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Tokyo Metropolitan Assembly

厚生委員会速記録第十四号

平成十七年十二月九日(金曜日)
第七委員会室
   午後一時七分開議
 出席委員 十四名
委員長藤井  一君
副委員長野島 善司君
副委員長かち佳代子君
理事谷村 孝彦君
理事田代ひろし君
理事初鹿 明博君
松葉多美子君
早坂 義弘君
山口 文江君
山口  拓君
斉藤あつし君
野村 有信君
佐藤 裕彦君
吉田 信夫君

 欠席委員 なし

 出席説明員
福祉保健局局長平井 健一君
次長吉川 和夫君
理事梶原 康二君
総務部長片岡 貞行君
指導監査室長菅原 眞廣君
医療政策部長丸山 浩一君
保健政策部長杉村 栄一君
生活福祉部長朝比奈照雄君
高齢社会対策部長長谷川 登君
少子社会対策部長都留 佳苗君
障害者施策推進部長吉岡 則重君
健康安全室長八木 憲彦君
企画担当部長野口 宏幸君
連絡調整担当部長狩野 信夫君
参事松井多美雄君
参事高橋  誠君
参事桜山 豊夫君
参事宮垣豊美子君
参事佐藤 恭信君
参事牛島 和美君
参事浅井  葵君
参事大黒  寛君

本日の会議に付した事件
 意見書について
 福祉保健局関係
付託議案の審査(質疑)
・第二百十四号議案 東京都国民健康保険調整交付金条例
・第二百五十一号議案 東京都リハビリテーション病院の指定管理者の指定について
・第二百五十二号議案 東京都立心身障害者口腔くう保健センターの指定管理者の指定について
・第二百五十三号議案 東京都網代ホームきずなの指定管理者の指定について
・第二百五十四号議案 東京都品川景徳学園外七施設の指定管理者の指定について
・第二百五十五号議案 東京都伊豆長岡学園の指定管理者の指定について
・第二百五十六号議案 東京都新生寮の指定管理者の指定について
・第二百五十七号議案 東京都障害者総合スポーツセンター外一施設の指定管理者の指定について
・第二百五十八号議案 東京都八王子自立ホームの指定管理者の指定について
・第二百五十九号議案 東京都視覚障害者生活支援センターの指定管理者の指定について
・第二百六十号議案 東京都聴覚障害者生活支援センターの指定管理者の指定について
・第二百六十一号議案 東京都清瀬園の指定管理者の指定について
・第二百六十二号議案 東京都多摩療護園の指定管理者の指定について
・第二百六十三号議案 東京都清瀬療護園の指定管理者の指定について
・第二百六十四号議案 東京都日野療護園の指定管理者の指定について
・第二百六十五号議案 東京都練馬就労支援ホーム外一施設の指定管理者の指定について
・第二百六十六号議案 東京都清瀬喜望園の指定管理者の指定について
・第二百六十七号議案 東京都七生福祉園外四施設の指定管理者の指定について
・第二百六十八号議案 東京都日の出福祉園の指定管理者の指定について
・第二百六十九号議案 東京都江東通勤寮の指定管理者の指定について
・第二百七十号議案 東京都大田通勤寮の指定管理者の指定について
・第二百七十一号議案 東京都葛飾通勤寮の指定管理者の指定について
・第二百七十二号議案 東京都豊島通勤寮の指定管理者の指定について
・第二百七十三号議案 東京都立川通勤寮の指定管理者の指定について
・第二百七十四号議案 東京都町田通勤寮の指定管理者の指定について
・第二百七十五号議案 東京都立東大和療育センターの指定管理者の指定について
報告事項(質疑)
・東京都新興感染症対策会議の報告について

○藤井委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、意見書三件を提出したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件については、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○藤井委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○藤井委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、福祉保健局関係の付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
 これより福祉保健局関係に入ります。
 初めに、理事者の欠席について申し上げます。
 梶山技監は、公務のため本日の委員会に出席できない旨の申し出がありました。ご了承願います。
 次に、付託議案の審査を行います。
 第二百十四号議案及び第二百五十一号議案から第二百七十五議案までを一括して議題といたします。
 付託議案については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 要求資料について理事者の説明を求めます。

○片岡総務部長 過日の厚生委員会で要求のございました、本定例会提出議案関係の資料につきまして、お手元の厚生委員会要求資料(議案)にまとめてございますので、ご説明申し上げます。
 資料は、目次にございますように、全部で三項目となっております。
 それでは、順を追って説明させていただきます。
 一ページをお開き願います。
 管理委託制度と指定管理者制度との基本的な相違点といたしまして、それぞれの制度ごとに、運営主体、法人等の権限、法人等の決定手続、契約等の期間、運営資金、条例で定める事項、及び地方自治法上の都の関与につきまして、対比して記載してございます。
 二ページをお開き願います。
 指定管理者の候補者の選定経過及び選定理由といたしまして、病院・診療所、母子・婦人施設、児童養護施設及び障害者(児)施設に区分し、二十九件、三十八施設につきまして、施設名称、施設種別、指定管理者の候補者、選定経過及び選定理由を、二ページから一六ページにわたりまして記載いたしてございます。
 一七ページをお開き願います。
 指定の対象となった各施設の概要といたしまして、先ほどと同様に、各施設を、病院・診療所、母子・婦人施設、児童養護施設及び障害者(児)施設に区分いたしまして、それぞれ施設名称、施設種別、所在地、開設時期、定員等、現在の運営主体及び主な事業内容について、一七ページから二六ページにわたりまして記載してございます。
 以上、甚だ簡単でございますが、ご要求のございました資料につきましてご説明申し上げました。
 よろしくお願い申し上げます。

○藤井委員長 説明は終わりました。
 先ほどの資料を含めまして、これより付託議案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○田代委員 本日は、指定管理者制度、それから国保のことですね、調整交付金のことをお尋ねするんですが、一番基本は、これ、ずれちゃうとどうしようもないんで、こんなこと聞きたくもないんですが、一番大元の元、今度のヒューザーの事件じゃないんですけど、一番基本がずれちゃうといけないんで……。
 せんだって、にせ医者の話がありました。こういうものがあると、もう話すべて狂っちゃうんで、最初に、公社病院を含めて、福祉保健局の所管の中で、このにせ医者対策、どのようなことがされているのか、ちょっと先に答えていただけたらと思います。

○高橋参事 お答えいたします。
 保健医療公社の所管の病院及びリハビリテーション病院における医師の採用に当たりましては、病院の幹部職員による面接を経た後、それぞれの本部事務局において再度面接を行っております。その際には、医学的知見も含め確認しております。また、医師免許証及び卒業証書の写しを提出させるとともに、学会発表や論文等の業績もあわせて確認しております。
 今回の事件にかんがみまして、公社病院及びリハビリテーション病院では、医師採用時に医師免許証の原本及び卒業証書原本の提示を求めるなど、十分な確認を行うよう、指導徹底してまいります。

○田代委員 問題が今まで生じていない、そして今から生じさせないようにしよう、その体制をしっかり堅持していただいて、その上で、こういう厚生委員会の質疑ということになりますけど、よろしくお願い申し上げます。
 まず最初に指定管理者制度についてなんですが、福祉保健局が利用者本位の福祉を実現する福祉改革に取り組んでいる、一生懸命やっていただいているわけですが、その一環として、民間でできることは民間にゆだねていこう、こういう考え方で都立の福祉施設改革に取り組んでいるわけであります。
 さきの第三回定例会の厚生委員会でも私が質問させていただいて、答弁をいただいたわけですが、平成十六年以降、既に幾つかの施設は民間移譲されており、また施設利用者からもある一定の評価を受けていると思うんですね。
 指定管理者制度は、地方自治法の改正により、これまで管理委託として単年度の特命随意契約で行っていた契約を、一定の手続を経て指定管理者を選定し、議会の議決を経て、施設の管理代行をさせるというものであるわけですが、この都立施設改革をしっかり進めていくという上で、この制度、ちょっとお尋ねしたいことが幾つかあります。
 指定管理者制度は、住民サービスの向上と経費の節減を目指すものであり、事業者間の正しい競い合いにより、利用者本位のサービスの実現、これを目的としているわけでありますが、言葉でいうと大変きれいなんですが、逆に、やはりそこには限界、限度もあるんじゃないかと思うんですね。
 最初に、まず、制度導入の趣旨と、それから社会福祉施設にこれを導入する場合の問題点、すべてがいいというわけではないわけですから、あるいはその限界、限度というもの、民間移譲と比較して、わかりやすくお答えいただけたらと思います。

○松井参事 まず、指定管理者制度導入の趣旨でございますが、平成十五年の地方自治法の改正により、民間のノウハウを活用し、広く事業者を募ることで、サービスの向上と経費の節減を目指すものでございます。しかしながら、民間移譲と比較いたしまして、以下のような制度に起因する問題点があることも否定できません。
 まず一点目は、施設運営の面からでございます。
 指定管理者制度は、永続的な施設運営を行う民間移譲、すなわち法人の自主運営と異なりまして、施設を運営する期間が指定期間に限定されます。それゆえ、長期的な経営計画に基づいた事業の拡充等に取り組みにくいという問題があります。
 次に、二点目は、利用者面から見た問題でございます。
 指定管理者制度は、制度上永続的な運営を約束することはできませんので、どうしても事業者交代による処遇の継続性に不安が残るという面もございます。
 三点目は、経営上のインセンティブという問題でございます。
 社会福祉施設の運営に係る経費は委託料で賄われておりまして、措置費、支援費等が含まれるため、原則として清算されます。そのことから、事業者の経営上のインセンティブが働きにくいという指摘がございます。

○田代委員 メリットもあるけどデメリットもあると。今、三点挙げていただいたわけですけども、やはりこのインセンティブを高めていく、持っていくということはとても大切なことで、そういうものを持っている人たちが委託を受けるということが必要なわけですね。で、限界がある中、今三点お話しなさったことも一つ一つ解決、これはできるわけであります。しかもそれは、選定された指定管理者がインセンティブを持っている、これが一番重要なことだと思うんですね。そういうふさわしい事業者を選ぶための選定基準、基本的な考え方、それからその過程を教えていただきたいと思います。

○松井参事 事業者選定につきましての基本的な考え方でございますが、基本的には、公募施設についても、特命施設につきましても、全庁的な指針にのっとり、外部委員を含めた選定委員会を設置いたしました。
 選定過程といたしましては、必要に応じて施設見学、次に、事業者が提出した事業計画書の審査、最後に、法人の代表あるいは施設の責任者から直接話をお聞きする事業者ヒアリングを実施いたしました。それらの審査には一定の水準を設けておりまして、その水準に達しない場合には指定管理者として選定いたしません。また、複数の事業者が応募している場合は、一定の水準を満たした事業者のうち、より高い評価を得たものを選定しております。

○田代委員 さきの第三回定例会の厚生委員会で申し上げたことなんですけれども、事業者が創意工夫を凝らした提案を行って、いわゆる第三者の審査を受ける、これが非常にきちっとした仕事を進めていくために必要なことだと思うんですね。このたび俎上に上がっているそれぞれの法人は、ある一定の水準は当然クリアしている、こう思っているわけですが、地方自治法の改正により、従来管理委託していた施設については指定管理者制度へ移行していかなくてはならない、これは理解するんですが、東京都は東京都として、ただ制度改正に物理的に対応するわけではなくて、やはり利用者本位、一番基本になる、さっきその問題点も幾つか挙げられましたけれども、理念を踏まえて、きちんと個々の施設の方向性を見据えた対応をすべきではないかと思っております。
 先般、知事は我が党の代表質問に答えて、都立の施設改革について、すべての施設を対象に、民間にできることは民間にゆだねるとの原則を徹底させた、利用者本位の新たな方針を明らかにする旨、そういう答弁をいただいたわけですが、障害者自立支援法の施行などで、今後、都立福祉施設をめぐる状況はまた大きく変化していく、こういうことが考えられるわけです。何しろ利用者本位の福祉、これを徹底して、必要な施設改革に今後もしっかりと取り組んでいただきたい、これを申し上げて、この質問は終わらせていただきます。
 次にですね、今回提案されている東京都国民健康保険調整交付金条例、これは新設の条例でありますけれども、健康保険制度、国民皆保険制度を守っていくことは非常に重要なことで、また後ほどのインフルエンザのときにも申し上げますけれども、この条例案の内容は、我が党の議員や区市町村長もメンバーであったり、東京都国民健康保険委員会からの答申の考え方にも沿っているわけでありますから、基本的には内容を了とするものでありますが、改めて確認をさせていただきたいと思います。
 まず、この条例制定は、国民健康保険法の一部改正に伴うものでありますけれども、具体的には、都道府県調整交付金を新たに導入しようとするものであります。昨年度の三位一体改革により導入された制度でありますが、これは将来の医療保険制度改革を見据え、都道府県の役割とか権限を強化し、専ら国が行っていた保険者間のいわゆる財政調整を都道府県に行わせるということだと思うんですね。
 そこで、国が都道府県調整交付金を導入した趣旨、ねらい、こういうものがどこにあるのか、この点をまずお伺いしたいと思います。

○朝比奈生活福祉部長 これまで、保険者間の財政調整は専ら国の権限であり、国が全国的な見地から財政調整を行ってまいりました。
 今回、導入をされました都道府県調整交付金でございますが、ただいまの理事のお話のとおり、昨年度の三位一体改革により、国民健康保険制度において新たに設けられたものでございます。
 今回の制度改正は、平成二十年度に予定をされております医療保険制度改革に先行して、保険者間の財政調整機能が新たに都道府県に付与されたものでございます。
 その趣旨、ねらいは、都道府県が地域の実情、課題を的確に把握をして財政調整を行い、国保制度の財政基盤を強化することで、医療保険制度の抜本改革の土台を構築することにございます。

○田代委員 平成二十年度のこの改革というのは、高齢化社会が到来している中で、医療費の増加という現実に対して、安定的に、先ほど申し上げましたように、国民皆保険を中心として、国民全体の医療を守っていこうという考え方でいるわけですね。その改革はそれを目的としてやっている。これはわかるんですが、現実に、今、区とか市町村の国民健康保険事業というのは、多額の一般財源を投入している実態があるわけです。その財政は大変厳しいわけですね。現在、この区市町村の国民健康保険事業が抱えている課題、どのようなものがあると都は認識しているのか、お伺いしたいと思います。

○朝比奈生活福祉部長 国民健康保険事業は、医療給付に要する費用等を、原則的に国庫支出金や保険料、法で定められた一般会計繰入金などで賄うものとされております。しかしながら、お話のとおり、区市町村では、これらのほか、赤字補てんを目的とした法定外の一般会計からの繰入金が投入されており、その額は平成十六年度で約一千三百七十億円に上っております。この繰入金は区市町村民税などが財源であることから、国民健康保険の被保険者でない者が保険料を支払っていることと同じことを意味し、被保険者でない者に対し不公平感を生じさせる結果となっております。こうした法定外の繰り入れが多いのは、都内保険者の保険料の収納率が平成十六年度で八五・八八%と全国で最低であること、さらに、疾病予防の前提となる健康診断や健診後の事後指導など、被保険者の健康保持増進を図る取り組みが低調などの理由が考えられます。

○田代委員 このような現状、今お話しいただいたような現状を踏まえて提案されたこの条例ですけれども、財政調整の基本的な考え方、どんな点にあったのか、またはどう考えていくのか、我が党の代表質問に対して局長さんからもお話しいただいたわけですが、確認の意味で再度伺いたいと思います。

○朝比奈生活福祉部長 財政調整の基本的な考え方でございますけれども、都といたしましては、この調整交付金を有効に活用して、もともと存在する保険者間の財政力の格差調整を図るほか、先ほどお答え申し上げました事業の課題を踏まえ、保険料の収納率を向上させるための取り組みや、被保険者が病気にかかることを未然に防ぎ、健康を保持増進するための取り組みなどを支援することにより、健全で安定的な国民健康保険事業の運営を実現するよう努めていきたいと考えております。

○田代委員 一番大切なことは具体的にどう進めていくかということなんですね。それぞれの区市町村、みんな立場、状況が違うわけですから、具体的にどうやっていくのか。東京都はこの調整交付金を活用して、どのような対策をしっかり具体的に講じていこうとしているのか。細かいことは、一つ一つについては、後で我が党の早坂委員からもしっかりと質問が出ると思いますので、あらあらに、都はどういう方向で考えているのかをまずお答えいただきたいと思います。

○朝比奈生活福祉部長 都の考え方でございますけれども、被保険者の健康寿命を伸ばし、生活の質の向上を図るための健康保持増進に関する事業、徴収体制を強化し、保険料・税の収納率向上を目指す事業、支払いの最終責任者である保険者としての責務を果たすため適正な事業運営の推進に関する事業、制度の周知と情報提供による運営の健全化を目指す、国民健康保険の趣旨普及に関する事業などを区市町村が実施する場合に、都の調整交付金を配分していきたいと考えております。
 具体的な対象事業については、現在、区市町村の意見を聞いているところでありますが、早急に取りまとめをして実施をしていきたいと考えております。

○田代委員 健康保持増進、これはとても大切なことなんですね。使わなくて済めばこんないいことはないわけですから、これも当然やっていただかなくちゃならないんですけど、やっぱり徴収率が非常に低い。これは昔からいわれていて、大きな問題になっているわけです。ですから、これはしっかりとやっていただかないと困る。それが具体例ということですね。
 国では、政府・与党を中心にして、医療に関する制度改革が今議論されている真っ最中でありますけれども、今後も、国民皆保険制度、これをもうしっかり維持していかなくちゃ、世界に冠たるただ一つの国ですから、発展させる上で、超高齢化社会を展望した医療保険制度への再構築が今現在、医療費の問題で避けられないわけです。そのためには、予防医療というものの推進は欠くことができないものでありますから、地区医師会などの協力も得ながら、生活習慣病対策など地域での取り組み、そういう体制をしっかりつくっていただきたい。具体的につくっていただきたい。国民健康保険の事業の健全化に向けて、この調整交付金を有効に、せっかくの制度ですから、この交付金があってよかったと、こういうような結果が出るようにご努力をお願いいたしまして、質問を終わります。

○山口(拓)委員 それでは、私も、今回提案をされております議案の中から、指定管理者制度について幾つかお伺いをしてまいりたいと思います。
 この指定管理者制度は、地方自治法の改正によって導入されたものでありますから、直営方式以外のすべての公の施設において、地方公共団体は指定管理者制度へ移行しなければならないわけでありますが、必ずしもこの制度にのっとってすべてがなじむかというと、残念ながらこういった福祉施設だとかは果たしてそういうふうになるのかと、非常に疑問を持っている、個人的には疑問を持っているところもございます。
 また、先日公募をしたそれぞれの施設の応募法人数をお伺いしたところ、ほとんどの施設の応募法人数というのが、現行委託法人一法人という状況でございました。こういった事実を知って改めて問題認識を強くしたところでありますので、そういった点について一つ一つ伺っていきたいと思っておるんですが、そもそも指定管理者制度の導入の趣旨が、公の施設の委託について、従来の特命随意契約で特定の外郭団体ばかりを契約するのではなくて、きちんとした手続のもと、競争性を担保して、一番大切なサービスの向上と経費の削減、ここを目指すというものだと私は理解をしているんですが、一法人しかなくて、どうしてそれを実現できるのかという疑問がどうしてもぬぐい去ることができません。
 そこで、まず最初に伺いたいんですが、今回公募された十五施設の応募法人数のほとんどが、先ほどもお話しした現行の委託法人の一法人だったというのはなぜなのか、局として一体それをどのように受けとめているのか、お伺いしたいと思います。

○松井参事 今回の公募施設につきましては、応募法人が一法人のみの施設がほとんどでございました。その理由でございますけれども、まず第一に、福祉保健局所管の施設につきましては、従来から、都の監理団体以外にも多くの民間社会福祉法人が受託しておりました。また、指定管理者制度では、指定管理者として応募できる資格が、個別法によりまして社会福祉法人などに限定されていることが考えられます。また、運営に当たりましては専門的なノウハウを必要とすること、さらに、新規に応募するためには、現行の委託法人に匹敵する体制を整えなければならないことなどから、結果として応募法人が少なかったのではないかと思っております。
 なお、民間移譲を視野に入れた施設につきましては、当面、現行の委託法人を特命することとしております。
 民間移譲を行う際には、多くの事業者が競い合いにより応募されることを期待しております。

○山口(拓)委員 正直いって、この指定管理者制度の導入と、それまでの準備段階という、いってみれば指定管理者に向けた外堀を埋めていく作業というのが非常にかみ合っていないのかなという感が否めません。
 というのは、例えば社会福祉法人をどういうふうにふやしていくのかとか、今後、どういったところに、どういう事業形態として民間だとか参入をしていくのか。これまで、この業種に関しては、指定管理者制度が導入をされる前から、民間の方々のご協力だとか、ご理解があっての運営ということは十分に理解をしておりますが、この指定管理者制度を導入してということに関して考えると、ちょっとまだ時期尚早なのかなという感が否めません。
 また、確かに法律上の縛りだとか、体制上の整備の問題があるということは、今伺ったとおりで、実際に応募するところが難しいというのは、容易に想像がつくところであります。
 それでは、応募法人が実際に一法人しかない中で、どういった選定というものをされたのか。指定をしているわけですから、この選定についてお伺いしたいと思います。

○松井参事 事業者選定は、全庁的な指針にのっとりまして、外部委員を含めた選定委員会を設置いたしまして行いました。
 選定過程といたしましては、必要に応じて施設見学、次に事業者が提出した事業計画書の審査、最後に、法人の代表あるいは施設の責任者から直接お話をお聞きいたします事業者ヒアリングを実施いたしました。それらを総合的に勘案して選定いたしました。

○山口(拓)委員 今回の指定管理者の議案が出て以降、私や私の同僚、斉藤委員もきょういらっしゃっていますが、当該施設に取材に行ったり、現場の雰囲気や職員の皆さんのお話をお伺いしてまいりました。
 また、評価の対象になったこともあって、これまでにない挑戦や取り組みをされている施設というものも見受けられたわけなんですが、例えば、こういった施設の入所者であった重度障害をお持ちの方々の希望から、退所をして単身地域生活ができるようにする取り組みなど、偶然も重なってこの時期になったこともあるかもしれませんが、これまでにないほど努力をされている施設というのもたくさんございました。
 そこでお伺いしたいんですが、このように、これ以前からですね、コストや手間はかかるけれども社会的意義が大きい取り組みがされている場合というものもあるわけで、選定委員会においてこういった部門についてはどのように評価をされたのか、お伺いしたいと思います。

○松井参事 都は、希望する障害者が可能な限り地域で自立して生活する社会を築くことを目指しておりまして、今まさに委員がお話しいただきました事例のように、これからの施設の役割は、一人でも多くの入所者を地域生活に移行させていくことが課題であると考えております。
 今回の選定委員会の審査におきましても、収支計画の妥当性を踏まえた上で、障害者の地域生活への移行に積極的に取り組んでいる施設につきましては一定の評価をしております。

○山口(拓)委員 今、お話があったとおりなんですが、非常にここがこれから重要になってくるところだと思うんです。内容だとかを問うが余りに、本来指定管理者制度が持つ意味の例えばサービスの向上であったり、収支のバランスの話であったり、こういった経費の削減も含めて、そういったところを、どちらをどう優先していくのかというのが当然とられてくるわけで、そこが指定管理者制度、それのどちらを優先するのかというのは非常に難しいところもあると思うんですが、これまでの運営の評価というものはわかったんですが、改善すべき点というものをどういうふうに形にあらわしていけるのかというところに私たちも注目していきたいと思っているところです。
 また、選定の基準だとか項目というお話を今したんですが、これはどういったものがあったのか、また、一法人しか応募がないところについて、どのような考え方で選定をしたのか、改めてお伺いしたいと思います。

○松井参事 選定基準についてでございますが、お手元の要求資料の2、指定管理者の候補者の選定経過及び選定理由にもございますけれども、各施設とも大きく分けて、総合評価、事業主体、事業計画・経営計画の三つの選定項目により審査いたしました。審査の結果、一定の水準以上に達した場合には、その施設は指定管理者として適切であるという評価をされております。

○山口(拓)委員 少し先に進みたいと思うんですが、特命の施設というのもあるわけなんですが、これは民営化までの一定期間という前提があるとはいえ、どうなっているのかということを伺いたいと思います。
 特命にされたことで安心をしてしまうというか、甘えが出てくるというのが非常に心配でして、特命の施設について、サービスの向上と、先ほどから繰り返している経費の節減というものに対してどのように担保していくのか、お伺いしたいと思います。

○松井参事 特命の施設につきましても、事業者選定の過程は基本的には公募施設と同じでございます。施設見学、書類審査、事業者ヒアリングを経て、選定委員が審査をし、一定の水準をクリアしていれば、指定管理者として適切であるというふうに選定されます。
 また、特命施設も公募施設と同様、法人の創意工夫により、サービスの向上と経費の節減に関する事業計画書を提出していただいております。

○山口(拓)委員 特命の施設には東京都社会福祉事業団運営の施設が多くあるわけで、この東京都社会福祉事業団は職員の九五%を東京都からの派遣職員が占めています。これでは東京都を指名したのと大差ないということになりかねないんですが、その一方で、運営をしている施設は、重複障害をお持ちの方、また最重度の知的障害をお持ちの方を対象としているなど、特殊な施設なので、ほかの法人が応募をするのは困難であるとも思います。
 また、今後、事業団は、この後ですね、どういった役目を持って、どういった構造になっていくのか、ぜひお聞かせいただきたいと思います。

○松井参事 東京都社会福祉事業団は、他の社会福祉法人と同様、毎年度、事業計画を策定いたしまして、それに基づき施設を運営している社会福祉法人でございます。
 現在、事業団は、利用者本位を徹底し、質の高いサービスを提供するための施設改革と新たな非常勤制度を導入するなど、効率的な運営を推進する経営改革に取り組んでいるところでございます。
 事業団の運営する施設は、今後の民間移譲に伴い、施設数としては順次減少していきますが、これまで蓄積いたしました支援技術を移譲先法人に引き継ぐとともに、指定管理者として利用者サービスの一層の向上を図っていくものでございます。

○山口(拓)委員 これから大切な問題として出てくる当然の課題というのは、安全に安心に民間に移管をしていくというのは、非常にこれからの大きな課題になってくると思います。これは、今はですね、特命だからということで、その油断がないように、また、しっかりと移管をしていく期間だとか方法だとか手段というもの、非常に重要になってくると思いますので、今のうちから十分に取り組んで検討していただきたいと思います。
 さて、これまでの議論の中で、事業者選定の過程と考え方については、おおむねお話をお伺いしたところなんでありますが、このように慎重に事業者を選定したとしても、これは万が一ということをやっぱり考えなければいけないわけでありまして、こういったことが起こった場合、その際の備えというものが十分に必要であると思うんですが、こういった事態を未然に防ぐ仕組みはないのか、お伺いしたいと思います。

○松井参事 東京都は適正に事業者の選定を行ってまいりましたが、万が一の事故等を未然に防止するため、既存の仕組みをこれまで以上に十分に活用することが不可欠であると考えております。
 具体的には、指定管理者に対し都みずからが必要な報告を求め、場合によっては実地調査などを行います。そういったことで、きめ細かく指導に当たるということがございます。
 また、社会福祉法に定められている指導検査などを行うことで、指定管理者の適切な事業実施を確保していきたいというふうに考えております。

○山口(拓)委員 疑えば切りがないんですが、都として指定管理者に対して、事故等を未然に防ぐために指導や検査等を行っていくということは非常によくわかったんですが、それでもなお、指定管理者が指定管理者としてふさわしくない行為、それは事故もあるでしょう、さまざまなことがあると思いますが、こういった場合に指定を取り消したりということはできるんでしょうか。

○松井参事 万が一というお話でございますけれども、万が一ご指摘のような事態が起きた場合には、法律的には都は指定の取り消し、あるいは業務の全部または一部の停止を命ずることができます。

○山口(拓)委員 疑っても、何度もいうように切りがないんですが、先ほども申し上げましたが、各施設とも応募法人が一法人しかないように、こういった状況の中で万が一事故等が法人に起きた場合、代替するような法人を見つけることは今の状況では非常に困難なわけでありまして、そのためにも、事故等を未然に防ぐ、防止をする策というのは非常に重要に今後なってくると思います。
 指定管理者制度の理想はもちろん重要ですが、その理想の実現に向けて努力をすべきですが、トラブルが起こった場合どのように対応するのか、こういったときのルールづくりというものが非常に重要になってくると思います。これは質問しませんが、意見として申し上げておきたいと思います。
 今後、三年間あるいは五年間ですね、指定期間の間、指定施設利用者の方々が安心して暮らせる施設運営がきちんと確保できるよう、先ほどもお話がありました利用者本位ということを真剣に考えていただいて、万が一の事故が起こらないように、指定管理者制度の意義も十分にご理解していただいた上で、東京都としても万全を尽くしていただくことを強く要望をして、質問を終わりたいと思います。

○谷村委員 それでは、引き続き指定管理者の選定につきまして質問をさせていただきます。
 先ほど来も出てまいりましたが、指定管理者制度は平成十五年の地方自治法の改正により導入された、いわば制度改正と認識をしております。
 この制度を導入する意義と、それから福祉保健局として都立施設の運営にどういう効果があると認識しておられるか、まずお伺いいたします。

○松井参事 指定管理者制度の意義についてでございますけれども、これまで都の監理団体などに制限されていた公の施設の管理につきまして、民間のノウハウを幅広く活用し、広く事業者を募ることで、サービスの向上と経費の節減を目指すというものでございます。
 次に、効果でございますが、外部委員を含む選定委員会の審査を受けることで、現行の委託先事業者においても、改めて、現在提供しているサービスやコストについて見直す機会が得られたこと、さらに、今後もサービスの向上と運営の効率化について一層の改善が期待できることなどが挙げられます。

○谷村委員 選定で出ております、外部委員を含む選定委員会というふうになっておりますが、その選定委員会の構成はどういうふうに構成されていますでしょうか。

○松井参事 指定管理者を募集する施設の種類によって若干の違いはございますが、おおむね福祉あるいは医療分野の学識経験者一名、財務内容等を審査する公認会計士または税理士一名、行政関係者二名、以上の四名で構成されております。

○谷村委員 学識経験者、公認会計士あるいは税理士、そして行政関係者の四名、こういう第三者による審査というのは、それなりに応募法人にプレッシャーを与え、改善圧力というものは働くものだろうと思います。
 そうした中で、先般来出ておりますけれども、今回の応募結果を見ますと、ほとんどの公募施設については現行委託法人一法人のみが応募をし、選定をされているわけでございまして、今、福祉改革のキーワードであります競い合いというのが、今回の指定管理者選定に当たってどこへ行ってしまったのかというような、ちょっと一抹の寂しさを感じないわけにはいかないわけでありますけれども、ただ、こうした第三者による、外部の選定委員会による審査というものは、それなりの効果もあるでしょうし、また、手続をきちんと踏まえた公募の結果としてこうなったということで、いたし方ない面もあろうかと思うんですが、応募法人が実際に一法人しかない中で、指定管理者制度の導入の目的であります、先ほどご答弁いただきましたサービスの向上と経費の節減というのは、どのように審査の過程で評価をされたのか、その点についてお伺いいたします。

○松井参事 応募する事業者が提出する事業計画書の中には、指定期間の間の収支計画、人員計画、サービス内容の計画などが明記されております。多くの法人は、指定管理者制度の趣旨を踏まえ、創意工夫を図りながら、法人独自の経営改善に取り組むこととしており、指定期間の三年間あるいは五年間の間、サービス水準を維持向上しつつも、一方で経費を節減していくという方向の計画書を提出しております。

○谷村委員 それでは、今回の公募施設の中で唯一競い合いがあったのは、身体障害者施設練馬就労支援ホーム、それから大泉就労支援ホーム、この公募で、二施設を一括運営する一つの法人ということで募集をしたので、これまで運営に当たっていた別々の法人がそれぞれ名前を挙げて必然的に競争になったものであります。東京援護協会、それから東京都社会福祉事業団、この二法人の競争となり、結果として東京援護協会が選定をされたわけであります。二つの法人とも、この施設運営の実績は、これまでの現行委託法人でありますから十分あったと思いますけれども、そうした中で東京援護協会がより高い評価を受け、そして選定された理由という、これについてご説明をお願いいたします。

○吉岡障害者施策推進部長 指定管理者候補の選定理由でございますが、当該法人は、当該法人から提案された計画が、経費の節減を図りつつサービス内容を一層向上させていく内容であったことなどからすぐれていると判断され、指定管理者候補として選定されたものでございます。
 具体的なサービス向上事例といたしましては、手織り、陶芸といった両施設の授産事業の特徴を生かした授産作品の共同展示、共同販売など、効率的、効果的な施設運営の計画が提案されていること、また、理学療法士による身体障害者の機能維持をテーマとする地域公開講座の実施や、練馬就労支援ホームの機能訓練室の地域開放といったことが挙げられます。
 また、当該法人から提示された収支計画は、経費節減に向けた努力が顕著でございました。

○谷村委員 今ご説明いただきました、経費の節減を図りつつサービスの内容を一層向上させていく内容で、東京援護協会から提案された計画がまさっていたと。この指定管理者制度の導入の目的でありますサービスの向上と経費の節減、その目的から比較をすると、東京援護協会の方がすぐれていたということなんですが、逆ないい方をいたしますと、東京都社会福祉事業団、これはサービスの向上と経費の節減では、この東京援護協会と比較相対して負けたということになるわけですけれども、この東京都社会福祉事業団が、二十一施設のうち十四施設特命になっているというところに一抹の疑問を感じないわけでもないわけであります。こうした東京援護協会と指定管理者の選定に当たって、そのものの目的において比較相対して負けた、そういったところが引き続き特命で二十一施設のうち十四施設受けるということについては、少なからぬ疑問を感じるわけでございます。
 そこで、この特命となった施設についてお伺いいたしたいと思いますけれども、ことし、第一回定例会の厚生委員会におきまして、平成十四年六月の都立福祉施設改革推進委員会報告書に掲載されている施設を中心として、民間移譲を視野に入れている施設を特命施設として検討しているということだったようでございますが、それで今回二十一施設が特命になったと。民間移譲を前提にしている施設は、特命で三年間の指定管理期間が与えられるわけですけれども、指定期間が三年間経過した後には、その次ですね、三年たった後、民間移譲する予定の施設なんだから、また特命で三年間指定しますよということになると、今回の二十一施設が三年間の特命になったということに少なからぬ疑義が生じてくるようになるわけです。この三年間で民間移譲の目鼻がつかないことに仮になってしまうようなことであれば、今回最初から五年の公募に図るべきだった施設ではないかというふうに、結果論からいうことになるんですね、いえるようになるわけでございまして、今回の特命になりました二十一施設につきましては、三年間の指定期間が終了する平成二十一年度には民間移譲するという、こういう決意で今回特命に与えられたのかどうか、そういう意味なのかどうか、一応確認をさせていただきたいと思います。

○松井参事 まず、公募と特命という大きく二つのグループに分けました、その理由から説明させていただきたいと思います。
 指定管理者の選定方法につきましては、サービスの向上と経費の節減を目的といたしまして広く事業者を募る趣旨から、全庁的な方針といたしましては、公募を基本としております。特命は、それぞれの施設固有の事情により、あくまで例外ということで行ったものでございます。
 福祉保健局所管の施設につきましては、民間移譲等を視野に入れている施設につきまして、運営事業者が、指定管理者を選定するとき、その後、またその後民間移譲するときと頻繁に交代するのを避けるために、公募によらず特命としたものでございます。
 特命施設につきましては、都立施設改革を着実に推進するため、指定期間を三年としたものでございまして、できるだけ早期に民間移譲等の改革を進めるよう努力してまいります。

○谷村委員 二十一施設といったら膨大な数になりますので、それを三年間で民間移譲するということは、これ大変な労力であり、作業がかかるものだと思いますので、三年間かけて簡単にできるものでもないというのもよく認識をいたしております。ただ、今回三年間で特命をしておいて、また次三年後に同じように特命で三年間というふうになることのないように、全力を挙げて取り組んでいただきたいなというふうに思います。
 少なくとも、三年後に民間移譲するということではなく、三年間かけて民間移譲していく年次目標、計画というのが明らかにされるべきだろうというふうに思うわけでございます。
 平成十四年七月に出された「福祉サービス提供主体の改革への取組について」では、当面五年後の平成十九年度に向けてといういい方がされており、都立福祉施設改革についての方針はいまだ出ていないわけであります。今後の都立施設のあり方については、指定管理者制度を適用する施設や民間移譲の方がよい施設など、障害者自立支援法などの影響も踏まえて、十分に将来を見据えた検討を着実に行っていただきたいと思います。
 今後の都立施設改革についての方針はどのようになるのか、お尋ねをいたします。

○松井参事 現在、局統合を踏まえまして、福祉分野と保健医療分野にまたがる局全体の基本方針の策定を進めております。その中で、今後の都立施設改革につきましても、すべての施設を対象に、民間にできることは民間にゆだねるという原則を徹底させた利用者本位の新たな方針を明らかにする予定でございまして、現在鋭意検討を行っているところでございます。

○谷村委員 第三回定例会の本委員会の場におきましても議論をさせていただきましたけれども、私は、民間移譲を初めとして、都のこれまでの都立施設改革の取り組みにつきまして大変高く評価をいたしているところでございます。今後も、利用者本位のサービスの実現に向け、必要な改革には積極的に取り組んでいっていただきたいと思います。今後、さらなる都立施設改革に向けて意欲的な計画を策定されることを要望して、質問を終わります。

○吉田委員 私も指定管理者制度に基づく指定について何点か質問をし、意見を述べさせていただきます。
 指定管理者制度は、そもそも都出資団体及び公共的団体に限られていた委託先を、特段の制限を設けず民間企業も含めて参入を認めるというものであり、そのことでサービスとコストを競わせることによって、サービスの向上、コストの削減というふうに伝えられてまいりました。しかし、都立福祉施設の場合には、施設の性格上、もともと営利の対象となるものではありませんし、運営の安定性や継続性、利用者と職員との信頼関係、また入所者、利用者への手厚い対応などが優先されなければならないことは当然のことだと思うんです。
 しかも、今回、対象施設の大多数が第一種社会福祉施設で、法的にもあくまでも民間福祉法人に限るという限定があるわけです。したがって、指定管理者制度をこれらの施設に導入することの是非については、我が党は第一回定例会でも意見を述べて、妥当ではないという見解を述べたところです。
 今回、条例改定の結果、事業者選定が提案されました。選定された事業者自体についていえば、先ほども話がありましたが、公募、特命も、一部を除き、これまでの事業者がそのまま継続をするというものであり、一部の事業者の変更、と一年間という極めて限定的指定というのを除けば、我が党としても基本的に同意できるものだと思います。
 ただ、先ほどから議論がありましたが、単に公募でなかった、あるいは公募をしたけれども一施設のみが争ったということをもって、ということで見るのではなく、実際この指定管理者制度導入を機にして、かなりコスト縮減、あるいは事業費、人員配置の後退などということが起きかねないという危惧を抱かざるを得ません。
 それで、この間議論されたことは割愛して質問しますが、端的にいって、まずこの指定管理者制度の導入、そして事業者の指定に当たって、入所している、あるいは利用している方々に対するこれまでのサービス水準の低下があってはならないと、あるいはサービスが継続されなければならないということがまず大原則として踏まえられる必要があると思うんですが、いかがでしょうか。

○松井参事 今回の指定管理者制度導入の趣旨は、サービスの質の向上と経費の節減を目指すものでございます。したがいまして、指定管理者の導入がなされても、サービス水準は決して低下させません。

○吉田委員 私も改めて、三年前、二〇〇二年七月の取り組み方針を見ましたけれども、我々は民間移譲そのものを認めるものではありませんが、そこでも、現に入所している利用者へのサービス水準を確保する、障害者施設については、重度の障害者を多く受け入れてきた経過を踏まえ、入所者の状況に即して十分な配慮を行うということが書かれておりました。当然、最低限の前提として、こうしたことが貫かれていかなければならないと思うんです。
 ただ、サービス及びコストの縮減ということを前提にして進めたときに、果たして、このような利用者、入所者のサービス水準の後退を招かない、継続するんだということが実際に貫かれているのかどうか、貫かれるのかということについて、やはり立ち入った検討が必要だと思いますし、しかも都立施設の場合には、局のこれまでの文書の中でも書かれていましたが、やはり総体的に民間の努力はありますけれども、最重度の知的障害者児の生活と発達保障などの面で大きく貢献するという都立としての独特の役割を果たしてきたということに着目をして検討する必要があると思うんです。
 その点で、今回の指定に当たって、こうした都立施設独自のいわば加算がどうなったのかということについて検証したいんですが、それ以前の問題として、例えばこれまでも、社会福祉事業団に移行したときに、職員配置が従来の一対一・二から一対一に減らされ、さらに今年度、各棟ごとに一名配置されていた棟係長を減らすと。既に、指定管理者制度を前提にして人員の削減というものが進められてきたと思うんですが、いかがですか。

○松井参事 棟係長につきましては、指定管理者制度の導入を視野に入れたものでございます。

○吉田委員 ですから、既にそうしたことを行ってきたわけですね。その上、問題はですね、これまで都立施設に対して、それぞれの施設種別の特徴というものをかんがみて、通常の民間施設の国基準及びサービス推進費に基づく人員配置、その上都立独自のいわば人的な支援、加算というものがされてきたと思うんですけれども、これは、この指定管理者制度導入に当たってどのような扱いになったんでしょうか。

○松井参事 都立施設につきましては、その規模や建物の配置等を踏まえまして、各施設ごとに必要な人員を配置しておりますが、都立施設として一律の基準は設けておりません。
 今回の指定管理者の募集に当たりましては、民間社会福祉法人と同様の人員配置基準を用いまして、その上で各施設の実情に応じた人員を加味し、それを必要最低限の職員配置基準ということでお示しいたしました。
 応募法人の事業計画書におきましては、その最低限の職員配置基準と同等か、あるいはそれを上回る人員でご提案がなされております。また、多くの事業者は指定管理者制度の趣旨を踏まえまして、創意工夫を生かし、法人独自のサービスや経営改善に取り組みまして、経費を節減しながらもサービス水準を維持向上していくという方向の計画書を提案していただいているところでございます。

○吉田委員 競い合う以前に、既に、今までの都立施設、とりわけ重度その他の個別の特性にかんがみて民間以上に行ってきたことが事実上削減されたんではないかというふうにいわざるを得ません。
 私も念のためにと思って、この募集要綱を拝見させていただきましたし、その中の職員配置基準、これを見ましたけれども、この職員配置基準は国基準及びサービス推進費ということしか明記をされていないんですよね。これまでのものにかんがみて独自のものというものは何らこの文言上では見ることができませんでした。しかも、すべてに調査ができたわけではありませんけれども、幾つかの施設に問い合わせをさせていただきましたが、ある施設は、都立加算を削減するようにいわれたと。もちろん一気ということじゃないでしょうけれども、そうしないと、今回は指定となったとしても、その先については保障されないんではないかという非常に不安感を持って対応せざるを得なかったと。ある施設は、それだけで年間数千万もの規模になるわけですけども、結局人件費を削る以外にないということを訴えておりました。
 これでは、私はやはり、これまでのサービス水準、利用者の処遇を維持するというふうにいいましたけれども、厳密な意味でこれを継続するということは困難な事態に追い込まれるのではないかということを指摘をしておきます。
 もし、これまでの処遇水準を維持するということならば、やはり必要な体制が確保できるような個別的な対策というものをきちんととるべきだということを、これは意見として改めて述べさせていただきます。
 どうしても具体の問題で疑問に感じた点が先ほどもありました。唯一、二つの公募で選定をされた練馬就労支援ホーム、大泉就労支援ホームの問題です。
 この二つの施設は、名称だと全く同じ施設であるかのような印象になるんですが、入っている方々の状況というのはかなり性格を異にする施設だと思うんですが、施設入所者の特徴についてご説明をお願いします。

○吉岡障害者施策推進部長 練馬就労支援ホーム並びに大泉就労支援ホームの性格についてご説明いたします。
 両施設は、ともに身体障害者福祉法第三十一条に基づきます身体障害者授産施設でございます。ただ、実際に入っている利用者につきましては、大泉就労支援ホームの場合には、視覚障害をお持ちの方と、さらにほかの知的障害なり、あるいは聴覚障害なりを合併している方が主たる対象でございます。
 一方で、練馬就労支援ホームの方は、脳血管障害等の肢体不自由の方が多く入っている、そういう施設でございます。
 ただ、いずれにしましても、身体障害者福祉法に基づく身体障害者授産施設という意味では同じ類型の施設でございます。

○吉田委員 私、聞き間違えたかもしれませんが、練馬が肢体ですよね。大泉が視覚障害、知的及び聴覚障害の重複施設ですよね。ですから、施設は名称としては、また大きな意味での種別は同じなんでしょうけれども、対象としている、中に入っている方々の状況というのはかなり性格が異なるわけですよね。まして、それは軽度、あるいは重い方いらっしゃると思うんですが、視覚、聴覚、知的の重複ということになれば、かなり困難さを要する仕事が求められると思うんですが、先ほど、その二つの違いが何であったのかということが出されましたけれども、まず前提として、たとえ二つの施設を運営するに当たっても、やはりそういう視覚、聴覚あるいは知的という複合の障害者の方々のノウハウというものがなければ、そこの施設の運営をするというのはかなり困難なことではないかと思うんです。新しく選定された法人についてあれこれいうわけではありませんが、そういう経験はあるんでしょうか。あるいは、その点の懸念はないんでしょうか。

○吉岡障害者施策推進部長 今回、選定されました当該法人でございますけれども、戦後間もないころから長年にわたりまして、さまざまな社会福祉事業を展開してきております。重度身体障害者授産施設や知的障害者授産施設、更生施設、特別養護老人ホームなど、約三十近い施設や事業の運営を行うなど、幅広いノウハウと実績を有している法人でございます。
 今、先生ご質問の視覚障害に関する施設の運営実績があるかということに関しましては、この法人も視覚障害者が入所する施設の運営実績はございませんが、この法人の事業計画によりますと、法人内の職員で適任の人材に対して外部研修や職場内研修などをきめ細かく行うことにより、視覚障害者の支援に必要な職員の指導、育成等を進める内容となっておりまして、そういう意味では、指定管理者選定委員会におきまして、この法人のそういった事業計画が評価されたものでございます。

○吉田委員 私もちょっと心配になったもんですから、事業計画を見させてもらいました。それは、こうした視覚及び聴覚、知的という重複障害への対応をどんなふうに事業計画の中で書かれているのかということで見たんですけれども、書かれている内容は、研修を行いますということで、研修の具体的なプランがありました。もちろん、それは必要なことだと思うんですけれども、やはり短期間の研修で今までの継続性を担保できるのかということになれば、それは一定の制約があることは明らかだと思うんですね。しかも、そうしたコミュニケーションをとること自身が非常に困難な入所者との関係でいえば、やっぱり職員との信頼関係ということになれば、やはりこの点で一定のリスクを生じざるを得ないということは、私はやっぱり見ておく必要があると思うんです。
 それで、先ほど、対比をしたときの幾つかの項目について触れられました。例えば共同展示だとか地域との関係の問題ですとかね。しかし、大泉の事業計画あるいはその前の事業概要を見させてもらいましたけれども、それなりに展示だとか、製作だとか、あるいは地域との関係だとかやっていらっしゃるんですよね。一番顕著なのは経費の節減だということを、先ほどわざわざ顕著という言葉をつけていわれましたけれども、調べてみたら、経費的には確かに大きな開きがありました。なぜ、こんな開きが生まれるのかということなんですが、それはどういうところに起因しているんでしょうか。

○吉岡障害者施策推進部長 今回の応募いたしました法人間の収支計画の差についてでございますけれども、収支計画につきましては、事業計画、人員計画、さまざまなものを反映して構成されておりますので、一概にどれか一つのことをということを申し上げるのは困難だろうかと存じます。

○吉田委員 じゃあ、私の見解をいわせていただきますけれども、もちろん常勤、非常勤の配置が違います。他方は基本的にすべてを常勤、他方は一定部分は非常勤で対応すると。同時に、私はやっぱりこれだけの開きは経験年数、要するに経験年数の高い職員はもちろん給与は高い、新規採用あるいは若い人の場合には給与は低いということが多分大きな差になってあらわれているんではないかなというふうにいわざるを得ません。もちろん、それは若くて、安くて結構ということもあると思うんですけれども、先ほどの入所者の状況からすれば、やはり一定の経験年数を持って入所者の方々と当たられるという側面というのはもう必然的に伴わざるを得ない。したがって、それを、もちろんごらんになってはいるんでしょうけれども、単純にコストだけで比較をするということはどうかなという印象を持ちました。そういう点で、この選定については、私どもとしては疑問を感ずるということです。
 次に、項目としては最後のことなんですが、これも先ほどから話がありましたが、二十一施設については三年間の特命、それは民間移譲を前提とするからだということでしたが、私も改めて東京都の方針を見ましたら、この二十一施設の中で、明確に一つの目標年次が示されている施設は二つしかないですよね。ほかは一般的な民間移譲の対象ということでくくられていると思うんです。この方針、要するに現時点で年次を区切ったのは二施設だというのが私の認識なんですが、それともそれが新たに変わっているのかどうか、そこはどうなんでしょうか。

○松井参事 現在、東京都、我々が進めている都立施設改革は、平成十四年七月に策定いたしました「福祉サービス提供主体の改革への取組について」という取り組み方針に基づいて民間移譲等を進めているところでございます。
 都立施設改革を着実に推進するために、指定期間は三年というふうにしたものでございまして、できるだけ早期に民間移譲等の改革を進めるようやっているところでございます。

○吉田委員 我々は、やっぱりこの問題というのは、これまでの民間移譲の検証なども含めて慎重な対応というものが求められておりますし、三年間しか特命しておりませんけれども、その後一気に民間移譲ということはあってはならないことだという意見を述べさせていただきます。
 最後に、冒頭も述べましたけれども、あわせて、前回の委員会でも述べましたが、伊豆長岡など二施設については、一年間の移譲ということと一体で一年間特命となって提案されていることについても、我々としては同意できないという意見を述べて、私の質疑を終わります。

○早坂委員 私は、東京都国民健康保険調整交付金条例についてお伺いいたします。
 提案された条例案の基本的考え方については、既に、さきの我が党代表質問に対して局長から答弁がありました。また、先ほど田代理事からも総括的な質問がありました。そこで、私はもう少し具体的なことについてお伺いいたします。
 この条例案の本則では、医療給付費等の七%を東京都調整交付金の総額として、そのうち七分の六相当を普通調整交付金、七分の一相当を特別調整交付金としています。そして、第四条第二項では、特別調整交付金は、国民健康保険事業の運営の健全化に資する事業を行う区市町村に対し、規則で定めるところにより交付するとあります。具体的には規則にゆだねることになると思いますが、東京都はこの特別調整交付金をどのような考え方で交付しようとしているのか、お伺いいたします。

○朝比奈生活福祉部長 条例で定められております国民健康保険事業の運営の健全化に資する事業についてでございますけれども、四点考えております。
 一つは被保険者の健康保持増進、二点目が適正な保険料・税収入の確保、三点目が適正な事業運営の推進、四点目が国民健康保険の趣旨普及に関する事業などでございます。
 これらの事業に区市町村が取り組んだ場合、当該の区市町村に対して特別調整交付金を重点的に配分する仕組みとしたいと考えております。この交付金を一律に交付をするということではなく、事業運営の健全化を図る取り組みに汗を流した区市町村が報われるようなものにしていきたいと考えております。

○早坂委員 ただいまの答弁の中で挙げられた事業のうち、とりわけ医療費抑制という観点からいえば、私は、病院、病気を予防すること、健康の維持増進というのが最も大切なことであると思います。
 それでは、現時点では、東京都は具体的にどのような事業を対象にしようと考えているのか、お伺いいたします。

○朝比奈生活福祉部長 現時点での例示でございますが、実際に区市町村で取り組んでおる事例も含めて申し上げますと、一つは、医師、歯科医師、薬剤師、保健師などによる健康教育や健康相談、個別訪問指導などの事業、それから生活習慣病予防対策のための医療費分析等の事業、さらに国民健康保険以外の医療保険、公衆衛生部門と連携をした保健事業の共同実施等の事業などがございます。
 今後、さらに区市町村の意見を聞きながら、被保険者の健康保持増進に関する事業で効果があると見込まれる事業を定めていきたいと考えております。

○早坂委員 この条例案は、制度変更による区市町村への影響を勘案して、経過措置が附則されていますが、激変緩和のための当面の措置であると思います。
 医療保険制度の改革は、マスコミでも報道のとおり、国で議論されているところでありますが、その検討結果などを踏まえ、この調整交付金の配分については、今後適切な見直しを行うことが必要であります。
 調整交付金の大部分を定率で交付するだけでは、国民健康保険事業の健全化を達成することが困難であります。もともとある財政格差の調整は当然としても、先ほど答弁があったとおり、汗を流した区市町村が報われる仕組みにしないと意味がないと思います。東京都の役割が極めて重要であることを意見として申し上げて、私の質問を終わります。

○かち委員 私も、第二百十四号議案、東京都国民健康保険調整交付金条例に関して、私、国保委員会で諮問答申の作成に当たって質疑をしてまいりましたので、意見のみを述べさせていただきます。
 国の三位一体改革のもとで、国保国庫補助金の一部を削減し、区市町村が行う国民健康保険の財政を東京都が調整機能を強化するための財政調整交付金に関する条例案です。
 国民健康保険の安定化における東京都の役割、権限を強化するとの理由で、これまでの国保国庫補助金四〇%分を三四%に下げ、交付金化するというものです。本来、国保安定化事業と国庫補助金とは別のものであるにもかかわらず、しかも今年度からの強行導入ということで、保険者である区市町村を含め、大変な困惑をもたらしました。既に区長会、市長会、町村長会から異口同音に、調整交付金の対象経費の配分が変わると、被保険者の保険料負担や保険者の一般会計負担に重大な影響を与えることになるとして、これまでの普通調整交付金の配分を継続、維持することが強く求められてまいりました。
 今回の条例の内容には、七%の調整交付金のうち、従来どおり、六%はこれまでどおり普通調整交付金として維持しつつ、一%の特別調整交付金のうち、〇・三%を財政力格差調整に充てるとするものであり、おおむね妥当なものと考えます。
 しかし、国保財政の赤字に対し、一般会計からの繰入金の増大は、そもそも国保会計のうち、かつては四五%を国が確実に負担していたものを、その比率がどんどん引き下げられてきているところに、保険者の財政圧迫になっていることを見過ごすわけにはいきません。
 国保は、国民の命と健康を守る上で、だれでもどこでも加入できる世界的にもすぐれた皆保険制度です。保険料徴収率の低さは、昨今の経済や雇用環境の厳しい中で、国保対象者の増加、若年層まで広がっている不安定雇用による年収低下など、とりわけ東京という流動化の激しい大都市の実態も勘案しなければなりません。国保運営の広域化や医療費の適正化、安定化を図るとして、東京都がその権限をもって指導強化すべき特別調整交付金の中では、滞納処分、整理、電話による催告等、行き過ぎた対応を是正する指導も必要です。あくまで悪質な滞納者に限定すべきであります。
 また、賦課割合の適正化については、低所得者に負担が多くなる均等割の割合を高めるものであり、これも配分項目に入れることは適切ではありません。
 保険料については、加入者の支払い能力に応じた額にきめ細かく対応できるようにすることや、減免制度の利用促進と内容の充実などを支援すべきです。
 また、健康増進事業の一環として、助産師についても位置づけ、妊産婦健診の充実や負担軽減、出産費用の貸付制度への支援など、少子化対策、次世代育成支援対策について、国民健康保険事業についても取り組みの強化を図ることが重要です。
 さらに、医療費の減免制度の利用が非常に少ない実態にあります。この利用促進となるように、充実への支援、また、償還払いの高額医療費についても、新潟県や札幌市が実施しているような医療機関における受領委任払いについても検討することを求めておきます。
 最後に、国保運営の健全化の大きな柱として、住民の健康保持増進に寄与することが重要です。住民健診事業の充実、推進活動への支援等も位置づけることを申し上げて、意見といたします。
 以上です。
   〔発言する者多し〕
   〔傍聴席にて発言する者あり〕

○藤井委員長 静かに。

○野島委員 私も指定管理者制度について何点かお伺いしたいと思います。
 既に、それぞれのお立場で質疑がありましたので、重複を避けつつと思うんです。重複を避けるほどの能力もありませんので、もし重複しておりましたら、さっき答弁済みであると、こういうふうに答弁していただければ結構でございます。
 指定管理者制度そのものがオール都庁の課題であり、総務局の指針に基づいて、それぞれの所管がさまざまな制度の制約やそういう中でご苦労なすって今日に至っておる、こんなふうに思っております。とりわけ福祉保健局の所管の公の施設というのは、医療関係とかね、社会福祉施設、こういったものでありますから、一般的な公園や会館の管理とはわけが違うと。いわゆる生身の人間を対象としている。あるいは、障害者とか、そういうハンディキャップを持った方々が対象になっている、こういう特性があろうかと思うんですね。そういう意味では、いわゆる社会のセーフティーネットをどう機能させていくか、こういうことだろうと思いますし、私が大好きな憲法に保障する生存権、これを確保していくことである。こういう事業が福祉保健局圧倒的に多いわけでありますから、いろいろご苦労のあったことは推測を申し上げます。
 ただ、確かに営利対象にはならないだろうと僕は思うんです、正直なところね。しかし、創意工夫をしていかなければならない対象であることは事実だろうと、こんなふうに思っております。
 そこで、一般的に仕事を進めていく上で、自分で自前の金でやるのが一番楽なんです、余り煩わせずにね。直営方式と、こういうことだろうと思うんですね。あとは、自分でこういうことをやるということを決めて、これをやりなさいと。丸投げならそれで楽ですけれども、やっぱり公金を使ってやっている以上は、その政策効果というか、効果をちゃんと検証していかなきゃいけない。僕はこれは管理委託だと思うんですね。今回の場合には、指定管理者制度ということで、こういう大きな目的に従って、こういう制約があるけれども、その中で創意工夫を相手にもさせながら、大きな目的に向かって事業を執行していくというのは、僕は大変難しい課題だと思うんです。
 それだけに、私は今回の指定管理者制度の導入によって、福祉保健局の仕事が楽になるんじゃなくて逆に大変になると。しかし、そのことはいわゆる官から民へ、あるいは地域の中での福祉をどう醸成していく、競い合っていく、サービス向上をしていく結果としてコストの縮減にも通じるという、こういう大きな目的があるわけでありますから、これからいろいろご苦労があろうと思いますけれども、どうぞ懸命の取り組みを冒頭お願いをしておきたいと思うんです。
 そこで、これから三年あるいは五年、こういう形で指定期間をするわけですね。そうしますと、東京都はこの事業者に何を期待していくのか、何を求めていきたいのか、そしてそれらに具体的にどう取り組んでいくのか、こんなところをひとつお聞かせいただきたい。

○松井参事 多くの事業者は、指定管理者制度の趣旨を踏まえまして、創意工夫を生かし、法人独自のサービスや経営改善に取り組む計画書を提出しております。
 今後、都は、事業者に対し提出された事業計画の着実な実施を求めることは当然ですが、計画の実施状況を踏まえ、一層のサービス向上に向けた取り組みについて事業者に働きかけていきたいと考えております。
 具体的には、施設運営の指導部門において事業者の計画や報告を丹念に検証するとともに、施設を指導する立場の指導検査部門などと十分連携し、必要な助言指導を行ってまいります。

○野島委員 三年あるいは五年という形の中で施設の管理代行を任せる、こういうことになるわけであります。したがって、毎年の事業計画も出てきているんでしょう。その到達地点を図りながら、足りない部分を相手に求めながら、こういうことになると思うんですね。あるいは、その期間の中でも新しい芽が出てくれば、それを期間の中でどういうふうにプラン・ドゥー・シーをやっていくかというね、こういう作業になると思いますので、ひとつ指導監督責任をしっかり果たしていただきたいと、このことをお願いをしておきます。
 この制度を導入しても、福祉施設あるいは医療施設で果たしてきた従来の、さっき申し上げました社会のセーフティーネットとしての機能は、より高めていくということがなければ、この制度を導入する意味がないわけでありますから、その辺にも留意しつつ、先ほどからもご答弁いただいておりますけれども、いわば三年五年の中で、指定して終わりじゃなくして、その中で常にプラン・ドゥー・シーを繰り返しながらやっていく必要もあるだろうというふうに思っております。
 それで、私はもっと必要なのは、これから地域福祉というんですかね、そういう部分がもっともっとウエートが高まってくると思うんです。例えば社会福祉事業団の話がありました。でかい管理スパンでやるべき仕事なのか。それだけ大きいと、いわゆるコントロールができないよということで、地域に持っていった方がより身近にできるのか。余り小ちゃくなっちゃうと今度は硬直化しちゃいますから、人員とか、組織がね。そうすると今度は動かなくなってしまうよと。これは僕は、ある意味で壮大な実験をやっていかなきゃいけないと思うんですね。その中でも常に意識していくのは、例えば地域のNPOだとか、ボランティアだとか、そういうこととの連携、いわば地域に根差した福祉、そういったものをもっと活発にしていくような指定管理者を育てていくことだろうと思っておりますし、そういう中で、何で社会福祉事業団がこんなにたくさん受けているのと。制度のいろいろなところありますよ。新聞報道なんかだと、いや、形を変えただけじゃないかといわれていますけれども、実態として動かしていくときに、いろんな制約がありながら、緒についたところだと思いますので、それはそれで僕は管理をすべきだと思うんです。それは現象面で、やれ民間が参入が少ないとか、今までどおりじゃないかとか、いわゆる外郭団体が独占というか、圧倒的に多いじゃないかと、そういう現象面の話ではありますけれども、内在するところをしっかりと見詰めて、その中で着実にやっていく必要があるというふうに思うんですね。特にこの部分では、これからね、今まで戦後といいましょうか、ずっと社会福祉事業団なり、そういうあれは東京都の出捐でできているんですか、金は、あるいは都の職員がたくさん行っているとか、そういうところのノウハウを地域に伝授していく、培養していくというのも僕は大きな仕事だと思うんです。そういうことで、いわばある種の創業者利益を、今まで公費を投入してやってきたわけですから、それを民間に多く還元していく、そのことでそういう事業主体がどんどん育っていくような、そういう指導監督、育成をぜひお願いしていきたいと、こんなふうに思っております。
 そこで、先ほど答弁の中でね、事業者が創意工夫を生かした計画を出していると。特命随契でも、特命でも計画を出してもらっているよと、こういうことだと思うんですね。もちろん、選定二者あれば、出してもらって、競い合って、こちらがいいと、こういう判断をされて選定しているわけでありますけれども、サービス向上に向けて、ああなるほどと、東京都がいわゆる今までの制度の中ではやってこなかったとか、あっ、そんなことがあったのかと、これはすばらしいとかね、そんなことの特筆すべき事項がありましたら、具体的にお示しいただければありがたいと、こんなふうに思っております。

○吉岡障害者施策推進部長 今回の指定管理者の選定に当たりまして、サービスの質の維持は当然といたしまして、より一層の向上について事業者に提案を求めましたところ、さまざまなご提案をいただきました。
 具体的な事例をご紹介いたしますと、障害者スポーツセンターにおきまして、高齢者等への新しいプログラムの展開、地域レベルでの障害者スポーツ振興のための職員派遣やノウハウの提供、知的障害者通勤寮におきましては、ADHD、注意欠陥多動性障害でございますけれども、これら発達障害などの新しい課題に対する医療機関との連携やカウンセラーの配置によるきめ細かな対応などでございます。
 なお、参考までに、都が進めております民間移譲につきましても、さらなるサービスの質の向上を図るため、各移譲先法人から多様で積極的な提案がなされておりますので、あわせてご紹介いたします。
 例えば福祉作業所におきましては、現在は月曜日から金曜日まで開館しておりますけれども、これを土曜日、日曜日も開館して通年開館とする。また生活実習所におきましては、複数系統のバスによるドア・ツー・ドアの送迎や、希望する利用者に対しましては、平日の利用時間を例えば夜八時まで延長する、こういうご提案が出されております。

○野島委員 いわばマンパワーでやっていくべき仕事が圧倒的に多いと思うんですね。そういう中でも創意工夫を凝らしていかなきゃいけない。で、経費の圧縮ということは、それは当然求めていかなきゃいけないと思うんですが、私は、同じ経費でも工夫の仕方によっては大きくサービス向上に至る部分があるだろうと思っているんですね。
 つたない経験なんですが、実は学校現場に、私どもの市の単独で介助員を置いていたんですよ。正職を置いているんですね。それで、新しく入ってきた人の介助をしなきゃいけないよと、それはわかります、障害者の方のね。しかし、その時間がどのぐらいあるかといったら大した時間じゃない。それなのにべた張りですから、正規職員の給料ですよ。そうじゃなくて、必要なときに必要な人を張れば、あるいはどうしても一人で無理なら二人張りゃいいわけです。そういう工夫とかね、僕は公でできないさまざまな工夫が今度進んでいくだろうというふうに期待をしていますし、そういうことをやっていかなければ、単に上辺だけで職員の数が減ったとか、金が減ったとか、そういうことじゃないと思うんです。トータルとしてどういうサービス向上がなされていくかということが一番大事だろうと、こんなふうに思っている次第でございます。
 新しい形でございます。今までも福祉改革ということでさまざま進めてきておりますけれども、今回の指定管理者制度の導入ということ、公の施設の管理運営なんていうことで、私ね、一時、複合施設をつくったときに、それを有効に管理運営するために、一発でどこかに任してやりたい、図書館も、児童福祉施設も、コミュニティー施設も、あるいは地区センターも、そういったら、制度の壁がむちゃくちゃありましてね、だめだったんです。唯一できたのは、財団法人をつくってすき間を埋めただけです。そんなことがありましたことを考えますとね、今回いろんな意味で、こういうふうな形で指定管理者制度の導入に進んできたわけであります。これが到達地点でなくして、これらの成果を踏まえつつ、より一層民間が参入する、あるいは競い合っていく、こういう指定管理者制度。とりわけ福祉保健局の所管の事業というのは、文字どおり、さっき申し上げました生存権を保障すると。保障の仕方が、社会全体で、地域全体で支えていくんだと。こんなことに大きな力を注いでいただきたいと、こんなことを要望して、雑駁でありますが、質問を終わります。

○藤井委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後二時三十一分休憩

   午後二時四十六分開議

○藤井委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 お諮りいたします。
 付託議案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、ご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○藤井委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。

○藤井委員長 次に、報告事項、東京都新興感染症対策会議の報告について質疑を行います。
 本件については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○片岡総務部長 過日の厚生委員会で要求のございました報告事項関係の資料につきまして、お手元の厚生委員会要求資料(報告事項)にまとめてございますので、ご説明申し上げます。
 資料は、目次にございますように、全部で六項目となっております。
 それでは、順を追いまして説明させていただきます。
 まず、一ページをお開き願います。
 最近の国内養鶏場での鳥インフルエンザの発生状況といたしまして、平成十五年度から十七年度の発生養鶏場数、発生場所等につきまして記載してございます。
 二ページをお開き願います。
 海外における鳥インフルエンザによる死亡者数といたしまして、その死亡者数を国ごとに記載してございます。
 三ページをごらん願います。
 都におけるインフルエンザ定点医療機関患者報告数の推移といたしまして、平成七年から十七年までの患者報告数及び一定点当たりの報告数を記載してございます。
 四ページをお開き願います。
 都道府県における感染症指定医療機関の状況といたしまして、第一種及び第二種感染症指定医療機関ごとの病院数と病床数を都道府県別に記載してございます。
 五ページをごらん願います。
 都道府県、政令指定都市におけるインフルエンザワクチンの接種率といたしまして、平成十四年度及び十五年度の状況につきまして、都道府県及び政令指定都市別に記載してございます。
 最後に六ページをお開き願います。
 保健所の管轄人口数といたしまして、全国上位十の保健所について記載してございます。
 以上、甚だ簡単ではございますが、ご要求のございました資料につきましてご説明申し上げました。
 よろしくお願い申し上げます。

○藤井委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○田代委員 新型インフルエンザ対策について幾つか質問させていただきたいと思いますけれども、十月二十日の報告として、インフルエンザ対策については発表したわけですけど、国も十一月十四日に行動計画というのは発表しているわけですね。まあ、東京都のことを持ち上げるわけじゃないんですが、四十七都道府県の中で一番最初に、国よりも早く東京都がこれに取り組んできた。知事の先見性も大したものだと思いますけれども、またそれに呼応して福祉保健局も総力を上げて頑張っていただいたこと、大変ありがたいと思います。
 新型インフルエンザというのは、今大変大きな問題になっているように見えるんですが、実は大きな問題になってきたのはつい最近でありまして、一年前までは、ある一部の学者、あるいは医者の中ではいわれていたわけですけれども、パンデミックになるようなA型のインフルエンザ、新型のインフルエンザが起きるであろうという可能性について、可能性についてはわかっているんですけど、どのぐらいの可能性があるかということは全くわかっていない。それに対して、ことしを含めて、今から五年から十年の間に起きるであろう確率が非常に高いわけでありますから、東京都がまず率先してこういうものをつくられたということは大変意義のあることだと思うんですね。
 しかし、一つ一つ質問する前に、否定的なというか、ちょっと暗い感じの話をするのはマイナスになるかもしれませんけれども、世界規模で起きようとしているこのパンデミックに対して、今、タミフルの--タミフルが効くか、効かないか、これは全然別なんですね。タミフルは、インビトロ、いわゆる試験管内では効いてはいるわけですけど、実際問題効いているかというと、これまだわからない。リレンザもそうです。アマンタジーも、アマンタジーは効かないわけですけれども、後でリレンザの話も聞きますけれども、効くか効かないかまずわからない。そしてパンデミックになったときには、全く量的に足りない、一社しかつくっていないわけですから。そういう中で、揚げ足取りのように、これだけ出たらどうする、これだけ出たらどうする、あれだけ出たらどうするという、政治的な意味での質問というのは非常に不愉快ですし、また意味のない質問になると思うんですね。現実にどこの国もこれ、対応が絶対できないんです。これはもう仕方がない、津波みたいなものですといったらおかしいんですけど、ある程度予測のできる津波みたいなもので、だけど、その力がどれほどのものになるかということは、全く科学的にエビデンスがないわけです。そういうものをちょっと外して、人の不安をあおり立てるような、その場限りの、その場その場の対応をねちねちと責めていくような質問には僕はなりたくないと思っております。
 東京都全体のことを考えてもですね、今、もう約二十年前からですけれども、日本全国で百八十万床ある病床数を六十万床にしていこうと。これは厚生省のときの方針ですね。これはご存じのとおりに、まだ高齢化とはいわれなかったんですけど、老人保健が施行された政治的な意味もあったんでしょうけど、そして社会的入院というのが非常にふえてきたために、アメリカ式にクリニカルパスを入れて、患者さんが病院の中で待つことがないような、むだな時間にならないような、きちっと効率のいい病院運営をしていこうという方向で、百八十万床あったものが六十万床、三分の一になりつつあるわけです、まだ六十万床にはなっていませんけど。簡単にいうと、十軒あった病院が、そのうち六軒がつぶれていくということです、簡単にいうとですね。
 そういう状態で、医療費の適正化というものを、無理やりにキャップをかぶせて、医療費を、いわゆる費用対効果というより、費用だけで見ている結果が今あるわけですけど、ここで急にパンデミックが来たからといって、いつ来るかわからないのに膨大なお金をかけて都立病院を改革していく、変えていく、云々かんぬんという意見は、多分そんな非常識な意見は出ないと思いますけれども、都立病院にもっともっとお金を入れて、もっともっと何千人でも収容できるような方向にしろなんていう議論になること自身が非常にナンセンスなわけですけれども、その中でも最低限やれることをやっていかなくちゃいけない。
 今、やれることというのは、まず国内に入ってきたものを速やかにチェックしなくちゃならないわけですけど、これだけ海外との交流がしっかりできているときには、どこかの飛行場で入ってきたものはとめても、ほかのところで入ってくるという可能性はよくあるわけですし、それからSARSのように、これSARSはまだはっきりわからないんですけれども、非常に病原性が強い割に、人から人へのいわゆる伝播というものが抑え込まれてはいるわけです。あれは接触感染ですから、例えば飛行機の中に入って、そこで汚物なり何なりがどこかに付着したとしても、それ触らなきゃ終わっちゃうわけですね。ところが、この新型インフルエンザという、これが今のところ三つの経過があって、鳥から人にうつって、人の中で急激に変化するのか、鳥から豚にうつって、また人から豚にうつった両方がミックスして、コラボレーションを起こして新しい形になるのか、人の中にうつってきたものが人のインフルエンザウイルスとコラボレーションして新しいものになるのか、これ、どれだかわかりませんけれども、どちらにしろ、せきによって、コホンコホンというせきによって、約半径七メートル以内の人はみんな感染を起こしちゃうわけです。そうすると、どこかで水際作戦といっても、みんなSARSのときのマスクみたいなのをやって動いているわけじゃないんで、どこかから入ってきちゃったらもうしようがないんですね。その次に都市に入ってきたときの封じ込め、これがまず大切。それから、その一歩手前では、何せ東京都内どこまであるのかわかりませんけれども、東京都の中から鳥インフルエンザを追放していく。いわゆる鳥にうつっているものは、どんどんどんどん廃棄していくということをしっかりやっておかないと、それも大変大切なことでありまして、外から持ち込まれるとは限らないわけですから、東京都の中での鳥インフルエンザの予防も当然一緒に進めていかなくちゃいけない。
 そこでですね、まず入ってきちゃったものをどうやってトリアージしていくかというか、隔離していくか。これについて東京都の方で一つの方針みたいなものがあると思うんですね。東京都に入ってきてしまった、あるいは飛行場で発見された、あるいは近所の診療所で見つかった、そういうときに、まずどういう封じ込め作戦というのをやっていくのかを教えていただきたいと思います。

○八木健康安全室長 まず、新型インフルエンザが海外で仮に発生いたしまして、それがこの感染地域から、いわゆる帰国者であるとか、あるいはそういうところから来られた医療従事者がいる、それをいかにして発見するか、その後の封じ込めに重要なわけでして、東京都としては、そういった場合の相談体制をまず構築しておく必要がある。つまり、ああいうところから帰ってきたけれども、ちょっと熱があった、おかしくなったんだよと。そうするとどこに相談したらいいかとか、あるいは何よりも必要な、ウイルスが迅速に検査できなきゃいけない。そういった検査体制も実施できる仕組みも必要だと。
 それから、仮に患者さんが、第一号、第二号が発生した場合に、速やかに適切な医療ができるところに搬送する、こういったシステムをつくっておく必要、これが封じ込めの体制だろうということで、都では、保健所や医療機関、あるいは健康安全研究センターと綿密な連携を図って、この発生初期の段階からの感染拡大を防止を図っていくということにしてございます。

○田代委員 確かに、そのようにできるとありがたいんですが、ちょっと心配なのはですね、今タミフルが有名ですから、タミフルを例にとりますと、世界じゅうで売られているタミフルの約八割、全世界の消費量の八割を日本が消費しているんですね。何でかというと、これはもう話するとまた長くなっちゃって申しわけないんですけど、いわゆる国民皆保険って世界に唯一しかない、だれでもがかかれるこういう制度があるために、タミフルを使う。迅速診断キット、我々のところに、医者に行くとあるわけですけれども、ちょっと、のど、あるいは鼻のスメアをとってすぐ調べられる。これによって、いわゆる抗生物質を投与しなくちゃいけない人なのか、抗ウイルス剤を投与しなくちゃいけない人なのかということを見ることができるんですね。これは国民皆保険があるために、それが財政的にベースがあるために実行できるわけです。
 このインフルエンザの学会に行きますと、一番いわれるのは、欧米では特にインフルエンザ、タミフルなんか使わないんですね。家でおいしいものを食べて寝てろって、その対処もしないんですね。これは後進国ですね、欧米の。日本の方が非常に進んでいる。それは、診断キットが日本でつくられて、日本でも使われているということがあるわけですけど、今度の鳥インフルエンザについては、残念ながら今我々が使っているウイルスの迅速診断キットは使えないわけです。
 この鳥インフルエンザ、当然パンデミックになる理由というのは、A型ですから、ある程度、不完全ですけれども、チェックすることはできますけど、やはりウイルスのDNAのチェックをしないとわかってこない。これだけの時間がかかるわけで、いざ飛行場で見つかった、アイソレーターで運んできて調べましょうというときには、何日か、何時間かの時間があいちゃうわけですね。このときに、世の中にいろんなうわさ、デマが飛んで、パニック状態になって、みんなが医者に行っちゃうとか、診療所に行っちゃう、あるいは都立病院に長蛇の列ができるなんていうことになると非常に困るんで、まず周知しておく。都民の方々に今の現状、結論を先にいっちゃうと、僕は、ことしは絶対はやらないと僕個人は思っているんです。あり得ないと思っているんですけれども、可能性がどのぐらいといわれると何ともいえませんけど、五%も僕はないと思っているんですけれども、でも、そうなったときに一番怖いのは、パニック状態になったときの都民の方々の対応がしっかりできていないと困るわけですね。
 そのときに、鎮静していただくために一番必要な実は大きな問題になっているのは、タミフルが足りていない。ことし起きないんだからいいじゃないかといってしまえばそれっきりなんですが、WHOも四分の一、約二五%の人が罹患するといっている。国が確保しようとしている目標が二千五百万人分。ということは、日本の国民が一億人であれば、ぴったりこれ合うわけですけれども、そうじゃない。東京都の中でも約百万人分から六十万人分が足りなくなるわけですね、このままいくと。その説明を、あなたにはあげますけど、あなたにはあげません。これ、順位を国が決めていて、入院患者さんから、医療従事者からって、順番は後でちょっと詳しく話していただきますけど、あるんでしょうけれども、それでおさまるかなというところが一つ心配なんですね。
 僕の提案としては、リレンザという、先生方も使われたこと、あるいはごらんになったことあると思いますけど、吸入器ですけれども、これもA型のインフルエンザ、特に鳥インフルエンザには同じように阻害酵素ですから効くはずなんですね。少なくとも、タミフルが効かなきゃリレンザも効かないでしょうが、タミフルが効けばリレンザも効くはずなんですね、理論的には。すると、今、ない、ないといって、幾ら国がお金を出しても、もう二千五百万人分しか日本は手に入らないんですから、割り当てが。これは特段の割り当てが日本にあったというわけですけど、それはそうで、製品の八割買ってくれるお得意様なんだから当たり前のことですね。だけど、それでも足りていない。
 しかも、病院に入院すればいいんだといいますけど、例えばの話ですよ、都立府中に今みんなを集めて、あそこを感染症病棟にしようというときに、じゃあ都立府中にいた人をどうやって、どこに運ぶかですよね、現実に。主治医はどこまでついていっちゃうのか。現実の問題として、それぞれの病院に十床、二十床、三十床って、そういう感染病棟をつくればいいじゃないかというけど、やっぱり我々病院の経営者としては、それははっきり申し上げて、経営者としてはお断りしたい。うちには入ってほしくない、これは当たり前のことですね。あるいは悪性のいわゆる血液のがん、白血病なんかの病棟を持っている病院からすれば、これもう、その人たちが入って院内感染を起こしたら、確実に我々は訴えられますから、そういう意味では、数合わせで、あそことあそことあそこに何床あいているから、これでいいじゃないかというわけには実はいかないんですね。人を動かすというのは非常に大変なことでありまして、入院患者さんが少なくとも大学病院というのは千名以上入っているわけですから、その人たちをどこかに全部移して、そこの病院だけを指定して、そういう新型新興インフルエンザの対象に与えますっていったって、これはできるわけじゃない。
 ですから、もうちょっと都民に理解できるような説明をしっかりやっていただきたいのと、先ほど申し上げましたリレンザを積極的に備蓄しておいていただきたい。ただし、それには、タミフル一錠、薬価じゃなくて、買う値段からすると、二百円からちょっとぐらいすると思うんですね。それを一日二錠、五日分を、日本だと二千五百万人分ぐらい用意しなくちゃいけない。来なければ五年間で廃棄しなくてはならない。リレンザも同じことですね、三年間ですから。そういうむだになるんだということも、みんな、行政も、それから立法府の方も理解しておかないと、ただ買え、ただ買えといって、買っておいて、今度はやらなかったら、その損失はどうするんだといわれたって、行政も困ると思うんですね。
 ですから、もうちょっと都民の方たちに、みんなで一緒に協力して、こういうめったにないパンデミックに対して、いわゆる初めての国家の危機管理になるわけです。
 先ほど、海外で発生するという話もありましたけど、何回も申し上げているように、国内で発生しないなんて理由はないんですよ。ただし、国内で発生する率が非常に低いというのは、濃厚接触が、いわゆる鳥とともに生きているような人じゃないと、鳥から人への感染は起きないわけですね。ですから、鶏小屋と自分のところが非常に離れているなんていう人は、普通はかからないと思われているんですけど、絶対ゼロというわけじゃありませんから、東京都内から新型インフルエンザがスタートして、全世界にパンデミックを起こすという可能性だってゼロではない。そういうところを少し都民の方々にわかりやすく理解していただいて、周知していくことが、一番大きなパニックを抑えていくことじゃないかと思うんですけども、まずこのリレンザ、東京都としてはどうお考えなのか、ご意見を伺わせていただきたいと思います。
 それから、順番をちょっといってください。国が決めているトリアージの順番。

○八木健康安全室長 今、リレンザの備蓄のお話と、それからトリアージといいますか、こういった治療薬、抗インフルエンザウイルス薬といわれるタミフルやリレンザの、いざというときの投与する優先順位のようなご質問だったと思います。
 まず先にタミフルのことを申し上げますと、国の方ではさきに国内に二千五百万人分を備蓄するという目標を示しまして、その内訳として、一般流通備蓄として四百万人、残りの二千百万人が行政が備蓄すると。その行政備蓄の半分の千五十万人を都道府県備蓄とするという、こういう目標を立てまして、これを人口案分いたしまして、東京都に対しては百万八千人分の目標ということで備蓄を要請しております。
 都としては、やはりタミフルの確実な調達を国に求めながら、必要な備蓄を進めていくわけですが、一方、今、先生お話しのリレンザでございますが、これにつきましては、国の計画でもやはりリレンザにつきまして、新型インフルエンザがタミフルに耐性を獲得している可能性も懸念されるということから、リレンザの備蓄を検討しているとしてございます。都といたしましては、リレンザが使用期間が三年であることや、あるいは専用の吸入器を用いなければならないというような課題もございますが、今後、備蓄についても可能性については検討していきたいというふうに考えてございます。
 それから、前後いたしますが、タミフルを備蓄しても、仮に非常に大流行になって、備蓄の量を超えるだけの必要量、需要が出てきた、こういうことについてどのような使用の仕方をしたらいいか、これにつきまして、国の計画では、大流行期においては、タミフルのような、こういった抗ウイルス薬の使用治療の優先順位として次のような考え方を、順位を考えております。
 一として、新型インフルエンザ入院患者の治療に使う。二として、罹患している医療従事者及び社会機能維持者の治療に使う。三として、罹患している医学的にハイリスク群の治療に使う。四といたしまして、児童や高齢者に使う。そして、五といたしまして、一般の外来患者に使う。こんなような考え方を、タミフル等の使用治療の優先順位といたしております。
 都といたしましても、この都内の流行期に備えまして、優先順位について検討を行い、適切に対処していきたいと考えております。

○田代委員 確かに耐性というのは大きな問題があるんですけど、今までのインフルエンザウイルスは、すべて耐性になったときに非常に伝播力が落ちるんですね。そういう特徴をインフルエンザウイルスが持っているわけですから、逆に、大体普通飲み始めて、使用し始めて、四日から五日ぐらいで耐性菌ができてくるわけですけど、そうすりゃ超えているわけですから、まずタミフルの、タミフル耐性の新型が出たら、これはもうどうしようもないと。だけど、そのときに、リレンザは非常に耐性を得づらいという、もともと特徴があります。何しろ足りないと都民の不安というのは幾らでも増幅されちゃうわけですよね。私がそのトリアージの中に入って外されたらどうしようということになっちゃうわけですから、これはしっかりやっていただかないと困るなと思うんで、リレンザについて東京都はなるべく積極的にお考えいただきたい、これが一つ。
 それから当然、ワクチンをつくるのに六カ月弱かかるわけですけれども、この問題として、ワクチンの値段を幾らにするかということも非常に難しくて、私、医師会長やっているときに、世田谷区医師会でインフルエンザワクチンの値段を統一したんですね、三千五百円と。そうしたらすぐ行政からチェックが入りまして、独禁法違反だからだめだということで、やめさせられました。
 で、世田谷区は、高いところ、安いところ合わせて、千五百円ぐらいから一万五千円ぐらいまである。大きな病院は当然、うちの病院も一万五千円です。いわゆる大病院といわれる高度先進型の治療をしている病院は、ワクチンを打つことが仕事じゃありませんので、なるべくいらしていただかないような値段を設定しているわけですが、ワクチンができたときに、例えばカナダなんかそうなんですけれども、二歳以下のお子さんがいらっしゃるところ、あるいは六十五歳以上の高齢者がいらっしゃるところ、幾つかの分け方が国によって違うんですけれども、無料でワクチンを打つんですね。そのときだけ、無料でといったらおかしいけど、すべて補助金が出るようになっている。その家族にもです。家族も打たなきゃしようがない。お子さん、二歳にするのか、十三歳にするのか、これ非常に難しいところがありますけど、お子様は何せ二回やらなくちゃいけない。お年寄りも二回やらなくちゃいけない。我々は一回でいいわけですけれども、しかし、昭和三十二年のときのあのアジア風邪は、働き盛りの方がかなり多くの方亡くなったわけですね。そういう意味でも、もしかしたら二回ぐらいやらなくちゃいけない。そうすると四人家族で、例えば三千円としたって二万円を超えてしまうわけですから、そういうものに対して、やはり東京都として早急にワクチンをつくることも大切ですけど、ワクチンが速やかに使われる、ワクチンが間に合えば、十分この新型新興インフルエンザを抑えることができるわけですから、そこを考えておいていただきたい。
 お金の問題になって申しわけないんですが、やはりワクチンというものが速やかに皆さんに接種していただけるためには、経済的な大きな負担があるとなかなか動きが鈍いんじゃないかなと思う。その対策は、本当は国がやるべきことなんですよ。これすべて国がやるべきことで、今、東京都のここでこう話すべきことではなくて、国が全部やっておけば、ここでこういう話をする必要は全くなかったわけですけれども、国がちょっと足りていない。といっても、世界じゅうの国が足りていないんですよ。日本だけが足りていないんじゃなくて、世界じゅうの規模でどこも足りているところは全くないわけですから、そういう中で、ちゃんと英知を結集していい方法を見つけていただきたい。
 そして、最後に申し上げますけれども、このパンデミックが起きたときの都民のパニック状態による何かいろいろな行動を強引に抑えつけるのではなくて、そういうものが起きないような状況をつくっておく。そのためには、先ほど申し上げましたけど、我々質問する立場も、余りにも恐怖心をあおるような、おもしろおかしいような質問で終始してしまうと、やっぱり都民の方たちは、足りないんだったら自分たちはどうなんだ、命もどうなっちゃうんだという話になっちゃいますから、そこを東京都はしっかりと、そういう意味の封じ込め、意識を、あるいは知識を持って、都民が自分たちの状況をしっかり理解できるような形の周知をして、そういう封じ込めをしていただきたいと思いますが、最後に、何か東京都の方で決意があれば、お話を伺いたいと思います。

○梶原理事 新型インフルエンザは、万が一発生して流行が拡大すれば、人命はもとより、社会経済機能に甚大な被害を及ぼすことが懸念されております。このため、発生初期の段階でできる限り封じ込みに努めるとともに、大流行になったときにも被害を最小限にとどめることが基本と考えております。
 理事、ご指摘のとおり、現実にはさまざまな場面も想定されます。行政が直接実施指導するもの、民間の協力をいただくもの、そして何よりも都民の理解を得ていくこと、これらが重要な視点だと考えております。
 今後、区市町村や医師会、薬剤師会など関係機関、関係団体と連絡をさらに密にいたしまして、予防医療体制の整備や治療薬の確保、さらには社会福祉施設などにおける対応など、幅広く都民生活全般に目配りした対策を組み立てて、備えを進めてまいります。

○田代委員 最後にちょっと意見をいわせていただきます。
 そうやっていただけると大変ありがたい。ただ、今言葉でおっしゃると非常に簡単なことですけど、実際にやろうとすると非常に大変な仕事量になると思うんですね。これは来年、医療費の見直しがあるから、僕、そういうことをいっているわけでも全くないんですけれども、先ほど申し上げましたように、百八十万床のベッドを急に六十万床にしようというのは、単なるお金の問題も、部分あったんですね。医者の不正もあったんですよ。とんでもない老人病院の不正請求もあったもんですから、それはもう当然内部での自浄作用が医師会ではないというところが大きな問題ではあるんですけれども、やはり都立病院あるいは公社病院というのはこういうときに、社会的な医療の基盤となる一つの働きをしなくちゃならないんで、いつも申し上げておりますけど、余り予算にとらわれて、非常にコンパクトで効率のいい経営だけをするのではなくて、こういう大きな問題が起きたときに、都立病院あるいは公社病院が中心となって、その対応ができるような医療政策というもの--国は国です。これは先ほど申し上げたように、国民皆保険を守っていかなくちゃいけないという大前提があるわけですけど、東京都も一つの国のような大きさを持っているわけですし、予算も持っているわけですから、その権限を持って東京都からほかの道府県に関してもお話ができるような、意見がいえるような、そういう対策を練っていただくことをお願い申し上げまして、質疑を終わります。
 ありがとうございました。

○初鹿委員 大変、田代理事の専門的な話の後で質問しづらいんですけれども、幾つか参考になったこともありますので、それを受けて質問させていただきます。
 先ほどの答弁でもありましたけれども、国全体で二千五百万人分のタミフルを備蓄をし、そのうち二千百万人分を国と自治体で半分ずつ備蓄をしていくということであります。
 最近、私、この問題だけじゃなくて、国の対応を見ていて感じるのは、地方自治体が負担を負うものを、簡単に国がこうしますといって押しつけてくることが多いなと。例えば今問題になっている姉歯の耐震データの問題でも、いきなり国が、自治体がマンションを買い取れみたいなことを簡単に方針を立てる。それに自治体が従わなければならないというのも、地方分権といいながら、何かやっていることが違うんではないかななんていうことを思っております。
 このタミフルの調達についても似たようなものではないのかななんて感じておりますので、そういう観点で幾つか質問させていただきますが、国の計画によりますと、東京都で百万八千人分を備蓄するということですよね。これが薬価で仮に計算をすると、総額で約三十七億円になると。じゃあ、これを一体どっちが負担をするんだという話になってくると思うんですよ。じゃあ、国がこういう計画を立てましたから東京都さん財政負担してくださいね、そういう簡単な話にはならないと思うんですね。果たして国と自治体で半分ずつ備蓄をするのを分け合うというのが妥当なのかどうかというのも、何となく私は疑問だなと思うんですよ。東京都としてね、国が約百万人ですね、百万八千人分という目標を示していますけれども、この数、適当なのかどうか、私は何となく疑問なんですけれども、東京都はこのタミフルの備蓄についてどういう考えを持っているのか、まずお伺いいたします。

○八木健康安全室長 東京都のこのタミフルの備蓄の考え方ということでございますが、新型インフルエンザ対策に必要なタミフルの確保というのは、私どもも本来国の責任において取り組むべきものというふうに考えてございますが、何分国際的な大変な需給逼迫の中で、現時点で備蓄に向けた新たな調達を行っていくことは大変困難な状況であるというふうに聞いております。このたび、国が来年度からの輸入、備蓄の見通しを明らかにしたことから、都としては国に対して確実に調達を行うよう求めていくとともに、東京都として必要な備蓄を進めていくというふうに考えてございます。

○初鹿委員 備蓄の計画が仮に順調に進んでいったとしてですね、新型インフルエンザが発生をしました、じゃあ、この備蓄したタミフルをどうやって患者さんに渡していくのかということがいまいちはっきりわからないんですよ。先ほどの説明、答弁ですと、備蓄量を超えてしまったときに優先順位をつけると。入院患者さんが一番目で、医療従事者の方、保健所の職員などの方が二番目で、ハイリスクの方、それで児童、高齢者、そして一般という答弁だったと思いますが、それはわかりますけれども、例えば自治体が持っているタミフルを自治体が直接そういうところに渡すのか、それとも一回、市中に戻して、普通の流通の中に流して、それで広めていくというか配布していくということになるのか、何らそういう方向が示されていないように思います。仮に普通に流通させていくと、この優先順位が果たして守られるのかどうか、疑問に思うわけですね。
 また、自治体ごとに備蓄をしているわけですね。果たして流行が進んでいく中で、国が持っている分を先に出すのか、自治体の分を先に出すのか、これも何も決まっていないように思います。じゃあ自治体の方から出すといったときに、東京都が百万人分確保していますといっていますが、この百万人分は東京都の患者さんのためだけに使われるのか、それとも、広げていって、全国どこで使われているかわからない状態になるのかも定かじゃない。仮に備蓄がきちんと計画どおりにされずに、ちゃんと備蓄した自治体と備蓄できなかった自治体とができてしまって、備蓄できなかった自治体がタミフルが足らないからどこか融通してくれといったときに、じゃあ東京都は余っているから、こっちを回しましょうなんて話になったら、何のために東京都が都民の税金使って薬を備蓄したのかわからないというような感じになるわけですね。恐らくそういう疑問というのは出てくると思うんですよ。自治体同士の取り合いになるのも必ずしもいいとは思いませんし、なぜ、こういうことをいうかというと、よくよく考えてみると、やっぱりこれは国がやるべきで、東京都がやる備蓄の量というのは、実は医療従事者の方とか保健所の職員の方とか、そういう行政なり医療機関なりで患者さんと接する上でタミフルを飲む必要のある人のためだけに備蓄をすればいいんではないのかなというふうに思ってしまうんですね。だから、単にですね、国が自分で財政負担を負えないから、自治体にも半分ぐらい持ってもらおうかなということで計画がされているようにしか思えないんですよ。
 だからですね、タミフルを自治体も負担して備蓄をするんだったら、その備蓄したものがどうやって配布されていくのか、そういうことをしっかり国が示す必要があると思うんですね。そのことを国にはっきりと主張していくべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○八木健康安全室長 初めに、先ほど優先順位のお話をさせていただいたんですが、ちょっと補足させていただきますが、決して、これは、備蓄をしても足りなくなるから、最初から優先順位決めて、優先度の高い人にしか渡さないよということでございませんで、これは国の計画においても明確に、いわゆる大流行期、国でいうと、国はパンデミック期といっていますが、大流行になって、予定していた備蓄が本当に足りなくなる事態。ですから、基本的には私ども備蓄というのはすべての必要な方に投与できるような、そういう備蓄を考えて、あくまでも足らなくなった場合ということ。
 ご質問の国への要求ということでございますが、東京都は国に対しまして、タミフルの備蓄など、国が主体となって総合的な対策を講じることを既に要求はしてございます。また、全国の衛生部長会におきましても、国の責任においてタミフルを確保することや、また、お話の新型インフルエンザ発生時における円滑な流通の仕組みを構築することなどを要望してございます。
 今後、タミフルの円滑な使用に向けました方策などについて、国に対しても求めていくことにしております。

○初鹿委員 最後に一言。
 田代先生と気持ちは多分一緒だと思うんですが、やはりきちんとした情報を都民の方に伝えることが必要なんじゃないのかなと思うんですね。先ほども話を聞いていて、タミフルが本当に万能なのかどうか疑問にも思うし、また本当に足りなくなったときに、自分はもらえないんじゃないかという不安をかき立てるようなことがあってもいけないですしね。そもそも、四日間寝ていれば治るんじゃないのかなということもありますし、そういうことがきちんと伝わらない中で、タミフルを備蓄しましょう、どうも備蓄ができないかもしれません、足らなくなるかもしれません、ということだけがひとり歩きしてしまうと、やはり都民は本当に何か起こったときに不安になると思うんで、情報をしっかりと伝えていくということを東京都としてできる限り努力をしていただきたいなということを最後につけ加えさせていただいて、質問を終わります。

○谷村委員 それでは、引き続き新型インフルエンザ対策についてお伺いいたしたいと思います。
 先ほど、田代先生の含蓄ある質疑、大変感銘もいたしましたし、そこで強くご指摘されておりました、いたずらに不安をかき立てるようなことがあってはならない、ごもっともだと思います。そういう私も同じ立場に立たせていただきまして、都民の疑問から、立場からちょっと質問をさせていただきたいというふうに思っております。
 初めに、抗インフルエンザウイルス薬タミフル、これは最近マスコミや新聞紙上で取り上げられておりますけれども、生産や備蓄のことが大変話題になっておりまして、今、これまでの質疑でも大変話題に、すごく関心の集まっているところでございますけれども、このインフルエンザウイルスというのは、人ののどの細胞に付着し、その細胞内で増殖した後、細胞から外に出て、周囲の細胞に感染していかないと死滅してしまうと。だから、細胞外に出るときにノイラミニダーゼ、NAと呼ばれるウイルス表面のとげ、タンパク質が作用すると。このノイラミニダーゼの作用を阻害する薬がタミフル、こういうことですね。これが大体インフルエンザのこのウイルスの同じメカニズムで対応できるから、タミフルが通常のインフルエンザにも通用するというふうにいわれているようでございますけど、まずこの新型ではなく、通常のインフルエンザのタミフルの効能についても確認のためお伺いいたしたいと思います。

○大黒参事 通常のインフルエンザへのタミフルの効能についてのお尋ねでございます。
 タミフルは、ウイルスが増殖することを抑制する薬でございます。先生、今お話があったとおりでございます。
 発症後四十八時間以内に服用を開始することによりまして、発熱期間の短縮や重症化を防ぐ効果が期待されておるものでございます。

○谷村委員 それで、このタミフルが新型インフルエンザにも効能があるということですけれども、そのタミフルに対して、服用後に死亡あるいは異常行動があるというような報道なども出されております。結果として打ち消されてはいるんですが、ある新聞によりますと、十一月中旬、服用後の二件の異常行動が明らかになった。一つは、昨年二月、岐阜県の十七歳の高校生がトラックに飛び込んで死んだ。もう一つは、ことし二月、愛知県の十四歳の中学生がマンション九階から転落したと。この二件とは別に、アメリカの食品医薬品局、FDAも十一月十七日、日本の子ども十六歳以下が、計十二人の死亡をここでは明らかにしたと。これが報道されたわけですけど、翌十八日には、諮問委員会では、死亡と服用の因果関係については証拠はないというふうに勧告をしていると。厚労省健康局、これは梅田勝参事官ですね、死亡と服用は関係ないだろう、異常行動も、それを起こした人がたまたま服用していたと考えた方が妥当かもしれないと、一連の副作用を否定するというふうにいってはいるんですけど、こういう件がありますよという方が結構早く流れてしまったもんですから、タミフルの副作用ですね、報告された死亡例とか異常行動とかについて、因果関係について見解をお伺いいたします。

○大黒参事 タミフルの副作用についてでございますけれども、使用上の注意には肝機能障害や精神神経症状などの記載がございます。
 また、先生からお話がございました小児の死亡例についてでございますけれども、国が、先生からのお話がありましたとおり、現段階でタミフルの安全性に重大な懸念があるとは考えていないというふうにしているほか、日本小児科学会でも、現時点でタミフルとそれらの死亡についての因果関係が明らかなものではなく、その使用に対して改めて注意喚起などを行う状況ではないとしております。
 また、アメリカのFDA、米国食品医薬品局も、タミフルと報告された小児死亡との間に因果関係があるとは結論づけられないとしているところでございます。

○谷村委員 今度は、副作用の面とは逆に、タミフルが本当に新型インフルエンザに効くのかということなんです。
 これは読売新聞で報じられている内容ですけど、新型インフルエンザへの変化が懸念されている鳥インフルエンザ、H5N1に対し、タミフルは作用メカニズムから効果が予想され、試験管内の実験でもウイルスの増殖を防ぐことは確認されている。こうした理論上や実験では有効でも、人に使うと効果が見られない薬も多く、タミフルの場合も人で確かめなければわからない。鳥から人への感染が起きた東南アジアで治療に使われたケースが実際あるわけですけれども、効果があるとされる発症二日以内に使った症例が少なく、有効性は証明できていない。通常のインフルエンザへの効果も、タミフルを使っても、発熱期間が一日か二日間縮まる程度だというふうに、これは聖マリアンナ医大横浜市西部病院長の加藤達夫先生の言葉が出ているわけですけれども、またもう一つ、これは産経新聞ですが、このタミフルについて効果が証明されているのは試験管内での実験だけと。新型があらわれ、感染した人に投与してみないと、どこまで効くかはわからない。タミフルが効かなくなる耐性ウイルスの問題もあると指摘する研究者もいる。死者まで出しているタイやベトナムでは、タミフルが効かなかったとの報告があり、ベトナムでは耐性ウイルスが既にあらわれている、こういうような報道もなされているわけでございますが、今後、タミフルを備蓄するに当たっての改めての見解をお伺いいたしたいと思います。

○大黒参事 お話がございましたように、タミフルは現在のインフルエンザの治療薬として広く使われておりまして、新型インフルエンザ発生時にもその効果が期待されているものでございます。
 現状におきましては、治療薬としてのタミフル以外の薬というものがない状況の中で、早期の治療薬として期待されるところがございますので、新型インフルエンザの感染拡大防止を図るために確保に努めていきたいというふうに考えております。

○谷村委員 続きまして、これも先ほど田代先生のお話を伺って、なるほど、そう簡単にいかないんだなというふうに感じたお話の一つですけれども、医療機関の確保の件でございます。
 医療機関の確保と同時に、医療機関の院内感染の防止というものは非常に大切になってくるわけでして、それが、都立病院を専門の一つの病院にすること自体大変に難しいということを先ほどご指摘されましたし、一般病院あるいは診療所にも、ご協力をいただくのはそう簡単ではないんだなということを、先ほどの質疑を伺って感じたわけでございますけれども、これは読売新聞で、国立国際医療センター、これは国内で発生した場合に、保健所から連絡を受けて、搬送される第一義的なところになるんでしょうか。そこの院長先生、工藤宏一郎先生ご本人はですね、院内感染を防ぐため、患者を入り口段階で選別することが欠かせない、現在マニュアルをつくってその訓練をしていると話すわけですけど、ただ、これ、読売新聞の指摘ですが、大半の医療機関はそうした備えを持っておらず、新型インフルエンザの疑いのある患者を院内に入れれば、院内感染から拡大する危険が高まると。
 インフルエンザは、先ほど申し上げましたけれども、くしゃみなどで容易に感染し、全国に三百三十七、都内は十カ所になるんでしょうか、感染症指定医療機関だけでは対応できないわけでして、一般病院や診療所にも患者が殺到していく。これも読売新聞の指摘ですけど、大学病院でさえ、現時点で対策を作成中あるいは検討していない、危機感が非常に乏しいという、こういう指摘なんかがなされているわけであります。
 今回、東京都の新型インフルエンザ対策についての報告の中でも、この新型インフルエンザの流行予測、これは都民の三〇%が罹患し、患者数は三百七十八万五千人に及ぶ。これはもう現行の医療体制には過大な負荷がかかることが想定されるというふうに指摘をされているわけですけれども、この医療機関を確保していく、そのためには、院内感染の防止をしていかなければいけない。都としてどのような院内感染防止策を行っておられるのかについてお伺いいたします。

○大黒参事 院内感染対策についてのお尋ねでございますけれども、東京都は、インフルエンザのみの院内感染対策ということではございませんが、これまで、都内の医療機関におけます院内感染を防止するために、医療安全に関する立入検査を行うとともに、院内感染予防対策マニュアルを作成して周知を図ってきたところでございます。
 新型インフルエンザの院内感染防止対策につきましては、今般、国から示されましたガイドラインを踏まえまして、新型インフルエンザの新たな知見、発生した後のことになりますけれども、知見などを踏まえまして、一層の院内感染の防止対策を強化して対応してまいりたいというふうに思ってございます。

○谷村委員 そこで、その上で都として新型インフルエンザ対策について、十二月中に行動計画を発表するとしておられますけれども、いつ発生しても大丈夫なように、さまざまな事前の訓練を行うことが大変重要だと思いますけれども、その予定があるのどうかについてお伺いいたします。

○八木健康安全室長 平常時から各種のシナリオを想定しまして、実務面で習熟しておくべき事項を中心にした実動訓練を実施することは極めて重要であるというふうに考えております。
 新型インフルエンザ対策の行動計画を作成しました後は、関係機関の協力を得まして、さまざまな発生段階に応じた訓練を実施していくことにしております。
 なお、新興感染症対策における訓練の実施につきましては、感染症指定医療機関や保健所及び東京消防庁などの関係機関と連携して、既に各種の訓練を行っているところでございます。

○谷村委員 また、最後になりますけれども、今回の報告の中で、危機管理体制と主な対応ということで、六段階に発生段階が分けられているわけであります。発生前期、海外発生期、そして国内発生期、都内流行期、大規模流行期、そして流行終息期と。この状況を見ますと、もう現段階では既に発生前期という段階に入っているということでよろしいのですね。この発生前期における都内での早期発見対策なども含めまして、全体の対応について最後に健康安全担当の梶原理事の所見をお伺いして、質問を終わりにしたいと存じます。

○梶原理事 都は、新型インフルエンザが発生した場合に備えまして、さきに公表した新興感染症対策会議報告を踏まえて、今月中に行動計画を策定いたします。
 福祉保健局におきましても、新型インフルエンザ対策推進本部を既に立ち上げ、保健、医療、福祉各分野を通じた取り組みを進めております。
 お話のように、今は、さきの報告における段階区分の発生前期にございますが、今後海外で新型インフルエンザが発生した場合などには、都内での発生を早期に発見して感染拡大を防止することが重要でございます。
 そのため、地域の医療機関、保健所、そして健康安全研究センターでの迅速検査に至るシステム、いわば東京・新型インフルエンザアラート、これを構築する体制を整備してございます。
 さらに、都民への情報提供、これを適時適切に行うことも大変重要でございます。
 今後とも、新型インフルエンザに関する国内外の動向に注視しながら、総合的に見通し、必要な対策を確実に進めてまいります。

○かち委員 私からも新型インフルエンザ対策に対する報告について何点かお聞きします。
 これまでも、新型インフルエンザというのは十年から四十年周期で出現し、世界的に大きな流行を引き起こしてきたものですね。古くは一九一八年に発生したスペイン風邪大流行では、世界じゅうで四千万人の死亡が出たと推計されており、我が国でも三十九万人が死亡しています。一九五七年にはアジア風邪、一九六八年には香港風邪が大流行を引き起こし、医療供給体制の低下を初めとした社会機能や経済活動のさまざまな混乱が記録されています。
 最近では、資料にもありますけれども、東南アジア等において高病原性鳥インフルエンザが人に感染し、死亡例が数多く報告されています。また、昨今ではヨーロッパでも高病原性鳥インフルエンザの発生が報告されるなど、さらに拡大する状況が広がっています。突然変異による、人から人へ感染する新型インフルエンザの発生が世界的に危惧されているわけです。
 だれも免疫を持っていない新型インフルエンザが発生した場合、世界的な大流行となり、甚大な健康破壊と、それに伴う深刻な社会的影響をもたらすため、世界保健機関、WHOを初めとした世界的な対策が今始まっており、我が国でも万全の対策強化が求められているところです。
 国の行動計画が発表されましたけれども、その中でも、新型インフルエンザの出現時期を正確に予知することは困難であり、また出現そのものを阻止することも不可能だといわれています。今日のようなグローバル社会の中では、世界じゅうのどこかで新型インフルエンザの出現が起これば、我が国への侵入は避けられないことは明らかです。鳥インフルエンザの蔓延防止を的確に講ずることが、出現をおくらせる唯一の道といわれています。
 したがって、新型インフルエンザ対策の目的は、家畜衛生部門との連携強化、また、新型インフルエンザの出現を可能な限り防止し、発生初期の段階での封じ込め、パンデミック時における感染拡大を可能な限り阻止し、健康障害を最小限に食いとめることだと思います。
 東京都も、新興感染症対策会議で新型インフルエンザ対策についての報告を受け、間もなく具体的行動計画が発表される段階になっているところですが、先ほど来いわれておりますように、今必要なのは、何よりも都民に正確な情報と、新型インフルエンザそのものの知識や対処の仕方など、普及啓発し、都の取り組みなど、今から周知徹底しておくことが必要だと思います。
 そこで、まず、こういう場合があったらどうなるかということで、初期の段階ですけれども、突然変異がどのような状況で起こるかわからないけれど、三つのパターンがあると。でも、東京で一番考えられやすいのは、世界のどこかで発症したものが空輸などによって入ってくることが非常に予測としては高く感じられるわけですけれども、それが町の中に入ってくる。東京なんかの場合には一番そういう感染状況の蔓延しやすい環境にあるというふうに思うんですね。それで、どういう状況かわからない、ぐあいが悪くて病院や診療所に行ったところ、風邪なのか普通のインフルエンザなのか新型なのかというところをまずチェックして、これを判断しなければいけないと思うんですけれども、SARSのときには、初期対応が、あれは突然起きたというのもあって、おくれたり、また検査体制が十分にできないということで、かなり混乱がありました。そういうことをなくすためにも、初期対応マニュアルの徹底や最新情報の広報を全医療機関に瞬時に伝えられるような仕組みづくりが今必要だというふうに思いますけれども、その点ではどのように対応されていくつもりでしょうか。

○牛島参事 SARSのときのように、対応マニュアルと、それから最新の情報を伝えるシステムについてのお尋ねでございます。
 まず、一番目の対応マニュアルでございますが、SARSのときには、一般医療機関での対応の方法などを定めました、医療機関におけるSARS対応マニュアルというものを策定しております。新型インフルエンザが発生した場合におきましても、同様の方法をとり、医療機関に周知していくことを考えております。
 また、最新の情報の提供につきましては、ホームページや関係団体を通じまして、都民や医療機関に周知してまいります。

○かち委員 ぜひ混乱の起こらないような対応をしていただきたいと思いますけれども、そこで分別をされて、疑い例が出た場合には、感染者は指定病院の方に搬送されるというふうに思いますけれども、その場合ですね、都内では現在、二種感染症指定病院以上の病院は十カ所で九十二ベッドという状況ですけれども、当然、流行時にはこのベッドだけで間に合うものではないというふうに思います。この報告書にもありますけれども、流行時には延べ二十九万一千二百人の入院が必要になるというふうにも予測されております。こういうものに対応するために、国の基準では二次医療圏に一カ所というふうになっておりますけれども、東京都は東京都の地の利とか特性から、今の体制で国に認められているということをいわれておりますけれども、これを見ますと、二十三区でも区南部、区南西部、それから区東北部、ここは空白状況になっているわけですね。このようなパンデミックも予想されるような状況にある中で、やはり感染症ベッドというのをきちんと空白を克服して体制を整えるべきだというふうに思いますけれども、その辺はいかがでしょうか。

○牛島参事 区部におきます感染症指定医療機関の指定につきましては、大都市の特性を踏まえた特例によりまして、区部全体で四病院、一種、二種合わせて六十床を確保しております。区部におきましては、交通の便がよいなど、病院へのアクセスが容易でございます。初期段階においては十分対応できるものと考えております。

○かち委員 こういう病気というのは、非常に蔓延しやすい病気の特徴を持っているわけですよね。ですから、なるべく余り遠くに移動させないということが原則だというふうに思うんですけれども、もし新型インフルエンザが入り込んできた場合には、東京という特性は、非常に人口密度が高い、そして機密性の高い空調のきいた環境の中で仕事をしていたり、暮らしていたりという特徴があるわけで、最も蔓延しやすい条件下にあるというふうに思うんですね。そういう意味では、できるだけ身近なところで入院加療ができる体制整備が必要だというふうに思います。少なくとも、現在ある都立病院も含めて指定医療機関を確保されるように検討を求めておきます。
 同時に、協力病院も必要になるわけです。SARS問題のときには外来協力医療機関というのを確保しましたけれども、このときには何カ所確保できたんでしょうか。それが、新型インフルエンザの協力病院として引き続き協力体制がとれるのかどうか。また、そのリストを都民にとっては公表してほしいというふうに思うんですけれども、その辺はいかがでしょうか。

○牛島参事 新型インフルエンザが発生しました場合の外来診療のために、感染症指定医療機関に対しまして外来医療の確保を要請してまいります。
 SARSのときには、外来診療協力医療機関として二十九病院確保いたしました。SARSの外来診療協力医療機関につきましては、患者さんの集中とか風評被害を避けるために病院名を公表しておりません。こうした経緯を踏まえまして、新型インフルエンザが発生した場合におきましても同様の対応を図っていく考えでございます。

○かち委員 自分がこういう状況になったときにどうしたらいいのか、どこへ行けばいいのかというのは、やっぱり都民としては知りたいと思うんですね。先ほどのように、公表すると、そこに集中してパニックになるという問題もありますけれども、そうであれば、その指定医療機関にどのようなルートでそういうものが的確に対処されるのか、その流行期に果たす役割というのは大きいと思うんですけれども、その辺の具体的な流れといいますか、そういうのはどこがどのように把握しているんですかね、公表はしていないけれどもということです。

○牛島参事 SARSのときには外来診療協力病院の病院名は公表しておりませんでしたが、一般の医療機関に患者さんがいらっしゃった場合、SARSの疑いがあると思われる場合には保健所へ連絡して、保健所から最寄りの協力病院を紹介していただくシステムとしておりました。新型インフルエンザの初期の段階においても、このようなシステムを考えてございます。
 流行が拡大しました場合には、さらに多くの病院に外来診療を依頼してまいりますので、その都度、段階に応じた対応を図っていきたいと考えております。

○かち委員 実際、大流行期になったら、その指定医療機関などといっていられないという状況になって、もう既に一般病院も野戦病院化するような事態になるかもしれないという状況は想定されるわけですけれども、そういう状況をできるだけ食いとめるという立場から、きちんとした封じ込めの状況をつくっていくということが大変重要だなというふうに思うんです。先ほど、二十九病院、協力病院が指定されたという話がありましたけれども、聞くところによると、これも感染症指定病院がかなりダブっているというようなことでもありました。
 そういう意味では、協力病院がこの二十三区だけではなく、東京都下の中で、こういう数ではやはり少ないし、一自治体一カ所以上はやっぱり必要じゃないかなというふうにも思いますので、さらなる拡充拡大をしていただきたいというふうに思います。
 そして、病院が協力するという場合には、ただ協力するだけではなくて、先ほども感染隔離をしなければいけないとか、いろいろ備品を備えなければいけないとか、人材も必要になるだろうし、そういうところへの財政支援ということも、国と一緒になってやっぱり進めていかなければならない課題ではないかなというふうに思います。
 そして、こうした感染症対策では、先ほども予防医療に努めていくというようなお話もありました。相談体制も強化していくというお話もありました。そういうことも含めて、保健所の果たす役割は大変大きいというふうに思うんです。
 資料を出していただきましたけれども、全国で五百四十九カ所の保健所があるんですけれども、その所管人数の多いベストテンに東京都の保健所が二つ入っているんですね。いずれも九十万とか、八十万人を抱える大人口規模になっています。九年前に公衆衛生法が変わって地域保健法になったときに、それまではおおむね十万人に一カ所というふうに規定されていたんですけれども、これが二次医療圏に一カ所ということで、所管人数規定がなくなってしまったということから、百万人以上のところもあるというような状況があるわけですけれども、こういう新興感染症の新たな発生が懸念されているという状況の中で、保健所の感染症対策における役割は本当に重要になっていると思います。
 今後、都の保健所がその役割を十分に果たしていくためにも、二次医療圏に一カ所の配置では、管内人口が多く、きめ細かな対応ができないというふうに思います。保健所の数を必要に応じて拡大すべきだというふうに考えますけれども、どうでしょうか。

○杉村保健政策部長 都は平成十六年四月に多摩地域の保健所を再編し、保健・医療施策推進の基本的単位でございます二次保健医療圏における戦略拠点として整備をいたしました。この再編整備は、市町村が住民に身近な保健サービスを担い、都の保健所は、市町村への支援、健康危機管理等の広域的、専門的、技術的な機能を強化することにより、地域の保健サービスを総体として向上させることを目的として行ったものでございます。
 具体的には、マンパワーの集約によりますスケールメリットを生かした感染症対策の専管組織の設置、二次保健医療圏ごとの市町村や地域の関係団体から成る健康危機管理協議会の設置による広域的な連携など、健康危機管理体制の強化を図っております。
 新型インフルエンザ対策におきましても、今後策定される行動計画等に基づきまして、地域の関係団体とも密接に連携し、実践的な訓練を積み重ねることにより、一層の対応能力の強化に努めていくこととしております。
 こうしたことから、お話の保健所数の拡大については考えておりません。

○かち委員 機能強化ということで集約をしたということなんですけれども、集約をすることによって、人数そのものはそう減ってはいないと思うんですけれども、管理地域が非常に広域になりますし、一つの保健所で把握する人数もふえるということでは、実際に働いている人たちは、なかなか実務に追われて、実際に本来の職務で外に出ていて、保健衛生的な指導をしていくというような仕事が全くできなくなっているというお話も聞いております。
 そういう意味では、改めて、十年前には予測されていなかったと思うんですけれども、こういう新たな新興感染症対策ということも含めて、ぜひそれは検討していただきたいというふうに要望しておきます。
 新興感染症が次々と発生する可能性がある中で、医療機関における感染症管理看護師を初めとした医療スタッフのスキルアップも重要だというふうに思います。
 現在、看護協会の資格を持つ感染症管理看護師は指定医療機関ではどのぐらいいるのか、まずお聞きします。

○牛島参事 都内十カ所の感染症指定医療機関での感染症管理看護師の方は三名いらっしゃるというふうに聞いております。

○かち委員 十カ所の医療機関でたった三名という状況ですね。全国でこの資格を持っている方が三百人ぐらいいるというふうに聞いておりますので、これだけ集中している東京都の医療機関の中で、やはりそれなりの対応ができる看護師養成、また配置というものも強力に進めていく課題になっているというふうに思いますので、ぜひその辺を進めていっていただきたいというふうに思います。
 それから、先ほども出ましたけれども、とりわけ一般的にいうとハイリスクの小児とか高齢者、こういう方々への対応をどうするのかという問題になるわけです。タミフルの順番というのは一応先ほど聞きましたけれども、特別にこういうハイリスク対象者への対応策というのは何か考えられているでしょうか。

○牛島参事 一般の方に対する情報提供とあわせまして、小児、高齢者の方々へのきめ細かな対応が必要だというふうに考えております。
 予防策につきましても、手洗い、うがい、マスクをするなど、通常のインフルエンザ対策におきましても、学校や施設等を通じまして普及啓発を行ってございます。
 新型インフルエンザが発生した場合には、同様に普及啓発を行うとともに、関係局、関係団体と連携しまして、必要な対応を十分に図っていきたいと考えております。

○かち委員 小児の場合には、インフルエンザ脳症というようなことも、かなりリスクが高いというふうにも聞いておりますので、そういう予防策としては本当に当たり前のことなんですけど、手洗いとかうがいとかね、それからマスクをかけるとか、込み合ったところへ行かないとか、当たり前のことですけれども、そういうことから含めて、公衆衛生的な啓発活動というのがやっぱり必要になるというふうに思います。
 それから、高齢者などの場合には、報告の中にもありましたけれども、今、在宅介護をされている方々も多いわけで、そういう方が病院へ一々行くということはむしろしない方がいいというふうにもいわれております。そういう意味で、新型インフルエンザ対策としての在宅での訪問診療体制というようなことも必要になってくるだろうと思います。そういうことを含めると、いずれにしてもマンパワーが必要になってきます。いざというときのための十分な体制整備もしていく必要があると思います。
 この問題は、国全体で取り組む課題であり、これらの課題に取り組む十分な財政支援を行うことを国に求めるとともに、新型インフルエンザに対する有効なワクチン開発やワクチン基盤技術の開発を促進するとともに、ワクチンの製造、供給体制強化、予防接種の普及促進を推進することなど、課題は差し迫っています。早急に都としての行動計画を作成されることを求めて、質問を終わります。

○山口(文)委員 ほとんど、質問が大分重なっておりますので、割愛いたします。
 ただですね、本当にごく一般の市民としまして、じゃあ、いろいろすごい流行すると何万人死ぬとか、薬が、タミフルがああだとかこうだとかというよりも、本当に都民が日常生活の上で心がける予防策というものを改めて確認させていただきたいと思います。

○大黒参事 一般的なインフルエンザの予防策といたしましては、先ほどもお答えさせていただきましたように、手洗い、うがい、マスクの着用、また人込みや流行地域への渡航を避けることでございまして、そのほかにも、十分な睡眠、栄養により体力を維持しておくことも大切でございます。こうしたことが新型インフルエンザにも共通する予防の基本でございまして、都民一人一人が予防策として実施することが重要だというふうに考えてございます。

○山口(文)委員 もう本当にそういうごく当たり前のことから心がけてくださいということもぜひアピールをしていただきたいと思います。
 それから、一点ちょっと確認なんですが、タミフルについては、子どもに服用したからといって異常行動が起こる因果関係はないということですが、一たんああいう報道が出ると、そのことがやっぱりすごく頭にあって、特にそういった年代のお子さんを持っている親御さんにしたら非常に気にかかることだと思うんですが、またあるところで一定程度見守りが必要じゃないかというようなことも記事にあったのをちょっと目にしたんですが、その点はどうなんでしょうか。

○大黒参事 タミフルと異常行動との因果関係については、先ほどお答えさせていただきましたように、明確な因果関係は今の時点では認められていないというふうに理解をしてございます。
 その一つの理由といたしまして、インフルエンザそのものによるそういった症状もあり得るということで、なかなか因果関係を決めることが難しいということがあろうかと思います。
 じゃあ、具体的にタミフル服用に際しての注意事項、それはとりもなおさずインフルエンザ罹患したときの注意事項に当たるだろうと思います。先ほどもちょっと申し上げたかと思いますけれども、基本的には安静ということが大事だろうというふうに考えております。

○山口(文)委員 見守りというのも必要ということととらえてよろしいんでしょうか。

○大黒参事 失礼いたしました。
 委員おっしゃるとおりでございまして、基本的には患者さんを見守っていく中で、症状の悪化を早く発見し、必要な処置をしていくということが何よりも大事だろうというふうに思います。

○山口(文)委員 最後に、先ほど来、情報をきちっと都民に提供するということが出ておりますけれど、当然、都民といいますと、東京都は非常に外国の方も多く生活をしていますし、また障害のある方たちにとっては、なかなかコミュニケーションが難しい人たちもたくさんいらっしゃるというところで、先日、私もあるインターネットを見ましたら、外国人用のホームページなんですけど、三カ国語か四カ国語が選択できるんですが、それが日本語で、中国語、英語、韓国語とかというような書かれ方がして、これはちょっと余り親切ではないなというようなことを感じたこともありますが、そうしたいわゆる情報弱者といわれる人たちへの情報提供について伺って、質問を終わります。

○牛島参事 一般都民の方に対する情報提供に加えまして、外国人や障害者といった方々に対するきめ細かな情報提供が大変必要だと考えております。
 新型インフルエンザが発生しました場合につきましても、また事前に、新型インフルエンザの情報を現在からでもきめ細かく発信できるよう、関係局、関係団体と協力いたしまして、さまざまな広報媒体を使って実施していきたいと考えております。

○藤井委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、ご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○藤井委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で福祉保健局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時六分散会

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