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Tokyo Metropolitan Assembly

厚生委員会速記録第四号

平成二十年三月十八日(火曜日)
第七委員会室
   午後一時一分開議
 出席委員 十四名
委員長野上 純子君
副委員長山加 朱美君
副委員長かち佳代子君
理事くまき美奈子君
理事長橋 桂一君
理事野島 善司君
西崎 光子君
大松  成君
佐藤 広典君
田代ひろし君
石毛しげる君
野村 有信君
佐藤 裕彦君
吉田 信夫君

 欠席委員 なし

 出席説明員
福祉保健局局長安藤 立美君
次長関  敏樹君
技監梶山 純一君
総務部長杉村 栄一君
指導監査部長梶原 秀起君
医療政策部長細川えみ子君
保健政策部長清宮眞知子君
生活福祉部長永田  元君
高齢社会対策部長狩野 信夫君
少子社会対策部長吉岡 則重君
障害者施策推進部長松浦 和利君
健康安全室長桜山 豊夫君
企画担当部長松井多美雄君
施設調整担当部長宮垣豊美子君
参事蒲谷 繁夫君
参事吉井栄一郎君
参事住友眞佐美君
参事芦田 真吾君
参事松原 定雄君
参事菊本 弘次君
参事金丸 陽子君
参事月川由紀子君

本日の会議に付した事件
 福祉保健局関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成二十年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 福祉保健局所管分
・第五号議案 平成二十年度東京都母子福祉貸付資金会計予算
・第六号議案 平成二十年度東京都心身障害者扶養年金会計予算
付託議案の審査(質疑)
・第七十号議案 東京都後期高齢者医療財政安定化基金条例
・第七十一号議案 東京都立老人医療センター条例の一部を改正する条例
・第七十二号議案 東京都立心身障害者口腔くう保健センター条例の一部を改正する条例
・第七十三号議案 東京都リハビリテーション病院条例の一部を改正する条例
・第七十四号議案 東京都養護老人ホーム条例の一部を改正する条例
・第七十五号議案 東京都知的障害者援護施設条例の一部を改正する条例
・第七十六号議案 東京都身体障害者更正援護施設条例の一部を改正する条例
・第七十七号議案 東京都児童福祉施設条例の一部を改正する条例
・第七十八号議案 東京都立療育医療センター条例の一部を改正する条例
・第七十九号議案 東京都立肢体不自由児施設条例の一部を改正する条例
・第八十号議案 東京都立重症重度心身障害児者施設条例の一部を改正する条例
・第八十一号議案 東京都立総合精神保健福祉センター及び東京都立精神保健福祉センター条例の一部を改正する条例
・第八十二号議案 心身障害者の医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例
・第八十三号議案 東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例
・第八十四号議案 東京都立看護専門学校条例の一部を改正する条例
・第八十五号議案 東京都監察医務院関係手数料条例の一部を改正する条例
・第八十六号議案 東京都国民健康保険調整交付金条例の一部を改正する条例
・第八十七号議案 東京都三宅島災害被災者帰島生活再建支援条例の一部を改正する条例
・第八十八号議案 東京都介護福祉士等修学資金貸与条例の一部を改正する条例
・第八十九号議案 東京都シルバーパス条例の一部を改正する条例
・第九十号議案 東京都精神障害者都営交通乗車証条例の一部を改正する条例
・第九十一号議案 食品衛生法施行条例の一部を改正する条例
・第九十二号議案 食品製造業等取締条例の一部を改正する条例
・第九十三号議案 東京都大気汚染障害者認定審査会条例の一部を改正する条例

○野上委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、福祉保健局関係の予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 これより福祉保健局関係に入ります。
 初めに、理事者の欠席について申し上げます。
 奥澤食品医療品安全担当参事は、体調不良のため、本日の委員会に出席できない旨、申し出がありました。ご了承願います。
 第一号議案、平成二十年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為、福祉保健局所管分、第五号議案、第六号議案及び第七十号議案から第九十三号議案までを一括して議題といたします。
 本案につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 要求資料について理事者の説明を求めます。

○杉村総務部長 過日の厚生委員会でご要求のありました資料につきまして、お手元の厚生委員会要求資料にまとめてございますので、ご説明申し上げます。
 資料は、目次にございますように、全部で八項目となっております。
 それでは、順を追って説明させていただきます。
 まず、一ページをお開き願います。都立看護専門学校の入学定員の推移といたしまして、三年課程、二年課程の区分ごとに、平成十五年度から平成十九年度までの入学定員を記載してございます。
 二ページをお開き願います。都立看護専門学校寄宿舎の利用状況等といたしまして、(1)には、利用者数の推移といたしまして、各専門学校の寄宿舎ごとの定員と年度別の利用者数及び利用率を、(2)には使用料をそれぞれ記載してございます。
 三ページをごらん願います。介護福祉士等修学資金貸与事業の実績といたしまして、平成十四年度から平成十八年度までの新規貸与者数と貸与金額を記載してございます。
 四ページをお開き願います。東京都福祉・健康安心基金の充当事業といたしまして、事業所管局ごとの事業名と平成二十年度予算額を記載してございます。
 五ページをごらん願います。地方独立行政法人健康長寿医療センター(仮称)の概要等といたしまして、その内容を(1)から(6)まで記載してございます。
 六ページをお開き願います。区市町村別の療養病床数の推移といたしまして、区市町村ごとに平成十六年度から平成十八年度までの療養病床数を記載してございます。
 七ページをごらん願います。障害者の民間企業における雇用状況の推移といたしまして、平成十五年度から平成十九年度までの東京都と全国における雇用障害者数及び雇用率を記載してございます。
 八ページをお開き願います。認可保育所における職員の平均経験年数別施設数といたしまして、平成十四年度から平成十八年度までの職員の平均経験年数別の施設数について記載してございます。
 以上、簡単ではございますが、ご要求のありました資料につきましてご説明申し上げました。よろしくお願いを申し上げます。

○野上委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を一括して行います。
 発言を願います。

○田代委員 せんだっての予算特別委員会の代表質問でも、我が党の高橋幹事長代行がウイルス肝炎の医療費助成制度の再構築について質問いたしましたが、それに関連して何点か確認をさせていただきたいと思います。
 このウイルス肝炎対策、これは国が責任を持って対処すべきものでありますが、これまでの間は、国が感染者の方々への救済に手をつけなかったというわけですね。本年一月に国が肝炎訴訟で敗訴して、血液製剤によるC型肝炎の感染被害者の方々の救済、裁判での和解を進める仕組みとして給付金の支給を行うことを決定したわけです。
 ここに関して、ちょっと勘違いがあるようで、私のところにも随分問い合わせが来るんですが、都が実施する医療費助成制度というのと、マスコミでよく報道されている救済制度というのは全く別なんですが、ここが非常に混同されちゃっているところがあるんですけれども、この救済制度、簡単にいうと、給付金の支給を受けるために、まず国を被告として裁判を起こす必要があって、血液製剤の投与と感染の因果関係がしっかりとカルテなどでわかっていて、これで給付がされるわけですけれども、都は、この手続には当然全く関与していないわけですね。
 国は、一月十七日に集中的に広報を行って、フィブリノゲン製剤が使われた、使用されていた医療機関名を再度公表して、検査を受けてくださいと国民に呼びかけたわけですね。
 この広報を見た多くのC型肝炎の患者さんたちは、自分が救済の対象になるのかどうか、国や自治体に設置された相談窓口に相談したと聞いているわけですけれども、東京都で相談窓口を設置したわけですけれども、相談が何件ぐらいあって、どのような内容であったか、お聞かせいただきたいと思います。

○住友参事 都では、国がフィブリノゲン製剤に関する相談窓口を設置したことに合わせまして、昨年十一月、保健所や本庁内の所管課等に電話相談窓口を設置いたしました。
 相談件数につきましては、十一月、十二月ともに二百件台でございましたが、国が集中的に広報を行ったことしの一月は六千九百六十一件と、相談件数が急増いたしました。
 特に、新聞折り込み等により広報が行われた一月十七日当日は、一日の相談件数が千七百八十四件に上りました。
 主な相談内容でございますが、肝炎ウイルスの感染を心配するもの、検査がどこで受けられるか、どうしたら救済制度を受けられるかなどでございました。

○田代委員 産科の医療機関などで既に病院がなくなっちゃっている、あるいはカルテとかドクターもいない、こういう患者さんは少なくないと思うんですね。本来はこういうものは国に相談すべきなんですが、当然、国の相談の回線は完全にパンク状態ですから、都や区などの窓口でも相談を受けざるを得ない。当然そうだと思います。ですから、東京都の方も、しっかりとこういう不安を持っている患者さん、ご家族の方々と、引き続き対応していただけたらありがたいなと思います。
 この国の対応がおくれたのに対して、東京都では独自にウイルス肝炎に対する医療費助成を行ってきておりますから、そういう中で国に対して医療費助成の実施を働きかけたわけですね。ようやく国の方では、この四月から肝炎の医療費助成を開始することとなったというわけであります。
 この医療費助成は、救済制度の対象であるか否かには全く関係なくて、医学的にインターフェロン治療が適用となれば助成の対象になるわけでありまして、予算特別委員会で我が党の質問でも明らかになりましたように、この四月からは、現行の都制度を国の制度との整合を図るために再構築する、こういうご答弁があったわけです。
 C型肝炎に加えて、B型肝炎も医療費の助成の対象となる。また住民税非課税世帯の方の自己負担の上限についても、国では月額一万円としているところを、東京都ではこれまでどおり無料にする、こう伺ったわけです。
 また、現在既に医療費の助成を受けている方については経過措置等を設ける、こういうお話でした。
 創設される国の制度は、B型及びC型肝炎のインターフェロン治療に対して、一年を限度として医療費を助成するというもので、現行の東京都の制度と基本的な枠組みは同じでありますから、国制度に合わせていくのは当然ですし、住民税非課税世帯の方々への配慮を東京都で独自に行うということについても、大変評価していきたいと思っております。
 しかし、先ほどの答弁でも明らかになったとおり、肝炎の患者さんや家族の方々が、多様な、しかも多くの悩みや不安を抱えているわけですから、こういう不安を解消するためには、患者さんが適切な医療を受けられるように、かかりつけ医と肝臓病の専門医との医療連携の体制をしっかりつくっていかなくちゃならない。そして、個別に相談できる機会というものを確保して、療養の質を高めていく必要があると思うんですが、今後、この医療連携を推進し、相談体制を充実すべき、これに対して東京都はどのようなお考えであるか、伺いたいと思います。

○住友参事 都では、昨年の十月からC型インターフェロン治療に対する医療費助成を行っておりますが、その実施に先立ち、都独自の肝炎診療ネットワーク事業を昨年七月から開始しております。
 この事業では、肝臓専門医療機関を二百四十八カ所指定しており、かかりつけ医から肝臓専門医療機関に確実につなぎ、連携して治療を行っております。
 また、肝炎患者やご家族が安心して治療を受けられるよう、肝臓病の治療や療養に関する医療講演会を開催したほか、昨年十二月以降、肝臓専門医による個別の相談会を実施しております。
 今後、これらの相談事業を充実するとともに、医療機関のネットワークの強化を図り、患者と家族の療養支援に努めてまいります。

○田代委員 しっかりと東京都もフォローして対応していただきたいと思います。
 続いて、後期高齢者医療制度についてお伺いしたいんですけれども、いよいよあと二週間ですね、後期高齢者医療制度がスタートするわけです。これは昭和五十八年の老人保健法成立以来の大改正であるんですが、しかし、逆に、都民、国民には、まだこの内容が、あるいはどう変わっていくか、不安の中で実情が知られていない。これは、どこに行っても、後期高齢者の制度に対して余りいいことをいう人がいないというのを見ていると、話せばわかるんですけれども、感情的になっている方がたくさんいるという現状を見ると、どうも皆さん、ご存じないかなと。問題がないというわけじゃないんですよ。ただ、非常に勘違いなさっていると思う。
 先日、十五日、土曜日ですか、新聞各紙に国が作成した制度広報のパンフレットが折り込まれたわけですけれども、この制度設計者である国の取り組みとしては非常に遅いんじゃないかなという感じがします。
 後期高齢者医療制度は、高齢化の進展、今、我が国は大変高いわけですけれども、それに伴っての、老人医療費を中心とした、これの増加が問題になっているわけです。その結果として、我が国が誇るこの国民皆保険制度がうまくいくのであろうかどうか、それを守るためにつくろうということで、もともとは、前の前の日本医師会長の坪井先生なんかがグランドデザインとして提唱したものがこの形になって出てきたわけでありまして、基本的にはこういう制度を行っていかないと、国民皆保険を続けていくことは数字上ではなかなか難しいと思います。
 この制度が、七十五歳以上の被保険者を初め、制度の支え手である都民の方、国民に広く円滑に受け入れていただくためには、やはり納得していただきたい。それには、わかりやすい広報、しかも積極的にやっていかなくちゃならないんですが、広報の取り組みについて東京都はどうお考えであるか、ご意見を伺いたいと思います。

○永田生活福祉部長 国はこの三月、集中的に新聞、テレビ、ラジオ等のメディアを活用した広報を実施することとしております。先ほど委員のお示しになりました政府の広報も、その一環でございます。
 広域連合及び各区市町村では、住民説明会の開催やポスター等の配布に加えまして、三月十日からお問い合わせセンターを設置いたしまして、都民の質問、相談等に対応しております。
 また、制度説明の小冊子を全被保険者に配布する予定でございまして、来年度における効果的な広報の実施についても検討中であると聞いております。
 都といたしましても、これまで「広報東京都」による制度施行のお知らせなどを行ってまいりましたが、四月以降も、広域連合と連携しながら、わかりやすく広報し、制度の周知を図ってまいります。

○田代委員 国が責任を持ってやらなくちゃならないことですけれども、何しろ、先ほど申し上げたように、大変不安な方がたくさんいるわけですから、東京都もしっかり頑張っていただきたい。安心して四月以降も医療が間違いなく受けられる、どうしてかというと、こういう制度であるからという正しい情報、これを東京都の方も積極的にしっかり届けていただきたいと思います。
 そこで、幾つか、後期高齢者の方々にとって関心の高い点について伺いたいと思うんですけれども、保険料水準、この後期高齢者医療制度における保険料水準ですけど、後期高齢者にとって、確かに最大の関心事なんですね。先日の予特での質疑でも明らかにされていましたように、東京都の後期高齢者医療広域連合の保険料というのは、独自の軽減措置があって、全国でも大変安い、最も安い水準になったということなんですけれども、逆に、それとはもう一つの負担、医療機関の窓口での患者さんの負担というのが、まず一つ、皆さん方心配なわけですね。どうなるのか、現行制度と比較して、確認の意味でお伺いをしたいと思いますが、よろしくお願いします。

○永田生活福祉部長 後期高齢者の医療機関窓口での負担割合でございますけれども、現行と同様に、原則一割負担でございます。また、現役並みの所得のある方々につきましては、三割負担となってございます。
 一カ月分の医療費が自己負担限度額を超えた部分につきましては払い戻される、いわゆる高額療養費の制度でございますとか、現在発行されております各種の医療証につきましては、四月以降も現行と同様に適用されるものでございます。
 これらの現行制度に加えまして、高額医療・高額介護合算制度が新設されまして、医療保険と介護保険の自己負担額の年間合計額が限度額を超えた場合には、申請によりまして、限度超過額が払い戻されることとなります。
 これによりまして、一般の所得区分が適用される被保険者の場合ですと、現行の医療と介護の各負担限度額の合計額、およそ九十八万円となりますけれども、新制度では、医療と介護を合算した限度額は五十六万円となります。

○田代委員 今お話しいただきましたように、現行制度と変わらない点ですとか、また、新たに創設された負担軽減策など、こういうものもわかりやすく広報していただきたい。特に高額医療・高額介護合算制度、これは、受けていらっしゃる方にとっては大変朗報だと思います。
 しかし、まだまだこの中で、医療の、それから介護のすみ分けというものが、しっかり国でできていない。細部にわたっての点数改正など、まだまだ取り組まなくちゃいけないことがいっぱいあると思いますので、東京都はその実情というものをしっかり把握しながら、そしてわかりやすい広報に努めていただきたいなと思います。
 それからもう一点、被保険者の対象についてお伺いしたいんですけれども、後期高齢者医療制度の被保険者となるのはどのような方々であるのか、改めてお聞きしたいと思います。

○永田生活福祉部長 被保険者の方々ですけれども、まず七十五歳以上の方々になります。そして、六十五歳以上で七十四歳以下の年齢の方々、一定の障害の状況がある方については広域連合の認定を受けた方、こういった方々が被保険者となりますので、現在老人医療受給対象者の方々は、四月以降もそのまま後期高齢者医療の被保険者となります。
 そのうち、六十五歳以上で七十四歳以下、老人保健制度において区市町村の障害認定を受けている方々につきましては、改めて広域連合の認定を必要とするのではなくて、そのまま後期高齢者医療の被保険者となります。
 制度施行に当たり、認定の取り消しを申請し、現在加入の医療保険を選択することも可能となっております。その選択は、各医療保険制度における保険者や患者窓口負担割合などを比較考量いたしまして、対象者みずからが行うこととなっております。
 また、障害認定取り消しの申請ですが、三月三十一日までにあった方につきましては、後期高齢者医療制度の被保険者から除外をされまして、四月以降に申し出のあった場合には、申し出の日以降、被保険者から除外されることとなります。

○田代委員 後段の方で説明ありました障害認定を受けている方、対象者みずからが比較して行うということですね。
 しかし、後期高齢者医療制度自体の広報がまだ不十分なわけですから、対象者の皆様方も、選択を求められてとまどう部分というのはかなりあるんじゃないかと思うんですけれども、その点について、現在、広域連合ではどのような説明をしているのでしょうか。

○永田生活福祉部長 広域連合では、現在、老人保健制度において区市町村の障害認定を受けている方々全員に対しまして、各区市町村から個別にお知らせの文書を送付するなどして周知を図っているところでございます。
 その上で、各区市町村に対し、相談窓口用に、相談者それぞれのケースに応じて後期高齢者医療制度と他の医療保険制度との比較がしやすい説明様式等の資料を示しまして、適切な説明が行われるよう対応してまいっております。

○田代委員 それぞれの方によってケース・バイ・ケース、そういう側面があると思うんですけれども、各区市町村それぞれの窓口相談も含めて、広域連合及び区市町村で親身な対応がとられるように、東京都としても助言とか指導をしていただきたい。
 このように、制度の周知、広報は、その内容に合わせた、いろいろ工夫していきませんと、受け取り手にそれこそケース・バイ・ケースがあるわけですから、四月以降も、正しい理解を都民の方にしていただくように積極的に取り組んでいただくことを要望しておきます。
 次に、後期高齢者に対する健診の問題なんですけれども、国は健診項目について、四十歳から七十四歳まで実施される特定健康診査と同様でよいということになっているんですけれども、東京都の方も広域連合も、特定健診と同じ健診項目で実施する、そういうことを聞いているわけですが、同じでいい、それが続いていく、これはある意味ではいいんですが、逆に、後期高齢者という枠で一つ区別されているわけですから、その特性というのがあると思うんですね。それに適合した健診項目、やっぱり工夫していかなくちゃいけないと思うんですが、今後どのような検討を行っていくつもりなのかを伺いたいと思います。

○永田生活福祉部長 東京都後期高齢者医療広域連合では、被保険者や医療関係者、学識経験者等で構成いたします東京都後期高齢者医療懇談会等におきまして、次期保険料改定年度となります平成二十二年度までに、日常生活能力の保持、増進を図る観点から、後期高齢者にふさわしい健診項目等の保険事業のあり方などについて検討していくとされております。

○田代委員 せっかくこういう制度ができたんですから、これをよくしていくためには、やはり二十二年度までの見直しを具体的に取り組んでいかなくちゃならないわけで、東京都としても、広域連合の検討状況を十分把握して、受け手である後期高齢者に有益な健診事業というものをバージョンアップしていく。これが、逆にいえば医療費の適正化にもつながっていくと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 医療費の中の診療報酬なんですけれども、今度の診療報酬改定、国は後期高齢者にふさわしい医療について、診療報酬上、評価して、診療点数を上げるということで、療養生活を支えていくための工夫が加えてあるということなんですが、まだこれだけ準備不足の中でスタートするわけですから、しっかり四月から見ていかなくちゃならないと思うんですが、見た上で、必要があれば国の方にしっかりと提言をしていかなくちゃならない。これについては、東京都の方、どのようにお考えでしょうか。

○永田生活福祉部長 国は、中央社会保険医療協議会の答申を踏まえまして、後期高齢者診療料などの後期高齢者医療に関し新設された診療項目につきまして、後期高齢者の心身の特性に応じた医療提供に資するものとなっているかという観点から、実施後の状況について改めて検証を行う予定と聞いてございます。
 都といたしましても、この国の検証状況なども踏まえまして、必要に応じて国に意見を申し述べていきたいというふうに考えてございます。

○田代委員 この診療報酬なんですが、ちょっと診療機関の中でも困っているのは、主治医としての意見書を書いて、クリニカルパスをつくって点数がつくわけですけれども、東京というのは、逆にいえば、これだけ医療機関が多いわけですから、財政審のときもそういう問題があったんですけれども、ダブってしまうということがあるわけですね。これもまだ医療機関に周知されていないところもあるので、そういうものも含めて使いやすい制度にする、そういう意見を国にはしっかりと述べていただきたいと要望しておきます。
 それから、この後期高齢者の支援金についてなんですが、疾病リスクの高い高齢者を社会全体で支える仕組みとして、その財源構成についても、四割を現役世代の保険料から支援金で出すということになっているわけですけれども、具体的には各医療保険者が支援金を拠出するわけですが、その拠出割合に対して、国は、来年度からスタートする、先ほど申し上げました特定健診や特定保健指導、この実施率によって、達成状況によってはペナルティーがあるということ、プラスもあるんですけれども、そういうことをいわれているわけです。
 ある意味では、その支援金の負担が、ペナルティーが加えられれば、医療保険の保険料の水準が上がってきちゃうということですよね。ですから、今、この特定健診とか保健指導の実施準備を必死に進めている各医療保険者からは、この仕組み、ちょっとおかしいんじゃないかと。簡単にいうと、チェックをして指導すればいいんですけれども、今度はチェックをされて指導を受ける人が来なければ、これはどうしようもないわけですね。幾らチェックをして指導しますといっても、笛を吹いても踊らなきゃ話にならないわけですから、それが果たして保険者の責任--最初から来ない人たちに対して、例えば、たらい回しのときに母子手帳を持っていない方の飛び込みがありましたけど、どうやっても、制度つくっても来ないという人たちに対してどうするのかということも考えていかなくちゃならない。
 ほかの国のように、保険料の一部、その人の負担金を上げるとか、何かペナルティーを科していかないで、ただ保険者の方にペナルティーというのが果たしていいかどうか。これは難しいと思うんですが、この支援金の加減算の制度について、現段階では国はどのような説明をしているのか、お聞かせいただきたいと思います。

○永田生活福祉部長 後期高齢者支援金についてでございますけれども、各医療保険者は、今年度策定をいたします特定健康診査等実施計画におきまして、特定健康診査の実施率など三項目の目標値を設定することとされてございます。
 国は、後期高齢者支援金につきまして、この特定健康診査等実施計画の計画期間満了後、平成二十四年度になりますけれども、その満了後の平成二十五年度からは、目標値の達成状況に応じて支援金に加算、減算を行うというふうにいっているわけでございます。
 しかしながら、加算、減算の前提となります実績データの具体的な評価方法等の詳細につきましては、第一期計画期間中の中間年度である平成二十二年度以降に詰めた検討を行うということで、まだその程度の状況にとどまっているところでございます。

○田代委員 中間年度の検討の際に、しっかり都民に役に立つようなチェックを東京都としても見ていただいて、そして必要な意見を国へ述べていただきたい、要望しておきます。
 それから、今、大変問題になっている医師不足、先ほど申し上げましたたらい回しの問題、我が国は、ある意味では、乳児の死亡率や健康長寿という点では世界で最高水準なんですが、その中でも、そういった産科、小児科が足りないということで、いろいろ問題になっているわけですね。
 今までに比べて、以前に一回申し上げましたけれども、我々が医者になったときに比べて、仕事の量すべてを換算してみますと、約二十倍ぐらいに仕事の量がふえているというのは、今まで亡くなるはずだった方が--例えば、せんだっての話のtPAもそうですけれども、脳梗塞という病気は、私が医者のときは亡くなる病気だったんですね。最初からそれは決まっていたわけですから、その後の処置というのは、また全然別だったわけですけれども、今は脳梗塞、tPAをちゃんと適当に使って、きちっと時間内にそれを使用していけば、ある意味では四割の方が全く後遺症なくて退院はできるんですが、逆にいえば、六割の方は後遺症が残って助かる。その後のリハビリをやっていかなくちゃならない。
 胎児医療も、我々が医者になったときには、胎児を直接子宮から出して手術するということは、考えはありましたけれども、実際上は無理とされていたわけですけれども、今は全然無理じゃなくなってきている。
 覚えること、新しい言葉、それからコンピューターなんか、当時、当然なかったわけですから、今、大学で我々が見る博士論文は、当然PCで打ってきたもので、フロッピーで出さないとだめですけれども、我々のときにはペンで書かなきゃいけない。野村先生も僕もペンで書かされたわけですね。いわゆるタイプライターで打つ者は許可を得て、これはタイプライターで打ちましたという許可をもらわなきゃ出せなかったわけですけれども、そういうものに比べると、使うものが全然違ってくる。
 ヘリカルのCTなんていうのは、考えすら当時はなかったわけですけれども、そういうものがどんどんふえて、二十倍ぐらいになってきたところで今の医師数。これは閣議決定で決まっちゃったわけですけれども、ふやさないと決まっちゃったものですから、仕事が二十倍になって、その中にはやはり、いいことだと思うんですけれども、医師の説明責任というものが非常に問われるようになりまして、こういうものを含めると、朝から晩まで書類しかさわらない大学の医者というのが数人いるぐらい。もう患者さんを見る暇がないんですね。書類の整理で忙殺されてしまうという医者がいるぐらいで。
 こういう中で、今、お医者さんの数が足りないわけですから、これを工夫していかなくちゃならないんですけれども、これ、二つに分けて考えなくちゃならないんで、一つは、道州制が入ったときを含めてどういうふうにしていくのか。そして、今現在のように中央集権でやっていくときにどうすればいいのか。地方のように、施設があり余っていて医療関係者が非常に少ないところと、東京都のように、施設がなくて逆に医療関係者が非常に多いところと、しかも物価が約三倍ぐらい違う、全国の土地の値段から人件費まで、三倍から四倍違う中で、全く同じ点数で同じように患者さんに提供していくことができるかどうかということなんです。
 我々は東京都のことだけ考えればいいんでしょうけれども、将来のことを考えて、しかも東京都だけのことを考えてうまくいくとは限らないところもあるので、実は地方の公立病院あるいは大きな市立病院の院長たちと話すと、一番恐れているのは医師アカデミーなんですね。これは非常に脅威の的で見ています、東京都に対して。
 当然、医療というのは、都立病院の病院経営本部だけで終結するわけではなくて、福祉保健局が全体の骨組みを見ていかなくちゃならないわけですから、医師不足というものに対して、こういう特効薬をつくったことはすばらしいことだと思うんですけれども、逆に、それで東京都がひとり勝ちしちゃっていいのかどうか。
 大変難しいことだと思うんですが、きょう申し上げたいのは、都立病院の中で行われる改革も、福祉保健局がちゃんとサポートしていただかないとどうにもならないということで、実はきのう申し上げないで、きょうこの話をさせていただきたいんですが、松沢病院に観察病棟ができます。
 これは国の制度で、私も長いこと精神科医療にずうっと携わってきたものですから、精神科医療に対する差別という中で医者をやってきたもので、なかなか世間の風は冷たいなと思っていたのですが、やっと日本でもこういう人権問題を取り上げるようになって、WHOの勧告もあったわけですけれども、犯罪歴のある方たちを、入院ということで、きちっと治療も受けられるような形にしていく。だけど、やっぱり住民の方たちの不安というのは非常にでかいわけですね。
 そうすると、病院経営本部だけでどうするこうするという問題ではなくて、精神科医療というものをどう考えるかということは、まさしく福祉保健局の仕事ですから、医療の現場で、患者さんが三時間待って三分しか診てもらえないという不満が片方であると同時に、人権を守っていく精神科医療もやっていかなくちゃいけない。
 特効薬になるとは僕は思っていないんですけど、一つ提案なんですが、考えておいていただきたいんですけども、人権問題とかかわるところは、無理やりにかかわらせればあるんですが、GPSですね。みんな、今の民間の刑務所で使っているやつですね、どこにいるかがすぐわかる。そういうものが、逆にいうと、ある程度お金のある人は腕時計だとか、もっとすごいのは、体内にチップを埋め込んであって、そして異常があったときにはすぐ損保会社が駆けつけてくれるみたいな制度もあるわけですから、やはりちょっと工夫をして患者さん方に、どこにいるかすぐわかるように、それは精神科の患者さんだけではなくて、いろんなところに僕は使えると思うんですけれども、医療の現場にある程度GPSみたいなものを、電波障害がないということ、それから安全であるということも含めて、特に観察病棟なんかにはそういうことを入れていかないと、住民の理解をなかなか得ていくことができないかなと思うんです。
 これは都立病院に、いわゆる病院経営本部に申し上げることではなくて、多分、皆さん方に全体像として考えていただかなくちゃならないことだから、きょう、あえてそのGPSの話をしたんですが、一度考えておいていただけたら大変ありがたいなと思います。
 もう一つ、この医師数が足りないというのは、どこにどのぐらいのお医者さんがいて、どのくらいの診療科目があるかという適正配置が、我が国では全く調査されていないんですね。文京区なんか、お医者さんが非常に多いように見えるんですけど、あれは研修施設の医師数を一緒にカウントしちゃっているものですから、実際は医師不足のところがいっぱいあるんですよ。
 野村先生や私の病院も文京区にあるんですけれども、そこにいる人たちが全部医療をやっているかというと、そういうわけじゃないわけですから、実際に働いている人と働いていない人たち、研究だけやっている人、外来やっている人たちも含めて、一度東京都でその医療圏について見直しをしていただきたい。
 どこの地域にはどのぐらい何科の先生が足りないんですと、実際には縦軸と横軸で時間帯も入れた方がいいと思うんですね。小児科の先生、山ほどいるんだけど、午前中しか全員やっていませんというのでは、これはまた、ある意味では偏りができちゃうので、特に四月からの医療費の改定で、休日、深夜の加算がまた変わったわけですから、こういうものもしっかりと取り入れて、どこにどういうお医者さんがいるのか、何科の先生がどこに足りないのかということを一度、国がやらないわけですから、東京都でしっかりそれは対応していただけたらありがたいと思います。
 それからもう一つ、コメディカルの方たちがしっかり動いていただくことによって、さっき申し上げました、一日じゅう書類を書いているドクターが解放されるわけですから、せっかく医療クラークといういい考え方を、東京都がこれだけいってきたので、国がやっと動いた。ここの委員会では、最初から僕は医療クラークの話ばっかりしてたんですけれども、本当に皆さん方の努力で国が動いたわけですけれども、ここでとまっちゃうんじゃなくて、やっぱりメディカルドクターはメスを持つ時間が長くて、ペンを持つ時間はなるべく短い方がいいわけで、こういう制度も、病院経営本部というよりも、福祉保健局がオーケーしてくださらないと、どこも話が進まないわけですから、これも一つ考えておいていただけたら大変ありがたいなと思っています。
 この病院で今、せんだって大田区の区長さんにお目にかかったときに、大変困っているんだというお話をいただきました。産科の病院がなくてどうにもならない。実は世田谷区でも、関東中央病院というかなり大きな病院が今度、産科病棟を閉鎖するんですね、これは大学のいろいろな問題もあってなんですけれども。そのときに、やはり二次医療圏の中で、できたら、今足りない診療科目については、もうちょっと病病連携の手伝いを東京都がしていただけるとありがたい。
 例えば、産科の外来は関東中央病院で診ますけれども、お産は日産玉川病院で診ますとか、点数の扱い方は非常に難しくなると思いますが、やはり二次医療圏の中でお産をしっかりとみんなでフォローしていかないと、どこどこの病院だけがだめになって、どこどこがよくなったというだけだと解決しないので、病病連携について、特に産科はそれをしっかりやっていただかないと、今、本当にお産というものが安心して受けられない時代になっちゃったので、今からお医者さんをふやします、例えば医師アカデミーで一生懸命やりますといっても、間に合わないわけですよね。
 関東中央病院は二カ月前に打ち切りを発表したわけですけれども、お産は十月十日ですから、そんな、受けておいて急にやりませんよということ自身が非常に大きな問題になると思うんですよ。やはり都民の健康ということですから、皆様方にそこはしっかり見ていただけたら大変ありがたいなと思っています。
 いろいろ申し上げましたけれども、やはり医療の現場を解決していくためにはコメディカルの活躍しかなくて、お医者さんがペンを持たないと外来が始まらない、大学病院はみんなそうですけれども、そういうふうに非常にむだな時間、効率の悪い医療体制というのを変えていけば、幾らでも病院から町の先生方に派遣することもできるでしょうし、残念ながら、この研修医制度というのが、悪いとはいえませんけれども--研修医制度、一番最初はインターン制度といったんですけれども、野村先生や僕たちの時代に旗を振ることがあって、学生運動でインターン制度がなくなっちゃって、ある意味では、いい意味もあったんですけれども、ある部分で、卒後教育ということの欠点を補うということで研修医制度が始まったわけですけれども、研修医制度があったために、ついに医局の支配権というか、お医者さんをどこどこに派遣するということは全くできなくなっちゃった。
 ですから、自治医大のような形をある程度国がとって、これは私見ですけれども、卒業したら十六年間は大都市で開業しちゃいけないとか、医学部を卒業した人たちにある程度足かせをかけていかないと、自由に開業していいですよという自由権は、お医者さんに果たして必要なのかどうか、僕自身は大変疑問があります。何科を選択するということに対しても、足りないものは、国策に沿ってある程度はやっていくという必要も、医師というものは僕はあるような気がするんですね。
 ただ、どういう治療をしていいか悪いかということは、アメリカのようにマネージをされて、使わなくちゃいけない薬を保険者からいわれて使えないとか、やらなくちゃいけない手術を保険者からいわれて削られる、これはとんでもない話で、我々医師がやることに対しての自由裁量権というのは最大限認めてもらうことは当たり前、医科学者ですから。我々の仕事に対して口を出されるのはとんでもない話ですけれども、どこで開業する、何科を選択するというのは、ある程度、大きなプランニングがないと、グランドデザインがないと、いつもどっちかに--うちの大学、産科医は今からどんどんふえると思います。今、入りたいというのがたくさんいますから。お給料がとんでもなく高くなるみたいなところが地方でどんどん出てきましたから。五千万を超えるというところがあるわけですね。ちょっと前までの都立病院なんか一千万もいかなかった科が五千万超えちゃうんなら、じゃあという人も出てくるんだけど、そうすると、イタリアのように、ある日突然、医者だらけになって、ある日突然、公認会計士だらけになってと、ぐるぐるしわ寄せが出てきちゃうので、これはちょっと避けていかなくちゃならないので、きちっとそういうことを東京都、福祉保健局が親分ですから、考えて、国にも意見をいっていただきたいと思いますので、局長よろしくお願いいたします。
 最後になりますけれども、今まで四十七都道府県、最初に東京都が新型インフルエンザの意見書を出すことになって、そういう議会で働かせていただいていることを皆さん方に大変感謝申し上げますし、それも厚生委員会の各先生方のお力でこういうことが実現できて、その中のメンバーの一人であったということは、私にとっては大変ありがたいことなんですが、あのときに、もう時間がないので、さっと話をしますけれども、前の話がちょっとわからないところがあったからと大変いわれたものですから、東京都の方でどう理解していただいているのかも含めて、幾つか、二、三お話をさせていただきたいんですが、今度の新型のインフルエンザというのは、全く今までと違うタイプ。今まではH1、H2、H3というのがはやっていたんですけど、H5やH7というのは、物すごく毒力が強いということがいわれていた。普通これは起きないだろうといわれていたものがH5N1という、あのNHKスペシャルで出たウイルスなんですね。
 どこが毒力が強いかというと、普通のインフルエンザというのは、肺と、いわゆる呼吸器とおなかにしかこないんですね。せきが出て、おなかが痛くなって、これで終わるんですけれども、今度のH5N1というのは、脳も目も耳も、それから心臓も肝臓も腎臓も筋肉も血液も血管も全部レセプターがあって、全部に入っていくわけです。
 ということは、そこで一遍に--簡単にいうと、人間というのは、これは例えの話ですけれども、ウイルスと闘うときは熱を出して闘うわけですよね。それで三十九度、三十八度というすごい熱が出てくるわけですけれども、一遍にありとあらゆるところにそういう感染が起こることは普通ないんですが、起きちゃうと、サイトカインストームといって、それぞれが闘っちゃうので、若い人たちがみんなアウトになっちゃうわけですね。自分の力で自分を滅ぼしちゃう。こういう特別な形のものというのは、今までの人類の中ではなかったわけです。
 今、日本が、政府が予測している死亡者というのは十七万人から六十四万人といわれているんですけれども、十七万人というのは、今までと同じインフルエンザのときにどのぐらいかというのが十七万人なんですね、そして、それよりちょっと二割ぐらい強ければ。一九一八年のあのスペイン風邪のときと全く同じで六十四万人で、大体二百七十二名から三名に今現在なっていると思いますけれども、死亡者を見てみると、死亡率六八%なんです。スペイン風邪のときは二%です。ですから、それと同じように計算しているのは日本だけなんですね。ほかの国は、アメリカなんかは、もう完全にスペイン風邪の七倍から八倍で訓練を始めているわけですから。
 その中で一番役に立つのは、やっぱりプレパンデミックワクチンという、インドネシアとかベトナムで死亡した人たちの血清でつくるワクチンなので、このワクチンが日本には今、一千万人分、実際にいうと千三百万人分ぐらいにきょうなっているはずですけれども、あって、そして、タミフルというのがとても効くんですけれども、タミフルは二錠五日間というのが我々大学で処方する量ですけども、今度の新型には四錠八日間やらなくちゃいけないから、二千八百万人分あるということは、その三分の一、九百万人分しかないということですね。
 日本では、とてもいい抗ウイルス剤が今いっぱいできています。ところが、二〇一〇年にそれができ上がるんですけど、それからの治験が始まって二年、許可までに二年、製品化に半年ぐらいかかっていく。そうすると、どんなに早くても二〇一四年ぐらいまでに、もしも来ちゃったときに、日本だけなんですよ。二〇世紀のこういう疫病というのは、どこの国でもみんな同じく、ひとしくなくなったわけですね。
 一九一八年のスペイン風邪のときに、たまたま第一次世界大戦があって、アメリカからの若い兵士がどんどんヨーロッパ戦線に送られたんですけど、死因の八割がスペイン風邪だったんですね。二割しか弾で撃たれていなかった、百万人以上の遺体が帰ってきたときに。
 ですけど、今度はもしかすると、スペイン風邪を凌駕する新型のインフルエンザができちゃうと、今の日本のこの状態のままいくと、アジアから日本という国が消えちゃう可能性があって、スイスであるとかアメリカであるとかカナダであるとかイギリスであるとか、みんな対処をしているそういう国だけは残ってしまう。
 そういう可能性があるわけで、こういう意見書をしっかり国に上げていただいたのは大変ありがたいんですけれども、それ以上に、東京都としても広報に力を入れていただいて--人と豚のウイルスの交雑がうまくいくと、こんな恐ろしいことは実は消える可能性があるんですけれども、今のところ可能性は非常に低いので、一度上に投げ上げたボールと同じで、インフルエンザウイルスというのは、一度変革が始まると、とまることはないんです。最後に、人類に物すごく無毒になってパンデミックを起こすか、有毒になってパンデミックを起こすか、人に移らない限り、これは終着しませんので、必ず一〇〇%起きるウイルス感染ですから。しかも、その中で、今まで以上に想像を絶するほど、六八%の死亡率というのはエボラ出血熱と全く同じですから。しかも、伝染力は数千倍強いわけですね。エボラと全く違うわけです。
 そこをしっかりと都民の方々にも話をして、広報していただいて、何を申し上げたいかというと、そのとき一番役に立つのは、家の中に二カ月閉じこもることなんですよ、ワクチンしないから。それしかないんです。二カ月閉じこもれば、それで大丈夫なんです。今の大学生、うちも含めて大学生の男の人七百人ぐらいにアンケートをとったのがあるんですけど、冷蔵庫の中に何がありますかといったら、缶ビール三本というのが一番平均的、第一位だったんですね。あと何もない。コンビニもあるし、何でも、おいしい水はどこでも買える。
 でも、二カ月間どうやって生きていくかということをまず都民にわかっていただかないと、我々医療機関で、この状態で、これしかワクチンがない中で、一日に何千人と来る患者さんに対応することは絶対不可能ですから、そういう意味でも、東京都としてしっかり取り組んでいただくことを強く要望して、お礼の言葉とさせていただいて終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

○石毛委員 初めに、僻地の医療体制についてお伺いいたします。
 近年の医療機器の進歩は目覚ましく、高度医療機器の普及も進んでおります。僻地の医療機関であっても、高度な医療機器を投入することにより、少ないマンパワーで、かつ住民が身近な医療機関で高度な医療を受けることができるようになってきたといえましょう。
 先般、視察と新鮮な空気を求めて、都民の森や多摩産材で注目を浴びている檜原村まで足を伸ばしてまいりました。確かに、おいしい空気であったのですが、きょうマスクをしておりますが、同時にスギ花粉も大量に吸ってまいりまして、おかげさまというか、昨年よりも大変悪化しております。行けばいいというものではなく、時期をやっぱり考えなければならないというふうに思っております。
 さて、視察の目的でありますが、檜原診療所に行ってまいりました。常勤している医師から、CT撮影装置の導入がされ、診察する際、非常に心強いと伺ってきました。
 そこでまず、都の僻地に対するCT撮影装置の導入状況及び使用状況についてお伺いいたします。

○細川医療政策部長 都内の僻地町村において、CT撮影装置は三町五村に計九台が導入されております。各町村においては、日々の診療に積極的に活用されており、都市部の大病院まで検査を受けに行く患者の負担を軽減し、また疾患の早期診断に役立っております。

○石毛委員 答弁を聞いて、値段が結構するんですね、安くないCT装置でありますが、導入されている町村が多いということで驚きました。
 しかし、視察したこの檜原診療所の医師は、CT撮影装置が導入され、非常にありがたいが、専門でない自分が読影しないといけないので、患者の状況によっては、その読影診断に迷う場面があるといっていました。
 昨今、医師不足が問題になっておりますが、CT撮影装置を導入したからといって、放射線科の専門医師を配置することは非常に困難と思われます。
 以前、都では、島しょの医療機関と都立病院との間で伝送装置を使った診療支援を行っていると聞いておりますが、そこで都は、僻地の医療機関におけるCTなどのレントゲン診断にどのように支援をしているのか、お伺いいたします。

○細川医療政策部長 僻地の医療機関におきましては、基本的な読影診断は、そこに所属する医師が行っております。ただ、CTなど高度医療画像をすべて読影診断するのは、一般医の医師にとっては非常に大きな負担になっております。
 そこで、島しょ地域におきましては、救急患者の受け入れや専門的な治療等を、主として島しょ基幹病院である都立広尾病院が行っておりますことから、都としては、広尾病院の救命救急センターや放射線科に、島しょ医療機関とを結んだ画像伝送システムを整備しておりまして、救急疾患の診断や、手術の後、島に帰ってからのフォローアップ等に利用できるように支援をしております。
 なお、檜原村におきましては、放射線科医の所属する医療機関と独自に提携して、CT画像の読影診断を依頼しているというふうに伺っております。

○石毛委員 少し安心いたしました。
 高齢化、生活習慣病の増加から、腎臓透析医療が必要となる患者は年々増加しております。檜原村は、面積百五平方キロメートル、世田谷とほとんど同じような面積に、平成十九年、二千九百八十八人という人口、一年後のことし、二十年には二千八百八十五人、つまり一年で約百人減った計算になりますが、このままの推移でいきますと、三十年後にはゼロとなってしまいます。また、高齢人口の六十五歳以上に至っては四一・一%と、高齢化が進んでおります。
 残念ながら、こうした過疎の進んだ檜原村などの山間地の僻地においても、人工透析を必要とする患者が存在しております。檜原村は、現在七人患者がいて、その多くは高齢者で、村に人工透析機関がないため、都市部の人工透析機関へ週三回通っていて、そのことが本人あるいは家族にとって大変負担が大きいと聞いております。
 前に、この檜原村にはボランティアをする方もおられたんですが、送迎のサービスを行っていて、患者によっては診療日が違ったり、あるいは治療の時間が一定じゃない、例えば、四時ごろ五時ごろといっても六時になってみたり、こういったような状況の中で、うまくいかなかったと聞いております。
 人口も若者も少ないこの土地で、送迎する人が身近にいなければ、タクシーを使わざるを得ない。そこに行くだけに数千、八千円ぐらいかかるんですね。下手をすると往復で一万六千円、それを週三回、月三十日の中で大変大きな経済的な負担がかかる。こういう意味では、私は、住みなれた村の中で必要な医療が受けられることを求めることが大切だろうというふうに思います。
 そこで、都の僻地における人工透析医療の実施状況と都としての支援策についてお伺いいたします。

○細川医療政策部長 現在、都内の僻地町村の医療機関において人工透析医療を行っておりますのは、島しょ地域の二町二村の四施設となっております。
 都としましては、僻地診療所における人工透析などの医療機器の整備について補助を行っているところでございます。
 なお、本土への通院治療が極めて困難な島しょ地域につきましては、診療報酬で不採算である場合に限り、運営費に関して補助を行っているところです。

○石毛委員 わかりました。これは要望でありますが、人工透析については、おおむね十名以上の患者がいれば、診療報酬がペイすると聞いております。檜原村では患者が七名ということで、先ほど島しょ地域においては運営補助があるとの答弁がありましたが、多摩山間地域においても同様の補助制度を設けるよう要望いたします。
 次の質問に入ります。
 先ほど田代先生もちょっと触れておりましたけれども、医者の不足等の中で、WHOは、出産ができそうな安全な場で、しかも女性が安心して出産できる場であれば、末端、これは自宅や助産所を指すのですが、位置する場で、出産のケアを提供することを奨励しています。日本においても、助産所や自宅での分娩は、この二十年に年間約一万三千件を推移しております。
 さらに、良質な医療を提供する体制の確立を図るため、二〇〇六年六月、医療法の一部が改正され、その施行規則十九条において、助産所開設者は、産科医の嘱託医師及び母子の緊急受け入れが可能な嘱託医療機関を定めることが規定されました。
 しかし、周産期医療の状況は、産科医の減少、産科病棟の閉鎖が進み、医療機関の長が嘱託機関として引き受けられないと拒否をする場合もあり、嘱託医療機関を定めるのに困難な状況となっており、助産師個人の努力だけでは実行不可能な問題に直面しているといえます。
 私は、先般、平成九年、東京都地域周産期母子医療センターの指定になっております、いわゆる院内助産所のある葛飾赤十字産院に視察に行ってまいりました。
 近年、助産師の役割の主体性が損なわれる傾向が強まる中で、この病院では、ローリスクの妊婦は助産師、ハイリスクの妊婦は産科医と、しっかりしたすみ分けがなされています。入院出産の場合も、ローリスク妊婦の分娩等、一連の経過のケアはすべて助産師に任せ、ハイリスク妊婦の対応は産科医が受け持つというものであります。また、普通分娩室の近くにはハイリスク分娩室があり、いざというときには対応できるようになっており、妊婦にとって安心して出産に臨めるようになっています。
 この院内の基本姿勢の一つとして、出産は生理的現象の一つであり、なるべく自然に任せ、急がずゆっくり、医療介入を極力控えるという考えのもとに、妊婦とのコミュニケーションを十分とり、妊婦の望んでいるお産に近づけるいろんな工夫がされております。
 例えば、今までのように一定の形にとらわれないフリースタイルの分娩をとっており、お産の進行状況に伴い、横向き、四つんばい、立位、スクワット、この立位というのは立って出産をするわけですが、ある意味では、地球の重力がかかっていく意味では、ああ、なるほどななんて感心をしたわけでありますが、そういったときに一番姿勢がとれるような支援、希望があれば畳の上でも出産が可能である、また、におい、アロマの香りで、体と心をほぐすための出産のアロマの芳香浴やマッサージを受けることもできますし、ふだん使っているにおいも、持ってくれば使えるとか、あるいは、各部屋にはCD、MD、テープなどの音楽を自由に聞けるとか、あるいは照明を自由に明かりを落とすこともできる。こういったような、るる妊婦が望むことであれば、大体いろんなことができますし、また立ち会いもできるという施設になっております。
 たまたまそこにいた妊婦さんの話を聞くことができまして、こうしたすばらしい環境で、いつでも子どもを産みたいと述べておりました。
 一般的には、助産所でのお産を経験した方は、助産師が妊産婦の悩みや日常生活での注意事項などを丁寧に時間をかけて対応してくれること、自然な分娩へ導いてくれること、自然な形でおのずから産む体験を通して満足度の高い出産ができるという感想をよく耳にいたします。
 さて、現在、都内においても産科医不足の問題がありますが、安心して産み育てられる環境が脅かされつつあります。いわゆるお産難民が出かねない。このような中で、産科の現場で助産師の活躍が期待されます。
 正常分娩の介助だけではなく、早産予防、妊婦自身の保健指導、助産師がいろいろな場面で活躍することが、現在の産科医不足の解決策の一つとなると私は考えます。
 助産師は、分娩の介助、妊産婦並びに新生児の保健指導や、思春期から高齢期にわたる女性の保健指導、健康相談を行う専門職であります。このような役割を持つ助産師は、病院や診療所でさらに活躍することが期待されます。
 また、お産の施設の選択肢の一つとして、助産師が開設する助産所である、かつて我々が--我々というのは、私の年齢も皆さんもそうだと思うんですが、お産婆さんによる出産や助産所が多数でありましたが、現在は助産所の分娩は一%余りで、ほとんどが病院あるいは診療所で出産をしております。
 前文でも述べましたが、助産所の届け出により開設することができるのが、医療法の改正により、本年四月、ことしの四月から、既存の助産所においても産科の嘱託医あるいは小児科医の確保が義務づけられております。これは、高齢出産の増加や出産に常にリスクが伴う等から、妊婦と子どもの安全性確保という観点から改正と聞いておりますが、安全性のハードルが高くなると同時に、助産所の開設のハードルも高くなってしまったということを述べておきます。
 このような助産所における分娩も必要と考えますが、所見をお伺いいたします。

○吉井参事 分娩は常にリスクを伴いまして、あわせて高齢出産などのハイリスク妊婦の増加もございます。そうした意味から、母子の安全確保に対する配慮、これがまず必要であろうかというふうに考えております。
 そして、助産所においても、医療機関と連携をいたしまして、こうしたリスクに対する安全を確保しながら、ご指摘いただきましたような満足度の高い出産を行うことが重要であると考えております。
 ちなみに、都内の分娩を取り扱う助産所は二十六カ所ございますけれども、嘱託医療機関の確保、四月一日に向けた確保については行えたというふうに聞いてございます。

○石毛委員 わかりました。
 従来の病院の産科での助産師の業務をさらに充実させることも重要であります。それには、助産師外来、院内助産の充実があります。病院内でいわゆる院内助産ができる施設を整備し、ローリスクの分娩は助産師が主体的にかかわる仕組みを考えるべきだと思います。
 都として、いわゆる院内助産の取り組みについてどのように考えるか、所見をお伺いいたします。

○吉井参事 いわゆる院内助産所におきまして正常分娩を助産師が取り扱うこと、これは産科医の業務負担を軽減させること、それから助産師の専門性を発揮していくこと、さらには妊婦にとりまして満足度の高い出産になるというふうに認識しております。
 こうしたことから、二十年度予算におきまして、医師勤務環境改善事業におきまして、いわゆる院内助産所の設置の促進についても図っていくこととしてございます。

○長橋委員 私からも質疑をさせていただきます。私からは、障害者の健康診査、ヘルスケアについてであります。
 今月の七日から九日の間で、スペシャルオリンピックス冬季大会が山形で開催をされました。私も参加をいたしましたし、我が会派の都議会公明党のメンバーも何人か参加をして、いわゆるアスリートの姿を見させていただきました。
 この今回の大会は冬季大会であります。一昨年は夏の大会、夏季の大会が熊本で行われました。私はそこにも行かせていただきまして、大きなさまざまな示唆をいただいてきたわけでありますが、一昨年の熊本大会には、行きましたら、元福祉保健局長、当時の幸田出納長も来ておられまして、熱心に視察をされておりまして、東京都からも来ていただいたなと思っております。今回の山形大会にも福祉保健局の方も来ておられましたので、認識が深まってきたんだな、こんなふうに思うわけであります。
 聞くところによると、二〇〇二年には、このスペシャルオリンピックスの大会、東京でも開かれたということでありますし、何よりも、昨年、世界大会が上海で行われました。十月でありますけれども、昨年の八月二十二日、都民広場でこのスペシャルオリンピックスの聖火到着式が行われました。そこには石原知事が出席をして、都議会の議長も出席をした。
 都民広場の中で私も参加をさせていただきましたけれども、当日の体制、役員には福祉保健局の皆さん方が携わっておりましたので、大変暑いときでありましたけれども、ご苦労があったんだなと。この石原知事の出席を、私も感慨深くお話を聞いておりましたけれども、いよいよスペシャルオリンピックス、そしてさらには知的発達障害に対して理解が深まってきたんだな、そんな感想を持ったわけであります。
 いうまでもなく、この知的発達障害の方々が、日常のトレーニング、そしてスポーツ競技を通じて社会で生きる力を養う、自立に向けて取り組む、こういうことであろうかと思いますけれども、まずは、このスペシャルオリンピックス、都としてどういう認識をされているのか、伺います。

○松浦障害者施策推進部長 スペシャルオリンピックスの活動でございますけれども、長橋理事ご指摘のとおり、日常的なトレーニングから国際的なスポーツ大会に至るまで、スポーツを通じて知的障害のある方の健康増進や自立と社会参加に大きな意義があるとともに、障害者に対する理解を深める契機になると認識しております。

○長橋委員 先ほどいい忘れましたけれども、次に大会があるときには、安藤局長、ぜひ参加をお願いしたいと思います。
 もちろん、スポーツ大会でありますから、さまざまな競技が行われるわけでありますが、その中で、同時にヘルシーアスリートプログラムというのを開催しているわけであります。熊本でもやっておりましたし、山形でもやっておりました。
 ヘルシーアスリートプログラムというのは、一九九六年、アメリカで行われたスペシャルオリンピックスで始まったといわれています。一九九六年ですから、十年ちょっと前でありますので、そんなに古くからあるプログラムではないわけでありますが、日本でもやっとといいますか、二〇〇五年に冬季の世界大会が長野で行われましたけれども、そこで初めて六部門の健診が行われたと聞いております。六部門というのは、いわゆる足のケア、体の柔軟性やバランスのケア、聴力、耳ですね、栄養・生活習慣、視覚、それから口腔の各領域についての六部門にわたってそれぞれ、この大会の場合には、アスリート、障害者の方たちに無料でしているわけであります。
 私も、この一つ一つ、ヘルシーアスリートプログラムのコーディネーターの方にご案内をしていただいて、各部門ごとに丁寧なご説明をいただいたわけでありますが、これを話していると長くなるんですが、例えば耳の検査、障害者の方は、自分がよく聞こえているか聞こえていないかわからない、こういうことになるわけでありますけれども、これをこのヘルシーアスリートプログラムでは、新生児聴覚検査で使った機器を使ってやればすぐにわかる、こういう工夫をされているわけであります。
 また視覚、視力は一・〇から〇・一とか二とか、我々がふだん視力検査をやるときには、上があいているとか、右があいているとか、こういう検査をするわけでありますが、そういうことが障害者の場合にはなかなかいえない。そうすると、物の形で、三角の形だとか丸い形だとかいうのを指したときに、自分の手元にも同じ形を置いておいて、これと同じだというふうにあらわすことによって視覚がわかる。
 それからまた、足のケアというのが非常に大事だなと思ったわけであります。フットフィートというふうにいうようでありますが、これは、アメリカは足病医、足の専門医がいるそうなんですけれども、日本では本当に数少ない、数えるほどしかいないそうなんですけれども、足のことならば、手術もすべてできる足病医というのがいるそうでありますが、そこに、足病医とあわせて、整形外科医とか理学療法士がいて足のケアをする。歩き方を見て、障害者の方は足が変形をしていたり、中には扁平足だったりして、若いときは筋力、体力がありますから体が持ちこたえるんですけれども、そういう歩き方とか、また歩行のチェックをすることによって--将来、年をとると、さまざまなところに障害が出てくる。それはそうだと思います。私も、若いときは元気だったんですけど、最近はひざとか腰とかが痛くなってくる。それが足に、歩き方が悪ければ、当然そうなってくるのではなかろうかと思うわけであります。そういったことをケアしてあげるということであります。
 そのために、こういったプログラムが二〇〇三年には五十五カ国で行われている。アメリカでは、もう四十八の州で二百五十以上のプログラムが実施をされているわけであります。世界で五万五千人以上のアスリートがこういった健康チェックや保健教育を受けている。
 そしてまた、医療の専門家も、ボランティアが基本でありますけれども、七千五百人以上の方がこういった大会を通して携わっているということであります。
 大変すばらしい取り組みであると私は思うわけでありますが、そこで、特にこのスペシャルオリンピックスで行われておりますヘルシーアスリートプログラム、今、私が説明しちゃったんですけれども、どのように把握をされておりますか、お伺いいたします。

○松浦障害者施策推進部長 知的障害のある方につきましては、肥満とか目、耳、歯など広範にわたる健康問題を抱えがちでございまして、理事ご指摘のヘルシーアスリートプログラムでございますけれども、このような知的障害のある方の健康管理と競技能力の向上を目指して行われる事業と聞いております。
 ヘルシーアスリートプログラムによりまして、競技会の中で、医療スタッフなどボランティアの協力のもと、無料でさまざまな種類の健診が提供されているところでございます。

○長橋委員 今お話ししたとおりでありまして、このヘルシーアスリートプログラム、大変有意義なプログラムであるというふうに私は思うわけでありますが、それでは、実際、東京では、こういった知的発達障害の方々への健診、ヘルスケア、現在どのように行われているのでしょうか、お伺いをいたします。

○清宮保健政策部長 都民の方を対象としました健康診断は、学校、地域、職域保健の中で実施されておりまして、地域においては、区市町村が生活習慣病予防の観点から、血圧や肝機能などの健康診査を行っているところでございます。
 知的障害者の方々への健診につきましても、こうした仕組みの中で実施されているところでございます。

○長橋委員 ご答弁がありましたけれども、いわゆる知的発達障害の方々も一般の仕組みの中で実施されているということでありますから、障害は一人一人全部違うわけでありますし、目の障害、耳の障害、さまざまな知的な障害も含めて、どうしても工夫が必要なわけであります。
 そのためには、それを診る医療の専門家の方々も、そういったトレーニングをしなきゃならない、こう思うわけでありますので、ぜひそういったことについては、これからだと思いますけれども、また、このヘルシーアスリートプログラム自体がまだ始まって間がないということでありますので、こうした障害者の方が当たり前に生きる社会、これを目指しているわけでありますので、そのためには、スポーツ競技を通じて体力をつけるとともに、こういったヘルスケアについても力をぜひ入れていただきたいと思うわけであります。
 こういった方々は、障害を持った方々は、学校にいる間は学校健診の制度がありまして、これは大変充実をしているかと私は思いますが、いざ社会に出て、青年期、成人期になってくると、職場の健診もあるんでしょうけれども、こうした健康診査、こういったプログラムというものは極端に減ってくるわけでありまして、こういう人たちは、特に発達障害の方々は、自分の体の変調を訴えることが苦手なんですね。それが当たり前だと思ってしまっている。また、そういったことを人にうまく伝えることもできないわけであります。お医者さんに行って、我々もまずは問診から受けるときに、どこが痛いのか、どこがぐあい悪いのか、こういうことを説明するわけですけれども、それがうまくできないわけであります。
 そういったことを見つけてあげるようになるためには、そういったトレーニングも必要だと思うわけでありまして、そういった観点から、こういったヘルシーアスリートプログラム、今後の取り組みに期待をするわけでありますけれども、参考にしていただければなと思うわけでございまして、次の大会には、再びいいますけれども、局長に来ていただければなと思うわけであります。
 このスペシャルオリンピックスの名称が、オリンピックスという複数がつくわけであります。これはどういう意味かというと、ご案内のとおり、日常的にこうしたスポーツプログラムを継続的に行っていこう、こういうことを意味しているわけでありまして、いわゆる単なる大きなイベントではなくて、日常的に社会の中でサポートして活動していくということでありますが、こうした障害者が身近な地域で日常的にスポーツ活動を楽しむことができるよう、都としても支援をすべきと考えますが、いかがでしょうか。

○松浦障害者施策推進部長 障害のある方が日常的にスポーツを行うことは、障害者自身の健康増進と社会参加の促進を図る上で有意義でございまして、東京都はこれまでも、スポーツ大会の開催、スポーツセンターの運営や指導者、ボランティアの育成などに取り組んでまいりました。
 今後も、区市町村や東京都障害者スポーツ協会と連携しながら、多くの障害者が身近な地域でスポーツに親しめるよう、引き続き取り組んでまいります。

○長橋委員 ぜひ、さらなる取り組みをお願いいたします。
 あわせて、来年度の、二十年度の新規事業としてアジアユースパラリンピックの開催準備経費が一億円計上されているわけであります。
 お話を聞きますと、アジアユースパラリンピック大会、第二回目であるそうでありますが、第一回目は香港で行われて、第二回目、日本では初めて、それが東京で開催を予定しているということであります。
 基本的には、パラリンピックでありますから、身体障害者の方々が中心となった大会であると思います。今ご答弁をいただいた東京都障害者スポーツ大会、これも身体障害者の大会でありますが、知的障害の方々ももちろん参加をしているわけであります。
 このアジアユースパラリンピック大会、日本だけではなくて、アジアの各国が参加をする。四十カ国ぐらいの国々が参加をするのではないかと聞いているわけでありますけれども、この大会、日本で初めてでありますので、ぜひ成功に導いていただきたい。
 もちろん、この大会については、日本障害者スポーツ協会からの申し出があって、東京都は全面的に協力をするということでありますけれども、この大会に向けた取り組みについてお伺いをいたします。

○松井企画担当部長 お話のアジアユースパラリンピック大会は、アジアの障害のある子どもたちが集い、陸上や水泳などの競技を競い合う国際総合スポーツ大会でありまして、平成二十一年九月の開催が予定されているところでございます。
 現在、アジアパラリンピック委員会と開催に向けた調整を進めているところでございます。開催が正式決定され次第、来年度、都を初めとした関係団体から成る組織委員会を設置し、開催に向けた具体的な準備を進めてまいります。

○長橋委員 最後でございますけれども、きょう取り上げたスペシャルオリンピックスで行われているヘルシーアスリートプログラム、この委員会でも、こういった課題について、このプログラムについては初めてじゃなかろうかなと思うわけでありまして、こうした取り組みをまずは把握をしていただいて、理解をしていただいて、研究をしていただいて、こうしたさまざまな障害者のためのイベント、スポーツ大会も含めて東京都もやっておられるわけでありますから、ぜひそうした場の提供も今後検討していただきたいことを要望いたしまして、質問を終わります。

○野上委員長 この際、議事の都合により、おおむね十二分間の休憩をしたいと思います。
   午後二時二十八分休憩

   午後二時四十一分開議

○野上委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○かち委員 資料の配布をちょっとお願いします。
   〔資料配付〕
 五点について、五つの課題で質問をさせていただきますが、まず、日の出福祉園の民間移譲の経過について伺います。
 都立施設改革の名のもとに、障害者の施設を民間移譲してきた問題について伺います。
 日の出福祉園は、昭和五十五年に開設された重度の知的障害者の入所施設です。都立の施設として、とりわけ重度の知的障害者が生きがいを持って人間らしい生活ができるよう重要な役割を果たしてきました。
 都は、都立施設改革が利用者本位のサービスをさらに進めるためといって、民間でできることは民間にゆだねるんだといって、日の出福祉園についても、それまで運営してきた東京都社会福祉事業団との一年間の引き継ぎを経て、今年度から完全に社会福祉法人同愛会に移譲しました。
 ところが、移譲後の昨年十一月八日、日の出福祉園は、労働基準監督署から労基法違反で是正勧告を受けましたね。内容は、時間外、休日労働に関する協定の限度を超えた時間外労働を行わせていたこと、三六協定違反です。二番目は、時間外労働に対し、通常賃金の二割五分以上の率で計算した割り増し賃金を払っていなかった。三番目が、深夜労働に対して、やはり割り増し賃金を正しく払っていないなど、五項目です。
 日の出福祉園が労働基準監督署から労働基準法違反で是正勧告を受けたことを、都としてどう受けとめているのですか。
 また、事業者を厳しく指導監督する必要があると思いますが、いかがでしょうか。

○松浦障害者施策推進部長 平成十九年十一月八日に青梅労働基準監督署から是正勧告は受けておりますけれども、同月二十一日に是正報告書を青梅労働基準監督署に提出し、受理されております。その際、是正に係る証明書類等につきましても提出しております。
 また、当該是正勧告で指摘された事項につきましては、既にすべて改善されております。
 今後とも、法人として法令遵守を徹底するよう指導してまいります。

○かち委員 指摘された事項はすべて改善されているといいますが、労働基準法に違反するような事業者を東京都が選定したということは、都はこのことを重く受けとめるべきです。日の出福祉園の施設長は、五項目の指摘事項について、私たちが訪ねたときに正確に説明することすらできなかったんです。
 都が民間移譲の契約をしたのは社会福祉法人同愛会ですが、日の出福祉園を運営している実態は同愛会東京事業本部です。同愛会東京事業本部というのは、平成十五年に設立され、翌年、杉並区から障害者の作業所の移譲を受け、その後三年間に、練馬区、板橋区、大田区などの障害者施設の指定管理を次々と受け、十九年度に東京都から日の出福祉園を移譲されました。すべて行政関係で、自前の施設は一つもありません。
 先日、私は、同愛会東京事業本部の代表で日の出福祉園の施設長でもある柴田洋弥氏に話を伺いましたが、日の出福祉園に実態として東京本部事務局が置かれ、日の出福祉園の職員が同愛会事業本部事務局として仕事をしていることを確認しました。
 日の出福祉園の施設及び職員が同愛会東京事業本部の事務局として使われていることをいつ把握し、どう対応してきたのでしょうか。

○松浦障害者施策推進部長 社会福祉法人同愛会は、いわゆる事業部制をとっております。その事業部制の一つであります東京事業本部は、都内の施設事業を所管し、その事務局は杉並区方南一丁目に設置されております。
 かち副委員長も日の出福祉園をご視察いただいておりますので、日の出福祉園に東京事業本部がないことはおわかりかと思います。
 また、日の出福祉園の職員が東京事業本部職員と兼務していることは当初から把握しておりまして、この兼務につきましては問題ございません。
 なお、日の出福祉園におきましては、職員は適正に配置されております。

○かち委員 今、事業本部は杉並区方南一丁目にあるんだから問題ないとおっしゃいましたけれども、今、資料をお配りしましたので、ごらんいただきたいんですけれども、これは社会福祉法人同愛会法人便覧です。同愛会の本部がつくったものです。昨年、十九年の十月につくったものです。
 中を開いていただきますと、一番右下のところなんですね、東京事業本部事務局所在地は、西多摩郡日の出町平井三百七十六。見てください。一番下の日の出福祉園と同じ場所で、日の出福祉園の電話番号まで同じなんですよ。これで問題ないのですか。

○松浦障害者施策推進部長 兼務職員がおりまして、東京事業本部の事務の一部を兼務で行っているものでございまして、東京事業本部事務局として建物を占有していないことから問題ございません。

○かち委員 建物は別にあって、占有していないから、実態がそうであっても問題ない、そんなことをいうんですか。それはおかしいと思いますよ。私、この後聞きますけれども、福祉保健局は、杉並の事務所に東京事業本部の机と電話が設置されているから問題ないといいますけれども、事務職員は一人もいません。みんな日の出福祉園で兼務しているわけです。
 先日、日の出福祉園を訪ねたときに確認しましたけれども、東京事業本部の代表である柴田氏が日の出福祉園の施設長を兼務しています。東京事業本部の事務局長さんも、名刺の住所は杉並区ですが、実際は日の出福祉園に常駐しています。東京事業本部の会計、経理やホームページの更新も日の出福祉園でやっているんです。
 実態として、日の出福祉園を民間法人である同愛会の東京事業本部事務所として無償貸与しているようなものじゃないですか。抜本的に改善する必要があると思いますけれども、いかがですか。

○松浦障害者施策推進部長 日の出福祉園の施設運営に密接な共通事務を兼務職員が行っております。その兼務職員は、事務量に応じまして、何%は東京事業本部、何%は日の出福祉園の業務という形で、事務を案分して共通事務を行っているということでございます。

○かち委員 こういう不適切な状況を黙認しているということなんですね。問題は重大だと思います。
 東京事業本部の十八年度決算書と十九年度予算書も日の出福祉園でいただきました。それを見て驚いたのですけれども、十八年度決算では、東京事業本部事務局の人件費は二千百五十万円支出されています。パートの方が四人ほど杉並の事務所にいたと聞いています。ところが、十九年度予算、つまり日の出福祉園移譲後の事務局の人件費は、わずか三百十六万です。そして、杉並の事務所に職員はいなくなりました。
 日の出福祉園の移譲を受けたことによって、同愛会は、東京事業本部事務局の人件費二千万円近くを削減できたわけです。日の出福祉園でその肩がわりをしている、そういう実態であるということです。違うというなら、東京事業本部事務局の人件費が、日の出福祉園が移譲された十九年度からおよそ二千万円も減らすことができた理由を説明してください。

○松浦障害者施策推進部長 平成十九年度予算策定時におきましては、日の出福祉園と東京事業本部の兼務職員が確定していなかったため、十九年度予算上は、兼務職員一人分の人件費しか計上されておりません。
 しかしながら、この実態に合わせまして、今年度決算におきまして、兼務職員について経理上、業務案分に応じまして、日の出福祉園、東京事業本部と、それぞれ人件費を負担するという明確な区分をすることになっておりますので、問題はございません。

○かち委員 案分してやっているから問題ないといったって、実際、こんなに二千万円も人件費を減らすという実態があるじゃないですか。
 それでは、日の出福祉園を移譲する前、平成十六年度の事務職員は、施設長を除いて何人ですか。答えてください。

○松浦障害者施策推進部長 六人でございます。

○かち委員 それでは、現在の日の出福祉園の事務局員の人数をご存じですか。これも現地からいただきました。施設長を除いて、管理二人、事務員八人、合わせて十人です。全員常勤です。入所利用者の規模は、当時も今も八十名に変わりありません。
 ちなみに、情報開示で入手した資料では、同愛会が東京都に提出した日の出福祉園事業者応募申込書類に記載された職員配置計画では、事務員は六人となっています。しかし、実態は十人です。
 民間移譲前の事務職員は六人、同愛会の応募申請書でも六人、それなのにどうして実際は十人も必要なのでしょうか。

○松浦障害者施策推進部長 事務体制でございますけれども、専任職員が四人おります。兼務職員が五人ということになってございまして、兼務職員が日の出福祉園の業務につきまして七割やっている、六割やっているということで、それぞれ比率に応じて換算しますと、その五人につきましては三・五人ということになっておりまして、現在の事務体制は、日の出福祉園においては七・五名ということでございます。

○かち委員 いろんなことをおっしゃいますけれども、予算上は、そういうふうに出ていないんですよ。
 東京事業本部事務局としての事務は、日の出のほかの施設で分担しているものも一部ありますけれども、膨大な予算、決算など経理も、日の出以外の各施設の職員の給与計算も、ほとんどが日の出福祉園でやっているんです。だから、十人もの事務職が必要なんです。実態として、日の出福祉園の施設と職員が民間法人の同愛会東京事業本部の事務所として利用されていることは明らかです。
 それでは、次に伺いますけれども、同愛会東京事業本部の十九年度予算で、日の出福祉園の会計から、経理区分間繰入金支出として二千四百万円が支出されていますけれども、これは何のための支出でしょうか。

○松浦障害者施策推進部長 この繰り入れにつきましては、平成十八年十月十八日付、厚生労働省障害保健福祉部長通知におきまして、自立支援給付費を主たる財源とする資金の繰り入れにつきましては、健全な施設運営を確保する観点から、当該指定障害者支援施設等の経常活動資金収支差額に資金残高が生じ、かつ当期資金収支差額合計に資金不足が生じない範囲におきまして、他の社会福祉事業等に資金を繰り入れても差し支えないというふうになっています。
 この通知に従いまして、日の出福祉園の繰出金につきましては、日の出福祉園を初めとする各施設の事業会計から、同愛会本部及び東京事業本部の事務の共通経費として繰り出されていると想定されますので、問題はございません。

○かち委員 法人内のやりくりであるから問題ないというお答えですけれども、この二千四百万円の経理区分間の支出というのは、東京事業本部が運営している他の施設や事業の赤字の埋め合わせに回されているということは事実ですよね。確かに、違法ではないということです。しかし、適切ではないと思いませんか。本来は、日の出福祉園の利用サービス充実のために使われるべきものです。
 しかも、私が問題だと思うのは、その額の大きさです。日の出福祉園に国から来る自立支援給付費は、十九年度予算では三千四百万円です。その実に七割以上の二千四百万円が日の出福祉園と無関係のところに流出しているんです。適切ではないと思いませんか。
 極力、日の出福祉園の利用サービスの充実のために使うべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。

○松浦障害者施策推進部長 二千四百二十一万二千円を繰り出しているということでございまして、日の出福祉園につきましては、事務費一億二千百八十一万七千円の二〇%でございまして、これは国としても認めているところでございます。

○かち委員 健全な運営だといういい方なんですけれども、労働基準法で違反し、是正勧告をされている企業です。日の出福祉園には、東京都からサービス推進費など四億八千五百万円の補助金が出ていますよね。その他の収入は、国から来る自立支援給付費や利用者負担です。ところが、その中から二千四百万円も東京事業本部の他の施設や事業に回されてしまい、年度末の資金残高はわずか三百四十三万円です。これでは長期的、安定的な運営が危ぶまれます。
 次に進みますが、これは日の出福祉園でもらった施設紹介です。これです。
 都は、民間移譲の契約をしたのは、東京事業本部ではなく同愛会本部ですけれども、東京事業本部とわざわざ書いてあるんです。ここにありますね。事業本部と書いてあります。職員採用も、東京事業本部で独自に募集しています。
 東京事業本部には多額の赤字があります。そのことを都としていつ把握したのでしょうか、お聞きします。

○松浦障害者施策推進部長 まず、赤字というふうなご指摘でございますけれども、日の出福祉園の民間移譲の際の準備期間中に事務職員を事前配置した分とか、日の出福祉園の職員募集に広告代というような形でかかった経費、これにつきましては、同愛会本部や東京事業本部が負担しておりまして、その分、赤という形になってございます。
 この赤字につきましては、私ども、日の出福祉園に運営指導に行った際に承知しているわけでございますけれども、同愛会法人全体としましては黒字で、健全な運営をしております。

○かち委員 十九年八月に運営指導に行った際に、この実態を把握したということなんですね。
 東京事業本部は、実態として、あたかも独立した社会福祉法人であるかのように動いているんです。同愛会東京事業本部の年度末収支差額は、十七年度以降、数千万円の赤字が続いています。日の出福祉園の移譲を受けた十九年度予算で、ようやく単年度収支は黒字になりましたけれども、それでもなお、累積赤字は二千八百万円です。日の出福祉園の移譲を受けて、二千万円の事務局人件費を縮減し、二千四百万円の他の赤字施設の穴埋めに支出することができなければ、財政的にも破綻をしていた可能性は否定できません。
 ここに、日の出福祉園民間移譲の事業者の審査基準があります。財政基盤の安定と明記されています。審査結果でも、財政状況も良好であり、長期的に安定した施設運営は可能であると記載されています。皆さんは、同愛会本部は大丈夫だといいますけれども、実態として運営主体となっている東京事業本部については、全く事実が異なり、本当に長期的に安定した施設運営ができるのか、大いに疑問です。
 やはり審査結果の法人運営実績で、入所施設を核として地域生活を支援することにより、重度知的障害者の地域移行に多くの実績を上げているという記載があります。しかし、同愛会東京事業本部に入所施設の経験はありません。東京事業本部は通所施設の経験しかないんです。
 ところが、民間移譲に当たり、同愛会本部から、入所施設経験のある職員が日の出福祉園に二人しか来なかったことをどうとらえているでしょうか。

○松浦障害者施策推進部長 同愛会の法人本部と東京事業本部の位置づけについて、副委員長、ちょっと誤解されているのかなというふうに思いますけれども、社会福祉法人同愛会は、いわゆる事業部制をとっておりまして、社会福祉法人同愛会内部の東京事業本部という会計区分の中で発生している赤字でございまして、その赤字は、やはり事業を始める前の準備経費に使ったためということでございます。
 それにつきまして、社会福祉法人同愛会全体は黒字でございまして、それで十分補てんできるということで、健全な運営がなされているということでございます。
 再三申し上げますけれども、私どもは、日の出福祉園を東京事業本部に民間移譲したのではなくて、社会福祉法人同愛会に民間移譲したものでございます。
 同愛会全体では入所施設を運営してございますので、そういう意味では経験があるというふうに見ております。
 それで、要するに、法人としてノウハウを持っているということでございまして、二人しか経験者が来なかったということでございますけれども、現在、事業のかなめとなる生活等支援員七十四人中、三十一人の方の入所施設の経験者が配置されておりまして、そういう意味では問題ございません。
 同愛会から民間移譲時に提出された事業計画書におきましては、経験者三十名というふうに示されておりましたので、その計画も十分に満たしているということでございます。
 これによりまして、施設運営は健全に行われておりまして、問題はございません。

○かち委員 問題ない、問題ないということですけれども、先ほど、同愛会全体では黒字だから問題ないんだ、同愛会全体で人員交流もやるから問題ないんだとおっしゃいましたけれども、実際には、先ほどありましたように、同愛会の法人本部は、この東京本部の場所すら正確には把握していないような状況です。実態的には、東京事業本部が自分たちで東京の施設を運営しているというのが実態じゃないですか。そこが今、大変な赤字になっているという、そういうところを何か都合よくカムフラージュしているやり方が、今回の事態となって出てきているんだと思います。
 私は、複数の職員の方からも話を聞きました。今どうなっているかということですけれども、利用者が低温やけどをするというようなことも、日常的にはいろいろあるんだそうです。しかし、その原因究明も、再発防止のためにどうしようかというようなことがきちんとされていない、本当にやりがいがないというような訴えを聞きました。入所しているのはかなり重度の方ですから、自分ではなかなか訴えられない。だからこそ、職員には高い専門性が求められているんです。
 これは情報開示でいただいた資料ですけれども、同愛会が東京都に提出した日の出福祉園事業者募集申込書に記載された職員配置計画では、事務課長、地域支援課長、生活支援センター課長についても入所更生施設経験者を予定するとともに、各寮係長、ぱお係長等のほか、現場の中心的な職員についても、当法人や関係法人からの異動を中心に経験者を配置する予定ですと、こういうことを東京都に報告して、東京都はそれを信用して選択の基準にしたわけですよね。ところが、実態は二人しか来ていなかったということなんです。実態が本当に違うということでは、私は到底理解できません。
 同愛会東京事業本部代表の柴田氏は、東京都福祉保健局の審議会等の委員として就任したことがありますか。過去五年間の状況で示してください。

○松浦障害者施策推進部長 まず、職員でございますけれども、同愛会から提出されました事業計画書におきましては、先ほど申しましたように、常勤の経験者三十名と載ってございますけれども、生活等を含め、全体の生活支援員でございますけれども、三十三人の入所施設経験者が配置されております。また、その三十三人のうち、経験十年以上のベテラン職員が九人配置されているということでございます。ですから、経験という意味では問題ないというふうに考えております。
 それから、施設サービスのことを先生ご指摘いただきましたけれども、私どもは、民間移譲施設につきまして保護者アンケートをとっております。十八年十二月から十九年一月にかけて日の出福祉園利用者の保護者アンケートを実施いたしましたけれども、三分の二を超える保護者が、施設サービスについて満足、ほぼ満足という回答でございまして、不満、やや不満と回答した方は七%にすぎないということでございます。
 柴田氏の委員の就任でございますけれども、平成十七年一月から十九年一月まで、東京都障害福祉計画策定に向けてご提言をいただくための東京都障害者施策推進協議会において専門委員を委嘱しておりました。

○かち委員 実態はどうなっているかというのは、ぜひ東京都としてもつぶさに把握していただきたいと思います。
 障害者施策推進協議会は、障害者施設の総合的、計画的な推進を図るために条例で設置されている、都の障害者施設の根幹をなす協議会です。その委員を務めていたということは、都の障害者施設の動向、どういう方向で進めようとしているのかという情報を知り得る立場にあったと思います。その点でも、日の出福祉園の同愛会への移譲は適切であったのかが問われるのではないでしょうか。
 民間移譲前、平成十六年度の東京都日の出福祉園の年間運営費は十二億八千万円でした。入所利用者一人当たり千六百万円です。それが民間移譲後は年間運営費七億七千万円で、その中から二千四百万円が流出していることは先ほど指摘しました。それを差し引くと、入所利用者一人当たりの運営費は九百四十万円です。移譲前の六割まで下がっているんです。中でも人件費は、移譲前の五割まで低下しています。だから、労基法違反のような問題も出てくるんです。しかも、少ない人件費の中で大きな比重を占めているのが、東京事業本部事務局と兼務している事務職員です。
 以上、ただしてきたように、赤字同愛会東京事業本部を立て直す足がかりとして日の出福祉園が利用されているような現状は直ちに改めるとともに、民間移譲のあり方を抜本的に見直すことを厳しく求めて、この質問は終わります。
   〔松浦障害者施策推進部長発言を求む〕

○松浦障害者施策推進部長 日の出福祉園の公募につきましては、十七年六月十六日にプレス発表したわけですけれども、そのとき初めて外部にオープンになったということで、それまでは全部、部内秘ということでございました。
 それから、予算につきましては、確かに事業団委託時と比べまして減少しておりまして、特に人件費が減っておりますけれども、これは、職員の平均年齢が十歳以上も高いということから生じる人件費でございまして、職員配置につきましては、事業団に委託した当時よりも現在の方が多いということでございます。

○かち委員 だけれども、職員構成が違っていますよね。そして、職員の採用も、非常勤、派遣、派遣職員、そういうふうになってきて、どんどんいろんな職員がかき集められているというのが実態ですから、ぜひ中身について検証してください。
 次ですが、都立看護専門学校条例の一部を改正する条例に関連してお聞きします。
 今回提案されている条例は、北多摩看護専門学校二年課程の進学コースが廃止されるものです。これは、都立の進学課程はすべて廃止されるということになります。資料にもありますが、都立看護学校の定員は、この五年間で七百二十人から五百六十人に、百六十人も減らしてしまったことになります。
 この間、看護学校の再編整備が急速に進められてきましたけれども、都立看護学校の定員は、再編前の十三年度から十九年度までということですけれども、どれだけの削減になるのでしょうか。

○吉井参事 都立看護専門学校は、医療技術の高度化、多様化、それから、保健、医療、福祉ニーズの変化に対応するため、質の高い看護職員の養成を図ることといたしまして、看護三年課程の教育機能の充実強化を図るとともに、養成規模の適正化を図る再編整備を行ってきました。
 その結果、お尋ねの十三年度の入学定員は、看護三年課程、それから、同じく二年課程、保健学科を含めて千三百人でございますけれども、平成十九年度は、看護三年課程五百六十人でございます。
 なお、民間などを含めた都内の看護学校の入学定員は五千人前後で推移してございます。

○かち委員 千三百人から五百六十人、マイナス四三%まで削減してきているんです。さらに、手持ち資料で、いただいたものを見ますと、十四年度から十八年の卒業生の都立施設への就職率は年々ふえていますよね。一八%から二七%にふえているんです。しかし、卒業生は半減している。
 今、都立病院の看護師定員すら充足できない状況で、七対一看護体制も導入され、都内の一般病院でも介護施設でも、訪問介護士も、どこでも深刻な看護師不足です。こういう状況からしても、廃止した都立の看護学校の復活や定員増の対応が求められていると思いますけれども、いかがでしょうか。

○吉井参事 先ほども申し上げましたが、都立看護専門学校は、質の高い看護師の養成を図るため、看護三年課程、入学定員五百六十人に再編整備をいたしました。
 なお、先ほど申し上げましたように、都内の入学定員につきましては、民間を含め五千人前後で推移してございます。
 東京都といたしましては、看護師の確保対策として、定着、再就業対策の推進こそが重要であると考えております。平成十九年度からは、定着対策といたしまして、卒後研修の充実を支援する新人看護師研修体制整備事業、それから、再就業対策といたしまして、地域の病院が再就業研修を行う看護職員地域確保支援事業を新たに開始いたしました。ちなみに、看護職員地域確保支援事業では、これまでに百人を超える就業が実現してございます。
 以上のことから、都立看護専門学校の定員増等を図る考えはございません。

○かち委員 質の高い看護学生を養成するために削ったんだといいますけれども、実際に働く人が足りないという現実を、皆さんどう思っているんですか。そこが充足しなかったら、幾ら質の高い看護師養成をしたって、現場が回っていかないんですよ。まず量をきちんと確保して、それから質の向上じゃないんですか。本当に今の実態をどれだけ認識しているのか、私は非常に疑問に思います。
 それで、十九年度の看護学生の受験倍率というのはどうなっていますか。

○吉井参事 平成十九年度入学試験の応募倍率ということでございますけれども、最も高かったのは五・一倍、最も低かったのは二・六倍、平均で三・八倍となってございます。

○かち委員 平均でも三・八倍の受験倍率なんです。都立看護学校で学びたいという高校生がこれだけいるんですから、もっと人材育成の視点に立って門戸を開くべきです。
 看護学生の寄宿舎利用状況なんですけれども、利用率が減ってきているとはいえ、六カ所あった寄宿舎を一カ所にしてしまい、しかも、これまで徴収していなかった寮費を有料にして、平成二十一年度入寮生から、一人当たり八千五百円を一万二千七百円に、二人部屋で四千二百円を六千三百円に引き上げるというものです。
 そもそも看護学生の寄宿舎は福利厚生施設ではなかったのでしょうか。地方から上京している学生のための生活の場であったはずです。だから有料ではなかったのですが、このように、一気に六カ所も削減し、有料にして値上げをする、その考えの根拠をお聞きします。

○吉井参事 都立看護専門学校の寄宿舎は、施設の老朽化、また価値観の多様化などによりまして、学生の宿舎離れが顕著でございます。平成十八年度の入居率は三割と、大幅に低迷していた状況でございます。このため、平成十九年三月をもちまして、南多摩看護専門学校を除きまして廃止いたしたところでございます。
 南多摩看護専門学校の寄宿舎につきましては、通学が困難な学生などの就学支援を目的とした施設として位置づけまして、利用に当たりましては、受益者負担の観点から使用料を徴収することといたしました。

○かち委員 そもそも、老朽化した施設をそのままにして、住みにくい環境を放置してきたのが利用者低減の、利用率低減の原因ではなかったでしょうか。寄宿舎の役割が変わったわけではありません。必要な看護学生の学ぶ権利を保障する学生寄宿舎の使用料は、少なくともこれ以上引き上げるべきではないということを申し上げて、次の質問に移ります。
 次に、板橋キャンパス再編整備計画についてお聞きします。
 本計画は、都立老人医療センターと老人総合研究所を統合して、地方独立行政法人、仮称健康長寿医療センターを設立し、板橋キャンパスを再編するというものです。運営形態は非公務員型の地方独立行政法人とのことです。しかも、老人医療センターは、事業費の八五%を都と国の補助で賄っている事業です。
 昨日も当委員会で議論になった都立病院の地方独立行政法人化については、いろいろ課題があり、拙速に進めるべきではないとの意見が大方の見解です。にもかかわらず、健康長寿医療センターでは……(「それは共産党の意見じゃないだろう、こっちの意見よ」と呼ぶ者あり)皆さんの意見なんです。昨年五月の基本構想……(「こっちの意見だよ。あなたの意見じゃないよ、共産党の意見じゃないよ」と呼ぶ者あり)だから、いっているでしょう。
 さらに、本年二月に出された基本計画でも、運営形態については地方独法でやるのはなぜなのか、理由をお聞きします。

○宮垣施設調整担当部長 老人医療センターと老人総合研究所を一体化して設立する健康長寿医療センター、仮称でございますけれども、これは、高齢者医療モデルの確立と普及、高度先端医療の取り組みと、それから老化、老年病の研究開発など、このセンターが果たすべき役割を効果的かつ効率的に実現していくための体制づくりが求められております。
 このことから、高齢者の医療課題に先導的に取り組むという行政的役割を果たすとともに、予算執行や人事配置など、より柔軟で機動的に対応できる運営形態として地方独立行政法人としたものでございます。

○かち委員 効率的、効果的に進めるために独法が必要なんだというご説明ですけれども、都立病院の第二次実行プログラムでは、国の運営費交付金の一律削減を課せられているなど、国の財政面からの効率化が前面に出ている例もある。設立団体が負担する経費の基本的な考えは--現行の一般会計繰出金が削減される心配はないのでしょうか。

○宮垣施設調整担当部長 健康長寿医療センターは病院を運営する法人であることから、公営企業型地方独立行政法人となりますけれども、地方独立行政法人は、公共性の高い事業であって、民間では実施することが困難な事業を実施する法人ということで、地方独立行政法人法の第八十五条では、法人が能率的な経営を行ってもなお、その事業の経営に伴う収入のみをもって充てることが客観的に困難であると認められる経費などについては、設立団体が負担することとなっております。
 この規定にのっとりまして、事業運営に必要な経費については設立団体が負担をしていくことになります。

○かち委員 今のご説明では、運営交付金は削減しないという約束はできないということなんですね。
 今回の実行プログラムでは、地方独立行政法人の導入事例、とりわけ非公務員型は極めて少なく、現段階では十分な検証がなされていないなどの理由で、少なくとも十分な検討が必要だと結論づけているのに、そのような状況下で老人医療センターの独法化をなぜ急ぐのでしょうか。

○宮垣施設調整担当部長 超高齢社会の到来を間近に控え、高齢者の心身の特性に応じた適切な医療の提供と、老化、老年病の研究を推進するための確固たる基盤の構築は、都としての喫緊の課題でございます。このことから、健康長寿医療センターにつきましては、早期の設立を目指すものでございます。

○かち委員 私がるる問題点について指摘しても全然かみ合わないんですけれども、これだけいろいろ、都を挙げて問題があるから拙速に進めるなといっている時期に、なぜこの老人医療センターだけどんどんいってしまうのか。その問題点について本当に検証しているのか、検討しているのかということを私は問いたいんですけれども、そこは全く馬耳東風なのでしょうか。
 これまで老人医療センターは一般会計処理がされており、運営は、医業収入と、運営に要する経費の不足分は一般会計から賄ってきました。これは、高齢者の医療という福祉的側面から東京都が負担してきたものです。
 現在の老人医療センターでは、差額ベッド代や駐車料金はどうなっているでしょうか。

○宮垣施設調整担当部長 いわゆる差額ベッド料ということでしょうか。個室利用料につきましては、老人医療センター条例では、患者の方の希望により個室を利用する場合は、個室使用料について一日一万八千円と定めております。
 なお、駐車場料金につきましては徴収をしておりません。

○かち委員 現在の老人医療センターには個室らしい個室がほとんどないので、徴収はされていないんですよね。しかも、駐車料金も無料という状況ですけれども、しかし、独法になれば自主自立が原則であり、このことから、独立行政法人の運営では収益性を重視せざるを得なくなります。これまでの論議でも明らかですけれども、独法後三年から五年の間には、自立性を高めなければ、その医療の継続にかかわって都知事の判断を受けるからです。
 老人総合研究所でも、これまで、今日の高齢社会の中で、介護予防を初め、すぐれた研究を数々発表してこられたのも、東京都の財政支援があったからこそです。今日、老人医療は不採算であり、収益性とはかけ離れた研究機関が合体して独立行政法人化することは、至難の課題ではないでしょうか。
 板橋老人医療センターのベッド数は、七百十一床から五百五十床に縮小するということになるようですけれども、その理由は何でしょうか。また、平均在院日数、病床利用率はどのように設定しているのですか。

○宮垣施設調整担当部長 答弁をいたします前に一言だけ。先ほども申しましたとおり、地方独立行政法人は、公共性の高い事業であって、民間では実施することが困難な事業につきまして、効率的、効果的に運営をする法人ということでございまして、収益性のみを重視するものではございません。
 それから、病床数のことでございますけれども、健康長寿医療センターは、高齢者医療に対応した急性期医療と高度先端医療を提供する機関としてまいります。高齢者の心身の特性といたしまして、老化に伴う生理的機能の低下により治療が長期化する傾向にはございますけれども、健康長寿医療センターは、地域の医療機関との連携を進め、退院後の高齢者の方の生活までをも見据えたクリニカルパスの一層の充実によりまして、急性期医療終了後の患者の方の在宅療養への移行を円滑に進めていくこととしております。このように、地域の医療機関との役割分担のもと、高齢者の方の病状に合わせた適切な医療を提供することが可能となります。
 さらに、医療圏の医療需要の動向、また、病診、病病連携の拡充等を踏まえた上で高齢者の医療ニーズにこたえられる規模とするなど、さまざまな角度から勘案をし、病床数を算出したものでございます。
 なお、病床数の算定に当たりましては、単純に、在院日数、病床利用率等を一定に設定して病床数を算定したものではございません。

○かち委員 私、何も収益性だけを追求しているというふうにいっているんじゃないんです。独立をしなければ、自立をしなければならないから、今までは福祉的要素でやってきたけれども、そういうことを削らなければ自立できないという仕組みになっているでしょう。そのことをいっているんです。
 十八年度のベッド稼働率は八八%です。一日平均五百六十八人、平均在院日数は十七日です。これをさらに短縮しなければ、今の需要にこたえられないということです。今、医療を必要とする高齢者が病院からも早期退院を迫られている、こういう入院拒否を受けているような状況の中で、本当に東京都が高齢者医療に責任を持つ、そういう立場に立つべきだと思います。
 最後に、計画では、施設整備費概算、三百四十億円となっていますが、この費用はどこが賄うのか、また、整備手法については、効率的、効果的な方法となっていますけれども、PFI手法を考えているのかどうか、お聞きします。

○宮垣施設調整担当部長 健康長寿医療センターの施設整備費につきましては、設立団体である都が負担をしてまいります。
 また、整備手法につきましては、基本計画の中でも記載をさせていただきましたけれども、今後、効果的、効率的な手法の検討をしてまいります。

○かち委員 いずれにしても、新施設完了予定が平成二十四年度となっています。少なくとも建設には二年以上かかるわけですから、PFI手法を取り入れるのは時間的にも無理かと思われます。
 老人医療センターの持つ本来の役割を果たすためにも、今回の健康長寿医療センターの独法化は中止し、東京都直営で拡充することを強く求めておきます。
 ちょっと残りましたけれども、あと一つ、子ども医療費無料化の早期実現に向けてお聞きします。
 知事は昨年の選挙公約で、中学三年生までの医療費をゼロにしますと公約しました。子育て支援としても、少子化対策としても重要な施策です。子育て中の母親、家族にとって、その実現を待ち望んでいるところですけれども、今回、私たちは、いつその公約を実現するのかと繰り返し問いただしてきましたけれども、いつも答弁は、実施に向けて準備をしているということばかりです。そして、来年度予算にものらない、実行プログラムにものらない、一体どういうことなのかと疑問の声が上がっています。
 ぜひ速やかに具体化をするべきだと思いますけれども、今、どのような準備を進めているのか、試算はしているのかどうか、お聞きします。

○清宮保健政策部長 東京都は昨年の十月から、中学三年生までの医療費助成につきまして、自己負担三割のうちの三分の一を助成する事業を、医療機関等、関係者の協力を得て実施しているところでございます。
 現在は、本事業の円滑な運営に取り組んでおり、この事業の実施状況の把握などを行っているところでございます。
〔「都が実施するんじゃないんだよ」と呼ぶ者あり〕

○かち委員 市町村の負担が大変になれば、東京都が全部見てもいいというふうにも知事はいっていましたよ。
 今日では、二十三区はすべての区が中学三年生まで無料化実施という状況の中で、財政基盤の弱い市町ではほとんどできていません。多摩格差はここでも広がっています。国においても、来月、四月から、乳幼児医療費の一割負担、就学前まで拡大されました。それによって都の財政支出も軽くなるわけですから、十分に実現は可能です。
 今日、都においては、子育て支援が大きな課題となっています。国の制度も充実してきた今こそ、機は熟しているのではないでしょうか。東京のどこに住んでも安心して医療が受けられる子育て支援を都民は切望しています。早急に公約実現の手だてをとるべきだと思いますが、いつまでのめどで実現するのか、福祉保健局の決意を聞かせてください。

○清宮保健政策部長 中学校三年生までの医療費助成についてでございますが、実施の時期につきましては、今後の準備の中で検討してまいります。

○かち委員 知事の公約は、四年ですから、せめて実行プログラム中にはやるということで、ぜひ期待を失望させないように強く求めて、私の質問を終わります。

○西崎委員 私からは、ひとり親家庭の支援についてまず伺います。
 近年の離婚件数の増加に伴い、ひとり親家庭の増加を踏まえまして、国においては、平成十五年に母子及び寡婦福祉法が改正され、ひとり親家庭に対するきめ細やかな福祉サービスの展開と自立支援に重点が置かれまして、子育て支援、生活支援、就業支援など総合的な支援へと大きく変わってまいりました。
 ひとり親への支援は、その家庭で育つ子どもたちの健全な成長を考えたときには大変重要であります。しかし、この四月からは児童扶養手当の一部支給停止が予定されており、ますます就業、自立支援を初めとするきめ細やかな支援が求められると思います。
 これまでさまざまな就業支援施策が実施されてまいりましたが、実情では十分活用されているとはいいがたく、今後ますます充実を図る必要があると思います。都として、ひとり親家庭に対する就業支援、自立支援にどのように取り組んでいるのか、現状を伺います。

○吉岡少子社会対策部長 ひとり親家庭に対する支援でございますが、東京都は、東京都母子家庭等就業・自立支援センターを設置し、ひとり親家庭に対する就業相談や情報提供、講習会等、自立への支援を行っております。また、区市におきましては、母子自立支援員が相談に応じ、母子福祉資金の貸し付けやホームヘルプサービスなど、さまざまな支援を行っているところでございます。

○西崎委員 ひとり親家庭のおよそ九割は母子家庭になります。母子家庭の中には就業経験の乏しい人もおり、就業能力の向上を図り、就業に結びつけていくことが必要です。また、就業はしていても、資格や技術を身につける機会が限られ、低収入になっている人も多いです。そのために、本人のスキルアップを図るための支援策が必要です。これまで進めてきましたさまざまな事業を、国の事業、いろいろ名前がついているんですけれども、今後も継続して推進することを要望しておきます。
 仮にいろんなサービスがありましても、生活に追われたり、一人ではこういった制度を活用できない人も多いのではないかと思います。そのため、ひとり親家庭の個々の状況、ニーズを踏まえ、安定した就業に至るまでの問題解決すべき課題を明確にしまして、支援内容やサービスの利用等について、一人一人に応じたプログラムを策定することが重要だと思います。
 これに対応するために母子家庭自立支援プログラム策定事業が設けられていますが、この事業の区市町村の十九年度の実施状況及び二十年度の実施見込みについてお伺いいたします。

○吉岡少子社会対策部長 母子家庭自立支援プログラム策定事業は、児童扶養手当受給者の自立を促進するため、個々の母子家庭の状況やニーズに対応した個別の支援計画を策定し、きめ細やかで継続的な支援を行う事業でございます。
 実施状況でございますが、平成十九年度の実施区市は十四区市でございまして、平成二十年度は三十五区市に拡大する見込みでございます。

○西崎委員 今のお話ですと、東京都の働きかけによって事業が拡大している、数が上がっているということは評価いたしますけれども、都民の方にとっては、どこでも、全区市で実施されるべきものであって、今後も推進していっていただきたいと思います。
 そのためには都の支援も重要だと思います。二十年度から実施されますひとり親家庭支援区市町村包括補助事業、長い名前なんですが、先ほどお聞きしました母子家庭自立支援プログラム策定事業に対する補助が盛り込まれていると聞いています。
 そこで伺いますが、二十年度より、ひとり親家庭の自立支援策を充実させるためのひとり親家庭支援区市町村包括補助事業が創設されますが、その目的と対象となる事業についてお伺いいたします。

○吉岡少子社会対策部長 ひとり親家庭の福祉の向上のためには、経済的自立に向けた支援が重要でございます。このため、ひとり親家庭支援区市町村包括補助事業は、ひとり親家庭への就業支援の充実を図るとともに、区市町村の実情に応じた主体的な取り組みを促進することを目的として創設いたしました。
 補助対象として、母子自立支援プログラム策定の推進を図る事業や、職業訓練期間中に育児サービスが受けられる事業等を新設しております。

○西崎委員 ひとり親家庭支援の制度の名前がいろいろ違っていまして、ただ聞いただけでは何が何だかよくわからないんですけれども、ただ、いろいろ制度がありましても、地元の自治体である区市町村が利用しなければ支援にはつながらないと思います。
 従来のひとり親家庭総合支援事業は、区市町村では余り活用されていなかったと聞いています。担当の所管の課長が知らなかったり、私どももいろいろな自治体に問い合わせをしてみたんですが、その原因として、余り周知されていなかったことや、利用しにくい仕組みになっていたのではないかと思います。
 今回は、従来のひとり親家庭総合支援事業に比べて、ひとり親家庭支援区市町村包括補助事業が区市町村にこれから利用しやすいように工夫されたと伺っていますけれども、どのような点を改善されたのか、お聞かせください。

○吉岡少子社会対策部長 ひとり親施策におきまして、区市町村が新たに他の自治体の先例となるような先駆的事業を実施する場合や、地域の特性を踏まえ、独自に企画して事業を実施する場合にも補助を行う仕組みといたしました。さらに、補助要件の緩和を図り、区市町村が積極的に事業を実施できるようにしたものでございます。

○西崎委員 以前、新聞報道で、現在の国の母子家庭支援については、大変使い勝手が悪いというような報道がされたときがありました。そういう意味では、今回、今のお話では余りよくわからないかもしれませんけれども、東京都が改善されていて、例えばDV被害者の支援を一つとりましても、シェルター支援で、今まで二つ事業を選ばないと、なかなかこの補助事業を使うことができなかったんですけれども、今回、規制緩和をしたということで、これから区市町村に広がっていくのではないかと思っています。
 ひとり親家庭の支援は、親の支援から子どもの支援、子育て支援、DV被害者の緊急一時保護などの支援から就業支援まで、大変幅広い対応が求められていると思います。それに対応できるだけの総合的支援を、ただ制度だけ創設していくのではなくて、利用しやすい制度にしていくとともに、今後も都が区市町村と連携して進めていっていただくことを要望しておきます。
 次に、エイズ対策についてお伺いいたします。
 ことしは、一九八八年にエイズ予防法が成立いたしましてから二十年、そのエイズ予防法が廃止されて、感染症法の中に総合的なエイズ対策推進の考え方が盛り込まれまして十年目になります。
 この間、エイズを取り巻く社会状況は大きく変化しました。最大の変化は疾病概念です。医療の進歩に伴い、エイズは、死に至る病からコントロール可能な病の一つへと変化しました。発病を抑えるために早期発見と適切な治療を行い、健康を維持しながら長生きすることが可能になってきています。エイズはかつてほど怖い病気ではなくなりましたが、人から人に感染する病気でありまして、一度かかったら進行性で治らない病気であることから、感染を予防する取り組みが必要だと思います。
 行政が長年、普及啓発に取り組んできていますけれども、最近の新聞報道によりますと、日本における患者、感染者の数は相変わらず拡大しているようで、感染拡大防止に向けた効果的な取り組みが求められます。
 そこで、まず初めに、改めて東京都における患者、感染者の直近の発生報告数と年代別の割合を伺います。

○金丸参事 平成十八年の新規の発生報告は四百五十三件で、内訳は、エイズ発症前のHIV感染者の報告数が三百五十四件、既に発症したエイズ患者報告数が九十九件となっております。
 このうち、感染者の年代別割合は、十歳代が三%、二十歳代が二七%、三十歳代が四〇%、四十歳代が一九%、五十歳以上が一一%となっておりまして、全体の約七割を比較的若い世代である二十歳代と三十歳代で占めています。
 また、患者については、二十歳代が一三%、三十歳代が二七%、四十歳代が三二%、五十歳以上が二八%となっておりまして、四十歳以上が過半数を占めております。

○西崎委員 今の答弁を伺いますと、二十歳代、三十歳代に感染の割合が多いようですけれども、予防啓発は感染リスクの高い行動を起こす前段階から取り組む必要があるということを考えますと、十代、二十代の若者への普及啓発が重要になると思います。
 都ではこれまで、エイズ予防月間等を中心にキャンペーン等を実施してきています。そこで、こうしたキャンペーンでの普及啓発の効果というものについてどのように評価されているのか、お聞かせください。

○金丸参事 お話の毎年十一月から十二月にかけて設けておりますエイズ予防月間のほかに、都では、昨年から新たに六月を東京都HIV検査・相談月間として、エイズの予防啓発活動を集中的に行っております。
 具体的には、両月間とも、特別区を初め、ボランティア団体や企業などの民間団体と連携いたしまして、主に若者を対象として繁華街や駅前での街頭キャンペーンや音楽祭、講演会等を実施し、HIV検査の必要性や感染予防の大切さを呼びかけています。
 毎年の予防月間中には、これまでも都全体のHIV検査件数が増加していましたが、昨年は特に、六月の検査・相談月間以降、七月と八月も検査件数が前年の同月と比べて大幅に増加しておりまして、キャンペーンによる効果が持続したことによるものと考えております。

○西崎委員 キャンペーンを行えば、その月、その後も検査件数が増加しているようですけれども、普及啓発を行っていく上では日常的な取り組みも大事だと思います。十代、二十代の若者というのは、行政のまじめな、あるいは一方通行的な啓発にはなかなか目を向けない、耳をかさない世代でもありまして、啓発方法には、単にキャンペーンをやればいいということではなくて、さらなる工夫が求められるところだと思います。
 この点については、都では、若年層をターゲットにした普及啓発の方法として、エイズ啓発拠点事業を昨年の六月から実施していると聞いています。そこで、このエイズ啓発拠点事業の取り組み内容について伺います。

○金丸参事 十代、二十代を対象としたエイズの予防啓発につきましては、若者同士がともに学び、考え、交流していく方法が大変有効でありますことから、都では昨年六月、エイズ啓発拠点事業として、池袋に、地元区やNPOなどの協力を得て「ふぉー・てぃー」を設置いたしました。
 「ふぉー・てぃー」では、啓発の対象となる若者と世代の近いスタッフが常駐しておりまして、若者自身がワークショップや街頭キャンペーンの企画、啓発自体の開発などを行いまして、繁華街でエイズや性感染症の予防の大切さをPRするなど、同世代にアピールする普及啓発活動に取り組んでいるところでございます。

○西崎委員 地元の自治体やNPOなどの協力を得て設立した「ふぉー・てぃー」は、若者がエイズに対する知識や理解を深める場であると同時に、その若者たちの活動を通じて、エイズ予防に向けて地域の人々が連携して行動する社会を形成していくための起爆剤としての役割が期待される取り組みだと思います。
 その意味で、今後、地域を視野に置いた「ふぉー・てぃー」事業の展開が重要だと思いますけれども、所見を伺います。

○金丸参事 若者へのエイズの予防啓発を効果的に進めるには、若者を取り巻く地域の人々の理解と協力が不可欠でございます。
 そのため、「ふぉー・てぃー」では、事業を通じて地域とのつながりを深めていくため、地元区との共同による講演会の開催を初めといたしまして、繁華街の映画館や飲食店にご協力をいただいてポスターを掲出したり、高等学校と連携して健康教育を実施するなど、地域を巻き込んだ普及啓発活動を行っております。
 今後、こうした活動をさらに充実、拡大することによりまして、エイズ予防に地域全体で取り組む環境づくりに努めてまいります。

○西崎委員 これまで幸いにして、日本ではエイズの爆発的な感染拡大が起こってはいません。性感染症としての側面を持つエイズの感染防止は、究極、個々の自覚に担うところが多いと思います。決して容易ではないと思います。しかし、若者が発信者となってエイズの普及啓発を進めていく「ふぉー・てぃー」は、エイズの普及啓発に新たな展開をもたらすものとして、大いに期待が持てる取り組みだと思っています。さらなる効果的な普及啓発の実施をお願いしておきます。
 最後に、ちょっと暗い話題なんですが、自殺総合対策について三点お伺いいたします。
 日本における自殺者は、平成十年度には三万二千人、そのうち勤労者は八千七百人と、前年度に比べまして三四・七%増加しています。初めて三万人を超えています。都内では二千五百人から二千八百人もの方が亡くなっておりまして、この数は交通事故死亡者の九倍から十倍にもなっておりまして、今や社会問題にもなってきています。
 自殺防止対策の推進は喫緊の課題でありまして、こうした自殺を減少させるためには、ストレスや悩みを抱える住民や勤労者のさまざまな相談に応じまして適切な助言が与えられる体制の充実強化、知識の普及や啓発などが重要になってまいります。
 国におきましては、平成十九年六月に自殺総合対策大綱が策定されまして、その中で具体的な施策がまとめられたところであります。都においても今年度から自殺総合対策に取り組んでいるところですが、これについて改めて伺いたいと思います。
 まず、平成十九年度から自殺総合対策の取り組みはどのように進めているのか、伺います。

○清宮保健政策部長 東京都では、社会全体で自殺対策に取り組むため、昨年の七月に保健、医療、福祉、労働、経済、教育等の関係団体や自殺防止活動を行う民間団体、有識者等から成る自殺総合対策東京会議を設置しまして、本年二月には第二回を開催したところでございます。
 この間、この東京会議のもとに、普及啓発・教育、早期発見・早期対応、遺族支援に係る三つの分科会を設けまして、自殺の事前予防から危機対応、事後対応までの各段階における効果的な施策展開について検討してまいりました。それぞれの分科会の検討を踏まえまして、自殺防止に向けた相談支援ネットワークづくりや、自殺予防のための人材育成などの具体的な事業を始めたところでございます。
 また、普及啓発といたしまして、九月と三月、自殺対策強化月間として自殺防止東京キャンペーンを展開しているところでございます。

○西崎委員 九月と三月を自殺対策強化月間として自殺防止東京キャンペーンを展開しているとのことですけれども、ちょうど今、議事堂の下の一階のギャラリーでこのキャンペーンが行われています。初め、通りかかったときに、自死遺族という文字にびっくりしまして、足がとまったんですけれども、パネルには遺族の方のメッセージが載せられておりまして、読むと大変胸が熱くなりました。
 三月は都独自のキャンペーンを行っていますけれども、どのようなねらいとどのような取り組みを行っているのか、お聞かせください。

○清宮保健政策部長 三月は、就職や転勤、転居など、生活環境が大きく変動する時期であり、自殺者数が増加する傾向がございます。そうしたことから、都独自に自殺防止キャンペーンを一カ月間展開しているものです。
 今年度のキャンペーンでは、まず、自殺問題についての都民の理解を促進し、社会全体での取り組みが広がるよう、新聞広告、都の提供番組等により広く広報活動を行っています。
 九月のキャンペーンの際に都民の方から公募しました作品をもとにしたキャンペーンポスターを約一万枚作成し、民間鉄道会社や区市町村、交通局等の協力を得ながら、電車内や駅構内を初め、相談機関等に広く掲出しています。
 また、三月十五日、命のとうとさや自殺問題について、参加者の理解と認識を深めるための講演会を開催したところでございます。

○西崎委員 広く都民に自殺防止の問題を知ってもらうことが大切だと思いますけれども、さらに、自殺予防のためには相談できる場所が重要だと思います。相談機関のネットワークを構築して相談体制の充実強化を図っていると伺っていますけれども、取り組み状況と、今後どのように展開していくのか、お聞かせください。

○清宮保健政策部長 国が定めます自殺総合対策大綱によれば、自殺の背景には、経済、生活問題、健康問題、家庭問題等の多様かつ複合的な要因があるとしております。これらの問題に対応するため、ことし二月、保健所、精神保健福祉センター、労働相談情報センター、また法テラス東京など、五十の相談機関等の協力を得まして、こころといのちの相談・支援東京ネットワークを構築いたしました。
 これらの相談機関等が参加する連絡会を開催し、意見交換、情報交換を行うとともに、都民の方が利用しやすいようにポスターやホームページ等でPRに努めているところでございます。
 来年度は、既に東京の福祉保健の新展開二〇〇八の中でも明らかにいたしましたが、都内の二地区でモデル事業を実施し、身近な地域、圏域単位でのきめ細かい連携による適切な支援が行われるようにしたいと考えています。

○西崎委員 自殺未遂で病院に緊急で搬送される人のほとんどが、日ごろからうつ状態だったと聞いています。カウンセリングが当たり前の欧米の社会とは違って、日本ではなかなか、専門家などに相談することがまだまだハードルが高いのではないでしょうか。今後、相談体制の充実など、総合的な支援が図られるよう要望して、私の質問を終わります。

○山加委員 私からは、まず、都の養育家庭制度についてお伺いをいたしたいと思います。
 児童虐待などにより、家庭で暮らすことのできない子どもたちがふえております。私は、今定例会の一般質問において、児童虐待をテーマとして取り上げさせていただきましたが、虐待で心に深い傷を負った子どもたちが、家庭的な環境のもと、大人との愛着関係を形成しながら暮らすことができる都の養育家庭制度は、非常に貴重な取り組みだと思っております。
 東京都はこれまでも、区市町村と連携をして、養育家庭がみずからの子育て体験を語りかける体験発表会を開催するなど、まさに地域に密着した広報啓発活動で着実に養育家庭の登録者をふやしてまいりました。そのご努力に私も敬意を表したいと思います。
 さて、折しも、来月から、NHKの朝の連続テレビ小説「瞳」が始まります。これは養育家庭制度が取り上げられているんですね。ここに、NHKの広報局が出している「瞳」のパンフレットなんですが、これを開きますと、中に「三つのポイント」とありまして、その中の一つに養育家庭制度のことが書いてあります。
 ちょっと抜粋をいたしますと、今回「瞳」で取り上げられる東京都の養育家庭は、養子縁組を目的とせずに子どもを養育する家庭をいう、現在東京には、さまざまな事情で親と暮らせない子どもが約三千九百人おり、このうちおよそ一割の子どもが養育家庭で暮らしているというふうにコメントが載っているわけでありますけれども、この連続テレビ小説は大変平均視聴率が高い人気番組でして、通常二〇%の平均視聴率があるといわれている人気番組でありますから、この養育家庭に対する都民の関心がこれで一気に高まることが期待をされると思うわけでありますが、都は、ぜひこの好機を逃すことなく、番組とタイアップをしていただいて、養育家庭制度のPRに積極的に取り組むべきと考えますけれども、所見をお伺いいたします。

○吉岡少子社会対策部長 養育家庭制度のPRについてでございますが、都民の関心が高いテレビ番組と連携した広報活動は、養育家庭制度の普及啓発や登録家庭をふやす上で有効な方法と考えております。このため、今後、NHKと連携して養育家庭制度のPRを実施し、効果的な広報活動を検討してまいります。
 また、従来行ってまいりました普及啓発活動につきましては、養育家庭がみずからの子育て体験を語りかける体験発表会を今年度四十七区市で開催いたしましたが、来年度は、土日開催を含めてさらに拡大するなど取り組みを一層充実させることによりまして、養育家庭の登録数拡大に努めてまいります。

○山加委員 ぜひ一人でも多くの子どもたちが、養育家庭のもと、温かい雰囲気の中ではぐくまれますように、今後も取り組みを積極的に進めていただきたいと思います。
 次に、母子家庭に対する支援について二点ほど伺わせていただきます。
 来月から、母子家庭に支給される児童扶養手当の一部支給停止が開始をされます。私もこれまで多くの母子家庭の方から切実なお話を伺いまして、我が自由民主党といたしましても、国に対し強く働きかけを行ってまいりました。都議会としても国に意見書を提出してまいったわけでありますが、その結果、一部支給停止の対象は、就業意欲が見られない場合にのみ手当支給額の二分の一を支給停止するという限定的なものにとどめることができました。
 しかし、母子家庭の方々の経済的な厳しさは依然として変わりません。母子家庭の収入を大きく左右するものの一つとして、養育費の問題があると思います。
 さきの調査によりますと、離婚した母子家庭のうち、養育費の取り組みをしているのは四割に満たず、現在も支払いを受けているのはわずか一九%にとどまっているといわれております。こうした家庭で育つ子どもたちの健全な成長を考えましたときに、養育費に関する問題は大変深刻であります。
 国は昨年、養育費相談支援センターを開設し、大変多くの相談が寄せられていると聞いております。ぜひとも都でも取り組むべき課題だと思いますけれども、母子家庭における養育費の問題について、都として今後どのように取り組みを行っていくのか、所見を伺います。

○吉岡少子社会対策部長 都におきましては、女性相談センターにおきまして、離婚等に関する相談や生活支援に係る相談など、女性のさまざまな相談に応じておりまして、その中で養育費に関する相談にも応じてまいりました。
 さらに、平成二十年度から新たに、東京都母子家庭等就業・自立支援センターにおきまして、養育費の算定や取り決め、履行等の実務に精通した家庭裁判所調査官経験者を養育費専門相談員に委嘱いたしまして、養育費に関する相談に専門的に対応してまいります。
 また、母子家庭のさまざまな相談に応じる区市の母子自立支援員などを対象に、養育費に関する研修を実施いたしまして、地域での相談体制の充実を図ってまいります。

○山加委員 次に、母子家庭の自立については、養育費の問題とともに就業支援も重要な課題であるわけでありますが、都には、就業支援について大変多くのノウハウを持つ産業労働局があります。私は、母子家庭の就業支援についても、福祉保健という枠にとどまらず、こうした関係部局と積極的に連携を図っていくべきと考えています。
 この点で、二十年度予算において、東京しごとセンターとの連携によるひとり親家庭への相談体制の充実を行うとしているのは大変意義があると思いますけれども、その内容について伺います。

○吉岡少子社会対策部長 母子家庭の場合には、中には就業経験の乏しい方もいらっしゃいますので、きめ細かな相談や講習会の利用等によりまして就業の促進を図ることが必要であるというふうに考えております。
 このため、平成二十年度より、東京しごとセンターと同じ建物に母子家庭等就業・自立支援センターの相談部門を移転いたしまして、しごとセンターで行っているセミナーやキャリアカウンセリングなどの就労支援サービスを速やかに受けられる体制をつくりまして、利用者の利便性を高めてまいりたいと考えております。
 また、平成二十年度から、利用者が相談しやすいよう土曜日にも開館することにいたしまして、ひとり親家庭への就業支援を一層推進してまいります。

○山加委員 母子家庭に対しては、経済的支援、子育て支援、就業支援など、大変幅広い支援が必要であることはいうまでもありません。今後とも、ぜひ都の持つすばらしいノウハウを十分に活用していただきまして、支援策を充実させていただくことを要望いたしまして、質問を終わります。

○大松委員 介護人材の確保について伺います。
 私ども、住民相談の中でよく伺いますのが、介護施設への入所を求める相談でございます。しかし、特別養護老人ホームも待機者が多く、認知症の高齢者向けのグループホームや小規模多機能施設の整備も急がれているところでありますけれども、高齢化の進展と介護サービス基盤の整備とどちらが先か、まさに時間との闘いになっているわけでございます。
 こうした中で東京都は、用地取得が難しいなど大都市の特殊事情の中で、心を砕いて、英知を尽くして施設の整備に全力で取り組んでいるところでありますけれども、今、新たな困難に直面をしようとしているわけでございます。
 先日の新聞報道でありますけれども、新設された特別養護老人ホームで介護を担う職員を確保できず、そのため利用者の受け入れを制限している、こういう記事が掲載をされました。用地を確保してようやく施設をオープンしたものの、職員が集まらず、高齢者を受け入れられない、これが事実であれば大変深刻な事態であります。
 そこで、お伺いをいたします。新設の施設につきまして、東京都は補助金も投入をしているわけでありますから、職員不足で利用者の受け入れ制限がなされているのかどうかについて、きちっと掌握をしていかなければなりません。職員充足状況などの掌握について、東京都の取り組みを伺います。

○狩野高齢社会対策部長 通常、新規開設しました特別養護老人ホームは、職員が介護業務に習熟をするのに一定の時間を要することから、おおむね開設後三カ月から六カ月程度の時間をかけまして、徐々にいわゆる満床に近づけていく運営を行っております。
 都は、施設開設後おおむね六カ月後及び一年半後に、職員配置、それから、お話のありました利用者の受け入れ状況に加えまして、入浴、排せつなどの介護の実態ですとか、感染症や食中毒対策の実施状況、あるいは不適切な身体拘束がなされていないかに加えまして、介護報酬の算定が適切か否かといった施設の運営管理及び入所者へのサービスについて確認するために、施設に出向き、指導を行っております。その後は、定期的に指導、検査を行っているところでございます。

○大松委員 開設六カ月後と一年半後に指導をしているということでありますが、六カ月たってもフル稼働できない新規の施設が出始めているということにつきまして、東京都はどのように認識をしているのでしょうか。所見を伺います。

○狩野高齢社会対策部長 平成十九年に新規に開設しました特別養護老人ホームのうち九施設について、開設後六カ月経過した時点での入所率について調べましたところ、平均で入所率が約八五%でございました。また、平成十六年から十八年の三カ年に新規開設をしました特別養護老人ホームの開設後六カ月経過した時点での入所率を調べたところ、いずれの年も平均で九〇%でございました。
 このように、平成十九年の新規開設施設の入所率が前三年より低いことにつきましては、近年の職員採用難などが影響しているのではないかと施設関係者から伺っております。

○大松委員 平成十九年開設の施設のすべてが新聞報道のような状況ではないということで、少しは安心をしたわけでありますけれども、いずれにしましても、職員の採用難が入所率の低下を招いているという新たな事態になったということにつきましては、危機感を持って認識をしていかなければならないわけでございます。
 今、官民を問わず、あらゆる事業で若手の働き手が不足をする二〇〇七年問題が大きな課題になっております。青年をどう獲得していくのか、あらゆる事業での成否を決する最大の焦点になっております。介護につきましても同様であるわけでございます。
 いい人材をたくさんどう集めていくのか。その一番大切なことはやはり報酬であります。介護スタッフの人件費の低さは、かねてからの課題になっております。特に東京は、家賃など生活費が割高であるため、全国一律の介護報酬の体系では、他県に比べて報酬面で不利になっているわけでございます。今、東京都は国に対しまして、介護報酬について、全国一律ではなく、地域格差を考慮するよう求めていますが、引き続き国への働きかけの強化をまず要望しておきます。
 そこで、本日は、報酬面に加えまして、雇用政策的な側面からの取り組みについて何点か伺います。
 まず、予算書の中で、インターンシップ、一日職場体験などが盛り込まれていますが、事業の概要と予算について伺います。

○狩野高齢社会対策部長 都内の特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、認知症高齢者グループホームを対象に、介護職員の確保促進策として、平成二十年度、一日職場体験事業とインターンシップ事業、この二つの新規事業を実施いたします。これらの事業を契機といたしまして、多様な人材が介護業界に就職してもらうことで介護人材の安定的な確保と育成を目指してまいります。
 事業概要でございますが、一日職場体験とは、希望者に対して、施設において一日の施設での仕事を体験する機会を提供するものでございます。インターンシップとは、学生等のインターンをおおむね一カ月程度施設に受け入れまして、一定のプログラムに基づいて介護の仕事を学んでもらうものでございます。
 本事業の予算総額は約一億一千万円となっております。

○大松委員 インターンシップ、一日職場体験といいましても、さまざまな形態があります。志望者はどこの施設でどう受け入れられるのか、どうやって探すのか、事業者側はどう情報を発信していくのか、具体的な事業の流れを伺います。

○狩野高齢社会対策部長 まず、この事業に参加を希望します施設は、都の方にエントリー登録をしていただきます。その登録の内容ですけれども、施設の概要ですとか、施設体験やインターンを行う際の昼食の支給の有無、あるいは交通費支給の有無、それから施設の特徴などの情報をあらかじめ登録していただきます。登録された施設情報につきましては、都のホームページや都が作成をしますパンフレットに掲載をいたしまして、東京都福祉人材センターや区市町村などに配布をいたします。
 このような情報に接し、一日職場体験やインターンシップに関心を持ち、希望する方が直接施設に申し込みをしていただき、施設職員の指導を受けながら介護業務を経験するものでございます。その後、施設が受け入れ実績に応じた補助金を都に申請する仕組みになっております。
 なお、広報活動につきましては、施設も独自に、施設のホームページなどで、みずからの施設についてこういった事業をやっているということを宣伝することも可能でございます。

○大松委員 大変意欲的な取り組みであると期待をいたします。
 その上で、この事業の意義、見込まれる効果について伺います。

○狩野高齢社会対策部長 これまで介護職員の就職ルートは、介護福祉の専門学校や、あるいは福祉系の大学などが主なものでございました。この事業は、新たな福祉人材の開拓に向け、より幅広く多様な人材を募る趣旨から、一日職場体験もインターンシップも、介護に関心のある方であれば資格や経験の有無は問わないものとしております。特にインターンシップは、一定期間、介護の仕事を継続して経験することにより、介護の仕事に抱いていますイメージとのミスマッチを解消して、早期の離職を防止する効果も期待できます。
 本事業の主な対象者といたしましては、若年層の未就労者あるいは家庭の主婦、企業等を退職された方、それから、福祉の資格があっても就労経験のない方、あるいは、しばらく福祉の仕事を離れていた方など、幅広く考えております。

○大松委員 よりよい人材を確保していくために、間口を広げて幅広い人材を対象にしていくということでございます。そして、人材確保難を解決していくためには、やはり効果が期待されますのは、資格を持っていらっしゃる方、研修を受けた方々でまだ介護の現場の経験がない人、そして、一度離職した人たちであります。
 現に東京都内には四万人を超える介護福祉士がいらっしゃいまして、毎年二万人から三万人がヘルパーの養成の研修を受けておられます。こうした方々を糾合できれば、即戦力として期待できるわけでございます。再就職促進策などについて東京都の取り組みを伺います。

○永田生活福祉部長 現在、介護職についていない、いってみれば潜在的な方々というのでしょうか、あるいは今まで介護の経験のない方々、こういった方々の再就職の支援に当たりましては、対象者一人一人の実情に応じたきめ細かな対応が必要というふうに考えてございます。
 そこで、東京都福祉人材センターにおきましては、これまで行ってきました就職相談や就労支援策に加えまして、来年度から、平成二十年度から、民間就職支援会社のノウハウを活用し、求職者に対する就労活動のアドバイスや、面接訓練からメンタル面の相談や就労後のフォローまで一貫した支援を行うなど、個別カウンセリングによるきめ細かな相談、指導をこの六月から開始する予定でございます。
 また、介護職の方の現場復帰を円滑に促すためには、介護技術の能力を回復させるとともに、新たな技術を付与することなどが不可欠でございます。東京都介護福祉士会や介護福祉士養成施設と連携いたしまして、再就職希望者のための無料の能力開発講座をこの六月から同じく開講する予定でございます。
 これらの事業を実施するとともに、先ほどご答弁申し上げましたインターンシップなど、こういったものも実施する福祉施設ともきちんと連携することによりまして、介護職の方の就労を総合的に支援し、介護人材の育成、確保を図ってまいりたいと考えております。

○大松委員 それでは、次に、シックハウス対策について伺います。
 私どもが暮らしております室内には、ホルムアルデヒドやトルエンなど、百種類以上の化学物質が含まれているといわれております。建材、家具、家庭用品などから放出をされまして、その化学物質が原因となりまして体調が悪くなる、これがシックハウス症候群であります。
 この化学物質の影響を一番敏感に受けますのが、やはり子どもでございます。体重一キログラム当たりで換算をすると、呼吸によって取り込んでしまう化学物質の量は大人以上になるわけでございます。このため、東京都は、子どもが利用する施設の室内空気中に含まれる化学物質をできるだけ少なくしていくために、平成十五年、化学物質の子どもガイドラインを策定しまして、管理者に周知の徹底を図っているところでございます。
 ところが、一方、子どもの主な生活の場は、施設ではなく、むしろ家庭であります。特に乳幼児は、一日の多くの時間を家庭内で過ごしているわけでございます。シックハウスについて、保護者の方々に正しい知識を持って的確に行動していただくことが大切です。
 そこで伺います。乳幼児が育つ家庭内の室内環境を良好に保つため、保護者を対象とした普及啓発について東京都の取り組みを伺います。

○金丸参事 家庭内でのシックハウス対策につきましては、都はこれまでも、保健所において相談対応や訪問指導を行うとともに、化学物質の少ない住まいづくりを解説したパンフレットやホームページ等を活用して都民への情報提供を行ってきております。さらに、昨年三月には、乳幼児がいる室内の環境を良好に保つため、家庭で取り組める具体的な対策を載せたリーフレットを作成いたしまして、区市町村を通じて配布するなど、普及啓発の充実に努めているところでございます。

○大松委員 次に、子どもを有害な化学物質から守るためには、可能な限り発生源を絶っていくことであります。東京都は平成十五年度に、子どもガイドラインの周知を図るために、建材、家具、壁紙、教材などの製造、販売や建築物内の清掃、害虫駆除を行う業界に対して、化学物質使用の低減化に関する要望を行っております。
 以来、四年がたちました。業界の取り組みがどう進んでいるのか、業界の現状を踏まえて、さらなる化学物質低減化に向けた取り組みを働きかけていくべきであります。所見を伺います。

○金丸参事 室内空気中の化学物質の低減化には、製品の製造や流通等にかかわる事業者の取り組みが重要でありますことから、都は今年度、家具や教材の製造、販売を行う事業者団体など十三団体と加盟する約千の事業者に対し、室内空気に関する化学物質の子どもガイドラインの周知状況や、化学物質低減化への取り組み状況を把握するためアンケート調査を行いました。
 現在、集計中でございますが、業種により取り組みに差があることがうかがわれますため、今後、結果を分析した上で、子どもの健康に配慮した製品の開発及び取り扱いの拡大や、消費者がその製品を選択しやすい表示の実施など、事業者のさらなる取り組みを働きかけてまいります。

○大松委員 この質問に関連をいたしまして、化学物質過敏症について言及をさせていただきます。
 化学物質過敏症とは、微量の化学物質にも激しく反応するようになる症状でありますけれども、どういうメカニズムで発症するのか、病気としてどう定義をしていくのか、医療面で未解明な部分が多く、そのため、的確な対策が講じられていないのが現状であります。しかし、現に深刻な症状を訴えられる人々がおられ、特に小さなお子様が苦しんでいる姿、その親御さんの心情も考えれば、手をこまねいているわけにはまいりません。
 この化学物質過敏症、シックハウス症候群とは違いますけれども、有害な化学物質の放出を減らしていく、化学物質の影響を受けないように配慮をしていく、これはどなたの健康にとってもいいことであることは間違いございません。こうした観点から、シックハウス対策の取り組みをよりしっかりと頑張っていただくように要望するものでございます。
 続きまして、地域医療の確保の観点から、社会保険病院の見直しについて伺います。
 昨今、医療機関の経営状況は大変厳しくなりまして、また医師不足などもあり、大きな総合病院でも、産科や小児科を中心に診療科の休止や縮小が報じられているところでありまして、地域医療の空白化を心配する声が広がっております。
 こうした中で、都内にある四つの社会保険病院、社会保険庁の解体に伴ってどうなっていくのか、それぞれの地域で大きな課題になっております。
 私の地元北区では北社会保険病院がありますけれども、北区では昨年末、社会保険病院と並んで地域の救急や産科医療で大きな役割を担っておりました東十条病院が廃院をしたばかりで、この北社会保険病院の存続を求める声が大変強いわけでございます。
 先月、地元の自治会連合会の会長の皆様方と、私ども公明党の太田昭宏代表が国会に参りまして、舛添厚生労働大臣とお会いをいたしまして、北社会保険病院の存続を強く要請したところでございます。私も同席をいたしましたが、厚労相からも、住民に迷惑をかけないとの発言もあり、存続へ向けて大きな一歩をしるしたものと実感をしております。
 この存続を目指すためには、地域医療に大いに役立っている、こういうこともアピールをどんどんしていくことが大切でございます。
 そこで伺います。北社会保険病院が地域医療において果たしている役割はいかなるものか、東京都の所見を伺います。

○吉井参事 北社会保険病院でございますけれども、開設後間もなくの平成十六年六月から、東京都指定の小児二次救急医療機関といたしまして、三百六十五日二十四時間体制の取り組みを開始いたしました。
 さらに、小児に関して申し上げれば、地区医師会と連携をいたしまして、病院内で北区の平日夜間の小児初期救急医療事業、子ども夜間救急事業といわれておりますけれども、これを実施しているところでございます。
 さらに、それ以前のことで、内科、外科系の東京都の指定二次救急医療機関としての取り組みを行っているところでございます。
 さらに、産科を設置しておりまして、分娩の取り扱いも行っているところでございます。

○大松委員 今いただきました答弁から、北社会保険病院が、救急医療、小児救急、さらには産科医療など、今まさに地域の中で確保が難しくなっている医療を担っていることがわかります。
 東京都におきましても、地元の住民の切実な願いを十分に酌んでいただいて、都民医療を確保する観点から、北社会保険病院を初め、住民が頼りにしている社会保険病院の存続、さらにはその充実に向けて、ぜひとも国に申し上げていただくよう強く要望をいたしまして、質問を終わります。

○野上委員長 この際、議事の都合により、おおむね十二分間休憩いたします。
   午後四時二十八分休憩

   午後四時四十一分開議

○野上委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○吉田委員 それでは、私、三点について質問させていただきます。
 一点目は医薬品の登録販売者制度について、次にシルバーパス条例について、三つ目に低所得者生活安定化プログラムについて質問いたします。
 まず、医薬品の登録販売者制度についてです。
 本委員会に福祉保健局関係手数料条例の一部改正条例案として提案をされておりますけれども、薬事法施行令に基づく登録販売者試験手数料に関して若干質疑をいたします。
 本制度は、いわば規制緩和によって、登録販売者の資格を取れば、薬剤師でなくともかなりの範囲で医薬品を販売できるというもので、そのための試験手数料を定めようとするものと認識をしております。
 まず、この登録販売者制度、そして、それによって販売可能な薬の種類あるいは店舗の種類などについてご説明をお願いいたします。

○桜山健康安全室長 一般用の医薬品、いわゆる大衆薬と呼んでおりますが、その販売制度につきましては、従来、薬剤師等の専門家が関与して販売される制度でございました。今回、消費者の利便と安全性の確保の観点から、一般用医薬品を副作用等のリスクの程度に応じまして三つのグループに分類し、それぞれのグループごとに、適切な情報提供を行いながら医薬品を販売できるように薬事法が改正されたものでございます。
 この制度改正の中で、薬剤師とは別に、新たな専門家でございます登録販売者の制度が導入され、特にリスクの高いもの、これを第一類医薬品と呼んでおります。具体的には、胃潰瘍などに使いますH2ブロッカーなどが入っておりますが、これ以外のもの、第二類医薬品、これはリスクが高いものということで、風邪薬などが入っております。それから、比較的リスクが低いということで、第三類医薬品、これは消化剤などが入っております。この第二類と第三類医薬品につきましては、登録販売者が配置されていれば販売できることとされたものでございます。それでいいでしょうか。

○吉田委員 もう少し本当は説明してほしかったんですけれどもね。
 結局、薬剤師の方と違って、登録販売者という方は、各都道府県の試験をパスすれば資格を得ることができる。しかも、一定の従事経験があればその対象になり得るということですから、これまでの薬剤師の方から見ると、かなり資格要件としては、高い、低いといったら大変失礼ですけれども、緩和されたというふうに受けとめざるを得なくて、これで果たして大丈夫なのかというふうに一般の方が心配を抱くのは当然だと思うんですね。
 それで、お伺いしたいんですけれども、今いわれました二類、三類、こういうものを対象とする、例えば一般販売あるいは薬種販売というものが、今度は薬剤師じゃなくて、この登録販売者のみで営業できるということになると思うんですが、そうすると、今、都内の薬店のどのぐらいが薬剤師なしで販売できるということになるのでしょうか。およその見当で結構ですから、ご答弁お願いします。

○桜山健康安全室長 平成十九年十二月末の数字でございますが、一般販売業が千九百七十七店舗、薬種商販売が五百六十七店舗、薬局が六千三十三店舗で、既存の業態全体ですと八千五百七十七店舗ございます。
 このうち、薬剤師なしで今回店舗販売業に移行いたしますのは、一般販売業と薬種販売業で合わせて二千五百四十四店舗となりますので、全業態に占める割合ですと、およそ三割となります。

○吉田委員 これはあくまでも現時点で推定した数字ですけれども、三割のお店が、薬剤師なしでも登録販売者としての資格を取れば営業することができるということですから、非常に影響の範囲は、私は広い問題だと思います。
 さらに、この制度を使って、例えばチェーンドラッグなどもさらにふえていったり、あるいは、杉並では、二十四時間、薬の販売をテレビで相談を受けてやるというようなことが大きな社会問題になったことがあるのですけれども、深夜営業の拡大とかという事態があって、一般の薬剤師さんなんかが努力をしているお店に対しても非常に影響が広がるのではないかという懸念がまずあります。
 さらに、そういう登録販売者の方々が、当然、いろいろ薬の説明、処方などについてもされると思うんですけれども、リスクは少ないということで限定されるにしても、それで本当に大丈夫なのかというふうな心配がわくのですけれども、都としては、この点、どのような認識をお持ちでしょうか。

○桜山健康安全室長 登録販売者試験は、特にリスクの高い第一類医薬品以外の医薬品の販売に関与する専門家として必要な資質の確認を行うため、薬事関連法規ですとか、効能、効果、副作用の内容など、実務的な試験を実施するものであります。したがって、資質の水準は十分確保できるものと考えております。
 登録販売者制度は、そのような資格要件のもとに導入されるものであり、購入者に対し適切な情報提供がなされるものと考えております。したがって、医薬品の安全性等を確保する上で問題はないと考えております。
 二十四時間営業のチェーンドラッグの件でございますが、今回の制度改正では、二十四時間営業などの販売形態のいかんにかかわらず、医薬品のリスクの程度に応じて専門家が関与するための見直しが行われたものでございます。

○吉田委員 心配はないというご判断でありますけれども、しかも、もともとこれは国が基本的に規制緩和をしたことですから、都としてそれに見解を示すということは難しい問題ではありますけれども、しかし、たとえ二類、三類であったとしても、今までは薬剤師の方がきちんと常駐するという厳しい義務づけがされていたものがこのような形になるわけですから、私はやはり、事態の推移というものは、しっかりと区市町村と連携しながら、安全性が真に保たれるのかなどということについては監視をしていただきたいということを要望として述べておきたいと思うんです。
 あわせて、このことの関連で、薬剤師の方から、例えばジェネリックの普及拡大ということがいわれている、しかし、それは簡単なことではない、なぜならば、利用頻度の低いジェネリックをお店に置くとなると、それだけでも大変経済的には負担になるんだ、したがって、単純に一般の調剤薬局などでジェネリックを置くというのは簡単なことではないんだということをいわれたことがあります。
 いわれてみれば本当にそのとおりだと思うんですが、薬剤師会などでもこうしたことに取り組んでいるようですけれども、都としてはこういう点について何らかの支援が必要だと思うのですが、いかがでしょうか。

○桜山健康安全室長 都は、東京都薬剤師会が行います地域におけるジェネリック医薬品の使用実態調査や、その結果を解析して得られました調剤頻度の高いジェネリック医薬品名などの情報を実際に調剤を担当されます薬局へ提供する活動を支援しております。

○吉田委員 ぜひそういう支援を強めていただきたいということを求めまして、次に、シルバーパスの問題について質問いたします。
 本議会、委員会に東京都シルバーパス条例の一部を改正する条例が提案をされています。この一部改正の内容は、利用対象に新たに日暮里・舎人ライナーを加えるもので、当然であります。しかし、それならば、第一に、日暮里・舎人ライナー以外で、いわば第三セクターで運営をされている多摩都市モノレールや「ゆりかもめ」などもこの機会に追加すべきではないか。
 あわせて、以前から提案しておりますけれども、千円と二万五百十円だけではなくて、やはり収入分布に応じて、せめてこの間の中間料金を設定して、シルバーパスを利用しやすい状況をつくる必要があるのではないかというふうに思います。
 それで、まず、多摩都市モノレールや「ゆりかもめ」などの第三セクターをなぜシルバーパスの対象にしないのかということについてご答弁をお願いいたします。

○狩野高齢社会対策部長 シルバーパスは、高齢者の社会参加を助長するために、利用を希望する方に社団法人の東京バス協会がパスを発行して、東京都が補助を行っている事業でございます。
 ご案内のように、シルバーパス制度は、昭和四十八年に都営交通を主体に始まった優待乗車制度を昭和四十九年に民営バスにも拡大したもので、先ほど申し上げましたように、運営主体も現在では社団法人の東京バス協会となっております。
 こうした経緯から、東京都のシルバーパス条例及び同条例施行規則に基づき、シルバーパスの利用交通機関は都営交通と路線バスとなっており、第三セクター、いわゆる東京都の監理団体という理由をもって多摩都市モノレール等に拡大をする考えはございません。

○吉田委員 経過はわかりますが、しかし、全国のシルバーパスと同様の、手法その他は若干違いがありますが、高齢者に対する交通助成制度を実施している中には、東京都と同じように、もともとはそれぞれの直営の交通機関を対象にしながら、第三セクターなどの新しい交通システムができることに伴って、第三セクターに対しても対象を拡大している政令市、自治体がふえていると思うのですが、その実態をどのように認識しているでしょうか。

○狩野高齢社会対策部長 政令指定都市を調査いたしましたところ、まず、東京都のシルバーパス制度と同様の高齢者に対する何らかのいわゆる優待乗車制度を実施している政令指定都市は、十七都市中十四市でございます。
 なお、十四市のうち千葉市は、平成十九年度で敬老乗車優待事業を終了すると聞いております。
 お尋ねのありました、こうした高齢者優待乗車制度を第三セクターが運営する交通機関に適用している例でございますが、千葉市、横浜市、浜松市、名古屋市、大阪市、神戸市、広島市の七市でございます。
 それらの都市におきましては、こうした第三セクターを高齢者優待乗車証の対象としているのは、バス路線などの他の交通機関が全くない地域を走行しているなどの理由から、それぞれの自治体が自主的に判断したというふうに聞いております。ほかの都市の事例が即東京都に当てはまるものではないというふうに認識しております。

○吉田委員 他の都市の場合には代替的な交通手段がないということを理由として挙げましたけれども、もちろんそれは、乗りかえ、乗りかえで行けば行けるかもしれませんけれども、多摩都市モノレールという利便性の高い交通機関ができているわけですから、それを利用できるように制度そのものを東京都の判断で拡充するということは、当然、自治体の自主的な選択として大いにあり得るし、検討しなければならないと思うんですが、財政的に大変だということが理由にあるかもしれませんが、例えば、多摩都市モノレールなどに対象を拡大したときの新たな財政負担はどの程度と見込まれるのでしょうか。

○狩野高齢社会対策部長 先ほどご答弁いたしましたとおり、多摩都市モノレールや「ゆりかもめ」等のいわゆる第三セクターの交通機関にシルバーパスを適用する考えはございません。したがいまして、運賃補償等を試算する考えもございません。

○吉田委員 そもそも私どもの試算では、多分、五億円程度でできるのではないかと試算をいたしました。これは私どもの試算ですよ。
 なぜこのことを強調するかといえば、東京都市長会の要望書が出されているからなんですよ。
 例えば、一番最新の平成二十年度東京都予算編成にかかる重点要望事項、東京都市長会というのがあります。その高齢者保健福祉に係る各種施策の充実という項目の中で、三番目に、シルバーパスの利用区域についてということで、要望書では、隣接県バス路線及び多摩都市モノレールへの拡大を図るということが現実に市長会から出されているわけですから、やはりこれは検討課題としてぜひ取り組んでいっていただきたいというふうに思います。
 しかも、区部と比べて、例えば都営交通などは、多摩地域はかなり路線的にはおくれているといいますか、普及されていないわけですよね。したがって、聞きたいんですけれども、区部と市部の七十歳以上人口に対するシルバーパスの発行率、利用率といいますか、これはやっぱり格差があると思うのですが、人口比で区部と市部を比べてどうですか。

○狩野高齢社会対策部長 平成十八年度のシルバーパスの発行実績から試算をいたしますと、七十歳以上人口百七万八千二百十人に対して、発行枚数が五十五万八千七百七十一枚でございますので、区部のいわゆる発行率は五一・八%。市部につきましては、七十歳以上人口が四十六万八千三百五十人、発行枚数が二十二万六千六百五十九枚でございますので、発行率が四八・四%ということで、その差は三・四%となっております。

○吉田委員 格差はわずかということをいいたいのかもしれませんけれども、ぜひ、市長会からの要望が出されているわけですから、真摯にこれを受けとめて検討していただきたいということを求めておきます。
 シルバーパスの二つ目に、負担軽減、とりわけ住民税課税者は一律二万五百十円ということをぜひ再検討していただきたいということを求めていきたいと思います。
 シルバーパスは、もともとは無料制度だったわけですけれども、平成十二年以降、段階的ではありますが、新たな負担が増加をし、それに伴ってシルバーパスの利用者数もかなり大幅に後退をしていると思います。これは私が計算したものですけれども、九九年は、七十歳人口比約七二%の方がシルバーパスを利用する、持っている。ところが、二〇〇六年、平成十八年では、七十歳人口に対してシルバーパスを持っている人は五〇・六%、五割ちょっとというところまで、ポイントでいえば二〇ポイント以上下落をしている。そのことの大きな原因が、さまざまあるかもしれませんが、主な原因は、私はやっぱり負担のあり方だというふうに思います。
 とりわけ、住民税課税者といっても、収入的には非常に幅があるわけですよね。それこそ、年間で一千万、二千万を、あるいは高額の資産を持っている方もいらっしゃるでしょう。しかし、住民税課税の一番低い方の場合には、例えば一人世帯だったら、百五十八万で住民税課税ということになるわけですよね。
 これもちょっとお聞きしたいんですが、例えば、住民税課税の一番低い基準で年収百五十八万程度ということで二万五百十円の負担を求めるというのは、他の政令市にはないのじゃないでしょうか。いかがですか。

○狩野高齢社会対策部長 先ほど申し上げましたように、政令指定都市を調査したところ、十四市が今、何らかの優待乗車制度をやっておりますけれども、それぞれ制度が非常に区々でございまして、東京都と同じく、利用者負担額にかかわらず、いわゆる乗り放題のフリーパス制をとっているのは八市、それ以外の六市は利用可能限度額などの制限を設けております。
 私ども、フリーパス制をとっている八市について調べましたところ、今、先生おっしゃるような利用者負担額の区分を定める基準に、例えば介護保険料の所得段階区分を用いているのが三市、それから、総所得から各種控除後の合計所得金額を用いている市が二市、それから、所得にかかわらず一定の利用者負担金を設定しているのが二市、それから、全く利用者負担金を徴収していないのは大阪市一市という状況でございます。
 一つ例を挙げますと、京都市なんかは介護保険料所得段階区分で、生保世帯の方が千円、介護保険料所得段階の二から四、いわゆる住民税非課税の方が三千円、五、六、五以上が住民税課税世帯ですけれども、その方が五千円、七、八が一万円、九、十が一万五千円というふうになっております。

○吉田委員 確かに、さまざまなやり方をしていますから、一律に比較することは難しい面がありますけれども、今、部長が答弁されたように、京都市一つを例にとってみても、これでいうと五段階ですか、予算特別委員会の資料に出ておりますが、五段階、やはりそれぞれの所得に応じた負担を求めるということがされているわけですよね。
 しかも、東京都の場合には、そういう段階的負担制度をとっていないだけではなくて、住民税課税の、いわば課税か非課税のぎりぎりの位置にある方々で直ちに二万五百十円になる、課税になった途端に。これはやはり、明らかに所得の状況を必ずしも反映する負担制度にはなっていないということで、私たちは中間の負担を設定すべきだということを要望しているわけであります。
 この問題の最後に、もしお答えできるのだったら答えていただきたいんですけれども、例えば「十年後の東京」、そして三カ年の実行プログラムが出されましたよね、昨年。何というふうにこの分野で書いてあるかといいますと、目標5として、世界に先駆けて超高齢社会の都市モデルを創造するんだと。要するに、お年寄りの皆さんも本当に暮らしやすい東京、世界一の東京をつくるんだという趣旨のことが冒頭から強調されています。しかし、例えば年金制度にしたって、医療制度にしたって、ヨーロッパなどの国々と比べて、日本と東京の置かれている現実というのは、世界に先駆けてなどというふうにいえる状況じゃないと思うんですね。
 また、医療費の負担だけではなくて、こうした公共交通に対する負担軽減ということを見ても、これまでも取り上げてきましたが、例えばイギリスなどは、地下鉄の料金は、たしか高齢者の場合には負担なしということが現実に行われています。(発言する者あり)高齢者だよ。それと、ソウルなどでも高齢者の方々に対する地下鉄の負担軽減制度が広く行われているということから見ても、例えばシルバーパス一つをとってみても、少なくとも、そういう先進的な努力をしている都市に、まず、先駆けてなどということをいうんじゃなくて、追いつくということが私は必要だと思うんですよね。
 そういう意味では、こういうシルバーパスの負担などについてもさらに軽減、拡充するということが、世界に先駆けてというんだったら、私はやっぱり行政としての努力のあり方だと思うんですが、もしお答えできるのだったら答えてください。

○狩野高齢社会対策部長 利用者負担の設定の軽減等のお話だったかと思いますけれども、シルバーパス事業は、若年世代との間に負担の不公平があるなどの課題があったことから、平成十二年に都民の方々のご理解を得て見直しを行って、所得に応じて、区市町村民税課税の方が二万五百十円、月額にすると大体千七百円ぐらいになります。非課税の方は千円の利用者負担をいただく仕組みとしたわけでございます。
 現在、多くの高齢者がパスの発行を受けて、社会参加と生きがいの活動に活用されており、現行の仕組みはパス本来の仕組みに十分沿っているというふうに認識をしております。
 発行率の低下の問題については、いろいろお話がありましたけれども、私も、平成二年から七年まで特別区の課長をやっていたときにシルバーパスの配布の仕事を所管しておりましたけれども、当時は、平成十二年の改正前は、民生・児童委員の先生に、各戸、七十歳以上の高齢者の方、一戸一戸回っていただいて、無料パスを配布して歩くということで事業を行っていたように私は記憶しております。そういったことから、当然、利用率が高かったというふうに私は理解をいたしております。

○吉田委員 そういうことは何度もいわれてきた経過があるんですよ。それは、平成十二年の改定前から、そういうやり方はきちんと是正されたんですよ、既に平成十一年の時点で。ですから、これは、利用しない人までいっぱい配っていたときと比べるような数字じゃないんですよ。
 ということを述べておきますし、私はやはり社会参加を促進すると。しかも、独居高齢者が東京の場合には多いわけですし、そうした高齢者が少しでも気軽に外出をすることを通じて、病気や介護状態になることを防ぐという本来的な政策的意味からも、従来のことにいつまでもこだわり続けるのではなくて、やはり改善、拡充すべきことは拡充するという努力をすることが求められているということを強調しておきたいと思います。
 それでは、三つ目のテーマであります低所得者生活安定化プログラムに関して若干質問させていただきます。
 来年度から実施が予定されている低所得者生活安定化プログラムについてであります。
 もともとは、知事が減税公約を撤回し、そのかわるものとして提案されたものですが、我が党は、貧困と格差の解消のためには、減税か、あるいはこうした給付的な施策かということではなく、減税も施策も両面で取り組むべきだというふうに主張してまいりました。今回、低所得者生活安定化プログラムが提案されておりますけれども、それ自身は貴重なものですが、内容的にも、あるいは規模的にも、より一層の拡充が求められているという思いから、何点か質問させていただきたいと思います。
 まず第一は、この事業の想定する対象及び対象事業者の規模について確認をしたいと思います。
 このプログラムは、どのような人を対象にし、そして、その想定される対象者というものは、何人ぐらいを対象にしているのかということをご答弁お願いします。

○松井企画担当部長 まず、事業の対象でございますけれども、この低所得者生活安定化プログラムは、生活安定への意欲があり、懸命に努力しているにもかかわらず、低所得の状態から抜け出せない方々を対象としております。こうした方々がみずから将来に向けた生活向上への道を切り開いていく観点から多様な施策を構築したものであり、これにより安定した生活を送ることを可能としていくものでございます。
 次に、対象人員でございますけれども、今申し上げましたように、このプログラムでは、生活安定への意欲があり、真に支援を必要とする方を対象としておりますので、所得水準など一定の条件を設けております。
 都民税減税の対象となっていた約八十万人のうち、この条件に該当する方は約十七万人と想定しております。つまり、八十万人の中には、世帯主以外にも収入のある方や、多額の貯蓄、資産等を保有している方など、真に困窮しているとはいいがたい方もいらっしゃいます。例えば、家事の傍らパートタイム労働をしている方、あるいは、親の援助、仕送りを受けながらアルバイトをしている学生の方、こういった方も八十万人の中に含まれております。こうした方々を除いた十七万人をこのプログラムの対象としているところでございます。

○吉田委員 今の説明ですと、ベースは、都民税軽減対象、すなわち生活保護程度、あるいは、それ以下だけれども住民税が課税されている方、当時、最終的には約八十万という数字が主税局から説明されたわけですけれども、この方を対象にする。ただ、その中で、さまざまな資産等を勘案すれば、実際上の対象者は十七万ではないかということですよね。
 ただ、今の説明の限りでは、本当に十七万なのかどうかということは、ちょっと確認するすべはないんですけれども、それを横に置いておいて、私が疑問に思うのは、八十万という方の数というのは、都民税を払っている方の数ですよね。都民税非課税の方で生活保護を受けていない方というのは、相当数いらっしゃるんじゃないかと思うんですね。
 課税者だけは対象とするけれども、非課税の人は生活安定化の対象にしないということは、行政の施策としては整合性がないと思うんですが、非課税でかつ生活保護を受けていない、しかも、資産要件からしても、そんなに高額な預貯金、資産などを持っていないという人はなぜ対象としないんですか。おかしいんじゃないですか、それは。

○松井企画担当部長 就業している方の中にも、所得割、均等割とも非課税の方や、均等割のみを課税とされている方がいらっしゃいます。これは、前年の所得が一定の額以下であるなどの要件に該当する場合でありますけれども、この中には、先ほども申しましたけれども、家事の傍らパートタイム労働をしている方や、親の援助を受けながらアルバイトをしている学生さんなど、多数存在するものと推察されます。これらの方は、生計の中心となる配偶者がいたり、あるいは親の援助、仕送りを受けていたりするなど、真に困窮しているとはいいがたく、一律に全員を支援の対象とすることはできないものでございます。
 ただ、相談窓口できめ細かな相談ということで、相談に見える方を決して排除するわけではございませんので、そういう方がお見えになれば、そういう方の実情を適切に把握した上で、支援の対象になるか否かを判断していくものでございます。

○吉田委員 質問は単純なんですよ。非課税者も当然対象ですねということを念を押したいんですけれども。

○松井企画担当部長 はい、対象でございます。

○吉田委員 そうしますと、八十万じゃなくて、分母はもっと広がるわけですよ。その中の、もちろん、資産要件その他をどういうふうに設定するかという問題はありますけれども、そういう点ではもっと、八十万をベースに資産があるか否かで対象者を狭めるのではなくて、もっと、とにかく--住民税、もちろん非課税の人の方が生活的には困窮しているわけですよね。かつ、生活保護を受けないでいる方も相当数いらっしゃるわけですから、そうしたことが真に対象になるようにしていただきたいと思うんです。
 それで、もう一つ、対象にかかわって確認しておきたいんですが、例えば高齢者の場合、高齢者といっても、六十五歳の高齢者と七十五歳の高齢者では違いがあるかもしれませんが、就労意欲を持っている方は、もちろん対象にこの場合はするわけですけれども、幾ら何でも、一定の高齢者になって、あなたは働く気があれば応援するけれども、働く気がないんだったら応援しませんよというのは、これもちょっとおかしいと思うんですが、この生活安定化支援のプログラムでは、高齢者は支援の対象なのか、それとも、自立して就労するという高齢者だけを支援するのか、それはどうなのでしょうか。

○松井企画担当部長 この施策は、生活向上への意欲があって、懸命に努力していながら低所得の状態から抜け出せないという方を対象としており、将来に向けて安定した生活が送れるよう、その第一歩を支える多様な支援策を構築したものでございます。したがいまして、高齢者についても、当然この施策の対象としております。
 例えば、高齢者につきましては、ハローワークにつなげるなど、さらなる意欲を引き出すとともに、必要があれば、その能力向上のために貸付制度を活用するなど、多様な支援策につなげてまいります。

○吉田委員 高齢者も対象とする、しかも、就労だけを前提としているわけではないということだと思うんですよね。ただ、実際上の設計図を見ると、就労というのが到達点になっていますから、こういう矛盾といいますか、ずれが生まれると思うんですが、やはり生活安定化、低所得者対策といえば、もちろん若い方々も深刻なだけではなくて、この間の状況からすれば、高齢者の中というのは非常に深刻な事態が進んでいるわけですから、そういう方々を真に支援するスキームが求められているんだということを強調しておきたいと思います。
 次に、対象事業規模に絡んで最後に問いただしておきたいんですが、具体的な予算が提案されておりますが、当然それには、それぞれの事業ごとに平年度で何人ということが想定されていると思うんですが、例えば、相談を受ける人員は何人ぐらいを想定しているのか、あるいは、何人ぐらいの人に貸し付けを想定しているのか、また、給付事業は何人ぐらいに対象を想定しているのか、平年度でもいいですし、三年間合計でもいいですから、お答えをお願いいたします。

○松井企画担当部長 このプログラムにおきます主な事業といたしましては、区市町村に相談窓口を設置いたします低所得者生活サポート事業、それから、生活困窮者に対して無利子貸付を行います生活サポート特別貸付制度、これは産業労働局が行いますけれども、就労支援を行います低所得者層安定的就業確保支援事業等がございます。
 平成二十年度の予算における対象者数といたしましては、最初の低所得者生活サポート事業が五万七千人、生活サポート特別貸付制度が四万三千人、低所得者層安定的就業確保支援事業が一千九百人となっております。

○吉田委員 果たしてこの規模が適切か否かということが問われていると思います。
 次に、具体的にさらに質問を進めていきたいんですけれども、大きな二つ目でこの点で伺いたいのは、実施主体及び区市町村との協議についてです。
 このプログラムが提案されて、私も、多摩地域あるいは区部の担当部長さんなどの意見を聞きましたけれども、そもそも実施主体を区市町村というふうに想定しておきながら、事前に東京都から共同の検討や協議はなかったということで批判的な意見が出されておりましたし、にもかかわらず区市町村事業にする。しかも、三年で打ち切るということになれば、三年後の責任が区市町村の責任になってしまうというふうな意見が出されました。
 結果的には、その後聞きましたら、プログラム発表以降、東京都と区市町村のそれぞれ担当部長さんなりによる検討会が始まってきたというふうに聞いておりますが、現時点の到達点として、これはもう区市町村との合意がなければ実施することはできないわけですから、実施主体、実施時期、現時点でどのような到達になっているのでしょうか。

○松井企画担当部長 相談窓口につきましては、都内の全区市町村において整備する必要があるということから、区市町村の代表と都で構成いたします検討会を設けまして、開設に向け準備を行っているところでございます。
 現在、できるだけ早期に実施することを図るということで、八月一日までに実施することを基本とするというような取りまとめが第三回の検討会においてなされております。
 実施主体は、窓口につきましては委託事業ということでございます。

○吉田委員 この点に絡んで、例えば低所得者の自立支援事業ということは、具体的には、区市町村の福祉事務所のワーカーさんたちが現場で取り組んでいることなんですよね。しかも、例えば、プログラムの中に、高校あるいは大学進学のための塾に対する一定の経済的支援などということも出されていますが、例えば板橋区では、生活保護世帯と他の世帯とで全日制高校の進学率を見ると、生活保護世帯の進学率がやはり確実に低い。そのことを補うためには、通常の中学校での学習だけではなくて、塾に通うということがどうしても不可欠だということで、板橋区では、何年か前だと思うんですが、高校受験の塾代を生活保護の自立支援プログラムとして支給するという事業が展開されていますよね。
 これは一例ですけれども、そうした世帯の状況によってさまざまな自立支援プログラムがつくられて、しかも、そのことが板橋区と首都大学の共同研究として、マニュアルが厚い本になって発行されていますね。私は、単に手続的な問題だけではなく、内容についても、区市町村のこの間のノウハウなどを大いに調査し、また、そういう方々の協力を得て、このプログラムをより現実に即したものにしていく必要があると思うんですが、そういう点はどうですか。

○永田生活福祉部長 児童の育成支援に関する施策につきましては、今、委員からもいろいろお話がございましたが、そういう事例も含めまして、現在、区市町村の代表と都で構成する検討会におきまして、区市町村の意見を聞きながら鋭意検討を行っているところでございます。

○吉田委員 次に、事業の内容に即して若干質問いたします。
 まず、この事業は、窓口として相談事業ということになっています。この点についても、私、区市町村の担当の方から問題提起を受けたんですが、例えば、本当に自立まで支援をしていくということになれば、それぞれの相談者の経歴や個性や世帯の構成、そうしたことに即した極めて専門的な相談が求められる。また、一回一時間程度の相談ではなく、状況によっては、繰り返し反復で相談を受けなければならない。したがって、例えば予約制か何かにしない限り、この処理を、さばくことはできないんじゃないかということですとか、就労まで支援していくということになれば、反復的な相談をしなければならない。
 しかし、区市町村には、例えば就労支援の相談に乗るというふうなことは、経験的にはノウハウがないし、人材的にもないという意味では、簡単に相談というふうにいいますけれども、どういう体制でやるのか。例えばそのマニュアルをどうするのかとか、非常に解決しなければならない課題があると思うんですが、こういう点はどのように現時点で検討、準備がされているのでしょうか。

○永田生活福祉部長 区市町村に設置いたします相談窓口におきましては、丁寧な聞き取りによって、一人一人の生活状況や就労状況などを的確に把握するとともに、必要な支援策につなげていくものでございます。必要に応じまして窓口担当者の方から支援対象者へ連絡するなど、きめ細かなアフターフォローを行い、生活の安定へとつないでいくことが重要と考えております。具体的な内容につきましては、現在、区市町村と検討を詰めているところでございます。
 区市町村に設置する相談窓口におきましては、相談員が、所得が一定水準以下であるなどの対象条件とともに、生活安定に向けた意欲を確認し、都の就労支援窓口や東京都社会福祉協議会が行う貸し付けなど、必要な支援策につなげていくこととしております。
 このため、都は、対象者や事務の流れなどを示した相談事務マニュアルを整備するとともに、相談員の資質向上に向けて必要な研修を実施するなど、区市町村と緊密に連携しながら円滑な事業実施を図ってまいります。

○吉田委員 相談の次の事業が貸付制度なんですけれども、二点まとめて質問いたします。
 貸付制度は何種類かありますが、一つは上限額が六十万、もう一つは上限額が五十万。これが果たして十分か否かということも検討課題としてあると思いますし、問題は、返済猶予期間がどのぐらいなのか。さらに、返済期間はいつまでで設定しているのか。例えば、努力はしたけれども最終的に就労に結びつかなかった、あるいは、正規雇用じゃなくて非正規で非常に処遇が低かったというふうなことというのは当然あり得るわけですよね。そうした場合に、返済が極めて困難になる、返済条件に合わなくなるというふうなケースがあると思うんですが、そうしたことも含めて検討しているのかどうかというのが一点目。
 もう一つは、この対象の方が生活保護受給対象の収入だということになれば、貸付制度を否定するわけじゃありませんが、本人の意思も含めてですけれども、生活保護を受給する、そして、安心して暮らしながら訓練に臨む、就業条件を確保することに臨むということがあると思うんですが、プログラムの中には、必要な方にはきちんと生活保護を案内し、それが利用できるようにするという旨のものが、いただいている文章にはないんですけれども、その点はどうなっているのかということをあわせてご答弁お願いいたします。

○永田生活福祉部長 まず、生活資金無利子貸付金のことでございますけれども、この上限額は六十万円でございます。離職者の支援資金や緊急小口資金等を参考にいたしまして月十万円、また、雇用保険の給付日数を参考に六カ月としてございます。就職等の一時金の無利子貸付金につきましては、上限額が五十万円。既存の生活福祉資金の転宅資金や就職支度資金の貸付限度額を参考に設定をしたところでございます。
 また、貸し付けの返済猶予や、あるいは返済期間の延長のお話をいただきましたけれども、現在、この制度の詳細につきましては、区市町村等も含めて検討を行っているところでございますが、この制度は、生活向上への意欲のある方に対しまして、生活資金等の貸し付けによって安定した生活及び就労の促進を図るものでありますので、基本的に長期の据置期間や返済期間を設定する考えはございません。
 また、二点目の生活保護との関係でございますけれども、プログラムの対象者につきましては、都民税減税の対象者を基本としておりますために、その所得水準につきましては、生活保護の対象となる程度の収入の方々としております。生活保護の対象となる収入の方々に対しましては、必要に応じて生活保護を含む関係施策へつなげていくなど、適切な支援を行うこととしてございます。
 また、こうした方々の中には、生活保護を受給するまでに至らないよう、懸命に努力をして生活を維持していらっしゃる方も多く存在しているというふうに考えられます。このような方々に対しまして、生活保護受給に至らないよう、一人一人の実情に応じた多様な支援を行ってまいります。

○吉田委員 今、生活保護に至らない以前の段階で多様な支援ということをいわれました。我々も、すべて生活保護一本ということで強調しているわけではありませんし、厚生委員会に付託されませんでしたけれども、今度の定例会に生活応援家賃条例案というものを提案したのも、収入が低い方イコールすべてが貧困とも必ずしもいえません。収入が低いだけじゃなくて、その上、例えば、家がなくて民間借家で月々七万、八万、あるいは世帯だったら十万の家賃がかかるというふうなことによって、ますます深刻な事態に追いやられている方々がいらっしゃるわけですから、せめて家賃だけでももうちょっと軽くならないか。都営住宅に何としても入りたいというふうに思っている方というのは非常に大勢いるわけですよね。
 しかし、残念ながら、今の状況では、都営住宅に入る方というのは極めて限られるという状況がありますから、私どもはそういう意味で、例えば私たちの今度の提案は、一万円と一万五千円という金額的にはわずかなんですけれども、そういうようなことも含めて、貸付制度だけではなくて、支援策をより拡充して検討していくことが求められていると思いますし、貸付金についても、先ほど十万で六十万というお話がありましたが、十万というのは生活保護の支給額よりも低いわけですよね、単身で考えてみても。家賃額も含めれば。これでは、私は本当に実情にかなっているのかなということを思いますけれども、区市町村と具体的な点を詰めているところだというお話がありましたから、ぜひ真に低所得者の方々に対するかみ合った制度となるように拡充を求めて、私の質問を終わります。

○野島委員 大きくは二つの事柄についてお尋ねをしたいと思います。
 最初に、障害者福祉施設の設置促進に向けた支援策についてお伺いをいたします。
 障害者の地域での生活を支援する上で不可欠なグループホームなどの居住の場、あるいは日中活動の場の設置促進を図るために、東京都はかねてから計画的に整備目標を掲げ、その達成に向けた努力を続けてきておる、このように認識をいたしております。
 特に、昨年策定した障害者自立支援法に基づく東京都障害者計画、東京都障害福祉計画では、平成十八年度からの障害者地域生活支援・就労促進三か年プランで示した障害者の各種地域生活基盤の整備目標を一層拡充した目標数値を掲げており、財政面でも、プランに沿った基盤整備事業に対しては、従来の基盤整備費補助に関して、設置者負担の二分の一についても特別に助成する対策を講じておりまして、そういう積極的な取り組みは大いに評価を申し上げるところでございます。
 そうした特別な措置を講じつつ、障害者の地域生活基盤の整備促進に努めていることは評価するわけでありますが、それでも、事業者にとっては施設整備用地の取得は大きな負担になっているというのが、私、いろんなご相談事を受けたり、いろいろ聞いてくる範囲では、そんな話が聞こえてくる感がいたします。どのような課題がここにあるのかというようなことについて、冒頭お伺いしておきたいと思います。

○松浦障害者施策推進部長 課題でございますけれども、事業者が新規に土地を取得し、建物を創設して事業を開始しようとする場合、特に大都市東京におきましては、地価が高く、事業者の負担が大きいと考えております。
 とりわけ施設整備費の国庫補助を受ける場合には、前年度に申請が必要であることから、着工の一年以上前の時点で用地を先行取得するか、確実に用地取得が可能であることが明らかになっていることが必要でございまして、事業者にとりましては、少なからず負担になっているというふうに認識してございます。

○野島委員 今ご答弁いただいたとおり、東京は非常に地価が高いという価格の問題が一点。
 それから、加えて、私、適地が少ないんじゃないかと思うんですね。それは施設の規模にもよりますし、施設設置をしてどんな事業をするかにもよりますけれども、私は、東京というのはなかなか土地が遊んでいないと思うんです。そういうことで適地が少ないということ。
 それから、当然、用地を取得するには相手方がおりますよね。そうしますと、地主さんが、いつでもいいですよ、好きなときに好きな価格でなんて、こんな世の中じゃないですし、不動産の流通市場に出た物件を取得しようとなりますと、買おうと思って、そこに土地があったのが、相手がほかに売っちゃったよということ、あるいは、価格をとって、そのときの、いや、もうちょっと高く売れるんじゃないかとか、安くなきゃ売れないよとか、まあ、安い分には構わないんですが、そういう意味では、極めて購入の場合の価格と相手先の安定性に欠けるんじゃないかというふうな要件も一つ加わるわけでございます。
 そこで、東京都では、未利用の都有地を活用した福祉インフラ整備というのを実施しているわけでございます。これを見ますと、さきの予算特別委員会で我が党の三原議員も質疑を行ったところでありますが、この事業に基づく都有地の賃借料については五〇%の減免措置がとられているということで、これのご努力ということで高く評価をしたいと思います。
 その五〇%を九〇にしろとか、もっと減免率を上げてくれとかいう話はここではいたしません。要は、ここは都有地なので相手が確定するんですよね、東京都ということで。それで、さっき申し上げました安定性、購入なり利用するときの安定性が確保される。それから、賃借料、あれは保証金か何かを払う形になっているのかな。価格変動リスクというのは、僕はそんなにないと思うんだよね、賃借料ですから。不動産を所有権で買うよりも、価格リスクはそんなにないというふうに思うんですね。そうしますと、やる方は、資金計画の安定性がここで出てくるわけです。私は、そういう意味でこれは高く評価をしているんです。
 そこで、そのことはそのこととして、障害者施設を整備する用地取得に関する支援というのはどのような対策を講じているのか、お伺いしておきたいと思います。

○松浦障害者施策推進部長 対策でございますが、障害者施設の設置促進を図るために、施設を整備する社会福祉法人に対しまして用地取得資金を貸し付けることを目的としました事業に障害者施設用地取得費貸付事業がございます。この事業では、基準の用地取得費の三分の二の償還に要する費用を都が補助するものでございます。

○野島委員 今、答弁いただきましたように、三分の二を補助しますということは、三分の一は自分でちゃんと用意してよ、こういうことでいいんですよね。
 答弁によりまして、障害者の地域生活を支え、促進する基盤整備に関する都の支援の手厚さ、これは十分理解できますし、高く評価できるものだというふうに思いますが、今までお話を申し上げましたところで課題として残るのが、土地を取得するための法人負担分というのは当然あるわけでありますが、その資金調達。それと、民間で求めていきましょうよと、東京都の土地とかなんとかじゃなくして。あるいは、市区町村がただで貸してくれれば、それはそれでいいわけですけれども、民間で取得していくには、さっきの条件といいましょうか、要件がさまざまな困難として降りかかってくるんですね。そんなところがあると思うんですね。それから、あと一つは、さっきの答弁にありましたように、新たに土地を取得して整備する場合の問題として、実際に事業を開始する一年前、二年前に用地の取得が担保されていないと上物整備費の手続に入れない、こういう課題もあるやに伺いました。
 そういうふうに概括してみますと、公的な土地活用の道筋が確定している、あるいは、財政力のある大規模法人で、土地の手当ても自前でできる、あるいは、篤志家や理解のある地主さんに出会って、いいよ、いつでも、必ず提供するからと、こういうことがないと、なかなか困難だろうということが浮き彫りになるわけですね。そうした環境でありますので、地域福祉の充実というこういう志を抱きつつ、大変な苦労をなさっているというのが私は現場だろうというふうに思うんです。
 そんなことで、成功事例を幾つか話してみたいと思うんですね。
 私の近くに知的障害者の生活訓練寮があるんですよ。これは新設法人で立ち上げたんです。実はそのとき、私、理事になってくれと頼まれたんです。しかし、バッジが理事になると、その法人がいささか、その人たちと強いつながりがあるからということで、あなた方の法人運営にプラスにならぬということでお断わりしたんです。お断わりしたんですが、そうはいわずに、地域に住む一人としてといわれたものだから、まあ、そこまでいってもということで、新設法人ですから、設立の段階から施設の完成までは、じゃ、私は理事を拝命しましょう、その後はやめますからという前提で僕は理事になって、準備段階から進めてきたんですね。
 そのときの用地担保の最大の特徴は、篤志家が土地をある程度提供してくれたんです。この篤志家というのは、都政にかかわる方であれば、名前をいえばわかりますが、昭和四十年前後に都政のナンバーツーかナンバースリーだった方のご遺族なんです。ご遺族ですから、亡くなったナンバーツー、ナンバースリーの方も大変福祉に理解があって、そういう気持ちも受けて寄附してくれたんですね、土地を。現物出資。それから、その方の遺族も多額の寄附をしてくれた。まず、これが一つ。
 それから、その過程の中で、実は隣に土地があったんです。ここは生活訓練寮ですから、基本的には通過施設ですよね。そうすると、そこに寄附をして、その寮をつくろうじゃないかというふうに寄附する人が、それはそれでいいんだけれども、ついの住まいとしてのグループホームも一緒にできないだろうかという要望があったんです。
 たまたまそのときに、その隣の土地の所有者が亡くなっちゃった。それで話をしたんですね。そうしたら、またこの方も大変いい方でした。その遺族の方、名前をいえばすぐわかりますけれども、スポーツアナウンサーとして高名をはせた方です。その方が、私の先代はそこで大変皆さんにお世話になりました、亡くなってその資産を受け継いだわけだけれども、ぜひ地域に還元をしたい、そういう社会福祉施設は大変すばらしい、ただ、私も相続税の支払いをしなきゃいけない、だから、私の相続税が払える、その程度の価格でいいですよという話なんです。そうすると、価格がごんと落ちるんですね。あと、時期はと。これからつくって、銭を調達しなきゃいけないわけですから。時期については、私の相続税の納期限までに買ってくれればいいですよと、こういうことでまとまったんです。
 さっき適地の問題を申し上げましたけれども、大体、いろんな施設をつくりますと反対運動も起きるんですよ。これは住宅地の真ん中だけれども、反対運動は起きなかったんです。そういういい人が住んでいるんですね、私も含めて。それで、反対運動も懸念されたんですが、地域の方の理解もあってこれもクリアした。
 こういう中でスタートいたしまして、無事に完成を見まして、僕はその後、立ち上がったので理事をやめちゃったんですが、隣に、またグループホームも当初予定どおりできています。事業運営主体がどうなっているのか、ちょっとよくわからないですが、ともかく、当初の寄附をしてつくろうと売った人の思いがここで完結したんですね。これが成功事例。
 それから、これは何年か前です。困難事例を成功事例に導いたというのがあるんですね。
 緊急整備三カ年計画か何かをもって、こういう施設の申請をどんどんしてくださいという時期がありましたよね。ところが、国の方は施設整備費をどんと切ってきちゃったんです。出してください、緊急整備ですからといいながら、国が切っちゃって、結果、その年は、採択、国補助は四件ぐらいしかなかったんじゃないかと思うんだよね。
 そのときに採択になったのは、さっきいったタイムラグがありますから、用地の確保の確実性がなければだめですよということになりますから、うちはあの土地を公のところから借りることになっていますとか、公のところからあの土地を取得することになっています、既に取得しています、こういう部分しか採択にならないんです。ほかの法人は、これから蓋然性は高いけれども、まだ用地担保が不確実だということになりますと、はねられちゃうわけですよね。そんな経過なんです。
 では、それがどうなったかといいますと、実はそのときに、現安藤局長がたしか主計部長だったと僕は理解をしているんですが、国補助が切られた分を、東京都と区市町村で丸々抱えてこれをやっちゃおうというご英断をいただいたような気がするんですが、違ったら別にいいですよ、答弁はね。まあ、そんな事情があります。
 いわば、成功事例というのはそういうことですよと。困難事例というのは、その段階で整備の国庫補助が当てにならない、したがって、用地の蓋然性がある、担保の蓋然性があるんだけれどもだめになってしまった、こういう事例もあります。
 そんなことで考えてみますと、こういうふうに、社会福祉法人などが施設整備をするに当たって、土地の取得費の一部を当然のことながら寄附に頼るということはよくある話でございます。障害者の保護者やご家族は、子どもたちが生活活動などの社会参加を通じて、地域での喜びを感じられる日々が送られるようにできればということで、少なくない額の寄附を出して施設整備に充てていこう、こういう気持ちもあるわけでございます。
 一方、今申し上げましたように、土地の確保をしたからといって、施設整備の公的補助が確定しないことによりまして、金を出して土地を確保したけれども、上物整備はついてこなかったら確保した土地はどうするの、改めて売るんですか、事業をやめちゃってと、そういうためらいもあるんですね。
 それから、後ほど申し上げる予定なんですが、そういう方たちは、例えば生活訓練寮がありますよね。そこに寄附をして、それから、その出口ベースで、私が亡くなった後、この子たちのついの住まいをどう確保していくのと。そうすると、やっぱりグループホームも必要だという、さっきの事例と同じような期待感を持つわけですね。しかし、お金には限りがありますから、こちらの施設整備にお金を使うより、こちらのグループホームの方に私は寄附をさせていただこうかという、こういうためらいといいましょうか、ハンディキャップをしょうお子さんを持つ親の立場としては、僕は当然の気持ちが出てくるというふうに思ってございます。
 また、今いったようなことで、生活を支える場のグループホーム、こういったものも、ある意味では大変重要だということをここでお話ししたわけであります。グループホームやケアホームの整備促進については、都は国に先駆けた整備費補助を実施し、その設置促進にも大変な力を注いできているということについては大変ありがたく思っております。国はようやく来年度から整備補助事業の対象とすることになるわけでありますが、今後もぜひこういう施策を進めていかなきゃいけないだろう。私ども自由民主党も、国に積極的に皆さんと一緒に働きかけていきたいというふうに思うんです。
 それで、実は、そんないろんなことから、障害者のための基盤整備を促進するためには、直接的な補助や都有地の活用促進ばかり、ばかりというのは、そこだけじゃなくしてという意味ですよ。多くの関係者の意思、今まで申し上げたいろんな意思、気持ち、それから、現実の問題としての単年度補助だとか、国費だとか都費だとか、あるいは社会福祉法人法もある。さまざまな部分があるんですが、そんなものをうまく活用できないかなというふうに思っているんです。
 それで、委員長さんに既に許可をとっていただいているんですが、これを配布していただけますか。委員さんと関係のところでいいですから。
   〔資料配布〕
 かち委員さんのは資料でございました。私のはメモでございます。精度の低さゆえでございます。と同時に、後で回収をさせていただきます。なぜかというと、こういう精度の低いメモで質疑をしている程度の都議会議員かといわれますと、僕、来年、選挙を多分控えているんです。票を減らしちゃいますから、これは後で回収してください。その上で、どうしてもという人は有償配布いたしますので、お申し出をいただきたいと思ってございます。
 一考察ということで括弧してありますが、整理しますと、さっきの、高い地価、適地の少なさ、購入先の不確実性、要するに相手のある話等の事情と建物整備との関係から用地の先行取得が施設整備の第一歩、このことは確認できたというふうに思ってございます。
 その上で、用地費の組成は、法人の自己資金と国補助、都補助、区市町村補助、こういう枠組みはあるというふうに理解をしています。それは、どういう施設整備をするか、対象によってもこれは変わってくるでしょうし、区市町村が補助を出せるケース、出せないケース、いろいろありますが、制度としてはそういうことです。
 そこで、法人自己資金の組成、法人の自己資金はどうやって組み立てているのかなということになりますと、一つは内部留保というのがございます。ただ、現実問題として、社会福祉法人で莫大な内部留保があるよというケースを、余り僕、聞いたことないです。それから借入金。その後の事業の関係で、いわば基盤の安定性というのは社会福祉事業の最低限の、最低限というか一番の土台ですから、これとてそんなに期待はできないだろう。不可能ということじゃないですよ、現にあるわけですから。さっきの話でね。それから、あとは寄附金ですね、要するに法人に対する寄附。こういうふうな三つが大体あるなと思っているんです。
 寄附の源泉は、仮に篤志家を甲、施設利用者を乙、施設利用者の保護者を丙といたします。この三者を寄附の源泉者というふうにいたします。そうしますと、その下の--僕は昔から、文章を書いたり、図工とか、そういうのがいつも一か二だったので、この程度のことしか書けないんだけれども、寄附者甲はいわば篤志家ですから、さっきいった、どうぞ施設整備に使ってくださいよ、こういうことでございます。内部留保金も自由に使えるということでございますから、これを仮に一類資金とします。この一類資金がそのまま施設用地費に入ることは何ら問題はないんですね、当然それを予測しているわけですから。
 次に、乙、丙の網かけの部分、これはさっきいいました、自分の生涯設計の中で、この施設ならぜひ寄附をして利用者になりたいという人もいるんですよ、現実に。丙の場合もそうであります。この部分というのは、実は、そのまま甲と同じ扱いをして施設整備用地に持っていっちゃいますと、そういう生涯設計の中で渡りができないんですよ、寄附金の。寄附金ですから、いろんな制約をかけちゃいけないというのは当たり前の話なんです。当たり前の話ですが、現実問題としてどうかという視点に立たなければこれは成り立たないので、仮にこれを二類資金とします。そうすると、そっちに入れないわけですね。縛りをかけた寄附というのはないんですよ、基本的には。だけれども、そっちに入れないとなるならば、これを、ある意味では、ある種の貸付金になっちゃうんですかね。その辺が悩ましいところなんですが、これを信託財産化したらどうかと思うんです。そのことが可能かどうかということは後ほど触れてみたいと思います。
 信託財産化をしまして、これによって、よってという言葉を使っているのは、実は、この辺、大変悩ましいいろんな金融制度設計上の問題があるので、僕もよくわからないんです。だから、よってという言葉しか使いようがないんですが、信託財産化をすることによって融資を受けますよ、こういうことであります。
 融資を受けますと、それを今度、ずっといきまして、網かけのない乙、丙に入っちゃうんですね。同一人物なんですよ。網かけのない乙、丙に入っちゃうんです。その網かけのない乙、丙に入りますと、今度は寄附金として一類資金にしちゃおうと。これを基金の活用というのか、マネーロンダリングというのか、この辺は大変悩ましい問題が一部あるんですよ。しかし、そういうことによって一類資金として施設用地費に入る、こういうことであります。
 それで、返済が始まりますよね。返済が始まるんですが、たくさんお金を持っている人はいいですよ。しかし、現実問題として、それだったら何も悩まないですよね。だから、この返済は元本を返さない返済にする。利払いのみですよという返済にしたいというふうに思うんです。
 そうすると、そういうスキームをつくりました、しかし、今いろいろ申し上げましたように、課題も幾つかあるんですね。なぜという部分はさっき話をいたしました。
 具体的に、法人内部にこういう二類基金を造成するようなことを社会福祉事業の会計法上予測しているのかどうかというと、私、全く自信がないんです。内部留保で事業運営資金というのは持っていますよ。だけれども、これはある種、この後申し上げますが、さっき申し上げました、ある段階で戻しますよというふうな約束をしなければこのスキームは成り立たない。したがって、その予測をしているかどうかということが極めてわからない、私は。今の段階で。
 これを信託財産として金融機関に預託できるかという、こういうことに次になるんです。仮に法的には可能ですよといっても、実は信託財産の運用というのは、ボリュームがないと信託銀行は受けないんですよ。コスト高になっちゃって割り込んじゃうんです。それと、信託業務というのは手数料でもうけているんですよ、あれ、ファイナンスの。何とかプランナーとかなんとかがいろんなプランを書いて、それでもうけているものだから、基金もある程度そちらに手数料として流れるわけですよね。それと、今申し上げましたような、預託を受けても、正直なところ、信託というのは大金持ちしか相手にしないというのが実情なんです。でないと業務が成り立たないという基本的な業の持つ性格があるわけであります。
 したがって、そこが可能だということになれば、もっと大きなファンドで信託しちゃえばいいので、何も一法人とかに限らず、オール東京のこういう事業を目指している人たちの一つのファンドを組成しちゃう。それは東京都社会福祉協議会がやってもいいな、一枚かませることによって運営が可能になるのかなというふうに思っております。
 ただ、ここで問題は、さっきの法人の会計制度が予測しているのかどうかと同時に、こうした管理権、処分権の問題と、あとは、さっき戻すという話をしました。基金として預かっておいて、利払いだけやっておいてください、施設利用をしなくなったら、あるいは皆さんがグループホームならいいよというときは、そっちのところに回すように基金から払い戻しをしますよということに相なりますと、どういうことになるか。実態としては、これ、実は利用権の売買なんですよね。形式上は基金拠出者の入れかえですよ。基金は匿名組合か、あれ。まあ、その辺はいいんだけれども、形式上は基金拠出者が入れかわるんですよ。だけれども、実態としては利用権の売買なんですね。そうすると、社会福祉法人という公益団体がこういうことをやっていいのかという批判は、特にこの辺から、どこを指しているかは別に、大きな指摘が出てくるだろうと思うんですね。
 それから、仮に、さっきいった、法的にそれを信託財産にできない、だったら、信託銀行が直接業務でそういうことをやればいいんじゃないかというのが一つ出てくるわけですね。ところが、これもやりますと、社会福祉事業を利潤の対象にしている、こういう批判も出てきちゃうという悩ましい問題があるわけであります。
 そんなことで、いろいろ書いてみたんですが、さまざまに課題があるということについては今申し上げたとおりでございます。したがって、今いったことをべらべらしゃべっていてもよくわからないでしょう。だから、一応メモ程度で、これでもよくわからないんですよ。いっているおれがよくわからないんだから、余計わからないので、メモ程度にしたためましたので、ひとつご高覧をいただければというふうに思うんです。
 そこで、何でこんな話を持ち出したかということであります。施設整備に当たって、今までと違った新しい形のものを考えていかなければ、なかなか物は進まぬではないですか、こういう大前提であります。
 実は、この金融機関の囲みの中に、銀行、信金、信組、信託銀行と書いてあるんです。信託業務と金融業務、決済業務、与信業務、それから、ふ卵器業務、この三つを持つ銀行があるわけですね。新銀行東京は、実は、BNPパリバ、この信託銀行を母体として設立された銀行でありますから、信託併営が可能なんですよ。だから、金融機関と書いてありますが、このうちに、銀行に「・」をして、信託銀行じゃなくして信託部門というふうになりますと、新銀行東京の事業スキームとして検討する余地はあるだろうというふうには思うんです。そんなことで実はお話をしてきました。
 具体的に、この項目どうなの、この項目どうなのというお話を、質疑にしても、所管局じゃないですから、イエスです、ノーですと、これもなかなか難しい話ですから、委員長、まことに申しわけありませんが、質疑にわたらず、何か一方的な話になっていますが、それはそれでご了解ください。
 そんなことで、ぜひこういったふうなことを考えていただきたいということと、知事が新銀行東京の再建に向けて、東京の持つポテンシャル--逆にいいかえれば、東京都がこれからやらなければいけない福祉だとか環境、そしてまた、事業体としては中小事業者を支援していきますよ、こういう施策、新銀行東京を設立した志に立ち返ってこういうふうな事業展開をしていくと、都民の理解は極めて高まるだろうし、そのことによって都の喫緊の福祉施策--環境でも、実は私ども、この新銀行東京を利用した事業スキームというのを質疑しているんです。それから、産労でもしているんですね。多分しています。
 だから、そういうことで、局間の壁を取り払ってということも大事でありますが、そういうさまざまな局に与えられている都政の中の課題を積極的に福祉局のマターの中からも発信して、それを連携しながら実現していくような、そういうふうな形のものを、質疑じゃないんです、ぜひお願いをしていきたい、こういうことでございます。
 こんなことを最後に要望して、もし何かあれば、お答えをいただければ、これにすぐる喜びはございません。
 以上です。

○安藤福祉保健局長 野島理事から、過去のキャリアも踏まえた大変専門的なものをいただきまして、メモということですので、メモをしちゃいましたので、これは私の手元に置かせていただいて、かつ社会福祉法人の関連で申し上げますと、私どもが所管をしておりますので、銀行のことは直接いう立場にございませんので、施設の整備に当たって土地の手当てが大変だということで、私ども、都有地の活用等も積極的に進めるところであります。
 メモということでいただきましたので、私どもの所管する立場でどのようなことがこの中に含まれているのか、ひとつ勉強させていただきたいと思います。
 以上です。

○野上委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○野上委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で福祉保健局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後六時十分散会

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