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Tokyo Metropolitan Assembly

都市整備委員会速記録第三号

令和三年三月十五日(月曜日)
第五委員会室
午後一時開議
出席委員 十三名
委員長米川大二郎君
副委員長鈴木 章浩君
副委員長和泉なおみ君
理事高橋 信博君
理事上野 和彦君
理事小山くにひこ君
藤井とものり君
保坂まさひろ君
斉藤れいな君
森口つかさ君
曽根はじめ君
中山 信行君
鈴木 邦和君

欠席委員 なし

出席説明員
住宅政策本部本部長榎本 雅人君
技監久保田浩二君
住宅企画部長オリンピック・ パラリンピック調整担当部長兼務佐々木秀之君
都営住宅経営部長青柳 一彦君
総合調整担当部長連絡調整担当部長兼務鈴木 誠司君
住宅政策担当部長武井 利行君
民間住宅施策推進担当部長飯塚 佳史君
経営改革担当部長土屋 太郎君
再編利活用推進担当部長栗谷川哲雄君
建設推進担当部長妹尾 高行君
営繕担当部長金子 陽子君

本日の会議に付した事件
住宅政策本部関係
予算の調査(質疑)
・第一号議案 令和三年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 住宅政策本部所管分
・第十二号議案 令和三年度東京都都営住宅等事業会計予算
・第十三号議案 令和三年度東京都都営住宅等保証金会計予算
付託議案の審査(説明・質疑)
・議員提出議案第二号 東京都住宅基本条例の一部を改正する条例

○米川委員長 ただいまから都市整備委員会を開会いたします。
 初めに、予算の調査について申し上げます。
 令和三年度予算については、予算特別委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について議長から調査依頼がありました。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

令和三年三月十二日
東京都議会議長 石川 良一
都市整備委員長 米川大二郎殿
   予算特別委員会付託議案の調査について(依頼)
 このことについて、三月十二日付けで予算特別委員長から調査依頼があったので、左記により貴委員会所管分について調査のうえ報告願います。
     記
1 調査範囲 別紙1のとおり
2 報告様式 別紙2のとおり
3 提出期限 三月十八日(木)午後五時

(別紙1)
都市整備委員会
 第一号議案 令和三年度東京都一般会計予算中
        歳出
        繰越明許費
        債務負担行為 都市整備委員会所管分
 第十二号議案 令和三年度東京都都営住宅等事業会計予算
 第十三号議案 令和三年度東京都都営住宅等保証金会計予算
 第十四号議案 令和三年度東京都都市開発資金会計予算
 第十七号議案 令和三年度東京都臨海都市基盤整備事業会計予算
 第二十号議案 令和三年度東京都都市再開発事業会計予算

(別紙2省略)

○米川委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、住宅政策本部関係の予算の調査及び付託議案の審査を行います。
 これより住宅政策本部関係に入ります。
 初めに、予算の調査を行います。
 第一号議案、令和三年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、住宅政策本部所管分、第十二号議案及び第十三号議案を一括して議題といたします。
 本案については、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○佐々木住宅企画部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 二月十六日の当委員会で要求のございました資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元に配布しております資料1、都市整備委員会資料の表紙をおめくりいただきまして、目次をごらんください。資料は七件でございます。
 一ページをお開き願います。1、都営住宅、公社住宅の十年間の建設実績でございます。
 都営住宅、公社住宅の別に、平成二十二年度から令和元年度まで、年度別の建設戸数を記載してございます。
 二ページをお開き願います。2、都営住宅における居室内単身死亡者数(過去十年間)でございます。
 平成二十二年度から令和元年度までの人数について、年度別に記載してございます。
 三ページをごらんください。3、都営住宅の共用部等におけるLED設置状況(過去五年間)でございます。
 平成二十七年度から令和元年度まで、年度別の戸数を記載してございます。
 四ページをお開き願います。4、区市町村住宅供給助成費の予算と実績の推移(過去五年間)でございます。
 平成二十七年度から令和元年度までの当初予算額、決算額について、年度別に記載してございます。
 五ページをごらんください。5、マンション管理アドバイザーの派遣実績でございます。
 東京都防災・建築まちづくりセンターのマンション管理アドバイザー制度の派遣実績のあった区市の別に、令和元年度の件数を記載してございます。
 六ページをお開き願います。6、区市町村が実施しているマンション管理アドバイザー派遣の助成一覧でございます。
 今年度、マンション管理アドバイザー派遣の助成を実施している区市の別に、助成制度の概要、助成の内容を記載してございます。
 八ページをお開き願います。7、マンションに対する耐震診断及び耐震改修の助成実績(過去五年間)でございます。
 耐震診断、耐震改修、合計の別に、平成二十七年度から令和元年度まで、年度別の当初予算額、執行件数、執行額を記載してございます。
 以上で資料説明を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○米川委員長 説明は終わりました。
 これより、ただいまの資料を含めまして、本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○鈴木(邦)委員 私からは、最初に都営住宅の各種の手続のオンライン化について質疑をしたいと思います。
 昨年の九月だったと思いますけれども、東京都の方でもデジタルファースト条例ができまして、行政手続のデジタル化に向けて、本格的に各局でその手続を進めていくということになりました。
 この条例は、我々会派としても二年前から知事に提案をさせていただいているものでして、今回、来年度の予算案の中で、都営住宅さんが、今回は都営住宅募集のオンライン化、そして宅建業務の手続のオンライン化に関する予算を計上されているということで、この方向性自体は私も大変歓迎をしたいと思います。
 ただし、日本の行政のデジタル化というのは、この二十年は失敗の歴史だったといっても過言ではありません。
 先日、代表質問でも少し、我々会派、触れましたけれども、二〇〇一年に初めて日本の政府でe−Japan戦略というものが策定、公表されて、その中の記述、現在の行政方針とも遜色のないものがあります。書類ベース、対面ベースで行われている業務をオンライン化すると。自宅や職場からインターネットを経由し、実質的に全ての行政手続の受け付けは二十四時間可能とするという、そういう記述があります。これ二十年前の政府の方針です。
 しかしながら、こういうものが掲げられていたにもかかわらず、なかなか日本の行政のデジタル化は進んでこなかったという現状があります。
 今、国のシステム関連経費、年間の関連経費が大体八千億ぐらいで、地方自治体を合わせると、多分、一・二、三兆円ぐらいに上ると思いますけれども、これだけのお金をかけてもなかなか進んでこなかったという現状があります。
 今回、取り組むに当たって、過去どうして進まなかったのか、どこに原因があったか、それをじゃあどう乗り越えていくのがいいのかということを、少し私の方で質疑を通じて明らかにしながら、やっていきたいなと思います。
 初めに、まず、都営住宅募集のオンライン化について、現状の業務をちょっと確認したいと思います。
 都営住宅の抽せん方式による一般募集では、募集案内の配布から当せんまでどのような業務フローとなっているのか、そして、主なプロセスに要する時間はどのくらいなのか伺います。

○土屋経営改革担当部長 都営住宅の抽せん方式による一般募集では、募集案内の配布後、申込者が手書きで申込書に記入して、管理業務を委託している東京都住宅供給公社に郵送いたします。
 同公社では、この申込書の内容を確認し、申込者情報をデータ化した上で、入居者情報などを一元管理しているシステムに入力いたします。このシステムの中で、同一世帯による重複申し込みなどの確認を行った後、申込者ごとに抽せん番号を振り、それを記載したはがきを公社が申込者に発送しております。
 募集案内の配布から抽せん番号のお知らせ発送までの手続には、営業日で二十八日を要しております。そのおおむね六営業日後、公開抽せんを行い、そのおおむね八営業日後、公社から申込者に対し、抽せん結果のお知らせをはがきで発送しております。

○鈴木(邦)委員 今、主な業務フローと、そして所要時間を確認しましたけれども、私、何で改めてこれを最初に確認させていただいたかと申しますと、過去の日本の行政のデジタル化の失敗事例を見ると、まずデジタル化の前に、しっかりと現状の業務を可視化すると。その上で、この業務をどうやったらより効率的に、皆さんの負担なくできるかということの業務改善、BPRをしっかりやるということが、このデジタル化の前の大前提だと思っているからです。
 ここのプロセスをすっ飛ばしてしまうと、デジタル化の効果も非常に限定的、もしくはそもそもシステムをうまくつくることすらできないという、そういう失敗に陥ってしまうと思います。
 象徴的なのは、国の特許庁のシステムですね。基幹システムの刷新プロジェクトを過去にやりましたけれども、結局、開発に投じた五十五億円が無駄になってしまって、終わってしまったという事例があります。
 こういう失敗の事例は本当に枚挙にいとまがなくて、どこに原因があるかというと、先ほど申し上げたように、発注側がしっかりと業務フローというのをどう組み直すかということを設計できなくて、そして、システムの要件定義も曖昧なまま、開発のベンダーに丸投げしてしまったと、そういうケースがかなり多いというのが現状です。
 日本の行政のデジタル化の失敗は、この調達のあり方、それから、そもそもシステムを依頼するに当たって、どういうものをつくったらいいのかということを描けるデジタルの専門人材が行政の中にいなかったということ。そして、デジタル技術を使ってどういう社会を実現したらいいかというビジョンがそもそも欠けていたこと。この辺に、やっぱり私は、日本の行政のデジタル化のこれまでの失敗はあると思っております。
 きょうは、手続のオンライン化の話なので、この調達の話に少しフォーカスしたいと思いますけれども、やはり重要なのは、業務のフローをしっかりと明らかにした上で、例えば、そもそも不要な業務があるんじゃないかとか、あるいは申請に対して記述いただいている項目の中で、この項目は要らないんじゃないかとか、そういう一つ一つの見直しをした上で、じゃあこういう新しい業務のやり方にしましょう、で、これをデジタル化しましょう、こういう手順だと思っています。
 来年度、都営住宅のオンライン化に関するシステム設計を民間に委託する予定ですけれども、そこで、都営住宅のオンライン化を進めるに当たっては、業務フローの可視化とBPRをしっかりと実施してほしいと考えますが、見解を伺います。

○土屋経営改革担当部長 都営住宅募集のオンライン化に向けて、現在、募集事務の最適化、効率化を図るため、公社と連携して業務フローの見直しなどを行っております。
 具体的には、一連の募集事務を業務フロー図にした上で、オンライン化によって郵送などの省力化を図る事務を抽出するとともに、申込書で記入を求める図面の省略などにつきまして検討を行っております。
 募集オンラインシステムの開発では、こうした検討内容を反映し、手続の効率化や迅速化などの事務改善を図ってまいります。

○鈴木(邦)委員 今ご答弁いただきました。方向性としてはいいと思っております。
 具体的に、業務フローの可視化とBPRをどのように行っていくのがいいのかということで、私、きょうは横浜市の事例を紹介したいと思います。
 横浜市が行っている危機関連保証制度というものがあります。これは売上高が減少してしまった事業者を支援するための制度です。これを横浜市は、当初、窓口業務でやっていたんですが、もうとにかく人が殺到してしまって、本当に時間がかかると。密にもなってしまうということで、これをオンライン化しようと。そのオンライン化に当たって、そもそも申請様式にある記載事項のうち、省略可能な項目というのをちゃんと全部洗い出して、もともと三十九項目あった記入箇所のうち、十五項目の重複箇所を削除しました。
 さらに、売上高の減少率とか、ほかの別の記入項目からちゃんと計算できるものというのは、デジタル化してしまえばわざわざ記入いただく必要はないので、それも含めて合わせて十二項目削除したと。相当、項目自体を減らすことができたと。
 加えて、従来、受付窓口でまず受けてから内容を審査して、そして、申請者は待っている間にですね、まあ非常に時間がかかっていたということなんですけれども、オンライン申請では、提出いただいたものを事前に全部審査をした上で、審査が終わった段階で通知をして、認定書の受け取りだけ来てもらうというフローに組みかえました。
 こうした業務改革によって、繁忙期には最大三時間だった来庁者の滞在時間を一分から二分にまで短縮し、さらに、二十分から六十分かかっていた業務時間も十分に短縮しました。
 私は、この事例を見ると、やっぱり、実際に業務を担っている横浜市の職員さんが主体的にこの業務の見直しに取り組んで、そして、システム開発を担う民間事業者ともしっかりと調整を重ねてきたからこそ成功したものだと思っています。ぜひ、このあたりも参考にして取り組んでいただきたいと思います。
 住宅政策本部では、来年度に都営住宅の募集のオンライン化とあわせて、宅建業務の手続のオンライン化に関する調査検討も実施する予定ですけれども、宅建業関連手続に関する調査についても、民間事業者との役割分担を明確にし、住宅政策本部として主体的に業務の可視化やBPRを実施し、オンライン化を進めるべきだと考えますが、見解を伺います。

○佐々木住宅企画部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 宅地建物取引業に関する手続でございますが、国及び都道府県が共同で運用しております宅建システムにより、免許情報等を一元的に管理しておりますことから、宅建システムとの連携を見据え、適正な事務執行を確保していくことが必要であると考えておりまして、国との協働による電子申請システムの構築を目指してございます。
 来年度は、申請を行う宅建業者等に対するシステムのニーズ調査等を行うとともに、申請や届け出など手続における書類の作成、申請、審査、決定までの一連のプロセスの分析を具体的に行い、申請者の視点で様式の簡略化、添付書類の削減など、業務プロセスの改善と最適なシステムの検討を行ってまいります。
 この調査検討における、申請者等のニーズや現状分析を踏まえた最適な業務プロセスの企画、システムの要件定義、費用対効果や技術的課題の検証等を的確に行うためには、専門的なノウハウを有する民間事業者の活用が不可欠でございまして、調査検討を効率的、効果的に行うため、関連する業務の支援等を委託することとしてございます。
 住宅政策本部といたしましては、こうした民間のノウハウや委託の成果物を活用しますとともに、来月新設予定のデジタルサービス局とも緊密に連携をとりながら、オンライン化の検討を主導的かつ着実に進め、都民、事業者サービスの向上や業務の効率化を図ってまいります。

○鈴木(邦)委員 今ご答弁いただいたとおり、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 今はまだ、都庁内のデジタル専門人材も非常に少なくて、なかなかこういう過渡期に進めていくのは大変だと思います。
 ただ、一つ一つの業務改善をしっかりやって、デジタル化していくというのは、もちろん都民の利便性向上に資するものだと思いますし、何より、やっぱり職員の皆さんの負担を最終的に減らして、皆さんがより重要な仕事に注力するための改善でもあると私は思っています。ぜひ住宅政策本部さんとして主体的に取り組んでいただきたいと思います。
 次に、都営住宅における見守りシステムの構築についてです。
 来年度の新規予算案として、もう一つ新規事業として、都営住宅における見守りシステムの構築というものが計上されています。
 これ、大学研究者による事業提案制度から生まれた事業で、電気使用量のデータを活用した見守りシステムを構築するというものですけれども、見守りサービス自体の社会的意義は私もあると思いますが、既に民間にも電力データを活用した見守りサービスというのが非常に多く存在しており、都が公金を投入してこのシステムをつくる意義をしっかりと持つ必要があると思います。
 そこで、民間の電力会社も既に電気使用量による見守りサービスを実施している中、都営住宅での見守りシステム構築、実証プロジェクトが既存サービスとの違いを出せるよう、大学と連携して事業を進めるべきだと考えますが、見解を伺います。

○土屋経営改革担当部長 本プロジェクトでは、都営住宅において、メーターボックス内にスマートメーター化された電力計と、室内のエアコンに温度計を設置いたします。この電気量データとエアコンの利用の有無をAIで判断し、異常となるデータが検出された場合、巡回管理人等に通報する見守りシステムを構築するものであります。
 その特徴は、大学研究者の事業提案書によれば、スマートメーターの電気量データを利用するため追加コストがかからない点、カメラ設置などに比べプライバシーに配慮できる点などでございます。
 また、既存の見守りシステムとの違いを出せるよう、電力計等の設置に先立ち、協力いただく居住者に生活実態調査を行い、得られた生活データをシステム開発に反映してまいります。
 都としては、指定管理者である東京都住宅供給公社の保有する知識、経験も本プロジェクトに生かされるよう、大学研究者と情報共有を図るなど、連携して、既存の見守りサービスに比べ、より単身高齢者の生活実態を踏まえたシステムとなるよう取り組んでまいります。

○鈴木(邦)委員 私も、今回の審議に当たって既存のシステムを少し拝見しまして、見ると、使用電力から家電の使用状況を分析したりとか、あるいは長時間、電力の使用状況が変わらなかった場合にアラートを鳴らすというものがほとんどです。
 私も昔、大学でシミュレーターを組んだことがあるので、この手のシミュレーションもイメージとしてはつくんですね。そんなに難しくない、技術的には簡単なものだと思います。
 ただ、もしこの先イノベーションがあるとすると、例えば、今までの既存サービスというのは、恐らく三時間とか四時間とか、あるいはもっと長いスパンで、長時間一定の電力使用量じゃないとなかなかアラートを出すことはできないとかという、多分そういう仕組みだと思うんですよね。そこがもしかしたら、都営住宅さんが今回取り組むに当たって、その時間をもっと短くすることができれば、これはかなり、見守りシステムとしては意義が出てくると思います。
 そういった視点もぜひ参考にしていただいて、大学研究者としっかりと連携して、既存のサービスと違いが出るようなものをつくっていただきたいと思います。
 次に、住宅マスタープランの見直しについてです。
 新型コロナの影響で住宅のあり方も変化しています。去年の不動産紹介サービスの実績なんかを拝見しますと、かなり、都心よりも郊外で新しい住宅を探すユーザーがふえているということです。
 また、民間の新しいマンションでは、在宅勤務を行う住民の利用を想定して、リビングや寝室の一角で机として使えるカウンターを設置したり、あるいは共用部にコワーキングスペースを設置したりという、こういう取り組みを行っています。
 こうした変化は、恐らくコロナが少し落ちついても継続する可能性はあると思います。都の住宅政策も、このコロナ禍による変化を踏まえた対応が必要だと思います。
 そこで、現在、住宅マスタープランの見直しに向けて、審議会での議論が進んでいると聞きますが、次期マスタープランは、コロナ禍による社会情勢や都民の価値観の変化も十分に踏まえた形で策定すべきと考えますが、見解を伺います。

○武井住宅政策担当部長 住宅マスタープランは、住宅に関する施策を総合的かつ計画的に推進するための基本となる計画であり、住宅政策審議会の意見を聞いて策定しております。
 都におきましては、新型コロナウイルス感染症により、都民の働き方や住宅に対する価値観などが変容する中、成長と成熟が両立した未来の東京にふさわしい新たな住宅政策の展開についてを、昨年七月に審議会に諮問いたしました。
 審議会におきましては、新しい日常やポストコロナ社会などを見据えた住宅政策について、現在、調査審議を進めております。本年二月には、企画部会における調査審議を取りまとめた第一次報告が行われ、秋ごろには答申が取りまとめられる予定でございます。
 都では、いただいた答申を踏まえ、来年度末を目途に、新たな住宅マスタープランを策定していく予定でございます。

○鈴木(邦)委員 最後に、都営住宅を活用したコワーキングスペースについて伺います。
 コロナ禍で、都内のテレワーク普及率も飛躍的に向上しました。しかし、自宅にそもそもこういった仕事をする環境がないという方々もたくさんいます。
 そこで、今後、都営住宅の建てかえの際に創出した用地を活用し、民活プロジェクトによって、誰もが気軽に利用可能なコワーキングスペースの確保を積極的に図るべきだと考えますが、見解を伺います。

○栗谷川再編利活用推進担当部長 都は、多摩地域や区部周辺部における都営住宅の建てかえ等により創出した用地を活用し、身近な生活やコミュニティを支える商業、医療、福祉など生活支援機能が整った生活の中心地の形成を図るため、民間の創意工夫を生かしたまちづくりを進めております。
 新型コロナの影響を踏まえ、先日公表した未来の東京戦略案では、こうした民間活用事業による生活利便施設や住民の交流の場の整備に加え、コワーキングスペース等を整備していくことといたしました。
 今後、さらに、建てかえ等による創出用地を活用し、ポストコロナにも対応した新しい日常の定着に向け、地域の特性等にも配慮しながら、コワーキングスペースの確保に取り組んでまいります。

○中山委員 本日は、令和三年度予算案の中から、都営住宅をめぐる諸問題、住宅確保要配慮者に向けた取り組み、空き家対策、マンション問題などについて、何点か質問をさせていただきます。
 まず、我が党は、小池知事誕生の最初の代表質問で、小池知事下の都政にあっても、我が党としては、都営住宅とシルバーパスを断固守り抜いていく旨の決意を表明させていただいたところであります。
 都の財政の健全性の維持や将来に向けた望ましい発展を遂げるための投資的経費、防災事業の進展などを図りながら、こうした都の福祉施策の根幹を守り抜くことこそ、我が党の使命と受けとめているものであります。その意味から、都営住宅をめぐる諸問題から取り上げます。
 まず、都営住宅での、居住者がみずから設置した浴室設備の更新についてであります。
 住まいの安定は全ての福祉の根底であり、その意味で、長年不公平な取り扱いが放置されてきました自己資金風呂釜の問題を、我が党の推進で誕生した住宅政策本部体制への移行以後に解決のめどが立ったことを、今でも喜ばしい出来事として受けとめているところであります。私自身、この点の解決を当選当初から求めてまいりました。
 改めて申し上げますが、我が党が問題にしてきたのは、自己資金で風呂釜や浴槽などの浴室設備を購入し設置した居住者の方が、故障した場合の取りかえにおいても自己資金での調達を強いられているといった状況でありました。
 同じ団地の中で、同じフロアの中で、隣の新規入居者は全て都側が浴室設備を入居時に整え、故障の場合も都が対応しているのに対し、自己資金で購入した当初からの入居者の方々には、こうした不公平な取り扱いが長年続けられてまいりました。
 その点におきまして、都が令和二年第一回定例会の代表質問において、具体的な対策を開始すべきとの我が党の質問に対し、令和二年度から、こうした自己資金で設置している居住者に対して、浴室設備を都設置に切りかえる事業を試行すると答弁したことを評価しております。
 そこでまず、令和二年度の試行におきます浴室設備の更新の実施状況をお伺いしたいと思います。

○金子営繕担当部長 令和二年度の試行につきましては、建てかえ対象ではない住棟のうち、バリアフリー化された、またぎの低い浴槽の設置が可能なものから十九団地三十一棟を選定し、住棟ごとに浴室設備の更新を実施しております。
 その実施状況でございますが、予定戸数五百戸に対し、承諾の得られた二百五十四戸について更新を行っております。
 また、それ以外の住棟の故障した浴室設備につきましては、居住年数等の要件を設けた上で希望を募り、住戸ごとに更新を実施しております。
 その実施状況でございますが、予定戸数五百戸に対し、希望があり要件に該当する八百二十一戸の中から、抽せんの上で五百戸について更新を行っております。

○中山委員 今年度の試行の実施状況をご答弁いただきまして、大変よくわかりました。
 住棟ごとの浴室設備の更新につきましては、ご自身で風呂釜を交換して間もない方からは、まだ使えるので今回は希望しなかったなどの意見が私のところへも聞こえてきております。
 また、故障した浴室設備の更新につきましては、抽せんだったわけですけれども、落選した居住者の方々から、ずっと使えずにいるため困ってしまう、落選した後、どうしたらいいんですかということで、何とかしてほしいといった切実な要望が私のもとに寄せられております。
 そこで、来年度は試行の二年目になりますが、今年度の結果を踏まえて見直し、工夫を加えた上で実施するべきと考えますが、見解を伺います。

○金子営繕担当部長 令和三年度の住棟ごとの浴室設備の更新につきましては、今年度の実施状況を踏まえて、住棟の選定数と予定戸数を拡大するとともに、居住者の承諾が得られるよう、早い時期から丁寧に説明を行い、円滑な工事の着手を目指してまいります。
 また、故障した浴室設備の更新につきましては、今年度、抽せんにより対象とならなかった住戸から優先的に更新してまいります。

○中山委員 来年度の試行につきましては、今年度の実施状況を踏まえまして、しっかりと対応していただきたいと思います。
 落選した方々から優先的にという話でございますので、これは大変朗報だというふうに思います。特に、浴室設備が故障された方への対応を早期に始めていただきますよう、また、そういうアナウンスをしていただきますよう、よろしくお願いしたいと思います。
 この浴室設備の取りかえにつきましては、当然、設備が新しくなりますので、家賃に反映してまいります。値上げをする。これは従来からそういう方式でございました。
 しかし、大変な金額の値上げなんじゃないかというふうに勘違いしている向きもあるんではないかと思います。また、そうした事柄を解消するための説明会というものが、コロナ禍の中でなかなかできなかったということも、辞退者の方が多かった理由の一つではないかと考えております。
 来年度は、まず、住棟単位での取りかえの拡大をしっかりと行った上で、その上で辞退分が出た場合には、故障した設備の取りかえに柔軟に流用していただきたいということを今から申し上げておきます。また、早目に、令和三年度中に具体的に着手できる住棟数や戸数を明らかにしていっていただきたいと思っております。
 また、令和二年度と令和三年度の試行実施期間を終えた後は、試行実施期間段階での取り組みの量の少なくとも二倍ぐらいの量的拡大を遂げていただくよう、今から予算の確保に向けてご努力をいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 次は、都営住宅におきます視覚障害者の方々への避難の配慮など、安全・安心に関する取り組みについて伺います。
 私は、高齢になり、ドアのあけ閉めに難渋する居住者のためのドアノブからレバーハンドルへの取りかえの推進、悪質な訪問販売や署名協力などの強要などを防ぐためのドアチェーンからドアガードへの取りかえの推進、そして、聴覚障害者の方用の光で来訪者の訪れを知らせる仕組みの推進などを求めて、実現し、また、推進をしてまいりました。
 その意味で、特に災害時の対応で難渋する視覚障害者などの災害弱者を保護するための取り組みについてお伺いしたいと思います。
 我が党は、令和元年の台風第十九号による豪雨被害を契機に、この年の第四回定例会の代表質問におきまして、水害時の緊急避難先として都営住宅の上層階の空き住戸を活用することについて質疑を行いまして、都からは、地元区の意向も踏まえて相談に応じていく旨の答弁をいただきました。
 その後、都は、水害時の緊急避難先として上層階の空き住戸を活用する取り組みを始め、令和二年の六月の足立区を皮切りに、昨年十二月まで四区市と協定を締結しております。
 このような取り組みに合わせ、緊急時に視覚障害者の方が一人でも迷わず安心して上層階に避難できますよう、施設面での配慮が必要であります。
 そこで、階段の手すりに、階数−−今ここは何階なのかということですね、階数を点字表示していくべきと考えますが、見解をお伺いいたします。

○妹尾建設推進担当部長 都が国と昨年十二月に策定いたしました災害に強い首都「東京」形成ビジョンでは、都営住宅の上層階の空き住戸を水害時の緊急避難先として活用するなど、既存施設を活用した避難スペースの確保を進めるとしております。
 また、水害時の緊急避難先としての都営住宅等の空き住戸使用に関する協定につきましては、これまで協定を締結した四区市のほかにも、現在、複数の区市から問い合わせを受けております。
 都営住宅が多くの都民の緊急避難先として活用される水害時だけでなく、火災時などの際にも、視覚障害者の方も階段を使用して円滑に避難できるよう配慮することが必要でございます。そのため、今後の建てかえ工事から、階段に階数の点字表示つき手すりを設置してまいります。
 既存の住宅につきましても、さまざまなタイプの手すりが設置されているなど、住棟ごとの状況が異なるなどの課題もございますが、視覚障害者からの要望なども踏まえ、対応を検討してまいります。

○中山委員 まず建てかえ工事からということで、前向きな答弁がありまして、大変評価したいと思います。
 また、既存住棟につきましては、今お話があったとおり、手すりの形状がタイプごとに非常に異なるとか、いろいろ課題があるんだろうと思います。何よりも視覚障害者の方々を避難誘導するための安全な動線の確保というのが、既存の建物の状況の中に応じて確保しなければいけませんので、そこの点も大事であります。
 また、手すりの塗装が剥がれていたのでは、なかなか、手すりをずっと伝ってというときに、かえって非常に危険になったりしますし、課題もございます。また、当然、避難をした空き室の中での支援のあり方をどうするのかということについても、情報提供の点を含めて、地元区市等との打ち合わせも必要ですし、課題があろうかと思います。
 ただ、本当に慌ただしく避難していくわけですので、そういう中で、きちっと点字表示を理解して、落ちついて身の安全を図りながら移動していただくということを実現していくためにも、大事な課題だと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。既存住棟でも、ぜひ検討の上、進めていただきたいと思います。
 災害時のみならず、視覚障害者への配慮としては、日常の安全・安心の観点からもう一つ要望があります。
 都営住宅の和室につきましては、ひもスイッチ式照明器具を前提としており、壁にはスイッチがついておりません。しかし、視覚障害者にとっては、ひものスイッチでは、点灯しているのか、ついた状態なのか、消灯しているのか、消えている状態なのかがわからない。照明をつけたつもりでも、部屋がもし真っ暗なままであれば、いないのだというふうに外部から思われて、防犯上も不安であるというような声も聞いたことがあります。
 そこで、都営住宅の和室にも照明スイッチを設置していくべきと考えますが、見解を伺います。

○妹尾建設推進担当部長 都営住宅において、居室の照明器具につきましては居住者が設置することとされております。近年では、和室にも、ひものない洋風の照明器具を取りつけることも多くなってきておりまして、視覚障害者のみならず、一般の居住者の利便性を向上させる必要もございます。
 既存の住宅につきましては、照明スイッチの設置場所や工事方法など、さまざまな課題があることを踏まえ、今後の建てかえ工事から、和室の壁に照明スイッチを設置してまいります。

○中山委員 この点も、まず建てかえ工事からということで前向きな答弁をいただいて、既存の建物については、いろいろ工事の手間がかかってまいりますので、課題があろうかと思いますけれども、この点もご検討をいただきたいと思います。
 先ほど動線の確保と申しましたけれども、視覚障害者の方々は白杖でいろいろな情報を得ます。したがって、白杖でさわって、ここからが手すりがある場所だとか、そういうようなことを自分で体験的に覚えて、手すりがついているところの位置だとか、そういうものを確認しながら移動されたりします。そういう面で、白杖で情報を手に入れるということの中で、いろいろなお声をいただいて、動線確保にも努めていただきたいと思います。
 また、健常者の方は、目に入った情報で、ここには出っ張りがあるとか、そういうことがわかりますけれども、視覚障害者の方々は、その目の前の出っ張りとかそういうものがなかなかわかりません。部屋の中の設置の工夫とか、そういったものについてもよくご意見をいただきながら、ご検討を重ねていっていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 あわせて、別の問題になりますが、これは要望ですが、衝撃緩和型の畳床というものがございます。これは、足立区の畳業者の方々などを中心に、ISO畳の協会さんが開発されたもので、JIS規格も取得されていらっしゃいます。また、私も厚労省に仲介させていただきましたけれども、介護保険の住宅改修の給付対象にも新たに加わりました。
 実は、おうちの中で転んだ際に、全部フローリングだと骨折してしまう。つまずいて骨折、倒れるということも原因かもしれませんけど、高齢者の方々の中には、段差がなくてもつまずく場合があります。そうしたときに、倒れてしまったときに、全面がフローリングだと骨折しやすい。
 残念ながら私の母親も、ベッドから落ちてフローリングで骨折をしたことが、最終的に亡くなる際の入院の原因の一つでございました。
 そうした声はたくさんございますので、倒れることを前提にして、倒れても骨折しないで済むような床材というものが開発されておりますので、これを介護保険の中でも、フローリングからそういう畳への改修というものも、住宅改修の給付対象に新たに認められておりますので、都営住宅や公社住宅などでぜひご検討をよろしくお願いしたいというふうに思います。
 続きまして、住宅セーフティーネットの問題について触れたいと思います。
 我が党は、この取り組みを大変重要な課題であるというふうに認識をして、かねてから推進を図ってまいりました。居住支援法人の方々へのインセンティブ、また、不動産業者の方々へのインセンティブ、それらの補助制度のあり方、そうしたことについていろいろ検討をさせていただいて、提案もさせていただき、住宅政策本部におかれましても積極的に見直しを図ってこられたことを評価しております。
 ようやく現在の段階に至ったわけでありますが、先般、包括外部監査から指摘された内容がございます。それは、居住支援協議会というものが、もう少し具体的な取り組みの実施主体として機能する、まあ相談内容とか、そういうことかもしれませんけれども、そうした事柄の中で注文がつきました。このことは私も、また我が党としても、大事な課題であると認識すべきだというふうに思っております。
 都は、区市の居住支援協議会の設立促進に加え、設立後の活動支援を積極的に行い、協議会の機能強化、活性化を図るべきと考えますが、今後の取り組みについてお伺いをいたします。

○武井住宅政策担当部長 都は、区市町村の居住支援協議会の設立促進のため、設立事例の情報提供や経費の補助などを行ってまいりました。
 今年度末には、居住支援協議会を設立した区市が合計二十五になる見込みであり、居住支援協議会の枠組みを活用し、福祉と連携した住宅相談や、住宅確保要配慮者が住まい探しの相談ができる、地域の協力不動産店の登録などの取り組みが実施されております。
 今後とも、地域において、住宅確保要配慮者の住宅への入居や生活の支援が行われるよう、先進的な区市の協議会の取り組みに係る情報を提供するなどにより、協議会が設立された区市において、協議会活動の活性化を図っていきます。
 また、より多くの区市で協議会が設立されるよう、令和七年度末までに三分の二の区市の協議会設立を目標として、未設立の区市に協議会の設立を働きかけてまいります。

○中山委員 居住支援協議会は、当然、設置されていないよりは、まず設置していくことを目指すべきだと思います。その上で、居住支援協議会がどう具体的に機能していくかということが、住宅セーフティーネット、住宅確保要配慮者に向けた取り組みにいかに活用されていくかという点で非常に大事な課題であります。
 既存の居住支援法人の方々に新たな地域への進出をお願いしていく、そういう機会を提供していくということだけでなくて、それぞれの地域で、その地域で長年培われてきた人的な人間関係、そうしたものの中で協力を得やすい、地域の中での活動の経験を有する事業者の方々や集団といったものを中心に、地域事情をよく理解した新たな居住支援法人を育成することも有効であると私は考えております。
 区市の居住支援協議会とも連携し、こうした団体の指定促進を図っていくべきと考えますが、見解をお伺いします。

○飯塚民間住宅施策推進担当部長 住宅確保要配慮者の居住の安定のためには、住宅相談など住宅入居時の支援や見守りなどの生活支援等、居住支援法人の果たす役割が重要であり、都はこれまで、不動産団体のセミナーで周知を図るなど指定促進に努め、現在、三十五の法人を指定しております。
 一方、要配慮者にきめ細かな居住支援を提供するためには、地域に根差した活動を行っている団体の指定促進も重要でございます。
 このため、今後、こうした団体に居住支援法人の指定制度に関する情報が確実に届くよう、都の居住支援協議会の総会や幹事会などの機会を利用し、区市町村の居住支援協議会に働きかけるとともに、日ごろから団体と接点のある区市町村の福祉部門等を通じた周知を図ってまいります。
 また、都では、区市町村の居住支援協議会に対し、設立年度を含む三カ年に行われるセミナーや研修会の開催など、広報、普及啓発に資する活動に対して補助を実施しておりまして、区市町村の居住支援協議会において、新たな居住支援法人を育成するための研修などを行おうとする場合には、当該補助制度や国の支援策の活用などを積極的にPRしてまいります。
 さらに、居住支援法人の指定を受けるメリットや、申請に当たっての留意点などをわかりやすくまとめたチラシを新たに作成、配布するなど、地域で活動する団体も申請しやすい環境を整え、指定を促進してまいります。

○中山委員 今ご答弁にあった事柄は、よく進めていただきたいと思います。
 長年、地域で地主さんとして賃貸住宅等を提供されてきた方々と人脈を持っているのが不動産業者の方々で、その方々が安心してご紹介できるような居住支援法人であるということは非常に大事な要素です。
 居住支援法人の活動自体が知られていないので、単なる貧困ビジネスじゃないかとか思われたりとかして、拒否感があったりする場合もあります。そうした認識を改めていただくためのPRももちろん大事ですけれども、と同時にやっぱり、地域には長年親しんでこられた、活動している、顔が見えている存在の方々に、居住支援法人として−−不動産の知識があったり経験があったり、また、福祉部門で活躍されてこられた経験ある方々も、両方された方もいらっしゃいますので、そうした方々に居住支援法人を引き受けていただくということも非常に大事なことではないかと思います。
 また、そうしたものを育成しようとすると、単なる会議では済まなくなってきますので、少し労力もかかりますから、そうした育成を図る場合の会議費の上乗せ等も、ぜひご検討を頂戴したいというふうに思っております。
 地域の居住支援協議会が中心となり、居住支援法人や福祉関係者などが有機的に結びついた居住支援ネットワークの構築に向け、都は支援を行っていくべきと考えますが、見解をお伺いいたします。

○飯塚民間住宅施策推進担当部長 住宅確保要配慮者の居住の安定を確保するためには、居住支援の充実を図るとともに、区市町村居住支援協議会や居住支援法人等が、ノウハウや知見を共有し、緊密に連携していくことが重要でございます。
 都はこれまで、東京都居住支援協議会におきまして、区市町村や居住支援法人等の先進的な事例を紹介するなど、居住支援法人の連携強化を促進してまいりました。
 また、来年度に実施予定の安心居住パッケージ事業では、居住支援法人等による福祉関係者等とのネットワークの構築を支援するとともに、身元保証人の確保が難しい要配慮者に対する、緊急時の身元保証代行サービスの提供を補助対象とするなど、個々の要配慮者の実情に応じたきめ細かい居住支援サービスの実現にも取り組んでまいります。
 こうした取り組みを着実に実施することにより、地域の居住支援にかかわる関係者が相互に連携、補完し合う新しい居住支援モデルを示すとともに、東京ささエール住宅の居住の質の向上を図り、要配慮者の居住の安定確保を一層推進してまいります。

○中山委員 居住支援協議会が単なる会議体ではなくて、要するに実施主体にということは、地域の方々の認識の、いい意味での変容というものをお願いしていくということについて、どう活動すべきかということで、それぞれ地域ごとに課題があります。そうした課題に応じて居住支援協議会が動けるようにしていかないと、単なる原理原則を定めるための居住支援協議会とか、単なるパンフレット類を発行する発行人となる、そういう居住支援協議会では、そういう認識の変容というのはなかなか導いていけないというふうに思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。
 高齢者の転居に伴う荷物整理というものも非常に大事な課題になっております。
 都営住宅におきましても、建てかえが決まるというと非常に喜ばしいことなんですけれども、と同時に、引っ越しがあるというと、もう夜も寝られなくなっちゃう高齢者の方々が大勢いらっしゃって、何年も先なのに、今からもう寝られなくなったらどうするんですかというぐらい、心配したくなるような状況の方々もいらっしゃいます。
 そうした事柄は、高齢者の方々は、当然、一般の賃貸住宅にも住んでいらっしゃいますので、幅広くですね、転居が必要な、転居というものに直面する可能性がある高齢者の方々にとりまして、転居に伴う不安あるいは荷物整理の課題をどう軽く済ませるかといった事柄は、大事な課題であります。
 そうした支援をできる限り良心的な料金や丁寧な対応でとり行ってもらえる転居支援の事業者を育てたり、確保したり、紹介したり、推薦したりできる仕組みの構築も、各地域の居住支援協議会の検討課題として取り組んでもらいたいと私は考えますが、見解をお伺いいたします。

○武井住宅政策担当部長 居住支援法人は、住宅確保要配慮者の賃貸住宅への円滑な入居の促進や、入居している方の生活の安定、向上のための相談や援助などを行っております。
 居住支援法人の中には、都営住宅やUR賃貸住宅など公的賃貸住宅に居住している高齢者等をサービスの対象にしている法人もあります。
 都では、居住支援法人の活動について、パンフレットを作成し、転居時の家財整理等の紹介も含め周知を図るとともに、区市の協議会に対し、セミナーなどの場を活用して居住支援法人の活動内容を紹介するなど、地域における居住支援の検討に役立つよう取り組んでまいります。

○中山委員 望ましい転居先を紹介していくということも大事な課題なんですけれども、転居に伴うソフト的ないろんな課題というものに対応した転居支援というのも、課題として取り組んでいただくということでございますので、しっかりそうした専門家、育成できるように、よろしくお願いしたいというふうに思います。
 続きまして、空き家対策について触れたいと思います。
 都は、来年度の空き家施策の新規事業として、空き家を活用した新たな働き方支援に資する取り組みへの補助を開始するとしておりますが、この事業の内容についてお伺いをいたします。

○飯塚民間住宅施策推進担当部長 空き家対策を効果的に進めるためには、空き家の適正管理、発生抑制に加え、空き家を地域の資源としてさまざまな用途で有効に活用していくことが重要でございます。
 そのため、都は、今年度から、地域の実情を把握している区市町村等と連携したこれまでの取り組みに加え、民間事業者等が行う空き家対策の取り組みに対しまして、直接財政支援を行うモデル事業を実施してございます。
 来年度からは、このモデル事業を拡充し、空き家をコワーキングスペースに改修して活用するなど、今般の新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い急速に普及した、新たな働き方を支援する取り組みへの補助を開始する予定でございます。
 今後、このモデル事業を展開していくことにより、新たな働き方の促進と空き家の積極的な活用につなげてまいります。

○中山委員 テレワークなどの新たな働き方が普及する中、都が、都内に存在する空き家の活用促進の一環として、地域に存在している空き家をコワーキングスペースなどとして活用する今回の事業は、時期を的確に捉えた取り組みとして評価したいと思います。
 テレワークの普及は、人々の働き方に大きな変化をもたらすだけでなく、ひとり親世帯や、介護や子育てと仕事の両立を図る必要性に直面している方々などに、みずからの課題に前向きに挑戦しながら就労を実現していける新たな可能性をもたらすものとも考えております。
 身近な地域の駅前やバス停などの−−バス停なども大事ですよね、付近にテレワーク施設が整備されていけば、こうした人々にとっての大きな朗報となります。また、障害のある人に配慮をされた施設内容に整備されたテレワーク拠点などが、駅前などやタクシーの客待ちスペースなどが十分に確保できる−−まあ、できれば屋根つきの駐車場なんかが必要ですけれども、身体障害者の車椅子の方々にとっては、屋根つきというのは非常に大事であります−−場所などにも確保していくことができれば、自宅から職場までの移動や通勤に困難を来す障害のある人々などにとって、働く上での障壁を取り除く大きな可能性ともなってまいります。
 本事業を幅広い人々にとって利用しやすく、都内で広く展開していけますよう、空き家活用の先進的なモデルとしていくべきであります。こうした点をモデル事業の採択に際しての選定基準に加えたり、望ましい立地での企画提案に対しては、助成の上乗せを図ったりするなどの工夫を凝らしていくべきと考えますが、見解を求めます。

○飯塚民間住宅施策推進担当部長 今回のモデル事業では、空き家を活用した新たな働き方への支援に資する取り組みについて、民間事業者の創意工夫を生かした提案を募った上で、すぐれた事業計画を選定する予定でございます。
 募集に当たりましては、障害のある方も含め、幅広い人々にとって利用しやすい立地や施設づくりといった視点も取り入れながら、具体的な空き家の活用例を募集要項で示していくなどにより、民間事業者ならではの意欲的な提案を促してまいります。
 選定に当たりましても、そのような視点を踏まえた、多様で柔軟な新たな働き方の支援に資する提案について評価していきたいと考えております。
 こうした取り組みによりまして、今後、一層効果的な空き家施策の展開を図ってまいります。

○中山委員 今、評価していきたいということのお話がありましたが、具体的な評価の仕方をこれからよく検討していっていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いします。
 空き家というのは、今は何も生み出していないかもしれませんけれども、そこを活用していくことは、いろんな、都内の直面している課題を解決する可能性があります。そのために新たに施設をつくらなくてもいいと。内装の改変とか、そういうものは必要かもしれませんけれども、新たに更地に建物をつくったりとかする必要はない。そういう施設を使って、都が直面する課題の解決を、また、区市が直面する課題の解決を、さまざまな障害を持った方々など、いろんな課題に直面している方々にとって、一歩前進となる取り組みの応援のために、活用できる可能性がたくさんあるわけですので、ぜひこの空き家活用というところについては力を入れて、今後ともお取り組みをいただきたいというように思いますので、よろしくお願いいたします。
 最後の話題としましては、マンション対策、特に老朽化マンションについて取り上げたいと思います。
 都内の分譲マンションでは、建物の老朽化と居住者の高齢化の二つの老いが進んでいるといわれております。私どもも東京都に対して、マンション課という専門のセクションをつくっていただくことを提案したり、それに応えていただいて、つくっていただきましたけれども、私もマンション白書というものの提案をさせていただいたり、あるいは専門の人材派遣の制度というものを整えていただいたりなど、東京都におかれましても、マンション問題ということについて積極的に対応してこられたところでありますが、都は、平成三十一年にマンション管理条例を制定し、本年度から届け出制度を開始しております。
 届け出情報を活用して、適正な管理と再生につなげていく必要があるわけでありますが、まずは、届け出の状況と、届け出率の向上に向けた取り組みについてお伺いしたいと思います。

○飯塚民間住宅施策推進担当部長 今年度から、マンション管理条例に基づき開始した管理状況届け出制度でございますが、現在の届け出数は約八千二百件でございまして、要届け出マンションのうち六割を超える届け出がございました。
 届け出がなされていないマンションに対しましては、適正な管理が行われていないことが懸念されることから、行政が直接粘り強くアプローチすることが必要であるため、届け出対象マンションのある区市町と連携して、順次、届け出を促す文書を発出するなど、督促を行っております。
 さらに、こうした督促に対しても届け出がなされない場合には、マンション管理士を活用した個別訪問調査を実施いたしまして、管理者やお住まいの方々から管理状況を聞き取りながら、届け出を促してまいります。

○中山委員 届け出していただいた情報を活用して、適正な管理等にどのようにつなげていくのか、この点が大変大事であります。この届け出された情報を適正な管理とマンションの再生にどう利用していくのか、この点について見解をお伺いしたいと思います。

○飯塚民間住宅施策推進担当部長 管理状況届け出制度では、届け出事項に、管理組合の有無や計画的な修繕の実施等の管理状況のほか、耐震化の状況などが含まれてございます。
 届け出された情報に基づき、管理不全の兆候が疑われるマンションでは、管理の改善や再生の促進に向けて効果的なアドバイザーの無料派遣を五回まで利用できることから、管理組合にその活用を促してまいります。
 また、届け出により把握した各マンションの情報を分析し、管理活動が健全で耐震化の課題に取り組めるマンションを中心といたしまして、重点的に働きかけてまいります。
 特に、耐震診断実施済みのマンションには、建築士などの専門家を繰り返し派遣し、改修工法や資金面等の具体的な助言などによりまして、合意形成を支援し、改修に結びつけてまいります。

○中山委員 まずは、今年度から届け出が始まったと。届け出の目的は、管理不全のマンションというものをどう把握するかということにあります。その把握をした上で、専門家を派遣して問題の解決を図っていくということですが、今年度はコロナの影響もありまして、具体的にアドバイザーを派遣するという取り組みの実施は難しい状況もあったかとは思います。
 しかし一方で、やはりアドバイザーを派遣して、管理不全というものはこういうふうに解決されたという実績を積み重ねていくことが、とても大事な評判、評価というものをつくることにつながっていきますので、そのアドバイザーの派遣を契機に、管理の改善に結びついたという事例もあるとお伺いしております。
 アドバイザー派遣で、具体的に、どのようなアドバイザーによってどのような支援が行われていくのか、そのイメージをよく都民に理解していただく必要があると思いますので、お答えいただきたいと思います。

○飯塚民間住宅施策推進担当部長 マンション管理士等が管理不全の兆候のあるマンションに対し助言などを行うアドバイザー派遣制度では、届け出により把握したさまざまな課題に対応するよう、複数の支援メニューを用意してございます。
 具体的には、計画的な修繕を実施していないと届け出たマンションに対しましては、まず、計画的な修繕の重要性に対する区分所有者の理解を促進するよう、長期修繕計画作成ガイドラインを活用した講座形式での説明を行ってございます。
 その後、現地におきまして、建物や設備の修繕のポイントを確認しながら、工事実施までの管理組合内での合意形成の進め方や、施工業者の選定方法などについてアドバイスを行ってございます。
 その後は、マンションが計画的に修繕できるよう、実際の長期修繕計画の作成や修繕積立金の設定などの支援を行うこととしてございます。

○中山委員 個々のマンションごとに管理状況も異なりまして、抱える課題もさまざまであります。適正な管理に向けて、マンション管理士等の専門家を継続的に派遣し、きめ細かく支援することが重要であります。引き続き、アドバイザーの利用促進を図っていくべきと考えております。
 また、今後、届け出に基づく現地調査も本格化していく、コロナの中では難しかったかもしれませんけれども、今後は本格化していくということから、調査を担うマンション管理士等の専門家の一層の活用が必要であります。
 活用に当たりましては、マンション管理士の質の向上を図るべきと考えますが、どのようにしてマンション管理士の質の向上を図っていくのか、この点をお伺いしたいと思います。

○飯塚民間住宅施策推進担当部長 マンション管理条例に基づき、区市が行う現地調査にはマンション管理士を活用することが可能となっており、管理状況の把握や管理組合に対する適切なアドバイスを行うためには、マンション管理士のレベルアップを図ることは重要でございます。
 また、都では今年度、管理適正化支援モデル事業を実施し、管理組合活動の活性化を目指すマンションを対象に管理士を繰り返し派遣して支援を行っており、今後、この事業の中で管理士が行った支援の成果等を分析し、管理の適正化に向け広く活用できるよう、マニュアルとしてまとめていく予定でございます。
 さらに、マンション管理士会とも連携し、こうしたマニュアル等も活用して、具体的、実践的な内容を中心とした研修を実施し、マンション管理士の質の向上を図ってまいります。

○中山委員 冒頭申し上げましたが、老朽化マンションをめぐる問題は大都市に特有の問題でございまして、その中でも、早くからマンションが建設され、老朽化マンションが集積し始めている東京においては、もう大事な課題となっております。
 その意味で、マンション問題専門のセクションを設けたり、あるいはマンション白書といった調査活動を行ったり、あるいは専門家の派遣制度を整えたり、そうしたマンション問題に対応し始めた東京都の取り組みというのが評価されたことは間違いないと思いますが、ただ、マンション問題にも都は対応していますよということだけでは、これからの時代は余り評価はされない。むしろ、どのようにその問題を解決しているのかという中身が問われてくる時代に入ってくるんだと思います。
 そのためにも、問題解決能力の高いマンション管理士等の専門家の育成ということは非常に重要です。マンションの問題は強制的にやるわけにいきませんので、最終的には住民の方々がお決めいただいて、方針を定めて、合意をしていただいてやっていくしかありませんけれども、そのための意識の醸成というものを図れるマンション管理士の方々というものが、とても大事な存在であります。
 また、そのマンション管理士の方々が、活躍しやすい制度というものをどのように都として整えていくかということも、今後の検討課題であると思います。
 そのためにも、都が活用を奨励しているマンション管理士等の活躍により、問題解決が実際に進展した実例を一つ一つ積み重ねて、こうしていけば老朽化マンションの課題はクリアできる可能性が高いという、東京都発信の政策の目玉となるものの確立を目指して、頑張っていただくことを期待して、質問を終わりたいと思います。
 以上です。

○曽根委員 それでは私から、我が党が今定例会に住宅基本条例改正案を提案しておりますが、この条例案の提案の重要性について、基本的な点を幾つか私の方から質問させていただきます。
 まず、都民への居住権の保障の課題についてであります。
 現行の住宅基本条例は、二十八年前の一九九二年に制定されました。当時、既にバブル経済の崩壊が始まっていましたが、条例の基本スタンスは、住宅確保は個人の責任でというのが基本でありました。
 その後の長期にわたる経済の停滞と、とりわけ勤労者の所得の低下が続き、個人の力による住宅の確保が東京都内ではますます困難になっている中でも、今日まで一貫して、住宅確保は自己責任とする基本政策が続いているところに、東京の住宅問題の深刻さがあると考えております。
 その中で、二〇一六年十月に、第三回国連人間居住会議、ハビタットⅢが開かれ、日本政府も参加して、そこでニュー・アーバン・アジェンダが採択されました。
 そこには、そのちょうど前の年に国連サミットで、誰ひとり取り残さないを合い言葉に、世界中で起きている貧富と格差の拡大や地球環境の深刻な悪化などに対処するための持続可能な開発、SDGsの目標を、人間居住の分野で具体化することが盛り込まれました。
 つまりは、SDGsの十七の目標のうちの十一番目、住み続けられるまちづくり、この課題に取り組むことを世界の政府と自治体に呼びかけたのが、ニュー・アーバン・アジェンダということになります。
 これが東京の住宅政策に位置づいているとは、現状、到底いえないのが実情ですが、何より、今論議されている住宅政策審議会においても、我が党委員の問題提起にもかかわらず、残念ながら企画部会での議論の俎上にもなかなかのってこないのは、残念なことであります。
 そこで、まずお聞きしたいのは、このハビタットⅢのアジェンダは、誰ひとり取り残さないというSDGsの立場で、全ての住民に対し、適切な居住の場が保障され、そこに住み続けられる、いわゆる居住権を保障することが最大の柱であります。この居住権という点について、都の条例には現在どのように位置づけられているのか、お聞きします。

○武井住宅政策担当部長 いわゆる居住権、その対象となる利益は、住宅の規模、性能、設備、立地、環境、対価など、極めて多岐にわたっているため、保護されるべき利益の内容や居住権の概念について特定することは極めて困難でございます。
 こうした認識のもと、東京都住宅基本条例では、その前文におきまして、都民は、基本的人権が尊重されるとともに社会的公正が実現され、ともに支え合い、安全に、安心して住み続けられる社会を築いていかなければならないなどと定めております。
 なお、国の社会資本整備審議会の平成十七年九月の答申でも、住生活基本法をめぐって居住権を認めるべきとの議論がございましたが、包括的な権利として基本法制に定めることについての国民的なコンセンサスがあるとはいえないとされまして、住生活基本法においても居住権の保障は位置づけられておりません。

○曽根委員 これが前回、国の法制化、また、都の条例の検討の中で出ていた議論でありますが、その後、このハビタットⅢのアジェンダが出されていると。ここには、当然ながら日本の政府も参加して、このニュー・アーバン・アジェンダを全会一致で採択をしているわけで、国際的な、今後二十年にわたる住宅政策の指針というべきものだということは、先日、我が党の代表質問に知事も答えております。
 したがって、このアジェンダの求める居住権の保障というのは、今後の都政の住宅政策の大きな柱として位置づけるべきというのが私たちの立場で、今回の条例改正にも第一条に盛り込んだわけです。
 もちろん、このアジェンダの求める居住権の保障というのは、お国柄や各地域の実情に応じて、いきなり完全に居住を保障するということではなく、現実を踏まえつつ、そこからいかに人間らしい居住の完全な保障を目標としていくかという点にあります。ただ、この居住権の保障という目標を最初から放棄してしまいますと、結局、住宅は自己責任が当たり前という枠組みから抜け出すことはできなくなってしまうわけです。
 そこで、例えば東京都も、現在の住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律、住宅セーフティーネット法ですが、この規定の中にあります同施行規則、ここに、さまざまな階層や分野の方々の賃貸居住の提供の必要性について項目がありますけれども、これらに加えて、東京都も、住宅確保要配慮者賃貸住宅供給促進計画の中で、国の規定に加えて、例えば、海外からの引揚者、新婚世帯、原子爆弾被爆者、戦傷病者、児童養護施設退所者、LGBT、UIJターンによる転入者などのさまざまな階層の住民に対して、住宅セーフティーネット、住宅確保の要配慮者に加えて、住宅の供給についての課題を提起しているように、次第に、東京都の住宅政策の対象者として、都民のさまざまな格差の中に置かれている方々をその中に取り込んでいこうという努力はされてきているわけです。
 私たちは、この都の段階的な、都営住宅入居を含むこうした対策の必要な都民、これに対する抜本的な対策の拡充を進めていくことが居住権の保障につながっていく。したがって、条例の中にはこの姿勢を基本姿勢として確立することを求めております。
 それで、都として、誰ひとり取り残すことなく居住権を保障していく、このことを目標にした政策の実現の上で、今、焦点の当たっているのが、ジェンダー平等の立場から、都営住宅の入居資格を同性パートナーに認めていく課題であります。
 都が、ジェンダー平等の立場に立って住宅政策を進めるべきであることは、今や誰も否定できないと思いますが、しかし、いざ都営住宅の入居に当たって、例えば、性自認や性的指向の多様性を認める観点から、同性パートナーに入居資格を認めるかどうかという点では、まだ大きな壁があります。その壁になっている問題はどういう点にあるのか、この点について、都営住宅の入居についてはどうなっているでしょうか。

○土屋経営改革担当部長 都営住宅では、使用者の資格の一つとして、東京都営住宅条例で同居親族要件を定めておりまして、入居の際、親族関係については住民票により確認しておりますが、同性パートナーにつきましては親族関係の記載がないため、入居資格を確認できないところでございます。
 都営住宅の管理制度等における取り扱いにつきましては、東京都性自認及び性的指向に関する基本計画も踏まえまして、他の自治体における動向や入居資格の確認方法等の課題を調査しており、引き続き検討してまいります。

○曽根委員 こういうふうな形で、東京都の都営住宅についてもさまざまな壁が残っているわけです。
 例えば内縁の夫婦関係については、既に、住民票での確認ができますから入居も認めている。つまり、何らかの別の公的承認があることが決定的だということになっているわけです。こうした他力本願のような手法が行政に大きな壁をつくっていくことになります。
 しかし、同性パートナーを認める自治体はどんどん今ふえておりますし、もう減ることはないわけです。いずれは都のパートナーシップ条例が確立されて、当然の権利として都営住宅入居資格も認められる、そういうときは来ます。
 問題は、だから私がいいたいのは、むしろSDGsの十七目標のトップを切って、今、十一番目の目標、住み続けられるまちづくり、これを掲げたハビタットⅢの目標を、都知事も、今後の住宅政策の大きな指針と、国際的な指針と認めているわけですから、ジェンダー平等の理念を実現していくことが、この都営住宅の入居資格という分野からも大きく切り開かれる、これがそれぞれの分野で努力をしている形と相まって、SDGsの理念を推進していくことになると、こういう発想こそ大事だということを申し上げておきたい。
 同様に、都営住宅の対象から、かなりはじかれているのが若年階層であります。若年世代の場合は、単身での入居は資格が認められていません。また、共働きの若い夫婦は、二人とも不安定非正規雇用であったとしても、収入を合算すると基準を超えてしまう場合も多く、結局、都営住宅に申し込みすらできず、収入の半分近くにもなる高額の民間家賃を負担しているなど、いずれもSDGsの誰ひとり取り残さないとのアジェンダの観点からは、放置できない事態になっています。この点も見直しが緊急に求められていると思いますが、どうでしょうか。

○土屋経営改革担当部長 都営住宅は、原則として、市場で適切な住宅を確保することが困難な同居親族のある世帯を入居対象としておりまして、単身者は、特に居住の安定を図る必要のある高齢者や障害者等を入居の対象としております。
 また、現行の入居収入基準につきましては、平成二十四年の東京都営住宅条例改正に当たり、都内の民間賃貸住宅の家賃水準や家賃負担の状況、都民の世帯構成、収入の水準などにつきまして調査検討をした結果、妥当な水準にあるとして定められたものでございます。
 なお、特に居住の安定を図る必要のある高校修了期までの子供がいる世帯等につきましては、裁量階層として、入居収入基準を同条例に基づき二十一万四千円としております。

○曽根委員 平成二十四年、条例改正の同じ年に、国際的な居住の会議が開かれており、そこで、やはり今の時代を越えていくための新しい提案がアジェンダとして出されている、このことを踏まえての新たな都政の課題として位置づけなければならないと思います。
 このハビタットⅢの誰ひとり取り残さないとの理念を具体化する上で、今申し上げたように、年齢や所得で都営住宅の対象から排除することは、今後大きく見直していくべき課題だと提起をいたしたいと思います。
 例えば、首都圏でも神奈川県は、既に単身者の公営住宅申し込みの資格を六十歳未満にまで拡大してきております。首都圏でもこういう動きがあるということをご紹介しておきます。
 次に、都営住宅の新規建設の必要性と、また、それを可能にする条件について、ちょっと具体的に検証してみたいと思います。
 昨年の事務事業質疑で、私は、都内の建てかえ事業中の八十カ所余りの都営団地のうち、かなりの割合でもう建てかえ最終期に入っている、こういう団地があって、建てかえ終了後に新築の住棟が相当数出現することを明らかにいたしました。
 また、建てかえ事業で従前戸数を確保しても、なお建物が高層化するために、建てかえ事業後に一定の広さの土地が創出される事例が少なからず見られること、そこには新たな住棟を建設できる条件もあり得ることなどを明らかにいたしました。
 以上のように、新たな用地を取得しての都営住宅の新規建設は極めて重要ですけれども、同時に、既存団地建てかえでも、新たな都営住宅の整備が可能な条件が生まれてきているということであります。
 今回は、私の地元北区の大規模団地の桐ケ丘団地の例について検証したいと思います。
 桐ケ丘では、長期間にわたり建てかえ事業が行われているため、都としては、建てかえ事業と住宅改善を同時に実施する再生計画を策定しまして、この二十数年の間に住宅改善は既に完了しております。
 そこでお聞きしますが、桐ケ丘団地の建てかえ事業について、現時点で完了した戸数、工事中の戸数、今後の予定戸数及び建てかえ事業完了後に創出される用地の面積について、それぞれ伺います。

○栗谷川再編利活用推進担当部長 都営桐ケ丘団地の建てかえ事業は平成八年度に着手し、令和二年十二月末時点で、完了戸数が二千八百三十七戸、工事中の戸数が六百八十七戸となっており、今後の予定戸数約千五百戸と合わせて、従前戸数である五千二十戸を確保することとしております。
 また、建てかえに当たりましては、建物の高層化、集約化を図ることにより、約五ヘクタールの用地を創出する予定でございます。

○曽根委員 あわせてこの機会に、これまでの改善事業で行った住宅改造、増築及びバルコニーに浴室設備を設置した棟数と戸数についても伺っておきます。

○金子営繕担当部長 都は、平成八年度末から平成十六年度までの約八年間で、改造方式、増築方式及び改修方式による住宅改善事業を実施いたしました。
 まず、改造方式は、二戸を一戸に、または三戸を二戸に改造するもので、その実績は二十六棟、約六百戸でございます。
 次に、増築方式は、バルコニー側などに一部屋及び浴室等の増築を行うもので、その実績は五十七棟、約二千戸でございます。
 最後に、改修方式は、バルコニーなどに簡易ユニットバスを設置するものでございまして、その実績は五棟、約二百戸でございます。

○曽根委員 今お答えあったように、桐ケ丘団地は全体で六期二十四年をかけて、実際には二十七、八年かかっていますが、住民の要望もかなり取り入れた建てかえ事業が行われ、私は、その後の建てかえ事業のよい意味でのモデルになった団地だと考えております。
 例えば、建てかえが後期になる、二十四年のうち十二年以降ですから、かなり待たされるお宅は、その間ずっと、桐ケ丘団地はお風呂がほとんどありませんでしたので、浴室のない住宅で我慢しなければならない。
 そこで、まず第一回目に、第一段階で増築を行って、バルコニー側に浴室つきの部屋を増築する。その後にいよいよ建てかえ時期が来て、今、その増築した住宅を、全体を建てかえて新しい団地につくりかえているわけです。
 また、前期の建てかえの中でも、やはりしばらく待たされる、そういう住宅については二百戸ですけれども、バルコニーなどに簡易ユニットバスを設置するということも行われ、ほとんど、三分の二以上の住宅が二段階にわたって建てかえ事業を行っております。
 こうしたきめ細かい対応が当時はなされたということ、これは非常に重要なことだと思います。
 途中段階では、例えば、都営住宅建てかえ事業で初めて大型の特養ホームが実現し、今日、そこに包括支援センターが置かれて活躍しておりますし、また一方で、一階に商業施設、二階より上は都民住宅が計画された住棟は、東京都が都民住宅建設を行わない方針変更のために中断して、いまだに中断されております。
 こういうような中身で、問題は、今後、答弁にありましたように、新たに整備される約千五百戸の都営住宅、これは少なくとも、今住んでいる方は、全て建てかえもしくは間もなく転居いたしますので、戻り入居はほとんどなく、北区内で近隣の建てかえ事業の戸数も、既に団地内で空き家となっている住宅戸数で十分に足りることから、これから建てる千五百戸のかなりの部分は新規募集に回せる可能性があるということであります。これ、非常に大きな戸数であります。
 二つ目に、創出されるという団地内の新たな用地五ヘクタールについても、区民センターや他の都の福祉施設などを移転させる計画も出ておりますが、五ヘクタールの一部を活用するだけでも、新たな都営住宅の整備が十分に可能であります。
 このように、桐ケ丘という一つの都営団地を三十年近くかけて建てかえてくる中で、新たな都営住宅整備の可能性が現に生まれてきているということが重要だと思います。
 先ほど私は、現に今も都営住宅を切実に求めている都民が多数存在していると述べましたが、そうした都民を十分に迎え入れていくためには、都営住宅の新規の供給がどうしても不可欠です。残された都有地を見ても、もうその余地はないという意見もあるでしょうが、現有の都営住宅の建てかえ事業の中からも、かなりの新規の都営住宅の供給ができる余地があるということを強調しておきたいと思います。
 そこで、都内の建てかえ事業中の都営団地で、建てかえ終了後に、同じ区市内の次の建てかえ事業の移転者数によって、移転用に確保する住宅がなくて済むために、新規募集に回せる団地がかなりあるということじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

○妹尾建設推進担当部長 建てかえが完了した住棟の住戸につきましては、基本的に、建てかえ事業により移転が必要な居住者への提供を想定してございます。
 このうち、建てかえ事業における最終期の住棟の住戸は、原則として、同じ区市内の次期建てかえ団地からの移転を円滑に進めるために活用することとしておりますが、居住者の移転の状況を見ながら、公募用住戸としての活用も図ってございます。

○曽根委員 こうした諸条件を活用して、また、民間住宅等の借り上げ制度や、また、新規の都有地を取得しての新規建設、大いに取り組むよう求めておき、また、我が党もさらに、新規の都営住宅の供給対策について具体的な提案も今後行っていきたいと思います。
 最後に、コロナ禍のもとで、セーフティーネット住宅への支援策として、昨年実施されました設備支援制度について、現時点での適用戸数、成果についてお聞きしたいと思います。

○飯塚民間住宅施策推進担当部長 東京ささエール住宅設備導入費補助は、昨年八月から申請を受け付けており、これまで交付決定された住宅は約四百戸でございます。
 本補助は、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、令和二年度限りの緊急対策として実施しているものでございます。

○曽根委員 現状では、ささエール住宅といわれるこのセーフティーネット住宅、全部合わせても二千戸ちょっとしか登録がない中で、この一つの制度をきっかけに四百戸が新たに登録をしたということは、まあ数としては非常に、都全体ですから少ないですが、この制度の今後の見通しとして、やはりさまざまな支援制度をつけ加えることによって、大家さんもしくはアパート経営者の願いに一部応えて、登録はふえるということは今後も可能だということを、わずかながらですが示しているというふうにいえると思います。
 今後の点について、先ほどもちょっとありましたが、居住支援協議会の役割、私はこれが大変重要だと思います。
 各地域におられるアパート経営者、大家さんなどのこの制度に対する期待や願いに対して、具体的にその地域ごとに応えていく区市町村ごとの居住支援協議会の活動が、まだまだ活性化しているとはいえない状況が多いという点で、私は、一つの見本として、今、コロナのもとで大奮闘しているといってもいいと思いますが、各地域の社会福祉協議会の活動のあり方は、ぜひ参考にしていくべきだと思います。
 とにかく今、住居確保給付金が大体四万件近く、この社会福祉協議会で手続をして家賃の補助を受けておりますし、また、臨時生活費の貸し付けについても、たくさんの方がこれを利用して生活をつないでいると。
 私、北区の社会福祉協議会の方にお邪魔をして、お話を伺って強く感じたのは、とにかくこの人をどうやったらこの制度で助けられるか、その手続を含めて、本当に親身になって、何とか制度をその人に適用したい、しなければ、もうそのまま生活が破綻していくのは目に見えているわけですから、そういう姿勢に立って、窓口、そして係の方が一生懸命取り組んでいる。その姿勢が、私はやっぱりこの住宅分野でも、居住支援協議会などにそうした人材、そして財政支援、また、活動上の財政的なバックアップができる居住支援法人などに対する支援なども含めて、東京都、そして区市町村が連携して取り組む、このことはどうしても今、コロナのもとでますます重要になってくる。
 住宅の困窮者というのは今後ふえていく可能性が大いにありますので、この点について取り組みを強めるよう求めておきたいと思いますし、また我が党は、今回、条例改正提案に当たって、この居住支援協議会を条例上、第五章、章立てを設けまして、条例の中に初めて位置づけるという提案も条例改正では行っていることを補足させていただきたいと思います。
 以上の課題に積極的に取り組む大前提として、冒頭に述べましたように、都営住宅を必要とし、また、さまざまな住宅の支援を必要としている、強く求めている都民の要望に応えることを初めとして、東京都が、誰ひとり取り残さない住宅政策を、居住権の保障を目指すということを進めるために、住宅基本条例の改正が重要だということを申し上げて、私の質問を終わります。

○藤井委員 それでは、よろしくお願いいたします。
 まず、単身の高齢者の見守りについてお伺いをしてまいりたいと思います。
 今回、単身高齢者の見守りシステムの構築と実証ということで、〇・二億円が計上されているわけでございますけれども、これはおおよそ何件程度対象とされているのか、まずお伺いをしたいと思います。

○土屋経営改革担当部長 都営住宅における単身高齢者の見守りシステムの構築プロジェクトは、大学研究者が都と協議の上作成する全体計画書によりますと、令和二年度から三年度におきまして、都営住宅の単身高齢者世帯から取得したデータを使ってシステムを構築し、巡回管理による見守りのサポート強化を図ることを実証するものでございます。
 現在、都営住宅の単身高齢者約二十世帯の協力を得てデータを取得しておりまして、来年度、システムを構築し、この約二十世帯を対象に運用状況の検証を行うこととしております。

○藤井委員 ご答弁ありがとうございます。
 この二十世帯という限られた母集団で十分であるかどうかということについては、しっかりと私どもの会派も見ていきたいと思っておりますけれども、今回の予算は、見守りそのものを実証するということ、そのための予算というよりは、そのためのシステムの構築のための予算であるというふうに答弁から理解をさせていただきました。
 次の質問でございますけれども、このシステムでございますが、スマートメーターの電気量やエアコンの利用状況をAIが分析、判断し、その情報が流されてくるということでございます。
 実際に住宅政策本部のどの部門が中心となって判断をし、そして他部門等につないだりされていかれるのか。また、入居者の命にもかかわるような話だと思いますけれども、いざというときの責任の所在というものも、やはり明確にしていくことも重要だと思うわけでございますけれども、これがどの部門が責任を負っていかれるのか、見解を伺いたいと思います。

○土屋経営改革担当部長 本プロジェクトにおきます見守りシステムの構築や実証などの主体は、事業提案者である大学研究者にございます。
 具体的には、大学研究者が単身高齢者宅に伺い、電気量データやエアコンの利用の有無などのデータを取得し、システムの構築などを行います。その後、協力世帯を対象に運用状況の検証を行います。都営住宅経営部が指定管理者である東京都住宅供給公社と連携し、協力世帯の選定や本システムの運用状況の検証に協力いたします。
 なお、本プロジェクトの協力世帯を含め、都営住宅居住者の緊急時の安否確認は同公社で行います。

○藤井委員 管理者として公社が最終責任を負うということでございますけれども、システムについては事業者であり、都営住宅全般に対しては住宅政策本部が責任を負うということでございまして、これ、なかなか命にもかかわるような話にもなってくる可能性もありますので、責任の所在というのはやはり明確に今後していただきたいなということは、我が会派の要望として申し上げたいというふうに思います。
 このシステムでございますけれども、今後のことについてお伺いするんですが、今後、都営住宅など全体に対して広げていくという計画であるものと理解してよいのかどうか、見解を伺いたいと思います。

○土屋経営改革担当部長 本プロジェクトは、全体計画書によりますと、大学研究者が都営住宅の単身高齢者の協力を得て見守りシステムを構築し、都営住宅における巡回管理による見守りサポート強化を図ることを実証することで、都内全域の単身高齢者の見守りシステムとして普及を促進させることを目的としております。
 都営住宅での具体的な活用につきましては、本プロジェクトの成果を踏まえ、検討してまいります。

○藤井委員 このシステムを使って都内全域に広げていくことを目的とされていると。ただ、都営住宅の具体的な活用については、成果等を踏まえて検討されていくということでございました。
 私は、都営住宅の見守りを主にやっていくという趣旨のプロジェクトなのかなと思って、今回質問をさせていただいたわけでございますけれども、これ都営住宅だけではなくて、高齢者の方々、どんどん単身の高齢世帯ってふえていきますし、一般の住宅も含めての見守りという対応でないと、やはり、不公平というか、そういったものも生じかねないのかなというところは懸念されるところでありますけれども、他の一般住宅も含めての対応というのを今後していく必要性があるのかなと思うんですけれども、その点について見解を伺いたいと思います。

○武井住宅政策担当部長 貸し主の不安感を解消し、高齢者に対する入居拒否を防ぐため、都は、高齢者の見守りや残存家具の片づけなどのサービスを提供するあんしん居住制度について、東京都防災・建築まちづくりセンターと協力し、積極的な活用を促しております。
 大学研究者による事業提案を受けた本プロジェクトは、単身高齢者の見守りシステムを開発するためのモデル実証であり、その成果が活用されることにより、見守りシステムの実現と普及につながるものと考えております。

○藤井委員 今回のプロジェクトは、対象が都営住宅からのデータということでございますけれども、その普及については、何も都営住宅だけではなく、一般住宅もということを想定したものだというふうに理解をしております。誤った理解というか、場合によっては不公平だと思われないように、ぜひこの点についても気をつけて取り組んでいただきたいなというふうに思います。
 次に、都営住宅募集のオンライン化についてお伺いをしてまいりたいと思います。
 この事業目的として、都民サービスの向上と募集事務の効率化を掲げておられると思います。もとよりデジタル化は手段にすぎないと思います。実際に都民サービスの向上につながらなければ意味がないというか、そのためのものだというふうに理解をしているわけであります。
 多くの都民の中では、都営住宅という存在を知っていても、実際に申し込もうとか、あるいは自分が申し込めると、資格があるという方は、かなり減ってきているというふうにも伺っているわけであります。とりわけ若い世代の方々にとっては、なかなかなじみも薄くなりつつあると、そういう存在でもあろうかと思っております。
 若者世代と親和性の高いデジタル申請を取り入れたということは、結果として申込数が増加をしてくるなど、そういった一定の効果を期待したものであると私は理解をしているわけでありますけれども、具体的にどのような効果を見込んでおられるのか、答弁を求めたいと思います。

○土屋経営改革担当部長 都営住宅募集の現在の手続では、申込者が手書きで申込書に記入し、東京都住宅供給公社に郵送いたします。同公社では、入居者情報等を一元管理しているシステムに申込者情報を入力し、公開抽せん後、抽せん結果をはがきで返信しております。
 募集のオンライン化は、手書きや郵送の手間を省き、申込書の未記入を防止できるなど、都民サービスの向上が期待できます。加えまして、休日や夜間を含め、いつでも申し込みを可能とする予定であることから、仕事や子育てなどで日中手続のための時間がとれない方にとって、申し込みがしやすくなると考えております。

○藤井委員 実際に申し込みをしやすくなって、都民サービスの向上につながるのではないかというようなご答弁であったと思います。
 具体的に提案というか、ご質問させていただきたいのでありますけれども、昨年からだったと思うんですが、都営住宅の紙ベースの募集パンフレットに物件の過去の倍率を明記していただいたというふうに思います。
 この点、我が会派の宮瀬議員の指摘を受けとめていただいたものと感謝を申し上げるわけでありますけれども、今回の電子申請に際しましては、過去の、例えば一年分だけじゃなくて数年分の抽せん倍率とか、過去の募集戸数が何戸だったのかということについても、都民サービスの向上というお話もずっといただいておりましたので、答弁の中で。こういったこともぜひ検索ができるようなシステムにしていただくなどを検討していただきたいと思います。
 またあるいは、類似物件、どういったものがあるのかということを対比で比較していただけるようにするなど、ぜひ情報の充実をしていただきたいと思います。
 このことは、結果として、全体としての申し込みが一部の募集住戸に集中をするのではなくて、うまく分散して、より多くの方が入居できることにも、これはつながっていくというふうに思うわけでありますけれども、この提案についての都の見解を伺いたいと思います。

○土屋経営改革担当部長 都営住宅の募集パンフレットでは、申込者の選択に資するよう、前回の区市町別の応募倍率を掲載するほか、令和元年十一月募集から、各申込地区ごとに、住戸の間取りや広さなどが同じ条件の住戸で募集があった場合、その直近の応募倍率を掲載し、応募倍率の平準化を図っております。
 お話の募集情報の充実につきましては、入居者募集を委託している東京都住宅供給公社とともに研究してまいります。

○藤井委員 募集情報の充実については、公社とともに研究してまいりますということでございます。行政の用語では、研究って余り前向きではないのかなというふうにも受け取ってしまったわけでございますけれども、デジタル化はもとより、冒頭申し上げましたが、あくまでも手段でしかないと思いますので、募集情報の充実は、研究ではなくて、ぜひ検討していただきたいなということを申し上げたいと思います。
 私も地元の方からよくいただくご意見として、申し込みから実際入居するまでもう何カ月もたって困るというようなお話を伺う機会がございます。住宅政策本部の方とお話をすると、慎重かつ公正に審査をするためには、それなりの時間が必要なんですよというお話をいただいて、その点は私も理解できなくはないわけでございますけれども、民間の住居なんかと比べると、入居が決定してから入れるまでの時間、こっちの方が余りにも長過ぎるので、そしてまた、余りにも遅過ぎますので、この点はぜひ改善をしていただきたいなと思っております。
 物件の空き時間というんですかね、これ長くなればなるほど、都民の資産が有効に使われていないということにもなりますので、これは非常にもったいない話でもあります。
 今回のデジタル化というのは本当に、紙からオンラインに変えるということだけじゃなくて、入居申請から入居までの一連の業務プロセスが全て効率化をされて、都民サービスの向上にしっかりとつなげていただきたいというふうに思うわけでございますけれども、今後の取り組みについて、決意をお伺いしたいと思います。

○土屋経営改革担当部長 都営住宅では、申し込み受け付け後、当せん者等の資格審査を行い、入居説明会等を経て入居となります。この中で、都は、真に住宅に困窮する低額所得者に都営住宅を的確に提供できるよう、入居収入基準や住宅困窮度などの資格審査を行っておりますが、公正かつ厳正に審査するため、一定期間を要しております。
 今後、募集オンライン化とあわせ、資格審査や入居説明会等における郵送対応の原則化や、審査書類の削減、簡素化など、手続の事務改善を図り、募集から入居までの期間短縮に取り組んでまいります。

○藤井委員 最後にちょっと要望というか、募集から入居までの期間短縮に取り組んでいきますという力強い答弁がございまして、ぜひ期待をしたいと思います。
 実際に都民サービスの向上につながるような、ぜひBPRという視点、他会派さんからもお話ありましたけれども、その視点を大切にデジタル化に取り組んでいただきたいということを要望して、私からの質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○米川委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後二時五十四分休憩

   午後三時十五分開議
○米川委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○斉藤委員 私から、まず、安心居住推進事業について伺います。
 東京ささエール住宅は、都の登録促進の努力もございまして、三万戸の登録目標を達成されたということです。このこと自体は喜ばしいことですが、それだけで要配慮者が東京ささエール住宅にスムーズに入居ができるとは限りません。多くの賃貸住宅では、貸し主が家賃滞納やトラブルの発生に備え、連帯保証人や緊急時に連絡可能な身元保証人の確保を入居の条件とすることが一般的でございます。
 しかし、住宅確保要配慮者、中でも単身高齢者やDVの被害者、また、児童養護施設を退所された方などは、連帯保証人はもとより、身元保証人も見つけることが難しいという方も多く、賃貸住宅などへの入居の大きなハードルとなっております。
 そこで、要配慮者の東京ささエール住宅への円滑な入居を促進するため、入居に当たって求められる連帯保証人や身元保証人が確保できるよう、適切に支援していくことが必要と考えますが、都はどのように取り組んでいるか伺います。

○飯塚民間住宅施策推進担当部長 住宅確保要配慮者の居住の安定を確保するためには、家賃滞納等、要配慮者の入居に伴う貸し主の不安軽減を図ることが重要でございます。
 都は、平成三十年度から、家賃滞納に係る不安に対し、家賃債務保証料の低廉化費用を補助する区市を財政的に支援しておりまして、引き続き、補助制度の導入を働きかけてまいります。
 また、来年度からは、個々の要配慮者の状況に応じ、きめ細かい居住支援サービスの提供が行えるよう、安心居住パッケージ事業を開始する予定でございまして、例えば、身元保証人を得ることが難しい要配慮者に対する、緊急時の身元保証代行サービスの提供なども補助対象とする予定でございます。
 こうした取り組みを通じまして、DV被害者や児童養護施設退所者なども含む住宅確保要配慮者について、東京ささエール住宅への円滑な入居の促進を図ってまいります。

○斉藤委員 家賃債務保証料の低廉化に取り組む区市がまだ限定的であるということや、取り組めているところでも、保証料とともに身元保証人の確保を入居の条件とするというところはまだまだあるというふうに伺っております。
 その中で、来年度から安心居住パッケージ事業を開始されて、この中で身元保証代行サービスの提供を行われていくということは大変重要なことであると考えております。
 まずは、モデル事業として取り組んでいかれることと思いますが、例えば、もともと福祉保健局の方でありました児童養護施設退所者の住宅確保の支援を行う事業も、今はこちらの住宅政策本部のセーフティーネット住宅に取り込まれているということになっていると伺っています。
 つまり、施設退所者の方々に多いように、身元保証人の確保が難しいというような方へもしっかりと住宅を確保するという責務が、住宅政策本部にあるということになっていると考えております。
 安心居住パッケージ事業を着実に行うとともに、事業の内容については、例として挙げました施設退所者の支援や、また、若年被害女性への支援、また、DV被害者支援などに取り組む民間団体等にも周知をしていただきまして、その認知度向上にも努めていただきたいということを申し上げ、次の質問に移ります。
 都営住宅について伺います。
 重度の知的障害がございまして、生活していく上で介助を必須とする多摩市民の方やそのご家族の方からのお訴えで、一昨年の秋に多摩市議会より全会一致で重度訪問介護を利用する単身障害者が、都営住宅に入居するに当たっての運用改善を東京都に求める意見書が提出をされました。
 本件については、都議会厚生委員会の方や、また、住宅政策本部でも質疑を重ねてきておりますが、実際の当事者の方は、いまだに抽せんで落選が続いておりまして、希望する住戸への入居がかなっておりません。
 重度訪問介護を利用する単身障害者は、生活実態から鑑みて、夜間や早朝も含め、単身者用の住戸では介助者を含めて生活するには手狭というふうに伺っております。
 そもそも二人以上で入居できる物件への申し込みが可能になるよう、運用改善を行うべきであると考えますが、見解を伺います。

○土屋経営改革担当部長 令和二年二月の都営住宅募集から、多摩地域におきまして、世帯人数に応じて提供する住戸の広さと間取りを決めている住戸あっせん基準を緩和し、比較的広い、応募なしの住戸を単身用とするなどの弾力的な運用を行っております。これにより、介助を必要とする方々を含め、単身世帯の入居の選択肢が広がりました。
 今後も、真に住宅に困窮する方々に、都営住宅を的確に提供してまいります。

○斉藤委員 あっせん基準の緩和を行っていただいているということ、これは本当にありがたく、まずは入り口ができたということで、応募をしていただけるという状況にはなっているんですけれども、やはり単身者向けが大変人気が高いということもありまして、実際には、この陳情者はいまだ入居がかなっていないということで、現在多摩市内の都営住宅は順次建てかえが進められているということもありまして、事業用として空き住戸が多数確保されているままだということも伺っております。
 できる限り多くの方に、特に倍率が高く入居がかなわないままの単身者が多いということもありまして、単身者向けの住戸をぜひ募集住戸として公開をしていただきたいということを要望させていただきます。
 当事者の方からは、都営住宅入居に当たっての障害者に対する合理的配慮を、ぜひお願いしたいというご希望をいただいております。
 そこで、都営住宅の入居制度において、障害者に対する合理的配慮として、優先的に入居できるようにすべきと考えますが、見解を伺います。

○土屋経営改革担当部長 都営住宅の入居者募集では、特別の事由のある方につきましては、公募の中で優先的に入居できる方法をとっており、障害者の方もその対象としております。
 具体的には、心身障害者世帯につきましては、当せん確率を一般の五倍または七倍高くする優遇抽せんや、抽せんによらず、住宅困窮度が高い方から順に入居していただく方式であるポイント方式の募集の対象としております。
 また、身体障害者手帳の交付を受けている一級から四級の障害者の方等につきましては、単身であっても同居親族要件の例外として入居を可能としているところでございます。

○斉藤委員 さまざまに配慮をしてくださっているというご答弁をありがとうございました。
 特に今回の単身者で、重度知的障害のある方が入居を希望されている場合は、住宅の困窮度が大変高いというふうに当事者ご家族や支援者の方々は考えておられまして、ほかにもさまざまな理由で困窮されている方々が入居を望んでいる都営住宅でありますけれども、希望される方が入居ができるよう、住戸管理や建てかえ計画を進めていっていただきたいということを申し上げて、次の質問に移ります。
 東京みんなでサロンについて伺います。
 今年度は新型コロナウイルス感染症の影響で本事業の実施が難しいと思いますけれども、感染対策に最大限努めながらも、本来の事業目的を果たすことができるよう、できる限り取り組んでいくべきと考えますが、見解を伺います。

○土屋経営改革担当部長 東京みんなでサロンにつきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により、事業実施には慎重な検討を要する状況でございます。
 現在、マスクの着用やソーシャルディスタンスの確保などの感染対策を含め、実施方法の工夫について検討しております。
 団地自治会や地域住民、地域活動を行う団体、社会貢献事業に取り組む民間事業者など、関係者の意向の把握に努めており、引き続き、モデル事業の実施に向けて取り組んでまいります。

○斉藤委員 東京みんなでサロンという事業の目的は、子供から高齢者までさまざまな世代の住民が交流をするということ、そして、その交流によってお互いの顔が見えるようになるということ、また、お互いを知りまして、コミュニケーションがとれるという、その入り口をつくるということもあるというふうに私の方は受けとめさせていただいております。
 先日、団地再生勉強会というのに参加をさせていただきまして、住民の半分以上が外国人という埼玉県川口市のUR芝園団地の自治会事務局長から教えていただいたことがございました。
 コロナ禍で、コミュニティづくりのために予定をしていた、対面の食事提供などを行う、そういったことを伴う事業は中止や縮小せざるを得ないものの、こちらの団地では当初の目的を達成することは重要だと考えまして、例えば、新住民や外国人住民の名前と顔を全ての住民の方に知ってもらうために、取材をした上で機関紙を作成して配布するなど、このコロナ禍においても取り組めることは引き続き取り組んでいる、取り組めているということを伺っております。
 このような事例も紹介をしながら、実際の感染リスクの高い活動については見送るとしたとしても、当初の目的は達成されるような事業実施のあり方をぜひご検討いただきたいということを要望し、次の質問に移らせていただきます。
 稲城市大丸の都営住宅跡地の都有地活用について伺います。
 稲城市大丸地区の都営稲城アパートの建てかえにより創出した用地については、地元市民より、福祉施設を初め、活用についてさまざまな意見、また、ご要望をいただいております。
 用地の活用に当たっては、地域住民のニーズに即した適切な都有地スペースの活用が図られていくことを願っております。
 そこで、本件都有地の現在の状況と今後の活用について伺います。

○栗谷川再編利活用推進担当部長 都営稲城アパートでは、老朽化した住棟の建てかえを進めており、約一・一九ヘクタールの用地を創出しております。そのうち約〇・二五ヘクタールが福祉インフラ整備事業用地として活用され、令和二年四月に認可保育所が開所いたしました。
 今後、残り約〇・九四ヘクタールの創出用地のうち、住宅展示場として活用に適した約〇・五ヘクタールを暫定的に十年間貸し出し、多摩産材を初めとした国産木材の住宅への使用の促進や、環境に配慮した住宅の普及など、都の施策に資する取り組みを実施していくこととしております。
 創出用地の本格的な活用につきましては、近接する稲城長沼駅及び南多摩駅の両駅を中心に行われている市施行による土地区画整理事業が、完了までには長期間を要する見込みであることから、今後のまちづくりの進捗状況を見ながら検討してまいります。

○斉藤委員 ご答弁ありがとうございます。
 現在、地元市が進められている区画整理事業により、今後さらに稲城市は、人口の増加や若い子育て世代の流入も大変期待をされております。また、一部高齢化が進むエリアもございます。恐らく、今後この地域に必要とされる施設がどういったものになるか、地域住民からもさまざまなご要望や期待が寄せられているということもありますので、本都有地が、まずは東京都住宅政策本部により管理をされていくということ、また、その後に地域のまちづくりの方向性に合わせて検討していっていただけるということを、ここで確認をさせていただきました。
 次に、空き家対策について二点伺わせていただきます。
 まず、民間空き家対策東京モデル支援事業における来年度の主な拡充内容を伺います。

○飯塚民間住宅施策推進担当部長 民間空き家対策東京モデル支援事業では、来年度から新たに空き家をコワーキングスペースに改修して活用するなど、今般の新型コロナウイルス感染症の拡大に伴って急速に普及した、新たな働き方を支援する取り組みへの補助を開始する予定でございます。
 そのほか、今年度から実施している、空き家を改修し、地域のコミュニティ支援施設として活用する取り組みへの補助につきましては、一件当たりの補助限度額を百五十万円から二百五十万円に拡充するとともに、これに加えまして、耐震改修を実施する場合は、さらに百五十万円を上限に耐震改修に係る補助額を上乗せするなど、より活用しやすい制度への見直しなどを行う予定でございます。

○斉藤委員 民間空き家対策東京モデル支援事業について、来年度は空き家のコワーキングスペースへの活用も見据えた事業が行われるということですが、コロナ禍を契機に、地域で働き地域で暮らす、ローカルとコワーキングを組み合わせたロコワーキングという考え方も現在注目をされておりまして、もとから支援を行っていたコミュニティスペースとの活用とあわせて、空き家が、地域で働き地域で暮らす機運を高めることになればと期待をさせていただいております。
 そこで、今既に空き家を活用してコワーキングスペースを実施している方が、同じ建物のあいている別の区画にコミュニティスペースを新たに整備しようと考えた際にも、この事業は申し込むことができるのかお伺いをします。

○飯塚民間住宅施策推進担当部長 本事業におきましては、例えば、マンションの空き住戸のような共同住宅の使用されていない一区画を改修して、コミュニティ支援施設として活用する取り組みなども対象としていることから、お話のようなケースも補助対象となる可能性はあると考えてございます。
 しかしながら、実際に事業を選定する際には、個別の事業計画の詳細を踏まえまして判断することとなります。

○斉藤委員 ありがとうございます。
 恐らく、区画が二つに分かれていて、出入り口がそれぞれにある場合は対象になるのではないかというような、そういう答弁でありました。ありがとうございます。
 例えば、二階のオフィスで親が働いて、一階のサロンに子供たちが帰ってくる。そこで地域のおじいちゃん、おばあちゃんが勉強を見たり遊んだりをした後に、みんなで食卓を囲んで団らんした後に家に帰る。地域で働いて地域で暮らして支え合う、そんな社会が、これからの社会に必要なことではないのかなというふうに思っております。
 この事業がそのような温かい社会づくりに役立つことを心から願っています。
 最後に、住宅供給公社について伺います。
 東京都の政策連携団体である住宅供給公社は、昨年十月、二〇二〇年度版JKK東京アクションプランを策定されています。
 アクションプランの目指す方向性として、お客様のニーズに適切に対応し、多様な世代、世帯から選ばれる安心・安全で快適な住まいとサービスを提供するということが掲げられておりまして、顧客ニーズの多様化や多様な価値観、また、ライフスタイルの変化にも対応していくことが求められています。
 経営指標として、CS指標もその一つの柱として設けられておりまして、お客様満足度の向上に努めるということも記載をされています。
 一方で、私の方で住宅供給公社が管理をしている公社住宅について、住民の方からさまざまなご要望や、時に陳情などをいただくこともございます。
 お話を伺う中で、例えば、民間の管理会社などが管理を行う集合住宅とは違いまして、大変住戸数の多い公社住宅を限られた体制の中で管理をされていく中で、さまざまな難しさがあるのではないかなと想像する部分もございます。
 とはいえ、適切に顧客満足度やニーズを図り、業務改善に生かしていくことは大変重要と考えます。
 そこでまず、東京都住宅供給公社では、公社住宅にお住まいの方のお客様満足度を具体的にどのように把握をしているか伺います。

○鈴木総合調整担当部長連絡調整担当部長兼務
公社住宅にお住まいの方のお客様満足度につきましては、サービス向上や接遇改善の観点等から、公社が毎年度実施しているアンケート調査により把握しております。
 具体的には、公社住宅の入居者を対象に、管理員業務や修繕工事、住まい方に関する苦情、相談への対応、住宅の住み心地など、公社が提供するサービス全般に対する、郵送による書面回答方式のアンケート調査と、窓口センターや募集センターに来訪されたお客様を対象に、窓口での待ち時間や職員の対応など、主に接遇に対する、対面による聞き取り方式のアンケート調査の二つの方法で実施しております。

○斉藤委員 郵送によるアンケートや、窓口に訪れた方々への対面のアンケートという二つを両輪で行われているというご答弁でありました。
 では、お客様満足度を高めるために、ここで集まったお客様からの声をどのように業務改善に生かしておられるか伺います。

○鈴木総合調整担当部長連絡調整担当部長兼務
公社では、電話や窓口、アンケート調査等で寄せられたお客様の声を組織全体で共有し、業務改善につなげる目的で、昨年度からお客様の声改善会議を設置しております。
 この会議では、建設や募集、維持管理等の各部門の責任者により、お客様の声への対応を迅速に検討、実施することにより、より満足度の高い住宅管理サービスの提供などにつなげております。
 また、この取り組みを公社のホームページ等で発信することにより、お客様へのフィードバックをしております。

○斉藤委員 昨年度から、お客様の声改善会議を設置されていることなどを通じて、対応を迅速に実施していただけるように取り組まれているというご答弁でした。
 議員に陳情やご相談が寄せられるというのは、適切に、もし対処を完璧にいただけているのであれば、本来はここに届いてくる声はないのではというのが私の希望的な観測ではありますけれども、今後、そのお住まいの期間の長短にかかわらず、公社住宅にお住まいの全ての方が、何か改善を希望するようなことがあれば適切に対処をしていただくことを要望して、私の質問を終わります。ありがとうございます。

○保坂委員 お願いします。私からは、東京都耐震改修促進計画について、質問させていただきます。
 先週、三月十一日は、東北大震災発生から十年が経過し、また、先月は東北で震度六、都内でも震度四を観測するなど、いよいよ首都直下型地震が近づいていることを、恐らく誰もが実感しているのではないでしょうか。だからこそ、都は、耐震改修をこれまで以上に迅速に進めていかなければなりません。
 今回は、来年度より令和七年度末までに、耐震性の不足する住宅をおおむね解消するという目標を掲げております同計画の一部改定について、特に住宅政策本部の所管しますマンション政策について、何点かお伺いしたいと思います。
 耐震改修促進計画によりますと、都内マンションの戸数は約百三十万戸で、そのうち耐震化率の現状と目標を見ますと、令和二年三月現在の耐震化率は九四・四%、約百二十四万戸となっており、残り三万七千戸に対して、令和七年度末までにおおむね解消という目標を掲げており、一層の取り組みが求められます。
 残されたマンションは、住民の合意形成がなかなかまとまらないなど深刻な課題があることを認識された上で、今回支援策を打ち出されたことに評価をいたします。
 そこで、都は、マンション管理組合に専門家を派遣して、合意形成を効果的に支援するとしていますが、具体的にどのように進めていくのか伺います。

○飯塚民間住宅施策推進担当部長 今年度から、マンション管理条例に基づき開始した管理状況届け出制度では、届け出事項に、管理組合の有無や計画的な修繕の実施等の管理状況のほか、耐震化の状況が含まれております。この届け出により把握した各マンションの情報を分析し、管理活動が健全で耐震化の課題に取り組めるマンションを中心として、重点的に働きかけてまいります。
 特に、耐震診断実施済みのマンションには、建築士などの専門家を繰り返し派遣し、改修工法や資金面等の具体的な助言などによりまして、合意形成を支援し、改修に結びつけてまいります。
 なお、管理に課題があるマンションにつきましては、耐震化に向けた前向きな検討を行えるよう、まずは、管理適正化に向けたマンション管理士の派遣などによる支援を行いつつ、耐震化に向けた機運を醸成してまいります。

○保坂委員 ぜひ積極的に進めていただきたいと思います。
 都内には、耐震性の不足しますマンションはまだ多数残されており、そうしたマンションが耐震化に取り組む際の耐震診断費用に対する助成制度を東京都は実施しております。
 その実績では、倒壊の危険性が高いIs値〇・三未満のマンションは、どのくらいの割合となっているのか伺います。

○飯塚民間住宅施策推進担当部長 都は、平成十八年度から、旧耐震基準のマンションが耐震診断を実施する際に助成を行っており、この助成制度を活用して耐震診断を実施したマンションは、令和元年度末時点で千五十八棟でございます。
 そのうち、倒壊の危険性が高いIs値〇・三未満のマンションは約二割となってございます。

○保坂委員 診断実績のうち、今お答えいただきました二割、約二百棟が倒壊の危険性が高いということがわかりました。このIs値〇・三未満のマンションは、何としても耐震化を進めるよう、しっかりと対策を打っていただきたいと思います。
 さらに、倒壊リスクは、周辺住民にも影響を及ぼすことも認識しておかなければなりません。
 最後に、倒壊の危険性が高いマンションについては、区市町村とも連携して、耐震化を集中的に促していく必要があると考えますが、見解を伺います。

○飯塚民間住宅施策推進担当部長 倒壊の危険性が高いマンションに対しましては、これまで実施してきた耐震改修助成制度につきまして、来年度から改修工事等の助成単価を引き上げることにより、管理組合の耐震化に向けた取り組みを集中的に支援してまいります。
 あわせて、区市等と連携し、大地震時のリスクを丁寧に説明することなどにより、耐震化の必要性を認識していただくとともに、建築士等の専門家を派遣し、改修に向けた助成制度の活用や合意形成を促すなど、管理組合による耐震化の取り組みを促進してまいります。

○保坂委員 ぜひよろしくお願いします。
 マンションは、建物そのものの規模も大きいことから、倒壊リスクは周辺住民にとっても脅威でもあります。ましてや、そのマンションの前の道路が通学路になっていればなおさらです。したがって、このことは地元自治体とも今まで以上に連携をされ、耐震化を進めるとともに、情報もしっかり共有して、リスク対応にも備えていただけるような体制をつくっていただきたいと要望して、私の質問を終わります。

○和泉委員 私からは、都営住宅の使用承継の問題です。
 この委員会でも繰り返し、私取り上げてきました。昨年十一月二十五日の請願陳情でも、私が相談を受けている深刻な実態についてのご紹介もしながら、使用承継の厳格化の見直しについて東京都に求めてまいりました。
 その約二カ月後、一月二十七日です。葛飾区内の都営住宅で、退去した方の部屋から冷凍ケースに入った女性の遺体が見つかったという、大変衝撃的なニュースが報じられました。その後、遺体はこの部屋を借りていた七十代の女性であることがわかり、四十代の娘さんが遺体を放置していたとして逮捕されました。都は、この事件について、どの程度事情を把握しているでしょうか。

○土屋経営改革担当部長 事件につきましては、新聞報道などで承知しておりますが、個別の事情につきましては、捜査中であり、また、プライバシーに関することなので、答弁は控えさせていただきます。

○和泉委員 十年ほど前に母親が亡くなっているのを見つけたけれども、母親名義の都営住宅を出なければならなくなると思って隠したと。このように供述していることも承知していらっしゃるということだろうと思います。
 使用承継の厳格化が招いたこのような事態を、都は、どのように受けとめているんでしょうか。伺います。

○土屋経営改革担当部長 お話の事件は大変痛ましいことと思いますが、捜査中であり、事件の原因についてはわかりません。

○和泉委員 母親名義の都営住宅を出なければならなくなるから、遺体を隠したと話している、これは幾つものメディアが報道しています。報道の限りで承知しているというご答弁でしたから、当然このことを承知していらっしゃいますね。

○土屋経営改革担当部長 新聞報道などで、そのような報道があったことについては承知しております。

○和泉委員 名義人である七十代の母親が亡くなって、四十代の娘さんに障害や持病がなければ、都営住宅は出ていかなければいけない。これは、今の都営住宅の使用承継のルールに照らせば、当然そうなりますね。

○土屋経営改革担当部長 都営住宅の入居は公募が原則でございまして、公募の例外による使用承継につきましては、その範囲を原則配偶者としつつ、特に居住の安定に配慮すべき者として、高齢者、障害者及び病弱者には使用承継を認めているということからしますと、そのとおりでございます。

○和泉委員 ですから、今の都営住宅のルールに照らせば、この方の場合には、お母さんが亡くなった後、出ていかなければならなくなる。それで間違いありませんね。

○土屋経営改革担当部長 先ほど、使用承継制度の仕組みについて一般論として答弁いたしましたが、個別の事情につきましては、捜査中であり、また、プライバシーに関することなので、答弁は控えさせていただきます。

○和泉委員 都営住宅の名義人が亡くなった場合に、先ほどご答弁もありましたけど、原則として配偶者にしか居住の継続を認めない、例外は、障害や持病があるか六十歳以上、この厳格なルールに当てはまらなければ、たとえ生活保護を受けていても、そういう世帯であっても退去させられる、それが、今現在の都営住宅の使用承継の現状です。これがあるから、この四十代の娘さんは、お母さんが亡くなったときに、家を出なければならなくなると思って隠したと。このように供述しているんです。
 この事件は、名義人である七十代の母親の死によって、都営住宅の使用承継が認められない四十代の娘が退去させられることを恐れて起こした事件です。
 改めて伺いますが、都は、そのことをどのように受けとめているんでしょうか。

○土屋経営改革担当部長 繰り返しになりますが、お話の事件は大変痛ましいことと思いますが、捜査中であり、事件の原因についてはわかりません。
 なお、名義人の死亡等の事由が発生した場合には速やかに届け出をいただくよう、「すまいのひろば」等で周知しておりまして、公社の窓口センターへ届け出があった際は、丁寧に事情を聞くなどして相談に応じているところでございます。
 また、使用承継の対象とならない方につきましては、直ちに退去を求めるのでなく、六カ月の退去猶予期間を設けるとともに、公社住宅の募集情報の提供や区市町の相談窓口の紹介などを行っております。
 また、特に生活保護受給世帯につきましては、区市町の福祉部門と連携して住宅の確保に努めるなど、対応に努めておるところでございます。

○和泉委員 今お答えになったのは、あくまで一般論なんですよ。この方は、一年も家賃の滞納があって、それで退去を命じられたということも報じられています。要するにその後、その退去した部屋から遺体が見つかったということです。
 家賃の滞納が続く間、住宅供給公社はこの方と直接会って話をしているんでしょうか。どの程度接触を試みたんでしょうか、また、都は、この一年間の間に、この世帯の滞納について公社からどのような報告を受けていたんでしょうか、伺います。

○土屋経営改革担当部長 繰り返しのご答弁で恐縮でございますが、個別の事情につきましては、捜査中であり、また、プライバシーに関することなので、答弁は控えさせていただきますが、なお、一般論でお答えいたしますと、公社では、滞納が発生した場合、電話、手紙、訪問などで滞納者に対して納付指導を行っており、都は、その結果や滞納者の居住状況等について、公社から報告を受けております。
 公社の納付指導によっても、なお滞納が解消されず、三カ月以上の滞納がある場合、都において法的措置対象とし、明け渡し請求訴訟を提起しております。その結果、判決、もしくは和解後債務不履行となった滞納者につきましては、原則として、都は、自主的な退去を請求しつつ、それでも退去がなされない場合に、やむなく強制執行の申し立てをしております。
 法的措置対象として訴訟提起を行い、判決等を得て強制執行に至るまでの間は、公社では、名義人等と直接会うことはございません。
 訴訟提起以降、都は、委託弁護士を通じまして、強制執行申し立てから強制執行の断行の間際まで、電話、手紙、訪問等で本人や親族等と連絡をとり、本人の状況把握に努め、相手の状況によりまして、福祉事務所等と連携しながら、新たな入居施設の確保に向けた調整などの対応を行っておるところでございます。

○和泉委員 どの質問も一般論でしか答えられないというのが実態なんです。
 先ほど来、警察の捜査中だというふうにおっしゃいますけれども、では、都は、もしくは住宅供給公社は、この事件を受けた後、現場に足を運びましたか。

○土屋経営改革担当部長 個別の事件につきましては、捜査中であり、また、プライバシーに関することなので、答弁は控えさせていただきます。

○和泉委員 この事件を受けて、都は、何か積極的に動いたのか、少なくとも現場に足を運んだのか、そのことを私は伺ったんです。これ、個別のプライバシーの問題と関係ありませんよ。いかがですか。

○土屋経営改革担当部長 繰り返しになりますが、ただいま捜査中でございますので、また、プライバシーに関することなので、答弁は控えさせていただきます。

○和泉委員 行ったら行ったっていえばいいんですよ。行った上で、捜査中だから詳細については答えられない。結局行っていないから何もいえないんじゃないんですか。
 私ね、この方が起こした事件、しようがないなんて思っていません。もちろん、使用承継が認められない方たちの多くが事件を起こしているわけじゃありません。けれども、都の使用承継がせめて一親等の家族に認められていれば、起こらずに済んだ事件じゃないかと思っています。
 私は、昨年の十一月二十五日の事務事業質疑でも、使用承継の厳格化の問題を取り上げました。名義人が亡くなった時点で、入居の所得水準を満たしている世帯は七六%もいて、その多くが低所得のまま退去させられているということも明らかにしました。
 また、そのときに、私が相談を受けた葛飾区内の母親と娘さんのことも紹介しました。その娘さんは、お母さんが亡くなったら、あなたはどうするの、自分で生活して生きていかなければいけないんだから、今のうちからしっかり準備しておいてねと、会うたびに親戚にいわれることがとても苦痛だといっていました。お母さんのケアがあるから、働くことすらできないでいるんです。お友達に会うことすらできないでいるんです。母親が死んだら、自分の人生は自分で始末をつける、そう話しておられます。
 都が国際間競争に勝ち抜くことに必死になっているとき、その足元で、都民のこのような実態が、都の施策によって広がっていることを直視する必要があるのではありませんか。
 都は、使用承継の厳格化について、公募が原則であり、公募の例外である使用承継によって長年にわたり親族が住み続けることは、入居者、非入居者の公平性を著しく損なうと繰り返し答弁しています。使用承継の厳格化が、入居者と非入居者の公平性をどのように担保しているのかについて伺います。

○土屋経営改革担当部長 都営住宅の入居は、公募が原則でございます。公募の例外である使用承継につきましては、その範囲を原則配偶者としつつ、特に居住の安定に配慮すべき方として、高齢者、障害者及び病弱者には使用承継を認めておるところでございます。
 使用承継の対象とならず退去となって生じた空き住戸につきましては、公募することにより、都営住宅による居住支援が必要な方々の入居機会の確保につながるものと考えております。

○和泉委員 つまり、たとえ入居基準を満たすような低所得の世帯であろうと、生活保護を受けていようと追い出して空き住戸を確保しなければ、都営住宅が必要な方たちに入居機会の確保をすることができない。そういうことなんです。
 先ほどの娘さんのように、親が亡くなった後は自分の人生に始末をつける、そんな人が生まれていても、東京都はそのような状態をずっと続けているということなんです。追い出した結果、住宅に困窮する世帯を新たに生み出すことになったとしてもです。
 今の答弁でも、本来、公営住宅が供給されてしかるべき方たちが、空き住戸をつくるために追い出されているということは明白です。都営住宅が必要な方たちに入居の機会が確保できないのは、何度も繰り返していますが、現在入居している方たちのせいじゃありません。待っている方たちに入居の機会を確保するために、必要な戸数を用意する責任は都にあるんです。必要な戸数は、住民追い出しではなく、新規建設で根本的な解決を図るべきです。
 しかし、都は、公営住宅法に基づいて都営住宅の必要な供給量を計算する際に、あたかも空き住戸だけで必要な供給量が足りるかのように、算出の基準を狭めに狭めて、二十二年間も新規建設をせずにいます。
 コロナの感染拡大が一定程度おさまった後も、失業や廃業、転職による収入減など、今後しばらくは大変厳しい暮らしを余儀なくされる都民がたくさんいます。生活の基盤である住居を、払える家賃で安定的に供給する都営住宅の役割は、住宅セーフティーネットの中核としてますますその重要性を増しています。
 厳格なルールで現在入居している方たちを追い出すようなやり方はやめて、必要な人に行き渡る供給量をきちんと算出して、それに応じた新規建設を進めるべきだと申し述べて、次の質問に移ります。
 都営住宅の耐震化の問題です。
 都は、昨年末に都営住宅耐震化整備プログラムを改定し、引き続き、耐震化に向けて取り組んでいくということにしました。
 改定前のプログラムにおける平成三十二年度の目標と、これまでの到達について伺います。

○金子営繕担当部長 改定前のプログラムにおける目標につきましては、平成三十二年度、令和二年度に耐震化率一〇〇%としておりました。
 また、令和元年度末時点の耐震化率は九五・九%でございます。

○和泉委員 つまり、今年度末までに一〇〇%耐震化しようと思ったけれどもできなかった。
 都営住宅の耐震化の目標が達成できなかったのは、どのような理由によるものなんでしょうか、伺います。

○金子営繕担当部長 都営住宅の耐震化につきましては、分譲店舗が併設されている、併存店舗つき住棟の耐震改修の実施が課題となっております。
 具体的には、区分所有割合に応じた改修費用の負担や、工事による営業への影響があることなどから、店舗権利者との合意形成に時間を要していることによるものでございます。

○和泉委員 併存店舗つき住棟の実施が課題という答弁ですけれども、併存店舗のない住棟と併存店舗つきの住棟のそれぞれの耐震化率は、どのようになっているんでしょうか、伺います。

○金子営繕担当部長 令和元年度末時点で、併存店舗のない住棟の耐震化率は九七・五%、併存店舗つき住棟の耐震化率は四七・七%でございます。

○和泉委員 今ご答弁ありましたとおり、併存店舗つき住棟が著しくおくれているということがわかりました。
 昨年改定された都営住宅耐震化整備プログラムを見ますと、併存店舗つき住棟でも、建てかえや除却の場合には一定程度進んでいるようですけれども、耐震改修に限定すると、耐震化が必要な住宅のうち八割近くが併存店舗つき住棟というふうになっています。
 合意形成が進まなければ、上の階に住んでいる方たちは、住まいの耐震化が進まず、不安な中で生活を続けるということになるわけですから、やはり急ぐ必要があると思いますけれども、改定したプログラムに基づき、今後どのように取り組んでいくのかについて伺います。

○金子営繕担当部長 都は、平成三十年度より、効率的に耐震改修を行うため、一部の店舗を買い取り、その内部を補強することで、他の店舗の仮移転や一時休業などの負担を軽減し、合意形成を進める新たな取り組みを開始いたしました。
 耐震改修工事が完了した住棟もあるなど成果があらわれてきており、こうした取り組みを引き続き行ってまいります。

○和泉委員 仮移転の負担を軽減するというのはとても重要だというふうに思います。
 それと同時に、店舗権利者自身がどうしたいかという要望に沿って進めることを大切にしていただきたいというふうに思います。
 耐震化整備プログラムでは、令和四年度末までに全店舗権利者の意向の把握を目指すというふうになっていますが、現在までどのくらい把握できているんでしょうか。また、把握できている範囲では、どのような意向が示されているんでしょうか、伺います。

○金子営繕担当部長 併存店舗つき住棟の耐震改修の進め方につきましては、まず、店舗権利者に工事の費用負担や耐震改修工事の工法等の説明を行った上で、一部店舗を買い取り、耐震改修工事の見通しが立った住棟において、営業継続を希望する全店舗権利者に対して、耐震改修に向けた意向の把握を行うこととしております。
 令和三年二月末時点で、耐震改修対象となっている四十四棟、三百七十九区画のうち、三十九棟、三百四十区画の店舗権利者に対して、工事の費用負担や耐震改修の工法等についての説明を行いました。
 そのうち、移転を検討するとお申し出のあった百四十一区画の店舗のうち、五十七区画について買い取り契約を締結することができました。
 現在、耐震改修工事の見通しの立った九棟について、買い取りを行った十五区画以外の営業継続を希望する三十九区画の全店舗権利者に対して、意向の把握を行いました結果、工事費の負担額をなるべく抑えてほしい、工事中も営業継続をできるようにしてほしいといった要望がございました。

○和泉委員 折衝状況によっては、必要に応じて耐震化手法の見直しを行うということも記載されていますが、これは、どのような見直しを今現在検討しているんでしょうか。

○金子営繕担当部長 耐震改修の実施が困難と見込まれる場合につきましては、必要に応じて、建てかえや撤去に耐震化手法の見直しを行うこととしております。

○和泉委員 商売をこれから先も続けたいというふうに思っている方、またあるいは、これを機に畳もうと思っている方、それぞれにそれぞれの要求というのがあるんだろうというふうには思います。
 しかし、いずれも、長年にわたって同じ場所で商売を続けながら、居住者とともに、地域コミュニティを支えてこられた方たちですから、その方たちの要望に寄り添った対応をしていただくこと。これは、迅速に耐震改修を進める上でも重要だというふうに思います。その方たちのこれからに、希望や安心を与えるような対応をもって進めていただくことを要望して、質問を終わります。

○森口委員 私からは、西早稲田駅周辺のまちづくりについて伺います。
 新型コロナウイルス感染症の猛威をはじめ、人口減少、経済成長の低迷など、未来に不確実さが増している中、東京は、ポストコロナを見据え、世界から選ばれる都市として、持続的な発展を目指さなければなりません。
 とりわけ、まちづくりにおいては、老朽化したインフラや建築物の更新の機会を捉えて、多様な都民の利益につながる、まちの再生を進めることが重要です。
 現在、地元新宿区西早稲田駅周辺地区において、都営住宅の建てかえをてこに、地域特性に応じたまちづくりと連携したプロジェクトの動きが始まりました。
 これまで会派として、区部中心部のポテンシャルが高い地域を中心に、都営住宅ストックの有効活用について都に求めてきました。
 西早稲田駅周辺のように、区部中心部のポテンシャルが高い地域では、都市機能の強化を図るため、都営住宅ストックを有効活用し、広く都民が享受できるまちづくりを進めるべきと考えますが、見解を伺います。

○栗谷川再編利活用推進担当部長 都営住宅は、都民共有の貴重な財産であり、これまでも、建てかえに伴う創出用地をまちづくりに有効活用し、都の政策目的の実現や地域の課題解決に貢献してまいりました。
 お話の都営西大久保アパートを含む西早稲田駅周辺地区では、平成二十年に地下鉄駅が開業し地域の利便性は向上しましたが、周辺建築物の老朽化が進み、地元におけるまちづくりの機運が高まりつつあります。
 本地区では、都営住宅や周辺建築物の建てかえを契機に、駅周辺の都市機能を更新し、安全で快適な歩行空間やオープンスペース、緑地等を一体的に整備するなど、まちの再生を推進していくこととしております。
 都営住宅の建てかえに当たりましては、地域特性を踏まえまして、ストックの有効活用を図り、東京の魅力や活力を高めるまちづくりを展開してまいります。

○森口委員 西早稲田駅周辺に当たっては、多様な方々にとって、新たな憩いとにぎわいを享受できる新宿区の魅力的な拠点となるよう、区や関係者と丁寧に連携をし、都営住宅の建てかえ、そしてまちづくりを進めていただくことを要望いたします。
 また、都の住宅政策をつかさどる新たな住宅マスタープランの策定に当たっては、区部中心部など都営住宅ストックの有効活用について、しっかりと検討をし、計画に位置づけ、施策につなげていただくことを改めて要望し、質問を終わります。

○米川委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○米川委員長 異議なしと認め、予算案に対する質疑は終了いたしました。

○米川委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 議員提出議案第二号を議題といたします。
 本案について提出者の説明を求めます。

○曽根委員 私から、ただいま議案となりました東京都住宅基本条例改正案について、提案理由の説明を行います。
 本条例改正案は、一九九二年に制定されました現行の住宅基本条例に、二〇一六年十月開催の第三回国連人間居住会議、ハビタットⅢで、日本政府も参加し採択されたニュー・アーバン・アジェンダを踏まえたものです。
 ハビタットⅢのアジェンダは、前年の二〇一五年に国連サミットで、誰ひとり取り残すことなくをスローガンに採択されたSDGsの十七の目標、とりわけ十一番目の住み続けられるまちづくりを具体化したものです。
 したがって、本条例改正案は、都の住宅政策においても、誰ひとり取り残すことなく、都民の抱える深刻な住宅難の解決を図るという立場に立って、必要不可欠な以下の諸要素を加えるものとなっています。
 第一に、本条例改正案は、都の住宅政策の目標を定めている第一条に、全ての都民が世帯構成に応じ、安全かつ良好な環境の適切な居住を得る権利の完全な実現を促進することを明記しています。
 第二に、本条例改正案は、都は、誰ひとり取り残さない理念のもと、都営住宅等の対象を、従来の法で定める住宅確保要配慮者に、居住の安定について特別な配慮が必要であると知事が認める者を加え、より広い階層に都営住宅の門戸を広げることを可能にしています。
 第三に、都の責務として、第三条に、年齢や性自認、性的指向、所得などの理由によって孤立することなく支え合い、持続可能な居住を実現するというソーシャルインクルージョンの考え方に立って、住宅施策を実施することを定め、都営住宅の入居についても、当然、同性パートナーの入居を認めるなど、ジェンダー平等を貫くことを明記しています。
 第四に、都営住宅の新築や民間住宅などの借り上げ等の促進に努め、また、必要に応じ、都が家賃補助に取り組むことを定めています。
 第五に、都の住宅政策の審議や実施に都民参加の機会を確保するため、住宅政策審議会への都民代表の参加を定め、また、条例に第五節を加えて、居住支援協議会を位置づけています。
 私たち日本共産党都議団は、本条例改正案の成立によって、都民の深刻な住宅難の打開に向けて一歩が築かれるものと確信し、各会派の皆様のご賛同を心から呼びかける次第です。
 以上で本条例改正案の趣旨説明を終わります。よろしくお願いいたします。

○米川委員長 説明は終わりました。
 これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○米川委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○米川委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で住宅政策本部関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時十三分散会

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