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Tokyo Metropolitan Assembly

厚生委員会速記録第八号

平成十九年六月二十二日(金曜日)
第七委員会室
   午後一時二分開議
 出席委員 十四名
委員長長橋 桂一君
副委員長かち佳代子君
副委員長山加 朱美君
理事谷村 孝彦君
理事増子 博樹君
理事野島 善司君
伊藤 興一君
山口 文江君
田代ひろし君
いのつめまさみ君
大塚たかあき君
野村 有信君
佐藤 裕彦君
吉田 信夫君

 欠席委員 なし

 出席説明員
福祉保健局局長安藤 立美君
次長関  敏樹君
技監梶山 純一君
総務部長杉村 栄一君
指導監査部長梶原 秀起君
医療政策部長細川えみ子君
保健政策部長清宮眞知子君
生活福祉部長永田  元君
高齢社会対策部長狩野 信夫君
少子社会対策部長吉岡 則重君
障害者施策推進部長松浦 和利君
健康安全室長桜山 豊夫君
企画担当部長松井多美雄君
施設調整担当部長宮垣豊美子君
参事蒲谷 繁夫君
参事吉井栄一郎君
参事住友眞佐美君
参事芦田 真吾君
参事松原 定雄君
参事菊本 弘次君
参事金丸 陽子君
参事奥澤 康司君
参事月川由紀子君
病院経営本部本部長秋山 俊行君
経営企画部長及川 繁巳君
サービス推進部長都留 佳苗君
参事黒田 祥之君

本日の会議に付した事件
 意見書について
 福祉保健局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百四十六号議案 東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例
・第百四十七号議案 東京都女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例
 病院経営本部関係
報告事項(質疑)
・「がん・感染症医療センター(仮称)整備運営事業」に係る落札者の決定について
・「精神医療センター(仮称)整備運営事業」のPFI事業としての実施について

○長橋委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、意見書七件を提出したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件については、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○長橋委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○長橋委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、福祉保健局関係の付託議案の審査並びに病院経営本部関係の報告事項に対する質疑を行います。
 これより福祉保健局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第百四十六号議案及び第百四十七号議案を一括して議題といたします。
 本案につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 要求資料について理事者の説明を求めます。

○杉村総務部長 過日の厚生委員会でご要求のありました資料につきまして、お手元の厚生委員会要求資料にまとめてございますので、ご説明申し上げます。
 資料は、目次にございますように、全部で二項目となっております。
 まず、一ページをお開き願います。介護サービス情報の公表に係る調査手数料の状況といたしまして、(1)は、これまでの調査手数料額及び実績数を対象サービス種別ごとに記載してございます。
 また、(2)は、調査手数料額算出根拠を記載してございます。
 二ページをお開き願います。平成十九年度に追加する介護サービス情報の公表に係る都道府県別の調査手数料額といたしまして、都道府県ごとに、新たに追加する情報調査手数料の額を記載してございます。
 以上、大変簡単ではございますが、ご要求のありました資料につきましてご説明申し上げました。よろしくお願い申し上げます。

○長橋委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより付託議案に対する質疑を一括して行います。
 発言を願います。

○山加委員 私からは、第百四十六号議案、本定例会に提案されております東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例について伺わせていただきます。
 今回の条例案は、福祉保健局の定める手数料のうち、介護サービスの情報公表について、今年度新たに対象となる訪問リハビリテーションなど三サービスについて規定をするものでありますが、この介護サービス情報の公表制度は、昨年四月の改正介護保険法の施行により創設されたものであります。
 先ほどの資料の説明にもありましたが、この実績数、昨年度は七千を超える事業所がこの調査を受けているわけでありますが、そこでまず、改めてこの介護サービス情報の公表制度の目的と意義について、最初に伺わせていただきます。

○狩野高齢社会対策部長 介護サービス情報の公表制度の目的と意義についてでございますけれども、お話のとおり、本制度は、介護保険法の改正に伴いまして昨年四月に導入されたものでございます。
 その目的は、サービスの質の確保と向上を図ることにより、利用者がサービスを適切に選択できるよう支援することでございます。
 また、介護サービス事業者から見れば、自主的な努力をみずから公表し、より適切な事業者として利用者から選ばれることを通じて、サービスの質の向上につながるものでございます。
 こうした点から、本制度は、介護サービスの質の向上を図る上で、サービスの利用者と提供者、両者にとって大変重要なものであると考えております。

○山加委員 今ご答弁にもございましたけれども、この制度はサービスの質の確保と向上という視点に基づき導入されたものであり、大変重要な仕組みであることについては、私も全く同感であります。
 もとより、介護保険制度におけるサービス利用は、利用者と事業者との契約に基づくものであることから、契約の当事者は対等の関係でなければならないと考えます。そこでクローズアップされるのは、従来から消費者契約などにおいて指摘されておりました当事者間における情報量の差、つまり情報の非対称性の問題であります。介護サービスにおいては、事業者には多くの情報量があります。しかし、一方で、利用者にはほとんど情報がありません。持てないといった方がよろしいでしょうか。
 こうした中で昨年導入された介護サービス情報の公表制度は、利用者がみずからの価値観に基づいて自分に合ったサービスを選択することにより、多様な事業者間の競争が促進され、また、最終的には介護サービス全体の質の向上が図れることが期待されるわけであります。
 また、本制度は、介護保険制度の基本理念である利用者本位、また利用者による選択など、現実のサービス利用場面において利用者と事業者との対等な関係を実質的に保証するものであります。本制度は、今後の介護保険制度を安定して運営していく上では大変重要なものであります。
 私も実は、実際に地元の事業者情報を試しに検索してみました。ところが、大変情報量が多いんですね。なかなか欲しい情報に行き当たらず、大変歯がゆい思いを持った、そんな感想がございます。
 そこで、この制度の具体的な仕組みがどのようなものなのか、また、制度が始まってちょうど一年たつわけでありますが、利用者や事業者から実際どのような声が上がっているのか、あわせて聞かせていただけたらと思います。

○狩野高齢社会対策部長 まず、介護サービス情報の公表制度の仕組みについてでございますが、公表されます情報の内容や質によりまして、基本情報と調査情報に分かれます。基本情報は、例えば職員体制や利用料金などのいわゆる事実情報で、事業者からの報告内容がそのまま公表されます。調査情報は、サービス提供内容などの記録の有無など、調査員が事業所を直接訪問して確認した上で公表されます。基本情報、調査情報ともに年一回の報告が事業者に義務づけられております。
 なお、公表されます情報につきましては、インターネットで閲覧できます。
 次に、利用者や事業者からの意見についてでありますが、まず、サービスの利用者からの意見としては、公表されている情報が最新の情報ではないという意見や、インターネットの画面構成や操作方法がわかりにくいといった意見、さらに、紙に印刷して打ち出すと大量になるなどの意見がございます。
 一方、一部の事業者からの意見としては、従来行われてきました指導検査や福祉サービス第三者評価制度との違いがわからない、あるいは調査手数料が高額である、あるいは毎年調査を行う必要があるのかといった声がございます。

○山加委員 今聞かせていただきました意見、これは利用者である都民や事業者からの、いずれもこの制度を実際に利用したり、調査を受けたりした上での実感であり、大変貴重な意見であると思います。
 それでは、こうした意見に対する都の見解はどのようなものか、伺わせてください。

○狩野高齢社会対策部長 まず、利用者からの意見でございます、公表されている情報が最新の情報ではないということについては、現行の制度では、年に一回の報告と調査が義務づけられております。なお、先ほど申し上げました基本情報については、事業者からの申し出により随時更新が可能でございます。
 また、調査員が確認する調査情報も変更することがありますので、更新頻度については、利用者の要望も踏まえ、今後検討していく必要があると考えております。
 また、インターネットを利用できる環境にない方への対応やインターネットの画面の構成などについても、利用者の声を参考にしながら、改良の余地があると考えております。
 次に、事業者からの意見に対してでございますが、まず指導検査や第三者評価制度との違いについてでございますが、指導検査につきましては、法令の基準に違反していないかどうかを確認することがその目的でございます。一方、第三者評価制度は、事業者の組織運営とサービスの改善への取り組みを評価するものでございます。これに対しまして、今回の介護サービス情報の公表制度は、実際に事業者が提供しているサービスなどを客観的に調査員が確認し、それを公表するものでございます。
 調査手数料につきましては、サービスの種別ごとの調査事務量に応じた人件費及び旅費を適切に積算し、算出しております。
 なお、事業者からの、毎年調査を行う必要があるのかということにつきましては、利用者からは情報更新の頻度を高くしてほしいという声が一方にあり、今後、費用対効果の観点から、調査情報の確認方法などもあわせ、検討していく必要があると考えております。

○山加委員 事業者、利用者などの意見、そしてまた、それに対する都の意見も伺わせていただきました。
 いずれにしても、昨年は初年度でもあり、利用者や事業者だけでなく、都においても大変手探りの部分もあったことと思います。ですから、現時点で、この制度のいい、悪いを決めるということはまだ早いのかなと。今大事なことは、この制度の真の目的を見失わないことではないかと思います。
 この制度は、利用者だけでなく、事業者側にとっても、利用者から選ばれるというメリットがあります。介護サービス事業は、個人事業者や中小のNPOなどがサービスを提供する上で大変大きな役割を担っており、そうした中小の事業者では、利用者に対し、みずからのサービス内容やセールスポイントなどについて公表の手段を持てないことが多いわけであります。
 こうした中で、本制度は、事業者が大きい小さい、その大小にかかわらず、同一の環境において公平公正にサービス内容を公表すること、また、小規模の事業者でも、利用者から選択される機会を保障されるものであります。これによって事業所の安定的な経営に資することにもつながり、こうした点を踏まえれば、調査手数料などの経費を事業者が負担することについては、私どもは一定の理解を示すことができます。
 ただし、利用者や事業者からの意見にも先ほどございました、調査のあり方や調査周期、また情報更新の頻度などについては、やはり改良の余地があると考えます。もちろん、この制度は国の設計に基づくものでありますから、都が単独で対応することはできないことも多いと思います。
 そこで、本制度をよりよいものとするために、国に対して提案をしていくことも必要と考えますけれども、いかがでしょうか。

○狩野高齢社会対策部長 東京都はこれまでも、他の道府県とともに、国に対しまして、情報公表システムのインターネットの画面構成などの改修を行うよう要望してまいりました。
 今後は、ご指摘を踏まえ、本制度の見直しに向け、利用者や事業者等の意見を聞きながら、調査情報を確認するための実地調査について、毎年行うこととされている調査周期や確認方法のあり方などを国に対し提案、要求してまいります。

○山加委員 どうか、国に対していうべきことはしっかりといっていただきたいと思います。
 繰り返しになりますけれども、この制度は、始まってからまだ一年しかたっておりません。今大事なことは、制度をしっかりと普及、定着させ、利用者と事業者双方にとってよりよい仕組みとすることであります。
 この制度が介護サービスの質の向上、そしてまた質の確保につながり、努力している事業者が真に報われ、そしてまた、利用者がみずからサービスを選択して、自立できるためになくてはならない仕組みとなるよう切に希望して、質問を終わります。ありがとうございました。

○伊藤委員 私からは、女性福祉資金制度につきまして、二点質問をさせていただきます。
 東京都女性福祉資金制度は、女性の方々が経済的に自立して安定した生活を送るために必要とする資金をお貸しする制度でございます。今回の制度改正は、国の母子及び寡婦福祉法施行令の一部改正に準じた改正であると伺っております。
 女性福祉資金制度は、国の寡婦福祉資金制度を拡大した独自の制度であるということですけれども、都が単独で制度を設けている意義について伺います。

○吉岡少子社会対策部長 母子及び寡婦福祉法に基づく国の福祉資金貸付制度は、母子福祉資金制度と寡婦福祉資金制度となっておりまして、都が単独で拡大しておりますのは寡婦福祉資金制度でございます。
 寡婦福祉資金制度は、寡婦等に対し必要な資金を貸し付けることにより、その経済的自立と生活意欲の助長を図ることを目的としておりまして、二十歳以上の子を扶養している配偶者のいない女子及び寡婦などを対象としております。
 一方、都の女性福祉資金制度は、国制度に先駆け、昭和三十三年に開始したものでございまして、国制度では本人のみを貸付対象としている就職支度資金を、子が就職する場合も対象とするなど、国制度よりも対象を広く設定し、より幅広い支援を行う制度としております。

○伊藤委員 都は、独自で国の貸し付けの幅をさらに拡大して、より幅の広い支援を行っているということでございました。生活に困っていらっしゃる方にとっては、大変に意義のある制度だと思います。
 そこで、平成十七年度の貸し付けの実績とその効果を教えていただきたいと思います。

○吉岡少子社会対策部長 平成十七年度の貸付実績とその効果でございますが、平成十七年度の貸付実績は、総額で約八千七百万円でございまして、一件当たりの金額は約五十五万円となっております。
 そのうち八割以上は就学資金についての貸し付けでございまして、この貸付条件は、償還期間二十年、無利子となっております。
 また、貸付実績のうち、前年所得が二百万円以下の方への貸し付けが約六割を占めております。
 これらのことから、経済的自立と生活意欲の助長という制度の目的に照らしまして、女性の自立に有効な施策であるというふうに考えております。

○伊藤委員 ご説明をいただきまして、この制度が、一時的に多額のお金が必要な際に、低所得の女性の方にとってなくてはならない制度であるということがよくわかりました。今後とも制度の適切な運用にご努力をいただきたいと願いまして、質問を終わります。

○かち委員 私からも、情報公開制度の手数料条例の改定について伺います。
 介護保険法が民間にゆだねられている状況のもとで、多種多様な企業が参入してきているわけであり、今後、すべての事業が情報公開の対象となると、都内だけでも一万件近くの事業所になるとも考えられます。こうした中で、利用者あるいは家族の皆さんが適切な情報のもとに選択できるシステム、ひいては全体の介護力量のアップという点からしても、その必要性は認識しているところです。
 しかし、情報公開制度におけるこの料金設定については、昨年もこの委員会で、高過ぎるのではないか、また、大きな企業と零細な企業、一律の徴収という点では考えるべきではないかということを申し上げたところでございます。そういう観点から、何点か具体的にお聞きしたいと思います。
 今回、三つの事業、訪問リハビリテーションと通所リハビリテーション、介護療養医療施設のサービスということで追加されることになりましたけれども、それでは、この実数はそれぞれどのぐらいになるのでしょうか。そしてまた、これを実施するとなると、それに必要な人材養成や、また、その実施主体はどのように展開されるのか、お聞きします。

○狩野高齢社会対策部長 今回追加されます三種類の対象事業者数でございますが、訪問リハビリテーションは六十三カ所、通所リハビリテーションは二百四十カ所、介護療養型医療施設は百十三カ所を予定してございます。
 調査に伴う人材養成でございますけれども、都におきまして調査員研修を行い、養成を図っております。
 また、調査は、二十九の調査機関が実施いたします。
 事業所の具体的な訪問調査は、都の研修を終了しました調査員が二名一組となり、事業所を訪問いたします。

○かち委員 三つの事業、今お聞きしますと、合わせて四百十六の事業所ということになりますね。そういう事業所を調査するという点で、今ある二十九の調査会社が、研修を受けた方々を派遣して調査するということですけれども、それを二十九者で分担すると、一者十三カ所ぐらいふえるということになるかなというふうに思います。ですから、今の調査会社の範囲内でできるということだと思うんですね。
 それでは、資料にも出ておりますけれども、現在行っているこの九事業について、調査会社は、全対象事業所を実質、昨年はどのぐらいの期間をかけて完了したのかという点ではどうでしょうか。

○狩野高齢社会対策部長 平成十八年度に実施いたしました、訪問介護を初めとする調査事業所数は約七千三百カ所でございます。調査に当たりました調査機関は三十一団体であり、訪問調査を行った期間は、平成十八年七月から開始し、平成十九年三月末までに終了してございます。

○かち委員 国の方で決まって、都の議会で議決して、実際にスタートしたのは八月ぐらいからですよね。その八月から調査が始まって、終了が三月末ということですから、半年強で調査事業を終了して公表するということまでできているわけですね。
 七千三百五十八事業所ということですけれども、この事業所を約三十カ所の調査会社が調査する。二人一組で行うということですけれども、ここに出ていますけれども、実績数、それから手数料、総額を計算しますと、全体で約三億円の事業になるわけですね。三億円の事業を三十者で平均して分配しますと、約一千万円の事業収益になる。その中から人件費を算出するわけですけれども、そうしますと、二人一組ということなんですが、ちょっと聞きたいんですけれども、調査は二人一組ですけれども、実際、どのような調査員の処遇待遇になっているのでしょうか。

○狩野高齢社会対策部長 調査を行う調査員は、先ほど申し上げましたように、都の実施する研修を終了し、東京都の調査員名簿に登載された者でございます。訪問調査を行う二名のうち、少なくとも一名は、介護支援専門員またはそれと同等の専門知識を有する者となっております。
 なお、調査員の雇用形態等の問題でございますけれども、これは各調査機関である各会社、団体等の雇用契約に基づいておりますので、雇用形態等については特段の定めはございません。

○かち委員 雇用形態はそれぞれの事業所に任せてあるということなんですけれども、先ほどいいましたように、この事業そのものが大体半年で終了してしまう事業ですから、年間を通して一人のケアマネ待遇の人を雇用するというふうには、とてもならないと思うんですね。ですから、全般的には、一般的にケアマネの臨時採用ということでやっているのが大方だというふうにも聞いております。ケアマネの日当は、一日当たり約一万四千百円ということで、二百日働いたとしても、本当に二百八十万ぐらいにしかならないんですよね。
 調査そのものは人件費そのものですから、そういう意味からしても、そのほか交通費とかいろいろありますけれども、そういうものを加味したとしても、この手数料、料金というのは、精査して見直しをする必要があるというふうに思います。それで(「高くするの」「安いといっているんだよね」と呼ぶ者あり)高いんですよ。(「高くしなきゃ話が……」「そうそう。高くしないと……」と呼ぶ者あり)高いんですよ。どうしてですか。(「おかしいよ。だって、一人一人の人件費が……」と呼ぶ者あり)一千万円にもならないんですよ。半分ぐらいで済むんですから。それに見合った料金設定にするべきだというふうに思うわけです。
 それで、この調査会社というのは三十者ぐらいあるんですけれども、同業者でないことが条件になっています。私も見てみましたら、人材派遣会社だとか建設会社だとか、いろいろな会社が入っていまして、それはそれだろうというふうに思うんですけれども、実際に調査に入る方々というのは、その会社の方ではなくて、みずからもケアマネ事業に携わっていながら、半年ぐらいの仕事ですから、自分の仕事の都合をつけて、そこの仕事に携わるということもあるわけで、そうしますと、同業の中に、同じ立場の人が入っていく。個人情報だとか守秘義務だとかといわれていますけれども、民間に法的な拘束力がないわけで、そういう点でも、この制度のあり方というのは、やはり検討を要するものではないかなというふうに思います。
 介護事業は、もともと収益性のある業界ではないことは周知のとおりですけれども、資料に出ています九事業の手数料の額は、平均でも四万五千九百円です。これに基本情報料として一万一千四百円、これは必ず徴収されるわけですね、毎年毎年。
 昨年、この制度がスタートする時点から、料金設定が高過ぎる--一企業で何千億円も収益を上げている大企業から零細な事業所まで、赤字でとんとんというようなところもあるわけです。そういうところも一律に料金がかけられてくるという点では、負担の公平性という点からも欠けるのではないかということで指摘をしたところですけれども、その後、関係者からも高過ぎるという声が都の方にも届いていると思いますけれども、それに対する都の考えはいかがでしょうか。

○狩野高齢社会対策部長 ご質問にお答えする前に、秘密の保持の義務の件ですけれども、介護保険法百十五条の三十二に、指定調査機関の役員もしくは職員は、調査事務に関して知り得た秘密を漏らしてはならないということで、当然のことながら秘密の保持義務が課せられております。
 ご質問の件でございますけれども、この制度は導入初年度ということもございまして、一部の事業者から手数料の負担にかかわる電話照会、要は、この制度がどういう仕組みなのかも含めて、なかなか制度の周知が十分図られなかったということで、そういった照会や、やはり一部には手数料が高過ぎるのではないかというご意見もございました。
 東京都としては、調査手数料については、サービス種別ごとの調査事務量に応じた人件費及び旅費を適切に積算し、算出している旨説明をし、ご理解が得られたものと考えております。

○かち委員 ご理解が得られたものと認識しているということでしたけれども、この制度がスタートして間もなく、厚生労働省の方から、手数料の見直しを求める通達なり部課長会などということが行われたようですけれども、その内容はどのようなものでしょうか。

○狩野高齢社会対策部長 厚生労働省からは、平成十八年十二月二十二日付で、介護サービス情報の公表制度における調査事務等に関する手数料の一部改正についての通知が示されました。
 通知の内容は、手数料の積算項目である、調査に必要な日数が、従来おおむね二日間程度とされていたものを、必要な時間数、日数等に改めたものでございます。

○かち委員 算出根拠として、今まで二日間かかるという算定でやっていたものを一日でやってみてはどうかというふうに示されたと思うんですけれども、その示すところの意味はどういうことであって、都はそれをどのように受けとめているのでしょうか。

○狩野高齢社会対策部長 都では、制度開始当初から調査に必要な日数を適切に積算し、調査手数料を算出しており、昨年十二月に厚生労働省から唐突に示された、調査に必要な日数を改正するとの通知に基づく見直しの必要性はないというふうに考えております。

○かち委員 一度決めたことを、国としても、一年もたたないうちに高過ぎるから見直しをしてほしいというのは、余りにも浅はかというか、思慮が足りなかったというふうに私も思いますけれども、国としては珍しいことだと思うんですけれども、この料金が高過ぎるということに対して、今おっしゃったように、一回では終わっていないんですよね。再三、何回にもわたっていってきたという経過があります。これは、昨年の三月三十一日に今の算出根拠が示されて、十二月二十二日、今ご答弁があった内容で、算出を二日から一日にしてはどうかというような事例まで示して検討してほしいといっているわけです。
 それだけではないんですよね。本年二月二十一日、これはインターネットに出ているんですけれども、全国介護保険・高齢者保健福祉担当者会議資料というのがありまして、担当者会議が開かれて、そこで示された資料が出ているんですけれども、そこに介護サービス情報の公表制度の適正な運用についての資料というのがありました。これにはこう書いてあります。手数料の検証、見直し等について、情報公開制度の初年度においては、手数料の妥当性について、介護事業者からの疑義、意見等が多く寄せられているところである。このため、制度施行二年目を迎えるに当たり、今年度を迎えるに当たり、可能な限り調査事務等の実態を把握し、手数料の水準の妥当性等について検証し、対外的にも理解が得られる手数料となるような必要な条例の見直し等の取り組みについて、昨年十一月十日の第二回全国介護サービス情報の公開制度担当者会議、二回目はことし一月十五日の全国厚労省関係部局会議、ことし一月二十九日付の事務連絡等により、再三再四、見直しをして今年度に間に合わせてほしいという旨が通達されているわけですよね。
 こういう文書が出ていた事実経過については確認できますか。

○狩野高齢社会対策部長 先ほども申し上げましたように、厚生労働省は、本制度開始後、一年もたたないうちに、かつ調査事業が継続中であるにもかかわらず、調査に必要な日数を改正するとの通知を、昨年十二月、突然示してまいりました。
 厚生労働省がこうした通知を出した背景は、要は、今までの通知が、実態と乖離した積算方法を見直すために出したにすぎないというふうに私どもは認識しております。
 その後、厚生労働省からは、ただいまお話がありましたように、一月十五日には全国の厚生労働関係部局長会議、あるいは事務連絡、担当者会議等で再三説明がされているところですけれども、私どもの認識は、今申し上げましたように、厚生労働省が従来示していた実態と余りにも乖離した通知を、単に見直した通知にすぎないというふうに認識しております。

○かち委員 そういうことをおっしゃいますけれども、それで一番被害をこうむるのは零細な事業者ですよ。実態に見合わない積算で積み上げられたこういう料金を毎年毎年取られる。それは本当に、事業の継続にもかかわるような大変な問題なんですよ。そのことを都として受けとめてどうするのかという立場に立つのが本来の行政の姿勢ではないのですか。
 国は実態に見合わない算出をしたから、それで見直しの案が出ているんだといいますけれども、都の算出方法は、最初から二日ではなくて一日で計算しているんだというようなこともお聞きしておりますけれども、それは全国の自治体の状況を見ればわかると思うんです。本当に広大な地域で交通網も発達していないような地域と、この密集した東京の地域とでは、おのずと条件が違ってくるわけですから、東京で一日でできるということで積算したのは当たり前のことだというふうに思うんです。
 それで、じゃ、東京都は、全国との比較差で、とりわけて低く設定しているのかという点では、資料を出してもらった三つの事業、全国の料金設定が出ていますけれども、この考え方は、今までの東京都の基本的な積算根拠に基づいてつくったということですよね。
 それで、私も見てみましたよ。そうしますと、訪問リハは、全国平均で四万一千百円、通所リハは四万一千五百十円、療養型は四万二千百七十二円です。都の今回出されている案と比較すると、訪問リハについてだけ、若干東京都の方が低いですけれども、三つの事業の平均でいきますと、全国は四万一千五百九十四円、東京都は四万三千五百六十六円。こういうことからしても、東京都が二日を一日でやったから安いんだというふうには到底いえない中身であるといえると思います。
 都が日数を一日としたというのも、そういうことですから、これで一年を経過しているわけですから、改めて情報公開のシステムや公表の仕方についても、先ほどもありました、いろいろ見直しをする必要もあるとおっしゃっていました。ですから、料金設定についても実態をつぶさに調査して、それに見合う料金設定を検討し直す。これは当たり前のことだと思うんですけれども、そうやる意思はないんですか。

○狩野高齢社会対策部長 先ほども答弁いたしましたとおり、東京都は当初から、調査に必要な日数を適切に積算し、また、人件費等も適切に積算して調査手数料を算出しております。昨年の厚生労働省通知で見直す考えはございません。
 つけ加えますと、介護サービス情報公表制度というのは、先ほど山加副委員長のご質問にもお答えしましたけれども、事業者にとっては、事業の規模の大小にかかわらず、大きな事業所と同一の環境で公平公正にサービス内容を公表することによって、宣伝力の弱い、いわば小規模の事業者でも利用者から選択される機会が増加するわけです。こうした点を踏まえれば、受益者負担の観点から考えれば、事業者が経費を負担するということは私は当然だというふうに考えておりますし、現行の手数料水準は妥当であるというふうに認識しております。

○かち委員 そうしたら、実態がどういうふうになっているのか。私たちは、受けた事業所で、どういう調査員の人がどういう時間をかけてやっているのかというのも聞いています。そうすれば、一日どころか、場合によっては二十分ぐらいで終わっちゃう。あるいは、せいぜいかかっても二時間ぐらいだという実態も出ているわけです。それは能力によってのばらつきとか、いろいろなものがあると思うんですけれども、そういうことも含めて実態を検証し直すというのは、やっぱり行政としての責務じゃないんですか。そういうことを何もしないで、いいんだ、いいんだということの方が説得力がないと思いますよ。それはやっぱり実態に合わせて調査すべきですよ。
 国も、これほど再三いうようなことは珍しいことですよね。それほど料金設定が高過ぎるということなんですから、これに基づくということもないでしょうけれども、都として実態をつぶさに把握する、その必要はあるんじゃないですか。

○狩野高齢社会対策部長 先ほど山加副委員長のご質問にもお答えしましたとおり、私ども、この問題は手数料の問題ではなくて、制度の設計の問題であると。要は調査頻度、事業者の中には、毎年同じような確認調査を受ける必要があるのかどうかとかいうようなご意見がございます。そういう観点で制度設計を見直すべきであるということについて、先ほど山加副委員長のご指摘も踏まえまして、国に対して制度の見直しを具体的に提案要求していきたいというふうに考えております。

○かち委員 料金設定も含まれることですよね。私も、あれ見てみましたけれども、毎年毎年同じような数字だけがずっと並んでいて、これで本当に適切な情報公開になっているのかなという点では思いますので、そういう頻度も含めて、料金設定にも反映することですから、ぜひ検証、見直しをしていただきたいと思います。
 指針には、年間サービス対価百万円以下の事業所は対象外とするというふうになっていますけれども、それでは、東京都のその対象はどれぐらいあるんですか。

○狩野高齢社会対策部長 前年度の介護報酬の収入が百万円以下の事業所というのは本制度の対象外になっておりますけれども、平成十七年度、百万円以下の事業所は約二千カ所となっております。

○かち委員 調査がまだ済んでいない事業所もどんどん生まれたりしていますので、八千五百カ所ぐらいの事業所があるわけですけれども、それの中で今の二千カ所といいますと、約二四%に当たる事業所が年間の介護報酬が百万円以下ということなんですね。これじゃ人件費も出ないような状況の中で、ボランティアというような状況の中でやっているわけです。この業界が零細の事業者で支えられていることを示しているものだというふうに思うんですね。
 厚生労働省の指針には、料金設定に当たっての指針の中に、料金設定に当たっては、大規模事業所と零細事業所との対応に配慮を求めることも考えられると書いてありますよね。都は、この意味を積極的に受けとめて、事業所の能力に応じた料金設定にすべきではないのですか。いかがですか。

○狩野高齢社会対策部長 先ほども申し上げましたように、厚生労働省令で、年間介護報酬による収入が百万円以下の事業所というのは本制度の対象外に既になっております。東京では二千事業所が除外されております。そういう意味で、小規模事業者に対する一定の配慮は既になされているというふうに考えます。
 先ほど申し上げましたけれども、事業者の規模にかかわらず、この制度を活用して自分たちがサービス改善の努力をしたことを公表することによって、より適切な事業者として利用者から選ばれるという大きなメリットがあるわけですので、その対価として、やはり事業規模が小さい事業所であっても、適正な手数料負担をしていただくというのは当然だというふうに認識しております。

○かち委員 事業者が同じ土俵の上で選ばれるんだからいいんだということですけれども、事業者には選択できる余地はないんですよね。法律で情報公開制度というのは決まっちゃって、年間の手数料料金は自動的に取られるという状況の中で、それでレベルアップなんだというのとちょっと違うと思うんですよ。
 事業所の能力に応じた料金設定というのは当たり前だというふうに思うんですが、今のご説明で、既に百万円以下については除外しているから、小規模事業所への配慮は済んでいるんだとおっしゃいましたけれども、正確に理解というか、説明していただきたいんですけれども、厚生労働省は、百万円以下については既に除外した上で、さらに、小規模な介護サービス事業者の負担能力に配慮することも考えられるというふうに書いてあるんです。そこの読み方の姿勢だというふうに思うんですけど、そういうことを、やはり都としてもぜひ持っていただきたいというふうに思います。
 利用者に適切な情報提供が情報公開の本旨であるわけですけれども、調査情報は年に一回、このことも昨年、私いいましたけれども、仕方がないんだということで、それはよしとしても、常に事業所は生まれたり廃止したり、いろいろしているわけです。そういうことすら正しく公表されていなければ、公表制度の意味がなくなってしまうと思うんですね。
 ところが、実際に今回のようなコムスン問題が出て、コムスンが東京都内に展開していた訪問介護だけでも百三十数カ所あったわけですね。ところが、これが五月三十一日付で一斉に廃止届になって、現在六十数カ所か、六十カ所よりも減っているかもしれません。半分以下になってしまっているわけです。
 大田区ではどうなっているかということで見てみましたけれども、九カ所の訪問介護事業所があったんですけれども、五月三十一日付で一カ所になってしまったんです。しかし、こういうことが一体どうなっているのかというのは、本当にわからないんです。わかるのは東京都ですよね。東京都が開始や廃止の届けを受理するところですから。東京都からの情報で、やっと各自治体もそれでわかったというような状況なんです。
 東京都もインターネットで出てはいるんですね。でも、少しこう、そこにたどりつくのに大変時間がかかる。コムスンの事業所一覧が出ているんです。これが六月六日付です。ですから、既に廃止した後の情報なんですね。ここに出ているのと、こちらの方は六月一日現在の、都内の五月いっぱいぐらいに廃止した事業所の一覧です。これを照らし合わせてみないと、大田区内でどの事業所があったのが消えたのかというのもわからないんですよ。すごくわかりづらい。一般の方は、とてもこういうことはできませんよね。一般の方が見ていくのは、今出されている介護サービス情報システムというのを見れば、こうやって出ているわけですね。
 ところが、これ、大田区の場合、七カ所あるというふうになっているんですけれども、正確じゃないんです。このうち二つはもともとありませんし、しかも、一番下は、訪問介護ではなくて居宅介護支援事業所なんです。だから、情報自身も本当に正確ではないというようなことを出して、これで毎年一万一千円も取られてという点では、事業所はやっぱり腑に落ちない。これが現実だというふうに思います。
 ですから、正確な基本情報--しかも、出ているのが、いつ更新されているのか、これもわからないんですね。何日付というのであれば、まだこのときにはあったのかというのもあるんですけれども、それも出ていない。
 そういう点で、情報公開とはいえないような中身になっているという点でも、システムのあり方、料金の設定の仕方を含めて検証、見直しをすべきだというふうに思います。改めて実態調査を行い、事業所の負担能力に応じた料金設定にするよう見直しを求めて、質問を終わります。

○狩野高齢社会対策部長 一点、誤解がございますので、ご説明をしておきますけれども、事業所の休廃止については、休廃止届が東京都に提出された情報は、事業者台帳システムというシステムがございまして、そのデータを介護サービス情報公表システムを実施している財団の方にデータを転送しまして、それを反映して公表システムから削除しております。若干のタイムラグはございますけれども、きちんと届け出は反映する仕組みになってございます。
 六月二十二日、本日時点でございますけれども、大田区内のコムスン系の事業所、従来六カ所でございましたけれども、既に一カ所しか残ってございません。きちんとデータは反映するようにしてございます。

○かち委員 そのことはきょうになってから、指摘したからいっているんですね。きのうの時点までは、このとおりになっていたということをすりかえないでください。
 以上です。

○山口委員 私も、東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例に関連してお尋ねいたします。
 介護保険制度では、措置から契約制度に転換され、利用者が介護サービスを選択する仕組みに変わりました。しかし、民間企業やNPO等、さまざまな事業者が参入している上に、今回も問題になっておりますコムスンに象徴されるような事業者の姿勢も相次いでいます。
 昨年の制度改正によって介護サービス情報の公表制度を規定して実施されてきて、利用者にとっては事業者を選ぶに当たっての目安にできると思いますが、その具体的な情報内容については、先ほど山加副委員長のご質問の方から答弁をいただいておりますので、これについては省かせていただきますが、利用者がどのようなサービス提供事業者を選択したらよいのかというのは、現状では、まだなかなか情報が不十分ではないかというふうに考えています。
 事業者が実際に提供しているサービス内容、また運営など、客観的に実施しているかどうかが確認できるという点で、サービスを選択する際の情報源の一つに、この公表制度を有効に使うこともできますが、公表の手段が、先ほど来お話がありますインターネットのみの公開では、検索方法や情報の量なども含めて問題が多いかと思います。特に高齢な人にとっては、なかなか使いこなせないのではないかというふうに考えます。
 利用者にサービス事業者を紹介する立場にあるケアマネ、いわゆる介護支援専門員などが介護サービスの公表を活用した上で、事業者選択を公平、中立に行うために活用していくことなども大変重要ではないかというふうに考えています。
 そのために、この制度の普及啓発を図るために、都はどのように対応しているのか、初めに伺います。

○狩野高齢社会対策部長 介護サービス情報の公表制度の導入に先立ちまして、平成十七年度末には、介護サービスを提供するすべての事業所を対象に本制度の説明会を開催し、制度導入後の平成十八年度には、区市町村や地域包括支援センターなどにパンフレットを送付し、この制度の周知を図っているところでございます。
 また、利用者及び家族に必要な情報を提供、説明する介護支援専門員に対しましては、本制度の積極的な活用を依頼するなど、あらゆる機会をとらえて普及啓発に努めております。

○山口委員 事業者には、従来からの指導検査、それから、公表の制度に先駆けて進められてきた福祉サービス第三者評価制度、これは都も先駆的な取り組みをしてきたわけですが、さらに今回の公表の制度と、幾つも適用されるわけです。ただし、こうした制度により、サービスの質の確保と向上につなげていくことが大切だというふうに考えています。
 利用者が安心して良質なサービスを選択する、またさらに、自分に合ったサービスを選択できる、こうした環境を整備していくためにも、保険者である区市町村が中心となって取り組んでいくことも重要ではないかというふうに考えています。
 例えば世田谷区では、昨年四月から、介護サービスの質の向上などを図るために世田谷区保健福祉サービス向上委員会を設置して、この中で、公表制度や評価制度の仕組みをサービス向上にどのように活用していくのか、また、制度やサービス内容などを情報の必要な人にどのように提供していくのかについて取り組んでいるというふうに聞いております。
 このような区市町村の取り組みに対して、都として支援していくべきではないかというふうに考えますが、いかがでしょうか。

○狩野高齢社会対策部長 介護サービス情報の公表制度を普及、定着させるためには、保険者である区市町村の取り組みが大変重要でございます。
 東京都では、地域支援事業交付金や包括補助事業により介護サービス情報制度の活用を促進するなど、区市町村の多様な取り組みを支援していきます。

○山口委員 世田谷区のサービス向上委員会は、どうも独自の取り組みというふうに聞いておりますが、こうした情報を東京都もぜひ収集していただいて、各自治体にも提供していただきたいということもひとつ要望として申し添えて、質問を終わります。

○長橋委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○長橋委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で福祉保健局関係を終わります。

○長橋委員長 これより病院経営本部関係に入ります。
 報告事項、がん・感染症医療センター整備運営事業に係る落札者の決定について外一件に対する質疑を行います。
 本件については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○及川経営企画部長 去る六月八日の本委員会におきまして要求のございました資料についてご説明申し上げます。
 お手元にお配りしてございます厚生委員会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
 資料は、目次にございますように、1、全国の自治体病院におけるPFI事業実施状況から6、精神医療センター(仮称)の整備に係るPFI事業関連経費までの六点でございます。
 恐れ入りますが、表紙を開きまして一ページをごらんください。1、全国の自治体病院におけるPFI事業実施状況でございます。
 全国の自治体病院において実施されましたPFI事業について、病床数を初めとした事業の概要等について記載しております。
 二ページをお開き願います。2、三菱商事株式会社のPFI事業の実績でございます。
 三菱商事株式会社が代表企業及び構成員として参加しているPFI事業の実績について、事業名、事業主、参加形態別に記載しております。
 三ページをごらんください。3、がん・感染症医療センター(仮称)整備運営事業に関するVFM(バリュー・フォー・マネー)とその算定要素でございます。
 (1)は、VFMの算定要素について、その概要を記載しております。
 下段(2)は、VFMとして特定事業選定時と落札時それぞれの財政負担削減率を記載したものでございます。
 四ページをお開き願います。4、がん・感染症医療センター(仮称)の整備に係るPFI事業関連経費でございます。
 平成十四年度から平成十九年度までのPFI関連経費について、内容及び経費を記載しております。
 なお、平成十九年度は予算額を記載しております。
 五ページをごらんください。5、精神医療センター(仮称)整備運営事業に関するVFMの算定要素でございます。
 VFMの算定要素について、その概要を記載しております。
 六ページをお開き願います。6、精神医療センター(仮称)の整備に係るPFI事業関連経費でございます。
 平成十六年度から平成十九年度までのPFI関連経費について、内容及び経費を記載しております。
 なお、平成十九年度は予算額を記載しております。
 以上、簡単ではございますが、要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○長橋委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○田代委員 このたび、この委員会に報告されている松沢病院、精神医療センターについては、今お話があったように、PFI手法を活用した整備、運営が決定したということなんですが、ご案内のように、現在の松沢病院は大変老朽化しちゃって、しかも、時代に少しおくれている施設。また、病棟自身も、最初はなかなか斬新なものだったんですけど、今の現実から考えると、ちょっと狭隘かなと、こういう状況があるわけですね。
 そして、精神科の診断あるいは治療に対しても新しい考え方が出てきて、急性期の精神病であるとか、あるいは合併症いろいろと、今まで精神科というものは、ともするとふたをされていた状況があったものが、手を打つ方法もわかってきたし、新しい対処の方法もできてきたということで整備をしていかなくちゃいけない。これは当たり前のことだと思うんですね。やっとそのスタートについたわけで、非常に重要な時期だと思います。
 過日、そういう中で、厚生委員会の視察ということで岡山県に寄せていただいて、精神科医療センター、訪問して中を見せていただいたわけですけれども、一つ同じところは、都市部にあるという、町中にあって、精神科医療の中核病院としてしっかり県の精神科医療を担っていこうという姿勢があるわけです。そして、その中で、児童や思春期の精神科医療あるいは医療観察法、いろいろ今からも取り組んでいかなくちゃいかぬわけですけれども、これに基づく司法精神科医療、こういうものが大変積極的に考えられていて、そういう整備が図られた上に、最大限、町中であるということを考えながらも調和をしたい、こういう病院の整備に取り組んでいるのを見せていただいたわけですね。院長先生の話も、大変熱のこもった、情熱あふれる考え方を吐露していただいて、医療従事者の一人としての私も、こういう人がいるんだな、ありがたいことだなと思っております。
 精神科医療、僕、随分長いこと携わってきたんですけれども、やはりドクター側に問題があるわけではなくて、余りにも患者さんの抱えている病気の量の多さと医師不足、特に専門家の医師不足というのが如実にギャップがありまして、熱心に取り組むということが、二十四時間では全くできない。簡単にいうと、一人の患者さんの診断を下すには、最低でも、その人の一生を決めることもあるわけですから、三週間ぐらいかけるのが理想的といわれているんですが、それだけの時間をかけることが我々も現実にできているかというと、そういうわけにいかない保険診療制度の中の体制があるわけですから、そういう中であれだけ真剣に取り組んでいらっしゃるというのは、情熱を持って取り組めるというのはすばらしいことだなと思いますね。その方の性格にもよるかもしれませんけれども、やはり精神科医療を新しくしていくためには、ああいう情熱を持って取り組んでいかなくちゃいけないんだろうと思っています。
 ただ、先ほど申し上げましたように、これは医師自体の問題というより、精神科医療を取り巻く健康保険制度、それから病院の運営の--東京都ですね、この東京都では。都道府県のいろいろな指導にも、東京都が悪いというわけじゃないんですけど、まだまだ改善しなくちゃいけないことは山ほどある。それに取り組んでこなかったということが、ともすると、精神科医療で情熱を失う医者がよく散見されるような状態をつくっているような気がします。
 このPFI方式ですが、まずPFIというと、大体が財政的な、経済的効率のことだけを考えて進められることが多いわけですけれども、先ほど申し上げましたように、新しい精神科医療が行われているわけですから、やはり患者さんをまず主役とした、継続的な良好なサービスの提供が現実になるような、経済的なことも含めてのPFIというものを実現していかなくちゃならない。
 しかし、これは初めての取り組みに近いわけですね。今申し上げたように、精神科医療、どういうふうに取り組んでいくかというグランドデザインが国自身にもまだはっきりない。もっというと、世界にないんですね、まだそういうものが。ともすると、言葉ではいろいろいいますけど、何とかにふたみたいなところがどこの国でもあって、表面と現実が大分違うところがありますから、それを東京都は手本として、率先してみんなの手本になるような新しい事業を展開していくためのPFIですから、かなり大変かなと思います。
 特に医療の面でいうと、今までは経過観察というのが、簡単にいうと主であった十数年前と、この十二、三年の間に新しい合成新薬がいっぱいできてきまして、しかも、それがかなりエビデンスのある、そして、場合によっては、それをきちっと処方することによって、ほとんど普通のふだんの生活と全く変わらないことができる。強いていうと、だれがその薬を、その患者さんにずっと飲んでいただくかという物理的なことですね。お父様、お母様がいらっしゃるときはいいんですけど、亡くなられた後、だれが飲むという、そっちの方が問題になるような、ある意味では、精神科領域のかなり大きな部分が解決を見ているんですが、継続していくことが難しい。
 そうなると、生活実態を病院の方に置いていくのがいいのか、あるいは家庭に帰った方がいいのか。今の流れは家庭に帰るということになっていますけれども、介護保険と同じように、現実にだれがそれをフォローしていくかということが大きな問題だと思うんです。
 そういう意味で、脳生理学的なアプローチによる治療がはっきりとしてきた現代の精神科医療、その中でPFI事業をやっていくわけですから、いろいろと大きな問題、しかも、細かい問題も含めて、今までとは全く違う考え方でPFI導入に当たっていかなくてはならないと思うんですが、行政サイドとしては、医療環境のすさまじい変化ですね、精神科医療に関しては。そして、社会の中で考える人権の問題も含めていろいろと、言葉だけではなくて現実に変わってきたわけですから、そういう中でサービスの質を確保していく、その取り組みについてお伺いしたいと思います。

○及川経営企画部長 今回、精神医療センターへPFIを導入するに当たりましては、委員ご指摘のように、医療ニーズの変化とか病院を取り巻く変化に対しまして、迅速かつ的確な対応が図れるといったような、こういった仕組みを構築していくことが重要であるというふうに考えております。
 このため、事業者の選定に当たりましては、診療報酬の改定など医療制度の改正を初めとしまして、医療環境の変化に応じました柔軟な対応が可能となるような業務計画を策定させるなど、事業者に、将来の医療環境の変化に対応した医療サービスが提供できるような、そういった仕組みづくりを要求することとしております。
 また、ご指摘の新薬の開発とか新しい治療法の導入などによりまして、治療環境に変化が生じたというような場合であっても安定的、継続的に医療サービスが提供できますように、例えば薬品費や材料費の見直しを契約の内容に盛り込むといったことなど、医療環境の変化に柔軟に対応できる体制を構築してまいる予定でございます。
 このように、長期間にわたって運営が委託される中で医療を取り巻く環境の変化が生じた場合におきましても、安定的かつ良好な医療サービスが提供されることを前提といたしまして、今回PFIを導入していくということでございます。

○田代委員 しっかり取り組んでいただきたいんですけど、揚げ足をとるわけじゃないんですよ。今のお答えで百点なんですが、健康保険の中の医療点数の改革というのか、改善と改悪になるかわかりませんけれども、そういうものが行われても、それに対応できるように、いつでも良質な医療の提供ができるようにしたいというのは、そのとおりでいいんですが、やはり気持ちの中では、東京都で行っている精神科医療のあり方が、まさしく逆に中医協に反映されるような、こうあるべきだと。精神科医療の点数のつけ方は、逆に東京都を中心として都市部は考えていこうじゃないかという、ひとつそういうものを実現してみようというような意欲を皆さん方が心の中に秘めていただいたら大変ありがたいなと思いますね。
 ただただ受けていく、そして、その中でどうにかやりくりをしていくという形では、精神科医療は現実には難しいんですね。やってやれないことはないんですけれども、ただ患者さんをそこに閉じ込めておくだけの形に、ともするとなってしまうことがあるわけですから、やはり真剣に立ち向かって、真剣に努力していくところには新しい点数をつけるような形を、やはりこれは行政的医療ですから、きょう、あした倒産するわけじゃないので、ある程度目先のことを考えないで、長期ビジョンでお金のことを考えることができるわけですから、それについてはしっかりと取り組んでいただけたらありがたいなと思いますね。
 時間もありますから、最後に一つ質問したいんですけれども、先ほど申し上げましたように、社会的入院、これから地域の自分の住んでいるところ、ふるさとへ帰っていこうという流れ、これも、精神科医療の中でもこういうことが今から行われようとしているということで、入院患者さんの急激な削減を今、政府は図っているわけですけれども、前回も申し上げましたから、重なることは申し上げませんけど、これもいろいろ大きな問題があると思いますね。ただ帰せばいいというわけではなくて、特に精神科の疾患の患者さんというのは、居住している場所によって安定が得られることもあるので、逆に、もとに戻ったことによって安定するのか悪化するのか、これもわからないところがあるわけですから、これをよく考えながらやっていかなくちゃならない。
 しかも、松沢病院、これは私自身の持論ですけれども、松沢病院があそこにある必要性というのは、余り僕は感じていないんですね。もっと大きなものが、東京都のどこか土地のあいているところ、六万坪では到底足りる治療ではありませんから、毎度申し上げますように、精神科の医療というのは、やっぱり広さが必要であって、ある空間と緑というものがあって初めて実行可能なものですから、あそこが絶対いいわけではない。しかも、岡山県と東京は全然人口密度が違うわけで、都市部にあったから、うちも都市部にあったらいいという前提で僕はいっているわけではなくて、現実性として、あそこに今あるしかないわけですけれども、将来はもうちょっと広いところに二種類、長期間入院する広いところと、それから松沢病院は松沢病院の場所に社会復帰を目指すような人たちが入るような形で分離できたら、一番、精神科医療をやっている医者としては、みんな感謝すると思うんです。
 それはともかくとして、こうやって非常に大きな変化が起きたときに、PFIをやっていくときに、いろいろな意味の何か、足を引っ張るというわけじゃないですけども、反対意見も出てくると思うんですね。新しいものに取り組むのは非常に怖いというところもありますし、ともすると答えが出ない。こうなったらどうするんだ、ああなったらどうするんだといわれると、それは答えられないことがいっぱいあると思うんですよ。しかし、そういうものにめげずに、自分たちのビジョンをしっかり持って貫いていっていただきたい。その分だけ新しいPFIというものを、新PFIといったらあれですけれども、もっともっと広い意味でいろいろなものを活用できるような、民活という言葉にしっかり代表されるような形で取り組んでいっていただきたいと思います。
 それと同時に、やはり地元の人たちに対する説明会、理解をいただく。これは梅ヶ丘もそうですし、八幡山もそうですけれども、長い歴史の中でまちの人たちはいろいろあったわけですよ。ありがたくないうわさもいろいろいわれたり、非常にいわれのない差別を受けたりすることも、まちとしてはたくさんあったわけです。両方とも世田谷区なんですけれども。その中で、温かい気持ちを持って、今までの精神科医療というものを見てきてくれたわけですから、地元のしっかりとした話し合いと同意、ご理解をいただかないと、こういう事業というのは医者もやりづらいですし、患者さん方も大変迷惑するし、みんな共同体として生きているわけですから、上意下達で一方的に行政から命令を出すのではなくて、同じ高さになって話をもう少し進めていただきたい。理解を深めるようにしていただきたいと思いますね。
 先ほど申し上げましたように、新しい形になってきた中でもまだまだ差別があって、断種云々なんていうのは大昔のことですけれども、それでもまだ百数十年しかたっていない。こういうことが我が国でもいろいろ、そこまでいかなくても似たような、例えばハンセン氏病なんかではあったわけですし、海外では盛んに行われてきた。それが当時の医学界としては正しい治療法だといわれて行われてきたこともあるわけで、差別がやっと少し変わりかけてきた中での取り組みですから、最初に申し上げたように、非常に重要な取り組みだと思うので、しっかり取り組んでいただきたい。
 特に松沢病院というのは、明治十二年でしたか、東京府の癲狂院として百三十年もたっているわけですね。何といっても、これは日本、アジアの中心となる精神科医療のフラッグシップであっていただきたいし、また、そうあらねばならないし、今、ほかの道府県といろいろ、東京ひとり勝ちといわれている中でも、東京がなすべき仕事の大きな一つだと思うんですね。どこの道府県でも、なかなか精神科医療というのは難しいところがあって苦労していますから、東京都が一つの手本を示していただきたい。
 アジアの中心となるような形で頑張っていただきたいんですが、いろいろ申し上げましたけど、全く新しい、どこが悪いというより、どうしていかなくてはならないかという、この大事業の中心となる病院経営本部長、どういうお気持ちでこれに取り組んでいかれるのかを伺って質疑を終わりたいと思います。

○秋山病院経営本部長 ただいま田代委員よりご指摘ございましたとおり、都立松沢病院は百三十年の長きにわたる歴史を有しまして、その中で絶えず先駆的な取り組みを図ってきた、日本の精神科医療をリードしてきたものだというふうに私自身も認識してございます。
 また、精神科医療におきましては、ご指摘ございましたとおり、新薬、それから治療法の開発などというような、かなり環境の変化があるということとともに、大きな流れとしては入院医療中心から地域生活中心へと大きく変化しているということも理解しておりまして、その中で都としては、より一層専門性の高い行政的医療に努めていく必要があるだろう、そういう現状にあるという認識をしてございます。
 こうした認識に立ちまして、これまでの都立松沢病院の実績を生かして土台にするということが第一、さらに、先ほど申し上げました、将来の動向をしっかりと見据えていくというようなことから病院づくりに取り組んでいくということが当本部に課せられた使命ではないかというふうに理解しております。
 今回の精神医療センターの整備運営事業につきましてはPFIの事業を活用するということでございまして、急性期の精神科医療を中心とした患者サービスの向上を図るということとともに、精神科の身体合併症、医療観察法に基づく医療など、一般の精神科病院では対応がなかなか難しい、困難だという専門性の高い精神疾患に対応していくというふうに考えてございます。
 さらに、他の医療機関や保健福祉施設など、こういったものと連携を図りながら患者さんの社会復帰を目指していくということ、そういう面で、東京都の精神科医療において、これまで以上に大きな役割を果たしていくべきだろうというふうに考えております。
 ご指摘ございましたとおり、市街地に立地するということもございます。今後は、地域の方々のご理解をいただくということを前提にいたしまして、アジアのフラッグシップというご質問をいただきましたけれども、広く精神科医療全体をリードしていく病院をつくるということを目指しまして、着実に整備を進めていきたいというふうに決意しております。

○伊藤委員 私からも、今回報告のあった二つの病院のPFIに関連して、何点か質問をさせていただきます。
 まず、精神医療センター関連について質問させていただきます。
 先ほども田代先生からお話がございましたけれども、先月、当委員会の視察におきまして、岡山県の精神科医療センターの視察をさせていただきました。視察をした感想を申し上げさせていただきますと、例えば患者さん同士がバッティングして、トラブルが発生しないような動線の設計がきちんとされていたこと、また、男女別の病床数の調整が可能なパーティションの設置がされていたこと、さらには、ロビーの空間や中庭への光やまた風の取り込みなど、多くの点に創意工夫が感じられ、これまでの精神病院のイメージを覆すような施設であったと、大変に参考になったわけでございます。また、病院の外観も、市街地にありながら、自然とその風景に溶け込んだ感じのつくりとなっておりまして、これも病院やまた岡山県の工夫を感じたところでありました。松沢病院におきましても、ぜひこれぞ首都東京の病院、世界の病院というような、創意工夫と風格のある精神科病院を誕生させていただきたいと望むものでございます。
 さて、今回の、松沢病院につきましてPFI事業としての決定がなされたということでございますけれども、PFI事業については、一見複雑で非常にわかりにくいと思う部分もあるので、改めて幾つか確認をさせていただきたいと思います。
 まず、PFI導入を決定した理由として、直営で実施した場合とPFIで実施した場合の比較をするわけでございますけれども、同じ費用であれば、より質の高いサービスを提供する、また、同じサービス程度であれば、より低いコストで提供するという、いわゆるVFM、バリュー・フォー・マネーの評価結果が、事業期間全体で四・六%の財政縮減が期待される、こういう説明がありましたけれども、都が実施する場合とPFIで実施する場合の具体的な比較の方法について伺います。

○黒田参事 算定についてでございますが、都が直接実施する場合ですが、改築、改修に関する施設整備費につきましては、都の積算単価を基準としております。また、材料費、人件費、委託料などの運営費につきましては、現在の松沢病院の経費をもとに算出しております。
 一方、PFIによる算出の根拠でございますが、施設整備費、運営費ともに、多摩広域基幹病院、小児総合医療センターなど、他のPFI案件の実績をもとに算出しております。
 このように算出しました都直営によります事業費、PFIによる事業費のそれぞれにつきまして、事業期間が十五年間にわたりますことから、その間の事業費を現在の貨幣価値に換算し、比較いたしました。その結果、事業費全体としまして、都が直接実施した場合よりも四・六%程度の事業費の縮減が期待されております。

○伊藤委員 ただいまご説明いただきまして、財政縮減効果の四・六%という数値がどのように算出されたのか、改めてわかったわけでございます。
 続いて、具体的にどのような部分がコスト縮減の要素となっているのか、説明をお願いいたします。

○黒田参事 縮減の要素といたしましては、まず、施設整備費の縮減がございます。また、民間の調達ノウハウを活用することによる材料費の縮減、さらには包括契約に伴う類似業務の集約化による委託料の縮減などがございます。

○伊藤委員 ところで、今説明にあった、それぞれの縮減要素別の金額の内訳について明らかにされていないわけですけれども、この明らかにされていないということはどういうことなのか、教えていただければと思います。

○黒田参事 PFIの事業契約につきましては、建物の設計、施工から運営、維持管理に至るまでさまざまな業務を包括して事業者が行いまして、都がそのサービス対価を支払うことを内容とする総価契約となっております。また、業務ごとの内訳金額を固定しないことによりまして、医療環境の変化や技術革新などにつきまして柔軟に対応するとともに、事業者側に経営努力や工夫の余地を与えることによりまして、PFIのメリットの一つとなっております。
 このため、要素別金額を明らかにすることは、事業内容の硬直化を来すとともに、事業者側の今後の戦略や協力企業との交渉などにも支障を来すおそれがございます。
 さらに、精神医療センターにつきましては、現在、PFI事業としての決定を行った段階にございまして、これから入札公告を予定しているところでございます。このため、現段階で内訳金額を明らかにすることは、適正な入札にも支障を来すおそれがあるというふうに考えております。

○伊藤委員 精神医療センターのPFIについては、これから入札公告ということで内訳を明らかにできないことは、手続上当然のことかと思います。また、PFIの本質というのは、総価の中で、事業者側により柔軟に事業を形成させ、創意工夫の余地を与え、それを都が生かしていくということだということもよくわかりました。
 次に、今回PFIを活用すると決定した理由には、財政面でのメリットのほかに、運営に関するサービス向上も評価されたとのことでありますけれども、サービス水準の向上には、具体的にはどのようなものがあると判断されたのか、伺います。

○黒田参事 医療周辺業務につきましては、民間の事業者が総合的に管理することとなります。このため、医師、看護師などが診療業務に集中でき、明確な役割分担による医療サービスの向上が期待されます。また、長期包括契約によります各種業務の専門性の向上や、各業務間のすき間がなくなることによります医療周辺業務の効率化なども期待されております。

○伊藤委員 ご説明いただきまして、PFIの活用による財政面、そしてサービス向上の面、それぞれのメリットがあるということが改めて理解することができました。
 精神医療センターの機能の充実、強化については、私は昨年十二月の委員会においてもお話しをさせていただきましたけれども、多くの患者、ご家族の方々が待ち焦がれているものと思います。PFIによる民間の創意工夫を活用した整備に向けて、着実に進めていっていただきたいと思います。
 次に、がん・感染症医療センターについて伺います。
 先日、私は、会派で静岡県立がんセンターを視察してまいりました。この病院は、全国屈指の放射線治療、陽子線治療を行っているがんセンターでありましたけれども、院長の話を伺う中で、病院設立以前に、どうすれば患者、ご家族中心のがんケアに徹することができるのかといった、初動段階からコンセプトを非常に重視し、設計からスタッフ募集、運営に至るまで、一貫してこのコンセプトが貫かれておりました。この完成度の高さと理念に、大変に感動した思いがしたわけでございます。
 かけがえのない命そのものと向き合う病院の事業について、また落札者の決定に際しては、こうしたコンセプトや事業全体のマネジメント能力なども重要な評価ポイントだと思います。
 さて、今回、PFI事業で進めている駒込病院の改修事業において、落札者が決定されたという報告がありました。報告資料や既に公表されている資料などによりますと、落札者を決定するに当たって、選定方法として、単なる価格競争ではなく、事業者からの事業提案を、施設整備や維持管理、運営など多くの視点から評価する総合評価一般競争入札で行ったということなので、当然、予定価格の範囲内で提供されるサービスの質を重視したものであると思いますけれども、その点について何点か伺います。
 今回の落札者の事業提案は、病院経営本部のホームページを見ますと、千百点満点中九百八十点と、審査委員会でもかなり高い評価を得ていたようでございますけれども、まず、落札者の事業提案について、審査委員会では具体的にどのような部分が高く評価されたのか伺います。

○黒田参事 審査委員会におきましては、改修事業への取り組み、設計の理念やアイデア、病院運営・維持管理、そして、事業全体の考え方やマネジメントの四点に重点を置きまして審査いたしました。
 この中で具体的に高く評価された点といたしましては、まず、本事業では病院を運営しながら全面的な改修を行うという、非常に難易度の高いものでございますが、工事動線と運営動線との分離の徹底や、工程の工夫による病棟移転回数の縮減など、患者の安全性確保と負担軽減を最優先とする計画となっております。
 また、改修工事という制約の中にありましても、個室率や一床当たりの専有面積を高めるなど、患者の療養環境の向上につきまして課題を分析し、的確な対応が示されていることがございます。
 さらに、本事業に対する理解度が高く、考え方が明確であるとともに、設計、建設から維持管理、運営に至る幅広い業務のすき間を確実に埋め、全体のマネジメント機能を強化する仕組みが構築されていることなどが高く評価されております。

○伊藤委員 ところで、今回は、入札に参加した事業者が一者であったと聞いておりますけれども、審査委員会においては、適正な審査を行う上でどのような点を工夫したのか、伺います。

○黒田参事 適正な審査を実施する上で特に考慮しました点でございますが、まず第一に、応募事業者や審査過程を落札者決定まで公表しないことによりまして、事業者側には、結果的に応募者が一者であったことを確認できないようにいたしました。
 第二に、審査を二段階で実施いたしまして、第一段階では、本事業に関する理解度や考え方、事業推進能力を確認いたしました。第二段階では、業務の実施方法などの具体的提案内容を、絶対評価により厳格かつ適正に審査いたしました。

○伊藤委員 結果として応募者が一者ではあったけれども、提案された内容の評価も高く、審査委員会で厳正かつ適正に選定されているということがよくわかりました。
 次に、先ほども松沢のPFIで触れましたけれども、本日提出された資料には、がん・感染症医療センターについても、落札金額の内訳を示す資料が付されておりません。また、特定事業選定時や都が直接実施する場合のそれぞれの内訳も記載されていないようでございますけれども、それはどうしてか。くどいようですけれども、確認の意味で伺います。

○黒田参事 PFI事業契約は、事業者が建物の設計、施工から運営、維持管理までを包括して行う総価による契約でございまして、業務ごとの内訳金額を固定しないことで医療環境の変化に柔軟に対応するものでございます。
 この場合、特定事業選定時や都が直接実施した場合の算定要素別内訳を含めまして詳細な見積もりを示すことは、どの業務にどれだけ費用をかけるか、また、どの協力企業を選定するかといった、事業者の今後の戦略や交渉などにも支障を来すと考えております。
 さらに、がん・感染症医療センターにつきましては、今後、都と落札者とが事業契約を結ぶことになりますが、算定要素別内訳を示すことは、具体的な契約内容についての交渉を行う上でも支障を来すおそれがあるというふうに考えてございます。

○伊藤委員 事業を取り巻くさまざまな変化にも柔軟に対応するとともに、より効果的な手法でサービスを提供していくためには、事業者が自由に発想でき、創意工夫ができる余地を与えておく必要があるということがよくわかりました。
 これに関連して、やはり本日ご提出いただいた資料によりますと、PFI事業のメリットの一つである財政負担額の縮減、いわゆるVFMが特定事業選定時の四・九%から四・三%に低下しているようでございますけれども、なぜVFMが特定事業選定時より低下したのか、伺います。

○黒田参事 長期間にわたりますPFI事業でのVFMの算定におきましては、通常、徐々に貨幣などの価値が低減するという考え方に基づきまして、実際の支出額を現在価値に置きかえて算定することとされております。そのため、支出額が同額であったとしても、価値の低減が小さい時期、つまり、早い段階で支払いがなされれば、その現在価値は高く算定されることになります。
 このたびの事業者からの提案では、病棟を順次移転しながら改修を行うことに伴う工事ステップ数を縮減したり、工事中でも安全にかつ効率的に電力供給を行えるよう、エネルギーセンターを初期段階で整備するなど、工程上の工夫がございました。
 このことによりまして、都が当初想定していたよりも早く工事が進捗することとなりまして、経費の支払い時期が前倒しされることとなりました。この結果、現在価値に置きかえた算定額は当初よりも高くなりまして、VFMが若干低下することとなりました。

○伊藤委員 今後、落札者の事業提案を踏まえ、効率的な運営と医療サービスの向上とを目指して本事業を推進することになるわけでございますけれども、病院のPFI事業はまだまだ始まったばかりで、成熟していない部分もあり、先行事例でも苦労している部分があると聞いております。
 今回の事業においては、先行する病院PFI事業の事例を参考にしながら手続を進めてきたと思いますけれども、手続において注意を払った点や工夫を行った点はどういうところか、伺います。

○黒田参事 病院の業務は専門的で多岐にわたりますことから、民間事業者の病院及び医療に対する理解度や業務全体を統括する能力が不可欠でございます。
 そこでまず、本事業に対する理解度や考え方、マネジメント能力を評価し、一定の水準に達した応募者のみ通過できる仕組みといたしました。また、行政の要求事項を事業者に確実に伝えるため、都が想定する基本設計レベルの参考設計案をあらかじめ事業者に示しました。その上で、事業者のノウハウに裏づけられました改善提案を受けることといたしました。
 この結果、安全性や機能性がより高い提案を受けることができました。

○伊藤委員 ただいまご答弁をいただいたとおり、病院PFI事業においては、病院経営や医療に関する十分な認識を持った事業者の選定は特に重要でありますし、設計、建設から維持管理、運営に至るまで、多くの業務を効果的に束ねていく能力が求められております。そして、医師や看護師など病院職員とともに、より質の高い医療サービスの提供に向けて、ともに悩み、考え、汗をかくことのできる事業者を選定できるかがPFI事業の成否を大きく左右することになると思います。こうした観点において、本事業では、先行事例を的確に分析しつつ、選定過程でさまざまな工夫を施しながら、よりよい事業者の選定に努められてきたということがよくわかりました。
 これまで駒込病院は、がんや感染症に関する高度な医療サービスを提供し、常に時代をリードしてきた病院でございます。特にがんは、日本人の死亡原因の第一位であり、がんについての高度な医療を提供する駒込病院に対する都民の期待は、今後ますます大きなものになっていくわけでございます。病院経営本部におかれましては、今回報告のあった事業者とも十分に連携、協力をしながら着実にこの事業を進め、世界に誇れるがん・感染症医療センターをつくっていただきたいということを要望して、質問を終わります。

○吉田委員 私からも、報告事項の中で、がん・感染症医療センター整備運営事業に係る落札者の決定について質問をさせていただきます。
 これまでもPFI事業の問題について、本委員会で私、質問させていただきました。PFIを導入し、都立病院の整備から運営、さらに機材の調達に至るまで、全面的に営利企業にゆだねるべきではないという立場から質問してまいりましたけれども、改めて本報告、がん・感染症医療センター整備運営事業に係る落札者の決定にかかわって、具体的に幾つか質問させていただきます。
 まず、大きく第一点は、今も話がありましたが、入札グループが一グループのみにとどまったということの適否についてであります。
 もちろん、結果として一グループとなったわけですけれども、しかし、入札金額でいえば総額で一千八百六十一億円もの巨額な事業でありながら、一グループのみで入札が行われて、複数の中からの競争による選択には至らなかったということは、法的にはもちろん問題はないでしょうけれども、適切性あるいはベターではなかったというふうに思わざるを得ないんですが、いかが認識をされているでしょうか。

○黒田参事 入札の結果として一者となったということをどのように評価しているかというお尋ねについてでございますが、審査委員会では、厳格かつ適正な審査を実施するため、第一段階で、本事業に関する理解度や考え方、事業推進能力を確認させていただきました。第二段階では、業務の実施方法などの具体的提案内容を絶対評価で審査させていただきました。
 応募事業者は、結果として一者ではございましたが、工事期間での安全面の確保、患者の療養環境の向上など、その提案の内容は高く評価されているというふうに考えております。

○吉田委員 中身は問題ないんだというご答弁なんですけれども、しかし、PFI事業の場合は、総合評価一般競争入札をとるということになっていると思うんですよね。総合評価というのは、要するに、価格だけではなくて、運営内容その他、中身も含めた両面で見るというのが総合評価だというふうに思いますけれども、しかし、競争を求める、競争によってよりよいものを選択するという意味で一般競争入札というものを選んでいるわけですから、そう至らなかったということは、やはりベターではないというふうに思わざるを得ないんですが、改めていかがですか。

○黒田参事 入札におきます競争性の確保についてのお尋ねでございますが、このたびは、応募者数や審査過程につきましては、落札者決定まで公表を行いませんでした。応募者が一者ということは、応礼者にはわからないという仕組みをとったわけでございます。このため、一定の競争原理は働いているものと考えております。

○吉田委員 私、念のために、これは内閣府がかかわる事業だと思うんですけれども、PFI事業導入の手引きというものがホームページで公開されているので、読んでみました。
 いろいろな先行事例なども紹介されていましたけれども、その中では次のように書かれていました。PFI事業においては、多数の民間事業者の入札参加を受け、事業者間の競争原理をより一層働かせることが、コスト削減のみならず、事業提案の内容向上の観点からも大変重要なポイントですというふうに位置づけているわけですから、やはり結果的に一グループのみだったということについてどう評価するかというのは、こうした観点から見れば、私はおのずと明らかだというふうに思います。
 しかも、後でも触れますけれども、もちろん、今までの入札で一者だったケースもないわけではありません。しかし、そういう場合でも、その後は複数になるような新たな改善、要するに、入札しやすいようにするためにどうするかということが検討されているということも、東京都自身にかかわってあったということも改めて知りました。
 具体的に、一グループのみということの弊害があると私は思うんですよね、そうはいっても審査の過程で。講評が出されていて、いただきましたけれども、先ほども話がありましたが、点数の評価では、総合評価の満点は一千百点ですね。この中で、価格点が満点何点を占めているかと見ましたら、三百五十点。総合評価点の中の約三割を価格点が比重として占めていると思うんですね。
 価格点というものはどういうふうに計算するのか、改めて説明していただけるでしょうか。

○黒田参事 価格点の算出についてでございますが、最低の落札金額を入札した事業者を満点の三百五十点といたしまして、その金額との差が大きいほど点数が低減するように設定されております。そのため、応募者が結果的に一者であったことから、価格点が満点となったものでございます。

○吉田委員 要するに、一者だったら、価格点は、どのような価格であったとしても百点満点がつくわけですよね。この場合は百点満点じゃなくて三百五十点満点ですけれども。
 それで、私も資料を取り寄せてみたら、計算方式が、私が見たものでは、三百五十点満点引くことの入札金額引く最低入札金額、これを括弧閉じて、掛ける十の九乗分の二十三という、ちょっとわからないものなんですけれども、いずれにしても、入札金額が一者だったらそこの金額になりますよね。そして、最低入札金額は、一者しかないから、その金額が最低入札金額になるわけですよね。だから、入札金額から最低入札金額、同じ金額を引くわけですから、マイナスゼロになるわけですね、どんな計算をしたって。
 そのように、金額がどうであれ、一者の場合には自動的に三百五十点満点が計算されるというこの仕組み自身が、このような一者入札の場合には果たして適切なのかということが、改めてこの問題で浮き彫りになると思うんですね。
 もう一つ、実際の金額上のことなんですけれども、要するに、東京都が入札説明書で示した上限額がありますよね。上限額に対して実際に落札した金額の落札率は、比率でいうとどれだけですか。ほぼ一〇〇%じゃないですか。

○黒田参事 いわゆる落札率でございますが、約九九・九%となっております。

○吉田委員 既に上限額は、入札説明書として昨年五月時点で示されているわけですよね。結果的には、その過程はわかりませんけれども、九九・九%。ほぼ都が示した上限額ぎりぎりの金額が示されている。
 もちろん、一者のみだということは、先ほどからの答弁で一切知らされていないようにしておりましたというお話でしたけれども、少なくともどの時点で一者のみだということが確認されて、それから入札までの期間というのは相当期間があったんじゃないですか。どうですか。

○黒田参事 応募期日の昨年七月十九日及び二十日現在ということでございます。

○吉田委員 要するに、まず入札の前に、参加資格といいますか、取るわけですよね。それが多分、昨年の七月時点で一たん締め切ったということになって、その時点でもう一者のみだということは内部的にはわかるわけですよね。もちろん秘密は厳守されてきたと思うんですけれども、しかし、もし一者のみだったら、事業者の側からさまざまな他の事業者に調査その他の手段で、一者のみだということが全くわからないということはあり得ないことでもあると私は思うんですね。その結果、東京都が示した上限額のぎりぎり九九・九%で入札しても自分たちが落札できるということになるわけですから、私はやはり、一者入札というものの実態的な弊害というのは、先ほど示した点も含めてあるのではないかなというふうに思います。
 ちなみに、前回、報告質疑をさせていただきました、いわゆる府中病院の場合は、この三菱グループも入札いたしましたよね。そのときの点数は、一位の点数と比べて、たしか一位の総合点数が二百八点でしたけれども、当時、三菱はDグループというふうにいわれていましたが、八十五点だったんですね。もう一者、三者で競っておりましたけれども。そういうことから見ても、改めて、こうした一者入札で果たして妥当といえるかどうかということが問われると思うんです。
 先ほどもちょっと述べましたけれども、東京都でPFI事業で一者入札だったケースとしてユース・プラザの事業がありますよね、皆さんもご承知と思いますが。区部ユース・プラザ事業の場合には、結果的に一者のみの入札だった。ところが、やはりそれでは適当ではないということで、入札の仕方を、事業期間を区部ユース・プラザは二十年で設定していたものを、もっと短くして多くの企業が入札できるように工夫して、その結果、一者ではなく、多摩ユース・プラザの入札は五者だったということも、先ほどのPFIの手引きの中で紹介されておりました。
 我々は、PFIそのものに異論を持つものなんですけれども、その前提が総合評価一般競争入札になっているわけですから、こうした経験から、今後入札の、一者入札にならないようにするための工夫だとか何か、今後教訓に生かす点だとか、そういう点はご検討されているのでしょうか。

○黒田参事 現在の駒込病院は、病棟、外来、手術室等が狭隘でございまして、何よりも給排水、電気等の設備の老朽化が著しく、改修は喫緊の課題となっておりました。患者様の立場に立って考えますと、よりよい患者サービスを提供するためには、工事を遅らせることはできないと判断したものでございます。
 今後についてですが、PFIの取り組みにおきましても、ルール等にのっとって実施していきたいというふうに考えております。

○吉田委員 私は、再検討すべきだというふうに思います。
 次に、直接の落札代表企業である三菱商事について若干質問させていただきます。
 前回、高知の医療センターのPFI事業について、この場合はオリックスが代表企業だったんですけれども、取り上げて質問させていただきましたし、ことしに入ってからも、新聞報道で、さまざまな解決すべき課題が山積しているという旨の報道がされていたと思います。
 高知の経験を生かすということは非常に大事な点だと思うんですけれども、私の認識では、その一つの問題点は、代表企業、SPCの中核を担う企業が病院経営のノウハウを十分蓄積していない、あるいは、人材的にもそうした経験を持った人材が配置できなかったことが一つの問題ではないかなというふうに考えております。やはり中核企業が病院経営の、しかも一定規模以上の病院経営の能力やノウハウ、さらに、それを担い得る人材をきちんと出せるかどうかということは非常に重要なポイントだというふうに思います。
 そこでお伺いいたしますけれども、今回、三菱商事について見たときに、SPCの中で三菱商事がどのような分野を担うのか。さらに、今いった、三菱商事がこのがん・感染症センターのような大規模で高度な医療を担う病院経営の経験やノウハウ、あるいはそういう人材を持っているというふうにいえるのか、まずお答えください。

○黒田参事 三菱商事がSPCで果たす役割についてでございますが、三菱商事は、代表企業として出資を行うとともに、SPC全体を統括する代表者等の人員を派遣する予定でございます。
 三菱商事のノウハウについてでございますが、病院の業務は専門的で多岐にわたることから、民間事業者の病院及び医療に対する理解度や業務全体を統括する能力が不可欠でございます。このため、一次審査でそれらが一定レベルにある事業者のみが二次審査に進める仕組みとしております。
 三菱商事を含む落札者は、審査委員会におきまして、医療、病院経営や本事業に対する理解度や考え方、統括マネジメント能力について高く評価をされております。

○吉田委員 今の説明ですと、三菱商事自身は、大規模な病院経営の経験、ノウハウを持っていないということですよね。
 それで、あくまでも何か、代表的な立場なんだというふうな役割分担の説明がありましたけれども、私、念のために三菱商事のホームページを開いてみました。三月十九日付で三菱商事が落札したということを紹介する文章が載っていましたけれども、その中で、SPC、特別目的会社の概要とその役割ということで参加企業の役割分担について書かれています。そうすると、三菱商事株式会社として、SPCへの出資比率六七%、本件における役割として何点か列挙していますが、そこでは、全体マネジメント、設計、建設整備、そして病院経営支援、さらに調達等ということが書かれていました。
 すなわち、全体的マネジメントは当然でしょうけれども、単にそれにとどまらず、調達やあるいは病院経営の支援をするというふうな分野まで明記されているんですね。もちろん、参加している中には、病院にかかわる企業としては唯一、株式会社麻生、麻生病院、約一千床を経営しておりますから、ここはノウハウがあるでしょうけれども、出資率は一%ということになっています。
 私はやはり、たとえそういう関連企業が一部に入っていたとしても、代表企業が自分たちで病院経営支援などということを役割分担として位置づけているけれども、実際これまでそうした経験がないと、人材的にも、必ずしも明確にいえないと思うんですが、そうしたことは、判断する上で一つの大きな問題ではないかなというふうに思っております。
 ちなみに、あわせて三菱商事のホームページを見ると、今年度の一月の社長年頭あいさつを見ると、これから全社を挙げて取り組んでいく三つの分野が列挙されていて、その一つが医療周辺なんですよね。ですから、こういう東京都の大規模な都立病院の入札、落札を機に、こうした分野に新たな事業展開を拡大していく。その重要な足がかりとして、三菱商事がこのがん・感染症センターを位置づけるというふうな意味があるのかなということを感じました。そういう意味からでは、極めて危険であり、不十分だという意見を持っているということを述べておきます。
 三つ目に、先ほどの議論との関係で、バリュー・フォー・マネーの問題について何点か確かめておきたいと思います。
 PFIの最大のねらいがバリュー・フォー・マネー、コスト縮減を図るということがいわれておりますけれども、当初、導入時には四・九%、今回四・三%ということになりました。なぜ四・九が四・三になったのかということもありますけれども、四・三ですよということを示されただけで、本当に東京都が実際にやった場合とPFIでやった場合に四・三%のコスト縮減になるということは、今出されている資料では全く認識することができません。
 それで、先ほどから、金額を出すことについては現段階で支障があるというお話がありましたけれども、大きくいって、東京都がやった場合と今回の落札企業の示した金額で見た場合、どういう分野が主にコストの縮減になっているのかということについてお伺いしたいんですが。

○黒田参事 PFIの契約につきましては、総価で行うものでございます。また、今回、施設整備費を初めとしまして、民間の調達ノウハウを活用することによる材料費の縮減など、事業費全体としてVFMが縮減するということを確認しております。
 なお、算定要素別内訳につきましては、先ほどもご答弁させていただきましたが、事業者の戦略や交渉、さらには今後の入札にも支障を来すおそれがありますことから、明らかにしていないということでございます。

○吉田委員 具体的なお話がありませんから、私の方から話をさせていただきますが、東京都が入札説明書で示した予定総額約一千八百六十一億円ありますよね。その中で、各分野がどのくらいの比率を占めているのかというふうに見たら、一番多く比率を占めているのは調達費なんですね。いわゆる材料費、医薬品などが、全体のたしか五十数%を占めています。だから、当然この部分の縮減効果があるのかなというふうに思います。
 その点で二点ほどお伺いしたいんですが、これは前もいったと思うんですけれども、都立病院が、駒込だけではなく都立病院全体で機材なり医薬品なりの調達を行えば、一つの病院の調達を民間企業にゆだねるよりも、スケールメリットを生かしてコスト縮減に取り組むことができると思うんですよね。
 実際に新聞報道などでも、都立病院として材料費などのコスト縮減に努めているということがいわれているんですけれども、そういう努力をされているんじゃないですか。その成果は現時点でどうなっているのでしょうか。

○黒田参事 調達についてのご質問でございますが、調達のうちの一つの例でございます高額の医療機器でございますが、こちらにつきましては、病院側の機種選定に基づきSPCが購入、設置する場合には、工事の進捗に合わせました効果的な据えつけができるほか、民間事業者が持っております調達ノウハウの活用などのメリットが期待できるというふうに考えてございます。

○吉田委員 私が事前に教えていただいた話では、たしか材料費、医薬品等の--これは、だから大きな機械じゃないですよ。本当にガーゼのたぐいからだと思うんですが、そういうものの、一つの単体の病院ではなく、都立病院全体で購入する努力をする。もちろん、すべてをすることはできません。個々の病院で、どうしても固有のものが必要だというケースがありますから、一気にすべてを共同購入することができる状況じゃありませんけれども、たしか、そういうまだ一部の段階で、年間で三億円コスト縮減が見込まれるというふうな勉強をさせていただきましたけれども、そういう努力をより全面的、効果的に進めていけば、三菱商事に調達を依頼しなくても、固有の努力で私はやはり、安ければ何でもいいというものじゃありませんけれども、適切なコストの縮減というものは図れるんじゃないかと思うんですね。
 もう一つ、例えば東京都がそういう機材、その他材料費を調達するときには、少なくとも合い見積もりといいますか、複数の入札でとるというやり方をとりますよね。ところが、このPFIを執行するSPCの企業が調達の場合には、別にどのような形で、入札なしで調達することも可能ということになりますよね。それはどうですか。

○黒田参事 民間事業者が、調達に当たりましては、それぞれの企業がそれぞれの経験、ノウハウといったものを活用しまして、より適した有利な材料での調達を行うものであるというふうに理解しております。
 したがいまして、民間事業者の調達などの活用のメリットが十分に期待できるというふうに考えてございます。

○吉田委員 東京都の場合だったら入札が保証されますけれども、PFIの場合にはそれが保証されない可能性があるわけですよね。しかも、例えば三菱の場合には、先ほどいったように、医療分野を新たに推進する重要な分野の一つとして位置づけて、こういう医薬品や医療器材の販売企業を、次々と新たな資本出資をして関連会社にするなどの取り組みがされているんですね。そうしたら、そういう分野まで、丸々三菱系で独占されてしまうということだって起き得るんだというのを私は指摘しておきたいわけです。
 もう一つ、コスト縮減で大きな分野になるのは、やっぱり建設整備だと思うんですけれども、これは意見としていわせていただきますが、この間の東京都が行った各種の入札などでも、結果的には議案としては今回取り下げられましたけれども、たしか中央環状品川線の場合は落札率が六〇%台ですよね、東京都が示した金額よりも。もう一つの議案も、たしか六〇%台だと思うんですが、土木と建物とは状況が違うでしょうけれども、それ単独で入札しても、今、かなりそうした事態が生まれているわけですから、PFIだけを取り上げてバリュー・フォー・マネーということを強調するのは、必ずしも正確な判断と認識ではないのではないかなということを述べておきます。
 そのことの関連で一点お聞きしておきたいんですけれども、実施方針の中で(10)という中に、地元企業の育成や地域経済の振興が明記されておりますよね、このがん・感染症のPFIの実施方針の中で。具体的に地元企業の育成や地域経済の振興というものをどういうふうに担保されるのか、もし何か具体的に説明していただける点があれば……。

○黒田参事 地域経済、地元への貢献ということのご質問についてでございますが、このことにつきましては、今後、SPC、落札者と協議して、どのような形で地元への貢献ということを決めていくかということを具体的に検討していく予定でございます。

○吉田委員 じゃ、最後の項目で、現在の業務委託とSPCがそこに入った場合のことなんですけれども、前回、この問題を事務事業質疑で取り上げたときにも述べさせていただきましたし、既にその適否、中身はいろいろ意見はありますけれども、例えば清掃にしても、警備にしても、洗濯にしても、医事にしても、外部事務にしても、収納にしても、病棟事務にしても、医療作業にしても、そうしたいわば周辺業務のほとんどは、今の駒込病院でも、ニチイなどを初めとする民間企業が、東京都のどういう組織図の中かわかりませんが、駒込病院のしかるべき東京都の職員のもとで、それぞれ分担して行われているわけですよね。私は、それを東京都がきちんと統括的に合理的に行えば、わざわざそこにお金を払ってSPCに統括マネジャー的な機能として働いてもらうということは、そもそも合理性からいっても不合理ではないかというふうに改めて思います。今回の場合でも同様な状況だというふうに思います。
 同時に、質問しておきたいことは、例えばコスト縮減ということが優先されれば、清掃にしても、あるいはさまざまな業務にしても、そうした業務に当たる方々の人数がふえるのか、減るのか。さらに、そうした方々の就労の条件が、正規の職員から、あるいは派遣だとか、アルバイトだとか、パートだとかいう極めて不安定なことになるのかという問題というのは当然懸念されるわけですよね。今までだったら、そうしたことも含めて、多分、東京都がきちんとある程度把握していたと思うんですけれども、逆に、東京都の事業で、こうした分野で働く方々の就労条件の悪化が拡大されるというふうなことはあってはならないと思います。
 なぜそのことをいうかといいますと、前回の清水と三菱などが争ったときの講評を改めて読むと、その当時、三菱はDグループでしたけれども、業務委託について、経済性という観点では評価できるとされたと。しかし、パートタイム等を多数活用する提案であるため、管理体制が重要と考えられるが、そうした管理体制が明確とはなっていないという評価を前回の場合には下されるという経過があったんですが、このような各分野ごとの人員や就労条件などについては、東京都としてどのように判断し、認識しているのでしょうか。

○黒田参事 このたびのPFI事業におけます審査委員会におきましては、審査講評というものがございますが、この中で、事業者からの提案では、維持管理、運営期間を通じて病院運営業務及び維持管理業務が適切になされる体制がとられていることから、適切な人員配置がなされるという評価がなされております。
 また、審査委員会におきましては、委託の人件費の単価を含めまして、人員の配置や体制などにつきましても確認しているところでございます。

○吉田委員 具体的に、落札者の決定にかかわって何点か質問させていただきましたけれども、やはり、これからはすべてPFIでいくんだということについて、私は改めて立ちどまって再検討すべきだという意見を述べて、質問を終わります。

○長橋委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○長橋委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で病院経営本部関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時十三分散会

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