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Tokyo Metropolitan Assembly

都市整備委員会速記録第三号

平成十九年二月十九日(月曜日)
第六委員会室
   午後一時一分開議
 出席委員 十四名
委員長吉原  修君
副委員長松下 玲子君
副委員長東野 秀平君
理事林田  武君
理事川井しげお君
理事柿沢 未途君
高倉 良生君
石森たかゆき君
村松みえ子君
吉田康一郎君
植木こうじ君
小沢 昌也君
こいそ 明君
立石 晴康君

 欠席委員 なし

 出席説明員
都市整備局局長柿堺  至君
次長南雲 栄一君
技監福島 七郎君
技監只腰 憲久君
総務部長安藤  明君
都市づくり政策部長野本 孝三君
住宅政策推進部長矢島 達郎君
都市基盤部長石井 恒利君
市街地整備部長宮村 光雄君
市街地建築部長金子 敏夫君
都営住宅経営部長小林 計代君
企画・技術担当部長村尾 公一君
開発プロジェクト推進担当部長戸田 敬里君
住宅政策担当部長瀬良 智機君
区市町村調整担当部長中沢 弘行君
民間住宅施策推進担当部長山室 善博君
多摩ニュータウン事業担当部長今井  光君
都市景観担当部長安井 順一君
経営改革担当部長小宮 三夫君
参事並木 勝市君
参事笠井 謙一君
参事山口  明君
参事座間  充君
参事小澤  弘君
参事清水 文夫君
参事宇多田裕久君

本日の会議に付した事件
 都市整備局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百十八号議案 平成十八年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出 都市整備局所管分
・第百二十号議案 平成十八年度東京都都市開発資金会計補正予算(第一号)
・第百二十二号議案 平成十八年度東京都都市再開発事業会計補正予算(第一号)
報告事項(質疑)
・東京都住宅マスタープラン(素案)について
・東京都耐震改修促進計画(素案)について
付託議案の審査(決定)
・第百十八号議案 平成十八年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出 都市整備委員会所管分
・第百二十号議案 平成十八年度東京都都市開発資金会計補正予算(第一号)
・第百二十二号議案 平成十八年度東京都都市再開発事業会計補正予算(第一号)

○吉原委員長 ただいまから都市整備委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、都市整備局関係の付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
 これより都市整備局関係に入ります。
 初めに、理事者の欠席について申し上げます。
 河島航空政策担当理事は、公務のため、本日の委員会に出席できない旨の申し出がありました。ご了承願います。
 次に、付託議案の審査を行います。
 第百十八号議案、平成十八年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出、都市整備局所管分、第百二十号議案及び第百二十二号議案を一括して議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○安藤総務部長 二月六日の当委員会で要求のございました資料につきまして、ご説明申し上げます。
 お手元に配布しております都市整備委員会資料(二月六日要求分)の表紙をお開きいただき、目次をごらんください。
 補正予算案関係の資料は、1の都心五区の交通渋滞発生状況、一件でございます。
 一ページをお開き願います。千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区の都心五区における交通渋滞発生状況につきまして、それぞれ調査箇所数と渋滞箇所数を記載してございます。
 以上で資料説明を終わらせていただきます。どうぞよろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○吉原委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○植木委員 今回の補正予算は、環状二号線の新橋・虎ノ門地区の市街地再開発事業が計上されています。中身とその財源問題があるわけですが、時間の関係もあるので、ごく一部分についてですけれども指摘をしたいというふうに思っています。
 私が以前この地域を訪ねたときは、かなりのお店がまだ営業されて、また生活者もたくさんおられました。今回は大分違った状況で、金網がずっと張りめぐらされていたり、かなり用地買収も進んでいるんじゃないか、こういうことだと思うんですが、この計画決定が住民に知らされる以前と現在とでは、地権者が地元に残りたいという希望状況はどのようになっているでしょうか。

○宮村市街地整備部長 環状二号線地区の再開発事業の事業計画決定時点でございます平成十四年十月におきましては、環状第二号線の権利者は九百四十二人でございます。そのうち、入居希望者は三百五人でございました。平成十八年一月現在では、入居希望の権利者は二百三十人となっております。

○植木委員 入居希望者が七十五名ほど減っている。そうなりますと、九百四十二人から差し引けば、転出希望者は逆に七百十二人になっている、そういうことだろうと思うんです。
 地権者というのは全部を含めてですけれども、特にその中で、土地あるいは建物所有、いわゆる直接の権利を持っていらっしゃる方々の希望状況は、当初と現在とではどうなっているでしょうか。

○宮村市街地整備部長 事業計画決定時点である平成十四年十月では、土地あるいは建物の所有者、いわゆる地権者でございますが、地権者は四百五十八名でございました。そのうち、入居希望者は百八十名でございました。平成十八年一月現在では、入居希望の地権者は百四十五名となっております。

○植木委員 この面でも、三十八世帯が減少していると。
 市街地再開発事業ということで、住民が居住したいという希望をできるだけかなえていくことが重要だということで出発していったと思うんですけれども、これまでも、私ではない、前任の都市整備委員、私どもの共産党の議員が繰り返し、再開発住宅の問題だとか、それから、地権者が可能な限り残れる手法をとれないだろうかとか、いろいろ要望してきましたが、結果的にはこういうふうになってきているんですけれども、こういう事態についてどのように認識されているでしょうか。

○宮村市街地整備部長 再開発事業の特徴といたしましては、委員のご質問にもございましたが、権利者が希望すれば、地区内の再開発ビルでの生活再建が可能だということでございます。
 再開発ビルの床を取得される方が少なくない一方で、中には、自社ビルや戸建て住宅を希望される方、あるいは印刷業や運輸業など再開発ビル内での営業がなじまない方、あるいは営業上、二度の移転は避けたいとされる方など、権利者個々の皆さんの希望や事情によりまして、地区外への転出を選択される権利者の方もいらっしゃいます。
 転出を余儀なくされる権利者に対しましては、代替地や移転先物件のあっせんなど、個々の事情をお聞きしながらきめ細かな対応を行い、地区外での生活再建が図られるように努力しているところでございます。

○植木委員 先ほどいいましたように、本当に今、はっかけ状態というか、もうゴーストタウンのような、ちょうど夕方に行ったものですから、余計暗くて、金網越しに見える明かりというのはほとんどない。ぽつんと床屋さんだとか、ごくごく残っておられる方もおられましたけれども、ほとんどお客さんもおられなかった。その一方で、この開発区域との境に、比較的新しいのでしょうか、お稲荷さんの神社が建っていたり、本当にもともとの地域コミュニティというのが、一体、この間どういうふうに変化していったのだろうかというのを考えざるを得ない状況になっていると思います。
 港区議会でも、ある議員が、町会の役員の新年会だとか有力者の発言を紹介しながら、区長に対してこういうことをいっているのが非常に印象的でした。区民はふえるが、住民は減っているよ、環状二号線の三百人の地権者のうち三分の二が転出する、港区に協力していただいた方々が現実に出ている、区長はそのことを理解していないんじゃないか、こういう苦言を呈していたわけです。今期、私も都議会に来て、一昨年のときのこの委員会でも、ある委員が、まちのコミュニティを維持してほしいという発言をされていましたけれども、なかなか実際がそうなっていない。こうした再開発事業の現状というんでしょうか、目の当たりに見てきた思いがいたします。
 このほかにいろいろ問題はありますけれども、時間の関係もありますので、補正予算の中身ですけれども、総事業費は幾らで、現在の進捗状況は幾らになっているでしょうか。

○宮村市街地整備部長 現在の市街地再開発事業の事業計画での再開発事業費は、合計で約一千四百五十四億円でございます。また、平成十八年三月までの執行額は約八百億円、執行率で五五%でございます。

○植木委員 一・四キロメートルで一千四百五十四億円、大変大きな金額だと思います。
 環状二号線の本線の方は地下に建設すると。以前は建設・住宅で一緒になっていましたから、非常にわかりやすかったんですけれども、今回は地下の部分が予算に出てこないですね。都市整備委員会になって、分野が仕分けされたものですから。
 それで、この前の計画の話をお伺いしたら、地下部分は約三百七十億かかるといわれていましたから、合計すると約千八百二十四億円。これ以上かかるんじゃないかなというふうに思われますけれども、ほぼそういうことでしょうか。念のためお知らせください。

○宮村市街地整備部長 先ほど申し上げましたように、再開発事業の事業費は千四百五十四億円でございます。
 ご質問の地下トンネルの工事費につきましては、この区間で現在進めようとしています案ですと幾らになるかということについては承知しておりませんけれども、以前の計画案ですと、先ほど委員がお話しされたとおりだと承知しています。

○植木委員 つまり、地下トンネルが掘削なのか開削なのか、あるいはどこからどこまでなのかというのが、この間、何度か変更されているということや、それから築地以降のことやいろいろ絡んで、正確な数字が現在出ていないんだろうと思うんですけれども、いずれにしても、今のわかる部分だけ見ましても千八百億円を超えるわけですから、総事業費一千八百二十四億円だとすると、一メートル一億三千万円という巨大な工事費になるということですね。
 この環状二号線の事業開始から、今回の補正のように毎回補正が組んであるかと思うんですけれども、その年度ごとの当初予算、補正について、どのようになっているでしょうか。

○小澤参事 環状二号線の新橋・虎ノ門地区の第二種市街地再開発事業につきまして、事業計画決定以降の平成十四年度から平成十八年度までの五カ年の当初予算及び補正予算の推移でございますが、細かい数字になりますが、平成十四年度の当初予算は約六十三億円、補正予算は約八十七億円、平成十五年度の当初予算は約七十五億円、補正予算は約六十二億円、平成十六年度の当初予算は約百十四億円、補正予算は約六十八億円、平成十七年度の当初予算は約百五億円、補正予算は約八十六億円、平成十八年度の当初予算は約百十八億円、今回お諮りしております補正予算案は約二十八億円となってございます。

○植木委員 今のを計算しますと、補正の総額が三百二十九億円に及ぶ、こういうことだと思うんですけれども、当初予算を組むときは、投資的経費は抑制するという話が時々出るんですけれども、実際にはこうやって、当初予算があって、補正で今度どんどんそれに上乗せして、結局、毎年、投資的経費が増大する、こういう仕組みに実際はなっているわけですね。
 今回は環状二号線が主な補正ですけれども、去年までは、たしか首都高の支出金もあった。前の資料を見ますと、昨年だけでも六十九億円、四年間で約四百億円も首都高関係の補正もあったと。こういうふうに、毎年がこうなっているわけです。毎年によってその中身は違ってくるわけですけれども、今回は環二が主ですけれども、名目上の投資的経費を抑えるといいながら、結局、補正で増大させる、こういうことを繰り返しているんじゃないかというふうに思うんですよね。
 一つは、財源内訳と、なぜそんなことを繰り返してやってくるのか、その点についてどのように考えているのでしょうか。

○小澤参事 先ほどの答弁で、平成十八年度のお諮りしている補正予算案は約二十七億円でございます。二十八億円と申しましたが、訂正をさせていただきます。
 次に、補正の財源内訳の推移でございますが、都市再開発事業会計の補正予算に対しましては、事業計画決定以降の平成十四年度から平成十八年度まで、一般会計におきまして公営企業会計支出金の補正を合計で約二百八十四億円行ってございます。その財源といたしましては、国庫支出金が約百六十四億円、都債が約九十三億円、一般財源が約二十七億円となってございます。
 その財源の内訳でございますが、細かい数字でございますけれども、平成十四年度は、国庫支出金が約四十四億円、都債と一般財源を合わせて約二十一億円、平成十五年度は、国庫支出金が約二十一億円、都債と一般財源を合わせて約十七億円、平成十六年度は、国庫支出金が約三十八億円、都債と一般財源を合わせて約三十一億円、平成十七年度は、国庫支出金が約四十七億円、都債と一般財源を合わせて約三十九億円、平成十八年度は、国庫支出金が約十五億円、都債と一般財源を合わせて約十二億円となってございます。
 また、なぜ補正予算を毎年繰り返すのかというご質問でございますけれども、本事業は国庫補助対象事業でございまして、極力国庫補助を活用しまして、都費を抑制する方針で取り組んでございます。しかし、当初予算の編成時、作成時には、次年度の国庫補助額が未確定でございますので、確実に配分が見込まれる範囲での予算編成をしてございます。
 一方、国庫補助額は、年度によって想定額以上を確保できる場合がございまして、その際には、国庫補助金の有効活用と事業の進捗を図るため補正予算を確保し、必要な用地確保の前倒しなどを行ってまいりました。補正予算の確保によりまして、早期の用地の買い取りを求める権利者の希望にもこたえまして、必要な用地取得を促進することができ、環状二号線地区の再開発事業の推進を図ることができるわけでございます。
 今後とも、国庫補助金を活用して事業の推進に努めてまいりたいと考えてございます。

○植木委員 国庫補助金が来るからというんですけれども、それなら、最初から投資的経費の抑制なんていうことは--毎年毎年繰り返されていて、実質的にも投資的経費がどんどん膨らんでいく。都債もふえていく、九十三億円でしょう。本当にそういう意味で、国の方が後から出るからということが理由なんでしょうけれども、実質的に、投資的経費が全体に占める割合が膨らんでいくということは事実ですよ。
 いずれにしても、環二のような再開発事業だとか、首都高速道路への出資金の問題とか、さまざまな形で毎回巨額の補正が組まれていると。この金額的にもそういう面があるし、それから住民から見ても、地域のコミュニティの分断だとか、環境問題だとか、さまざまな問題を抱えている。そのために都民施策へのしわ寄せもあると。そういう意味で、私どもは、この補正については反対をいたしますが、今回、第百十八号議案と百二十二号議案、二つ出ています。この点について反対であるということを表明しておきます。
 以上です。

○吉原委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○吉原委員長 異議なしと認め、付託議案に対する質疑は終了いたしました。

○吉原委員長 次に、報告事項、東京都住宅マスタープラン(素案)について及び東京都耐震改修促進計画(素案)についてに対する質疑を行います。
 本件については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○安藤総務部長 二月六日の当委員会で要求のございました資料につきまして、ご説明申し上げます。
 先ほど補正予算案関係でごらんいただきました、お手元の都市整備委員会資料をいま一度ごらんいただきたいと存じます。
 表紙をお開きいただき、目次をごらんください。
 報告事項関係の資料は、2の都営住宅、公社住宅、都民住宅等の建設実績から9の平成十八年度各区市町村の耐震診断、耐震改修助成実績までの八件でございます。
 二ページをお開きいただきたいと存じます。2の都営住宅、公社住宅、都民住宅等の建設実績でございます。
 過去十年間の建設実績を新規、建てかえ別に記載してございます。
 三ページをお開き願います。3の公営住宅の供給の目標量でございます。
 二〇〇六年度から二〇一五年度までの公営住宅の供給の目標量と、その積算の考え方につきまして記載してございます。
 四ページをごらんください。4の都営住宅の応募状況でございます。
 過去十年間につきまして、募集戸数、申込者数、平均倍率を記載してございます。
 五ページをお開き願います。5の都営住宅使用料収入及び平均家賃収入の推移と都心三区の最高、最低家賃でございます。
 過去十年間の都営住宅使用料収入及び平均家賃収入の推移、並びに平成十七年度における都心三区の最高家賃及び最低家賃を記載してございます。
 六ページをごらんください。6の都営住宅用地を活用した民間事業でございます。
 南青山一丁目地区ほかのプロジェクトごとに、活用状況、場所、面積を記載してございます。
 七ページをお開き願います。七ページから一〇ページにかけまして、7の都及び区市が実施している耐震診断、耐震改修助成一覧でございます。
 (1)の耐震診断でございますが、助成を行う地方公共団体別に、対象となる建築物、補助限度額、補助率を記載してございます。
 九ページをお開き願います。(2)の耐震改修につきましても同様に記載してございます。
 一一ページをお開き願います。8の平成十八年度東京都の耐震診断、耐震改修助成実績でございます。
 (1)の木造住宅でございますが、都が行う助成事業につきまして、地方公共団体別に、耐震診断件数、耐震改修件数を記載してございます。
 一二ページをごらんください。(2)のマンションにつきましても同様に記載してございます。
 最後になりますが、一三ページをお開きください。一三ページから一五ページにかけまして、9の平成十八年度各区市町村の耐震診断、耐震改修助成実績でございます。
 (1)の戸建て住宅でございますが、各区市町村が行う助成事業につきまして、地方公共団体別に、耐震診断件数、耐震改修件数を記載してございます。
 一五ページをお開き願います。(2)のマンションにつきましても同様に記載してございます。
 以上で資料説明を終わらせていただきます。どうぞよろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○吉原委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○林田委員 本年一月に都市整備局では、新たな住宅マスタープランの素案を公表されました。十年後の東京を見据え、成熟した都市にふさわしい豊かな住生活の実現に向けて、二つの視点、住まいの安全・安心の確保と、世代を超えて住み継がれる住宅まちづくりを特に重視して、必要な施策を重点的に実施するとあります。そして、目標を十項目に定め、それぞれ現状と課題、施策の展開の方向を示しております。
 しかし、一千二百万人の都民が住むあらゆる住宅に対しまして安全・安心の住居を確保していくということは、実際、大変なことだと思います。一つ一つ目標に向かって着実な施策を展開していただきたいと思いますが、特に区市町村との連携について、幾つか検証を含めて伺いたいと思います。
 住宅政策の目標を達成するため、また、少しでも促進を図るためには、東京都だけではなく、区市町村との連携、その協力がなければできないことだと思います。今回の新たな住宅マスタープランにおいても、区市町村との連携という視点が、ほとんど全般にわたって書かれております。
 区市町村に対しては、財政的支援を含めて、東京都の強力なリーダーシップが必要と思います。住宅政策において、区市町村との役割分担をどのように考えているのか、まずお伺いいたします。

○矢島住宅政策推進部長 住宅政策における都と区市町村との役割分担についてでございますが、東京都は広域的自治体といたしまして、東京全体の住宅政策の目標や施策の方向性を住宅マスタープランで示すとともに、住宅市場における適切な選択を可能にするための仕組みづくりを初め、都全体に共通する制度や環境の整備等を担っていくということが基本的な役割であるというふうに認識してございます。
 一方、居住の安定確保や住環境の整備など、地域の住宅政策の推進に当たっては、福祉施策やまちづくり施策の中心的担い手である区市町村の役割が重要でございまして、区市町村が地域住民や地元の事業者等との連携を図りながら、効果的、効率的に地域の特性に応じた施策に取り組むことが必要であるというふうに認識してございます。
 都といたしましては、東京都地域住宅計画協議会などを通じまして区市町村との連携を強化するとともに、区市町村の主体的な取り組みに対しまして、必要に応じて、財政面も含め多面的な支援を行い、共同して地域の住宅政策に取り組んでいくほか、区市町村に対する調整機能を果たしていく考えでございます。

○林田委員 住宅マスタープランの推進に当たっては、それぞれの施策において、区市町村と連携して事業を進めていくというわけですが、いろいろと全般にわたる中で、幾つかの点について、具体的にどのように連携していくか伺いたいと思います。
 まず、既存住宅の耐震化についてであります。
 耐震改修促進計画にも書かれておりますが、区市町村や関係団体との適切な役割分担のもと、十分に連携しながら耐震化の促進に取り組むということはどういうことか、お伺いいたします。

○金子市街地建築部長 耐震化の促進における区市町村や関係団体との役割分担でございますけれども、区市町村は住民に身近な自治体として、建築物の立地状況など地域の実情を踏まえながら耐震化に取り組む一方、都は、都民や区市町村が耐震化に取り組みやすいような環境整備や、広域的な都市防災の観点での耐震化に取り組むことが重要でございます。
 区市町村の取り組みにつきましては、平成十八年度には耐震改修の助成制度が、特別区ではほぼすべての区で、多摩地域では十市で実施されているなど、その取り組みも強化されてきております。
 次に、関係団体でございますけれども、地域で活動する建築士などの関係団体は、実際の現場でさまざまな立場から耐震化に取り組んでおりまして、普及啓発や助成制度などの周知、診断や改修の担い手として重要な役割を担っております。
 このように、関係者がおのおのの役割分担を踏まえまして、耐震化の目標や取り組みの方向について共通の認識を持って、相互に協力して耐震化を進めてまいります。
 都といたしましては、区市町村や関係団体で構成される耐震改修促進連絡会などを通して適切な情報提供や技術的支援を行うとともに、建物が倒壊することによる道路閉塞を防止するなど、防災対策上公共性の高い場合には、耐震助成なども活用し、より一層の耐震化に努めてまいります。

○林田委員 次に、マンションの耐震化においても、関係団体や区市町村と連携し、マンション管理組合等へ情報提供すると書いてありますけれども、どのような連携をしていくのか伺います。

○山室民間住宅施策推進担当部長 マンションの耐震化についてでございますが、マンションの耐震化の促進を図るため、都は昨年から耐震診断助成事業を創設し、区市の助成事業への支援を開始しました。
 現在、耐震診断助成は二十区二市において実施されておりますが、今後とも、区市における助成制度の立ち上げを支援するとともに、区市町村やマンション管理業団体などをメンバーとするマンション管理・建替え協議会などを通じて、管理組合などに対して耐震診断の実施を積極的に働きかけてまいります。
 さらに、改修工法や具体的な実施事例等を幅広く情報収集し、区市町村等と連携して管理組合などに情報提供するとともに、マンション管理業などの関係団体の協力を得て相談体制の充実に取り組むなど、マンションの耐震化の一層の促進を図ってまいります。

○林田委員 次々お伺いしますけれども、次に、水害等に対する住まいの安全性の確保について伺います。
 区市町村と連携し、住宅の敷地内へ雨水浸透ます設置のための支援を行うとありますが、どのような連携、支援を行っているのか伺います。

○石井都市基盤部長 雨水浸透ます設置に関する区市町村との連携についてのお尋ねでございますが、ご承知のとおり、水害に対する安全を確保するためには、河川や下水道の整備に加えまして、降った雨をできるだけ川などへ直ちに流さないこと、これが重要でございます。このため、都では、区市町村と連携いたしまして、こうした効果が期待できる透水性舗装や浸透ます設置などの促進を図っているところでございます。
 具体的に申し上げますと、五十三区市町村とともに東京都総合治水対策協議会を組織し、浸透ますなどの設置に関する技術指針の策定や、普及啓発策としてのPRパンフレットの作成や施設見学会を開催するなど、区市町村と連携した取り組みを進めております。
 今後とも、これらの取り組みを継続的に進め、住宅への浸透ますの設置を着実に促進してまいります。

○林田委員 もう一つ、マンションの長寿命化についてでありますが、区市町村と連携して管理の適正化などに取り組むとしておりますが、どのように連携していくのか伺います。

○山室民間住宅施策推進担当部長 マンションの長寿命化についてでございますが、マンションの長寿命化を図るためには、計画的かつ適切な建物の維持管理を行っていくことが重要であると認識しております。
 そのため、都はこれまでに、管理組合が適正な管理を行えるよう、区市における相談体制の充実に向け、マンション管理に関する相談マニュアルを作成し、区市の相談窓口などへ提供してまいりました。
 また、昨年度、都が策定いたしました、適正な維持管理の水準を示すマンション管理ガイドラインを、区市等が主催するセミナーや広報活動を通じて、管理組合に対し普及を推進しております。
 さらに、区市等と連携し、管理組合に対し、適正な維持管理の実施に向けて長期修繕計画の策定を働きかけることなどにより、マンションの長寿命化を促進してまいります。

○林田委員 区市町村との連携について幾つか質問させていただいたわけですが、十年後の成熟した住生活を構築していくために、区市町村との協力は不可欠だと思います。施策を進めていくに当たりまして、当然、東京都だけでは進めることはできないわけで、区市町村と連携し、また区市町村の要望を取り込んで進めていかなければならないことは当然であります。
 現在、マスタープランについては素案を公表し、都民から意見を聞くとともに、区市町村に対しても意見照会をしていると聞いております。最終的な取りまとめに当たっては、ぜひ区市町村の要望などを十分に留意されるようお願いを申し上げたいと思います。
 次に、多摩産材の活用について質問させていただきます。
 西多摩から選出されている都議といたしまして、今回の新住宅マスタープランの中で、多摩産材の活用を住宅施策の大切な取り組みとして促進していただくことをまず感謝申し上げる次第でございます。
 申し上げるまでもなく、東京の森林を守ることは、知事の重要施策の一つであります。申し上げるまでもなく、平成十四年、東京都は、東京の森再生プロジェクトを掲げ、環境局が東京の森再生計画、産業労働局がよみがえれ東京の森、建設局が森林を守る大自然塾、水道局が多摩川水源森林隊の創設と、それぞれの局で森林再生のために施策を立ち上げていただきました。
 東京都では、今後五十年をかけて、西多摩を中心とする東京の森林約一万八千ヘクタールを対象に間伐を進め、森林を再生させるといってスタートいたしました。しかし、ご承知のとおり、間伐しても、その木を搬出し活用しないことには、本当の森林再生にならないわけで、以来、東京都では、多摩産材活用のために努力をしていただきました。建設局では道路のガードフェンス、河川では木工沈床などに活用しております。教育庁では平成十七年から、都立高校の内装工事や机、げた箱等に、多摩の杉、ヒノキ材を率先して使ってくれるようになりました。さらに全校にふやしていただくという約束もいただきました。
 そして今回、都市整備局においても、新たな住宅マスタープランの中に多摩産材の住宅への使用促進が位置づけられ、具体的な数値が政策の指標として示されました。指標としては、多摩産材の住宅等への使用量については、二〇〇二年、平成十四年、〇・九万平方メートルから、二〇一五年、平成二十七年、三万平方メートルの使用を目指すとされております。
 都内住宅の大部分を占めているのは民間住宅であり、民間住宅への多摩産材の利用促進が政策指標の達成を左右するかなめであるということはいうまでもありません。
 東京都では、民間住宅へ多摩産材の普及を図るために、東京の木・いえづくり協議会を設立し、普及事業としてイベント等を開催するとともに、昨年度には、新たな取り組みとして、金融機関と連携した優遇融資制度「とうきょうの森のいえ」を実施するなど、その取り組みについては評価できるものであります。
 そこで、これまでの取り組み状況を踏まえ、今後さらなる民間住宅へ多摩産材の活用促進を図るため、具体的にどのように施策を展開していくのか、お伺いいたします。

○山室民間住宅施策推進担当部長 多摩産材の利用促進についてでございますが、都はこれまでも多摩産材を使用した家づくりを支援してまいりましたが、今後、花粉症対策への取り組みにより多摩産材の供給の増加が見込まれることから、都民への一層の普及活動が大切と認識しております。
 このため、区市町村との連携を強化しまして、東京の木・いえづくり協議会によるセミナーやイベントの開催場所や回数などを拡充することにより、より多くの都民に多摩産材を使用した家づくりの魅力を広く周知してまいります。
 また、建築関係団体を通じまして、多摩産材の取り扱いの経験のない地域の工務店にも必要な情報を提供するなどして、多摩産材の利用促進を働きかけてまいります。
 このような取り組みによりまして、東京の気候風土に適した多摩産材による家づくりを積極的に進めてまいります。

○林田委員 どうもありがとうございます。
 多摩産材の活用については、産労局、環境局を中心に進めていただいておりますが、東京都全局で、重要施策という認識で事に当たってほしいと思います。
 森林を抱える奥多摩町、檜原村など自治体や森林組合、そして木材業者としては、荒廃した森林を再生するためには、きちんとした循環システム、すなわち苗木を植える、育てる、成長した用材を活用する、このサイクルを着実に実行していただきたい、そういう要望がございます。都市整備局においても、今お話しのように、多摩産材による家づくりを積極的に進めていただくということでございますので、よろしくお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

○吉田委員 質問に先立ちまして、昨日の東京マラソンの大成功をお喜び申し上げます。
 昨日のかなりの雨と寒さの中で三万人の方が参加され、完走され、百七十八万人の方が沿道で応援をされたと。すばらしい成功であったと思います。もちろん、世界五大マラソンに匹敵する今回の大会の成功は、関係各位のご尽力と参加された皆様の頑張りによるものでございますが、忘れてはならないのは、東京のまちづくりをずっと地道にやってこられた都市整備局初め都庁の皆様のご努力の一つの成果ということでありまして、これを励みに、ぜひ引き続き、今後とも、この東京、国際競争力のある、魅力のある、そして安全な、都民に優しいまちづくりを進めていただきますようにお願いを申し上げます。
 東京都耐震改修促進計画に関連して幾つかお伺いいたします。
 阪神・淡路大震災では、約九割の方が家屋の倒壊により亡くなっておられます。また、倒壊する割合が高くなるほど出火の割合も大きくなっており、地震による一撃から住宅の倒壊を防止することが、都民の生命と財産を守り、被害の拡大を防止する上で重要であります。
 平成十七年三月に、中央防災会議決定として、住宅の耐震化率九〇%を十年以内に実現し、東海、東南海、南海地震による死者を半減させるとの地震防災戦略が打ち出されて以降、平成十八年一月に改正耐震改修促進法が施行され、今回、東京都としての耐震改修促進計画の素案が公表され、着実に取り組みが進捗していることを歓迎いたします。皆様の日々のお取り組みに感謝いたします。
 東京都住宅マスタープランの方にも言及がございますが、この耐震化率九〇%を十年以内という具体的な数値目標を何としても実現しなければならないと思います。そこで、この九〇%の目標達成に向けて具体的にどのように進めていかれるのか、お伺いいたします。

○金子市街地建築部長 住宅の耐震化を促進するためには、所有者みずからが主体的に取り組んでいくことが不可欠でございます。耐震改修促進計画の策定を契機に、耐震化の助成制度の活用や情報提供をより一層行い、住宅の所有者に対して耐震化に向けた取り組みを促してまいります。
 また、区市町村に対しまして、都の計画を踏まえた耐震改修促進計画を策定するよう要請するとともに、地域のまちづくりとも連携して目標を達成してまいります。

○吉田委員 区市町村の役割ももちろん重要でございます。地域の事情を熟知しているのは地元の区であり、都民が耐震診断や耐震改修をしようと思うときに、まず相談するのも地元の区であります。
 目標達成のためには、都の施策だけでは困難なわけで、区との連携した取り組みとなることが非常に重要でございます。この連携について、先ほど林田理事の質疑において、わかりやすい質疑がございましたので、木造住宅の耐震助成、この観点に着目して、昨年四月から行われている耐震助成、区との役割分担についてどのようにお考えか、お伺いいたします。

○金子市街地建築部長 区は、住民に身近な自治体といたしまして、地域の実情を踏まえながら耐震化に取り組むことが必要でございます。また、都は、広域的な都市防災の観点での耐震化に取り組むことが必要であると考えております。
 整備地域の住宅の耐震化を促進するためにも、区は耐震化への助成制度を整備することが必要であるというふうに考えております。

○吉田委員 木造住宅の耐震化を進めるためには、まさしく身近な自治体である区市町村の役割が重要でございます。木造住宅の耐震化助成制度に関していえば、都の助成制度は、区が助成事業を行う場合に、区が負担する費用の半分を都が助成するというものでありますので、逆にいえば、区が助成事業を制度として持っていなければ、その区に住んでいる都民が耐震化に取り組もうとしたときに、都としては応援のしようがないということであるわけであります。
 現在、二十三区では、耐震診断についてはすべての区が支援、助成を行っておりますが、耐震改修については、既に二十一の区で助成制度を持っていますが、練馬区と中野区が制度を持っておりません。この二区について、今後、制度を設けていく動きがあるのか、状況をお伺いいたします。

○金子市街地建築部長 練馬区につきましては、提出されております平成十九年度予算案に耐震改修助成が盛り込まれておりますけれども、中野区につきましては計上されていないというふうに聞いております。

○吉田委員 お聞きしますと、来年度以降、耐震改修助成を持っていない区は中野区だけになるようであります。中野区は、耐震診断の普及に向けては非常に積極的に取り組んでおりますけれども、やはり、診断した結果、耐震性が不十分だとわかった場合に実際に改修を実施してもらう、これが肝要でございます。
 しかし、耐震改修には個人の費用負担の問題もあり、地域全体の防災性の向上という観点から、公による財政的な支援も必要であります。中野区には、他の区と同様に、耐震工事の助成制度もぜひつくっていただきたいと考えております。私としても中野区に精力的に働きかける所存でありますが、都の方からも強く要請していただきたいと考えておりますが、いかがでしょうか。

○金子市街地建築部長 都といたしましても、整備地域を抱えている中野区につきましては、今、中野区では耐震診断に非常に熱心に取り組んでいただいておりますけれども、やはり、さらに耐震改修助成を創設していただければありがたいというふうに考えております。私どもとしましては、行政連絡協議会などの場を通じて働きかけていきたいというふうに考えております。

○吉田委員 ありがとうございます。
 次に、新築される住宅、建築物の耐震化の徹底についてお伺いいたします。
 これまで質疑をしてまいりました、昭和五十六年以前に建築された旧耐震基準の住宅の耐震化ももちろん重要でありますが、平成十七年十一月に発覚した構造計算書の偽装事件で改めて認識させられたとおり、これから新しく建築される住宅の耐震性を必ず確保するということもまた重要であります。
 耐震改修促進計画の素案では、関連施策として新築時の耐震化の徹底が記載され、住宅マスタープランにおいても、住宅の建設、リフォーム等に係る適正な事業活動の促進の項で取り上げられておりますが、素案では、新築される住宅についても、建築確認、中間検査、完了検査の実施を徹底するとなっております。
 特に中間検査は、木造の基礎や小屋組み、コンクリートの鉄筋など、住宅の骨格である構造体を現地で検査する非常に大切な役割を担っております。この中間検査について、検査員の人数や検査の所要時間など、実態はどのようになっているのか、お伺いいたします。

○金子市街地建築部長 中間検査でございますが、これは特定行政庁の職員、そして民間の指定確認検査機関の検査員が実施しておるものでございます。
 通常、一名から三名で実施いたしまして、木造三階建ての中間検査の場合ですと四十分から六十分程度、鉄筋コンクリート造で一万平方メートルを超えるような場合などは三時間程度かかることもあるというふうに承知しております。

○吉田委員 実際にその時間をかけて検査をしていただいていればよいかなと思います。
 お役所の場合は、検査事業の採算性ということは考えないと思いますけれども、民間の指定確認検査機関の場合、営利団体であり、事業の採算性が求められるというわけで、繁忙期には短時間で済ませてしまうということもないとは限りません。中間検査や完了検査を健全化することは、住宅の品質を確保する上で非常に重要なことであります。
 平成十八年六月に改正、公布された建築基準法では、国の指定した確認検査機関についても、特定行政庁に立入検査の権限が付与されることになりました。これまで都は、知事が指定した二機関しか立入検査ができなかったわけでありますが、法改正により、国の指定した機関を含む二十七機関の検査ができるようになります。逆にいえば、都の責任が大変に大きくなったということでもあります。
 そこで、民間の指定確認検査機関に対する立入検査の体制を強化するとともに、例えば業務状況を抜き打ち検査するなど、緊張感のある厳格な方法でしっかりと指導、監督していただきたいと考えますが、いかがでしょうか。

○金子市街地建築部長 都内で業務を実施しているのは二十七機関でございまして、これらが立入検査の対象ということになります。
 必要な検査体制を整備するとともに、抜き打ち検査も含めまして厳格に立入検査を実施するなど、中間検査や完了検査が適正に行われるよう取り組んでまいります。

○吉田委員 ありがとうございます。
 中間検査や完了検査の実施について、都としてもしっかり今後取り組んでいただけるということなので、よろしくお願い申し上げます。
 耐震改修促進計画の意義は、一言でいって、住宅や建築物の耐震性を確保し、都民が将来にわたって安心して暮らせるまちにするために全力を挙げていくということであります。いつ大地震が来てもおかしくない状況でありますので、そして、防災対策は時間との勝負でもありますので、今後とも最大限の努力をお願いいたしまして、質問を終わります。

○東野委員 都民意識の中で安全・安心という四文字というのは、いろいろな調査をすると常に上位クラスを占めるポイントというか、内容になるわけでございますけれども、特に子育て期間中のいわゆる若年ファミリー層、それから高齢者にとって、なおさら安全・安心というのは高い関心事である。これはいうに及ばないところなのでございますけれども、先月に住宅基本条例の全面改正を踏まえて住宅マスタープランの素案が示されたわけでございますけれども、今後十年間に特に重視する視点の一つとして、今挙げました、住まいという観点からの安全・安心の確保が掲げられているわけでございます。その中で、住宅の耐震化--今取り上げられていましたけれども--など、いわゆる安全の確保といったハード面の取り組みにつきましては、今回の我が党の代表質問でも取り上げて、前向きの答弁をいただいたところであります。
 そこで、本日は二点ほど、提案を含めまして、ソフト面における安心の確保という視点から、都の取り組みについてお伺いしたいと思います。
 先ほど申し上げましたように、子どもから高齢者までさまざまな世代の人々が安心して暮らせる環境の整備というのは大変に重要であり、少子高齢化社会において少子化対策は、将来の東京の活力を維持し、高めていく上で喫緊の課題であるわけでございます。都はこれまで、我が党の提案を受けまして、都営住宅を活用した若年ファミリー世帯の期限つき入居制度の創設など、全国に先駆けて子育て世帯へのさまざまな支援策を実施してまいりました。
 そこで、最初に、これまでの都営住宅における子育て支援の取り組み内容についてお伺いしたいと思います。

○小宮経営改革担当部長 都営住宅における子育て支援についてでございますが、少子高齢化が進展する中で、住宅政策においても子育て支援は重要な課題と認識しております。
 都営住宅ではこれまで、子育て世帯に対し、さまざまな優先入居を実施してまいりました。例えば、ひとり親世帯や十八歳未満の子どもが三人以上いる多子世帯に対し抽せん倍率を優遇するとともに、平成十三年度には若年ファミリー世帯向けに、十七年度には多子世帯向けにそれぞれ期限つき入居制度を導入してまいりました。
 十九年度には新たに、小学校就学前の子どものいる世帯を対象とした優先入居を実施いたします。

○東野委員 これまで都が都営住宅を活用していろいろな形での子育て支援策を打ち出して、そして政策拡充に努めてきたことは一定の評価をしたいと思います。
 ところで、子育て世帯の中でも、三人以上の子どもを持つ、いわゆる多子世帯、この割合というのは比較的少ないですね。周りを見渡しても、なかなか三人以上のお子さんというのはいないんですけれども。また、お子さんが多くなれば多くなるほどといういい方はちょっと極端ですけれども、住宅に対する困窮度というのは当然ながら上がっていく。これは必然性があるわけでございます。
 少子化の進行を食いとめていくためには、特にお子さんが多い、いわゆる多子世帯の方々が安心して住めるような住宅事情改善が不可欠であろう、このように考えるわけでございます。
 そこで、先ほども申し上げましたように、こうした多子世帯を支援していくために十七年度から開始した、都営住宅の多子世帯向けの期限つき入居制度の内容と実際の募集状況についてお伺いいたします。

○小宮経営改革担当部長 多子世帯向けの期限つき入居制度についてでございますが、入居者資格は、申込者、同居親族が四十五歳未満、世帯構成が夫婦及び子、申込者に十八歳未満の子が三人以上、かつ中学生以上が一人はいることであります。入居期間は十年でございます。
 十八年度の募集戸数は、年二回、合計で四十一戸、応募者数は五十九人、倍率にしまして一・四倍でございます。

○東野委員 制度が発足してまだほどないので、まだまだ周知徹底の問題も含めまして、そういったところから、募集状況というのはそんなところなのかなというふうに思います。
 今の入居者資格の中で、私も今回まで存じ上げなかったんですけれども、多子世帯というのは、先ほど申し上げましたように住宅に困窮しているにもかかわらず、子どもの要件の中に、中学生以上がいなくちゃいけないという、そういうのが入っているんですね。
 いろんなことが考えられるんでしょうけれども、端的に、中学生以上の子どもがいなくちゃいけないという、そういう条件を付加したというか、入れた理由といいますか、その辺をちょっとお聞きしたいと思います。

○小宮経営改革担当部長 中学生が一人以上いることとしている理由でございますが、子どもが大きくなりますと、親と部屋を分けたり、男子と女子で部屋を分けたりすることが必要となるため、一定の広さを持った住宅の確保が要請されることから、中学生が一人以上いることとしたものでございます。

○東野委員 わかりました。
 最近は、もちろん中学生ぐらいになると、やっぱり今おっしゃったような部分で、部屋があった方がよりいいというのはわかるんですけれども、年代的にももうちょっと下がってきているのかなという感じもします。
 考え方としては理解できるんですけれども、であるならば、もうちょっと多子世帯向けの募集のいわゆる条件を緩和するという意味も含めて、中学生以上というよりも、小学校でも高学年ぐらいのお子様ぐらいまでに枠を広げて、そして条件にしていっていただいたら、より受け入れやすい制度になっていくのではないかなと思いますけれども、どうでしょうか。

○小宮経営改革担当部長 制度の対象についてでございますけれども、ただいまご指摘の点を踏まえまして、多子世帯の子育て支援を強化する、そういった観点からも、現行の中学生以上の子が一人以上いることの要件を緩和いたしまして、小学校高学年以上の子が一人以上いる世帯も対象とする方向で検討してまいりたいと存じます。

○東野委員 小学校高学年というのは、済みません、何年生……。五年生、六年生になるんですかね。(「五年、六年です」と呼ぶ者あり)五年、六年。
 次、ちょっと観点が変わるんですけれども、女性の社会進出が近年進んでいるわけで、仕事と家庭の両立で頑張っている女性が私の周りにも大勢おいでになります。個々人によっては当然違うんですけれども、一生懸命働いて社会進出をという、こういう角度で一生懸命働くと、どうしても仕事を一生懸命頑張って、帰りが遅くなって、例えば小さなお子様を抱えているお母さんは、保育園に迎えにいく時間が遅くなったりするので、なかなか頭を悩ませている方も大勢おいでになることも、これまた事実でございます。
 都営住宅では、一つの制度として、高齢者の方、高齢者世帯が子どもの世帯のそばで安心して生活ができるようにということで、制度として親子触れ合い住みかえ制度というのがあって、それの募集を行っておられるようでございます。逆に、親が自分たちの住むそばの都営住宅に越してくるという、こういう制度になると、この親に自分の子ども、例えば保育園に行っている子どもの送り迎えを頼んだりとか、そういった角度からすると、高齢者向けの制度ではあるんですけれども、これが逆に子育て支援制度にも活用できるのではないかな、こういうふうに思う。これはちょっと考えれば当たり前のことなんですけれども。
 そこで、この親子触れ合い住みかえ事業というんですか、これの内容と実績について改めて伺います。

○小宮経営改革担当部長 親子触れ合い住みかえ事業についてでございますが、高齢者世帯と子世帯が近くへ住みかえできる制度として、平成十二年度から親子触れ合い住みかえの事業を年一回実施しております。応募できますのは、子世帯の近くへ住みかえを希望する六十五歳以上の都営住宅居住者、または六十五歳以上の親世帯の近くに住みかえを希望する都営住宅居住者でございます。いずれも、親と子の住宅間の移動時間が、住みかえることによりましておおむね三十分以上短縮されることが条件でございます。
 十七年度の実施実績ですが、募集戸数が二十五戸で、申込者は五十六名、倍率は二・二倍。十八年度は、募集戸数が同じく二十五戸、申込者が六十一名、倍率にして二・四倍でございました。

○東野委員 若干ですけれども応募実績が拡大しているようでございますけれども、先ほどの子育てというか、多子世帯向けの期限つき入居は、あれは制度的に新しいということで、これからどんどん周知していかなくてはいけないという面もあるんですけれども、この親子触れ合い住みかえ制度というのは、平成十二年から実施されているにもかかわらず、若干やはりこれは少ないのかなと。対象となる方がそう多くはないということを考えると、このぐらいなのかなと。
 いろいろ意見もあると思うんですけれども、いずれにしましても、先ほど申し上げました、子育て支援の角度からという、こういった角度も取り入れて、この親子触れ合い住みかえ事業というものを拡大していく。そういったことを考えますと、この住みかえ事業をもう一歩、この際ですから拡充させていく、こういった考え方というのは、この際ですから取り入れていただければというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

○小宮経営改革担当部長 親子触れ合い住みかえ事業でございますが、この事業は、高齢者が子世帯の支援のもとで安心して生活できることを目指して実施してまいりました。しかし、副委員長がお話しされましたように、高齢者による子育て世帯への支援も期待できます。
 現在、年一回の募集でございますが、子育て世帯への支援を一段と強化する観点も踏まえまして、今後、募集回数をふやす方向で検討してまいりたいと存じます。

○東野委員 これで終わります。
 三世代の触れ合いのある生活を支援する仕組みというのは、単に、先ほど申し上げましたように保育園の送り迎えを頼むという、そんなことだけではなく、祖父母というか、おじいさん、おばあさんが長年培ってきた人生の知恵を伝えていく、こういったことなど、東京の将来を担う子どもたちが豊かな心をはぐくむことにもつながっていくのではないかというふうに考えます。この点で、今、最後に触れていただきました、親子触れ合い住みかえ事業の回数増については検討していただけるということで、評価をしたいというふうに思います。
 今回報告されました住宅マスタープランの理念を踏まえて、触れ合い住みかえ事業の活用とともに、さらに多方面で都営住宅のストックを少子高齢化対策に有効に活用して、都民が安心して生活できる住宅政策というものを一層進めていただきたい、このことを要望して、質問を終わります。

○村松委員 人間らしい生活ができるような住まいがすべての人々にあてがわれたらと、これは多くの方が望んでいることではないでしょうか。
 一九九六年の六月に青島知事も参加し採択した、イスタンブールでの第二回国連人間居住会議での宣言を改めて読んでみました。ここでは、適切な住居への権利、我々は国際文書に規定された適切な住居への権利の完全かつ漸進的な実現という我々の約束を再確認する、こういうふうに書かれております。
 住宅は人権、この立場から、東京都の住宅マスタープランについて何点か質問いたします。
 この素案の中には、民間住宅や公共住宅あるいはマンションなど多岐にわたって書かれておりますけれども、私は都営住宅と公社住宅に絞って質問をいたします。
 最初にお伺いいたしますが、住宅は、人々が生命や財産の安全を確保し、子どもをはぐくみ、社会経済の諸活動に参加していく上での基礎となるものである、このように書かれておりますが、公共住宅であれ、民間住宅であれ、都民が安心して住み続けられることが大事だと思いますが、いかがでしょうか。

○瀬良住宅政策担当部長 住宅は、公共住宅あるいは民間住宅を問わず、住宅に住まう方が、安全で、そしてまた健全な生活を営むための場所であるというふうに認識しております。

○村松委員 安心して住み続けられることが大事だと思います、そのことをお聞きしたんですが、いかがですか。もう一度。

○瀬良住宅政策担当部長 住宅は、お住まいになる方がそれぞれのニーズに応じて、住み続けたい、あるいは必要に応じてまた転居する、そういうさまざまなニーズに対応していくことが必要だというふうに考えております。

○村松委員 安心して住み続けられる豊かな住生活とは、しっかりした建物の中で、防犯、災害だけでなく、住みなれた場所で家族が憩い、団らんできる生活の場であることが重要だと思うんです。
 安心して住み続けられるべき住居が、居住が、都営住宅の承継問題を原則二親等から配偶者のみにしたために、居住者に不安を与えております。東京都に対して、使用承継の変更について都民からの不満の声は上がっているでしょうか。

○小宮経営改革担当部長 使用承継につきまして、都民からの声でございますけれども、具体的に把握しているわけではございませんが、これまでの不公平を是正するということで評価する声もございますし、一方では、確かに不安という声もあります。ただ、評価する声もございます。

○村松委員 喜ばれているような声というのはほとんどありません。
 私たちのところにも、都営住宅に住む母子家庭の方から、こんな相談が持ちかけられております。親が重い病気と診断され、大学生と中学生のいる家庭ですが、自分が亡くなった場合、八月以降は使用承継ができるんだろうかという、そういう相談なんです。こうした場合は、使用承継はできるのでしょうか。

○小宮経営改革担当部長 使用承継についてでございますけれども、都営住宅に入居を希望している都民の方が多数いる一方で、都営住宅の使用承継を子に認めておりますと、長年にわたり同一親族が居住し続けることになりまして、入居者、それから非入居者間の公平性を著しく損なうこととなります。
 このたびの見直しにつきましては、都営住宅の利用機会の公平性を確保するため、公募の原則の例外であります使用承継の厳格を図る観点から行ったものでございます。
 したがいまして、子につきましては、特に居住の継続に配慮する必要のある高齢者、障害者、病弱者に該当する場合を除きまして--こちらの方については配慮しているということなんですが--承継を認めないことといたしました。
 ただし、未成年者だけが残された場合につきましては、承継を認めないが、年長者が義務教育を修了している場合につきまして、その年長者が成年に達するまでの間、退去を猶予することといたしました。このことは、都が独自に未成年者に配慮したものでございまして、子が成年に達すれば、法律上、みずからの責任で民間賃貸住宅を借りられることから、成年をもって区切りとしているわけでございます。

○村松委員 いろいろと矛盾していることをいっているので、一つ一つ反論したいような思いもあるんです。
 例えば、都営住宅に入りたい人が大勢待っている。大勢待っているんだからこそ、都営住宅を建てればいいじゃないですか。それから、入っている人に対しては、収入が超過すれば追い出すでしょう。そういうことがあるじゃないですか。
 私は、この方の場合の、二十になれば、成人になれば出ていってもらうと。だって、この人が大学生、下に中学生、こういう人を、きちんとした収入がないのに、それでも出ていってほしいということになるんですか。

○小宮経営改革担当部長 未成年者の退去猶予についてでございますけれども、先ほども申し上げましたけれども、このことは都が独自に未成年者に配慮したものでございまして、子が成年に達すれば、法律上、みずからの責任で民間賃貸住宅を借りられることから、成年をもって区切りとしたものでございます。

○村松委員 私は、余りにもこれは人権を無視しているというふうに思うんですよ。青島知事がイスタンブールでの人間居住会議で一緒に採択に参加してきた、そういうのから比べて、本当に大きな後退だというふうに思うんですよ。
 この方は東京都の担当者に問い合わせしたところ、住民票を移して、長期に入院し、さらにそのまま帰ってこなければいいという、そういうことまでいわれたというんですね。担当者にしてみれば、もうそういう以外にない。
 そういうふうに、この使用承継制度というのは、母子家庭や父子家庭で親に万が一のことがあったら住宅まで追い出されなければならないというような、そういう残酷な制度だと、今、八月の実施を前に私はつくづく思うんですが、そもそもこの承継制度は、国の制度としてどうしても実施しなければならない、そういうものなのでしょうか。

○小宮経営改革担当部長 今回の見直しは、都営住宅の入居は公募によることが原則でございます。使用承継を一親等に認めるこれまでの制度では、結果として、長年にわたり同一親族が居住し続けることとなり、入居者、非入居者間の公平性を著しく損なうこととなることから行ったものでございます。
 国の運用指針のことの関係かと思いますけれども、このことについては、確かに各自治体の裁量に任されておりますが、都営住宅の利用機会の公平性を確保する観点から、使用承継のさらなる厳格を図るべきとの東京都住宅政策審議会の答申がございまして、これを踏まえて見直しを行ったものでございます。

○村松委員 私が質問したのは、国の義務づけはないんだと。それから、住宅政策審議会の話をしましたけど、住宅政策審議会でどんな議論がされたか、それから、その後の委員会の中でどんな議論がされたか思い出してくださいよ。住政審に出したのは、最終答申のときに、この承継問題を初めて出しているんじゃないですか。本当にひどい話ですよ。
 東京都は、先ほど使用承継の変更をしなければならないという、その理由の中で、大勢の人が待っている、公平性に欠けるという話をしたんですけれども、これも全く私はおかしな話だなと。さっきもいったんですが、都営住宅に入っている人と入っていない人の不公平感というのなら、なぜもっと都営住宅を建てないのかと、そこをいいたいんですよ。
 親を亡くして半年もしないで住宅を追い出された、地域の知り合いもいないところに兄弟がほうり出されるようなことが仮にあったとしたら、それが何で安心した住生活といえるんでしょうか。これは、憲法第二十五条の、健康で文化的な生活を営む権利を保障するとした、その精神からも私は違反するものだ、このように思います。
 この使用承継の早急な見直しを求めるものですが、いかがでしょうか。

○小宮経営改革担当部長 このたびの見直しは、都営住宅の利用機会の公平性を確保するため、公募の原則の例外である使用承継の厳格化を図る必要から行ったものでございます。
 また、見直しに当たりまして、使用承継の範囲については、高齢者、障害者、病弱者に一定の配慮を行い、また退去猶予期間については、これまでの原則三カ月を六カ月に延長するとともに、先ほどお答えしましたが、未成年者だけが残された世帯についても、さらに延長するなどの配慮も行っております。
 また、十分な周知を図るため、一年間の周知期間を設け、居住者向けの広報紙である「すまいのひろば」などを活用して周知に努めているところでございます。
 今回の見直しを撤回する考えはございません。

○村松委員 この使用承継の問題と関連いたしまして、六八ページの区市町村による公共住宅の供給促進があるんですが、区市町村公営住宅においても公平かつ的確な供給がなされるよう、使用承継制度や収入超過者への対応、期限つき入居の導入など、必要な情報提供を行うことにより区市町村への取り組みを促進していきますと書いてありますけれども、これは区市町村や団体から要望があるものなのでしょうか。

○中沢区市町村調整担当部長 区市町村から要望があるとかないとかという問題ではなくて、東京都としての考え方をお示しするということでございます。

○村松委員 私、市長会からの要望書を全部見てみました。そんなことは一つも書いてありません。団体からもそんな要望はあるはずがないんです。
 私は、この問題を区市町村に押しつけるなんていうことは、自治の介入じゃないんですか。日ごろ地方分権を口にしながら、こういうことを押しつけるなんて、とんでもない話ですよ。絶対にそれはやらないことを求めておきます。
 それから、本来、都営住宅に入居している人が、住みなれたところで自立できるまで安心して住めるようにすることが大事な公共の仕事のはずです。今後も、この使用承継の問題は、例外規定ではおさまらない問題が必ず出てくる、このことを指摘しておきます。
 次に、四八ページの、円滑な建てかえに向け、居住者の移転先確保に努めるとともに、非現地における建てかえ事業についても居住者への明け渡し請求が可能となるよう、制度の拡充を強く国に要望しますとありますけれども、この意味はどういうことなのでしょうか。具体的にわかるように説明してください。

○小林都営住宅経営部長 ご案内のとおり、建てかえをするためには、そこにお住まいの方にどちらかの住宅に移っていただかないと、当然物理的にできないわけでございます。それが、そこに最初に書いてある、居住者の移転先確保に努める。そのための住宅に我々、一生懸命努める、こういうことでございます。
 非現地における建てかえと申しますのは、例えば百戸未満の小規模住宅につきましては区市町村へ移管するということで、東京都とすれば、そこはもう建てかえをしない。しかしながら、かなり老朽化してきて移管もままならない、そういう話の中では、当然に、近くに大きな団地を建てかえた場合には、そちらに、新しい住宅に移っていただくこともあります。それを非現地建てかえといっておりまして、現在の制度の中では、隣り合うような近いところの団地でないと、いわば任意事業になってしまうということで、一定の範囲で、もう少し広く法定建てかえ事業、つまり、我々として事業の推進がより可能な事業に移れるようにお願いをしているということでございます。

○村松委員 ということは、百戸未満の住宅というところは建てかえの後の戻り入居ができない、そういうことにつながるんですか。

○小林都営住宅経営部長 要するに、都と区市の役割分担の中で、東京都は大規模な団地を運営していく、小規模な団地については、区市がいわば福祉ですとかまちづくりですとか、そういう地元の要望に合わせながら運営していくというような形で区市町村の移管というものを進めさせていただいているわけでございますけれども、その中で、区市が建てかえを一緒にしながら移管を受ける、建てかえ時移管と申していますが、そういうものを採用すれば、そちらでの、いわば新しい建てかえた住宅への戻りも可能でございます。
 ただ、東京都が行う場合には、また小規模な団地を再生するわけにまいりませんので、やはり大きなところにまとめさせていただくというようなことから、もとの団地につきましては別な活用をさせていただく形になります。

○村松委員 公営住宅法の第四十条があるんですが、公営住宅法第四十条では、戻り入居、当該事業の施行に伴い当該公営住宅の明け渡しをするものに限るというふうに書いてあるんですが、これは、「三十日を下らない範囲内で当該入居者ごとに事業主体の定める期間内に当該事業により新たに整備される公営住宅への入居を希望する旨を申し出たものを、当該公営住宅に入居させなければならない」。このことが戻り入居をしっかりとやりなさいということなんですが、今、東京都が国に求めているのは、この第四十条を変えてくださいと、そういうふうにいっているようなものなんですよ。本当にこれでは、そこになれ親しんだ、地域の中でなれ親しんで生活をしてきた人たちにとっては大変大きな問題だというふうに思います。この問題では、当然この文言は削除すべき、それを求めておきます。
 ところで、マスタープランでは公営住宅の供給を十一万三千戸としておりますが、新規建設、建てかえ戸数など、その内訳を示してください。

○瀬良住宅政策担当部長 公営住宅の供給の目標量でございますが、これは住生活基本法に基づき定めるものでございまして、区市町村の公営住宅を含めて、新規整備、それから建てかえ、そして空き家募集の合計をした戸数でございます。
 公営住宅の供給の目標量十一万三千戸でございますけれども、これは、マスタープランの計画期間でございます二〇〇六年度から二〇一五年度までの十年間の供給戸数といたしまして、現時点で見込んだ新規整備一千戸、建てかえ三万一千戸、空き家募集八万一千戸、これを合計したものとなっております。
 なお、それぞれの戸数は、目標量を示すものではございません。

○村松委員 新規建設、これはどこがやるんですか。

○瀬良住宅政策担当部長 新規整備一千戸につきましては、すべて区市町村の公営住宅でございます。

○村松委員 結局、新たに供給するというのは、区市町村の新規建設だけと。私は、この数字の中に建てかえの数が入っているというのはどうもおかしいんですよ。今入っている人が建てかえのところに行く、それを供給というんですかね。これは欺瞞以外の何物でもないんじゃないか。数字の--都営住宅があいて、そこに入るというのは、それも供給といえると思いますし、新しいところに入るというのは、それは供給と思えますけど、建てかえの人が新たなところに行く。数字が移るだけで、それを数に入れるというのは、本当におかしな話だなというふうに思うんです。
 四八ページの、都営住宅の建てかえに際しては、土地の高度利用、団地の集約を通じて地域のまちづくりに活用できる用地を創出しますとありますが、これは、今、民間活用といわれているところだと思うんですけど、これをもうちょっと具体的に示していただけますでしょうか。

○清水参事 都営住宅用地は都民共有の貴重な財産であることから、建てかえに当たりましては、老朽化した都営住宅を更新するだけではなく、敷地をできる限り有効に利用することによりまして用地を生み出し、民間事業者の創意工夫を生かした良質な住宅の供給などにより、多様な世帯が居住する活力ある地域社会の形成や東京の都市再生を促進することが重要と考えてございます。
 今後とも、民間の創意と工夫を地域の活性化やまちづくりに生かせるように、創出した用地を積極的に活用を進めてまいります。

○村松委員 質問にきちんと答えてください。今私が聞いたのは、その事業をして、具体的に何をどうしたのかということを聞いているんですよ。それに答えていただけますか。

○清水参事 創出した用地でございますけど、現在、四地区で民間活用事業を行っております。
 例えば南青山地区では、〇・七ヘクタールの用地におきまして、四十六階建てを一棟、十四階建て一棟、その中に都営住宅を百五十戸と民間賃貸住宅三百八十戸、保育園、図書館、グループホームなどを総合的に整備しているというような状況でございます。
 それ以外に、港南四丁目地区、東村山本町地区、勝どき一丁目地区、この四地区で、創出した用地について民間活用事業を実施しているところでございます。

○村松委員 今ご答弁いただきました南青山一丁目プロジェクトですが、もう既に完成ということで、私たちの方にも案内が来ているんですけれども、ここの賃貸料の最高額と平均額、最低の賃料、それぞれどのくらいなんでしょうか。

○清水参事 南青山地区の賃貸料につきましては、事業者が設定することとなっております。
 募集要項の中では、青山地区の中高層賃貸住宅の平均的な家賃の住戸を約半数程度とするということとなっており、まだ決まっておりませんが、事業者からは、平均の一平方メートル当たりの賃料が約六千七百円程度になるというふうに聞いております。残る約半数の住戸につきましては、事業者が市場性の判断に基づきまして賃料を設定しているところでございまして、事業者の経営にかかわるものであることから、都としては聞いておりません。
 したがいまして、最高、最低の賃料、それから平均の賃料はまだ決定してございません。

○村松委員 東京都の方で平均といっているんですが、それは下の方の階数、要は眺めの余りよくないところの一平米の値段、それが六千七百円という話らしいんですが、これが上に行けば行くほど、平米当たりの単価、もう既に一万円というのは、この前、植木議員の方からいっていましたけど、ほかからもやっぱりそういう話は聞いているんですね。そうなってくると、それこそ賃料というのは、一カ月三十万、四十万どころか、百万単位になる。そういうところに東京都の都営住宅の用地を提供しているという、私はそういうところを問題にしているんです。
 そういう中でなんですが、都営住宅の公募状況、それはどうなっているでしょうか。

○小林都営住宅経営部長 公募状況という漠としたお話ですので、何ともいいようがないのですが、それなりに件数を募集し、それなりに募集者が来てございます。

○村松委員 都営住宅の応募状況を資料でいただきましたが、募集戸数が、平成十七年度、六千四百七十四戸に対して二十一万八千三百九十一、三十三・七倍。これは全国的に見ても、飛び抜けて高い倍率なんですよ。これだけの倍率があるのに、何で都営住宅を建てないで、民間に貸してやっているのか。本当にこれは、住宅を必要としている都民に対してひどい話だ、このように思うんですが、都営住宅を建てるのに、新たに土地を購入しなくても都民の要望にこたえられる。
 先ほど応募状況を具体的にいっていただけませんでしたが、やっぱり年間にして二十一万八千三百九十一人、この世帯の人たちが要望している、そういう都営住宅の建設になぜこたえようとしていないのか、それをご答弁ください。

○小林都営住宅経営部長 二十万人という数のお話ですけれども、これは資料の注書きにもございますけれども、都は年間、大きな募集を四回実施しておりまして、それぞれに重複して申し込むことが可能となっておりますことから、各回の募集の延べ人数であります。個々の募集の状況を見ますと、利便性がよく、築年数の新しい団地には多数の方が応募する一方で、応募者が募集戸数に満たない団地がございまして、応募者の数だけをもって住宅の困窮度を推しはかることはできないと基本的には考えております。
 そこで、なぜ新規供給しないかということでございますが、既に都内の住宅の数が世帯数を一割以上上回っておりまして、さらには、将来的には人口減少社会の到来が見込まれること、都営住宅は、一度建設されると七十年の長期にわたりまして管理していくものなどであることから、新規供給については考えてございません。
 都営住宅の供給につきましては、今後とも、高額所得者や収入超過者などの管理のさらなる適正化、使用承継の厳格化、あるいは期限つき入居制度の拡充などによりまして既存ストックの有効活用を図ってまいります。

○村松委員 答弁の中で矛盾をしているんですよね。矛盾があるんですよ。だって、住宅の戸数が世帯数を上回っているというんだったら、何で民間の住宅の方を建てるために都営住宅の用地を貸さなきゃいけないのか、こういう矛盾点があるんです。
 それから、七十年間、これは大変結構な話ですよ。七十年間都営住宅に入れるというんだから、これは私たちも否定するものじゃないんです。入りたい人が今いるんだから、当然、つくるのは当たり前じゃないでしょうか。
 私、先日ですが、都営住宅に入居したばかりの人のところへ行って、お話を伺ってきました。定年退職してから、退職金を食いつぶしながら生活してきたけれども、一カ月五万四千円の家賃をその月に払えずに、一カ月おくれでようやく払ってきた、これで都営住宅に入らなかったらと、そういう思いで本当に不安な生活を送ってきたというんですよ。で、都営住宅に入れて、息子の世話にならなくてよかったと。息子に相談しようかと悩んだけれども、その息子さんだって、かつかつの生活をしているというのが手にとるようにわかるから、本当によかったというふうにいっているんです。やっぱり都営住宅に入りたい人というのは、答弁の中でありました、多くの人が待っているんですよ。
 で、今のこの社会状況ですよね。今度の定例議会の中でも、代表質問の中で、格差社会の問題が各党から出されました。若い人たちの低賃金と不安定な雇用問題、高齢者の年金収入の低下、住民税や所得税の増税、介護保険料、医療費の引き上げで、低所得者が増大しているんです。そんなときに安心して住める住宅の建設は、多くの都民の願いなんです。現実の実態にしっかりと目を向けていただきたいと思います。
 次に、住宅供給公社について伺いますが、このプランの中では、公社住宅の再編整備がいわれておりますが、具体的にはどうしようとしているのか伺います。

○中沢区市町村調整担当部長 公社住宅の再編整備についてのご質問でございますが、当面、二十三区内にございます一万九千戸程度の住宅につきまして、老朽化の度合いに応じて再編整備を進めていくということでございます。

○村松委員 住宅供給公社を都営住宅と同じように一つのところにまとめて、残ったところを民間にという、そういうお考えなんですか。

○中沢区市町村調整担当部長 都営住宅と違いまして、公社住宅はさほど敷地が広うございませんので、都営住宅のような形で大きく用地を創出するということはございませんが、でも、やはり、かつて昭和二十年代、三十年代に建てた住宅につきましては敷地に余裕がございますので、高層化した場合にはそうしたことも考えられるということでございます。

○村松委員 私は、今、公社住宅でやるべきことはそんなことじゃなくて、都営住宅の入居者と公社住宅の入居者、ほぼ同じ世代の人が入居しているんです。そういう人への対応をしっかりすることが大事ではないか。具体的にはエレベーターの設置。これは今、設置率どのくらいでしょうか。

○中沢区市町村調整担当部長 既存の公社住宅のエレベーターの設置状況でございますが、現在、百七十二棟で二万二千戸程度について設置されてございます。

○村松委員 パーセントというか、それから、古い公社住宅についての設置率はどのくらいでしょうか。

○中沢区市町村調整担当部長 全体に占める割合ということでございますが、公社住宅は千二百七十九棟ございます。そのうち、今申し上げましたように百七十二棟が設置されておりますので、棟数でいいますと一三%でございますが、戸数では、全体が六万二千六百三十四戸のうち、二万二千三百六十戸がエレベーターが設置されておりますので、三六%というふうになっております。

○村松委員 新規に建てかえているところは確かにエレベーターはあると思うんですが、これまで建っているところはつけていないんじゃないですか。
 直近の公社住宅の決算、これはどのくらいの黒字になっているのかお示しください。

○中沢区市町村調整担当部長 公社の決算でございますが、十七年度の決算で、経常利益が四十五億円程度でございます。

○村松委員 四十五億円の黒字を出している。そういうお金を使って、ぜひエレベーター設置なんかを進めていただきたい。
 前の委員会の中でも私も質問したんですが、公社住宅の賃料を引き下げて、もっと多くの都民が入れるような住宅をつくる、そういう必要があると思うんです。都営住宅のように、供給公社の用地を活用して民間住宅を建設して、一般都民は手が届かないような、そういう活用の仕方はやめるべきだ、そのことを申し上げておきます。
 最後に、このマスタープランの扱いですけれども、都民へどのように知らせて、質問、意見、要望があった場合はどのように返していこうとしているのか伺います。

○瀬良住宅政策担当部長 この住宅マスタープランの素案につきましては、都民からの意見、提案をパブリックコメントという形で募集をしております。二月十八日現在で二十四件のご意見をちょうだいしております。
 その中には、例えば、地球温暖化の配慮から、歩いて暮らせるまちづくりを推進すべきと、まちづくりに関する意見、あるいは住宅性能表示制度をより積極的に普及すべきといった住宅市場の環境整備に関する意見など、あるいは、その他、都営住宅についての新規建設を求める意見、あるいは都心地域には不要であるとの意見、管理制度の見直しを推進すべき意見、さまざまな意見が寄せられておりますけれども、こういった意見を勘案しながら、年度内の策定に向けて取りまとめを進めてまいりたいと思います。

○村松委員 これらの要望を受けて年度内の策定に--この間にそのことを、質問や意見や要望があった場合、その人たちにどうこたえていくのか、その辺はどうなんですか。

○瀬良住宅政策担当部長 パブリックコメントで寄せられた意見を踏まえまして、こういったご意見を十分勘案しながらマスタープランの年度内の策定を進めてまいるということでございます。

○村松委員 今後十年間の、東京都の策定する住宅マスタープランですよね。これに貴重な意見を寄せてくれた、そういう人たちのいろんな意見や要望を今後のマスタープランに入れるのは当然のことなんですが、質問とか意見が出た場合には、それは、こういう意見が出ましたよということをホームページで掲載するとか、あるいは個々に答えるとか、そういうことについてはどうですか。

○矢島住宅政策推進部長 住宅マスタープランの策定に対するご意見についてでございますけれども、現在、先ほどご答弁させていただきましたけれども、パブリックコメントを通して貴重なご意見をいただいております。基本的には、そのご意見を踏まえて、真摯に対応して計画を策定させていただくと。また、こういった意見のほかにも、一月の段階では、住宅政策審議会にもご意見をいただいているという過程を踏んでおります。そういった過程を十分参考にして、そういった意見を踏まえたプランを策定していくということで現在の予定を立ててございます。年度内には策定をしていきたいというふうに思っております。

○村松委員 都民参加だとか、いろんなことをいうけれども、聞きっ放しという感じが否めないんですね。やっぱりその中身をきちっと公表をして、それを大いに中身へも取り入れていただきたい。
 昨年十二月の住宅基本条例全面改定では、都民の声は無視されてきました。今後十年間を見据えての住宅政策だけに、広く都民の意見を聞き、反映させるよう、強く求めておきます。
 以上、東京都住宅マスタープランについて質問してきましたが、東京都の住宅政策が、一九九六年六月にイスタンブールで青島知事も参加して採択された国連人間居住会議の、居住は人権の精神からかけ離れて進められようとしていることを指摘して、質問を終わります。

○矢島住宅政策推進部長 先ほどご答弁させていただきましたけれども、マスタープランの策定に当たっては、住宅政策審議会の一年以上にわたる真剣な審議を踏まえた、ご意見を踏まえて策定をしているところでございます。また、その住宅政策審議会での答申を踏まえた、昨年第四回定例会における本委員会における新しい住宅基本条例の策定、そういったものを順次踏まえて段階的に進めさせていただいたものでございまして、十分都民のご意見、識者のご意見を踏まえた計画になっているというふうに考えてございます。
 なお、パブリックコメントで寄せられたご意見等につきましては、差し支えのない範囲で、今後、公表できるものについては要旨を公表するといったような措置も検討させていただきたいと思っております。

○吉原委員長 この際、議事の都合により、おおむね十分間休憩いたします。
   午後二時五十七分休憩

   午後三時十分開議

○吉原委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○立石委員 質問いたします。
 住宅のこれから十年のマスタープランということについて質問いたします。
 東京の都民の皆さんの生活の実感を、非常に表象的、一部的かもしれませんけれども、私が感じる、かつ失われた、俗にいう十年ないし十五年の長い長いトンネルの中で経験してきた体験からして、今のやりとりのお話の中に、非常に高過ぎる住宅と安過ぎる住宅というのが私のそれなりの実感でありますけれども、マスタープランの考え方の中に、基本的にこれが都民の幸せを奪っているなと僕が実感していることがありまして、それは耐用年数の問題なんですね。建物の耐用年数。
 ここにもあるように、産業廃棄物の八割が建築関係の廃棄物であると。それらの点からも、別な意味でもったいないなという感じとともに、耐用年数というものに非常に執着しているんですけれども、アメリカが四十四で、イギリスが七十、統計によると日本が三十と。一つ滅失した、つまり解体したものの平均値をとってみると、そういうことだということはわかるんですが、実感として、イギリスの住宅も、アメリカは特にニューヨークを中心とする感じですけれども、大変古いおうちが多いわけでありまして、また日本の住宅も、もっともっともつのではないかというのが実感であります。
 こういう点から、スクラップ・アンド・ビルドの発想から、このマスタープランでは今後十年をどういうふうに考えておられるか、最初に質問させていただきます。

○瀬良住宅政策担当部長 都民の価値観は非常に多様化しておりまして、ライフスタイルや住宅に求めるものもそれぞれでございます。市場でさまざまな住宅を選択できる環境整備が大切だというふうに考えております。
 また、住宅政策におきましても、環境負荷の低減に向けて取り組んでいくことが重要な課題であるというふうに認識しております。
 そこで、この住宅マスタープランの素案では、今後十年間の住宅政策において特に重視する視点の一つといたしまして、世代を超えて住み継がれる住宅まちづくりを掲げております。
 すなわち、ただいまご指摘をちょうだいいたしましたように、今後は短期間でスクラップ・アンド・ビルドを繰り返すのではなく、新築の際に、環境にも配慮した、良質で長期使用が可能な住宅をきちんと建設をする、そして適時適切に維持管理、リフォームを行い、中古住宅として円滑に市場で流通させていく。こうしたことによりまして、都民がライフスタイルや世帯構成に応じて住宅を市場で選択することができて、そしてまた住みかえができる。そういうことによりまして、社会全体で住宅を長期にわたって住み継いでいく、そういう住まいづくりを目指しているところでございます。

○立石委員 そういうことだろうと思うんですけれども、専門家に質問したいんですが、いわゆる耐用年数というのは、今、部長がおっしゃったような形で適宜適切にメンテナンスをしていくと、どのぐらいもつものなんですかね。

○瀬良住宅政策担当部長 住宅もさまざまでございます。構造、用途、いろいろございまして、なかなか一概には申し上げられませんけれども、例えば七十年から百年、三世代に住み継がれる、そういった住宅を目指すということが考えられるかと思います。

○立石委員 そうしますと、七十年ないし百年、私も専門家の端くれですが、七十年、百年は当然もつものだと思うんですね。一九八一年、昭和五十六年に新耐震の基準ができて、それ以前と以後では大きな違いがあって、以前のものが全部だめということは全くないので、もう少し東京都の都市整備局が、専門家ですから当然研究していると思うんですが、もたせる方法の具体的な、耐震--それぞれ非常に難しい問題、範囲が広過ぎますけれども、しかし、例えば全部だめなんじゃないし、東京都の政策なんかを見ていると、木密地域、あれは全部だめみたいな話を、読むと感じますよね。
 しかし、そうではなくて、例えば、木造はもたないものだという先入観が現代人はちょっと強過ぎるんじゃないかと、私、個人的に思っているんですよ。木造ぐらいもつものはないですよね、法隆寺の例をいつもいうように、挙げるまでもない。こんなにもつものはない。ただ、耐火に弱いですね。しかし、耐火も、必ずしも無味乾燥で--日本の和のすばらしさというものを考えたときに、木造建築のすばらしさというものを再認識すべきだと。この間も、都議会本会議の一般質問で話したんですけれども、それこそ多摩産材をこれからたくさん使おうという、十年間で計画しているわけだから、木造建築のよさを、また耐用年数を上げていく。
 あなたがいうように、七十年、百年もたせる方法を、この十年のマスタープランでは具体的にどういうことによって達成しようとしているか、質問させていただきたいと思います。

○瀬良住宅政策担当部長 住宅もまたさまざまでございまして、その耐用年数を延ばす方法もいろいろあろうかと思います。
 例えば、先ほどご指摘がございました古い住宅でございますけれども、これも一概に壊してしまうということではなくて、例えば耐震性につきましては、きちんと耐震診断を行った上で必要な改修、補強を行うことによって、さらに使い続けることも可能だというふうに考えております。
 また、例えば新しい住宅でございますけれども、こういったものをつくるときにも、しっかりとした構造の骨組みをつくった上で、内装あるいは設備などについては、住まい方や家族の構成などに応じてうまく取りかえられる、更新できるような、そういう考え方、スケルトンインフィルというふうな考え方など、そういったことを推進することによって住宅の耐用年数を延ばしていくことができるのではないか、こんなふうに考えております。

○立石委員 余り議論がかみ合っていないんですけどね。全然かみ合っていないんです。
 要は、皆さんは専門家ですから、つくりかえるとか新築し直すということがいかに不経済であるかということを--もちろん環境負荷という問題はありますね。けれども、そこら辺を十分配慮されて、この素案の中に再度盛り込んでいただきたいなと。しかも、適宜適切といういい方ではなくて、日本人の精神というかな、今はやりの品格といいますか、そういう意味でも木造住宅のすばらしさをもう一度皆さんが再認識して、多摩産材五万トンですか、森林の維持のために五万トン使わなきゃいけないと。目標では三万トンということを書いてありますけれども、目標が、そこら辺がそもそも間違った考え方ではないかと。
 例えば、私も、この間も話したけれども、スウェーデンへ行って、八階建ての木造、本当に純粋の木造ですよ。木造住宅で、もちろん、スプリンクラーとか耐火構造に対する対策は練っています。そういう意味でも非常に木造を大事にしていますね。
 ですから、この国の文化とか品性とか、そういうものに非常に--必ずしも鉄筋ではないと。鉄筋なんて、それこそ短いでしょう。鉄筋というのは、要するにコンクリートなんて、酸化してしまえばおしまいなわけですから。そういう意味では、非常に和の、しかももう一度見直して、そこら辺の建築史的な、文化史的な和の文化を大事にするということをひとつ要望しておきたいと思います。素案の中に、機会があるときに入れてほしいなということ、これは要望しておきます。それ以上いっても議論になりませんけれども。
 次に、このマスタープランで都民がどれほど幸せになるのか、都民の幸福度、所得と幸福度というものを見たいと思うんですよ。
 例えば、この間、東村山の実証実験住宅を見に行きましたけれども、これも非常に私も感動して、スケルトンインフィル、何かわからない言葉だけど、スケルトンはわかりますけれども、スケルトンインフィルとかなんとかということで、大きな親柱が四本あって、間仕切りをかえても壊さないで済むよという説明を受けて、ああ、なるほどな、こういう住宅をつくればいいな、これはすごくいいことだなと思うし、多摩産材を使われたということで、やっぱりその土地に近い、根をおろした製品を使うということは非常にすばらしいことだし、経済的な意味ばかりじゃなくて、大切なことだと思いました。
 しかし、それはそれとして、先ほども出ていましたが、南青山の、今度は青山スクエアというんですか、新しく変わった青山スクエアだとか、勝どきにできる、いわゆる民間の手法を入れて、民間活力を利用して都営住宅を再生していこうということでございますが、もちろん基本的に大賛成です。
 しかしながら、この中でコミュニティマネジメントということを、ここにも書いてありますけれども、非常に私は注目しております。それはなぜかというと、かつて住宅に困窮して絶対数が足りなかった時代に、ぼんぼん団地を建てましたね。当時、住宅公団その他が、新婚さんいらっしゃいで若い人たちがたくさん入ったと。同じように、定年していけば、当然皆さん高齢化していくわけですから、空き家が出てきたという社会現象が起きている。
 そういう意味で、また昔のように、江戸時代に戻るのは戻り過ぎですけれども、戦前のよき日本の地域社会、コミュニティですね、こういったものが温存できたのは、俗にいう障子、縁側の発想ですね。こういった発想が、今度の勝どきだとか南青山の青山スクエアで、どんなような手法で業者というかグループというんですか、PFIのグループを選択してきたか。
 これがいやしくも、私には経済至上主義でとっていないかと。経済至上主義でとったら、それは都民の財産を間違った方向で使ったと私はいっていいと思うんです。つまり、高過ぎる民間住宅をつくって、それで東京都は財産収入が入る、大いに結構だといっただけでは解決しないと思うんですよ。それはやっぱり、アフォーダブルに対して矛盾があると思いますね。
 しかし、都営住宅を使用継承ということを考えたときに、いろいろな広範囲の配慮すべき時点があると私は思っておりますので、ここら辺もしっかり、皆さんがお決めになった方法に誤りがないか再点検する必要もあるだろうというような気がいたします。特に、現役時代は収入が多いですよね。そして、数年後に、八月以降に所得が減ることがわかっているような場合に、やっぱりそれはちょっとかわいそうだな、矛盾があるなというふうに思います。これは別に質問はいたしませんけれども、思います。
 そういった点で、高過ぎる家賃によって東京都の都有地を財産収入として上げるのはいかがなものか。さりと同じように、安過ぎて何代にわたって継承していくのも、やっぱり問題があるんじゃないか。広く大勢の困った方に機会均等に与えるべきであるということもわかりますよね。
 そういう意味からも、審査の方法、どういうふうに決定をされてきたのか。これからもいろんな場面で出てくるだろう、この十年のマスタープランの中でもね。このことについてちょっと質問したいと思いますので、お答えいただきたいと思います。

○清水参事 勝どきのプロジェクトにつきましてですけれども、これにつきましては審査委員会を設けまして、その中でプロポーザルという形で、プロジェクトにおきましては、子育て支援の住宅をどういうふうに供給するか、平米当たり二千四百円と。あの辺でいきますと大体三千数百円ということで、およそ七割程度で供給できるようなアフォーダブルな住宅をつくるというような条件と、それから子育て支援施設、幼保の一体となった施設、こういったものを一緒に導入するというような、そういったような提案を出していただきまして、そういう中で選定してきたと。
 当然ながら、先ほど立石委員の方からございました、都としてもうけるんじゃないかという話がありますけれども、やはり一定の貴重な都有財産でございますので、それも審査の一つの要素という形で総合的に選定してきたということでございます。

○立石委員 今、参事お答えのように、必ずしも経済至上主義でないことはわかります。しかし、やっぱり都民の大切な財産ですから、しかも住宅の安定供給、しかも耐震、耐火、しかも新しい時代に合うコミュニティマネジメントをしっかりした形でいく、一種の見本的な、サンプル的な実験的形での、これからたくさん行われていくと思うんですよね。そういう中で、いやしくも経済至上主義になっては、いうまでもなくナンセンスだということをいいたかったのと、コミュニティマネジメントについてもう少し--もちろん行政が関与すべきことではありませんけれども、今いうように、昔の障子、縁側、ごほんとせきをすれば、お隣のおばあちゃんはぐあいが悪いんだなとわかりますよね。あるいは、縁側で小さな子どもが泣き叫んでいれば、どうしたんだろうと通りがかりの人はわかるだろう。しかし、今は、マンションの暮らしであれば、ぴしゃっとかぎがかかってしまえば、完全にそういう状況ではなくなっている。
 もちろん、もとへ戻れということはあり得ないわけですから、だからして、皆さんが考えるコミュニティマネジメントをどういうふうに考えておられるのかなという質問をしたいと思うんです。

○瀬良住宅政策担当部長 コミュニティマネジメントについてのお尋ねでございます。
 景観づくり、あるいはごみ出しのルール、防犯活動など、地域のコミュニティにおける住宅のマネジメント活動は、将来世代に引き継がれる質の高い住環境づくりとともに、地域の住民の交流のためにも非常に大切なことだというふうに認識しております。
 そこで、先ほど委員からもご指摘がございました東村山のプロジェクトにおきましては、街並みの維持や管理のためのルールなどを定めるとともに、居住者などによる管理運営組織を設立するなどの取り組みを予定しております。
 住宅マスタープランの素案におきましては、こうした取り組みや成果を適切に都民などに情報提供していくとともに、さまざまな地域で行われているマネジメント活動の先駆的な事例について、市町村と連携し調査研究を行っていくこととしております。
 また、キッズルームなど住民の交流の場を設けたマンションなどの供給、あるいはそうしたマンションを支援するような区市町村も出てきておりまして、都では、こうした先駆的な取り組みの情報提供あるいは地域住宅交付金の活用などを進めてまいりたいというふうに考えております。

○立石委員 ごみ出しとかコミュニティマネジメント、ごみ出しも確かにヒューマンリレーションですね。それはそうです。昔の縁側と同じ役割を果たしていると思いますけれども、昨今の我々の周りで見るマンションの管理というと、ほとんど管理会社に、ごみ出しも、そこへ置いておけば持っていってくれるような仕組みになっていて、それこそコミュニケーションなんか非常にないと思うんですね。しかし、東村山でそういう実証実験をされているということはいいことだなと思います。
 地域住宅交付金でしたか、これを活用して大いに促進していきたいということでありますから、例えば容積を誘導するとか、そういう点も、マスタープランの素案の段階ですので、ひとつ積極的に、太字、ゴシック体になるような感じでコミュニケーションしていかないと--もちろん、行政がマネジメントやコミュニティに直接関与するということでは、私のいっている意味は違いまして、そうではないけれども、例えば集会室だとかそういうものをつくれば、従来どおり販売価格に転換しないでも済むような、余裕を持たせるというまちづくりをしていかないといけないんじゃないか。
 昔、少しミネソタ州に行ったときに、いわゆるスラムクリアランスのまちづくりで、一階に保育園があって、真ん中に、小さいおうちにそれぞれ洗濯室を設ける必要はない、大きなランドリーを、ぼんと中層階なり高層階に置いて、そこに皆さんが集まってくる。一種の誘導策ですね。コミュニティの誘導策的にそういうものをつくられている。こういうことも、これからの十年ということでぜひやってほしいなと思います。
 町会とか自治会で、本当に都市の生活というのは、二十四時間、みんなそれぞれ土日もなしにいろいろなローテーションで働いておられると思うので、もちろんご夫婦も共稼ぎといいますか、働くのが当たり前の時代ですから、なかなかリタイアした人以外はお住まいになっておられませんから、そういう意味では非常にコミュニティはとりにくい。それは大都会のどこでもそうですね。ならばこそ、余計、先進都市東京として、成熟都市東京として、この十年で、積極的に地域住宅交付金ですか、これらを利用して誘導してほしいなと要望して、質問を終わりたいと思います。よろしくお願いします。

○柿沢委員 引き続き、東京都住宅マスタープランについて質疑をさせていただきたいと思います。
 まず、私ごとの私的な回想から始めたいんですけれども、私は十四歳から十五歳までの間、アメリカのシアトルの郊外のベルビューというところにホームステイをさせていただいて、アメリカの家庭で一年間暮らしたことがあります。現地のミドルスクール、中学に行っていたんですけれども、帰国後、我が家に帰ってきた。我が家は、江東区の深川にあります古い木造の一戸建てなんですけれども、帰ってきて、たったの一年ですけれども、自分のもともと住んでいた東京の深川の家が物すごく狭いということを感じるようになって、天井が低い、そして、採光が悪いのか室内が暗い、冬になってみると大変寒い、こういう経験をして、アメリカと東京との住宅の彼我の差というものを痛感しました。
 それ以来、住宅の質というものについての、日本というか、大都市東京における貧弱さというものを何とか変えていく方策はないかというようなことを考えるようになった。私自身も中学生、高校生のころですから、二十年も前の話になりますので、当時と今を比べると、東京の住宅の質も向上はしていると思うんですけれども、そんな思いを持ったことを覚えております。
 そうした回想をしながらこの住宅マスタープランを見ますと、明確に東京における住宅の量的拡大から質的向上に転換をしていくということが明記をされている。住宅のストックの質を高め、これを社会全体で有効に活用していくことが、今後の成熟した都市における住まいのもう一つの重要な条件であるということが六ページに書いてあります。こうした状況を考慮すれば、短期間でスクラップ・アンド・ビルドを繰り返すのではなく、新築時に良質で長期使用が可能な住宅を建設し、リフォームを適切に行って、中古住宅としても円滑に流通するようにするなど、社会全体で長期にわたって住み継いでいくことが重要、こういうことが書かれているわけで、そういう意味では、住宅ストックの質的向上、極めてこれから重要な課題だと思いますので、この方向性については賛意を示したいと思います。
 このマスタープランには、そういう観点からいろいろなことが書いてあるんですけれども、私は基本的に、この中で書いてあることを実現する上で最も大事なポイントはどこかということを考えると、やはり住宅の長寿命化を実現していくということなのではないかというふうに思っておりまして、その観点から少し質問させていただきたいと思います。
 今までの日本では、住宅といいますと、家というのは大体三十年ぐらいで耐用年数が切れて建てかえをせざるを得ないというのが、少なくとも近代日本における常識になってしまっていたのではないかと思います。結果的に、そういう形で建てかえを余儀なくされている住宅も非常に多い。その、住宅は三十年しかもたないという常識を変えていくことが何よりも必要なのではないかと思っております。
 よくこういうことを話すときにひもとかれる平成八年の建設白書の数字がありますけれども、イギリスは七十五年、アメリカは四十四年で建てかえを迎える一方で、日本の住宅は二十六年で建てかえを平均的に迎えているとか、あるいは住宅の平均寿命を見ると、イギリスは百四十一年、アメリカは百三年、日本は三十年というデータがここでひもとかれていて、まさにこれまでの日本の住宅というのは、少なくとも近代は、スクラップ・アンド・ビルドの繰り返しがある種の常識となって、前提となって建てられてきたということだと思います。これを変える、住宅を欧米並みといいましょうか、百年もつ住宅をつくるということが、実はマスタープランに掲げられた多くの政策目標を解決することになるのではないかと思っています。
 長寿命化はもとより、さらに長寿命化を達成するためには、例えばスペックにおいても、環境に優しく、居住環境がいいということが必要になってくるでしょうし、一定の広さが確保されなければいけないということにもなってきます。また、安全・安心の面でいえば、耐震性がしっかりしていなければ、やはり百年住み続ける、百年しっかり建ち続けるということはできないということにもなります。
 一方で、三十年というと、ちょうど人間のライフサイクルに当たりますので、百年もつ住宅をつくるということは、三十年たったときにその住宅をどうするかということにもつながっていく。中古住宅の流通市場の問題が、ここには非常に大きくポイントとして書かれていますけれども、やはり百年もってこそ、一世代が住み終えた住宅をまた市場に出していって、次の世代、新しい入居をする方が生まれる、あるいは息子さんの代で住むということができるんだと思いますので、ある意味では、この住宅マスタープランに書かれた多くのことが、百年もつ住宅をつくるということによって、その目標を掲げることによって達成できるのではないかというふうに思っております。
 その観点から、まずご質問をさせていただきますけれども、東京都は長寿命の住宅を実現するためにどのような施策を講じていくつもりなのか、お聞きします。

○瀬良住宅政策担当部長 長寿命住宅の実現に関するお尋ねでございますが、長寿命住宅の実現のためには、良質な住宅を建設し、そしてそれを適切に維持管理して、そして、さらにそれを円滑に流通させていくということが重要であると考えております。
 現在実施中の東村山本町地区プロジェクトにおける実証実験におきましては、低廉な価格でありながら、良質で、また広さを確保して、そしてまた長期使用が可能な戸建て住宅の建設を実現することができました。
 今後、この成果を生かして、長寿命住宅のメリットや技術的ノウハウにつきまして、都民や、そしてまた住宅供給事業者への情報提供を行っていくとともに、消費者がこういった長寿命の住宅を適切に選択することができるように住宅性能表示制度の普及を図ってまいりたいと考えております。

○柿沢委員 今、お話の中で東村山の実証実験のお話が出てきました。私もこの間、むさしのiタウンのまち開きというんでしょうか、その式典及び内覧会というか、そちらにお邪魔をさせていただいて、主に福島技監からいろいろご説明をいただいたんですけれども、その中で、やはりいろいろなテーマ性を持った実証実験住宅、基本的には三割安いということを一つの共通した利点としてうたっているものであるわけですけれども、その一方で、さまざまな個性というか、売りというか、そうしたものをうたった住宅がそれぞれ建設をされて、その中で百年健康住宅というテーマの住宅がありまして、そちらも拝見をさせていただいたんです。高気密、高断熱の住宅を実現し、それによって家は百年長もちをする、そこに住んでいる人は健康を保つことができる、それで百年健康住宅というんだと思いますけれども、そうしたテーマのものがありました。
 あの日は暖かい日だったので、高気密、高断熱といっても、そもそも晴れていたから、中はどの家へ入っても暖かかったんですけれども、説明をしていただいた開発者の代表の方によると、曇った日でも雨の日でも、あるいは雪の日でも、ほとんど暖房は--家の中全部を暖めるために、エアコン一基ぐらいで十分というような話がありました。恐らく、普通の日だったら暖房をつけなくても大丈夫だろうということをおっしゃっていました。
 一方で、もう一つ力を入れてお話しされていたのは、断熱性能の向上によって、例えば壁面における結露などを防止することができるということで、カビの発生とか、あるいはダニの発生というものが防がれるということで、室内の空気が非常に清浄化されるということで、この家に住んでいると病気にならなくて済むというようなことを売りとしてお話をされておりました。どこまでそれがいえるのかわかりませんけれども、少なくとも、そうしたことを売りにできるぐらいの、ある種のメリットが出ているんだろうというふうには思います。
 そうした意味で、高気密、高断熱の住まいというものを実現していくことが建物の躯体を守ると同時に、また、気密性が高いということは冷暖房の効率も上がりますので、省エネにもつながる。そして、先ほど業者の方がいったように、室内の空気の環境がよくなるということであれば、結果的にそこに住む人の、健康で、長寿までいえるかどうかわかりませんけれども、そうした暮らしにもつながっていくんだろうと思います。
 これについては、平成十六年の私の一般質問で、外断熱工法の話をさせていただいたことがあります。建物の躯体をすっぽり外側から断熱材で覆う工法でありまして、躯体と室内の温度が同調していくことによって、例えば建物の結露による躯体の劣化を防ぎ、建物の長寿命化につながっていく。あるいは、先ほど申し上げたような省エネや、あるいは住む人の健康にもつながっていくということで、最近、この外断熱を売り物にしたマンションが山のようにふえてきて、都内では、施工の問題があって、ちょっとお高い値段であるにもかかわらず、外断熱マンションというのを売り物にしたマンションが大変にふえているという状況になっていまして、そういう意味では、よりよい住まいを求める人たちの選好といいますか、こういう家に住みたいという思いに、この外断熱マンションの一つの特性というのが合致をしているのかなというふうにも思います。
 また同時に、先ほど来るる申し上げている、このマスタープランに書かれている方向性、そしてその実現ということを考えても、この外断熱住宅を広め、ふやし、そこに住む人をふやしていくことが都内における住宅の質の向上、そこに住む人の生活の質の向上にもつながっていくと思いますけれども、この外断熱工法というものを、これからの東京の住宅における一つの標準というふうに考えていくということはどうでしょうか。

○瀬良住宅政策担当部長 外断熱工法についてのお尋ねでございます。
 住宅の断熱化は、省エネルギー性能を高めて、そして環境負荷の少ない住まいづくりを進めていく上で非常に大切なことでございます。
 その一つの方法でございます外断熱工法でございますけれども、これは、断熱材を躯体の屋内側に施工する、そういった内断熱の工法に比べまして、建物の躯体の外側を断熱材で覆うということで、躯体の劣化が進みにくいというふうにされておりますけれども、また一方で、施工がちょっと複雑になって、コスト面などに課題があるというふうにもされております。
 また、省エネルギーの面につきましては、冷暖房の終了後も効果が継続しやすいという特徴を持っております。半面、今度、開始時には冷暖房の効果が上がるまでに時間がかかるという側面も持っておりまして、いずれにしましても、こういった外断熱工法の適用につきましては、地域の特性、それから住まい方、それから個々の建物の設計条件、そういったものによって判断されるものだというふうに考えております。

○柿沢委員 施工が複雑だとかコストの面で課題があるというお話で、実際に、確かに施工の面で難しい点があって、断熱材を外に張るわけですから、それが剥落してきて、結果的に躯体がむき出しになっちゃうとか、そういうことも、施工ミスというか、施工不良の場合は起きるというふうにも聞いてはおります。
 ただ、先ほどご答弁でもありましたとおり、躯体を守り、またそういう意味では、室内の冷暖房の、長もちするという意味での効率を上げるという意味では一つのメリットもあることだと思いますので、工法の観点やあるいはコストの面、こうしたことの課題をどうやったらクリアできるのかというような観点でぜひ研究を進めていただきたいというふうにも思いますし、民間の、特にマンション等の中では、こうした外断熱の工法を取り入れたものが大変多く出ておりますので、そうした、ある意味では現場における知見というんですか、そうしたものもぜひ参考にしていただければというふうに思います。
 東村山の実証実験住宅、ほかにもいろいろと何軒か回らせていただいて、坪三十七万という驚くべき価格で建設されたという住宅も拝見をさせていただきました。また、多摩産材がふんだんに活用されていて、木のぬくもりと香りがするような住宅、そうしたものが、それぞれ通常の単価より三割安く仕上がっているというのを見て、ああ、こういう工夫があるんだなということをいろいろ感じさせていただいて、私は江東区だからすごく遠かったんですけど、車で一時間半ぐらいかけて行って、行ってよかったなと、しみじみ思いました。
 そういう意味で、この実証実験、コストの面からいっても、あるいはいろいろな工法あるいは家のあり方というのを都民に示していく上で、非常に大きな効果があるものだと思うんですけれども、この実証実験で得られた知見というのは、皆さんとしてどのように施策に生かしていこうというふうに考えておられるのか、お伺いします。

○瀬良住宅政策担当部長 実証実験に関するお尋ねでございます。
 実証実験では、戸建て住宅における生産の合理化のほか、ご指摘いただきましたようなさまざまな取り組みをしております。例えば、設備の交換や間取りの変更が非常にしやすい、先ほど来もちょっと話題になっておりましたが、スケルトンインフィルといったことを進めていくようなこと、あるいは太陽光を活用して省エネルギーを進めていくなど、良質で長期使用が可能な住宅を実現するためのさまざまな設計上の工夫がございました。そういったノウハウが、この実証実験を通して得られる見込みになっております。
 こういったノウハウにつきまして、講習会などを通じまして、広く工務店などへの普及を図ってまいりたいと考えております。

○柿沢委員 ご答弁いただきました。
 ただ、あそこの実証実験住宅というのは一軒家ですね。私は、やっぱり二十三区に住んでいると、今の住宅マスタープランといった場合の住宅というもののイメージが、どちらかというとマンションなんですよね。今や、まさに都心の大都市の暮らしの中心をなしているのがマンションを初めとした集合住宅だと思いますので、ある意味では、一戸建ての住宅における、安価で、またさまざまな工夫のなされた、そして長寿命の住宅の実験としては、その知見はいろいろ生かせるんだというふうに思いますけれども、一方で、同じ視点を持って、都内の住宅戸数の多くを占めるマンション等集合住宅についても、同じような方向性を持って品質確保に努めていく、品質の向上に努めていくということが大事だと思いますけれども、その点についてはどのようにお考えでしょうか。

○瀬良住宅政策担当部長 集合住宅に関するお尋ねでございます。
 戸建て住宅に比べまして、集合住宅は一般的に長寿命でございます。また、消費者に住宅の性能をお伝えする住宅性能表示制度の実施率も既に高くなっておりますけれども、概して建物の規模が大きい集合住宅、そしてまた地域の住環境などに与える影響も非常に大きい、そういったことから、集合住宅につきましても、さらなる長寿命化や品質の向上を促進する必要があると考えておりまして、住宅性能表示制度の一層の普及促進、そしてまた、都独自に進めておりますマンション環境性能表示制度の拡充などを行ってまいりたいと考えております。

○柿沢委員 いろいろお伺いをしてまいりました。
 このマスタープランに書かれた方向性というのは、非常に大事なことがいろいろ書かれている。それぞれ方向性は、全く私も同意するものだと思いますけれども、ある意味では、マスタープランという性格上、非常に網羅的、体系的に、はっきりいえばいろんなことをいっているせいで、何となく私は、都民に向けたメッセージとしては、何を目指していくのかということがはっきり見えないものになってしまっているのではないかというふうに思います。
 そういう意味で、一戸建てであるか、マンション等集合住宅であるかはともかくとして、一つの政策目標を掲げて、私は、百年もつ住宅を東京において標準としていくんだという方向性をもっと明確に打ち出して、それにつながるようにさまざまな個別の政策目標というのを編み直していくことがいいのではないかというふうに思っていますけれども、そうした形で、東京都が住宅政策において何を目指していくのかということを、もっともっと明確に都民へのメッセージとして打ち出していってもらいたいというふうに思います。
 また同時に、公共住宅、都営住宅等に関する記述がありますけれども、先ほど、外断熱工法を採用するとコストが高いというような話がありました。住宅の品質を向上しようということになると、必ずそのコストの問題に突き当たる。それをどれだけ安価に提供できるかということで、一戸建てにおいて実証実験をやったりしているわけですけれども、しかしながら、どこまでそれを追求したとしても、それは、質の低いものよりは質の高いものを供給しようとすればコストが上がってしまうというのが、もちろん当然の帰結になると思います。
 そうした状況の中で、ある意味で、かなり高い理想像というものを住宅の質的な部分について掲げておられますけれども、これ、例えば都営住宅等の公共住宅において、特に都営住宅においてどういうふうに反映されていくのか。
 都営住宅は、もちろん基本的に住宅に困った人のセーフティーネットみたいな役割を持ってはいるわけですけれども、その最低というか、一番フェアな水準が上がることによって全体の底上げにもつながるというふうにも思いますし、住宅の品質の向上ということがうたわれているこのマスタープランの目標というのが、例えば都営住宅において、これから建てかえ、リフォームがどんどんどんどん進められていくと思いますけれども、どのぐらい反映されていくのかということをちょっとお伺いしたいと思います。

○村尾企画・技術担当部長 都営住宅の品質向上についてでございますが、都営住宅の供給に当たりましては、セーフティーネットとしての性格を持つ住宅であることから、費用対効果を考慮しつつ、耐震化、バリアフリー化など品質の確保に取り組んでいくべきと考えております。
 例えば長期の耐久化などにつきましては、コンクリートでいいますと、公共住宅は七十年以上の耐久性を持つべきということがございまして、私どもとしましては、そうした要求水準をクリアできるように対応していきたいというふうに考えております。

○柿沢委員 今ご答弁いただいたとおり、確かにセーフティーネットとしての性格と、また質的な向上という目標と、ある種、調和をさせつつ進めていかなければいけないとは思いますけれども、こういったものを誘導していく上では、最低水準というのをどこに置くかということが非常にやっぱり大事だと思いますので、望ましい理想像というものを一つ提示することも大事ですけれども、ある意味では、そこに促していく上で必要最低水準のかさ上げというか、そういったことも必要になってくるのではないか。そのために一番皆さんがやれることというと、都営住宅の居住の品質を向上することじゃないかなというふうに思いましたので、そうしたことを申し上げさせていただいたわけです。
 いずれにしても、やはりマスタープランも都民へのメッセージだと思いますので、そういう意味で、ここに書いてある方向性は賛意を示す一方で、もう少し住宅政策について、都民にもっと心に届くというか、明確なメッセージ性のある言葉を発していただくことも大事なんじゃないかと。それはやはり、この東京にこれからも住み続ける私たちの世代や次の世代にも、ある種の夢と希望を与えることにもつながるのではないかというふうに思いますので、ぜひその点、もう少し一工夫していただいて取り組んでいただきますようにご要望を申し上げて、私からの質問を終わらせていただきます。

○植木委員 私は、建築物の耐震改修促進計画について質問したいというふうに思っています。
 今回、国の建築物の耐震改修の促進に関する法律で、全国的に九〇%に引き上げる、こういうことで都道府県としても策定が義務づけられてきたものだというふうに思います。特に、首都東京での直下地震について発生の切迫性が指摘されている中で、また阪神・淡路の経験でも、建物の倒壊による、全体の中での死傷者の割合が非常に大きく占めている、九割を占めている、こういった点で、この改修計画に対する都民の期待も非常に高いというふうに思います。
 そこで、特に倒壊被害や火災の発生する危険度などからいっても、木造住宅における倒壊の死者、これは阪神の経験では約八割にも及んでいるというふうにいわれていますので、大変重要だというふうに思って、この問題から質問をしていきたいというふうに思っています。
 素案にあります住宅の耐震化の現状と耐震化率の目標の設定、この関係から見ても、住宅対策に量的にも質的にも重要視しなきゃならないのが木造住宅の分野だというふうに思います。達成化率は九〇%にするわけですが、出発点の方は、木造の方が住宅全体の平均より一〇ポイント低い、非木造の方が約一〇ポイント高い。それから、木造の方が耐震不足といえる住宅の絶対量が多い。こういうことで、この表によりますと約五十六万戸になっているわけです。
 そうしますと、これを九〇%の到達点にまで持っていくには、約四十万戸がこの十年間、何らかの形で、個人あるいは都や区市の援助を受けたりということで耐震化が図られなければならない。もちろん耐震補強ですから、建てかえというふうにすぐにいくわけではないですけれども、住宅を長もちさせるということも含めてやっていく必要があると思うんです。
 それで、特に都が重点事業に木密地域を挙げておりますので、この木造密集地域全体の戸数、それから耐震改修が満たされていないと思われる対象住宅がどのくらいなのか、そのうち自然改修が見込まれる戸数というのはどのぐらいなのか。
 それから、そのうち、整備地域といわれる今回の対象になっているところですね、そこでの総戸数、それから耐震改修が必要といわれている対象住宅、それから自然改修が見込まれる住宅戸数、これについてお示し願いたいというふうに思います。

○金子市街地建築部長 木造住宅密集地域の木造住宅の総戸数でございますけれども、約百十一万戸と見込んでおります。このうち、耐震性を満たしていないということで昭和五十六年以前というふうにとらえますと、昭和五十六年以前の木造住宅数につきましては四十五万四千戸と見込んでおります。それから、自然更新についてですけれども、住宅全体の自然更新率から推定しますと、このうち自然更新で更新できるのは約九万戸というふうに見込んでおります。
 それから、整備地域でございますが、同様に、整備地域の中の木造住宅の総戸数は約三十三万戸と見込んでおります。このうち、昭和五十六年以前の木造住宅につきましては十四万七千戸、このうち自然更新されるものとしては三万戸を見込んでおります。

○植木委員 そうしますと、東京都が木造密集地域の整備地域への診断、それから改修助成を行っていますけれども、診断戸数の目標は五万戸と設定されていて、改修の補助の方は二万二千戸と設定されています。
 これは、今の出された戸数との関係で、どういう根拠でこの目標が立てられたのか。これはたしか五年間だったのでしょうか、十年間ですか。そこをちょっと、根拠と、念のため、制度の内容についてお示し願いたいと思います。

○金子市街地建築部長 お話の数字でございますけれども、これは助成制度を開始するに当たりまして、そのときの試算でございますが、当時は棟数で試算をしておりまして、整備地域には十一万棟ございますが、そのうち補助制度で促進できる住宅を、ほぼ五割だろうと見込んでおります。で、五万棟というふうに設定しております。
 このうち、耐震性を満たしておらず、道路閉塞を起こすおそれのあるものを四五%と見込みまして、二万二千棟というような形になっているところでございます。

○植木委員 棟数が十一万棟、それから五十六年以前のが四五%、そういうことですよね、今のお話ですと。ちょっと私、メモをしながらだったので、頭の中がちゃんと聞いていなかった面もあるんですけれども、そこをもう一度お願いします。済みません。

○金子市街地建築部長 整備地域の棟数が約十一万棟でございまして、そのうちの半分が助成制度で促進できるだろうと見込んでおります。で、約五万棟ということでございます。このうち、耐震性を満たしていなくて、かつ道路閉塞を起こすおそれのあるものを四五%と見込んで二万二千棟という数字が出てきております。

○植木委員 そうしますと、十一万のうち五万棟を都が助成制度を行うというんですが、先ほどのお話では、整備地域は自然更新は約三万戸、こういうふうにいっておられるんですよね。これは、三万戸が、棟数で、先ほどのあれでいくと約三分の一になると見ると一万棟。大分差があるんですよね。そうなりますと、当然、改修の方も差が出てくるという計算でこの目標を立てたわけですね。

○金子市街地建築部長 補助制度につきましては、すべての木造住宅ということではなくて、倒壊によって道路閉塞を起こすおそれのあるものという条件がつきますので、若干数字が変わってくると思います。

○植木委員 道路閉塞も含めれば実現可能だという趣旨なんだろうと思うんですけれども、なかなか現実はそうはいかない面が私はあるんじゃないかなというふうに思っているんですよね。
 なかなかこういう資料というのは一般に出ていないものですから、中野区でちょっと聞いてきたんですけれども、整備地域内の棟数等を聞きましたら--これは棟数でした。平成十三年度の資料で出発したということですので、ちょっと資料は古いんですけれども、整備地域だけで一万四千六百八十二棟、そのうち五十六年以前の棟数が八千八十六棟、半分強ですね。そういう中で、改修の方はまだ実際に始まったばかりで、約五十から七十ぐらいだという話なんですが、自然、つまりみずから建てかえた方々が年間約二百件、この三年間で六百十九件だというふうにいわれておりました。
 これは個人だけじゃなくて、会社として住宅をつくっているのも含めてのお話だそうですが、そうしますと、実際はもっと違うのかもしれませんけれども、単純計算でいくと、年間二百棟で、約八千、耐震診断をやっていくだけで約四十年かかるんですね、四十年。それに、改修が三年間で約五十から七十前後ということだそうですので、それを加えても三十数年かかっちゃうんですよね。これは一つの例ですけれども、なかなか客観的な資料が余りないものですから、中野の例で出したんですけれども、三十年から四十年、スパンがかかると。
 そうしますと、皆さんの数字はそれなりの計画で出されたんでしょうけれども、実現性という問題でどうなのかというのが、ひとつよく考えなければいけないというふうに思うんですね。それが一つ。
 それから、先ほどは整備地域と住宅密集地域と両方いっていただきましたが、密集地域全体でいきますと百十一万戸ということで、五十六年以前が約四十五万戸。これを先ほどの棟数で大体三分の一ぐらいで計算しているようですから、密集地域の棟数が約三十数万から四十万に近い、それから、そのうち五十六年以前ものが十五、六万から二十万ぐらいの、その辺正確にはわかりませんけれども、あると。この整備地域だけでも、延々となかなか時間がかかる。
 やはり面的にもうちょっと角度を広げていかないと、全体としての耐震化というのは本当に進まない可能性が私はその中にあると思うんですね。それで対象を広げるべきじゃないかと。つまり、十年間でやろうというわけですから、整備地域だけに限定しないで、密集地域全体に網を広げていく。財源的にも、僕、もっと大きな財源かと思ったら、この整備地域だけだと国が出しますから、あと区市町村も出しますから、そんなに大きな額じゃないんですよね。全体の、都市整備局のあれからすればですけれども。
 そういう意味で、対象を広げるべきだというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

○金子市街地建築部長 都の助成制度でございますけれども、都内にある木造住宅密集地域の中でも、危険度が高く、震災時に甚大な被害が想定されます整備地域を対象としておるわけでございます。まずはこうした地域を重点的に取り組むことが防災対策上重要であるというふうに考えております。

○植木委員 だから、今回の制度は、私は非常にいいものだと思っているんですよ。とにかく、そういうところは重点的に早くやるということは大事なんです。問題は、十カ年計画を立てるときに、都の姿勢がそれでいいのかということなんですよね。
 それじゃ、もうちょっといいますと、これも中野区の例ですけれども、中野区はこの間、一戸一戸を訪ねて、約四万軒訪ねて、耐震診断、耐震改修をやるようにとやったんですね。なかなか努力されているんです。それで、簡易耐震診断をやられた方が千百二十九、そのうち一未満の人が千十一。これは昨年の十二月二十八日現在ですけれども、千十一軒の方が一未満だよといわれて、それで一般耐震診断をやったんですね。そうしましたら、実際に耐震診断の申し込みをされたのが六百三十四、六割です。なかなか奮闘していると思うんですよね。で、最終的に報告書まで受理、受けたのが四百八十八。
 だから、この差はまだこれからなんでしょうけれども、いずれにしても、そういうことで千十一軒の方々が一未満だよとされて、それで、この一般診断が耐震改修の計画まで援助しているんですよね。そうすると、それに基づいて耐震改修をやると。で、耐震改修を実施したのが、去年の十二月二十八日段階で七十八戸なんですね。直近でお聞きしましたら、百ぐらいに今はなりましたといっておられましたけれども、それにしても、ようやく百戸ですよ。恐らく、都内でもよく頑張っている方だというふうに私は思うんですね。
 ただ、いろいろ問題が出てきていると。先ほど、耐震改修の制度を持っていない区に、残りがなりそうだというお話があったんだけれども、これは何なのかというと、耐震計画を立てた、しかしこれは設計じゃないから助成の対象じゃないよと、こういうふうに区の方ではいわれているんですね。都がそういう指導をしたんでしょう。
 そうなりますと、せっかく耐震計画を立てて改修につながったのが、先ほどいったように七十八件--これには若干建てかえも入っているようですけどね--になってきているのに、補助の対象になっていないと。これはどうなんでしょう。補助の対象にならないんですか。やっぱりきちっと補助の対象にできるんじゃないんですか。違うんでしょうか。

○金子市街地建築部長 都の耐震改修の助成制度を利用していただくためには、区の方でその制度を用意していただかねばならないということになってございまして、先ほどもちょっとお話がございましたが、中野区は改修にかかわる制度をお持ちでないということでございますので、私どもとしては、ぜひ都の制度を使えるような形にしていただければというふうに考えております。

○植木委員 つまり、改修計画ではだめだと。区の方のお話では、設計というふうにきちっとならないとだめだと、こういうふうにいわれているんですね。だから、制度をつくるということは、設計、改修ということをきちっと入れれば、多分、皆さんは助成の対象にする、こういうことになるんだろうと思うんですけれども、そういうことですよね。つまり、設計、改修というのをきちっと位置づければ、制度として使えるということになるわけですね。

○金子市街地建築部長 都の方で改修について対象としておりますのは、いわゆる工事費でございますので、工事費に対する補助制度を区の方で持っていただければ、こちらの都の制度も使えるということになろうかと思います。

○植木委員 区の方も、そういう点では準備をされているとはお聞きしましたけれども、念のため、そこを確認させていただきました。
 いずれにしても、これだけ、四万世帯を回って、そして千十一戸が一未満ということで簡易診断を受けて、そして一般診断、改修につながってきていることは事実なんです。制度を受けたかどうか、厳密には今回受けていないんですけれども、いずれにしても七十八件、今日時点では百件になっているんです。
 それにしても、先ほどいったように、三年間で百十件、年に直せば三十件、これから耐震計画が区市町村でも明確にもうちょっと位置づけられたり、東京都も旗振りをやって、もっとふえるでしょうけれども、やっぱりこれじゃ、皆さんがいうように、実際に住宅九〇%というのはなかなかいかないですよ。これだけ努力して、この数ですから。これをもっともっと、PRももちろんやり、それから制度的にも、先ほどいったように対象を広げるというところまで踏み込まなかったら、きょう出された一覧表、中野区はこの一覧表に出ていないんですけれども、中野区のを入れても、とてもいく数じゃないですよ、はっきりいって。
 ですから、少なくとも地域防災計画にある地域危険度四ないし五、五は多分、整備地域が大半が入っているんだと思うんですけれども、そこに広げるとか、あるいは一般住宅でも重要なところについては広げるとか、とにかく対象を広げる考えを持たなかったら、絶対にこれはいかないと。それは、自然に個人個人がやるのと、それから皆さんが援助するのと、区市町村が努力するのと、PRでこれから機運を盛り上げていくこともあるでしょう。しかし、はなからそういう姿勢じゃ、私はだめだと思うんです。ぜひ対象を広げていく検討をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○金子市街地建築部長 実績で無理だというふうにいわれてしまうところでございますけれども、本日の資料の中にもございますが、ことしの一月三十一日現在の実績が三百三十八件ということでございまして、ただ、区市町村からの申請状況等を勘案しますと、大体、年度末で六百件ぐらいの実績が上がるんじゃないかなというふうに見込んでおります。
 平成十八年度は制度開始の初年度でございまして、しかも年度の途中から制度を開始した自治体もございまして、今後、制度の周知と普及啓発によって実績が上がっていくだろうというふうに考えております。
 なお、都の助成制度の対象となります二十区、整備地域のある区でございますけれども、その改修工事の実績を見てみますと、十七年度に対しまして十八年度は大体四倍ぐらいにふえているということがございます。それと、東京ではございませんけれども、静岡県では、制度を開始して三年目で大体十倍近くになっているといったこともありますので、今後、都民に対して制度の周知徹底を図っていきまして、大幅な増加が見込まれるんじゃないかなというふうに思っております。
 それから、対象の拡大につきましては、先ほども申し上げましたけれども、都の助成制度につきましては、木造住宅密集地域の中でも、危険度が高くて、震災時に甚大な被害が想定されます整備地域を対象としておりまして、まずはこうした地域を重点的に取り組んでいくということが防災対策上重要であるというふうに考えております。

○植木委員 静岡の例を出しましたけど、静岡は、一般の住宅でも、専門家による耐震診断で倒壊または破壊の危険があると診断された場合が対象になっているんですよ。だから、テンポが違うんです。
 せっかくこの十カ年計画を立てて、区市町村にもそれを立てさせるというその旗振り役が、そういう認識でどうなんですかと。本当にやる計画なのか、立てた計画、ある程度やって、いかなかったらそれでいいのか、そこの姿勢が問われているんじゃないですか。いかがですか。

○金子市街地建築部長 今回、耐震改修促進計画を策定することとしておりまして、新たな取り組みがスタートということになろうかと思います。そういったことで、現時点では新たな制度の創設というふうなことは特に考えておりませんし、これから促進計画の中でも定期的に検証を行うということにしておりまして、一応、今後の三年間程度の様子を見て、またいろいろ考えていきたいなというふうに考えております。

○植木委員 これは、机上で計算しているようにはなかなかいかないんですよ。実際に各個々人の問題もあるし、それから、先ほど中野の例を紹介しましたけど、制度を徹底して四万軒訪問して、こういう状況です。ほかのところで四万軒以上訪問しているところって、まだないと思うんですよ。
 この時間だけとっているとなくなっちゃうので、マンションの問題。
 マンションの問題ですけれども、これも権利者がたくさんおられますから、なかなか大変だというのは皆さんもご承知のとおりです。
 マンションについては耐震診断事業が始まりました。これもいいたいんですけど、時間もありませんので、耐震補強工事の助成が、現在のリフォームローンの制度を使って改良工事助成、一%の利子補給、都としてはこの事業だけなんですよね。これ、実施して何年たって、何件成果が上がっていますか。

○山室民間住宅施策推進担当部長 マンション改良工事助成制度による耐震改修の助成の実績ですが、制度は平成四年度から開始いたしまして、これまで四件、八百三十八戸の実績でございます。

○植木委員 平成四年からもう十年以上たって、四件ですよ。もちろん区市町村でもいろいろ始まっていますよ。僕は余りほかの区のことは知らないんですけれども、中野区でも、非木造についての助成についてさらに強化するという方向を聞いています。
 しかし、先ほどもいったように、しつこいようですけれども、この計画を立てて実施しようとしている旗振り役の都の姿勢、何にも新しいものがない。そういっちゃ悪いけど、去年、診断助成を始めましたけれども、それは当たり前ですよ。もっと旗振り役として知恵はないのかということですよ。国はいろいろ地域住宅交付金制度だとか、いろいろ活用できる仕組み、あるはずですよ。
 だから、改修、改良助成という今の範囲の枠組みじゃなくて、きちっとした改修助成なり、あるいは区市町村への具体的な支援のメッセージがない、こういうことじゃ、絶対にこれはいかない。最初から姿勢がだめなんだもの。はっきりさせてください。

○山室民間住宅施策推進担当部長 ご答弁申し上げます前に、先ほどの実績ですが、八百七十三戸と訂正させていただきたいと思います。
 マンションの耐震改修の実績が伸びていないということですが、これは、必ずしも私どもは助成制度ということだけでは受けとめておりませんで、今のマンションの管理組合の状況は、昨今の地震等の発生から耐震改修への関心が非常に高まってきているということは認識しておりますが、ご案内のとおり、区分所有者の合意形成が非常に難しいという側面がございまして、まず、耐震診断を実施するかどうかということについていろいろ議論をしている状況ではないかというふうに考えております。
 したがって、私どもとしましては、従来からありますアドバイザーの派遣制度だけではなくて、マンションの管理業団体等と連携して、この制度の助成とか、耐震診断の必要性とか重要性、そういったことを繰り返しPRしてきている、こういう状況でございます。

○植木委員 マンションの管理組合が意識が高まったというのは非常にいいことですよ。最初のころは、積み立てさえないところがいっぱいあって、不動産のチラシにもそれをきちっと記入することから始まって、いろんな指導やパンフレットができたというのは私も知っています。問題は、さっきからいっているように、十カ年計画を立てて、これを具体化しようとしているときのそのテンポが、最初から腰砕けじゃだめだよということをいっているんですよ。
 それで、この問題だけでも重要なんだけれども、時間もありませんので、いわゆる分譲マンション、それから非木造の賃貸マンション、これが五十六年以前のものが大体どのくらいずつあるのか、ほぼ同じぐらいにあると思うんですけれども、それはどうですか。

○山室民間住宅施策推進担当部長 旧耐震のマンションの分譲と賃貸の戸数でございますが、平成十五年の住宅・土地統計調査のデータによりますと、昭和五十五年以前の民間借家、いわゆる賃貸マンション等は二十一万二千戸である一方、持ち家である分譲マンションは二十二万八千戸でございまして、ほぼ同程度にあるかというふうに思っております。

○植木委員 ほぼ同数だと、賃貸マンションも分譲マンションも。五十六年以前というと、賃貸マンション、今は大体大きな賃貸マンションがふえてきていますけれども、小さいのやらいろいろですよね。正確なデータはわかりませんけれども、単純に見てもそうだと思うんです。
 先ほど、住宅マスタープランの方では、そういう住宅もできるだけ市場で活用できるようにという、長もちさせて中古住宅の市場という問題も出ていましたけれども、そういう住宅は、賃貸ですから、一人か何人かわかりませんけれども、いわばオーナーですよ。そうすると、オーナーの資力によって、きちっと耐震改修だとか、あるいは途中でいろんな手当てをしているかどうかというのは、これも千差万別だと思うんですよ。マンションの方は、一定のルールというか、できてきている。賃貸の方はルールがない。恐らく、この改良助成も多分使えないんじゃないですか、今の利子補給のでさえ。何にもルールがない。
 これについてはどういう対策を考えておられるのか、あるいはどういう支援をするのか。全く個人のだからだめだというのか、それとも、少しは先導的な何か支援をするのか。PRだとか、そういう賃貸をお持ちのオーナーに対して何らかのアドバイスをするのか。全く無策じゃ、私は同数ので--これは恐らく区市町村も同じですよ。進まないと思うんですけれども、いかがですか。

○山室民間住宅施策推進担当部長 古い賃貸マンションへの対応でございますが、マンションの耐震化を促進していくためには、建物所有者みずからが主体的に取り組んでいくことが不可欠であるというふうに考えております。
 しかしながら、先ほどご答弁しましたように、分譲マンションの場合は、多数の区分所有者による共同住宅であり、耐震化に当たっては合意形成が困難であるといった課題を抱えていることから、都としてはマンション耐震改良助成制度等により支援しているところでございます。
 一方、賃貸マンションは、ご指摘のように、事務所ビルなどと同様、基本的には所有者が一人であることから、みずからの責任で行うものと考えております。

○植木委員 確かに個人の持ち物であることは事実ですけれども、無策であるというのは、これは姿勢が問われていますよ、はっきりいって。
 いろんなことはあると思うんですよ。それこそ分譲マンションにしているような、そういうオーナーに対する援助の何かというのはあるはずですよ。直接お金ができれば一番いいし、それからリフォームの利子一%なんていうのは、これは理屈でできると思うんですよ。分譲マンションでできて、できないというはずはないですよ。これは都としてできるはずですよ。それから、相談窓口なんかも、分譲マンションだけじゃなくて幅広くやるとか、そういうところから出発して、とにかく十カ年でやるんだという気構えが何にも見えてこないんじゃだめだといっているんですよ。
 もう時間がないですから、まとめてお聞きしますけど、この計画は、そこそこやって、ある程度到達すればいいという計画なのか、それとも、掲げた目標を何が何でもやるんだ、あらゆる努力をするんだという姿勢に立つのか。この違いが、三年、五年たったときに必ず出てくるんです。そのときになって慌てて、この分野はこうだ、この分野はこうだといってできるものじゃないんですよ。そんなに簡単にできるんだったら、もっともっと進むんです。
 これはやはり個人の財産であるから、個人の努力が相当数あります。それから、分譲だとか、木造の賃貸は時間がなかったからいいませんでしたけれども、そういうものとか、いろいろの絡みがあるからこそ、計画を立てたときに、具体化も一緒にぐっと突き出していく、都の姿勢を示す、このことが大事なんです。
 本当にやり切る計画なんですか。その点をちょっと、最後に大事なところをお示しいただきたいと思います。

○金子市街地建築部長 耐震改修促進計画の策定に当たりましては、これを進めていくためには、都民を初めすべての関係者が意識を共有いたしまして、耐震診断あるいは耐震改修の実施に向けて、区市町村あるいは関係団体等と連携、協力を図っていくことが不可欠でございます。
 区市町村に対しましては、これまでも、地域住宅交付金など国の制度の活用について情報提供をしてきましたし、また、今後とも区市町村の耐震化事業を支援していきたいというふうに考えております。
 今後は、平成二十七年の耐震化率の目標達成に向けまして、計画的かつ継続的に取り組んでいきたいと考えております。

○植木委員 もうしつこくなるからやめますけれども、いずれにしても、やり切る目標という姿勢を最初から貫いて、知恵と工夫を、都民の工夫も、それから行政も区市町村もつくっていく、そういう決意をぜひ持っていただきたい、このことを重ねて求めて終わりにします。

○松下委員 私は、最後の質問ですので、これまでと重なっている部分は省略しながら、東京都耐震改修促進計画(素案)について伺います。
 都はこれまで、耐震診断や耐震改修など、建築物の防災という観点からさまざまな取り組みを行ってきているようですが、今回の計画策定以前は、耐震改修に関して、どういった位置づけで、どんな取り組みを行ってきたのか、まず初めにお伺いします。

○金子市街地建築部長 都ではまず、平成七年の阪神・淡路大震災後に制定されました耐震改修促進法に基づきまして建築物の耐震改修の計画の認定を行いまして、建築物の改修を進めてまいりました。
 また、病院、デパート、劇場など民間特定建築物につきましては、所有者や管理団体の代表者で構成する耐震改修促進連絡会を設置いたしまして、耐震化を働きかけてきております。
 一般住宅につきましては、防災の日のイベントなどの機会をとらえまして、耐震化を考えておられる都民の方に、職員による簡易な耐震診断や、設計事務所の方々による耐震改修に向けた建築相談などを実施してまいりましたほか、耐震フォーラムを開催するなど、耐震診断、耐震改修について普及啓発を行ってきたところでございます。
 このほか、行政が共通認識を持って取り組むために、区市を構成員とする耐震改修促進行政連絡会議などを立ち上げまして、耐震化に向けた取り組みを進めてまいりました。

○松下委員 この素案の第1章では、計画の目的と位置づけと最初にあるんですが、この計画策定の背景については触れられていないかと思います。
 そもそもこの計画を策定するに至った背景に、今ご答弁ありましたような法改正や、阪神・淡路大震災や新潟県の中越地震による痛ましい被害から住宅、建築物の耐震化が必要であるという教訓があるかと思いますが、この耐震改修促進計画策定の背景についてお伺いしたいと思います。

○金子市街地建築部長 先ほども申し上げましたけれども、平成七年の阪神・淡路大震災を受けまして耐震改修促進法が制定されたところでございます。
 最近では、平成十六年に新潟県中越地震が発生いたしまして、また、十七年には福岡県でも地震が発生するなど、いつどこで大地震が発生するかわからない、そういった状況の中、被害を未然に防止するためには建築物の耐震改修をさらに強力に推進していくことが不可欠である、そういったことから耐震改修促進法が改正されまして、都道府県による耐震改修促進計画の策定が義務づけられたものでございます。

○松下委員 平成七年の阪神・淡路大震災では、地震により六千人以上もの多くのとうとい命が奪われ、地震による直接的な死者数の約九割が住宅や建築物の倒壊によるものであり、住宅、建築物の耐震化が非常に重要な課題であるということ、それを都として実行を促進していくためにこの計画を策定したということであるかと思いますが、私自身、阪神・淡路大震災の後に、今から七、八年前に、仕事の関係で兵庫県の西宮市で生活をした時期がありました。当時、神戸や西宮の人たちからたびたびいわれたことは、あなたは震災を経験していないからわからないだろうけど、本当にあの大震災というものは恐ろしかったんだということや、地震が怖いということ、家が安全かどうかなど地震や耐震に関しての意識の高さというものを、周りの人々の言動で日常的に感じました。
 東京に戻ってきて以来、今日では大震災から十二年が経過しているという時間的な経緯があるかもしれませんが、もちろん防災訓練など、活発に都内で行われてはいますものの、住宅や建築物の耐震に関しては、重要ではあるが、意識が高く活発に行われているとはいえないのではないかという思いと、また、私自身、関西と関東の地震に対する備えの温度差が若干あるように思います。
 先ほどの答弁で、これまでの取り組みの中で普及啓発を都民に対して行ってきたということですが、今回の耐震改修促進計画策定に当たって、より都民の関心、意識を高め、耐震化を推進して、必ずやこの設定した目標を達成してほしいという思いで、引き続き、以下何点か質問をしたいと思います。
 今回の素案で、住宅の耐震化率として九〇%の目標を掲げています。都民の生命と財産をしっかりと守るために高い目標を掲げることはもちろんいいことだと思いますが、しかし大切なのは、先ほど来議論がありましたが、その目標をいかに達成していくのかということにあるのだと思います。
 さきの答弁で、これまでの取り組みというものがこれまでの結果を反映しているとすれば、約七六%という現状の数値を、新たな取り組みで九〇%まで引き上げなければならない。本当にその九〇%という数字を達成することができるのか、どのように取り組んでいくのか質問しようと思っておりましたが、これまで重なりましたので、答弁ありましたのは、やはり東京都の姿勢としては、住宅の所有者が主体的に取り組むように働きかけていくんだという方針であったのかと思います。
 所有者みずからが主体的に取り組んでいくためには、行政としては、やはり適切な情報提供を行って耐震化に向けた取り組みを促進していかなければならないと思いますが、現在の段階で、東京都のホームページを見ましても、耐震化に必要な情報を探すのに非常に時間がかかります。若干、やはり見づらいという感じがします。
 例えば、既に耐震改修促進計画を策定しています静岡県には、耐震ナビというサイトがあるんですね。この耐震ナビというサイトは、県のホームページにももちろんリンクが張ってありまして、独立して耐震ナビというサイトがあるんですけれども、静岡、耐震改修というふうに検索をするとすぐ見つかります。中身も非常に見やすく、わかりやすい。
 耐震改修に関して情報を統一したホームページを東京都としてもつくるなどして、情報提供をわかりやすくしてほしいと思います。
 また、京都市では、耐震改修助成制度の説明書の表紙には、「阪神・淡路大震災では六千人以上もの尊い命が失われ、その中の七七%が家屋の倒壊による窒息・圧死でした。このような被害を二度と繰り返さないためにも、あなたのすまいを見つめなおしてください」という文字が、耐震改修を写した写真とともに表紙に張ってあるんですね。とてもわかりやすい。それを見たら、あ、これは耐震改修を自分で行わなくてはという気に、なかなかなるものだなというふうに思いました。
 ぜひ今回の計画策定を契機に、他市や他県の事例も参考にして、都民にわかりやすい取り組みを進めてほしいと思います。
 また、実際に、先ほど来議論がありましたが、住宅の耐震化を進めるには、身近な自治体である区市町村の役割というのがとても大きいと思いますが、この区市町村と相互に協力するためにも、東京都としての環境整備をしっかりと行うこと、情報インフラとしてのホームページやパンフレットの作成が有効と思いますので、先ほどと繰り返しになりますが、情報提供をしっかり行うようにしてほしいと思います。
 まず、住宅の耐震改修を行おうと思ったときに、都民は、だれに相談したらよいかわからないという壁にぶつかるのではないでしょうか。建築士や工務店に頼むのかとは何となくわかっていても、余りつき合いがなかったり、専門的なことだけに、業者任せになってしまう懸念もございます。
 耐震診断や耐震改修について、どこの業者に連絡すればいいのかといった問題を解決するために、信頼できる業者を東京都として登録してはどうかと思います。また、認定証のようなものをその業者が張り出すようにして、一般の都民が安心できる業者がどこであるかということが一目瞭然でわかるように情報提供すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○金子市街地建築部長 耐震診断や耐震改修の関係の技術者の登録についてでございますけれども、耐震診断や補強設計について専門的な相談にも適切に対応できるよう、高度な技術と豊富な実務経験がある、信頼できる建築士事務所を年度内に登録することとしておりまして、現在その準備を進めているところでございます。
 名簿につきましては、ホームページでの掲載あるいは区市町村の窓口での配布のほか、設計事務所自体にも表示できるような工夫も行いまして、都民に広く情報提供していきたいと考えております。

○松下委員 建築事務所や設計事務所だけでなく、工務店など、広く耐震関係の業者を対象にすることも今後検討していただきたいと思います。
 また、不要な補強金物を訪問販売されたりといったリフォーム詐欺がたびたび、残念ながら起きるように、耐震改修は工法というものがさまざまな工法があり、一般の都民には、これもまた、なかなかわかりにくい現実があると思います。日常生活している中で、また大規模な改修工事になると、引っ越しをしなければいけないのかしらとか、仮住居をどうしたらいいかしらとか、費用的にも精神的にも大変大きな負担になり、耐震改修への意欲がそれによってなくなってしまうのではないかという心配もあります。
 そこで、耐震改修工法の特徴をわかりやすく示すとともに、一時的に引っ越す必要のない、居住者に優しい工法を東京都として普及すべきと考えますが、いかがですか。

○金子市街地建築部長 昨年度、安価で信頼できる耐震改修工法や装置を公募いたしまして、耐震シェルターですとか、窓をふさがずに金属製の枠で補強する工法、そういったもの三十一件を選定したところでございます。
 選定した工法につきましては、耐震性能やコストのほか、居住しながらでも工事ができるか、あるいは工期が短いかなど、都民の視点から評価をしたものでございます。
 今後とも、ホームページへの掲載、総合的なパンフレットの配布などにより普及を図っていきたいと考えております。

○松下委員 業者や工法について、都としてしっかり研究をしていただき、結果を都民に広く提供していただきたいと思います。
 工法について、ちょっと私もいろいろ調べた中で、耐震だけではなくて制震工法という、耐震ではなくて制震ですね、そういうものもあるようで、これは日本建築防災協会から公的な評価を受け、ある自治体によっては、この工法を補助の対象にするなどして、そこの自治体の中で大変普及をしているというような実績もあるようです。そうしたさまざまな新たな、これからも出てくるであろう、地震に備えるための工法などについて、しっかりと研究を行っていただきたいと思います。
 耐震改修を行いたいと思って、そして自分で、よし、行おうと思う人は、ちょっと乱暴ないい方をすると、ほっておいてもご自身でやっていただけるのではないかと思います。耐震改修について迷っている人、やりたいと思っている人が早急にやれるように、そして実際に実現できるように、東京都としてサポートをしていくことがこれから重要ではないかと思います。
 私は先日、知り合いが、生活をしながら二週間で自宅の壁を内側から補強する工法で耐震改修を行っていたので、見学に行ってきました。ほとんど生活に支障はなく、一部屋ずつ壁をはがして、順に対象のお部屋すべて補強を行い、もちろん荷物も置いたままで、こんなに簡単に補強ができるのかと驚いた次第です。
 この私の知り合いは、親しい友人のアドバイスにより改修を決意し、そして、ある協会が推薦する業者の中から、十数社の中から説明を受けて、これが自分にとって一番いいんじゃないかと思う業者さんを、これは三重県の業者さんだったみたいなんですけれども、呼んで、実際に工事を行っていました。
 この三重県から来た親方さんに、私ちょっとお話もしたんですが、特許を取っているご自身の工法をぜひ東京の業者さんにも指導を行いたいと。毎回呼ばれて東京まで来るわけにはいかないので、耐震改修を行う都民に対する情報提供のみならず、工務店や業者さんに対して東京都が指導、育成をしていく必要もあるのではないかと、親方さんとお話をしていて思いました。所管局が異なるとは思いますが、工務店の育成という視点も、今後、耐震改修を促進する上では持ってほしいと思います。
 また、今回の素案の中では、大規模な百貨店や劇場などの民間特定建築物や、学校などの公共建築物も耐震化率一〇〇%を目指すとなっています。不特定多数の都民が利用するような建築物が倒壊すれば、これは大惨事になります。これらの建築物は、一刻も早く、早急に耐震化をしてほしいと思います。
 今回の計画の中には、防災上の重要な公共建築物について、今後速やかに耐震診断を行い、その結果を公表するということも書かれています。このうち、都立建築物については、平成十九年末までに診断の実施状況を公表、また、学校、病院、庁舎等の主要な建物は、用途別に具体的な整備プログラムを作成し、耐震化を進めるというふうにありますが、学校や病院や警察や消防署などを一刻も早く、早急に進めていただきたいと思います。
 さらに、都民が安心して安全にショッピングや休日を楽しめるような、例えば、この百貨店は耐震改修が済んでいるというようなことが一目でわかるような表示が都民にとって必要かと思いますが、いかがでしょうか。

○金子市街地建築部長 都では既に、法に基づく認定をとって耐震改修を行った場合、東京都独自の耐震改修済み証というものを交付しております。所有者に対しては、そういった法に基づく指導、助言などを行いまして耐震改修の実施を働きかけるとともに、その改修済み証を見やすいところに掲示するよう要請していきたいというふうに考えております。

○松下委員 ぜひ公共性の高い大規模な建築物が安全かどうか、都民がわかるように早急に取り組んでいただきたい。そして、まだ実施をしていない所有者に対しても、実際に耐震改修を行わなければならないような、そういったインセンティブが働くような方法で取り組んでいただきたいと思います。
 今回の耐震改修計画の素案の中には、大規模なお店などの建築物はありますが、日常の私たちの生活に身近な飲食店や小売店など、小規模な建築物は対象にはなっていないようです。住居を併設しているものは住宅としてカウントされることもあるかもしれませんが、小規模の、住居の伴わない飲食店や小売店などのお店だけというものは取り残されてしまっているのかなという気もしました。ぜひ、これらの小規模な建築物に関しても耐震化を進めていくように取り組んでいただきたいと思います。
 こうした身近なお店などが、どういった取り組みをこれから行っていったらいいかということを、少し私なりに地元で調査をしましたところ、地元の武蔵野市の吉祥寺を中心に飲食店や小売店など多数あるのですが、その中の飲食店をやっていらっしゃる方が、実は東京都飲食業生活衛生同業組合というところに所属していまして、そこの青年部で二年前に「大震災から10年 神戸からの警鐘」という資料を作成し、またビデオも作成し、同じ同業組合の仲間で、神戸で実際に被災を受けた多くの仲間たちの生の声をとりためて、それを東京の中で自分たちの仲間に披露して見せて、実際に震災の恐ろしさ、また、小売店や飲食店を営んでいる方が震災で家屋が倒壊したときには、生活の場所がなくなっただけでなく、職業も一気に失われてしまい、飲食店で日銭を稼いでいた方が日銭を得ることもできなくなってしまった、本当に耐震を進めることは大切なことなんだ、これは何よりも自己防衛が大切なんだと、そのビデオの中で神戸の飲食店の方はお話をしていました。
 これは、仲間同士であるからこそ、心を開いて、あのつらい、思い出したくもない記憶を、時折涙をにじませながらとつとつと話をしてくださっているのですが、私は、この話を聞いて、実際に東京都の飲食店の方で耐震改修を行う気になったという方のお話も聞いたときに、東京都が今回、この計画の中で柱としている、自主的な取り組みを誘導していくんだという姿勢は、実は何よりもきめ細やかな対応が必要になってくるのではないかという感じがしました。身近な方や友人や同じ職業をやっている同業組合の方、仲間からの実体験に基づく助言が非常に有効な事例ではないかと、私が調査をした結果、感じた次第です。
 こうした身近な取り組みは、この計画書の中では、東京都は区市町村や関係団体と一緒に取り組むというふうに書いてはありますが、これもまた静岡の例ですが、静岡では、町会や地域の人たちとともにも取り組むということが計画書に明記されているんですね。私の地元では町会がございませんので、コミュニティ協議会という名前でそうした団体もありますが、やはり身近な人たちの意見を高めて、周りの仲間から助言を受けて耐震改修をやってみよう、それで自分たちの命を、財産を自分たちで守っていこうという機運を高めていくには、東京都が大きな、先ほど来、私が述べましたホームページだったり、インフラの整備だったり、そういうことも必要であり、またこうした同業組合の事例なども参考にしていただいて、草の根といいますか、身近な周りから耐震改修を促進するという機運をつくっていく努力を引き続きというか、今まで以上にしていただきたいと強く要望しまして、私の質問はこれで終わりたいと思います。

○吉原委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○吉原委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で都市整備局関係を終わります。

○吉原委員長 これより付託議案の審査を行います。
 第百十八号議案、平成十八年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出、都市整備委員会所管分、第百二十号議案及び第百二十二号議案を一括して議題といたします。
 本案につきましては、既に質疑を終了しております。
 これより採決を行います。
 初めに、第百十八号議案、平成十八年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出、都市整備委員会所管分及び第百二十二号議案を一括して採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○吉原委員長 起立多数と認めます。よって、第百十八号議案、平成十八年度東京都一般会計補正予算(第一号)中、歳出、都市整備委員会所管分及び第百二十二号議案は、いずれも原案のとおり決定をいたしました。
 次に、第百二十号議案を採決いたします。
 お諮りいたします。
 本案は、原案のとおり決定することにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○吉原委員長 異議なしと認めます。よって、第百二十号議案は原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後五時三分散会

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