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Tokyo Metropolitan Assembly

都市整備委員会速記録第六号

令和二年五月二十六日(火曜日)
第五委員会室
午後一時開議
出席委員 十三名
委員長馬場 信男君
副委員長奥澤 高広君
理事古城まさお君
理事秋田 一郎君
理事村松 一希君
菅野 弘一君
清水やすこ君
西郷あゆ美君
森口つかさ君
関野たかなり君
中山 信行君
中村ひろし君
曽根はじめ君

欠席委員 一名

出席説明員
都市整備局東京都技監都市整備局長兼務佐藤 伸朗君
次長桜井 政人君
技監上野 雄一君
理事中島 高志君
総務部長木村 健治君
都市づくり政策部長小野 幹雄君
都市基盤部長安部 文洋君
市街地整備部長選手村担当部長兼務朝山  勉君
市街地建築部長山崎 弘人君
基地対策部長三木 暁朗君
連携・連絡調整担当部長水野  剛君
企画担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務谷崎 馨一君
先端技術調整担当部長三木  健君
築地まちづくり推進担当部長木村 宣代君
景観・プロジェクト担当部長中山  衛君
交通政策担当部長鈴木  理君
地域公共交通担当部長江端 治朗君
防災都市づくり担当部長三宮  隆君
多摩ニュータウン事業担当部長八嶋 吉人君
住宅政策本部本部長榎本 雅人君
技監久保田浩二君
住宅企画部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務佐々木秀之君
都営住宅経営部長青柳 一彦君
総合調整担当部長連絡調整担当部長兼務鈴木 誠司君
民間住宅施策推進担当部長飯塚 佳史君
再編利活用推進担当部長栗谷川哲雄君

本日の会議に付した事件
議席について
住宅政策本部関係
第二回定例会提出予定案件について(説明)
・令和二年度東京都一般会計補正予算(第六号)中、歳出 住宅政策本部所管分
報告事項(説明・質疑)
・令和元年度東京都一般会計予算(住宅政策本部所管分)の繰越しについて
・令和元年度東京都都営住宅等事業会計予算の繰越しについて
都市整備局関係
陳情の審査
(1)二第二号 環状第四号線(高輪区間)の事業に関する陳情
(2)二第七号の一 環状第四号線の建設に関する陳情
(3)二第九号 土砂災害特別警戒区域における要配慮者利用施設の建設に関する陳情
(4)二第一二号の二 東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックの開催に関する陳情
(5)二第二二号 全国知事会の「米軍基地負担に関する提言」の実現を求める意見書の提出に関する陳情
(6)二第三三号 西日暮里駅前地区市街地再開発事業に関する陳情
報告事項(説明・質疑)
・令和元年度東京都一般会計予算(都市整備局所管分)の繰越しについて
・令和元年度東京都臨海都市基盤整備事業会計予算の繰越しについて
・令和元年度東京都都市再開発事業会計予算の繰越しについて
・第二百三十回東京都都市計画審議会付議予定案件について

○馬場委員長 ただいまから都市整備委員会を開会いたします。
 初めに、議席について申し上げます。
 本日及び令和二年第二回東京都議会定例会における議席は、お手元配布の議席(案)のとおりといたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○馬場委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○馬場委員長 次に、本委員会の担当書記に交代がありましたので、紹介いたします。
 議事課の担当書記の宮本利恵さんです。大畑裕樹君です。
 議案法制課担当書記の吉田瑛爾君です。
 よろしくお願いいたします。
   〔書記挨拶〕

○馬場委員長 次に、本委員会の会期中の委員会日程について申し上げます。
 お手元配布の日程のとおり、理事会において申し合わせましたので、ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、住宅政策本部関係の第二回定例会に提出を予定しております案件の説明聴取、都市整備局関係の陳情の審査並びに住宅政策本部及び都市整備局関係の報告事項の聴取を行います。
 なお、本日は、住宅政策本部関係の提出予定案件につきましては、説明を聴取し、資料要求をすることにとどめ、質疑は会期中の委員会で行うこととし、住宅政策本部及び都市整備局関係の報告事項につきましては、いずれも説明を聴取した後、質疑を終了まで行いますので、ご了承願います。
 これより住宅政策本部関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、幹部職員に交代がありましたので、本部長から紹介があります。

○榎本住宅政策本部長 去る四月一日付で異動のございました当本部の幹部職員を紹介させていただきます。
 都営住宅経営部長の青柳一彦でございます。総合調整担当部長で連絡調整担当部長を兼務しております鈴木誠司でございます。民間住宅施策推進担当部長の飯塚佳史でございます。再編利活用推進担当部長の栗谷川哲雄でございます。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○馬場委員長 紹介は終わりました。

○馬場委員長 次に、第二回定例会に提出を予定されております案件について、理事者の説明を求めます。

○榎本住宅政策本部長 本日は、令和二年第二回東京都議会定例会に提出を予定しております住宅政策本部関係の案件をご説明いたします。
 提出予定案件は、予算案が一件でございます。
 令和二年度補正予算案についてご説明申し上げます。
 お手元の資料1、令和二年度補正予算説明書をごらんください。
 この補正予算案は、新型コロナウイルス感染症の緊急対策として、住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給促進に向けて、必要な補正を行うものでございます。
 私からの説明は以上でございます。
 引き続き、詳細な内容につきまして、住宅企画部長よりご説明をいたします。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○佐々木住宅企画部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 令和二年度補正予算案につきまして、お手元の資料1、令和二年度補正予算説明書によりご説明申し上げます。
 一ページをお開き願います。住宅政策本部補正予算総括表でございます。
 この補正予算案は、新型コロナウイルス感染症の緊急対策として実施するもので、一般会計において一億円を計上してございます。
 二ページをお開き願います。一般会計の総括表でございます。
 上から順に、歳入予算及び歳出予算の科目別内訳並びに歳出から歳入を差し引いた一般財源充当額を記載してございます。
 五ページの歳出予算補正概要をお開き願います。
 第五項、住宅政策費でございまして、補正予算額は表の上段、歳出計の欄の中ほどにありますとおり、一億円を計上してございます。
 内容は右側、概要欄に記載しておりますが、これは、新型コロナウイルス感染症の影響により、生活に困窮する住宅確保要配慮者を支援するための緊急対策でございます。
 具体的には、東京ささエール住宅の設備改善について、貸し主へ都が直接補助を行うことにより、要配慮者の安全性や住宅の利便性を高めるとともに、登録の拡大を図るものでございます。
 以上で令和二年第二回東京都議会定例会に提出を予定しております案件の説明を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○馬場委員長 説明は終わりました。
 この際、資料要求のある方は発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○馬場委員長 なければ、資料要求はなしと確認させていただきました。

○馬場委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○佐々木住宅企画部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 お手元の資料2、令和元年度繰越説明書によりましてご説明いたします。
 今回のご報告は、令和元年度予算の繰越明許費繰越及び事故繰越について、地方自治法施行令第百四十六条第二項及び第百五十条第三項の規定によりまして、議会にご報告するものでございます。
 資料の一ページをお開き願います。
 初めに、番号1、令和元年度繰越明許費繰越総括表でございます。
 一般会計及び特別会計の各会計別に、予算現額、繰越明許費予算議決額、翌年度繰越額及びその財源内訳を記載してございます。
 合計欄をごらんください。
 予算現額の欄の右側の欄、繰越明許費予算議決額を記載してございますが、これが百九十四億九千六百万円であるのに対して、翌年度繰越額は百三十三億二千四百万円となってございます。
 財源といたしましては、その右に記載のとおり、国庫支出金、都債及び繰越金などを充当してございます。
 次に、番号2、令和元年度事故繰越総括表でございます。
 一般会計及び特別会計の各会計別に、支出負担行為額、翌年度繰越額及びその財源内訳を記載しております。
 合計欄をごらんください。
 支出負担行為額が二十三億三千七百万余円であるのに対して、翌年度繰越額は十億五千二百万余円となっております。
 財源は、その右に記載のとおりでございます。
 ページをおめくりいただきまして、三ページ以降は事業別の内訳となっております。
 まず、一般会計でございます。
 五ページをお開き願います。繰越明許費繰越でございます。
 番号1、住宅建設事業でございますが、繰越理由は、都営住宅等事業会計における住宅建設事業の繰り越しに伴い、その財源として繰り越しをするものでございます。
 続きまして、七ページをお開き願います。事故繰越でございます。
 番号1、住宅被害対策区市町村支援事業でございますが、繰越理由は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、工事の調整に日時を要したことによるものでございます。
 番号2、住宅建設事業でございます。繰越理由は、都営住宅等事業会計における住宅建設事業の繰り越しに伴い、その財源として繰り越しをするものでございます。
 次に、都営住宅等事業会計でございます。
 一一ページをお開き願います。繰越明許費繰越でございます。
 番号1、住宅建設事業でございますが、繰越理由は、住宅建設工事に伴う関係機関等との調整等に日時を要したことによるものでございます。
 最後になりますが、一三ページをお開き願います。事故繰越でございます。
 番号1、住宅建設事業でございますが、繰越理由は、住宅建設工事に伴う関係機関等との調整等に日時を要したことによるものでございます。
 以上をもちまして、令和元年度東京都一般会計予算、住宅政策本部所管分の繰り越しについて外一件のご報告を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○馬場委員長 報告は終わりました。
 これより本件に対する質疑を一括して行います。
 発言を願います。--発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、ご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○馬場委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で住宅政策本部関係を終わります。

○馬場委員長 これより都市整備局関係に入ります。
 初めに、先般の人事異動に伴い、幹部職員に交代がありましたので、東京都技監から紹介があります。

○佐藤東京都技監 去る四月一日付で異動のございました当局の幹部職員を紹介させていただきます。
 総務部長の木村健治でございます。都市基盤部長の安部文洋でございます。市街地整備部長で選手村担当部長を兼務しております朝山勉でございます。市街地建築部長の山崎弘人でございます。基地対策部長の三木暁朗でございます。連携・連絡調整担当部長の水野剛でございます。企画担当部長でオリンピック・パラリンピック調整担当部長を兼務しております谷崎馨一でございます。先端技術調整担当部長の三木健でございます。築地まちづくり推進担当部長の木村宣代でございます。景観・プロジェクト担当部長の中山衛でございます。交通政策担当部長の鈴木理でございます。地域公共交通担当部長の江端治朗でございます。多摩ニュータウン事業担当部長の八嶋吉人でございます。
 以上、どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○馬場委員長 紹介は終わりました。

○馬場委員長 次に、陳情の審査を行います。
 初めに、陳情二第二号及び陳情二第七号の一は、内容に関連がありますので、一括議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○朝山市街地整備部長選手村担当部長兼務 それでは、陳情審査説明表の環状第四号線につきまして一括して説明させていただきます。
 まず、お手元の陳情審査説明表、一ページをごらんください。
 整理番号1、陳情二第二号、環状第四号線(高輪区間)の事業に関する陳情についてご説明申し上げます。
 本陳情でございますが、港区のローラスインターナショナルスクールオブサイエンスの代表の日置清巳さんから提出されたものでございます。
 陳情の要旨でございますが、都において、環状四号線高輪区間の事業の妥当性を検討し、営業権に対する補償をしていただきたいというものでございます。
 説明表の三ページに環状四号線の案内図と高輪区間の位置図がございますので、あわせてごらんください。
 一ページの現在の状況でございますが、環状四号線は、都市の骨格を形成する区部環状方向の幹線道路として放射方向の幹線道路と連絡し、都心に集中する交通を分散させるなどの重要な役割を担う路線でございます。
 都は、平成二十六年九月に品川駅・田町駅周辺まちづくりガイドライン二〇一四を策定し、品川駅、田町駅周辺地域の将来像を、これからの日本の成長を牽引する国際交流拠点品川として定めまして、本地域の拠点性を高める道路ネットワークの一つとして、環状四号線を放射第一九号線、第一京浜から放射第一八号線、海岸通りまで延伸し、整備することとしてございます。
 平成二十八年三月に東京における都市計画道路の整備方針(第四次事業化計画)を策定しまして、必要性を検証した上で、環状四号線のうち放射第三号線、目黒通りから第一京浜までを骨格幹線道路のミッシングリンクを解消する区間といたしまして、優先整備路線に位置づけてございます。
 都は、環状第四号線の目黒通りから海岸通りまでの都市計画策定に向けて、関係機関とともに計画案を検討し、このうち高輪区間では、海岸通りまでの延伸に伴い、一部橋梁構造にするとともに、第一京浜への接続路を設け、あわせてこれらの機能を確保するため幅員を拡幅する都市計画変更素案を策定いたしてございます。
 二ページをごらんください。平成二十九年二月からは、環境影響評価条例に基づく計画段階環境影響評価手続に着手いたしまして、同年三月に都市計画素案等の地元説明会を開催し、交通の円滑化や安全で快適な歩行者、自転車通行の創出、防災の向上といった本路線の事業の目的を説明してございます。
 平成三十年十一月でございますが、環境影響評価書を提出し、同年十二月に都市計画変更を行ってございます。
 これを受けまして、環状第四号線の高輪区間について、令和元年七月に国から街路事業の認可を取得し、事業に着手いたしました。
 その後、令和元年十月に建物占有者も含めた関係権利者を対象に用地補償説明会を開催し、環状第四号線の事業概要及び補償の考え方等につきまして、都の基準に基づき営業を休止すると認められる期間に対する補償についても説明を行ってございます。また、個別の問い合わせにも適宜対応してございます。
 引き続き、陳情者も含め、関係権利者に丁寧な説明を行い、適正な補償を行いながら、環状第四号線高輪区間の整備を着実に行ってまいります。
 続きまして、五ページをごらんください。
 整理番号2、陳情二第七号の一、環状第四号線の建設に関する陳情についてご説明申し上げます。
 本陳情でございますが、港区の株式会社バイリンガの保育主任のビルドソラ祥子さん外二百七十三人から提出されたものでございます。
 陳情の要旨でございますが、環状第四号線高輪区間の建設を中止していただきたいというものでございます。
 説明表の七ページに先ほどと同じく環状第四号線の案内図と高輪区間の位置図がございますので、あわせてごらんください。
 五ページの現在の状況でございますが、環状第四号線の必要性やこれまでの経緯につきましては、さきにご説明しました陳情と内容が重複いたしますので省略をさせていただき、こちらでは高輪台遊び場についてご説明いたします。
 説明表の六ページの9のところをごらんください。
 環状第四号線高輪区間にある高輪台遊び場は、将来の道路整備に向け、都が先行的に取得した土地におきまして、道路整備が実施されるまでの間の利用として、港区が設置したものでございます。
 港区は、環状第四号線の事業化に伴い高輪台遊び場が今後廃止されることから、令和二年二月に地元説明会を開催し、近隣で取得した土地におきまして、高輪台遊び場の代替として、区立児童公園を令和三年度を目途に整備する旨を説明してございます。
 引き続き、関係権利者に丁寧な説明を行い、理解を得ながら、環状第四号線高輪区間の整備を着実に進めてまいります。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願いいたします。

○馬場委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○菅野委員 今回、今説明をいただきました陳情二件については、いずれも環状第四号線整備の必要性、これについて問うているというようなものであるかと思います。
 そこで、環状四号線というのは、いうまでもなく幹線道路であります。そして、広域的なネットワークを形成するといった性格があり、ご説明にもありましたように、都心に集中する交通を分散するといった効果が見込まれています。
 一方で、高輪であるとか、白金台であるとか、地域レベルのメリット、そういうのを見た場合でも、例えば防災性の向上などの効果が期待できるものと思います。
 そこで、都は、地元への効果をどのように認識しているのか、改めてお伺いしたいと思います。

○朝山市街地整備部長選手村担当部長兼務 環状第四号線を整備することで、例えば港南地区から品川駅西口にある防災拠点でございますNTT東日本関東病院や高輪病院へのアクセス性が向上することによりまして、緊急車両の速達性の向上が図られます。
 また、生活道路に流入する通過交通の減少、歩行者と自転車の通行空間の分離、火災の延焼を防ぐ延焼遮断帯の形成、広域避難場所へのアクセスの向上など、地域の安全性の向上が図られるというふうに考えてございます。

○菅野委員 そうですね、実は白金台地域、そして間に高輪があって、港南と。線路を越えた港南地域というのは、近年、人口が急増している中で、そこの中でのいろんな意味で災害のときの人のアクセス、車のアクセス含めて、さまざまな問題が現在ありまして、新たにまた新駅を中心とした開発、新しいまちができていく中で、そうしたインフラの充実というか、整備はやはり地元にとっても急がれています。
 それは安全上の見地からも非常に重要だというふうに考えていると思いますが、改めて今お話を伺って、地元への効果がわかりました。
 そこで、環状四号線の整備効果は非常に大きなものがあり、改めてその必要性を認識したわけですが、今回の最初に出ている高輪地区については、昨年七月に事業認可を取得し、現在、用地買収などに関する地元折衝が進められております。
 一方で、今般のコロナ禍、コロナウイルス感染症への対応として、都の既存事業について、休止などの検討が行われているということも伺いました。
 今後、都は、環状第四号線の事業についてはどのように扱っていくのか、見解を伺っておきたいと思います。

○朝山市街地整備部長選手村担当部長兼務 環状第四号線高輪区間につきましては、既に事業に着手してございまして、権利者の生活再建の対応などが必要になってまいります。
 これらは都民の生活にかかわるものでございますので、引き続き、実施していく必要があるというふうに考えてございます。

○菅野委員 先ほどの説明にもありましたが、既に地元の方たち、特に高輪地域については、道路を中心として新しいまちづくりという形で、地域の人たちが代表となって、既にそういう検討会も重ねている中で、さまざまな今後の生活再建、また、新しいまちのあり方みたいな形を検討されております。
 そうした意味で、ぜひこれからもこの事業については、権利者の方々と調整を行っていく中で、そうした問題にもしっかりとかかわっていただき、コロナの影響の中においても、ぜひ停滞することなく、前に進めていただくこと、これを強く要望して、私の質問を終わります。

○曽根委員 それでは、私からも、陳情二の第二号、陳情二の第七号の一について、幾つか質問させていただきます。
 今回の二つの陳情は、いずれも環状四号線で大きな影響を受ける幼児教育施設の関係者から出されております。
 高輪地区の道路計画では、この教育施設の入居するテナントビルの立ち退き移転によって移転から取り残されてしまうと、この教育施設の責任者の方が道路計画の見直し、もしくは事業継続のための補償を求めております。
 もう一つの陳情は、同じ系列の株式会社バイリンガが経営する白金台地区の約二百名の幼稚園に勤める保育士の方が陳情者で、環状四号線ができると、園児の通園環境が悪化し、直近の貴重な遊び場である二つの児童遊園が道路で失われることから、道路計画の中止を求めております。
 先日この保育士さんに面会しまして、現地を案内してもらいましたが、都心の一等地で、複数の国籍の子供を預かる施設であると同時に、この地域の貴重な保育の場として大事な役割を果たし、例えば昨年からの保育料無償化で非常に助かったという一般の子育て都民も利用している施設であって、港区の保育待機児解消に大きく貢献しているということがわかりました。
 その保育士さんの訴えによると、高輪地区では、陳情者--これは先ほどお名前の挙がった日置さんですが、この方が代表を務めるインターナショナルスクールは、テナントとして入居しているこのビルが道路計画で立ち退きとなり、しかしビルオーナー自身の住宅は移転、建てかえを予定しているが、テナントビルとして移転することは考えていないため、このままでは高輪地区での定員約八十人の幼児教育施設の事業が困難になり、保育の待機児をふやす結果になりかねないということでありました。
 このように、私たちも知らなかったんですが、本道路計画によって、高輪地区でも白金台でも地域の貴重な保育施設が二カ所とも重大な困難に陥ろうとしている、こういった問題について、これは道路事業との関連で誰がどういうふうに責任を負うべき問題だというふうに東京都は捉えているでしょうか。

○朝山市街地整備部長選手村担当部長兼務 環状第四号線は、都市の骨格を形成する区部環状方向の幹線道路の一つでございまして、都心に集中する交通を分散化する役割を担ってございます。また、さらなる拠点の強化が進む品川駅、田町駅周辺のまちづくりへの寄与も期待されてございます。加えて、地域の観点からは、交通の円滑化や地域の防災性の向上に資する重要な道路でございます。
 事業実施に伴い、高輪区間においては保育施設が一カ所移転対象となりますが、権利者に対しては、東京都の事業の施行に伴う損失補償基準等に基づき適正な補償を行うとともに、移転先の不動産情報の提供にも努めるなど、丁寧に対応してまいります。

○曽根委員 今、丁寧な対応をしていくというお答えがありましたが、こういう都心の一等地ですので、代替地は今回限定されており、しかも地権者がテナントビルを建てかえてくれない限りは、テナントの保育施設の経営は、この都心の地域で適切な場所を探して継続していくというのは、極めて困難であることは明らかです。
 しかも、高輪地区の整備を推進していくその先の方では--白金台地区で建設局が所管していますが、道路計画地域は私立学校や住宅街の中を、かなり高低差の大きな大型道路を通し、地域の貴重な児童遊園を二カ所も潰してしまうという、環境コミュニティに大きな影響を与える計画となっております。
 白金台区間の道路整備について、私は以前この委員会で質問をさせていただきましたが、その際、自治会が、とにかく屋外の活動、お花見でも防災訓練でも専らそこを活用しているという白金台の児童遊園が半分以上道路で失われ、代替の公園用地も見通しがないことを指摘させていただきました。
 その後、昨年の港区議会に当該地域の自治会長名による道路計画見直しの請願が、超党派の区議の方が紹介議員になり、区議会の審議では、我が党の区議会議員がこの地域の全ての地権者が用地買収に応じない限り、港区は児童遊園の処分に応じないよう求めたのに対し、最終的には港区の副区長が答弁に立って、これに応じるという姿勢を示しました。
 この事実を東京都は認識していますでしょうか。

○朝山市街地整備部長選手村担当部長兼務 白金台区間は当局が所管いたします高輪区間に隣接しまして、今お話がありましたように建設局が街路事業を実施する区間でございます。
 この白金台区間の港区が有する児童遊園敷地等を対象といたしまして、港区議会に港区の白金児童遊園に関する請願が出されたということは承知してございます。これにつきましては、事業者である建設局が適切に対応していくというものと考えてございます。

○曽根委員 今、部長はお答えありませんでしたが、副区長は、地権者の住民の方が全て買収に応じない限りは、区の持ち物である児童遊園についても処分を、都に譲ると、譲渡するということは行わないということを約束しています。
 これは極めて大きな重大な発言で、この区議会での審議を機に白金台の当該地区では、計画道路沿道の住宅に環状四号線道路の反対のステッカーが一気にふえて、張り出されております。多数の住民が全て用地買収に応じないうちは、区は児童遊園の処分、道路の売却には応じないという区のトップの約束があったわけですから、道路整備の見通しはかなり遠のいたというのが実態であるといわざるを得ないと思います。
 都としては、環状四号線は骨格幹線道路であり、高輪区間どまりでは環状線としての機能が十分発揮されない上に、山手線を越えてきた道路が白金台の手前で左右に分かれざるを得なくなれば、渋滞の新たな原因をつくることにもなりかねません。したがって、白金台区間の整備事業の見通しが相当明確にならない限り、事業認可がされた高輪区間も道路供用に向けて見切り発車ということは、都としてとるべき道ではないと考えます。
 そこで、先日の副知事の依命通達の趣旨を踏まえれば、この道路計画は現状において、白金台区間とともに高輪区間についても慎重な対応とするのが適切な判断ではないかと思います。
 先ほども質問ありましたが、改めて都民の生命や財産に直ちに影響の少ない事業の休止、縮小、延期を求めている副知事依命通達に基づいて、環状四号線の当該地区についても積極的に検討すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○朝山市街地整備部長選手村担当部長兼務 今お話がございました依命通達では、現下の状況を踏まえ速やかに休止する事業の事例といたしまして、街路整備が掲げられてございますが、先ほど話がございましたように、着手済みの事業のうち権利者の生活再建の対応など都民の生活にかかわるものについては、引き続き実施していく考えでございます。

○曽根委員 街路事業というのは、私の地元北区でも今、十条駅付近で四本の道路の拡幅や新設の事業が行われ、そのための測量や買収の要員が、遠く多摩から、都市づくり公社の職員などが出先の事務所までつくって、やってきたわけです。
 しかし、今、対面のそのような訪問活動はできないということで、全部とまっているわけです。
 街路事業についていえば、こういうコロナウイルスの蔓延している時期の中ではもちろんのこと、都民、住民の生活に大きな影響があるという点でも、真っ先に見直すことを検討すべき事業だと思います。
 それと、環状四号線のことについて、少し私の認識からいいますと、これは戦後間もなく机上の線引きで決定された環状骨格道路の一つですが、環状三号と環状四号については、かなり継ぎはぎ的な要素が大きいといわれており、整備も各地域でばらばらに進められてきた経緯があります。
 現道がなかったり、道路幅も十メートル程度の箇所から二十メートルの道路幅のところまでいろいろになっておりまして、既に供用されている部分は、実態として、地域の補助幹線道路として機能しているのが現状であると思います。
 この白金台区間以外にも、例えば新宿の夏目坂付近は既に現道が供用されておりますが、拡幅予定の沿道に寺社仏閣が多く、到底容易にセットバックや立ち退きが進む状況ではありません。
 しかも、都内の自動車交通、とりわけ環状道路が必要な根拠とされてきた貨物自動車交通については、ピーク時から二割以上も登録台数が減少しておりまして、全ての骨格環状道路が今日でも必要不可欠かどうかを改めて検証すべき段階に来ております。
 同時に、感染症の蔓延を機に、国際競争に勝ち抜くための東京一極集中政策も、その背景の新自由主義経済理論も根本から見直しを迫られている、このことも世界の経済専門家の共通の見解になりつつあります。
 したがって、環状四号線の都の骨格幹線道路としての位置づけは、改めて見直すべきであるというのが我が会派の認識であります。
 我が党は、環状四号線の未整備区域についての計画の中止を求めてまいりましたが、今回全く新たな分野からの陳情が出されて、都民の新たな訴えとして当然のこれは主張であり、誠実に応えるべきものであると考えます。
 また、そのためにも、本地域の環状四号線整備には慎重な対応を求めておきたいと思います。
 以上です。

○馬場委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 初めに、陳情二第二号を採決いたします。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○馬場委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二第二号は不採択と決定いたしました。
 次に、陳情二第七号の一を採決いたします。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○馬場委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二第七号の一は不採択と決定いたしました。

○馬場委員長 次に、陳情二第九号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○三宮防災都市づくり担当部長 整理番号3、陳情二第九号、土砂災害特別警戒区域における要配慮者利用施設の建設に関する陳情についてご説明いたします。
 お手元の陳情審査説明表の九ページをごらんください。
 本陳情でございますが、文京区の政治団体みんなでみんなのまちづくりの代表、屋和田珠里さんから提出されたものです。
 陳情の要旨でございますが、一つ目は、都において、土砂災害特別警戒区域で新たな要配慮者利用施設を建設することを原則許可しないでいただきたいというものでございます。
 二つ目は、都において、一定の基準を設けて土砂災害特別警戒区域で新たな要配慮者利用施設を例外的に許可する場合は、都独自に防災、減災上の厳しい基準を設けることを検討していただきたいというものでございます。
 現在の状況でございますが、いわゆる土砂法におきましては、土砂災害特別警戒区域内において、有料老人ホームなど要配慮者利用施設を建設するために開発行為を行う者は、知事の許可を受けなければならないと規定されております。
 この許可に関して国が定める技術的基準では、擁壁や排水施設の設置など、土砂災害を防止するために必要な措置を講じること、また、施設の周辺地域において土砂災害の発生のおそれを高めてはならないことが規定されております。
 土砂法では、知事は、この基準に適合すると認めるときは許可しなければならないとされております。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願いいたします。

○馬場委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○曽根委員 それでは、陳情二の第九号、土砂災害特別警戒区域における要配慮者利用施設の建設に関する陳情について、何点かお聞きいたします。
 陳情者は、今ご説明あったように特別警戒区域で新たな要配慮者利用施設をつくることは原則として認めるべきじゃないと。例外的に認める場合でも、都独自の厳しい基準を設けることを検討するよう求めております。
 土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律、土砂法と略されていますが、特別警戒区域、いわゆるレッドゾーンに指定されている場所に特定開発行為をしようとする者は、あらかじめ都知事の許可が必要であると規定しております。
 そこで、確認をしますけれども、まず、特別警戒区域における特定開発行為とはどういうものでしょうか、どのような手続を経て、許可がおりるんでしょうか、あわせて伺います。

○三宮防災都市づくり担当部長 特定開発行為とは、土砂災害特別警戒区域内において住宅や要配慮者利用施設など法令で定める制限用途の建築物の建築を目的とした、都市計画法に規定する開発行為を指します。
 特定開発行為を行うに当たっては、その位置や区域、規模、予定建築物の用途及びその敷地の位置、対策工事、その他特定開発行為に関する工事の計画を示した申請書及び必要図面を提出して、都道府県知事の許可を受けることになります。

○曽根委員 つまり自分が住む住宅以外の住宅ですね。それから高齢者、障害者、乳幼児、その他特に防災上の配慮を要する方たちの利用する社会福祉施設、学校及び医療施設が制限用途の建築物をつくるのが特定開発行為であって、それを行う場合には知事の許可が要るということです。
 この法律の第一条、目的の中に、著しい土砂災害が発生するおそれがある土地の区域においては、一定の開発を制限し、建築物の構造の規制に関する所要の措置を定めるとの記載があります。
 著しい土砂災害が発生するおそれがある区域として指定されるのが特別警戒区域、つまりレッドゾーンですから、つまり法律のつくりそのものがレッドゾーンにおける開発行為に条件や規制を設けて、クリアしていれば許可するというのが前提になっております。
 都市計画法では、原則として開発行為を行う土地の区域にレッドゾーンの土地を含んではいけないこととなっているのに、土砂災害防止法では、知事が許可すれば一定の建築物を建てるような開発ができるという仕組みになっているわけです。
 そこで心配なのは、地価の高い東京の場合です。人口密度が高く建築物も密集する東京において急傾斜地の崩壊等が起これば、被害は甚大となります。
 急傾斜地の崩壊等から建物の被害を防ぐ万全の対策が求められていると考えますが、都の認識を伺っておきます。

○三宮防災都市づくり担当部長 特定開発許可は、土砂災害特別警戒区域内における住宅や社会福祉施設など、要配慮者利用施設の立地を目的とした開発行為について許可制とすることにより、急傾斜地の崩壊等によるこれら建物への被害の抑制を図るものでございます。
 都としては、本制度の適切な運用により、土砂災害から都民の生命及び身体の保護を図ってまいります。

○曽根委員 都市計画法上は、開発行為が困難な場所を含む土地に一定の条件をクリアすれば、社会福祉施設や学校、病院を建てることができる、そういう許可を知事が行うことができるわけですから、とりわけ慎重な判断が必要だと思います。
 そこで、社会福祉施設など要配慮者が利用する建築物を建てるような特定開発の場合、どのような対策を行うことが許可の要件となっているんでしょうか。

○三宮防災都市づくり担当部長 土砂法令では、許可に当たっての技術的基準が定められており、擁壁や排水施設の設置など、予定建築物における土砂災害を防止するために必要な措置を講じた計画であること、また、予定建築物だけでなく、その周辺地域においても土砂災害の発生のおそれを大きくするものではないことが規定されております。

○曽根委員 都の特定開発行為の許可等に関する審査基準にも、土砂災害を大きくさせない恒久的な施設を設置することなどが記載されています。
 しかし、今の答弁ですと、特定開発行為を行おうとする場合には崖の勾配を緩やかにしたり擁壁をつくるなどの対策をとって、崖崩れ等が起こらないような対策を施すことが許可の要件になっているということです。
 そうすると、本来、特別警戒区域において許可を得た特定開発は、その施行後は安全性が確保され、土砂災害の発生のおそれがなくなっているということになるはずだと思いますが、これまで許可された特定開発行為は都内で何件あるのか、また、完了後、特別警戒区域の指定が外れた場所はどれくらいあるんでしょうか。また、完了後、土砂災害が発生した事例についてはあるんでしょうか。

○三宮防災都市づくり担当部長 今ちょっと質問、もし少し間違っていたら申しわけございません。
 これまで許可された特定開発行為の完了後、土砂災害が発生した事例ということにつきましては、都においては、平成二十九年度から特定開発許可の実績がございます。昨年度までに累計で十件を許可しておりますが、このうち工事が完了したものは一件であり、そこで土砂災害は発生しておりません。
 また、特別警戒区域の、許可をして工事が完了した区域の件数、それから、特別警戒区域の指定が外れたものという今ご指摘もあったかと思いますが、こちらにつきましては、都内で特定開発行為として許可し工事が完了した案件は一件でございまして、この案件については既に特別警戒区域も解除されております。

○曽根委員 少なくともこれまでは審査基準をクリアして、許可したのに崖崩れが発生してしまったというような事例はないということであります。しかし、その件数は一件、幸いにして、そういうことは、最悪の事態は免れていると。
 しかし、一方で、要配慮者の施設をこうしたレッドゾーンの地域につくるということは、例があるのかどうかということなんですけれども、これまで特定開発行為として許可された制限用途の建築物で、要配慮者利用施設はどれくらいあるのか、例があるのかどうかについて伺います。

○三宮防災都市づくり担当部長 これまでのところ、要配慮者利用施設を用途とする特定開発行為の許可はございません。

○曽根委員 今まではこういった危険なレッドゾーンに入っている区域に、高齢者などの介護施設などを含めて、つくろうという事業者がいなかったわけです。
 しかし、この陳情者のお話によると、文京区でそういう事例が発生しそうだということから心配して、この陳情が出されているというふうにお聞きしました。このレッドゾーンにおける要配慮者施設の建設を原則許可しないこと、やはり危険性が伴っている地域に、しかも高齢者の施設のように、いざとなれば避難が極めて困難な方々を多数収容するような施設をつくることは非常に危険なことであるという立場から陳情が出されております。もしどうしても許可しなきゃならない場合は、都独自に厳しい基準を設けてほしいと。土砂法の第十三条には、都道府県知事は独自基準をつくることができると定められておりますので、こうした権限を発揮してほしいというふうに求めております。
 これまで自己居住用以外の住宅の建設のための開発行為が許可されただけで、要配慮者が利用する施設が許可された実績はないわけですが、一たび災害が起きれば甚大な被害を生むという前提に立てば、避難行動が困難な方々が利用する施設、あるいは周辺の方たちが避難してくる可能性のある施設が、著しい土砂災害が発生するおそれがある区域に建設されるというのは、周辺住民の方たちにとっても大きな不安となることは当然です。
 法律のつくりから、審査基準をクリアしていれば許可しなければならない、また、知事の裁量権はほとんど認められていないものとなっているという問題がありますけれども、都民の命や安全を守る都の役割が重要であることに変わりありませんので、この観点から本陳情に関して趣旨採択を求めて、質疑を終わりたいと思います。
 以上です。

○中村委員 それでは、私からも、土砂災害特別警戒区域における要配慮者利用施設の建設に関する陳情について質問をさせていただきます。
 近年、広島県での土砂災害や東京都でも大島での土砂災害が甚大な被害をもたらしました。土砂災害警戒区域については、法律で該当する箇所は指定しなければならないのですが、なかなか進んでいなかったのが実情です。しかし、危険な箇所は危険と認識することは重要です。
 指定は建設局の所管になるそうですが、平成三十一年以降に警戒区域は二千二百九十七カ所、特別警戒区域は三千五百五十二カ所が新たに指定され、それ以前からの指定と合わせると、警戒区域は一万五千四百七十八カ所、うち特別警戒区域は一万三千六百五十カ所とのことです。多摩地域や島しょが多いのですが、二十三区にもかなりあり、陳情された方の文京区は百六カ所と、二十三区においては港区、板橋区に次いで三番目に多いようです。
 さて、ここ数年で多くの箇所が指定されたため、指定される前から存在する要配慮者利用施設がある可能性もあります。また、そもそもこの法律制定前から存在する要配慮者利用施設もある可能性があります。この場合、安全上の基準を満たしていない事例があるのではないでしょうか。その場合、どう対応するのか伺います。

○三宮防災都市づくり担当部長 土砂法では、区市町村の地域防災計画において、警戒区域ごとに土砂災害に対する避難の体制などに関する事項や、要配慮者利用施設がある場合は、必要に応じてこれら施設の名称、所在地を記載し、施設への情報伝達体制を定めることとなっております。

○中村委員 区市町村の方でということではあるんですけれども、今の時点での許可は東京都になるわけですから、ぜひここは情報共有していただいて、対応することも検討していただければと思っています。
 さて、特定開発許可の場合に、基準を満たせば許可せざるを得ないということでご説明がありました。この陳情者の方については、都独自の防災、減災上の厳しい基準を設けることを検討することということを出されてはいるんですけれども、法律の方を見ると、法十三条では、知事が災害を防止するために必要な条件を付することができると書いてあります。
 都は、どのようにこれは対応しているのか伺います。

○三宮防災都市づくり担当部長 土砂法十三条の許可の条件は、対策工事等の施行に伴って災害が発生することがないよう条件を付すものでございます。
 都においては、工事施工時の安全確保や施工管理及び品質管理を適切に行うこと、周辺区域に対する環境への配慮などを許可の条件としております。

○中村委員 基準の部分ではなくて、工事の施行に伴うということだそうなんですけれども、大事な部分にはなりますので、しっかり工事の安全が確保されるようにしていただきたいというふうに思っています。
 さて、昨今こうした対応をとっていただいても、想定外の災害が起こるということもあります。起きてほしくはないんですが、万が一こういったことが起きるということを考えると、許可した建物であっても、要配慮者利用施設の運営者には避難場所を確保させる必要もあると思うんですが、この点、見解を伺います。

○三宮防災都市づくり担当部長 土砂法では、区市町村の地域防災計画において、避難場所や避難経路に関する事項を区域ごとに定めることとなっております。
 また、地域防災計画に記載された要配慮者利用施設の所有者等は、避難の計画を作成し、訓練を行わなければならないとされております。

○中村委員 これから高齢化や人口減少社会ということで、より一層都市の集約が進んでいきます。
 そうすると、先ほども避難のことも説明はいただいたんですが、危険な場所にはできるだけ建築物、とりわけ要配慮者利用施設が建築されない方が望ましいという考え方もありますが、見解を伺います。

○三宮防災都市づくり担当部長 土砂災害特別警戒区域内における社会福祉施設などの要配慮者利用施設の立地を目的とした開発行為については、土砂法に基づく特定開発許可により、急傾斜地の崩壊等によるこれら建物への被害の抑制を図ることとしております。
 都としては、本制度の適切な運用により、土砂災害から都民の生命及び身体の保護を図ってまいります。

○中村委員 本当に安全が大切だということですので、そういった点でも陳情者の方々も陳情されたんだと思いますが、法的には許可せざるを得ないということでもご答弁の方はありました。
 許可に際しての、いろいろと安全を図るということでいろいろご説明もいただきましたので、ぜひともこれからもしっかりと安全にしていただけることをご要望しまして、質問を終わります。

○馬場委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○馬場委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二第九号は不採択と決定いたしました。

○馬場委員長 次に、陳情二第一二号の二を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○朝山市街地整備部長選手村担当部長兼務 陳情審査説明表の一一ページをごらんください。
 整理番号4、陳情二第一二号の二、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックの開催に関する陳情についてご説明いたします。
 本陳情でございますが、豊島区の二〇二〇オリンピック・パラリンピックを考える都民の会事務局長の萩原純一さんから提出されたものでございます。
 陳情の趣旨でございますが、選手村整備に伴う都有地の売却について、周辺地価相場で総額千六百億円以上の土地を千五百億円以上も値引きして売却したことは到底許されないため、不当に値引きした分の都民の財産を取り返すことというものでございます。
 選手村の案内図、配置図につきましては、一三ページをごらんください。
 一一ページの現在の状況でございますが、選手村につきましては、東京二〇二〇大会の立候補ファイルを踏まえ、大会中に選手の宿泊施設として使用し、その後、改修を行った上で、住宅として分譲または賃貸することとしてございます。
 整備に当たりましては、大会までの限られた期間の中で、施行者としての都が責任を持って一元的な工程管理を行い、都市基盤と建築物とを同時並行で一体的に整備することができる事業手法として、市街地再開発事業を選定し、民間の資金やノウハウを活用できる特定建築者制度を採用してございます。
 都は、平成二十八年四月に晴海五丁目西地区第一種市街地再開発事業の事業認可を取得し、都市再開発法に基づき定めた規準によりまして、学識経験者等から構成される晴海五丁目西地区第一種市街地再開発事業保留床等処分運営委員会におきまして適正に審査し、特定施設建築物敷地の処分予定価格を決定いたしました。
 この敷地処分予定価格につきましては、不動産鑑定士が、高いバリアフリー性能など選手村の仕様に対応した住宅棟を整備すること及び事業の完了までに長期間要することなど、事業の特殊要因を踏まえまして、国土交通省が定めた不動産鑑定評価基準に基づき算定しております。
 一二ページをごらんください。平成二十八年五月、この価格を特定建築者募集要領における敷地譲り受け希望価格の最低価格として、都市再開発法に基づき特定建築者の公募を行い、同年七月に学識経験者等から構成される晴海五丁目西地区第一種市街地再開発事業特定建築者選考委員会におきまして提案内容等を適正に審査し、その結果を踏まえて、同年九月に特定建築者を決定し、敷地譲渡価格が確定いたしました。
 平成二十八年十二月に都は特定建築者と敷地譲渡契約を締結し、翌年一月に特定建築者が建築工事に着手をいたしております。
 令和元年十二月までに道路等の都市基盤を含め大会時に必要となる部分の整備を完了しております。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願いいたします。

○馬場委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○曽根委員 それでは、私から、陳情二第一二号の二、オリンピック・パラリンピックの開催に関する陳情について、何点かお聞きします。
 本陳情は、選手村に使われる予定の晴海五丁目西地区において、周辺地価相場の土地譲渡価格を千五百億円以上も値引きして売却したことは到底許されないという立場から、都民の財産を取り戻すことを求めております。
 我が党も土地の売却価格について、これまでも本会議、委員会などでただしてまいりましたが、資料開示請求しても、肝心な部分がノリ弁で出てくるような不透明な開示請求、情報開示の資料を分析しまして、その中からでも、いかに都がディベロッパーに最大の利益を提供できるかのシミュレーションまで行って、選手村の再開発事業を行ったことなどを明らかにしてまいりました。
 都有地は都民の共有の財産ですから、都民から本陳情のような声が上がるのは当然だと思います。
 そこで、現段階でどのように事業が進んでいるのかを中心に質問します。
 まず、敷地譲渡金額の変更について協議する条項、いわゆるスライド条項について、現在、選手村の各街区においてどのような状況になっているのか伺います。

○朝山市街地整備部長選手村担当部長兼務 本事業では、整備の途中で大会期間中に選手村として使用するため、事業期間が長期にわたることから、将来の景気変動に対応する必要がございます。そのため、平成二十八年十二月に締結した敷地譲渡契約におきまして、特定建築者を公募した際に事業者から提出された資金計画に比べ著しく収益増となったことが明らかになった場合には、敷地譲渡金額の変更について協議する条項を定めております。
 これを踏まえ、現時点で、選手村の五つの街区のうち住宅が分譲される三つの街区につきまして、既に敷地譲渡金額の変更を行う場合の取り扱いに関するルールを定めております。また、賃貸住宅及び商業施設の街区につきましては、今後ルールを定める予定でございます。

○曽根委員 この分譲収入の一%を超えた額を都と特定建築者の折半としているのは、この措置についてはどのような根拠によるものでしょうか。

○朝山市街地整備部長選手村担当部長兼務 東京都の工事請負標準契約書に定められました全体スライド条項を参考にして、資金計画における分譲予定収入と実際の販売金額との差額のうち、分譲予定収入の一%を超える部分を著しい収益増として整理いたしてございます。
 配分比率につきましては、東京都の契約制度の一つでございます契約後VE等を参考に検討いたしまして、経費等を除いた分を折半するということにいたしてございます。

○曽根委員 私の記憶では、全体スライド条項というのは、都と契約相手方と双方の責任ではない外的条件によって、資材や燃料費が高騰したときなどに適用される制度でしたが、選手村の場合、都の譲渡契約の金額が相場の一割程度と極端に低かったことが問題になっております。
 収益増が譲渡価格の極端な低さによるものではなく、何か外的条件によるという具体的根拠でもあるのかどうか。
 また、VE方式、つまりバリューエンジニアリングの方式を参考に折半するといいますけれども、VEとは、適正な市場の価格で一旦契約された後に、契約企業が独自の努力で製品の価値を変えずに価格を節約した場合に、それによる増益分の半額を都に返還させるということですが、選手村跡地開発の場合、事業者が独自の努力で販売価格と収益が増額したという事実はあるのか。
 以上、二点についてお答えください。

○朝山市街地整備部長選手村担当部長兼務 先ほどご説明いたしましたが、選手村の敷地の処分価格については適正な価格であるということで考えてございます。
 また、全体スライド条項でございますが、全体スライド条項は契約締結後、物価水準等の変動により契約金額が不適当となった場合、契約金額の変更を請求できる制度でございますので、将来の景気変動への対応を目的としていることから参考としたものでございます。
 配分比率につきましては、契約後VEのほか、不動産鑑定手法なども参考に検討いたしました。

○曽根委員 都の今の答弁は、あくまで譲渡価格は適正だったということを前提にして全て成り立っていますけれども、都民の財産を使った事業として、事業者のどんな努力による増収、増益なのかの積算根拠も示さないで、増益分を折半などというのは到底納得のできない話であります。
 都に破格の安値で譲ってもらったおかげで大もうけする分を、若干バックペイするだけと見るのが世間の常識ではないかと思います。
 さらに、著しい収益増から経費等を除いた分を折半となっていますが、資金計画書の中では既に事業経費は見込んでいるはずですが、なぜ経費等を新たにまた差し引く必要があるんでしょうか。新たに発生する経費等とはどのようなものでしょうか、等の部分も含めて、具体的に答弁いただきたいと思います。

○朝山市街地整備部長選手村担当部長兼務 著しい収益増から除く経費でございますが、一つは、販売収入の増加分に対する販売経費でございます。
 これ以外でございますが、選手村における環境先進都市のモデルの実現に関する取り組みを予定してございまして、これに対する補助金が得られなかった場合に、その補助金相当分を経費として扱い、著しい収益増から除外することとしたものでございます。

○曽根委員 今のご答弁ですと、まず環境の先進都市のモデルの取り組みについては、これは補助金が得られなかった場合ですからまだわからないわけです。
 また、企業努力で例えば販売住宅戸数が当初計画よりふやすことができた、同時にそのためのスタッフや宣伝広告費をふやさざるを得なかったなどの積算根拠があれば別ですけれども、具体的な根拠は出されておりません。これでは誰も納得できないと思います。
 資金計画書の事業経費の中に利潤が含まれていると昨年の事務事業質疑で都は答弁しております。特定建築者の選定の段階で利潤は確保されているし、極端に低い金額で土地を売却したわけですから、増収分は全額都に戻されるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○朝山市街地整備部長選手村担当部長兼務 先ほどご答弁いたしましたが、折半という配分の比率のルールにつきましては、東京都の契約制度等を参考にしながら定めたものでございます。
 なお、都は、選手村の特殊要因を踏まえまして、土地の売買価格を定められた基準に基づいて算定いたしまして、都市再開発法による手続を経て適正に決定をしているものでございます。その手続の過程において、不動産鑑定士や弁護士など外部の専門家を含む委員会で審議を行っておりまして、価格の決定については、法令に基づき、適正、公正に行っているものでございます。

○曽根委員 法令に基づいて適切にとお話ありましたが、もともと資金計画書にちゃんと利潤を明記して、記載をさせておけば、ディベロッパーが都民の財産でもうけ過ぎることを防止し、適正な利潤の中からもうけ過ぎた分を取り戻す、こういう立場で協議に臨めたのではないかと思います。
 しかし、実際には、この利潤の明記がありませんでした。一体都は本当に都有地が都民の共有財産だという認識が果たしてあったのかと、あるのかといわざるを得ません。これから協議に臨む他の街区においても、大会の延期に当たって、さらにディベロッパーとの協議が厳しくなることも十分にあり得ることです。
 しかし、都は、都民の共有財産である都有地を預かる立場として、これ以上都民の財産を失うことのないように厳しく対処していただくことを求めておきます。
 本陳情は、趣旨採択を求めておきます。
 以上です。

○馬場委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○馬場委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二第一二号の二は不採択と決定いたしました。

○馬場委員長 次に、陳情二第二二号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○三木基地対策部長 お手元の陳情審査表の一五ページをお開きください。
 整理番号5、陳情二第二二号、全国知事会の「米軍基地負担に関する提言」の実現を求める意見書の提出に関する陳情、こちらは稲城市の稲城の里山と史蹟を守る会代表、大矢保さん外四百名から提出されたものでございます。
 陳情の趣旨は、都議会において、全国知事会の米軍基地負担に関する提言の実現を求める意見書を国に提出していただきたいというものでございます。
 現在の状況ですが、日米地位協定は、日米安全保障条約の目的達成のために我が国に駐留する米軍との円滑な行動を確保するため、米軍による我が国における施設、区域の使用と我が国における米軍の地位について規定したものであり、昭和三十五年に締結されました。
 日米地位協定第二条では、米軍の施設及び区域が必要でなくなった場合は日本国に返還しなければならず、そのために必要性を絶えず検討することが定められております。
 都はこれまでも、国に対する提案要求等を通じて、米軍基地の整理、縮小、返還が促進されるよう働きかけており、その中でも多摩サービス補助施設は、市街地に隣接する貴重な緑地であることから、広く都民に開放するため直ちに返還されるよう要請をしております。
 これまで多摩補助サービス施設は、稲城市公園用地などとして、四回にわたり約四万四千平米が返還されております。
 平成三十年七月、全国知事会は、日米地位協定を抜本的に見直し、航空法や環境法令などの国内法を原則として米軍に適用させることや、施設ごとの必要性や使用状況等を点検した上で、米軍基地の整理、縮小、返還を積極的に促進することなどを求める米軍基地負担に関する提言を全会一致で決議しました。
 都は、今後も引き続き他の自治体と連携しながら、米軍基地の整理、縮小、返還に向けて国に働きかけてまいります。
 説明は以上でございます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○馬場委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○曽根委員 それでは、米軍基地負担に関する提言の実現を求める意見書の提出を求めた陳情について質問させていただきます。
 陳情者は、二〇一八年七月二十七日付、全国知事会の米軍基地負担に関する提言の実現を求める意見書を提出するよう都議会に求めております。
 全国知事会は、米軍基地負担に関する研究会を六回開催し共通理解を深めた結果、米軍基地の存在が基地周辺住民の安全・安心を脅かし、基地所在自治体に過大な負担を強いている、国内法の適用や自治体の立ち入り権がないなど、我が国にとって依然として十分とはいえない状況であることなどを確認しています。
 その上で、日米地位協定を見直すことを含め、四項目を国に提言しております。
 そこで、最初にお聞きしたいのは、沖縄県の取り組みなんですけれども、沖縄県は他国の地位協定について独自に調査を行い、その結果をまとめております。その内容について、受け入れ国の国内法の適用がどうなっているか、事故が起こったときの基地受け入れ側の立ち入り捜査権があるか、他国の軍が空域を管理しているかについて、どのような結果だったか、都は把握しているでしょうか。

○三木基地対策部長 沖縄県は、ドイツ、イタリアなどを対象に、受け入れ国の国内法適用や基地の管理権、立ち入り権等について、地位協定に相当するものにおいてどのように規定されているかを調査しております。
 それによれば、例えばドイツでは、受け入れ国の国内法の適用について派遣国軍隊の施設区域の使用や訓練、演習に対してドイツ法令の適用を明記していたり、事故が起こったときの受け入れ国の立ち入り権についてドイツ連邦、州、地方自治体の立ち入り権を明記、緊急の場合や危険が差し迫っている場合は事前通告なしの立ち入りも認められていると記載されております。また、空域の管理につきましては米軍の訓練に空域を使用する際もドイツ航空管制への申請が必要と記載されております。
 日米地位協定と米国が第三国と締結している地位協定との比較について、国会では、地位協定そのものの規定ぶりのみならず、細部の取り決め、実際の運用や背景等も含めた全体像の中で検討する必要があると考えられ、一律な比較は難しい面があるとの答弁がなされております。

○曽根委員 やはり受け入れ国の国内法の適用を初めとして、立ち入り捜査権、他国の軍の空域を自分たちの国もしくは自治体が管理するなどについては、日本に比べて格段の権限を持っているということを沖縄県は確認して、全国知事会の中でも中心的な役割を果たしてきたと思います。
 今、国会答弁のお答えがありましたが、例えば、細部の取り決めはどうだろうが当事国や自治体の権限が格段に強いことは明確であり、実際の運用もこれに反することはあり得ないわけです。
 ただ、実際、歴史的な背景については、ドイツやイタリアに比べて、同じ敗戦国の日本ですが、アジアでの米軍の軍事戦略上の重要性は、ヨーロッパとは比較にならなかったことは明らかであります。
 しかし、このことを七十年余りにわたって、沖縄を初め日本国民の生命、財産、人権を踏みにじってきたことの正当な理由としてはならないことは余りにも明白です。
 東京では、一都九県にまたがって横田空域が設定され、東京の上空のほとんどを米軍が管理しています。民間機は、米軍の許可がなくては東京の上空を飛ぶことができません。米兵が罪を犯しても、日本の警察に犯人の身柄が引き渡しされることもほとんどなく、米軍機が事故を起こしても日本に捜査権はありません。
 このような状況は、答弁のとおり、同じように米軍基地を置くヨーロッパの国々から見たら極めて異常なことであります。そして、日米合同委員会の取り決めも無視され、知らせることになっている情報すらまともに提供されていないのはご承知のとおりです。
 例えば、お聞きしますけれども、二〇一九年、昨年の六月二十六日付の毎日新聞によれば、二〇一〇年から二〇一七年にかけて、横田基地で燃料の漏出などの流出事故が百三十四件発生していたことが、毎日新聞が入手した資料で明らかになったと報道していますが、都はこのことについて承知しているでしょうか。

○三木基地対策部長 横田基地において燃料が流出などした事故に関する報道について、当時、国に確認をいたしましたが、事故等の通報に関する日米合意に基づき適切に運用されているものと認識しているとのことでありました。
 燃料等の漏出は周辺住民の生活環境等に重大な影響を与えるおそれがあることから、都はこれまでも、施設の万全な整備、点検や、事故発生時の迅速な情報提供を国や米軍に要請しており、今後も求めてまいります。

○曽根委員 今のお答えのとおり、流出事故一つとってもこういう状況であります。
 また、有害物質であるPFOS、PFOAなどを含んでいる泡消火剤も現在は使っていないという米軍の主張が正しいのかどうか、基地に入って調べることすらできておりません。このような状況は一日も早く解消する必要があると思います。
 陳情書にあります多摩サービス補助施設も立ち入りができておりません。書いてあるとおり、米軍のレクリエーション施設です。昨年、別の団体の方たちから、この多摩サービス補助施設の返還を求める陳情が上がったとき、我が党の和泉議員がこの委員会で質疑しましたが、現地調査に行ったときにゲートの前にピストルを下げた警備員がいて本当にびっくりしたと、なぜレクリエーション施設にまで、銃を携行した警備員が必要なのかといっていました。
 そこでまず、この多摩サービス施設について伺いますが、この多摩サービス補助施設の返還について、都の基本的な見解をお答えいただきたい。

○三木基地対策部長 日米地位協定第二条では、米軍の施設及び区域が必要でなくなった場合は日本国に返還しなければならず、その必要性を絶えず検討することが定められております。
 都は、多摩サービス補助施設について、市街地に隣接する貴重な緑地であることから、広く都民に開放するため直ちに返還するよう毎年要請をしてきております。
 今後も多摩サービス補助施設の早期返還に向け、引き続き国に働きかけてまいります。

○曽根委員 これまで都は、このサービス補助施設の全面返還に向けて、どのように取り組んできたんでしょうか。
 日米合同委員会の俎上にのせるよう求めてきたのかどうか、この点をお聞きします。

○三木基地対策部長 多摩サービス補助施設は、市街地に隣接する貴重な緑地であり、広く都民に開放するため直ちに返還がなされるよう、都は提案要求等を通じ、国に要請をしてきてまいりました。今後も多摩サービス補助施設の早期返還に向け、引き続き国に働きかけてまいります。
 お話の日米合同委員会、こちらは日米地位協定第二十五条に基づき、日米両国の代表者で施設及び区域について協議する機関でございます。
 米軍基地所在の都道府県で構成する渉外知事会におきましては、基地の返還等を検討する場合については、地方公共団体の意見を聴取し、その意向を反映させるよう、日米合同委員会の中に基地を有する地方公共団体の代表者の参加する地域特別委員会を設置するよう、国に求めているところでございます。

○曽根委員 引き続き積極的な取り組みをお願いしたいと思います。
 ところで、現在、国は、在日アメリカ軍のレクリエーション、娯楽施設等の福利厚生施設への、いわゆる思いやり予算、法的に義務づけのない米軍のための予算について、どのような扱いとなっているかご存じでしょうか。

○三木基地対策部長 在日米軍駐留経費については、日米地位協定及び特別協定に基づき、我が国が一定の負担をしていると承知しておりますが、レクリエーション施設等に関する扱いについて具体的なことは承知しておりません。

○曽根委員 米軍に接収された、ゴルフ場として使われていました昭島の土地が、昭和飛行機に返還され、米軍のゴルフ場は現在の多摩サービス補助施設に移されたという経過、これは昨年、我が党の和泉議員の質疑の中でも紹介をいたしました。
 現在の場所に移転したときに、ゴルフ場だけでなくロッジやキャンプ場、乗馬クラブなども整備され、その広さは実に百九十五万平方メートル、豊かな自然、貴重な戦争遺跡などは、地元のみならず広く都民に開かれた場所として活用されるべきだと考えますが、この点についての都の見解を伺います。

○三木基地対策部長 繰り返しになりますが、多摩サービス補助施設は、市街地に隣接する貴重な緑地であり、広く都民に開放するため直ちに返還されるべきと考えております。
 これまで四万四千平方メートル余の施設が返還されているほか、地元の稲城市や多摩市では、毎年、米軍と連携して施設の一部地域を開放して、売店の設置やバンド演奏を行うフェスティバルや子供向けのキャンプやゴルフ大会、自然観察を目的とした施設内の散策会などを実施しております。
 今後とも、国への提案要求等を通じ、多摩サービス補助施設の早期返還に向け、引き続き国に働きかけてまいります。

○曽根委員 たまには地元の都民もその中に入って、一緒にゴルフやキャンプをやることもあると。
 しかし、これも昨年の質疑で触れられていますが、昭和飛行機というのは、繰り返し、当時の調達庁、通産省、日米合同委員会に土地の返還を要請しております。代替地が見つからないことを理由に返還を拒否されると、ついに裁判に訴えて、地裁で勝利し、高裁で和解が成立しています。
 このときの判決の本文では、利用目的は、米軍駐留の目的を達成するために必要であると見るべきだが、ゴルフ場に使用することはこの目的に沿うものとはいいがたいと判決文は述べています。
 現在の多摩サービス補助施設にも同様のことがいえるのではないでしょうか。横田基地内にもさまざまなレクリエーション施設が充実しています。わざわざ一山丸ごと米軍のレクリエーションのために占有させる理由はありません。直ちに全面返還を強く求めるべきだと思います。
 では、この補助施設について米軍がどの程度利用しているのか、国や都は調べたことはあるんでしょうか。

○三木基地対策部長 米軍がどの程度利用しているか国に問い合わせたが、回答はございません。都としては把握してございません。

○曽根委員 このサービス補助施設には、旧日本陸軍の多摩火工廠跡、火薬などを扱っていた工場の跡があります。トンネルや全面コンクリートの半地下式倉庫、木造の倉庫やエレベーター、ボイラーなど、戦時中の火薬工場が全て当時のまま残っている大変貴重な戦争遺跡です。
 地元の小学校では、陳情者の団体の方たちがゲストティーチャーとして火工廠跡について話をされ、平和学習に役立てています。子供たちからは、戦争遺跡や貴重な自然がたくさんあるのを米軍は知っていて、何で日本に返してくれないのかといった質問が出たそうです。子供たちが現地に行って実際にその戦争遺跡を見て、平和の大切さを知ってもらうためにも、この貴重な戦争遺跡を良好に管理して後世に残すためにも、速やかな全面返還が求められていると思います。
 そこで、全国知事会の提言には、施設ごとに必要性や使用状況等を点検した上で、基地の整理、縮小、返還を積極的に促進することという項目が含まれています。これを含め、この全国知事会の提言について、都がどう受けとめているのか、認識を伺います。

○三木基地対策部長 この全国知事会の提言は、米軍の基地負担に関する諸課題が住民の生活に直結する重要な問題であることを踏まえ、訓練にかかわる速やかな事前情報提供、日米地位協定の抜本的な見直し、米軍人等による事件、事故に対する防止策の提示等のほか、お話の基地の整理、縮小、返還の促進に積極的に取り組むことを求めております。
 これら提言の内容は、都としても同様であり、都民の生活環境を改善し、地域のまちづくりを推進する観点から、繰り返し国への提案要求を行うとともに、地元五市一町との連絡協議会や渉外知事会を通じ、要請、要望を行ってまいりました。
 今後とも全国知事会はもとより、関係する他の自治体と連携をしながら、提言の内容の実現を目指してまいります。

○曽根委員 かつて自民党の議員でつくっていました日米地位協定の改定を実現し日米の真のパートナーシップを確立する会という、こういうところが地位協定の改定案を発表していました。
 また、公明党さんも、昨年の二月に沖縄二十一世紀委員会検討ワーキングチームがまとめた日米地位協定見直しの提言をアメリカ政府に申し入れをしております。沖縄県民の思いを正面から受けとめるとなっておりますが、基地への立ち入り権や、騒音問題や事故現場に日本の警察、自治体が立ち入れるようにすることなどでも、沖縄だけでなく横田基地を抱えるこの東京こそ直面している問題であります。
 全会一致で採択された全国知事会の提言は、昨年より具体的な内容で政策要望に盛り込まれました。知事も、全国知事会と連携するといっております。
 都議会が、この全国知事会の提言の実現と小池都知事の連携を後押しする意味でも、本陳情は採択されるべきと主張し、質疑を終わります。

○馬場委員長 ほかに発言がなければ、これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、趣旨採択とすることに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○馬場委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二第二二号は不採択と決定いたしました。

○馬場委員長 次に、陳情二第三三号を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○三宮防災都市づくり担当部長 整理番号6、陳情二第三三号、西日暮里駅前地区市街地再開発事業に関する陳情についてご説明いたします。
 お手元の陳情審査説明表の一七ページをごらんください。
 本陳情は、荒川区のシャリエ西日暮里を守る会代表、中西七代さん外六名から提出されたものです。
 陳情の要旨でございますが、都において、西日暮里駅前地区市街地再開発事業について、再開発事業計画の認可申請があった場合に、認可しないでいただきたいというものでございます。
 恐れ入りますが、一八ページの配置図をごらんください。
 本陳情の対象となっている西日暮里駅前地区市街地再開発事業の予定区域は、JR山手線、京浜東北線西日暮里駅の北東側、日暮里・舎人ライナーの西側に接する約二・三ヘクタールの区域でございます。土地の細分化やJR線と日暮里・舎人ライナーの乗りかえ動線の整備が不十分であることなどが地域の課題となっております。
 恐縮ですが、一七ページにお戻りください。現在の状況でございます。
 当地区内の道灌山中学校跡地の活用を初め、住みやすいまちづくりを検討するため、平成十八年度に地元関係者により西日暮里五丁目まちづくり協議会が発足しました。
 平成二十一年度に策定されました荒川区都市計画マスタープランにおいて、西日暮里駅周辺は、再開発による計画的な土地利用を図るべき地域として位置づけられております。
 その後、当地区におきまして、学校跡地等の公益施設と共存し多様な施設が複合した活気のあるまちを目指すため、平成二十六年度に西日暮里駅前地区市街地再開発準備組合が設立され、再開発事業の検討が本格的に進んでまいりました。
 平成三十一年三月には準備組合が区に対し、再開発事業に向けた地元の合意形成がおおむね整ったとして都市計画決定の手続を進める旨の依頼を行い、再開発事業の計画案について、令和元年六月に権利者向け説明会を、同年九月に周辺住民向けの説明会を開催しております。
 また、区においては、準備組合との調整の上、地区計画や市街地再開発事業などの都市計画原案を取りまとめ、令和元年九月下旬に地元説明会を開催するとともに、都市計画原案の縦覧を行っております。
 区の原案説明会における住民からの意見を踏まえ、現在、準備組合が地元関係者に対し個別に丁寧な対応を行っているとともに、事業推進に関する権利者の意向の再確認を行っているところでございます。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願いいたします。

○馬場委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。

○曽根委員 それでは、西日暮里駅前再開発に関する陳情について、簡潔に何点かお聞きします。
 まず、本再開発については、本年二月に荒川区議会に十七件の見直しを求める陳情が出されて、我が党はもちろん、各党議員から最大の地権者である区の責任を問う質問や、区の大ホール建設の直接費用百六十億円の縮小を求める質問、計画を住民に十分周知しないまま推進して、開発中止となってしまった過去の例からも慎重な対応を求める質問などが相次いだため、荒川区が三月中の都市計画決定の延期を表明したと聞きますが、都はこの事実を把握しているでしょうか。

○三宮防災都市づくり担当部長 区からは、住民からの意見を踏まえ、現在、準備組合において地元関係者に対し、個別に丁寧な説明と事業推進に関する権利者の意向の再確認を行っていることから、都市計画決定には想定よりも時間を要するものとして、スケジュールを見直しているところであると聞いております。

○曽根委員 この二月の区議会の審議を受けて、荒川区と東京都はどのような協議を行ってきているでしょうか。

○三宮防災都市づくり担当部長 区では、現在、都市計画決定に向けたスケジュールを見直しているところであると聞いており、本年二月以降、都において、区からの協議は受けておりません。

○曽根委員 今後の計画の推進に向けての都と区の協議が行われるという段階に達していないことは明らかであります。
 我が党は、再開発の抜本的な見直しをこの開発について求めてまいりましたが、都としては、これだけ住民や議会から慎重な対応を求められている西日暮里駅前再開発については、五月五日の副知事依命通達に基づいて、少なくとも都の権限である認可、その他について、不要不急事業として休止、凍結するのが当然だと考えますが、いかがですか。

○三宮防災都市づくり担当部長 本地区は市街地再開発事業の都市計画決定前でございまして、まだ地権者の意向を確認中でございます。
 認可申請に向けての相談は、都市計画決定後に生じるものであるため、事業認可の時期は未定でございます。

○曽根委員 当分の間、事業認可の申請が出てくる状況にはならないということだと思います。
 我が党は、前回の審議で問題にしたように、例えば、この分譲マンションが区分所有者の意思決定の場を抜きに開発地域に参入させられたり、戦後の区画整理や日暮里・舎人線の立ち退きで二度も行政に協力させられた地権者が、今度の再開発で三回目の開発に巻き込まれるなど、大変理不尽な開発区域設定が行われてきた経過があり、しかも今回は、最大の地権者である区の建物の処分計画が与党からさえ批判されるなど、余りにずさんな事業計画が問題になっており、この再開発は、地域住民の合意と協力を得るために抜本的な計画の見直しをすべきであると考えます。
 陳情については当然の要望であり、採択すべきでありますが、少なくとも都議会で開発への前向きな態度を示し得ないということで、継続審査とすることにやぶさかではありません。
 以上です。

○馬場委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、継続審査とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○馬場委員長 異議なしと認めます。よって、陳情二第三三号は継続審査といたします。
 以上で陳情の審査を終わります。

○馬場委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。
 初めに、令和元年度東京都一般会計予算、都市整備局所管分の繰り越しについて外二件の報告を聴取いたします。

○木村総務部長 お手元の資料2、令和元年度繰越説明書によりましてご説明いたします。
 今回のご報告は、令和元年度予算の繰越明許費繰越及び建設改良費繰越につきまして、地方自治法施行令第百四十六条第二項及び地方公営企業法第二十六条第三項の規定によりまして、議会にご報告するものでございます。
 資料の一ページをお開き願います。初めに、番号1、令和元年度繰越明許費繰越総括表でございます。
 一般会計及び特別会計の各会計別に、予算現額、繰越明許費予算議決額、翌年度繰越額及びその財源内訳を記載してございます。
 合計欄をごらんください。予算現額の右側の欄、繰越明許費予算議決額でございますが、これが四十七億二千五百万円であるのに対して、その右側の欄、翌年度繰越額は二十四億九千四百万余円となってございます。財源といたしましては、その右に記載のとおり、国庫支出金、繰入金及び繰越金を充当してございます。
 次に、番号2、令和元年度建設改良費繰越総括表でございます。
 公営企業会計である都市再開発事業会計につきまして、予算計上額、支払い義務発生額、翌年度繰越額、その財源である繰越資金及び不用額を記載してございます。
 予算計上額が百四十七億八千八百十万円であるのに対して、支払い義務発生額が七十二億二千三百万余円、翌年度繰越額が四億千八百万余円となってございます。
 ページをおめくりいただき、三ページ以降は事業別の内訳となってございます。
 まず、一般会計でございます。
 五ページをお開き願います。番号1、臨海都市基盤関連街路整備でございます。
 繰越理由は、街路整備工事に伴う関係機関との調整に日時を要したことによるものでございます。
 六ページをお開き願います。番号2、都市改造でございます。繰越理由は、街路整備工事に伴う関係機関等との調整及び物件移転補償に伴う関係人の移転等に日時を要したことによるものでございます。
 七ページ以降は、臨海都市基盤整備事業会計でございます。
 九ページをお開き願います。番号1、臨海都市基盤整備でございます。
 繰越理由は、街路整備工事に伴う関係機関との調整等に日時を要したことによるものでございます。
 最後になりますが、ページをおめくりいただき、一一ページ以降は、公営企業会計である都市再開発事業会計でございます。
 一三ページをお開き願います。番号1、市街地再開発事業でございます。
 繰越理由は用地買収に伴う関係人の移転及び街路整備工事に伴う関係機関との調整等に日時を要したことによるものでございます。
 以上をもちまして、令和元年度東京都一般会計予算、都市整備局所管分の繰り越しについて外二件につきまして、ご報告を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○馬場委員長 報告は終わりました。
 これより本件に対する質疑を一括して行います。
 発言を願います。--発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、ご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○馬場委員長 異議なしと認め、本件に対する質疑はいずれも終了いたしました。

○馬場委員長 次に、第二百三十回東京都都市計画審議会付議予定案件についての報告を聴取いたします。

○佐藤東京都技監 まず、ご説明に先立ちまして、第二百二十九回の東京都都市計画審議会につきましては、五月十九日に開催を予定しておりましたが、新型コロナウイルス感染症の緊急事態宣言の期間中であったことなどに伴いまして、中止とさせていただきましたことを改めてご報告申し上げます。
 なお、第二百二十九回の審議会で審議を予定しておりました案件につきましては、これからご説明申し上げます第二百三十回の審議会において審議を行う予定です。
 それでは、来る九月七日に開催予定の第二百三十回東京都都市計画審議会に付議を予定しております案件につきましてご説明いたします。
 今回、都市計画の決定・変更予定案件が、区部で一件、市町村部で二件ございます。
 また、その他の付議予定案件が一件ございます。
 本日は、これらのうち主な案件といたしまして、都市再生特別地区の東池袋一丁目地区及び都市計画区域の整備、開発及び保全の方針(原案)についての中間報告につきましてご説明申し上げます。
 それでは、引き続き担当部長からご説明いたしますので、よろしくお願いいたします。

○中山景観・プロジェクト担当部長 東京都市計画都市再生特別地区東池袋一丁目地区についてご説明いたします。
 資料は、お手元の資料6、薄緑色表紙、提案事項概要別冊一ページから七ページまで、資料7、緑色表紙、事前説明資料別冊一ページから一四ページまででございます。あわせて、資料8、桜色表紙、都市計画(素案)東池袋一丁目地区もご参照ください。
 今回の変更は、国家戦略特別区域法に基づき、国家戦略特別区域会議から東京都の都市計画審議会に付議が予定されているもので、事業主体は東池袋一丁目地区市街地再開発準備組合、住友不動産株式会社でございます。
 事前説明資料別冊一ページの位置図とあわせてスクリーンをごらんください。
 本地区は、池袋駅から北東に約五百メートルのところにあり、東側で川越街道に接した約一・五ヘクタールの区域です。
 また、都市再生緊急整備地域及び特定都市再生緊急整備地域である池袋駅周辺地域内に位置しております。
 事前説明資料別冊五ページの参考図1とあわせてスクリーンをごらんください。
 本計画は、国際アートカルチャー都市池袋の魅力向上に資する文化、交流拠点の形成、池袋のまちの広がりを生む歩行者優先の都市空間の形成に向けた基盤整備、環境負荷低減の取り組みと防災機能強化など、当該都市再生緊急整備地域の地域整備方針に沿うものであり、かつ都市再生の効果が高いものとなっております。
 具体的な都市再生への貢献内容につきましては、主なものとして、池袋の多様な文化を発展させ世界に発信する施設として、約四千四百平方メートルの文化体験施設及び約四千三百平方メートルのイベントホールを整備いたします。
 また、池袋駅からの連続的な緑のプロムナードの創出、約二千平方メートルのゲート広場の整備を行います。
 さらに、まちを回遊する電気バスであるイケバスの運行拠点や公共的駐車場などを整備いたします。
 提案事項概要別冊の一ページ及び二ページ、事前説明資料別冊の三ページの計画図2とあわせてスクリーンをごらんください。
 都市再生特別地区の都市計画変更の内容についてご説明いたします。
 容積率については、本計画の都市再生への貢献内容を適切に評価した上で、最高限度を一二〇〇%とし、一部を都市の魅力創造に資する施設といたします。
 高さの最高限度は、高層部を百八十メートル、低層部Aを三十メートルなどといたします。
 事前説明資料別冊の六ページとあわせてスクリーンをごらんください。完成予想図でございます。
 参考といたしまして、国家戦略特別区域法に基づき、国家戦略特別区域会議から豊島区都市計画審議会へ別途付議が予定されております都市計画について順にご説明いたします。
 まず、東池袋一丁目地区地区計画の決定についてでございます。
 事前説明資料別冊の一一ページから一四ページまでとあわせてスクリーンをごらんください。
 地区施設として区画道路や広場などを位置づけます。
 次に、東池袋一丁目地区第一種市街地再開発事業の決定についてでございます。
 事前説明資料別冊の七ページから一〇ページまでとあわせてスクリーンをごらんください。
 都市再生特別地区を定める区域において、土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新を図るため、市街地再開発事業を決定いたします。
 東京都市計画都市再生特別地区東池袋一丁目地区の説明は以上です。

○小野都市づくり政策部長 続きまして、都市計画区域の整備、開発及び保全の方針(原案)の中間報告についてご説明いたします。
 本案件は、都市計画制度の運用に係る国の指針に基づきまして、都市計画の案を作成する前段階におきまして、都市計画審議会からの意見を頂戴するため、第二百三十回都市計画審議会の中間報告という位置づけで説明をさせていただく予定の報告案件でございます。
 資料は、お手元の資料9、ダイダイ色表紙のA3判の都市計画区域の整備、開発及び保全の方針(原案)の概要について、資料10、同じくダイダイ色表紙のA4判、東京都市計画都市計画区域の整備、開発及び保全の方針(原案)、資料11、多摩部十九都市計画都市計画区域の整備、開発及び保全の方針(原案)、資料12、島しょ部六都市計画都市計画区域の整備、開発及び保全の方針(原案)でございます。
 本日は、資料9、A3判の概要を用いてご説明いたします。
 なお、以下、都市計画区域の整備、開発及び保全の方針につきましては、都市計画区域マスタープランと呼ばせていただきます。
 まず、改定の基本的な考え方についてご説明いたします。
 表紙をおめくりいただきまして、概要の一ページ、左上、改定の基本的な考え方をごらんください。
 都市計画区域マスタープランは、都市計画法第六条の二に基づきまして、都が広域的見地から定める都市計画の基本的な方針で、長期的視点に立って都市の将来像を明確にし、その実現に向けて大きな道筋を示すものでございます。
 資料左下の体系図に示すとおり、区市町村が定める都市計画マスタープランや地域地区、都市施設などの具体の都市計画は、この都市計画区域マスタープランに即して決定されます。
 なお、都市計画区域マスタープランは、都市再開発の方針、防災街区整備方針、住宅市街地の開発整備の方針とも整合を図ることとなっております。
 次に、改定の経緯についてでございますが、都は、二〇一四年十二月、目標年次を二〇二五年とする現行の都市計画区域マスタープランを策定いたしました。その後、二〇一七年九月に都市づくりのグランドデザインを、また、昨年末には未来の東京戦略ビジョンを策定しており、これらで示します都市像や将来像を実現するため、今回、改定を行うこととしております。
 なお、本計画につきましては、二〇四〇年代を目標年次とするおおむね二十年間の計画としております。
 基本的な考え方としましては、地域の自主性を尊重しつつ、かつ東京としての一体性を確保するため、都は広域的な視点から都市計画区域マスタープランを策定し、区市町村はそれに即する形で、自治体ごとにマスタープランを策定することとしております。
 多摩部の十九及び島しょ部の六都市計画区域につきましては、広域的な都市の一体性を確保するため、区部と同様にそれぞれ一体で改定することとしております。
 次に、改定原案の概要についてご説明いたします。
 概要の一ページ、右側上段、東京が目指すべき将来像をごらんください。
 広域的には、概成する環状メガロポリス構造をさらに進化させ、交流、連携、挑戦の都市構造の実現を目指し、人、物、情報の自由自在な移動と交流を確保し、イノベーションの源泉となる挑戦の場の創出に向けて取り組んでまいります。
 身近な地域では、おおむね環状七号線外側の地域において、集約型の地域構造への再編に向け取り組んでまいります。
 また、拠点ネットワークの強化と緑の充実としまして、地域特性に応じた拠点等の育成を適切に進めながら、厚みとつながりのある緑の充実とともに、都内全域で緑の量的な底上げと質の向上を推進してまいります。
 右側の下段、地域区分ごとの将来像をごらんください。
 都市づくりのグランドデザインで示しました四つの地域区分と二つのゾーンに基づき、それぞれの誘導の方向、将来像を記述しております。加えて、特色ある地域について、それぞれ将来像を詳細に記述しております。
 次に、その下段の区域区分の有無及び区域区分を定める際の方針をごらんください。
 区域区分とは、市街化区域と市街化調整区域とを区分する、いわゆる線引きのことをいいます。区部、多摩部とも、原則として現在の区域区分の変更をしないこととしております。島しょ部につきましては、これまでと同様、区域区分は非設定としております。
 おめくりいただきまして、概要の二ページ、主要な都市計画の決定の方針をごらんください。
 ここでは東京が目指すべき将来像を実現するための主要な都市計画の決定の方針を記載しております。
 土地利用、都市施設、市街地開発事業など、都市計画を六つの分野に区分し、地域特性に応じた都市づくりの方向性や各種制度の活用方針などを記載しております。
 具体的な記載事項としまして、1、土地利用では、主要な用途の配置や拠点の形成、市街地の密度構成などの方針。2、都市施設では、主要な道路、鉄軌道、下水道、河川などの整備の方針。3、市街地開発事業では、主要な土地区画整理事業や市街地再開発事業などの方針。4、災害では、災害に強い都市の形成などに関する方針。5、環境では、緑の保全、公園緑地の整備やエネルギーの有効利用や環境負荷の少ない都市の形成などに関する方針。6、都市景観では、風格ある景観の形成、水辺や緑と調和した景観の形成などに関する方針など、それぞれ分野別に方針を示しております。
 以上ご説明しましたとおり、都市計画区域マスタープランは、東京が目指すべき将来像とその実現に向けた都市づくりを法の体系に基づく都市計画に位置づけ、個別の都市計画につなげる役割を持ちます。
 本日ご報告の後、原案の縦覧、公聴会の開催などを予定しております。また、都民意見の募集を行いますとともに、九月の都市計画審議会で中間報告を行い、意見を頂戴するなど、記載内容の充実を図ってまいります。
 その後、都市計画案を作成し、十月には、法第十八条に基づく区市町村への意見照会を行い、公告、縦覧などの都市計画手続を経た後、二月に予定されております第二百三十二回都市計画審議会へ付議する予定となっております。
 都市計画区域マスタープランの説明は以上でございます。

○馬場委員長 報告は終わりました。
 これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○森口委員 私からは、第二百三十回都市計画審議会付議予定案件、都市計画区域マスタープランについてお伺いをさせていただきます。
 まずは、このコロナ禍におきまして、都庁の皆さんにおかれましては、日々の業務とともに、都民の安全な生活の確保、また都市の健全な発展に日々ご尽力をいただいておりますことに、心よりの敬意と感謝をお伝えしたいと思います。ありがとうございます。
 それでは、質問に入ります。
 今回、都市計画区域マスタープランの改定がされるわけでありますが、東京の都市づくりは本計画によりどのように変わっていくのか、都民にとって、どのようなメリットがあるのか、改定することになった背景とあわせてお伺いをいたします。

○小野都市づくり政策部長 現行の都市計画区域マスタープランは二〇一四年に策定しておりますが、その後、二〇一七年に都市づくりのグランドデザイン、また昨年末には未来の東京戦略ビジョンを策定しております。
 今回の改定は、これらで示しました都市像や将来像を実現するため、また、少子高齢、人口減少社会の進展など、社会経済情勢の変化などを的確に反映するため行うものでございます。
 東京が高度に成熟した都市として、最先端の情報通信技術などを活用しながら、鉄道交通の混雑緩和、価値観の多様化への対応やライフワークバランスの実現に資する環境整備、屋外の開放空間を拡充することにも資する新たな緑の創出を推進しますとともに、デジタル技術を活用した生活様式の変革の支援など、都市のデジタルトランスフォーメーションの実現をあわせて図っていくこととしております。
 二〇四〇年代に向け、あらゆる人が活躍、挑戦でき、生活のゆとりを楽しみ、ライフスタイルに柔軟に対応できる東京の都市づくりを進めていくことで、成長と成熟が両立した未来の東京を実現し、都民が多様な住まい方、働き方、憩い方を選択できる都市を実現していくものでございます。

○森口委員 ありがとうございます。本計画によって、AIやIoTの最先端技術を一層普及させ、さまざまな都市問題を解決していくとともに、人々の多様なライフスタイルを実現し、緑豊かで持続可能な都市づくりを推進していくものであると理解をいたしました。
 本計画の改定に当たっては、今後、都市計画法のもと、公聴会の実施、都市計画審議会の実施など行われていくことになりますが、今回、新型コロナウイルス感染症が長期化をする中で、第二百二十九回都市計画審議会が延期をするなど、計画改定に当たっても、さまざまな影響が考えられるのだと思われます。
 そこで、このコロナ禍における計画改定に向けたスケジュールなど、どのような影響が想定されるのか。また、今考えられている対策もあわせてお伺いをいたします。

○小野都市づくり政策部長 五月の都市計画審議会は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴います緊急事態宣言下となったため、各案件への影響を精査した上で、九月の審議会へ延期といたしました。
 今後も感染症の状況を注視していく必要がございますが、昨日、緊急事態宣言が解除されたこともありまして、ソーシャルディスタンスの確保や、会場の扉を開放し換気に努めるなど、感染症拡大防止のための対策を十分に行いつつ、都市計画法に定められた手続に影響が生じないよう、準備を進めてまいりたいと考えております。

○森口委員 感染症に関しては、今後、長期で行動変容やその対策が求められることになります。
 今回改定を行う区域マスタープランや、その上位計画である都市づくりのグランドデザインが目指す集約型の地域構造を、より東京で加速をさせた場合、一たびこのような感染症が発生すると、都市機能が集積した拠点がクラスターとなり感染拡大を引き起こすことで、都市封鎖が断続的に発生をし、ひいては経済や医療、人々の生活へ多大な影響を及ぼすことも懸念がされるわけであります。
 一方で、都の掲げているこの集約型の都市構造は、今後の人口減少社会を見据え、労働生産性の向上、効率的な社会インフラの維持、超高齢化社会への対応、人々の健康増進に寄与するものでもあります。
 世界的にも、ウイズコロナ、ポストコロナにおける今後の都市のあり方について、専門家の意見交換や提案が始まっております。集約型か分散型かといった都市機能の密度の是非とともに、公共空間のあり方として、歩行者や自転車を中心にしたまちづくり、また、グリーンインフラの推進、オープンストリート、公道、公園の新たな活用など、ニューノーマルにおける都市計画の検討が既に始まっていると理解をいたしております。
 東京の二十年後を見据えた都市計画や長期ビジョンにおいても、感染症リスクへの視点をこれまでよりも高め、見直しを検討していくことが必要と考えます。
 そこで、東京の将来の都市づくりに当たっては、感染症を踏まえた、東京が目指すべき将来の都市像として、区域マスタープランや二〇四〇年代の都市づくりのグランドデザインなど、これまでの上位計画を改めて検証し、新たな東京の目指すべき都市のあり方を検討すべきと考えますが、見解を伺います。

○小野都市づくり政策部長 東京の都市づくりは、地域レベルでの望ましい都市のあり方としまして、集約型地域構造への再編を進めていくこととしております。
 少子高齢化や人口減少が進行する中におきましても、都市経営コストの効率化を図り、身近な地域で誰もが活動しやすく快適に暮らすことができる都市づくりを進めるため、この集約型の地域構造への再編は不可欠であると考えております。
 都心部におきまして、中核的な拠点に多様な都市機能を集積させ、東京全体において、それぞれの地域特性や個性に応じた拠点を育成していくことを目指しており、こうした方向性は、業務、商業、文化などの都市機能の受け皿の東京全体への分散にも資するものと認識しております。
 集約型地域構造への再編におけます拠点への機能集積に対する、いわゆる三密の懸念についてでございますが、都市づくりの具体化に当たりまして、個別の建築物や公共空間の整備におきまして、社会的距離の確保に配慮するなど、感染症の拡大防止にも適切に取り組んでまいりたいと考えております。
 一方、集約型地域構造への再編は、駅や中心地から離れた地域では空き家などを活用しまして、緑豊かな良質な環境を形成していくものでございまして、集約型地域構造のエリア全体としましては、密度を高めるというものではございませんで、バランスのとれた、誰もが暮らしやすい都市を目指していくというものでございます。

○森口委員 ありがとうございます。東京の目指す将来の都市像は、集約型の地域構造ではあるが、あくまで集約と分散をバランスよく同時に満たすもので、密集を誘導するものではないと理解をいたしました。また、感染症対策としては、建築物や公共空間の整備において、社会的距離の確保に配慮するなど、今後適切に対応していくとのご答弁でありました。
 個々のそういった整備や取り組みというのは、その根拠が、この区域マスタープランやグランドデザイン、また、条例や法律によるわけでありまして、今ご答弁いただいているような内容について、新たに感染症対策として取り組んでいくとすると、その上位計画や条例についても、改正や改定が今後必要になってくるんだろうというふうに考えております。
 区域マスタープランにつきましても、ビフォーコロナで検討がされた内容のまま発表するのではなく、策定スケジュールをおくらせてでも、専門家による整理を踏まえた上で、感染症対策の一定の視点も加え、見直すことを要望させていただきたいと思います。
 最後に、都技監にお伺いしたいと思います。
 今後の東京のまちづくりにおいて、今回の世界的な状況を踏まえた感染症対策というのは重要な視点になると思いますが、佐藤都技監の見解をお伺いします。

○佐藤東京都技監 大変重要なご質問をいただきましたけれども、私どもの、まず、都市づくりのグランドデザインからお話をさせていただきたいと思います。
 都市づくりのグランドデザインをつくるというのは、これまでに経験したことのない少子高齢、人口減少社会が到来してくる。それから、新たな技術革新が起こって、さまざまな変化が予想される。人々の価値観も多様化してくると。そうした中で、こうした大きな変化にも的確に対応していくということで、二〇四〇年代の将来像というのを描いたものでございました。
 このための将来像の実現に向けた都市づくりを進めて、東京を持続的に発展させていくということが重要だと考えてございます。
 その将来像の中では、例えば、情報通信技術などを活用しながら鉄道交通の混雑を緩和する。あるいは、価値観の多様化への対応、そしてライフワークバランスの実現に資するような新しい生活地域区分といいますか、ゾーンの提案。それから、屋外のゆとりある開放空間を拡充するということにも資するような新たな緑のスペースの創出といったような取り組みを推進していくということを位置づけております。
 こうしたことを考えますと、今般の感染症拡大に伴い、テレワークなどの普及といったような、さまざまな行動様式の変容というのは見られ始めておりますけれども、私どもの都市づくりのグランドデザインで示したこうした方向性と、実は違うものではなくて、これは軌を一にするものではないかというふうに認識しております。
 したがって、都市づくりのグランドデザインで示しました方向性、こうした取り組みを進めてまいりまして、その中で感染症拡大の防止と経済成長を両立するということで、この大都市東京の持続的な発展をどうやって続けていくかと。それを支える都市づくりを推進していかなきゃいけないと。そこが一番重要だと思っております。そのために、さまざまな工夫をして、さらに都市づくりを進めてまいりたいと考えてございます。

○森口委員 ありがとうございます。これまで都が掲げ、推進をしてきたこの都市政策が、この新型コロナウイルス感染症によって一気に加速をし、都民の生活や働き方がよりよく変わっていくとともに、今後は、感染症拡大防止について、都市づくりの観点からも努めていく必要があるのだと思います。
 WHOにおきましても、都市の公衆衛生の向上は、人々の行動変容だけではなく、都市計画が重要であると指摘をしております。今回、長期にわたって人の行動様式を変えざるを得ないほどの感染症という新たなリスクが判明したわけでありまして、都市機能や人が最も集中しているこの東京が率先してリスクの低減に努める必要があります。
 東京が将来にわたって、都市や経済の発展と、感染症リスクの低減をともに実現していくためにも、新たな将来を描く都市計画が重要であり、区域マスタープランなど、上位計画や条例の適切な改正、改定についても改めて要望し、質問を終わります。
 以上です。

○古城委員 私からも、報告事項、第二百三十回東京都都市計画審議会付議予定案件のうち、都市計画区域の整備、開発及び保全の方針(原案)について質問をいたします。何点か関連して質問し、また答弁も踏まえまして、意見を申し述べさせていただきます。
 今、あらゆる施策展開の中で、持続可能な開発目標、SDGsの視点が求められています。新型コロナウイルス感染症の世界的大流行、パンデミックの状況下だからこそ、人間の安全保障の理念に立脚した、誰ひとり取り残さないという理念のSDGsを進める大きな契機であるとの主張が各界から湧出している模様を仄聞しているところであります。
 SDGsでは、持続可能な社会のあり方として、災害に強く、災害から復興できる回復力のあるレジリエントなインフラ、失業や健康不安、生活苦などで孤立した人が社会に復帰できる社会的包摂などが求められているからこそであります。
 都議会公明党は、これまで一貫して、このSDGsの視点から都政を前進させるべきと訴えてまいりました。その目標十一には、住み続けられるまちづくりをスローガンに、都市と人間の居住地を包摂的、安全、強靱かつ持続可能にすることがうたわれています。
 そこで、今回の都市計画区域マスタープランにおいて、SDGsの考え方が都市づくりの目標に取り入れられた背景及び今後における取り組みについてお尋ねします。

○小野都市づくり政策部長 SDGsは、誰ひとり取り残さない社会の実現を目指す、国連で採択された世界共通の目標でございまして、SDGsで掲げた課題への対応は、二〇二〇年に向けた実行プランや都市づくりのグランドデザインに掲げた政策との方向性は同じでございます。
 このため、今回、都市計画の基本方針であり、法定計画であります都市計画区域マスタープランにおいても、都市づくりの目標にSDGsの考え方を位置づけたものでございます。SDGsの考え方も踏まえまして、二〇四〇年代に向けて、持続可能な都市東京の実現に向けた都市づくりを着実に推進してまいります。

○古城委員 都市計画法第六条の二に基づく、都が広域的な見地から都市計画の基本計画を定める今回のこの都市計画区域マスタープランに、SDGsの考え方が位置づけられたことを評価したいと思います。
 これをきっかけに、冊子の参考附図-1には、推進というベクトルが向いて示されている未来の東京戦略ビジョン及び新たな長期計画において、SDGsの視点が中心軸となり、一方で、具体の都市計画の策定に当たっても、SDGsが具現化されることを期待するものであります。
 さて、SDGsでは、二〇三〇年には六割の人が都市部に居住するとの推定のもと、都市部での生活の適切な管理を求めています。そして、ターゲットの一つに、女性や子供、高齢者、障害者に配慮した緑地や公共スペースの確保など、誰もが快適に利用できる場所の提供ができるまちづくりを示しました。これは、にぎわいと魅力あふれる持続可能な都市づくりの中にあって不可欠の要素となっています。
 私は常々、誰もが安心して心軽やかに移動できる、そして、わかりやすく利用しやすい都市空間の整備による、人に優しいまちづくりを訴えています。そこで、今回の都市計画区域マスタープランの中で、居心地がよく、歩きたくなるまち中の形成と示されていますが、これは具体的にどのようなものを目指しているのか、見解を求めます。

○小野都市づくり政策部長 東京の魅力と価値を高めていくためには、地域特性を踏まえながら、道路空間をゆとりやにぎわいの場として活用していくことは重要でございます。今回の都市計画区域マスタープランでは、例えば道路整備により、通過交通が削減される大規模ターミナル駅の周辺では、道路空間等を人が回遊しやすい歩行者空間へと再編し、駅とにぎわいの場が連携する地域の軸を形成することを位置づけております。
 新宿駅周辺の再整備におきましても、東西のまちをつなぐ線路上空デッキの新設や、歩行者優先の駅前広場の再編に向けた取り組みを推進しておりまして、今後とも地元自治体とも連携し、歩きたくなるまち中の形成に向けた取り組みを進めていくこととしております。

○古城委員 今、答弁いただいた点に加えて、冊子の方を拝見をしておりますと、この今回の都市計画区域マスタープランには、駅やまちと一体となった段差のない地下道路やエレベーターの複数ルート、乗りかえルートの導入、多機能トイレやエレベーター、ホームドアなどの全駅への導入、外国人のためのサイン案内など、ユニバーサルデザインの視点に立ったなどとも方針が記されています。
 こうした、誰もが円滑に移動できる人に優しいまちづくりによって、先般の予算特別委員会でも、今年度における事業計画策定の方針が示されたところでありますけれども、誰もが利用しやすい機能的な新宿グランドターミナルへの再編に期待をしたいと思います。
 次に、外堀と玉川上水の位置づけについて質問をいたします。
 これまでも繰り返し申し上げてきたところでありますが、公明党は一九六七年、昭和四十二年、東京の未来構想、緑の森と噴水の中にそびえる高層都市大東京を発表いたしました。都民に健康と潤いと憩いを与える大森林地帯、森林公園の整備や、モノレール、高速道路が縦横に走る立体交通網の構築、公害の根絶などが盛り込まれた先見性豊かな政策提言であります。
 この構想に描かれた水と緑の回廊、快適な水環境の創出の実現に向けて、都議会公明党はこれまで、議会質問等を通じて、玉川上水を活用した外堀の浄化、日本橋川の水質改善を提言してまいりました。特に外堀は、長期戦略ビジョンに、水と緑を一層豊かにし、ゆとりと潤いのある東京として二〇四〇年代のイメージに描かれ、戦略に外堀浄化プロジェクトとして明確に打ち出されました。
 そこで、この外堀について、今回の都市計画区域マスタープランに改めて位置づけることの意義をお尋ねします。

○小野都市づくり政策部長 都市計画区域マスタープランは、都が広域的見地から定める都市計画の基本的な方針でありまして、区市町村の都市計画マスタープランや土地利用など具体の都市計画は、本マスタープランに即して定めることとなります。外堀の水質改善につきましては、庁内におけるさまざまな検討を進めたことを踏まえまして、昨年末、未来の東京戦略ビジョンに外堀浄化プロジェクトとして位置づけております。
 今回、法定計画である都市計画区域マスタープランにおいて、外堀の水質改善と景観形成について位置づけることにつきましては、水の都にふさわしい、まちに潤いを与える東京を実現するため、都市づくりの観点からも、地域の将来像として明確にしたものでございます。

○古城委員 大変大事な視点について答弁をいただいたと思います。
 外堀について、予算特別委員会に続いて質疑を重ねた三月の都市整備委員会でも申し上げましたけれども、佐藤東京都技監を先頭に、都市整備局の皆様のご尽力によって外堀浄化プロジェクトへと押し上げられ、さらに、今回、法定計画である都市計画区域マスタープランに位置づけられたこと、位置づけていただいたことにつきまして、敬意を表するものであります。
 さて、都技監、東京市土木読本については、お読みになられたことがございますでしょうか。--はい、済みません。恐れ入ります、ありがとうございます。この東京市土木読本というものは、一九三六年、昭和十一年四月に、東京市の土木事業常設委員会報告としてまとめられたものであります。私も読ませていただきましたけれども、この六七ページ以降に、第五節、濠池浄化施設事業として、玉川上水からの導水によって、外堀、内堀を浄化する事業が計画をされております。
 八十四年前に先人が玉川上水を活用した計画を立案しておられたということは、国都建設が国家の盛衰興亡にいかなる作用を持つかは、遠く三千余年の往古におけるバビロン文明の興廃が雄弁に物語っているとの当時の委員長の言葉に象徴されるように、都市計画に対する烈々たる情熱があったればこそだと学ばせていただいたところであります。そして、その情熱は、太田道灌の江戸城築造より、徳川家康公初め、江戸幕府から脈々と受け継がれているものだと信ずるものです。
 玉川上水は、皆様ご承知のとおり、江戸の城づくりである江戸総構えと外堀が竣工した後に、江戸城下の上水供給を目的として開削された水路です。多摩川から羽村で取水し、四谷大木戸までは開渠で、そこから江戸城までは暗渠で導水されました。また、外堀、内堀の維持用水や、その後に開削された多くの分水により、武蔵野台地の新田開発にも大きく寄与しています。さらに、その水の多くの池泉を養い、また地下に浸透して湧水、さらには中小河川の養水となり、水の都江戸東京の基盤となっておりました。
 現在では、今回の区域マスタープランにも示されているとおり、東京の景観構造の主要な骨格を形成する役割を担っているところであります。そこで、玉川上水の良好な景観や水と緑の保全の方針について、今回の都市計画区域マスタープランにおける位置づけをお尋ねします。

○小野都市づくり政策部長 ただいま理事から、玉川上水の歴史的なことについてお話がありましたけれども、東京の都市づくりにおいて、玉川上水を生かすことは重要な視点でございまして、広域的な連続性を持つ用水沿いの緑などを東京の緑の骨格として、計画的、重点的に保全しますとともに、公園や街路樹などとつなげ、水と緑のネットワークを充実していくことを環境に関する方針として今回位置づけております。
 また、都市景観に関する方針としましては、玉川上水については、江戸時代につくられました土木資産としての歴史的価値を持ち、その周辺地域に存在する社寺や、まとまった雑木林とともに地域のまちづくりの中で生かしていくことや、東京の景観構造の主要な骨格を形成している景観基本軸として、特色ある自然や地形を保全しますとともに、調和のとれた景観形成を推進していくことを位置づけております。

○古城委員 玉川上水につきましては、今回のこの都市計画区域マスタープランの主要な都市計画の決定の方針のうち、5としての環境、また、6としての都市景観に位置づけられているものであると理解をさせていただきました。であるならばですが、分水網についても同様に位置づけられるべきものであると、私自身は考えているところでございます。
 また、加えて、いざというときに緊急消防水利としての役割を期待する声もあります。市街地の延焼を遮断する効果から、4の災害、ここの方針にも類するものではないでしょうか。これらの点については、長期戦略の策定も踏まえ、今後の議論の推移を見守りたいと思います。
 最後に、意見を申し述べさせていただきます。
 繰り返しになりますが、玉川上水は、羽村から四谷大木戸まで、さらに外堀、神田川、日本橋川を経て、隅田川までの自然流下する区間五十三キロを玉川上水系とし、さらに、江戸時代後期には三十三設けられていた分水網、現在は八分水残っておりますけれども、これらや中小河川を含む区域を玉川上水域として一体的に捉える考えがあります。東京の水循環に資する大事な視点であると思います。
 東京都は平成十一年、水循環マスタープランを策定しました。これは平成二十七年が計画の目標として掲げられていましたが、改正されることなく、平成二十九年に発表された都市づくりのグランドデザインに引き継がれたことになっています。
 水循環については、今回のこの都市計画区域マスタープランと直接かかわるものではありませんけれども、この都市づくりのグランドデザインの一部にとどまるということでなしに、SDGsに基づく都市づくりの中の大事な取り組みであるということを付言しておきたいと思います。
 加えて、水循環に関する都の説明によれば、その後の水循環にかかわる施策については、平成二十九年に策定した都市づくりのグランドデザインに引き継ぎ、従来の治水、利水、水環境の施策に加え、水辺を楽しめる都市空間の創出などの、さまざまな取り組みを進めているとのことであります。この点からも、先ほど申し上げた玉川上水系、もしくは玉川上水域として捉えることは、水辺に顔を向けたまちづくりとしての日本橋周辺のまちづくりの機会を捉えた首都高速道路の地下化や、水辺のにぎわい創出にもつながると考えます。
 水と緑に囲まれ、環境と調和した都市の実現において、将来像として、水循環が本来あるべき健全な姿に再生されることにより、水の都である東京の魅力が一層高まっていきます。だからこそ、都市整備局の皆様のリーダーシップによって、関係局が連携して、外堀浄化プロジェクトを迅速かつ着実に進めていくことを改めて要望するとともに、今回の都市計画区域マスタープランを踏まえた具体的な個々の都市計画に大いに期待をしていると申し上げまして、質問を終わります。ありがとうございました。

○曽根委員 私からは、第二百三十回都市計画審議会に付議を予定されております東池袋一丁目開発計画についての質問を何点かさせていただきます。
 豊島区の池袋駅周辺は、この間に大きな開発プロジェクトが幾つも展開されまして、まちの様子はかなりドラスチックに変容してまいりました。その中で、豊島区役所とその周辺にあった豊島公会堂、生活プラザ館なども次々と姿を変えてきております。
 しかし一方で、区の主導による開発も、新たに区役所が移転した直近の地域--街並み再生地区といいますか、その地域を見ても、新しい区役所のビルが建っている傍らには、住民の反対で新たなビルと古いまち並みが混在したような状態も見られました。今回、東池袋の開発もまた区の主導によるものですが、国家戦略特区の都市再生プロジェクトに位置づけるということですが、今までより住宅が少なく、東京ガスなど企業の用地を取り込んでの開発計画になっているようです。
 そこで、まずお聞きしたいのは、本開発を国家戦略特区の都市再生プロジェクトに位置づけることによる規制緩和は、どのようなものになっているでしょうか。

○中山景観・プロジェクト担当部長 東池袋一丁目地区は、昨年五月に、国家戦略特別区域会議において都市再生プロジェクトへ位置づけられました。これにより、本地区の都市計画手続については、国家戦略特別区域法に基づき行うこととなりまして、国、都、豊島区などの関係者が国家戦略特別区域会議の下に設置された都市再生分科会にて審議等を行うことで、手続のワンストップ化により、迅速化を図ることができるものです。

○曽根委員 かなり手続上もワンストップというか、迅速化が図られるというふうに思いますが、その中で、二〇一五年からの都市再生緊急整備地域などの指定がされてから、これまでの池袋駅周辺においては、どのような大きな開発がされてきたのかお聞きします。

○中山景観・プロジェクト担当部長 平成二十七年の池袋駅周辺地域の都市再生緊急整備地域などの指定の後、例えば豊島区庁舎跡地では、民間の都市再生プロジェクトによりハレザ池袋の開発が行われ、国際的な文化情報発信、にぎわいの拠点形成に資するホール等が整備されております。
 また、区においては、本開発に隣接する中池袋公園の再整備とあわせ、一体的ににぎわいが形成されるよう、南池袋公園からハレザ池袋までをつなぐ南北区道の再整備などを進めております。

○曽根委員 私も先日現地を見てまいりましたが、かつて豊島区役所、そしてその裏側にありました小規模な公園や、豊島公会堂や、生活プラザ館などの姿は全く消え去って、新しいアニメなどの商業施設が入ってきておりましたが、この地域に暮らしていた従来の区民の暮らしを支えてきた、また公共施設などがどうなって、その機能はどこへ行ったのか、私にはよく見えませんでした。
 また、新区役所の周辺、開発反対ののぼりを立てて残っている古い住宅街もあり、これらの大規模な開発は、本当に区民の合意と理解を得ながら進めてきた開発なのかというふうな疑問を生じた次第です。
 これまでの池袋周辺の開発経過を踏まえて、この東池袋一丁目の開発にはどのように生かそうとしているんでしょうか。それをお聞きします。

○中山景観・プロジェクト担当部長 東池袋一丁目地区の開発計画では、国際アートカルチャー都市を形成するなどの上位計画や、これまでの池袋駅周辺の取り組みも踏まえ、都市再生への貢献を行うこととしております。
 具体的には、ハレザ池袋に近接する立地を生かし、多様なコンテンツを常時提供する文化体験施設やイベントホールを整備するとともに、計画地西側にハレザ池袋方面からの人の流れを受けとめるゲート広場の整備や、区が整備する南北区道につながる周辺道路の美装化等により、にぎわい軸の強化を図ることとしております。
 さらに、池袋駅と本計画地をつなぐ池袋駅前公園につきましても、魅力ある憩いの空間になるよう、再整備により、連続した緑豊かなプロムナードを創出してまいります。

○曽根委員 この地域は、戸建て住宅などは余り見当たらず、中小ビルがひしめいている、もしくは大企業の宿舎跡地などの場所というふうになっておりますが、その中でも、豊島区の区計審、都市計画審議会などの意見を見ましても、地元の町会長さん、町会の役員の方などが、地元の今まで守ってきたお祭りその他のコミュニティが今後どうなっていくのかと、この開発が本当に地元の方々にとって親しめるまちづくりになっていくのかということについての若干の懸念も表明されておりました。
 この地域は、そういう意味で、これからの開発の中で、私、二つの問題が生じる危険があると思っております。一つは、今の情勢から見て、オフィス中心の開発の抱えるという財政問題です。本計画の開発ビルはオフィス棟が中心で、住宅は計画していないわけですが、理由はどういうことなのか。また、オフィス床は何平方メートルにする計画なのかお聞きします。

○中山景観・プロジェクト担当部長 本計画では、上位計画や立地条件、権利者の意向、従前用途などを総合的に勘案した結果、文化体験施設等とあわせ、オフィスを整備することとしております。
 なお、整備するオフィスの床面積は、約十万五千平方メートルを予定しております。

○曽根委員 この十万五千平方メートルというのは、かなり大規模で、かつて秋葉原の開発の際にもITセンター、東京都がかかわってつくった大規模商業ビルの開発でも起こった問題ですが、かなり環境にも大きな影響があります。当然、温暖化ガスの発生もあるわけです。
 同時に、この地域には、既に区役所跡の開発ビル、ハレザのオフィスが建設されており、七月オープンというふうに聞いておりますが、このハレザのオフィス床面積は約四万平方メートルと聞いていますけれども、現在、七月オープンが危ぶまれるほどテナント入居が進んでいないというふうに聞きます。
 直近のエリアで、しかも明治通りを挟んですぐそばですから、しかも駅からさらに離れた東池袋一丁目地区のオフィス計画に、本当に入居見通しが十分あるのかどうか、この点についてはいかがでしょうか。

○中山景観・プロジェクト担当部長 本計画で整備するオフィスについては、十分な需要が見込めるものと事業者から聞いております。

○曽根委員 これまではそういうふうに、オフィスはつくったらつくった分だけ入居があるというふうにいわれてきましたが、最近やはり感染症の蔓延の問題もさることながら、この中で広がってきたテレワークなどによって、日経新聞などでも特集しておりますように、テレワークが一〇%ふえると、オフィス床に一五%のあきが出てくるというふうな分析もありまして、かなり今後のオフィスビルのあり方が危惧されているところです。
 もう一つ、オフィス床が、入居が進まないときに、もう悪夢のような話ですけれども、かつて臨海副都心の三セクビルが、東京都の責任でオフィス床を埋めるために、東京都の公共施設がかなり臨海に持っていかれて、青少年センターとかも、あんなところになくてもいいようなものまで、どんどんその中にぶち込んだということがありましたので、こういう臨海三セクの二の舞は絶対に許されないということを指摘しておきたいと思います。
 もう一つ心配な点として、幹線道路の交差点近く、環境問題があるにもかかわらず、環境アセスメントの対象になっていないということです。周辺地域への環境問題での影響はかなり大きいと思いますが、環境アセスの対象外であるということから、この点についてはどのように東京都としては考えているんでしょうか。

○中山景観・プロジェクト担当部長 本計画は、東京都環境影響評価条例の対象外でございますが、風環境や日影等の周辺地域への影響については適切に検証を行っております。例えば、風環境については、計画建物の建設後の影響に関するシミュレーションを行っており、高木等による防風植栽の対策を講じることなどにより、住宅地相当もしくは低中層市街地相当の環境が確保されております。
 計画建物による日影については、東京都日影による中高層建築物の高さの制限に関する条例に基づき確認したところ、基準に適合しております。また、騒音、振動についても、基準に適合していることや影響が軽微であることを確認しておりまして、電波障害についても適切な対策を講じることとしております。

○曽根委員 東京都の方もいろいろと調べているようですから、本来確認できる客観的なデータがあるのであれば、アセスの対象外とせずに、きちんと検証すべきであると思います。本来なら高さが百メートルを超え、この場合は百八十メートルぐらいありますが、床面積が十万平方メートルを超えるというような建物の場合、アセスの対象としてきたわけですが、緊急整備地域とか、急がれる開発だということでアセスから外すというやり方では、地元住民からのさまざまな意見が反映されず、開発が区民に理解されるのがおくれるという原因にもなってしまいます。
 今回の開発は、環境問題とともに、オフィス開発の行き詰まりの中で財政的にも大きな危険を抱えていることをやはり指摘せざるを得ません。規模と内容において、抜本的に再検討すべき開発であるということを申し上げて、質疑を終わります。

○中村委員 それでは、私からも、都市計画区域マスタープランについて質問します。
 今回改定される都の都市計画区域マスタープランは、都全体のまちづくりにとっても重要なプランであり、各市区町村のまちづくりに与える影響も大きいものがあります。建蔽率や容積率の権限については、都から市に権限が移りましたが、自治は必要だと思いますけれども、競い合って各市が過剰に緩和するならば、乱開発によって各駅前が高層ビルばかりになってしまい、周辺環境への影響が出たり、都全体で見ればバランスの悪い都市になってしまいます。
 都は、各市における建蔽率や容積率の設定を初めとするまちづくりに、どうかかわっていくのでしょうか。
 また、この都のマスタープランに即して、区市町村のマスタープランが策定されるということも書いてありますが、この各市区町村に意見を聞くのは当然ですが、影響が大きいだけに、各区域の意見だけではなくて、都の方針全体に対しても意見を聞くべきであると思いますが、どのように意見を聞き、反映させたのかを伺います。

○小野都市づくり政策部長 都市計画区域マスタープランは、都が広域的観点から定める都市計画の基本的な方針でございまして、区市町村の都市計画マスタープランや土地利用、都市施設の整備、市街地開発事業などの具体の都市計画は、本マスタープランに即して定めることとなります。
 このため、本マスタープランの取りまとめに当たっては、区市町村に対します説明会の開催や数回にわたる意見聴取などにより、十分な協議、調整を重ねてきたところでございます。また今後、都市計画審議会の付議に際しまして、改めて法に基づく区市町村への意見照会を行うこととなっております。
 なお、各市におけます建蔽率、容積率につきましては、都市づくりのグランドデザインを踏まえまして、東京都都市計画審議会から答申されました東京における土地利用に関する基本方針に基づき、東京都全域を対象としました用途地域等に関する指定方針及び指定基準を昨年十月に策定し、統一的な運用を図っていくこととしております。

○中村委員 ぜひ策定に当たっては、各区市町村ともよく意見交換等していただければと思います。
 さて、今のこの新型コロナウイルス感染症の影響というのは、まちづくりにどのような影響を与えるのでしょうか。直接的には、今、財源の問題もあり、都市開発がおくれるのではないかと懸念もしております。また、集約型の地域構造を目指すわけですけれども、このコロナウイルスによって、密集に対する警鐘を鳴らされたのではないかと思っています。
 今回の都市計画区域マスタープランでは、AIやIoTなどの最先端の情報通信技術の活用が盛り込まれております。テレワークなど、これまでできないことが可能になる中、郊外に広い家に住むことも可能になるなど、まちづくりを考え直す機会にもすべきかと思います。
 このコロナウイルスが与えた社会への大きな衝撃は、まちづくりへの考え方も変えなければならない部分も出てくるかと思います。知事も、コロナによる社会の構造改革を行うといっておりますが、この新型コロナウイルス後のまちづくりはどう変わっていくのか、また変えるべきなのか、見解を伺いたいと思います。

○小野都市づくり政策部長 都市づくりのグランドデザインでは二〇四〇年代の都市像を描いており、技術革新の進展も踏まえ、多様なライフタイルなどにも対応できる都市を目指しております。
 例えば、情報通信技術などを活用しながら、鉄道交通の混雑緩和、価値観の多様化への対応やライフワークバランスの実現に資する環境整備、屋外の開放空間を拡充することにも資する新たな緑の創出等の取り組みを推進していくこととしております。
 今般の感染症拡大に伴いますテレワークの普及などの行動様式の変容は、こうした都市づくりの方向性と軌を一にするものと認識しております。このような取り組みを進めながら、感染症拡大の防止と経済成長を両立することで、東京の持続的な発展を支える都市づくりを推進していくことが重要であると考えております。

○中村委員 また、これまでには類を見ない少子高齢化や、さらに人口減少社会があります。コロナの問題で密集への危機感はありますけれども、全体としてこの集約型の地域構造への再編ということになるかと思いますが、いわゆるこのことによって、郊外の公共施設の整備改修費の負担の削減であったりとか、高齢者の集住による医療、介護、移動などの問題解決につながるなど期待できるところもあります。今後、最も大きな問題であり、人口構成の変化は都市そのもののあり方を変えると考えます。
 今回の都市計画区域マスタープランにおいて、少子高齢化、人口減少社会への対応をどのように改善を図るのか伺います。

○小野都市づくり政策部長 今回の都市計画区域マスタープランでは、今後、少子高齢化や人口減少が進行する中におきましても、都市経営コストの効率化を図り、身近な地域で、誰もが活動しやすく快適に暮らすことができる環境を実現することが必要でございまして、そのため、集約型の地域構造への再編に向け、取り組みを推進していくこととしております。
 具体的には、おおむね環状第七号線の外側の地域におきまして、主要な駅周辺や身近な中心地に生活に必要な機能を集積させ、その徒歩圏に住宅市街地を誘導し、歩いて暮らすことができるまちへの再編、再構築を図っていくこと、また、駅や中心地から離れた地域では、緑豊かな良質な環境を形成することを目指すものでございます。

○中村委員 次に、住宅についても質問します。
 高齢化、国際化に的確に対応するためにも、量的拡大から質の向上へ住宅政策を転換するとあります。もともと日本、とりわけ東京は地価が高く密度も高いことから、狭小な住宅に多くの人が暮らしてきました。地価が高いがゆえに、生活費の多くを住宅費が占めると経済的な格差が直接的に住める住宅を限られたものにしてしまいます。
 新型コロナウイルスで、多くの人が家に閉じこもっていた中で、快適な住空間については、多くの人がこれまで以上に感じたんだと思います。今回、質の向上への転換ということですが、どのような方向に転換していくのか、見解を伺います。

○小野都市づくり政策部長 これまで、職住近接などを図るため、センター・コア・エリアにおける都心居住を推進してまいりました。今回の都市計画区域マスタープランでは、中枢広域拠点域において、人口の推移や住宅ストックの形成状況、都心の利便性を生かしたさまざまな居住ニーズを踏まえながら、高齢化や国際化等に的確に対応するため、これまでの量的拡大から質の向上へ、住宅政策を転換することとして位置づけております。
 このほかの地域区分では、高度成長期に建設された大規模団地などでは、更新に伴い、地域の課題に対応した子育て支援や高齢者福祉などの機能導入や、バリアフリー化などが進み、安全・安心な質の高いまちが実現することを目指していくとしております。
 さらに、価値観の多様化への対応やライフワークバランスの実現に資するよう、地域の拠点や生活の中心地を取り巻く住宅市街地では、空き家の活用や、高経年マンションの再生が進むなど、良好な居住環境の形成を目指していくこととしております。

○中村委員 先ほど、豊かな良質な環境形成を図るということも答弁ではありましたけれども、災害に備えるということもあるんですが、農地や緑地、崖地や斜面地の規制などを強化して、開発を抑えるということも大事ではないかと思います。先ほどの陳情でも、特に崖地、斜面地については、なるべく抑制した方がいいのではないかという話をさせていただきました。
 また、新型コロナウイルスの関係で自粛した人、外出自粛ということで、家にいることが多かったんですけど、やはりずっとそうでもないわけですから、公園に集まれば、またその公園が混んでしまうということになってしまいます。本来ならば、そういう都市にある公園というのは、整備が十分進んでいれば、そこでゆっくり過ごせるぐらいの面積が必要なんですけれども、そこが密になってしまったということです。
 今後、都市の集約化が進めば、これ以上今ある緑地を減らすということはないと思うんですが、見解を伺います。

○小野都市づくり政策部長 今回の都市計画区域マスタープランでは、都市の緑の重要性を東京の都市構造に位置づけ、丘陵地や河川、崖線、公園、緑地などと一体となった、厚みとつながりのある緑を充実していくとともに、都内全域で緑の量的な底上げと質の向上を図っていくこととしております。
 さらに、都市機能を誘導する区域における開発に合わせ、居住機能を誘導する区域内の空き地を有効活用し緑に転換するなど、緑の保全、創出を図っていくこととしております。

○中村委員 空き家の問題などもあるわけですから、一方では空き家があって、一方では緑地をなくしてしまうというのも矛盾がありますから、今ある緑地というのは本当に残していっていただいて、むしろ緑地をふやすぐらいの取り組みをしていただきたいと思います。
 また、災害の対策ということで、災害に強いまちづくりということがあるわけですけれども、とりわけ、近年の都市型集中豪雨の問題もありますので、東部低地帯のゼロメートル地帯についての問題もあります。
 二百五十万人もの方が避難するということがいわれていますが、十分、今、有効な対策がとられているというわけではありません。良好な住環境の整備ということで、日照権や景観の問題もあるので、個人的には余り高層住宅化がいいということではないとは思っているんですが、こういう低地帯に関しては、人がそこに住み続けるためには、高層住宅化を促進して、浸水する場合の垂直避難を可能にするというのは有効な解決方法の一つともいえるかと思います。
 こうした浸水に対応したまちづくりについての見解を伺います。

○小野都市づくり政策部長 今回の都市計画区域マスタープランでは、特に東京東部の海水面よりも低い地域の広大な市街地、いわゆる広域ゼロメートル市街地において、気候変動によって高まる大規模水害リスクに備えて、地域の実情に応じた効果的な対策を講じ、浸水に対応したまちづくりを進めていくことを主要な都市計画の決定の方針として位置づけております。
 具体的には、低地部において、かさ上げした公園や公共施設、住居の整備を行うなど、市街地整備の面からも浸水対策を促進することや、国などにおける検討等を踏まえ、都市開発諸制度などの活用による浸水対策についても検討することとしております。

○中村委員 都市づくりにおいては、本当に快適に暮らすことも大事なんですが、何よりも安全に暮らしていけるということが大事かと思っています。災害に関しては、想定外ということもよく言葉としては使われますけれども、そもそも想定されている災害そのものにも、じゃあ十分対応できているかというと、まだまだではないかと思っています。
 いつ来るかわからない災害に対して、まちづくりの中でしっかりと対応して、都民が安心して暮らせるまちづくりを目指していただくことをご要望いたしまして、質問を終わります。

○奥澤委員 二問用意していたんですけれども、一問目については、既に重複がありましたので割愛させていただきたいと思います。意見だけ述べさせていただきたいと思います。
 今回、この都市計画区域のマスタープランを見させていただいたり、あるいはグランドデザイン、あるいは未来の東京戦略ビジョンなんかをずっとこう改めて読み返していきますと、キーワードは何なんだろうかというふうに考えると、選ばれるということなんだと思います。
 選ばれるというふうにひとえにいっても、じゃあ誰から選ばれるのか、都民から選ばれるという発想なのか、それとも地方、日本の中の地方なのか、あるいは世界から選ばれるのか。それがビジネスなのか、観光なのか、生活なのかと掘り下げていくと切りがないのかなと思うんですけれども、その選ぶ基準が今、新型コロナによって大きく変わっているということが一番の大きなポイントなんだと思います。
 ぜひ、そういった社会情勢というものにしっかりとアンテナを張って、今後の具体化を図っていく。都市づくりの具体化に当たっては、このマスタープランを見ながら、あるいはグランドデザインを見ながら関係者と掘り下げていくんだと思いますので、そのときに、そういった視点をぜひ持って取り組んでいただきたいということをまず述べた上で、選ばれるというのを考えたときに、同じようなまちがたくさんあっても、誰もどこも選ばないというのが今の社会情勢なんだと思います。やっぱり特徴のあるところを選んで、そこの価値観に合う方々がそこに住んでくる。あるいは観光で訪れる、そこで仕事をしたいというふうになってくるんだと思っています。
 そういった意味で、臨海部の開発、今、東京ベイエリアビジョンの策定に向けた作業が進んでいると思いますけれども、今、民間との官民連携のワーキンググループなんかもやって、かなりアイデアが、なかなか行政目線の発想では出てこないような発想もたくさん出ているなと思って、私自身は楽しみにしているんですけれども、そういった作業段階の部分がどのようにここには反映されているのか、あるいは今後必要に応じて反映をさせていく、あるいは修正させていく、そういったことが必要なんじゃないかと考えますけれども、見解をお伺いしたいと思います。

○小野都市づくり政策部長 都市計画区域マスタープランは、未来の東京戦略ビジョンや都市づくりのグランドデザインなどを踏まえ、東京全域に関する都市計画の上位の法定計画として、都市づくりの基本的な方針を定めるものでございます。
 一方、東京ベイエリアビジョンにつきましては、臨海地域という特定のエリアにおける将来像や、成長戦略につながる方策などを提示するものでございまして、こちらも戦略ビジョンやグランドデザイン、また、今回の都市計画区域マスタープランで示す大きな方向性と整合を図りながら検討を行っているところでございます。

○奥澤委員 今のお話を聞くと、決して方向性がぶれているようなものではないし、包括しているということで、今出てきているようなアイデア、あるいはこうエッジのきいているような部分をふたをしてしまうような、そういったものではないんだよということが確認できたのかなというふうに思います。
 最後に、意見ですけれども、諸外国の都市計画、あるいはこういうマスタープランを策定していくとかいうところを研究していくと、海外の目線というのを大変取り入れているところ、以前も都市整備委員会の中でお話ししたかもしれないですけれども、シンガポールに行ったときにも、中国に行ったときにも、海外の有識者の意見を聞いているというところがあります。
 東京というのは、世界からどう選ばれるかという視点を絶対忘れてはいけないと思いますので、常に、世界に目を広げてほしい。そして、その世界にいる有識者の方々がどういう目線で東京を見ているのかということをぜひ大事にしていただいて、今後も取り組んでいただきたいということを申し上げまして、私からは質問を終わります。

○馬場委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、ご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○馬場委員長 異議なしと認め、第二百三十回東京都都市計画審議会付議予定案件についてに対する質疑は終了いたしました。
 以上で都市整備局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時二分散会

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