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Tokyo Metropolitan Assembly

都市整備委員会速記録第十号

平成二十五年十月九日(水曜日)
第五委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長斉藤あつし君
副委員長神林  茂君
副委員長大島よしえ君
理事加藤 雅之君
理事秋田 一郎君
理事立石 晴康君
石川 良一君
白石たみお君
島崎 義司君
吉倉 正美君
中山 信行君
木村 基成君
北久保眞道君
尾崎 大介君

欠席委員 なし

出席説明員
都市整備局東京都技監都市整備局長技監兼務藤井 寛行君
次長中嶋 正宏君
技監安井 順一君
理事櫻井  務君
理事佐野 克彦君
総務部長浅川 英夫君
都市づくり政策部長永島 恵子君
住宅政策推進部長細渕 順一君
都市基盤部長西倉 鉄也君
市街地整備部長鈴木 昭利君
市街地建築部長久保田浩二君
都営住宅経営部長上野 雄一君
企画担当部長福田  至君
連絡調整担当部長黒川  亨君
景観・プロジェクト担当部長小野 幹雄君
まちづくり推進担当部長佐藤  匡君
住宅政策担当部長加藤  永君
民間住宅施策推進担当部長山崎 弘人君
地下鉄改革担当部長牧野 和宏君
航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務山下 幸俊君
防災都市づくり担当部長佐藤 伸朗君
多摩ニュータウン事業担当部長太田 誠一君
耐震化推進担当部長佐藤 千佳君
経営改革担当部長桜井 政人君
再編利活用推進担当部長建設推進担当部長兼務小野寺弘樹君
営繕担当部長妹尾 高行君

本日の会議に付した事件
意見書について
都市整備局関係
報告事項(説明・質疑)
・第二百三回東京都都市計画審議会付議予定案件について
付託議案の審査(決定)
・第百八十号議案 八ッ場ダムの建設に関する基本計画の変更に関する意見について
請願陳情の継続審査について
特定事件の継続調査について

○斉藤委員長 ただいまから都市整備委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 過日の委員会で理事会にご一任をいただきました意見書一件につきましては、調整がつかなかった旨、議長に報告すべきであるとの結論になりましたので、ご了承願います。

○斉藤委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、都市整備局関係の報告事項の聴取を行った後、付託議案の審査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。
 これより都市整備局関係に入ります。
 初めに、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○藤井東京都技監 来る十二月二十日に開催予定の第二百三回東京都都市計画審議会に付議を予定しております案件につきましてご説明いたします。
 今回、東京都決定案件が二件ございまして、全て区部の案件でございます。
 本日は、これらのうち、主な案件といたしまして、武蔵小山駅東地区の地区計画変更につきましてご説明いたします。
 それでは、引き続き担当部長からご説明いたしますので、よろしくお願いいたします。

○永島都市づくり政策部長 付議予定案件ナンバー2、武蔵小山駅東地区地区計画の変更の案件についてご説明いたします。
 資料2の白色表紙、提案事項概要は一九ページから、資料3の薄茶色表紙、事前説明会資料は一四ページからとなります。
 資料3の一四ページの位置図とあわせて、前方スクリーンの航空写真をごらんください。
 本地区は、品川区の北西部に位置する東急目黒線武蔵小山駅を含む面積約四・〇ヘクタールの区域です。
 本地区を含む武蔵小山は、品川区まちづくりマスタープランにおいて、地区活性化拠点と位置づけられ、都市機能の更新や防災性の向上等を図り、にぎわいと回遊性のある区の西の玄関口にふさわしい複合市街地の形成を図ることとされています。
 それでは、資料3、事前説明会資料の一五ページの計画図1とあわせてスクリーンをごらんください。
 都は、平成十六年、当地区を東京のしゃれた街並みづくり推進条例に基づく街並み再生地区に指定し、街並み再生方針を定めました。
この方針を踏まえ、平成十七年から二十一年までに、D地区や鉄道上部一地区、鉄道上部二地区について、それぞれ地区整備計画を定め、これに基づき開発が進められてきました。
 さらに、平成二十四年に、パルム駅前地区であるB地区などにおいて再開発の機運が高まったことから、街並み再生地区を拡大し、街並み再生方針の変更を行うとともに、ことし三月、B地区などについて地区整備計画を定めました。
 今回は、駅前通り地区であるA地区約〇・七ヘクタールの開発計画が具体化したことに伴い、地区計画の変更を行うものです。
 資料2、提案事項概要の一九ページから二七ページ、資料3、事前説明会資料の一六ページから一八ページとあわせて、スクリーンをごらんください。地区計画の内容についてご説明します。
 地区計画の目標では、にぎわいと活気のある商業空間を生かしつつ、都市型住宅、生活支援、文化・コミュニティに関する施設などの都市機能を集積させるとともに、木造密集地域の解消、再生を図り、機能性とゆとりを兼ね備えた魅力的で暮らしやすいまちを目指すこととしています。
 特に、A地区を含む駅前においては、再開発事業の具体化にあわせて整備計画を策定し、近隣商店街との連続性に配慮しつつ、敷地統合の促進や多様な用途が組み合わされた魅力ある複合市街地の形成を目指すとしています。
 これらの目標や方針に基づき、主要な公共施設として、安全で円滑なループ型の交通ネットワークの形成を図る区画道路二号を新たに定めます。また、地区施設として、区画道路四号に沿って広場二号及び広場三号を定め、快適な歩行者空間の創出や防災性の向上を図ってまいります。
 このほか、容積率の最高限度及び最低限度、敷地面積の最低限度や高さの最高限度などを地区整備計画に定めます。
 参考として、品川区決定の第一種市街地再開発事業についてご説明いたします。
 資料2、提案事項概要の二八ページ、資料3、事前説明会資料の二〇ページ、二二ページとあわせて、スクリーンのイメージパースをごらんください。
 再開発事業の区域面積は、A地区の約〇・七ヘクタールでございます。
 計画建物は、一階から二階に商業施設や公益施設、上層階に住宅、地階に駐車場、駐輪場を計画しております。住宅は四百十戸を計画しております。
 付議予定案件の説明は以上でございます。

○斉藤委員長 報告は終わりました。
 これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○北久保委員 私からは、武蔵小山駅東地区における地区計画の変更について、何点かご質問いたします。
 本日の質疑に当たり、私なりに調べてまいりましたが、武蔵小山駅の周辺は狭隘な行きどまり道路が多く、また、老朽化した建物が混雑する木造密集地域となっており、防災性の向上や安全性の確保が課題であると伺っています。
 一方で、全国有数の商店街として有名な武蔵小山パルム商店街は、地域住民の生活に欠かせない存在として多くの方々から愛されているとのことで、この雰囲気はぜひ引き継いでいくことが必要であると思います。
 このような地域において、まちの魅力を生かしながら防災性の向上などまちづくりを進めていくことは、地元の方々のご努力なしには大変に難しいものです。こうした中にあって、既にD地区においては共同建てかえによるマンションが建設され、また、ことし三月には、パルム商店街のB地区において地区整備計画が定められるなど、着実にまちづくりが進みつつあります。
 そこで、武蔵小山駅東地区では、これまでどのようにまちづくりが進められてきたのかお伺いいたします。

○永島都市づくり政策部長 武蔵小山駅東地区では、平成七年に東急目黒線立体交差事業が着手されたことを契機に、地下化後のまちづくりへの関心が高まり、平成九年、駅前商店街の方々によるまちづくり協議会が設立されました。その後、まちづくりの機運がさらに拡大し、地域住民による武蔵小山駅周辺まちづくり協議会が平成十五年に設置され、地区の将来像などについて検討が行われてまいりました。
 一方、都は、平成十五年に、それぞれの地域で抱えるさまざまな課題に対して、地域住民の意向を踏まえ、街区単位で段階的に魅力ある街並みの形成を図ることが可能な街区再編まちづくり制度を創設いたしました。
 都は、武蔵小山駅周辺住民のこうした意欲的な取り組みを受けて、街区再編まちづくり制度の適用を積極的に働きかけ、その結果、平成十六年、武蔵小山駅東地区を第一号の街並み再生地区として指定し、あわせて街並み再生方針を定めました。
 この方針を踏まえ、平成十七年から、D地区や鉄道上部一地区、鉄道上部二地区、B地区などについて、順次、地区整備計画を定め、まちづくりを進めてまいりました。

○北久保委員 ただいま武蔵小山駅東地区では、街区再編まちづくり制度を活用してまちづくりを進めてきたとのご答弁をいただきました。
 次に、今回、地区計画の変更の前提となるA地区の開発計画はどのようなものなのか、また、この開発計画ではどのような効果を期待しているのかお伺いいたします。

○永島都市づくり政策部長 今回の開発計画は、細分化された敷地の統合化や行きどまり道路のつけかえ、老朽化した建物の共同建てかえを行うことで、駅前にふさわしい土地の高度利用を図るとともに、街区を再編し、区画道路や広場を整備するものでございます。
 今回の開発によって整備される区画道路などの地区施設と、B地区やD地区で計画されている地区施設とが一体となり、武蔵小山駅を中心として、地区全体において安全で快適な歩行者ネットワークを実現いたします。
 また、地区独自のにぎわいと活気のある商業空間を生かしつつ、都市型住宅やコミュニティ施設などの都市機能を集積させることで、品川区の西の玄関口にふさわしいにぎわいのある街並みを実現いたします。
 さらに、地区の課題である木造密集地域の解消、再生を図ることで、武蔵小山駅東口全体の地域の防災性を向上させ、安全・安心のまちづくりを実現いたします。

○北久保委員 これまでの開発にあわせて、今回の計画が実現されると、武蔵小山駅を中心に地域全体の防災性が向上し、にぎわいのある街並みが形成されるということがわかりました。
 そこで、街区再編まちづくり制度を他の地域でも広く活用してまちづくりを進めていくべきであると考えますが、これまでの制度指定の実績と今後の取り組みについてお伺いいたします。

○永島都市づくり政策部長 制度指定の実績でございますが、これまでに武蔵小山駅東地区を含めまして五地区ございます。
 具体的には、平成二十二年に指定した西東京市のひばりヶ丘駅北口地区では、駅前広場や都市計画道路の整備とあわせて沿道の建物更新を誘導し、にぎわい施設の導入や駅前等にふさわしい街並みの形成を目指すものでございます。
 また、本年三月に指定した港区の環状第二号線沿道新橋地区では、老朽化した建築物の更新や細分化した敷地の統合を図り、環状二号線の緑豊かな道路空間と沿道建築物が一体となった統一感のある街並みの形成を目指すものでございます。
 街区再編まちづくり制度は、区市町村と地域の住民などが、まちづくりの考え方を街並み再生方針として取りまとめ、この方針に基づき段階的なまちづくりを可能とする都独自の制度でございます。
 今後とも、こうした制度のメリットや適用事例などについて区市町村に周知するなど、地域の実情を踏まえたまちづくりが進むよう積極的に取り組んでまいります。

○北久保委員 都におかれましては、この制度を積極的に活用し、地域主体のまちづくりを支援していただくことをお願いしまして私からの質問を終わりとしたいと思います。

○白石委員 私からも、都市計画審議会で出されている武蔵小山駅東地区地区計画変更について質問をいたします。
 この東地区の地区計画には、百四十メートルの高層マンションが建てられるという計画になっています。そこで、高層マンション建設時に問題として取り上げられるのは風害の問題です。D地区、パークホームズ武蔵小山では、既に十九階建ての地上六十メートルのマンションによる風害への苦情が周辺住民の方から上がっています。D地区におけるビル風による被害について都は把握しているか質問をいたします。

○永島都市づくり政策部長 都は、平成十七年六月、武蔵小山駅東地区のD地区について地区整備計画を定め、これに基づき、平成二十年八月、高さ約六十メートル、二百七十八戸のマンションが建設されました。
 当該マンションは、東京都環境影響評価条例の対象ではございませんが、事業主は、建設による風環境の予測を行うとともに、建設後一年間にわたり、D地区であるパークホームズ武蔵小山周辺の実測調査を実施いたしました。
 風環境予測につきましては、東京都環境影響評価技術指針の風環境評価で定められている方式によると、住宅地で許容できる値との結果が出ており、実測調査についても、予測値とほぼ同様の結果であると品川区から聞いております。

○白石委員 実際どのくらい風が強くなっているのか、私も直接住民の方に聞き取りを行いました。
 高齢者の方に話を聞くと、年寄りは風の日は通らないようにしている、歩いても怖いくらい、年寄りにとっては一度転んで骨折したら一生の問題になってしまう、ビルの周辺だけでなく少し離れたところでも風が巻いてくるから怖い、この上、超高層マンションが次々と建ったら歩くところがなくなってしまうと、このように話します。商店の方からは、冬場はマンションと隣のビルの間から吹きつけてくると商品が飛ばされてしまうので、風の強い日は店の前に商品を並べることができない、雨が強いときは、店の前のガラス戸を閉めていても下の方から雨が入って店内はびしょびしょになってしまうと、このように嘆いていました。そして、大の男でも自転車で通ることができないと、何人も自転車で倒れていると、こういう声も出されています。
 先ほど答弁のところでシミュレーションのことが出されました。私も、このシミュレーションと事後調査の結果には目を通しました。そうしたところ、干し物が飛ぶとされる風速十メートルの風が、建設前は一日もなかった地点が年間約五十日にふえる、立て看板や自転車が倒れ歩行困難になるという風速十五メートルの風が、建設前には一日もなかった地点が年間五日以上になる、ひどい地点では十一日以上になるというような深刻な影響がこのシミュレーションでも示されています。
 住宅地で許容されるというふうにいいましたが、これは住宅地の商店街では許されない基準なんです。ですから、商品を店の前に並べられない、風の強い日は高齢者が通れない、こういう事態が生まれているというふうなことなんです。
 繰り返しますが、この地区はたくさんの人が憩う住宅地の商店街なんです。そこで今までになかったような強風が予測され、現に吹いている。この切実な実態と生の声に、東京都の皆さんは応えるべきだとまず強調しておきたいと思います。
 そして、建設前に風の影響はないとシミュレーションではなっていますが、実際にD地区の地上六十メートルの建築物が建ったら、風の影響によって営業、歩行、そして住環境の悪化に、被害が出ていることが事実として明らかになっています。この事実からも、当然、周辺住民の皆さんから、今回のA地区における百四十メートルの高層マンション建築に不安が出されるのは必然だというふうに思います。
 それでは、次に質問いたします。A地区の百四十メートル級の高層マンションの風害はどのようになると想定されているのか、また、どのような対策を計画しているのか質問をいたします。

○佐藤防災都市づくり担当部長 本事業につきましても、D地区と同様、東京都環境影響評価条例の対象ではございませんが、東京都環境影響評価技術指針の風環境評価で定められております方式によりまして、ほかの開発の建物の条件も前提にして、再開発準備組合の方で自主的に予測を行っております。
 その結果、高木植栽を初めとした植栽計画を加味することによりまして、本地区におきましても、住宅地としての一般的な風速におさまるということが確認されております。

○白石委員 シミュレーションでは問題がない、対策は植栽でという答弁でした。
 しかし、D地区における地上六十メートルの高層マンションでも、植栽で対策をとっていてもなお風害の被害が出ているのが現実なんです。
 そして、住宅街に建つ超高層ビルの風害では、きょう持ってまいりましたが、世田谷の二子玉川では、強風を受けて八十代の女性が転倒して骨折するなど一年間に三人が重軽傷を負い、死亡事故が起きる前に早急な対策をと、このような声まで出されています。
 武蔵小山は、若者や中高年が働くビジネス街とは違います。お年寄りも子供も、そして障害者も歩く庶民の静かな住宅街、商店街、飲食街なんです。そんなまちに、既に六十メートルのマンション一棟だけでも深刻な問題が発生しているのに、今後、百四十メートルの超高層を相次いで建てることが現在狙われています。お年寄りなど体力に不安を抱える人が安心して通ることができない、まちの商店主が自分の商品を店の前に並べることもままならないと、そんなまちにしていいのかというのが問われると思います。
 今回、第二百三回東京都都市計画審議会提案事項概要の中では、建築物の整備方針には、快適な居住環境の創出と、このように記載されています。これが果たして快適な居住空間づくりといえるのかというのが真剣に突きつけられていると思います。
 次に、まちづくりという観点から質問をいたします。
 土地所有者、借地権者、借家人は何人いるのか。また、商売されている借家人の人もいると思われます。現在商売をしている借家人はどのくらい残るのか、また残れるのか、伺いたいと思います。

○佐藤防災都市づくり担当部長 本地区の土地所有者などの状況でございますが、再開発準備組合によれば、土地所有者は四十四人、借地権者は十人でございます。また、借家人につきましては約百人、そのうち商売をされている方は約三十人と聞いてございます。
 なお、借家人につきましては、今後、本事業を進めていく中で、地権者である家主との間で協議することとなります。

○白石委員 私も歩きながら見て回りましたが、お店では、接骨院やラーメン屋、中華料理店、クリーニング店、釣り具店などなどの店舗がありました。特に、約三十人の方々が借家で営業しています。
 聞き取りのときに話をしてくれた方は、十九階建てのマンションができる前には、八百屋、魚屋、肉屋など生鮮三食品のお店があったけれども、開発後は戻ることなく、全てなくなった、寂しいまちになったよと、このように話をしてくれました。
 都市計画審議会提案事項概要では、地区独自のにぎわいのある街並み形成の継承を図ると記載されていますが、D地区の再開発によって、もともとあった店が数軒しか残らなかったということからも、もともとあったつながりが断たれてしまうというのも問題点として指摘をしておきます。
 あわせて、周辺住民はどのようなまちを望んでいるかという点で、品川区が実施をしました武蔵小山駅周辺地域整備方針案検討調査の中で、アンケートでは、将来希望するまちのイメージはという項目があります。ここで一位が人々の触れ合いを大切にする庶民的なまち、これが四四%です。そして、最下位は洗練された都会的なまち、これが五・六%と、このようになっています。このような角度からも、周辺住民の皆さんからも、百四十メートルの高層マンションを建てるというのは望んでいないというのも明らかになっています。
 そして次に、超高層マンションは防災という角度から安全なのかという、この点から質問をいたします。
 東京都防災会議では、ことし三月、南海トラフを震源とするマグニチュード九クラスの巨大地震が起きた場合の被害想定報告書を公表しました。ここでは、東海、東南海、そして南海地震という三連動地震が発生した場合、長周期地震動により、超高層ビルの揺れは東日本大震災の二倍以上の大きさになると、このように予測をしています。そして、かつ継続時間も十分以上と考えられています。すなわち、東日本大震災よりも深刻な事態になることが予想されています。
 超高層ビルでは、大きな揺れにより、スプリンクラー設備や防火扉の破損による火災延焼の危険性や水道や電気など生活インフラの破損による生活機能を維持していくことが困難になるほど、さまざまな防災上の課題を含んでいると思います。
 この開発では、百四十メートル級の超高層のタワーマンションが計画されていますが、防災上の対策についてどのように考えているか質問をいたします。

○佐藤防災都市づくり担当部長 本計画に限らず、高さ六十メートルを超える建築物につきましては、建築主が、その構造方法につきまして、建築基準法に基づく国土交通大臣の認定を受け、建築物の安全性を確認することが義務づけられております。また、本計画では、免震構造や制振構造等の高い耐震性能を備えた構造を採用すると聞いております。地震の揺れに対する建築物の安全性は十分に確保されるものと考えます。
 さらに、住宅専用部分のある各フロアに防災備蓄倉庫を整備するとともに、震災時の停電対策として、エレベーターや一部共用廊下における照明等に必要な電力を三日間供給できる自家発電設備の整備を行いまして、居住者等の安全性の確保を図ることとしております。

○白石委員 今の答弁では、建物は倒れないから大丈夫だと、非常用電源や備蓄があるから居住者の命は守られるという答弁でしたが、私が質問したのは、たとえ建物が倒れなくても、スプリンクラーや防火扉の破損などによって大規模な火災になり得るということなんです。ところが、防火の問題については一言も答弁がありませんでした。
 現に、東日本大震災では、この都庁でも、第二本庁舎五階のエレベーターホールで防火扉が外れたということやスプリンクラーの損傷による漏水が起こり、その重みで天井材が落下したということも起こったというのが、この本にも載っています。このような被害は阪神・淡路大震災でも発生をしています。
 独立行政法人消防研究所理事長、総務省消防研究センター所長を歴任した火災防災の第一人者、室崎益輝氏は、阪神・淡路大震災における超高層ビルの消防、防火設備について、スプリンクラーの四割、防火扉の三割が損傷したと報告をしています。さらに、二十一階以上の建物に限って見ると、スプリンクラーでは九割、防火扉では六割の損傷率であり、高層ほど揺れが激しいため、消防設備や防火設備が機能しない現状が確認されたと、このように話しています。
 こうした調査からも、地震時には、消防設備などによる延焼拡大防止を期待することはできない、また、地震時においては、高層ビルでは火災が発生しやすく、万一発生すると火に包まれる危険性が高いと警告を発しています。
 しかも、今回の計画で建設されるのは、オフィスと比べ圧倒的に多くの火気を扱うマンションなんです。繰り返しになりますが、お年寄りや子供のような災害弱者が生活をするんです。この中で、長周期地震動でスプリンクラーや防火扉が損傷して大規模火災が発生をすれば、多数の命を奪いかねないということなんです。建物が壊れなければ安全という認識を改めて、倒れなくても命にかかわる問題が存在しているということを、都は直視するべきだと強く指摘しております。
 続いて、長周期地震動の基準が未策定であり、超高層マンションの危険性が叫ばれている中で、A地区において百四十メーター級の超高層マンションを建てるべきではないと考えますが都の見解を伺います。

○佐藤防災都市づくり担当部長 先ほどお答えしましたとおり、建築基準法に基づく大臣認定や免震、制振等の耐震性の高い構造の採用などによりまして、本計画では、地震の揺れに対する建築物の安全性は十分確保されるものと考えております。

○白石委員 そもそも長周期地震動の基準は、国が一旦二〇一〇年度に発表いたしました。その後、東日本大震災を受けて、現在は見直しの真っ最中というのが今の状況です。法に従ってといいますが、これで安全だという基準がないのが現時点での防災対策なんです。基準もないのにゴーサインを出すというのは無責任だと指摘をしておきたいと思います。
 大体、都は、災害が発生したときの自助、共助を強調して都民に押しつけていますが、武蔵小山地域で、地域の人間と人間の心通う関係づくりに大いに役割を果たしてきたのが、武蔵小山駅前の飲食街、商店街なんです。超高層マンションでの人間関係づくりがいかに難しいか、エレベーターの中で挨拶するのがせいぜいという声や顔見知りがほとんどできず寂しくて仕方がないという、こういう声も超高層マンションにお住まいの方から私もお聞きしています。
 こうした、そもそもコミュニティづくりに困難を構造的に抱えている超高層マンションでは、都が強調する共助の力も発揮困難だということも強調をしておきたいと思います。
 最後に、千代田区の神田練塀町の件でも意見を述べておきます。
 今回の変更は、容積率を六〇〇%から八〇〇%に変更し、組合施行の再開発により、地上二十階建てのビルを建設する計画です。既に準備組合が設立され、権利者二十七人中およそ八割が参加しているということですが、住友不動産も借地権者となって参加しており、住友不動産による再開発ともいわれています。
 準備組合に参加しているビルオーナーは、今のままがよいが、皆さんが賛成している中で、自分だけ反対で話が進まなかったものはみんな賛成していると、このようにいわれ、渋々賛成しましたが、再開発しても客がふえるとは思わないし常連客は来なくなるだろうと、今のままで私はよいと思うと、このように語っています。
 秋葉原駅に近いこともあり、借家人は五十五人いるということですが、その補償は権利者任せです。住民の要求から出発した計画でないため、この再開発に不安を抱く住民は少なくないと思われます。住民主体のまちづくりを進めるなら、こうした住民の不安の声にこそ耳を傾けるべきです。
 再開発先にありきという開発優先の用途地域変更は行うべきでないことを意見として述べて、私の質問を終わります。

○斉藤委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○斉藤委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で都市整備局関係を終わります。

○斉藤委員長 これより付託議案の審査を行います。
 第百八十号議案を議題といたします。
 本案につきましては、既に質疑を終了しております。
 この際、本案に対し発言の申し出がありますので、これを許します。

○大島委員 第百八十号議案、八ッ場ダムの建設に関する基本計画の変更に関する意見について、反対の立場で意見を述べます。
 基本計画変更は今回で四回目です。工期の変更では、当初完成予定の二〇〇〇年度を二〇一〇年度に十年延期し、さらに二〇一五年度へと五年再延長し、今回は、この完成時期をさらに四年延期し二〇一九年度にするものです。
 また事業費は、二〇〇四年に二千百十億円から四千六百億円と大きく膨らみました。今回は事業費増額の変更は示されておりませんが、二〇一一年の八ッ場ダム事業の検証で、工期延長等による事業費の増額、コスト縮減による減額、追加的な地すべり対策と代替地安全対策の点検による増額で、差し引き百八十三億円の増額が必要との試算結果も示されています。さらなる工期延長は事業費増額につながることも予想されます。
 そもそも八ッ場ダムは、過大な水需要予測に基づいて計画されたものであり、その必要性は失われつつあります。水道局の資料によると、一日最大配水量の実績は、給水人口がふえているのに、一九九二年度の一日当たり六百十七万立方メートル以降、ほぼ減少の一途をたどり、二〇一一年度には一日当たり約四百八十万立方メートルと百三十七万立方メートルも低下しています。
 八ッ場事業への参画で、東京都が得る配水量換算では一日当たり四十二・八万立方メートルですから、実績で見れば八ッ場の利水は全く必要ないわけです。
 利根川水系では、三年に一度程度の割合で渇水が発生しているといわれますが、保有水源がふえ続け、今や完全な水余り状態となっていることを反映し、渇水といっても、河川からの取水制限にとどまり、断水などの給水制限はありませんでした。また、八ッ場ダムは、夏に洪水調整で水位を下げるため、利水容量は大幅に減り、渇水期に当てにできるダムではありません。
 治水についても、利根川ではこの間、堤防のかさ上げなどの河川改修が延々と行われてきました。利根川・八斗島の最近六十年間の最大実績流量は毎秒九千九百六十立方メートルで、既設のダムや河川で十分対応できています。八斗島における七十年から八十年に一度起きると予測される洪水の治水目標流量である毎秒一万七千立方メートルそのものが過大なものとなっています。
 莫大な事業費をかける無駄な公共事業の典型である八ッ場ダムは中止し、より踏み込んだ現地住民の生活再建対策を進めるべきです。
 都は、今回も、これまでの変更と同様に、さらなる工期延長がないよう万全を期すこと、事業費の増額がないよう徹底したコスト縮減に取り組むことという意見を付して、やむなく同意するとしています。都として最新のデータで改めて抜本的な検証を行う必要があるにもかかわらず、それすらやらずに、国のいい分をうのみにしていることは大問題であることも指摘し意見といたします。

○斉藤委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 第百八十号議案を採決いたします。
 本案は起立により採決いたします。
 本案は原案のとおり決定することに賛成の方はご起立を願います。
   〔賛成者起立〕

○斉藤委員長 起立多数と認めます。よって、第百八十号議案は原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○斉藤委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ございませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○斉藤委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○斉藤委員長 次に、今後の委員会日程について申し上げます。
 先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程のとおり申し合わせを行いましたので、ご了承願います。

○斉藤委員長 この際、藤井東京都技監から発言を求められておりますので、これを許します。

○藤井東京都技監 一言御礼のご挨拶を申し上げます。
 このたびの定例会に提案いたしました議案につきましては、斉藤委員長を初め委員の皆様には熱心なご審議を賜り、まことにありがとうございました。
 これまでのご審議の過程でいただきました多くの貴重なご意見、ご指摘等につきましては、今後の事務事業の執行に十分反映させ、万全を期してまいります。
 今後とも一層のご指導、ご鞭撻を賜りますよう心からお願い申し上げまして、大変簡単ではございますが、御礼のご挨拶とさせていただきます。まことにありがとうございました。

○斉藤委員長 発言は終わりました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時三十九分散会

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