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Tokyo Metropolitan Assembly

厚生委員会速記録第八号

平成十五年六月二十日(金曜日)
第七委員会室
   午後一時四分開議
 出席委員 十四名
委員長森田 安孝君
副委員長吉田 信夫君
副委員長古賀 俊昭君
理事松原 忠義君
理事青木 英二君
理事佐藤 裕彦君
柿沢 未途君
山口 文江君
東村 邦浩君
山加 朱美君
萩生田光一君
田代ひろし君
大山とも子君
小林 正則君

 欠席委員 なし

 出席説明員
福祉局局長幸田 昭一君
総務部長吉川 和夫君
生活福祉部長笠原  保君
高齢者部長福田  豊君
子ども家庭部長白石弥生子君
障害福祉部長有留 武司君
保険部長野村  寛君
参事並木 勝市君
参事清水 克則君
参事朝比奈照雄君
参事岩井 令雄君
健康局局長平井 健一君
技監長岡 常雄君
総務部長浅井 憲彦君
企画担当部長酒井 洋一君
医療政策部長奥田  匠君
医療サービス部長梶山 純一君
食品医薬品安全部長中井 昌利君
地域保健部長齋藤  進君
事業調整担当部長海老原 繁君
参事桜山 豊夫君
参事木村 豊彦君
参事小松 博久君
参事丸山 浩一君

本日の会議に付した事件
 福祉局関係
  第二回定例会提出予定案件について(説明)
  ・社会福祉協議会の行う事業の補助に関する条例の一部を改正する条例
  ・東京都母子福祉資金貸付条例の一部を改正する条例
  ・東京都女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例
  報告事項(説明・質疑)
  ・平成十四年度東京都一般会計予算(福祉局所管分)の繰越しについて
  陳情の審査
(1)一五第五号 医療制度「改悪」の凍結又は中止と社会保障の充実を求める意見書の提出に関する陳情
(2)一五第一二号 医療費患者負担増の凍結又は見直しに関する陳情
(3)一五第一四号の一 特別養護老人ホームに勤務する視覚障害マッサージ師の就労の安定化に関する陳情
 健康局関係
  報告事項(説明)
  ・重症急性呼吸器症候群(SARS)について
  請願の審査
(1)一五第二号 稲城市坂浜地区の墓地計画に対する経営許可申請受理前の事前調査等に関する請願

○森田委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 初めに、当委員会の担当書記に交代がありましたので、紹介をいたします。
 議事課の担当書記の保井邦仁さんです。よろしくお願いいたします。
   〔書記あいさつ〕

○森田委員長 次に、第二回定例会中及び今後の委員会日程について申し上げます。
 先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程表のとおり申し合わせをいたしました。ご了承願います。
 次に、先般の人事異動に伴い、病院経営本部長に碇山幸夫さんが就任されました。また、幹部職員に交代がありましたので、碇山本部長からあいさつ並びに紹介があります。

○碇山病院経営本部長 六月一日付で病院経営本部長に着任いたしました碇山幸夫でございます。どうかよろしくお願い申し上げます。
 森田委員長初め委員の皆様方におかれましては、日ごろから当病院事業につきましてご指導、ご鞭撻を賜りまして、厚く御礼を申し上げます。
 既に委員の皆様方ご案内のとおり、当病院経営本部では、本年一月に、都立病院改革実行プログラムを策定いたしまして、改革の具体的な進め方を明確にしたところでございます。このプログラムをもとに、私ども病院経営本部の職員一丸となりまして、改革を着実に推進してまいる所存でございます。一層のご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。
 次に、去る四月の人事異動後初めての委員会でございますので、この機会をおかりいたしまして、病院経営本部の新任幹部職員をご紹介させていただきます。
 初めに、四月一日より着任いたしましたサービス推進部長の菅原眞廣でございます。続きまして、六月十六日の人事異動により、経営戦略・再編整備担当部長となりました宮川雄司でございます。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者あいさつ〕

○森田委員長 あいさつ並びに紹介は終わりました。

○森田委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、福祉局関係の第二回定例会提出予定案件の説明聴取、平成十四年度東京都一般会計予算の繰り越しについての報告事項の聴取及び陳情の審査を行った後、健康局関係の重症急性呼吸器症候群(SARS)についての報告事項の説明聴取及び請願の審査を行います。
 なお、第二回定例会提出予定案件及び健康局関係の報告事項につきましては、本日は、説明を聴取した後、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中に行いたいと思います。
 また、福祉局関係の報告事項につきましては、説明を聴取した後、質疑を終了するまで行いたいと思います。ご了承願います。
 これより福祉局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、福祉局長に幸田昭一さんが就任されました。また、幹部職員に交代がありましたので、幸田局長からあいさつ並びに紹介があります。

○幸田福祉局長 六月一日付で福祉局長の職を拝命いたしました幸田昭一でございます。微力ではございますが、東京の福祉行政の推進に全力を尽くしてまいる所存でございます。
 委員長初め委員の皆様方のご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。
 次に、四月及び六月の人事異動によりまして、当局幹部職員の交代がございましたので、新任幹部職員を紹介させていただきたいと存じます。
 生活福祉部長の笠原保でございます。子ども家庭部長の白石弥生子でございます。企画担当で参事の並木勝市でございます。団体改革担当で参事の清水克則でございます。連絡調整担当で参事の朝比奈照雄でございます。施設調整担当で参事の岩井令雄でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者あいさつ〕

○森田委員長 あいさつ並びに紹介は終わりました。

○森田委員長 次に、第二回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○幸田福祉局長 平成十五年第二回東京都議会定例会に提出を予定しております福祉局関係の議案につきまして、概略をご説明申し上げます。
 お手元配布の資料、平成十五年第二回東京都議会定例会議案をごらんいただきたいと存じます。
 表紙の次のページ、目次をお開き願います。今回ご審議をお願いいたします条例案は三件でございます。
 まず、社会福祉協議会の行う事業の補助に関する条例の一部を改正する条例でございます。生活福祉資金貸付事業の充実を図るため、貸付金の一部について貸付限度額を引き上げるものでございます。
 次に、東京都母子福祉資金貸付条例の一部を改正する条例でございます。母子及び寡婦福祉法の改正に伴いまして、償還未済額の一部の償還の免除に関する規定を設けるほか、規定を整備するものでございます。
 最後に、東京都女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例でございます。女性福祉資金貸付事業の充実を図るため、貸し付けの対象者に女性の扶養する子を加えるとともに、資金の一部について貸付限度額を引き上げるほか、規定を整備するものでございます。
 詳細につきましては総務部長からご説明申し上げます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○吉川総務部長 条例案につきましてご説明させていただきます。
 お手元配布の資料、平成十五年第二回東京都議会定例会条例案の概要をごらんいただきたいと存じます。
 今回ご審議をお願いいたします条例案は、先ほど局長から説明させていただきましたように、三件でございます。
 それでは、順を追ってご説明申し上げます。
 まず、一ページをお開き願います。社会福祉協議会の行う事業の補助に関する条例の一部を改正する条例でございます。
 生活福祉資金貸付事業の充実を図るため、中国残留邦人等国民年金追納資金及び修学資金の貸付限度額を引き上げるものでございます。
 この条例は、公布の日から施行し、平成十五年四月一日から適用することとしております。
 二ページと三ページに、貸付限度額の新旧対照表を記載してございますので、ごらん願います。該当する箇所に下線を付してお示ししてございます。
 四ページをお開き願います。東京都母子福祉資金貸付条例の一部を改正する条例でございます。
 2の改正の概要をごらん願います。母子福祉資金のうち、特例児童扶養資金の貸し付けを受けた者が、所得の状況等により、当該貸付金を償還することができなくなったと認められるときは、規則で定めるところにより、当該貸付金の償還未済額の一部の償還を免除することができる規定を設けるほか、関係規定を整備するものでございます。
 この条例は公布の日から施行し、(1)については、平成十五年四月一日から適用することとしております。
 五ページをごらん願います。東京都女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例でございます。
 東京都女性福祉資金貸付事業は、類似の事業であります国の寡婦福祉資金貸付事業の貸付限度額、償還期間及び貸付利率に準拠しながら、都独自の事業として実施しているものでございます。今回の改正は、第一に、連帯借り主を必要とする資金の貸付対象者として、配偶者のない女子の扶養している二十歳以上である子を加えること。第二に、技能習得期間中の生活資金貸し付けについて、技能習得資金とのあわせ貸しを要件としないこととすること。第三に、資金の一部について貸付限度額を引き上げるほか、所要の規定を整備するものでございます。
 この条例は公布の日から施行し、(1)と(2)及び(3)につきましては、平成十五年四月一日から適用することとしております。
 六ページに、貸付限度額の新旧対照表を記載してございますので、ごらん願います。該当する箇所に下線を付してお示ししてございます。
 条例案の詳細な内容につきましては、お手元配布の資料、平成十五年第二回東京都議会定例会議案をご参照いただきたいと存じます。
 以上で提出議案の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○森田委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○森田委員長 それでは、資料要求はなしといたします。

○森田委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○吉川総務部長 平成十四年度の一般会計の繰り越しにつきましてご報告申し上げます。
 お手元の平成十四年度一般会計繰越説明書をごらんいただきたいと存じます。
 一ページをお開き願います。繰越総括表でございます。
 社会福祉施設等に係る整備費助成につきまして、年度内に執行が終わらないことが見込まれたため、平成十四年度補正予算で十五億二千百二十一万二千円を繰越明許費として議決いただいております。このうち、執行見込みの状況を踏まえまして、表右側、翌年度繰越額になりますが、歳出予算九億三千五百七十二万四千円を、その財源といたしまして、国庫支出金七億六千百九十七万九千円、繰越金一億七千三百七十四万五千円を平成十五年度に繰り越すものでございます。
 なお、表の下、注書きにございますように、予算現額は繰り越しを生じた事業分に係る金額のみを記載しております。
 次に、二ページをお開き願います。繰越事業の概要でございます。
 右側の説明欄をごらんいただきたいと存じます。繰り越しの対象となる事業は、保育所及び介護予防等拠点の整備でございます。待機児解消などに資するための保育所の創設及び改修等に要する施設整備費に対する補助並びに高齢者の介護予防等のために区市町村が地域の実情に応じて行う拠点整備に対する補助でございます。
 いずれも、国の平成十四年度補正予算に計上された国庫補助事業で、年度内の事業完了が困難であるため繰り越すものでございます。
 以上、繰り越しの報告を終わらせていただきます。よろしくお願い申し上げます。

○森田委員長 報告は終わりました。
 これより、本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○森田委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○森田委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。

○森田委員長 これより陳情の審査を行います。
 初めに、一五第五号、医療制度「改悪」の凍結又は中止と社会保障の充実を求める意見書の提出に関する陳情及び一五第一二号、医療費患者負担増の凍結又は見直しに関する陳情は、内容が関連しておりますので、一括して議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○野村保険部長 お手元にお配りしてございます請願陳情審査説明表に従いましてご説明をさせていただきます。
 整理番号1及び2につきましては、内容に重複しております部分がございますので、あわせてご説明させていただきます。
 整理番号1、陳情一五第五号、医療制度「改悪」の凍結又は中止と社会保障の充実を求める意見書の提出に関する陳情は、豊島区の東京社会保障推進協議会会長、村林彰さんから、また、整理番号2、陳情一五第一二号、医療費患者負担増の凍結又は見直しに関する陳情は、千代田区の東京保険医協会会長、竹山惣一さんから、それぞれ提出されたものでございます。
 その趣旨は、次の内容の意見書を国へ提出していただきたいというものでございます。
 第一に、陳情一五第五号の第一項及び陳情一五第一二号でございますが、七十歳以上の高齢者医療に係る自己負担の見直し、健康保険被保険者本人の窓口三割負担、健康保険料の引き上げなどの実施を凍結または中止すること。
 第二に、陳情一五第五号の第二項でございますが、物価スライドを口実にした年金給付額の引き下げを行わないこと。
 第三に、陳情一五第五号の第三項でございますが、介護保険料の引き上げを行わないこと。また、介護保険料及び介護サービスに係る利用料の減免を行うこと。
 第四に、陳情一五第五号の第四項でございますが、国民健康保険料(税)を引き下げること。また、同保険料の滞納世帯に対する被保険者証の取り上げをやめることというものでございます。
 続きまして、現在の状況についてご説明申し上げます。
 まず、第一の陳情一五第五号の第一項及び陳情一五第一二号でございますが、国の医療保険制度改革の一環として、平成十四年に健康保険法、老人保健法等が改正され、平成十四年十月から、三歳未満の乳幼児の自己負担が三割から二割に引き下げられるとともに、七十歳以上の高齢者の自己負担について、外来定額制の廃止、低所得者に対する負担軽減措置の対象拡大、一定以上所得者の二割負担導入等の見直しが図られました。
 また、平成十五年四月から、健康保険被保険者本人の自己負担が二割から三割に引き上げられました。
 さらに、健康保険料について、総報酬制の導入や政府管掌健康保険の保険料率の引き上げが行われました。
 都は、国に対し、医療保険制度改革の実施に当たり、国民、地方公共団体等の意見を十分反映し、必要な医療サービスを国民のだれもが受けられるよう、低所得者に十分配慮するとともに、乳幼児、ひとり親家庭、心身障害者児等に対する医療保険制度を充実するよう提案、要求しております。
 次に、第二の、陳情一五第五号の第二項でございますが、公的年金制度は、年金を受給する高齢者と保険料を負担する現役世代の世代間扶養によって成り立っております。
 年金額については、国民年金法等により、年平均の全国消費者物価指数が平成十年の物価指数を超え、または下るに至った場合においては、その上昇し、または低下した比率を基準として、給付額を改定するとし、年金額の自動改定を定めております。
 平成十二年度から平成十四年度の年金額については、物価指数は下落したものの、社会経済情勢にかんがみ、年金額の自動改定を凍結する特例法が制定され、年金額は据え置かれてきました。
 平成十五年度の年金額については、保険料を負担する現役世代との均衡を考慮するとともに、高齢者の生活にも配慮し、本来であれば、平成十一年から平成十四年までの物価指数の下落分マイナス二・六%を改定するところを、平成十五年度特例法により、平成十三年の物価指数に対する平成十四年の物価指数の下落分マイナス〇・九%だけの改定を行っております。
 次に、第三の、陳情一五第五号の第三項でございますが、六十五歳以上の第一号被保険者の介護保険料は、保険者である区市町村が三年ごとに介護サービスの見込み量を推計して介護保険事業計画を策定し、それに基づき条例により決定しており、平成十五年度からの第二期事業運営期間において、都内平均で対前期比七・一%増額されました。
 ちなみに、全国平均では、対前期比一三・一%の増額でございます。
 なお、保険料については、法令上の原則として、所得に応じた五段階に設定されておりますが、さらに、区市町村の判断で、より低所得者に配慮した六段階に設定できるほか、災害や失業等を理由として個別に減免する仕組みが用意されております。
 利用料については、上限額を超えた利用者負担が払い戻される高額介護サービス費の制度があり、低所得者の上限額は一般よりも低く設定されております。
 また、利用料について、国制度である社会福祉法人等による生計困難者に対する利用者負担減免措置事業をもとに、対象サービス及び事業主体を拡大した都独自の支援策を平成十四年一月から実施しております。
 次に、第四の、陳情一五第五号の第四項でございますが、国民健康保険における保険給付に必要な財源は、国費と保険料(税)で賄うこととされており、国民健康保険料(税)は保険者である区市町村が地域の実情に応じて条例により決定しております。
 また、国民健康保険法の改正により、平成十二年度から、保険料(税)を一年以上滞納している世帯に対し、被保険者証を返還させ、被保険者資格証明書を交付することとされておりますが、この場合であっても、老人保健法の対象者や、災害、疾病、事業廃止、その他区市町村が特別な事情があると認めた者等については除外されております。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願いいたします。

○森田委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○山加委員 私は、陳情一五第五号の第三項に関連し、介護保険における利用料の軽減について伺います。
 社会保険制度にある介護保険においては、介護サービスを利用した場合、利用者は一割の自己負担を支払うことが原則です。しかし、高齢者の中には、生活保護を受けないまでも、経済的に相当困難な方もいれば、また、介護保険が始まる以前の措置の時代には自己負担なしでサービスを利用していた低所得者の方もいるわけで、こうした方々については一定の配慮が必要と考えられます。
 そこで、介護保険の導入に当たり、国の特別対策として利用者負担軽減のために各種の施策が講じられたところです。さらに、今年度からは、国の特別対策の一部が改正され、国制度である社会福祉法人らによる生計困難者に対する利用者負担減免措置については、対象者の拡大が図られ、また、法施行時のホームヘルプサービス利用者に対する利用者負担軽減措置については、この七月から自己負担割合が引き上げられるものと伺っております。
 我が会派、都議会自由民主党は、昨日、宮崎政調会長を先頭に、幸田福祉局長に対しまして、これら国の改正内容に対する都としての対応について、低所得者に配慮した措置を講じるよう急遽申し入れを行ったところであります。
 このうち特に、法施行時のホームヘルプサービス利用者については、自己負担がふえる内容ですので、我が会派としてもその内容を慎重に見ていく必要があると考えます。
 そこで伺いますが、在宅サービスの柱ともいえる訪問介護について、国だけでなく、都の対応も含めまして幾つかの軽減策が実施されておりますが、まず、その内容と適用関係について、具体的に説明をお願いいたします。

○野村保険部長 訪問介護の利用料負担につきましては、国の低所得者に対する特別対策を中心として、次の三点がございます。
 まず第一に、介護保険の施行時において、措置により無料でサービスを利用していた所得税非課税世帯の方への激変緩和措置といたしまして、本来一〇%の自己負担を、当初三年間は三%に軽減し、その後段階的に引き上げ、平成十五年七月からは六%、平成十七年度からは一〇%とするものでございます。
 第二に、障害者施策によるホームヘルプサービスを無料で利用していた障害者の方が介護保険に移行した場合の激変緩和措置といたしまして、平成十六年度までの間、自己負担を三%に軽減するものでございます。
 第三に、社会福祉法人等による生計困難者に対する利用者負担軽減措置でございますが、東京都では、国制度を拡大いたしまして、法人の種別を問わず、すべての事業主体を対象に、利用者の自己負担を本来の二分の一の五%に軽減しているところでございます。
 なお、これらの適用関係でございますが、法施行時のホームヘルプ利用者であって、生計困難者に対する軽減措置の対象である方につきましては、施行時ヘルプによる軽減が優先して適用されることとなっております。

○山加委員 ただいまの説明によれば、法施行時のホームヘルプサービス利用者の自己負担については、激変緩和措置ということで、この七月から三%が六%に引き上げられるということですが、一方で、生計困難者に対する軽減措置については、引き続き五%負担となっております。それでいて、二つの制度の両方に該当する方については、施行時ヘルプの六%が優先するという説明でした。
 そういたしますと、生計困難者に対する軽減のみに該当する場合の五%負担との間で、負担の逆転現象が生じてしまうように思われますが、これには何らかの対応策が必要ではないでしょうか。所見を伺います。

○野村保険部長 ただいまご指摘のとおり、従来の取り扱いでは、施行時ヘルプと生計困難者軽減の両制度に重複して該当する方につきましては、施行時ヘルプのみを適用することになるため六%負担となり、生計困難者軽減の五%負担と逆転してしまうことになります。このため、都といたしましては、新たに両制度の併用を認め、両制度の重複該当者につきましては、施行時ヘルプにより軽減された六%負担に対し、さらに生計困難者軽減を適用いたしまして、六%の二分の一の三%に軽減することといたしまして、国の改正時期に合わせて、七月から適用できるよう、現在鋭意準備を進めているところでございます。

○山加委員 ただいまの答弁により、施行時ヘルプの該当者のうち、特に生計困難な方については、二つの制度をうまく活用することにより、この七月以降も引き続き三%負担に軽減されるということが確認できました。
 我が党は、介護保険制度を健全かつ安定的な社会保険の仕組みとして維持、発展させていくべきとの立場から、保険料や利用料については、これを安易に減免することには反対をいたしますが、経済的に本当にお困りの方でも、安心して必要な介護サービスを受けられるように、真の低所得者対策というものが必要であると考えます。
 そういった立場から、ただいまの質疑で明らかにされた今回の東京都の対応については、国の特別対策の枠組みの中で、低所得者に十分に配慮された対応であると評価することができます。
 今後とも、介護保険制度については、社会保険の仕組みとしての原理原則を踏まえた上で、真に都民にとって利用しやすい制度としていくためのさまざまな工夫や取り組みをお願いして、質問を終わります。

○東村委員 私は、陳情一五第五号について、初めに、一番目の医療保険制度の問題について一言意見をいいたいと思います。
 日本の国民皆保険制度、私はこれは非常にすばらしい制度だと思っているんです、国民皆、この保険によって医療を受けることができるという。この制度は、将来の子どもたちのためにも残していかなきゃいけない大きな制度でありまして、ただ、皆さんご存じのように、政府管掌、そして組合管掌の保険、また国民健康保険、すべてにわたって大きな累積赤字を抱えている。このままでいくと、保険制度自体が破綻してしまうんじゃないか。そのために、この国民皆保険制度を末長く将来の子どもたちのためにも残しておくために、今回断腸の思いで、政府も、国民健康保険は前から本人三割負担になっていますけれども、政府管掌、組合管掌の本人負担を三割にした。
 ただ、そういう中で私は評価できるなと思ったのは、ここにも書いてありますけれども、十四年十月から、三歳未満の乳幼児、特に乳幼児というのは、三歳の子どもの三人に一人が、アレルギーにかかっている子どもが多いといわれています。そういう中で、乳幼児の医療費が大きくのしかかっているわけです。そこで、何といっても、これを十月から、三割から二割に引き下げたということは、この中でも評価できることじゃないか。
 また、今までなかなか手がつけられなかった医師の診療報酬も引き下げられた。これは非常に大きな一つの成果だろう。また、高い薬代、薬価も引き下げた。これも非常に評価できることじゃないか。さらに、外来の定額制の廃止や低所得者に対する負担軽減措置の対象を拡大したということは、本当に困っている人にとっては大きな朗報になる。
 この国民皆保険制度を続けていくという上で、今回このような措置をとったということで、私は、改悪という言葉が使われていますけれども、ある意味で総合的に考えて、近視眼じゃなくて、将来的なことをしっかり考えた上では、今回の医療制度改正というのは必要だったんじゃないかと考えるわけでございます。
 また、この三番目の介護保険料の問題でございます。先ほど山加委員も取り上げられていましたけれども、この利用料の減免に関して、これについては何点か質疑を行いたいと思います。
 この低所得者に対する介護サービスの利用料の負担軽減措置については、現在国も特別対策を中心に、さらに、都が、独自の取り組みも含めた対応を行われています。ところが、三年間経過していろんな問題が見えてまいりました。そこで、国もこの特別対策を何点か、見直しをしてきたわけです。
 そこで、我が党も、先ほど自民党さんも昨日申し入れをされたという話を聞きましたけれども、都議会公明党としても、昨日、石井幹事長を中心に、幸田福祉局長に対して、国の特別対策の見直しを受けて、都として低所得者に十分に配慮した対応策を講じるよう、二点について申し入れをしました。
 その一つは、都の独自制度である生計困難者の軽減の対象要件を大幅に緩和してもらいたいということと、もう一つは、先ほど質疑があったんですけれども、法施行時軽減と生計困難者軽減とが重複して該当した場合、この低所得者について、利用者の負担が五%を上回ることがないような、このような必要な対応策を講じてもらいたい。この二点にわたって局長に申し入れをさせていただきました。
 席上、局長からは、力強い答弁がありまして、この国の動きに対応して、都独自の制度の意義を確保することは極めて重要な内容だと受けとめている、その上で速やかに実施をし、そして直ちに準備を進めていく、こういう非常に大事な回答をちょうだいいたしました。このことについては、本日付の公明新聞にも申し入れをした記事が書かれていますし、さらに、東京新聞がこのことを取り上げていました。都議会自民党と公明党が要請をしたということを、東京新聞が記事として取り上げておりました。
 そこで、私はこの福祉局の取り組みについて、もう少し具体的に明らかにしていくために何点か質問したいと思います。
 先ほど理事者から説明がございました。東京都では、国制度の社会福祉法人等による生計困難者に対する介護サービス利用者負担減免措置事業をもとにして、その問題点を改善した都独自の区市町村支援策を平成十四年一月から実施されています。この都独自制度というのは、国制度が訪問介護など福祉系の四種類のサービスに限定したのに対して、東京都は、医療系の訪問介護やリハビリテーションなどを加えた九種類のサービスに拡大されました。
 また、事業主体についても、国制度では、社会福祉法人などに限定しているのに対して、都はすべての事業主体に拡大するという、一昨年都議会で私ども公明党がこれを提案し、福祉局が真摯に受けとめていただいて、積極的に取り組んでいただいた結果だろうと私は認識をしております。
 そして、先ほど述べましたように、今回厚生労働省は、国制度の対象者の範囲をこれまでの一〇%から一五%に拡大するという通知をしたというところでございます。
 そこで、福祉局では、昨日の公明党の申し入れを受けて、国制度をもとにしている都制度についても、対象者の拡大を図る考えをするということで、新たに、収入を百二十万から百四十万まで限度を引き上げる。さらに預貯金を六十万から百二十万まで引き上げるという基準をお示しいただいたところでございます。
 特に現場で一番困っていたのは、預貯金が六十万というのは余りにも低いんじゃないかという声がありました。そのために制度の適用をなかなか受けられないんじゃないかという声もありました。それを二倍の百二十万まで引き上げるという回答をしておられたことは、非常に評価できることであり、このことを現場の多くの皆さんに話したら、非常に喜んでおられました。
 そこで、伺いたいんですが、この基準額の根拠というか、考え方というか、これについて説明をしていただきたい、このように思います。

○野村保険部長 都制度でございます、生計困難者に対する軽減措置の要件につきましては、単身世帯の場合で、これまで、収入が百二十万、預貯金が六十万を基準としておりました。この額は、収入については、生活保護の生活扶助の額に、高額介護サービス費用を勘案した額でございまして、貯蓄につきましては、その収入額を前提にいたしまして、国民生活基礎調査における高齢者の収入階層別の貯蓄分布により、下位一〇%になると推計される額でございます。
 これを今回、収入につきましては、現行の百二十万円に、生活保護において七十歳以上に一律に支給されます老齢加算の額等を加えた百四十万円とし、貯蓄については、この収入額を前提に、下位一五%になると推計される百二十万円とする考えでございます。

○東村委員 繰り返しになるかもしれないんですけれども、昨日の公明党の申し入れに対して、局長から、速やかな実施に向けて直ちに準備を進める、こういう回答をいただきました。非常にありがたいことなんですけれども、そこでもう少し具体的に、基準改定の時期というのは、いつごろから行うのか、これについて説明してもらいたい。

○野村保険部長 基準改定の時期につきましては、利用者証の切りかえ時期である七月から適用できるよう現在鋭意準備を進めているところでございます。

○東村委員 この七月から適用できるように準備を進めていただいているということですから、ぜひともこれ、頑張ってもらいたいと思うんです。
 収入が、百二十万から百四十万に、預貯金が、六十万から百二十万に、この基準がそれぞれ引き上げられて、対象者の拡大が図られることについて、今非常にわかりやすい--えてして東京都はどのような基準で決めているのかわかりにくいという声があるんですけれども、非常に明確にこの点については答えてもらってよかったんじゃないかと私は思うんです。
 また、先ほど話をしました、ぎりぎりの収入の中で、何とか生活保護を受けずに頑張っている低所得の高齢者にとって、大変な朗報だと私は思うんです。そういう意味で、今回よく、いい意味での決断をしていただいたということを感謝しています。
 また、生計困難者に対する利用料軽減事業については、昨年一月の事業開始以来、徐々に、実施する区市町村やサービス事業者、そして肝心のいろんな利用者に周知されていると思うんですけれども、なかなか数が、特に利用者の数がふえていない。したがって、予算執行率が低いとよくいわれるんです。私は、これは非常にすぐれた制度、いい制度で、多くの人たちが、利用するに当たって、軽減される、少しでも楽になるいい制度ですから、これをやっぱり周知する必要があるんじゃないか、このように考えるわけです。なかなか周知されてないという実態があるんじゃないかと私は考えるんです。今後、都民を初め関係者への制度の周知徹底について、取り組みされていると思いますけれども、一層の取り組みをお願いしたい、このように思います。所見を伺いたいと思います。

○野村保険部長 都の生計困難者に対する軽減措置につきましては、ご指摘のとおり、まだ十分には普及していないという実態を認識しております。その原因といたしましては、この制度が、利用者の収入、貯蓄の条件のみならず、区市町村と事業者がこの制度に参画し、三者の条件がそろって初めて軽減措置が受けられるという仕組みであること、さらにはまた、区市町村が独自の利用料軽減事業を含めた都の特別対策等を既に実施していることなども要因の一つかと考えております。
 いずれにいたしましても、私どもといたしましては、今回の対象者の拡大を一つの大きな契機といたしまして、保険者である区市町村と連携を図りながら、制度の周知と普及に向けて、なお一層努力する所存でございます。

○東村委員 しっかり、制度の周知徹底に向けて努力をしていくという答弁がありました。これ、対象要件を緩和して、預貯金も二倍になって、百二十万という基準も百四十万まで引き上げていただきました。せっかくここまで引き上げていただいて、予算執行率が低いとなると、結局ハードルがまだまだ高いんじゃないかという批判も浴びるんじゃないかと思うんです。やっぱりやるべきことはきちっとやっていただいて、その上で本当にどうなのかという実態を明らかにしなきゃいけないと思うんです。そのためにやはり、いいものはつくった、つくったけれども、あと、はい、皆さん、どうでしょうじゃなくて、やっぱり積極的にこのいい制度は周知していく必要があるんじゃないかと私は考えるわけです。
 また、これについて公明党としていろんな考えがあるんですけれども、先ほど山加委員の法施行時軽減と生計困難者軽減の重複の場合どうするんだという質問に対して、これも当面は三%ですか、それから最終的には五%に合わせる、結局逆転現象がないようにするということを明確に答弁いただきましたので、余りこういうことに対して同じことを質問をしても仕方ありませんので、省略させていただきたいと思います。
 私どもとしては、高齢者、とりわけ低所得の方々が安心して介護サービスを利用できるように、低所得者に十分に配慮した制度運営を求めていきたいと思いますし、それを実現していく責任があると思います。したがって、この立場から、引き続きこの問題についても、私どもも努力してまいりますから、都もしっかりと努力をしてもらいたいと思うんです。
 そこで、最後に、今後の介護保険制度のさらなる充実に向けた局長の決意を伺って、私の質問を終わりたいと思います。

○幸田福祉局長 今回の介護保険の利用料に関します低所得者対策への対応につきましては、昨日、都議会自民党と公明党の両会派からの申し入れを重く受けとめ、都の独自制度の意義を果たすために、この制度の周知と普及等につきまして、最大限の取り組みをいたす考えでございます。
 ことしから介護保険は第二期目に入ったわけでございますが、今回の低所得者への対応にとどまらず、三月に改定いたしました介護保険事業支援計画と、高齢者保健福祉計画を着実に実施するとともに、制度施行後の五年の見直し、これに向けまして、東京の大都市特性を踏まえた改善、提案を積極的に行うなど、介護保険制度が真に利用者本位の、血の通った、ぬくもりのある仕組みとして機能するよう、全力で取り組んでまいります。

○吉田委員 私も、本陳情に関連をして、基本的な意見の表明と、今議論がありました介護保険の利用料軽減策について、何点か質疑をさせていただきます。
 初めに、基本的な私どもの考えですが、経済悪化がますます進行する中で、医療費や介護費用などの負担増の一方、たとえ物価がわずか下落したとしても、年金受給額が戦後初めて引き下げられるという事態は、都民の生活に大きな影響をもたらしています。しかも、それは、医療の面では受診抑制、介護サービスの点では介護サービスの抑制という事態も引き起こされています。
 既に、健保三割負担については、この厚生委員会でも何らかの形で国に意見書を出そうという努力もされながら、残念ながら成立いたしませんでした。けれども、こうした状況から見れば、これらの問題について国に意見書を出してほしいという本請願の趣旨は、私は当然なものだというのがまず基本的な見解であります。
 次に、この三項目にかかわる国と都の介護保険の利用料軽減策について何点かただしておきたいと思います。
 既に議論がありましたし、昨日、東京都福祉局介護保険課長名で、各区市町村介護保険担当課長あてに、案という形ではありますが、今ご説明がありました生計困難者に対する利用料負担軽減措置事業の収入基準の一定の改定、これは一人の場合、単身者の場合ですが、収入については百二十万を百四十万、貯蓄については六十万を百二十万に拡大をする。二つ目に、いわゆる従前からホームヘルプサービスを受けていた低所得者に対する三%軽減が六%にされることに対する対応策ということについては、そのすべてを対象とするのではなくて、国制度をもとにした生計困難者に対する所得基準に該当する人にのみ、六%を、半分とする三%を継続するという二点について、案として区市町村にお示しをされたということを知りました。
 他の会派の皆さんは昨日局長に申し入れをされたということであります。我が党は、この制度が、たしか二年前の厚生委員会、一昨年、事務事業質疑の場で提案をされ、質疑をする機会がありましたが、私、そのときに質問に立ちまして、貴重な第一歩であるということで評価をすると同時に、その段階で対象要件をもう少し拡大をすることができないのかという点、同時に、事業者負担、これは半分を事業者負担というのが大前提となっていますが、こうした点についても、何らかの検討ができないものかということについて、発言をさせていただきました。
 同時に、やはりこうした制度とあわせて、介護保険の場合には、保険者、直接の執行者は区市町村なわけです。したがって、軽減措置も区市町村によってさまざまな形で行われている。したがって、東京都一本ということも当然ですけれども、そうした保険者である区市町村の軽減努力をどう支援をするのかという立場から取り組むべきではないのかということを、本委員会でも、また本会議でも、繰り返し発言をしてきたつもりであります。
 そうした点から見れば、昨日示された、まだ案ではありますけれども、こうした要望が一定反映されたものというふうに評価できると思うんです。
 ただ、先ほどから議論がありましたが、一点目で、私もどうしても触れておきたい点は、従前のといいますか、現在の収入基準は、低所得階層の大体一〇%を想定した場合に設定されたんですね。しかし、これは区市町村が事業をしない限り手が挙がらないわけですが、実際にこの所得制限に合致をして、あなたは対象として認めますよというふうに登録をされた人の数は、二月の予算特別委員会の資料に示された数でいうと、東京全体で千五百七十八人なんですね。諸事情でこれだけだということだと思うんですけれども、お聞きしたいのは、千五百七十八人というのはその時点の数なんですが、その後利用者登録はふえているのかどうか。やはり、先ほどから話がありましたけれども、もっと多くの人が本当に利用される、今回は低所得の一五%を対象とするということになりますから、その人たちが本当に利用できるような実体にしていかなきゃならないと思うんです。
 その点で、周知徹底ということをいわれましたけれども、周知徹底だけなのかなという思いもあるものですから、現状と、こうした努力について、改めて私からも聞かせていただきたいと思います。

○野村保険部長 ただいまのお話のとおり、現在の利用者数、これは私どもが把握している限りでも、十五年一月末現在が直近でございまして、千五百七十八人というふうになっております。この後多分伸びているんだろうと推計しますけれども、数字的には持っておりません。
 ただ、先ほどもお話ししましたとおり、私どもは、この制度は基本的には非常にいい制度である、と同時に、今回一〇%を一五%に拡大ということで、かなり大きな見直し、特に先ほどもお話ありましたが、非常に厳しいといわれていた資産要件を六十万から百二十万にしたということで、かなりの部分が改善されたんじゃないかというふうに理解しております。
 したがいまして、今後ともこうした制度の改革につきまして、周知徹底を図りまして、対象者の増を図っていきたい、かように考えております。

○吉田委員 改めて努力をお願いしておきたいんですが、二つ目に質問したい点は、三%から六%に激変緩和が引き上げられるという方々に対する対応策であります。これも昨年の十一月の本委員会の事務事業質疑の中で、私は、野村部長さんだと思うんですけれども、こうした事態に対してどのように対応するのかということを問題提起をさせていただきました。それで、要は、今回の東京都の提案は、重複する方だけについて六%を半分にしますよということですから、当然三%から六%に上がる方全体にカバーできるという仕組みにはなっていません。
 それで、事実として確かめたいんですけれども、今、三%軽減を現実に受けてこられて今度六%になる方が、総数としてどのくらいいらっしゃるのか。重複として今度の東京都の提案で半分に減らされる方は、うち、どのくらいなのか。結局、かなりの方が--どの程度かあれですが、六%にならざるを得ない方々がいると思うんです。区市町村がそうしたことに対してさまざまな努力もあると思うんですけれども、そういう枠から外れた方々に対してはどんなことをお考えなのかを、二点目にお聞きしたいんです。

○野村保険部長 まず第一点目の状況の数字でございますけれども、現在、施行時ヘルプを受けておられます方は、都全体で一万八千八百五十五人でございます。これは重複適用でございますので、生計困難事業をその区市町村がやっていないと適用できません。したがいまして、うち、生計困難事業を実施している区市町村に所在される方の数が、一万二千七十一人でございました。我々は、この一万二千七十一人のうちの半分程度は、所得基準等々勘案しますと、対象になるだろうと考えておりまして、重複該当の方は約六千三十六人ほどいるのではないかというふうに考えています。
 引き続きまして、その対象にならない方についてはどうなのかというお話でございました。私どもは基本的には、これは経過措置でございますので、ご案内のとおり、当初三%であったものが、本来でいえば、ことしの七月から六%になる。それから、十七年の四月からは本則で一〇%になるという経過措置の期間中でございますので、私どもといたしましては、生計困難で該当する方につきましてはこうした対策をとると同時に、その他の方につきましては、本来どおりの、本則どおりの経過措置の運用になるのかなというふうに考えております。

○吉田委員 質問の三点目は、区市町村に対する支援の問題なんです。冒頭いいましたけれども、私たちは、やはり直接の介護保険事業者、保険者である区市町村が、さまざまな形で、かなり思い切った努力も含めて、利用料軽減をされています。そうしたところに対する支援策ということが基本的なスタンスではないのかなというふうに思っているんですね。だから、本来ならば、この問題も、私はやっぱり区市町村と十分協議をして、都としてどういう支援策をとるべきかという意見交換の上で出されるべきではなかったのかなというのが率直な思いです。されていたのかもしれませんけれども。それはいってください、やっていますよと。
 二つ目に、具体的な質問なんですけれども、例えば武蔵野市の場合には、従前のホームヘルプサービスを受けていた低所得者以外の方々も含めて、しかもホームヘルプだけじゃなくて、たしか三事業ですか、三%軽減をすることによって、介護保険サービスの利用を促進するという独自の努力を進めてまいりました。
 私は、国が六%に軽減措置を引き上げるということに武蔵野市がどう対応されるのかということで注目をしてきましたけれども、武蔵野市はこれを継続するという判断を下されたということを電話で聞いた際に、実は東京都からその武蔵野市の決定に対して、何といいますか、検討を求めるといいますか、という旨の文書が出された、極めて遺憾なことだというふうに武蔵野市の担当者からいわれました。これは私はやっぱり、区市町村の努力を応援すべきであるにもかかわらず、応援するんじゃなくて、それを何か、国の法がということを建前として抑制するようなことは、都の態度としては不適切ではないかという意見を持っているんですが、ちょっとこの経過について、この機会にご説明していただきたいんですが。

○野村保険部長 まず第一点目の、情報交換をしているかという話ですけれども、これは当然私どもが行政をやる場合について、実施主体が区市町村でございますので、私ども勝手にやるわけにいかないので、十分区市町村と協議した上で今回のことを決定いたしております。
 それから、武蔵野のケースでございますが、武蔵野につきましては、今、委員ご質問のとおり、独自の判断によりまして、利用者の負担能力に一切関係なく、訪問介護、通所介護、通所リハビリ、この三サービスにつきまして、一〇%を、所得能力一切関係なく三%にしちゃったという経緯がございまして、これは私どもが考えますには、やはりこの介護保険のサービスは保険制度で運用している以上、利用している方と利用されない方の負担の公平、それから、要するにコストをいただくことによって、コスト意識の涵養ということが重要であろうかと思っておりまして、そうした趣旨から、私どもは、武蔵野の制度につきまして、余り制度的に妥当ではないということを、地方自治法に基づきまして、技術的助言としてお話をいたしました。それにつきまして、先ほど委員ご質問のとおりの回答が参っております。
 以上でございます。

○吉田委員 武蔵野市からの回答書を見せていただきましたけれども、今いわれたように、本件については、技術的助言にとどまらず、政策事項について踏み込んだものであり、甚だ遺憾である。しかも、本事業は、従来武蔵野市が実施してきた在宅重視の施策及び寝たきりや閉じこもりを予防する施策を重視する観点から利用者負担の一部を助成するものであるという、極めて妥当な回答だと僕は思うんですけれども、やはりそういう努力は、抑えつけるのではなくて、大いにそれを促進する、そういう立場に立って、一層の東京都としての支援策をさらに検討していただきたいということを述べまして、この陳情に対する発言を終わります。

○森田委員長 ほかに発言がなければ、初めに、陳情一五第五号について採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○森田委員長 起立少数と認めます。よって、陳情一五第五号は、不採択と決定いたしました。
 次に、陳情一五第一二号について採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○森田委員長 起立少数と認めます。よって、陳情一五第一二号は、不採択と決定いたしました。

○森田委員長 次に、一五第一四号の一、特別養護老人ホームに勤務する視覚障害マッサージ師の就労の安定化に関する陳情を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○福田高齢者部長 お手元配布の請願陳情審査説明表に従いましてご説明させていただきます。
 整理番号3、陳情一五第一四号の一、特別養護老人ホームに勤務する視覚障害マッサージ師の就労の安定化に関する陳情についてでございますが、これは北区の特養マッサージ師の身分と仕事を守る連絡会運営委員長、富安猛さんから提出されたものでございます。
 その趣旨と現状につきまして、順を追ってご説明いたします。
 まず第一項及び第二項は、その趣旨がいずれも特別養護老人ホーム経営支援事業に関するものですので、あわせてご説明いたします。
 第一項でございますが、平成十二年度から実施している、特養経営支援事業における視覚障害マッサージ師の雇用継続を可能とする支援措置を平成十五年度以降も引き続き実施することというものでございます。
 次に、第二項でございますが、同措置を新規採用の視覚障害マッサージ師にも適用することというものでございます。
 現在の状況でございますが、都では、特別養護老人ホームが、平成十二年度からの介護保険制度に円滑に移行し、利用者サービスの維持向上と経営の自立を図るため、その運営費の一部を補助する特別養護老人ホーム経営支援事業を経過的に実施しております。この経営支援事業の中で、視覚障害を有するあんまマッサージ指圧師を平成十一年度まで雇用し、平成十二年度以降も引き続き雇用する民設民営の特別養護老人ホームに対して、雇用経費の一部を補助しているものでございます。
 平成十五年度については、視覚障害を有するあんまマッサージ指圧師加算について、引き続きこの経営支援事業の中の現行制度で実施していく予定でございます。
 最後に、第三項でございますが、その趣旨は、すべての特養においてマッサージ師を機能訓練指導員として明確に位置づけるように事業者を指導することというものでございます。
 現在の状況でございますが、既に、理学療法士、作業療法士などとともに、あんまマッサージ指圧師等も、特別養護老人ホームの機能訓練指導員の資格要件として、明確に位置づけられております。その旨を施設等に対して周知しているところでございます。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願いいたします。

○森田委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○吉田委員 この陳情について、一言発言し、一問だけ質問させていただきます。
 同趣旨の陳情が既にことしの一月三十一日の当委員会で、内容的には同趣旨のものがかかりました。その場で発言をいたしましたが、私はやはり、入所している高齢者の方々の機能改善あるいは生活の質の向上という面からも、同時に視覚障害者の方々の雇用確保の貴重な場だという意味からも、この陳情については趣旨採択すべきであるというふうに考えております。
 一点だけどうしてもただしておきたいことは、十五年度も予定であるというご説明が今ありました。経営支援事業は、あくまでも単年度の補助事業ということになっているという説明を受けました。そうすると、本当に継続的に特養ホームの方々が事業を行う、あるいは視覚障害者の方々が継続的に仕事を続けるという点で、極めて不安を招かざるを得ない状況だと思うんです。もちろん将来永劫にということは、施策ですから、あり得ないかもしれませんが、大いにこれは継続的に努力をすべきであり--当然来年度ということが具体的な時期に予算上も入ってくるわけです、継続的に努力すべきだと思うんですが、その点はいかがなんでしょうか。

○福田高齢者部長 特養経営支援事業は、平成十二年度の介護保険制度の発足時に、特別養護老人ホーム代表者との検討協議会の協議を経まして、一類、いわゆる利用者サービスの維持向上のための支援でございますが、それにつきましては、三年後に見直しをする。また、二類、介護保険制度に円滑に移行するための支援でございますけれども、これにつきましては、原則として三年後に廃止するということにいたしました。
 その結果を受けまして、二類につきましては、平成十四年度までで廃止いたしました。一類につきましては、平成十五年度も継続して実施しているところでございます。
 今後の特養経営支援事業のあり方につきましては、利用者サービスや経営の自立、安定化の観点を勘案するとともに、関係者の意見を聞き、また介護保険制度の動向を踏まえながら検討すべき課題であると考えております。

○森田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、保留とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○森田委員長 異議なしと認めます。よって、陳情一五第一四号の一は、保留といたします。
 以上で陳情の審査を終わります。
 以上で福祉局関係を終わります。

○森田委員長 これより健康局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、健康局長に平井健一君が就任されました。また、幹部職員に交代がありましたので、平井局長から、あいさつ並びに紹介があります。

○平井健康局長 このたび健康局長を命ぜられました平井でございます。
 森田委員長を初め委員の皆様方には、日ごろから局事業の運営に当たりご指導賜り、まことにありがとうございます。
 着任に当たりまして一言ごあいさつを申し上げさせていただきます。
 この数カ月、世界各地で猛威を振るっております重症急性呼吸器症候群、いわゆるSARSは、都民、国民の健康にとって大きな脅威でございますが、また、行政が既成の枠組みだけでは対応できず、新たな手法や対応策を積極的に模索し、果敢に取り組む必要に迫られたという意味で、今後、各分野での危機管理に大きな示唆を与えているかと思われます。
 健康局におきましては、いち早く局内にSARS対策本部を立ち上げまして、国に先駆けて都独自の対応基準を設けるなど、積極的に体制整備を進めました。これらの取り組みの詳細につきましては、後ほど所管部長からご説明をさせていただきます。
 SARSに象徴されますように、多くの困難な課題がございますが、健康局の使命でございます都民の生命と健康を守るため、局職員一丸となって事業の推進に努めてまいります。引き続きご指導を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
 それでは続きまして、さきの人事異動によりまして当局の幹部職員に交代がございましたので、ご紹介させていただきます。
 まず、医療サービス部長梶山純一でございます。食品医薬品安全部長中井昌利でございます。医療改革推進担当参事桜山豊夫でございます。地域保健推進担当参事小松博久でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者あいさつ〕

○森田委員長 あいさつ並びに紹介は終わりました。

○森田委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○梶山医療サービス部長 重症急性呼吸器症候群、いわゆるSARSについて、東京都では、国に先駆け、本年四月初めから、健康局と病院経営本部によるSARS対策本部を立ち上げるとともに、SARS専門家会議を開催し、国際都市東京の特性を踏まえた対策を講じてまいりましたので、ここにご報告を申し上げます。
 お手元には、資料として、「重症急性呼吸器症候群(SARS)について」をお配りしてございます。
 まず、SARSの概要についてご説明をいたします。お手数ですが、資料の一ページをお開き願います。
 1として、SARSとはでございますが、本年二月、中国からの旅行者を中心に、ハノイ、香港において重症な呼吸器疾患の患者が発生し、WHOは、これを重症急性呼吸器症候群(SARS)として警告を発しました。現在、全世界で約八千五百人の感染者、また約八百人の死者が報告されております。WHOでは、SARSコロナウイルスを原因とする新たな感染症であるとしております。
 感染経路は、感染者の唾液等による飛沫感染が主なものと考えられておりますが、空気感染なども完全に否定されてはおりません。
 臨床症状としては、まず、三十八度C以上の急な発熱で発病し、その後、せき、呼吸困難などの呼吸器症状が認められます。また、胸部レントゲン写真では、肺炎などの所見が見られることが特徴でございます。
 潜伏期間は、感染後およそ二日から七日で、最長十日と考えられております。
 次に、2として、治療でございますが、現在のところ、確立した治療方法がないため、対症療法が中心となっております。致死率は、年齢や基礎疾患、暴露したウイルスの量などによって異なるものの、全体として約一五%と推定されております。
 次に、3として、報告状況でございますが、平成十五年六月十八日までの都道府県などからの報告は、全国で、疑い例、可能性例合わせて六十八例、うち東京都からは二十四例となっております。これら報告された事例は、国の専門委員会ですべて真性患者ではないと判定されております。
 次に、健康局におけるSARS対策の現状をご説明いたします。お手数ですが、資料の二ページをお開き願います。
 1として、情報提供体制・相談体制でございますが、SARSについては、情報不足から過度に不安を抱くこともあります。このため、東京都及び健康局のホームページ、「広報東京都」、都提供番組などの広報媒体を活用し、都民及び医療機関などへの迅速で正確な情報提供を行っているところでございます。
 SARSに関しては、国内外から日々新たな知見などが報告されておりますので、特にホームページ上では、これら最新の情報を迅速にわかりやすく提供するよう心がけております。
 また、相談体制につきましては、保健所と東京都保健医療情報センター「ひまわり」で、医師や保健師などの専門職が、都民や医療機関の皆様からの相談に二十四時間体制で対応しているところでございます。
 次に、2として、感染拡大予防対策でございますが、感染拡大を防止するためには、接触者調査及び検診などの迅速かつ適切な対応が必要でございます。都では、都区保健衛生連絡協議会の開催などにより、都区一体となった疫学調査体制を構築しております。
 次に、試験検査体制につきましては、健康安全研究センターにおいて、除外診断のための各種ウイルスなどの病原体検査を三月下旬よりすべての報告例に対して実施し、現在では、SARSコロナウイルスの検査にも対応しております。
 また、搬送体制につきましては、二次感染を完全に防御しながら搬送できるよう、感染症患者搬送専用車を昨年度中に更新整備したところでございます。SARSに関しましても、搬送マニュアルなどの作成や実地訓練などにより、感染症対策課及び保健所による迅速な搬送体制の構築に努めているところでございます。
 次に、3として、医療提供体制でございますが、SARSは、的確な保健医療サービスが提供されれば、感染拡大が防止できると考えられております。このため、患者、感染者の病状を的確に判断し、迅速かつ適切に必要な医療を提供する東京SARS診療ネットワークを構築し、感染症対策課が二十四時間体制で調整連絡に当たっております。
 次に、感染症指定医療機関における診療体制でございますが、都立墨東、荏原、豊島、駒込の四病院を中心に、感染症専門医による二十四時間の診療体制を整備いたしました。また、SARS患者に対応できる陰圧制御可能な病床の整備不足が全国的に指摘される中、都内では六十六床が確保されております。
 さらに、診療体制については、六月より、患者、感染者などが大規模に発生した場合に備え、SARSの疑い例の外来初期診療に対応する協力医療機関の指定を行い、充実強化を図ったところでございます。
 これについては、恐れ入りますが、資料の三ページをお開き願います。
 保健所、一般医療機関、協力医療機関及び指定医療機関が密接に連携した現在の円滑な診療の流れを示してございます。今後とも、協力医療機関の充実など、診療体制の一層の充実強化を図ってまいります。
 以上、当面のSARSに対する健康局の取り組みをご報告してまいりましたが、引き続き健康局では、SARSの脅威から都民を守り、また安全、安心を確保するため、病院経営本部、東京消防庁を初めとする庁内関係局、東京都医師会及び各医療機関などと密接に連携し、万全の措置をとっていくことを申し上げて、ご報告を終わります。

○森田委員長 報告は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。

○大山委員 十種類ほどなんですけれども、一つは、まず相談についてです。内容別、相談機関別に月別で件数をお願いします。
 二つ目は、SARSの協力医療機関と、それから感染症指定病院の二次保健医療圏及び保健所の圏域別病院数と病床数、それに人口も入れてください。
 三番目は、これまでの都内の疑い例と可能性例の件数及びその概要をお願いします。
 四番目は、感染症指定医療機関であります都立四病院それぞれの疑い例、可能性例の受け入れ数。
 それから五番目は、健康安全研究センターにおけるSARSウイルス検査の件数及びその結果です。
 六番目は、全国の特定感染症医療機関及び第一種感染症指定医療機関の病床数と所在地をお願いします。
 七番目は、各区市町村の防疫体制の状況。もし委託でしたら委託先もお願いします。
 八番目は、国の空港及び港湾の検疫体制の概要をお願いします。
 九番目は、SARS対策での保健所及び保健師だとか専門職の役割ということです。
 十番目は、ここの報告の中に、東京都の提供番組での広報というのがありましたけれども、どこでとか、どの番組で何をどれぐらいというのを、実績お願いします。
 以上です。

○森田委員長 ただいま大山委員から資料要求がありましたが、これを委員会の資料要求とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○森田委員長 異議なしと認めます。理事者においては、要求された委員と調整の上、ご提出願います。

○森田委員長 これより請願の審査を行います。
 一五第二号、稲城市坂浜地区の墓地計画に対する経営許可申請受理前の事前調査等に関する請願を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○齋藤地域保健部長 整理番号1、請願一五第二号につきましてご説明申し上げます。
 この請願は、大規模墓地対策協議会代表内田新さん外六千七百三十九名の方々から提出されたものでございます。
 請願の趣旨は、請願者が居住している神奈川県川崎市麻生区に隣接する稲城市坂浜地区の大規模墓地計画に対し、次のことを実現していただきたいというものでございます。
 まず第一項としては、墓地経営許可申請を受理する前の事前調査を行うこと。次に、第二項としては、墓地計画地に隣接する川崎市との事前協議を行うことというものでございます。
 現在の状況についてでございますが、本請願の対象となっている墓地建設を計画している宗教法人壽量寺は、墓地等の構造設備及び管理の基準等に関する条例に基づき、墓地経営許可申請の事前手続として、平成十四年九月十六日に標識を設置し、同年十月五日及び十二月八日に隣接住民等に対する説明会を開催しております。
 しかし、都市計画法、東京における自然の保護と回復に関する条例、その他関係法令等に基づく計画内容が不確定な段階での説明会であったことから、所管の保健所では、同条例第十七条に基づき、同宗教法人に対し、再度説明会を開催するよう指導しております。
 なお、都の関係局とは連携を密にしながら対応を図っており、また川崎市とは適宜情報交換を行っております。
 よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○森田委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○古賀委員 私は、戦後六十年近く続いた、行き過ぎた個人主義の教育やそういった風潮によって、日本人の意識の中にかつてありました縦軸のきずなというものが薄れてきているというふうに思います。つまり、そのことに伴って、命の根である先祖とのつながりというものに対する感性というものが非常に弱まってしまった。その結果、人の死に際しても、また、みずからの生死にかかわるさまざまな人生観等についても、いろいろな意見が多発するようになりまして、今日では、散骨などの新たな考え方による葬儀であるとか回向の方式というものが話題に上るようになってまいりました。
 しかしながら、現実には、墓地というものについて、そのものを否定する不要論をあげつらう人はいないというふうに思うわけです。私は、墓地は、だれでも、特異な例外がない限り、必ず人生に欠くべからざる施設であるというふうに考えています。しかしながら、地域に受け入れられるかどうかというその観点から見ますと、当然一定の配慮であるとか対策というものがなされるべきであります。
 都議会でも、平成十二年第三回定例会におきまして、墓地等の構造設備及び管理の基準等に関する条例の一部が改正されました。議会では付帯決議もつけたわけです。共産党は反対いたしました。これによりまして、従来、名義がえであるとか、あるいは永続的な安定した墓地経営にさまざまな不安が提示されるなどの状況が改善されなければならないという思いが私たちにあり、なおかつその条例の効果は一定のものが今上がっているというふうに思います。
 従来、経営主体というものは、審査基準はある程度決められておりましたけれども、改正されたことによって、宗教法人あるいは地方公共団体、公益法人ということがはっきりと明記をされ、なおかつ宗教法人については、都内または申請地の隣接市町村に事務所を有する者ということが明記をされました。
 さらに、墓地の設置場所については、従来は、借り物、借地でもよかったわけでありますけれども、これが原則自己所有ということになりました。さらに、周辺住民との紛争を防止するという観点から、従来施行規則にありました承諾書の添付というものが、事前周知義務ということで、新たにこの周知制度というものを申請前に行うということが条例にきちんと書かれたわけです。
 こういう地域とのさまざまなもめごと、紛争を予防するということ、それから地域の環境を後退させてはならないという観点から我々はこの問題を考えていかなければならないということは、当然のことであります。
 今回、稲城市の坂浜地区の墓地計画は、現在、土地計画法に基づきます開発行為の準備、それから墓地経営許可申請に先立つ隣接する住民の皆さんへの説明会が、今状況報告にありましたように、二回開催されているわけです。
 この請願の請願者は、川崎市民の方でありますけれども、この皆さんは、墓地等の構造設備及び管理の基準等に関する条例に規定されている隣接住民ということになるわけです。ですから、東京都内にお住まいの方ではありませんけれども、まさに当事者ということであります。
 請願の内容によりますと、この計画地は、東京都稲城市、それから神奈川県川崎市の都県境にございます。計画されております当該地に接続する道路は、川崎市内の道路に接続しているわけです。請願者は、この道路の現況から、工事車両が通行する、あるいは、もし墓地ができたといたしますと、その墓参の車両による交通上の影響ということを心配されているわけです。
 つまり、計画地は東京都にありますけれども、当該地への往来は、川崎市の向原地域からしかできないというこの特別な状況というものをまず念頭に置くことが必要であろうと思います。また、周辺で最も高台に位置しております里山を当然切り崩すことになりますので、洪水であるとか土砂崩れ、あるいは雨水、雑排水の不適切な処理によります地域住民への健康被害も懸念しておられます。さらに、隣接住民への過去二回の説明会において、これらの問題について、当該宗教法人からは今もって現段階では納得できる説明がなされていないということであります。
 この計画地は、平成十三年八月にも、別の宗教法人によりまして、今回とほとんど同じ内容の計画が出されまして、東京都の都市計画局での公聴会も開かれました。平成十四年の七月に公聴会が開かれたんですけれども、断念をした経過がありまして、計画がずさんではないか、あるいは不明朗だという印象が地域住民に今もって強く残っているわけであります。このときも私は厚生委員会にいまして、この審議に参加しておりましたけれども、この請願は現在保留と取り扱いがなっております。
 この請願は、前回の請願と同様に、今回、東京都に対して墓地経営許可申請を受理する前の事前調査、それから川崎市との事前協議を求めております。この件についてこれから質問をいたします。
 まず、申請予定者は、宗教法人壽量寺というお寺でありますけれども、隣接する住民の不安を解消するために十分な対応を行うことは当然でありますけれども、同時に、関係する役所の部署からの指導を受けることになるわけでありますが、健康局、つまり東京都としては、請願者が要望している事前調査を実施しているのかどうか、この点お答えください。

○齋藤地域保健部長 先ほど先生からご紹介いただきました条例に基づく事前周知制度には、特段事前調査という規定はございませんけれども、所管の保健所では、同制度に基づきます標識設置届を受理した後に、必要な現場の確認を行っているところでございます。
 また、そのほかの関係法令に関しましても、各法令所管部署が事前指導に必要な現地調査、現地確認を行っていると伺っているところでございます。

○古賀委員 現場確認等は行っておられるということで、条例には事前の周知制度というものはうたわれておりますけれども、事前調査という言葉での手続については規定されていないわけですが、実際には、関係法令ということをおっしゃいましたので、多分都市計画法であるとか自然保護条例、それから建築基準法等、そういうものに照らして、適法な状態にあるのかどうか、計画内容とそれから各部署での、その条文等々と照らし合わせる作業が行なわれているということだと思います。
 そこで、この請願者が、東京都と川崎市との間で事前に協議をしてもらいたいという要望を出しているわけでありまして、これが請願内容となっております。現在、健康局は、川崎市との間でどのような事前協議を行っているのか、現時点での見解を伺います。

○齋藤地域保健部長 平成十五年三月二十六日付で、川崎市長から都知事あてに、墓地開発計画にかかわる要望書が、保健所その他関係機関に提出されております。
 その内容は、申請予定者に対しまして、川崎市が管理する公共施設に関係する計画について事前に十分な協議をするよう指導すること、及び申請予定者と近隣住民との十分な話し合いが行われるよう配慮を望むということでございます。
 条例自体では、隣接自治体との事前協議の規定は特にございませんけれども、都といたしましては、この川崎市の要望を踏まえまして、申請予定者に対して、本計画が川崎市の公共施設に関連する場合には、川崎市の公共施設管理部署と十分な協議を行うよう指導いたしますとともに、都としても、川崎市との間で必要な情報交換を行っているところであります。
 現時点での状況はそういうところでございます。

○古賀委員 質問は以上にしたいと思いますけれども、先ほども触れましたように、開発予定地、つまり当該地は東京都の稲城市の坂浜地区にありますけれども、三方をよみうりカントリークラブに囲まれて、残り一方の川崎市麻生区の向原地区の住宅地からの出入りしかできない、そういう場所であるということを、この問題を受けとめるに当たって、地理的な条件は常に念頭に置いておかなければいけないというふうに思うわけです。
 しかも、ここは市街化調整区域になっておりまして、第一種低層住宅専用地域でもあります。ここに約三万平方メートルの墓地と管理事務所を建設するということでありますから、当然、環境の保全、それから災害の防止、それから交通の安全が配慮されるのは論を待たないというように思うわけです。
 この請願については、基本的には私は採択を望むものでありますけれども、いまだに計画内容が不確定な段階でもあります。引き続き状況の推移を見守る、そしてその審議を行っていくべきであるというふうに考えざるを得ません。紹介議員の一人として、最終的には請願の採択を求めてはまいりますけれども、現段階で私が今申し上げられるのは、事業者と隣接する住民との十分な話し合いが行われるように、関連する東京都の部署が連携しながら事業者を強力に指導すること、さらに東京都と川崎市との間で十分意見交換を行うことを要望して、質問を終わります。

○小林委員 私も、かなり古賀副委員長とダブるかもしれませんが、極力ダブらないように質問していきたいと思います。
 この案件は、一度出されて、それで宗教法人がかわって改めて申請をされたということで、一般的に考えれば、最初に出したところは何で途中でやめたんだろうな、あれどっか問題があったのかなとか、あるいは住民とのいろいろやりとりの中で、もう嫌気が差したというんですかね、もともと宗教法人そのものが、檀家制あるいはその宗教の考え方を意欲的に広めていこう、こういった基本というものがなかったのではないかなというふうに思うわけですよね。
 そこで、前の計画と今回の計画を見てもそんなに違わないですね。同じといってもいいような内容なんです。そうすると、何でやめたのかな、何で今回壽量寺というお寺が申請したのかなというふうに思うのは、普通の人はみんなそう思いますよね。別なところだったらそれはいいですよ。全く同じところですからね。
 そこで、知り得る範囲で、部長、何か情報つかんでおられたら、ちょっと発表してください。

○齋藤地域保健部長 所管の保健所に標識の取り下げが出されておりますけれども、その書面によりますと、理由といたしまして、諸般の事情によりというふうに書いてあったところでございます。(笑声)

○小林委員 諸般の事情ね。多分ね、推測ですよ、推測だけれども、多少裏でいろいろ墓石屋さんとか管理をする会社等が相当その意向を酌んでやられたんだろうと思うんですね。ですから、それがいろいろ交渉過程の中で、ちょっと話が違うとか、条件が違うといったようなところで意欲を失われたんではないかなというふうに、これは私の推測ですから……。
 そこで、許可をするに当たって、お墓というのは、買えばずうっと未来永劫、これは永代供養という供養料も取るわけですから、会社のように、マンション経営のように、途中で経営が行き詰まったとか、思ったより販売ができないとかといって撤退ができないわけですね。ということになれば、相当厳しい審査とか資金計画、先ほど古賀さんもいわれましたけれども、ちゃんとしっかりした自己資金がなければ、これ、買われる人は、宗教法人なんというと、まあ信用して買ったところ、裏は実態は全然違った経営体になっていたみたいなことになっちゃうと、それこそ末代、先祖に申しわけ立たなくなっちゃう。そういう意味で、資金計画あるいは自己資金、こういったところがしっかりしているのかどうか、この辺はどのように調査の段階で見解を持っておられますか。

○齋藤地域保健部長 資金計画あるいは自己資金についてのお尋ねでございますけれども、現在、まだ申請を受理しておらない段階でございます。また、先ほど来お話が出ておりますように、計画の内容がまだ不確定ということでございますので、厳密な意味で、資金計画あるいは自己資金についての判断は所管の件ではしておりませんけれども、条例上は、正式にいろいろな計画内容が確定して申請があった後に、必要な書面に基づきまして厳格な審査をすると、そのように考えております。

○小林委員 大体ここら辺が一番重要なんですよね。ですから、この辺しっかりと、宗教法人が実態としてしっかりと将来にわたってやっていけるかどうか、そういう意味でぜひ厳密な審査をしていただきたいと思います。
 それから次は、先ほど質問にもありましたが、ここは市街化調整区域です。一般的にいうと、開発をしてはいけないというところですね。そこを墓地としてやるわけですから、それは裏を返せば貴重な環境が破壊されているということになるわけです。墓埋法から受けてこの東京都の条例というのは、もともと土葬法から来ていて、本当なら都市計画でやらなきゃいけないと思うんですね。それが健康局でやるというのは、これは本当ならおかしい。ただ、条例の改正の中で、市区町村の都市計画とか、あるいは墓地の経営について市区町村の意向を最大尊重するということで、多少当該の市町村のまちづくりにおける意見を拝聴しなさいということをいっているわけですから、それはそれで、法の不備はあったけれども、少なくとも東京都の条例の中では、当該自治体のいわばまちづくりに障害にならないようにという文言が入ったということは、これは私は非常に前進だというふうに思います。
 そこで、ここで答えろというのは無理なのかもしれませんが、自然破壊についてどういうふうに考えておられますか。

○齋藤地域保健部長 委員からるるご説明いただきましたように、平成十二年の条例改正では、当局所管の条例ということでございますけれども、墓地の景観ですとか、あるいは良好な環境を保持するとともに、周辺環境との調和を図るということを目的として、墓地の構造設備に関する規定が整備されました。その範囲では、ごみ集積設備ですとか、給水設備、駐車場、緑地等の設置が義務づけられているところでございます。
 お尋ねの、自然破壊ということになりますと、今回の約三ヘクタールの墓地開発には、先ほどもご指摘がございましたけれども、都市計画法による開発行為の許可と、それから宅地造成等規制法による宅地造成の許可と、それから、いわゆる東京都の自然保護条例による開発行為の許可と、さらには森林法によります開発行為の許可と、当然あと建築基準法上の建築確認というような手続が必要になっております。
 主として、自然破壊というお話であれば、自然保護条例の中で十分審査されるものと考えているところでございます。

○小林委員 ということは、今部長おっしゃられたさまざまな開発行為の許可、認可という環境は、健康局は関係ないんだけれども、そこは相当横の連携を持ちながらしっかりとやっていくということでよろしいんですか。

○齋藤地域保健部長 そのように対応していきたいと考えております。

○小林委員 条例改正の中で、当該市町村との協議というものをしながら、意見をちゃんと聞きなさいということがうたわれておりますけれども、川崎市の方は先ほど古賀さんの方から話がありましたが、当該市町村ということになると稲城市になるんですよね。稲城市はどういう意向なんですか。あるいは議会で請願陳情や何か出て審議をしていて、継続とかそういうのいろいろあるかと思うんですけれども、その辺の事情は把握しておられますか。

○齋藤地域保健部長 稲城市の状況でございますけれども、私の知り得る限りでは、稲城市それ自体に陳情等出ているというふうには承知しておりませんが、先ほどのお話のように、保健所から稲城市に照会をいたしております。墓地建設計画が及ぼす土地利用計画等への支障の有無等についてでございますけれども、稲城市としては、現在、事業計画が不確定な段階であることから回答を保留しておりまして、今後の計画の進捗状況を見た上で回答いたしたいというふうにご返事をいただいているところでございます。

○小林委員 そうすると、当該の稲城市の意向を、出てないということですけれども、出てきたら尊重するということですね。よろしいですか。

○齋藤地域保健部長 条例改正のときにつきました付帯決議の趣旨に基づいて対応していきたいと考えております。

○小林委員 この墓地については、隣につくられれば、歓迎する人なんかだれもいないわけですよね。いわゆる迷惑施設なんといったら、古賀さんに怒られるかもしれませんけれども。ですから、逆にいうと、周辺の皆さんとの交渉というのは非常に粘り強く、最終的な理解を得られれば一番いいんですけれども、少なくとも東京都の誠意みたいなもの、いわゆる許可をする立場として、説明が十分でなかったとか誠意が見られないとか--その宗教法人も含めて、そういうことのないように、ここはしっかりと住民の皆さんに、もちろん納得いただくというと、何か開発側に立ったみたいないい方になりますけれども、そうじゃなくて、少なくとも双方、情報を何か隠すようなことがあってはならない、きちっと指導するということを徹底してやっていただければというふうに思います。
 二回ほどやられたということなんですが、私のところにも住民の方が来られて、とても誠意があるとは見えなかったというようにいっておられますが、その辺の状況はどうでしょう、把握しておられたら。

○齋藤地域保健部長 説明会におきます状況ということでございますけれども、申請予定者側から、一回、二回にわたる説明会の報告書が届いておりますので、この読んだ限りの範囲で承知しているところでございます。

○小林委員 民民でございますから、なかなか難しいところもあるでしょうけれども、そうはいっても許可権者になるわけですから、そこは相互に不満の残らないように、ぜひ粘り強くその交渉の間に入っていただければということを要望して、終わります。

○佐藤委員 ちょっと関連で。一点だけ。今事業をやろうとしている壽量寺というんですか、宗教法人、これどんなお寺なんですか。何宗だとか、わかりますか。どこにお寺があって、どの程度のお寺を今経営してって、わかっているんでしょうか。で、前の何とか寺というのは結構いいかげんで、余り実体もないようなお寺だったようですが、今回はどういうあれですかね。
 それから、これ三万平米というと、大体ざっと割って何基ぐらい墓地が入るものなんですかね。

○齋藤地域保健部長 壽量寺についてのお尋ねでございますが、現在、町田市の図師町というところに宗教法人事務所を持って、同市内にて檀家墓地を経営しているところでございます。日蓮宗というふうにお聞きはしてございます。私どもが知った範囲ですと、檀家の方の数は約千二百というふうに伺ってございます。
 あと、今回予定しておりますところ、約三千百区画を予定しているということでございます。

○東村委員 私も紹介議員の一人として、何点か質問させていただきたいと思います。
 東京都の条例では、事前の周知制度という観点からしかなかなか指導ができないわけなんですけれども、その中で一歩踏み込んで、事前調査というところまで踏み込んでいるんで、なかなか東京都としても答弁がしにくいんじゃないかと私は思っているんですけれども、そういう意味で、趣旨はどうか理解をしていただきたいなと思うんですね。ここでいっている本当の趣旨というものをどうか酌んでいただきたいなと思います。
 それで、都条例の周知制度の中で、説明会の開催はどのようになっているのか、まずこれについて説明してもらいたいと思います。

○齋藤地域保健部長 説明会の関係でございますけれども、条例では、墓地開発に伴う隣接住民等とのあつれきを未然に防止するという観点から、事前周知制度を設けてございます。
 これは、申請予定者が申請予定日の六十日前までに隣接住民等に説明会を開催するとしてございます。
 説明事項といたしましては、施設の規模あるいは構造設備、維持管理の方法、工事の方法、作業の方法などの計画につきまして具体的に説明し、その経過の概要等を知事--実際には、本件の場合、許可権者たる所管の保健所長でございますけれども、報告しなければならないとしているところでございます。

○東村委員 今、事前周知の内容について、施設の規模や構造設備、維持管理の方法、そして工事の方法や作業方法まで計画内容を具体的に説明しとあるんですね。私のところにもこれくらいの厚さのもの、いただきました。特に大部分が説明会の議事録をつくっていただいて--よくこれだけとられたなと思うんですけれども、読ませていただきました。
 先ほど小林委員から、誠意がないという話がありましたけれども、私も読んでいて、随分誠意がない応対をしているなと、説明会自体がね。事前周知の説明会は形どおり開いているんだけれども、説明会の内容はかなり誠意がないものだろうな。しかも、住民が求めているような、さっきいいました必要な情報がほとんど開示されていない。したがって、当然住民側も怒るわけですよね。こういうような説明会を形だけ開いていれば、それはもうこれは形だけですよといわれても私は仕方ないんじゃないかと思うんです。時間は、これ見ていたら相当とっているだろうなと思うんですけれども、そういう中で、終了後も議事録をきちっと添付して保健所長さんあてに出しているわけなんですけれども、恐らくこれ都の方にも上がっていると思うんですが、先ほど小林委員も質問されておりましたけれども、改めて、これだけの説明会を開いて、内容に非常に誠意がないし、必要な情報が開示されてない、それについて都としてどのように認識しているのか、具体的にもうちょっと答えてもらいたいと思います。

○齋藤地域保健部長 所管の保健所へ提出された報告書によりますと、第一回の説明会では、九十人の方のご出席のもと、主に道路、雨水あるいは伐採樹木の処理等について、また第二回目は、八十一人の方のご出席のもと、主に工事の方法ですとか管理運営計画などについてそれぞれ説明があり、大変多岐にわたる質疑があった、あるいは意見があったとの報告を受けております。
 その報告を受けまして、保健所では、関係法令に基づく計画内容が不確定な段階での開催であり、十分に説明が行われたとはいえないと判断しているところでございます。

○東村委員 今答弁の中で、確かに不確定な段階での説明ということもあるんですけれども、十分に説明が行われたとはいえないという答弁がありました。まさに住民がいっていることはこのことなんですね。
 話はちょっと転じるんですけれども、都も十二年の第三回定例会で条例改正をされましたけれども、実は、厚生省の生活局長が平成十二年二月六日付で墓地経営管理の指針というのを出しているんです。これは、特に墓地埋葬法第十条第一項の、いわゆる都道府県知事の許可という問題について指針を出しているんですけれども、こういうことが書いてあるんですね。
 知事は、正当かつ合理的な理由があれば許可しないことができるのであって、行政の広範な裁量にゆだねられていると解される。この許可しないことについての権限が認められていることによって、不適切な墓地経営の許可申請については、利用者保護の観点から許可しないことが重要である、こういう指針が出されています。
 さらに、墓地埋葬法第一条の、墓埋法の目的--条例よりもこの墓埋法が上位にあるわけなんですけれども、第一条の目的で、単に公衆衛生上の規制にとどまらず、その他公共の福祉の見地からも制約を加え調整を行うべきものとされていると、ここまで踏み込んで指針が出されています。
 先ほど、小林委員の方から、経営的な視点で、資金の問題で、利用者保護の観点からは厳しいんじゃないかという話がありました。これもやっぱり重要なことなんですね。さらに、私は、この中で公衆衛生--東京都は健康局に所管があるのはこの公衆衛生上の観点から許可を出すということで、健康局に所管があるということを理解していますし、皆さんもそうおっしゃっています。その上で、その他公共の福祉の見地からというこの一言があるんですけれども、これは具体的にどのようなことを指しているのか、これについて答えてもらいたいと思います。

○齋藤地域保健部長 公共の福祉についてのお尋ねですが、具体的あるいは一義的に申し上げるのは大変難しいと考えております。
 ただ、昭和二十九年当時、当時の厚生省が、結核患者収容の病院に近接して墓地を経営すれば、患者に対して極めて悪影響を与えるおそれがあることが予想される場合においては、許可をしないこともやむを得ない場合もあるとの見解を示しておりまして、公共の福祉を判断するときの例の一つとなっておるところでございます。
 また、昭和五十五年の熊本地裁の判決では、公共の福祉の見地とは、国民の宗教的感情に適合することとか、公衆衛生の見地とかの--墓地埋法の関係ですけれども、第一条に規定されている内容から推しはかられるものに限られるべく、これから大きくかけ離れる事情までも公共の福祉の見地に含まれるものと解することはできないとの判断が出されているところでございます。

○東村委員 後段の部分は、判決聞いたら聞いたで、何いっているかよくわからないんですけれども、要するに、墓埋法の一条に規定されている内容から推しはかられるものって、私は逆にいえば、墓埋法の一条の公共の福祉とは何かと聞いているんですけれども、推しはかられるものに限られるといわれても、これなかなか理解できない部分だと思うんですけれどもね。
 ただ、結核患者の病院に近接して墓地をつくると極めて悪影響があるという話があります。今回の事例も、住民にとって、これから本当に都市部の住宅街に墓地をつくるということが起きてくる可能性があるわけなんですけれども、こういうことも、狭い範囲でとはいっているんですけれども、これについても私は解釈のしようによっては、こういうことも該当するんじゃないかということを、これ読んでいて考えるわけなんですね。後段の部分については、何かこれ非常にわかっているようでわかってないような説明なんですけれども、そういうことを考えるわけなんですね。
 そこで、この今回の問題について、いわゆる公衆衛生その他公共の福祉の見地から、法令に基づいて経営許可の判断を下すことになっているということがさっきの墓埋法にありました。許可申請前の--ここが非常に難しいところなんですね、申請を受けてないものを都は判断できないというその理屈もよくわかります。申請出していないもの、判断しようがないわけですから。だからせめて事前調査という話になっているんですけれども、申請前のこの現段階で、念のためにお聞きしたいんですけれども、公衆衛生その他公共の福祉の見地から問題があるのかないのか、判断願えれば答弁していただきたいと思います。

○齋藤地域保健部長 先ほど申し上げましたように、現在、申請予定者は、事前周知手続の最中でございまして、また、いまだ計画内容も不確定な段階にございます。今後、計画内容が申請予定者において明確となって申請に至った場合には、委員ご質問の、公衆衛生その他公共の福祉の見地から支障がないよう、条例に基づきまして、必要な審査を行った上で適切に判断することになるものと考えております。したがって、現段階では、判断できる状況、段階に至っていないと考えております。

○東村委員 私も、現段階では判断できないだろうなと思いながらお聞きしているわけなんですけれども、そういう意味で、申請出していないものをどうやって判断するんだという話になると思うんですね。
 ただ、今回の墓地建設については、先ほども関連して話がありました、やはり大規模なものなんです。工事内容等については、関係法令と整合したものである必要があるんですね。ついては、これからの墓地行政を進めるに当たっては、関係部署での連携がかなり必要になってくるんだろうと思うんですけれども、現在どのような対応をする体制になっているのか、これについて具体的に答えてもらいたいと思います。

○齋藤地域保健部長 関係部署の連携体制の現状についてのお尋ねでございますけれども、先ほどお話しさせていただきましたように、都市計画局、それから環境局、それと稲城市も関係してございます、それと保健所との間で連絡会を設けていまして、三者でやる場合もありますし、四者でやる場合もございますけれども、そういう形で連絡体制を会議としては持っております。その他、随時情報提供、情報交換ということを行っているところでございます。

○東村委員 ぜひともこの連絡会を密に開いていただいて、情報をきちっと入手することが大事なんだろうなと。先ほど途中から、どういう宗教法人なのか、何万基つくるんだとかいう話がありましたけれども、本当にここまで話が顕在化してきているわけですから、知らぬふりはやっぱりできないと思うんですね。事前調査はできないにしても情報収集はすることができると思いますので、しっかり情報を収集して、関係市または関係部署と連携とってもらいたいと思うんです。その上で、法令も大規模開発になると非常に多岐にわたって複雑になってくると思います。その中でよく連携をとっていただきたいということと、やっぱり現段階ではなかなか不確定な要素が強過ぎて、そういう意味で説明も不十分な要素が強いんで住民も不安になっている。そういう中で、なかなかここで、請願の紹介議員になっていて心苦しいんですけれども、事前調査まで踏み込むことはかなりしんどいんだろうなということはやっぱり私どもも考えます。
 ただ、この説明会の内容を読むとわかるんですけれども、余りにも誠意がないし、対応とか情報も非常に不十分な説明会なんです。この説明会でもって説明会が開かれて事前周知されてしまったなんということになってしまえば、これは形式論になっちゃうと思うんで、その辺の中身をよくこれから事業者を指導してもらいたいと思うんです。
 その上で、もしこれ申請されて受理されたら、もう一度墓埋法の原点に立って、先ほどいいました公衆衛生上の観点、その他公共の福祉という、これはどういうことなのかということと、あと利用者保護の観点、単なる公衆衛生だけじゃないですよ、公共の福祉という観点、それから利用者保護という観点からきちっと判断をしていただきたいな、このことを切にお願いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。

○吉田委員 私も、この問題で簡潔に質問させていただきます。
 私は、本請願は、結論的には二項目、申請を受理する前の事前調査を行うことと、墓地計画地に隣接する川崎市との事前協議を行うこと、その限りではもう極めて当然の、一部または既に東京都は川崎市との意見交換、情報交換されているということもありましたから、当然のことであり、少なくとも趣旨採択すべきではないかというのがまず結論的意見であります。
 それで、既に具体的な議論がありましたが、この段階で、この計画について皆さん方が立ち入って見解なり評価なりをいうことはできないという状況ですから、私は、原理原則についてだけを二、三確認させていただきたいと思うんです。
 第一に、東京都の条例、平成十二年に改正をされました。そこでは特段事前調査という項目がないということがご説明されました。しかし、先ほど東村委員が紹介しましたけれども、国の墓地経営管理に関する指針がありますよね。これは東京都が対応するに当たっては、墓埋法及び東京都の条例、そして管理指針、この三つが法的、行政的には判断の土台となるものだと思うんですが、この指針というものは皆さん方はどのように受けとめていらっしゃるんでしょうか。

○齋藤地域保健部長 国の出した指針についてのお尋ねでございますけれども、ご指摘の指針は、都道府県等の行政運営のための指針、いわゆる実施事務におきます国の技術的助言としての性格を有するものでございます。自治体が実際に実務を行う際の指針、ガイドラインとして作成されたものと考えております。

○吉田委員 そうしますと、条例と一体でこの指針に基づいて対応するんだということになると、例えば、私が持っている資料では、墓地経営の許可に関する指針、(1)、基本的事項の三つ目の丸のところには、これは事業者の側に呼びかけている内容になっていますが、計画段階で、許可権者との協議を開始することという項目がありまして、中身に、円滑に許可業務を進める上で、計画段階から許可権者たる都道府県等との間で相談、協議を開始することが不可欠であるということが定めとしてあるわけですよね。だからこれを許可権者である東京都の側から見れば、申請が出るまで待つというんじゃなくて、既に標示なり説明会なりが開始された段階で、当然事業者に対してこうした立場からのアクション、すなわちそれは請願者が要求している事前調査ということにも、言葉がいろいろ解釈されるかもしれませんけれども、少なくとも類するものを積極的に東京都として行っているということに、指針からいっても私はなるんじゃないのかなというのが第一点目であります。
 二つ目に、これも既に議論がありましたが、私も久しぶりに勉強し直してみて、改めてびっくりしたんですけれども、国の基本的態度というものは、墓地経営というのは原則地方公共団体ということを明記していますよね。それだけ墓地経営に当たっては、利益優先的な形ではなくて、非常に安定的、恒久的なものであり、また倫理性というものを重く見て、原則地方公共団体という位置づけをしている事柄だと思うんです。したがって、それだけに、同時にこの間の墓地をめぐるさまざまなトラブルから見れば、言葉は悪いかもしれませんけれども、もうけ本位的な傾向がやはり全国で生まれたということの判断があると思うんですが、この指針でも安定的経営ということを判断材料の一つの大きな要素にしている。大規模な開発をしたけれども、実際それが販売される見込みがあるのかだとか、果たして将来にわたって安定的に管理され経営していく、管理するだけの財政力を持っているのか、人的な体制もあるのか。それが一部の経営者だけじゃなくて集団的に合意がされているのかということを含めた、安定的経営ということが判断項目としてあると思うんですが、これは東京都としても当然安定的経営ということを判断の一要素とするというふうに理解していいんでしょうか。

○齋藤地域保健部長 前回の条例改正の趣旨も、その墓地の安定的経営あるいは永続性を確保する観点からなされたところでございます。
 委員お話しのように、墓地の経営主体として、原則地方公共団体、あるいは宗教法人法による法人、民法による公益法人でなければならないとしているところでございますが、また、墓地の安定的経営あるいは永続性に支障を来すことのないよう、墓地の設置場所についても、原則として自己の所有地であるとしているところでございます。
 そのほか、墓地等の許可申請に添付する書類といたしまして、これは規則で定めているところですが、許可申請にかかわる詳細な理由書あるいは土地登記簿謄本、不動産登記法による地図--公図でございます、それから墓地等の設置にかかわる資金計画、さらに管理運営に関する書類等の添付を規定しておりますので、十分審査することとしております。

○吉田委員 指針では、安定的な経営管理計画という項目の中で、安定的経営を行うに足り得る十分な基本財産を有していること、みずから土地を所有していること、土地に抵当権等が設定されていないこと、当初から過度な負債を抱えていないこと、中長期的需要見込みが十分行われていることなどということが代表的な事例として明記をされているわけですね。したがって、先ほど東京都の申請手続においても、こういう項目がありますよというふうにいわれましたけれども、やはりこうした指針に立って、厳格な対応ということを改めて要望としていわせていただきます。
 次に、もう一つの項目として、公共の福祉との関係もいわれておりましたけれども、周辺の生活環境との調和という問題についてなんですね。これも先ほどからの議論がありましたが、開発行為あるいは都市計画上の判断というものは墓埋法だけで対応できないことは明らかです。しかし、やはり墓埋法や東京都の条例及び指針という中でも、明確に周辺の生活環境との調和というものが判断材料として設けられていると思うんですが、まずそこの基本的見解、いかがでしょうか。

○齋藤地域保健部長 周辺環境との調和についてのお尋ねでございますけれども、さきに改正されました現行条例では、墓地等と周辺環境との調和という視点も踏まえまして、墓地の構造設備として、都市にふさわしい墓地となるための新たな基準を定めますとともに、先ほど来出てございます事前周知制度による隣接住民等との事前協議の規定を設けているところでございます。隣接住民等から墓地の構造設備と周辺環境との調和に関する意見が出された場合には、申請予定者と協議を行うこととなってございます。これらの規定を適切に運用していきたいと考えています。
 また、これとあわせて、申請予定者から計画の相談があったときに、市町村の施策との調整を図るという視点から市町村への事前相談を指導しています。また、所管の保健所としても、市町村へ当該市町村の土地利用計画等に対して具体的な支障の有無など意見照会し、指導に反映させているところでございます。

○吉田委員 指針を勉強したものだから指針、指針といっているんですけれども、指針の中で、周辺の生活環境との調和を知事が許可するか否かの判断材料の一つとして考慮することは差し支えないということを明記していますよね。
 また、別な箇所では、周辺の生活環境との調和も一つの判断要素であるということも明確に示されています。この事案が具体的にそれをどう評価するかということは、今議論する段階でもないし、またこの段階でできないと思いますが、そういう観点から、墓埋法という主に墓地の衛生管理ということを中心としつつも、そうした安定的経営あるいは周辺の生活環境との調和という観点から、厳格な対応をしていただきたいということを要望しておきます。
 なお、一言、平成十二年の東京都条例の改定に当たりまして我が党が反対したのは、前回の条例では、周辺隣地との承諾が義務づけられていたんですよね。それが改定に当たっては外れたわけですよ。それはやはり隣地周辺の方々の要望が許可に当たって反映される上で、これが外されることは不適切ではないかという判断で判断したものだということを説明し、かつ、ぜひこの請願については、大いに趣旨採択すべきであるということを紹介した議員の皆さんに重ねて訴えて、私の発言を終わります。

○森田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、保留とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○森田委員長 異議なしと認めます。よって、請願一五第二号は保留といたします。
 以上で請願の審査を終わります。
 以上で健康局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時十九分散会

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