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Tokyo Metropolitan Assembly

厚生委員会速記録第四号

平成十九年二月二十七日(火曜日)
第七委員会室
   午後一時二分開議
 出席委員 十三名
委員長長橋 桂一君
副委員長かち佳代子君
副委員長山加 朱美君
理事谷村 孝彦君
理事野島 善司君
理事増子 博樹君
伊藤 興一君
山口 文江君
田代ひろし君
いのつめまさみ君
大塚たかあき君
佐藤 裕彦君
吉田 信夫君

 欠席委員 一名

 出席説明員
病院経営本部本部長大塚 孝一君
経営企画部長及川 繁巳君
サービス推進部長鈴木  茂君
参事岸上  隆君

本日の会議に付した事件
 意見書について
 病院経営本部関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 平成十九年度東京都一般会計予算中、歳出 病院経営本部所管分
・第十九号議案 平成十九年度東京都病院会計予算
報告事項(質疑)
・今後の豊島病院のあり方について

○長橋委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 初めに、議員提出議案について申し上げます。
 二月二十一日の本会議において本委員会に付託されました議員提出議案第一号につきましては、先ほどの理事会において、二月二十八日に趣旨説明及び質疑を行い、決定は三月一日に行う旨、申し合わせをいたしました。ご了承願います。
 次に、予算の調査について申し上げます。
 平成十九年度予算は、予算特別委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について、議長から調査依頼がありました。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

平成十九年二月二十六日
東京都議会議長 川島 忠一
厚生委員長 長橋 桂一殿
予算特別委員会付託議案の調査について(依頼)
 このことについて、二月二十六日付けで予算特別委員長から調査依頼があったので、左記により貴委員会所管分について調査のうえ報告願います。
     記
1 調査範囲 別紙1のとおり
2 報告様式 別紙2のとおり
3 提出期限 三月二日(金)午後五時

(別紙1)
厚生委員会
第一号議案 平成十九年度東京都一般会計予算中
歳出
債務負担行為 厚生委員会所管分
第五号議案 平成十九年度東京都母子福祉貸付資金会計予算
第六号議案 平成十九年度東京都心身障害者扶養年金会計予算
第十九号議案 平成十九年度東京都病院会計予算
第百二十六号議案 平成十九年度東京都一般会計補正予算(第一号)中
   歳出 厚生委員会所管分

(別紙2省略)

○長橋委員長 次に、意見書について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、意見書四件を提出したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件については、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○長橋委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○長橋委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、病院経営本部関係の予算の調査及び報告事項に対する質疑を行います。
 これより病院経営本部関係に入ります。
 第一号議案、平成十九年度東京都一般会計予算中、歳出、病院経営本部所管分及び第十九号議案並びに報告事項、今後の豊島病院のあり方についてを一括して議題といたします。
 本案及び報告事項につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 要求資料について理事者の説明を求めます。

○及川経営企画部長 去る二月二日の本委員会におきまして要求のございました資料についてご説明申し上げます。
 お手元にお配りしてございます厚生委員会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
 資料は、目次にございますように、1、東京都保健医療公社へ運営を移管した都立病院の移管前後の経営状況から、15、豊島病院に関する老人医療センターとの統合民営化及び板橋区移管検討経過までの十五点でございます。
 恐れ入りますが、一ページをお開きいただきたいと存じます。1、東京都保健医療公社へ運営を移管した都立病院の移管前後の経営状況でございます。
 一ページから二ページにかけまして、東京都保健医療公社へ運営を移管した都立病院における移管前後の経営状況を、病院別、事項別に記載しております。
 三ページをごらんください。2、精神医療センター(仮称)の整備目的及び今後のスケジュールでございます。
 (1)は整備目的を、(2)は、今後のスケジュールとして、平成十九年五月から平成二十四年度までの契約と各病棟の開設等に関する予定を記載しております。
 四ページをお開き願います。3、一般会計繰入金の推移(施設整備関連経費以外・病院別)でございます。
 平成十五年度から平成十九年度までの一般会計繰入金のうち、施設整備関連経費以外の経費について病院別に記載しております。
 五ページをごらんください。4、一般会計繰入金の推移(施設整備関連経費)でございます。
 平成十五年度から平成十九年度までの一般会計繰入金と、このうち施設整備関連経費について記載しております。
 六ページをお開き願います。5、都立病院における経営指標の推移でございます。
 平成十三年度から平成十七年度までの入院、外来別の経営指標について記載しております。
 七ページをごらんください。6、都立病院における職種別職員定数の推移及び欠員状況でございます。
 (1)は、職種別職員定数につきまして、平成十七年度から平成十九年度までの病院別、職種別定数を七ページから八ページにかけまして記載しております。
 続きまして、九ページの(2)は、職種別欠員状況につきまして、平成十九年一月一日現在の状況を記載しております。
 一〇ページをお開き願います。7、都立病院及び公社病院における研修医受け入れ状況でございます。
 (1)は、初期臨床研修医につきまして、平成十八年度及び平成十九年度の定数を病院別に記載しております。
 続きまして、一一ページ、(2)は、後期臨床研修医につきまして、平成十八年度及び平成十九年度の定数を病院別に記載しております。
 一二ページをお開き願います。8、各公社病院の経営指標の推移でございます。
 平成十三年度から平成十七年度までの各公社病院の経営指標の推移を病院別に記載しております。
 一三ページをごらんください。9、各公社病院に対する運営費補助金の推移でございます。
 平成十五年度から平成十九年度までの公社病院に対する運営費補助金の推移を病院別に記載しております。
 一四ページをお開き願います。10、都立病院におけるPFIにかかわる経費の推移でございます。
 平成十四年度から平成十九年度までのPFIにかかわる経費について記載しております。
 一五ページをごらんください。11、都立病院におけるPFIの今後の予定でございます。
 都立病院においてPFI手法により整備を進めている三事業について、今後の予定を記載しております。
 一六ページをお開き願います。12、豊島病院における経営指標の推移でございます。
 平成十三年度から平成十七年度までの豊島病院の経営指標について、入院、外来別に記載しております。
 一七ページをごらんください。13、豊島病院(小児科・産婦人科・リハビリテーション科・緩和ケア科・神経科)取扱患者実績(延べ患者数)でございます。
 平成十三年度から平成十七年度までの豊島病院のそれぞれの診療科の取扱患者数について、入院、外来別に記載しております。
 一八ページをお開き願います。14、豊島病院の医師、看護要員及び医療技術員等の定数及び現員の状況(平成十八年度)でございます。
 平成十九年一月一日現在における、それぞれの定数及び現員を記載しております。
 一九ページをごらんください。15、豊島病院に関する老人医療センターとの統合民営化及び板橋区移管検討経過でございます。
 平成十三年十二月の都立病院改革マスタープランにおける方針から、平成十八年七月の行財政改革実行プログラムにおける方針までの、豊島病院に関する検討経過を記載しております。
 以上、簡単ではございますが、要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。

○長橋委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより、本案及び報告事項に対する質疑を一括して行います。
 発言を願います。

○野島委員 私の地元でございますので、清瀬小児病院、定点観測的な質疑になって恐縮なんですが、お伺いしておきたいと思っています。
 昨年十一月にも、事務事業質疑の中で、清瀬小児病院移転に関連して、北多摩北部地域の小児医療体制の確保について伺いました。そのとき、移転後の地域の小児医療体制を確保するための一番重要なかぎとなるべき多摩北部医療センターの充実に関しては、遅くとも移転の一年前ぐらいには体制の整備にめどがついていなければならないと考える、こういう期限を明示した答弁をいただいたところでございます。
 前回、具体的には、一つは、今申し上げました多摩北部医療センターの充実、もう一つは、地域の四つの市、五つの医師会で実施している平日夜間の初期救急事業の充実を取り上げたというふうに記憶をしております。
 実は、ことし、ある団体の新年会で、このことについて中心的に取り組んでおられます東久留米の医師会の先生にお会いいたしました。その先生から、初期救急事業の拡充に向けて今ずっと検討してきた、始まったのは何年でしたかな、ちょっと忘れちゃったんだけど、今度、拡充の方向なんですよ、こんな話を伺いました。
 そこで、この四市五医師会で実施しています初期救急事業についてどんな方向性が出されているのか、こんなことについてまずお伺いいたしたいと思います。

○及川経営企画部長 現在、多摩北部医療センターで実施しております初期救急事業につきまして、実施時期はまだ未定でございますけれども、来年度中には、現在の週二日間を一日ふやしまして週三日間で実施したい、また、あわせて、西東京市に新たな拠点を設けまして週二日間実施するというような方向性が、先日、地域の関係者が集まりまして、都も参加いたしております協議会で確認されたところでございます。
 この結果、十九年度は、二カ所合わせて週五日間の確保を目指していくということになります。

○野島委員 量の拡大と場所の拡大というのか、新しい拠点も設けていく、こういうことだというふうに思っています。
 十七年六月に始まったというふうに記憶しておりますので、二年たって、ともかく拡充される方針が出されたということは大変うれしく思いますし、この件にかかわっては、とにかく医師会の関係者の熱意、それから、当然、関係市の努力、そして病院経営本部を初め都からも大変なご尽力をいただいている、こういうことについては改めて感謝を申し上げておきたいと思います。
 一方、小児救急医療の充実を図るには、二次救急医療機関が地域にきちんと確保されなければならない、こういうことだろうと思うんです。その役割を果たすのが多摩北部医療センター、こういうことであります。
 このため、初期救急事業の拡充に取り組む地元自治体あるいは医師会など、多くの関係者が、多摩北部医療センターに小児科医師を十分に確保してほしいと要望を持っておる。よく市長さんなんかにもお会いするんですが、まあ、ここでは具体的にいいませんが、少なくとも、野島、何人だよみたいな、そんな話も聞いているんですけれども、現在の清瀬小児が地域で果たしてきた役割、こんなことを考えるときに、それは当然のことだろうと思っております。
 そこで、関係者が移転後の小児医療体制の確保に向けて必死に努力を重ねている状況でございまして、都は、そういう意味では、初期、二次、両方にわたって積極的に支援してもらう必要があるだろうと思ってございます。
 そんなところで、清瀬小児病院移転後の北多摩北部地域の小児医療体制の確保について、現在都はどのような支援を行っていくという立場に立っているのか、こんなところをお伺いしておきたいと思います。

○及川経営企画部長 四市五医師会の、お話にありました初期救急事業を拡充していくためには、小児科医師の確保がご指摘のとおり大きな課題でございます。このため、都は、事業主体である地元の各市はもとより、地元の各医師会とも十分連携をとりながら、医師確保についてできる限りの支援をしてまいりたいと考えております。
 また、清瀬小児病院の移転後に、地域の住民の方が安心して適切な医療を受けられる小児医療体制を確保するためには、お話にございました、多摩北部医療センターの小児科を充実させることが重要課題だというふうに認識しております。
 都といたしましては、地域に必要な小児医療を多摩北部医療センターで確保し、運営できるよう、多摩北部医療センターを運営いたします東京都保健医療公社とも十分連携をとりながら、引き続き小児科医師の確保に全力で努めてまいります。

○野島委員 小児科医師の確保ということで、そこがないと、どんな立派な病院をつくったってどうしようもないわけです。ただ、小児科医師の不足というのは、何も私どもの方の地域だけじゃなくて、全国的な課題だろう。大変大きな課題でありますけれども、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 清瀬小児の移転というのは、実は十三年の夏ぐらいから明確に打ち出されまして、その後、順次進めてきたところです。
 私どもの地域の実態を申し上げますと、最初、お医者さんに行きますと、清瀬小児病院廃止反対というステッカーがみんな張ってある。それから、市議会議員、それも私を応援している市議会議員さんなんかが、移転反対で署名をとって歩いてる。私があるイベントで会ったら、署名しろというんですね。そういう状態でございました。(「本当は応援しているんじゃないの」と呼ぶ者あり)書いてない。それは大丈夫です。
 医師会なんかの会合に行っても、ともかくそういうことで、針のむしろとはいわないですが、くぎのむしろぐらいのつらさはあったと記憶をしております。
 実は、私は、平成十四年の六月議会だったと記憶しておりますけれども、都立病院改革が、限りある医療資源を有効に使わなきゃいけない、そういう意味では、東京都の病院としての役割、それから各市町村の役割、そして医師会の協力、こんなことを、それぞれ役割をしっかりと果たしつつ、かつ連携して、最後は、医療費は社会保障ですから、国民負担ですから、国民負担にしっかりとこたえられる医療体制をつくっていかなきゃいかぬ、そういう立場に立って理解をしておりますので、そういうところでもいろんな話をずっとしてきました。
 できれば、おっしゃるとおり、私も反対といっていれば、これが一番いいんでしょうけれども、自分でいうのもなんですが、責任を持つ立場ということになりますと、それもいえなかったわけです。そんなことで、今まで立ってきたわけであります。
 余計な話ですが、十七年の都議選がありました。そのときは、争点になったというか、争点にならされちゃったんです。好きなところがありますから、そういうのを争点化するのがね。そんなことで、公開討論会というのがありまして、清瀬小児と、あの当時は、議員の豪華海外研修、これがとんでもない、こういう話だった。
 蛇足ですが、そのときに、公開討論会でとんでもないといわれていたんです。で、私の方は、とんでもないというのは、実は私ですと。チラシにも、現職の都議会議員、豪華海外研修、とんでもないと書いてある、これは僕ですよと。だけど、百聞は一見にしかずなんだから、るる、こういうことで、こういう研修をしてきて、こういう成果を私は得たと思っていると。とんでもないと、立候補者予定者がいったんです。あなた、当選したら私と一緒に行きましょう。そうしたら、その話はそこで全部終わりました。会場からもぜひ質問をといったら、何もなかったです。
 小児病院については、当然反対ということ。私は申し上げたような立場で、苦渋の選択だ。したがって、これからは、今二点申し上げました、多摩北部医療センターの小児科をどう充実していくかということとあわせて、地域の小児医療の確保に、行政単位としての東京都という立場、それから都立病院。今度、小児は、都立病院は府中になりますからね。それと公社経営の北部医療センター、それと地域の連携、これをどう高めていくかだろう。そういう意味で、地域の課題として、初期小児救急の充実が必要になる、こういうふうに申し上げてきました。
 これも意見の違いですから、それはそれで会場からいろんな話が出ました。民主党の候補者の予定の方は、ともかく東京都が一方的に決めるのはとんでもない、さあ、関係者の皆さん、どうしますか、こういうことでなぜ決めないのかというから、そんなことで行政なんて進むものじゃない、しっかりした方針を出してご意見を伺っていくんだ、そのことで調整をしながらやっていくのが行政なんだからということを申し上げました。
 そうしたら、もちろん、反対の人はもう反対でいますよ。私の意見に同調する人もいます。最大のブーイングは、廃止をどうされるかということを聞いているのに、手続論をいっている民主党の候補者さんでありました。余計なことを申し上げました。いわば説明責任を果たせ果たせというけれども、一番説明責任を果たさなかったのが実はそこだというふうに僕は思っています。余計なことでごめんなさい。
 そんな経過もありまして今日に至っているわけでありますが、この充実というのは大変大きな課題だと思うんです。
 地元市の清瀬市、特に大きな課題ということでございます。実は、先般、清瀬の目指すまちということで、今の市長さんが四期目に挑戦されるということで、ビジョンを発表いたしまして、プレスに提出している資料でございます。
 そこに、だれもが健やかに暮らせるまち、健康づくり施策を充実させ、乳幼児の救急医療体制の整備を進めます、こういうことが書いてあるんですね。あと一つは、都立清瀬小児病院が二十一年度に移転することに伴い、多摩北部医療センター小児科の充実を東京都に強く働きかけます、こういうことを、地域の小児医療と清瀬小児の廃止にかかわって、公約としてお出しになっていくというふうに伺っております。
 また一方、清瀬市と都の間で検討会もずっと継続されているやに伺っておりますし、近々大きなというか、基本的な方向が示される、こんなふうな話も伺っております。
 そこで、最後に、清瀬小児病院移転後の北多摩北部地域において必要とされる小児医療体制の整備について本部長の決意を伺って、質問を終わります。

○大塚病院経営本部長 清瀬小児病院移転に当たりましては、北多摩北部地域での小児医療体制を確保するために、まずもって多摩北部医療センターが小児医療に関して地域の中核的役割を確実に果たしていくことが極めて重要なことは、ただいまのお話のとおりでございます。
 多摩北部医療センターの小児科医師確保の課題につきましては、先月も北多摩北部地域の五人の市長さんが私のところに見えられまして、直接強い要望を受けたところでございます。医師確保を初めとした体制整備には、保健医療公社との緊密な連携のもとで、全力を挙げて取り組んでいきたいと思っております。
 あわせて、地域で取り組む小児初期救急医療体制の充実に関しましても、福祉保健局と密接に連携をとりながら、地域の意向も踏まえた取り組みを進めていきたいと考えております。
 こうした取り組みを積み重ねながら、北多摩北部地域の住民が安心して身近な地域で適切な医療を受けられるように、できる努力を尽くしていくつもりでございます。

○野島委員 ありがとうございました。
 私、いろいろ申し上げましたけれども、いうのはただですから、簡単なんですね。だけど、正直なところ、いろんな要件というのは口でいうほど易しくはないと十分承知しております。
 それで、実現に向けて執行していくのは大変ご苦労の多いことだと思いますが、ぜひ着実な取り組みをして、冒頭申し上げた二つの課題、この解決に向けて、それらがトータルとして、清瀬小児が移転するということに対する大きなバックアップにもなっていくわけでございますので、ぜひよろしくお願い申し上げます。
 以上でございます。

○いのつめ委員 都立豊島病院の保健医療公社への移管に関連して何点かお伺いいたします。
 委員会報告では、今後の豊島病院のあり方についての説明がありました。豊島病院の医療機能等については、今後、豊島病院公社化検討委員会等において具体的な検討を行うとのことでした。都立から公社になるからには、今よりもより地域に密着した、住民から喜ばれる病院としなければなりません。そのためには、これまでに公社化した病院の状況を参考として、きちんとした対応をしていただきたいと思います。
 私の地元の新宿には大久保病院がございまして、平成十六年四月に公社化されています。移管の前後で若干の混乱があったように聞いております。豊島病院を公社に移管していく上では、既に公社化した病院と同じ轍を踏まないようにしなければならないと思います。
 そこで、移管前から現在まで、大久保病院の経営状況は実際のところどのようになっているのか、お伺いいたします。

○鈴木サービス推進部長 大久保病院では、公社化に当たりまして、職員数をほかの三百床の公社の病院と同程度まで圧縮したことに加えまして、派遣医局のローテーションによる医師の入れかえや、一部のベテランの医師の開業等による退職など、こういった条件が重なりまして、一時業績が低下しましたが、現在は、移管前の水準を超えるまでに回復しております。
 具体的には、病床利用率は、移管前の平成十五年度は八〇・七%でした。移管後の十六年度は七六・五%、十七年度は七八・六%と減少しておりましたが、十八年度の四月から十二月までの累計の実績では八三・一%と、移管前の十五年度を二・四ポイント上回る実績を上げている状況になっております。
 また、一日当たり外来患者数は、地域医療機関との連携に基づく紹介予約制を原則としたことなどにより、公社化前よりも減少しておりますが、コスト縮減等の経営努力を行った結果、都からの補助金支出はやや減少するなど、経営面でも順調に運営されているところでございます。

○いのつめ委員 私の耳にも、利用者の方から、かかってお世話になっていた、とてもよくしていただいた先生がいなくなってしまったというような不安の声が寄せられて、私も心配していたところですけれども、今のお話によりますと、現在の大久保病院では状況が大幅に改善されていることがわかりました。これからも努力を引き続きお願いしたいと思います。
 ところで、病院の経営がうまくいっているかどうかは、患者さんが一番敏感に感じ取ることだと思います。福祉サービスの第三者評価ががくっと下がった施設を調べてみますと、経営や運営上の問題が見つかることが多々あると聞いています。
 こうした観点から、大久保病院では患者さんの声を聞いて病院運営の参考にするなどの対応はしているのか、お伺いいたします。

○鈴木サービス推進部長 都立病院には、平成十五年度から、患者の声相談窓口というものが設置されております。公社移管後も大久保病院では引き続き、この相談窓口や投書箱等からのご意見を毎週取りまとめまして、院長以下、関連部局と調整の上、必要な対応をしております。
 その結果なんですが、患者さんや職員のわかりやすい場所に、これこれこういうことをやりましたという掲示を行いまして、患者さんからいただいたご指摘やご意見に対しては、病院がどういうふうな考え方で何をやっているか、こういったことを具体的にお伝えしているところでございます。

○いのつめ委員 患者さんの声を毎週取りまとめるというような、きめ細やかに、また素早く対応していただいているということで、安心いたしました。
 それでは、大久保病院は公社化後、医療サービスの面でどのように改善されたのでしょうか。都は責任を持って見届けていかなければけないと思います。現在、大久保病院に対してどのようなかかわりをしているのか、お伺いいたします。

○鈴木サービス推進部長 公社化後の医療サービスは、都立病院時代の医療内容を引き続き実施するとともに、新たに女性専用外来、それからメタボリックシンドロームの短期入院等を実施しております。
 十九年度には、地域医療機関からの強い要望を踏まえまして、医師二名、それから理学療法士一名の増員や施設改修などを行いまして、新たに脳卒中ケアユニットというものを整備いたします。
 このように、大久保病院は地域のニーズに素早くこたえた医療サービスを提供しております。
 また、大久保病院と都のかかわりでございますが、移管後も、大久保病院がそれまで行っていた医療を安定的かつ継続的に提供するため、一定期間の職員の派遣を行っております。さらに今後も、行政的医療に適切な財政支出を初め、特定科の医師等の確保のため、大学医局を初めとした関係者への働きかけなど、病院経営本部と公社が連携して取り組んでまいります。

○いのつめ委員 今の答弁をお伺いしますと、患者さんからのニーズにもこたえているし、地域のお医者様たちのニーズにもこたえていらっしゃるということで、医療サービスの充実に取り組まれているほか、移管後も、都がさまざまなかかわりを持って公社病院を支援しているということがわかりました。
 それでは、次に、豊島病院の公社移管に当たり、詳細な医療機能等については、運営協議会準備会を設置して、地域の意見を踏まえて決定されることと思います。引き続き、移管後も、地域の声、意見を聞いて、地域の医療需要にふさわしい医療を提供すべきと思います。どのような仕組みをお考えか、お聞かせください。

○岸上参事 今後、豊島病院に設置を予定しております運営協議会準備会は、地域医師会、地元自治体、学識経験者等で構成する予定でございます。この運営協議会準備会は、移管後は、これまでの移管三病院と同様、準備会がとれた豊島病院の運営協議会として、恒常的に病院運営全般に関することを検討していくことになります。
 地域の医療需要等につきましては、この運営協議会を通じて病院運営に反映させていきたいと思います。

○いのつめ委員 移管後も地域ニーズの把握に努めていただくということで、大いに私たちも期待をしておりますし、今のご答弁からは、期待ができるなと安心もしております。
 豊島病院についても、公社移管を進める中で、先行事例での課題などを参考に、地域の中核病院として、より質の高い適切な医療を都民に提供していただき、また、地域から頼られ、信頼される病院となることをお願いして、私の質問を終わります。

○伊藤委員 私からも、都立豊島病院のあり方に関連して何点か伺います。
 豊島病院に関しては、今回、平成二十一年度当初に、東京都保健医療公社への移管を目指すという方針が打ち出されたところでございます。豊島病院は、平成十一年に新施設での診療が開始されて以来、地元板橋区はもとより、区西北部二次保健医療圏の方々にとって、身近で信頼される都立病院として運営されてきたと認識をしております。
 このように地域に密着した運営を展開する豊島病院が、地域で不足する二次医療機関として、地元の医療機関等と連携を強化して、地域全体の医療サービスを一層向上させるために東京都保健医療公社への運営移管を目指すという方針については、理解するものでございます。
 だからこそ、経営主体が公社にかわったとしても、地域住民のニーズにこたえた病院運営がなされ、引き続き地域住民の信頼を得ていくことが何より重要だと思います。そうした視点に立って何点か質問をさせていただきます。
 豊島病院は現在、複数の重点医療課題を掲げて取り組んでおりますけれども、その中には、いわゆる行政的医療といわれる精神科救急医療、緩和ケア、周産期医療、感染症医療が入っております。
 まず、これらの四つの医療に関するこれまでの取り組み状況について伺います。

○岸上参事 豊島病院ではこれまで、総合診療基盤を活用しながら、地域に不足している医療を提供してまいりました。
 重点医療課題のうち、まず精神科医療では、急性期の精神科疾患や身体合併症に対応するため、精神科病棟を運営しており、休日・夜間の精神科救急事業や精神科デイケアにも取り組んでおります。
 緩和ケアにつきましては、緩和ケア病棟を運営し、主に末期のがん患者さんに対する心安らぐ医療の提供を行っております。
 周産期医療では、地域周産期医療センターとして、ハイリスク新生児や母体搬送を初めとするハイリスク妊産婦を対象とする医療に取り組んできました。
 感染症医療では、第二種感染症医療機関として、二類感染症を初めとする各種感染症医療への取り組みを行ってきているところでございます。

○伊藤委員 それぞれわかりやすくご説明いただきまして、大変ありがとうございます。
 いずれにしても、どの医療課題を見ても大変に重要な役割を担っているのと同時に、また、豊島病院に対する地域の信頼や期待は大きなものがあることが理解できます。
 一方、今回報告を受けた「今後の豊島病院のあり方について」の中では、行政的医療については、受け皿となる都立病院の整備の進捗に合わせ、順次移転していくことを基本とするという、ちょっと気になるところがございました。
 豊島病院が公社化された場合に、こうした医療が継続されるのか、不安を感じる住民の方々も多々いらっしゃると思います。仮に、地域にニーズがあるのにもかかわらず、行政的医療は都立病院の役割だからといって、機械的に他の都立病院に移転していくというようなことがあれば、地域の中核的病院を目指す公社病院の役割としていかがなものかという心配もあります。
 そこで、こうした行政的医療について、地域トータルで見てニーズがあり、それにこたえていく必要がある場合には、こうした機能を残すことも視野に入れて検討すべきであると考えますけれども、いかがでしょうか。

○岸上参事 豊島病院の公社化を進めるに当たりましては、今後、病院経営本部に公社化検討委員会を設けますとともに、豊島病院に、地域の関係者等から構成されます運営協議会準備会といった検討組織を設置することとしておりまして、その中で、地域のニーズを把握しながら、担うべき医療機能など具体的な検討を行っていく予定でございます。
 今回の「今後の豊島病院のあり方について」のまとめにおきましても、重点医療課題となっている行政的医療につきまして、具体的検討を経ることにより、引き続き重点医療として提供していくことも妨げないものとしております。

○伊藤委員 具体的な検討はこれからだということは理解いたしました。
 そこで、現状での地元のニーズや意向について把握していることがあれば、教えていただきたいと思います。

○岸上参事 豊島病院の区立化を目指した板橋区からは、移管断念後、地域医療の充実にみずから努力するとした上で、小児医療やリハビリテーション医療の推進、災害時や健康危機発生時に積極的な役割を果たすことなどにつきまして要望を受けております。

○伊藤委員 地域の信頼にこたえるためにも、今後とも、ぜひ、地域ニーズを十分に把握して公社移管の検討を進めていただきたいと思います。
 また、仮に、このように地域ニーズに沿って、行政的医療を豊島病院で継続することが決まったとしても、その運営に必要な医療従事者が確保されなければ、絵にかいたもちのようになってしまうと思います。
 特に、医師の人材確保の困難性という課題については、地方だけの問題ではなく、東京においても深刻な問題であります。このことは、現在、豊島病院が産婦人科において、医師確保の関係から分娩の受け入れを休止しているということに象徴的にあらわれていると思います。
 公社移管後の医療機能がどのようになるかは、今後の具体的検討にゆだねられるとして、検討に当たっては、まず、豊島病院の現状の課題を改善して、足元をしっかり固めることが必要であるというふうに思います。
 そこで、産婦人科の医師確保について見通しは今どうなっているのか伺います。

○岸上参事 豊島病院の産婦人科につきましては、この一月に、部長級で医師一名を迎えたところでございます。
 今後も医師確保の努力を継続しまして、早期に分娩、手術を再開できる体制が整えられますように取り組んでまいります。

○伊藤委員 ぜひとも、地域の期待にこたえるべく、早期の改善を要望させていただきます。
 さて、豊島病院が地域の中核病院を目指して公社への移管が検討されることは、地域住民にとってより身近で頼りになる存在になるという点で好ましいことでありますけれども、そうした点を住民にしっかりと説明していくことが必要であると考えます。
 そこで、最後に、豊島病院が公社化された場合、地域全体や都民にとってどのように利点があるのか、その展望を伺います。

○岸上参事 豊島病院は、公社化された場合には、開放型病院として運営していくなど、地域の医療機関等との連携を一層強化しながら、継続性のある一貫した医療を提供することで、地域全体の医療サービスの一層の充実に貢献してまいります。
 また、公社ならではの弾力的な運営のもとで、これまで都立から移管した三病院の例に見られますように、地域ニーズに応じた新たな診療に取り組むなど、地域の中核病院としての役割を担ってまいります。

○伊藤委員 都民のため、そして、地域住民に対するサービス向上という視点を忘れずに、地域の意向を十分に反映させながら着実な取り組みをお願いして、質問を終わります。

○かち委員 私からも、豊島病院の今後のあり方の報告に関連して幾つかお聞きしながら、その他、お聞きしたいと思います。
 昨年の行財政改革プログラムの中で、豊島病院については、公社化も視野に入れて検討するという内容が出されて、今回、公社化を目指すということで具体的な報告が出されたわけですけれども、このような検討の仕方というのは、やっぱりこれまでの経過を十分に検討し、総括した上で次の計画に進むべきだというふうな立場に立って聞きたいと思います。
 それで、今お話がありましたけれども、都立病院は、都内全体の医療機関に占める割合は六%にも満たない状況ではありますけれども、その中で、重点医療としても、また地域に少ない行政的医療として位置づけられている周産期医療、これに占める都立病院の割合は二六・八%ということなんですね。で、八王子小児、清瀬小児、大塚と豊島病院が地域周産期医療でその役割を果たしております。そして、総合周産期医療としては墨東病院ということで、大変大きな役割を果たしているわけです。
 とりわけ、母体と新生児を一緒に搬送できる地域周産期医療を提供している大塚病院と豊島病院という状況なんですけれども、その豊島病院の産科入院が医師の不足によって今休止状態ということは、現実の医療提供をしているという点でも大変大きな問題だというふうに思います。
 今ご質疑がありまして、一月には一名の着任が決まったということですけれども、まだ全体の定数には半分ということですので、一日も早く正常化を実現するように努力を求めたいと思います。
 豊島病院が標榜している重点医療、周産期医療、緩和ケア、精神科救急、リハビリ、感染症など、いずれも不採算ではあるけれども、なくてはならない医療。これを行政的医療ということで提供してきたわけですけれども、この豊島病院が果たしている行政的医療を経営本部としてはどのように位置づけているのでしょうか。

○岸上参事 豊島病院は、平成十一年の開設以来、精神科救急医療、緩和ケア、周産期医療、感染症医療など行政的医療に取り組みまして、その役割を果たしてまいりました。
 公社化後の行政的医療の取り扱いにつきましては、今後、地域のニーズや他の医療機関のサービス提供体制などを勘案しながら、具体的に検討してまいります。

○かち委員 豊島病院が果たしてきた、行政的医療を提供してきたという点については認められたわけですけれども、病院改革プログラムの中でも、高度医療と行政的医療は都立病院の役割だというふうに位置づけていますよね。
 その行政的医療が、医療圏域にかかわらず、実数は多くなくても必要だという医療を提供している豊島病院の役割、そして、地域の医療連携についても大変進んでいる、十分に果たしているというふうに評価されているわけです。これがまさに本来の都立病院のあり方ではないかというふうに思うんですけれども、そのような評価はなさらないんでしょうか。

○岸上参事 現在の厳しい医療環境のもとで、限られた医療資源を最大限有効に活用するためには、それぞれの医療機関が役割を分担しながら、総体としての医療サービスの向上を図らなければならないと考えます。
 豊島病院がある区西北部医療圏におきましては、二つの大学病院のほかに、都立大塚病院、老人医療センターもありまして、三次医療、専門的な医療機関として、それぞれ役割を果たしております。
 また、豊島病院は、地元からの患者さんの比率や紹介率が高く、地域全体の医療サービスの一層の充実に貢献することが求められております。したがいまして、今後の豊島病院は、地域病院として機能を充実させていくために、地域病院を安定的に運営してきた東京都保健医療公社への移管を目指してまいります。

○かち委員 区西北部の医療圏には三つの都立病院があるということですけれども、それぞれ役割が違って、重点医療も違うわけですね。そういう意味で、それぞれの役割、任務を果たしているというふうに思うわけです。そのことはお認めになるんですけれども、しかし、財政的な理由、医療にばかりそんなにお金をかけられないということの理由から、今回は都立から切り離して公社にということなんです。この一次計画の中で豊島病院が本当に翻弄されてきたというのが実態だと思うんです。
 最初は、近接している老人医療センター、これと統合して民間に移譲するという計画が出されたわけです。老人病院自身も大変大きな役割、位置づけを持っているにもかかわらず、豊島病院も行政的医療なども提供しているにもかかわらず、もういいんだ、民営化なんだということで打ち出されたわけです。しかし、余りにもこれは乱暴だということで、板橋区や議会からも大変異論の声が上がりまして、それならばということで板橋区が、では豊島病院については引き受けましょうという話が出たわけですよね。
 そうすると、病院経営本部としては、本来、二つまとめて出そうと思ったんだけれども、区が受けてくれるんだったらいいですよ、半分でもいいですよというような形で、そこに理論的な整合性というのが本当に見当たらないままに、区移管という話もかなり進んできたわけなんですけれども、結局、両者の条件が合わないということで、その話はご破算になったわけです。
 だから、本当に今、仕切り直しの状況にあるわけですけれども、そういう状況にある中で、行革プランで公社化だというふうに打ち出されたわけです。そして今度は、老人医療が大事だ、研究所と一体で、こちらは独法化でというような話がまた出ているわけですけれども、本当の意味で都民が必要としている医療をどうやって提供するのかという立場に立っての構想とはとても思えないようなやり方だったというふうに思うんです。その辺を病院経営本部として、どうだったのかというきちんとした総括はされているのでしょうか。伺います。

○岸上参事 老人医療センターと豊島病院のあり方に関しましては、関係局と協議を重ねた結果、老人医療センターについては、新しい高齢者医療制度の創設など、国の医療制度改革の動向も踏まえ、高齢者の高度専門医療の実践、普及をより一層推進するため、老人総合研究所と一体化した運営が必要と判断いたしました。
 一方、豊島病院につきましては、開設以来の地域医療連携が一層強化されている現状や、区西北部医療圏の医療提供体制の状況から、引き続き地域医療の充実に取り組んでいくべきと判断したものでございます。
 その結果、昨年七月の行財政改革実行プログラムで、それぞれの方針を打ち出したところでございます。

○かち委員 国の医療制度改革が出たから云々というお話がありましたけれども、そういう改革が出るまでもなく、これまで東京都は、福祉と医療と研究を三位一体として、日本の高齢者医療のあり方の先駆的な役割を果たしてきたのは、養育院の歴史を持つ老人医療センター、あのキャンパスの医療だったというふうに思うんです。それを、病院改革という名のもとで、本来の考え方も仕組みも壊して民間化しようとした、これまでの混乱の実態だったのではありませんか。
 豊島病院については、地域連携ばかりを強調されますけれども、今の時代、都立病院であっても、地域連携を重視し、促進するということはもう当たり前の状況になっています。公社でなければできないという問題ではないと思うんです。今必要なことは、不足している周産期医療、精神科救急やリハビリ医療など、行政的医療に豊島病院としてしっかりこたえていくことだと思うんです。
 当初計画にもなかった公社化検討を急ぐ必要はないと思うんですけれども、いかがでしょうか。

○岸上参事 今後の豊島病院につきましては、これまでの実績や同一医療圏内の医療機関の状況から、公社への運営移管を目指すことが最適であると判断したものでございます。
 公社化後に担うべき医療機能等の検討につきましては、地域の意向も十分踏まえながら着実に進めてまいります。

○かち委員 昨今の厳しい医療環境のもとで、都立病院も厳しいけれども、公社病院はもっと厳しい運営や、人員確保の面でも困難を強いられているのが現状ですよね。公社は自立への過程だというふうにもいわれてきましたけれども、一三ページの補助金の推移を見ても、自立するどころか、ますます補助金はふえる一方、こういう状況だと思います。公社病院が今後どういう推移をたどるのか、見きわめた上で検討すべきだと思います。
 では、公社病院の実態はどうかということですけれども、今、多摩南部病院の小児科入院はもう二年以上も休止状態です。再開のめどはどうでしょうか。また、公社化後一年もたたないうちに、公社荏原病院の産科縮小という問題も出てきています。それぞれの正常化のめどはどうなっているでしょうか。

○鈴木サービス推進部長 まず初めに、多摩南部地域病院の小児科でございますが、現在、入院診療と休日の救急診療を休止しております。それ以外の救急と一般外来、さらに神経、心臓、腎臓病といった五分野の専門外来は行っております。
 現在は、入院再開に向けて、公社と連携して、引き続き医師の確保に努力しているというところでございます。
 それから、荏原病院の産科の正常化ということなんですが、荏原病院での分娩の対応につきましては、荏原病院に医師を派遣している大学が、医局自体の医師の不足から医師の引き揚げを行ったため、現在は新規の分娩予約を制限しているところでございます。
 これにつきましても、引き続き、病院と公社挙げまして大学医局に働きかける等の努力を行っているが、現在は難しい状況にあるというところです。これもやはり連携しながら、いろいろ努力して確保に向けていきたいと思っております。

○かち委員 一たん休止すると再開は非常に難しいんだということを示していると思います。これでは、多摩南部の小児科、標榜していても入院ができないということになりますと、地域の開業医さんもやっぱりそこに送ることができないわけですね。そうなりますと、地域連携を標榜している医療の根幹にもかかわる問題だというふうに思うんです。
 本部としての早急な手だて、支援策が必要だと思いますけれども、具体的にどのような支援をとっているのでしょうか。

○鈴木サービス推進部長 多摩南部地域病院の小児科に対しまして、これまで病院経営本部では、都立病院でも医師の確保は非常に厳しい状況なんですが、地域医療を確保するということから、小児科の部長医師一名を常勤で派遣している状況です。
 今後とも、公社と密接に連携しながら、医師確保に向けて取り組んでいきたいと思っております。

○かち委員 努力をされているけれども、なかなか事態は改善していないという状況だと思います。
 荏原病院の産科縮小も深刻なんです。年間千件の分娩を扱ってきた病院の出産件数も、これで半減してしまうということなんですね。地域には診療所はあっても、医師が高齢化しているということもあって、分娩を扱わないところが多いんです。一日も早い正常化を求めるものですけれども、私は、事務事業質疑の中でも、助産師による院内助産所や助産師外来が大変重要だということを申し上げてまいりました。出産に伴う医療の質を高める、妊婦さん、また家族に対しても、不安を取り除いて十分な説明をするということで、助産師の本来業務のあり方というのが今、全国的にも大変評価されつつあるところです。
 そういう意味で、このたび荏原病院で実現の準備に入るとのことですけれども、早急に実現できるような支援が必要だと思います。どのようなことを考えているのでしょうか。

○鈴木サービス推進部長 荏原病院では年間一千件の分娩がございます。地域の分娩に対するニーズは非常に高いというふうに認識しております。
 このため、荏原病院では、助産師外来等の平成十九年度中の設置に向けまして、人材の確保、育成や具体的な施設整備の方法などについて検討を進めているところでございます。
 本部としましては、今後とも必要な支援を行ってまいりたいと思っております。

○かち委員 ぜひ実現できるように、強力な支援をしていただきたいというふうに思います。
 るる聞いてまいりましたけれども、病院改革は、来年度、二次計画を立てるということになっているわけですけれども、これまでの改革がどうだったのか、それぞれについてきちんと分析と検討をした上で次のステップに行くべきだと思うんです。そういう意味では、豊島病院が今なし崩し的に公社化をということではなくて、一たん総括をした上で、仕切り直しをして検討するということにすべきだということを申し上げておきます。
 次に、都立病院についてですけれども、墨東病院も同じく医師の欠員状況が厳しく、とりわけ産科が今、外来をとめているというような状況になっているわけですけれども、この見通しはどうなっているでしょうか。

○及川経営企画部長 墨東病院の産科の医師の問題でございますが、現在、大学医局に対しまして医師派遣要請を精力的に行うなど、体制整備に努めますとともに、非常勤職員の活用あるいは地域での医療機関との連携の強化を図るといったようなことをもちまして、墨東病院の総合周産期センターとしての医療機能を維持しているところでございます。
 また、産婦人科のシニアレジデント、こちらも受け入れておりまして、若手医師の確保、育成にも努めております。
 今後とも医師の確保に努力をしてまいります。

○かち委員 この病院は、築地産院を統合してできた病院でもあります。とりわけ、隣接する江東区では、墨東病院の産科がなくなると、産科を持つ病院がなくなるという深刻な事態になります。地域に産科病院がなければ、必然的に正常分娩の方々もそこに集中せざるを得ない、これが実態だと思います。
 産科医の負担を少しでも軽くするということとともに、助産師本来の職務を発揮する機会を拡大すべきだということからしても、都立病院での助産師による院内助産、助産師外来、こういうことも検討すべきと思いますけれども、どうでしょうか。

○岸上参事 墨東病院は、総合周産期母子医療センターとして、院内助産所では対応できないハイリスク分娩など、高度な周産期医療を提供していることから、医師の確保が何よりも優先されるべきであるというふうに考えております。
 また、他の都立病院の産科に関しましても、現在、医師の確保に全力を尽くしているところでございまして、院内助産所や助産師外来の設置は考えておりません。

○かち委員 総合診療基盤の上に立った墨東病院ということで、広くいろんな診療、軽症から三次まで受け持つ役割を持つERということを標榜している墨東病院なわけですよね。
 そういう意味では、もちろんハイリスクの患者さんを守らなければいけない、それを受け入れなければいけない、その体制をとらなければいけない、そういうこともありますけれども、一般の分娩も来るわけですから、そういうものに対して、医師がそこにかかわることができない状況であればこそ、そこを軽くしてあげるということ。今全体の中で、医師の確保と過重労働の軽減ということが求められているわけですから、そういう意味からしてもぜひ検討していただきたいというふうに思います。
 それから、産科医師の約二割は女性医師と聞いておりますけれども、医師自身の出産、育児など、女性医師が働くには大変過酷な労働実態から、離職するケースも多くなっております。女性医師の働ける環境整備も必要ですけれども、都としては、具体的な対策はどのようにとっているでしょうか。

○及川経営企画部長 都立病院ではこれまで、初任給調整手当の増額といったことや、職務住宅の借り上げの拡充といったことなど、さまざまな医師の処遇改善策を講じてまいりました。
 さらに、来年度からは宿日直手当につきましても、大幅な改善に向けて現在準備を進めているところでございます。
 また、院内保育室でございますが、来年度から保育時間の延長あるいは対象年齢の拡大といったことを予定しておりまして、今後とも医師の労働環境の整備に努めてまいります。

○かち委員 大幅な改善をぜひ目指していただいて、それで確保できる状況であるかどうかということがやっぱり試されると思うんです。今、離職している女性医師がどういう要望を持っているのかということを丁寧に聞く耳を持って、改善策をとっていただきたいというふうに思います。
 産科、小児科医師の不足が顕著ではありますけれども、そのほかにも多くの診療科に必要な医師不足が深刻です。
 都が独自に専門医師養成のシステムづくりを進めようとしていることは、大変意義あることですけれども、現に不足している医療現場での医師不足、提供する医療にも支障を来すようなことは最大限避けなければなりません。これは病院経営本部だけで解決できるものではありませんけれども、全国的に試みられているドクターバンクのような仕組みづくりについても、福祉保健局とともに連携して検討されることを求めておきます。
 次に、看護師不足問題の一つの解決策として、初期研修の導入で、一年未満の離職率に一定の効果が出たとの報告がありました。しかし、依然として中途退職による欠員状況は解消されていません。
 資料にも出ておりますけれども、本年一月時点で五十九名の不足が生じています。来年度四月の採用予定人数は何人で、これで欠員が解消されるのかどうかということですけれども、お聞きします。

○及川経営企画部長 十九年四月一日の看護要員の採用予定数二百六十五名でございまして、退職数等不確定な要素がございますけれども、欠員は生じない見込みでございます。

○かち委員 四月の時点では何とか定員を充足できそうだということですけれども、医療現場では、今、非常に入院期間が短くなっています。サイクルが非常に激しい。そういうことで、短期の入退院による仕事量の増大、多忙化、医療技術の高度化、煩雑化等々により、現場で働く看護師の過重労働が大変問題になっています。
 七対一看護基準というのが昨年の診療報酬で新しくできました。これは、現場の実態からすれば当然必要な課題だというふうに思います。医療内容の高度化や煩雑化に対応した七対一看護基準に向けた努力を、都立病院としても進めるべきだというふうに思いますけれども、どのように考えているでしょうか。

○及川経営企画部長 昨年四月からの七対一看護基準の導入に伴いまして、看護師の獲得競争が激化をし、中小の病院の看護師不足に拍車をかけているというようなことがいわれております。
 また、厚生労働省も、関係団体からの要望を受けまして、見直しに向けての検討を進めているというふうに聞いております。
 都立病院といたしましては、制度の動向や費用対効果など、都立病院の実情に即して、より精緻な検証を行っていく必要があるというふうに考えております。

○かち委員 お聞きしていると、七対一は今すぐは考えませんよというふうに聞こえますよね。だけど、現場は本当にもう待ったなしの状況だというふうに思います。
 先ほど来、中途退職によって、いつも四月には満ちても、だんだんだんだん欠員状態が生まれるという状況は、やっぱり改善しなければならないということだと思いますね。
 今の七対一看護基準というのは、余りにも極端過ぎて、これを実施するためには、実際には六対一ぐらいの体制がなければできないと。一日でも研修だとか有休だとかで休んだら、もうその看護基準が一切認められないという、非常にハードルの高い問題でもあります。
 保険点数が高いということもありますので、力のある大病院、大学病院なんかはそれに集中して取り組むわけです。そうすると町の中小病院はとても太刀打ちできないということで、非常に医療現場のひずみが出ているというのが実態だと思うんですね。
 そういう声が大きくなって、厚生労働省としても一定の見直しを検討するというようなことですけれども、国際的に見ても低過ぎる日本の看護基準が今後後退するということは考えられないわけです。早晩、七対一基準への対応は必然だというふうに思います。
 中途採用などを含めた臨床研修の充実とともに、人員体制の拡充に向けて、検討を早急に図っていただきたいと思います。
 次に、がん対策について、国においても法制化され、がん克服に当たり、疫学的視点からしても、がん登録の重要性が認識されてきております。国の地域がん診療連携拠点病院として、都道府県に一カ所指定されることになりましたけれども、これまで全国的にも先進的ながん医療を提供してきている都立駒込病院が登録に応募し、都におけるがん対策のリーダーシップを果たすべきだと思いますけれども、どのようにお考えでしょうか。

○岸上参事 駒込病院は、がんに関する高度専門的な医療を提供していることから、平成十四年三月に地域がん診療拠点病院に指定されております。
 平成十八年四月から、がんの拠点病院に関する国の制度が見直しされまして、駒込病院は、平成二十年三月までの経過措置としまして、地域がん診療連携拠点病院にみなし指定を受けております。
 都道府県がん診療連携拠点病院に関しましては、今後、福祉保健局が最もふさわしい拠点病院を選考して、国に推薦することになっておりますが、駒込病院のこれまでの実績からいいましても、当然のことといたしまして、適切に対応してまいります。

○かち委員 最後に意見だけですけれども、急性期脳梗塞の治療薬として、アルテプラーゼ血栓溶解剤の静脈注射法が、ようやく日本においても二〇〇五年の十月に認可されました。このことは脳梗塞医療に活気をもたらしました。非常に成功率の高い療法ではありますけれども、重篤な危険性も裏腹に伴います。だからこそ、万全な専門スタッフによるチーム医療の体制確保が必要です。発症から三時間以内であること、脳卒中診療体制の整備、二十四時間、CT、MRIが可能であること、十分な専門の人員体制の確保が必要です。
 来年度、荏原病院に続き大久保病院でも、この治療に対応した集中治療室の整備を行うとのことですけれども、ぜひ都立病院としても整備を進めることを求めて、私の質問を終わります。

○山口委員 私たちが医療機関の門をくぐらなければならないとなると、まず、どのような医療機関で診察を受けたらいいか、あるいは治療を続けるかを決めることは、大変厳しい判断を迫られます。そのためには、判断するための材料が必要になるわけです。インフォームド・コンセントがきちんと行われているのか、あるいはセカンドオピニオンなどにはどういう対応をしているのか。また今は、クリニカルパスという医療連携がどれだけ充実しているかなど、さまざまな情報が必要になるわけです。
 患者中心の医療においては、どのような医療機関でどのような治療を受けるか、患者自身が主体的に選択して決定することが保障されなければなりません。その意味で、医療機関が発信する情報の持つ意味合いは極めて重要性を増しているかと思います。特に、電子情報の非常な発達によりまして、今いろいろな情報も得られるわけです。
 都立病院では、各病院もきちんとホームページを開設して、都民や患者への情報提供に努められているようですけれども、どのような内容を提供しているのか、お聞かせください。

○岸上参事 各都立病院のホームページでは、病院の運営理念、基本方針、重点的に対応する医療課題を初めとしまして、各診療科の特色や医師等のスタッフの紹介、あるいは診療実績に関する統計データ、そういった内容を掲載しまして、都民、患者さんへの情報提供に努めております。

○山口委員 お答えの中にはなかったんですけれども、日本医療機能評価機構が認定しております認定についても、認定マークをつけておられますよね。お聞きしたところ、総合病院は既にこれを受審しているということですけれども、こういったことも患者にとっては、特に医療の安全性あるいは患者の権利にのっとった診療体制が行われているかどうかなどの一つの目安にもなりますので、専門病院などでも、こういったこともまたさらに進めていただけたらというふうに思っています。
 インターネットが急速に普及した結果、ホームページを通じた医療機関の情報提供は、今後ともその重要性を一層増していくものと思いますが、都立病院としては、これからもどのように充実を図っていくのか、取り組みについてまた伺わせてください。

○岸上参事 ご指摘のとおり、ホームページは、患者さんが医療機関に関する情報を収集し、比較検討する上で重要な手段だと認識しております。
 このため、患者さんの関心の高い代表的な手術とその件数など、実績データの充実あるいはレイアウトの工夫を通じた見やすさの向上などに努めてきております。
 今後とも、都民、患者さんのニーズに的確に対応しまして、ホームページの充実に努めてまいります。

○山口委員 都立病院のホームページでは、お見舞いメールをサービスとして提供しています。多忙な人にとって、入院している身内や友人、知人に気軽に一言メッセージを送ることができますし、患者にとっては、その一言が励みになるという点で、とてもよいアイデアだと思っています。
 さらに、栄養科のページを見てみますと、病人への栄養指導や入院患者の食事のメニューなどが紹介されています。病院経営本部のホームページでも、食事療法について、食事療法の進め方として、ホームページでは掲載されています。少しはレシピの紹介などもあるんですけれども、こうしたページにさらに糖尿病や腎臓病患者のためのお料理のレシピなどを掲載していただくと、在宅で療養している人や食事療法の必要な人への情報提供としては、とてもいい情報源になるのではないかというふうに思っています。これは、お勝手からの提案ということで、ぜひ今後検討していただきたいというふうに思います。
 選択した医療機関を実際に利用する際には、もちろん患者の権利が確実に保障されなければなりませんし、情報を提供した意味が失われてしまうということにもなりかねません。特に子ども、いわゆる本当に心も体もまだまだ未成熟な子どもにとっては、医療機関を実際に利用する際の権利の保障は極めて重要なことであると考えております。都立病院改革実行プログラムでは、小児病院版、さらに精神科病院版、都立病院の患者権利章典の制定に向けた検討を行うとしております。
 昨年十月の公営企業会計決算特別委員会分科会でもお尋ねしましたが、その後の進捗状況はどうなっているのか伺います。

○岸上参事 小児病院、精神科病院におきます患者権利章典の策定につきましては、平成十七年七月に都立病院倫理委員会に諮問したところでございます。小児病院と精神科病院の患者権利章典を検討するに当たりましては、それぞれ特性がありまして、検討の視点が異なることから、専門委員会を設置しまして、小児病院版の患者権利章典について先行して検討を行っております。
 これまで、専門委員会を五回、病院視察を三病院で実施しまして、委員の方々に精力的にご検討いただき、専門委員会での検討が終了したところでございます。

○山口委員 専門委員会での検討が終了したとのことですが、今後、小児病院版権利章典としてどのように取り組まれていくのか、スケジュールを伺います。

○岸上参事 今後、専門委員会から都立病院倫理委員会に報告していただきまして、その上で、倫理委員会としての最終的な報告書をいただきまして、小児版患者権利章典を策定していく予定でございます。

○山口委員 引き続き、しっかりとした検討を行っていただきまして、患者、そして家族の視点に立った、すぐれた内容の権利章典を速やかに制定していただくことを要望して、質問を終わります。

○長橋委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩をいたします。
   午後二時十八分休憩

   午後二時三十一分開議

○長橋委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○田代委員 まず、豊島病院の保健医療公社への移管に関して確認させていただきたいと思いますが、先日の厚生委員会で、今後の豊島病院のあり方について説明をいただいて、公社移管への方向性が示されたわけであります。
 都立病院の公社化に当たって、必ずある会派が問題視しているのは、公社化によって医師や看護師がやめてしまって医療サービスが低下する、こういう議論なんですね。実際は、本音はそういうところではなくて、ごく一部の非常に間違った組合運動の政党活動みたいなものなんですけれども、これはともかくとして、小児科、産婦人科などの特定診療科の医師というのは訴えられることが多いんですね。訴訟のリスクがふえてきた。
 これは、どこかで、だれかがしっかり、国も含めてやっていかなくちゃいけないと思うんですけれども、お産というのは何回かに一回は事故が起きるんです、残念ながら。ワクチンと同じなんですね。お子さんも何百人に一人かは、なかなかしっかり大人を迎えることができない。まだそれが医学のレベルなんです。これは非常に悔しいことだし、改めていかなくちゃならないことなんですけれども、現実はどこかで見ていかなくちゃいけない。
 そうすると、そういうことが認められないのであれば、どんどんどんどんそういうものから医者が撤退しちゃうというのは、随分医者ってだらしないやつだなって僕は思うんですけれども、やはり自分を守るということも考えると、そういうことを選択せざるを得ない。こういうことで全国的に不足している。これが都立病院や公社病院にも影響が出ている。これはもう全く現実だと思うんですね。
 そして、これは今から対応が少し厚生労働省としては変わると思いますけれども、七対一の新しい看護基準、これによって大病院がみんな抱え込みをしていく。私が勤めている病院も今大騒ぎして看護師の抱え込みをやっているわけですけど、これは逆に、中小の町の病院の先生方に大変大きな迷惑をかけていることは現実であるわけです。しかし、こういう問題と公社化をすぐ一致させてしまうというのは、全く問題を取り違えているというか、意図的としか思えないわけです。
 公社化をするのはどうしてかということを、もう一度原点に立ち返って考えてみますと、患者さんたちのニーズが今非常に高まっていますので、地域に不足している医療を効率的に提供していく、このために公社化するわけでありまして、多くの診療所などでは、医師の専門性や施設や設備などの問題があって、問題があるというか、それは当然小さいわけですから、一つの医療施設ですべての疾患を完全に患者さんが満足するように完結するわけにはいかないわけですね。また、そんなことをするために多くの人材や設備を投入するということは、医療機関というのは社会的資源ですから、もう医者個人のものではなくて、どんな診療所でも社会の公共のものですから、そういう意味ではむだになってしまうわけです。
 平成十一年度から、国民医療費というのは約三十兆円を超えて、今どんどんどんどん右肩上がりに上がっている。これは、医療の質がいい悪いの問題ではなくて、国民の全体のニーズですから、これは仕方がないわけで、当然、だれでも一番新しい、一番いい、しかも害のない治療を受けたい、結果としては健康な体になりたいというのは当たり前でありまして、これだけ医学が進んでいると、医療費が上がっていくわけですけれども、しかし、どこかにむだが、あるいは、ある程度効率をよくして中身を変えていくことができるんじゃないか。
 例えば、検査なんか、レントゲンなんかでも、各診療所、各病院に行くたびに同じことが繰り返されるということは、よく昔から耳にしているわけですけれども、ここをしっかりつくっていく、基幹病院としての、コアとしての公社病院が必要であって、そこでは当然、患者さんのプライバシーという問題も出てきます。そして、医師と病院がもっともっと綿密な関係を持っていかなくちゃいけないんですけど、紹介ですとか逆紹介、なかなかまだ、今、残念ながらうまくできているとは僕ちょっと思えないんです。地域のお医者さんの少し引っ込み思案なところがあるかもしれません。あるいは、公社病院の方が受け入れ体制が足りないのかもしれません。
 しかし、お互いよく見てみますと、公社病院も忙しくて、そんなことやってられないんですよね、ある部分では。ですから、そこをきちっと対応できるような制度にしていくのが行政の力だと思うんです。今一生懸命努力はなさっていると思うんですが、これまで公社に移管された三病院、地域に根差すためにいろんな努力はしていると思うんですが、この三病院が取り組まれた新しい医療サービス、どのようなものがあるかを教えていただきたいと思います。

○鈴木サービス推進部長 公社に移管しました三病院の移管後、新たに取り組んだ医療サービスでございますが、まず初めに、大久保病院では、平成十六年七月から女性専用外来を開設したほか、十七年の十一月には、メタボリックシンドロームの短期入院を開始いたしました。さらに十九年度には、地域医療機関からの強い要望を踏まえまして、脳卒中ケアユニットを整備することをしております。
 また、多摩北部医療センターですが、十七年四月に小児科を設置し、同年六月から小児の二次救急医療を開始しました。さらに、十八年の五月には地域医療支援病院の承認も受けてございます。
 それから、荏原病院でございますが、十八年四月から歯科のインプラント治療、旅行医学外来、リニアックを導入したがんの放射線治療を開始しまして、さらには、総合脳卒中医療センターの充実を図っているところでございます。
 今後とも、地域の医療ニーズにいち早くこたえて医療サービスの提供ができるよう、公社とも連携していきます。

○田代委員 各地域といっても、荏原病院の前だけが歯科のインプラント治療を求めているわけでもないし、なかなか大変だと思うんですね。それぞれに同じように求める人はいるわけですけれども、少なくとも、公社病院のメリットを生かしながら、迅速に対応しようとしているわけですから、続けていただきたいと思うんですね。
 それから、評価はともかくとして、新卒の医師の臨床研修制度が始まっているわけで、これは何回も同じことをいっていますけれども、大学病院の医局による派遣医師の引き揚げがある。これは、一つどこかが穴があけば、そこを埋めるために戻さなくちゃいけない。五年間、今からは研修制度が動いて、都立病院なり、あるいは公的病院が次の人を入れるために、今までいた人たちを出さなくちゃいけないという、初めて余ってくるまではこれが続いていくわけです。
 続いていくんですが、そのときに、いつも申し上げているように、都立病院でも卒業教育ができるようにしていただきたい。都立病院は卒業教育できないんですよ、できない人間が集まって、プロの職人が集まっているわけですから。教育をしたきゃ大学病院に残っているんであって、都立病院に行ったということは、教育職よりも、もっと手術をしたい、患者さんのために実践的に役に立ちたいという人が行っているわけで、その人たちが教えやすいような制度をしっかりとつくっていく。それの緊密な関係というのは大学病院しかあり得ないんで、大学病院ともっともっと緊密な関係をとっていけば、今のような引き揚げはないと思うんですね。
 私の病院も随分引き揚げていて、今大変ご迷惑をかけているのはよくわかるんですけど、やっぱり関連するという、その努力がなかなかできてないんで、これまた一層の努力をお願いしたいと思います。
 それから次に、今回の精神医療センターの整備計画にあります心神喪失者と医療観察法について幾つか教えていただきたいと思うんです。
 この提出された資料を見せていただきますと、そのスケジュールの中では、心神の喪失者と医療観察法に基づく病棟を最初に開設するということになっているんですが、刑法改正にかかわる議論の中で、昭和四十九年の保安処分の検討や昭和五十六年の治療処分の検討などが行われて、触法行為を行った精神障害者への対応については、これまでもいろいろいわれてはきたんですが、ありていにいうと、もうちょっとしっかり社会がというか、行政が受け取らなくちゃいけないものを精神病院に押しつけているというのが今までの現実だったわけですね。
 中に入れれば、人権侵害といわれて、出して、事件を起こすと、病院の責任という。本当は警察を含めて行政がすべて責任をとらなくちゃいけない人たちを全部精神病院に押しつけたということが、今の大きな問題の発端なんですが、今まで必ずしも十分に対応できる制度がなくて、精神保健福祉法による措置入院などで対応してきたわけです。
 しかし、ちょっと前ですけど、嫌な事件ですが、大阪教育大学附属小学校のあの事件の発生を契機として、厚生労働省の研究班による専門的な研究が行われて、国会でも、やはりこれではまずいんじゃないかという議論が行われ始めたわけです。
 しかし、私自身も精神科を随分長いことやっているんですけれども、精神科医療や精神障害者の方に対する誤解や偏見、スティグマなんかが大変ありまして、これは患者さんだけではなくて、我々医師に対してもあるわけですけれども、今度のこの法律や制度の内容がまだまだ十分に理解しづらい状態にあると思うんですね。
 特にこの松沢病院、このたびの整備計画に関する住民説明会などを見ていますと、運営の仕方にもいろいろあるのかもしれません。一生懸命皆さん方がなさっていることはよくわかりますし、誠心誠意やっていることはわかるんですが、アカウンタビリティーですから、そこでどうしても地元の方が理解できないということになれば、やはりこちらの責任であって、医者のインフォームド・コンセントと同じですね。幾ら説明しても、患者さんがわからなきゃ、責任は一〇〇%医者にあるわけで、行政の方にそういう感覚を持っておいていただきたい。
 しかし、中には、全く住民とは関係なしに、地域とは違う人が来て、いたずらに不安をあおるような、いわゆる一つの政治活動をしている者もいるわけです。特に選挙の前ですから、ある政党になると、そういうことだけを専門的にやるということもないわけじゃないんで、ここはしっかりと対応していかなくちゃならない。これは誠心誠意話をしていかなくちゃならないわけですね。説明がされないと、不安あるいは疑問を持つ人がどんどんふえてきてしまいます。
 改めて、医療観察法の目的と、全国におけるこの法律に基づく指定入院医療機関の整備状況について、どういう状況になっているか、教えていただきたいと思います。

○及川経営企画部長 心神喪失者等医療観察法の目的についてでございますが、この法律は、対象者への継続的かつ専門的な医療を提供することによりまして、病気の再発を防止し、最終的には社会復帰を促進するということを目的としております。
 同法に基づく指定医療入院機関の整備状況についてでございますが、国立関係の病院におきましては、十四カ所で整備が進められております。平成十九年二月一日現在、九カ所が開設しております。また、自治体関係におきましては、岡山県、大阪府、長崎県で整備が計画をされております。このうち、岡山県立病院は、平成十九年の夏にも開設が予定されているというふうに聞いております。

○田代委員 先ほどもちょっと申し上げましたけど、他害行為を行った精神障害者の方に対する医療というのはなかなか十分じゃないんですね。傷害や放火などの重大な他害行為を行った精神障害者がいた場合には、現行の精神保健福祉法では措置入院、これしか方法がないわけです。措置入院ということになると、ほかの患者さんと一緒に治療を受ける。逆にいうと、対象者となった方にとっては十分な治療環境ではない。そして、退院した後、通院についても継続的な医療が確保できないわけですね。なかなか一般の人でも医者に行くのが嫌なところへもってきて、精神障害をお持ちの方にとってみれば、定期的に医療機関に行くなんというのは、仕組みができてないと行きづらいわけです。
 ところが、今度のこの法律のもとでは、入院医療とか通院医療ともに、十分ではありませんけれども、今までに比べて極めて手厚い医療が行われることになっているわけでありまして、この入院医療に関して、具体的にどのような体制のもとで医療が提供されるかについて少し伺いたいと思います。

○及川経営企画部長 この法律に基づきます入院医療に関しましては、専門の病棟において、医師、看護師、精神保健福祉士などの多職種から成るチームにより、急性期、回復期、社会復帰期など、対象者の病状に応じて医療を提供することとしております。
 また、この病棟における医療スタッフは、三十床規模の病棟で五十五名の医師、看護師、精神保健福祉士などの医療スタッフが関与することになっております。これは、現行の精神保健福祉法に基づく精神科の病棟に比べて約三倍でございまして、非常に手厚い体制のもとで医療を提供できることになっております。
 さらに、病院内で治療評価会議を定期的に開催し、対象者への治療の効果を検証していくとともに、法律や精神医学などの外部専門家を含めた外部評価会議を設置し、医療の質を確保してまいります。

○田代委員 十分であるかどうかはともかくとして、今までになく手厚い医療が専門の病棟で提供される。この新たな法律に基づく病棟が整備されることによって、災害や非常時や無断退去などの発生時の対応について、逆にいうと、周辺住民の方々、大変大きな不安や懸念を持っているというわけです。
 総論賛成、各論反対は、国民として許されるわけではなくて、精神障害をお持ちの方は気の毒だけど自分のそばは嫌だって、これはわがままですね。しかし、それに対して、安心感が得られるような説明、アカウンタビリティーというのは、行政としては絶対取り組まなくちゃならないわけでありまして、一部の政治活動をするための職業アジテーターはともかくとして、一般の常識のある区民、都民の方々に対しては、理解をいただかなくてはならないわけです。この努力はしっかりとしていただかなくちゃならないわけですが、安全管理に万全を期すために、都としては具体的にどのようなことを考えていらっしゃるのか、お聞かせいただきたいと思います。

○及川経営企画部長 医療観察法に基づく病棟に関する安全管理につきましては、無断退去や外部からの侵入などを防止するため、玄関の二重化や病棟周辺のフェンスやセンサーの設置などを検討してまいります。
 また、災害発生時などの緊急時に対応するためのマニュアルを作成しまして、職員に周知し、対応を図るとともに、地元自治体や警察など、関係機関等へ速やかに連絡が行き渡るようにするなど、安全管理については、ハード、ソフトの両面において一〇〇%の安全の確保を目指してまいります。
 なお、安全管理に関しましては、病棟の設計や施工などの工事の進捗状況に合わせまして、周辺住民の方々へ説明を行うとともに、ご意見も伺いながら、可能なものにつきましては、施設の整備に反映していきたいというふうに考えております。

○田代委員 施設の整備、運営に当たって安全管理に万全を期していく、これは当然、本当にしっかりやっていただかなくちゃならないんですね。もう、ただただこれに尽きると思います。
 これを今回しっかりやることによって、先ほど申し上げましたような、社会が持っている精神科医療に対する偏見というものを払拭できるかできないか、これはとても大きな問題だと思うんですね。多少大変でも、直視して、差別というものを撤廃していくためにも、大変シンボリティックな問題だと思うんで、しっかりと対応していただきたい。
 そして、先ほど申し上げましたように、退院した後の通院、これがなかなか今うまくできていないわけですから、これを充実させていく制度をつくっていく。そして、それの説明も、住民に、こういう形で通院するんですということが説明できないと、またさらに大きな不安をあおってしまうわけで、こういうものをもっともっとわかりやすくきちっと、入院、通院についても、行政はしっかり説明をしていただきたいと思います。
 制度上、対象者の通院に当たって、継続して医療を受けるための仕組みや支援はどのように具体的に行っていくのかということについて、教えていただきたいと思います。

○及川経営企画部長 この法律に基づきます通院医療につきましては、法務省の保護観察所の社会復帰調整官が中心となりまして、入院中から退院後の居所の調整、通院予定の医療機関との調整などを開始していくことになっております。
 また、退院後の通院医療を継続的に提供するため、社会復帰調整官、指定通院医療機関、保健所、医療福祉の関係機関などから成るケア会議を設置しまして、対象者ごとの処遇実施計画を策定することとしております。
 この処遇実施計画に基づきまして、指定通院医療機関への通院を実施することになっておりまして、通院期間中は、社会復帰調整官との面談や保護観察所への出頭などの精神保健観察を行いますとともに、指定通院医療機関による訪問診療なども実施しまして、継続的な医療の提供を確保していくこととしております。
   〔委員長退席、山加副委員長着席〕

○田代委員 当然問題は、今まで通院というものがきちっとされていなかったものが、通院に対して非常に手厚くなってきたということが一つあるわけですね。しかし、触法行為を行ったわけですから、何でもかんでも精神障害を持っている人、すべてかわいそうで、すべて何でも免責だというと、世の中は通用しなくなってくる。やはり触法行為を行ったということに対しての対処を受けることは、国民の、逆にいえば平等なんですね。
 病気のある人だけは特別ですといったら、それは一見よさそうに見えるけど、実際はそれは区別、差別が非常に難しくなってくるんで、そこの制度はしっかりやっておかなくちゃいけない。ともすると、また、わけのわからない政党が、プライバシーが、人権がどうだこうだと、わけがわからないことを、とんでもないことをいい出すやからがいないわけじゃ……(「自民党」と呼ぶ者あり)いやいや、自民党も非常識ですけれども、そこのところは打ち消しておいていただいて。
 まあ、そういうことで、本当に今度のこの制度というのは非常に重要です。すべての国民のプライバシーを守って、権利を守っていく、人権問題として非常に重要なんで、こうやって新しく通院制度をある程度考えていこうということは、僕にとっては大変ありがたいことでありますが、うまくいかないと逆に大きな問題になりますので、しっかりやっていただきたい。
 そしてまた、松沢病院自身は、全国に冠たる精神科病院で、他の国立病院などと比較にならないほど周辺人口を擁する中で医療観察法に基づく医療を提供していく。これは、地域医療を推進していく上にも非常に役に立つんですね。地方がどうだってことじゃないんですよ。ただ、東京の中でこういうのをやるということは、一つ大変大きな問題というか、努力が必要だと思うんです。
 一方で、地域の支援を得ながら病院経営をしていくために、プライバシーなど患者さんの人権にも配慮しながらも、地域住民に対して、入退院に関する情報提供など、非常にきめ細かく、いわゆる不安や懸念を取り除く努力というものをしっかりしていただきたい。
 そこで、医療観察法に基づく医療を提供していく中で、地域への、プライバシーも考えた、人権も考えた、しかし細やかな情報提供をどのように行っていくのかを教えていただきたいと思います。

○及川経営企画部長 医療観察法に基づきます医療の実施状況や病棟の運営状況など、こういった情報を地域へ提供することは、この法律の理解や、入院、通院医療の提供への協力を得ていく上で必要なことであるというふうに考えております。
 このため、医療観察法に基づく医療を提供していくに当たりましては、病院や町会、地元区などから成ります定期的な連絡会議の場を設置しまして、その中で、この法律の施行状況や病棟の運営状況、入院患者の動態などにつきまして、お話にあった個人情報にも配慮しながら、地域へ情報提供していきたいというふうに考えております。

○田代委員 最後になりますが、この松沢病院、地域の住民の理解と協力がなくて今日を迎えたわけではないんですね。二十三区あるいは三多摩、どこでも精神科の大きな病院ができることに対しての、ある意味の差別、反対はあったわけです。しかし、そこを、地元の住民たちが非常に広い心で、人道的な立場で温かい支援をしてきたわけですから、それを踏みにじるようなことは決してしていただきたくない。やはりそれなりの、これは梅ケ丘もそうですけど、大変地元の人たちは努力をして協力しているわけですから、そういう中での大改革、日本にとっても大変必要な、二十一世紀にとって非常に大切な改革を推進する上で、本部長、どのようにお考えか、決意のほどをお尋ねして、質疑を終わらせていただきます。

○大塚病院経営本部長 松沢病院は、お話しのとおり、我が国を代表する精神科病院として、これまでも、民間の精神科病院では対応が困難な専門性の高い医療を提供いたしまして、日本の精神科医療をリードしてまいりました。
 松沢病院が精神医療センターとして整備され、東京都の精神科医療の拠点として機能を発揮していくためには、その性質から、まさしく行政的医療中の行政的医療といえる、この医療観察法に基づく医療の提供は、欠かすことのできない大きな柱の一つだろうと思っております。
 入院医療中心から地域生活中心へと精神科医療の方向性が大きく変わる中で、精神医療センターにおきまして医療観察法の趣旨に沿った医療を提供して、社会復帰の促進を図っていくことは、精神科医療全体の提供体制の向上を通じて、総体としての医療サービスの向上に結びつき得るものと考えており、今後とも着実な整備に全力を尽くしてまいります。
   〔山加副委員長退席、委員長着席〕

○谷村委員 それでは、初めに、多摩北部医療センターの婦人科外来についてお伺いいたします。
 昨年十一月九日の本委員会の事務事業質疑で、私どもの地元にあります多摩北部医療センターの、それまで休止していた婦人科外来に関連して、その再開を求めて、事細かに取り組みについて執拗にお尋ねさせていただきました。
 その際、本来、東京都保健医療公社への都からの補助金には、多摩北部医療センターで婦人科外来を実施する前提の金額が含まれているわけですから、予算審議の際にもう一度お尋ねさせていただく旨を申し上げさせていただきました。
 その事務事業質疑の際に、平成十八年度中の婦人科外来の設置をあきらめたわけではない、平成十九年度当初には設置するよう、保健医療公社を指導するという趣旨のご答弁をいただいていたところでございます。
 今日までに、多摩北部医療センターに婦人科外来が設置されておりませんでしたら、場合によっては、東京都保健医療公社の理事長さんを本委員会にお招きしなければならないかなと考えておりましたけれども、その後、病院経営本部でも、保健医療公社さん、また多摩北部医療センターでも大変な努力をしていただきまして、先月、婦人科外来が再開されました。大変なご苦労をいただいたことに感謝いたしたいと思います。
 そこで、まず、昨年十一月の私の質問の後、多摩北部医療センターの婦人科外来再開について、どういうふうに取り組んでいただいたのかをお伺いいたします。

○鈴木サービス推進部長 婦人科医師の確保の取り組みでございますが、これまでも行ってきたところでございますが、改めて多摩北部医療センターの院長を中心に、各大学医局等に医師派遣を要請する一方、病院経営本部でも、各都立病院から派遣できる医師がいないかについていろいろ調整を行いました。
 その結果、今回は、ある大学の客員教授が週一回、非常勤なんですが、勤務していただけることになりました。さらに、従来、入院の婦人科治療を担当していた非常勤のドクターがおりますが、この方も、月二回の外来診療を行ってもいいということでお話をいただきまして、今回その開設にこぎつけた、そういう状況でございます。

○谷村委員 大変にありがとうございます。
 多摩北部医療センターを初め、病院経営本部も協力して医師確保に取り組んでいただき、非常勤とはいえ、まず婦人科医一名を確保できたことは、やればできるんだという意味合いも込めて、高く評価をさせていただきたいと思います。
 では、現在、多摩北部医療センターの婦人科外来はどういうふうに運営されているのか、そして今後はどういうふうになっていくのか、見通しをあわせてお尋ねいたします。

○鈴木サービス推進部長 多摩北部医療センターの婦人科外来でございますが、本年一月十七日から、毎週水曜日の午後に、泌尿器科の外来診察スペースを用いまして再開しているところです。さらに、現在は、婦人科外来充実のために、専用の外来診察室を設けるための改修工事を三月初旬まで行っております。この改修工事が終了した三月中旬からは、毎週水曜日の外来に加えまして、月二回、木曜日の婦人科外来が可能となります。
 今後とも、地域のニーズを踏まえて適切に対応していきたいというふうに考えております。

○谷村委員 三月中旬からは、専用の外来診察室で、月二回、継続的な婦人科診療ができるということでございまして、全国的な産婦人科医不足の時代に早速対応していただき、地域の方々も大変に喜んでおられます。
 今後とも、多摩北部医療センターとしては、婦人科外来の充実に取り組んでいただくほか、多摩北部保健医療圏で唯一の地域医療支援病院として、より質の高い、そして地域ニーズに素早く対応した医療の提供をお願いしておきたいと思います。
 次に、都立府中病院における臍帯血移植についてお伺いいたします。
 白血病の画期的な治療法であります臍帯血移植医療は、八年前の平成十年に保険適用が実現しました。それまで医療保険の適用外であったため、高額な移植費がネックになっていたわけであります。
 私ども公明党は、党の代表代行であります浜四津敏子参議院議員を先頭に、日本さい帯血バンク支援ボランティアの会、これは有田美智世さんという方が代表を務めておられますけれども、私も何度もお会いさせていただいております。こういうボランティアの会の皆さんとご一緒に署名活動などを行い、国会でも取り上げた結果、医療保険の適用が実現いたしまして、白血病治療などに臍帯血移植を実施した数は、昨年春までの八年間で二千八百例を超えております。
 当初は小児への移植が中心だったものが、その後、成人、特に高齢者へと広がった結果、移植数は飛躍的に伸び、現在では年間六百件から七百件の移植が実施されているというふうに伺っております。八年間で二千八百例というのは、単純計算で年三百五十例ということですので、今、六百件から七百件の移植が行われているというのは、飛躍的にその数が伸びているわけでございます。
 それまでは出産後に廃棄されてきた胎盤と、へその緒の血液である臍帯血には、骨髄液を上回る造血幹細胞、血液をつくる源といわれているものが含まれている上、提供者、ドナーとなる母子は全く安全なため、白血病など重い血液疾患の治療に極めて有効な最新医療といわれております。
 骨髄移植と比較すると、適合するドナーが見つかりやすいという利点もあり、骨髄移植と同じく、白血病などの悪性血液疾患の根本的治療法の一つとなっております。一つの新しい命がもう一つの命を救える。大変すごいことであります。
 この保険適用が実現した翌年の平成十一年八月には、公的バンクの中核組織、日本さい帯血バンクネットワークが設立されております。最近では、昨年の九月、紀子様がご出産の際に、皇室関係者として初めて臍帯血を採取され、臍(さい)帯血バンクに提供されたことで話題を呼んでおりました。
 この臍帯血移植は、無菌室などの施設設備の整備のほか、専門医師などのスタッフの確保が必要であり、一般医療機関ではなかなか対応できない医療であります。そうした中、行政的医療を担う都立病院に寄せる期待は大きなものがあり、特に、臍帯血移植を積極的に推進している都立府中病院の果たす役割は大変に大きいと思います。
 そこで、まず、府中病院における臍帯血移植のこれまでの実績についてお伺いいたします。

○岸上参事 府中病院における臍帯血移植の実績でございますが、平成十五年度が二十三件、十六年度が十五件、十七年度が十六件、十八年度は、四月から一月でございますけれども、これが十三件となっております。

○谷村委員 府中病院では、臍帯血移植をこれまで年間二十件前後実施しており、全国的にも有数の臍帯血移植の実施医療機関となっております。繰り返しますけれども、最近は、年間で全国で六百件から七百件の移植が実施されていますので、都内幾つですかというのはちょっとデータがないようですけれども、単純にその十分の一程度が行われているとすると、六、七十程度行われている中で、府中病院は臍帯血移植の大変に重要な拠点病院になっているわけであります。
 都内では、このほかに、虎の門病院が年間四十例以上、大変に頑張っておられると伺っておりますので、そういった意味からでも、府中病院のこの実施例というのは特筆されるわけであります。
 また、多摩地域においては、臍帯血移植を実施している医療機関が区部に比べて限られておりますので、府中病院には一層大きな期待が寄せられております。
 一方で、府中病院の患者数は年々増加しており、特に救急患者に関しては、救急車による搬送が年間一万件を超え、救急患者の総数は六万人近くと、都立病院の中で最も救急患者数の多い病院となっております。このため、東京ER、府中における夜間当直など、医師を初め医療スタッフが多忙をきわめておられるのが現状であり、この医療人材に限りがある中で、専門スタッフを確保し、これまで着実に臍帯血移植を実施してこられた府中病院においては、大変なご苦労があることと思います。青木院長を初め関係者の皆さんに最大の敬意をあらわしたいと思っております。
 ただ、一部で、医療スタッフの確保と運用が大変だから、この臍帯血移植について、府中病院での取り組みが後退するのではないかと、府中病院の関係者からの心配するお声も寄せられております。常勤医師や非常勤医師の当直体制の見直しに関連して、その際の関係者の言動に、府中病院がこれまで先駆的に取り組んできたこの臍帯血移植を後退させてしまおうとしているのではないかと心配になっている、そんなお声であります。
 この臍帯血移植を始めて、入院患者数あるいは外来患者数とも大きく増加しているわけですけれども、この担当している血液内科の人員というのは全くふえていない。入院がいっぱいなので、移植照会例の中で、順番待ちの間に亡くなられてしまった方もとうとう出てしまったと。血液内科という特質性もあって、他の科とは一人当たりの時間が全く異なり、人数だけでは比較できないわけですけれども、外来もいっぱいなので、外来で輸血しようにもなかなかできないのが実情だということで、大変心配をされております。
 府中病院においては、先ほどお伺いしましたけれども、臍帯血移植を多いときでは年間二十三件程度実施してこられておりますけれども、今後も、必要な体制をしっかりと確保していただいて、着実に臍帯血移植を実施していただきたいと思います。
 この府中病院において、臍帯血移植の実施を一歩も後退させないと明確にご答弁いただければというふうに思います。

○岸上参事 多摩地域におきましては、お話しのように、臍帯血移植の実施医療機関が非常に少ないという状況でございます。
 府中病院では、ERを中心に、年々繁忙度が高くなってきておりますが、種々工夫を凝らしまして、臍帯血移植を着実に実施するために必要な人員を確保してまいります。

○谷村委員 着実に人員を確保していただいて、この臍帯血移植、先ほどご答弁にありましたけれども、十五年二十三件、十六年が十五件。これ、どうしてですかって聞いたら、医師がやめられたんで減ったというんですね。十七年が十六件、十八年が一月までで十三件ということで、だんだん数が減っている。移植例だけをとるわけにいきませんので、入院あるいは外来の患者の数も、取り組んでおられるんでしょうけれども、医師を確保した結果として、この臍帯血移植医療については、府中病院として一歩も後退させないんだという病院経営本部としての意思を、もう一度確認させていただきたいんですが。

○大塚病院経営本部長 先ほどご指摘ありましたように、臍帯血移植は骨髄移植と並んで、白血病などの悪性血液疾患に対する非常に効果的な治療法であると認識しております。
 都立病院では、多摩地域において、府中病院のほかに清瀬小児でも臍帯血移植を実施するなど、移植医療に積極的に取り組んでまいりました。
 特に府中病院では、理事ご指摘のように、ERを初め、職員は増大する救急需要の中で極めて繁忙な勤務状況にあるんですが、そうした中でも、専門スタッフを確保して臍帯血移植を実施する体制を整備してきており、都内でも有数の移植実績を有しております。
 今後とも、移植を待つ患者さんの期待にこたえていけるよう、臍帯血移植を着実に実施してまいります。

○谷村委員 着実に実施していただくということで、一歩も後退させないという言葉をにじませていただきましたので、この程度にさせていただきたいと思いますが、行政的医療を担う都立病院の使命として、今、府中病院が主導でこの臍帯血移植医療を実施しておりますけれども、都立病院全体でもさらに大きく取り組めないかということをまたご検討いただいて、しっかりとした行政責任を担っていただけるよう要望いたしまして、質問を終わらせていただきたいと思います。

○長橋委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案及び報告事項に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○長橋委員長 異議なしと認め、本案及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で病院経営本部関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時十二分散会

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