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Tokyo Metropolitan Assembly

厚生委員会速記録第九号

平成二十年九月十六日(火曜日)
第七委員会室
   午後一時一分開議
 出席委員 十四名
委員長野上 純子君
副委員長山加 朱美君
副委員長かち佳代子君
理事くまき美奈子君
理事長橋 桂一君
理事野島 善司君
西崎 光子君
大松  成君
佐藤 広典君
田代ひろし君
石毛しげる君
野村 有信君
佐藤 裕彦君
吉田 信夫君

 欠席委員 なし

 出席説明員
福祉保健局局長安藤 立美君
次長杉村 栄一君
技監桜山 豊夫君
総務部長松井多美雄君
指導監査部長鈴木 賢二君
医療政策部長吉井栄一郎君
保健政策部長住友眞佐美君
生活福祉部長永田  元君
高齢社会対策部長狩野 信夫君
少子社会対策部長吉岡 則重君
障害者施策推進部長松浦 和利君
健康安全部長梶原  洋君
事業調整担当部長蒲谷 繁夫君
地域保健担当部長宮垣豊美子君
生活支援担当部長芦田 真吾君
食品医薬品安全担当部長奥澤 康司君
感染症危機管理担当部長月川由紀子君
参事日置 豊見君
参事大久保さつき君
参事飯塚美紀子君
参事菊本 弘次君
参事別宮 浩志君
病院経営本部本部長中井 敬三君
経営企画部長及川 繁巳君
サービス推進部長都留 佳苗君
経営戦略・再編整備担当部長黒田 祥之君

本日の会議に付した事件
 陳情の取り下げについて
 病院経営本部関係
第三回定例会提出予定案件について(説明)
・東京都立病院条例の一部を改正する条例
 福祉保健局関係
第三回定例会提出予定案件について(説明)
・平成二十年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出 福祉保健局所管分
・東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例
・地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターに係る地方独立行政法人法第四十四条第一項の条例で定める重要な財産を定める条例
・東京都リハビリテーション病院条例の一部を改正する条例
・医学系総合研究所の助成等に関する条例の一部を改正する条例
・老人総合研究所の助成等に関する条例の一部を改正する条例
・東京都婦人保護施設条例の一部を改正する条例
・東京都障害者スポーツセンター条例の一部を改正する条例
・東京都肢し体不自由者自立ホーム条例の一部を改正する条例
・東京都身体障害者更生援護施設条例の一部を改正する条例
・東京都知的障害者援護施設条例の一部を改正する条例
・墓地等の構造設備及び管理の基準等に関する条例の一部を改正する条例
・東京都感染症の診査に関する協議会条例の一部を改正する条例
・地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター定款について
・地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(仮称)に承継させる権利を定めることについて
・遺伝子組換え実験等に係る拡散防止装置外六点の買入れについて
・中央実験台外二点の買入れについて
・実験動物飼育用架台システム(個別換気型)の買入れについて
・個人防護具(ガウン等セット)外七点の買入れについて
報告事項(説明)
・都立児童養護施設の民間移譲について
請願陳情の審査
(1)二〇第九号 新規墓地建設計画に関する請願
(2)二〇第一〇号 療養病床を持つ医療機関への運営補助等に関する請願
(3)二〇第一二号 障害のある学齢児の放課後活動に関する請願
(4)二〇第一五号 ジストニアの治療環境の改善に関する陳情
(5)二〇第一七号 後期高齢者医療制度の抜本的見直しに関する陳情
(6)二〇第二一号 福祉人材の確保施策の充実に向けた意見書に関する陳情
(7)二〇第二五号 特別養護老人ホームで働く視覚障害マッサージ師の就労支援に関する陳情
(8)二〇第三三号 離婚後の親子の面会交流への支援に関する陳情

○野上委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 初めに、傍聴人の数についてお諮りいたします。
 本委員会室の定員は二十名でありますが、傍聴希望者が定員以上でございますので、さらに二十名を追加したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○野上委員長 異議なしと認め、そのように決定いたします。

○野上委員長 次に、陳情の取り下げについて申し上げます。
 お手元配布の二〇第二四号、生活保護費の通院移送利用制限に関する陳情につきましては、議長から取り下げを許可した旨通知がありました。ご了承願います。

○野上委員長 次に、会期中の委員会日程について申し上げます。
 先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程表のとおり申し合わせをいたしました。ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、病院経営本部関係及び福祉保健局関係の第三回定例会提出予定案件の説明聴取、福祉保健局関係の報告事項の聴取及び請願陳情の審査を行います。ご了承願います。
 なお、提出予定案件及び報告事項については、本日は説明を聴取した後、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いたいと思います。ご了承願います。
 これより病院経営本部関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、病院経営本部長に中井敬三さんが就任されました。
 また、幹部職員に異動がございましたので、中井本部長よりあいさつ並びに紹介があります。

○中井病院経営本部長 七月一日付で病院経営本部長に着任いたしました中井敬三でございます。よろしくお願い申し上げます。
 野上委員長を初め委員の皆様方には、日ごろから病院事業につきまして、ご指導、ご鞭撻を賜りまして、まことにありがとうございます。
 病院経営本部は、福祉、保健医療行政と密接に連携しながら都立病院改革の推進に努め、医療サービスのさらなる向上を図り、都民の皆様の信頼とご期待にこたえてまいる所存でございます。
 今後とも皆様方の一層のご指導をよろしくお願い申し上げます。
 続きまして、七月十六日付で当本部の幹部職員に異動がございましたので、ご紹介させていただきます。
 経営戦略・再編整備担当部長になりました黒田祥之でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者あいさつ〕

○野上委員長 あいさつ並びに紹介は終わりました。

○野上委員長 次に、第三回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○中井病院経営本部長 平成二十年第三回東京都議会定例会に提出を予定しております病院経営本部関係の議案につきまして、ご説明申し上げます。
 お手元にお配りしております資料は、資料1、平成二十年第三回東京都議会定例会条例案及び資料2、平成二十年第三回東京都議会定例会条例案の概要でございます。
 それでは、資料2の条例案の概要をごらんいただきたいと存じます。
 恐れ入りますが、表紙をお開き願います。今回ご審議をお願いいたします議案は、東京都立病院条例の一部を改正する条例一件でございます。
 この条例は、先進医療にかかわる使用料の規定を設けるとともに、都立豊島病院の財団法人東京都保健医療公社への運営移管に伴い、同院設置の根拠条例である東京都立病院条例別表から同院部分を削除するものでございます。
 この条例は、平成二十年十一月一日から施行することとしておりますが、公社への運営移管の部分につきましては、平成二十一年四月一日から施行することとしております。
 条例案の詳細につきましては、お手元配布の資料1、平成二十年第三回東京都議会定例会条例案をご参照いただきたいと存じます。
 簡単ではございますが、以上で提出議案のご説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○野上委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○かち委員 二点お願いします。
 豊島病院及び各公社病院の経営指標の推移、過去十年。大久保、北多摩、荏原は都立時代からお願いします。
 二つ目は、豊島病院及び各公社病院の医師、看護師等の定員、現員の推移、同じく過去十年で、大久保、北多摩、荏原は都立時代からお願いします。
 以上です。

○野上委員長 ほかにございませんでしょうか。--ただいま、かち副委員長から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○野上委員長 これを委員会の資料といたします。理事者におきましては、要求された委員と調整の上、提出を願います。
 以上で病院経営本部関係を終わります。

○野上委員長 これより福祉保健局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、幹部職員に交代がありましたので、安藤局長より紹介があります。

○安藤福祉保健局長 それでは、説明に先立ちまして、新任幹部職員を紹介させていただきます。
 次長の杉村栄一でございます。技監の桜山豊夫でございます。総務部長の松井多美雄でございます。保健政策部長の住友眞佐美でございます。健康安全部長の梶原洋でございます。事業調整担当部長の蒲谷繁夫でございます。地域保健担当部長の宮垣豊美子でございます。生活支援担当部長の芦田真吾でございます。企画担当参事の日置豊見でございます。施設調整担当参事の飯塚美紀子でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者あいさつ〕

○野上委員長 紹介は終わりました。

○野上委員長 次に、第三回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○安藤福祉保健局長 平成二十年第三回東京都議会定例会に提出を予定しております福祉保健局関係の議案につきまして、ご説明申し上げます。
 今回ご審議をお願いいたします議案は、平成二十年度補正予算案一件、条例案十二件、事件案六件の合計十九件でございます。
 初めに、平成二十年度補正予算案についてでございますが、一般会計歳出予算の補正でございまして、新型インフルエンザの発生による甚大な健康被害や社会的、経済的混乱等が危惧されていることから、都民の健康を守り、安全・安心を確保するための対策を早急に講じる必要があるため、所要額を増額補正するものでございます。
 次に、条例案についてでございますが、保健師助産師看護師法の改正に伴い、手数料を新たに設けるもののほか、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターの設立に伴い、地方独立行政法人法の規定に基づく重要な財産を定めるもの、公益法人制度改革に伴い改正を行うものなどでございます。
 最後に、事件案についてでございますが、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターの定款及び同センターに承継させる権利を定めるもののほか、現在整備をしている医学系総合研究所の研究環境を整えるための物品購入に関するもの、新型インフルエンザに備えることを目的とした個人防護具等の購入に関するものがございます。
 以上、簡単ではございますが、提出議案の説明を終わらせていただきます。
 なお、詳細につきましては、総務部長からご説明申し上げます。どうぞよろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○松井総務部長 初めに、平成二十年度補正予算案についてご説明申し上げます。
 お手元の資料、平成二十年度補正予算概要をごらんいただきたいと存じます。
 一ページをお開き願います。一般会計の総括表でございます。
 右側の(2)、歳出予算でございますが、福祉保健費で八十八億一千七十三万八千円を補正するものでございます。これにより歳出合計は八千三百九億三千三百七十三万八千円となります。
 二ページをお開き願います。事項別内訳でございます。
 右側の概要欄をごらんください。新型インフルエンザ対策を強化するための緊急対策といたしまして、抗インフルエンザウイルス薬の購入等、医療物資の確保に要する経費八十四億五千三百十五万二千円、検査機器の整備等検査体制の強化に要する経費一億一千百七十一万円、シンポジウムの開催等普及啓発に要する経費一億一千百八十七万六千円、基礎研究に要する経費一億三千四百万円、合計八十八億一千七十三万八千円を計上してございます。
 以上が平成二十年度補正予算案の概要でございます。
 続きまして、条例案及び事件案についてご説明申し上げます。
 お手元の資料、平成二十年第三回東京都議会定例会条例案及び事件案の概要をごらんいただきたいと存じます。
 今回ご審議をお願いいたします条例案は十二件、事件案は六件でございます。順を追ってご説明いたします。
 一ページをお開き願います。まず、条例案についてでございますが、整理番号1、東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例でございます。
 良質な医療を提供する体制の確立を図るための医療法等の一部を改正する法律の施行による保健師助産師看護師法の改正に伴いまして、行政処分を受けた准看護師に対する再教育研修等に係る手数料を設ける必要があることから、規定を整備するものでございます。
 この条例は、公布の日から施行することとしております。
 次に、整理番号2、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターに係る地方独立行政法人法第四十四条第一項の条例で定める重要な財産を定める条例でございます。
 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターが譲渡し、または担保に供しようとするときに知事の認可を必要とする重要な財産を定める必要があることから、条例を新設するものでございます。
 この条例は、東京都規則で定める日から施行することとしております。
 次に、整理番号3、東京都リハビリテーション病院条例の一部を改正する条例でございます。
 選定療養であって厚生労働大臣が定める回数を超えて受けた診療に係る使用料の規定を設ける必要があることから、規定を整備するものでございます。
 この条例は、公布の日から施行することとしております。
 二ページをお開き願います。整理番号4、医学系総合研究所の助成等に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 本条例から、四ページの整理番号11、墓地等の構造設備及び管理の基準等に関する条例の一部を改正する条例までの八条例につきましては、公益法人制度改革に伴いまして規定を整備するものでございます。
 いずれの条例につきましても、平成二十年十二月一日から施行することとしております。
 次に、整理番号12、東京都感染症の診査に関する協議会条例の一部を改正する条例でございます。
 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の改正に伴いまして、規定を整備するものでございます。
 この法律は、公布の日から施行することとしております。
 続きまして、事件案についてご説明いたします。
 五ページをごらん願います。整理番号1、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター定款についてでございます。
 東京都が設置する地方独立行政法人の定款を定めるものでございます。定款に規定する事項といたしましては、目的、役員、業務の範囲及び資本金などでございます。
 この定款は、法人の成立の日から施行することとしております。
 次に、整理番号2、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(仮称)に承継させる権利を定めることについてでございます。
 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(仮称)に承継させる権利を定めるものでございます。承継させる権利ですが、板橋構内敷地の土地の所有権及び診療報酬請求に係る受領権などの債権でございます。
 承継の時期は、平成二十一年四月一日を予定しております。
 六ページをお開き願います。整理番号3から5までは、東京都医学系総合研究所(仮称)の整備によるものでございます。
 整理番号3、遺伝子組換え実験等に係る拡散防止装置外六点の買入れについてでございます。
 予定価格は一億二千七百九十三万二千円としております。
 整理番号4、中央実験台外二点の買入れについてでございます。
 予定価格は一億一千四百四十五万円としております。
 整理番号5、実験動物飼育用架台システム(個別換気型)の買入れについてでございます。
 予定価格は一億三千八百三十九万円としております。
 七ページをごらん願います。整理番号6、個人防護具(ガウン等セット)外七点の買入れについてでございます。
 都内で新型インフルエンザ発生時の対策に従事する保健所及び医療機関等の職員の感染防止用として買い入れるものでございます。予定価格は六億二千三百九十六万二千五百円としております。
 条例案及び事件案の詳細な内容につきましては、お手元の資料、平成二十年第三回東京都議会定例会条例案及び事件案をご参照いただきたいと存じます。
 以上、大変簡単でございますが、提出議案の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○野上委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○かち委員 九点ほどあるのですが、まず、養育院の創設以来の歴史の概要。
 二番目が、老人総合研究所の概要と主な研究実績及び職員の定員、現員の過去五年の推移。
 三番、板橋キャンパスの福祉施設の概要及び利用実績、職員の定員、現員の各五年の推移。
 四番、老人医療センターの医師、看護師等の定員、現員の推移、過去五年分。
 五番、各都立児童養護施設の概要及び利用実績、職員の定員、現員の過去五年の推移。
 六番、全国の公立病院で独立行政法人化した病院の状況がわかる一覧。
 七番、都立老人医療センターの運営指標、過去五年分。
 八番、国制度である看護師等の法律の改正による同様の受講料等の設定基準についての一覧。
 九番、都立児童養護施設の運営形態の一覧と、これまで民間移譲されてきた施設の一覧をお願いいたします。

○野上委員長 ただいま、かち副委員長から九点の資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○野上委員長 異議なしと認めます。理事者においては、要求された委員と調整の上、提出を願います。

○野上委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○吉岡少子社会対策部長 お手元の都立児童養護施設の民間移譲についてという資料に基づきまして、ご説明させていただきます。
 1の対象施設は、品川景徳学園及びむさしが丘学園の二施設でございます。施設の所在地、定員及び開設時期につきましては、記載のとおりでございます。
 現在の運営形態につきましては、品川景徳学園、むさしが丘学園ともに指定管理者、社会福祉法人東京都社会福祉事業団による管理運営をしております。
 2の目的でございますが、社会福祉法人の自主性や創意工夫を生かした、より弾力的かつ効率的な施設運営を行い、利用者サービスの一層の向上を図るものでございます。
 3の運営法人の選定につきましては、選定基準を定め、公募により適切な社会福祉法人を選定し、同法人による運営といたします。
 4の財産上の取り扱いでございますが、建物及び工作物につきましては、当面、無償貸付することとしております。また、将来的には無償譲渡等について検討いたします。
 5の今後のスケジュールでございますが、平成二十年度中に公募により運営法人を選定いたします。また、平成二十一年度に東京都児童福祉施設条例の一部改正を提案させていただき、平成二十二年度より運営法人に移譲してまいる予定でございます。
 なお、移譲に当たりましては、子どもが引き続き安心して生活できるよう、十分な引き継ぎを実施したいと考えております。
 以上、ご報告申し上げます。よろしくお願いいたします。

○野上委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。--さっきのでいいですかね。
 さっき、ちょっと一緒になっておりましたので。いいですかね。

○かち委員 はい。

○野上委員長 これより請願陳情の審査を行います。
 初めに、請願二〇第九号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○梶原健康安全部長 お手元にお配りしてございます請願・陳情審査説明表に従いまして、ご説明させていただきます。
 整理番号1、二〇第九号、新規墓地建設計画に関する請願は、武蔵村山市の伊奈平地区への墓地計画反対する会代表岡本誠之助さん外一万二千百二名の方々から提出されたものでございます。
 請願の趣旨は、都において、宗教法人聞法閣大聖寺の墓地建設計画の許可申請に対する都条例の運営に当たり、第一に、地元武蔵村山市の意向を最大限に尊重すること、第二に、周辺住民の意向を十分に反映させることの二点を実現していただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますが、本請願の対象となっている宗教法人浄土真宗聞法閣大聖寺が計画している墓地建設については、現時点におきまして、墓地経営許可の申請はなされておりません。
 墓地等の構造設備及び管理の基準等に関する条例では、申請前の手続として、標識の設置、隣接住民等への説明会及び意見の申し出による事前協議を規定しております。
 本件の申請予定者は、本年四月二十四日に標識を設置した後、五月三十日及び六月十三日に説明会を開催いたしましたが、いずれも参加者がありませんでした。その後、申請予定者からは、隣接住民等に対し説明会資料を郵送した旨の報告書が保健所に提出されております。
 現在、隣接住民等から保健所に対して意見の申し出があり、条例に規定する事項については、申請予定者と隣接住民等との間で事前協議が行われる予定でございます。
 なお、これまで保健所は、申請予定者に対し、本計画について武蔵村山市に相談するよう指導しております。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○野上委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○田代委員 この請願は、今説明ございましたように、武蔵村山市の伊奈平に新たに墓地を建設しようという計画に対して、地元市の意向を最大限に尊重してほしい、これは当然のことだと思うんですけれども。そして、周辺の住民の方々の意向も十分に反映していただきたい、ごくごく当たり前の普通のだれでも考えられる、こういう請願が出ているわけです。
 最近、都内の墓地の新規計画というのを見てみますと、これまで主流でありました山林などを開発するものに加えて、都民の皆様方のニーズ、すなわち交通にも便利なところ、穏やかで静かなところだけではなくて、行き来に楽なところ、そういう墓地が欲しいという都民の声を背景にして、住宅に近接した遊休地や緑地を利用して新たな墓地を建設しようというケースがふえているわけです。
 特に最近では、河川敷など、従来には墓地がつくられることがあり得ないだろうと思われるところにも墓地開発が進んでいるわけですけれども、その結果、その計画地の周辺に住む住民の方々の中には、お墓に皆様方お参りになる方々の車ですとか、そういう交通ですね、墓参による交通量の増加や、その周辺環境への影響など生活環境の急激な変化に戸惑ってしまう。今まで穏やかなところで自分たちのペースで暮らしていたものが、大量にほかの地域の方々、見知らぬ方々がいらっしゃることによって生活環境が崩れてしまう、こういうことに対して不安、疑念を抱く方がいるわけです。
 そして、この厚生委員会の記録を見ても、この三年間だけで八件の墓地に関する請願が審議されているわけですが、当然、墓地は都民の生活に必要な施設で、ただ、逆に、今申し上げましたように、そばにできてしまうといろんなことが考えられますよね。うまくできて、明るくできれば感じがよくなる。だけれど、余り全部見えてしまうと、ビジュアル的に墓石が全部見えるというのもどうかなと思うし、それが余り格好悪かったり暗くなったらイメージが悪くなる。あるいは、交通量がふえて、そこはにぎやかになったかもしれないけれど、それによって事故でも起これば、要らぬ話がたたりであるとか、のろいであるとかって出てきちゃう。これもかなわないことであって、それによって非常にその地域の経済あるいは土地の値段などいろんなものが上下して、今までとは違う非常に大きな影響を与える可能性が高い施設であることには間違いないわけですね。特に迷信的なものがプラスされるわけですから。
 ですから、こういう墓地建設の許可権を持っている行政においては、新たな墓地の建設に対して不安を感じている周辺住民の声、これはもうしっかり聞かなきゃいけない。できてよかったといういい方はどうかと思いますけれども、できて悪かったということになるのが一番困るわけですから、やはり十分に声を聞く。こういうことを考えていただきたいという観点に立って、何点か質問させていただきたいと思います。
 まず第一は、立地条件。墓地というのは一度できてしまえば半永久的なものですから、そのためには、どこに建設されるかということは大変重要なことだと思うんですが、今回の武蔵村山市の墓地はどのような場所に計画されているのでしょうか。

○梶原健康安全部長 今回請願が出されています新たな墓地建設の計画予定地の住所でございますが、武蔵村山市伊奈平二丁目五十四番一号でございます。
 予定地でございますが、武蔵村山市の南西部、日産村山工場跡地から西へ約三百メートルのところにございます。都市計画法上の予定地域では、工業地域と定められております。そのため、周辺には中小の工場、倉庫等が建ち並んだ地域でございます。

○田代委員 今回の武蔵村山のこのケースは、工業地域に墓地が計画されているということですが、確かに墓地は、市街化調整区域も含めたあらゆる地域で開発が可能なわけですけれども、ただし、いかなる場所でも、墓地を建設する、経営する、そういうときには、さまざまな許可基準をクリアしなくちゃならないと思います。墓地埋葬法では、この権限を都道府県知事の裁量にゆだねていますけれども、都では、条例で、墓地を新設する前に周辺住民の方々にその計画を知らせるための事前周知制度を規定しています。
 先ほど説明がありました、その説明会の開催などもこの制度に沿って行われたものだと思いますけれども、改めて、この事前周知制度の目的とその流れについてお伺いしたいと思います。

○梶原健康安全部長 お話の事前周知制度でございます。この制度は、墓地の永続性に係る問題の発生、あるいは墓地経営に係る名義貸しの懸念、周辺住民とのトラブル多発等、墓地開発をめぐる問題が顕在したことを背景にいたしまして、墓地建設に当たり隣接住民等と申請者とのあつれきを防止するため、許可申請に先立ち、墓地計画について隣接住民等への周知を図ることを目的としております。平成十二年に、墓地等の構造設備及び管理の基準等に関する条例を改正した際に導入したものでございます。
 事前周知制度の具体的な流れでございますが、墓地等を経営しようとする者がその許可を申請する前に、計画概要等を明示した標識の設置、これは申請予定日の九十日以上前でございます、それから隣接住民等に対する説明会の開催、これは申請予定日の六十日以上前ということになってございます、その上で、隣接住民等から意見申し出があった場合の事前協議の指導と、こういう三つの手続から成ってございます。

○田代委員 今お話しいただきましたように、申請者と、それから近隣の隣接している住民の方々とのあつれき防止、これが一番大きな目的だというお話でした。
 この事前周知制度は、平成十二年の条例改正によって導入されたものですけれども、その際、都議会では、条例の運用に当たっては区市町村の意向を配慮する、この付帯決議がなされているわけです。先ほどの説明でも、保健所は申請予定者について、地元市である武蔵村山市に相談するように指導しているとのことですけれども、具体的に地元の武蔵村山市はどのような考えを持っているのか、お伺いしたいと思います。

○梶原健康安全部長 今、お話ありましたように、都議会の、条例の運営に当たっては区市町村の意向を配慮することという付帯決議を受けまして、条例の運営に当たっては、墓地建設計画があった場合に、所管の保健所から市町村に対して、当該墓地の建設及び土地利用計画等に具体的な支障があるかどうかについての意見照会を行ってございます。
 本計画におきましても、標識設置後の平成二十年五月二日、多摩立川保健所長から武蔵村山市長に対し意見照会を行い、六月四日に回答をいただいております。
 その内容でございますが、当該地区は、中小の工場が立地する工業地域として都市計画マスタープランに基づき誘導してきた地域であり、当該マスタープランに基づくまちづくりの基本方針とは相入れないものであること、また、付近住民による反対運動も起きており、墓地の建設は認められないこと、市の墓地等の造成等に関する指針では、新たな墓地等の造成等は認められないこと、こうした意見をいただいているところでございます。

○田代委員 付帯決議の中で市町村の意向を配慮する、そして今回問題になっている武蔵村山市、どういう考えを持っているか今お尋ねしたわけですけれども、いわゆるマスタープランに基づくまちづくりの基本方針と相入れない、そして地域の方々の反対運動が起きている、そして造成は認められない、こういうことを地元市はいっているわけですけれども、また、この周辺住民の方々からも意見が出ているということでしたけれど、これに対しては、都はどのように対応しているのでしょうか。

○梶原健康安全部長 本件につきましては、隣接する住民の方々から多摩立川保健所長あてに十八の意見書が出されておりまして、いずれも反対の立場からのものでございます。
 その主な内容でございますが、献花や供物の飛散、カラスや蚊などの増加による公衆衛生上の問題、また、墓参の車による交通渋滞、事故の発生、まちづくり基本指針、墓地等の造成に関する指針との整合性などの問題を初め、火の不始末による火災の危険性、治安上の問題も挙げられているところでございます。
 これを受けまして、多摩立川保健所では、条例第十八条に基づきまして、九月八日に申請予定者に対し、隣接住民と十分協議をするよう指導したところでございます。今後とも、申請予定者に対して、市や隣接住民等と十分に協議、調整するよう指導を行ってまいります。

○田代委員 墓地というのは、永続的に経営されることが好ましいわけでありまして、また、高度な公益性を有している施設であります。ですから、今、住民の方々から出ている多数のご意見、一つ一つ、確かにごもっともなことだと思います。これは、やはりその地域でそういうものが必要であるということは、どなたでも、我々一度はそういうところに行くわけですから、これは理解はしているわけですが、だからこそしっかりしたものの話し合いをしていきたい、納得をしていきたい。そして、悪いものであったら、やはり地元に来てほしくないというのは、これは当たり前のことだと思うんですね。
 先ほど申し上げましたように、普通のことと違って、こういうものは話が倍にも三倍にも膨れていく。非科学的な言葉ですけれど、たたりなんていう言葉を使われたら、もうどうにも打ち消しようがなくなってしまうわけですから。ですから、そういうものを最初から除外できるようなしっかりとした計画、そして住民の方々の話し合いによっての納得がしっかりされていかなくちゃならないと思うんですね。
 ですから、この墓地建設については、今度の請願の趣旨にあるとおりに、地元武蔵村山市の意向を最大限尊重して、さらに周辺の方々の意向、これも十分に反映させることが何といっても一番重要なわけですから、今後、都は、申請予定者に対して、地元市及び隣接の住民の皆さん方の意見を真摯に、しかも十分に聞くように強く指導をしていくことを求めて、質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○佐藤(広)委員 今回出されている請願に関連して、幾つか伺います。
 近年、墓地の需要増加とともに、さまざまな場所で建設が行われ、それに反対する住民運動も各地で起きております。高齢化社会の進展とともに、墓地の需要がふえているのは理解をしておりますが、墓地開発のあり方については、多分に議論の余地があるのではないかと考えております。
 今回、請願に出ている案件ですが、まだ申請はなされていないとのことです。申請前の段階であっても、標識の設置が義務づけをされておりまして、私も現場を見に行きましたが、標識が設置されております。
 墓地等の構造設備及び管理の基準等に関する条例第十六条第一項の中には、規則で定めるところにより、当該建設予定地の見やすい場所に標識を設置し、その旨を知事に届け出なければならないと定めてあります。
 また、墓地等の構造設備及び管理の基準等に関する条例施行規則第十一条第一項には、条例第十六条の申請予定者は、同条の標識を設置した場合には、速やかに標識に掲示した事項を届け出なければならないと規定してあります。
 標識設置の時点で知事に届け出なければならないと定めてあるわけですが、都は、この標識設置者の宗教法人からの届け出を受けているのでしょうか。

○梶原健康安全部長 この事例、申請予定者から、平成二十年四月二十四日に標識設置した旨の届け出が、翌二十五日に所管の保健所でございます多摩立川保健所に提出されてございます。

○佐藤(広)委員 では、お答えいただいた標識設置者の宗教法人について、宗教法人法所管部署に照会は行っているのでしょうか。行っていれば、その回答はどのようなものであったか、また墓地経営の実績はあったのでしょうか。お答えください。

○梶原健康安全部長 平成二十年五月二日に、多摩立川保健所から、宗教法人の所管部署でございます生活文化スポーツ局都民生活部に照会を行い、五月二十一日付で回答がございました。
 その内容は、標識を設置した宗教法人の現行の規則には墓地経営に関する規定がないこと、本件届け出の墓地が檀信徒用墓地の設置ではなく、公益事業としての墓地経営を目的とする場合には規則変更が必要となること、法人の活動状況については特に問題は認められていないことといった内容でございます。
 なお、墓地経営については、この宗教法人は実績はないというふうに聞いてございます。

○佐藤(広)委員 また、墓地の開発申請を行うに際して提出する申請の添付書類は、主にどのような書類が必要であるのかお答えください。

○梶原健康安全部長 墓地等の経営の許可等の申請に必要な書類でございますが、この書類の一覧は、条例施行規則第二条に挙げられてございます。
 その主なものでございますが、計画地周囲の見取り図、施設の設計図及び造成等に関する計画書、許可の申請に係る詳細な理由書、土地登記簿謄本、墓地等の設置に係る資金等計画及び管理運営に係る書類、許可申請に関する意思決定を示す書類、宗教法人規則、信者用墓地の経営実績を示す書類などとなってございます。

○佐藤(広)委員 私の方でも、標識設置者の宗教法人について確認をしてみました。
 この宗教法人は、平成十一年に設立され、宗教法人の定款といわれる法人規則には、公益事業としての墓地の運営は明記がされていないようです。つまり、そもそも墓地の開発、運営は行っていなかったわけです。墓地等の構造設備及び管理の基準等に関する条例施行規則第一条第二項には、条例第四条第一項の申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならないと定めており、その第九として、申請しようとする者が宗教法人で公益事業として墓地等を経営する者である場合には、信者用の墓地等の経営の実績等を示す書類の提出を求めている。
 また、墓地等の構造設備及び管理の基準等に関する条例の運用についてを見てみますと、第四条関係第九号には、公益事業として墓地経営を目的とした宗教法人の設立は宗教法人法上も認められていないことから、墓地等の経営許可に当たっても、公益的な墓地等の経営を行う場合には、信者用の墓地経営の実績を必要とするものであると定めてあります。
 つまり、公益事業である無宗派の墓地は、信者用の墓地をつくっている実績が必要であるとしているわけです。標識設置者である宗教法人が近隣住民に配布した資料には、無宗派墓地、つまり公営事業としての霊園計画図があります。
 つまり、予定されているのは公益事業としての霊園であるわけですが、さきもお話ししたように、標識設置者の宗教法人は、信者用の霊園の開発、運営の実績はありません。
 一般論として伺いますが、信者用の霊園の開発、運営の実績がない宗教法人に、公益事業としての霊園開発を行うことを都は認めているのでしょうか。お答えください。

○梶原健康安全部長 東京都におきましては、墓地等の構造設備及び管理の基準等に関する条例第三条におきまして、宗教法人が墓地等を経営することを認めてございます。
 この条例は、墓地、埋葬等に関する法律に基づく経営許可を行うための基準と手続を定めた条例でございまして、条例に基づく手続を経まして、墓地の場所、構造基準、法人の経営の適格性、墓地の安定的な経営などの審査をクリアし、墓地経営という公益性を考慮し、必要と認めた場合には、信者用の霊園の実績がない宗教法人でも許可してございます。

○佐藤(広)委員 続いて伺いますが、この標識設置者の宗教法人は信者用の霊園の開発、運営の実績がないわけですが、公益事業としての霊園開発を行うには、施行規則と運用に引っかかってくる。つまり不適格ではないかと思いますが、見解を伺います。

○梶原健康安全部長 宗教法人法によりますと、宗教法人は公益事業を行うことができるとされております。ただいまお答えいたしましたとおり、必要な手続を経て審査をクリアすれば、公益事業としての霊園を経営することは可能でございます。
 なお、お話の施行規則に記載されている申請に必要な書類、添付書類でございますけれども、墓地の経営実績に係る書類については、実績がない場合にはない旨を申告させる、こういうこととしてございます。
 条例三条でございますけれども、宗教法人が墓地を経営することを認めているそれ以外の制限的規定はないため、信者用の墓地等の経営実績があることを申請の要件とはしてございません。
 また、委員の方から、条例の運用に関することもございましたけれども、条例の運用に関する通知といいますのは、衛生局長名で出されました都の保健所長あての内部文書でございまして、一般の方々を拘束するものではございません。施行規則の添付書類の取り扱いについては、許可権者である保健所長には既に周知を図っているところでございます。

○佐藤(広)委員 施行規則、運用と、実際の仕事の進め方が異なるようであれば、施行規則、運用ともに変更が必要ではないかと思いますが、見解を伺います。

○梶原健康安全部長 今、条例施行規則運用通知ということでご質問をいただきました。
 私どもといたしましては、現行の条例及び施行規則で十分に経営主体の適格性及び墓地の安定的な経営に必要な審査が現在行われているものと考えてございます。
 なお、内部文書でございます運用に関する通知につきましては、誤解の生じないよう、改めて制度の運用について、都の保健所に対して周知徹底を図ってまいります。

○佐藤(広)委員 今回、開発が行われようとしている武蔵村山市については、六月四日の朝日新聞が報じているように、住民の反対運動があり、標識設置者の宗教法人が開催した説明会は、近隣住民は参加しなかったと聞いております。
 また、その後、標識設置者側が郵送をもって説明が終わったとする報告を立川保健所に行ったと聞いております。
 確かに、墓地等の構造設備及び管理の基準等に関する条例の運用について第十七条関係には、なお、いずれの方法でも調整がつかない場合には、郵送理由、連絡方法等を記載した書類を添付して、説明資料を配達証明郵便等により郵送してもよい。その場合、郵送に至った経緯について、都規則第十二条第二項に規定する説明会等報告書に記載することと定めてあります。
 しかし、近年、多くの墓地開発をめぐって反対運動が起きており、今定例会に出されている請願を含めると、平成十四年から過去七年で、十七件もの請願陳情が出ているわけです。
 墓地は、多くの需要があり、供給をふやしていかなければならないことは理解できます。しかし、多くの反対を押し切って墓地をつくったとしても、近隣の住民との感情的なしこりがずっと残ります。そうなってしまえば、その墓地に埋葬される方、墓参に行く方、墓地を開発する宗教法人にとっても、気持ちのよいものではないでしょう。
 墓地等の構造設備及び管理の基準等に関する条例は、平成十二年に改正されたわけですが、平成十二年の改正以前は、近隣住民の同意書が必要であったと聞いております。
 現在の条例、施行規則や運用では、住民がどんなに反対の意向を示しても、開発側が押し切ってしまうことが可能な制度になっております。条例及び施行規則や運用を住民の意向が尊重される形に変更すべきと考えますが、都の見解を伺います。

○梶原健康安全部長 委員の方から、今、平成十二年の条例改正の経緯が若干触れられました。私の方から、この平成十二年の条例改正で近隣住民の承諾書の添付規定を削除した経緯を若干ご説明させていただきたいと思います。
 平成六年三月でございますが、当時の厚生省から、墓地の経営許可に当たりましては、法律の要件として、周辺住民の全員の同意を得ることが必要であるとの指導を行う等、過剰な規制が行われることのないように適切に対応されたいとの考え方が示されました。
 それ以降、都におきましては、従来とっておりました承諾書の取り扱いについて、徴取できない場合でも、理由書をもってかえるという弾力的な運用を図ってきたところでございます。
 さらに、平成十二年三月の最高裁判決で、墓地埋葬法は、周辺住民の個別的利益を保護することは目的としていないとの解釈が示されました。そのため、この承諾書の添付を削除したところでございます。
 それにかわるものとして、平成十二年度に条例を改正いたしまして、墓地建設に当たり隣接住民等と申請予定者とのあつれきを防止するため、許可申請に先立ち、墓地計画について隣接住民等への周知を図ることを目的とした現行の事前周知制度を導入したものでございます。現行の制度は十分に周辺住民等と申請予定者が協議を行うよう指導する制度でございまして、住民の意見も反映できる制度となっていると考えてございます。

○佐藤(広)委員 今お答えいただきましたように、平成六年三月に開かれた国の全国生活衛生関係主管課長会において、過度な規制をすべきでないという考え方が示されたということを、平成十二年九月二十九日の厚生委員会でも発言をされております。
 平成十二年の条例改正に伴って事前周知制度を導入したわけですが、その後、都内各地で墓地建設の反対運動が起こり、厚生委員会には請願陳情が出されております。事前周知制度を導入して、保健所が当事者間の協議を指導しているからといっても、協議できる事項は限定されており、住民が納得できるような解決策にはなっていないといえます。これでは、保健所が当事者間の利害調整を果たしているとはいえず、問題解決には至りません。
 他の自治体の例を見てみますと、横浜市では、横浜市墓地等設置紛争調停委員会を設置しており、その目的として、次のように述べております。
 一、市長の付託に応じ、墓地等の設置等に係る事業者と周辺住民との間の紛争について調停を行います。二、市長の諮問に応じ、墓地等の設置等に係る事業者と周辺住民との間の紛争の予防、及び調整に関する事項について調査審議します。
 このような調停及び調査審議の機能を持つ組織は都にあるのでしょうか。もしないとすれば、近隣住民にとってよりよい解決策を実現するためにも、都において墓地等設置紛争調停委員会を創設すべきと考えますが、見解を伺います。

○梶原健康安全部長 現在、都は、事前周知制度によりまして、申請予定者に対し、地元市、隣接住民と十分に協議を行うよう指導しております。その結果、住民と申請予定者との間で協定事項について合意に至ったケースもあるなど、現行の制度はあつれきの防止に効果が得られているというふうに考えてございます。そのため、現段階でお話のような委員会を立ち上げることは考えてございません。
 もちろん、墓地の経営許可に当たりましては、地元市町村や隣接住民等の意向に配慮することは重要であると認識しております。こうした観点から、今後とも申請予定者に対しては、地元市や隣接住民等と十分に協議、調整するよう指導を行ってまいります。

○佐藤(広)委員 先ほども申し上げましたが、事前周知制度では、当事者間の利害調整を果たしているとはいいがたいと思えます。今回の請願もそうですが、都内各地で墓地開発に関して反対運動が起きております。しかしながら、都は、それに対して積極的に解決方法を提示していないと思えます。
 難しいとのお答えではありますが、住民も納得ができるような客観的な調査審議と調停を実現することが必要です。
 また、横浜市の定めている、横浜市墓地等の経営の許可等に関する条例では、九条で緑化について義務づけを行っております。一万平方メートル以上の敷地の場合には三五%以上の緑地を設けるということと、市街化区域及び一万平方メートル未満の敷地の市街化調整区域において墓地を設置する場合には、同面積の三〇%以上の緑化を義務づけております。
 都は、「十年後の東京」の中でも緑化の推進を進めているわけですから、墓地の緑地化も不可欠ではないかと考えます。
 都においても、横浜市のように墓地面積の三〇%以上の緑地化を義務づけるべきと考えますが、見解を伺います。

○梶原健康安全部長 東京都におきましては、東京における自然の保護と回復に関する条例におきまして、公共公益施設等を設置管理する者に対して緑化義務を課しておりまして、規則で施設ごとに緑化基準を定めてございます。
 その中で、本件計画予定地のような市街化区域内におきましては、墓地については、面積が一万平方メートル未満の場合は区域面積の一五%以上、一万平方メートル以上の場合は区域面積の二〇%以上と定められてございます。
 墓地等の構造設備及び管理の基準等に関する条例施行規則におきましては、この基準を準用いたしまして、墓地の敷地の総面積に占める緑地の割合は一五%以上と定めているところでございます。

○佐藤(広)委員 墓地における緑地の確保が都条例に基づいているということはわかりました。
 現状では、ある程度の緑地を義務づけているわけですが、しかしながら、これだけ住民運動が起こるのも、墓地に対するアレルギーがあるためです。より広い緑地面積を義務づけて、近隣住民が受け入れやすいような墓地に変えることが必要ではないでしょうか。
 今回、請願で議論されている場所は、私も現場を見に行きましたが工業地帯です。企業の跡地を宗教法人が購入したようですが、北多摩地域で数少ない工場が立地できる工業地帯であるわけです。
 一昔前のバブル期に、マンションを建設するために地上げが横行しました。それは、利益になったからです。
 今回の墓地建設も、需要が多く、利益が見込まれるからといって、これだけ大規模な計画を立てたのでしょうが、利益になるからといって、今回のように墓地開発が次々に起きてしまえば、工場が立地できる場所が非常に少なくなってしまいます。
 平成十二年の条例改正以降、過去に、工業地帯に墓地をつくるという申請がなされて、許可された事例はあったのでしょうか。

○梶原健康安全部長 平成十二年の条例改正以降でございますが、都の保健所が許可権限を有する地域におきまして、工業地域での墓地建設を許可した事例はございません。

○佐藤(広)委員 今回の事例が通ってしまえば、次々に多摩の工業地帯で墓地の開発が行われる可能性があります。現在、北多摩地域の自治体は、区部に比べ法人税の税収が少なく、財政運営に苦しんでいます。これ以上、工業地帯が減り、法人税と雇用が減ることは、自治体運営に大きな影響を及ぼします。
 今回、請願の舞台になっております武蔵村山市では、今回の墓地建設騒動をめぐって、市が武蔵村山市内における墓地等の造成等に関する指針をつくったようです。しかしながら、これは市が建設の可否を決めることができるものではありません。やはり、市長に墓地に関する権限を付与して、地域の実情に基づいたまちづくりを行っていくことが必要ではないかと考えます。
 地方分権改革推進委員会が平成二十年五月二十八日に行った第一次勧告の別紙1、基礎自治体への権限移譲を行うべき事務の中には、基礎自治体への権限移譲を行うべき事務として、墓地、埋葬等に関する法律も含まれており、墓地、火葬場等の経営の許可、指導監督に係る事務、立入検査及び報告の要求、施設の整備改善、使用制限もしくは禁止命令または許可の取り消しについて、市まで権限を移譲するということを打ち出しております。
 この第一次勧告によれば、他府県では市長に墓地の許可権限を付与しており、移譲実績のある都道府県数は四十三にも上るとのことです。また、都においても、特別区における東京都の事務処理の特例に関する条例第二条四十に関しては、特別区に対して墓地に関する権限を付与することを定めております。
 また、市町村における東京都の事務処理の特例に関する条例第二条の二十九の五の五には、八王子市に対して墓地に関する権限を付与してあることを定めております。
 この条例を改正するとともに、多摩地域の他自治体についても、各市が受け皿となる条例を整備して、都知事から市長に対しての権限の付与を行えば、多摩地域の各市長が墓地についての権限を持つことも可能であると考えます。
 市が墓地、埋葬等に関する法律に基づく権限を都知事から市長に付与するよう望んだ場合、都として、ノウハウや経験等、さまざまなサポートをするべきと考えますが、見解を伺います。

○梶原健康安全部長 墓地埋葬法によりますと、墓地の管理等が国民の宗教的感情に適合し、かつ公衆衛生その他公共の福祉の見地から支障なく行われること、これが墓地埋葬法の目的として定められております。
 この趣旨にかんがみまして、都におきましては、墓地等の経営の許可等に関する事務は、公衆衛生の拠点である保健所の事務として、事務処理特例条例により、保健所を設置する特別区及び八王子市に許可の権限を移譲しているところでございます。
 これまで、その他の保健所を有しない市町村からは、権限の移譲を要望する意見は寄せられてございませんが、市から意見が寄せられた場合については、十分な調整を行ってまいります。

○佐藤(広)委員 今は権限移譲の要望はないということではありますが、今後、反対運動が起きている自治体において、権限移譲の要望も出てくるのではないかと思います。
 また、市に権限が移譲されるとすれば、横浜市が実施しているような墓地等設置紛争調停委員会などを市がつくることもできるのではないでしょうか。今後、市町村から権限移譲の要望が出てきた場合、速やかな対応をお願いいたします。
 また、同じように、各市が墓地を都市計画の中に位置づけるために、墓地についてのマスタープランをつくりたいと望んだ場合、都のノウハウや知識を提供し、サポートをすべきと考えますが、見解を伺います。

○梶原健康安全部長 各市の方から私どもの方に、墓地に関する公衆衛生上の求め、こういうさまざまな意見があった場合には、私どもの方といたしましては、墓地に関する公衆衛生上の求めがある場合に必要な助言を行ってまいりたいというふうに考えてございます。

○佐藤(広)委員 調停委員会や緑地義務化、権限の移譲等、幾つもの提案を申し上げてまいりましたが、それらを実現するためには、都市経営や建築確認等の関係法令を所管する部署が庁内で横断的な連絡会議をつくり、さらに連携して取り組むことも必要ではないかと考えます。
 人は、だれしもが死を迎えるのであり、人の人生にとっては墓地は欠くことのできない存在です。高齢化社会が進み、墓地の需要が増加する中、供給をふやさなければいけないのは事実ではありますが、今の法律、条例、施行規則や運用のままでは、開発側と住民との争いがますます増加すると思われます。
 住民が納得できるような客観的な調査審議と調停を実現するためにも、先ほど申し上げたような墓地等設置紛争調停委員会などの創設が必要だと考えておりますし、また、墓地施策にかかわる制度のあり方をいま一度見直すことが大切ではないでしょうか。
 ぜひ提案の内容をご検討いただくようお願いいたしまして、以上で私の質疑を終わります。

○吉田委員 かなり多面的な質問も出ましたので、私は、質問を予定しておりましたが、意見を述べるという形で、この点で発言をしたいと思います。
 出されている請願は当然のことだと考えます。私は、改めて、厚生省が示しております墓地経営管理の指針について当たってみました。その中で、次のように書かれております。都道府県の許可に関してですけれども、何々の場合には許可を与えなければならないなどの規定はないため、知事は正当かつ合理的な理由があれば許可しないことができるのであって、行政の広範な裁量にゆだねられていると解されるというふうに規定されております。
 それだけに、やはり単に公衆衛生上の文書が整っているだけではなくて、請願に出されているように、周辺住民あるいは地元自治体の意向ということも、当然、許可権者としての判断の中では、重要な要件として検討されることが必要だというふうに思います。
 具体的な中身に関してなんですけれども、私もこの宗教法人について、インターネットで当たってみましたけれども、江戸川区に所在をするということで、直接檀家の墓地というよりは、墓地経営でやはり一定の利益を追求するという意図を持って展開するというふうに推察せざるを得ません。
 今紹介した指針の中では、この間の墓地開発をめぐる中で、例えば名義貸しと、形の上では宗教法人の名義を使っているけれども、実態はさまざまな融資を受けて事業展開がされるということがないようにということで、かなり厳格な、土地所有、あるいはそれの資金、そして宗教法人としての決議がどのようにされたのかというふうなことについて、きちんと点検をすることが示されていると思います。
 いうまでもないことですけれども、墓地は一過性の施設ではなく、永代使用という形で、長期にわたってその宗教法人が本当に安定的に管理運営ができるのか、また周辺住民とも、長期にわたって責任を持った対応ができるのかということが真剣に点検されなければならないと思いますし、そういう意味でも、ぜひ東京都が許可権者として、しっかりこの点に立って検討していただきたいというふうに思います。
 同時に、周辺住民、公共の福祉との関係でも、この厚生省の指針は、次のように書かれております。公衆衛生その他公共の福祉の見地から、支障なく行われることをきちんと見なければならないと。単に公衆衛生上の規制にとどまらず、その他の公共の福祉の見地からも制約を加え、調整を図るべきものであるというふうに書かれておりますが、その中には当然、当該自治体や、あるいは住民の皆さんの意向ということは尊重されるべきことだというふうに考えます。
 さらに、最後に指摘しておきたいことは、東京都として、当該事業計画者に対して、周辺住民、あるいは当該自治体と協議をするように話をしているというふうにありますけれども、そもそも指針の中では、計画段階から許可権者との協議を開始することというふうな規定が盛り込まれております。したがって、書類を出す前から、東京都としてはきちんと、単に話し合ってくださいということではなく、そういう意味から、やはり事業者に対して毅然とした対応をしていただきたいと思いますし、往々にしてこういう問題というのは非常に長引くわけですよね、長期にわたって。そういうことのないように、やはりだめなものはだめと、この点が認められなければだめだというふうな毅然とした対応を東京都としてもされることを強く求めて、本請願については趣旨採択を求めたいと思います。
 以上です。

○野上委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 お諮りいたします。
 本件は、趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○野上委員長 異議なしと認めます。よって、請願二〇第九号は趣旨採択と決定いたしました。

○野上委員長 次に、請願二〇第一〇号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○吉井医療政策部長 整理番号2、二〇第一〇号、療養病床を持つ医療機関への運営補助等に関する請願は、新宿区の東京保険医協会会長塩安佳樹さんから提出されたものでございます。
 請願の趣旨は、地域住民に安心した療養環境を確保するため、次のことを実現していただきたいというものでございます。
 内容について順にご説明いたします。
 まず、第一項でございますが、地域に必要な療養病床を存続させるため、療養病床を持つ医療機関への運営補助を行うことというものでございます。
 次に、第二項でございますが、介護療養病床廃止、医療療養病床削減計画の中止を求める意見書及び診療報酬、介護報酬の引き上げを求める意見書を国に提出することというものでございます。
 現在の状況についてでございますが、まず第一項でございます。
 国民皆保険制度のもとにある我が国では、その医療費は本来診療報酬で運営されるべきものであります。
 都は、医療療養病床に係る診療報酬の評価の充実について、既に今年度、国に対して提案要求を行っております。
 次に、第二項でございますが、国が進めている療養病床の再編成は、医療資源の有効活用を図るため、医療の必要性の高い患者に医療サービスを重点化し、医療の必要性の低い患者については適切な介護サービス等を提供することを目的としております。
 都では、医療機関の意向等を踏まえながら、介護療養病床から老人保健施設等への円滑な転換に対する独自の補助を行ってございます。
 あわせて、医療療養病床につきましては、今後の急速な高齢化の進展により、急性期医療を脱した後も医学的管理が必要な患者の増加が見込まれる中、東京都医療費適正化計画におきまして、平成二十四年度末までに現行の二万一千三十三床から二万八千七十七床まで増床するという目標を掲げ、今年度から、一般病床から医療療養病床への転換等に対する独自補助を開始いたしました。
 また、都は、療養病床の再編成の円滑な実施や将来にわたり良質な介護サービスが提供できるよう、来年度の介護報酬改定に向け、国に対して提案要求を行ってございます。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願いいたします。

○野上委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○長橋委員 今ご説明がありました、療養病床を持つ医療機関への運営費補助等に関する請願について質疑をさせていただきます。
 先ごろ、敬老の日にちなんで、高齢者の人口が発表になりました。新聞でもにぎわしたところでありますけれども、高齢者の人口、六十五歳以上の方は二千八百万人、七十歳以上は二千万人を初めて超したと。なおかつ、七十五歳以上、後期高齢者の方はそのうち一千三百万人という発表がありまして、改めて総人口に対する割合が大変多くなってきているわけでありまして、お伺いをしますと、東京都の高齢者の人口は二百四十六万九千人、これも過去最高を更新して、いわゆる五人に一人が高齢者であるということであります。
 これも同じく調べましたら、七十五歳以上は百九万人になると。この推移は急速にふえているわけでありますが、平成三十七年、あと約二十年後には高齢者の人は四人に一人になりますし、七十五歳以上は二百万人を超えるだろうと、こういうふうにいわれているわけでありまして、まさにますます増加する、ふえていきます高齢者の療養の場として、療養病床というのは大変重要な受け皿になるわけであります。
 そういう中で、国は、二年前の平成十八年十月に、この介護保険施設や在宅へということで、移行を促進するために介護療養病床十万床を廃止する、または医療療養病床二十五万床を十五万床まで削減するということをしておりましたけれども、ことしの夏に、各都道府県の医療費適正化計画、これを、目標を積み上げていくと二十二万床になるという見通しを示したわけであります。二十二万床ということでも、これは減るわけであります。まさに、そもそも国が全国一律に掲げたこういった目標が、実態から見ると余りにも無理があるんではなかろうかな。今後さらにその受け皿が必要になるにもかかわらず、こういった実態とかけ離れた計画というのはおかしいと私は思うわけであります。
 そういう中で、東京都は、現在二万一千床を二万八千床に目標を掲げたわけであります。ぜひ頑張っていただきたいわけでありますけれども、東京都は、ご案内のとおり、高齢者の人口も一番多いわけであります。まずこの都内の療養病床、どういう現状なのか、お伺いいたします。

○吉井医療政策部長 都内の療養病床に関してでございますけれども、厚生労働省の平成十八年医療施設調査によりますと、人口十万人当たりで都内の療養病床数は百六十四・一床ということで、全国四十四位の水準でございます。
 また、厚生労働省が平成十七年でございますけれども、患者調査を実施したところによりますと、都外の療養病床に入院している都民というのは、約五千二百人になるというふうに推計をされてございます。

○長橋委員 都内の療養病床が絶対的な不足をしているということであります。また、今お話があったとおり、都外の療養病床に入院している方も、約五千名を超える方が都外で入院されているということであります。
 もし、この療養病床の医療費適正化計画、各県がこれを実施していけば、今まで都外でも入院ができたのが、これも厳しくなるという状況になるわけでありまして、そういったことを考えると、この療養病床の確保は大変大きな重要な課題であると思います。
 そういった意味で、二万八千床まで療養病床をふやしていくということでありますけれども、その意義、また今お話をいただいた現状から見るとどのように改善していくのか、ご説明をお願いします。

○吉井医療政策部長 療養病床は、急性期を脱した後も医学的管理が必要な患者にとりまして、医療を提供するという意味で重要な役割を持つものでございます。
 あわせまして、住みなれた地域で生活する高齢者の急変時のセーフティーネットとしての機能も大変重要であると考えております。
 平成三十七年の、先ほどございましたように、都民の四人に一人が六十五歳以上の高齢者になると予測されているわけでございまして、急速な高齢化の進展が見込まれる中、療養病床の必要性は今後さらに増すことが予想されているところでございます。
 このような東京の地域特性、こうしたことに的確に対応して、都民が安心できる療養の場を確保するため、平成二十四年度末におきまして、療養病床数としての目標値、二万八千七十七床を設定したものでございます。

○長橋委員 目標二万八千という、かなり高いハードルであろうかと思います。私自身、この現状二万一千というのは、実態から即すると足らないということでありますから、二万八千まで引き上げていく、それぞれハードルは高いかと思うわけでありますけれども、頑張っていただきたいと思うわけであります。
 私自身も地域を歩いていますと、こういったご相談は多いわけで、どこかに入りたいと、また、そういったところがなかなか見つからないという声は、日に日に聞くわけであります。また、二万八千という数字が、これは本当にこういったことが達成したことによってどうなのかということも、私は、ちょっとまだ、これから研究をしていきたいなと思うわけであります。
 まさにこういった療養病床の確保については、地域の実態に合わせてやらなければいけないと思いますし、さらには、高齢社会を迎えるわけでありますから、利用者の実態を踏まえたものでなければならないと思うわけであります。
 そうした意味で考えますと、この医療療養病床、急性期から療養病床に、またリハビリと移っていく中にあって、トータルな制度が必要だと思うわけでありますけれども、先ほど申し上げました、国がこの夏に示しました療養病床再編の考え方は、どのように考え方を示しているのかご説明をいただきたいと思います。

○吉井医療政策部長 国は、療養病床再編成につきまして、病床の削減ではなく医療と介護の役割分担の見直しである、それぞれ適切な施設等への転換を図るものであるとしております。
 十八年十月現在の医療療養病床二十三万床と介護療養病床十二万床の計三十五万床につきましては、平成二十四年度末においても、医療療養病床と介護療養型老人保健施設など介護施設の合計で、引き続き三十五万床、医療と介護トータルの受け皿として三十五万床を確保するものとしております。

○長橋委員 今ご説明がありました。当初の計画から大幅に、各都道府県の意見も聞き、実態に合わせて三十五万床を引き続き維持していくという答弁であったと思います。
 何といいますか、医療の必要性が高い人と、それから低い人と、当然あるわけで、患者さんに会ってみれば、それぞれ個々の対応は違うわけであります。住宅事情もあるでしょうし。そういったものが現在は混在しているという状況もあろうかと思いますし、また介護と医療というのは、常に裏腹でありますから、そういった医療の必要度に応じて、低い人から高い人にわたって、必要に応じた制度というのをつくっていかなければならないと思うわけであります。
 そういう中で、東京都が二万八千床の目標の達成に当たっては、二万一千から二万八千にふやすわけでありますから、今ある医療機関が、今度は医療療養病床に転換をしていく、またニーズに合わせて転換を選択していく、こういったことを東京都が支援していかなければ、この目標は達成できないわけであります。この二万八千に対する達成に向けての取り組みについて、お伺いいたします。

○吉井医療政策部長 療養病床を確保していくため、今年度、東京都は独自に、療養病床の新築や、一般病床から療養病床へ移行する際の改修や改築に要する経費に対しまして、整備費補助制度を創設し、医療機関の支援を開始したところでございます。
 今年度に入りまして、都内の医療機関に対しまして補助制度の概要説明を行ったところ、都が療養病床増床の目標値を設定し、さらに具体的な推進策を提示したことに対しまして、療養病床への転換を検討している病院はもとより、急性期医療を脱した患者を療養病床へ円滑に引き継ぐ必要のある救急医療機関からも、実態を踏まえたものである旨の評価の声をいただいたところでございます。
 また、整備費補助に加えまして、国に対しましては、医療療養病床の安定的な確保と診療報酬の評価の充実を図るよう、提案要求を行ったところでございます。
 今後とも、医療機関の声や国の動向等を踏まえまして、目標達成に向けて取り組んでまいります。

○長橋委員 今、国に対しても提案要求を行ってきていると。整備費補助という制度、これをきちっと医療機関が使いやすいように、またその説明をしっかりとしてもらいたいと思うわけであります。なかなかこの整備費補助というのは、福祉の関係だけでなくても、きちっと説明をしないとなかなか進まないというのが今まであったかと思いますので、ぜひお願いしたいと思います。
 そういう中で、なおかつこのハードルが高くなっていることがあるわけでありまして、国がこの春、診療報酬の改定を行いまして、療養病床の入院基本料を見直した、見直したというよりは、すべての医療区分で入院基本料を下げたわけであります。療養病床の運営は、現在のところもますます厳しくなるわけでありまして、そうした中で、この請願の中には、都の目標は実現が不可能だというぐらいに書かれているわけでありまして、それであってはならないわけでありまして、この東京都の取り組み、単なる目標ではなくて、この制度をきちっと広く声をかけていただきたいと思うわけであります。
 そういう中で、この運営費補助をすべきだということについては、これは国民皆保険の中にあって、東京都だけがそういうことを導入すれば、それは崩れるわけでありまして、やはり苦しいから補助を出すというんでは、これはいつまでたってもその補助が足らないという話になったり、いろいろなるかと思います。
 また、ある面でいえば、それよりも円滑に患者中心の利用が図られるように、先ほど申し上げましたけれども、医療の程度が低い方についてどう進めていくのか、高い方については安心してというようなことを明確にきちっと進めていくことによって、かなり改善できるんじゃないかというようなこともあるわけであります。
 ぜひ、この診療報酬の問題については、これは大きな課題でありまして、私も地元へ行ってよく聞くわけでありますけれども、その診療報酬の充実については、国にしっかりと申し入れをしていただきたい、提案要求していただきたいと思うわけであります。
 そういう中で、医療と介護の役割ということをいってまいりましたけれども、都としてやることは、療養病床が急性期病院から円滑な患者の受け入れをしていく、円滑な患者の受け入れをすることによって経営の安定を図っていく、こういった仕組みづくりが必要であろうかと思いますけれども、いかがでしょうか。

○吉井医療政策部長 療養病床が、急性期の病院からの円滑な患者の受け入れでございますとか、在宅療養をしている患者さんの急変時の受け入れ、さらには、その病状が安定しておりますけれども、維持期の患者に対しますリハビリテーションの取り組みなど、有する機能を十分に発揮いたしまして、地域の医療ニーズに幅広くこたえるとともに、経営の安定化を図ることができるような医療体制の整備を進めていきたいというふうに考えております。
 また、あわせまして、そのような取り組みとともに、高齢者が住みなれた地域で安心して暮らし続けられるよう、地域ケア体制、こうしたものの構築も推進してまいります。

○長橋委員 どうしても療養病床を利用する方は高齢者の方々であります。まさに、長年住みなれた地域から遠くへ行かなければならないというのは、気持ちの部分でも精神的にダメージを受けるわけでありまして、ぜひ地域で引き続きこの医療が受けられる、介護が受けられる、そういう体制を進めていくことが大事であろうかと思います。
 そういった意味では、この二万八千という目標に対して、さまざま乗り越えなければいけないハードルはあろうかと思うわけでありますけれども、先ほど一番初めにお伺いしました現状と、そして今後の高齢者の推移を考えると、本当に、この療養病床の確保はどのようになっていくのかというのが、現状、高齢者の方々が一番ご心配をされているんではなかろうかと思うわけであります。
 私自身も、将来どうなるのかということはわかりませんけれども、体のぐあいが悪くなった、また介護が必要になったというときに、まさに安心して、その仕組みがしっかりできているかどうかということが大事であろうかと思います。
 ご案内のとおり、東京都がそういった全国に模範を示していく、また全国から、この患者中心の医療の実現に向けて、東京都が先駆的にその取り組みをやっていただきたいと思うわけでありますが、東京都が患者中心の医療を実現するに当たって目指す目標、目指す姿、これについてご説明をいただきたいと思います。

○吉井医療政策部長 本年三月に策定いたしました東京都保健医療計画におきまして、都民がその状態に応じて速やかに適切な医療を受けられるよう、急性期から回復期、維持期、在宅療養と、切れ目のない医療体制を構築していくことを明示してございます。
 そこで、急性期を脱した後の医療提供体制につきましても、療養病床の確保はもちろんのこと、回復期リハビリテーションの充実、在宅医療の推進などによりまして、都民が安心して選択できるよう、多様な療養の場を提供してまいりたいと考えております。

○かち委員 私からも、二〇第一〇号、療養病床を持つ医療機関への運営補助等に関する請願について、何点かお聞きします。
 国の社会保障費を毎年二千二百億円削減計画のもとで、療養病床削減計画が二〇〇六年に打ち出されました。二〇一一年度末までに介護型療養病床を全廃、医療型療養病床を十五万床に減らすというものです。三十八万床の療養病床を二十三万床も減らすという計画です。
 その理由として、社会的入院を減らし、医療費のむだを削るというものです。そのために、サンプル調査で、療養病床入院中の患者さんを、医療の必要度の低い人を区分一とし、必要度が高い区分三までの三段階に分類し、区分一の人は診療報酬も引き下げて、入院よりも介護施設等に誘導するというものです。
 実際には、医療の必要性が低いと判定された人でも、例えばインシュリン注射の必要があったり、胃ろうによる経管栄養の患者さんであったり、褥瘡措置の必要な人であったり、医療的ケアの必要な患者さんが医療型から締め出され、しかし介護施設では医療行為に制限があり、なかなか受け入れてもらえないということで、現場では大混乱が生じているのが実態です。
 「中央公論」二〇〇八年三月号に、元財務官僚出身の評論家の村上正泰氏が寄稿していますけれども、厚生労働省での療養病床二十三万床削減の舞台裏と称して、いかに現実を無視した削減先にありきのつじつま合わせであったかということを、自身がその計画づくりに携わった者の一人として述懐しています。
 このような実態に合わない削減計画は見直すべきだという立場から、何点かお聞きします。
 まず、都は、医療型の療養病床に係る診療報酬の評価の充実について、国に提案要求をされているとのことですが、その中身はどのようなものでしょうか。

○吉井医療政策部長 国に提案しておりますその内容でございますが、高齢者医療の実態を十分に把握し検証した上で、高齢者が状態に応じて適切な医療を受けられるよう、医療療養病床に係る診療報酬の評価の充実を図ることというものでございます。

○かち委員 都としても、高齢者の実態を把握し検証した上で診療報酬の評価充実を求めるというわけです。しかし、現実は、診療報酬が二度にわたって引き下げられ、医療型療養病床の運営は厳しさを余儀なくされています。
 東京における療養病床の実態は、二〇〇六年の十月に二万一千三十三床だった療養病床ですけれども、直近のベッド数はどのようになっているでしょうか。医療型と介護型の状態についても伺います。

○吉井医療政策部長 平成二十年四月一日現在の療養病床数でございますけれども、トータルで二万一千百四十七床、その内訳でございますが、医療療養病床が一万三千六百七床、介護療養病床が七千五百四十床となっております。

○かち委員 お答えいただきましたように、療養病床全体ではわずかですけれども、百十四床増ということで、二万一千百四十七床。東京都としては十万人対比の療養病床数は、先ほどありましたけれども、全国の実態に照らしても、全国四十四位という、大変少ない、不足している状態があるわけです。こうした状況から、都としては、医療型療養ベッドを減らすのではなく、二〇一二年までに七千床ふやし二万八千床にするという計画です。
 現在、一万三千床余りの医療型療養ベッドを二万八千床にするには、今の介護療養ベッドをすべて医療型に転換してさらに七千床を一般病床などから転換しなければ、目標は達成できません。都としては、どのような手だてを考えているのでしょうか。

○吉井医療政策部長 先ほども長橋委員にご答弁申し上げましたけれども、療養病床につきましては、平成二十年四月一日現在、二万一千百四十七床でございますが、さまざまな疾病を抱える高齢者などが急性期の治療を脱した後でも、引き続き適切な医学的管理を受けながら療養できる体制の整備が重要であると考えております。
 こうしたことに基づきまして、都におきましては、今後、急速な高齢化の進展が見込まれている中、全国的に見ても人口に比べて療養病床数が少ないことも加味し、必要な療養病床について、約二万八千床を目標としたものでございます。
 療養病床を確保していくため、一般病床から療養病床への移行等に要する経費に対しまして、今年度から都独自の整備費補助制度を創設いたしまして、医療機関の支援に努めてまいります。

○かち委員 一般病床からの転換のために整備費補助制度をことしから創設したということですけれども、病院としてみれば、療養病床をつくるためには、ベッド間隔をあけなければならない、一定の平米数をとらなければいけないということであり、ベッド全体としては減るわけです。その後の療養病床の診療報酬の低さからすれば、収支上、そこに積極的に転換しようというインセンティブはなかなか働かないのではないかと思います。
 現段階における意向調査を見ても、介護型の療養病床を医療型に転換する意向は、いまだ三分の一ということであり、計画達成の見通しはほど遠いのではないでしょうか。
 厚労省の考え方で、これからは、安定した人は介護保健施設などへの移行を推進していくというようなことがいわれましたけれども、今の実態としてみれば、当然、医療的ケアの必要な方が医療型療養にはいられなくなって、介護施設に行きたい、特養にはなかなか入れない、そういう意味で、老健施設などにどんどん入ってきているわけですね。本来なら在宅と病院の間を結ぶ中間点ということで、在宅への準備ということで当初はつくられたものですけれども、この老健施設、今は両方のはざまの受け皿のような状況になって、実態的にはもう、医療そのものの状況が展開されているわけです。
 ところが、老健施設は、大変配置基準も低い、介護型療養よりも特に看護師の配置基準は低いですね。介護型の場合は看護師が十七ですけれども、老健の場合は十人でいいということで、こういうことからすれば、とても現場でこれらの患者さん、利用者さんを支え切れないというのが今の実態ではないかと思うんです。
 介護療養病床は、二〇一一年度末に向けて廃止していくわけですけれども、介護療養病床を利用していた利用者が、そのまま在宅に移行できる状況はないわけで、これらの利用者が医療型療養病床に移行すると、医療機関にはどのような影響が出るでしょうか。

○狩野高齢社会対策部長 介護療養病床を利用していた利用者が医療療養病床に移行した場合の医療機関にとっての影響についてですが、介護療養病床を利用している一人一人の状態が異なるため、単純に比較することはできませんが、介護療養病床を利用している方は、医療の必要性を示す指標である医療区分でいいますと、医療の必要性の低い医療区分一または医療区分二に該当する方が多く、介護の必要性を示す指標である要介護度でいいますと、要介護度の高い四または五の人が多くなっております。
 こうした前提で比較しますと、介護療養病床の介護報酬は、従来型個室でいいますと、要介護度四の方が千百二十単位、五の方が千二百十一単位であるのに対して、医療療養病床の診療報酬は、医療区分一が最高で八百八十五点、医療区分二は最高で千三百二十点であることから、仮に介護療養病床の利用者がそのまま医療療養病床に移行いたしますと、医療機関の収入は低くなる場合もありますし、高くなる場合もあります。
 いずれにせよ、介護療養病床から医療療養病床あるいは介護療養型の老人保健施設への転換につきましては、それぞれの医療機関がみずからの経営判断により適切に対応するものと認識しております。

○かち委員 医療型と療養型との患者区分だとか介護度だとかということで、いろいろと複雑な考え方に基づいているので、きちんと比較できるものはないということではありましたけれども、単純にいっても、要介護度の、医療区分一というのは医療的ケアの少ない人だということでしたけれども、その方々を介護の方から受け入れたら八百八十五点ということで、千百二十点、当初からは随分下がるわけですよね。そういうことを見ますと、なかなか、医療病床がふえても、その運営そのものが大変になるという状況があると思います。
 今現在、医療型は大変だといっている状況の中で、介護型の療養病床が総体として比較的安定しているという状況から見ても、医療型が大変だということがいえると思うんです。介護型から医療型への転換がスムーズにいかなかったり、一般病床から医療型療養への転換も、たとえ整備費補助があったとしても、その後の診療報酬単価に照らしてみると、積極的な転換意向を引き出すことはできないと思われます。
 このまま推移するなら、都の療養病床の確保計画も、計画倒れになりかねません。都として、国に療養病床の報酬単価の引き上げを含めた提案をしている立場に立つなら、実現するまでの間、都として医療型療養病床の運営費補助を考えるべきだと思いますけれど、いかがでしょうか。

○吉井医療政策部長 東京都は、先ほども申し上げましたが、医療療養病床に係る診療報酬の評価の充実につきまして、既に今年度、国に対して提案要求を行っているところでございます。
 加えまして、診療報酬にかわる運営費の補助を行うのではなく、療養病床が急性期病院からの円滑な患者の受け入れや在宅療養している患者の急変時の受け入れ、さらには維持期の患者に対するリハビリテーションの取り組みなど、都民の療養生活を支えるさまざまな機能を十分発揮できる、そうした医療体制を構築していくことが都の役割であると考えております。
 したがいまして、医療療養病床に対する運営費補助を行う考えはございません。

○かち委員 考えはございませんとおっしゃられましたけれども、実際にその計画をどうやって二万八千床を確保していくかということにも、東京都は責任のある立場だと思いますので、そこを、具体的に実現するための手だてとしては、ぜひ考える必要があるんじゃないかと思います。
 今の医療区分では、実態に合わない。結局多くの病院では、療養病床に室料差額で補てんしているのが実態です。私の知人の親御さんが入院している医療型療養病床では、月に三十二万円かかると聞きました。いつまで続けられるかと不安の声を上げています。ケースワーカーなどに聞きますと、これはもう当たり前というか、常態化していると。高いところはもっと、三十数万円かかるところもあるということでした。
 請願者の文中にもありましたけれども、「医事業務」という雑誌の昨年九月号で紹介されていますけれども、産労総合研究所の調査結果では、一人部屋で全国平均では六千百四十一円に対し、東京では一万六千八百二十六円と、二・七倍になっています。四人部屋では全国平均で二千三百七円に対して、東京では五千二百五十円と、二・三倍の開きがあります。とりわけ東京では、低所得の高齢者にとって重い負担となり、入院すら困難な状況も生まれているわけです。
 都としては、都内の療養病床のこうした運用実態を把握しているのでしょうか。

○吉井医療政策部長 個々の医療機関の経営実態を把握しているわけではございません。先ほど答弁がありましたように、医療区分が低く、要介護度が高い方が利用した場合、介護報酬が低くなる場合もあると、こうしたようなことについては承知してございます。

○かち委員 もう少し現実をつぶさに調査するなり、見きわめていただきたいんですよ。そういう中から手だてというのは出てくるんじゃないかというふうに思います。
 国は、療養病床を十五万床まで減らす計画を立てたものの、実際には、先ほどもありましたけれども、医療費適正化の積み上げによると、二十二万床ぐらいになるという状況にもなってきており、見直しの動きも出ています。改めて、実態と将来需要を見きわめて、この計画は診療報酬体系も含めて検討し直すべきだと思います。
 都は、都民に必要なベッドを確保するという立場から、国に意見を上げていくべきだと思いますけれども、どうでしょうか。

○吉井医療政策部長 東京都は、国に提案ということで既に、急速な高齢化の進展を踏まえ、急性期を脱した後も医学的管理を求められる患者への対応など、高齢者にとって安心な医療提供体制の実現のために必要な医療療養病床を確保することという提案を行っているところでございます。

○かち委員 いろいろお聞きしてきましたけれども、実態を無視した療養病床の削減計画に対し、都としても、高齢者にとって安心な医療提供体制の実現のために必要な医療療養病床を確保することを国に提案していることや、診療報酬体系についても医療型療養病床の診療報酬の評価の充実を求める提案をしていることからしても、本請願の願意は酌み取ることができるものと考えます。
 高齢者に必要な医療を安心して受けられる体制を実現するためにも、本請願の趣旨を採択されることを強く求めて、質問を終わります。

○野上委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○野上委員長 起立少数と認めます。よって、請願二〇第一〇号は不採択と決定いたしました。
 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
   午後二時四十五分休憩

   午後二時五十八分開議

○野上委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 審査を続行いたします。
 請願二〇第一二号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○松浦障害者施策推進部長 お手元にお配りしてございます請願・陳情審査説明表に従いまして、ご説明させていただきます。
 整理番号3、二〇第一二号、障害のある学齢児の放課後活動に関する請願でございますが、江東区の障害児放課後グループ連絡会・東京会長村岡真治さん外三万一千三百十六人から提出されたものでございます。
 請願の趣旨でございますが、都において、次のことを実現していただきたいというものでございます。
 内容につきまして順にご説明いたします。
 まず、第一項でございますが、小学生から高校生までの障害のある学齢児の放課後や学校休業日の活動を支援する国の制度が、東京都の心身障害者児通所訓練等事業と同水準の制度として確立するように国に働きかけることというものでございます。
 次に、第二項でございますが、第一項のような国の制度が確立しない間は、東京都の心身障害者児通所訓練等事業を存続することというものでございます。
 現在の状況について、まず第一項でございますが、心身障害者児通所訓練等事業は区市町村が実施する事業であり、在宅の心身障害者児に対する創作活動及び機能訓練、または学齢児童を主たる対象とした集団活動及び訓練を行うことにより、心身障害者児の自立を促進することを目的に、都がその運営費の一部を補助してきたものでございます。
 しかし、本事業のうち学齢期の障害児の放課後活動を支援する事業につきましては、現行の障害者自立支援法に定める新体系事業に適当な移行先がございません。
 このため、都は、平成二十年六月、学齢期の障害児童の放課後や長期休業期間の日中活動を支える事業として、運営に必要十分な報酬単価を設定した上で、新たな類型の児童デイサービスまたは新規の訓練等給付事業を障害者自立支援法に位置づけるよう、国に提案要求しております。
 次に、第二項でございますが、障害者自立支援法の施行に伴い、都は、心身障害者児通所訓練等事業などの法定外事業については、障害者自立支援法に基づく新体系事業に移行し、法内事業に位置づけることで、国から必要な財政支援が行われ、経営の安定を図ることができると考えております。
 そのため、法定外事業が法定の新体系事業へ円滑に移行できるよう、施設設備整備の特別助成、法内化促進支援事業及び新体系移行支援事業など、都として多様な支援策を講じております。
 また、都は、心身障害者児通所訓練等事業を平成十九年四月から障害者施策推進区市町村包括補助事業の一般事業に位置づけまして、新体系事業に移行するまでの間、引き続き区市町村に対して、従前の運営水準を維持するための補助を行っております。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○野上委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○野島委員 ことしは天候不順で、私も夏ばてをいたしまして、いつも回らない頭が余計回らなくなっておりますから、明確な質疑ができるか、あるいは答弁の側も困る部分もあると思います。あらかじめご了承いただきたいと思っております。
 実は、本件にかかわるといいましょうか、関連するといいましょうかね、そういう部分では、たしか十八年九月十五日に、本委員会で今回の請願書と同様の皆さんからの請願が出されまして、趣旨採択がされたというふうに承知をいたしております。
 加えて、去年の十一月二十九日には、陳情という形で、これは別の団体から出され、結果、継続になっているということでございます、私が調べた範囲だと。私も、実はそこで何回か質疑をいたしておりますのでね。したがって、その問題であるとか課題であるとか、そういったようなことについて事細かく聞くことは、時間の制約もありますので、いたさないことにします。
 そういう中で浮かび上がってきたのが、この事業については、ひとつ自立支援法の法内事業としてきちんと位置づけていくことが必要であると、こういうこと。また一方で、個別の事業者さんの皆さんも新体系への移行に向けての努力も必要であると。そうしませんと、たとえ受け皿ができても新体系に移行できないことになってしまうのではないかと。その方向に向けて、都の指導が極めて重要だと、こんな二つの論点に整理されているのかなというふうに思います。それは今、ご説明いただいたのとほぼ同じ認識だろうというふうに私は思っているんです。
 そこで、都は、この障害のある学齢期の放課後児童について国に提案要求をしておりますということでございますので、また、国は、ことしの三月、障害児支援の見直しに関する検討会を設置いたしておりまして、十一回の審議を経て、去る七月二十二日に報告書が出されているというふうに、私もこの報告書を手元に取り寄せてみました。
 そこで、改めて国にどのような提案要求をしているのか、また、この国の検討会の報告書の中で、障害者の放課後事業についてどのように示されているのか、こんなところを冒頭お伺いしておきたいと思います。

○松浦障害者施策推進部長 まず、本年六月に行いました東京都からの国への提案要求の内容でございますけれども、小中学校の学齢期の障害児童の放課後や長期休業期間の日中活動を支える事業として、運営に必要十分な報酬単価を設定した上で、新たな類型の児童デイサービス、または新規の訓練等給付事業を障害者自立支援法に位置づけることについて提案要求しているところでございます。また、あわせまして、八都県市首脳会議や大都市民生主管局長会議などでも同様な要望をしてございます。
 次に、本年七月に発表されました国の障害児支援の見直しに関する検討会の報告書でございますが、その内容を申し上げますと、学齢期における障害児の支援策として行われている日中一時支援事業や経過的な児童デイサービス事業につきましては、放課後や夏休み等における居場所の確保が求められていること、また、中学時や高校時に活用できる一般施策がほとんどないことを踏まえれば、充実を図っていくことが必要と考えられる。このため、これらの事業については見直しを行い、単なる居場所としてだけではなく、子どもの発達や指導など療育的な事業を実施するものについては、放課後のデイサービスとして、新たな枠組みで事業を実施していくことを検討していくべきであるというふうに示されております。

○野島委員 自立支援法のいろんな見直しの関係は、国の社会保障制度審議会の中で議論されているやにも伺っております。この検討会報告、都においては、八都県市や大都市民生主管局長会議などでも同様の提案要求をしているし、極めてわだちが一つになって国に働きかけていただいているものというふうに高く評価をいたしたいと思います。
 こういったふうな都の動きが、この課題を東京都のみならず八都県市首脳の共通の課題として、あるいは大都市民生主管局長会議などでの働きかけ、こういったようなことによって、いわば国全体の課題として取り組む方向をつくっていただいた、このことは、私は大きな前進だろうというふうに思っておりますので、ぜひ、そこにまたアクセルを踏みながらいっていただきたいというふうに思っております。
 こういったふうな障害児の放課後事業の継続、さらなる発展のための進歩に位置づける、こういう努力をしてきたわけでありますけれども、ぜひ、学齢期の障害児の日中活動を支える事業は、子どもの発達、成長を考慮すると今後ますます必要であろうし、自立支援法に基づく事業にきちんと位置づけられて安定的な運営が図られるよう、今後とも、都からも、あるいは課題を共有する自治体、スクラムを組んで積極的に働きかけていただきたい。
 私どもも、自民党として、政党という立場から、積極的な政治的な働きかけもしていきたいというふうに思っております。
 ところで、今後、国が検討会報告も受けて放課後活動の新たな事業に位置づける、こういうことについて検討することも我々も期待し、アクセルを踏み、見守っていく必要があるわけでありますけれども、国の制度の確立には、私はまだまだ時間がかかるのではないかと予測をしています。
 例えば、やっていく場合に、当然、国、自治体、それは広域自治体としての都道府県、市町村の負担もありますから、こういったふうな課題もあります。それから、こういう課題が、全国的な需要の中でオールジャパンとして制度化するというふうな重要度が果たしてあるのだろうかというふうなところも恐らくあると思うんですね。
 それと、やっぱり国という立場になりますと、そういうところになりますから、例えば認証保育所制度にしても、あれだけいってきたんですけれども、ようやく検討の課題に上がったのが、例の法人事業税の国への吸い上げ、分割、その十三項目の中の一つにようやく入った。新聞報道でかいま見る、あるいはかいま聞く範囲では、明確に法の中に位置づけるということになり得るのか、あるいは、大都市特有の保育所需要に合わせて、延長保育とかそういう部分に国の財政出動をしますというふうになるのか、いろいろ議論されているわけであります。
 私は、この課題も、なかなか一朝一夕に、わかりました、法内です、財源担保もします、都道府県も市町村もすべて了解しましたというわけには、なかなかならぬだろうというふうなところが、正直、私の推測なんですよ。ぜひ外れてほしいとは思うんですよ。だけど私はそんな推測を持っているんです。
 ところで、都は、心身障害者児通所訓練等事業については、昨年の四月から障害者施策推進区市町村包括補助事業の一般事業に位置づけて、従前の運営水準を維持するための補助を行っていると承知していますし、そのことは、実は、十九年の十一月二十九日の私の質疑に対してもご答弁をいただいておるわけでありますが、根幹のところでありますので、改めて、当分の間、引き続き放課後活動について、都が心身障害者児通所訓練等事業として支援すべきと考えておるところでありますが、見解をお伺いしたいと思います。

○松浦障害者施策推進部長 心身障害者児通所訓練等事業などの法外事業についてでございますけれども、都におきましては、野島理事ご指摘のとおり、障害者自立支援法に基づく新体系に移行し、法内事業に位置づけることにより、国から必要な財政支援が得られ、経営の安定化が図られるとともに、法人としての事業の透明性や公益性が強く求められることから、利用者支援のより一層の充実が期待できるというふうに考えております。
 ただ、直ちに法内事業に移行することが困難な心身障害者児通所訓練等事業につきましては、平成十九年四月から、区市町村がそれぞれの地域の実情に応じて主体的に福祉サービスの充実に取り組むことを支援いたします障害者施策推進区市町村包括補助事業を実施しておりますけれども、この補助事業の一般事業に位置づけまして、新体系に移行するまでの間、従前の運営水準を維持できるよう、区市町村に対して補助を行っているところでございます。

○野島委員 そういうことで、法内化に向けた支援及び新体系移行までの間の包括補助の一般事業による支援を継続していただいているということでありますので、国の動向をよく注視し、さらに強力な働きかけを要望しておきたいと思います。
 実は、この請願の質疑に当たって、この請願の願意、こういったふうなものを私なりにいろいろ理解をいたしました。今ほど申し上げました二回の請願陳情、この議論を踏まえてこういう請願があるというふうに私は受けとめているんですよ。
 実は、私自身も、一月二十七日に、こういう関係の方々の団体が主催する意見交換会に出席をいたしました。そのときは、かち副委員長さんもいらしたんですよね。西崎委員もいらしたのかな。いろいろ意見交換をいたしました。私どもの自民党の立場というのは、そこで明確に申し上げてきた、こういうことでございます。
 そうしますと、これは採択でいいのではないかというふうに、この表面づらを見ますと、私もそういうふうに思うんです。思うんですが、利用者にとりますと、そういうことで動いていればいいじゃないか、こういうことであろうと思うんですが、実は、制度というのは、そう簡単にいかないというところがあるんですね。
 形は今までであっても、仮にですよ、これは基本的に、東京都が補助金を出して区市町村事業ですよとなっているんですよね。自立支援法の趣旨だって区市町村事業というところになっているわけですから。そうしますと、じゃ、今後続けていくときに、今、東京都は三分の二の高率補助を出しているわけですよね。高率補助そのものが、この施策もさることながら、都の施策として、都の財政負担として、市町村事業なのに三分の二をずっと出し続けられるのか、そういうところもあるわけですね。そうしますと、今度は、区市町村の方は、いや、そうはいったって、厳しい財政事情の中で、負担をふやしたら我々は受け入れられませんというケースも出てくるわけですよね。実は、その辺が悩ましいところなんですよね。
 あるいは、先ほど申し上げましたが、事業の安定化のためには、例えば法人化の問題、それから事業の規模を含む内容の問題、こういったふうなものについても検討しなければいけないということになるわけでございまして、一つの課題を解決するのに、なるほど、大変だからわかったよという判断をしろ、あるいは、その判断が、私ども自民党あるいは私自身の判断の基準であれば、私は採択でいいというふうに思っているんです。
 ところが、実は、一つの皆さんの請願にあらわれた願いや思いや希望を実現していく、請願にあらわれたものにイエス、ノーをいうのは、これは政治的判断です。しかし、現実にそれを受けて執行していくというのは、行政の仕組みをつくらなきゃいけないわけですよね。その行政の仕組みをつくっていかなきゃいけないという作業をやっていかなきゃいけない、そのことがあって初めて皆さんの要望というのは具現化するわけですよ。あるいは、請願が具現化するという形になっていくわけでありますから、私は、こういう課題は引き続き受けとめていかなきゃいけない、変な言葉でいうと、引きずっていかなきゃいけない、そういう部分があるんですね。
 したがって、今から採決に当たっての私の希望なんか述べちゃうと、ほかの人に失礼に当たりますけれども、そんなことも含めて、私どもはぜひ趣旨採択という、こんなことを実は私も希望しているんです。
 実は、その後、九月六日には、障害者自立支援法の抜本的見直しを求める東京大集会ということが開催をされまして、私も参加いたしました。この中では吉田委員がご一緒させていただきまして、拍手は吉田委員の方が多かったようでありますけれども。私は、そういう立場に立っていうべきことをいい過ぎたのかなというところがありますから、いささか失敗したなという感はありますが。失敗したんじゃないですね、いささかという感がありますけれども。
 この中でも関係者の意見発表というふうな部分がありまして、全部は読みませんが、ここにこういうふうに書いてあるんですね。学齢期、成人期を通じた現在の通所訓練事業に相当するようなサービスの存続が望まれるところです。さっきの検討会は、新たな部分の事業としてやっていく必要があるというふうなこともありましたけれども、こういうところもあるんですね。あるいはまた、具体的には触れておりませんけれども、これ厚いですから、僕、全部見ていなくて申しわけないんだけれども、東京都障害者施策推進協議会提言というのが取りまとめられました。
 こういったふうなことを総合的に勘案しながら、私たちは、政治判断としてどうしていくかという部分と、やっぱり行政施策として、先ほども申し上げましたように、国があり、都があり、市町村があり、そして、現実に事業を転がしている皆さんがあるわけです。
 こういったふうな皆さんのさまざまな、それぞれに、ある段階ではバッティングすることもあるわけですね。市町村は恐らく、引き続きやってくれ、東京都三分の二、これは当たり前の主張をしてきますよ。しかし、仮に衣がえしてやらざるを得なくなったときに、市町村が、わかりました、補助率を東京都が下げた分は私たちが持ちましょうというというふうに思いますか。僕は、財政事情の中で大変厳しい運営をしている市町村は、それはなかなか二つ返事というわけにはいかぬというふうに思うんですね。
 それから、現に事業をしている皆さんだって、追われている、法人化に移行するといったって、それは事業の継続性のために、任意じゃなくて法人化にした方がよっぽどいいわけですよ。社会福祉法人じゃなくてもいいんですね。法人化することによって、そこが事業をやっていることによって、それは社会の公器になるわけですね。任意団体だから社会の公器じゃないなんていわないですよ。社会の公器性をより高めるという法人化に努力もしていかなきゃいけないけれども、果たしてそれを可能にする、団体に力があるのかとなったときに、そうじゃなくて、今までどおりやってくださいという願い、思いも出てくる。しかし、公費を入れる以上は社会の公器としての役割を高めてくださいよ、その第一歩が法人化ですよというふうな考えも、行政当局は僕は持つと思うんですよ、当然のこととして。
 そんなことをしていきますと、私たちとしては、こういったふうないろんな各立場、行政、あるいは国、広域自治体としての都、それから基礎自治体としての市町村、そして現にこの事業にかかわる皆さんの願いや思い、それと現実とのギャップ、こういったふうなものをしっかり調整していかなければ形にあらわれないと思うんですね。
 そういう意味では、請願を出された方には大変不満かもしれませんし、いろいろあろうと思いますが、私ども自民党はといいましょうか、都議会自民党厚生委員はといいましょうか、私、野島個人はといいましょうか、わかりませんが、具体的に進められることについて、イエス、ノーは簡単なんです。ただ、今いったような制度設計で、かつ、これだけいろんな関係者があり、財源の問題がありということを、はい、わかりました、そのままですというのは、逆にむしろ無責任になっちゃう。
 したがって、今の課題をしっかりと受けとめていく、責任ある立場でと、こういうことで、ぜひ皆さん、趣旨採択にご賛同いただけますよう、質疑ではなくなっちゃいましたけれども、皆さんにお願いして、私の質疑を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。

○かち委員 私も、二〇第一二号、障害のある学齢児の放課後活動に関する請願について質疑をしようと思ったんですけれども、大変包括的な、課題も含めた質疑が今ございましたので、ちょっと意見にしようかなというふうに思っていますが、障害を持つ子どもたちの放課後活動の保障という問題について、これまでにも何回か当委員会でも私も質疑してきましたけれども、今回は、この請願は、この表にもありますように、超党派の議員が二十八名紹介議員となっているという点からしても、この趣旨は議会の意思を反映しているのではないかなというふうに思います。
 この制度は、二〇〇六年に障害者自立支援法が施行された中で、現在行われている小中高校生の障害児学童クラブのような施策は、今ある新制度にはなじまない、児童デイサービスでも日中一時支援事業でも当てはまらず、このまま見直しされなければ、その存続自体も危ぶまれるという状況にさらされています。
 こうした中で、都はこれまで、障害のある児童の放課後活動の必要性を認識して、自立支援法施行後もその支援策を続けてきているところであります。現在、心身障害者児通所訓練等事業としては六十、地域デイグループとして八十七、計百四十七グループが実施しているとのことです。補助額については、十八年度、両者合わせて予算額は十億円となっていますが、十九年度から包括補助事業に組み入れられているのが今日までの状況です。
 包括補助となりまして、地域間格差も生まれている面があります。例えば、江東区のように独自の支援策として家賃補助を出しているところもあれば、財政事情でそういうことができないというようなところも多いわけですけれども、同じ障害のある子であっても、住むところによって受けられる保育サービスの中身に大差が生まれる状況は改善すべきだと思います。
 先ほどもありましたが、国において、来年の障害者自立支援法の見直しに当たって、当事者団体の代表も入れた専門委員会において、障害のある子の放課後事業についても触れた障害児支援の見直しに関する報告書が提出されました。その中では、現在の分類である日中一時支援や経過措置でもある児童デイサービスについては、放課後や夏休みなどにおける居場所の確保、中高生の活用できる一般施策の充実が必要であることなどが書かれ、子どもたちの発達に応じた必要な訓練や指導など療育的な指導を行うものについては、放課後型のデイサービスとして、新たな枠組みで事業を実施することを検討すべきだとも述べられています。この制度のあり方は、自立支援法の抜本的な見直しとともに、新たな枠組みをつくるべきだと私は思います。
 この一月に当団体の主催するシンポジウムに私も野島先生も参加をされて、お母さん方から、障害を持ったお子さんがどういうふうにこの放課後活動にかかわって成長してきたのか、お母さんも子どもも、生きる力がそこから生まれてきているんだというようなことを本当に感動的に受けとめまして、私もそれからいろいろ実践記録などを読ませていただいて、もしこういう活動がなければ、学校と家との本当に単なる行き来だけに終わってしまい、本来その子の持っている可能性とか、まだまだ見えていない能力とか、そういうものを発揮、引き出してきている、それが放課後活動の中で生まれているというのをいろいろとお聞きしたりして、本当に実感をしているわけです。だからこそ、この放課後活動を将来にわたって守り抜いていかなければいけない。現場サイドから本当に実感しているものです。
 先ほどお話がありましたように、今の自立支援法の枠組みの中に新たな仕組みとして入れれば、また自治体の負担もふえるものであり、幾つかのハードルがあるというのは確かにそうでありますけれども、しかし、子どもたちのこうした可能性を伸ばしていくための場の保障をどう実現していくのかというのは、まさに、地方自治体も、東京都も、国も、当事者も含めて本格的に議論をして進めていくべき問題だというふうに思います。
 そういう意味で、今回、この二つの出されている請願趣旨については、私は趣旨採択を求めておきます。
 以上です。

○野上委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 お諮りいたします。
 本件は、趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○野上委員長 異議なしと認めます。よって、請願二〇第一二号は趣旨採択と決定をいたしました。

○野上委員長 次に、陳情二〇第一五号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○住友保健政策部長 お手元にお配りしてございます請願・陳情審査説明表に従いまして、ご説明させていただきます。
 整理番号4、陳情二〇第一五号は、神奈川県の特定非営利活動法人ジストニア友の会理事長堀内正浩さん外百十一名の方から提出されたものでございます。
 陳情の趣旨は、次の事項について、国に対し意見書を提出していただきたいというものでございます。
 内容について順にご説明いたします。
 まず、第一項でございますが、ジストニアを難治性疾患克服研究事業へ指定することというものでございます。
 次に、第二項でございますが、身体障害者手帳及び障害年金の障害認定枠を拡大することというものでございます。
 第三項でございますが、ボツリヌス治療及び脳深部刺激の健康保険適用の拡大とはり治療の健康保険適用を新設することというものでございます。
 第四項でございますが、ボツリヌス治療の少量使用に適した薬剤を認可することというものでございます。
 最後に、第五項でございますが、ボツリヌス治療の研修制度を確立することというものでございます。
 現在の状況についてご説明いたします。
 まず、第一項でございますが、ジストニアは、自分の意思に反して筋肉の収縮や硬直が持続する異常姿勢、異常運動の症状を示す疾病でございます。難治性疾患克服研究事業の対象疾患は、難病のうち、症例が比較的少ないために全国的な規模で研究を行わなければ対策が進まない疾病の中から、原因究明の困難性、難治度、重症度及び患者数を総合的に勘案し、学識者から成る特定疾患対策懇談会の専門的な意見を踏まえて国が決定しております。現在は百二十三疾病が対象とされております。
 都は、本年六月に、希少で原因不明、治療法が確立していない疾病の治療研究を一層推進するため、難治性疾患克服研究事業の対象疾病、特定疾患治療研究事業の対象疾病について拡大を図ることを国に提案要求しております。
 次に、第二項でございますが、身体障害者福祉法では、身体障害を、一、視覚障害で永続するもの、二、聴覚または平衡機能障害で永続するもの、三、音声機能、言語またはそしゃく機能の障害、四、肢体不自由、五、心臓、腎臓または呼吸器の機能の障害その他政令で定める障害で永続し、かつ日常生活が著しい制限を受ける程度であると認められるものとしており、具体的には、同法施行規則に規定する身体障害者障害程度等級表の一級から六級に該当する場合が身体障害者手帳の交付対象となります。また、障害の種別及び程度の判定に当たっては、原因疾患は要件としておりません。
 したがいまして、ジストニア患者についても、身体障害者障害程度等級表の一級から六級に該当するときは、申請に基づき身体障害者手帳を交付しております。
 なお、障害基礎年金については、国民年金法施行令において、障害の程度に応じて定められた障害等級の一級または二級に該当し、その他の資格要件を満たしているときは受給の対象とされております。
 第三項でございますが、ボツリヌス治療は、安全性の問題から、ジストニアの症状のうち、眼瞼けいれんなど局所的な症状に対してのみ保険適用となっております。
 脳深部刺激療法は、脳の深部に留置した電極からの電気刺激によりその部位の活動を抑えるもので、薬物療法や他の外科療法などの効果が認められない神経症状の除去を目的とした場合に保険適用となります。
 はり、きゅう治療は、医師による適当な治療手段のない神経痛やリウマチなどの慢性的な疼痛を主症とする疾患であって、医師の同意書が交付された場合に保険適用となります。
 第四項でございますが、現在認可されているボツリヌス毒素製剤は、技術上の理由から容量が一種類のみとなっております。
 第五項でございますが、ボツリヌス毒素製剤の承認条件として、本剤について講習を受け、本剤の安全性、有効性を十分に理解し、本剤の施注手技に関する十分な知識、経験のある医師によってのみ用いられるよう、必要な措置を講じることが付されており、現在、製造販売元が専門医による講習を実施し、治療に当たる医師の育成を図っております。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○野上委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○かち委員 二〇第一五号、ジストニアの治療環境の改善に関する陳情について意見を述べます。
 ジストニアという耳なれないこの疾患は、原因不明のものと脳卒中などの後遺症によるものなどがあるようです。根治療法はなく、現在は対症療法のみであるとのこと。症状はさまざまで、主に、眼輪筋の強い収縮によって、意識しないのに目をかたく閉じてしまうとか、字を書こうとするととまってしまうとか、はしを持てなくなるとか、症状の出方は本当にさまざまで、これが日常生活に大きく支障を来している疾患です。
 全国には一万から二万人の患者さんがいるといわれ、都内で推計すると千人から二千人かなという状況ですけれども、こうした方々はまともな職につくことができません。自分の意思に反した行動が常に出てきてしまうということで、そういうことから生活の安定も図ることができないわけです。
 しかし、障害認定の仕組みでは、該当すればとれるんだという先ほどの説明でしたけれども、固定した症状ではないので、なかなか認定にこぎつけないというのが実態のようです。著しい日常生活の障害という判定にもされにくいということがあり、障害認定の対象になれないことが往々にしてあります。難治性疾患克服研究事業にも指定されていないということで、こういう方々の救済の手だてがないのが現実です。
 また、陳情文書にいろいろありまして、対症療法の一環で、ボツリヌス毒素を使ったボツリヌス治療というものがありますけれども、これも、ボトル一本が百単位、しかし使うのは二十単位で、結局あとは破棄してしまうんだけれども、その分が本人の請求になるということで、一回三万円ぐらいはこの瓶だけでかかるということです。それを三、四カ月に一回はやらなければいけないということで、医療費も高額になります。
 保険適用の範囲や治療技術の向上など、さまざまな克服すべき課題はありますけれども、ジストニアという症状で苦しむ方々の救済につながるよう、今後検討を深めていくべき課題であると受けとめ、今回は継続を求めておきます。
 以上です。

○野上委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、本日のところは継続審査とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○野上委員長 異議なしと認めます。よって、陳情二〇第一五号は本日のところは継続審査といたします。

○野上委員長 次に、陳情二〇第一七号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○宮垣地域保健担当部長 お手元にお配りしてございます請願・陳情審査説明表に従いまして、ご説明させていただきます。
 整理番号5、陳情二〇第一七号は、豊島区の東京社会保障推進協議会会長竹崎三立さんから提出されたものでございます。
 陳情の趣旨は、次の事項について、国に対し意見書を提出していただきたいというものでございます。
 内容について順にご説明いたします。
 まず、第一項でございますが、後期高齢者医療制度を中止、撤回することというものでございます。
 次に、第二項でございますが、七十歳から七十四歳の窓口負担の一割から二割への引き上げをとめることというものでございます。
 第三項でございますが、保険料の年金天引きをやめることというものでございます。
 第四項でございますが、保険料を国民健康保険料・税以下にするため、財政支援をすることというものでございます。
 第五項でございますが、資格証明書、短期保険証を発行しないことというものでございます。
 第六項でございますが、医療に使う国の予算をふやして、高齢者や国民が安心して医療を受けられるようにすることというものでございます。
 現在の状況についてご説明いたします。
 まず、第一項でございますが、長寿医療制度は、国民皆保険を堅持する観点から、社会全体で高齢者を支える仕組みとして構築されたものであると認識しております。
 次に、第二項でございますが、七十歳から七十四歳までの方の医療費自己負担については、平成十八年六月の法改正により、本年四月から原則二割に引き上げられることになりましたが、国の特例措置により、本年四月からの一年間について、自己負担は一割に据え置かれております。
 第三項でございますが、保険料の納付方法は、特別徴収、いわゆる年金天引きが原則とされているところですが、国において本年七月、所定の条件を満たした場合には、申し出により口座振替による納付を可能とする見直しを行いました。
 第四項でございますが、長寿医療制度は、高齢者の医療費を国民全体で分かち合っていく仕組みとして構築されたものであり、その財源は、高齢者が一割、現役世代が四割を負担し、残り五割を国、都及び区市町村が負担することで公費が重点的に投入されております。また、国において、本年六月、低所得者に対するさらなる保険料の軽減策を決定いたしました。
 第五項でございますが、高齢者の医療の確保に関する法律等において、資格証明書及び短期被保険者証は、保険料を納付することができないと認められる特別な事情がないにもかかわらず、保険料を滞納している場合に交付するものとされております。
 なお、国は、資格証明書の運用に当たり、相当な収入があるにもかかわらず保険料を納めない悪質な者に限って適用するという考え方を示しております。
 第六項でございますが、都は、本年六月、国に対し、社会福祉、保健医療の施策及び予算にかかわる必要な措置についての提案要求を行いました。
 なお、国は、本年七月二十九日、社会保障の機能強化のための緊急対策として五つの安心プランを策定し、その中で、国民の医療に対する安心を確保し、将来にわたり質の高い医療サービスが受けられるよう取り組みを進めるとしております。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願いいたします。

○野上委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○吉田委員 二〇第一七号、後期高齢者医療制度の抜本的見直しに関する陳情について、趣旨採択を求める立場から何点か質問させていただきます。
 六項目それぞれ願意が、要望が示されておりますけれども、最大の願意は、後期高齢者医療制度を中止、撤回することを求める意見書を提出してほしいということだと思います。
 私はこの点で、議会としても、また行政としても、後期高齢者医療制度に対する都民や関係者の廃止、抜本的見直しを求める声の高まり、広がりを受けとめることが求められているというふうに思います。
 例えば、我が党都議団は、都下区市町村に対して、三、四月の二カ月で苦情あるいは問い合わせなどの件数を問い合わせいたしました。合計しますと、この二カ月間で二十万件を超える苦情や問い合わせがあったということが、区市町村から報告がありました。七十五歳以上人口の約五人に一人が苦情や問い合わせをするということです。これまでになかったことだと思います。
 さらにご承知のとおり、七月中旬に保険料が一斉に通知をされましたけれども、この通知を受けて、八月中旬までの一カ月足らずの間に、同様に苦情や問い合わせがどれだけあったのかということについて区市町村に調査をかけました。その結果、十七万件を超える苦情や問い合わせがあったと報告が寄せられております。
 この二つの寄せられた数そのものを見ても、やはりかつてないこの制度に対する苦情やあるいは不安が広がっている、それを私たちはしっかりと受けとめるということが求められているというふうに思います。
 どのような問い合わせや、あるいは意見が寄せられたかということについても、その中身について問い合わせをいたしましたが、共通していることは、年金からの保険料の天引きや、あるいは示された保険料が昨年までの国保料よりも大幅に上がっているということだけではなく、そもそも七十五歳という年齢でなぜ高齢者として区切るのか、あるいは保険に強制加入をさせるのかということや、七十五歳で何か厄介者にされたような印象を受けるというふうなことが寄せられておりました。こうしたこともぜひ真摯に受けとめることが求められているというふうに思います。
 そこで、質問いたしますけれども、そもそも被保険者を七十五歳以上で区切る、あるいは高齢の一定年齢で区切って、高齢者だけの単独の保険制度をつくるということ自身が、私は他の先進諸国と比べてみても例のない制度ではないかというふうに思いますが、どうでしょうか。

○宮垣地域保健担当部長 高齢者を対象とした類似の制度としては、アメリカ合衆国の六十五歳以上の高齢者を対象とした公的医療保険制度であるメディケアというものがあると聞いております。

○吉田委員 アメリカのメディケアだけを紹介されましたけれども、そもそもアメリカは、国民皆保険制度がない中での極めて特殊な例であって、日本や、あるいはヨーロッパ諸国と同列に比べることはできないと思いますし、それ以外の国々では、このような年齢で差別をして、特定年齢の方々だけの保険制度をつくるということはないわけですよね。やはり全体で高齢者の医療なども支えていくというのが本来の姿だというふうに思います。
 先ほどの説明の中では、この後期高齢者医療制度、名前は長寿医療制度というふうに変えられましたけれども、国民皆保険を堅持する観点から、社会全体で高齢者を支える仕組みとして構築されたものであるという旨の説明がありましたけれども、別に、後期高齢者医療制度以前から、全体で支えるということは進められてきたわけですよね。今回の後期高齢者医療制度の特徴というものは、私はやはり、高齢者の医療費を抑制する、国の財政負担を軽くするという意図を持っているものだといわざるを得ないと思うんですが、いかがでしょうか。

○宮垣地域保健担当部長 長寿医療制度は、少子高齢化が一層進展する中、将来にわたり国民皆保険制度を維持するとともに、高齢者に対し適切な医療を提供するために創設された仕組みであると認識しております。

○吉田委員 これはさまざまな形で、なぜこのような制度をつくったかということについては明らかになっていますが、例えば、制度設計に携わった厚生労働省の幹部の発言でこのようなものがあります。医療費が際立って上がっていく痛みを後期高齢者がみずから自分の感覚で感じ取っていただくことにしたというふうに、厚生労働省の設計に携わった幹部が発言をしておりますし、また、ことし三月に出された医療費適正化に関する施策についての基本的な方針では、計画で老人医療費の伸び率を中長期にわたって徐々に下げていくものにしなければならないということが語られているわけです。そうしたところに、私はこの制度の大きな意図があるということを指摘せざるを得ません。
 具体的にはさまざまな形でこれがあらわれているんですが、私は、例えば診療報酬という点でも、七十五歳以上の方に対しては、七十五歳以上の方のみの診療報酬に幾つかの点で改められているということに注目せざるを得ないと思います。政府は批判の高まりで、名称を長寿というふうにしましたが、診療報酬上では決して長寿を喜ぶとはいいがたいという印象を持っております。
 七十五歳以上の方に対する診療報酬上の改定について、概要を説明していただきたいんですが。

○宮垣地域保健担当部長 診療報酬体系の見直しについて簡単にご説明する前に一言申し述べます。
 平成十九年十月に社会保障審議会が示した後期高齢者医療の診療報酬体系の骨子によれば、健康保険法等の改正に当たって参議院で附帯決議がなされており、後期高齢者医療制度の新たな診療報酬体系については、必要かつ適切な医療の確保を前提とし、その上で、心身の特性等にふさわしい診療報酬という考え方を示しております。診療内容を抑制するためのものではないという認識を持っております。
 診療報酬体系の内容の中で、後期高齢者診療料というものと後期高齢者終末期相談支援料というものについてご説明をいたします。
 後期高齢者診療料とは、高齢者の心身の特性を踏まえた慢性疾患等に対する継続的な管理を評価するものでございます。また、後期高齢者終末期相談支援料とは、患者ご本人が終末期の医療の内容を決定するための医療従事者からの情報提供と説明を評価するものでございます。いずれにつきましても、患者ご本人の同意があった場合のみ医療機関が算定するものでございます。

○吉田委員 二つの制度の説明がありましたけれども、後期高齢者診療料というのは、六千円で上限が定められて、その範囲の中で診療が抑制するという方向に私は働かざるを得ないと思うんですね。したがって、やはりこれはいろんな意味で不適切だということで、実際はそれを使わない、採択しない医師会や医療機関が増大をしていることを見ても、この制度の問題点というのは明らかだと思います。
 さらに、終末期相談支援料ですけれども、いわば延命治療を控えるならば、診療報酬が加算をされるということだと私は認識しておりますけれども、もちろんそれはご当人との合意ということが強調されましたけれども、結果的にはそういう方向に医療機関を促進するという意味合いを持っているともいわざるを得ないというふうに思います。
 そうした意味から、明らかに七十五歳以上の方々に対する診療抑制を促進するという意味合いがこの制度の中にはありますから、やはり制度の根幹にかかわる問題として、中止、撤回ということが問われていると思うんです。
 次に、負担増の問題についても一、二指摘をし、また質問させていただきます。
 保険料の軽減や、あるいは年金天引きなど、政府・与党はにわかな対応を新たに示しました。しかし、私は、根本的な問題は解決されていないといわざるを得ません。
 例えば軽減制度についてですけれども、都の広域連合の軽減の上に政府の追加的な軽減制度がありましたから、非常に複雑ですけれども、端的にいえば、この軽減制度の対象者は限定されているということだと思います。
 例えば、わかりやすい形で聞きますが、単身者を例にとった場合に、所得割にしても均等割にしても、軽減の対象となる公的年金の収入は幾らまでで、幾ら以上の人は軽減の対象にならないのか、ご説明をお願いいたします。

○宮垣地域保健担当部長 単身の方の場合、均等割について、年金収入百六十八万円までの方が七割軽減、百九十二万五千円までの方が五割軽減、二百三十八万円までの方が二割軽減となっております。

○吉田委員 私が事前にいただいている表とはちょっと違うんですけれども、今のご説明は。ただ、いずれにしても、一定額以上の方々は軽減の対象にはなっておりません。今は均等割についての説明だと思いますが、私がいただいている資料では、例えば所得割ですと、年金収入が二百二十万、公的年金収入のみですね。その場合には所得割軽減の対象にはならないということになりますし、こうしたことから見ても、例えば、公的年金収入が年間で二百万ちょっと、月額でいえば二十万前後ということになるかと思いますが、そうした人はそもそも今回の軽減制度の対象にはなり得ない。したがって、昨年の住民税をもとにした、例えば二十三区の国保料と比べたときには、大幅な負担増となるということは明らかだと思うんですね。
 さらに、国の出された軽減制度について確認をしておきたいんですけれども、例えば所得割にしても、均等割の軽減制度にしても、いつまでに行われるのかというのは、非常に現時点ではわからないといいますか、明確に示されていないと思います。
 例えば均等割の場合には、今年度の均等割は、八・五割軽減、五割軽減、二割軽減となっていますが、来年は八・五割軽減が九割軽減と七割軽減というふうに聞いておりますし、さらに、所得割、例えば今年度、二百十一万の方まで公的年金収入で軽減がありますけれども、これが果たして恒久的な制度として示されているのか、単年度なのか、この辺はどういうふうに理解したらいいんでしょうか。

○宮垣地域保健担当部長 保険料の軽減措置についてですが、低所得者の方については、委員もおっしゃったとおり、二十年度については、均等割について、七割、五割、二割の三段階の軽減措置が設けられておりましたけれども、六月の政府・与党決定により、七割軽減については、さらに八・五割に軽減割合が切り上げられております。
 また、所得割につきましては、都の後期高齢者医療広域連合におきまして、当初から、年金収入額で二百八万円までの方に対して二五%から一〇〇%までの四段階の軽減策を独自に実施しておりましたが、この六月の政府・与党決定を受けまして、二五%軽減の対象者の方についても軽減率を五〇%まで引き上げ、あわせて、軽減対象となる所得の限度額も、年金収入額で二百十一万円まで拡大をしております。
 こういった軽減策につきましては、二十年度ということで決定をしておりまして、二十一年度以降につきましては、国において検討しているということで、東京都の後期高齢者医療広域連合におきましては、国の動向を踏まえながら、広域連合の議会において条例で定めていくこととなります。

○吉田委員 今ご説明があったように、軽減制度も、恒久的なのか否かというのは極めて不明確です。しかも、大もとの制度は、これは手がついていないと思うんですけれども、例えば、七十五歳以上人口の増加やそれに伴う医療費の増加に伴って、全体の保険料は、一〇%分を保険料で賄うというものから、それに応じて上がっていくという仕組みがありますよね。二年ごとに保険料は改定するということになりますから、七十五歳以上人口がふえていけば、全体の医療総額の一〇%を保険料で見るという状況から十数%を保険料で見るというふうな形で、おのずと保険料が上がる仕組みそのものは何ら変えていなくて、温存をされているということも私は見ておく必要があると思います。
 さらに、東京都広域連合の特別対策がとられておりますけれども、これも現時点では二年限りということが当初から示されているわけですから、こうした仕組みそのものが、自動的に値上がりする仕組みということがついておりますから、私は、これはもとに戻して再検討すべきだというふうにいわざるを得ないと思います。
 あと、他の項目についても一、二いわせていただきますけれども、例えば、七十歳から七十四歳の窓口負担を一割から二割に引き上げるということについては、一年間については凍結して一割ですよということになっておりますけれども、そもそも七十歳から七十四歳は、本則では二割負担。しかし、七十五歳の方々と七十歳の方々の生活、収入条件というのは、大きな違いはないと思うんですよね。七十歳の人の方が、支払い能力が何か倍も高いなどということはあり得ないと思いますし、さらに、引き戻して考えれば、六十五歳の方々は今三割負担ですよね。六十五歳以上の方は特段支払い能力が七十歳や七十五歳の人よりも高いというふうな状況にないと思いますし、また、医療費の負担なども、六十五歳以上は大変急増することは東京都の調査からも明らかですから、東京都としても、この陳情で出されている七十歳から七十四歳の一割負担は継続をするというふうに求めることは、私は当然のことだというふうに思っております。
 また、資格証のことについて、国の場合には、相当な収入があるにもかかわらずという極めて限定的な運用についての方向が示されているということがありますが、そもそもこれまでの老健制度においては、高齢者に対しては資格証は出さないということが明記されていたわけですから、私は、そうしたこれまでの配慮を継続すべきだというふうに思います。
 最後に、医療費が伸びていくだとか、国の社会保障費の年間の増加が大きいというようなことが指摘をされておりますけれども、ご承知のとおり、GDP費で比べると、日本の医療費は八%で、他の先進国と比べてみても極めて低いということはご承知のとおりであります。
 さらに、医療費財源に占める国、事業主負担ですけれども、例えば、一九八〇年度と二〇〇五年度を比較すると、国と事業主負担の割合は九・一ポイント低下をしている。これをもしもとの状態で行えば、数兆円規模の財政出動を可能とするということもいわれておりますので、私は、やはり改めるべきところを改めて、このような高齢者や、あるいは他の層に負担を押しつける後期高齢者医療制度はきっぱりと中止をして、再検討すべきだということは当然のことだというふうに思います。
 以上です。

○野上委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○野上委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二〇第一七号は不採択と決定いたしました。

○野上委員長 次に、陳情二〇第二一号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○日置参事 お手元にお配りしてございます請願・陳情審査説明表に従いまして、ご説明させていただきます。
 整理番号6、二〇第二一号、福祉人材の確保施策の充実に向けた意見書に関する陳情は、台東区の全国福祉保育労働組合東京地方本部執行委員長國米秀明さんから提出されたものでございます。
 陳情の趣旨は、高齢者介護、障害者福祉、児童福祉等の福祉人材の確保が図られるよう、抜本的な対策を求める意見書を国に対し提出していただきたいというものでございます。
 現在の状況についてでございますが、国におきましては、平成十九年八月に、社会福祉事業に従事する者の確保を図るための措置に関する基本的な指針を見直しております。
 この新たな指針では、労働環境の整備やキャリアアップの仕組みの構築等を柱とする新たな方策を示すとともに、経営者、関係団体等、国及び地方自治体それぞれが必要な措置を講じ、質の高い人材の確保に努めることが重要である旨定めております。
 また、平成二十年五月には、介護従事者等の人材確保のための介護従事者等の処遇改善に関する法律が成立いたしまして、政府は、介護を担うすぐれた人材の確保を図るため、平成二十一年四月一日までに必要な措置を講ずることとされております。
 都におきましては、既に平成十九年五月、国に対し、大都市の特性を踏まえた介護報酬のあり方について提言を行うとともに、東京都社会福祉審議会の意見具申等を踏まえまして、平成二十年度から、新たな研修事業の実施や再就職支援の強化、介護福祉士等修学資金制度の拡充など、総合的な育成、確保策を講じております。
 さらに、平成二十年六月には、介護人材の定着、確保に向けた介護報酬のあり方に関する提言を行うとともに、平成二十一年度国の施策及び予算に対する東京都の提案要求におきまして、国の新たな指針が真に実効あるものとなるよう、基準、報酬等を改定することを初め、就労促進や人材育成等に向けた地方自治体の多様な取り組みに対する支援など、必要な措置を講じることについて求めております。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○野上委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○山加委員 二〇第二一号、福祉人材の確保施策の充実に向けた意見書に関する陳情につきまして、今、大変詳しくご説明をいただきまして、国が指針を定めていること、また、既に東京都としては国への提言を行っているということがわかりました。しかし、いうまでもなく、福祉、介護ニーズがさらに増大している中では、福祉の現場では人材の確保がますます厳しい状況になっております。
 せっかくですので、二つほどお伺いをさせていただきたいと思います。
 ご説明の中で、都は総合的な育成、確保策を講じているとの説明でしたけれども、今年度から行っている都の取り組みについて、具体的にどのような取り組みなのか、伺わせていただきます。

○日置参事 今年度から行っている都の取り組みについてでございますが、新たな研修事業といたしまして、経営者やリーダー層を対象としたテキストの開発や、区市町村における有資格者の資質向上に向けた取り組みへの支援を実施しております。
 また、再就職支援の強化といたしまして、東京都福祉人材センターにおきまして、今年度から、民間の就職支援会社等を活用したキャリアカウンセリングや能力開発講座などを実施しております。
 さらに、介護福祉士等修学資金貸付制度につきまして、償還免除に必要な就労期間の短縮を行ったところでございます。
 そのほか、介護分野につきましては、一日職場体験やインターンシップ、ボランティアを活用した施設介護サポーターモデル事業の実施など、多様な人材の参入を促進する取り組みを行っております。
 以上のような施策により、総合的な福祉人材の育成、確保に取り組んできております。

○山加委員 冒頭申し上げましたけれども、昨今の福祉人材をめぐる状況は大変厳しいものがございます。都は、これまでもさまざまな取り組みを行っているようでありますけれども、例えば、現在施設で働いている方々が資格修得を目指す場合の支援などは、福祉現場のサービスの質の向上に寄与するとともに、働いているご本人のモチベーションの向上、また、働き続ける、働き続けたいという意欲にもつながってまいります。離職率をいかに低くするか、人材の定着も促進すると考えますけれども、都の所見を伺います。

○日置参事 昨年八月に出されました東京都社会福祉審議会の意見具申でも、給与の改善だけでなく、人材育成への積極的な取り組みや福利厚生の確保、働きやすい職場環境等を含めた対策が重要であるとご提言をいただいているところであります。総合的な視点で取り組みを深めていくことが重要であるということを認識しております。
 東京都といたしましても、今後とも、魅力と働きがいのある福祉職場の実現に向けまして、ご提案の点も含めまして幅広い施策を検討してまいります。

○かち委員 私も、二〇第二一号、福祉人材の確保施策の充実に向けた意見書に関する陳情について何点かお聞きします。
 高齢者、障害者、児童福祉をめぐっての人材不足は、どこでも深刻な事態となっています。いずれも収益を生み出す業界ではない上に、介護保険法や障害者自立支援法の枠組みの中で民間事業者にゆだねられている事業であり、当然にして、人件費コストの縮減を図らざるを得ない状況に追い込まれているのが今日の実態です。
 こうした中で、どの施設でも募集をしても応募がない。入職しても定着しない。人件費比率を下げるためには、パート、アルバイトや派遣に頼らざるを得ない。現場でのサービス向上、レベルアップのためには、経験や技術の継承、普及が必要であるにもかかわらず、二、三年で職員が入れかわる。私が訪ねた特養ホームでは、このままでは利用者定員を減らさざるを得ないと訴えられていました。
 改めてお聞きしますが、福祉人材確保がここまで深刻な事態となっている背景、原因はどこにあると認識されているでしょうか。

○日置参事 国は、十九年八月、いわゆる福祉人材確保指針を見直しましたが、その背景といたしまして、現在の福祉人材の確保難、これは、介護保険制度の創設や障害者福祉制度の見直し等によりまして、福祉、介護サービスが質的、量的に拡大する一方、生産年齢人口が減少する中で、近年の景気動向に伴う他の産業分野における採用意欲の増大などの要因が加わりまして、これらが複合的に重なり合って生じている現象であるとしております。
 また、介護労働安定センターが平成十九年度に実施した介護労働実態調査におきましては、介護労働者の意識といたしまして、仕事の内容、やりがいについて高い満足度を示す一方で、賃金や研修、能力開発のあり方、仕事の社会的評価などについて不満が多いことが示されております。
 このように、幾つかの要因が複合的に重なり合って福祉人材の確保が困難になっているものと認識しております。

○かち委員 今お答えがありましたけれども、さまざまな複合的な要因が重なり合っているとはいうものの、やっぱり待遇改善、賃金アップは、基本的な課題としてまず取り組まなければならない問題ではないでしょうか。
 国においても、昨年八月、実に十四年ぶりに福祉人材確保指針が改定され、労働環境の改善が打ち出されたわけですが、予算の裏づけや具体化が進んでいません。福祉分野の労働評価と一般労働の評価では依然として開きがあります。
 手元にいただいた資料では、昨年の厚生労働省における賃金構造基本統計調査によると、全産業の中の平均所定内給与額は三十万一千円に対し、福祉施設介護員のそれは十九万九千円、さらにホームヘルパーは十九万七千円です。勤続年数も、全産業では十一年に対し、福祉、介護では五年前後と半分に満たない状況です。福祉介護分野での男女比では、七、八割が女性であり、全産業との逆転があります。また、勤続年数では、介護福祉分野で働く男性は三、四年で転職しています。寿退社というのは、かつて若い女性が結婚とともに仕事をやめる状況を例えていたのですが、今や、福祉介護の分野で働く男性職員が、結婚したらこの給料では家族を養えないということで現場を退職することだといわれています。まさにワーキングプアそのものです。
 福祉介護分野の給与水準の低さが人材確保、定着が進まない大きな要因であると思われます。改善策として、まず賃金アップが必要と考えますが、都の見解をお聞きします。

○日置参事 給与等を含む労働環境の改善につきましては、介護報酬を初めとする福祉全般にわたる報酬等の改善につきまして、先ほど陳情内容のご説明で申し上げましたとおり、既にさまざまな機会をとらえまして国に提案しているところでございます。
 また、昨年八月に出されました東京都社会福祉審議会の具申におきましては、人材確保に当たっては、福祉にかかわる人材が誇りを持って働くことのできる、そして、質の高い人材が参入できるような労働条件の確保が必要であり、給与の改善だけでなく、人材育成への積極的な取り組みや福利厚生の確保、働きやすい職場環境等を含めた総合的な視点での対策が重要であるとのご提言をいただいております。
 こうしたことから、都はこれまでも、労働環境の整備、就労支援、人材育成の充実など、幅広い観点から福祉人材施策に取り組んでいるところでございます。

○かち委員 もちろん、人材育成や福利厚生の改善、強化が必要であると思います。まず基本となるのは賃金です。一般労働との比較でも格差が歴然としているわけですから、まず底上げが必要なのではないでしょうか。そのことは認識されていて、国に提案されている点は重要だと思います。
 こうした状況の中で、社会福祉協議会でも実態調査が行われ、ことしの六月に、訪問介護事業所における人材確保に関する取り組み調査の報告が出されました。その中で、訪問介護員が不足している事業所は九四・八%、その影響として、約七割の事業所で新規の利用者を受け入れられないと答えていることは深刻な事態です。
 福祉人材の確保、定着は、喫緊の課題として社会福祉協議会からも提言が出されておりますが、この間、都としての福祉人材確保に関する認識とその取り組みについてお聞きします。

○日置参事 福祉人材の確保に当たりましての課題でございますが、労働環境の整備、就労支援、人材育成策の拡充など、総合的に取り組むことが重要と考えられ、以下のような取り組みを行ってきております。
 労働環境の改善につきましては、介護報酬を初めとする福祉全般にわたる報酬等の改善につきまして、先ほど陳情内容の説明で申し上げましたが、既にさまざまな機会をとらえて国に提案しているところでございます。
 就労支援につきましては、平成二十年度から、新たに介護福祉士等修学資金の償還免除に必要な就労期間の短縮を行うとともに、福祉人材センターにおきましては、民間会社を活用したキャリアカウンセリングや能力開発講座による再就職支援を本年六月から実施しております。
 人材育成策の充実につきましては、昨年八月に東京都社会福祉審議会から出されました意見具申等を踏まえ、平成二十年度から、新たに経営者やリーダー層を対象にしたテキストの開発や、区市町村における有資格者の資質向上に向けた研修への支援などに取り組んでおります。

○かち委員 いろいろ述べられましたが、まず、就労支援としては、修学資金の償還免除期間を七年から五年に短縮したというものですね。償還免除期間の短縮は一定の負担感を軽減することにはなりますが、もっと抜本的に、低所得の方には返済免除の修学金制度などを打ち出すべきだと思います。
 再就職支援として民間活用のキャリアカウンセリング、ことしから始まりました。飯田橋のしごとセンター内にあり、福祉人材センターでことしから行っているわけですけれども、期間は短いんですが、この間、三百八十人の利用者があり、三十名が就職につながったとのことです。しかし、これがどの程度定着していくかは今後も注視していきたいと思います。
 人材育成支援にも取り組んでいるといわれましたけれども、テキストの開発や講師派遣の範囲にとどまっていると、制度があっても受けられない事業所の介護員などの悩みが私のところにもたくさん寄せられています。具体的にこうした講習に参加できる条件整備が必要だと思います。
 これまでの都の取り組みをもっと実効ある取り組みにすべきだと思いますが、見解はいかがでしょうか。

○日置参事 先ほどもご説明しましたとおり、福祉人材の確保につきましては、労働環境の整備、就労支援、人材育成の充実など、幅広い観点から取り組んでいくことが重要であると認識しております。都といたしましては、今後とも引き続き、福祉人材の確保、育成策の充実に取り組んでまいります。

○かち委員 努力されていることは認識した上での話なんですけれども、実効性がないと、メニューだけそろえてもなかなか成果に結びつかないので、その辺をもっと検討していただきたいという要望です。
 福祉分野での人材確保を図るためには、かつて都が行ってきた公私格差是正や、現在のサービス推進費補助の果たす役割が大変重要だと思います。とりわけ、地方都市と東京のような大都市での事業展開では、物価も用地代も大きく差があり、それらが運営に大きく影響しているわけです。少なくとも現在のサービス推進費を継続、拡充することが求められていると思いますけれども、いかがでしょうか。

○日置参事 社会福祉施設の運営につきましては、国の定める基準に基づいて財政措置がなされ、基本的には、介護報酬や措置費、自立支援給付等によって賄われるものと考えております。
 民間福祉施設サービス推進費でございますが、こちらにつきましては、施設経営者の自主的かつ柔軟な施設運営を促進し、利用者に提供するサービスの質の向上を目的としているものでございます。また、研修支援等につきましては、利用者に提供するサービスの質の向上を目的とする観点から、既にサービス推進費に含まれております。こうした考えのもと、今年度も引き続き実施をしているところでございます。

○かち委員 自主的、自由な施設運営を促進するという立場でサービス推進費のあり方を位置づけてきたということですけれども、かつてはこういうことが公私格差の是正をして、中身、質の向上ということにもつながっていたということは、それは紛れもない事実なので、そういう状況をつくり出す努力がぜひ求められているのだというふうに思います。
 収益を生み出す事業ではなく、人手で成り立っている福祉事業所で、少なくとも運営継続できる、黒字を生み出すためには、人件費を減らすことが必然になるわけです。賃金を抑え、多様な雇用形態などといって、常勤比率を引き下げて、パート、アルバイト、派遣に依拠した職場で、職員の入れかわりの激しい現場でサービスの質の向上がどうやって図れるのかという問題です。質の向上は、何よりも安定した職員の定着があってこそ始まるものだと思います。
 六月の議会でも取り上げましたが、その後も、原油高騰、物価高は一層深刻になっています。ある特養ホームでは、食費の高騰で、このままいくと年間一千万円の赤字になるというようなことも聞いております。このようなことが人材確保の障害にもなっていることから、都としての具体的な支援策を講ずるべきと考えますが、いかがでしょうか。

○日置参事 都はこれまでも、施設運営に関する報酬について、物価水準の反映や人件費比率の引き上げなど、必要に応じ国に提案を行ってきております。原油価格の動向につきましては、今後とも注意深く見守るとともに、必要に応じまして国に対する提案要求を行ってまいります。

○かち委員 これで終わりますけれども、物価高騰の劇的な変化というのは、見守って必要があれば国に要望していくというテンポではとても間に合わない実態が今現実にあるということにやはりもっと目を向けて、機敏な対応をしていただきたいというふうに思います。
 人材不足などで福祉施設の運営が困難になることは利用者にサービスの後退を招くことであり、安定した福祉施設の運営が何よりも重要です。よって、本陳情については採択を求めて、終わります。

○野上委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○野上委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二〇第二一号は不採択と決定いたしました。

○野上委員長 次に、陳情二〇第二五号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○狩野高齢社会対策部長 お手元にお配りしてございます請願・陳情審査説明表に従いまして、ご説明させていただきます。
 整理番号7、二〇第二五号、特別養護老人ホームで働く視覚障害マッサージ師の就労支援に関する陳情は、葛飾区の特養マッサージ師の会稲垣実さん外三千百七人から提出されたものでございます。
 陳情の趣旨は、都において次の事項について実現していただきたいというものでございます。
 内容について順にご説明いたします。
 まず、第一項でございますが、視覚障害を有するあんまマッサージ指圧師が特別養護老人ホームで能力を生かして働き続けられる環境を整えることというものでございます。
 次に、第二項でございますが、特別養護老人ホームの視覚障害あんまマッサージ指圧師に対する補助金制度を、すべての視覚障害を有するあんまマッサージ指圧師の配置に対する補助金制度にすることというものでございます。
 次に、第三項でございますが、視覚障害者の雇用、就労を進める施策を具体化することというものでございます。
 現在の状況についてでございますが、まず、第一項及び第二項でございます。
 特別養護老人ホームの運営基準においては、介護保険制度開始前から機能回復訓練指導員の配置が求められており、その業務につきましては、あんまマッサージ指圧師も行うことができるとされ、都は従前より、あんまマッサージ指圧師の配置に対して独自の補助を行っておりました。
 平成十二年度に開始されました介護保険制度では、理学療法士、作業療法士、またはあんまマッサージ指圧師等を機能訓練指導員として配置することが施設に義務づけられており、その経費については介護報酬により賄われております。また、介護報酬上、機能訓練に対する加算も設定されております。
 都は、特別養護老人ホームが介護保険制度に円滑に移行し、利用者サービスの維持及び向上を図ることができるよう、経過的な支援として、特別養護老人ホーム経営支援事業を独自に実施しており、本事業において、視覚障害を有するあんまマッサージ指圧師を平成十一年度以前から雇用し、平成十二年度以降も引き続き雇用する施設に対してその経費の一部を補助しております。
 次に、第三項でございますが、都では、障害者の地域における自立した生活の実現に向け、就労支援体制を整備し、さらに、多様な企業が集積する東京の強みを生かし、十年間で三万人以上の雇用の増加を目指しております。
 地域における就労支援体制の整備については、平成十五年度から、障害者の一般就労を促進し、安心して働き続けられるよう、身近な地域において就労面と生活面の支援を一体的に提供する区市町村障害者就労支援事業を実施しております。この事業の拠点となる区市町村障害者就労支援センターは、平成二十年八月現在、四十区市で設置されております。
 視覚障害者についても、同センターにおいて、本人の希望や力量、適性を踏まえて、企業等への就職に向けた相談、支援を継続的に実施しております。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願いいたします。

○野上委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○山加委員 二〇第二五号、特別養護老人ホームで働く視覚障害マッサージ師の就労支援に関する陳情に関しまして、お伺いをさせていただきます。
 ただいまご説明がありましたが、平成十二年度の介護保険制度創設に伴いまして、都では、特別養護老人ホームにおいて機能訓練指導員として働く視覚障害者の経費の一部を補助する事業を実施しておりますね。確認の意味で、まず改めて、その趣旨と意義についてお伺いをいたします。

○狩野高齢社会対策部長 都では、平成十二年度の介護保険制度の創設に伴い、それまで特別養護老人ホームにおいて機能訓練指導員として働いていた視覚障害を有するあんまマッサージ指圧師が引き続き雇用されるよう、特別養護老人ホームが介護保険制度に円滑に移行できるよう経過的に実施してきた特別養護老人ホーム経営支援事業において補助してきたものでございます。

○山加委員 改めてお伺いいたしましたのは、実は、この陳情書を見ますと、陳情者は、都の補助金の削減が対象者の減少の原因となっているということでありますが、それには若干の誤解があるのではないかと思いまして、今、確認の意味で伺わせていただきました。
 ご説明のように、視覚障害者が引き続き特別養護老人ホームで雇用されることがこの補助の趣旨であれば、介護保険制度が開始される前、つまり、平成十一年度に雇用されていた百三十六名については補助の対象であったわけですね。これが平成十二年度以降、何らかの個人的な理由によっておやめになった結果が現在、八十六名が補助の対象になっているということでありまして、東京都の補助金が削減をされたから、数が七年間で八十六名に減少したということにはならないのではないかと思います。陳情者に若干の誤解があるのかなと思いまして、確認をさせていただきました。
 しかしながら、もちろん、視覚障害者があんまマッサージ指圧師として特別養護老人ホームで就労するということは、大変私は意義のあるものと考えております。
 そこで、都において、視覚障害者のあんまマッサージ指圧師としての資格を有効に活用し、特別養護老人ホームで就労できるように施設に働きかけるべきと考えますが、所見を伺います。

○狩野高齢社会対策部長 特別養護老人ホーム利用者の身体機能を改善し、または、その減退を防止するための訓練を行う機能訓練指導員の役割は大変重要であると認識しております。
 今後とも、特別養護老人ホームが、機能訓練指導員として視覚障害を有するあんまマッサージ指圧師の能力を活用し、その雇用を進めるよう適切に指導してまいります。

○山加委員 特別養護老人ホームの設置主体であります社会福祉法人、これは、営利を目的とするものではなく、社会一般の利益となる事業を行うことによって社会福祉の増進を図る公益法人であります。こうした意味において、社会福祉法人は、一般の民間企業よりも率先して障害のある方々の雇用の促進に努める責務があると私は考えております。
 今後とも、都においても、こうした視点に立って、視覚に障害をお持ちの皆様を初めとした障害者の就労の確保にどうか積極的に取り組まれるよう希望しておきたいと思います。
 続いて、視覚障害者の就労支援についてお伺いをしたいと思います。
 都内十八歳以上の視覚障害のある方は三万五千人強、身体障害者の九%を占めているわけでありますが、この視覚に障害をお持ちの皆様の主な職業は、あはきといわれる、あんまマッサージ指圧、はり、きゅうということであります。現在でも、盲学校を卒業いたしますと、老人福祉施設、病院また治療院などへ就職することが多く、また最近は、社員の福利厚生として、企業内にマッサージ師を置くところもふえてきたやに聞いております。企業内マッサージ師、つまり、ヘルスキーパーとして企業に就職する視覚障害者がふえているそうであります。
 そこでお尋ねをいたしますが、都内で視覚障害をお持ちの方が働いている数、どのくらいいらっしゃるのでしょうか。

○松浦障害者施策推進部長 都内の視覚障害者で働いている方の数、推計させていただきますと、厚生労働省が平成二十年三月に公表した平成十八年度身体障害児者実態調査によりますと、全国の視覚障害者の就業率は二一・四%になっております。また、若干古くなりますが、平成十五年度東京都社会福祉基礎調査、障害者の生活実態によりますと、視覚障害者の中で仕事をしていると回答した方は同じく二一・四%でございます。
 平成十九年三月現在、都内における十八歳以上の視覚障害者の数は約三万五千人でございますので、これらのデータから推計しますと、都内で働いている視覚障害者の数は約七千七百人程度というふうに考えられます。

○山加委員 約七千七百人、就労している視覚障害者の数、二割強なわけであります。視覚に障害のある方が就職をする、中でも、とりわけ、人生の半ばで病や、そしてまた事故によって中途障害を持たれた、そんな視覚障害者の方が再就職するに当たって、私は、専門的なスキルを身につけておくこと、これは大変大切なことであると思っております。
 そこで、都における中途障害者などのための資格修得に向けた支援策について伺いたいと思うのですが、この中途視覚障害者などが、あんまマッサージ指圧師、はり師、きゅう師などの資格を取るのに都はどのような支援をしているのか、また、どのような実績があるのか伺います。

○松浦障害者施策推進部長 東京都におきましては、中途の視覚障害者などの就業を促進するため、あんまマッサージ指圧師、はり師、きゅう師について、五年課程による養成事業を社会福祉法人に委託して実施しております。平成十九年度の在籍者は二十七名でございまして、その平均年齢は約四十六歳でございます。この事業は、当初三年であんまマッサージ指圧師、その後二年ではり師、きゅう師の受験資格を得ることができます。
 就業実績でございますが、あんまマッサージ指圧師につきましては、十三名に対して十一名が、はり師、きゅう師につきましては、八名に対して四名が国家試験に合格しております。

○山加委員 人生の半ばで中途障害者となった年配の方、働き盛りの年齢だと思うんですが、そういう方たちが、事故やまた病気を乗り越えて、五年の養成期間であんま師等の資格修得に向けて頑張っている、もう大変なことだと思います。どうか都は、専門的な技術的なスキルの習得を今後もぜひ応援していってほしいと思っております。
 一方で、東京では、視覚障害者の就職の場が、選択肢も大変広がり、拡大しつつあるという状況であると聞いているわけでありますが、都内には一般企業のオフィスが多数あることを背景といたしまして、企業側のニーズもあり、少なからぬ視覚障害者が事務職として就職をしていると伺っております。
 そこで、この一年間でハローワークを通じて就職された視覚障害のある方の就職状況、特に事務職への就職についてお伺いをいたします。

○松浦障害者施策推進部長 平成十九年度に都内のハローワークを通じて就職しました視覚障害者の方は二百四十名でございます。その内訳でございますが、あんまマッサージ指圧師などの専門技術的職業についた方が九十六名、事務的職業として就職した方がほぼ同じぐらいの九十二名、技能工等の職業が三十六名などとなっております。
 副委員長ご指摘のとおり、新たな視覚障害者の職域としまして、例えばパソコン技術も、画面読み上げソフト等みたいなのを活用しまして、そういうものの習得を前提としました事務職への職域が開拓されつつありまして、視覚障害者の雇用の場が拡大してきていると考えております。

○山加委員 IT技術の進歩によりまして、視覚障害のある方にとっては、パソコンを習得するなどして、これからますますその職域が拡大し、今後の就職やまた支援の仕方も変わってくるのではないかと思うところであります。
 ところで、都では、平成二十三年度まで、全区市町村での区市町村障害者就労支援センターの実施を目指していますけれども、本年九月一日現在、四十一の区市に設置されていると伺っております。東京都では、障害者一人一人のニーズに応じた支援、また視覚障害のある方について、就労支援センターにおいて相談を受け、就職支援また定着支援を実施していることと思います。
 そこでお伺いをいたしますが、この区市町村障害者就労支援センターの支援の実績、あわせて視覚障害者への支援の状況など、障害者の就労支援に関する取り組み状況についてお尋ねをいたします。

○松浦障害者施策推進部長 まず、区市町村障害者就労支援センターの支援実績でございますけれども、平成十九年度は、就労相談、就労定着支援なども含めまして、就労支援の登録者が六千八百四十三名でございまして、前年度比三割以上増加しております。また、就職された方も九百五十三人で、前年度比ほぼ三割増となっております。
 また、視覚障害者につきましては、平成十九年度の就労支援登録者数が百二十二名でございまして、実際就職した方は十九名でございます。
 都といたしましては、障害特性や個別のニーズに応じました就労の実現に向けまして、就労支援センターの職員の人材育成、支援ノウハウの向上を図りまして、都全域の障害者の就労促進に取り組んでいるところでございます。

○山加委員 今、部長のご答弁により、東京都は、障害の特性に応じた就労の実現のために大変積極的に取り組んでいらっしゃるとのことでありますけれども、障害者のニーズは、本当に個人それぞれであると思います。特に視覚障害、お目の不自由な皆様に対する支援は固有のものがあって、そしてまた、さらに、同じ視覚障害者でも、その障害の機能欠損を持った状況はそれぞれであります。その障害の状況に応じた、どうかきめ細やかな支援を今後とも実施していただくように強くお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。

○吉田委員 私も、稲垣実さん外三千百七名の方から出されております特別養護老人ホームで働く視覚障害マッサージ師の就労支援に関する陳情について、趣旨採択を求める立場から何点か質問させていただきます。
 今、山加副委員長の質問で既に回答されている点は、できるだけ省いて行いたいと思います。
 私も、そもそも特養経営支援事業の中であんまマッサージ指圧師を加算対象としている政策的な目的についてお伺いするつもりでしたけれども、結論的にいえば、特養ホームで継続的に働いてこられた視覚障害者の方々が引き続き雇用されるようにということだというふうに伺いました。
 ただ、ご承知のとおり、特別経営支援事業の場合は、補助金の性格があるかもしれませんけれども、単年度なわけですよね。平成二十年度は予算で計上されたけれども、じゃ、来年度はこの経営支援事業はどうなるのかということがありますから、やはり当事者の方からすれば、継続的に行われるのか否かという不安を抱くことは、ある面、東京都のこの間の単年度的対応から見れば当然のことだと思うんですが、今から来年度予算についてここでご答弁をもらうことはできないかもしれませんが、少なくとも、従前から特養ホームで働いていた視覚障害を持つあんまマッサージの方々の就労継続は、今後努力をしていくんだということは確認をさせていただいてよろしいんでしょうか。

○狩野高齢社会対策部長 特別養護老人ホーム経営支援事業につきましては、平成十二年度の介護保険制度の創設に伴いまして、特別養護老人ホームが従来の措置制度から介護保険制度に円滑に移行できるよう経過的に行ってきた事業でございます。したがいまして、単年度の補助事業という位置づけになっております。

○吉田委員 補助制度としては単年度ですけれども、継続的に従前から働いてきた視覚障害者の方々が引き続き雇用されるようにということは、今後も担保されるというふうにお答えはいただけないんですか。いわれている説明はそういうことですよね。

○狩野高齢社会対策部長 特別養護老人ホーム経営支援事業の経過的な支援の性格を十分に踏まえ、適切に対応してまいります。

○吉田委員 じゃ、適切に対応するというお言葉の中に継続支援ということが入っているというふうに理解をさせていただきます。
 それで、同時に、こうした陳情が出されるもう一つの理由としては、結局、新規が対象から、平成十二年以降外されているということで、新規も対象にしてほしいということが出されていると思うんですよね。それは、私は当然のことだと思うんですけれども、ただ、改めてこの陳情を検討するに当たって驚いたんですけれども、例えば、一定の年齢で継続的に働いていた視覚障害のあんまマッサージの方が退職をする、その場合に、同じ施設が別な視覚障害を持つあんまマッサージの方を雇用して、同様のサービスが継続できるようにするということになるんだったら、私は、当然、事実上サービスの継続ですから、都加算は継続されるものだというふうに思っていたんですけれども、そういうふうに補助金を請求したところ、後で返還を求められたというのは、極めてこれは理解できないことなんですが、事実と、なぜそういうふうになるのか、ご説明を願いたいんですが。

○狩野高齢社会対策部長 先ほども申し上げましたとおり、都では、平成十二年度の介護保険制度創設に伴いまして、それまで機能訓練指導員として働いていた視覚障害者が引き続き雇用されるよう経過的に実施してきた特養経営支援事業で補助しているものでございまして、新規は対象とはなりません。視覚障害を有するあんまマッサージ指圧師の新たな採用につきましては、雇用主である各社会福祉法人が、例えば、特定求職者雇用開発助成金等を活用して積極的に対応すべきものと考えております。

○吉田委員 行政の施策のあり方として、もちろん、従前から雇用されていた視覚障害者の方々の雇用を守ることは当然のことですけれども、その方々に対する補助ではなくて、これは施設に対する加算補助だと思うんですよね。それはやはり非常に理解ができないことですし、しかも、先ほどの説明の中で、そもそも経営支援事業というものは、利用者サービスの維持及び向上を図ると、介護保険制度への円滑に当たって。だから、大前提は、雇用の継続だけではなく、利用者サービスが維持し向上されるということに着目した支援事業なんじゃないですか。いかがですか。

○狩野高齢社会対策部長 特別養護老人ホームには機能訓練指導員の配置が義務づけされているわけですけれども、機能訓練指導員については、身体運動に識見を有していると考えられる資格を有する者を広く認めて、理学療法士等に加え、あんまマッサージ指圧師の資格を有する者を機能訓練指導員として認めたものであるというふうに理解をしております。

○吉田委員 都加算が継続的に、新たに採用された視覚障害者の方々、あるいはしようとした場合にそれが対象になるという制度が例えばなくても、特養ホームの経営状況から見て、国の介護報酬だけでできるんだということならば、話がまた別な話になると思うんですが、ご承知のとおり、福祉保健局自身の特養ホームの調査を見ても、今の国の介護報酬では、少なくとも現在の利用者のニーズにふさわしい職員の配置を進めたときに、経営的に極めて厳しいということは、東京都自身の調査結果で明確だと思うんですよね。ですから、もし同じ施設で継続的に新たに視覚障害者を配置しようとしたときに、都加算なしには、それは極めて困難だというのが特養の経営の実態ではないでしょうか。
 それは何よりも、例えば、都加算のないところで、視覚障害者を独自で国の介護報酬だけで新たに雇用したというふうな例はあるんでしょうか。

○狩野高齢社会対策部長 特別養護老人ホーム経営支援事業の加算対象の施設からは、補助を実施するに当たり報告を求めておりますけれども、補助対象外の施設からは報告は求めておりません。

○吉田委員 状況はわからないということかもしれませんが、私が陳情を出された方に聞きましたけれども、ないのではないかということがいわれておりましたし、これは既に当事者からの陳情書の中にも書いてありますけれども、平成十二年、西暦二〇〇〇年には百二十六施設で視覚障害のあんまマッサージの方が就労していたにもかかわらず、二〇〇六年には八十六施設ということで後退をしております。比率にすると六八%にまで後退をしているわけで、私はやはり、ぜひ、これまでの方々の雇用が継続されるだけではなく、何よりもまず、利用者サービスの維持向上ということならば、少なくとも、今まであんまマッサージの方が配置をされていたところが、その方の退職に伴って、継続的に別な方を雇うことができないというふうな事態は最優先で解消する必要があると思いますし、あわせて、新規施設においても、もともと介護保険導入以前は新規が対象だったわけですから、それが打ち切られたために、先ほどいわれておりましたけれども、事実上補助金は削減をされるということになったわけですから、検討していただきたいと思うんですね。
 しかも、機能訓練指導員という中には、あんまマッサージだけではなくて、さまざまなジャンルの方々、例えば看護師さんでもいいとか、あるいは理学療法士の方でもいいとかということになっていますが、あんまマッサージ師さんの持つ役割というものは極めて特別なものがあると思うんですよね。
 今、特養ホームは非常に重度化しておりますから、四度、五度の方々が多い中で、リハビリをするといったって、特別の訓練といってもなじまないわけですよね。少なくとも今の機能を維持するとか、あるいは床ずれを解消するとかという点で見れば、あんまマッサージの方々のこの分野の役割というのは非常に現実的だということも聞いていますし、また、直接スキンシップで話をすることを通じて、いろんなその方の意見、ご要望なども聞くことによって、非常に入所者の方々には喜ばれているというのが現実だそうです。
 ぜひそうしたことを考慮していただきたいと思いますし、さらに、先ほどの話と若干重なりますけれども、経費については、介護報酬によって賄われているということが説明としてありますけれども、経営難がこれだけ深刻ですから、例えば、もしあんまマッサージの方を雇うにしても、やっぱり全盲の方よりは目が見えた方が、事務だとかその他の仕事に兼務をすることができるということで、どうしても経営的に見れば、今の状況では視覚障害の方々は排除されかねない。今働いている人も肩身の狭い思いをせざるを得ないという話を聞きました。
 そうした点から見ても、これまでの方々も、そして、新規の方々もぜひ就労できるようにしていただきたいと思いますし、今働いている人は、自分たちがそれを保障してほしいというだけではなくて、例えばヘレン・ケラー学院などで学んでいる方々も、都の施策によって特養ホームで働くことができるんだというふうな状態をぜひつくってほしいんだというのが声として寄せられましたので、そのことを紹介しておきたいと思います。
 今が一、二項目めに関することなんですが、三項目めですけれども、山加副委員長の話と若干ダブる点がありますが、先ほど、障害特性というものに配慮した障害者の雇用促進に努力をするんだというお話がありました。
 もちろん、視覚障害者といっても、全盲の方と弱視の方では就労の条件も違います。また、弱視といってもかなり幅があることだと思うんですが、いろいろご努力はされているでしょうけれども、実際に、例えば、全盲の視覚障害者の方々が仕事につくためにどのような支援をされているのか、もう少し具体的に都としての施策を説明していただけませんか。

○松浦障害者施策推進部長 都としての支援ということでございますので、まず、生まれつき全盲の方等につきましては、特別支援学校高等部に盲学校がございまして、そこで、あんまマッサージ指圧師、はり師、きゅう師の国家資格を取得するための教育を行っておりまして、おおむね卒業生の三四・三%が就職しているというような状況がございます。また、専門学校等も含めた進学で約三〇%というようなことを実施しております。
 それで、福祉施設または家庭にいる方もいらっしゃるわけですけれども、先ほど申し上げましたように、四十一区市に設置しております区市町村就労支援センターにおきまして、視覚障害者についても、本人の力量、適性を踏まえまして、企業等の就労に向けた相談、支援を継続的に実施しております。
 また、視覚障害者の方への職業訓練としましては、東京職業能力開発校でOA実務等の訓練などを実施しているというものと、また、先ほど申し上げましたように、中途で失明なされた方など、視覚障害者の方の就業を促進するために、あんまマッサージ指圧師、はり師、きゅう師について、養成事業を社会福祉法人に委託して実施しているということでございます。

○吉田委員 先ほどのご説明で、登録者百二十二名、実際に就労できた方が十九名というご答弁が山加副委員長の質問に対する答弁でありましたけれども、そうした数に見られるように、極めて容易なことではないと思うんですよね。もちろん、例えばパソコンなどの新たな情報機器の発達を積極的に生かすということは当然ですけれども、しかし、だからといって、健常者と同じようにパソコンを駆使して事務的な仕事ができるかといえば、到底かなりのハンディを背負わざるを得ないことは明らかであって、東京都社会福祉協議会の広報で都盲協の笹川さんが書かれておりましたけれども、やっぱり視覚障害者にとってみれば、あんまマッサージという仕事が非常に大きな就労の道としては対象だと思うんですね。
 そういう意味から見ても、私は、やはり東京都が、特養ホームに対しても新規の視覚障害者のあんまマッサージ師としての雇用の道を開く、あるいは企業などに対しても採用支援をするということをぜひ努力していただきたいと思うんです。
 そこで、直接的には総務局になるかもしれませんが、東京都としても、十年間で三万人の就労という目標を掲げておりますが、東京都庁における視覚障害者の方の最近の採用状況について報告をしていただきたいんですが。

○松浦障害者施策推進部長 過去五年間で二名の視覚障害者を雇用しているというふうに聞いております。過去十年間では十名というふうに聞いております。

○吉田委員 五年間で二名というご答弁ですが、これは厳密にいうと、身体障害特別選考Ⅲ類というものを多分説明されたと思うんですが、これは高卒対象ですけれども、この試験は、私が聞いている話では、点字ではないんですよね。拡大文字というんですか。要するに、したがって、全盲の方が対象になっていないと思うんですよね。
 当該団体の方々は、ぜひ全盲の方も点字試験で対象にしてほしいということをいわれていると思うんですけれども、やはりこういう点でも、東京都自身、対象をいわば窓口で狭めているということがあると思いますし、さらに、大卒を対象としたⅠ類B、この場合には点字も対象になっていますが、私が聞いた話では、最近採用がないということも聞いております。
 ぜひ東京都自身が、全盲の視覚障害者の方々であっても、職員の方々のいろんな健康のケア、あるいは、福祉の現場でのさまざまな就労も含めて積極的にやはり道を切り開いていくということが、何よりも東京都としての視覚障害者の方々に対する就労促進の姿勢を示す一番の道ではないかというふうに思い、そのことを要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。

○野上委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○野上委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二〇第二五号は不採択と決定いたしました。

○宮垣地域保健担当部長 先ほどの後期高齢者医療制度についての陳情、陳情二〇第一七号について、吉田委員からのご質問に対する回答で一部訂正がございますので、申しわけございませんが、訂正をさせていただきます。
 先ほどの保険料軽減措置についての基準についての回答なんですが、夫婦二人世帯でともに公的年金収入のみ、妻の年金収入は百三十五万円以下という前提のあった場合についてお答えをしてしまいました。まことに申しわけございませんでした。
 吉田委員のご質問については、単身者の場合について軽減措置はどのような基準でなされているかということでしたので、訂正の上、改めてご回答をさせていただきます。
 単身者の方の場合の保険料の軽減措置でございますが、公的年金収入のみの場合と前提を置かせていただいた上でお答えをいたします。
 均等割につきましては、年金収入が百六十八万円までの方については八・五割軽減、二百三万円までの方については二割軽減となっております。また、先ほどは均等割のみお答えをしてしまいましたが、所得割についてもございまして、所得割については、年金収入百六十八万円までの方が一〇〇%軽減、百七十三万円までの方が七五%軽減、二百十一万円までの方が五〇%軽減という基準になっております。

○野上委員長 次に、陳情二〇第三三号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○日置参事 お手元の請願・陳情審査説明表に従いまして、ご説明させていただきます。
 整理番号8、二〇第三三号、離婚後の親子の面会交流への支援に関する陳情は、国立市の親子の面会交流を実現する全国ネットワーク宗像充さんから提出されたものでございます。
 陳情の趣旨は、都において次のことを実現していただきたいというものでございます。
 内容について順にご説明いたします。
 まず、第一項でございますが、父母の別居及び離婚後の親子の面会交流を担当する窓口を決めることというものでございます。
 次に、第二項でございますが、父母の別居及び離婚後の親子の面会交流の実態を把握するための調査を行うことというものでございます。
 第三項でございますが、父母の別居及び離婚後の親子の面会交流について、東京都のガイドラインを作成することというものでございます。
 第四項でございますが、父母の別居及び離婚後の親子の面会交流仲介事業を行っている団体に対し支援をすることというものでございます。
 第五項でございますが、児童養護施設等、児童福祉に係る施設を面会交流の場として提供、運営するよう検討することというものでございます。
 最後に、第六項でございますが、父母の別居及び離婚後の親子の面会交流を促進するための啓発活動を行うことというものでございます。
 現在の状況についてでございますが、離婚後の子の監護につきましては、民法第七百六十六条第一項において、「父母が協議上の離婚をするときは、子の監護をすべき者その他監護について必要な事項は、その協議で定める。協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所が、これを定める。」と規定されております。
 離婚後に子どもを養育、監護していない方の親が子どもと面会等を行う、いわゆる面接交渉あるいは面会交流につきましては、法令上、明文の規定はございませんが、民法第七百六十六第一項における、監護について必要な事項に当たるものと解されております。
 このため、面接交渉の具体的な内容や方法につきましては、まずは父母が話し合って決めることとなりますが、話し合いがまとまらない場合には、家庭裁判所に調停または審判の申し立てをして、面接交渉に関する取り決めを求めることができることとなっております。
 子どもとの面接交渉につきましては、子どもの健全な成長を助けるようなものである必要がございますので、調停または審判に当たりましては、子どもの年齢、性別、性格、就学の有無、生活のリズム、生活環境等を考慮して、子どもに精神的な負担をかけることのないように十分配慮するとともに、子どもの意向を尊重して行われております。
 また、子どもとの面接交渉に関しましては、合意または決定された内容を子どもの監護をしている親が守らない場合には、家庭裁判所に履行勧告を申し立てることができるものとされております。
 なお、離婚前であっても、両親が別居中で子どもとの面接交渉についての話し合いがまとまらない場合にも、同様の手続が行われております。
 このように、離婚後または別居中の父母の子どもとの面接交渉につきましては、父母間の協議により決めることが原則でございます。父母間で争いがあり協議が調わない場合、または、協議そのものが開始できない場合には、公権力が関与する仕組みとなっておりまして、その関与は、双方の主張、子どもの意向、裁判所調査官の調査による客観的な事実など、一切の事情を考慮して、司法機関である家庭裁判所が公正中立な立場から行っております。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願いします。

○野上委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○吉田委員 本陳情について一言意見を申し上げます。
 陳情者の思いは理解できるものであり、離婚後も親子の面会交流が図られることは望ましいことだと思います。しかし、最大の問題は、民法では、離婚後は単独親権制度をとっているところにあります。世界では共同親権の流れがあるようですけれども、この単独親権でいいのかどうかは今後の検討課題だと思います。また、子どもの権利に関する条約で定められた権利は尊重されなければなりません。
 この観点から、都としてどのような対応をするかが求められています。したがって、都としてこうした問題を検討する窓口の設置や実態調査は必要であり、一、二項は賛同できるものだと思います。
 また、都としての具体的な施策については、法律上で現段階では単独親権になっており、当事者の意思にかかわる問題でもあり、都が制度として個々の面会のための施策を図ることは難しいと思います。しかし、離婚によって親子の面会ができない事態を何とかしてほしいという思いは理解できるものであり、国や都においても検討が求められていると考えます。
 以上です。

○西崎委員 離婚後の親子の面会交流への支援に関する陳情に対して、やはり同じく意見を述べます。
 民法では、親権は結婚期間中には双方の親にありますが、離婚した場合は、父親か母親のどちらか一方となる単独親権制になっています。しかし、先進国は、離婚後も共同で子どもに責任を持つ共同親権や共同監護の制度が法制化されています。
 日本では、面接交渉の話し合いで、親同士の感情のもつれなどで難しい場合、家庭裁判所に面接の交渉の調停を申し立て、取り決めをしていますが、強制力がなく、親権者側の都合で会えなくなるケースが増加しています。離婚件数が増加している近年、制度のはざまで苦しんだり傷ついたりしているのは、親が離婚している子どもたちではないかと思います。
 家裁の調査官として三十六年活動してきた駒沢女子大学教授の平松さんはこう述べています。子どもは、父親と母親に愛される存在と実感することを通して、みずからを確たる存在として実感できる。しかし、その足場を失うことで、自分の誕生は何だったのかと苦しむことになりやすいといっています。
 そこで、面接交渉は、本来子どもの権利だということを基本に考え、第三者の機関がもっと手助けをし、子どもの利益を最優先に考えられる社会の仕組みに変えていくべきだと思います。よって、今回の陳情に対して趣旨採択を求め、意見を終わります。

○野上委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○野上委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二〇第三三号は不採択と決定いたしました。
 請願陳情の審査を終わります。
 以上で福祉保健局関係を終わります。
 なお、本日審査いたしました請願陳情中、採択と決定いたしました分につきましては、執行機関に送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することにいたしますので、ご了承願います。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後五時十一分散会

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