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Tokyo Metropolitan Assembly

都市整備委員会速記録第五号

平成二十三年三月二日(水曜日)
第六委員会室
   午後一時開議
 出席委員 十四名
委員長いのつめまさみ君
副委員長関口 太一君
副委員長高橋 信博君
理事淺野 克彦君
理事神林  茂君
理事吉倉 正美君
加藤 雅之君
遠藤  守君
佐藤 由美君
大島よしえ君
滝沢 景一君
遠藤  衛君
林田  武君
大塚たかあき君

 欠席委員 なし

 出席説明員
都市整備局東京都技監都市整備局長技監兼務河島  均君
次長中西  充君
技監升 貴三男君
理事松井多美雄君
理事都市づくり政策部長事務取扱安井 順一君
総務部長石野 利幸君

本日の会議に付した事件
意見書について
予算の調査(意見開陳)
・第一号議案 平成二十三年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為 都市整備委員会所管分
・第十一号議案 平成二十三年度東京都都営住宅等事業会計予算
・第十二号議案 平成二十三年度東京都都営住宅等保証金会計予算
・第十三号議案 平成二十三年度東京都都市開発資金会計予算
・第十六号議案 平成二十三年度東京都多摩ニュータウン事業会計予算
・第十七号議案 平成二十三年度東京都臨海都市基盤整備事業会計予算
・第二十号議案 平成二十三年度東京都都市再開発事業会計予算
付託議案の審査(決定)
・第五十七号議案 東京における緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を推進する条例
・第五十七号議案に対する修正案
請願陳情の継続審査について
特定事件の継続調査について

○いのつめ委員長 ただいまから都市整備都委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 過日の委員会で理事会にご一任をいただきました意見書一件につきましては、お手元配布の案文のとおり調整いたしました。
 案文の朗読は省略いたします。

鉄道駅における可動式ホーム柵等の整備促進に関する意見書(案)
 国土交通省の調査によれば、都内の鉄道駅におけるホームからの転落等による人身障害事故は年々増加している。
 平成二十二年八月には、京王線新宿駅で高齢の男性がホームから転落して亡くなる事故が発生し、さらに、平成二十三年一月にはJR山手線目白駅で全盲の男性がホームから転落し亡くなるという痛ましい事故が発生している。
 こうした事故を無くすためには、可動式ホーム柵等の整備は極めて効果が高いが、駅のホームからの転落等の防止については、鉄道の安全な運行確保の責任を負う鉄道事業者が自ら積極的に取り組むことが基本であるにもかかわらず、既存路線における可動式ホーム柵等の整備は進んでいないのが現状である。
 よって、東京都議会は、国会及び政府に対し、鉄道事業者による可動式ホーム柵等の早期整備に向けて、次の事項を実現するよう強く要請する。
一 鉄道事業者に対し、可動式ホーム柵等の整備促進を指導すること。
二 鉄道事業者に対し、それぞれの路線における整備目標と整備計画を早期に策定するよう指導すること。
三 可動式ホーム柵等の整備を推進するため、コスト縮減を図るための技術開発の支援等を行うこと。
 以上、地方自治法第九十九条の規定により意見書を提出する。
  平成二十三年三月 日
東京都議会議長 和田 宗春
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
国土交通大臣 宛て

○いのつめ委員長 本件は、議長あて提出の手続をとりたいと思いますので、ご了承願います。

○いのつめ委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、予算の調査、付託議案の審査並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。
 初めに、予算の調査を行います。
 第一号議案、平成二十三年度東京都一般会計予算中、歳出、繰越明許費、債務負担行為、都市整備委員会所管分、第十一号議案から第十三号議案まで、第十六号議案、第十七号議案及び第二十号議案を一括して議題といたします。
 本件につきましては、いずれも既に質疑を終了しております。
 これより意見の開陳を行います。
 順次発言を願います。

○佐藤委員 私は、都議会民主党を代表して、当委員会に調査を依頼された平成二十三年度予算案にかかわる議案について、意見の開陳を行います。
 一般会計の予算規模は前年度比〇・四%減の六兆二千三百六十億円で、三年連続の減額となりましたが、一般歳出は前年度比一・〇%減の四兆五千八百三十九億円にとどめています。経常経費を七百十六億円の減とする一方、投資的経費を前年度比三・三%増の八千四百四億円、単独事業費も前年度比八・六%増の五千百四十八億円とし、ハード面を重視した予算となっています。
 予算案策定に当たって行った事業評価では、監理団体を通じて行う事業や特別会計に範囲を拡大し、百九十五件を見直して、約二百十億円の財源を確保するとともに、歳出を精査して、約八百九十億円の事業費の見直しを行っています。こうした取り組みで基金の取り崩しを最小限にとどめた財政運営については、基本的に評価するものです。
 個々の施策では、雇用情勢が厳しい若年層、離職者への就職サポートや円高などの影響で経営が苦境にある中小企業への支援、遅々として進まない耐震化の推進など、都民が抱える不安に対する支援を強めるとともに、急速に増加が進む高齢者の対策、環境、そして次の世代をはぐくむ教育、都市インフラの整備などの諸施策を戦略的に取り組むとしています。
 しかしながら、医療従事者の確保や、なかなか短縮されない救急搬送時間への対応、木造住宅密集地域の耐震化の推進など、都民福祉の向上を図るためにはより一層の取り組みが必要です。
 なお、中央卸売市場会計には、豊洲新市場の整備にかかわる予算が二十一億円計上されています。既に私たち都議会民主党は、当該予算に対しては厳しい対応をせざるを得ないと述べてきたところですが、予算特別委員会の締めくくり総括質疑での議論を踏まえ、予算の修正も視野に入れて対応していきたいと考えています。
 以上、私たちの総括的な意見を述べ、以下、都市整備局にかかわる事項について申し上げます。
 一、歴史的建造物について、ヒストリックディストリクト制度やコンバージョンなど、動態的保全手法の活用を図りながら、良好な都市景観づくりに必要な人材とその財源確保にかかわる制度構築を推進すること。また、観光まちづくりとの積極的な連携を図ること。さらに、歴史的景観形成ファンドを有効に活用すること。
 一、雨水浸透ますの設置促進など雨水流出の抑制対策を進めるとともに、保水力のあるまちづくりの観点から浸水対策の推進を図ること。
 一、東京外かく環状道路地下本線整備について、早期着工を目指して取り組むこと。
 一、外環ノ2について、地元と十分な協議を行うこと。
 一、都市計画決定道路路線における現況をきめ細かに把握すること。
 一、交通結節点におけるバリアフリー化を促進すること。
 一、トラック運送事業の近代化や人材育成事業など、中小運送事業者に対する支援、荷さばきスペースの確保などに取り組むこと。
 一、羽田空港の未決定発着枠の二・七万回については国際線に振り向けるよう国に働きかけると同時に、ターミナル拡張工事の際には、この未決定分が施設設計段階で反映されるようスケジュール管理を徹底すること。
 一、横田基地を活用したビジネス航空の受け入れに関しては、顧客志向の観点から、横田から都心までの移動にヘリコプターを活用することも視野に入れて検討すること。
 一、ホームドア、ホームさくの設置等により、鉄道駅ホームの安全対策を促進すること。
 一、超高層建築物について、長周期地震動対策に取り組むこと。
 一、木造住宅の耐震改修促進事業について、耐震診断の受診拡大を図るとともに、診断後の改修まで制度が活用されるよう、創意工夫を凝らした運用や制度改善の検討を行うこと。また、対象エリアの拡大を検討すること。
 一、分譲マンションの耐震診断の受診の促進を図るとともに、分譲マンション建てかえ・改修アドバイザー制度の積極的活用などにより、診断後の対応へのフォローアップを図るなど、マンションの耐震化促進に努めること。
 一、緊急輸送道路沿道建築物の耐震化について、新設条例の適切な運用を図るとともに、丁寧に確実に進めること。
 一、中古住宅市場の育成に向けて、これまでとは異なる大胆な取り組みを展開すること。
 一、多摩ニュータウンの都市基盤の更新に際しては、少子高齢化時代における市街地再生の先駆的取り組みとなるよう進めること。
 一、都営住宅の建てかえに当たっては、必要性を検証し、地元自治体との連携を十分に図りながら、地域のコミュニティバランスの観点も取り入れた計画を行うとともに、計画段階から近隣住民や地域のまちづくりに最大限の配慮を行うこと。
 以上で、都議会民主党を代表しての意見開陳を終わります。

○神林委員 私は、東京都議会自由民主党を代表いたしまして、都市整備委員会に付託された平成二十三年度東京都予算関係議案について意見の開陳を行います。
 初めに、各局共通事項について申し上げます。
 平成二十三年度予算案は、厳しい財政環境が続く中にあっても、都民の不安を払拭する事業に迅速に取り組みながら、東京の新たな成長に向けた施策についても確実に進めており、高く評価できるものであります。
 特に目を引くのは、景気回復の出口が見えない中、我が国の活力を取り戻すために、雇用創出や経済成長の促進につながる施策を展開している点です。投資的経費を七年連続で増加させ、東京の都市機能の向上に不可欠なインフラ整備などを着実に行っていくとしたことは、こうした雇用や経済の観点からも評価できるものでございます。
 今回の予算でもう一つ評価すべき点は、事業評価の強化など、これまで一貫してきた堅実な財政運営に引き続き徹することで、基金残高をできる限り確保するなど、強固な財政力を堅持していることです。財政環境の大きな好転が期待できない中、この先も積極的な施策展開を支え得る財政基盤を堅持するために、引き続き堅実な財政運営を行うことを望みます。
 最後に、現下の都民生活を取り巻く厳しい状況を踏まえ、各局とも、施策の目的をできる限り早期に達成するべく、迅速かつ着実な予算執行に鋭意努力されるよう強く要望いたします。
 次に、都市整備局関係について申し上げます。
 一、世界の範となる魅力とにぎわいを備えた環境先進都市東京を実現するため、都市づくりビジョンに基づき、都市再生の推進や機能的な交通ネットワークの整備、環境負荷の少ない都市構造の構築、水と緑のネットワークの強化、美しく風格ある景観の形成、都市の安全性の確保などに向けた取り組みを着実に推進されたい。
 二、三環状道路などの広域幹線道路ネットワークの形成、羽田空港の一層の機能強化及び羽田や成田への空港アクセスの整備など、公共交通網の充実を積極的に推進されたい。特に、都心と直結し、二十四時間利用可能な羽田空港は、我が国の将来を左右する重要なインフラであることから、その価値を最大限に発揮できるよう、国際線発着枠のさらなる拡大や国際線旅客ターミナル拡張の早期実施などを国に強く求めるとともに、関連する広域交通ネットワークの整備を推進されたい。
 首都圏の陸海空のネットワーク形成に不可欠な外かく環状道路について、事業化区間の早期整備とともに、環状道路として欠けている東名高速-湾岸道路間の具体化を同時並行で進め、早期に環状道路として完成させ、その本来の整備効果を最大限に発揮させることができるよう、国に強く求められたい。
 三、防災都市づくり推進計画に基づき、市街地の不燃化や建物の耐震化を加速するため、一層効果的に事業を推進し、災害に強い都市の早期実現を図られたい。
 四、大地震から都民の安全や首都東京の都市機能を確保するため、一刻も早く緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を促進されたい。耐震診断などの義務化に当たっては、所有者へのきめ細かな情報提供や費用負担の軽減などの支援を行い、理解と協力を得ながら、自発的かつ着実に耐震診断、耐震改修などが行われるよう取り組まれたい。
 五、都内の屋敷林や崖線の緑など、地域に根差した貴重な緑を確実に守っていくため、緑確保の総合的な方針に基づき、特別緑地保全地区の指定促進などの具体的な施策の展開を推進するとともに、農地を中心とした景観の保全を図る制度を創設されたい。
 六、駅ホームからの転落等の防止については、鉄道の安全な運行確保の責任を負う鉄道事業者がみずから積極的に取り組むことが基本であるにもかかわらず、可動式ホームさくなどの整備が進んでいないことから、国に対し、鉄道事業者による可動式ホームさくなどの早期整備を強く求めること。
 七、地域の特性に応じた良好な市街地の形成を図るため、土地区画整理事業、市街地再開発事業などの市街地整備事業を、都営住宅の建てかえにより生み出される用地なども活用し、積極的に推進されたい。
 八、近年多発する局地的な集中豪雨から都民の生命、財産を守るため、浸水被害の危険性が高い地域へ緊急かつ集中的に対策を講じられたい。特に、大規模地下街の浸水対策を強化するとともに、公共施設を活用した一時貯留施設の設置を促進されたい。また、区市町村が行っている個人住宅への浸透施設の設置助成事業に対し、引き続き助成策を実施するなど、雨水流出抑制対策の一層の推進を図られたい。
 九、八ッ場ダムは治水、利水の両面から、都民にとって必要不可欠な施設であることから、国に対し早急に検証結果を出して、計画どおり平成二十七年度までに完成させるよう強く要請されたい。
 十、少子高齢社会に対応するため、福祉部門との緊密な連携により、高齢者専用の賃貸住宅の整備や子育て世帯向け住宅のモデル供給などの取り組みを、東京都住宅供給公社なども活用しながら推進されたい。また、都営住宅において、期限つき入居を拡大することなどにより、子育て世帯の居住支援に向け引き続き取り組まれたい。
 以上をもって私の意見開陳は終了いたします。

○遠藤(守)委員 都議会公明党を代表して、当委員会に付託された平成二十三年度予算関係議案について意見開陳を行います。
 平成二十三年度の一般会計当初予算案は、政策的経費である一般歳出が一・〇%減となりましたが、投資的経費は三・三%増と、景気や雇用にきめ細かく配慮する都の姿勢があらわれております。
 依然として都財政を取り巻く環境が厳しいにもかかわらず、このように意欲的な予算を編成できたのは、都が、我が公明党と手を携えて導入した複式簿記・発生主義による新たな公会計制度を有効なツールとして活用し、事業評価を初めとした都庁の自己改革力を大いに発揮し、行財政改革に不断に取り組んできたからであります。
 内容を具体的に見れば、景気持ち直しの兆しが実感できない中で苦しんでおります中小企業を支え、雇用環境を改善する施策が充実され、少子化対策、高齢者支援、周産期医療などの重要課題についても、現場を持つ都ならではの高い効果が期待できる取り組みが展開されております。また、都市インフラの整備を初め、東京を新たな成長に導く戦略的な取り組みも進められております。
 加えて、公明党が一貫して充実を求めてまいりました福祉と保健、この分野につきましては、構成比、金額ともに過去最高となっており、高く評価するものであります。
 一方、今後、都税収入の伸びが期待できないことから、これまで培ってきた強力な財政力を引き続き維持することが一層重要となってきております。この点、二十三年度予算においては、事業評価において、その対象事業の拡大や新公会計手法のさらなる活用などの充実を図ったことにより、都民の貴重な税金をさらに有効に活用できるよう、各施策を高める仕組みへと進化しております。都債や基金についても将来の負担を考慮し、適切に活用されております。
 将来にわたり確実に都民生活を守るために、今後とも、財政基盤のさらなる強化に取り組んでいくことを改めて強く望むものであります。
 あわせて、予算の執行に当たっては都民の期待にこたえられるよう、より一層効果的かつ効率的に行うことを強く要望いたします。
 次いで、都市整備局関連について申し上げます。
 一、都市づくりビジョンに基づき、東京の都市インフラや施設更新を効果的に進めながら、日本の経済発展を牽引する首都東京の国際競争力を一層強化し、あわせて環境先進都市東京の創造に取り組むこと。
 一、街区の大型化と公共施設や都市インフラの再編、さらに民間の構想力や実務能力、経済力を総合化して、活力と魅力に満ちた東京の再構築を実現するため、都市再生の開発プロジェクトを推進すること。
 一、都市再生ステップアッププロジェクトにおいては、地元ニーズに的確に対応しながらも、東京の将来像をリードするのにふさわしい、統一感のあるまちづくり構想に裏打ちされた取り組みとすること。
 一、防災都市づくり推進計画に基づき、木造住宅密集地域や緊急輸送道路沿道地域などの集中的な不燃化や耐震化に努めるとともに、区市町村との連携を強化し、一般住宅の耐震診断、耐震改修を大幅に前進させること。
 一、阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ、緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を促進すること。緊急輸送道路沿道建築物の耐震化は、路線全体の一体的な取り組みが重要であることから、耐震診断の義務化に当たっては、建築物所有者に対する負担軽減等の支援を行うこと。あわせて、耐震診断の結果、建てかえが必要な場合には、助成制度の拡充や容積率緩和などの誘導策を講じ、建てかえを促進すること。
 一、建築構造物を通じての地球温暖化の防止を強化するため、建築に関する省エネ、再エネ技術の周知や利用に努めるとともに、都が率先して、既存、建てかえを問わずに、都営住宅等においてこれを導入すること。
 一、監理団体の財政の健全化に一層取り組むとともに、広く外郭団体を活用して、民間団体と連携した新たな住宅政策の構築に取り組むこと。
 一、交通システムにおける環境負荷の軽減に向け、多摩都市モノレールの延伸や地下鉄八号線等の鉄道交通網整備やLRT等の地域交通網整備の促進に向けて、都の役割を強化すること。
 一、羽田空港の機能強化とさらなる国際化を推進し、羽田空港が二十一世紀のインフラとして十二分に活用されるよう、国際線旅客ターミナル拡張の早期実施を国に求めるとともに、空港アクセスの強化に取り組むこと。
 一、航空政策基本方針は、羽田空港国際化を受け、今日的課題を踏まえたものに見直すこと。
 一、駅ホームからの転落防止策として極めて効果的な可動式ホームさく等の設置を鉄道事業者に強く働きかけるとともに、設置促進に向け支援すること。
 一、局地的な集中豪雨が多発し、浸水リスクが高まっていることから、浸水被害の危険性の高い地域においては、公共施設等を活用して一時貯留施設等を積極的に設置していくこと。
 一、八ッ場ダム建設は、都民の生命、財産を洪水や渇水の被害から守る重要な事業であることから、早急に検証結果を出し、計画どおり平成二十七年度までに完成させるよう、国に対し強く要請すること。
 一、百四十万戸を超え、四世帯に一世帯の都民が暮らす都内の居住マンションについて、耐震化の一環としての建てかえや大規模改修の促進など、マンション特有の諸課題の解決に向け、都が国に先駆けて取り組む体制の充実、改善を図ること。
 一、都営住宅については、近い将来、耐用年数を超える住宅が大量に発生し、住宅のセーフティーネット機能が損なわれ、入居難が深刻化することのないよう、建てかえ事業を大幅に加速させること。
 一、高齢社会の進展により、高齢者の住まいのあり方に一層のきめ細かな配慮が必要であることから、都営住宅の間取りについてもより使い勝手のよい間取りに変更するなど、住宅セーフティーネットとしての機能を確保するため、不断の運用の改善に取り組むこと。あわせて、高齢化による自治機能低下を補うため、共益費の回収負担の軽減や団地内コミュニティ機能の維持向上のための支援策を具体的に推進すること。
 一、少子化の進展に対応するため、現居住者の円滑な移転を優先しながらも、都営住宅の建てかえ後の住宅の一部を子育て世帯向けの募集住宅とすること。また、一般世帯向けの公募戸数に影響を与えることのないよう、子育て世帯向け期限つき入居戸数を大幅に拡大すること。さらに、先駆的なモデル事業を積極的に推進し、民間の子育て向け住宅の普及に向けた取り組みを確実に行うこと。
 一、高齢化の進展に対応するため、都市整備、福祉保健両局にまたがる実務者レベルの機動的な実行組織を早急に立ち上げ、住宅と福祉を融合し、緊急時通報や安否確認等のサービスが確保された高齢者向け優良賃貸住宅や高齢者専用賃貸住宅の一層の供給促進と、安定入居に向けた家賃助成の充実を図ること。
 一、東京都住宅供給公社の少子高齢対策として、一般賃貸住宅の空き家募集において、高齢者等の低層階への優先入居や子育て世帯の倍率優遇の措置の利用促進を図るほか、建てかえに際して創出される余剰地を活用し、医療、介護などの生活サービスつきの高齢者向け賃貸住宅の整備を加速すること。
 一、就労促進に伴う都営住宅の空き家活用については、都民の共通の貴重な財産であることから、多くの都民が納得できる明確なルールのもとに進めていくこと。
 以上をもちまして都議会公明党を代表しての意見開陳を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○大島委員 日本共産党都議団を代表して意見を表明します。
 今日、雇用破壊、収入減、社会保障の切り下げが続く中で、都民の福祉を増進すべき自治体としての都政の役割はますます重要になっています。
 ところが、石原都政の来年度予算案は、大型開発を中心とした投資的経費が二〇〇四年度以来七年間連続でふえ続け、首都高速道路株式会社への出資金なども入れると、総額一兆八百億円に膨れ上がる一方、暮らし、福祉の予算は、一部に前進はあるものの、全体としては冷たく抑えられています。
 中でも、都の長期計画「十年後の東京」実行プログラムの最重点である世界都市東京を目指すとして、都市再生緊急整備地区など、都心に超高層ビルを林立させる開発を推進し、一メートル一億円もかかり地域住民、都民から強い反対や疑問の声が上がっている外かく環状道路のほか、中央環状品川線、東京港臨海道路、大型幹線道路整備、国際競争力強化のための東京港整備、八ッ場ダム整備などにおよそ二千億円もの予算が計上されています。国庫補助がつかない東京都単独の建設事業がふえ続け、五千億にも達していることも、全国に例を見ない異常なものです。
 その一方で、都営住宅の抽せんの平均倍率は三十倍から六十倍に達しているにもかかわらず、新規建設は十二年間連続ゼロという冷たい予算です。
 災害対策では、緊急輸送道路沿道建築物の耐震診断並びに改修への補助が大幅に拡充されたことや、集中豪雨対策として貯留管整備の前倒しや学校、公園など公共施設の一時貯留施設の設置促進などが予算化されたことは前進です。さらに、震災で深刻な犠牲を生み出す木造住宅の倒壊、火災を防止する耐震化予算の拡充や助成対象地域を抜本的に拡大することなどが求められています。
 日本共産党都議団は、大型開発の促進ではなく、公共事業のあり方を見直し、生活密着型の事業への転換を図り、住宅や暮らしの面でも住み続けられるよう、都市と生活の質を高めることを求め、以下、主要な点について要望します。
 一、さらなる東京一極集中と環境破壊をもたらす都市再生の促進は中止し、都市づくり計画を、人口減少時代にふさわしい、だれもが安心して住み続けられる環境共生型まちづくりを目指すこと。
 一、国直轄事業負担金、首都高速道路、羽田空港国際化など、本来、東京都が負担する必要のない支出は行わないこと。
 一、過大な水需要予測に基づく八ッ場ダム建設計画は中止すること。
 一、圏央道、外かく環状道路と外環ノ2、環状二号線などの環状道路計画は中止し、都民参加で再検討すること。
 一、区部都市計画道路や多摩地域における都市計画道路の整備方針については、既存道路の整備拡充を基本とし、生活道路と歩道優先、自然環境への負荷とならないよう、都民参加で再検討すること。
 一、東京都における公共交通を中心とした交通網の整備を進めるため、ロードプライシングを初めとした総合的な交通政策を確立すること。交通不便地域での都民の移動手段確保のために、ミニバスの整備やLRT、ライトレール・トランジット導入促進などを具体的に進め、多摩モノレールにシルバーパスを適用すること。
 一、都営地下鉄、東京メトロの全路線で可動式ホームさくの設置を急ぐとともに、バリアフリー対策を強化すること。鉄道の高架化、複々線化に際しては、住民合意を前提とするとともに、騒音など環境対策に万全を尽くし、地元負担の軽減に努めること。
 一、災害に強いまちづくりのため、首都直下型地震対策として、耐震改修促進計画の充実促進を図ること。木造住宅密集地域の木造住宅耐震診断、耐震改修助成は、居住者の生活実態を踏まえ、基準の見直しと助成額の抜本的な引き上げを行い、区市町村への支援を強めること。
 一、都市型水害対策として、豪雨対策基本方針に基づく事業を促進し、雨水浸透策や地下室、地下街対策など抜本策を講じること。また、国、区市町村、民間とも連携し、総合治水対策を本格的に推進すること。
 一、緑の喪失につながる開発を抑制し、東京の緑の計画について、地球環境問題にとって重要な柱と位置づけること。
 一、国公用地は、都市公園、防災公園など緑の回復と保全に活用し、都民本位の利用計画を策定すること。都営住宅用地を活用した民間開発やまちづくりへの供給は中止すること。
 一、都営住宅の総戸数抑制政策を改め、新規建設を再開すること。公営住宅法に基づく民間住宅の都営住宅としての借り上げや若年ファミリー世帯や非正規雇用労働者などの入居条件を緩和し、ソーシャルミックスを進めること。また、住戸面積の拡大、間取りの改善、三DK、四DKなど、多世帯向け住宅の拡充を図ること。
 一、老朽化した都営住宅、公社住宅の建てかえを進めるとともに、耐震化やバリアフリー化のための改修を促進し、エレベーター設置も進めること。
 一、都営住宅の使用承継制度の条件緩和に努め、もとの一親等まで認めること。
 一、都営住宅に入居資格がありながら入居できず、住宅に困窮している都民に家賃補助を行うことや若者家賃助成を実施すること。
 一、都営住宅及び公社住宅の一般公募の期限つき入居制度はやめること。期限つき入居者に対して一方的な退去を強行せず、契約更新を認めること。
 一、孤独死対策や認知症高齢者対策、高齢者の見守りに取り組み、巡回管理人を増員してきめ細やかな相談に応じられるようにすること。
 一、東京都住宅供給公社の一般賃貸住宅家賃の設定は、近傍同種ではなく、応能を基本とした制度に改めるとともに、三年ごとの見直しをやめること。
 一、マンションの劣化診断や省エネ化、アスベストの除去、大規模修繕、改築、建てかえについての助成や長期低利の融資制度を都独自につくること。
 以上で意見開陳を終わります。

○いのつめ委員長 以上で予算に対する意見開陳を終わります。
 なお、ただいま開陳されました意見につきましては、委員長において取りまとめの上、調査報告書として議長に提出いたします。ご了承願います。
 以上で予算の調査を終わります。

○いのつめ委員長 次に、付託議案の審査を行います。
 第五十七号議案を議題といたします。
 本案につきましては、既に質疑を終了しております。
 修正案の提出について申し上げます。
 本案に対し大島委員から修正案が提出されました。案文はお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

   〔修正案は本号末尾に掲載〕

○いのつめ委員長 これを本案とあわせて議題といたします。
 提出者の説明を求めます。

○大島委員 第五十七号議案、東京都における緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を推進する条例に対する修正案の提案理由を説明させていただきます。
 今回、都側から提案されている条例案は、特定緊急輸送道路の沿道建築物の耐震診断の実施、診断状況の報告を義務づけるものです。私どもも、沿道の耐震化を急速に進めることは非常に重要だと考えます。
 そのために、義務化の対価として、耐震診断、設計、改修費用に対する都の助成を引き上げる方針が出されていることは一歩前進ですが、条例案は以下の点で大きな弱点を抱えています。
 第一に、緊急輸送道路沿道建築物の所有者の社会的責務を強調するだけでなく、都民全体に対し、建築物の耐震性能を確保する社会的責任を全うするよう求める一方、都みずからの責任については不十分なものとなっていることです。
 第二に、特定緊急輸送道路の指定から始まり、耐震診断を実施していない特定沿道建築物の所有者に対する公表、命令など一連の過程において、建築物の所有者やテナント、住民などの関係者を初め、都民参加の仕組みが十分に保障されていないことです。
 第三に、建設された当初は特定緊急輸送道路ではなかった沿道の建築物が、後から指定を受け、義務化されるにもかかわらず、耐震診断並びに設計改修で一番の障害となる費用負担への助成や配慮の仕組みが十分に整っていないことです。今日、経済の停滞、後退、また高齢化の中で、沿道建築物の所有者も、業務ビルの所有者であれば、テナントが入らない、マンションなどの区分所有者であれば、失業や年金生活などで経済的困難を抱えている方が少なくありません。そうした方々への補償や配慮がなければ、耐震化は困難になるばかりです。
 第四に、耐震診断命令に違反した者への罰則に、罰金という刑事罰が科されていることです。罰金を科す有罪判決が確定すれば、前科として扱われます。そして、罰金の場合、五年間、市町村役場に備え置かれる犯罪人名簿に登録されます。たまたま特定緊急輸送道路の沿道にあったがゆえに耐震診断しなければ前科者にされるというのは、余りにも重い罰則ではないでしょうか。
 以上の立場から弱点を正し、よりよい条例として成立させるために、修正案を提案するものです。
 第一に、東京都の責任の明確化です。前文の締めに当たる部分で、東京都は、都民や東京に集う人々の生命と財産を守り、首都東京の機能を維持するという決意を表明としている部分を、東京都には、都民の生命と財産を地震による災害から守り、都市機能を維持する責務があることを宣言することとしました。さらに、都の財政支援の責任について、第三条、都の責務規定で、沿道建築物の耐震化を促進するための助成を始めとする施策を総合的に推進するものとすると、助成を始めとするという文言を盛り込むとともに、現行案第十六条では、知事は必要な助成を行うことができると、できる規定にとどまっている部分を、修正案第十七条で、必要な助成を行うものとすると改定することを提案しています。
 現在、都の助成率の引き上げは、診断では三年、設計、改修では五年で打ち切られるものとされています。また、市区町村が設計、改修助成制度を整備する場合、区市町村も六分の一を負担しなければなりませんが、財政力の弱い多摩地域の市町村の制度立ち上げのために都が財政的支援をすることは、今のところ予定されていません。条例に都の財政的支援の責任を明確に書き込むことは、条例の運用に当たってこのような問題を解決していく保証となるものです。
 なおそれでもさまざまな事情から、耐震診断の実施が困難になることが考えられます。例えば、経済的困窮にある区分所有者が多く合意に時間がかかる、図面をなくして設計費用がどれだけ高額になるか見当もつかないなどです。
 このため、修正案では、公表や命令に当たって考慮する正当な理由の前に、経済的困窮その他という文言を加えることによって、こうしたさまざまな事情を個別具体的に配慮する枠組みをつくりました。
 第二に、都民及び沿道建築物所有者に対する規定の整備です。前文では、都市における建築物の所有者は、耐震性能を確保する社会的責務を有するとして、都の責務に一言も言及せず、専ら都民の責務を強調しています。このような考え方は、都民の納得を得られるものではありません。本条例は、緊急輸送道路沿道建築物の耐震化の推進を目的としたものであり、このことも勘案してこの部分を削除しました。
 また、第五条の沿道建築物の所有者は、みずからの社会的責務を認識して耐震化に努めるとしている部分を、都及び区市町村と連携して耐震化に努めると修正するなど、随所に都と都民の連携、協力、理解を盛り込んでいます。
 第三に、手続の整備です。特定緊急輸送道路の指定に当たって、現行案では、当該区市町村の長だけに意見を聞けばよいということになっていますが、修正案第七条第二項では、当事者である沿道建築物の所有者及び関係者の意見を聞くことにしています。また、都民も参加する第三者機関である審査会についての章を新たに設けて、知事が公表や命令をするに当たっては審査会の意見を聞かなければならないという規定を、修正案第十四条に加えました。
 第四に、罰則の規定です。耐震診断の実施命令に違反した者への罰則を、刑罰である罰金から知事による行政処分である過料にしたことです。
 最後に附則で、施行後三年経過時の見直し規定を加えました。三年は耐震診断の所有者負担を実質ゼロとする助成制度の終了予定期限です。この時期に状況を点検し、必要な改善を行うことは、特定沿道建築物の耐震化をやり遂げるためにも重要であると考えます。
 以上のように、修正案は、特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震化に当たって、東京都の責務を明確にし、東京都と都民、市区町村との協力、連携を緊密にし、関係者の経済的負担を軽減することによって耐震化の推進を加速させることに資すると確信するものです。各会派の皆さんのご賛同を心からお願いし、提案説明を終わります。

○いのつめ委員長 説明は終わりました。
 この際、本案及び修正案に対し発言の申し出がありますので、これを許します。

○高橋委員 第五十七号議案に賛成し、東京における緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を推進する条例案に対する修正案について、反対の立場から意見を申し上げます。
 唐突、突然の修正案でございます。昨日修正案を拝見させていただきました。このような修正案を提案するのでしたら、原案が発表されたら速やかに修正案を提案すべきであり、大変無理に無理を重ねた提案ではないかと思います。
 この修正案は、都市における建築物の所有者の耐震化に関する社会的責務に関する部分を削除しております。この部分は、都市においては建築物が密集していることにより、倒壊時の影響が大きなものとなることから、建築物の所有者は耐震性能を確保をする社会的責務を有し、耐震性能が明らかでない建築物について耐震診断を行い、耐震性能が不十分な場合には耐震改修等を行うことが不可欠であるという、本条例案の基本的な考え方を明らかにしたものです。それを削除するということは、所有者に新たに課す義務についてその根拠を不明確にし、説明責任を回避するものとしか思えません。所有者の社会的責任を否定しながら義務を課すというのは論理矛盾であり、支離滅裂といわざるを得ません。
 さらに、修正案は前文で、都が首都東京の機能を維持するという決意を表明するとしている部分を削除しておりますが、東京が日本の首都として政治、経済、文化等の中枢を占め、極めて重要な役割を果たしていることは万人が認めるところであり、その都市機能を守ろうとする決意を否定するというのは実に驚天動地の認識であり、到底認めがたいものであります。
 次に、修正案は、経済的困窮を理由に、耐震診断の未実施の公表や実施命令の例外扱いを認めています。しかしながら、特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震診断の実施を義務づける制度は、震災時において特に重要な緊急輸送道路の機能を確保するために設けたものです。耐震化に必要不可欠な耐震診断は、沿道建築物の倒壊による分断を防ぐため、路線全体にわたってすべての沿道建築物において行われなければなりません。仮に経済的に困窮していれば耐震診断をしなくてもよいという例外を設ければ、路線全体にわたる耐震化が不可能となりこの施策の実現を拒むことになります。
 また、本定例会においては、特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震診断を義務化する本条例案にあわせ、原則として所有者負担の生じない助成制度を設ける予算案が提案されています。条例案と助成策とを連携させた今回の緊急輸送道路沿道建築物の耐震化施策においては、経済的に困窮しているために耐震診断ができない所有者を発生させないものとしていることをまるで理解できていない修正案といわなければなりません。
 さらに、耐震診断をしていない場合の公表や耐震診断実施命令をする場合に審査会の意見を聞くことを求めていますが、耐震診断実施命令は、沿道建築物の所有者に耐震診断の実施を求める指導助言を重ね、耐震診断の指示を経て、なお義務が履行されない場合に行われるものであり、さらに審査会の意見を聞くことは屋上屋を重ねることになり、いたずらに時間をかけることになります。
 そもそも耐震化の実現にはスピードが大事です。今回の耐震化施策は、大地震がいつ来るかわからないという切迫した認識に立って、都民の生命、財産及び東京の首都機能を一刻も早く守っていこうという決意に基づくものです。
 先日のニュージーランドの地震でも、我々は大震災の恐ろしさを改めて痛感し、日々、関係者の皆様の苦しみや悲しみに直面しています。修正案は、こうした大地震の危険性に対する認識を全く欠いたものです。
 加えて修正案は、耐震診断実施命令違反に対する罰金や各種報告義務違反に対する過料について軽減することとしています。耐震診断実施命令は、耐震診断を実施すべき旨の指導助言を受けて、なお期限を定めた耐震診断の実施の指示にも従わない場合に、再度期限を定めて発せられるものであり、耐震診断の必要性、公共性にかんがみて条例の実効性を確保するためには、この罰金制度は必要不可欠です。
 本条例と同種の目的を有する耐震改修促進法が科している罰金と比較しても、特に重いわけではありません。また、各種の報告を怠った場合に対する過料も、特に失当なものとは思われません。
 したがって、いずれにしても修正案は問題点が多く反対でございます。
 以上で意見を終わります。

○大島委員 私は、緊急輸送道路の耐震化を推進する条例案に反対し、修正案に賛成の立場から意見表明を行います。
 首都直下型地震の発生が切迫する中で、耐震化促進は重要な課題であり、我が党も沿道の耐震化を急速に進めることは非常に重要なことであると考えています。
 提案された条例は、緊急輸送道路二千キロメートルのうち、特に沿道の建築物の耐震化を促進する必要がある道路を特定緊急輸送道路にして、ことし六月ごろ指定する予定ですが、この道路に接する昭和五十六年五月以前に建築された道路幅員のおおむね二分の一以上の高さの建築物所有者に対し、耐震診断の実施を義務づけ、行政指導や実施命令により義務の履行を確保するものです。義務化の対価として、耐震診断、設計、改修費用に対する都の助成を引き上げる方針が出されていることは一歩前進と考えます。
 先ほど、私どもの修正案の提案理由で指摘したように、条例案は、第一に、都民全体に対し建築物の耐震機能を確保する社会的責務を全うするよう求める一方、都みずからの責務については極めて不十分であること、第二に、一連の過程において都民参加の仕組みが十分に保障されていないこと、第三に、耐震診断並びに設計改修で一番の障害となる費用負担への助成や配慮の仕組みが十分に整っていないこと、第四に、診断命令に違反した者への罰則に罰金という刑事罰が科せられるなどの大きな弱点を抱えています。
 実際、昨日の質疑でも、東京都の耐震設計、改修助成の拡充措置について、二〇一六年度以降は考えていない旨の答弁が行われ、また区市町村への財政支援には触れませんでした。これは、都の責務の規定が極めて不十分であり、また助成についても必要な助成を行うことができると、できる規定にとどまっていることの反映です。
 これらの問題を残していることから、本条例には反対です。
 我が党の提出した修正案は、特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震化に当たって東京都の責務を明確にし、東京都と都民、市区町村との協力連携を緊密にし、関係者の経済的負担を軽減することによって、耐震診断から耐震改修に至る耐震化の推進を加速することに資するものです。ぜひ委員各位のご賛同を改めてお願いしまして、意見表明といたします。

○いのつめ委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 第五十七号議案を採決いたします。
 まず、大島委員から提出された修正案について、起立により採決いたします。
 本修正案に賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○いのつめ委員長 起立少数と認めます。よって、修正案は否決されました。
 次に、原案について起立により採決いたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○いのつめ委員長 起立多数と認めます。よって、第五十七号議案は原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

○いのつめ委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項につきましては、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○いのつめ委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○いのつめ委員長 次に、今後の委員会日程について申し上げます。
 先ほどの理事会におきまして、お手元配布の日程のとおり申し合わせましたので、ご了承願います。

○いのつめ委員長 この際、河島東京都技監から発言を求められておりますので、これを許します。

○河島東京都技監 一言御礼のごあいさつを申し上げます。
 いのつめ委員長を初め、委員の皆様には熱心なご審議を賜り、まことにありがとうございました。
 このたびの定例会に提案しただいまご決定をいただきました東京における緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を推進する条例は、全国でも初めての取り組みでございまして、都としても不退転の決意で、緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を強力に推進し、災害に強い東京の実現に最大限の努力をいたす所存でございます。
 これまでのご審議の過程でいただきました貴重なご意見、ご指摘等につきましては、今後の事業執行に十分反映させ、万全を期してまいりたいと存じます。
 今後とも一層のご指導、ご鞭撻を賜りますよう心からお願い申し上げまして、大変簡単ではございますが、御礼のごあいさつとさせていただきます。
 まことにありがとうございました。

○いのつめ委員長 発言は終わりました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後一時五十二分散会


修正案の提出について

第五十七号議案 東京における緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を推進する条例
 右議案に対する修正案を別紙のとおり東京都議会会議規則第六十五条の規定により提出します。
  平成二十三年三月二日

(提出者)
 大島よしえ

都市整備委員長 殿

第五十七号議案 東京における緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を推進する条例案に対する修正案

 第五十七号議案 東京における緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を推進する条例の一部を次のように修正する。
    「第三章 耐震化に係る施策の推進(第八条‐第十七条)
 目次中 第四章 雑則(第十八条)
     第五章 罰則(第十九条‐第二十一条)       」 を
「第三章 耐震化に係る施策の推進(第八条‐第十八条)
 第四章 特定緊急輸送道路沿道建築物耐震化審査会(第十九条)
 第五章 雑則(第二十条)
 第六章 罰則(第二十一条‐第二十四条)          」 に改める。
 前文中「消火活動等」を「消火、輸送活動等」に改め、「そのため、都市における建築物の所有者は、耐震性能を確保する社会的責務を有していることを自覚し、この責務を全うするためには、耐震性能が明らかでない建築物について耐震診断を行い、耐震性能が不十分な場合には耐震改修等を行うことが不可欠である。」を削り、
「財産を」の下に「地震による災害から」を加え、「首都東京の」を「都市」に、「という決意を表明」を「責務があることを宣言」に、「基礎的な地方公共団体である特別区及び市町村との役割分担の下、」を「国、特別区、市町村及び」に改める。
 第三条中「関する啓発及び知識の普及に」を「関して都民の理解と協力を得るよう」に改め、「促進する」の下に「ための助成を始めとする」を加える。
 第五条中「自らの社会的責任を認識」を「都及び区市町村と連携」に改める。
 第七条第二項中「区市町村の長」の下に「並びに沿道建築物の所有者及び関係者」を加える。
 第十二条及び第十三条中「正当な理由」を「経済的困窮その他正当な理由」に改める。
 第二十一条の見出しを削り、同条中「第十五条第一項」を「第十六条第一項」に、「五万円」を「三万円」に改め、同条を第二十四条とする。
 第二十条の次に次の見出し及び一条を加える。
(過料)
第二十三条 第十三条の規定による耐震診断の実施命令に違反した者は、五万円以下の過料に処する。
 第二十条を第二十二条とする。
 第十九条第二号を削り、同条第三号中「第十五条第一項」を「第十六条第一項」に改め、同号を第二号とし、同条を第二十一条とする。
 第五章を第六章とする。
 第十八条を第二十条とする。
 第四章を第五章とし、第三章の次に次の一章を加える。
   第四章 特定緊急輸送道路沿道建築物耐震化審査会
(特定緊急輸送道路沿道建築物耐震化審査会)
第十九条 第十四条の規定に基づく知事の諮問に応じて調査審議するため、知事の附属機関として、特定緊急輸送道路沿道建築物耐震化審査会(以下「審査会」という。)を置く。
2 審査会は、都民及び優れた識見を有する者のうちから知事が任命する委員七人以内をもって組織する。
3 委員の任期は二年とし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。ただし、再任を妨げない。
4 審査会は、調査審議に際し、必要があると認めるときは、その対象となる特定沿道建築物の所有者及び関係者から意見又は説明を聴くことができる。
 第十七条中「第十五条第一項」を「第十六条第一項」に改め、同条を第十八条とし、第十六条中「ことができる」を「ものとする」に改め、同条を第十七条とし、第十五条中「及び第十二条から前条まで」を「、第十二条、第十三条及び前条」に改め、同条を第十六条とし、第十四条を第十五条とし、第十三条の次に次の一条を加える。
(審査会への諮問)
第十四条 知事は、第十二条の規定による公表又は第十三条の規定による命令をするに当たっては、第十九条第一項に規定する特定緊急輸送道路沿道建築物耐震化審査会の意見を聴かなければならない。
 附則第一号中「第十九条第一号」を「第二十一条第一号」に、「第二十条及び第二十一条」を「第二十二条、第二十三条及び第二十四条」に改め、附則第二号中「第十五条」を「第十六条」に、「第十七条」を「第十八条」に、「第十九条第一号」を「第二十一条第一号」に、「、第二号及び第三号並びに第二十一条」を「及び第二号、第二十三条並びに第二十四条」に改め、附則を附則第一項とし、附則に次の一項を加える。
2 都は、この条例の施行後三年を経過した場合において、この条例の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。

(提案理由)
 緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を推進する上で、都の責務を明確にするとともに、第三者機関の設置を始め、行政手続の適正な運用を図る必要がある。

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