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Tokyo Metropolitan Assembly

都市整備委員会速記録第十四号

平成十八年十二月十一日(月曜日)
第六委員会室
   午後一時一分開議
 出席委員 十四名
委員長吉原  修君
副委員長松下 玲子君
副委員長東野 秀平君
理事林田  武君
理事川井しげお君
理事柿沢 未途君
高倉 良生君
石森たかゆき君
村松みえ子君
吉田康一郎君
植木こうじ君
小沢 昌也君
こいそ 明君
立石 晴康君

 欠席委員 なし

 出席説明員
都市整備局局長柿堺  至君
次長南雲 栄一君
技監福島 七郎君
技監只腰 憲久君
総務部長安藤  明君
都市づくり政策部長野本 孝三君
住宅政策推進部長矢島 達郎君
都市基盤部長石井 恒利君
市街地整備部長宮村 光雄君
市街地建築部長金子 敏夫君
都営住宅経営部長小林 計代君
企画・技術担当部長村尾 公一君
開発プロジェクト推進担当部長戸田 敬里君
住宅政策担当部長水流潤太郎君
区市町村調整担当部長中沢 弘行君
民間住宅施策推進担当部長山室 善博君
多摩ニュータウン事業担当部長今井  光君
都市景観担当部長安井 順一君
経営改革担当部長小宮 三夫君
参事並木 勝市君
参事笠井 謙一君
参事山口  明君
参事座間  充君
参事小澤  弘君
参事清水 文夫君
参事宇多田裕久君

本日の会議に付した事件
 都市整備局関係
契約議案の調査
・第二百四十一号議案 都営住宅十八CH-一〇四東(小松川三丁目第二・江戸川区施設)工事請負契約
付託議案の審査(質疑)
・第二百二十五号議案 東京都住宅基本条例
・第二百二十六号議案 東京都特定公共賃貸住宅条例の一部を改正する条例
・第二百四十五号議案 都営住宅の買入れについて
報告事項(説明・質疑)
・高齢者、身体障害者等が利用しやすい建築物の整備に関する条例の一部を改正する条例(案)について

○吉原委員長 ただいまから都市整備委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、都市整備局関係の契約議案の調査並びに付託議案の審査及び報告事項の聴取を行います。
 契約議案について申し上げます。
 契約議案は財政委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について、議長から調査依頼がありました。
 本件については、調査結果を財政委員長に報告することになっております。
 公文の写しはお手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

平成十八年十二月八日
東京都議会議長 川島 忠一
都市整備委員長 吉原  修殿
   契約議案の調査について(依頼)
 左記の議案について調査し、財政委員長にご報告願います。
     記
1 調査議案
第二百四十一号議案 都営住宅十八CH-一〇四東(小松川三丁目第二・江戸川区施設)工事請負契約
2 提出期限 平成十八年十二月十一日(月)

○吉原委員長 これより都市整備局関係に入ります。
 初めに、理事者の欠席について申し上げます。
 河島航空政策担当理事は、公務のため、本日の委員会に出席できない旨の申し出がありました。ご了承願います。
 次に、契約議案の調査を行います。
 第二百四十一号議案を議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取しております。
 その際要求した資料につきましては、要求委員と理事者との調整の結果、取り下げられておりますので、直ちに本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○村松委員 私は、議題になっております小松川三丁目第二・江戸川区施設の工事請負契約、この都営住宅に反対するものではありません。しかし、この間、現地を見たり、この間の議事録や関係者のお話を伺う中で、東京都のまちづくりの進め方に疑問を持つ者として、幾つか質問いたします。
 この地域は、長い年月をかけて、東京都が亀戸・大島・小松川地域を再開発事業として位置づけ、地権者、住民と粘り強く話し合いを続けながら事業を進めてきた地域と聞いています。この事業も、E-7街区とこの近くのPE-30街区を残し、大規模開発の最後の段階に入った、そういう状況だと思います。
 そこで伺いますが、このE-7街区の都市計画変更があったときに、隣接する住民の方から意見があったと思うんですが、どんな意見があったのか伺います。

○宮村市街地整備部長 ご質問のE-7街区の都市計画変更でございますが、平成十七年の十一月に都市計画の案の縦覧をしております。その際に意見書が提出されておりますが、主な意見としましては、E-7街区には、公園や避難場所として活用してほしい、あるいは、荒川沿いに壁のように十四階建ての都営住宅が建設されると、E-7街区に近隣するマンションから荒川が見えなくなるなど、景観が損なわれるといったような意見が提出されております。

○村松委員 こういった意見というのは一人や二人じゃなくて、このE-7街区の近隣でありますリバーウエストD館管理組合やあるいは自治会、そこから出ているんですが、昨年十一月二十五日に、リバーウエストD館とリバーフォースト管理組合、この二つの管理組合と自治会の方から意見が出ているんですね。この意見の中には、東京都都市計画亀戸・大島・小松川第二種市街地再開発事業の変更に関する意見書ということで、今回のE-7街区都市計画変更に当たっては、近隣の地元住民に何ら知らせもせずに、既に一年以上前に都営住宅の基本設計に入り、この夏に私たち住民との協議を行っている最中に、異議を唱える住民にも知らせず一方的に都営住宅の実施計画を契約発注しています、住民との協議などお構いなしに、E-7に建設する都営住宅の規模、高さ、配置など、都営住宅建設計画の概要などを突き進め、後から都市計画変更を行ってつじつま合わせをする都の姿勢に、私たちは大いに疑問を持っていますという、こういう意見書が出ているんですね。
 この中ではさらに、そもそも昨年早々に建物の基本設計を発注するのみならず、ことしの夏には--これは昨年のことなんですが、実施計画まで違法性はないとして既に発注するなど、都市計画変更決定を既定の事実として進めておきながら、しかるに、都議会都市整備委員会に都市計画変更の手続の案件を提出し、都市計画変更手続を後づけで行うなど、議会軽視であり、都市計画審議会の形骸化といわなければならないということをいいながら、最後に、私たちは、荒川の悠々と流れる水辺の景観が気に入り、小松川をついの住みかとしてローンを組み、リバーウエストD館やリバーフォーストを購入しました、将来にわたりこの小松川で住んでいく住民として、まちのコミュニティ発展のために、地域行事や自治会活動に力を入れてきました、ところが、川の景観は遮断され、コンクリートの壁に包まれるのでは余りにやりきれません、私たち住民は都営住宅に反対しているわけではありません、せめてE-7の建物配置など、初めにありきではなく、住民との話し合いのテーブルに着いてくださいと要望しているのです、話し合いのテーブルができるまで、とりあえずE-7街区の都市計画変更はしないでいただきたい。
 こういう意見書が出ているんですが、この最後の方なんですね。とりあえずE-7街区の都市計画変更はしないでいただきたい、こういう要望に対して、当時の東京都はどういうふうに対応されたのか伺います。

○宮村市街地整備部長 都市計画の案の縦覧に対して出された意見書に対する対応についてのご質問でございますけれども、この都市計画の案の縦覧に際しましては、意見書が約三十一通提出されております。その意見の要旨及びそれに対する東京都の見解を整理いたしまして、平成十七年十二月二十一日の都市計画審議会にご報告しております。ご審議をいただいた上で、十八年一月二十三日に都市計画決定をいたしております。

○村松委員 私は、余りにも機械的なやり方過ぎるんじゃないかなということを思うんです。ここの地域の皆さん、そんなにくるくると家を、ローンなんか、マンションなんか買えないと思うんですよ。私なんかも、それこそ今から二十五年前ですけれども、土地と建物で二千万の家を建てるのに、本当に一生懸命考えて考えて、大丈夫かななんていうことで考え抜いて、みんな一軒一軒家を買うと思うんですね。そういう人たちが自分のついの住みかとして求めたところに、そこに今度のE-7街区ができることによってどういう影響があるのか、もっとその辺を真剣に考える必要があるんじゃないかということを私は思うんです。
 先ほど(発言する者あり)意見の中であるんですね、これ。普通のサラリーマンにとって、五千万円近くもする買い物は、一生に一度できるかできないかの重大事なんだと。わずかばかりの蓄えの中から頭金を出し、長いローンを抱えてこれからも払い続けていかなければなりません、充実予定のショッピング施設もできず、暮らしに不便を感じながらも、朝に夕に荒川の悠々とした流れを見れば、ゆったりとした気分になれる、まさに潤いある水辺、荒川の眺望は、私たちD館住民にとっていやしの場なんですと。一人一人にとって本当に大事な場なんですよね。こういう意見が一人一人から出ているんです。
 私は、買った人たちの気持ちというのは、この開発そのものが、本当に長い間、一人一人みんなが理解と合意のもとで進めて、長い間かかったかもしれないけれども、それでもやっぱり自分たちのまちをつくるんだということで一生懸命取り組んできたと思うんです。それが最後の方になって、いよいよ最後だというときに、東京都のそういう機械的なやり方というのは、やっぱりいかがなものかという思いがあるんですね。
 まして、ここを買った人たち、これも異議の申し立ての中にあるんですが、私たち家族は、この小松川の地に東京都の広告、若葉色のイチョウの葉入りを見て、信じて現在のマンションを購入し、引っ越してきましたと。東京都がやっていることにうそはないと信じていたから、約三十五年のローンを組み、毎月のローンの返済が苦しくても、欠かすことなく返済を続けてきた、眺望がいい、商店街が充実して買い物も便利、裏の空き地には公益施設ができる、都営住宅ができるが、高層なので荒川が見えるなどなど、未来に誇れるまちが今の小松川地区だとだれがいえるんでしょうかということで、当初は、東京都がやるから、だからうそはないだろうと思って信じてきたのが、それが日がたつにつれて、今度のE-7街区によって、まさか東京都にこんなしっぺ返しをされると思っていなかったという人がいるんですよね。
 私は、こういう人たちの気持ちというのを、東京都も一件一件こういう意見書というのを、先ほど何通かおっしゃっていましたけれども、こういう一人一人の本当に人生にかかわる意見書、どういうふうに読んだのか。それこそ十一月にこの都市整備委員会の中で質疑があり、その後、十二月に都市計画決定されたというふうにおっしゃっていますけれども、この皆さんの意見を東京都はどういうふうに読んだんだろうか、そのことをまず教えていただきたいんですが。

○清水参事 近隣住民から出された要望につきましては、主に建物の配置計画の見直しに関するものでございます。三案の提案がございました。いずれも敷地の北側に超高層住宅を建設し、南側に空地を確保する計画でございましたことから、都の配置計画に比べまして、北側の平井地区への日影の影響が増大すること、超高層住宅は建設費、維持管理費ともに大幅なコスト増となることから、採用いたしてございません。
 都は、これらの要望を踏まえまして、建てかえ事業に支障のない範囲で建物配置計画の一部及び駐車台数を見直しました。
 具体的には、川沿いに建設する南北二棟のうち、日影の影響範囲をふやさないように北側の建物の位置は変えず、階段の位置と南側の建物との間隔を調整いたしまして、南側の建物の規模、大きさや戸数を変えずに北方向へ六メートル移動いたしました。また、駐車台数につきましては、当初六十二台を、十八台増設し八十台といたしました。
 近隣住民からは、本年五月、これらの都の対応を踏まえまして、苦渋の選択ではございますが、建設計画を受け入れるという意見表明がなされてございます。

○村松委員 おっしゃるとおり、近隣の皆さんは、もう苦渋の選択、自分たちがやっとの思いで手に入れたその住環境が変わる、そういうことも踏まえて、もうやむを得ないかなという、そういう思いで受け入れるということなんですね。東京都の方にも、E-7街区都営住宅建設計画案受け入れに当たってという、その苦渋の選択の気持ちが提出されていると思うんですね。この中の、本当にこれを読むと胸が痛くなるんですが、ちょっと読みます。
 私たちは、都営住宅建設に反対するものではありません--私もさっき反対しないといったのです--むしろ、老朽化した都営住宅で不便な日々を過ごされている方々の移転先としての都営住宅建設には最初から同意しています、また、併設される江戸川区立の保育園、障害者福祉施設も予定どおり完成することを望んでおります、私たちがお願いしたことは、建物の配置の協議、それの協議をお願いしたんだと。しかし、残念ながらそれは受け入れていただけないということだったんですね。いずれも否決されました。私たちが期待したことは、住民案に行政の手が加えられ、双方が受け入れられる案としてよみがえることだったと。自分たちのことだけ位置づけるんじゃなくて、押しつけるんじゃなくて、双方で粘り強く話し合って、その中から一致点を見出したい、そういう思いで提案していたんですよ。ところが、そういう声には全く耳をかさなかったということがあって、対峙から生まれるものは不信と不満だけですと。不信から不をとり信頼関係を築く努力こそが、不満から不をとり満足という道をつくる努力こそが私は本当のまちづくりだ、この人たちがいっているとおりだ、そういうふうに思うんです。
 そういう中で、昨年の八月二日、E-7街区近隣住民に最初の説明会が開催された時点において、既に基本設計は完了しており、実施計画も発注済みという住民軽視の進め方も問題を大きくしました。さらに、地元住民のおおむねの了解を得られるとして、事実を無視し、意見を無視して、行政が計画した案を何が何でも強行しようとする姿勢も大いに反省してほしい。これは皆さんにお願いをしているんですね。
 まちづくりとは、行政と住民が問題を共有し、いかに解決に向けて努力していくか、対峙ではなく、同一的思いこそが双方に求められていることだと考えます、行政当局にお願いしたいことは、計画が持ち上がった段階で、そこに住み、これからもそこに住み続けて、自分のまちを愛し、守っていく住民の声に十分に耳を傾けて、その声を考慮しながら基本設計に盛り込んでいく、折り込んでいく、すなわち住民をプランナーとするまちづくりの進め方を求めてやみません、最後に、何とぞ今回のことを今後の教訓として、これからのまちづくりに生かしていただきますよう心からお願い申し上げますと、苦渋の選択をした上でこういうお願いをしているんですね。
 私は、さっき冒頭述べましたが、このE-7街区、この契約案件そのものには反対ではありません。だけど、まだもう一個ある、PE-30街区でしたっけ、そこの問題は、やっぱり今後この問題を生かしてほしいということが、この近隣住民の皆さんの思いなんですが、そういう思いにはどう答えますか。

○川井委員 委員長、議事進行。委員長、議事進行が優先だよ。

○吉原委員長 速記をとめてください。
   〔速記中止〕

○吉原委員長 それでは速記、始めてください。
 それでは、村松委員の質疑を続行いたします。

○村松委員 E-7街区をめぐって、近隣の住民の皆さんと東京都のまちづくりの進め方、その中でいろんな問題があった、そういうことを指摘してきたわけですけれども、そういうことが、もう一個あるところでも起きないようにということを、私は住民の皆さんを代表して、皆さんの代弁をしてお願いをしている。くれぐれもこの問題を本当に専行するんじゃなくて、住民との十分な合意のもとで進めていただきたい、このことを要望して終わります。
   〔清水参事発言を求む〕

○吉原委員長 もう要望ということでよろしいですか。

○村松委員 はい。

○吉原委員長 ほかにご発言ございますか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○吉原委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○吉原委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 お諮りいたします。
 本案につきましては、異議のない旨、財政委員長に報告したいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○吉原委員長 異議なしと認め、そのように決定をさせていただきます。
 以上で契約議案の調査を終わります。

○吉原委員長 次に、理事者から報告の申し出がございますので、これを聴取いたします。

○安藤総務部長 報告事項、高齢者、身体障害者等が利用しやすい建築物の整備に関する条例の一部を改正する条例案につきましてご説明申し上げます。
 お手元の資料1、平成十八年第四回東京都議会定例会提出議案説明資料をごらんいただきたいと存じます。
 本条例案につきましては、十五日の本会議に上程していただく予定でございますが、当委員会にあらかじめご報告申し上げるものでございます。
 三ページをお開き願います。
 1の改正の理由でございますが、高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律の施行に伴い、規定を整備するものでございます。
 2の条例案の概要でございますが、条例の題名を、高齢者、身体障害者等が利用しやすい建築物の整備に関する条例から高齢者、障害者等が利用しやすい建築物の整備に関する条例に改めるとともに、根拠法を、高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律から高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律に改めるなど、規定を整備するものでございます。
 五ページから九ページにかけましては条例案文を、一一ページから二〇ページにかけましては新旧対照表を記載してございます。
 簡単ではございますが、以上で報告事項の説明を終わらせていただきます。ご審議のほどよろしくお願い申し上げます。

○吉原委員長 報告は終わりました。
 本件については、次に行われます付託議案の審査の際にあわせて質疑を行いますので、ご了承願います。

○吉原委員長 次に、付託議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
 第二百二十五号議案、第二百二十六号議案及び第二百四十五号議案並びに報告事項を一括して議題といたします。
 本案及び報告事項については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してございます。
 資料について理事者の説明を求めます。

○安藤総務部長 十一月二十八日の当委員会で要求のございました資料につきまして、ご説明申し上げます。
 お手元に配布しております資料2、都市整備委員会資料、十一月二十八日要求分の表紙をお開きください。
 東京都住宅基本条例制定以降の主な制度変更等でございます。
 東京都住宅基本条例制定以降の主な制度変更等につきまして、下段注書きにございますように、住宅マスタープラン、民間住宅施策、都営住宅施策の別に、制度変更等が施行、適用された年度により区分して記載してございます。
 以上で資料説明を終わらせていただきます。どうぞよろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○吉原委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、本案及び報告事項に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○吉田委員 私からは、第二百二十五号議案、東京都住宅基本条例について質疑を行いたいと思います。
 今回の住宅基本条例の改正案において、現行条例の住宅供給における公的主体の役割強化という方向から市場を活用した住宅供給へと、住宅政策が大きく方向転換したことをまず評価いたします。既に都内の住宅の数が世帯数を一割以上上回っており、大変残念ながら人口の減少も始まっている中、多様な居住ニーズにこたえる良質な住宅ストックの形成に向けて、市場重視、ストック重視の政策に転換することは非常に重要であると考えております。
 また、改正案では、基本的施策として、少子化の進展に対応し、子育て世帯への配慮を明確に打ち出すとともに、住宅の地震に対する安全性や住宅に係る取引の安全の確保、既存住宅の流通の促進など、今まさに求められている施策の方向について新たに盛り込まれておりまして、この条例を踏まえた今後の施策の展開に大いに期待をするものでございます。
 そうした基本的な立場の上で、それぞれいろいろとご質問したいところではございますが、本日は、都営住宅に関連して幾つかお伺いをいたします。
 改正案の目指す基本的方向の一つは、住宅のセーフティーネット機能を強化し、住宅に困窮する都民の居住の安定を図ることであろうかと思います。これが、本年六月の住宅政策審議会答申、東京における新たな住宅政策の展開についてで打ち出され、本改正案では、第二章七条の一項で、都は都民の居住の安定の確保を図るため、公共住宅の公平かつ的確な供給を図るよう努めるものとするとして、三項以下で都営住宅について規定を置いているものであります。
 都営住宅は都内に約二十六万戸、この総資産は、平成十四年一月に出された報告書、「機能するバランスシート 都の住宅政策とバランスシートの役割」によれば、土地を公有財産台帳価格ベースで算定した場合、三兆円以上の資産価値となります。都民、国民の税金で営々と築き上げられてきた、一部の人のためではない、都民全体のための大きな財産であるわけであります。
 都営住宅の供給における公平性の確保は極めて重要だと考えます。都営住宅の平成十七年度の募集では、三千三百四戸の家族向け、単身者向けの抽せんによる募集に対して約十二万六千二百件の応募があり、応募倍率は約三十八倍となっております。これだけ高い応募倍率の中では、当せんするのは宝くじに当たるものといわれても仕方がないと思います。当せんした三十八人のうちの一人は、安い家賃で契約の更新という手間もなく居住の安定を確保できる一方、同じように住宅に困窮している残り三十七人は支える側に回るわけで、非常に不公平な制度であると思います。
 私は、募集の際に入居者の住宅困窮度を審査して、真に住宅に困窮する世帯から困窮度の深刻な順に入居できることが行われるべきだと考えております。都営住宅の募集には、収入等の条件の範囲内であれば一律に抽せんを行う方式と、現在住んでいる住宅の広さ、家賃、設備等により住宅の困窮度を入居審査に反映させているポイント方式の募集がございますが、このポイント方式の募集を私はどんどん拡大していくべきだと考えております。
 そこでまず、ポイント方式のこれまでの取り組み状況がどうかを伺います。また、現在、このポイント方式の募集は全体の募集戸数のどのくらいの率を占めているのか、あわせてお伺いいたします。

○小宮経営改革担当部長 都営住宅の募集方法についてでありますけれども、都営住宅は、所得が低く住宅に困っている都民を対象としており、住宅困窮度をより的確に反映する募集方法として、困窮度を点数化し、点数の高い順に入居を認めるポイント方式を昭和四十六年度から導入いたしました。その後、制度の拡充を図りながら、現在では、ひとり親世帯、高齢者世帯、心身障害者世帯などを対象としてポイント方式の募集を行っております。
 ここ数年の募集全体に占めるポイント方式による割合は、三割程度でございます。

○吉田委員 ありがとうございます。
 六月の住宅政策審議会の答申でも、募集、選考の改善として、より困窮度の高い者が都営住宅に優先的に入居できるよう、入居者の募集、選考方式を改善すべきであると指摘して、ポイント方式の募集枠の拡大を行うべきだとしております。
 ポイント方式を今後できる限り拡大していくべきだと考えますが、いかがでしょうか。

○小宮経営改革担当部長 住宅困窮度がより高い方から入居を認めるポイント方式は、真に住宅に困窮する都民に都営住宅を的確に供給する上で有効な方法と考えております。
 ご指摘の点につきましては、答申を踏まえ、優遇抽せんなど他の優先入居制度との整合性を図りながら検討してまいりたいと考えております。

○吉田委員 ありがとうございます。
 答申ではまた、応募者の保有資産や非課税所得、一時所得などを考慮した仕組みを検討し、困窮度判定項目やウエートづけを見直すべきとも指摘をしております。資産については、都営住宅に入居して高級外車を乗り回す者がいるなどとよく耳にするところであり、募集時の審査の項目に早急に入れるべきだと考えます。
 現行の法制度では、都に調査権限が付与されていないため、資産把握の実効性を担保できないので制度を導入できないということでございますが、国の社会資本整備審議会が昨年九月に出した答申、新たな住宅政策に対応した制度的枠組みについてでも、高額の資産を保有する者が公営住宅に入居している実態が指摘されていることから、入居しようとする者の資産の保有状況を入居者選考を行う際の考慮事項とする仕組みを検討すべきであるとしております。
 都として、応募者の資産を把握するための調査権限が付与されるよう、国に対して強く要望していく必要があると考えますが、いかがでしょうか。

○小宮経営改革担当部長 入居者選考における資産の考慮についてですが、真に住宅に困窮する都民に都営住宅を的確に供給する上で、申込者の資産状況を考慮することは重要であります。
 資産状況の把握に当たっては、入居申込者の自己申告の信頼性が前提となりますが、現行の法制度では、申込者の資産について都に調査権限が付与されていないなど、制度の公平性を確保する上でさまざまな課題がございます。
 今後とも、都営住宅を一層的確に供給できるよう十分検討していくとともに、現状に即した法制度の整備については既に国に要望しているところですが、引き続き要望してまいります。

○吉田委員 ありがとうございます。
 確かに、調査権限がない中で自己申告だけに頼った制度を導入することは、仮に虚偽申告が発覚した場合の罰則を設けたとしても、それを発見する手段がないわけで、制度の信頼性に疑問を持たざるを得ないものになってしまうという懸念はよくわかります。調査権限など十分に機能する制度を構築するよう、今後とも国に強く要望していただきたいと思います。
 次に、都営住宅の入居者の収入に係る基準、入居収入基準について伺います。
 この基準は、平成八年の公営住宅法改正の際に、国民の所得水準及び民間賃貸住宅の家賃水準を勘案して定められたものでありますが、国が全国一律に定めているもので地域の実情が反映されておらず、また、平成八年当時と比べて、国民や都民の所得水準も、民間賃貸住宅の家賃水準も下がっております。
 先ほど触れた昨年の国の審議会答申では、この基準について、生活保護制度等の施策対象の考え方も視野に入れて、真の住宅困窮者の入居が図られるよう、基準のあり方について検討を行っていくべきであるとしております。
 いずれにせよ、まず、国による見直しの取り組みが不可欠なわけでありますが、国の主な考え方と現在の検討状況についてお伺いいたします。

○小宮経営改革担当部長 入居収入基準につきましては、国が政令で定めておりまして、東京都も含め全国一律に適用されるものであります。現行の基準は、平成八年度に改正された以降、見直しが行われていなかったことから、国は最新の統計、調査データに基づき、この基準を引き下げる見直し案を作成し、本年八月にパブリックコメントを実施いたしました。
 見直しの考え方については、国の説明では、現在の世帯所得の状況や住宅市場の動向等の間に乖離が見られ、もはや住宅に困窮する低額所得者とはいえない方が公営住宅に入居したりしているなど、入居者、非入居者間で公平性を欠く状況も生じているためであるとのことであります。
 現在、パブリックコメントで寄せられた意見などを参考にしながら、さらなる検討を行っている状況と聞いております。

○吉田委員 ありがとうございます。
 次に、現在の都営住宅の居住者についてお伺いをいたします。
 平成十七年度のデータでは、現在居住している者のうちに、本来の入居対象の階層を超えた収入超過者が約一万八千世帯、そのうち明け渡し請求の対象となる高額所得者が約二百世帯いるとのことでございます。この世帯数は年々減少してきているとはいえ、法令上明け渡し請求の対象とならない収入超過者は、二十六万戸の都営住宅の約七%を占めております。
 年間の募集戸数が約七千戸程度であることを考えると、収入超過者の自主的な退去を促して、その住戸を募集に有効に活用できる仕組みを早急に導入すべきであると考えます。この問題についてはどのように対応しようとしていらっしゃるのか、お伺いをいたします。

○小宮経営改革担当部長 お尋ねの収入超過者には明け渡し努力義務がありまして、毎年、文書により明け渡しを促しているほか、居住者向けの広報紙であります「すまいのひろば」で明け渡し努力義務について周知を図っております。また、都営住宅からの住みかえを支援するため、公社住宅や都市再生機構住宅へのあっせんを行っております。
 収入超過者については、現在、収入に応じた一定の割り増しがあるものの、市場家賃より低い負担額で都営住宅に住み続けることができますが、来年度からは段階的に家賃を引き上げ、一定の期間後は市場家賃並みの負担となるよう制度を見直し、強化したところです。
 これらによりまして、収入超過者の自主的退去を一層促し、真に住宅に困窮する都民に的確に都営住宅を供給していくように努めてまいります。

○吉田委員 ありがとうございます。ぜひ制度の的確な運用を図っていただきたいと思います。
 次に、期限つき入居について伺います。
 都は、平成十三年度に期限つき入居制度を導入したわけでありますが、この間、若年ファミリー世帯、多子世帯など対象を広げ、また住宅の供給エリアも全都に拡大するなど、実績を積み重ねつつ先進的に取り組みを進めてこられたことを高く評価しております。
 都民共有の財産であります都営住宅への入居の公平性を確保するためには、期限つき入居制度をすべての募集に拡大すべきであると考えますが、いかがでしょうか。

○小宮経営改革担当部長 期限つき入居制度につきましては、これまで順次拡充してきましたが、すべての都営住宅を期限つきにすることにつきましては、都営住宅への入居を希望する高齢者、障害者など、特に居住の安定を図る必要のある世帯への配慮が求められることや、公営住宅制度上、位置づけを明確にしていく必要があります。
 公営住宅をより一層公平かつ有効に活用するため、期限つき入居を公営住宅制度の中に明確に位置づけるよう、今後とも国に対し提案要求をしてまいります。

○吉田委員 ありがとうございます。
 公営住宅は、法律で国が全国一律に定めている事項が多く、これまで私が質問してまいりました事項は、ほとんど都では独自に対応することができず、国の方針変更を待たなければならないものであります。大都市と地方では、住宅困窮者の状況、取り巻く環境、求められる対策も違うはずであり、公営住宅という箱物を供給する全国一律の制度には限界が来ているのではないかと私は考えます。
 国の審議会の答申では、民間住宅を活用した家賃補助という項目を立てて、公営住宅における入居者、非入居者間の不公平の存在、コミュニティバランスの低下など、現行制度が抱える問題点を抜本的に解消するためには、民間住宅を活用した家賃補助が効率性の高い政策手段である、他方、国の制度として家賃補助を導入することに関しては、生活保護との関係等々--少し略しますけれども--整理すべき課題も多いため、諸課題の克服に向け、具体的な検討を進めることが必要であるとし、都の審議会答申でも、民間賃貸住宅に対する家賃補助の検討という項で、低所得者のニーズに基づく住宅選択行動を通じて合理的な資源配分を可能とする等々、同様の評価を示した上で、やはり導入には整理すべき課題も多いとして、今後、国と一体となって検討を進めるべきであるとしております。
 私は、公平性の確保の観点からも、また、既に都内の住宅の供給が世帯数を上回っており、人口減少も始まっていることからも、真の住宅困窮者、生活困窮者を公平、適切に把握できる制度を整備した上で、困窮度に応じた家賃補助制度の導入、段階的な移行に道を開くべきではないかと考えております。ぜひ国とともに積極的に検討を進めていただきたいと思いますが、これは意見にとどめさせていただきます。
 本日、議論をいたしましたことは、国への働きかけを含めて、公平性の確保の観点から、ぜひ必ず実施していただきたい事項でございます。今後とも最大限の努力をお願いいたしまして、質問を終わります。

○高倉委員 住宅基本条例についてお伺いいたします。
 住宅は、私たちの生活にとって欠くことのできない基盤であるとともに、都市を形づくる基本的な要素でございます。現在、住宅に対する都民の要望は、空間的な広さにとどまらず、安心や安全の向上、環境への配慮、バリアフリーの充実など大変多岐にわたっているわけであります。住宅基本条例は、こうした都民の要望を敏感にとらえ、時代の変化に応じた政策を展開するのに十分な内容でなければならないと考えております。
 今回、全面的に改正をされることになりました現行の住宅基本条例は、平成四年、都道府県では初めての基本条例として制定をされたものであります。当時は、バブル期の影響が住宅問題にまで大きな影響を与える中で、都としてのあるべき施策の推進に向けて制定をされたものであると思っております。同時に、他の自治体の施策展開に対しても、先駆的な条例としての影響を与えたものであると思います。
 制定から長い年月が経過をいたしておりますけれども、この間の現行の住宅基本条例が果たしてきた役割について、まずお伺いをしたいと思います。

○矢島住宅政策推進部長 現行の住宅基本条例が果たしてきた役割についてでございますけれども、住宅基本条例は、住宅政策の基本的方向や施策体系を示す宣言法的な性格を有する条例でございまして、都の住宅行政及び関連する他の行政はもとより、区市町村、さらには都民や住宅関連事業者に広く考え方の共有と協働を求めまして、具体の施策の円滑な推進に資することをねらいとしてございます。
 ご指摘のとおり、平成四年に制定をされました現行条例は、バブル期の住宅価格の高騰といった住宅問題が中堅所得層にまで拡大したことを背景として、都道府県として初めて制定されたものでございまして、都は本条例に基づいて、中堅所得層向けの都民住宅の供給、あるいは良質な民間賃貸住宅の建設に対して利子補給を行う優良民間賃貸住宅などの施策を強力に推進してまいったわけでございます。
 また、本条例が契機となりまして、現在では、島しょ地域を除くすべての区市町村において住宅マスタープランが定められているなど、区市町村の住宅政策への取り組みを促してきたという成果もあったものと考えております。
 こうしたことを通じまして、例えば住宅ストックの質の向上を誘導する上での指針となる誘導居住水準を満たす世帯の割合、条例制定前の昭和六十三年の調査では都内一九・三%にすぎなかったわけですが、平成十五年には三八・六%と倍増する。あるいは、健康的で文化的な住生活の基礎となる最低居住水準に満たない世帯の割合、同じく昭和六十三年一七・七%であったものが、直近では八・八%と半減をするなど、都民の住生活の安定、向上に一定の寄与をしてきたものと考えてございます。

○高倉委員 ただいま答弁をいただきましたけれども、現行の条例が都民の住生活の向上に大きな役割を果たしてきたということにつきましては、私も十分理解、評価をいたしたいと思います。一方で、この十数年に及ぶ時代の推移の中で、住宅を取り巻く状況は変わってきております。そして、現行の住宅基本条例が時代にそぐわなくなってきている、このことも事実であろうと思います。
 今回、条例を全面的に改正する理由につきまして、具体的にご説明をいただきたいと思います。

○矢島住宅政策推進部長 今回の住宅基本条例の改正の理由についてでございます。条例を制定して以降、地価や住宅価格が下落をし、今日では都心地域も含めて住宅供給が活発化するなど、当時とは社会経済情勢が大きく変化をしてきてございます。そうした中で、全般的に都民の住宅事情は改善をし、現行条例の柱でございました都民住宅につきましても、一部には空き家の発生が見られるなど、現行の条例が時代にそぐわなくなってきているという面がございます。
 加えまして、都民の居住をめぐる状況に関しまして、住宅政策として新たな課題に対応していくことが必要になっていると認識してございます。その第一といたしましては、住宅の数が世帯数を一割以上上回っている、中長期的には人口、世帯数の減少が確実と見込まれている、こういったことを考慮して、ストックの有効活用を重視した政策展開が求められている。それから第二といたしましては、都民の居住ニーズの多様化、高度化を踏まえ、市場の機能を活用した施策の充実が重要となっていること。そして第三に、大地震の切迫性の高まり、あるいは耐震偽装問題の発生、さらには少子高齢化の急速な進展などを背景としまして、住まいの安全・安心を確保していくことが焦眉の課題となっている。
 こうした課題を踏まえまして、今後の住宅政策の基本的な方向と必要な施策体系を明らかにし、時代に即した政策展開を図るため、今定例会に条例改正を提案させていただいております。

○高倉委員 今、この理由についてご説明をいただきましたけれども、まさにそうしたことを踏まえますと、住宅政策の転換というのは妥当であると私は思います。住宅の量的な充足の中で、ストックの有効活用を重視した政策転換が必要である、こういう説明がただいまありましたけれども、確かに住宅のストックというものは存在をするわけでありますけれども、一方で、都民の居住に関する満足感が得られていないのではないか、このような思いもするわけであります。
 政策転換を図っていくに当たって、都民の居住の満足感を向上させていくためには、より良質なストック、そしてより良質な住環境の形成、こうした取り組みが不可欠である、そのように思いますけれども、この点についてのご所見をお伺いします。

○水流住宅政策担当部長 東京の住宅の質でございますけれども、東京の住宅は居住水準が着実に向上するなど、質の面でも改善してきております。しかしながら、こうした居住水準の向上に向けた取り組みを積極的に重ねていく必要があるほか、相当数に上る旧耐震基準で建てられた住宅の耐震化を初め、省エネルギー化やバリアフリー化の促進など、多くの取り組むべき課題があります。
 また、住環境につきましては、木造住宅密集地域の整備改善など災害に対する安全性を高めるとともに、成熟した都市にふさわしい美しい街並みや緑豊かな住環境を備えた魅力ある住宅地の形成を促進していくことが求められております。
 さらに、東京におきましては、マンションが普及し、都民の一般的な居住形態となってきておりますが、年がたつにつれまして、老朽化が進んだマンションが増加してきており、都市の活力や景観の維持向上を図る観点からも、適正な管理の促進による長寿命化、あるいは建てかえの円滑化が重要な課題となっております。
 こうした課題に対応して、良質な住宅ストックと良好な住環境の形成を促進していくことが重要と考えておりまして、今回の改正に当たって所要の規定を整備したものでございます。

○高倉委員 条例案では、住まいの安全・安心の確保が重視をされております。現在、少子高齢化が進展をしておりますけれども、私たちは、住宅政策の面からも、この課題への取り組みが重要であると考えております。条例案の中には、現行条例にはなかった子育てが加えられております。これから力を注いでいかなければならないこの対応につきまして、積極的な姿勢を明示されたものとして評価をしたいと思います。
 この条例改正に子育ての視点を加えた意義ということにつきまして、ご所見をお伺いしたいと思います。

○水流住宅政策担当部長 将来を担う子どもたちを健やかにはぐくむことのできる環境を整備し、少子化の進行に歯どめをかけることが時代の要請となっております。少子化の要因につきましては複合的なものと考えられますけれども、住宅は人々の生活の基盤であり、住宅政策においても、少子化対策の視点を持って、都民が子育てに適した広さや環境を備えた住まいを確保できるよう取り組むことが重要であります。
 このため、今回の改正に当たり、子育て世帯についても、公共住宅の供給に当たり入居促進に配慮すること及び民間住宅における居住の安定の確保を図ることを明確に位置づけたものでございます。

○高倉委員 今定例会の代表質問において、我が党が特に小さな子どものいる家庭に対する都営住宅の新たな対応ということについて提案をしたことに対しまして、就学前の子どもがいる家庭に対して新たな優先制度を実施する、このような考え方を示されたことについては高く評価をいたしたいと思います。
 また、空き家が目立つ都民住宅ということにつきましても、子育ての応援のためのストックの活用策として、新たな取り組みについて今後十分検討するように、これはぜひということで要望しておきたいと思います。
 次に、ストックの活用についてちょっとお伺いしますけれども、このストックの活用については、中古住宅の流通促進も大事な課題であろうと思っております。中古については、特に戸建て住宅の流通量が少ないというふうにもお聞きをしておりますけれども、その実情についてどう把握をされているか、そしてまた、流通促進に向けた課題ということにつきましてご所見をお伺いしたいと思います。

○山室民間住宅施策推進担当部長 中古戸建て住宅の流通の実情についてでございますが、平成十五年の住宅・土地統計調査によりますと、都内の中古住宅の取引戸数、いわゆる成約件数でございますが、これは約一万九千戸で、このうち戸建て住宅は六千戸程度と推計され、戸建て住宅の新築着工戸数の約七分の一にとどまっている状況にあります。
 また、平成十八年の社団法人不動産流通経営協会の首都圏における中古住宅購入者を対象とする調査では、購入した理由として、希望エリアの物件だったから、手ごろな価格だったからが上位を占める一方、購入に求める改善点としましては、構造上の性能の保証、アフターサービス等、次いで修繕、補修等の履歴情報の完備が上位に挙げられております。
 こうしたことから、中古住宅の流通を促進するためには、売買に当たり、住宅の性能や住宅履歴などに関する情報を売り主から買い主に提供していく仕組みを整えることが重要であると認識しております。

○高倉委員 ぜひ、この流通促進に向けて積極的な取り組みをお願いしたいと思います。
 先ほど取り上げました子育てへの応援ということについて関連をいたしますけれども、この中古住宅についても、子育て世帯への活用に向いているのではないかというふうに考えるわけであります。中古の戸建て住宅の流通活性化に向けた、より具体的な取り組みにつきましてお考えを伺いたいと思います。

○山室民間住宅施策推進担当部長 中古住宅の流通活性化に向けた取り組みでございますが、中古住宅は、子育て世帯にとっても、適切な広さと価格の住宅の取得を考える上で有効な選択肢の一つになるものと考えております。
 そのため、都は、不動産流通団体や住宅検査機関等で構成されます東京都中古住宅流通促進連絡会におきまして、中古住宅の流通を促進していくための具体的な対応策を検討しております。
 現在、その中で中古戸建て住宅を取り上げ、都民が安心して売買するために必要となる土地や建物の状態などに係る確認事項や、契約上のトラブルを防止するための注意事項などを整理しております。
 この結果をガイドブックとして年度内を目途に取りまとめいたしまして、連絡会と連携し、その活用を図るなどによりまして、中古住宅流通の活性化に取り組んでまいります。

○高倉委員 我が党の代表質問の中では、高齢者に対する新たな取り組みの検討につきまして答弁をいただいたところであります。住宅のバリアフリー化や入居に関する安心の確保は大変に大事な取り組みであろうと思います。今後、どのようにこの課題に取り組んでいくのか、ご所見をお伺いしたいと思います。

○山室民間住宅施策推進担当部長 高齢者の民間住宅への入居時における安心の確保に向けた取り組みについてでございますが、都はこれまで、入居に当たって制約を受けることのない高齢者円滑入居賃貸住宅の登録拡大等に努めてまいりました。
 現在、高齢者が安心して居住できる賃貸住宅の供給をさらに促進していくため、入居に当たって制約を受けることがなく、バリアフリー化されました民間住宅の供給を促進するため、住宅建設事業者や金融機関など、住宅供給に係る関係者に対しましてヒアリングを行っているところでございます。
 この結果などを踏まえまして、貸し主が住宅建設事業者や民間金融機関などと連携して供給する仕組みを、できる限り早期に具体化したいと考えております。

○高倉委員 ぜひとも積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 高齢者の居住の安心に対する取り組みという点につきましては、ほかにも、例えば離れて暮らす親を呼び寄せて同居するとか、あるいは、子どもさんのところの近くに住んでもらう、このようなことも今後取り組んでいく必要があろうかと思っております。これについては、介護や子育てということに、その手助けにつながる施策であろうと思っております。こうしたことも、ぜひ今後、十分検討していただきたいと思います。
 次に、都営住宅についてお伺いしたいと思います。
 都営住宅につきましては、各世代がともに暮らせるミックストコミュニティを踏まえた建てかえを推進することで、より良質なストックの形成を図ることが可能であると思います。
 都営住宅の建てかえによるストックの更新についての、現在の都としての基本的な考えについてご所見をお伺いします。

○清水参事 都営住宅の建てかえにつきましては、現在、昭和三十年代以前に建設された約二万五千戸を対象に実施しております。建てかえに当たりましては、老朽化した都営住宅を更新し、バリアフリー化や安全性の向上などを図るだけではなく、敷地の高度利用により創出した用地を有効に活用いたしまして、地域の活性化や防災性の向上、住環境の整備など、地域のまちづくりの課題に的確にこたえていくことが重要と考えております。
 今後とも、地域の特性や敷地の条件などを勘案しながら、民間事業者の創意工夫を活用した良質な賃貸住宅の供給などによりまして、多様な世帯が居住する活力ある地域社会の形成を促進するよう努めてまいります。

○高倉委員 今議会に提出をされている南青山一丁目団地建てかえプロジェクトのように、建てかえを通して用地を創出し、地域のまちづくりや都市再生に活用しているということは大変に意義のあることと考えております。
 今回提案をしている条例改正を踏まえて、都として、このような都営住宅ストックの活用についての取り組みを今後どういうふうに展開をし、進めていくおつもりなのか、その件につきましてご見解をお伺いしたいと思います。

○清水参事 都営住宅用地を活用した民間活用事業につきましては、現在、四地区で取り組んでいるところでございます。例えば東村山本町地区では、高品質、低価格の戸建て住宅建設の実証実験をあわせて行っております。また、勝どき一丁目地区では、子育て世帯が安心して快適に暮らせるまちづくりに取り組んでおります。また、東大和向原団地におきまして、今年度、創出用地の利活用のあり方についての調査を進めてございます。
 今後とも、条例案の趣旨を踏まえまして、都営住宅の建てかえにより創出した用地につきましては、民間事業者の活力を生かしながら、地域のまちづくりの課題解決や都市機能の更新のために積極的に活用してまいります。

○高倉委員 最後に、住宅マスタープランについてお伺いをしておきます。
 この条例改正を踏まえて新たな住宅マスタープランを速やかに策定していく、このようなことにつきましては第三回定例会でもご答弁をいただいておりますけれども、これまで質問し、ご答弁いただいた取り組みにつきまして、ぜひとも新たなプランに盛り込んでいっていただきたいと思っております。
 そこで、最後にお伺いをしますけれども、この新たな住宅マスタープランの策定はいつごろをご予定しているのか、そのことにつきましてご所見を伺って、質問を終わりたいと思います。

○水流住宅政策担当部長 新たな住宅マスタープランについてでございますが、今回の基本条例改正をお認めいただきましたならば、それを踏まえて年度内を目途に策定する予定でございます。

○村松委員 私も、住宅基本条例の問題について質問いたします。
 現行の条例は、住宅は人権や、公営住宅居住者の意見を聞くなどの観点が抜けている不十分さはあるものの、東京都の住宅行政のあり方や、条例で定めた住宅マスタープランにおいて住宅供給の目標がうたわれています。
 例えば、東京都住宅マスタープランの策定に当たり、一つ、居住水準及び住環境水準の目標、二つ、住宅及び住宅地の供給に関する方針、三つ、地域別の住宅及び住宅地の供給の目標年次及び目標量を定め、目標量を達成するために必要な住宅及び住宅地の供給の促進を掲げています。しかし、最近の東京都における住宅行政は、この条例とかけ離れた方向へ進んでいるとの感が否めません。
 具体的に見ていきたいと思います。
 住宅マスタープラン、一九九六年から二〇〇五年度、なぜ一九九六年かといいますと、これは住宅基本条例が制定された以降のマスタープランですから、これを使います。
 二〇〇五年までの計画を見ると、低所得者に対する公営住宅の整備基本方針で、住宅に困窮する低額所得者の住生活を支援する公営住宅は、都民が適切な居住水準を確保し、ゆとりと魅力ある東京居住を実現する上で基礎的な役割を担うものですと、公営住宅の役割を強調して目標を設定いたしております。
 そこで伺いますが、一九九六年度から二〇〇五年度までの都営住宅の新規建設と都営住宅の建てかえ、スーパーリフォームの目標と実績はどうなっているのか、それぞれ伺います。

○清水参事 平成八年度から平成十二年度までの五カ年間に実施いたしました都営住宅の新規建設、建てかえ、スーパーリフォームそれぞれの戸数でございますが、新規建設が三千九百二十四戸となっております。建てかえは一万六千七百七十一戸でございます。スーパーリフォームは四千二百四十二戸となってございます。

○村松委員 目標も聞いたんですが、目標と実績と伺ったのですが、目標はいかがでしょうか。

○水流住宅政策担当部長 目標についてお答えいたします。
 清水担当参事の方から五カ年間の実績をお答えいたしました。委員ご指摘のように、マスタープラン、十カ年計画でつくられておりますけれども、二次のマスタープラン、六年目からは三次のマスタープランにローリングして改定されておりますので、したがいまして、私の方からは、十年間の目標戸数の半分、仮に前半半分がちょうど十年間の二分の一だというふうに仮定いたしまして計画戸数をお答えいたします。
 都営住宅の新規建設は六千五百戸、都営住宅の建てかえの戸数は二万戸、スーパーリフォーム一万戸でございます。

○村松委員 この住宅マスタープラン、ここの三四ページに十年間の計画があるんですね。お答えいただいたように、二〇〇五年までのマスタープランが、二〇〇一年から新たなマスタープランになっているからそういう答弁になったかと思うんですが、この間、十年間で一万三千の目標。これを半分にしても、六千五百戸の目標に対して新規が三千九百二十四戸ですよね、半分いくかいかないか。それから建てかえについても、十年間は四万戸になっているんですが、これは半分にして二万戸に対して、これも--これは既に一万六千七百七十一戸できているんですね。スーパーリフォームは、二万戸に対して四千二百四十二戸ですから半分にもいっていない、こういう状況だというふうに思うんですね。
 私は、この間の都営住宅の建設計画と実績という表をいただいたんですが、二〇〇〇年は、本来だったら新しいマスタープランには入っていないはずなんですね。ところが、新規建設は二〇〇〇年度からゼロなんですよ。本当にこれは、東京都がみずから定めた目標をもやろうとしていないということがうかがえると思うんです。
 ちなみに、目標戸数をいいますと、一年間の新規の目標戸数が、最初の年が千八百戸に対して千六百二十二戸、平成九年、九七年度は千二百戸に対して千四十二戸、九八年、平成十年度が、目標が七百戸に対して七百二十五戸、それから九九年が目標四百戸に対して五百三十五と、目標がどんどんどんどん少なくなって、あげくの果てには、まだマスタープランが生きている二〇〇〇年度にはもうゼロ、こういう状況なんですね。本当にどんどんどんどん新規建設あるいは住宅政策が後退している、そういうふうに私、思うんです。
 こういう条例で決められたマスタープラン、マスタープランの中で目標を決めてあって、それをも無視しているやり方がこの住宅行政かなというふうに思うんです。
 そこで伺うのですが、現在の条例の前文、居住水準や住環境、職場への近接性、高齢社会への対応など多くの課題が残されている、こういうふうに前文では書かれているんですが、この課題は、課題を達成したのでしょうか。

○水流住宅政策担当部長 まず居住水準でございますけれども、最低居住水準に満たない世帯の割合は、条例制定前の昭和六十三年の調査では一七・七%でありましたが、直近の平成十五年の調査では八・八%にまで減少してございます。
 それから、職場への近接性に関してでありますが、近年は、地価や住宅価格の下落により、都心地域でも住宅供給が活発化し、人口や世帯数も増加してきているところであります。
 高齢社会への対応につきましても、バリアフリー化の構造の住宅が一定程度普及してきているというふうに考えております。

○村松委員 実態を全く見ていないなというのを感じるんですが、今、都営住宅へ住んでいる方、高齢者が多いんですね。いまだに階段で五階まで上がらなきゃならないという人が結構いるんですね。都営住宅にエレベーターをつけるという場合は、それこそ階段の人たちからみんなの合意を得て、一カ月千円の電気代を払わなきゃならない。こういう問題があるという、この現実をしっかりと見て、高齢者に対する対応ができているなんていうことはちょっといえないんじゃないかと思うんです。
 それから、居住水準の問題なんですが、先ほどお答えいただいたんですけれども、私は、このマスタープランの中でも、この住宅の供給量は、二十一世紀初頭での約半数世帯の誘導居住水準達成を前提として、二〇〇五年度時点における住宅ストックに必要な--最低居住水準を早期に解消するというのが目標に入っているんですね。だけど、最低居住水準に満たない居住水準未満のところが、東京都の場合はまだ八・八%残っている。全国平均が四・二%ですから、全国の倍残っている。それから、その中でも、民間住宅と比べて公営住宅の方が最低居住水準未満の世帯が多いんですよね。民間が八・七%、公共住宅が一〇・三%まだ残っているということですよね。
 こういうふうに、居住水準も、それから高齢者に対する問題も、高齢社会への対応などがまだ残されているというふうに思うんです。こういった問題を本当に達成するために、マスタープランにしっかりとこういう目標が書かれているから、条例に基づいて努力していく、こういうことがいえると思うんですが、今回の条例の中には消えちゃっているんですね。これはやっぱり大きな問題だなというふうに私は思います。
 それでは、都営住宅の応募状況について伺うんですが、住宅基本条例が制定された平成四年度と平成十七年度の募集戸数、応募者数、応募倍率はどうなのか、お答えください。

○小林都営住宅経営部長 応募状況についてでございますが、平成四年度は募集戸数約八千四百戸、応募者数約十三万二千名、応募倍率十五・八倍でございます。平成十七年度は同様に、約六千五百戸、約二十一万八千名、三十三・七倍でございます。
 なお、都営住宅の大きな公募は年四回実施しておりまして、それぞれに重複して応募できる仕組みとなっておりまして、年間の応募者数は延べの人数でございます。

○村松委員 年間、いまだに二十一万八千三百九十一世帯の応募者があると。前回の委員会の中でも私、申し上げましたが、一回の応募、例えば去年の十一月ですと六万を超えている。そういう世帯なんですね、六万を超える世帯。これはやっぱり、ちょうど多摩市が十四万の人口ですから、六万(「もっとだよ、もっと」と呼ぶ者あり)もっとですか。でも、六万ちょっとの世帯ですよね。
 そういうふうに、多摩市に匹敵するくらいの人たちが毎回毎回応募している。これについての認識、都民は都営住宅を望んでいる、そういう認識はお持ちでしょうか。

○小林都営住宅経営部長 平成十七年度の十一月の世帯向けの募集に応募した方は五万九千五百七十六人でございまして、六万人に若干欠けてございます。この数をどう見るかということでございますが、個々の中身を見てみますと、区部の利便性がよくて築年数の新しい団地の中には、一戸に対して千名以上が応募するという状況がある一方、板橋区では応募者のない団地もございます。また、市部では応募者が募集戸数に満たない団地もございまして、数だけをもって応募者の住宅の困窮度の度合いを推しはかることはできないと考えております。
 なお、応募者数が平成四年度と比較してかなり多くなったということもあろうかと思うのですけれども、これは、入居資格となる収入基準が、平成八年度の公営住宅法の改正により引き上げられたことから、応募できる人が増加いたしました。また、募集回数につきましても、家族向けや単身者向け、空き家募集を年一回から年二回にふやした、こんなことから、平成十七年度については二十万人を超えているということでございます。

○村松委員 いろいろお答えはいただいたんですが、この実績を見れば、それだけ都民が都営住宅に入りたい、都営住宅を欲しいんだ、こういうふうにいえるんじゃないですか。何でそこを認めようとしないのか。
 一軒一軒の方はいろいろあると思うんです。私も、都営住宅に入りたい、よくそういう悩みなんかをいただきますけれども、やはり長い間お店をやっていて、この不況の中で本当にもうやっていけない、お店を閉めちゃったら、残ったのは借金だらけということで、いつ銀行から追い出しを請われるかわからない、そういう中で都営住宅へ入りたい、そういう相談が結構あるんですよね。そういう人たちの受け皿というのも、やっぱり大事だというふうに思うんです。
 公募するたびに応募者がふえている。まして、先ほどの答弁ですが、平成四年のときは八千三百五十五、これだってそんなに多くないんですが、今は、昨年度は六千四百七十四、四回の募集で六千四百七十四は少な過ぎるんですよね。本当にこれは少ないということを、もっときちっと東京都は自覚すべきだというふうに思います。
 東京都がこういうふうに都営住宅の建設をやめている、そのことの中には、東京都が、都民がどんなに都営住宅を必要としても、平成十一年に決めた財政再建推進プラン、財政難を口実に決めた見直し、これを実施する、そこにしがみついているからだというふうに思うんですね。東京都が財政難を口実に、さまざまな都民の暮らしや福祉を削って都営住宅の新規建設のゼロ、こういう中で、この七年間、プランの見込み額よりも二兆九千六百七十一億円も超過収入があるんです。大型公共事業には毎年一兆円近いお金がつぎ込まれている中で、本当に都民の暮らしを守ろうとしない、そういうふうにいわざるを得ないと思います。
 次に、高齢者、障害者施策について伺いますが、現行基本条例の中で、高齢者、障害者等の居住の用に供する公共住宅の供給を促進するため必要な施策を推進するよう努めるものとすると、公共住宅の供給の促進で位置づけております。
 ところが、新しいこの条例案を見ますと、公共住宅の供給に当たっては、高齢者、障害者、子育てをしている世帯等の入居の促進に配慮するものとする、こういうふうになっているんですが、どう違うのか、その説明をお願いします。

○水流住宅政策担当部長 現行の、高齢者、障害者等の居住の用に供する公共住宅の供給を促進ということでありますけれども、これは特定の住宅を高齢者、障害者等の居住向けに設備等をつくりまして、そうした住宅を供給するということに主たる意味が置かれていると考えます。
 それに対しまして、改正案の、公共住宅の供給に当たっては、高齢者、障害者、子育てをしている世帯等の入居の促進に配慮するものとするという条文の方は、これは今、都営住宅は基本的にすべてバリアフリー化を進めているわけでありまして、一般的にすべての都営住宅を対象にいたしまして、地域の実情、需要の状況に応じて高齢者、障害者等の入居の促進に配慮するという、いわばノーマライゼーションの考え方をより強めて規定しているものというふうに考えております。

○村松委員 もう一点、この高齢者、障害者のところでお聞きしたいんですが、良質な民間住宅の供給の促進、ここの中では、良質な民間住宅を建設するときは必要な建設資金のあっせんなどの援助を行うものとするとして、援助を行う場合において、それらの住宅が高齢者または障害者の利便の向上に資するものであるときは、当該援助について特別の配慮を行うよう努めるものとするとなっておりますが、ここも変わっているんですね。
 高齢者、障害者、子育てをしている世帯等の民間住宅における居住の安定の確保を図ること、民間賃貸住宅への円滑な入居の促進、高齢者等が利用しやすい構造を備えた民間住宅の整備の促進、適切な規模の民間賃貸住宅の供給の促進その他必要な施策を講じるよう努めるものとすると。ここでも変わっているんですが、これはどう違うのでしょうか。

○水流住宅政策担当部長 ご指摘の条文は十五条の三項でありますけれども、この十五条条文自体、土地所有者が建設する民間賃貸住宅に対して、建設資金の融資を受けた者に対して都が利子補給を行う優良民間賃貸住宅制度について定めたものでございます。その優良民間賃貸住宅制度において、高齢者、障害者の利便向上に資する住宅であるときは、その利子補給をより優遇するという、そういう仕組みについて規定したものでございます。
 優良民間賃貸住宅制度につきましては、当時、条例制定時には非常に金利が高かったものですから、利子補給を都が行っていたわけですけれども、今の金融情勢では、当時の金利に利子補給をして下げた金利よりも、なお低い金利で融資が出るようになっているところであります。
 そうしたことを考慮いたしまして、優良民間賃貸住宅については停止しているところでありますけれども、新しい条例案の条文につきましては、基本的に、現行の条文が非常に制度の細かい仕組みに立ち入って規定しているところがございます。今のところがそうなんですけれども、基本条例という性格を踏まえますと、やはりより普遍的に施策の方向を示すもの、示すべきものというふうに考えておりまして、その上で、現在の新しい十五条の規定に改定しようというものでございます。包括的な、普遍的な条文の中で、高齢者、障害者等に対する居住の安定についてしっかりとうたっているというふうに認識しております。

○村松委員 その包括的というのが非常にくせ者なので、福祉の包括的補助なんていいながら、根拠条例をどんどんなくしておいて、結局なくしてしまおう、こういう状況というのがやっぱりあるんですね。
 だから、さっき私がいったように、指摘したような、公共住宅の供給を促進するため必要な施策を推進するよう努めるものとする、こういうふうに明記すれば、東京都がやらざるを得ない。そういうものが、それが何か、なし崩し的にぐずぐずと、やってもやらなくてもいいような、そういうふうになってしまう。
 先ほどの民間住宅も同じなんですが、本当に、財政援助をして高齢者、障害者に良質な民間住宅を確保しようとして取り組んできた施策、これがなくなるんですから、私はこれは高齢者、障害者に明らかな後退だといわせていただきたいと思うんです。
 もっといわせていただければ、現行の基本条例では、高齢者等への家賃助成等を行う区市町村に対する援助についても、都は、区市町村が高齢者、障害者が住みなれた地域において居住を継続できるよう民間賃貸住宅の借り上げその他の措置または当該措置に係る家賃等の助成を行うときは、当該区市町村に対し、必要に応じ、財政上の援助を行うものとする、こういうふうに明確に書かれているものがなくなっているんですね。これを後退といわなくて何というんだろうか、そういわざるを得ないと思うんです。
 改正案でも、高齢者、障害者とともに子育て世帯が併記されて改善ですけれども、その対策は、今指摘したような高齢者、障害者と同程度のもので、東京都の責務が位置づけられていない、こういわざるを得ないと思うわけです。
 次に、住宅コストの有効活用の問題について伺います。
 私、この間、先ほど質問いたしました亀・大・小の調査のときに、東大島の駅前のコーシャタワー、おお、高いなと思って見てきたのですけれども、そこが東京都の供給公社だというふうにいうわけですね。ここのコーシャタワー小松川の総戸数、それから空き家戸数がどうなっているのか、また、この家賃、最高、最低、家賃の平均、これを示してください。

○中沢区市町村調整担当部長 家賃は、最高で十八万一千百円、最低が十一万七百円、平均は十三万四千八百二十六円でございます。
 総戸数でございますけれども、二百二十三戸、空き家は五十戸、空き家率は二二・四%でございます。

○村松委員 お答えいただいたんですが、二百二十三戸中五十戸あいている。平均家賃十三万四千八百二十六円、これを掛けますと、何と、一カ月六百七十四万一千三百円。空き家だけで一カ月そのまま寝かせて、一年間になったらもっとですよね。
 これが、たまたまここだけじゃなくて、コーシャハイム小松川一丁目というところでも、総戸数三百九十四戸中空き家が四十三戸、一〇・九%。家賃はどうかというと、最高家賃が十五万三千五百円、最低が十万二千六百円、平均十一万一千二十二円と、こういうふうになるわけですけれども、住宅マスタープランでも、しきりに住宅ストックの活用がいわれているわけですから、住宅のストックをいうなら、こういう供給公社の空き家活用も重要な意味を持つと思うんです。
 本来の公社家賃は、都営住宅には収入が少しオーバーする方々を対象に、もっと都民が入りやすい家賃にすべきだと思うんです。ところが、市場家賃にしているために、入れないので空き家の多い住宅が多い、こういえると思うんです。少なくてもこの二つについては。
 そういう中で、これだけの空き家を一年間もあけておくよりも、家賃を下げて、都民が喜ぶような施策を進めた方がいいんじゃないかと思うんですが、その辺についてのお考えをお聞かせください。

○中沢区市町村調整担当部長 空き家が多いところでは家賃を値下げしたらどうかということでございますが、公社全体につきましては、空き家率は平成十八年十月末現在で二・四%でございまして、空き家が多いというふうには考えておりませんが、ご指摘のような個別の住宅では空き家率の高いものもございます。
 公社の家賃は、近傍の同種の住宅の家賃と均衡を図るように定めることとされております。定期的に家賃を見直しいたしまして適正な家賃設定を行いまして、入居者の確保に努めてまいりたいと思います。

○村松委員 こんなことをやって、一カ月に六百七十四万も空き家で置いておくよりは、ぜひ家賃の見直しを、引き下げて、多くの人が入れるような住宅政策を東京都がとっていただきたい、このことをお願いしたいと思います。
 最後ですけれども、現行の東京都住宅基本条例が制定されてから、既に十四年たちました。この間の東京都の住宅行政を見てきますと、極めて大きな方向性の転換や制度変更が行われてきました。その総仕上げとして、住宅政策審議会答申で住宅政策のビッグバンが打ち出され、さらに、今年度の住政審答申や国の住生活基本法に基づいてこのたびの東京都の住宅基本条例改定案が提出されたわけですが、都民にとって東京都の住宅政策の今後を決める条例改定について、この間、事前にどのくらい周知したのか、また、都民の意見の募集や公共住宅に関連した団体の意見集約はどのように行われたのか、伺います。

○矢島住宅政策推進部長 今回の条例改正案についての都民への情報提供ということでございますけれども、条例の制定や改正につきましては、都民の代表である都議会に上程し、そこでの審議を通じてご決定をいただくものということで認識してございます。特段、別途の形での意見聴取を行うということは考えてございません。

○村松委員 都議会に条例を提案したから、これでよしと。この都議会だって、この原文をもらったのは十四日前ですよね。都民の皆さんの意見を聞いているという状況ではないでしょう。それで、住宅政策審議会の中の答申の前に聞いたということも前におっしゃっていましたけれども、やっぱり条例として都民の意見を聞くか聞かないかというのは、うんと違うんですよね。それから私、本当に、居住者、特に公営住宅の居住者からの意見を聞かないという、これはやっぱりおかしな話だなというふうに思うんです。
 前回の条例改定案のときは第一回定例会があったんですが、二月初旬に提案され、三月いっぱい日程がありました。今回のように、提案からきょうまでわずか十八日しかないのは、全くそういうときは違うわけです。まして住宅政策審議会で基本的な方向が出されているのでということは理由にはなりません。
 こうした流れの中で打ち出された改正案では、この後、植木議員も取り上げますが、先ほど質疑いたしました、都民の住宅要求が根強くあるんですね。関心も高い。これから十年、二十年先の住宅政策を審議する、こういう中身のものですから、都議会で議論するからいいというものではないというふうに思うんです。今からでも都民の意見や居住者を代表する分野の団体や個人の意見を聴取すべきだと思うんですが、先ほどの答弁ですと、するつもりはありませんと、こういうふうにおっしゃっておりますので、あえて伺いません。
 私は、東京都の住宅政策審議会も、住宅供給の主体は民間でと、住宅ビックバンで打ち出して以来、民間の住宅要求に対しては、都有地を住宅ディベロッパーに提供したり、容積率を緩和することをどんどん促進されるが、一般都民の声が反映されない、こういう状況になっております。二〇〇〇年の条例改定以前は、居住者を代表する分野の方が審議会に入っておりましたが、改定されたときに排除されました。居住者の意見や都民の意見が十分反映されることが重要だと思います。今回の住宅基本条例改定に当たって、都民の意見は聞かない、公共住宅居住者の意見を聞かないで決めてしまうのは、余りにも拙速過ぎる。
 そこで私は委員長に提案したいのですが、委員会として、都民からの意見を聞く公聴会を開くようにお願いをして、質問を終わります。

○矢島住宅政策推進部長 今回の改正案についての都民の意見の反映についてでございますけれども、今回の改正は、六月の住宅政策審議会の答申を踏まえて行うものでございます。
 住宅政策審議会のこの答申に当たりましては、都議会議員の先生方にも審議委員として加わっていただいていること、それから、中間のまとめに際しては、都民の意見の聴取も十分行っております。こうしたことから、答申は都民の意見を十分参考にして取りまとめたものというふうに考えてございます。
 なお、条例改正につきましては、六月の答申を受けて、六月の答申の中に明記をされていたものでございますけれども、あわせて第三回定例会においては、本会議において条例改正を行う旨答弁をさせていただいているということをつけ加えさせていただきます。

○村松委員 先ほどいったんですが、住宅政策審議会と、住政審と都議会の条例というのは違うんですよ、都議会での条例は。住政審に都議会議員がいるといっても、ここの都市整備委員全員なわけじゃないでしょう。条例と住政審の答申を全く一緒にしたら、これは絶対意味が違うんですよね。
 そのことと、もう一つ、先ほどの公営住宅、公共住宅の居住者の意見が反映されない、これはやっぱり大きな問題だ、そのことを私は指摘しておきます。
 以上です。

○吉原委員長 それでは、この際、議事の都合によりおおむね十分間休憩をいたします。
   午後二時四十五分休憩

   午後二時五十五分開議

○吉原委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○松下委員 私は、本日、報告事項にございました、高齢者、身体障害者等が利用しやすい建築物の整備に関する条例の改正について質問したいと思います。
 まず、本条例の審議日程が、都議会定例会の最終日である十二月十五日の本会議に正式に提案されるという、通常の審議日程とは異なるイレギュラーな日程となっております。確認の意味で、このような審議日程となった理由についてお伺いしたいと思います。

○金子市街地建築部長 本年六月に、いわゆるハートビル法と交通バリアフリー法が統合されまして、新たにバリアフリー法が公布されたところでございます。
 ハートビル法を根拠としております本条例は、これによって根拠法が変わることになるため、新法及びその政令が施行されます十二月二十日までに改正をいたしまして施行する必要がございます。
 本条例は、政令の内容に基づいて定めている部分が多いことから、政令が公布されないと条例の内容が確定しないといった事情がございまして、政令の公布が十二月八日となりまして、その政令の内容を条例に盛り込んだため、やむを得ずこのような日程とさせていただいたところでございます。ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

○松下委員 改正条例案に法律の政令を引用している条文があり、国の政令の公布が十二月八日になったためということはわかりました。実際に法の施行と政令の公布日の間がやや短過ぎるのかなということは感じますが、やむを得ずこのような日程となったということは理解いたしました。
 事前の説明では、今回の条例改正は、法律の統廃合に伴う名称、用語及び条項番号の整理などで政策の変更はないとのことですが、この点についても、確認の意味で何点か質問をしたいと思います。
 まず、条例の名称についてですが、現行の条例は高齢者、身体障害者等が利用しやすい建築物の整備に関する条例ですが、改正する条例の名称は、高齢者、障害者等が利用しやすい建築物の整備に関する条例となっており、身体障害者等の部分が障害者等に変更されております。条例本文においても、同様に語句が変更されております。
 この変更に伴って、条例の対象とする建築物の範囲に影響はないのでしょうか。条例名称の変更の理由についてもお伺いいたします。

○金子市街地建築部長 条例につきましては法律に基づくものでございまして、根拠法となるバリアフリー法の用語として、身体障害者等が障害者等になったことを受けて変更するものでございます。
 従来の身体障害者等の「等」の中には、知的障害者、精神障害者などに加えまして妊産婦などが含まれておりました。今回の法改正に当たりまして、身体障害者、知的障害者、精神障害者などを障害者としてまとめまして、妊産婦などを「等」として表現したものでございます。
 今回は、このような国の考え方により変更したものでございまして、したがって、変更に伴う条例の対象範囲に変更はございません。

○松下委員 名称の変更に伴って、条例の対象となる建築物の範囲について変更はないということはわかりました。
 次に、本条例の根拠となる法律である通称バリアフリー法、正式名称が高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律であるのに対して、改正案の条例の名称が、高齢者、障害者等が利用しやすい建築物の整備に関する条例となっており、名称が異なっております。特に、法律では建築物の語句がないにもかかわらず、条例には建築物の語句が入っております。この点についての理由をお伺いいたします。

○金子市街地建築部長 今回の条例改正は、いわゆるハートビル法と交通バリアフリー法が統合されたことに伴うものでございます。
 都は従来から、平成七年の福祉のまちづくり条例、そして平成十五年の本条例の制定によりまして、建築物や道路、駅施設などを対象として総合的なバリアフリーの施策を推進してまいりました。
 現行の条例、高齢者、身体障害者等が利用しやすい建築物の整備に関する条例、通称ハートビル条例といっておりますけれども、これは旧ハートビル法を根拠といたしまして、バリアフリー化をすべき建築物の規模や基準に必要な事項を付加しているものでございます。
 条例改正におきましても、建築物のバリアフリー化を促進することを明確にするため、このような条例の名称とするものでございます。

○松下委員 新たな法律が通称ハートビル法と交通バリアフリー法が統合されたものであり、本条例は旧ハートビル法を根拠とし、建築物のバリアフリーについて規定を定めているということはわかりました。
 最後に、改正案の新旧対照表を拝見しますと、法律の統廃合に伴う文言、条項番号の整理だけではなく、削除された条文もあることがわかります。
 条文の削除に伴って、これまでのバリアフリーの施策の変更や後退になるということはないのでしょうか。この点についてお伺いしたいと思います。

○金子市街地建築部長 現行の都の条例は、いわゆるハートビル法の基準に上乗せをして、都の独自の基準によって建築物のバリアフリー化の一層の推進を図るというものでございます。
 今回公布された政令によりまして、一部、都が独自に上乗せして設けていた基準と同等の基準が全国統一の基準として整備されまして、これらの部分については都の条例で規定しておく必要がなくなったことから、該当する条項を削除するものでございます。したがいまして、条例の改正の前後で施策が変更になったり後退するといったことはございません。

○松下委員 条文の削除は、施策の変更や後退となるのではなく、むしろ都が先行的に推進していた施策が、法律の改正により全国の基準となったということがわかりました。
 建築物のバリアフリー化は、高齢社会や、いつ起こるとも知れない災害への対応の点からも非常に重要な課題であります。
 私の地元の理容店の店主と話をしている中で、今、理容店は、条例による定め以前に、お客様に通い続けてもらうために、顧客サービスのためにもバリアフリー化が必要であるというふうに店主はよく話をしています。これまで理容店に通っていたお客さんが、長いこと通われている間に高齢になり、今までは普通に上れていた階段が上りづらくなったり、車いすで理容店を訪れるお客様のために、入り口の段差を解消しなければ店舗に入れないといったこともあるんだと、実際に店主の方から私はお話を伺っております。
 また、都へ来訪するさまざまな人々にとって、その都市の印象を決める大きな要素で、バリアフリー化というのは大変大きな要素であると思います。引き続き建築物のバリアフリーを推進していただきたいということを要望して、私の質問を終わります。

○植木委員 私は、東京都住宅基本条例の改定案、それから南青山一丁目のプロジェクトについて伺いたいと思います。それぞれ大変重い中身になっているというふうに思っています。
 現行の東京都住宅基本条例が制定されてから、この間、約十四年ほどたっているわけですけれども、この間の東京都の住宅政策を見てみますと、極めて大きな方向転換、制度変更が行われているというふうに感じています。
 二〇〇一年の住宅政策審議会の答申で住宅政策のビッグバンが打ち出されて、ことしも六月に住政審答申が出され、また、国の方では住生活基本法が出されている。住宅政策といいましょうか、住宅の流れというのが非常に加速度的になってきているという思いがいたします。
 それで、二〇〇一年度の住宅政策ビッグバン、これが直接的な流れの中では大きなきっかけだというふうに受けとめているんですが、このビッグバンというのはどういうことをいっているのでしょうか。

○水流住宅政策担当部長 住宅政策のビッグバンでございますが、二〇〇一年五月、平成十三年五月の住宅政策審議会答申により提言されたものでして、都はこれを踏まえ、十四年二月に住宅マスタープランを改定いたしました。
 その考え方でありますが、住宅の量的な充足や人口減少社会への移行、民間市場の発達や居住ニーズの多様化を踏まえ、それまでの公共住宅の新規建設を中心とした政策から、市場の活用やストックの有効活用の視点を重視した政策への転換を図り、豊かで生き生きとした東京居住の実現に向け、三点を柱として掲げております。
 一つが、住宅市場の整備、誘導に向けた民間住宅施策の新たな形成と展開、二つ目が、住宅困窮者の居住基盤を担ってきた都営住宅制度の抜本的改革の実施、三点目が、都営住宅制度の抜本的改革と民間住宅施策の有機的連携、これを三つの柱として住宅施策を推進していくという内容であります。

○植木委員 当時のマスタープランの写しを持ってきたんですけれども、住宅政策は住宅市場の構造改革だという言葉も使っているんですね。非常に住宅政策が構造改革される、こういうことです。この考えが現在に引き継がれて、今、三つの分野のお話がありましたけれども、今回の条例改定の柱になってきているということだと思うんですね。
 それで、住宅政策の基本的な考えや中身に入っていきたいというふうに思っているんですが、一九九二年、平成四年の住宅基本条例制定時も問題にしましたけれども、都民の強い要望の中に、住まいは人権という考え方、居住権を条例に盛り込むべきだという考え方が指摘をされていましたし、当時、私ども条例提案の中でも提案をしましたけれども、取り入れられませんでした。住まいは人権という問題。
 それから、今回の条例の冒頭では、この十四年間に実際に行ってきた住宅政策がどうだったのか、都民の住宅事情がどう変わってきたのか、前進面や後退面はどうだったのか、こういう分析も、今回、具体的には削除されているんですね。
 そういう前文に入る、大前提としての住まいは人権という問題で、この条例が改定された後、一九九六年に第二回国連人間居住会議がイスタンブールで開催されて、当時、青島知事も参加をいたしましてイスタンブール宣言の採択に加わってきたわけです。この宣言の第三章で、我々は諸国際文書が定めた適切な住宅に対する権利の完全で漸進的な実現に向けて誓約を再確認するという宣言として採択された。日本政府も調印を行いました。その後、さらに国際人権規約では、適切な住まいをすべての者の権利と認め、締約国に対して権利の実現と実施状況の報告義務、こういうものを課して、日本政府にもいろんな指摘が来ているはずです。
 こうした住まいは基本的人権、住まいは人権、こういう考えについてはどのように受けとめているのか、まずお聞きしたいというふうに思います。

○水流住宅政策担当部長 ご指摘のイスタンブール宣言でありますが、国はこのイスタンブール宣言につきまして、適切な住居についての権利を十分かつ着実に実現することというように記載されていて、これは憲法二十五条の、すべての国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有するという規定と同趣旨であると考えているという認識を示しております。都におきましても同様の認識でございます。
 そして基本条例でありますけれども、基本条例の前文では、基本的人権が尊重されるとともに社会的公正が実現され、ともに支え合い、安全に--この「安全に」は今回追加している部分ですが、安全に安心して住み続けられる社会を築いていかなければならない、このように述べ、その上で、住宅政策の役割として三つ基本的な事項を掲げておりますが、その三番目に、住宅に困窮する都民の居住の安定の確保を図る総合的な住宅政策の確立が不可欠であるとし、具体的に、基本的施策のところで公共住宅の供給で、都民の居住の安定の確保を図るため、公平かつ的確な供給を図るよう努めるものとするとし、さらに、民間住宅における居住の安定の確保についても規定しているところでございます。

○植木委員 そうしますと、今のお話でいきますと、憲法二十五条、すべての国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する、ここには権利というのが入っているんですけれども、今のお話と、この憲法の解釈、あるいはイスタンブールだとか国際人権規約等でいっている権利をあわせて考えた場合、住まいは人権という立場をとっている、こういうふうに解釈してよろしいんですか、東京都は。いかがですか。

○水流住宅政策担当部長 憲法二十五条に定める生存権も含め、基本的人権の尊重というその趣旨を踏まえて、東京都は住宅基本条例を定め、それに基づいて住宅政策を実施していくということでございます。

○植木委員 そうすると、住まいは人権という、そこのところですけれども、東京都はそういう立場でいくということなんですね。

○水流住宅政策担当部長 住まいは人権、居住権だと思うんですけれども、それをめぐる議論につきましては、住宅基本条例制定当時もいろいろな議論があったと承知しております。
 この居住権に関しまして、当時、東京都住宅基本条例アドバイザリーグループにいろいろとご意見を伺いまして、そこで出た指摘でありますけれども、どのような権利であるか、居住権の対象となる具体的な利益について考察すれば、それは住宅の規模、性能、設備、立地、環境、対価、さらには通勤時間など極めて多岐にわたっており、個人の価値観など主観的要素や地域特性等によって左右される側面が大きいといわざるを得ない、こういうふうに指摘しております。
 それから、国土交通省、これは国会の住生活基本法をめぐっての審議におきましても、いわゆる居住権を法令に位置づけることについての議論があったわけでありますけれども、ここにおきましても、居住権をいわば包括的な権利として、概念として法令に条文化することについては、まだ国民的なコンセンサスができていないと。したがいまして、憲法で定める基本的人権の尊重といった趣旨の具体化に向けて、行政としては努力をしていく、こういうことを述べているわけでございます。私たちもそういう立場でいるところであります。

○植木委員 つまり、住まいは人権という立場にまだ立てていないという、そういう答弁ですよね。
 憲法第二十五条をきちんと正面から受けとめる、それから、こういう国際的な条約に日本も調印しているわけですから、当時、青島知事も出て調印に参加しているわけですから、この点はぜひ今後、いろんなところから意見をもらったということはお聞きしていますけれども、やはりきちっとそこの場に立つということが--いろんなこれからの具体的な中身の中に、微妙に変わってくるんですよ。そこのところを、ぜひ私は立っていただきたいということを、これ、やりとりしていても平行線ですから、指摘にというか、強調はしておきたいというふうに思います。
 具体的な条例の中で、この十四年の間に住宅局が都市整備局に変わってきました。今度の改定条例案では、住宅は生活の基盤であると同時に都市を形づくる基本的な要素と。都市を形づくる基本的な要素という位置づけが改めてされまして、ここには住まいは人権というのが恐らくないために、単なるまちの構成の一部分でしかない、こういうふうに解釈されかねない内容になっていて、結局、住宅局が組織再編や統合ということで廃止され、都市整備局に統合されてきた。それ以来、住宅局、かつての住宅行政の予算が年々減らされてきて、都市づくりの一部分としての位置づけが逆に強く打ち出されて、あたかも高層住宅を林立させることが住宅政策の目標であるかのような、今そういった変貌を遂げているのではないかと私は思っています。
 そこには、都民の皆さんが集い、地域のコミュニティを構成する人間の顔、環境、そういったものが、やはりだんだん、ないとはいいませんよ、後景に追いやられている気がするんですね。つまり、発想がこの十四年間で逆転してきているんじゃないか、こんなふうに思うんですけれども、いかがですか。

○水流住宅政策担当部長 住宅と都市に関して対立的にご指摘されたように感じられましたが、決して住宅基本条例についてはそのように考えているわけではございませんで、前文に掲げております住宅についての認識、住宅は生活の基盤であると同時に都市を形づくる基本的な要素と。そして、住宅の重要性につきまして、住宅は、このように単なる私的財にとどまらず社会的な性格を有していると。この社会的な性格の中には、当然コミュニティの問題も入っているわけです。
 経済的活力や文化的魅力と相まって、居住の場としての魅力を高めていくことが都市社会に活力と安定をもたらし、東京の持続的な発展に寄与するものである、このようにいたしまして、先ほどご紹介した部分ですけれども、良好な都市環境を将来の世代に引き継いでいくことが必要であるとの考え方に立って、基本的人権が尊重されるとともに社会的公正が実現され、ともに支え合い、安全に安心して住み続けられる社会を築いていかなければならない、このようにうたっているところでございます。

○植木委員 条例の文言を見ますと、確かに、例えば今までなかった子育て世代の問題に入ったり、それからマンションの政策も位置づけられたり、中古住宅のストックの活用の問題も位置づけられたり、言葉の上ではいろいろあります。ただ、具体的な中身になってくると、いろいろ問題を感じるんです。
 その問題の方にちょっと入っていきますけれども、一つは、住宅は充足しているというふうに常に皆さんはいっています。住宅供給の基本を民間にシフトすると、明確な方針転換、先ほどのビッグバンでわざわざ位置づけてきたわけですね。それが都営住宅など公共住宅の新規建設を中止して、限られたストック--年々、少し減っているんですけれども、限られたストックを有効に活用しなければということで型別供給が導入されたり、使用承継の見直しでは、だんだん狭められて原則配偶者というふうになってきたり、家賃制度の見直しもあったり、期限つき入居制度など、狭き門にだんだんなっている気がするんですね。
 地方公共団体の役割を、市場が円滑かつ適切に機能するための環境を整備することに置き、住宅政策の基本的な方向が官から民へという方向に転換が進みつつあると。都民の住宅確保については、一人一人の努力、個人の財産だからという意味なんでしょうけれども、自助努力、自己責任にだんだん低めてしまっている。みずから住宅を確保できない高齢者、障害者などのセーフティーネットに限定し、救貧対策に位置づけられている、変えられてきている。
 結局、住宅供給が進んだから、充足してきたからというのは、一つの理由やきっかけであって、これを機会に住宅政策そのものを百八十度転換して、最初にビッグバンのところで、住宅分野の構造改革だと位置づけられたことを指摘しましたけれども、まさに官から民の流れの中であり、自助努力、自己責任でやれということに進むことを宣言した、そういう条例だというふうに私は思うんですけれども、いかがでしょうか。

○水流住宅政策担当部長 住宅という財の基本的な性格でありますけれども、社会的な性格を有しているものの、そこに住む特定の個人に受益が限られるので、基本的に私的な財だと考えます。したがいまして、住宅は市場を通じて供給されることが基本であります。
 しかし、戦後あるいは戦後の住宅難あるいは高度成長期の住宅不足という状況では、市場はまだ十分な供給力がなかったわけでして、したがいまして、公的な主体が積極的に住宅供給の役割を担ったわけでありますけれども、今は市場が発達いたしまして、もう大部分が市場を通じた住宅供給になっているわけであります。加えて、都民のニーズは非常に多様で高度なものになっておりますから、そうしたものに的確に柔軟に対応していくという上では、市場活用というものが適していると考えます。
 しかしながら、市場がその機能を健全に発揮するように、住宅政策が適切に市場に関与していく、例えばルールづくりをしたり、情報提供などをしていくということは必要ですし、また、自力では適正な水準の住宅を確保することが困難な方に対して公共住宅の供給を行うといった市場の補完をする必要はあると考えてございます。

○植木委員 もちろん、住宅というのは個人の財産ですけれども、私は行政の方向性のことについて指摘をしたんですよね。その後、財のほかにもお話がありましたけれども、大きな流れはそうですよ、間違いないですよ、それは。官から民へ、自己責任、住宅政策のビッグバン、住宅政策の構造改革、文字どおりそうですよ。でもそれは、言葉で僕が反論しても、皆さん違うというだろうから、具体的な中身でちょっと幾つか質問をしたいというふうに思っています。
 つまり、官から民へというのはどういう流れになっているのかという具体的な例が、きょう、実は南青山団地の建てかえプロジェクトが出されていますけれども、これはその一つだと。これがすべてだとは思いませんけれども、なぜなら、都営住宅の用地の提供と市場の整備の問題の第一に挙げられていますから、そういう意味でこれが目玉だというふうに私はとらえておりますけれども、まず、南青山団地の建てかえプロジェクトの趣旨、意義、目的、これはどういうものでしょうか。

○清水参事 このプロジェクトの意義、目的でございますが、青山地域という都心に位置する都民共有の貴重な財産であることから、都営住宅用地を有効に活用いたしまして、民間事業者により都営住宅と民間施設等を一体的に整備いたしまして都心居住を推進するとともに、保育所や高齢者グループホーム、社会人向け大学院などの設置によりまして、少子高齢社会への対策や多様な都市活動への支援を行うものでございます。

○植木委員 都民共有の財産、そうですね、間違いないですよね。一体的整備ということで、確かに保育園、都営住宅も入っています。
 しかし、私、前に説明のときにいただいた資料を見ますと、こういうふうに述べてあります。都心で活動する人々に住まいを供給するとともに、少子高齢化社会に対応し、活発な都市活動の維持、増進に努め、寄与するため、必要な施設を整備することを目的にする。
 それから、今、都心居住というお話もございました。じゃあ、都心居住というのはどういうものなのでしょうか。

○清水参事 都心居住についてでございますが、南青山一丁目という都心に住宅を供給し、職と住の近接を図り、都民の活発な都市活動を促進し、国際都市東京の競争力の強化や真の豊かさを実感できる生活の実現を目指すものでございます。

○植木委員 じゃあ、その都心居住の今回のプロジェクトの民間賃貸住宅ですけれども、住戸タイプ、平米数及び賃料、こういったものはどういうふうになっているでしょうか。

○清水参事 民間賃貸住宅の住戸タイプや規模についてでございますが、間取りはワンルームから五LDKまで六種類ございます。規模につきましては、約三十六平方メートルから約三百十六平方メートルまででございます。最も多い間取りといたしましては二LDKで、戸数は百七十二戸、約六十三平方メートルから約百三十二平方メートルでございます。
 なお賃料につきましては、事業者から、まだ決まっていないというふうに聞いてございます。

○植木委員 この事業に最初からかかわってきた三井不動産株式会社の子会社が、実はこの賃貸住宅の専用窓口になっているんですね。私、お聞きしましたら、一平米一万円の基準で考えていると、こういうふうにおっしゃっていました。五十平米で幾らになるんですかとお聞きしましたら、約五十万円ですと。ただ、階高によって、つまり低層にいくと安いのがあって四十万円、低層の場所によるんですけれども、四十万円というのがあるというふうにおっしゃっていました。つまり、単純に計算すると一万円だというわけですね、一平米。
 そうしますと、一番小さいタイプが三十六万円の賃料。一番大きいのは三百十六万円。それから、一番多い平均的なタイプが、六十三平米だから六十万円前後から百三十万円前後。これが一平米一万円の賃貸住宅なんですね。
 私にはとても入れないんですけれども、ちなみに、一体どんな方がこういうところに入居すると予想しているのでしょうか。

○清水参事 民間賃貸住宅へどういう方が入居するのかとの質問でございますが、都心への居住を希望するファミリー層や、都心で働き、活動する就業者の方々などを想定してございます。

○植木委員 都心への居住を希望する方、相当な方ですよね。六本木ヒルズのときに、たしか百万円というのがあって、たしかあのとき、ライブドアのホリエモンさんの名前がよく挙がっていましたよね。恐らくそういう企業人なのか、わかりませんけどね。
 こういう一般的な都民が--一般的な都民、例えば皆さんのような幹部職員の給与水準でこういうところに入れるのかどうか、皆さんいかがですか。それから、企業で働いているといっても、いろんな企業がありますからわかりませんけども、どんな企業が予想されるのでしょうか。教えてください。

○清水参事 どのような方が入居されるのかということなんですが(発言する者あり)五十万円というと、なかなか入れないかなという感じがしますけれども、都心への居住を希望するファミリー層というのも、今回のプロジェクトですと、都営住宅を供給する、あるいはグループホームを供給するということで、低額の所得者の方々から、あとはもう一つは、都心で活躍される高額の所得者の方も入れるような形でこのプロジェクトはつくられておるわけでございます。
 それから、ちなみに募集要項の中で、賃貸料につきましては、青山地域の中高層賃貸住宅の平均的な家賃の住戸主体、約半数程度とするということで、あとそれ以外については、事業者が市場性の判断に基づいて賃料を設定するという形になってございます。

○植木委員 つまり、一般的な都民はなかなか入れない金額ですよね。それは企業や都民の中にもピンからキリというか、いろんな方がおられますから、そういう資産のある、年収のある方あるいは企業がお金を出す方がおられるんだと思うんですよ。私がどこかでお聞きしましたら、とにかく二十四時間活動するIT関連産業だとか外資系の就業者だと、こういうことをいわれる方もおられました。
 いずれにしても、皆さんのいう都心居住というのが、言葉としてはいいんですよ、職住接近、都心居住、人口がふえる。だけど、これが東京都の供給しなければならない、つまり誘導しなければならない住宅政策なのかということなんですね。
 こういうふうに皆さんのあれで出ていますよね、地域のまちづくりに資するよう、用地の活用促進等に努めること、都市づくりの戦略的推進。戦略的推進というんですから、これから一貫してやろうということだろうと思うんですけれども、こういう超豪華な住宅が都心居住だという考え方だとしたら、私はちょっと違うんじゃないかと。
 ちなみに、行政の方の資料にないものですから私が調べたんですけれども、不動産経済研究所の二〇〇五年、去年の三月に行った調査によりますと、一九九〇年代には、賃貸、分譲ともに含めた超高層マンション、高級マンションの供給戸数が毎年二千戸程度だったと。それに対して、二〇〇〇年から二〇〇三年には八千戸、二〇〇四年には一万五千戸、二〇〇五年には一万五千戸を超えるという不動産経済研究所の発表がありました。
 住宅供給は民間を主体だと。財産は個人のものだからというんですけれども、結局こういう大手住宅産業が中心、庶民には高ねの花の住宅供給だとしたら、私はおかしいと思うんですよね。
 そもそも、これだけ毎年一万五千戸を超える高級分譲あるいは賃貸マンションが供給されているときに、わざわざ公共がこれだけの住宅建設に誘導する必要があるんだろうか。私は必要ないと思うんですよ。むしろ、都民の住宅要望にこたえて、都営住宅あるいは公社住宅、公団はもうなくなっちゃいましたけれども、そういうことを進めるのが本来の皆さんの役割じゃないですか。それとも、都営住宅を建てるということは民間を圧迫するからだめだと、こういうことなんですか。いかがですか。

○水流住宅政策担当部長 都心居住に関してですけれども、都心居住の意義といたしまして、先ほど来もお答えいたしましたけれども、職住近接ということは、都市全体にとって、通勤混雑を緩和するといった、非常にロスを少なくするといったこともありますし、また、都心地域にいろいろと諸施設、公共公益施設がもう既に整備されている、そうしたものを有効活用することにもつながりますし、また、個人の生活レベルでも、余暇時間を有効に、家族の団らんやコミュニティ、文化、そうした活動に当てられるということで、非常に意義があるものというふうに考えて推進してきているところです。
 また、この間の都心での住宅供給ですけれども、超高層のお話がありましたけれども、非常に多様な形で住宅供給が活発化してきていると思います。住宅基本条例ができたときは、都心地域では全く分譲住宅は建たなかったわけですね。それが今では、非常にマンションの供給ラッシュといわれるような状態になって、しかも、先ほどいいましたように、ファミリーも住めるものも含めて多様になってきているという状況があります。超高層自体は、これは一つの空間の有効利用の構造形態だから、一概に否定すべきものではないというふうにも考えております。

○植木委員 僕は超高層を否定したことをいっているんじゃなくて、こういう民間で超高層や高級マンション、つまり、さっきいった賃料一つ見ても、青山付近では多分そういう高級志向があるんでしょう。だから建てるんでしょう、民間の方々ね。公共がそれをわざわざ誘導していいのかということを聞いたわけね。しかも、水流部長自身が認めたように、かつては都心のマンションは少なかったと。しかし、今はふえてきている。さっき数字で挙げたように、実際にふえているんですよ。それなのに、わざわざ東京都政としてやるべきなのかということを私は指摘したんですよね。
 それと、もう一つ僕、考えたいのが、先ほど来の質問の中で、応募者数が年間二十万人を超えて、今は二十一万八千人ぐらいになってきていると。それから、応募倍率も三十数倍になったというお話が先ほどありましたよね。つまり、都営住宅の方は募集戸数を中止して、年々、若干ですけれども、今は少しずつ減ってきていると。そうしますと、片や、こういう高級住宅を誘導するということを行政がやる。片や、応募者がふえても、それに対しては停止をしてやらない。
 つまり、こういう都市再生や南青山のようなプロジェクトを東京都政が後押ししている。実際、そういう高級志向もいるんですから、それは多分入るんでしょう。しかし一方では、入れない、都営住宅、何回応募しても入れない層がいる。こういう状況をどう見ておられるのでしょうか。

○水流住宅政策担当部長 住宅の供給のメカニズム、それがどういうふうに全体の都民の住宅事情、住宅の水準向上に寄与するかということですけれども、住宅供給が活発化して、分譲住宅であれ賃貸住宅であれ、新しい水準の高いものが供給されますと、当然そこに移り住む。移り住んだ後の中古住宅、あるいはもともとの賃貸住宅があいて、また次の方に供給されていくという連鎖をたどっていくわけであります。そういったことを通じまして、全体として住宅事情は着実に上がっていくというふうに考えております。そうした連鎖で、最低居住水準が着実に下がっているとか、誘導居住水準が上がっているといったことがいえるかと思います。
 そうした中で、公共住宅、都営住宅に関する供給方針でありますけれども、都営住宅につきましては二十六万戸のストック、ここから毎年発生する空き家の供給量というものが一番大きいわけですね。新規建設をやっていた時代においても、空き家からの供給量の方がずっと大きかったわけであります。
 そして、これから人口、世帯の減少を迎えていくわけです。住宅の戸数が非常に余っている中で迎えていくわけです。そうしたことを考えまして、これからの都営住宅、公共住宅の供給方針といたしましては、ストックの活用に軸足を置くと。もちろん、ストックを活用するためには、それをきっちり着実に建てかえ、修繕をしていかなければいけないわけですから、そうしたことに資源配分を傾斜して、しっかりとやっていくという考え方に立っているわけでございます。

○植木委員 真っ正面から答えようとしていないんですよね。私は、高級な住宅が供給されて、今どんどん過剰供給になって、空き家率九%前後ですよ。だけど、もう公共の方は住宅供給はストップしているんです。もちろん、その間に、さっき中古のマンションの話もしたけれども、中古マンションの問題もあります。これはまた後でやりますけれども。
 いずれにしても、住宅が行政の後押しで二極化という現象が出ているんですよ。真ん中ももちろんありますよ、中堅所得者もありますよ。だけど、端的に高級住宅の供給量が圧倒的にふえているんです。そのことを指摘したんだけど、そのことについては避けて、メカニズムの問題にいっちゃっているんです。
 結局、今、応募倍率がふえている原因もやっぱりあるんだと思うんですよ。この間の増税問題もあるでしょう。きのうもNHKでワーキングプア、働けど働けどなかなかうまくいかない、生活が成り立たないという話もありましたし、国保料が払いたくても払えない。払える能力があって払わないという人の例もありましたけれども、払いたくても払えないという問題についてNHKが迫っていましたけれども、そういう住宅、生活状況、経済状況や住民の背景があるからこそ応募倍率はふえるんですよ、ふやさなければ。
 それで結局、東京都は住宅政策をいうときに、充足している、充足しているというんです。どんどん都有地を、都民の共有の財産だといいながら提供して、高級住宅建設を誘導する。これは本当に、一層格差が生まれて、逆のことを行政が応援しているということになりかねないと思いますけれども、いかがですか。

○水流住宅政策担当部長 都営住宅の着実なストックの更新、建てかえを進める中で、都民共有の財産である土地の有効活用を図って、その土地を地域のさまざまな課題に対して提供していくということは、より多くの都民に共有財産である都営住宅のストックを有効活用しているということだと考えております。

○植木委員 やっぱりね、都民の生活を理解していない答弁ですよ。
 結局、目玉となっている南青山のプロジェクトが一平米一万円というんですからね、私も聞いてびっくりしましたよ。確かに高級志向があるというのは聞いていましたけどね。百万円の賃料のが六本木であるというのを聞いていましたけれども、都営住宅の用地を使って皆さんが推奨している計画で、こんなすごいのが建っているんだという、私、実際見てきたら、高いですね。驚きました。別に、超高層が全部だめだということをここで論じるつもりは全くありませんけれども、つまりそういうものなんです。
 もちろん私、中古住宅も進めていただきたいというふうに思っていますよ。ただ、年収、今、五百万円平均の人がだんだん減ってきて、四百万円台の方がふえているんですよね。四百万円台の人が生活をきちっと見た上でローンを組むとなったら、三十年ローンでもせいぜい千五百万円から二千万円ですよ、ローンで組めるのは。それは、ローン専門会社へ行くと目いっぱい貸すんですよ。ところが大手の金融機関に行くと、やっぱり生活が基本ですよと、ちゃんといいますよ。そうすると千五百万から二千万しか借りられない。そりゃ、中古住宅が今安くなってきているからといっても、千五百万から二千万だと、そう簡単ではないです、はっきりいって。
 そういう点では、ぜひ中古住宅だとかそういう問題は、どういうような形で出てくるかというのは僕もまだ見えていませんけれども、これはぜひ率先してやっていただきたいというふうに思っています。ただ、やっぱり南青山の問題は疑問符しかないですね、はっきりいって。これやっていると長くなっちゃいますので、次に移ります。
 マスタープランの問題についてですけれども、マスタープランに関しても、条例改定案では公共住宅の供給等ということで、新規供給の目標については明言が一切ない。先ほど来の答弁では新規供給はしないと。居住水準や住環境水準ということは言葉としていっているんですけれども、現行条例には三つに目標年次及び目標量というのがあるんですけれども、これも今度の条例ではなくなりました。
 それで、私、最低居住水準、誘導居住水準、それから住宅の供給、地域別の住宅目標、これは現行条例にあるんですね。これはやっぱり、マスタープランのところに位置づけるという皆さんの考えだとすれば、これをきちっと盛り込んでいただきたい。しっかりと位置づけてもらいたい。いかがでしょうか。

○水流住宅政策担当部長 改正条例案では、住宅マスタープランに定めるべき目標について、前文に掲げた総合的な住宅政策のありように即しまして、良質な住宅ストック及び良好な住環境の形成、住宅市場の環境整備並びに都民の居住の安定の確保に関する目標等を規定したものであります。これにより、居住水準、住環境水準など個別具体の目標については住宅マスタープランに定めることになります。
 また、もう一つご指摘ありました、地域別の住宅及び住宅地の供給の目標年次及び目標量についてでありますが、これはいわゆる大都市法、大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法の規定に基づいて、それを引用する形で現行条例を規定しておりますが、その大もとの大都市法が、ことし六月の法改正によって削除されました。そのため、今回の条例改正に当たり削除するものでございます。
 以上です。

○植木委員 確かに大都市法はなくなりましたけれども、国の住生活基本法、それから住生活基本計画(全国計画)が出されています。これについて、いろいろ私ども意見を持っていますけれども、それでもこの計画の中に、やはり目標についてきちっといっているんですよね。今ちょっと文章がぱっと見当たらないんですけれども、少なくとも誘導水準と最低居住水準、それから住宅供給の目標について入れるべきだし、参議院でも衆議院でも、たしか附帯決議というのがついているんですよね。時間がないので、もう皆さんご存じだと思うんですけれども、誘導水準や供給については需要に合った形で供給しろという附帯決議がついているんですよ。正確な文章、ちょっと今、ぱっと見当たらなくて大変悪いんですけれども、恐縮なんですが、後でこれはちゃんと出したいと思いますが、皆さん中身は知っているはずなので、そういう意味では、上位計画との関係でも必要なものがあるんです。
 私は、さっきいったように、公として考えなきゃならない今の都民の生活実態、供給などについては、やはり新規供給も含めて適時適切に盛り込むと。つまり、先ほどの答弁では、今年度内にマスタープランをつくるということになっているという話なんですけれども、それらについてきちっと入れてほしいと。入れるべきだと思いますが、いかがですか。

○水流住宅政策担当部長 住宅マスタープランにおいて、先ほど申し上げました良質な住宅ストック及び良好な住環境の形成、住宅市場の環境整備並びに都民の居住の安定の確保に関する目標を定める場合におきましては、、適切に対応してまいりたいと考えてございます。

○植木委員 適切なというのは、さっきの私の質疑の中でも指摘した部分はぜひ加えていただきたいというふうに重ねて要求しておきます。
 この条例の構成について、ちょっと私、疑問なんですけれども、ただ時間もありませんので、これは指摘だけにしたいと思うんです。
 マスタープランの策定というのが、住宅基本条例の現行と今回と、位置が違ってきているんですね。しかも、このマスタープランの策定というところには、この条例に定める住宅政策の目標及び基本的施策を具体化し、住宅に関する施策を云々と、こういうふうになっているので、つまり条例の範囲内と読み取れるんですね。全国計画だとか附帯決議というのは国から出ているんですけれども、これに対応するというのは、文言上、ちょっと矛盾があるんじゃないかと。一致していれば矛盾ないんですけれども、違ったときには矛盾しかねない。これは時間がありませんので、僕、条例や法的な解釈というのは突っ込んでおりませんので、ここではそういうことを指摘にとどめておきます。
 それで、具体的に住宅を私は要求したわけですけれども、今のたくさん応募しても入れない方、それから、先ほどいったようにNHKのワーキングプアだとか、いろんな生活実態に苦しむ方々や若年の単身者、子育て世代、これを、都営住宅は狭き門にするんじゃなくて、入居の規制緩和や増設の中で、それこそ適切に供給し対応するべきじゃないかというふうに思うんですが、いかがですか。

○小宮経営改革担当部長 都営住宅の入居などについてでございますが、将来の人口、世帯数の減少が確実に見込まれていることなどを踏まえまして、都営住宅については、新規の建設を行わずにストックを活用して公平かつ的確に供給することにしております。
 子育て世帯につきましては、期限つき入居の導入、収入基準の緩和などにより入居促進に配慮しているところでございます。
 また、若年単身者につきましては、公営住宅法上施策対象外となっておりまして、都としても、高齢単身者などに比べまして市場での住宅確保が容易であることから、都営住宅の施策対象とすることは考えておりません。

○植木委員 現制度で考えればそういう答弁になりますよ、それは。私は、規制緩和をもっと進めるようにというふうに主張しているわけですよ。ぜひそれは今後のこととしてやるべきだと思いますよ。
 それから、先ほどの附帯決議では、需要に対応した供給等が今後も適切に行われるように十分配慮することと。先ほど答弁の中でありましたけれども、やっぱり住宅弱者対策というのをマスタープランの中で入れる必要がある。それは、都営住宅で全部クリアできればいいけれども、今の現状では、新規供給に踏み切ったとしても、なかなかそこまで一気にいかない。
 とするならば、住宅政策、公共住宅の方の建設を促進すると同時に、もう一つは、やはり若年単身者や子育て世代の都営住宅入居収入基準の方々に対して、同程度の負担で民間住宅が借りられるような、そういうアフォーダブルな制度を改めてつくるべきだと思いますが、いかがですか。

○水流住宅政策担当部長 都営住宅と同程度の負担で民間住宅を借りられるようにするためには家賃助成などが必要と考えられますが、生活保護制度との関係あるいは財政負担のあり方など多くの課題があり、都として制度を創設することは考えてございません。

○植木委員 課題があるというのなら、やっぱりそれはきちっと検討すべきですよ。マスタープランまではまだ時間があるんですから、ぜひそれも検討の課題に入れてほしいというふうに思います。
 それから、今回、安心という問題が入りました。安全・安心。安心というのは必ずしも、僕、今の都営住宅に入居している方は、承継問題だとか収入基準がどんどん変わっていく問題だとかいろんなことを考えると--それから定期借家ですね、先ほど若年者に定期借家を導入したと。こう考えると、必ずしも安心というのは安心でないというふうに思うんですが、安全の方として、安全いわゆる耐震問題として、これまで私何回も取り上げているんですけれども、なかなか皆さん、それにこたえようとしていないので、改めてお聞きします。
 耐震改修助成についてですけれども、一つは、木造密集地域の整備地区というのが今の制度で、それ自体、非常に私たちも求めてきたことですから、大いにやっていく必要があるし、なかなか今これも進まない。同時に、いろんな密集地域のある区市町村から、やはりそういうところも対象にしてほしいという声も出ているんですよね。それも現在はやっていないのは私も承知しておりますけれども、マスタープランというのは五年とか十年単位で決めるわけですから、その中にはきちっと盛り込むべきだと思うんですね。それが一つ。
 それから、マンションの耐震改修については、長い間、利子補給のままなんですよ。それで、これを活用したのはたった四件なんです。まあ、ないよりは、僕は大事だと思うし、僕も、いろんな制度がない青島知事の時代に、少なくとも利子補給ぐらいやりなさいよといった覚えがあるので、それ自体もっと活用できるようにしてほしいんだけれども、やっぱり耐震改修助成、何らかの形で、この五年、十年の計画を持つマスタープランの中にきちっと位置づけるべきだと思うんですが、いかがですか。

○金子市街地建築部長 住宅の耐震化につきましては、自助、共助、公助の原則を踏まえまして、所有者によって行われることが基本であると考えております。
 都では、木造住宅密集地域のうち、震災時に大きな被害が想定される地域を整備地域として定めておりまして、この地域につきましては、建物の倒壊による道路閉塞を防止するなど、震災対策上、公共性の高い地区の住宅につきまして、本年四月から耐震診断、改修への助成を実施しております。
 多摩地域につきましては、行政連絡協議会等におきまして国の補助制度の活用について情報提供するなど、今後とも市町村の耐震化事業を支援していきたいと考えております。

○山室民間住宅施策推進担当部長 続きまして、マンションの耐震改修助成についてお答えいたします。
 マンションも、自助、共助、公助の原則を踏まえまして、所有者が行うことが基本であると考えております。しかし、マンションは共同住宅であることから、廊下などの共用部分を有するとともに、耐震改修の実施には、多数の区分所有者による合意が必要とされるなどの特徴がございます。
 このため、都は、アドバイザーの派遣などにより円滑な合意形成を促すなどの支援を行うとともに、都内全域を対象に、耐震改修を行う管理組合に対しまして利子補給を行うマンション改良工事助成制度により支援を行ってきました。今後も、この制度を活用しまして支援を行ってまいりたいと考えております。

○植木委員 相変わらず同じ答弁ですよ。一歩も進んでいない。利子補給で四件ですよ、四件。十年ぐらい前から、合計で。全然認識が違うんです。
 今、国の方から皆さんが求められているのは耐震化計画でしょう。耐震化率を引き上げるというわけでしょう。そういうときにそれでいいのかということに対して、住宅基本法やマスタープランでぜひこたえてほしいといっているわけですから。きょうは従来の答弁しかないんですけれども、マスタープランの中で、そこは一歩踏み込むべきだと思うんですね。
 国の方では、実は耐震改修の助成についても、今、踏み込んで考えてきています。ただ、今、国土交通省が一番先にやらなきゃいけないのは、姉歯の耐震偽装マンションにかかわるところが最優先になると思いますよ。だから、一般の住宅に適用されるのはもうちょっと先かもしれません。やっぱり東京都が率先して、いいことは率先してやるというのはやるべきじゃないかと思うんです。ぜひそれはマスタープランに入れていただきたい。
 時間もなくなりましたので、最後のところにいきたいというふうに思っております。
 今はずっと条例とマスタープランにかかわっていってきました。さっき途中で、南青山の状況について一平米一万円だという話をして、住宅に関連する話の部分だけやりました。
 南青山のところにもう一回戻ります。この計画では、特別目的会社南青山アパートメント株式会社を設立していますが、なぜこのマンションを--設立したのか、その意味はどういう意味でしょうか。

○清水参事 特別目的会社の設立についてでございますが、このプロジェクトは、七十年間の定期借地権を設定して行う事業でございます。このことから、参加する企業の倒産などによるプロジェクトへの影響などを回避いたしまして安定した事業継続を図るため、本事業だけを行う特別目的会社の設立を条件としたものでございます。

○植木委員 確かに、途中で倒産してもらっては困るというのは、それ自体はわかります。
 同時に、この事業者募集要項を見ますと、これの中には、事業運営開始から五年後には事業者が定期借家権を第三者に譲渡できる、こういうことが書いてあるんですね。これはどういうことでしょうか。

○清水参事 譲渡についてでございますが、民間賃貸住宅などの民間施設部分、事業者である特別目的会社が発行する株式につきましては、安定した運営体制が将来にわたって確保できると判断される場合には、都の承諾を得て譲渡できるとしたものでございます。

○植木委員 将来にわたって安定した運営ができるところというのは、そうたくさんはないですよね、はっきりいって。
 現在、先ほどもちょっとお話ししましたけれども、もともとこの特別目的会社設立に当初からかかわっていた三井不動産株式会社、この賃貸マンションでいえばこの株式会社の子会社が窓口になっていて、お聞きしたら、さっきいったような状況だと。結局、これだけ大きなマンションをどんどん建てているのは、やっぱり大きな住宅産業の民間ディベロッパーだと思うんですよ、三井とかそういうところのね。結局そういうところが中心になったものでないと、継続できないんです。
 さっきいったように、新築、高級なのができると、また次に移っていく高級志向があったりするものですから、空き家率が下がったり上がったりするわけです。今、九%だそうです。一時、七、八%まで下がったんですけれども、今また上がる傾向になってきている、空き家率が。住宅供給の量が加速度に今されていますから、高級マンションは加速度されています。結局そういう大手しかできないんですよ、これは。長期的な安定だということを皆さんが判断するには。そういう計画だと。
 これで最後にしますけれども、最初に、ビッグバンでこれは住宅の構造改革だというお話がありましたけれども、こういう住宅産業の構造改革というのは何も目新しいものじゃなくて、実は、イギリスなどでは構造改革ということでサッチャー政権が進めて、これの日本版と、私なんかは見ているんです。ところが、住宅分野でもこの構造改革が実は失敗して、今、見直しが進められて、ロンドンプランでも見直しがいわれている。日本でも、金融ビッグバンと、同じような言葉がありましたけれども、これも行き詰まってきている。
 そういう意味で、こういう都市再生を後押しするような住宅政策にシフトするという考え方をもう一度見直しして、本当の意味での総合的な、そして都民の切実な要求に見合った住宅政策に転換すべきだということを重ねて主張しまして、もし答弁があるなら、もう一回、私、発言をとっておきたい。まだ時間がありますからあれですけれども、私はそういう主張です。

○吉原委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案及び報告事項に対する質疑はこれをもって終了したいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○吉原委員長 異議なしと認め、本案及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で都市整備局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時九分散会

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