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Tokyo Metropolitan Assembly

厚生委員会速記録第三号

平成十四年三月十五日(金曜日)
第七委員会室
   午後一時三分開議
 出席委員 十四名
委員長曽雌 久義君
副委員長野田 和男君
副委員長吉田 信夫君
理事河西のぶみ君
理事古賀 俊昭君
理事佐藤 裕彦君
東村 邦浩君
山加 朱美君
柿沢 未途君
萩生田光一君
山口 文江君
小松 恭子君
樋口ゆうこ君
野村 有信君

 欠席委員 なし

 出席説明員
福祉局局長前川 燿男君
次長藤堂 義弘君
総務部長上條 弘人君
生活福祉部長上野 純宏君
高齢者部長若林 統治君
子ども家庭部長笠原  保君
障害福祉部長高橋 義人君
保険部長吉川 和夫君
企画担当部長村山 寛司君
施設調整担当部長反町 純夫君
参事有留 武司君
参事菅原 眞廣君

本日の会議に付した事件
 意見書について
 福祉局関係
  予算の調査(質疑)
  ・第一号議案 平成十四年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為 福祉局所管分
  ・第五号議案 平成十四年度東京都母子福祉貸付資金会計予算
  ・第六号議案 平成十四年度東京都心身障害者扶養年金会計予算
  付託議案の審査(質疑)
  ・第八十三号議案 東京都介護福祉士等修学資金貸与条例の一部を改正する条例
  ・第八十四号議案 老人総合研究所の助成等に関する条例の一部を改正する条例
  ・第八十五号議案 東京都立ナーシングホーム条例の一部を改正する条例
  ・第八十六号議案 東京都養護老人ホーム条例の一部を改正する条例
  ・第八十七号議案 東京都立老人医療センター条例の一部を改正する条例
  ・第八十八号議案 東京都女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例
  ・第八十九号議案 社会福祉事業振興資金貸付条例を廃止する条例
  ・第九十号議案 東京都医療保護施設条例を廃止する条例
  ・第九十一号議案 東京都立板橋看護専門学校条例を廃止する条例
  請願の審査
  (1)一三第二二五号 都立病院の統廃合及び民営化等の反対に関する請願
  報告事項(質疑)
  ・TOKYO福祉改革STEP2について
  ・都立病院改革マスタープランについて

○曽雌委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 初めに、予算の調査について申し上げます。
 平成十四年度予算は、予算特別委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について、議長から調査依頼がありました。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

平成十四年三月十四日
         東京都議会議長 三田 敏哉
厚生委員長 曽雌 久義殿
   予算特別委員会付託議案の調査について(依頼)
 このことについて、三月十四日付で予算特別委員長から調査依頼があったので、左記により貴委員会所管分について調査のうえ報告願います。
     記
1 調査範囲 別紙1のとおり
2 報告様式 別紙2のとおり
3 提出期限 三月二十日(水)午後五時

(別紙1)
厚生委員会
 第一号議案 平成十四年度東京都一般会計予算中
        歳出
        債務負担行為
          厚生委員会所管分
 第五号議案 平成十四年度東京都母子福祉貸付資金会計予算
 第六号議案 平成十四年度東京都心身障害者扶養年金会計予算
 第二十一号議案 平成十四年度東京都病院会計予算

(別紙2省略)

○曽雌委員長 次に、意見書について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、意見書五件を提出したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件については、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○曽雌委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○曽雌委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、福祉局関係の予算の調査、付託議案の審査、請願の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
 これより福祉局関係に入ります。
 予算の調査、付託議案の審査、請願の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
 第一号議案、平成十四年度東京都一般会計予算中、歳出、債務負担行為、福祉局所管分、第五号議案、第六号議案、第八十三号議案から第九十一号議案まで及び請願一三第二二五号並びに二件の報告事項を一括して議題といたします。
 本案及び報告事項につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 要求資料について、理事者の説明を求めます。

○上條総務部長 過日の委員会でご要求のございました資料につきまして、お手元の厚生委員会資料によりご説明させていただきます。
 表紙の次のページ、目次をお開き願います。資料の一覧表でございまして、全部で二十三項目となっております。
 まず、一ページをお開き願います。介護保険サービス提供事業者等における営利法人及びNPO法人の参入状況でございます。それぞれの事業者または施設の総数と、そのうち営利法人等が実施または設置している数を記載してございます。
 次に、二ページをお開き願います。重度心身障害者手当等の予算と決算の推移でございまして、重度心身障害者手当、心身障害者福祉手当、心身障害者医療費助成及びひとり親家庭医療費助成について、平成八年度から十二年度の予算現額、支出済額などを記載してございます。
 三ページをごらん願います。社会福祉事業振興資金貸付状況の推移でございます。平成八年度から十二年度までの貸付件数、金額等を記載してございます。
 四ページをお開き願います。生活保護受給世帯の申請件数及び開始理由でございます。平成八年度から十二年度までの生活保護の申請件数及び保護の開始理由を記載してございます。
 五ページは、年齢階級別被保護人員の推移でございます。被保護者全国一斉調査による平成八年から十二年までの東京都分の被保護人員について、年齢を三区分に分けて記載してございます。
 六ページをお開き願います。介護福祉士等修学資金の貸与状況の推移でございまして、平成八年度から十二年度までの貸与件数及び金額を記載してございます。
 七ページは、地域のケアつき住まいの状況でございまして、痴呆性高齢者グループホーム、ケアハウス及びシルバーピアについて、平成十四年一月一日現在の規模を記載してございます。
 八ページをお開き願います。都立特別養護老人ホームのシェアの推移でございまして、昭和四十八年度から十年ごとに平成十三年度まで記載してございます。
 九ページは、都立高齢者施設の居室状況及び定員でございます。都立の特別養護老人ホーム及び養護老人ホームについて、それぞれ居室形態ごとの居室数及び定員を記載してございます。
 一〇ページをお開き願います。東京都むさしの園在籍者数の推移でございまして、平成九年度から平成十三年度までの在籍者数を記載してございます。
 一一ページは、政令指定都市における高齢者への交通助成制度でございまして、各都市の交通助成制度の事業名、内容などについて記載してございます。
 一二ページをお開き願います。シルバーパスの区市町村別発行数でございます。平成十三年九月から十四年一月までの区市町村別の発行数と、右下にございますように、費用負担額ごとの発行数を記載してございます。
 一三ページは、県、政令指定都市における高齢者の介護に着目した手当の実施状況でございます。手当を支給している県及び政令指定都市の事業名、支給条件、支給年額などについて記載してございます。
 一四ページをお開き願います。平成十四年度の養育家庭に対する支援体制でございまして、それぞれの配置人員を記載してございます。
 一五ページは、児童養護施設入所状況の推移でございます。平成九年度から十三年度までの施設数、定員及び入所児童数について、都立と民間の別で記載してございます。
 一六ページをお開き願います。保育所入所待機児童数の推移でございます。(1)では、区市町村別の待機児童数について平成四年度から十三年度までの十年間の推移を、一九ページ、(2)には、区市町村別、年齢別の待機児童数について平成十三年十月一日現在の数を記載してございます。
 二一ページをお開き願います。保育所の定員数及び入所児童数の推移でございまして、平成四年度から十三年度までの定員及び年齢ごとの入所児童数を、各年度四月一日現在で記載してございます。
 二二ページをお開き願います。東京都女性福祉資金の貸付状況の推移でございまして、平成八年度から十二年度までの貸付件数及び金額を記載してございます。
 二三ページは、心身障害者(児)ショートステイ事業の実績でございます。心身障害児(者)緊急保護事業及び在宅身体障害者ショートステイ事業について、それぞれ平成十二年度の延べ利用日数を記載してございます。
 二四ページをお開き願います。心身障害者施設緊急整備三カ年計画の推進でございます。平成十三年度から十五年度までの推進状況を施設種別ごとに記載してございます。
 二五ページは、区市町村における心身障害者福祉手当の加算の状況の変化でございます。手当額の上乗せ、対象者の拡大及び所得制限について、平成十二年七月末日現在と十三年八月一日現在の状況を記載してございます。
 二六ページをお開き願います。区市町村別介護保険料普通徴収収納率でございまして、平成十二年度の区市町村ごとの収納率を記載してございます。
 最後に、二七ページをごらん願います。政令指定都市における高齢者医療費助成制度の実施状況でございまして、各都市が実施する高齢者医療費助成制度の対象者及び所得制限等について記載してございます。
 以上、要求のございました資料につきましてご説明申し上げました。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○曽雌委員長 説明は終わりました。
 次に、請願一三第二二五号について、理事者の説明を求めます。

○反町施設調整担当部長 お手元にお配りいたしました請願審査説明表に従いましてご説させていただきます。
 整理番号1の一三第二二五号、都立病院の統廃合及び民営化等の反対に関する請願についててございますが、これは、渋谷区の新日本婦人の会東京都本部会長上伸子さん外六千四百二十二人の方々から提出されたものでございます。
 順を追ってご説明いたします。
 まず、第三項でございますが、老人医療センターは、都立病院として医療の充実を図り、統合民営化を行わないことというものでございます。
 現在の状況についてでございますが、老人医療センターにつきましては、昨年十二月に発表しました都立病院改革マスタープランに基づき、効率的な医療資源の再配分の視点に立つとともに、高齢者医療の一層の充実と普及拡大を図るために、都立病院と統合し、高齢者医療センター併設地域病院として再編し、民営化することとしております。
 次に、第四項でございますが、多摩老人医療センターは、都立病院として医療の充実を図り、公社化を行わないことというものでございます。
 現在の状況についてでございますが、多摩老人医療センターにつきましては、昨年十二月に発表しました都立病院改革マスタープランに基づき、高齢者医療の機能を残しながら、地域病院として機能を充実させていくものとし、財団法人東京都保健医療公社に運営を移管した上で、将来、地域支援病院を目指していくものでございます。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○曽雌委員長 説明は終わりました。
 先ほどの資料を含めまして、これより本案及び請願並びに報告事項に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○萩生田委員 それでは、何点かご質疑をさせていただきたいと存じます。
 さきに発表された福祉改革STEP2では、地域で安心して暮らし続けることのできる多様な住まいの整備を進め、ケアリビングを推進するとともに、一方で、新しい福祉の実現に向けて、民間でできるものは民間に任せるという基本的な方向に沿って都立福祉施設を抜本的に改革する、このような発表がなされました。
 東京都が、これまで施設が不十分な時代にみずから先駆的な役割を果たしてきた、そういう足跡も十分見受けられるわけでありますけれども、しかし、近年では、直接東京都がサービスを施すというのではなくて、地域のそれぞれの施設を上手に利用しながら、あるいは、今回、江東区などでは公設民営というまさに画期的な方法で整備計画を示しているわけでございますけれども、社会の成熟化に伴って、高度化、多様化する福祉ニーズにこたえる上で、これまでの行政主導の仕組みは、柔軟性や効率性などさまざまな面で限界に来ているということも事実だというふうに思います。
 そこで、高齢者が地域で安心して暮らし続けることができるようにするために、今後、コアとなる施設の均衡のとれた整備促進が必要であるという観点から、何点か質問をさせていただきたいと思います。
 今回、第八十五号議案でもナーシングホームの条例変更が出ているわけですけれども、私、都議会へ参画して若干びっくりしましたのは、ナーシングホームって何だろうなと思いましたら、何のことはない、特別養護老人ホームのことでございまして、東京都直営は二カ所しかないわけですね。しかも、板橋の方は昭和四十五年の開設ですから、養護老人ホーム、特別養護老人ホームというのは何ぞやという時代に、ある意味では、先ほど申し上げた先駆的な役割を果たしてきたと。そういう意味では、必要だったんだと思います。しかし、東村山のホームにつきましては、まさに民間の社会福祉法人が整備をする中で、一つだけぽつりとつくりまして、全体の整備計画、今、資料でもご説明いただきましたけれども、都全体の二・四%にしかならないという、こういう実態ですね。
 そうすると、じゃ、東京都としては、この特別養護老人ホームというのは、一体どういう位置づけで今日まで整備をしてきたのかというコンセプトが、非常に不明瞭だというふうに私は思わずにいられないわけですけれども、まず、特養と特に老人保健施設につきまして、ここ数年の設置状況を区部と市部に分けてお答えをいただきたいと思います。

○若林高齢者部長 特別養護老人ホームと老人保健施設に分けてご説明させていただきます。
 まず、特別養護老人ホームでございますが、十三年度末、今年度末の見込み数字で申し上げますと、区部に設置される施設が百六十一施設でございます。それから、市部でございますが、市部は百五十一施設でございます。定員で分けてみますと、区部の定員が一万三千四百八十五、市部が一万四千二百八十六でございます。伸び率、ここ数年の設置状況というお尋ねでございますが、五年間、平成九年から十三年度までの整備状況で申し上げますと、特別養護老人ホームにつきましては、区部に五十七施設、四千七百八十四人の定員増を図りました。また、市部につきましては三十一施設、二千八百四十四人の増でございます。
 次に、老人保健施設でございますが、これにつきましても、区部には十三年度末で五十五施設、市部で五十四施設でございます。定員でいいますと、区部の定員が五千二百六十五人、市部の定員が五千二百三十六人。五年間の伸びで申し上げますと、区部が四十一施設、市部が三十三施設、定員で申し上げますと、区部が四千九十二人、市部が三千百六十七人でございます。

○萩生田委員 ここへ来て、やっと区部の方でも整備が追いついてきたというような、こういう感覚がいたしますね。施設定数で見ますと、区部が確かに多摩と拮抗しておりますし、あるいは数の上では、最近、区部の方がふえてきている。ここ五年間の整備数では、区部が上回っているというご報告がございました。区もようやく、例えば学校の統廃合の跡地を使いながら、施設整備に真剣に取り組んできたという成果だと思います。率直にこの点は評価をしたいと思います。
 しかし、六十五歳以上の高齢者人口と施設定員の比率、いわゆる整備率で考えたときには一体どうなるのか。多分、相変わらず多摩地区の方が上回っているのじゃないかなというふうに感じるわけですけれども、区部と市部の特養と老健の整備率はどうなっているか、お示しいただけますでしょうか。

○若林高齢者部長 まず、特別養護老人ホームにつきましての高齢者人口にかかわる整備率を申し上げますと、区部全体でございますが、人口に対しまして〇・九二でございます。それから、市部全体につきましては整備率が二・二四でございます。お話のとおり、市部が区部を上回っている。約二倍ですか、二・四六倍、上回っているところでございます。
 また、老人保健施設につきましては、同じように区部は整備率〇・三九で、市部につきましては〇・八三でございます。

○萩生田委員 そうしますと、数の上では確かに帳じりが合ってきたように見えるわけですけれども、もともと居住人口も違うし、それぞれ高齢化率に合わせた整備を精査していくと、今答弁がありましたとおり、多摩の整備率は区部の二倍以上、それぞれ特養も老健もなっているわけですね。まだまだ相対的には区部の施設整備がおくれているという感が否めません。区部に施設が少ないために、区民の多くが、やむを得ず多摩の施設に入所せざるを得ない状況になっているわけです。これはいいかえれば、多摩は早くからきちんと整備をしてきたにもかかわらず、区部の都民を受け入れなくてはならないという、こういう実態になっていると思うんですね。
 実は、介護保険導入後の実施状況を見ましても、依然として特養などの施設が、私の地元の八王子を初め多摩地区に偏在しているわけですけれども、地元の財政負担を結果として助長させていることになるんじゃないかというふうに思うんです。
 率直に申し上げまして、地元が、例えば私の市は特養だけで二十一施設あるんですよ。青梅なんかは二十三施設ありましてね。まあ、青梅の場合は、もしかしたら、主たる産業に位置づけをして整備をしてきたような感もなくもないんですけど、はっきり申し上げて、私どものまちは東京都の業務核都市、多摩の心しんという東京都の指定もいただきながら、国の業務核都市の指定もいただいて、本来は特養を整備するような性格のまちじゃないはずなんですね、東京都の位置づけの中にあって。しかし、二十一の施設をしょってきた。
 結果としてどうなるかといいますと、入所時には、それぞれ措置前の人たちの住民票で措置をしますけれども、入所しますと、施設の性格上、大概住民票を移しますよね。すなわち、入所者というのはいずれ市民になるわけですから、そのことだけ考えても、自治体の負担というのはふえてきたというふうに思うんですけれども、特養や老健の所在自治体の負担というのはどういうふうになっているのか、お尋ねしたいと思います。

○若林高齢者部長 施設所在地の負担のお尋ねでございますが、介護保険法では、入所した場合に入所者にかかわる保険者の負担は、住所地特例というのがございまして、入所前の自治体、保険者でございますが、負担するということになっております。保険料とか、介護報酬とか食費、こういったものは変わらず本人が負担するということでございます。
 さらに、生活保護を受けている方が入所する場合があるわけでございますけれども、その場合にも、入所前の生活保護を実施していたところの自治体が負担するということでございます。
 しかしながら、入所前には生活保護を受けていなくて、何らかの事情がありまして入所後に生活保護を受けることになった場合には、施設所在の自治体が保護の実施責任を負うということになりますので、生活保護に対応した負担をしていただくということになるわけでございます。

○萩生田委員 私が質問しているから、あえて国費の件についてはご答弁がなかったんだというふうに思うんですね。それぞれの自治体は、交付金の算定基準の中にそれぞれの社会福祉事業を位置づけして算定基礎に加えているわけですから、大きくいえば、国からの支援もあると。財政的な地元負担もあるかわりに、国の支援もある、こういうお答えが返ってくるのかなと思いましたら、その辺はご答弁がございませんでした。
 なかったのも当然で、私の八王子は十六年間、不交付団体として自主独立でやってきていますから、特に東京都が整備を急いだ昭和六十年代から平成にかけての時代、十幾つの特養をつくってきましたけど、これは全部、ある意味では自己資金で賄ってきました。自己資金というのは、社会福祉法人が設置の同意を求めてきて、本当でしたら、余り賛成できる施設じゃなくて、東京都内にそれぞれバランスよく配備をするべきじゃないかなという思いはありましたけれども、やっぱり東京のどこかがしょっていかなきゃならない施設ですから、やむを得ず受け入れをしてきた、そういうことで同意書も出してきたというふうに思うんです。
 結果として、何がついて回ったかといいますと、施設建設費の八分の一を自治体が負担しろ、こういうルールでございましたので、この全額を市が持ち出しでやってまいりました。結果として、先ほどお話しした二十一施設が整備されたんですから、じゃ、八王子の人はさぞ、万が一のことがあったら優先的に入れるのかな、こういうふうに思っていたわけですけれども、何のことはない、三百人の皆さんがお待ちの状況なんですね。
 じゃ、何で二十一施設あって、こんなに地元の自治体の人間までも入所が大変かといいますと、これは、ある意味では東京都の指導があったかどうかわかりませんけれども、整備を急ぐ余りに、さまざまな自治体がさまざまな知恵を出して、ゆがんだ形での、ある程度施設の中でベッドを確保するような努力をしてきた。それが今までずっと継続して行われていますから、幾ら二十一の施設が地元にあっても、これはあくまで東京都全体の整備計画の中で整備された施設だからという位置づけをされてしまいますと、なかなか八王子の人が入れない。
 まして、措置の時代もそうだったんですけれども、今日は介護保険で契約行為になりましたので、なおさら、目の前に特養がありながら、何カ月待っても入れない。あるいは、西多摩の方の施設だったら何とか入れますよなんていうので、八王子の人が二十一の施設を持っていながら、よそのまちの特養へ入所しなくてはならないという、こういうゆがんだ実態が今日浮き彫りにされつつあるわけでございまして、この辺については、やっぱりSTEP2の中できちんと精査していただきたいというふうに思うんですね。
 特に、例えば私どものまちとしては、将来のお年寄りの皆さんのために、市単独のさまざまな施策を打ち立ててきました。喜寿のお祝いとか、米寿のお祝いとか、敬老の日の記念品とか、あるいはまた高齢者の入院見舞金といった、国や東京都の支援を頼らずに、市独自で、市でお年を召してきた人のために、何とか手厚い福祉をしてあげようじゃないかといってつくった施策が、結果として、二十一の特養に二千人以上の皆さんが入所されています。住民票を移しますから、きのう、きょうまで全然市とは関係なかった人であっても、当然、市民として分け隔てなく扱わなくてはならない。
 ですから、八王子が何なんだか、あるいは自分が何町の施設に入所しているんだかわからないような人にも、喜寿や米寿のお祝いを届けたり、あるいは敬老の日には記念品をお渡ししたりしなきゃいけないという、こういう実態になってきているわけでございまして、整備計画を急いだ東京都としても、八王子の実情というのをもう少し理解していただいて、これから第二弾といいますか、STEP2に進む、これからも整備計画を進める中で、地域事情をよく実態として把握していただきたいなというふうに思うんです。
 入所したてのころは、二十三区の皆さんも毎週末にはお見舞いに来て、お孫さんが来たり、お嫁さんが着がえを持ってきたりするんですけれども、大概、何カ月、あるいは何年と続きますと、だんだん来なくなってしまう。皆さん、信じられないでしょうけど、お亡くなりになって、家族の人に連絡をしますと、それは兄が引き取る約束になっている、それは妹の夫婦が最終的には引き取る約束になっているといって、特養で残念ながら命を落とされた方のご遺体をとりに来ない、こういう実態も毎年何体もありますよ。
 結果としてどうするかといったら、市長裁定で埋葬許可を出して、骨にして、もしかしたら、クリスチャンなのかもしれない、何宗だか何派だかわからないけど、仏教界の人にお願いして、いうなら市民葬を、簡単にお経を上げてさしあげて、骨箱に入って初めてとりに来る。とりに来ない人もいて、各二十一施設の駐車場のわきには無縁仏を用意して、そこに最終的には埋葬しなきゃならないという、こんな実態も実際にはあるわけですよ。
 すなわち、八王子市とは全然関係ない人が、ある日突然、入所された、市民になった。その間、入所期間中もさまざまな市の手当を受け取ってきた。最後亡くなった。市民の皆さんの税金でお経まで上げて、そして、お墓に納骨までしなきゃならない。これは余りにも、特殊な例とおっしゃるかもしれないけれども、多かれ少なかれ、実態としては把握をしていただいている内容だと思うんです。この辺を一回きちんと精査していただかないと、私は、問題の解決にならないんじゃないかなというふうに思います。
 そこで、お尋ねしたいと思うんですけれども、一定の配慮がなされているということは、今のご答弁の中でもわかりました。しかし、実際としては、施設のある自治体の負担増の構造になっていることも事実だと思います。せっかく介護保険による契約の仕組みができても、地域にある特養について見ると、ほかの区や市の方々の利用もあり、必ずしも地元の高齢者が利用できないという、今お話ししたような実態がございます。
 そこで、地域の特別養護老人ホームが地元の人にとって利用しやすいようにするべきというふうに考えますけれども、これからのSTEP2の中では、この辺はどのような精査をしていただけるのか、お尋ねしたいと思います。

○若林高齢者部長 特別養護老人ホームにつきましては、施設の性格上、広域的な利用がされている部分が正直なところございます。ただ、私どもとしましては、施設整備の促進に当たりましては、施設が建設される所在区市町村の意見を事前に十分お聞きして、意見書等をいただいた上で整備を進めてきているところでございます。先生ご指摘のように、今後とも所在市の意見を十分お聞きしながら、整備費補助等の支援をしてまいりたいというふうに考えております。
 お尋ねの、地元の人が利用しやすいようにということでございますが、二点に分けてご説明したいと思います。
 一つは、在宅サービスの充実でございます。平成十二年度に実施しました高齢者生活実態調査によりますと、多くの高齢者は、要介護の状態になりましても、施設に入るのではなく、何らかのケアを受けながら地域で住み続けることを希望しております。都は、こうした都民要望にこたえるために、区市町村を支援して、ホームヘルパーの派遣とか、見守り、配食などの在宅サービスの充実とグループホーム等の生活の場の整備に努め、地域での生活の継続を支援していくこととしております。
 また、二番目でございますが、特養ホームが不足している地域への整備の促進でございます。区部においても在宅サービスを着実に拡充するとともに、先生、先ほどご指摘がありましたけれども、学校の跡地とか公有地を有効に活用しまして、特養等の施設の整備を進めているところでございます。都としましては、こうした区市町村の取り組みを踏まえまして、整備費の補助をしていきたいというふうに考えております。
 いずれにしましても、都としては、区市町村の取り組みを支援して、地域の特養ホームが地元の高齢者の方々にとって、より一層利用しやすくなるように努力をしていきたいと考えております。

○萩生田委員 ぜひそれはご答弁のとおりお進めいただきたいと思います。
 例えば、特養ができるまでのプロセスの中で、何通りかあると思うんですけど、地元のもともとの地主さんたちが土地を出し合って、地域のために福祉施設をつくろう、あるいは福祉に経営参画しようということで、新しく社会福祉法人を設立する場合、これは逃げも隠れもしない、地元のもともとの地主さんたちが理事者として入っていますから、地域の皆さんと非常に上手にやっています。ですから、町会でお祭りがあるといえば、それなりの応分のお手伝いをしたりとか、学校行事があるといえば、さまざまな施設の職員が働いたりということもございます。
 一方、もう一つ特殊なのは、変な話、八王子だろうが、青梅だろうが、所沢だろうが、とにかくつくれるところがないかといってつくったフランチャイズ型の社会福祉法人の皆さんがいらっしゃいますね。これは地縁、血縁、全然ないんですよ。そうしますと、何らかの土地の有効利用という中で、コンサルが介在して、所沢なんか大きな問題になりましたけれども、市街化調整区域をうちは大きく抱えていますから、結果として、特養だったら土地利用ができるんじゃないか、こういう地主さんたちの思いにつけ込んで、建設を持ち込んでくる。そして、一時しのぎの地元対策委員会みたいなものをつくって、つくる前は低姿勢なんですよ。
 ある意味では、地域にご迷惑をかけるような性格の施設ですから、地域の地元の皆さんの生活には影響の出ないようにしますよ、地元の皆さんとはしっかり手を携えて努力しますよ、こういって、細かいことですけど、例えば車の出入りとか、あるいは、施設に入所される皆さんの肌着は市内の洋服屋さんから買ってあげてくださいよ、夜の食材は、近所に細々とやっている魚屋さんがあるから、肉屋さんが自転車で届けるから、ぜひそういうおつき合いをしてやってくださいよといって、我々も時にはそういうあっせんをしながら、結果としてオープンする。
 しかし、開設準備室長と初年度の施設長ぐらいまではいうことをよく聞くんだけど、大概、施設内で異動がありますから、前の人が千葉へ行っちゃった、群馬へ行っちゃった、福島へ行っちゃったなんていう中で、全然建設過程を知らない人たちが入ってきますと、フランチャイズの場合は、一括購入なんかで食材なんかのコストをぐっと抑えていますから、地元の魚屋さんから買うなんていうことは、二、三年でほごにしちゃうわけですよ。
 あるいはまた、地元自治体との紳士的なさまざまな協定も、年月とともにどんどんほごにされてしまって、極論をいえば、百ベッドあって、建設当初八分の一建設費を出したときには、五十ベッドぐらいは八王子の皆さんが優先に入れるように配慮しますよなんていった、そういう社会福祉法人が、結果として、三ベッドとか四ベッドぐらいしか地元割り当てがなくて、何だかよくわからないけど、全部よその皆さんが優先的に入れるという、こういうおかしなからくりを持ち込まれてしまっている実態がございます。
 そして、最近は措置制度が変わったせいか、だんだんそういう人たちが、ある意味ではおかしな市民権を得てきまして、入所者の皆さんが、特定な選挙のときには投票所にも指定をされているものだから、くだらぬ施設長などは、うちの施設は八十八票ありますよ、先生なんて、こんなような態度で、ある意味では我々を呼びつけたりするような、そういう施設まで出てきましたよ。
 これは、やっぱり非常に特養のゆがんだ実態だと思いますよ。最初は丁寧に頭低く、地元の皆さんと上手にやりますなんていっていた人たちが、今度は入れかわり立ちかわり、選挙が近くなると、来年統一選ですから、今度は市会議員を何人も自分のところに呼んだり、失礼ですけど、敬老会でお話をしても、なかなか相手のおじいちゃん、おばあちゃんも意識がしっかりしていない方もたくさんいる中で、何だかそういうセレモニーにだけ呼びつけたりして、そして、結果として政治力を増してくるというような、こういうことも一つ問題だと思いますしね。
 あるいは、施設の十周年や二十周年という節目に、特別関係のある区や市の福祉担当者を呼びつけて、過分なお祝いを要求するようなことも実態としてはありますよ。これは今、アンコントロールになっちゃって、東京都のいうことも聞かぬ、それぞれ設置した自治体のいうことも聞かぬ。そして、どこが司令塔になっているかわからないようなところに福祉の本部があって、そういう中で、いうなら、心の通わない特養というのが東京都内にこれからもふえるとすれば、これは必ずしも都民のためにならないんじゃないかと、私はそんな思いがございます。
 今お聞きしますと、市区町村の介護保険事業計画の改定に向けて実態調査をするというふうにお聞きしています。ぜひ私が申し上げたような実態をしっかり踏まえた上で、計画改定の作業の中で、各市町村が均衡のとれた施設整備を進めることについて、十分指導、調整をしていくことを強く要望したいと思います。
 そういう、先ほど来申し上げているような地域事情をしょいながら、我々のまち、頑張っているわけですけれども、福祉と医療というのは、ある意味じゃ、車の両輪だというふうに思うんですね。これだけの施設、二十一の特養、ここにあります社会福祉施設のほとんど、うちのまちにないものはないですよ、局長。心身障害者施設から、通所施設から、よそのまちにはなくたって、うちのまちには全部あるという、こういう福祉園もございます。こういう八王子がしょってきた地域事情というのは、もう少し衛生局とすり合わせをしてもらいたいと思うんですよ。
 一方じゃ、全都を見晴らして、病院を、たった一個の小さな都立施設を取り上げていこう、一方じゃ、八王子におんぶにだっこで、これだけの福祉施設については、自治体に偏りがあっても、そのことについてはだれも疑問を抱かないという、これは余りにもアンバランスだと思うんです。お隣の局なんですからね、僕は福祉局で応援していただきたいなと。これだけ八王子には世話になっているんだから、バランスよく配置をするんだったら、小児病院を府中に持っていくかわりに、福祉園も介護保険施設もどんどんいろいろなところに持っていってもらえれば、ある意味じゃ地元の負担が減るわけですから、この辺もぜひ要望しておきたいと思います。
 時間がありませんので、最後に、高齢者の皆さんが地域の中でいつまでも住み続けるためには、在宅サービスを充実させることが何よりも重要だと思います。今、部長からご答弁いただいたとおりです。同時に、特養等が不足している地域には、なお整備をしていく必要があるというふうに思います。
 最後に、高齢者施策の充実に向けて、都の基本的な考え方を局長にお伺いして、終わりにしたいと思います。

○前川福祉局長 実感のあるお話の後に、抽象的にはちょっとお答えしづらいわけでありますが……。
 今、お話もありましたが、私どもは、地域の中で住み続けることができる、そのために在宅サービスとあわせて身近な地域の生活の場、例えばグループホームのようなものを積極的につくっていきたい、この大きな方向は正しいと確信しております。
 ただ、今お話がありましたように、例えば特養については整備をしなくていいいかといえば、そういうことはもちろんなくて、地域の生活の場を支える、いわば最後のよりどころというか、セーフティーネットとしての面が極めて大きいと考えております。ですから、当然、これも積極的に整備をしているわけですが、地域間のアンバランスがあることも十分承知しております。
 そこで、例えば特養を整備する場合に、用地費につきまして、昨年度からでしたか、整備率を勘案して補助率の差をつけるとか、そういった努力を始めております。こういったことも相まって、ここ数年の傾向を見ると、先ほど部長からお答えをしたとおり、幸いというか、区部での整備が進んできております。私どもは、こういった傾向をさらに助長すべく、いろいろ工夫をして区市町村を支援していきたい。
 それからまた、特養につきましてもいろいろな事業者が当然いるわけでありますから、努力をして地元と融和しながら、利用者処遇に工夫するような事業者が伸びるようにしていきたい。そのためのいろいろな面での工夫もしますが、あわせてそういうサービスを評価するシステムをきちんと整備していきたい。
 こういった努力をあわせて、福祉改革STEP2で掲げているような福祉の実現に向けて努力していきたいと考えております。ご理解いただきたいと思います。

○樋口委員 質問をさせていただきます。
 二月二十七日に、私は、本会議一般質問をさせていただきました。そのときに、グループホームを視察された知事に対して、ケアが必要になった高齢者の地域居住継続のための具体的な取り組みとして、限られた予算、八億九百万ですが、新たに施設をつくるよりも、既存の建物をリフォームするなど活用して、より多くの方々に使っていただく、そのようなお考えがあるのかどうなのかということをご質問させていただきました。
 そして、知事から、民間企業に対しても、既存の建物でも改修を含む新たな整備費補助をするという、大変前向きなご答弁をちょうだいさせていただきました。
 十四年一月現在で、四百三十六人分のグループホームがありますけれども、十四年度予算では新たに四十九ユニット、一ユニット九名分としますと、四百四十一名分を整備することができるとされています。まさにグループホームの倍増計画になるんですけれども、実際問題、グループホームというのはまだまだ足りない状態であります。しかし、この倍増計画を評価させていただき、もっともっとグループホームをつくっていただきたい。その思いで、幾つか具体的なことを質問させていただきます。
 まず、活用対象として、公共施設が考えられないかどうかということです。特に今、都内では、少子化に伴って、余裕教室を地域の有効な社会資源として活用することが大きな課題となっております。学校と住居空間、ちょっと違和感を覚えられるかもわかりませんが、実際問題、学校にグループホームを持っていったとしたらば、おふろの問題とか、水回りの問題など、たくさんいろいろな形であると思います。それ以上に、教育現場と居住空間、今までの概念とは大きく逸脱した部分かと思われます。しかし、特に柔軟な発想を得意にしない方々にとっては、ちょっと困ったものだと思われるかもわかりませんが、新しいものに出会うときの防衛本能としての固定概念かもわからないと、私は感じております。
 そして、何よりも子どもと高齢者が触れ合うということは、私の希望なんです。核家族化が進む中で、高齢者を知らない子どもが育っていく、そのことは大きな問題なんだと私は思っております。高齢者を知らない子どもたちが育つ環境の中に、ごく自然に高齢者と触れ合うこと、そういった触れ合いの場になると私は考えております。余裕教室など、改造型のグループホームとして活用することについて、どのようにお考えでございましょうか、柔軟な発想でお答えいただけたらと願っております。

○若林高齢者部長 学校の余裕教室の活用事例としまして、既に通所型のデイサービスセンター等ふえてきております。そういう意味では、資源の有効活用という点からも、極めて意義あることだというふうには考えております。
 しかしながら、痴呆性グループホームにつきましては、日中の活動の場であるデイサービス施設と異なりまして、高齢者が毎日生活する場であるということで、余裕教室を活用することにつきましては、先生ご指摘がありましたけれども、トイレ、ふろ、台所などの設置をしなきゃいけないという構造上の問題とか、夜間の警備という管理上の問題とか、また、お話のように、子どもたちと高齢者の交流が期待できるという面はあるかと思いますけれども、学校の活動が痴呆症のある高齢者の毎日の生活にどのような影響を与えるのか、こういった点なども含めまして検討すべき課題があるように思っております。

○樋口委員 次に、民間の住宅やマンションの活用についてご質問させていただきます。
 改修してグループホームをつくる場合、部屋の大きさとか、廊下の広さとか、幅とか、具体的なイメージというものがなかなか思い当たりません。俗にいうお役所的ながんじがらめのものであってほしくないと思っておりますが、ある程度わかりやすく示していただくようなもの、そういったものも必要なのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○若林高齢者部長 平成十四年三月現在になりますけれども、都内には四十カ所のグループホームができております。そのうち、既存建物を改修して事業を実施しているところが十六カ所でございます。都は、これまでもグループホームを計画している事業者に対しまして、開設の手引、こういうものでございますが、手引をつくりまして、構造や設備の基準を説明し、また、ご指導させていただいているというところでございます。それを受けまして、事業者は、基準や個々の事業方針などの条件に適した不動産物件を探した上で、建築の専門家等とも相談して改修を行うことになっているわけでございます。
 今後、都としましても、一般の住宅や社員寮など既存建物を改修して整備したグループホームの事例集を、実はこの中にも若干事例は既に載せてはあるんですけれども、改めてグループホームの事例集を作成しまして、事業者の取り組みが、より円滑に進むように支援していきたいというふうに考えております。

○樋口委員 もう一つ、私が思うには、グループホームに適した住宅物件というのもかなり存在するんじゃないかと思っております。前川局長のドアの前に、築十年、東南角、日当たりよし、希少物件なんていうような紙を張る、そういうことを申しているのではなくて、このような物件を登録しておいて、事業展開に意欲を持っているところにご紹介するような仕組みがあれば有効なのではないかと私は思っているんですが、いかがでございましょうか。

○若林高齢者部長 グループホームの整備費補助につきましては、十四年度から、新たな民間企業につきましても補助対象として設置促進を図ることとしており、既存の物件建物を改修する事例も増加することが予想されております。そこで、都は、ご提案の趣旨も踏まえて、不動産取引に関する事業者団体に物件情報の提供等の協力要請をしていきたいというふうに考えております。

○樋口委員 グループホームの運営について、一つだけお伺いさせていただきます。
 家庭的な雰囲気の中にあるグループホームは、地域社会の中に溶け込み、地域に支えられて運営するべきだと私は思っております。そのために、手軽にお手伝いをしたいという方、また、さまざまな特技をお持ちの方々、そういった方々を積極的に受け入れるような体制、そして、運営を心がけるべきなのではないかと思いますが、いかがでございましょうか。

○若林高齢者部長 グループホームにつきましては、運営基準の中で、地域住民との連携や交流に努めなければならないというふうにされているところでございます。グループホームの利用者は、日常生活の中で買い物や散歩を通しまして、地域の商店街の方々や地域住民と顔なじみになりまして自然と交流が始まっている、そういう場合が多いわけでございます。
 例えば、地域のお祭りに参加したり、ちぎり絵とか、お花とか、メークボランティアの方々が訪問して、利用者の日々の生活に潤いを与えているホームもございます。また、区市町村が家族介護教室の事業を委託して、利用者の家族や地域との交流に一役買っているということで、そういう事業を活用している事例もございます。
 いずれにしましても、地域社会との交流をテーマとした職員研修を行うなど、今後、グループホームの地域での取り組みを積極的に支援していきたいというふうに考えています。

○樋口委員 高齢者が、それぞれの価値観や生活スタイルに合わせて、地域で安心して暮らし続けることのできる多様な住まいの整備を進め、ケアリビングをもっともっと推進していただきたいと思って、次の質問に移らせていただきます。
 子どもの分野についての質問に移らせていただきたいと思います。
 TOKYO福祉改革STEP2において、子どもの分野では、子育てを地域の中でバックアップする相談や支援の仕組みを充実するとともに、虐待など深刻なケースに適切な措置を速やかに講じられるようにしますと書いてありまして、核家族化が進み、また、虐待によります被害報道が日々の新聞をにぎわす昨今において、大きな解決機構になるのではないかと期待をいたしております。
 そして、このSTEP2の中に、都内全区市町村に設置する子ども家庭支援センターを核とした地域の子育て支援のネットワークを構築しますと書いてあるんですけれども、そのことについて質問をさせていただきたいと思います。
 子ども家庭支援センターが地域の核となって、子育てに対する総合的な相談、そして支援を行うに当たって、現在、どんな問題を抱えているのか、そのことについてお伺いをさせていただきたいと思います。

○笠原子ども家庭部長 課題でございますけれども、一言で申し上げますと、対応にばらつきがある、力量の差があるということだろうというふうに思います。
 先駆的な子ども家庭支援センターでは、例えば、子どもの虐待ケースなどの場合におきましては、児相の措置など法的な強制力を伴うまでに至らないような軽易な事案につきましては、地域のネットワークを組んで、その中で問題解決を図っている、こういう実情でございます。比較的身近な子育ての悩み、こういったものについてしっかりとした相談、支援の仕組みができている。
 その一方で、多くの子ども家庭支援センターでは、開始後の日が浅いということもございまして、そうした取り組みまでには至っていないというのが現状でございます。
 区市町村が、児童虐待問題など子どもと家庭にかかわる問題に対しまして主体的に取り組んで、そして、地域における総合的な子育て相談、支援の核として育っていくということは大切だろうというふうに思っておりまして、そのための問題点として、私ども二つ考えてございます。
 一つは、子どもや家庭についての幅広い知識、ケースワーク能力、こういったものにつきまして、専門家としての、そこで働く職員が力量をつけていくということだろうと思います。二つ目は、関係機関とのネットワーク、こうしたものをしっかりとつくっていく、そういうことだろうと思っております。

○樋口委員 今回の予算特別委員会で民主党の和田宗春政調会長が、子ども家庭支援センターの機能強化について質問をしました。それに対してご答弁で、子ども家庭支援センターの力量を高めるために、人事交流や研修を受け入れる予定であるということでございまして、そのことについてなんですが、人事交流、研修受け入れなどという具体的な内容というのはどんなものなんでしょうか。
 長期的な派遣は、区市町村などでも財政困難な折、難しい側面もあるかと思います。しかし、より効率的で、より弾力的な方法も必要なのではないかと私は思っておりますが、いかがでございましょうか、お答えいただけたら。

○笠原子ども家庭部長 まず、人事交流でございますけれども、来年度、都と区市町村との間で相互に一対一の人事交流を実施する予定でございます。東京都の方からは、現役の児童福祉司を、虐待ケースワーク等の業務に精通した人を区市町村の子ども家庭支援センターに派遣したいというふうに思っております。それから区市町村サイドからは、職員を児童相談所に派遣いたしまして実際のケースを担当していただく、そして、実践的、専門的な職務遂行能力の向上を図っていただくということを考えてございます。
 もう一点、研修の方でございますけれども、研修の受け入れにつきましては、来年度から児童相談センターで実施いたします各種の、私ども東京都の職員用の研修に対しまして、子ども家庭支援センターの職員を積極的に参加受け入れしていきたいというふうに思っております。

○樋口委員 先ほど、子ども支援センターは日が浅いというご答弁をいただきました。確かに新設の子ども家庭支援センターでは、ケースワークの持ち方、また、関連機関との調整のあり方など、いろいろな意味で、さまざまな試行錯誤が予想されております。しかし、地域の児童相談所からの支援策というもの、それが一体あるのかどうなのかということは、大変気がかりな問題だと思います。お答えいただけましたらと願います。

○笠原子ども家庭部長 児童虐待から子育ての悩みまで、幅広い相談が子ども家庭支援センターには寄せられることが予想されます。新しく開設する子ども支援センターでは、業務がある程度軌道に乗るまで、いろいろな形での指導、助言、こういったものが必要だろうと私ども思っております。
 そのために、来年度からは児童相談所としても、新設の子ども家庭支援センターに児童福祉司を派遣いたしまして、職員に対して個々のケース等につきましての指導、助言、こんなものを実施していきたいというふうに考えてございます。

○樋口委員 実際業務に当たられ、相談をされる子ども支援センターの職員が、児童相談所など、とても複雑で困難なケースを受けるときに、どのようにやっていったか、どのように処理をしていった、相談に乗っていったかというような機会をふやすことがとても必要なんじゃないか、実際のケースを見ていかないとならないのではないかと私は思っております。その辺はいかがでございましょうか。

○笠原子ども家庭部長 子育てに関しますいろいろな問題へのケースワーク、これは基礎的な知識を持っているだけではだめでして、実際のケースに対応していかないとだめだろう。その経験を積み重ねて、そして実践的な対応能力を養うこと、これが大変重要だと私ども思っております。
 特にそうした観点から、児童虐待、あるいはまた大きな問題になっています非行、こういった難しいケースにどういうふうにかかわり、そして、どういうふうに対応していったらいいかということで、児童相談所の現場というのは格好の教科書になるだろうということで、現場に触れることは、相談機関としての子ども家庭支援センターの職員にとっては、極めて有益だろうというふうに私ども思っております。
 それで、児童相談所で行う処遇会議に出席する、それから、児童福祉司がそれぞれの個々の家庭を訪問するに当たりまして、それへの同行を行う、そうした実際のケースワーク訓練といいますか、ケースワークの経験といいますか、そういったものを積んでもらうことを私ども思っておりまして、来年度、それへの取り組みを図ってもらうことを想定いたしております。

○樋口委員 ここに、子ども支援センターのパンフレットがあるんですけれども、この子ども支援センターと地域の関係機関とのネットワークを強化すべきだと考えております。確かにここにはいろいろなものが書いてありますけれども、一体どのように具体的に関係機関とネットワークをとっていくんでしょうか、お答えいただけましたらと願います。

○笠原子ども家庭部長 地域の関係機関とのネットワークでございますけれども、今年度、児童虐待防止ネットワーク事業をモデル的に豊島区と立川市、二区市で実施いたしました。これは地域で連携の仕組みのモデルをつくりまして、それを試行した上で、関係機関のネットワークをどういうふうにつくっていったらいいのかということで実験的にやっていく、そして、そこででき上がったものを全区市町村に通用する対応マニュアル、こういったものをつくっていくということでございます。来年度は、このモデル事業を踏まえまして、児童虐待防止ネットワーク事業を十六区市に実施していく予定でございます。
 これは、虐待防止連絡協議会を設置いたしまして、子ども家庭支援センターが中心となって、関係機関相互の情報交換あるいは効果的な連携方策の検討、それから地域住民への啓発活動、こういったものを行うものでございます。こうしたネットワーク事業を今後、より充実拡大していくことによりまして、身近な地域の中で、子育てを総合的に支える相談の仕組み、こういったものをつくってまいりたいというふうに考えてございます。

○樋口委員 子ども家庭支援センターの存在というのは、地域に十分知られているんでしょうか。とても危惧するところなんですが、広報活動ももっと強化すべきなんじゃないかと思います。例えば、児童虐待を広く都民に訴えるような場、その場で児童相談所と子ども家庭支援センターがタイアップして行っていくべきなんじゃないだろうかと私は思っておりますが、いかがでございましょうか。

○笠原子ども家庭部長 先生お話しの、子ども家庭支援センターというものが十分知られていないのではないか、こういうご懸念があるとしたならば、やはりそれは活用が十分図られていなくて、本来の役割というものが十分果たされていなかったからだろうというふうに思っております。機能を充実するには、地域住民とか関係機関に対して、積極的に広報、PRをして、そして認識を広めていくということが大切だろうと思っております。東京都といたしましては、側面からそれを支援するために、これまでパンフレットの作成、それから相談事例集の発行など、広報を実施してまいりました。
 ご指摘の児童相談所と区市がタイアップした取り組みにつきましては、今年度、虐待白書を実はつくったわけですけれども、虐待白書の内容等の普及ということも踏まえまして、それを題材にした連続シンポジウムということを二回実施いたしました。来年度は、さらにシンポジウムを拡充して実施していくほかに、講演会なども検討しておりまして、積極的な対応を図ってまいりたいというふうに考えてございます。

○樋口委員 お答えいただきまして、ありがとうございました。
 少子化が進み、個人の価値観が多様化する社会の中で、子どもの健全育成と子育てを地域社会全体でサポートする、そのための総合的な相談や支援する仕組みが確立することを心から望んでおります。母と子、親子、また、いろいろな立場の理想論はあるにしても、今、現実に虐待を初めさまざまな社会支援を必要とする子どもたちが、家庭がいかに多いか、そして、いかに適切な措置を迅速に求められているかということだと私は思っております。権限がないこの子ども家庭支援センターだからこそ、子ども家庭支援センターがどこまで踏み込むことができるのかということが課題だと私は思っております。TOKYO福祉改革STEP2に、とてもすばらしい内容が書いてあるんですが、それが絵にかいたもちにならないように、現実を十分踏まえた東京都の取り組みを心から望みまして、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

○東村委員 福祉改革STEP2、ここで養育家庭制度の充実を打ち出されています。私は、予算特別委員会で前川福祉局長の答弁を聞いていて、非常に気持ちがいいくらい、ばんばん明快に、見事に回答されていた。聞いている人にとっては、もっと議員、勉強しろというような聞き方がされるくらい、非常に明快に答えていました。非常にクールな頭脳を持っている前川局長ですけど、私は、前川局長から絶対愛という言葉が出てくるとは夢にも思っておりませんで、見かけから考えられないくらい温かい心を局長はお持ちなんだなということを、最近ようやく認識してまいりました。
 したがって、養育家庭制度の充実、これはまさに絶対愛の世界だと私は思っております。施設偏重主義から、子どもに一番身近な親が愛情を注いでいってあげる、これが本当は大事なんだろうなと。私も三日間、予算特別委員会でホテル住まいをしておりましたので、きのう帰ったら小学校四年生の女の子が飛びついてまいりまして、久しぶりに親子でスキンシップを図ることができました。それぐらい本当に絶対愛という厳しい状況でございます。
 その中で、私は事あるごとに、いわゆる里親の制度を公明党の代表質問で取り上げるようにお願いをしてきましたし、第四回定例会で代表質問いたしました。また、今回の第一回定例会で、東野議員がこの里親制度のことを取り上げてきました。
 実は、一年ほど前に、東京都の養育家庭連絡会で高瀬さんという会長さんがいらっしゃいます。この方と私、初めてお会いしまして、そこから里親制度、何回か回を重ねるごとに深まってきたわけでございます。そういう中で、福祉局長から、第一回定例会の東野議員の質問に答えて、養育家庭の皆さんへの支援を充実するために、養育家庭センターを廃止して、児童相談所が養育家庭に対する指導、支援の中心となる体制を整える、こういう答弁がありました。
 そこで、今までこの養育家庭センターが具体的にどのような業務を行ってきたのか、もう一度ここで改めて問いたいと思います。

○笠原子ども家庭部長 養育家庭センターの行っております業務でございますけれども、大きく分けて三点ございます。一つは、養育家庭の開拓、希望者からの相談及び申し込みの受け付けでございます。二点目として、養育家庭への児童の紹介、それから児童相談所長に対する委託の推薦でございます。三点目といたしまして、養育家庭に対する養育の指導と助言でございます。

○東村委員 いわゆる登録から委託後の指導まで一貫してやってきた、こう考えてよろしいんですか。
 そこで、この養育家庭センターが養育家庭への支援を一貫して行ってきたということなんですけれども、今後、廃止に伴ってどのような体制としてやっていくのか、これについてお願いします。

○笠原子ども家庭部長 養育家庭の支援につきましては、今後は、児童相談所が養育家庭に対する指導、支援の中心となっていくことになるわけでございます。そのため、組織、人員の体制を整えまして、訪問指導、心理的ケア、こうしたことを積極的に行ってまいりたいということが一点でございます。
 それから、子どもの養育の援助や養育家庭相互の交流を支援する拠点としての養育家庭支援センターを設置してまいります。それから、養育家庭が悩みごとを気軽に相談する相手として養育家庭支援員、こういったものを配置いたしまして、児童相談所と連携しながら、総合的な養育家庭を支援していく体制をつくっていくということが二点目でございます。
 来年度からは経過措置といたしまして、現行の養育家庭センターに引き続き、養育家庭からの相談受け付けや支援につきまして児童相談所と一緒に取り組んでもらえるよう、業務委託もあわせて行う予定でございます。

○東村委員 前は養育家庭センターというのが一貫してやってきた、今後は児童相談所に移行していくという話です。その中で、かつ、養育家庭相互の交流を支援する養育家庭支援センターですか、それと、養育家庭が悩みごとを気軽に相談する相手としての養育家庭支援員ですか、こういう話がありましたけど、今までの養育家庭センターと、この養育家庭支援センターとは根本的に内容が違うわけですね。
 私は、余りこだわるつもりはないんですが、当初、横文字の名前が出ていたような気がしたんですけれども、前川局長は漢字がどうも好きだという話をお聞きしておりまして、こういう名前になったのかと思うんですが、受ける側からして、従来の養育家庭センターを想定するような名前だと誤解を生んでしまうんじゃないか。養育家庭相談員、これは主に電話ですか、電話の相談なんですかね。(発言する者あり)そうですか。こういう名前は、できれば、もうちょっと実態をあらわすような名前にしてもらわないと、従来の養育家庭センターというイメージで勘違いをしてしまうんじゃないか。このことについて、局長、どうですか。

○前川福祉局長 私は、別に漢字でなくちゃいけないというわけでは毛頭なくて、ただ、我々行政をやっている以上、日本語で表現できるものはできるだけ日本語で表現したいなと、若いときからずっとそう考えております。余り安易に片仮名語を使うというのはいかがなものかと思っておりまして、それで、とりあえず今のところ仮称でそういうふうにしているんですが、ちょっとこれもどうかなと、内心、私だけじゃなくて、担当の者もみんな思っているんですけど、ぜひ委員の方でも、いい名前があったらお知恵をかしていただきたいと思っております。

○東村委員 私も、ぜひとも考えてみたいと。(「英語を使っちゃだめだよ」と呼ぶ者あり)ステップぐらいだったら私もわかるんですけどね。
 次に、児相中心の指導、支援が行われるということなんですけど、はっきりいいまして、これまでの児童相談所というのは評判が悪いんですね、非常に冷たい。本当に局長の絶対愛が浸透しているのかと思うくらい、余り評判がよくない。そういったところで、養育家庭のお母さん方からこの前お話を聞いたときに、確かに養育家庭センターというワンクッションを置かないことによって、ダイレクトに東京都に意見が聞いてもらえるというのは非常いいことだという話がありました。逆に喜んでいるんですが、一つ懸念しているのが、児童相談所が本当に親身になって、私たちの悩みを聞いて、また、サポートをしてくれるのかということを一番悩んでいるわけなんです。これについてどうですか。

○笠原子ども家庭部長 これまで児童相談所は、養育家庭センターがあるために、直接養育家庭からの相談にこたえることができなかったわけでございます。今後、児童相談所が全面的、主体的に養育家庭にかかわっていく、こういう形に変わってまいります。
 児童相談所の体制といたしましては、そのために児童福祉司を大幅に増員してまいります。それから、児童相談センターに新たに養育家庭担当を設置いたします。常勤三名、非常勤二名を加え、養育家庭センターから派遣される三名の指導員の、合計八名の体制で養育家庭からの相談にこたえてまいります。
 また、子どもを措置した児童相談所の児童福祉司、あるいは心理職員、これは養育家庭担当と連携いたしまして、子どもや家庭の状況をきめ細かく把握いたしまして、養育家庭のいろいろな相談に的確にこたえてまいりたいというふうに考えてございます。

○東村委員 確かに職員の方の大幅な増員、これは大事なことなんでしょうけれども、何といっても、養育家庭のお母さん方、お子さんのことを一番親身になって相談してくれる人ですから、このことを一生懸命やってくれるような人を、ぜひともここに配置してもらいたいんです。確かに優秀な人がどんどん本庁に集まっているんでしょうけれども、やっぱり第一線の現場というのは福祉にとって一番大事なところなんですね。ここで親身になって相談していかなければ、私はこの制度は恐らくうまくいかないんじゃないかと。また、いろいろなところからつつかれてくると思います、反対しているところから。むしろ、私は、本当にこれからの里親制度を発展させるキーは、現場の児相における担当者がキーになってくるんじゃないかと思いますが、部長、改めてどうですか。

○笠原子ども家庭部長 先生がおっしゃるとおりだと思います。体制、仕組みをいかに整えても、最後は人が、組織はやはり重要でございます。新しい体制のもとで、養育家庭制度を遂行していくためには、そこに優秀な人を集めて、立派な新しい養育家庭制度というものにきちんと取り組んでいくような、そういうことをしていきたいというふうに思っております。
 私ども、そのためにいろいろなことを考えてございます。例えば人事・任用制度、こういったものについても抜本的に見直すということも考えてございます。その中で、公募制の問題、あるいは職員の研修、そういったものもきちんとやっていく、こんなことも考えてございます。

○東村委員 単なる人事配置の一環ではなくて、ここが大事だということをぜひとも認識してもらいたいし、私たちも認識していきたいと思います。
 里親のお母さん方と話したときに、自分だって病気になるときがある、また、どうしてもやむを得ない用事があるんだ、そういうときに家庭センターの方にお願いしたら、中には対応してもらえなかったこともあったと。そこで、どうしたんですかと聞いたら、自分たちで一生懸命お母さん方と連絡をとって、だから、こういう連絡会をつくったんだと。連絡をとって、その中で何とかその部分、間を埋めてくれませんかとか、お願いして、一生懸命自分たちでやってきたと。今度、児童相談所になって、この部分も今までどおりだったら、余り意味がないんじゃないか、そういった意味で、レスパイトの制度をぜひともつくってくれないかと、こういう声が上がっておりました。この辺については、東京都はどのように考えているんでしょうか。

○笠原子ども家庭部長 これまで養育家庭が一時的に子どもを預かってもらおうと思っても、受け入れていただくところはなくて、先生ご指摘のとおり、養育家庭からもレスパイトにつきましては強い要望が出されておりました。今後、新たに設置いたします養育家庭支援センターが中心となりまして、レスパイトの仕組み、こういったものに早急に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
 レスパイトの受け入れ先といたしましては、区市町村が行うショートステイ事業、一時保育事業を養育家庭が利用できるようにするとともに、レスパイトを受け入れてくれる施設や家庭を養育家庭支援センターが積極的に開拓いたしまして、養育家庭に提供していく、こんなことも考えてまいりたいと思っております。

○東村委員 区市町村の話も出ましたけど、むしろここよりも、私、さっき名前を傷つけちゃって申しわけなかったんですけど、養育家庭支援センターですか、ここが一番中心となって積極的に受け入れる体制をつくってあげてほしいなと思います。
 もう一つ、お母さん方がおっしゃっていたのは、何年かやっていても、今、だんだん子どもも大きくなってきて、思春期の悩みとか、また、社会的にいろいろな環境の中で、それに子どもたちも巻き込まれて、いろいろな悩みも複雑化してきている、どうしても自分たちだけで解決できないようなことが幾つか出始めてきていると。これも本当にお願いなんですけどといわれたんですが、できれば、自分たちがもうちょっと能力をアップするための研修のようなことも都で考えてもらえれば、もっとお母さん方の幅も広がるし、そういうことを宣伝して里親制度も広がっていくんじゃないか、こういう話がございました。これについて、都はどのように考えていますか。

○笠原子ども家庭部長 家庭的養護を必要とする子どもの中には、さまざまな事情で親から適切な養育を受けてこなかった子どもなど、きめ細かなケアを必要とする子どもが多うございます。こうした子どもを預かる養育家庭に対しましては、子どものそれぞれの状況に応じた対応ができるよう、養育力の向上を支援していく必要があるというふうに私ども思ってございます。
 来年度からは、新たに委託前の研修、それから専門研修、こういったものを創設いたしまして、子どもの心理面での理解を深めるための研修、あるいは思春期対応の研修、こういったもののほかに、グループ討議、あるいは養育家庭経験者の交流研修、施設での体験などを加えた実践的な研修を行うことによりまして、養育家庭の養育能力の向上、こういったものを側面から支援してまいりたいと思っております。

○東村委員 今おっしゃってくださった、本当に側面から支援していくという、この部分は非常に大事なんですね。これは忘れないでもらいたいと思いますし、児童相談所に移るということの、これからいろいろな悩みが出てくると思います。そういう里親さん方の現場の生の声ですから、これを聞いて、里親制度が本当にいい方向に、これから施設からこういう里親さんの方に子どもがどんどん移っていけば--最大のポイントはやっぱり愛情なんですね。私、施設も視察しました。確かに悪いとはいいませんけれども、愛情という部分では、絶対愛という局長がおっしゃったあの言葉には、私は勝てないんじゃないかと感じているわけでございます。どうか頑張ってもらいたいなと思っております。
 次に、福祉局が目指している、高齢者や障害者が地域で自立して暮らしていくことができる、これは今進めていただいているわけでございますが、具体的にいろいろな角度から政策をやっていく必要があるんじゃないか。みずから生計を立てて暮らしていけるような制度も必要なんじゃないか。そういうことで、国が今回予算づけもしてきましたけれども、住みなれた自分の地域で、ずっと住んでいたところの土地や住宅の資産がある、ない方もいらっしゃるんですけど、ある方もいらっしゃるわけです。こういう方は、実は、土地や資産があっても、現金収入がないから、老後をゆとりを持って暮らしていけないんですね。
 そこで、こういう資産を担保にして生活費等の支給を受けることができるというリバースモーゲージという制度がございます。このリバースモーゲージという制度について、何点かご質問したいと思います。
 まず、日本におけるリバースモーゲージ、武蔵野市が、土屋市長が先駆的に取り組まれたというのは、私も何度かお会いしてお話を聞いていますから、よく知っているんですが、そのほかに日本全国で、このリバースモーゲージの制度、どれくらい今行われているか、お答え願いたいと思います。

○村山企画担当部長 日本では、今お話しいただきました武蔵野市が昭和五十六年にいち早く着手したのを初め、現在まで二十近くの自治体でリバースモーゲージ制度が実施されております。都内では、十三の区と市の実施実績がございます。自治体が直接融資を行うというやり方と、金融機関をあっせんするという間接方式と両方あるわけでございますが、ほとんどは間接方式でやっております。また、民間ベースの金融機関においても、信託銀行を中心に取り組まれた例がございます。

○東村委員 自治体で直接方式でやっているところはどことどこですか、もしわかれば教えていただきたいんですけど。

○村山企画担当部長 先ほど例に挙げていただいた武蔵野市と、あと中野区でやっております。

○東村委員 日本では、こういう二十近くの自治体がやっていると。フランスでユニークな制度として、ビアジェ、私、発音が悪いかもしれませんけど、ビアジェという制度があるとお聞きしたことがあるんです。この制度は、一たん資産を売却して、そして、売却したけど自宅に住み続けながら、買い主から一時金や売却代金を生涯にわたって年金として受け取るような、こういう制度がフランスでは行われている。確かに日本の制度とは違うと思うんですけれども、現在の日本の法制度下で、このビアジェという制度は可能なのかどうか、これについてお答え願えればと思います。

○村山企画担当部長 今のビアジェという制度は、民間ベースの契約でございまして、利用者が資産を総額は決めないままで売却契約をして、その後、ずっと住み続けるんだけれども、その間、ありていにいえば利用者が亡くなるまでの間、買い主がお金を給付するというような仕掛けでございます。
 ただ、フランスの場合には、こういう当事者間の直接契約を民法上担保しているということで一般的に利用されるんですけれども、現在の日本の制度のもとでは、不動産売買契約の効力と相続の関係というような課題もございまして、法制度の面から導入は難しいということもありますし、また、釈迦に説法で恐縮でございますけれども、売却総額を明記しないということで、税制上の問題などいろいろ問題があって、なかなか日本の風土ということになりますと、難しい面があろうかと思います。

○東村委員 私は、フランスのこの制度はいいかなと思ったんですが、おっしゃるように、法制度、また税制上の問題があるんだろうなとは思っています。フランスではこうなんですけど、例えばアメリカとか、海外で高齢者の老後というのは非常に真剣に考えていると思うんですけれども、ほかの国でこういう似たような制度があれば、教えていただければと思います。

○村山企画担当部長 アメリカで、連邦政府がバックアップいたしまして、民間金融機関が個人の方々に不動産を担保にして融資を行うという、ヘクマ、HECMという制度が代表的なものとしてございます。この場合も、利用者は自宅に住み続けながら生活資金の融資を受けるということができますので、日本のリバースモーゲージ制度に類似の制度ということでございますけれども、アメリカの場合には、多くのリスクを連邦政府が関与した公的な保険でヘッジするということで成り立っているのが大きな特徴でございまして、実績としては、一九九九年ベースでございますけれども、五万五千件ほどあるそうでございます。

○東村委員 海外ではかなり、アメリカの人口からすれば大したことないかもしれませんけど、それなりに活用して、住み続けている人がいるという話を聞いたことがあるんですが、日本じゃ、なかなか定着しないんですね。武蔵野市なんかも今、行き詰まってきているという話を先日聞きました。確かに、不動産の担保価値が割れてきているから厳しいんでしょうけれども、これは日本で十三もの市区が実施しているんですけど、余り聞かないですね、やっていると。
 地域の老人会の会長さんから、これをぜひとも研究してくれと、そういう話がありまして、私、これをずっといろいろ勉強したんですけれども、さっきの担保価値の下落という問題もあったりして、なかなか進まない。このほかにも、日本で進まない理由というのは、福祉局としてどのように考えているのか、もし考えていることがあれば、ご説明願いたいと思います。

○村山企画担当部長 この制度を活用して実際に安定した生活を長期にわたって送るという、そういうにふさわしい現金を得るということになりますと、相当資産価値が前提として必要でございまして、民間金融機関の実施している例で申しますと、大体土地評価額が二億円を超えるようなレベルでないと、なかなかそういう安定的な融資は受けられないというようなことでございます。
 担保として適格なそういう不動産というのは、地価の高い東京のような大都市に限定されるわけですが、逆に東京ではそれだけの資産を有する--土地が稠密でございますので、そういう高齢者がいらっしゃることはいらっしゃるでしょうけれども、それほど普遍的には存在しないということで、利用できる人が少ないというのが一つの理由でございます。
 また、今、委員ご指摘のとおりでございますけれども、三つのリスクがございまして、三大リスクというふうにいわれているところでございますけれども、土地の担保価値が土地価格の下落で下がるリスクとか、あるいは、将来の金利上昇の程度をどういうふうに読むかというような問題、それから、なかなかいいづらい話ですけれども、制度を利用する高齢者が予想を超えて長生きをされた場合などに、融資額が担保額を超過してしまうというような、言葉は悪いんですけれども、長生きのリスクといいましょうか、そういうようなものもございます。
 これまでに実施した自治体の例で申し上げますと、担保対象の不動産の評価価値が著しく減少してしまいまして、融資を途中で打ち切らざるを得なかったというようなケースもあるやに聞いてございます。そのほかには、利用者が痴呆になって意思能力を喪失した場合とか、相続の問題などもいろいろ課題があるようでございます。

○東村委員 三大リスクという話があったんですけど、金利上昇にかかわるリスクというのは、一つは、金融的な手法でコントロールすることができるんじゃないか。例えば金利上昇のリスクについては、また片仮名を使うといわれるかもしれません、デリバティブという方法なんかによっても、これをカバーできるんじゃないかと思うし、また、長生きのリスクなんていうと怒られますけど、長生きすることによって逆転現象が起きという話がありましたが、これなんかも、今、終身保険のような制度があるわけですから、これなんかも活用してカバーできるんじゃないかとも思いますし、担保価値の下落は、アメリカなんかは下落しているけど、不動産価格が、ある意味で建物の方に大きな比重を置いているということによって、不動産価格をカバーしながらも制度として残している。
 こういうことが、知恵を出せば何ぼでもできるんじゃないかと思うんですけど、なかなか金融機関も最近は非常に消極的で、こういうことに対しても余り手を出したがらない。これが海外でいろいろな知恵を絞ってできているのに、もう一度聞くんですが、日本でなぜ進まないのかという根本的な理由があるんじゃないかと思うんですけれども、福祉局、もしその辺の回答があればお願いしたいんです。

○村山企画担当部長 アメリカの場合には、ご指摘のように中古市場が活発でございまして、そこで、ある中古住宅のレベルを保つというか、価格変動も安定できるというようなことがあるわけで、比較的リスクが少ないということがございますが、日本の場合には、中古住宅の中で土地の価値が高くて、建物の価値が余り評価をされないということで、その結果、中古住宅の流通マーケットが小さくて、その面の土地の変動が直接不安定要素になってしまいまして、不動産価値の下落リスクがなかなか解消できないという、まず、現状の問題があります。
 それから、より本質的な問題はというお話でございますけれども、海外と比べ--海外でもいろいろあるでしょうけれども、高齢者の場合ですと、子孫に美田を残さずという言葉がございますが、どうしても子孫に美田を残したいというような高齢者の方々の遺産相続に対する思いが強くて、その辺で、利用者とか、相続を予定されている方々の間での抵抗感が強いというのが、ベースとしての信条の問題として、日本の場合にはあるのかなというふうに考えてございます。

○東村委員 確かに日本の美徳の部分のようなところがあるんですけれども、現実問題として、現金収入がないために、土地、建物はあるんだけど、きつい生活を送っている。また、障害を抱えるお子さんの親御さんが、自分の子どもさんの将来を心配して、確かに親亡き後の施設の整備は進んでいますけれども、できれば自分が育ったところで、ここで何とか最後まで生活をさせてあげたいという思いがあるわけなんですね。
 そういった老後の生活設計や障害を持つお子さんの生涯、こういうことを考えて、リバースモーゲージ制度、今、いろいろな問題点が浮き彫りになってきたと思うんですけれども、この辺の分析をもう一度して、非常に優秀な都庁のお役人の皆さんですから、定期借地権なんかの活用も想定に入れて、資産を活用して生活費を得るという方法を、何らかの形で検討を今後行っていただきたいなと思うんですね。
 確かに幅広い人がいるわけですから、持っていない人にとっては、それはもう関係ない話かもしれませんけど、中には、こういう形で持っているけれども、老後が厳しいという人がいるわけです。こういう人たちのこれからの生活設計ということを、自立ということを福祉局はうたっているわけですから、この辺の具体的な政策なんかもこれから検討してもらいたいと思います。どうでしょうか。

○村山企画担当部長 お話のように、資産を活用して自分で生計を立てるというのは、私ども、今進めております自立して地域で暮らすという、そういう理念にもふさわしいというふうに考えてございます。現在、金融機関、あるいは研究機関などのメンバーを交えた勉強会を発足させてございまして、現在のリバースモーゲージで、るるご指摘いただきましたような課題も含めて、資産を活用して地域でちゃんと暮らしていけるという新しい方策の検討を開始いたしているところでございます。今後、高齢者や障害者の新しい生活スタイルの実現に向けて、多角的な視点から研究して可能性を追求してまいりたいと思います。

○東村委員 ぜひとも行ってもらいたいと思うんですね。必要であれば、私も入って、いろいろな経験を踏まえながら一緒に研究したいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○小松委員 それでは、何点か質問させていただきますが、まず最初に、支援費制度について伺わせていただきたいと思います。
 社会福祉の増進のための社会福祉事業法等の改正案というのが、二〇〇〇年五月に国で可決したわけですけれども、それによりまして、いよいよ二〇〇三年度から障害者分野における支援費制度が開始されるわけです。そのために、ことし十月からは申請の手続も始まると。十月ですから、半年ちょっとありますか、こういう時期にありましても、見えない部分が多くあるということで、障害者や家族から不安だという声を聞くわけですね。
 そもそも、この支援費制度そのものが知られていないということで、まず最初に、支援費制度というのはどういうものなのか、今までとどう違っているのか、伺いたいと思います。

○村山企画担当部長 初めに、私の方から福祉制度全般にかかわる問題ということで、概括的に制度の概要などにつきましてご説明をさせていただければと思います。
 東京都は、現在、障害者を含めて、だれもが地域の中で、必要とするサービスをちゃんと安心して選択して利用しながら、自立した生活を送ろうという、そういう社会を目指す福祉改革に取り組んでいるところでございまして、支援費制度は、従来の行政の措置によってサービスを提供するというやり方から、事業者と利用者の契約によるサービス供給というものに転換しようというものでございまして、行政のコントロールによる画一的なサービスから、利用者の方を向いた、きめ細かなサービスの提供への福祉の転換というものを可能にする制度だというふうに考えてございます。
 そういった意味で、この支援費制度をしっかりとした制度として構築することができるならば、障害者一人一人の障害の程度、介護度、ニーズなどを勘案いたしまして、必要なサービス量を客観的に明らかにして、これを必要なケアに結びつけていくということで、必要な質と量のサービス供給を拡大する契機になっていくというふうに考えてございます。
 同時に、事業者というサイドから見ますと、これまでは行政から委託を受けて、いわば頼まれてサービスを実施していたという形でございますけれども、それを利用者と事業者が対等な関係で契約をするということで、事業者はいわば利用者と直接的に相対するということになりますので、事業者が、利用者のニーズにきめ細かくこたえなければならない立場に置かれるということでございますので、事業者の自己改革を促せるということもあろうかと考えてございます。
 こうした点から、支援費制度は、その考え方といたしましては、都が今実施して取り組んでおります福祉改革の目指している、利用者本位の徹底する新しい福祉というものに合致し得るものであると考えてございます。
 しかしながら、問題はその内容でございまして、東京都としては、これまでも再三再四、国に対して早く全容を明らかにせよというふうに求めてきているわけでございますが、いまだなお、具体的な内容あるいは運用の仕方などについて、ほとんど示されていないというのが残念ながら現状でございます。したがいまして、現時点においては、この制度へのトータルな評価につきましては留保せざるを得ないという状況にございます。
 とはいえ、この制度を適正に、先ほど申し上げたような形で構成して運用するならば、利用者のニーズをしっかりと受けとめ、必要なサービス提供基盤の整備に向けて大きな推進力になると期待されるものでございまして、区市町村には、この制度ができますと、障害者に必要なサービスを提供する、あるいは支援体制を整備するという努力義務が課せられるということでもございまして、この制度発足を契機として、一層障害者ニーズをしっかりと受けとめて、しっかりとしたサービス提供基盤を整備することが促進されるというふうに期待いたしております。
 東京都といたしましては、身障者施設緊急三カ年計画を策定いたして、今実行しているところでございます。また、在宅サービスの拡充等にも全力を挙げているところでございまして、こういったサービス基盤整備において、区市町村の先ほど申し上げたような努力に対して積極的な支援を行っていくとともに、仕組みの面につきましては、国との間で制度のより詳細な内容を早急に明らかにしながら、必要な提案を行うことも含めて、都として制度を支える仕組みづくりに努力していきたいと考えてございます。

○小松委員 大変ご丁寧にお答えいただいたわけですけれども、今お答えがありましたように、今までの措置制度、または措置費制度ですか、これから利用契約制度ということでは全く変わるわけですね。今もおっしゃっておられましたように、全く新しい制度に変更しようというのに、まだ決定を見ないものが多くて、実際には支援費支給の決定など、または支払い、こうした援護の実施者である市町村も困惑していると聞いております。
 現時点における進捗状況をもう少し伺いたいと思っておりましたけれども、今の話の中で、本当に先が見えないんだ、そういう中でということでしたので、これは国に対しても、早く具体的なものがおりてこないと、実際には十月から申請が始まるわけですから、その辺での今後のスケジュールも含めて、ぜひ強い要請をしていただきたいんですけれども、もし今後のことで、十月までに何か明らかなものがわかっておりましたら、お聞かせ願いたいと思いますが、いかがでしょうか。

○高橋障害福祉部長 対応につきましては、先ほど企画担当部長からお答えしたとおりでございますけれども、私どもの障害福祉部といたしましても、国に対してこの間、再三再四にわたって制度の詳細を早急に示してくれるように働きかけております。
 現在までに、支援費制度におきます利用者、事業者、行政それぞれの役割とか、あるいは対象事業については国から示されておりますが、支援費の額の水準とか、あるいは障害程度の決め方、サービス提供事業者を指定する基準の詳細とか、そういういわばサービスの給付に非常に大きく影響する重要な点がまだ明らかになっていない状況にございます。
 十四年度に入りまして、四月には支援費支給決定関係の政省令、あるいは事業者指定基準等々の省令が公布されるというところまで予定として見えておりますが、今時点では、まだまだこのような重要な点が明らかになっていないというのが現状でございます。

○小松委員 ありがとうございました。そうですね、本当に明らかになっていない部分が多いと。しかし、今お聞きしたところでは、四月に入ると政省令等々が出てくるということで、これで少しは明らかになってくるのかなと思いますけれども、引き続き国に対しての要望をしていっていただきたいと思います。
 その中で、ですから、きょうも私は突っ込んだ質問を余りできなくて、今の段階での都の考え方などを--今の段階で、これから国がおろしてくるからこそ東京都がしっかりと持っていていただきたいという立場からお願いしたいんですが、障害者やその家族の方が、今一番具体的に心配しておられるのは、利用料の問題であったり、サービス内容の問題なんですね。
 まず、利用者負担についてはどうなっているのかということでございます。扶養義務者の範囲もどうなっているのか、または、デイサービスや短期入所にも利用者の負担額が発生するということも伺っておりますが、これらあわせてお伺いしたいと思います。

○高橋障害福祉部長 まず、利用者の負担についてでございますが、利用者の負担につきましては、介護保険制度の原則一割負担というものと異なっておりまして、応能負担の考え方をとることが明らかになっております。この場合の応能負担と申しますのは、利用者が負担能力に応じて費用を負担する考え方でございまして、税金で行うサービスについて、当然に取り入れることが必要な考え方であるというふうに思っております。
 実際の負担額など、具体的内容につきましては、先ほど来申しておりますように、国がまだ明らかにしていないために、今の時点では論じることができない状態でございます。
 次に、扶養義務者の範囲についてでございますが、国は、扶養義務者の範囲についても具体的な基準をまだ示していない状況にございます。扶養義務者の範囲をどうするか、あるいはどうすべきかにつきましては、国が具体的な基準を明らかにしていない中では論じることができないわけで、また同時に、これは応能負担のあり方、考え方の一環でございまして、適切な負担能力の範囲内で合理的な水準を定めていくべきものと考えているところでございます。
 三つ目のデイサービス事業、そして短期入所事業についてでございますが、デイサービス事業や短期入所事業につきましては、現在、日常生活に通常必要となる費用のみが利用者の自己負担となっておりますが、そのほかに、所得に応じた利用者負担が生じることが明らかになっております。サービスを必要とする方に負担能力に応じた利用者負担を求めていくことは、これも当然であると現段階で考えております。

○小松委員 問題は、応能負担ではあるけれども、扶養者義務負担などがかかわってくると、実際にはこのことで、子どもなんかも子どもの生活があって大変なのに、扶養者負担だと、扶養義務負担だということでかかってくるなどという大変な状況があるわけですので、こうしたことも、当然応能なんだから応能で払うべきという一律的な形ではなく、国に対して今まだ物がいえる段階で、そうした障害者の実態、またはそのご家族の実態などもとらえておられる都の立場から、ぜひ要請していただきたいと思います。
 さらに、支援費の量を超えるサービスは全額自己負担ということがいわれているわけですけれども、そうすると、この支援費の量または期間、こうした設定が非常に大きな問題となってくると思いますけれども、それはどうなっているんでしょうか。

○高橋障害福祉部長 一つ一つというよりも、現在、支援費の支給決定そのものにつきましては、まずこれは区市町村で決めるということになっているわけでございますが、その中で、例えば支給期間とか、そういうことが、それも含めてまだ定かに見えていないという状態でございまして、なおしばらくそれの検討ができないというのが現状でございます。
 ただ、この支援費の制度におきまして決定を行うのは市町村でございまして、同時に、支援体制の整備に努めるとともに、サービスの調整等を行う役割がございますので、その中で利用者の置かれている状況とか、そういう意向を総合的に判断して全体的なことを決めていくということになろうかと思っております。

○小松委員 市町村が決めるということですよね。国が画一的な基準は定めないと今いっているようですけど、そうすると、市町村によっての格差も生じるということにもなりますので、基本的なガイドラインというんでしょうかね、そういうものをぜひ国に求めていただきたいというふうに、これは要望いたしておきます。
 そうやって、まだはっきりしていないと。しかし、今、支援費制度移行に当たりまして、基本的な施設やヘルパー、いわゆる基盤整備を見ますと、このおくれというのは、介護保険のときもこれがおくれているということで大変問題になりましたが、介護保険の比ではないということで、東京都は、だからこそ、今三カ年計画をやっているんだということをおっしゃいますけれども、実際は、三カ年計画をたとえ達成しましても、本当に基盤整備、東京都の場合どうなんだと。いかがでしょうか。

○村山企画担当部長 この支援費制度というのは、先ほど来、ご説明を申し上げているとおり、今まで措置制度では、事業者が行政からの委託で一方的に画一的なサービスを行っていたわけですが、これからは利用者の方を向いたサービスが必要となる。ですから、区市町村も、利用者からこういうサービスをしてくださいという、そういう要求を受けとめる立場になってくるわけでございます。
 それに対して区市町村は、利用者本人、あるいは家庭環境等、全般的な状況を把握した上で支援費の支給を決定するということでは、この制度によって中長期的といいましょうか、制度の世界の全体の時代の流れとしては、区市町村がしっかりと障害者のニーズを受けとめて、サービス供給量の確保に努めざるを得なくなるということでございまして、制度上も基盤整備の責任があるというふうに定められているところでございます。
 したがって、全体として必要なサービスの量と質が確保される、そういう制度の仕組みだというふうにご理解をいただければと思います。
 高齢者の場合の介護サービスにおきましても、制度実施により、在宅サービス等の供給は非常に増大しているというようなこともございまして、そのサービスも利用できるということもございまして、そういう中で我々としては、区市町村が、全体としてはこれまでよりさらに一層基盤整備に一生懸命やっていただけると。それを私どもとしては、いみじくも先回りしてご指摘をいただきました緊急施設三カ年計画などを一生懸命やる中で、必ずちゃんとニーズにこたえられる方向へ障害者施策は前進していくというふうに確信いたしております。

○小松委員 市町村をご信頼申し上げたり、確信していただくのは結構なんですけれども、私もみずからの特に市町村なんかを見ておりますと、大変財政が厳しい中で、これを充実させていくというのは大変なことなんですね。これは、国がこういう制度をするんだから、それは国--都も上乗せしていただきたいけれども、三カ年計画等があるからいいよだけでなく、国と自治体の責任で一体となって進めるわけですから、このことも、まず国が基盤整備に対しての財政的な保障もしていくということでは、ぜひお願いしたいんです。
 じゃないと、この基盤整備が充足していない中で、まして営利企業が参入してくるわけですから、そうすると、どうなるかというのをまず心配しますと、施設サービスが足りない、みんなが選択するほどない、特に重度とか重複障害、重い方々ですよ、この方々が今本当に自由に選択できるような基盤整備が整っているか、これもお答えいいですけれども、整ってないんですよね、実際には。じゃ、自由に最重度の方が施設に入りたいと、そういった希望を出しても入れない。
 先日も、東村山にある秋津療育園という、これは福祉局担当じゃないんですけれども、重度重複障害の方々の民間施設ですが、一人あきが出たと。ところが、たった一人のあきに対して十五人の方が一遍に応募されて、どの方を見ても本当に入れたい方々で、選ぶ方も困っちゃうというぐらい。どの方も、何年も待っているというんですね。ですから、今、衛生局の例が出てしまいましたけれども、これは福祉、衛生とかいうことではありません、こういうふうに足りない中で実際にはどうなるかというと、逆選択というのが起きるのではないかということが思われますけど、いかがでしょうか。

○村山企画担当部長 再三繰り返していますように、私ども、そういうサービス基盤を整備するために一生懸命頑張っているわけでございまして、頑張りようが足りないというふうにご指摘を受けるのはあれなんですけれども、何か悪いことをしているようなご指摘になりますと、やや心外かなというふうに思うというのが、まず一つでございます。
 それから、今の制度上の逆選択、逆選別というようなご懸念の問題につきましては、制度の上におきましては、区市町村の責務として利用者と事業者との調整を行うということになってございまして、事業者が一方的に、今お話しのような重度の方を受け入れないという、ことはないように運用することができるような制度になっているということが一点でございます。
 それから、事業者の指定基準におきましても、正当な理由なくサービスの提供を拒んではならないという応諾義務を置いておりまして、仮に応諾しないような場合には、事業者の指定基準に該当しないということになりますので、認定の取り消しを含む厳しい措置をとることになろうかというふうに思っております。
 したがいまして、その辺の問題につきましては、基本的な基盤整備をさらに一層加速させて進めるということとともに、制度の厳格な運用を図ることで解決をしていくというのを基本として対応していきたい、かように考えてございます。

○小松委員 確かに、そういうことを存じております。正当な理由なくしては--正当な理由がある、例えば満杯である、満床である、これは正当な理由になりますよね。そういうことでこれが受けられない、そういうことがあるんじゃないでしょうか。基盤整備が不足だとそういうことになるということなんですけど、それはいかがですか。

○村山企画担当部長 だからこそ、今、一生懸命頑張っているわけでございます。

○小松委員 だから、頑張っているんだけれども、実際的に、具体的には満床だったら入れないということになれば、正当な理由ということを理由にして選択ができない、選択できるほど施設がないという、はっきりこれは一つ申し上げます。これは特に重い方々ね。
 それからもう一つは、営利企業が入れば、支援費の低い方、または負担能力の低い人よりも、支援費がたくさん入ってくる方がいいわけですから、そういうのも含めて、これは気をつけていただかないと、ここにちゃんとそういうもとになる条例なり要綱なりつくるから、それでいいよじゃないんですね。正当な理由ということをもってして逆選択が起こり得るということがあることは、よくご認識なさっていただいて、ただ、一生懸命やっているのは十分私も理解します。しかし、現実はそうじゃないよということで申し上げておくと同時に、国に対しての十分な要求もしていっていただきたいし、また、公的な調整システムの構築もきちんとつくっていただきたいと思います。
 障害者や家族が、まだ支援費制度をよくわかっていないのではないか、そういう意味ではわかりやすく周知徹底すべきと思うんですけれども、これに対してはどういうふうにされていこうとしていますか。

○高橋障害福祉部長 お答えいたします前に、先ほどの先生のお話の中で、利用される方の所得というか、お金のあるなしによってサービスが影響を受けるのではないかというお話がございましたけれども、支援費制度の場合にも、従来の費用負担の部分で見ても、あるいは支援費の基準を見ましても、それぞれ国が責任を持ってその基本の部分をつくり、それを受けて区市町村が責任を持って基準をつくるということになっておりますので、お金があるなしの多寡でサービスが決まる、あるいは契約が決まるというものではないというふうに理解しております。もし私の認識というか、聞いたことが間違っておりましたらお許しください。
 次に、ただいまの支援費制度をわかりやすく周知すべきと考えるが、どうかというお話がございましたが、このPRにつきましては、区市町村を中心に当然にやるべきことでございまして、そしてまた東京都も積極的にPR等をしていく予定でございます。特に今、この制度を円滑に進めるためには、さらに利用者や家族に対する制度の周知、啓発が非常に重要でございます。
 先ほどお話ししましたように、四月、十四年度の第一・四半期には国から政省令が公布され、事業者の指定基準、あるいは法定手続等に必要な内容がだんだん決まってくるということでございますので、これらを受けて、都としても積極的にさまざまな機会等々を使いましてPRに努めていきたい、こう考えております。

○小松委員 まだ国のいろいろなものがはっきりしないという中で、部長さんがそういうふうに確信しておられるそのとおりになれば本当にいいわけですけれども、きょうはここでとめておきましょう。
 最後に、三月十三日ですから、おとついの毎日新聞にこんなのが出ておりました。障害があっても地域の中で暮らすノーマライゼーションを具体化するための制度とされる支援費制度の導入に対して、「世田谷区の障害者団体は『逆に、地域で暮らす障害者の生活は崩壊する』と危機感を募らせている。今でも難しい介助者の確保が、民間事業者との『契約』に移行することで一層困難になる」という心配をしているというんですね。その中の小佐野さんという方ですけれども、「これまでの措置制度に基づく整備状況も悲惨ではあったが、それでも憲法に保障された『生存権』に基づいて、国の責任で障害者の生活を保障するよう要求することはできた。支援費制度はその根本をくつがえすもので、障害者の生死にかかわる問題だ」と訴えているということなんですね。
 こうした新聞が、そんなことないよ、大丈夫だよといえるような形で今後の支援費制度を、ことしの十月申請、来年度を前にして、最後に東京都として--この支援費制度の質問の最後ですよ、局長のこれからの取り組みの決意などをお聞かせ願いたいと思います。

○前川福祉局長 今お話がありました新聞の記事は、先日、私も読みました。ただ、問題はむしろ、大変申し上げにくいんですが、こういった発想そのものにもあると私どもは考えております。つまり、国がすべて直接やるとか、あるいは行政が直接やるとか、それ自体が何か一番よくて、民間企業が入ってきたら、直ちに何か悪いという、それは根本的に違うと思っております。結果として、サービスの水準と量が確保されるシステムをどうつくるか、それが課題であって、そのために私どもは努力していきたい。
 支援費制度の導入も、基本的な理念はそういう方向であることは間違いないわけですから、それはよろしいと。ただ、問題は具体的内容であって、その内容は、きちんとできるように国に対しても要求するし、都としても努力していきたい、こう考えております。

○曽雌委員長 小松委員、支援費制度のことはここで終わりですか。

○小松委員 一応終わらせます。

○曽雌委員長 この際、議事の都合により、十分間休憩いたします。
   午後三時五分休憩

   午後三時十八分開議

○曽雌委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○小松委員 それでは、次は、このたびTOKYO福祉改革STEP2というのが、福祉局というよりは、これは東京都ということでしっかり出てきているわけですけれども、ここでは、地域の自立を支える新しい福祉を目指してというタイトルを持ちながら、見てみますと、今までの福祉改革推進プラン、その前に、いろいろと上位計画も含めて具体的に出されてきておりますけれども、改めてここで一言でいうならば、STEP2、スタンスとしては一番求めるところは何だったのか、ねらうところ、ここで一言お伺いしたい。
 それと、この中には、中期的な目標と取り組み、うち十四年度の展開--十四年度は具体的でわかるんですけど、中期的という表現が東京都はどのぐらいをいうのか。
 それから、中には、将来のという、将来を何とかしてという言葉が出てくるんですけど、このSTEP2自体がどのぐらいの期間というんですかね、そういう意味でスタンスということも聞いたんですけれども、その辺を最初にお伺いしたいと思います。

○村山企画担当部長 ポイントといたしましては三つございまして、施設偏重の現状を改めて、地域に住み続けられるような福祉インフラをちゃんと整備しようという、地域における福祉インフラの整備、これが一つでございます。
 もう一つは、そういうインフラ整備という施策の面だけではなくて、サービス提供主体のあり方そのものを利用者本位に改革するということでございまして、それは先ほど支援費に絡んでお答えしたようなこともございます。
 三つ目が、全国一律の国の制度や規制というのは、なかなか東京に合わない、東京でのいろいろな福祉の施策の前進にとって、やや大げさないい方をすれば、一つの桎梏になっているということから、大都市の特性に合った、そういう状況を打破するための都の独自施策を展開する。この三つの点が、大きな物の考え方としての柱になってございます。
 これを各分野において進めようということで、方針と目標を定めたのがこのSTEP2でございまして、方針と目標を定めたということでございますので、そういう意味では、STEP2全体についての期間の定めというのはないということになります。ただ、具体的ないわば実行性といいましょうか、行動性を高めるという意味で、各項目ごとに、先ほどお話しいただきましたように、当面する今後数年間で遂行すべき中期的な目標と、それへの取り組みを提示いたしているわけでございまして、この数年間というのは、これまたそれぞれ分野ごとにテーマとか課題が違いますので、余り一律に年次は定めてはおりませんけれども、おおむね三年から五年程度を視野に入れて目標と取り組みを示しているものでございます。
 巻末のところには、一昨年十二月に定めました福祉改革推進プランをベースといたしまして、その後新たに展開するということになりました事業を付加いたしまして、十六年度までの分野別の事業計画をお示ししているものでございます。
 もう一つ、将来というお話でございましたけれども、将来という言葉は、都立施設改革のところに用いている将来という言葉を指していっていらっしゃるのだろうと思いますけれども、中期的な目標と取り組みの具体化というのは、STEP2の都立施設改革のところの中でお示ししたとおり、来年度検討して定める予定になっておりますので、将来像の具体化の見通しについても、こうした取り組みの中で明らかにしていくべき課題であるというふうに考えてございます。

○小松委員 わかりました。将来廃止にとか、将来は何とかといいながら、その将来というのが来年度というのはちょっとおもしろいですね、後ほどそれが出てきますけれども。
 まず最初は、先ほども質問がありました社会的養護システムの転換というのが、このたびここで明らかになっております。今、るるやりとりがあった中で、来年度からは今までの養育家庭センターから児相に移すんだということで、いってみれば、今まで都立のものはみんな民間にしよう何とかという中で、事このことは、民間などがやっている養育家庭センターを今度は都の児相が引き受けてやろうと。大変おもしろいやり方だなと思っているんですけれども……。
 その内容なんですが、そうしますと、まず第一に、今まで三十年間継続してまいりました養護施設の養育家庭センターをどう位置づけておられたんですか、そして、どう評価されておられますか、まずそこから伺いたいと思います。

○笠原子ども家庭部長 養育家庭センターの評価についてでございますが、三十年近くにわたりまして養育家庭センター、これは養育家庭制度の中核を担い、頑張ってきたということは紛れもない事実だろうというふうに思います。私どもは、その施設、それから、そこで働く職員に対しましては、改めて敬意と感謝を申し上げたいと思っております。
 しかしながら、そういった養育家庭センター個々の施設、あるいは職員の努力の問題は別といたしまして、制度としては、この三十年間、養育家庭の数あるいは委託児童数、ふえていないという現状はございます。このまま現在の形で養育家庭制度を続けたといたしましても、養育家庭制度の充実は期待できないだろう。こういった考えから、STEP2の仕組みの中の図のとおり、事業廃止をして、児童相談所を中心とする新たな体制といたした、こういうことでございます。

○小松委員 いろいろと問題な発言があって、これから期待できないというような発言があったわけですけれども、そうなると、期待できないから児相にということになるんですか。これは余りにも失礼な発言じゃないか。
 改革後のイメージというところの一七ページですね、ここには、家庭的養護の仕組みということで図面があるんですけれども、改革後だからなのかもしれませんが、先ほどのお話を伺っておりますと、十四年度は一緒に協力してやってもらうんだ、だから事業委託もしているんだとおっしゃっている割に、ここに児童養護施設とか、養育家庭センターとか、そういう言葉も--何かスペースはあるんですよ、ちゃんとスペースはあるんだけど、全然、養育のよの字もないんですね。全く消えちゃって、これで本当にいいのかな、これが本性なのかなと思っていたら、今のお答えの中で、このままじゃ期待が持てないと。
 これは、そういうことじゃないんじゃないんですか。先ほどのお答えの中でも、養育センターがこのままやっても期待が持てないからではなくて、もっと東京都が責任を持ってやる、そのためには児相が本来やっていくべきなんじゃないか--私、ちょっと善意に考えていたのかな。それでも、決め方はちょっと唐突じゃないのなんていうのを後から質問したいんですが、ちょっと今のですね、お答えください。

○笠原子ども家庭部長 改めて、ここではっきりと申し上げておきたいんでございますけれども、本来、養育家庭制度の運営は児童福祉法の二十七条一項三号で、措置権者である児童相談所が責任を持ってやる、これが法の建前でございまして、そういった意味では児相が主体的に責任を持って担うべきものということでございます。
 ただ、四十八年に制度が発足したわけでございますけれども、その発足時にいろいろな事情から、養育家庭センターが担うことに結果としてなった、そして、今日まで続いたということでございます。そこをまずはっきりとご認識いただきたいということでございます。ある意味では、本来、児相が法的には担うものを本来の姿に戻すということでございます。
 しかしながら、現行の児童相談所との二重構造のもとでは、措置権を有する児童相談所と業務が重複いたします。それで、児童相談所が主体的に養育家庭を支援すること、これは不可能だということでございまして、私どもとしては、今後、養育家庭を大幅にふやしまして家庭的養護を強力に推進していくためには、やはり現行システムそのものを抜本的に見直していく必要があるんだろうと。そのためには、児相が法上は担うということになっているわけでございますので、その本来の姿に戻すということ、これをしっかりとまずご認識いただきたいということでございます。

○小松委員 東京都の方針であった本来に戻すというなら、それはそれでわかるわけですから、やはりこの三十年間--部長さんは部長職になられてから何年かわかりませんけれども、これでもう三月終わっちゃうから、四月からかわるんでしょうけれども、一度養育家庭センターで働いてこられた方々の実態をごらんいただきたいと思いますね。夜中でもどこでも本当に二十四時間、いつ電話がかかってくるかわからない、すっ飛んでいく、そして里親さんをヘルプしてこられたという実態ですね、この辺をよくわかっていただきたい。
 と同時に、それでは、そうしたやり方、今おっしゃったような、本来のところに戻したんだと。百歩譲ってそれをよしとして、よしとするというよりもそれをおいておいても、児童福祉司さんというのは、今、具体的には一人何ケース担当していらっしゃるんでしょうね。
 養護施設なんかですと、実際には私立は変わらない。都立でも、実際に指導員という方々はそんなに動かない、同じ養護施設に動くということではあるわけですけど。児童福祉司さんというのは専門職ではありませんよね。ということで、どのぐらいの頻度で異動するんでしょうか、その辺をお伺いしたいと思います。

○笠原子ども家庭部長 平成十二年度一年間の児童相談所の全処理件数、これは児童福祉司の定数で割り返した一人当たりの処理件数でございますけれども、百七十五件という数字でございます。
 それから、児童福祉司の異動基準、これは原則として五年というふうになってございます。それから、東京都では専門職として採用する制度と設けられていないことから、一般行政職の中から児童福祉司は任用しているということでございます。

○小松委員 一人百七十五件、大変な数ですね。そして、この大きな数を抱えている、これで二十四時間三百六十五日、養育家庭への支援が--今までだって養育家庭への支援をしなくちゃならないという業務があったはずですよ。それが十分できないから本来に戻したとおっしゃるけど、本当にできるんでしょうか。先ほど東村さんの方から、児童相談所は評判がよくないという話がありましたけれども、余り一般的に、一律的によくないといってしまうのは、またどうかとも思うんです。一生懸命やっていらっしゃるワーカーさんもいらっしゃる。しかし、四、五年ではワーカーの積み重ねができないんですよね、これは全く専門的なことです。
 そういう意味では、ワーカーさんの専門職化ということと担当件数を減らす、このことなくして、児相が専任の責任を持ってやるのよといっても、大変危惧を感ぜざるを得ないというところなんですが、所見を伺うと同時に、具体的に児童福祉司さんの今までの、どうだったのか、ちょっと伺いたいと思います。

○笠原子ども家庭部長 専門性の問題でございますけれども、私どもも、児童福祉司は非常に専門性の高い職務、そういう位置づけで考えてございます。そういった児童福祉司の専門性ということを考えたときに、必要となるのは意欲、それから適性、こういうことだろうと思っております。ただ、私どもは資格とか学歴、これはイコール専門性ということには即つながらないというふうに思っております。
 こうした観点から、児相改革の柱の一つといたしまして、来年度、任用制度を抜本的に改革いたしまして、既に新規任用についての公募制による厳格な選考を実施しております。あわせて、研修の充実などを図ることによって専門性を高めていくということも計画いたしております。また、そういった専門性の高い職員ということでは、児童福祉司を計画的に育成していくということも実施していきたいと思っております。
 そういうふうに職員の専門性を高めながら、片方で、養育家庭センターを廃止したかわりを児童相談所が担うわけでございますので、それを担っていけるように、組織、そういったものを大幅に変えます。それから、人員についても児童福祉司を大幅に増員してまいります。それから、養育家庭担当の職員を児童相談センターに配置するということも考えてございます。
 その一方で、仕事のやり方そのものを変えていくということも考えておりまして、児童福祉司と心理職員が養育家庭担当と連携しながら、養育家庭からのいろいろな相談、こういったものに適切に対応していくような、そんな仕組みをつくって、きちんと養育家庭センターを廃止した後の対応を図っていきたいというふうに思っております。

○小松委員 私も、一概に資格と学歴だけを問うというようなことは申しません。しかし、心理療法士さんが専門職としてありますね。それからまた、保健婦さんも専門職、保育士さんもそう。医者とかそういうのになると、全然技術が違ってきますから、余り--その周りにいらっしゃる専門職もいます。やっぱり児相の職員というのも、児童福祉司、ワーカーというのは専門職である必要があると思うんですね。これは過去に全国で、区市町村のワーカーですね、ケースワーカーなんかを専門職で採ったところもあるんですよ。広島とか、東京でいえば小平も前にそういうことがありましたけど、やはり違うんですね、その福祉司さんが。児童福祉司でも福祉司さんでも。単なる資格や学歴と一言でいってしまわないで、児童福祉司というのは大変な専門性を伴う大切な仕事だということで、専門職化。
 それと、どんなに専門職で立派な力を持っていても、ケースがこれだけ多ければやっていけない、回っていかないということですね。ですから、今まで実際に養育家庭制度の中でも児童福祉司の役割はあったはずですけれども、それが全然機能しなかったわけでしょう。児童福祉司さんはサボっていたわけじゃないと思うんですよ。その意味では、言葉だけでなく、専門性というのは、今後、ぜひ専門職の方向に持っていっていただきたいと、これはお願いをするし、また計画的な研修とか、そういうものでぜひ力をつけていっていただきたいと思います。
 でも、それにしても、今回、先ほどお伺いしていますと、十四年度はそういう業務委託をということで、十四年度はといういい方をされていたということですね。経過措置をとったということだけど、これは一年の経過措置なんでしょうか。

○笠原子ども家庭部長 経過措置を設けたそもそもの目的というのは、養育家庭センターが持ついろいろな処遇上のノウハウ等を引き継いで、児童相談所の方で円滑に、新しい体制のもとで事業が実施できるように、そして、そういった体制を整えていくようにということで経過措置期間を設けたわけでございます。経過措置期間の中で、私どもとしては、そういった移行が円滑に図られるだろうというふうに思っております。

○小松委員 どういうふうにやられるか、これからなので、私もしっかり見据えていきたいと思うんですけれども、いかにせん、三十年間続けてこられた養育家庭センターを一年の経過措置で--主役は里親さん、そして、子どもですからね。その子どもたちにとって、里親にとって、安心できる養育家庭制度になっていくのか、非常に疑問を持つわけですね。
 ほかの事業なんかの移行措置、経過措置というのはどうでしょうね、いろいろあります。最近は分権で、例えば区市町村なんかにおりますと、保健所の母子保健が、これもまた衛生局になっちゃったけど、市に移管される、この経過措置は三年間ですよね。そういう形で、三年間とか、五年間とか--一年という、こうやって、まして母子保健なんていうのは、もっと具体的で、最初からそれこそ専門家の方々でやり合うんだけれども、間には子どもというのはあっても、今回は里親さんと児相と養育センターと三つあるわけですね、全部人間の問題。これがたった一年で里親に責任を持って引き継ぎができるのかと、大変疑問に思います。
 と同時に、一年の経過措置なんだけれども、前々からそういう準備をしてきたんだ、今だから一年の経過措置でいいんだ、もうここまでに煮詰まっているんだというなら、私も百歩譲っても納得しましょう。しかし、これはいろいろ伺ってみますと、非常に唐突だという感じは否めないということを現場ではおっしゃっているわけです。センターや里親に、廃止はいつの時点で通知したんでしょうか。

○笠原子ども家庭部長 養育家庭の見直しに当たりましては、養育家庭センターの長、あるいは指導員、そういった人に対しまして数多く会議を重ね、あるいは里親会に対しましても説明、意見交換、こんなものを行ってまいりました。養育家庭センターの問題点、あるいは養育家庭制度の見直しについては、こういうふうにいろいろな説明とか意見交換を通しまして、時間をかけて協議をしてきて、そして、養育家庭センターからも制度の見直しについて、その中でご承認をいただいて、全面的に協力する旨の了解を得て決めたということでございます。
 十一月半ばに、最終的に私の方から、センター長との打ち合わせの会でお話をいたしまして、そういった考え方には、理念には賛意をあらわすというようなお返事をいただいたところでございます。
   〔発言する者あり〕

○小松委員 質問者は私でございますので。東村さんもさっき質問されたから、いろいろ気になるんでしょうが……。
 私が申し上げているのは、どの施設とも納得し合って、いいですよというならいいんです。唐突な話じゃないんだよとおっしゃるならいいんですよ、これは私が受けるわけじゃないんですからね。余分な心配をしなくてもいいんですけれども、それじゃ、本当に私のこの心配というのは余分な心配であって、決して唐突な話ではないんだと確認してよろしいんですね。
 ただ、私は、昨年の十一月とおっしゃいましたけれども、半年前にしてこれを十分理解してもらえたという感覚を持ってもらうと、三十年ですよ、その間やってきたのは。昨年の十一月で、あと半年のところで、この制度は来年の三月廃止よ、十四年度から児相よといわれて、これはセンターの方々というより里親の方々--実際に、私もいろいろ伺っているんですよ。
 これはたくさんありますから、そんなにたくさんいえないんですけれども、例えば、これまで八センター、常勤ワーカー十六名で行ってきた業務を、児相、サポートステーション、児相センターの事業化に分けて、児相の福祉司はこれまでも担当していたわけですし、養育家庭センターの十六名の常勤職員でやっていたことをこういう体制にして、里親の支援が本当に充実するんでしょうかと里親の方が実際におっしゃっているわけなので、今のような質問になったということです。もう一回お答えください。

○前川福祉局長 個別具体的な話ですが、私もちょっと関係しておりますので、お答え申し上げたいと思います。
 里親制度の中の養育家庭というのは、東京都が独自に昭和四十七年に導入したわけであります。そのときたまたま私も採用されて、最初民生局に十年ほどいたんですが、二年目でそこに配属されて、若干創設にかかわったんですが、先ほど説明しましたとおり、本来からいえば法的性格もそうだし、やるべき仕事からいっても児相がやらなくちゃいけなかったんです。
 ところが、いろいろな事情で、余り大した事情じゃないんですが、やや形而下的な事情で、児相が引き受けないと。それで、本来であったら里親制度と矛盾するはずの養護施設に、養育家庭センターを置かざるを得ないという奇妙な話になったんです。この話は突然ではなくて、それ以来三十年間、やれやれといっても、ふえないんですよ。しかも、小松先生も恐らく現場にいらしてお聞きになったと思うんですが、大半の里親さんはそういう点では不満があるんですね。だから、それを変えたいというのが我々の今の発想なんです。
 そこで、確かに一部のセンターの人は反対もしましたが、現実にこうやって動かしていって、今はほとんどの皆さんが納得しているわけですね。三十年来そういう経緯があって、それを踏まえて、東京の子どもの養護をよくするためにはこうするしかないということをみんな感じているから、皆さん、同意してくださっているのであって、そこはぜひご理解いただきたいと思います。

○小松委員 局長も、懐かしい入所というか、最初のころの思い出があると思い、また、本当にいい時期に入っていらしたと思うんですけれども、確かにその経過も私は伺っております。それで、私自身もそういう話も聞きました。それで、一方では里親さんが、本当に養育センターにお世話になって、これで心配ないと。もう一方の方が、いや、養育センターなんか、全然見てくれなかったと、ある方はおっしゃったんです。私、いや、こういう意見もあるよといったら、それはどこの園ですかといわれて、ここで名前は出しませんけど、想像できるでしょう。T園だといったら、あそこは別格ですよ、うらやましいですよ、あそこだったらっていわれたんですよ。そこの里親さんと、我々なんか本当に見てもらえなかったという、確かにそのセンターによって違うんですね。だから、私も一概に申せません。一つ一つ聞いて、全部調べたわけじゃないんですけど、ただ、最小限、去年の十一月でいきなりというのは、一生懸命やっているところは、大変恩恵だと思っているところは、えっというのが多いんですよ。
 ですから、要は里親さんたちに、いや、よかったね、こういうメリットがあるって納得されればいいんです。実際に、またそういう声を聞けば、私も安心します。具体的に、今度こういう体制になって、どんなメリットが出てくるんでしょうか、中心は里親さんにとって。

○前川福祉局長 個別のことですから、内容は部長の方から。
 もう一言だけ申し上げておきたいんですが、発想の原点は、たまたま先ほど東村委員から、ちょっと過褒をいただいたんですが、子どもの養育というのは、本来、家庭的環境、つまり、ある時期、我々、お互いに子どもを育てて、よくわかるわけですけれども、子どもというのは、親の絶対無条件の愛情が必要な時期があるわけですね。これは、自分の実感としても、いわば太陽の光と同じように、それはなくちゃいけない。
 じゃ、自分の子どもを今の養護施設に預けたいと思うかと。率直にいって、それは思いませんよね。それは、決して施設の責任でもなければ、個々の職員の責任でもない、システムとしてやっぱりおかしいと。子どもを施設に入れて管理するというのは、必要やむを得ない最後の措置であって、それ以前に、できるだけ家庭的な環境をつくってやっていきたい、それが我々の発想の原点であります。そのために養育家庭をふやしていきたい。養育家庭をふやすためには、あわせて児童相談所の改革を強力にやらなくちゃいけない。これは何十年来の懸案なんですね。
 まことにいいにくいんですが、ここ十数年、児童福祉司の定数は一人もふえなかったんです。今回二十二名ふやしました。これは、たまたま私は二年前まで人事行政をやっておりましたので、一分野で二十二名ふやすというのは容易なことじゃ--例外中の例外であります。それだけの措置をやって、かつ、任用制度も抜本的に変えて、この四月の任用でも、先ほど先生がおっしゃったように、事務職の出よりも現場の出の人の方が初めて上回るんです、児童福祉司の現実の任用においても。
 そういう形で、児相を抜本的に変えながら、養育家庭も抜本的にふやしていきたい。これは評価していただきこそすれ、決して批判されるべきことではないと私どもは確信しております。

○小松委員 そういう局長の、今まで思いをかけてこられたというのはわからないでもないんですよ。でも、私は現実、現場を実際にこの目で見ながら、感じているそのままを申し上げたんだけど、二十二名ふやしたと、今具体的な数字が出ました。確かに二十二名ぼっとふえたら、大幅にふやしたということになるんですけど、本当に部長、二十二名が純増でふえているんですか。

○前川福祉局長 細かい話で。私は人事行政をやっておりましたので、今回も指示をしました。定数がふえたからといって、現員をそのままにして形だけにするんじゃない。そのために、変な話ですが、現実に過員がいるわけですね、これまでの過員があります。それを減らすなと。そのまま定数増がイコールで上乗せになるかどうかは、過員の数からいったら可能ですけれども、問題は、任用できるだけの資質のある職員をそろえられるかどうかという問題はあります。ちょっと情けないことですが、本当にすぐれた人材がそんなにたくさん一挙に確保できるかどうかという問題はあります。ただ、少なくとも二十二名イコールではなくても、大幅に実質の人員増をすることはお約束いたします。

○小松委員 実態を見ながら、二十二名ふえてはいないんだ、過員がいたんだと。しかし、それでも大変だったんですよ。でも、今回、十六名ですか、十六名の方々は実際にそれぞれ職を失うというのか、急に去年の十一月ですから、ことしの三月でどういう形に各職場がなっているのかということも含めても、たまたまそうやって多くなったからということもあるのかもしれませんけれども、そういうことから見ても、決して大幅な人員増というふうに私も思えていないというのが今の実際なんです。それは実際に見ていただけたら、わかると思うんですね。
 そういう中で、そこは論じていると切りがありませんので、具体的にもとへ戻しまして、里親さんが一体どういうふうに意見をいっているのか。さっき、私、一つホームページなんかから出して見ましたけれども、聞くところによれば、今月の三月九日には里親さんへの説明会もしたということですけど、そうしたところの里親さんの声、もしお聞きできればと思います。

○笠原子ども家庭部長 先ほど人員のことにつきまして、局長の方から、児童福祉司二十二名、定数だけではなくて実質的にというお話がございましたけれども、私ども、児童福祉司だけではなくて、里親担当を五名、新たに増加しております。それから、支援センターの方には三名の職員の増加も考えております。それから、もう一つ、里親支援員のところには十名の職員を考えております。ですから、トータルとしてはかなりの数の増員を図って、全体として、きちんとした対応ができるような人員措置を図っているということをご理解いただきたいと思います。
 養育家庭等からどんな要望が寄せられているかということでございますけれども、養育家庭連絡会からの要望といたしまして、きちんとしたサポートシステムをつくること、それから、養育家庭の交流の場をつくってほしいこと、アフターケアの制度を設けてほしいこと、こういった要望が出されております。
 それから、三月九日の説明会では、緊急時の対応や養育家庭の支援について、児童相談所が責任を持って対応できる体制にしてほしい、それから、専門的なカウンセリングができる体制を整えてほしい、アフターケアの制度を設けてほしい、そういった要望がさまざまな形で出されているということでございます。

○小松委員 先ほど、里親にとってのメリットは何なのかというのは、お答えいただいたかしら。ちょっと私、聞き損なったのでしたら申しわけありません。

○笠原子ども家庭部長 子育て相談、それから里親及び委託児童の心理的ケア、こういったものについて児相が今度はかかわってくるわけですから、児相の専門的な能力、こういったものを使うことができる。
 それから、研修の問題では、新たに里親の委託前の研修、専門研修、こういったものをつくりまして、子どもの心理面での理解を深めるための研修や思春期対応の研修、グループ討議や養育家庭経験者の交流の研修、それから、施設での体験なども加えた実践的な研修を行うことによりまして、養育家庭の養育能力の向上、こういったものを支援していくということ。
 それから、養育家庭支援センターが行うレスパイト支援や学習補助支援、家事援助支援など、養育家庭を支援する新たな仕組みが利用できるということ。
 それから、養育家庭が悩みごとを気軽に相談する相手としての養育家庭の支援員を配置する、そういったものがメリットだろうと思っております。

○小松委員 これ以上、今の再質問はしないけど、ちょっといっておきたいのは、児相の専門的な形でのケアができるというお話なんかは、逆にいえば、養護施設の方が専門家がいるんですよ。指導員も皆さん、指導員として、ワーカーとしての専門教育を受けた方がいらっしゃるんですよ。だから、里親にとっての今回のメリットがそこなのかと。
 それからまた、いろいろな研修とおっしゃっていましたけど、そうすると、今まで研修というのは余りやっていなかったのかと。これは里親にとっては大変なことですね。里親にとっては、素人の里親さんが続けていこうと思えば、研修の中で、ケアを受ける中で子どもとのマッチングもだんだんと密になっていくということでは、今までのことをいってもしようがありませんけれども、ぜひしっかりした研修をやっていただきたいというふうに思います。要望にしておきましょう。
 もう一つ、こうやって児相との関係では、今は実際には、最初にかかわった児相さんとの関係で、それこそ八王子から一番はずれの荒川でも、そういう形で、大変遠くてもそういうかかわりをしていると。そうじゃなくて、地域の児相さんとの関係ということでは、児童福祉司のケース移管というのでしょうか、そういうものも考えるべきと思うのですが、いかがでしょうか。

○笠原子ども家庭部長 子どもの視点に立って考えた場合には、子どもは将来的には家庭に引き取られる、こういうことを考えれば、実親と子どもの居住地の児童相談所がケースに責任を持つべきものだろうというふうに思います。その上で、里親の居住地の児童相談所が里親の支援を行う仕組み、こういったことをつくっていくことを検討してまいりたいと思っております。

○小松委員 それにしましても、今、里親の数がなかなかふえないということでは、今の養育センターが悪いというのではなく、都自身、児相自身が養育家庭制度の活用について意識改革をしていただいていけば、養育家庭の数はふえると思うのですが、ぜひお願いしたいと。
 それで、養育家庭さんをふやしていくということでは、数値目標もきちんと持つべきだと思うんですが、その辺はいかがでしょうか。

○笠原子ども家庭部長 先ほどSTEP2のお話がございましたが、その中でも書いてありますように、ケアを必要とする子どものうち、当面、二割から三割程度に対しまして、養育家庭、あるいはグループホームなどで家庭的な養護を行えるような体制整備をする、こういう中期目標になってございます。

○小松委員 ふやすということでは、今回もそうした予算が措置されておりますけれども、これについては、例えば、ふえないふえないというけれども、ホームページを見ても、東京都は、本当に隅々にわたるまで丁寧なホームページがあるんですけど、里親の案内となりますと、これがないんですね。これは、他県なんかがむしろ出ているんです。ぜひこうしたホームページにも丁寧に、今、ホームページを皆さん本当によく見ますからね。PRというなら、お金のかかることじゃないんですから、ぜひそういうのもつくっていただきたいし、それから、この養育制度を進めていくためには区市町村を巻き込んでいかなければだめだと思うんですね。
 その意味では、区市町村の広報を、一回じゃなくてお願いするとか、窓口をお願いするとか、そういったPRということではぜひ努力していただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。

○笠原子ども家庭部長 やはり里親さんをふやすためには、先生おっしゃるとおり、PRというものが大変重要だろうというふうに思っております。今、インターネットのお話がございましたけれども、私どもとしては、インターネットを使った広報は四月から実施する予定でございます。それから、広報につきましては、制度改正に合わせまして、来年度大々的にやっていきたいと思っております。新聞広告、あるいは駅ポスターなどの大規模な広報活動に加えまして、今先生お話しの区市町村の広報も活用して積極的なPRを図ってまいりたいと思っております。

○小松委員 ぜひお願いします。と同時に、養育家庭さんが本当に明るく、生き生きと里子さんというんですか、育てていらっしゃるのを見て、口コミで広がる、こうあっていただきたいと思いますね。
 そういう意味も含めまして、養育家庭でも専門の里親制度というのが、今動きがあると思うんですけれども、これらも東京都が独自の仕組みって、さっきSTEP2のお話の中にありましたので、ぜひこうした構築もしていただきたいということでは、時間も余りないので、お願いしておきたいと思います。
 それで、そうしたことも含めますと、母体となってきました児童養護施設について、今ここで見直さなければならないのかなという思いがしますので、伺いたいんです。
 ここの一七ページにもありますけれども、現状が、例えば被虐待による社会的養護の必要性が増加していると。措置理由の変化として、昭和五十二年度と平成十二年度では、被虐待児が二・四から一四・六、それに対して親の家出、離婚、死亡というのが、今まで五九・二から七・七と全く逆転しているわけですね。非常にふえているという中で、一方では、養護施設におけます心理療法士とか個別対応職員の配置状況、これは全く設置自体から変わってないと思うんですけれども、今どういう状況にあって、そしてまた、この配置基準というのはいつごろつくられたものなんでしょうね。

○笠原子ども家庭部長 まず、心理療法士でございますけれども、五十六施設のうち、現在二十五施設が対象施設となってございます。
 それから、個別対応職員でございますけれども、現在、十六施設が雇い上げ費加算分設定の承認をいたしてございます。
 それから、配置基準でございますけれども、現在の補助金算定上の児童養護施設における東京都としての基本的な配置基準を定めたのは、昭和五十四年度でございます。
 なお、その後、事務員、それから指導員特別加算、宿直専門員、自立支援指導員、心理療法担当職員、被虐待児童個別対応職員など、国制度に合わせました人員配置も東京としては行ってまいってきております。

○小松委員 今お話がありましたように、昭和五十四年とおっしゃいましたか、そうしますと、これは二十年以上前になりますね。先ほどお話ししましたように、STEP2にも書かれているように、今、養護施設に入ってくる入所理由も、措置理由もこんなに変わってきているんだという中で、非常に専門性も求められるし、非常に難しくなる。まして、これから養育家庭制度をどんどん普及しなくちゃいけない、させていくわけです。そうすると、施設の中に、対応の大変な子が残るというのが目に見えてくるわけですけれども、そういう意味で、施設配置や建物基準などの抜本的な見直しが必要かというふうに思いますので、これはぜひお願いしておきたいと要望します。聞いたところで、きっと--すぐ対応するという答えが今ここで返ってくるといいんですけれど、それは聞かずに、とにかく強い要望をしておきます。
 と同時に、こうやって今の養護施設は大変な子どもたちが多いということは、もう一つ情緒障害児短期治療施設という、情短といわせていただきたいと思いますけれども、この情短施設があれば、これは違うんですね。国は、この情短施設をきちんとやりなさいということを非常にいっているわけです。
 例えば、これも予算に当たってのものなんですが、こういう大変な児童がふえてきているということを書いた後で、これら児童に対する専門的な治療施設として、情緒障害児短期治療施設の整備が急務である、全県に少なくとも一カ所は整備する必要があるということで、もしそういうことをすれば、児童養護施設に対する予算としての融資率も引き上げるよといういい方もしているんですね。
 これは、私、前に質問したときに、東京都はそういう方針にないんだというお答えがあったわけで、なぜか東京都は情短施設を一つもつくってこない。関東近県にも少ないんですが、先日、私、横浜いずみ学園を見てまいりまして、情緒障害児なのかなというぐらい子どもたちが落ちついていました。そして、施設内の学級で、本当は学校に行きたくない子どもたち、行けない子どもたちが、施設内だったら、そうやって学校にも行けるんだということで、大変すばらしい施設だなということを見てまいりました。
 東京都は、かたくなに情短施設はしないんだということではなくて、ここで情短施設--何も私、ここで都立都営を、あったらいいけれども、それに限りなさいなんていっているんじゃないんですよ。例えば、私立でもいい、児童養護施設の中で情短やってもいいよ、そういうところもあるって、これはどこで聞いたかといったら、横浜いずみ学園でいうんですよ。東京都だって、そういう手を挙げる施設はありますよと。だったら、そういうところに、国もそういうところに振り分けてもいいんだよということをいっております。ぜひ情短施設の方向というのを、もう一回聞かせていただきたいと思います。

○笠原子ども家庭部長 今、先生、横浜いずみ学園を視察されたというお話を聞きました。私どもも、担当の課長に横浜いずみ学園を見させました。それで、若干先生とは認識が違うんですが、多園児の在園期間が非常に長期化している。専用のそういった施設を設置しても、結局、利用できる児童は非常に限られた児童しか利用できないというふうに限定される、こう私どもは思います。
 こんなことから、東京都におきましては、情緒的な問題を抱えた児童のケアを専用施設で行う、こういう国の制度の考え方につきましては、東京都の方針としては残念ながらとらない。そして、既存の児童養護施設等において、児童相談所の技術的援助と地域の医療機関、こういったものとの連携を密接に図りながら対応していくと。今後とも、こういった方針に沿って対応していくということでございます。

○小松委員 ほかのことでは国の基準、国の基準とよくおっしゃいますけれども、事この情短の施設になると、国はこうだけれども、東京都は独自な考えが出てくるんですね。非常におもしろいというふうに思うんです。
 それなら、きょう、あしたに情短をつくれないんだよ、だから児童養護施設を大切にするんだということでしたら、どんどん養育家庭の方をたくさんつくられて、子どもが地域の中で、家族の中で育つということは基本だと思います。でも、それが今できない事情の中では、施設も充実していかなければいけない。ほんの一部ではあるけれども、その情短施設もつくらなければならないという中で、先ほどから局長さん、何回も立っていただいて大変申しわけないんですけど、この部分として、最後に局長さんの思いを語っていただかないと、お聞きしないと終わらないというふうに思いますので、この質問の最後に局長さんのお考えをお願いします。

○前川福祉局長 今の件につきましては、私も部長の答弁と全く同じ考えでございます。

○小松委員 大分皆さん、時間のことを気にされているようですが、大切な予算議会でもありますので、また、請願陳情などもありますので、もう少しお聞きいただきたいと思います。
 その次は、同じSTEP2の中にあります都立のナーシングホーム、これも先ほどありましたね、八王子が大変なんだということで。私たち東村山も、小さな市です。十四万ばかりの人口のところに特別養護老人ホームが六つも七つもあるということでは、比率ということでは同じ思いなんですけれども、この中に、今回、都立特別養護老人ホームは将来の廃止を視野に入れてなんていうのがありますので、ぜひここでお聞きしなければならないのかなと思います。
 まず、都立のナーシングホームが果たしてきた役割、存在意義について、どう考えるか、お聞きしたいと思います。

○反町施設調整担当部長 都立ナーシングホームについてでございますが、都立ナーシングホームは、民間施設が不十分な時代に整備され、いわば日本の特別養護老人ホームの草分けとして、先駆的、モデル的事業を実施してまいりました。しかしながら、民間等による施設整備が進んだ現在では、都立施設の占めるシェアは極めて低くなっております。
 また、都立ナーシングホームが先駆的に取り組んでまいりました痴呆性高齢者に対する専門的ケア等につきましては、現在では、民間施設においても一般的に行われるようになってきており、都立施設の役割、存在意義は薄れつつあると認識しております。

○小松委員 役割が薄れちゃったって、みずから都立の担当の責任者がそうおっしゃるというのは本当に残念なことだと思います。今まで東京都立特別養護老人ホームというのを東京都がつくったからこそ、どんどん私立もふえてきたんですね。そういう中で、先駆的、モデル的事業に取り組みということをおっしゃっているわけですし、事実、それじゃ、今もう申込者がいないのかといったら、そうじゃないんですね。今、特養の待機者というのははかれないんだということをおっしゃいますけれども、入所申込者は多数いらっしゃいます。それなのに、ここに特養の将来の廃止を視野に入れて規模の縮小を図っていく、なぜこんなことがいえるんですか。

○反町施設調整担当部長 先ほど申し上げました都立施設の役割の存在意義が薄れてきていることに加えまして、都立ナーシングホームは国の施設基準を満たしていない大部屋が中心であるなど、居住環境の面でも問題がございます。また、都と区市町村の役割分担の観点から、区市町村による介護サービスの着実な提供の確保などを支援することが、都の主な役割となっております。
 以上のことから、都立ナーシングホームについては、高齢者が地域で住み続けるための施策の充実を図りながら、将来の廃止を視野に入れつつ、規模の縮小を図り、利用者の居住環境の改善を進めていくこととしたものでございます。

○小松委員 私は日本語がわからなくなってきたんですけれども、居住改善をするといいながら--居住改善するということは、今、六人部屋で国の基準にも満たない、だから四人なり何なりにしていこうということに努力することと、何で廃止がつながるんですか。これがどうしてもわからない。
 それじゃ、STEP2のここに書いてある、先ほどおっしゃった将来というのでは、先ほどお答えになっていらっしゃいますけれども、改めて、ここでいう都立特別養護老人ホームの将来廃止の将来というのは、いつごろのことを大体おっしゃっているんでしょうか。

○村山企画担当部長 先ほど申し上げましたとおり、STEP2の期間、全体の期間を定めていないわけですけれども、将来というようなお話については、将来像の具体化の見通しというのは、その途中にある中期的な目標と取り組みを具体化する中で明らかにされていくということでございますので、当面は、その箱の中の中期的な目標と取り組みのというところを一生懸命頑張りながら、将来像を具体化していく、こういうことでございます。

○小松委員 これ以上やりませんけど、中期的な目標と取り組みというのは、六人部屋、大部屋を解消して居住の改善を図っていくんだといっているわけでしょう。そのことと将来の廃止が何で結びつくのかわからないんですが、これはまたの機会にいたしまして、次に、国基準を満たしていない六人部屋の解消計画、これは私、前にもお伺いしたことがありました。今どのぐらい進んでいて--実際には、ここに書いてあります、六人部屋八割、九割ということになると、たった一割か二割なのかなという感じがしますけれども、今後の計画というのは、大体どのぐらいで国の基準に合わせていこうとされているんですか。
 もう一つは、例えば国の基準、最低でも四人というのがありますね。全部四人にした場合、これは最低ですけど、何室不足するんでしょうか。

○反町施設調整担当部長 板橋ナーシングホームにつきましては、国基準に満たない六人部屋が多数を占める現状にございまして、平成十年度から居室改善に着手してございます。利用者の状況等を勘案しながら、できるだけ早期に国基準のレベルを実現したいと考えております。
 なお、東村山ナーシングホームにつきましては、すべて四人部屋以下となってございます。
 次に、板橋ナーシングホームの六人部屋を四人部屋とした場合の入所可能人員の合計は三百六人でございまして、平成十三年の利用定員四百八十五人との差となる百七十九人、この方々を四人部屋で受け入れると仮定した場合、四十五室が不足するという計算になります。

○小松委員 ですから、四十五室不足するんだけど、それをつくらないで規模を縮小するということなんですね。入所申込者が多数いる現状では、居室改善というのは規模縮小でなくて、増築なり何なりの対応をしていかなければならないのではないかというふうに思います。
 また、高齢者が地域で住み続けられるという施策をやっていくんだと。もちろん、これは重要ですけれども、都立のナーシングホームの規模の維持拡大と決して両立しないものではないはずです。両方の充実を図っていくべきだと思いますが、それができないとおっしゃいますね。これはそういうことですか、最後にもう一度だけお伺いします。

○反町施設調整担当部長 都立ナーシングホームでございますが、先ほど来申し上げておりますように、東京都の役割が、区市町村による介護サービスの着実な実施、提供の確保などを支援することが主な役割となってございます。そういった状況の中で、都立の施設のシェアも低下するとか、あるいは存在意義等も薄れてきた状況にございますので、このような状況の中で、施設増築のためのコスト、あるいは運営面での効率性--非効率な状況がございますので、そういったものを考えますと、都立施設を今後ふやしていくことは全く考えられない状況でございます。そうでなくて、高齢者施策の大きな方向性といたしましては、都の役割を踏まえまして、今後、高齢者の地域での生活を支援していくべきであるというふうに考えております。

○小松委員 きょうは聞くだけにしましょう、あとまだありますのでね。
 次に、請願があります。高齢者病院に対しての請願なんですけれども、これにつきましては、私、前回も多摩老人医療センターや板橋の老人医療センターを含めて、これは今の公設公営だからこそできるんじゃないかという質問をしたときに、何とおっしゃったかといったら、高齢者医療については民間のノウハウを活用することだということをおっしゃっていたんですけど、実際にその一方では、高齢者専門病院こそ先進的な、先駆的な病院なんだ、これは本当に自負するべきだと、ちゃんと評価も位置づけもされている。
 だとすれば、老人医療センターにこそ、そのノウハウがあるんじゃないんでしょうかね。高齢者医療のノウハウということで、民間、民間とおっしゃるけど、都立こそそのノウハウを持っている、そして、むしろ民間にノウハウをどんどん普及させていく、これが基本じゃないかと思うんですけど、もう一回お伺いします。

○反町施設調整担当部長 老人医療センターでございますが、老人医療センターは日本最初の老人専門病院として、高齢者医療に先駆的、モデル的に取り組んでまいりました。その結果、老人医療センターには、高齢者のQOL、生活の質と申しておりますけれども、これを第一義に考える、全人的、包括的医療など、高齢者医療のノウハウが蓄積されてございます。
 今後の急速な高齢社会の進展を見据えると、こうした高齢者医療のノウハウを民間医療機関等に普及拡大することが不可欠でございまして、そのためには、経営を民間にゆだねる必要があると考える次第でございます。

○小松委員 私、たまたま多摩老人医療センターの近くにおりますので、よく見ておりますから、ここから物をいわせていただきますと、多摩老人医療センターが地域一般病院化するということですけど、例えば地域一般病院化する、公社を通して民間委託するということになると、問題は幾つかありますが、大切なのは、民間委託ということで差額ベッドもできてくるのではないか、また、一般病院化することで高齢者が受診しにくくなるのではないかというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。

○反町施設調整担当部長 多摩老人医療センターが地域病院化することは、地域に不足します急性期医療を充足するというような目的でございます。たとえ地域病院になった場合においても、高齢者医療の機能は残すこととしておりまして、これまで培ってまいりました高齢者医療のノウハウを活用するとともに、地域連携を強化し、共同診療ですとか研修会の開催等、地域の医療機関を支援してまいります。その結果、地域全体としての高齢者医療の水準の向上につながることが期待できます。
 したがいまして、高度専門的な高齢者医療を必要とする患者さんに対しては、適切な医療を提供することができるというふうに考えております。

○小松委員 絞りますけれども、例えば今、三百二十床なら三百二十床、高齢者のためにだけあるんですね。それが一般病院化しても、受診しにくくなることはないということは、このベッド数や外来の患者、減ったり縮小することはないというふうに思っていいのでしょうか。

○反町施設調整担当部長 多摩老人医療センターが、地域病院化、公社化した後のベッド数の関係でございますけれども、多摩老人医療センターは、高齢者医療の機能を残しながら地域に不足する医療を提供するとともに、地域の小児医療を確保する観点から小児科を併設し、必要な病床数の確保を図ることとしております。
 そういった観点から、地域の医療ニーズや施設の現状等を総合的に勘案しながら、具体的な規模については、今後、実施案の策定の中で検討してまいります。

○小松委員 非常に矛盾しているんですよね。まだベッドも何も決まってないわけでしょう。そうすると、最終的には一般病院化した中で、高齢者はどうしたって、今よりもプラスアルファじゃなかったら、押し出されてしまうんですね。
 まして、もう一つ気になるのは、板橋の方は、百歩譲っても、高齢者の看板を掲げているんですよ。しかし、多摩老人医療センターの方は、高齢者とか老人とか、そういう看板をおろしてしまって、多摩北部地域病院という形になってしまうんですね。もしそういうものならば、板橋のように、高齢者という看板をおろすことはなかったんじゃないんですか。

○反町施設調整担当部長 先ほど申し上げましたように、多摩老人医療センターは地域病院化する場合でも、高齢者医療を残し、これまで培ってまいりましたノウハウを活用してまいるということで、特に老人医療の看板を掲げる必要はないというふうに考えております。

○小松委員 板橋が高齢者の総合病院と一般と両方書いているのに、こちらは多摩北部地域病院ということになっているんですよ。ですから、そういう意味では、看板をおろしているということでは、既にここで一般病院化しているんですね。特に、この地域というのは、施設内の養護、特養があったり、また全生園があったり、高齢者が大変要求が多いところです。そういう意味では、少なくとも高齢者の看板はおろしてほしくなかったし、そしてまた、一般病院じゃなく、公社や民間に委託するのではなく、今、地域の中で地域と連携して行っている、あの多摩老人医療センター、板橋もそうですけれども、ぜひ残していただきたいということで、きょうはここで要望で終わらせていただきます。
 最後に、議案の中にあります江東高齢者医療センターですね、これは、今回は個室使用料を取るということで議案になっておりますけれども、患者負担の増大につながる個室使用料を取るのはなぜでしょうか。

○反町施設調整担当部長 個室についてでございますが、個室は患者サービスの一環として、患者の入院生活の向上の観点から、快適性及び利便性に配慮して設置したものでございます。個室使用料は、患者がみずから希望して使用する場合に限り、受益者負担の観点から徴収するものでございます。医療上の必要性から個室での治療が必要な場合には、個室使用料の徴収対象とはならないものでございます。

○小松委員 調べてみますと、個室使用料一万八千円からということでは、都立の病院の、要綱ですか、これには、S1、2、3からA、B、C、D、E室まであるわけですね。今回は一万八千円だけなんでしょうか、S1だけなんでしょうか。そして、全体的には何床のうち何床が具体的に個室になっているんでしょうか。

○反町施設調整担当部長 個室使用料についてでございますが、条例案では個室使用料の限度額を定めているものでございまして、今回の江東高齢者医療センターでは、部屋の広さや設備等に応じて、S1、一万八千円とS2、一万六千円の二種類の個室を予定しています。江東高齢者医療センターの個室の割合は、全体の病室の二〇%となっております。

○小松委員 まあ、個室に入りたいという人は、それはいいですよ。しかし、先ほど、治療上個室に入る必要がある患者からは個室料を取らないというようなのがありましたが、そうなればいいんだけれども、往々にしてあるのは、今は個室しかあいてないんですよねっていわれるというんですよ。そうすると、お父ちゃん、個室でも、お金大変だけど、やっぱり入れてあげなければということで入らざるを得ないという状況も、私、よく耳にして、こんなだと、たまらないと。きょうは、演説は余り時間がないのでやめますけれども、こういう治療上個室に入る必要がある患者からも個室料を取るようなことは、絶対にしてほしくないということが一つ。
 それから、今、二〇%で一万八千円と一万六千円、もうできちゃったから、これをどうしろといえるわけじゃありませんよ。だけれど、二〇%ある中では、例えば見てみますと、一万四千円だって、洗面台、トイレなどもあるわけですね。または洗面台だけあって二千五百円、こういう個室しか入れないんだという方だって、病気は大変重いから個室にしたいんだけど、個室料が大変だからということだってあるわけでしょう。これは個室料を取らないといっているけど、そうならなくなるという心配があるわけですよ。ですから、これが公社化とか民営化する中で、こうした形がないようにという要望をしながら、これには納得をするものではないという意見表明も入れて、質問を終わりたいと思います。

○山口委員 では、最初に、介護保険制度が実施されまして二年が経過しようとしておりますが、介護保険制度のかなめである介護支援専門員に対する支援策であるケアサポート体制の構築について、何点か伺います。
 ケアマネジャー、大変多忙な中で、この制度の説明もきちんとしていかなければならないということなんですが、埼玉県では、介護保険サポーター制度というのを二年前から実施して、NPOが担っている事業があります。これは、広く介護保険制度を市民の方たちにも理解していただこうという制度で、私も非常に注目しておりました。今年度、ケアサポート事業の一環として、東京都は介護サービス利用者学習会を行っています。これは、意欲ある高齢者を講師として都が養成し、区市町村が開催する介護保険制度に関する地域の学習会や、近所の人たちとの勉強会などで活用してもらう事業と聞いています。実施して、参加した受講者の意見も含めて、実施状況を伺います。

○吉川保険部長 介護サービス利用者学習会の講師養成研修は、利用者である都民の皆さんの介護保険制度への理解を深め、適正なサービス利用や、サービスの質の向上に資することを目的に、おおむね六十歳以上の方を対象に、ことしの一月上旬から二月の中旬に、二日間の日程で計五回実施いたしました。総定員の枠が三百人に対しまして受講者は二百七十二名、九一%の受講率でございました。募集の方法は、五回やったうち四回につきましては区市町村から推薦をいただきました。そこについては、今いったように枠について若干下回りましたけれども、五回のうち一回だけは都が直接公募してやったところ、六十人の枠に三百一名の応募がございました。大変強い反響があったというふうに思っております。
 カリキュラムにつきましては、介護保険制度についての考え方のプランづくりなど、実践的技術の習得のためのグループ学習を中心に行ったところでございます。
 先生の方から参加した受講者の意見ということでございましたので、若干紹介しますと、日程的に二日間ということでやりましたので、これについては少な過ぎるというご批判がございました。
 一方、評価いただいた意見のうちでは、介護保険制度が参加する前にはよく理解できなかったけれども、グループ学習をしてみてよくわかった、地域で話をする機会があったら、講師として学習会の成果を役立てたいというふうな声が多くございました。

○山口委員 こういった高齢者の方たちが、地域の中で参加できる活動の場を広げていくということは、広い意味で介護事業にもつながっていくと思います。そして、区市町村でなかなか広がっていかないといわれる高齢者のいきいき事業、こういったことにもつなげていただけたらと思います。そして、介護保険制度を多くの人が理解するようになれば、結果としては介護支援専門員の業務も行いやすくなるという事業の趣旨が、大変評価できると思います。予算的には少ない事業ですが、今後も大いに活用していただきたいと思います。
 次に、先日、東京都介護支援専門員支援会議から、介護支援専門員に対する支援策について提言が出されました。七十四の支援策が提言されるとともに、問題提起もしています。その一つに、ケアマネジャーの独立性の確保が挙げられています。私も、居宅介護支援業務はサービス提供業務と分離していることが望ましいと考え、そのことが、利用者が公正なサービスの提供を受ける上で大変必要なことだと思っておりました。
 この提言は、ほかにも大変広範な議論を踏まえて課題をまとめていると思いますが、ケアマネジャーとケアマネの質が、これからは公正ということでは大変問われるわけですけれども、新年度のサポート事業の新規メニューであるケアマネジメントリーダー養成研修について、その内容と、また養成したリーダーの活用のあり方について伺います。

○吉川保険部長 ケアマネジメントリーダー養成研修事業でございますけれども、国が十四年度に養成いたしますケアマネジメントリーダーを講師として、私ども東京都が活用いたしまして、地域のケアマネジメントリーダーを養成するための、いわゆる伝達研修という形で行うものでございます。カリキュラムなどは、国の研修の内容がまだ明らかでないため、具体化は国の内容がわかり次第図っていきたいというふうに思っております。
 なお、この研修で養成されましたケアマネジメントリーダーにつきましては、区市町村の基幹型の在介支援センターなどに配置いたしまして、介護支援専門員からの相談に応じたり、困難ケースについてのケアマネジメント支援、また、地域における研修会開催への支援などを担っていただくことを期待しております。

○山口委員 もう一つ、新規事業としまして、ケアマネジメントリーダー等相談窓口設置について、その内容を伺います。

○吉川保険部長 都内に登録されたケアマネジャー四千六百九十九名、現在おりますけれども、これらケアマネジャーの中には、援助困難事例の対応方法や介護保険外サービスの利用方法など、直面する問題の解決方法がわからずに一人で苦慮されている方もいるというふうに聞いております。ケアマネジメントリーダー等相談窓口は、これら助言を求める介護支援専門員の相談の場として都が設置をいたすものでございまして、相談員は、新たに養成されますケアマネジメントリーダーなどが交代で対応することを考えてございます。
 都といたしましては、この相談窓口を、介護支援専門員みずからが問題解決していけるように、異なる視点に気づかせたり、介護支援専門員に精神的サポートを行うなどのスーパービジョンを与えられればいいなというふうに考えております。

○山口委員 確かに介護保険制度が始まって、さまざま利用者が広がっている中で、契約の問題とか、ケアマネジャーの心理的な負担というところでは、専門的なカウンセラー、あるいはまた法律の専門家といったような者のバックアップが必要ではないかと思いますので、ぜひ今後はそういったことも検討していただきたいと思います。
 先ほど申し上げました支援会議の提言、七十四項目にわたって挙げられたと聞きましたけれども、今後、東京都として介護支援専門員への支援策をどのようにしていくのか、この提言を受けての見解を伺います。

○吉川保険部長 先生の方でお話をいただいております支援会議の提言でございますけれども、大きく三つの観点から七十四の提言を整理したものでございまして、一つは国への問題提起すべきこと、もう一つは、これが最も肝要だと思いますけれども、介護支援専門員の能力の向上、第三が活動しやすい環境づくりと、この三つの観点からまとめたものでございます。
 この提言の中の担っていくべき実施主体としては、私ども東京都はもちろんでございますけれども、東京都だけではなくて、国、区市町村、もう一つ大事なのは、専門的職能集団としての、東京都の場合は介護支援専門員研究協議会というのが設置されておりますので、この協議会も含めて、それぞれが積極的な取り組みを期待されているというふうに思っております。
 都は、この提言を踏まえまして、十四年度においてケアサポート事業を実施するほか、現任研修の充実など能力向上の取り組みや、他職種共同支援としての意見交換会の開催などに取り組んでいくほか、地域ケア基盤の強化に向けた区市町村の取り組みや、職業倫理の確立に向けた職能団体の取り組みに対して技術的な支援を行っていきたいと思っております。さらに、提言でも触れられておりました介護報酬の改定、それから運営基準の見直しなど、国の所管しております制度にかかわる課題は国へ積極的に問題提起をしていきたいというふうに思っております。

○山口委員 次に、介護保険サービスの一つになってから、グループホームがにわかに脚光を浴びてきました。東京も福祉改革STEP2の中で、地域での自立した生活ができるように支える福祉を進めるといわれております。グループホームは、介護保険が始まった十二年度当初は五カ所ありましたが、現在四十カ所にふえ、NPO法人や社会福祉法人、そして民間企業などの事業者が参入しています。指導及び検査を実施していることと思いますが、その結果を伺います。

○若林高齢者部長 痴呆性高齢者のグループホームに対する指導及び検査でございますが、十二年度につきましては、年度末、結果として十四カ所になりましたけれども、開設時の指導、実際に行って指導したわけでございますが、十四カ所全部行きまして指導いたしました。指導、検査という形では九カ所行きました。それから、十三年度の実績でございますが、今、先生お話しありましたように、四十カ所になっておりますが、開設時の指導は二十三カ所でございます。そして、検査の方は十五カ所でございます。
 結果でございますけれども、総括的には利用者個々の状況に応じましたサービスが提供されておりまして、おおむね良好に運営されているというふうに評価しております。
 なお、グループホームの運営規定を掲示するなどの事務処理に関する改善を指導した事例も出てきております。

○山口委員 始まってからまだ二年ということで、今のところおおむね良好に経営されているということですが、STEP2では、グループホームの整備について、今後、多様な事業者の参入を図りながら強力に推進していくとの説明がありました。大いに期待するところです。
 しかしながら、事業者が急増する中、サービスの質をいかに確保するかが大きな課題です。利用者が安心していられる居場所として、グループホーム本来の特質を生かすよう、きちんとした考えを持ち、運営することが求められます。決して管理的な小型施設であってはならないと思っております。きちんとした指導とともに、東京都としてサービスの質をどのように確保していくのか、伺います。

○若林高齢者部長 グループホームにつきましては、利用者本位のサービスがまさに問われている大切な生活の場でございます。私どもとしましては、一番大事なのは、開設時からきちんと理解してもらって運営にかかっていただくという視点で、運営の手引に基づきまして指導しております。また、それ以外にも介護実務者研修に出席していただいたり、あるいはグループホーム職員の研修にも参加していただいたりして、開設時から立派な運営ができるようにという取り組みをしているところでございます。
 その後、開設後でございますけれども、引き続いて運営指導ということで、今、グループホームを運営している方々が団体を設置しております。グループホーム連絡会、たしか全部の事業者が参加しておられますけれども、そこにはほとんど毎回、私どもの担当職員が出席をしまして、私どもからの連絡事項と、ご意見等をお聞きして、また私どもの意見をお返しするというような丁寧な対応をさせていただいています。
 それ以外に、今後、自己評価を含めましてサービス評価の実施とか、苦情相談窓口の設置とか、さらには情報公開の実施、こういったものを指導していきたいと考えているところでございます。また、先ほどお答えしましたけれども、定期的な指導、検査を毎年毎年確実にやっていきたい、そんなふうに考えております。

○山口委員 グループホーム、痴呆性高齢者の方が入居しているということで、どうしても痴呆の方には、みずからどういうサービスを受けたいとか、そういった希望がなかなかいえないところから、閉鎖的になりがちですので、ぜひその辺のところは東京都もしっかり受けとめていただきたいと思います。
 痴呆性の高齢者の方にとりましては、地域の中に開かれた施設にしたいといっても、現場の方にお聞きしますと、痴呆性の方にとっていろいろな方が出入りするということは、ある意味では、専門家の方は痴呆は関係障害だというようなことをいわれる方もいらっしゃいますので、多くのボランティアを活用するということも難しい。そういった場合には、いかに地域の中に逆に出ていくか。
 先ほどお話がありましたけれども、買い物に行っているとか、あるいは散歩をしているとか--私も練馬区なものですから、庁舎がありまして、大変立派な庁舎を首長がつくってくれたものですから、区民は大変借金を背負わされておりますが、そこの上の大きなラウンジのレストランに十席ほど予約席がとってありました。たまたま練馬区にあります一つのグループホームの施設の方たちが、スタッフの方と来て昼食をとられておりました。本当にスタッフの方たちも、利用者の方の意思を尊重しつつ、はたで聞いておりましたら、こういうのはかたいですよとか、どうですかねとかいいながら、ご本人が選んで、はたから見ていると、とても痴呆性の方とは思えない状況でしたけれども、そういった開かれた施設になっているか、地域にどれだけ出ていっているかというようなことを、ぜひ東京都の方もサービス評価の視点でとらえていただけたらと思っています。
 グループホームですけど、まだ多くのところは利用者の介護度が中程度、大体要介護度の一から三になります。中には、介護度が進んだ人の夜間対応のために夜勤体制を組まざるを得なくなるところもあります。現行の宿泊体制ではなく、夜勤を実施するということは、事業者の負担が大きくなります。運営の厳しい実態を勘案され、介護報酬の改善に向けては国に要望することをお願いいたします。
 また、せんだって徳島県のある町で、空き教室を利用して、学童保育とグループホームを一体とした複合施設が、よりよい効果を発揮しているというような例も新聞記事にありました。さまざまな取り組みも検証しながら、東京都も中期的、長期的な展望に立ち、検討していただけたらということを重ねて要望しておきます。
 次に、社会的養護システムの再構築について伺います。
 虐待を受ける児童の急増や、青少年が引き起こす痛ましい事件など、保護を必要とする児童をめぐる課題は深刻さを増しています。STEP2に、社会的養護のシステムを再構築し、家庭的な雰囲気の養護を推進するという方針が示されています。このことについて、先ほども東村委員、そしてまた、小松委員からも丁寧な質疑がありましたので、本当でしたら省かせていただくんですが、仏の顔も三度というところで我慢していただいて、確認の意味で二点ほどさせていただきます。
 養育家庭の登録数、委託数、推移を伺うと、ほとんどふえていないのが実情です。要件を緩和したり、PRを実施するなどによって、養育家庭をふやしていくという今回の取り組みは評価ができるものです。しかし、登録の間口を広げるからには、養育家庭への養育力をつける支援策は、東京都が責任を持つ必要があると考えます。もちろん、答弁の方はおおむねわかっておりますが、確認の意味でお伺いいたします。

○笠原子ども家庭部長 答弁、ダブるかもしれませんが、先生ご指摘のように、意欲のある方の熱意を尊重するためにも、養育力向上のためのいろいろな支援策を講じていくということは大切だろうと思っております。私ども、養育制度の改革にあわせまして、来年度から新たに子どもの委託前の研修や専門研修、こういったものを創設いたしまして、子どもの心理面での理解を深めるための研修、あるいは養育家庭経験者との交流研修、施設での体験なども加えた実践的な研修などを実施することによりまして、養育家庭の養育力の向上を図ってまいりたいというふうに思っております。
 また、委託後におきましては、児童相談所の児童福祉司や心理職員が直接家庭を訪問いたしまして、養育家庭状況を把握して適切なアドバイスを行ってまいりたいと思っております。

○山口委員 里親さんからは、児童相談所における対応について苦情もあったように伺っていますが、今年度、養育家庭センターも廃止されるということですが、今後、児童相談所は、養育家庭の個々の状況に応じて、専門的な指導員が的確かつきめ細かく相談に応じ、助言していくことが必要となってきます。
 例えば、虐待を受けた子どもの精神的な問題、思春期の問題行動に対して児童相談所はどのように対応していこうとしているのか、再度確認の意味で伺わせていただきます。

○笠原子ども家庭部長 これまでの仕組みでございますけれども、児童相談所と養育家庭センター、二重構造だったために、児童相談所と養育家庭はお互いに顔が見えにくい、関係が希薄な関係だったというふうにいえるかと思います。養育家庭センターが養育家庭への支援を行って、児童相談所は措置や措置変更の行政処分を行うときに出てくる、こういうことが多かったわけでございます。それで養育家庭からは相談がしづらかった、こういう結果だろうと思います。
 今後、児童相談所が全面的に養育家庭への支援に取り組んでいくということでございますので、具体的には、一つは、養育家庭センターのワーカーが行っていた相談等の対応は、児童相談所の児童福祉司が児童相談センターの養育家庭担当、新たに設置するわけでございますけれども、これと連携いたしまして、家庭訪問等を行い、養育状況を把握した上で必要な指導、助言を行っていくということが一点でございます。
 二点目は、虐待等を受けた児童の心因的な問題から生じる問題行動、あるいは思春期特有のいろいろな問題行動、こういった問題に対しましては、児童福祉司に加えまして、専門的な知識を持ち、経験が豊富である心理職員--これは児童相談所に配置しているわけでございます、それから児童精神科医、こういった方たちを交えて対応してまいりたい。そして、きめ細かい対応によって里親さんを支えていきたいというふうに思っております。

○山口委員 養育家庭がふえない理由の一つとして、いわゆるアフターケアの問題があると聞いています。現在の児童福祉法の方では、十八歳の年度末には養育家庭のもとから自立しなければなりません。しかし、実際には大学や専門学校に進学したり、あるいは不況下での就職が決まらないなどにより、引き続き里親さんが面倒を見ているところがあるようです。児童福祉法の兼ね合いがあると思うのですが、成人になるまで、必要に応じ養育家庭にとどまることができるような支援を強く要望しておきます。
 次に、STEP2の中で、家庭的養護推進のもう一つの柱として挙げられています施設型グループホームの整備促進についてですが、施設型グループホームはどのような内容なのか、伺います。

○笠原子ども家庭部長 施設型グループホームの内容についてでございますけれども、施設型グループホームは、養護に欠ける児童に対しまして小集団による個別処遇の充実を図るために、昭和六十年四月から実施している制度でございます。児童養護施設が、本園から独立した自己所有あるいは賃貸による家屋において、本園からの支援を得ながら、地域の中で児童の養育に当たるというものでございまして、一ホーム当たりの児童数、おおむね六名程度でございますが、現在、都内二十六カ所の施設型グループホームがございます。
 それから、従事者、あるいは資格についてでございますけれども、保育士または児童指導員の資格を持った男女職員二名が専任で養育に当たってございます。
 それから、運営経費補助については、施設型グループホームに対します補助といたしまして、児童の保護委託に係る処遇経費のほかに、グループホームの維持運営に充てるホーム管理費、専任職員のほかに補助要員を雇用するための補助者雇用経費、こういったものが充てられてございます。

○山口委員 この施設型グループホームのメリットを東京都はどのように考えているのか、伺います。

○笠原子ども家庭部長 メリットについてでございますけれども、福祉改革STEP2での基本的な考え方として、地域の住まいを重視したきめ細かな福祉への転換、こういったものが示されておるわけでございます。施設型グループホームは、この考え方を具現化するといいますか、具体化するものでございまして、具体的なメリットとしては三点あろうかと思います。
 一つは、小規模のよさを生かせるということだというふうに思います。集団生活を基本といたしまして、多数の職員がローテーションで子どもを養育する本園施設に比べまして、養育される児童集団は六名でございますので、非常に小規模、それから、そういうことによって職員の目が行き届くというメリットがございます。それから、二人の専門職員によるきめ細かなケアが行えるということがあろうかと思います。
 二つ目は、本園との連携によって、専門的な本園からのバックアップが受けられるというよさもございます。専門職員を有する本園施設からの支援のもとで運営されるわけでございますので、被虐待児などに対しまして、きめ細かなケアの必要な児童に対しても、家庭的な環境の中で援助していくことができるということが挙げられます。
 三点目としては、地域の中で自立を支えるということだろうと思います。施設養護では、地域との交流の中にはある程度の限界がございます。しかし、施設型のグループホームは、地域の中で近隣住民との円滑な関係といいますか、適切な関係といいますか、そういった良好な関係を保持できることから、児童の安定した地域での居住というものが期待できるのではないかなと思っております。
 こんなふうにして、施設型グループホームは、きめ細かな家庭的養護と専門性の高い施設養護、その両方のメリットを生かせる形態ではなかろうかなと思っております。

○山口委員 社会的な養護が必要な子どもたちが、ごく当たり前に地域で普通の生活を行うことができる施設型グループホームは、可能性も高く、また、その存在意義は大きいと思います。具体的にどのような方策で整備を促進していくのか、伺います。

○笠原子ども家庭部長 非常にいい制度でございますし、私どもの基本的な将来の福祉改革の方向とも合致しておるわけでございますので、こういった制度をまず国もきちっと認めていただいて、取り入れていただくということが大切だろうというふうに思っております。
 そういった意味からも、昨年といいますか、平成十四年度の国への予算要望の中でも、私どもは、地域小規模児童養護施設の箇所数を拡大するとともに、賃貸による施設も対象とすること、こういった要望を国に働きかけております。今後も、国においてこういった制度が積極的に取り入れられるように、私どもとしても国に働きかけてまいりたいと思っております。
 それから、私どもとしても、新規開設グループホームにつきましては、新たに施設整備、あるいは設備整備について補助を行っていく、来年度からこういうことといたしました。平成十四年度におきましては、新たに四カ所のホームを整備していく予定でございます。

○山口委員 養育家庭、そしてまた、こういったグループホームが、子どもたちの家庭的な養護の中に大変必要な制度だと思いますので、ぜひ推進していただきたいと思います。
 しかし、一方、養護の必要な子どもたちの九〇%が施設で過ごしているのが実情です。養護施設の機能は社会資源として重要な役割を果たしていると思います。虐待や情緒障害など、深刻な問題を抱えている子どもがふえる中で、今後、どのような対応が必要なのかなど、充実させていかなければならないと思います。養護施設は、その成り立ちからいって、伝統や処遇方法がまちまちであり、それぞれに独特の養護を展開しています。社会的養護システムの再構築のためには、養護施設のあり方もきちんと考える必要があります。
 STEP2においても、二〇〇二年度、児童養護施設のあり方を検討すると書かれています。早急に取り組み、児童の最善の利益のための養護施設の方向性を示していただくことと、また、施設への子どもへの偏見をなくす地域の理解を深める取り組みもお願いして、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

○柿沢委員 私は、福祉改革STEP2の中で、第三者によるサービス評価システムの点について幾つか質問したいと思っております。予特でも出た話ですので、情報という観点から幾つか質問いたします。
 ちょっと大きな話になりますけれども、現代社会において私たちが行動する上で、すべての基本となるのが情報だと思います。私たちが消費者として、欲しいものやサービスの情報をさまざまなメディアから手に入れて、その情報をもとに多様な商品やサービスを互いに比較検討して、選択して、購入するということをしているわけです。その意味で、消費者が正しい判断をしていく上で、その商品やサービスについての正確で十分な情報が必要不可欠になってくる。ディスクロージャーという言葉に象徴されるように、正確な情報、そして、それが十分あるということが非常に大事な時代になってきているんだというふうに思っております。
 これは、福祉でも全く同じことなんだろうと思います。しかしながら、福祉サービスを見ると、残念ながら今まで、利用者にとって役立つ情報というのはほとんどなかったといっていいのが現実なのではないでしょうか。福祉サービスの内容や質を知ろうとしても、また、施設の運営の形態、あるいは経営状況を知ろうとしても、とにかく情報が少ないというのがほとんどの皆さんのお気持ちではないかというふうに思います。それが問題だと私は思っております。これから、措置から契約へという言葉のもとに、福祉の考え方の基本的な転換が図られている今だからこそ、こうした契約をしていく上で、利用者にとって判断材料となるような情報が十分に与えられなければ、一体、利用者は何を根拠に施設を選べばいいのか、サービスを選べばいいのかということにもなってしまうというふうに思います。
 私自身は、国の基礎構造改革における措置から契約へというスローガン、これはこれで結構なんですけれども、どうも利用者を目隠ししたまま無人の野に追いやって、どうぞ自由に選んでくださいというような感じがして、ちょっと心配ではありまして、この点、ちょっと質問をしてみたいと思った一つの理由ではございます。
 STEP2で都が目指す利用者本位の福祉を実現する上でも、利用者に対する十分な情報の提供は不可欠の前提であると思います。その意味で、都が福祉改革STEP2の一つの柱として、第三者による評価システムというものを積極的に打ち出したということは、非常に歓迎すべきことだというふうに考えております。しかしながら、これを本当にワークをする、ちゃんと実効を持ったシステムをつくり出すというのは、口でいうほど簡単なことではないのではないかと思います。その点から一つ質問いたします。
 福祉サービスの利用者が欲しい情報は、例えば、特養なら食事の問題、食事がおいしいかまずいか、プライバシーに配慮がなされているか、あるいは施設の経営状況は大丈夫なのか、まさかつぶれやしないだろうなと、そうした、ある意味では身近な、具体的な、いわば生きた情報というものだというふうに思います。そういった身近な情報について、ある程度果断にというか、ABCか、マル・バツ・三角かわかりませんけれども、そうしたわかりやすい、利用者にとって利用しやすい情報の提供の仕方をする、評価の情報を提供する、それが利用者が真に求めていることだと私は思っております。
 そこで、まず現状認識をお伺いしたいんですけれども、こういった今利用者が求めている情報、生きた情報を利用者は手に入れられる現状にあるのかどうか、それをお伺いしたいと思います。

○村山企画担当部長 現状について申し上げれば、率直にいって、十分ではないというふうにいわざるを得ない状況でございます。それは、行政が提供する情報というのが今のところ多いということでございまして、どうしても設置者とか、定員とか、施設の状況とかといった、そういう外形的な情報が多くて、サービスの実質の中身のところについての情報は十分ではない。一部には、市民団体の自主的な活動による情報提供とか、あるいは先駆的な事業者の自主的なディスクロージャーの動きも出てきてはおりますけれども、まだ限られた範囲というのが現状でございます。

○柿沢委員 まさにそういうことだろうと思います。利用者の側からは、ほとんど何も見えてこない。その結果、福祉サービスの利用者には、情報に対する飢餓感のようなものがあるんだというふうに思います。
 私自身も、NHKの記者をやっていた時代に、長野の支局にいましたけれども、ちょうど特養ホームのマップをつくる市民団体というのを取材して取り上げたことがありまして、こういうものをつくっていると。率直にいって、そんなに大したものではなかったですけれども、これに対する放送後の問い合わせが三百件も来たという経験をしておりまして、官製の情報ではないというか、民間の、あるいは第三者の公平な、客観的な視点から見た評価というものに利用者の側が大変飢えているんだということを、身をもって体験したことがございます。
 その意味で、都がこれから実施しようとしている第三者サービス評価も、そうした観点からの情報提供を進めていただきたいと思っているわけですけれども、そうした情報を利用者が十分得られる仕組みになっているのかどうか、皆様のご見解をお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

○村山企画担当部長 東京都が現在準備しております第三者評価は、利用者の視点からの評価である利用者調査と、サービス提供の実態を客観的に分析評価する事業評価と二つございまして、利用者調査の方では、今実際に利用されている利用者がサービスについてどう見ているのか、例えば食事がおいしいのか、まずいのかとか、プライバシーが守られているのか、非常に不愉快な思いをしたことがあるのかとか、そういうようなことについて、具体的にアンケートとかヒアリングで調査をするということにしております。
 また、事業評価の方につきましては、サービスの提供の仕方とか、経営状況、あるいはその改善状況などについて、評価者が実際に現地に出向いて実態を分析して評価する、要素的に評価をするということでございますので、その結果については公表されるということでございまして、したがいまして、この事業が軌道に乗るということになれば、利用者が本当に欲しい情報を得るという点では、相当前進できるのではないかというふうに考えてございます。

○柿沢委員 利用者の欲しい情報を得られるようにするという意味では、こうした第三者評価というのを着実に前に進めていくということが大事なことだというふうに思います。福祉サービスの事業者に課せられた責任というのは、民間企業のサービスと全く変わらないわけでありまして、むしろ社会的に弱い、ハンディキャップを抱えている立場の人たちを相手にしているという意味では、事業者の責任は一層重いと考えられていいと思います。それに、福祉サービスは都民の税金が多く使われているわけですから、その使い道を明らかにする上でも、事業者にとって、積極的に情報公開に対して協力をしていくということは当然のことだと思います。
 しかしながら、これも、実は今までこの世界では余り積極的にやってこられたわけではないというふうにいえるのではないかと思います。そうした状況の中で、情報公開するのが当たり前というマインドを福祉の世界でどうやってつくり上げていくか、これがこれからの大きな課題になってくるんだろうと思います。
 これも、実は口でいうほど簡単ではないだろうというふうに思います。もともと第三者評価ということ自体が、日本の社会の中でまだまだ十分根づいているとはいえないというのが現状でしょうし、また、福祉サービス自体も、もともと行政の措置制度が基本というか、措置制度のもとでしたから、行政が事業者に対して、あれをやれとか、これをやれとか指示をしてきて、事業者はそれに対して従って、行政のやれといったことをやるというような形で推移していたわけです。それに比べて第三者評価というのは、事業者の側の主体的な意思によって、評価機関と任意の契約を結んで評価をしてくださいということですから。それに加えて、事業者から見ると、いい面だけじゃなくて、ここが悪いという点も、ある意味で評価を同時に受けてしまうわけですから、こういったことは困る、嫌だ、うちでは受けないということがあってもおかしくないということだと思います。
 現に、民間のこうした第三者評価を先駆的に行っているNPO法人などが行った調査では、第三者評価に協力してくださいといって申し入れをしたところ、拒否するというケースも少なからず見受けられるというふうに聞いております。そうした状況の中で、第三者評価システムをこれから立ち上げていくんだというわけですけれども、事業者は、本当に自分たちのサービスを評価してもらうということを自発的にやってもらえるんでしょうか。その点はいかがか、ちょっとお伺いしたいと思います。

○村山企画担当部長 実は、そこが最大の第三者評価の課題の一つでございまして、制度はちゃんといいものをつくったんだけれども、だれも手を挙げてくれないということにならないようにするにはどうしたらいいかというのが問題でございまして、今、るるご指摘いただきましたように、いかんせん事業者がなれていませんので、そういう意味では、なじみがないし、また、今までだと、利用者は行政が連れてきてくれるというところでございますので、行政の指導に従っていれば、仕事は、まあ、なくならない、ありていにいえばそういうシステムでございましたので、利用者の目から見たサービス提供を行うというようなことで、それをさらすということについてはなかなか抵抗感がある。
 行政の指導も、自分のことをいうのもあれでございますけれども、指導、検査というのも法的なチェックというところにウエートがかかっておりまして、サービス向上という方には、どうしても微妙な問題もあるので、そこのところでいろいろなことをいうというのもいいづらいというようなことがございまして、なかなかそういう風土がない中で、この事業をどうやってみんなが自主的にやっていただけるようにするのかというのが、一つ大きな課題でございます。

○柿沢委員 その点をクリアして、評価を広めていくというか、進めていくことが利用者のために必要不可欠なことだというふうに思います。福祉サービスを提供する事業者が変わってこそ、福祉は閉ざされた世界から利用者志向の開かれた福祉に、本当の意味で変われるんだと、これが実はまさに福祉改革の大きなポイントではないかと私は考えております。
 その意味で、今の村山さんの答弁にもありましたけれども、事業者が進んで評価を受ける、あるいは、評価を受けなければ、これからの福祉の世界ではやっていけないんだというぐらいの仕組みをつくっていくことが非常に大事なことだと思います。その点からいえば、例えばですけれども、第三者評価を受けた事業者には補助を積み増すとか、逆にいえば、受けないところは減らしちゃうとか、こういった思い切った形がいいかどうかわかりませんけれども、そういった、事業者が評価を受ける方向に促していくインセンティブのようなものが、どうしても必要になってくるのではないかと思います。
 第三者によるサービス評価システムについては、来年度からシステムの試行を行うというふうに聞いていますけれども、こういう観点からの検討も試行の中で行っていくべきではないかと思いますけれども、ご見解はいかがでしょうか。

○村山企画担当部長 評価を自主的に受けてもらうためには、一つは、評価制度自体を受けたくなるようなものにするというのがあるんだろうと思います。例えばレストランの、「ミシュラン」なんかの場合には、一年間に五百ぐらい、評価されるものと、されなくなっちゃうものとが入れかわるというようなこともあるということでございまして、評価の対象になること自体が名誉だとか、あるいはそれが顧客の拡大につながるとか、そういうことになるようなものとか、あるいは、国際化標準化機構のISO基準についても、取得したということが、あるステータスを、企業のステータスをあらわす、そういう存在に福祉の第三者サービス評価制度もするというのが、まず、我々が目指すべき基本かなというふうには思っております。いいかえれば、受けることに意味があるとか、受ければ得するとか、受けないと損をするというようなことで、今、ストレートなご指摘もいただいたわけでございますけれども、そこがまず一つあるのかなと。
 基本的な道筋は、そういう方向でサービス評価制度自体を、内容を充実するということで、そういう観点から来年度、四分野九十施設で実際に評価制度、公表のところまで含めてやる予定でございますので、そういうことはちゃんとやらせていただきたいと思います。
 同時に、根本的な課題として、福祉の世界そのものがクローズされていた状況をもっと開かれたものにしていくことが大事というのが、基本でまたあるわけでございますので、事業者がお互い競い合いながら、利用者に選んでもらうというふうなものにつくり上げていく、全体の仕組みということがもう一つあるという意味で、その意味では、福祉改革を進めるということ自体が評価制度を普及させていくという道かなと思っておりまして、そういう観点から、来年度はサービス評価制度そのもののシステム試行についての努力と、それから、全体としての福祉改革の推進という両面で努力をしていきたいと考えてございます。

○柿沢委員 今、村山部長から「ミシュラン」、ISOの例が出ましたけれども、まさにこうした受けたくなるような評価システムというか、そうしたものになるためには、情報を評価する機関の公平性、あるいは提供した情報の正確さ、そうしたことも求められてくるんだろうというふうに思います。あらゆる意味で、こうしたシステムが利用者にとって非常に役に立つものになるように、大きく期待をしたいと思います。
 ただ、これも、評価システムが確立しましたということに仮になったとしても、その結果を利用者が容易に入手できるということにならないと意味がないわけですね。恐らくインターネットを使った情報公開などを中心に考えておられるんだろうと思いますけれども、それは利用者はもちろん、あるいはその家族、ケアマネさん、そうした関係のある皆さんにとって、その情報を簡単に手に入れられるような、また、利用者と一口にいいましたけれども、こうした皆さんは高齢者だったり、あるいは逆に小さかったりとか、いわゆるIT弱者みたいな方々もいっぱいいらっしゃると思いますので、そうした皆さんにとっても情報が簡単に手に入れられるように、さまざまな工夫を凝らす必要があるのではないかと思います。
 STEP2の中でも、東京都は来年、福祉情報総合ネットワークシステムというのをつくろうということで打ち出しておられますけれども、どのようなシステムを構築されるのか。また、今申し上げましたように、利用者やその家族、ケアマネジャーの皆さん、そうした関係のあるあらゆる皆さんが自分の必要な情報を容易に入手できるような工夫、どんなことを考えておられるのか、伺いたいと思います。

○村山企画担当部長 一つは、まず、利用者が求めている情報にスムーズにたどり着くというのがあって、インターネットは、情報を容易に収集したり発信するという点では有効なんですけれども、高齢者や障害者がちゃんと使えるということにするために、例えばホームページなんかについても、視覚障害者が音声を読み上げるようなソフトを活用しているという場合でも、ちゃんとアクセスできるようにするとか、そういうようなことがインターネットの世界についても大事だと思いますし、同時に、ITも便利ですけれども、それ以外の道具、印刷物とか、携帯電話とか、ネット接続型の固定電話とか、ファクスとか、利用者が置かれている状況に合わせたものを用意する必要もまたあるということで、ITだけには限定しないで、ちゃんとやっていこうというふうに思っています。
 もう一つは、たどり着いたはいいけれども、その情報がわかりにくいという問題があるので、そこの点でも、例えば保育の例をとれば、その情報を見ると、その地域にあるすべての保育所の評価情報がばっと一目で見えるように出ていると。そうすると、自分の好みといいましょうか、ウエートを置くところで、どこが延長をやっているとか、やっていないかとか、いろいろなことがすぐに保護者がわかって選択できるというような、そういう出し方ということについても工夫していきたいというふうなことで、そういうものに設計すべく努力をしてございまして、そういうものとして来年度、福祉情報総合ネットワークについては立ち上げていきたいと考えてございます。

○柿沢委員 第三者評価システムも福祉総合ネットワークも、情報という観点からは非常に重要な制度だというふうに思います。というか、利用者本位を標榜する福祉改革をいうならば、恐らくこれが不可欠の前提なんだと思うんですね。そういう意味では、措置から契約へという流れをつくる上でも、契約をする主体である利用者が十分な情報を持つということを置き去りにして改革を進めるわけにはいかないというふうに思いますので、ぜひこれから鋭意進めていただきたいと思います。
 この点については、国の施策も同時進行で行われているわけですけれども、実効性ある具体案とはほど遠いものが出ておりますし、地域の実情も加味しない、ある意味で画一的なメニューみたいなものを想定しているという意味では、まだまだ不十分な点が国の施策の方には多いというふうに私は感じております。
 その中で、都の第三者評価システムというものは、STEP2の中でも、大都市東京から発信する新しい福祉というのを一つの柱でいわれておりますけれども、官ではなく、NPOなど多様な民間の評価機関を積極的に活用するとか、全国に先駆けた非常に果断な、先進的な取り組みが多数散りばめられていると思います。こうしたことを東京から発信して全国に広げていく、そうしたきっかけをつくる上でも、ぜひ第三者評価システム、また、今の福祉情報ネットワークを順調な形で軌道に乗せていただきたい。
 希望を申し上げまして、私の質問を終わります。

○曽雌委員長 この際、議事の都合により、十分間休憩いたします。
   午後五時二十三分休憩

   午後五時三十二分開議

○曽雌委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○河西委員 それでは、質問させていただきますが、昨日予算委員会で取り上げました配偶者からの暴力防止及びその自立支援について、一時保護を中心に、この場で何点かお尋ねをさせていただきたいと思います。
 まず冒頭に、法の施行が昨年の十月十三日から行われておりますけれども、この四月一日からDV法による一時保護が始まりますが、法施行後の女性相談センター、あるいはウィメンズプラザにおけるDV被害に関する相談、及びそのうちの一時保護の状況、また、都内の保護命令の決定、これに関する件数をお伺いしたいと思います。

○笠原子ども家庭部長 昨年の十月法施行後の、夫からの暴力等による相談件数でございますけれども、十四年一月末現在で千四百七件でございます。前年の十月から一月までの同期に比べまして一・九倍となってございます。
 それから、そのうちの一時保護件数でございますけれども、同じく十月一日から一月末ということになりますけれども、百十二件、前年の同じ期間に比べまして一・五倍となってございます。
 それから、保護命令件数、これは警視庁の発表の数字をとらせていただきますけれども、一月三十一日現在、条件として、申立人の住所または居所が東京である人ということでございますけれども、全国百八十五件のうち、東京都は十四件という数字になってございます。

○河西委員 わかりました。保護命令の件数ですが、警視庁発表ということで、今数字をお示しいただきましたけれども、東京都内に居所または住所を持っているということですよね。本来、この保護命令の件数も、地裁が決定するわけですけれども、この法の所管をする配偶者相談支援センター、具体的には東京都の場合は生活文化局と福祉局、両方になるわけですが、この支援センターで把握するということが、私は基本じゃないかと思います。今のところ、警視庁の数とか、あるいは裁判所経由で東京では何件だろうかとか、いろいろな形で数を知ろうとしているわけですが、今後は配偶者暴力相談支援センターの方で把握して、必要に応じて公表できるような、発表できるようなことにしていただけたらありがたいということだけ申し上げます。
 今、相談件数とそのうちの一時保護の数がありました。相談件数も一・九倍、一時保護の件数も一・五倍ということで、増加の傾向にあることは確かでございます。その中で、増加するであろう、夫から、あるいは配偶者からの暴力の発生が、一時的にはふえると思うんですが、いずれはなくなるということを目標に、防止に対する施策を講じていくというのも東京都の役割だろうと。そのためには、被害者である、とりわけ今は圧倒的に女性ですけれども、女性の保護なり、あるいは自立へのサポートということと同時に、加害者の更生プログラムといいますか、再発に至らないプログラムというのも、ぜひ必要だということも強く感じているところです。
 次に、それでは一時保護はどこで行われるのかということです。DV法では、法の第三条第三項によって、配偶者からの暴力の被害者については、一時保護は民間施設に委託できる、こういう規定になっておりますけれども、東京都の場合は婦人保護施設にお願いするということになっているようでございます。これらについて、どうしてこのようになったのか、お考えをお示しいただきたいと思います。

○笠原子ども家庭部長 先生、今お話しのとおり、十四年度から新たに婦人保護施設への一時保護委託を実施いたしまして、配偶者からの暴力を受けた被害者に対する保護体制を拡充していくということでございますが、なぜ婦人保護施設にということでございますけれども、配偶者からの暴力被害者を含む家庭生活の破綻、生活の困窮などによりまして保護を必要とする人を保護し、自立支援する施設として機能し、実績を婦人保護施設は上げてきたわけでございます。
 こんなことから、配偶者からの暴力被害者を支援する十分な機能を果たすことができるというふうに私ども考えまして、婦人保護施設を委託先としたものでございます。

○河西委員 厚生労働省は、この具体的な一時保護について、都道府県ないし市町村に、どういう対応をするかという基本的な考え方を何度かにわたって示していますけれども、その中で、東京だけとは申しませんけれども、民間シェルターへの委託というのが、ほかの道府県では、その方向で検討されているわけです。
 保護が必要な被害者の数、それに見合った施設がどのように東京都内に配置されているかということからいきますと、まず、女性相談センター、現在四十五というキャパシティーがありますので、これは東京都の施設ですが、ここでまずやられるだろう。しかし、これは必ずしもDVの被害者だけの施設ではありませんし、増加している一時保護の必要な被害者の数から想定しますと、いずれどこかの施設に民間を含めて委託するということで、婦人保護施設を、今のところ三施設と伺っていますが、委託契約を結ぶんだということになっています。
 ただ、今、十分な機能を備えているからということで保護施設を委託先に決めているということなんですが、本来、婦人保護施設というのは、いうまでもないんですが、売防法による施設でございまして、一時保護を目的としているんじゃなくて、入所の施設で、いずれは社会への更生を促していくということはあるにしましても、このDV法でいっている緊急一時保護、都からのこの保護に対する委託費の単価も示されておりますが、それに該当する施設ではないというふうに思うんですね、婦人保護施設でもいいということになっていますが。
 なぜこういうことを申し上げるかといいますと、もともと入所施設としてある婦人保護施設ですから、中での入所生活をきちんとサポートしていく、このことは保障されていると思いますけれども、DVという特性に合った一時保護の、二週間ないし三週間というこの期間の適切な対応ができるかどうかということについては、まだ疑問が残るといいますか、大丈夫かなという不安が残るところなんです。
 それで、ちょっと繰り返しになってしまうかもしれませんけれども、自立に向けて、保護命令の手続とか、就労の支援とか、転宅のための家探しとか、保護命令を申請しますと裁判所に行くとか、さまざまなことが保護期間中に短期間に行われるわけです。それを経て、自立への道を確かに歩んでいけるかどうかという大事な時期ですので、ここでの人的な配置とか、本当にその人が自立していけるかどうかのケアは、きちんとされなければいけないというふうに思うんですね。
 したがって、これまで女性相談センターとか民間シェルターが担ってきた、一時保護中の場合と同じような十分な対応ができるかどうか、もう一度お聞かせいただきたいと思います。

○笠原子ども家庭部長 婦人保護施設でございますけれども、従来から、配偶者からの暴力被害者を保護して自立に向けた支援を行ってきたわけでございます。警備などの安全面での配慮に加えまして、日常の生活指導等の人員もきちんと配置されてございます。平成十四年度からは新たに心理療法担当の職員、こういったものを配置いたしまして、カウンセリング機能を充実する予定でございます。女性センター及び福祉事務所とも密接に連携して、先生、今お話しがありましたように、自立に向けて、健康管理とか住まい、あるいは就労、こういった幅広い問題に対応して自立に向けた相談支援、こういったものを行っていく考えでございます。
 婦人保護施設、これは女性相談センターあるいは民間シェルターと同様に、被害者の自立に向けた一時保護施設としての役割を十分果たしていけるだろうというふうに私は考えております。

○河西委員 ぜひ、そのように女性相談センターとの緊密な連絡、あるいは区の婦人相談所等ともしっかり連携をとりながら、具体的にサポートをお願いしたいと思うんです。といいますのは、この期間のサポートがきちんとできませんと、出ざるを得ないわけですね、退所するわけですが、またもとの夫のところに、あるいは配偶者のもとに戻って、やっぱり耐えられないということで、再度、一時保護が必要というふうになりましても、これはその前に自主退所しているからということで、同じような取り扱い--取り扱いといっちゃいけませんね、処遇が受けられないというケースがこれまでにもあったというふうに現場から聞いております。
 こんな心配を持っておりますので、ぜひこの婦人保護施設への委託ということ、委託後の一時保護の期間中の対応については、重々趣旨が全うされますようにお願いをしておきたいと思います。
 続きまして、それでは自立に向けた支援の具体的な中身として、一つ女性福祉資金、今回、この条例改正も議案に入っているわけですけれども、この資金の活用ができるかどうかということについてお伺いしたいと思うんです。
 生活保護やさまざまな福祉サービスをそれぞれの状況に応じて的確に活用していく、このことが必要になるだろうと思います。福祉サービスの利用に当たって、まさに体一つで家を出てくる例や、配偶者、夫に知られない、こういう状況で住民票を残したまま移動できない方が圧倒的に多いのではないかと思います。そういった場合、例えばですが、今の女性福祉資金の貸し付けの条件になっておりますさまざまな基準をクリアできない、こういう場合には資金の貸し付けは受けられないのかどうか、この点でございますが、いかがでしょうか。

○笠原子ども家庭部長 東京都女性福祉資金の貸付条件でございますけれども、大きく二点ございまして、原則、都内に六カ月以上居住していることということが一点目でございます。二点目としては保証人一名、こういう条件がございます。夫のもとに住民票を残したまま一時保護を受ける、一時保護の必要な被害者、これは要保護女子として所得制限はございませんで、貸付条件を満たしていれば現在地にて貸し付けを受けることができるということでございます。ただ、女性福祉資金は市町村を対象とした事業でございまして、区部におきましては、それぞれの区で独自の条例により実施しておりますが、ほとんどの区においては東京都の女性福祉資金と同様の制度となってございます。

○河西委員 ぜひ貸し付けに携わる職員等への周知も含めて、希望する方が有効に活用できるようにお願いしたいと思います。
 もう一つですが、広域保護についてなんですけれども、女性の福祉資金の貸し付けもそうですし、生活保護の問題もあると思いますし、あるいは子どもを連れて出てきた場合には学校の転入学の問題もありますが、これが広域的に他の道府県と連携をとれていませんと、うまくいかないと思うんですね。生活保護の場合に、都民であって他県に行った場合、あるいは他県の県民が都内に避難してきた場合とあると思うんです。
 ここら辺は、この法律ができる過程の議論の中で、私ども民主党の女性の国会議員を中心に、他の党の議員とも連携して一生懸命この法律をつくってきたという経過がありますけれども、この法制定に向けた議論の中で、内閣府とか、厚生労働省とかさまざまな省庁と意見を交換する中で、広域保護についても議論を一定されてきたところです。
 これについては、法の中に盛り込むとかいう明確な形にもなりませんでしたし、今後の検討課題ということになっておりますけれども、先ほど申し上げましたように、広域保護がお互いにできるということが確認されていませんと、現実問題として、生活保護の申請、受給の問題等々にも絡んでくる話です。これについては現在どのようにお考えになっているのか、お答えをいただきたいと思います。

○笠原子ども家庭部長 広域保護でございますけれども、東京都において夫からの執拗な追跡を受ける、暴力を受けたと。それで、都内では対応できなくて、よその一時保護所でという考え方が広域保護の考え方でございますけれども、私どもとしては、東京都の女性相談センター、あるいは今後委託いたします婦人保護施設では、配偶者からの暴力被害者が安全に、そして安心して生活できるように、一時保護施設は非公開とするなど、秘匿性にも十分配慮してございます。それから、施設の警備体制も整えまして、加害者から被害者を守る体制をとっておりまして、広域保護をする必要性と申しますか、体制としては何ら問題ないんじゃないかなというふうに認識をいたしております。

○河西委員 何ら問題がないという意味がちょっと理解しかねるんですけれども、少なくとも東京のどこかに、DV被害を受けて救済を求めてきた方に対しては、都民であろうが、他県の人間であろうが、最初に受けた--普通は福祉事務所、あるいは今回は配偶者暴力相談支援センターが明らかになるわけですが、そこへのアクセスがあるわけですね。そういう方については、少なくとも一時保護を受け入れるし、自立への必要なサポートをしていくというふうに理解してよろしいんでしょうか、その点だけちょっと。

○笠原子ども家庭部長 広域保護という概念の問題でございますけれども、東京都内におきまして夫からの執拗な暴力を受けて、都内の一時保護施設で預かることが危険で他府県等で預かってほしいと、そういうのが広域保護という考え方でございまして、そういった意味では私どもの女性相談センター、あるいは今後委託いたします婦人保護施設、そこではいろいろな面での秘匿性なり警備面での安全性、こういうものは確保されているので、そこまでやって広域保護をする、そういった必要性は今のところはないのではないかというふうなお答えをいたしたわけでございます。

○河西委員 その後に続く、他県から避難して一時保護を求めてきた人、居住地は住民票も移していませんから、都民じゃありませんね、そういう方が東京都に逃げてきて、それはやっぱり都会ですから、東京とか、大阪とか、大都会についてはそれがふえるだろうと十分予測されているわけですが、そういう方に対して、例えば必要な住民票がなくても、都民じゃなくても生活保護の受給の申請手続をやるとか、一時保護をやるとか、そういうことはできるんでしょうねという確認だけです。

○笠原子ども家庭部長 ご質問でございますけれども、現在、そういった形で逃げてきた被害者に対しましては、やってございます。

○河西委員 ですから、地域によって費用負担のところはばらつきがあると思います。ただ、一時保護についての、例えば民間施設への委託については、国が一日六千六百円という単価を示して、これが今回東京都の予算にも、必要人数、想定できる被害者の数と保護期間の設定で計上されているわけです。そうはいっても、東京都なり大阪府なりが受け持つ負担といいましょうか、それは、そうでない地域に比べたら多いと思います。
 したがって、それをどういう形で広域的に連携をとってやっていくのかということが、法制定の議論の中でも出てきたことは確かでございます。ただ、そこを明確に法には盛り込んでいませんので、今後の課題だと思いますけれども、ぜひ東京都としては、しかるべき時期にいっていかなければいけない問題ではないかということで、今ご質問させていただいたところです。これも状況の推移を見まして、またお伺いをさせていただきたいというふうに思います。
 最後になりますけれども、これまでも要保護の中には、夫からの暴力、配偶者からの暴力、あるいは強姦とか、セクハラとか、そういうことで、もちろん要保護として対応されてきたということはわかりますけれども、ドメスチックバイオレンスという、本当に信頼して、認め合って結婚したり、あるいはこれから結婚しよう、恋人同士であって、そういう相手方からの暴力を受けるということの精神的なダメージも大変なものでございます。こういうDVの特性に配慮した対応をきちんとやっていこうということで法律ができているわけですので、ここへ来て法律が制定されたという、そういう社会的な背景、歴史的な背景、DVの特性などを考えて、新しい受け皿をきちんとつくっていかなきゃいけない。
 それで、私は関連機関、関係部署の連絡調整というのは密にしなきゃいけないと思いますけれども、そこら辺の連携、調整、ここら辺の体制についてはいかがでしょうか。

○笠原子ども家庭部長 一時保護期間中、あるいはその後の退所後、生活の自立あるいは就労、それから心の問題、こういったものをきちんと立て直して、そして、地域の中で新たな生活基盤をつくっていくということのために支援をしていくことは、重要だろうというふうに思っております。そのために、配偶者暴力相談支援センター、それから地域の福祉事務所、あるいは婦人相談員等の関係機関が連携いたしまして、効果的な支援をしていくことが大切だろうと思っております。
 女性相談センターでは、配偶者からの暴力被害者が安心して自立していけるように支援するために、一つとして、例えば区市の婦人相談員との業務連絡会、その中では、いろいろな形でのそれぞれの中の入所者の情報連絡をしたり、あるいは意見交換をしたりしております。
 二つ目として、一時保護を実施している社会福祉施設関係者、それから民間シェルター、あるいは関係行政機関との連絡会、こういったものを開催いたしております。これまでも、日常的に関係機関ときめ細やかな連携協力体制をつくってきたわけですけれども、法施行に伴いまして、さらにこういったものを一層強化してまいりたいと思っております。

○河西委員 ぜひ、そういう体制で事に当たっていただきたいというふうに思います。
 本当に世も末だなという声もありましたが、私どもも胸を痛めるというか、こんなひどい状況になっているのかと。私がこれまでに、数少ないですが、幾つか具体的な相談を受けて、もう十年ほど前になりますが、東京から他県に逃げた一家五人、子ども四人、お母さん、逃げざるを得なくて夜中に逃げ出した、そういう中で、学校の転入などは、もう既にそのころも転出先を明かさないで教育委員会同士で話がついていましたし、あれでしたけれども、大変な思いをして逃げていって、若干の手助けをしたという経験もあります。
 なぜこうなったのかと。子どもが四人もいて、何でそんなことになったのかという話を聞いても、人間は、おつき合いしているとき、あるいは生活してもわからない部分もありますし、さまざまな社会状況の変化でそういう事態も起こり得るわけです。往々にして、こうなったのは自分が悪い、女性の側が自分を責めるということで悶々としているケースが圧倒的だろうというふうに思います。
 これは、男女平等とか、人権をきちんと保障するとか、そういう観点から--ただ、福祉の観点で要保護だということで対応することを超えて、男女の対等な待遇といいますか、お互いにそれぞれの人格を認め合い、人格を保障し合っていくという、そのことがなされていない中で、男女平等の基本条例などできてくるわけだし、行動計画もできているわけですから、そういう趣旨にのっとって対応していくということが、行政にも求められているというふうに思います。一日でも早くこういう事態がなくなることを私も非常に望んでおりますけれども、そうではないという現実の中で、行政が果たすべき役割もあるんだろうと思います。この状況の推移を見ながら、必要に応じて、ご指摘あるいはご要望させていただきたいということを申し上げたいと思います。
 最後に一点だけ、今回の議案の中で、民生病院の廃止の問題、済生会の事業の継承の問題が出ております。これにつきましては、きのうの予算質疑で、我が派の林知二議員がるる質疑をさせていただいているところでございます。ですので、ここで繰り返して、あるいは補足的な質問もご遠慮いたしますが、ぜひ真意を酌んでいただいて、しっかり対処していただきたいということだけ申し上げさせていただいて、質問を終わります。

○吉田委員 私が最後になるかもしれませんけれども、簡潔に質疑をさせていただきます。
 私は、提案されて、付託されている議案を中心に質疑をし、施策について一つだけ質問させていただきます。
 まず、今もちょっと話がありました医療保護施設条例を廃止する条例についてであります。
 私も、今度の条例案が出されて改めて知ったわけですけれども、今回の条例案は都立民生病院を廃止しようとするものです。都立民生病院というのは、私、認識がなかったわけですけれども、住所不定者を専門的に受け入れる病院、これは都立、民間を問わず、多分、都内では唯一の病院ではないかなというふうに思います。結論的には、私は廃止をすべきではないという意見を持っております。
 そこで、まず、確認したいんですが、今日の住所不定者をめぐる医療保護の状況からして、こうした都立民生病院の役割というものは、もはや低下しつつあるという現状なのか、まず、その基本的な認識を確認させてください。

○上野生活福祉部長 都立民生病院は、昭和二十八年に開設した応急的な医療保護施設でございます。ただいま副委員長、都内唯一ではないかというふうにおっしゃいましたが、医療保護施設というのは、都内全体で十二カ所ございます。都立は、この民生病院が一カ所だけでございます。
 その施設でございまして、住所不定者等の生活困窮者に医療の給付を行ってまいりました。設置当時、都内の医療は質、量ともに不足いたしておりまして、医療費の負担能力のない生活困窮者は入院を拒否される例が多く、社会問題化したため、これらの対象者を治療、保護するため、応急的な医療保護施設として設置されたものでございます。しかし、その後の生活保護法に基づく指定医療機関の増加と診療報酬体系の整備などによりまして、多くの医療機関で民生病院と同様の対応ができるようになりました。こうした医療事情の変化や、応急的に設置した民生病院の建物、設備の老朽化を背景といたしまして、民生病院のあり方の見直しを進めることとしたものでございます。
 見直しに当たりましては、民生病院が担っているホームレスなどの受け入れについて、現時点でそのすべてを他の医療機関で代替することは困難であること、民生病院の建物設備は老朽化しており、早急に一定の受け入れ規模を確保する対策を講じる必要があること、また、民間医療機関が継承することなどにより、当分の間、受け入れが確保されるのであれば、都立施設である必要はない、そういったことから、都立民生病院につきましては、民間医療機関にその機能を継承させることといたしました。
 つまり、民生病院機能は必要でございますが、民間の医療機関に継承させることが最も適切であるとの結論に達したものでございます。

○吉田委員 結論的には、これまで続けてきた都立民生病院のそうした機能的な役割というものが引き続き重要なんだという結論だと思うんですね。私も改めて資料を調べてみましたし、現地にも行って病院関係の方からも話を聞きましたけれども、例えば、一九九六年、平成八年の一日の入院患者数というのは七十人、それが減っているのかといえば、二〇〇〇年、ちょうど平成十二年の入院患者数は一日七十一・五人ということで、引き続き重要な役割を果たしていると。
 また、現実的に、なかなかホームレスの救急については他の病院が受け入れたがらない中で受け入れる役割を果たしている。問題は、これを廃止し、民間病院の自主的な事業として行っていったときに、これまでの民生病院としての役割が継続できるのか、あるいは、医療的な対応というものが継続できるのかということだと思うんですね。
 それで、聞きましたら、例えば、いざ退院の時期を迎えても、なかなか受け入れ先がないというような事情もあって、単純に医療的な事情だけではなくて、入院日数なども他の通常病院などと比べた場合には非常に長引いている、その分、財政的な補てんも必要だという経過があったというふうに聞いております。
 そこでお聞きしますが、これまでも、運営としては済生会中央病院が委託を受けて進めていた、今度は丸々都立を外して済生会中央病院に完全に任せると。これまでの契約と、あるいは財政支援は今度どういうふうに変わるのか、ご説明をお願いします。

○上野生活福祉部長 先ほどもちょっと申し上げましたが、民間の医療機関も充実してきておりまして、確実な機能継承がなされれば、直営とか、あるいは都からの委託とかいうことにこだわる必要はないというふうに考えてございます。それで、これまで民生病院に対しましては、医業収益の赤字が出た場合に、その分を特別委託料という形で補てんしてまいりました。そういう補助がございます。また、今回、済生会に必要な土地を譲渡いたしまして、民生病院機能を担っていただくわけでございますが、それにつきましての検討の経緯とか、補助の考え方とかについて申し上げたいと思います。
 機能継承後の病院運営が、安定的、継続的に行われることはもちろん重要でございまして、その点につきましては種々協議を進めてまいりました。その中で、東京都といたしましては、土地については適正な価格、時価でございますが、それで売却する。また、民生病院機能を継承する病棟を新たに新設していただく。ただ、それにかかる建設費と運営費にかかる経費の補助はしない、その他一切特別な扱いはしないという条件を明示いたしました。そして、済生会がこの条件によりまして、確実に民生病院機能を継承するという意思表示がございましたので、さらに先の話を進めたわけでございます。
 この協議の過程で、土地購入にかかわります資金計画についても説明を受けましたが、特に問題はないと考えました。また、済生会は自己資本比率も高く、繰越利益も一定以上安定的に確保され、医業収益に占める給与費の割合も健全な範囲であります。また、民生病院開設以来、約五十年間にわたって管理運営を受託してきた十分な経験と実績を持っておりまして、今後とも真摯な経営努力がなされるならば、民生病院機能の遂行も可能というふうに考えております。
 そういうことで、一切の補助がなくてもやっていただけるものと考えておる次第でございます。

○吉田委員 二〇〇〇年の患者一人当たりの平均在院日数というのは、五十一・六日なんですね。医療報酬だけでは到底やっていけないんですよ。したがって、今まで東京都は委託契約を結んで、赤字の分については財的な支援をするということで、この病院は維持されてきたんです。もちろん、済生会はあくまでも、すべて譲渡された場合に、これまでの機能を維持し、継承していくというふうにいわれるかもしれませんけれども、実際上、東京都の財政負担がなくなったときに、その裏づけが本当にあるのか否かということが問われるし、最終的には、これが医療水準、医療サービスなどの低下になりかねないという危険性をはらんでいるのではないか、そういう危険性を、私はまず指摘をさせていただきます。
 次に、土地の譲渡の問題については、きのうの予算特別委員会でも話題になったわけですし、重複は避けてやりますが、二〇〇〇年に済生会の方から、この土地、施設の譲渡についての申し入れがあったというご説明がありました。済生会は東京都にどういう理由から譲渡を申し入れてきたんでしょうか。

○上野生活福祉部長 済生会は、昭和二十八年に民生病院開設以来、五十年間にわたりまして、民生病院の管理運営を東京都から受託してまいりました。そして、住所不定者など要保護者への医療提供を行ってまいったわけでございます。そうしたことから、今回の民生病院の機能の継承に当たり、十分に自己の法人でそれが可能ということで希望なさったものと考えられます。
 それで、私どもといたしましては、今回のこういう形になりましたことにつきましては、先ほど見直しを行ってきたことを申し上げましたけれども、その中で、この機能継承するにつきましては、さまざま、いろいろな選択肢があるというふうに考えました。そういう中で、済生会病院につきましては、これまでの私どもの施設を受諾していただくというようなことで最も適当であると判断したわけでございます。

○吉田委員 いずれにしても、契約は明確に結ばない、財政支援もしないということで、なぜこの間の医療水準が維持できるのかということを私は指摘をさせていただきました。もう一つ、今聞いたのは、なぜ済生会は譲渡を求めてきたのかという理由です。私が承知している認識が一方的な意見だとまずいから、あなた方の答弁を求めたわけですが、私の承知している認識をいわせていただければ、要するに済生会中央病院を建てかえしようとしたときに、道路前面に接しているのは都立民生病院である、わずかに、極めて狭い範囲にしか道路に接していない、したがって、済生会中央病院の建てかえをするのが困難であるからこそ、どうしても都立民生病院の譲渡を受けたい、払い下げてほしいということなんですね。
 したがって、譲渡することによって医療機能が維持できるよという側面が確かにあるかもしれませんけど、まさに済生会中央病院のために譲渡するという意味合いもあるわけです。
 それもいいじゃないかという意見があるかもしれませんが、私、この点で非常に疑問があるんです。きのうもちょっと話題になっていましたけれども、もともと済生会中央病院の土地というのは、国から無償で払い下げを受けた土地ですね。ところが、もともとは道路に接していたわけでしょう。もっと広大な土地で道路に接していたわけじゃないんですか、違いますか。

○上野生活福祉部長 済生会中央病院の用地につきましては、昭和四十年に国から土地を、無償ではなかったと思います、有償で譲渡を受けたと思いますが、その後、中央病院の建てかえの後に、用地の一部を民間に譲渡されたと伺っております。それに伴いまして、接道の問題が出てきたわけでございますが、それは建設安全条例がその後に改正された結果、そうなったというふうに伺っております。
 それで、申し上げておきますが、私ども、そういう点に関しての済生会の方の事情ということは全く関係ございません。私どもの方で、今回こういう形にすることに決めましたのは、先ほども申し上げましたが、機能継承についてのさまざまな選択肢、例えば都立病院に分散するとか、民間のほかのところに分散するとか、あるいは更地でもってつくるとか、さまざまなことを検討したわけでございます。その結果--ちょっと説明させていただきます。
 済生会につきましては、この五十年来の運営の受託の実績というようなことから、住所不定者等要保護者への医療提供に十分な経験と実績を有しています。また、済生会はこの土地を取得後に、民生病院の機能を継承するための病棟を新たに建設することとしておりまして、長期的、安定的に民生病院機能の継承が期待できるのではないか。現在の民生病院の規模とか機能をそのまま継承しますので、ホームレス、特に済生会が扱っているホームレスにつきましては、シラミの問題とか、アルコールの問題、あるいは生活習慣が崩れている問題、そういう非常に厳しい層の方々でございまして、こういう方々の医療需要に、緊急対応も含めてこれまでどおりに対応できる。
 要するに、こういう機能に対応するためには十分な経験と実績がなければなりません。また、すべての診療科目を備えた総合病院と一体となった運営が必要でございます。そういった観点から、済生会は適当ではないかと考えました。仮に、そういう機能を持った病院を都独自に新たに建設するといたしますと、数十億円からの財政負担が生じるわけでございます。
 そのような意味で、済生会に民生病院機能を継承させていくのが、総合的に判断して、都政にとって一番メリットがあると。そのためにのみ行うものでございます。

○吉田委員 じゃ、私、問題点だけ指摘をさせていただきます。
 今も質問をいたしましたけれども、国から払い下げを受けながら、その広大な土地をわざわざ三菱地所に売却しているんですよ。そのために、済生会は道路に面する面積が狭くなって建てかえができなくなった。自分たちで、本来道路に接道している場所を民間に売却をしておきながら、いや、建てかえができないから、今度は都有地を売ってくださいというのは、いささかおかしな話ではないかというのが一点なんですよ。
 もう一つ、これは質問いたしませんけれども、新聞、雑誌などでも指摘をされていますが、この済生会中央病院は、個人の幹部の問題かもしれませんけれども、一定の期間にわたって一定額の有価証券取引、すなわち株投機を行ってきたということで、福祉局からも、必要な調査なり指導が行われたという法人なんですね。
 そういう問題からしても、私は果たして--確かに、医療的にこの間努力をされてきたことは認めます。しかし、そういう問題点についても疑問が生まれざるを得ないということを意見として述べさせていただきます。答弁は結構ですから。
 あと、条例案件にかかわる問題で、どうしても、これも質問じゃなくて、私の方から一方的に意見だけいわせていただきますが、何点かいわせていただきます。
 一つは、介護福祉士等修学資金貸与条例の一部を改正する条例案についてですけれども、結論的にいえば、若干、僻地等拡大した面もありますけれども、従来の三年勤務すれば免除するという規定を七年に延ばすと。率直に判断は迷いましたけれども、現実に国の制度においては、例えば、中小病院に勤務する看護婦さんの場合には三年という期間になっているという現状があります。また、専門学校にも、私、直接問い合わせしましたけれども、専門学校の担当者は、男女の違いがありますけれども、できれば三年で継続してほしいという要望があったことから見ても、現行の三年制度を維持すべきだという意見を持っております。
 次に、東京都養護老人ホーム条例の一部を改正する条例、すなわち伊豆山老人ホームの廃止にかかわる条例提案でありますけれども、これは特別養護老人ホームと違って、そもそも民間で養護老人ホームを運営している法人、施設は極めて少ない中で、東京都が果たしている役割というものは特養以上に大きなものがあると思います。先ほども質疑をする前に確認させていただきましたけれども、ことし一月時点で、待機者は二千四十二名という数があります。そういう問題についても配慮をされなければなりませんし、また、廃止理由については、この間も議論がある中で、例えば、がけ地で非常に危険であるとか、老朽化ということが指摘をされましたけれども、この地域で、東京都に対して熱海市が福祉施設をつくるために、その譲渡といいますか、払い下げを求めているという経過からしても、がけ地、危険などということについては理由にならないというふうに思うんです。
 次に、女性福祉資金貸付条例の一部を改正する条例についてですけれども、これも私、改めて、そもそも寡婦とは何ぞやということが勉強になったわけですが、もともとこの制度は、困窮な女性たちに対する資金貸付という制度として始まったわけですけれども、そういう人たちだけではなくて、もっと幅広く女性の経済的自立を促すために対象を拡大しようと改正されてきたのが、女性福祉資金貸付条例の経過だというふうに説明を受けました。それをもう一度、今度限られた人々に狭めようというのが今度の改正のポイントだという意味で、逆行という面もありますし、しかも、寡婦については二十五歳以上だけれども、そうでない女性については四十歳以上というふうに、厳密にいえばもっと言葉足らずの面もあるかもしれませんけれども、こういう年齢の区分というのは、今日の時代においていかがなものかという疑念を持った経過もあります。
 次に、社会福祉事業振興資金貸付条例を廃止する条例についてですけれども、これは国の制度に対して東京都が利子補給をするというものと二段構えでやられてきたし、かつ、一年間休止をして問題はなかったということでありますが、きょう出された資料の中でも、五年間にわたる社会福祉事業振興資金貸付状況の推移が示されておりますが、決して減ってきていない。かつ、先ほどからの議論があったように、緊急三カ年の整備を初めとする福祉施設の緊急整備がますます求められているときに、この支援のための貸付条例を、二本のパイプを一本だけに狭める必要はないのではないかというのが、私が感じた意見であります。
 最後に、施策上の問題で、一点だけ簡潔にやらせていただきたいんですが、それは、代表質問の中でも触れました介護予防策の強化の問題ですね。私も何度か取り上げてきましたし、いうまでもない話でありますけれども、寝たきりや介護の状態にならないように、できる限り行政として支援していくということは、高齢者自身、または家族の方々の要望に一番合うことであり、また、合理的な形で介護や医療にかかわる費用の節減にも直結する課題だと思うんです。これはもちろん福祉局、当たり前のことだということだと思うんですが、改めて介護予防策についての基本的な認識を伺いたいんですが、いかがでしょうか。

○若林高齢者部長 介護予防策についての認識でございますけれども、在宅の高齢者ができる限り寝たきりなどの要介護状態に陥ったり、状態がさらに悪化しないように介護予防に取り組むということは、大変重要であるというふうに考えております。このため、都としましては、要介護高齢者への介護サービスを中心とする介護保険制度と一体で、介護予防支援事業によりまして取り組む区市町村を支援しているところでございます。

○吉田委員 介護予防といっても、施策的には非常に幅が広いと思うんですが、学者、研究者の皆さんからも指摘をされている一つの課題が、いかに引きこもりをさせないか、家庭に閉じこもるという状態から引き出すのかという課題だと思うんですね。特に東京の場合には、いわゆるひとり暮らしの高齢者、独居老人がたしか約二割、高齢者世帯の中で、高齢者夫婦のみで暮らしている方々を含めれば、約半数と。これは、全国の中でも特に独居老人の比率は高いだけに、この引きこもりを予防する、引きこもらせないといったらいいいい方じゃありませんが、社会的な外出、参加を促す施策というのは、非常に重要な施策だと思うんですが、こういう点について福祉局はどのように考え、どのようにやろうとしているんでしょうか。

○若林高齢者部長 高齢者の方々には、それまでの生活や人生経験などを踏まえたいろいろな生き方があり、人生観もさまざまでありますが、介護予防という観点から見た場合には、高齢者が家の中に閉じこもるということについては、寝たきり等の原因になりますので、その予防に向けた取り組みが大変重要であるというふうに考えているところでございます。
 区市町村では、既に、先ほど申し上げましたけれども、介護保険サービスとしてのヘルパーの派遣、訪問介護とか通所介護、それから、介護予防・生活支援事業では、外出支援のためのサービスや配食サービスや生きがいのデイサービス、さらには、見守り機関関連サービスとしましては、緊急通報システム、あるいは老人クラブによる友愛訪問、こういった、高齢者が地域の中で孤立しないで安心して住み続けられるよう、施策の充実に努めております。都は、こうした区市町村の取り組みを支援しているところでございます。

○吉田委員 もう一つといいますか、代表質問でも提起をさせていただきました、新しい課題としてパワーリハビリと。これは、東京都としても区市町村を支援するというご答弁をいただきました。私も、モデル事業を実施しております川崎市にも行きましたし、また、同僚議員で直接こうしたことを行っている病院を見学した結果も聞きましたけれども、要介護状態で、自立といいますか、一人で歩行することも困難な方々であったとしても、適切なメニューに基づく筋力トレーニングをマシン等も活用して行うことによって、それこそ壁打ちテニスもできるような状態にまでなった方もケースとしてはいらっしゃるという意味では、非常に重要な施策だと思うんです。
 このパワーリハビリについて、まだまだ今後さらに調査研究していく余地もあるかと思いますが、福祉局としての見解をお尋ねして、私の質問とさせていただきます。

○若林高齢者部長 いわゆるパワーリハビリとは、要介護高齢者等を対象にトレーニング機器を使用して行うリハビリテーションのことでございますけれども、現行制度上、介護保険のサービスや介護予防・生活支援事業の一環として実施が可能でございます。都としましては、こうした事業を活用しながら、パワーリハビリに取り組む区市町村を支援していきたいというふうに考えております。

○曽雌委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案及び請願並びに報告事項に対する質疑は、これをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○曽雌委員長 異議なしと認め、本案及び請願並びに報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で福祉局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後六時二十八分散会

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