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Tokyo Metropolitan Assembly

厚生委員会速記録第十五号

平成二十一年十二月十一日(金曜日)
第七委員会室
   午後一時開議
 出席委員 十三名
委員長門脇ふみよし君
副委員長野上 純子君
副委員長吉田康一郎君
理事早坂 義弘君
理事斉藤あつし君
理事三原まさつぐ君
栗林のり子君
柳ヶ瀬裕文君
新井ともはる君
佐藤 由美君
橘  正剛君
野島 善司君
大山とも子君

 欠席委員 一名

 出席説明員
福祉保健局局長安藤 立美君
次長杉村 栄一君
技監桜山 豊夫君
総務部長松井多美雄君
指導監査部長松浦 和利君
医療政策部長吉井栄一郎君
保健政策部長住友眞佐美君
生活福祉部長永田  元君
高齢社会対策部長狩野 信夫君
少子社会対策部長吉岡 則重君
障害者施策推進部長芦田 真吾君
健康安全部長鈴木 賢二君
企画担当部長日置 豊見君
生活支援担当部長庄司 貞夫君
食品医薬品安全担当部長奥澤 康司君
感染症危機管理担当部長前田 秀雄君
参事枦山日出男君
参事角田由理子君
参事大久保さつき君
参事中川原米俊君
参事飯塚美紀子君
参事雜賀  真君
参事熊谷 直樹君
参事別宮 浩志君
参事中谷 肇一君

本日の会議に付した事件
 意見書について
 福祉保健局関係
契約議案の調査
・第百七十八号議案 東京都健康安全研究センター新館B棟(二十一)新築その他改修電気設備工事請負契約
・第百七十九号議案 東京都健康安全研究センター新館B棟(二十一)新築その他改修空調設備工事請負契約
・第百八十号議案 東京都健康安全研究センター新館B棟(二十一)新築その他改修給水衛生設備工事請負契約
付託議案の審査(質疑)
・第百四十七号議案 平成二十一年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出 福祉保健局所管分
・第百六十号議案 東京都社会福祉施設等耐震化等臨時特例基金条例
・第百六十一号議案 東京都医療施設耐震化臨時特例基金条例
・第百六十二号議案 東京都地域医療再生基金条例
・第百六十三号議案 東京都地域自殺対策緊急強化基金条例
・第百六十四号議案 東京都介護基盤緊急整備等臨時特例基金条例
・第百六十五号議案 東京都介護職員処遇改善等臨時特例基金条例
・第百六十六号議案 東京都安心こども基金条例の一部を改正する条例
・第百六十七号議案 東京都障害者自立支援対策臨時特例基金条例の一部を改正する条例
・第百八十六号議案 備蓄用抗インフルエンザウイルス薬の売払いについて

○門脇委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、意見書三件を提出したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件については、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○門脇委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○門脇委員長 契約議案について申し上げます。
 契約議案は、財政委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について、議長から調査依頼がありました。
 本件については、調査結果を財政委員長に報告することになっております。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

平成二十一年十二月九日
東京都議会議長 田中  良
厚生委員長 門脇ふみよし殿
契約議案の調査について(依頼)
 左記の議案について調査し、財政委員長にご報告願います。
     記
1 調査議案
第百七十八号議案 東京都健康安全研究センター新館B棟(二十一)新築その他改修電気設備工事請負契約
第百七十九号議案 東京都健康安全研究センター新館B棟(二十一)新築その他改修空調設備工事請負契約
第百八十号議案 東京都健康安全研究センター新館B棟(二十一)新築その他改修給水衛生設備工事請負契約
2 提出期限 平成二十一年十二月十一日(金)

○門脇委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、福祉保健局関係の契約議案の調査及び付託議案の審査を行います。
 これより福祉保健局関係に入ります。
 初めに、理事者の欠席について申し上げます。
 宮垣地域保健担当部長は、病気療養のため、本日の委員会に出席できない旨の申し出がありましたので、ご了承をお願いいたします。
 契約議案の調査を行います。
 第百七十八号議案から第百八十号議案までを一括議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 質疑のある方はご発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○門脇委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○門脇委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 お諮りいたします。
 本案は、異議のない旨、財政委員長に報告したいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○門脇委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 以上で契約議案の調査を終わります。

○門脇委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第百四十七号議案、平成二十一年度東京都一般会計補正予算(第三号)中、歳出、福祉保健局所管分、第百六十号議案から第百六十七号議案まで及び第百八十六号議案を一括議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に説明を聴取いたしております。
 その際要求をいたしました資料は、お手元に配布しております。
 資料について理事者の説明を求めます。

○松井総務部長 過日の厚生委員会で要求のございました資料につきまして、お手元の厚生委員会要求資料にまとめてございますので、ご説明申し上げます。
 資料は、目次にございますように、一項目でございます。
 一ページをお開き願います。十二月補正予算案に計上した各基金における主な取組といたしまして、(1)には基金の創設によるものを、(2)には基金の拡充によるものをそれぞれ記載してございます。
 以上、甚だ簡単ではございますが、ご要求のありました資料につきまして、ご説明申し上げました。よろしくお願い申し上げます。

○門脇委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料も含めまして、これより本案に対する質疑を一括して行います。
 順次発言をお願いいたします。

○吉田委員 よろしくお願いします。
 私からは、福祉・介護人材の処遇改善交付金に関しまして、この十二月補正予算案のうち、まず、障害者自立支援対策臨時特例基金に関して、福祉の人材の処遇改善を図る事業について伺います。
 障害者の施設などで働く職員は、単にサービスを提供するということだけではなく、障害者の立場に立って親身にお世話をするということで、利用者との間で信頼関係を築くことが大変重要であります。こうした職員の方の処遇を改善することは、サービスの質を確保していく上で大変重要なことだと考えるわけです。
 今回の処遇改善事業は、ヘルパーや生活支援員など、直接、利用者の処遇に当たる職員の方が対象となっており、このこと自体は大変意義のあることであります。このご時世でも、なかなか、こういう仕事につかれる方、こういう方の処遇が大変厳しいということがあって、求人難という状況でございますので、大変意義があると思います。
 ただ、交付金申請のための書類を作成する事務職員の方などは今回の改善の対象外とされているために、現場からは、実際には一体感のある職場づくりを目指す上では、やりにくいところがあるんだという声も聞いております。
 そこでまず、今回の処遇改善事業が、関連の事務職員などは対象外で、介護職員を対象に実施されるという理由についてお伺いをいたします。

○芦田障害者施策推進部長 福祉・介護職員を対象とした処遇改善事業でございますが、平成二十年度における全国の有効求人倍率は、全職種では〇・七七であるのに対し介護関係職種では二・二〇と、他職種に比べ厳しい求人状況となっており、また給与につきましても、他の産業との差が大きいという状況にございます。
 障害福祉サービスにおける福祉・介護職員の人材確保が困難であるという現状を改善し、質の高いサービスを安定的に提供していくためには、福祉・介護職員の処遇改善を進めることが必要であると考えております。
 平成二十一年四月におきまして、障害福祉サービスの質の向上と経営基盤の強化、職員の処遇改善を図るため、プラス五・一%の報酬改定が行われたところでございますが、国は、他の業種との賃金格差をさらに縮め、障害福祉サービスが確固とした雇用の場として成長していけるよう、介護職員などの処遇改善を一層進めていく必要があるとして、福祉・介護職員の処遇改善に取り組む事業者に対し、平成二十三年度末までの助成を行う事業を創設したところでございます。
 都におきましても、国が定めたこのような事業目的に従い、直接処遇に当たる福祉・介護職員を対象とし、常勤の職員一人当たり平均で月額約一万五千円の賃金引き上げに相当する助成事業を、全額国庫負担により実施するものでございます。

○吉田委員 ありがとうございます。ご説明で、この事業が、人材の確保や定着が難しいいわゆる介護職員などを対象にしていると。処遇改善を一層進めていく必要があるんだということについて、よくわかりました。
 しかし、今回の基金による平成二十三年度までの時限的事業でありますことから、これ、一たん給与を引き上げても、その先二十四年度以降はどうなるのかという心配は当然あるわけであります。
 こうした職員の処遇改善というのは、本来、職員全体の方を対象にして安定的に行われることが、人材を安定的に確保そして定着を図る上で重要でありまして、当面は時限的な措置としても、本来は、恒久的な制度改正そして報酬の改善によって実施されるべきものであるというふうに私は考えるわけであります。
 この報酬の改善という方法でやれば、事業者も長期的展望に立ってより安定した経営が可能になる上に、毎月の報酬の請求と今回の交付金申請という事務の二重手間も省かれるわけであります。こういう事務負担の軽減ということも、比較的規模の小さい事業者の多い障害者施設などでは大切なことであります。
 そこで、今回の処遇改善事業の実施を通じて現場の声をよく聞いていただいて、次の報酬改定の時期に、報酬全般の改定が行われるように国に働きかけるべきだと考えるわけですが、所見をお伺いします。

○芦田障害者施策推進部長 都はこれまで、障害者を支える人材の確保や良質なサービスの提供のため、事業者などの現場の声を聞きながら、サービス全般にわたり基本的な報酬の改善を行うことを国に対し提案要求してまいりました。処遇改善交付金につきましても、時限的措置ではなく長期的かつ安定的な制度となるよう、報酬改定によって恒久化するべきであると要望しております。
 今後とも、安定的な経営を担保できる適切な報酬とするよう、国に要望してまいります。

○吉田委員 ありがとうございます。まさしくお考えのとおりでありまして、良質な介護人材を将来にわたって確保していくために、報酬自体の改善を図って、事業者の経営が安定することが必要であります。
 私も私なりの立場で、あるいは会派の仲間とともに、国に一生懸命働きかけてまいりたいと思います。
 今回の定例会では、本日質疑を申し上げた障害の分野のほかに、介護保険事業者に対する処遇改善交付金に係る介護職員処遇改善等臨時特例基金条例案、これと補正予算が提案されております。介護保険の事業者も、障害と同様に介護職員の賃金改善に取り組むわけでありますけれども、これもやはり同様に、次の報酬改定に向けて国に働きかける必要があるわけであります。
 私も、本年十月の事務事業の質疑におきまして、介護人材確保の取り組みについてお伺いをいたしまして、安藤局長から、大都市東京の実態にふさわしい介護報酬の設定について引き続き国に要求していくと、こういう力強いご答弁をいただいておりますので、本日は改めて質問いたしませんが、介護、障害、両方とも国にしっかりと働きかけていただき、私どもも一生懸命働き、この実現に努めて、要望が実現するように取り組んでいくことを私もお誓い申し上げて、まず、この分野についての質問を終わらせていただきます。
 次に、社会福祉施設の耐震化の問題についてお伺いします。
 今回創設されます社会福祉施設等耐震化等臨時特例基金に関連しまして、現在、都が実施している社会福祉施設の耐震化の状況についてお伺いをいたします。
 都は、昨年十月三十一日に発表された東京緊急対策Ⅱの中で、福祉施設における安心・安全対策の一つとして福祉施設の耐震化を掲げまして、十二月の補正予算によって事業化したと聞いております。
 都として、これは初めて民間の社会福祉施設などの耐震化を対象とした補助事業に取り組むというものでありまして、都が国に先駆けて社会福祉施設の耐震化に取り組んだわけで、この結果、国もその重要性を認めまして、全国的に施策が展開されるようになったわけであります。この事業も、いわば都が国の施策をリードしたものであります。
 そこで、確認のためにまずお伺いしますが、都が実施している社会福祉施設等耐震化促進事業、この内容について改めてお伺いいたします。

○松井総務部長 保育所や高齢者施設などの社会福祉施設は、自力での避難が難しい方が多く利用する施設であります。また、その一部は地震発生時に被災者の受け入れ機能を果たすことなどから、その耐震化は喫緊の課題であり、昨年十二月の補正予算により、社会福祉施設等耐震化促進事業を創設いたしました。
 本事業は、大きく分けて二つの内容がございます。
 一つは、社会福祉施設が建物の耐震診断を行う費用を補助する耐震診断補助で、耐震診断に係る経費の五分の四を補助するものでございます。
 もう一つは、耐震改修工事を行う場合に補助する耐震改修補助で、具体的には、著しく耐震性の低い建物、すなわち構造耐震指標であるIs値が〇・三未満の建物につきましては、耐震改修に係る経費の八分の七を補助するなど、耐震化の促進を支援するものであります。
 耐震診断補助は、平成二十年十二月から平成二十三年度末まで実施する予定であります。また、耐震改修補助は、平成二十一年四月から平成二十五年度末まで実施する予定でございます。

○吉田委員 ありがとうございます。これは本当に大事なお取り組みをしていただいているわけでありますが、この事業の対象となる、実際、建物の数はおおむね幾つあるんでしょうか、お伺いをいたします。

○松井総務部長 本事業の対象となるのは、都内の民間立の社会福祉施設でございます。建物は自己所有であり、建築基準法におけます新耐震基準の導入、すなわち昭和五十六年六月一日より前に建築された建物が対象となります。
 建物の数につきましては、昨年の六月に実施した調査によりますと、耐震診断もしくは耐震改修が必要であるという施設は、公立と民間を合わせまして千三百八十三棟でありますが、このうち、民間立で、かつ自己所有である建物は三百十三棟であり、この三百十三棟が本事業の対象となるというふうに考えております。

○吉田委員 三百十三棟が対象と想定されるというご答弁をいただきました。
 本事業は、耐震診断、耐震改修とも、期間を限定しているとはいえ、一般の事業よりも非常に高い補助率で執行しているわけであります。それだけ都がこの事業を重視して耐震化を推進しなければいけないという意欲のあらわれだと思います。
 そこで、それぞれの補助の実績をお伺いいたします。

○松井総務部長 平成二十年十二月より実施しております耐震診断補助につきましては、平成二十年度実績が十一棟、二十一年度実施見込みが現時点で二十一棟、合計で三十二棟であります。
 平成二十一年四月より実施しております耐震改修補助は、実施見込みが現時点で二棟でございます。

○吉田委員 これは、非常に意欲を持って大事な支援をして耐震化を進めようという意気込みの中で、三百十三棟の中で合わせて三十四棟というご答弁ですが、三十四棟というのは、ちょっと聞くと、まだ少ないんじゃないかなと思うわけであります。この三十四という実績について都はどのように認識をしておられて、また、ちょっと少ないと思うんですが、何でこれだけなのかという理由について、把握しておられれば、ご答弁いただければと思います。

○松井総務部長 ことしの十一月に、本事業の対象となると考えられます三百十三棟のうち百施設、百棟を抽出して、耐震化への取り組みの意向等につきましてアンケートを実施いたしました。
 それによりますと、既に耐震診断または耐震化を実施した施設が十八施設ございました。そして、耐震診断を実施していないと回答した施設が八十二施設ございました。
 この実施していないと回答した八十二施設のうち、耐震診断の予定があると回答した施設が三四%、改築を予定している施設が二七%、移転する予定の施設が一%でありました。これらを合計いたしますと六二%の施設が、現在は着手していないが近い将来に耐震診断を実施する、または改築に取り組む予定と回答しておりまして、我々東京都といたしましては、近い将来に何らかの方法で耐震化に取り組む意向があるというふうに認識しております。
 残りの三八%の施設につきましては、耐震化に取り組む意向が明確でないといえますが、その理由といたしましては、資金確保が困難一八%、移転先確保が困難五%、知らなかった五%、方針未決定四%、その他六%というふうになっております。

○吉田委員 六割は期待できると。
 残り三八%、四割でありますけれども、この状況を都が把握しているということはわかりましたが、この四割、資金確保が困難とか、こういうお立場の施設に対して、ここまで非常に手厚くやっているわけですが、さらに何かインセンティブを都として考えていらっしゃる、あるいは用意していらっしゃるのか。特にまず、自己資金が確保できない、これは二割弱あるわけで、こういう施設に対して、都は、どのような対応というか、支援があればお伺いしたいんですが。

○松井総務部長 耐震化など施設利用者の安全確保は、事業者が当然果たさなければならない責務でございます。本事業の補助率は他の補助事業に比較しても高く、この高い補助率自体がインセンティブになるというふうに認識しております。
 先生ご指摘の、自己資金が確保しにくいという事業者に対しましては、例えば、独立行政法人福祉医療機構の貸し付けを受けた上で、東京都福祉保健財団が実施しております利子補給制度がございまして、このような制度を活用するということが考えられると思います。

○吉田委員 そういう利子補給制度などもあるということで、これも積極的にいろいろ制度を説明していただくとか、また、知らなかったという方も五%ぐらいおられるというのも、ちょっと気になるわけであります。さらなる事業の周知、今回のような周知、あるいは方針未決定というところについても丁寧にご説明するとか、さらに引き続き残り四割についても、これだけ優遇している、支援しているわけですから、積極的に取り組んでいただくということが必要だと思います。
 今後の取り組みについてお伺いします。

○松井総務部長 都といたしましてはこれまで、耐震補強の進め方や具体的な施工例をまとめた手引書であります「福祉施設における耐震補強の手引き」を作成いたしまして、対象となる全施設に配布いたしました。また、施設整備費補助の説明会におきましても、本事業の説明を行うなど周知に努めてまいりました。
 さらに、区市町村や東京都社会福祉協議会に対しましても、適宜情報提供を行っております。
 引き続き、さまざまな機会をとらえて、本事業の周知に努めてまいります。

○吉田委員 よろしくお願いいたします。
 この耐震化の取り組み、都としては、国の意向にかかわらずというか、平成二十五年度までかな、しっかりとやっていただけるということでございますので、本当に私どももしっかりと、都のそういう施策を応援してまいりたいと思っております。
 ほかの分野の質問は、他の委員へまた任せますけれども、先ほど申し上げた福祉・介護人材の処遇改善についても、耐震化についても、これは福祉という意味でも大事な上に、この経済の厳しい中、需要をつくり、しっかりした雇用をつくっていくという意味でも大切な予算、事業でございますので、しっかりとやっていただくように改めてお願いして、私からの質問は終えさせていただきます。

○早坂委員 介護基盤緊急整備等臨時特例基金条例について伺います。
 我が都議会自民党は、本年四月国が公表した経済危機対策において、介護職員の処遇改善とあわせて、介護拠点の整備が盛り込まれたことを高く評価しております。
 これを受け、東京など大都市部における基盤の整備を着実に進めるため、我が党は、東京都に対して、補助の充実を図ることを国に働きかけるよう要望しました。その結果、国は、大都市部などでは用地の取得が困難な状況であることから、介護拠点の整備促進を図るため、定期借地権の設定に伴い、事業者が地主に払う一時金に対する助成制度を創設しました。
 東京都は、こうした新たな補助制度や、今回設置する介護基盤整備のための基金を活用して、区市町村や事業者が積極的に整備に取り組むよう働きかけていく必要があると考えております。
 そこで、これまで東京都は区市町村に対してどのような働きかけを行ってきたのか、伺います。

○狩野高齢社会対策部長 国の経済危機対策による補正予算では、都道府県に基金を造成し、区市町村が進める介護基盤の緊急整備等を行うための事業が創設されました。
 この中には、お話にもありましたように、都議会自由民主党からの要望を受け、都から国に要望した結果、新たに、大都市部での基盤整備を図るため定期借地権制度を利用した事業も盛り込まれております。都では、国の補正予算の成立を受け、全区市町村に対し個別にヒアリングを実施し、本基金事業を活用した介護基盤の整備を積極的に働きかけてきました。
 その結果、区市町村は介護基盤の緊急整備のほか、施設開設準備経費の助成などの基金事業を活用して、次期の介護保険事業計画である二十四年度以降の整備予定の前倒し分も含めまして、介護基盤の整備計画を策定しているところでございます。
 都では、区市町村との協議を踏まえ、例えば認知症高齢者グループホームでは六十三カ所、約一千人分、小規模多機能型居宅介護事業所五十三カ所分、認知症対応型デイサービスセンター三十五カ所分など、現行の計画数に上乗せして整備することとしております。
 こうした経費を含め、本定例会の補正予算では、介護基盤緊急整備等臨時特例基金として、約二百五十億円を積み立てることとしたものでございます。

○早坂委員 本基金については、対象施設が認知症高齢者グループホームなど、定員二十九人以下の施設に限定され、ショートステイを初め広域型サービスは対象となっていません。
 積み立てる二百五十億円の基金が有効に活用され、地方自治体の裁量で本事業が円滑に執行されるよう、東京都はさまざまな制約の緩和を国に働きかけるべきと考えます。ご見解を伺います。

○狩野高齢社会対策部長 今回の国の基金事業には、先ほどもお答えしましたとおり、定期借地権制度を活用した基盤整備など、これまでの補助制度にはないものであり、大都市部での基盤整備を進める上で大変有効なものであるというふうに認識をしております。
 しかし、その一方で、区市町村や事業者の立場から見ますと、例えば交付金の対象施設が限定されているなど、活用しにくいという意見もございます。
 具体的には、定期借地権を活用した基盤整備につきましては、定期借地権の期間設定が原則五十年以上であること。助成対象が路線価の二分の一を上限に、その半分を補助することから、実際の補助額は路線価の四分の一にしかならないこと。また、土地が大変希少で確保が困難な都心部では、土地所有者の方がみずから施設整備を行い民間の運営事業者に施設を貸し付けるという手法、いわゆるオーナー型の整備が大変有効でございますけれども、今回の国の基金事業の補助対象にはなっていないことなど、さまざまな課題がございます。
 こうした課題につきましては、国に要望しているところでございますが、今後さらに区市町村や事業者の意見も聞きながら、改めて国に対し、本基金事業に関する要件緩和などについて提案要求をしてまいります。

○早坂委員 介護基盤の整備については、六十五歳以上の高齢者数に占める介護施設、高齢者住宅などの定員数の割合を比較すると、我が国は、欧米に比べて少ないといわれています。
 しかし、国の社会保障国民会議の資料をよく見ると、施設については、我が国が三・五%であるのに対し、スウェーデン四・二%、デンマーク二・五%、イギリス三・七%と、我が国は、欧米と比較して決して少ないわけではありません。他の国と比較して差があるのは、いわゆるケアつき高齢者住宅の整備率が我が国は際立って低く、ここに大きな差が生じています。
 また、東京都の高齢者人口当たりの介護保険施設の整備率は、全国最低であるとしばしば新聞などで指摘されていますが、ここでいう介護保険施設には、例えばこうしたケアつきの高齢者住宅や、介護つき有料老人ホームなどの居住系サービスは含まれていません。国別や都道府県別に整備率を比較するなら、介護保険施設と居住系サービスを合わせた定員数で比較することが、実態を明らかにする上で適当であります。
 そこで、こうした観点から、介護保険施設に介護つき有料老人ホームなどを加えた場合の、全国と比較した東京都の整備率についてお伺いをいたします。

○狩野高齢社会対策部長 国の平成十九年の介護サービス施設・事業所調査によれば、東京都における介護保険三施設の整備率は、高齢者人口十万人当たり二千二百十九人、率でいいますと二・二%となります。
 しかし、介護保険施設と同様の機能を持つ特定施設入居者生活介護の指定を受けた介護つきの有料老人ホームは、本年十一月現在、都内に、特別養護老人ホームの施設数三百九十四カ所を超える四百二施設、定員二万六千百十一人の規模となっており、対高齢者人口比で申しますと、一%の整備率となっております。
 このため、介護保険三施設と介護つき有料老人ホームを合算しますと、高齢者人口に対する整備率は三・三%となります。介護保険三施設の全国平均の整備率が三・〇%でございますので、この特定施設を加えれば、東京都も、介護保険施設等の整備率は他県と比べて必ずしも低いとはいえないというふうに認識をしております。
 なお、都では、有料老人ホームを介護サービス基盤の一翼を担うものと認識し、有料老人ホームのうち介護専用型については、平成十九年度から独自の補助制度を設けているところでございます。

○早坂委員 東京には所得の高い人たちも多く、こうした人たちは何も特別養護老人ホームなどの公的施設でなく、同様のサービスが確保、提供されるのであれば、みずからの意思で民間の有料老人ホームなどに入居することも多いと思います。
 東京都においては、昨日、医療と介護を連携させた高齢者専用賃貸住宅のモデル事業を行う事業者を決定しました。高齢者が安心して住み続けられる新たな住まいとして期待されます。また、こうした高齢者向けの賃貸住宅における適切なサービス提供の確保に向け、東京都は独自の指針を策定し、指針を遵守した住宅について広く都民にPRすることとしており、ケアつき住宅を高齢期の住まいとして選択する人への新たな取り組みとして、評価をしております。
 我が党は、ケアつき住宅である介護つき有料老人ホームについて、要介護高齢者の受け皿として有望であるとこれまで主張してまいりましたが、今後とも、介護保険施設の整備とあわせ、介護つき有料老人ホームやケアつきの住宅の整備に積極的に取り組むよう、要望いたします。
 次に、介護基盤の整備について考えるとき、要介護高齢者の意向はもちろんのこと、住まいや所得の状況、さらに単身世帯の増加による家族介護力の一層の低下など、高齢者を取り巻く環境を総合的に勘案して、施設サービス、居住系サービス、在宅サービスのバランスを考慮しながら、地域の実情に応じた計画的な整備が必要です。
 本来、介護保険制度の基本的な考え方については、介護保険法の条文でも、在宅重視の理念が明確に掲げられています。しかし、独居や夫婦のみ世帯の増加により介護ニーズが増加する中で、現在の居住系サービスでは十分に介護ニーズにこたえられないとの指摘があります。例えば、先ほども述べたとおり、今回の基盤整備に関する基金事業において、ショートステイは対象となっていません。
 ショートステイについては、緊急時に柔軟に利用することができないため、介護者の急な用事や、レスパイト--介護者の息抜きなど、本来の役割を十分に果たしていないとの指摘もあります。
 在宅重視の理念を具体化していくためには、在宅サービスの機能強化が不可欠であります。とりわけ家族介護者の負担軽減を図る上で、ショートステイの大幅な拡充が必要と考えます。ご見解を伺います。

○狩野高齢社会対策部長 高齢化が進展し、医療や介護を必要とする在宅の高齢者の増加が見込まれる中、在宅高齢者やその家族にとって、ショートステイの役割はこれまで以上に重要なものになると認識をしております。
 このため、ショートステイの整備に当たり、都では現在、特別養護老人ホームとの併設の際に補助を行っておりますが、今後、補助の対象を拡大することを検討してまいります。

○早坂委員 介護基盤の整備について考えるとき、いわゆる施設待機者の問題があります。
 平成十九年の東京都の調査によれば、東京都内の特養入所希望者数は、重複申し込みを除外して約三万八千人となっています。全国調査でも三十八万人といわれています。
 しかし、入所申込者のうち、その多くは在宅以外の施設入所者で占められており、要介護度の低い方も少なくありません。したがって、特養入所希望者三十八万人という数字は、必ずしも特養での介護サービスを必要とする高齢者の人数と一致するわけではありません。
 今後、より詳細なデータを収集し、分析する必要があると考えます。ご見解を伺います。

○狩野高齢社会対策部長 お話のとおり、平成十九年に東京都が実施をしました調査においても、特養の入所希望者数は実数で三万八千三百二十一人の希望者がいるものの、約半数の一万九千六十五人が要介護度三までの方でございます。
 また、要介護度四、五の方、一万八千六百九十五人の中にも、在宅以外の介護保険施設や病院、社会福祉施設などにいる方もおり、必ずしも特別養護老人ホームに入所が必要な数を正確にあらわしているものとはいえない面がございます。
 現在、国におきまして特養の入所希望者の調査を実施しており、集計がまとまり次第公表するというふうに聞いております。
 都といたしましても、より適切なデータに基づき特別養護老人ホームの整備を進めるため、ご指摘を踏まえまして、入所希望者の実態把握の手法について検討してまいります。

○早坂委員 三万八千人という数字だけがひとり歩きしていますが、その内訳を見れば、今ご答弁にありましたとおり、特養への入所対応が必要でない方が多いこともわかります。
 しかし、一方で、これだけの方が入所を希望しているということは、日々の暮らしの中で、何かしらの支援の必要性や不安を抱いている高齢者が数多くいるということでもあります。
 行政として必要なことは、在宅重視の施策を着実に進めながら、特別養護老人ホームを初めとする多様な介護サービス基盤を整備することです。その前提となるのが特養入所希望者の実態を正しく見きわめることであり、今後とも、適切な対応を希望します。
 次に、介護職員処遇改善交付金について伺います。
 介護人材不足は社会的に深刻な問題であり、中でも大都市東京においては、地域の賃金水準や物価を適切に反映していない現在の介護報酬水準では、人材を確保することが難しく、問題はより深刻であります。
 我が都議会自民党は、本年、先ほどの介護拠点の整備に関するものとあわせて、東京都に対し、介護職員の処遇改善交付金についても、全国一律でなく地域差を適正に反映した内容とすることを国に働きかけるよう要望いたしました。
 残念ながら、その点についてはいまだ実現していないものの、介護事業者に、介護職員の賃金改善のための資金を交付する介護職員処遇改善交付金事業を実施することになったのは、一定の成果であります。
 この交付金は、直接、介護職員の賃金に充てられるものであり、非常に効果が高いと考えています。
 そこでまず、この交付金を活用して、介護職員の賃金改善がどのような形で行われるのか、伺います。

○狩野高齢社会対策部長 都が十一月十六日時点で、介護サービス事業者、千四百七十一事業者を対象に調査した結果によりますと、改善を予定しております給与項目は、基本給の改善が三九・二%、各種手当が五一・九%、一時金が六五%でございました。
 介護職員処遇改善交付金は、平成二十三年度までの時限的な措置であるため、継続的な賃金の改善に結びつかないのではないかという指摘もありましたが、調査結果によれば、基本給と一時金など複数の給与項目の改善を予定している事業者も多くございました。

○早坂委員 基本給や手当などさまざまな形での賃金改善が行われる見込みとのことで、効果が期待されます。
 できるだけ多くの事業者に交付金を活用していただきたいと思いますが、国が発表した十月三十日現在のデータによれば、申請率は全国で七二%、東京都では、それをやや下回る六八%となっています。思ったほど申請が伸びていない理由について伺います。

○狩野高齢社会対策部長 国が十一月に事業者を対象に行いましたアンケート結果によりますと、処遇改善交付金を申請しない理由として最も多かったのは、対象が介護職員に限られていること、次いで、事務作業が煩雑であること、三点目に、事業が終了する平成二十四年度以降の取り扱いが不明であることの順となっております。
 対象を介護職員に限定していることについては、国は、平成二十一年度の介護報酬改定によって介護職員の処遇改善を図ったところであるが、他の業種との賃金格差をさらに縮め、介護が確固とした雇用の場として成長していけるよう事業者に資金を交付し、さらなる介護職員の処遇改善を進めていくためとしております。
 一方で、関係団体からは、例えば、同じ職場で働く介護職員と看護職員の処遇に差がついてしまうなどの意見があることから、都は、今後とも、介護現場で働く職員の処遇が適切かつ安定的に確保できるような仕組みとするよう、国に働きかけていきます。
 また、平成二十四年度以降の取り扱いについて、国は、平成二十四年度以降も介護職員の処遇改善に取り組んでいく旨の方針を示しており、都としても、事業者に対しこの方針の周知に努めてまいります。

○早坂委員 実際の介護現場からのさまざまな指摘、要求を受けとめ、今後この交付金の効果を検証し、改善すべき点があれば国に要求していくことを要望します。
 また、東京都としては、一つでも多くの事業者が申請を行い、介護職員の処遇改善に取り組めるよう、積極的に働きかけるべきと考えます。ご見解を伺います。

○狩野高齢社会対策部長 都においては、これまで介護サービス事業者に対する説明会を四回開催し、千三百七十事業者の参加を得るとともに、文書やホームページによる情報提供、事業者からの相談を受けるための専用電話の開設等、本制度の周知に努めてまいりました。
 また、本交付金を活用し処遇改善を図るためには事業者の申請が前提となることから、未申請の事業者に対しては、改めて申請書類に記入例を添付して郵送するなど、申請を促進するための方策をきめ細かく講じているところでございます。
 今後とも、各事業者に対して、本制度の周知徹底に努めてまいります。

○早坂委員 介護の仕事は、大きなやりがいがあるものの、反面、相当の重労働であり、これに見合った処遇が必要であります。この交付金の活用により、介護職員の処遇改善がさらに進むことを期待いたします。

○野上委員 最初に、百六十二号議案、東京都地域医療再生基金条例についてお伺いいたします。
 本会議でも、小児三病院の再編とか新型インフルエンザとか、医療に関する質疑が多くなされました。いずれにしても医療資源の不足が深刻な中、医療再生が急務であることは共通の認識でございます。都としても、全力を挙げて取り組んでいっていただきたいと思っております。
 三病院についての存続のはがきについては、いまだに私どもの方にも届いておりまして、先日は電報が届いておりまして、何事かなと思って、受け取りのいろいろ申請をしておりましたら、はがきと同じ内容の電報で本当にびっくりしたということがございました。
 地域医療再生基金についてでございますけれども、国は、前政権による第一次補正予算で地域医療再生特例交付金を予算化して、地域医療の再生に向けた都道府県の取り組みに対して財政的に支援することといたしました。この一部は、現政権下の中では、補正予算見直しの中で一部執行停止になってしまいました。でも、現在、二千三百五十億円の予算が残っているということです。東京都もこれを活用することとして、小児医療あるいは周産期医療等の拡充を図るために、先般、地域医療再生計画を取りまとめて国に提出をいたしました。
 この計画案が国に認められれば、この二つの計画で最大六十億円の資金が国から交付されるということになります。都は、これを本条例案に基づく基金に積み立てて、計画事業の推進に活用していくこととなりますけれども、まず、地域医療再生基金の特徴について、お伺いいたします。

○吉井医療政策部長 お答えいたします。
 地域医療再生基金の特徴といたしましては、地域医療再生計画が二次医療圏を単位といたしまして、これは柔軟な設定を可能としつつもということでございますが、地域の医療課題の解決を図る都道府県の取り組みを支援するものでございます。そして、複数年度にわたる支援ということになってございまして、地域の実情に応じまして都道府県が事業を決定していくというものでございます。
 交付されます交付金は補助率の設定がなく、先ほどおっしゃられましたように、三十億円が補助基準額として上限設定されているというものでございます。

○野上委員 交付金として出していただけるということで、柔軟な制度であり、都もこの制度をうまく活用すべきだと思っております。この計画案を読みまして、東京都は、重点的に対応すべき分野に集中的に基金を投入して事業を推進していこうということがよくわかりました。
 次に、どこの地域を選ぶかということで、東京都の地域医療再生計画では、一つは多摩地域、もう一つは区東部保健医療圏--江戸川区、江東区、そして墨田区ですかね、この三つのところを対象地域として計画案を作成しておりますが、この二地域を対象に選定した理由を伺います。
 例えば、私が住んでいる葛飾区は区東北部なんですけれども、同じように非常に医療資源としては厳しいところがございますので、この二地域を対象にした理由について、お伺いしたいと思います。

○吉井医療政策部長 お答えいたします。
 多摩地域と区東部地域、これを今回の計画に選定したところの理由でございますけれども、一つには、人口当たりの医師数、それから病院数、これが相対的に都の平均からは少ない状況にあったということとあわせまして、小児や周産期などの医療提供体制の確保が急務である。こうしたことから、医療審議会の意見を聞き、今回の再生計画の対象圏域としたものでございます。

○野上委員 次に、地域医療再生基金設置後の今後の予定について、お伺いいたします。

○吉井医療政策部長 今後の予定でございますけれども、国は、有識者による協議会で審議をした後、交付金の額の内示を行うとしてございます。
 地域医療再生計画、この計画期間は平成二十一年度から平成二十五年度までの五年間でございますけれども、都におきまして、その基金の充当は計画事業の進捗に合わせ、平成二十二年度から行う予定でございます。

○野上委員 せっかくの基金ですので、平成二十二年度に入ったらできるだけ早く執行に結びつけて、喫緊の課題であります医療再生の実を上げていただきたいと思っております。
 さらに、今回の計画では、小児と並んで周産期医療体制の整備が挙げられております。
 小児医療資源が不足する中で、都立小児総合医療センターに二十四床のNICUがつくられるために、清瀬小児あるいは八王子小児のNICUを閉じなければならない。これは当然のことですけれども、今回の代表質問では、NICU十五床が減ることだけを問題にしているような発言が多かった、議論が多かったように感じております。今回、NICUが多摩地域においては九床ふえるということを評価して、さらに、今後NICUをふやしていくためにはどうすべきかという前向きの議論をすべきだと考えております。
 そこで、都は、NICUをふやすために財政的な支援策をどう考えているのか、お伺いいたします。

○吉井医療政策部長 お答えいたします。
 まず、NICUの病床につきましては、本会議でもご答弁申し上げましたように、都として増床の必要性を認識しておりまして、出生一万人対三十床を基本にして、周産期医療協議会の意見を聞きながら、東京都全域を一つの圏域として、具体的な目標を定め増床に取り組む、こういうご答弁を差し上げたところでございます。
 今ご質問のNICUの増床の支援策といたしましては、一つは、国に対しまして診療報酬の大幅な引き上げと国庫補助制度の充実、これを要望してございます。また、東京都といたしましても周産期医療センターの運営費に係る補助基準額、これの拡充と補助率の引き上げを検討しているところでございます。さらに、NICUを増床する場合の施設整備費につきましても、補助率の引き上げを検討しているところでございます。
 こうした取り組みによりまして、NICUの増床に支援をしてまいりたいというふうに考えております。

○野上委員 今、国の方でも、厚生労働省と財務省の駆け引きで診療報酬をどうやっていくかという、毎日のようにテレビ報道がなされておりますけれども、ぜひそういった意味で、このNICUの整備に、国の方でもしっかりと資金を入れていただいて--もう一つは、資金もそうなんですけれども、例えばNICUに入っている赤ちゃん。物すごく、足の指が小指ぐらいの感じで、注射一本を打つのも、非常にすぐれた医療技術を持っている看護師さんとかがいないと、老眼が進んで注射を打とうとしてもずれてしまうというようなことがあるので、結構真剣に、NICU一床に対して一人の看護師さんを整備するということも、かなり腕のいい看護師さんを持ってこなくちゃいけないというようなこともありまして大変だと思いますけれども、引き続き、少子高齢化の中で安心して子どもを産み育てられるように、積極的に取り組んでいっていただきたいと思っております。
 次に、百六十三号議案、東京都地域自殺対策緊急強化基金条例について、お伺いいたします。
 第四回定例会の代表質問で、我が公明党は、東村政調会長が自殺対策についても質問いたしました。これは、フィンランドでの先駆的な取り組みを参考にして、都でも具体的な施策を進めるように提案をしたものです。
 本会議では、地域自殺対策緊急強化基金に関連して何点か質問したいと思います。
 自殺につきましては、NHKでも放映されておりました。一番最初に、東京マラソンの三万五千人分の映像がばっとスクリーンに映し出されて、その後、一瞬にしてその人間がぱっと消えた画面が映されまして、これだけ、三万人を超える人たちが亡くなっているんだという非常にインパクトの強いショッキングな導入で、自殺対策についての放映があったところなんですけれども、毎年十一年間連続して三万人を超えているということはかなり異常事態だと思っております。また今、非常に厳しい経済情勢を踏まえて、追い込まれている人に対するセーフティーネットとして、地域における自殺対策の強化を進めていかなければいけないと思っております。
 国全体で百億円の予算規模で各都道府県に基金を造成するということなので、国からは、人口規模とか自殺率を勘案して都道府県に予算を交付してくださるということで、東京都には約五億九千万円が交付されるというふうに聞いております。
 まず、この基金を使ってできる事業についてと、都としてこの事業を今後どのように進めていくのかについて、お伺いいたします。

○住友保健政策部長 地域自殺対策緊急強化基金は、国が幾つかの事業メニューを示しておりまして、その中から地方公共団体や民間団体が地域の実情を踏まえて実施事業を選択することとされております。
 国から示されております事業メニューは、対面型相談支援事業、電話相談支援事業、人材養成事業、普及啓発事業、強化モデル事業の五つでございます。今後、区市町村や自殺予防に取り組むNPO団体等の意見も踏まえながら、基金の活用を図ってまいります。

○野上委員 今後の基金は、二十一年度から二十三年度までの三年間が実施期間とされております。国から都道府県に対して概要が示されたのが遅かったといっても、都民を取り巻く雇用、経済状況が非常に厳しいことを考えると、早急に事業着手しなくちゃいけないと思っております。
 この基金を活用した事業はいつから始められるのかということと、自殺予防対策の担い手であります区市町村、あるいはNPOに対しては、いつごろ、どのような形でこれが示されるんでしょうか。

○住友保健政策部長 ただいまの基金につきましては、今年度から活用は可能でございますが、他の補助金を充当して実施している事業や既存事業は対象外とされております。そのため、今年度につきましては、今回の補正予算に計上しております電話相談等に係る人材育成等について基金を活用することとしております。
 区市町村が基金を活用するに当たりましては、まず、区市町村が事業実施計画を策定することが求められております。したがいまして、基金条例成立後、早急に区市町村に計画策定を依頼いたします。また、NPOにつきましては、各団体の事業実施の意向につきまして今後調査を行った上で、基金の活用を図ってまいります。

○野上委員 先ほどのお話ですと、この基金については電話相談にも使えると。
 現在、NPO団体であります「いのちの電話」、それから自殺予防センターが電話相談を実施しておられますけれども、どちらの相談電話も非常に深刻な相談が多いということもあって、一件当たりの相談時間が長くなりがちで、時間帯によってはなかなか電話がつながらないということでございます。
 電話回線をふやしても、要するに、対応する相談員の育成に時間を要するために、すぐにはなかなかふやせないと聞いております。自殺をしようかと思い悩んでいる人にとってみれば、電話相談というのは最後の最後に頼るところではないでしょうか。
 今回の基金で、民間団体に対して相談員の人材育成を支援することとあわせて、都として電話相談体制の強化を図るべきと考えますけれども、所見をお伺いいたします。

○住友保健政策部長 自殺に関する相談は、相談者の悩みを傾聴して、複雑に絡み合う問題を整理した上で解決に向けた支援を行うことが必要でありまして、相談員には高い資質が求められます。そのため、基金を活用して、民間団体も含めまして、自殺の相談に従事する人材の育成が行えるよう、十分に調整を行ってまいります。
 あわせまして、電話相談が自殺防止のために重要な役割を果たしていることを踏まえまして、都といたしましても、電話相談体制の強化について検討を進めてまいります。

○野上委員 ぜひ前向きに検討していただきたいと思っております。
 自殺対策というのは、自治体はもちろんですけれども、自殺対策に取り組むNPOを初めとした民間団体や、それから企業とか、教育関係者とか、さまざまな分野の関係者が連携して取り組んでいくことは重要だと思います。例えば、東尋坊のところにも警察官のOBの方が待ち構えていて、じいっとしている方に声をかけて自殺を思いとどまらせているというような例もあります。都では既に相談ネットワークを構築して、連携した取り組みを進めておられますけれども、今後の基金については、これは初めてのことでありますので、区市町村やNPO団体は、どのように使えるのか戸惑っているところもあるかと思います。
 せっかくの基金を有効に活用するためにも、区市町村、NPOにしっかりと情報を伝えていただくよう要望して、次の質問に入ります。
 次は、第百六十六号議案、東京都安心こども基金条例の一部を改正する条例について伺います。
 この子育て支援対策臨時特例交付金は、安心こども基金の今般の追加補正予算案ですが、この危機的な構造不況の打開策として、国の前政権下のもとで成立をした第一次補正予算の一環でございました。現政権のもとでは、必要財源をいろいろ捻出していかなくちゃいけないという名のもとに、政権が発足して間もない十月十六日という時期に、突然に第一次補正予算の多くの事業について執行の見直しが行われました。
 例えば子育て応援特別手当、これは就学前三年間の子どもたちに支給されるという手当でございまして、非常に多くの方が待ち望んでおりましたけれども、これ、執行停止になりまして、区市町村とか国民の混乱は非常に大変だったのは記憶に新しいところだと思っております。
 しかし、その中にありまして、この安心こども基金については執行停止されることなく継続をしておりまして、当時、国が目指した成長戦略としての未来への投資の実現のために実効ある施策であると評価しております。
 そこで伺いますが、今般の国の安心こども基金の拡充の概要と特色について、改めて伺います。今回の補正予算で具体的に取り組む内容についても、あわせてお伺いいたします。

○吉岡少子社会対策部長 今回の安心こども基金の拡充におきましては、制度創設時の目的でございます保育サービスの充実のほか、新たに、すべての子ども、家庭への支援、ひとり親家庭等対策の拡充、さらに社会的養護の充実の三分野が加えられました。このように、すべての子どもや子育て家庭に対し多様な支援策を講ずることが可能になったこと、また、都の包括補助事業のように、区市町村がそれぞれの地域の創意工夫により事業を提案し、都がこれを採択して支援するという手法が導入されたことが特色でございます。
 都は、このような区市町村の創意ある取り組みを支援する地域子育て創生事業や、母子家庭の自立に向けて、資格の取得を支援する高等技能訓練促進費等事業、児童相談所や児童福祉施設の環境改善などに取り組んでまいります。

○野上委員 この不況下の中で、母子家庭の生活は非常に厳しいという声もあります。母子家庭への就労への支援は急務です。中でも、母子家庭における高等技能訓練促進費は、国が二回に分けて制度の拡充を図っておりまして、経済対策としても非常に期待が高い施策であると考えられます。
 この高等技能訓練促進費等事業の制度及び二回の改正概要、今年度の実施状況についてお伺いいたします。

○吉岡少子社会対策部長 高等技能訓練促進費等事業は、母子家庭の母が看護師や保育士、介護福祉士など、経済的な自立に効果的な資格を取得することを支援するため、その訓練期間に対して生活費を支援する事業でございます。
 平成二十一年一月までは、母子家庭に対して生活費が支給される期間は、資格取得の訓練期間の後半三分の一の期間でございましたが、平成二十一年二月からは、訓練期間の後半二分の一の期間に拡充されました。さらに、平成二十一年六月からは、訓練中の全期間に拡充されるとともに、支給額の増額も図られました。
 実施状況でございますが、平成二十一年六月の制度改正を機に都内全体で新規の支給件数が増加をしておりまして、平成二十年度の支給者数百四十六名に対して、平成二十一年十一月時点での支給者数は三百二十五名となっております。

○野上委員 この高等技能訓練促進費の拡充によりまして、母子家庭の方が生活の心配をすることなく資格を取得され、自立されていくことは大変意義があると思います。
 例えば看護師になりたいとかいろいろ資格を取りたい、保育士になりたいという方が、約三年間にわたって、学びながら、生活費をいただきながら勉強できる、すばらしい制度だと思っております。前は、この金額で大丈夫かなというぐらいだったんですが、今、一月十四万一千円を支給していただきながら三年間勉強して資格を取っていくという、これは多くの方が何とか生活をしていくぎりぎりかなと思うんですけれども、勉強をしながらやっていけるということで、これはすばらしい制度ではないかと思っております。
 都内の母子家庭の方の約八割以上の方が働いていらっしゃるというデータがあります。これは八五・六%だそうなんですけど、そのような高い就業率のもとで、就業に結びつかない方々は、ご自身の健康上の課題とか、子どもや親の介護の問題、あるいは面接などの就職のためのトレーニングに恵まれなかったとか、さまざまな個別の事情を抱えていらっしゃるものと思いますが、国の安心こども基金には、在宅就業支援、あるいは個別訪問などのメニューもあります。今後、都には、母子家庭の自立のためにさまざまな社会資源を生かしながら、きめ細かく実効性の高い施策に取り組んでいっていただきたいと思います。
 最後になりますが、第百六十七号議案、東京都障害者自立支援対策臨時特例基金条例の一部を改正する条例について質疑をさせていただきたいと思います。
 国においては、障害者自立支援法を廃止し、新たな障害者支援のための制度を検討するということでございますが、まだ私の方では具体的な内容をつかんでいない、わからないんですが、障害者の方が一人一人、自分の能力や適性を持って、個別の支援を行って、障害があっても自立した日常生活を営んでいくということが大事ではないかと思っております。障害者や、また障害児はその障害の内容や程度によって、また取り巻く環境によって、必要とするサービスが多種多様です。障害者一人一人のニーズを的確に把握し、質の高いサービスを提供できる人材を確保していくことが求められております。
 今回の補正予算案には、この人材確保のための福祉・介護人材の処遇改善事業を実施するための予算額が計上されております。ぜひこの事業を活用して、都内の障害福祉サービスに従事する職員の処遇を改善し、障害者に良質なサービスを提供できる体制を整備していただきたいと思います。
 ここで、この事業について幾つか質問をいたしますが、まず、今回の処遇改善事業の概要について、改めてお伺いいたします。

○芦田障害者施策推進部長 今回の処遇改善事業は、福祉・介護職員の処遇改善に取り組む事業者に対し、平成二十三年度末までの助成を行う事業でございます。
 障害福祉サービスにつきましては、サービスの質の向上と経営基盤の強化、職員の処遇改善を図るため、平成二十一年四月にプラス五・一%の報酬改定が行われたところでございますが、他の業種との賃金格差をさらに縮め、障害福祉サービスが確固とした雇用の場として成長していけるよう、処遇改善を一層進めていく必要があることから、この事業が創設されたところでございます。
 都におきましては、このような事業目的に従い、直接処遇に当たる福祉・介護職員を対象とし、常勤職員一人当たり平均で月額約一万五千円の賃金引き上げに相当する助成金を交付する処遇改善事業を、全額国庫負担により実施するものでございます。

○野上委員 この人材確保が非常に難しい、直接処遇に当たる職員を対象に、給与改善などの効果が上がるように実施するとのことですけれども、事業に要する経費として、どれぐらいの予算を計上しているのか伺います。

○芦田障害者施策推進部長 国は、処遇改善事業を平成二十一年十月から二年半にわたって実施することとし、その財源として、総額一千七十億円を用意し、各都道府県が設置している基金への積み増しにより対応するとしております。
 都は、今定例会に提案しました平成二十一年度補正予算案におきまして、障害者自立支援対策臨時特例基金に百三十九億五千万円の積み増しを行うこととしておりますが、そのうち、処遇改善事業に関するものが約百十億円となっております。また、平成二十一年度分の事業実施に要する経費といたしましては、同じく平成二十一年度補正予算案におきまして、十四億八千万円の歳出を計上しております。

○野上委員 かなりの、十四億余ということで経費が投入されるわけですから、ぜひ効果が上がるように使っていただきたいと思っております。
 既に申請受け付けに入っておりまして、ニュースでも今回の処遇改善事業について報道がなされているところでございますが、これまでの都の取り組みと、これからのスケジュールについてお伺いいたします。

○芦田障害者施策推進部長 職員の賃金や給与水準が向上するなど、具体的な効果が上がるように事業が実施される必要があることから、都は助成金の交付見込み額を上回って賃金を改善する計画が作成されているかを審査し、適正と認めた事業者を助成金の交付対象として承認しております。
 今後の助成金の支払いスケジュールでございますが、初回の助成金は、平成二十一年十月分のサービスに係る報酬の支払いと同時の今月十二月十五日に支払える予定でございます。以後の助成金も、報酬の支払いと同様、サービス提供の二カ月後に支払われ、平成二十四年五月まで支払いが行われることになります。
 なお、都は、国の補正予算成立後、事業の趣旨、目的及び申請手続につきまして周知を図るため、八月上旬に事業者説明会を開催するとともに、その後、電話及びファクシミリによる専用相談窓口を設けて、個別の問い合わせに対応してきたところでございます。

○野上委員 既に申請を受け付けているということですが、先ほどの早坂理事の介護保険の処遇改善事業に関する質疑でも、申請がそれほど伸びていないという話がありましたけれども、この障害者サービスの処遇改善についても、まだ未申請のところがあるようにも伺っております。
 事業者からは、申請のための提出書類が多くて、特に先ほど吉田副委員長もおっしゃっていましたけれども、事務負担の軽減をどうしていくのかということとかがありますが、専任の事務職員がいない零細な事業者にとっては、書類の作成がなかなか負担である上に、関連する手続が煩雑であるというような声も聞いております。せっかく国費を投じて実施する有意義な事業なのですから、できるだけ多くの事業者に活用していただいて、人材の確保、定着を図ってほしいと思っております。
 事業者への周知や関連手続の案内、書類作成に当たっての事務負担の軽減について、都としてどのように進めていくのか、見解をお伺いいたします。

○芦田障害者施策推進部長 八月に行いました事業者説明会では、特に申請書類につきまして、記載例に沿いながら説明を行うとともに、記載事項の一部の自動的な入力や、助成金の見込み額の自動的な算定ができるように工夫を加え、申請を行う事業者の事務負担の軽減を図ったところでございます。
 説明会の後に設けた専用窓口では、就業規則や給与規定の改正の要否、社会福祉法人における理事会の開催や所轄の労働基準監督署への届け出の手続に至るまで、必要な助言や案内を行ってまいりました。
 さらに、平成二十二年度の申請手続に向けましては、事業者が一層円滑に申請事務を行うことができるよう、今月二十五日に開催予定の事業者説明会におきまして、平成二十一年度の申請受け付けの際に事業者から質問が多く寄せられた事項を中心に、具体的な事例を織り込みながら、一層わかりやすく説明を行う予定でございます。

○野上委員 さまざまな改善策を検討していることがよくわかりました。多くの事業者がこの事業を活用して、ぜひきめ細かく、丁寧な対応をしていただけるようにお願いをしておきます。
 このような対策により、人材が確保され、事業者の経営も安定し、サービスが拡大していくことは大変喜ばしいことですが、せっかくサービスがふえても、利用者がサービスにアクセスできないようでは、障害者の地域での生活を充実させていくことはできません。
 そのような観点から、関連になりますけれども、盲ろう者の問題について一点だけ伺います。
 かねてから、私ども都議会公明党は、盲ろう者の声をすくい上げ、東京都に事業の充実を働きかけてまいりました。そして、ことしの五月下旬に、都内に全国初の東京都盲ろう者支援センターが開設されました。盲ろう者支援センターが事業を開始して約半年が経過したところでございますが、これまでに全国から盲ろう者や家族、自治体の職員や関係者など、約千人を超える方々が相談や施設を訪れていらっしゃるそうです。また、コミュニケーションの訓練とか、パソコンの操作の訓練、生活訓練なども充実してきております。盲ろう者自体は都内で約二千人いると推計されておりますが、盲ろう者のための支援や訓練を受けている人は現在、百人にも満たない状況だそうです。盲ろう者支援センターの活動をきめ細かく普及啓発して、何の支援も受けられずに閉じこもりがちになっている盲ろう者を一人でも多くこのセンターに結びつける取り組みが必要であると考えます。
 聞くところによりますと、大田区では独自に普及啓発の取り組みを行っているということなんですが、都としては今後どのような普及啓発を図っていくのか、所見を伺います。

○芦田障害者施策推進部長 大田区では、ことしの十月、区内の身体障害者手帳所持者を調査し、その中から、視覚障害と聴覚障害をあわせ持つ盲ろう者を把握し、それらの方々にわかりやすくつくり直した盲ろう者支援センターのパンフレットを送付するなど、普及啓発への取り組みを始めたところでございます。
 この取り組みによりまして、今まで盲ろう者支援のサービスを全く受けていなかった方からの相談があったと聞いております。今までサービスを受けずにいた盲ろう者の方に対して、盲ろう者支援センターの事業について普及啓発を行うことは、大田区の例のように、地域できめ細かく取り組んでいくことが重要であると考えております。
 都はこれまで、各区市町村の連絡会や、都民向け催しなどを通じて普及に努めるとともに、地域で活動している民生児童委員にも普及の協力をお願いしてきたところでございます。
 今後とも、大田区の取り組み例を各区市町村に紹介するほか、センターを運営しておりますNPO法人東京盲ろう者友の会とも連携し、さまざまな機会を通じて普及啓発を図ってまいります。

○野上委員 最後になります。
 まだまだ盲ろう者支援のサービスについて知らない盲ろう者の方、あるいはご家族の方も多く、なお一層の普及啓発が必要であります。
 盲ろう者の方は目も見えない、耳も聞こえない、真っ暗やみの中で、しかも静寂な世界の中で生きている、壮絶な孤独な世界だと思っております。
 引き続き、大田区の例のように、身近な地域できめ細かい周知を図っていくとともに、都においてもあらゆる方策を講じて、盲ろう者支援のための普及啓発に努めていただくよう要望して、私の疑問を終わります。

○大山委員 まず、百六十二号議案、地域医療再生基金条例について質疑します。
 これは、地域における医療課題の解決に向けて策定する地域医療再生計画に基づく事業を実施するための基金を設置する条例ですね。この基金もそうですけれども、ほかの基金も国からの予算のみと。都の上乗せというのはありません。
 地域医療再生計画、これ、東京都は多摩地域と区部東部保健医療圏の計画を国に出しています。多摩地域の課題として一冊あるわけですけれども、人口当たりの病床数や医師数が都平均を下回っており、特に中核的機能を有する病院が少ない中、小児医療及び周産期医療の確保が大きな課題と、こう述べています。現状及び課題というところがありますけれども、それについては、(1)が小児医療、(2)が周産期医療、そして(3)が医療人材となっています。この三つが、つまり、多摩地域で充実させる必要があるし、それから、この三つを充実させないと多摩地域の医療は再生できない、そういうことですね。
 きょうはNICUの整備について質疑します。
 この間も三十日の常任委員会、それから代表質問でも取り上げましたが、何といっても、清瀬小児病院がある北多摩北部医療圏そして八王子市からNICUの病床が一つもなくなる、これは深刻なことなんです。現状はどうかというのをまず押さえておかなきゃいけないことだと思います。
 二〇〇二年度からの推移を見ますと、区部では、二つの大学病院が二〇〇二年度以降、現在までにNICU病床を新設して、そのほかにも増床した大学病院がありますから、都立母子保健院、これ廃止してしまいましたが、差し引き三十三床の増床で、区部には現在、合計百七十七床のNICUがあります。一方多摩地域は、武蔵野赤十字病院と町田市民病院が新たにNICUを設置して、そのほかに一カ所の病院で増床しましたから、合計十五床ふえて、多摩地域は今現在は四十二床です。
 この七年間だけを見ても、区部は三十三床ふえて、多摩の地域は十五床しかふえなかったんです。今でも、多摩地域のNICUは少ないし、ふえにくいんです。にもかかわらず、NICUを持っている清瀬と八王子小児病院をなくしてしまう、これはもう、都民の皆さんにとったら全く納得がいかない。小児総合医療センターにNICUとM-FICUをつくるから拡充なんだ、そんなことを、厚生委員会でもそれから本会議でも答弁をしました。しかし、都がやろうとしていることは、北多摩北部医療圏それから八王子市に、NICUをゼロにするということなんです。
 まず、目標に対する現在の到達についてです。
 NICUの整備目標は、二〇〇六年度までに二百床整備をする。つまり出生一万人当たり二十床にする、そういう目標がありましたが、この目標に対しての到達、これはどうなっているでしょうか。区部と多摩、それぞれ状況はどうでしょうか。

○吉井医療政策部長 お答えいたします。
 都は、NICU病床につきましては、都全域を一つの圏域といたしまして、平成九年に、出生一万人対二十床、整備目標は二百床でございますが、これを定めたところでございます。
 この十二月一日現在でその状況を申し上げますと、都全域で二百十九床、区部が百七十七、多摩地区においては四十二でございます。

○大山委員 目標に対してどうかということなんです。東京都全体でいってるということですけれども、東京都全体というか、目標に対して、それぞれ、多摩地域とそれから区部で、出生一万人当たり何床になったんでしょう。

○吉井医療政策部長 失礼いたしました。現在の状況で申し上げますと、人口一万対二十一・九という形になっております。二百十九床でございますので。

○大山委員 東京都を一つの圏域としてやってるんだ、そんなこといってるから多摩地域での整備がおくれるわけですね。東京都全体で整備する目標だけど、区部と多摩で今どうなったのかということですよね。結局、東京都全体だったら、二十一・九とご答弁しましたから出生一万人当たり二十床という目標は到達していますね。その中身はどうかということなんですよ。
 区部では、出生一万人当たり二十五・三床ですね。しかし、多摩地域では、出生一万人当たり十一・四床なんですよ。ですから、多摩の地域では二〇〇六年までの目標にも達していない。しかも、あと一歩というぐらいの達成率じゃないんです。二十床のところ、十一床ですから、目標の六割にも達していないということなんです。
 やはり、現状でも、区部と多摩地域は大きな差があるわけですよね。だからこそ、その目標を東京都全体でというような大くくりのものではなくて、きちんと区部と多摩、そういうふうに目標自体を持たなきゃいけないということなんです。本会議などでも、ネットワークをとるんだっていっていましたけれども、NICUの病床自体がないわけですから、ネットワークだってとりようがないといわなきゃいけません。
 今のは二〇〇六年までの目標に対しての到達ですね。国は、出生一万人対二十床というこれまでのNICUの整備目標を引き上げて、出生一万人対二十五から三十床必要だとしましたけれども、それに伴って東京都はどう対応するんでしょうか。

○吉井医療政策部長 お答えいたします。
 NICUの増床の関係でございますけれども、これもお答えをしてございますけれども、東京都といたしましては、出生一万人対三十を基本といたしまして、周産期医療協議会の意見を聞きながら、先ほども申し上げましたが、東京都全域を一つの圏域として具体的な整備目標を定め、増床に取り組んでいくということでございます。

○大山委員 今、全域を圏域にして整備してきたら、こんなにも差が出てきちゃったわけですよね。国の新しい目標でいうと、多摩地域のNICUは何床必要ということになるんでしょう。

○吉井医療政策部長 先ほども申し上げましたように、NICUの、いわゆる高度な三次の医療機能と申しますのは、これは都全域でもって整備をするというのが基本でございまして、限られた医療資源の中で体制整備を図るというところでございます。ということで、先ほどお答えしたとおりでございます。

○大山委員 結局、東京都全体で一つの目標しかないんだということですよね。多摩地域や、それから区部で何床整備するとかという目標を持たずにやってきたために、現在の多摩と区部のひどい設置の格差になっている。だからこそ、底上げしなきゃいけないわけですよね。底上げするというのは、少ないところに多くしていくんだということですよ。その目標を持つこと、これは不可欠なことだといえます。
 今でも区部と多摩と格差があるわけですが、出生一万人に対して二十五床から三十床と国はいっているわけですが、そうなると、多摩地域では、五十一から五十九床ふやさなければならない計算になりますけれども、そうですよね。

○吉井医療政策部長 先ほどもお答え申し上げましたが、NICUの高度な三次の医療機能と、それから周産期のネットワークグループというのがございますけれども、いわゆるローリスク、ミドルリスク、ハイリスクという形で、それに応じた医療提供体制を、限られた医療資源の中で講じていくというのが基本でございます。そういう意味から申し上げましたように、出生一万人対三十床、これを東京都の一つの圏域の必要数ということで、具体的な目標を定めていくということでございます。

○大山委員 本当に、こんなに多摩の地域と区部の地域で整備に差があっていいと思っているんですか。

○吉井医療政策部長 まず、お答え申し上げますが、多摩地域においての、いわゆる周産期の医療の提供体制ということで見てまいりますと、まず先ほど来申し上げました三次の部分につきましては、今回の小児総合医療センターと多摩総合医療センター、この整備によりまして、NICUを、現在のいわゆる十五床から九床増床いたしまして二十四床にいたします。さらに、母体も対応できるM-FICU、こうした病床も九床整備することによりまして、都内最大の総合周産期母子医療センターというものを確保いたします。
 さらに、ここだけではなくて、地域との関係ということで、現在ドクターカーを八王子小児病院に配備しておりますけれども、これに加え、いわゆる小児用のドクターカーも総合センターに配備をいたしまして、多摩全域を網羅して、緊急の医療体制について整備をするものでございます。
 さらには、リスクに応じた周産期医療体制を構築するため、いわゆるミドルリスクに対応できる周産期連携病院に加えまして、新たに新生児の対応ができる病院の創設もあわせ検討しておりまして、いわゆる総合周産期母子医療センターが中心となった多摩全域を対象としたネットワークグループ、これを立ち上げてまいりたいというふうに考えております。これによりまして、地域の病院、診療所等の連携を進めてまいりたいというふうに考えてございます。

○大山委員 いろいろいいますけれども、結局、何を聞かれてもそれを答えるしかないんですよね。いうことがないわけでしょう。
 小児総合医療センターで差し引き九床ふやします、二十四床あります、ここに大きいのがありますから、M-FICUもつくります、母体搬送もできます、それはそれでいいですよ。それはそれでつくればいいんです。
 しかし、それでも四十二床から六十床、多摩の地域は足りないんですよ。そんなときに、清瀬と八王子を廃止して、新たな空白な地域をつくる。おかしいと思わないんですか。

○吉井医療政策部長 先ほども申し上げましたが、空白地域ということではなくて、周産期の高度医療機能、これにつきましては、基本的に、四六時中の、いわゆる監視装置をつけたような形の高度な対応が必要だということとあわせまして、新生児と母体と両方できるような形のものが、多摩には今まで、正直申し上げまして杏林しかなかったという状況がございます。
 今回、小児総合医療センターと多摩総合医療センターを整備することによりまして、ここで総合周産期の母子医療体制が格段に充実するということでございます。そうした広域的な対応と加えまして、多摩の北部地域でありますとか八王子の地域につきましては、議会でもいろいろご提案をいただいたような形のことも含めて、いわゆる二次の体制等についても強化を図っていると、こういう状況でございます。
 限られた医療資源を有効に活用するために、いわゆる今までM-FICUの体制も多摩地域になかったことが、今回こうやって拡充されるということを申し上げたいと思います。

○大山委員 M-FICUをつくることを否定しているなんてことは一言もいっていないでしょう。
 今あるものを、あえてなくす、これはおかしいじゃないですか。しかも、足りているところならいいですよ。圧倒的に目標にも達していない、二〇〇六年の目標にも達していないところ、多摩の地域をなくしてしまう。今あるものをなくしてしまうこと自体おかしいじゃないか、そういっているわけですよ。
 それで、全都で一つの圏域なんだ、それでやるんだといいますけれども--これは東京都周産期母子医療センター等の配置図、猪瀬氏が座長になっている、この「周産期医療体制の充実に向けて」のプロジェクトチームの資料編で出ているものです。
 これは何がかいてあるかというと、東京都の地図がかいてあって、東京都周産期母子医療センター等の配置図、NICUだとか周産期の、総合周産期センターがどこにあるかとか、どういうふうにブロックになっているのかというのを示した図ですよ。
 今、目標は、東京都全体が圏域なんだからそれで決めるんだ、そういいますけれども、ひどいと思うのはね、区部は、例えば、区部中央ブロック、ちゃんと二次医療圏の区部中央医療圏ですよね。二次医療圏と対応するブロックにしているんです。それから、区東北部ブロック、これも二次医療圏の区東北部医療圏ですよ。ですから、区部については、七つある二次医療圏、それごとに周産期母子医療センター、総合医療センターと母子医療センターを整備していくブロックになっているんですよ。区部ではちゃんと二次医療圏ごとにブロックにして、周産期医療をきちんと整えていきましょうと。
 にもかかわらず、これ何ですか。点線ですよ、二次医療圏、点線。多摩の地域は、五つある二次医療圏を全部一緒くたにして、多摩ブロック、一つですよ。だれが納得できますか。
 どうして区部は二次医療圏ごとにブロックになっていて、多摩地域は五つの二次医療圏を一つのブロックにしちゃったんですか。

○吉井医療政策部長 お答えいたします。
 ただいま示された整備のブロックとおっしゃられましたけど、整備のブロックではございません。あくまでも総合周産期母子医療センターが、その地域の中で診療所等と連携をとり合って、搬送等を受け取るかどうかということでやるためのブロックでございまして、整備ブロックということではございませんので、申し上げたいと思います。

○大山委員 もう詭弁ですよ、それ。だって、このブロックの中で連携をとりますということでしょう。区部のそれぞれの地域には必ず総合周産期母子医療センターが一つないし二つあるんですよ。この中で連携をとります、これが単位だということをいってるようなもんじゃないですか。どうして区部ではちゃんと二次医療圏ごとに連携をとるようになっているのに、多摩では五つある二次医療圏が一つなんだ、だれが考えたっておかしいんじゃないですか。
 医師、医療資源不足だとかっていっていますけれども、医療資源、お医者さんだとか看護師さんが不足してるというのは多摩地域だけの問題ではないですよ。全国の問題ですよ。国の政策の問題ですけど。と同時に、多摩の地域では、結局、二次医療圏ごとに整備するように分けられないからじゃないんですか。
 以前、我が党の質問に、多摩地域でNICUがふえないのは周産期医療に対応できる医療機関が少ないからだ、そう正直に答えてますよ。結局、周産期医療に対応できる病院が多摩の地域は少ないからだ、そういうことですね。違うんでしょうか。
 清瀬、八王子をなくしたら--清瀬と八王子はそれぞれ周産期医療に対応できる、NICUを運営できる病院なわけです。それをなくしちゃうわけですから、ますますふやす見込みがなくなるのははっきりしているんじゃないでしょうか。違いますか。

○吉井医療政策部長 お答えいたします。
 先ほどのブロックは詭弁でも何でもなくて、現行ある総合周産期母子医療センター、ここに対して三次レベルの患者を搬送する、そのために設けられた、いわゆる運用上のブロックでございます。搬送体制のブロックということで申し上げたいというふうに思います。
 それから、確かに多摩地域においてNICUを実施しているところは少のうございますけれども、先ほど来申し上げますように、今回、いわゆる清瀬小児それから八王子小児は、いわゆるNICUは持っておりますけれども、母体の方のM-FICUは有していないという、そういう状況の中で、M-FICU九床も含めた小児総合、多摩総合医療センターを整備して、多摩地域についてのいわゆる周産期医療体制、これを整備していこうというものでございます。

○大山委員 連携とる、連携とるといいながら、結局、清瀬と八王子は、地域の周産期母子医療センターなわけでしょう。それをなくすわけですよ。連携とる中心になるところをなくしちゃうわけですからね。
 さっきからM-FICUって強調していますけど、M-FICUはつくってください。それはそれでつくればいいわけですから、そんなことはわざわざ何度もいうことはありません。
 現状を変える姿勢がないから多摩でふえないわけですよ。多摩地域で不足しているのは事実でしょう。事実じゃないんですか。明らかな事実なんですから、全都での目標という大ざっぱな目標ではなくて、集中的に力を入れるのはどこなのか、明確にする必要があるわけですよね。
 きちんと今明らかになっているのは、目標を不明確にしていて、だから、できないことを、できないというか、周産期医療にきちんと対応する病院が多摩地域でふえない、それが原因だというのはもう明らかになっているわけですから、それに対して東京都が何をするのか、どうしたらいいのか、これをはっきりさせない限り、この多摩地域でNICUを充実する、ふやすということはなかなか困難だというのは、もうだれも否定できないわけですよね。
 しかも、どういうふうにふえてきたのかを見ると、区部だと、小児救急もそうですけれども、NICUを持っているところも大学病院などの民間病院がほとんどなんですね。多摩地域では、五つの病院のうち民間は二カ所で、大学病院と日赤ですね。町田市民病院はNICUを今年度からスタートさせました。ですから、多摩の五カ所のうち、三カ所が都立の二つの病院と市立の町田ですよ。不採算だからこそ、自治体の役割が大きいといわなければならないわけですね。
 代表質問のたぞえ議員への答弁で、周産期医療は高コストで不採算医療であり、都は国に対して、診療報酬の大幅な引き上げと国庫補助制度の充実について要望している、あわせて、都として、NICUの増床を促進するため支援策の充実について検討している、こう答弁していますよね。不採算医療だということ、これ認めているわけですよね。だから、周産期医療を担うところがふえないんだ、東京都も認識しているわけです。
 不採算医療、それから行政的な医療を担うのは東京都の役割です。M-FICUをつくるんだと強調していますけれども、巨大な病院を一つつくって、高度専門医療もやるんだから、みんなそこに来ればいいでしょう、来なさい、地域の医療はあとは野となれ山となれだ、それでは子どもの命は守れませんよ。
 福祉保健局は、子どもの命を守る立場に立って、それこそ、清瀬小児と八王子小児病院を廃止しないでほしい、地域医療を守るためにはこの病院は必要なんだということを、きちんと都の行政の中でも主張すべきだと思うんですよ。二次医療圏ごとのNICUの整備目標もきちんと明確にして整備をしていく、これを強く求めて、次の質問に移ります。
 もう一つは、百六十五号の介護職員処遇改善の基金の条例についてです。
 余りにも低い介護職員の給与について、常勤換算で月額一万五千円上げることができるようにするための基金を積み立てる条例だということですね。ことしの十月申請分から適用されるということです。介護職員が今回の基金事業の対象ですけれども、都内で雇用されている介護職員というのはどれぐらいいるんでしょうか。

○狩野高齢社会対策部長 厚生労働省が毎年実施しております介護サービス施設・事業所調査によれば、東京都の介護職員数は平成十九年十月一日現在、約十万一千人でございます。

○大山委員 約十万一千人の介護職員が働いているということですけれども、昨年六月に東京都が発表した平成十九年度特別養護老人ホーム等経営実態調査によれば、常勤介護職員の平均給与は、特別養護老人ホームが年間三百八十七万七千円、老人保健施設が年間三百四十一万四千円ですね。これでは展望は持てないというのはそのとおりだと思います。
 これは東京都社会福祉協議会が実施した平成十九年度の調査ですけれども、定年以外での中途退職者は五年間で一割強、十七年度には平均四名。退職理由はうつ病などを含めた病気や健康上の理由も多くなっている。それに対して、正規職員の新規採用職員は平均三・八名と正規職員による補充ができていない、そういう状況が調査で明らかになっています。欠員状態は、平均四・三カ月。新規採用職員をスムーズに確保できている施設は二割にとどまっている、そういう悪循環になっています。
 都のさっきの調査でも、施設長の七割以上が、緊急に解決の必要な課題として人材確保を挙げているわけですが、介護職場での人材確保、定着が困難となっている原因を東京都はどう認識しているんでしょうか。

○狩野高齢社会対策部長 介護現場での人材の確保、定着についてですが、財団法人の介護労働安定センターは、三年に一度の大規模調査として、介護労働者の就業実態と就業意識調査を行っております。
 その調査結果によれば、仕事をしていく上での職員の悩みとして、まず第一に仕事の内容の割に賃金が低いこと、二つ目に業務に対する社会的な評価が低いこと、精神的にきつい、体力的に不安がある、夜勤業務など不規則勤務への負担感などが挙げられております。さらに、採用後の研修教育体制が不十分なことなども挙げられております。
 こうしたことから、人材の確保、定着が困難な理由は、単に賃金の問題だけではなく、さまざまな要因によるものと考えております。

○大山委員 単に賃金だけの問題じゃないんだということなんですけれども、先ほどの東社協の調査では、福祉の仕事を選んだ理由というのは、やりがいがある、人と接する仕事がしたいというのが上位なんですね。
 しかし、今の職場に対する満足度、これは賃金、給与、その項目だけが不満足が満足を上回ったんです。専門性と待遇の関係では、三割が、専門性に見合っていない。いつまで福祉の仕事を続けたいか、また将来担いたい業務は何かということに関して、定年まで続けたいというのは二割にとどまって、その六割が、体力や家庭の事情が許す限り、そう考えているんだというわけですね。
 ですから、本当にきつい仕事なんだけど、それに伴う報酬、給料が少ないんだと。だから、さっきいった平均の年収で三百八十七万七千円、三百四十一万四千円、これじゃちょっとね、結婚して子どもをつくってという状況にはなかなかなれないわけですよね。だから、家族の事情の許す限りと、そう答えている方が多いわけですね。結局、将来担いたい業務は直接サービスが最も多くて、経営やマネジメントの業務は魅力を感じていないわけですね。
 ですから、やりがいはあるけど心身ともにきつい労働で、しかし、やりがいがあるから体力の続く限りはやりたいし、家庭の状況が許す限りは続けたいけど、専門性や労働に見合った賃金ではなくて、家庭を持ったら経済的に困難だから続けられないかもしれないと、こう思ってるわけですよね。仕事は好きで、直接利用者に接している仕事を続けたい、そういう姿が浮かび上がってくる調査だったと思っています。
 介護職員の非正規化が問題になっていますが、非正規雇用と正規雇用の割合はどうなっていますか。

○狩野高齢社会対策部長 先ほども申し上げました厚生労働省の介護サービス施設・事業所調査によれば、平成十九年十月一日現在で、先ほど申し上げました都内の介護職員、十万一千人のうち、四四%が常勤職員であり、五六%が非常勤職員となっております。

○大山委員 本当に、この非常勤職員が五六%、まさに常勤職員を超える非常勤職員で成り立っているという状況。しかも、非常勤職員は常勤職員よりも当然、低賃金にあるということは明らかなわけですね。
 今回、国も介護職員の賃金を上げなければならないということになったわけですけど、現場からは、期間限定なので基本給に反映しにくいとか、対象が介護職員だけなので同じ職場の他の職種には反映されないなどの問題点が指摘されています。抜本的な改善が求められますけれども、どう対応しようとしているんでしょう。

○狩野高齢社会対策部長 先ほど早坂理事のご質問にご答弁いたしましたように、私ども、今回の経済危機対策に伴う介護職員の処遇改善の発表があって、直ちに四月十七日に厚生労働省老健局長に対して、今回の処遇改善については、東京など大都市部などにおいて、より深刻な介護人材不足に対応するため、今回の処遇改善についても、介護報酬と同様、賃金や物価水準の地域差を適正に反映した内容とすることという緊急要望を行っているところでございます。

○大山委員 平成二十四年には介護報酬の次期改定だということですけれども、それにしても例えば、今回の、東京都は、賃金に反映できるようにということですけれども、たとえ、実際一カ月一万五千円が丸々反映されたとしても、特養や老健の常勤で、さっき三百万円台でしたけれども、常勤であったとしても年間収入が四百万円行くか行かないかということですよね。これは、抜本的に専門職としての位置づけもはっきりさせて改善させていかなきゃいけないということだと思っています。
 しかも、やはりこの介護職員の平均勤続年数、これ東京都の調査ですけれども、常勤の介護職員、特養では五・一年、老健では介護職員常勤で三・七年の平均勤続年数なんですよね。本当に職員集団としての対応、それから、職員集団としての処遇改善だとかということが求められ、処遇の質を高めていくということが必要である職場であるにもかかわらず、この平均勤続年数では、もう本当に職員が入れかわり立ちかわりになっているという状況だと思うんですね。
 ですから、抜本的に改善させなければならないと思いますし、今回の事業で、給与のアップのために使わなきゃいけないと限定されていることは、これは重要だと思うんですけど、どうですか。

○狩野高齢社会対策部長 これまでの介護報酬の改定と異なりまして、今回の介護職員処遇改善交付金については、直接介護サービスに従事している職員の方の賃金の改善に資するものと評価をしております。

○大山委員 本当に、直接賃金の改定に資するものだと。これ、重要なことなんですよね。
 都として公私格差是正事業をやってたわけですけれども、それは職員の給与のためだけに使いなさいよ、Aさんはこれですよ、Bさんはこれですよといって、ちゃんと職員の処遇改善のために使う補助金で、そのために、働き続けられる職場になってきたわけですよね、福祉職場がね。
 ですから、介護保険導入を口実にしてその重要な制度である公私格差是正事業をなくしたことが、都内で働く介護の職員それから福祉職場の職員の処遇を大幅に低下させたわけですね。東京の福祉人材確保、定着を困難にさせてきたわけですね。その公私格差の是正をなくしたと。
 東京都は、都内の介護職と看護職についてはさっき調査していましたけれども、これ、特養ホームと老健施設については調査していますけれども、福祉人材の低賃金というのは介護職だけじゃないわけですね。しかも、公私格差是正事業をなくしたから、ほかの福祉職も本当に低賃金だというのは社会問題になっているわけです。
 ホームヘルプの分野も低賃金というのは、これはもう自明のことですし、他の福祉職の実態もきちんと調査をして、都として対策を立てる必要があるんじゃないんでしょうか。

○狩野高齢社会対策部長 私どもの所管は介護保険制度ですので、高齢者の介護の分野に限ってお答えさせていただきます。国は、介護サービスの提供基盤の整備に関する資料を得ることを目的に、例えば介護サービス従事者の職種別、常勤、非常勤別の従業員数や、施設における介護、看護職員一人当たりの利用者数などを調査項目とする、先ほども申し上げた介護サービス施設・事業所調査ですとか、報酬改定の前には、必要な基礎資料とするための介護事業経営実態調査などを行い、例えばサービス種類ごとの常勤換算職員一人当たりの給与ですとか収支差額率など、介護サービス事業の経営実態を把握しているところでございます。
 それに加えて都は、大都市特有の、例えば賃金や物価、地価等の地域差、そういった課題が経営にどういう影響を与えているのかということを把握するために、特別養護老人ホームと介護老人保健施設をいわばサンプルにして、平均給与額や勤続年数、財務状況などを調査項目とした詳細な調査を独自に実施しているところでございます。

○大山委員 大都市特有の状況があるんだというのは、もう認識されているわけですから、介護の職場、介護の職種だけじゃなくて、福祉人材の全体もきちんと実態の調査をして、そして対応していくというのが東京都の役割だと要望して、質問を終わります。

○門脇委員長 質疑の途中ですが、この際、議事の都合により、おおむね十五分休憩いたします。
   午後三時一分休憩

   午後三時十七分開議

○門脇委員長 休憩前に引き続き委員会を再開いたします。
 質疑を続行いたします。
 発言をお願いいたします。

○新井委員 私からは、第百六十号議案、東京都社会福祉施設等耐震化等臨時特例基金条例について、第百六十三号議案、東京都地域自殺対策緊急強化基金条例について、この二つの議案について質問します。
 まず初めに、社会福祉施設の耐震化についてですが、さきに質問されている委員もいますので、重複を避けて質問したいと思います。
 先ほど吉田副委員長との間で行われた質疑で、都では既に平成二十年度より社会福祉施設の耐震化に取り組んでいると聞きました。事前説明で、社会福祉施設等耐震化等臨時特例交付金の歳入見込みは約六十七億一千四百万円と聞きました。
 また、この財源を社会福祉施設等耐震化促進事業と一般の施設整備費に充当する予定と聞きましたが、平成二十二年度の社会福祉施設等耐震化促進事業の歳出予算の要求規模は何施設でしょうか。
 また、その規模で十分対応できるんでしょうか。

○松井総務部長 平成二十二年度の社会福祉施設等耐震化促進事業は、耐震診断として百二十二施設分を、耐震改修として五十六施設分を要求してございます。
 今年度の予算に対する執行状況を見ますと、十分に対応できるものと考えております。

○新井委員 ただいまの質疑で、予算的には十分対応できると理解しました。阪神・淡路大震災のときに最も多い死因は、建設物の倒壊や家具の転倒などによる圧死でした。
 そこで、関連してもう一つお聞きしますが、住宅の高齢者や障害者に対し、地震が起きた場合の家具類の転倒防止の事業に取り組んでいる区市町村があると聞きます。具体的には、高齢者や障害者の自宅の家具をL字型金具や連続金具などを用いて固定することで日常の安全・安心を確保し、その費用を助成する事業であると聞いています。
 そこで、こうした取り組みに対する都の支援について伺います。

○松井総務部長 今、委員お話しいただきました事業を行う区市町村に対しまして、東京都は、包括補助事業により支援を行っております。
 平成二十年度は、在宅高齢者を対象とした事業で三十三区市町、在宅障害者を対象とした事業では七区市に対しまして補助を行っているところでございます。

○新井委員 保育所や、障害者や高齢者施設は、自力で避難が難しい方が多く利用する施設で、また、その施設の一部は、大震発生時、被災者の受け入れ機能を果たします。地震が発生しても安心して運営できる安全な施設の実現に、都として取り組んでいただきたいと思います。
 次に、地域自殺対策の緊急強化について質問します。
 日本で自殺者が一気に三万人以上になったのは、九七年秋の三洋証券、北海道拓殖銀行、山一證券と立て続けに大型金融破綻事件がきっかけとなり、九八年五月にかけまして失業者が急増したときです。二〇〇八年九月のリーマンショックに代表される世界金融危機が世界同時不況への引き金となっており、二〇〇八年末から失業者数が急増していることを考慮しますと、九七年のときと同じような状況にならない対策を緊急にすべきだと考えています。
 日本では、毎日百人が自殺で亡くなっています。私の地元、日野市におきましても自殺未遂が年間四百人もいますので、そのことを考慮しますと、ほぼ毎日自殺未遂があり、そのうち十人に一人は亡くなっていると考えています。余りにも頻繁に起きている身近な問題ではないでしょうか。
 今回質問するに当たり、自殺対策を十数年活動されている方にお話をお伺いしました。自殺はこんなに身近な問題だとしても、余り社会問題ではなく、個人の問題として取り扱われることが多いので、消費問題のように、自分たちの身近な問題として社会が認識し、責任を持って解決をしていきたいという話を伺いました。
 そこでお伺いします。東京都におきまして、自殺の原因をどのように認識し、どのような施策が自殺防止に重要だと考えているのでしょうか。
 また、自殺に対する基本的な考え方をお伺いします。

○住友保健政策部長 自殺には、経済、生活問題、健康問題などさまざまな要因が複雑に影響しておりまして、多くの自殺は、個人の自由な意思や選択の結果ではなく、心理的に追い込まれた末の死であると認識しております。
 自殺を防ぐためには、さまざまな分野の機関が連携して、社会全体で取り組みを進めることが重要であると考えております。

○新井委員 自殺の原因、背景にはさまざまなものがあると考えていますが、平成二十年の警視庁の統計からの資料におきまして、年齢や性別により傾向に違いがあると考えられます。
 例えば三十代以降の男性は、女性と比べ、経済、生活問題や勤務問題が原因、動機になっている割合が高いです。働き盛りの男性に対しどのような施策を取り組んでいくのか、伺います。

○住友保健政策部長 三十歳代から五十歳代を中心とした、いわゆる働き盛りの男性の自殺防止のための取り組みといたしまして、今年度、多重債務担当部署や労働問題担当部署と連携し、九月の自殺対策強化月間に特別相談を実施いたしました。
 さらに、中小企業の経営者や人事管理担当者を対象とした労働セミナーで、職場での自殺防止対策の研修を行うなど、職域におけるゲートキーパーの養成に取り組んでおります。
 引き続き、経済分野や労働分野など関係分野との連携を図りながら、働き盛り世代の自殺対策に取り組んでまいります。

○新井委員 自殺を考える人は、最終的にはうつ症状を示すことが多いといわれています。しかし、その場合も、まずは身体の症状として出る場合が多く、精神科に行くよりも内科を訪れることが多いのではないかと考えられています。
 その場合など、内科医などのかかりつけ医にゲートキーパーの役割を担ってもらうことが大事であると考えています。これに関し、東京都はどのような取り組みを行っているのか伺います。

○住友保健政策部長 うつ病等の精神疾患は自殺の大きな要因の一つであり、内科医等のかかりつけ医と精神科医が連携して診療を行う必要があると考えております。
 そのため、かかりつけ医等がうつ病の診療に関する専門的な知見等を得られるよう、平成十九年度から医師を対象として、うつ診療充実強化研修事業を実施しております。
 昨年度までに四地区で実施し、今年度については六地区で研修を実施する予定でおります。

○新井委員 自殺未遂に及んだ人は、その後も同様の行動を繰り返して、結局は自殺によって生命を落としてしまう率が高く、自死遺族は自殺者の四、五倍になっています。大切な人を自殺で亡くした人が偏見にさらされることなく、悲しみと向き合い、必要かつ適切な支援を受けながら、死別の悼み、傷から回復し、その人らしい生き方を再構築できるような支援が必要です。
 しかし、自殺未遂への支援や自死遺族の支援については、東京都として余り取り組んでいないように思われます。今後どのように取り組むか、予定を伺います。

○住友保健政策部長 まず、自殺未遂者への支援についてでございますけれども、今年度、救急医療機関を受診しました自殺未遂者を対象に、モデル事業的な事業を開始いたしました。
 具体的には、自殺未遂者が救急医療機関から退院した後、地域の精神科医療機関での継続的な治療や、支援機関に確実につなぐための方策などについて、救急医療機関と連携して検討を進めてまいります。
 また、自死遺族への支援につきましては、自死により家族を失った人同士がお互いに支え合う場である、分かち合いの会の開催を支援するほか、自死遺族の支援に従事する人材の育成を行っております。

○新井委員 地域自殺対策緊急強化基金は、都においても有効に活用することが必要であると考えています。
 この基金を活用するには計画の策定が必要だと聞いていますが、どのような手続で進められているのか、お伺いします。

○住友保健政策部長 まず、基金の活用に当たりましては、区市町村と都において、それぞれが自殺対策の緊急強化のための事業計画を策定することが求められております。そのため、基金条例成立後、直ちに区市町村へ計画策定を依頼いたします。区市町村から提出された計画を取りまとめた上で、都として、二十三年度末までの計画期間中の施策等を盛り込んだ計画を今年度内に策定する予定でございます。
 なお、具体的な事業計画につきましては、毎年度策定することとしております。

○新井委員 基金の事業メニューの中で、電話相談支援事業があります。
 都内でも、既に幾つかの民間団体において電話相談を実施しています。自殺に関する相談は非常に重い内容が多く、相談者の抱える背景も多岐にわたることから、電話相談を受ける相談員には専門的なスキルが必要とされています。また、相談者が民間で行っている相談電話に電話をしてもつながりにくい状況があるものの、相談員の確保が困難なため、相談員をふやすことが難しく、相談員の多くがボランティアだと聞いております。
 このことから、自殺に関する相談を受ける相談員の育成は大変重要であると考えています。東京都は、今後、自殺対策緊急強化基金を活用し、電話相談に取り組む民間団体を支援する必要があると思います。
 電話相談支援事業につきましては、野上副委員長からもありましたが、相談員をふやすこと、専門的なスキルを相談員に身につけてもらうことの観点から、どのように支援していくのか、所見をお伺いします。

○住友保健政策部長 自殺に関する電話相談を担当する相談員には、幅広い知識に加えまして、カウンセリング等の専門的な技術が必要であると考えております。
 この基金につきましては、都や区市町村が実施する事業への活用とあわせまして、民間団体の支援にも活用が可能でございます。今後、民間団体の意向を調査いたしまして、電話相談の相談員育成への基金の活用について検討を進めてまいります。

○新井委員 先月国が作成しました「自殺対策百日プラン」の資料において、平成十六年から平成二十年の月間自殺者数の推移では、年度末の三月において自殺者が多いことが記載されています。
 昨年のリーマンショックを受け、経済、生活問題で来年三月期の自殺者が大きくふえることが懸念されます。来年三月に向け、都として対策を考えているのか、お伺いします。

○住友保健政策部長 三月は、就職や転勤、転居など生活環境が大きく変動する時期でございまして、自殺者が増加する傾向がございます。
 こうしたことから、都におきましては、九月十日の世界自殺予防デーがある九月に加えまして、三月につきましても自殺対策強化月間としており、毎年自殺防止キャンペーンを展開しております。
 二十二年三月の強化月間におきましても、自殺予防に取り組む民間団体や、消費生活の分野の専門相談機関等と連携を図りまして、二十四時間自殺電話相談や多重債務相談等の特別相談の実施を予定しております。

○新井委員 先日、ことしの二〇〇九年度版自殺対策白書が閣議決定されました。
 昨年の自殺者数は三万二千二百四十九人で、一昨年前より八百四十四人減りましたが、小学生を含む学生生徒の数は九十九人ふえ、統計をとり始めた七八年度以降最多の九百七十二人となりました。
 学生生徒の自殺は、全体に占める割合は大きくありませんが、いじめを苦にした自殺や連鎖的な傾向が見られるなど、問題があると白書は指摘しています。大人社会のしわ寄せが子ども社会にも影響を与えているのではないでしょうか。子どもが悩みを打ち明けたいときに打ち明けられるシステムづくり、こういったことを自殺対策として対応していただきたいことを述べ、私からの質問を終わらせていただきます。

○栗林委員 それでは、私の方からは、第百六十一号議案、医療施設耐震化臨時特例基金について、何点かお尋ねいたします。
 いつ起こるかわからない、また、いつ起きてもおかしくないといわれている自然災害に対して、予測できないからこそ万全な対策が必要であると思います。災害時に大変重要なのが、適切な医療体制を提供することであります。その際大きな役割を担う救急医療機関の耐震化は、最重要の取り組みと考えます。
 そういったことから、都は、「十年後の東京」計画に基づいて病院の耐震化を進めているところではありますが、まず、都内の救急医療機関の耐震化は現状どのようになっているか、お伺いいたします。

○吉井医療政策部長 お答え申し上げます。
 平成二十年五月現在、患者が利用する建物のすべてが新耐震基準を満たしていない救急医療機関、これは五十一病院ございまして、すべての救急病院の約二〇%に当たります。

○栗林委員 かなり厳しい状況がわかりましたけれども、今回の耐震化緊急整備事業は、都からの補助申請額に比べて国庫補助額が非常に少なく、この事業によって耐震化されるのは五病院とのことですが、補助の申請見込みはどのぐらいあったんでしょうか、教えてください。

○吉井医療政策部長 お答えいたします。
 三十カ所近い病院から申し込みがございました。

○栗林委員 三十カ所近い病院から申し込みがあり、また、五病院しか支援できないということは、大変残念な、非常に厳しい現実だということがわかります。
 都は先日の都議会本会議における我が党の代表質問に対して、局長から、緊急医療機関の耐震化をより一層推進するために新たな支援を検討するという答弁がございました。これは高く評価して大いに期待するところではありますが、しかしながら一方で、救急医療機関の耐震化は、国民の生命を守るための基盤整備であり、本来は、国としてもっと積極的に取り組むべきものであると思います。
 都の取り組みはとても重要ですけれども、あわせて国に対しても、もっと耐震化に向けた取り組みを強化するように強く強く要請するべきと考えますが、現在どのような対応をしていらっしゃるのか、教えてください。

○吉井医療政策部長 お答えいたします。
 ご指摘のとおり、医療機関の耐震化に向けて、国が果たすべき役割は非常に大きいものがございます。
 都といたしましては、積極的な取り組みを行っていくのと同時に、国に対しまして引き続き改築を補助対象とすることや、基準面積や基準額の引き上げなど、救急医療施設の耐震化にかかわる支援策の拡充を最重点事項といたしまして、提案要求しているところでございます。

○栗林委員 積極的に今後も働きかけていただきたいとは思うんですけれども、これでもう万全というまでいくには、たくさんの課題があると思います。
 やはり災害時に重要なのは、避難所となる学校施設、体育館、そしてこの医療機関、これが大変重要な、なくてはならない施設でございます。今までの緊急取り組みによって一定の効果は確かにございましたけれども、課題の方が多くあるのではないかと思います。
 この耐震化に関しましては、一般住宅の助成制度もそうだったんですけれども、やはり耐震診断から始まる際に、助成しますから耐震診断をしてください、こういう取り組みをいたしますと--でも、診断すると、自分のところはちょっとまずいという不安がある方は、Is値というものがたたきつけられてくるわけですから、やはりその後に耐震補強工事とか改築という、そういう資金とプランがなければ、なかなか審査も受けない、診断を受けない、そういう現状もあるのではないかと思います。まず、その辺の取り組み、整備がされない以上は、今残っている課題はなかなかクリアができないのではないかと思います。
 また、施設によっては、条件の中に、やはり多少、建てた後、増改築をしたりちょっと建て増しをとかということで、既存不適格的な内容になっている場合も、なかなか制度が利用できないような、非常に個別課題が多く含まれているのが現実ではないかと思います。
 こういった耐震住宅の耐震性能のときもそうでしたけれども、やはり条件に該当する建物が少なくて、この制度の利用に対する取り組みもなかなかそこから進まない。
 これは越えられない課題はあると思いますけれども、やはり何とか現場からの意見収集とか研究もさらに進めていただきながらこの困難な課題を乗り越えない以上、耐震化は進まないという現実がございますので、引き続きこの緊急対策等々も進めていただきながら、医療機関の耐震化に向けて一層の取り組みをお願いして、質問を終わります。

○佐藤委員 私からは、百六十三号議案、地域自殺対策緊急強化基金条例について質疑をさせていただきます。
 先ほど野上副委員長や新井委員などからも質疑がありましたので、切り口を変えてさせていただければと思います。
 現下の経済雇用情勢は非常に厳しい状況にあって、十月には国において緊急雇用対策が出されまして、昨年のような派遣村を必要とすることなく、安心して生活が送れるよう国を挙げて取り組みが開始されているところであります。
 そうした厳しい状況が続く中、年末に向けて自殺者がさらにふえることが懸念をされているところでございます。また、平成十八年には自殺対策基本法が制定され、自殺総合対策大綱についても、見直しを含め、検討が進められているところであります。
 そこで、この基金に関して何点かお伺いしていきます。
 まず、自殺者の動向について、全国及び都における推移や傾向、原因、職業別についてお伺いをします。

○住友保健政策部長 全国の自殺者数は、平成九年から平成十年にかけまして急増し、その年に初めて年間三万人を超え、以後高どまりの状態が続いております。
 東京都におきましても同様の傾向であり、平成十年以降は毎年、年間二千五百人から二千八百人の間で推移しております。
 平成二十年の自殺者数は、全国は三万二百二十九人、東京都は二千七百七十六人でございました。
 また、警察庁の統計によりますと、自殺の原因としては、健康問題が七三・三%と最も多く、次いで経済、生活問題が二二・六%、家庭問題が一三・六%、勤務問題九・二%の順となっております。
 また、職業別に見ますと、無職者の方が五六・七%、被雇用者が二七・九%、自営業が九・九%の順となっております。

○佐藤委員 平成十八年に自殺対策基本法が制定されて、取り組みが開始しているにもかかわらず高どまりである中で、自殺対策の見直しにおいては、うつ病とか、身体的な原因はもちろんですけれども、それに至るまでの社会的な構造について注視をし、改めて対策を見直すことが求められているところかと思います。今回、このような状況のもとで、この基金の活用が目指されなければならないと考えております。
 さて、先ほど、その調査に基づきお話がありましたように、自殺にはさまざまな原因があるところであります。
 そこで、これに対して、現在こうした自殺対策支援に係る導入部である相談窓口はどのようになっているのか、お伺いをいたします。

○住友保健政策部長 自殺の背景にはさまざまな要因がございます。多重債務や労働の問題、心の相談など、それぞれの分野の専門の相談機関が設置されており、専門相談の中で自殺を考えている人への相談にも応じております。
 また、自殺防止相談といたしましては、「いのちの電話」や、東京自殺防止センター等の民間団体が電話相談を実施しております。

○佐藤委員 今、お話もありましたように、自殺の要因は複合的で、それぞれに応じた相談窓口が開設をされているところであります。その上で、自殺対策に向けては、そうした相談の中において、死にたい、あるいは生きることに疲れたというサインを見出して、その必要に応じ、生活相談や心の相談、多重債務相談などに相互に連携をとり合って、総合的に支援をしていくことが不可欠だと考えております。
 そこで、現在の各関係機関や相談窓口間の連携の状況はどのようになっているか、お伺いいたします。

○住友保健政策部長 都におきましては、自殺を考える人がどの窓口を尋ねても悩みに応じた相談、支援に円滑につなげられるよう、民間の相談機関や保健所、精神保健福祉センター等の参画を得まして、こころといのちの相談・支援東京ネットワークを構築しております。
 各機関が参加するネットワーク連絡会議を開催するほか、相談機関リストを作成して共有することなどによりまして、連携の強化を図っております。

○佐藤委員 そうした形で情報を共有したり、あるいは施策の現状や取り組みの状況について意見交換をする場、そうした場を持っていくことは大変重要なことであると思います。
 ぜひ、その取り組みを進めていただくと同時に、一歩進めまして、各関係窓口の実務担当者が当事者の同意などを得た上で、そうした場合には、当事者があちこちの窓口に歩いて自分で訪れるのではなくて、支援者同士でその事案の共有を図りながら必要な支援を投入していく、そうした連携体制が求められていくところと思います。そういう意味でも、きめ細かな自殺対策の推進に当たっては、地域での取り組み、区市町村での積極的な取り組みが必要と考えます。
 事前に、平成二十一年度の区市町村における自殺対策の取り組み状況の調査を資料としていただきました。それによりますと、二十三区そして二十六市町村、さまざまな取り組みをしている状況が大変よくわかるところですけれども、普及啓発などキャンペーン、一般の人に対しての自殺防止に対する取り組み、リーフレットをつくったりとか、そういうことについては多くの市区町村で取り組まれているところではありますけれども、自殺未遂者の方への支援は六つの区市村、そして自死遺族へのケアは七つの市区町村で実施されているにすぎません。また、局をまたがる事業についての共有を図る庁内の連絡会議の設置や運営、あるいは地域でのその支援に向けた関係団体の協議会、地域自殺対策協議会の設置をしているところは四つの市区町村にすぎません。
 また一方で、この自殺対策に関しての普及啓発相談窓口、自殺未遂者あるいは自死遺族、そうした連絡会など、さまざまな自殺対策の項目を網羅している先進的な自治体というのは二つある一方で、全くそうした事業を実施していない市区町村は十四にもなっている状況にあります。
 そういった取り組みの状況の違いがありますが、やはり自殺対策が、どこに住んでいても安心して暮らして、自殺することのない支援を展開していく必要があると考えております。市区町村において自殺対策を推進するに当たっては、自殺対策に関して経験や理解のある人がいることが不可欠と考えております。
 そこで、現在、都において具体的にどのような取り組みを行っているか、お伺いをいたします。

○住友保健政策部長 区市町村において、自殺対策のための計画を立てるなどの人材を確保するために、今年度につきましては、中心的役割を果たす区市町村等の職員を対象とした研修を二回実施いたしまして、百名の受講を予定しております。
 さらに、さまざまな相談業務に携わる職員対象の研修を二回、百四十名が受講しており、合わせて年間四回、二百四十名を対象として研修を実施する予定でございます。
 そのほかの研修といたしましては、保健所や精神保健福祉センターにおいて、区市町村職員等を対象とした研修を行うなど、自殺予防のための人材育成を行っております。

○佐藤委員 そうした研修を進めていく、とても重要だと思います。
 ところで、都の方では、足立区において、こころといのちの相談・支援東京ネットワークモデル事業として、自殺対策についてのモデル事業を行っているところであります。先日、足立区のご担当の方にもお話をお伺いしましたけれども、そうした実際の事業の立ち上げに当たっては、NPOなど民間の支援団体の先進的な取り組みを生かす、企画の段階あるいは実際のキャンペーンで現場作業をともに行うといったことで、実際の事業が展開されてきたというところをお伺いしました。NPOのその取り組みを入れていくことは非常に重要なところと考えております。
 全都的に、どこにいても、自殺対策、生きることに向けての支援を構築しなければならない中、今後、この基金を活用して区市町村全体のレベルアップを図っていくことが求められていると考えます。都としてどのように進めていくのか、見解をお伺いします。

○住友保健政策部長 自殺対策を進めるに当たりましては、区市町村が主体的に取り組みを進めていくことが重要であると考えております。そのためには、まず、区市町村の窓口で相談に当たる人材の育成や、地域における関係機関のネットワークづくりが必要であり、都としても区市町村の取り組みが進むよう働きかけてまいります。
 現在、効果的な事業の実施に向けて先進的な取り組み事例の情報提供などを行っておりますが、今後とも、基金も活用しながら積極的に区市町村を支援してまいります。

○佐藤委員 ぜひ、積極的な取り組みが全都的に進んでいくことを期待いたしております。
 市区町村の方で主体的に取り組むということに向けて、都としても、その段階を追った目指す方向、今お話がありましたように人材の育成、地域における関係機関のネットワークづくり、そういった事業の立ち上げと、段階によって到達点を示して市区町村に働きかけていくことは大変重要だと思っております。
 その中で、地域の特性を踏まえて、どういった事業に力を入れていくのか。地域によっては自営業者の自殺の割合が高い地域とそうでない地域と、いろいろな特色が所轄の警察によって変わってきておりますので、そういったところを見ていく、そういったところに市区町村の主体性が発揮されていくのが大変効果的なのではないかなと思っております。
 そしてまた一方で、都としては全都的にも、自殺未遂者や自死遺族の分かち合いの会などについて、どこに住んでいても参加したりできるような体制をつくることが必要だと思います。
 今現在、分かち合いの会などは二市区町村しかないところではありますけれども、これを一気に全部の市区町村に立ち上げるのは逆に難しいことだと考えます。そうした意味で、その経過措置として位置づけて、分かち合い、自殺未遂者への集まりの場の提供について都の方で引き上げて、どこの地域に住んでいてもこういった場があるんだというインフォメーションをしていくとかいう形が、望まれているのではないかなと思っております。
 ぜひ、この基金を活用した事業が早急に動き出すことを願っておりますけれども、その動き出す時期についてお伺いをいたします。

○住友保健政策部長 自殺対策緊急強化基金につきましては、今年度から活用可能ではございますけれども、まず基金活用に当たりましては、都、区市町村おのおのが計画を策定する必要がございます。基金条例成立後、早急に区市町村に計画策定を依頼したいと考えております。
 その後、区市町村計画を取りまとめた上で都としての計画を取りまとめ、基金の活用を図ってまいります。

○佐藤委員 国においては、自殺対策百日プランにおいて、年末、年度末に向けた生きる支援の緊急的拡充等を打ち出して、地域自殺対策緊急強化基金を戦略的に活用することなどを目指しているところではありますが、なかなか時間的な意味合いで、この基金が活用できるのは年度末以降、また実際に事業が動き出すのは来年度になってくるかと思われます。
 そうした中で、それでもなお、この年末、年度末におきましては、失業者が三十七万人と昨年比で三一・七%増、そしてまた、雇用保険が期限切れになる方も六万八千二百五十四人と昨年比で二六・八%増になっている中で、自殺される方の職業別の無職者の割合が高いことは先ほどもお話がありましたとおりで、そういう意味で、この年末、年度末においては自殺リスクが高まることが懸念されているところであります。
 また一方で、百日プランでは、そうした中で緊急雇用対策との緊密な連動を図るところも明記されているところでありますが、この年末における緊急雇用対策との連動についてお伺いをいたします。

○住友保健政策部長 年末に向けた緊急雇用対策につきましては、現在、国において検討していると聞いておりますが、この経済情勢や雇用情勢が自殺とは密接に関連がございまして、現在の厳しい状況の中で自殺対策は大変重要であると考えております。
 今後も、さまざまな分野の関係機関や施策との連携を図りながら、粘り強く自殺対策に取り組んでまいります。

○佐藤委員 自殺に至るまでには、結果的にうつ病であったという方は多いと思いますけれども、例えば仕事がなくなる、そうなると家賃も払えなくなる、あるいは人との関係が断ち切られる、そうして追い込まれる中でうつ病を発生する。そうした形になっていて、当事者は複合的な問題を抱えていらっしゃいます。
 今回、十月に発表された緊急雇用対策においては、切り口は違う形で、求職者に対しての支援という切り口で、雇用につながるまでの生活支援などを念頭に置いて策定されたものではありますけれども、例えばそこで行われているワンストップサービス、心の相談であったり法律相談、あるいは生活支援においては臨時住宅など、住宅を失った方々に対して提供をして、再出発をしていく生活を支援していくということも含まれているところであります。
 この年末においては、国の方では、雇用促進住宅の短期利用に向けた要件緩和措置などを行って、セーフティーネット支援対策等事業費補助などを使ったりとかして、短期の臨時住宅の確保などがしやすいように働きかけているところではあります。東京においては、その数は百三十三という状況になっていて、一方で北海道では四千の確保をしている中で、大きく差があるところではあります。
 いずれにしても、こうした失業をして求職をする人、あるいは家を持つか持たないか、あるいは自殺を考えなければならないかというのは、それぞれ違う切り口で、その一隅の人というのは、すべての問題とはいわなくても複合的に問題を抱えているところでございます。どのような支援を活用していくのか、どのような社会資源を活用していくことがその人の生きていくことを支えていくのかという、そういった視点に立って支援を行っていくこと、あるいは事業を立ち上げていくことが望まれているところかと思います。
 そうした雇用支援やホームレスや自殺対策という区分のみならず、ひとしく人々が安心して生きていけるために何が用意できるのか、社会的な排除ということがなく社会的に包摂する方策として事業が活用されることを求めています。
 改めて、都の自殺対策、生きていくための支援、そしてさまざまな施策、事業が横断的に行われていかなければならないこと、そのもとで、今回の自殺対策基金に基づく事業が進められていくことを強く要望し、私からの質疑を終わります。ありがとうございました。

○橘委員 私の方からは、介護基盤緊急整備等臨時特例基金について質問いたします。
 この基金による対象事業は、地域密着型サービス拠点等の整備に対する補助であり、基金の名称が緊急整備となっているように、まさに急がなくてはならない事業だと私は考えております。
 団塊の世代が六十五歳以上になる平成二十七年、つまりあと六年後でありますけれども、そのときに都民の四人に一人が高齢者という超高齢社会となっていきます。この急速な高齢化に比例していくのが、介護を必要とする高齢者の急増であります。現状でさえも、施設不足、介護職不足など、介護制度の基盤が揺らいでいる中で、ますます増大する介護ニーズに対応するサービスの提供は、早急に構築していかなければならないと思います。
 そこで、介護が必要になった場合の対応について、都民がどのような考えを持っているのかといいますと、福祉保健局が調査した高齢者の生活実態によりますと、自宅での介護を希望する人が六六%、それから高齢者施設や高齢者向けのケアつき住宅に入りたいと思っている人、これが約二割というふうになっております。つまり、この調査によりますと、在宅介護を希望している人が多いと。
 ところが実際は、在宅介護を希望しても、要介護度が上がったり、それから認知症の症状が悪化してくると、在宅ではもう介護し切れなくなる、そして施設入所という選択をせざるを得ないという、そういった実態があるわけです。
 この受け皿として特別養護老人ホームや各種高齢者施設があるわけですけれども、大規模な広域型施設の整備も大事、しかしその一方で、小規模だけれども、ずっとなれ親しんだ地域の中で受け入れてくれる施設、この地域の中にきめ細かくこうした施設を整備すること。これも、今後のあるべき方向性として重要ではないかと私は考えております。
 この地域密着型サービスの拠点、この中には小規模な特養ホームであるとかケアハウス、小規模多機能型居宅介護施設、それから認知症高齢者グループホームなど、多種多様にあります。
 このうち、私は、特に認知症高齢者のグループホームに注目をしております。病院等に入院して、医療の管理下に置いておかなければならないほど、それほど重篤ではないという人もいらっしゃいます。また、要介護度は低いけれども、認知症の進行があって在宅介護ではもう対応できないというケースもふえております。
 そこでまず、地域密着型サービスを提供する多様な拠点の中で、認知症高齢者グループホームについて、これは国も考えがあるようですけれども都はまた独自の判断で位置づけをしているようでございます。この認知症高齢者のグループホームについて、都はどういう位置づけをしているのか、見解を伺います。

○狩野高齢社会対策部長 高齢者が要介護状態になっても、お話のとおり可能な限り、住みなれた自宅または地域で生活を継続できるようにするため、身近な区市町村で提供されるのが、認知症高齢者グループホームなどの地域密着型サービスでございます。
 地域密着型サービスは、原則として、施設所在地の区市町村の住民の方のみが利用できるサービスでございまして、区市町村が介護保険の指定ですとか指導監督の権限を持っております。また、この地域密着型サービスは、地域の特性に応じて柔軟かつ多様なサービスを提供する仕組みであり、その整備につきましては、区市町村がみずから策定する整備計画に基づき進めております。
 認知症高齢者グループホームは、少人数で共同生活を送る住まいであり、地域における認知症ケアの重要な拠点として、また多様な介護サービス基盤の一つであり、今後とも、都は重点的な整備促進に努めてまいります。

○橘委員 今、認知症ケアの重要な拠点であると、その位置づけをお示しされましたけれども、地域密着型サービスを担うほかの施設でも、認知症高齢者は受け入れております。
 その中で、認知症高齢者あるいはその家族にとって認知症高齢者グループホーム、これは、重要な位置づけというからには、何かメリットがあるから重要な位置づけにしているわけでございまして、このグループホームのメリット、この辺はどうでしょうか。

○狩野高齢社会対策部長 認知症高齢者グループホームにおいては、大変小規模な居住空間、なじみの人間関係、それから家庭的な雰囲気の中で、一人一人の個別的な生活を支援していくことができます。
 こうした少人数での共同生活を、認知症高齢者グループホームにおいては、例えば利用者の方自身が残された能力を活用して、食事づくりなどこれまで行ってきた家事に参加できるなど、従来と変わりない生活が送れること、それから、地域のなじみの商店ですとか公園ですとか、お知り合いの方々といつまでもつながりのある生活を送ることが可能でございます。こうしたことにより、認知症の症状の維持や緩和に効果があるというふうにされております。

○橘委員 認知症高齢者のグループホームに対する期待が大きいことは、認知症高齢者を抱えている家族の方々からも数多く聞いております。
 今お答えの中にありました、認知症の進行の維持であるとか症状の緩和に効果があるというふうにお聞きしますと、ますますこの認知症高齢者グループホームというのは、重要性また必要性が高まってきますし、この必要性を改めて認識せざるを得ないと思います。
 都がことし三月に策定しました東京都高齢者保健福祉計画では、平成二十三年度末までに六千二百人分の認知症高齢者グループホームを確保するとの目標を掲げておりますけれども、今あったように、とにかくこれは何としても目標は達成をしていただきたいと思います。
 この認知症高齢者グループホームの整備については、これまでも都は推進してきたわけですけれども、これまでどのように取り組んできたのか、そしてその結果、現状がどうなっているか、この整備状況について伺います。

○狩野高齢社会対策部長 都は、平成十年度に、この認知症高齢者グループホーム制度を制度化いたしまして、平成十六年度には、グループホームの設置促進を図るために緊急整備三カ年事業を立ち上げました。また、平成十八年度には、引き続き緊急整備新三カ年事業を実施し、さらに平成二十年度からは、整備の主体にかかわらず補助額を一ユニット当たり最大三千万円とするなど、グループホームの整備促進に努めてきたところでございます。
 その結果、介護保険制度が創設されました平成十二年度は、グループホームはわずか五施設、定員五十三人でございましたけれども、平成二十年度末時点で二百九十二施設、定員四千二百九十四人と、大幅に拡充されているところでございます。

○橘委員 制度創設からしばらくの間、数字を見ますと、認知症高齢者のグループホームの整備が進まない、そういう状況が続きました。
 その要因として挙げられたのが、土地の確保が困難であるということ、それから土地所有者や不動産取扱事業者の理解がなかなか進まなかったということ、それから地域住民の理解がなかなか広がらなかった、そういった要因があったというふうに聞いております。
 このため、都は、民間企業への補助対象の拡大であるとか、土地建物所有者が事業者に賃貸する場合も補助対象にすることができるという都の独自の対策であるとか、整備率の低い地域への補助率アップなどでこれを促進してきたわけであります。
 二十三年度末までに目標値を達成するためには、都内の、特に土地所有者等に対して、認知症高齢者グループホームへの理解と協力を求めていくことが重要であります。
 そこで、都は、今回の基金事業も活用して、土地所有者に対し、どのようにグループホームの意義や重要性を周知し、整備の促進につなげていく考えか、見解を伺います。

○狩野高齢社会対策部長 お話のとおり、認知症高齢者グループホームの整備促進を図っていくためには、土地所有者の皆様方の協力が不可欠でございます。
 そのため、都では、グループホームの整備費補助制度の趣旨を東京都内の土地所有者の方々にご理解をしていただくために、土地活用セミナーというのを十月の末に開催いたしました。約百四十人の参加者を得るとともに、具体的に、土地所有者の方々からは、建築相談ですとか法律上の相談など、個別の専門相談も約二十二件ほどございました。
 これまでの高齢者グループホームの整備に対する市町村の交付金額は、一施設当たり千五百万円でございましたけども、今回の基金事業によりまして二千六百二十五万円へと、約千百二十五万円増額されたところでございます。
 今後とも、都は、国の基金事業に加えまして、都独自の補助制度など、多様な手法の活用により、認知症高齢者グループホームの整備促進に努めてまいります。

○橘委員 十月の土地活用セミナー、この内容はお聞きしておりました。そして、すごく、百四十人という方が関心を持って参加されまして、その中でも、さまざまな具体的な質問があったと聞いておりまして、関心が高まってきたなという、そういう感を強くいたしました。
 私の地元の板橋区にも、認知症高齢者のグループホームがありますけれども、入所者の方は、やはり喜んでいらっしゃいました。同時に、そこを通る近所の人たちが、我が家にもお年寄りがいるけれども、いざとなったときに、こういう近くに入所できるような施設があったらいいねという、そういった話も奥さん同士でなさっておりました。やはり、実際に見ることによって、そしてまた生活ぶりを日常的に目にしていることによって、この認知症高齢者のグループホームの重要性とか大切さ、地域にとっての有用性、この辺は認識できるのかなと思います。
 今、四千数百人までの整備が進んだわけですから、これから六千二百人まで進めていく。進めていくためには、やはり地域の中にぽんぽんぽんと設置していって、それが地域住民が目にすることによって整備が進んでいくのかなという、そう実感をしております。
 さて、今度は利用者負担の件ですけれども、これは、私が聞いている限りでは、介護サービスの一割負担も含めまして、大体十三万円から、高いところで十八万円ぐらいまであるように聞いております。これは、かなり幅があるんですね。その中でも、やはりこれから課題になってくるのは、安い利用料で入所できるという体制が必要かと思います。それには介護保険制度そのものの見直しも必要かと思いますけれども、その中でも、事業者の努力によって、安い利用料で入所できる、そういった体制もこれから必要になってくるんではないかと思います。そのためには、収入区分によってある程度入れる施設、グループホームも整備するとか、そういった工夫も必要かと思います。
 この利用者負担について、私、まだ詳しく調べておりませんので、実際に私の目で確かめて詳しく調べてから、利用者負担のあり方については、次回、また質問等を通して、私の方からも提案させていただきたいと思いますし、また局の方でも研究をしていただきたいということをお願いいたしまして、私の質問とします。

○斉藤委員 私からは、重複しないように何点か伺いたいと思います。
 ただ、今まで長い時間、ほかの委員のやりとりなどを聞いていましたら、なかなか興味深いところがたくさんありましたので、ちょっと何点か自分でも意見をいいたいなと思う場面がございまして、そういう意味では、幾つか前置きをしながら質問をさせていただきます。
 それで、これは質問ではないんですが、先ほど早坂理事など、質問されていましたけれども、介護職員の処遇改善等臨時特例交付金なんかの部分で、金額的なものとしては非常にいい上乗せ値ではあると思うんですが、一方で事務的な煩雑さの話が出ていました。事務的な煩雑な部分で申請って差があるのかなというふうに、普通だと思うんですが、実際に、東京都なんかも、結構遅い、夜七時とか八時まで事業者を集めて日比谷公会堂とかで説明会をやられていたと思いますし、現場も多分、かなり都の職員が入ってされていたと思うんですが、その説明なんかにしてみても、対象になる事業所が何種類もある中で一遍に説明をしていく、順番に説明をしていくんですけれども、来ている職員が、自分の施設がどの段階で当てはまっていくのかというのがなかなかわかりづらかったりと。これは東京都のせいというよりは、むしろ国の方の説明書なんかの問題でもあるんですが、大変、煩雑でわかりづらかったというような感じがありますので、二度目の広報の方がやっぱりわかりやすかったのかなというふうな感触を持っております。
 せっかく現場の方で苦労されているんですが、なかなか制度が、事務をかなり専門にやっている人はわかると思うんですけれども、全部の職員からしてみたら少し煩雑なのかなというふうなことがありましたので、なかなか最初から手を出しづらかったような雰囲気も私は聞いております。その辺、逆に東京都の方から国の方に、いろいろな手続的な部分はフィードバックをして意見をいわれると、よりいいものができるのかなというふうに感想を持っております。
 それでは、質問に入ります。
 最初に、安心こども基金の方からちょっといきたいと思います。
 今回、子育て支援対策臨時特例交付金、いわゆる安心こども基金の中で、資料を見ますと二ページ目の方に入って四番目にあったんですが、今回の補正予算では、日ごろなかなか支援のレベルアップなどにおいては話題になりにくい児童養護施設が、社会的養護の拡充として、柱の一つとして加えられたということで、そういう点では大変私もいいのかなというふうに思っています。手厚い社会的支援の必要な子どもへの実行策が図られることについては、非常に評価できるんじゃないかなというふうに思っております。
 もちろん、安心こども基金に当初から盛り込まれておりました保育サービスの充実も、この不景気とそれによる保育園の待機児の急増を受けて、これはまた重要なことでありますけれども、一方で、虐待とか保護者の疾病等で社会的養護の必要性が発生した子どもについても、今もって数多くいて、こういった社会的養護のニーズというものは高いレベルにあるのではないかというふうに思っています。
 この社会的養護のもとに育つ子どもたちの安心・安全を図ることは、社会の大変大きな責務でありますけれども、東京都の所管している児童養護施設の現在の施設数また定員、そして入所状況の現状などを、まず伺っておきます。

○雜賀参事 都の所管する児童福祉施設でございますが、本年十一月の時点で、民間の児童養護施設が五十四施設、都立の児童養護施設が八施設、合わせて六十二施設でございます。
 また、定員につきましては、民間の児童養護施設が二千六百五十六名、都立の児童養護施設が五百五十名、合わせて三千二百六名でございまして、これに対しまして全体の入所率は、速報値でございますけれども約九三・六%と高い水準になっております。

○斉藤委員 ありがとうございます。入所率が約九四%ということで、もちろん、ある施設を有効に使うという点では一〇〇%に近い方が普通はいいわけなんですが、ただ、つまり、これ、あくまで平均して九四%というふうになりますから、当然、時期によっては満員の時期も結構あるというふうなことになると思います。
 児童虐待の方の保護などを考えますと、急な入所をさせなければ非常に状況が危険であるとか、保護ができないというようなこともありますので、そういう点でいえば、ある程度余裕がないといけないという種類の施設でもあるかと思います。そういった意味では、入所率などについては、ある程度一定の余裕を持たせる、実際に、個々の入所率については一定の余裕を持たせるという点では、どの程度が一番いい定員数かという部分のさじかげんが難しいところだというふうに思っております。
 聞くところによりますと、こちらの答弁の数字の集計時期を考えますと、多分数には入っているのかなと思いますが、ことしに入って一カ所、福祉実績の高い法人が新設したと聞いております。以前にちょっと伺ったんですが、その前には家電量販店の大手のビックカメラが社会貢献事業という趣旨を持って、わざわざ自前の社会福祉法人を新設して事業所を開いたというような話も聞いております。大変その熱意には感謝をしたいところでありますし、こういった思いがあっても、なかなか社会福祉法人を実際に持っていないと運営許可が出ないということであって、大変手間をかけての、苦労された上での開設というふうに聞いておりますので、そういう点ではありがたい話だなと思っております。
 さて、今回の補正予算については、定員増につながる予算として組むことはできないというふうには伺っておりますが、それでも幾つかの福祉系の施設を持っている大きな法人であれば安定的な運営というのは望める部分もあるんですが、単独で、本当に小規模の法人でやっている施設については、厳しい財政の中で非常に会計の負担が大きい経営をしている、なかなか会計上余裕が出せないというような中で経営をしている法人もあるというふうに伺っています。設備予算の支援というだけでも、大変、そういったところには大きな助けになると思います。
 実際に、東京都としては、今般の安心こども基金については、児童養護施設にとってどのような意義を持っているというふうに考えているか、その考えを伺いたいと思います。

○雜賀参事 今般の安心こども基金の拡充の目的の一つは、児童養護施設に入所している子どもたちの生活環境を整備することでありまして、子どもたちに、より安全で安心な生活を確保するために非常に有効であると認識しております。
 今般の基金につきましては、現に児童養護施設からの声といたしまして、生活環境を改善するに当たり、費用負担が少なくて非常に使いやすいと好評でございます。さらに、国の第一次補正予算の多くが執行を停止される中で確保された予算として大いに期待されておりまして、来年度においても、国が執行を停止することなく確実に執行されること、またさらには、これらの事業の大半が事業期間が二十二年度までであるのに対し、必要性がある限りこれを継続してほしいというような声が寄せられております。

○斉藤委員 児童養護施設については、私もたまたま大学のサークルで、これ、二年半ぐらいちょっとかかわったことがあるんですが、虐待を受けた子どもたちとか、心身の状況に課題がある子どもたちの入所が、今ふえているというふうに聞いております。子どものニーズに対応した施設生活における配慮がより一層必要になってくるというふうに考えております。
 今回の安心こども基金を活用することによって、児童養護施設については、子どものケアの充実のために、実際にどのような取り組みが今回の支援によって可能になるか、そこをちょっと確認しておきたいと思います。

○雜賀参事 虐待を受けた子どもたちでございますけれども、情緒面や行動面に深刻な問題を抱えていることが多くございます。そのため今、児童養護施設では、より家庭に近い環境で子どもをケアすることが必要とされております。また、子どもだけではなく、子どもと親の両方を支援することが重要でございます。
 今回の安心こども基金の拡充では、児童養護施設におきまして、子どもたちの生活の単位を小規模にするための改修や、親子をともにケアする家族療法室の整備などが可能でございまして、子どもたち、さらには家族に対しまして、さらなる支援の充実が期待されるところでございます。

○斉藤委員 ありがとうございます。ぜひこの部分については、設備投資というところになりますけれども、最終的にはいいサービスにつながっていっていただければというふうに思っております。
 続きまして、医療施設耐震化臨時特例交付金について伺いたいと思います。
 いただいた条例に関する資料を見ますと、こちらの方は、医療施設の耐震化については、対象医療機関、先ほど栗林委員からも話が若干ありましたけれども、未耐震の災害拠点病院、そしてまた救命救急センターを有する病院、二次救急医療機関ということで対象が条件として出されております。
 現時点で補助対象と予定されている医療機関は、その中でこの五カ所ということでありますけれども、先ほどちょっと見込みとしては三十ぐらいあったという話が答弁の中にありますけど、実際に、こういった趣旨の対象医療機関というふうになれば、恐らく全体の数そのものもそんなに物すごい数じゃなくて、ある程度どのくらいあるかということがわかってくると思います。それぞれの対象の条件に合うような医療機関に対してはちゃんと広報がなされたのか。五カ所に絞られておりますので、そういう点ではどのくらいを対象にして広報されて、結局五カ所になったのか。大変気になるところでありますので、この五カ所が選定された経緯とあわせて、伺いたいと思います。

○吉井医療政策部長 お答えいたします。
 この事業の実施に当たりましては、事前にすべての対象医療機関に本事業の実施についてお知らせをいたしますとともに、補助申請の意向、これを確認してございます。
 本事業は、国庫補助を活用して、国からの補助額に東京都分を上乗せして実施するものでございますけれども、補助対象予定機関につきましては、災害時に極めて重要な役割を担います災害拠点病院であるこの五病院を候補としているものでございます。

○斉藤委員 いろいろ条件を踏まえた上で、この五カ所が候補となったということであります。
 もう一つ、いわゆる広報を行う対象についての一つの条件として、病床過剰地域と、また非過剰の地域についても、一つの条件が入っているというふうに資料では書いてあります。
 特に、その中で、病床過剰地域については、病床を一〇%以上削減することが補助条件となっております。この五つの中で、特に、割と区の中央部に位置している病院がありますので、このあたりは恐らく過剰地域の方に入ってくるんじゃないかなと思います。恐らく、これはもう申請する段階で、自分のところが過剰地域かどうかもわかっているとは思いますが、実際にそういったところは、この条件に基づいて病床の削減を行うようになるのかどうか、そのあたりについて伺いたいと思います。

○吉井医療政策部長 本事業は、病床過剰地域においては病床を一〇%以上削減することが条件ということでございます。
 この条件につきましては、当初の募集の段階からお示しをさせていただきまして、各病院はこの条件を了解した上での申し込みとなってございます。この条件が当てはまる医療機関につきましては、病床削減を含む事業計画書を提出していただいているところでございます。

○斉藤委員 わかりました。
 病床の削減というと、一般的には、何かちょっとどきっとするというか、削減されちゃうのかなというふうな部分では気になるところであります。見ていますと、ある程度、民間の病院ではありますので、その部分についてはいろいろ内部の方の計画的な一つの課題の中で、そういうふうな、建てかえと同時に削減も計画に入れるという形になっているのかと思います。これは多分個々の事情があるかと思いますので、その部分については了解をいたしました。
 この特例基金とは別にもう一個、先ほど大山委員の方からも質問がありました、医療に関しては地域医療再生臨時特例交付金がございます。ちょっとこれについて幾つか伺いたいと思います。
 今回、東京都地域医療再生計画案については、多摩地域と区の東部、両方の保健医療圏というふうになっております。その部分では、いろいろなところにお金をつけていきたいという積極的な姿勢というのはよく理解できます。
 ただ、もともと国の方の考え方では、二次医療圏をイメージしていると。それを超えての特例の広域設定について、審査で認めた場合、実施をしていいですよというふうになっております。そういう点では、ちょっとそれを聞きますと、認められなかった場合は完全に計画自体をつくり直しになってしまうんじゃないかというふうな懸念があるわけなんです。またそれに加えて、今回資料を見させていただきますと、いわゆる、余り先行して医療機関について広報して、こういうことをやりますよ、手を挙げてくださいというふうにいってしまうと、それこそ余り早くから準備をしてしまったのに、後で審査が行われる段階になったら、ちょっと計画が変わってしまったとなると、ほかの広報をした相手の医療機関に対しては失礼なことになってしまうというふうなことがあるかと思います。
 ちょっとその辺を懸念しているんですが、実際にこういうことがありますよという告知は、普通は計画決定後になるんじゃないかと思うんですが、ただ、今回は見てみると、計画案の中に既に墨東病院、これは都立の病院ですからある程度融通はきくと思うんですが、墨東病院の名前、一方で、多摩地域の杏林大学病院の固有名詞が入っているというふうになっております。二次医療圏を超えている段階で、かなり特例的な判断だというふうになるわけなんですが、実際にこれから審査、これから認可というふうな段階で、二つの病院の固有名詞を出して、また計画案についても細かくなってしまうと、かえってこの後審査があるのに支障はないのかなというふうなのが非常に気になるんですね。
 この計画案の実現性というのがどのくらいあるのか、そしてまた、こういった二つの病院の名前を出しても支障がないのか、その辺を確認させていただきます。

○吉井医療政策部長 まず圏域の関係の対象の問題でございますけれども、国は、先ほどもご答弁申し上げましたが、二次医療圏を基本としつつ柔軟な設定を可能とするといういい方をしてございます。東京都の場合、圏域の設定、それから計画の内容につきましては、国に示された基準等も含めて確認調整の上、案を提出したものでございます。
 それから、病院名の問題でございますけれども、事業の性格上、例えば杏林でございますと医学部の定員増の部分でございますけれども、そうしたような事業の性格上特定できるものにつきましては、事業の実効性を高めるためにも具体的に病院名、病院というか、名前を挙げてやったものでございまして、支障はございません。

○斉藤委員 それでは、今の計画の前提について確認をした上で伺いたいんですけれども、今回資料を見ますと、計画案においては、小児病院の統廃合を補完する八王子市内の民間病院の小児科設置についてもぜひ対象にしてほしいなというふうに思っておりますし、ぜひ交付金を有効に活用して投入していただければ、かなり前進のぐあいも違うんではないかなというふうに思っておりますので、この辺は期待をしております。
 その計画の部分では、細かい病院名とかは入っていない部分でありますけれども、ぜひここはお願いをしたいと思います。
 そのほかの項目として、多摩、区東部それぞれに、先ほど大山先生も話題に出しましたNICUの整備促進というのが入っております。
 この間、私どもも都立の小児病院の関係も含めて、多摩地域全域の比較的大きな病院などの、かなり、事務方のトップとかもしくは病院の幹部の方ともお会いして、いろんなお話を聞かせていただきました。
 その中で、これはあくまで私の印象ではあったんですけれども、かなりNICU設置に関して期待ができる潜在力を持った病院というのが幾つかあるかなというふうな感想を持っております。
 これについては、もちろんここでは個名はいいませんけれども、お話を伺っているいろんな状況の中で、例えば経営の状況とか医療スタッフの方の配置の状況など、そういった中で、かなり、周産期医療そしてまた小児科の部分で、ひょっとしたらもう少し手をかしてあげれば、もしくは何か後押しをしてあげれば、NICU設置までいってくれるかなというふうに思うような病院が幾つかございました。
 この部分については、正直いって、私も取材に行っただけですので、それこそ予算でも持っていってあげられれば、もう少し詳しい話も聞けたんじゃないかと思うんですけれども、聞いている中で、何が課題でどうすれば解決ができるのか、どうすればNICU設置に向けてのハードルを取り除くことができるのか、そういった議論をもう少ししたいというふうな感じの病院も中にございました。
 そういう意味では、先ほどの大山先生の方からも、多摩地域の方からもっとNICUがないと困るじゃないかというご意見、これは私もその部分についてはよく理解できますし、もちろん数的には今回ふえるという話であります。公表している定数でいえば、八王子小児病院九床ですし清瀬六床ですから、足して十五に比べて、府中の方が二十四で九ふえるというふうな部長の答弁も理解はできますが、実際、今、NICUを必要とする低出生体重児については以前よりも発生率がふえておりますので、恐らく今いっている公称定数のプラス九というものについても、早晩、多摩地域である程度現実に追いつかれてしまうだろうということは、私も思っております。
 同時に、もちろんNICUが家の前になくてもいいわけですけれども、ただ、偏在については、やっぱりそれは感じておりますので、これはやはり、地域偏在を解消していく必要があるだろうというふうに私も思っております。
 そういった中で、多摩のNICU確保にこの交付金をぜひ使っていただきたいと思いますし、東京都が、期待できる病院に対して打診を行うというのは、ぜひとも行っていただきたいと思います。
 これは、過去のいろんな流れの中で東京都の反省として、ぜひともお願いをしたいところなんですが、病院経営本部の方で三小児病院の取り扱いをしているときに、その周辺の医療機関に対する、もうちょっと細かい議論、本当に中身に踏み込んだ議論というのがもう少しあってもよかったのかなということを、以前、本部の方に私の方からいわせていただきました。
 ですから、そういった部分で、今回私ども取材をしている中でも、少し踏み込んだ中では、そういう手ごたえを感じる病院が幾つかあったということで、ぜひここは福祉保健局に、かなり力強くそこに踏み込んでいただきたいと。その中で、相手側の課題と、相手側のやる気というものをやっぱり引き出していただきたいと。それによって、最終的にはNICU設置というゴールにつなげていただきたいというふうに思っております。
 この条例を制定して、そしてまた、交付金、基金について予算化をした後、東京都の働きかけについてどのように考えているか、ぜひ聞かせていただきたいと思います。

○吉井医療政策部長 お答えいたします。
 先ほどご答弁申し上げておりますけれども、NICUにつきましては、出生一万人対三十床を基本にいたしまして、東京都周産期医療協議会の意見を伺いながら、具体的な整備目標を定めて増床を図っていくということで対応してまいりたいというふうに思っております。
 先ほどご答弁申し上げましたが、そのために、運営費につきましても拡充の方向で検討しておりますし、施設整備についても補助率の検討をしておりまして、そうした形でのインセンティブについては、尽くしていきたいというふうに考えております。
 今、委員ご指摘がありましたように、そうしたことを踏まえまして、現に周産期の医療に取り組んでいる病院などに対して、積極的に働きかけを行ってまいりたいというふうに考えております。

○門脇委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○門脇委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑はすべて終了いたしました。
 以上で福祉保健局関係を終わります。
 これをもちまして本日の厚生委員会を閉会いたします。
   午後四時三十九分散会

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