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Tokyo Metropolitan Assembly

都市整備委員会速記録第八号

平成二十六年九月二十九日(月曜日)
第六委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長斉藤あつし君
副委員長神林  茂君
副委員長大島よしえ君
理事加藤 雅之君
理事秋田 一郎君
理事立石 晴康君
石川 良一君
白石たみお君
島崎 義司君
吉倉 正美君
中山 信行君
木村 基成君
北久保眞道君
尾崎 大介君

欠席委員 なし

出席説明員
都市整備局局長技監兼務安井 順一君
次長浅川 英夫君
技監佐野 克彦君
理事櫻井  務君
理事西倉 鉄也君
総務部長細渕 順一君
都市づくり政策部長上野 雄一君
住宅政策推進部長今村 保雄君
都市基盤部長佐藤 伸朗君
市街地整備部長鈴木 昭利君
市街地建築部長久保田浩二君
都営住宅経営部長永島 恵子君
基地対策部長筧   直君
企画担当部長福田  至君
連絡調整担当部長黒川  亨君
景観・プロジェクト担当部長小野 幹雄君
まちづくり推進担当部長佐藤  匡君
住宅政策担当部長加藤  永君
民間住宅施策推進担当部長山崎 弘人君
航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務山下 幸俊君
防災都市づくり担当部長佐々木 健君
多摩ニュータウン事業担当部長太田 誠一君
耐震化推進担当部長佐藤 千佳君
経営改革担当部長臼井 郁夫君
再編利活用推進担当部長建設推進担当部長兼務五嶋 智洋君
営繕担当部長青柳 一彦君
横田基地共用化推進担当部長交通政策担当部長兼務牧野 和宏君

本日の会議に付した事件
陳情の取り下げについて
都市整備局関係
付託議案の審査(説明・質疑)
・議員提出議案第十三号 東京都木造住宅耐震改修促進補助条例
付託議案の審査(決定)
・議員提出議案第十三号 東京都木造住宅耐震改修促進補助条例
請願陳情の継続審査について
特定事件の継続調査について

○斉藤委員長 ただいまから都市整備委員会を開会いたします。
 初めに、陳情の取り下げについて申し上げます。
 お手元配布のとおり、二六第四号及び二六第五号、(仮称)江東区東陽二丁目計画に関する陳情並びに二六第六号、「(仮称)江東区東陽二丁目計画」における南陽幼稚園の日影問題に関する陳情につきましては、議長から取り下げを許可した旨の通知がありました。ご了承願います。

○斉藤委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、都市整備局関係の付託議案の審査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。
 これより都市整備局関係に入ります。
 これより付託議案の審査を行います。
 議員提出議案第十三号を議題といたします。
 本案について提出者の説明を求めます。

○白石委員 ただいま議題となりました議員提出議案第十三号、東京都木造住宅耐震改修促進補助条例につきまして、提案理由を説明させていただきます。
 都の東京湾北部地震の被害想定では、倒壊死が最大で六千九百二十七人、死因の九割を占め、揺れや液状化などによる全壊棟数は十一万六千二百二十四棟に上ります。
 建物倒壊を防ぐことは、首都直下地震の防災対策として最も重要な課題の一つです。国がことし三月閣議決定した首都直下地震緊急対策推進基本計画では、住宅の耐震化率を一○○%にすれば、全壊棟数と死者数を約九割減らせることを明らかにしました。耐震化と火災対策を緊急対策と位置づけ、膨大な被害量をできる限り減少させるため、あらゆる対策の大前提として、国、地方公共団体などは、建築物の耐震化の取り組みを強力に推進するとしました。
 都の耐震改修促進計画では、二〇〇八年度の推計値で、耐震性が不十分な住宅は都内全域で百十五万七千戸あり、耐震化率は八一・二%です。中でも木造戸建て住宅では六八・六%、木造共同住宅で七○・二%と、大変低い水準となっております。二〇二〇年度末までに、目標となっている九五%の住宅耐震化を実現するためには、膨大な数の木造住宅の耐震化が必要です。
 現在、都は、要綱で木造密集地域の中に整備地域を指定して、さらに、その地域の中の六メートル以下の道路に面した木造住宅に限って、住宅耐震化の助成を行っています。整備地域として位置づけた面積は七千ヘクタールとなっております。これは、二十三区全域の面積のわずか一割程度という非常に狭いエリアしか助成の対象になっておらず、多摩地域は一切対象になっていません。
 地域限定は、改修助成件数をふやす上で大きな足かせとなっています。耐震助成制度のある道府県で、助成対象地域を限定しているのは東京都だけとなっております。その結果、二〇〇六年度の制度創設以来、二〇一二年度までの七年間の都の実績は七百二十三件にしかすぎません。我が党都議団の調査でも、二十三区中十七区が助成地域の対象の拡大を求めています。
 東日本大震災以前の二〇〇八年十二月に都が行った建物の耐震化に関する世論調査では、住宅の耐震化を進めるために行政がどのようなことに取り組むべきと思うかの問いに、耐震診断、耐震改修に対する助成制度の充実が四四%でトップでした。
 二〇一三年度、内閣府が行った防災に関する世論調査で、耐震補強工事の実施意向を聞いたところ、耐震補強工事の実施予定がないという答えが最も多い四八・一%でした。その理由のトップに挙げられていたのが、お金がかかるからというのが四三・五%で、第二位の必要性を実感できないからの二二・八%のほぼ二倍となっています。自己負担軽減につながる助成拡充は、耐震改修の促進につながるものと考えます。
 災害対策基本法は、都道府県の責務として、当該都道府県の住民の生命、身体及び財産を守るため、防災に関する計画を策定することなどを定めています。知事は公約で、世界一安全・安心な都市の実現を掲げ、予算特別委員会でも、首都東京の防災性を高めるため、住宅の耐震化に取り組み、災害への備えに万全を期すと答えています。
 世界一安全・安心な都市の実現のためにも、災害への備えに万全を期すためにも、旧耐震の木造住宅の耐震化の抜本的な促進を期して、この条例案では、一、助成対象地域を限定せず、都内全域を対象とします。二、建物所有者の自己負担を軽減するため、財政力の弱い多摩地域にも配慮しながら、国の交付金を活用し、都の耐震改修助成を上限百五十万円に増額します。高齢者や障害者など災害弱者には助成を上乗せし、上限額を百八十万円とします。三、いざというときに避難する時間を確保し、命を守るために、簡易改修も対象にします。
 こうした取り組みは、震災で膨大な数の住宅が倒壊した場合の応急仮設住宅と生活支援などの諸費用を考えると、長期的に見れば、都財政の大きな節約となります。
 条例案文につきましては、お手元に配布のとおりです。委員の皆さんの賛同を求め、提案理由の説明といたします。ご審議のほどよろしくお願いいたします。

○斉藤委員長 説明は終わりました。
 これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○神林委員 冒頭、御嶽山の噴火が今なお続いております。亡くなられた方には心からご冥福を申し上げると同時に、今、救済を求めている多くの方々には、一日も早いその救助の手が差し伸べられることを、まずもってご祈念させていただく次第でございます。
 さて、今の提案に対しまして、私どもの方で何問か質問させていただくわけでございますが、基本的に都の行う予算ですとか事業に、はなから反対されている共産党さんでございますので、幾ら質問しても全くかみ合わないで不毛の議論になる部分が大変多いわけでございますけれども、肝心な、その最も最たるものである予算の件、それからやはり施策の優先順位、こういうものについて数点伺わさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 昨年の厚生委員会で共産党から保育所建設用地取得費補助条例の提案があった際、予算に伴う条例の提案について、我が党から質疑を行いました。共産党さんからは、地方自治法第百十二条を根拠に、予算以外の全ての事項は、議員は議案を提出する権利があるという主張でございました。これに対し、我が党は、地方自治法第二百二十二条の規定に対する行政実例の趣旨から、予算を伴う条例案を提出する場合には、予算上の措置が的確に講ぜられるという観点で、きちんと執行機関と事前調整を図る必要性があることについて意見を述べたところでございます。これは、責任ある政党として当然のことであり、予算の見込みの立つものを提案すべきでございます。
 そこで、最初に共産党さんにお伺いいたしますが、共産党から出された今回の条例案による都の負担額の試算は、総額千三百七十億円ということですが、平成二十七年度の予算額は幾ら必要になるのかお伺いいたします。

○大島委員 お答えいたします。
 財源の見込みの問題かと思いますが、私たちは、東京都の耐震改修促進計画が掲げる二〇二〇年度末までに九五%の住宅を耐震化するという立場から、多目に見積もったものです。この件について、実際にはその時々の都内の耐震改修の動向なども勘案して、年度ごとの予算額については決定していくものと考えております。
 条例案にありますように、その執行に当たっては予算の範囲内で行ってまいります。耐震改修の動向をにらみながら、財政全体を工夫したり見直ししたりして財源を生み出すことは可能ですし、必要なら予算の組み替え提案も行っていく所存です。

○神林委員 我々責任政党から考えますと、財源もしっかりしない部分で、非常にその都度その都度のね--例えば事業を進めるときには、しっかり、どのぐらいの規模の、何件ぐらいの効果が出て、あるいはどのぐらいの予算がかかるかって、当たり前のこととして、それは見積もるんですよ。でも、何か今、お話聞いていますと、何も具体的なものがそこに出ていないんですよ。
 だからもっと、逆に詳しく聞けば、じゃ一体その予算はどこから出てくるんですかと、どこから持ってくるんですかと、それについてお答えください。

○大島委員 予算をどこから捻出できるのかということですが、一定規模の予算が求められるものであっても、必要とあれば大胆な財政投入は時には必要だと考えます。
 都は一昨年、河川堤防や水門などを首都直下地震に耐えられるものにするために、二〇二二年までに耐震化を完了する計画をつくりましたが、その予算は全体で三千八百億円、そのうち都の負担分はその半分の一千九百億円と見込まれています。住宅の耐震改修についても、その緊急性、重要性を鑑みて、思い切った財源措置を行うべきではないでしょうか。
 また、この間、東京都が予算化しております木造住宅耐震化のための助成制度につきましては、平成二十四年度の決算資料によりますと、予算規模に対しまして執行率は一四・六%ということで、実際にはなかなか進んでいないということもあると思います。思い切って進めるべきだという立場から、今回提案をしたものです。

○神林委員 残念ながら、私のいった質問に十分答えていないんですよ。どこからお金を持ってきて、そのお金を捻出するんですかということですね。
 それからもう一つは、東京都の予算の中で、余ったお金なんていうのは一円もないんですよ。全部都民の貴重な税金なんですよ。だから余剰のお金なんてないんですよ。もし余剰のお金が出るんだったら、それはもっと検討して、ほかの施策に使うとか、もっと有効利用、活用すべきなんですよ。だから、都民の税金であるからこそ、余ったお金なんて一円もないんです。
 その中で、東京都は緊急性の高いものをしっかり事業として打ち出しているんですよ。その中でどうやってこのお金を出すんですかと、それをお聞きしているわけです。

○大島委員 国の被害想定では、東京における全壊戸数は十万五千棟とされています。住宅の耐震状況を現状のままにしておけば、応急仮設住宅や復興住宅、土地代などの費用も含めれば、復興のための公的負担は一兆円、二兆円という大変莫大なものになると考えております。
 東京都の今現在の予算額を見てみましても、およそ五億円程度の予算現額に対して三億六千万円程度の不用額が出ております。この耐震化の問題をさらに進めるためにも、こうしたお金を有効に利用することは可能だと思います。

○神林委員 さっき私の質問の中でいったと思いますよ。余ったお金、一円もないんですよ。だってみんな都民の税金ですよ。貴重ですよ。だからそんな余ったお金なんていい方自体がまずいけないのと、現実的にどこからどのぐらいのお金を持ってくるかという答弁が、全然今のところないんです。不毛の議論になりますから、余り何度も何度もいったりはしたくないんですけど、その点だけ答えてくださいよ、まず。

○大島委員 先ほどから同じ答弁で申しわけないんですけれども、私たちにとっては、やっぱりこの耐震化というのが、今の段階では非常に必要だというふうに思っておりますので、東京都全体の予算の中で、例えば河川堤防や水門などの耐震化のためのお金とか、その他のお金の中でやりくりをすることは十分可能だというふうに思っております。ましてや不用額という形で--余らせていない、ほかに使っているというお話ですけれども、実際に木造住宅の耐震化のための助成制度として組み込まれた財源につきましては、これを一○○%執行できるような形で捻出していくことは可能だというふうに考えております。

○神林委員 これ以上、この部分で余り押し問答しても全然進まないとは思うんですけれども、若干ちょっと、質問だけ、少し観点変えますね。
 共産党さんの資料によりますと、年度ごとの予算額については、その時々の都内の耐震改修の動向に合わせて計上し、予算の範囲内で執行するとあります。それで果たしてどれほどの効果が見込まれるのかなと。今度は効果の部分ですね。この部分についてはどう考えていますでしょうか。

○大島委員 私たちが一番に考えておりますのは、都民の生命、身体そして財産を守ることにあるというふうに考えております。今、首都直下型の地震が起きた場合、ワーキンググループの試算によりますと、一万一千人の方たちが建物の倒壊によって亡くなるという予想も出ております。これを一○○%にすれば九割減らせるというのが出されております。
 そういった意味で、こうした中から耐震化のためにその予算を割くということは、十分に可能であるというふうに考えております。

○神林委員 もう本当に水かけ論になっちゃうのかもしれませんけど、予算もはっきり確定できないんですよ。それで、どのぐらいそれが実現するかもわからないんですよ。そういう中で、本当に効果出せるんですか。今、東京都では、本当に緊急性の高い事業を一つずつ、都市整備中心に計画してやっているわけですよ。それが最優先ですよ。やっぱり東京都の役割分担のこともありますしね。
 その中で、こんなにお金もはっきりどれぐらい出せるかもわからない、それから、耐震化だってどの程度やれるか、全くわからないと。こんな膨大なお金の予算を一応計画してやれるかといったら、全然実効性上がりませんよ、残念ながらね。
 私たちは、少なくとも責任与党の立場ですから、そういうふうにしっかりとした財源をもって担保して、そしてどのぐらいの効果が上がるかということを、やはりしっかり確認できない限りは、全くこの案には乗れないということに、残念ながらなります。一応、それが今までの答えでございます。
 余り、その辺は少し集約してありますので、意見をまとめて読ませていただきます。
 これほどの予算額をどこから持ってくるつもりなのか。また、こうしたばらまき政策によって、一体どれほどの効果が見込まれるのか。これまでも共産党は、特定整備路線や外環など、不要な大規模開発をやめて、それを充てればよいという主張をしておりますが、都が実施しているこうした事業は、防災上優先度が高いなど、公共的な観点から計画的に実施しているものでございます。
 道路などの基盤整備は防災性を向上させ、真に都民ひいては国民の安全・安心を守ることにつながるものでございます。都が優先して取り組むべき事業を中止して、あるいは予算が余ったからといって、それを他へ回せばよいという話ではございません。すなわち、この条例案は、財源の裏づけすら調整できていない、実現性の乏しい提案であるといえると思います。
 都民一人一人の生命と財産を守るというのが都の責務であることは、いうまでもございません。問題は、限られた財源の中で多くの生命と財産を守るため、耐震化をどのように実現すべきか、どうすれば都民に公平、公正だという理解が得られるのかだというふうにも思っております。さきの予算特別委員会で知事もいいましたとおり、お金が天から降ってくれば誰も苦労しないんです。何でもできるわけでございます。そういう意味合いがまさにあろうかと思います。
 我が党は、先日の代表質問でも、首都東京の特性を踏まえた効果的な施策を進めるべきであり、オリンピック・パラリンピック開催に向け、首都東京の防災都市づくりに万全を期すことが必要だと質問をいたしました。知事も改めて答弁したように、東京は日本の首都としてあらゆる機能が高度に集積し、一たび大地震が発生した場合の影響は東京だけにとどまらない、世界一安心・安全な都市実現のためには、こうした首都の特性を十分踏まえ、国や区市町村との適切な役割分担のもと、都は効果的な施策を重点的、集中的に取り組むのが必要であると考えております。
 そこで、理事者の方にお伺いいたします。
 都の防災都市づくりの基本的な考え方について改めて見解を伺います。

○安井都市整備局長 都の防災都市づくりの基本的な考え方についてのご質問がございました。
 代表質問での都議会自民党からの、知事からご答弁差し上げた、そういった点も踏まえまして、何点かお答え申し上げます。
 まず第一に、世界有数の大都市である首都東京の特性を十分勘案して政策を進める必要があるということでございます。東京の人口は一千三百万人を超えまして、昼間働く人を含めますと、一千五百万人以上ともいわれている世界有数の大都市でございます。また、日本の首都として、政治、経済、行政の中枢機能が集積しておりまして、東京は極めて重要な役割を果たしているわけでございます。
 したがいまして、都の防災都市づくりには、都民や東京に集う人々の生命と財産を守ることは、これは当然のことながら、首都東京の維持を守るという強い決意が必要でございます。
 第二でございますけれども、防災都市づくりの効果をより発揮させていくために、自助、共助、そして公助がそれぞれ相まって機能しなければならないということでございます。都が自助、共助、公助の必要性を述べることに対しまして、建物所有者に責任を丸投げしているだとか、責任を果たしていないという批判の声もございます。しかし、都といたしましては、いつ来るかわからない大地震の被害をゼロにすることはできない、これを前提に考えなきゃいけないというふうに考えております。
 その上で、地震発生時におけます被害を最小限に抑えるためには、一人一人の都民や事業者を含めた社会全体での取り組みは不可欠でございます。先月、ある新聞社が主催したシンポジウムの場で、京都大学防災研究所の林教授が述べているお話をちょっとご紹介いたしますと、建物の中で亡くなる場合、あおむけで胸を圧迫されるケースが多い、たんすの固定などで胸を押し潰されない工夫をすれば、犠牲者を大きく減らすことができるというようなことになってございます。
 それゆえに、東京都震災対策条例では都民の責務という項目を設けまして、建物の耐震性及び耐火性の確保、家具の転倒防止、出火の防止などを定めているわけでございます。都民一人一人も、自分の安全の確保は当然でございますけれども、同時に、お互いに協力し合いながら、都民全体の生命、身体、財産の安全の確保に努めなければならないという趣旨でございます。
 これを受けまして、都市整備局も耐震キャンペーンや相談窓口におけます普及啓発、安価で信頼できる耐震改修工法の紹介、信頼できる耐震診断事務所の登録、公表など、建物所有者の意識を高めまして、耐震化に取り組みやすい環境を整備しており、これも都の担う公助の一つでございます。
 第三でございますけれども、税金を原資とする貴重な財源は、広域自治体である都のハード面の公助といたしましては、整備地域を対象に集中的、重点的につぎ込む必要があるということでございます。地震による被害は、出火による被害が非常に多くなると見られてございます。また、建築物の耐火性が高いJR山手線の内側より、外側の木造の住宅が密集する市街地で大規模な火災が予想されております。
 その中でも、都が基礎的自治体の意見を踏まえた上で指定しております約七千ヘクタールの整備地域は、特に老朽木造建築物の密度が極めて高く、建物の倒壊危険度や火災危険度も高くなってございます。避難、救急救援活動には心もとない四メーター未満の細街路も多く、こうした地域に、恐らくは都心部に職場を持つであろう多くの人々、区部人口の約二割が、百八十万人程度でございますけれども、住まわれております。
 防災都市づくりに関する多くの課題の中で、まずはこの地域を倒れない、火災が燃え広がらないまちにつくりかえていくことこそが、緊急輸送道路沿道の建築物の耐震化とともに、大規模な延焼や救急救援活動が妨げられることによります二次災害を防止しまして、東京全体の防災力を強化する上で重要だと考えてございます。これにより、結果といたしまして、より多くの都民の生命や財産を守ることになりますし、広域自治体として公的助成を行う必要があるのは、ここでございます。
 第四に、こうした公助は都のみが全てを担うものではございません。国や基礎的自治体による公助と適切な役割分担のもと、それぞれの公が優先順位を明らかにして、そして連携を密にしながら実施することで、施策の効果を最大限に発揮させることができます。区市町村が地域の実情に即しまして公的助成を行っているのは、都も承知してございます。これも大変有意義な取り組みでございます。
 ただ、基礎的自治体のそうした取り組みが可能となるのは、広域自治体である都が国と連携いたしまして、東京全体から見て、防災上特に脆弱だと見られる市街地を対象に、重点的、集中的に、しかも特段の支援を行いながら防災都市づくりを展開しているからにほかならないということだと思います。
 引き続き、自助、共助、公助の全ての力を結集して、大規模地震に立ち向かっていくことのできる社会の仕組みの構築を目指すとともに、広域的な自治体として都の役割を的確に果たし、都民の生命、財産はもとより、首都機能の維持を図ることのできる防災都市づくりを推進してまいります。

○神林委員 今、局長の答弁にありましたとおり、責務と役割分担というお話が非常に強調されていたと思います。やはり東京都は広域自治体として、しっかりと担うべき責務と役割を全うして果たして、そして一日も早く都民の生命と財産を守っていただきたいと、こういうふうに強く感じました。よろしくお願いいたします。
 首都直下地震に備え、脆弱な市街地を改善し、将来にわたって安全・安心なまちを残すという観点から、建築物の不燃化、耐震化とあわせて、特定整備路線の整備やまちづくりも重要でございます。木造住宅についてのみ、立地する地域の危険性などにかかわりなく単に補助金をばらまくという仕組みは、公平性、公正性を欠き、到底都民の理解を得ることができません。大地震に備え、まず何よりも優先してやらなければならない特定整備路線の整備や緊急輸送道路沿道の建築物の耐震化などの取り組みを、都が責任を持って強力に推進し、早期に安全・安心な都市東京を実現することが不可欠でございます。
 よって、我が党は責任与党として、今回の共産党提案の条例案に反対を表明し、質問を終わります。

○吉倉委員 私からも、共産党提出の条例案について何点か質疑をさせていただきます。
 この条例案は、都民の生命と身体及び財産を保護するために、都内全域を対象として、対象地域を限定せずに、昭和五十六年五月三十一日以前、旧耐震基準で建築された木造住宅、戸建て共同住宅の全てに助成せよと、こういうものであります。また、建てかえや除却も対象とするというものであります。
 これをそのまま読みますと、東京の震災、防災対策に極めて熱心に取り組んでいる共産党の姿を演出したい、こういう思いがにじみ出ている条例案であります。しかし、これは全く非現実的であり、東京の防災力の向上に著しく逆行するものであります。
 以下、具体的に共産党に問いただしてまいりたい、このように思います。
 まず、前提として申し上げたいのは、個人の住宅である私有財産に対して公金を投入することについては、事業の公平性の観点から、納税者である都民の納得が得られるよう慎重な議論が必要であります。ご承知のとおり、建物の耐震化の助成について、これまで我が党は、太田国土交通大臣を初めとして、国のレベルでも強力に推進してまいりました。都においても、私どもは自民党とも連携し、公共的な観点から、本当に必要な事業についてのみ、執行機関とも調整しながら、建物所有者に対する支援制度を構築してまいりました。
 その上で、我が党は、都が広域自治体として公的に責任を持つ立場から、木造住宅密集地域の不燃化や救急救命活動に不可欠な緊急輸送道路沿道の建築物の耐震化などの施策に重点的かつ集中的に取り組めるよう、本委員会や本会議の場で積極的な議論を積み重ねてきたところであります。特に、地震に対する危険性が高い整備地域については、周辺と比べて木造住宅の密集度が極めて高く、震災時の延焼拡大や道路閉塞による影響ははかり知れません。都は、区と連携して延焼を遮断し、避難路ともなる特定整備路線の整備を進めるとともに、木造住宅所有者への耐震化助成にも取り組んでいるとおりであります。
 こうしたこれまでの議論や都の取り組みについて、共産党も十分に理解しているはずであります。しかも、先般九月十二日の本委員会で審査を行った請願、すなわち、池上通り拡幅(補助第二八号線)はやめ、商店街支援、住宅耐震化等を実施することに関する請願に関して、木造住宅の耐震化の助成額を増額することについては、本委員会で明確に否決したばかりであります。こうした状況を踏まえながら、なぜ今、この条例案を提出するのか、極めて不可解であります。
 ただいま自民党、神林副委員長からも質問がございましたが、共産党は十分な答弁をしておりません。改めて申し上げますが、昨年の厚生委員会では、共産党から、保育所建設用地取得費補助条例の提案の際、我が党の遠藤委員が指摘したところですが、行政実例にあるように、本来、予算を伴う条例を出す場合は、予算上の措置が的確に講ぜられる見込みを得ると、こういう地方自治法の趣旨に鑑み、執行機関側ときちんと予算確保に向けた調整を行う必要があります。
 そこでまず、今回提出の条例案について、共産党はどこまで執行機関と調整を図り、予算上の裏づけをとって提出してきたのか、再度明確にお答えいただきたいと思います。

○大島委員 お答えします。
 先ほどありました、地方自治法第二百二十二条に抵触するのではないかというお話も含めてですが、行政実例でも、予算を伴う条例提案が違法であるとはされていません。予算の提案権は議会にないとされているもとで、予算を伴う条例提案を議会側が行うためには、事前に予算の見通し等について行政との調整が必要だという立場を厳密にとるなら、議案提出権は極めて限られた場合にしか行使できないことになってしまい、適切ではありません。地方議会の活性化が求められている今、積極的に条例提案を行っていくことが求められていると考えます。
 そして、今回の条例提案の中身ですが、予算の問題についてお尋ねがありましたが、年度ごとの予算額については、その時々の都内の耐震改修の動向などを勘案して計上し、条例案にあるように、予算の範囲内で執行するということで、できると考えます。
 助成は、未来永劫続くものではありません。切迫する首都直下地震に対する緊急的な対応として集中的に取り組むものです。ふさわしい水準に到達すれば、おのずと助成額は減りますし、都の負担も解消されます。
 今回のこの提案に対してさまざまなご意見をいただいておりますが、かけがえのない人命や都民の財産を守るということ、そのために耐震化や不燃化に取り組むということを急速に進めるべきだというご意見は、私どもと志を同じくするものだと思います。また、執行機関の皆さんもそういう立場でこうした事業を進めていると理解しております。
 今回は、さまざまな問題はありますけれども、こうした中で、私ども、執行機関の側からも意見を聞きまして、そして今回、提案しているものです。

○吉倉委員 今、いろいろいわれましたけれども、問題をすりかえないでいただきたいと思いますのは、事前に行政側、都の執行機関側と調整をしたんですか、していないんですか。この点どうですか。

○大島委員 お答えします。
 今回の予算の中身について、来年度幾らまで予算をつけるのかと、そういった厳密なやりとりはしておりません。執行機関の方で提案する予算案について、それは本条例が可決された場合、その予算の範囲内で考えていくものだと考えております。
 そして、今、私どもが問題にしておりますのは、耐震助成制度というのがこの東京都にもあるわけなんですが、先ほど提案理由の説明でも述べさせていただきましたように、二〇〇六年度の制度創設以来、二〇一二年度までの七年間で都の実績は七百二十三件にすぎません。私たち都議団の調査でも、二十三区中十七区が助成地域の対象の拡大を求めております。こういう点で、私どもは東京都の予算の執行権の範囲内で、この条例が成立した後、予算は提出されるものと考えております。

○吉倉委員 勝手な理屈をいっておりますけれども、いずれにしても執行機関側と調整をしていないということがよくわかりました。
 また、条例案によれば、この施策の実施には区市町村負担にも影響が出るはずであります。仮にそうであれば、区市町村の執行機関とも調整を進めるのが通常の取り組みであります。本気で条例案の実現を目指すのであれば、少なくとも予算の担保をとるべきであります。
 区市町村の執行機関とどこまで調整を行ったのか、共産党の答弁を求めます。

○大島委員 お答えいたします。
 私たちが条例提案を行うに当たりまして、多くの区市町村の担当者から聞き取りを行いました。それを踏まえてこの条例案をつくっております。同時に、この条例案は現在ある都の要綱の枠組みを活用しております。よって、そごは生じないものと考えています。
 また、条例の施行は来年の四月一日としておりますが、条例が成立すれば、規則で定めることも含めた具体的な調整は、都の責任で行うことになると思います。

○吉倉委員 いろいろおっしゃっていますが、結局、都の執行機関とも予算措置について調整がなされていない。加えて、区市町村の執行機関とも何ら予算調整ができていない。このような条例提案は、誰が見ても実現の可能性のない、単なるパフォーマンスであります。
 ここで改めて、都に、区市町村と都の役割分担について確認しておきたいと思います。
 木造住宅の耐震化について、地元自治体である各区市町村と広域自治体である都の助成制度はどのようになっているのか、説明を願いたいと思います。

○佐藤耐震化推進担当部長 基礎的自治体であります区市町村は、国の助成制度を活用しまして、個々の木造住宅への耐震化助成を行いますとともに、高齢者や障害者に対する助成額の上乗せを行いましたり、指定する地域とそれ以外の地域で補助率に差をつけたりするなど、それぞれの地域の実情やニーズに応じた助成を行っております。
 その上で、広域自治体であります都は、防災上特に脆弱な整備地域内におきまして、不燃化特区の取り組みや、延焼を食いとめ、避難路ともなる特定整備路線の整備を進めることとあわせまして、六メートル以下の道路の閉塞を防ぐことを目的として、沿道にあります木造住宅への耐震化助成を重点的に行っております。
 これとあわせまして、緊急輸送道路沿道建築物の耐震化などの施策を強力に進めることにより、地震発生時に、発災直後の救急救援、消火活動、避難活動、さらには避難所等への物資の輸送等を円滑に行うことで、より多くの生命、財産を守るとともに、首都東京の機能を維持することが可能となります。
 このように、区市町村と都が適切な役割分担のもと、連携を図っていきますことで、東京全体の防災力の早期向上が図れるものと考えます。

○吉倉委員 答弁がありましたとおり、基礎的自治体であり、より住民に身近な区市町村では、必要に応じて、地域の実情に即した政策を展開しております。土地利用の状況、年齢構成、災害弱者への対応など、各区市町村の抱える課題はさまざまであり、それらを踏まえ助成制度を構築していくことは、住民に最も身近な立場である基礎的自治体の役割としてふさわしいと考えております。
 一方、都は広域自治体として、首都直下地震などの大きな地震が起きた際に、より多くの生命、財産を救い、かつ首都機能を維持するための支援策について、都民の理解と納得のもとに効率的、効果的な施策を講じることが求められております。特に、共産党が反対している特定整備路線の整備は、延焼遮断帯の形成を通じて、沿道建物の建てかえを促し、耐震化、不燃化を進めるものであり、避難路を確保するなど、東京の防災力を大きく向上させるものであります。
 ところが、共産党は、条例案にあるように、延焼遮断帯の形成よりも木造住宅の助成が必要だと主張しております。先般の本委員会で否決した請願内容は、特定整備路線である補助二八号線の整備をやめて、住宅耐震化への助成額の増額を求めるものでありました。さらに昨年、品川区における、補助二九号線の事業化白紙撤回を求める請願についても、同様の趣旨で本委員会で否決しております。
 ここで改めて、補助二八号線と補助二九号線が位置する品川区を見ていただきたいと思います。
 こちらのパネルをごらんいただきたいと思います。火災危険度の高い地域は赤で表示されております。品川区全域の約三分の二が赤で示される状況です。品川区全体がこれですが、このほぼ三分の二が赤の状態であります。一たび地震が発生した場合、この地域は木造住宅が密集しているため、建物が倒壊し、火災発生の危険度が極めて高い地域だということがよくわかります。
 この地域に、今回新たに公表した災害時活動困難度を考慮した総合危険度を加えてみますと、危険度の高い地域が広く区内に分布していることがわかります。これが災害時活動困難度なんですけれども、これは、地震により建物が倒壊したり火災が発生した場合の避難や消火、救助活動の困難の度合いを示すものであります。赤の火災危険度と、この上に重ねました黄色の災害時活動困難度、これが重ね合わさったところが、まさに総合危険度の高い地域であります。この地域で火災が発生した場合、一気に延焼が拡大し、逃げ場を失います。延焼が激しく、救助ができない、また逃げることが難しいのがこの地域の状況であります。
 そのために、このような地域には特定整備路線をできる限り早く整備し、延焼を防ぎ、避難路を確保することが、より多くの住宅とそして都民の命を守る意味から、極めて重要であります。このことを共産党はよく理解すべきであります。
 そして、今回の条例で提出されたような、都と区市町村の役割分担をわきまえない、単なるパフォーマンスのばらまき的な施策でしかない制度の実施は、広域自治体である都が本来行うべき役割を放棄することであり、決して東京の防災力を向上させることにはつながらない、このことを指摘しておきたいと思います。
 したがって、私は、地震による災害から一人でも多くの都民の生命、財産を守るために、都は広域自治体としてその役割を十分に果たしながら、耐震化施策を強力に推進していただきたいと念願しておきます。また、喫緊の課題である首都東京の震災、防災対策を本気で前へ進め、東京を高度防災都市とするために、共産党はみずからのかたくなな主張を撤回すべきであります。
 以上の理由から、今回の共産党提出の条例案は全く受け入れることのできるものではなく、反対であることを表明し、質問を終わります。

○石川委員 議員提出議案第十三号、東京都木造住宅耐震改修促進補助条例につきまして、都に対しましてお伺いいたします。
 東京都の木造住宅の耐震化促進のための事業は、東京都耐震改修促進計画に基づいて、平成二十三年度から平成三十二年度までの十カ年を計画期間に位置づけて実施しております。
 木造住宅の耐震改修については、木造住宅密集地域のうち整備地域に指定された木造住宅を対象とした耐震診断及び耐震改修並びに建てかえに対する助成制度を、平成十八年に創設いたしました。一方、区市町村は、自治体によってさまざまで、私の住んでおります稲城市などでは、木造住宅の耐震助成は融資制度があるのみでありますが、補助を行っている自治体も、補助率も、補助金額もさまざまな対応がなされております。
 区市町村の間では、木造住宅に対する補助制度はまちまちですが、木造住宅の耐震化について、都が行っている整備地域への助成と区市町村が行っている助成との役割分担について、区市町村は認識をしているのか、お伺いいたします。

○佐藤耐震化推進担当部長 都は、東京都耐震改修促進計画におきまして、住宅の倒壊により道路閉塞を引き起こす可能性が高い地域など、震災対策上公共性の高い地域の住宅については、耐震化の促進を積極的に支援するとしており、これを受け、整備地域における助成を行うとともに、区の助成制度、普及啓発に関する事業などとも十分連携して、木造住宅の耐震化を促進するとしております。
 この促進計画につきましては、区市町村とは耐震改修促進行政連絡協議会等の場で、時間をかけまして丁寧な説明や意見交換を重ねました上で策定しておることから、区市町村は都が考える役割分担につきまして十分認識しているものと考えております。その上で、基礎的自治体であります区市町村は、国の助成制度を活用して、個々の木造住宅への耐震化助成を行いますとともに、高齢者や障害者に対する助成額の上乗せを行ったり、指定する地域とそれ以外の地域で補助率に差をつけたりするなど、地域の実情やニーズに応じました耐震化助成を行っております。
 このように、区市町村と都がそれぞれの責務と役割を認識し、連携を図りながら、耐震化に取り組んでおるものと考えております。

○石川委員 木造住宅につきましては、東京都は木密地域の中の整備地域に特化して補助を進める方針を、区市町村は理解をした上で耐震改修促進計画を策定することになっておりまして、相互の役割の連携がなされていることを理解いたします。
 質問は以上でございます。

○斉藤委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○斉藤委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で都市整備局関係を終わります。

○斉藤委員長 これより付託議案の審査を行います。
 議員提出議案第十三号を議題といたします。
 本案については、既に質疑を終了しております。
 この際、本案に対し発言の申し出がありますので、これを許します。

○神林委員 議員提出議案第十三号、東京都木造住宅耐震改修促進補助条例について意見を申し上げます。
 まず初めに、共産党が作成した東京都木造住宅耐震改修促進補助条例における都の負担額の試算についてでありますが、総額で約千三百七十億円という財政規模にもかかわらず、その財源の裏づけがないことを指摘いたします。
 建物の耐震化に当たっては、自助、共助、公助が大原則でございます。その上で、自助、共助を担う都民みずからがその必要性を認識し、主体的に取り組むことが不可欠であり、こうした取り組みが震災による被害を最小限にとどめるために重要でございます。都民と連携しながら公助を担う都や区市町村は、財源をいかに有効に活用して被害を最小限に抑え、多くの都民の生命と安全を守るために、それぞれの役割として、公共性の観点から何が重要かが問われているものと考えております。
 都は、政治、行政、経済機能が高度に集積しており、日本の首都としての役割を維持していくことが求められております。ビルなどの倒壊による緊急輸送道路の閉鎖を防ぎ、大規模な市街地火災を防止するという大きな使命がございます。そのためには、区市町村は地元の状況に応じてきめ細かく対応する一方で、都は広域的見地からより優先度の高い分野に施策と財源を重点的、集中的に投じていくことが、ひいては都民全体、日本全体の安全・安心を守ることにつながります。こうした都の責務と役割を踏まえず、やみくもに財源を投じるべきとする今回の共産党の条例案は、実効性が全くございません。
 都は、延焼を食いとめ、避難路ともなる特定整備路線の整備や緊急救命活動などに不可欠な緊急輸送道路沿道の建築物の耐震化などの取り組みを、集中的、重点的に行っております。いつ起こるかわからない地震に備え、まず何にも優先して現在行っているこうした取り組みを、都が責任を持って強力に推進し、一日も早く安全・安心な都市東京を実現することが不可欠でございます。
 我が党は責任与党として、本条例案には反対することを強く表明いたします。

○加藤委員 議員提出議案第十三号、東京都木造住宅耐震改修促進補助条例について、意見を申し述べます。
 一般的に、私有財産に対しての公金の投入については、事業の公平性、公正性の観点から、納税者である都民の理解が得られるよう、慎重な議論が必要です。都内には、優先度をもって総合的に防災性を高めるべき地域があり、そのためにこれまで多くの議論を得て、公共性や緊急度の高い地域に絞って、私有財産である建物に耐震化助成を行っています。
 そうした取り組みが可能になった背景には、国においても都においても、公明党が自民党と連携し、公共的な観点から、本当に必要な事業についてのみ、議会や執行機関とも調整を図り、所有者に対する支援制度を構築してきたからであります。議会において、汗をかくというのは、こういう取り組みを指すのです。
 ところが、今回の案では、例えば自宅の周りには家が密集していないような地域であっても、旧耐震の建物というだけで建てかえや除却に補助を出す公共性が、広域自治体の都にあるのかというと、疑問です。加えて、先ほど提案者より答弁がありましたが、確かな財源の裏づけもなく、執行機関側との調整もなされていません。また、提案によれば、区市町村の支出を伴いますので、その財政負担も膨大なものになります。本来なら、事前に区市町村の執行機関とも調整が必要です。
 先ほど、聞き取りを行ったとの答弁がありましたが、事情を聞いただけで財政負担まで調整したとは思えません。とても真面目に提案の実現を考えたものとは思えません。
 よって、今回の条例案は実現可能性のない、単なるパフォーマンスでしかなく、今までの議論の積み重ねをも全く無視した暴挙であり、無責任であります。
 区市町村は、より住民に身近な基礎的自治体として、必要に応じて地域の実情に即した施策を既に展開しています。片や都は、広域自治体としての役割を踏まえ、限られた財源に優先順位をつけ、緊急輸送道路の沿道建物の耐震化や災害時の活動拠点等となる建物の耐震化などに加え、特定整備路線の整備は、延焼遮断帯の形成を通じて、沿道建物の建てかえを促し、耐震化、不燃化を進め、避難路の確保にもつながるため、東京の防災力を向上させる上で欠かすことができないものです。
 一方、日本共産党はこれまでの本委員会での請願審査でも、特定整備路線である補助二八号線や補助二九号線の整備を中止して、その財源で住宅耐震化への助成を拡充すべきと主張しています。しかし、先ほど吉倉委員が指摘したように、例えば補助二八号線や補助二九号線が位置する品川区では、災害時活動困難度を考慮した総合危険度を見てみると、その指標が高い地域が区内に広く分布していることが一目瞭然であります。このような地域では、建物の不燃化や耐震化はもちろん大事ですが、特定整備路線をできる限り早く整備し、延焼を防ぎ、避難路を確保しなければ、より多くの都民の生命を守ることはできません。
 以上、共産党の提案は全く受け入れることのできるものではありません。むしろ、先日の一般質問等でも我が党が指摘したところでありますが、今の不燃化特区の建てかえ助成制度では、事務所や店舗専用の建物は除却のみで、建てかえ助成は受けられません。また、自宅と事務所や店舗を併用している建物では、自宅の面積が半分を超えていないと助成を受けることができません。
 こうした問題に今後速やかに対応していくことが、防災力の向上に向けた自助の取り組みを加速する現実に即した内容だと考えます。
 以上で、我が党の意見表明を終わります。

○大島委員 私は、東京都木造住宅耐震改修促進補助条例に賛成の立場から意見を表明します。
 南関東で三十年以内にマグニチュード七程度の大地震の発生する確率が七〇%と切迫する中で、地震による木造住宅の倒壊などの被害から都民の生命、身体、財産を守ることは喫緊の課題です。
 国も、首都直下地震による災害から国民の生命、身体及び財産を保護する目的として、首都直下地震対策特別措置法を制定し、この法律に基づいて緊急対策推進基本計画をことし三月に策定しました。この計画でも、震度六強以上の強い揺れの地域では、老朽化が進んでいたり、耐震性の低い木造家屋が多数倒壊し、家屋の下敷きによる死傷者等、多数の人的被害が発生することが想定されるとする一方、建物の耐震化を初めとする予防対策及び円滑かつ迅速な応急対策を講ずることによって、その被害は大きく減少させることができるとしています。
 かけがえのない人命や都民の財産を守るために耐震化や不燃化に取り組むことを急速に進めるべきだという点では、皆さん志を同じくするものだと思います。都は、耐震化は所有者の自己責任という考えで、木造密集地域の整備地域しか助成を行っていません。都の要綱では、整備地域に限定している結果、毎年の執行率を見てみても、なかなか進んでいないのが実態です。
 東京都耐震改修促進計画に掲げる耐震化の目標達成に必要な住宅は、都内全域の住宅が対象になっています。本条例は、建物倒壊の被害から一人でも多くの命を救うために、助成対象を都内全域の旧耐震基準で建設された木造住宅に広げ、建物所有者の自己負担を軽減し、改修を促進しようというものです。国はもとより、木造住宅耐震助成制度を持つ東京都以外の道府県は、助成を一部地域に狭めるのでなく、全地域を対象にして耐震改修を後押ししています。
 また、本条例では、大規模な地震が発生したときに、少しでも建物の倒壊のスピードをおくらせて避難の時間を稼ぐため、地震に対する安全性を少しでも向上させるため、簡易改修にも補助するとしています。
 国の被害想定では、東京の全壊戸数は十万五千棟とされています。応急仮設住宅や復興住宅、土地代などの費用を含めれば、復興のための公的負担は一兆円、二兆円という巨額を投じることになります。そうした巨額の負担をあらかじめ大幅に減らせるという観点からも、木造住宅の耐震化を促進することが必要です。
 年度ごとの予算額については、その時々の都内の耐震改修の動向を勘案して計上し、条例案にあるように、予算の範囲内で執行することができます。助成は未来永劫続くものではなく、切迫する首都直下地震に対する緊急な対応として、集中して取り組むものです。ふさわしい水準に到達すれば、おのずと助成額は減り、都の負担は解消されます。
 災害対策基本法は、都道府県の責務として、当該都道府県の住民の生命、身体及び財産を災害から保護するため、防災に関する計画を策定するなどを定めています。閣議決定された首都直下地震の緊急対策推進基本計画では、国、地方自治体はあらゆる対策の大前提として、建物の耐震化の取り組みを強力に推進するとしています。日本共産党都議団として提案した本条例案は、こうした法や計画に合致し、促進するものであると確信します。
 一人でも多くの都民の生命、身体、財産を震災から守り、災害後の再建にも大きく寄与する本条例を成立させていただきたいと思います。委員各位のご賛同を改めてお願いいたしまして、意見表明といたします。

○石川委員 議員提出議案第十三号に対する意見を申し上げます。
 東京都の木造住宅耐震化のための助成事業は、東京都耐震改修促進計画に基づき、しかも基礎自治体である区市町村と相互の役割を認識しながら推進してきたことを、先ほどの質疑の中で改めて確認させていただきました。
 東京都には、耐震性を満たしていない住宅が百十六万戸、民間特定建築物が三千百棟あり、これらの耐震化を図るためにプライオリティーを設けています。地震発生時に道路を閉塞させる可能性の高い道路を特定緊急輸送道路として指定し、その他の閉塞を防ぐ道路を緊急輸送道路として、その公共性に鑑み、沿道の耐震化を促進することになっています。
 また、木造住宅密集地域については、防災都市づくり推進計画に基づき、地域の危険性が高い二十八の整備地域を対象に、木密地域不燃化十年プロジェクトを推進し、不燃化と耐震化を促進するとしております。木造住宅についても、前面道路が六メートル以内の住宅に限定することで、道路閉塞等の公共性を考慮し、耐震改修の支援を行う制度となっております。危険度の高い木密地域に集中的に耐震化を図るインセンティブを与えるとの耐震改修促進計画の考え方は、理解できるものであります。
 また、耐震改修のための補助は、公共性という観点から、災害拠点病院、私立学校、保育所や社会福祉施設に行うことができるとしており、マンションについては、合意形成のための共同性という視点で補助対象としております。自助、共助、公助という視点から、広域自治体である東京都の補助の考え方が公共性と共同性を優先していることは妥当なものと考えます。
 議員提出議案第十三号は、木密地域の整備地域に集中的に財を投入することから、広く都全体の木造住宅に対象を拡大するもので、しかも千三百七十億円もの巨費を投入するもので、東京都耐震改修促進計画の基本的なコンセプトから逸脱したものであるといわなければなりません。
 以上の観点から、議員提出議案第十三号に反対するものであります。
 なお、整備地域の木造住宅の耐震化を推進するために、最新の耐震改修工法やコストを抑えた改修実例をわかりやすく紹介することや、木密地域の現状の危険性を具体的に指摘し、住宅所有者の理解を促進するためのさらなる努力を、都に強く求めるものであります。
 また、東京都区長会から、整備地域の指定についての都の基準に対して、地元自治体との間で理解に差があるような内容が含まれていることから、そごのないよう対応していただくことを求めて、意見といたします。
 以上でございます。

○斉藤委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立を願います。
   〔賛成者起立〕

○斉藤委員長 起立少数と認めます。よって、議員提出議案第十三号は否決されました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○斉藤委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日までに決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ございませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○斉藤委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○斉藤委員長 この際、安井都市整備局長から発言を求められておりますので、これを許します。

○安井都市整備局長 一言お礼のご挨拶を申し上げます。
 斉藤委員長を初め、委員の皆様方におかれましては、ご就任以来、数々のご指導、ご鞭撻をいただきまして、まことにありがとうございました。
 この間頂戴いたしました多くの貴重なご意見、ご指摘などにつきましては、今後の事務事業の執行に十分反映させ、万全を期してまいりたいと存じます。
 今後とも、一層のご指導、ご鞭撻を賜りますよう心からお願い申し上げまして、大変簡単ではございますが、お礼のご挨拶とさせていただきます。まことにありがとうございました。

○斉藤委員長 発言は終わりました。
 この際、私からも一言ご挨拶を申し上げます。
 神林副委員長、大島副委員長、そして秋田理事、立石理事、加藤理事を初め、石川委員を初めとする委員の皆様には、この一年間、大変委員会運営にご協力をいただきまして、ありがとうございました。
 そして、安井局長を初めとする各部署の部長及び課長を含めた理事者の皆様には、委員会からの多様な質問や、要望に誠心誠意お応えいただきまして、深く感謝申し上げます。また、議会局の皆様には、運営においてお世話になりました。ありがとうございました。
 また、この一年間の中で、五月の委員会視察などでは、官民合わせて多くの沖縄の皆様にご協力いただき、航空及び交通政策等、有意義な知見を得ることができましたことなどは、大変貴重な経験でした。
 そしてまた、この一年間において、議案、請願陳情、さらには審議会に関する報告事項において、多くの地域や事案が議論の対象となりました。当委員会では、地域性の高い案件が多いために、案件によっては、各委員、把握している情報に濃淡があったかと思います。そのために、恐らく委員の皆様には、現地を訪問調査するなどで、事案への理解を委員会内外において深めていく場面もあったかと思います。本当にお疲れさまでございました。
 そして、この節目の本日の委員会までに結論に至っていない事案もあり、継続してさらに議論を深めていく必要があるものがありますので、それが心残りではあります。今後の委員会でさらに議論を深め、そしてまた都民のために発展的な方向になっていくことを、個人的には大変期待しております。
 本当にこの一年間、多くの皆様にご協力いただき、大変委員会運営がスムーズに、そしてまたこの結果、都民のために少しずつ都政の前進をさせていくことはできたかと思います。
 本当に皆様、ありがとうございました。(拍手)
 それでは、これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時十一分散会

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