年から三年間というんですから、もう理屈の上では二年終わったということになります。これは本格的にやって、その検証結果で、これからの高齢者の住まいの専用住宅を福祉局としてどう進めていくかという議論になるんだろうと思いますから、まだちょっと早いのかもしれませんけど、医療・介護連携型高専賃がどのように進んでいるのか、あるいはまたその中で、公共用地の活用がどういうふうになされているか、状況を教えてください。

○狩野高齢社会対策部長 住まいPTにおける東京モデル一ですけれども、これは、バリアフリーなど住宅の質を確保するとともに、緊急通報や安否確認など質が確保された生活支援サービスを提供し、高齢者が適切な負担で入居可能な、いわゆるケアつきの高齢者賃貸住宅でございます。
 具体的には、高齢者向けの優良賃貸住宅や、私どもの局でやっております医療・介護連携型の高齢者向け住宅などがございます。このうち、都市整備局が所管をする高齢者向け優良賃貸住宅については、公有地の活用事例としては、中野区で一件事例があるというふうに聞いております。また、私どもの医療・介護連携型高専賃モデル事業は、これまで計六件の事業を選定しておりますけど、そのうち公有地を活用した事例といたしましては、品川区の区有地が一件、それから府中市の市有地を活用したものが一件の計二件となっております。
 ちなみに、土地の面積でいいますと、品川区の高専賃の方の土地の面積が二千七百五十平米ぐらい、それから、府中市の方の高専賃の土地面積が八百七十平米をそれぞれ提供していただいているということでございます。

○三原委員 公有地の活用がぼちぼち進んでいるようで、それはもう期待をしているんです。ただ、データは正しいんでしょうけど、このプロジェクトチームの発表のとき、公有地、どれぐらいあるかというの出ていますけど、都の財務局が所管しているので、全体では公有地は十二万平米だか何だかあるというんですけど、実際に、じゃあ、居住用でそういうものをつくろうかというと、一万平米ぐらいしかなさそうだっていうんですね。今、品川のが二千七百平米ですか。五カ所出したらもう終わりですよ。だから、公有地活用といっても、五カ所提供したらもうおしまいですというんでは、余りプロジェクトチームの答えとしては、大義名分はいいんですけど、実態が少し伴っていないんじゃないかなと思うんで、公有地の活用、もっと考えなきゃいけないと思うんですね。
 国の方も、これは、ただ、国が持っている財産というから、土地ですから、どれぐらい居住用に活用できるかどうかわかりませんけど、九十一万平米とかあるように報告書に載っていますから、そういうことも考えると、かなり積極的に公有地を活用していくという議論を皆さんでしてもらいたいと思いますし、これは私個人の理論で申しわけないんですけど、最終的な公有地の活用は、都営住宅を建てかえる等のときに、余剰地を活用するというのは当たり前のことになっているんですけど、都営住宅を建てかえる中で、高専賃と同じようなケアつきのものをきちっとつくる。大体、一団地というのは、建物が五棟とか七棟ぐらいあって、一団地になっています。それを順次建てかえていっていますから、その中の一棟、今の世帯数でいうと五十戸ぐらいですけど、高専賃のようなスタイルにしてくれば、七十戸とか八十戸とか、状況によれば百戸ぐらい確保できるでしょうから、そういうふうにして、一つの団地の中に、通常の都営住宅もあり、一棟だけは特別に高専賃のような機能のついた、つまりケアつき住まいとして、高齢者専用にご入居いただくというようなのを、かなり本気で考えないといけないんではないかなと、こう思います。
 皆さん方の所管ではありませんけど、都営住宅で病気でお亡くなりになって、発見がおくれた方という、いわゆる事故住宅という形になっているものでも、年にどうですかね、大ざっぱにいうと、五十戸とか百戸に近いぐらいの住宅が出てきているはずですね。公的住宅の中で、おひとり住まいだったがゆえに、亡くなられたけど発見がおくれてしまったというような事故が出るというのは非常に悲しいわけで、今、もしケアつき住宅に、都営住宅をそういうふうに変えたら、絶対そういうことにならないわけですよね。ですから、民間の事業所に頼ることも重要、東京都が公有地を出すことも重要ですが、東京都が持っている財産ですから、これを有効に使わなきゃいけない、こう私は思っています。
 そう思って、いろいろ皆さん方からいただいた資料を読んだら、非常にいいことがここに書いてある。これはどういうことが書いてあるかというと、わずか、ちょっと隅っこの方ですから、皆さん読んでいないだろうと思うけど、私、しっかり読んでいますからね。
 どういうことが書いてあるかというと、東京都はこれから、国の縦割りに縛られてきた住宅政策と福祉政策に対して、今後、横ぐしを刺し、現場で融合させる。つまり、私がいいましたように、あれは都営住宅ですから都市整備局の問題なんです。ケアつき住まいの事業は福祉局のこっちの問題なんですとかいっていたのは、今まで、国も含めて縦割り行政でだめでした。だけども、今度はそれを横ぐしでつなげて、高齢者用の、まあ、高齢者と限りませんけど、特に高齢者用の住宅政策を現場で一つにして立ち上げていきますよと、わざわざ東京都の人が書いて、我々に提示しているんですからね。ですから、あれは都市整備局です、これは福祉局ですとかいい合わないで、横ぐしというんですから、まあ、横ぐしというと、焼き鳥のくししか思い出しませんが、そんなちっちゃなやつ、だめですよ、すぐ折れちゃうから。電柱のようなでっかいくしを、住宅政策と福祉局の間に通してもらって、しっかりと体制を整えて頑張ってもらいたい、こう思いますし、まだまだ、今、モデル事業中というのもありますから、また機会を改めて、福祉保健局の積極的な取り組みをお尋ねする機会を持ちたいと思いますので、きょうはこれぐらいにしておきます。どうもありがとうございました。

○松葉委員 初めに、保育サービスの整備について質問したいと思います。都の保育サービス拡充緊急三カ年事業等によりまして、保育サービスは拡大をしていますけれども、依然として待機児童問題は解消されておりません。
 そこで、潜在的なニーズ量も含めた保育サービスの需要と現在の整備状況、今後の計画について初めに伺います。

○角田事業推進担当部長 平成二十一年度に各区市町村が実施いたしました調査では、潜在ニーズも含めますと、就学前児童のいる家庭の四四%が保育サービスの利用を希望しておりますが、現状の整備率は三二%となってございます。平成二十二年度から平成二十六年度までを計画期間といたします東京都保育計画においては、この潜在的ニーズも踏まえまして目標値を設定いたしました。認可保育所、認証保育所、認定こども園、家庭的保育事業等、さまざまなサービスを組み合わせまして、今後五年間で保育サービス利用児童数を三万五千人ふやすこととしております。
 なお、今年度の整備状況でございますけれども、区市町村及び事業者に対しまして、保育所等の新設のほか、既存施設の定員拡充など積極的な取り組みを促しました結果、整備実績は大幅な増となる見込みでございます。待機児童の解消に向けて、今後とも、安心こども基金や、待機児童解消区市町村支援事業など、そうしたものの活用を引き続き区市町村に強く働きかけまして、計画目標の早期達成を目指してまいります。

○松葉委員 さまざま東京都が率先して、事業の拡大をしていただいているということについて評価をいたしたいと思います。待機児童解消に向けて、それを使いまして、また区市町村はさまざまな取り組みを行っております。杉並区では、認可保育所や認証保育所の設置に加えまして、緊急対策として、杉並保育室を開設するなどしまして、定員をふやして、本年度四月の待機児童は、二十三区最少の二十三人にいたしました。ですけど、その後、区内に転居してこられる子育て世帯が増加をいたしまして、区から聞いたところによりますと、来年度の認可保育所入所申込数は、二三%増加の四百四十一人増になっております。四月までにさらに五カ所の区保育室を開設するなどしまして対策をとっていますが、待機児童の解消は難しい状況になってきております。
 また、栗林議員の地元の世田谷区も約六百人の増というふうに聞いております。待機児解消のためにはあらゆる手段を尽くす必要がありまして、家庭的保育事業、いわゆる保育ママも有効な方策の一つであると考えております。保育ママは、家庭的な雰囲気の中で保育をするという、〇、一、二歳の子どもにとって大切な環境であると私は考えております。この家庭的保育の一環として、都は今年度から、共同実施型家庭的保育モデル事業を開始しております。また、国も、家庭的保育について、来年度より新たな取り組みを始めるようでありますけれども、共同実施型家庭的保育モデル事業の現在の実施状況と今後の見通し、また、国の新たな取り組みについて伺います。

○角田事業推進担当部長 家庭的保育事業は、基本的に自宅などにおいて一人で保育を行うものでございます。そうした事業特性から生ずる課題に対応するため、また、より多くの事業者の家庭的保育事業への参入を促進するために、都は今年度の新規事業といたしまして、複数の家庭的保育者が相互支援を行いながら保育を行う共同実施型家庭的保育モデル事業を実施しております。このモデル事業は、平成二十二年度から二年間の時限事業として、現在、個人実施型と保育事業者実施型の二つの事業類型で、合わせて三カ所で実施をいたしております。
 それから、お話の国の動きでございますけれども、国は、昨年発表いたしました国と自治体が一体的に取り組む待機児童解消先取りプロジェクトの事業といたしまして、都が実施しているモデル事業と同様のグループ型小規模保育事業を来年度より実施することとしております。今後はこのような事業の実施状況も踏まえまして、家庭的保育事業の拡充に向けた取り組みを進めてまいります。

○松葉委員 東京都のモデル事業の後追いで国も実施をするようでありますけれども、例えば、三LDKのマンションがありましたら、一室に保育ママさん、三人のお子さんということで、三部屋あれば九人、また、補助者さんをつけると一部屋で五人と。三部屋で十五人ということになりますけれども、これも有効な方策であるというふうに考えます。この都のモデル事業の、今モデル事業ですけれども、ぜひとも本格的な実施を要望しておきたいと思います。
 また、家庭的保育事業の拡充に向けまして、区市町村の取り組みが進みますように、引き続き情報提供や支援をお願いいたします。家庭的保育事業を初めとした小規模な保育施設の拡充も重要でありますけれども、認可保育所の整備も重要であります。保育所の整備におきましては土地確保が課題となっておりますが、都議会公明党の提案によりまして、保育所整備に対しましても都有地が活用できるようになりました。
 そこで、保育所整備における都有地活用の現在の取り組みについて伺います。

○角田事業推進担当部長 東京都は平成二十年三月から、都有地活用による地域の福祉インフラ整備事業の対象施設として認可保育所を加え、五〇%減額による都有地貸付の仕組みをつくっております。今年度、東村山市において、認可保育所としては第一号となる事業者の公募を行い、平成二十四年の開設に向けて準備を進めているところでございます。
 さらに、未利用の都有地につきまして、所有する三十六の区市町に対しまして八十八件についての利用意向の調査を実施し、現在回答のあった区市町と調整を行っております。また、新たに用途廃止が見込まれる土地につきましては、意向調査の準備を進めているところでございます。

○松葉委員 待機児童の課題につきましては、保育所の整備にとどまらずに、ワークライフバランスといった働き方の問題と多角的な取り組みが必要であることはいうまでもありません。しかし、子どもを預けたくても預ける保育所がないという現状は、解決をしていかなければいけないと思います。
 杉並区では、政府の待機児童ゼロ特命チームに対して要望書を出したわけですけれども、広域的にサービスが底上げされる施策の推進などを求めたわけですが、頑張って取り組めば取り組むほど、人口流入などで保育需要がふえ、さらなる対策に迫られるイタチごっこ状態でもありまして、子育ての利便性を求めて住みかえる人口移動が起きないような取り組みの推進というのを求めたわけです。やはり都市部がこういう形になっていますので、他県からの、東京都が充実すれば東京都への流入ということもあるでしょうし、また、杉並区が充実すれば杉並区への流入ということもあるかと思います。ですので、そういった意味では、広域的な自治体として、東京都が、全域が底上げされるような、そういった政策をさらに推し進めていただきたいというふうに思います。
 次に、都有地の活用でございますが、地域インフラ整備事業は、認可保育所のほかに、障害者福祉サービス基盤整備、また、介護サービス基盤整備にも適用されております。
 そこで、次に、都有地を活用した高齢者施設の整備について質問したいと思います。
 都では、特別養護老人ホームなどを整備する事業者に対し、未利用都有地を低廉な価格で貸し付け、施設整備を促進してきました。先ほど、三原議員の質疑の中でも触れられておりましたけれども、現時点で、特別養護老人ホームや認知症高齢者グループホームなど五件が既に開設されており、一件が建設中、また、昨年の夏に公募を実施し、既に事業者が決まった案件が二件、現在公募中の案件が二件ということであります。現在公募中の案件のうち、一件は私の地元、杉並区の都営和田本町アパート跡地に特別養護老人ホームを整備するものであります。
 そこで、現時点における公募手続の進捗状況について伺います。

○狩野高齢社会対策部長 お話の事業は、都営和田本町アパート跡地でございます約二千五百二十五平米の都有地を活用して、ユニット型の特別養護老人ホーム、定員七十人以上、ショートステイ定員七人以上を整備するものでございます。本件事業者公募は、昨年十二月に事業者説明会を開催し、この二月二十四日に借り受け申請書の提出を締め切ったところでございます。
 都内法人五法人、それから、都外法人十法人、合わせて十五の社会福祉法人から応募がございました。今後、本年四月下旬には施設整備を行う事業者を決定し、十二月ごろには施設整備費補助の内示をし、土地の賃貸借契約締結を経まして、平成二十四年三月ごろに着工して、二十五年五月ごろには施設を開設する予定でございます。

○松葉委員 ぜひとも、都営和田本町アパート跡地の特別養護老人ホームの整備につきまして、着実に進むように、今後の取り組みについてお願いしたいと思います。
 ただいまの答弁によりますと、今回の都有地活用の公募には都の内外から多くの応募があり、法人の関心が非常に高いことがわかります。長期間にわたって施設を運営するための資金計画を立てる際に、東京都の施設整備費補助制度や都有地貸付が有効であるからこそ、多くの法人からの応募があったのだというふうに考えますけれども、都の認識を伺いたいと思います。

○狩野高齢社会対策部長 特別養護老人ホームの施設整備費補助制度を取り巻く環境は、介護保険制度開始の前と後で大きく異なっております。例えば、平成十七年十月からは、いわゆる居住費などのホテルコストが介護保険の対象外となり、利用者の負担で賄われることになりました。また、平成十八年には施設整備費の国庫補助が廃止をされました。特別養護老人ホームの施設整備費の補助につきましては、多くの道府県で、この国庫補助が廃止された当時の補助単価にそのまま据え置くか、それよりも低い額となっており、中には現在は全く補助を実施しない県もございます。
 一方、都は、特養については、定員一人当たり四百三十万円の補助単価を基本とし、施設の地域偏在を解消するために、高齢者人口に比べ、整備状況が十分でない地域の補助単価を最高一・五倍に加算しておりますし、さらに、特別養護老人ホームの運営を行う事業者に対して、未利用の都有地を低廉な価格で貸し付けることにより、施設整備の促進に努めているところでございます。こうしたことが、都有地活用による施設整備の公募に対して、多くの社会福祉法人が応募する一つの要因だろうというふうに認識しております。

○松葉委員 東京、特に区部は地価水準が高く、用地の確保が困難なために、施設整備費とともに、都有地を初めとする利用可能な公有地の活用を進めることが大変重要だと考えます。私の地元、杉並区でも、区有地を活用したショートステイの整備などに取り組んでいます。今後とも、都が率先して都有地活用による施設整備を進めると同時に、区市町村にも働きかけて、公有地活用を推進していくことを要望いたします。
 この高齢者施設の整備にあわせて重要なのが、介護人材の確保であります。都では平成二十一年度から、介護雇用プログラム事業を実施しております。この事業は、離職者等に対して、介護現場での就業機会を創出するとともに、介護資格の取得を促進することで人材確保、育成を図るものです。
 そこで、これまでの本事業の実施状況、雇用状況について伺います。

○狩野高齢社会対策部長 介護雇用プログラム事業は、雇用創出とともに介護現場での人材の確保、育成を目的として、離職者等が介護事業者に有期雇用され、働きながら介護の資格を取得する事業でございます。取得できる資格には、介護福祉士とヘルパー二級の二つのコースがあり、雇用期間は、介護福祉士が二年間、ヘルパー二級が一年以内の有期雇用となっております。平成二十二年一月と二十二年七月に事業者を公募選定いたしまして、六十六の事業者から、介護福祉士及びヘルパー二級コース、合計で三百九十五名を雇用する計画が提出されました。平成二十三年一月時点で、この計画数三百九十五名に対して三百四十八名の離職者等が雇用されており、計画達成率は八八%となっております。

○松葉委員 それでは、この雇用状況を具体的に伺いたいと思います。この事業の対象は、中高年の失業された方や、離職を余儀なくされた非正規労働者の方のほか、新卒者も対象になっておりますが、雇用された方はどのような方が多かったのか、割合も含めてお願いいたします。

○狩野高齢社会対策部長 事業者及び雇用された方々に対してアンケート調査を行ったところ、雇用された方の年齢では、二十歳代が三八%、三十歳代が二四%、四十歳代が二一%、五十歳、六十歳代は一三%となっております。比較的若い方が多かったという結果でございます。
 また、職歴のある方が全体の七七%と多数を占める一方、いわゆる新規の学卒者も一三%を占めております。また、性別では男女ほぼ半々という結果となっております。

○松葉委員 どの程度の求職者の方が応募をされて、面接されたのかというような分析も必要かと思いますけれども、雇用者の方は二十代、三十代の若い方が多く、新卒者も一割を超えるなど、中高年齢層だけではなくて、幅広い年齢層の方の雇用対策として効果があったと評価ができるものだと思います。
 そして、この雇用された方々が職場で定着されているのかというのが次の課題なわけですが、この定着率について、離職された率は比較的低いと聞いておりますけれども、この離職者の方々が比較的今少ないということについて、都はどのように考えていらっしゃいますでしょうか。

○狩野高齢社会対策部長 平成二十二年一月の公募により雇用された二百四十五名のうち、二十三年一月時点で離職した者は二十八名であり、この間の離職率は約一一%でございます。国の調査ですけれども、平成二十一年度の介護労働実態調査によりますと、介護職員の一年間の離職率は一九・三%でございますので、低い結果となっております。
 その中途離職者が少ない理由でございますけれども、第一に、働きながら資格取得できることが雇用された離職失業者の方にとって魅力あるものであり、定着につながったというふうに考えられます。
 第二に、指導担当職員の人件費ですとか研修の経費を本事業で負担することによりまして、雇用された離職失業者の方に対する介護現場での手厚い指導が可能になったことが考えられます。事業者へのアンケートにおきましても、教育体制の充実を図ることにより、マン・ツー・マンのきめ細かい指導を行うことができたという報告がございました。

○松葉委員 今後、この事業の効果を一層高めるためには、先ほど最初に答弁いただきましたが、雇用の達成率が昨年度は八八%だったということで、この定員に満たない雇用だったということがありますので、これはぜひとも一〇〇%にまで向上させることが必要かと思います。
 そのためには、事業者の採用努力に加えて、都としても雇用を促進するために、例えばハローワークや東京しごとセンターやしごとセンター多摩などと連携するなどして、求人のご案内というものをこの事業者に対して行うということもあるのではないかなというふうに考えますが、今後、都はどのように取り組んでいくのか、伺います。

○狩野高齢社会対策部長 平成二十三年度は既に三十九の事業者を選定しまして、介護福祉コースで四十名、ヘルパー二級コースで二百五十九名、合計二百九十九名を雇用する予定となっております。
 事業者の計画数どおりの雇用が達成されるよう、本事業に応募する離職者等に向けて、既に雇用された方の体験談を載せたチラシを作成し、ハローワークや福祉人材センター、区市町村などを通じて配布いたします。また、都のホームページには就業先となる介護事業所の情報を掲載するなど、広報活動を幅広く行ってまいります。加えて、離職者等が雇用された後も介護職員として定着するよう、引き続き事業者を指導、支援してまいります。

○松葉委員 この事業は非常に有効な事業だというふうに思いますので、本事業を今後も着実に行い、雇用創出と介護人材の確保、育成、そして定着に努めていただきたいということを申し上げておきます。
 最後に、うつ病対策について質問いたします。
 うつ病治療の一つとして、医師と患者さんの対話の中で、患者さんの否定的な物のとらえ方や行動特性を改めていく認知療法、認知行動療法があります。この認知療法、認知行動療法につきましては、昨年四月、診療報酬改定で健康保険が適用されました。そうしましたところ、どこの医療機関でこの診療が受けられるのかというお声がたくさん寄せられました。
 そこで、第三回定例会の都議会公明党の代表質問で、都民に対しての情報提供について質問をさせていただきました。都からは、「ひまわり」において情報提供する旨の答弁を得ました。十二月二十一日から、「ひまわり」において実施医療機関の情報提供が始まりました。認知行動療法の診療を希望する都民が、「ひまわり」の情報をもとに受診が可能になり、サービスの向上が図られたと評価をしているものであります。
 これによりまして、認知行動療法を実施している医療機関が把握できるようになりましたけれども、現在のこの「ひまわり」において把握している医療機関、どのぐらいあるのか伺います。

○熊谷障害者医療担当部長 診療科目や対応可能な疾患などの情報を提供しております医療機関案内サービス「ひまわり」の情報によりますと、平成二十三年二月二十五日現在、うつ病など気分障害を対象とした認知療法、認知行動療法を実施しております医療機関は、都内に七十七カ所でございます。
 なお、現在、平成二十二年度報告に基づき情報を更新中であり、都民が医療機関の情報を十分把握できるよう、引き続き医療機関に報告を促してまいります。

○松葉委員 二月二十五日現在で七十七カ所ということですけれども、国も精神科医師を対象とした研修を今月から来月にかけて三回追加で実施していると聞いておりますので、認知療法、認知行動療法を実施する医療機関がふえることが期待されます。今後も医療機関の適切な情報提供をお願いしたいと思います。
 昨年、中部総合保健福祉センターを都議会公明党は訪問させていただきまして、認知行動療法を活用したうつ病ワークリターンコースを視察させていただきました。二〇〇五年度からの五年間で、利用者三百三十五人で約九割の三百人の方々が復職されたというすばらしい取り組みでありました。こうした精神保健福祉センターで取り組んできました認知行動療法に関するノウハウを生かして、都内の医療、福祉の関係者に広く普及を図るべきと考えます。来年度の具体的な取り組みについて伺います。

○熊谷障害者医療担当部長 都内三カ所の精神保健福祉センターでは、地域の精神保健、医療福祉を担う関係機関の職員を対象に専門研修を実施しております。来年度の研修においては、各センターにおいて、区市町村保健所や医療機関、障害福祉サービス事業所などの職員を対象に、認知行動療法の知識や支援への活用方法などに関する研修を実施し、認知行動療法の一層の普及を図ってまいります。

○松葉委員 今、ご答弁いただきました来年度の具体的な取り組みにつきまして、着実に推進をお願いいたしまして質問を終わります。

○田中委員 早速、質問に移らせていただきます。今回の予算の中で、地域支え合い体制づくり事業というのが新しく新規で予算に組み込まれております。この事業は新規でありながら六億三千万円もの予算がついておりますが、どのような内容のものなのか、説明を伺います。

○狩野高齢社会対策部長 地域支え合い体制づくり事業は、高齢者の生活の安心を確保するため、自治体や住民組織、NPO等の協働により実施する取り組みを支援することにより、地域の日常的な支え合い活動の体制づくりを支援することを目的として、国の補正予算において創設されたものでございます。全国で二百億円が措置されており、都は六億八千万円の内示を受けております。事業実施期間は平成二十三年度までとなっており、二十二年度は五千万円、平成二十三年度は六億三千万円の実施を予定しております。

○田中委員 国の補正予算による新規の事業ということでありますが、都としてはその中で具体的にどのような事業内容を想定されて、今進めているんですか、伺います。

○狩野高齢社会対策部長 都は国の交付要綱等の内容を踏まえまして、地域支え合い活動の立ち上げ支援、地域活動の拠点整備、人材育成の三つの事業を基本として、地域の支え合い体制づくりに資する取り組みを幅広く支援していくことを想定しております。
 地域支え合い活動の立ち上げ支援の事業例といたしましては、高齢者等の支援活動を行うNPO等の立ち上げ支援や、ボランティアポイントの制度化等の新たな仕組みの導入などでございます。
 地域活動の拠点整備の事業例といたしましては、高齢者等の見守りを行う拠点や家族介護者によるネットワーク、家族介護者支援に資する拠点の整備などを考えております。人材育成の事業例としては、高齢者等への声かけ、見守りを行う見守り活動チームの育成や一定期間離職した訪問介護員等に対する再研修などを考えております。

○田中委員 それぞれ大変多岐にわたる事業を行えるということで、大変望まれる事業であると思うんですが、今の説明を聞くと、実施の期限が二十三年度末、つまり今年一年間の事業であるということであります。これは二十四年の介護報酬の改定を見据えて一年ということも考えられるんですが、本予算が通って、その後に都の要綱をつくり、各市区町村を通じて事業者を選定し、さらにそれを地域活動の拠点活動の整備を行うには、この一年ではかなりタイトな時間かなというふうに思いましたが、この事業実態においてどのようなスケジュールでこの事業を進めていくと考えておりますか。

○狩野高齢社会対策部長 都はこれまで、一月中旬過ぎに国の補助要綱の提示を受けまして、速やかに区市町村に対する情報提供を行うとともに、区市それぞれの高齢福祉課長会等において事業協力の依頼を行ってきたところでございます。
 平成二十三年度の事業実施に向けて、今後、東京都の補助要綱等を策定の上、補助協議申請の時期や交付決定の時期などのスケジュール等について、早期に区市町村に提示し、円滑に事業を実施できるように努めてまいります。

○田中委員 スケジュールの方をお聞きしましたが、一方、事業規模の方をお聞きしたいと思いますが、どのくらいの事業規模の取り組みを想定しているのかを伺います。こうした取り組みに関するこれまでの都の進め方を見ますと、まずモデルの主体、大体モデルとなる三つか四つを数カ所決めて、そこに大きな予算をつけて投入して、その結果を全都的に広げていくようなことが多いように思われますが、今回はどのように進めていくんですか。

○狩野高齢社会対策部長 本事業は地域の実情に応じて実施される取り組みを支援するもので、主たる実施主体は区市町村でございます。都はこれまで、町内会、民生委員、ボランティアなどによる声かけ、配食サービスを活用した安否確認などの取り組みを包括補助事業を通じて支援してまいりました。
 これに加えまして本事業は、地域住民が主体的に行う新たな取り組みに支援することで、より多くの地域に支え合い体制づくりを広げていくことが目的であり、都がモデル的に一部の区市町村や事業者を指定して実施する性質のものではないと考えております。都は本事業のこういった趣旨を踏まえまして、区市町村と連携しながら、地域のきめの細かいさまざまな取り組みを支援してまいります。

○田中委員 この拠点整備、また支え合い事業なんですが、それぞれ上限額というのが決まっていまして、拠点整備が百万円、また支え合い事業が三百五十万円ということで、本来もう少し上限が高ければ使い勝手がいいんですが、それは今回国の要領で定められているので仕方ないということでお聞きをしましたが、むしろそうであるならば発想を変えて、空き店舗や集会場などを改装する、また小さな拠点を都内の各地域にたくさん整備していくことがこの事業においては重要と考えられますが、都の見解をお聞きします。

○狩野高齢社会対策部長 お話のとおり、都内には商店街の空き店舗ですとか、あるいは空き家、地域の集会所など、少額の改修費で活動の拠点として利用できる場所が多く存在をいたします。こうした場所に見守り活動の拠点や家族介護者のための相談所の設置、孤立化を防ぐためのサロンなど、地域の中に小さな拠点を整備することは、住民が主体的に行う支え合い活動の立ち上げや担い手の育成と並行して、身近な地域で支え合いの仕組みをつくるという事業趣旨にも合致する効果的な取り組みであると考えております。都は区市町村と連携しながら、こうした拠点整備が進むよう積極的に支援してまいります。

○田中委員 高齢者や障害者に対する地域における日常的な支え合い、または拠点というのは大変ニーズが高く、各市区町村での推進をぜひ望むわけでありますが、現状では財政面での支援に乏しく、やりたくともできない事業者やNPO団体が多々あるというのも聞いております。
 先ほど中村委員や栗林委員からも、これはまた障害者といっても精神障害のアウトリーチの支援事業の話が出ておりましたが、これに対しても、今回のモデル事業というのは事業主体が決まってしまっていますが、このような地域の支え合い事業を少しずつ地域から始めていくというのを踏まえれば、この事業を使って幅広く高齢者、障害者事業を進めることもできると考えております。ぜひ、さまざまな業種の事業者がチームを組んで、地域の支え合いの体制が整うよう、この六億数千万のお金を使わなかったとして国に返すようなことがないように、市区町村と連携して促進することを望んで、次の質問に移りたいと思います。
 次は、療養病床についてお聞きしたいと思います。
 都は医療適正化計画の中で、平成二十四年度末の療養病床の目標数というものを二万八千七十七床としております。この現状は現在どうなっているのでしょうか。また、この目標達成に向けてどのような対応を考えているのか、伺います。

○山岸医療政策担当部長 都内の医療療養病床数は、本年一月一日現在で二万一千二百二十九床となっております。目標達成に向けての対応としましては、療養病床の整備促進のため、二十年度に都独自の施設整備補助制度である療養病床整備事業を立ち上げまして、今年度からは補助率を従来の二分の一から四分の三に引き上げております。
 またソフト面での対策といたしましては、療養病床を有する医療機関が患者さんやご家族の多様なニーズにこたえ、あわせて経営の安定化も図れるよう、がん患者の疼痛管理や在宅療養患者の緊急受け入れの対応などについて、病院スタッフを対象とする研修を実施しております。

○田中委員 この療養病床の機能強化というのは、この研修というのは、医療区分が高いような現場においては大変有効であるというのは現場から声が上がっていてお聞きをしておりますが、この療養病床整備事業が、補助率の件で、二分の一から四分の三に上げたということで現在促進を図っています。この促進の成果というのをまずお聞きします。

○山岸医療政策担当部長 補助申請数が、二十年度、二十一年度は二カ年で約三百床でございましたが、補助率を四分の三に拡充いたしました二十二年度は約七百床に増加しております。

○田中委員 確かに今回のこの補助率のアップによって、これは都の単独事業であって、かなり効果があったということで三百から七百床ということでありますが、それでも年七百床を増加して、現在の二万一千から二万八千に近づけるには、一年で七百だとしますと、単純計算で十年かかってしまう計算になります。
 その中で、新たに今回、この療養病床の転換促進事業というのを始めるということをお聞きしましたが、どのようなねらいで行うのか、お聞きします。

○山岸医療政策担当部長 医療療養病床への転換に当たっては、転換後の経営上の不安を抱える医療機関が多く、その解消を図る必要がありますことから、来年度、既存の病床を転換して医療療養病床を新設する医療機関を対象といたしまして、経営コンサルティングの専門家による転換後の経営分析や助言などを行う事業を開始いたします。あわせて、転換後も病院管理者を対象に経営研修会や個別相談会を実施いたしまして、病院経営の安定化を継続的に支援してまいります。

○田中委員 今回、経営面でのサポートというのを始めるということで、これも一つ、転換を図っていくには大きなことであるかと思うんですが、それでもまだ不十分であることには変わりはないと思っております。このままでは、先ほどいった二万八千の目標に達しないどころか、多くの高齢者がいわゆる医療難民や介護難民というようなところになりかねないといわれております。ぜひ現場の声というのをしっかり聞いて、運営面、経営面のさらなる具体的施策、これはもちろん東京都だけではできず、国の大きな方針の転換や、また医療費、介護保険の今回の改定を含めた問題もありますが、ぜひ都としての施策を進めていっていただきたいという中で、さらに具体的に、今度は介護療養病床について、その中でお聞きをしたいと思います。
 厚生労働省は、本年度末と定められている介護療養病床の廃止、その期限を六年間延長するという方針を固めたということが報道で発表されておりました。これまでの介護療養病床から他の業態への転換というのはどのように進んできたのか、お聞きします。

○狩野高齢社会対策部長 療養病床の再編に伴う国に対する定期的な報告を始めたのは平成十九年四月でございますけれども、その時期と直近の平成二十三年一月の状況を比較しますと、平成十九年当時の介護療養病床は七千七百四十一床、本年一月一日現在の介護療養病床は六千三百九床となっております。
 増減と転換先ですけれども、まず減少分としましては、介護療養病床から医療療養病床に転換したものは千三百五十一床でございます。それから介護療養病床から一般の病床に転換したものは九十七床、それから介護療養病床を廃止または病床数を減少したものが二百十七床ということで、合わせて千六百六十五床が減少しております。
 一方、増加分ですけれども、医療療養病床から介護療養病床に転換したものは二百二十七床、それから介護療養の増床が六床で、合わせて二百三十三床の増となりまして、この約四年弱で差し引き千四百三十二床の減となっております。

○田中委員 介護療養病床から医療療養病床への転換が今の数字ですと多いようでありますが、その中でも一部、医療療養病床から介護の療養病床へも転換するという、ちょっと逆転というか、そういう転換の事例もあったことも今わかりました。
 そんな中で療養病床の再編に伴って、介護療養病床から有力な転換先として、国は介護療養型老人保健施設というのを創設いたしました。
 そこで伺いますが、都内において、介護療養型老人保健施設を含めて、この療養病床から介護保健施設へ転換した事例というのはどのような事例があるんでしょうか。お聞きします。

○狩野高齢社会対策部長 都内の療養病床から介護保険の施設でございます介護保健老人施設に転換した事例でございますけれども、医療療養病床からこうした従来型の介護老人保健施設に転換したものは、四施設百二十六床でございます。また、お話のありましたように、介護療養型老人保健施設につきましては、介護療養病床から転換する形で本年四月に新たに創設される施設が一施設百九十三床ございます。

○田中委員 今、答弁がありましたその転換の事例というのは、開設の予定も含めてもわずか五施設でありまして、介護療養病床から介護保険施設へという転換事例というのは、まだ少ないというか、ほとんどないのが実態であります。
 その中で、医療療養病床への転換もあわせて、先ほどの質問からあわせますと、介護療養病床からのその他の施設の転換というのは総じて余り進んでおりません。四年弱で千四百三十二差し引きということであります。どうしてそのような現状になっているのかの原因、それに対する都のまず認識というのを伺います。

○狩野高齢社会対策部長 転換が進まない要因、さまざまございますけれども、まず一つは、新しくできました介護療養型老人保健施設への転換に当たりましては、新規入所者のうち医療機関から入所した方の割合が、家庭から入所した方より三五%以上多いこと、それから全入所者のうち、経管栄養など実施している方の割合が一五%以上であることなど、非常に厳しい要件がつけられております。
 また、現行の介護報酬では、この介護療養から介護療養型の老人保健施設へ転換しますと、試算によりますと、八十人規模の施設では介護報酬の基本部分だけで約一四%の減収になるというふうにいわれております。さらに、転換した後は、療養施設の入所者一人当たりの床面積が、現行の介護療養は六・四平米ですけれども、八・〇平米以上とすることが求められておりまして、病院にとりましては、将来大規模な改修をするか、定員の減が求められるという課題がございます。
 一方、介護療養から医療療養の方に転換をする場合は、今度は看護師等を増配置をしなければならないということから、人材確保の問題もあり、転換をちゅうちょする医療機関も多いというふうに聞いております。こうしたことから、介護療養から他施設への転換は現在進みにくい状況でございます。
 都としては、昨年九月に療養病床再編後、療養病床の利用者が安心して利用できる施設を確保する上でも、介護療養型老人保健施設の報酬を適正な水準に設定し、円滑な転換を促すよう国に緊急提言しておりまして、今後とも引き続き働きかけを継続してまいります。

○田中委員 都の九月に出されました緊急提言の方も読ませていただきました。先ほど答弁があったもの以外も、介護療養型老人保健施設においては、やはり介護報酬において全国一律の体系であり、人件費、物件費、地価等が東京の実情を正しく反映していないということが書いてありました。
 さらに、この医療療養病床がふえない最大の理由というのは、やはりいわれていることですが、他県に比べて東京都の高い、同じことなんですが、土地代や人件費、低い診療報酬では見合わないということにあります。国がしっかりと見通しを示さないと、皆、様子見になってしまっているのが現状だと思います。来年度の診療報酬、介護報酬を地域に見合った水準にするように、私たちもしっかりと現場の声を国に訴えていきたいと思いますし、都もそれに対してぜひ協力していただきたいと思っております。介護療養病床は終わります。
 次に、福祉人材センターの件についてお聞きをしたいと思います。この福祉人材センターという福祉に特化した人材センターがあるわけでありますが、この設置の目的、また主な事業等についてまず伺います。

○藤田生活福祉部長 福祉人材センターは、社会福祉法第九十三条に基づき、都道府県が指定し、福祉人材の育成、就業の援助を行うものでございます。都は平成三年度に、社会福祉法人東京都社会福祉協議会を東京都福祉人材センターとして指定をし、事業を開始いたしました。
 主な事業内容でございますけれども、同法第九十四条の規定に基づきまして、福祉人材の求人、求職情報の収集と提供、無料職業紹介あっせん、就職相談、各種広報啓発活動等を行っております。

○田中委員 これらの福祉人材センターの事業に係る予算額、この五年間の推移を伺います。

○藤田生活福祉部長 平成十九年度は九千三百万円、平成二十年度からは介護人材の確保の強化等のため増額をいたしておりまして、平成二十年度は三億五千百万円、二十一年度は三億五千三百万円、平成二十二年度は三億八千三百万円でございます。また、二十三年度予算案におきましては、二億六千五百万円に、新規事業の委託といたしまして、新卒者等応援緊急介護人材育成事業の三億円とを合わせまして、五億六千五百万円を計上しているところでございます。

○田中委員 二十二年度に比べて二十三年度の予算案では、先ほどの新規事業の三億円は別の項目に書いてありまして、この予算案を見ますと、人材センターとしては、運営経費としては約一億二千万ほどの減額の予算が組まれておりましたが、どうしてこれだけ大きな減額になったんでしょうか。

○藤田生活福祉部長 平成二十二年度までの三年間、介護人材確保のため集中的に広報活動を行い、福祉の仕事の魅力や重要性の理解の促進を図ってまいりました。その結果、高等学校や大学、養成施設、福祉職場への周知が行き渡り、一定の効果が得られたことから、大規模な広報活動に一区切りをつけたことで、広報費約八千万円が減額となったものでございます。また、再就業を支援するための能力開発講座の実施方法を見直すなど、事業の再構築を図りまして、約四千万円の減額をあわせて図ったところでございます。

○田中委員 八千万円というかなりの減額でありますが、それでは元の広報費というのはさらにそれ以上の額だったと思っておりますが、今、答弁していただきまして、三年間、特に大々的な広報活動キャンペーンを行ったということであります。平成二十年度から二十二年度までの三年間の各年度の広報経費、それぞれ幾らだったのか伺います。

○藤田生活福祉部長 平成二十年度では、決算額で申し上げますと一億七千百万円、二十一年度の決算額は八千九百万円、二十二年度は、決算の見込み額でございますけれども、約八千五百万円でございます。

○田中委員 先ほど福祉人材センターの事業五年間を伺ったときに、十九年度の予算が九千三百万円なんですが、二十年度は広報費だけで、その運営費を大きく超える一億七千百万円という広報費を使ったということでありますが、どうしてそれだけ大きな広報費を使うに至ったんでしょうか。また、どのような内容について広報をしたのかを伺います。

○藤田生活福祉部長 平成十九年当時、介護事業者の不正請求事件や一部のマスコミ等による介護職場のマイナスイメージが報道され、それらの影響から福祉介護職場では人材の確保が非常に厳しい状況となった経緯がございます。そこで平成二十年度から、都として福祉の仕事の魅力を広く周知するため、広報予算を大幅に拡充し、人材確保の強化策を図ったところでございます。
 具体的な事業といたしましては、福祉の仕事のイメージアップを図るキャンペーンイベントの実施、大規模就職面接会、合同採用試験の開催、また再就業を支援するための能力開発講座の開設や民間の就職支援ノウハウを活用いたしましたキャリアカウンセリング等を実施したところでございます。
 このような取り組みにつきまして、新聞広告や雑誌広告あるいは車内広告、携帯サイト等、多様な広報媒体を活用いたしまして、都民に福祉や介護の仕事の意義や重要性などの理解を促進し、就業に結びつけていくための大規模な広報活動を展開いたしたところでございます。

○田中委員 たくさんいろんな事業をやられたというか、広報活動をやられたというのは今るる述べていただいてわかったんですが、そうはいっても三年間でトータルすると三億五千万という広報経費を、福祉人材センターという一つのセンターが使っていたということになります。かなりの多額であるといわざるを得ない状況であります。
 調査させてもらいますと、特に二十年度のこの一億七千万、これが三年間の中でも半分以上を占めております。なぜこの二十年度だけこのように多額であり、先ほどるるいろいろなキャンペーンをしていただいたということでありますが、どのような広報にその費用が使われたんでしょうか。

○藤田生活福祉部長 平成二十年度は集中的な広報を図る初年度でありましたことから、福祉の仕事のマイナスイメージを払拭し、介護従事者のみならず広く都民に対して福祉の仕事の魅力を周知すべく、さまざまな事業を開始し、福祉人材センターでの就業マッチングを促進していくことを目指しました。また、国はこの年の十一月十一日を介護の日というふうに定めまして、こうした動きとも連動いたしまして、福祉介護人材確保に都としても大きく乗り出したものでございます。
 広報経費の内訳でございますけれども、まず、福祉の仕事イメージアップキャンペーン事業として、六大新聞への広告や雑誌広告、ウエブバナー広告等で約一億四千二百万円、また大規模就職面接会や合同採用試験等の広報として、ポスター、チラシあるいはDVDの作成等で二千九百万円を要してございます。

○田中委員 その内訳については都の方からもいろんな資料をいただきまして、さまざまな、例えば「AERA」さんにも広告を載っけて、少し人材センターはこういう仕事ですよと。これが統一のフォーマットなんですが、これを新聞、雑誌またインターネットのヤフー広告、携帯サイト、そしてこのような広告チラシをつくって広報したということであります。また、福祉の仕事というDVDをおつくりになったということであります。このような広報をしたからには、その効果の検証というのが必要と考えておりますが、どのような実績があったのかを伺います。

○藤田生活福祉部長 広報実施前の福祉人材センターにおけます平成十九年度の新規の求職者数は、三千八百二十七人でございましたものが、平成二十一年度は六千六百七十九人に増加いたしまして、約二倍となっております。また、事業者への紹介人数も千九百四十八人から五千三百九十人と、平成十九年から二十一年度では約三倍になってございます。また、就職人数につきましては、一千二十三人から二千九百三十三人と、約三倍へと着実に人材確保につながっていると考えております。
 また、大規模就職説明会の参加者数でございますが、平成二十年度は一千四十三人、二十一年度は一千三百二十八人と、やや増加してございます。さらに、合同採用試験の受験者数は、二十年度は四百五十八人、二十一年度は五百六十九人の実績が出ているところでございます。事業者が一堂に会して合同就職相談、採用を実施するこれらの事業は、福祉業界の新たな事業展開といたしまして、新卒者等に対して福祉業界のイメージアップに着実につながっているものと考えてございます。

○田中委員 今のデータを聞くと、二倍、三倍ということで、大変効果があったように思えるんですが、もっと細かく見ていきますと、例えば先ほど私が挙げたこのチラシは、二十年度だけで一億七千万を使ったんですが、その年度末を考えますと、先ほど述べてもらった新規求職者、これは福祉人材センターに足を運んできた人なんですが、十九年は三千八百二十七人に対して、二十年は四千百五十一人と、三百二十四人しかふえていないということがあります。
 それから、翌年また翌々年、先ほどの二十一年度では大変多くの人が来場してくれたということでありますが、毎年広報費を使ってこれまで三年間やっていたということでありますので、もちろん、これだけの今いった数字だけでの効果の有無の検証は難しいんでありますが、特にこの一億七千万円のうち、先ほどいった福祉の仕事イメージアップキャンペーンというのは、目的が、実は少し人材センターの取り組み内容のPR、福祉人材センターを知ってもらおうという取り組みなんですね。ですので、それが、その中でも九割の一億四千二百万円となっております。
 なぜこのようなことをいったかといいますと、翌年から予算は半分になり、ことしは十分の一の一千万強になったんですが、それでいっても、数字というのはどんどんと今上がっております。ですから、この事業が大きな結果を生んだのか、もしくは世の中の情勢だったのか、もしくは国の施策だったのかというのがなかなか検証できません。
 もちろん私は広報宣伝費が悪いといっているわけでもなく、この事業がこのようにして大きな成果を上げてきているのには評価をするのでありますが、しかし広報宣伝費の場合、幾らでもかけようと思えばかけられてしまうというのが現状であって、特に会社においても、まず経費が厳しい場合は広報宣言費を削っていくのが今の現状であります。
 だからこそ、これだけ多額のこのような広報費をかけたなら、その検証というのは、結果、その数字だけを追うんじゃなくて、それぞれ、一回でやめてしまったんですが、インターネット広告、数千万をかけたなら、どのくらいの人がこのインターネットを見てきたのか、携帯事業サイトも一年で、この二十年度でやめてしまいましたが、この携帯事業サイトではどのくらいの人がこれによって来たのかというのをぜひ説明できるようにしていただきたいと思います。そうでないと、なぜ一年でやめてしまったんだろうとか、もしくはこれはどのくらいの効果があったんだろうというのが、私たちもこの決算額ないしは予算額だけでは把握ができないということになってしまいます。
 ぜひ、さまざまな面からの啓発活動というのは大切かと思いますが、常に検証して、そして翌年に生かす広報費の使い方というものを検討していただきたいと要望したいと思います。
 それから、これまで福祉人材センターの基幹的な事業について聞いてきました。その他にも、実はこれは国の補助金や都独自の事業が次々とふえており、予算がふえております。一番最初に聞きましたこの五年間の福祉人材センターの事業の推移は、平成十九年が九千三百万、そして本年度は三億八千三百万ということでありますが、先ほどの新卒者の介護人材育成事業が三億円入ると五億六千五百万、さらに保育人材確保、保育雇用支援事業というのも、これが加わります。そうしますと、二十三年度は約十二億円になるということであります。実に、平成十九年九千万の福祉人材センターが、ここ四年で予算額十五倍ほどの規模に膨れ上がっております。
 実際に私もたきぐち副委員長とこのセンターを訪問させてもらいました。平成二十年度から特に事業の拡大が大きくなったセンターでありますが、場所も変わることなく、東京しごと財団のビルの一角に入っていましたが、職員室も変わらず、淡々と事業を行っておりましたが、少し心配になったところもありました。
 この事業の拡大について支障がないのか、今現状どうなっているのかの見解を伺います。

○藤田生活福祉部長 新たにセンターに事業を委託いたします場合には、個別に委託契約を締結するとともに、委託事業費には人件費を計上いたしており、福祉人材センターでは必要な相談員等を、非常勤、常勤等々ございますが、採用いたしまして、事業実施に対応いたしているところでございます。
 また、委託事業の実施に当たりましては、外部委員を入れました実行委員会等を設置いたしまして事業内容を決定していくなど、関係機関や都の所管部課とで常に緊密な連携を図っており、適正に事業執行をいたしているところでございます。
 また、ご指摘の福祉人材センターのスペースの問題につきましては、レイアウト等の改善を図るなど、事業実態に即した対応に努めてまいります。

○田中委員 先ほどいいましたが、この福祉人材センターは飯田橋の東京しごと財団のビルの中に入っております。持ち物が産労局ということでありますので、なかなかこれに対して私たち厚生委員会の局が、それを貸してくれとか拡大してくれというのはいいづらいのかもしれませんが、実際、東京しごと財団のビルを上から下まで一階ずつのぞいてというか、見てまいりましたが、決してすべての階が目いっぱい使われているという感じではなかったのが本音であります。
 それに加えて、この福祉人材センターは、朝一番で行きましたので当初は人がいなかったんですが、お昼ぐらいになると、多くの人でにぎわってといういい方はよくないんですが、多くの人が仕事を求め、またそれに対する求職をする企業の方も含め、窓口もいっぱいになっておりました。
 直接話を聞きますと、やはり今の現状では手狭というか、多くの事業がこれから始まっていくに当たって、いろんな事業をしていかなきゃならないと。その中でもちろん工夫はされて、局の方からもいろいろな連携をされているということでありますが、これからの事業についてはやはり心配だということもお聞きしました。
 ぜひ、この東京しごと財団のビルも同じ東京都の関連のビルでありますので、各階ほとんど研修スペースが、上から、ほかの財団やほかの局でありますから、いえないんですが、使っていないところもありますので、そういうところをうまく使って、例えば保育人材確保や支援事業というのは、いろいろな教育をしたり、保育のサービスを強化していくというのでありますが、あそこの場所ではできないので、ほかの場所でやらざるを得ないという話も聞いております。ぜひそのような有効な利用活動を求めて、この福祉人材センターがさらに利用者に沿った事業になるように要望しまして、私の質問を終わりたいと思います。以上です。

○くまき委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
   午後五時五十分休憩

   午後六時開議

○くまき委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○小磯委員 それでは、小児慢性特定疾患から質問をさせていただきます。
 私の知人のお子さんが、高校生のときに慢性骨髄性白血病という病気にかかられまして、実はつい最近まで小児慢性特定疾患という、いわゆる医療助成を受けて治療をしておりました。症状も安定し、大学に現在も通っておられます。
 しかし、この病気はグリベックという高額な治療薬を使うために、医療費が高額になる上、成人になりますとこの医療費助成が打ち切られる。このご本人は打ち切られたわけでございます。実は大変な高額の医療費を支払い、今大変な思いをされているわけでございますが、この小児慢性骨髄性白血病とはそもそもどのような病気なのか。その症状と治療法についてまずお伺いをいたします。

○雜賀少子社会対策部長 慢性骨髄性白血病で小児期に発症するものでございますけれども、この疾病は、骨髄の細胞が悪性化し、それが増殖することで引き起こされる白血病の一種で、症状や検査所見から慢性期、移行期、急性転化期の三つの段階に分けられます。
 症状ですが、初期の慢性期には無症状であることが多いのですが、病気の進行とともに骨髄の中のがん細胞が増加してくると、貧血症状や全身の倦怠感、それから脾臓のはれによる腹部の膨満感などの症状があらわれてまいります。
 この疾患の治療方法でございますけれども、慢性期には、お話にございました効果のある内服薬の投与により、多くの場合、病気の進行を抑えることができます。ただ、移行期、急性転化期では、抗がん剤の投与や骨髄移植による治療が行われてございます。

○小磯委員 現在は、慢性骨髄性白血病は小児慢性疾患医療費助成制度の対象となっておりますが、その助成制度の内容と対象疾患数、そしてまた対象患者数についてお伺いいたします。

○雜賀少子社会対策部長 児童福祉法に基づく小児慢性疾患医療費助成制度は、治療にかかった費用のうち、医療保険の自己負担分を助成する制度でございます。所得に応じた一定の自己負担限度額がございまして、それを差し引いた額を助成するという制度になってございます。対象年齢は十八歳未満でございますけれども、引き続き治療が必要と認められれば、二十歳未満まで対象とすることはできます。
 事業の対象疾患数でございますが、がんなどの悪性新生物や慢性心疾患など、十一の疾患グループに分けられる計五百十四疾患でございまして、対象者数は平成二十一年度実績で七千九百四十二人でございます。

○小磯委員 この方はグリベックというのを飲んでおられます。一錠が約二千七百円で、一日四錠飲む必要があるということで、ですから、一日にお薬だけで一万八百円、それを毎日飲まなければなりませんので、三十日を掛けますと三十二万四千円。三割が自己負担でございます。その三割の自己負担でも十万八千円ということでございます。
 お父様がちょっと仕事の関係で結構生活大変なわけでございますけれども、そういう中で大学へ通っているんですけれども、高額療養費制度、普通の所得で四万四千四百円ということで、去年既に二十になりましたけれども、そのお薬を最初に三カ月分買うために、結局、大学の授業料を延期して、その薬代に回したということでございます。
 そんなことで、成人になりますと、この小児慢性疾患医療費助成制度が対象でなくなるわけなんですけれども、成人になったからといって、じゃ病気が治るのか、また薬が必要ないのかというと、そうじゃございません。そういったことでご本人もご家族も大変な思いをされているわけであります。大学を出てからまたすぐにそんなに収入があるわけじゃありませんので、本当に将来を心配されております。中には治療を断念する患者さんもおられるということでございます。
 小児慢性疾患医療費助成制度は二十までが対象であるため、病気を抱えたまま二十を超えた方々には支援がございません。このようなキャリーオーバーへの支援について、国はどのように検討しているか、その状況についてお伺いをしたいと思います。

○住友保健政策部長 国は、新たな難治性疾患対策のあり方検討チームを設置いたしまして、小児慢性特定疾患に関するキャリーオーバーの問題も含め、難治性疾患の患者に対する医療費助成のあり方などについて検討を開始しております。医療費の自己負担の軽減につきましては、医療保険制度の枠組みの中で国が解決すべき問題でありまして、都としては国の検討状況を注視し、動向を見守ってまいります。

○小磯委員 この問題について我が党の国会議員も質問をしております。その質問に対して、これは去年の三月、鳩山前首相が、慢性疾患は成人になれば治るものではない、成人後の議論をもっと早くしておくべきだったということで、前向きに対応する考えを当時示したということでございましたが、国会の方を聞いてみますと、なかなかこの問題はその後、進んでいないように伺っております。
 我々はこういった小児慢性特定疾患について、いろいろな制度の見直しが必要だと思っておりますが、一つには、高額療養費制度の改善で迅速に対応するよう今政府に求めております。例えば高額療養費制度では、人工透析患者などの場合、自己負担限度額を月一万円にする特例があります。小児慢性特定疾患は長期の療養が必要なため、人工透析患者と性格が類似しているといえるわけでございまして、こういった改善が進めば、患者の皆さんは助かるんじゃないかなと思います。
 また、小児慢性特定疾患の患者は成人後、フルタイムでの就労が困難なケースが多いため、患者の症状に応じて、短時間でも就労できるように支援することが重要である、こんなふうに我々党として、国でもやっているわけでございますけれども、都としてもぜひこの小児慢性疾患医療費助成制度については、関心を持って取り組みをしていただきたいことを要望しておきたいと思います。
 続きまして、エイズについて質問をさせていただきます。
 実は、随分古い話でございますが、昭和六十一年当時、我が国ではエイズの感染が十万人に一人といわれておりました。そのころ、日赤の献血血液のエイズ検査は国では行っておりませんでした。当時は年間九百万件の献血でございましたので、このエイズ検査をもししなければ、十万人に一人の感染者数でございますと、普通に割り算しますと年間数十人がこの献血血液で感染するおそれがあったというわけでございます。
 当時、昭和六十一年参議院の予算委員会で、公明党の高桑栄松さんという、北海道大学の医学部長をした経歴を持った参議院議員がこの予算委員会で、今ここで献血検査をしないと大変なことになるぞと訴えまして、その委員会で質問いたしまして、その年の十一月から急遽、エイズ検査が全国で導入をされたわけでございます。
 実はそのときその事務所で書生として働いていたのが私でございまして、そういった意味で、随分古い話なんですが、エイズ患者最多という、そういう新聞記事が出ますと、本当にこれは何とかせにゃいかぬという気になるわけでございます。そういった意味でちょっと質問をさせていただきます。
 最近の新聞報道によりますと、エイズ感染者、またエイズ患者ともに増加傾向であるということでございます。都のHIV感染者数、エイズ患者数の過去三年の推移と、それから十年間の累積報告数をお伺いしたいと思います。また、HIV感染者、エイズ患者の主な感染経路、感染を把握する機関ごとの報告件数はどのようになっているのか、お伺いいたします。

○中谷健康安全対策担当部長 都における過去三年のHIV感染者数は、平成二十一年に一たん減少いたしましたけれども、平成二十二年は増加しております。一方、エイズ患者数についてはこの間、微増しております。また、平成十二年から二十一年までの十年間の累積報告数は、HIV感染者は三千二百四十八件、エイズ患者は九百七十五件でございます。
 平成二十一年におけるHIV感染者、エイズ患者の推定感染経路は、同性間性的接触が三百三十二件、異性間性的接触が八十一件、不明その他が五十八件でございまして、性的接触による感染が約九割を占めてございます。平成二十一年に都に報告されましたHIV感染者数は、エイズ診療拠点病院を初めとする医療機関からのものが二百四十八件、保健所等からのものは百二十一件でございまして、医療機関からの報告が約七割を占めております。

○小磯委員 またその同じ新聞報道では、全国でございますけど、HIV検査件数、それから相談件数が大きく減少していると。感染とか患者はふえているんですけれども、検査件数とか相談件数は減少しているということでございます。東京都におけるHIV検査件数、それから相談件数の過去三年間の推移はどのようになっているか、お伺いします。

○中谷健康安全対策担当部長 都における過去三年のHIV検査件数は平成二十年に過去最高となりましたが、平成二十一年と二十二年につきましては前年よりも減少し、二年連続の減少となっております。また、過去三年の相談件数につきましても、HIV検査件数と同様に減少してございます。

○小磯委員 全国の方でありますと、検査件数が、二十年だと十七万七千百五十六件、これが二十一年では十五万二百五十六件、約一五%減っています。また二十二年は十三万九百三十件ということで、さらにまた二十一年から一三%減っているわけでございます。
 都の方の検査件数は、二十年が三万一千三百四十五件、これが二十一年は二万八千四百三十六件ということで、約一〇%検査件数が下がっております。
 また相談件数も、二十年は二万九千三百八十七件あったのが、二十一年では二万五千八百四件ということで、こちらも一二%下がっております。二十二年の数字は、これはまだ発表がないわけでございますけれども、国と同じぐらいに減ったと、大体国が一三%減っていますので、恐らく都も一〇%前後、相談件数も検査件数も少なくなっているんじゃないかな、こんなふうに思うわけでございます。
 厚生労働省のエイズ動向委員会は、平成二十一年における検査件数の減少については、これは新型インフルエンザの影響を指摘しておりますが、去年、平成二十二年の減少については、国民の警戒感の低下と、それと、今度は検査件数が大幅に減ったのに新規の感染者数がふえた点については、潜在的な感染の広がりを指摘しているわけでございます。都においても同様のことが懸念される状況と思いますが、都の検査件数、相談件数が減少傾向にあることについての認識をお伺いしたいと思います。

○中谷健康安全対策担当部長 検査件数、そして相談件数が、先ほどお話しいたしましたように、二年連続で減少しているということにつきましては、HIVに関する社会的関心の低下をあらわすものというふうに懸念をしてございます。
 都の場合には、発症前の早い段階で発見されるHIV感染者の割合が、全国平均と比較いたしまして高い状況にございまして、感染者の早期発見にHIV検査が一定の役割を果たしているというふうに考えてございます。

○小磯委員 HIVに関する社会の警戒感の低下が原因と考えられるならば、HIV感染の拡大を防止するための取り組みが重要であるというふうに思います。HIV感染者、エイズ患者の報告は若年層に多いと聞いておりますが、感染予防のための普及啓発を今後さらに強化すべきと思いますが、いかがでございましょうか。

○中谷健康安全対策担当部長 お話のとおり、平成二十一年の年齢別割合は、新規HIV感染者が二十代と三十代で約七割を占めてございます。また、新規エイズ患者は三十代と四十歳代で約六割を占めている状況でございます。都はこれまでエイズ予防月間やHIV検査相談月間を中心に、ポスター、リーフレット、インターネット等による広報や、若者を対象とした繁華街でのイベント等の普及啓発を実施してまいりました。
 また、若者同士が一緒に学び考えるピアエデュケーション事業や、大学生や高校生が訪れる普及啓発拠点、ふぉー・てぃーというふうに申しておりますが、そこにおきまして若者自身が企画プロデュースを行いまして、同世代にアピールする普及啓発活動に取り組んでございます。
 今後とも、こうした多様な活動を充実させまして、若年層を初めとする都民が感染予防の大切さをみずからの問題としてとらえられるよう、NPOや民間団体とも連携しながら、効果的な啓発活動を実施し、あわせましてHIV検査、相談件数の増加に向けまして積極的に取り組んでまいります。

○小磯委員 普及啓発ということでいきますと、都の方針にもあるわけですが、多様なメディアを活用した情報提供、それからキャンペーン月間における集中的な普及啓発、また学校教育、職域への啓発と、こういったものが本当に大事になってくるのではないかなというふうに思います。
 世界エイズデーというのが十二月一日でございますが、その前日に東京タワーと都庁舎を同時に赤くライトアップするという、そういう事業もされております。こういったものも、やがて墨田区には東京スカイツリーという世界一のタワーがことしの十二月にはできて、来年の何月か、供用開始になるわけですけど、そういったところでエイズ予防の大切さをまた東京スカイツリーでもライトアップするなど、都がアピールしていただきたいと要望をしておきたいと思います。
 それから、HIV、エイズの治療方法及び効果ですね。これは本当に今どんどん進んでおると聞いております。どのようになっておるか。また医療費にかかわる公的経済的支援にはどのようなものがあるか、お伺いいたします。

○中谷健康安全対策担当部長 現在のHIV、エイズの治療方法は、異なる作用の数種の抗HIV薬を組み合わせて服用いたします多剤併用療法でございます。この服薬を継続することによりまして、ウイルスが体内でふえるのを抑えながら、免疫力を回復または維持させることが可能となっております。こうした治療によりまして、健康なときとほぼ変わらない生活を送ることができるわけでございますが、しかしながら継続的な治療が必要ということでございます。
 医療費についてでございますが、一般的な健康保険にかかる高額療養費制度のほか、障害者自立支援法に基づく自立支援医療制度など、本人負担を軽減するための制度もございます。自立支援医療制度の対象となります免疫機能障害の認定を受けた場合には、制度の対象となる医療費のうち、原則一割を自己負担とすることとされますが、医療保険が同じ世帯の所得水準に応じまして、負担上限月額がゼロ円から二万円までの五段階となっておりまして、それ以上の自己負担は生じない制度となっております。

○小磯委員 こうした支援も、やはり検査をし、また相談をし、そして治療へとつながって初めて、こういった支援が受けられるわけでございます。そういった意味で、去年、東京都がエイズ予防月間ということで、ちょっとしたたいしたコトという、こういうチラシをつくられてやっておられますけれども、ぜひとも普及啓発事業に力を入れていただきたいということを要望させていただきます。
 続きまして、救急医療の東京ルールについて質問させていただきます。昨年十月の事務事業質疑におきまして、救急医療の中の救急医療の東京ルールについて質問を行いました。東京ルール開始後、地域救急医療センターを中心としたネットワークが機能し、救急患者を地域で受けとめるという意識が着実に浸透しているという答弁を伺いまして、都民にとって貴重な救急医療が充実強化されたと安心をしたところでございます。
 ところで、前回のときにあわせて、南多摩保健医療圏における東京ルールの安定運用のため、地域救急医療センターの指定拡大について質問いたしました。東京都全体では救急患者の地域における受け入れが高まっているものの、南多摩医療圏では、圏域の特徴、百四十万という人口と、面積が広大にもかかわらず現在センターが一カ所しか指定されていない状況で、地域での受け入れ率が、東京都平均と比較して、かなり低い状況にあったわけでございます。
 このため、南多摩保健医療圏におけるセンターの拡充について質問いたしましたが、南多摩医療圏の体制強化を図るため、圏域内の二次救急医療機関などが参画する地域救急会議の中で、幹事病院と連携して各救急医療機関の意向を確認しながら、固定あるいは当番型のセンターへの参加を働きかけているというご答弁をいただいたところでございます。
 東京ルールの柱は、救急患者を地域で受けとめることであり、これまでの運用実績などから判断して、南多摩医療圏における地域救急医療センターの拡充は必要不可欠であると考えますが、現在の状況についてお伺いをいたします。

○中川原医療政策部長 南多摩保健医療圏における地域救急医療センターの指定拡大につきましては、これまで同圏域の幹事病院でございます日本医科大学多摩永山病院と連携を密にしながら、圏域内の二次救急医療機関と公立病院や大学病院に対しましても、センターへの参画を積極的に働きかけてまいりました。
 その結果、昨年十一月に開催いたしました地域救急会議におきまして、複数の医療機関から地域救急医療センターに参画する旨の意向が表明されました。これを受け、改めて確認を行いまして、民間の二次救急医療機関や公立病院などを含めて、十の病院から参画の意思表示がございました。
 現在、これらの病院と当番日などの最終的な調整を行うとともに、地域救急医療センターの指定に向けた準備を進めており、南多摩医療圏におきましては、これまでの固定型の日本医科大学多摩永山病院に加えまして、本年四月を目途に、当番型の地域救急医療センターを十カ所程度指定することにより、東京ルールの充実強化を図ってまいります。

○小磯委員 都が地域救急医療センターである多摩永山病院と連携し、地域の二次救急医療機関だけでなく、中核的な役割を担う大学病院、また市立病院などの公的病院も地域救急医療センターへの指定に名乗りを上げたことは、この間の都の努力の成果であり、南多摩保健医療圏はもとより、これまで南多摩圏域で発生した患者を受けていた他の圏域の負荷も改善されることであり、今回の取り組みが東京都全体にとって東京ルールを安定的に運用する上で大変大きな前進であると高く評価するものでございます。
 それから、この定例会で代表、また予算、またきょうの委員会でもいろいろな質問がございました精神身体合併症への対応について質問させていただきます。東京ルールの運用実績などの評価検証を行うため、昨年九月に実施した救急搬送実態調査の結果によりますと、搬送先選定に時間を要するなど、東京ルールの対象となった救急患者のうち、精神疾患を有する者は一七・三%となっております。精神身体合併症患者が速やかに救急医療を受けられるよう、都として対応の強化が求められているところでございます。来年度、東京ルールの対象となった救急患者の受け入れ強化に向けて取り組んでいくとのことでございますが、こうした取り組みとあわせて精神身体合併症の患者を受け入れ、急性期の治療を行った後に、その症状に応じた適切な医療機関に転院できるような医療の流れをつくることも必要と考えますが、都の見解をお伺いいたします。

○熊谷障害者医療担当部長 昨今、救急医療を担う医師の確保が難しい状況などがあり、精神身体合併症救急患者の受診、入院までに時間を要することもございます。東京都地方精神保健福祉審議会では精神科救急医療部会を設置し、精神身体合併症を含む精神科救急医療について検討してきたところでございます。昨年十二月に出された審議会の論点整理では、救急医療における精神身体合併症患者の受け入れの改善に向けて一般診療科と精神科との連携を進め、患者の症状に応じた受け入れ医療機関の確保と切れ目のない連携体制の整備が必要としております。今後、審議会の議論を踏まえ、精神身体合併症医療を支えるより円滑な連携のあり方について検討してまいります。

○小磯委員 私も地域の医療関係者から、東京ルールに参加する上での、いわゆるネックになっているのがこうした身体合併症の精神疾患患者の受け入れ問題であるというふうに伺っております。そういった意味で、来年度、東京ルールの安定的な運用に向けて、こうした取り組みを開始するということは、センターの指定を拡充する上で大きなインセンティブになるものであり、今後とも、地域の医療機関の声を聞きながら東京ルールの安定的運用と救急医療の充実に努めていただくようお願いして、次の質問に移ります。
 最後、シルバー交番設置事業についてお伺いをいたします。
 シルバー交番については、我が党の一定の代表質問、予算特別委員会において質問させていただきましたように、地域包括支援センターの機能を補完し、ひとり暮らしの高齢者などに対して見守りなどを行う取り組みとして非常に有益であると評価をしております。シルバー交番を円滑に実施していく観点から、何点か質問をさせていただきます。
 まず、シルバー交番の現在の設置数と、どういう場所に設置されているかについてお伺いをいたします。

○狩野高齢社会対策部長 シルバー交番設置事業は、地域全体にケアつき住まいと同様の安心を提供できる仕組みで高齢者からの相談にワンストップで対応するとともに、訪問や安否確認を行い、高齢者の在宅生活の安心・安全を確保する都独自の取り組みでございます。本年度は、墨田区で二カ所、三鷹市で一カ所の計三カ所で実施しております。墨田区におきましては、一カ所は都営住宅の敷地内にございます区施設の中に、もう一カ所は地域包括支援センターと同じ建物に設置しております。三鷹市におきましては、市民の地域活動の場であるコミュニティセンターの一角に設置しております。

○小磯委員 私が住む町田市においても、来年度より二カ所でこの事業を開始すると伺っております。町田市などでは、高度成長期に大規模な団地が数多く建設されました。こうした団地では今後高齢化が一層進行し、ひとり暮らしの高齢者なども急増することが見込まれております。こうした方々の見守りを強化するため、特に高齢化が進む団地を対象としてシルバー交番事業を進めるべきであると考えますが、所見をお伺いいたします。

○狩野高齢社会対策部長 お話のとおり、都内には高度経済成長期に整備をされました大規模団地が数多く存在いたします。これらの団地は、同じ世代の人々が一斉に入居したということから、今後居住者の高齢化に伴い、ひとり暮らし高齢者や夫婦のみ世帯の急速な増大が見込まれております。見守り等のニーズが非常に高く、シルバー交番設置事業が大変有効な地域であるというふうに考えております。町田市では、高齢化が進行するこうした大きな団地に本事業を活用して、来年度から安心相談室事業を立ち上げ、高齢者が安全・安心に暮らすことができる地域づくりを目指すと聞いております。都は、町田市のような地域特性を踏まえて実施する効果的な取り組みを積極的に支援してまいります。

○小磯委員 町田市では、これまで地域の町会、自治会、民生委員が中心となってチラシの全戸配布やポスター掲示により住民へネットワーク参加を呼びかけ、さりげない見守り活動を行っている場所もございます。シルバー交番はこうした地域の取り組みと連携しながら実施することでより効果が発揮されると考えますが、いかがでございましょうか。

○狩野高齢社会対策部長 町田市におきましては、団地をモデル地区として町会、自治会や民生委員が中心となりましてチラシを全戸配布し安否確認を行う取り組みや、団地の階段の踊り場のポスター掲示などにより住民へのネットワーク参加を呼びかける、さりげない見守り活動を行う高齢者見守り支援ネットワーク事業が実施されており、都は、区市町村包括補助事業を通じてこの取り組みを支援しているところでございます。来年度、シルバー交番安心相談室が設置されることによりまして、こうした地域住民等を主体とした取り組みと相談室に配置される相談員が連携して日常的な見守りをさらに充実させることは、非常に有効な取り組みであると考えております。

○小磯委員 この町田市では、予算書には町田市の境川団地と藤の台団地にこうした事業を行うということが出ておるわけでございますが、本当に町田市も高度成長期にできた団地というのがほかにも大変多うございます。そういった意味で、このシルバー交番設置事業というのは大変重要な取り組みであると思っております。
 都は、地域の取り組みや区市町村と連携しながら今後一層の設置を促進されることをお願いして、私の質問を終わります。

○たきぐち委員 きょう最後の質問をさせていただきます。介護人材に関連して、質問をいたします。
 まず、東京都における介護分野の雇用の状況はどうなのか伺います。

○藤田生活福祉部長 雇用の状況につきまして有効求人倍率で申し上げますと、都内の介護関係職種の昨年十二月時点での数値は二・四五倍となっており、全国の一・六倍と比べて高い状況にございます。また、都内の全職業の数値は〇・六八倍であり、介護分野は全職業と比べてかなり高い数値となっており、求人に対して人材が不足している状況にございます。

○たきぐち委員 昨年の十二月の状況を教えていただきました。東京都における介護関係の有効求人倍率が二・四五ということで、平成二十年度の四・三倍からは大きく改善されてきたところではありますけれども、依然とほかの業種よりも介護の分野、さらに地方よりも東京の方が高いということを改めて確認をさせていただきました。
 一方で、大学の卒業予定者の就職内定率が、昨年の十二月現在で過去最低の六八・八%という状況でありまして、いわゆるこれが雇用のミスマッチということで、都議会民主党も、これを解消していくための施策を講じていただきたいと重点要望させていただいたところでもあります。
 こうした現状を受けまして、都は二十三年度の新規事業として、先ほども質疑がありましたが、新卒者等応援緊急介護人材育成事業、三億円を予算計上しておりますが、事業の内容と予算額の内訳、また、これまで新卒者に対してどのようなアプローチをしてきたのか伺います。

○藤田生活福祉部長 新卒者等応援緊急介護人材育成事業は、都内在住または在学で就職活動中の大学生、高校生のうち、学校から紹介、推薦を受けた者を対象に無料でホームヘルパー二級の養成研修を行い、資格取得後は福祉人材センターで就職相談や福祉介護職場への就職のあっせんを行い、さらに、都内の介護施設等に就職した場合には、キャリアアップの意欲のある者を対象にいたしまして、介護福祉士資格の取得も支援する事業でございまして、来年度は二千人の規模で実施する予定をいたしております。
 その経費の内訳でございますが、ホームヘルパー資格取得研修の実施経費といたしまして二億二千万円、相談員人件費その他事務費等を含めまして八千万円でございます。また、これまで新卒者に対しましては、福祉の仕事就職フォーラムなどの大規模就職説明会や合同採用試験を実施してきたところでございます。

○たきぐち委員 これまでは就職フォーラムや合同採用試験などを実施してきたということでありますが、先ほどの田中委員の質疑にもありましたとおり、大規模な広報活動の効果があったのかどうかという議論がありました。ぜひその検証は進めていただきたいと思うんですが、この合同採用試験について見ますと、私の手元の資料では、二十年度でエントリー数が四百五十八人、二十一年度が五百六十九人、二十二年度が五百五十九人ということで、学生が関心を持っていただいているのかなと、効果が上がっているのかなというところで、厳しいものがあるという印象を持っております。
 そういう中で、今回の事業では二千人を対象としてホームヘルパー二級の資格取得の費用を都が負担し、先ほども質疑ありました福祉人材センターに登録して、就労支援に結びつけていくというものであります。福祉人材センターの新規求職者数、先ほどちょっとご答弁を書きとめることができなかったんですが、私の手元では年間四千人から五千人ぐらい。この三年間を見ますと、少しずつこの登録者数がふえている状況かと思いますが、こうした状況を見ますと、二千人の新たな人材確保というのは目標が高い数字だという印象もあるわけですが、学校や学生にどのように働きかけていくのか伺います。

○藤田生活福祉部長 本事業におきましては、大学や高等学校の就職担当者に対しましての協力要請が大事でございます。したがいまして、こういった学校等の就職担当者に向けました事業説明会を開催いたしまして、事業の趣旨や概要について理解を図るとともに、学生への周知の協力を要請してまいります。また、学生に対しましては、ポスターやチラシ等を学校や図書館等に掲示し、周知を図るとともに、インターネットなど幅広い広報手段を検討してまいります。

○たきぐち委員 この事業では、ヘルパー二級を取得して就職後の介護福祉士資格を支援していくとしておりますけれども、二十四年度以降の事業展開、つまり、この事業が雇用から人材の質の向上と、そして定着へといかに結びつけていくのか所見を伺います。

○藤田生活福祉部長 本事業は、在学中のホームヘルパー二級資格の取得によります就職支援とあわせまして、就職後についても、キャリアアップの意欲のある者に対しては介護福祉士資格の取得までを支援する事業でございます。都では、これまでも介護人材のスキルアップ等を目的とした研修を行います区市町村を支援いたしますとともに、経営者やリーダー層等を対象にマネジメント能力の向上を図る取り組みを行うなど、事業者に対してのさまざまな支援を実施してきております。
 今後とも、こうしたさまざまな取り組みを通じまして、資格取得後の人材の定着、あるいは質の向上と職場を支援してまいります。

○たきぐち委員 先ほどのご説明では、ヘルパー資格取得に二億二千万円という内訳でありましたが、一人当たり十一万円の二千人分という積算かと思います。大体ヘルパー二級を取得するには通信講座で六万円から八万円、通学で八万円から十万円程度と聞いておりますが、介護福祉士の養成校に通えば二年間で二百万円程度の費用がかかると聞いております。この事業において、キャリアアップの意欲ある人を対象に介護福祉士の取得を支援するということでありますが、どれくらいの方が希望するかによりますけれども、相当規模の予算措置が必要になるんではないかと思います。
 先ほども質疑でありました介護雇用促進プログラム、これは二十一年度から実施をされておりますけれども、先日発表された二十三年度の受託事業者の計画では、介護福祉士コースの雇用人数は四十人でありますし、キャリアアップに意欲があっても、その人が就職した事業者が受託できなければ活用することはできません。二千人の方がヘルパー二級を取得して就職をする。そして、多くの方が意欲を持って介護福祉士取得を目指すというのが理想形かと思いますけれども、就労に結びついた後の受け皿づくりを進めていかなければ、絵にかいたもちに終わってしまうのではないかと考えます。ぜひ、二十四年度以降、どういう事業と結びつけていくのかを想定しながら事業を推進していただきたいと思います。
 次に、学生に対しては、福祉介護の就職を促すために進路選択学生等支援事業というのを行っていますが、どのような事業なのか。また、二十三年度は約一億円の減額となっていますが、その理由をあわせて伺います。

○藤田生活福祉部長 進路選択学生等支援事業は、国の平成二十年度の第二次補正予算で成立をいたしました福祉介護人材確保のための緊急対策の一つでありまして、福祉介護の仕事の選択を促すために介護福祉士等養成施設に専門員を配置し、学生、教員等に対し福祉介護の仕事の魅力を伝えるとともに、相談、助言等を行う事業でございます。この事業は、介護福祉士等養成施設の学生の定員に対する充足状況に応じまして補助金を支出する仕組みとなっておりまして、定員充足率が六割未満の養成施設を対象といたしております。平成二十三年度は事業対象となる学校が減少してきていることと、これまでの交付実績から予算を精査したため減額となっているものでございます。

○たきぐち委員 潜在的有資格者等養成支援事業というのもありますが、これも一億五千万円の減額ですが、事業の内容とその理由を伺います。

○藤田生活福祉部長 潜在的有資格者等養成支援事業は、こちらの方も昨年、先ほどと同じように、国の平成二十年度の第二次補正予算で成立をいたしました福祉介護人材確保のための緊急対策事業の一つでございます。内容といたしましては、介護福祉士等養成施設におきまして研修を実施するものであり、都では、平成二十一年六月から取り組みを開始いたしたところでございます。
 その取り組み内容につきましては、二点ございまして、一点目は、介護福祉士等の潜在的有資格者の再就業を促進するための研修を行うこと。それから第二点目は、一般の高齢者や主婦層等を対象にいたしまして福祉介護について普及啓発を行う事業というものでございます。
 都では、国に先立ちまして、既に平成二十年六月から有資格者の再就職を支援いたします能力開発講座を福祉人材センターで実施しております。そのため、平成二十三年度は、国の事業のうち潜在的有資格者の再就職支援の部分につきましては能力開発講座に統合いたしまして、再構築をしたことで減額となっているものでございます。

○たきぐち委員 今伺いました二つの事業、さらにキャリア形成訪問事業というのもありますけれども、これらは麻生政権のときに、福祉介護人材を確保する緊急的な措置として障害者自立支援対策臨時特例交付金に盛り込まれたものかと思います。養成学校の定員充足率の状況が大きく変わったことなどを背景に、いずれも減額での予算計上になっているということだと思います。交付金がもう少し使い勝手がよければいいわけでありますが、潜在的な有資格者を介護の現場に復帰していただくための支援というのは極めて重要だと思います。今、福祉人材センターにおける能力開発講座に統合、再構築をするということでありました。特にこの分野というのは女性が中心の職種でもありますから、子育てが終わった有資格者をどう掘り起こしていくのかということも含めて、さまざまなメニューを有機的に効果が得られるように事業を展開していただきたいと思います。
 離職者に対する支援として介護人材育成支援事業、いわゆる東京チャレンジ介護があります。新年度予算では、住居喪失不安定就労者・離職者等サポート事業となりましたが、その理由を伺います。

○市川生活支援担当部長 介護人材育成支援事業は平成二十一年三月から今年度末までの事業といたしまして、介護職場への就職を目指す離職者等に対し資格取得や就労等の支援を実施しているものでございます。事業実績といたしましては、事業開始から本年一月までの間に二千八百五十五名の方がホームヘルパー二級の資格を取得し、うち千五百七十名の方が就職するなど、離職者等の生活の安定に大きな成果を上げるとともに、介護人材の確保にも寄与してまいりました。
 この間、介護人材の確保に向けましては、国や都におきましてさまざま施策が展開されておりますが、介護分野では依然として人材が不足しており、介護ニーズの増加も見込まれております。また、厳しい経済雇用情勢が続いていることから、離職者への支援も引き続き求められております。
 こうした状況とこれまでの成果を踏まえまして、住居喪失不安定就労者・離職者等サポート事業の中に、離職者に対する介護士資格取得支援等を位置づけまして、生活相談、住宅相談とあわせて実施していくこととしたものでございます。

○たきぐち委員 予算書では新規事業という形になっていますが、今年度までの住宅喪失不安定就労者サポート事業、TOKYOチャレンジネット等、一部事業就労させたTOKYOチャレンジ介護という事業を統合したものかと思います。チャレンジネットでは、住宅資金と生活資金を六十万円まで、チャレンジ介護は生活費と就職等一時金を最大九十五万円まで貸し付けており、介護職に六カ月従事した場合は償還免除となっています。それぞれの実績、貸付額、また、あわせてチャレンジ介護の償還免除となった実績を伺います。

○市川生活支援担当部長 住居喪失不安定就労者サポート事業におきます貸付実績でございますが、事業開始の平成二十年四月から本年一月まで、住宅資金につきましては四百六十六件、約一億四千九百万円、生活資金につきましては三百三十二件、約二千百万円、総貸付金額としまして約一億七千万円でございます。介護人材育成支援事業の貸し付けについてでございますが、事業開始の平成二十一年三月から本年一月末までの貸付実績は、生活費につきましては五百八件、約二億一千二百万円、就職等一時金につきましては三百三十五件、約六千七百万円、総貸付金額といたしまして約二億七千九百万円でございます。また、介護人材育成支援事業の貸し付けにおきましては、お話のように、資格取得後一年間のうちに六カ月以上介護職に充実するなど一定の要件を満たした場合、償還免除を認めてございます。こちらは貸し付けを受けてからすぐに就職した場合でも、免除の申請が出されるまでには半年以上のタイムラグが生じますが、本年一月末までの償還免除の決定件数は三百八十二件でございます。

○たきぐち委員 償還免除にかかわる介護職への就職、定着も含めて、この事業の評価はこれからだと思いますが、三年間で一億七千万円、二年間で二億七千九百万円ということですから、需要は高く、貸付金額も多額に上っているという印象を受けます。これらの債権管理はどこがどう行っているのか伺います。

○市川生活支援担当部長 住居喪失不安定就労者サポート事業につきましては、社会福祉法人東京都社会福祉協議会が、介護人材育成支援事業につきましては、社会福祉法人山手福祉会におきまして、それぞれ貸し付けを行った者の生活状況、就労状況等を的確に把握しながら債権管理に努めております。

○たきぐち委員 住居喪失不安定就労者サポート事業、チャレンジネットは住居がない方の相談や資金の貸し付け、介護人材育成支援事業、チャレンジ介護は住居のあるなしにかかわらず、介護職への就職を目指す方への資格取得等就労支援及び貸し付けを行っており、両者とも就労支援を除いて社会福祉法人山手福祉会に事業運営を委託しています。債権管理は、今ご答弁がありましたとおり、社会福祉協議会と山手福祉会が別々に行っているということでありますが、こうした債権管理は統合した方が効率向上につながると考えますが、所見を伺います。

○市川生活支援担当部長 お話のように、管理のあり方につきましては統合といった方法もあるというふうに考えてございますが、都としては、これまで貸し付けを行った主体において引き続き債権管理を行っていくことが望ましいというように考えてございます。今後とも、状況に応じまして、適切かつ効果的な債権管理に努めてまいります。

○たきぐち委員 先日、田中委員とハイジアにあるサポートセンターをのぞいてまいりました。責任者不在でお話は伺えなかったんですが、チャレンジネット、チャレンジ介護の相談窓口がありまして、少し離れた奥の方で就労支援の窓口がありました。ワンフロアの中で運営が行われているという様子を拝見してきたところでございます。貸し付けを行う母体が債権管理を行うというのは自然の流れかと思いますが、債権管理というのは、この事業に限らず課題が多くあるもので、債権回収には専門性とノウハウが必要になってくるかと思います。個別の状況、情報を管理、把握しながら、貸付主体の見直しも含めて効果的な債権管理のあり方をぜひご検討いただきたいと思います。
 介護業界の課題として、高い離職率ということがよくいわれます。ほかの産業と比べて給与が低い一方で要介護者はふえ続けており、介護職に従事している職員の負担が増大する中で休みがとれずに、身体的、精神的負担が大きくなって仕事をやめてしまう。定着しないから人が育たない。結果として、サービスの質も上がらず、事業の安定にもつながってこない。こういう状況もあるかと思います。事業者の話を聞きますと、なかなか中堅の職員が育たないというお話があります。ヘルパー二級を取得して就職をしても、離職をしてしまう。あるいは介護福祉士として働いていても給与が三万円ぐらいしか変わらない、早く現場を離れたいということで、そういう意識がある中で、中堅の職員がなかなか育たないという事業者の話も伺っているところです。職員が定着をし、介護事業者が安定したサービスを利用者に提供していくためには、こうした中堅職員の育成を図っていくということが必要だと考えますが、所見を伺います。

○狩野高齢社会対策部長 介護職員を職場に定着させ、安定的に質の高いサービスを提供していくためには、新規採用職員等を、職務を通じて指導育成する中堅職員の役割が極めて重要です。都は、平成二十三年度から介護職場の中核となる中堅職員の専門性の向上を図るため、すべての事業者を対象として現任介護職員の介護福祉士資格取得に要する経費を補助する現任介護職員資格取得支援事業を実施いたします。本事業は、介護職員一人当たり補助基準額十万円とし、補助率二分の一、一事業所当たり十名を上限として補助するものでございます。このことによりまして、平成二十六年度までの四年間で約二千人の介護福祉士資格取得を支援いたします。

○たきぐち委員 こうした中堅職員の育成、介護福祉士の資格取得を進めるとともに、持続して働ける環境整備が必要かと思います。処遇改善交付金の支給によって賃金の改善、キャリアパスの普及が図られていますが、とりわけ小零細事業者においては、会社としての体をなかなかなしていないというところもあると伺っております。福利厚生面であったり、あるいは退職金制度が整備されている民間介護事業者は皆無というふうにもいわれているわけでありますが、例えば社労士の派遣など、事業者に対する労務管理、経営管理を改善させるための支援が必要と考えますが、所見を伺います。

○藤田生活福祉部長 財団法人介護労働安定センターの調査によりますと、介護職員の離職理由として、複数回答でございますけれども、最も多く挙げられているものが、まず一つ目として、法人や事業所の経営理念や運営に不満があった。またもう一つの多かったものが、職場の人間関係に問題があったというものでございます。職員が継続して働き続けるためには、経営者等の組織マネジメント力の向上が不可欠でございます。
 そのため都では、平成二十年度から経営者が施設長などのリーダー層を対象にいたしましたマネジメント力強化に取り組んでいるところでございます。本事業では、都内の社会福祉事業者におけるモデル事業の中で実施をされました成果を盛り込んだガイドラインを作成するとともに、都内の事業者向けの研修を実施いたしまして、普及啓発を図っております。これまでにリスクマネジメントと情報管理についてのガイドラインを作成いたしまして、研修を実施してきたところでございます。今後も引き続き取り組みを進めまして、事業者の組織マネジメント力の強化を支援してまいる所存でございます。
 また、副委員長ご指摘の社会保険労務士の派遣に関連してでございますけれども、現在、社会福祉法人やその施設が行います事業運営上の課題に対しまして、専門家による相談体制を福祉施設経営指導事業として東京都社会福祉協議会に整備をしておりまして、具体的な相談に対応しているところでございます。

○たきぐち委員 経営者等の組織マネジメント力を向上させるための事業研修を行っているということであります。ある訪問介護中心とする事業者間の話ですと、ワークライフバランスに取り組むことで、結果として人材の定着につながったという話を聞きました。一方で、零細事業者では、社長みずからが現場で働かざるを得ないと。書類の作成や申請さえままならないという事業者もあるわけです。こうした実態を踏まえながら、マネジメント支援を引き続き積極的に行っていただきたいと思います。
 先日、区内の介護サービス事業者の方々と意見交換をいたしまして、人材確保と介護職の社会的地位を向上させるために事業者としてどのように取り組んでいくかという活発な議論を聞いてまいりました。介護報酬という根本的なところの議論もあったわけでありますけれども、介護業界が特殊で特別な業界であるというイメージを払拭して、介護はこれから当たり前なんだと、これだけ感謝される仕事はないんだということを理解してもらうために、例えば小中学校の生徒に経験をしてもらったり、あるいは介護の技術を競い合うような大会を開催しようというような、そんな話も出ておりました。従事する人材の育成及び経営者のマネジメント能力とあわせて仕事のイメージアップを図ることで、都として福祉介護業界を育成していくことが重要と考えますが、所見を伺いまして、質問を終わります。

○藤田生活福祉部長 これまで副委員長ご指摘のとおり、介護現場における高い離職率の背景には、労働環境への不満や採用時の研修、あるいは教育体制の不備などがあると考えられます。このため都におきましては、介護人材のスキルアップ等を目的とした研修を行う区市町村を支援いたしますとともに、経営者やリーダー層等を対象にマネジメント能力の向上を図る取り組みを実施しております。また、福祉職場の先駆的な取り組みを都内事業者に広く紹介するとともに、福祉の仕事のイメージアップにも努めてきており、こうしたさまざまな取り組みを引き続き積極的に実施していくことにより、都内の福祉介護業界を今後とも支援してまいる所存でございます。

○くまき委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案及び本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○くまき委員長 異議なしと認め、本案及び本件に対する質疑はいずれも終了いたしました。
 以上で福祉保健局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後七時二分散会

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