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Tokyo Metropolitan Assembly

都市整備委員会速記録第九号

平成二十五年九月二十七日(金曜日)
第六委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長斉藤あつし君
副委員長神林  茂君
副委員長大島よしえ君
理事加藤 雅之君
理事秋田 一郎君
理事立石 晴康君
石川 良一君
白石たみお君
島崎 義司君
吉倉 正美君
中山 信行君
木村 基成君
北久保眞道君
尾崎 大介君

欠席委員 なし

出席説明員
都市整備局東京都技監都市整備局長技監兼務藤井 寛行君
次長中嶋 正宏君
技監安井 順一君
理事櫻井  務君
理事佐野 克彦君
総務部長浅川 英夫君
都市づくり政策部長永島 恵子君
住宅政策推進部長細渕 順一君
都市基盤部長西倉 鉄也君
市街地整備部長鈴木 昭利君
市街地建築部長久保田浩二君
都営住宅経営部長上野 雄一君
企画担当部長福田  至君
連絡調整担当部長黒川  亨君
景観・プロジェクト担当部長小野 幹雄君
まちづくり推進担当部長佐藤  匡君
住宅政策担当部長加藤  永君
民間住宅施策推進担当部長山崎 弘人君
地下鉄改革担当部長牧野 和宏君
航空政策担当部長外かく環状道路担当部長兼務山下 幸俊君
防災都市づくり担当部長佐藤 伸朗君
多摩ニュータウン事業担当部長太田 誠一君
耐震化推進担当部長佐藤 千佳君
経営改革担当部長桜井 政人君
再編利活用推進担当部長建設推進担当部長兼務小野寺弘樹君
営繕担当部長妹尾 高行君

本日の会議に付した事件
陳情の取り下げについて
意見書について
都市整備局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百八十号議案 八ッ場ダムの建設に関する基本計画の変更に関する意見について
報告事項(質疑)
・私債権の放棄について
・「地震に関する地域危険度測定調査(第七回)」の公表について

○斉藤委員長 ただいまから都市整備委員会を開会いたします。
 初めに、陳情の取り下げについて申し上げます。
 お手元配布のとおり、二五第三四号、福山通運(株)による大規模トラックターミナルの建築確認申請等に関する陳情につきましては、議長から取り下げを許可した旨の通知がありましたので、ご了承願います。

○斉藤委員長 次に、意見書について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり意見書一件を提出したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。
 本件につきましては、取り扱いを理事会にご一任いただきたいと思いますが、これにご異議ございませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○斉藤委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○斉藤委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、都市整備局関係の付託議案の審査並びに報告事項に対する質疑を行います。
 これより都市整備局関係に入ります。
 初めに、付託議案の審査を行います。
 第百八十号議案を議題といたします。
 本案につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○浅川総務部長 去る九月十七日の当委員会で要求のございました付託議案、八ッ場ダムの建設に関する基本計画の変更に関する意見についての資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元に配布しております資料1、都市整備委員会資料(九月十七日要求分)、八ッ場ダムの建設に関する基本計画の変更に関する意見についての表紙をおめくりいただきまして、目次をごらんください。二件の要求資料でございます。
 まず、一ページをお開きください。1、八ッ場ダム建設事業における都の費用負担についてでございます。
 八ッ場ダム建設事業に関しまして、総事業費、平成二十四年度までの執行額及び平成二十五年度以降の予定額について、全体及びそのうちの都負担分をそれぞれ記載してございます。
 続きまして、二ページをお開きください。2、八ッ場ダム建設事業の進捗状況でございます。
 補償基準など六件につきまして、平成二十五年三月末現在の進捗状況を記載してございます。
 以上で付託議案の資料説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○斉藤委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○神林委員 今回提出されております付託議案でございます。八ッ場ダムの建設に関する基本計画の変更については、既に議論が何度も積み重ねられておりますけれども、これから事業推進に向けて、過ちなく、停滞なく促進していくために、ここで改めて何点か質問して、検証させていただきたいと思います。
 まず、今日に至るまでの主な経緯と、当初計画から四年ものおくれが生じた理由について伺います。

○永島都市づくり政策部長 今日に至る主な経緯でございますけれども、八ッ場ダムは、昭和二十七年、国が構想を発表して以来、地元では賛成派と反対派に分かれ、町を二分するような議論が三十年近く続き、地元の方々は大変つらい思いをされました。
 昭和五十五年に、群馬県の仲裁により生活再建案などが示されたことを転機として、地元住民は、下流都県の利水、治水のために、先祖伝来の土地が水没することを受け入れるという苦渋の選択の末、基本協定を締結してダム建設を受け入れました。
 その後は、地元の意向を最大限に尊重しながら、国と一都五県で事業を推進してまいりました。
 しかし、平成二十一年九月、国は、こうした経緯を一切無視して、また共同事業者である関係都県や地元の意見を聞くことなく、突如として八ッ場ダムの事業の中止を一方的に宣言いたしました。
 昨年十二月の政権交代を契機として、今年度になって、国はダム本体工事に着手すべく、八ッ場ダム基本計画の変更手続を開始したところでございます。
 工期につきましては、現時点で改めて国が見直ししたところ、本年五月の本体関連工事の公告から八十三カ月を要することとなり、事業完成の予定時期が平成三十一年度となり、ダムの完成が当初計画から四年おくれることとなりました。

○神林委員 今ご答弁にもありましたとおり、四年ものおくれが生じた理由は、平成二十一年九月に、当時の民主党政権がこうした経緯を一切無視して、また共同事業者である関係都県や地元の意見を聞くことなく、突如として八ッ場ダムの建設事業の中止を一方的に宣言したと、この辺にあるというご答弁だと思います。
 そこで、次に質問でございますけれども、身勝手な建設中止となって、生活再建が踏みにじられたダム建設予定地域の方々の思いは、私も想像を絶するものだと考えておりますが、地元経済に与えた影響も大きいと思います。
 そこで、この間、地元に対してどのような対応策がとられたのか伺います。

○永島都市づくり政策部長 国が、平成二十一年九月に、地元の状況を全く配慮することなくダム本体工事の中止を表明したことは、苦渋の選択の結果、治水、利水の切実な必要性を感じている下流都県のためにダム建設を受け入れ、ダム湖を前提にした生活再建を進めてきた地元の方々に対し、いかなる苦しみが与えられたのか想像を絶するものでございます。
 都は、極めて理不尽なやり方で中止を打ち出されたことを受け、都知事みずからが関係五県の知事に呼びかけ、現地視察と地元の方との意見交換を行いました。さらに、その場で共同声明文を発表し、国に対し、中止撤回を強く求めるとともに、責任を持って早急に地元住民の生活再建の青写真を示すことを強く申し入れました。
 一年後、知事は、関係五県の知事とともに再び現地を視察して事業の進捗状況を確認し、ダム本体工事の速やかな着工と国の責任において生活再建事業を確実に完成することを強く求めました。
 このような経緯を背景として、国は本体工事を中止したものの、つけかえ道路や鉄道などの生活再建のための事業を進めてきております。
 現在、道路や鉄道の移設や代替地の整備が進み、平成二十五年三月末現在、国道一四五号線と県道は、九二%の区間で既に供用を開始しております。

○神林委員 今答弁にもありましたけれども、やっとの思いで進み始めた計画が、地元を無視して身勝手に中止と、本当にたまったもんじゃありませんよね。また、建設中止による損害賠償ですとか生活補償などの財政的損失も莫大なものになっていると思います。
 しかしながら、今回の基本計画変更においては、徹底したコスト縮減により事業費の変更はないとのことですが、地すべり対策など事業費に含まれていない不確定な要素もあることも事実でございます。
 今後、さらなる負担を都県に課すことは避けるべきと考えますが所見を伺います。

○永島都市づくり政策部長 国は、八ッ場ダムの検証の際に、地すべり等の対策工事を必要とする可能性がある地区について、検討時点で得られていた技術情報に基づき検討した最大限の地すべり等の範囲を想定し、経費を算出しております。
 これらにつきましては、実際の施工に当たり、現在行っている地質調査等の結果を踏まえて、必要に応じて設計を行うこととしております。
 今後、調査、設計、施工等のあらゆる段階で、事業全体におけるコスト縮減により対応することを基本として、事業費以内の完成を目指して最大限の努力をすると国から聞いております。
 都としては、今後とも、国と関係県によるコスト管理等に関する連絡協議会も活用し、コスト縮減策や事業の進捗状況を適宜確認することにより、新たな基本計画に基づき八ッ場ダムが完成されるよう、関係県とともに国に強く求めてまいります。

○神林委員 知事も本会議で答弁されていましたけれども、近年の異常な気象の中で、ことしも危機的な渇水の状況に陥った例もございました。また、集中豪雨による被害が多発いたしましたけれども、利水、治水に対して八ッ場ダム建設がどのような効果をもたらすと期待しているのか改めて伺います。

○永島都市づくり政策部長 まず、治水の効果につきましては、代表質問で知事よりお答え申し上げましたが、八ッ場ダムは、利根川上流部の三流域のうち、唯一、洪水調節機能を持つダムのない吾妻川流域に建設されるものでございます。利根川上流のダム群の中で最大の洪水調節容量で計画されており、洪水調節施設の空白地帯を補うという治水上重要な役割を担っております。
 このダムが完成すれば、地域分布や時間分布などさまざまな降雨のパターンに対して、利根川の治水安全度を向上させることができます。
 また、利水の効果につきましては、都の水源の約八割を占める利根川水系は、近年の少雨化傾向により、ダムの供給能力が当初計画より約二割低下しており、また、温暖化に伴う利根川上流の積雪の深さが現状の三分の一に減少する予測があるなど、気候変動による水資源への影響が懸念されております。
 例えば、利根川水系では、昨年に引き続き、ことしも七月二十四日から九月十八日まで取水制限が実施されましたが、八ッ場ダムが完成していれば取水制限は回避できたとの国土技術研究センターの試算があり、利水上の効果は大きいと考えます。
 都民はもとより、首都東京の都市機能を維持し、これからの東京の発展を支える上で、八ッ場ダムは必要不可欠な施設でございます。

○神林委員 今回の八ッ場ダム基本計画の変更案では、事業費の変更はないものの、工期は四年間延伸され平成三十一年、すなわち二〇一九年、オリンピック・パラリンピック開催の前の年度に完成とされております。二〇二〇年の開催時に、東京で洪水被害や渇水による給水制限などがあってはならないことであり、日本の威信をかけても八ッ場ダムを整備する必要があるわけでございます。
 そこで都は、今後、八ッ場ダムの建設事業に対してどのように取り組むのか、委員会でもございますので、具体的にできるだけお願いしたいと思います。

○永島都市づくり政策部長 都は、今回、国から提示された基本計画変更案について、速やかにダム本体工事に着手し、一日も早く完成させること、また、工期延長により事業費が増額しないよう徹底したコスト縮減等に取り組むことという二つの意見を付して、同意することとする議案を提出しております。
 今回の議案について、議会のご承認が得られた場合には、附帯意見を確実に履行するよう国に強く申し入れてまいります。
 なお、国からは、今後の事業執行に当たっては、早期完成を目指し、工期短縮に努めるとともに、今後、実際の施工に当たり、事業全体におけるコスト縮減により対応することを基本として、事業費以内の完成を目指して最大限の努力を行うとの表明を受けております。
 また、都としては、関係県とともに、コスト管理等に関する連絡協議会なども活用し、コスト縮減策や事業の進捗状況を確認するなど、さまざまな手段を講じて二〇一九年度に完成させ、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックの開催を万全な状態で迎えられるよう取り組んでまいります。

○神林委員 最後に、都議会自由民主党としても、議案に付された二つの意見と同様に、また、今月九日に開催されました八ッ場ダム建設推進全体協議会でも決議されたように、徹底したコストの縮減などに取り組み、かつ、一日も早く完成される最大限の努力をすることという要望もつけ加えさせていただきまして、議案に賛成する立場から質問を終了いたします。

○中山委員 私も、今回、四年間おくれます八ッ場ダムにつきまして、これ以上このようなことが起きないように、第十九期都議会の冒頭でもありますし、先ほどの神林副委員長のご質疑と重なる点もあるかもしれませんけれども、我が会派の立場から確認をさせていただきたいというふうに思っております。
 八ッ場ダムは、首都東京にとりまして、利水、治水において極めて重要な施設であります。都議会公明党は、民主党政権下での一方的なダム本体工事中止から現在まで、一貫して八ッ場ダム本体工事の早期再開を求めてまいりました。
 平成二十四年十二月、自民党、公明党の連立政権となり、太田大臣による早期完成に向けた取り組みを進めていくとの方針のもと、ようやくダム本体工事に着手すべく、八ッ場ダム基本計画の変更手続が動き出しました。
 太田大臣といえば、私は、三・一一の地震発災後、太田大臣、当時は浪人中でしたので、バッジのないただの太田昭宏さんでしたけれども、地元足立区の河川敷が液状化した模様を取り上げて、水位偏差補正を施した後の数値で六十センチ、荒川の岩淵水門で観測されたことを、水位偏差の補正をした後ですからね、実際はもっと大きく動いたわけですけれども、国土交通大臣のところに近藤足立区長と一緒に伺って、首都でも東北の地震ですら津波の遡上というのがあったんだということ、そしてまた、荒川が、大変な、河川敷が避難場所になっているんですけれども、そこが液状化してしまったというようなことを訴えさせていただいて、きちっとやらなくちゃいけないと、たまたまそこに河川局長も呼ばれていましたから、そのことを訴えさせていただいて、その年の十二月には津波防災地域づくりに関する法律の制定につながったことを思い出します。
 ですから、私もそうですけれども、各委員の先生もそうだと思いますが、防災対策に真剣に取り組んできたものだけに、八ッ場ダムの工事中断ということについては、大変憤りを太田さんも覚えておりましたし、私も共感するものであります。
 ともかく、その後、国から基本計画変更に関する意見照会があり、都は意見を付して同意する議案を提出しております。
 そこで改めて、八ッ場ダムの工事中止から現在までの経緯と工期延伸の理由について、お伺いをいたします。

○永島都市づくり政策部長 八ッ場ダムの工事中止から現在までの経緯でございますが、国は、一都五県とともに、利水、治水両面から必要不可欠な事業である八ッ場ダム建設を推進しておりました。しかし、平成二十一年九月、国は突如として具体的な説明なしに、極めて理不尽なやり方で八ッ場ダムの本体工事の中止を表明いたしました。
 しかし、国は、関係都県や地元住民の強い反対を受け、平成二十二年十二月に、当時の国土交通大臣が、一都五県の知事からの申し入れに対して、一切の予断を持たずにダムの検証を進めることを表明いたしました。
 平成二十三年十二月には、ダムの検証結果を受け、同じ政権のもとで八ッ場ダム建設事業の継続を決定したものの、当時の官房長官裁定により、その後も本体工事着手には至りませんでした。
 昨年十二月にダム本体関連工事の予算が措置され、ことし七月にはダム本体関連工事に着手することができました。
 その後、国から基本計画変更に関する意見照会があり、都は、意見を付して同意する議案を提出しております。
 今回の工期変更につきましては、現時点で改めて国が工程を精査したところ、ダム本体工事の中止の影響を反映し、本年五月の本体関連工事の公告から八十三カ月を要することとなり、事業完成の予定時期が平成三十一年度となりました。結果として、当初の計画より完成が四年おくれることとなりました。

○中山委員 今、あくまで都市整備局さんは、公正な立場から、事実に基づいて事柄だけを時系列でご説明いただいたわけでございますけれども、そこでも明らかなように、前政権の中では、予断なく検証した結果、工事の再開を認めたけれども、予算はつかなかった。予算がつかなきゃ工事は再開できませんので、今回ようやくこういう予算がついて、工事再開に向けて動き出したことを喜びたいと思っております。
 仮に、八ッ場ダムの完成を平成三十二年三月、三十一年度ということですから、ぎりぎりだと三月になっちゃうわけですけれども、その年には、先ほどもお話があったようにオリンピックが開催されるわけでございます。オリンピック・パラリンピックの水資源の確保には、今のままであれば何とか間に合うのかなと思いますが、ただ、八ッ場ダムはもちろんオリンピック・パラリンピックの開催は関係なく、それにかかわらず、都民の生活、生命、財産を守るために必要なものであります。
 改めてこの四年間の完成遅延という痛手の大きさを、口惜しい思いでいっぱいでございますが、その上で、工期が四年間延びることになったにもかかわらず、今回の基本計画では事業費の変更はないということでございます。先ほどは、工法の工夫という点もございましたけれども、そこで今回、事業費が増額しない理由をもう少し詳しくお話をいただければありがたいです。よろしくお願いします。

○永島都市づくり政策部長 これまでも、八ッ場ダムにおきましては、ダム本体の規模縮小あるいは掘削量の見直し、新技術の採用による橋梁の施工計画の見直しやつけかえ県道の構造見直しなど、さまざまな工夫によりコスト縮減を図ってまいりました。
 今回の基本計画変更案では、工期が四年延びることになりますが、改めて事業全体を見直し、ダム堤体、いわゆるダム本体部分の工事費を減額させるなど事業費を再算定した結果、事業費については現計画と変わらないこととなりました。

○中山委員 通常、四年間も工事が中断されれば、私は素人ですけれども、再開後の工事費が増大するのは当然だと私は思いますが、今ご答弁にあったとおり、さまざまな工夫を関係者の方々が講じた結果、現状維持ということに今のところなっているということについて、そのことについては評価したいと思います。
 この努力について、けちをつけるような人はいないと思いますけれども、多大な努力の上で現状維持に抑えた、これは都民の負担を抑えることにもなるわけですから、そのことを尊重すべきと考えております。
 しかし、総工費がふえなければそれでいいというわけではございません。道路や鉄道つけかえなどの生活再建工事が行われておりますが、肝心のダム本体工事には着手せず、無駄に四年間もの歳月が費やされております。
 そこで、四年間の工期のおくれによる影響について改めてお伺いしたいと思います。

○永島都市づくり政策部長 例えば、平成八年の渇水を例にとりますと、仮に、このとき八ッ場ダムが完成していたとすれば、百十七日間に及ぶ取水制限が十七日間で済むとの試算が公表されております。
 また、ことしの取水制限につきましても、一般財団法人国土技術研究センターの国土政策研究所では、もし八ッ場ダムが完成していれば回避できていた可能性があるとの検証結果をまとめております。
 利水はもとより、治水においても効果が高い八ッ場ダムの完成が四年間もおくれることにより、これまで関係都県が負担してきた投資に見合う効果の発現がおくれ、利根川流域一都五県の住民を洪水や渇水の危険に脅かす状況が続くことになります。
 さらに、ダム建設により移転が余儀なくされた地元住民にとって、ダム湖を前提とした生活再建がさらに大きくおくれることにもなります。
 このように、工期延長は、下流都県にとっても、また地元住民にとっても、極めて影響が大きいことから、都としては、国に対して、八ッ場ダムの本体工事中止に伴う事業のおくれを最大限の努力で取り戻し、一日も早く完成させるよう強く求めてまいります。

○中山委員 これまでのご答弁にもありましたように、八ッ場ダムは治水、利水の両面で非常に大きな効果を有する施設でございます。
 しかし、四年間に及ぶダム本体工事の中止によりまして、まことに遺憾ながら、これまでの投資による効果発現はおくれることとなりました。八ッ場ダムが完成されるまでの間、都民、関係国民の生命や財産、生活が脅かされるような災害、渇水が発生しないことを切に願うものであります。
 利水については、一昨日の我が党の代表質問でも明らかになりましたとおり、八ッ場ダム完成までの間に深刻な異常渇水が発生する場合は、取水や給水制限に加え、節水の呼びかけ、他の水系からの水利用などでしのがざるを得ない状況になります。
 しかし、不十分であってもまだ利水面では代替手段があるからいいわけですけれども、治水面では、万一、大規模洪水に至るほどの深刻な豪雨が重なった場合には、八ッ場ダムにかわる、それにとってかわってくれる代替手段というものは、当面のところ今ありません。スーパー堤防だけで対応しようとすれば、八ッ場ダム本体工事よりもはるかに莫大な費用と長大な年月を要することになってしまいます。
 また、何より下流都県の人々のために苦渋の選択として八ッ場ダム建設を受け入れ、ダム湖を中心とした生活再建を切望していらっしゃった地元住民のためにも、ダムの早期完成は不可欠であります。
 責任と権限のある立場にあるはずの政治家が、はた迷惑な思いつき的な判断によって、人々の生命、財産が脅かされるようなことは、二度と起こしてはならないというふうに、私も都議会の一員として深く決意するものであります。
 ダム本体工事を一方的に中止させた民主党政権も、先ほどのご答弁にありましたように、一切の予断を持たずに検証を進めた結果、八ッ場ダムの必要を認めております。よくいわれることでありますが、今いってもしようがありませんけれども、できればマニフェストに書く前に検証してほしかったという思いがあります。
 しかし、その後もまだ、水が余っているとか流量が過大などと、何の根拠も持たずに無責任な発言をする人がいらっしゃるようですが、私は、そうした謝罪、そうしたことすべては、ダム本体工事の中断を指示したことについて、謝罪と反省の言葉を何度でも繰り返していただきながら、都民の生命、財産を守るための治水、利水対策をめぐる論議に、これからは参加していただきたいというふうに思っております。一日も早い八ッ場ダムの完成を求め、私の質問を終わりたいと思います。

○大島委員 私からも、八ッ場ダムの問題について質問させていただきたいと思います。
 八ッ場ダムの基本計画の変更は今回で四回目です。基本計画の変更のうち、工期の変更では、二〇〇一年が最初の変更で、完成予定を二〇〇〇年度から二〇一〇年度に十年延期し、二〇〇八年にはさらに二〇一五年度完成へと五年延長されました。今回はこの完成時期をさらに四年延長するという変更です。
 二〇〇三年十月には、一都五県合同調査チームから、平成二十二年度の完成というが、利水者が八ッ場ダムへの参画を判断する一つの材料となっており、予定年度における完成を強く要望したいと国に要望を出しています。
 今回は事業費の変更はありませんが、これまでもたびたび完成予定が延期され、前回の二〇一五年度完成という約束がほごにされてきたことについて都の見解を伺います。
 また、完成時期が二〇一九年度に延長されることによる影響をどのように考えているのかお聞きします。

○永島都市づくり政策部長 二〇一五年度完成という約束がほごにされてきたことについての都の見解でございますけれども、当時の政権による一方的なダムの中止宣言により、工期が四年も延びたことは極めて遺憾でございます。
 八ッ場ダムは、都はもとより、首都圏の治水、利水の安全度を高めるために必要不可欠な施設でございます。本来ならば二〇一五年度に予定されていたダムの完成が延びることにより、利根川流域の一都五県の住民を洪水や渇水の危険に脅かす状況が続くことになります。
 国は、基本計画を速やかに変更し、工期短縮やコスト縮減を進め、本体工事の中止に伴う事業のおくれを取り戻す責務があると受けとめております。

○大島委員 今、四年おくれたことが民主党政権のせいだったといっておりますけれども、実際に工事は、本体工事を除いてずっと進められてきたということもあります。それよりも、二〇一一年十一月に開かれた八ッ場ダム建設事業の関係地方公共団体からなる検討の場の幹事会、ここで国から事業継続の対応方針が出されました。しかし、そのときも工期の延長という話は全くなかったと聞いています。つまり、国は、工期の延長などということについては全然考えていなかった、または考えていてもそれを関係都県にはいわなかった、こういう流れがあったのではないかというふうに思っております。
 二〇〇八年の変更のときも、さらなる工期延長がないよう万全を期すと意見を付して同意したのではありませんか。今回と全く同じです。
 工期延長については、二〇〇九年の民主党政権のときも、先ほどもいいましたけれども、ダムの本体工事は一時中止されましたが、国がダム検証している間も、ダム本体工事以外の関連工事は従前どおり進められてきました。
 新聞報道によれば、来年度、本体工事に着手するとされています。これまでの政府答弁では、本体工事に着手してから七年で完成すると想定されていると、八ッ場ダムの完成時期について答弁をしています。この答弁からいえば、工期は二〇二〇年度までずれ込む、延長せざるを得ないと思うのですが都の見解を伺います。

○永島都市づくり政策部長 国は、現時点で改めて工程を精査した結果、事業完成の予定時期が平成三十一年度となるとの結果を得て、今回の基本計画の変更案を提示しております。
 なお、平成二十三年に行った八ッ場ダムの検証におきましては、国は、八ッ場ダムの完成時期を本体工事の公告から八十七カ月としておりますが、今年度、本体関連工事を実施することで、本体関連工事の公告から八十三カ月に短縮できると聞いております。

○大島委員 先ほどもいいましたけれども、ダム本体工事以外の関連工事は従前どおり進められてきたわけです。
 いただいた進捗状況の資料でも、用地取得とつけかえ鉄道は九〇%、家屋移転が九四%、つけかえ国道、つけかえ県道が九二%となっています。しかし、地元の方に聞きますと、つけかえ鉄道の軌道や駅舎の工事は進んでいても、肝心の駅前広場の用地取得や工事に大変なおくれがあるということも聞いていて、結局、駅舎と鉄道はあっても駅は開通できないと、こういう状況に至るのではないかと危惧する声もあります。
 二〇〇八年一月二十九日の都県合同による八ッ場ダム現地調査報告書で確認したことのうち、工事延長については、つけかえ鉄道やつけかえ道路の大型構造物についてはほとんど発注が終わっているため、本事業が要因となるさらなる工事延長はおおむねないものと判断している、また、本体工事についても、施工時間帯等について地元への配慮がなされていることから、さらなる工事延長の要因とはならない、こう書いてあります。
 また、試験的にダムに水をためる試験湛水期間、これは事業期間に含まれますが、試験湛水中に地すべりが発生した場合など、さらなる工事延長も考えられるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○永島都市づくり政策部長 地すべりによる工期延長についてでございますが、国は、八ッ場ダムの検証の際に、地すべり等の対策工事を必要とする可能性がある地区について、検討時点で得られていた技術情報に基づき検討した最大限の地すべり等の範囲を想定しております。
 現在、地質調査等を行っているところでありますが、その調査結果を踏まえて、必要な安全性を確保した上で、工期短縮を含めた具体的な対策を決定するとしております。
 仮に、この最大限の地すべり等の範囲に対する対策を全て実施することになった場合であっても、いずれの対策もダム本体工事と並行して実施することが可能であり、試験湛水の開始までには完了できるものと見込まれることから、事業全体の完了時期には影響しないものとの考えを示しております。

○大島委員 この八ッ場ダムというのは、大変地すべりが問題になっている地質というか、そういう場所なんです。
 同じように、埼玉県の荒川の滝沢ダムというのは、二〇〇五年九月にダムが完成しました。十月に試験湛水を開始しましたけれども、十一月には斜面の亀裂が発生して対策工事をする、二〇〇六年八月に試験湛水を再開しましたけれども、二〇〇七年五月に別の斜面に亀裂が発生する、追加の地すべり対策費を百四十五億円もかけました。そして、二〇〇七年八月に試験湛水を再開した、二〇〇八年四月に竣工しましたけれども、試験湛水中から複数発生していた地すべりが鎮静化しなかったために、対策工事がさらに施されて、二〇一一年三月にようやく建設事業完了ということになりました。
 つまり、ダム完成からダムが使えるようになるまで、およそ六年の歳月と莫大な地すべり対策費が追加されてきたということです。
 八ッ場ダムにつきましても、このダムと同じように、地すべりの危険が多くの専門家から指摘されています。
 事業費については、今回増額という変更はありませんけれども、二〇〇四年の変更では、二千百十億円から四千六百億円と二倍以上に大きく膨らみました。今回、増額変更というのは示されておりませんけれども、さまざまな問題が起きる可能性はあるということを私はいっておるんです。工期が延長される、今回も四年延長されますが、こういうことは事業費の増額につながるということも予想されるのではないかと思いますがいかがでしょうか。

○永島都市づくり政策部長 国は、平成二十年に変更した現行の基本計画におきまして、事業費は約四千六百億円としておりますが、現時点で改めて見直しした結果、この事業費の変更理由はないことから、事業費については変更しておりません。
 今後、実際の施工に当たり、事業全体におけるコスト縮減により対応することを基本として、事業費以内での完成を目指して最大限の努力を行うとしております。

○大島委員 いただいた資料を見ますと、平成二十四年度までの執行額として三千七百二十五億円ということで、二十五年度以降の予定額が八百七十五億円になっていると。つまり、これで本体工事やら、今おくれているさまざまな工事を全てやり終えるということになると思うんです。ここにやはり無理があるのではないかと私は思っているんです。
 先ほども述べましたけれども、二〇〇八年一月二十九日の都県合同による八ッ場ダム現地調査報告書で確認したことのうち、事業費の面ではどういっているかというと、総事業費の増額がないこと、今後予定の事業の必要性及び事務執行の確実性の中で、平成十六年度以降、学識経験者などから構成されるコスト縮減技術委員会と、国と関係都県から構成されるコスト管理等に関する連絡協議会と連携しながらコスト縮減に努めていくと、こう書いてあります。このコスト縮減技術委員会などの意見というのは、今いわれたコスト縮減になるということだというふうに思うんです。
 でも、もう一方で、二〇一一年の八ッ場ダム事業の検証では、工事延長等による事業費の増額、コスト縮減による減額、追加的な地すべり対策と代替地の安全対策の点検による増額で、差し引き百八十三億円の増額が必要という試算結果が示されています。
 こうした事業費の増額分は、先ほどの平成二十五年度以降の予定額八百七十五億円の中にのみ込めるのか、コスト縮減だけによって対応することができるのか伺います。

○永島都市づくり政策部長 先ほどお答えしたとおり、国からは、今後、実際の施工に当たり、事業全体におけるコスト縮減により対応することを基本として、事業費以内の完成を目指して最大限の努力を行うと聞いております。

○大島委員 私は、コスト縮減などによるよりも、もっと事業費は膨れていくんではないかと、つまり、無駄なお金がたくさんふえていくんじゃないかということが考えられるといっているんです。
 この間も、期間の延長とか、それからコストの縮減等で、コストの増額、事業費増額はありませんよということを、何回も変更のたびに東京都としては意見を付して、国に変更について同意をしてきているんですけれども、実際にその内容について東京都自身が検証する、そういうことはあったんでしょうか。

○永島都市づくり政策部長 検証についてのお話でございますけれども、これまで八ッ場ダムにおきましては、八ッ場ダムのコスト縮減の実績でございますけれども、ダム本体の規模縮小あるいは掘削量の見直し、新技術の採用による橋梁の施工計画の見直しやつけかえ県道の構造見直しなど、さまざまな工夫によりコスト縮減を図ってきているところでございます。
 今後も、コスト縮減につきまして、都としては、関係県と連携しまして注視してまいりたいと思っております。

○大島委員 先ほどいいましたけれども、二〇〇八年一月二十九日の都県合同による現地調査報告書で、もう既にコスト縮減等については書いてあるんですけれども、実際にその部分についての検証というのは、その後、ずっとされてきたのかなと。だから、要するに国がいうからそのままうのみにして、工事期間の延長も、それから、いうままに事業費の増額も、いいですよ、いいですよとやってきたんじゃないですかということが一番の大きい問題だと私は思っているんです。
 事業費の増要因として、東電への減電補償などということも考えられます。今後、事業費増額が迫られたときに、都はどのように対応しようと考えているんですか。

○永島都市づくり政策部長 減電補償につきましては、国からは、公共補償基準要綱等に基づいて実施することとなるため、今回の基本計画の変更によって補償内容が大きく変わることはないと聞いております。
 都としては、今後とも、先ほどもご答弁申し上げましたけれども、国と関係県によるコスト管理等に関する連絡協議会などを活用し、コスト削減策や事業の進捗状況を適宜確認することにより、新たな基本計画に基づく事業費以内で八ッ場ダムが完成されるよう、関係県とともに注視してまいります。

○大島委員 何回かいうようで申しわけないんだけれども、前回の計画変更の意見を求められたときも、さらなる工期延長がないように万全を期すと、そして、事業費の増額がないよう徹底したコスト縮減に取り組むことという二つの意見を付しているんです。今回も同じような意見を付して、やむなく同意しようとしているんです。
 都独自に、工期についても事業費についても検証したということはなくて、結局、国がやる事業をただ見守っていくというようなご答弁でしたけれども、やっぱり国にいわれるまま、やむなく同意しているんじゃないかなというふうに私は思うんです。何度も繰り返す工期延長とか事業費増加について、都民にしっかりと説明する責任があると思います。
 次に、八ッ場ダムの主な目的というのは利水と治水だと、その点について質問をさせていただきたいと思います。
 これは都水道局の問題にかかわるので、なかなかご答弁するのは難しいというふうに思いますので、ちょっと一方的な話になってしまうと申しわけないんですけれども、都水道局の事業概要によりますと、経済の過熱や冷え込み等の景気循環を反映して、水道需要も増加と停滞を繰り返してきたが、最近では、一日最大配水量は減少または横ばいで推移していると書かれています。
 水道局の資料によると、一日最大配水量の実績は、給水人口がふえているのに、一九九二年度の一日当たり六百十七万立米以降、ほぼ減少の一途をたどりまして、二〇一一年度には一日当たり約四百八十万立米まで低下しています。水需要の減少というのは今後も続く傾向を示しているんです。
 今後も、節水型機器の普及などによって一人当たりの水量の減少傾向が続き、人口も世帯数も近い将来は減少傾向になるので、水余り状況がますます顕著になり、八ッ場ダムの利水面での必要性はなくなるのではないかと思いますが都の見解を伺います。

○永島都市づくり政策部長 都が保有する水源量は、現在、日量六百三十万立方メートルでございます。この中には、川崎市などからの分水を受けている相模川の水源のように、将来確保できなくなる可能性のあるもの、また、多摩川のように、年々川底が低くなり、計画どおりの取水ができないものなど、いわゆる課題を抱えている水源が八十万立方メートルございます。
 また、都の水源の約八割を占める利根川水系においては、建設を進めてきた八ッ場ダムが完成していないことに加え、既存のダムについても、近年の少雨傾向から、供給能力が当初計画の約二割減少しております。
 近年、地球規模の気候変動により、大きな渇水のおそれも指摘されており、仮に人口や都市機能が集中する東京で一たび水不足が生じれば、都市活動、首都機能に甚大な影響を与え、社会全体が大混乱に陥ることが予想されます。
 例えば、利根川水系では、昨年に引き続き、ことしも七月二十四日から九月十八日まで取水制限が実施されましたが、八ッ場ダムが完成していれば取水制限は回避できたとの国土技術研究センターの試算があり、利水上の効果は大きいと考えます。
 将来にわたる安定的な水源の確保は、首都機能を支える都の重要な責務であり、水余りの状況にあるとの認識は全くございません。
 なお、お話にあった節水型機器の普及につきましては、ダムの再検証において、節水型洗濯機等の奨励などがダムの代替の一つとして検討されましたが、現実的かつ効果的な対策になり得ないとの結論が出ております。

○大島委員 渇水の問題で大変心配をしているというようなお話がありましたけれども、ことし七月、十九年ぶりで利根川流域六都県で一〇%の取水制限を開始したと、こういう記事なども載っておりました。
 しかし、取水制限といっても一〇%程度、なおかつ断水というのはなかったんですね。生活していく上で水がとまっちゃうというようなことはなかったし、給水圧の調整もしたのかな、それほどしていないんじゃないか、取水だけで終わっているんじゃないかなと思います。十九年ぶりの渇水だということでしたけれども、河川からの取水制限しただけで、給水制限というのはほとんどありませんでした。
 また、八ッ場ダムは夏に洪水調整をするという、そういうふうに位置づけられているダムなので、水位を下げるんです。ですから、利水容量は大幅に減りますし、渇水期に当てにできるダムではありません。
 それから、利根川水系八ダムによって、河川整備によって、カスリーン台風以降、堤防の決壊を伴うような大水害は起きておりませんし、地球温暖化で記録的な豪雨災害、ゲリラ豪雨といわれるような災害が頻発する現在においても起こっていないんです。
 また、一九九四年、二〇〇五年の全国的な大渇水時においても、首都圏は深刻な渇水被害は起こりませんでした。
 そして、私は、水道局じゃないので余り皆さん方にいえないんですけれども、でも私、この渇水、水需要の問題で驚いちゃったんです。
 水道局が出している将来の首都東京にふさわしい水道施設の再構築を考える会というところからの報告書の中に、将来起こり得る水道施設のリスクと課題の中に気候変動というのが書いてありました。この気候変動が水資源へ与える影響というものです。先ほどもありましたけれども、これから渇水期ということで、水資源については大変な事態になると予想しているから、水余り状況じゃないんだと答弁がありました。
 これには、気象庁の報告によると、二十一世紀末には、日本の年平均気温は二、三度上昇するとされているんです。この気温の上昇に伴い、百年後には、利根川上流の積雪深は現在の約三分の一に減少するという予測も報告されていると、大変な事態になりますよ、水余りどころじゃありませんよと、皆さんがいっているのは、こういうところからとっているのかなというふうに思うんです。
 ところが、この中で、百年後の、要するに雪が積もる積雪深の変化というのが、藤原ダム地点であるんですけれども、ここに、A2という基準でこれを見ていますよということが出されているんですが、このA2のシナリオというのを見てびっくりしたんです。地球規模の気候変動に大きな渇水のおそれというふうにいいますけれども、東京都水道局の報告では、百年後の将来のシナリオは、CO2が一九九〇年と比較して四倍にもなると、そういうA2シナリオというのを基準にしているんです。もしこんな事態になったら世界は破滅的な事態となります。
 そして、二〇〇八年に改正された、G8、北海道洞爺湖サミットでは、二〇五〇年までに、世界全体の温室効果ガス排出量の少なくとも半減を達成する目標というのを、気候変動枠組み条約の全締結国と共有し、採択することを求めることについて、G8間で共通理解がつくられたといっています。
 東京都は、こうしたCO2削減を率先して進める立場にあるはずでありながら、CO2が百年後には四倍になるというこのシナリオ、こんな大きな渇水に備えるというのは、大問題だというふうに指摘をしておきたいと思います。
 二〇一二年三月末に、東京水道施設再構築基本構想を発表しました。東京都の水需要予測を八年ぶりに更新したんです。それまでは、二〇〇三年十二月に行った水道需要予測で、計画一日最大配水量を六百万立方メートルと算出していました。実績と計画では百二十万立方メートルも差があるんです。八ッ場事業への参画で、東京都が得る配水量換算では四十二・八万立米ですから、実績で見れば、八ッ場の利水は全く必要ないということになります。
 ところが、昨年見直した新たな水需要では、二〇一五年度は一日当たり五百九十二万立米、二〇二〇年度には五百九十三万立米と少し減少しましたけれども、東京の給水人口がピークを迎えた後、徐々に減少するという予測を出しました。この計算方法は大いに疑問があるんですが、この委員会で明らかにすることは、局が違うのでできません。だから残念です。
 しかし、この予測でも、二〇三五年度五百七十万立米、二〇五〇年度五百五十万立米となり、必要度が次第に小さくなって、八ッ場ダムが意味を持つ期間はそれほど長くないということを指摘しておきたいと思います。
 次に、治水について質問をします。
 洪水調節について、これまでの洪水調節ルールを変更しました。今回の変更で、従来の計画高水流量毎秒三千九百立米の大洪水が来たときに、今回の洪水調節ルールでは、洪水のピークが来る前に洪水調節機能を失うことになるのではないか。都の見解を伺います。
 また、利根川・八斗島の最近六十年間の最大実績流量は毎秒九千九百六十立米で、既設のダムや河川で十分対応できています。八斗島における毎秒一万七千立米の目標流量は、過大なものになっているのではないかと思いますがいかがでしょうか。

○永島都市づくり政策部長 計画高水流量についてでございますが、これは、ダムの建設地点において、洪水ピーク時に一秒間にダムに流入する流量を示すものでございます。したがって、お話のように、見直し前の値と最新のデータを用いて見直しした値との差の流量がダムからあふれてしまうという理解は、全く誤りでございます。
 八斗島における毎秒一万七千立米の目標流量は過大ではないかということですが、利根川水系では、長期的な整備水準を定める基本方針においては、治水基準点である八斗島での目標流量を、二百年に一度の確率で発生する洪水に相当する毎秒二万二千立米に設定をしております。
 この基本方針のもとに、二十年から三十年の中期目標を示す整備水準を河川整備計画で定めて、この中でお話の目標流量毎秒一万七千立米を、七十年から八十年に一度の確率で発生する洪水を考慮して設定しております。
 東日本大震災の例を見るまでもなく、これまで経験をしたことがないと表現されるような自然災害がいつ起こるとも限らず、単に過去六十年間の状況のみと比較して、ダムを不要とすることは全く適切ではございません。
 都民の生命と財産を守るとともに、首都東京の都市機能を維持し、将来の発展を支えていくためには、長期的な視点から、過去のデータに基づき、現実的かつ確実に効果の見込める対策を着実に進めていく必要がございます。

○大島委員 一九四七年、昭和二十二年のカスリーン台風によって、埼玉県の大利根町、今の加須市ですけれども、堤防が決壊し、そして首都水没という非常事態が起きました。一九四九年、国の利根川改修改訂計画で、八斗島基本高水流量、これは基準とする洪水流量ですけども、これをカスリーン台風時の洪水流量である一万七千立米に抑えることとしました。これを受けて、河川整備計画として、全体の七〇%程度、毎秒一万四千立米を堤防整備などの河川改修で対処し、残りの毎秒三万立米を上流ダム群で抑制するという計画です。今、このカスリーン台風が再来したと仮定した場合の流量は、ほぼ同規模の一万六千七百五十立米となると国交省は説明をしています。
 利根川ではこの間、堤防のかさ上げなどの河川改修が延々と行われてきました。その結果、一九九八年九月にこの五十年間で最大といわれる洪水がありましたが、国交省が決壊を予想する地点の最高水位は、堤防の天端から約四メートルも下という安全度になっています。
 二〇〇七年の台風九号は、八ッ場ダムの上流域に百年に一度の降雨に匹敵する雨を降らせました。計画では、毎秒三千九百立米の洪水が八ッ場ダム地点に流れるはずでした。しかし、実際に流れたのは千三百七十三立米と、予想の三分の一程度だったといわれています。やはりダムをつくるより、堤防補強などの予算に振り向けて、かけていくことの方が先決だと思います。
 過大な事業費をかけ、そして治水や利水でも、もう必要となくなったダムについては、もう一度見直すことが必要だということを申し上げ私の質問を終わります。

○尾崎委員 今、各先生方からご質問が出まして、正直いって耳が痛い部分もあれば、ちょっとそうじゃない部分もあるのかなという中で、いろんな質問が出た中で、私も今回、八ッ場ダムの工期の延長について、一つだけ質問させていただきたいと思います。
 八ッ場ダムの工期の延長については、今お話もありましたけれども、東京都は、徹底したコスト縮減を求めるものの、国からの照会に対して、やむを得ないものとして賛同するとしております。
 先日の私たちの代表質問で、東京都は、国に対して、今後の工程計画などについて詳細に説明を求めるとともに、現地に赴いて調査をして、そしてまた慎重に変更内容を確認したと、こういった答弁をいただいたわけであります。
 八ッ場ダムは、先ほどもちょっと出ておりましたが、前政権の際でも、本体工事以外は工事を進められてきたわけであります。ただ、つけかえ工事等がおくれていることなど、本体工事以外の工事がおくれている事情などがあったこともまた事実であります。
 今後、地すべり等の対策工事や、それを原因とする工期のおくれなどがあれば、これは事業費の増加がやっぱり懸念されるわけでありまして、また代替地の整備費用、この整備費用については、基本計画の事業費に盛り込まれていないわけであります。これは、代替地はまだ造成中でありますので、さらなる事業費の増加も懸念されると思っております。
 こうしたことから、さらなる事業費の増加は避けられないのではないかという、工期が延長すれば、今回、四千六百億円という枠を超えておりませんけれども、工期が延びれば事業費がふえていくんではないかというのは、これは大体だれもが思われるところだと思うんですが、東京都がコスト削減に取り組むことを国に意見するのは当然として、今後の事業費の増加に対してどういった取り組みをしていくのかお伺いをいたします。

○永島都市づくり政策部長 国は、平成二十年に変更した現行の基本計画において、事業費は約四千六百億円としておりますが、現時点で改めて見直しした結果、この事業費の変更がないことから、事業費については変更しておりません。
 ご指摘の地すべり等の対策に係る経費は、対策を必要とする可能性がある地区について、検討時点で得られていた技術情報をもとに検討した最大限の範囲を想定し算出したものであり、実際の施工に当たっては、地質調査を行った上で、必要に応じ設計等に反映させることとしております。
 国は、実際の施工に当たり、事業全体におけるコスト縮減により対応することを基本として、事業費以内の完成を目指して最大限の努力を行うとしております。
 また、代替地の整備費用についてのさらなる事業費の増加のご懸念ということでございますが、国の現時点での見解では、代替地の整備費用につきましては、分譲収入で賄うこととしているということでございます。
 都は今後とも、国と関係県によるコスト管理等に関する連絡協議会などを活用し、コスト縮減策や事業の進捗状況を適宜確認することにより、新たな基本計画に基づく事業費の範囲内で八ッ場ダムが完成されるよう、関係県とともに注視してまいります。

○尾崎委員 今、局の方で、事業費が増額をしないよう、国と関係県等によるコスト管理等に関する連絡協議会を活用していくと答弁されたわけでありますけれども、今の説明をもってしても、さらなるコスト増の懸念が全くなくなったわけではないわけであります。
 今回の基本計画の変更では、事業費の増加はないとされているわけでありまして、工期延長について主に問われておりますけれども、今後、この事業費の増加が見込まれるようであれば、これはやっぱり国に対して強い姿勢で臨むことも必要であると思っております。
 今回の計画変更については、さまざまなご意見も、いろいろな団体や都民の方々からもお伺いをしておりまして、我々ももちろん責任の一端はあるわけでありますけれども、洪水調節方式の見直しは、大規模な洪水を想定しておらず、本来の意義が失われているんじゃないかという意見も、これはあるわけであります。
 また、河川法に定める河川整備計画、これは具体的な川づくりについて、工事の実施基本計画よりも具体化しておりまして、地域の意向を反映する手続を導入することとしております。これは、民主党が、八ッ場ダムを含む利根川、江戸川河川整備計画について、今まで丁寧な策定作業を進めていたんですけれども、最近、有識者会議や関係住民等の疑問に十分答えないまま拙速に策定されて、手続にちょっと問題があるんじゃないかという意見もあるということを付して、私の質問を終わりたいと思います。

○斉藤委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○斉藤委員長 それでは、異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。

○斉藤委員長 次に、報告事項、私債権の放棄についてに対する質疑を行います。
 本件については既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○斉藤委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○斉藤委員長 それでは、異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。

○斉藤委員長 次に、報告事項、地震に関する地域危険度測定調査(第七回)の公表についてに対する質疑を行います。
 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布しております。
 資料について理事者の説明を求めます。

○浅川総務部長 去る九月十七日の当委員会で要求のございました、地震に関する地域危険度測定調査(第七回)の公表についての資料につきましてご説明申し上げます。
 お手元に配布しております資料2、都市整備委員会資料(九月十七日要求分)、地震に関する地域危険度測定調査(第七回)の公表についての表紙をおめくりください。災害時活動困難度の測定結果についてでございます。
 区別及び市町別に、災害時活動困難度のランクごとに、該当する町丁目の数をそれぞれ記載してございます。
 以上で報告事項の資料説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○斉藤委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○木村委員 東京都は、九月十二日に地震に関する地域危険度測定調査を発表しました。この調査は今回で七回目であり、東日本大震災以降では初めてとなります。それだけに、発表翌日の新聞に掲載されるなど、地震に対する関心の高さがうかがわれます。
 今後、三十年のうちに七〇%の確率で首都直下型地震が発生するといわれております。今回の地震に関する地域危険度測定調査を実施して公表することは、都民あるいは都内で働く方々に防災に関する意識をより高く持っていただく上で、大変有意義であると私は考えております。
 そこで、先日の委員会で報告をいただいておりますが、確認のため、地震に関する地域危険度測定調査の目的についてお伺いをいたします。

○佐藤防災都市づくり担当部長 本調査は、地震に強い都市づくりの指標といたしまして、震災対策事業を実施する地域の選択に活用するとともに、都民の地震災害に対する認識を深め、防災意識の高揚に役立てることを目的としております。
 また、地震に対する建物倒壊、火災、総合の三つの危険度を都内五千百三十三町丁目ごとに測定いたしまして、五段階に相対的にランク分けしており、昭和五十年からおおむね五年ごとに公表しているものでございます。

○木村委員 今回の地震に関する地域危険度測定調査は、建物倒壊や火災の危険性、さらには災害時の活動のしにくさが公表され、都内の市街化区域の五千百三十三町丁目を網羅しているとのことであります。さまざまな視点で危険度を測定し、これだけきめ細かい調査を行ったということは、私は評価に値するものであると思います。
 この地域危険度ですが、ただいまの答弁にあったとおり、危険性の高い五段階に分けて評価しているということでありますが、五段階にランク分けする評価、この考え方についてお伺いをいたします。

○佐藤防災都市づくり担当部長 本調査では、地域ごとの地震に対する危険性の度合いを相互に比較いたしまして、五段階のランクに分けて評価することで、その地域の危険度が都内全体の中で相対的にどの程度であるかをわかりやすく示しております。
 各ランクの比率の考え方についてでございますが、東京の町の全体の状況を見ますと、建物倒壊や延焼火災の危険性が低い町丁目の数は多く、危険性の高い町丁目の数は少ないという傾向がございまして、その分布には、統計学上の知見から、正規分布の山形のグラフの右半分に近似しているというとになります。
 このことから、各ランクの比率をあらかじめ定めまして、危険性の高い町丁目から順にランクを割り当てているものです。
 前回ご報告した際の資料にも記載がございますが、全五千百三十三町丁目のうち、危険度が最も高いランク五の町丁目については八十四、次に危険度が高いランク四の町丁目については二百八十四、最も危険度が低いランク一の町丁目については二千三百十八となってございます。

○木村委員 次の質問です。
 地震に関する地域危険度測定調査は、昭和五十年からおおむね五年ごとに公表しており、今回で七回目ということですが、今回の調査の特徴というものを教えてください。

○佐藤防災都市づくり担当部長 今回の調査は、東日本大震災の地震被害を踏まえまして、液状化の影響を見直すなど、最新のデータと知見を反映し、より精度の高い測定方法へと改善しております。
 あわせて、耐震改修を実施した建物について、新しい建物と同等の耐震性を有する建物として評価しております。
 また、今回は、新たに災害時の避難や消火、救助活動等の困難さをあらわす指標として、災害時活動困難度を測定いたしまして、これを考慮した危険度についても評価しております。

○木村委員 災害時活動困難度という指標を取り入れたのが今回の特徴ということですが、なぜこの指標を新たに設けたのか、その理由、さらには、災害時活動困難度を考慮した危険度の測定により、どのようなことが明らかになるのかお伺いをいたします。

○佐藤防災都市づくり担当部長 災害時活動困難度は、災害発生時の避難や消火、救助活動の困難さがその後の被害の大きさに非常に影響することから、これを評価するために新たに導入したものでございます。
 このため、生活道路や都市計画道路など、災害時の活動を支える道路の整備状況を評価しております。
 これにより、不燃化や耐震化といった建物自体への取り組みに加えまして、道路整備などのまちづくりをあわせて行っていく必要がある地域を明らかにすることができるものでございます。

○木村委員 都内には細い街路というのが存在しております。地震などでこうした道がふさがれてしまうと、消火活動、それから避難活動の妨げになるのではないかと思われます。
 私は、平成七年に起きた阪神・淡路大震災を実は経験しておりまして、当時、建設会社の大阪支店に勤務をしておりました。震災の直後、神戸市内に私は向かったんですが、陸路が寸断されていたので、大阪の南港というところから船舶で神戸に上陸いたしました。被災地の高速道路は倒壊し、細街路は瓦れきで埋まっており、住宅地の奥に踏み入ることが難しい状況でした。こうした私自身の体験から、細街路における防災対策の重要性というものを感じております。
 細街路の多い市街地において被害を少なくするためには、どのような対策が考えられるのかお伺いいたします。

○佐藤防災都市づくり担当部長 細街路の多い市街地では、消防車や救急車などの緊急車両が通れないことにより、消火、救助活動がおくれる可能性が高く、また、地震が発生すると、沿道の建物が倒壊して細街路が閉塞されるおそれがございますほか、出火による延焼も拡大しやすいことになります。
 こうした被害を少なくするためには、建物の不燃化、耐震化を進めるとともに、迅速な避難や緊急車両の通行を可能とする主要な生活道路の拡幅整備や延焼遮断帯として機能する都市計画道路の整備などの対策が必要でございます。

○木村委員 危険度が高い地域を抜粋して新聞等で報道されております。これだけを見ると、一部の地域がいかにも危険だと断片的に判断されかねないのではないかと危惧いたします。
 危険度が高い地域でも、その地域独自の防災対策を実施して、防災対策がほかの地域よりも充実しているところがあるとも伺っています。また、自分たちの地域の危険性を改めて認識し直すという地域があるということも聞いております。
 そこで、都市整備局としては、地震に関する地域危険度測定調査を、区市町と連携することによってどういうふうに生かしていくのかそのことをお伺いいたします。

○佐藤防災都市づくり担当部長 建物の不燃化、耐震化や主要生活道路の拡幅整備等の防災まちづくりを進めていくためには、地域住民の意識を高めていくことが不可欠でございます。
 このため、都では、地域危険度測定調査の公表に当たりまして、ホームページでの公開やパンフレットの頒布を行うことにより、都民への周知を図ってございます。
 さらに、区市町を通じて、町会やまちづくり協議会等の活動の場において、住民の理解が深まるよう働きかけていきます。
 また、この調査結果を震災対策事業を実施する地域の選択に活用するとともに、地域が主体となって取り組むさまざまなまちづくりを、区市町と連携いたしまして支援していきます。

○木村委員 都民と最も密接に接している区市町との連携は、災害対策の最も重要な項目の一つだと思いますので、連携、それから支援をよろしくお願い申し上げます。
 さて、二〇二〇年には待ち望んでいた東京オリンピックが開催されます。東京都内は、日本国民、東京都民以外にも、多くの海外の方々が往来し、滞在するものと予想されます。災害に強い都市づくりをなお一層推進する必要性を認識しております。
 都市基盤の中でも、とりわけ災害時における道路の重要性が今回の調査で明らかになりました。緊急時の物資輸送ラインであり、消火活動するための空間であり、火災の延焼を防ぐ遮断帯でもあります。
 そこで私は、地震に関する地域危険度測定調査を生かしたまちづくりを推進していただきますよう強く要望いたします。
 また、最後の質問になりますが、災害に備えた道路整備に関して、東京都の考え方、そして取り組みをお伺いいたします。

○佐藤防災都市づくり担当部長 災害に備えた道路整備といたしましては、延焼遮断帯を形成するための都市計画道路の整備や延焼遮断帯で囲まれた市街地での生活道路の拡幅が考えられます。
 これらの道路整備により、沿道の建築物の不燃化が促進されるとともに、地震発生時の避難や消火、救助活動を円滑に行うことができます。
 特に、都市基盤が不十分な木密地域において、道路整備や防災上の効果が極めて高くなります。
 このため、都は、延焼遮断帯を形成する都市計画道路の整備につきまして、特定整備路線の取り組みにより、さらに加速させるとともに、不燃化特区などの取り組みにより、市街地の不燃化や主要生活道路の拡幅整備等を進める地元自治体を強力に支援してまいります。

○加藤委員 若干重複するところもありますけれども質問させていただきます。
 まず最初に、地震に関する地域危険度測定調査は、建物などの最新データや新たな知見を取り入れ、おおむね五年ごとに調査を行い、公表しているとのことでありますが、七回目を迎えた今回は、先ほどもありましたとおり、災害時活動困難度という新たな指標が追加されました。
 そこでまず、新たに災害時活動困難度という指標を追加した理由と目的、そしてその指標の測定方法について伺います。

○佐藤防災都市づくり担当部長 災害時活動困難度は、災害発生時の避難や消火、救助活動の困難さがその後の被害の大きさに影響することから、これを評価するために新たに導入した指標でございます。
 この指標により、不燃化や耐震化といった建物自体への取り組みに加え、道路整備などのまちづくりをあわせて行っていく必要がある地域を明らかにすることを目的としております。
 このため、道路幅員が狭いことで、災害時の避難や消火、救助活動等が困難となる面積の割合と広幅員道路まで移動する困難さを測定することにより、災害時の活動を支える道路の整備状況を評価しているものです。

○加藤委員 災害時活動困難度が加わることによりまして、従来の危険度と比べ、どのような変化が見られたのか伺います。
 また、前回の危険度調査結果と今回の調査結果を比較したときに、全体としてどのような変化が起こっているのか伺います。

○佐藤防災都市づくり担当部長 災害時活動困難度を考慮することにより、道路整備が進んでいる地域では危険度が下がり、逆に道路整備が進んでいない地域では危険度が上がります。
 具体的には、台東区や墨田区南部周辺などの地域では危険度が下がっており、中野区や杉並区東部などの地域では、危険度が上がる結果となっております。
 今回の測定結果は、前回の測定結果と比較いたしまして、倒壊のおそれのある建築物の単位面積当たりの棟数が、都内平均で約八%減少するなどの改善が見られています。また、都市計画道路の整備により沿道建築物の不燃化や耐震化が進んだ地域、市街地再開発事業などを行った地域では危険度が低下しております。

○加藤委員 新たな視点が加わったことによりまして、地域の実情に即した危険度をあらわすことになったと思います。また、五年前と比べて建物倒壊度が約八%減少している、都が進める耐震対策も進んでいるということがうかがえると思います。
 次に、典型的な木密地域である地元墨田区に焦点を当てて伺います。
 墨田区は、今回の災害時活動困難度を考慮した危険度の上位百位の中に十六地域が入っておりまして、ハード、ソフト両面にわたる防災対策に精力的に取り組んでいるところであります。
 中でも、墨田区京島三丁目の総合危険度は、前回の七位から三位へと悪化しておりますが、災害時活動困難度を考慮した総合危険度では三十一位へと改善しております。このような結果となった要因を伺います。

○佐藤防災都市づくり担当部長 墨田区京島三丁目では、建築年代の古い木造建築物の密集度合いが大変高いため、他の町丁目との相対的な比較の中で順位が若干変動しているものの、前回調査、今回調査ともに危険度が高いという評価になっております。
 災害時活動困難度を考慮したことにより、総合危険度の順位が下がった要因といたしましては、京島三丁目では、これまで長年にわたりまして生活道路の拡幅等に取り組んでおり、他の総合危険度が高い町丁目に比べると、道路の整備状況がよく、災害時活動困難度が比較的低くなっているためであると推察されます。
 ただ、依然といたしまして危険度は五であり、引き続き、防災性の向上に向けた取り組みを進めていく必要があると考えます。

○加藤委員 確かに、これまでの不燃化領域率を上げる取り組みの中で、道路が拡幅されて、町の風景が一変し、生まれ変わったところも目につきます。このたび都の木密不燃化十年プロジェクトにも指定された地域ですので、危険度解消に向けて、今後一層、都の支援をお願いするものです。
 次に、もう一カ所、危険度の代表的な地域である墨田三丁目の総合危険度は、前回の都内一位から四位へと改善しており、三位の京島三丁目よりも安全であるように見えますけれども、災害時活動困難度を考慮した総合危険度では七位となりまして、結果的に、全体として、墨田三丁目は墨田区内では一番危険な地域であることに変わりがないことになります。このような結果となった要因を伺います。

○佐藤防災都市づくり担当部長 建物倒壊危険度は、建築物の耐震性が低く、建築年代が古いほど危険性が高くなります。
 また、火災危険度は、広幅員道路や公園等が少なく、木造建築物等が密集している地域では危険度が高くなります。
 墨田区墨田三丁目は、昭和五十五年度以前に建築された木造建築物の単位面積当たりの棟数が墨田区内でも極めて多く、他の町丁目と比べて建築年代の古い木造建築物の密集度合いが高いということが、危険度が高くなっている要因として考えられます。
 なお、墨田三丁目では、現在、木密地域の改善に向けた取り組みが進められておりまして、今後、その成果があらわれてくるものと思われます。

○加藤委員 京島三丁目地区同様、この地区も都の不燃化十年プロジェクトに指定されました。今お話がありましたとおり、この地域は以前から、隣接する補助第一二〇号線鐘ヶ淵通りの沿道一体整備事業が行われておりまして、一期区間の用地取得もようやく昨年度末七七%と、八割近く済みました。そして、このたび新たに二期区間が特定整備路線に指定されました。局としても、事業認可取得に向けて鋭意努力していただいているとお聞きしておりますので、今後の展開に期待をしております。五年後の再調査では、何としてもワーストテンからの脱皮を図りたいと思っております。
 次に、ただいまの京島三丁目と墨田三丁目と個別のケースを取り上げて要因をお聞きしましたが、各地域の課題や取り組みの成果が調査結果にあらわれているというふうに思います。災害に強いまちづくりに向けて、都の施策に活用するのはもとより、区市町や都民に積極的に周知していくべきと考えます。
 そこで、この地域危険度測定調査を今後どのように生かしていくのか伺います。

○佐藤防災都市づくり担当部長 都は、地域危険度測定調査の公表に当たり、ホームページでの公開やパンフレットの頒布を行うことにより、都民への周知の浸透を図っております。
 さらに、各区市町を通じ、町会やまちづくり協議会等の活動の場において、住民の理解が深まるよう働きかけてまいります。
 また、この調査結果を震災対策事業を実施する地域の選択に活用するとともに、地域が主体となって取り組むさまざまなまちづくりを区市町と連携して支援してまいります。

○加藤委員 災害時活動困難度を考慮した総合危険度の高い地域を地図で見ますと、特に荒川及び隅田川沿いのいわゆる下町地域一帯に分布しております。
 木密地域が広がるこの地域は、地盤の特性から、液状化の危険やゼロメートル地帯でもあることから、地震による堤防の決壊による浸水のおそれといった心配があります。
 堤防の耐震化はもとより、調査結果を踏まえて、局としては、スピーディーに効果的な防災対策を進めていかなくてはなりません。民間の力も活用し、面的整備を積極的に進めていくべきと考えます。見解を伺います。

○佐藤防災都市づくり担当部長 市街地の防災性を早期に向上させるには、まちづくりの計画から実施に至る各段階で、民間事業者、地域住民、行政が適切な役割を担うことが重要であり、これまでも面的整備により民間活力を活用したまちづくりを進めております。
 さらに、現在実施中の木密地域不燃化十年プロジェクトにおいては、不燃化特区のコア事業として、面的整備事業を位置づけております。
 今後、民間専門人材を活用して事業化を図る区の取り組みに対しまして、技術的、財政的に支援を行ってまいります。
 都といたしましては、今後とも民間活力を生かした防災都市づくりを進めてまいります。

○加藤委員 今回の地域危険度がプレス発表された後の報道では、消防車も入れない道幅の狭い地域の声として、危険というなら都が道路整備に動いてくれないとと渋い表情、区の防災課は、防災に対応したまちづくりには都や国の協力が必要というところが紹介をされておりました。
 住民や、都よりも財政力の弱い区市が、区画整理などの面的整備を行っていくのは困難を伴います。民間活力を生かしていくことは当然として、都としても、今後、主体的、積極的に区画整理などの面的整備を行って、安全・安心の防災都市づくりを進めていくよう要望して質問を終わります。

○白石委員 私からも、地域危険度測定調査に関して質問をさせていただきます。
 初めに、地域危険度測定調査の前提となる基準について質問をさせていただきます。
 今回の調査で、それぞれの地盤分類ごとの震度に換算すると幾つ相当と想定されるか質問をいたします。

○佐藤防災都市づくり担当部長 本調査では、東京の地盤の分類を十二種類に分けておりまして、地盤分類に応じて地震による揺れが異なってまいります。
 おおむね隅田川以東に位置する、五種類あります沖積低地の中で軟弱層の厚さが十メートル以上あります三分類の地域では震度六強相当の揺れ、多摩西部に位置する山地として分類された地域では震度五強相当、その間に位置する丘陵、台地の二分類、谷底低地の三分類、それから、沖積低地の中で軟弱層の厚さが十メートル未満である二分類の地域では、震度六弱相当と想定しております。

○白石委員 この手法によると、震度六強になる地域は、都内では二十三区東部にとどまり、ほかの地域は震度五強や六弱になります。一方で、最新の都の首都直下型地震等の被害想定では、東京湾北部地震でも、そして多摩直下地震でも、震度六強の地域は二十三区東部にとどまらず、二十三区でも多摩地域でも広範な地域に広がると想定されています。
 震度六弱と六強では被害の想定は大きく異なります。震度六弱では、旧耐震基準の木造建築物の全壊率は最大でも一割程度ですが、震度六強では急速に全壊率が高まっていき最大で五から七割が全壊をしてしまいます。
 もちろん、被害想定と危険度測定は調査目的が異なりますので、一概にはいえませんが、しかし、切迫性の高い地震が起きたときに、震度六強で多くの広範な地域が揺れることがわかっている以上、より強い地震動の強さを基準にして、倒壊と火災の危険性がどうなるかをはかることが、都民の皆さんや、そして関係者に、よりリアリティーのある結果を示し、自覚を高めてもらうことになると思います。
 今後、調査の基準を深めていただくよう求めます。
 次に、倒壊、火災危険度が五の地域の危険性について、どのような認識を持っているか質問したいと思います。
 また、一から四の地域については、どのような危険性があると認識を持っているか質問いたします。

○佐藤防災都市づくり担当部長 危険度五の地域については、建物倒壊や延焼火災の危険性が相対的に高い地域であると認識しております。
 危険度一から四の地域については、危険度五の地域と比較すると、建物倒壊や延焼火災の危険性が高くはございませんが、危険度が上がるほど危険性は高いと認識しております。

○白石委員 一から四の地域でも危険性はあるというふうな答弁だったということを確認しました。
 しかし、この危険度測定をもとにした防災都市づくり推進計画では、木造住宅密集地域の整備地域に指定されるのは危険度五が条件となります。整備地域とならない一から四の地域は、耐震助成制度の適用から外されてしまいます。
 共産党都議団が独自に市区町村に調査をしたところ、整備地域だけではなく、全地域に広げてほしいという要望が圧倒的でした。選別のみの基準ではなく、危険性を有する地域全般の安全対策に地域危険度を役立てていただくことを強く求めるものです。
 そして次に、活動困難度を加えた理由を改めて伺います。

○佐藤防災都市づくり担当部長 災害時活動困難度は、災害発生時の避難や消火、救助活動の困難さがその後の被害の大きさに影響することから、これを評価するために新たに導入した指標でございます。

○白石委員 生活道路に着目し、活動困難度を加えたことは大切です。
 今回の質疑に当たり、過去の危険度調査にも改めて目を通しました。かつては豊富な調査項目がありましたが、回を追うごとに簡略化されてしまっています。
 第四回の危険度調査では、例えば、かつてはブロック塀の倒壊による被害などがどうなるかを想定したり、屋内での家具の転倒による被害なども想定するなど、都民の生活に即して被害想定を出していました。むしろこれらの項目は、今日、大事な項目だと思います。なくなったのは大変問題だというふうに思います。
 首都直下型地震が切迫する今日、活動困難度の追加にとどまらず、必要な調査項目を加え、一層の充実を図ることを求めるものです。
 そして最後に、地震に強いまちづくりを進める上で一言いっておきます。
 私の地元品川では、五百五十棟の住宅や、そして公園、公共施設、また、十もの商店街が分断される特定整備路線の補助二九号線、また、放射二号線という大型道路建設が進められようとしています。
 住民からは、この道路建設によって町が壊れてしまう、長年住み続けた家から離れたくはない、商店街が潰される、また、車両火災の問題をしっかりと考慮しているのかなど声が広がっています。長きにわたりつくられてきた地域のコミュニティが破壊されることに反対の声が現在も広がっています。防災に欠かせない地域のきずな、そしてコミュニティが壊されれば、防災に強くなるどころか、防災に弱い地域になってしまいます。
 火災の延焼拡大の防止と避難路の確保という点で、先ほどもありましたが、墨田区では、不燃化促進事業再検討調査の中で、いわゆる延焼遮断帯づくり一本やりではなく、二つの手段についてシミュレーションをしています。
 一つは、地域内に六から十二メートル幅の主要生活道路を整備し、あわせて沿道を準耐火構造など延焼しにくい建物に更新していくという手段と、そしてもう一つは、地域内に道路を整備しなくても、個別に準耐火構造に更新していくという手段をシミュレーションして、どちらの手段でも市街地の延焼防止効果があるという結論が出ています。主要生活道路の選定をしっかりとやれば、消防、救助、避難活動面での整備効果はより向上すると結論づけています。
 この調査を受けて、同区では、地域内の木造住宅の耐震化と難燃化をセットで、倒れない、燃えにくい家に改修する場合は、上限百万円まで助成する制度を新設して、全国的にも注目を集めています。
 関係者にも、私、お話を伺ったところ、墨田らしい人間と人間との温かな結びつきや町の情緒が失われるようではいけない、墨田の町の安全化と風情を大切にすることの両立を大切にしよう、こういう姿勢でした。
 ぜひ都は、こうした取り組みに学び、地域に住む人々が納得も、そして安心もして、建物倒壊、火災危険、そして避難の困難におびえずに生活できるまちづくりを進める研究を大いに深めていただいて、支援をしていただきたいと強く訴えて質問を終わります。

○石川委員 地震に関する地域危険度測定調査(第七回)の内容を見させていただいたわけでございますけれども、地域危険度につきまして、先ほど来お話がありますように、危険度の一から五というのが一体どの程度の危険度であるというのか、非常にわかりにくいわけでございます。
 ただ、今回は、災害時の避難、消火、救助活動等のしやすさ、困難さ、こういうものを指標に加えて、科学的にデータをとって結論づけられたということについては、全く異論がないところでございます。
 そして、これが最終的には、都内の危険度を、その優先順位を明確にしながら、それに対する対策を練っていくと、そういうことの基礎資料になっていくということについては、十分理解をするわけでありますけれども、ランク一から五という数字が一体どういう程度の違いがあるのかということについて、基本的な質問でございますけれども、お伺いしたいと思います。

○佐藤防災都市づくり担当部長 地域危険度は、町丁目ごとの危険性の度合いを相互に比較し、五段階のランクに分けて相対的に評価しております。
 各ランクの比率は、正規分布のグラフの右半分の曲線を用いて定めており、危険度が低い町丁目の数は多く、危険度の高い町丁目の数は少ないということになっております。
 ランク一の地域は、ランク五の地域に比べて、大規模な延焼火災や建物倒壊が起こるおそれが低い地域ではございますが、あくまでも相対的な比較ですので、ランク一の地域であっても建物被害が発生する可能性はあり、必ず安全な地域であるということにはなりません。

○石川委員 先ほど来の説明にもあったわけでございますけれども、ランク一だからといって安全ではない、安全を保障するものではない、そういうことにもなりますし、また逆のいい方をしますと、危険だからといって絶対的に危険なんだという絶対値ではないと、こういうことになるわけでございます。
 ただ、こういった数値というのがひとり歩きしますと、いろんな理解のされ方をされるわけでございますけれども、例えば、私が住んでおります稲城市の多摩直下地震のデータをちょっと見させていただきますと、マグニチュードは七・三で、朝の五時、風速が四メートルという、これは一番被害が大きい想定になっていますけれども、死者が四十四人、それから人的な被害が九百六十一人、建物などの被害が二千八百五十七棟、揺れなどによる建物全壊が六百二十七、あるいは急傾斜地による全壊ということで三十五、液状化などでも百七十二の建物が半壊をするというようなデータが出されております。
 また、立川断層帯の地震ということで七・四と、これも示されておりますけれども、こちらは死者が十三名、人的な被害は四百六十三人、建物被害が千四百八十九、揺れなどによる建物半壊が千二百六、液状化による半壊が三十九、急傾斜地等による建物の半壊が四十七、こういうデータも出されております。
 また、元禄関東地震ということでマグニチュード八・二ですと、死者が二十三名、揺れによる建物全壊が六百八十一、建物の被害全体が二千百七十三、液状化などで百十、これはかなり、マグニチュード八・二ということで大規模ということで、被害も大きくなってくるわけでありますけれども、このデータそのものは、その他にも東京湾の北部地震ということでマグニチュード九・三等々、もちろんデータはお持ちと思いますけれども、こういった幾つかのケースに分けた地震帯での数字が出されているわけであります。
 こういうものから見ますと、特に私ども稲城市は地域危険度が一ということになっているわけでありまして、こういった数字を見る限りは、当然、液状化もありますし、建物崩壊もかなりの数になる、死者もある。にもかかわらず、このデータを見ると危険度が一というのは何となく、もちろん目的が違いますから、その趣旨はわかるんですけれども、しかし非常に理解しにくいなというふうに思うわけです。このあたりに対するお考えをお伺いさせていただきたいと思います。

○佐藤防災都市づくり担当部長 本調査は、防災都市づくりを進める地域の選択や都民の防災意識の高揚に役立てることを目的としているため、全ての町丁目直下の地盤で同じ強さの揺れが生じるといった場合の市街地の被害状況をもとに、都内の各町丁目を相対的に順位づけしております。
 一方、先ほどお話のあったとおり、首都直下地震等による東京の被害想定では、地震により実際に起こり得る被害像を把握するために、特定の震源で発生する地震を想定いたしまして、それらの地震による被害状況を絶対評価で示しているというものでございます。
 例えば、被害想定で想定している多摩直下地震の場合は、震源に近い稲城市では大部分の地域が六強であり、本調査で想定している六弱よりも強い揺れになっております。
 このように、両調査では、測定の条件や結果の表示方法等は異なっているものの、それぞれの目的には沿った結果となっております。
 したがって、それぞれの調査の違いを把握し、本調査による危険度の低い地域であっても、震災に備えたまちづくりを行うなど、地域の状況に応じた防災の取り組みを行っていくことが必要であると認識しております。

○石川委員 今まで、これについては全く同じ手法でとられてきたわけでございますけれども、町丁目という考え方そのものが、いわば旧地番で表示をされているようなエリアというのは、非常に広いエリアが多いわけです。特に多摩地域は、まだまだ区画整理等々が行われておらず、旧地番で示されて一つの町が非常に大きい。しかし、その中で木造の密集度の高いエリアもあるわけですけれども、しかし町名そのものが非常に広いということで、いわば危険度が希釈されてしまうと、そういう反面があるわけでして、この危険度一というのがひとり歩きをしていきますと、これは安全度ではありませんけれども、絶対的に安全ではないんだというふうにいいながらも、五と、相対であっても、やはり一は一という受けとめ方をされかねないわけでありまして、こういった冊子、既にメディアでもかなり紹介されておりますし、市民も非常に地震に対する関心は高いわけでありましても、それらの理解をさらに促進させると同時に、その辺の誤解をしっかりと解いていきながら、データ等も伝えていくような工夫が必要なのではないかなというふうに思います。
 町丁目という考え方、これはベースになっているわけで、専門家にとって当たり前なわけですけれども、一般の人から見ると、例えば百メーターメッシュでとっているんじゃないかとか、そういうような誤解を与えかねないわけであります。
 特に多摩地域は、地図を見てもわかりますが、全体が非常に大きいわけですから、それ自体がもう希釈されてしまう。さらにまた、もともとが人口密度が低いということ。ですけれども、しかし液状化もあれば、急峻の崖地もあれば、さまざまな課題を抱えているわけでございますので、その辺の理解がしっかりと伝えられるような冊子の作成あるいは附帯条件といいますか、あらかじめの条件というようなものをもう少し明示をされたらいかがかなと、このように思うところでございますけれども、ご見解をお伺いいたすところでございます。

○佐藤防災都市づくり担当部長 災害に強い都市づくりを進めるためには、都民一人一人が、それぞれの町の危険度を正しく理解できるようにすることが重要でございます。
 このため、本調査のパンフレットでは、被害想定との違いや調査の目的、測定方法などを記載し、調査の前提条件が明確になるように配慮しております。
 それに加えて、都は、この調査結果の公表に先立ちまして、区市町に対する事前説明を行い、住民に正しい説明ができるよう情報共有を図っております。
 都としては、今後作成する資料において、前提条件をよりわかりやすく記載することなどにより、本調査の内容を都民に正確に周知し、地域の危険性を正しく理解できるようにさらに努めてまいります。

○斉藤委員長 ほかに発言がなければ、諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、ご異議ございませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○斉藤委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で都市整備局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時五十一分散会

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