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Tokyo Metropolitan Assembly

厚生委員会速記録第十二号

平成二十一年十月二十日(火曜日)
第七委員会室
   午後一時開議
 出席委員 十四名
委員長門脇ふみよし君
副委員長野上 純子君
副委員長吉田康一郎君
理事早坂 義弘君
理事斉藤あつし君
理事三原まさつぐ君
栗林のり子君
柳ヶ瀬裕文君
新井ともはる君
佐藤 由美君
橘  正剛君
山加 朱美君
野島 善司君
大山とも子君

 欠席委員 なし

 出席説明員
病院経営本部本部長中井 敬三君
経営企画部長黒田 祥之君
サービス推進部長牛島 和美君
経営戦略・再編整備担当部長斎藤 真人君

本日の会議に付した事件
 病院経営本部関係
事務事業について(質疑)

○門脇委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、病院経営本部関係の事務事業に対する質疑を行います。
 これより病院経営本部関係に入ります。
 事務事業に対する質疑を行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に机上配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○黒田経営企画部長 去る九月四日の本委員会におきまして要求のございました資料につきましてご説明を申し上げます。
 お手元にお配りしております厚生委員会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
 資料は、目次にございますように、1、都立病院における産婦人科医師の勤務実態の一例から、8、公社病院における看護職員の固有・派遣職員数の推移までの八点でございます。
 恐れ入りますが、一ページをお開きいただきたいと存じます。1、都立病院における産婦人科医師の勤務実態の一例でございます。
 ある都立病院の産婦人科医師の二週間における実際の勤務を表にあらわしたものでございます。ER等の救急対応が必要な診療科につきましても、同様に複数の医師が勤務シフトを組みまして、三百六十五日、二十四時間の対応を行っております。
 二ページをお開き願います。都立病院及び公社病院の病棟休止状況及び外来診療の縮小状況(平成二十一年十月一日現在)でございます。
 (1)は病棟の休止状況を、(2)は外来診療の縮小内容をそれぞれ病院別に記載しております。
 続きまして、三ページをごらんいただきたいと思います。都立病院及び公社病院におけるがん患者取扱実績(平成二十年十月十五日(水)ワンデイ調査)でございます。
 昨年実施いたしましたワンデイ調査におけますがん患者取扱実績につきまして、(1)は都立病院、(2)は公社病院の実績をそれぞれ病院別に記載しております。
 四ページをお開き願います。4、都立病院における保育士の配置状況及び年齢構成(平成二十一年十月一日現在)でございます。
 都立病院におけます保育士の配置状況及び年齢構成につきまして、病院別に記載をしております。
 五ページをごらんください。5、都立病院及び公社病院における医師の定数及び現員の推移(診療科別)でございます。
 (1)は都立病院につきまして、次の六ページになりますが、(2)は公社病院につきまして、平成十七年度から平成二十一年度までの常勤医師の定数と各年度十月一日現在の現員の推移を診療科別に記載しております。
 七ページをごらんください。6、都立病院におけるPFI事業にかかわる経費の推移でございます。
 平成十七年度から平成二十一年度までのPFI事業にかかわる経費につきまして、各事業別に記載をしております。
 八ページをお開き願います。7、公社病院に対する運営費補助金の推移でございます。
 平成十六年度から平成二十年度までの各公社病院に対します運営費補助金の推移を記載しております。
 九ページをごらんください。8、公社病院における看護職員の固有・派遣職員数の推移でございます。
 平成十七年度から平成二十一年度までの各公社病院におけます看護職員の各年度四月一日現在の定数及び固有、派遣別の現員の推移を記載しております。
 簡単ではございますが、以上で要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○門脇委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含め、本件に対する質疑をお願いいたします。
 それでは、順次発言をお願いいたします。

○吉田委員 よろしくお願いします。私からは、都立小児病院の再編の問題についてお伺いをしてまいります。
 平成十三年ぐらいから都立病院の改革が議論をされ始めまして、この実行プログラムの検討というのが進められていったわけであります。ちょうどこの時期、平成十三年から十五年度、この取り組みの時期の東京都の財政の置かれた状況というものを振り返って考えてみますと、ちょうど東京都の財政が一番逼迫していた、六兆円を下回っていた、まさに平成十五年から十六年ごろが東京都の財政の底になっている、こういう状況でございました。
 これをやはり踏まえて、当時の都立病院改革実行プログラム、こちらを拝見しておりますと、医療保険財政は非常に厳しいと、そういう見通しの中で、東京の医療あるいは病院本部の経営、これをやっていかなければいかないと、こういう認識のもと、策定作業、実行プログラムの検討というのをしていただいていたわけであります。
 お金のないところで、東京都の医療、病院をどう維持そして発展させていくのかということが非常に深刻な課題だ、そういう認識のもとで、もう本当にご苦労されながら検討され、その後のプログラムを進めていただいたんだろう、このように考えております。
 そして、今、平成二十一年、今の東京都も、もちろん昨年以降の景気の落ち込みで税収が下がってきている状況で、大変心配がされる、こういう状況でございますけれども、この財政、六兆円切っていたあのころから比べれば、それでもまだ、東京にオリンピックを招致するためにオリンピック開催準備基金を四千億円積み立てる余力がある頼もしい自治体だと、このように東京都民に一定の安心感を与える、こういうところまで、これは石原知事、いろいろと、それぞれのお立場で、それぞれの評価があろうと思いますけれども、この東京都の財政をきちんと立て直してきた、こういう意味において、私は石原知事のこれまでの業績というのは揺るがぬものだと思っております。
 そして、今の東京の財政がある。この状況下において、一番厳しかった状況の中で考えてきたプログラム、ちょっとやっぱり厳し過ぎることを無理やりやっていたんじゃないかな、やってこざるを得なかったんじゃないかな、こういうふうに思うわけであります。
 現在の病院改革、私もまだまだ勉強不足でありますが、特に都立小児病院の再編計画を見ておりますと、NICUの増床など望ましい施策も打っていただいている反面、廃院となる地域には、非常に、心配とともに、実際に問題が起きる可能性を大きくはらんでいるのではないか、このように懸念をいたしているわけであります。この懸念は、私の個人的な思いではなくて、各地域の方々、そして私どもの会派の多くの議員が共有をしている問題意識であります。
 その当時と財政の背景が違う、都の財政に対する都民の認識、期待、こういうものが異なる中で、こういう素朴な懸念、今ならもうちょっと医療、きちんとできるんじゃないの、施策を打っていけるんじゃないの、このような思い、こういうものに対してというか、この思いもぜひしんしゃくしていただいて、現在の東京都の置かれた状況の中で、改めて、この病院本部の事業の取り組み、こういうことについてご説明いただきたいわけであります。
 何度も質疑されておりますが、多摩地域の小児医療については、小児科の医師数、小児科を標榜する医療機関の数など、区部に比べて大きな差があります。区部に比べて厳しい医療状況のもとで、八王子小児病院、清瀬小児病院は、多摩地域の小児医療を支える拠点病院として大きな役割を果たしてきました。この二つの病院が多摩地域の小児医療においてどのような役割をこれまで果たしてきたんだということなのか、ご認識を伺います。

○斎藤経営戦略・再編整備担当部長 八王子、清瀬の両小児病院は、これまで周産期医療を初めといたしまして、心臓疾患、腎疾患など、多摩地域における高度で専門的な小児医療を担ってまいりました。それとともに、初期救急患者の受け入れなど、地域に密着した医療を事実上、担ってきたという経緯もございます。
 このような意味で、両病院は多摩地域の小児医療にとりまして重要な役割を果たしてまいりましたが、一方、周産期医療においては、産科を持たないために母体搬送ができないこと、また、多発外傷など高度な救急医療が行えないなど、求められる医療ニーズに対して一定の限界もあったと、このように認識してございます。

○吉田委員 全くそのとおりだと思います。三次救急、これがなかなかできない一定の限界がある中で、しかし、地域の本当に基幹的な病院として、地域の方々のそれぞれ心の支えになってきた病院だ、こういうことであります。そのために、この両病院については、その存続を求む声が非常に強いわけであります。
 この地域の要望、安心感、これがなくなることの不安、こういうものを押して、何でこの八王子小児病院、清瀬小児病院を廃止して小児総合医療センターに統合をしなければいけないのか、伺います。

○斎藤経営戦略・再編整備担当部長 医療人材の不足が深刻化いたします中で、都として、多摩地域に不足する三次医療を提供してまいりますためには、医療資源の集約化を図り、最大限活用する医療体制を構築する必要がございます。
 小児総合医療センターの開設によりまして、小児三次救命救急や総合周産期母子医療センターなど、これまで多摩地域に不足しておりました高度医療を提供することができるようになり、多摩地域全体の医療水準のレベルアップが可能になるものと考えてございます。

○吉田委員 この小児総合医療センターが開設すれば、小児救命救急や周産期医療について母体搬送が可能になるなど、新たな高度医療が提供される、レベルアップが可能になる、まさしく、これは望ましいことでありまして、ぜひこれはやっていただかなければいけない、このように思っております。
 ただ、そのために何かほかのものを欠落させていいかどうか、ここはまた別の判断をしていただきたい、このように考えるわけであります。多摩と区部との、私は二十三区で区部ですけれども、中野ですけれども、区部との格差を解消して、多摩地域の小児医療のレベルアップも図る、この両方が都の責務であって、その中で病院本部にも、この一翼、重要な任務を担っていただかなければいけない。
 多摩の小児医療を向上させるために、高度医療を提供するだけでなくて、個々の医療圏についても、その充実を図っていく必要があるわけであります。今回、八王子、清瀬を残して小児総合医療センターをつくるんではなくて、ここを廃止してということは、例えば、この両小児病院をブランチとして残すとか、あるいは、どっちか一方だけでも残すとか、こういうことが、普通の庶民は全部残してよと、その上でつくってよと思うんですが、こういう検討が行われたのか、お伺いします。

○斎藤経営戦略・再編整備担当部長 今回の再編整備に当たりましては、さまざまな検討を行ってまいりましたが、両小児病院とも施設の老朽化が激しく、また、現状の規模では周産期医療、小児救命救急医療、その他、高度で多様な小児医療のニーズに対応していくことは困難でございます。
 小児医療は、一次、二次、三次の適切な医療分担と医療連携によって、総体としての医療機能を充実させていくことが大切でございまして、このような考えから、三病院の統合と小児総合医療センターの設置という結論に至ったものでございます。

○吉田委員 わかりました。この実行プログラムのころ、都の医療保険財政、大変厳しいな、何でもかんでもできるわけじゃないんだろうと。その中で、何とかして一番大事なことだけでもやらなきゃいかぬと、こういう判断ではなかったのかなというふうに思うわけであります。しかし、両病院が廃止されることによりまして、それぞれの医療圏においては、小児科の病床、そして小児科の医師が減少し、確実に小児医療の低下を招くと、こういう懸念が大きくあるわけであります。
 この多摩南部及び北多摩北部医療圏における小児医療の全体としての低下について、どのように認識をされ、そして、どのように対応されるのか、お伺いします。

○斎藤経営戦略・再編整備担当部長 両病院転出後の地域小児医療の確保は非常に重要な課題であると考えてございます。そのため地元市と十分な協議を行いまして、これまで、一定のまとめを得たところでございます。
 一次医療につきましては、八王子市が病院の跡地と建物を活用いたしまして、準夜帯での小児初期救急診療事業や重症心身障害児の通所事業を行うこととしております。
 また、清瀬市医師会を含む五医師会が協力して、二つの医療機関で平日準夜帯の初期救急医療を実施しておりまして、そのうちの一つでございます多摩北部医療センターにつきましては、九月から、週三日を週五回に拡大し、実施をしてございます。
 入院を必要といたします二次医療につきましては、八王子市内にございます二つの大学病院に新たに十二床の小児科病床を確保することとしてございます。
 また、多摩北部医療センターの小児科病床を三十五床に拡充するとともに、清瀬小児病院から医師をチームとして派遣しております。
 これらの取り組みを着実に実行し、地域小児医療の水準を確保するため、全力で取り組んでまいります。

○吉田委員 るるご説明を伺いました。取り組みの内容については、よく理解ができたと思います。
 しかし、この区部に比較して、同程度の小児医療資源が確保されるようになるのかという一番根本的な課題、こういう究極の目標というか、東京都としての、そして病院本部としての、目標に照らして、今、ご答弁をいただいた内容をやるから、今までの病院つぶしていいんだよということで庶民が納得できるか、安心ができるか、将来に期待ができるか。残念ながら、ちょっとまだできないなと思うわけであります。
 改めて、今回、私、質疑をさせていただくに当たって、いろいろと勉強させていただいたんですが、前の三月十二日の予特のときの山下太郎委員の質疑、読み返してまいりました。当時も、今回読み直してみても、本当に切実な、議員というよりは、本当にひとつ子どもを持つ親としての切実な訴えというか、危機感というか、こういうものがほとばしる質疑でありました。
 数字のところを改めてちょっとだけ、この質疑で行われたことですけれども、多摩において、小児科を標榜する病院は、平成六年の七十九施設から十八年には五十七施設に減ったと。診療所も、平成六年の八百七十七から十八年には七百七十七に減ったと。そして、年少人口は、多摩五十三万千四百七十七人に対して、区部九十三万六千七百三十七人と二倍であるにもかかわらず、病院数は区部百四十九、多摩五十七と三倍、一つの病院が診る年少人口も、区は六千二百八十七で済むけれども、多摩は九千三百二十四、三千人以上も多く担当しなきゃいかぬ。小児科医一人当たりで見ても、区部三百二十九、多摩五百五十、一人の医師が区部に比べて二百二十六人も多く診なければならない。かかりつけ医として期待される診療所についても、区部三百九十九、多摩六百八十四と、二百八十五人も多く抱えているという状況を、今ご答弁いただいた中で、多摩に住んでいる人が区部と同じように安心して--というか区部でも心配になったわけですよ。
 この皆様の病院本部に、私は昨年の十月二十日に各会計決算特別委員会で質問をさせていただきました。十月二十日というのは、墨東病院で妊婦の方が搬送後、命を落とされた、これが大きく報じられた二日前です。
 この二日前の質疑のために、私はいろいろと、病院本部の皆さん、準備させていただいて、とにかくお医者さん足りないと、何とかしなきゃいかぬと、大変な問題が起きるんじゃないのと。当時の病院本部のご答弁、ここにありますけど、今から考えると、ちょっと甘かったんじゃないのかなと。こういう答弁をされていて、その二日後に実際、死亡された方が出たことが大きく報じられて、東京じゅうハチの巣をつついたような騒ぎになったわけですよ。あのときの質疑のやりとりというのは、いまだに悔しいなというか、そういう思いがあります。
 このときも、私の質問というか、コメントをちょっといいますね。全国水準と比較すると、東京のお医者さんの給料というか、報酬というか、全国水準と比較すると大変なんだなということをお聞きして、びっくりいたした次第ですと、こういってます。意味わかんないですよね。
 これはどういうことかというと、当時、全国の自治体病院のお医者さんの報酬に比べて、東京の病院のお医者さんの給料は、一番下というか、下から数えた方が早いという状況をお聞きをしたけれども、知られると問題だから、いわない方がいいですよというか、いわないでくださいというか、結局、そういうふうに言外にアドバイスをいただいたんで、皆様に、都民に、あるいは医療行政に迷惑をかけるのがねらいじゃないので、いわなかったんですよ。全国に比べて大変なんだなと、びっくりしたと。実際の順番とか数字とかいわないで。
 ところが、二日後に墨東病院の案件がばっと新聞に報じられてすぐに、東京の都立病院のお医者さんのお給料は全国でも下の方だ、マスコミがばっと報じたわけですよ。私の配意は、配慮させたことは何だったのかと。
 というか、ちょっとセンスが違うんじゃないかと思うんですよ。何か間違ったことを一生懸命守ろうとしている。本当に守ろうとしていることのために、これ、昔からの、よらしむべし知らしむべからずって、こういう行政をやっているんじゃないかなと思うんですよ。
 今回の質疑に当たっても、いろいろなやりとりをさせていただいて、私は、そういう思いを持っています。これから、本質的な議論をぜひ、私だけではなくて、私どもの会派の議員とやらせていただいて、何が都民のために一番になるのかと。これまでの経緯は経緯として、この財政制約の中でやってきたこと。で、もう状況は大きく、はっきりいえば政権もかわりました。政権かわる前に、自民党政権のときも、医療費二千二百億円、毎年削減というのも、ちょっと行き過ぎたといって転換されました。そして今、医療については国民が、もっときちんとやった方がいいよと、こういう大きな思いがある、こういう状況でございますので、何だかですね、昔決めたことを墨守するだけでなくて、ちょっと乗り越えていただきたいなという思いもするわけでありまして、ちょっと先ほどご質問をした中で……。

○門脇委員長 吉田副委員長、そろそろ予定時間ですので、まとめてください。

○吉田委員 そうですか、はい。
 先ほど、多摩南北の小児医療の低下について、どのように認識しとお伺いをしたんですけれども、ただいま、ご答弁は対応についてのご答弁でありましたので、改めて本部長から、データとか細かい事業内容は結構でございますので、多摩の小児医療を区並みにというか、きちんと安心できるレベルにしていく、多摩医療の充足に対する認識、これ、あれですね。それは福祉保健局の仕事ですよということじゃなくて、やはり現場をきちんと持っておられる民間の病院さんでも、そういう全体の構想、認識を持って、自分の病院のやること、やれること、やらなきゃいけないこと、構想され、事業を進めていただくわけで、当然お答えいただけると思いますので、この多摩地域の小児医療の充足に対する認識ということについて、お伺いをいたします。

○中井病院経営本部長 ただいま吉田副委員長から、小児医療にかかわる、過去の経緯も含め、多面的なご意見をいただきました。
 その中で、まず、多摩地域の小児医療が区部に比べて数字的にというお話がございました。これについては、区部と多摩という、この二つの地域、二項対立的なそういう比較という点だけでは十分ではないかなというふうに考えております。
 区部の医師の数、あるいは医療施設の数、そういったものは統計的には非常に突出して高いという状況があるわけでございますが、これは区部の中でも都心部に、ナショナルセンター的な役割を果たしている公立、民間の、日本でも有数の医療機関がひしめいているわけでございまして、これの影響が相当程度あるわけでございます。これを除くと、仮に区部、都心部以外の二十三区の区、そして多摩の自治体を比べると、それを人口当たりの医師数等で見ると、サンドイッチ状に市が入ってきたり、区が入ってきたりという状況になってくるわけでございまして、そういう面では、地域の医療ということについては、医療圏という、そういった枠組みもあるわけでございますし、単に区部、多摩という二つの、そういった比較だけで見るべきものではないのではないかなというふうに考えているわけでございます。
 それから、医師の給与水準のお話もございましたが、これについては、確かに従前、東京都の都立病院の医師の給与水準というのは、全国からも最下位、あるいは最下位から二番目というような、これは総務省が公式に出しているデータで、別に隠し立てするものではないわけでございますが、そういうデータがあるのは事実でございます。
 しかしながら、ここ数年、医師の処遇改善を抜本的に思い切って四年間にわたり行ってきたわけでございまして、かつて千四百万の年収であったものが今二千万を超えると、一・五倍に引き上がったという状況でございまして、こういったところにも、私ども東京都として、都立病院としての努力の跡が見てもらえるのではないかなというふうに考えているところでございます。
 なお、その人材の確保につきましては、単に給料だけではなくて、とりわけ医師については、自分のスキル、キャリアというものをいかに引き上げられるかという、そういった教育面、それから勤務医は特に過酷な勤務を強いられるという面では、勤務条件について、要は過酷になり過ぎていないかというような点も大きなポイントでございます。とりわけ、女性の医師がふえている中では、育児に対する支援制度等は非常に重要なポイントになっているという状況でございます。
 また、さらに申し上げれば、やはり医療の高度化、専門化に応じて、病院の医療体制が、バックアップ体制ができているのか、自分が孤軍奮闘して、結果的に医療事故を招くような、そういったリスクはないんだろうかというところもあるわけでございまして、そういう面では、病院の医療体制自体をしっかりしたものにしていく必要があるということで、これらの点については、るる具体的には申し上げませんが、私ども、この数年、力を入れて数々の見直しをしてきたところでございます。
 それから、小児科の小児科医が減少しているという、予特のときの数字を例示に挙げておられましたが、確かに、全国的な傾向ではありますが、小児科医、標榜医が減っているという状況の中でございまして、そういう中で、その小児医療をどうするのかという、まさに小児医療を考える上で、現状のこの厳しい医療人材の不足ということを前提にしなければ、あるべきあり方というのは見出し得ないんだろうというふうに思うわけでございます。
 そういう面で、私どもは、この限られた医療人材を最大限有効に活用するということで、今回の小児総合医療センターを開設して、多摩全体の医療水準、小児医療の水準を引き上げていこうという方針をとったわけでございまして、こういった現状にかんがみた視点についても、どうかご理解をいただきたいというふうに思うわけでございます。
 それから、財政的な制約というお話が、過去厳しい都財政の状況の中で、こういう方針がとられていたのではないかというお話もございましたが、実は、この小児医療を集約して、一次、二次、三次の役割分担を機能的にしていくべきだというのは、現場の医師、日ごろ都民の生命と健康を守るために、まさに身を粉にして働いている医師たちの悲願でもあるわけでございます。これは都立病院の医師の思いであるだけでなくて、日本小児学会の方針といいますか、基本的な考え方でもあるわけでございまして、財政的な面でこういった方針をとったということではもちろんございません。
 るる申し上げましたが、いずれにいたしましても、この小児総合医療センターが開設されることによりまして、多摩の小児医療の水準が格段に向上するというふうに私どもは考えております。
 また、転出する地域の小児医療の整備は極めて重要なものと認識しておりまして、今後も、それぞれの地域の実情や状況の変化などをつぶさに把握し、迅速的確な対応により、地域の小児医療の確保にしっかりと対応させていただきたいというふうに思っております。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○門脇委員長 もう時間ですから、最後、端的にお願いします。

○吉田委員 懇切丁寧なご答弁、ありがとうございます。まだまだその認識の違いなどありますけれども、都民の医療の確保、充実のために、この一点で協力させていただいて、一生懸命にやってまいりたいと思いますので、引き続きよろしくお願いします。

○早坂委員 昨年発生した総合周産期母子医療センターである都立墨東病院や杏林大学病院での母体搬送受け入れ困難な事案からおよそ一年が経過をいたしました。墨東病院での事案を大まかに振り返ると、平成二十年十月に都内で脳内出血を起こした妊婦が八つの医療機関で受け入れられず、最終的に墨東病院に収容され出産したものの、三日後に亡くなったというものであります。
 これらの事案によって、慢性化している産科医、救急医不足や救急医療体制のあり方など、多くの課題が明らかになりました。
 東京都は、この間、周産期医療協議会や猪瀬副知事をトップとするプロジェクトチームなどで多角的に対応策の検討を進めてきたと承知しております。その一つが、いわゆるスーパー総合周産期センターであります。これは都内十カ所の総合周産期母子医療センターのうち、昭和大学病院、日赤医療センター、日大板橋病院の三つをスーパー総合周産期センターに指定し、重症な疾患により緊急に母体救命処置が必要な妊産婦を必ず受け入れるというものであります。このほかにも、東京消防庁救急司令室への周産期搬送コーディネーターの配置など、さまざまな改善策が実行に移されています。
 こうした東京都全体の制度とは別に、都立病院においても、昨年十月の東京緊急対策Ⅱの中で、さまざまな施策を打ち出しております。
 そこでまず、昨年の緊急対策Ⅱに掲げられた都立病院での新規施策の内容とその実施状況について伺います。

○黒田経営企画部長 緊急対策Ⅱに掲げられました都立病院での新規施策の内容と実施状況についてでございますが、まず墨東病院におきまして、地元の医師会の協力を得まして、当直の応援に入ってもらう産科診療協力医師登録制度を本年三月から実施しておりまして、当初は三人目の研修当直から入っていたものが、現在では、二人目の正規当直を担うなど、墨東病院の当直体制を支えていただいているものでございます。
 また、墨東病院におきましては、本年一月から、夜間帯の責任者を助産師等コーディネーターと位置づけまして、決まった時間に院内NICUの情報を収集するとともに、ハイリスク患者の受け入れ調整を行うことといたしました。さらに、広尾、大塚、墨東、府中の各病院の産科に、医師の事務作業補助する専任のクラークを、本年一月以降、準備の整った病院から順次二名ずつ配置しておりまして、産科医師が診療業務に専念できる体制を整えたところでございます。
 加えまして、院内保育の対象年齢につきまして、これまで三歳までが対象だったものを未就学児まで引き上げる取り組みを、本年四月から大塚病院と墨東病院で実施するなど、女性医師の多い産科医師の勤務環境改善に努めているところでございます。

○早坂委員 昨年の事案以来、都立病院においても直ちに緊急対策が打ち出され、それが着実に実行されているものと理解をいたしました。周産期医療を担う各都立病院がおのおのの役割を十分に果たしていくためには、根本的には常勤医師数を確保して十分な体制を整えることが必要であります。しかしながら、全国的に産科医の絶対数が不足しているという限られた条件の中で、さまざまな角度から取り組みを進めた緊急対策は意味のあるものだと思います。
 特に、墨東病院で実施されている産科診療協力医師登録制度は、地域との連携体制を強化し、役割分担をしながら、限られた医療資源を有効に活用する観点から評価すべきものであります。
 今後取り組むエリアを、現在の三区からさらに拡充していくべきと考えます。ご見解を伺います。

○黒田経営企画部長 産科診療協力医師登録制度の拡充についてでございますが、墨東病院では、この産科診療協力医師登録制度を創設しましたことで、現在、墨田、江東、江戸川の三つの医師会の協力のもと、六名の先生に当直の応援に入っていただいております。
 今後は、大塚病院を中心に、地元の医師会との間で具体的な連携を検討していくこととしておりまして、昨日、東京都医師会の主催で、第一回目の検討会を開催したところでございます。
 今後とも、それぞれの地域の実情に応じました取り組みを関係者とともに推進してまいります。

○早坂委員 都立病院として自前で体制を整えていくことはもちろん大切でありますが、地域の診療機関との役割分担を進めていくことによって、今後も積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 さて、昨年起きた母体搬送事案を通じて、産科医の絶対数が足りない状況が明らかになりましたが、母体搬送を十分に受け入れられない理由としてNICUの満床が多く掲げられていました。NICUの整備については、国が出生一万人に対し二十五床から三十床を目標とする方針を出すとも聞いておりますが、現在東京都は出生一万人に対し二十一床であり、東京都全体としても、今後さらなる整備に取り組んでいかなければならない状況にあります。
 その中で、都立病院は、昨年来、NICUの増強など、どのように周産期医療体制を強化してきたのか、また今後どのように強化していくのか伺います。

○黒田経営企画部長 周産期医療体制の強化についてでございますが、本年一月に墨東病院のNICUを三床増床いたしまして十五床といたしました。
 また、大塚病院では、本年七月にNICUを三床増床しまして十五床とするとともに、この十月から、母体、胎児を集中的に管理いたしますM-FICUを六床設置いたしまして、都立病院では、墨東病院に次ぐ二つ目の総合周産期母子医療センターに指定されたところでございます。来年の三月には、多摩総合医療センターと小児総合医療センターを開設しまして、両病院が一体となりまして、M-FICU九床、NICU二十四床を備える総合周産期母子医療センターを運営していくこととしております。

○早坂委員 昨年からの取り組みで、都立病院としてはNICUも増強され、周産期母子医療センターでは、今月から大塚病院が地域から総合へと機能強化されました。そして、来年三月に多摩総合医療センターと小児総合医療センターが一体となってNICUを二十四床備える、都内でも最大級の総合周産期母子医療センターがスタートするなど、周産期医療体制の強化に向けた積極的な取り組みを行っているものと理解をしております。この新しいセンターについては、後ほど触れたいと思います。
 さて、都内でもまだまだNICUは不足しており、ハード整備を進めていくことは重要であります。他方、医療的な理由ではなく、NICUに長期間入院している子どもたちをいかに外に出していくかという課題もあります。ドレナージの議論であります。
 このたび、都立墨東病院では、福祉保健局が実施するNICUからの退院を支援するモデル事業を受託していく計画があると承知をしております。墨東病院では、モデル事業として具体的にどのような取り組みを進めていくのか伺います。

○黒田経営企画部長 墨東病院におけますモデル事業の取り組みについてでございますが、本モデル事業の具体的な施行方法を検討するために、墨東病院を初め、地域の小児科医や訪問看護施設、保健所や行政の代表等から構成される分科会が、本年八月に立ち上げられたところでございます。
 今年度は、この分科会の中で、NICUから在宅への移行に向けた対応方法や在宅生活の支援策等を具体的に検討することとしております。その上で、来年度から二カ年にわたりましてモデル事業を実施しまして、同時に検証を行っていくこととしております。事業主体であります福祉保健局と密接な連携のもと、円滑な実施に努めてまいります。

○早坂委員 ぜひ、ほかの周産期センターにもこのモデル事業の成果が還元できるよう、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 ところで、多摩地域の周産期医療については、総合周産期医療センターが、これまで杏林大学病院の一カ所のみであるなど、区部の九カ所と比較して整備がおくれているとの指摘がありました。また、小児救急医療についても、小児科の医師数の減少と、それに伴う小児医療施設の減少が相次いでおり、区部と比較した小児医療資源の不足には早急な対策が必要であります。
 こうした中、いよいよ平成二十二年三月に小児総合医療センターが開設され、多摩地域の小児医療の水準が向上されることが期待されます。その意義を改めて伺います。

○斎藤経営戦略・再編整備担当部長 医師等の不足、特に小児科医師の不足は極めて深刻な状況にございまして、医療を取り巻く環境が厳しい現状におきましては、初期、二次、三次の各医療施設の役割発揮と互いの連携によりまして、限られた医療資源を最大限有効活用することが極めて重要となっております。
 こうした考えから、都は小児病院等を移転統合し、小児総合医療センターを開設することにより、心から体に至る高度専門的な医療を提供し、多摩地域の医療水準の向上を図ることといたしました。
 小児総合医療センターでは、多摩総合医療センターと一体となって都内最大の総合周産期母子医療センターを整備いたしますほか、日本で初めての小児専門のERを設置し、多発外傷など重篤な外傷にも対応できる、高度で専門的な小児三次救急を行ってまいります。
 さらに、これまでの小児三病院の診療科に加えまして、脳神経外科、臓器移植科、眼科、耳鼻咽喉科など、新たに招いた小児の専門医による専門診療を行いますとともに、小児科がん医療、小児腎不全医療、アレルギー医療など、これまで以上に高度で専門的な医療を提供してまいります。
 こうした広範な高度専門医療の提供を通じまして、都における小児医療の拠点としてその役割を十分に果たしてまいります。

○早坂委員 周産期医療を例にとっても、これまで清瀬及び八王子小児病院には産科がないため、母体搬送の受け入れができないことが最大の課題となっておりました。それが、新しいセンターの整備により、多摩総合医療センターと一体となって母体搬送の受け入れが可能となります。これは、多摩地域全体の周産期医療の水準向上に資するものであり、新しいセンターには小児医療の多くの分野で多摩の医療を牽引する役割を果たしてもらいたいと思います。
 一方、小児医療が転出する地域の小児医療体制でありますが、これまで小児病院は、本来、高度専門病院としての役割を期待されていながら、実態としては、その多くを症状が軽くても見てくれる地域医療の役割を果たしてまいりました。医療人材や医療資源が不足している中で、今後も、地域の医療水準を維持していくためには、一次、二次、三次それぞれの医療機関の役割分担と互いの連携で、全体としての総合力を高めていくことが不可欠であります。新しいセンターを多摩の小児医療を支える一大拠点として、その三次救急医療機関としての役割を十分に発揮させていく観点からも、地域医療との連携の仕組みづくりが重要であります。
 そこで、地域の小児医療を担う機関と小児総合医療センターとのネットワークづくりなど、今後の医療連携について伺います。

○斎藤経営戦略・再編整備担当部長 ご指摘のとおり、限られた医療資源を十分に活用して多摩地域全体の小児医療水準を向上させるためには、医療機関の連携が非常に重要でございます。
 このため、北多摩北部医療圏では、高度専門医療を担う小児総合医療センターと地域の中核である多摩北部医療センター、また、多摩北部医療センターと地域の診療所等がそれぞれ小児医療のネットワークづくりを進めていくことといたしまして、現在、その具体的な方策について検討を行っております。
 こうした取り組みによりまして、多摩地域全体の小児医療の一層の充実に関係局とともに全力で取り組んでまいります。

○早坂委員 小児医療の充実は、都民が切望している重要施策であります。ぜひ都民の期待にこたえるべく、限られた医療資源を最大限活用し、重層的な連携体制の構築に向けて準備を着実に行っていただくようお願いをいたします。

○橘委員 都立病院等の医療人材の確保、育成、都立病院における院内トリアージ、東京都保健医療公社に移管した豊島病院の運営状況、この三つのテーマについて質問いたします。
 まず、都立病院等における医師、看護師などの医療人材の確保、育成について伺います。
 平成十六年度に導入された新臨床研修制度や、たび重なる診療報酬の改定などの影響によりまして、特に医師や看護師の人材確保、育成は、東京のみならず、全国的な課題となっていることはいうまでもございません。
 このような状況の中で、病院経営本部が東京医師アカデミーによる質の高い医師の養成や、看護キャリアパスによる水準の高い看護を実践するための資格取得支援、新人看護師の臨床研修制度など、人材の育成に意欲的に取り組んでいることは高く評価するものであります。
 さて、都独自の医療人材の育成策や職員意識の改革の取り組みに関する個別の施策や制度の推進状況などについては、これまでも当委員会の審議などを通じまして確認してまいりましたけれども、病院経営本部が推進してきた医師、看護師等の確保、育成の結果、東京全体の医療体制にとって総体的にどのような成果、前進があったのか、伺います。

○黒田経営企画部長 人材育成策や職員意識改革についてでございますが、これらにつきましてさまざまな取り組みを行いました結果、まず、来春に採用予定の東京医師アカデミー三期生の一次選考に昨年実績を上回る応募がございまして、さらに産科、小児科等、医師不足が顕著とされる診療科コースへの希望者もふえております。
 また、新人看護師臨床研修制度や看護キャリアパスによるキャリアアップ支援の結果、十月一日現在の看護師の定着状況で比較いたしますと、二十年度九六・四%に対しまして、二十一年度は九八・〇%と、一・六ポイント上昇しておりまして、定着状況が改善しているところでございます。

○橘委員 今の答弁でも、ざっと聞いてもわかるように、かなりさまざまな施策が功を奏して、総体的にレベルアップされているというのがよくうかがえると思います。
 特に、この看護師の定着状況の一・六ポイント上昇というのは、私個人としてはすごく注目した点であります。数字で一・六%というと、ほんのわずかの上昇というふうに見られがちですけれども、実はこれは看護師の今の不足という現状を見ますと、非常に大きな前進ではないかと、私は注目いたしました。
 このように、医療人材の確保、定着には、勤務環境の整備や処遇改善にもさらに力を入れていけば、さらにまた向上していくのかなと思います。病院経営本部のこれまでの取り組みを見ますと、救急医療業務手当や、それから産科医業務手当の新設、さらに我が党が主張してまいりました女性の医療従事者がキャリアを中断することなく働けるようにする院内保育の二十四時間化の拡大など、ワークライフバランスの観点からも改善策を数々実施してきております。
 また、看護師の確保、定着のための採用試験の簡素化、複数回実施のほか、七対一の看護基準の導入など、さまざまな工夫も行っていると聞いております。
 そこで、こうした取り組みの成果が具体的にどのようにあらわれているのかという点が一つ。もう一点は、これまでの取り組みを踏まえた上で、今後の課題についてどう認識しているか、この二点について伺います。

○黒田経営企画部長 人材の育成、確保、定着対策、そして今後の課題についてでございますが、二十一年度新たな取り組みの結果、医師、看護師の十月一日現在の定数に対する充足率で比較いたしますと、医師につきましては、二十年度は九五・六%に対しまして、二十一年度は九六・一%と〇・五ポイントの上昇、看護師につきましては、二十年度一〇〇・六%に対しまして、二十一年度は一〇二・六%と二・〇ポイントの上昇となっておりまして、医師、看護師ともに充足状況は改善をしております。
 この医師、看護師を取り巻く状況は依然として厳しいわけでございますが、今後も都立病院が患者の立場に立った質の高い医療サービスを安定的に提供していくために、人材育成、確保、定着に向けまして、今お話がございましたワークライフバランスが図りやすい、こういった観点から、一直二勤務制度の導入拡大や免許を持ちながら業務についていない看護師に対します再就職支援研修事業の実施等、さまざまな取り組みを今後強力に進めていきたいと考えております。

○橘委員 医師、看護師不足といわれている中で、東京都におきましては、改善が目に見えてされているという、こういう点は本当に心強いと思います。さらに、また、対策を強化していただきたいということを要望しておきます。
 次に、都立病院における院内トリアージについて質問いたします。
 病院経営本部の二十一年版の事業概要によりますと、東京ERの充実強化の一環としてこのような記述がございます。来院患者の診療前トリアージの充実強化を図るため、トリアージマニュアル策定に向けて検討を実施、二月より試行を開始したとあります。このように、救急医療におけるトリアージの重要性、これが認識されて本格化してきたという感を私は持っております。
 トリアージは、だれを優先的に治療するかという選別を行う行為であり、的確性と迅速性が同時に求められる重要な部門であります。トリアージは大事故、大規模災害など多数の傷病者が発生した際に威力を発揮いたしますけれども、日常的な救急医療の現場でも、命を守るために普及させていかなければならないと考えております。
 そこで、都立病院で院内トリアージをどのように進めているのか、その現状について伺います。

○黒田経営企画部長 都立病院におけます院内トリアージの現状についてでございますが、来院患者の診療前トリアージの充実強化を図るために、今、橘委員からお話がございましたとおり、トリアージマニュアル策定に向けての検討会を実施しておりまして、広尾病院におきまして平成二十一年二月より試行を開始しております。また、小児救急のトリアージにつきましても、清瀬小児病院におきましてトリアージの試行を開始しているところでございます。
 今後は、これらの内容を検証いたしまして、各病院へトリアージの普及を行っていくものでございます。

○橘委員 トリアージというのは、時として命の選別にもつながるわけでありまして、トリアージに当たる医療従事者の判断に著しい格差があってはならないと思います。したがって、一定の判断基準のもとに公平なトリアージというのが求められるわけですけれども、そのためのマニュアル策定も含め、都立病院等では、今後どう対応していくのか、見解を伺います。

○黒田経営企画部長 トリアージについてでございますが、ER部門におけます患者トリアージは、院内の救急診療の第一段階として極めて重要なものでございます。患者さんの重要度を判定するということは、これまで看護師等の経験と知識に裏打ちされたものでございました。マニュアルの策定を初めましてトリアージ体制を確立することによりまして、診察前に必要な情報が得られ、重症度の高い患者の診察が早くなるとともに、不安感の低減やトリアージに要する時間の減少につながるものと認識しております。これらのトリアージの有効性を十分に認識した上で、引き続きトリアージの普及を都立病院において積極的に進めてまいります。

○橘委員 次に、ことし四月に東京都保健医療公社に移管となった豊島病院の運営状況について、公社化の目的である地域医療連携の推進状況を中心に伺います。
 公社への移管は、これまでの都立病院としての行政医療の継続性を確保しながら、地域の中核病院として、診療所等との連携を一層推進するために行われたわけであります。
 そこでまず、公社化にあわせて豊島病院が地域の中核病院として機能していくためにどのような体制整備を行ったのか、伺います。

○黒田経営企画部長 豊島病院が地域の中核病院として機能していくための体制整備についてでございますが、豊島病院では、公社移管後の豊島病院の医療機能や医療連携について協議するため、学識経験者や都地区医師会、保健所等の地区行政機関、住民代表等をメンバーとします豊島病院運営協議会準備会を平成十九年度に設置いたしました。これを引き継ぐ形で、平成二十一年四月に豊島病院運営協議会を設置しまして、七月に第一回目の会議を開催したところでございます。
 また、地域の診療所等の連携医との共同診療を行うために、平成二十一年五月に五床の開放型病床を設置しまして、開放型病院としての運営を開始しているところでございます。
 さらに、新たに地域医療連携室を設置いたしまして、紹介予約及び返送、逆紹介、開放型病院の運営等に関する連絡調整を行いまして、地域連携システムの円滑な運営を図っているところでございます。

○橘委員 今の答弁の中にありました共同診療、これは住民の皆様方に説明しますと、非常に関心を持ってくださいます。自分のかかりつけ医が一緒になって、豊島病院で最新の医療機器を使って、そして診察を受けることができる、治療を受けることができる。こういう状況になると、非常に医療に対する信頼性というのが高まる、そんな声をたくさん私も聞いておりますし、この地域医療連携というのはもっともっと進めていっていただきたいと思います。
 この中で、公社移管後の豊島病院というのは、特に脳血管疾患医療が重点医療の一つとなっておりますけれども、昨年度には脳卒中専門病床六床を有する脳卒中センターを整備いたしまして、専門的な治療を行っていくと聞いておりました。この脳卒中センターを中心とした地域医療連携の取り組み状況は現在どのようになっているのか、伺います。

○黒田経営企画部長 脳卒中センターを中心としました地域医療連携の取り組みについてでございますが、豊島病院の脳卒中センターでは、脳神経外科と神経内科を中心としまして、放射線科などとも連携いたしまして、脳動脈瘤の破裂を防ぐコイル塞栓術や脳梗塞時のtPA投与による血栓溶解療法など、専門的な治療を実施しているところでございます。
 この脳血管疾患医療につきましては、板橋区医師会が中心となりまして板橋区脳卒中懇話会を立ち上げまして、脳卒中地域連携クリニカルパスの運用方法について検討を行ってまいりました。
 豊島病院では、この検討結果に基づきまして、平成二十年四月から、脳卒中患者の一貫した継続的治療やケアを行うため、脳卒中地域連携クリニカルパスの運用を開始しているところでございます。豊島病院は、リハビリテーション科と一体となりまして、早期にリハビリ訓練を行うとともに、地域医療を推進する公社病院として、この地域連携パスの運用を通じまして、脳卒中を発症した患者さんの症状を考慮しながら、急性期から回復期に円滑に移行できるように、地域医療連携の推進に積極的に取り組んでいるところでございます。

○橘委員 脳血管疾患医療に関しましては、地域連携クリニカルパスを活用して、医療連携の推進に取り組んでいるということでございますけれども、我が国の疾患構造を見ますと、がんや糖尿病など生活習慣病が中心となってきておりまして、これらの疾患についても同様の取り組みを強化する必要があると思いますけれども、今後の見通し、その点について見解を伺います。

○黒田経営企画部長 脳血管疾患以外の疾患、糖尿病等についての地域連携クリニカルパスについてでございますが、脳血管疾患以外の疾患につきましては、糖尿病につきまして、板橋区医師会が中心となりまして、板橋区糖尿病対策推進会議を立ち上げまして、本年六月から糖尿病に関する地域連携クリニカルパスの運用を開始しております。
 具体的には、糖尿病の患者さんが、かかりつけ医、眼科医などと連携した診療を受けやすくなるように、糖尿病連携パスポートを作成、運用しておりまして、豊島病院におきましては、先月までに二件の適用実績があったところでございます。

○橘委員 地域連携クリニカルパスというのは、治療内容、それから治療のスケジュール、それから転院先であるとか、そういったこともあらかじめ、大枠でありますけれども、提示されるわけであります。
 それを見ますと、私も一つのサンプルを拝見いたしましたけれども、スケジュールから、どういう内容の治療をやっていくのか、ざっと見れば大体わかってきて、すごく患者さんや、それから家族にとっても非常に安心できるなという、そういったよりどころになるという印象を受けました。地域連携クリニカルパスというのは、そういう安心のとりでという要素を持っておるわけですから、さらにこの対象疾病を脳血管以外にも広げていく、そういう努力をしていっていただきたいと要望しておきます。
 ところで、豊島病院では、昨年十月に分娩を再開して以来、約一年が経過いたしました。ことし四月からはGCUも開始されて、機能が一段と強化されております。周産期医療を取り巻く厳しい状況が続く中で、産科医療の充実に対する地域からの要望も強く、公社移管後も豊島病院が引き続き力を入れて取り組むべき医療課題であると思います。
 そこでまず、分娩再開後の分娩取扱実績について伺います。

○黒田経営企画部長 豊島病院におけます分娩再開後の分娩取扱実績についてでございますが、昨年十月の分娩再開後の分娩取扱実績は、平成二十年度は二十一件、二十一年度は九月までの期間で九十三件でございまして、計百十四件となっております。

○橘委員 この数字で見ますと、平成二十年度は昨年の十月からでありますから、三月まで六カ月間で二十一件と今ありました。そうしますと、月平均で三・五件となります。そして、二十一年度は九月までの六カ月間で九十三件でありますので、月平均は十五・五件となると思います。
 産科に二十床を確保して再開した割には、ちょっと期待していた件数よりは少ないんじゃないかなというふうに私は思わざるを得ません。地域からの出産要望に応じ切れていないという、そういう状況がこの数字にあらわれているようにも思われますけれども、この点についてはどういう認識をお持ちでしょうか。

○黒田経営企画部長 豊島病院の出産取扱件数についてでございますが、平成二十年十月の分娩再開当初は、リスク管理が必要な分娩を中心としまして、月五件程度の取扱件数で推移をしてまいりました。二十一年一月からは新たに新生児のための当直を開始しまして、公社化後の本年四月からはGCUを再開するなど、さらなる医療体制の強化を図ったところでございます。
 出産件数につきましては、分娩の取り扱いを安全に行っていくために妊娠から出産まで経過を追った対応を行うことから、患者さんの妊娠に応じた段階的な拡大を図っていくことになるわけでございます。この七月からは月二十件程度の取り扱いとなっておりまして、また、十一月からは月三十件程度、十二月には月四十件程度の予約状況となっております。このように、引き続き段階的な拡大を図ってまいりまして、地元の皆様の期待にもこたえられるように努力をしてまいります。

○橘委員 今、産科医院そのものが減少を続けておりますし、それから、産科の看板を掲げておっても分娩は扱わないという医院もふえている。そうした中で、豊島病院の産科は安心のとりでともいうべき存在となっているのは間違いないと思います。今、答弁にありましたように、今後の予約が増加しつつあるというのは、そういう皆様方の期待のあらわれであるとも思います。
 これまで豊島病院における出産の取り扱いが少なかったのは、根本的には実質的な医師不足が原因ではないかと思います。産科の医師を確保することが至難な状況にあるのは十分承知しておりますけれども、公社移管というその価値を示していくためにも、さらなる安定的な産科医師の確保に力を入れるとともに、体制のもう一段の強化をしていくべきと考えます。今後の取り組みも含めて伺いまして、私の質問を終わります。

○黒田経営企画部長 豊島病院の産科についてでございますが、これまでの経緯をご説明させていただきますと、平成十六年度途中から、当時の豊島病院の産科に対しまして産科医を派遣していました大学医局から、産科医の引き揚げが始まりました。この結果、十八年九月に産科医の人数が一名だけというふうになってしまいまして、分娩休止となったという経緯でございます。しかしその後、新たな大学医局へ働きかけを行いまして、二十年四月、昨年四月には産科医師四名を確保しまして、十月に分娩を再開したところでございます。
 現在は、当直体制を構築できるように、常勤医師五名のほか、非常勤医師、研修医を確保いたしまして、月四十件程度の分娩には十分に対応できる体制をとっているところでございます。
 今後についてございますが、産科の常勤医の確保に当たりましては、特定の大学医局からの派遣だけではなく、幅広い採用活動を行っておりまして、現在、常勤医師五名を確保したところでございますが、さらなる医師の確保につきまして、今後の分娩取り扱いの状況を見ながら適切に対応してまいります。

○大山委員 私からは、まず最初に、都立病院と公社病院におけるがん医療について伺います。
 駒込病院は、二〇〇八年二月に都道府県がん診療連携拠点病院に指定されました。院長さんにもお目にかかりましたけれども、院長さんは、駒込病院はがんだけでなくて、合併症を持っていても総合診療ができる病院なんですということで、非常に自負を持って当たっていらっしゃるなというのが伝わってきました。
 がん診療連携拠点病院は、全国どこでも質の高いがん医療を提供することができるようにということで、国が整備を進めているもので、昨年三月一日付でがん診療連携拠点病院の整備に関する指針を出しました。
 まず、がん登録ですけれども、がん登録は、都道府県や市町村といった地域を対象に、その地域に居住するがん患者の情報を登録して整理することで、がんの種類や進行度、治療内容などを初めさまざまなデータを蓄積して、地域や国のがん予防、がん治療に向けた対策や患者支援などにとって重要なものです。
 駒込病院は、都道府県の診療連携拠点病院として、がん登録指導者を置いて都内医療機関の実施する院内がん登録の指導を行うことも求められています。現在は委託で行っている院内がん登録ですけれども、拠点病院としての役割を果たすためにも、職員の定数化、増員が求められていますが、どうでしょう。

○黒田経営企画部長 駒込病院では、院内がん登録の業務の性格や業務量等を勘案しまして、委託職員を活用して対応をしているところでございます。今後、状況の変化を踏まえまして適切に対応していくとしているところでございます。

○大山委員 がん登録は基本ですので、ぜひ充実をしていっていただきたいと思います。
 都道府県がん診療連携拠点病院の指定要件には、外科のほかに放射線療法部門、それから化学療法部門それぞれ設置して、専門的な知識及び技能を有する常勤の医師をそれぞれ配置することになっていますね。
 放射線治療で注目されているのが医学物理士です。医学物理士は、医師の指示のもとで放射線照射量を計算して精密な治療計画を立てたり、機器を管理して適正に照射できるかを確認したりするのが仕事です。
 私が目を通した資料によりますと、カリフォルニア大学サンフランシスコ校総合がんセンターの放射線治療部には八人の医学物理士がいるとのことでした。そして、例えばそのうちの一人の医学物理士が、顔と首などに三つのがんがある患者さんに対して七通りの治療計画を立てたんです。それだけで丸一日かかるというんですね。しかし、だれ一人として全く同じがんを持つ患者はいないからと、この医学物理士さんはおっしゃっています。
 この大学の放射線治療科教授で、医師ですけれども、この人は、放射線治療機器は急速に高度化しており、日本のように医師や放射線技師だけで使いこなすのは難しくなっている、医学物理士なしには放射線治療は考えられない、こう指摘しています。がんの放射線治療の品質や、それから制度管理のためには、新たに医学物理職の配置が求められているわけですが、これについてはどうでしょうか。

○黒田経営企画部長 医学物理士は、一般財団法人医学物理士認定機構の認定資格でございまして、全国では四百名と、いまだ有資格者が少なく、人材が限られております。こうした状況を踏まえつつ、その活用の可能性等については既に検討を行っているところでございます。

○大山委員 既に検討したんだということですけれども、積極的に活用する方向で取り組んでいっていただきたいわけですけれども、日本では現在、医学物理士さんというのは、放射線技師が研修などを受けて資格を取得することが一般的だといわれています。せっかく医学物理士の資格を取っても、放射線技師と兼務では治療できる患者数はふえないわけですし、医療の質の向上もしにくいわけですね。
 ですから、例えば放射線技師が医学物理士の資格を取得したら、治療に専念できるよう、治療というか、医学物理士の職に専念できるようにすることが必要です。つまり、医学物理士を放射線技師から医学物理士の部署に異動するとともに、放射線技師は新たにきちんと雇用する。実質的に職員数全体がふえなければならないと思っていますけれども、それについてはどうですか。

○黒田経営企画部長 医学物理士とは、医学物理学の観点から放射線治療に貢献する医療職でございまして、比較的新しい分野の取り組みでございます。その活用の可能性については、医学物理士というものの、現在、先ほども答弁いたしましたが、まだ全国で四百名と有資格者が少ないこと等々の状況を踏まえまして、活用の可能性について検討しているところでございます。

○大山委員 積極的に活用する方向で検討していただきたいと思います。
 もう一つの治療の柱であります化学療法ですけれども、化学療法、抗がん剤の組み合わせというのは、患者のがんの種類や進行ぐあいなど、さまざまな要素によって異なっていて、駒込病院だけでも千二百種類もの組み合わせがあるというんですね。その上、患者の当日の体調によっても変化するので、細心の注意を払いながら行う抗がん剤のミキシング、それから外来の抗がん剤治療だけでも年間一万件を超えるという駒込病院ですけれども、大忙しでやっていらっしゃる職場も見せてもらいました。
 年間一万件を超えるということで、本当に過密な薬剤師さんの状況ですけれども、定数増、求められていますけれども、どうですか。

○黒田経営企画部長 抗がん剤による化学療法に対しましては、業務に見合った定数を既に措置をしているところでございます。平成二十一年四月には定数を八名増員したところでございます。

○大山委員 業務に見合った定数を配置したんだとおっしゃるわけですけれども、駒込病院でもふえているわけですよね、外来での抗がん剤の投与。ですから、そのミキシング、これが本当に手だけ入れて、陰圧のところで二人がかりで、ミスしないようにやっているわけですけれども、そのミキシングが年間約一千件ふえているんだということなんですね。ですから、業務量に見合った定数が必要だという認識なんですから、ふえている外来患者、外来での化学療法患者の業務に見合った定数配置を、来年度もきちんと配置できるようにすることを求めておきます。
 国立がんセンター中央病院通院治療センターが編集した「がん外来化学療法マニュアル」というのがありまして、それによりますと、外来化学療法の直面する問題は、標準的な治療法と日常生活をいかに両立させるのか、そのことがQOLの維持にどの程度貢献できるのか、限られた外来診療においてそれをいかにコントロールするかなど多岐にわたる。単に抗がん剤の治療成績が上がればいいというものじゃなくて、日常の生活だとか、社会生活だとか、経済的な生活の土台の上に構築されるものだから、患者の日常生活にかかわる外来化学療法に携わる医療従事者は、ある側面からいえば、入院化学療法よりさらに専門的で総合的な能力を要求される、こういわれています。
 また、今後、がん薬物療法専門医、がん看護専門看護師、がん化学療法看護認定看護師、がん専門薬剤師、がん薬物療法認定薬剤師など、がん薬物療法に精通した専門家が外来化学療法に中心的に関与していくことが望ましい。さらに、極めて多岐にわたる諸問題に対応するためには、多職種によるチーム医療の構築が不可欠である、こうなっているんですね。こうした方向で、駒込病院における外来化学療法の医療体制、さらに拡充していってほしいということを求めておきます。
 大久保病院でも、外来での抗がん剤の治療が行われていて、外科のドクター中心にがん研究グループができていました。意欲が伝わってくるわけですけれども、せっかく外来での抗がん剤治療を実施しているのですから、先ほど述べましたがん薬物療法専門医だとか、がん看護専門看護師だとか、がん化学療法看護師認定看護師だとか、がん専門薬剤師だとか、がん薬物療法認定薬剤師などを配置して、公社病院の大久保病院でもより充実させていくことが求められていますが、どうですか。

○黒田経営企画部長 大久保病院では、抗がん剤のミキシングに当たりましては、薬剤師が二人体制で対応しておりまして、外来治療におきましては、看護師を専任で配置しまして、ギャッチベッドと呼ばれるベッド四台、これはベッドを自由に上げ下げしたり、背もたれの角度を調整できるものですが、このベッドを四台配置しまして化学療法を実施しているところでございます。

○大山委員 今後、より医療水準を向上させるためには、専門職の配置というのが不可欠なわけですよね。薬剤師二人、外来治療専門の看護師専任です。ギャッチベッドですかね、四台対応しているんだといいますけれども、より医療水準を向上させるためには、専門性の向上、これが欠かせないわけですね。
 先ほどからご答弁していただいているように、放射線の医学物理士、全国ではまだ四百人、全国でも四百人しかいないということですけれども、医学物理士もそうですが、そのほかのさまざまな専門資格の取得、そのための研修などについて都としても支援していく、支援を充実させていくことが重要だと思いますけれども、どうですか。

○黒田経営企画部長 都立病院におきましては、都立病院が高度な医療を提供していくため、従前より看護職や医療技術職の専門性向上を目指しまして、それぞれの分野の専門資格取得について積極的な支援を行っております。今後もその方向性に変わりはございません。

○大山委員 ぜひ、より拡充する方向でお願いします。
 患者さんが抗がん剤の治療を受けるときのアメニティーといいますか、の問題です。大久保病院の外来で抗がん剤を受けるところはどこですかといったら、ここですと見せてくれたんですね。さっきギャッチベッドとおっしゃっていましたけど、本当に外来の診察室の処置ベッドですよね。そこで長い患者さんだと四時間ぐらい点滴を受けるというんですね。
 例えば癌研有明病院などでは、ゆったりしたスペースに、リクライニングのいす、音楽が聞けたり、テレビが備えつけられたりというわけですけれども、今どき、献血センターに行っても、リクライニングのいすでゆったりと献血できるというような状況になっているわけですが、もちろんリラックスできる条件というのは、環境というのは人それぞれ違うとは思いますけれども、つらい治療なわけですから、せめて好きな音楽が聞けたり、テレビが見られたり、ゆったりできるような、リクライニングできるようないすがあったり、そういうものも設置して、抗がん剤の治療が受けられるようにする、これが求められていると思いますが、どうですか。

○牛島サービス推進部長 外来での抗がん剤による化学療法は、点滴に長時間を要し、治療を受ける患者さんの負担を軽減するために、治療環境の整備が必要だと認識しております。都立病院及び公社病院では、患者さんに少しでも快適に治療を受けていただけるように、現場の実情に応じて、リクライニングシートの導入や、テレビや音楽のサービスを実施しております。引き続き、病院の改築、改修に合わせて、さらなるアメニティーの向上を図っていくこととしております。

○大山委員 かたいベッドで四時間こうやってじっとしてたら大変だろうなと思いますので、ぜひ少しでも快適な環境で治療が受けられるようにしていただきたいと思います。
 抗がん剤治療を大体週に一回ぐらいの割合で受けて、そうすると、そのまま自宅に帰って三日ぐらいすると副作用が出てくる、これが一般的らしいんですね。副作用による苦痛にどう対応したらいいのか、さまざまな不安を持つわけですけれども、その不安をどう解決すればよいかということなどは、外来で抗がん剤を受けているだけに、自宅でその不安や苦痛と向き合わなければならないという患者さんに対して、患者さん自身が自宅で副作用に対処できるように、相談だとか指導だとか心理的なサポートが欠かせないと思うんですけれども、具体的に相談支援体制を整えることが必要だと思いますが、どうでしょうか。

○黒田経営企画部長 都では、がん対策基本計画を策定いたしまして、計画的にがんの予防や医療の充実強化を推進しておりまして、患者、家族の不安の軽減のため、がんに対する情報提供の推進、相談支援体制の整備が求められております。
 駒込病院は、都道府県がん診療連携拠点病院に指定されておりまして、医療情報相談室を中心とした相談支援センターにおきまして、がん患者への相談や情報提供を行うとともに、セカンドオピニオン外来を設置しております。また、緩和ケアチームを中心に、患者や家族への心理的ケアを行っております。
 がん医療を重点医療に掲げるその他の病院におきましても、がん患者及びその患者の療養上のさまざまな相談に適切に対応していくこととしております。

○大山委員 駒込病院では「こまどり」というようなところもありますし、対応していて、それで、ほかでも相談は受けるんだということですけれども、大久保病院なども含めて、都立でも公社病院でも、より充実する方向で、人員配置も含めて対応するように求めておきます。
 都道府県がん診療連携拠点病院ですけれども、国の指針では、各都道府県に一カ所整備するものとされているわけですね。東京では駒込病院と癌研有明病院が都道府県がん診療連携拠点病院に指定されています。全国を見るとどうかというと、宮城県も二カ所あるんですね。福岡県も二カ所、がん診療連携拠点病院が指定されています。人口や面積から考えれば、都内では多摩地域にも一カ所、がん診療連携拠点病院が必要です。その点では、府中病院のがん診療体制を大幅に拡充して、都内第三の東京都がん診療連携拠点病院を目指すことを提案したいと思います。
 府中病院は、隣に東京都多摩がん検診センターもあるわけですから、ぜひ多摩地域全体のがん診療連携の拠点病院として整備していただきたいことを強調して、次の質問に移ります。
 次は、都立小児病院についてです。小児病院に関しては請願陳情が合計三件出ていますので、本格的には第四回定例会前の常任委員会での質疑に回そうと思っていますけれども、きょうは問題を絞って質問したいと思います。
 まず、緊急の事態として、新型インフルエンザにかかわる問題について伺います。
 新型インフルエンザに関する都のサーベイランス結果を見ますと、七月二十四日以降、十月十一日までに、入院患者百六十三人です。そのうち、二十未満、未成年が百五十人で、九二%に上るんです。入院した患者の九二%は未成年だということですね。しかも、十歳未満が六八%ですから、ほとんどのケースは小児科を必要としているといえます。
 東京都三病院における新型インフルエンザ入院患者の検討の報告をされた府中病院小児科の寺川医師は、発熱後すぐに呼吸障害になるケースがほとんどで、今までのインフルエンザとは違うというんですね。ほかの二つの病院の小児科でも同じようなケースが多いということでした。基礎疾患のあるなしにかかわらず、肺でインフルエンザがふえるようだ、そう話しておられました。
 東京都は、九月二十五日にインフルエンザ流行注意報を出しました。その翌日、九月二十六日には、小児科病床を持つ都内の病院が緊急に招集され、今回の新型インフルエンザは小児患者が全体の大部分を占めており、とりわけ重症者を含む小児患者の急増が懸念されるため、特に小児科病床を有する病院にお願いしますということで、病院全体を挙げて格段の努力をもって受け入れ体制を整えていただくようお願いいたします、そう要請がされました。
 そこの会議には、清瀬小児と八王子小児病院も招集されたと聞いています。具体的に清瀬小児や八王子小児病院はどう対応したんでしょうか。

○黒田経営企画部長 現在、新型インフルエンザの本格的な流行期に入っておりまして、都内すべての医療機関で診療を行う体制となっているところでございます。その中で、重症化するリスクの高い妊婦、小児等につきましては特段の医療体制の確保が要請されておりまして、特に小児については、患者の急増に伴い、さらなる受け入れ体制の強化が求められております。このため、今回、福祉保健局より、小児病床を有する医療機関を対象として要請がなされたものであります。
 都立病院におきましても、患者発生動向や国や都の方針を踏まえながら、清瀬小児、八王子小児病院はもちろん、総合病院においても小児の重症患者に対応できるよう入院病床確保に努めているところでございます。

○大山委員 確保に努めるんだということですけれども、そんなあいまいな答弁で済ましていい問題ではないんですね。東京都として、都としてですよ、特に小児病床の確保が大変なんだ、だから民間病院にも全力を挙げてほしい、こうお願いしているときに、肝心の都立小児病院は廃止、統合します。そんな話は通らないです。
 これは清瀬小児病院のホームページに載っているものです。(資料を示す)小児総合医療センターへの移転に伴う救急診療についてのお願いです。地域の救急、入院機能についてというところで、入院が必要な急性期の内科患者さん(気管支炎、肺炎、急性胃腸炎、ぜんそくなど)や深夜などの時間外における救急患者さんの診療(二次救急)については、今後、当院との連携を保ちながら多摩北部医療センターに円滑に移行していきたいと考えています、こうなっているんです。つまり、徐々に手を引いていきますよ、そういうことですね。
 その隣のページは、こうやってわかりやすくQアンドAになっています。移転準備に入るから、ふだんの診療は身近なかかりつけ医に、また、夜など急な発熱やせき、下痢、嘔吐などで受診される際は下記のとおり受診してください、こう書いてあるんですね。
 夜間や休日に受診したいときはどうすればいいの、そうQがあって、それのアンサーは、都内では--都内、埼玉県のもあるんですけれども、都内では多摩北部医療センターと西東京市田無にある佐々総合病院、小平市準夜応急診療所が紹介されています。これらは皆、夜十時三十分までしかやっていません。そこが開いていなかったら、「ひまわり」に問い合わせてください。そうなんですね。
 「ひまわり」はコンピューターによる自動応答サービスです。実際に私もかけてみました。コンピューターの声で、相談と案内員による医療機関の案内もありますというんですね。しかし、相談は平日の午前九時から午後八時までです、こうクールな声が伝わるんですね。新型インフルエンザの流行注意報が出されて四週間目です。この期に及んで、移転準備で徐々に手を引いていく、そんな状況ではないと思いますが、どうですか。

○黒田経営企画部長 清瀬小児病院では、新型インフルエンザに対しまして、特に重症患者さんへの対応を中心に、入院患者の受け入れに対応してまいりました。移転までの間も、これまでどおり重症患者の入院患者の受け入れに対応していくものでございます。
 今後も、患者発生動向などを踏まえながら、地域の医療機関と連携をしまして、実情に応じまして柔軟な対応を含め、適切な医療体制を確保していくこととしております。

○大山委員 熱が出たら、ホームページにですよ、清瀬小児病院じゃなくてほかのとこに行ってくださいよ、そう実際ご案内してるわけでしょう。しかも、死亡例や重症例を見ると、びっくりするほど進行が速いんですよ。
 いつもファクスでいただきますけれども、六日に亡くなった五歳児、十月二日の午前中に発熱をして、せきが出ていたから近くのお医者さんを受診して、翌日の午前中には熱が四十度にも上がってタミフルを処方されて、その日の夕方には嘔吐と意識障害、けいれんが出現して救急搬送されて、その日の夜には多臓器不全、人工呼吸器装着して、六日には亡くなってしまってるんですね。最初の発熱から四日目です。
 十四日に亡くなった四歳児も、夜発熱したので、翌日、近所のお医者さんを受診して、タミフルを処方されたけれども、帰宅途中でけいれんをして、救急搬送して、その翌日には意識障害の増悪、血圧低下、呼吸停止で人工呼吸器を装着、急性脳炎が疑われる状態になって、本当にあっという間なんですね。
 清瀬、八王子小児病院の存続を願う皆さんから、身近な地域にあってこそ小児病院だ、こういわれてきましたが、子どもの命を救うために、まさに一刻を争う事態が明らかになっているときに、身近な地域の都立小児病院存続がどうしても必要なんです。しかも、これから、新型インフルエンザだけじゃなくて、季節性のインフルエンザの流行が重なる時期に入るわけですから、移転の準備などということをやってるような状況じゃない。この流行は来年も続くだろうといわれていますね。身近な地域の小児病院の必要性がますます高まっていると思いますが、どうなんですか。

○黒田経営企画部長 インフルエンザの症状が急速に進行することにつきましては、この新型インフルエンザに限らず小児患者に多く見られる事象でございます。このため、小児病院が転出する地域の小児医療体制につきましても、北多摩北部医療圏におきましては、多摩北部医療センターで病床の整備を図るなど、その強化を行っているところでございます。
 また、移転統合後の小児総合医療センターでは、重症患者に対応できる小児ICUを今まで以上に確保することになっておりまして、新型インフルエンザ対策に強化を図っていくところでございます。

○大山委員 急速に悪化するのは他のインフルエンザだって同じなんだと、そうおっしゃいますけれども、東京都が主宰した都立病院の小児科のお医者さんたちが、今までのインフルエンザとは違います、呼吸障害があっという間に来るんですよって、そういってるんですよ。
 きちんと今の新型インフルエンザ、そういう違う、明らかに違うんだ、速いんだということは、重症化したケースから見たって明らかですし、それから、今の小児総合医療センター、別にいいですよ、それはそれでやってくださいよ。しかし、今の地域医療が崩壊しちゃいますよ。今、移転のための準備なんか清瀬小児病院、八王子小児病院でやっていて、移転のための業務までやっていて、それで最大限、病院を挙げて格段の対応をしてくださいよって民間の病院にも頼んでいるのに、都立病院が、移転の準備はしている、受け入れますよ、そういっている。しかし、軽い患者さんは、ほかの病院に行ってくださいよってホームページでは案内している。軽いけれども、あっという間に悪くなるんですよ。
 東京消防庁が都内の救急病院の一覧を診療科別にホームページで紹介しています。毎日、朝昼夕、三回程度、情報が更新されることになっています。きのうの午後五時現在の情報では、多摩北部医療圏で小児科の救急に対応できるのは、清瀬小児、小平市の公立昭和病院、西東京市の佐々総合病院、わずか三カ所しかありません。
 東京都は多摩北部医療センターを充実させるんだといってますけれども、きのうの午後五時現在では、多摩北部医療センターの小児科はバツ印ですから、受けられませんよ。さっきも見てきましたけれども、さっきもバツ印でした。
 新型インフルエンザのことを考えても、このまま清瀬小児病院がなくなってしまったら、この地域は本当に大丈夫なのか。今、流行してるのは、新型インフルエンザでも弱毒性だといわれている豚由来のインフルエンザです。強毒性だといわれる鳥由来の新型インフルエンザの流行も時間の問題だといわれているわけですよね。強毒性が流行した場合、入院が必要になる重症患者は今の比ではないといわざるを得ません。清瀬小児病院も八王子小児病院も、残すことはどうしても必要なんです。
 清瀬小児病院をなくさないでください、私の願いということで、障害を持つお子さんの保護者の方々が、これを書いていただきました。(資料を示す)いただいたものです。
 例えば、七歳の長女も原因不明の重度知的障害で、ぜんそくで熱性けいれんでてんかんで感染症に弱いなど持病があって、一歳の次女も染色体異常なんだと。清瀬小児病院には、二人とも日中も夜間もフォローしていただいています。清瀬小児病院には本当にお世話になり、私自身も精神的に支えられてきました。持病もあり、そして新型インフルエンザが広がる今、毎日が不安でいっぱいです。多摩北部医療センターのベッド数で足りるのか、府中まで間に合うのか、手おくれになってしまうのではないか、本当に不安でいっぱいです。
 こういう声がたくさん書いてあるんです。持病を持っているお子さん、障害を持っていたら持病をたくさん持っていますよね。しかも、新型インフルエンザは小児が多い。不安がいっぱい。障害を持っているから清瀬小児病院のそばに引っ越してきたという方もいらっしゃいます。家から一キロのところにある清瀬小児病院に行くにも、タクシーでないと熱が出てしまう。それを府中に行け。いかに理不尽なことかということなんです。
 次に、八王子地域の問題について伺います。病院経営本部は、八王子市内の二つの大学病院、東海大学八王子病院と東京医大八王子医療センターが小児病院廃止後の受け皿になると説明してきましたし、先ほども質疑の中で答弁されていましたね。
 しかし、本部長が本会議などでも答弁していた八王子の二つの大学病院の一つ、東京医科大学八王子医療センターのホームページに、産科、婦人科の診療について、急告と書いてあったんです。これ、急告が赤字なんですね。何だろうと思って、あけるわけですよね。
 その内容は、いいですか、当センターでは今まで新生児は小児科の医師が診療していましたが、諸般の事情により小児科が新生児医療から撤退することになりました。今後は産婦人科の医師が新生児を診察することになります。このため、出産後に新生児に異常が発生した時は当センターにて入院治療することは難しく、他の入院可能な施設に搬送される可能性がありますということなんです。東京医大八王子医療センターのセンター長名で、これホームページに掲載されているものです。
 病院経営本部は、この事実、承知していらっしゃいますか。

○斎藤経営戦略・再編整備担当部長 ただいまのご指摘につきましては、今、初めて聞いたものでございますけれども、東京医大病院から、六床の増床について、これができないというような、六床の小児医療の増床につきましては、これをやっていくという回答を得たままになっておりますので、その方向で検討されているものというふうに思っております。ただいまのご指摘については、後ほど調べさせていただきます。

○大山委員 初めて聞いたなんていうのは、本当に無責任だといわざるを得ませんよ。さっき、ほかの委員とのやりとりで何ていってたんですか。地域医療体制についてつぶさに把握しと、さっきもいってたんですよ。で、今聞いた、初めて聞いた。これ、六床の増床とは関係ないですよね。NICUの問題ですからね。
 私たちは八王子医療センターにも確認しました。病院経営本部は、八王子市内の二つの大学病院で対応できるだとか大丈夫だとかいってきましたけれども、いってる先から実態はどんどん後退をして、地域医療崩壊が進んでいるんですよ。病院経営本部が、大丈夫だ、そういってきたことが根底から崩れてきている、そう強く指摘せざるを得ません。まさに綱渡り状態じゃないですか。
 これ、ちゃんと、どういう状況なのか、どう対応してるのか、今どうなってるのか、今後どうするのか、きちんと把握をして、そして病院経営本部どうするのかということを含めて、今度の委員会に報告してください。いいですか。

○中井病院経営本部長 東京医大の今のご指摘につきましては、当方で調べて後日ご報告申し上げますが、小児医療、新生児科の医療も含めてでございますが、全国的に医師が深刻な不足状況にあるという状況の中で、大学病院ですら、そういった状況が起こるというのは、今のお話以外でもあるわけでございまして、そういう中で、都立病院においても、医師の確保というのは非常に困難をきわめる場面が多々あるわけでございます。
 そういった中で、小児医療を、どう体制を維持するかということは、かつてにないほど難しい問題でありまして、そういう状況、厳しい状況があるからこそ、医療の機能的なあり方というのをしっかり考え、それを実行していくということが必要であるわけでございまして、それは、それぞれの地域に、目の前に一次から三次の医療をやってくれている病院があれば、それは一番安心できる、それにこしたことはない、それはどなたも、どの親御さんも、恐らくそう思われるかと思います。
 しかし、現状は、そうはできないという現状にあるわけでございまして、そういう中で、では、その限られた医療資源をどういうふうに適正に配分するかというところに考えを持っていき、意見をまとめていくという、それがこの間、長年にわたって地元自治体や医療関係者とまとめ上げてきた多摩北部地域でのまとめであり、八王子地域でのまとめであったわけで、今後とも、そこのまとめを踏まえ、しっかりと都医療について対応をとっていきたいというふうに考えております。
 また、先ほどございましたインフルにつきましても、インフルの状況につきましては、新型のインフルということで、この先どういうふうな展開になるかということについては、なかなか予測しがたいところがあるわけでございまして、それだけに我々も、いかなる状況に対しても対応できるよう、既に各病院、小児の二つの病院も含めて、院内体制については状況に応じた弾力的、臨機応変な対応をするという方針で臨むようにということで、内々の体制の検討についても既にかなり前から指示をしているところでございまして、このインフルの問題については、移転準備の問題とは別の問題として、しっかりと対応させていただきたいというふうに思っております。

○大山委員 これだけの問題が起こっていながら、まとめを踏まえてやっていくというのは、それは本当に納得しがたい答弁ですよ。計画を立てて十年ぐらいもうたっているわけですから、限られた医療資源、限られた医療資源といってますけど、それは人材を含めて、ちゃんと要請してふやしていく、確保していくということを長期計画でも持たなきゃいけないことなわけですよね。それが一つです。
 それで、現状はそうできないとおっしゃいましたけれども、結局、撤退するから、その地域の医療は、もうその二つの大学病院があるからいいんだ。それで、全く地域の状況なんか関心を示してないということじゃないですか。でしょう。だから、医療センターが入院治療をすることが難しいから、入院可能な施設に搬送される可能性があります。その搬送先は、まさに八王子小児病院ですよね、八王子だったら。それが一つね。
 それから、インフルエンザについては、とにかく移転の作業というのはあるわけですよね、移転の作業。それを最大限やっているときに、幾ら内部的に最大限にやりましょうといったって、対外的には、ほか行ってくださいよといってるんですから、その移転の作業を、今の、新型インフルエンザと季節性のインフルエンザが重なる時期なんですから、せめておくらせる、移転の準備は今もうとめるということぐらいやるべきじゃないですか。どうなんですか。

○中井病院経営本部長 インフルの対応についてでございますが、先ほど申し上げましたとおり、都立の小児病院では、それぞれ院内体制について、状況に応じた臨機応変な対応等という方針で臨んでいるところでありますが、さらに地域の医師会等とも連携をとりながら、地域のそういった医療資源も最大限活用していくということで、具体的には、多摩北部地域においては、この十月から休日、日曜の救急外来を、地域の小児科医の応援を得て実施をしているというところであります。
 今後も状況に応じて、こういった地域の連携、そして都立病院の院内の臨機応変な対応、そういったことを複合的に行いながら的確な対応をしてまいりたいというふうに考えております。

○大山委員 ちょっとね、検討してくださいよ、今、この質疑をもとにして。それで、今のインフルエンザの状況、それから北多摩北部医療センターだって、救急ふやしたんだといったって、結局、受け入れられない状況になっているわけですから、ちゃんと真摯に受けとめて検討をしてもらうということを要望して、終わりにします。

○門脇委員長 質疑の途中でございますけれども、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
   午後二時五十九分休憩

   午後三時十一分開議

○門脇委員長 休憩前に引き続き委員会を再開いたします。
 質疑を続行いたします。
 発言をお願いいたします。

○佐藤委員 佐藤でございます。都立病院は、感染症対策を主眼としてきたこれまでの経緯も踏まえて、行政的医療を担うという機能を担い、また、高度な医療を提供する機能を有しています。また、保健医療公社では、地域病院等を運営しているところでございます。
 病院経営本部の意義は、こうした都立病院の経営、公社運営、そこにとどまらず、都の行政がみずから病院事業を持っている大きな意義は、まさに現場を有しているところにあると考えております。病院経営本部は、都立病院における高度な医療提供はもちろんのこと、のみならず、病院事業を有しているからこそ、時勢に根づいた医療政策の提言をしていくことが可能であり、都の保健医療行政と連携して、都全体の地域としての医療体制水準の向上に向けて取り組む責務を有して期待をされていると考えております。
 この視点のもとで、東京消防庁、都立大塚病院、墨東病院、また民間病院、東部地域にある民間病院や診療所を視察してまいりました。
 その中で、喫緊の主要課題として三点、一つ目として医療従事者の勤務環境、二番目として地域の中核としての都立病院、そして三番目として病院の経営状況についてお伺いをさせていただければと思います。
 まず、医療従事者の勤務環境についてですが、医療を支えるのは人であると思っております。都民に、必要なときに必要な医療を安定して提供していくためには、医師や看護師、コメディカル、医療従事者が安定して医療に取り組める環境を整備することが不可欠と考えています。国立保健医療科学院の資料によると、常勤医師の週の平均勤務時間としては七十・六時間あるというふうな資料もあるところではございます。また、昨年の十一月開催のこの厚生委員会では、常勤医師の過酷な勤務状況が確認されているところでございます。
 改めて、常勤医師の一週間の勤務状況及び直近五年間の都立病院の産婦人科医の定数と現員についてお伺いをさせていただき、また、その過酷な状況、環境改善に向けてどのような取り組みを行われてきたか、また、今後どのような取り組みを行っていくのかをお伺いします。

○黒田経営企画部長 まず、常勤医師の一週間の勤務状況につきましては、先ほどご説明しました厚生委員会要求資料を用いて説明をさせていただければと思います。
 お手元の要求資料の冊子をごらんいただきたいと思うんですけれども、一ページ目に、都立病院における産婦人科医師の勤務実態の一例をお示ししております。その下段をごらんいただきたいと思います。
 九月十四日、月曜日から一週間の勤務実態を記載しております。月曜日は、全日外来を、夕刻からは病棟業務を行いまして、午後七時半に帰宅をしております。火曜日は、日中に病棟業務と手術を、引き続き二勤務目としまして、夕刻から救急業務に従事いたしまして、午前一時半から当直に入りまして、次の日の十六日の水曜日は、勤務明けで休みとなっております。木曜日は、病棟業務及び手術で、午後九時半に帰宅をしております。金曜日は、全日外来業務を行い、夕刻には病棟業務を行い、帰宅をしております。土曜日及び日曜日は、週休日となっております。
 続きまして、産婦人科医の定数と現員については、恐れ入りますが資料の五ページをお開きいただければと思います。都立病院及び公社病院における医師の定数及び現員の推移の中段、産婦人科の項をごらんいただければと思います。
 各年度十月一日現在の定数と現員は、それぞれ平成十七年度が四十七人に対して四十、十八年度から二十年度までが四十二人に対して二十九、本年度が三十六人に対しまして三十一・五となっております。
 これを充足率にしますと、平成十七年度が八五・一%、平成十八年度から二十年度までが六九%、本年度が八七・五%となっております。
 また、これらの医師の環境改善、勤務状況の改善についての取り組みについては、全国的に勤務医師不足が極めて深刻な状況にありましても、都立病院が果たすべき行政的医療、高度専門医療を適正に都民に提供するためには、医師を質、量ともに確保することが重要でございます。
 こうした観点から、病院経営本部では、初任給調整手当や宿日直手当の増額、救急医療業務手当、産科医業務手当の新設など、現下の厳しい医療環境を踏まえた処遇改善策を講じております。
 また、増加する女性医師に対応した勤務環境改善策としましては、院内保育室の二十四時間化を進め、現在、墨東、府中、大塚で実施しておりますほか、昨年度から、育児短時間勤務制度を導入いたしまして、総合的、重層的な確保対策に取り組んできたところでございます。
 こうした取り組みは、大学等からも高い評価を得ておりまして、本年十月一日現在の医師充足率は九六%を超え、過去五年で最も高くなっております。
 今後も、仕事と家庭の両立が図りやすい一直二勤務制度の導入拡大や二十四時間保育の実施等、総合的、重層的な取り組みを進めていくこととしております。

○佐藤委員 さまざまな取り組みをされているというところでございますが、都立の墨東病院に伺った際には、救急の、科によっても違うのかもしれませんが、なかなか厳しいところで現場では取り込まれているなというところを感じております。
 また一方で、そういった病院の中で、医師が安心して勤務できる環境を整えるとともに、医師を確保していくという取り組みの一方で、都立墨東病院では、地域の産科医が当直に入ることが開始されているところでございます。近隣の開業医がそうした形で当直に交代で協力をするといった、地域でのそうした医療連携を構築していくことも、その地域での安定した医療提供につながっていくところだと思います。
 また、杉並区の地域では、救急を受け入れたり、またかつ、教育的な機能を有している病院をセンター病院として、その病院と診療所が診療記録を共有しつつ、診療所からの入院を病院が受け入れ、また退院後には診療所に戻していくという診療連携の地域医療システムを構築しているところがございます。量、質ともに都民が適切な医療を受けられるようにするためには、都立病院は地域の医療機関の中核として、ほかの医療機関との密接な連携が必要と考えております。
 そこで、都立病院はどのような地域医療連携の取り組みを行ってきたのか、お伺いをしたいと思います。

○牛島サービス推進部長 都立病院では、患者さんが症状に応じて適切な医療機関を受診できるように、他の医療機関との間の紹介、逆紹介を進めるなど、医療連携に取り組んでおります。
 医療連携を進めるに当たっては、地域の関係機関との運営協議会や地区医師会と定期的に開催しております連絡会において意見交換を行うとともに、連携だより、医師プロフィールの発行、講演会、症例検討会、施設見学会などを実施しております。
 また、墨東病院では、先ほどの早坂理事のお話や今の佐藤委員のお話にありましたように、地元の医師会の協力のもとに、産科診療協力医師登録制度を創設いたしまして、あらかじめ登録していただいております地域の産科医師と協力して出産等に対応するなど、連携による周産期医療体制の充実に努めております。

○佐藤委員 さまざまなそうした総括的な連携をとっているということで、また墨東病院では、地域の産科医院でリスクある出産があるときには、墨東病院からその産科医院に新生児科のスタッフが向かって、出産直後、現地で新生児に対して、応急処置をした上で病院に搬送するという懸命な取り組みがなされているところでした。
 と同時に救急や、そうしたNICUの現場では、毎日空きベッドを確保することに苦心をされておりました。新たな急性期の患者を円滑に受け入れるようにするためには、療養病床や回復期リハビリ病床など、急性期を脱した患者の病床を確保する必要があると考えております。このことは、都立病院内で、その中でのベッドをやりくりするというだけではなく、その現場の医師や看護師たちが頭を悩ませるというだけではなくて、地域の病院との連携を踏まえて確保されることが望ましいと思います。
 そこで、急性期を脱した患者の転院等について、地域の病院との医療連携はどうなっているのか伺います。また、地域の病院に戻していくに当たっての取り組みについてお伺いします。

○牛島サービス推進部長 都立病院では、急性期を脱した患者さんが回復期の病院などに円滑に転院することができるように、メディカルソーシャルワーカー等が、患者さんの症状や経済状況及び地域性などを踏まえて、連携病院との転院調整を行っております。
 また、墨東病院、府中病院では、脳卒中などで地域連携クリニカルパスも活用して、転院先病床の確保を図っております。

○佐藤委員 地域連携においては、そうした調整や連絡をすることはもちろんですけれども、そこの地域での、その病院、都立病院、民間病院、診療所のあらゆる経営状態などがどうなっているのか、そうした基盤を整備していくことが行政には求められているかと考えております。
 そういった観点から、経営改善の観点からお伺いをします。
 平成二十年度都立病院の経常費用は一千三百五十四億六千百四十九万円に対しまして、一般会計の繰入金として三〇・八%に当たる四百十七億六千五百二十三万円入っておりました。東京都は、ほかの都市に比べて人件費や物価が高い一方で、診療報酬が全国一律であるという点もかんがみて、やむを得ない部分もあるかとは思います。一方で、救急医療などのいわゆる不採算医療は民間病院でも行っており、不採算医療を都立病院のみで行っているわけではない実情もあります。民間病院は、大変厳しい医療環境の中で、経営努力を行いながら、これらの医療に取り組んでいるところでございます。
 民間病院と連携を築いていくに当たっては、そうした互いの病院の置かれている状況についての認識、状況の共有をもって信頼関係の構築を図っていくことが重要かと考えておりますが、そうした意味で都立病院が経営改善に取り組んでいるということについて、改めてお伺いをしたいと思います。

○黒田経営企画部長 都立病院は、収益増加の取り組みとしまして、医療連携の推進によりまして、急性期医療に積極的に対応した結果、十九年度費で、二十年度は入院収益は約六億四千万円、外来収益は約五億五千万円増加したところでございます。
 一方、費用面では、都立病院で扱う薬品、診療材料等を一括で購入することによりまして、購入のスケールメリットを発揮し、コスト削減を図る共同購入を実施したことによりまして、実施前と比較しまして約四億九千万円の削減効果がございました。
 また、事業者が省エネルギーと光熱水費の縮減を保証し、熱源設備の改修や運転監視、メンテナンス、エネルギー使用状況の検証、測定分析を行うESCO事業を墨東病院で開始しておりまして、広尾病院、大塚病院とともに、あわせて三病院で運営をしております。その結果、実施前と比較しまして約二億一千万円縮減したところでございます。
 今後とも、多面的、総合的な観点から、効率的な病院運営に取り組んでいくこととしております。

○佐藤委員 そうした都立病院でも改善を図っているというところではございますが、一方で、民間病院でも、都立病院に準拠するような助成金が入れば、救急対応についてもより人件費等への充当も可能になってくるところでもございますし、また都立病院で受け入れたその患者が、急性期を脱した患者が安定したときに、地域の病院に、民間病院に移していくに当たっては、東部地域では特に療養型の病床数が少ないような状況にあります。
 そういう意味で、都立病院は、地域の医療の中核として、安定した医療体制を積極的に整えていくことが求められている中で、病院経営本部としては、福祉保健局と連動をして、都全体の医療水準の向上に努めていく必要があると思っております。本当に、急性期を脱した患者さんが入院する療養型病床、その転院については、現場では、その転院調整には大変ご苦労をされていることと思いますが、そういう意味で、都全体としてさまざまなスキームを用いながら、地域の医療体制拡充に向けて多角的に取り組んでいく必要があって、またそうした取り組みを要望して、私の質問を終わりたいと思います。

○野島委員 小児総合医療センターの開設について、既に違った立場から質疑が出されているようではありますけれども、私の立場から何点かお伺いしておきたいと思っております。
 十三年の夏に都立病院改革が打ち出されました。自来、八年が経過をしたわけであります。人の質疑にとやかくいう立場にないんですが、さっき財政との絡みの話が出ました。当時、財政がきついから始めたんじゃないかと、こういうこと、都財政は緩くなったんで、四千億も金びょうぶの裏にあるなら、それを使えばいいんじゃないかと、こういうことだというふうに思っております。
 実は、都財政というのは、これからもっともっときつくなるんじゃないかなと。来年度の税収の落ち込みなんていうのは、恐らくは、さてどうするという、こういう状態になるわけであります。それは、都財政のみならず国の財政もそうでありましょうけど、いわばこの社会保障制度における財政の難しさというのは、僕はそこにあると思うんですね。
 というのは、例えば子ども手当というのは、国が出すから、直接受益者が国民ですから、これはわかりやすいんですよ。ところが、こういうふうな社会保障でいうと、とりわけ医療というのは、これからますます需要がふえていきます。国民総医療費三十四兆円に達したわけですね。そして、じゃ、それはだれが負担するのかと、こうなりますと、当然のことながら税から回し込む、あるいは保険料という形で入っていく、あるいは利用者の窓口負担ということでご負担いただかなきゃいけない。いわば国民負担を上げて、そういったようなことに立たなければならないだろうというふうに思っております。
 と同時に、財政が緩くなったから、あるいはお金があるからお金を渡す事業じゃないんですね。お金があれば幸せになれないんです。お金は道具なんです。それを充足するためにどういうシステムをつくっていくかというのが、僕は医療制度であり病院改革だろうと、こんな視点に立っています。
 そんなことで、十三年以来、私はいろいろご心配いただいております東久留米市に住んでおりまして、清瀬市が隣でございます。私どもの市長なり議会なり、あるいは近隣市なりすべて当初は反対、医師会の皆さんも反対のステッカーを張って、病院廃止とんでもないと、こういうことの状況の中でスタートをいたしました。
 自来、今日までさまざまな議論を積み重ねながら、そのことの理解もいただき、そのことというのは前段のね、したがって一次、二次、三次がそれぞれ役割を果たしながら重層的にやっていくことによって、この医療システムを構築していかないと、後々のさまざまな国民負担、あるいは財政状況の中で不安定な運営になってしまうぞと、このことを共通認識として苦渋の決断をいただいたというふうに、私自身は、現場でいろいろかかわった立場から認識をいたしております。
 建物も大分建ち上がってまいりました。現場は、近々私どもも拝見させていただく予定ですが、それはそれでいいです。現場はお金があればできますから。お金があってもできないのが人材確保であります。
 したがって、この小児医療を取り巻く厳しい現状に対して、三次医療を担うという冒頭の理念、こういったようなことで着々と進められたというふうに思っております。その中で特に人的配置、こういうことは大変重要だろうということよりも、むしろここが私は死命を制すると思うんですね。
 したがって、私どもも、さきの第三回定例会でご質問申し上げまして、医師は三病院の五割増し、看護職員は二割増しと、こういうふうなご答弁をいただいております。医療人材不足は、先ほどからも、本部長からもご答弁であったとおりでありますけれども、なかなか大変な確保だと思いますよ。そういうことで、格段の採用努力をなされてきたかと、こんなふうには思っております。
 そこで、周産期医療あるいは救急医療、要するに三次医療ですね、あるいは小児専門医療など、新たな医療機能を提供するに当たって核となる医師、看護師など、医療人材の確保について、状況をお聞かせいただきたいと思います。

○斎藤経営戦略・再編整備担当部長 ただいまご指摘いただきましたとおり、小児総合医療センターにおきましては、周産期医療や小児救急医療、小児専門医療など、現行の小児病院では行うことができなかった、より高度で専門的な医療を提供していきますために、小児三病院の現有職員を小児総合医療センターに配転した上で、さらに相当数の医療人材の確保を必要としております。
 NICUや小児ICUなど、重症系病棟の増床や手術室の増強に伴いまして、大幅な増員が必要となる看護師等につきましては、採用活動の強化や広報活動、七対一看護基準や二交代制の導入など、働きやすい職場づくりにも努めました結果、人材の確保が進みつつある状況でございます。
 また、医師につきましては、医療機能の高さや処遇改善等に対する取り組みが評価をされまして、数少ない小児専門医を国内外から確保し、小児専門のERを開設いたしますとともに、小児三病院のこれまでの診療科に加え、先ほども申しましたが、脳神経外科や眼科、耳鼻咽喉科、歯科など、新たな診療科も開設し、総合的な医療を提供することとしております。

○野島委員 ありがとうございました。今日までのご苦労に心から敬意を表したいというふうに思ってございます。
 いわば医療機関で最も大事なのは、いうまでもなく質の高い医療人材の確保と、こういうことであります。それは、すなわち採用数という、この量的な問題のみならず、高度専門医療を担う人材という質の面、あるいはどういうふうに育成していくかという準備の面でも不可決であります。医師はいうまでもありませんけど、看護師等医療スタッフも、一人前になるまでに相当期間の研修は、私は必要だろうというふうに思っております。
 また、異なる三病院が同一病院として開設し、これを機能させていくと。さまざまな現場のルールの統一もしなきゃいけぬと。いわば、そういうロジスティックというのは、目に見えないところだけれども一番大事だろうと、こんなふうに思っております。
 開設に当たっての医療スタッフの育成こそが重要な課題と考えていますが、その体制の整備状況についてお伺いしておきたいと思います。

○斎藤経営戦略・再編整備担当部長 ただいまお話のとおり、これまで異なる病院で診療を行っておりました職員や新たに採用された職員が一つとなって新しい建物で新たな医療を提供していく、その体制づくりが大変重要でございます。そのため、小児総合医療センターの開設が具体化して以降、現場の医師、看護師、コメディカルなど、多くのスタッフが調整を重ねてまいりました。
 現在、各職員の連携を密にし、治療方法や術式の統一化、各種業務運営のルール化を図るなど、事前の調整を精力的に行っているところでございまして、今後は、開院前の業務運営リハーサルを数回にわたり実施するなどして、開設直後からの医療の安全性、医療水準の確保を図っていく考えでございます。
 また、看護師など大量の新規採用職員の育成に組織を挙げて取り組むとともに、新たな医療機能を提供いたしますために、中核を担う医師や看護師を他病院へ研修に派遣するなど、さまざまな人材育成策を実施しております。

○野島委員 三月に、これらの三病院が突然廃止され、府中をやりますよという、いわば医療の厳しい状況の中で選択された条例が可決されまして、十三年以降のさまざまな議論を踏まえて、着実に進めて、いよいよ開設だと、こういうことの段階であります。今ほど伺いまして、院内体制の人的あるいは物的整理が進められるということで、大変ご苦労さまでございます。
 そうした中にあっても、やはりこういうふうに制度が変わるときというのは、どうも混乱が起きるというのは当然でございまして、そこにどう手を打ちながら着実に新しい医療提供体制、小児医療提供体制がなされるかということを、広く都民の皆さんに理解をしていただかなければならないだろうというふうに思っております。
 とりわけ、やっぱり私どもは、いざ直近の、自分の身に問題が起きたときというのは反応が早いんですよ、ぱんぱんぱんと。そうじゃない場合には、そこに至って初めて反応するんですね。ほかの優秀な人間の方はわかりませんが、私ごときの凡人は、大体そういうことであります。
 したがって、そういう移設期、移行期のところに対して、どういうふうに周知徹底をし、こういう場合はこういう手を打ってください、こういう場合にはこういうふうにしてくださいということを、恐らく既に入院患者の、一時お預かりいただくとか、そういうことは進めていると思いますよ。それは、直接身に係る問題だから比較的理解は早いです。しかし、さっきのインフルのお話もありましたけれども、そういう状況の中で、しからばどう対応してくれるんですかということは、これは病院経営本部マターよりも、むしろ大きな福祉保健局マターだと思うんだけど、それはしっかり連携とりながらやっていかなきゃいけないだろうというふうに思っておりますので、ぜひ十分な周知、理解、協力と、こういったようなことを求めていただきたいというふうに思っております。
 地域の医師会並びに地域の行政は、今回のこの問題についてのそれぞれの立場で、当初のスタート時点からこの理念を理解し、自分たちがどう役割を分担することによって、多摩地域の小児医療の質的な向上につながるということで協力をいただいておりますから、皆さんにも、ぜひそういうことを周知していただいて、混乱のないような事務執行をお願いしておきたいというふうに思っています。
 これ以上はとやかくいうことはないんですが、せっかくの機会でございますので、巷間聞き及ぶところによりますと、清瀬、八王子、世田谷を残すという条例をお出しになるやに伺っております。きょうもいろんな話を伺いまして、どうもよくわからないんで、早目に条例出していただいて、ぜひ議論をさせていただきたいというふうに思っているんですよ。詳細は申し上げませんがね。
 それで、この三病院を続けて、存続させようと、これが可能なのかと。それから、今後の開設に支障を来すことはないのかと、こんなところでお伺いしておきたいんです。
 実は、この条例は、一般的に施設設置条例で無味乾燥なんですよ、条例上は。しかし、そこは、十三年以降のさまざまな小児医療体制にかかわる議論を通じて、それを集約した条例なんですね。設置条例ですから無味乾燥で、あの病院がなくなるの、あれとあれが。今度はここだけになるの。そういう意味では箱ですから、設置条例というのは無味乾燥なんです。しかしその中には、大きな、いわゆる全体としての医療制度改革があり、その中での都立病院の果たす役割がありと、こういうことが目いっぱい詰まっている条例なわけであります。それと同時に、これは執行条例ですから、財源の担保がなければ、とてもとてもていをなさないだろうと老婆心ながら心配をしているのであります。そんなことはどうでもいいんです。人様の心配をするほど私も余裕はございませんのでね。
 それで、冒頭に戻りますけれども、こういう三病院を現実にできるのか。さっき病院経営本部長が、近場に一次、二次、三次を診る全体の病院があれば、それはそれで、それにこしたことはない。それは受ける側はそうなんですよ。しかし、申し上げたような制度をつくっていくよという中で、直接お金を渡すんじゃなくて、負担も含めて提供システムをつくっていく苦しさというのは、僕は並大抵のことじゃない。それがここに至ってそういう状況でありますから、この存続させようという意見が可能なのかどうか、あるいは、そのことによってどんな支障を来すのか、そんなところをお伺いしておきたいと思います。

○斎藤経営戦略・再編整備担当部長 仮に現在の小児三病院を存続させた上で小児総合医療センターを開設するとなりますと、現在予定しております採用に加えまして、さらに医師、看護師のほか薬剤師、臨床検査、放射線技師といった、さまざまな職種の医療技術員につきまして、小児三病院の現有職員に加えて七百人程度の人材の確保を別途行う必要がございます。これは現下の深刻な医療人材不足の中では、到底実現し得るものではございません。現時点では、新卒看護師の就職活動は事実上終了していること、また全国的に不足する小児科医を残り数カ月で採用することは極めて困難でございます。
 また、新センターの開設に大きな支障が出れば、これまでさまざまな方策を駆使して国内外から確保した小児専門医、数多くの新規看護師が就職を辞退してしまうほか、新センターの開設に向けて長年にわたり開設準備に力を尽くしてきた現行の小児三病院の医師、看護師等の離職にもつながりかねないと考えます。
 小児三病院の存続は、小児総合医療センターの開設に大きな支障を来し、周産期医療、小児救急医療など、多摩地域の小児医療の充実が阻害されるばかりでなく、現在行っております小児三病院の高度専門小児医療の提供も危ぶまれるおそれがございます。

○野島委員 いろんな経過もあって今日に至ったわけでございます。その改革は、単に財政論ではない、将来を見越しての、かつ現状の厳しい小児医療を取り巻く状況を踏まえてと、こういうことでありますから、ぜひ着実な形の開設を心から願っているところであります。
 それぞれ議論は出ました。私も今日に至るまで、現場に入りながら、さまざまな意見も伺いました。そして、当該市というより地元市というと、たまたま清瀬市という冠があり、八王子市という冠があるんですが、これも踏まえて今後の小児医療体制をどうするんだと、こういう中では、一次医療は市町村、二次医療は圏域に基づく中核病院、そして三次医療は小児総合医療センターが担っていくと、こういう機能分担、重層的な連携によって小児医療体制システムの安定と質の向上が図られるというふうに思ってございます。
 また、今後とも三病院を移転統合し、新センターを開設するということでありますけれども、医療機関のネットワークの充実が必要なことは論をまたないわけであります。これは、例えば一次の夜間、準夜間の拡大をしてきたとか、あるいは北部医療センターでベッド数を確保してきたというふうなところ。
 それから、実は私、反対運動の人たちと会って話をしたんです。何が問題なんですかと。ベッド数ですか、いや、ベッド数は十分だと思いますと、こういう意見もございました。それでは、しからばと、NICUですと。
 さっき冒頭申し上げましたように、NICUはお金を出せば買えるんです。しかし、それをオペレートする医師がいないんですね。NICUをどういう、二次、三次に位置づける、どうのこうのありますよ。それはそれとして、そういう部分というのは今後、だからやれといっているんじゃないですよ。いろんな意味で到達点を点検しながら、しかし、こういうことが必要なときには思い切ってそういう手を打っていくと。そのことが、もちろん医療財源との絡みがある、あるいは、それを運営する人材の問題もあると思いますけど、そういったふうな視点は何も病院経営本部だけの話じゃございません。医療体制そのものですから、そんなことも腐心をしていく必要が、私ども自身にもあるというふうに思っておりますので、ここは私の考え方を申し述べておくだけにとどめたいというふうに思っております。
 最後に、小児総合医療センター開設に向けた本部長の決意を伺って、質問を終わります。

○中井病院経営本部長 小児総合医療センターの開設につきましては、長年にわたりまして都議会の先生方のご支援、ご指導をいただき、また地元自治体あるいは医療関係者の協力、協議をいただきながら今日まで来たわけでございます。残すところ、あと四カ月余りとなったわけでございます。
 開設に向けては、さまざまな準備を現在、同時並行で進めているところでございまして、一例を挙げますと、医療安全の確保ということが非常に新病院を開設するに当たっては重要なわけでございまして、このためにシステムや医療機器のチェック、職員の習熟訓練、職員間、部門間の連携づくりなど、広範な取り組みを現在進めているところでございます。
 こういった当面の作業とあわせまして、一方で小児病院が転出する地域の医療の確保が極めて重要であるということは論をまたないわけでございまして、私どもはこれまでも、それぞれの地域の自治体や医療関係者等と協議を重ねてきた結果を踏まえまして、地域医療確保の取り組みを精力的に進めてきたわけでございますが、今後も地域の実情や状況の変化などを十分に把握し、迅速的確な対応により、それぞれの地域の小児医療の確保に全力で取り組んでまいります。
 また、小児医療ネットワーク、これも医療人材など医療資源が限られた中では、一次、二次、三次医療の、効果的にこれらを機能させる上で非常に有効な方策でございまして、小児病院転出地域の地域医療の整備とあわせ、小児医療のネットワークにも積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
 小児総合医療センターができますと、多摩地域の周産期医療の最大の問題は母体搬送が十分にできないということでございますが、小児総合医療センター、多摩総合医療センターができれば、日本でも第二位、都内最大のNICUを保有するわけでございまして、産科医の確保も順調に進んでおります。これまで多くの心配をおかけし、また不安をおかけした多摩地域の母体搬送についても、来年三月にはいよいよ稼働するわけでございます。
 また、小児の救急、小児のERが全国で初めてできるわけでございますし、また小児救命救急も行うわけでございますが、日本の乳児死亡率は世界的にも一番低い水準でございますが、一歳から四歳の幼児死亡率というのは先進国の中でも高い。せんだって日経新聞には、先進国の中で第二十一位だという記事がございました。そのとおりでございまして、こういった現状を踏まえ、厚労省の方では小児救命救急の体制づくりの検討会を立ち上げております。
 小児総合医療センターは、こういった国の動向を先取りした形で、来年三月にはこれを実現するというものでございます。これにより交通事故などの多数外傷創、そういった重篤な外傷にも十分に対応が今後はできるわけでございます。そのほか、アレルギー、脳外科、臓器移植など専門医療も多摩の地域で受けられるわけでございまして、全国最高レベルの医療が多摩の地域で受けられるという状況になるわけでございます。
 また、先ほどお話のありましたインフル対策を初めとした感染症につきましても、現在の二病院は老朽化しております。狭小でございます。そういう中で、院内感染防止ということについては大きな限界があるわけでございます。現場からも、その不安の声は上がっております。これが小児総合医療センターになりますと、院内、陰圧機能を装備した部屋が、あるいは病棟が十分に装備されております。感染症対応も格段に向上するということがいえるかと思います。
 このようにメリットを挙げれば切りがないわけでございますが、こういったすばらしい小児医療を多摩地域全体の人々に享受していただくということで、我々は今後も、小児総合医療センターの開設に向け、そして多摩地域の小児医療の向上のために職員一丸となって邁進をしてまいります。どうぞよろしくお願い申し上げます。

○栗林委員 それでは、私の方からは、小児精神医療について四点ほど伺わせていただきます。
 私の地元、世田谷にも梅ケ丘病院が専門院として長年対応してきましたが、いよいよ来年三月には小児総合医療センターとして府中に開設されるということで、先ほど野島委員も触れられておりましたけれども、やはり地元では何年か前から大変不安の声が持ち上がり、反対運動等も起きました。
 ここではあえて触れませんけれども、その長い年月の中で、この後の土地に、また医療としては使えなくても、生涯この地域の中で生活できるための、障害者のための生活の支援の拠点だとか、グループホームだとか、また小児の緊急の診療所だとか、さまざまな調査研究を進めながら、皆様と一緒に理解を深めながら、何とかその不安を安心に変えていけるような、長期ビジョンの中から話し合いも進めてきたところでございます。
 やはり、あるものがなくなる、これは当然不便にもなります。不安にもなります。何かが変わるというときに起こるのは、不安というものは起こるのは当然でございますけれども、やはりデメリットがあっても、その先にこれだけのメリットがあるということをもっと明確にPRをしていく必要があるのではないかと思います。
 そこでお尋ねいたしますけれども、新センターでは、梅ケ丘の機能がそのまま引き継がれて、さらに高度医療も導入されて、また、今まで梅ケ丘がやっていた心だけではなくて、いわゆる体の医療、これも一体的に診られるようになると聞いておりますけれども、これに伴って、また都立大塚病院には、発達障害を対象とする外来機能を整備することになり、先日、オープン前に厚生委員会の皆様と一緒に視察もさせていただいたところですが、いよいよ十月一日にオープンされたと思います。
 まず初めに、大塚病院の児童精神科において実施される機能と規模について、確認も含めてお伺いいたします。

○斎藤経営戦略・再編整備担当部長 大塚病院の児童精神科では、医師、看護師はもちろん、保育士、心理士、作業療法士、精神保健福祉士といったさまざまな専門職種がかかわりまして、外来診療とデイケアを実施することとなっております。外来につきましては一日当たり三十人規模の診療を想定しておりまして、また、デイケアにつきましては登録人員五十人程度を想定しております。なお、入院のための病床は備えてございません。

○栗林委員 現在は診療をスタートさせてまだ二十日間だと思いますが、二十日経過したところだと思いますけれども、この間の診療の実績はどのようになっておりますでしょうか。

○斎藤経営戦略・再編整備担当部長 診療の実績でございますが、外来の診療実績は、十月十四日までの二週間で五十三名となっておりまして、年齢的には三歳の幼児から十四歳、中学二年生までを診療いたしました。そのうち三十五名は梅ケ丘病院から紹介されてきた患者さんでございます。
 デイケアにつきましては、これまでのところ十七名の登録がなされておりますが、これは十三日から開始しておりますため、参加実績は二名という状況でございます。

○栗林委員 まだ現在はスタートしたばかりで、全体の状況を見ながらの今後取り組みになるとは思いますけれども、やはりより多くの患者さんがそこで診ていただけるように、予約に時間がかかったりとか、受診まで時間がかかる、そんなことがないように取り組みをしていただきたいと思いますが、この診療の分野は、医療の分野だけで完結することなく、学校を初めとする教育関係者だとか、また自治体の関係者とも密接な関係をつくっていく、また連携をとることが必要と考えます。
 先日視察に伺ったときも、職員の方が、今までの梅ケ丘病院のそうした取り組みを、またここでもしっかりと継続をして関係者との連携を図っていくというお話も伺いましたけれども、そういった関係者との連携について、病院では、教育関係者とか各自治体との連携については、どのように取り組もうとされていらっしゃるのでしょうか。

○斎藤経営戦略・再編整備担当部長 ご指摘のとおり、子どもの発達障害を扱う上では、単なる医療の提供にとどまらず、学校の教員等、教育関係者を初め地元の医療機関、あるいは保健福祉関係者などと密接な関係を構築する必要がございます。
 大塚病院では、今月一日からスタートしたばかりであり、関係者との連携については、これから徐々に取り組んでいくことになります。地元、豊島区では、教育関係者や保健福祉関係者から構成されます豊島区発達障害者支援検討会を本年度に入ってから設置しておりまして、大塚病院の児童精神科外来の視察にも訪れていただいております。今後、さまざまな形で、地元を初めとする関係者の方々と信頼関係を構築し、適切に患者さんに対応できるよう努めてまいります。

○栗林委員 ぜひ、やはりこういった専門性のあるところは拠点がなかなかないことから、教育関係者も自治体の担当者もなかなか情報を得られることができずに苦労しているところが多くございます。大塚病院としても、しっかりと関係者との独自のパイプというものを太くしていただきながら、都民の期待にこたえていただきたいと思います。
 また、この梅ケ丘病院が全国でも数少ない小児精神医療の専門病院であることはいうまでもありませんけれども、今後、小児総合医療センターにおいても、その専門性がそのまま引き継がれていくということが重要でございます。清瀬、また八王子の病院から引き継がれる、いわゆる体の部門と梅ケ丘の心、この部門が同時に両面から提供できるということが最大の特徴だと思っております。
 小児の精神医療の専門性という意味で、東京都全体の拠点的病院であるということは、これからも違いはないと思います。小児の総合医療センターにおいても、今までの梅ケ丘病院で培ってきたそのノウハウを、地域の関係機関に対する専門的な支援を行っていくべきと思います。発達障害を持つお子さんも今ふえてきておりますし、これからは各区市町村でも、やはり発達障害の相談とか療育、こういった部門にどんどん整備が始まっていく、拡充されていくと思います。
 そういった意味からも、小児の総合医療センターでは、小児の精神医療の拠点病院としてどのように関係者への支援を行っていくか。梅ケ丘病院と変わらず、この小児センターでも行っていただくのでしょうか。

○斎藤経営戦略・再編整備担当部長 梅ケ丘病院は昨年七月に、福祉保健局が実施いたします、子どもの心の診療支援拠点病院事業の拠点病院に指定をされました。この事業では、拠点病院は医療関係者だけにとどまらず、地域の保健所、教育関係機関や福祉施設など、子どもの心に対応する地域の関係機関に対しまして、医療という専門的な立場から支援をするものでございます。
 具体的には、小児精神科治療についての医療関係者の連絡会を開催いたしましたり、医師向けや教員向けの講座を開催する研修事業を実施しておりますほか、都民向けにシンポジウムを開催するなど普及啓発事業も行っているもので、昨年から三カ年のモデル事業と位置づけられております。
 そのため、小児総合医療センター開設後も、引き続き小児精神医療の拠点病院として、専門的立場からその役割を果たしてまいります。

○栗林委員 よろしくお願いしたいと思います。梅ケ丘病院という、その名前はなくなるかもしれませんけれども、担ってきたその役割を、しっかり小児総合医療センターも、この精神面でも対応していくんだということをPRしていっていただきたいと思います。
 また、拠点病院の役割は大変重要でございます。先ほども少し触れましたけれども、ますますこれから区市町村において相談、療育ということは拡充されてまいります。世田谷区も、梅ケ丘病院がなくなる方向性が示された段階で、区独自の発達障害相談・療育センターというものをこの四月にオープンいたしました。「げんき」という施設でございますが、ことし四月にオープンをして、何と問い合わせは、まだ半年足らずで六百件あるそうでございます。療育に通っている方が二百人ということで、やはりニーズはかなりこれからも多くなってくると思います。
 この発達障害は、早期発見、早期診療、療育ということが一番のポイントではないかと思います。そういった意味からも、都民ニーズがこれからももっと求められていく、高いものがあるということは目に見えております。増加傾向になってまいります。新しい小児総合医療センターでは、小児の精神分野でも都内の関係機関からリードをして、人材育成にも貢献していただき、心と体、この両方から小児医療を提供する日本で唯一の病院として、都民の期待にこたえていただきたいと思います。不安を安心に変えていただき、そして信頼へとつないでいただく取り組みに期待をさせていただき、私の質問を終わります。

○斉藤委員 それでは、私の方から大きく二点伺います。
 都立松沢病院におけるスーパー救急の取り組みについて伺いたいと思います。都立松沢病院では、診療報酬の特定入院料のうち精神科救急入院料一、いわゆるスーパー救急を平成十九年に取得して、現在、一つの病棟でその運用を行っているというふうに聞いております。このスーパー救急について何点か伺いたいと思います。
 まず最初に、一般的な精神科急性期病棟とどのような違いがあるかを説明いただきたいと思います。

○黒田経営企画部長 診療報酬上の精神科救急入院料一、いわゆるスーパー救急と精神科急性期病棟が取得する精神科急性期治療病棟入院料一との主な施設基準の違いにつきましては、職員の配置につきましては当該病棟に患者十六名に対して医師一名以上の配置、看護師は常時配置十対一以上、このほか二名以上の常勤精神保健福祉士、PSWの配置が必要となっております。精神科急性期治療病棟と比較しまして、医師とPSWは二倍、看護師は一・三倍など、非常に手厚い体制となっております。
 一方、患者の在院期間につきましては、措置、鑑定入院等の患者を除きました新規入院患者のうち六割以上が三カ月以内に退院することとなっておりまして、精神科急性期治療病棟での四割以上との基準と比較いたしまして、非常に厳しい条件となっております。
 精神科急性期治療病棟の要件にない事項といたしましては、病棟の半数以上が個室であるほか、必要な検査、CT撮影が必要に応じて速やかに実施できる体制を整備することなどがございます。
 診療報酬につきましては、算定できる対象が措置入院、緊急措置入院、応急入院等の患者で、入院前三カ月間に精神科病院への入院歴がない患者となっておりまして、入院後三十日以内に退院した場合は、精神科救急入院料一、三万四千三百十円と、精神科急性期治療病棟入院料一、一万九千円と比較しまして、患者一人当たり一日一万五千三百十円の差額がございます。

○斉藤委員 違いについては大体わかりましたけれども、ここでいうところの松沢病院の一病棟ですけれども、病床数、取扱患者数についてはちょっと今、話に出なかったので、そこも改めて伺いたいと思います。

○黒田経営企画部長 松沢病院では現在、スーパー救急を取得し運用している病棟の病床数は三十二床となっております。また、取扱患者数は平成二十年度実績で年間延べ八千三百八件でございまして、一日当たり約二十三名となっております。

○斉藤委員 松沢病院については、既にスーパー救急を始めているということではありますが、今後の建てかえなどもありまして、大分建物的にも非常によくなっていくというふうには聞いております。
 ところで、この松沢病院について、精神科、いわゆる今いった建てかえの中で精神医療センターとして整備をされていくというわけなんですが、今後の病院運営に、今、スーパー救急というソフトをやっていて、今度はまた建物、ハードウエアの方でかなり手を加えていくと。大変老朽化しているのは私もよく知っていますから、いずれにせよ、スーパー救急があろうがなかろうが、早い時期にお金をかけて直していかないと、いずれにせよ、ちょっとあのままでは使い勝手も含めて建物としては危ないんじゃないかなというふうに気にはしていたので、建てかえの方は、この時期にやるというのはよく理解できるんですが、いわゆるハードウエアを変えることによって、今後の病院の運営にどのような影響や効果、いわゆるプラスになっていくか、これについて伺いたいと思います。

○黒田経営企画部長 現在、松沢病院では、平成二十四年二月の精神医療センター新館の運営開始に向けて施設の整備を進めているところでございます。センター開設に当たりましては、引き続きスーパー救急を取得しまして、患者の症状に応じた良質で手厚い医療を適切に提供していくこととなっております。さらには、入院後、できるだけ早い段階から、退院に向けての個別支援を積極的に行うことなどによりまして、一層の早期退院の促進を図ることが可能となります。

○斉藤委員 最初、一番目に伺ったときも、六割以上が三カ月以内に退院ということでありますし、また診療報酬についても、入院後三十日以内に退院した場合には報酬がよくなるというような部分でありましたけれども、これにつきましては、なかなか精神科の患者さんで、一般的に目に見える術後の患者とかと違って、三十日以内あるいは三カ月以内に患者を退院させるという目標設定というのは、結構これは大胆な話だなというふうに個人的には思います。
 もちろん、そういうふうに早期退院ができることは、精神科に限らず今のトレンドでもありますし、望ましい方向でもあります。もちろん精神科の場合、地域に帰るところがあればなおいいわけですから、そういったことを踏まえて、もともとこの部分というのは結構高いハードルの設定であるということは重々承知の上かなというふうには思っているんですが、ある程度決められた期間内に退院をさせる、退院する場所があるというのは、大変条件が、ある意味厳しいのではないかなというふうに思っております。これは別に病院経営本部が決めたルールじゃありませんので、一つの診療報酬を決める中で厳しい設定を随分したなというのが正直なところです。
 実際に、今いった戻る場所とか戻る病院についても、もともと、先ほど最初の冒頭のところで、入院歴が最近なかったような方、入院前三カ月以内に精神科病院への入院歴がない患者さんということになるわけですが、例えば入院をする、救急で運び込まれるという直前まではご近所さんとうまくやっていた、ご家族とはうまく同居できていた。そういうことがあっても、結局、一回のトラブルによって、ちょっともう勘弁してくれというふうにご家族がいうことだって正直あると思いますね。そういうふうに考えると、大変なかなか、数字でいうのは簡単だけど、現実はかなり努力をしているとか、かなり工夫をしているとか、そういうふうなことがあるんじゃないかなというふうに想像ができます。
 実際に、この基準、条件に合うように退院をさせる、これを達成できるという、そしてまた同時に、それを継続してやることによって施設基準を維持できるということに関して、病院経営本部として、自信を持っているから始めたんだろうとは思いますが、その自信について伺いたいと思います。

○黒田経営企画部長 精神医療センターでは、急性期精神科医療を中心に、精神科救急医療など、他の精神科病院では対応が困難な専門性の高い精神疾患に対応していくことを運営理念としております。一方で、入院時からのケースワークを職種横断的に適切に行うことなど、患者さんの早期退院に向けた支援に積極的に取り組むことを基本方針としております。
 こうした入院時の適切な治療の提供と社会復帰に向けた取り組みを効果的に継続的に実施することで、精神医療センターが急性期精神科医療を提供する機能を十分に発揮できることにつながるというふうに考えております。地域生活中心の精神科医療の実現に向けて、引き続き取り組んでいくこととしております。

○斉藤委員 このスーパー救急に関しては、これを取得すると同時に早期退院につながる医療の工夫というものがされているというのはよく理解できました。
 もちろん、例えば病院側の方に変な焦りがなくても、結果的に、どんな病院でも、松沢病院ということじゃなくて、民間の精神病院についても、退院をして大丈夫だというふうに思ったけれども、結局、三日ぐらいで帰ってきちゃうみたいなことというのは実際にあったりしますので、確実に、出たからしばらくは大丈夫なんてことは当然いえないわけで、ただ、そういうことをやる中で、ああ、こういうふうなチェックをすると防げたかな、在宅に戻ったときにトラブルがすぐあったけれども、こういったところをチェックすればよかったなとか、もしくはケースワーカーにこの辺まで同行してもらえばよかったなとか、多分いろいろ工夫は出てくると思います。この部分を生かしてやっていくことで、ある程度新しいノウハウが出てくるのかなと。
 非常にハードルは高いというふうに私は思っているんですけれども、ただ一方で、ハードルをあんまり低く最初から設定していると、何にも工夫は生まれないところですし、特に、精神科の場合は主に薬物療法が中心ですけれども、ただ単に医療的な側面だけで工夫をするよりは、精神科の場合は、人とか、もしくは今、仕組みとか、あと地域との関連性、地域の自治体の福祉的なサービスの使い方など、工夫する幅が普通の医療よりもさらに広がりを持って、違う面が多いと思います。その部分をよく使うことによって、新しい発見をぜひしていただきたいなと思っております。
 この辺については、むしろ都立病院だから云々ではなくて、それこそこういったノウハウというのを民間に広げていってほしいというのが私の思いなんですけれども、この松沢に対する質問の最後に、そういう意味で松沢病院が今後果たす、今後というか、今でもそうですが、果たすべき役割について改めて確認をしたいと思います。

○黒田経営企画部長 松沢病院は、これまでも例えば夜間、休日の精神科救急医療など、精神科における都の重要な行政的医療を担ってまいりました。スーパー救急に限らず、他の精神科病院では対応が困難な専門性の高い精神疾患に対応し、引き続き東京都における精神科医療の拠点としての役割を果たしていくこととしております。

○斉藤委員 拠点でございますので、ぜひ民間で対応できない患者さんを受け入れていただきたいのと同時に、やっぱりこのノウハウ、どこかで行政として、より非常にいい取り組み、もしくは結果が割と、いい意味でよく出ているというようなものの取り組みについては、ぜひ事実をオープンにしていく中で、民間病院にも、こういった退院の促進といったものができるように努力をしていただきたいと思います。
 私は、この経営改善について、もちろんこれに取り組むことによって、松沢病院自体の経営改善はなされると思いますし、苦労に報いるだけの報酬があることはいいことなんですが、入院期間の短縮ということも非常にプラスになってまいりますので、ぜひとも、そういう点で、いろいろ研究をしていただきたいと思います。
 松沢病院については、このほか合併症救急医療に関してもちょっと伺いたいことはあったんですけれども、これについては少し福祉保健局の方の事業にも重なる部分がありますので、そちらの方は救急関連で、福祉保健局の方で伺いたいというふうに思っております。
 では、大きく二点目でございます。小児病院の統廃合について今、多くの議員さんから話が出ておりますので、私からも若干伺いたいと思います。
 これにつきましては、聞くこと、内容については、本来は病院経営というよりは、むしろ福祉保健局の方の事業に絡む部分も多いんですが、今回ちゃんとご了解をいただいておりますので、病院経営本部で伺いたいと思います。
 今回、都立八王子小児病院の廃止に伴って、東海大学八王子病院、そして東京医科大学八王子医療センターに対して、どのような支援を行っていくのか伺いたいと思います。
 これにつきましては、冒頭で吉田副委員長より、少しかぶる質問がございましたけれども、それは四つの質問の中の一問の中で、割と大枠で伺っていた話だと思いますので、ちょっと詳しく教えていただければというふうに思います。

○斎藤経営戦略・再編整備担当部長 八王子地域の二つの大学病院への支援でございますが、まず、都と八王子市の協議に基づきまして、市は二つの中核病院に対しまして小児病床数の拡充を要請してまいりました。その結果、小児病床を新たに十二床確保できる見込みとなっており、八王子市と都は、両病院が行う施設整備等に対しまして必要な支援を検討してまいります。
 なお、現在、増床に必要な設備につきまして、関係者間で手続を行っているところであるというふうに聞いております。
 また、これまで八王子小児病院で診てきた患者さんを二つの中核病院が円滑に受け入れることができる医療体制等を整えるため、当分の間、二つの中核病院に専門医師を派遣することとしております。昨年十二月より、まず東海大学八王子病院に対しまして、小児神経の専門医師の派遣を先行的に開始したところでございます。

○斉藤委員 では、両大学に対するもの以外に、この都立八王子小児病院の周辺に関してどのような支援を行っていくのか、少し詳細に教えていただきたいと思います。

○斎藤経営戦略・再編整備担当部長 八王子市は、八王子小児病院の跡地におきまして小児準夜救急診療事業を行うとともに、小児の外来診療や重症心身障害児の通所事業などを実施する予定でございます。
 都は、八王子市がこれら事業を実施するに当たり、八王子小児病院の土地建物を八王子市が取得することについて最大限の支援を行っていくこととしております。このような取り組みを通じまして、小児病院移転後の地域の住民が安心できる小児医療体制の確保に全力で取り組んでまいります。

○斉藤委員 以前にちょっと、うちの小平の方で、北側の方のエリアということで、清瀬小児病院について何点か伺ったんですが、八王子小児病院については私の方であんまり聞かなかったものですから、今回ちょっと確認をさせていただきました。
 この中に、少し質問もあったんですけれども、若干かぶったりする部分もありますし、また、もうちょっといいたいこともありますので、質問自体は一回とめまして、実は私どもとしましても、私どもというか、私としましても、都立の府中小児総合医療センターについては、もちろんそれは、つくっていただくということはいいことだなというふうに思っております。
 ただ、何にせよ、スタッフの異動や予算の移動の部分の中で、やっぱり、今まであったところに対して、なくなってしまったら大丈夫だろうかというふうに心配をするのは、これは別に自然なことだと私どもは思っております。そこの部分に十分なカバーができるようにお願いをするというのは当然の話でありまして、その部分で今いろいろなことを調べております。
 ただ、ちょっと気になった中で、八王子などでも、今この中で、地方自治体や医師会との連携のもととか、いろいろ、先ほどもいろんな周知とか、周知をして頑張っているというような話がありました。そういった中で、それでも私どもが取材している中で、二月にも同じことがあったんですが、またこの前ちょっと行ったところで、なかなか東京都の方の姿がちょっと見えないというふうなことを、担当者の方からそんな感想もいただきまして、それじゃ、ちょっとやっぱり、そう思われちゃうんじゃまずいだろうということで、福祉保健局にそのことを伝えた経緯があります。
 当然、今回、病院の方がなくなっていくということに関しては、多摩全体の、三つの病院、多摩の二つ、世田谷の一つの病院の話ですから、小さな話ではありません。なかなか人手も要るし、知恵も要るというところであると思います。
 そういった中で、僕らは、病院経営本部が頑張ってないというふうには思わないんですが、ただ一方で、どうしても手が回らない、十分に目が届かないという部分も同時にあるだろうと。その部分については正直に、我々も知りたいと。どの部分が課題なのか、どの部分がなかなかいい名案が浮かばないのかという部分は、我々も知りたいのは当然であります。
 ですから、あんまり、大丈夫だとか、頑張るから、努力するからみたいなことは、気持ちとしてわかるんですけれども、一方で、逆にそれがあるから大丈夫と、なかなか私どもはいえません。特に、私どもが仮に大丈夫だといっても、この七月の選挙で、いろんな方に、都民にお会いする中で、なかなかそれだけで物事がおさまらないというのは十分わかっております。
 同時に、先ほど吉田副委員長からも、オリンピックの方の基金の話を出した上での財政の話がありました。十月の頭に、オリンピックがリオデジャネイロに決まった以後、やはり一般の方から、病院に限らず、四千億円というのはどういうふうに使うんだと、ぜひ有効に使ってほしいという旨の話がたくさんございました。都民に限らず、病院経営本部の職員の方からも私は伺っておりますから、それは多分、本部長も知っていると思うんですけれども、そういうご意見がありますので、そういった意味では、病院経営本部の方から、ぜひ財務なり何なりに、それはそれで働きかけて、本部の職員のやはり思うところにお金をつぎ込んでいけるよう努力をしていただきたいと、これは中井本部長にお願いする部分でありますので、頑張っていただきたいと思います。
 そういった中で、私どもが大変心配しているのは、やっぱり、なくなっていく八王子の地域の方、清瀬の地域の方、梅ケ丘の地域の方に安心をしていただけるような材料はあるだろうか。もしくは、安心がまだできないところがあるならば、どこを直していったらいいんだろうかという部分をずっと調べております。
 例えば、身近な例で出すと、先ほどいただいた厚生委員会の要求資料、一ページ目めくりますと、都立病院、これは府中病院だと思うんですけれども、産科の先生の二週間の勤務の状況が入っております。これで見ると、例えば当直は二週間に一遍です。ということは、このローテーションを全部回すのに、十四日間ありますから、十四人のドクターが必要になってくるわけですね、一直二勤をやろうとすると。
 そうすると、病棟で十四人ドクターがいればこれは回っていくわけなんですが、例えば清瀬小児病院の補完をする形の北部医療センター、応援で三人、もとの医療チームが五人ということは、八人ということですけれども、これ、年間一万二千人ぐらいの清瀬小児病院の救急外来の数があります。この一万二千人というのは入院をしない方ですから、一次救急として帰っていく方ですから、こういった方が要するに毎日毎日ずっと来ているわけですね、一年間で一万二千人。
 そうすると、とてもドクター一人では診られないだろうというふうに普通思います。当直がもしも理想である一直二勤をやろうと思ったら、ドクターが十四人は必要なんですね。それを多分一人じゃ診切れないし、病棟の方で四十床あったら、多分二人は必要だなというふうに普通なりますよね。そうすると、全部で二十八人必要になってくる。だけれども、実際には八人。これだけ違ってくると、どこに一体その辺のしわ寄せが来るんだろうと、普通の人だったら思うということなんです。
 この部分をある程度説明できると一番いいなと思っているんですが、なかなかちょっと、今、きょう出されている資料を見ても、かえって疑問が、一般の人から見ればわいてしまう。このあたり、うまく説明できるようにならないと、なかなか、周知といったときに、一方的に知らせたけど、相手方にわかっていただけるというふうにつながっていかないんではないかというふうなことを私どもは心配をしているわけです。
 その中で、本当にわかれば納得いただけるもの。そして一方で、わかったけれども、やっぱり足りないもの。それは、お金が足りない場合もあれば、人が足りない場合もあるということ。そこを精査していくということをやっている中で、幾つかおかしな点、おかしな点というか、そういった議論をする前に、東京都の考え方がわかんないとか、情報が伝わんないということ、これはお医者さんの方から、近隣のお医者さんだったり、当事者のお医者さんだったり、いろんなことがあるんですが、当事者の病院の方だったり、あったりしますと、私どもとしても、病院経営本部が僕は頑張ってないとはいわないですけれども、いろいろ課題があるんじゃないかなというふうなことは当然思うわけで、その結果として、じゃ、どうしようかという話をしたいというのが本音でございます。
 ですから、ぜひともその部分で、本当に困っていること、本当に課題であること、東京都といっても、民間の方に今回は随分ご理解をいただいて協力をいただくわけですから、その部分については、むしろ議会の方も応援しなきゃいけません部分がありますから、その部分で、ちゃんと東京都の方から、課題になる部分をきちんと出していただこうというのが私どものお願いでもあります。その上で、こういった資料を集めているわけなんですけれども、なかなかちょっと、そこまでにまだ至っていないかなというのが、きょうの質問のやりとりなどを聞いていて、私は感想を持った次第であります。
 特に、先ほど本部長の方からは、三つの小児病院をそのまま府中の方に集めちゃうのは、別にお金のせいじゃないよというのは、これはよく理解できました。ただ一方で、足りない部分に対して、お金で解決できる部分だったら、ある程度していきたいというのが正直なところであります。それは、さっきいったように、病院経営本部の中にいらっしゃる技術職の方からの意見でも同時にありましたから、一般の都民の方も同じように思うんだろうなというふうに思います。その部分を、これから何とかしていこうじゃないかというふうに思うわけです。
 そういうことをぜひ認識した上で、関係者の周知に対して、多少、東京都の方でも、いいづらいことだけど、ぜひきちんと伝えていっていただきたいというお願いをさせていただきます。
 特に私ども、今ちょっと気にしているのは、これ最後です。質問といえば質問なんですけれども、そういったお願いをした上で、ひとつ教えていただきたいんですけど、都立府中の小児総合医療センター、ここに限らず、病院でも、それは企業でもそうかもしれませんけれども、最初のうちは、やっぱりなかなか持ってる能力を一〇〇%発揮するというのは非常に難しいと思うんですね。特に医療技術者については、先ほど事前に訓練をすると、しているという話でありました。私も消防庁にいたときに、いっぱい訓練をしました。訓練をしましたけれども、現実はまたもう少し違ったりするわけです。そのことは十分考えられますから、そのかわりに足りない部分をだれがどうバックアップをしてくれるかというのを気にしたりするわけです。その部分でいえば、病院も同じじゃないかなと思います。
 ですから、始まった直後のいわゆる救急医療に対する対応能力というのは、一〇〇%出せないんじゃないかなというふうに私はちょっと心配をしているんです。その部分について中井本部長より、そういったスタート直後の能力の発揮の状況について、所見が、考え方というか、推測があれば教えていただきたいなというふうに思っております。

○中井病院経営本部長 まず、質問にお答えする前に、お話の中で、北部医療センターの小児の当直のあり方についてお話がございましたが、北部医療センターに限らず、当直体制を組むに当たっては、常勤医だけで組むということではなくて、必要に応じて、当直専従の非常勤のドクターを外部から雇用してやるというようなことをやっておりますので、要は、常勤の数だけをもって、当直体制ができないんではないかということにはまずならないと。現に、北部医療センターにも非常勤の医師はたくさんおります。
 それから、小児総合医療センターの開設後の状況でございますが、これについては現在も調整をしているところではございますが、ご指摘のとおり、職員の訓練、それから、既存の職員も当然、新しい病院でシステム、新しい医療機器への習熟、それからチーム医療を行うための連携づくり、そういったことがございます。それは開設前から既に始めているわけではございますが、医療の安全というものは絶対にないがしろにできませんので、そういった面からは、慎重かつ、そしてスピーディーに対応していくという形で、できるだけ速やかに本稼働、フル稼働に持っていくという思いでおりますが、やはり医療の安全を無視した形での強引な稼働というのは避けなければならないことでございますので、そういった面で段階的に稼働状況を上げていくということは当然ございます。これは小児総合医療センターに限らず、どこの病院でも、民間病院も含めて、そういったことでやっていることでございます。

○斉藤委員 こちらの方で急に質問しましたので、それでも答弁、ありがとうございます。
 先ほどお話ししましたように、今、オリンピックの基金なんかの話が出ました。病院経営本部の現場のスタッフ、医療技術者、そしてまた、もちろん事務方の職員も含めてなんですけれども、医療に関しては非常に、先ほど吉田副委員長がいいましたように、厳しいときに少しプランつくったみたいなところがあります。
 ただ、実際に今、本当に都民から見れば、今回、オリンピックをやるけれども、病院に金が行かずにオリンピックにお金が行っちゃったら、やっぱりそれはおかしいだろうというふうに思われる方が多いと思います。
 私ども民主党としては、オリンピックがお金を使い過ぎないようにということを条件で出していましたが、それにしても、今回、実際にこの後のオリンピック、二〇二〇年招致に手を挙げるかどうかという、いろんな決断はあるんですが、ただ病院経営本部長として、病院経営本部に携わる多くの医療スタッフを守るために、それはそれで、病院の立場から、財務なり福祉保健局なりに声を上げることはあってもいいんじゃないかと。場合によっては知事本局に、知事に声を上げることは十分あってもいいんじゃないかというように私は思っております。
 ですから、その部分はぜひ頑張っていただきたいと思いますし、私も医療に携わったことがありますので、そこはぜひ、それはそれで本部長なりに、多くの部下を抱える中で、このことをいっていって、必要なところから、まず順番にお金をつぎ込んでいくということについて努力をいただきたいというふうに思っておりますので、もしも何かそういう決意がございましたら答弁をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○中井病院経営本部長 小児総合医療センターに限らず、都立病院の経営は、都民への医療サービスを提供する、よりよい医療水準を確保するということにあるわけでございまして、そのために必要なことであれば、病院経営本部として当然、財務当局にしかるべき要求をしていくということについては、ことしに限らず毎年やっておるわけでございますし、その必要性について、病院経営本部として十分に感じるものがあれば、必ずやそれを実現すべく、最善の努力をしてきているところでございます。

○野上委員 最後になりました。短い時間で終わりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 私も都立松沢病院について質疑をさせていただきます。私の周りにも随分、精神を病んでしまっている方のご相談が多くなってまいりました。本当に統合失調症というこの病気は、世界どの国でも人口の約一%は存在するといわれているそうなんですね。また、若いうちにそれが発症してしまうということとかあります。
 また、ことしの予算特別委員会の中でも、教職員の休職をしている人の約七割が精神疾患であるということが浮き彫りにされたんですね。かなり現代は、文明病というんですかね、統合失調症だけでなく、うつ病とか、それから神経症、またストレス障害、私たちが議会質問すると、皆さんもすごいストレスを感じて、ストレス障害とかになると思うんですけれども、アルコールとか薬物とか、それから高齢者の認知症とかも含めて、心の病というのが年々増加傾向にございます。そういうことに対する対策をどう打っていくのかということが喫緊の課題となっておりますし、精神科医療の役割は極めて大きいと思っております。
 今、東京都でつかんでいる数字でいいんですけれども、精神疾患を有する東京都の患者の数がどれぐらいなのかと。また、その中で、受け皿さえあれば、社会的入院といわれている、地域に戻ってこれる方ですね、社会的入院の方がどれぐらいいるのか、数がわかれば教えていただければと思います。

○斎藤経営戦略・再編整備担当部長 まず、精神疾患を有する患者さんの数でございますが、平成十七年十月の厚生労働省の患者調査によりますと、約三十三万四千人と推計されております。
 その中で、受け皿があれば退院できる、いわゆる社会的入院といわれているものということで、こちらの方は第二期東京都障害福祉計画というのがございます。平成十八年現在の都内における退院可能な精神障害者数は、こちらの統計では約五千人というふうに算定をしてございます。

○野上委員 平成十六年の九月に厚生労働省が精神保健福祉の改革ビジョンということで、精神科医療のあり方は入院治療中心から地域生活中心へというふうに方向転換をしたわけです。同じ方がずっと長い間入院をしていると、さっき出ましたスーパー救急も含めて、なかなか入院できない、いつ行っても満床ですという形で受け入れてもらえないということで、なるべく地域の中で生活をしていけるような方向転換をしていこうということで変わってきたわけでございます。
 精神科医療というのは、精神科の救急、とりわけ身体合併症の医療とか、今、多くの、若者の中にも多い薬物とかアルコール依存症医療とか、いろいろな重要な課題としてあるわけですけれども、この中で、私は、とりわけ今回は社会復帰の取り組みについて大事だと思っております。
 その前に、この都立松沢病院なんですけれども、これは明治十二年創立で、ことし百三十周年となる、百三十年ですから、すごい専門性の高い精神科医療を提供してきた病院で、とても有名です。現在、この松沢病院は、約六万坪という広大な敷地の中に、精神医学総合研究所とか中部総合精神保健福祉センター等を含めて、いろいろな建物が分散をしている建築様式で建てられておりまして、病棟の老朽化が進んで、建てかえざるを得ない。耐震化も含めて大規模改修が喫緊の課題になっていたということで、平成二十一年の第一回都議会厚生委員会で、PFI手法で本事業は事業契約、提携をするということになっておりますが、まず最初に、精神医療センターの今後の整備計画の概要について改めてお聞きしたいと思います。

○斎藤経営戦略・再編整備担当部長 平成十八年十月に策定いたしました整備計画におきましては、精神医療センターの基本的役割として、今後の精神科医療のニーズにこたえていくため、急性期精神科医療を中心に精神科救急医療、精神科身体合併症医療、薬物依存症などの精神科特殊医療を担うなど、一般の精神科病院では対応が困難な専門性の高い精神科疾患に対応すること。それとともに、他の医療機関や保健福祉施設などと密接な連携を図ることにより、東京都における精神医療の拠点としての役割を果たすとしております。
 次に、施設整備計画の概要でございますが、現在多数に分散しております建物を立体集約化した六百六十四床の新館を建設いたしますとともに、既存病棟を二百床の社会復帰病棟に改修をいたします。あわせて三十三床の医療観察法病棟を建設いたします。これらを現地におきまして順次整備をし、合計八百九十七床といたしまして、精神医療センターとしての医療機能の充実を図るものでございます。
 なお、ご指摘のとおり、このセンターの整備運営に当たりましては、医療観察法病棟の建設を除きましてPFI手法を導入し、効率的に事業を実施するとしているところでございます。

○野上委員 この整備計画の全体のスケジュールなんですけれども、平成二十四年二月に新館の運営を開始するという流れにはなっておりますが、このスケジュールについて確認をしたいと思います。

○斎藤経営戦略・再編整備担当部長 整備計画のスケジュールでございます。
 昨年、平成二十年十二月に本事業の特別目的会社であります、株式会社メディカルマネジメント松沢と事業契約を締結いたしました。今後の予定といたしましては、本年、二十一年十二月に新館の建設工事に着工いたしまして、副委員長お話しのとおり、二十四年の二月にはこの新館が完成し、運営を開始する予定でございます。
 そのほかに、二十一年度中には医療観察法に基づく病棟の開棟が予定されております。また、二十四年度中には、一部既存病棟の社会復帰病棟への改修工事を実施する予定でございます。
 最終的に、平成二十五年度中に、その他の病棟の解体などを行いまして、整備計画が終了する予定となっております。
 なお、本年六月から、建設予定地にございます既存病棟の解体工事及び既存インフラ設備の切り回し工事などを実施しておりまして、本年十二月の新館建設工事の着手に向けまして、建築確認など、各種申請手続を進めております。

○野上委員 精神医療センターが、この急性期精神科医療を中心として、より医療機能を充実させた病院を目指して整備していくということがよくわかりました。
 ただし、この精神疾患患者の社会復帰ということなんですけれども、例えば、受け入れ先の、社会復帰をするための区における施設とか市におけるいろいろな受け入れ先がないとか、あるいは親がもう高齢になって亡くなってしまって、だれもその人を見る人がいないとか、あるいはかなり重症で地域に帰すと危ないとかいろいろなことで、なかなか社会復帰を円滑に進めたいという気持ちはあるんですけど、それがうまくいかないということがあると思うんですけれども、今後、この精神医療センターが精神疾患患者の社会復帰支援をどう取り組んでいくのか、そしてまた、その医療機能はどういうふうになっていくのか、この点についてお伺いいたします。

○斎藤経営戦略・再編整備担当部長 主な医療機能でございますが、まず精神科救急医療におきましては、他の精神科病院では対応が困難な専門性の高い急性期の精神疾患への対応強化を図るため、精神科急性期病床を百七十七床から二百十六床に拡充をいたします。
 次に、精神科身体合併症医療につきましては、身体合併症病床を二百十二床から二百六十二床に拡充しますとともに、手術室や検査機器などの整備を進め、機能強化を図ってまいります。
 次に、精神科特殊医療に関しましては、例えば薬物アルコール依存関連疾患患者の療養環境に配慮した専用の病棟を整備するとともに、新たにデイケアなどを実施する予定でございます。特に、先生からご指摘いただいております社会復帰支援の取り組みとしましては、地域生活中心の精神科医療実現が求められております中で、平成十五年に設置された社会復帰支援室の機能ノウハウなどを継続し、地域生活支援センターなどの関連機関との連携を一層強化いたしまして、長期入院患者の転退院を促進してまいります。
 また、入院時からの医療福祉相談、あるいは作業療法の充実など、院内各部門が横断的に行いますことで、新たな長期入院患者の発生防止にも努めてまいります。
 一方で、退院後の患者さんにつきましては、安定した地域生活を維持していくため、患者宅を訪問し、生活指導を行う訪問看護や生活リズムの改善、対人関係能力、生活能力、社会性の向上、これらを目的としましたデイケアの充実を図りますほか、多職種メンバーがチームで出向きまして、医療、保健、福祉のサービスの情報提供などを積極的に行いまして、地域福祉資源などとのつながりを担うことにより、社会復帰の支援を行ってまいります。
 最後に、新病棟では、患者さんが安心できる療養環境を整備するとともに、個室数を拡充するなど、プライバシーの確保にも努めてまいります。

○野上委員 もう最後です。うつ病患者を含めて、この精神疾患を有している人が社会復帰するための、この綿密なプログラムとかがかなり必要になってくると思います。スペシャリストの育成も図っていただきたいことを要望して、これは福祉保健局ともまた関連してさせていただきますので、この病院経営本部ではこれで終わらせていただきます。
 以上です。

○門脇委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますか、ご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○門脇委員長 異議なしと認め、病院経営本部の事務事業に対する質疑はすべて終了いたしました。
 以上で病院経営本部関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時四十五分散会

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