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Tokyo Metropolitan Assembly

厚生委員会速記録第十六号

平成十八年十一月十四日(火曜日)
第七委員会室
   午後一時二分開議
 出席委員 十三名
委員長長橋 桂一君
副委員長かち佳代子君
副委員長山加 朱美君
理事谷村 孝彦君
理事野島 善司君
理事増子 博樹君
伊藤 興一君
山口 文江君
田代ひろし君
いのつめまさみ君
大塚たかあき君
佐藤 裕彦君
吉田 信夫君

 欠席委員 一名

 出席説明員
福祉保健局局長山内 隆夫君
次長吉川 和夫君
技監梶山 純一君
理事片岡 貞行君
総務部長杉村 栄一君
指導監査室長梶原 秀起君
医療政策部長細川えみ子君
保健政策部長清宮眞知子君
生活福祉部長永田  元君
高齢社会対策部長狩野 信夫君
少子社会対策部長都留 佳苗君
障害者施策推進部長吉岡 則重君
健康安全室長八木 憲彦君
企画担当部長松井多美雄君
事業調整担当部長牛島 和美君
医療改革推進担当部長高橋  誠君
連絡調整担当部長松浦 和利君
参事桜山 豊夫君
参事宮垣豊美子君
参事佐藤 恭信君
参事金丸 陽子君
参事奥澤 康司君
参事住友眞佐美君

本日の会議に付した事件
 福祉保健局関係
  事務事業について(質疑)

○長橋委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 初めに、今後の委員会日程について申し上げます。
 先ほど、理事会におきまして、お手元配布の日程表のとおり申し合わせをいたしました。ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、福祉保健局関係の事務事業に対する質疑を行います。
 これより福祉保健局関係に入ります。
 事務事業に対する質疑を行います。
 本件につきましては既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○杉村総務部長 過日の厚生委員会でご要求のありました資料につきまして、お手元の厚生委員会要求資料にまとめてございますので、ご説明申し上げます。
 資料は、目次にございますように、全部で二十項目となっております。
 それでは、順を追って説明させていただきます。
 まず、一ページをお開き願います。肝炎ウイルス検診、ウイルス肝炎精密検診、B型・C型ウイルス肝炎入院医療費助成の状況といたしまして、平成十四年度から十七年度までの肝炎ウイルス検診、ウイルス肝炎精密検診の受診者数などについて記載してございます。
 二ページをお開き願います。都立福祉施設における廃止、民間移譲の状況と今後の予定といたしまして、(1)には廃止した施設、(2)には民間移譲した施設、三ページに参りまして、(3)には今後の予定につきましてそれぞれ記載してございます。
 四ページをお開き願います。福祉保健局における主な廃止、見直し事業といたしまして、(1)には主な廃止事業、五ページに参りまして、(2)には主な見直し事業につきまして、事業名と決算額に区分しそれぞれ記載してございます。
 六ページをお開き願います。区市町村における小児科標榜医療機関等の状況といたしまして、小児科を標榜する病院数、診療所数、医師数及び年少人口割合について、区市町村ごとに七ページにかけて記載してございます。
 八ページをお開き願います。区市町村における産科、産婦人科標榜医療機関等の状況といたしまして、産科、産婦人科を標榜する病院数及び診療所数などについて、区市町村ごとに九ページにかけて記載してございます。
 一〇ページをお開き願います。国民健康保険における加入世帯数並びに被保険者資格証明書及び短期被保険者証の交付件数の推移といたしまして、平成十六年度から十八年度までの加入世帯数などについて、区市町村ごとに一一ページにかけて記載してございます。
 一二ページをお開き願います。国民健康保険料(税)率の推移といたしまして、平成十一年度から十八年度までの国民健康保険料・税率について、所得割、資産割、均等割及び平等割に区分し、一三ページにかけて記載してございます。
 一四ページをお開き願います。国民健康保険料(税)の減免件数の推移といたしまして、平成十五年度から十七年度までの区市町村ごとの減免件数について記載してございます。
 一五ページをごらん願います。国民健康保険における一部負担金減免件数の推移といたしまして、平成十五年度から十七年度までの区市町村ごとの一部負担金減免件数について記載してございます。
 一六ページをお開き願います。国民健康保険料(税)の滞納世帯数及び収納率の推移といたしまして、平成十三年度から十七年度までの対象世帯数、滞納世帯数及び収納率について区市町村ごとに記載してございます。
 一七ページをごらん願います。区市町村における緑内障検診及び前立腺がん検診の実施状況といたしまして、本年十月現在で検診を実施している区市町村についてそれぞれ記載してございます。
 一八ページをお開き願います。区市町村における介護保険料減免等の状況といたしまして、(1)には、低所得者に対する保険料減免を実施している区市町村を、(2)には、低所得者等に対する利用料軽減を実施している区市町をそれぞれ記載してございます。
 一九ページをごらん願います。生計困難者に対する介護保険サービス利用者負担額軽減措置事業の実施状況といたしまして、事業実施区市町村と、平成十八年三月末現在の確認証交付人数及び同月分の利用者負担額軽減実績などを記載してございます。
 二〇ページをお開き願います。介護保険施設等の定員、病床数及び高齢者人口に対する割合といたしまして、六十五歳以上の高齢者人口、施設ごとの入所定員、病床数及び高齢者人口に対する割合について都道府県別に記載してございます。
 二一ページをごらん願います。認可保育所の定員、入所児童数及び待機児童数の推移といたしまして、待機児童に関する新定義及び旧定義それぞれに分け、平成十六年から十八年までの区市町村別の定員、年齢別の入所児童数及び待機児童数について三〇ページにかけて記載してございます。
 三一ページをお開き願います。認可保育所数、定員、乳幼児人口及び乳幼児人口に対する定員の割合といたしまして、都道府県別の認可保育所数などについて記載してございます。
 三二ページをお開き願います。認定こども園制度における各都道府県の取り組み状況といたしまして、本年十月現在の都道府県の取り組み状況について、条例提案時期や審議会の設置等に区分し記載してございます。
 三三ページをごらん願います。母子自立支援員配置等の状況といたしまして、(1)には、市の母子自立支援員の配置状況について、(2)には、女性相談センターにおける市の婦人相談業務への支援内容についてそれぞれ記載してございます。
 三四ページをお開き願います。重症心身障害児(者)通所事業の実施状況といたしまして、委託施設、都立施設別に、施設定員、通所日数別登録者数及び重症児割合について記載してございます。
 最後になりますが、三五ページをごらん願います。障害者自立支援法に基づく区市町村地域生活支援事業の実施予定といたしまして、相談支援事業外四つの事業に区分し、区市町村の実施予定について記載してございます。
 以上、甚だ簡単ではございますが、ご要求のありました資料につきましてご説明申し上げました。よろしくお願い申し上げます。

○長橋委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含め、事務事業に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○田代委員 まず最初に、精神科医療について少し伺いたいと思います。
 先般、病院経営本部は、都立の松沢病院を精神医療センター(仮称)として再編整備する計画を発表しているわけで、地元の方々にはその説明を順次行っているわけですけれども、病院経営本部というのは、実務を取り仕切っていく、行っていく専門の場所でありまして、福祉保健局は、上下はともかくとして、全体の流れ、今からのグランドデザインをしながらロードマップを示していく、これは、東京都の医療すべてについて、精神科医療のみではなくて、すべてについてそういうものを責任を持って取り組んでいかなくちゃならないわけですけれども、精神科医療、今非常に問題になっているのは、入院なさっている方たちを削減しようという一つの流れがあって、たまたま我々東京精神病院協会の方では、それが余りにも唐突に出てきたものですから、もうちょっと現状を見ていただきたいと。これはいつも申し上げているわけですけど、中には、せんだって会ったある役員の先生は、もうここまで来たら退院させちゃおうじゃないか、後でどうなっても知りませんよと。医者がそういうことをいっちゃいけないんですけれども、ある意味ではもうあきらめちゃっている。精神科の医師たちは、いつかもうちょっと精神科医療の状況がよくなるだろうということで今まで我慢してきたわけですけど、逆に、物をいわなかったことでそうなってしまう。
 何でもかんでも薬物でコントロールすればいいということになってくるのは、非常に我々、嫌なわけですね。やはり、前に申し上げましたように、精神科医療の最大の治療薬というのは空間と緑と青空でありまして、薬漬けにすることは、確かに一時的には問題解決を、その場では見るんですが、先送りすることになる。そうなると、やはり一つの精神科疾患の理想的な治療方針として、東京都に一つしかない、逆にいえば、日本にこれだけ充実した精神科病院は一つしかないわけですから、松沢病院がそれを実行していただきたい。これは何回もお願いしているところですけれども、どうも国の方向性が違うことに対して、東京都は東京都で独自の考えをお持ちになるのも一つかなと思うんですね。
 今から三十三床の要観察の病床も松沢病院にできる。それから、どういうわけか、あそこに三研究施設が入ってくる。確かに六万坪あるんだから、何でもかんでも入れちゃえばいいだろうという考え方があるのかもしれませんけど、先ほど申し上げましたように、やっぱり空間というものは精神科治療にとって大変必要なものですから、入れていくとしても、もうちょっと計画性のあるもの。
 前々から世田谷区は、あれが大変南北に細長いものですから、東西に避難路が一つ欲しいということで申し上げているんですが、なかなかご許可をいただけないんですけれども、そういうものも、全体の精神科の治療のグランドデザインができていれば、だれでも納得すると思うんですね。
 ですから、東京都としては今からどうやって精神科医療に取り組んでいくのかという、おおよそのグランドデザイン、こういうものをお聞きしたいと思いますので、お願いいたします。

○吉岡障害者施策推進部長 都における精神科医療施策の基本的な方向についてでございますが、都では、入院医療中心から地域生活中心へという基本理念のもと、本年六月の東京都地方精神保健福祉審議会の最終答申や国の動向等を踏まえながら、受け入れ条件が整えば退院可能な入院患者の退院を促進するとともに、精神障害者の地域生活において必要な質の高い地域精神科医療の提供や、地域生活を支える福祉サービス基盤の整備拡充を図ってまいります。
 このような取り組みにより、精神障害者が適切な保健、医療、福祉サービスを受けながら地域で安心してともに暮らせる、成熟した社会の実現を目指してまいります。

○田代委員 理想的なお答えなんですが、これ、実行していただかなくちゃならないんで、やはりそれを一つ一つ政策に転換していただく。これはやっぱり、何といったって東京都の中では福祉保健局が厚生労働省にも当たる、厚生大臣にも当たる、すべての権限を持っているわけですから、もうちょっと現場で治療している医師たちにわかるような、そういう情報開示を含めて、それから、患者さんの特にご家族が大変心を痛めている例が多いわけであります。
 それとは別に、よくご存じのとおり、最近、精神病院だけではなくて、神経科あるいは心療内科という、開業しながら町で心身症の治療に当たっている我々の仲間もいるわけで、そういう協会も、診療所協会というのが病院協会とは別にあるわけですけれども、患者さん、大変ふえているんですね。
 昔は、我々、四十分から一時間ぐらい一人の患者さんに時間を割くことができたんですけど、今はもうほとんど十分単位です。それでもこなし切れない。それほど精神的にダメージを受けている方が、精神科疾患ではなくて、それとはまた違うんですけど、ノイローゼになったり悩んだりしている方がいる。そういうものも含めて、しっかりとしたガイドラインをつくって、ロードマップを提示していただけたらありがたいと思います。
 次に、後発医薬品、いわゆるジェネリック薬というものについて少し伺いたいと思うんです。
 後発医薬品というのは先発品と中身が同じだと。それで、同じであれば、結果として治療効果は同じであろうということで許可されているわけですけれども、実はこれは、医療費が高いんで、医療費を安くするためには、同等の成分のお薬であれば同等の効果があるはずだから、薬価の安いものを選びましょうと。そして、都立病院の方でもやっているでしょうけど、患者さんの希望があれば、それを選ぶことができるように、処方せんも改善されたわけですね。
 そのとおりであればいいんです。中には幾つかあるんですね。検査薬なんかで、全く同じもので、先発薬を使う必要は全くないものもたくさんありますけれども、例えていうと、我々が使っている皮膚科の薬なんかですと、軟こうなんかを見ていますと、先発品と同じ効果を持っているものは、残念ながら全く一つもないんですね。一つもない。それはどういうことかというと、中に入っている薬は同じなんですけど、溶かし込んでいるクリーム、軟こう基剤というんですけれども、よく薬を塗るときのべたべたした、あれが非常にきめの細かいものと、簡単にいうと、非常にきめの粗いものとある。粗いものだと皮膚の中に入っていかないわけですから、どんないい薬を入れても効果が全くない。それから、前も一回申し上げましたけれども、飲んでも、おなかの中で溶けない。中身が同じでも、周りの糖衣というのが、薬を甘くするように周りにコーティングしてあるんですけれども、そういうものが溶けなかったりすると、飲んだことは飲んだんだけど、例えば高血圧の薬を一生懸命飲んでいるんだけど全然下がらないというようなことが出てくる。
 ですから、中身が全く同じだから全部そのまま効くんだという日本の考え方、これはアメリカでも最初あったんですね、随分。で、向こうは改善して、第三者がそういうものを客観的に見る。例えば、治験をしながら患者さんに使ってみる。先発の薬はみんな、患者さんに我々、治験といって大学で調べるんですけれども、後発はそれがないものですから、本当に効くか効かないかということが、化学的にエビデンスを持って証明されていないわけですから、これをただ単純に、今テレビで盛んに宣伝しているからジェネリックがいいんだということで都立病院が入れることが、果たして患者さんの立場から見てプラスになるのかどうか、これを少し考えていただきたいと思うんですね。
 例えていうと、ビルを建てましたと。そのビルがとてもきれいなタイルでしっかりできている。それを建築許可を得ました。正しい工法で建てました。いいビルが建ったから、じゃあ、隣に同じビルを建てましょうと。外のタイルが全部同じでも、中に使われている鉄筋からコンクリートの量から砂利の数から全部同じでも、中身が同じであっても建て方が違っていれば、安全性がその建物にあるわけじゃないんですね。極端なことをいえば、縦に鉄筋を入れるわけですね、建物は。それから横に入れる。ところが、横にしか入っていない。調べてみたら、鉄骨の数は同じ、太さも正しい、ただ使い方が違うとなると、果たしてそんなのは、物がぶつかっただけで、人がぶつかっただけでも倒れちゃうビルになっちゃうかもしれないわけです。中身が完全に同じだから、すべて効果も同じというような形の許可の仕方というのは、東京都の方はやっぱりそういう立場、患者さん、都民の健康を守るというところでは、ジェネリック薬に対してちょっと違う考え方を持っていただけたらありがたい。問題が出ちゃってから、ただ国の悪口をいうわけにはいかないと思う。
 これは薬事行政ですから、国が決めていることを東京都がまた全然別に許可していくというわけにもいかないでしょうけれども、しかし、これだけはっきりといろんなところで、東京都薬剤師会でも随分データを持っているんですけれども、問題のあるジェネリック薬がわかっているわけですから、それについては患者さんにある程度情報公開をしていく。こういうたぐいのものは余り使いたくないと。あるいは、責任のところもありますよね。医師の方も、それから調剤薬局の方も、後で同等じゃないということがわかったときには、医師か調剤薬局が責任をとらなくちゃいけない。
 これも随分ひどい話で、我々は、同じですと国から許可されたものは、もう同じと、使うしかないんですけど、現実にやってみると全く効果が違うということが後からわかるわけですから、これに対して東京都はどのようにジェネリック薬の普及--これは非常に必要なことなんですよ。ジェネリック薬の普及というのは完全に必要なことなんだけれども、そのためにはきちっとしたチェックをして、できたら第三者のチェック機関があって、公平に薬の評価をしてくれると大変ありがたいと思うんですが、その点についてどうお考えか教えていただきたいと思います。

○八木健康安全室長 国は本年四月から、医師や患者さんが後発医薬品を選べるように、処方せん様式を変更するなど、後発医薬品の使用促進を図っております。
 一方、公正取引委員会が後発医薬品の取引状況等を明らかにするために行いました、医療用医薬品の流通実態に関する調査、これは本年九月に公表されましたが、この調査によりますと、消費者の三一%は必ず後発医薬品を選ぶ、加えて六五%は、場合によっては後発医薬品を選ぶとしているのに対しまして、医療機関の八五%は、後発医薬品の安全性、安定供給、情報量に不安があると回答してございます。使用について懸念する声がございます。そのため、厚生労働省は、後発医薬品の安定供給や情報提供の充実等につきまして業界団体に通知するなど、周知、指導を行っているところでございます。
 後発医薬品を普及していくためには、都民や医療関係者が安心して使用できることが何よりも重要でありまして、都としてはこれまでも、医薬分業に関する協議会等の中で、医師会、歯科医師会、薬剤師会と情報交換を行ってまいりましたが、今後とも、これら関係団体と十分に連携を図ってまいります。

○田代委員 重ねて申し上げますけど、ジェネリックというのは、日本の医療費の推移に対しても大変大きなインパクトを持つことですから、東京都としても、今おっしゃられたように、まず都民の立場に立って、そして適正に使われるようにご指導のほどをお願いしたいと思います。
 ご存じのとおり、今、医療費適正化の徹底ということで、都道府県医療費適正化計画五カ年計画というのを国の方で策定しているわけですね。将来的にはすべて都道府県ごとに異なる診療報酬の策定をやっていこうという意見が今出ているわけですけれども、これはよっぽど気をつけないと、逆にいうと、混合診療、いわゆるお金持ちだけが治療を受けられて、収入のない人は医療が受けられないという形になってしまうと、日本の国民皆保険、大変問題なんですが、それとは別に、東京都の中だけでもいいんですけれども、医療の質、コストパフォーマンス、こういうところから少し教えていただきたいと思うんです。
 今、東京都には、六百六十を超える病院と一万二千カ所を超える診療所があって、それぞれ経営理念や目指すべき医療機能というものを提供しているわけですね。その中で各医師が一生懸命頑張っているわけですけど、一番早くて、医学部を卒業して二十四歳、前期の研修医、後期の研修医をやって、少し物になるのに十年ぐらいかかって、卒業して十五、六年たつと大体余り大きなミスもなくなるだけの教育を受けていくわけです。これは医学部の中の教育のあり方、いろいろ問題があると思いますけど、現在はそういうものが実際に行われているわけですけど、やはり医師自身のレベルが随分違うわけですね。非常に高度なレベルの医師と、まだまだ未熟で、研修を受けなければいけない医師、みんな値段が同じである。一点十円ということです。こういうものが一つあって、それをどうやって患者さん方に納得していただいて提供していくのか。
 これは、一つの方法としては、例えば、今、都立病院でもいわれていますし、うちの病院でもいわれていますけれども、患者さんの顔を見ないでカルテばかりというか、電子カルテですから、打ち込んでいるキーボードしか見ていない医者が多いということで問題になっているわけですけれども、こういうものは、医師がさわらないで、インカムを通してしゃべっていることを全部、カルテ整備士のような、第三者が書き取っておけば、医療事故になっても、後でカルテの改ざんだ、何だかんだ、それから、患者さんが自分に不利益な証拠が出てこない。あるいは、逆にいえば、患者さんがしっかり説明を受けて同意しているのに忘れているということもあるかもしれません。
 やはり医療の質というものを担保するためには、ただ腕のいい医者に高いお金をあげて、腕の悪い医者に安くしろという、ごくごく単純なことで解決するわけでは全くないんで、点数が同じであることは、ある部分では僕はおかしくはないと思うんですね。ただ、それをどこかで補佐するような制度をつくっておかないと、ひとりで全部できるベテランの医者と、やはり補佐がないと動けない医者との、そういうシステム、スキームをつくっておかないと、国民皆保険というのは守っていけないし、やはり医療事故--今、異様なスピードでふえているわけですね、医療訴訟というものが。昔はそういうことを、患者さん方が泣き寝入りでできなかったということもあるでしょうけど、世の中が変わってきた。だけど、それにあわせて、そういう裁判が何年も何年もかかって患者さん方が不利益をこうむるんだとすれば、やはりその一番中心となるカルテというものを見直していく。そこにある程度お金をつけていくような方法も東京都が考えていただければ、日本の医療の方向性が変わってくる。それから、当然、新しい職種というものを生むことができるわけです。
 ちなみに、アメリカでカルテ整備士という制度がちゃんとできていて、アメリカでは、医者がカルテを書くとペナルティーなんですね。そんなことは遊んでいるとしか思われない、医療行為を行うことだけが医者の仕事であるわけですから。専門のカルテなんて、普通の人、医学部も出ていない、看護師さんでもない、だれでも書けるのかというと、実はそれ、データをとると、三カ月までは圧倒的に医者の方がうまいんです。これは問題になりません。ところが、六カ月になると完全に並ぶんですね。医師と、コメディカルなそういう人たちがカルテをタイピングしていく、その内容のよさみたいなものですね。それを過ぎると圧倒的に医者よりも、患者さん方がインフォームド・コンセントを受けるときに、それをサブの資料として見たときに、とても見やすいものができてくる。そういう考え方を少し東京都の中でも取り入れていただくように。
 これは、病院経営本部だけがやりましょうといっても、親方である福祉保健局がオーケーしなきゃできないことですから、そういうものも含めて、東京都の中から、今の医療の地域格差も含めて--当然、人件費とかそういうものも高いですから、東京で開業する医者たちは大変なんですけど、一生懸命その提供を今しているわけです。そういうものを含めて、東京都がどういう考え方でこれからの東京の医療、医療費というものを含めて、医療全体の改善というものに取り組むのか、お考えがあれば教えていただきたいと思います。

○細川医療政策部長 先生お尋ねの医療の質とコストの問題につきましては、医者の経験年数とか病院の手術件数とか、そういったことをもとに、医療関係者や都民の間でさまざまな議論があることは承知しております。
 このうち、いわゆる地域格差に関しましては、患者サービスを向上させるとともに、都内医療機関の経営安定化に向け、入院基本料に対する地域加算等の診療報酬額を、大都市の地域特性に配慮して改善することということで、国に対して提案要求しているところでございます。また、医療機関に関する施設整備補助金に関しても、狭隘、過密など大都市の地域特性に配慮した算定基準とすることとして提案要求をしております。

○田代委員 その提案要求、ちょっと詳しく教えていただけますか。詳しくなくてもいいです、かいつまんで。一点、二点でいいですよ、例えばこういうことですと。

○細川医療政策部長 内容的に細かいところまでの提案をしているわけではございませんが、先生おっしゃいましたような、地価とか賃料の高さ、それから人件費の高さ、そういったものを勘案いたしますと、東京都で全く同じような形でやっていくのはやはり困難だということは医師会の先生方もおっしゃっておりますので、そういった観点に基づいた提案をしているというところでございます。

○田代委員 そう簡単に細かいことまで地域格差についておっしゃれないとは思いますけれども、我々、大学病院に勤めている医者も、よく地方に派遣で出ますと、余りにも毎月、毎月出ていくお金が違い過ぎる。家賃も安い。それから食べ物、これは最近そんなことがあるかどうかわかりませんが、我々のころには、ほとんど農作物なんか患者さんが何かでくれちゃうんですね。これ、先生、持ってきたよと、漬物とかそういうのをどんどんくれちゃいます。果物をくれちゃうし、広島なんかに行っていたときには、魚を一度も買った覚えがないです。だから東京がどうだといっているんじゃないんですよ。だけど、余りにも生活が違い過ぎて、東京へ帰ってくると医局員がみんなへたっちゃうというのは、何かどこかあるのかなというのがあるんで、そういうことも含めて考えていただきたい。それが一つ。
 それから、今、小児科と産科の診療所、病院が非常に減ってきて問題になっているんですけど、実は我々日本医師会で一回調べたデータがあるんです。三十七の県に医師会でトータルを調べたんですけど、二〇〇二年、分娩を取りやめた病院が全体で十三あるんですね。そして、分娩を取りやめた診療所が四十八あるんです。これは二〇〇二年です。そして、新規に開設した診療所が二十三あるんです。この表なんですけれども、簡単にいうと、やめちゃった病院とやめちゃった診療所と、始めましたというやつですね。そうすると、これは長さを見れば、これを加えれば、これだけ毎年なくなって、次の二〇〇三年もこれだけやめた病院がある。新しくこれだけできて、これだけやめちゃうわけです。もうすさまじい勢いで、今、産科の診療所というものはなくなってきている。これは四十七の都道府県全部調べたわけじゃなくて、わかっているところだけなんですけれども、やめていく数と新しくできる数が四対一から五対一ぐらい。五やめていけば一新しくできます、四やめていけば一できますぐらいの比率なんですね。
 こういうものも、ある意味の診療科目間の格差みたいなものもあるわけですから、やはり東京都としては、少子化の問題に取り組んでいく中で、先ほど申し上げましたように、いよいよ医療政策を含む厚生福祉政策は、東京都に国から全部おりてくるわけですから、そして、まさしく皆さん方がそれを全部受けとめる最高位の部署についているわけですから、そこをちょっと考えていただいて、東京の医療の特性、よさは伸ばす、そして不公平なところは是正していくように。
 これは医師のためではないんですね。患者さんに最終的にはフィードバックされるものです。医師が働きやすい環境、取り組みやすい環境をつくっておけば、随分とまた東京の医療、今でも世界の中で多分ナンバーワンだと思いますね、都市とすればね。この地位を保つことができるわけですから、しっかりと取り組んでいただきたいということを要望しておきます。
 最後に、ウイルス肝炎の総合対策について伺いたいと思うんですけど、我が党は、第一回の定例会において、検診の受診の促進や、治療実態に即した、通院医療費助成を含む制度の拡充など、早急にウイルス肝炎対策を実施すべきであるということを提案させていただいたわけですが、機会あるごとに、ウイルス肝炎で苦しむ患者さんへの支援をしっかりやってください、これをずっといい続けているわけです。東京都の方ではこれに対応していただいて、肝炎検診の充実を初めとして、また新たに通院に対する医療費助成を開始するなど、平成十九年度から短期集中的にウイルス肝炎対策を推進することとなった。これは、申し上げた責任政党として大変評価をするところなんです。
 本年五月に開催されました日本肝臓学会総会で、ウイルス学、免疫学などの進歩によって、肝炎の病態解析や治療法、こういうものがかなり進展をしてきたわけです。特に、今まで治ることがない、しかも、罹患してから三十年たつと必ず肝臓がんになって死んでいくといわれた、大変怖いC型肝炎も今随分治るようになって、今から十年前のC型肝炎の話と、今我々が大学でする話では明るさが全く違う。前は、C型肝炎の説明をするのは、医局の中でもだれか決めていて、その人がやらなきゃうまくできないからみたいな話があったんですけど、今はだれでも、ある程度希望を持ったような話ができる状態になったわけですね。
 この難治性の疾患に対してさらなる治療効果を目指した、治療戦略に焦点化した議論が、学会の中で今大変交わされているわけです。
 これまで我が党が主張してきたことは、やはり今、都民の方々の健康を守るには大変適した、一番ポイントをついたことだと思うんですが、さきに発表された平成十九年度の予算要求で、ウイルス性の肝炎対策、ウイルス肝炎の受療促進集中戦略として新たに取り組むとして、その事業内容が示されていたわけです。これらの事業は、平成十八年九月、東京都ウイルス肝炎対策有識者会議報告を踏まえたものであると考えておりますが、まず最初に、この東京都ウイルス肝炎対策有識者会議では、これまで取り組んできましたウイルス肝炎対策をどのように評価して、今後どのように推進すべきという報告があったのかを伺いたいと思います。

○清宮保健政策部長 東京都ウイルス肝炎対策有識者会議の報告は、肝炎ウイルス検診で多くの未受診者がまだ存在していることや、検診陽性者が適切な治療につながっていない現状があるため、今後、肝炎ウイルス検査や医療体制の充実など、早急に時限的、重点的な対策に取り組むことが必要であるとの内容でございました。

○田代委員 私もこの報告書をある程度見せていただいたんですけれども、何せ問題が山ほどまだありますと。改めて今後、今からの対策をしっかりとっていかなくてはならない、早急に我々が議論をして取り組まなければならないことを感じているわけですけれども、さきの第三回定例会の知事の所信表明においても、東京都は、ウイルス肝炎について、早期発見、早期治療を促進するために、来年度から通院医療費の助成などの対策を講ずるとおっしゃっているわけです。
 伺いますけれども、東京都は、平成十九年度以降、ウイルス肝炎対策をどのように推進していくのか、その点についてお答えをいただきたいと思います。

○清宮保健政策部長 東京都はこれまでもウイルス肝炎対策を実施してまいりましたが、本年二月、この委員会で先生からご指摘もございましたとおり、C型肝炎の治療実態は、より治療効果の高いペグインターフェロンとリバビリンの併用療法による通院療法へと大きく変化いたしました。こうしたことから、お話のございました、ウイルス肝炎で苦しむ患者さんへの支援策の充実強化の要望を受けまして、また、先ほどの有識者会議からの報告も踏まえまして、平成十九年度から新たに短期集中的なウイルス肝炎対策を実施することといたしました。
 新たな肝炎対策は、五年程度の期間を目途に集中的に実施するものでございまして、住民に身近な区市町村や保健所における肝炎ウイルス検診を拡充するとともに、陽性者の確実な治療を促進するため、新たな医療費助成制度を創設いたします。また、肝炎診療ネットワークを整備し、区市町村、医師会とも連携し推進してまいります。

○田代委員 新たな医療費助成制度を創設するということでしたけれども、効果的な治療法の実態に即したものとなると、C型ウイルス肝炎患者さんに対する、今おっしゃられたペグインターフェロン治療ですね。これはせんだっても質疑させていただきましたけど、こういう抗ウイルス療法が対象となって、当然、我が党がこれまで特に創設を求めてきました通院医療費についての助成をすることになると考えるんですが、改めて伺いますけど、新たな医療費助成制度の考え方はどのようなものか、お聞かせいただきたいと思います。

○清宮保健政策部長 新たな医療費助成制度でございますが、治療効果の高いペグインターフェロンとリバビリンの併用による通院治療が可能となってきたことに着目し、実施するものでございます。
 この制度は、治療費の自己負担を軽減することにより、多くの潜在するC型肝炎感染者の早期治療を促し、肝硬変、肝がんへの進行を防ぎ、治癒を目指すものでございます。その結果といたしまして、将来の医療費の抑制効果も期待できるものと考えています。
 新たな医療費助成制度は、平成十九年の十月を目途に事業開始を予定しております。それに伴い、現行の入院医療費助成制度は役割を終えることになります。経過措置につきましては検討中でございます。

○田代委員 来年度からインターフェロン治療を受け病気と闘っていく患者さん、家族の方には大変心強いですし、希望が持てるものになる。先ほど申し上げたように、C型肝炎というのは大変怖い病気の代表だったわけですけれども、随分これが変わってくると思うんですね、今、大変力強く答えていただいたわけですけど。
 インターフェロン治療というのは、保険を適用しても自己負担額が高額であることから、創設する制度では、特に低所得者の方々などが確実に治療を受けられるように、効果が出てくるように負担の軽減に配慮するなど効果的な助成制度、こういうものをつくっていくことが助成制度の一番基本だと思うんですが、それに対して所見が何かございましたら、お伺いしたいと思います。

○清宮保健政策部長 肝炎対策におきましては、いろいろな陽性者の方が適切かつ確実に治療につながっていくことが重要でございます。低所得者の方などへの軽減措置につきましては、ご指摘も踏まえまして検討してまいります。

○田代委員 ぜひとも前向きに、今おっしゃられたように検討をお願いしたいと思います。
 これから、都独自の新たなウイルス肝炎対策が全国に手本となって積極的に展開されることを強く要望して、質疑を終わります。ありがとうございました。

○増子委員 私からは障害者施策についてお伺いしたいと思います。
 自立支援法のさまざまな問題点については、これまでも、会派としても、代表質問を初め各種の委員会でもたびたび申し上げていると思いますけれども、いよいよ十月から本格施行となって、やはり町に出ますと、いろんな方からいろんなご意見、ご指摘をいただきますので、そういった意味でも何点かお伺いいたしたいというふうに思います。
 まず、新たに導入されました障害程度区分の問題なんですが、この障害程度区分の認定については、百六項目の調査結果に基づいてまずはコンピューター判定をする第一次判定があって、その結果を受けて、医師の意見書あるいは認定調査による特記事項などの資料をつけて区市町村審査会の合議で二次判定が行われる仕組みだというふうなことですけれども、この認定調査項目の中に知的障害者の特性が十分に配慮されていないのではないか、そのために判定結果が軽く出てしまうのではないかといったようなこと、そのために必要なサービスが受けられなくなってしまうというような不安の声が数多く寄せられております。
 より適切にサービスの必要度をはかることが可能となるように、都独自の認定調査項目をつくることは可能なのか、また、国に対しても見直しの要望をぜひしていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

○吉岡障害者施策推進部長 障害者自立支援法に規定されるサービスは、全国一律の基準に基づいて、介護給付、訓練等給付、補装具費や自立支援医療費の個別給付を行う自立支援給付と、地域の実情に応じて自治体の創意工夫に基づいて実施される地域生活支援事業の二つに大別されます。
 障害程度区分は、全国一律の基準に基づいて給付される介護給付を受けようとする際に区市町村によって認定されるものであり、都が独自の認定調査項目を設けることは制度上許されておりません。
 障害程度区分の認定は、画一的な項目に基づくコンピューター判定からだけでは必ずしも十分に反映し切れない個々の障害者の特性についても配慮するため、お話しのように、学識経験者によって構成される審査会の合議を経て行われます。国が六月に実施した調査によりますと、三障害全体で三三・二%、知的障害につきましては四三・〇%の方が二次判定において一次判定よりも上位の区分に変更されており、二段階の手続を経て判定を行う仕組みが有効に機能しているものと考えております。
 都といたしましては、こうした事情も踏まえながら、一次判定自体において、より客観的で精度の高い判定が行われることが望ましいことから、国に対しては、法施行後も引き続き信頼性の高い判定システムの開発、改善に努めることを提案要求しております。

○増子委員 ありがとうございます。
 愛の手帳よりは低い判定になっているというのがどうも現実のようでございまして、今は二次判定で四三%ですか、四割以上の方が一次判定よりも上位の区分に変更されているということで、都としても、一次判定そのものについての精度が重要だということは認識されているということだと、私もそのように思います。
 都も国に対して判定システムの改善の提案をしていく。実際にしておられるということですけれども、都の国への提案の中には、障害程度区分の判定については、障害福祉サービスの必要度がより適切に反映されたものとなるよう、法施行後も引き続き信頼性の高い判定システムの開発、改善に努めることというふうに確かに要望されております。
 十三大都道府県障害福祉主管課長会議というところがまた国に対して要望を出していて、障害程度区分の判定システムの検証についてという中で、より具体的に、知的障害者及び精神障害者の障害程度区分が他の障害と比べて低く出ると関係者からの声があることから、障害福祉サービスの必要度がより適切に反映されたものとなるよう、システムについて十分な検証を行い、信頼性の高い判定システムの開発、改善に努めることという要望が出ています。そういう意味では、都から国への要望についても、こういった、より具体的な要望をしていただけるとよりいいのではないかと思っておりますので、ぜひよろしくお願いいたしたいと思います。
 次に、入所施設は、障害者自立支援法の新体系に移行しますと、現在入所されている方は新たな障害程度区分の判定を受けることとなって、低く判定された場合に、施設入所支援や生活介護などの支援対象者としての要件を満たすことができなくなることがあると。低く判定された場合であっても、平成二十三年九月までの五年間は現施設の利用が可能となる経過措置が設けられているということではありますけれども、適用者の方も五年後には新たな生活の場を確保して、地域生活に移行していかなければならないということでございます。
 障害者自立支援法の理念は、障害のある人が必要なサービスを利用することによって、地域で安心して自立した生活を営むことができる社会の実現を目指すものだということですので、その理念に基づいて、施設入所者の地域生活への移行を支援することが非常に大切なことだというふうに思っています。しかしながら、障害者が施設を退所して地域での生活を維持していくためには、退所後の生活の場と必要なサービスの確保など、地域での自立生活を支える適切なサポートが必要不可欠でありまして、そのため、早急に障害者のための生活基盤の整備が必要なのではないかと思っておりますけれども、ご所見を伺いたいと思います。

○吉岡障害者施策推進部長 施設に入所する障害者の地域生活への移行を進めるためには、生活基盤の整備が急務でございまして、居住の場であるグループホーム、ケアホームの整備や、通所など日中活動の場の整備が重要と考えております。
 このため、都におきましては、本年一月に障害者地域生活支援・就労促進三か年プランを策定し、平成十八年度から二十年度の三年間で新たに約一千三百人分のグループホーム、ケアホームの増員、また、約一千六百人分の日中活動の場を重点的に整備することとし、現在取り組んでいるところでございます。

○増子委員 ぜひ障害者の皆さんが地域で自立生活ができるようなサポートをお願いしたいと思います。
 次に、自立支援法の施行によりまして、従来のサービス体系であった居宅サービスと施設サービス、サービスの機能に着目した新たな施設、事業体系にそれらが再編される。生活介護や自立訓練などを行う日中活動事業と、夜間のケアを行う居住支援事業に分かれることになったということでございますが、既存の入所施設だと、施設の中に日中活動の場があるわけです。今後、日中と夜間のサービスが分けられるということになってしまいますと、これまでのような一体的なサービスを利用することができなくなる人が出てくるのではないかということを懸念するわけですが、この辺はいかがでしょうか。

○吉岡障害者施策推進部長 この制度の利用についてご説明申し上げますと、支援サービス体系におきまして、入所施設は、生活介護などの日中活動事業と、夜間ケアを行う居住支援事業の二つの機能を有することになります。事業運営者がそれぞれの事業の実施者として指定を受けることができれば、このサービスを利用していた方は、従前と同様のサービスを受けることが可能でございます。

○増子委員 わかりました。
 それでは、次に、かねてから出ていると思いますけど、報酬の日払い方式について伺います。
 自立支援法における施設に対する報酬の算定は、従来の月額算定から、利用実績に応じた日額算定に変更されました。このため、各施設においては従来の報酬額を大きく下回り、とりわけ通所施設では、利用者が日々変動するために、その影響は特に大きいというふうに伺っております。このままの状況が続きますと、施設運営を継続できない状況に陥っていく、そういった施設が出てくるのではないかということも危惧されております。障害者が必要なサービスを安心して受けることができるような、施設計画の安定化を図るための支援が必要であると思いますけれども、ご所見を伺いたいと思います。

○吉岡障害者施策推進部長 障害者自立支援法におきましては、日々の利用実態に応じて報酬を支払うため、報酬の支払い方式が月払いから日払い方式に転換されております。また、創意と工夫による効果的かつ効率的な運営が可能となるよう、施設の運営基準、施設基準及び運営主体などに規制緩和が行われるとともに、定員を超えた利用も認められるようになりました。
 既に各事業者におきましては、新たな利用者の積極的な受け入れや、土日も開所することなど、収入を確保する意欲的な取り組みが行われております。その上で、国におきましては、利用日数率の著しく低い施設に対する救済措置として、従前の報酬額の八割相当を保障する激変緩和措置も講じているところでございます。

○増子委員 ありがとうございます。
 今、激変緩和措置が国によって行われているというご答弁がありましたけど、あくまで激変緩和ですから、変化しないわけじゃない。いつかは激変緩和措置もなくなるということなので、将来的には非常に不安があるというふうに思います。
 そういった意味では、やはりこの日割りという考え方に本来的な、本質的な問題があるのではないかというふうにも思っております。地域で既存のグループホームや、あるいは施設の運営が本当に苦しくなってくると、後に続く人がいなくなるんじゃないかということも懸念されますので、ぜひ地域生活に必要な施設が安定的に運営できるようなしっかりとした支援をお願いいたしておきたいと思います。
 次に、都は、法外施設である小規模作業所等に対してこれまでも法内化を進めてきたところでありますけれども、平成十八年五月の段階で約六百カ所の法外施設があるという状況だと聞いています。障害者自立支援法の施行に伴いまして、これらの法外施設においても、自立支援給付事業だとか、あるいは地域生活支援事業など、そういった新サービス体系へ移行することで法内化することが基本的な方向であるというふうに私も承知しております。ただし、事業者からは、法内化することのメリットが少なくて、むしろデメリットもあるのではないかという声もあったりいたしまして、今後、法内化に進んでいくことが難しいといったようなところも出てくるのかなと思っています。
 そういった意味では、都として、法外施設を運営する事業者が法内化に向かうような、何かインセンティブが働くような支援策を考えておられるのかどうか伺いたいと思います。

○吉岡障害者施策推進部長 小規模作業所等の法定外の施設は、障害者自立支援法の新事業体系に移行することにより、事業運営の安定化や透明性を確保することができ、利用者支援の充実が期待されることから、法内化の促進が必要であるというふうに考えております。
 しかし、これら法定外の施設が法内事業に移行していく際には、NPO法人等の法人格の取得や、各事業の指定基準を満たす必要がございます。このため、都におきましては、専門知識を有するボランティアの派遣による法人格の取得支援や、障害者地域生活支援・就労促進三か年プランによる施設、設備の特別助成などにより法内化促進を図っております。

○増子委員 作業所というのは、養護学校を卒業して企業就労が困難な人たちのために、地域の親御さんたちが集まって運営してきたといった経緯もあります。それだけに、法内化することが非常に困難な作業所も出てくるのかなと心配いたしておりまして、これまで運営されてきた地域性あるいは実績を十分に考慮して、最後はぜひ支援をしていただくようにお願いいたしておきたいと思います。
 次に、重症心身障害児通所事業についてですけれども、先日私たちが伺った施設では、非常に障害が重い上に医療的な処置を必要とする利用者が多く、その中で職員が慌ただしく動いていた姿が印象的で、なかなかやっぱり人手が足りないのかなという感が否めませんでした。
 登園時の保護者との引き継ぎだとか、あるいはたんの吸引だとか、職員の方が一人の利用者につきっきりで対応しなければならない、そういった時間がとても多くて、自分で体の向きを変えたり、不調を訴えたりということができない、そういった利用者の方々に常に目を配って、気を配っているというのが本当に難しいという感じを受けました。重症心身障害児の方に適切なケアを行うためには、人員配置がさらに必要なのかなと思いますけれども、この点についてはいかがでしょうか。

○吉岡障害者施策推進部長 重症心身障害児(者)通所事業は、在宅の重症心身障害児者の生活を支える上で非常に重要な事業でございます。このため、利用者が必要とする医療的ケアや訓練が安全かつ適切に行えるよう、都は、国の実施要綱をもとに、施設の定員に応じて看護師、児童指導員等の直接処遇職員を複数配置できる職員配置基準を独自に定めているところでございます。

○増子委員 国の基準を上回って手厚くしていただいているということについては、保護者の皆さんからも大変感謝の言葉をいただいているということはお伝えしておきたいと思います。
 しかしながら、医療従事者など、利用者の保護者以外にも関係者の方々からいろいろお話を伺うと、こうした基準をさらに上回って、障害の重度化とか重複化といったようなことが進んでいるのではないかと、そんな感じも持ちました。先ほどいったような、なかなか自分で体の向きを変えたり、不調を訴えたりすることができないような利用者の方々に常に目が届いて十分なケアができるような、そういった実態を踏まえた配置を早急に検討していただければありがたいと思っております。
 また、ケア以外の部分で、例えばボランティアといったようなことの受け入れをやっていくことも可能なのかと思っています。現在でも、地域の福祉あるいは心理系の大学の大学生が保育活動に参加していただいたり、あるいは地域住民の皆さんが施設の行事をお手伝いしたり、さまざまな取り組みが行われているというふうに聞いています。引き続きこういったボランティアということもぜひ取り組んでいただければありがたいと思っています。
 次に、健常児の放課後対策も最近いろんな問題となっていますけれども、養護学校に通う子どもたちというのは、特に放課後の行き場というのが非常に限られているというふうに思います。障害者自立支援法による新事業体系でも、障害児の放課後対策となる事業が実際には抜け落ちたような状態にあるわけですね。そのために、養護学校が終わると自宅へ帰るということになって、例えば母親が外で働きたくても働けない状況があったり、障害児にとっても、養護学校と自宅の往復だけの単調な毎日になってしまうといったような状況にあります。障害児も、学校とは別に、集団で遊んだり活動する中で、学び、成長、そして発達していくことが大変大切だというふうに思っております。そのためにも、障害児の放課後対策を拡充すべきだと思いますけれども、見解をお伺いいたしたいと思います。

○吉岡障害者施策推進部長 障害児の放課後対策につきましては、平成十七年度に中高生等を対象とした障害児タイムケア事業が創設され、障害者自立支援法におきましては、区市町村地域生活支援事業の中の日中一時支援事業として新たに位置づけられたところでございます。今後、この事業が、各区市町村において、各地域の実情やニーズに応じて拡充されていくことが重要であり、都におきましても、広域的な立場から必要に応じ助言を行いまして、普及に努めてまいりたいと考えております。

○増子委員 私たちの仲間でも、今行われている放課後事業を何カ所か拝見させていただいています。これは、都の障害者通所訓練事業の一つ、地域デイグループ事業として行われているわけですが、そこでは、単なる預かりにとどまらない、訓練を目的とした活動がされています。仲間と一緒におやつをつくったりとか、おやつの材料を買い出しに行ったりとか、楽しみながら将来の自活に向けた訓練が行われています。地域生活を支援するという施策の流れの中で、重要性はさらに高まっているというふうに思っています。
 この自立支援法という障害者施策全般にかかわる大きな流れの中で、区市町村は今本当に大変な状況だというふうに思っておりますので、こうした活動に対する支援がおろそかにならないように、都としてもぜひ力強い支援やご指導を行っていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 以上で私の質問を終わります。

○伊藤委員 私からは、初めに、高次脳機能障害支援普及事業についてお伺いいたします。
 交通事故などの不慮の災害や脳血管疾患等によって脳の一部に損傷を受け、言語や記憶、注意力や集中力など知的な機能に障害が起きた状態が高次脳機能障害であります。新しい時代が生んだ障害といわれ、医療や福祉の制度の谷間に置かれた、こうした障害を持った方々の切実な声を背景に、都議会公明党は、国会はもとより、全国の地方議会としても初めて、この問題を都議会の場で取り上げてまいりました。平成十年第四回定例会のことでありました。以来これまで再三にわたって、実態調査の実施を初めとして各種事業の展開を提案するなど、議会での活動を通じて行政施策への反映を行ってまいりました。さらに、国へも発信を続け、国の諸政策の実現を強く誘導もしてまいりました。東京都におけるこれまでの先駆的な努力に対しては高い評価をさせていただきます。
 こうした経過を踏まえ、本年十月から全面施行されました障害者自立支援法のもとで、東京都は、特に専門性の高い相談支援事業として高次脳機能障害支援普及事業を位置づけ、東京都心身障害者福祉センターを支援拠点機関に定め、今月一日から事業をスタートさせております。当該問題に関する施策の大きなターニングポイントであり、新たなスタートといえます。
 そこで、まず、高次脳機能障害対策について、国に先駆けて都が先駆的に取り組んできたこれまでの事業と経過の概要について伺います。

○細川医療政策部長 東京都では、平成十一年度、全国に先駆け実態調査を実施いたしました。また、平成十三年度からは、これらの結果を受け、専門家向けの診断・リハビリテーションマニュアルや、家族向けにパンフレットを作成、配布いたしました。また、心身障害者福祉センターにおいても、平成十三年度から、肢体不自由児更生施設等を利用した各種支援を開始しております。
 平成十四年度からの三カ年は、職場復帰までを視野に入れた方策を検討する社会復帰支援マニュアル策定事業を実施し、医療機関における社会復帰支援マニュアルを策定するとともに、地域の保健、医療、福祉従事者等を対象とした講習会を実施しております。
 十七年度、十八年度におきましては、高次脳機能障害者やそのご家族が区市町村の窓口を相談のために訪れた際に、区市町村の職員が適切に対応できるよう、足立区、世田谷区の二区においてモデル事業を実施しつつ、高次脳機能障害者地域支援ハンドブックを作成中であり、今年度末には完成させる予定でございます。

○伊藤委員 先ほども申し上げたように、これまでの取り組みに加え、本年十一月から都として高次脳機能障害者支援普及事業を開始しているわけでございますけれども、具体的な事業内容を教えていただければと思います。

○吉岡障害者施策推進部長 都が本年十一月から開始いたしました高次脳機能障害者支援普及事業は、障害者自立支援法第七十八条に基づき都道府県が実施する地域生活支援事業でございまして、高次脳機能障害者が自立した日常生活または社会生活を営むことができるようにするため、東京都心身障害者福祉センターを支援拠点と定め、高次脳機能障害者への支援を行うものでございます。
 具体的な事業内容でございますが、専用電話による電話相談や、相談支援コーディネーター等による専門的な相談、支援、区市町村の地域支援ネットワークづくりへの支援、都民等への普及啓発や、人材育成を図るための研修等でございます。

○伊藤委員 ただいまご答弁いただきましたけれども、東京都心身障害者福祉センターが拠点となって相談、支援等を行うということでございましたけれども、的確に事業目的が達成されるためには、人的配置も含め、必要十分な支援体制の構築が不可欠であると考えます。特に、支援チームのあり方については、支援事業を進める上で重要な課題の一つであります。この点についての方針を伺います。

○吉岡障害者施策推進部長 支援体制に関するお尋ねでございますけれども、高次脳機能障害者への相談、支援を行うため、心身障害者福祉センターに相談支援コーディネーター及び医師、福祉職、心理職等の多職種で構成する支援チームを設置いたしました。支援チームは、高次脳機能障害者への個別相談、支援を行うとともに、区市町村や関係機関等への助言、情報提供等を行ってまいります。

○伊藤委員 これまでの先駆的な取り組みを踏まえ、東京都が積極的に高次脳機能障害に対する支援を行っていくことが重要でありますけれども、同時に、患者や家族、さらには関係者にとって身近な区市町村で一義的に相談や支援を受ける体制を確保していくことも極めて重要な課題となります。このため、区市町村の支援ネットワークの構築については、きめ細かで具体的な取り組みが行われるよう強く求めるものであります。基本的な方針と、各機関との連携をも視野に入れた事業の計画を明らかにしていただきたいと思います。

○吉岡障害者施策推進部長 先生ご指摘のとおり、高次脳機能障害者が身近な区市町村で相談や支援を受けられる体制を確保していくことが非常に重要であると考えております。このため、都におきましては、各地域における高次脳機能障害者にかかわる医療機関、授産施設、就労支援センターなどの各機関との連携を図り、区市町村ごとにネットワーク構築を支援してまいります。さらに、関係職員のレベルアップを図るため、今年度に作成いたします高次脳機能障害者地域支援ハンドブックなども活用いたしまして、研修やセミナー等を実施してまいります。

○伊藤委員 高次脳機能障害者は、外見からは障害がわかりにくいこともありまして、いまだ障害に対する社会的認知度も低い、周囲から誤解を受けたりすることも多くあると聞いております。関係団体の方々からは、特に医療の現場で医師や看護師等の理解を深めることができるように、環境づくりが要請されております。幅広い都民、そして医療機関を初めとする関係分野への普及啓発が喫緊の課題と考えますが、所見を伺います。

○吉岡障害者施策推進部長 都はこれまで、高次脳機能障害の理解を広めるため、高次脳機能障害者の方や一般都民向けのパンフレット及び医療スタッフを中心とした専門家向けのマニュアルを作成してまいりました。また、今年度は、高次脳機能障害をテーマに、都民、関係機関職員、民生委員、児童委員等を対象にした障害者福祉交流セミナーの開催を予定しております。さらに、今後、医療機関を初め関係機関等に向け研修等を実施いたしまして、高次脳機能障害に関する普及啓発を図ってまいります。

○伊藤委員 高次脳機能障害者に対する支援を充実していくためには、障害者や家族からの現場の切実な声を適切に把握する必要があります。今年度は、そうした方々からのニーズ調査を実施するとしていることを高く評価したいと思います。
 そこで、その調査方法、調査内容、調査結果の取りまとめの時期とその概要について伺います。

○吉岡障害者施策推進部長 今年度実施を予定しております高次脳機能障害者支援ニーズ調査は、障害の状況、福祉サービス等の利用状況、就労の状況等について把握いたしまして、都として今後の支援のあり方等を検討するための基礎資料とするため実施するものでございます。現在、医師、施設職員、高次脳機能障害者家族会等のメンバーで具体的な調査項目等を検討していただいているところでございまして、今後、高次脳機能障害者及びその家族に対するアンケート調査を行い、今年度末にその結果を取りまとめる予定でございます。

○伊藤委員 政治は現場からということを重く受けとめていただきまして、調査結果については次年度以降の施策にしっかりと反映するよう強く要望させていただきます。
 次に、腎臓病患者への支援についてお伺いします。
 過日、都議会公明党は、腎臓病患者の方々による団体から種々の要望を受けました。その中に、首都直下型地震などのような大災害が発生した場合における腎臓病患者に対する支援の推進をぜひしていただきたいという切実な要望をいただきました。
 そこで、まず、災害時における透析医療機関の確保は現在どのようになっているのか伺います。

○清宮保健政策部長 東京には約二万五千人の人工透析の患者の方がいらっしゃいまして、これらの方の災害時の安心を確保するためには、関係機関が連携し、迅速かつ円滑な対応が求められているところです。そのため、都内の透析医療機関によります地域情報ネットワークが構築され、災害時には、透析可能状況や被災状況、復旧の見通しなどがホームページ上に公表されることとなっています。
 東京都は、これらネットワークとのメーリングを活用したシステムに参画していまして、災害時には、どの医療機関が透析可能かなど、広域的な情報収集や緊密な情報交換を行える体制を整備して、透析医療機関の確保に努めています。

○伊藤委員 災害時に、今のお話の中にも、都内に二万五千人にも及ぶ透析患者がいらっしゃる、この二万五千人が一遍に透析を行うということは考えにくいことだと思いますけれども、こうした透析患者さんへの直接的な対応を行うのは実際には透析医療機関であり、また、身近な区市町村であると思います。対応の周知徹底はどのようになっているのかお伺いしたいのが一つと、また、何よりも大事なことは、平常時から患者本人が、災害時には自分がどのような行動をとればいいのか知っておくことだと思います。都はどのようにこうしたことに対応しているのか、あわせてお伺いいたします。

○清宮保健政策部長 二点のご質問にお答えいたします。
 都では、災害発生時に迅速かつ適切な医療を確保するため、災害時における透析医療活動マニュアルを作成してございます。平成十八年三月には、新潟中越地震などの教訓を踏まえ、マニュアルを改訂いたしました。災害時には、透析医療機関の適切かつ迅速な対応が求められることから、このマニュアルを透析医療機関及び各区市町村等へ配布するとともに、内容に関する説明会を開催するなど、広域的な連携の必要性等について周知徹底を図っています。
 また、人工透析患者の方みずからが平常時から災害時の行動を確認しておくことも大切でございます。そのため、今回のマニュアルの改訂にあわせ、災害発生時にはどのように行動するかを記載いたしました透析患者用防災の手引を作成し、患者団体に配布するとともに、人工透析医療費の助成対象者に送付するなど、周知徹底を図っています。
 今後とも、機会をとらえ、透析患者さんの視点に立って、より一層見やすく、かつわかりやすい手引として充実し、周知に努めてまいります。

○伊藤委員 腎臓病患者さんお一人お一人に対するそういった支援、また、区市町村、医療機関との連携、都とのネットワーク、こうしたものをしっかりと確立していただきたい。
 特に今後は、透析患者用の、今話がございました手引というものがあるんだということで、手元の方にいただきました。大変によくできている。個人カルテみたいな、一人一人の状況に合った手引になっていると思いますけれども、また、ぜひとも、いざというときに自分はどう行動すればいいのか、あるいは事前にどういう備えをしておけばいいのかということをしっかりとわかりやすく、大きな字で書いた、そういった手引なりガイドを充実していただいて、患者さんたちの安心を確保していただきたいと思います。
 現在、二万五千人透析患者さんがいる一方、慢性腎炎や、特に急増している糖尿病性腎症を患っている方々のように、あと少しの進行で透析が必要となってしまう、今は透析はしていないけれども、透析が必要となってしまう方々というのは、この数倍いると聞いております。こうした方々に対しても、災害時の食糧の問題が大変に重要であると私は考えます。現在、都や区市町村が避難所に備蓄してある、日本人の主食である米は、アルファ米化した標準米であるということでありますけれども、透析患者はもとより、こうした、あと少しで透析が必要となってしまう患者さんのためにも、たんぱく値を控えるためにも、低たんぱく米の備蓄も検討すべきであるというふうに思いますけれども、都の対策方針を伺います。

○永田生活福祉部長 東京都におきましては、各区市町村において災害要援護者の特性に応じた対策が行われるよう、区市町村向けに災害要援護者への災害対策推進のための指針を作成するとともに、災害要援護者防災行動マニュアルへの指針におきまして、家庭での三日分の備蓄を推奨しているところでございます。
 現在、東京都の地域防災計画の修正に向けまして、この検討が行われております。災害要援護者への対応策につきましても、この中で検討を行っているところでございます。ご提案の、人工透析を受けていない腎臓病患者の方々などに対します低たんぱく米の備蓄につきましては、その検討結果も踏まえて対応してまいります。

○伊藤委員 今後とも、ぜひとも災害時の腎臓病患者への支援を拡充していただきたいと強く要望させていただきます。
 続きまして、都民の健康づくりについて伺います。
 少子高齢化と人口減少が急速に進む中、人生八十年を健康で生き生きと暮らせることの重要性が増しております。病気にならないことや、介護を必要としない生活は、都民一人一人の念願であり、医療費や介護保険などの抑制のためにもますます重要な課題であると思います。
 一方、都民の健康状況という資料を見ると、生活習慣病の増加が大きな課題となっております。平成十六年の都民の主要死因、いわゆる亡くなる原因ですけれども、一位ががん、二位が心疾患、三位が脳血管疾患であり、これらの三大生活習慣病が死因全体の六割を占めておりました。また、六十五歳以上の高齢者の要介護原因、介護を受けることになってしまう原因については、脳血管障害が二五・七%と最も高く、次いで高齢による衰弱、転倒・骨折の順に多くなっており、生活習慣病、つまり生活習慣と私たちの健康とは密接な関係があることが指摘されております。
 そこで、まず、都はこれまで都民の健康づくりに対してどのように取り組んできたのか伺います。

○清宮保健政策部長 東京都は、平成十七年度に福祉・健康都市東京ビジョンを策定するとともに、都民の健康増進に関する基本的な計画でございます東京都健康推進プラン21の中間評価及び改定を行いました。中間評価を踏まえまして、糖尿病の予防、がんの予防、こころの健康づくりの三つの重点課題を掲げた後期五か年戦略を策定して、都民の健康づくり施策を展開しているところでございます。
 今年度は、糖尿病予防、こころの健康づくりにつきまして、商工会議所や労働基準監督署、地域産業保健センターなど職域保健と連携し、働き盛りの世代を対象とするモデル事業を展開しているところでございます。また、企業、NPOなどの団体によります東京都健康づくり応援団を創設し、都民の健康づくりを支援しているところでございます。

○伊藤委員 都がさまざまに都民の健康づくりのための施策を実施していることは率直に評価したいと思います。
 私は過日、テレビの取材の中で必要があって、健康に対する都の施策を学ぶ機会がありました。こんなに資料を読ませていただきましたけれども、こんなに東京都が健康について都民に働きかけを行っているのかということに本当に驚いたのと同時に、知らなかったというのも正直なところでありました。新聞報道の中でも話題になりましたけれども、四十歳以上の男性の三割以上が肥満、メタボリック症候群であるという、私も危ない一人でございますけれども、記事がありました。また、都民の健康・栄養状況という資料を見ると、一般の都民の方々が、国や都が推進している健康日本21などの取り組みを知っているかという問いに対し、知っていると答えた人は一〇%以下という結果も載っておりました。さらに、健康のために運動の習慣があると答えた人は男女とも二〇%台とありました。つまり、これらの資料からは、健康について本気で考えなければならないなとか、生活習慣を変えなければならないなとか、また、運動が必要だなと思っている人がたくさんいるということが読み取れるわけでございます。
 しかし、健康づくりについては、まだまだ社会的機運の向上と醸成に課題があります。都は、都民の健康づくりに対する普及啓発をさらに充実すべきであると考えますけれども、所見を伺います。

○清宮保健政策部長 健康づくりは、都民みずからが主体的に取り組むことが基本でございますが、行政は、その取り組みを支援するため、健康づくりのための正しい健康情報を積極的に提供していくことが必要と認識しています。
 都は、東京都健康づくり応援団特別講演会を開催するほか、「広報東京都」やホームページなどを通じ、例えば栄養成分表示など食に関する情報や応援団の活動情報など、健康づくりに関する情報提供を行っているところでございます。
 今後とも効果的な普及啓発を実施してまいります。

○伊藤委員 ぜひ効果的な普及啓発を頑張っていただいて、知っていると答える人が半数を超えるように頑張っていただきたいと思います。
 元気な生活を送るためには、健康づくりが欠かせません。そのためには、二次的予防である定期的な健康診断により健康状態を知り、医学的診断を受けて対処していくことと同時に、私は、自分自身の体力を正しく認識し、そこから一次的予防、つまり食生活の改善や適切な運動に結びつけていくことも大事であると考えております。しかし、多くの都民は、生活習慣の改善と運動の必要性はわかってはいるけれども、実は自分の体力については数値的には知らない、また、なかなか運動に取り組めないというのが現状であると思います。そのためにも、例えば定期的な体力測定など、自分の体力を客観的に知ることができるようにして、生活習慣改善に取り組むきっかけが必要であると考えます。健康づくりや介護予防の前段ともいうべき、三十代、四十代から始める、運動を通じた体力づくりを推進していくことは重要なことであります。
 そこで伺います。都は都民に対しさらに働きかけをし、健康づくり、体力づくりの具体的な取り組みを進めるべきと考えますが、所見を伺います。

○清宮保健政策部長 メタボリックシンドロームというお話もございましたが、健康推進プラン21の中間評価におきまして、肥満が増加している働き盛り世代を中心に、運動の必要性の理解を深め、運動習慣を定着させていくことが重要であるとされています。
 都はこれまでも、生活習慣改善指導推進事業を通じまして、基本健康診査の結果、要指導と判定された方に対し、保健指導の中で、運動実践を通じ健康づくりを促すなどの働きかけを行ってきています。また、市町村の健康づくりの取り組み、例えば市民ウオーキング教室の開催に財政支援するなど、地域における健康づくりの推進にも努めているところでございます。
 健康づくりや介護予防のためには体力づくりも大切であり、今後とも、区市町村、健康づくり応援団、商工会議所など職域の関係機関とも連携し、都民が運動を通じた体力づくり、健康づくりを実践できますよう働きかけてまいります。

○伊藤委員 今、自殺者が大変に増加してきている、こんな社会的な問題もあるわけで、心の健康のためにも、ぜひとも東京都はこうした運動づくりを推進していただきたい。そして、二〇一六年東京オリンピックを目指して、開催国となるためにも、当該都市の東京の都民の健康づくりにしっかりと取り組む必要があると思います。
 そのためには、先ほどのきっかけづくりに加えて、健康運動指導士や健康運動実践指導者などの指導人材育成や配置、また区市町村とも連携して、都民が身近なところで気軽に運動し、健康づくりに取り組めるよう、環境整備も大事なことであります。こうした課題にも取り組んでいただき、今後ともぜひ都民の健康づくりに積極的に取り組んでいただきたいと要望します。
 最後に、子育て支援と中高生健全育成について伺います。
 私は、子育てはすばらしいと思っております。しかし、私が児童館で子どもや親にかかわり、さまざまな相談に応じてきた経験からいうと、子育てに不安や負担を感じている親が非常に多いのも現実でございます。東京は、小学校就学前の子どもがいる家庭の約九割は核家族であり、家族、親類からの子育ての応援が受けられない家庭も多いと思います。特に三歳未満くらいの、保育園や幼稚園に通っていないお子さんを育てている親は、子どもと一対一で部屋の中で過ごすことも多く、地域で孤立しがちになります。例えば出産直後のいわゆるマタニティーブルーなど精神的に不安定であったり、子どもの成長や離乳食など子育てに関してわからないことがあったりしたときに、だれにも相談できずに悩んでしまい、場合によっては子どもに手を出してしまう、また、思いもよらず虐待につながってしまうということも起きかねません。このような子育て家庭の不安を解消し、子育ての不安感を軽減することが求められていると考えます。
 そこで、まず伺いますけれども、都内における三歳未満の子どもは、家庭で過ごしたり、保育所にいたり、さまざまな状況であると思いますけれども、現状はどうなっているのか伺います。

○都留少子社会対策部長 平成十八年一月一日現在、ゼロ歳、一歳、二歳を合わせた子どもの数は約二十九万人でございます。そのうちの約七万人、二五%の子どもたちは認可保育所や認証保育所など何らかの保育サービスを利用して育てられております。そのほかの約二十二万人、七五%は家庭で育てられております。

○伊藤委員 今ご答弁いただいたように、二十二万人、七五%の子どもたちが家庭で子育てをされている。こうした状況の中で、子育てに悩んだとき、あるいは不安になったとき、一人で抱え込むことなく、身近な地域で子育ての相談や育児の仲間づくりができる、この事業概要の中にもありますけれども、子育てひろば事業というのが非常に重要な施策だと思っております。子育てひろば事業について、現状と今後の取り組みについてお伺いいたします。

○都留少子社会対策部長 子育てひろば事業は、地域の身近な子育て支援の場として、主にゼロ歳からおおむね三歳までの子どもを持っておられる親を対象に、交流の場の提供や子育ての悩みの相談に応じる、区市町村が実施主体の事業でございます。
 この事業は、保育所や児童館などの公共施設を活用して実施されておりまして、現在、都内に四百九十カ所設置されております。都では、このひろば事業を、子育ての負担感、不安感の軽減を図る重要な施策と考えておりまして、昨年四月に策定いたしました次世代育成支援東京都行動計画において、平成二十一年度までに六百三十一カ所の設置を目指しております。
 今後も、今年度創設いたしました子育て推進交付金の活用などにより、ひろば事業が地域の実情に応じて柔軟に設置、運営できるよう、区市町村を支援してまいります。

○伊藤委員 子育てへの不安感、負担感の軽減のため、子育てひろば事業の推進にぜひ努めていただきたいと思います。
 さて、東京都が区市町村に設置を進めている子ども家庭支援センターは、親の育児疲れなどの理由により一時的に子どもを預かるショートステイなど在宅サービスの提供、調整も行うなど、地域における子育ての総合的な相談、支援の拠点として非常に重要な役割を担っております。
 あわせて、昨今非常にふえている、昨日もニュース報道でずっと報道されておりました児童虐待の状況も踏まえて、都では、このような機能に加えて、要支援家庭への訪問など、虐待防止の機能も備えた先駆型子ども家庭支援センターへの転換を進めると聞いております。先駆型も含めて、子ども家庭支援センターについて、現在の設置状況と課題、そして今後の取り組みについて伺います。

○都留少子社会対策部長 現在、子ども家庭支援センターは五十四の区市町村に設置されておりまして、そのうち二十九の区市町では先駆型子ども家庭支援センターとして運営しております。
 児童福祉法の改正により、平成十七年度から区市町村が子どもと家庭に関する第一義的な相談窓口として法的に位置づけられ、区市町村が適切な相談体制を整えるとともに、職員の力量を一層高めることが重要な課題となっております。
 このため、都では、平成十九年度までに四十九のすべての区市で、児童虐待防止機能を強化した先駆型子ども家庭支援センターへの転換を目指し、目標の達成に向け、現在、関係区市に強力に働きかけております。
 また、子ども家庭支援センターなどの職員に対しまして、相談援助技術の向上のための研修を実施するとともに、児童相談所の児童福祉司が子ども家庭支援センターの職員と一緒に家庭訪問を実施するなど、さまざまな支援を行っております。
 今後とも、これらの取り組みを一層強力に進め、地域における子育て支援体制の充実を図ってまいります。

○伊藤委員 子育て中の親が抱くさまざまな不安は、母親が妊娠したそのときから既に始まっているといっても過言ではありません。今後、在宅で子育てをしている家庭へ支援を行うに当たっては、これまで伺った施策に加えて、地域で妊娠期から一貫して支援していけるような施策についても取り組みを推進していただきたいと思います。
 これまで、小さなお子さんをお持ちのご家庭の支援ということでお伺いしてまいりましたけれども、一方、同じ児童でも、中高生という、大人へ近づく大事な時期にある子どもたちの健全育成も非常に重要でございます。
 近年、子どもが巻き込まれる事件が相次ぐ中、子どもが安全に過ごせる居場所が求められております。こうした状況のもと、小学生の放課後の居場所づくりについては、従来からの居場所の一つでもある地域の児童館のほかにも、小学校の校庭開放や地域子ども教室など、さまざまな取り組みが行われるようになってきております。
 一方、中高生の居場所づくりについては十分進んでいるとはいえません。放課後、部活動に自分の居場所を見出し、生き生きと活動している中高生も多いことでしょうけれども、しかし、ひきこもりや不登校で学校に居場所を見出せない子どもや、中には家庭にも居場所がない、また、いじめを受け、だれにも相談できずに一人で悩んでいる子どももおります。また、中高生ともなれば進路について真剣に考え始める時期でもございますし、恋愛に胸をときめかせたり傷ついたりする子どももいるはずでございます。中高生こそ、親や学校の先生とは異なる立場でかかわることができる大人を必要としております。地域の児童館は、子どもがすぐ身近な場所にあり、親でも学校の先生でもなく、子どもを見守る指導員がおります。こうした既存の社会資源を有効に活用する必要があります。これらの地域の児童館は、中高生が健やかに過ごすために、中高生の居場所づくりを強化しなければならないと考えます。
 そこで、中高生に対する地域の児童館の取り組み状況と都の支援について伺います。

○都留少子社会対策部長 お話しのとおり、中高生の活動の場、また居場所として児童館を活用することは非常に大切であると考えております。
 平成十七年度末現在、都内の六百二十七の地域の児童館のうち四十館で、音楽活動を行うスタジオや気軽にスポーツを楽しむスペースなど、中高生向けの設備を備えております。また、中高生を対象としたダンスやギターの講座や、中高生自身が企画から事業の実施までを行う自主企画事業など、特色ある取り組みを行っている児童館もふえております。
 都では、今年度創設いたしました子育て支援基盤整備包括補助事業により、こうした区市町村の取り組みを積極的に支援しております。

○伊藤委員 東京には多くの地区児童館が整備されておりますので、こうした地域の児童館における中高生対策を積極的に支援していただきたいと思います。
 さて、都は、大型児童館として東京都児童会館を昭和三十九年に開設しましたけれども、同会館は、この四十年以上にわたって児童の健全育成に貢献してきた会館でございます。本年一月には、子ども家庭総合センター、仮称であるそうですけれども、基本構想において、東京都児童会館が子ども家庭総合センターへ、必要な機能を整理し移転するということが発表されました。東京都児童会館の機能移転後も、中高生が積極的に参加できるような児童館の取り組みについて、都が地域の児童館をなお一層強力にリードする機能を担うべきと考えますけれども、都の所見を伺います。

○都留少子社会対策部長 これまで東京都児童会館は、体験型の遊びを通じて想像力をはぐくむ機会を児童に提供するとともに、指導員研修の実施など、地域の児童館を総合的に支援してまいりました。こうしたこれまでの成果を踏まえ、今後は、住民に身近な地域の児童館で、中高生を含めた子どもの健全育成の取り組みが一層進むよう、東京都児童会館で培ったノウハウや実績を積極的に還元しながら、新たな遊びの開発や情報発信、指導員の人材育成などを行ってまいります。

○伊藤委員 ご答弁いただきましたように、東京都児童会館で培った四十二年のノウハウと実績を還元していただくと同時に、中高生対策のような新しい課題にも取り組んでいただきまして、その成果を東京都全域に普及させて、区市町村を支援しながらネットワークを構築するなど、地域の児童館を活性化していただくよう要望します。
 最後に一点、要望でございますけれども、私が本年第一回都議会定例会で、子どもの目線に立った安全対策について質問した折、石原知事のご答弁にもあったように、次代を担う子どもたちは社会の宝であり、そのとうとい命を、不慮の事故を初めあらゆる危険から守ることは、我々大人に課せられた責務であるというふうに知事もいわれました。子育て支援策の重要な施策の一つとして、子どもの目線に立った安全対策についても、今後も一層強力に取り組んでいただきたいということを要望して、私の質問を終わります。

○かち委員 資料を出していただきましたので、三四ページ、重症心身障害児(者)通所事業についてまずお聞きします。
 本事業は、在宅での重症心身障害者に対し、日常生活動作や機能訓練、必要な養育等を行うことによって運動機能の発達を図り、機能低下を防ぐなど、在宅福祉の増進の目的を持って行われており、この事業は、当事者にとっても家族にとってもかけがえのないよりどころとなっているものです。
 資料にありますように、現在、委託施設と都立施設合わせて定員三百十五名に対し、登録者数は三百四十八名、こういう方が通所しているわけですが、毎年新たに養護学校などを卒業してくる子どもたちがいるわけですから、施設数はどうしても足りないということが現状です。入所もなかなか狭き門というのが実態です。何とか在宅で頑張ろうとしている当事者と家族の皆さんが、せめて日中通えるだけ通わせたいと思っているこの通所事業は切実です。しかし、足りないので通所回数を減らさざるを得ない、こういう状況もこの表の中から読み取れるわけです。
 そこで、まず、通所施設不足の改善を私もこの委員会で繰り返し求めてきたところですけれども、ことし、やっと予算化されました北療育医療センターでの通所施設の開設への取り組みはどうなっているのか、その進捗状況をまずお聞きします。

○吉岡障害者施策推進部長 北療育医療センターにおきます通所事業の開始のための進捗状況でございますが、本年度は、施設改修のための設計を行うなど、早期の開設に向けた準備を進めているところでございます。

○かち委員 一日も早く開所されるよう、ご努力をお願いいたします。
 それで、提出していただいた資料には重症児割合というのが出されております。このことは診療報酬点数上の超重症児、準超重症児というふうな分類になっているようですけれども、こういう方々というのは、実際、具体的にはどういう状況を指すのでしょうか。

○吉岡障害者施策推進部長 超重症児、準超重症児の実際の姿でございますけれども、重症心身障害児のうち、人工呼吸器管理を必要とする方や、気管切開、たんの吸引、経管栄養などの複合的な医療処置が必要な状態の方でございます。

○かち委員 私も二、三の施設を拝見させていただきましたけれども、本当に大変な状況の中で、家族も施設の方々も頑張っていらっしゃるという様子がよくわかりました。
 それで、今おっしゃられましたように、まず人工呼吸器をつけている、そしてIVHといって中心静脈栄養をやっていたり、経管栄養の人がいたり、または透析をやっている人もいるし、定期的な導尿や体位交換を一時間置きにやらなければいけない。また、この方々の一番重要なポイントというのは呼吸器管理なんですよね。呼吸器管理がうまくいかなければ、それが即命に直結するという大変な状況なわけです。こういう方々は自分でたんを喀出することができないから、気管切開をしたところから超音波のネブライザーで肺の奥の方までやわらかくして、それをタッピングでたたいて排出させたり、また吸引で取ったりということで、大変高度な技術も必要としているわけですね。
 先日、保護者の方々からお話を伺ったときに、写真も持ってきてくださったんですけど、(写真を示す)こういうふうに人工呼吸器はついているわ、経管チューブはついているわ、本当にチューブにつながれて、医療的ケアといっても、まさに集中治療室での対応を必要とするぐらいの専門的なケアが必要だということなんですね。
 こういうことを本当に保障していくという点では、やっぱりそこで働く方々の、有資格者を含めた定員体制というのはどうしても必要だというふうに思うんですけれども、先ほどの質疑の中で、働く人の職員配置は国の基準にのっとって都の基準で独自にやっているんだというお話がありました。けれども、この施設の状況を見ますと、かなり重症児割合のパーセンテージにばらつきがあります。先ほどいったように、重症や超重症といわれる方のいないところもあるし、七割、九割という方々がいる施設もあるという点では、同じ定員に対する職員割合としても、その中身は随分内容が、密度が違ってくるというふうに思うんですね。
 それで、定数に対する配置基準を、重症比率の高いところにはより実態に見合った定数配分をするように都として行うべきではないか。特に、やっぱり専門的なケアが必要だという点では、看護師の配置が必要なんですね。重症比率の高いところに看護師のより厚い配置基準をつくる必要があると思うんですけれども、所見はいかがでしょうか。

○吉岡障害者施策推進部長 先ほどもご答弁申し上げましたとおり、東京都は、施設の一日当たりの利用者数に応じました独自の配置基準を定めておりまして、今後もそれにより対応してまいりたいと考えております。

○かち委員 独自の定数配分ということでおっしゃっているんですけれども、やっぱり内容に見合った状況にしないと、即命に直結する状況だということは重々承知されているとは思います。そのことをぜひ配慮していただきたいというふうに思います。
 事業所としてもさまざまな工夫と努力はされているということも聞いておりますが、人数がどうしても必要だということで、常勤看護師をパートの二人に切りかえるとか、そういうこともやっているわけですけれども、高度な熟練と技術を要するこの業務をパートという不安定雇用に切りかえるという点では、親御さんにとっても大変不安がある、そういう声も聞いております。実態に見合った配置の見直しを強く求めておきます。
 と同時に、東部療育センターはできたものの、入所施設の不足も切実です。入所施設の増設にも取り組まれることを求めておきます。
 次に、子ども家庭総合センター基本構想と児童館の関係についてお聞きします。
 都立児童会館は年間八十万人を超える利用があり、幼児から高校生まで利用できる総合的な子どもの遊び場として、また居場所として、演劇や合唱鑑賞など、幅広く都民に親しまれている会館であり、都内の児童館活動のセンターとしての役割を果たしているということを先ほども確認されたところです。
 ことし一月に出された子ども家庭総合センター構想によると、これまで各地に散在していた児童相談センター、教育相談センター、少年センターを一カ所に集約し、子ども家庭総合センターを設置して、児童相談所の機能強化を図るんだということで述べられています。その後、六月に、福祉保健局、教育庁、警視庁の三局で、基本計画というのでしょうか、こういうものが出されたわけですけれども、これによりますと、センターの新設場所は北新宿の新宿看護学校跡地ということです。しかも、そこには、三センターの統合だけでなく、渋谷にある児童会館までその機能の一部を統合し、現在の児童会館を廃止するというものなんですね。これは基本構想には見られない記述なんですけれども、そこで、新施設、統合になった場合、今果たしている児童会館の役割を存続できるのかどうか、そういう観点から何点かお聞きします。
 子ども家庭総合センターに統合予定の各施設の敷地面積及び延べ床面積を示していただきたい。また、子ども家庭総合センターの敷地面積及び延べ床面積の見込みはどうなっているでしょうか。

○都留少子社会対策部長 子ども家庭総合センター(仮称)に統合いたします児童相談センター、教育相談センター、新宿少年センター、児童会館の現在の延べ床面積の合計は約一万八千平米でございます。また、子ども家庭総合センター(仮称)を建設予定の敷地面積は約五千五百平米でございます。延べ床面積は、子ども家庭総合センター(仮称)基本構想で整理いたしました一万五千平米程度をもとに、現在、基本設計の中で検討を行っております。

○かち委員 既存の施設の面積が一万八千平米。新センターの予定延べ床面積が一万五千平方メートル。明らかに三千平方メートルは狭くなるわけですね。
 それでは、現在、戸山町にあります児童相談センターと心身障害者福祉センター、肢体不自由者更生施設、旧補装具研究所、ここのある一角の敷地面積というのはどうなっているでしょうか。

○都留少子社会対策部長 現在の児童相談センターと心身障害者福祉センター、旧補装具研究所の敷地面積は約一万三千平米であり、そのうち児童相談センター分は三千百五十三平米でございます。

○かち委員 予定地の五千五百平方メートル、敷地面積に比べても七千五百平方メートル広い敷地があるわけですよね。ここは間もなく近くに都営十三号線の駅もできるということで、交通も至便、大変利用しやすい場所だというふうに思うんです。児童相談センターと心身障害者福祉センター、旧補装具研究所の敷地に、心身障害者福祉センターなどの再編整備と一体で子ども家庭総合センターを整備する方が効率的ではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。

○都留少子社会対策部長 児童虐待や非行、不登校などの課題に適切に対応するためには、福祉、教育、警察の相談機関を集約化し、子どもと家庭を一体的に支援する拠点として子ども家庭総合センター(仮称)を早期に整備することが重要であると考えております。そのため、仮移転などを必要とせず早期の開設が可能となるよう、現在地とは別の場所で建設することとしたものでございます。

○かち委員 仮移転をしなくても、ここの場所には余裕があるわけですから、敷地内で建てかえるということは十分に可能だというふうに私は思います。
 それでは、児童相談センターの跡地利用というのは何か考えているんでしょうか。

○都留少子社会対策部長 子ども家庭総合センター(仮称)を開設するまでは現在地で児童相談センターを運営してまいります。移転後の跡地利用につきましては、現段階では未定でございます。

○かち委員 特別何かに利用するという状況ではないわけですから、こういうところを可能な状況の中で実現していくということは大事だと思うんです。私は、いろいろな相談センター機能を統合するということを否定するものではないんですけれども、そこに、今持っている児童会館の機能を入れ込むことの方が無理があるのではないかというふうに思っております。
 児童会館には六百席のホールがあります。区市町村の児童館でこれだけの規模のホールを持つ施設はないわけです。先日、児童会館を訪ねましたけれども、このホールでは、夏休み、冬休みなどを利用してさまざまな児童演劇や人形劇、ミュージカルやバレエなど多彩に催され、フルに活用されているということがわかりました。また、児童演劇協会や人形劇団協会などの団体の皆さんからもお話を伺いましたけれども、昭和三十九年の開設以来、四十年以上にわたって芸能団体の発表の場として、また都内の小中学生の芸術の発表の場の拠点として、児童会館は日本の児童青少年文化に多大な影響を与えてきているとともに、児童、青少年の健全育成に大きく寄与してきたということを改めて感じております。この児童会館のホールの必要性を認識するものですけれども、新センターに統合、移転した場合、そのホールの機能が存続できるのかどうか、このホールは設置予定になっているのかどうか、お聞きします。

○都留少子社会対策部長 子ども家庭総合センター(仮称)では、児童会館を機能移転し、地域の児童館の支援機能に重点化を図る予定でございまして、現在ございますような大規模なホールを設置する考えはございません。

○かち委員 六百席というのは、ホールの中では中、小ホールですよね。決して大ホールというものではありません。
 子ども家庭総合センターで遊び場機能は継承することになるのでしょうか。先ほどもいいましたように、工作とか木工とか、あの児童会館の中には、非常に創造性をはぐくむような多様な遊び場を保障しているわけです。もちろん中高生のバンドをする施設もありますし、本当に機能が整っているわけですけれども、そういうことが今度の新しいセンターの中でどの程度保障されるものになるのでしょうか。

○都留少子社会対策部長 都といたしましては、センター的な機能に重点化を図るという考えに基づきまして、子どもの創意工夫を引き出す遊びや、親と子どもが体験をともにできる遊びなど、新しい遊びの実証的な開発について、現在、基本設計の中で検討しているところでございます。

○かち委員 伺っていると、今行っている児童会館機能はほとんど引き継がれない。創造性をはぐくむ、そういう遊びに特化されるというようなことなんですけれども、先ほど、地域の中で児童館の機能強化ということで質疑がありました。青少年、中高生を対象にした施策、進んではいるということですが、六百二十七会館の中でまだ四十カ所ということで、まだまだセンターとしての役割というのは終わっていないし、これからもますます重要になってきているというふうに思うわけです。
 それでは、東京都児童会館の入館利用者の合計数の推移というのはどうなっていますか。また、その現状をどのように認識されていますでしょうか。

○都留少子社会対策部長 東京都児童会館の利用状況でございますが、平成十四年度は約六十五万人、平成十七年度は約八十万人となっておりますが、他県からの利用者が四分の一を占めております。利用料が無料であること、それぞれのフロアごとに創意工夫を凝らした取り組みを行ってきたことなどが評価され、多くの方に利用していただきましたが、都みずからが直接遊び場を提供するという役割は見直す時期に来ていると考えております。

○かち委員 他県からも来ているということは、それだけやはり東京都の持っているあの機能がすばらしいということで来ているわけですよね。これをもっと他県にも広げていくことこそ東京都の役割だというふうに思うんです。少子化の中で児童会館の利用はどんどん減っているんだということであれば、それも考えようがありますけれども、今ますます年々ふえているという状況の中で、この役割が終わったとは到底いえないというふうに思うんです。
 核家族化の進行の中で孤独になりがちなお母さんたちが親子で利用し、交流できることが、育児ノイローゼや虐待防止にも大変大きな寄与をしているというふうに思います。新センター、一万五千平方メートルに四つの機能を押し込むのは、スペース的にも機能的にも無理な話です。児童会館の機能は現地に残し、子どもたちの文化創造育成のためのホールを存続させるべきと考えますけれども、いかがでしょうか。

○都留少子社会対策部長 東京都児童会館が開設されました昭和三十九年当時、区市町村の児童館、つまり地域の児童館は十八館にすぎませんでしたが、現在では六百二十二館にまで達しておりまして、地域の児童館の設置を促進するという開設当初の役割を十分に果たし、児童の健全育成に貢献してきたと考えております。
 一方で、東京都児童会館は建築後四十年余りが経過し、建物の老朽化が進んでおります。このため、都といたしましては、区市町村との役割分担の視点から、新たな遊びの開発などに関する情報発信や指導員の人材育成などのセンター的な機能に重点化を図り、地域の児童館の支援を強化していくため、子ども家庭総合センター(仮称)に機能移転を図ることといたしました。

○かち委員 東京都が全国の自治体の中でも唯一こういうセンターを持っているということがやっぱり誇りだというふうに思うんです。私も児童会館を見てきました。確かに築四十年ということではありますけれども、非常に修繕なども行われておりますので、老朽化しているといえども、今すぐ建てかえなければいけないという状況でもありません。利用実績からしても、また、親子のオアシスといえる児童会館の機能充実、こういうことへの期待も大変大きいということもわかりました。いじめや虐待防止のためにも、心に潤いや文化をはぐくむことであり、親子で交流できる、ゆとりのある場所がどうしても必要です。そのための大きな役割を果たしている児童会館は現状で継続をすべきということを重ねて申し上げておきます。
 次に、板橋老人医療センターの再編整備構想についてお聞きします。
 ことし七月に行財政改革実行プログラムで、板橋の老人医療センターは老人研究所と一体化し、地方独立行政法人化を目指すということが発表されました。その後、八月二十三日付の建通新聞という、これは業界新聞だと思うんですけれども、この報道で、板橋キャンパスを再編ということで、再編整備にはPFIを導入する考えで、九月に導入可能性調査などを外部委託する予定というふうに書かれています。二〇〇七年の三月までに基本構想をまとめ、二〇〇九年に事業者を公募、選定する見通しなどとかなり具体的に記述されていますけれども、こういうことは委員会としては全く報告も受けておりませんし、この新聞報道との事実関係というのは一体どういうことになっているんでしょうか。

○宮垣参事 建通新聞の記事は、板橋キャンパスのあり方に関する調査業務委託の入札参加者の募集に当たり、業者が費用を積算するための参考として仕様書に添付した資料を、既に東京都が決定したもののように掲載したものでございます。板橋キャンパス全体のあり方については、局内において検討中です。

○かち委員 都としては決定したものではない、検討中だということですけれども、業務委託をするということは、何らかの調査をするために業務委託をするわけですよね。その仕様書を勝手に記者が書いたんだという話ですけれども、ということは、都としてもそれらのことを進めているということなんですね。都として、民間活力の導入が可能かどうかの調査のための委託をしたということなんですよね。
 それでは、いつ委託をしたのか、その委託先、委託内容、委託契約金などはどうなっているんでしょうか。

○宮垣参事 委託先は株式会社日本総合研究所です。委託内容は、板橋キャンパスの整備に関する民間活力手法導入可能性の調査、健康長寿医療センター、仮称でございますが、この機能等の検討に関する支援業務などでございまして、十八年の九月十四日付の契約で、契約金額は二百八十八万余円となっております。

○かち委員 七月に行革プログラムが出て、八月にこういう報道があって、九月にはしっかりとその業務委託、着々と進んでいるというのが実態ではありませんか。二百八十八万円の委託金、これは局全体の予算からすればわずかといえるかもしれませんけれども、こういうことをやりますよということは年度当初から計画には全くなかったことなんですよね。予算にも組まれていない。そういうことが、報告もないまま、このように実際に動いているということは余りにも議会軽視ではないでしょうか。
 それでは、記事にあるように、整備手法としてPFIを導入するということは本当なんですか。

○宮垣参事 今年度の調査委託は、財務局が示す、民間手法の採用等に係る事務取扱についてに定められた手続に従い、PFI手法など民間活力手法の導入の可能性を調査するものです。整備手法も含めまして、板橋キャンパスのあり方については、現在、検討を行っているところです。

○かち委員 結局、PFIの導入可能性があるかどうかの調査もやっているということなんですね。
 現在、板橋キャンパス全体のあり方については検討中とのことですけれども、新聞報道では民活ゾーンなどという図も示されています。都としてはどのような考え方で整備しようとしているのか、また、老人医療センターの地方独立行政法人化は確定したことなのかどうか、それら全体のスケジュール、こういうことも明らかにしていただきたいと思います。

○宮垣参事 板橋キャンパス全体のあり方につきましては、ことし二月定めました福祉・健康都市東京ビジョン及び、ことし七月に発表されました行財政改革実行プログラムの考え方に沿って、今、検討を行っております。
 老人医療センターについては、老人総合研究所と一体化し、地方独立行政法人化を目指しておりまして、行財政改革実行プログラムにおきましては、平成十八年度に基本構想を策定するとしております。
 また、その他の施設のあり方や土地利用などにつきましては、板橋キャンパス全体のあり方の中で検討を行ってまいります。

○かち委員 福祉改革ビジョンにも書かれているといわれましたけれども、早期に検討するというような中身ではありますけれども、具体的に今年度から何か着手するというようなことはなかったわけですよね。そういうものを今年度からやるならやるで、基本的なところから計画を示していただかないと、何かいつの間にかどんどん事が進んでいるというのが今の状況です。
 しかし、お答えはすべて検討中、検討中、そういうことなんですけれども、地方独立行政法人化については今年度中に基本構想を策定する、来年三月までに決めるんだということなんですね。それでは、なぜ老人医療センターと老人総合研究所を一体的にして地方独立行政法人化を目指すのでしょうか。

○宮垣参事 地方独立行政法人制度は、地方公共団体がみずから行う必要はないが、民間の主体にゆだねては確実な実施が確保できないおそれのある公共性の高い事務事業を効率的、効果的に推進させる目的のものでございます。老人医療センターにつきましても、老人総合研究所と一体化し、地方独立行政法人に移行することによりまして、公共性の高い事業目的を確保しつつ、効率的、効果的な事業運営を実現し、提供される都民サービスの水準の向上や都民負担の軽減を目指すものです。

○かち委員 なかなかご説明を聞いてもすぐに理解できないんですけれども、しかし、今おっしゃった中で、民間の主体にゆだねては確実な実施を確保できないおそれのある公共性の高い業務だからやるんだというふうにおっしゃいましたけれども、それでは、これまでやってきた病院改革マスタープランには、老人医療センターと研究所を切り離して、そして老人医療センターは豊島病院と一体化して民間移譲するという計画を出したじゃありませんか。この計画との関係ではどういう整合性があるのか、その辺はご説明できるでしょうか。

○宮垣参事 平成十三年度に策定いたしました都立病院改革マスタープランの中では、老人医療センターは、高齢者の高度専門医療を行うモデル病院として、高齢者のQOLを第一義とした全人的、包括的な医療を提供していくということで、今後の高齢化に対応するためには、老人医療センターと老人総合研究所を統合して一体化することで、より一層質の高い高齢者専門の医療サービスを提供できるということで、マスタープラン制定後、制度化されました独立行政法人を採用することとしたもので、基本的な考え方は、マスタープランで示している高齢者の高度専門医療を進めるということで変わっておりません。

○かち委員 民間移譲することはできない業務だから、統合して独立行政法人化するんだというふうにおっしゃいましたけれども、既に前段では民間にするんだというふうにして、しかも研究機関と医療機関を切り離してやろうとしていたのが今までの皆さんのやり方ですよ。そういう意味では、非常に計画を次々と出してくるけれども、その場のご都合主義というふうにしか読み取れないんですよね。
 これまで、この板橋キャンパスでの養育院の組織機構というのは、保健と医療、福祉、そして研究機関が一体となった総合的な、一体的な取り組みをしているということで、大変大きな特徴を持って、国の内外からも高く評価されてきた歴史があるわけですよね。愛知の老人医療センターも、この養育院での機構を学んで、あそこで展開しているという経過もあるわけです。
 老人医療センターのこれまで果たしてきた役割と実績からも、我が党は民営化には反対の立場をとってきましたけれども、都立病院のあり方については、十九年度に二次プログラムをつくるということになっているわけですから、老人医療センターのあり方についても本来その中で検討されるべきではないでしょうか。いかがでしょうか。

○宮垣参事 老人医療センター以外の都立病院のあり方につきましては、本年七月の行財政改革実行プログラムにおきまして、平成十九年度に策定する第二次都立病院改革実行プログラムにおいて見直すこととしております。
 老人医療センターにつきましては、少子高齢化が急速に進展する中で、高齢者の高度専門医療の実践及び普及の促進を図り、効率的、効果的な事業運営を早急に実現することが喫緊の課題であるということから、今般の行財政改革実行プログラムで今後の方針を定めたものでございます。

○かち委員 二十一世紀の高齢化社会に向けて老人医療をきわめるということは、随分前からいわれていたことですよね。だからこそ研究所と医療機関が統合して、しっかりとその研究成果を上げていくということが望まれていたにもかかわらず、それを解体されてきたのは皆さん方なんですよ。それをまたくっつけて独法化するということでは道理に合わないというふうに思うんですけれども、しかし、これはとても大変な作業というか、仕事だというふうに思うんですね。独立行政法人化、この福祉関係でも、二つの機関、採算性は見込めないこの研究所という機関と、医療機関といっても老人医療に、特定分野に特化したこの医療機関が一つになって、それで自前で独立できるように運営主体を変えていくということは、さまざまな課題や問題点があると思うんですね。その辺のことをやはり議会にも明らかにして、こういうふうに決めていくんだということが今一切ないわけですよね。
 そのことと同時に、あの板橋キャンパスを再編整備する、で、物をどういうふうに置いて、どういうふうにやるのかということも同時並行的にやろうとしていて、しかもPFIでやるんだというようなことでは、非常にいろんなことがそこに集中している、大変大きな課題を抱えているわけですから、やはりこういうことは方向性もきちんと明らかにして、逐次情報を議会にも明らかにしていただきたいというふうに思います。
 それで、今急ぐから前倒しでやるんだということではなくて、一回そのプログラムをやって、いろんなことがありました、失敗した経験もあるわけですから、それをやっぱり総括して次のプログラムに生かしていくということでは、この計画は二次プログラムの中でしっかりと見直しをすることを強く求めておきます。
 それでは、次ですけれども、認定こども園について最後にお聞きします。
 幼稚園と保育所を一元化した認定こども園制度が十月からスタートしました。しかし、この制度は、幼稚園、保育所の施設設備や職員配置などについて現行の基準を下回ることが容認されていることに加え、認可外の幼稚園機能や保育所機能を法内施設として公認するなどという大変大きな矛盾があります。また、直接契約ということで、保育料も現行の所得に応じた負担ではなく、自由料金になる可能性があるわけです。資料にもありますように、まだまだ認可保育所が不足し、多くの待機児がいる中で、こういう制度になってくると、生活困窮を抱えた家庭や配慮を要する乳幼児がはみ出される事態も懸念されます。保育関係者の中では、こうした不安や疑問の声が今上がっています。
 既存の施設を活用して行うというこの制度は大変複雑で、利用者にとっても事業者にとっても、直接の窓口になるだろう区市町村にとっても大変な課題です。だからこそ、十分な情報提供と意見の集約が必要だと思うわけです。
 我が党はこれまでに、条例制定に当たっては、審議会の開催やパブリックコメントなどをするように求めてまいりましたが、都としてはいずれも行わず、関係局だけで検討し、条例制定されようとしているわけです。資料にもあるように、他県では審議会の設置が十県、意見公募の実施については三十三府県、約七割の自治体で実施しています。これが本来のあり方だと思うのですが、都としてなぜ審議会も意見公募もしないのでしょうか。

○都留少子社会対策部長 認定基準の策定に当たりましては、区市町村や関係団体に必要な情報を提供し、意見交換を行うとともに、都議会での議論や寄せられました要請内容を踏まえ、既に幅広く検討を行ってまいりました。その上で、認定こども園の認定基準に関する条例案について、平成十八年第四回都議会定例会に提案する予定でございます。

○かち委員 区市町村や関係団体からお話を聞いたということですけれども、これを利用するのは都民ですから、やはり都民に情報は公開すべきだというふうに思います。
 関係団体から意見を聞いてやっているんだということですけれども、そこではどのような意見が出されているでしょうか。

○都留少子社会対策部長 関係いたします保育団体からは、運営主体、施設設備基準、人員配置などさまざまな項目にわたって多様なご意見をいただいております。
 具体的には、運営主体について、四つの類型のうち、認可保育所と認可幼稚園の組み合わせである幼保連携型に認定を限定することという要望がある一方で、認可外保育施設の参入を可能としている幼稚園型や地方裁量型を積極的に活用すべきとの要望がございます。また、職員の資格についても、幼稚園教諭免許と保育士資格とを両方有することを求める要望がある一方で、幼稚園教諭免許と保育士資格のどちらかでよいとする要望もございます。

○かち委員 私どもも、保育関係四団体合同の方々からの要望も伺っております。今お話のあった、認可保育所と認可幼稚園の組み合わせである第一類型を対象にすることとか、直接契約方式の弊害への対応をしてほしいなどなど九項目にわたっております。少なくとも今の保育水準を維持向上させる、子どもたちにとってよりよい制度にすることが最低保障されなければならないというふうに思います。認定基準に当たっては、最低でも現在の水準を落とすことのないように配慮すべきだというふうに思いますけれども、都としての考えはいかがでしょうか。

○都留少子社会対策部長 認定基準の設定に当たっては、就学前の教育、保育に対するさまざまなニーズにこたえ、地域において子どもが健やかに育成される環境の整備に資するものとする必要がございます。このため、都におきましては、これまで、認可幼稚園、認可保育所、認証保育所で培ってまいりました実績を生かし、大都市の特性に応じた、ニーズに的確に対応した認定基準とする予定でございます。

○かち委員 具体的な中身については、これから四定の中での質疑にいたしたいと思いますけれども、国の示している施設の設備及び運営に関する基準では、保育に対する国と地方自治体の責任を明確にした児童福祉法の原則はなし崩しにされかねません。ゆえに、都が提案する条例案は、情報を十分に提供と検討を重ね、関係者を初め都民的理解と合意のもとで進められるべきであるということを重ねて申し上げまして、私の質問を終わります。

○長橋委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時二十五分休憩

   午後三時四十分開議

○長橋委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行します。
 発言を願います。

○山口委員 全国の児童相談所で児童虐待の相談を受けて対応した件数は、統計をとり始めた九〇年度以降、年々増加をしています。二〇〇五年度約三万四千件、これは約三十倍になるともいわれております。二〇〇〇年に児童虐待防止法が施行され、関心を呼び起こしたことも関係するかと思いますが、報告件数でも、九九年度と比べ三倍にふえています。
 昨年、事務事業質疑の中で、東京都がスタートしたばかりの要支援家庭の早期発見・予防事業について、その概要を伺いながら、子育て家庭の支援の必要性を質問させていただきました。
 この事業は、支援が必要な家庭を地域で早期に発見し、対応するための取り組みで、地域の関係機関向けに二冊の手引書を作成し、その中で、要支援家庭とは、保護者の状況、子どもの状況、育児環境に何らかの問題を抱え、それを放置することで養育が困難な状況に陥る可能性がある家庭であると定義されています。育児になれない親に対して、福祉、保健、医療などの連携により早期に対応することで児童虐待を防ごうとするものですが、初めに、関係機関に向け作成された二冊の手引書について、その概要を改めて伺います。

○佐藤参事 東京都では、平成十八年三月、医療機関と母子保健実施機関を対象に、支援を必要とする家庭の早期発見や予防のポイントなどをまとめた手引書を策定いたしました。一冊目、医療機関のための子育て支援ハンドブック、サブタイトル「気になる親子に出会ったら」には、親子と接する機会の多い病院、診療所が、日常の診療や健康診査で親子を観察する際のポイントや、虐待通告へのためらいを乗り越えて行動するヒントなどをわかりやすく示しております。
 また、二冊目、母子保健実施機関向けの、要支援家庭の把握と支援のための母子保健事業のガイドラインには、保健所や保健センターなどが、健康診査や訪問事業など日常業務を効果的に活用しながら要支援家庭を把握し、支援するためのポイントなどを紹介しております。
 それぞれ、医療機関や区市町村の母子保健機関、子育て支援機関、各道府県等に配布するとともに、都民情報ルームでも販売し、広く周知を図っております。

○山口委員 では、これらの手引書が具体的に地域のどのような取り組みにつながったのか伺います。

○佐藤参事 両手引書は、内容が具体的でわかりやすいため、医療機関や区市町村のみならず、他県からも大変好評を得ており、さまざまな場面で活用されております。
 医療機関向けのハンドブックでございますが、医療機関内の学習会、あるいは区市町村が中心となった地域の関係機関の学習会などで活用されていると聞いております。
 母子保健のガイドラインでございますが、母子健康手帳交付時に保健師による面接とアンケートを行い、それを踏まえて要支援家庭を早期に把握することや、育児不安を抱える母親を対象としたグループカウンセリングを実施するといった、地域での新たな取り組みに活用されております。

○山口委員 一たび虐待が始まってしまうと、親子ともども双方にダメージが大きく、親子関係の修復にも困難が伴います。実際に虐待を察知していても子どもが死に至る事件は後を絶ちません。妊娠初期からサポートをする仕組みが今後ますます必要になります。そのことが、また安心して子どもを産み育てる環境づくりにつながると考えます。
 妊娠期からかかわる大事な職種として助産師さんがいます。去年も私は、助産師さんの活用を、ニュージーランドの例をとって紹介させていただきました。虐待予防には、こうした妊娠、出産期からの継続した支援が有効かと思いますが、助産師の活用について、都の取り組みについて伺います。

○佐藤参事 助産師は、親子の愛着形成に重要な妊娠期から母子にかかわっておりまして、子育て支援や虐待予防に果たす役割は非常に大きいと考えております。
 こうしたことから、助産師が子育て支援等に果たす役割を認識し、要支援家庭に対してより適切に対応できるよう、主に産科医療機関に従事する助産師を対象とした研修を今年度から新たに開始いたしました。
 この研修は、支援が必要な家庭の見立てや、きめ細やかなケアとフォローが必要な産後うつへの理解と対応の仕方などをテーマとしまして、年五回実施しております。

○山口委員 早期発見、要支援家庭、こういったことを掘り起こしても、継続したサポートが大変課題になるのではないかというふうに思っています。拒絶されてしまいますとなかなか入りにくいし、親も、支援の必要な特別な家庭だと思われることへの抵抗感もあるかと思います。
 実際に、最近の事件では、多くの場合、虐待を察知していたけれども子どもの命を助けることができなかったというようなことが相次いでいます。幸いにも東京都には、本当にこうした児童が虐待によって死んだというケースがほとんどないかと思いますので、いろいろな事業がやっぱり他県よりも功を奏しているのかと思っています。ただ、今後とも、こうした取り組みによって具体的な成果を実際にいろいろと紹介をして、しっかりと検証もしていただけたらと思っています。
 では、次に、介護保険制度が改正されましたので、その点について何点か伺います。
 今回の改正で、その内容としては、予防重視システムへの転換、居住費、食費の導入など施設給付の見直し、地域包括支援センターや地域密着型サービスなど新たなサービス体系の確立、情報開示の標準化やケアマネジャー資格の更新制の導入、負担のあり方、制度運営の見直しとして、介護認定の見直し、市区町村保険者機能の強化、この五点が挙げられると思います。
 できる限り介護が必要な状態にならないようにするために、介護予防給付事業の創設や、地域支援事業の中でも介護予防に取り組むこととされています。万が一、要介護状態になっても、住みなれた地域での生活が継続できるよう、地域密着型サービスが創設され、その指定と指導監督は区市町村が行うこととなりました。また、地域包括ケアシステムの中核機関として、区市町村が責任主体となる地域包括支援センターが創設され、総合的な相談や介護予防のケアマネジメントを担うこととしています。さらに、保険者としての機能をより発揮できるよう、事業者への立ち入り権限が新たに付与されました。
 これも、昨年の事務事業質疑で、私は、都の役割は何か、改めて伺ったところ、保険者である区市町村の事業が円滑に行われるよう指導、援助を行うことや、事業者の指定、指導監督のほか、サービスの質の向上を図るため、とりわけ介護支援専門員を初めとする専門人材の育成や介護基盤の整備など、広域的な立場からの支援、調整を行うことですとの答弁をいただきました。
 地域包括支援センターでは、最近では介護予防プランの作成に非常に忙殺されているというような声が私どものところには届くのですが、東京都では現状をどうとらえているのか、初めに伺います。

○狩野高齢社会対策部長 今回の介護保険制度改正により、要支援認定者を対象とした介護予防のケアプランの作成については、地域包括支援センターが実施することとされました。
 制度改正当初は、指定居宅介護支援事業所へのケアプラン作成の委託件数に制限が設けられたことなどから、地域包括支援センターで直接ケアプランを作成する件数がふえ、対応できないのではないかという懸念の声がありました。しかし、本年七月現在の調査では、地域包括支援センターが直接ケアプランを作成しているのは、一事業所当たり三十八件、職員一人当たり十一件であり、また、要支援者を対象とした介護予防支援は、要介護者を対象とした居宅介護支援と比較いたしますと、ケアプラン作成や利用者宅への訪問の回数が軽減されるなど、業務が簡素化されていることもあり、おおむね円滑に業務が実施できていると認識しております。
 今後、要支援認定者の増加に伴い介護予防支援の件数も増加していくことから、都といたしましても地域包括支援センターの状況を的確に把握してまいります。

○山口委員 では、都として地域包括支援センターに対して具体的にどのような支援を行っているのか伺います。

○狩野高齢社会対策部長 今年度新たに区市町村に設置されました地域包括支援センターは、介護予防ケアマネジメント、高齢者に関する総合相談、権利擁護、地域におけるケアマネジメント支援などの役割を果たす機関でございます。
 都は昨年度、地域包括支援センターの専門職員千百人を対象に、地域包括支援センターの役割や、業務を行う上で必要な知識などを習得するための事前研修を実施し、今年度もスキルアップのための研修を行うほか、予防給付ケアマネジメントの研修を実施するなど、人材の育成を図っております。
 加えて、地域包括支援センターが設置されて半年が経過しました先月には、区市町村の担当職員との意見交換会を実施するなど、地域包括支援センターの現状を的確に把握し、その運営が円滑に行われるよう支援しているところでございます。

○山口委員 まだ半年が経過したところではありますが、地域包括支援センターは行政の直営と委託に大きく分かれています。私どもも調べましたところ、直営は、都内では品川区と練馬区、国立市の三自治体でした。在宅支援センターが今後自治体でどういうふうに包括支援センターと連動していくのか。行政によっては、在宅支援センターはいずれ包括支援センターへ移行していく自治体などもあると聞いています。今後も、動向を把握されて、適切な支援をされることを要望しておきます。
 次に、地域包括支援センターの役割として、地域のさまざまな職種が連携できるようなケア体制を構築することが挙げられています。
 ケアプランを作成するため、介護支援専門員が中心となって、利用者、主治医、サービス担当者などが参加するサービス担当者会議の開催は、利用者本位の支援を行う上で大変重要であると考えています。しかし、サービス担当者会議の開催状況はいまだ十分とはいえないのが現状です。
 都が二〇〇四年度にモデル事業として実施したケアマネタイムなどは大変有効かと思います。まずは、相談を行う時間帯をケアマネタイムとして設定し、主治医と介護支援専門員の連携を促進するものですが、その実施状況について改めて伺います。

○狩野高齢社会対策部長 東京都が平成十六年度に実施いたしました、ケアマネジメントにおける医療と福祉の連携モデル事業の結果、医師が介護支援専門員からの相談を受け付ける時間をあらかじめ公表しておくケアマネタイムは、医師の七割、介護支援専門員の九割以上から、連携に有効であるとの評価が得られました。
 これを受けまして、都では、平成十七年度から、このケアマネタイムを推進する取り組みを福祉改革推進事業により支援をし、保険者である区市町村における普及促進を図ってきたところです。平成十七年度実績で、都内十五保険者においてケアマネタイムが実施されております。
 今後とも、医師会、地域の介護支援専門員の協議会等の協力を得て、区市町村と連携してケアマネタイムを推進し、ケアマネジメントにおける医療と福祉の連携を促進してまいります。

○山口委員 利用者本位の適切なケアプラン策定のためには、このサービス担当者会議、ケアカンファレンスというものは極めて重要であり、ケアマネの質の向上にも効果があるのではないかというふうにとらえています。ただ、開催するに当たって課題とされているのは、多忙な関係者の人々、医師であるとかヘルパーであるとか、それからご家族もここには参加するわけですから、物理的、時間的に困難な状況だというふうには聞いています。
 今後とも、ケアマネタイムなどを実施する区市町村の拡大を働きかけるなど、サービス担当者会議の開催がさらに促進されるよう、環境づくりに努めていただきたいと思います。
 次に、今回の介護保険制度改正で創設されました特定事業者加算とは、どのような効果を目指して、どのような内容で実施されるものなのか、現状を含めお聞かせください。

○狩野高齢社会対策部長 本年四月の介護報酬改定により、居宅介護支援及び訪問介護について特定事業所加算が創設されました。居宅介護支援における特定事業所加算は、主任介護支援専門員の配置や、要介護三以上の中、重度者の積極的受け入れなどの条件を満たす居宅介護支援事業所に対し、利用者一人当たり月五百単位を加算するものでございます。
 なお、主任介護支援専門員の養成が今年度の後半からとなることから、現在、加算事業所の届け出実績はまだございません。
 一方、訪問介護における特定事業所加算は、訪問介護員等のうち三割以上が介護福祉士であることや、要介護四以上の重度者の割合が二割以上であることなど、国が示した七つの要件の適合状況に応じて、所定単位数の二〇%または一〇%を加算するものであり、十一月一日現在の加算事業所届け出数は百五事業所となっております。
 どちらの加算も、在宅の中度者、重度者への支援を強化するとともに、専門性の高い人材を確保している事業所を評価することにより、サービスの質の向上に資することを目的としているものでございます。

○山口委員 この訪問介護の方の特定事業所になりますと、利用者の方もその分負担がふえるというか、単価数が高いということで、質の高いサービスを受けるにはそれなりに利用者も負担をしてくださいという制度で納得がいかないという声も私どもには届けられていますし、特定事業所になりますと、介護支援専門員も、介護予防のプランがつくられないというと、今抱えている依頼者の中で、要支援に移ったときには、その人たちを切らなければならないという非常に矛盾したところがあって、なかなかこの制度は利用しにくい面があるというようなことも聞いておりますので、その辺もぜひ東京都の方でも検証していただきたいと思います。
 今回の介護保険の改正は、持続可能な制度への転換と高齢者の尊厳を保つことがキャッチフレーズだったと思うのですが、都内には、認知症による何らかの症状を有する高齢者が約二十三万人、その中で、見守り、または支援の必要な人が約十六万人いると推計されています。
 認知症は、介助や介護を必要とする高齢者の約半分に見られるということですが、住みなれた地域で日常生活を継続していくにはさまざまな困難があります。高齢者虐待の多くは認知症高齢者に対するものであり、高齢者虐待防止法が制定されたゆえんかと思っています。
 社会全体で認知症に対する正しい理解を深めていくことが必要であり、都はこうしたことから、認知症高齢者を地域で支える東京会議を設置しました。この会議の開催状況と、十一月から展開していますキャンペーンの内容について伺います。

○狩野高齢社会対策部長 本年七月に設置いたしました、認知症高齢者を地域で支える東京会議は、都民や生活に密着した事業者の代表などの方々にも参画いただき、認知症についての正しい理解の普及と、認知症の人や家族を地域で支える仕組みをつくることを目的に、これまでに三回開催いたしました。
 東京会議では、認知症による生活上の困難や支援のあり方について事例をもとに検討し、また、認知症をより身近な問題としてとらえてもらうことを目的に、十一月から来年一月までの三カ月間にわたり、認知症の人が安心して暮らせるまち・東京キャンペーンを展開しているところです。キャンペーンの幕あけとして、十一月三日から五日まで都庁において講演会やシンポジウムを実施し、多くの都民にご参加いただきました。
 今後とも、ポスターの掲示、協賛する団体や企業の紹介、地域での取り組み事例の募集、紹介など多様な取り組みを行うことにより、多くの都民や関係者が認知症の方の支援にかかわることのできる環境づくりに取り組んでまいります。

○山口委員 事業概要の十八年版を見ますと、認知症高齢者の総合対策として、理解普及から基盤整備や人材育成、さらには予防と多岐にわたる取り組みが展開されています。地域のネットワークを構築するためには、市民の先駆的な取り組みなどを活用されて進めていただくよう要望しておきます。
 本年六月の医療制度改革関連法案の可決によって、六年後に向けて療養病床の再編、廃止が加速され、介護療養型医療施設十三万床を廃止する計画となっています。
 そこで、介護療養型医療施設の整備目標と現状、今後の再編に向けた都の取り組みはどうなっているのか伺います。

○狩野高齢社会対策部長 介護療養型医療施設の病床数は、本年三月に作成いたしました東京都高齢者保健福祉計画において、平成二十年度までに一万一千百五十三床の目標を掲げております。本年十一月一日現在の指定実績は八千三百八十四床でございます。
 一方、国におきましては、療養病床の再編の方針が示され、本年六月には医療制度改革関連法が成立し、介護療養型医療施設の平成二十三年度限りでの廃止が決定いたしました。
 都としては、こうした動向を踏まえ、療養病床再編の円滑な実施に向け、来年度、東京都地域ケア整備構想(仮称)を策定することとしており、本年九月に検討委員会を設置し、現在、療養病床の実態調査など、必要な取り組みを進めております。
 この地域ケア整備構想につきましては、今後改定する第四期介護保険事業支援計画及び保健医療計画、並びに新たに作成する医療費適正化計画に反映してまいります。

○山口委員 一部は介護系施設に転換を図るとしていますが、どれくらい転換するかを含め、退所を迫られた人々の受け皿体制が構想どおりにいくかは未確定です。
 介護保険制度は、介護の社会化に向けて大きな役割を果たしてきたと実感しているところですが、再び家族介護に頼るようなことにならないよう、また、介護難民が続出することがないよう、財政面、マンパワー、コーディネート機能などの充実に取り組んでいただきたいと思います。
 最後の質問になります。
 介護保険制度は、事業計画の策定などに市民参加が取り入れられた初めての法制度です。介護予防の三年後の見直しに向けても、都民の声が反映できるような協議の場が必要と考えますが、いかがでしょうか。

○狩野高齢社会対策部長 介護保険制度につきましては、これまでも東京都は、都民を初め事業者、保険者、有識者などによる、東京の介護保険を育む会を平成十三年度に設置し、介護保険制度の現状や課題について、法施行後五年の見直しも視野に入れて、これまで検討、協議してきたところでございます。
 この育む会での議論を踏まえ、東京都は平成十六年四月に、介護保険制度の見直しに向けた都からの提案を国へ提出し、提案内容の多くが今回の介護保険制度の改正に反映されたところでございます。
 こうした成果を踏まえまして、育む会は平成十六年度で終了いたしましたが、都といたしましては、その後も、介護支援専門員の支援会議あるいは介護予防推進会議、それから、先ほどお話のありました認知症高齢者を地域で支える東京会議など、介護保険制度や高齢者施策に関する課題について都民の意見を聞く会議を引き続き設置しているところでございます。

○山口委員 新制度に移行して半年が過ぎ、介護予防サービスなどを中心に、今回の改正が現場でどのような影響を及ぼしているのか、移行期の過渡的な問題なのか、あるいは制度そのものの問題なのか明確にしていくためにも、しっかりと現場の声を把握して検証しつつ、行政と市民のパートナーシップで制度を育てていく必要があるのではないかということを申し上げまして、質問を終わります。

○山加委員 ことしの七月の末、ちょうど夏休みが始まってすぐでありますが、埼玉県で、小学二年生の女の子が流れるプールの排水口に吸い込まれて死亡するという大変痛ましい事故が起こりました。二度と起こってはならない事故であります。
 しかし、今回のこの事故、全国各地で過去に何度となく同様の事故が起き、そのたびに管理の不備が指摘されたにもかかわらず、一つ一つの経験がきちんと蓄積されてこなかった結果が招いた悲劇といえるものであります。この事故を風化させずに、この教訓を今後にどう生かしていくかが、プールの経営者、また管理者を初めとする関係者に厳しく問われているものと考えます。
 そこで、プールの安全確保について何点か伺います。
 給排水口などのプールの構造上の安全について、公立学校プールは、文部科学省の通知により教育長が、また、スポーツクラブや遊園地などの営業プールは、昭和二十四年、これは全国に先駆けて制定された都条例に基づいて福祉保健局が対策、指導していると聞いております。
 そこで、営業プールに対する対応を伺いたいと思いますが、まず、都内に営業プールというのはどのぐらいあるのか伺います。

○金丸参事 東京都内の営業プールの施設数は、平成十七年度末で、多摩・島しょ地区が二百五十四施設、特別区が四百九十施設、合計七百四十四施設となっております。
 なお、多摩・島しょ地区については都のプール等取締条例によりまして、また、特別区については都条例と同様の条例を各区が定めて指導を行っております。

○山加委員 今伺ったこの施設に対し、都は通常どのような監視指導を行っているのか聞かせてください。

○金丸参事 都の条例では、水質等の衛生管理とともに、プールの構造設備や施設の維持管理などにつきまして経営者がとるべき安全対策を規定しておりまして、そうした管理の状況を確認するため、通年プールでは年二回以上、夏季プールでは年一回以上、保健所の環境衛生監視員が定期的に立入検査を実施し、直接指導を行っております。

○山加委員 日常の管理指導について、もう少し具体的に伺いたいと思います。
 今回の事故で問題となった排水口及び循環水の取り入れ口についてはどのように指導をしているのでしょうか。
 また、給排水口による事故は、吸い込まれることによって起こるものだけではないと思います。私も以前、手術をした後、リハビリでプールを使用いたしまして、大変筋力が弱いときに、吸いついて離れなくて、どうしようと思ったことがあったんです。今プールは、さまざまな高齢者のリハビリ等で使われている場合も多いようですけれども、やはりこのように、そしてまた小さなお子様が排水口に吸いついて亡くなったという事故も過去あったと聞いております。このような事故を防止するための指導が行われているのかどうか伺います。

○金丸参事 排水口及び循環水取り入れ口につきましては、条例で、堅固な金網、鉄格子等を設け、容易に移動できないようにするとともに、常に正常な位置にあることを確認するよう義務づけております。
 また、水泳者が吸いつけられるおそれのあるものにつきましては、施設の構造に応じまして、排水及び循環水の系統をそれぞれ二つ以上に分けることや、吸い込みの圧力を逃がす弁を配管途中に設置すること、あるいは循環水取り入れ口の金網、鉄格子等を凸面型にするといった吸いつき防止措置を適切に講ずるよう基準を設けて指導しているところでございます。

○山加委員 日常の監視指導の内容についてはよくわかりました。
 次に、緊急対応として、今回の事故を受けて実際どのような対応が行われたのか伺います。

○金丸参事 都では、事故後直ちに、今回問題となりました流水プール十三施設に対して緊急的に立入検査を行い、引き続いて他の営業プールについても同様の措置をとりました。その結果、すべての営業プールで、排水口及び循環水取り入れ口のふたが、ねじ、ボルト等で固定されており、安全であることを確認しました。
 また、教育庁など庁内関係局との連絡会の設置や、特別区の保健所との緊密な情報交換等によりまして、関係部署間の情報の共有化と、連携した対応を図りました。

○山加委員 営業プールの安全確保について、今のご答弁で、都ではきちんとした対応がとられているということがよくわかりました。
 しかしながら、すべての施設について定期的に直接出向いて状況確認を行って、問題がある場合はその場で指導を行うという、このような保健所の環境衛生監視員の日々の取り組みが、営業プールの安全を担保し、利用者の安全につながる重要な要素になっているということはいうまでもないと思います。
 ところで、国は七月の末のこの事故を受けて、八月に関係省庁が共同で緊急アピールを出したようですけれども、今後の国の動きがどうなっているのか、わかる範囲で結構です。お願いいたします。

○金丸参事 国はこれまで、省庁ごとに安全面も含めたプールの管理基準を定めまして、おのおの関係機関に通知してまいりましたが、今回の事故を受け、関係省庁による連絡会議を設置しております。そして、十二月を目途に、プールの施設及び管理運営に係る統一的な安全標準指針を作成する予定であると聞いております。

○山加委員 新聞報道等では、プールの設置者、そして管理者に対する国の通知の周知が不十分であったこと、そしてまた通知が一過性のものとなってしまったという問題も指摘されておりました。安全標準指針を作成しても、それをきちんと伝えるとともに、その実効を確保していく取り組みがなければ、指針もしょせん絵にかいたもちであります。また、一口にプールといっても、規模、構造設備ともにさまざまでありますから、よりきめ細やかな指導が必要になってくることはいうまでもないことであります。
 そこで、都として、今回の事故を受け、今後のプールの安全確保に向けてどのような検討を行っているのか、また、検討に当たっては、構造設備の技術的な進歩や、施設の管理実態を踏まえた管理指導の基準や方法について規定整備を視野に入れることも必要ではないかと考えますけれども、見解を伺います。

○金丸参事 現在、都は特別区と検討会を設置いたしまして、専門家から構造設備の安全対策に関する情報収集を行い、施設実態に応じてとり得る具体的な安全策や、より適切な監視指導の方法等について検討を行っているところでございます。
 今後出される国の安全標準指針も踏まえまして、プール利用におけます都民の安全・安心確保のため、ご指摘の規定整備も含め必要な対策を講じてまいります。

○山加委員 今後とも、都民が安心してプールを利用できるように、関係部署が連携して、さらなる安全対策の充実を図っていただくことを要望いたします。
 次に、ホームレスについて伺います。
 ホームレスに係る都民の声、これは平成十六年四月から十七年二月までの統計ですけれども、公園にホームレスがいて子どもを安心して遊ばすことができない、また、隅田川のテラスにホームレスのブルーテントがあり都市景観が損なわれているといった都民の声が多いようであります。
 ホームレスというのは、日本だけでなく世界各国にいると思いますが、ブルーテントというのは日本だけと聞いております。外国には大変ホームレスも多いですが、ブルーテントが張られているというところはないようであります。
 やはり、公共の空間をどのようにとらえるのか。公共の空間だからみんなのものである、だから自分も使っていいと考えるのか、公共空間だからみんなのものである、だから個人が使用してはならないと考えるのか、その差はあると思うんですけれども、ホームレスの問題の一つは、公園、道路、河川敷の公共空間をホームレスがまさに独占しているために、都民の方々の自由な利用、施設管理の妨げとなり、地域住民の方とあつれきが生じていることであると思います。
 また、住居がないことにより健康を害するなど厳しい生活を強いられ、これがやはり行政が取り組まなければならない課題なのかなと思います。
 先日、私、隅田川のほとりの高速道路を通りましたときに、数年前と比べてブルーテントの数が激変したことに驚いたんですけれども、最初に、二十三区におけるホームレスの数の推移についてお伺いしたいと思います。

○松浦連絡調整担当部長 二十三区におきますホームレス数の推移でございますけれども、東京都は、公園、河川等の各施設管理者により、毎年八月に概数調査を実施しております。二十三区におきましては、平成九年には三千六百八十二人だったホームレスの数が、平成十年には四千二百九十五人、十一年には五千七百九十八人と増加いたしました。その後、平成十六年まで五千人台で横ばいの状況でございましたが、十七年には四千二百六十三人になり、本年八月には九年ぶりに四千台を下回り、三千六百七十人になったという調査結果になっております。

○山加委員 ホームレスの数が九年ぶりに三千人台に減少したということですが、その要因はどのように分析していらっしゃるのでしょうか。

○松浦連絡調整担当部長 ホームレスの数が減少した要因でございますけれども、まず一つは、ホームレスが入所する緊急一時保護センターと自立支援センターの自立支援システムが平成十七年八月に計画どおり十カ所整備されたこと。二つ目は、平成十六年から開始いたしました地域生活移行支援事業によりまして、新宿中央公園など都内の五公園に起居していたホームレス千百九十人が借り上げ住居に移行したこと。こうした都区共同事業によりますホームレス対策の成果とともに、都内の有効求人倍率が、昨年八月は一・四三でありましたが、十八年八月には一・六二と向上したことなど、雇用情勢が回復したことも一因であるというふうに分析してございます。

○山加委員 まさに東京都が特別区と共同で先駆的に行ってきたホームレス対策の成果が上がってきたといえますけれども、しかし、問題はこれからだと思います。ホームレス対策の基本は、やはりご本人の自立した生活を回復させ、地域社会の一員として社会復帰させることだと思います。
 先ほどの、ホームレス減少の要因の一つ目として答弁のありました自立支援システムのこれまでの成果ですけれども、利用者のうちどのくらいの人が就労自立したのか教えてください。

○松浦連絡調整担当部長 自立支援システムでございますけれども、福祉事務所に相談に来ましたホームレスの方を緊急一時保護センターに入所させまして、健康を回復させるとともにアセスメントを行います。
 この入所者の半分は、路上生活が三カ月未満の者となっております。その中で、就労意欲があり、かつ心身の状況が就労に支障のない方は自立支援センターに移ることになりますが、そこでの生活支援、就労支援などの結果、平成十二年十一月から十八年八月末まででございますが、三千三百七十五人が就労自立しております。これは自立支援センターの退所者六千五百九十六人の約五一%に当たります。

○山加委員 今のご答弁によりますと、自立支援システムの利用者は路上生活が比較的短い方が多く、就労支援の結果、約半数の方が就労自立しているのだなという状況がわかりました。
 次に、平成十六年から開始した地域生活移行支援事業の方はいかがでしょうか。公園のブルーテントから借り上げ住居に移った地域生活移行支援利用者で就労した人数が一体どのくらいいるのか、また、どのようにして就労に至ったのか、具体的例があれば教えてください。

○松浦連絡調整担当部長 地域生活移行支援事業の利用者の就労でございますけれども、昨年度、民間団体と連携しまして協議会を設置し、民間企業への訪問により獲得した求人のあっせんをしていった結果、平成十八年四月から八月で百二十八人、月平均二十五・六人が就労しております。
 その就労の代表的な例を申し上げますと、かつて配達関係の仕事をしていましたが、健康を害したことによって職を失いましてホームレスになった四十代半ばの方でございますけれども、借り上げ住居に入居して健康を回復し、当初は一日二時間の清掃作業からスタートしまして、その後徐々に四、五時間に延長していって働いていたところ、勤務態度が非常にまじめであったということで、その清掃会社のオーナーから正社員にしたいという申し出がございまして、常用雇用になったケースなどがございます。

○山加委員 今ご答弁いただいたケースは、利用者本人と就労支援をした人の相互の努力の成果が報われた、まさに理想的なケースと思います。すべての人がこうなるといいのですが、やはり借り上げ住居に移った人のホームレスに至った経緯はさまざまであると思いますから、なかなか難しいと思います。借り上げ住居の利用者の中には、テント生活が長く、これまで日雇いしか経験のない人、また、不定期な仕事しかしていない人がたくさんいらっしゃると思いますが、これらの人にとって、就労自立への道というのはなかなか容易なことではないなと想像されます。
 就労による自立を目指すためには、アパート代が、今、平均、安くて例えば四万、五万、六万とすれば、そこで自立するためには、やはり最低十二、三万を超える、しかも継続的な月収が必要になるわけであります。先ほど答弁にもありましたけれども、有効求人倍率は向上しているということでありますが、しかし、賃金水準は高くはありません。日給八千円としても、月十七日以上働かなければ、月十三万という固定収入には届かないわけでありますから、こういう常用雇用の経験がない人、技能がない人に対する就労支援はどのように行っていくのか、お尋ねをいたします。

○松浦連絡調整担当部長 副委員長ご指摘のとおり、地域生活移行支援事業により借り上げ住居に入居した方は、これまで、土木、建築などの日雇いの仕事や、アルミ缶などの廃品回収を仕事とし、一定の収入を得ているものの、家賃の支払いが困難だった人が大半でございます。
 就労支援は、NPO法人などに委託して実施しておりますが、家賃が月五万円程度のアパートを借り上げまして、利用者本人からは三千円の家賃で入居してもらい、まず一定の時刻に起き、毎日働くことを習慣づける生活指導から始まりまして、清掃、警備、造園等の臨時就労をあっせんしまして、当面の生活資金を賄っていただきます。
 また、就労に向けまして、履歴書の書き方や採用面接の受け方を講義する就労セミナーを開催するとともに、例えばハウスクリーニングの技術などを身につける技能訓練、また、専門カウンセラーによる就業相談などを実施しております。さらに、必要に応じて採用面接に同行もしております。
 こうした取り組みとともに、常用雇用になるために必要な住民票を設定するとともに、支給された給与を計画的に使うために預金通帳をつくってもらい、給与の一部を貯金することなどの指導を行っております。

○山加委員 今、大変きめ細やかな指導が東京都として行われているということ、大変驚いたのですけれども、しかし、就労により自立してもらうことは理想でありますけれども、年齢や健康状況によっては就労が困難な方もいらっしゃると思います。借り上げ住居利用者の年齢構成、また生活保護受給者の数はどうなのでしょうか。また、年金をもらっている人はいらっしゃるのでしょうか、教えてください。

○松浦連絡調整担当部長 地域生活移行支援事業で借り上げ住居に移行した人等の年齢構成でございますけれども、平成十八年八月現在で、四十歳未満が五・二%、四十から四十九歳が一五・九%、五十歳から五十九歳が四三・七%、六十歳以上が三五・三%でありまして、平均年齢は約五十六歳でございます。
 また、現在の生活保護受給者でございますけれども、三百七十三人で、全体の三二・三%になっております。
 また、年金につきましては、これまで住居不定のため受給できなかったけれども、借り上げ住居に住民票を設定した結果でございますが、年金受給が可能になったという人は六十四人でございます。

○山加委員 住民票を設定することにより年金を受給する。高年齢の方、健康状況が悪化している方はきちんと生活保護を適用する。そうした上で、就労可能な人は、一人一人の状況に応じた自立支援を行っていくということだと思います。
 地域生活移行支援事業、今年度は隅田川流域、それと宮下公園などで行っていると聞いております。これは路上生活者地域別の一覧表、平成十八年八月現在のものですが、墨田区は平成十八年八月、六百三十八名、私の地元練馬区は二十四と、その数はかけ離れているんですけれども、こうしたホームレスがたくさんいる場所とともに、ホームレスが数人しかいないという公園も、都と区の共同事業であるホームレス対策の対象にすべきと考えます。
 東京都は、二〇一六年オリンピック開催の国内候補地に決定しました。オリンピック開催に向けてホームレス対策も着実に実施していく必要があると考えますが、所見を伺います。

○松浦連絡調整担当部長 ホームレス対策についてでございますけれども、ホームレスの方ご自身の、二度とホームレス状態には戻らないで自立するという強い意思と、それを支援する行政の仕組みがマッチングしまして、継続的に粘り強い支援を行うことによりまして、自立という成果が出るというふうに考えております。
 今後とも、自立支援センターや借り上げ住居の利用者に対しまして精力的に就労支援を実施していくとともに、今年度の新規事業でございます巡回相談事業を充実しまして、二十三区の公園や河川等に起居するホームレスを定期的に訪問し、ホームレス対策事業を利用してもらうように勧奨することによりまして、一人でも多くのホームレスの自立を図ってまいります。

○山加委員 ぜひとも継続的に、粘り強い支援を継続していただきたいと思います。
 ホームレス問題は、大都市を中心とした全国的な問題であり、社会のセーフティーネットにかかわる問題であります。したがって、ホームレス問題は本来、国に第一義的責任があると考えます。
 我が自民党は、都議会自民党ホームレス対策協議会を組織いたしまして、大阪府議会と共同しまして、財政支援など国への要望を積極的に今までも行ってまいりました。
 その成果もあり、平成十四年八月、ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法が制定されました。十年間の時限立法でありますが、国においては、後半の五年間の施策を策定するために、来年度、基本方針の見直しを行うと聞いております。それに向けまして、福祉保健局が、都が先駆的に行ってきたホームレス対策、特に就労対策や住宅対策について国が十分な財政措置をとるように、どうか精力的に提案要求していただくことを要望いたしまして、質問を終わります。ありがとうございます。

○いのつめ委員 感染症対策、中でもウイルス肝炎対策についてお伺いいたします。
 私は、昨年九月の本会議の折に、一般質問でウイルス肝炎対策についてお伺いいたしました。そのときも指摘させていただきましたが、感染に気づいていない潜在的感染者が発病する時期に、まさしく今現在差しかかっています。検診の拡充による早期発見、早期治療による完治も望める状況になり、適切な治療を受けて肝がんなどへ進行しないようにできるわけですから、肝炎対策の充実強化を求めたわけです。
 それから約一年がたった今、ことし十月に、都は新たな医療費助成を導入することを発表いたしました。早期発見、早期治療により肝がんへの進行を防ぎ、治癒も可能な疾患であることから、早急に時限的、重点的に対策を講ずる必要があるとの東京都ウイルス肝炎対策有識者会議の報告書を受けての対策です。
 まずは、早期発見に関する取り組み、ウイルス肝炎検査の受診促進についてお伺いいたします。
 私としては、国が、今の時点で、全国民が検査を受けるスクリーニングを行い、感染に気づかず治療がおくれたために手おくれとなる人が一人も出ないようにしていただきたいという気持ちでございます。実際には、薬害によって感染の危険性のある方の年代というのはおおむね特定されているわけですから、その方たちの一人でも多くが受診し、早期に治療を開始できるようにしなければなりません。
 都は平成十四年から、総合対策の一環として、区市町村が実施主体となる老健法に基づくウイルス検診を行ってきたわけですが、その実績をお聞かせください。

○桜山参事 平成十四年度から平成十七年度の四年間の受診者数でございますが、B型肝炎検診が百九万一千五百二人、C型肝炎検診が百八万九千四百六十四人でございます。
 また、受診率でございますが、B型肝炎が五三・九%、C型肝炎が五三・八%となっております。

○いのつめ委員 半分ちょっと、五四%という数字でございますけれども、全国では約二百万人の方がC型肝炎に感染しているといわれています。都内では約二十万人が感染しているといわれています。肝炎ウイルス検診の未受診者が四六%、約半数いるとのことですから、より一層の受診促進が必要だと思いますが、都は今後どのように取り組むおつもりなのか、お伺いいたします。

○桜山参事 老人保健法に基づきます肝炎ウイルス検診におきましては、未受診者が多く、また、職域におきましても肝炎ウイルス検査の機会が得られていない者も多いと推測されておりまして、今後も肝炎ウイルス検診を継続して実施していくことが必要でございます。
 都では、こうしたことを踏まえまして、平成十九年度から新たなウイルス肝炎対策に取り組んでいくこととし、その中で、感染者の早期発見を行うため、住民に身近な区市町村や保健所における肝炎ウイルス検診の拡充を図ってまいります。

○いのつめ委員 職場の事業主が実施する労働安全衛生法による健康診断にはウイルス肝炎検査の項目が入っていません。先ほどの答弁にもありましたが、職場の健診で肝炎ウイルス検査をあわせて行っていくのが望ましいと思われますが、多くの事業所はやっていないのが現実でございます。職場の健診とは別に肝炎検査だけを受けなければならないため、先延ばしにしてしまうこともあるかもしれません。少しでも検査を受けやすいように体制を整備していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○桜山参事 職場で肝炎ウイルス検査の機会がない人については、保健所で実施している検診を受診することができます。
 また、今後、職場で検査の機会がない人も含めまして、肝炎ウイルス検診の未受診者の多くの方が検診を受けることができますよう、現在保健所で行っている検診につきましても、受診者の利便性に配慮し、例えば住民に身近な医療機関等でも受診を可能とするなど、検診体制の整備に努めてまいります。

○いのつめ委員 職場の健診にあわせてウイルス検診を行ってもらうのが本当はいいわけですが、なかなかそれが進んでいないという中では、別途、保健所や病院などで肝炎検査だけを受けていただく、そのために東京都も工夫をされているとのご答弁です。わざわざウイルス肝炎の検診だけを受けにいくには、私は、感染している危険性がある、自覚がなければ、なかなか検診に行くのは難しいと思います。明確な動機づけが必要だと思います。
 二〇〇四年の十二月にフィブリノゲン製剤の納入医療機関名が公表されました。このときに、はっと思い当たった方もいるかもしれませんけれども、私はこのときに、フィブリノゲン製剤を納入していたという病院は、みずから患者さんに対して、あなたは、うちの病院にかかったとき、うちの病院は、厚生労働省が認めた薬剤であったけれども、利用したことによって、万が一C型肝炎のウイルスに感染している危険性があるから一度チェックを受けてほしいというような積極的なアプローチを患者さんにするべきじゃないか、それが命を守る病院の務めではないかというふうに思いました。また、こういうリスクのある方々に直接的なアプローチまでも考えていただきたいと思っています。
 肝炎ウイルス検診の受診の勧奨には、これまで以上に強力な、集中した取り組みが必要だと思います。この点についてはどのように取り組むのか、お聞かせください。

○桜山参事 ウイルス肝炎対策では、感染の早期発見により治療に結びつけることが大切でございます。多くの方に検診を受診していただくことが重要にもなってまいります。
 このため、より多くの都民が肝炎ウイルス検診を受診されますよう、職域も含めて広く普及啓発を行いますとともに、区市町村や東京都医師会等の関係機関とも連携いたしまして受診を勧奨してまいります。

○いのつめ委員 肝臓がんの原因の九〇%がウイルス性のC型肝炎が原因だといわれています。お気の毒に肝臓がんで亡くなった方がいると、あの人はお酒をいっぱい飲んだからとかといわれてしまう場合がよくありますけど、決してそうじゃなくて、飲酒が原因ではなくて、その九割がC型肝炎の悪さが影響して、三十年ぐらいかかって、だんだん、だんだん肝炎、肝硬変、肝がんと移行してしまう。本当に恐ろしいC型肝炎って病気なんですけど、割とそういう認識がない方もいて、早期発見のためにより一層受診の勧奨を行っていただきたいと思っています。
 そして、検査の受診促進にあわせて肝心なのが、自覚症状のない陽性者が早期に治療を開始することです。報告書でも、既に陽性とわかっている方でも適切な治療を受けている方が少ないとの指摘がされています。治療促進のためにどのような取り組みをされるのか、お伺いいたします。

○清宮保健政策部長 ウイルス肝炎は、早期治療により治癒も十分可能な疾病でございます。肝炎ウイルス検診での陽性者が早期に適切な診断、治療を受けることが、したがいまして重要でございます。
 平成十八年九月の東京都ウイルス肝炎対策有識者会議の報告におきましても、検査の陽性者が適切な治療に結びついていないと指摘したことは、先ほど先生からお話のあったとおりでございます。
 このため、東京都は、平成十九年実施予定のウイルス肝炎受療促進戦略におきまして、専門医やかかりつけ医及び区市町村等と連携し、確実に治療に結びつける医療体制を整備し、推進してまいります。

○いのつめ委員 先ほどの答弁の中で、身近な医療機関で検診を受けられるようにしていくとのお話がありました。そして今、医療体制の構築をされるというご答弁です。
 やはり、検査結果とあわせて早期治療の必要性、有効性を伝え、最寄りの専門医や相談機関、助成制度の紹介など、情報提供をすることが早期治療に結びつくと思います。これらの取り組みによって、多くの方が早期に治療を開始され、完治されることを期待しています。
 そして、治療は、約一年に及ぶインターフェロンの通院治療になります。この経済的な負担と、あと、やはり後遺症は人それぞれですけれども、お薬の後遺症の体への負担というもの、両方の負担がかなり重いものです。
 出産のときに出血してフィブリノゲン製剤を投与された方が多くいらっしゃるわけで、私の知人も、お子さんがちょうど二十の成人式のころに、お母さんがC型ウイルスを持っていたということに気がつきました。少しずつ肝臓の数値が上がっていって、おかしいなと思って精密検査を受けたら、C型のウイルスがいて、肝硬変までは行っていないけれども、肝臓のダメージがあるということでした。しかしながら、ひとり親家庭です。お母さんが会社を休んで一年間入院治療ということになると、職を失ってしまうということもあって、どうにか肝臓の数値が上がらないように抑え続けながらお仕事をしてきたというのが現状です。
 それが、医学的な進歩によって、当初入院して、その後は通院治療でもできるようになってきたという、これは本当にありがたいことで、その治療方法ができたことによって、都の方もそれに合わせた対応を今回とってくれたということで、私は本当にいい施策だと思って、ありがたいと思っているところです。
 しかしながら、薬害の方が多い、自分の生活習慣病でなったわけではないC型感染者ですから、私は、本来、国が治療費や入院費を負担してもいいのではないかと思っているところもあります。
 都では、通院治療の自覚症状がない、一年という長い期間、重い負担となることを考えて、なかなか治療に踏み切らない、それが手おくれとなるということが絶対ないようにしていかなければならないと思っています。平成十九年度からC型肝炎ウイルスの通院医療費を助成することとしましたが、その取り組みについてお伺いいたします。

○清宮保健政策部長 ウイルス肝炎につきましては、インターフェロンなどの新しい治療法の開発によりまして、最近では通院治療が主体となってございます。
 このような治療実態の変化等を踏まえ、平成十九年度から新たに通院医療費についての助成を開始し、患者の方の自己負担となります医療費の軽減を図り、検診を受けて陽性となった方が確実に治療に結びつきますよう積極的に取り組んでまいります。

○いのつめ委員 年間のインターフェロンとかペグインターフェロンとか、そういったものの複合的な治療で、やっぱり負担は七十万ぐらいといわれています。それが十九年度から開始されるわけですから、私の知り合いには、もうちょっと我慢して待ちなさいといっていいのか、早く始めて、後から補助がついてくるようにしたらいいのか、ちょっとどういうふうにいったらいいかなと今迷っておるところでございますけれども、新しく試みがされるということでは、私は大きく評価したいと思っています。
 そして、最後には、新たな感染者を出さないための取り組みについて意見を申し上げさせていただきます。
 入れ墨やピアスなどによる感染対策です。
 先日、ピアスの業者が逮捕されるということがありましたけれども、これは本当に氷山の一角で、ピアスの穴ぐらいの、一点ぐらいのことでしかありません。最近では、イヤリングよりもピアスが主流、アクセサリー屋さんを見ても多くがピアス式のもので、若者はお金がかからないように町の安いお店に行って、使い捨てのような器具で穴をあけてしまう。この中には不衛生な器具を使っているところもありまして、ファッションをするところから、思わぬ血液による感染を受けてしまうことがある、こういった実態があります。
 そして、入れ墨にしても、過去には入れ墨は特殊な職業の方だけのものでしたけれども、今はミュージシャンやスポーツマンも、タトゥーという新しい形で、若者も町を歩けば多く見かけますし、女性の方がまゆやアイラインを入れる、少し小さな入れ墨になりますけれども、アートメークというようなものも、おしゃれの一環として始めてしまっていて、何か昔に比べたら一般的になってしまっています。
 こういった商売は、理美容などのように業界があり、きちんと衛生対策に取り組まれているというわけでもなく、指導根拠となる法律もないということなのです。なかなか対策が難しいといわれています。しかし、肝炎やエイズ、ほかにも多くの感染症のリスクがあり、都民の健康を守る上でほうっておいてよいという問題ではありません。
 都はこれまでも、利用者への普及啓発を行ってきています。しかし、注意をしようにも、利用者には、そのお店が本当に安全かどうかわからないわけですから、お店の側に衛生上の知識を持って安全対策をしていただくことも必要です。
 せっかく薬害での感染を根絶して治療に専念してもらおうといっている以上、私は、新たな感染源をつくってはいけない、そういう思いで取り組んでいかなければいけないと思っています。ぜひこうした部分についても都で積極的な取り組みをされるよう、ご検討をお願いします。
 終わります。

○吉田委員 私は、障害者施策と若干ウイルス肝炎対策について質問させていただきます。
 まず、障害者施策についてです。
 自立支援法によって応益負担の導入による負担増、また、日払いの導入による施設収入の激減など、障害者と施設への影響はますます深刻な事態となっています。これまでも、本会議、本委員会、さらに今、文書質問を出していますけれども、こうした中で取り上げてまいりました。
 都は、影響調査を実施したと聞いていますが、その発表をもって改めてこうした問題については議論したいと思っています。
 きょうは、自立支援法の中でも、地域生活支援事業にかかわる手話通訳派遣事業及び盲ろう者に対する通訳介助者の派遣事業、さらに障害者福祉会館について質問させていただきます。
 まず、手話通訳派遣事業です。
 手話通訳などコミュニケーション支援事業は、障害者が地域の中で生活をし、社会参加を図っていく上での基本的な事業であり、これまで以上に事業の拡充が求められていると思いますけれども、東京都としての基本的な考えをまずお聞かせください。

○吉岡障害者施策推進部長 手話通訳等コミュニケーション支援事業の役割と重要性についてのお尋ねでございますけれども、コミュニケーション支援は、聴覚、言語機能、音声機能、その他の障害のため意思疎通を図ることに支障がある障害者等に対する情報保障と社会参加を支援するための必要不可欠なサービスでございます。
 区市町村が主体的、計画的にコミュニケーション支援に取り組むことにより、障害のある人の地域での自立した生活や一般の職場への就労を一層促進することが可能となるというふうにも考えてございます。
 障害者自立支援法におきましては、このような手話通訳者を派遣する事業等につきまして、区市町村が地域生活支援事業の中での必須事業として取り組むものとするというふうに位置づけられております。

○吉田委員 今、重要性が語られましたけれども、東京都では既に、都レベルはもちろんのこと、区市町村でも手話通訳派遣事業を行われてきましたけれども、今回、自立支援法によって、法として改めて地域生活支援事業と位置づけ、区市町村の必須事業というふうにこの位置づけを高め、また役割を明確にしたということは極めて重要なことだと思います。
 ただ、これを東京都でどのように具体化するという問題ですけれども、東京都の場合には既に区市町村、そして東京都と、そして東京都の方は高度専門的な手話通訳の派遣を主に担うという、いわば重層的なやり方でこの事業が進められてまいりました。しかし、東京都としては、自立支援法を受けて、都としての派遣事業についてはもう行わない、区市町村で行うようにという旨の通知がされたというふうに聞いておりますけれども、これで果たして、この間の東京の重層的に行われてきた手話通訳事業が部分的でもサービスが後退するというふうなことが起きないのかという懸念を率直に感じます。
 そこで、確認したいんですけれども、区市町村が行うのは当然ですけれども、都道府県の判断によって補完的に派遣事業を行うということは、法や要綱では可能だと私は思うんですけれども、この点いかがでしょうか。

○吉岡障害者施策推進部長 障害者自立支援法におきまして、地域生活支援事業がどのような仕組みとして構築されているかについてお答え申し上げます。
 障害者自立支援法におきましては、第七十七条第一項に基づきまして、市町村は必須事業等の地域生活支援事業を行うものとするというふうにまず規定されております。その次に、同条第二項におきまして、都道府県は、市町村の地域生活支援事業の実施体制の整備の状況その他の地域の実情を勘案して、関係市町村の意見を聞いて、当該市町村にかわって市町村の地域生活支援事業の一部を行うことができるという規定がございます。
 東京におきましては、手話通訳者を派遣する事業は、先生がご指摘のとおり、区市町村と東京都で重層的に行ってきておりますけれども、都の場合には、すべての区市町村で既に事業が実施されておりますことから、今後につきましても、住民に身近な区市町村がこの派遣事業を実施していくことが十分可能であると考えておりまして、また、それが利用者サービスの向上につながるゆえんであるというふうに考えております。

○吉田委員 区市町村の地域生活支援事業の一部を行うことはできるという規定になっているわけですよね。他の府県の状況は存じませんけれども、既に東京都の場合には、重層的な形で、比較的全国でも進んでいると思うんです。その状況にありながら、自立支援法をもって、東京都が担ってきた部分についてはこれをもって行わないということで、現場でさまざまな意見が出されております。
 例えば、この点ではやはり当事者の意見を聞くことが大事だと思いますけれども、聴覚障害者連盟などからは、連盟は以前から、都と区市の両方で手話通訳派遣事業と要約筆記事業を実施してほしいという要望を述べてきたんだと、で、この自立支援法の実施に当たって、都の派遣事業の継続を求めています。その主な理由として何点かいわれていますが、一つは、区市において財源及び人材確保の見通しが不十分なままで、基本的人権としてのコミュニケーションサービスが、すべての区市町村という点で見れば保障されなくなるおそれがあると。二点目に、区市においては手話通訳の力量に大きな格差があり、均一のサービスを実施することが不可能ではないのか。三つ目に、都が担ってきた高いレベルの通訳をすべての区市町村が実施することは困難であると。四つ目に、都の派遣がなくなると、要するにその区市町村だけじゃなくて、当然広域的に手話通訳のサービスを利用するわけですけれども、こうした広域的な派遣が制約されるのではないかというようなことが、当事者団体から不安の声として上がっているんですけれども、こうした点をどのようにお考えでしょうか。

○吉岡障害者施策推進部長 現在の東京都におきます手話通訳派遣事業の実施形態と広域的な派遣の問題の二点についてお答えいたします。
 まず実施形態でございますけれども、東京都は、東京手話通訳等派遣センターというところに委託をして実施してございまして、今後、障害者自立支援法下におきましては、各区市町村がこの東京手話通訳等派遣センターと直接契約をしていただくことでサービス水準の維持を図ることができるというふうに考えてございます。
 次に、広域的な利用の件でございますけれども、利用者が区市町村の区域を超えて活動することは、これはもう当然想定されるところでございまして、手話通訳者派遣事業におきましても、これを妨げるものではございません。都がこれまで委託してまいりました、先ほど申し上げた東京手話通訳等派遣センターにおきましても、都内各地域に通訳者を確保しております。区市町村がこのセンターを活用することによりまして、利用者の広域的な活動につきましても引き続き支障なく支援することができるというふうに考えております。

○吉田委員 要するに、都が委託をしてきたセンターと今度は区市町村がそれぞれ契約を結んで、高度専門分野を担えるようにすればよいではないかというご意見ですよね。
 ただ、八月末に、区の障害担当課長会からは、要するに区の方からは、やはり東京都が高度専門的な分野は続けてほしいという旨の要望書が出されているというふうに聞いていますが、その事実関係と、当事者がそうしてほしいという要望を出しているんですから、やはりそれは当事者の声として受けとめるべきではないのかなと。
 さらに、私、念のために杉並区に聞きましたけれども、確かに東京都からはそういうふうにしなさいという旨の連絡が来ているけれども、いろんな関係でまだ杉並区としては委託契約を結ぶに至っていないと。
 だから、東京都の思いはわかりますけれども、実際、果たして区市町村によって委託契約がされて、結論的に重層的なサービスが後退しないというふうに今の段階ではいい切れないと思うんですが、いかがでしょうか。

○吉岡障害者施策推進部長 二十三区の障害福祉課長会から、東京都の行っている部分について引き続き継続してほしいという要望のあったことは事実でございます。
 一方で、私どもは私どもの考え方をご説明させていただいておりまして、私どもが聞いている限りでは、多くの区市町村が東京手話通訳等派遣センターと契約を結ぶことを検討しているというふうに受けとめております。

○吉田委員 いずれにしても、検討していると聞いているというお話ですけれども、せっかくつくり上げてきた重層的な、きめ細やかな、全国よりも高いこうした手話通訳派遣事業というものは、レベルが後退するようなことがあってはならないと思うんです。そういう観点で対応していただきたいということを改めて要望として述べておきます。
 さらに、こういう問題もあるんですね。例えば要約筆記者の派遣も区市でやってくださいということになっていますが、当事者の方からいわれるのは、要約筆記者の派遣事業というものの約半分ぐらいは聴覚障害者の団体の事業でお願いしているケースがあるんだと。そうすると、例えば新宿で開催するからといって、それを新宿区に頼んでいいのか。これは一つの例ですけれども、広域的な対象者を持った事業に当たって、それを区市町村で頼みなさいということになると、やはり不都合といいますか、発生するのではないかと思うんです。そういう点についても、私はきちんとしたカバー、対応が必要だと思うんですが、いかがでしょうか。

○吉岡障害者施策推進部長 要約筆記者の団体派遣の件でございますけれども、基本的には、新たな仕組みをつくっていただければ、団体の、特に派遣という問題は生じないと考えております。
 一点だけ、その場合には、費用負担をどのように整理していくのかという課題が残りますけれども、これに関しましては区市町村間で今後調整が図られていくものと考えておりまして、都としても必要な支援をしてまいりたいと考えております。

○吉田委員 部分的な例を出したんですが、そういうことを含めて、やはりさまざまな問題がこれから起き得るわけですから、ぜひサービス水準の低下ということにならないように対応していただきたいと思うんです。
 それで、派遣は区市町村だということをいわれましたけれども、養成事業というのは都道府県の必須事業ということで定められました。これまでもセンターに委託をしてさまざまな、例えば地域通訳クラスあるいは指導者クラス、再学習クラスというふうな形で、初歩的な分野から専門的な分野まで養成事業が行われていたというふうに聞きますけれども、改めて法で位置づけられたという段階にふさわしく、文字どおり都の責任において養成事業というものをさらに拡充していく必要があると思うんですが、どのようにお考えなんでしょうか。

○吉岡障害者施策推進部長 手話通訳者の養成に関してでございますけれども、都はこれまでも、中級、上級の養成人数を時に応じて見直すなど事業の改善を行いながら、毎年おおむね二百人を超える手話通訳者を着実に養成してまいりました。今後も、実態に応じて適切に事業を執行してまいります。

○吉田委員 適切に事業を執行というふうにいわれましたけれども、当事者の皆さんにお伺いしたら、やはり規模そのものを、もっと多くの方が参加できるようにふやしていただきたいというふうな点や、あるいは認定試験などによるレベルアップというふうなことについても要望があるように聞いております。ぜひそうした要望も含めて適切に拡充をしていただきたいということを述べておきます。
 次に、盲ろう者に対する通訳・介助者派遣事業について何点か質問させていただきます。
 これは、コミュニケーション支援事業の重要性と同時に、やはり障害者に対する移動支援ということとも重なってくる事業だと思います。盲ろう者という、視覚障害、聴覚障害などを重複的に持っている障害者の方は、外出すること自身も非常に困難が伴っていて、こうしたサービス事業なしには外出できないというふうな状況だと思います。
 どういうふうな状況になっているかということについて、いろいろ統計も見ましたけれども、適切なものはありませんでしたが、例えば参考例として、九七年のプランのときに紹介されていましたが、視覚障害者で一週間ほとんど外出しないというふうに答えた方が、これは視覚障害単独の障害だけですけれども、二二・三%いらっしゃいました。また、これは平成十五年の基礎調査ですけれども、平日の過ごし方で、自分の家にいるというふうに答えた視覚障害者が七六%ということがいわれておりました。視覚障害だけじゃなくて聴覚も含めての重複障害の場合ですから、もっと外出が困難だというのが多分現実だというふうに思います。
 そういう意味では、通訳・介助者の派遣事業というものは、ある面では単独障害の視覚障害や聴覚障害者以上に、この事業の持つ意味というのは非常に大きいと思うんですけれども、都が予算を措置して友の会に委託している通訳・介助者の派遣時間は今どのような状況なんでしょうか、ぜひ拡充していただきたいと思うんですけれども。

○吉岡障害者施策推進部長 視覚と聴覚に重複して障害を持つ、いわゆる盲ろう者のコミュニケーション手段と移動の自由を確保し、社会参加を促進するために、東京都は、盲ろう者通訳・介助者派遣事業を平成八年度に全国に先駆けて開始いたしました。
 派遣時間に関するお尋ねでございますが、予算を毎年順次拡大してきておりまして、平成十八年度の総派遣時間数は二万三千六百六十時間となっております。これは、五年前の平成十三年度と比較いたしますと二・三倍となっております。
 また、平成十七年度の実績におきまして、一人当たりの利用時間が年間三百二十九時間となっておりまして、これは全国的にも最も高い水準でございます。

○吉田委員 一定の努力はされているとは思うんですけれども、ただ、この三年間の経過を見ますと、今紹介がありました二万三千六百六十時間ですか、派遣時間、これが十六年も十七年も今年度も全く同じなんですよね。しかし、利用する登録盲ろう者の数は、平成十六年度と十八年度を比べれば、六十六名から七十四名にふえているわけです。そうすると、登録利用者一人当たりで見ますと、全国的に高いということは事実なんでしょうけれども、一人当たりで見ると、平成十六年と十八年を比べれば、利用時間というのは、年間でいうと約四十時間程度減少するというふうに計算されるんですよ。もちろん、これからさらに登録者というのは、今は七十四名というふうに私は聞いていましたけれども、さらにふえていくし、また、ふやさなきゃならないと思うんですよね。登録されないで利用できない方も少なからずいるのが実態だと思うんです。
 そういう、全く利用できなかったり、あるいは足らないために、もうそれ以上通訳・介助者を利用できない方がどうなっているのかということについても団体の方に聞いたんですけれども、今の時間だと、一日一時間未満なんですよ、平均しますと利用可能は。約三百何十時間ですから。で、一回どのぐらい使うかといえば、大体行ったり来たりですから、一回は三・五時間程度使うっていうんですね。そうすると、一週間で使えるのは二回程度なんですよ。残りの五日間というものは全く利用できない。あるいは、先に使ってしまうと、残りの一年間の後半は一切利用できない。自費で賄うか、あるいは家族の方にお願いするか、そういうサポートがない場合には、じっと家で我慢して暮らさざるを得ないという事態だと聞きました。
 努力をされているというお話ですけれども、登録利用者の数にふさわしく、ぜひこれは伸ばしていただきたいというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

○吉岡障害者施策推進部長 この事業は、利用者ごとに一日当たりの派遣時間の制限を設けずに、利用者が外出するときなど必要な場合に通訳・介助者を派遣する事業でございます。

○吉田委員 いや、実際上は、東京都の予算、時間の範囲でチケットが渡されるわけですよ。そのチケットを使い終わったら、もう一年間使えなくなるんですよね、実態は。そういう意味では、明確に制限されているんですよね。
 したがって、登録者がふえているんだから、それにふさわしく、あるいはそれ以上に利用できるようにぜひ予算措置をしていただきたいというのは、当然今の障害者施策の前進方向だというふうに思いますので、ここで具体的な答弁はできないのかもしれませんが、強く要望しておきたいと思います。
 あわせて、この派遣事業を円滑に進める、拡充していく上では、通訳・介助者の養成事業ですね。それこそ養成事業は都道府県事業ですけれども、この養成事業なんですが、極めて残念なことに、二〇〇一年、平成十三年度で東京都は補助金を打ち切るということが行われました。
 盲ろう者の通訳・介助者の養成事業というものは、その方々の状態に応じてですから、例えば手のひらに文字を書いて通訳するというやり方から、手のひらをタイプに見立てて打ちながらのやり方から、さまざまな複雑な形態をとるんですね。したがって、かなり専門的な養成をしなければならないんだけれども、東京都の補助金が打ち切られたために、結果的に講習を受ける人々の講習料によって賄う。しかし、高い負担をとるわけにいかないから、できる限り安くして、その分、講師料などは極めて低く抑えるという涙ぐましい自主的な努力によって、この養成事業が支えられているのが現実だと思うんです。
 当事者からは、ぜひこの養成事業に対する東京都の補助なり、今度は委託が必要だと思うんですけれども、都道府県事業ということになったわけですから復活が要望されているんですけれども、いかがでしょうか。

○吉岡障害者施策推進部長 この盲ろう通訳・介助者養成派遣事業の経過と今後の考え方についてでございますけれども、まずこの通訳・介助者の養成事業と派遣事業との二本立てでございまして、平成八年度に事業を開始するときに特定非営利活動法人東京盲ろう者友の会に補助をするという形で事業を開始したものでございます。
 その後、平成十三年度から、この実施団体との間で役割分担を行いまして、派遣事業については東京都の委託という形で、むしろ重点的にこの派遣事業を拡大していこうと。一方で、実施団体の方では養成事業を分担してもらおうという考え方の整理を行いました。このようなことで今行っているわけでございまして、補助金を打ち切ったということではございませんので、よろしくお願いいたします。

○吉田委員 役割分担をしたというふうな説明ですけれども、この点、当事者団体にも聞きましたが、この分担、役割のあり方などについて協議をしたということについては、一切ないというのが団体から受けた説明です。したがって、当事者の方はびっくりして、直ちに翌年から復活を求める要望書を出しているというのが事の経過だと思うんですよ。
 自主事業をしているのは、東京都が派遣と養成と両方に対してお金を出していたのに、一方だけになってしまったために、やむなく自主事業にして今日に続いているんですよね。何か協議をして、二つにそれぞれ分け合ったなどという性格のものではないし、かつ、派遣に厚くお金を出したからといって、それが養成に回るというふうなお金の使い方も許されないことなんですよね。
 しかも、先ほど述べましたけれども、養成事業というのは都道府県の事業に明確に規定されたんでしょう、自立支援法では。そうしたら、改めてきちんと委託事業に位置づけるというのは、法を遵守するという観点からも当然のことじゃないですか。

○吉岡障害者施策推進部長 先ほど申し上げましたとおり、このような実施形態は平成十三年度から都においては継続して行ってきております形でございますので、私どもは、この形式が定着しているというふうに考えてございます。したがいまして、これを変更する考えはございません。

○吉田委員 そうすると、法はどういうふうに受けとめるんですか。

○吉岡障害者施策推進部長 障害者自立支援法におきましては、地域生活支援事業におきましても、基本的に、例えば都道府県がこういう事業をするものとする、市町村がするものとするという規定の仕方をしてございます。何々は都道府県がしなければいけないという規定の仕方ではございませんで、それぞれの地域の実情によりまして、合理的な理由がある場合には、原則的な考え方とはまた違った形での実施形態もあり得るのだと、それはそれぞれの地域の判断に任せる、そういう法のつくりになってございます。

○吉田委員 手話通訳派遣事業は、法で区市町村必須になったからという名のもとに、東京都はもう行いませんよ、養成に特化しますよというふうにいっていながら、この盲ろうの方は、同じように自立支援法で盲ろう通訳・介助者に対する養成は都道府県事業ですよということで仕切りが定められたにもかかわらず、それは守らない、行わないというのは、やっぱりそれはおかしいですよ。
 しかも、当事者である友の会がそれで結構ですといってるのならば、まだそれはあり得ることだと思うんですよ。しかし、一貫して、十四年度以降、十三年度の翌年から毎年のように、自主事業で必死になってやっているけれども、養成事業については、東京都としての補助ないし委託ということで当事者が要望しているんだから。当事者が要望していなければ話が成り立つかもしれませんけれども、そういう点では、私はやっぱり、ぜひ東京都の責任できちんと養成事業が行えるようにすべきだということを改めて強く要望しておきますし、しかも、他の府県などを見ても、過半数を超える県は、養成事業については委託などという形で府県の責任で行っているというのが多数ですよ。
 金額的にもそう高額でないものを、いまだに、自立支援法ができたにもかかわらずこういう状態を続けるというのは、やっぱり東京都の姿勢が障害者福祉分野で問われているというふうにいっても過言ではないと思います。
 次に、障害者福祉会館について質問いたします。
 先日、障害者福祉会館、何度も行っていますけれども、改めて施設の規模あるいは利用状況などについて、お邪魔をして話を聞かせていただきました。
 いうまでもなく、港区芝にあります障害者福祉会館は、都立で唯一の障害者の会館であり、集会場を提供することによってさまざまな交流や諸活動を促進する、また、資料の提供、情報の普及、さらに当事者による相談活動、ピアカウンセリング、そして視覚障害者に対するさまざまな点訳等のサービスを行うという点では、施設は老朽化していますけれども、極めて重要な役割を果たしているということを改めて認識いたしました。
 利用する登録団体は三百九十団体。利用状況がパネルにマグネットで張ってありましたけれども、ウイークデーの午前を除けばほとんど満室状態という状況で、多くの障害者団体にとって非常に重要な役割をしているということがわかりましたし、実際にサークル活動を行っている現場も見せていただいたり、また、団体等の機関紙などを発行している状況についても見せてもらいました。
 しかし、こうした重要な役割を持つ障害者福祉会館について、さまざまな要望が利用されている方々から出されておりますけれども、やはりその原因として、障害者福祉会館の予算なんです。とりわけ備品を購入するための予算が制約されていて、なかなか希望どおりに機材が更新されていないのではないかという印象が新たにしたんですが、この間の障害者福祉会館の備品購入費の推移についてご答弁をお願いいたします。

○吉岡障害者施策推進部長 障害者福祉会館の備品購入費の推移でございますが、各年度の決算額でご報告いたしますと、平成十三年度百三十二万四千円、平成十四年度百三十七万四千円、平成十五年度百五十二万一千円でございます。
 なお、平成十五年度に、備品購入費の基準が二万円以上から五万円以上に引き上げられましたことから、五万円未満の物品は一般需用費で購入することといたしました。このため、平成十六年度の備品購入費は七十三万六千円、平成十七年度は六十一万五千円というふうになっております。

○吉田委員 振りかえがあったんで、経年的に比較することはできないかもしれませんけれども、振りかえた以降の平成十六年あるいは十七年の決算で見ても、年間わずかに備品購入費が七十三万六千円から六十一万五千円というふうに下がっています。過去についても改めてぜひ精査してみたいと思うんですけれども、そうしたことが、余りにも異常な備品更新のおくれという事態をつくり出しているということ、本当にびっくりいたしました。
 その一つは、視覚障害者などが利用する音声対応のパソコンを見せてもらったんですけれども、何と驚くべきことに、古くてウィンドウズ対応ではない、MS-DOSだと。いつ購入したのかということを聞きましたら、平成三年、今から十五年前に購入してそのままだと。利用している団体からは、せめてウィンドウズが入った新しいパソコンにかえてほしいということを繰り返し要望してきたけれども、いまだに購入されていないということが、来年度予算をめぐる懇談の中で出されました。金額的にもそんなに高くないわけですから、こうしたことは直ちに改善が求められている分野だと思うんですが、いかがでしょうか。

○吉岡障害者施策推進部長 備品の更新につきましては、毎年度、必要に応じて対応しているところでございまして、ご指摘のパソコンにつきましても、今年度の購入を既に決定しているところでございます。

○吉田委員 今年度購入決定だというふうに今初めて聞きましたけれども、やはり十五年間こういう状態が放置されていたというのは、一例として申し上げたんですけど、やはり驚くべき実態で、障害者分野での予算削減の一つの象徴的な事例として、こういう問題というのは軽視しないで大いに取り組んでいきたいと思っているんです。
 それで、福祉・健康都市東京ビジョンでは、障害者福祉会館について、平成十八年度までにあり方を検討して方針を策定するというふうになっていますけれども、近県の施設も調べてみましたけれども、規模や内容で東京の障害者福祉会館よりもはるかに機能的に拡充され、スペース的にも大きな障害者福祉会館が設置され、利用されているというのがあります。
 あり方の検討では、ぜひこうした他県の状況なども参考にしながら、とりわけ利用している団体の方々が検討に参加し、その意見が反映できるようにしていただきたいと思います。
 もう一つ要望が出されたのは、パソコンがあるんですけれども、インターネットの利用はできないという制約になっている。例えば都立駒込病院の図書館にはインターネットを自由に利用できるというふうなことが保障されております。どう管理するかという問題はあるかもしれませんが、そういう問題についてもぜひ改善を図っていただきたいということを要望として述べておきます。
 最後に、ウイルス肝炎対策について私も質問させていただきます。
 ウイルス肝炎、C型肝炎対策については、私自身、予算特別委員会の場を初め本委員会でも繰り返し取り上げて、通院医療費助成などについて要望してまいりました。この間の答弁の中で、通院医療費助成、とりわけインターフェロンやリバビリンなどの併用により完治率が高まるということに着目して、新たに医療費助成制度を準備しているというお話がありました。それ自身、結構なことだと思うんです。
 ただ、それは是としても、これまでちょっと質問になかった点について、どうしても気にかかるので伺っておきたいんですが、インターフェロンによって完治率が高まったという旨のお話がありましたが、しかし、有識者会議の報告を見ても、そうはいっても、インターフェロンでウイルスが完全になくなる方というのは五〇%というふうな記述もあったように記憶をしております、若干アバウトですけれども。そうすると、インターフェロン治療を行ったとしても、半数に近い人は完治しないという状態になるわけですよね。そういう方々は、やはり引き続き肝硬変、さらに肝臓がんに移行しないように、いわば日常的に必死になって努力をしなければならないということとなります。
 この間、入院だけに特化しておりましたけれども、その入院医療費助成は、私の認識では、インターフェロンのみというふうな限定はなかったと思います、違っていたら訂正してほしいんですけれども。ところが、先ほどからの話だと、入院医療費助成はある段階で打ち切りますよと。ただ、どうしても必要上やはり入院というケースはあり得ると思うんです。もう一つ、通院医療費助成は行いますけれども、これはあくまでもインターフェロン治療のみですよというような説明に受けとめました。そうすると、インターフェロンを受けても、結果的にウイルスをなくす、完治できなかった半数以上の方は、じゃあ何も支援の手はないのか、それでいいのかという問題があると思うんです。
 しかも、要約的に全部いってしまいますけれども、もっと細かく質問してほしいのかもしれませんけれども、有識者会議の報告をよく読むと、そうやって結果的にウイルスをすべてなくす、完治できない方に対しても、やはり何らかの支援はとらなければならないという旨のことが明記されています。例えば、なお、最新の治療を行っても十分な効果が得られない感染者への支援を行うというフレーズだとか、一方では、最新の抗ウイルス治療を行ってもウイルスを排除できない感染者への対応も必要となるというふうにいっています。
 さらに、先ほどから議論がありましたけれども、C型肝炎になった理由というものは、知事自身も記者会見などでいっていますけれども、製薬会社の責任あるいは厚生医療の非常にレベルの低かったときの衛生行政の不十分さの責任によって引き起こされた患者であり、やはり一定の公的な支援が必要だというのが当然のことだと思うんですが、その点はどのように今検討されているんでしょうか。

○桜山参事 今回私どもが考えておりますウイルス肝炎受療促進集中戦略は、ペグインターフェロンとリバビリンの併用を中心とする治療によってC型肝炎の治癒を目的とするものでございます。
 しかし、確かに有識者会議の報告にもありますように、その治療で効果がない方々もいらっしゃいます。そういうウイルス感染者につきましては、これまでも相談支援を実施してきているところでございまして、今後とも対応してまいるところでございます。

○吉田委員 ぜひ、相談支援ということは結構ですけれども、それにとどまらないで、やはり医療費そのものの負担だって長期にわたって積み重なっていけば、年間ではすごい金額になると思うんですよ、インターフェロン治療でないにしたって。そういう状態が文字どおり、前にも別な場でいいましたけれども、生涯にわたって続くという状況があり、しかも、それは極めて一部の人がインターフェロンで治らないというのではなくて、半数近い方が治らない可能性もあるわけですから、やはりそういう分野についてもきちんと手厚い対応を改めて求めておきたいと思うんです。
 それと、通院医療費助成で新たに検討されている点なんですけれども、先ほどから、真にこの効果が上がる上で軽減策ということについて強調されておりました。全国で北海道がたしかこうした助成制度を実施していると思うんですが、具体的なことを踏み込んでいうことはできないかもしれませんが、少なくとも財政力は東京都の方がはるかにあるわけですから、北海道で行っている以上の踏み込んだ支援策をぜひ検討していただきたいと思うんですが、北海道での助成制度はどのようになっているのか紹介してください。

○桜山参事 北海道の医療費助成制度についてのご質問ですが、その内容は、ウイルス肝炎に関する入院、通院の治療費と保険調剤薬局費用が対象となっており、医療保険等を適用した後の自己負担を一医療機関当たり月額入院四万四千四百円、通院一万二千円とする制度となっていると聞いております。

○吉田委員 できれば無料を求めたいんですけれども、ぜひ負担が少なく、所得に応じてこれが利用できるというものとして検討を具体化していただきたい。
 最後に、有識者会議の報告を読んでも、やはりウイルス肝炎対策というものは総合的な対策が求められている。一層の受診の向上、かつ、受診してウイルスがあることが発見されても、それがなかなか詳細な検査や医療に結びつくという点で十分でないという点や、さらに、肝臓の専門医といっても、地域で見ると十分じゃなくて、必ずしも自分のかかりつけ医で今の水準の医療を受けることができないというふうな現状などを考えれば、やはり総合的な対策と、それを進行管理するような仕組み、また、地域レベルでの連携やネットワークというふうなことがぜひ求められていると思うんですけれども、そういう点はどのように検討されているんでしょうか。

○桜山参事 地域におきます医療連携につきましては、先ほど部長の方からご答弁いたしましたが、肝炎診療ネットワーク事業を検討しておりまして、関係者と検討中でございます。
 また、総合的な対策も必要とのご意見でございますが、ウイルス肝炎受療促進集中戦略を推進していくに当たりましては、区市町村や関係機関との連携を図ることは当然のことと考えております。

○吉田委員 ぜひ総合的な検討推進の機関がやはり必要だと思いますし、そうした中で、有識者会議でもそうでしたけれども、直接この病と闘っている当事者の方々が参加できるということは極めて実情に即したものとなる上でも重要なものであり、そうした当事者団体がこうした場にも参加できるように要望いたしまして、質問を終わります。

○野島委員 二つ、三つ伺いたいと思っています。ちゃんと時間の中で終わるようにいたします。
 子育て支援策についてお伺いいたします。
 いわゆる経済給付型あるいは基盤整備型、こんなふうに大別できると思うんですね。基盤整備型にかかわっていけば、いわゆる保育事業がその典型になってくるのかなと思っております。認可保育所があり、東京都は、大都市特有の保育需要にかんがみて認証保育制度というものを確立いたしまして、これが高い評価を受けておるというふうに認識しております。また、これから認定こども園の条例の審査があるわけでありますけど、騒ぎの割には大したことないなというのが正直な感想でありますが、それはまたこの次の質疑でありますので。
 いずれにしても、そういうことで、子育て総量の拡大あるいは保護者、親御さんの選択肢が広がるもの、こんなことで期待をしております。
 この間、政府高官が、女性はうちで子育てをしろというようなことでバッシングされておりましたけれども、あれは恐らく舌足らずだったんでしょうな。そういうことを可能にするような就業体系なり、そういうものにしなきゃいけないということだったというふうに僕は推測していますが、そこだけ大きく取り上げられた。
 私も、個人的には、少なくとも一歳ぐらいまではご自宅で、三歳ぐらいまではできればというふうな気は持っておりますが、現実問題といたしまして、経済的な理由で働かなければいけないというようなこととか、あるいは仕事を通じての社会参加というふうなこと、あるいは男女共同参画社会とか、こういう時代の背景もありますし、一方、雇用主、事業者側からいいますと、人口減社会がこれから来るということは、就労人口も減っていく、そういう中で、雇用をしっかり確保していかなければ事業が成り立たない、こういうこともあるわけであります。
 経済給付でいえば、厚労省が来年度、育休中の賃金確保の支援策を拡大しよう、こういうふうなことを打ち出しております。
 産休とか育休の関係ですと、ノルウェーというのはむちゃくちゃ先進国だそうですね。きょう、新聞を読んでいたらそんな記事が載っていました。ただ、ここでもなかなか育児休暇はとりにくいなということなんだそうです。一つには、育休の後、職場復帰しましても--ノルウェーの場合に一年ぐらいできるんだよね、女性も男性もあって。制度は別に細かくいうことはないんだけど、職場復帰したときに職場の状況が変わっちゃってるんです、一年たつと。机やいすがなくなるということはないんだろうけれども、追いついていけないよということで不安になっちゃうんですね。皆さんもそういう気になったときがあるんじゃないですか。僕なんかは専らずぼらだから全然気がつかないんだけど、休んでいると世の中に置いていかれちゃうんじゃないかというふうなことで、病を押して出てきたりしているケースが結構あると思うんです。事ほどさように仕事と育児の両立というのは難しいなと、こんなふうな感を強くしております。
 そこで、最初に、次世代育成支援対策推進法というのがありますわね。事業主は、その雇用する労働者に係る多様な労働条件の整備など、労働者の職業生活と家庭生活との両立が図られるようにするために必要な雇用環境の整備を行うこと、こんなことがうたわれているわけであります。
 雇用環境の整備には、今申し上げました育児休業制度だとか、あるいは看護休暇とか、あるいは短時間勤務、事業所内保育などさまざまな取り組みがなされると思いますが、過日、日経新聞に、東京都が来年から事業所内保育を支援していきますと、こういうことで、たしか日経に二回載ったんですよね。それだけ注目しているということであると思っておりますが、きょうは、こんな関係を中心にお伺いいたしたいと思います。
 そこで、まず最初に、都内の事業所内保育施設の実情、こんなところについてお伺いいたします。

○都留少子社会対策部長 事業所内保育施設は、事業主がその雇用する従業員の仕事と子育ての両立支援や人材確保のために設置する保育施設で、いわゆる認可外保育施設の一つでございます。
 認可外保育施設を設置した者は、児童福祉法第五十九条の二の規定により、都道府県知事に届け出をしなければならないこととされております。平成十八年十月一日現在、届け出されている事業所内保育施設は都内で百四十二カ所でございます。この百四十二カ所のうち、約九割を占める百二十四カ所は特定の一企業が設置したものでございます。その他の企業等が設置している施設は十八カ所と非常に少ないのが現状でございます。
 従業員のニーズがあるにもかかわらず設置が進んでいない理由といたしましては、仕事と子育ての両立についての事業主の考え方や、施設の設置運営に係る事業主の負担が大きいことなどが考えられます。

○野島委員 ニーズはあるけれども、その二つの側面でなかなか進まない実情ということでお伺いいたしました。
 こういった事業所内保育施設を初めとした雇用環境の整備に取り組むということになりますと、仕事と子育ての両立ということと、さっき、一年たったら居場所にいづらくなったみたいなところがなくて、優秀な人材の確保あるいは定着、企業のイメージアップ。特にこれから〇七年、団塊の世代が退職していく。最近、いわゆる新規採用率も上がっているようでございますし、団塊ジュニアがちょうどこの世代に入ってくるんですね、子育てのね。そういう意味で、私は企業の売りになってくるんではないかなと思っているんですよ。
 私自身はかつてひんしゅくを買ったことがあるんですが、会社に勤めていたころ、女子社員はどんどん早くやめてほしいといったんです。じゃないと、労働分配率のうち我々男の取り分が少なくなる。早く回転させてもらって、常に高級取りにいかないとね。そうすると我々の労働分配率が高まるというふうなことで、ひんしゅくを買ったことがありました。
 そんなことはこっちに置きまして、こうした取り組みを行うことによって事業主の側にもプラスになる、イメージも高まる、あるいは現にそういうニーズのある親御さんも安心して働ける場の提供ができるだろう、こうしたことだと思います。
 ところで、次世代育成支援対策推進法によりますと、こういった事業は事業主の責務である、こうなっているわけですね、さっきお話し申し上げたとおり。しかしながら、こういう事業に対して都も積極的に支援していくことが必要だろうというようなことで、先ほどの日経新聞の話になってくるわけであります。
 次年度予算要求の主要事業として事業所内保育施設への支援を挙げているわけでありますが、仕事と子育て、この両立の基盤整備として、事業所内保育施設の整備にかかわる支援、どのようにやっていこうとお考えになっているのか、お伺いいたします。

○都留少子社会対策部長 都は、次世代育成支援東京都行動計画におきまして、仕事と子育てを両立できる雇用環境の整備を進めることを目標といたしております。
 事業所内保育施設の整備に関する支援は、企業の次世代育成に対する取り組みを促進するとともに、仕事と子育ての両立支援に対する事業主の意識づけを図る点からも非常に有効であると考えております。

○野島委員 それで、私、事業所内保育施設についていろいろ勉強していましたら、厚労省所管の二十一世紀職業財団、これも国の事業としてあるんですね、で、見ましたら、保育施設の平米数だとか、結構なかなか参入障壁というのかな、やっていこうということになっても、なかなか困難な部分があるのかなと思っています。特に、中小企業が単独でやっていくとか、そういう部分というのはかなり困難だと思うんですね。
 そこで、そういった中小企業でも取り組みやすいような支援策、こういったふうなのが必要だと思うんですが、どのようにお考えになっているのか、お伺いいたします。

○都留少子社会対策部長 ご指摘のとおり、二十一世紀職業財団の助成制度は、助成金の対象となる施設の定員、面積などの要件や、助成金を受給できる事業主の要件が厳しく、中小企業が事業所内保育施設を設置、運営していくことは非常に困難になっております。
 そのため、都といたしましては、良質な保育サービスを確保しながら、施設の定員や面積などの要件を緩和するとともに、異なる企業が共同で施設を設置する場合や、テナントビルのオーナーがテナントの事業所に向けた施設を設置する場合も認めるなど、柔軟な支援策を創設したいと考えております。

○野島委員 わかりました。ぜひ積極的な取り組みをお願いしたいと思うんです。
 先ほど二十一世紀職業財団の話をしましたけど、恐らく地方というか、製造現場なんかだとやりやすいと思うんですよ。大体そこに行くのに三十分か四十分で行けて、製造現場ですから、このごろフルラインで二十四時間動かしている製造現場もありますけれども、大体始業時間と終業時間が決まっていますよね。そういうものというのは、僕は取り組みやすいと思うんです。ただ、東京のように、通勤に一時間から一時間半かけて、自分だって疲れちゃうのに、子どもを連れてなんて考えられないですよね。
 それから、例えば大手町かいわいのいろいろな企業があります。あれなんかは、残業が多くていつになったら帰れるのかわからないというふうなところもあるし、いろんなところから来ますし、そこに勤めている人の就労時間なんていうのは恐らくばらばらだと思うんですね。そこに子どもを連れてきて、ねえ、というふうに思うんですね。
 そういう意味では、私は、東京都が大都市特有の保育事情にかんがみて進めた認証保育所、こういったものも参考にしながら、積極的な取り組みをお願いしたいと思っております。
 子育て支援策で一番楽なのは、経済給付でお金を出すこと、あるいはお金を取らないこと、あるいは税金をまけることです。一番困難なのは、さまざまな主体が複雑に入り込んで、雇用側とか、あるいは預ける側のいろいろな考え方がある、これを制度化していくというのが一番困難なことだと思います。
 しかし、困難な課題というのは、完成した暁には重層的になりますから、今回のこの事業とて、福祉保健局の新規施策でありますが、就労の実態とかそういうのを十分熟知しているのは恐らく産労局になるのかな、そういうところとしっかり連携しながらやっていただくことで、より一層強固な基盤整備ができるものと、ご期待申し上げておりますので、詳細はまた予算審査のときにでもお伺いすることにいたしまして、これはこれで終わります。
 次に、補助金の包括化についてお伺いいたします。
 福祉、それから保健、医療、こういった具体的な市民、都民サービスの提供、こういう分野では、介護保険法の改正あるいは障害者自立支援法の施行などによりまして、住民に最も身近な区市町村の役割がますます高まってきておりますし、今後も高まっていくだろう、こんなふうに思っております。
 市民の役に立つところと書いて市役所なんですね。ぜひどこかでフレーズでお使いいただければ。(笑声)そういう意味では、基礎的自治体である区市町村の取り組み、これらが地域特有のニーズをとらえ、地域に密着した施策を展開することによって、こういう福祉施策のホスピタリティーも上がっていくのかな、こんなふうに思っております。
 そして都は、広域的な立場から、区市町村によるそういったさまざまな資源を有効活用する取り組み、いわば地域の力というふうにいいかえてもいいかもしれませんが、これを支援していく必要があると思っております。
 そこで、来年度、高齢・障害福祉、保健・医療、こういったところも含めまして区市町村への個別補助制度を包括する、そして福祉改革推進事業の一部と合わせて、分野ごとに新たな統合補助事業を構築するというふうな方向性だと伺っておりますが、包括化に当たっての基本的な考え方とその効果、何を目指していくか、こんなところでお伺いしたいと思います。

○松井企画担当部長 分野ごとの包括補助事業を創設する背景といたしましては、三位一体改革による税源移譲など、国の補助制度におきまして、地方分権を推進するためのさまざまな動きがあります。また、理事ご指摘のような動きもございます。
 こうした状況を踏まえまして、東京都は、より広域的な立場から指導、調整などを行い、区市町村が地域の実情に応じて福祉、保健、医療サービスの充実を図ることができるよう、各分野の補助事業を包括化する必要があると考えております。
 本事業は、区市町村の円滑な事業実施や取り組みをより柔軟に支援していく仕組みをつくることを目的としたものでございます。
 事業の実施に当たりましては、区市町村が地域の特性に応じ、主体的かつ創意工夫を凝らした施策展開を支援することを目指しております。

○野島委員 ざっくりした話で、ざっくりご答弁いただきまして、ありがとうございました。包括化の趣旨はよくわかりました。
 包括化の対象となる個別事業の中には、例えば障害分野では、先ほど増子理事の話にありました、小規模な事業所の運営を支援していくとか、法外事業所への補助事業。これも増子理事がご質問されておりましたが、いわゆる障害児の放課後対策事業、これもさきの陳情審査で議論したことを記憶いたしております。
 また、市長会からは、次年度予算要望ということでいろいろ書いてございますが、概要をつまんで申し上げますと、例えば介護予防事業に当たっては、国の制度の枠組みに入らないものを今やっているけれども、極めて有用な事業なんで、それも来年度もやっていきたいので、そういう部分に対する財政補完をしていただきたいとか、あるいは、国制度が単価等ありますから、どうしても超過負担という問題が出てくる。しかし、事業としてやる以上は、それをしっかりとやっていくためには、その辺の気持ちも酌んで--気持ちとは書いていないんですが、具体的に要求しているわけです。そんなこともあります。
 私は、こういったようないろいろな事業の事業水準を維持しながらも、こういう法定外事業については運営支援をしていきつつ、先ほど答弁にもありましたけれども、将来的には法内事業所への移行という話もありました、小規模作業所ね。こんなことも重要だと思っております。また、そういうことを促進しながら、選択的な事業あるいは先駆的な事業、こういったことに軸足を移していくことによって福祉施策の向上が図れるだろう、こんなふうに思っております。
 そういった意味で、区市町村の主体的な施策展開を誘導するような包括補助制度、こんなものをぜひつくり上げていっていただきたいと思っております。
 そうは申しましても、区市町村の現場では、例えば高率補助の問題、これも前回質疑で出ましたけれども、やっぱり高率補助はだめよといわれますと、じゃあ補助裏どうするんだとあたふたしちゃうんですよね。
 だから、今ご答弁いただきました包括化の方向は、僕は全く正しいと思うんです。しかし、現実そういう部分もいろいろあるわけでありますから、ぜひいろいろ工夫いただきたいと思っております。と同時に、これから最終的な予算原案の作成に向かっていくのだろうと思っておりますが、今申し上げました趣旨も踏まえ、今までの個別の補助事業を積み上げていったら幾らだった、予算あけてみたらそれから割り込んでいたということでは、これは支援をすることになりませんから、足し算をして、なおかつそれに足して、これからの地域のそういった福祉施策を支援していくという具体的な数字で予算書をご提出いただけるように心からご期待申し上げまして、終わります。ありがとうございました。

○長橋委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 事務事業に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○長橋委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 以上で福祉保健局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後五時五十七分散会

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