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Tokyo Metropolitan Assembly

厚生委員会速記録第十号

平成二十二年九月三十日(木曜日)
第七委員会室
   午後一時開議
 出席委員 十三名
委員長門脇ふみよし君
副委員長野上 純子君
副委員長斉藤あつし君
理事柳ヶ瀬裕文君
理事早坂 義弘君
理事三原まさつぐ君
栗林のり子君
新井ともはる君
佐藤 由美君
橘  正剛君
山加 朱美君
吉田康一郎君
大山とも子君

 欠席委員 一名

 出席説明員
福祉保健局局長杉村 栄一君
次長吉岡 則重君
技監桜山 豊夫君
総務部長梶原  洋君
指導監査部長松浦 和利君
医療政策部長中川原米俊君
保健政策部長住友眞佐美君
生活福祉部長藤田 裕司君
高齢社会対策部長狩野 信夫君
少子社会対策部長雜賀  真君
障害者施策推進部長芦田 真吾君
健康安全部長鈴木 賢二君
企画担当部長日置 豊見君
事業調整担当部長枦山日出男君
医療改革推進担当部長高橋 郁美君
医療政策担当部長山岸 徳男君
地域保健担当部長宮垣豊美子君
生活支援担当部長市川郁美子君
施設調整担当部長中山 政昭君
担当部長小室 明子君
事業推進担当部長角田由理子君
障害者医療担当部長熊谷 直樹君
食品医薬品安全担当部長鈴木 達夫君
感染症危機管理担当部長前田 秀雄君
健康安全対策担当部長中谷 肇一君

本日の会議に付した事件
 意見書について
 福祉保健局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百五十号議案 備蓄用抗インフルエンザウイルス薬(オセルタミビルリン酸塩カプセル)の買入れについて
・第百五十一号議案 備蓄用抗インフルエンザウイルス薬(ザナミビル水和物吸入剤)の買入れについて
・第百五十二号議案 個人防護具(ガウン等セット)外六点の買入れについて
・第百五十三号議案 備蓄用抗インフルエンザウイルス薬の売払いについて
報告事項(質疑)
・私債権の放棄について
・平成二十一年度地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター業務実績評価について
・都立障害者支援施設の民間移譲について

○門脇委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、意見書三件を提出したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件については、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○門脇委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○門脇委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、福祉保健局関係の付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
 これより福祉保健局関係に入ります。
 初めに、付託議案の審査を行います。
 第百五十号議案から第百五十三号議案までを一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 それでは、順次発言をお願いいたします。

○柳ヶ瀬委員 それでは、付託議案についての質疑をさせていただきたいと思います。
 今回の付託議案では、新型インフルエンザ対策ということで、タミフル、リレンザの備蓄、また個人防護具の買い入れについて上がっているわけですけれども、新型インフルエンザ対策ということで質疑をさせていただければというふうに思います。
 そこで、まず、今回備蓄をするのはタミフルでございますけれども、耐性タミフルが報告をされているようであります。耐性タミフルというのは、いわゆるタミフルを投与しても、それが効かないというものでございますけれども、この現状の発生状況について把握していらっしゃるようであれば、報告をしていただければと思います。

○前田感染症危機管理担当部長 タミフル耐性についてでございますけれども、国立感染症研究所の解析によりますと、二〇〇九年四月から二〇〇九年十二月までの昨年のタミフル耐性ウイルスの出現頻度は一・六%でございました。一方、同じく二〇〇九年四月から本年二〇一〇年九月までの出現頻度は約一・一%でございます。このように、現在のところ特に増加の傾向は見られておりません。

○柳ヶ瀬委員 一%程度というご報告をいただきました。この数字を多いと見るのか、少ないと見るのかというところは、それぞれの見解があると思いますけれども、タミフルを備蓄していく、それに対して、タミフルに対して効果が見られない耐性タミフルが見られているということ、これは非常に重要なことだというふうに考えております。
 この国立感染症の資料をいただきました。これによれば、確かにトータルでは一%なんですけれども、地域によっては、例えば新潟の科学研究所では、総解析数が五十六に対して耐性が見られたのが五株ということで、約一〇%程度の出現率といったところもあるようでございます。
 ぜひ、タミフルを備蓄するに当たっては、耐性タミフルの出現率、情報を引き続きよくとっていっていただきたいなというふうに思いますけれども、その動向を注視することに関して、ご見解を伺いたいと思います。

○前田感染症危機管理担当部長 タミフル耐性の監視についてでございますが、東京都は、健康安全研究センターが実施する病原体サーベイランスにより、ウイルスの変異や耐性について常時監視を行っております。
 特に九月からは、病原体定点医療機関に対して改めてインフルエンザ様疾患患者の検体提供について協力要請するなど、監視体制の強化を図っております。

○柳ヶ瀬委員 引き続き、耐性タミフルの動向をよく注意していただきたいというふうに思います。
 それで、新型インフルエンザ対策という意味でいうと、タミフル、リレンザの備蓄というようなことと同時に、総合的な対策が必要であろうというふうに考えております。
 国においても、新型インフルエンザ対策総括会議の報告書においては、感染力だけでなく致死率等健康へのインパクト等を総合的に勘案して複数の対策の選択肢をあらかじめ用意し、柔軟に決定するシステムを構築する必要があるとか、また、意思決定プロセスと責任主体を明確化し、迅速、合理的に意思決定できるシステムを構築する必要があるなどと報告が上がってきています。これは国の報告の総括ということなんですけれども、これは都においても同じようなことがいえるのではないかというふうに私は考えています。
 それで、国においては、こういった会議、専門家会議を開いて、昨年の対策はどうであったか、その反省に基づいて対策を手直ししていこうという動きが見られております。一方、都においても、私が第一回定例議会の中で、昨年度の新型インフルエンザの経験に基づいて、医療提供体制の確保のために、どのように都内の医療機関をコントロールしていくのかということをお伺いしました。その際に、答弁において検討するとされていた三つの点について検証したいというふうに思います。
 まず、蔓延期でのすべての医療機関における新型インフルエンザ診療体制の確保について、どのような取り組みをこれまで行ってきたのか、お伺いさせていただきます。

○中川原医療政策部長 新型インフルエンザに対します医療提供体制につきましては、四月から局内の関係部署が集まり検討を重ねてまいりました。こうした検討を踏まえまして、すべての医療機関が新型インフルエンザ患者の診療を行うことを前提といたしました医療連携体制や、流行状況に応じた対応策を構築いたしまして、既に病院説明会等を通じて周知を行ったところでございます。
 また、入院医療体制につきましては、昨年の経験を踏まえ、都内病院に対する強い働きかけも行いまして、受け入れ可能病床数を拡充するとともに、受け入れ可能医療機関リストを作成いたしまして、医療機関及び関係機関に配布したところでございます。

○柳ヶ瀬委員 今、ご報告いただきましたように、都は、昨年の反省を生かしてさまざまな施策を打っているということでございます。特に入院医療体制については、受け入れ可能病床数を拡充したというふうに聞いております。
 昨年の新型インフルエンザでは、小児が重症化するということが非常に大きな問題でした。そこで、小児の重症患者の対応病床数については、現状、どの程度確保できているのかということを教えてください。

○中川原医療政策部長 人工呼吸管理が必要な小児重症患者の受け入れ対応可能病床数につきましては、八月末時点で、昨年の約一・五倍となる九十八床を確保してございます。今回確保した九十八床は、過去最大の季節性インフルエンザの流行規模にも対応可能な病床数でございます。

○柳ヶ瀬委員 一・五倍ということで、ご努力の跡が非常によく見られるのかなというふうに思います。
 ただ、小児の人工呼吸管理が必要なベッド数、九十八というご報告があったと思います。この九十八という数字を多いと見るのか、少ないと見るのか。昨年の事例からすれば、確かにこの九十八で現状やっていけるのかなというふうな気もするんですけれども、ただ、それはH1N1が昨年と同じような動き方をした場合には可能だというだけの話であって、ここに安心をしていてはいけないのではないかなというふうに私は思っています。
 そこで、この九十八という数字、この数字は現時点のものだということで聞いておりますけれども、これを、これからも各医療機関にさらなる受け入れを要請するということ、このご努力を続けられるということでよろしいでしょうか。

○中川原医療政策部長 入院受け入れ可能病床数は、都内病院への調査を行いまして、その調査をもとに病院との調整を経た上で、八月末時点で集計したものでございます。その時点で入院受け入れ病床のめどが立っていない医療機関についても、受け入れの検討をお願いしておりまして、都といたしましては、引き続き、これらの病院に対しましても要請を行い、入院受け入れ病床の拡充に努めてまいります。

○柳ヶ瀬委員 非常に前向きな答弁をいただきまして、ありがとうございます。ぜひ、ご努力をいただければというふうに思います。
 特に、今回、入院医療機関のリストをつくられているということのようですけれども、その中で、特に医療公社の中で受け入れ対応しないというところも見受けられるようであります。少なくとも都と関連の深い医療機関に関しては、強い要請を都としてはする必要があるのではないかというふうに考えておりますので、ぜひ、ここはしっかりと対応していただきたいというふうに思います。
 また、受け入れベッド数をふやす努力とともに、不測の事態に備えてしっかりとシミュレーションをしておくことも大事だと思います。例えば、先ほどの小児の呼吸管理ができるベッド数が現状九十八だという報告がありました。これが、もし、その数を超えた場合どうするのか。一つの例ですけれども、現状、受け入れ可能数が九十八で、患者が百人発生した、呼吸管理が必要だといったときにどうするのかということですね。これをあらかじめ決めておく必要があるというふうに考えておりますけれども、この点について所見をお伺いしたいと思います。

○中川原医療政策部長 小児の呼吸管理対応が可能な病床に関しましては、先ほども申し上げましたけれども、医療機関に対しますさらなる要請を行い、対応病床の拡充を図りますとともに、集団感染の防止や外来診療を強化し、タミフル、リレンザの早期使用により重症化を抑制するなど、入院患者の増加を防ぐ対策についても実施してまいります。あわせまして、各医療機関において、より重症度の高い患者を選定して受け入れるよう要請するなどの対応を図ってまいります。
 いずれにいたしましても、医療従事者を含めて限られた医療資源の中で、都民に対して最大限の医療体制を確保するよう、万全を期してまいります。

○柳ヶ瀬委員 ありがとうございます。予防をして、そこに至るまでの数を可能な限り減らしていくということ、これはもう間違いなく一番大事なことであって、しっかりやっていただきたいというふうに思いますし、それと同時に、受け入れ可能数を超えた患者が発生した場合には具体的にこういう手当てをとるんだということ、これもぜひしっかりと具体的な形で決めておいていただければというふうに思うんですね。
 限られた医療資源であるということですけれども、これを有効活用するためには、医療機関の役割分担、また連携体制の強化が必要であります。私がこの委員会でずっと新型インフルエンザ対策で申し上げているのは、例えば、重症者数がどれくらい出たときに、各医療機関に対してどのような要請をするのかということを具体的に決めておく必要があるということなんですね、これはかなり議論させていただきましたけれども。これについても検討されるということであったかと思いますけれども、その点についてはいかがでしょうか。

○前田感染症危機管理担当部長 入院受け入れ体制につきましては、流行状況に応じた段階ごとの対策を構築しており、定点サーベイランスや入院サーベイランス、救急医療情報システム等の状況を踏まえ、医療機関の体制強化を的確に要請してまいります。
 都独自の入院サーベイランスは、二十六の医療機関において、疑い患者を含めた入院患者の増加傾向や重症度などを日々更新して把握するものでございます。
 流行開始の目安である定点医療機関当たり外来患者数が一人以上となることを目途に開始することとしておりまして、これと同時に各医療機関に対して、他科病棟の活用など、流行を見据えた特段の措置の準備を依頼いたします。そして、流行注意報発令の基準となります定点医療機関当たり患者数十人といった目安や、入院サーベイランスにおける患者増加状況等の情報を踏まえて、医療機関において通常の体制では入院受け入れが困難となっていると判断した場合には、各医療機関に対して特段の措置による病床確保を依頼いたします。
 このように、流行状況の的確な把握により、特段の措置を講じる時期を判断し、各医療機関に対して要請してまいります。

○柳ヶ瀬委員 ありがとうございます。原則としては、定点十という一つの指標をもとにしてやっていくんだと。それと同時に、入院サーベイをこれから始められるということで、これは一つの大きな指標だというふうに思います。ぜひ、この入院サーベイ、しっかりと機能するようにしていただきたいというふうに思います。
 また、病院の機能や患者の重症度に応じて搬送先の選定をするには、リアルタイムで空床情報を把握しなければいけません。先般の質疑の中では、東京消防庁の救急医療情報システムを引き続き活用するとともに、医療機関の受け入れ状況等を常時把握できる方策について検討し、年内をめどに実現できるように進めるというふうに福祉保健局としては答弁をされていますけれども、これについては現状どのような状況なのか、教えてください。

○中川原医療政策部長 医療機関の受け入れ状況等の把握につきましては、いわゆる空床把握ということでございますけれども、この点につきましてさまざまな方策の検討を行ってまいりました。
 空床把握の目的といたしましては、搬送先を選定するためということと、都内病床の余力を傾向としてつかむためということの二つがございます。搬送先の選定は、昨年の経験から、入院受け入れ可能医療機関リストと救急医療情報システムの活用により対応が可能であろうというふうに考えておりまして、都内病床の余力を傾向として把握することが必要だというふうに考えております。
 こうしたことから、蔓延期におきまして、二十六の入院サーベイランス実施医療機関に対しまして空床情報の聞き取りを行っていきたいというふうに考えてございます。今後、聞き取りを行う医療機関につきましては、流行の傾向に合わせまして、より詳細な情報が得られるよう、拡大、充実を検討してまいります。

○柳ヶ瀬委員 ありがとうございます。空床情報を把握するということは、二つの意味で必要であると。
 一つには、救急の患者を搬送する搬送先の選定のために必要であるということですね。そのためには消防庁の情報システムを使っていくということで、これはよろしいと思います。
 それと同時に、今の医療機関の受け入れ状況がどこまでなのかということをしっかりと把握しておく必要があるということに関しては、二十六の病院に対して聞き取り調査をされるということをおっしゃっているんだと思いますけれども、ただ、先般答弁していただいたとおり、医療機関の混雑状況が常時把握できることが大事かなというふうには思うんですね。ですから、その二十六の病院を一々聞き取り調査をしていては、なかなか常時把握できるというところには至らないというふうに思います。ただ、二十六の病院を聞き取り調査されるということは、第一歩ですので、これはしっかりとやっていただきたいと思うんです。
 ただ、将来的には、このIT時代ですから、東京都がリアルタイムで各医療機関の受け入れ状況を把握できるようなシステムをつくることがぜひ検討し、尽力をしていただきたいというふうに思いますけれども、この点についていかがでしょうか。

○中川原医療政策部長 インフルエンザの流行といいますのは、昨年の経験に基づきますと、注意報、定点十ぐらいの前あたりから警報に至る、その辺から約一カ月から一カ月半、二カ月ぐらいが大きな山になるだろうというようなことがございます。そういう短期的なところできちっと把握することが重要なのではないかというふうに考えているところでございます。
 今お話しのリアルタイムで空床の情報を把握するということにつきましても、検討はしてきましたけれども、病院の方の環境整備だとか、その情報の入力作業というようなことにつきまして医療機関にも負担が生じること及び情報を確実に入れていかなきゃいけないわけですが、こうしたことが未更新というふうなことになってきますと、情報の混乱が懸念されるというふうに判断したところでございます。
 こうしたことから、確実に定点、入院サーベイランスの二十六の医療機関につきまして、ある限られた期間、きちっと把握した方がよろしいのではないかというようなことで、先ほど申し上げたような対応を考えたところでございます。

○柳ヶ瀬委員 ありがとうございます。その二十六の入院機関のサーベイをしていくことは非常に重要だということで、これはやっていただきたい。
 ただ、私が聞くところによれば、空床情報をそんなにコストをかけずにできるシステムがある程度構築できるのではないかということを、システム会社の方から聞いたことがございます。ぜひ、これも引き続き検討していただきたいということなんですね。今、答弁は求めません、将来的にはこういうことができたらいいなということですので。
 ただ、今ご答弁の中で、去年の事例を見たら、こうであったということがあるんですけれども、去年のH1N1を今考えておくということはもちろん大事なことなんです。ただ、それと同時に、このウイルスが変異する可能性がある。国がこの報告書の中で指摘しているように、さまざまなオプションを用意しておくことが大事なんだというような反省点もあります。去年、H5N1だと思ったら、実際にはH1N1だったわけです。当初はH5N1だと思っていたんですね。それがH1N1だったということです。ですから、今回、H1N1ということを想定してやっておくことも大事ですけれども、不測の事態のウイルス変異に備えておくことも大事だということで、それも視野に入れた対策をぜひ行っていただきたいというふうに思います。
 そういったことを踏まえまして、今後の新型インフルエンザ対策について、ぜひ東京都としても尽力していただきたいということですけれども、ご見解があれば、お伺いしたいというふうに思います。

○桜山技監 新型インフルエンザ対策は、感染防止対策の実施、ワクチンの確保と接種、的確なサーベイランスによる迅速な流行状況の把握、早期受診の促進によります重症化の阻止あるいは重症患者の入院病床の確保など、先生もおっしゃいましたように総合的な対策が必要でございます。
 中でも、外来及び入院診療など医療提供体制については、昨年の状況を踏まえ、この間、入院受け入れ病床の確保や重症度に応じた医療連携体制の確立、適切な患者搬送体制の整備など、着実にその強化を図ってきたところでございます。
 今後とも、限られた医療資源を最大限に活用しつつ、流行状況に応じた柔軟な対応をしていくつもりでございますが、他の感染症についても大きくいえばいえることでございますが、特に新型インフルエンザは、ウイルス株の変異や病原性の変化を起こしやすいために流行予測は非常に難しく、疫学的情報などにより常に流行状況を的確に把握することが必要であると考えております。
 今回は、豚由来のH1N1パンデミック二〇〇九というインフルエンザでございましたけれども、今後、万一、鳥由来のH5N1型が発生したといたしましても、迅速かつ的確に流行把握を行い、保健所や医療機関を初めとする関係機関との緊密な連携のもと、都民への普及啓発も含めまして、総合的な対策の推進に万全を期していくつもりでございます。

○柳ヶ瀬委員 技監、ありがとうございました。非常に力強いお言葉をいただきまして、ぜひ今後もご努力いただきたいというふうに思います。
 確かに、今おっしゃったように、ウイルス株が変異したらどういう状況になるのかというのはよくわからないわけですね。でも、そのよくわからない状況に対して、我々、でき得る限りの準備をしておくことが大事だというふうに考えています。
 その中でも、準備というのは、こういう状況になったらこういうふうにするんだというシミュレーションをして、各病院と話し合っておくということなんだろうと私は考えておりますので、ぜひ今後ともご尽力いただければというふうに思います。
 厚生委員会、私は離れる予定でございますので、これで、新型インフルエンザ、ここでの質疑はもうできないわけですけれども、またこれからもしっかりと、これをライフワークとして質疑をしてまいりたいというふうに思っておりますので、ぜひ、また技監の答弁を聞ける日を楽しみにして、この質問を終わりたいというふうに思います。ありがとうございました。

○野上委員 私も厚生委員会最後の質疑をさせていただきます。
 今回は、百五十号議案、百五十一号議案、百五十三号議案について、備蓄用のタミフル、リレンザの買い入れ、売り払いについて質疑をさせていただきます。
 この新型インフルエンザの計画的な備蓄状況について最初にお伺いしたいと思います。
 ここ何年間にわたり、どれだけの抗インフルエンザウイルス薬を計画的に備蓄してきたのか、お伺いいたします。

○中谷健康安全対策担当部長 国は、流行規模につきまして、全人口の二五%が罹患すると想定しておりますが、都は、人口が集中する特性を考慮いたしまして、タミフル、リレンザをそれぞれ都民の三〇%ずつ備蓄する計画を立てております。
 タミフルについて、平成十八年度から今年度まで三百八十四万人分、リレンザにつきましては、平成十九年度から今年度まで同じく三百八十四万人分、合計で都民の六〇%、約七百七十万人分の備蓄を実施いたしまして、今年度で完了する予定となっております。

○野上委員 この当時、多分一千二百八十三万人の都民がいて、その人口の約六〇%、七百七十万人分の備蓄計画が終了したということがよくわかりました。今年度の買い入れについて、合計で約三十九億円で購入予定とありますけれども、タミフル一カプセル当たり、また、リレンザ一ブリスター当たり、それぞれ幾らで購入したのか、お聞きいたします。

○中谷健康安全対策担当部長 今年度、タミフルの買い入れ価格は一カプセル当たり百九十七・七円、リレンザにつきましては一ブリスター当たり百三十六・五円となっております。

○野上委員 これは、約十六億で買ったものを八百三十二万で割ると百九十七・七一五ということでタミフルの値段が決まり、それからリレンザの場合は、約二十二億三千八百万で買ったものを八十二万で割って、それをあと、一箱当たり二つ入っているので、二で割ると、ちょうど一ブリスター当たり百三十六・五円という計算になるんだと思うんですね。
 それらの価格というのは市場価格と比べてどうなんでしょうか。また買い入れの価格は、どのようにしてこれを決定しているんでしょうか。お伺いいたします。

○中谷健康安全対策担当部長 備蓄用のタミフル、リレンザは、パンデミックに使用が限定されている行政備蓄用といたしまして、タミフルについて薬価の約六五%、リレンザにつきましては約八〇%の価格で購入しており、市場価格より安価となっております。これらの買い入れ価格は、国の買い入れ価格を踏まえて決定したものでございます。
 なお、備蓄するためには、購入だけでなく、保管や配送等の経費が必要でございます。

○野上委員 市場では大体タミフルは一個約三百円ぐらいですかね。それから、リレンザについては百七十円ぐらいだと思うんですね。ただ、たくさんの量を保管して配送する分のそういう輸送経費とかもありますので、そこら辺を考慮した買い入れ価格だということだと思います。
 では、売り払い予定価格が約四十九億円ということでございますけれども、この価格はどのようにして設定しているんでしょうか。

○鈴木食品医薬品安全担当部長 備蓄用抗インフルエンザウイルス薬の売り払い時の予定価格でございますが、タミフル、リレンザそれぞれの薬価から卸売販売業者の流通に係る経費を差し引いた額に設定しております。この価格設定は、国が備蓄薬を売り払う際の考え方に準じたものでございます。

○野上委員 これは備蓄薬なので、あくまでも市場で治療薬、タミフル、リレンザが足りない場合において供給する薬ということで、七百七十万人分の備蓄は、使用期限が過ぎると、これはどうするんでしょうか。

○中谷健康安全対策担当部長 国は都道府県に先行して抗インフルエンザウイルス薬を備蓄しておるわけでございますが、使用期限経過後、廃棄する方針と聞いております。しかしながら、明確な取り扱いは示されておりません。都といたしましても、その取り扱いについては課題と認識しております。

○野上委員 三十九億円が安いか安くないか、そこら辺はちょっと難しい判断だとは思うんですけれども、要するに、十八年から約五年間をかけて、七百七十万人分のタミフル、リレンザを備蓄しているわけでございますよね。約七年間が使用期限、それを過ぎると一応廃棄するということなので、五年間をかけて購入した中から、例えば一番古いのが十八年に購入していますから、二十五年が、そこで使用期限が切れるわけですね。
 例えば、その五分の一をとりあえず先に市場に出してしまう、で、その足りない分をまた逆にどこかから借り入れてしまう、そういうローリング方式にすると、いつまでも使用期限が切れない備蓄薬がずっと東京都には残っている。しかも廃棄しなくても済む。廃棄に係る量たるや、すごいものだと思うんですね。廃棄の費用、しかも産業廃棄物として廃棄するわけでありますので、その処理も大変だと思うんですね。しかも、都民の税金をばんばん、すべて捨てるということもないので、そういうような形で、ローリング手法というんですかね、これは私が考えたので、別にどこにも載っていないんですけれども、そういうふうに順繰り、順繰りに市場に出して、足りない分を補完していくようなやり方にすると、税金もむだにもならないし、また、きちっと備蓄薬もそろっているということになると思うんです。多分、何年に購入したものがどこの倉庫にどれだけあるというのはコンピューターできちっと管理されていると思うんですね。ですから、探すこともなく、何年に購入したのはどこどこ倉庫にこれだけあるという量も把握していらっしゃると思うんですが、ここら辺はいかがでしょうか。これは私の考えなんですけれども、いい答弁じゃなくても全然構いませんので、済みません。

○中谷健康安全対策担当部長 先ほどもご答弁申し上げましたけれども、行政備蓄用の抗インフルエンザウイルス薬につきましては、パンデミック期に使用が限定されているところでございまして、そういった観点で市場価格より安価で購入しているということでございます。したがいまして、パンデミック期に市場で薬が不足した場合にのみ放出することとされております。
 先生お話しの五年間のローリングにつきましては、そういった観点から、実施はなかなか難しいという状況でございます。

○野上委員 国の方針でそういうのができないのだったら、東京から国を変えるみたいな形で先行して取り組んでいっていただければどうかなというふうに思います。
 それともう一つ、先ほども柳ヶ瀬理事から出たんですけれども、欧州の方でいよいよ治療薬のタミフルが極めて効きにくい耐性ウイルスが広がりつつ--これは欧州の疾病対策センターというところで発表がございました。それから、先ほどもありましたけれども、国立感染症研究所の方でも、この耐性ウイルスがアメリカでも発見されたということで、タミフルの使用が多い日本で広がると、治療に大きな影響が出るおそれがあるということを発表しております。
 ですから、例えば、いつも治療薬、タミフルを備蓄するのではなく、タミフルに耐性を持つウイルス株により強い治療薬、そういった新しいものを備蓄するということも大事ではないかと思うんですね。その点に関してはどうでしょうか。

○前田感染症危機管理担当部長 ご質問のタミフル耐性株についての対応でございますけれども、タミフル耐性のウイルス株につきましては、リレンザには耐性がないことが確認されております。都は、こうしたウイルスの薬剤耐性を考慮いたしまして、タミフル、リレンザをそれぞれ都民の三〇%相当分ずつ備蓄しているものでございます。
 今年度で備蓄は完了いたしますが、今後とも、薬剤耐性や新薬の開発状況等も考慮しながら、必要に応じて備蓄内容について検討してまいります。

○野上委員 最後に。
 多分、薬事法とか国の方針とか、いろいろ厳しいことも多々ありますけれども、あくまでもこれは都民の税金三十九億円ということなので、またこれもしっかりと検討をこれからもしていただければと思います。
 以上で終わります。

○門脇委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了したいと思いますが、異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○門脇委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。

○門脇委員長 続いて、報告事項、私債権の放棄について、平成二十一年度地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター業務実績評価について及び都立障害者支援施設の民間移譲についてに対する質疑を行います。
 本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求がありました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○梶原総務部長 過日の厚生委員会でご要求のありました資料につきましてご説明申し上げます。お手元の厚生委員会要求資料(報告事項)をごらんいただきたいと存じます。
 資料は、目次にございますように、全部で七項目となっております。
 一ページをお開き願います。東京都老人医療センター、東京都老人総合研究所及び地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターの職種別職員数の推移といたしまして、東京都老人医療センター、東京都老人総合研究所、東京都健康長寿医療センターそれぞれにつきまして、職種別の職員数の推移を二ページにかけて記載してございます。
 三ページをごらん願います。東京都老人医療センター、東京都老人総合研究所及び地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターの医師及び研究員の退職者数の推移といたしまして、東京都老人医療センターの医師、東京都老人総合研究所の研究員、東京都健康長寿医療センターの医師及び研究員につきまして、退職者の推移を、定年退職と定年退職以外に分けて記載してございます。
 四ページをお開き願います。地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターの役員報酬といたしまして、東京都健康長寿医療センターの役員報酬を号給ごとに記載してございます。
 五ページをごらん願います。地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターと東京都老人医療センターの診療科別病床数の比較といたしまして、東京都老人医療センター、東京都健康長寿医療センターそれぞれについて、診療科ごとの病床数を記載してございます。
 六ページをお開き願います。地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターにおける医師及び看護師の職員数といたしまして、診療科別の医師数及び看護師数について記載してございます。
 七ページをごらん願います。東京都老人医療センター及び地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターの経営指標の推移といたしまして、入院及び外来の経営指標につきまして、平成十七年度から平成二十年度までは東京都老人医療センター、平成二十一年度は東京都健康長寿医療センターのものを記載してございます。
 八ページをお開き願います。清瀬療護園の職員配置状況といたしまして、職種ごとに、職員の配置数と現員を記載してございます。
 以上、簡単ではございますが、ご要求のありました資料につきましてご説明申し上げました。よろしくお願い申し上げます。

○門脇委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めて、これより本件に対する質疑を行います。
 順次発言をお願いします。

○新井委員 私からは、平成二十一年度地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター業務実績評価について質問させていただきます。
 健康長寿医療センターの業務実績評価書の内容についてお尋ねします。
 同センターは、都内高齢者の健康の維持及び増進に寄与することを目的として設立された地方独立行政法人でありますが、その設立趣旨に沿った運営がなされているかどうか、客観的に評価し、その中身を都民に明らかに示していくことが重要なことと考えています。
 まず、お尋ねしますが、外部有識者による評価委員会は具体的にどのように実施されたのか、お伺いします。

○中山施設調整担当部長 お答えいたします。この評価の目的は、都が定め法人に指示した中期目標を達成するために法人が作成した中期計画の事業の進捗状況を確認し、評価結果を示すことにより、法人の自主的な業務改善を促すことにあります。
 地方独立行政法人法の規定に基づきまして客観的かつ公正な評価を実施するため、外部有識者等で構成される評価委員会の分科会において評価を行いました。法人からのヒアリングを踏まえた二回の分科会では、三十項目の個別評価と全体評価を実施しまして、各委員、五名の方々ですが、それぞれの専門的見地から熱心なご審議をいただいているところでございます。
 総合的な評価として、全体として、おおむね着実な業務の進捗状況にあるとの評価結果を得たところでございます。

○新井委員 評価結果については、全体評価において、おおむね着実な業務の進捗状況にあるというご説明でしたが、項目別評価において特に高い評価を受けた項目について、具体的に伺います。

○中山施設調整担当部長 特に高い評価を受けた項目は、二点ございます。
 一点目は、センターの重点医療といたしまして、血管病医療への取り組みでございます。特に、心臓外科を開設し、高齢者に適した治療方法を提供する体制を充実したこと、CCU、冠動脈治療ネットワーク事業及び東京都脳卒中救急搬送体制に参画し、重症患者を積極的に受け入れたことでございます。
 二点目といたしまして、自治体からの受託研究や企業との共同研究の推進、また、アジアの老年学研究機関とのワークショップを初めとした研究国際交流や共同研究の推進などの産学公連携への積極的な取り組みでございます。
 以上でございます。

○新井委員 ただいま説明のあった二項目は、いずれもすばらしい取り組みだと思います。
 こうした順調に実績を上げている分野がある一方で、センターでは先日、多剤耐性菌による院内感染の疑いの事例が発生いたしました。
 院内感染対策は、病院全体で取り組み、職員一人一人が感染のリスクを認識するとともに、病院全体で取り組んでいく体制づくりが重要です。院内感染対策については、どのような実績に基づき、どのような評価がなされているのか、お伺いします。

○中山施設調整担当部長 高齢者医療の拠点でございます健康長寿医療センターといたしましても、院内感染対策の重要性は認識をしてございます。
 センターでは、院内感染対策指針の策定や院内感染対策委員会の設置はもとより、感染管理医師、感染管理認定看護師などの感染管理の専任職員を置くとともに、専門職による感染管理チームを院内に設置し、院内感染対策を組織的、継続的に行っております。
 また、職員が院内感染について正しい知識に基づき適切な対応ができますよう、院内感染対策マニュアルを作成、更新いたしまして、高齢者の特徴を踏まえた院内感染の防止に努めておるところでございます。さらに、マニュアルの徹底や感染に係る最新情報の周知を図るため、感染症対策研修を年間合計十回実施するなど、職員の意識啓発を図っております。
 このような院内感染対策の体制、仕組みづくりが評価されており、平成二十一年度の評価では、評定B、おおむね順調との評価を受けているところでございます。

○新井委員 院内感染を全くゼロにすることは難しいですが、感染を最小限に食いとめるためには、薬剤耐性菌の院内感染防止は特に重要であると考えています。薬剤耐性菌の院内感染防止に向けて具体的にどのような体制が整備され、どのように取り組んでいるのか、お伺いします。

○中山施設調整担当部長 MRSAなど薬剤に対する耐性を有する感染症には特に注意が必要であると認識してございます。
 健康長寿医療センターでは、MRSAなどの薬剤耐性菌を対象といたしまして、感染管理チームによる病棟ごとの発生状況の調査、いわゆる感染症サーベイランスを毎週実施してございます。また、病棟ごとの抗生剤の使用状況についても、同チームが一元的に管理をしてございます。
 院内感染の発生が疑われた場合は、同チームが早期に患者の状況確認、環境調査を行いまして、医師、看護師への指導、助言を行うとともに、感染情報レポートなどにより病院全体での情報共有を図っておるところでございます。

○新井委員 今回の多剤耐性アシネトバクターの院内感染の疑い事例の把握がおくれた原因としては、主治医と検査部門の双方が多剤耐性菌の検出を認識しながら、感染管理部門への報告が行われず、決められた連絡体制が機能しなかったことが原因と聞いています。
 感染の発生に関する情報を早期に確実に病院全体で共有できるよう、情報連絡体制を補完するようなシステムが必要と考えていますが、いかがでしょうか。

○中山施設調整担当部長 病院という大きな組織にありましては、常日ごろから適切な情報連絡体制を整えておくことが重要でございます。本件発覚後、センターでは、臨床検査科から感染管理担当への多剤耐性菌等の報告実施状況のチェックリストを作成、活用いたしまして、情報連絡体制の徹底を図りました。また、各病棟、外来における感染症発生情報を病院全体で共有する感染症情報レポートの対象に多剤耐性アシネトバクターと多剤耐性緑膿菌を追加いたしまして、対策の徹底を図ったところでございます。
 都としましては、今後とも適切な情報連絡の体制づくりをセンターに働きかけてまいります。

○新井委員 今回、多剤耐性菌の国内での広がりが懸念されている中で、感染を防ぐためには、個々の病院の取り組みにとどまらず、地域全体で感染症に関する情報を共有し、備えていくことが重要です。健康長寿医療センターのように感染症対策に積極的に取り組んでいる現場のノウハウを地域で共有し、感染対策をめぐる地域のレベルアップを図るべきと考えていますが、いかがでしょうか。

○中山施設調整担当部長 健康長寿医療センターは、高齢者医療及び研究の拠点として、その成果と知見を社会に発信していくことを設立目的の一つとしておりまして、地域医療の発展に資するための事業を展開してございます。
 感染症対策におきましても、毎年、地元医師会の主催する地域医療研修会で感染症対策について講義を行い、センター内で蓄積した情報とノウハウを地域の医師、医療機関等と共有を図ってございます。
 また、在宅療養を支える訪問看護師等を対象といたしました感染予防対策研修会の開催や、一般都民を対象としました感染予防の啓発などを実施しておりまして、引き続き地域の感染症対策の向上をセンターとして目指しているところでございます。

○新井委員 最後に、都として今回の評価結果を今後の法人営業にどのように生かしていくのか、お伺いします。

○中山施設調整担当部長 平成二十一年四月の地方独立行政法人化を経まして、今回が第一回目の評価委員会の評価でございました。都といたしまして、評価結果は全体としておおむね適切なものと受けとめております。本評価結果を受けまして、健康長寿医療センターみずからが法人の業務運営の向上、改善に向けて積極的に取り組んでいくことを期待しているところでございます。
 また、センターがその成果と知見の発信により都内高齢者の健康の維持と増進に寄与するとの設立の目的を果たすことができるよう、都として今後も適切な支援を行ってまいります。

○新井委員 健康長寿医療センターが都内高齢者の健康の維持及び増進に寄与できるように、都として適切な支援をお願いします。
 また、院内感染対策については、感染管理医師、感染管理認定看護師などの専門職員、感染管理チームを中心に病院全体で取り組み、職員一人一人が感染のリスクを認識するとともに、病院全体で取り組んでいく体制づくりを今後もお願い申し上げまして、私の質疑を終わりにします。
 どうもありがとうございました。

○橘委員 私の方からは、都立障害者支援施設の民間移譲と健康長寿医療センターの業務実績評価、この二つの事項について質問いたします。
 初めに、都立障害者支援施設であります清瀬療護園の民間移譲について質問いたします。
 先日、当委員会の野上副委員長と栗林委員と私の三人で、今回、報告のございました清瀬療護園を視察してまいりました。重度の身体障害のある方たちが機能回復に取り組んでいる様子や、入所者が快適な生活が送れるように、器具類を職員の方が独自に改善をされているその様子、それから一人一人に合った給食の工夫など、こういう細かな配慮をされて取り組んでいらっしゃる職員の方々の姿を拝見いたしまして、大変なお仕事になるけれども、こうした人たちがいなければ支えていくことができないんだなということを強く実感いたしましたし、また、こういう療護施設の重要性を改めて実感した次第でございます。
 視察の折ですけれども、入所者の居室に入って、一人の利用者の方とお話しする機会をいただきました。その方は両手両足が麻痺という重度の障害者でありましたけれども、管を口にくわえて、吐く息でテレビのスイッチやチャンネルの操作を行ったり、照明器具の操作を行ったり、またカーテンの開閉、ベッドの調整なども、すべて吐く息を使って操作をしておりました。感心して見ておりましたけれども、これは環境制御装置という装置だそうでして、これを使って、職員の援助なしに日常の生活動作を行っておりました。この装置もすばらしいと思いましたけれども、自立を支援していく、こういった取り組みの大切さというのもまた改めて実感した次第でございます。
 この施設は、長期間にわたって生活をされる方が多いわけですけれども、この療護施設で必要な支援を受けて生活をしているこうした方たちが、民間移譲となっても変わらぬ生活が送れるのかどうか、これはご本人もそうでしょうし、また家族の皆様にも不安があると思います。こうした点について、都の取り組みを中心に何点か質問いたします。
 まず、清瀬療護園には現在、六十名の方が生活していると聞きましたけれども、民間移譲となっても変わらぬ生活が送れるのかどうか、この家族の皆様方の不安、こうした点で私はちょっとどうかなという観点もありましたので、お聞きするんですけれども、まず、清瀬療護園の現在の六十人の方の入居という説明がありましたけれども、利用者の現状、事業の概要について、まず改めて確認しておきたいと思います。

○芦田障害者施策推進部長 東京都清瀬療護園は、昭和五十一年に身体障害者療護施設として開設し、本年四月から障害者自立支援法に基づく障害者支援施設となりました。実施しておりますサービスは、生活介護及び施設入所支援が六十名、短期入所二名でございます。利用者の現状でございますが、平成二十二年八月三十一日現在で、利用者の年齢は二十三歳から八十五歳までの方が入所されておりまして、平均年齢は五十九・六歳、開設当時からの利用者が二十四名いらっしゃいます。また、平均入所期間は二十・五年でございます。障害程度区分は、最重度の六の方が五十二名となっておりまして、平均で五・八でございます。障害名は、脳性麻痺や脳血管障害、脊髄損傷及び脊髄疾患、進行性萎縮症など多岐にわたっております。

○橘委員 重度の方が多い、しかも入所者の高い平均年齢といった現状を見ますと、利用者一人一人にきめ細かく対応していく必要があるということは当然のことであります。そのためのサービス水準を維持していくためには、運営費の確保が必要となるわけです。民間移譲後の運営費、これは他の民間法人と同様に、国の給付費とサービス推進費を基本とするという説明がございましたけれども、現行の指定管理料の金額と、民間移譲後に事業者はどの程度の規模の予算で施設を運営していくことになるのか、説明をお願いいたします。

○芦田障害者施策推進部長 現在の指定管理料は、平成二十一年度決算ベースでおおよそ八億五千二百万円でございます。民間移譲後の運営費の試算では、国の給付費、サービス推進費、建物維持管理費補助で合わせて約七億七百万円と試算をしております。

○橘委員 現在の指定管理料が八億五千二百万、民間移譲後は七億七百万というふうな金額になると思います。差額というのは、ざっと計算しますと、現在の指定管理料より一億五千万近く、これが減額になるわけです。現在のサービス水準を維持しながら運営していくことは可能なのか。また、民間移譲に伴う運営費の減額によってサービスが低下してしまうのではないか。この金額だけを聞いて、また差額だけを見ていますと、そういう思いがするわけですけれども、具体的にどのような工夫でサービス水準を維持していく考えなのか、見解を伺います。

○芦田障害者施策推進部長 民間移譲後は、事業者の創意工夫や自主性の発揮により、柔軟で効率的な施設運営が可能となるため、現行サービス水準の維持、さらにはサービスの向上が図れると考えております。
 具体的には、例えば指定管理という制度の枠組みがなくなることにより、柔軟な予算配分が可能になり、専門性の高い人材の活用による日中活動の充実や、機能回復維持訓練の強化などによるサービスの向上が図れること。また、将来にわたって法人が自主的に運営していく施設として、長期的な視点での施設運営が可能になるとともに、地域との連携が深まり、周辺住民と利用者との交流が促進するなど、地域に根差した施設運営が可能となること。さらには、これまでの民間移譲施設の例に見られるように、地域のニーズを踏まえて、短期入所の増床や通所事業の新たなサービスを実施することなどにより、収入のアップを図るとともに、地域の障害者に対する支援の充実が図れることなどが考えられます。

○橘委員 今、説明がございましたけれども、収入のアップ、これは無理のないように、本来の業務に沿った形の収入アップということを心がけていただきたいと思います。
 続いて、施設のハード面に関して伺います。
 私たちが視察した折、施設内を案内していただいたんですけれども、雨漏りをバケツでカバーしている箇所があるとか、施設の老朽化は至るところに目立っておりました。当然、建てかえなきゃならないと思うんですけれども、民間移譲後の建てかえは法人みずからが行うという説明でございました。で、お話の中で、運営資金を確保しながら建てかえ資金を調達しなきゃならないという課題についてもいろいろ話が出まして、やはりどうしようかなという悩みを抱えている、そんな状況も伺いました。いうまでもなく、建てかえ資金の面で利用者にしわ寄せがいくような、そういった事態は絶対にあってはならないと思います。
 都は今後、運営を担う法人が建てかえる場合の資金調達の仕組みをどのように考えているのか伺います。

○芦田障害者施策推進部長 民間移譲後の建てかえにつきましては、法人みずからが運営しやすいような建物への建てかえを促進するために、既存建物の解体は都が行うとともに、建てかえ経費の八分の七を特別に補助する仕組みとしております。八分の一の自己負担分につきましては、独立行政法人福祉医療機構からの借入制度が利用でき、さらに都が借入金の利子を補給する仕組みがありますので、運営費からの償還が可能であると考えております。

○橘委員 重度の障害者にとって、入所施設に対するニーズは一段と高くなる傾向がございます。民間でできることは民間にゆだねるという都立施設改革の方針は理解できますけれども、民間移譲に当たっては、利用者サービスの維持向上に十分配慮しなければなりません。清瀬療護園については、都立施設としてこれまで積み上げてきたサービス水準を今後さらに高めていくことを目指した民間移譲となることを強く求めておきまして、この項は終わります。
 次に、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターの業務実績評価について質問します。
 この東京都地方独法の評価委員会による今回の業務実績評価は、医療の専門家等で構成されている評価委員会による実績の評価でありますけれども、これに関する都及び健康長寿医療センターの側から見た認識を中心に質問いたします。
 業務実績評価報告書によりますと、地方独立行政法人に移行した後の健康長寿医療センターの診療分野の変化として、心臓外科の開設、高齢者がんの外来化学療法の開始、セカンドオピニオン外来の開設、フットケア外来の開設、術前検査センターの開設など、新たな事業の展開が数々挙げられております。こうした意欲的な事業展開がしやすくなった要因について、見解をまず伺います。

○中山施設調整担当部長 お答えいたします。健康長寿医療センターでは、地方独立行政法人化を契機といたしまして、先生からただいまお話しいただいたような多くの新たな事業に着手し、積極的な事業展開を図っております。
 具体的な例といたしまして、人材面では、化学療法室専任医師などの重点医療の充実に必要な人材の確保を迅速に行ったこと、また予算執行面では、当初予算では予定していない無菌病床の増床を行うなど、センターみずからの工夫による事業展開が可能となってございます。
 これは、地方独立行政法人化により、人事給与制度や財務会計制度などの柔軟な運営ができるようになり、法人みずからが役割、使命を自覚し、課題に積極的に取り組んだことによるものであると考えております。

○橘委員 診療科の変化だけを見ますと、都立の時代とは随分変化したなという、そんな印象を持ったわけですけれども、今、答弁の中にありました、人材確保という観点で質問します。
 新たな事業の展開には当然、医師や看護師等の医療人材の確保が不可欠でありますけれども、この評価報告の総評の中でこういう記述がありました。医療専門職の人材確保が厳しい中で必要な人材を確保し、新たな取り組みに向けた体制づくりを着実に行ったことは順調な進捗状況である、そういう評価をしておりました。地方独立行政法人である健康長寿医療センターが行った人材の確保、配置、これはさまざまな工夫をされてこういう体制になったと思いますけれども、これに対して都の見解を伺います。

○中山施設調整担当部長 地方独立行政法人化に伴いまして、医師、看護師等の医療人材の確保を積極的に行うため、専門医、認定看護師等の有資格者への資格手当の創設や医師の勤務負担軽減策を実施するなど、専門人材の確保に向けた人事給与制度の構築を行っております。
 また、特に看護師の確保におきましては、積極的な採用活動や多様な勤務時間制度を法人独自に導入したほか、保育料助成制度の創設などの定着促進策を図りました。こうした取り組みなどによりまして、本年七月より七対一看護体制を取得しております。また、認定看護師自身が、褥瘡ケアや人工肛門のケアなどを行う看護ケア外来を実施するなど、職員の専門性を積極的に活用する取り組みも行われております。
 都といたしましても、こうした健康長寿医療センターの人材確保に向けた取り組みを引き続き支援していきたいと考えております。

○橘委員 今の質問と関連しますけれども、人材の確保に関連してですけれども、今、医療機関では全国的に医師不足、看護師不足、そういったことがいわれている中で、この健康長寿医療センターではさまざまな診療科を新しく設置した。そういった中でも、医師、看護師等の医療人材を確保していくことができる、これは、この中期目標の中にも、その一つの柱として盛り込んでありまして、それに沿った取り組みが今なされている、また成果を上げているというふうに私も評価したいと思います。これは、中期目標を達成していくために、やはり人材育成という観点から、また確保という観点から、これからも大切な事項となってまいりますけれども、独法の外から必要な優秀な人材を確保する、これも一つの手だと思います。
 もう一つは、今、答弁にもありましたけれども、独法の中で育てていく。育てていくことによって、それが魅力となって外からまた集まってくる、そういう相乗作用もあるかと思いますけれども、中期目標に向けて具体的にどのような取り組みをやってきたか、また今後どう取り組んでいくのか、その辺についてお聞きしたいと思います。

○中山施設調整担当部長 高齢者のための高度専門医療及び研究を行い、その成果及び知見を発信する機能を目指す健康長寿医療センターにとって、人材育成は大変重要であると考えております。中期計画におきましても、臨床と研究の統合のメリットを生かした研修体系を構築し、専門性の高い人材の育成を目指すとしておりまして、平成二十一年度におきましては、専門医等の資格手当を創設したほか、高齢者医療の初期対応を盛り込んだ新臨床研修医プログラムの策定、経験に応じたレベル別の看護研修の実施などを行っております。
 一方、今後の課題といたしましては、法人の総合的な人材育成プログラムの作成が評価委員会からも指摘されているところでございます。引き続き、同センターが法人内の人材育成に向けた取り組みを強化し、法人運営の基盤をより強固なものとできるよう、都としても期待しているところでございます。

○橘委員 次に、独法化した健康長寿医療センター、旧老人医療センターの臨床部門と旧老人総合研究所の研究部門を統合させたことによりまして、これまでの老人医療センターと老人総合研究所の関係から、旧体制と現体制、どのような変化があったのか、これについて見解を伺います。

○中山施設調整担当部長 高齢者の医療、介護を取り巻く環境の変化と課題に的確にこたえていくための確固とした基盤づくりを進めるため、都は、病院と研究所を統合いたしまして健康長寿医療センターを設立いたしました。病院と研究所の一体化を推進するための会議体といたしまして、トランスレーショナルリサーチ推進会議、臨床研究連携会議と称しておりますが、これを設置して臨床と研究の課題共有を図っております。
 統合の成果といたしまして、具体的には、研究部門における体への負担の少ない鎮痛法の研究成果を病院での治療に応用する取り組み、それから、認知症診断に当たって研究員の最新の知見を活用するなどの取り組みも新たに始まっているところでございます。

○橘委員 以前の二つの機関の連携体制、同じ敷地にあるわけですから、これは連携しやすいなとは思っておりましたけれども、その時代もある程度の連携がとれているという説明は、以前お聞きしたことがございます。それで今回、統合したことによって、さらに連携が密になっている。また、今の答弁にもありましたけれども、課題の共有ができているといった答弁がございまして、これはますます発展していくなという印象を持った次第でございます。
 次に、これに関連して研究体制についてお聞きします。
 業務実績評価によりますと、研究体制が強化されまして、文部科学省の科学研究費補助金の採択率で全国四位の実績、また、国内外の大学、研究機関、企業との共同研究への参加、受託研究の受け入れ増加、こうしたすぐれた業務の進展が高く評価されておりました。
 研究体制の充実、それから成果を出すことができた要因、また今後の方向性について見解を伺います。

○中山施設調整担当部長 先ほどのご質問にもありましたとおり、病院と研究の一体化に伴いまして、臨床応用に向けた研究課題が明確になったことや、迅速かつ柔軟な人材確保が可能等のメリットを活用いたしまして、各研究チームにおきまして核となる人材を採用したことで、研究推進体制の強化が実現したものと考えております。
 今後は、地方独立行政法人の柔軟な人材確保や複数年度に係る外部研究費の受け入れなどのメリットを生かしまして、引き続き自治体、企業等との共同研究を積極的に進めまして、臨床現場や福祉施策に応用、展開できるような実践的な研究がより一層進んでいくと考えております。

○橘委員 よくわかりました。
 次に、健康長寿医療センターが取り組んでいる退院支援体制について質問いたします。
 業務実績評価では、高齢者急性期医療の提供という項がございまして、その評価が記載されておりました。その中で、退院支援をチームで行う退院支援チームの体制づくりを行ったことは評価できるという評定となっておりました。
 この退院支援チームは、医師、看護師、それにメディカルソーシャルワーカーなどがいる医療連携室で構成されて、入院患者の巡回指導、退院支援マニュアルの作成、事例検討会等を行っているというふうに聞いております。老人医療センターの時代も、退院支援業務は以前も行っておりましたし、それもある程度効果を発揮していたと私は聞いております。退院支援チームがこのたび設置されて、この設置前と設置後にどう変わったのか、これついて見解を伺います。

○中山施設調整担当部長 地方独立行政法人化に伴いまして、退院支援チームを設置いたしましたけれども、このチームの特徴は、先生のお話にありましたように、医療ソーシャルワーカーに加えて、医師や看護師等の患者への支援にかかわるさまざまな職員が、それぞれの専門的な立場から退院支援を実施するものでございます。
 退院支援チームの設置によりまして、入院時から患者の日常生活能力や意欲等を把握し、入院後、早い時期に、退院に当たっての課題を検討する退院支援の流れが確立したことで、退院困難なケースに早期からかかわることができるようになっております。
 また、これとは別に、退院後の在宅療養を支援するかかりつけ医や訪問看護師等が同席して行います退院時共同指導、これは以前より行っているところでございますが、この実績は、平成二十一年度におきましては前年度より実績件数を約四割増加させるなど、連携の促進を図っているところでございます。

○橘委員 高齢化の進展に伴いまして、退院する時期になったけれども、なかなか転院先が見つからないであるとか、退院に伴って、高齢者施設であるとかリハビリ施設への入所をしたいんだけれども、なかなかそれも見つからない。また在宅医療などのケア体制、こういったものもますます重要になってくる。これは日常的に私たちも耳にすることでございます。しかし、受け入れ先の量的な問題もございます。それから、ひとり暮らしによる調整の難航、どうするのかという調整の難航も結構ございます。患者や家族の要望に合う受け入れ先がなかなか見つかりにくいという、そういった数々の現実がございます。
 こうした状況の中で、高齢者専門病院である健康長寿医療センターは、特にこの中でも、いろいろな業務の中でも、特に転院先の確保、これをしっかりやる必要があると思いますけれども、この点について都の認識を伺います。

○中山施設調整担当部長 健康長寿医療センターは、急性期医療を重点とした医療機関として、他の医療機関や施設等との連携を積極的に図るなど、患者の転院先の確保に努めているところでございます。また、年数回、訪問看護ステーションやケアマネジャーを対象とした公開研修を実施するなど、在宅療養の支援にも取り組んでおります。
 同センターの中期計画では、地域における医療、福祉のネットワークの構築のための連携医や、高齢者介護施設との協働を進めることを目指しております。
 都といたしましても、こうした退院支援の充実や医療機関との連携に係るセンターの取り組みを評価しているところでございます。

○橘委員 他の医療機関との連携が一つのポイントになるわけですね。それは今の説明でもありましたけれども、これに関連して業務実績評価では、地域連携クリニカルパス、こういったものを活用した地域医療連携の推進も評価されております。このクリニカルパスというのは、参加する医療機関が多ければ多いほど効果が大きいわけであります。患者や家族の皆さんにこれが浸透すれば、これは一目瞭然になっていますので、どういう経過で、どういう治療を行っていくのか、スケジュールも明確になっているのが地域連携クリニカルパスですので、これは患者にとっても家族にとっても非常に安心できるものだと思います。
 そういったシステムを使いまして、健康長寿医療センターにおけるクリニカルパスの活用、これはやっぱり十分にやっていく必要があると思いますし、これからますます拡充していかなきゃならないと思います。それがイコール患者や家族の安心、そしてまたスムーズな転院とか、ほかのところに入所という、これにつながっていくと思います。これがやはり重要な部分になってくると思いますけれども、この辺について見解を伺います。

○中山施設調整担当部長 急性期から慢性期までの切れ目のない医療を実現するためにも、特定疾患の治療スケジュールを医療機関と診療所等が共有する地域連携クリニカルパスへの取り組みは有効な手段であると認識してございます。健康長寿医療センター中期計画におきましては、地域連携クリニカルパスの導入や、医療機関や福祉施設との医療連携を一層進めていくことを掲げておりまして、都といたしましても、こうしたセンターの取り組みを支援してまいります。

○橘委員 研究部門にちょっと話を戻して恐縮ですけれども、以前の老人総合研究所の時代に、私、視察に伺って、どういう研究をなさっているのか、そしてまたどういう成果を上げているのか、説明を受けたことがございます。その際、感じたことですけれども、高齢者の予防医療であるとか、それから介護予防であるとか、高齢者の地域生活における医療と行政の連携のあり方とか、そういったものを細かくなさっておりまして、その研究成果というのはトップレベルの成果となっている、そういうふうなこともお聞きしました。また、この成果を行政機関であるとか医療機関、そういったところに紹介したり、提供したり、そういった活動もなさっている、また講演会等でそれを紹介したりしているという、さまざまな活動をなさっておりました。ところが、これが直接、高齢者の方々、また抱えている家族の方々に伝わっているかというと、またそれは別の次元でもあるなというふうに感じました。
 そこで、すばらしいトップレベルの研究成果、これをお年寄りに、またその家族に直接提供できるような、そういう体制があったら、仕組みがあったらな、そういった感じもいたしました。
 そこで、例えばですけれども、わかりやすく、その研究成果、お年寄りでも、またその家族でもわかるような内容のDVDを製作して、その中でそういったものをわかるようにする。それをさまざまな機会を通じて都民に見せることができるような体制にする。確かに、今、見てみますと、パンフレットであるとか解説であるとか、そういったものは結構あるんです。こういうふうに健康に注意しなきゃならない、医療面では予防にこういうふうに注意しなきゃならないとか、そういったものはあるんですけれども、特に高齢者の方は活字ではなかなか追いついていけない。やはり目で見て耳で聞いてというのが入ると思うんです。
 したがって、この研究成果というものをわかりやすくDVDというもので紹介する、それを製作する、そういった工夫をなさって紹介していけば、ますますこの研究成果というものが社会に現実のものとして生きてくるのではないかなというふうに私は考えております。それも含めて、今後この研究成果の普及啓発、これをどのようにして取り組んでいくのか、見解を伺いたいと思います。

○中山施設調整担当部長 健康長寿医療センターでは、その研究成果を活用して、都内自治体の認知症予防、介護予防事業に係る調査研究の受託や事業実施の支援を行っております。また、高齢者の生活上の課題に係る研究の知見を活用した高齢者虐待対応の自治体向けマニュアルなどを作成し、標準テキストとして活用されるなど、研究成果の普及活用を積極的に行っております。
 今後も、同センターみずからが行う介護予防事業や講演会の開催の充実を図るとともに、ご提案のありましたDVD等の高齢者にわかりやすい普及啓発の促進につきまして、同センターに働きかけてまいります。

○橘委員 ぜひ、DVDの製作については働きかけを行っていただいて、具体化していただければと思います。
 最後に、大都市東京における超高齢社会の都市モデルの創造、これが独立行政法人である健康長寿医療センターの使命として掲げられているわけです。公的病院としての役割を果たすとともに、法人の強みを生かした事業展開を模索していくことが必要との指摘も、今回の業務実績評価ではなされております。第一義的には独法の努力、取り組み、これに対する今回の評価の期待ではありますけれども、都の支援もなければ、十分この独法の使命を果たすことはできないと思います。こうしたことに関して、局長の認識と今後の決意を伺いまして、質問を終わります。

○杉村福祉保健局長 健康長寿医療センターは、高齢者医療モデルの確立と普及、さらには高度先端医療への取り組みや、老化・老年病の研究開発など、センターが担う役割を効果的かつ効率的に実現していくために、地方独立行政法人として設立したものでございまして、都民の期待も大変大きいというふうに認識をいたしております。
 今後、地方独立行政法人のメリットを最大限生かしながら、院内感染対策等の対応も含めまして、センターに与えられました役割あるいは使命をしっかりと果たしていくことが必要であるというふうに考えております。
 東京都といたしましては、高齢者のための高度専門医療及び研究の一層の充実発展を目指しまして、センターが経営基盤の改善と確立を図りながら着実に事業展開が図られますよう、今回、報告をいたしました評価委員会制度も有効に活用するとともに、必要な指導、支援を行っていきたいというふうに考えております。

○大山委員 私も、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターの業務実績報告についてまず質問します。
 私たちは、地方独立行政法人化については、全人的、包括的医療の明文を中期目標から外したこと、これは極めて重大で、病院全体を効率優先で、今まで老人医療センターが果たしてきた役割を後退させるものであること、そして、高齢者に多い脳卒中やリハビリ、整形外科などの比較的長期療養を必要とする病床の縮小が検討されていることも明らかにして、地域住民や都民、板橋区、区議会挙げての七百床確保の声にも背くものであること、そして、非公務員型であり、都職員から自動的に固有職員に移行させるという、余りにも職員をないがしろにした制度であること、そして、都が作成した第二次病院改革実行プログラムの中でも、都の財政状況によって影響を受けるおそれがあると指摘していることから、地方独立行政法人化は慎重に検討すべきだという結論であるにもかかわらず、同じ都立病院でありながら、老人医療センター及び老人総合研究所だけを何ら正当な理由も示せないまま地方独立行政法人化を進めることだということで、反対をいたしました。
 そして、どうなったのかということですよね。まず、病床数です。資料4、出してもらいましたので、ごらんいただけるといいと思いますが、私たちが指摘していたとおり、全体で九十床削減された中で、内科系は六十八床のマイナス、それに加えてリハビリ病床が十九床マイナスですから、半減です。外科系の削減は三床のみです。結局、入院日数が長くなるリハビリや神経内科は大幅減。神経内科は脳卒中などの分野の医療ですよね。あと、糖尿病・代謝・内分泌内科もマイナス十二床。ここは、糖尿病だとか骨粗鬆症、高脂血症、肥満などの分野ですよね。多くの高齢者に関係するところです。しかし、ベッドの回転の悪いところが病床を減らされてしまったということなんです。結局、もうかるところは広げ、もうからないところは縮小ということになりました。
 ホームページをあけてみますと、その表紙に、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターの基本理念、何が書いてあるかというと、「高齢者の心身の特性に応じた適切な医療の提供、臨床と研究の連携、高齢者のQOLを維持・向上させるための研究を通じて、高齢者の健康増進、健康長寿の実現を目指し、大都市東京における超高齢社会の都市モデルの創造の一翼を担う。」こう書いてあります。ベッド数を減らしたところは、高齢者の健康長寿には欠かすことができない分野です。例えば、寝たきりになるかならないかの大きな分かれ道になるリハビリ、基本理念でいっている高齢者のQOLを維持向上するためには非常に重要な分野だと思いますけれども、十九床、半減です。この半減した理由は何なんですか。

○中山施設調整担当部長 お答えいたします。独立行政法人化に伴いますリハビリテーション科病床数についての考え方でございますけれども、高齢者のQOLを維持し、できる限り自立した生活を継続していくためには、早期のリハビリテーションが重要でございます。こうした考え方に立ちまして、センターにおきましては、各診療科において入院期間中に提供するベッドサイドリハビリテーションをさらに充実しておるところでございます。
 高齢者への急性期医療を提供する健康長寿医療センターでは、急性期リハビリテーションを充実していくとの考え方に基づきまして、病床数を再編したものでございます。

○大山委員 急性期のリハビリを直ちにやる、こういうのはもう常識ではありませんか。しかし、それでさっさと出ていきなさいというのではなくて、回復期のリハビリもしてほしいというのが都民の皆さんの願いなんです。板橋区内でも病院はたくさんありますけれども、お金がかからないで充実したリハビリを受けたいと思えば、豊島病院か老人医療センターしかないんです。リハビリ入院が今ほとんどできない状況にあります。ある程度お金を出せば病院はあるけれども、一番大事なときに家に帰って機能低下してしまう、こういう人が多いんです。
 急性期リハビリ、これは重要ですよ。急性期リハビリをしても、お金がなければ、結局、途切れてはいけないリハビリが途切れてしまう。せっかく急性期でリハビリをやっても、やったかいがない、そういうことなんじゃないでしょうか。病院の効率優先で、高齢者がないがしろということなんですね。回復期リハビリも実施するべきです。
 ところで、知り合いが、物忘れ外来を受けよう、そういって六月に予約の電話を入れました。そうしたら十一月だというんです。認知症が進んでしまうのではないかと心配しているわけですけれども、物忘れ外来は比較的敷居が低いですし、一般的に知られてきているところもありますので、非常に人気があるとのことなんですが、初診を申し込むとどれぐらい待つのでしょうか。

○中山施設調整担当部長 健康長寿医療センターにおきます物忘れ外来は、平成十一年一月の開始以来、患者及び家族より信頼を得まして、ニーズにこたえているところでございます。
 現在、一週間当たり十四枠の初診患者枠を設定して診療に当たっております。直近の予約状況、これは九月二十八日のデータでございますが、それによりますれば、初診は約四カ月後の診察ということになっております。

○大山委員 四カ月ですから、十、十一、十二、もう年明けちゃうんですよね、今予約したとしても。もう予約したことを忘れちゃうんじゃないかと思うんです。
 これは本当に丁寧にやってくれていますから、本当に信頼があるんです。これは養育院といわれた時代から、研究と結んで、認知症対策の中心的な役割を果たしてきたわけですよね。ですから、センターに対する期待は大きい。
 そして、行ってみた人の話を聞いたら、本当によく対応してくれるということで、信頼も厚いんです。老人研究所が果たす役割からいっても、拡充することが求められていると思いますが、どうですか。

○中山施設調整担当部長 健康長寿医療センターでは、認知症症状の強い患者に対しましては、精神科や神経内科など、適切な診療科を受診することを勧めております。その上で、ニーズの高い物忘れ外来の体制強化を図るため、病院医師と研究員が共同して、物忘れ外来の診療に当たる体制を拡充したほか、今年度は、スタッフであります心理職を二名増員するなど、既に診療の充実を図っているところでございます。

○大山委員 既に図っているんだということですけれども、それにしても四カ月も待つというのは、やはりちょっと普通じゃないというか、尋常じゃないということなんです。ですから、役割からいっても、ぜひ、さらに拡充してもらいたいと思っています。
 それで、看護も七対一にしたということなんですけれども、よく見たら、病床数は、一般病床だと六百十一病床あったものが五百三十一病床に減らされまして、それで三百六人の看護師を三百十一人にしたんですね。病床は八十床減らして、看護師は五人ふやしただけ。結局、病床を減らして七対一にしたんだということなんです。
 資料6、これは経営指標を出してもらいましたけれども、入院患者数は五年間で、年間三万三千八百四十六人も減っています。外来患者数も二万四千四十九人減っています。効率最優先ではなくて、高齢者のための医療と研究が一体となった施設の原点に立ち戻って、全人的、包括的医療を実践する場所として、自覚的に実践をしてもらいたいと要望して、これは終わります。
 そして、清瀬療護園です。
 さっきもお話がありましたとおり、一九七六年に開所した都立施設。運営は社会福祉法人まりも会が運営していたわけですね。その後、指定管理となって、今度は民間移譲ということなんです。都立施設として重度の障害者を受け入れてきました。医療ケアが必要な方々も受け入れて、さらに高齢化するとともに、医療ケアが必要な人もふえてきたということなんですね。
 現在、入所者のうち、医療ケアが必要な方はどれぐらいいらっしゃるんでしょうか。

○芦田障害者施策推進部長 医療的ケアが必要な方でございますが、たんの吸引、経管栄養、導尿、気管切開、胃瘻、酸素吸入等が必要な方が、平成二十一年四月一日現在で三十名いらっしゃいます。

○大山委員 昨年の四月一日時点で三十名ということですから、半数ということなんですけれども、ことしの五月時点での資料があるんです。例えば、かん腸も三十四人、摘便も二十六人、座薬が必要な方五名、気管切開していらっしゃる方は、医師が二週間ごとにカニューレの交換を実施する人が二人、吸引は十名から十二名、気管内の吸引を実施している人がそのうちの五、六名ですね。人工呼吸器が三名、胃瘻が十三名、バルーンカテーテルが九名、インシュリン投与は一日に二回実施して一人、血糖値を一日一回検査を実施して四名、日常的な褥瘡等の傷の処置が大体九名、ガス抜きを一人、導尿が必要に応じて適時実施ということなんですね。ほぼすべての人たちが医療的なケアを必要として、また、一人の方が複数の医療的なケアを必要としているという状況なんです。
 都立施設として、重度障害者や医療ケアが必要な人たちを積極的に受け入れてきたし、現在も受け入れている清瀬療護園。この清瀬療護園が果たしている役割をどう評価しているんでしょう。

○芦田障害者施策推進部長 清瀬療護園は、民間の社会福祉施設が質量ともに不足していた時代に、都全域を対象とした施設として設置され、障害者福祉の向上に大きく貢献をしてきたというふうに考えております。清瀬療護園につきましても、昭和五十一年の開設以来、多くの重度身体障害者を受け入れてきたと認識をしております。現在も、民間施設に比べ、たんの吸引や胃瘻など、医療的ケアを必要とする重度の障害者を積極的に受け入れているところでございます。

○大山委員 答弁がありましたように、その役割、医療的なケアが必要な人、それから重度の方たちを積極的に受け入れてきたんだということで評価され、今も、ほかの施設に比べても医療ケアを必要としている方々を積極的に受け入れているんだということですよね。
 清瀬療護園の資料によりますと、清瀬療護園を含む都立療護施設利用者の障害区分の分布は、おおむね八〇%以上が区分Aに該当していることから、都立療護施設が最重度障害者の生活の場としての役割を担ってきたことを物語っている。さっき答弁されたとおりですよ。
 同時に、都内療護施設の利用希望待機者の約八〇%が障害程度区分Aであるという状況から、清瀬療護園が最重度障害者の生活の場としてその役割を継続していかなければならない社会的使命がある、こう述べています。そして、清瀬療護園の基本的な方向として、都立施設としての役割を認識し、重度障害者の受け入れを積極的に行う。その中でも、医療的ニーズを有する待機者については、併設する診療機能を十分に生かしながら可能な範囲で受け入れに努める、こう努力してきたわけですね。
 看護師の配置は、日中二人です。医療ケアの現状からすると、看護師の夜勤体制抜きには利用者の命や安全や安心を守ることができないということで、看護師も夜勤をしていて、夜勤が一人ですね。それらを清瀬療護園の担当看護師六人でこなしているわけです。そのほかにも、医療ケアの対応だけじゃなくて、看護師さん本来の業務としては、隔週開催の運営会議への参加だとか、月一回のリスクマネジメント委員会への参加だとか、新規の利用者、これは入所だったり短期のショートステイの方も含めて、訪問調査の同行だとか、救急搬送時の医療機関への同行だとか、これは日中も夜間も問わないで行くわけです。で、急変時の医療機関との連絡調整、必要に応じてケアカンファレンスへの参加など、その業務内容は多岐にわたっているということなんです。
 ですから、この看護師さんの体制だけでは、医療ケア、全部の人たちにはできないんです。医療ケアへの対応は看護師さんたちだけでは手が足りない、無理なため、不安を抱えながらも介護職が行う場面が多い。介護が行う医療行為というのは、かん腸だったり、摘便だったり、吸引だったり、胃瘻の注入だとか、褥瘡の薬をつけるとか、そういうことが多くて、不安を抱えながら行っている。投薬や薬の管理も介護職が行っていて、日常の業務も含めて精神的ストレスが常にあるということなんですね。それに加えて、医療ケアの必要な利用者の日常介護も、かなり神経を使いながらの介護を行っていることから、通常の介護以上に時間と労力が必要になってきている、これが現状なわけです。
 そんな中で、積極的に受け入れてきた医療ケアを必要とする重度の障害者ですが、入所の申し込みを保留にせざるを得ない状況も出てきてしまっているということなんです。待機している方々の八割が最重度なわけですから、本来だったら、人員体制をもっと充実して受け入れられるようにしなきゃいけないわけですよね。にもかかわらず、先ほど、ことしの指定管理料と同じ条件で民間移譲したら運営費はどうなるんだという質問に、一億五千万円近く減額になってしまうということが答弁されたわけです。この指定管理料の額と内訳、そして、同じ条件で民間移譲したら運営費の内訳というのもどうなるのか、教えてください。

○芦田障害者施策推進部長 平成二十二年度に都が支払う指定管理料は八億五千二百万円でございますが、支出の内訳は、人件費が六億九千四百万円、事業費が五千七百万円、建物維持管理費が一億百万円となっております。
 また、民間移譲後の運営費は試算で七億七百万円となる見込みですが、民間移譲後の支出の内訳は、公募に応募する法人の創意工夫や経営努力を生かした収支計画により提案していただくので、明確な内訳は出すことはできません。
 なお、民間移譲後の収入の内訳で見ますと、国の給付費が三億七千九百万円、都のサービス推進費が二億七千六百万円、建物維持管理経費補助が五千二百万円と試算をしております。

○大山委員 現在の指定管理料の中の人件費は六億九千四百万円、そして国の給付費、サービス推進費合わせても六億五千五百万円です。国の給付費というのは人件費だけではありませんし、建物管理費については半減だということです。現在の指定管理料が八億五千二百万円、そして同じ条件で民間移譲したら七億七百万円、一億四千五百万円もの減額ですね。
 例えば、職員一人当たり六百万円と計算しても、二十四人分です。一億四千五百万円というのはそういう額なんですよね。年間運営費の約一七%もの減額です。社会福祉施設は人が重要な、福祉というのは人が重要な役割を果たすわけです。これほどの減額というのは、人件費の削減につながらざるを得ない状況に追い込む、そういうことなんじゃないんですか。

○芦田障害者施策推進部長 民間移譲後は、法人が創意工夫や効率的な運営などの経営努力を行うことにより、安定した運営ができると考えております。既に民間移譲した施設では、法人による効率的な運営や経営努力により、施設運営費の節減を図りながら、新たな日中活動事業の開始や短期入所の定員増を行うなど、収入アップにも取り組み、利用者サービスの向上を図っております。
 なお、都が実施したアンケート調査でも、利用者や家族の七割が移譲後のサービスに満足をしているという結果になっております。

○大山委員 創意工夫や効率的な運営なんて全く話にならないですよ。現状だって、さっき、るる述べたように、看護師も介護職員もぎりぎりのところでやっているんですよ。辛うじて、その努力の中で、今の処遇の水準を維持しているわけですよね。だから、そんな中で、命の保障さえもできないということで、医療ケアが必要な待機者を保留せざるを得ない状況になっているわけですよ。
 しかも、今度、民間移譲だったら一億四千五百万円もの減額ですけれども、都の運営委託から指定管理者になった時点で、三年間で約七千七百万円もの減額が既にされているんですよね。その上、一億四千五百万円の減額。どこをどう削ればいいんですか。どこをどう創意工夫するんですか。効率的な運営、それはどういうことなんですか。具体的にちょっと答えてください。

○芦田障害者施策推進部長 現在の指定管理者制度におきましては、国からの給付費などの収入は、都が歳入し、都が施設に指定管理料として支払うために、経営意識が育ちにくいという仕組みになっております。
 また、経営努力などにより生じた余剰金は、指定管理料を毎年度精算する際に都に返還されますので、効率的な運営を行うためのインセンティブが働きにくいというようなことがございます。
 さらに、施設運営期間は指定管理期間に限定されるために、長期的な視野に立った利用者支援計画や施設運営計画などを作成しにくいというようなこともございます。
 清瀬療護園を民間移譲することにより、経営努力に基づいた効率的な運営や利用者へのさらなるサービスの向上が期待できると考えております。

○大山委員 あと、どこを効率的な運営にするんですか。全く話にならないですよ。これ以上削るところなんかあるわけですか。医療ケアが必要な利用者への対応というのは、とりわけ技術的な熟練も重要なんですよ。入居者への処遇を低下させないためには、これ以上、人を減らすことなどはできないですよね。サービスをふやせば、その分だって人が必要なんですよ。ショートステイをもっとふやそうと思えば、その分、仕事がふえた分、事業がふえた分、人が必要だというのはもう当然じゃないですか。
 で、入居者の自治会も、現在の職員がなれているし、経験を積んでいる、だから安心して、信頼しているんだから継続してほしい。入居者への職員配置というのは、一対一で、常勤職員での配置を継続してほしい、こういう要望をしているんじゃないんですか、東京都に対しても。どうこたえるんですか。

○芦田障害者施策推進部長 運営事業者につきましては、利用者サービスの一層の向上が図れるように、公募により、最も適切な事業者を選定することとしております。
 職員配置につきましては、現行のサービス水準を維持するために必要な職員体制とすることを運営事業者に対して求めております。
 なお、施設の利用者に対しましては、運営事業者の公募を行う前に、都と施設が民間移譲についての趣旨や目的等について説明を行い、ご理解をいただくよう努めてまいります。

○大山委員 利用者サービスの一層の向上だとか、さっき何とおっしゃいました、現行サービス水準を維持するために必要な職員体制とすることを運営事業者に対して求めている。本当によくいえたもんですよね。一億五千万円近く削減予定。よくぞそんなことがいえるのかということですよ。
 居住者の処遇を充実するには、職員の量と質の充実以外にはありません。人件費の削減というのは、非常勤化や賃金低下につながって、職員の入れかわりが激しくなる。それはもう明らかなことなんじゃないんですか。安い給料で、しかも契約社員などが多い。企業の認証保育所しかり、介護保険での介護職員しかりです。これだけの医療ケアが必要な最重度の入居者がほとんどなだけに、経験による熟練も大いに必要な施設なんです。それだけに、一人の人を一人前にするには時間がかかる、そうおっしゃっていましたよ。職員の入れかわりの激しさは質の低下に直結するんです。全く無責任としかいいようがありません。
 さっき、建物のことですけれども、建物は、三十五年超えているから、民間移譲したら、法人みずから建てかえを行っていくんだ、そして、法人がやりやすいように自己負担は八分の一なんだ、だから大丈夫なんだと、そう答弁されましたけれども、一億五千万円近く運営費は大幅削減して、建てかえまでさせる。建てかえの自己負担までさせる。本当にひどいんじゃないんでしょうか。都立施設なんですから、建てかえぐらい都が責任を持つべきです。
 療護施設は生活の場ですから、入居者が普通の生活を送れることを保障することが重要なんです。これは二十一年度指定管理者管理運営状況評価結果なんですね。ここには東京都清瀬療護園があります。利用者の日中活動は、利用者の希望に応じて自由に参加できるようになっており、さまざまなサークル活動を実施している。陶芸、写真、音楽、絵画など専門的な活動については、地域からのボランティアの協力を得て実施しており、長期間にわたって協力してもらえるボランティアの確保をしている、そういうふうに評価をして、評価の総合評価もAとなっているわけですよね。
 こうやって頑張ってきても、東京の場合、地方の法人が進出して安い価格で受けてしまう、そういうケースも少なくありません。運営費を大幅に削減して、入居者のサービス低下をして、建物まで法人に建てかえさせ、その上、ほかの法人が受けることになったら、現在の法人の百人を超える職員の解雇問題にまでつながりかねない。どう責任をとるんでしょうか。
 都立施設として、最重度で医療ケアが必要な人たちを引き続き受け入れて、充実した処遇を継続する社会的役割は大きいわけです。それを民間移譲して、億の単位で運営費を削る。それで処遇低下させないなどという。本当に処遇低下させないというのだったら、都が責任を持って都立施設として継続をして、重度障害者を積極的に受け入れて頑張っている運営事業者と職員への支援を強化することこそ必要であるということを述べて、おしまいにします。

○門脇委員長 質疑の途中ですが、議事の都合により、おおむね十五分休憩いたします。
   午後二時五十九分休憩

   午後三時十五分開議

○門脇委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言をお願いいたします。

○斉藤委員 それでは、報告事項について質問いたします。
 私もほぼ二年間、厚生委員会に在籍させていただきましたけれども、きょうが最後の質問でございます。厚生委員会はうちの会派で大変人気があって、今回、メンバーはだれ一人残れず、総入れかえというふうになっております。
 それでは、順番に従いまして、健康長寿医療センターの業務実績評価書について伺います。
 先日、直接、板橋の健康長寿医療センターに、地元のくまき議員と一緒にお邪魔させていただきまして、その節は理事長を初め院長、副院長にもお話を伺いまして、意見交換も大変活発にさせていただきました。ありがとうございました。
 今回私どもが行きましたのは、当然、今回案件になっております業務実績評価書に関連する話でもあるんですが、九月十五日に報告が出ております、同センターで向精神薬三万四千錠が所在不明となっている案件に関して詳しく伺いたいということでお邪魔させていただきました。
 同センターの実績評価書については、先ほども話題になっておりましたが、高齢者向けの医療センターとしての相応の特徴を持った機能が幾つかある中で、私自身も社会福祉士でありますが、社会福祉士が割と責任を担っている場合が多い医療ソーシャルワーカーの案件などについてもしっかり四番目の評価項目としていたり、高齢者向けの医療機関として大変努力をしていると思っておりますし、また継続をしていただきたいというところであります。
 ただ、こういった評価がある中で、今回、実際には所在不明が判明したのは八月なんですけれども、こちらの方でレンドルミンD錠というのが三万四千錠所在不明となった案件に関しては、これはなかなか看過できない部分もございます。
 そこで、幾つか質問させていただきます。
 今回、このレンドルミンD錠大量所在不明が発生して、向精神薬の管理体制というものに対して、不十分であったといわざるを得ない実情が判明したということであります。そして、この評価書に絡めていえば、業務実績評価における一八ページを見るといいんですが、法令・行動規範の遵守の項目がB、年度計画をおおむね順調に実施しているというふうになっているわけなんですが、今回の向精神薬の大量所在不明を踏まえていうと、このような自己評価については余り適当でないといわれる可能性があるのではないかと残念ながらいわざるを得ません。これについては、設立団体としてどのように考えているのか、お考えを聞かせていただきたいと思います。
 また同時に、今回、レンドルミンD錠については、睡眠誘導を目的とした軽度の向精神薬であって、横流し的な非合法販売の可能性というようなことについてはやや疑問があるわけなんですが、この可能性について所見を伺います。

○中山施設調整担当部長 お答えいたします。今回のレンドルミンD錠の大量所在不明につきましては、現在、警察による捜査が行われておりまして、所在不明の原因については今のところ明らかになっていない状況でございます。所在不明の発覚後、都及び国の機関による調査が行われましたが、向精神薬の管理について法令違反は見当たらないとの結果でございました。
 したがいまして、現時点で、評価にかかわります法令・行動規範の遵守に係る評価、こちらに変更を来すような事実は確認されていないと考えているところでございます。
 また、非合法販売の可能性につきましては、所在不明の原因と同様に、警察による捜査が行われておりまして、明らかとなっておりません。
 都といたしましては、警察の捜査にゆだねるとともに、医薬品管理を初めとした業務運営が適切に行われるよう、同センターを指導、支援してまいります。

○斉藤委員 この薬剤管理に、コンプライアンスという部分でちょっと課題が残ってしまったのではというふうに考える部分があるんです。八月二十三日にこの所在不明というのが判明するんですが、もともとは、薬剤科に勤務する非常勤職員の人が、出勤後、体調不良を訴えて、そのまま入院になってしまった。そうしたら、その人が大量の向精神薬を所持していることを、入院した病棟の看護師が発見して、ものがセンターで使っているものと同じということで、薬剤倉庫に保管していたものかどうかを確認するために、出庫実績と処方実績を調査したところ、当該薬剤が三万四千錠大量に所在不明になっているのが判明したという経緯です。そういった意味では、このコンプライアンスと同時に、薬剤管理についても非常に問題があるんです。
 私どもが伺ったときに、いろんな意見交換をした中で、薬剤管理に関しても、これだけなくなっているのにわからなかったと。少しの量が違ってもわかるような努力や工夫みたいなものがあるんじゃないか、もしくはできるのではないかというような意見も出たりしたんです。このあたりについては先般の一般質問で我が会派のくまき議員が質問をして、一定程度工夫をするというふうな話になっているんですが、その部分は、先日そういうふうに質問いたしましたので、ぜひ頑張っていただきたいと思います。
 もう一個、非常に気になるのが、この記者会見の内容によれば、その後、意識障害が続いていて、その当該の非常勤職員に対して聞き取り調査ができない状況になっている。私どもが伺ったのは先週でございますから、九月の末ですが、ずっと意識障害が続いているということなんですね。かなり大量に服薬したということが十分考えられるわけなんです。あくまでこのあたりは、本人の意識障害が戻っておりませんで、若干推論も含めてお話しする部分があるんですが、それだけの意識障害を伴うような飲み方というのは、普通ちょっとしないわけですね。このレンドルミンD錠というのは、行政の皆さんご存じのように、レンドルミンという普通に服薬するものに対して、D錠というのは水を使わずに飲めるという、最近、下痢の薬でよくあるものですけれども、そのままかんで飲めるタイプなので、そういったものでだんだん中毒症状が出てくるぐらい習慣化すると、もう山のように、お握りのようにたくさん出して食べちゃうように飲む、いわゆるそういう中毒症状を持つ。依存性が高い方はそういうことをする場合があるんですね。
 そっちの方の業界では、こういうのをよく玉砂利というらしくて、もともとは拘置所の白いご飯のことを指すらしいんですが、ご飯のように食べるという意味で、こういった向精神薬の大量一気飲みをそういうふうにいうらしいんですけれども、そういう飲み方をしてないと、ちょっとおかしいんじゃないかなと。そういうことをする前に、もともと、だんだんだんだん量をふやす飲み方をしてないと、いきなりそんなにたくさんは普通飲まないんじゃないかということが非常に気になるわけです。
 実は、これは現場の先生方にもちょっとお話を伺った部分ではありますが、そういった場合などは日常的な勤務の中で体調不良というものがあったのではないか。それは、こういったものを飲まなければ寝られないような精神症状であったり、もしくは飲んでしまったがゆえに不調を訴えていると、二つが考えられるんですが、実際、日常的な勤務の中で体調不良というものはどのように把握していたかというところも大変気になるところであります。
 ということで、人事管理という側面から、この非常勤職員の健康管理体制はどのようなものだったかということを伺いたいと思います。

○中山施設調整担当部長 ただいま副委員長からご案内のありました、記者会見で言及された当該非常勤の個別の状況につきましては、お答えは差し控えさせていただきます。
 一般的なセンターにおける非常勤職員の健康管理体制につきましては、労働安全衛生法令に基づき行われているところでございます。一カ月の勤務日数が十三日以上の非常勤職員につきましては、常勤職員と同様に、健康診断を毎年一回実施しております。その他の非常勤職員等も含めまして、日常の業務遂行状況を見ながら、指導や、必要に応じて医療機関での受診を勧奨するなど、健康管理及び健康への配慮を行っているところでございます。

○斉藤委員 今回の案件に関しては、まだ事情聴取がちゃんとできてないということで、私もこの個別の案件に関して余り細かく伺うのは差し控えるものですから、この件に関してはこれ以上質問にはしないんですけれども、ただ、今いわれている、医師の方の三十六時間勤務といわれているような無理な勤務、これは労基法の問題もいろいろあるわけですけど、医師や看護師とかの無理な勤務、また非常勤職員の勤務も含めて、健康管理に関してはそういった意味でも気をつけなければいけない話であります。
 当然のことながら、普通に働いて、だれだってきょうは調子が悪いとか、きょうは余り寝てないとかということはあったりするわけなんですが、それはそれ、そういうことがある中で、それを一々大ごとにしないこともあると思うんですが、一方でこのような大きな事案になるような、その事前の段階では、やっぱりそれなりに尋常ではないような状況があったのではないかと思います。
 そういう点では、スタッフの相互の健康管理もしくは、皆さん、全部が医療関係者なわけですから、ある程度相互に、お互いに気がついて、無理をしないシフトの組み方、こういったものにやはり全部がつながってくる話なんじゃないかなと思います。ここはまず、薬の管理体制とはまた別に、ぜひきちんとやっていただきたいところですし、きちんと工夫をしていただきたいところだと思います。
 先ほど、薬剤の保管体制については、くまき議員の方から質問があったということでご紹介したわけなんですが、この医療センター、平成二十一年四月より都立施設から地方独立行政法人に移行したわけなんですが、東京都の場合は、この地方独法だけを見ているんじゃなくて、多くの都立病院や公社病院などを抱えて、いろいろ横の広がりを見ながら、どういうのが適切な人事管理なのか、どういうのが非常に効果的な薬剤管理なのかといったものについて、恐らくそれなりに俯瞰的に見る機会が多いかと思います。したがって、東京都は、地方独立行政法人になったといっても、この業務運営に対してどの程度関与することができるのか、そこを伺いたいと思います。

○中山施設調整担当部長 法人の業務運営に当たりましては、法人の自主性に十分配慮することが必要でございますが、地方独立行政法人は、公共上の見地から確実に実施されることが必要な事務及び事業を実施するために設立する法人でございます。都は、設立団体として、ただいま申し上げた地方独立行政法人法の趣旨を踏まえまして、今後とも必要かつ的確な指導、支援を行ってまいります。

○斉藤委員 実は先日、代表質問また一般質問などのやりとりも含めて、なかなか、独立行政法人というのは東京都の方から余り手出しができないような旨の意見も職員の方から伺ったことがあったものですから、それをちょっと不思議に思っていたので、今、質問させていただきました。東京都の方で的確な指導、支援については行っていくということで、そこはしっかりやっていただきたいと思います。
 また、今回、薬剤管理に関しては、現場に行ったときに私どもも地下の倉庫も全部見せていただいたんですけれども、その中で、内部の人間がかかわったとしたら、やはりこれはちょっと無理もないかなという部分もあるんです、あくまでこれは私自身の推定なんですけれども。外からの人に対してはある程度、薬剤管理については一般的な管理体制をとって、余り勝手に人が入らないように。実際に私どもが行ったときも、地下の上の方の事務所から直接、一般の階段とは別に地下倉庫におりていって、当然のことながら下の薬剤庫からこういうらせん階段を上がって、上の調剤につながっていく部屋に持っていくというふうになっていました。多分、上下で運びやすいということもあるんですが、全く外部の人はそこに入れないというふうになっている。二つの意味で非常に個別に対策をとった構造をしていたんですが、残念ながら、内部の人間が薬を持ち出してしまったら、さすがにその部分についてはちょっと想定をしていなかった旨の意見もありました。これはもちろんそういう意見もあったということで、みんながそういうふうに思っているかどうかはまた別なんですけれども、そういう意見もありましたので、これは確かになかなか、外部の人のシャットアウトと内部の人の管理というのは全く違う技術を要しますので、この部分というのは今後の問題としてどのようにやっていくか、さっきの人事管理なんかも含めて、ぜひ頑張っていただきたいというところです。
 今回、先ほど新井議員からも話がありましたし、ほかの方からも話がありましたように、アシネトバクターの話など、これについては、院内感染、いろいろ意見もあって、もともと日和見感染に対して常在菌がつながってくるのか、MRSAなどを初め院内感染の一般的な流れですから、その部分では、手指消毒などの本当に基本事項をしっかり守っていただくということをお願いする部分なんですが、そういったことがあると、業務実績評価、今回報告に上がっているこの評価書について、都民の理解を得られるのか。やはり内容的に違うのではないかというふうに疑問を持たれてしまうようなことがあったりすることも想定されるんですが、都の所見をここについて伺います。

○中山施設調整担当部長 評価委員会は、業務実績に関する評価が客観的かつ中立公正に行われるようにするため、外部有識者により構成されております。健康長寿医療センターから提出された業務実績報告書や同センターへのヒアリング等を通じまして、業務の実績を総合的に評価した結果、平成二十一年度については全体としておおむね着実な業務の進捗状況にあるとの評価結果を得たものでございます。
 都といたしましても、今回の評価結果は適切なものと受けとめております。

○斉藤委員 しかしながら、ぜひ今回のこと、既に評価書ができ上がった後に今回の案件が二つたまたまあって、院内感染はともかくとして、今回の薬剤の大量所在不明というものがあったわけなんで、ぜひこの案件を、当然とは思いますが、次回の評価に生かしていただきたいと切に願うものであります。
 また、同時に、先ほども、その運営形態に関してはいろんな意見がありました。私ども多摩地域の者としては、これまで三次救急などについては杏林大学病院に大変頼る部分も大きかった経緯を踏まえて、東京都だからいいとか、民間だからだめとかということはない。民間だからいいというふうに私ども必ずしも思いませんが、民間で大変、私ども多摩地域は助けられた部分というのも多々ございます。
 そういった中で、今、申しましたように、薬剤の管理が、内部、外部含めて、大量になくなっているのにしばらく気がつかないとか、そういったものはまさに医療の基本の注意事項、運営の基本の注意事項でありますので、このあたりの工夫については、まさに不断の努力として頑張っていただきたいとお願いいたします。
 では、後半、清瀬療護園の民間移譲について伺います。
 先ほど、橘委員の方から現場へ行ってという話があったんですが、私も実は先日行きまして、二度も別々に都議会議員が行ったので、多分現場には大変ご迷惑をおかけしたかなと思っております。清瀬は隣なのでいつでも行けるかなというふうな思いがあったんですが、今回たまたま報告事項に上がってまいりましたので、せっかくの機会ですので、お邪魔しようということで、私も伺わせていただきました。
 運営しているまりも会自身も小平に施設がありますので、大変縁があるんですけれども、この施設については、身体障害者の療護施設の中でも、看護師を多数配置して、医療ケアの可能な施設として高い能力を持っているというふうなことは、先ほどから紹介されているとおりであります。都内に同種の施設が幾つかありますけれども、実際にそのうち、医療ケアのスタッフが配置された施設というのはどのぐらいあるのか、そこをちょっと伺いたいと思います。

○芦田障害者施策推進部長 身体障害者療護施設は、常時介護を必要とする方を入所させて治療及び養護を行う施設ですが、平成二十四年三月末までに、障害者自立支援法に基づく新体系サービスに移行する必要があります。平成二十二年四月一日現在で申し上げますと、旧法上の身体障害者療護施設は六施設、同種の新体系サービスを提供する施設は八施設あり、合わせて都内十四カ所、定員四百人となっております。新体系サービスの生活介護では、医師は必要数、看護職員は一名以上の配置が指定基準上求められております。このため、各施設では、利用者の状況に応じて必要なスタッフを配置しているものと考えております。

○斉藤委員 今、同様な施設が十四カ所都内にあるという話だったんですが、このように看護スタッフ、医療スタッフを配置しているような施設と、恐らく配置されていないような施設については、同じコストで運営するというのは当然難しいわけですね。
 今後、民間移譲したときの状態として、運営財源に関しては、移譲後は自立支援法に基づくものになるというふうなことで解釈してよろしいんでしょうか。先ほど幾つか質問がありました中で、そういうふうに類推できるところが幾つもあったんですが、事前にお話をしたとおり、私の方で用意した質問のとおりに伺わせていただきます。
 また同時に気になるのは、公募になった場合に、幾つか応募した団体があれば、当然その中から一番適切なものを選ぶというふうなことになるわけですが、その選定の場合、低いコストでの運営選定というのが条件になってくるのか、そこを確認したいと思います。

○芦田障害者施策推進部長 民間移譲後は、他の一般民間法人と同様に、障害者自立支援法に基づく国からの給付費、利用者負担金と都のサービス推進費を基本として運営していくこととなります。サービス推進費につきましては平成二十三年度に再構築を予定しておりますが、手厚い医療的ケアを必要としている方が入所されている施設に対しては、医療的ケア充実加算や特定疾病等対応加算を設ける予定でございます。
 運営事業者の審査では、事業主体の適格性や事業計画の妥当性などについて総合的に評価いたしますので、低コストであることが選定の条件となるとは考えておりません。

○斉藤委員 そうなんですね。先ほどちょっと議論の中で、一億円以上安くなりますとか、芦田部長からも話があったわけですが、別にそんなに安くする必要って、そんなに絶対じゃないような気がするんですね。確かに東京都の方から、先ほど、大山先生の質問だったと思いますけれども、給付費の方で三・七億、サービス推進費で二・七億円ぐらいが出るという話ですが、サービス推進費自体は確かに東京都の持ち出しなんで、ここがふえると都の負担というのはちょっときついということはもちろんあると思うんですが、国からの給付費というのは、この自立支援法に基づいてサービスとセットでやってきますので、いいサービスをすれば、当然その部分は加算をされます。
 そのサービスの単価が適当かどうかといわれちゃうと、これ、今、都の方で、国の方で議論をしている制度改正の問題がありますので、これちょっと、今ここで断言できるものではないんですが、基本的には必ずしも東京都の持ち出しが全部、この総コストの中の差額の約一・五億円あたりに全部都の方が責任を持っているかというとそうでもないし、また、そういう意味ではちゃんとしたサービスの手厚さみたいなものが出てくれば、それに伴って当然、自立支援法に基づく報酬というのが変わってきますので、別にそんな胸を張って、減ったからどうですというふうに、減らなきゃいけないというわけでもなく、また、減っちゃいけないというわけでもなくて、むしろふえて--減っていいとはいいませんが、東京都が全部責任を感じるようないい方をしなくても、基本的なサービスが手厚くなったり、きちんと必要なものをやって、その辺のサービスが評価されていれば、その分のお金を自立支援法に基づいてもらうという仕組みなわけですから、少しこの議論の仕方として、実際にどういうサービスを民間移譲したらやっていくんだというところに立脚点があるのじゃないかなと私は思っています。
 先ほど、建てかえという話がありました。これ、運営者の責任になるというふうなことは報告の書類にもあったんですけれども、このことも非常に重要なことであります。いつごろが建てかえの時期になるか、おおむねの予想というのが都にあるか、そこを伺いたいと思います。

○芦田障害者施策推進部長 民間移譲した施設で築三十五年を経過した建物につきましては、譲与または法人みずから建てかえていただくこととしております。清瀬療護園は移譲時には築三十六年を経過いたしますので、建てかえの時期については、建物等無償貸付契約期間の五年間が満了する平成二十八年度末までの間を予定しております。

○斉藤委員 もう何年もたたないうちに、平成二十八年ですから、大体六、七年でしょうか、ぐらいのところになると建てかえがやってくる。そのときに基本的に建てかえが順調にできるのかどうかということが、一つ、移譲を受けた団体のすぐにやってくる課題になってくると思うんですね。当然のことながら、そんなに先ではありませんので伺うんですけれども、その建てかえ費用の捻出については、選定時に、ある程度の実現性や計画性、こういったものがその選定の要件として評価されるのかどうか、そこを確認したいと思います。

○芦田障害者施策推進部長 法人による建てかえにつきましては、運営事業者を公募する際の条件の一つであるため、建てかえの実現性や計画性も含め評価をしてまいります。

○斉藤委員 先ほど、入札じゃないので、入札みたいに安いコストを提示してくればそこで受けるという話じゃないと。むしろこういった建てかえの部分も含めて、全部いい、ちゃんとした計算ができているかどうか、そこを評価してくるというのが今回の公募のところの一つの大きなポイントになっているということでいいかと思います。
 では、このような身体障害者の療護施設のニーズですね。先ほど待機者の話も若干あったわけですが、ニーズは都内で当然高まっているというふうにちょっと推測されるんですけれども、入所者、退所者の状況、または待機の状況について改めて伺いたいと思います。

○芦田障害者施策推進部長 新体系に移行した施設も含め、同種の施設における一年間の入退所者数は、平均すると、一施設当たり一名ないし二名となっております。
 待機者でございますが、福祉事務所に施設入所の申し込みをした方の数で申し上げますと、身体障害者療護施設の待機者数は、平成二十一年度末現在、百八十一名で、ここ五年間、ほぼ横ばいで推移をしております。

○斉藤委員 四百人の都内の施設の総定員数に対して百八十一名、五年間横ばいである待機者ですけど、この待機者の百八十一名が多いか少ないか、多分これは聞く人の感覚にもよると思うんですが、待機者がいないわけではない、割とそれなりにいるということであります。先ほどからるる申し上げていますように、都内には十四カ所ですか、こういった施設がある。恐らくいろんな地域の、自立支援法、またその前の支援費法、いろんな中で、同時にこういった障害者の全体数もふえている一方で、かかわる事業者の種類も、また数もかなりふえてはいると思うので、必ずこういった施設に行かなければならないというふうなことが--簡単にはいえないわけですが、ただ、どうしてもこういった施設を使わなければならないという方も確実にいらっしゃると思います。
 そういった中で、東京の中でも、清瀬市ですから、野島先生には悪いんですけれども、ちょっと端っこの方でございますので、どのくらいの希望者になるかわからないんですが、建てかえのときに、当然、今の施設を全く設計し直してつくるわけですから、入所定員の増ということもハード面で検討されることがあるかと思います。これに関して都の所見を伺いたいと思います。

○芦田障害者施策推進部長 入所施設の定員につきましては、国が削減の方針を示している中で、都としましては、グループホーム等への地域移行を積極的に進めつつ、重度障害者等の入所ニーズにこたえていくため、東京都障害福祉計画におきまして、平成十七年十月一日の入所施設の総定員数を引き続き維持することとしております。
 清瀬療護園につきましては、基本的には利用者サービスの向上という民間移譲の目的を達成するため、新たなサービス等について法人として検討の上、建てかえをしていただくという予定でございます。

○斉藤委員 先ほど、医療スタッフを初めスタッフの話も大山先生から質問があったんですが、今申しましたように、この利用者サービスの向上という民間移譲の目的、別に民間移譲しなくてもサービスの向上というのは常に僕は必要だと思っているんで、余りこれを、何かこのきっかけを一々あげつらうのはちょっと不思議に思ってはいるんで、常にやっているというふうな感じで答えていただくのが一番いいのかなと思ってはいるんですが、新たなサービス等について法人として検討の上、建てかえていただく予定であるということでした。
 もうちょっと平たくいうと、実は清瀬市あたりですと、同種の施設が過去の歴史から割と多いものですから、その地域の人を対象にした障害者の福祉サービスがどのくらい要るかというのは、これは清瀬市の計画に基づくものなので、なかなかそれを勝手にイメージするというわけにはいかないわけなんですが、一方で入所の施設のサービスについていえば、規模も含めて、建てかえのとき変えることがある、もしくは建てかえのときに、こういったサービスができるように設計をしていくということも当然あるわけですね。もちろん考え方の中には、今の規模でやっていった方がスタッフと利用者のバランスがいいということで、今の規模でやっていくことも、一つ、方法であるという意見もあるし、また一方で、少し規模が大きくなれば、いろんな部分でコストが削減できて、その分、人件費に回せるとか、そういった考え方もあると思います。これは、当然ながら移譲した事業体の経営の方針にゆだねるものでありますけれども、今、待機者がいる以上、定員をふやしていくということも当然視野に入っているし、また、私としては、そういうふうにちょっとでも定員数がふえればいいなと思うと同時に、それに見合った人材が確保できるように応援してあげてほしいというのが率直な気持ちであります。
 そこで、この医療スタッフのコスト、医療スタッフに限らないんですけれども、医療スタッフの確保については、今、大変高額になっている部分もありますので、適切に想定していくべきだと考えるわけですが、東京都の所見を伺います。

○芦田障害者施策推進部長 平成二十三年度に再構築を予定しておりますサービス推進費には、手厚い医療的ケアを必要としている方が入所されている施設に対し、医療的ケア充実加算や特定疾病等対応加算を設ける予定でございます。これにより、利用者の状態に応じて、医師や看護師、理学療法士などを配置することが可能となり、医療的ケア体制が確保できると考えております。

○斉藤委員 今の自立支援法の部分でいえば、単価設定というものは、ちょっと全体的には低く抑えられているというふうにも一般的にいわれていますので、なかなかその部分にすべてをゆだねて大丈夫といい切れない部分があります。
 ですから、そういう意味では東京都のサービス推進費というのは、こういった施設の運営にはかなり影響を及ぼしますので、この部分はやはり現場の状況を見て、サービス推進費を単純に変えろという話ばかりじゃなく、別の方法でサポートするということも、または別の名目でサポートするということもあるかと思いますので、そこはぜひ現場を見て考えていただきたいと思います。
 ちなみに、民間移譲後も現在の利用者の状況が変わらないというふうに想定した場合に、医療スタッフも現在と同様な配置をされる必要があるというふうに、ちょっと今までの答弁で考えるんですが、そういうことでよろしいでしょうか。確認をしたいと思います。

○芦田障害者施策推進部長 民間移譲後も、医師、看護師などにつきまして、現都立施設と同水準のサービスの提供のための職員体制が確保できるように対応してまいります。

○斉藤委員 ありがとうございます。この後、公募ですから、今の運営している団体のやり方を同じ団体が手を挙げて引き継ぐということもあれば、全く別のところから出てくるということもあります。ただ、建てかえが視野に入っている以上、幾ら融資があるとしても、それにたえられるようなそれまでの運営実績を持った法人でなければ、やはり任せづらいというのはあると思います。それは必ずしも今やっているところとは限りませんけれども、それなりに現場での実績があるところというふうになると思います。
 ただ、そういった場合に、もちろん古くから障害者福祉というものについては民間の団体も頑張ってきて、民間の団体が新しくつくったサービスというのはすごいたくさんあるわけで、さっきの病院と同じで、必ずしも効率が全部先を行ってるわけではないし、民間の方を応援していく部分はたくさんあるしというのは、考え方として私は一貫して変わらないんですけれども、ただ、その際に、やはり今申しましたような建てかえの計画性やスタッフの確保、そしてまた今後の展開に関してよく話し合って、もしくはその選考基準についても、さっきの一時的な金額が七億幾らになったとかいう話ではなくて、まず運営構造が違うわけですから、きちんと必要な、また待機者をある程度、順次入所させることができるような、そういった施設づくりを、これをきっかけにやっていただきたいと思います。
 まさに、民間移譲がサービスの向上の目的ではなくて、日々サービスの向上が目的になって運営をしていただくということが大事でありますので、ぜひともよろしくお願いいたします。
 以上で質問を終わります。

○門脇委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○門脇委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で福祉保健局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時五十三分散会

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