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Tokyo Metropolitan Assembly

厚生委員会速記録第六号

平成二十年六月五日(木曜日)
第七委員会室
   午後一時開議
 出席委員 十四名
委員長野上 純子君
副委員長山加 朱美君
副委員長かち佳代子君
理事くまき美奈子君
理事長橋 桂一君
理事野島 善司君
西崎 光子君
大松  成君
佐藤 広典君
田代ひろし君
石毛しげる君
野村 有信君
佐藤 裕彦君
吉田 信夫君

 欠席委員 なし

 出席説明員
福祉保健局局長安藤 立美君
次長関  敏樹君
総務部長杉村 栄一君
指導監査部長鈴木 賢二君
医療政策部長吉井栄一郎君
保健政策部長清宮眞知子君
生活福祉部長永田  元君
高齢社会対策部長狩野 信夫君
少子社会対策部長吉岡 則重君
障害者施策推進部長松浦 和利君
健康安全部長桜山 豊夫君
企画担当部長松井多美雄君
施設調整担当部長宮垣豊美子君
食品医薬品安全担当部長奥澤 康司君
感染症危機管理担当部長月川由紀子君
参事蒲谷 繁夫君
参事大久保さつき君
参事住友眞佐美君
参事芦田 真吾君
参事松原 定雄君
参事菊本 弘次君
参事別宮 浩志君
参事梶原  洋君
病院経営本部本部長秋山 俊行君
経営企画部長及川 繁巳君
サービス推進部長都留 佳苗君
参事黒田 祥之君

本日の会議に付した事件
 福祉保健局関係
第二回定例会提出予定案件について(説明)
・東京都医師奨学金貸与条例
・東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例
・東京都女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例
・地方自治法第百七十九条第一項の規定に基づき専決処分した損害賠償請求事件の控訴提起に関する報告及び承認について
 病院経営本部関係
報告事項(説明)
・「精神医療センター(仮称)整備運営事業」に係る落札者の決定について
・財団法人東京都保健医療公社豊島病院(仮称)の医療機能等について
陳情の審査
(1)一九第八一号 都立墨東病院の地方独立行政法人化に反対し都直営で存続させることに関する陳情
(2)二〇第二号 都立駒込病院の改築・改修、その後の運営に関する陳情

○野上委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 初めに、本委員会の担当書記に交代がありましたので、紹介をいたします。
 議事課担当書記の長山奈布さんです。
 議案法制課担当書記の岸洋子さんです。
 よろしくお願いいたします。
   〔書記あいさつ〕

○野上委員長 次に、会期中の委員会日程について申し上げます。
 先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程表のとおり申し合わせをいたしました。ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、福祉保健局関係の第二回定例会提出予定案件の説明聴取並びに病院経営本部関係の報告事項の聴取及び陳情の審査を行います。ご了承願います。
 なお、提出予定案件及び報告事項については、本日は説明を聴取した後、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行いたいと思います。ご了承願います。
 これより福祉保健局関係に入ります。
 初めに、理事者の欠席について申し上げます。
 梶山技監は、公務出張のため、本日の委員会に出席できない旨の申し出がございました。ご了承願います。
 次に、先般の人事異動に伴い、幹部職員に交代がございましたので、安藤局長より紹介があります。

○安藤福祉保健局長 それでは、説明に先立ちまして、このたびの人事異動によりまして当局幹部職員の交代がございましたので、新任幹部職員を紹介させていただきたいと存じます。
 まず、指導監査部長の鈴木賢二でございます。続きまして、医療政策部長の吉井栄一郎でございます。健康安全部長の桜山豊夫でございます。食品医薬品安全担当部長の奥澤康司でございます。感染症危機管理担当部長の月川由紀子でございます。医療改革推進担当参事の大久保さつきでございます。生活支援担当参事の芦田真吾でございます。障害者国際スポーツ担当参事の別宮浩志でございます。特命担当参事の梶原洋でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者あいさつ〕

○野上委員長 紹介は終わりました。

○野上委員長 次に、第二回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○安藤福祉保健局長 平成二十年第二回定例会に提出を予定しております福祉保健局関係の議案につきましてご説明を申し上げます。
 今回ご審議をお願いいたします議案は、条例案三件と専決処分の報告・承認案一件でございます。
 初めに、条例案でございます。
 お配りをいたしました資料は、平成二十年第二回東京都議会定例会条例案とその概要でございます。
 それでは、条例案の概要をごらんいただきたいと存じます。
 一ページをお開き願います。
 整理番号1、東京都医師奨学金貸与条例でございます。
 都内の医師の確保が必要な地域や診療科等における医師の確保及び質の向上を図るため、医師奨学金制度を新たに設ける必要があることから、条例を新設するものでございます。
 この条例は、公布の日から施行することとしております。
 次に、整理番号2、東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例でございます。
 手数料の額を改定いたしますとともに、介護保険法施行規則の一部を改正する省令の施行に伴いまして、新たに介護サービス情報の調査の対象として追加された介護サービスの種類にかかわる手数料を設ける必要があることから、手数料にかかわる規定を整備するものでございます。
 この条例は、公布の日から施行することとしております。
 次に、整理番号3、東京都女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例でございます。
 東京都女性福祉資金貸付事業は、国の母子寡婦福祉資金貸付事業に準拠しながら実施しているものでございます。今回の改正は、女性福祉資金貸付事業の充実を図るため、国制度の改正に合わせまして、技能習得資金等について償還期限を延長するものでございます。
 本条例は、公布の日から施行し、平成二十年四月一日から適用することとしております。
 以上が条例案の概要でございます。
 条例案の詳細な内容につきましては、お手元の資料、平成二十年第二回東京都議会定例会条例案をご参照いただきたいと存じます。
 続きまして、専決処分の報告・承認案についてでございますが、これにつきましては、引き続き総務部長からご説明を申し上げます。
 よろしくご審議のほどお願いを申し上げます。

○杉村総務部長 引き続きまして、平成二十年第二回定例会に提出を予定しております専決処分の報告・承認案につきましてご説明申し上げます。
 お手元の資料のうち、専決処分した事件の概要につきまして、ごらんいただきたいと存じます。
 一ページをお開き願います。事案の概要でございますが、本件訴訟は、昭和四十二年十一月、当時生後九カ月の原告が、国立市実施による痘瘡の予防接種後に脳炎発症による脳性小児麻痺となったのは、国、都及び国立市の過失によるものであるとして、国家賠償法による総額一億二十万一千七百六十一円余の損害賠償を求めて訴えを提起した事件でございます。
 訴訟の争点でございますが、独自の政策判断により国立市の痘瘡予防接種費用を負担した都に、国家賠償法の費用負担者としての賠償責任があるかということでございます。
 判決の概要でございますが、平成二十年五月八日、福島地方裁判所は、都及び国立市の賠償責任について原告の主張を認め、補助金を交付していた都は、国家賠償法第三条第一項により、国立市と連帯をして、三千八十一万四百二十四円及びこれに対する年五分の割合による金員を支払えとの一部敗訴判決を申し渡しました。
 控訴の理由でございますが、当時の予防接種は、国から市町村への機関委任事務であり、都が独自の政策判断により行った補助金交付を根拠とする連帯責任の認定は不当であります。このことから、本判決は、国家賠償法の解釈及び適用を誤った不当なものであり、控訴を提起する必要が生じましたが、その控訴期間に議会を招集する時間的余裕がなかったことから、専決処分を行ったものでございます。
 なお、二ページ以降に議案の内容を記載してございますので、ご参照いただければと存じます。
 以上、簡単ではございますが、専決処分の報告・承認案についてのご説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願いを申し上げます。

○野上委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○かち委員 二点お願いします。
 一つは、医師確保奨学金制度の全国の道府県の実施状況。
 二つ目は、介護サービス情報公表手数料の全国の道府県の状況及び値下げの状況のわかるものをお願いします。

○野上委員長 ほかにございませんでしょうか。--ただいま、かち副委員長から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○野上委員長 異議なしと認めます。理事者においては、要求された委員と調整の上、提出願います。
 以上で福祉保健局関係を終わります。

○野上委員長 これより病院経営本部関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、幹部職員に交代がありましたので、秋山本部長より紹介があります。

○秋山病院経営本部長 四月一日付で当本部の幹部職員に異動がございましたので、ご紹介をさせていただきます。
 当委員会との連絡に当たらせていただきます総務課長の栗岡祥一でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
   〔理事者あいさつ〕

○野上委員長 紹介は終わりました。

○野上委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○及川経営企画部長 二件の報告事項につきまして、お手元にお配りしております資料に基づき、ご報告申し上げます。
 まず、資料1の精神医療センター(仮称)整備運営事業に係る落札者の決定についてでございます。
 本事業は、民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律、いわゆるPFI法に基づく事業として、平成十九年八月二十三日に入札公告を行って以来、事業者の選定手続を進めてまいりましたが、本年三月十八日に落札者が決定いたしました。
 資料の5から7に記載してありますとおり、総合評価一般競争入札によりまして、日揮株式会社外二社が七百三十五億二千六百二十五万円で落札いたしました。今後は、本事業を遂行するために設立される特別目的会社と本年中を目途に事業契約を締結する予定でございます。事業契約を締結いたしました際には、改めて本委員会にご報告申し上げます。
 続きまして、都立豊島病院の財団法人東京都保健医療公社への運営移管につきましてご報告いたします。
 お手元に、資料2、財団法人東京都保健医療公社豊島病院(仮称)の医療機能等について(公社化検討委員会まとめ)概要と、資料3の本文をお配りしてございます。
 都立豊島病院につきましては、平成十九年一月に発表いたしました、今後の豊島病院のあり方についてにおいて、平成二十一年度当初に財団法人東京都保健医療公社に運営を移管することとし、この方針のもと、関係局で構成する豊島病院公社化検討委員会を病院経営本部に設置し、運営移管後の基本方針、運営理念等について検討してまいりました。
 また、病院と公社には、地区医師会や地元自治体を含む関係者で構成する豊島病院運営協議会準備会を設置し、運営移管後の医療機能等について検討してまいりました。
 本報告書は、その検討結果を受け、地域のご意見を最大限尊重した上で、公社化検討委員会として取りまとめを行ったものでございます。
 それでは、資料2の概要に基づいてご説明をさせていただきます。
 Ⅰ、基本方針でございます。
 区西北部保健医療圏、これは板橋区、練馬区、北区、豊島区でございますが、当医療圏の中核病院として地域の医療機関との連携を一層推進するとともに、医療の継続性を確保し、地域住民に適正な医療を提供してまいります。
 Ⅱ、運営理念でございます。
 基本方針に基づき、次の四点を運営理念として掲げております。地域ニーズにこたえるため、地域医療連携を強力に推進する。患者の人格と意思を尊重し、納得のいく医療を実践する。常に医療の質の向上を図り、安心・安全で信頼される医療を提供する。良質な医療を継続して提供するため、健全な経営基盤を確立するの四点でございます。
 Ⅲ、診療規模でございます。
 入院規模は、現行許可病床の四百七十八床を前提に、より効果的な入院規模を設定してまいります。
 なお、現行の医療資源を最大限活用することで地域の医療ニーズにこたえていくため、将来的には全病棟開棟を目指すこととしております。
 外来規模は、当面、現行の規模を踏まえつつも、紹介予約制の推進を図るという基本的方向の中で、適切な規模を設定してまいります。
 Ⅳ、医療機能でございます。
 区西北部保健医療圏を基本に、隣接する文京区、中野区を含めた医師会等関係機関とも引き続き密接な連携を図ってまいります。
 移管後の病院の名称につきましては、豊島病院という名称が地域に定着した歴史のあるものであることから、財団法人東京都保健医療公社豊島病院とすることで調整してまいります。
 重点医療といたしまして、三つ掲げております。
 一つ目は、二次救急を中心とした救急医療を提供してまいります。二つ目は、脳卒中集中治療室、いわゆるSCUを整備いたしまして、脳神経外科、神経内科、リハビリテーション科、放射線科を中心とした医療チームによる高度専門的な脳血管疾患医療を提供してまいります。三つ目は、緩和医療や、高度な画像診断、リニアック、外来化学療法、内視鏡手術等による低侵襲治療を実施するなど、患者の症状に応じた質の高いがん医療を提供してまいります。
 原則といたしまして、現行の診療科及び診療機能を継続し、各科において特色ある医療を提供してまいります。
 行政的医療の取り扱いにつきましては、行政からの要請や地域の医療ニーズを踏まえまして、適正な財政支援のもとに、引き続き必要な医療を提供してまいります。周産期医療のうち新生児集中治療室、いわゆるNICUで対応する高度な治療分野に関しましては、平成二十年一月に策定いたしました第二次都立病院改革実行プログラムにもお示しをしましたが、平成二十年度から二十一年度に大塚病院と墨東病院に移転し、機能の集約化を図ることとしております。
 なお、新生児にも一定の対応が可能な小児科及び産婦人科につきましては、他の医療機関との連携をさらに深めまして、引き続き周産期医療に対応してまいります。
 また、地域で一貫性のある医療を継続して提供するため、開放型病院として運営するとともに、地域医療の充実を図るため、地域医療支援病院の早期承認を目指した病院運営を行ってまいります。
 Ⅴ、医療連携でございます。
 地域医療支援病院化に向けた取り組みといたしまして、開放型病床の設置、共同診療の実施、高度医療機器の共同利用、紹介、返送、逆紹介の推進などに取り組んでまいります。
 また、地域連携クリニカルパスの導入を推進するとともに、在宅医療に関する連携医向け研修会を実施してまいります。
 さらに、連携医の登録や周辺大学病院との連携、運営協議会の設置等、連携体制の強化に取り組んでまいります。
 Ⅵ、移管日でございますが、平成二十一年四月一日といたします。
 Ⅶ、その他でございますが、病院運営上の医療機能、医療連携等に係る具体的な課題につきましては、引き続き地区医師会や地元自治体等の協力を得ながら検討してまいります。
 今後は、この内容に基づきまして、受け入れ先であります財団法人東京都保健医療公社とも十分連携を図りながら、円滑な運営移管を行ってまいります。
 以上、簡単ではございますが、報告を終わらせていただきます。
 よろしくお願い申し上げます。

○野上委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○吉田委員 二つの報告に関して、それぞれ五点、資料をお願いいたします。
 まず、いわゆる松沢病院のPFI事業化落札者の決定にかかわる報告に関してですけれども、一点は、バリュー・フォー・マネー、VFM推計値とその根拠の推移について資料をお願いいたします。
 二点目は、落札価格の主な内訳及び予定価格の主な内訳についてお示しください。
 三つ目に、松沢病院における今年度の業務委託の概要について資料をお願いいたします。
 四つ目に、日揮株式会社の会社概要と病院経営の実績についてわかる資料をお願いいたします。
 この事項の最後に、都立府中、駒込、松沢、それぞれにおけるPFI導入におけるアドバイザリー契約と関連経費の推移についてわかる資料をお願いいたします。
 次に、豊島病院の公社化にかかわる点で、五点お願いいたします。
 まず第一に、豊島病院の公社移管準備委員会の中で出された主な意見について、資料をお願いいたします。
 二つ目に、豊島病院の職員定数と、〇九年四月一日時点までの実数、過去五年間の推移でお願いいたします。
 次に、豊島病院の経営指標の推移、これも過去五年分。
 次に、豊島病院での緩和医療の実績についてもお願いいたします。
 最後に、豊島病院でのNICU、休止する前の五年間の実績について示す資料をお願いいたします。
 以上です。

○野上委員長 ほかにございませんでしょうか。--ただいま吉田委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○野上委員長 異議なしと認めます。
 理事者においては、要求された委員と調整の上、提出願います。

○野上委員長 これより陳情の審査を行います。
 初めに、陳情一九第八一号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○及川経営企画部長 それでは、お手元配布の資料4、厚生委員会付託請願・陳情審査説明表に沿ってご説明させていただきます。
 一ページをお開き願います。整理番号1、陳情一九第八一号についてご説明申し上げます。
 この陳情は、墨田区の都立墨東病院を直営で存続させる会代表安田茂雄さん外八千六百六十四人から提出されたものでございます。
 陳情の要旨についてでございますが、都立墨東病院の地方独立行政法人化をやめ、だれでも安心してかかれる公的医療の充実をしていただきたいというものでございます。
 現在の状況についてでございますが、都立病院がその基本的役割である行政的医療の提供を将来にわたり安定的かつ継続的に提供していくためには、より柔軟な経営形態について検討していく必要がございます。
 第二次都立病院改革実行プログラムでは、経営形態の変更につきましては言及しておらず、地方独立行政法人の制度上の課題や都立病院の運営状況を踏まえて詳細な検討を行うとともに、国の動向や他の自治体病院における地方独立行政法人の導入事例の検証を行うなど、計画期間中は十分な検討を行っていくこととしております。
 簡単ではございますが、以上で説明を終わらせていただきます。
 よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○野上委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○長橋委員 私から、今ご説明のありました陳情一九第八一号、都立墨東病院の地方独立行政法人化に反対し都直営で存続させることに関する陳情、これについて質疑をさせていただきます。
 この件に関しては、本年三月の第一回定例会でも、地元の病院でございましたので、私は同じような趣旨の質疑をさせていただきました。その際、こういった独法化になる、または都直営でなくなるかのごとき喧伝といいますか、そういったものがチラシ等でまかれていることに対して、きちっと東京都は、特に病院経営本部は、きちっと説明をしていくべきだ、本来であれば、もっと早く説明をしなければいけなかったのではなかろうか、こんな話もさせていただきましたし、その際、秋山本部長も、違う病院で、同様の趣旨のことを、みずから現場に行かれて聞いて、説明をしてきた、こんなご答弁もあったわけでございます。
 そういう中で、昨年の十九年の四定で、新たな経営形態の検討をしてまいりました。その際、私も何回も申し上げましたけれども、独法化については拙速な独法化を避けて、慎重かつ十分な検討が必要である、これをいい続けてまいりました。その中で、この独法化については、メリット、デメリット、また、独法化に当たっての種々の課題、それから、いわゆる先行事例も非常に数が少ないので、そういう中で独法化ありきのごとく検討すべきではない、このようにも申し上げましたし、逆に、拙速な変更はかえって混乱を起こすし、後退をすることもあるよ、こんなことも申し上げさせていただいたわけでございます。
 そういう中で、本年一月に、この都立病院改革実行プログラムが出されたわけであります。その中に新たな経営形態の検討として書いてあるのは、まずは現状と課題が書かれているわけであります。まさに高齢化、また医師不足、看護師不足等さまざまな課題があるわけで、現状のままでは、都立病院の存続でなくて、時代のニーズに合わせた改革が必要であるということは、同じ認識であります。
 なおかつ、独法化に当たっての課題もきちっと羅列をしてあるわけでありまして、特に、提言のあった非公務員型は事例が極めて少なく、移行後の期間も短いため、現段階では十分な検証がなされていない、このようにもこのプログラムには書かれているわけでありまして、今後の方向性の中では、先行して病院事業における独法化を実施している国の動向や、自治体病院における独立行政法人の導入事例について、情報収集と検証をしていくという段階であるわけでございまして、なおかつ、二十四年まで期間をきちっととって検討していくということであります。
 そういう中で、再び今回こういった墨東病院についても、独法化ありきのごとく出されているわけでありまして、これについては改めてお伺いをしてまいりたいと思います。
 この独法化については、私の地元の大塚病院でも同じようなビラが配られましたけれども、全く内容は同じであります。これは恐らくここ最近配られたものであろうかと思いますけれども、ここに書いてある内容は、東京都は都立病院の直営をすべてなくす計画ですと書いてありますし、墨東病院を採算優先の独立行政法人にしようとしていますとか、このように書かれているわけでありまして、その点については再三議論をしましたけれども、それについての地元の説明をちゃんとやるべきだ、このように前回申し上げたところでございますが、その際、それについては、早速東京都の職員が都立病院を回って院長に説明をする、地域にも説明をする、こんなご答弁もいただいたわけでありますけれども、その後、どのようにやったのか、ちゃんとやったのかを含めて、ご答弁をお願いいたします。

○及川経営企画部長 本年一月三十一日に、ただいま理事からお話がございました第二次都立病院改革実行プログラムを策定した後に、間を置かずに、病院経営本部の担当幹部が直接各都立病院に出向きまして、院長を初め病院幹部職員に対し、院内職員はもとより、近隣町会等関係者の方に対しましても、この実行プログラムの周知を行うよう強く指示をいたすとともに、文書においても同様の指示を行ったところでございます。
 また、その後、お話にありました理事からのご指摘もいただきまして、主として都民向けに周知を徹底する目的で、この実行プログラムの概要版を三万部作成いたしまして、各都立病院や公社病院を初め区市町村や保健所、都庁舎の各窓口で都民の方が直接手にできるよう、各機関あて配布したところでございます。
 また、この概要版の内容は、当本部のホームページ上にも掲載をしたところでございます。
 さらには、このパンフレットを十分活用いたしまして、各都立病院から周辺町会や地区医師会など関係団体にも改めて周知徹底するよう、各病院に指示を出しているところでございます。
 このほか、四月に行われました東京都町会連合会の常任理事会におきましても、このような説明を行うなど、先生のご指摘を受けまして、あらゆる機会を通じて、都民の方の理解を得られるように努めているところでございます。

○長橋委員 今ご説明がありましたとおり、私もいただきました。この概要版ですね。これを三万部つくって、あらゆる機会を通して、院長だけではなくて、地元町会、今は町会連合会にも説明を行ったということでありますので、その対応については敬服するわけでございますが、都立病院は十一病院あるわけでございまして、恐らくこの委員会で取り上げたとおり、私の地元の大塚病院、そして今度は、墨東病院だけではなくて、ほかの病院の間でも同じような不安を持っている方がいらっしゃる。この陳情におきましても八千六百名の方が陳情されているわけでございまして、こういったことについては重く受けとめていただいて、やはり都立病院の担う行政的医療、地域の中核病院としての役割を、さらにしっかりと説明をしていかなければならない、こう思うわけであります。
 恐らく、今、医療崩壊というような言葉がありますし、地域医療が中小病院を初めとして大変厳しい状況に置かれている。きっと都立病院も、診療報酬等の改定によって厳しい経営環境にあるんだろう。そういう中で、都立病院までもが、そういった行政医療を担っていけるのか、こういう不安もあろうかと思うわけでありまして、それが一部のところではこういう陳情という形で出てきているのではないかなと思うわけであります。
 やはり生きていく上に当たって、医療というのは、まさに命を長らえる、また命を守るための最も大事な部分であろうかと思うわけでありまして、そういった部分でいえば、病院を経営改革していくに当たって、先ほど、前の説明にもありましたけれども、墨東病院についても、NICU、高度医療を集約していくということもありますし、墨東病院といえば、東京ERを先駆けて、いわゆる救急医療を担ってきたわけであります。そういったことを考えますと、ただ単なる独法化、経営形態、そういったことだけではなくて、さらに都立病院、今回はこの墨東病院がさらに機能を充実させていくんだという説明も必要ではなかろうかと思うわけであります。
 そこで、墨東病院、この都立病院改革実行プログラム概要版にも、墨東病院の主な計画、そして強化に向けた取り組み、これがありますが、こういったことにつきましても、地域の方々、関係者の方に説明をして、安心してもらう、または期待をしてもらう、そして病院経営本部はその期待にきちっとこたえていく、こういうことが必要であろうかと思います。
 最後に、この墨東病院、今後の医療充実強化、どのようにしていくのか、そして、説明をどのようにしていくのか、お伺いをいたします。

○及川経営企画部長 墨東病院でございますが、理事お話しのように、東京ER墨東としての救急医療や周産期医療など、複数のセンター的医療機能を担いますとともに、重点医療といたしまして、感染症医療、心臓病医療や脳血管疾患医療等を提供するなど、区東部の基幹的な医療機関としての役割を果たしてきております。
 墨東病院では、これまで感染症病棟や手術室の設備改修工事などを行ってきたことに加えまして、今年度は救命センターの設備改修工事を行うこととしておりまして、救急医療や感染症医療機能の強化に取り組んできております。
 また、第二次都立病院改革実行プログラムに基づきまして、今年度、周産期センターのNICUを三床増床いたしまして十五床とするなど、こうした機能の強化も図ることとしております。
 さらに、老朽化しております看護宿舎の改築にあわせまして、外来診療棟の全面改修及び機能拡充を行うことについての基本構想等を検討していくこととしております。このように、墨東病院では、地域の基幹病院としての機能を一層充実強化していくことで、引き続き都民の医療ニーズにこたえてまいりたいと考えております。
 また、お話のような都民に対する説明も、時宜をとらえて適切に果たしてまいりたいというふうに考えております。

○長橋委員 ぜひ今いったご説明を、これもわかりやすく都民の皆さんに説明をしていただきたい。やはり病院改革というのは、都民の理解が必要であるわけでありますし、また、この墨東病院というのは、今お話のあったとおり、救急医療、または周産期医療、こういった大事な部分を担っているわけでありますので、そういった部分では、都民の期待に十分にこたえられるような病院になっていただきたいと思うわけであります。
 話がそれますけれども、NICUを三床ふやすと。地元の大塚病院でもNICUがあるわけでありますが、これが大変、今いっぱいであるというようなお話も聞きますし、そういったことも、やはり時代の変化の中で、その原因も突き詰めていかなきゃいけないと思いますけれども、やはり出産という、少子化の中にあって、環境整備を整えることは大事であります。ぜひそういった部分については、今都民の皆さんの不安の一番の一つでもあろうかと思いますので、こういった周産期医療については、墨東病院を初めといたしまして、さらに充実を図っていただきたいと要望いたしまして、質問を終わります。

○かち委員 私からも、陳情一九第八一号、都立墨東病院の地方独立行政法人化に反対し都直営で存続させることに関する陳情について、若干の質問と意見を述べさせていただきたいと思います。
 この陳情は、都立墨東病院を、地方独立行政法人化ではなく、都直営で存続することを求める陳情です。今お話もありましたように、この墨東病院は、都立の中でも、ERといって、第一次から第三次までの救急医療と高度医療を一手に引き受けて地域に医療を提供する、大変かけがえのない病院です。この病院をぜひ都立でという思いを込めての陳情だと思います。
 本陳情は、昨年十二月十八日に受理されていますので、現時点での状況とは若干のタイムラグがあるのは仕方のないことだと思います。現在、都立病院の経営委員会の答申を受け、都としては、第二次都立病院改革実行プログラムの中に、この計画期間の中で都立病院の独法化については実施を明記しませんでした。しかしながら、人事、給与、服務面等、財務面からも詳細な検討を要するとしながら、経営形態の改革として、今後、国の動向や自治体病院の導入事例などを見きわめながら、一般地方独立行政法人化、非公務員型の導入について検討していくものであります。
 そこで、一つお伺いしますけれども、都立病院の経営形態について検討してきて、一定の答申を出した経営委員会ですけれども、ホームページを見ますと、あす六月六日に平成二十年度第一回委員会開催通知が掲載されています。これはどのような課題を検討するのか、また、今後のスケジュールなどはどうなっているのか、お聞きします。

○黒田参事 都立病院経営委員会についてのご質問でございますが、今後の都立病院経営委員会におきましては、第二次都立病院改革実行プログラムの実施計画につきまして、取り組み状況の点検、評価の提言をしていただくということにしてございます。
 都といたしましては、この都立病院経営委員会からの提言を踏まえまして、いわゆるPDCAサイクルによりまして、都立病院改革を着実に推進していくこととしております。
 今後も定期的に都立病院経営委員会を開催していく予定でございます。

○かち委員 この経営委員会というのは、確かに平成十四年に設置をされまして、十七年の二月までは、定期的といいますか、開催されてきたと思うんですけれども、それ以降は、中断というか、休止をしていたものですよね。それが、この病院改革という問題が出てくる中で、昨年の三月に経営委員会が開かれましたけれども、当時の委員の方は、ほとんどというか、全部というか、いなくて、全部入れかわっていると思うんですけれども、その委員会も、十カ月ぐらいの間に委員会が開かれてきまして、一応その問題については終結をしたわけです。こういう委員会が、どういう位置づけで--今おっしゃったように、実行プログラムの中で進行状況を点検、チェックしていくんだというふうにいわれましたけれども、この委員会をそういう位置づけにして、今後いつまで定期的に開いていくのかというようなことというものは、やっぱり委員会、委員に説明があっていいと思うんですね。何か、たまたま開いたらこうやるんだということがわかったというような状況ではなくて、そういう説明はしていただきたいというふうに思います。
 そして、この委員会の中で、この計画期間中は独法については一応明記はしていないけれども、きっとそのことも検討していくんだろうなというふうに思いますので、そういうことについては、もっと情報を明らかにしていただきたいというふうに思います。
 独法化についてプログラムに明記をされなかったけれども、計画期間中に検討し、次期プログラムに生かすということは、十分考えられるものです。
 国は、昨年十二月、公立病院改革ガイドラインなるものを示して、各自治体に対し、経営の効率化や、統廃合、民営化を初めとした経営形態のあり方検討委員会などを推進する計画をつくりなさいという方針を押しつけてきています。これは地方自治体への不当な介入ともいえるものです。
 しかし、既に独法化した国立病院機構などでは、国からの運営費交付金が四年間で二十二億二千七百万円も段階的に引き下げられて、運営上支障を来しているという現場の関係者からの声も上がっています。
 一昨年から実施された大阪府立病院の独法化についても、私も現地でお話を聞いてきましたけれども、母子保健総合医療センターでは、医師、助産師の大量退職が生まれたり、患者サービスにおいても、非紹介初診料のアップや、セカンドオピニオン料金が三倍以上にアップしてしまったなど、さまざまな問題点や矛盾が生まれていることもわかりました。
 労働環境の改善によって、医師、看護師等の充実こそ、病院の経営改善につながるということは、先日、私たち、この委員会で行政視察に行ってきました大阪厚生年金病院の院長さんからも、結果を数字で示しながら説明を受けたんですけれども、大変説得力のあるものでした。都としても、こうした方向を研究、検討すべきだと思います。
 都民の求める医療や行政的医療を将来にわたって提供するためにも、墨東病院の医師、看護師体制の充実こそ重要です。効率運営を余儀なくされる独法化ではなく、都の直営を堅持することを求める本陳情の採択を求めて、私の質疑を終わります。

○野上委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○野上委員長 起立少数と認めます。よって、陳情一九第八一号は不採択と決定をいたしました。

○野上委員長 次に、陳情二〇第二号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○及川経営企画部長 それでは、先ほどの資料4、厚生委員会付託請願・陳情審査説明表の二ページをお開き願います。
 整理番号2、陳情二〇第二号についてご説明申し上げます。
 この陳情は、文京区の都立駒込病院を存続・充実させ、地域医療を守る会代表川内芳隆さん外一万七千八十一人から提出されたものでございます。
 陳情の要旨についてでございますが、都立駒込病院に関し、次のことを実現していただきたい。第一項は、都直営で存続すること、第二項は、医師、看護師をふやし医療サービスの充実を図ることというものでございます。
 現在の状況につきまして、まず、第一項でございますが、現在、都立駒込病院は、総合診療基盤に支えられました、より専門性の高いがん、感染症を中心といたします医療を提供していくため、がん・感染症医療センター(仮称)として整備を進めております。
 整備に当たりましては、PFI手法を活用し、これまで都が個別に委託しておりました病院の改修、警備、清掃等の施設の維持管理業務、医療事務などに加えまして、医薬品、診療材料の調達などの業務をPFI事業者が一括して行い、民間のノウハウ等を活用して、患者サービスの向上を図ることとしております。
 病院経営や診療業務そのものなど病院運営の中核部分につきましては、引き続き都が責任を持って行ってまいります。
 次に、第二項でございますが、医師の採用環境が厳しさを増す中で、その確保と定着に向けて、勤務条件の改善や福利厚生の充実を図ってまいりましたが、今年度、東京医師アカデミーを開講し、若手医師の確保、育成にも取り組んでおります。
 また、看護師につきましても、年度当初だけでなく年度途中での採用も行い、その確保に努めるとともに、高度な知識、技術を習得する研修体系の整備や資格取得支援の取り組み、卒後臨床研修の実施により、定着を図っているところでございます。
 簡単ではございますが、以上で説明を終わらせていただきます。
 よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○野上委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○野島委員 この陳情にしても、先ほどの墨東病院関連の陳情にいたしましても、また、先ほど長橋委員がお示しされました大塚病院ですか、あのチラシにしても、いわば都立病院の管理運営は、都の直営でなければ医療機能が劣化する、あるいは、患者の療養環境が悪化するので独法化やPFIの導入はすべきでない、こういう趣旨と私は受けとめております。
 医療を取り巻く所与の条件が、物すごい勢いで変わってきているわけですね。それは今回の後期高齢者医療制度にしても、いろんなご批判もある中、さまざまなものがあるわけでありますが、都立病院に課せられた行政的医療、こういったふうなものを引き続き都民にその機能を高めながら提供していく、この課題に病院経営本部はこたえていかなければならないわけでありまして、運営のあり方を変えていく、あるいは、PFIの手法を、駒込についていえば、そういうことを導入することによって、それを高めていくんだということだろうというふうに、私は今までの質疑でも認識をしているんです。世の中、それだけ激しく変わっているのに、現状に固執して、本来守るべきものを失うというのは、事例がたくさんあるのです、課題の先送りというね。だからそういう意味に立って、幾つか聞いてみたいと思うんです。
 駒込病院については、既にPFI事業者も決定をいたしまして、都民説明会も開催されたというふうに伺っております。その説明会における質疑についても仄聞しておるところがあるわけでありますが、そういう現状の認識に立ちながら、何点か伺っていきたいというふうに思っております。
 今までも、私、この委員会において、PFI事業と病院経営との関係について、都の病院PFIでは、病院経営や診療業務そのものなど病院運営のコアの、中核の部分については、引き続き都が責任を持って担っていくんだ、こういうことを確認いたしております。新聞報道で、去年かその前、ここずっと、PFI手法が破綻をしているといいましょうか、暗礁に乗り上げているというようなのを、高知だとか滋賀の事例が新聞報道もなされました。しからば、その報道と東京都の場合を比較してどうなんだ、いわば他山の石として東京都がこういうふうに取り組んでいきますよ、こういうことについてもお伺いをしておるのでありますので、引き続き、こういうふうに都立直営でなければという原理主義者の皆さんの考え方が私にはなかなか理解ができない。それは、もう原理主義ですから、それはそれでいいんですが、問題はですよ、ちゃんと正しい情報を伝えて、その上で私たちは原理主義に立ってということなら一向に構わないんです、これはもう考え方が違うのですから。
 しかし、誤った情報を提供して、その上でとなりますと、私みたいな小市民は、そんなに問題があるならば、今の殻の中に閉じこもっていた方がよっぽどいいという感覚になっちゃうのです。とりわけ、現実に患者さんとしてそこを利用している人たちは、僕はそうなっちゃうと思うんですよ。そういうことはあってはならないし、ぜひ、こういうことが運動体としてなされていくのであれば、そういうふうな認識に立った運動をしていただけるとありがたいというふうに思っております。
 そんなことで、本当に心配なすって、体が悪くて、そこで受けている医療が自分にとっては命綱だ、こういうことで、皆さんに、ここで改めて理由を見ますと、PFI事業では、行政的医療や高度な医療を経済的に困っている者にも提供してきたこれまでの駒込病院の役割を継続することが困難である。困難なら当面それでいいやというふうになりますよ、患者さんは。
 そこで、これまでの質疑からも、そういうことはないというふうに私は確信しておるところでありますが、心配なされている方もいらっしゃると思いますので、改めて、このPFI手法を活用することで、これまでの駒込病院の役割を継続することが困難となるのか、こんなところを伺っておきたいと思います。

○及川経営企画部長 都の病院PFIでございますが、理事からもお話をいただいているように、これまで何度もご説明をさせていただきましたが、改めて申し上げますと、診療業務そのものや経営など病院運営の中核部分につきましては都が責任を持って担いまして、これまで個別に委託をしてまいりました医事業務や建物管理などの医療周辺業務を特別目的会社いわゆるSPCが包括的に担うことによりまして、医師、看護師などの医療従事者が診療業務などに専念できる、こういった環境を整え、医療サービスの向上を図ろうといったものでございます。
 また、現在、駒込病院が担っておりますがん医療や感染症医療などの行政的医療につきましては、がん・感染症医療センターの整備に合わせまして、さらに医療機能を強化していくこととしております。
 したがいまして、PFI導入後も、駒込病院としての役割を引き続き十分果たしていくとともに、これまでと同様に広く都民の皆様にご利用いただける病院であることに変わりはございません。

○野島委員 そういうことで、PFIを導入したとしても、何ら都立病院としての役割は変わりはない以上に、医療サービスの向上や医療機能の強化につながると、こういうことで、改めて確認をいたした次第であります。
 しかし、誤った内容をいろいろお伝えしているにしても、こういう陳情が出てくるということについては、やっぱりもっともっとこれからも情報提供をしていかなきゃいけないだろうというふうに思っております。何回でも、繰り返し繰り返し--PFI事業がどうだというのは、僕らなんかだって、理解するのになかなか大変なところがあるのですよ。大変なことを理解するよりも、さっきいったように、現状のままの方がいいやと、こうなっちゃうわけですから、その辺はしっかり、特に何が大事かといったら、その中核部分ですよ、PFIの。あとのは、医療周辺業務はホスピタリティー業務ですから、そういうふうに分けて理解をしていただくしかないというふうに思っているんですね。
 そういうことで、例えば、今回の後期高齢者医療保険制度にしても、とんでもない、病院に行ったら今までの治療は受けられないんだよと。経済的負担の問題はいろいろありますよ。そういうことで、ばあっとこうやってきたんですね。私なんかいろいろなところに行って、とんでもないとかいろいろいわれるけれども、本来のあり方はこうだというふうなところをちゃんといっていかなきゃいけないだろうと思っていますし、現実にそういって、そうすると今度、選挙のときに心配だなというふうに思っているんですが、そのこととこれは別ですから。
 やっぱりそういうふうにやっていくことで、特にうちの方の市役所なんかでも、苦情が来るそうですよ。だけど、実情はこうなんですよということを話すことによって、その上で--だけども嫌だという人もいます。だけども、それならそれでやむを得ないという人もいるかもしれない。やっぱりそういうふうな冷静な立場に立って内容を伝えていくということがなお必要だろうというふうに思っております。
 そこで、私は今までもそんな懸念をしておりますし、現実に今回の医療制度の問題もそうでありますが、前回の定例会の中で、都民や患者さんが不安を感じないよう正しい情報を都が適切に対応していく、このことが重要だということを要望したところであります。
 そこで、この都立駒込病院、このがん・感染症医療センターの改修事業について、その後どのような情報提供に取り組んできたのか、こんなところをお伺いしたいと思います。

○及川経営企画部長 がん・感染症医療センターの事業につきましては、病院経営や診療業務などの運営の根幹部分は都が引き続き担っていくという、こういった事業の枠組みや事業スケジュールなどをまとめました「駒込病院の改修事業等に関するお知らせ」と題するパンフレットをこの三月に作成をいたしまして、患者さんがどなたでもごらんになれるよう、病院の外来の待合や食堂の入り口、患者医療情報室などに置くとともに、パンフレットを見やすく拡大したものを病院内に掲出をしております。
 また、病院利用者の多い文京区、北区、荒川区、足立区の四区の協力も得ながら、それぞれの区の本庁舎を初めとして、保健所、出張所、区民センターなど多くの区民の方々がご利用になる施設にも置いていただくとともに、近隣地域の方々に対しましては、各戸にそのパンフレットを配布させていただきました。
 さらに、病院経営本部、駒込病院の各ホームページでもこのパンフレットを掲載し、どなたでも閲覧できるようにしております。
 なお、このパンフレットの最後のページには、例えば、PFI事業によって、駒込病院は都立病院ではなくなってしまうのでしょうかとの問いに対しまして、改修工事が完了しても、都立病院として都が自ら運営を行いますとの回答を掲載しておりまして、本事業に関する正しい情報の提供を行っているところでございます。
 今後とも、都民や地域の方々、患者さんなどが不安を感じることのないよう、時宜をとらえて正しい情報の提供に努めてまいります。

○野島委員 このお知らせ、私も読ませていただきました。誤った情報か正しい情報かと、いろんなことがあるにせよ、都が進めていく上で、都の基本的な立場、あるいは患者さんを含めて広く都民の不安にしっかりとこたえていく、こういうことがなお一層必要だろうというふうに思っております。
 物事を否定するときに、時系列の中で、否定する人はいろんなことを考えているんですよね。ずっとこれをいい続けているのじゃなくて、ほかの要素をまたいったり、全く別の要素を入れ込んだり。PFIが、ここにもありますけれども、大手に丸投げになっちゃうからおかしい、おかしいというか、おかしくなっちゃうんですよというふうな表現が--ゆだねられてしまうというふうなことがありまして、民間事業の不祥事が次々と明らかになる中--あたかも、既にこの三菱商事が不祥事を起こすかのごとき推測に立ってこういう書き方もできるわけですね。
 したがって、ぜひ時宜に応じて、いろんな不安なり質問も出てくると思いますから、それらに適切に対応していくということが必要だろうというふうに思っております。
 そこで、その辺は努力をしていただくにしまして、今回のがん・感染症医療センターの改修事業の情報を提供していく上で、やっぱり必要なのは、都民や病院を利用する患者さんにとって、直接、とりわけ患者さんにとって改修後の病院の機能がどうなるのか。あるいは、私なんかは、駒込というと一時間以上かかりますから、ただ、世話になるかもしれない。そういうときに、実はこのPFI事業というのは、することによって、こういうふうに都立病院の機能強化がされていくと。現に利用している人たちというのは、私がさっき申し上げましたように、私の感覚がすべてだとはいいませんが、不安があるなら現状のままでいいやと、こうなっちゃうと思うんですね。現に利用していない私なんかは、ある種の計画の中に期待をするというのがある、こういうふうにいいものに変わっていきますよという。
 そういうところがありますので、実は整備計画が、平成十七年十二月ですか、ここにまとめられているわけでありますが、それから既に二年半もたっているわけですね。そうしますと、その二年半の中で、さっきいった行政的医療を果たしていくために、より適切なことはこういうことだとか、あるいはさまざまな条件、変わってきていますよ、こういうことで、病院の機能をどう充実させていくのか、そんなところを伺っておきたいと思います。

○及川経営企画部長 がん・感染症医療センターの整備により充実いたします主な医療機能でございますが、まず手術室の九室から十五室への増室、化学療法を行う外来治療センターの二十六ユニットから五十ユニットへの拡充、また緩和ケア専門病棟の整備に加えまして、体の奥深くのミリ単位の腫瘍も早期に発見できるPET-CTや、腫瘍のみに放射線を集中照射できるサイバーナイフ、またリニアックなどの最新鋭の放射線機器を導入することとしております。
 また、複数の患者さんが入っていらっしゃいます病室でございますが、いわゆる多床室を六床部屋から四床部屋にいたしますとともに、患者さんのプライバシーにも配慮いたしました個室の割合を一五%から二〇%を超える規模へ高めまして、ご家族とくつろいで会話ができるような多目的ルームを全病棟に設置するなど、患者さんの療養環境の向上も図っていくこととしております。
 さらに、エイズ医療に関する都内病院の研修や情報提供などの中核拠点病院としての取り組みに加えまして、都道府県のがん診療連携拠点病院に指定されましたことに伴いまして、都内全域を対象といたしますがん登録データの集計、分析、患者さんや地域の医療機関に対します相談、情報提供など、がん医療に関する都全体の拠点病院としての新たな役割も担ってまいります。
 こうした拡充する医療機能を最大限発揮いたしますとともに、拠点病院としての新たな役割も確実に果たしていけるよう必要な体制を確保いたしまして、総合診療基盤に支えられました高度で専門性の高いがん、感染症医療を都民に提供してまいります。

○野島委員 これで最後にいたしますが、今ご答弁を伺っておりまして、最新鋭の機器の導入、こういったふうなこともやっていきます、医療環境、医療そのものも高めていきますよ、それから療養環境の向上も図っていきますよ、こういうことで、ぜひ今日までの駒込病院の高い評価を、そういうふうなことをやってより高めていく、こういうことを都民の皆さん期待していると思うんですね。特にがんの罹患率が高まっていく、こういうことで機能強化するこの病院、ぜひ積極的な取り組みをお願いしたいというふうに思っております。
 そこで最後に、こういうふうな正しい情報の提供、こういったふうなことを、また折に触れて丁寧に、親切に、わかりやすくお伝えをいただきたい。それがノーという人も、それでいいんです、考え方ですから。しかし、その正しい情報と、あと実は、さっき、何回もいいますけれども、計画ですから、これからなんですね、そういうふうにやっていきますよというのが。それが一番、それをちゃんと適切に伝えていくことが大事だと思うんですね。もちろん財政的な裏づけもなければならないわけでありまして、なかなか先のものを見せるというのは、実は大変なんですよ。
 このペーパーも、現状、そういう--これから計画を進めていくのだから、それしかないのですよね、正直なところ。変な話だけど、今までの駒込病院がそこにあって、下に着々と準備を進めていて、さあ、このペーパーをとったら、ああ、何の問題もなかった、むしろよくなったんじゃないかというのが大体世の常なんです。区画整理事業なんかその典型ですよ。反対する人は、最初がんがん不安をあおって、あるいはあなたの負担がどうだ、わけもわからない事業に何であなたがやっていくんだ、こういう不安をあおるわけ。だけど現実に進めていって、大体終わるころには、ありがとうございましたというのが今までの相場ですね。
 したがって、そういう意味において、計画をしっかりと見せながら、心配ありませんよと、折に触れ、きめ細かく、丁寧に、親切に、こういう対都民広報を展開していただきたいということを強く要望して、質問を終わります。
 ありがとうございました。

○かち委員 私からも、陳情二〇第二号、都立駒込病院の改築・改修、その後の運営に関する陳情について質疑をいたします。
 この陳情は、一万七千名も超える方々から寄せられた陳情で、趣旨は、改築計画が進んでいる駒込病院は、PFI手法で改築後も長期にわたり民間的経営によるのではなく、今までどおり都直営で体制を整え、患者サービスを充実してほしいというものです。
 民間的経営というのは、私のつくった言葉ではなくて、国が出している公立病院のガイドラインに明記されているものです。それから、PFIを直訳すれば民間企業主導のということになり、先ほど来、コアの部分は、医療そのものは公立でやるんだというふうにいっておりますけれども、私は、医療を提供する、病院医療を提供するというときは、医師、看護師だけではとても提供できるものではなく、その周辺業務とのうまい連携がよりよい医療の提供になるというものであって、それを、周りは民間で、真ん中だけ都立でといっても、なかなかそれはうまくいかないんじゃないかなというのを私は実感しております。
 ここ数年にわたり、国の毎年二千二百億円ずつの社会保障費の削減計画などによって格差と貧困が進む中で、民間病院も激しく、閉鎖したり、小児科、産科など休止、中止する科が相次ぐなど、都内の医療環境も厳しさを増しています。こういうときだからこそ、都民のよりどころとしての都立や公的病院の果たす役割の重要性が増しているんだというふうに思います。
 都立駒込病院は、がん、感染症医療を重点医療として高度な医療を提供するとともに、足立、北、荒川、文京区の二次医療圏の中で唯一の都立病院として果たしてきた役割は大変大きく、さらに期待は高まっています。こうした中での改築、改修が進められようとしているわけですが、都としては、それをPFI手法で行うとして、三菱商事グループとの基本契約、そして本年三月には株式会社駒込SPCと事業契約を結びました。
 都民にとっては大変わかりにくいこの手法がどういうものなのか、どのようになるのか、経営本部としても、先ほどから示されましたこのようなリーフレットをつくって説明をしているということですけれども、この内容に触れても何点かお聞きしたいというふうに思います。
 やっぱりこれを見ても、どうして東京都がPFIでやらなくちゃいけないのか、やればどんなメリットがあるのかというのは、よくわからないんですよね。ただ、こういうふうに変わりますよということはここには書いてありますけれども、これがなぜよいのか、どんな利点があるのかということについては、なかなかこれだけではわかりません。
 それで、駒込病院の改築後運営における株式会社駒込という、特定目的会社SPCとの包括契約、ここにも書いてありますけれども、結ばれて、その後の十七年ですか、一括して統括して運営をするんだということなんですけれども、この包括契約というのは、今までの質疑の中でわかった中では、一千八百六十一億円ということでした。二十一年から十七年間という契約だということですね。この会社は、ここに書いてあるように、四分類の下請といいますか、業務を統括する統括マネジメント業務を行う会社だということなんですけれども、その中身は、設計、工事、それから病院施設等の維持管理業務、医療事務等の周辺業務、医療機器、医薬品等の調達業務を統括するということです。
 それでは、契約金の内訳というのはどういうふうになっているのか、また、起債は幾らなのでしょうか。

○黒田参事 都立駒込病院におきますPFI事業についてでございますが、まず契約の内訳についてでございますが、このPFIの事業契約はいわゆる総価契約でございまして、それぞれの業務ごとの内訳金額を固定せずに、変動が可能な構造となっている総価契約というものでございます。
 したがいまして、内訳というものは明確にないといいますか、内訳金額を固定しないことによって企業努力とか工夫、創意工夫、そういったことで患者サービス、医療サービスの向上を図る、そういう趣旨のものでございます。
 そういった前提がございますが、事業契約が成立した時点で、SPCがそれぞれの施設整備、診療材料、委託料についての想定している考え方というものがございます。この金額につきましては、さきの第一回定例会の厚生委員会でも説明させていただきましたが、医療機器の調達費用を含む施設整備につきましては二百六十億円程度、診療材料費等の材料費につきましては九百二十億円程度、その他の委託料につきましては六百八十億円程度となっております。
 続きまして起債についてでございますが、駒込病院の改修事業におきましては、医療機器の調達費用を含む施設整備費は、事業契約時点でのSPCの見込み額といたしまして、先ほども申し上げました二百六十億円程度でございますが、企業債につきましては、この企業債を充てることのできない仮設棟の建設等を除く、そのほとんどに企業債が充てられるということになっております。

○かち委員 総価契約であるから、今いわれた分類はそのとおりではない、変動があるよというお話でしたね。しかし、トータルでは千八百六十一億円だということでした。
 これまでにも質疑してきましたけれども、駒込病院でPFI手法導入によって六十億円、四・三%の経費節減が生み出される、VFMが生まれるんだというふうなお話でした。しかし、どうしてそれだけの節減が生まれるのかということの根拠は、なかなかわからないのですよね。いろいろお聞きしているのですが、見えないのです。これは府中病院でもそうでしたし、これから報告される松沢病院でも同じようなことではないかと思うのですが、巨額の税金が長期にわたってつぎ込まれる手法を選択するに当たって、その根拠の透明性や客観性を図るということは当然のことだと思うのですね。依然として総合的な判断によるというような答えしか返ってこないのですけれども。
 前回、当委員会で吉田委員も指摘しましたけれども、PFI法ができて十年、この法律実施上の問題点などもいろいろ指摘されてきたところです。特にPFIにおけるVFMの算出の客観性、透明性の確保、またVFMの算出根拠については公表することなどが、本年の一月に、総務省からPFI法を所管する内閣府に対して勧告をされたところです。こうした国の動向からも、もっと都民にわかりやすいVFMの算出根拠を明らかにすべきだというふうに思いますけれども、都としてはこのことに対してどのような認識をしているでしょうか。

○黒田参事 PFI事業に関します総務省の政策評価についてでございますが、総務省は、このPFI事業を所管しております内閣府に対する勧告を行っておりまして、この中で、VFMの算出過程や算出方法を公表することについては、当面VFMガイドライン等の趣旨の普及啓発を図ること等所要の措置を講ずることと述べております。
 この内閣府が策定しましたVFMに関するガイドラインにつきまして改めて説明をさせていただきますと、入札等におきまして正当な競争が阻害されるおそれがある場合においては、PSC、これは公共がみずから実施する場合の金額のことでございますが、これからPFI事業のLCC、PFI事業として実施する場合の額の差、または比によりVFMの程度のみを示すこととしても差し支えない、これは原文どおり読み上げさせていただいておるのですが、この旨、明記されております。
 本事業におきましては、このガイドラインに従ってVFMの算出の考え方やVFMの程度を公表してきたところでございます。

○かち委員 今のご答弁では、公共がみずからやった場合はこうなると、SPCがやった場合はこうなると、それを明記してその差を明らかにすることがいいといっているのでしょう。そういうことをお示しくださいといっても、なかなかそれを出してくれないというのが理解できないところなんですよ。そして、このようにもう契約が成立している点では、別に他の企業に秘密が漏れるとかそういう話でもないのですから、もう出したっていいわけですよね。どうしてそれができないのでしょうか。

○黒田参事 PFI事業におきまして、公共が直接実施した場合とPFI事業で実施した場合の差についてでございますが、これはホームページでも公開させていただいている資料でございますが、都立がん・感染症医療センター整備運営事業、契約の締結についてホームページ上にもアップさせていただいている資料の中に、都が直接実施する場合の財政負担額、それから落札者の提案に基づき実施する場合の財政負担額、この都が直接実施する場合の財政負担額が千四百十一億三千万円、PFIで実施する場合が千三百五十億五千六百万円というふうになっておりまして、先ほどご質問がありました、公共が実施する場合とPFIで実施する場合につきまして具体的な金額を示して、そのVFMが四・三%であるというふうに説明しているところでございます。

○かち委員 結果はそういうことだと、この数字とこの数字を対比すれば四・三%の六十一億という数字が出るということですけれども、その算出の根拠がやはり明らかにわかるように説明してほしいということなんです。
 起債部分を除いて、毎年おおむね百五億円ずつこのSPC会社に支払われるというわけです。その先はどのようになっているのか、都としては関知しないというのがこのPFIの手法です。従来のような直接契約ならば、業務委託先の状況がまだ把握できる立場にありますけれども、SPC介在によって、その先は都の責任の外になるわけです。しかし、都立病院は公共の事業であり、公共の事業の場合、一般競争入札で毎年更新というのが原則です。しかし、この場合、三菱商事の関連会社、系列会社が十五年間継続委託を受けることができるということになるわけです。SPCが収益を上げるためには、それぞれの会社との契約コストを下げるということも出てきます。受託事業者にしてみれば、中間契約が入ることによって、今までのような直接契約ではなくなるわけですから、契約金が引き下がるという現象は当然出てくると思うんです。
 高知の例でいえば、医療事務を請け負う会社が人件費節約のために非常勤職員を導入して、十分な経験もノウハウもないまま仕事をして請求ミスがふえたというような話も聞いておりますけれども、あり得る状況だと思います。
 都の駒込病院の改築運営におけるPFI導入における実施方針というのがありますけれども、事業者は地元企業の育成や地域経済の振興にも配慮することが期待されている、このように書いてありますね。そのことを担保する仕組みがこのPFIの中であるのかどうかということなんですけれども、いかがでしょうか。

○黒田参事 PFI事業におきます地元企業の育成や地域経済の振興についてでございますが、実施方針におきまして、事業者は地元企業の育成などに配慮することとしておりまして、今後どのような形で地元への貢献を決めていくかということにつきましては、現在、SPCと具体的な協議をしているところでございます。
 また、ご質問がございました、契約上どのように扱われているかということでございますが、詳細な部分につきまして、事業契約書第二条では、入札説明書等及び事業者提案に従い、法令を遵守して本事業を行う旨規定されております。
 なお、お話のございました実施方針、地元企業の育成や地域経済の振興について定めております実施方針は、このPFI法第五条により定められているものでございます。本事業におきまして、実施方針を十分踏まえていくというものでございます。

○かち委員 法令遵守でやるんだということですけれども、今のご答弁の中では、明確に契約条項にはなっていないということですよね。これから協議はするんだということですけれども、こういうことによってSPCからサービスを受ける立場にある都としては、SPCがどのように物を調達しようと、やろうと、そこからは、もう干渉する、関知する立場にはないわけです。だから、実施方針に幾らあるべき姿を描こうと、それを担保する仕組みがなくては、絵にかいたもちにもなりかねないということだと思います。
 PFI導入によって民間のノウハウを生かすんだといわれます。確かに今回の駒込病院の基本契約は三菱商事グループということで、その中には福岡県で約一千床の病院を経営する株式会社麻生というのが入っています。その出資比率を見ますと、三菱商事が六七%、戸田建設が二六%、東京電力が五%、NTTが一%、医療関係の麻生は一%の出資です。
 それではSPCの役員構成はどのようになっていますか。

○黒田参事 駒込病院のSPCにおきます役員構成についてでございますが、現在のSPCの役員構成は、平成十九年十二月に事業契約を締結しまして、この時点で提出されました商業登記簿謄本にございます役員に関する事項によりますと、出資割合に応じて役員が構成されておりまして、代表取締役社長一名を含む取締役九名、監査役一名及び会計監査人というふうになっております。
 この出身についてでございますが、三菱商事より七名、株式会社麻生より一名、戸田建設より一名、東京電力より一名の構成になっておりまして、これは、先ほどの出資割合に応じた役員構成ということになっております。

○かち委員 役員構成を出資比率によって決めるということですけれども、それは発言権にも影響することが予想されます。民間のノウハウといっても、医療の専門技術の発揮という点では、極めて行く末が懸念されるものです。
 さらに、PFI手法には必ずアドバイザリー契約というのが付随します。PFIという新しい手法であり、複雑な仕組みなので、こういうアドバイザーが必要となるわけですけれども、駒込病院の場合は日本経済研究所でありますけれども、そのために平成十五年から今日までアドバイザリー契約が毎年交わされてきたわけですけれども、これまでこのアドバイザリーにどのぐらいの経費が費やされてきたのでしょうか。また、今後いつまでこれが続くのでしょうか。

○黒田参事 駒込病院のPFI事業に係るアドバイザー経費についてのご質問でございますが、決算額の出ております平成十五年度から平成十八年度までのアドバイザー業務委託に係る経費の合計は、四カ年度の合計額で約三億五千六百万円となっております。
 また、今後についてでございますが、平成二十一年四月から維持管理運営業務開始に当たりまして、モニタリングの実施に向けた検討などを進めることにしておりますが、引き続きアドバイザーからの助言を得ながら事業を進めていく予定でございます。
 なお、PFI事業につきましては、法的課題ですとか、施設設計ですとか、大変高度で専門的な観点からの知識、情報というものが必要でございます。これまで交渉や計画の検証を行う中で、アドバイザーからの情報提供や助言によりまして適切に対応してきているものでございます。

○かち委員 平成十五年から十八年まで三億五千万円とのことでしたけれども、それに十九年度と二十年度の予算分を加えますと、約五億二千万円も費やすことになるのです。今のお話では、いつまで続くかわからない、これからモニタリングとかいろいろあるんだというお話で、終了のめども立っていないわけですけれども、これが病院のPFIというものなんだということなんですね。都民には本当にわかりにくいやり方です。病院の先行事例も余りなく、高知や近江八幡のように失敗例も次々と出ている中で、東京は大丈夫といい切れるのでしょうか。
 日本経済研究所は、駒込病院だけではなく、近江八幡市立総合医療センターのアドバイザーも担当したコンサルタント会社です。この日本経済研究所の調査局、PFI推進チームが書いたレポートがホームページに出ています。その中には、日本におけるPFIはまだ試行錯誤の段階だといい、公共、民間ともども試行錯誤の連続だったと書いています。そして、課題の内容が多岐にわたるだけに、包括的な課題解決は困難であり、課題発生ごとにその都度対応を検討していかざるを得ない、そして、これらの解決は必ずしも容易ではないと書いています。日本のPFIを先頭切って進めてきた企業の人たちが、多くの課題があり、試行錯誤でやるしかないといわざるを得ないのが今日のPFIの実態ではないでしょうか。都民の大切な命を守る都立病院を試行錯誤の材料にされてはたまらないと思うのも当然です。
 駒込病院における日曜日の夜間小児救急が休止されています。ホームページにはこのようなお知らせが出ているのです。日曜日の夜間は今休止状態ですけれども、「なお、日曜日以外でも場合によっては、小児科当直医が対応できないこともございますので、夜間に小児科診療をご希望の方は、事前に当院救急外来に電話でご確認ください。」というふうに書いてあるのです。
 駒込病院での小児科医師の体制というのはどうなっているのでしょうか。今後の見通しなどもお聞きしたいと思います。

○黒田参事 駒込病院における小児科の状況でございますが、駒込病院の小児科では、常勤医師一名が退職するということに伴いまして、平成十九年八月より、日曜日と月曜日の週二日間について夜間当直体制を縮小して対応することとなりました。その後、平成二十年一月からさらに一名が病気休暇に入ったという状況がございまして、常勤医師が三名となりましたが、臨時職員の当直日数を増加させること等で対応いたしまして維持しておるところでございます。三月には小児科医師一名を採用したことによりまして、実質四名体制となりましたことから、この四月から月曜日の夜間救急を再開しているということでございます。
 また、今後の見通しということでございますが、小児科医の確保は大変困難な状況でございますが、病院経営本部、都立病院は、これまで医師の確保に最大限の努力を払ってきた、努力をしてきたところでございます。今後とも、引き続き常勤医師、非常勤医師を含めた当直体制の確保に努めてまいります。

○かち委員 最後ですけれども、第二次都立病院改革実行プログラムでは、駒込病院は、がん・感染症医療センターを標榜するとしていますが、住民の皆さんの中には、このまま小児医療が縮小されてしまうのではないかという心配があります。駒込病院での一般小児医療、休日夜間を含めた小児の救急医療を今後も確保していくということを確認したいと思いますけれども、いかがでしょうか。

○黒田参事 都立駒込病院につきましてでございますが、がん・感染症センターということで再編整備していくということが第二次都立病院改革実行プログラムにも記されてございます。
 なお、このがん・感染症センターといいますのは、一般診療、内科ですとか外科とか、今ご質問がありました小児科も含めてということなんですが、総合診療基盤に乗って、その上でがん、また感染症といった専門医療について高度な医療を提供していくというものでございます。
 したがいまして、引き続き小児科を含みます総合診療基盤の充実につきましては努力していくところでございます。

○かち委員 駒込病院がこれからも都民、住民が安心してかかれる病院として、今後も都立直営で充実してほしいという本陳情の趣旨は十分に酌み取れるものであります。よって、趣旨を含めた採択を求めて、質問を終わります。

○西崎委員 陳情二〇第二号、都立駒込病院の改築・改修、その後の運営に関する陳情に関しましては、もう質疑がされておりますので、私からは意見だけにとどめておきます。
 都立病院の再編や改築、改修及び経営形態の変更などが出るたびに、利用している都民にとっては、これまでどおりの医療サービスが受けられるのかどうか不安になるのは当然のことだと思います。殊に医師、看護師の人材確保策を行っていくことは最優先課題だと考えています。
 先日、厚生委員会の視察で、大阪厚生年金病院を訪れ、病院での労働環境について話を伺いましたが、とても参考になる点があったと思います。特に、子育て中の職員への支援策やチーム医療で取り組んでいる点など、今後、東京都でも検討できる点ではないかと思います。
 患者の立場に立った医療を行うために、さらなる医師、看護師の確保を行い、労働環境の整備に向けて、また医療サービス向上を行うことを要望いたしまして、意見を終わります。

○野上委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○野上委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二〇第二号は不採択と決定いたしました。
 陳情の審査を終わります。
 以上で病院経営本部関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時三十四分散会

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