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Tokyo Metropolitan Assembly

厚生委員会速記録第九号

平成二十二年九月十六日(木曜日)
第七委員会室
   午後一時開議
 出席委員 十三名
委員長門脇ふみよし君
副委員長野上 純子君
副委員長斉藤あつし君
理事柳ヶ瀬裕文君
理事早坂 義弘君
理事三原まさつぐ君
栗林のり子君
新井ともはる君
佐藤 由美君
橘  正剛君
山加 朱美君
吉田康一郎君
大山とも子君

 欠席委員 一名

 出席説明員
福祉保健局局長杉村 栄一君
次長吉岡 則重君
技監桜山 豊夫君
総務部長梶原  洋君
指導監査部長松浦 和利君
医療政策部長中川原米俊君
保健政策部長住友眞佐美君
生活福祉部長藤田 裕司君
高齢社会対策部長狩野 信夫君
少子社会対策部長雜賀  真君
障害者施策推進部長芦田 真吾君
健康安全部長鈴木 賢二君
企画担当部長日置 豊見君
事業調整担当部長枦山日出男君
医療改革推進担当部長高橋 郁美君
医療政策担当部長山岸 徳男君
地域保健担当部長宮垣豊美子君
生活支援担当部長市川郁美子君
施設調整担当部長中山 政昭君
担当部長小室 明子君
事業推進担当部長角田由理子君
障害者医療担当部長熊谷 直樹君
食品医薬品安全担当部長鈴木 達夫君
感染症危機管理担当部長前田 秀雄君
健康安全対策担当部長中谷 肇一君

本日の会議に付した事件
 福祉保健局関係
第三回定例会提出予定案件について(説明)
・備蓄用抗インフルエンザウイルス薬(オセルタミビルリン酸塩カプセル)の買入れについて
・備蓄用抗インフルエンザウイルス薬(ザナミビル水和物吸入剤)の買入れについて
・個人防護具(ガウン等セット)外六点の買入れについて
・備蓄用抗インフルエンザウイルス薬の売払いについて
報告事項(説明)
・私債権の放棄について
・平成二十一年度地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター業務実績評価について
・都立障害者支援施設の民間移譲について
請願陳情の審査
(1)二二第一二号 線維筋痛症に関する請願
(2)二二第四一号 東京都として公共施設全面禁煙化を推進していくことに関する陳情
(3)二二第四三号 介護保険で訪問カット等が適用できるよう求める意見書の提出に関する陳情
(4)二二第四四号 都立中部総合精神保健福祉センターの病室・ホステルの存続に関する陳情
(5)二二第四五号 中部総合・多摩総合精神保健福祉センターのホステル廃止に反対することに関する陳情

○門脇委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 初めに、会期中の委員会日程について申し上げます。
 先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程のとおり申し合わせましたので、ご了承をお願いいたします。
 次に、先般の人事異動に伴い、局長及び幹部職員に交代がありましたので、川澄病院経営本部長からあいさつ並びに幹部職員の紹介があります。
 病院経営本部長に就任いたしました川澄俊文君をご紹介いたします。

○川澄病院経営本部長 七月一日付で病院経営本部長に着任いたしました川澄俊文でございます。よろしくお願いいたします。
 門脇委員長を初め委員の皆様方には、日ごろから病院事業につきまして、ご指導、ご鞭撻を賜りまして、まことにありがとうございます。
 病院経営本部は、福祉、保健医療行政と密接に連携しながら病院事業の推進に努め、医療サービスのさらなる向上を図り、都民の皆様の信頼とご期待にこたえてまいる所存でございます。
 今後とも、委員の皆様方のさらなるご理解とご指導をよろしくお願い申し上げます。
 続きまして、七月十六日付で当本部の幹部職員に異動がございましたので、ご紹介させていただきます。
 経営戦略・再編整備担当部長の齊藤和弥でございます。
 どうぞよろしくお願いいたします。
   〔理事者あいさつ〕

○門脇委員長 あいさつ並びに紹介は終わりました。

○門脇委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、福祉保健局関係の第三回定例会に提出を予定されております案件の説明聴取、報告事項の聴取及び請願陳情の審査を行いたいと思います。
 なお、提出予定案件及び報告事項につきましては、本日は説明を聴取した後、資料要求をすることにとどめ、質疑については会期中の委員会で行いますので、ご了承をお願いいたします。
 これより福祉保健局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴う交代及び管理職制度改正に伴い職務名に変更がありました幹部職員について、杉村局長から紹介があります。

○杉村福祉保健局長 福祉保健局長の杉村栄一でございます。
 私ども福祉保健局では、急激に変化する社会環境に迅速かつ的確に対応し、都民が安心して暮らし続けられるよう、大都市東京にふさわしい福祉、保健、医療施策を積極的に展開し、さらなる充実を目指していく所存でございます。
 門脇委員長を初め委員の皆様方のご指導、ご鞭撻のほど、よろしくお願いを申し上げます。
 それでは、説明に先立ちまして、このたびの人事異動によりまして当局幹部職員の交代がございましたので、新任幹部職員を紹介させていただきます。
 まず、次長の吉岡則重でございます。総務部長の梶原洋でございます。医療政策部長の中川原米俊でございます。生活福祉部長の藤田裕司でございます。少子社会対策部長の雜賀真でございます。医療政策担当部長の山岸徳男でございます。施設調整担当部長の中山政昭でございます。担当部長の小室明子でございます。事業推進担当部長の角田由理子でございます。食品医薬品安全担当部長の鈴木達夫でございます。
 次に、管理職制度改正に伴い職務名に変更のあった幹部職員を紹介させていただきます。事業調整担当部長の枦山日出男でございます。医療改革推進担当部長の高橋郁美でございます。障害者医療担当部長の熊谷直樹でございます。健康安全対策担当部長の中谷肇一でございます。最後に、当委員会との連絡に当たらせていただきます総務課長の平山哲也でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
   〔理事者あいさつ〕

○門脇委員長 幹部職員の皆さんには、それぞれのセクションで頑張っていただきたいと思います。
 紹介は終わりました。

○門脇委員長 次に、第三回定例会に提出を予定されております案件について理事者の説明を求めます。

○杉村福祉保健局長 平成二十二年第三回東京都議会定例会に提出を予定しております福祉保健局関係の議案につきましてご説明申し上げます。
 今回ご審議をお願いいたします議案は、事件案四件でございます。
 お配りいたしました資料は、平成二十二年第三回東京都議会定例会事件案とその概要でございます。
 それでは、平成二十二年第三回東京都議会定例会事件案の概要をごらんいただきたいと存じます。
 表紙をおめくり願います。整理番号1及び2につきましては、備蓄用抗インフルエンザウイルス薬の買入れについてでございます。
 都内での新型インフルエンザの大流行に備えた医療に必要な医薬品の供給及び流通用として買い入れるものでございます。
 タミフルカプセル75の買い入れ数量は八百三十二万カプセル、予定価格は十六億四千四百九十八万八千八百円、また、リレンザの買い入れ数量は八十二万箱、予定価格は二十二億三千八百六十万円としております。
 次に、整理番号3、個人防護具外六点の買入れについてでございます。
 都内での新型インフルエンザ発生時の対策に従事する保健所及び医療機関等の職員の感染防止用として買い入れるものでございます。
 予定価格は八億九千九十二万五千円としております。
 二ページをごらん願います。整理番号4、備蓄用抗インフルエンザウイルス薬の売払いについてでございます。
 新型インフルエンザの大流行により、都内における抗インフルエンザウイルス薬の供給が不安定になった場合に速やかに医療機関等に供給するため、整理番号1及び2において買い入れを行うタミフルカプセル75及びリレンザの売り払いに当たっての条件を定めるものでございます。
 タミフルカプセル75の数量上限は八百三十二万カプセル、予定単価は一カプセル当たり二百八十四・九二円、また、リレンザの数量上限は千六百四十万ブリスター、予定価格は一ブリスター当たり百五十五・五〇円でございます。
 本件の予定価格は四十九億二千七十三万四千四百円としております。
 事件案の詳細な内容につきましては、お手元の資料、平成二十二年第三回東京都議会定例会事件案をご参照いただきたいと存じます。
 以上、簡単ではございますが、提出議案の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願いを申し上げます。

○門脇委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言をお願いいたします。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○門脇委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきます。

○門脇委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、順次これを聴取いたします。

○日置企画担当部長 お手元の資料、厚生委員会報告事項をごらんいただきたいと存じます。
 一ページをお開き願います。東京都債権管理条例第十三条に基づき、福祉保健局が平成二十一年度に実施しました私債権の放棄についてご報告させていただきます。
 平成二十一年度に放棄した私債権は、看護師等修学資金で二件、旧東京都多摩老人医療センター診療料で三件の合計五件、三十三万六千八百二十円でございます。
 番号1及び2の看護師等修学資金でございますが、都内の看護師等養成施設に在学し、将来、都内で看護業務に従事する意思を有している者で、経済的理由により修学が困難な者に対して修学資金を貸与し、都内の看護職員の確保等を図ることを目的とした制度でございます。
 当該債権は、平成七年四月から平成八年二月までに貸与し、平成九年度から債務の履行が滞っている債権でございます。
 債務者及び連帯保証人に対し、催告、各種調査など徴収に向けて鋭意努力を重ねてまいりましたが、消滅時効に係る時効期間が平成二十年度までに経過していること、また、債務者が行方不明、連帯保証人が死亡等の状態で実質的に回収不能であり、時効の援用の確認を得ることができないことから、平成二十二年三月に放棄を実施したところでございます。
 次に、番号3から5の旧東京都多摩老人医療センター診療料でございますが、平成十五年度及び平成十六年度に診療を行った際の診療費の自己負担分として債権が発生して以来、債務の履行が滞っている債権でございます。
 債務者に対し、催告、各種調査など徴収に向けて鋭意努力を重ねてまいりましたが、消滅時効に係る時効期間が平成十八年度及び平成十九年度までに経過していること、また、債務者が死亡または行方不明の状態で実質的に回収が不能であり、時効の援用の確認を得ることができないことから、平成二十二年三月に放棄を実施したところでございます。
 以上、ご報告申し上げます。よろしくお願い申し上げます。

○中山施設調整担当部長 平成二十一年度地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターの業務実績評価結果につきまして、お手元の資料によりご報告申し上げます。
 恐縮ですが、厚生委員会報告事項の資料五ページ目をお開きください。地方独立行政法人制度の概要を記載してございます。
 1の地方独立行政法人の定義でございますが、記載にありますとおり、法に基づき、地方公共団体の対象事業を効率的、効果的に行わせるため、地方公共団体が設置する法人と定義いたしております。
 2の地方独立行政法人制度の仕組みと議会との関係でございますが、右の方にありますように、議決事項、条例事項、報告事項の三つに分類して列挙されております。
 今回は、このうち〔3〕地方独立行政法人評価委員会の二つ目の項目ですが、評価委員会が法人の業務実績を評価とございますように、評価委員会により評価が実施され、その結果が知事に報告されましたので、当委員会に報告事項としてご説明させていただくものでございます。
 資料の三ページ目にお戻りください。1の評価制度の概要でございますが、ただいま申し上げましたように、地方独立行政法人法に基づき、外部有識者十七名から成る東京都地方独立行政法人評価委員会の評価を受けることとなっており、健康長寿医療センターにつきましては、高齢者医療・研究分科会において評価を実施いたしました。平成二十一年四月の当法人設立以後、今回が第一回目の評価となります。
 次に、2の評価方針と手順でございます。中期計画の事業の進行状況を確認すること、法人の業務運営の向上、改善に資することなどを評価の基本方針とし、法人から提出された業務実績報告書をもとに、法人からのヒアリング等を実施いたしました。
 3、評価の概要でございますが、評価は項目別評価と全体評価について実施をいたしました。
 まず、項目別評価については、高齢者の特性に配慮した医療の確立、高齢者医療・介護を支える研究の推進、効率的・効果的な業務運営など、計三十項目につきまして、事業の進捗状況、成果を五段階で評価したもので、その結果は、資料の三ページの枠内に(1)項目別評価としてお示しをしてございます。
 評定S、年度計画を大幅に上回って実施しているとされたものは、血管病医療への取り組み、産・学・公の積極的な連携の二項目です。評定A、年度計画を上回って実施しているとされたものは、高齢者急性期医療の提供、老化メカニズムと制御に関する研究など十一項目。評定B、年度計画をおおむね順調に実施しているとされたものは、地域連携の推進、高齢者がんの病因・病態・治療・予防の研究など十六項目。評定C、年度計画を十分に実施できていないとされたものは、適正な研究評価体制の確立の一項目となっており、業務の大幅な見直し、改善が必要であると評定される評定項目Dはございませんでした。
 次に、全体評価については、項目別評価を踏まえつつ、中期計画の進行状況全体について評価したもので、全体としておおむね着実な業務の進捗状況にあると評定されました。
 資料の四ページ目をお開きください。こちらには、(2)全体評価として主な意見を記載してございます。
 アの総評としましては、地方独立行政法人化と病院と研究所の統合という大きな変革の中、高齢者医療の提供、研究の推進、法人運営などの各分野における実績は、年度計画を順調に実施したものと認められる。これまでの知見と実績を確実に継承するとともに、病院と研究所の統合のメリットを生かした新たな取り組みに向けた体制づくりを着実に実施した。東京都における高齢者医療及び研究の拠点として、その成果と知見を広く社会に発信していくことを期待するという評価をいただいております。
 イの都民に提供するサービス及びその他の業務の質の向上に関する事項としましては、血管病及び高齢者がんについて、重症患者に対する集中治療や身体への負担の少ない外科手術を積極的に実施したことを評価するなどの意見となっております。
 ウの法人の業務運営及び財務状況に関する事項としましては、迅速な経営判断と機動的な組織運営を行う体制を整備し、内部の意思決定機関の設置とともに外部有識者による運営協議会を設置し、法人外からの意見や助言を受ける仕組みを構築したことを評価するなどの意見となっております。
 エの中期目標・中期計画の達成に向けた課題、法人への要望としましては、今後、平成二十二年度からの三年間で、中期目標及び中期計画の達成に向け、実現のための手法やスケジュールを組織全体で共有し、法人内のすべての部門、会議体、事業の方向性が一致するような仕組みづくりを行うことが必要であるなどの意見となっております。
 以上が評価結果の主な内容でございますが、詳細はお手元の冊子、平成二十一年度地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター業務実績報告書をごらんいただきたいと存じます。
 以上をもちまして、平成二十一年度地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターの業務実績評価に関する報告を終わらせていただきます。よろしくお願いいたします。

○芦田障害者施策推進部長 お手元の都立障害者支援施設の民間移譲についての資料に基づき、今後の取り組みについてご説明させていただきます。
 1の民間移譲を行う対象施設は、東京都清瀬療護園でございます。施設の所在地、定員及び開設時期については、記載のとおりでございます。現在の運営形態につきましては、指定管理者による管理をしております。
 2の目的でございますが、社会福祉法人の自主性や創意工夫を生かした、より弾力的かつ効率的な施設運営を行い、利用者サービスの向上を図ることでございます。
 3の運営法人の選定につきましては、選定基準を定め、公募により適切な社会福祉法人を選定し、同法人による運営といたします。
 4の財産上の取り扱いでございますが、建物については、当面、無償貸付するものとし、その後、譲与または法人みずからが建てかえを行うこととしております。
 5の今後のスケジュールにつきましては、平成二十二年度中に公募により運営法人を選定いたします。また、平成二十三年度に東京都障害者支援施設等に関する条例の一部改正を提案させていただき、平成二十四年度から運営法人に移譲してまいる予定でございます。
 なお、移譲に当たっては、入所者が引き続き安心して生活できるよう、十分な引き継ぎを実施したいと考えております。
 以上、ご報告申し上げます。よろしくお願いいたします。

○門脇委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方はご発言願います。

○大山委員 まず、健康長寿医療センターについては八種類お願いします。
 一つは、職員の職種別、雇用形態別、定員でいいです。九九年以降。
 二番目は、決算の推移。九九年以降。
 三番目は、退職者の推移は、職種別で五年間で結構です。
 四番目は、役員の報酬、給与。これは手当等も含めてお願いします。
 五番目は、非常勤職員の給与の状況です。
 六番目は、独立行政法人化前後の病床数の比較です。これは五年間で診療科別でお願いします。
 七番目は、医師、看護師の定数と現員です。診療科別最新のものです。
 八番目は、経営指標の推移を五年間でお願いします。
 それから、清瀬療護園については、清瀬療護園の職員配置状況。職種別定員と現員でお願いします。
 以上です。

○門脇委員長 ほかによろしいですか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○門脇委員長 ただいま大山委員から資料要求がありましたが、これを当委員会の資料要求とすることにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○門脇委員長 異議なしと認めます。理事者におかれましては、要求された委員と調整の上、提出をお願いします。

○門脇委員長 これより請願陳情の審査を行います。
 初めに、請願二二第一二号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○住友保健政策部長 お手元にお配りしてございます請願・陳情審査説明表に従いまして、ご説明させていただきます。
 整理番号1番、請願二二第一二号は、町田市の町田生活と健康を守る会会長高橋治夫さん外千二百三十八名の方々から提出されたものでございます。
 請願の趣旨は、次のことを実現していただきたいというものでございます。
 第一に、線維筋痛症を都単独の特定疾患として医療費助成を認めること。
 第二に、線維筋痛症を国が特定疾患として認めるよう、国に対し意見書を提出すること。
 第三に、線維筋痛症に関する治療を社会保険診療報酬制度に組み入れるよう、国に対し意見書を提出すること。
 以上三点でございます。
 現在の状況についてご説明させていただきます。
 第一につきましては、都が単独で医療費助成を行っているいわゆる特定疾患は、有識者から成る東京都疾病対策協議会の意見を踏まえて、国の難治性疾患克服研究事業の対象疾患の中から、希少性や医療依存度、療養上の配慮の必要性などを総合的に勘案し、選定しております。
 線維筋痛症は、国の研究事業の対象となっていないこと、また、併発疾患を含めた適切な治療、管理により軽快する例が多いことなどから、都の医療費助成の対象としておりません。
 第二につきましては、線維筋痛症は、既に免疫アレルギー性疾患治療研究事業の中で研究が進められております。国の難治性疾患克服研究事業は、他の研究事業の対象となっている疾患は対象としないこととされております。
 第三につきましては、保険適用は、臨床データが蓄積され、治療の有効性や安全性が確立されたもののみが対象となります。線維筋痛症については、現在、学会を中心に治療研究が進められております。
 なお、併発疾患の治療には、保険が適用されるものもあります。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○門脇委員長 説明は終わりました。
 それでは、本件について発言をお願いします。

○斉藤委員 それでは、私の方から何点か質問させていただきます。
 この線維筋痛症、私も余り詳しく知らなかったんですけれども、実際には、インターネットなどで調べると、結構これに対する記述というのは多くて、例えばいろんなクリニック単位で、もちろん自分たちの、クリニックの方の広報という意味でサイトを持っていらっしゃる診療所なども多いんですけれども、その中にはJCFIという学会、日本線維筋痛症学会という、読んで字のごとくの学会が存在するぐらいでありまして、大変、それにかかわっている、もしくはその患者さんを受けている、研究をしているという病院やドクターも多いということがよくわかります。
 ただ、記述が多い分、学会の方が書いたもの、もしくは一般の診療所などでホームページのサイトをもって記述をしたもの、さまざまに情報がありまして、なかなか一本に確定した感じというのは、必ずしも記述の中ではないという場合もあります。
 そういう意味で、先ほど説明の中でも若干病気について触れた部分はあったんですが、福祉保健局としては、この線維筋痛症に関してどのような症状と認識をしているのか、もう少し詳しく説明をいただきたいと思います。

○住友保健政策部長 線維筋痛症の主な症状は全身の痛みでございまして、これに加えてこわばりやしびれなどの身体症状のほか、不安、抑うつなどの精神症状を呈する場合もございます。
 不眠などの睡眠障害は、約九割の患者さんで見られるといわれております。重症度や症状の経過はそれぞれの患者さんによってさまざまですが、併発疾患を含めた適切な治療管理により、軽快するケースが多いとされております。

○斉藤委員 今答弁いただいた部分以外のいろんな説明の仕方が、実はこの線維筋痛症にはありますので、その部分についても、共通した部分と、また、もっと幅広く、例えばある資料には載っているけど、ある資料には載っていないというような、多種多様な症状もございます。
 そういったものをひっくるめて、いわゆる広い意味での難病じゃなくて、狭い意味での難病というふうなことになれば、研究及び医療費の支援というものも一定以上出てくるわけなんですが、ただ実際には、今、狭い意味での、行政的な意味での難病といわれているものについては、認定について一定の条件がありまして、なかなか新しい難病指定というのも結構大がかりな話であります。
 実際に、この線維筋痛症については、どの程度こういった難病指定などの条件に合致するのか、合致をするぐあいをちょっと知りたいので、それにスポットを当てて説明をいただけませんでしょうか。

○住友保健政策部長 都の難病医療費助成制度の対象疾患につきましては、まず、国の難治性疾患克服研究事業の対象となっていること、患者数がおおむね五万人未満と希少であること、医療依存度が高く、療養上特段の配慮が必要であることなどを総合的に勘案して選定しております。
 線維筋痛症の患者さんの中には、療養上特段の配慮を必要とする方もいらっしゃいますが、国の研究事業の対象となっていないことや、患者数が二百万人程度いるとされていることなどから、医療費助成の対象とはしておりません。

○斉藤委員 今、途中で、難病の指定の部分については、患者数が大体五万人未満が一つの要件であるという説明がありました。
 実際に、今、都の説明としては二百万人ぐらいいるんではないかというお話だったんですが、ちょっとほかの、東京都の方のいっている数字以外のものをちょっと見たんですけども、例えば、一般の医師が書いているホームページなどを見ても、百万人程度はまずいるだろうというふうなことが記述してありまして、幅はあるんですけれども、しかしながら五万人未満というような数ではないと。むしろ、逆に多いのに、根本的な治療方法が見つかっていないタイプの難病というふうな形に、広い意味では難病というふうになるんじゃないかなと思います。
 また、いろいろ調べてみると、基本的にはリューマチ系の疾患であるというふうなこともあって、合併している、ほかに併発をしている病気を持っている場合と、余り併発がないような場合もあるんですが、実際にはリューマチ性の疾患との関係というのが非常に強くいわれたり、もしくは、記述によっては部分的な栄養失調、つまり全身的な栄養失調じゃなくて、こういった成分が足りませんよ、こういった体に必要な部分が足りませんよというような記述をしているものがあり、また、治療に関しても、漢方を使ったりするようなものも紹介をされております。
 もちろん、診療所によって、その人の状況に合わせて治療方法もかなり変えているところがあって、読んでいくと、当然、それに伴ってくる、治療に伴う治療費の請求額というのもかなり幅があって、非常に高い金額を請求する可能性がありますよというふうにいっている場合もありますし、また、そのクリニックの前提として、うちでやっている治療に関しては全部自費負担です、自己負担ですよということをもう明確にうたっているところもあるという、大変幅の広い状況になっております。
 ある程度、特定の疾患として認めていくには、原因追及の体制とともに、疾患そのものが単独で発生している場合のほかの合併症との区分けとかはしっかりしなきゃいけませんし、また一方で、治療法自体も、ある程度狭い範囲に少し絞れないかというふうなことをやっていく必要がありますので、なかなか今の段階で、特定疾患とするときに、ちょっとその条件に合いづらいということが多分にあるんじゃないかなということは推測できます。
 一つ、一縷の望みとしては、国で行っています免疫アレルギー性疾患治療研究事業、この部分に線維筋痛症の研究班が設置されているという点が今後非常に期待される部分なんですが、具体的にはどのような研究成果が現在上がっているのか、そこを確認したいと思います。

○住友保健政策部長 国では、平成十五年度から、厚生労働科学研究の中で線維筋痛症に関する研究班を設置し、継続して研究を進めております。
 これまでに得られた主な研究成果といたしましては、一般国民を対象とした調査を行い、線維筋痛症について実態把握を行ったほか、診療ガイドラインを策定しております。また、治療プログラムの開発も行っており、ガバペンチンという薬剤、これは抗てんかん薬の一種でございまして、米国では線維筋痛症に有効性があると確認されている薬でございますが、この薬が我が国の患者さんにも有効であるかどうか効果検証を行うなど、治療法の確立に向けた研究にも取り組んでおります。

○斉藤委員 最後、ちょっと質問ではないんですが、今まで伺った中で、私も個人で調べてみた部分で、先ほど出てきたガバペンチンについては、日本の場合は抗てんかん薬として使用することが一般的に認められているわけですが、線維筋痛症に対してこれを処方していいかどうかについてはまだこれからということで、今のところ対象外になっていると。
 ただ、このガバペンチンについては、単価自体は大変安い薬だということで、もちろん、さっきいいましたように、この線維筋痛症自体はなかなか肝心な治療法というのが見つかっておりませんで、全部がガバペンチンに頼れば大丈夫というようなことを、ちょっといい切るわけにはいかないわけで、いろんな方法がある部分で、そのいろんな方法にも、また高額なものが入っているという現状ではあります。
 ただ、今申しましたように、海外の方で有効性が認められているガバペンチンについては、今後、研究の結果として保険の対象内に入っていくということが、一番、これだけの広い範囲で対象になるような患者さんがいらっしゃるということを踏まえてみれば、そういった展開をした方が現実的にはよいのかなというふうなことを個人的には意見として持っておりますので、そういう点では、今回、質問したことで判断ができるかなと思っております。
 以上でございます。

○栗林委員 それでは、私の方からも、請願二二第一二号、線維筋痛症に関する請願についてお伺いをさせていただきます。
 この請願書の中の理由の部分にも述べられておりますけれども、線維筋痛症は、患者さんが全国で二百万人以上といわれて、日本の人口の約一・七%に当たるともいわれておりますし、また、その中で七五%は女性の、特に中高年の発症率が高いようにいわれております。
 今、部長からもご説明がございましたように、病状はさまざまで、軽い方もいらっしゃれば、激痛で起き上がることのできない、そういう症状の方と、症状にはいろいろ違いがあるようです。
 私の友人もこの線維筋痛症と闘っている、やはり女性がいらっしゃいまして、彼女に話を聞くと、もういいあらわすことのできない痛み、例えるならば、電気が体じゅうを走り回るような、そんな痛みなんだというふうに答えていますが、長期にわたり日常生活に大きな支障が起こってきている現状でございます。そのほかにも、しびれとか身体の症状、また、うつ、そういう精神的な症状が見られる場合も多くあるようです。
 私も何人かの患者さんと話をする機会がございましたので、一番困ることは何ですかって聞いたところ、ほとんどの方がおっしゃっていたのは、まず、この病名を知っている方がいないという、余りにもこの病名が知られていないということでした。
 請願の理由書にも書かれていましたが、病院に行っても知らないドクターが多くて、本当に、二十数%、三〇%ぐらいのドクターはこの病名も知らないので、やはりたらい回し状態で、八軒ぐらい行ったところで、やっと線維筋痛症という病名を教えてもらうことができた、そういった声がたくさん聞かれました。
 また、最近は小児の患者さんも見つかっておりまして、五%ぐらいいるというふうにも聞いておりますけれども、そういったことからは小児科の認知とか、また、この病気が理解されないがゆえに不登校になったり、いじめに遭ったりということも現実起きてきております。また、学校等の理解も必要ではないかと思いますし、患者さんの多くが望んでいることは社会的理解と支援だといっていらっしゃいました。
 このようなことを背景に、患者さんの多くが必要としている慢性の痛みを緩和する治療、しかしながら、この線維筋痛症の原因というものが、解明がなかなか進んでもおりませんし、治療についても、健康保険が適用になっていないという状況でございます。
 近ごろ、国の方で慢性の痛みへの対策を検討するために、検討会、これを設置したと聞いておりますけれども、この検討会の状況がどのようになっているか、お伺いいたします。

○住友保健政策部長 国では、平成二十一年度に、腰痛症や帯状疱疹後の神経痛など、多種多様な疾患により引き起こされる慢性疼痛に対する取り組みを進めるために、慢性の痛みに関する検討会を設置いたしました。その中で、線維筋痛症も含めて検討を行い、本年九月十日に検討会の提言が公表されました。
 この提言では、慢性の痛みの医療を取り巻く状況や今後必要とされる対策などが掲げられておりまして、国では、この提言を踏まえて、研究や医療体制の整備など、慢性の痛みに対する対策を進めるとしております。
 具体的には、来年度の予算概算要求におきまして、診断、治療法の開発を強化するための経費を計上し、新たに慢性の痛み対策研究事業を立ち上げるなど、慢性疼痛対策の推進を図ることとしております。

○栗林委員 ありがとうございます。この慢性の痛みを緩和する治療に向けて、また、線維筋痛症の原因の解明、治療に向けた取り組みに、その解決に向けて大きな第一歩となる検討会の設置ということでございます。
 今後、このような検討会でさまざまな研究が進んで、診断や治療の進歩、また、医療保険適用のための基礎などがここからできてくるのではないかと思います。今後、この検討会を通して国の研究も進んでくると思いますので、ぜひ都としても、これらの成果を踏まえた上で、線維筋痛症に苦しむ患者さんたちの希望が持てるようにしっかり取り組んでいただくことを要望いたしまして、質問を終わります。

○大山委員 私も質疑します。
 線維筋痛症を都の特定疾患として認めてほしい、それから、国に難病として認定するように意見書を出してほしい、それから、保険診療になるように国に意見書を出してほしいという三点の請願なわけです。
 今までのお話の中にも、本当に痛みが大変、それから、理解してもらえないということで、患者さんたちが本当に苦労されているということを私も伺いました。
 例えば、今七十五歳の女性は、お話を伺いましたら、二十五歳のときから目が痛くて、激痛が走って、最初はシェーグレンということになったけれども、後で線維筋痛症の併発であるということがわかったということや、頭痛だとかいろんな痛みがあって、最初はリューマチといわれたけれども、変形はなかったので、疲労症候群とか頚肩腕だとかさまざまな診断がされて、痛みどめしか処方されなかったというんですね。天候や気圧の変化、それから疲労度やストレスによっても痛みがひどくなったりするということなんです。五年ほど前にやっと線維筋痛症と診断されて、三年くらい前からその治療が始められたということなんです。
 本当にいろんな方々が、その痛さについてはいろいろ語っていらっしゃって、例えば、毎日が生き地獄だったというんですね。立てば痛い、歩くのは無論痛い。座るとおしりや太ももに自分の体重がかかるので、圧力で痛む。寝ても同じく自分の体重で床に接している部分が痛む。一番楽なことといえばおふろにつかっているときだろうか。このときばかりは重力から解放されて痛みが和らぐようだ。しかし、おふろから出た途端に、さらに一層体が痛む。お湯につかることで体が疲労するんだろう。こういうふうに、本当に考えただけでも息が苦しくなるような痛みだと思っています。
 先ほどの説明の中で、併発疾患を含めた適切な治療管理により軽快する例が多いというふうにおっしゃっていましたけれども、実際の数字というのはどうなっているんでしょう。

○住友保健政策部長 線維筋痛症の診断には、米国リューマチ学会の診断基準が用いられております。
 この基準では、三カ月以上続く全身の痛みがあることと、全身の十八カ所の圧痛点、これはいわばつぼのようなものでございますけど、そこを指で圧迫して、十一カ所以上で痛みが認められるなどの所見があれば、線維筋痛症と診断できるとしております。
 線維筋痛症につきましては、国の研究班において実態把握のための調査が行われておりますが、病態や予後等の詳細なデータはまだ把握されておりませんが、これまでに得られている知見についてご説明させていただきます。
 研究班の重症度分類の試案では、五段階に重症度を分類しておりまして、最も軽症のステージ一、これは、痛みはあるものの日常生活に重大な影響はなしというレベルでございますが、これに該当する患者さんは四四%、最も重症のステージ五、これは激しい痛みで、日常の、通常の生活は無理と、不可能というレベルでございますが、これに該当しますのが六・一%、また、一年間の経過を調査した結果では、治癒したという方が一・五%、軽快五一・九%、不変三七・二%、悪化二・六%とのデータが示されております。

○大山委員 今の数字というのは、厚生労働科学研究費補助金という、さっきの研究事業の報告書の中身だと思いますけれども、結局、病態や予後等の詳細なデータ等は示されていないということなんですよね。結局、研究も緒についたばかりといえると思うんです。学会はどうかなと思ったら、昨年十月に初めて第一回の学会が開かれたばかりということなんです。
 痛みは、体調によっても、天候やストレスのぐあいなどによっても違うということで、ある方は、つらかった出来事で、線維筋痛症には治療法がないといわれたことなんだということと、あと、痛みに波があって、ふだん痛みがある日には車いすで生活をしていて、体調がいい日は歩けるから歩くんです。しかし、その後、痛くなったときに車いすを押してもらおうとお願いしたら、歩けていたのにおかしい、こんなことまでいわれてしまうわけです。
 昭和四十七年の難病対策要綱においては、難病は、一つは、原因不明、治療方針未確定であり、かつ、後遺症を残すおそれが少なくない疾病、二番目が、経過が慢性にわたり、単に経済的な問題のみならず介護等に著しく人手を要するために家族の負担が重く、また精神的にも負担の大きい疾病と定義されているわけです。線維筋痛症は、やはり原因が不明で治療方針が未確定だということ、それから、本当に精神的な負担というのは大きい、身体的にも大きいということでは、やはり実態を明らかにして、原因の解明だとか治療の研究が必要な疾患であるということですよね。
 治療法が確立していないから保険適用もされないと。治療法を確立するためにも、やはり国が責任を持つことが求められているわけですから、国に対して、東京都や私たち議会が意見を出すというのは重要なことだと思っています。
 難病について、東京都は国の指定以外に単独で指定してきた経過がありますけれども、その単独で指定してきたときの考え方というのは何でしょうか。

○住友保健政策部長 都が単独で医療費助成を行っている疾患は、有識者から成る東京都疾病対策協議会の意見を踏まえまして、国の難治性疾患克服研究事業の対象疾患の中から選定しております。選定に当たりましては、病気の希少性や医療依存度、療養上の配慮の必要性等を総合的に勘案して対象疾患を決定しております。

○大山委員 国の難治性疾患克服研究事業の対象疾病の中から選んで医療費助成も都単独でできるようにということで、総合的に勘案してということですけれども、順次、東京都の単独の指定をしてきたわけですよね。そういうことでしてきたんだけれども、国の難治性疾患克服研究事業の対象疾病、すべて東京都単独の難病に認定したんでしょうか。

○住友保健政策部長 国の難治性疾患克服研究事業は、百三十疾患が対象となっております。都が医療費助成の対象としておりますのは、国指定の疾患、都単独助成の疾患、合わせて七十九疾患でございまして、国の難治性疾患克服研究事業の対象疾患のすべてを対象としてはおりません。

○大山委員 かつて東京都は、国の難治性疾患克服研究事業の対象疾病から、毎年東京都指定の難病をふやしてきた。しかし、すべて認定したわけではなくて、最近はふやしていないわけですね。いつから指定をしなくなって、その指定しなくなった理由というのは何なんですか。

○住友保健政策部長 国では、昭和四十七年にベーチェット病など四疾患に対して医療費助成を開始し、以降、順次対象疾病を拡大してまいりました。都では国と同様に、昭和四十七年から医療費助成を開始いたしまして、国の対象疾患の追加の状況や、都の特殊疾病対策協議会の意見を踏まえまして、都単独助成の対象疾患を追加してまいりました。平成十七年度に脊髄空洞症を対象疾患に追加した後は、都単独助成疾患の追加は行っておりません。
 なお、国に対しましては、特定疾患治療研究事業の対象疾患、いわゆる医療費助成の対象の拡大を図るよう提案要求をしております。

○大山委員 提案要求はしているんだと。しかし、東京都特殊疾病協議会の意見を踏まえて指定してきたということだけれども、十七年度までは、それで意見を踏まえて認定してきたんだと。しかし、その特殊疾病対策協議会、この意見を踏まえてということなんですけれども、その協議会の中で、東京都独自の難病認定をふやすべきではないというような意見が出されてきたんでしょうか。

○住友保健政策部長 都では、先ほど申し上げましたとおり、その特殊疾病協議会の意見を踏まえまして拡大をしてまいりましたけれども、現在のところ、拡大をするべきであるという意見はちょうだいしておりません。

○大山委員 拡大しちゃいけないという意見はあったんですか。

○住友保健政策部長 そのような形でお諮りをしてございません。

○大山委員 東京都がこれを検討してくださいと、こういうわけですよね、提案するわけですよね。そこで、もうこれ以上ふやす必要はないんじゃないかとかということは出ないわけですよね。意見を踏まえているというよりは、意見を聞いていないということじゃないんでしょうか。結局、東京都は、国以上のことはやらないということなんですよね。
 患者は、痛みで何にもしたくないとか、したいけれども、体が動かないときもあるんですよね。医師が保険がきく薬を使ってくれているという人もいるし、保険がきかない薬の患者もいます。しかし、痛みは続いているから、痛みを静めるために漢方薬を使ってみたり、これがいいといってみればやってみたり、はりやマッサージなんかもしたり、筋肉がもうかちんかちんになっているんだと。痛いときにはタクシーも乗らざるを得ないわけですよね。しかも、多くの方が仕事が続けられない。頑張って続けている人もいますけれども、続けられない患者もいる。そして、収入も減ったり、なくなったりする上に、医療費だけでなくて、痛みを少しでも和らげるためにさまざまな経済的な負担も大きいわけですよね。
 このような経済的な負担、それから精神的な負担に関してどのような認識を持っているんでしょうか。

○住友保健政策部長 線維筋痛症につきましては、全身の痛みが主症状でございまして、そのほか精神症状、身体症状などを呈する疾患であるというふうに認識しております。

○大山委員 そういうことなんですよね。それで、精神的にも経済的にも大きな負担になっているというのは明らかなんです。同時に、生活への支援も不可欠だといえるわけですね。
 ですから、各地域でいろんな動きもあります。宮崎県議会では昨年六月の議会で、県独自の難病にしてほしいという請願が全会一致で可決しました。小金井市議会や京都市議会は、既に二〇〇四年に国の難病に認定するようにという意見書を、これも全会一致で国に提出しています。そして、町田市議会では、ことしの六月十日の本会議で、線維筋痛症を都単独の特定疾患として医療費助成を認めてもらえるよう意見書を提出してくださいという請願が、民主党も公明党も自民党も賛成をして採択されているんです。東京都議会は全国への影響も大きいです。だからこそ、この請願を採択して、都議会としても行動することが必要です。
 以上です。

○門脇委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立をお願いします。
   〔賛成者起立〕

○門脇委員長 起立少数と認めます。よって、請願二二第一二号は不採択と決定いたしました。

○門脇委員長 次に、陳情二二第四一号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○住友保健政策部長 お手元にお配りしてございます請願・陳情審査説明表に従いましてご説明させていただきます。
 整理番号2番、陳情二二第四一号は、江戸川区の河村昌弘さんから提出されたものでございます。
 陳情の趣旨は、第一に、条例などを整備し、平成二十二年二月二十五日付厚生労働省健康局長通達、受動喫煙防止対策についてにおける公共施設全面禁煙の趣旨にのっとり、都内での喫煙対策を早急に推進していくこと、第二に、神奈川県のように条例を制定して、都内の公共の場所である職場や飲食店等の全面禁煙化を都として条例などを通じて推進し、とりわけ都有施設は速やかに喫煙所を廃止して完全禁煙化すること、以上二点でございます。
 現在の状況についてご説明させていただきます。
 東京都は健康増進法に基づき、東京都受動喫煙防止ガイドラインや東京都健康推進プラン21新後期五か年戦略を策定し、都立施設も含めた公共の場所の受動喫煙防止に取り組んでおります。
 具体的には、受動喫煙による健康影響や防止対策の必要性等について、事業者や施設管理者等を対象とした研修を実施するとともに、リーフレットの活用等により普及啓発を積極的に行っております。
 さらに、受動喫煙の機会が多いとされる飲食店については、禁煙や分煙の取り組みを促進するためのリーフレットや、店内の状況にあわせて禁煙等の表示ができるステッカーを作成、配布するなど、受動喫煙の防止対策を進めております。
 なお、平成二十二年二月二十五日付の厚生労働省健康局長通知につきましては、受動喫煙防止の趣旨の徹底を図るため、区市町村、関係団体等に対して速やかに周知を行いました。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○門脇委員長 説明は終わりました。
 本件について発言をお願いいたします。

○新井委員 陳情二二第四一号、東京都として公共施設全面禁煙化を推進していくことに関する陳情に対して、意見表明をさせていただきます。
 公共施設全面禁煙化についての陳情です。私どもも、禁煙、分煙の推進は急務と考えており、大きな方向性として、受動喫煙防止は大変重要なことと考えております。
 いわずもがなですが、副流煙には、本人が吸う主流煙の四・七倍の一酸化炭素、依存性のあるニコチン二・八倍、発がん物質を含むタール三・四倍が含まれているといわれます。たばこを吸っている本人もですが、周りの人への影響も深刻です。大人でもがんや心不全のリスクを高めますし、子どもにはぜんそくや乳幼児突然死症候群など、深刻な病気を引き起こします。また、最近ふえている低体重新生児の原因にもなるといわれており、東京都には受動喫煙防止のため、禁煙や分煙を推進する取り組みを一層強化し、推進していただきたいと思っております。
 一方で、禁煙室の廃止はケース・バイ・ケースとも考えております。適切な方法で分煙を実施すれば、ある程度禁煙の状況に近づけることができると伺っております。逆に、きちんと換気をしていないと、かえって喫煙を許可したところで、建物環境中に有害物質が放出されるということにもなってしまいます。
 また、大きな建物、ビルで勤務する方が、喫煙室がないとたばこを吸うのにも五分もかけて野外に出るということになっては、被用者という立場上、いろいろと問題もあるかと思います。適切に換気された喫煙室。つまり、ただ場所を分けるだけでなくて、有害物質を含む煙が非喫煙者のいる空間に極力流れないのが分煙だということです。現段階では、これを徹底していくことがまず第一だと思っております。
 以上で、この陳情については不採択といたしたいと思います。

○野上委員 同じく、陳情二二第四一号に関連して何点か質問させていただきます。
 たばこが健康にさまざまな悪い影響を与えることは、これはもう科学的にも実証されています。昨年の世界保健機構の報告書によると、平成十六年におけるたばこによる死亡者数は、全世界で約五百十万人にも上ると推計されております。たばこは、わかっているだけでも二百四十種類の有害な化学物質を含んでおりまして、この有害な化学物質というのは、地球上にある物質の中で最も強力な発がん性を持っている物質だということです。ですから、がんとか心筋梗塞など、命にかかわる病気のリスク因子ともなっております。
 特にこの副流煙というのは、フィルターを通さない分、主流煙よりも有害物質が多く含まれております。最近、私の友人のご主人が亡くなりました。その方はずっと新聞記者をしておりまして、職場の状況で、がんがんにみんながたばこを吸っている中で、本人は一切たばこは吸ったことがなく、仕事熱心で一生懸命やっていたんですけれども、受動喫煙の状況の最たるもので、そこで肺がんになって、ぎりぎりまで仕事を続けながら亡くなられました。
 手記を残しておりましたけれども、本当に自分の人生がこういう形で終わることに対して非常に無念だ、残念だということをこの手記の中で残していらっしゃいました。確かに被害者なわけでございます。たばこを吸わない方の健康を守るためにも、受動喫煙防止対策というのがやっぱり大事で、これを進めていかなければいけないわけでございますが、私もこれまでたびたび都議会の場で、受動喫煙防止対策とか、未成年の喫煙防止対策の重要性について訴えてまいりました。
 特に受動喫煙を受ける機会が多い場所として飲食店が挙げられるわけでございますけれども、この飲食店での受動喫煙防止対策の重要性を申し上げてきました。その中で、昨年、私は、利用者が店を選択しやすくなるように、店の入り口に、この店が禁煙なのか喫煙なのか分煙なのかわかるような表示をするマークを作成してはいかがですかということで提案をして、これを受けて東京都はステッカーを作成したとお聞きしております。
 この作成されましたステッカーはどのように活用されたのか、その活用方法、経過についてお伺いいたします。

○住友保健政策部長 都では平成二十一年度に店内の禁煙、分煙の取り組み状況を店頭に表示するためのステッカーを作成いたしまして、現在までに区市町村や保健所、都内の飲食店関係団体などを通して約八万枚を配布いたしました。さらに、ステッカーの利用を希望する方が入手しやすいよう、ホームページからダウンロードできるようにしております。あわせて、店舗の禁煙、分煙への取り組みを呼びかけるリーフレットを作成、配布いたしまして、飲食店での受動喫煙防止対策の推進に努めております。

○野上委員 これは大変に工夫をされておりまして、時間等も記入できるように工夫してあります。確かに面積の広い飲食店では、区切ってきちっと喫煙コーナー、禁煙コーナーとできるんですけれども、狭いところは、なかなかそういうふうに仕切りもできないということで、時間による分煙もできるように、このシールで時間がきちっと張れるように、表記できるように工夫されておりました。すばらしいものだなというふうに感心をしておりました。これによりまして、飲食店の分煙とか禁煙対策がより一層進むように、継続をして取り組んでいただきたいと思っております。
 また、今年度は、職場での受動喫煙防止対策がどのように進められているのか調査をされていると聞いております。具体的にこの調査する事業所数とか、調査した結果の活用方法についてお伺いいたします。

○住友保健政策部長 今年度、都内の事業所四千カ所を対象といたしまして、職場の受動喫煙防止対策の実施状況の調査を実施いたします。具体的には、事業所でどのような受動喫煙防止対策を行っているのか、実施に当たって工夫したことや対策を講じた成果等について調査を行います。調査で得られた結果や取り組みの好事例につきましては、他の事業者にも広く紹介することなどにより、職場での受動喫煙防止対策の推進に活用してまいります。

○野上委員 会社などで働く人にとっては、職場は長時間過ごす場所ですから、ぜひ事業主の方々には、受動喫煙防止対策を徹底していただきまして、従業員の健康を守るための努力をお願いしたいと思っております。
 取り組み方法についても、他の会社の様子等がわかり、自分の会社にも取り入れていくこと等が大切だと思っております。会社等ではよくいわれるのは、勤務時間にたばこを吸いたくなって席を立つ回数が余りにも多い人がいると。勤務時間のロスタイムを考えると効率も悪くなる。例えば都庁のような大きな建物ですと、確かにさっき新井委員がいわれたように、一本たばこを吸いに行くにも、喫煙場所がないと五分ぐらいかかりますよね、下までおりて。たばこを吸ってまた上がってくる。すごい効率が悪くて大変だなと思うので、都庁なんかのような場合には、かなりお金をかけてきちっとした喫煙ルームをつくったということになっておりますけれども、こうしたほかの職場での事例等を紹介する方法として、これからいろいろな方法が考えられると思うんですけれども、ぜひ東京都のホームページに載せるとか冊子にするとかリーフレットにする等、検討していただければと思います。これは要望でございます。
 次に、未成年の喫煙防止についてお伺いいたします。
 ひところ健康日本21というのがありまして、それは二〇一〇年、今年度までに未成年の喫煙をゼロにするという、そういう目標を掲げておりました。でも、なかなかこれは厳しい結果だと思っております。
 成人になってからたばこをやめるのはなかなか大変なことです。また、たばこを吸い始める年齢が若いほど健康被害が大きいともいわれております。十四歳以下で喫煙を始める人は、吸わない人に比べて三・八倍の早死にをするとかといわれております。というわけで、未成年の喫煙を防ぐことが大事だと思っております。
 未成年の喫煙は法律で禁止されているのですから、本来、未成年の喫煙率はゼロでなくてはいけないのですけれども、平成十九年度、中学校一年生の喫煙率は、男子生徒で一・七%、女子生徒で一・三%と大変残念な結果が出ております。
 平成二十年度の厚生委員会で未成年の喫煙防止についても質問した際に、小中学生、それから高校生からポスターを公募し、優秀作品を表彰したとのご答弁をいただきました。ポスター制作を通じて、児童生徒がみずからたばこの害や喫煙防止について学ぶことは、将来にわたっての健康を考える上での基礎にもなります。二十一年度、それから二十二年度のポスターの募集の取り組みの状況についてお伺いいたします。

○住友保健政策部長 未成年の喫煙防止を呼びかけるポスターにつきましては、平成二十一年度は二千十六点の応募がございました。その中から小学生五点、中学生四点、高校生三点の作品を優秀作品として選定いたしました。昨年の十二月に都庁展望室において表彰式を行うとともに、作品の展示をいたしました。
 今年度につきましては、教育委員会等の協力を得て、都内すべての小中学校、高校を対象に応募を働きかけておりまして、現在作品を募集中でございます。優秀作品につきましては、未成年者の喫煙防止の啓発に活用してまいります。

○野上委員 東京都でも、ポスター募集のほかにも中学生へのリーフレットの配布など、いろいろな取り組みを行っていらっしゃいます。このような取り組みは今後もぜひ続けていただければと思っております。
 がん研究の平山先生が残された言葉の中に、親が子どもに残すことの最大の遺産は、子どもにたばこを覚えさせないことだ。親は体を張ってでも、子どもに喫煙させてはいけないという言葉がありました。
 もう一つ、完全に受動喫煙を防止することは困難であることから、将来的には公共の空間の禁煙化が進むことが望まれると思います。対策を進めるためには、条例を制定することも一つの手法だと思います。しかし、東京都は規模も大きく、多種多様な業種、業態の企業やお店が集まっております。条例で一律に規制することで効果を上げることは、現時点では難しいのではないかと考えます。
 先ほどお聞きした店頭表示用のステッカーやリーフレットの作成、配布を初めとした取り組みを着実に進めていただいて、受動喫煙防止への自主的な取り組みが進むように頑張っていっていただきたいと思っております。
 また、東京都は、ニコチン依存症治療に保険が適用される医療機関のリストをホームページに掲載しているとお聞きいたしました。以前に比べ、保険診療で禁煙治療を行う医療機関もだんだんにふえてきていると聞いております。禁煙を希望する方々への支援、情報提供もしっかりと続けていただくことを要望して、私の質問を終わります。
 以上です。

○門脇委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立を願います。
   〔賛成者起立〕

○門脇委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二二第四一号は不採択と決定をいたしました。

○門脇委員長 次に、陳情二二第四三号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○狩野高齢社会対策部長 お手元にお配りしてございます請願・陳情審査説明表に従いましてご説明させていただきます。
 整理番号3、陳情二二第四三号、介護保険で訪問カット等が適用できるよう求める意見書の提出に関する陳情は、神奈川県中郡大磯町の全日本訪問美容支援協会会長伊勢田優さんから提出されたものでございます。
 陳情の趣旨は、都において、国に対し、介護保険の給付基準を緩和し、受給者にとって生活習慣として不可欠な訪問カット等が適用できるよう求める意見書を提出していただきたいというものでございます。
 現在の状況についてご説明いたします。
 介護保険の給付には、要介護者、要支援者に対する全国一律の介護給付、予防給付のほかに、市町村が独自に実施する市町村特別給付がございます。市町村特別給付は、地域の実情やニーズを踏まえて、区市町村が独自の判断により対象者や実施内容を定めるものであり、訪問理美容サービスはその中で実施されております。
 なお、現在、都内では、訪問理美容サービスを一区が市町村特別給付として実施しているほか、四十二区市町村が介護保険外の単独事業として実施しております。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願いいたします。

○門脇委員長 説明は終わりました。
 本件について発言をお願いいたします。

○斉藤委員 それでは、二二第四三号について、何点か質問をいたします。
 たまさか私、個人的に訪問の理美容については十年ぐらい前からちょっと縁があって、いろいろやっていらっしゃる事業者さんとも話をする機会が非常に多かったんですが、そのころから少し意見として伺っていた、どの程度、公的な、福祉サービス的な要素として認めていくべきだろうかという議論が当時からあったのを今回、陳情いただいた中で思い出しております。
 ただ、今、介護保険との関係について、都の方から説明があったわけなんですが、介護保険施設、単純にいえば特別養護老人ホームとか老人保健施設などにおいて、例えば事業者、理容もしくは美容の業者さんが施設に訪問をしてカットする場合というのは、日常生活に要する費用として勘案されまして、実際に理容代、美容代については自己負担というふうになっております。
 実際に、人によって髪の伸び方も違いますし、その部分では、じゃ、この日にやりますよといっても、百人いれば百人全員がその日に切る必要が絶対にあるというふうなこともなかなかいえないものですから、自分で自己判断ができる、それを自分でやってほしいという気持ちが表に出せるというような場合でしたら、自分で希望をいっていただくと。そしてまた、介護している側が見て、もうそろそろ切らないとねという部分であれば、その介護者側の方、もしくは介護している施設の職員等の判断でカットをするというふうなことで、結構手間をかけて適切な時期に理美容を行っているというのが現実であります。
 施設側としては、当時、なるべく入っている人全員に公平にサービスしなきゃいけないという立場から、回り回って勘案すると、みんなに一回ずつちゃんといっているよねというふうな感じにしたいという施設側の方の事情は多分にあったんですが、なかなかそれを保障するために結構施設側もかなり苦労されて工夫をしてくれていた、そういうような経緯が過去にございます。
 その中で、こういった費用面についての話、もちろんあったんですが、先ほど申しましたように、実際には保険適用になりませんし、あともう一つは、施設側がもらっているお金の方から、公平に全員出していくというような感じではなく、その実績として、その人の一般に使える個人のお金から出しているというふうな形になっています。これについては、今病院なんかでいわれているホテルコストみたいな扱いで理美容の費用というのは昔からとっているという形になっています。もちろん、そのとっているお金の中に、訪問をするための移動に関するコストなども含んで理美容代を業者さんが徴収をして、その中で実際に自分たちの事業者の交通費というふうにしているというケースが大半でありました。
 そういうふうにやっていますので、今の介護保険の給付のあり方から照らし合わせれば、恐らくカットする費用というのは、今のルールでは、自己負担というものが、公的な財源をもってその分をやるというのは、なかなか一般的には不向きかなというふうなことは推測できるんですが、今回、そういった過去の経緯も踏まえて陳情が出されていると思います。
 先ほど話がありましたいわゆる介護給付、そして市町村特別給付というのがあるわけなんですが、実際にちょっと財源などについて確認をしたいんですけれども、介護給付の対象外となっているこの訪問理美容サービスについては、介護保険においてどのように取り扱われているか、そこをちょっともう一度確認したいと思います。

○狩野高齢社会対策部長 介護保険の給付には、介護保険法で定められた全国一律で実施される介護給付、予防給付のほかに、市町村が要介護及び要支援高齢者を対象に、第一号被保険者の保険料を財源として、条例により独自に実施する市町村特別給付がございます。
 訪問理美容サービスについては、例えば紙おむつの支給や移送サービスなどとともに、この市町村特別給付において実施できることが例示されてございます。したがいまして、訪問理美容サービスは、介護給付及び予防給付には含まれないと解されます。

○斉藤委員 市町村特別給付ということであれば、一種介護保険の中に入っているサービスというふうなみなされ方をしますので、そういう点では介護保険で行っているといういい方になるのかなと思います。
 先ほどの説明では、一つの区については介護保険の制度として、市町村特別給付枠でこの訪問理美容に関しては支援をしているというふうに聞いております。そのほか、四十二区市町村で、介護保険外の自治体の単独事業として、これを実施しているというふうなことでありました。
 さて、恐らく内容に関しても多少の幅があると思うんです。先ほど申しましたように、介護保険の施設の中でのアクションとしては、実際にカットする費用に関しては、保険とかじゃなくて、全くの自己負担というふうに扱っているようですけれども、実際に市区町村が行っている単独事業などについていえば、カットに関するお金に支援が行っていたり、もしくは、その移動に関するところにお金が行っていたりというふうなことで、恐らく若干の幅があると思うんですが、利用者負担のあり方や具体的な実施内容、理美容事業者への支援内容について幅があると思うので、そのあたりについて、わかる範囲で結構でございますので、ご説明をいただきたいと思います。

○狩野高齢社会対策部長 訪問理美容サービスの対象者の要件につきましては、本事業を実施している四十三区市町村のうち、三十七区市町村が六十五歳以上の要介護または寝たきりの方を対象としており、四区が四十歳以上の要介護または寝たきりの方、一区は六十歳以上の要介護の方、一村はすべての寝たきりの方を対象としております。
 利用者負担につきましては、本事業を実施している四十三区市町村のうち、三十二区市町村が利用者負担を徴収しており、負担額につきましては、百円台から二千円台までと幅広くなっております。
 事業者への助成内容につきましては、出張料金あるいは理髪代金のみ助成している自治体もあれば、出張料金、理髪代金ともに助成対象としている自治体もあり、区市町村によってさまざまでございます。

○斉藤委員 もともとの陳情文などを見ても、サービスの統一というのは、本当は事業者としてはやっていただいた方がわかりやすい部分なんでしょうけれども、なかなかそれが図れない。特に市境にある美容院で、例えば過去に来ている、元気なころ、よく来ていただいた方が通ってくるのに、こっちの市ではこういうサービスで、かなりの自己負担がなくなるというのがあるけれども、一方で市境を越えて来ていただいた人などは交通費しか出ないなど、そういうふうに、多分、実際に事業者がいざ行くとなると、行く先によって補助のあり方とか、その支払い方法もかなり違っているということなんで、事業者としては、できれば統一してもらえたらというのは、実際に日々感じていることなんだろうなと思います。
 統一するという意味でも、介護保険というのをぜひというふうな思いがあることは大変よく理解できます。ただ、今の流れの中で、例えば高齢者や障害者の方に訪問をしているという部分でいえば、実際に今サービスとして存在しているものについては、大体二週に一遍、もしくは大体が週に一遍というのが大変多いので、訪問理美容みたいに、どちらかといえば一カ月もしくはそれ以上というふうなサービスというのは、ちょっと余りたくさんないということで、サービスとして設定しづらいという事情もあると思います。
 また同時に、最近あります、わざわざいろんな買い物をかわりにやってきてくれる--かわりにやってくるというと、ちょっと語弊があるのかもしれませんが、例えばスーパーとかで頼むと、その買ったものを持ってきてくれるものから、実際にインターネットもしくは電話などで、コンビニレベルのお店であっても、その品物を届けてくれるというふうなサービスがありますので、そういったことも、じゃ、逆に介護保険に入ってくるのかという、そういった一定の比較論みたいなものの中で、訪問理美容が最初に来るかどうかということも、昔はちょっと思いつかなかった部分ですが、実際には今後は考えていかなければならないところかなというふうに思っています。
 今現在、介護保険の中でも、同じ給付といっても、例えば生活援助の中の掃除について見ても、ここまでやったら大掃除になるからだめですよ。ここまでだったら日々の掃除、つまり、最低限必要な日々の掃除、つまり、衛生状態を保つために、生活環境をある一定程度文化的なものにするための最低限の掃除というものが分かれておりますので、実際に今の介護保険を使って事業を行っている事業所にとってみても、じゃ、自分たちが適用になっているから、何でもできるかといったらそういうわけではなく、換気扇の掃除しかだめですよとか、洗剤を使って洗っちゃうと大掃除ですよみたいな部分があって、区分けについても非常に悩ましいところでございます。そういう点では、なかなか介護保険に適用するといっても、決して、なれば天国ならざるは地獄みたいな、それぐらいの大きな差になるかどうかというのは、ちょっとまだ、必ずしもなれば全部うまくいくんだということではないのかなというふうに思っております。
 そういう点でいえば、介護保険の給付の理念というのが、結構こういうときに大事になってまいりまして、この理念に照らして訪問理美容のサービスについて、ある程度介護保険にしてもいいんではないかというふうな部分があれば、これはやはり前進をさせるべきかなと思うんですが、実際にこの介護保険の給付の理念に照らしたときに、この訪問理美容サービスについては、現在どう考えられているか、そこを伺いたいと思います。

○狩野高齢社会対策部長 介護保険における給付は、介護保険法の第一条によれば、要介護状態になり、入浴、排せつ、食事等の介護や機能訓練並びに看護及び療養上の管理などを要する人に対して、その有する能力に応じ、自立した日常生活を営むことができるよう、保健医療サービス及び福祉サービスを提供するものでございます。
 副委員長お話しのとおり、介護保険施設等に入所している方の理美容代は、要介護状態の有無にかかわらず、日常生活においても、通常必要となる費用であることから、介護給付の対象外となってございます。同様に訪問理美容サービスも、日常生活において通常必要となる費用であり、全国一律の介護給付及び予防給付に含まないと介され、市町村特別給付で実施することとなります。
 また、介護保険制度の改正を審議する国の社会保障審議会におきましても、現在、二十四年の次期制度改正に向けた検討が行われておりますけれども、訪問理美容サービスを介護給付とするか否かについて、論点に上がってはおりません。
 なお、市町村特別給付で実施するか単独事業で実施するかの実施方法や、出張料金、理髪代金ともに助成対象とするか否かなどの事業の実施内容につきましては、区市町村の判断によるものと考えております。

○斉藤委員 今、三点目の答弁の部分のあたりが一つの判断基準になるのかなというふうに思います。実際に、自治体の単独事業と知られているケースの方が、介護保険の市町村特別給付事業でやってるよりもはるかに多いということで、恐らく介護保険の方でやるところよりも、単独でやった方がすっきりするとか、もしくはサービスの設定の仕方が結構自由度が高いとか、いろんな部分で、そっちの方が、実際に自治体がやるにしてはちょうどいいみたいなところがあって、逆にいえば、介護保険の中の市町村特別給付っていうのは、自治体としてはやりづらい部分があるのかなというふうに思います。
 もちろん、これは財源が介護保険からというふうな部分が一番大きな違いなんですけれども、結局、介護保険もかなり市町村の方で工夫して会計をやっていますから、そこに行けば、市町村全部楽になるという話では恐らくないということもあって、単独事業でやっている件数も多いのかなと思いますが、このあたりについては、今後、なるべく市区町村が横の連携の中で統一をしていくということも含めて、また各自治体の方の情報収集、東京都の方に当たっていただきたいなと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

○門脇委員長 よろしいですか--はい。
 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立ください。
   〔賛成者起立〕

○門脇委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二二第四三号は不採択と決定いたしました。

○門脇委員長 次に、陳情二二第四四号及び陳情二二第四五号は、その内容に関連がありますので、一括して議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○熊谷障害者医療担当部長 お手元にお配りしてございます請願・陳情審査説明表に従いましてご説明させていただきます。
 整理番号4番、陳情二二第四四号、都立中部総合精神保健福祉センターの病室・ホステルの存続に関する陳情は、大田区の古怒田幸子さんから提出されたものでございます。
 陳情の趣旨は、都において次のことを実現していただきたいというものでございます。
 内容について順にご説明いたします。
 まず、一、病室及びホステルを日々増加する心の病、精神疾患患者の社会復帰のステップとして、現段階では存続することというものでございます。
 次に、二、入院期間の短期とは、一年なのか三年なのか五年なのかを計画に明示することというものでございます。
 次に、三、毎日、訪問の体制をとるに当たっては、まず実態調査をしてから開始することというものでございます。
 次に、四、訪問体制の実施は区市町村が主体としているが、各区市町村の準備状況はどうか明らかにすることというものでございます。
 次に、五、心の病、精神疾患(引きこもり、うつ、統合失調症、アルコール依存症、薬物障害ほか)に対する東京都の取り組み計画の全容について明らかにすることというものでございます。
 現在の状況について、まず、一及び二についてでございますが、精神保健福祉センターの病室及びホステルは、社会資源が未整備な状況においては、精神科病院から地域に移行する際の中間施設としての機能を果たしてきました。
 近年、地域への移行支援やグループホーム等の地域生活基盤の整備が進んできているものの、その一方で、地域で生活する精神障害者の中には、医療の中断により入退院を繰り返す事例なども生じており、地域における対応力の強化が課題となっております。
 このため、精神保健福祉センターは、地域の関係機関への支援をより一層重視する方向に機能転換することとしました。
 病室及びホステルについては、本年度末に廃止し、これまで培ったノウハウを地域で安定した生活を送ることが困難な精神障害者に対する支援に活用していきます。
 見直し後の施設については、症状の悪化などにより一時的に地域生活が難しくなった場合に短期的に利用できる施設として活用することを検討していきます。
 次に、三及び四についてでございますが、都内三カ所の精神保健福祉センターでは、今年度から、医療の中断により入退院を繰り返すなどの困難な事例について、区市町村や保健所と連携し、訪問型支援を行うモデル事業を実施しています。
 この事業においては、精神保健福祉センターの医師、保健師、精神保健福祉士等から成る多職種チームが、対象者の症状や家族の状況等を把握した上で、関係機関との事例検討会や同行訪問等を重ね、地域の医療や福祉サービスにつないでいくことにより、地域生活の安定化が図られるよう支援を行っております。
 次に、五についてでございますが、都は、東京都障害者計画及び東京都保健医療計画を策定し、これらに基づいて精神障害者施策を推進しているところです。
 なお、精神保健及び精神障害者の福祉に関する事項の調査審議機関である東京都地方精神保健福祉審議会においては、昨年六月から、学識経験者、医療福祉関係者、当事者、家族等で構成する委員が、地域で生活する精神障害者を支える具体的取り組みについて検討を行っています。
 続いて、整理番号5番、陳情二二第四五号、中部総合・多摩総合精神保健福祉センターのホステル廃止に反対することに関する陳情は、中野区の木村和子さんから提出されたものでございます。
 陳情の趣旨は、都において、中部総合精神保健福祉センター及び多摩総合精神保健福祉センター、以下センターと申し上げます、に関する次のことを実現していただきたいというものでございます。
 内容について、順にご説明いたします。
 まず、一、ホステルの生活訓練としての機能を存続させ、改善することというものでございます。
 次に、二、ホステルを短期間にするならば、共同体によってもとの生活に戻すため、技術をもって回復させるリカバリーや認知行動療法などを取り入れることというものでございます。
 次に、三、明確な医療計画をつくり、医療における人件費を増額することというものでございます。
 次に、四、センターの救急としての機能に係る設備は、特別の場所に新しくつくることというものでございます。
 次に、五、地域におけるホステルの代替施設をつくることというものでございます。
 次に、六、事務職員が精神保健に対する教養を持ち、障害者や家族の立場に立って考えられるようになることというものでございます。
 次に、七、専門医療を伴う地域訪問体制と、急変時において医師がすぐ駆けつけられる早期対応のシステム、ACTTなどを一刻も早くつくることというものでございます。
 現在の状況について、まず、一及び二についてでございますが、精神保健福祉センターの病室及び……

○門脇委員長 熊谷さん、その一及び二は先ほどとほぼ同文だと思いますので、次に進んでいただいてよろしいかと思います。

○熊谷障害者医療担当部長 三についてでございますが、精神保健福祉センターは、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律に基づき、精神保健福祉に関する技術研修や普及啓発、調査研究等を行う機関であり、医師、保健師、福祉職、心理職等の専門職を適切に配置しております。
 なお、今年度からモデル実施している訪問型支援事業においても、医師、保健師、精神保健福祉士等の多職種チームにより、適切な支援を行っております。
 次に、四についてでございますが、都では、民間病院や診療所の参画も得て、精神科初期救急医療、身体合併症を含む精神科二次救急医療、緊急措置入院等の精神科緊急医療の体制を確保しております。
 次に、五についてでございますが、都では、退院促進支援事業等の実施により、精神障害者の円滑な地域移行を進めるとともに、障害者の就労支援・安心生活基盤整備三か年プランに基づき、グループホーム、ケアホームの整備及び運営に対して補助を行うなど、地域生活基盤の整備を計画的に進めております。
 なお、精神保健福祉センターの病室、ホステル見直し後の施設については、症状の悪化などにより一時的に地域生活が難しくなった場合に、短期的に利用できる施設として活用することを検討しています。
 次に、六についてでございますが、東京都地方精神保健福祉審議会においては、当事者団体や家族会の代表等が委員として参画し、精神保健及び精神障害者の福祉に関する事項を調査審議しています。
 また、各事業の実施に当たっては、日ごろより当事者、家族、関係機関の意見を把握し、適切に反映するよう努めております。
 次に、七についてでございますが、都内三カ所の精神保健福祉センターでは、今年度から、医療中断により入退院を繰り返すなどの困難な事例について、区市町村や保健所と連携し、訪問型支援を行うモデル事業を実施しています。
 この事業においては、精神保健福祉センターの医師、保健師、精神保健福祉士等から成る多職種チームが、対象者の症状や家族の状況等を把握した上で、関係機関との事例検討や同行訪問等を重ね、地域の医療や福祉サービスにつないでいくことにより、地域生活の安定化が図られるよう支援を行っております。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願いいたします。

○門脇委員長 説明は終わりました。
 本件について発言をお願いします。

○新井委員 二二第四四号、都立中部総合精神保健福祉センターの病室・ホステルの存続に関する陳情、二二第四五号、中部総合・多摩総合精神保健福祉センターのホステル廃止に反対することに関する陳情に対して質問させていただきます。
 今回質問するに当たり、吉田康一郎委員と協議をして、私の方で総括して質問をさせていただきます。吉田委員からは、丁寧な質疑を民主党として行うよう要請を受けていますので、しっかりお聞きをしていきたいと考えております。
 先日、中部総合精神保健福祉センターに視察に行きました。病室、ホステルを初めとしますセンターの業務について話を聞いてきました。中部総合精神保健福祉センターでは、精神科病院から地域へ移行する上で、中間施設として、病室での入院生活とホステルでの入所生活を通じ、生活訓練などを行っており、平成二十年度は五十二名が病室及びホステルを経由して、地域に移行したということでした。
 入所者は、専門職スタッフによる支援や関係機関との調整のもと、服薬や病状の管理、食生活、金銭管理など、日常生活に必要な技術を練習して身につけ、作業所への通所を開始し、グループホームなどを利用して地域生活に移行しているということでした。
 精神障害者の地域移行が進む今、過去の精神医療事情からつくられた精神保健福祉センターが、従来どおりのやり方を続けることには限界があると感じています。このような中間施設は、社会資源が未整備な状況においては一定の役割を果たしてきましたが、近年では、急速に精神患者がふえるという背景もありますので、別の角度から見れば、効率が悪い体制で運営しているともいえ、より幅広くセンターの専門的人材を活用するとともに、支援対象者の拡大を図ることが課題であると考えております。
 こうしたことから、精神保健福祉センターが機能転換し、訪問型支援に取り組むことは重要であるとともに、訪問型支援の取り組みができるためには、精神疾患の入院患者が退院して、円滑に地域生活に移行できることが重要であると考えております。
 そこでまず、都におけます精神科病院から地域生活への移行取り組みの状況を伺います。

○熊谷障害者医療担当部長 都は、第二期東京都障害福祉計画において、受け入れ条件が整えば、退院可能な精神障害者二千五百人の地域移行を目指すとして現在取り組んでおります。
 そのための基盤整備として、平成二十三年度末までに、障害者グループホーム、ケアホームの定員を五千五百十四人にすることとしており、平成二十二年三月末現在の定員数は四千四百二十三人でございます。
 特に一年以上の長期入院をしている精神障害者に対しては、平成十八年度から退院促進支援事業を本格実施しております。この事業は、都内十二カ所の相談支援事業所等の退院促進コーディネーターが病院に出向いて、院内のスタッフと連携し、入院中からのグループホームへの体験宿泊なども交えながら、地域の関係機関と調整し、円滑な地域生活への移行と生活の安定を支える取り組みでございます。
 一方、精神科病院においても、平成十八年度以降、診療報酬改定の都度行われてまいりました退院支援に対する評価の充実などを背景として、入院中からの生活訓練など、退院支援の取り組みが進んできております。

○新井委員 病院から地域に移行する際、移行する前に、地域での保健師、就労先の作業所などの職員、身の回りを世話するヘルパーさんなど、支援関係者との支援体制の確認、情報共有が大切だと考えております。必要な情報が関係者間で引き継がれ、情報共有することにより、適切な支援を行うことが重要であります。都の取り組みを伺います。

○熊谷障害者医療担当部長 情報共有につきましては、入院中から退院促進コーディネーターが中心となって、保健所などの地域の関係機関職員を集めて個別ケア会議を開き、家族や病歴の情報、現在の状況などを記載した様式を活用しながら、関係者間で情報を共有し、目標と支援計画の策定及びその更新を行っております。
 また、都は、支援者向けの地域生活支援ガイドブックを作成し、この中で、地域生活支援に当たっては、連絡ノート等を活用するなど、日常的な情報共有の工夫が必要であることを示して、情報共有の促進を図っております。

○新井委員 これまでの質疑で、精神科病院の入院患者が円滑に地域生活に移行し、安定した生活を継続できるよう取り組んでいることを理解しました。今後も引き続き、患者やその家族、また、直接支援をしている最前線のスタッフの声を踏まえ、きめ細かな支援を行っていく必要があると考えております。
 さて、都は、今年度から地域生活の継続が困難になったケースに対し、精神保健福祉センターの多職種チームが訪問型支援を行う事業モデルを実施しております。精神障害者の支援においては、病院関係者からは、本人に病識がないことが多いのが支援の難しさであることを聞きました。また、本人のつらさはもちろんのことですが、本人の家族からは、支える家族の苦労も並大抵のものではないということを聞きました。本人に病識を持たせ、治療の必要性を認識化させ、医療につなぐとともに、家族に対しても必要な支援を行うことが重要ですが、訪問型支援では、どのように取り組んでいるんでしょうか。

○熊谷障害者医療担当部長 現在実施しておりますモデル事業においては、未治療や治療中断などにより、地域での安定した生活が困難な事例に対して、センターの多職種チームが、区市町村、それから保健所などの職員とともに同行訪問などを行い、医師の見立てに基づく支援計画の策定や本人に対する相談支援、受診の勧奨などを行い、必要な医療につなぐことを目指しております。
 また、ご家族に対しても、本人の病状の説明や病状に応じた家族の対応の指導、相談支援などを行い、きめ細やかなサポートを行っております。
 実施状況ですが、区部は二十三区全域を、多摩はモデル地域として西多摩二次保健医療圏を対象地域に実施し、平成二十二年七月十三日現在、三センターで四十九事例、都立精神保健福祉センター二十事例、中部総合精神保健福祉センター二十三事例、多摩総合精神保健福祉センター六事例を継続的に支援しております。

○新井委員 ホステルを活用した方が地域に移行していくに当たっては、ホステルに長くいればいるほど、地域へ移行すること自体が大きな環境の変化なので、地域に移行した後も医療につながっていることが重要であると考えております。
 ホステルを活用していた方に当たっては、不安定なときに再度活用したいと思うと思いますから、今後は病院を活用していくのが本質であると思いますし、また、病院の方が患者さんの期待にこたえなければならないと考えております。
 ただ、なかなかそうするには至らないので、アウトリーチも含め、地域サービスが、丁寧に配慮していただく必要があると思います。
 精神障害者の地域生活の移行が進む中、訪問型支援へのニーズは高いと思います。まず、センターとして、訪問型支援にはどのような体制で臨むのでしょうか。そして、将来的には、区市町村など身近な地域における支援力の向上を目指すべきではないでしょうか。

○熊谷障害者医療担当部長 訪問型支援の本格実施に向けては、現在実施しておりますモデル事業について、チームの人数、職種の構成、センターの支援の期間など、具体的に評価、検証し、都内全域の事例に対応できることを目指して、これまで精神保健福祉センターで培ってきた専門スタッフによるノウハウを生かし、効率的かつ効果的な体制で臨むよう必要な体制を検討してまいります。
 訪問型支援では、同行訪問や支援技術についての研修などを通じて、地域における困難事例に適切に対応できる区市町村などの人材育成も進めており、今後、その検証を通じて、より効果的な形での本格実施を目指してまいります。

○新井委員 訪問型支援をしていても、やはり症状の悪化により、入院するほどではないですが、地域での生活を継続することが困難になるケースも生じると思われます。このような場合の対応はどうするのでしょうか。

○熊谷障害者医療担当部長 訪問型支援の一環として、地域に住む精神障害者が入院には至らない程度の症状の悪化があった場合に、地域での生活環境から短期的に離れ、休息ができ、しかも必要な医療が提供されるような機会の提供が必要と思います。
 また、地域に戻るに当たり、家族、近隣との調整や、通院の継続、障害福祉サービスの利用などの支援も必要でございます。センターの病室、ホステルの廃止の後は、短期的に宿泊できる施設として活用していくことを検討してまいります。

○新井委員 短期宿泊機能の確保も必要ですが、さらに緊急時の場合には、精神科救急医療での対応ということになると思います。精神科救急は、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第二十四条に基づく警察官の通報による緊急措置入院などと、二十四条通報以外の対応である、初期、第二次救急医療から成っております。また、各救急医療機関の機能が十分発揮できるよう司令塔の役割を果たす精神科救急医療情報センターを設置し、患者などの相談に応じるとともに、各医療機関への案内を行っています。夜間、平日については、二次救急では輪番体制で民間の二病院、初期救急では民間二病院、一診療所で対応しています。しかしながら、輪番体制をとっている病院から離れている場合や、最寄りの救急医療機関へ搬送する場合、受け入れまでにかかる時間が比較的長くなると聞いております。
 そこで、精神科救急医療の現状と今後の検討状況についてお伺いします。

○熊谷障害者医療担当部長 都は、民間病院や診療所の参画も得て、精神科初期救急医療、身体合併症を含む精神科二次救急医療、緊急措置入院等の精神科救急医療の体制を確保しております。これは委員ご指摘のとおりです。
 体制の充実については、東京都地方精神保健福祉審議会に、精神科救急医療部会が設置され、現在、議論が行われております。昨年十一月に出されました中間のまとめにおきましては、例えば日中に適切な治療につながらなかったため、夜間に精神科救急の対象となるケースが少なからずあるなどの課題が指摘されたところでございます。今後、審議会での検討状況を踏まえ、精神科救急医療体制の充実を図ってまいりたいと思います。

○新井委員 今回、病室、ホステルの廃止に関連して、精神保健福祉センターの入所訓練や訪問支援を中心に質問しましたが、センターでは、入所訓練以外にも通所による訓練も実施しており、認知行動療法を取り入れるなど、障害者の状況に応じた支援を行っています。
 今度も精神障害者を取り巻く状況の変化に応じた支援を実施し、精神保健福祉施策を推進する技術的中核機関としての、精神保健福祉センターとしての機能をより一層発揮していくことを期待して、私からの質問を終わりにします。

○門脇委員長 間もなく三時になりますが、終了まで質疑を続行したいと思いますので、よろしくお願いいたします。

○野上委員 陳情二二第四四号と四五号に関連して、質問をさせていただきます。
 昨日、私たち都議会公明党も、十四名という大量の人数で都立中部総合精神保健センターを視察させていただきました。主な理由は、さっき新井委員がいわれたように、特に認知行動療法について視察をさせていただきまして、いろいろなセッションも、私たち議員も一緒になって、簡単なセッションですけど、受けてまいりました。それから、その中のホステルの視察もさせていただきました。
 ちょっと印象的だったのが、雨漏りがしていて、それを水で受けて、バケツが置いてあったという、そこら辺が、かなり老朽化した施設なんだなというようなイメージがありましたけれども、何人かの方が生活の訓練をしていらっしゃいます。大変落ちついた感じで過ごしていらっしゃったということで、多分これは精神科病棟からいよいよ地域に戻るための訓練機関という、そういう大事な役割を果たしてきたところだと思います。だんだん、この世の中が非常に、経済状況も厳しくて、精神を患って来られる方が、大変数が多くなる、こういう時代状況の中で、なぜこういう大事なホステル機能を持った精神保健福祉センターを廃止するようになったのかという、いろいろ機能転換を図っていくということも書いてありましたけれども、改めてその理由についてお伺いいたします。

○熊谷障害者医療担当部長 精神保健福祉センターの病床及びホステルは、社会資源が未整備な状況においては、精神科病院から地域に移行する際の中間施設としての機能を果たしてまいりました。近年、精神保健福祉施策が入院医療中心から地域生活中心へと大きく転換する中、地域への移行支援や地域生活基盤の整備が進み、また精神科病院における退院支援の取り組みも積極的に行えるようになっております。そのような中で、精神科病院から中間施設を経ずに円滑に地域生活に移行できるケースが着実にふえております。
 一方、地域で生活する精神障害者の中には、医療中断などにより症状が悪化し、地域生活の継続が困難になるケースも生じており、地域における対応力の強化が求められています。そこで、精神保健福祉センターは地域の関係機関への支援をより一層強化する方向で機能転換し、病床及びホステルについては今年度末に廃止するとともに、これまで培ったノウハウを生かして、区市町村や保健所と連携し、地域で安定した生活の継続が困難な精神障害者に対し訪問型支援等を行ってまいります。訪問型支援については、今年度からモデル実施しておりまして、区市町村や保健所との密接な連携のもと、センターの医師、保健師、福祉職等の専門職チームが保健所などと同行訪問を行い、地域生活の継続に向けた支援を行っております。

○野上委員 この中間施設のホステルをなくして、そこにいらっしゃる医療従事者、チーム何々というんでしょうか、チーム訪問事業とか、多職種チームとか、何かわからないんだけど、そういうチームをつくって、いざというときに区市町村の中で大変な、精神的に非常に困難な事例を抱えているところに、手が挙がったところにさっと大挙して支援に行くという、そういうイメージを持っているんですけれども、これも今までモデル事業をやってこられたということをお聞きしているんですけれども、モデル事業の具体的な実績、どのような事例があって、どういう支援をしたらどうなったかというようなものをちょっと教えていただければと思っております。

○熊谷障害者医療担当部長 平成二十二年七月十三日現在、三つの精神保健福祉センターで四十九事例、都立精神保健福祉センター二十事例、中部総合精神保健福祉センター二十三事例、多摩総合精神保健福祉センター六事例を継続的に支援しております。モデル実施地域については、区部は二十三区全域とし、多摩地域は西多摩二次保健医療圏にて実施しております。
 訪問型支援の一例を挙げますと、例えば統合失調症で医療中断しがちで、家族も受診に非協力なために病状が悪化し入退院を繰り返していた事例で、昼夜問わず、どなるなどの行為があり、近隣から苦情が寄せられていたような事例がございます。
 このような事例に対して、具体的には、区市町村などからの支援要請に基づき、精神保健福祉センターの医師、保健師、福祉職などの支援チームが保健所などとの同行訪問を繰り返し実施し、本人や家族と面談して、受診の勧奨を行うとともに、医療機関、福祉サービスも含めた関係機関と合同での事例検討会を開催し、支援計画を策定いたしました。訪問支援を繰り返す中で、ご本人も次第に治療の必要性の認識を持つようになり、またご家族からも通院、服薬の必要性などへの理解がある程度得られるようになり、ご本人の自発的な医療機関受診につながりました。今後は、区市町村が主体となって、医療継続のための支援を実施してまいることとなると思います。
 以上です。

○野上委員 今のイメージだと、とにかく地元の保健所が手を挙げて来てねといって、保健所の職員だけでは大変厳しい状況があるので、アウトリーチ型のチームが地域に駆けつけていって、一応これを病院とかにつなげていくという、そういう流れかなと思っております。なかなか、地域生活を送る中で症状が悪化してしまって、地域生活での継続が困難となるケースが少なからずあるわけでございます。こうしたときに、訪問型支援と各区市町村での保健所とうまくタイミングを合わせながら危機を回避していくようなことが大事だと思うんですけれども、やはり、どうしても宿泊型というんですか、なかなか地域で見ることが困難で、どこも受け入れてくれないようなときに、そういうホステルのような機能を残していきながら、短期宿泊できる機能を確保することも必要なんじゃないかなと、すごく心配しているわけです、私的には。それは実際にどうなんでしょうか。

○熊谷障害者医療担当部長 訪問型支援の一環として、地域に住む精神障害者が入院には至らない程度の症状の悪化があった場合に、地域での生活環境から短期的に離れ、休息ができ、必要な医療も提供されるような機会の提供は必要でございます。また、地域に戻るに当たり、家族、地域との調整や、通院の継続、障害福祉サービスの利用の支援も、短期宿泊から地域に戻るに当たって必要となります。ご指摘のような地域の実情やモデル事業の実施状況等を十分に踏まえ、センターの病室、ホステルの廃止の後に短期的に宿泊できる施設として活用することを検討してまいります。

○野上委員 これ、質疑通告にはちょっとなかったんですけれども、どれぐらい宿泊できるかとか、そういうのは、まだこれから検討状況でよろしいんですか。これからの中身ということでよろしいんですかね--はい。それでは、アウトリーチ型の訪問型支援事業というのはすごく大事だと思っております。これからいろいろ協議しながら、アウトリーチ型の訪問型支援のチームがどれぐらいできるのか、これからの協議だとは思うんですけれども、あくまでも地域の中で区や市の保健所の機能の強化も大事だと思っております。ですから、保健所の機能の強化、そしてアウトリーチ型の訪問事業の強化、お互いに連携をとりながら、連携体制を整えながら整備を進めていくことが必要と考えますけれども、これはいかがでしょうか。

○熊谷障害者医療担当部長 都は、今年度から二カ年の計画で地域精神科医療ネットワークのモデル事業を行い、精神科における病診連携や、精神科と一般科との連携、医療と福祉サービスの連携を促進し、精神障害者が身近な地域でタイミングよく適切な医療やケアを受けられる体制整備を都内二圏域で図ってまいります。区部においては、区東北部二次保健医療圏、多摩においては南多摩二次保健医療圏をモデル圏域として実施しております。

○野上委員 最後に要望ですけれども、これから始まるわけですけれども、特に私たち議員のところに相談に来るのが大体土曜日だとか日曜日だとか、医療機関が停止しているようなところとか、あと夜中、夜間とか、そういうときが多いわけです。できればアウトリーチ型の訪問型支援なども、将来的にはそういう、大変だとは思うんですけれども、三百六十五日二十四時間の体制で、都民が安心して、電話一本で駆けつけてくれて、助けてくれるみたいなイメージになってくるとありがたいのかなと思っております。今後、精神科の医療体制の構築というのは、非常に大変だと思っておりますけれども、ぜひ協力をして進めていただければと思っております。
 以上で終わります。

○大山委員 私も質疑します。この二つの陳情は、精神保健福祉センターのホステルを廃止するのではなくて、存続させて、それから精神科医療をさらに充実させてほしいという、ざっくりいっちゃうと、そういうことですよね。私、このセンターのホステルについては三月の厚生委員会で質疑したわけですけれども、センターの病室とホステルについては、部長さんが精神障害者の円滑な地域移行に一定の役割を果たしてきたと答弁されて、その役割を評価していたわけです。
 先ほどからのやりとりを聞いていると、今、モデル実施しているアウトリーチ支援のモデル事業というのは、医療の中断だとか未治療だとかということで、家庭や地域で問題行動が起きてしまったり、それから地域生活の維持に困難があったときに、保健所から連絡が来て、そして対応すると。主には受診の勧奨、地域の保健所で対応困難なケースへの対応だということですよね。それはそれで必要だし、やらなきゃいけないことだと思うんです。今までも精神保健センター、福祉の保健所と協力して訪問はしていたと思うんですけれども、アウトリーチ、今、やはり地域の精神科も地域医療を中心にという流れが大きくなってきていて、日本でもACTTだとか、それから病院からのアウトリーチだとか、いろいろあるわけですけれども、私、三家クリニックという診療所でアウトリーチをやっていらっしゃるところに調査に行ってきたんです。
 それで、大阪の寝屋川市で開業していらっしゃるんですけれども、現在は院長先生、それから精神保健福祉士、看護師、作業療法士、介護支援専門員ら、これ、さまざまな専門職が必要に応じて訪問して、患者と同じ場所で同じ時間を共有しながら、また来てもいい、そういう約束をとって、顔見知りになるところから始まって、適度な間合いをとりながら、必要なときにタイムリーに情報を提供して、本人が選択をして決定に参加してもらうというんです。利用者の直接支援とともに、家族の労をねぎらう姿勢を持って、家族とのつながりをつくって、家族関係の改善を進めることが重要なんですと強調していらっしゃいました。
 そうすると、日ごろからかかわっていると、危機介入の必要性というのは少なくなるんだというんです。ここの三家クリニックでのアウトリーチ支援の目的で最も多いのは、訪問されることを積極的に望んでいないとか、病状が不安定とか、初対面の場を自宅にするとか、それから将来の目標とか生きがい探しなどの心理的、社会的サポートなんです。援助関係を押しつけるんじゃなくて、人と人とのつながりを大切にするんだということなんです。このクリニックでは、八一年に開設するんですが、患者さんが必要としていることにこたえる中で、だんだん規模が大きくなってきたんです。三年ぐらい前からスタッフが充実してきたこともあって、積極的に院外に出ていくアウトリーチ支援を特に重視していると。待っているだけでは支援を必要とする人に会えず、何も前に進まないのが患者、家族の状況で、これを打開するためにはアウトリーチが有効であるとの判断もアウトリーチ重視のきっかけになったんだということなんです。
 現在は常勤、非常勤合わせて、医師、看護師、精神保健福祉士、作業療法士など、約三十八人の職員で、月に延べ三百件、実人員で百五十人に及ぶアウトリーチを行っているということなんです。今、東京都がモデル実施をしている未治療だとか、医療中断等によって家庭や地域で問題行動を起こしていたり、地域生活の維持に困難を呈しているというケースも必要ですけれども、早期の、重くならないうちのアウトリーチ、これも必要だと思いますが、これについてはどう考えているんでしょう。

○熊谷障害者医療担当部長 今年度から始めた訪問型支援のモデル事業は、区市町村や保健所との緊密な連携のもと、医療の中断等により症状が悪化し、地域での生活が難しい等の事例に対して支援を行うものであり、本格実施に向けて事業の評価、検証を行ってまいります。

○大山委員 今やっているというのは、さっきから答弁もされているし、それはそれで必要だというのはいっているわけですけれども、私、聞いたのは、地域での生活が困難になる前、早期にというか、初期の段階でもアウトリーチしていくという、必要性について聞いたわけなんですね。今の答弁というのは考えていないということなんでしょうか。それとも、本格実施をするために、本格実施については、そういうところも含めて、ぜひやってもらわなきゃいけないと思っています。
 これは、こころの健康政策構想会議、五月に出した提言書です。起草委員長は、松沢病院の院長の岡崎先生、それから事務局長は、東京都医学研究機構東京都精神医学総合研究所の西田淳志先生です。東京はもちろんですが、全国からこの構想会議に、医療関係者や家族会、当事者も加わって提言書がつくられました。提言を出すに当たって、前書きでは、国民の心の困難に対処すべき精神保健や医療施策が、重症化した精神疾患への対応である精神科入院医療を中心にされてきた。精神疾患が重症化するまで手をこまねいていたともいえます。外来診療では三分または五分診療、家族の相談や支援のための時間はなかなかとれない。心の困難への啓発や予防などの精神保健、早期発見や早期治療、心を病んだ人々が地域で生活していけるような専門チームによるアウトリーチを含む支援や、病んだ後でも就学、就労できるような支援の仕組みの導入は大変おくれている、こう強調しているんです。それが必要なんだということなんです。
 松沢病院や東京都医学研究機構東京都精神医学総合研究所のメンバーも、保健所のメンバーも、深くかかわったこの提言を、まず、ほとんど地元といっていいと思うんですけれども、地元の東京で実践することが重要なことなんじゃないかと思うんですが、どうですか。

○熊谷障害者医療担当部長 まず、アウトリーチ支援につきましては本格実施に向けて事業の評価、検証を行ってまいります。それから、こころの健康政策構想会議は、当事者や家族、サービス提供者、研究者などが任意に集い、精神保健医療改革のビジョンなどを検討することとしているものでございます。本構想会議の提言書についてはさまざまな意見が出されておりますが、本構想会議のメンバーである委員から、参考資料として東京都地方精神保健福祉審議会に情報提供されました。

○大山委員 さまざまな意見はもうある。だからこそ、構想会議は精神疾患の経験を持つ当事者、それから、その家族、サービス提供者、研究者など四十名以上が集まって、精神保健医療改革のビジョンと具体策について検討を行ったわけですよね。それが地精審に資料として出されたというのは、これは重要なことだと思いますし、ぜひ生かしていかなきゃいけないと思いますし、任意に集いということですけれども、その発足式には厚生労働大臣も出席して、こころの健康政策構想会議への期待というテーマであいさつもしているわけです。ですから、ぜひともこれを積極的に受けとめていってもらいたいと思っています。
 それで、こころの健康政策構想会議が基本としたのが、当事者と家族を初め、国民のニーズを主軸に据える、それで地域精神医療だとか早期支援が今の世界の大きな流れといえるわけです。この構想会議の基本が、やはり世界の大きな流れといえるんじゃないかということなんです。それで、「世界の精神保健医療」、こんな本あったんですね。こんな本があって(「逆さまですよ」と呼ぶ者あり)逆さまでしたか。こういう本がありました。
 それで、四番で、前半の方なんですけど、世界における精神保健医療の共通の流れとして、大まかにいえば入院中心主義から地域精神医療へ、さらには家族及び利用者参加医療へという方向をたどっているように思える、こう述べているわけです。
 ですから、この陳情にもあるように、やはりきちんと当事者の意見も本当に生かしていく。それから地域での生活を保障する。それは危機介入とか、それから重症になって大変な状況になったというところからじゃなくて、本当に早期支援をアウトリーチでもやっていくということが非常に重要だと思っています。
 東京都では、アウトリーチをするためのモデル実施を始めたばかりなわけです。ですから、三月に答弁されたように、地域移行に役割を果たしているセンターのホステルや病室は存続させながらというのは、ごく当たり前のことではないかと思っています。だからこそ地域で、東京で地域精神科医療を目指す、そういうことだったらセンターの病室やホステルを閉鎖して、その人員をアウトリーチに向ける、そういう低い位置づけではなくて、精神疾患、保健対策の位置づけを抜本的に高めていく、強めていくということが必要だと思っています。
 WHOが疾患の政策的重要度の指標として、DALYという健康・生活被害指標を使っているわけですけれども、この指標は病気により失われる命と、障害により損なわれる健康生活を足したものです。OECD諸国ではこの指標のトップが精神疾患で、日本も同じ、精神疾患がトップです。イギリスでは、このDALYの指標を正面から受けとめて、がん、循環器疾患、精神疾患を三大疾患と位置づけて、精神保健を重要な国家課題と位置づけて、十年間の精神保健改革で、早期支援、多職種から成る専門家アウトリーチチームによる、若者、家族への支援などを中心に抜本的に改革して、予算も思い切って出して、例えば自殺率を一五%下げています。このDALYの指標をどう認識して、精神疾患対策を三大疾患という位置づけで、東京都も精神疾患対策に本格的に取り組むときだと考えていますけれども、どうでしょう。

○熊谷障害者医療担当部長 WHOが疾患の政策的重要度の指標として用いているDALYについては承知しております。我が国においては、精神疾患への罹患に伴うさまざまな損失について算出がなされつつあるところでございます。国によって疾病構造はさまざまであり、我が国では、がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病を四疾病と位置づけ、医療体制の構築に取り組んでおるところであり、また、精神疾患についても東京都保健医療計画に基づき対策を講じております。地域で生活する精神障害者を支えるための取り組みは重要であり、現在、東京都地方精神保健福祉審議会において、精神科医療提供体制の整備について審議がなされております。

○大山委員 今、国では四疾病なんだということですけれども、WHOの指標、DALYの指標では、OECDの諸国でも、それから日本も精神疾患が一番なんですよね。それは重要なことだと思うんです。それで、イギリスだけじゃなくて、どう位置づけるかというのは重要で、DALYの話は、五月十一日に皆さんで、厚生委員会で視察したときに秋田県の方からも話がありましたよね。DALYを受けとめて、秋田県でも自殺対策を県の重要な政策として位置づけてきたという話を聞いて、とても参考になった重要な視察でした。
 四人に一人が精神疾患にかかり、そのうち一人は十五歳までに精神疾患を体験しているといわれているわけです。精神科の早期介入で重要な子どもたちへの教育についても、さっきの三家クリニックに行った同じ日程で、三重県立こころの医療センターにも調査に寄ってきました。津市内の中学校で、松沢病院の職員や医師、看護師、それからケースワーカーが中学三年生への授業を実践しているんです。私も知らなくてびっくりしたわけですけれども、東京には豊かな人材がいるということなんじゃないでしょうか。同時に、このチームは津市で五千人の中学生の調査もしているんです。
 ですから、東京でも、やはりきちんと調査も含めて実態も調査をする、二つの陳情にあるような、本人や家族が望む施策を行うためにも、都民の精神疾患や心の困難の状況を、実態をきちんと把握することが重要ではないでしょうか。
 厚労省がことし九月七日に、自殺・うつ対策の経済的便益を初めて発表して、自殺やうつ病がなくなった場合の経済的便益の推計額が二〇〇九年の単年度で二・七兆円、二〇一〇年度でのGDP引き上げ効果は一・七兆円と発表して非常に話題を呼んだわけですけれども、患者や家族にとっても、また社会にとっても精神保健対策を抜本的に充実していくことが重要だと考えています。ですから、陳情の趣旨を酌んでいくことが必要だと思っています。
 以上です。

○門脇委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 初めに、陳情二二第四四号を採決いたします。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに、賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○門脇委員長 起立少数と認めます。
 よって、陳情二二第四四号は不採択と決定をいたしました。
 次に、陳情二二第四五号を採決いたします。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○門脇委員長 起立少数と認めます。
 よって、陳情二二第四五号は不採択と決定をいたしました。
 以上で請願陳情の審査を終わります。
 以上で福祉保健局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時二十一分散会

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