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Tokyo Metropolitan Assembly

都市整備委員会速記録第九号

平成十九年六月二十一日(木曜日)
第六委員会室
   午後一時二分開議
 出席委員 十四名
委員長秋田 一郎君
副委員長松下 玲子君
副委員長東野 秀平君
理事林田  武君
理事川井しげお君
理事柿沢 未途君
高倉 良生君
村松みえ子君
石森たかゆき君
吉田康一郎君
植木こうじ君
小沢 昌也君
こいそ 明君
立石 晴康君

 欠席委員 なし

 出席説明員
都市整備局局長只腰 憲久君
次長泉本 和秀君
技監福島 七郎君
理事河島  均君
総務部長安藤  明君
都市づくり政策部長野本 孝三君
住宅政策推進部長松村 光庸君
都市基盤部長升 貴三男君
市街地整備部長宮村 光雄君
市街地建築部長金子 敏夫君
都営住宅経営部長小林 計代君
企画担当部長村尾 公一君
住宅政策担当部長瀬良 智機君
外かく環状道路担当部長遠藤 正宏君
民間開発担当部長座間  充君
多摩ニュータウン事業担当部長今井  光君
都市景観担当部長安井 順一君
建設推進担当部長山室 善博君
参事中山 正雄君
参事瀧本 裕之君
参事宇多田裕久君
参事庄司 貞夫君
参事小澤  弘君
参事並木 勝市君
参事清水 文夫君
参事荒川 達夫君

本日の会議に付した事件
 都市整備局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百四十二号議案 東京都営住宅条例等の一部を改正する条例
・第百四十三号議案 東京都都市整備局関係手数料条例の一部を改正する条例
・第百四十四号議案 東京都日影による中高層建築物の高さの制限に関する条例の一部を改正する条例
・第百四十五号議案 多摩都市計画多摩土地区画整理事業施行規程等の一部を改正する条例
報告事項(説明・質疑)
・「環境軸ガイドライン」について

○秋田委員長 ただいまから都市整備委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、都市整備局関係の付託議案の審査及び報告事項の聴取を行います。
 これより都市整備局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第百四十二号議案から第百四十五号議案までを一括して議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○安藤総務部長 六月七日の当委員会で要求のございました資料につきまして、ご説明申し上げます。
 お手元に配布しております都市整備委員会資料1の表紙をお開きください。公営住宅における暴力団員排除に関する他自治体の状況でございます。
 この表は、暴力団員の入居を制限している自治体の状況を記載してございます。また、これらのうち、暴力団員の入居が判明した際に、明け渡し請求の対象としている自治体の状況について記載してございます。
 以上で資料説明を終わらせていただきます。どうぞよろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○秋田委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○林田委員 都営住宅条例等の一部を改正する条例について、幾つか質問をさせていただきます。
 この条例の一部改正につきましては、さきの代表質問で何人か質問をされておりました。都営住宅にお住まいの人たちが、平常、安全・安心に居住されなければならないことは当然のことであります。そんな中にあって、あってはいけない事件が起きてしまいました。ことしの四月、町田市で都営住宅の居住者である者が団地外で殺人を犯した上、自宅へ立てこもり発砲事件を起こしました。それが暴力団であったということであります。これに驚きました東京都は、この事件が発生してから、敏速に二カ月足らずで今回の条例案を作成し、取り組みを開始いたしました。
 しかし、我が党の遠藤総務会長の代表質問に対する答弁では、実施に向けた、暴力団員の具体的な確認方法などについては、現在警視庁と協議中ということでありました。相手が暴力団員というこれまでになかった取り組みですので警察との密なる連携が必要ですが、この条例をつくって、一体都民の不安感を払拭できるのかという大きな課題が残っております。現時点で明らかになっている取り組みの内容について伺っていきたいと思います。
 まず考えられることは、暴力団員を排除するためには、暴力団員を新規に入居させない、これがまず一点。次に、既に入居している暴力団員に対して明け渡しを求めていかなければならない。二つの側面があるわけであります。
 そこで、まず新規入居申込者についてお伺いいたします。今回条例で、暴力団員は都営住宅に入居できないことにするわけですから、まずは、今後は暴力団員には申し込みをさせないようにすべきと考えますが、これから申し込もうとしている人に対しまして、入居資格がないことをどのように知らせるかということであります。
 また、申し込みはできないことをしっかり知らせても、やはり暴力団員が申し込んでくることは当然あり得ることで、何らかの方法で確認する必要があるかと思いますが、暴力団員であるのか、そうでないのかの確認はどのように行うのかということでございます。
 年間約二十万人の申込者があると伺っておりますけれども、全員を対象として確認するということは難しいことだと思います。どのように確認しようとしているのか、その点について、まずお伺いいたします。

○並木参事 条例施行日以降に行う募集におきましては、暴力団員は入居資格がないこと、また、暴力団員か否かについて警視庁に照会することを募集パンフレットに明記して周知いたします。
 また、申込書におきましては、入居後、暴力団員であることが判明した場合には住宅を明け渡す旨を誓約させるとともに、照会への同意を得るということにしております。
 申し込んだ人が暴力団員かどうかの確認方法につきましては、現在警視庁と協議しておりますが、必要性、効果等を踏まえまして、申込者全員ではなく当せん者について、資格審査時に警視庁に照会を行うことを考えております。
 その際、暴力団員である可能性の低い年少者、特に年齢の高い者等は除く方向で検討してございます。
 警視庁への照会につきましては、人物を特定できる必要最小限の情報であります氏名、性別、生年月日により行う方法で協議してございます。

○林田委員 確かに小学生や、特に年齢の高いお年寄りにつきましては、暴力団である可能性は低いということだと思いますけれども、除外することは妥当かなと私も思います。また、照会がなされることを募集パンフレット等に記載するなど十分配慮していること、これは大事なことですので、わかりました。
 そして、個人情報保護というまた大きな壁があって、これはまた、なかなか難しい問題なんですよね。氏名や生年月日などは新規入居申込者の個人情報ということですので、目的を達成するために最小限の範囲において極力絞って照会することとし、また、照会がされることの周知に努めていくよう心からお願いをいたします。
 次に、問題なのは、既に入居している人の中からどのように暴力団員を確認、特定するかという問題であります。今回の条例では、条例施行時に、既存入居者が暴力団員と判明した場合においては、明け渡し勧告をした上で明け渡しを求めるとしておりますけれども、都営住宅におられる方が五十五万人もおられるということなので、どのようにして暴力団員と確認をするのかお伺いいたします。

○並木参事 条例施行日時点で入居しております既存入居者につきましては、暴力団員は極めて限られていると推定されることから、入れ墨を見せましたり、それから、脅迫的言動をしたりしてトラブルを起こしているなどのそういった日ごろの都営住宅管理業務の中で知り得た情報に基づきまして、暴力団員の疑いが高いという者について、氏名、性別、生年月日により確認していくということを検討してございます。
 また、照会がなされることがあることについては、居住者向け広報紙等で周知してまいります。

○林田委員 五十五万人の入居者の氏名や生年月日を、ほんの一握りと思われます暴力団員の確認のためにすべて警視庁に照会していく、これは大変なことだと思います。個人情報保護の重要性や目的達成のためのバランスもありますし、それを十分検討して照会されなければならないわけでありますけれども、疑わしき者を段階的に確認していくということは妥当なことだと思います。
 そこであえて伺いますが、居住者全員を対象とする照会を行わないとなると、暴力団員でありながらその事実が見落とされてしまうことも考えられますが、いかがですか。

○並木参事 照会に当たりましては、暴力団員である疑いが高い者について照会すること、及び警視庁が事件の捜査等の中で暴力団員が都営住宅に居住することを把握した場合に、その情報を随時個別に受けることで相当程度実効性を確保できるものと考えております。

○林田委員 とにかく驚きましたことは、町田市の事件では、犯人が自治会長であった。しかし、反面、入れ墨を持っていたり、かなり派手な服装をしていたというのが状況であったと報道されておりますけれども、そういう面から見れば、そのような照会方法は効果があると思います。
 そこで少し視点を変えまして、こちらから照会するのではなくて、都営住宅の住所地だけを示して、そこに居住する暴力団員を確認するという方法はできないものか。個人情報保護の点からも有効ではないのかと思いますけれども、いかがでございますか。

○並木参事 本年六月一日付で、警察庁との協議のもとに、国土交通省から示されました通知においては、暴力団員の確認方法として、入居者等が暴力団員として疑われる場合において、関係者の聞き取りやマスコミ報道等の他の方法によって確認することが困難な場合に警察に照会するというふうにされております。警視庁とも、この方針に基づいて照会の具体的方法などを協議しているものでございまして、同趣旨の警察庁から警視庁にあてた通達もあり、住所地だけを示す方式をとることは非常に困難でございます。

○林田委員 暴力団員の情報により明け渡し請求まで行うという対策の基本となる情報なだけに、十分慎重を期していただきたいと思います。
 そして、暴力団員情報の収集のためには、氏名等で照会するしかないということもわかりました。個人情報の流出や目的外利用の防止にも十分に配慮しなければならないわけですが、個人情報の保護に向けては具体的にどのように取り組んでいくのか伺います。

○並木参事 東京都も警視庁も、個人情報保護条例の適用を受けており、個人情報の保護に関し必要な措置を講ずるとともに、個人情報がみだりに公にされることのないよう最大限の配慮をしなければならないとされております。具体的な取り扱いについては、照会する対象者を暴力団員である疑いが高い者について、氏名、性別、生年月日の必要最小限の情報により照会することを検討しております。
 また、目的外使用の禁止や確実なデータ返却等を、警視庁と合意書等により取り決めることなどにより情報を的確に管理してまいります。

○林田委員 問題なのは、暴力団員であることがわかった、都営住宅に暴力団員が住んでいた。しかし、暴力団員に速やかに明け渡していただかなければならないわけでありますが、その暴力団員に都営住宅から出ていってもらう、それが今回の条例でありますけれども、これは現実には本当に大変なことだと思います。明け渡しされるまでの流れというのか、どのような方法を考えているのかお伺いいたします。

○並木参事 条例が改正された後、居住者向けの広報紙等で暴力団員は明け渡しの対象となる旨を周知し、自主退去を促してまいります。暴力団員と判明し明け渡し請求する場合においても、原則としてまずは自主退去を求め、退去しない者については明け渡し請求を行うことを考えております。明け渡し請求で退去しない場合は訴訟となり、都の主張が認められれば最終的には強制執行となります。その間の居住者及び周辺住民の安全・安心の確保のため、警視庁の協力を得ながら適切に対応してまいりたいと考えております。

○林田委員 とにかく暴力団員なので、そういう事項があっても速やかに明け渡すとはとても考えられないわけでございますが、最終的には訴訟ということですが、訴訟となればかなり長期になると予想されます。警視庁と十分な連絡をとって、住居者のみならず、周辺住民の安全はもとより、職員の安全にも十分留意して進めてもらいたいと思います。
 今回の条例改正は、町田市の暴力団員の殺人事件ということに端を発しまして、これでは都民の安全・安心、平穏な暮らしができなくなるということで取り組みを始めたわけですが、条例改正を行ったから暴力団員を排除できるというような安易なことではないということは私から申し上げるまでもありません。ベストというのはなかなか難しいんですけれども、ベターというんですか、皆さんのご努力でこの条例の施行によりまして目的が少しでも達成されることを願うと同時に、現実に制度を運用していく過程でさまざまな課題にぶつかると思いますけれども、都市整備の皆さん、精いっぱい頑張っていただいて、この条例がよかったなといわれるようになっていただきたいということを申し上げまして、質問を終わりたいと思います。

○小沢委員 私からも、今回の東京都営住宅条例等の一部を改正する条例案についてお伺いをいたします。
 ことし四月に、町田市の都営住宅で発生した元暴力団員の立てこもり発砲事件を受けて、都営住宅の安全・安心を確保するために、暴力団員を都営住宅から排除すべく提出されたわけでございますが、この都の速やかな対応には一定の評価をいたしております。しかしながら、先ほどの質問でもありましたけれども、代表質問において、本条例のかなめの部分である暴力団員の特定方法については警視庁と協議中という答弁にとどまっておりました。
 十分な内容が示されずに、審議が十分に尽くされないままで改正案の是非を判断するのはいかがなものかと思っておったところでありますが、先ほどの質問に対しては、この特定方法についてある程度具体的に言及されたわけです。当せん者に限り生年月日、氏名、性別を照会する。そして、入れ墨等日常の情報をもとに照会をするとともに、警視庁の情報を入手して特定をしていく。二日前の代表質問のときには協議中という言葉でしかありませんでしたのが、わずか二日間でこれだけ進展しておるというのは、都市整備局のこの問題に対する取り組みに非常に力が入っておるのではないかと感心をいたす次第であります。
 条例の改正の理由について一部お聞きをいたします。まず、条例改正の背景となっている現状について確認をさせていただきます。現行条例下における都営住宅管理地内での不法行為等の実態、過去五年でどのようになっておるかをお聞きいたします。

○並木参事 不法行為等ということでございますが、不法行為等のとらえ方はさまざまでございます。それで、過去五年とのことですが、ことし四月以降の二カ月間に限りましても、町田市の事件、これは元暴力団員ではなく現の暴力団員でございましたけれども、この事件以外にも、覚せい剤中毒事件、あるいは爆弾製造事件、猟銃自殺事件などが発生してございます。また、不正入居や、その他迷惑行為などを含めると、毎年一千件程度の不法行為等が発生してございます。

○小沢委員 思った以上に非常に多い数が挙げられてびっくりしておるところです。
 次に、六月一日付で国土交通省住宅総合整備課から各都道府県担当者にあてられた事務連絡では、暴力団員排除規定を設ける場合には、暴力団員の動向、都営住宅における暴力団員による不法・不当行為等の状況など、都内の実情を踏まえた上で、都営住宅の入居資格において暴力団員を一律に排除することが適当か否かについて検討されたいとされております。都営住宅の入居資格で暴力団員を一律に排除することが本当に適当なのか、また、その理由をお聞かせください。

○並木参事 本年四月に起こりました町田市にある都営住宅団地での暴力団員による極めて凶悪な事件、これが発生したことから、警視庁の協力のもとに暴力団員を都営住宅から入居段階で排除し、安全・安心を確保することが都民の期待に沿うものというふうに考えてございます。

○小沢委員 確かに都営住宅にお住みの方、また周辺の方にとってはプラスになると思いますけれども、果たして東京都全体で考えた場合はいかがなものなのかなと思っております。かといって、決してこの件に対して反対をする考えではないんですけれども。
 次に、この暴力団員の特定について先ほどご答弁ありましたけれども、都営住宅の入居を考えておる暴力団員の人が、申込時に暴力団員であることを特定するような申告をするとは現実上考えにくいわけで、入居資格の審査の際、虚偽の申告情報をもとに暴力団員であるかどうかを特定することにどれだけ実効性があるのか、どのようにお考えかお聞かせください。

○並木参事 資格審査に当たりましては、住民票や課税証明書などの公的機関の証明に基づいて厳正に審査してございまして、この情報に加えて、警視庁において必要な補充調査を実施するなど、的確な確認がなされるというものと考えてございます。

○小沢委員 例えば暴力団員でない、あるいは元暴力団員、暴力団の準構成員等、今回の条例に当てはまらない人、警視庁がそういった方々に対して誤って暴力団員であると判断する可能性がないとはいえないわけです。警視庁の情報に関して、東京都としてどのように確認をとるかをお聞かせください。

○並木参事 ご指摘の点、非常に仮定の話ではございますけれども、仮に本人から暴力団員ではないという申し出があった場合には、警視庁に再度照会をしてその回答に従うということになります。
 なお、平成十二年に、暴力団排除のための部外情報提供について警察庁から通達が出ておりますけれども、これでは、警察庁の方では組織的に対応する、それから、情報の的確性を担保するため必要な補充調査を実施する、情報の正当性について警察が立証責任を負うというふうになってございまして、正確な情報が得られるというふうに考えてございます。

○小沢委員 それでは続きまして、引き渡し請求について、六月一日付の国交省の事務連絡に基づいてお聞きをいたします。
 この事務連絡では、暴力団員に対する明け渡し請求について、地域の実情を踏まえ暴力団員であることを公営住宅の明け渡し請求事由とすることが適当か否かについて検討されたいとあるわけですが、どのような事由で、本条例案で、暴力団員であることを都営住宅の明け渡し請求事由とすることが適当と判断されたのかお伺いいたします。

○並木参事 暴力団員は、平穏に暮らしているように見えましても、いわゆる暴対法の第二条に規定するように、集団的に、または常習的に暴力的不法行為を行うことを助長するおそれがある、そういった反社会的団体である暴力団の構成員でございます。町田市の事件のように、突如近隣住民を危険にさらす潜在的危険性を持つ者でございます。居住者や近隣住民の安全・安心を確保するためには、都営住宅から暴力団員を排除することが必要と判断したものでございます。
 また、多額の税金が投入され、低廉な家賃で提供される都営住宅から暴力団員を排除することは都民の理解を得られるものというふうに考えてございます。

○小沢委員 もう一点、事務連絡に関してお伺いをいたします。
 この事務連絡では、なお、現行判例における見解として、公営住宅の使用者が法の定める公営住宅の明け渡し請求事由に該当する行為をした場合であっても、賃貸人である事業主との間の信頼関係を破壊すると認めがたい特段の事由があるときは、事業主体の長は当該使用者に対しその住宅の使用関係を取り消しその明け渡しを請求できないものと解するのが相当であるとされていることから、明け渡し請求訴訟を提起するときは、単に条例において暴力団員であることが判明したときを明け渡し請求事由として規定していることのみを、明け渡し請求事由とするのではなく、当該入居者が不法・不当行為を行っていることなどにより、事業主体との間の信頼関係が破壊されていると認められるか否かについて確認されたい旨の記載がなされております。都としてはどのように解釈し、対応していくのかお伺いいたします。

○並木参事 今回の条例上は、暴力団員であることが判明したことを理由として明け渡し請求ができるというものにしてございます。具体的には、条例施行時に既に入居している者につきましては明け渡し勧告を行い、勧告に従わない者については信頼関係が破壊されたというふうに認められることから、明け渡しを請求し、退去しない場合は訴訟を行えるものというふうに考えてございます。
 新規入居者につきましては、そもそも暴力団員でないことが入居の資格要件でございまして、それを承知して入居してくるものでありまして、その後暴力団員となった場合には、その段階で信頼関係が破壊されたというふうに認められることから、明け渡し勧告なく明け渡し請求をし、退去しない場合は訴訟を行えるものというふうに考えてございます。

○小沢委員 今の説明で理解をさせていただきました。我が会派の代表質問でも触れさせていただきましたけれども、都営住宅から暴力団員を排除するということによって、排除された暴力団員は民間の住宅へ流れるのではないか、この対策もあわせて必要があるのではないかと指摘をさせていただきました。民間住宅の場合は、個々の契約条項の中で、暴力団であることが判明した場合に契約を解除する、このような旨をうたっている場合が多いと聞いておりますが、都営住宅と同様に、契約時に暴力団員であるかないかが特定される、このことが家主にとっては最も望ましいことであると思っております。
 しかしながら、あくまで民間の問題であり、暴力団の対策は警視庁のマターの事柄でありますので、きょうはこれ以上このことについて深くは求めませんけれども、民間住宅でのトラブル等がこの行政機関に寄せられた場合に対しましては、適切な対応をとっていただきたい。そして、今後警視庁と連携を強化し、特に個人情報保護の徹底を要望いたしまして、質問を終わります。

○植木委員 大分いろいろ質疑がありましたので極力ダブりは避けますが、そうはいってもごく限られた内容ですから、ダブるのはある程度やむを得ないと思いますので、ご容赦願いたいというふうに思います。
 まず、前提となる暴力団員ということを、都民に、先ほど告知をどういうふうにするかということもお話があったんですが、告知はどの段階でどういうふうにするのか、具体的にお示しいただきたいと思います。

○並木参事 条例施行日以降、新規入居者と既存入居者がございますけれども、まず、既存入居者につきましては、暴力団員は入居資格がないこと、あるいは暴力団員である場合には警視庁に照会がなされることということにつきましては、居住者向け広報紙等で周知してまいります。
 それから、新規の入居者につきましては、条例施行日以降に行う募集におきまして、暴力団員は入居資格がないこと、それから、暴力団員か否かについて警視庁に照会することを募集パンフレットに明記して周知してまいります。

○植木委員 周知をするのは、今既に入居している方、それから、新規募集のときということなんですが、先ほど来、資格がないこと、警視庁に照会すること、それから、明け渡しの告知ということですけれども、これは個人情報になるわけですよね。申し込んで名簿に登載されると個人情報になる。しかも、その方が入居資格を得る段階、つまり、抽せんか何かで得る段階になっていくと照会があり得るということをいっておくわけですけれども、これについて、普通個人情報というのは本人の了解というんでしょうか、そういうことも必要な場面というのがあるかと思うんですけれども、今回の都営住宅の入居に関しては、そういう個人の了解というのはどのようになるんでしょうか。書いてあるからいいという、そういうことでいいのかどうかなんですけれども、いかがでしょうか。

○並木参事 個人情報保護条例に基づきまして、本人からの同意がなくても、この場合は警視庁に照会しないと暴力団員であるかどうかわからない情報でございますので、本人の同意を得なくても情報を入手できるというふうになっております。

○植木委員 全国のやっているところの中では、入居されるときに同意をきちっと確認するということをやっているところもあるんです。大阪なんかの例はそうですけれども、そういった点は一切検討がないんでしょうか。

○並木参事 そういった観点も踏まえまして、募集パンフレット等におきましては照会があることについて周知してまいりますし、また、既存入居者につきましては、居住者向け広報紙等で周知していくとともに、申込書におきましても、入居後暴力団員であるかないかにつきまして、暴力団員であった場合には退去を求めるといったことについて、そういったことを明記いたしまして、それについて誓約をとるというふうにすることを考えてございます。

○植木委員 何で聞くかというと、暴力団員は排除する規定が、きちんと今回基本的なところは条例の中に盛り込まれるわけです。しかし、警察に照会をするということになりますと、これは個人情報の問題です。当然扱いは非常に慎重でなければいけない。当然だと思います。それが今の説明だと、その点については真っ正面から答えていないので、そういう確認はしないということのようにとれるんです。それはいかがなものかなと。もうちょっと厳密に局内かどこかで詰める必要があるんじゃないかというふうに私は思います。
 それから、入居が決まった場合、それから既に入居されている方が暴力団員であるかどうか、これを警視庁と協議をするというふうに聞いているんですが、これは、まず入居対象になった方、つまり入り口で暴力団員であるかどうかの判断をどうするか。すべて名簿を無条件で警視庁に渡すのかどうか、この点について念のためもう一度お願いします。

○並木参事 先ほどの照会の件でございますけれども、先ほど申し上げましたことで、申込書において、暴力団であることが判明した場合には明け渡す旨を誓約させるとともに、照会することについての同意を得るというふうにするということにしてございます。個人情報保護条例四条三項で、条例の定めがあるときは本人からでなくてよいということもされてございまして、そういったことで考えてございます。
 また、警視庁への情報提供につきましては、申込者全員ではなく、当せん者についてやることになりますが、氏名、性別、生年月日の必要最小限の情報をもとにして行うということで考えてございます。

○植木委員 氏名、生年月日など必要最低限ということですが、先ほどは、答弁とちょっと違うんですが、念のため、氏名、生年月日は出す。あとは制限がないんですか。正確にいっていただきたいんです。

○並木参事 警視庁に照会をする際におきましては、氏名、性別、生年月日の必要最小限の情報をもとにして照会するということを考えてございます。その際は、暴力団員である可能性が低い年少者や、特に年齢の高い者などは除く方向で考えてございます。

○植木委員 それから、既入居者について、これは林田委員がお聞きしたんですけれども、二十六万世帯、五十五万人ですか、非常に膨大ですよね。これは、先ほどはすべて一遍にという話ではなかったんですが、この点も確認したいものですから、正確にお示し願いたいと思います。

○並木参事 既存入居者につきましては、先ほどご答弁申し上げましたとおり、既存入居者の中には暴力団員は極めて限られているというふうに推定されることから、入れ墨を見せたり、脅迫的言動をしたりしてトラブルを起こすなど、日ごろの都営住宅管理業務の中で知り得た情報に基づきまして、暴力団員の疑いが高い者について、氏名、性別、生年月日により確認をしていくということを検討してございます。

○植木委員 そうすると、今いったのは、管理している都市整備局でその該当者を特定するんだろうと思うんですけれども、その特定はいわゆる管理部門の方がやられるのか、それとも、そういう専門の--とりあえず二十六万世帯というと大きいですから、どういう仕組みでだれが判定していくのか、その辺はいかがでしょうか。

○並木参事 暴力団員の疑いが高い者の確認方法は、日ごろの都営住宅の管理活動の中で顕在化している事例の情報をもとに、管理者であります東京都が判断いたします。その際、警視庁に対しまして、暴力団員であるか否かの照会をして確認をするということになります。

○植木委員 都がやるという、それは都がやらなきゃどこもやらないんですけれども、具体的にはどういう部署でやるのか。二十六万世帯で、しかもそういう実際にトラブルが頻繁に起きているという事例は、これは簡単にわかると思うんですけれども、集約していかなきゃいけないんでしょうから一体どうなるのか、これは後で明確にしていく必要があるんじゃないかと思うんです。これは、二十六万世帯は一遍にやるということではない。疑いのある者をやる、こういうことですね。
 では、暴力団員というのを認定することになるわけですけれども、わかりやすい事例で聞いた方がいいと思うんですけれど、例えば本人が暴力団員でないんだと、こう否定した場合も出てくると思うんです。警視庁からの情報があって、本人は暴力団員でないと否定した場合、これはどういうふうな扱いになるんでしょうか。

○並木参事 本人が暴力団員ではないと否定した場合ということですが、先ほどご答弁申し上げましたけれども、今回暴力団員であるかないかの確認につきましては警視庁に対して行うわけですが、平成十二年の暴力団員排除のための部外情報提供についての警察庁通達では、組織的に対応する。情報の的確性を担保するため、必要な補充調査を実施する。情報の正当性について、警察が立証責任を負うというふうになっておりまして、正確な情報が得られるものというふうに考えております。仮に申込者本人から暴力団員でないという申し出があった場合には、警視庁に再度照会し、その回答に従うといったことになります。

○植木委員 立証責任を改めて警視庁に再度確認していく。これは本人が脱会したとか、更生しているとかというケースも出てきたり、いろいろな事例があると思うんです。一般的には、条例ですから、非常に基本的にしか書いていないからあれなんですけれども、具体的にしていくといろいろな事例が出てくると思うんです。例えば入居者の中で、ある家庭の中で暴力団員だということが一人わかった。では、その家族、子どもも、条例で読むと当然明け渡しの対象になるわけですね。その場合に、本人が出ていくといった場合のケースだとか、いろいろなケースが出てくると思うんです。特に子どもなんかには責任はないわけですから、そういった場合のときにどういう判断をしていくのかというルールはあるんでしょうか。

○並木参事 既存の、既に入居している者で家族等について退去した場合はどうなるかといったようなご質問でございますが、暴力団員であることが判明した場合には、同居者も含めて明け渡しの対象となり、その場合、原則としては、まずは自主退去を求めまして、退去しない者については明け渡し請求をするということを考えてございます。ただし、暴力団員であることが判明した者が使用名義人本人ではなくて同居者である場合には、当該暴力団員を退去させるよう使用名義人に対しまして勧告をし、勧告に従った場合には明け渡し請求はしないといったような扱いになります。

○植木委員 いずれにしても、今回の町田の事件は非常に事件性がはっきりしているわけですから、対応も非常にはっきりすると思うんですけれども、実際の場面になってくると、我々のはかり知れないいろいろな事例というのが出てくると思うんです。そうした場合に、当然暴力団員としての認定を行い、そして、明け渡し請求して明け渡してもらう。こういういろいろな段階があると思うんですけれども、それに対して最終的な責任を負うのは一体どこなのか。先ほど、警視庁の立証責任というのは一つ責任の問題が出ましたけれども、最終的に責任というのはどういうふうになるんでしょう。

○並木参事 暴力団員につきましては、暴対法に基づきまして警視庁が確認してございまして、都営住宅からの排除の対象となる暴力団員について、その暴対法による暴力団員であるといったことで、その認定は警視庁が行う。それに基づきまして都として判断をしていくということになります。暴力団員であるという警視庁の認定につきましては、平成十二年の暴力団排除のための部外情報提供についての警察庁通達、先ほど申し上げました通達でございますけれども、その中で警察が提供した情報の正当性については警察が立証責任を負うということになってございます。

○植木委員 そうすると、ほかの問題は全部--立証責任だけが警視庁にあって、それに基づく具体的な行動は都に責任がある。当然なんだけれども、これはいざというときに、裁判なんかが起きたときに求められてくるんです。立証責任の後どうなるのか。どこの段階で--認定した者についての責任というのが出てくる可能性があるわけです。そういうのも問題点を整理しておく必要があるのではないかなというふうに思うんです。
 それで、ちょっと幾つかあれなんですけれども、幾つか具体的な事例を挙げてきましたけれども、まだまだたくさんあるんだと思うんですけれども、思いついたところでいいました。一つは、都市整備局として、二十六万世帯、五十五万人の個人情報についてどのように管理をするのかという問題について、今まではそういう部外に情報を出すという必要性もなかったから、ルールも検討してこなかったと思うんですけれども、都として、個人情報保護法や条例に基づいてどういうふうに扱うのかというルールをきちっと規則なり明文化するなりしておく必要があるんじゃないかというふうに思うんです。警視庁のを見てみますと、警視庁の情報を出す問題について慎重な対応がきめ細かく書かれています。都としてそういうルールを、都営住宅の管理について、個人情報について、きちっとルール化する必要があると思うんですけれども、いかがですか。

○並木参事 先ほどの答弁に一点補足的に申し上げますけれども、暴力団員であるという確認は警視庁の方で行うわけですけれども、それに基づきまして、都として判断をし、明け渡し請求等については都営住宅の管理者である東京都として行うということになります。
 それから、ただいまの情報の扱いでございますけれども、東京都も警視庁も個人情報保護条例の適用を受けてございまして、その条例に従って情報は適切に取り扱われるというふうに考えてございます。ただ、具体的に目的外使用の禁止でありますとか、確実なデータ返却等でありますとか、そういったような具体的なことにつきましては警視庁の方と合意書等において取り決めをし、的確な管理をしていくというふうに考えてございます。

○植木委員 警視庁と合意書を交わすというお話がありましたけれども、名簿だけではないんですけれども、それは後にします。名簿について、個人情報ですから、先ほどの同意を得る問題も含めて、やはり都市整備局としてきちっとしたルールを持つ必要があると思うんです。警視庁のを見てみますと、本当にきめ細かに慎重に取り扱う様子がよくわかります。東京都は条例があるから、法律があるからいいんだと、それでいいのかというのは問われるんじゃないかと僕は思うんです。それが一点。
 それからもう一点は、先ほど、認定の責任の問題、立証責任は警視庁にある、それから管理の責任は東京都にある。こういう区分けをしておりましたけれども、具体的な事例でそれだけなのかということは、僕はいろいろ検討する必要があると思うんです。例えば私は大阪の担当者にお聞きしましたら、いろいろなケースがあると。特に既入居者のケースなんかは慎重に取り扱う必要もあるということで、入居監理委員会の意見を聴取するということでルールをつくる、こういうことをおっしゃっていました。
 同じにやれということではないですけれども、特に実際の場面で、先ほど裁判になる例もあるというふうにお話も出ていたように、弁護士などを入れた第三者機関なり、そういったところできちっとルールについて検討したり、どういうケースがあるのかということをきちっと整理して、この際総ざらいして出す必要があるんじゃないかというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。

○並木参事 先ほど答弁で、警視庁との合意書のほかに、具体的に東京都の中におきましては、さらに詳細については要領等で定めるというふうに検討してございます。
 それから、ただいまの件でございますけれども、暴力団員と判明した場合におきましては、条例上はそれでもって明け渡し請求をするというふうになってございまして、その選定に当たりましての判断する要素はございませんということで、第三者機関の設置は考えておりません。

○植木委員 第三者機関のようなものは考えていないというんですけれども、これは別に僕は一件一件そういうところで検討しろといっているのではなくて、これから起こり得るだろう最低限必要な対応策についてきちっと整理をして、いろいろな問題がある可能性がある、そして、つくっておくことが対応を敏速にできるし責任の所在もきちっと明確になる。こういうことをいっているんです。
 だから、そういう点では、個人情報の管理、扱いについて、やはりきちっと局内でルール化する問題、それから、いろいろなケースが出てきた場合の対応についての第三者機関などによって、特に弁護士などの意見も聞いて対応についてをルール化していく問題。それからもう一点は、警視庁との関係も、立証責任は警視庁の方の文書には出ておりますけれども、東京都はまだ条例しか出ていないので、具体的にそれがどうなるかというのは実際には今の答弁しかないわけです。
 そういう警視庁との関係についても、個人情報をどう扱うのか、認定のあり方、それから、疑い性のある場合の認定のあり方、警視庁との協力関係、そういうのを、先ほど合意書というのが個人情報のところでいったので個人情報だけなのかわかりませんけれども、やはり警視庁との関係でそういう協力関係もきちっと合意書なりをつくっていく必要がある、それも含めた合意書ですね。そういうふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。

○並木参事 暴力団員であるということにつきましては、警視庁の認定に従って判断していくものでございますので、そこに判断するという要素はございません。
 それから、警視庁との間におきましてのルール化につきましては、必要な条項につきましては、弁護士等とも照会しながら適切に対応してまいりたいというふうに考えてございます。

○植木委員 今回は条例だけしか出ていないので、いろいろ疑問点やそれから改善の提案を含めて提案しているわけですが、本来、こうした非常に重要な問題だけに、条例の提案だけではなくて、規則なり、そういういろいろな合意事項というんでしょうか、明確にした上で提案されるとよかったというふうに私は思うんです。また、そうあるべきだというふうに思うんです。そうしないと--後でこんなはずじゃなかったということがないようにしていただきたい。
 いずれにしても、個人情報についても、それから、暴力団の認定なども慎重にする。それから、取り扱いのルール化、こういった問題をきちっと確立して、認定された場合には毅然と対応していく。こういうことをきちっと慎重かつ毅然とした態度で取り組むということを強く求めて、質問を終わりにします。

○並木参事 これまで申し上げましたとおり、暴力団員であった場合の照会の方法でありますとか、周知の方法でありますとか、警視庁との取り決めでありますとか、そういったことにつきましては、この間、短い間ではございましたけれども、るる詰めてきてございます。ただし、なお、さらに当然ながら、短い期間でございましたので、詰まっていない部分につきましては、引き続き弁護士とも相談しながら適切に対応していくということで詰めてまいりたいというふうに考えてございます。

○秋田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○秋田委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。

○秋田委員長 次に、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○升都市基盤部長 先般策定いたしました環境軸ガイドラインについてご説明させていただきます。
 お手元に資料2、3、4がございますが、資料2の環境軸ガイドラインのポイントを使って説明させていただきます。
 表紙を一枚おめくりいただきまして、A3の一枚物がございます。それを広げてごらんいただきたいと思います。
 まず、環境軸の考え方についてご説明いたします。
 環境軸とは、道路、公園、河川など、骨格となる都市施設と、その整備などを契機とした周辺のまちづくりの中で一体的に形成される広がりと厚みを持った豊かな緑、オープンスペース、良好な景観などの緑豊かな都市空間のネットワークでございます。つまり、環境軸は、緑、オープンスペース、景観の三つを構成要素としております。
 そして、環境軸の形成のプロセスは、これらの緑をつなげる、広げる、守り育てるという三つのコンセプトで示すことができます。広がりと厚みのある緑のネットワークが形成されることによりまして、都市環境の改善、都市の魅力の向上が図られるとともに、水と緑の回廊で包まれた美しいまち東京の復活にも貢献することができるものと考えております。
 次に、本ガイドラインの目的でございますが、都や区市町、さらには都民や民間事業者が環境軸の形成に向けて、都市施設の整備やまちづくりの計画、事業などを行う際に指針として利用していただくことを目指しております。
 次に、本ガイドラインの位置づけでございます。環境軸の形成につきましては、平成十八年一月に策定いたしましたみどりの新戦略ガイドライン、また四月に策定いたしました多摩地域における都市計画道路の整備方針においてその考え方が示されております。その後、十八年四月に、これらを踏まえまして、環境軸基本方針を取りまとめております。
 また、昨年十二月に策定されました「十年後の東京」におきまして、水と緑の回廊で包まれた美しいまち東京を復活させることを今後十年間を展望した施策における第一の柱として掲げております。これを受けまして、今月八日に策定されました緑の東京十年プロジェクト基本方針の中で、厚みと広がりを持った緑の満ちる空間が連続する環境軸の形成が示されてございます。本ガイドラインは、これらに基づき、環境軸を形成するための指針として策定したものでございます。
 次に、本ガイドラインのポイントでございますが、まず第一に、環境軸の形成における公共側の役割として、都市施設整備における配慮事項を明らかにしております。道路と河川の連携による緑の連続性の確保や、道路と沿道の公園の一体的整備による厚みのある緑の創造など、都市施設同士の緑のつながりに配慮し、環境軸のつながりと広がりを効果的に実現することなどを記述しております。
 第二に、民間の緑の誘導でございます。民間には広がりのある環境軸の形成に向けて大きな役割が期待されております。
 道路沿道などの民有地の緑を誘導するため、地区計画や都市開発諸制度による規制、誘導、市街地再開発事業や土地区画整理事業による都市機能の再配置など、まちづくりの中で緑の創出を図り、環境軸の形成に資する仕組みを構成要素の観点から整理、紹介してございます。
 第三に、今後の取り組みとして、環境軸を形成するための体制を明らかにするとともに、新しい仕組みの創設を提案したことでございます。今後まちづくりの熟度や都市施設の整備の見通しなどを勘案した上で、環境軸推進地区を選定し、地区ごとの環境軸形成の方針を策定するなど、着実な推進に向けて取り組んでまいります。
 また、新たな仕組みでございますが、まず七月から運用する公開空地等のみどりづくり指針によりまして、隣地との連携を考慮した公開空地の整備方法など、開発計画の早い段階から、事業者に対する指導、助言を行い、質の高い緑空間を誘導していくこととしております。また、都市開発諸制度などにおいて、公開空地を緑化した場合の評価など、環境軸形成の誘導促進を図るような手法についても検討を行ってまいります。
 以上でご説明を終わらせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

○秋田委員長 報告は終わりました。
 これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○川井委員 環境軸ガイドラインについて、何点か質問をしたいと思っております。
 ガイドラインでは、環境軸のコンセプトとして、緑をつなげる、広げる、守り育てるの三つを挙げております。特に私は、このつなげるという部分は非常に大きいなと、こんな思いも持ちながら質問をするわけでございますが、この都市における緑は、都民に潤いや安らぎを与えるだけでなく、美しい都市景観の創出や都市防災にも大きく寄与をするんだろうと思います。さらに近年では、地球温暖化やヒートアイランド現象の緩和にも貢献するなど、その役割はますます重要になってきております。
 先ほどの都市基盤部長の説明もありましたが、先ごろ公表された緑の東京十年プロジェクトの基本方針の中でも、環境軸の形成は緑のネットワークの充実方策の一つに位置づけられ、このたび、早々として環境軸ガイドラインが策定されてまいりました。このガイドラインが緑豊かな美しいまち東京の実現に役立つことを大いに期待しながら、何点か質問をしていきたいと思っております。
 今、たしか港湾局でも、あそこに四十八・八ヘクタールの新しい--水の中に緑の森をということで、約四十八万本の苗木を植えるというようなことをいっているようでございます。そういう意味では、この緑というものを意識し、またそれをつなげる、広げる、守る、こういう形の中で、いい形で出していただいたな、時期的にもタイムリーだな、こんなふうに思っておりますが、この環境軸ガイドラインを策定した背景と意義について、まずお伺いをいたしたいと思います。

○升都市基盤部長 環境軸でございますが、先ほどもご説明いたしましたが、道路、河川、公園など、骨格となる都市施設とその整備などを契機とした周辺まちづくりの中で、一体的に形成される緑豊かな都市空間のネットワークでございます。これまでの緑のネットワークづくりというものは、道路、河川、公園などの整備事業においてそれぞれが取り組んでまいりましたが、より多くの緑の連続性でございますとか広がりを確保していくためには、あらゆる都市施設や自然資源、まちづくり事業を活用した環境軸の形成が必要であるというふうに考えておりまして、先ほど先生がお話しになった、つなげるというようなものが欠けているということで、そういう背景の中からネットワークを形成していくことが重要だというふうに考えているところでございます。
 特に環境軸の形成、意義でございますが、環境軸の形成によりまして、広がりと厚みのあるグリーンロードネットワークが実現されまして、都市環境の改善でございますとか、都市の魅力の向上、さらには水と緑の回廊で包まれた美しいまち東京の復活につながっていくんではないか、そういうものに貢献できるであろうというふうに考えているところでございます。

○川井委員 まさにつなげるという、今まで公園、河川、あるいは道路という形の中での緑化というか、緑というものが、実は民間の建物等々で分断されている。こういうところに非常に目をつけてくれて、これから環境軸という中で、そういうところの方々にも協力をいただこうという思いが非常にあったんだろう、こう思っておりますけれども。そこで、環境軸形成における公共と民間の役割分担、このお互いの力というものが新しいまちをつくっていくんだろう、こう思っておりますので、この役割分担についてどのように考えているのかお伺いをしたいと思います。

○升都市基盤部長 公共と民間の役割でございますが、環境軸を形成していくためには、公共と民間がそれぞれの役割分担のもとに連携して取り組むことが重要でございます。公共の役割といたしましては、環境軸を形成する取り組みの方向性を提示し、道路、河川、公園など、骨格となる緑豊かな都市施設の整備を促進していくということが求められているところでございます。また、都市施設相互のつながりに配慮した計画や整備、さらにはその周辺におけるまちづくりの誘導などの取り組みも必要だというふうに考えてございます。
 民間の役割でございますが、沿道等におきましてまちづくりを進める中で、各種の制度や仕組みを活用いたしまして、都市施設と一体となった緑とオープンスペースを、先ほど先生がおっしゃいましたようにつなげるという意味では、連続してつながりを確保していくことで広がりとゆとりのある空間の創出に努めていくということが求められているところでございます。

○川井委員 ぜひ今お答えいただいたように、適切な役割分担のもとに環境軸を進めていただきたい、こう思っております。
 さて、このガイドラインの中で、私の地元でもある中野区を通る山手通りがモデル地区の一つとして紹介をされています。この地区は、現在、首都高速中央環状新宿線の整備に合わせて、広幅員の歩道を有する道路として整備が進められております。今後、このモデル地区として示された山手通りにおける環境軸の形成は、どのようにして行うのかお伺いをさせてください。

○升都市基盤部長 お話しの山手通りにおける環境軸の形成に対する取り組みでございますが、現在行われております山手通りは、先生ご指摘のように、標準部で約九メートルという広幅員の歩道を有する延長九キロにわたる幹線道路でございます。歩道には、地元住民の方との話し合いによりまして、地域ごとに特色のある樹種の選定でございますとか、樹木の配置を行いまして、緑豊かな道路整備が進められているというふうに聞いてございます。場所によっては、道路側だけではなくて、道路中央ですとかにさらにもう一列並木を植えていくというふうに聞いてございます。
 この道路の完成によりまして、沿道における土地利用が増進し、道路と一体となった公開空地を創出する制度、いわゆる都市開発諸制度が適用可能な場合には、それを活用したまちづくりが期待されておるところでございます。
 その際には、先ほどもお話しいたしましたが、来月から施行いたします公開空地等のみどりづくり指針の活用によりまして、開発計画の早い段階から、事業者に対して指導を行いまして、質の高い緑を誘導し、道路空間と公開空地の緑が一体となった良好な空間を創出していくことを考えてございます。

○川井委員 開発の早い段階からの指導ということで、一体化されたまちづくりというものを期待できる、こう思っておりますが、この環境軸を形成するためには、道路や公園などの公共空間と民有地の開発によって生み出される、まさに緑が一体となって良好な都市空間をつくっていくことが重要だ、こう思っているわけですが、そのために具体的にどのような指導と、指導した結果、どのような効果が期待されているのかお伺いをいたしたいと思います。

○升都市基盤部長 業者に対する具体的な指導といたしましては、開発の構想段階から緑のネットワーク等に十分配慮してもらうように、周辺の緑の分布状況がわかります、みどりのデータマップや街路樹との連携を図る緑の配置等の計画を促すための手引を事前に情報提供することとしております。これによりまして、良好な都市空間の創出を誘導し、環境軸の形成に寄与していくことができるというふうに期待しております。

○川井委員 さらに公開空地だけではなくて、この公開空地というのは、ある意味で開発に先取っての指導ということなんだろうと思うんですけれども、そうすると、新しい開発行為、こういうものがなければ民間の力を期待できないのか、こういうことにもなるんだろうと思うので、もう一方には、現有する民有地に対してどう誘導していくのか、これも大事なんだろう。
 後ほど聞きますけれども、例えば区市町村の生け垣助成だとか、そういうことをどう絡めていくのか。こういうことを含めて実は考えておりまして、そこで、公開空地だけでなく、現有する民有地を含めた総合的な緑の誘導は、環境軸形成のために効果的だろうと私は思っておるんですけれども、この緑の創出を図る新しい仕組み、この新しい仕組みがぜひ必要だと、このように考えているんです。
 そこで、どのような仕組みが考えられるのか、あるいは考えているのか、現状のところをお答えをいただければありがたい。

○升都市基盤部長 都市空間における緑の充実には、まちづくりと一体となった緑の創出が特に重要でございまして、環境軸形成に対するさまざまな仕組みづくりについても多様な観点から検討を進めていく考えでございます。今お話しの民有地でございますが、民有地における緑のさらなる誘導促進を図る新たな仕組みについても早急に研究をしていきたいというふうに考えてございます。
 また、河川の周辺に緑の集積を促すようなまちづくりの仕組みでございますとか、地域住民の方々の協力によりまして緑を保全していく仕組みなどについても検討していく考えでございます。

○川井委員 多様な観点から仕組みを検討していくということで、例えば私の地元中野区の環状六号線と環状七号線に包まれた住宅密集をしている地域であります。こういうところで、特にまちづくりにおける緑の創出ということについての有効な仕組みをぜひ考えていただきたいと思うわけであります。
 先ほどの繰り返しにも若干なるわけでございますけれども、新たな開発だけではなくて、現存する民有地の方々にどう協力を促していくのか。それは新たな仕組みだとか制度だとか、場合によっては国の国庫補助制度の創設などを望んでいくとか、そういう形の中で、これは、公共用地あるいは新たに開発されるところだけをつなげるということではなくて、現存する民有地を含めて、その方々にもまちづくりに参加していただけるような仕組みや制度をつくることによって、まさにつなげるというあるいは広げるという部分が、非常に大きな環境軸ができていくんだろう、こういう思いがするわけであります。
 そこで、この環境軸ガイドラインの広がり、厚みを持った緑の空間を生み出すためにも、さまざまな取り組みを横断的に取りまとめて、これまでにない新たな切り口で緑づくりを描いていってほしい。描いてきていただいているんですけれども、それをもう一歩進めて、新しい制度や新しい切り口、新しいシステム、そういうことの中でこの事業の展開を大いに期待しております。
 今後、環境軸形成の促進や開発者の指導などを適切に行い、都内全域に緑豊かな都市空間のネットワークが広がっていくようにしっかりと取り組んでいただきたい。そのときに、先ほどいったように、民間の現有民有地の方々のご協力をどう促していくのか、こういうことも強くそこへ盛り込んでいっていただきたい。
 最後に、環境軸形成に向けた取り組みについての全般的な所見をお伺いをしたい、こう思います。

○只腰都市整備局長 昨日も本会議の一般質問におきまして、環境軸の形成につきまして答弁をさせていただきました。これまで私ども公の立場としては、公園緑地の整備、あるいは都市計画道路の中に厚みを持った植樹をする、あるいはそのような努力を積み重ねてまいりました。一方、この辺もそうですが、大きなビルをつくる際、セットバックをして公開空地をつくるという手法は随分歴史的にもやってきたわけですが、必ずしもその連携が十分でなかった。
 そういう意味では、昨年十二月に策定しました「十年後の東京」の中で、水と緑の回廊ということをいっております。その回廊をつくっていくためには、水と緑のネットワークをつくるわけですが、そのような役所がやる公園緑地あるいは道路の緑と民有地の緑を連携をさせないといけない。そういう仕組みはどうしたらいいかということを我々は知恵を絞ってまいりました。そのキーワードが、きょうお示ししました環境軸というキーワードになってございます。
 最近出しました緑の東京十年プロジェクトの中でも、この緑のネットワークの充実を私どもとしては環境軸の形成ということでぜひ進めてまいりたいということで、その一つの柱にしてございます。これは、都の中でも各局の連携が必要でございまして、緑の都市づくり推進本部、これは副知事が会長をやっておりまして、そういうところで各局の連携をとる。それから、各区市とも推進のためのグループをつくって、そこの中で整備を進める。それから、今お話し申し上げました環境軸の、そこに面した開発が出てきた場合は民間の方の協力をぜひいただくということで今回組み立ててございます。
 ただ、今委員からもご指摘がございましたように、これはまだ出発をしたばかり、我々の方でいろいろ考えて盛り込んではございますが、いろいろ工夫の余地があろうかと思います。既存の緑をどのように取り込んでいくか、それから、新しい仕組みをどうやってつくるか、いろいろな工夫ができると思います。これからもそういう工夫を積み重ねまして、厚みのある緑のネットワークということでぜひ努力をしてまいりたい。こういう施策を積極的に展開しまして、すぐれた都市景観の創出、また、都市環境の改善に向けて、全局を挙げて取り組んでまいりたいと思います。

○秋田委員長 この際、議事の都合によりおおむね十分間休憩いたします。
   午後二時二十四分休憩

   午後二時三十六分開議

○秋田委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○吉田委員 私からは、六月十一日公表の環境軸ガイドライン、先ほど川井理事から、地元の同じ中野区の選出のお立場から大変に意義のある質疑をしていただきましたので、なるべく重複を避けるよう努力しながら、若干ご質問をさせていただきたいと思います。とにかく、まずこの環境軸ガイドラインを策定、公表されたことを大変に大歓迎をさせていただくという立場から幾つかご質問申し上げます。
 まず最初に、私の地元の中野区あるいは周辺の豊島区等、木造住宅密集地域等が多く、緑やオープンスペース等の確保が大変困難な地域でございます。こういう状況を客観的に把握をできるかと思うんですけれども、二十三区におきます--というのは、多摩はもっと緑が多いと思いますので、二十三区におきます緑被率等、緑に関する指標についてどのような状況にあるのか。そして、特に私もおります中野区周辺等において、経年の緑の変化、例えば五年ごととか、緑被率あるいはその他の指標でどのように緑が推移しているのかお伺いをいたします。

○升都市基盤部長 緑に関する緑被率など、二十三区でどういう状況かということと、中野区周辺での経年変化はどうなっているかという二つのご質問でございますが、一般的に緑の指標には緑被率ですとかみどり率というものがございます。東京都の環境局では、東京都の緑の状況を全体的に把握するという立場から調査を行っておりまして、各区別のデータは持っていないというふうに聞いてございます。
 また、地域ごとの特性に配慮した調査というものは、各区がそれぞれ独自に調査を行っておりまして、調査の時期、これは何年にやるかとか何月にやるかという、そういう時期でございますとか、方法、それから制度、これは何メートルメッシュ、何キロメッシュでやっているかなどいろいろ異なってございまして、それを一律に比較するということは適切ではないというふうに考えてございます。そのため、公表されているデータで比較するという観点から、緑の都市公園の、区域面積に占める割合というものでご説明をさせていただけたらというふうに思います。
 この公園の率によりますと、平成十八年度で、特に下位に位置するところは、今お話のありました豊島区、中野区、杉並区などがございます。また、上位では、河川沿い等がございますので、江戸川区でございますとか、大きな緑を持つ千代田区とか渋谷区が行政面積に占める公園面積では非常に上位になってございます。
 それから、五年ごとというお話もございましたが、中野区周辺のその推移ということで、この公園の率で見ますと、先ほどの下位三区、中野、杉並、豊島の三区ですが、十四年度と十八年度の比較を行いますと、中野と杉並は若干増加してございます。豊島区ではほぼ横ばいだということでございます。

○吉田委員 ありがとうございます。
 ただいま都市公園の公園の率ということでご説明をいただいたわけでございますけれども、それによりますと、下位に当たる豊島区、中野区、杉並区というところにおいても、中野、杉並でも若干の公園率の向上が見られる、豊島区は横ばいというお話でございましたけれども、これは、確かに公園というものに限りますと、もちろん公の立場からご努力をいただいているんだろう、このように思います。
 しかし、例えば相続に伴って、これまで大きな庭のあったようなお宅が、次に行ってみたら六軒ぐらいの小さな分譲というか家が建ち並んでいて、あそこにあった木々は全部なくなってしまったんだなというようなところがたくさんある。こういうような状況でございまして、緑被率というものが各区別には、方法、年度、制度等、それぞれ各区の調査のやり方が違うので比較はできないとおっしゃいますけれども、東京都全体で、例えば区部、そして多摩、こういうふうにランドサットの衛星等で分析をいただいて東京都で発表されている数字を見ますと、それぞれ五ポイント以上緑被率が下がっている。
 平成十年と十五年で比べて、みどり率の変化というものは公表されているわけで、やはり公園ということだけでなくて、民間も含めて緑被率全体を客観的に各区市町村の上部団体でございます東京都として、緑は大切だと、全都を挙げて取り組みをされる今日において、きちんとした客観的な比較ができる状況をきちんと把握できるようにする、こういうことが必要であろうと思います。
 先般、私どもの党の松下副委員長からも、みどり率あるいは緑被率、いろいろな用語あるいは指標を統一したらどうかというお話を申し上げましたけれども、一歩踏み込んで、それをきちんと二十三区あるいは多摩の市町村も含めて比較できるような情報の整理をぜひされてはいかがかと、これは要望を申し上げたいと思います。
 そして、先ほども申し上げたとおり、今回の環境軸ガイドラインを出すことの目的、意義につきましては、先ほど川井理事から大変わかりやすい有意義な質疑がございましたので、これは省略をさせていただきまして、中野区のように、オープンスペースの確保が大変困難な、木密地域がたくさんあるようなそういうような場所において、環境軸を実現していくためにどのような手法が考えられるのかお聞かせをいただきたいと思います。

○升都市基盤部長 ご指摘の木密などの地域で環境軸をどのような手法で実現していくかということでございますが、木密地域などにおいては、木密の事業の区域で整備される道路における緑とその沿道のまちづくりの中で生み出される民間の緑の連携が考えられます。例えば、本編でございますが、資料4の四二ページをお開きいただきますと、イメージパースが小さくて申しわけございませんが、これは豊島区の補助八一号線の道路整備と、沿道まちづくりのイメージパースといって、これは東池袋の木造密集地域で行っている事業でございますが、それの完成形のイメージパースでございます。こういうような木密を通過するような道路の整備に合わせて民間活力を誘導した沿道まちづくりを進めておるところでございます。
 延焼遮断帯形成と避難路の確保など、防災性の向上を図る都市施設整備に合わせまして、都と区、また地元のまちづくり協議会が連携しながら、建物の共同化などまちづくりを進めているところでございます。このようなまちづくりの中で、民間の緑を誘導し、緑豊かな都市空間のネットワーク形成を図っていくということが考えられるところでございます。

○吉田委員 ありがとうございます。
 そして、また中野は、私は昨年の十一月二日でしたでしょうか申し上げたんですけれども、都立公園とか海上公園とか、あるいは都立の霊園とか、この都立の緑がない二十三区での唯一の区で寂しい限りだということを申し上げたのでございますが、こういうなかなか都有地の少ない中野のようなところも含めて、数少ないとはいえ、都有地を活用した緑化の推進、それによる環境軸の形成ということに本当に期待を寄せているところでございます。
 この都有地を生かした緑化の推進、この環境軸の形成ということについて、もう少しご説明をいただきたいと思います。

○升都市基盤部長 学校でございますとか、都営住宅など都有地がございますが、そういう都有地の緑化を進めるということは環境軸形成の一助とすることも可能ではないかというふうに思われます。しかし、環境軸というものは、るるご説明しておりますが、道路でございますとか河川など、都市施設と組み合わせて厚みと広がりを持たせるというものでございまして、そういうものと組み合わせて緑豊かな都市空間を形成していくというふうに考えてございます。

○吉田委員 ありがとうございます。
 東京都が緑をふやす、そして、環境軸、これをつなげるそして広げる、こういうようなことについて、今現在、緑被率あるいは公園率でも結構でございます。こういうものが少ない自治体においてこそ、この効果が最も期待をされますし住んでいる住民も本当に切望している、こういう状況でございます。先ほど質疑もございましたけれども、新たな仕組み、新たなやり方、こういうものを進めていただいて、一段と緑がふえていくように進めていただきたいと思うわけでございますけれども、今後、環境軸ガイドラインに基づく検討、これがどのようになされていくのか、私からもお伺いをいたしたいと思います。

○升都市基盤部長 環境軸とは、先ほどもご説明いたしましたが、道路や河川の都市施設の整備を契機に、その中で生み出される緑と沿道のまちづくりによる緑を組み合わせて、広がりと厚みのある緑空間を創出していくものでございます。そういう意味では、直接的には緑被率とは無関係な事業でございますが、大きな意味で緑化を進めるということにつながっていくということなのかもしれません。このために、環境軸ガイドラインを策定いたしまして、環境軸の展開に必要なまちづくりにおける配慮すべき事項などを示しておるところでございます。
 今後、民有地における緑のさらなる誘導促進を図る新たな仕組みについて検討していくというふうにしておりますし、また、推進体制を構築いたしまして、具体的な検討を進めていきたいというふうに考えております。

○吉田委員 ただいまおっしゃった推進体制を構築して具体的な検討を行っていただく、本当に期待を寄せるところでございます。昨年十一月二日に私が申し上げましたのは、木密事業におきまして、公共施設の防災性を備えた建築物の共同化と、道路、公園などの公共施設の一体的整備が可能な防災街区事業を新たな事業手法として木密対策をやっていかれるということに関連して、河川にも着目をして、いわば防災親水街区整備事業のようなこともぜひご検討いただきたい。
 そして、妙正寺川にも、善福寺公園とか和田堀公園とか、こういうものに匹敵とはいわなくても、こういうものに近づけるような親水公園をつくっていただけるような将来像を描いていただけるとありがたいなということも申し上げましたけれども、例えばそのほかにも、緑の空間を創出する新たな手法といたしまして、例えばでございますが、都市計画道路の沿道の一定区域、中野にも都計道がなかなかきちんと整備が進んでいないところがあるのでございますが、この沿道の一定区域に、土地区画整理事業の予定区域とかあるいはそれに類似した制度をつくっていただいて、類似した事業の予定区域を設定していただいて、その区域の中で、土地を売却する意思がある地権者があらわれた場合に、この事業の実施に先行して、地元の区市町村やあるいは都自身が当該の用地を取得して、その後取得用地がまとまって事業の具体化が図れるような状況になれば、その用地を活用して、土地の交換分合を行って、道路沿いとか、あるいは河川沿いとか、こういうところにまとまった緑を集約する、そういうような方法も考えられるのではないかなと、素人ながら思うわけでございます。
 そういうことも含めて、検討の一端にぜひお加えいただきながら新たな仕組みをつくっていただきたい、このように要望を申し上げまして、私からの質問を終わらせていただきます。

○村松委員 私からも、環境軸ガイドライン、この質問をさせていただきます。
 資料4の「はじめに」のところに、今日では、これまで以上に地球温暖化やヒートアイランド現象などへの危機感が強まっており、緑施策においても飛躍的な成果が求められています、このように書かれているんですが、これが書かれた意義というのはどのように認識をされているんでしょうか。

○升都市基盤部長 前書きのところ、「はじめに」のところの地球温暖化やヒートアイランド現象の危機感が高まっている、これは当然先生がよくご存じの時代認識になるわけでございまして、環境局自体も今カーボンマイナスに取り組んでおるところでございます。また、先ほど局長からもお話ししたように、緑の戦略会議も開いておりまして、緑についていろいろな機能が求められているということでございます。
 例えば九ページの中で、都市施設整備の配慮事項ということがございます。こういう中でも環境保全機能ということがありまして、道路や公園、河川などの都市施設は街路樹など緑を持っていて、これらの緑がヒートアイランド現象の緩和や多様な生物の生息、生育の場としての機能を持っているということが書いてございます。そういう機能に着目しながら、都市施設の中で緑を配慮していくということでございます。

○村松委員 私は、この環境軸ガイドラインの中で、緑施策においても飛躍的な成果が求められている、これが本当に重い意味を持っているというふうに思うんです。いうまでもなく、今の地球温暖化問題やヒートアイランド現象、こういう中で、東京の気温なんかは、過去百年間で三度上がっている。そういう問題があるだけに、緑をこれ以上破壊させないという、そういう位置づけが必要だというふうに私はとるんです。今のこの東京の緑の現状がどういうふうになっているのか、認識を示してください。

○升都市基盤部長 東京の緑の現状に対する認識ということでございますが、先ほどもるるご説明いたしましたが、東京都の中では緑の減少している状況を把握するために、調査を環境局の方がしてございまして、みどり率というもので調査をしてございます。
 みどり率というのは、先ほども緑被率という言葉がございましたが、この緑被率というものに、河川等の水面の占める割合と公園内のグラウンドなど植物の緑で覆われていない面積の割合も加えたものでございます。既に公表されておりますが、平成十年にランドサットで調べたものと、それから、十五年にデジタルの航空写真で調べた変化のものが公表されております。
 ただ、これは東京都全体というふうにはなってございませんが、例えば多摩で見ますと、平成十年と十五年の五年間の変化というものは、みどり率は、多摩で、公表されたデータとしては八ポイント程度ということになってございますが、測定方法が異なってございますので、若干違うというふうに考えておりますが、大きな意味では約二ポイント程度の減少というふうに推定しているところでございます。

○村松委員 東京全体で見ているから、いろいろ細かいことは見えないと思うんですが、地域の住民の皆さんは、自分の家の近くの緑、森林、樹木、そういうものがなくなることに対して非常に敏感なんです。そういう中で、今東京の緑が何%落ちているという、ただその何%という形でだけいっているんですが、やっぱり、どこで、今緑の問題でどんな問題が起きているのかということをきちっとつかむことが大事じゃないのかなと思うんです。
 この間のそれぞれの区市町村で、緑地あるいはさっきいっていた緑被率、それが各区市町村から取り寄せてのつかみ方なのか、あるいは一括して上から飛行機で撮影して航空写真ではかったのか、その辺でも違うと思うんですが、最初の区市町村から取り寄せた資料というのは系統的にあるんですか。

○升都市基盤部長 先ほども吉田委員にお答えいたしましたが、区市町村、東京都は一括で大きくとらえている。地域ごとには区市町がやっておるわけでございますが、それを個別に取り寄せているということではございません。単に情報を入手したというだけでございまして、それを一括で取り寄せて何か分析しているというものではございません。東京都はあくまで全体の緑を把握するということでございます。

○村松委員 これでは非常に不十分だというふうに思うんです。だから東京都民が--今いろいろなところで緑に対する問題がある、そういうことを敏感に東京都自身がつかもうとしていない、そういう姿勢にもつながってくるというふうに思うんです。
 例えば、私はこの間もいったんですが、稲城の南山、八十七ヘクタール住宅開発しようとしているという、そういう問題もあれば、八王子の方でも残土を処理するために新たに緑地を削って残土処理の方へ使っている、そういう問題もあるんですよ。そういうのを一つ一つきちんと見ようとしないで、ただここに緑施策においても飛躍的な成果が求められていると。これは地球の温暖化問題やヒートアイランド現象、この問題が本当に待ったなしの課題だということ、それを意識してこういう位置づけをしていると思うんです。
 さらに私は伺うんですが、この環境軸のガイドラインの中で、守り育てる、つなぐというのもあるんですが、その守り育てて、環境軸で結んで、さらに緑の厚みをつけていこうという、そういうものなんです。そういうふうに理解しているんですが、確かに東京都が、今まで道路に緑がなかったのを緑を広げる、民有地なんかも少し広げて緑を広げていこうと思っていても、肝心かなめの厚みを持たせようというそういう森林なんかが、そこが開発されちゃったら、そうしたら本来の目的が薄れちゃうんじゃないですか。
 皆さんもご承知だと思うんですが、ここの東村山市の淵の森というところ、ここは、今から十年近くたつんですが、トトロの森の構想を練ったという宮崎駿さんたちが市に働きかけて公有化をした。最近、川を挟んだ反対側で千五百平米の森というか、林が開発されようという、そういう動きもあったんです。こういうのに対して、千五百平米だからこれは市の問題だといえばそのままなんですけれども、ご承知のとおり、東村山市というところは多摩の方でもそんなに財政が豊かでないと、そういう問題点もあるんです。
 だから、そういう一つ一つをしっかりつかんで、東京都としてどういう支援ができるのかということを、そういう仕組みをつくるのも東京都の役割だというふうに私は思うんです。確かに環境軸のガイドライン、これは都市整備局でつくったと思うんですが、これは都市整備局だけでつくったんですか。

○升都市基盤部長 今回のガイドラインをつくるに当たりましては、これまではばらばらにやってきたところ、先ほどもご説明いたしましたが、それぞれの道路、河川、公園などの整備事業をばらばらに取り組んできておりましたが、それらの連携をとる必要がございます。そのため、今回の取りまとめに当たりましては、関係機関との庁内の検討体制をとりまして調整を行ってございます。
 環境軸の形成を推進するためには、都だけではなくて、地元区市町村と連携してまちづくりを進めていく中で、各地域の特性を生かして、民間事業者や地元住民と相互に協力した取り組みが必要でございます。そういう意味で、全体でいろいろ検討をしてつくったものでございます。

○村松委員 都庁内の関係局というのは、具体的にどの局とどの局が入っているんですか。

○升都市基盤部長 都庁内では、私ども都市整備局と事業局である建設局と行ってございます。その他、区市町を入れて検討を行ったものでございます。

○村松委員 こういうのをつくるのは、緑地問題は都市整備局だけでなくて環境局あるいは建設局、そこがきちっと位置づけてやらなければいけない。とりわけ今の時期はオール都庁でやらなければいけないというふうに思うんです。この中でも書かれているんですが、河川とのつながりですよね。河川をどういうふうに位置づけて、河川の改修にはどういうような配慮が必要なのか、それはいかがですか。

○升都市基盤部長 河川は環境軸を形成していく上で重要な骨格となる一つでございます。河川緑地でございますとか、その周辺の緑の集積を促すようなまちづくりを誘導するような仕組みをつくっていくわけでございますが、本編、先ほどの資料4でございますが、都市施設整備の配慮事項の中では、それぞれの場所で河川についても取り上げてございまして、護岸の緑化ですとか、多自然の川づくり、適正な流量の確保というようなものをこの中では記載しているところでございます。九ページ以降、ページが幾つにもわたっております。

○村松委員 ここ一〇ページに、河川や道路、公園などによる広域的な緑のネットワークにおける生物生息空間の拠点、移動経路としての機能を確保するための整備及び管理等の検討も必要である、このように河川が位置づけられているんですが、こういう位置づけと、今私が知っているところがこういう方向ではないなというのが事例としてあるんですが、この辺についてはいかがなんですか。
 例えば東久留米市の落合川、建設局の所管になっているんですが、ここで今建設局が護岸工事をしているんです。私もビデオを見させていただいたんですが、四月十五日、TBSの「噂の!東京マガジン」「なぜ埋める?東京の清流落合川」、これが報道されたんです。この報道を見れば、東京都が河川改修を行っているんですが、地元の人たちは、絶滅危惧種のホトケドジョウ、それとかアブラハヤ、メダカなどが生息して、カワセミの営巣地だと。それから、東京名湧水の五十七選に選ばれている。そういう貴重なところを護岸改修をしているというところで、これまでも地元の人と関係の建設事務所で相当やりとりをしてきているんですけれども、でも、やはり納得できないと。テレビの報道を見ていて、前に河川改修したために湧水がかれちゃったという、そういう事例もあるんです。
 私は思うんですが、そういう事例なども都市整備局、環境局、建設局が共有しながら、やっぱりこういうものは最低守らなきゃいけないという、そういうものって大事だというふうに思うんです。細かいことについて今どうですかといわれてもわからないと思うんですが、東京都がやる仕事で、貴重な植物とかそういうものが生息しているところについては、本当に住民が納得できるように、まして、ここなんかは川がはんらんしているわけでもないし、物すごくきれいだというふうにいわれているし、そういうところだから、きちっと住民の皆さんが納得できるように話し合いを続けていただいて、これは強行しないようにということで私は要望をさせていただきたいんですが、関係局にぜひ伝えていただきたい。(「この委員会で要望したってしようがないだろう。所管が違うよ」と呼ぶ者あり)環境軸ガイドラインの中できちっと位置づけられているんですよ。(「今あなたが要望したのは違うじゃないか」と呼ぶ者あり)全く関係あるんです。
 それで、先ほども私は質問の中に入れたんですが、東京都が本当に緑の問題をきちっと位置づけて、今のヒートアイランド現象あるいは地球温暖化、この問題を真剣に考えるのならば、今全都の緑の破壊の問題で何が起きているのかということと、それから、どうすれば守れるのか、緑をどうすれば保全できるのかということを真剣に考えていただきたい。そのために多少手間暇かかると思うんですが、各区市町村と連携しながら、定期的に、今緑がどのぐらい保全されているのか。
 私も地元日野市から土地利用の現状というのをいただいたんですが、これは本来都市整備局の担当部署で、三年なり五年なりを決めて、畑が今どのくらいあるのか、あるいは田んぼがどのくらいあるのか、果樹園がどのくらいあるのか、あるいは森林がどのくらいあるのか、そういうところをきちっと調査をする。そのことがなければ、どんなにうたい文句で緑が大事だ、今緑を守らなきゃならない、そのことをいったにしても、それは絵にかいたもちだと。そのことをきちんと調査すべきだと思うんですが、各区市町村との連携の問題ではいかがですか。

○升都市基盤部長 まず、直接のご質問ではございませんが、その前提の落合川の問題でございますが、私は当日、放送だったのは四月十五日ですか、見ておりました。そのテレビ番組そのものを見ておりまして、その番組の中では、先生がおっしゃったように、地元の方は、非常に、きれいな水をどうするんだというお話と、それから、かれたところ、これは落合川ではございませんが、空堀でしたか、ちょっと記憶があいまいで申しわけございませんが、違うところの事例を出しておりました。
 ただ、その番組の中では、地元の方がその番組に乱入されて、ここは非常に危険なんだ、護岸が崩れそうなんだ、一体どうしてくれるんだという部分も放送されたというふうに記憶しておるところでございます。市の方では、そういう陳情を受けまして、今その残った川をどういうふうにするかということを検討しているというふうに聞いておるところでございます。
 それから、市町などとどうやって連携していくのかということでございますが、これは、今後推進体制の中でこれから取り組んでいくということをいっておりますが、その中では当然地元区市町を入れまして検討を進めていくということでございます。
 それから、緑の保全で、個別に調査すべきではないかということでございますが、先ほどもるるご説明させていただきましたが、東京都といたしましては、全体の緑を把握するということで各区別のデータをとっていないということでございます。また、それぞれ緑被率ということではございませんが、畑の問題等々は、これはまた緑の問題ではございませんが、土地利用現況調査ということで当局で調査をしているということでございます。

○村松委員 落合川の話はあえて答弁を求めなかったんですが、そこまで見ていらっしゃったということでお話がありましたので、私の方も、確かに四十メートルのところに三軒ほど家があって、そこの護岸といいますか、塀がちょっともろくなってきているから、そこを何とかしなければという、そういう問題が危険だという話なんですが、それは東京都が幾らでも反対する会の人たちと話し合ってやり方を変えればできるはずなんです。それはコメンテーターもいっていたんです。そこも承知していると思うんです。
 市の方の問題もいいましたけれども、市の方でも、この会の人たちが二度ほど請願を出して可決されているんです。そういうこともやっぱり地元の人たちの意見もしっかり聞きながら進めていただきたい。
 いずれにしても、環境軸のガイドライン、この問題では、本当に「はじめに」のところで紹介しましたが、この決意、これまで以上に地球温暖化問題やヒートアイランド現象の問題があるから、緑施策においても飛躍的な成果が求められている。それにふさわしい取り組みを私はやはりやるべきだと思うんです。それは、ここの都市整備局がしっかりとこれに位置づけなければならない、そういうふうに思うんです。そのことを指摘して、私の質問を終わります。

○こいそ委員 それでは、環境軸の形成ということで、環境軸のガイドラインについて伺いたいと思いますが、これはただいま各委員の皆さんからそれぞれの立場、それぞれの地域事情を含めたいろいろな話がなされておりますので、重複を避けながら一、二質問させていただきたいと思います。
 先ほど説明にありましたように、この環境軸は道路の街路樹だけではなくて、またその整備と合わせて沿道のまちづくりでも緑をふやしていく。貴重な広がりのある緑のネットワーク形成を図っていくんだ、こういう施策であるわけでありますけれども、また、今東京の緑という中でいろいろな話がありましたが、これはルックイーストという、マレーシアの前の首相であるマハティール首相またはシンガポールの元首相であるリー・クアンユー首相もそうでありますけれども、すなわち東方政策、日本に学べと。日本に学べということは、東京の景観だとか、緑にはぐくまれたというか、水もそうだろうけれども、こういう都市景観に対して極めて環境的に日本を評価していた、東京を評価していた。こういう事例が具体的な形で、当該のクアラルンプールだとかシンガポールで具体的なまちづくり、都市計画が進められてきた。
 こういう実績があるわけでありますけれども、その中で、私はもう少し具体的にいわせていただければ、いわゆる緑の広がりだとか緑のネットワーク形成を図っていくということは、これは当然すばらしいことであるし進めていかなきゃいけないというのは前段申し上げましたけれども、これはいろいろな機会でいわせていただいているけれども、約五年間で東京ドームの約六百十個分の緑が減少している。それが、今でもまさに急坂を速度を上げるといいますか、加速しながら緑がどんどん失われてきている。こういう状況があるわけです。
 そういう中で、これは減少傾向にある緑、とりわけ私はここで強調したいのは、二十三区、それから多摩地域でも、区部とも比較的近い北多摩、南多摩のこのゾーンが極めてみどり率が減少してしまっている。いわゆる緑のネットワーク、水と緑でつながれた、まさに水と緑の回廊だとか風の道をつくっていくんだとか、いろいろな言葉があるけれども、今のこの状態でいくと、回廊が、東京という一つの行政圏の中で、連携をまさに本来的な緑と水の回廊を構築するということが今極めて求められているわけでありますけれども、広げる、結びつける、しかし、守っていく。貴重な緑資源というものをいかにして守っていくかという、この中でどのようにお考えかお聞かせいただきたいと思います。

○升都市基盤部長 多摩地域において緑をどのように守っていくか。特に北多摩、南多摩ということだと思いますが、例えば現在、多摩の南北道路でございます調布保谷線でございますとか、府中所沢線など、広幅員の歩道を有する道路整備が進められております。当然その整備と合わせまして、まちづくりが検討されている地域がございます。そういう地域の中で、まちづくりの中で、緑をふやしていく、失われた緑を少しでもふやしていくということが大切なのではないかというふうに考えてございます。
 また、土地区画整理事業ですとか、市街地再開発事業なども地域によっては行われております。そういうものの中で、一つ一つ公園を配置するなど良好な緑をふやしていく取り組みが必要ではないかというふうに考えているところでございます。

○こいそ委員 私は、この多摩地域の環境軸ガイドラインについてお聞かせいただきたいと思うんですけれども、これは後にしましょうか。
 それでは、今お話がありましたけれども、先ほどもお話がありましたけれども、具体的に民間の側の緑の誘導、環境軸形成というのを具体的に多摩地域の場合どのように進めていくのか、このあたりをお願いします。

○升都市基盤部長 先ほどご答弁させていただきましたが、道路整備でございますとか土地区画整理事業など、さまざまな制度の中で緑を少しずつふやしていくということが大切だというふうに考えております。また、そういうような道路整備などを行った際、区画整理事業を行った際には、住民の意向を十分に反映させた既成市街地における街区単位のまちづくりでございますが、地区計画の制度の活用などが考えられておるところでございます。
 これは、地区計画の中で地域の実情や特性を踏まえまして、先ほどいろいろご質問とかご意見がありましたが、生け垣でございますとか、それから、敷地内の緑化というようなものを定めることができるわけでございます。さらに、この地区計画を活用いたします都の独自の制度といたしまして、緑豊かな住宅地の環境形成と保全を図ることを目的といたしまして、一定の緑化空間の創出を義務づけることにより、容積率の変更を可能とする環境形成型地区計画の制度もございます。このような制度を活用いたしまして、民有地で生み出される緑と道路の街路樹など、都市施設の緑を組み合わせ、つながりと広がりのある環境軸の形成を図っていきたいというふうに考えておるところでございます。

○こいそ委員 崖線及び屋敷林などのまとまりのある貴重な緑を当然にして保全をしていかなきゃならないわけでありますけれども、それでは、どのような方策で局としては対処しようとしているのか伺いたいと思います。
 そして、あわせてもう一点お聞きします。緑の保全制度の創設も含めて、環境軸の今後の取り組みについての所感もお尋ねしたいと思います。

○升都市基盤部長 崖線ですとか屋敷林といったまとまりのある貴重な緑をどのような方策で保全していくのかということでございますが、既存の緑を保全していく手法といたしましては、都市計画法で定めております都市計画緑地、これはいわゆる公園緑地でございますが、それでございますとか特別緑地保全地区、それから、自然保護条例に基づきます緑地保全地域などの制度がございます。
 例えば多摩地域におきましては、この十年間で三十七カ所、八十四ヘクタールの都市計画緑地でございますとか、五カ所、三ヘクタールの特別緑地保全地区を都市計画に位置づけまして、緑の保全に取り組んでおるところでございます。
 このほか、都市緑地法に基づきまして、地方自治体などが土地の所有者と賃貸借契約を結びまして、緑地の管理、公開を行う市民緑地制度などの手法もございます。本制度につきまして、区市町への普及促進にも取り組んでまいりました。今月公表されました緑の東京十年プロジェクト基本方針におきましても、市街地の緑や森林、丘陵地の緑を守る制度の活用強化について、その保全は極めて重要であり、さまざまな手法を用いて緑を保全していくというふうにしてございます。当局も従来の取り組みに加えまして、この基本方針に基づいて緑の保全に取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。
 次に、緑の保全制度の創出も含めまして、環境軸に今後どういうふうに取り組んでいくかということでございますが、東京の都市空間を魅力あるものにしていくためには、従来の道路整備などによる緑のネットワーク形成に合わせまして、沿道のまちづくりによる緑を組み合わせて、広がりと厚みのある緑空間を創出していくことが重要であるというふうに考えてございます。このため、環境軸ガイドラインを策定し、環境軸の展開に必要なまちづくりにおける配慮すべき事項などを示したところでございます。
 今後は、都市計画道路の整備に合わせまして、沿道のまちづくりの検討が進められております地区などで地域特性に応じた緑の創出方策について、地元区市と連携いたしまして、具体的な検討を行っていく考えでございます。また、お話しの緑の保全制度につきましては、既存の樹林地や屋敷林等を保全する新たな仕組みなど、多様な観点から検討を進めていくことを考えてございます。これらにより、環境軸形成に向けて着実に取り組んでいきたいというふうに考えているところでございます。

○こいそ委員 既存の樹林地や屋敷林などを保全する新たな仕組みを今後検討していくというようなご答弁だったかと思いますけれども、ぜひそのような方向でしっかりと取り組んでいただきたいと思っております。
 環境軸のコンセプトであります、先ほどから出ておりますが、つなげる、広げる、守り育てるというようなことの中から、緑の貴重な自然の景観、丘陵地というお話もあったけれども、緑を守るというこの観点も極めて重要だと思うんです。例えば先ほどちょっと例を挙げましたけれども、極めてみどり率が減少しているゾーンといいますか地域、この中で、相続だとか、それからいろいろな要因の中で民間開発が進められていく。貴重な樹林地というか、自然景観、丘陵景観、里地里山的なところも含めてそうだと思うんですが、極めて景観が大きく変わってしまっている。みどり率は当然減少するわけでありますけれども、そういう中で一定的な基準というのが確かにそれはクリアしているかもしれないけれども、しかし景観は一変する。そして、みどり率は当然にして減少しているということはかなり見られるわけなんです。
 そういう中で、民間業者に対しても、緑の伐採規制というか、これは言葉は適切かどうかわかりませんけれども、少なくとも附置義務をもう少し強制力の強いものを加える必要性があるのではないか。今の現行的な規制範囲内でいくと、やはり貴重な自然的な、繰り返して申しわけないけれども、要するに、まさに幾星霜の自然景観があるわけですよ。多摩丘陵の一隅の非常に見事といいましょうか、はぐくんできた自然がある。これが開発でばんばん削り取られて、沢は埋められて、今、水というのはあるけれども、川だってばんばん埋められて流れも変えられていったり、こういうことは何としてでも、つなげる、広げる、守り育てるという環境軸の基本コンセプトの中でも、もう一歩踏み込んでぜひやっていただきたいと私は思うんですけれども、これにつきましては具体的なご答弁は結構でありますけれども、只腰局長を含めまして、ぜひひとつよろしくお願いいたしまして終わります。

○秋田委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○秋田委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で都市整備局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時二十九分散会

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