本文へ移動

ロゴ 東京都議会

Tokyo Metropolitan Assembly

厚生委員会速記録第十一号

平成十八年九月二十九日(金曜日)
第七委員会室
   午後一時二分開議
 出席委員 十三名
委員長藤井  一君
副委員長野島 善司君
副委員長かち佳代子君
理事谷村 孝彦君
理事田代ひろし君
理事初鹿 明博君
山口  拓君
松葉多美子君
早坂 義弘君
山口 文江君
斉藤あつし君
佐藤 裕彦君
吉田 信夫君

 欠席委員 一名

 出席説明員
福祉保健局局長山内 隆夫君
次長吉川 和夫君
技監梶山 純一君
理事片岡 貞行君
総務部長杉村 栄一君
指導監査室長梶原 秀起君
医療政策部長細川えみ子君
保健政策部長清宮眞知子君
生活福祉部長永田  元君
高齢社会対策部長狩野 信夫君
少子社会対策部長都留 佳苗君
障害者施策推進部長吉岡 則重君
健康安全室長八木 憲彦君
企画担当部長松井多美雄君
事業調整担当部長牛島 和美君
医療改革推進担当部長高橋  誠君
連絡調整担当部長松浦 和利君
参事桜山 豊夫君
参事宮垣豊美子君
参事佐藤 恭信君
参事金丸 陽子君
参事奥澤 康司君
参事住友眞佐美君
病院経営本部本部長大塚 孝一君
経営企画部長及川 繁巳君
サービス推進部長鈴木  茂君
参事岸上  隆君

本日の会議に付した事件
 意見書について
 福祉保健局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百九十号議案 東京都福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例
・第二百六号議案 抗インフルエンザウイルス薬(リン酸オセルタミビル)備蓄用の買入れについて
付託議案の審査(説明・質疑)
・議員提出議案第十六号 東京都子どもの医療費の助成に関する条例
・議員提出議案第十七号 東京都シルバーパス条例の一部を改正する条例
・議員提出議案第十八号 東京都心身障害者福祉手当に関する条例の一部を改正する条例
 病院経営本部関係
付託議案の審査(質疑)
・第百九十三号議案 東京都立精神病院条例の一部を改正する条例
報告事項(質疑)
・多摩広域基幹病院(仮称)及び小児総合医療センター(仮称)整備等事業契約の締結について
・多摩広域基幹病院(仮称)及び小児総合医療センター(仮称)における計画病床数の変更について

○藤井委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、意見書五件を提出したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件については、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○藤井委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○藤井委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、所管二局関係の付託議案の審査並びに病院経営本部関係の報告事項の質疑を行います。
 これより福祉保健局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第百九十号議案及び第二百六号議案を一括して議題といたします。
 本案につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際、資料要求はありませんでした。
 これより付託議案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○斉藤委員 それでは、付託議案の質疑ということで、まず第百九十号の介護支援専門員の研修に関してなんですけれども、今回の介護保険法の改正によって、制度が事業者や利用者から見て大変複雑になったなという感想を持っております。
 介護支援専門員についていえば、研修体系の見直しのほか、報道において、軽度の要介護者のケアプラン作成を請け負う専門員が減って、ケアプラン難民が出るのではないかというようなこともいわれました。改正前後の変化の大きさから、スムーズな移行が危ぶまれたということなんですが、地域包括支援センターとの上手な連携ができ、なおかつ丁寧な利用者訪問とケアプラン作成ができる、目的意識のある良質な介護支援専門員がある程度そろっていれば、移行はできないことではないというふうに思います。ただ、そうはいっても、もとの制度から大変大きな変化を伴いますので、さまざまに課題が出ることは当然かというふうに思っています。
 研修においても、今回手数料がちょっと高くなる、変更するということでありますが、やる気のある専門員ならば、自分の業務資格のことでありますので、手数料が変わっても当然受講するのではないかというふうには考えております。
 さて、そこで質問なんですけれども、今回の研修体系を含めた制度改正の内容と現況について、現場の制度変更への対応が順調であったかということも含めて、東京都の見解を伺います。

○狩野高齢社会対策部長 今回の介護保険制度改正により、介護支援専門員に関しましては、ケアマネジメントの質の向上と適正化の観点からさまざまな見直しが行われました。
 具体的には、介護支援専門員の資格に対する五年ごとの更新制の導入、介護支援専門員への指導助言などを行う主任介護支援専門員の創設、きめ細かいケアマネジメントを実施するための介護支援専門員一人当たりの担当件数の見直し、軽度者に対する地域包括支援センターによる介護予防ケアマネジメントの実施などでございます。
 改正後、半年間が経過し、保険者である区市町村や現場の介護支援専門員などの取り組みにより、今回の見直しの趣旨に沿ってケアマネジメントの充実が図られているものと考えております。

○斉藤委員 事前に報道されたほどの混乱はなく、少し落ちついているというふうに解釈できるかと思います。私も、四月のころに少し懸念はされたような話を聞いたことがあるんですが、最近は特段大きな心配の声自体は聞いておりません。
 ただ、それでも現場の方の介護支援専門員などは大変いろいろ苦労しているようなので、その辺はまた今後も非常に注目をしていかなきゃいけないかなと思います。
 では、今後、介護支援専門員の資質の向上に東京都としてどのように取り組んでいくのか、その辺の所見を確認します。

○狩野高齢社会対策部長 介護支援専門員の資質向上についてですが、都はこれまでも、介護支援専門員に対する研修の実施に加え、介護支援専門員の業務をわかりやすく解説した手引書を独自に作成するなど、介護支援専門員への支援と資質の向上に継続的に取り組んでまいりました。
 今後、新たに導入された更新研修や主任介護支援専門員研修など、今回の改正に伴い体系化が図られた研修を着実に実施するとともに、地域包括支援センターなどに配置される主任介護支援専門員の活動を支援するため、支援困難ケースへの対応方法などを内容とした業務マニュアルを作成するなど、区市町村とも連携し、介護支援専門員の資質の向上に取り組んでまいります。

○斉藤委員 第百九十号については、おおむねわかりました。今後も介護支援専門員に対して--確かに介護保険の方が進むにつれて、自分で担当する件数が、ちょっと対応できるのかなと、はたから見て疑問に思うようなかなりの数を担当して、収入はあるんでしょうけれども、どのくらいきめ細かく利用者を見ているのか、疑問がつくような人もいましたので、そういったものが是正されるように、ぜひとも東京都の方も頑張っていただきたいというふうに思います。
 それでは、その次の二百六号について伺います。
 今回、抗インフルエンザウイルス薬、通称タミフルということで、この備蓄用購入について議案が出ているわけですけれども、新型インフルエンザがいつ発生するかわからない現在、備蓄が少しでも早く行われることが望まれるわけです。今回、東京都としては具体的に購入ということになったわけですけれども、確かに東京の場合、人口が密集しております。流行となれば、多くの都民の感染が予想されます。
 そこで、何点か確認をするんですけれども、今回、百万人分のタミフルを購入するわけです。この量については、国が都に指示した目標量設定と差があるのか、そしてまた、今後さらなる購入ということは必要ないのか、その辺を確認したいと思います。

○奥澤参事 行政が備蓄する抗インフルエンザウイルス薬タミフルは、国と都道府県とで二千百万人分を二分の一ずつ備蓄することとされております。この数量は、国が行動計画に基づき、新型インフルエンザが国内で大流行したときに必要な量として定めたものでございます。
 今回、都の行動計画に基づいて購入いたしますタミフル百万八千人分は、国が人口案分により示しました都の備蓄目標と一致しており、必要な量が確保されるものと考えております。
 なお、国は都道府県に二年間で備蓄することを求めているのに対し、都は、新型インフルエンザがいつ発生しても直ちに対応できるよう、全量を今回一括して購入いたします。

○斉藤委員 国及び東京都の行動計画に基づく必要量を、国は二年間で備蓄をするようにということで求めていたようですが、東京都の方は今回、一括で全量購入ということで、大変迅速な対応をしているのではないかというふうに評価をいたします。薬の消費期限が五年間というふうに聞いておりますので、当面は安心なのかなと思っております。
 ところで、これだけのものを東京都は確保しています、そういった中で、近隣の県、近隣でなくてもそうなのかもしれませんけれども、新型インフルエンザが発生したといった場合に、東京都が備蓄したタミフルを応援提供みたいな形で他の地域に持っていくということは想定されるのか、この辺を確認したいと思います。

○奥澤参事 新型インフルエンザが発生した場合には、発生した地域の都道府県がみずからの備蓄分のタミフルを供給いたします。国は、全国の流通状況やタミフルの使用状況を踏まえ、必要な地域に国の備蓄分千五十万人分の中から供給いたします。したがいまして、都の備蓄分はあくまでも都民向けでございまして、他の道府県に供給することは想定しておりません。

○斉藤委員 ありがとうございます。
 最後に、ちょっと意見ということで、東京都の方は全国に先駆けて早い段階で備蓄ができたということですが、今後、実際に発生するということであれば、都の方はある程度目標量はそろっているわけですが、またいろいろ国の方で、今の段階ではわからないけれども、そのときにまた何か別の判断があるということもないとは限らないんじゃないかということで、今後も少し心配はしております。
 ただ、やはり新型インフルエンザが起きないにこしたことはありません。万一発生した場合には、今回備蓄するタミフルを円滑かつ効果的に活用して、ぜひ都民の健康と安全を守っていただきたいというふうに思います。
 以上です。

○谷村委員 それでは、今定例会に提案されております抗インフルエンザウイルス薬、いわゆるタミフルの備蓄用の買い入れに関連して何点か質問させていただきたいと思います。
 現在の世界の鳥インフルエンザの発生状況ですけれども、これはどういう状況になっているのか、その現状と、新型インフルエンザの発生の危険性を都ではどういう認識をお持ちになっているのか、最初にお尋ねいたします。

○住友参事 新型インフルエンザにつきましては、国際的に監視、報告体制が強化されておりますけれども、現在まで、発生したとの報告はございません。
 しかし、新型インフルエンザへの変異が警戒されております鳥インフルエンザ、H5N1型の発生状況につきましては、アジア地域を中心とした流行が続いておりまして、本年に入ってからも、九月二十五日までの間に世界各国から、感染者は百二人、死亡者は六十八人が報告されております。特にインドネシアでは四十八人が感染して三十九人が死亡しておりますが、この中には、家族間での濃厚な接触という極めて限定的な状況ではございますけれども、人から人への感染も疑われるというような事例が報告されております。
 したがいまして、こうした鳥インフルエンザの流行国で、いつ新型インフルエンザが発生してもおかしくない状況にあると認識しております。

○谷村委員 一月にトルコで発見されたウイルスにつきましては、それまでは四十二度で、いわゆる鳥の体温で一番増殖していたといわれておりましたのが、人間の体温、三十六度で一番増殖するウイルスに変異したという状況のようです。
 これまで、一九一八年のスペイン風邪、一九五七年のアジア風邪、そして一九六八年が香港風邪と、基本的に十年から四十年の周期でインフルエンザが大流行しているという状況ですけれども、それまでのインフルエンザが、いわゆる弱毒性、弱い毒性で、呼吸器官でその症状というのはとどまっていたものが、今回心配されているインフルエンザにつきましては、強毒性ということで、強い毒性で、血流を通して全身に感染し、呼吸器にとどまらず、脳、腸管、肝臓、腎臓というふうに全身に感染していく。その鳥インフルエンザに感染した人の致死率は五三%になるという大変深刻なインフルエンザの状況があるわけです。これをインフルエンザと呼んでいいのかという指摘まで出ているようでございます。今回、現状では新型インフルエンザは発生していない状況にあるということですけれども、万一の発生に備えてタミフルを備蓄するなど、さまざまな準備を講じていくことが大切であるわけです。
 都では昨年十二月に行動計画を策定しました。それに当たって、本委員会では、東京都新興感染症対策会議の報告を受け、さまざまな議論をいたしました。私も質問させていただきましたけれども、新型インフルエンザが流行した場合は、想定として、感染の想定率、国の想定率が何%で、東京都の想定率が何%か、もしわかれば、ちょっと確認でお願いします。

○住友参事 新型インフルエンザが発生いたしました場合の罹患率につきましては、国では二五%と想定しておりますが、東京都は、人口の密集度合い等々を考慮いたしまして、三〇%と想定しております。

○谷村委員 一九一八年のスペイン風邪ですけれども、このときの罹患率というのが約四三%であるというふうに厚生労働省が国会の質疑の中で明らかにしています。一九一八年のスペイン風邪の罹患率が約四三%。当時の人口が五千五百万人で、現在一億三千万人です。通常、感染率というのは、人口の増加あるいは人口密度が高くなればそれだけ感染率が上がるという状況ですけれども、そのスペイン風邪ですら、いわゆる弱毒性、弱い毒性で、今回心配されているものよりも比較的緩やかなもので、そのときで四三%。
 国立感染症研究所と東大の生産技術研究所の共同チームによると、満員電車に乗って通学、通勤するというような状況も、時代の変化を見て考えると、最大で六六・四%まで感染率が上がる、そういうシミュレーションも出ているようであります。国が二五%、東京都は人口密度が高いということで三〇%を想定した対応をしているわけですけれども、それでいいのかなという懸念もあるわけであります。
 感染して発病すると、その方々も、発病から四十八時間以内にタミフルの服用を始めれば、発熱期間の短縮や重症化を防ぐ効果が期待されると伺っております。今回購入するタミフルは、こうした患者さん用であるわけですけれども、そこで、そうした患者さんを病院に運んだりする救急隊員あるいは患者を運ばれて対応していく病院関係者、医療従事者の皆さんが、そうした方々に接する前に、あらかじめタミフルを投与して感染が広がらないようにする必要があるわけですけれども、そうした方々、救急隊員や病院関係者、医療従事者の皆さんのタミフルの確保についてはどういう状況になっていますでしょうか。

○住友参事 新型インフルエンザの発生初期には、救急隊員や医療従事者等に対してタミフルを予防的に投与することにより、これらの従事者から都民への感染の拡大を防止するとともに、都民への医療の提供や患者の搬送体制を確保することが重要であると考えております。そのため、患者と接する医療従事者等に使用するタミフルにつきましては、今回購入する百万八千人とは別に、既に二万人分を確保しておりまして、速やかに使用することが可能となっております。

○谷村委員 この二万人分の確保については、随分ご苦労されたというふうにお伺いいたしました。割り当て数等もある中で、いつ発生しても対応できるようにということでご苦労されました、その危機管理の対応につきましては評価をさせていただきたいと思います。
 今回購入する百万八千人分のタミフルを適切に提供する体制についてでありますけれども、実際に新型インフルエンザが都内で発生した場合、特にパンデミック時などには、多くの都民の方々に、発病してから四十八時間以内に服用が開始できるように、タミフルを滞りなく、むだなく流通するようにしなければならないわけですけれども、この流通体制について円滑にするための対応というのはどのようにされているでしょうか。

○奥澤参事 新型インフルエンザが大流行したとき、いわゆるパンデミック時には、都は、患者の発生状況等に応じて、備蓄したタミフルが必要な医療機関に必要な量が行き渡るよう供給してまいります。このため、あらかじめ東京都医師会、東京都薬剤師会及び東京医薬品卸業協会等の関係機関と調整の上、タミフルの納入時期までに供給方法や情報連絡体制などについて必要な協定を締結し、都民へのタミフル供給体制の確保に万全を期してまいります。

○谷村委員 購入して、その百万八千人分が必要な患者の皆さんに、あるいは必要な医療機関に適切に流通できるように、供給できるようにするのはこれからということでよろしいですね。
 かつてインフルエンザのワクチンが不足した、SARSの前だったでしょうか、SARSが発生する前に、医療機関でワクチンが不足したという時期がありました。それが終わってみれば、実はこういうところにたまっていました、民間の診療所等ですとか、あるいは企業の中の診療所等に実は余っていたというようなことがあったりしましたので、百万八千人分の購入をし備蓄をしていても、それがきちんと流通経路に乗っていかなければ、パンデミック時の対応というのはなかなか速やかにできないのではないかと思いますので、きちっとした対応をお願いしたいと思います。
 アメリカなんかは、新型インフルエンザが発生した際の対応として、連邦政府でできることと、連邦政府でもできませんよということを明確にして、民間に、あるいは国民の皆さんにきちんと対応、備えるようにというふうなことを明確に出したりしております。具体的には、最低十日間の水と食糧の備蓄を用意してほしいとか、栄養のバランスを考えて、具体的な缶詰の中身まで行動計画の中に指示をしている。それぐらい国家的危機管理ということで対応を開始しているわけであります。
 例えば各国の行動計画なんかでは、このインフルエンザの症状が軽い感染者については、病院には行くなという指示まで具体的に出しているわけですね。いわゆる病院に行くことによって、そのアクセスを利用することによって、逆にほかの人にまでうつしてしまう。危機管理の原則として、非情なまで明確に、症状が軽い場合は病院に行くな、薬を服用して、十日間の水と食糧で耐えてくださいと、感染を抑えるための行動というものを明確にしているわけです。
 現在、日本の行動計画にはそこまで記載されるような状況にはないようでありますが、フランスなんかでは、ドビルパン首相が陣頭指揮をとって全土で新型インフルエンザの演習等も行うぐらい、国家的危機管理の対応としてやっているようでございます。
 そういう意味では、日本の新しい総理大臣も危機管理の対応に明確に行動してくださるだろうと思いますけれども、東京都としても、それだけの新型インフルエンザの発生に的確に対応できるように、危機管理的意識を持ってこの新型インフルエンザには対応していかなければならないと思うわけですが、局長のご決意みたいなものを少し伺ってもよろしいでしょうか。

○山内福祉保健局長 本当に先生ご指摘のように危機管理の観点がないと、死亡率も非常に高いという、非常に猛毒性を持った病気というか疾病でございますので、我々としても全庁挙げて、我々の局だけではなくて、全庁、横の連携もきちっとした上で対応していきたいというふうに思っております。

○谷村委員 ぜひともお願いいたします。
 今回、危機管理監なんかも新しく任命されておりますけれども、この新型インフルエンザの対応というのは、今、局長がおっしゃっていただきましたけれども、危機管理という対応でしなければ大変なことになってしまう。場合によっては、電気、ガス、水道のいわゆるライフラインといわれるものまでが、この新型インフルエンザの発生によってとまってしまうかもしれない。電気がとまれば、病院も、あるいはそういった患者への対応のものについても全部ストップしてしまう。それぐらいの危機感を持っての取り組みを各国で行っているわけでございまして、国の対応が悪ければ、東京都としても危機管理という対応で明確に打ち出していただいて、いつ新型インフルエンザが発生しても対応できる姿勢を都民に明確に打ち出していただいて、都民の皆様の健康と安全、そして安心を守っていただきますように心よりお願いいたしまして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

○かち委員 それでは私の方から、百九十号議案、福祉保健局関係手数料条例の一部を改正する条例案について質問させていただきます。
 高齢者の介護保険制度を円滑に進めていく上でのかなめの役割を果たしているのが、介護支援専門員、ケアマネジャーであります。本年四月から改定された介護保険制度のもとで、新たに介護予防という分野も加わり、最近では、高齢者虐待を初め、がんの終末期や難病など医療的対応も求められるなど、その守備範囲はさらに広がり、高度な判断とマネジメント技術が要求されています。
 複雑化する制度の中で、多種多様な条件や環境の中にある高齢者の実態に合った的確なケアマネジメントの力量アップは、社会的視点に立っても必要であり、ケアマネ研修の充実は不可欠であると思います。しかし、そのことと、高い受講料を払い研修を受けなければ認定が消失してしまうということとは別問題だというふうに思っています。
 今回、ケアマネ研修に関する手数料の値上げと新設の条例案が提出されています。先ほどの斉藤議員の質問で、ケアマネ研修制度の今回と前回の違いはどうかという点でご答弁がありました。
 もう一度要約をしたいと思いますけれども、今回ここに数字が、新制度で手数料が幾ら幾らというのは出ていますけれども、これはどういうことかといいますと、これまでのケアマネ実務研修受講試験というのがあって、それに合格すると実務研修を全員が受けなければならない。それが今までは三十五時間だったのが、今回四十四時間になって、それがこの改定案で出ている、二万円が二万六千四百円になるということなんですね。で、認定を取得した後に実務につきますよね。仕事に入る。そして、一年以内に三十時間の基礎研修を受けることが、これも規定されています。これは東京都の考えでも、広く研修を受ける機会を設けるという趣旨から、教科書実費程度の徴収ということで五千円でありました。
 その後については、適宜研修があっても、今回のような万というようなお金を払って受けなければならないという研修はなかったわけですけれども、新たな今度の制度ではどうなるかといいますと、五年以内に実務経験者研修というのを受けなければならない。それが三万一千五百円。これは初回分ということなんですね。その後は五年ごとに更新研修ということで、毎回一万五千五百円払って受講、受けていかなければならない。これを受けなければ、認定期間が五年しかありませんので、その認定資格が消失してしまう。働いていても資格がなくなってしまうということなんですね。
 しかし、現在、医療関係の有資格者でも福祉関係の有資格者でも、このように五年ごとに研修を義務化している職種はないわけです。しかも、受講料については法的な規則ではなく、都道府県の裁量で行うというのが今度の法改正なんですね。
 もう一つの改定案としては、主任ケアマネの研修が新設されるということで、これも何と四万八千四百円という大変高額な受講料を払わなければならないという今度の案です。
 伺いますけれども、今現在、都内でケアマネの有資格者は一体どのぐらいいるのか、そのうち実務に従事している人はどれくらいいるのか、また居宅介護事業者はどのぐらいあるのか、お聞きします。

○狩野高齢社会対策部長 平成十八年九月一日時点で、東京都に登録されております介護支援専門員の有資格者は三万一千六百九十八人でございます。
 さらに、都内の居宅介護支援事業所、介護保険施設等において実務に従事している介護支援専門員は、推計で約一万一千人でございます。
 都内の居宅介護支援事業所は、三千四百九カ所でございます。

○かち委員 有資格者が三万人を超えているんですけれども、実際に実務についている方はその三割、一万余ということなんですね。三割しか働いている人がいないということの背景には、さまざまな理由があると思いますけれども、一つには、ケアマネの仕事の大変さから、資格を取っても実務につかないという人もいますし、途中でやめてしまうという人も少なからずあると聞いています。介護予防の課題も出てきて、ケアマネジメントを必要とする対象はこれからどんどん増加していくという傾向の中で、今、ケアプランを受けてくれる事業所がないということで、ケアマネ難民の問題も社会問題化しているわけです。
 こうした中で、先ほどご説明がありましたけれども、事業所が受け持つ軽度の介護予防対象のケアマネジメントの数の限定、これについては本来十月から施行ということでしたけれども、余りにも実態に合わないということで、これが来年三月いっぱいまで延期をされるという事態にまでなっています。ケアマネのスキルアップは、研修の中身の充実とともに、社会貢献的にどう還元できるかということが問われているのではないでしょうか。
 先ほどの主任ケアマネの研修受講料が四万八千四百円となっていますけれども、この研修はどういう人を対象にしているのか。また、この料金の算出根拠はどういうことでしょうか。

○狩野高齢社会対策部長 主任介護支援専門員研修の対象は、地域包括支援センターに経過措置により配置されている介護支援専門員や、介護支援専門員としての実務経験が常勤専従で五年以上ある者などであって、かつ一定の研修を修了している者でございます。
 また、主任介護支援専門員研修は、個人の資格取得にかかわる研修であり、受講することが本人の利益となるものであることから、研修受講料については、教材費に加え講師謝礼や会場使用料など、研修の実施に係る費用を受益者負担の観点から負担していただくものでございます。

○かち委員 新介護保険制度のもとで、地域包括支援センターに主任ケアマネを置かなければいけない、これが法律で決まりました。それから、特定事業所、一定数の介護度の重い対象のケアプランを立てている事業所については、この主任ケアマネの資格が必要だということも課題になっているわけですけれども、問題なのは、四月からスタートした地域包括支援センター、ここに既に主任ケアマネがいなければならないという状況でありながら、今なお設置されていないという経過がありますよね。それについては早急に、人材養成に責任を持つ都として、人材を育成して配置しなければならないという行政的な責任が発生しているというふうに思います。
 それで、先ほどのご答弁では、受講料の算出根拠は受益者負担の考え方だというふうにお答えになりましたけれども、厚生労働省の主任介護支援専門員の養成についての考え方というのが出ていまして、これには、基本的な考え方として、地域や事業所内で他のケアマネに対する指導助言を与えたり、各種サービスの連携促進を担ったりする人材を養成することで質の向上を図ることであり、個人のスキルアップのためだけの研修ではない、こういうふうに書いてあるんですよね。個人の利益のためにだけ研修するものではない。厚労省の方からこういうふうに書いてあるわけです。
 では、東京都の地域包括支援センターの設置状況というのは今どうなっているでしょうか。

○狩野高齢社会対策部長 東京都内における地域包括支援センターの設置数は、平成十八年九月一日現在、三百十八カ所でございます。島しょ部の一町六村を除く全市町村に設置されております。
 なお、先生ご指摘のありました地域包括支援センターに、現在はまだ主任介護支援専門員の研修が始まっておりませんので、正式の主任介護支援専門員は配置されておりませんけれども、それに準ずる者は配置し、都として研修を実施して、きちんと主任介護支援専門員として配置をしていく予定でございます。

○かち委員 そのことをわかっていて質問させていただきました。だって、主任ケアマネ制度そのものがまだスタートしていないわけですからね。ない中で、介護専門リーダーですか、そういう人を配置している。その人たちに早く主任ケアマネに育っていただかなければならないということに東京都が責任を持っているということなんですね。
 それで、今の地域包括支援センターの設置状況、全部で三百十八カ所ということですけれども、二十三区と、市区町村においては一応、多い少ないはあっても配置をされていますけれども、やっぱり問題なのは島しょ地域ですよね。ここにはまだ全然配置できていない。これは自治体の状況もありますし、どうやって配置していくかというのは、東京都も含めて本当に検討していかなければならない課題ですけれども、それにきちんと責任を持っていくためにも人材を派遣しなければならない、そういう問題はあるわけです。
 こういうことを考えると、まさに地域包括支援センターの設置と人材育成というのは、行政的要素がかなり強い問題ではないかというふうに思うんですけれども、この主任ケアマネ研修料金について、首都圏近県の取り組みというのはどうなっていますか。

○狩野高齢社会対策部長 近県の状況でございますが、神奈川県におきましては、主任介護支援専門員の受講料については、教材費相当額の実費を徴収する予定であると聞いております。千葉県及び埼玉県については、現在方針を検討中であるとのことでございます。

○かち委員 私もそれぞれ聞いてみました。埼玉県では今検討中というお話でしたけれども、当初は、行政的要素が大きい位置づけということで、受講料は無料で行いたい、テキスト代程度にするか、あるいはどこまで受講料に補助できるか、そういうことを検討しているんだというお話でした。神奈川県も千葉県も同じ理由で、現在、受講料は当面無料にするといっておりました。少なくとも地域包括支援センターの主任ケアマネ育成分については県で責任を持つ、これが共通した考えのようでした。(「正式のコメントなの、県の」と呼ぶ者あり)私は直接聞きましたよ。
 人材の基盤整備にも責任を持つ都として、このような研修は受講料など取らずに、東京都が直接行うべきだというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。

○狩野高齢社会対策部長 主任介護支援専門員が地域包括支援センターに配置された場合におきましては、地域包括支援センターが区市町村の責任のもとに設置される公的機関であることから、そこにおける主任介護支援専門員の業務も、地域の介護支援専門員への指導助言やネットワークづくりなど、公的な役割が求められるものでございます。ただし、この役割は主任介護支援専門員の資格に由来するものではなく、あくまで配置先である地域包括支援センターの業務の性格に基づくものでございます。
 なお、主任介護支援専門員は、地域包括支援センターのみならず、広く民間の居宅介護支援事業所にも従事し、事業所全体のケアマネジメントの質の向上を図る役割も担うこととされており、主任介護支援専門員を配置する居宅介護支援事業所には、一定の要件のもとで介護報酬上の加算措置も講じられております。

○かち委員 今お話がありました主任ケアマネという業務名、業務においてのみ行うのではなくて、質的な向上が必要なんだということをいわれたと思うんですね。それは本当にそうだと思うんですよ。そうであればこそ、早くその質のレベルアップ、力を持った人を輩出するという意味で東京都が責任を持つべきだと思うんです。
 受講料をすべてコスト計算で受講者の負担とするというようなことで、何らの減額、補助もなしに対応しているのは東京都だけですよね、近県を含めて。東京都としては受益者負担の考え方のようですけれども、制度の仕組みとして、主任ケアマネは必要な人員配置なのですから、こうした研修は受講料など取らずに、都が責任を持って行うべきです。
 また、都の更新研修の受講料についても余りに高過ぎます。これからますます必要となるケアマネの社会的貢献を促す上でも、せめて受講料の負担軽減策を考えるべきだということを述べまして、質問を終わります。

○山口(文)委員 介護保険制度の導入によって新たな職種として誕生した介護支援専門員、ケアマネジャーともいわれていますが、この人たちの仕事は、介護を必要とする人の状況に合わせてサービスが利用できるように相談に乗り、介護サービス計画をつくることを支援し、サービス提供事業者などとの連携や調整を行うのが主な任務になります。計画作成に当たっては、自立を支援するという視点を見失わず、適切なサービス計画の作成が求められ、介護保険制度のかなめともいわれております。
 しかし、東京都国保連による東京都の介護サービス苦情相談白書のサービス種類別に見た苦情件数によれば、このケアマネジャーに対する苦情が、昨年度、全体の二五・六%を占めています。ケアマネジャーの質の向上を目指して、都も制度施行以来、研修等に取り組んでいますが、今回の議案である手数料条例の一部改正は、この制度の改正に伴うケアマネジャーの研修体系の見直しによるものです。少し重なりますが、その背景と見直しの内容について再度伺います。

○狩野高齢社会対策部長 今回の見直しの背景でございますけれども、高齢者が要介護状態になっても、できる限り住みなれた地域で自立した生活を送るためには、介護サービスを効果的、効率的に提供できるよう、適切なケアマネジメントを行うことが重要でございます。
 その役割を担う介護支援専門員につきましては、今回の制度改正の中で、体系的な研修を実施することにより、自立支援、利用者本位などの基本理念の徹底と実務能力の向上を図ることとしたものでございます。
 具体的には、制度改正により介護支援専門員の資格更新制が導入されたことに伴い、その五年ごとの更新に際し、専門職としての能力の維持向上を図る観点からの更新研修が義務づけられたほか、地域包括支援センターや居宅介護支援事業所において指導的な役割を担う主任介護支援専門員の資格が創設されたことに伴い、これを養成するための研修が新たに設けられたところでございます。

○山口(文)委員 受講料ですけれども、介護支援専門員の基礎研修については、受講料が五千円と聞いています。専門研修、更新研修と受講料に開きがあるようですが、その設定の仕方について説明をお願いします。

○狩野高齢社会対策部長 ご質問の実務従事者基礎研修は、実務経験が一年未満の介護支援専門員に対し実務能力の向上を図るために実施する研修であり、対象者に広く受講を促す観点から東京都が補助を行い、受講者負担は教材費相当額の五千円としているところでございます。
 一方、今回条例提案をしております各研修は、いずれも介護支援専門員の資格取得にかかわる研修であり、受講することが本人の利益となるものであることから、教材費に加え講師謝礼や会場使用料など、研修の実施に係る費用を受益者負担の観点から手数料としてご負担いただくものでございます。

○山口(文)委員 ケアマネジャーの社会的認知は予想以上に進みましたが、要介護者のアセスメントからニーズを見出し、適切なサービス計画を作成するという本来の専門性はなかなか発揮できていないようです。
 ケアマネを抱える事業所がサービス事業所から独立し、単独型になることで、より公正中立な介護サービス計画が作成できるということは、制度施行当初から生活者ネットワークは提案をしてきました。そのために、介護報酬単価の設定課題など、都は引き続き国に要望していただきたいと思います。
 さらに、一部専門家には、ケアマネのスキルアップに、こうした更新制度よりも、いわゆるケアカンファレンス、チーム会議ですか、これを重ねることが、より質を高めることにつながっていくということもいわれております。
 介護支援専門員と居宅介護支援事業所が本来の機能を発揮できるよう、制度の充実を求めて、質問を終わります。

○藤井委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 付託議案に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○藤井委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。

○藤井委員長 次に、議員提出議案第十六号から第十八号までを一括して議題といたします。
 本案について、提出者の説明を求めます。

○かち委員 お時間をいただいて、ありがとうございます。それでは、議員提出議案三件についての提案理由を説明させていただきます。
 初めに、第十六号議案、東京都子どもの医療費の助成に関する条例は、現在は要綱で実施している乳幼児医療費助成事業を条例化し、第一に、対象年齢を就学前から義務教育終了、すなわち中学生まで拡大すること、第二に、現在の児童福祉手当に準拠した所得制限を撤廃することです。あわせて、二〇〇〇年の改定で自己負担が導入された入院食事代への助成を再開するものです。
 乳幼児及び子どもへの医療費助成は、既に各区市町村によって主体的に取り組まれており、本条例は、第一条、目的で、区市町村と一体となってと規定しているとおり、強制ではなく、実施する区市町村を支援しようとするものです。条例は、経済的支援の拡充を求める子育て家庭の要望にこたえるとともに、最も深刻な少子化の打開にとっても重要と考えます。
 既に二十三区では小中学生への医療費助成を実施している区が多数となり、最近も世田谷区が年内の実施を発表しました。しかし、区部と比べて財政力が弱い市町村では実施はごく一部にとどまっており、東京都市長会、町村会から、都の対象年齢の拡大と財政支援が要望されており、特別区長会からは所得制限の撤廃が要望されています。また、議会においても、二十三区議長会から、対象年齢の拡大と所得制限の廃止が要望されています。本条例は、多くの都民と区市町村や議会の要望にこたえるものです。
 次に、第十七号議案、東京都シルバーパス条例の一部を改正する条例についてですが、本条例は、第一に、シルバーパス交付の費用について、新たに「、所得に応じて」の文言を加えること、第二に、乗車できる交通機関として、多摩モノレール、新交通「ゆりかもめ」を加えるものです。「、所得に応じて」を挿入することは、住民税課税者は一律二万五百十円ではなく、課税者の中でも一定所得以下は負担額を軽減できるようにするためで、二万五百十円は高過ぎるという高齢者の声にこたえるものです。具体的に規則にゆだねられますが、所得一千万円以下の者は負担額三千円を考えています。
 なお、多摩モノレールを対象拡大することは、市長会からも要望されており、「ゆりかもめ」だけでなく、日暮里・舎人線も事業化された段階で対象とすべきと考えています。
 次に、東京都心身障害者福祉手当に関する条例の一部を改正する条例です。
 条例は、第一に、身体、知的障害者に支給されている月一万五千五百円の福祉手当を精神障害者にも支給すること、第二に、条例の名称及び手当の名称から心身を削除し、障害者福祉手当と改めるものです。また、二〇〇〇年の改定で対象外とされた六十五歳以上の新規申請も再開するものです。
 従来から、精神障害者は、身体、知的障害者に比べて手当や交通費助成がないなどの格差があり、その是正が、精神障害者や家族団体から長年にわたって要望されてきました。条例は当事者の要望にこたえるものです。
 今定例会でも、身体、知的、精神の三障害一元化がこれからの障害者福祉の理念だということが強調されました。その意味からも、福祉手当について精神障害者も対象にすべきであり、市長会の要望でもあります。
 三つの条例による財政負担は、推計ですが、子ども医療費助成について、対象年齢の中学生までの拡大と所得制限廃止などで約百四十四億円、シルバーパスの負担軽減と対象拡大で約四十四億円、精神障害者への福祉手当で約二十億円、合計で二百八億円と推計されます。
 三条例の実施は、財政的には六兆円規模の都の財政力、さらに最近の都税収入の向上という状況から見れば十分可能だと考えます。また、定率減税の廃止、各種控除の廃止などの税制改定による都民税の増税分だけで四百九十億円であり、都民に還元すべきと考えます。
 子ども医療費助成の小中学生への対象拡大は、都議会でも区市町村会でも、他の会派の皆さんからも要望されているものです。また、他の条例案についてもご賛同いただけるものと思います。各会派の皆さんの賛同を願って、提案理由の説明を終わります。
 以上です。

○藤井委員長 説明は終わりました。
 これより本案に対する質疑を一括して行います。
 発言を願います。

○野島委員 せっかくの提案でありますから、何点かお尋ねしたいと思います。
 答弁者を指定するようなことはいたしませんので、どなたが答弁されても、委員長席に駆け寄るようなことはいたしませんので、あらかじめ申し上げておきたいと思います。
 私は、三つの出された条例のうち、東京都子どもの医療費の助成に関する条例に関してのみ質疑をいたしますので、以下、本条例と申し上げた場合にはこの条例というふうにご理解いただきたいと思っております。
 私は、第一次ベビーブームのときの戦後二十四年生まれなんです。その私も、子どもが大きくなりまして、まだ世帯は持っていませんが、孫の顔が見たいなと、こういう年に相なってまいりました。そういうことを考えますと、ここ十年ぐらいが、いわば子育てにいろんな資源を投入していかなきゃいけない大事な時期である、そのことが日本の少子化に歯どめをかけていく、あるいは将来の社会制度の安定的な運営のためにも、年齢構成のならしをしていかなきゃいけない大事な時期だというふうには認識をいたしております。
 今、うちの子どもなんかにも聞くんだけれども、結婚しない、子どもがいない、つくらないって、たくさんいるんですね。なぜなのという疑問にぶち当たるんです。私は、一律に子育てにお金がかかるからということじゃないというふうに思っていますよ。あるいは育児と仕事が両立できないから、これも一つの理由でしょう。僕はそれを単純に割り切るということはなかなか難しいと思うんです。しかし、今申し上げましたように、この十年がチャンスとするならば、そこに対して思い切って財源を入れていく、こういう認識を私は実は持っております。とりわけ本条例は子どもの命とか健康ですから、これが心配だったら、子育てもできないし、子どもを置いて勤めにも行かれない、こういうことでありますから、極めて重要なことと、こんなふうに思っております。
 そこで、私どもも実は都議会自民党として、六月に知事あてに、医療費助成の対象範囲の拡大、つまり区市町村が義務教育終了前の小中学生に医療費の自己負担の軽減が図れるよう、助成制度の拡充を石原知事に申し入れた、こういう経緯があります。そういう意味では、日本共産党さんの提案も、私どもと基本のところでは一緒だというふうに理解はしております。理解もじゃないです、理解はしているんです。
 そこで、今、提案の理由を申し述べていただきました。それから提案理由にも書いてあるんですが、今、都が独自に実施している東京都乳幼児医療費助成事業というのがありますね。これは条例化されてないわけですね。関係で考えますと、対象の拡大、それから年収の制限を入れないよとか、事業の拡大、こういうふうなことでこの助成事業をより高めていく、止揚していく、こういうふうにとらえてよろしいんですか。提案理由にはそういうふうに書いてあるんですけれども、いかがでしょうか。

○吉田委員 地方行政に大変経験の深い野島議員から質問していただきまして、ありがとうございます。くしくも年齢は、私も昭和二十四年生まれでございます。
 今お話がありましたけれども、自民党としても基本は一緒であるということがお話がありました。ぜひ賛同いただいて、本都議会で成立させていただきたいということを改めて述べておきます。
 私どもの条例提案は、既にかち副委員長からも提案があったとおり、対象年齢については義務教育終了まで、すなわち小中学生まで拡大をする。さらに、所得制限は撤廃をし、また、入院食事代などに対してもきちんと助成をするという点で見れば、現制度をさらに前進させるものであるというふうに私たちは考えております。

○野島委員 次に、現行の助成制度は、市区町村が事業主体に対して二分の一を出しましょう、こういうことだというふうに理解しております。
 この条例の中で、目的はわかりました。次に、東京都の措置というふうに書いてあるわけですね。これは議員提出議案でございますから、成立しますと、この理念が規則を縛るという形になると思うんです。執行側の提出法案ですと、成立したら、私どもはこういう規則を持っていく、それはこの条例の理念に照らしてこういうことなんですよという説明を受けられるんだけれども、これを一方的に可決しちゃって、執行側に委任しちゃうわけでしょう。前条の目的を達成するため、東京都は、東京都規則の定めるところにより負担すると。そうすると、どういう規則ができればベストなのかというのがあるわけですね。
 だから、条例の難しさというのはそこにあると思うんです。ただ単に宣言するならばこんな問題はないんだけれども、現に、各区市町村をある意味では縛るということかは別にして、さっき一条の説明がありましたけれども、そのかかわりも出てくる。財政負担も出てくる。あるいは区と市町村は違うわけですね、制度的に財政の枠組みが。そういう中で、どういう規則をつくっていくのかということを執行側が委任されても困ると僕は思うんです、正直なところ。
 だから、ここで示せなんて、そんなことはいいませんよ。条例が成立しなきゃ規則はつくれないとあなた方が答弁するだろうから、それはそれで構いませんが、概要として、どういうふうなものを求めていくのか。今、私は、助成事業の大枠というのは大体わかるんですよ。それが今度こうなったときに、どういうふうに変わっていくのかということを、口頭で結構ですから、規則案を出してくれなんて、そんなことはいいませんから、口頭でひとつご答弁いただければありがたいと思います。

○吉田委員 大変深い意味合いの質問をいただきましたけれども、我々は、現行の要綱を前提としてこの条例を提案させていただいております。この条例が成立した段階で、当然それは執行部に対して、これに伴う予算措置を講ずることが求められるというふうに考えております。
 なお、具体的な規則では、東京都がどれだけ負担するのかということが問われることになりますが、私どもとしては現在の要綱を前提として考えておりますけれども、市町村からは補助率の引き上げというふうなことについても強い要望があることは既にご承知のとおりです。具体的な施行は来年の十月というふうに想定しておりますけれども、ぜひそれに向けて、区市町村側などと東京都も協議をして、適切な規則が定められることを期待しているところです。

○野島委員 わかりました。もうそれはそれで結構でございます。
 それで、端的にお聞きするんですが、実施する区市町村を支援するということは、すなわち区市町村がそういうしっかりした条例を持っていなきゃいけないわね。それにこの助成条例が絡むわけでしょう。これ、区市町村というのは補助裏なしでやるの。補助裏は出てくるの。要は全部東京都が持っちゃうんでしょう、十五歳まで、所得制限なしで、オールカマーで。オールカマーなんていう言葉はあれだけれども、全部結構です、こういう趣旨ですか。

○吉田委員 区市町村の負担はもちろん出てまいります。
 なお、先ほど、かち副委員長の説明でもありましたけれども、これはあくまでも東京都と区市町村が一体でということが条例でも書かれております。決して強制をするものではありません。ただ、条例として制定するわけですから、区市町村でもそれに対応することを期待しているということは事実であります。

○野島委員 わかりました。詳細な制度設計をここでやりとりしてもしようがないので、それはこっちに置いておきます。
 いわば東京都が丸抱えで、都事業じゃないわけだから、区市町村でやって、それとの絡みの中で現行制度を精査しながら、なおそれを拡大していくような規則をつくれ、こういうことでしょう、規則委任事項についてはね。それはそれでわかりました。
 それで、補助裏なしならもう御の字ですよ。共産党さんが何で補助裏なしでやれといわないのか、僕はそれが不思議でならない、まずそれがね。それは疑問ですから、質疑じゃないです。疑問なんです。
 それで、九月二十六日の日経だと思うんですが、「市区町村の医療費助成」という記事が出ているんですね。港区、乳幼児から中学三年まで、入院・通院費の自己負担分助成。これが一番進んでいるんですか。私の住んでいる東久留米、孫が生まれたらどうなるのかなと思いまして見てみたんです。そうしましたら、東久留米市は二歳未満は所得制限はないですよと。これはことしから始めたはずなんです。それ以外は所得制限を入れていますよ、こういうことなんですね。それで、さまざまな自治体での取り組み、こういうことであります。
 ところで、この事業は、この事業というのはこの条例の事業じゃなくして、さっきいった、皆さんは今の助成事業をより止揚するものという話でした。この軽減事業は市区町村がやっていた。それを平成六年一月、都が助成を開始した、こういう経過があるんですね。それで今日に至っている。それを皆さんは、もっと止揚しなきゃいけないと。だから、条例の中に、都丸抱えじゃないですよ、市区町村が事業を持って、それに対して助成していくよという話なんでしょう。そうですよね。
 それで、先ほどかち副委員長さんから、財源がないから市町村は大変だとご同情いただきまして、まことにありがとうございます。それも事実です。しかし、財源がないからできないじゃないんですよ。施策の選択なんですよ。東久留米はことし、二歳まで所得制限を取っ払いました。僕はかつて籍を置いていたところですから、推測です。財源がないのは、それは一つは事実。と同時に、かつての革新市政のときと違って、今、公立保育園の改革をやっているんですよ。その途中なんです。前に保育事業で話したんだけれども、採った人たちが今一番高どまりしている、給与が。これを乗り越えなきゃ、みんな人件費に食われて福祉財源はなくなっちゃう。と同時に、民間委託なんかも積極的にやって、財源を浮かしながら二歳まで拡大した、こういうことですよ。
 それから、このお金が全く天から降ってくれば、僕はこの話は乗ってもいいと思う。しかし、財源なんていうのはそんなものじゃないですから。そういう条例、子育て支援で東京都がつくって、後は各区市町村の自主的な判断でというお話だけれども、そんなもので現場がもつわけないんですよ、この大都市で。隣の市がやっていればこっちの市もという当たり前の話なんですよ。
 そういう意味では、僕は縛りとはいわない、皆さんも縛っているといっていないから。だけど、ある種政治的な縛りというのは確実に出てきます。そのときに、いや、私たちは東京都のそういう助成をこの医療費に突っ込むんじゃなくして、むしろ福祉基盤の確立のために、魅力のある福祉施策、幼児教育でも何でもいいわ、子育て施策をやっていきたいとか、あるいは、もう建物が改修期を迎えちゃっているから、あんなところに子どもを危なくて預けられない、何だ、あの給食施設はと、こうなってくるから、そこにそういう金を入れていただきたいという思いが、各区市町村いろんな思いがあった。それぞれあるはずですよ。福祉あるいは子育てに限ってもいい。こういったふうなものがあり、待ってほしいというのもあるかもしれない。したがって、お金がないからなんて、そういう失礼なことをいわれても、僕は東久留米市民としては極めて残念だと、こういうことです。
 いわば財源論じゃなくして、各区市町村の子育ても含めた福祉の選択なんですよ。と同時に、子育てをするときに、どの事業を優先していくかという事業の優先の選択なんです。それを東京都で条例をつくって、政治的な縛りが出てきますよ。共産党さんの市議会、区議会議員の人は、これが成立したら大喜びだ。東京都が条例を持っているのに何でやらないと。いや、補助裏がありませんからと乗り切れると思いますか。乗り切れないですよ。そういう縛りをかけちゃいけない。
 分権社会なんだから、それぞれが地域の実情の中でどうやっていくかということを、広域自治体としての東京都が、子育てにしてもどう支援をしていくのか。医療費助成では、広域的自治体として全体を見回しながら、どこまで助成していくかと考えることはいいけれども、こういうことはやるべきではないんじゃないか、こんなふうに私は思っておりますが、いかがでしょうかというよりも、もう見解が違うでしょうから……。(吉田委員「いや、せっかくだから」と呼ぶ)いや、いいです。いいです。
 それで、今申し上げましたように、いわばそういうことですから、二百億--いいんです、一億でも二億でも。それは別に額の問題じゃなくして、自治の制度論として、区市町村行政と都道府県、広域行政の役割というのはそういうところだと思いますよ。
 したがって、私は、こういう部分というのは、東京都の共産党さんも含めて、皆さんのいろんなこういう事業に対する意見も十分に聞きながら、区市町村の要望も意見も、乳幼児医療だけについてじゃないですよ、福祉施策、子育て、十分協議をして、こういうことであれば全体として止揚できる、乳幼児医療も止揚できるよ、あるいはほかの施策も止揚できるよと。こういう総合政策をしなくて、パフォーマンスなんていう言葉は失礼だから私は申し上げないけれども、後は規則で委任しますという条例を議員立法で出すというのは、執行側がオーケーですよといっていればこれは考えものですよ。だけど、僕はそういう段階じゃないと思うんですね。
 何か答弁がありましたら、どうぞしてください、せっかくの機会ですから。

○吉田委員 なかなか深いご質問といいますか、演説を聞かせていただきました。
 率直にいいまして、やはり要綱を条例化するということの適否については、私どもとしては慎重に検討したつもりです。ただ、確かに子育て支援策は、各区市町村においてそれぞれの判断で、いろんな、どこに重点的に力を入れるかなどということは、大いに自主的に発揮される分野だと思います。ただ、少なくとも子ども医療費の対象年齢の拡大ということについていえば、かち副委員長の提案理由にもあったとおり、東京都市長会あるいは町村会からは繰り返し要望されている。この点では少なくとも、いろんな施策はありますけれども、一致して都議会としては応援していくということが求められているんじゃないかと。
 なお、念のためにといいますか、提案するに当たりまして、東京都市長会、まあ事務局長さんにしか会えませんでしたけれども、お邪魔いたしまして、条例提案をしたいということについても説明をさせていただきました。--(三十一字削除)--ぜひそういう期待にこたえるように議会として賛同していただきたいということを述べまして、私の答弁といたします。

○野島委員 わかりました。もうこれで終わります。
 私の申し上げたいのは、冒頭、かち副委員長の方から提案理由の説明がありました。助成制度をより止揚し、発展させていくものだと、こういうことであります。しかし、今の答弁、はっきりしないんですよ。要するに私が申し上げているのは、自治制度論として、広域自治体、区市町村、こういった自治制度論としていかがなものかということが一点。それから、これはもう政治のスタンスの違いですから何とも申し上げませんが、財源をどこにどう張りつけていくことがいいのかと、こういうふうな形のものも十分精査する必要があるだろうと思っております。
 そこで、--(三十二字削除)--極論しますと、財源をどう使ってくる、政治論としてはこれは見解の相違です。ただ、我々は、千二百万都民あるいは二十三区、二十六市、何町村かな、そういった行政が日々努力をしている、そういう中で、規則は準用で委任してください、それで、この制度ができてきた経緯はなるほどそのとおりだけれども、今度は条例ですよと、ある種政治的な、ある種と僕はいっているんですよ、縛りをかけるなんていっていません。ある種政治的な縛りの出てくるような条例を議員提出議案として提出することは、私には理解できないということで、これは終わりたいと思います、一点はね。
 あと、所得制限を外すの、これはもういいです。私ども、本会議でもこの間、日本共産党さんは、というふうに政党を名指しでいって、いわばばらまき的だとかいろいろ申し上げておりました。これも所得制限を外すということですよね。
 所得の多い少ないで垂直的な公平にするためには、累進税率だとかなんとかをしながら所得の再分配機能を図っているわけだね。で、横軸では、同じ施策の対象者として、お金を稼いでいる人は自前でやってくださいと。そうすることによって、稼いでいない人に金が回っていくんですよ。自前でやってくださいということで僕はいいと思うんです。それは水平の中での公平感です。日本共産党のいう公平公正な負担のあり方というのは、僕はそうだと思う。民主集中制で、一国政府が全部やるというのは、これは別ですけれども、今の日本の中ではそういうこと、水平と垂直の負担をやっぱり求めていかなければ、この国は美しい国にならない、そんなふうに思っております。
 それについては、私は特に見解を求めません。ぜひ本会議でも何でも結構ですから、討論なり入れておいてください。私どももまた入れる機会もあろうかというふうに思っております。
 以上で質疑を終わります。大変ご無礼なお話を申し上げましたが、自治制度論、それから、現に執行していく、そういう東京都の立場あるいは各区市町村の立場、それから、一番大事なのは、今後の社会保障も含め、これは社会保障というかどうかわかりませんが、広い意味での社会保障を含め、日本共産党さんのような負担論をとっていったら、逆に国民が公平公正じゃないというふうな大きな反論も出てくるであろうということを申し上げまして、質疑を終わります。
 ありがとうございました。

○藤井委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○藤井委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で福祉保健局関係を終わります。
 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後二時十七分休憩

   午後二時三十一分開議

○藤井委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 これより病院経営本部関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第百九十三号議案を議題といたします。
 付託議案については、既に説明を聴取しております。
 その際、資料要求はありませんでした。
 これより付託議案に対する質疑を行います。
 発言を願います。--発言がないので、お諮りいたします。
 付託議案に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○藤井委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。

○藤井委員長 次に、報告事項、多摩広域基幹病院(仮称)及び小児総合医療センター(仮称)整備等事業契約の締結について外一件の質疑を行います。
 本件については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○及川経営企画部長 去る九月十五日の本委員会におきまして要求のございました資料について、ご説明申し上げます。お手元にお配りしてございます厚生委員会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
 資料は、目次にございますように、1、多摩広域基幹病院(仮称)及び小児総合医療センター(仮称)整備等事業に関する契約金額の内訳及び各年度の支払い予定額及び2、多摩広域基幹病院(仮称)及び小児総合医療センター(仮称)整備等事業に関する契約内容の変更に係る主な規定(要旨)の二点でございます。
 恐れ入りますが、一ページをお開きいただきたいと存じます。1、多摩広域基幹病院(仮称)及び小児総合医療センター(仮称)整備等事業に関する契約金額の内訳及び各年度の支払い予定額でございます。 
 (1)は、契約金額の内訳でございます。契約書に定めている契約金額につきまして、その内訳を事項別に記載してございます。
 (2)は、各年度の支払い予定額でございます。平成十八年度から平成二十年度までにつきましては、年度ごとの支払い予定額を記載してございます。平成二十一年度以降につきましては、表の下、(注)にございますとおり、契約の相手方である多摩医療PFI株式会社と協議し、年度ごとに支払い予定額を定めていくため、平成二十一年度から平成三十六年度までの支払い予定額を総額として記載してございます。
 二ページをお開きいただきたいと存じます。2、多摩広域基幹病院(仮称)及び小児総合医療センター(仮称)整備等事業に関する契約内容の変更に係る主な規定(要旨)でございます。
 契約内容の変更に係る主な規定につきまして、事項とその内容の要旨を記載してございます。
 以上、簡単ではございますが、要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。

○藤井委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を一括して行います。
 発言を願います。

○早坂委員 多摩広域基幹病院及び小児総合医療センターの整備に係る契約についてお伺いいたします。
 この事業は、都立病院としては初めてPFI手法を導入して整備するものであり、病院施設の設計、建設だけでなく、十五年に及ぶ運営期間の建物清掃や設備管理業務、医療事務、給食など、関連サービス業務といったさまざまなサービスの提供も含めた、我が国でも有数のPFI事業となっています。
 我が党はこれまでも、この事業の重要性にかんがみ、PFI手法の導入や事業者の選定方法などについて確認を行うとともに、医療環境の変化に適切に対応しながら、病院機能を維持することはもちろんのこと、将来にわたって都民の期待にこたえ得るような高い水準の病院を実現していくよう、意見、要望を重ねてまいりました。先日の委員会で、ようやくこの事業を実施するために設立された特別目的会社と事業契約を締結したと報告がありました。
 まず、確認の意味も含めまして、PFIの契約と従来の工事請負契約や業務委託契約との違いについてお伺いいたします。

○及川経営企画部長 従来の工事請負契約や業務委託契約は、分離分割発注して工種ごとに、あるいは委託業務ごとに、それぞれ個別に契約を締結しておりました。
 本件PFI事業契約は、設計、建設から施設の維持管理、運営業務に至るまで、業務を包括しまして、本事業を実施する目的で設立されました民間事業者に行わせるという契約でございます。
 また、従来の契約では、都が仕様を定め、その仕様に基づいて工事や業務運営を行うように求めてまいりました。
 今回、性能発注であるPFI事業では、事業者は、都との協議を交えながら、都が示しました要求水準を満足するように、サービス提供のための業務設計や施設設計を行いまして、事業者が具体的な仕様を定め、実施していくものでございます。
 都といたしましては、これらの業務設計や施設設計が要求水準を満足するものかどうかということを、この事業契約の定めに従いまして確認していくということになります。

○早坂委員 提出された委員会資料によれば、薬品費や委託料などについては、運営に要する経費として個別の内訳がありませんが、なぜこのような契約になるのか、さらに詳細な内訳を示すことができないのか、お願いいたします。

○及川経営企画部長 契約書に定めました内訳につきましては、委員会資料のとおりでございまして、これをさらに詳細な内訳を示すということはなかなか難しいというふうに考えております。
 その理由といたしまして、このPFIの事業契約につきましては、建物の設計、施工から運営、維持管理に至りますまで、さまざまな業務を包括して事業者に行わせ、都がそのサービスの対価を支払うということを内容といたします、いわゆる総価契約でございます。業務ごとの内訳金額を固定せずに、適宜変動が可能となる構造としております。
 また、この内容の変動が可能な構造としましたのは、都が示しました要求水準等の業務レベルを達成するために各業務にどれだけの費用をかけるか、どの協力企業を選定するかといった業務設計や遂行方法などが、基本的に特別目的会社、SPCと呼ばれているものですが、この会社の創意工夫に任されておりまして、さらに、医療環境の変化や技術革新などに応じまして絶えず見直しを行い、複数業務を最適に編成し直していくためでございます。
 こうした状況の中で契約の内訳を明らかにするということは、事業者の競争上の地位にも支障を与えかねないというように考えているためでございます。

○早坂委員 確かにPFI事業の契約は総価契約でありますし、東京都が示した要求を満たす、あるいはより質の高いサービスの提供方法を、事業者の創意工夫により、費用も含めて考えるのであれば、内訳金額の多くが規定されていないことはやむを得ないことだと思います。
 しかしながら、これだけ多額の費用を要する契約であるのですから、東京都として特定目的会社による費用の見積もりを把握し、適正であるかの判断を行うことが重要であると考えます。
 費用の積算や協力企業の選定などは事業者の創意工夫に任されているとのことでありますが、今回契約するに当たり、特定目的会社による何らかの費用の目安、いわば見積もりを把握していることと思います。その見積もりはどのようになっているか、不利益が生じないよう、可能な範囲でご答弁をいただければと思います。

○及川経営企画部長 あくまで現時点で、この特別目的会社、SPCが想定しているという考え方、そういった前提であえて申し上げるとすれば、医薬品や診療材料等の調達に要する費用は一千三十億円程度、光熱水費は百三十億円程度、それから委託費等は八百二十億円程度、このような数字になっております。

○早坂委員 確かに事業者の創意工夫、ノウハウでありますから、目安とはいえ、大枠での見積もりしか示せないことはよくわかります。ただし、事業者の業務設計や見積もり費用などの計画については、東京都においてしっかり精査し、ぜひ適切な業務運営に努めていただくよう、お願いいたします。
 ところで、費用の把握も含めて、今後は事業者からより質の高いサービスの提供を受け、それを維持していくことが重要となります。この費用の把握とサービスの提供の関係は表裏一体の関係であり、そのためには東京都が事業者の業務をチェックする、いわゆるモニタリングを適切に行っていくことが必要であります。
 そこで、東京都が示した要求水準を満たすことはもちろん、事業者からより質の高いサービス提供を受けるためのモニタリングについてどのように取り組んでいくか、お伺いいたします。

○及川経営企画部長 業務運営に当たってのモニタリングにつきましては、都において基本計画を定めまして、都と事業者が協議をし、モニタリングの方法や項目、あるいは具体的な測定の指標を定めた実施計画を策定いたします。
 モニタリングによりまして、要求水準が維持されていないといったことなどが確認された場合には、SPCに対しまして、業務の改善、復旧などを行うよう指導することとしております。
 また、必要に応じましてSPCへ業務改善勧告を行いますとともに、サービスに対する対価の支払いを留保、減額するなど、確実かつ良質なサービスの提供を確保する仕組みとしてまいります。

○早坂委員 この病院PFI事業の成否は、東京都によるモニタリングにかかっていると思います。ぜひ質の高いサービスが提供され、ひいては患者さんに対するサービスの向上につながるよう、要望をいたします。
 次に、計画病床数の変更について何点かお伺いいたします。
 我が党は、本年の第一回定例会における代表質問で、当時の野村幹事長が、産科医師減少という厳しい医療環境を踏まえ、二病院を一体的に整備するメリットを生かし、より効率的な産科体制づくりを目指すべきだと指摘いたしました。
 今回の病床数の変更は、我が党の提言を踏まえ、小児総合医療センターに整備する予定であった産科病床と、ハイリスクの妊娠に対応するM-FICUを多摩広域基幹病院に移動、集中させることで、効率的な産科体制を構築するものだと評価しています。
 そこで、都内における産婦人科の医師数や施設数は今どのようになっているか、お伺いいたします。

○及川経営企画部長 東京都福祉保健局が発表しております、医師・歯科医師・薬剤師調査によりますと、都内の産婦人科及び産科の医師数は、平成十二年千五百二十八人、平成十六年千四百二十四人となっておりまして、平成十六年のデータではありますけれども、四年前に比べ百四人の減となっております。
 また、東京都の医療施設によりますと、都内の産婦人科及び産科を標榜する病院は、平成十二年百三十七施設、平成十六年百三十三施設でありまして、四年前に比べ四施設の減となっております。
 同様に、診療所では、平成十二年六百三十八施設、平成十六年五百九十二施設でございまして、四十六施設の減となっております。

○早坂委員 都内においても産科医師は減少しており、産科医師不足の問題は今後も引き続くものと予想されます。多摩地域の周産期医療の充実のためには、必要な医療スタッフの確保が喫緊の課題となっています。
 そこで、都立病院として不足する産科医師の確保、養成にどのように取り組んでいくか、お伺いいたします。

○及川経営企画部長 都立病院では、専門医の育成を目的としましたシニアレジデント制度を行っておりまして、平成十六年度から産婦人科医師の受け入れを開始しております。
 今後も、教育カリキュラムの充実や処遇の改善などを含めまして、より体系的かつ総合的に臨床研修医制度を整備しまして、また拡充もしていく中で、産科医師の確保、育成に努めてまいります。

○早坂委員 多摩広域基幹病院及び小児総合医療センターの整備は、多摩地域における医療拠点を整備し、医療水準の向上を図るという一大事業であり、都民も大いに期待しています。万全の準備を行うとともに、一日も早い病院開設を要望します。
 以上です。

○斉藤委員 それでは、私の方から質問をいたします。質問自体は、報告の中の後段の計画病床数の変更についてなんですが、ちょっと全体について初めに意見だけ発言させていただきます。
 先ほど早坂委員の質問の方でも、資料の部分で非常に概念的な、詳細の部分がなかなかわかりづらいという話がありました。伺う中で、非常に融通をきかすことを考えると、逆に詳細の部分を最初から提出できるものではないということで、なるほどなというふうに思ったところであります。
 私も実は市議会のときに、多摩地域の日出町にありますエコセメントのPFIプランの契約のときの組合議会の議員をやっていたものですから、立ち会ったんです。やはり二十年くらいの期間を見越す契約なんですが、ほかの一年単位の議案と違って、予算とかと違って、二十年という時間軸をどういうふうに始まる前に予測するかというのは非常に難しく、そういう点では、PFIというのはほかの議案とちょっとまた違った難しさがあるのかなというふうに思います。
 ただ、今、伺いますところ、いわゆるエコセメント工場みたいなものに比べて、病院という場合は、逆に患者さんの声みたいなものを逐次聞くことができる、常に都民にさらされているという特徴があります。そういった点では、モニタリングの話も早坂委員の質問の中に出てきましたけれども、やはり患者さんの声をきちんと聞いて、そしてまたそれに反応する、対応するという姿勢がしっかりしていれば、二十年間、少し大枠の中で契約をしても、そのときそのときで請け負った事業者にきちんとした誠意があれば、何とか対応できるのじゃないかなというふうに思っています。
 今回の場合は、病院ということで、そういった病院のいい特性、私もちょうど、この病院の最寄り駅が西国分寺なんですが、武蔵野線の隣の駅に住んでおりますので、私などもこういった地域の一人になるのではないか。そうすると、地域の評判とかも、やはりどこの病院でも気にするべきことでありますし、集まってくる患者さんもその地域の方が多いわけですから、ぜひともそのあたりをきちんと耳にしていただいて、モニタリングをしっかりやっていただいて、臨機応変な対応を、契約金額を意識しながらやっていただきたいと思います。
 そういった点では、病院がオープンした後に、我々も近隣の住民として常に物をいう、きちんと評判を聞くということをしなければならないのかなというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、質問の方に入っていきたいと思います。
 今回、多摩広域基幹病院及び小児総合医療センターにおける計画病床数の変更について何点か伺います。
 今回の病床数の変更は、小児総合医療センター側に計画されていた産科病床三十床と、母体・胎児集中治療管理室でありますM-FICU九床を多摩広域基幹病院側に移すというものです。
 変更の理由として、第一に、現在深刻な問題となっている、先ほども早坂委員の方からも質問がありましたけれども、産科医の不足への対応が挙げられています。この理由を聞くと、都民がこの病院の人事体制に対して少なからぬ不安を抱いてしまうかなというふうに思います。
 しかし、もう一つの理由の柱であります、成人女性の総合診療基盤を持つ広域基幹病院側で母体管理をすることで、ハイリスク妊娠にも的確に対応することが可能となり、母体の安全性が高まるということは、なるほど大変重要なことであり、私自身もよく理解できます。
 ただ、もともとは小児総合医療センター側に産科病床とM-FICUをつくる計画であり、未熟児を扱うNICUと一体となった管理ができるというメリットもあったわけです。それ自体にしっかりとした根拠があったからこそ、当初の計画でつくられたわけですから、計画の変更について懸念がないわけではありません。
 そこで質問なんですけれども、伺いますが、広域基幹病院側に産科病床を移すことによって、NICUと産科が切り離されてしまうということが懸念されます。これについてはいかがなんでしょうか。

○岸上参事 今回の病院整備は、多摩広域基幹病院と小児総合医療センターという二つの病院を一体として整備するものでございます。こうしたメリットを生かし、二つの病院の密接な連携のもと、広域基幹病院におけるハイリスク出産の際には、小児総合医療センターの新生児科医師が立ち会うとともに、必要に応じて新生児を速やかに小児総合医療センターへ搬送するなど、適切に対応してまいります。

○斉藤委員 二病院間で連携によってなるべく心配がないように対応するということで、具体的な連携方法については今後煮詰めていくことなのかなというふうに思います。このあたりのしっかりとした連携をぜひともお願いいたします。
 それともう一点、ちょっと確認なんですけれども、基幹病院側に産科とM-FICUを移すことでハイリスクの母体に的確に対応できるということですが、具体的にその対応の内容についてお示しいただきたいと思います。

○岸上参事 例えば心疾患、腎疾患、呼吸器疾患、高血圧などを伴う合併症妊娠では、妊婦に大きな負担がかかり、産科だけでなく、それぞれの専門医と連携して母体の管理を行うことが重要でございます。このため、内科、麻酔科、外科、循環器科、呼吸器科などのほかICUを備えるなど、成人女性のための総合診療基盤を持った多摩広域基幹病院にM-FICUと産科病床を整備し、他の診療科と連携して、ハイリスクの母体により的確に対応するというものでございます。

○斉藤委員 ありがとうございます。
 伺う中で、産科が足りないという部分も、それはちょっと事情にあるけれども、一方で、当初の計画に比べたらベターな部分、よりよい部分が出てきた、効果が見込めるという中で計画を変更したという点では、最初のまだ工夫できる余地がある計画を無理やり進めるのじゃなくて、臨機応変に対応したという部分については評価ができるのじゃないか。
 逆にいえば、このことに限らず、よりよいものが早目に選択できるのであれば、多少の変更も恐れずにやっていくこともあるのではないかというふうに思います。
 こうしたメリットがあれば、そしてまた、病院がオープンした後で評判がよければ、こういった最初の部分で産科医不足みたいなものよりも、ハイリスクの母体に対応できるというメリットが大きければ、恐らくそういった評判が伝わって、当初の計画変更もいい結果として出るのではないかと思いますので、ぜひそうなるようにお願いしたいと思います。
 多摩地域にこうした立派な施設ができることは、地元の地域住民にとっても心強く、また期待が大きいと考えます。ただ、並行して清瀬、八王子、梅ケ丘の小児病院機能も移すわけですので、それらの三地域の移転後のフォローもしっかり忘れずにやっていただければというふうに思います。
 この計画をしっかりと実現するためにも、先ほど早坂委員の質問にもありましたように、産科医の確保というのが懸念されるものであります。現在、産科医の養成、確保に努力をしていると聞いておりますので、各医療機関が今後とも医師の確保にも万全を期していただくよう要望して、質問を終わります。

○谷村委員 多摩広域基幹病院及び小児総合医療センターの整備に係るPFI事業につきましては、本年の一月末に落札者が決定し、先日の委員会で、事業契約の締結を八月三十日に行ったと報告を受けたところであります。そこで、今回のPFI事業契約の締結に関して何点かお伺いしたいと思います。
 まず、落札者の決定から契約の締結まで半年以上の期間を要しておりますけれども、この落札者決定以降、契約締結までの間の経過についてお尋ねをいたします。

○岸上参事 本年一月三十一日の落札者決定後、二月十日に落札者である清水建設株式会社と迅速な特別目的会社、いわゆるSPCでございますが、その設立や事業契約の締結に向けた責務などを内容とする基本協定書を締結し、契約等に関する協議を開始いたしました。
 四月二十七日には、落札者が主体となって、いわゆるSPCである多摩医療PFI株式会社が設立され、この八月三十日にこのSPCと事業契約の締結に至ったものでございます。

○谷村委員 落札者と基本協定を締結し、協議を行っていたということですけれども、では、その協議の内容について具体的にお尋ねしたいと思います。

○岸上参事 協議におきましては、提案で具体的に示されていない詳細部分や、病院現場において調整が必要とされる部分について確認を行うとともに、契約書の条文の確定や解釈の明確化を図りました。
 具体的には、特に施設設計計画において、諸室の配置の広さ、動線などについて、事業者提案が都の提示した要求水準の意図を十分満たしているかどうか、病院において実際に業務を行う上で支障がないか等につきまして、関係四病院の現場調査なども行い、都とSPCとの間で検証を行いました。
 また、契約書案に示した条文につきましては、落札者からの疑義に対し、弁護士などへの意見照会も行いながら、双方の解釈にそごが生じないよう明確化し、合意を図っていく作業を進めてきたものでございます。

○谷村委員 今回の事業は、開設準備から始まりまして十九年間の長期に及ぶものであります。さまざまな業務を一括して委託するものですけれども、契約金額も大きく、事前の協議もさぞ大変だったと推察いたします。しかし、まだ事業契約が締結されただけであり、事業はようやくスタートラインに立ったにすぎないわけであります。都としてこれからが本当の意味での開設準備の段階に入るわけですから、しっかりと腰を据えた対応をお願いしたいと思います。
 ところで、今回、二病院の計画病床数について変更する旨の報告がありました。多摩広域基幹病院及び小児総合医療センターの持つ医療機能をこれまで以上に有効に活用し、産科医の不足など、喫緊の課題に対して可能な範囲で迅速な対応をしたものと評価するわけであります。
 そこで、この計画病床数の変更に伴い、PFI事業のスケジュール等に変更が生じないのか、お尋ねいたします。

○岸上参事 今回の計画病床の変更は、効率的な産科体制の構築などのため、小児総合医療センターに設置を予定しておりました産科病床三十床及びM-FICU九床を多摩広域基幹病院へ設置するというものでございます。
 この変更は、事業契約上、委員会資料2に記載されておりますように、設計条件の変更に当たるため、SPCに対し設計条件の変更を通知いたしました。それに対しSPCからは工期の変更なく対応する旨の承諾を得ておりまして、スケジュールに変更は生じないものと考えております。

○谷村委員 契約上は設計条件の変更に当たる、そういう今回の変更をされたわけですけれども、スケジュール上の変更は生じないということでありますので、念のため、今後の設計、また工事のスケジュールについて改めて確認をさせていただきたいと思います。

○岸上参事 現在、基本設計を行っておりまして、その後、実施設計に入り、平成十九年夏までに完了させる計画でございます。
 平成十九年春からは、工事車両搬入路の整備など、事前工事に着手いたしまして、同年夏に病棟本体の工事に入りまして、平成二十一年度竣工させるスケジュールになっております。

○谷村委員 平成二十一年度竣工及び開院ということになるんですね。
 合計千三百五十床の二病院の建設工事を同時に行うわけですので、周辺住民に対しては十分な説明をしていただいて理解を得るとともに、安全面の配慮も怠らず、円滑に病院開設の準備が進むように要望いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

○吉田委員 報告事項、多摩広域基幹病院及び小児総合医療センターの契約締結に関して、私も質問させていただきます。
 我が党は、都立病院へのPFI導入については、都立病院の建設だけではなく、業務全般まで営利の対象とすること自体について批判をすると同時に、検討過程でのさまざまな不透明な問題について指摘をしてまいりました。きょうは、契約内容に沿って何点か質問させていただきます。
 初めに、契約先である多摩医療PFI株式会社、SPCについてまず確認をさせていただきます。
 中核企業、清水建設について、第一回定例会の厚生委員会で、私は、いわゆる談合による書類送検という事態を受けて、契約者として適切か否かということについて質問をさせていただきました。その時点では、東京都からの指名停止処分はまだ出されていませんでした。
 それでお伺いしますけれども、この中核企業について都の処分はその後どうであったのか、また、その委員会での質問に対して、答弁では、当該企業から何ら説明がないという旨の答弁がありましたが、その後、当該企業からどのような説明なり報告があったのかをまず確認させてください。

○岸上参事 防衛施設庁発注工事につきまして、競売入札妨害罪で罰金支払いの略式命令を受けたことに伴いまして、平成十八年三月二十八日から五月二十七日まで、東京都から二カ月間の指名停止処分を受けております。
 また、清水建設の方からは、東京都から指名停止処分を受けた旨の報告を受けております。三月の末に受けております。

○吉田委員 基本的な契約締結後であることをもって何ら問題なしという旨のご説明がたしか第一回定例会の委員会のときにあったかと思うのですが、単なる建設事業だけではなくて、都立病院の運営にもかかわるようなSPCの中核企業が法違反を行ったということについては、やはり道義的な責任が問われることだと私は思うのですが、都として、この中核企業について、指名停止処分を受けたことについて、何らかの発言といいますか、申し入れなりということはあったのでしょうか。

○岸上参事 事業契約は多摩PFI株式会社と締結するものでございまして、資本出資をする企業の動向に影響を受けるものではないというふうに考えております。

○吉田委員 中核企業にかかわる明確な法違反がこの間明らかになったわけですから、報告も当時なかったといいましたけれども、報告はあったらしいですけれども、それに対して東京都として何ら問題にもしなかったということは、私はどうしても納得することはできません。
 疑問な点は、こうした中核企業の問題だけではありません。今回、契約を結んだ特定目的会社、SPCが真に医療分野の事業を担えるのかということについても改めてただしていく必要があると思います。
 ことし一月の落札者決定について、審査講評では、この清水グループについて、建設コストの安さだけではなく、委託業務の統括や経営支援などの能力も他と比較して第一位だという評価をされました。
 それは、書類を見ての中身の検討だったというふうに思いますけれども、書類だけではなく、SPCあるいはそれを構成する協力企業が、経験的にも人的にも、そうした医療分野に携わった経験があり、経営支援や委託業務などを真に担えるだけの資格があるというふうに判断しているとしたら、その具体的な根拠についてご答弁ください。

○岸上参事 SPCにつきましては、契約の定めるところによりまして都に届け出がありまして、SPCが想定している企業等について都の方に届けを出しておりまして、そういう技術的な点等についても十分審査をしております。

○吉田委員 改めてSPCの構成等、及び、もし協力企業が明確になっているなら、具体的に示してください。

○岸上参事 PFI事業につきましては、SPCの創意工夫によりまして業務設計を行い、要求水準を満たすサービスを提供するものでございます。したがって、協力企業の選定につきましては、基本的にはSPCが自己の裁量と責任において行うものでありまして、契約内容もSPCが関連企業と交渉しながら決定していくものでございます。
 現時点では、想定される協力企業を答えることにつきましては、事業者の競争上の地位に支障を与えるおそれがあるため、これはできません。
 なお、特定協力企業といたしましては、設計業務は日建設計が行っております。

○吉田委員 だから、今わかっているのは清水建設とその設計会社のみなんですよね。それは今後の契約によるから、現在の段階では明らかにできないということであります。
 そうすると、じゃあ何をもって委託業務や経営支援などを真にゆだねることができるのかということは、根拠は、私はただ信用するだけということになる面があると思うのです。
 なぜそのことを強調するかといえば、既に大規模な自治体病院でPFI事業を行っている例として、高知の例があります。高知の例、高知新聞の詳細な連載が第五部にわたって連載されておりましたけれども、私は改めてそれを取り寄せて読んでみました。
 そうしますと、病院業務や極めて実務的なことを含めて、開設当初さまざまなトラブルが多発するという事態が述べられているんですけれども、そうした事態について東京都としてはどのように把握し、またそれを受けとめているでしょうか。

○岸上参事 今回の業者の提案につきましては、審査委員会の方で厳正に審査をいたしました。その際には、先行の高知の取り組みも参考にして十分検討いたしました。

○吉田委員 で、どのような評価をされていらっしゃるんですか、高知の例について。

○岸上参事 高知の事例につきましては、私どももその取り組みを参考に検討いたしましたが、それぞれがPFIに取り組んで、別の組織として取り組んでいるわけでございますので、それについて私どもとして評価する立場にはございません。

○吉田委員 これは高知の市議会あるいは県議会でも大変大きな問題になっておりまして……(「共産党が取り上げているだけ」と呼ぶ者あり)もちろんこれは共産党だけの問題ではありませんけれども、大規模な自治体病院でのPFIの先例としては、その結果どのような事態が起きたかということは、東京都として真剣に検討の対象とすべきではないかと思っています。
 ちなみに、一、二、その事例を紹介しておきますけれども、こうしたことが報告をされております。
 専門性の不足ということが一つのテーマとして何回か連載されておりますけれども、開院直後から、センター事務局の複数の職員から聞かされたのは、こんな仕事をやらなくてはいけないとは思ってもみなかった、専らSPCやその傘下の企業の指導に明け暮れてきたと。医療データの取りまとめは不十分、患者数などのデータは何度となく修正、そうした原因に、SPCの職員構成に問題があり、SPCの医療への理解度が不足していたとの見方があると。
 実際にSPCの深沢副社長は、医療事務は医事業者で完結できるという甘さがあった、専門性を高めなければいけないと実感したというふうに語っております。
 そうしたことからも、こうした経験を見ても、やはり真に契約相手先の企業あるいは協力企業の人的な能力あるいは経験ということについては、やはりこの間の協議の中でやりとりをするというのは当然のことであり、議会に報告するからには、そうしたことについてもきちんとした説明があってしかるべきだというふうに私は思います。
 二つ目に、契約事項にかかわってただしておきたいのは、コスト、財政負担についてです。
 PFIを導入する最大のメリットとしては、費用負担を低下することができるということであり、東京都が行った場合などと比較をしたバリュー・フォー・マネーということが何回か試算的に発表されておりますけれども、かなりこの間、変動して、果たしてそれが確定的なものかということ自身、疑問を持たざるを得ません。
 私は、先ほど資料で示された総価、金額と比べて、その後の変動要素というのはあるのか否かということを確かめたいんですけれども、まず建設コストについてです。
 例えば、現在、国分寺市の住民から求められて住民説明会が行われていて、住民から、十一階の高さそのものについて異論、要望が出されているというふうに聞いております。今、この説明会がどういう状況にあるのか。もし、例えば設計変更というふうな事態が起きたときに、それに伴って建設コストの変動というものがあった場合に、それはSPCが建設の総価の中でのみ込むのか、それとも東京都の追加支払いということがあり得るのか、契約上ではどのようになっているのかをご説明ください。

○岸上参事 多摩広域基幹病院及び小児総合医療センターに求められております医療機能を考慮した場合に、現在の規模につきまして、これを確保していく必要があるというふうに私ども考えておりまして、したがいまして、一部の都民の方から高さを下げるというような要望も出ていることについては、これは考えておりません。
 したがいまして、今の設計変更等の件につきましては、私どもとしてはお答えできないというふうに申し上げたいと思います。

○吉田委員 それでは、国分寺市民の例はよそに置くとして、契約上は、設計変更があった場合にはどういう負担になるのでしょうか。

○岸上参事 これは一般的な設計変更ということでお答えさせていただきますと、都の方が設計変更を求めた場合につきましては、原則としてSPCと協議を行いまして、工期等の延伸等がある場合に協議を行いまして、それについて費用が超過する場合には東京都が負担するという仕組みになっております。

○吉田委員 あわせて、念のために確認しておきたいんですけれども、金利の上昇という、経済的な環境変化に伴って金利が上昇した場合の今の支払い額の変更ということはあり得るのでしょうか。それとも、そうした経済的な変動があったとしても、あくまでもこの金額については何ら変わらないというのが契約上の内容なんでしょうか。

○岸上参事 原則としまして、金利等の上昇等につきましては、特にそれは変更の問題にはならないと思います。
 ただし、通常では予測できないような大きな変化があった場合には協議をするということになっております。

○吉田委員 それと、コストにかかわって次にお伺いしたいのは、第一回定例会の委員会でも質問させていただいたことに関連するんですけれども、PFI事業で、さまざまな文献でも指摘していますが、医療機器あるいは電子情報システムなどは非常に更新の期間が短くて、かつ莫大な更新費用というものが伴うということは明らかであります。
 今回のこの契約において、医療機器及び電子情報システムにかかわる契約及び負担はどのようになっているのか、ご説明をお願いいたします。

○岸上参事 まず医療機器についてでございますけれども、医療機器につきましては、病院開設時の医療機器の購入につきましてはSPCの側に任せまして、その後の更新の分につきましては都が整備いたします。
 それからシステムの関係で申し上げますと、電子カルテ等の基本のシステムにつきましては、都が整備、運用することになっておりまして、そこに乗っかるというとちょっと言葉が悪いですが、いわゆる二次システム等につきましてはSPCの方にゆだねるという契約になっております。

○吉田委員 医療機器とシステムとは対応が違うわけですけれども、いわゆる電子システムについては都が行うというふうにしている理由は何でしょうか。医療機器と違う点は。

○岸上参事 電子カルテ等の都立病院情報システムにつきましては、都立病院全体で整備、運用を行っておりまして、仕様の選定や更新時期についても都が判断をするということで、PFI事業には含めておりません。

○吉田委員 そこで私は疑問が生ずるんですけれども、医療機器については、新設はSPCがやりますよ、ただ、その後の更新は東京都がやりますよというご説明ですよね。多分、その方が、都が買うよりSPCが安いんだという判断があると思うんですけれども、しかし、一般的に考えてみれば、将来にわたる更新は東京都が行う、かつ東京都の場合には、電子情報システムと同様に、他の都立病院があって、同様の機器を複数これまでも買ってきたし、今後買うことは大いにあり得るわけですよね。
 しかも、この病院について見ても、更新は東京都がやるわけです。そうすれば、一つの病院で一回だけの医療機器の購入をする企業よりも、東京都の方が、医療機器を販売する相手側と価格低下の交渉をするには、交渉力がはるかに高いというふうに思うのは普通の判断だと思うんですけれども、それとも、東京都がなぜSPCと比べてそんなに、逆にいうと価格低下の努力ができないのかということにはね返ってくると思うんですが、いかがでしょうか。

○岸上参事 ただいまの点につきましては、医療機器の調達能力が都が劣っているのではないかと、それは事実に反すると思います。
 医療機器につきましては、耐用年数が非常に短いために、事業期間内に更新の機会が生じます。医療機器の更新を事業の対象とする場合には、機器の更新の取り扱いをあらかじめ決めておく必要がありますが、価格変動要素が大きい上に、毎年発生するものではなくて、更新する機種を最初から予測することが非常に難しいという技術的な問題がございます。このため、事業者の業務範囲とすることが必ずしも得策ではないという判断をしたものでございます。
 これに対しまして、初年度の医療機器の調達につきましては、工事の進捗に合わせた効率的な据えつけ、調整あるいはシステムとの接続等、そういうメリットがございまして、民間の事業者の調達に関するノウハウを期待できるということから、PFIの範囲としたものでございます。

○吉田委員 金額的には、医療機器その他の機材で約百億程度ですよね。一つの病院で一つの機材を買うよりは、複数の病院を抱えていて多数の機材を購入する東京都の方が価格交渉上優位に立てるというのは極めて一般的な話だと思うんですけれども、どうですか。

○岸上参事 ただいまの点につきましては、先ほども申し上げましたけれども、今回の工事に合わせまして、大型の医療機器の据えつけ等、非常にスムースに設置ができる。特に大型の機械につきましては、据えつけ等の費用というのも非常に高くなります。また、基本システムとの接続についても、非常に多額の費用がかかりまして、そういったものをこの整備と一体で行った場合の方がメリットがあるというふうに考えたものでございます。

○吉田委員 私は、一体というならば、都立病院一体こそ真に廉価で購入できるというのは当然のことだと思いますね。
 次に、この契約にかかわって、独立行政法人の問題との関係について、この機会にお聞きしておきたいと思います。
 行財政改革実行プログラムでは、都立病院について、地方独立行政法人などを視野に入れ病院経営のあり方を検討し、平成十八年度に第二次都立病院改革実行プログラムを策定しますというふうに書かれています。これは、オール都庁的な行政を定めた文書です。
 国レベルでは国立大学あるいは国立病院などの独法化が既に始まっていますし、都レベルでも首都大学東京や産技研などの動きが進んでいます。こうしたことを見れば、この実行プログラムの内容というものは極めて重大な意味を持っているというふうに考えます。
 それで、本契約を結ぶ主体は東京都ですけれども、独立行政法人になった場合、契約の主体が変わるということになります。これは契約上違反というふうなことになる危険性があると思うのですが、契約では、こうしたケースというものは規定されているのか、どのようにお考えでしょうか。

○岸上参事 法律上は、仮に地方独立行政法人化された場合であっても、PFI事業に係る権利義務は原則として承継されることになっております。

○吉田委員 それは契約書に明記されているのでしょうか。

○岸上参事 これは法律上の規定に基づくものでございます。

○吉田委員 まあ、法律上の規定とはありますけれども、もしこれが具体化した場合に、当然、SPCの方から何らかの訴えが起こされることは全くないというふうにいえますか。
 それは、法的には、いえるのは、要するに今までの東京都としての義務、権利が独立行政法人に移されるということであって、それとPFIの世界とは全く別次元の話ではないでしょうか。そうしたことについても改めて慎重な検討というものが求められていると私は思うのですが、もしご意見があったら、聞かせてください。

○岸上参事 地方独立行政法人化された場合につきましては、PFI事業に係る義務の承継に際しまして、債権者は異議を述べることができるということになっておりまして、異議を述べた場合には、設立団体である都は弁済あるいは担保の提供等をしなければならないということになっておりまして、ただし、債権者を害するおそれがない場合は、その必要はないというふうにされております。

○吉田委員 だから、異議を述べることはできるわけですよ。
 そういう意味では、こうした独立法人化を視野に入れ、新たな問題が発生し得るということは、我々としてはしっかりと見ておく必要があるかと思います。
 この問題の最後に、小児総合医療センターに関連してですけれども、清瀬、そして八王子、さらに世田谷梅ケ丘の三つの都立小児病院の廃止を前提として進められようとしていますが、それぞれの地域住民からは都立小児病院の存続の声がいまだに強く要望されておりますし、八王子市、清瀬市など当該の自治体は、この廃止にもちろん同意をしていないというふうに認識していますが、現時点で清瀬市、八王子市などの意向はどうなっているのか、ご説明をお願いいたします。

○岸上参事 八王子市及び清瀬市は、それぞれの市内にあります都立小児病院が地域において大きな役割を果たしており、地域における小児医療の充実策を明らかにしておくことが重要であるというふうに認識しておりまして、このため、都と両市との間でおのおの検討組織を設置して協議を行っております。

○吉田委員 いまだに協議はしておりますけれども、廃止について同意はされておりませんし、廃止した後の重大な医療機能の後退について、それぞれの自治体から意見が出ているというふうに聞いています。
 しかも、それは清瀬市あるいは八王子市だけではなくて、東京都市長会、先ほどから議論をしてきましたが、この来年度予算要望を見ても、小児病院の存続及び機能の拡充を図られたいということが明記されております。説明のところで、都立小児病院については、多摩地域における小児医療の中心的役割と新生児センターとしての役割を担っている、統廃合が、これまでの多摩地域の小児医療システムを覆すことにもなりかねないということが指摘をされております。
 改めて、こうした自治体、住民の声、要望に立脚して、廃止を前提とした計画は再検討することを求めて、質疑を終わります。

○山口(文)委員 都立病院改革の一環として、府中病院を移転改築し、三つの小児病院を統合する多摩広域基幹病院及び小児総合医療センターの整備を、都立病院として初めてPFI手法を導入して進めています。
 しかし、計画する病院建設地が、東京都景観条例に基づき指定された国分寺崖線景観基本軸内にあり、連続した緑を守り、国分寺崖線の景観に配慮した景観づくりに取り組むよう定められている場所に建設することになります。
 一方、事業者からの設計提案では、建物が五十七メートルの高さになると聞いています。このため、景観条例に対する配慮が不十分ではないかといった都民からの声が上がってきています。
 そこで、何点か確認をさせていただきます。
 まず、東京都景観条例、府中市地域まちづくり条例、そして国分寺市まちづくり条例のそれぞれの概要について伺います。

○岸上参事 東京都景観条例は、一定規模以上の建築物の新築等、特定行為を行う者に対しまして、事前に届け出させ、景観基準適合の努力義務を課しまして、適合しない場合には助言指導、勧告ができるということになっております。
 府中市地域まちづくり条例は、大規模開発事業者に対しまして、事前に届け出させ、公開協議の手続を経まして、まちづくり指針等に適合しない場合には、市長が助言指導、勧告等を行うことができるということになっております。
 また、国分寺市まちづくり条例は、大規模開発事業者に事前に届け出させ、開発事業の基準を遵守し、公開協議の手続を経ることと定めております。この基準の中で、国分寺崖線景観基本軸内の建物の高さを原則十五メートル以内に制限しております。
 なお、府中市につきましては、市のまちづくり条例に基づき、事業者から事前の届け出を行いまして、七月の上旬に住民説明会を行っております。
 また、国分寺市につきましては、市と協議の結果、まちづくり条例に基づく届け出の義務は適用しないというふうにされております。ただ、国分寺市長からの要請がございましたので、八月下旬に住民説明会を行ったものでございます。

○山口(文)委員 都市の景観づくりには、今答弁にもあったように、各自治体もそれぞれ大規模な開発に当たってのさまざまな取り組みが行われています。しかるに、事業者から提案された建物の高さが五十七メートルであったということは、このPFI事業において、国分寺の崖線景観基本軸における各自治体の考えが十分に伝わっていなかったのではないかと思われます。
 そこで、都は、国分寺崖線の景観づくりについて、事業者側にどのように説明を行ってきたのか伺います。

○岸上参事 都の整備計画や要求水準の中では、武蔵野台地の緑と国分寺崖線の湧水に十分配慮した地球環境に優しい施設整備を目指すと明記しております。
 また、職員宿舎につきましても、要求水準書に、東京都景観条例、国分寺崖線景観基本軸に指定されていることを意識した景観形成を行う旨を規定しております。
 さらに、平成十七年八月の応募者との質問回答の中で、敷地が国分寺崖線景観基本軸の対象範囲にあること、落札者決定後、都市整備局との協議、条例に基づく届け出が必要であることを示しております。

○山口(文)委員 東京都景観条例に基づく国分寺崖線景観基本軸の景観づくり基準によると、崖線の連続する緑の景観に配慮して、建築物等の高さや規模を十分に検討することとされています。
 また、東京都景観条例や府中市の条例では直接的な高さ制限は設けられていませんが、病院建設地に隣接する国分寺市においては、国分寺崖線景観基本軸内における建築物等の高さを十五メートル以下に制限し、国分寺崖線の湧水や緑の保全に積極的に取り組んでいます。
 都は、こうした周辺自治体の取り組みや東京都景観条例の考え方を踏まえ、今後どのように対応していくのか、改めて伺います。

○岸上参事 新病院は、高度専門医療を提供する多摩地域の基幹病院と小児医療の拠点病院とを一体的に整備するものでございまして、その担うべき医療機能は非常に大きいものがございます。
 都はこれまでも、東京都景観条例の考え方を踏まえ、府中市などと協議をしてまいりました。今後とも、新病院に必要な施設規模を確保しつつ、緑や湧水に配慮した景観づくりに努めてまいります。

○山口(文)委員 周辺住民の人々は、今回の病院が建設されることで、国分寺崖線景観基本軸内の景観保全について危惧しているし、国分寺市のまちづくり条例を無視したものと、怒りに近い声も上がっています。
 PFI事業で行うといっても、都立病院であることから、周辺住民の意見にも十分耳を傾けることも必要です。
 また、新病院が担う医療は、東京都において必要とするものではありますが、統合する三つの小児病院の地域からは再三請願が出され、この委員会でも審議をしてきました。
 小児医療においては、町の小児科医の高齢化や廃業など、小児科医そのものが不足している深刻な事態は一向に改善される兆しがありません。都としてこれらの三つの小児病院の存続を私たちは求めていきます。
 さらに、この新病院は、高圧線による電磁波の影響の危惧の声もあり、規模を縮小することも含めて再度検討することを強く求めて、質問を終わります。

○藤井委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○藤井委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で病院経営本部関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時三十八分散会

ページ先頭に戻る