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Tokyo Metropolitan Assembly

厚生委員会速記録第十六号

平成十四年十一月十四日(木曜日)
第七委員会室
   午後一時二分開議
 出席委員 十四名
委員長森田 安孝君
副委員長吉田 信夫君
副委員長古賀 俊昭君
理事松原 忠義君
理事青木 英二君
理事佐藤 裕彦君
山加 朱美君
柿沢 未途君
萩生田光一君
山口 文江君
田代ひろし君
福島 寿一君
曽雌 久義君
大山とも子君

 欠席委員 なし

 出席説明員
病院経営本部本部長櫻井  巖君
経営企画部長押元  洋君
サービス推進部長中井 昌利君
参事宮川 雄司君

本日の会議に付した事件
 病院経営本部関係
  事務事業について(質疑)

○森田委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 初めに、今後の委員会日程について申し上げます。
 先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程表のとおり申し合わせをいたしました。ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、病院経営本部関係の事務事業に対する質疑を行います。
 これより病院経営本部関係に入ります。
 事務事業に対する質疑を行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料につきまして理事者の説明を求めます。

○押元経営企画部長 十月二十二日の本委員会におきましてご要求のございました資料につきまして、ご説明を申し上げます。
 それでは、お手元にお配りいたしました厚生委員会要求資料をごらんください。
 資料は、目次にございますように、1の大久保病院の診療科別患者取扱実績(平成九年度から平成十三年度)から、5の平成十三年度新生児搬送用ドクターカーの運行実績まででございます。
 まず、一ページをお開きいただきたいと存じます。大久保病院の診療科別患者取扱実績(平成九年度から平成十三年度)でございます。
 大久保病院における入院、外来の患者取扱実績につきまして、平成九年度から平成十三年度まで、診療科ごとに記載をしてございます。
 次に、二ページをお開きいただきたいと存じます。豊島病院に係る東京都と板橋区の検討経過でございます。
 豊島病院に関する東京都と板橋区の検討経過を記載してございます。
 次に、三ページをごらんいただきたいと存じます。平成十三年度母子保健院における救急患者実績でございます。
 母子保健院におきます平成十三年度の救急患者実績について、平日の時間内、時間外と平日以外とに分けて記載をしてございます。
 次に、四ページをお開きいただきたいと存じます。小児医療に関する八王子市、清瀬市との検討の経過と概要でございます。
 小児医療に関しまして、東京都と八王子市及び清瀬市との検討の経過と概要について、それぞれ記載をしてございます。
 次に、五ページをごらんいただきたいと存じます。平成十三年度新生児搬送用ドクターカーの運行実績でございます。
 八王子小児病院に配置しております新生児搬送用ドクターカーにつきまして、その配置状況と、平成十三年度の出動件数、運行距離、運行時間について、それぞれ記載をしてございます。
 以上、簡単ではございますが、ご要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○森田委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含め、本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○萩生田委員 それでは、資料をいただきましたので、提出いただいた資料をもとに何点か質問させていただきます。
 NICU、ドクターカーについては、既にこの資料をもとに、実は一昨日の厚生委員会で健康局に対して同様の質疑を行いました。そこで、病院経営本部には、実際にドクターカーを運行している事業局としての視点から、何点かお尋ねをしたいと思います。
 まずは、現実に八王子小児病院においてドクターカーを運行している病院経営本部として、ドクターカーの意義をどのように認識をされているのか、ドクターカーの導入の経過も踏まえてお答えいただきたいと思います。

○押元経営企画部長 ハイリスクの新生児に対しましては、出生の直後から治療を開始することが重要であるということから、ドクターカーに保育器、人工呼吸器などの高度な医療機器を搭載いたしまして、専門の医師などが呼吸確保するなどの適切な対応を行っているところでございます。
 こうしたことから、ドクターカーによります救急搬送が新生児の救急救命に大きく貢献をしているものと認識しております。

○萩生田委員 導入の経過を踏まえてと、ちょっと急に聞いちゃったものですから、済みませんでした。
 これは健康局でしつこくいったんですけれども、ドクターカーというのは、特に多摩地区の周産期医療が施設が不足をしていて、このままでは新生児に対して非常にリスクが大き過ぎる、それを補完をする意味で、ある意味では緊急避難的に、本当は周産期の施設をどんどん整備していくのが一番望ましいんだけれども、四年間でたった三つしかふえないわけですから、これを補完する意味で、善後の策として、ドクターカーというのを平成九年以降の答申を受けて導入したというふうに私は認識しておりますし、そのことは強く健康局に申し上げたところなんですが、仮に多摩地域にドクターカーが配備をされていなかったとすれば、多摩地域の周産期医療にはどのような影響が生じていたというふうに、運用されている病院経営本部としては考えているのか、感想をお聞かせいただきたいと思います。

○押元経営企画部長 ドクターカーの配備によります周産期医療に対する影響についての統計というのは、私どもとっておりませんけれども、先ほども申し上げましたが、新生児の救命率の向上に大きく寄与しているものと認識をしております。

○萩生田委員 健康局の答弁も、やっぱり新生児の救命率のアップに貢献しているというお答えでした。それはいいかえれば、このドクターカーという車がなかったら、多分命を落としたであろう小さな子どもたちが複数いたであろう、こういうふうに推測されると思うんですね。
 そこで、資料をいただきました。これは大変な資料だと思います。今、病院改革マスタープランの中で、八王子、清瀬、世田谷の三つの病院を、府中にセンター的機能をつくり、そこで踏襲していこうという計画そのものは、一定の理解をしながら私も推移を見守っているわけなんですけれども、このドクターカーも、あたかも府中へ引っ越すかのような認識で、どうも健康局はいるような気がしてならないんですよ。
 先ほど申し上げたように、このドクターカーというのは、たまたま都立八王子小児病院に配備をされておりますけれども、別に、都立病院がドクターカーというものの必要性を訴えて、そして今日ドクターカーが配備をされているんじゃないと思うんです。東京都の小児医療の政策として、新たな提言として、周産期医療を補完する大きな役割としてドクターカーが有効だということで、都の政策として、ツールとして始まったのがドクターカーで、たまたまそれを、多摩地区の周産期が不足をしている、多摩地区のどこかへ配備しなきゃならないときに、便宜上、一番頼みやすくて置きやすかったのが今日の八王子小児病院だと思っているんですよ。
 ですから、いいかえますと、八王子小児病院に配備をされているドクターカーというのは、決してその都立小児病院のものじゃなくて、東京都の小児医療政策の中から出てきた新しいツールで、都立小児病院とドクターカーというのは、今日、運用はセットでしていますけれども、政策的にはセットじゃないはずだ、私はこう認識しているんですけれども、この資料を見ますと、運行距離あるいは時間、一件当たりかなりの広範囲にわたってドクターカーが運行されていることは一目瞭然だと思います。
 多摩地区という広大な地域において、ドクターカーは本当に八王子小児病院の一台で現状足りているというふうに認識をされているのか、あずかる局としてお尋ねしたいと思いますし、病院の統廃合について、ドクターカーがあたかも府中へ一緒に引っ越すかのような認識の答弁を健康局はしていますけれども、実際に運用されている病院経営本部としてのご感想も含めて、お答えいただきたいと思います。

○押元経営企画部長 都立病院の再編整備に当たりましては、府中キャンパスに開設を予定しております小児総合医療センターに、ドクターカーを引き続き配備する予定でございます。
 また、多摩地域におけるドクターカー配備のあり方についてでございますけれども、私ども病院経営本部といたしましては、今後における多摩地域全体の周産期医療体制の状況を十分勘案しながら、健康局と密接な連携をとりながら検討を行っていく必要があると認識をしているところでございます。

○萩生田委員 健康局の答弁と若干ニュアンスが違うんですけれども、区部と多摩のNICUの整備状況に大きな格差があることは、もう一目瞭然だと思います。そういう状況において八王子小児病院が移転を仮にした場合、南多摩医療圏ではNICUがゼロになる。西多摩医療圏はもともとない。清瀬がなくなるとすれば、北多摩の医療圏でもNICUはなくなっていく。府中にたとえ立派な病院ができたとしても、一極集中では意味がないんじゃないか、こういう質疑をしたんですよ。そうしたら、M-FICUを設置して、今日は緊急の場合にドクターカーは出動しているけれども、できる限り母体搬送を前提として府中病院に搬送して、そこで出産を迎えるので、ある意味では利用度が減るという、こういう認識を健康局は持っているんです。
 現時点でこれだけの出動回数があって、一回当たり三十三キロも走っている、一時間四十四分もかかっている。これは、八王子から八王子周辺のどこかの自治体に行って、患者さんを連れて小児病院まで戻る場合にこれだけ時間がかかっているわけですから、府中からスタートするということになれば、当然これに一時間ぐらいの往復を足すことに僕はなると思うんですよ、現状、今まで走っていた距離から考えれば。現に、それに対応するような病院が現時点でないわけですから、この辺を健康局ときちんと整理をしていただきたいなと思うんです。
 もちろん、八王子小児病院の移転の是非にかかわらず、南多摩保健医療圏には、さらにNICUを整備するべきだということを私は常々主張しております。そういった要望も健康局に対しても行ったつもりです。ただ、現実にNICUの整備には時間がかかります。そして、ドクターカーは多摩地域における数少ないNICUを有効に活用していくための役割を、今日、現実に担っているというふうに思います。
 そこで、八王子小児病院の移転問題については、病院施設だけではなく、ドクターカーの確保についても当然セットで議論をしていくべき、検討していくべき内容であると思いますけれども、局のご所見を伺います。

○押元経営企画部長 八王子小児病院の移転に係ります地域の小児医療のあり方につきましては、現在、八王子市と検討会を設置して協議を行っているところでございます。
 この検討会においては、八王子市という地域の特性を踏まえた小児医療の確保策を幅広い視点から協議することとしております。
 ご指摘のドクターカーの件につきましても、健康局との密接な連携のもとに検討してまいりたいと考えております。

○萩生田委員 病院経営本部の答弁を聞いていますと、比較的安心して、これから前向きにどうしていこうか、こういう議論になるんですけれども、健康局の答弁を聞いていると、全然不安でしょうがないんですよ。ついこの間まで、二つの局は一つの衛生局という歴史ある局で、一緒に皆さん働いていたわけでしょう。私、健康局にいったんですけれども、確かにドクターカーの運行実績は僕は病院経営本部に資料要求しましたよ、このことを健康局は全然知らないし、知ろうともしないんだよね。
 ですから、例えば事前の打ち合わせの中で、病院経営本部とは、この資料をもとにどういうことをお尋ねになるんですかと、本当は健康局が心配しなきゃいけないんじゃないんですか。また、その逆もなきゃいけないんじゃないですかね。たまたま二局に分かれちゃったからこういう面倒くさい質疑をしているだけで、本来、小児医療の問題、都立病院の統廃合の問題、こういうのは、本当にできることだったら一緒に議論をしたいんです、僕らは。
 ですから、そういう意味では、たまたま今二局に分かれて、より機能的に病院の経営を考える、収支もきちんと考え、そして、入るをはかって出るを制すを経営本部はしなきゃならない。一方で健康局は、政策局として、東京の小児医療をどうするかということをきちんと政策的に議論をした上で、それを病院経営本部に、実態として現場で落としていかなきゃならない。こういうお互いにいい意味での役割分担をしたはずなのが、どうも言葉は悪いかもしれないけれども、責任の回避をしているような、そういう印象があってならないんです。
 たまたま私は三定で、この小児病院の問題を聞きました。聞いたのは、確かに病院の統廃合の問題を聞きましたけれども、同時に、小児医療をどうするんだと政策的なことも聞いているんですが、便宜上、櫻井本部長が、ついこの間まで衛生局の総務部長でしたから、たまたま時間の関係もあってお一人で答えたのかもしれないけれども、本当は健康局の局長が答えるべき内容だったと思うんです。それは、いい意味で二つの局がちゃんと連携がとれているから、代表して櫻井さんが答えてくれているのかなと思ったら、どうも委員会の質疑をしていると、そういうニュアンスじゃないんですよ。
 これは、今でこそ皆さん兄弟局だとおっしゃっているけれども、これからどんどんどんどん人事異動があって、それぞれその局に初めて配属される皆さんからすれば、今以上に溝ができちゃう、距離ができちゃうんじゃないかということを、私、大変心配していまして、特にこの小児医療の問題について、都立病院の改革については、まさに政策とのセットで進めなきゃならないことであって、あいた周産期医療の穴をどうやって埋めていくのか、あるいは医療施設の足りない多摩地区の今後をどうしていくのか、こういう政策的な問題と、東京都が都立病院として果たしていかなきゃならない役割はどこまでなのか、どんなことなのかということは、おのずと連携をとっていかなきゃならないことだというふうに思いますので、口幅ったいいい方で大変恐縮ですけれども、この辺、大事なときですから、しっかり両局できちんと打ち合わせをして対応していただきたいなと思います。
 改めて申すまでもなく、改革は小児医療の充実を目指すものでなくてはならないはずですから、こうした状況を考えると、NICU、ドクターカーを初めとする都の医療行政も、ここで政策のあり方を大きく見直しをしていくべきではないかというふうに思います。
 私、健康局にはっきり申し上げたのは、今、東京の小児医療を充実させようということを、きちんと明確に必要なメニューを全部書き出して、そのことを堂々と議会にも報告をし、提言をして、財務局に予算要求して、反対する人はだれもいないですよ、今やらなくていつやるのですかということを、健康局に申し上げたばかりなんです。このことを、ぜひ経営本部の方でもしっかり連携をとりながら後押しをしていただきたいと思います。
 特に、八王子小児病院の移転の問題は、単なる都立病院の移転統合にとどまらず、都の小児医療に大きな影響を与えるものだというふうに認識をしております。この課題に両局が連携して当たらないで、一体都民の信頼をかち得ることができるかどうかというのは不安でならないところでありまして、小児病院を初めとする都立病院の再編整備について、病院経営本部と健康局との今後の連携のあり方について、本部長の決意表明をいただきたいと思います。
 以上で、とりあえず質問を終わりたいと思います。

○櫻井病院経営本部長 小児病院を初めとする都立病院の再編整備に当たりましては、今後とも、都の保健医療行政全般を担う健康局を初め、関係機関との緊密な連携のもとに、東京発医療改革の核としての周産期医療や小児医療の課題も含めて、都立病院改革の実現に向けて着実に取り組んでまいりたいと思います。
 先生のご心配については、私としても同様でございまして、今後、率先して庁内関係部門の連携協力に取り組んでまいります。

○萩生田委員 ありがとうございます。大変心強いご決意をいただきました。
 もう答弁は結構ですけれども、あくまでドクターカーは、都の政策として、周産期医療の不足している地域の善後策として始まったもので、それをたまたま第一台目は、前の衛生局長は置き場がなかったから、こういいましたけれども、便宜上都立小児病院に置いて、運行を今日まで数年してきたわけですね。これは運行内容をきちんと検証して、当初から複数台配備するべきだというのが報告書の内容なわけだから、何も都立病院だけが頑張って別に運行しなくたっていいと思いますよ。
 この際、府中に引っ越すに当たって、ドクターカーの運行方法、運用方法も含めてよく考えて、一番機能的で、一番都民にとっていい方法を考えていただいて、民間の病院にもお願いするようなことを今後はきちんと政策的に考えていかなきゃいけないと思いますので、何とか--どっちかというと、何か小児病院とか都立病院に絡む、その枝葉の問題というのは病院経営本部の役割だみたいな感覚が、ややもすると健康局には僕はあるんじゃないかと思いますから、もう一回、ぜひ仲のいい兄弟のところを見せていただきたいということを要望して、終わりたいと思います。

○曽雌委員 私は、電子カルテシステムについて何点か伺いたいと思っております。
 社会経済状況が目まぐるしく変化をしている中にありまして、特に、その中でも情報化が急激なスピードで進展をしていることは、ご案内のとおりでございます。医療の分野におきましても、高度化するIT、情報通信技術を活用して患者サービスの向上を図ろうとする動きが、最近大変に目立ってきておりますけれども、その一つの例として、電子カルテシステムがあるというふうに考えております。
 厚生省は、平成十一年の四月に、これまで紙やフィルム等の形でしか保存を認めていなかったものを、今回、電子媒体という保存手段も可能であるとして、電子カルテシステムの使用を認めました。これを受けまして、厚生労働省の保健医療情報システム検討会は、平成十三年の十二月に、医療分野のIT化に関する提言をまとめ、発表したところでございます。この中では、二〇〇二年から二〇〇六年までの五年間に、電子カルテを全国の四百床以上の病院の六割以上に普及をさせる、このように明記いたしております。
 現在では、私どもが承知しておるのは、亀田総合病院、島根の県立中央病院、NTT東日本関東病院、国立成育医療センター等で電子カルテを導入しておりますけれども、導入しようとする医療機関がさらに複数あらわれている現状にあります。
 ことしの平成十四年の七月に、厚生委員会といたしまして島根の県立中央病院を視察する機会がありましたけれども、この病院には既に電子カルテシステムが導入されており、医療分野におけるIT活用の先駆者であるというふうに感心をさせられて視察をしたところであります。
 また、私は九月十八日、同僚議員と一緒に国立成育医療センターを視察させていただきましたけれども、この際にも、電子カルテシステムを見る機会を得ることができました。
 私は、両病院の電子カルテシステムを実際に見て、このシステムは今後の医療現場において不可欠なものになるのではないか、このように感じたわけでありますけれども、そこでまずお伺いしたいのは、電子カルテシステムとは一体どんなものなのか、一般的にどのようなものをいうのか、わかりやすくご説明をいただきたいと思います。

○中井サービス推進部長 電子カルテシステムの定義は明確に定まっているものではございませんが、簡潔に説明したものによりますと、診療録、カルテでございますが、診療録等の診療情報を電子的に記録して保存、更新するシステムというものでございますけれども、一般的には、より広くとらえまして、画像を含む診断結果などの診療情報を表示し、保存、更新する電子カルテシステムというものと、薬品の処方、放射線、検査、栄養などのオーダリングシステムや医事会計システムなどで構成される総合医療情報システムとされております。

○曽雌委員 ただいまの答弁ですと、電子カルテシステムというのは、総合医療情報システムとしてさまざまな機能があり、患者への診療に大変に役に立っているというふうに受けとめさせていただいたわけであります。また、国立成育医療センターでは、処方の待ち時間が表示されるなどの患者サービスの向上も図られていたことを目の当たりにしてまいりました。
 ところで、平成十三年の十二月に、当時の東京都の衛生局は、東京発の医療改革の核として都立病院改革マスタープランを策定、発表したところでございますが、その中では、患者中心の医療を実現していくために、電子カルテシステムを中心とした新たな病院情報システムの構築を示唆しております。
 そこで、電子カルテシステムが、患者中心の医療を実現をしていくに当たりまして具体的にどのような効果があるのか、どういう点でどのような効果としてあらわれるのかということについて、つかんでおられましたら、お示しをいただきたいと思います。

○中井サービス推進部長 電子カルテシステムは、医療活動に伴う診療情報を電子化し、それらを有機的に結びつけ、一元的に管理していくことから、各部門間で情報の共有化が図れるようになりまして、チーム医療やクリニカルパスの活用などにより、質の高い医療を効率的に提供していくことが可能になるものと考えております。
 また、患者と医師との間においても、診療情報を共有することによりまして、わかりやすいインフォームド・コンセントを実施することや、一元化された診療情報を活用しまして情報開示に対応することが容易になるなど、患者サービスの向上にも資するものがございます。
 このように、電子カルテシステムは、患者にとりましても、開かれた医療、信頼できる医療の提供を受けやすくなるなど、患者中心の医療の実現に効果を発揮するものと考えております。

○曽雌委員 今までですと、ドクターが書いたカルテなんかは、私たちが見てもほとんど何が書いてあるかわからないし、自分自身が今どんな病状なのかとか、どういう薬を処方せんとして出してもらっているのかについても、なかなかドクターの段階ではわからなかったんですが、この電子カルテなんかでやっているのを見させていただくと、かなりその辺がわかりやすくなっていて、ドクターの意向がそのまま患者さんの方にも伝わるし、患者の気持ちもやはりドクターに伝わるというようなことで、相互の信頼関係というところでは大変大きな意味を持っているというふうに思っています。
 そこで、今ご答弁を聞かせていただいて、やはりこの電子カルテシステムというものが導入をされてくれば、患者中心の医療の実現のためには大変に大きな役割を果たすことができる、このように理解をさせていただきました。
 現在、都立病院では、病院情報システムというものが導入をされて稼働しているというふうに聞いております。都立病院改革マスタープランの中では、三百六十五日二十四時間の安心を目指す医療と、患者中心の医療を実現するために、現在の病院情報システムでは、カルテの電子化など、時代の要請にこたえていくには限界に達しているというふうにも聞いているわけであります。
 ですから、現在取り組んでいただいている病院情報システムは、それはそれでスタートしていただいているけれども、これからの新しい時代を考えたときには、電子化ということで時代の要請にこたえられるかというと、もう限界に来ているというふうに聞いているわけですが、そうであるならば、新たにこの電子カルテシステムを都立病院で導入するに当たって、東京都の方としてはどのような考え方を持っているのかということを確認させていただきたいと思っております。

○中井サービス推進部長 ご指摘のように、現在の都立病院システムでは、三百六十五日二十四時間の安心を目指す医療と、患者中心の医療を実現するためのシステムとして今後発展させていくことにおきましては、機能面、処理能力の面で限界があると考えております。
 このため、現在、都立病院改革マスタープランに基づきまして、新たな病院情報システムの導入に向け、電子カルテシステムを含めて幅広い視点から検討しているところでございます。

○曽雌委員 先日、「日経ヘルスケア21」という十月号の雑誌があって、この雑誌を見させていただく機会があって読みましたところ、ここに国立国際医療センターの電子カルテシステムの記事が載っておりました。この中で、同センターの秋山情報システム部長という方が、雑誌の中で、電子カルテシステムは病院の経営改善にも大変寄与するものだというふうにいっておられます。
 そこで、電子カルテシステムでは、経営改善という視点から見た場合にはどのような期待ができるのか、この点、いかがでしょうか。

○中井サービス推進部長 一般的に電子カルテシステムは、薬剤の投与や検査等のさまざまな医療活動に関する情報や、診療報酬請求にかかわる情報等を有機的に結びつけることによりまして、経営管理に関する情報を把握できるとされております。電子カルテシステムに集積されましたデータを活用して、診療科別あるいは部門別に的確な原価計算を行いまして、経営改善に役立つ情報を迅速に把握することによって、病院運営の円滑化や経営の効率化などを図りながら経営基盤を確固なものとすることで、良質なサービスを安定的に提供していくことに資するものと考えております。

○曽雌委員 先ほど申し上げた秋山情報システム部長さんのいっているところに、いつ、だれが、どんな業務に従事していたかがわかる6W1H情報というのが書いてあります。この6W1H情報というのは、いつ、どこで、どのスタッフが、どの患者に対して、何の目的で、何を用いて、何をどう実施したのかという情報、6W1Hをリアルタイムで正確に記録をしていくことができるわけでありますけれども、この6W1H情報は、診療プロセスの見直しや、人事、労務管理などさまざまな形で活用が可能だ、将来的にはこれらの情報をもとに各部署の業務量を検討し、勤務の実態に合わせて人員配置を見直すなど院内の資源の有効活用にも役立つであろう、こんなことを書いておられたわけであります。
 そういう面で、患者のサービスということも大事なことでありますけれども、一方では、経営改善にもこの電子カードシステムというものの導入は大変役立つということで、部長からもご答弁をいただいたところであります。
 そこで、次にお聞きしておきたいことは、都立病院改革マスタープランでは、都立病院の医療機能の集約と病院相互のネットワークの充実強化ということが強調されております。そこで、都立病院間の医療連携も今まで以上に、当然のこととして強化をしていかなければならないというふうに考えますけれども、電子カルテシステムは都立病院間の医療連携に貢献をすることができるのかどうなのか、この点についてのお考えをお示しいただきたいと思います。

○中井サービス推進部長 電子カルテシステムは、複数の都立病院の診療情報を一元的に管理するとともに、都立病院相互に診療情報を参照できる仕組みを備えることによりまして、必要とする情報の共用が可能となります。これによりまして、都立病院間の医療連携推進に大いに貢献でき得るものと考えております。

○曽雌委員 都立病院間の医療連携とあわせて、今、これから都立病院間の医療連携の強化にも当然資することができるというお話がございましたけれども、ならばもう一歩進めて、地域の医療機関との医療連携についてもこの電子カルテシステムの活用ができないのかどうなのか、これができるようになってくると、また患者サービスという面でも非常にプラスになると思っておりますけれども、この点については基本的にどのようなお考えを持っておられるでしょうか。

○中井サービス推進部長 電子カルテシステムを今後の医療連携強化のツールとして活用することは、技術的には可能であると考えております。その場合、電子カルテは個人情報を扱うため、情報管理に細心の注意を払い、セキュリティーの確保に万全を期す必要がございます。
 また、医療連携に活用するための設備を連携先の医療機関でも用意していただく必要があることや、セキュリティーの確保のためのルール策定、あるいはハード面、ソフト面での標準化等を含めまして、関係機関等との調整を行っていく必要があると考えております。

○曽雌委員 今までの答弁を聞いて、電子カルテシステムは、医療サービス向上、つまり患者中心の医療を支援していくに当たって、大変に重要なツールになるというふうに改めて認識をさせられたところでございます。
 この電子カルテシステムの効果につきましては、病院経営本部長も十分に理解をしてくださっているというふうに思っておりますけれども、電子カルテシステムの導入に向けて、本部長ご自身が今後どのような姿勢で取り組み、そして実現に向けて働いていこう、頑張っていこう、こう考えておられるのか、お聞きしたいと思います。

○櫻井病院経営本部長 電子カルテシステムでございますけれども、曽雌先生がこれまでご指摘のとおり、患者サービスの向上はもとより、経営の効率化や医療連携の推進にも大きな役割を果たすものと考えてございます。
 したがいまして、都立病院におきましても、都立病院改革マスタープランにお示ししたとおり、電子カルテシステムを中心とした新たな病院情報システムの構築に向けて、積極的に検討していきたいと考えております。

○曽雌委員 きょうの新聞報道ですと、実は健康局の方としても、電子カルテで診療所のネット化を図っていこうということで、また新しい動きが出ているようでございますので、やはり都立病院としての、病院経営本部としてのしっかりした取り組みをお願いしたいと思っていますが、今、櫻井病院経営本部長から力強いご答弁をいただきましたので、一安心させていただきました。
 厚生委員会としましては、電子カルテシステムの必要性を認識した上で、冒頭申し上げましたけれども、島根県の県立中央病院を前回視察をさせていただいたわけでありまして、また、今までの答弁からも、都立病院に電子カルテシステムを導入することは、大変に重要な施策であるというふうに確信をさせていただいたところでございます。
 一方、新たなシステムの構築には、確かに開発費や導入経費、運用経費などの費用がかかってまいりますし、また、複数の都立病院に展開していくということであるならば、さらに膨大な費用がかかるということも想像にかたくないことだと思っております。都財政の状況が大変に厳しい中で、こうした予算を獲得をするということは大変に難しい部分もあろうとは思いますけれども、一方、この質疑を通じて、電子カルテシステムは、患者サービスの向上はもとより、経営の効率化や医療連携の推進にも大きな役割を果たすことが明らかになったわけでありますし、その導入には多額の経費がかかるかもしれませんけれども、私はむしろ、電子カルテシステムを導入することによって、都立病院において導入経費を上回る効率的な運営を実現できるのではないか、このように期待をしているところでございます。
 今後、都立病院におきましては、患者中心の医療を推進するためのツールとして、電子カルテシステムを積極的に導入していくべきであり、そのために必要な予算の獲得について我が党としてもしっかりと対応していきたい、このように考えておりますので、どうぞ都立病院の担当局といたしまして、電子カルテシステム導入にさらに努力していただきますように希望いたしまして、質問を終わりたいと思います。

○福島委員 それでは、私からも若干質問をさせていただきたいと思います。
 病院経営本部では、安全、安心を支える質の高い患者中心の医療の実現と、都民に対する総体としての医療サービスの向上を図ることを目的として、都立病院改革を推進するため、昨年十二月に都立病院改革マスタープランを策定し、現在、着実に推進をしているところであります。
 このマスタープランは、東京発医療改革の改革方針である、開かれた医療、安心できる医療、むだのない医療を基調、基盤として、都立病院改革の道筋を明らかにしているものと理解いたしておりますが、しかし、今なぜ都立病院改革なんでしょうか。開かれた、あるいは安心できる、むだのないということは、従来当たり前のことであり、これまではそうではなかったのかと、素朴な疑問を抱かざるを得ません。このことはあえて質問いたしませんが、私は、この開かれた医療、安心できる医療、むだのない医療の三つの改革方針の根底にある共通項、共通点は、情報開示に尽きるものだと考えております。情報開示に着手しなければ、東京発医療改革、都立病院改革はなし得ないものだとも理解をいたしているところであります。
 昨今、医療現場での隠ぺい、改ざん、あるいは単純なミスが余りにも多過ぎる現状を踏まえ、情報開示が進んでいるにせよ、病院が患者に向けて発信する情報量はまだまだ少なく、患者にとって病院はいまだベールに包まれた存在であり、余りにも、なぜが多過ぎると思っております。
 私ごとで大変恐縮でありますけれども、その私の思いを一冊の本に、友人の医師とともに、この一月にまとめさせていただきました。「病院の『なぜ?』患者の『なぜ?』」という題名でありますけれども、まさしく患者の目線に立って、あえて医師の立場、あるいは病院経営者の立場でも病院内部の「なぜ」に切り込んでいただいて、私は、一市民あるいは一患者の立場から、病院の中に大きく潜んでいるところの「なぜ」を披瀝させていただいたものであります。消費税込みで千円でありますけれども、決して買ってくれということではありませんで、ぜひとも、コーヒー二杯分でありますから、参考にしていただけばありがたいかな、このように思っております。
 そこで、一文だけご紹介をさせていただきたいと思っております。
 もしもあなたが包丁でだれかを刺してしまったとします。どんな事情があったにしろ、あなたは間違いなく警察に捕まってしまうでしょう。正当防衛が認められるか精神鑑定にひっかからない限りは、法的に罰せられます。しかし、この世の中には、他人に刃物を突きつけても処罰されない人たちがいます。それが医者です。当たり前のことだと思うかもしれません。病気やけがを治療する外科手術に、メスは必要です。破れた血管を縫合し、折れた骨を接合し、がんを切除するために、医者にはメスという刃物で他人の体を切る権利が与えられているのです。しかし、医者のメスが健康な人に向けられたとしたらどうでしょうか。病院という聖域の中で行われている限り、それがいかに不当なものであっても、なかなか犯罪とは認められません。命を奪ったとしても、医者がメスで人を切ることは正当な権利とされているからであります。
 だからこそ私は、情報の開示なくして都立病院改革なしとの立場から、今回は都立病院の医療情報の開示に絞って質問をさせていただきます。
 まず、患者が病院にかかる場合、どうやって病院を選べばいいのか、多くの人は、近いからとか、あるいは紹介をされたからという理由で選んでおり、その病院の医療内容や医師の経歴などを事前に調べたからということは、まずないだろうと思っております。しかし、病院を選ぶということは、実は患者にとって極めて重要なことだと思っております。患者は、自分の症状に応じた最も適切な医療を受けるための医療情報を望んでいます。
 こうした都民要望にこたえるためには、医療機関はさまざまな医療情報を開示していく必要があると考えています。医療情報の開示に当たっては、医療法による広告規制があります。しかし、本年四月に広告規制が大幅に緩和され、医療機関が広告できる事項が大幅にふえたと聞いておりますが、そこでお伺いいたしますけれども、どのような事項が広告できるようになったのか、具体的にお示しをいただきたいと思います。

○中井サービス推進部長 ことし四月から、医療法の改正によりまして、広告規制の内容が大幅に緩和されました。追加されました事項といたしましては、医療内容に関しては、専門医の認定、治療方法、手術件数、平均在院日数などが、医療機関の運営情報では、病床利用率、理事長の略歴、外部監査などが、またそのほかに、売店、食堂などの構造設備や人員配置に関する情報等が新たに広告できるようになりました。

○福島委員 ただいまのご答弁のとおり、確かに多くのことが広告できるようになったわけでありますけれども、これはあくまでも、できる規定であって、しなければいけないという、いわゆる義務規定ではありません。
 私は、医療機関の情報は徹底的に公開されるべきであると考えています。まず第一に公開されるべきは、医師の学歴であります。大学によってその教育方法はさまざまであり、治療方法や手術の術式の選択もそれぞれに特徴があります。そうした教育をどこで受けたのか、つまり、その医師の技術的な根拠がどこにあるのかということをつまびらかにするべきだと考えております。
 そこでお伺いをいたしますが、医師の学歴について広告ができるのか、また、都立病院では医師の学歴を開示しているのかどうかをお尋ねいたします。

○中井サービス推進部長 医師または歯科医師の略歴、年齢及び性別については、昨年の三月から広告ができることとされておりまして、略歴の中には出身大学の情報も含まれております。
 都立病院では、医療連携のために作成している医師のプロフィールの冊子で、医師の学歴についても、一部の病院で開示しております。

○福島委員 ご答弁のとおりでありますけれども、広告できるとしても、医師の学歴情報については余り見かけないのが現状であります。学歴によって患者に余計な先入観を与えるからという考え方もありましょうが、患者が医療機関を選択する際、医師の学歴は大変重要なウエートを占めるものだと思っております。行政側は医療機関に対し、強制力を持って指導してもよいと考えております。
 次に、治療方法や手術件数についても今回広告できることになりましたが、私は、治療方法にしても、各病院が一つの病気に対して何種類の治療法を持ち、それぞれがどれくらいの割合であるかということを明確に示す必要があると思っております。患者はその情報の中から医療機関を選択できるようになるわけであり、当然手術件数の情報も必要です。手術にしても、何件やったかだけではなしに、術後の五年生存率や再入院の情報も大切であります。そうした内容が開示されれば、患者が自分の求める医療に近づくことができるものと考えております。
 そこで、お伺いをいたしますけれども、こうした医療内容について、都立病院では現在どの程度まで公開をしているのか、お尋ねをいたします。

○中井サービス推進部長 都立病院では、すべての病院でホームページを開設いたしまして、情報提供をしております。ほとんどの総合病院では、診療科紹介のページで、担当医師欄に学会の認定医や指導医であることを公開しており、また、治療方法や手術件数についても情報を提供しております。
 特に、がん医療を重点としております駒込病院では、主ながんの部位別、ステージ別手術件数と、術後五年生存率なども公開しております。

○福島委員 駒込病院では五年生存率も公開をしており、情報開示に積極的なところは評価ができますが、今後は、すべての都立病院にこうしたさまざまな情報提供を拡大していくことが大きな課題だと思っておりますので、早期実施に向けて要望させていただきたいと思います。
 次に、医療費についてお伺いをいたします。
 日本の医療は健康保険制度に基づいておりますが、その仕組みや診療報酬制度の内容については、患者にとっては非常に複雑でわかりにくくなっております。病院の会計窓口で渡される領収書は、その日に行われた診療や薬剤費、各種検査料、処置料などが記載されているものでありますが、領収書も出さないひどいところもあると聞いております。今どき、レストランなど、どんな店でも、何を食べたのか、あるいは何を買ったのか、領収明細書は当然にいただけます。都立病院は、この領収書に関しては、項目ごとに診療報酬点数が明記されており、比較的にわかりやすくなってはおりますが、それでも患者側から見ますと、点数の意味すらわからない、あるいは理解ができない方が多いと思っております。
 そこで、都立病院で受けた医療の内容が把握でき、支払う医療費も納得できるように、領収書の内容を解説するようなサービスを行うべきと考えておりますが、ご所見をお伺いいたします。

○中井サービス推進部長 先生のご意見は、患者さんの立場に立った貴重なご意見でございまして、真摯に受けとめたいと思います。ご指摘のサービスについては、積極的に検討してまいります。

○福島委員 積極的に検討していくという極めて前向きなご答弁をいただきましたけれども、都立病院で患者さんが治療を受ける、そして医療費を支払う、そして最後に領収書を受け取る、この最後の部分で、前段申し上げた改革の三つの基本である、開かれた医療、安心できる医療、あるいはむだのない医療という意義をぜひ生かしていただきたいと思っておりますし、患者権利章典、こちらにございますけれども、この患者の権利を、ぜひこの最後の部分で生かしていただきたいと思っております。これはまさしく時代の要請とも私は思っておりますので、強く要望させていただきたいと思います。
 繰り返しになりますが、患者には、医療を受ける際、複数の医療機関のサービス内容や医療の質を比較して、どの医療機関にかかるかを選択する権利があります。そのためには、医療機関の情報があまねく公開をされていなければならないと思っております。都立病院は、他の医療機関の手本となるよう、その先頭に立って、患者が必要としている情報を開示していくべきだと考えておりますが、病院経営本部長の見解を求めたいと思います。

○櫻井病院経営本部長 現在、都立病院は東京発医療改革の核としまして、都立病院改革を進めているところでございます。都立病院が目指す患者中心の医療を実現するため、さまざまな施策に取り組んでおりますけれども、とりわけ、今先生からお話のあった、都民あるいは患者さんへの病院情報の提供は重要なことでございます。
 今後とも、都立病院の情報開示の充実に向けて取り組んでまいります。

○福島委員 ただいま本部長から、都立病院ならではの、あるいは都立病院の役割を果たしていく旨のご答弁がありました。この本にも書かせていただきましたけれども、医療事故の責任問題に関する見識は大きく二つに分かれています。当事者責任と医療機関全体の管理責任とする意見でありますが、この二つの責任を明確にしていくことこそが、公たる都立病院の姿勢だと思っております。ぜひとも徹底した情報開示に取り組んでいただき、患者が医療に主体的に参加のできる体制づくりに邁進していただきますことを切に要望して、私の質問を終わります。

○大山委員 都立病院改革について、幾つか質疑したいと思います。
 都立病院改革だといって、都立病院の統廃合だとか公社化を進めようとしているわけですけれども、私たちは、この方針には反対しています。それにいたしましても、東京都は改革だというふうにいっているわけで、改革だというんだったら、今、情報公開の時代ですから、都民に開かれた形で進めていくことが重要だと思いますけれども、どうですか。

○宮川参事 これまでも、都立病院改革マスタープランの策定に当たりましては、地元自治体や地域住民などからのご意見やご要望も踏まえた上で、都民に対する医療サービスの向上の考え方を盛り込んでございます。
 都立病院の改革マスタープラン策定以降も、地元自治体、地域住民などからのさまざまなご意見をいただいておりまして、そうした声も踏まえながら検討を進めているところでございます。

○大山委員 都民に開かれた形というのは、意見を聞くということと同時に、情報を公開するということがあると思うんですけれども、それについてはどうでしょう。

○宮川参事 ただいま、改革に向けて、例えば病院の再編整備につきましては、病院の運営理念、担うべき医療機能等について内部検討を行っていますけれども、これらにつきましては、都立病院改革マスタープランを受けて、年内にも策定いたします実施計画で明らかにしていく考えでございます。

○大山委員 マスタープランを受けて今検討しているんだということですけれども、私は地元でもありますし、大久保病院の公社化、これが心配なんですね。反対の立場から幾つかただしていきたいと思っています。
 この大久保病院については、十六年度が公社化ということが書かれておりまして、既に来年度の予算、十五年度の予算編成の時期になっているわけですし、それほど先の話ではなくて、差し迫った話になっているというふうに思います。マスタープランから一年近くがたっているわけですけれども、どこでどういう検討をしているのか、さっきもお話がありましたけれども、ちょっとわかりにくいんですね。現場の大久保病院はどう考えているのか、それから病院経営本部としてはどう考えているのか、それから公社は何といっているのか、何を考えているのかということを、それぞれの意見の違いなどがわかるように、わかりやすく答弁してください。

○宮川参事 大久保病院の公社化につきましては、現在、保健医療公社が所管する病院といたしまして、それにふさわしい運営理念、あるいは担うべき医療機能等について内部で検討を進めているところでございます。
 今後、保健医療公社と十分協議いたしますとともに、地域の医療関係者とも十分相談しながら公社移管に向けての詳細検討を進めまして、平成十五年度に公社の移管準備組織を設置いたしまして、平成十六年度の公社移管に向けて準備を進めていく考えでございます。

○大山委員 検討の段取りというのは今伺ってわかるんですけれども、私が伺いたいのは、どこが今課題になっていて、どこが意見が一致していないのかということも含めて教えてください。

○宮川参事 今先生のお話しのところにつきまして、それぞれの所管で整理をしている段階でございます。

○大山委員 この情報公開の時代に、なかなか表に出さない、それぞれの所管でやっているんだということですけれども、今検討している中身が全くわからないということがあるわけですね。今ご答弁を聞いていても、段取りはわかるけれども、中身、どこが問題なのか、意見の食い違いがどこなのかということは全くわからないということです。これでは心配が広がる、都民の皆さんに心配が広がるばかりだというふうに思います。
 それでは、一つ一つ具体的に聞きたいと思います。
 最初は、医療機能評価にかかわって何点か聞きます。
 十一月四日付の「AERA」、これはごらんになった方もいらっしゃるかと思いますけれども、週刊誌ですね、この「AERA」に「『選ばれる病院』の時代」という記事で、「よい病院ベスト一〇〇」という記事が載っています。これを見ましたら、大久保病院は全国で九番目、都立病院の中でも一番ということで、極めて高い評価を受けているわけです。もちろん、記事の中にあるように、審査項目数やその内容は病院の評価を受けた時期によって異なるから、順位の細かい上下には余り大きな意味はないといっています。それはそのとおりだというふうに思います。そうはいっても、第三者評価機関の評価ですから、一つの目安にはなります。
 この記事もそうなんですけれども、今大変便利になっておりまして、インターネットでホームページを引きますと、財団法人日本医療機能評価機構というところの評価した結果内容が公開されているんですね。それで、評価結果の内容、「AERA」で九位というのも高い評価ですけれども、評価結果の内容を見たら、すばらしい評価を受けていることがわかりまして、それで何が評価されているかといえば、医療の質なんですね。
 審査結果総括というのがありまして、その冒頭で何と書いてあるかといいますと、運営の基本方針などは明確、医療の質の評価・改善活動の取り組みは極めて積極的であると評価されているので、貴院における今後の新しい時代へ向けた課題への取り組みを期待したいというふうに述べて、その審査結果総括の最後に何と評価されているかといいますと、以上のように貴院の評価は総じて高いものである云々、こう書きまして、経営幹部職員一人一人が貴院を他の医療機関のモデルとなる施設とされるよう、さらなる積極的な取り組みに期待したいと。素晴らしい評価がされているわけです。改革会議やマスタープランでいわれていることとは全く違うといえます。他の医療機関のモデルになるよう頑張ってほしい、こういうふうにいわれているわけです。
 こういう評価について、どう考えているんですかということを一つ伺いたいのと、公社化などということは、この評価からはどこからも導き出せないというふうに思うんですけれども、どうですか。

○宮川参事 今、大山先生がおっしゃられましたのは、十一月四日号の「AERA」に、これは「AERA」が選定をした百病院ということでございます。ただ、今お話がありましたように、大変高く評価されましたことにつきましては、これまでの私たちの取り組みの努力が認められました結果であるというふうに考えております。
 なお、この百病院の中には、実は私ども都立病院は病院の評価を受けているのが七病院ございますけれども、そのうちの六病院がベスト百に入ってございます。
 公社化いたしました後も、大久保病院につきましては、地域病院として高い評価を受けるように運営してまいりたいと思います。

○大山委員 「AERA」が、この財団法人日本医療機能評価機構という評価をもとにしてベスト百を選んだわけですから、これがもとだということだと思うんです。
 私は、大久保病院も開いてみましたけれども、公社病院の評価についても開いてみました。率直にいって、大久保病院の方が、どう見ても高いといわざるを得ません。大久保病院と多摩南部病院、これは同じ様式での評価ですから比較しやすいんです。ですから比べてみますと、通信簿のようなんですけれども、大久保は五が十四個、多摩南部病院は五が四個、そのほかの評価も総じて極めて高いという状況になっています。改革会議をやっていたときに、既にこの評価は出ているわけですね。しかし、改革会議の議事録、読んでみましたけれども、こうした医療機能評価を踏まえた議論は全くありませんでした。こういう評価をきちんと分析したんでしょうか。

○宮川参事 都立病院個々の実績、あるいはその果たしている役割等については、これまでの検討状況の中で十分に、今先生がおっしゃられたことについては検討がなされてございます。

○大山委員 もしもきちんと率直に検討したというんだったら、評価が高い都立病院から、総体的に低い公社病院に移す必要などあるんでしょうか。

○宮川参事 このように高い評価を受けた大久保病院が、これから公社化することによりまして、地域病院全体としての評価が高まることを期待しております。

○大山委員 水準を低くさせないというのはいいですよ。意気込みとしてはいいですし、大前提だというふうに思います。ところが、心配だから、この質疑をしているわけですね。私は、大久保病院が評価されている観点、それは診療の質の確保、それから看護の適切な提供、この二つは患者にとってみると非常に重要な要素ですね、これらが高い評価を受けている、これに注目したいと思います。
 その一つですけれども、リハビリについて伺いたいと思います。
 この分野は、大久保病院の評価が高くて公社病院の評価が低いところなんです。大久保病院の評価は、リハビリテーションの施設、人員は充実しており、この部門の体制の整備は高く評価されるというふうになっています。これに対して東部病院は、リハビリテーションの人員は十分とはいえない。理学療法士だけでなく、作業療法士、言語聴覚士も必要と思われる。多摩南部病院はどういう評価かというと、リハビリテーション部門の体制の検討など、改善の余地のある点について積極的に取り組むことで、より一層のレベルアップを期待したいというふうになっております。大久保病院と全然違うというふうにいえるわけですね。
 寝たきりゼロを達成するためにも、高齢者になっても元気に過ごすということにとってもリハビリは重要ですし、高齢社会でますます必要になってくるものですから、これからも、このリハビリの分野というのは頑張る分野だというふうに思いますが、どうですか。

○宮川参事 地域病院につきましては、地域医療への支援という観点から人員の配置などを進めているわけでございます。都立病院は、全都を対象として幅広く都民に行政的医療を提供していく、あるいは高度専門的な医療を提供していく、そういう観点から配置をしているわけでございます。
 現在、大久保病院につきましては、リハビリテーション医療は、整形外科及び脳神経外科の対象疾患患者のリハビリテーションを中心に医療を提供している、このような状況でございます。

○大山委員 きちんと行政的に必要だということを認識して人員の配置も十分にしているということなんですね。今のご答弁ですと、よもやリハビリを手放すなんてことはないわけですよね。

○宮川参事 先ほどもご答弁申し上げましたように、現在、内部で検討してございます。これから保健医療公社とも協議を進め、あるいは地域病院となる以上は、当然、地域の診療所あるいは医療機関の先生方からご信頼いただけるような病院にしていかなきゃいけませんので、その点を考慮しながら医療機能については検討してまいります。

○大山委員 きちんとやはり、リハビリが重要だというふうに認識はしているわけですよね。リハビリの病院がというか、リハビリを充実させることは重要だということは認識されていますか。

○宮川参事 都立病院が行っております医療については、これは大切な、すべて大切な医療でございます。それが、これから地域病院としてスタートするにおいてどういうふうな医療機能を持つべきか、先ほどもご答弁申し上げましたように、保健医療公社と十分に協議するとともに、地域医療機関の関係者とも十分相談しながら進めてまいります。

○大山委員 リハビリというのは、まだまだ足りないというのが今の状況ですよね。東京都におけるリハビリテーションの専門病床数の推移を見ても、平成九年で二千七十、そして十三年度でもまだ二千台、二千六百八十七床ですよね。これは、まだまだ目標にも達していないという数ですね。
 それで、二次医療圏で見ても、区西部の医療圏ですけれども、リハビリ総合施設がある病院は、新宿では大久保病院ともう一つだけ、それから中野にはありません、そして杉並にも二カ所ということですから、圧倒的にリハビリの充実したところというのは少ないということだと思うんです。
 ですから、そんなあいまいなことというか、ムニャムニャということではなくて、きっちりと、手放さないで、より充実していくように頑張っていくということをぜひお願いしたい、求めておきます。
 次に、やはり高い評価を受けた看護体制についてです。
 看護の適切な提供ということに関してですけれども、大久保病院の評価は、看護部は多数の職員を包括し、意欲的な活動により病院の中心的役割を果たしている。看護婦は都の職員としての身分保障があり、退職者は少なく、定着率が高い。これに対して東部病院は、看護部門の理念は職員に十分周知されているとはいえない。看護基準、看護手順も定期的に見直し、クリティカルパスなどを積極的に導入し、さらなる看護ケアの質向上の努力が望まれるというふうに書いてあります。
 大久保病院は、定着率の高さが高い評価の要因になっています。これは熟練を要する専門職には共通なことだというふうにいえると思います。ところが、公社病院の看護体制に対する評価というのは違っているわけですね。病床数が、大久保病院、東部病院、多摩南部病院それぞれ同じぐらいの規模ですから、比較しやすいわけですね。それぞれの看護師の人数、定数と、それからパートや非常勤の数、教えてください。

○宮川参事 職員の定数について、看護師でございますが、東部地域病院が百七十七、多摩南部地域病院が百八十二、大久保病院が二百二十三でございます。
 なお、非常勤、パート等について、これはとらえ方、把握の仕方が非常に難しゅうございますけれども、平成十四年の三月三十一日現在でとらえますと、東部地域病院では、パートの職員がその時点で四十一、それから南部多摩地域病院では四十五、大久保病院につきましては、非常勤の職員が常勤換算で七、ただしパートにつきましては季節的なもの等もございますので、把握は困難でございます。
 以上でございます。

○大山委員 今ご答弁でもわかったように、東部病院が看護師の定数が百七十七に対して非常勤が四十一、それから多摩南部病院が百八十二人の定数に対して四十五人の非常勤、そして大久保病院は二百二十三人が定数ということですね。公社病院は、看護師の定数が少なくてパートや非常勤が多いというのがわかるわけです。パートがすべてだめだとか、否定はしませんけれども、知識、技術のレベルがまちまちだということは、医療機関だったらどこでもいわれることで、それは仕方がないことなんですね。研修や会議などにもパートさんだとか非常勤さんは出られないからですね。ですから東部病院では、看護部門の理念が職員に十分周知されているとはいえないというのが生じてくるのだというふうに思います。この点でも高く評価されている大久保病院を、低い公社に合わせる道理は全くありません。
 医療機能評価の内容で見てきましたけれども、そのほか幾つか伺います。
 まず、腎医療なんですけれども、透析医療というのは大久保病院が都立病院のセンターとして行ってきた分野で、それだけに患者さんの皆さんの期待は大きいわけですね。透析患者さんの団体からどういう要望が出ていて、それをどのように受けとめていますか。

○宮川参事 平成十五年度の東京都の予算に関する要望の中に、東京都の腎臓病患者の連絡協議会から、都立大久保病院につきましては、長期の透析の合併症、特に整形外科系の合併症に対応できるよう診療内容を充実してください、このように要望がなされております。
 これから医療機能を検討するにおいて、参考にさせていただきたいと考えております。

○大山委員 合併症の充実というのがとりわけいわれているわけですけれども、参考にしたいということですね。透析はどうするつもりなのかということなんですが、腎センターは都立ではここだけですね。大久保の大きな特色ですし、患者さんたちの願いもかなり切実です。充実こそ求められるというふうに思いますが、どうですか。

○宮川参事 現在、大久保病院の公社化につきましては、保健医療公社が所管する病院としてどのようにしていくか、内部で検討している段階でございます。

○大山委員 全く公開も何もしないということですね、答弁もしないと。合併症というのが非常に今、問題というか、高齢化もありますから、重大なわけですね。ふだんは診療所だとかクリニックで透析を受けていても、心筋梗塞だとか脳梗塞だとか、それから骨折したり肺炎になったり、合併症が出れば大久保病院に紹介されるわけですね。新宿だと医療連携がかなりしっかりしていますので、紹介されたり、また戻したりということは日常のこととしてやっているわけですね。
 大久保病院がある区西部二次医療圏では三十一カ所の透析医療機関があるというふうになっていますけれども、この中で、合併症にも対応できる総合病院というのは幾つですか。

○宮川参事 ただいまのは、総合病院の数でございますか。--慶應義塾大学病院、東京厚生年金病院以下九病院でございます。

○大山委員 九病院ということですね。透析をしていてなおかつ合併症を持つ患者さん、例えば最近の透析を始める患者さんというのは、糖尿病から導入する方が三六・六%というふうに非常に高くなってきているということですね。これは、食事療法が糖尿病と透析というのは全く正反対の食事療法だということで、指導も大変なわけですね。大久保病院のドクターも、透析との合併症だと時間も労力もかかるので、民間の病院ではどうしても敬遠しがちなんですというふうに話しておられました。この九つの総合病院でも、公立は大久保病院だけです。病院はたくさんあるようなんですけれども、合併症を受けてくれるところがなかなか少ないんだというふうにいわれています。切実な要望だからこそ、いささかも後退することなく、ましてなくすなどというのはもってのほかですし、縮小などもいささかもないように要望しておきます。
 神経内科、精神の通院についても、心のケアはますます重要な課題になっており、不採算だけれども継続すべきだということをいっておきます。
 次に聞きたいのは、補助金がどうなるのかということです。補助金についてですけれども、補助金が現在の公社病院並みにされるんじゃないかという心配があるんですけれども、どうなのかということですが、病院経営本部はどのように考えて、そして公社はどのように考えていますか。

○宮川参事 補助金がどうなるかという点につきましては、地域病院化されました大久保病院がどういった医療機能を担うのか、そういったところから決まってくるものであろうかと思います。
 公社がどのように考えているかについては、存じ上げません。

○大山委員 今検討している真っ最中なのに、公社が何を考えているのかわからないとか、そういうところでばらばらに検討しているのかという状況ですよね。
 とにかく、補助金については、ついこの間、十三年度の決算をやりましたけれども、大久保病院が約二十九億円、東部は一億四千万円、多摩南部は三億円ということで、大きな差があるわけです。運営費補助の根拠の違いを聞きましたら、公社病院は、地域医療連携システム推進のために生じる不採算に対する補助で、都立病院への補助は、一般医療機関では対応困難で現行診療報酬制度では不採算となる行政的医療に対する補助だということだったんですね。都立病院は、一般医療機関では困難な不採算の医療に対する補助金が明確に位置づけられているということだと思います。リハビリも、それから合併症などを持つ透析も不採算部門ですね。人の配置と補助金がなくてはならないものです。腎透析はやらなければ死んでしまうものですから、ドクターも、盆も正月もないんですよというふうにおっしゃっていました。やはり都立ならではの役割を果たしているという認識です。
 ところが、公社病院になってしまえば補助金は大きく減ってしまうというのが、これが大筋ですね。これでは、医療機能評価であれほど高く評価されている現在の大久保病院の医療機能、医療水準は、到底維持できないというふうに指摘せざるを得ません。
 もう少しですけれども、外来の規模についてです。
 地域支援病院ですと、入院と外来の割合は、入院一に対して外来一・五になると、診療報酬上入院基本料が加算されるということで、実際見てみますと、東部が入院一に対して一・三、それから南部は入院一に対して一・一というようになっているわけです。大久保病院の現在の入院と外来の関係はどうなっていますか。

○宮川参事 大久保病院の十三年度の実績で見ますと、一対二・六でございます。

○大山委員 これでは診療報酬で入院基本料が加算されないわけですから、外来の規模が大きく減るといわざるを得ない状況です。
 もう一つ、紹介状を持たずに来た患者さんの初診料加算ですけれども、大久保病院と公社病院は、現在、それぞれ幾らですか。

○宮川参事 今、先生のお話は、非紹介患者加算であろうかと思います。保健医療公社病院につきましては、公社の定める手数料規定にのっとりまして四千円でございます。都立病院が、都立病院条例に基づいて千三百円でございます。ただし、公社病院につきましては、これは地域との連携を強める中で地域の医療を支えていくという、そういう地域病院の性格からくるものでございまして、地域病院のご利用に当たっては、地域のかかりつけなどとの連携の中で対処していただきたいと考えております。

○大山委員 四千円と千三百円ですね。いかに気軽にかかるということから遠ざかってしまうということなんですよ。大久保病院は、明治十二年に現在の地で、最初は避病院として開設して、昭和十四年ごろから総合病院として整ってきて、昭和五十一年には都立の病院として腎不全センターが開設して、透析患者さんの頼りになる病院として運営されてきました。
 きょう、私、改めて、大久保病院を都立病院として充実させていくこと、既にもう行っている地域での連携も含めて、充実させていくことが重要であるということを再認識しました。地域医療連携というのをかなり強調されているわけですけれども、これを強調するんだったら、医療の質を下げるのではなくて、例えば在宅医療に役割を果たすなど、より積極的役割を果たすことを求めて、質問を終わります。
〔「答弁しなさいよ。そんなことでいいのか、いわれっ放しで」と呼び、その他発言する者あり〕

○森田委員長 静粛に願います。質問が始まります。

○山口委員 良医を育てるために、臨床研修制度が二〇〇四年度から義務化されます。六年間の学部を終えた医学生は二年間の臨床研修を行うことになります。そのための臨床研修病院の条件やモデルカリキュラムの整備が、厚生労働省の医師臨床研修検討部会で進んでいます。研修を義務化するとなると、公的費用負担の必要性など課題としてありますが、医師の質を高めるには大きな前進ではないでしょうか。
 量から質へと社会の価値観が変わり、中でも医療改革、とりわけ医師の養成イコール良医をつくることへの要望は強くなっています。高度な医学知識と同時に、患者とのコミュニケーション能力が重要になってくるのではないでしょうか。病状や治療法をきちんと説明してくれる医師は、医療過誤も少なく、何よりも患者に大きな安心感を与えるともいわれ、医学教育の中で、患者の声を聞き、その意思を尊重することの大切さを教えるべきだと指摘する声もあります。まずは、大学が責任主体となっていくことと思いますが、これからは、患者とコミュニケーションをとる能力を身につけることは、医師にとって必須条件となってきます。
 そこで、都立病院における優秀な病院スタッフの確保に向けての取り組みについて、何点か伺います。
 適切な指導体制のもとで、効果的に、プライマリーケアを中心に幅広く医師として必要な診療能力を身につけ、人格を涵養する研修が求められている臨床研修についてですが、新人医師を病院で、実地にレジデントを受け入れる病院として、厚生労働省から都立病院も指定されていますが、受け入れ定員と応募状況について伺います。

○押元経営企画部長 厚生労働省の指定に基づきます都立病院の臨床研修制度につきましては、広尾、大久保、大塚、駒込、荏原、墨東、府中、それに松沢の計八病院で実施をしておりまして、受け入れ定員につきましては、平成十四年度で、八病院合わせまして、一年次が二十九名、二年次が二十九名、合計五十八名となっております。
 それから、直近の応募状況でございますけれども、来年五月採用予定の十五年度募集に対しましては、二十九名の定員のところ、百十名の応募がございました。

○山口委員 では、研修内容は、実際、現場ではどのようになっているのか伺います。

○押元経営企画部長 臨床研修の内容でございますが、研修医個人の希望にも配慮をした上で、各都立病院が研修プログラムを策定をいたします。このプログラムに基づきまして、二年間にわたり、内科系、それから外科系の各診療科において実地の修練を積ませることとしております。

○山口委員 では、研修医の指導に当たる指導医の要件について伺います。

○押元経営企画部長 臨床研修医の指導に当たります指導医の要件でございますけれども、厚生労働省の指定基準等によりまして、三つ条件がございます。そのいずれかを満たせばよろしいということになっておりますが、一つは、少なくとも十年前後の臨床経験を有し、十分な指導力と最近二年間において相応の業績発表を有する者、第二が、各専門学会が認定している認定医などの資格を有する者、また三番目としましては、精神科などの特定科について少なくとも五年の臨床経験を有し、かつ、その経験、訓練、業績発表などから十分な指導力があると認められる者となっております。以上申し上げました三点のいずれかの条件を満たせばよろしいということになっております。

○山口委員 専門に特化した臨床研修が行われることで、人を診ずに病気を診ると評されるようになり、必ずしも医療ニーズの変化に対応した臨床研修が行われているとはいえない実態があるとも一部ではいわれていますが、患者とのコミュニケーション能力を高めるための研修内容にしていくことが重要であると考えますが、いかがでしょうか。

○押元経営企画部長 都立病院では、都立病院の患者の権利章典に基づきまして、患者中心の医療を推進しているところでございますが、患者とのコミュニケーションを極めて重視をしております。臨床研修プログラムでもこのことを取り入れまして、共通の研修目標といたしまして、患者や家族とのよりよい人間関係の確立を掲げております。
 このプログラムに基づきまして、各病院におきまして指導医が研修医に対しまして診察や検査あるいは治療などの各場面において、患者あるいは家族などに対する対応の仕方などにつきまして、きめ細かく指導をしているところでございます。

○山口委員 次に、特に一般医は見逃してしまうケースが多いといわれている心の病ですが、日本の内科医は、うつ病患者の八割を見落としているともいわれています。また、総合病院においても、精神科医の不足が見逃しの原因ともされています。精神科医の育成が重要となってきますが、都立病院では、特に救急や小児科、精神科においてシニアレジデント受け入れ枠を拡大していくとのことですが、研修内容も充実していく必要があると考えますが、いかがでしょうか。

○押元経営企画部長 ただいまご指摘のありましたように、とりわけて救急、小児科、精神科の各医師については人材の確保が困難となっております。こうしたことから、将来の都立病院を担う医師を育成するという観点からも、優秀な専門医の確保が都立病院にとりまして重要な課題となっております。このため、二年間の臨床研修を終えました研修医に対しまして、三年間の専門医の育成制度でございますシニアレジデント制度を平成十三年度から拡充をしたところでございます。
 今後、各病院におきまして、このシニアレジデントの育成に向けまして、カリキュラムの内容などの充実をさらに図りまして、都立病院が研修医にとって魅力あるものとなるように努力をしてまいりたいと考えております。

○山口委員 臨床研修が、学習であるとともに労働であるという性格を有するという認識が、研修を行う側、研修を受ける側の双方にとって薄く、研修医に対して適切とはいえない処遇がなされている例が一般的には数多く見られます。そのことにより、研修効果や医療安全の面でも問題が多いことが指摘されています。
 そこで、優秀な都立病院スタッフの確保に向け、魅力ある臨床研修施設としていくために、今後は、研修におけるアンケート調査などを行う必要があると考えますが、実態と見解を伺います。

○押元経営企画部長 臨床研修医に対するアンケート調査につきましては、研修施設となっております一部の都立病院で既に実施をしているところでございますが、研修内容の充実に向けて、研修医の意見を取り入れることは極めて重要なことと認識をしておりますので、今後とも、アンケートなども活用しまして、研修医制度をより魅力のあるものにするよう努めてまいりたいと存じます。

○柿沢委員 私は、後発医薬品についてお伺いをいたします。
 後発医薬品、最近ではジェネリック医薬品ともいいますけれども、医療費削減の切り札ということで、最近とみにクローズアップされておりますけれども、都議会では、この問題はまだ一度も取り上げられたことがないテーマのようですので、質問を幾つかさせていただきたいと思います。
 東京都は、特に都立病院を直接経営しているわけですから、都としても医療費抑制の観点から、後発医薬品の使用促進に本格的に取り組むべきだという観点から幾つか質問をしてまいりたいと思います。
 後発医薬品とは、いうまでもありませんけれども、新薬の特許が切れた二十年から二十五年後に、安全性などの再審査を終了した上で他のメーカーから発売される類似医薬品ということです。
 厚生省が医療費抑制策の一環として後発医薬品の利用促進というのを打ち出してから、もう十年以上になるわけですけれども、その利用は遅々としてなかなか進まないという状況でございます。
 後発医薬品は、有効成分は新薬として開発された先発品と同じで、効能や効果については変わらないとされております。一方で、開発コストなどがかからないことから、新薬と比べて薬価が二割から実に八割も低く抑えられておりまして、患者さんへの薬剤費負担の軽減にもつながりますし、また、病院経営のコストの削減にも資する、大変よいことばかりというふうに私は思うんですね。
 しかしながら、医療機関では先発薬品への志向が非常に強くて、使用量は非常に少ないというのが現状だというふうに聞いております。
 そこで、保健診療に用いられる医療用医薬品はどのぐらいあり、そのうち、後発医薬品の数量とその割合というのはどのぐらいかということを、まずお伺いしたいと思います。

○中井サービス推進部長 現在、医療機関等で保健診療に用いられている医療用薬品、いわゆる保健薬は、約一万種類程度ございます。後発医薬品につきましては、約四千八百種類程度で、その割合は約四八%となっております。

○柿沢委員 後発医薬品については、一万種類の中の四千八百種類ということで、四八%、品目数としては高い割合を示しているんですけれども、使用量の面では、それがまるで普及をしていないという状況であるようでございまして、後から数字も出しますけれども、一〇%程度というふうにいわれているわけですね。
 国の方では、ことし四月に診療報酬の改定というのを行ったわけですけれども、この後発医薬品、ジェネリック医薬品については、どのような評価がそこにおいて行われたのかということを確認しておきたいと思います。

○中井サービス推進部長 平成十四年度の診療報酬改定では、後発医薬品の使用環境を整備する観点から、後発医薬品を含んだ処方せんを発行した場合の処方せん料が、先発医薬品のみの場合より高い評価がされるようになりました。具体的には、処方せんの交付一回につき二十円が加算されるようになりました。

○柿沢委員 ただいまのご答弁にありましたように、国も診療報酬の面で後発医薬品の普及を後押しするようになっています。これはもちろん、なぜかといえば、医療費全体の抑制が国家的な大きな課題になっているからだと思います。
 我が国の医療費に占める薬剤費の割合は二五%程度といわれておりまして、世界的に見ても、こんなに薬剤費の高い国は見当たらないというふうにもいわれております。薬価差益を収益源としている我が国の病院経営の体質のあり方が背景にあるわけですけれども、いずれにしても、医療費の中でこれだけ大きな割合を占める薬剤費の低減が、医療費全体の抑制につながるということだけは間違いないと思います。後発品の使用の促進で、薬剤費の、全国で六兆円の市場のうち一兆円が削減できるというふうにもいわれているわけでございます。
 そこで、都としての認識を確認しておきたいと思いますけれども、医療費の抑制が国家的課題として叫ばれている中で、後発医薬品の使用を促進していくことが医療費全体の抑制につながるというふうに私は考えますけれども、都としての認識はいかがでしょうか、お伺いします。

○中井サービス推進部長 ご指摘のとおり、後発医薬品の使用促進は、先発医薬品に比べ安価であることなどから、医療費抑制効果があると認識しております。

○柿沢委員 今の答弁によれば、病院経営本部としても、後発医薬品の使用促進は医療費抑制効果があるというご認識ということですから、それなら私は、都立病院でも可能な限り後発医薬品をどんどん使用していくべきだ、使用の促進をしていくべきだというふうに考えるわけでございます。
 そこで、確認ですけれども、都立病院で一年間に購入した医薬品の購入額はおおむね幾らぐらいか、まず確認をしておきたいと思います。

○中井サービス推進部長 平成十三年度の実績でございますが、病院経営本部所管の十四都立病院における医療薬品の総購入額は、約百四十億円でございます。

○柿沢委員 百四十億円ということですけれども、では、その百四十億円のうち、後発医薬品の購入額はどのぐらいで、医薬品購入額全体に占める割合はどのぐらいになるかということを、次にお伺いしたいと思います。

○中井サービス推進部長 平成十三年度における後発医薬品の購入額は、約三億四千万円であります。医療薬品購入額全体に占める割合としては、約二・四%となっております。

○柿沢委員 後発医薬品の購入額は全体の二・四%というお話でしたけれども、後発医薬品のシェアは、全国では、数量ベースでいうと、全体の一〇%程度というふうにいわれております。ちなみに欧米の場合はもっと高くて、今や四〇%か五〇%が後発医薬品に置きかわっているといわれております。
 こうした数字に比べると、都立病院全体の購入額の割合が二・四%にとどまるというのは、かなり低い数字といわざるを得ません。もちろん、すべての先発医薬品に後発医薬品があるわけでもありませんし、代替可能な後発医薬品の割合というのは、それほど高くないというのも承知はしておりますけれども、百四十億円に上る薬剤費のうち、何割かでも後発医薬品に置きかわれば、都立病院だけでもかなりの額の医療費の抑制が可能になるというふうに思います。
 後発医薬品の導入が進まない理由は、医療機関側の問題、メーカー側の問題、あるいは国の体制等々、いろいろなものが考えられると思いますけれども、都立病院において後発医薬品の使用の拡大が進まない、二・四%にとどまっているというのは、何が理由かということをお伺いしたいと思います。

○中井サービス推進部長 後発医薬品メーカー側の問題といたしましては、副作用等の医薬品情報の提供体制が十分でないことや、製造中止により安定供給が得られないといったおそれがあることなどが挙げられます。
 こうしたことから、都立病院におきましては、薬品情報の不足や医薬品の供給体制に対する不安などがございまして、後発医薬品の使用拡大に対する課題となっております。

○柿沢委員 ただいまのご答弁では、都立病院で後発医薬品の使用拡大が進まない理由として、医薬品情報が少ないなどの問題があるということでありましたけれども、こうしたことの中では、病院サイドの努力で解消できる部分というのもあるのではないかというふうに思います。
 都立病院では、先ほど、医療費の抑制に有用であるというお考えも示していただいたわけですから、後発医薬品の拡大に向けて、これまでどのような努力をされてきたのか、伺いたいと思います。

○中井サービス推進部長 各都立病院においては、院内に設置しております薬事委員会で、後発医薬品に関する得られる限りの情報提供を行いまして、使用拡大について検討を進めてきているところでございます。
 今後とも、患者負担の軽減や職員のコスト意識の改革などを図りつつ、後発医薬品の使用拡大に取り組んでまいりたいと考えます。

○柿沢委員 これまでの質疑の中で、医療費の抑制や患者負担の軽減等、後発医薬品の導入を促進することのメリットが明らかにされたと思います。
 一方、メーカー側、医療機関側双方に、それぞれ解決すべき問題はあります。容易に進まない点というのも理解できます。しかし、先ほど、メーカー側の問題として挙げられた点については、医療機関もどんどん後発医薬品を使うのをふやしていくことによって、メーカーも供給体制を整備する、また、サービスの体制というのも整備をされるという面が一方であると思います。そういう意味では、医療機関の側が後発医薬品に対する認識を抜本的に改めていただいて、積極的、前向きに導入を進めていただくことが、一つ大事なことであるんじゃないかというふうに思います。
 国も、先ほど申し上げましたように、診療報酬を改定するといったことで、後発医薬品の拡大に向けて環境整備を今図っているわけですから、都立病院においても、いろいろ問題はあるんでしょうけれども、工夫をして、後発医薬品の導入の拡大に向けて、もっともっと努力をすべきだというふうに考えますけれども、病院経営本部としてのご所見をお伺いしたいと思います。

○櫻井病院経営本部長 後発医薬品の使用促進についてでございますけれども、先発医薬品に比べ、今お話しありましたように、安いということや医療費の抑制効果がある、こういうことでございます。同時に、患者負担を軽減できるメリットもあるということで、都立病院においては、これまでも後発医薬品の導入に努力してきたところでございます。
 しかしながら、先ほどご答弁させていただきましたように、安定供給の確保の問題や安全性の確認など、使用促進に向けての問題もございます。
 したがって、こうした問題を一つ一つ検証しながら、患者中心の医療の観点からも、使用促進について積極的に検討してまいります。

○柿沢委員 今、これまでも後発医薬品の導入を図ってきたところであり、これからもやってまいりますというお話でしたけれども、先ほど申し上げたように、二・四%という数字ですからね。これから、ぜひ今まで以上にお取り組みをいただきたいと思いますし、例えばアメリカでは、医者が処方を指示した医薬品を、薬剤師がその医薬品と同じ成分の医薬品で代替する代替調剤というのが法律によって認められている、そして、同じ効き目なら安い薬の方がいいということが、官民挙げて徹底をされているというふうにいわれております。
 日本でも、こうした後発医薬品の使用を進めていくには、こうしたアメリカのような、同じ効き目なら安い薬を使った方がいいじゃないかという基本原則を確立する必要があると思います。
 都立病院改革マスタープランの中でも、都立病院改革の基本方針として、開かれた医療、安心できる医療というのと並んで、むだのない医療ということが掲げられているわけですから、医療費をより安く上げるというのは、都立病院においても一つの責務であるというふうにも考えられると思います。
 東京から日本の医療を変えるというのが、マスタープランの中でも、また東京発医療改革の中でも、たびたび掲げられておりますけれども、全国の数字が一〇%程度いっている中で、都立病院では二・四%というのは、実はこの分野においては、東京都は国にすら立ちおくれているというふうにいっても差し支えないんだろうと思います。
 そういう意味では、後発医薬品の使用促進に向けて、例えば、使用の割合の具体的な数値目標を設定するとか、そうした取り組みを行っていただくことで、この分野においても、国に先駆けて東京都が先行するという力強いお取り組みを要望いたしまして、私の質問を終わりにしたいと思います。

○田代委員 すべての都民、国民というのは、いつでも、どこでも安心して医療が受けられる、それで健康で暮らせるということが希望なわけですけれども、そのためには、我が国の今運営されている社会保障制度のもとで、国民だれもが安心して医療サービスを受けられる体制というものを構築していかなくてはならないわけです。
 その構築のためには、国立病院、公立病院、そして民間病院、そういう病院が、それぞれ緊密なパートナーシップを前提としたセーフティーネットの充実というものを図っていきませんと、実現しないわけですね。そのセーフティーネットの一つとして、都立病院というのは非常に大きな使命を預かっているわけですから、そういう観点で都立病院が今からも取り組んでいかなくてはならない。
 しかし、本年度の診療報酬の改定の影響ですとか、財政再建推進プランに基づく一般会計の補助金の削減など、都立病院を経済的に見ていきますと、財政的な情勢というのは大変難しいところにある。しっかりやらなくちゃいけないといいながら、余りお金を使うなといわれている。実際問題、使う使わないの前に、入ってくるお金が法律で決められているわけですから、どれほど必要だからこれだけなくちゃいけないという自主的な運営というものは、日本の医療機関はなかなかできないということになるわけですね。
 今もいろいろお話しいただきまして、医療費の削減というのは取り組んでいかなくちゃいけないことなんですが、実際は、東京から日本の医療を変えていくんだとすれば、量的な削減・抑制政策、国が行っているもの、腕の悪い医者にかからないようにしなさい、余りあそこに行くのはやめなさい、ここに行くのはやめなさいという、それも必要なことかもしれないけれども、一番基本は、前回もちょっと申し上げましたけれども、どうしたら医者に行かなくていいかということをやっていかなくちゃならないわけです。
 もっと簡単にいうと、都立病院は、一度かかったら二度とここに来なくていいようにするための情報をしっかりと出していくというスタンスがない限りは、医療費をどんなに削減しようとしても、一方のいわゆる堤が破けているわけですから、どんどん出ていってしまう。
 だから、そこをよく考えながら、その両面、一つのフラッグシップとしての形を見せていくと同時に、やはり経営を潤滑に、しかも手本となるような経営方針を立てていかなくちゃいけない。冷たいんだか熱いんだかわからないようなことを一遍にやらされるというのは大変だと思いますが、そういう中で、特に今、東京ERなんていう新規な事業を軌道に乗せながら、さらに収益をまた上げていきなさいと。ERで収益が上がるということはなかなかあり得ないと思いますけれども、新しい取り組みをしているわけです。しかし、その取り組みをする中の財政的なことから見ますと、一般都民から見ますと、都立病院の会計の収支状況というのはなかなかわかりづらいところがあるんじゃないかなと思うんですよ。
 ですから、一番簡単な観点から見て、患者さんが都立病院で治療を受けたときに、大体幾らぐらいかかるのかわかる、そういう指標があればお教えいただきたいと思います。

○押元経営企画部長 治療を始めたときにおきます患者さんの年齢ですとか、あるいは疾病の進行状況などによりまして、同一の疾病でもさまざまなケースが生じるために、確立した数値を把握するというのはなかなか困難ではございますけれども、一つの手法として、例えば公私病院連盟方式というのがございますが、この平成十一年度の診療科別原価計算を使用いたしますと、いわゆる不採算医療といわれております感染症科を例にとった場合に、一日当たり、患者さん一人当たりの医業費用が十一万一千八百四十七円という数字が出てございます。

○田代委員 十一万一千八百四十七円、かなり常識から見ても高額に当たるわけですが、これは、医療にかかるお金だけではなくて、病院に入院したときに、もろもろかかるアメニティーも入れての値段ということになるわけですけれども、不採算医療、ほかにも小児科でありますとか、いろいろあるわけですね。少なくとも、結果として、一つの指標として、一人の患者さんが入ると大体一日十一万一千円ぐらいかかるんだと。それに対して、病院が得る収入、その患者さん本人負担分と保険者の負担分を含めて、大体どういうふうになるのか。例えば、今の感染症科の例でいうとどうなるのか、教えていただきたいと思います。

○押元経営企画部長 先ほど申し上げました感染症科の例をそのまま引いてまいりますと、一日当たり、患者一人当たりの医業収益が八万一千百九十七円というふうになっておりますので、差し引きで三万六百五十円、医業費用に対して不足をするということになります。

○田代委員 そうしますと、単純計算で、病院に入る収入で、不採算医療といわれている医療科目では、一人の患者さんを治すために必要経費全額は賄えない。簡単にいうと、一人入ると、病院が毎日毎日三万円ずつ赤字になっていくということになるわけですね。
 しかし、だからといって病院をやめちゃうわけにいきませんから、そうすると、これは一般会計の繰入金なり何らかの形で補てんをしていく。しかしながら、都立病院という性格を考えますと、経済的な、そして効率的な経営だけに特化していけないということは、当然、ERを含め、救急高度医療あるいは感染症の医療ですとか小児救急ですとか、もろもろの行政的な医療を行っていかなくてはならないという性格上、ただただ値段だけで左右されるわけにはいかない。
 特に、前回も申し上げましたように、ERというのは普通の診療科目の五倍ぐらいの経費がかかるわけですから、都民から見ると非常にありがたいものではありますが、経営的に見ると、かなり無理が出てくるものです。
 地方公営企業法では、現行の診療報酬の制度下では、不採算性の高い医療について、一定のルールに基づきまして一般会計が経費を負担するということを規定しているわけですけれども、法律ではそれを負担金といっているわけですね。
 補助金というのは、これと異なりまして、災害復旧などの特別の理由があるときの補助と定義づけられているわけですけれども、現在、この病院会計に一般会計から繰り入れられている一般会計補助金というのは、法律でいう負担金であるわけですね。補助という言葉が、都民から見て、経費負担の原則をわかりにくくしているというような感じがしないわけでもないんですが、これを負担金というのに変えていくわけにいかないんでしょうか。

○押元経営企画部長 ただいま田代先生からご指摘がございましたように、一般会計補助金の負担区分の明確化につきましては、私どもも、病院事業の経営責任の明確化や自立的経営の強化を図る上で、極めて重要な要素であるというふうに認識をしているところでございます。
 都立病院改革マスタープランにおきましても、負担と補助に明確に区分して経理することにより、経営責任を明確化し、新しい都立病院の役割にふさわしい財政ルールを確立するよう求められているところでございまして、私ども病院経営本部といたしましても、来年度から一般会計繰入金を負担と補助に区分をすべく、現在、関係局と調整を進めているところでございます。

○田代委員 都民にわかりやすくしなくちゃならないんで、その調整をしっかりと進めていただきたいと思います。
 都立病院というのは、先ほど申し上げましたように、民間病院にない使命があるわけですね。そして、都民全体の医療の向上につながるような事業経理については、必要に応じて都民の税金をもって充てることも当然必要なわけです。ただし、先ほどからお話出ていますように、必要のない経費のむだ遣い、これだけは絶対に許されないわけですから、企業会計としては、当然のことながら、経済性の最大限の発揮も当然求められていくわけです。
 しかし、一方では、先ほどの話のように無理なところもあるわけですから、無理は無理として、やはりそれは、納税者である都民の方にご理解いただかなくてはならない。都民の命を守っているんだから、きちんとした行政医療をしているんだからいいじゃないかという態度では許されないわけですね。どなたにでもわかりやすい説明をする、そういう説明責任を問われる時代になっているわけですから、都民が納得した一般会計からの繰り入れ、こういう形のものを実現していかないと、ただただ行政的医療をやっているからということでは許される時代ではなくなってきたわけです。
 ですから、お役人言葉というのは申しわけないですけれども、一般の人たちがだれが聞いてもわかる、そういう形の説明ができる、そういう努力に取り組んでいただきたいと思います。
 それから、都立病院、どこでも病院に行きたいなんて人はいないんですね。大体、医者にかかりたいなんていうのは、かなり変わった方じゃない限りは、なるべく医者には縁がないというのが一番いいんですけれども、どうしても行かなくちゃいけないというときに、行ってよかったという病院はないと思うんですけれども、行ったときに、少しでもどきどきしない--我々は朝から晩まで病院にいますから、病院にいることが逆に安心しちゃうんですけれども、普通の常識のある方であれば、大学病院でもどこでも、初めて行くのは非常に不安感というんですか、嫌なものですね。これは医者の家族でも同じことをいっていますから、一般の方はとても最初は嫌だろうなと思います。
 そうすると、病院に行ったときに、少しでも不安感を和らげるようなアメニティーというもの、いろいろな環境整備というのが都立病院でも必要になると思うんですね。行政医療をやっているんだから、何も余分なものはなくて、患者さんは医療を受けて帰ればいいんだというシステムも一つ考えられるんですけれども、実は、それは医療にとっては逆に遠回しになってしまうわけでありまして、患者さんが積極的に、医者のいうこと、あるいは病院の人たちの説明を聞いて医療に取り組むことの方が早く病院と手を切れるわけですから、そういう意味では、行って、そんなに怖くないなと不安感を取り払うような努力をしていただきたいんですけれども、そういう努力に対しての客観的な何か指標みたいなものがあれば、教えていただきたいと思います。

○押元経営企画部長 来院された患者さんができる限り気持ちよく治療を受け、療養生活を送っていただくように、快適性、利便性を重視した病院をつくっていくことは、患者中心の医療の実現を目指しております都立病院改革マスタープランでも重要な課題となっております。
 都立各病院では、患者さんの快適性を重視いたしまして、病室の設置を、例えば六床から四床にする、あるいは、わかりやすい案内表示を工夫する、患者さんの心をいやす効果のある植物などを適宜配置したり、あるいは絵画といった美術品を掲示するなど、さまざまな取り組みを行ってきたところでございます。
 また、客観的な指標ということでは、第三者による客観的な評価としまして、財団法人日本医療機能評価機構の認定をいたします病院機能評価がございますが、七つの総合病院で、私ども認定を受けております。評価審査結果の中で、患者の満足と安心の項目は、受審した病院、おおむね一定以上の評価をいただいたところでございます。

○田代委員 一定以上の評価というのはどれほどの評価なのかは、またいろいろな考え方があると思うんですけれども、一つの指標の中で、ある程度の点数はもらっているというわけですね。
 しかし、それでいいわけじゃないですから、満点が取れるように、どの形で見ても、少なくとも患者さんの不安感がないというような形で満点が取れるように、サービスを向上させていただきたいと思います。
 都立病院では、院内環境の整備の充実のために、それでは今からどういう形で取り組んでいくのか、何かお考えがあればお答えいただきたいと思います。

○押元経営企画部長 私ども、今後は都立病院改革マスタープランにのっとりまして、患者さんのアメニティーの向上やプライバシーの確保に配慮した施設の改修、改築を進めてまいりますとともに、都立各病院の特性に応じたさまざまな取り組みを行いまして、快適な院内環境の整備に努めてまいりたいと存じます。
 また、各病院におきます病院機能評価の受審結果につきましても、既にホームページ等で公表されているところでございますが、都民の方々が、民間病院も含めた全国病院の中で都立病院を客観的に評価していただけるように、今後も努力をしてまいりたいと思います。

○田代委員 これは都立病院だけの問題じゃないんですけれども、都立病院も病院としての経営をしていかなくちゃならない。この経営と医療両面、これを支えていく体制というのがつくり上げられなくちゃならない。かなり難しいことではあるんですけれども、現在では、院長は専門職の医師が務める、これはルールがあるわけで、仕方がないんですが、経営権も持っている。これは全部じゃないでしょうけれども、ある程度、責任者として、医療をやりながら経営面も考えていく。こういうのが得意な人もいるとは思うんですけれども、理科系と文化系が両方できるという人がいればいいけれども、これもなかなか難しいところがあるので、やはり各病院の経営層に、病院経営というか、そういう企業経営のプロを登用して、経営面で何か足りないところはないか、何か工夫をすると変わるところがあるか、そういうことを努力する時代だと思うんですが、それについては何かお考えがあるでしょうか。

○押元経営企画部長 医療保険制度の改革や診療報酬の見直しなどによりまして、病院経営を取り巻く環境はますます厳しさを増しております。そうした中でも、都立病院は、経営基盤を強固なものとしまして、良質の医療サービスを都民の皆様に安定的に供給をしていくために、経営面での強化が急務となっております。
 そこで、私どもは本年七月に、病院経営について専門的な知識、経験に基づいた助言をいただき、機動的、戦略的な病院経営を図っていくために、都立病院経営委員会を設置いたしました。この委員会では、イトーヨーカ堂の鈴木社長あるいは聖路加国際病院の櫻井院長など、企業経営、病院経営についてすぐれた識見を有する方々を委員にお迎えしております。
 今後、この都立病院経営委員会におきます議論や提言を活用しまして、さらなる経営面での戦略強化を図ってまいりたいと考えております。
 また、外部からの人材登用につきましては、公務員制度などに起因します課題もございますけれども、今後、都立病院改革を進めていく中で、幅広い視点から検討してまいりたいと存じます。

○田代委員 確かに、公務員制度なんかに起因する、改めていかなくてはならない、取り組まなくちゃならないルールもあるんでしょう。それから、経営者として成功した人たちの意見を聞く、これは大変大切なことですね。
 だけれども、これを結果としてきちっと反映していかなくちゃならない。そういうことを取り組んでいただきませんと、ただ意見を聞いただけでは、これは何にもならないわけですから、それが結果に出ていくためには、やはりそれぞれの都立病院で柔軟な運営を行っていくこと、そういう取り組みも必要だと思うんですね。一つのガイドラインをちゃんと皆さん方が持っていて、病院経営本部が持っていて、そして統括していくことも大変重要ですけれども、しかし、それぞれの地域性を考えた、特性を考えた病院の運営も認めていかなくてはならない。
 そうしますと、やはり各病院の権限というものを、院長を含め、ある程度、今まで以上に評価していく。当然、それには責任も十分負っていただかなくちゃならないわけですけれども、そういう新たな考え方が必要だと思いますが、いかがでしょうか。

○押元経営企画部長 都立病院におきまして、みずからの責任で経営を主体的に立案、実践、検証していくことは、医療サービスの向上のために非常に重要なことと考えておりますし、都立病院改革マスタープランでも大きな課題とされているところでございます。各病院において、人事、財務、契約などを有機的に結びつけた総合的な経営管理が可能になるように、人事、経営面における本庁からの権限移譲を順次行ってまいりたいと存じます。

○田代委員 先ほど申し上げましたように、環境整備、あるいは経営とか医療体制の改善というのは喫緊の課題ですから、しっかりと取り組んでいただきたい。
 やはり現在の医療の最大の問題点というのは、ご存じのとおりに、現行の診療報酬制度のもとでは、患者さん一人一人に対する医療の質、内容というよりも、いい方がちょっとよくないですけれども、どれほど薬を処方したとか、どれほど検査をしたとか、どういう手術を何種類したとか、簡単にいうと質より量みたいなはかり方があって、それによって収入が左右されるという側面がかなり強いわけですね。
 しかしながら、都民の保健医療の向上という視点から、都立病院は東京ERのような先進的医療にどんどん取り組んでいかなくちゃならないわけですから、そういう中で取り組んでいくためにどうしていくか。経済的なことも考えながら、しかし、都民のニーズも満足させていくために効率的な医療提供体制を実現していく。そのために、都立病院改革というものをしっかりと取り組んでいただかなくてはならない。そして、それが実のあるものになっていただかなくちゃならない。この都立病院改革のこれからの予定、どういうお考えで皆さん方が取り組まれて、実際に進めていくのか。
 そして、先ほど申し上げましたけれども、やはり都民が理解しなくちゃいかんのですね。医療の問題点というものがどうもわからない、医者が信用できない、医療不信だ、これはやはり説明が非常に不足している。これは医師会だけではなくて、大学病院だけではなくて、医学部だけではなくて、やはり行政の責任も大変大きなところがあるわけですから、それぞれで情報提供というものをわかりやすく、若い人から、コンピューターをさわれる人から、さわれないお年寄りまでを含めて、わかりやすい情報提供というのをしていかなくちゃならぬわけですけれども、それについての見解を伺います。

○櫻井病院経営本部長 都立病院改革は、都民の安心、安全を支える患者中心の医療の実現と、三百六十五日二十四時間の医療サービスの向上を目的としております。
 今後、年内を目途に、都立病院改革マスタープランの改革メニューを具体化した実施計画を策定する予定でございます。その際には、さまざまな医療課題への対応策や具体的な医療サービスの向上策などについて、先生もお話しのように、都民にわかりやすく説明することが大変重要であろうというふうに考えております。
 したがって、今後、都民の皆様に、病院事業への理解と協力をさらに得られるよう、ホームページや広報紙などさまざまな媒体を通じまして、わかりやすい情報提供に努力してまいります。

○田代委員 そういうもののアウトソーシングも含めて、実際にわかりやすい情報提供というのをしていただきたいと思います。
 最後に、二点ほど要望しておきたいんですけれども、病院というのは、入院しますと、なかなかプライバシーが守られないところがある。アメニティーの問題で、六床を四床にしたりとか、努力は大変なさっていらっしゃるんでしょうけれども、やはり自分の家での生活と違って、かなりプライバシーが侵されることがある。これは、我々医療従事者にも大変大きな問題があると思うんですね。守秘義務といいながら、医療について、病気についてはあるんですけれども、その人個人のプライバシーについては意外と、ちょっと有名人が入ったりすると、すぐそれが外に漏れてしまったりとかいうこともあるんで、これは我々もきちっと改めなくちゃならないところなんです。
 しかし、逆にいうと、入った途端に、特にお年寄りの方が多いんですけれども、三日ぐらい入院すると、もう完全に環境の変化に順応できなくて、嫌な言葉ですけれども、いわゆるぼけという症状が出てくることがある。ですから、余りプライバシー、プライバシーといって、逆にそれが疎外感になるような運営の仕方は困るんですね。いつでも家にいるのと同じような明るさを持ちながら、しかし、自分のこと、自分のプライバシーは侵されないような、そういう病院の中での生活というものを守っていただけるような工夫をしていただきたい。それが一つ。
 それから、医療費をきちっと削減していくためには、今すぐには制度上いろいろな問題があるでしょうけれども、やはり民間のボランティア、アメリカ方式ですか、アメリカの学ぶべきところは学んでいかなくちゃならないので、アメリカの医療制度というものは、日本に比べると、悪質というか質の低いものですけれども、それでも学ぶべきところがかなりたくさんあるので、やはり民間のボランティアに入ってもらう。それが何か事件性になってしまったり、プライバシーを侵したりとか、そういうことでは困るわけですけれども、しかし、解放感のある、しかもボランティアが入ってきたことによって、事件が起きない、経済的にも非常に安定していく。
 そして、ボランティアからいろいろな情報を得て、患者さんが困っていること--なかなか患者さんは直接医者に、どうも先生が気に入らないから、こうしたい、ああしたいということが、やはり我々にいえないんですね。それを、だれかがかわりに、ちょっと先生、こういうふうにしてあげたらどうですかというような話ができるような、間に入るコネクターのような人たちがいると、医療の現場というのは随分変わってくると思うんです。
 そして、先ほど申し上げましたように、一度来た都立病院には二度と来なくていいような智恵を持って帰れるような取り組み、それを行っていただければ、医療改革が東京から日本を変える形になると思いますので、ぜひともしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 終わります。

○森田委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
   午後三時十三分休憩

   午後三時二十七分開議

○森田委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。

○吉田委員 きょうは私が最後のようでありますけれども、よろしくお願いいたします。
 私も、都立病院に限定しての後発医薬品の利用促進について、それと、都立病院マスタープランの主に小児病院に関連しての幾つかの問題について質疑をさせていただきます。
 既に、後発医薬品の利用促進については柿沢委員からも詳しいご説明がありました。私も、後発医薬品の利用促進は、全体の、日本の医療費の適正な形での抑制ということと同時に、患者自身にとっても、必要以上の負担を抑制する、負担軽減になる。三つ目に、病院経営、都立病院の経営についてもプラスになるというこの三点から見ても、後発医薬品の利用を促進していくことは非常に重要な課題だというふうに思います。
 先ほども数字的なことがいわれましたけれども、ご指摘のとおり、日本の医療費全体の中で、そもそも医薬品が占める比重が二〇%を超えているという、これは他の国々と比べても異常な事態。さらに、後発医薬品の普及状況もどうかといえば、これもご指摘がありましたが、日本の場合、私が見た文献では一一%、他方、イギリスが四九%、ドイツも同じく四〇%程度、少なくとも半分近くが後発医薬品が使われているということから見て、日本の一一%という状況はやはりおくれていると思いますし、先ほど、都立病院で二・四%という数がありました。
 そこで、私もちょっと調べてみたんですが、福島県が、これは新聞報道にすぎませんが、「福島新聞」の報道で、県立病院において後発医薬品の利用促進を図っていく、そのための調査に着手したということが伝えられています。ちなみに、もちろん県立病院の数が少ないですから、福島県立病院における薬剤費の総額は年間約三十億円、これを、後発医薬品を促進するだけで、少なくとも一割程度、すなわち三から四億円ぐらい削減できるのではないかという見積もりのもとに、県が調査を始めていくというふうに伝えられております。
 先ほど、後発医薬品がなかなか普及できないさまざまな困難さもあるんだというご指摘がありましたが、私は、一般論じゃなくて、実際に現場でどうなっているのか、なぜなかなか後発医薬品が普及できないのか、その具体的な障害は何かということを、幾つかサンプル調査をするなり、まず本格的な調査というものを都立病院において実施していくことが必要だと思うんですが、こういう福島の事例、ご承知でしょうか。また、そういうきちんとした調査をまず始めるということについては、どのようにお考えでしょうか。

○中井サービス推進部長 福島県の調査につきましては、今のところ情報をつかんでおりません。申しわけございません。今後、資料を取り寄せまして研究してみたいと思います。
 また、都立病院に関しましても、今後の検討課題とさせていただきたいと思います。

○吉田委員 それと、一般的に普及促進ということではなくて、こういう場合には--もちろん、医療的にどうしても新薬、先発の薬品を使わざるを得ないということもあると思うんですよね。ただ、こういう場合には後発の医薬品でいいではないか、あるいはまた、これだけ量のあるものは後発にすべきじゃないかというふうな、画一的なガイドラインを定めることはできないかもしれませんが、一般論ではない具体的な促進策というものを、より具体的に促進していく努力ということ、私は、それなしに進まないと思うんです。
 しかも、調べてみましたら、国の厚生労働省が、国立病院の各院長及び国立療養所の所長等に対して、今私がいったような、こういう場合には後発医薬品を使っていいんじゃないかというふうに書かれていると私は思うんですけれども、そういう通達を、これはことしの六月十日ですか、出されていて、もちろん病院経営本部も承知していると思うんですが、こういう国の国立病院に対する通達、どのように受けとめていらっしゃいますか。また、同じというわけにはいかないかもしれませんが、そういう具体的な通知ということも検討課題になっていると思うんですが、そこはいかがでしょうか。

○中井サービス推進部長 先生が今お話しされました国からの通知は、私どもも十分承知しております。後発医薬品の使用が保健医療財政の効率化だとか、あるいは患者負担の軽減につながるということ、それを通じて患者さんの負担軽減ということになりますので、患者サービスの向上にもつながるという点は、同じ認識でございます。
 私どもは、この国と同様の通知は今のところ都立病院に対しては出しておりませんが、薬剤師が集まります会議だとか、あるいは院長・事務局長会、これは月に一度招集をかけておりますが、そういう場で、経営改善の面あるいは患者サービス向上の面から積極的に使用する旨、通知を口頭で申し上げているところでございます。

○吉田委員 口頭ではだめだとはいいませんけれども、やはり具体的に促進する上で、一定のガイドラインなりを具体化することが必要だというふうに思いまして、ぜひこの点もご検討お願いしたいと思うんです。
 それでは、都立病院のマスタープランに関連して、幾つかの問題について質問させていただきます。
 まず、母子保健院の問題です。第三回定例会で母子保健院の廃止条例が可決をされました。私どもは、ご承知のとおり反対いたしました。既に十月三十一日をもって、休日・夜間の外来救急が停止をするということになりました。
 しかし、いろいろ意見がありましたけれども、住民団体の方は先日も、たしか九日、土曜日ですか、母子保健院の機能の継承を大いに目指して地域医療を確保したいということで集会を持ちまして、引き続き、世田谷の地域の中での地域小児医療、救急医療の拡充を目指して働きかけをしていきたいという議論がされたというふうに聞いております。
 私は、その場でいろいろ問題提起をさせていただきましたけれども、やはり母子保健院の廃止というのは、地域医療、区民の皆さん、都民の皆さんに何らか少なからぬ影響が起き得ると思うんですよね。ぜひ、もうあれは廃止条例が決まったから知らないぞということじゃなくて、それがどのような影響を与えるかということなどについても、私たちもしっかりと注目していきたいと思いますし、また、皆さん方も見ていくことが必要じゃないのかなというふうに、まず思っております。
 そこで、前回の三定の委員会の中で、私は、病院経営本部が説明された母子保健院の休日・夜間の小児にかかわる救急患者の数が、ちょっと少な過ぎるんじゃないかという疑問を呈しました。そうではないと。再調査を求めましたが、再調査も必要ないというご答弁で、それでは私、調べさせていただきますよという経過がありました。
 それで、きょう改めて委員会資料として、十三年度母子保健院における救急患者実績というものを出していただきました。三ページですか、これで見ますと、平日の時間外小児科が二千二人、それと、要するに平日以外ですから、休日、日祭日ということになると思うんですが、これが千七百三十五人、合わせますと、平日の時間外と休日の小児だけの救急患者数は、年間で三千七百三十七人、三百六十五日で割れば一日十人を超えるという数になるわけですね。一般的に、休日・夜間の母子保健院における小児科の救急患者数は、年平均一日十人以上というふうにこの資料では当然読み取れます。
 ただ、三定のときの本部長の本会議でのご答弁も、また、この委員会での押元さんの答弁も、こういう数ではありませんでした。具体的な数としては、休日・夜間の数、たしか千九百十九人、そして一日平均五・三人ですという答弁なんですが、そうすると、この資料とは明らかに極端な乖離が生じているんですが、これはどちらが正しいんですか。

○押元経営企画部長 どちらが正しいのかというお尋ねでございますが、これは、さきの第三定例議会等で、本会議あるいは当委員会でご答弁申し上げた場面というのは、国立成育医療センターの救急患者実績との比較ということでございますのて、私どもといたしましては、ベースを同じにして比較をしなければならないということで、国立成育医療センターの救急患者実績の集計方法に倣いまして、双方を正しく比較するために、母子保健院の実績を集計したものでございます。

○吉田委員 どちらがどうこうといえないというお話ですけれども、少なくともこの資料でいえば、一般的に、時間外及び休日の救急患者数は三千七百三十七という資料をお示しされました。
 それで、あくまでも三定の数は、成育医療センターとの整合性をとるために出した数なんだということですけれども、そうすると、それはどの時間帯からどの時間帯を休日・夜間というふうにとられたんですか、成育医療センターは。

○押元経営企画部長 国立成育医療センターの方では、休日・夜間一日当たりの救急患者実績を、一般外来と異なる救急センターでの時間外受け付け分というふうにとらえていると私ども伺いましたので、この実績のとり方に相当する母子保健院の実績をとらえたものでございます。

○吉田委員 私は時間の幅を聞いているんですが、じゃ具体的に確認させていただきます。休日はすべて、休日・夜間の時間外というふうに扱うのが常識だと思うんですが、それはどういうふうに受けとめていらっしゃるんですか。

○押元経営企画部長 救急患者の集計方法と申しますのは、それぞれの医療機関で取り扱いが異なる場合がございます。もちろん、健康局等で全都的な集計を行います場合は、健康局の方で標準的な集計方法を示しまして、それにのっとって集計をするといったことが行われるわけでございますけれども、具体的には、先様がそういう統計の仕方をしているということで、私どもとしては、その比較の意味で、それに倣って集計をすることが、両者の比較に便宜であろうというふうに考えて集計をしたわけでございます。

○吉田委員 私は、休日は、朝であっても昼であっても夜であっても時間外、休日・夜間としてカウントしているんじゃないんですか、そこは違うんですかとお聞きしたいわけです。

○押元経営企画部長 成育医療センターさんの方では、時間外を夕方五時から翌朝の八時半までというふうにとらえて集計をしていると伺っております。

○吉田委員 休日なんですよ。じゃ、休日の日中の時間は時間外の扱いから外している。すなわち、前回、成育医療センターの休日・夜間の一日当たりの患者数、四十四人ですか、出されましたよね。その中には、休日の患者であっても、平日でいえば朝八時半から五時ですか、そういう時間帯の患者さんは外しているというふうに皆さんご判断したんですか。

○押元経営企画部長 成育医療センターさんとのやりとりの中で、そのようにとらえているというふうに伺いましたので、そういった集計をしたわけで、私どもがそのように判断をしたということではございません。成育医療センターさんの集計方法に倣ったということでございます。

○吉田委員 私、余り水かけ論的なことになってもいけませんし、これはあくまでも事実の問題ですから、きょう、実は成育医療センターの医事課長に文書をもって、皆さん方が出された資料もあわせて確認の問い合わせをさせていただきました。
 その点は二点でして、要するに、うち休日・夜間四十四人というふうに出された、この、うち休日・夜間は具体的にどのような範囲でしょうかと。一般的には、平日の時間外、都立の場合には、さらに土曜日の場合の午後の時間外、さらに、休日、年末年始、これを休日・夜間というふうにいわれていますけれども、違いますかという問い合わせをいたしました。
 二つ目に、細かい話ですけれども、この皆さん方が示された数というものは、救急のうち、入院した方々の数は外して外来のみの数だというふうにいっていますけれども、国立成育医療センターの患者数は、入院患者を外した数ですかということについて、文書をもって問い合わせをいたしました。
 電話で口頭の返事がありましたけれども、少なくとも医事課長さんの承知している範囲では、この休日・夜間という範疇は、平日のもちろん時間外、それと国立成育医療センターの場合には、土曜日の午前も含めて時間外、さらに、休日はもちろんすべて休日扱いで、外しているというご説明だったんですよ。
 それで、そんなに病院経営本部の方がいわれるんだったら、直接当方に電話をいただきたい、一体どこのだれがそういう説明をしたのか、私、医事課長としては承知しておりません、また、そういう形での公式資料は出しておりませんというのが、少なくとも昼、委員会が始まるまでの時点の数だったわけです。
 いずれにしても、休日・夜間ということで繰り返し説明がありましたけれども、きょう資料があるように、休日・夜間の小児救急の外来数、計算すれば三千七百三十七、一日当たりで計算すれば十人。それが、皆さんの説明では半分の五人というのは、極めて大きな乖離であり、やはり我々が一般的に皆さんの説明を受けて判断する上でも、非常に誤解を招くというものだと思うんです。
 これは、いずれにしても、私とあなた方とで、今度は国立成育医療センターの説明の仕方が違うということでありますけれども、委員会が始まる前にも、ぜひ皆さん方に直接成育医療センターに確認をとってほしいということをお願いしたんですが、どうだったんですか。

○押元経営企画部長 私どもは、成育医療センターの開院前から、地域医療へのご協力等も含めて、いろいろとお願いあるいは情報交換をしてまいりました。その中で、成育医療センターさんとは非常に厚い信頼関係ができております。
 そういった信頼関係に基づいて、私ども、データなりあるいは数字をいただいているところでございますので、私どもの方から成育医療センターさんの方に、いただいた数字の中身について、これはこうではないかというようなことを申し上げる考え方はございません。

○吉田委員 いや、先方の医事課長が、ぜひ直接、そういうふうに資料を作成された方ないし担当のところと、その枠のとり方について確認をとりたいといっているんですよ。先方がそういうことを要望しているんですから、答えてください。ちゃんとやってくださいよ、これ。

○押元経営企画部長 医事課長さんからは、特段そういったお話は承っておりません。

○吉田委員 私は、この件について既に経営本部に伝えてあるじゃないですか、確認をとってほしいと。わかりました、確認をとりますと答えているじゃないですか。

○押元経営企画部長 私ども、本委員会の開始前に、先生方のご質問に対して一生懸命対応させていただきました。なかなか時間が捻出できませんでした。そういう意味で、私どもの方から問い合わせるということは、先ほど申し上げましたように、成育医療センターさんとの信頼関係の中でなかなかできるものではないというふうに判断をしております。また、繰り返しになりますけれども、成育医療センターの医事課長さんの方から、先生がおっしゃいましたようなお話は承っておりません。
 以上でございます。

○吉田委員 まあ、それは課長さんの話になりますから、あれこれいいませんけれども、私には、わかりました、じゃ先方と連絡をとりますというお話があったんですよ。これは、議会での公式の数のことですから、やはりいささかも誤解や間違いがあってはいけないと思うんです。ましてや成育医療センターの資料を皆さん方が説明したわけですから、まさに信頼関係にかかわることなんですよ、成育医療センターからすれば。そういう意味では、きちんと確かめていただきたいということを、強く改めて要望しておきます。
 次に、八王子及び清瀬の都立小児病院の問題について話を移らせていただきますけれども、(「そっちの方が大事」と呼ぶ者あり)だけど、これは本当にあいまいにできないことなんですよ。(「わかっているよ」「数字はときどきうそをつくんだよ」と呼ぶ者あり)何いうかわからなくなってきた………。
 マスタープランでは、小児病院の移転統合に伴う既存施設への配慮という項目がありますよね。その中で、これは八王子の場合ですけれども、八王子周辺の大学病院、公立病院に対し、小児救急医療等の確保について、都として協力の依頼を行っていくというふうに書かれてあります。
 具体的にマスタープランを発表してから一年が間もなく経過しようとしているわけですけれども、じゃこの一年間で、前から課題となっている休日・全夜間小児救急医療実施機関、あるいはNICUの配備ネットワークというものは、一年間で何らかの前進といいますか、あるいは、まだ始まっていないけれども来年はやりますというようなご回答を得たというふうな状況の変化は、まず大きくあるんでしょうか。

○押元経営企画部長 健康局におきまして、八王子市内にございます東海大学と東京医科大学の八王子の医療センターに対しまして、小児科の休日・全夜間診療事業参画への働きかけを行っているというふうに聞いております。
 都立病院改革マスタープラン発表後に、新たに参画した医療機関はないというふうに伺っております。

○吉田委員 いずれにしても、今後の予定も含めて、現時点では、新たに小児救急にかかわる休日・全夜間の診療機関及びNICUの新設の、あるいは、そのまた約束もないという状況ですね。
 したがって、こういう状況で、八王子あるいは清瀬の廃止ということになれば、大きな穴があくというのは非常にはっきりしていることだと思うんですね。しかも、八王子小児病院及び清瀬小児病院の休日・全夜間救急診療に占める比重というのは非常に高いんですよね。
 これまでも何度も議論があったことでありますが、私も改めて数字を確認すれば、八王子の場合には、年間で、これは昨年度だと思いますが、八千百二人、清瀬の場合には一万三千二百五十四人、しかも、そのうち、八王子の場合には一割強が入院につながっている。清瀬の場合でも、年間で約九百人を超える方が入院につながっている。
 だから、規模が小規模なものの廃止じゃなくて、文字どおり、それぞれの地域の中で小児救急の中核を担って、量的、質的にも大きな比重を占めている機関の廃止ということが進められようとしていると思うんですね。
 その一方で、じゃ小児救急をめぐる需要といいますか、増加傾向なのか減少傾向なのかということなんですが、これはどのようにご判断をされておりますか。

○押元経営企画部長 小児の救急医療につきましては、これは健康局の所管でございますけれども、私ども都立病院を預かる者といたしましては、八王子小児病院あるいは清瀬小児病院に、いわゆる本来の都立病院の役割からすると、ちょっとずれたといいますか、都立病院は二次救急あるいは三次の救命救急医療を主としてやるということになっておりますので、そういった観点からしますと、入院の必要のない初期救急の患者さんが八割あるいは九割近くを占めている、しかもそれが、ここ何年かの間に増加をしてきているということは、これは顕著な増加をしてきているというふうに認識をしているところでございます。

○吉田委員 顕著な増加という評価をされているわけですね。ですから、片方では、新たな休日・全夜間あるいはNICUの増設の見通しが現時点では立っていない、その一方では、たとえそれが初期救急の増加であったとしても、全体としては顕著な増加という状況が生まれているわけです。
 そうした中で、やはり私は、一方的な廃止計画で進めるということはあってはならないことだと思うんですね。この間の経過で見ても、例えば岩手県で大きな衝撃的なニュースになりましたけれども、夜間における小児の専門医が不在だったということで、何カ所も回った末に命を落とすという事態がありました。役割分担の問題はありますけれども、トータルとして、やはり行政として、そういう事態が起こらないように努力をしていくということが、私は本当に求められていることだと思うんです。
 そこで、資料で、八王子、清瀬市との協議の経過と概要をお示しくださいというふうにお願いしましたら、資料が出てまいりましたけれども、資料とはこういうものかもしれませんが、もうちょっと具体的に、八王子、清瀬との協議の到達点といいますか、どんなことが協議されているのか、口頭でご説明願えませんか。

○押元経営企画部長 先ほど、救急患者の増勢傾向についてご質問がございましたときにお答えを申し上げましたとおり、東京という地域における救急対応の問題点は、やはり初期救急対応だろうというふうに認識をしております。
 したがいまして、八王子なり清瀬の病院にお越しになる救急患者さんは、先ほど申し上げましたように、八割から九割が初期救急の患者さんということで、こういった患者さんに対応していただくのは、やはり都立病院の本来の役割ではないだろうと。本来、こういった初期救急は、地域の地方公共団体が主体的に取り組んで整備をしていただく、それに対して私ども東京都が、これは健康局の方になりますけれども、ご支援を申し上げていく、そういうことが私どもの救急対応に対する基本的な考え方でございます。
 八王子市とのお話し合いの中では、私ども、こういったお話をるる市当局の方にご説明を申し上げまして、一方では、八王子市さんの方からは、市内における医療資源の状況などを初めとして、市の抱える医療上の問題点などを伺っている、こういうところでございます。
 まず第一回が開催をされたということでございますので、こういった検討の第一回としては、かなり率直に、双方の現状についての意見交換ができたのではないかというふうに考えております。

○吉田委員 初期救急は地域の区市町村の仕事なんだというようなご説明でしたけれども、しかし、母子保健院の場合は、その初期救急を、ナショナルセンターが代替できるじゃないかといういわれ方を事実上はされたわけですね。ということを一言いっておきます。(発言する者あり)わかるでしょう、いっている意味は。
 第一回目で、ざっくばらんなお話をしたところであるというようなお話でしたが、ちょっと気になるんですけれども、同席されていて恐縮ですが、第三回定例会の本会議で、萩生田委員がこの問題について質問されたときに、ご答弁で、年内に基本合意が得られるよう取り組んでいますという旨のご答弁があったんですが、年内基本合意という方向で八王子市も合意をして話し合いが進んでいるんですか。

○押元経営企画部長 八王子市さんに対しまして、私ども、小児の地域医療のあり方について、先ほど先生お話しありましたように、年内に基本合意をしたいという希望を申し上げてございます。

○吉田委員 希望をいったかもしれませんが、先方はそういう認識じゃないというふうに私は聞いております。しかも、簡単に一回二回の議論で事が済むような事柄じゃなく、非常に広い、かつ、さまざまな検討が求められることだと思うんですよね。そういう意味では、短い期間で、後ろを決めてじゃなくて、必要なきちんとした検討ができる、お互いの信頼関係が保たれて協議が進むべきではないかと思うんです。
 念のために確認をしておきますが、いずれにしても、現時点で八王子市にしても清瀬市にしても、都立八王子小児病院、都立清瀬小児病院の廃止については合意をされているという状況じゃないですよね、自治体としては。それをちょっと確認させてください。

○押元経営企画部長 八王子小児病院も清瀬小児病院も都立の施設でございますので、都立の施設の廃止あるいは移転統合について、それが所在する自治体の同意をとるということはございません。そういう意味で、移転統合に合意をしているかということについてでございますけれども、そういったことについては、恐らく八王子市さんも戸惑われるのではないかなと、こういうふうに思っております。

○吉田委員 そういういい方が、八王子市にしても清瀬市にしても、驚かれるんじゃないですか。都立の施設のことだから、自治体がそれについてどうこう、賛成するとか賛成しないとかという筋合いの話じゃないんだということでしょう、今の部長のいい方は。それはとんでもないことですよ。
 しかも、非常にえんきょくなお答えでありましたけれども、いずれにしても、現時点で、八王子にしても清瀬にしても、この問題について、廃止について合意をするという状況じゃないことははっきりしていると思うんです。
 ところが、まだ協議が始まったばかり、年内の合意ということについても、皆さん思っているかもしれませんが、八王子市はそういうふうに受けとめていない。もちろん、二つの病院の廃止について同意はしていない。
 ところが、マスタープランを見ますと、表がありますよね、スケジュール表。これでいうと、年度内の約三分の二ぐらいのところに線が引かれていて、基本構想詳細検討というふうになっているんですが、そういうことをやって、いろいろ協議はするけれども、あくまでもこのとおりやりますよということで進んでいるんですか。今、これはどうなっているんですか。

○押元経営企画部長 小児総合医療センターの設置をスケジュールに沿って進めるために、私どもとしては、現在、鋭意検討をしているところでございます。その内容につきましては、私どもがこれから策定をいたします実施計画でお示しをすることとしております。

○吉田委員 実施計画はあくまでも年度内ということですか。だから、幾ら協議をしようとしても、実施計画づくりそのものは、自分たちはもうこのとおりでやるんですと。それはちょっと乱暴じゃないですか。それは、ある程度、区市町村なりの意見が実施計画に反映できるというスタンスをとるのが、協議をしているからには常識じゃないですか。

○押元経営企画部長 小児総合医療センターの建設を待ち望んでいらっしゃる高度な医療を必要とするお子さん方、あるいは心の病を抱えるお子さん方、そういう方々の医療需要に、私どもとしては早急にこたえていかなければならないだろうというふうに考えております。
 その意味からも、小児総合医療センターの建設につきましては、都立病院改革マスタープランでお示しをいたしましたスケジュールどおりに進めていきたいと考えております。
 一方で、八王子なりあるいは清瀬なり、市当局の方に対しては、その八王子あるいは清瀬の移転統合によって影響を受ける小児の地域医療の確保について十分ご相談をし、また、地元の医療機関であるとか、あるいは医師会であるとか、そういったところのご協力をいただきながら、地域の皆さんが安心してかかれるような小児の地域医療体制を構築をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。

○吉田委員 私は、基本的なイコールパートナー、パートナーシップという立場の問題だけじゃなくて、現実問題としても、ちょっと豊島病院と老人医療センターの問題についても一言お伺いしますけれども、例えばマスタープランでは、老人医療センターと統合して民営化しようとしている豊島病院については、板橋区はつい先日、区立病院というものにしたいという旨の中間報告ですか、出されたと思うんですが、どうですか。

○押元経営企画部長 板橋区さんとは、私ども勉強会を設置いたしまして、板橋区さんが、区の医療の問題についていろいろとお考えになる、そういった場合に、いろいろと私どもの持っております情報を提供する、あるいはノウハウを提供する、そういったようなことをしてきております。
 今回、板橋区さん側の、中間のまとめに相当いたします区側のまとめというものが出されたわけでございます。したがいまして、あくまで板橋区さんの方で、私どもとの情報交換を通じて、板橋区さんの行政施策に沿った形で、あるいは今後の将来の計画をにらんだ形でまとめたものが、今先生のおっしゃった区側のまとめであろうかと思います。

○吉田委員 もちろん、板橋区が出した区立病院にしていきたいという構想については、私どもの区議団の意見も聞いてみましたけれども、さまざまなご意見があります。採算性ということになれば、現在の都立豊島病院の機能の、特に不採算部門については、ある程度切り縮めなければならない、それは果たして賛成できるのかという議論はありますけれども、それはまだこれからの議論の過程の話です。
 しかし、いずれにしても、もしこういう方向で進んだときに、豊島と老人医療センターを統合して、豊島病院の現在の敷地に新たな増築を進めるんだということがマスタープランでうたわれているわけですね。
 そういう部分的な変更ではなくて、マスタープランが打ち出した計画のかなり根本にかかわる問題が区から提起をされる、そうしたら、事実上、もう一度新たに検討し直すということになると思うんですが、この老人医療センターと豊島病院の統合民営化というのは、あくまでもプランどおりで検討を進めているんですか。これも、このスケジュールだと、年内に詳細なものが打ち出されるということですが、板橋区がそういう方向を出したとしても、あくまでもこのとおりに検討して、何かいまだに豊島と老人を合体した施設をどうするかという協議をしているんですか、内部では。

○押元経営企画部長 現時点では、福祉局との間で、内部で統合民営化に向けての検討を進めているところでございます。
 一方、先生がおっしゃいましたように、板橋区の方からも、区立病院化というような考え方が打ち出されているところでございますが、私ども、今後、板橋区との間で、区における検討の方向でございますとか、あるいは板橋区さんのご意向をも十分見守る必要があると考えております。
 ちなみに、都立病院改革マスタープランでは、区市町村への対応といたしまして、統合や廃止の対象となった病院等が、区市町村から移管の要望があった場合については、これを前向きに受けとめ、当該区市町村と十分協議を行い、支援策の検討を含めて弾力的な対応をしていくということでございますので、板橋区さんの方のご意向いかんでございますけれども、そういったご意向が示された場合は、私ども、マスタープランにのっとりまして、それを受けとめていかなければならないというふうに考えております。

○吉田委員 内容については立ち入りませんけれども、いずれにしても、区からの要望があれば弾力的に対応するということを片方でいっていながら、八王子、清瀬については、あくまでもこのとおりでやりますよというのは、信頼関係からいっても、実際の運営からいっても、私はやり方が乱暴ではないかなと思います。
 しかも、もう一つこの点でいわせていただきたいんですけれども、マスタープランを発表して以降、国立成育医療センターが、成育医療の文字どおりナショナルセンターができました。これは、構想はわかりましたけれども、どの程度の機能を持ってどんな活動をするかというのは、マスタープラン検討の過程では、まだ明確にされたものではなかったのかなと思います。
 ある面でいいますと、東京都がやろうとする小児総合医療センターですか、それと国立成育医療センターというものは、その趣旨、目的はかなりの部分で重複しているわけですよ。違いますか。しかも、距離的には、世田谷区と府中というのは、調布市を間に挟みますけれども、私が距離をはかると十キロあるかないかぐらいですよね。
 私、成育医療センターも行ってまいりましたけれども、母子のときの皆さん方の説明もありましたけれども、ナショナルセンターといったって、患者さんは世田谷区民なんです。広い意味で都民ですよ。確かに全国に窓口は広がっていますけれども、実態的には多数の患者は都民なんですよ。目的は、文字どおり小児、産科を中心とした専門、日本で最高の医療水準を築きたいと。それはそれで我々、大いに活用すべきではないでしょうか。
 そうなれば、改めて、この小児総合医療センターの機能と、既にことし三月からスタートをした、東京の中では比較的近くにあるすぐれた施設であるナショナルセンター、成育医療センター、母子と成育医療センターを比較するんだったら、小児総合医療センターの構想とこの国立成育医療センターの、あえて、これは重複だから、こっちはじゃナショナルセンターでやってもらおう、こっちはじゃ東京がやろうじゃないかというぐらいの検討はあって当然だと思うんですけれども、どうですか。

○押元経営企画部長 私どもが都立病院改革マスタープランでお示しをいたしました小児総合医療センターの構想でございますけれども、これは、都全域をカバーする、東京の子どもたちのための病院でございます。心から体までの小児医療の拠点として整備するものでございまして、お話しのありました国立成育医療センターとは、おのずからその役割が異なるものであって、一つ一つの機能を取り出してきてみれば、同じものがあろうかと思いますけれども、全体として、私どもは、その機能を東京の子どもたちのために有機的に関連づけて、最高の医療を提供したい、そういう考え方で小児総合医療センター構想を進めてまいりたいと思っておりますので、成育医療センターとは、先ほども申しましたが、おのずから役割は異なり、私ども東京都がこれを設置する価値が十分あるものというふうに考えているところでございます。

○吉田委員 そういう機械的な話じゃなくて、小児総合医療センターを検討するならば、それは同じ東京の比較的近いところにある役割分担というものを検討するのが、私は極めて常識的な話だと思いますよ。
 しかも、あなた方自身が、母子保健院の議論のときに、この成育医療センターを利用しているのは世田谷区民なんですということを繰り返しいわれたじゃないですか。そのことを改めていっておきます。
 それと、進め方の問題で、どうしても最後に触れておきたい点が二つあるんですけれども、最近私も知ってちょっと驚いたんですが、実施計画を年度内に立てていきたいということで、まだ実施計画は固まっていないわけですよね。小児総合医療センター自身も、何ベッドでどういうものにするかということはまだ固まり切れていないと。
 ところが、PFIの導入を前提として、アドバイザリー契約を既に民間の調査機関と結ばれている。これは、実施計画も定まっていないのに、なぜ民間のシンクタンクにPFI導入を前提としたアドバイザリー契約、非常に疑問ですね。どうですか。

○押元経営企画部長 ただいまお話のありましたアドバイザリー契約と申しますのは、PFIでやる価値が本当にあるかどうかという、バリュー・フォー・マネーと申します、一般の、今まで私どもがやっていた建設方法でやった場合と、どれぐらい資金、費用が節約できるかということの検討を依頼するための契約でございますので、当然、PFIの前段階、やるかやらないかという前に、当然そのアドバイザリー契約というものが必要になります。順序として、そのような形になるということをご理解いただきたいと思います。

○吉田委員 私は、病院の規模だとか機能だとかいうことについても、いまだに実施計画すら東京都自身の計画として煮詰まっていないのに、なぜ今の段階で、PFI導入を前提としてアドバイザリー契約ができるのかと。
 しかも、アドバイザリー契約の業務委託の文書を改めて昨日もらって見ましたけれども、実に私としては理解できないのです。それは、何段階かの調査項目があって、かつ、いつまでにどういう報告書を出してほしいということが書かれているんですけれども、その中で、検討報告の最初の段階の報告で、PFIの導入ができない結果が出た場合は、それ以降の契約は終了するということですよね。したがって、逆にいえば、その前の報告書でPFIの導入ができますよという報告が出たら、その後のさらに具体的な実施方針案の策定だとか、都と事業者のリスク分担の明確化だとかいうことについての報告書を出す契約が継続をすると。
 ということは、この民間の業者がPFIが可能ですよというふうに書けば、自動的に継続をするということですか。

○押元経営企画部長 先ほどもお話を申し上げましたとおり、アドバイザリー契約というのは、民間事業者のこの事業への参加意欲の把握ですとか、あるいはPFI事業としての実現可能性を検証する契約でございます。これは、私ども役所ではなかなかできないことでございますので、適切な業者に委託をしていると。それぞれ、これまでの先行事例の実施状況や問題点、あるいはノウハウなどを踏まえながら、そういった民間業者がこのアドバイザリー契約を遂行するということでございまして、その結果、幾つかの段階に分かれてはおりますけれども、第一段階でオーケーということになりますれば、次の段階に進む、こういうことは事業の遂行上、当然のことであるというふうに考えております。

○吉田委員 いずれにしても、私は今の段階で、実施計画も東京都自身の計画としてまとまってない段階で、PFIのアドバイザリー契約が進められるというのは、やはりあるべきではないと思いますし、しかも、今いったように、その受けた事業者がPFIができますよという結論を書けば、自動的にその後の実施方針案の策定までできる。結局、その業者がどういうふうに物を書くかが、かなりの影響をその過程では持つんだというものとして、非常に疑問を呈さざるを得ないと思うのです。
 さらに、(「議会で審議する」と呼ぶ者あり)いや、議会の審議の前にそういう方向へ進むわけだから。さらに、これはもう本当に、もう一つどうしてもいっておきたいことがあるんですけれども、この小児総合医療センターを、府中病院とともに新設する用地ですね、これは、どこのどういう用地を使うんですか。

○押元経営企画部長 都立病院改革マスタープランの中で、府中キャンパスにございます、私ども根岸病院跡地というふうに申しておりますけれども、その土地を建設の予定地というふうに考えているところでございます。

○吉田委員 その根岸病院跡地なる土地は、これは議会の、平成九年二月ですから第一回定例会だと思うんですが、土地の購入について、民間の病院から次のような目的のために購入するというふうにして購入したものだと思うんですが、その経過、どうなっていますか。

○押元経営企画部長 根岸病院跡地は、平成九年に府中療育センターの建設地として購入したものでございますけれども、先ほども申し上げましたように、私ども当時の衛生局では、都立病院改革マスタープランの中で、府中キャンパス全体を小児総合医療センターを初めとする多摩メディカルキャンパスとして整備し、多摩地域における医療の拠点としたいということになりました。
 その結果、根岸病院の跡地を小児総合医療センターの建設用地というふうに考えたわけでございますけれども、府中病院跡地の一部と、この根岸病院の跡地を交換いたしまして、府中療育センターの整備に支障のないようにしたいというふうに健康局の方と協議をしているところでございます。

○吉田委員 先日、この府中療育センターを利用されている方々の父母の皆さんとお会いしましたけれども、その方々は毎年要望されているんですけれども、一日も早く府中療育センターの建てかえを完成させていただきたい、もう長年の要望なんだ、ぜひ自分たちが命限られている中で生きているうちに建てかえを完成させてほしいということを強く要望されました。
 改めて調べてみたら、平成九年の第一回定例会で、都立府中医療センター及び都立看護専門学校の用地として買い入れるということで、議会で議決されているわけです。それは、マスタープランの過程で決めましたといえば、健康局と協議中ですというかもしれませんが、議会には、これは府中療育センターの建てかえ用地ということで通っているわけですよ。当然、それが先に起こらなければならないものが、このままいけば、いや、かわりの用地は代替確保しますよということかもしれませんけれども、しかし、今の府中病院の建てかえが完了して、府中療育センターがその後回しにされるということも、やはりこれは、土地の買い入れそのものについて議会の議決を経たという当時の経過からしても、そういうものが単純に総合センター優先というやり方も、これまで指摘したこととあわせて、納得できないということを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。

○森田委員長 ほかに質問がなければ、お諮りいたします。
 事務事業に対する質疑は、これをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○森田委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 以上で病院経営本部関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時二十二分散会

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