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Tokyo Metropolitan Assembly

都市整備委員会速記録第八号

平成十八年九月二十八日(木曜日)
第六委員会室
   午後一時三分開議
 出席委員 十四名
委員長高橋かずみ君
副委員長伊藤まさき君
副委員長長橋 桂一君
理事三宅 茂樹君
理事立石 晴康君
理事花輪ともふみ君
きたしろ勝彦君
大松  成君
高橋 信博君
たぞえ民夫君
植木こうじ君
川井しげお君
小沢 昌也君
中村 明彦君

 欠席委員 なし

 出席説明員
都市整備局局長柿堺  至君
次長南雲 栄一君
技監福島 七郎君
技監只腰 憲久君
理事河島  均君
総務部長安藤  明君
都市づくり政策部長野本 孝三君
住宅政策推進部長矢島 達郎君
都市基盤部長石井 恒利君
市街地整備部長宮村 光雄君
市街地建築部長金子 敏夫君
都営住宅経営部長小林 計代君
企画・技術担当部長村尾 公一君
開発プロジェクト推進担当部長戸田 敬里君
住宅政策担当部長水流潤太郎君
区市町村調整担当部長中沢 弘行君
民間住宅施策推進担当部長山室 善博君
多摩ニュータウン事業担当部長今井  光君
都市景観担当部長安井 順一君
経営改革担当部長小宮 三夫君
参事並木 勝市君
参事笠井 謙一君
参事山口  明君
参事座間  充君
参事小澤  弘君
参事清水 文夫君
参事宇多田裕久君

本日の会議に付した事件
 都市整備局関係
付託議案の審査(質疑)
・第百七十七号議案 東京都景観条例
・第百七十八号議案 東京都屋外広告物条例の一部を改正する条例
・第百七十九号議案 東京のしゃれた街並みづくり推進条例の一部を改正する条例

○高橋(か)委員長 ただいまから都市整備委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、都市整備局関係の付託議案の審査を行います。
 これより都市整備局関係に入ります。
 付託議案の審査を行います。
 第百七十七号議案から第百七十九号議案までを一括して議題といたします。
 本案については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○安藤総務部長 九月十四日の当委員会で要求のございました資料につきまして、ご説明申し上げます。
 お手元に配布しております都市整備委員会資料の表紙をお開きください。
 都道府県別景観条例等制定状況一覧でございます。条例ごとに都道府県別の制定状況を記載してございます。
 景観条例につきましては、自主条例、一部法委任条例の別に記載してございます。
 また、屋外広告物条例につきましては、景観法に基づく景観計画または景観地区に関する規定を定めている都道府県に丸印を、定めていない県に三角印をそれぞれ記載してございます。
 以上で資料説明を終わらせていただきます。どうぞよろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○高橋(か)委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、本案に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○三宅委員 この景観条例、屋外広告物条例の一部改正につきまして、東京都の基本的な姿勢及び認識についてお尋ねをさせていただきます。
 オリンピックにつきましては、国内での立候補地に東京が決まりました。そこで、この二〇一六年のオリンピックの誘致についてはこれからが本番だという認識を、ここにおられる皆さん、共通してお持ちのことと思います。
 そしてまた、東京のまちに世界じゅうからぜひ、オリンピックはもちろんのこと、日常的にも多くの方にお越しをいただきたい。その来られた方に、気持ちのいい、心地よい思いで滞在をしていただきたい。また、すばらしいまちだから東京に行ってみたいな、こんな思いを抱いていただくことが、東京のまちづくりを所管する都市整備局の大きな目的だろう、こんなふうにも思います。
 そこで、東京都は、国によるこのたびの景観法の制定に先駆けまして自主条例を制定して、今までも景観行政に取り組んできたというふうに認識をいたしております。その結果、本当に東京を代表する丸の内ですとか、いわゆる中心地では、ある程度風格のある街並みが形成されたというふうに私は思っておりますが、いまだに知事をして、東京には都市計画がないという言葉が耳の中にわあんと響きっ放しになっていて、実際にも大変に雑然とした印象をぬぐえないのが今の東京の街並みの現状であると思っております。
 そこで、都は、これまでの自主条例による取り組みをどのように評価されているのか、お尋ねいたします。

○安井都市景観担当部長 都は平成九年に景観条例を制定いたしまして、例えば国分寺崖線など、景観基本軸と指定した区域内で、建築物、建築行為などの届け出制度を通じまして、東京の地形や自然を重視した景観誘導に一定の成果を上げてきたと受けとめてございます。
 一方で、その実効性という面ですが、これまでは、開発業者などに対しまして基準への配慮を要請するということにとどまりまして、強制力を伴う取り組みを行うことができず、歯がゆい思いをしたということも事実でございます。
 また、今後は、都市づくりや観光施策との連携を図っていく必要があるということを、これまでの取り組みを通じて考えてございます。

○三宅委員 今のお話をお聞きしていますと、自主条例では、取り組みの方向はよくても、実効性がいまひとつ上がらないというような課題が残されていたのかなと、こんなふうに思います。知事は先日の所信表明で、強制力を持って規制をしていくといっております。
 私の記憶するところでは、今から二十年、三十年前の日本人というか東京都民は、みんなで公のことを守ろうということで、条例で余り厳しい規制をしなくても、大体街並みはそろっていたのかなと。天下の銀座通りの高さは大体そろっている。あるデパートが大きいのを建てようとしてうまくいかなくなった、最近のニュースではね。ところが、行き過ぎた個人主義だか自由主義のはびこった結果でしょうか、どうもそれではうまくいかない。トラブルが頻発しているようであります。
 そこで、今回の条例改正では、強制力を発揮するためにどのような規定が定められているかお尋ねします。

○安井都市景観担当部長 今回の条例改正は、景観法の規定を受けまして、従来のいわゆる自主条例から一部法委任条例に改正するものでございます。この改正に基づきまして、建築物や工作物の色彩に対する変更命令など、一定の実効性を伴う規制が可能となります。
 また、都独自の仕組み、取り組みといたしまして、大規模な民間開発などを対象として、都市計画決定などの手続に先立つ事前協議制度を導入することといたしております。
 この制度と都市計画決定などの都の許認可の権限をうまく連動させることによりまして、景観誘導の実効性を担保してまいります。

○三宅委員 従前と違って、強制力を持ってこの景観行政を進めていくということでありますから、これは大変に重要な転換であろうと思いますし、都市整備局の責任や大ということであります。どうぞ、ある意味で自信を持って進めていっていただきたいと思います。
 一方、この景観条例の改正に合わせて、屋外広告物条例の改正も提案をされております。この屋外広告物条例は昨年も改正されております。前回の改正内容はどのようなものか、また、今回の改正では、景観条例との関係でどのような取り組みを行うことができるのか、お答えください。

○安井都市景観担当部長 屋外広告物の規制は、用途地域による都内一律の基準でございますが、昨年の広告物条例の改正では、一定の区域を対象といたしまして、地権者みずからが良好な景観に資するような広告物のルールを定めた場合には、これを広告物条例上の許可基準とできる仕組みを導入いたしまして、地域特性を踏まえた広告表示ができるように改正いたしました。
 これに加えまして、今回の改正では、景観条例に基づき今後策定する景観計画の中で、良好な景観形成に関する方針や建築物の色彩などの基準とあわせまして、屋外広告物の規制区域や表示方法の基準などを明らかにいたします。そして、これに即して、屋外広告物条例で具体的な規制を行えるような内容をご提案してございます。
 今後、景観条例に基づく建築物などについての景観誘導と、屋外広告物やネオンの色彩などの広告物の規制を一体的に行うことができるようになるわけでございます。

○三宅委員 前回は地域のまちづくりを行政が応援する仕組みの導入とすれば、今回は都みずからが方針を示して景観づくりを進めるということだというふうに認識いたします。
 私の地元の商店街には、商店街の街路灯にLEDを使って広告を表示する新しい取り組みを行ったところがあります。いまのところ、近隣の案内誘導に限られておりますが、今後、商業広告も表示できるようにすることで、商店街の自主財務基盤の安定化が図られるだけではなく、例えば無法で危険な捨て看板の抑止も期待できるのではないかな、こんなふうに思っております。
 商店街などの街路灯にLEDを使った商業広告を表示できるようにする場合、こういった取り組みを支援すべきと考えますが、いかがでしょうか。

○安井都市景観担当部長 道路上の商業広告は原則として禁止でございます。しかしながら、道路標識における商業広告など、公益的な施策を充実する場合には規制を緩和してきたという実績もございます。
 ただいまお尋ねの、商店街の街路灯に表示できる広告物は、屋外広告物条例では近隣店舗などへの案内誘導を目的とする場合に限られてございます。今後、商業広告の表示を可能とするためには、屋外広告物条例だけでなく、道路管理者や地元警察など交通管理者との調整も必要でございます。
 商店街の街路灯は、防犯という目的に加えまして、まちのにぎわいの演出など、公共的な役割があると認識してございます。ご提案の商業広告の表示による商店街の活性化や美化活動など、公益的な目的の関係などを含めまして今後検討してまいります。

○三宅委員 ぜひ今のような認識で取り組んでいってほしいと思います。
 景観というのは、俯瞰的に見る、大空を飛ぶ鳥の目で見るのと、それから今のお話のような、まちを歩きながら、これは汚いな、美しいなと思う、非常にきめ細かい、虫の目で見るような、この二つの見方、しっかりとそれを認識して取り組むことが大切だろうなと、こんなふうにも思います。
 最後に局長に、今申し上げたオリンピックのことも含めて、あるべき景観を重視した東京のまちづくりにどのように取り組まれるおつもりなのかお伺いして、質問を終わります。

○柿堺都市整備局長 景観問題といいますと、抽象的な議論になりがちなわけでございますけれども、三宅理事、先ほど、丸の内あるいは銀座の例を挙げたように、例えば皇居の緑と内堀を取り巻く地域、江戸時代からの歴史ですとか、近代に入ってからの都市形成の蓄積が相まちまして、これは世界に誇り得る東京の美しい景観だろうというふうに思っております。これは都市の骨格たる街路が整備され、あるいは無電柱化、電線類の地中化等もあり、その沿道の建築物のスカイラインの調和も図られ、また広告物の規制なども適正に行われてきた、そのような結果であるというふうに考えているわけでございます。
 東京は今日、都市としての成熟期を迎えつつあるという中で、二〇一六年のオリンピックを絶好の機会ととらえまして、皇居周辺に見られるような景観を保全するとともに、新たな地域を対象にして良好な景観を創出していく必要があるのだろうというふうに考えております。
 今回の景観条例と屋外広告物条例の改正によりまして、景観形成に強制力を持って取り組めるようになるわけでございますけれども、今後とも、都民や事業者の方々の景観行政への深い理解と協力をいただきながら、東京の新たな景観行政をスタートさせていただきまして、美しく魅力のある景観の創出に向けて全力で取り組んでいく所存でございます。

○安井都市景観担当部長 失礼いたします。
 先ほど三宅理事へのご答弁の中で、原則として禁止していますけれども、道路標識における商業広告と私ご答弁いたしましたが、これは避難標識の間違いでございます。おわびと訂正いたします。

○中村委員 この景観条例、平成九年の時点で東京都景観条例というものを制定したわけでございまして、その中身としては、東京の自然を生かして、歴史と文化を継承し、地域の個性と多様な魅力を発展させ、美しく潤いのある東京をつくることというのを目的としているわけですよね。しかし、現状では、目的である美しく潤いのある東京、これが果たして実現されているのかなというのは、まちを歩いているとなかなか疑問を感じるところが多々あるわけでありまして、そこで平成十七年、昨年一月に、都知事から東京都景観審議会に対して、東京における今後の景観施策のあり方についてという諮問があったわけでございます。
 本年一月に答申が出されました。答申をされた方々は、学識経験者七名、都民代表で三名、事業者の代表で三名、また区市町村長代表が三名という方々で審議されたわけですけれども、その中で、答申の内容ですが、現在、開発事業者に対する周知不足や配慮すべき具体的内容が定められていないなど、歴史的景観に配慮した街並みづくりが進んできたとはいえない状況であるというふうに書かれているわけです。そうしたことから、都市再生と景観づくり、観光まちづくりとの連携、今回の屋外広告物の規制との連携が打ち出され、美しく魅力とにぎわいのある国際都市東京を創造していくんだというふうにも答申の内容に書かれているわけでございます。
 例えば外国の都市へ行きますと、皆さんも多く行かれていると思うんですけれども、ロンドンへ行きますと、ロンドンというのは英国紳士があたかも歩いているような感じの石の文化であり、落ち着いた感じの都市構造ができているわけですね。都市の街並みができているわけです。そしてまた、ローマ。ローマというのは、古代ローマ帝国の歴史と文化、こういうものを保全していこうという、そういうまちであるわけです。また、フランス。フランスはシャンゼリゼ通りに代表されるように、華やかでもあるけれども非常に緑が豊かである、そういう潤いのあるまち。そういうように、都市というのはそれぞれの特性というのが生かされているし、その都市に関しては、国の人たち、また都市の人たちが誇りを持っているんですね。そういう東京でなくてはいけないというふうに思うわけであります。それが果たして今までそうであったのかなと。
 いろいろな多様な景観が見られていて、それを今回景観条例で制定していこうというわけですが、景観条例を策定して強制力を持っていくというふうにいわれていますが、その景観条例を策定する、制定していく中で、東京都の全体的なイメージというものをまず構築しなければ、先へ進んでいかないのではないかなと。
 先ほど局長がおっしゃいました、皇居の周辺の景観のように、緑豊かな、そして落ちついた雰囲気というのも一つでありましょうし、また、そういうものをどういうふうに構築していくのか。また、この景観条例制定に対してどのように取り組んでいくのか。ここら辺のところをまずお聞かせいただければなと思いますので、お願いいたします。

○柿堺都市整備局長 ただいまのご質問、東京らしい景観整備、あり方ということだと思いますけれども、先ほども少し都心部のお話をしましたけれども、東京には歴史と風格が感じられる街並みというのがあちこちで形成されておりますし、江戸の大名屋敷を引き継ぐような文化財庭園ですとか、歴史的な建造物も保存をされているわけでございます。また、区部と多摩の境を中心にした丘陵地ですとか崖線ですとか、河川部あるいは臨海部の水辺など、それぞれ特色ある地域、個性のある地域が多数存在をしているんだろうというふうに思っております。
 東京が持つこのような貴重な、いわば観光資源になるようなものをできるだけ保全するとともに、また新たな魅力の景観を創出するために景観条例を改正させていただきまして、具体的な景観計画を策定していく必要があるのだろうというふうに考えております。これによりまして、都市全体としての美しさ、風格あるいは潤いを感じられるような東京を目指しまして、新たな景観行政をスタートさせ、良好な景観の形成に積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。

○中村委員 非常に意欲は感じられますが、どういったイメージを構築するのかなというのをちょっと期待していたんですが、これからということで、非常にいいものをつくり上げていっていただきたいなというふうに思うわけです。東京がどのようなイメージなのかなと、美しく潤いのある世界都市東京というものが非常に抽象的であるんですが、東京の一面というのは、これというものを決めつけていいものか、それとも、いろいろな多様なものを集約した、その多様な文化が見られるというのも一つなのかなというふうにも感じますので、その辺をあわせて今後いろいろ検討していただいて、いい東京をつくり上げていただきたいと思います。
 次に、景観条例を改正した後、景観計画を策定するというふうに聞いておりますが、策定の基本的な考え方についてお聞かせください。

○安井都市景観担当部長 今回の条例改正により、景観法に基づく景観計画の策定などに関する規定が整備されます。具体的には、景観計画の区域内において、これまで行ってきました景観基本軸や、また今後、景観形成特別地区など、東京における良好な景観の形成を推進する上で特に重点的に取り組む必要がある地区などを指定できることとしております。
 今後、東京都全域を対象といたしまして景観計画を定め、景観形成の方針などを明らかにしまして、実効性ある景観誘導を積極的に進めてまいります。

○中村委員 都として、区市町村の行政界を越えて都市全体としての統一感が感じられる景観にするためには、より強力な指導権限が必要ではないかなというふうに思われるわけです。なぜなら、来街者にとっては、区市町村の行政界というんですか、そういうものというのはほとんど意味がないんですよね。私ども、それから皆さんもそうでしょうけれども、他都市に行ったり、それから外国に行ったときに、ここからここまでは一街区ですよ、ここは何々町ですよと、そういうものってほとんどわからないし、意味がない。この通りはきれいだな、この地域は非常に落ちついた感じだな、いい景観だなというふうに、そういう物のとらえ方をするというのがほとんどだと思うんですね。そういうので、ほかの地域に行っても、そういうものって、行政界というのはどういう影響があるのかなというのを感じます。
 そこで、景観条例のこの改正案の中で第七条があります。都が区市町村に協議を求める、また、区市町村から協議を求められたときは応ずると書かれております。この条文はどのような目的で規定されているのか、これについてお答えいただきたいと思います。

○安井都市景観担当部長 第七条についてのご質問でございますけれども、景観法に基づく景観計画をつくるためには、法に定める景観行政団体になる必要がございます。今後、区市町村が景観行政団体となった場合におきましても、都の施策との整合性を確保いたしまして、東京全体として良好な景観を形成していくことを目的にこの規定を定めております。
 東京では、ただいま委員のお話がございましたように、街並みが連檐していることに加えまして、首都としての景観形成が重要でございます。こうしたことから、都と区市町村が景観形成の基準を統一いたしまして、行政界を越えて施策を展開する必要があります。
 今後、区市町村が景観法に基づく景観行政団体となる場合におきましても、都が景観計画の中で明らかにする基準の共有を求めてまいります。

○中村委員 そうすると、都の役割というのは非常に大切だと思うんですね。都の指導力を十分に生かしていただきたいなというふうに思うわけです。
 次に、この条例を改正し、新たな景観行政をスタートさせる上で、景観審議会というものがございます。景観審議会の役割は非常に大事だなというふうに思うわけでございまして、条例改正後、この審議会の機能を十分に発揮させなければいけない。そのためにも、機能の充実強化が必要と考えるわけです。
 先ほど話に出ておりました事前協議制度、それから強制力を伴うようにするという中での審議会の役割で、都が変更命令を行使する場合、審議会の立場、役割、かかわり方、これも含めて、審議会の権限がどこまで及ぶのか、どのようになるのか、これについてお伺いいたします。

○安井都市景観担当部長 条例提案における審議会の機能あるいは役割についてのご質問でございますけれども、今回の条例改正では、景観法に基づく変更命令や大規模建築物の事前協議など、景観誘導において一定の強制力が発揮できる制度の創設を提案しております。
 こうした制度を公正に運用していくためには、景観の専門家など、第三者の意見の聴取が重要でございまして、条例案では審議会の機能を強化することにしております。具体的には、設計変更などの命令を行う場合に、あらかじめ審議会の意見を聴取するとともに、事前協議制度においても、必要に応じて審議会に意見を求めることにしております。
 また、こうした手続は迅速に進めることが重要でございますので、必要に応じて審議会の中に設置する専門部会を活用いたしまして、そういうことによって、新たな制度の円滑かつ適切な運用を図ってまいりたいと考えてございます。

○中村委員 ただいまご丁寧にご答弁いただきました。変更命令など強制力を発揮する場合、この審議会が関与できる、こういうことは非常に重要なことだと思います。また、今後、改正条例に基づき審議会を有効に活用して、今回、我が民主党の代表質問にもありました、そしてまた局長答弁にもございましたように、事前協議など新たな制度を円滑かつ適切に運用してもらうことを強く要望するわけでございます。
 審議会では景観計画の策定過程で意見を述べる役割もありますが、その景観計画について、条例の第八条、景観形成特別地区というのがあります。特に重点的に取り組む必要がある地域を置くことができる、重点地区を置くことができるというふうに書かれております。文化財庭園、水辺の周辺などが例示として挙げられておりますが、水辺空間の魅力向上については、以前から私も、いろいろ経済・港湾委員会等でも質問いたしましたし、一般質問でも質問いたしました。
 水辺空間、まちづくりと連動してやっているわけですけれども、それは産労局ということで、この局にはなじまないので質問を差し控えさせていただきますが、戦後、東京の商工会議所の初代会頭であった渋沢栄一さんが、東京のまちづくりということで述べられたことがありました。水の都ベニス、これは東京にも当てはまるのではないか。特に隅田川、母なる川、隅田川、そして南には多摩川、その間に日本橋川だとか神田川、いろいろな川がたくさんあるわけです。江戸時代には川遊びをして庶民が楽しんでいた、そういうのもあります。そういう東京の水辺を生かした景観づくりに、特に重点的に取り組んでいただきたい。そしてまた、その取り組むことに今回景観条例というものを当てはめていただきましたこと、これは非常に私も高く評価する次第であります。
 いろいろな局があります。担当している局が違うところもありますが、局を横断して、オール東京でこの東京の景観をつくり上げていただきたい、これも強く要望するところであります。
 そしてまた、我々代表質問、また一般質問でもありました、そしてまた、いろいろな各党からもありました、水の道、風の道、そしてまた緑の道、こういうものも都市には大事ではないか。また、先ほども話が出ました電柱の地中化、こういうものもこれから取り組んでいかなければ、都市の景観というのは総合的なものができないのではないかなというふうに思いますので、これらもどういうふうに考えていくのか、そういうものもお示しいただければなと思っているわけでございまして、特に景観形成特別地区を指定した場合、その地区にどのような取り組み方をしていくのか、その考え方をお示しいただければなと思います。

○安井都市景観担当部長 景観形成特別地区のご質問でございますけれども、今回の条例案では、文化財庭園周辺や水辺の周辺など、東京における良好な景観の形成を推進する上で特に重点的に取り組む必要がある地区を景観計画の中に定めることができるとしております。
 このような地域におきましては、地域の特性に応じた景観形成を図るため、一般の地域よりもきめ細かな景観誘導の基準を設定いたします。
 今後、建築物や工作物の色彩、隣棟間隔などの景観誘導と、屋外広告物条例に基づく広告物の規制を一体的に実施いたしまして、良好な景観の形成を図ってまいります。

○中村委員 次に、今話に出ました屋外広告物条例の一部改正についてお尋ねいたします。
 常日ごろから、東京における広告物のはんらんと統一性のなさ、これはひどいものがあります。自分のところだけの看板が目立てばいい、そういった広告がかなり多く目につくわけでございまして、それらが都市の美観、景観、こういうものを損なう、そういうような現状であります。
 このたび、条例改正の中で、文化財庭園などの周辺の景観規制を具体的にどのように進めていくのか、これについてお伺いいたします。

○安井都市景観担当部長 文化財庭園などの周辺の規制ということで、特に広告物についての観点からご答弁申し上げます。
 東京には我が国を代表する文化財庭園がございまして、これらの周辺では、近年、高層マンションや業務ビルなどが増加しております。その中には、建築物の色彩や屋上の広告物の表示が、庭園内からのぞくとそぐわないといった例も見られます。
 都は、今後策定いたします景観計画の中で、文化財庭園などの周辺を、先ほどご説明いたしました景観形成特別地区に指定できるように景観条例の改正を提案しております。景観計画を策定する中で、今後、屋外広告物の規制区域や表示方法の基準を明らかにしてまいります。

○中村委員 そうですね。ぜひ取り組んでいただきたいなというふうに思います。
 特に盛り場での広告物は目に余るものが多いわけです。特に刺激的なものが多く、青少年の健全育成、こういうものにも非常に悪影響を与えるような広告表示がされているわけですね。特に盛り場というのは、地域をいうといろいろ語弊がございますから、地域名は差し控えますけれども、本当に夜歩いていて、女子または少年、青年が刺激を、興奮してしまうというような、そういうような広告もあります。また、路上の置き看板、捨て看板、こういったものもはんらんしている。非常に歩きにくいし、また、歩いていて不快感を覚える、こういうのが盛り場に多く見受けられるわけですね。地域によってそれぞれ違うでしょうけれども、路上の放置看板なども非常に目に余るものもあります。
 私の選挙区は台東区なんですけれども、その上野地域では、商店会が毎月一回清掃をしております。商店会挙げて清掃をしている。そのときに、行政というか警察の協力を得まして、放置看板、それから放置自転車、そういうものの撤去のお願いをしているというふうに行動しているわけなんですけれども、そのときは撤去してくれる。それから、ある商店では、何が悪いんだ、あなたたち、何をそこまで強制力があるんだというように文句をいってくる会社もあるわけですね。または、本社へ行って聞いてこなきゃわかりませんとか、そういう逃げを打つ。
 特に、障害を持たれた方が点字ブロックの上を歩いている、または車いすで走行しているときなんかにも、放置看板がそこに平気で置かれている、そういうようなのが現状でありますし、そのまた放置看板が、非常に俗っぽいいい方ですけれども、けばけばしい、そういうような事例も多々あるわけです。
 商店街の人たちが熱心にまちをきれいにしよう、まちの景観を構築していこうという非常に熱意のある人たち、こういうものも東京都では当然応援していかなければいけない、そういうように考えるわけですけれども、行政、こういうときこそ、区市町村と東京都の連携とか、そういうものも出てくるのではないかなと思われますが、東京都としては、このような商店街の取り組んでいる姿、姿勢に支援をできるのか、また、していっていただきたいと思うわけですけれども、どういうふうにお考えでしょうか、見解をお聞かせください。

○安井都市景観担当部長 都は、毎年十月に、区市町村や道路管理者、警察、地元商店会や不動産業界などの多様な方々と協力いたしまして、道路上に放置された捨て看板などを集中的に撤去する共同キャンペーンを実施してございます。
 このように、都民や企業、行政が連携して捨て看板を撤去するという取り組みは、道路上の違反広告物をなくす上で効果があると考えております。
 このため、今後とも、共同除却キャンペーンなどをきっかけに、地元自治体や道路管理者、警察との連携強化を図っていくよう努めまして、地元の活動を支援して、違反広告物のないきれいなまちを実現していきたいというふうに考えてございます。

○中村委員 非常に積極的なお話を伺いました。非常にうれしいなと思います。
 ただ、これからが大切、大事なところになっていくわけです。十年後には東京でオリンピックが再びできる、私はそう信じております。そのような観点からも、東京に来られる来街者の方、国内から来る方、そしてまた外国から来る方、この方々が、東京っていいまちだな、東京のまちって、一言であらわすとこういうまちなんだよといえるような、そういうようなまちづくりといいますか景観づくり、こういうものをぜひ取り組んでいただきたい、このように強く切望、要望して、質問を終わります。ありがとうございました。

○長橋委員 それでは私の方からも、今回の景観条例の全面的な見直しに関して質問をさせていただきます。
 今回の条例は、本年一月の東京都景観審議会からの答申を受けて見直しをするということでございます。私自身も思っていますが、東京に生まれて育ってくる中で、まちが更新していく中にあって、どんどんと景観またはその統一性のなさ、そういったものを感じておりました。そういう中で、この景観審議会の答申にもありますが、経済社会の成熟化が進む中で、景観に対する都民の意識の高まりや都心の機能更新に伴う街並みの変容、こういったことなどがあって、東京の景観を取り巻く状況が大きく変わってきている、こういうことで、景観を、本当に美しいまち、成熟した都市、風格ある東京を目指して、景観条例の見直しがされたと思います。ぜひともこの条例に基づいて、オリンピックを目指して、東京の景観を本当に取り戻していく、こういう決意で取り組んでいただきたいことをお願いします。
 まずは、景観に対する都民の意識の高まりというようなことが書いてありますが、具体的になぜこういう言葉を使ってこの条例を見直していくのか、これについてお伺いをいたします。

○安井都市景観担当部長 景観に対する意識の高まりということでございますけれども、東京でも最近、国会議事堂の眺望の保全であるとか、また建築物の色彩など、景観に関する話題がマスコミに多く取り上げられるようになってきてございます。
 また、都内各地におきまして、景観に関するシンポジウムや講演会などが数多く開催されてございます。
 平成十七年に都が行った世論調査におきましても、東京の景観に関心があると回答する方が約八割となってございます。

○長橋委員 今ご答弁がありましたとおり、景観に対して大変関心が高まってきている、世論調査でもそういう結果が出たとご答弁をいただきました。
 そういう中で、この景観審議会の答申の中に、今後の施策の方向性ということで四つ示されております。具体的に取り組むべき四つの施策として、一つが、美しさと風格を備えた都市空間を形成していく。次が、歴史と文化の継承と観光資源としての活用を図っていく。そして三番目に、景観の骨格となる緑や水辺の保全、再生。そして四番目に、私は注目したんですが、公共事業と合わせた景観づくり。これが具体的な提言としてされております。
 それぞれ大事な視点であるかと思います。美しい街並みを残していくことも大事でしょうし、また、重要文化財等をきちっと保存して観光資源にも役立てていく、こういうことも大事であろうかと思いますが、いよいよオリンピックを目指して、一昨日の本会議の質問でも、環境という大きなテーマで知事もご答弁をされていたと思います。環境に配慮した施設整備、こういったご答弁もありましたし、また、もちろん景観に関しても知事の思いを語っていただきました。
 そういう中で、いよいよ東京をどう成熟都市に変えていくか、そういう中で大きく変わっていくわけでございますが、その変えていく中にあって、都市整備局が主になって進めている公共事業、これを進めていくわけですが、公共事業と合わせた景観づくり、都市整備局は今まで、道路、街並みを担当してやってきたわけであります。
 確かに平成十一年に、この答申にも書いてありますが、公共事業の景観づくり指針、こういうのも決めていたわけですが、ですが、公共事業と合わせた景観づくりが進んでいないと私は思うわけであります。公共事業と合わせた景観づくりがなぜ進まなかったのか、この点についてお伺いいたします。

○安井都市景観担当部長 公共事業と連携した地域の景観づくりでございますけれども、例えば公共事業の代表でございます幹線道路の整備などを例に取り上げてご説明いたします。
 こうした道路事業などでは、沿道のまちづくりとの連携がこれまで図られてございませんで、具体的に道路空間をつくることと沿道のまちづくりを進める、その調整できる仕組みがなかったために、結果として良好な沿道景観が形成されないことが多かったというふうに受けとめております。

○長橋委員 まさに道路事業と沿道の事業が一体化されていなかった、こういうことであります。そのとおりでありまして、今まで道路事業といいますと、道路を拡幅する、新しい道路をつくる、そのためにはそこに住んでいた方にどいてもらう。公共事業だから、それなりのものを支払って道路をつくってきたわけですが、なかなかそういう面では、残ったところの沿道はまた違う部署がやる、こういうことになって一体化していない、それが大きな要因である、そういうご答弁であったかと思います。
 そういう中で、今、私の地元で補助八一号線、東池袋で、都市整備局が所管で沿道一体整備事業が行われております。この沿道一体整備事業については、たびたびこの委員会でも質問させていただきましたし、期待をして、ぜひ成功させてもらいたい、こういうことで、都市整備局の皆さんにも現地でもお会いいたしましたし、また、現地の住民の方々にもいろいろなご示唆をいただいて、ここで取り上げさせていただきました。さまざまに地元住民、そして地元区と都市整備局が一体となって、この補助八一号線を何としても今後の大きな事業の流れの中で成功させようと、熱意も私に伝わってきております。
 そういう中で、あくまでこれは道路と沿道の一体整備事業でありますが、やはりどう考えても、この道路一体整備事業、今度は住んでいた方はどこかほかへ行ってくださいじゃなくて、引き続きそこに住み続けたい、こういう思いがあってこの事業は始まったわけであります。そういった意味では、新しく道路が生まれ変わる、地域が生まれ変わる中にあって、自分たちの住んでいたまちがさらによくなる、誇りを持って住める、そういうふうにしていきたいわけであります。そのためには、この沿道一体整備事業、景観形成の観点からはどのように取り組んでいるのかお伺いいたします。

○宮村市街地整備部長 東池袋地区における補助八一号線沿道一体整備事業は、都市計画道路の整備に合わせまして、沿道の建物の不燃化、共同化などを一体的に進めることによりまして、防災性の向上を図るとともに沿道の景観形成を促すものでございます。このため、東京都は、豊島区と連携をいたしまして、沿道の区域を対象とした街区別の懇談会を立ち上げ、建物の共同化などについて関係権利者と話し合いを行っております。
 また、昨年十二月、地元住民で構成されるまちづくり協議会から、地区の将来像や景観にも配慮した建築のルール等を盛り込んだまちづくりの提言が豊島区長に提出されました。現在、区は、この提言を踏まえまして、地区計画の策定に向けた住民への意向調査を行っているところでございます。
 都といたしましても、区とともに、地域の特性に応じた良好な街並み景観が形成されるよう努めてまいります。

○長橋委員 今お話がありましたとおり、まちづくり協議会が、区が作成をする地区計画のためにまちづくり提言を提案したということでございます。東池袋の地域、東京でも、また豊島区においても有数な密集地域でございます。本当にそういった意味では、安心・安全、また防災の観点からも、皆さんの、地域の住民の方の生命、財産を守る上でも、一刻も早く急がれる事業であるかと思います。
 その上、さらに大きくまちが変わる中にあって、ここはちょうど都電、東京で唯一通っている都電に合わせて道路整備をしているわけですが、都電を生かしたまちづくりをしたい、こういう思いもありますし、ぜひ進めていただきたいと思うんですが、そういった地域を住んで一番愛している住民の方々からご提言があったわけでありますが、そのまちづくり提言、具体的にはさまざまな提言があったんですけれども、景観についてはどのような提言をされているのかお伺いをいたします。

○宮村市街地整備部長 ご質問のまちづくりの提言では、沿道の景観につきまして、建物の高さや用途を制限すること、建物の色は派手な色彩は避け、周辺と調和した落ちつきのあるものとすること、屋上の広告物はその設置を制限することなどが提案されております。

○長橋委員 今お答えいただいたとおり、色、高さ等、提言されているわけです。この東池袋の地域は、池袋駅からも至近の距離です。しかしながら、池袋周辺の街並みを考えると、ある面では、あそこは商業地ですから、私も池袋に住んでいますが、もう少しすっきりしないかと。広告についても大変はんらんをしている。色についても、こんな色がというような広告も林立している中にあって、その隣でこういうまちづくりを進めていこう、そういうことでこういう提言がなされたのではなかろうかと思います。
 この補助八一号線、東池袋だけではなくて、この沿道一体整備事業、墨田区の鐘ケ淵でも、また練馬の高松、土支田でも今整備が進められている。また、今後、北区の十条も予定をしている、このようにもお伺いしているわけであります。この沿道一体整備事業、先ほども申し上げましたが、自分の住んでいるまちを、更新とともに、さらに住み続けて、よりいいまちにしたい、こういうことでございますので、きちっと都としては、こういった沿道一体整備事業を区とも連携をとりながら支援をしていくべきであります。
 住民の方は、専門的なこと、また景観に関すること、また技術的なことは不得手であるわけでありまして、都がそういった意味では、優秀な人たちも集まっていますし、景観ということもさまざまなアドバイスができるんじゃなかろうかと思うんですけれども、今後、この八一号線を含めた沿道一体整備事業に対して、都は具体的な支援をどのようにしていくのかお伺いをいたします。

○安井都市景観担当部長 幹線道路の整備によりまして沿道の土地利用が更新される機会をとらえまして、道路空間と沿道の土地利用が調和した、一体感のある景観を形成していくことが大変重要でございます。このため、ご質問のまちづくり協議会の提言など、沿道の住民により合意したまちづくりのルールを、地区計画や景観計画などの仕組みを活用することにより担保していく必要がございます。
 今後、地元住民、道路管理者や地元自治体などが沿道地域の将来像を共有できるような、そうした場をつくりまして、道路整備とあわせまして、沿道の建物の用途や色彩、屋外広告物の規制などについて一体的に取り組み、道路管理者との連携を強化して、良好な沿道景観の形成を支援してまいります。

○長橋委員 ぜひこの事業が成功するよう、さらに努力をお願いしたいと思います。
 最後に、局長にお伺いをいたします。
 一昨日、私も議会でこの景観について質問させていただきました。知事に、パリやローマに負けない魅力ある東京をつくるべきだ、このように申し上げましたところ、知事もそれを受けて、お話をしていただきました。
 一つは、知事は、広告のことですが、目ざわりな広告がはんらんしている、東京を視覚的にいらいらしなくて済むような景観を備えた都市にする必要がある、このように答弁をされました。パリやローマに負けないということでお話をしましたら、知事はパリのことについて触れておられました。パリのネオンサインの色の規制、こういったことをして、やったと。またあわせて、今の東京は、展望台に上ると、三百六十度、緑がなくてコンクリートの色彩になっている、昔の江戸はモノクロームの街並みが連なっているということで、江戸の景観に感嘆した外国の方を指して、これほどしょうしゃな街並みを見たことがない、このような例を引かれて、知事の景観に関する考え方も聞かせていただいたわけであります。また、一昨日の答弁で、オリンピックを目指して、電線類も全面的に地中化していく、こういう話もあったように思います。
 都市整備局、どうしてもハードの部分がイメージされる部局であるわけでありますが、オリンピックに向けて、特に幹線道路、環状道路、これを整備を強力に進めていくわけでありますが、その道路整備とあわせて、沿道の景観をどうつくり上げていくのか、大事な視点であろうかと思います。特にこういったものは、一たんつくったらそのまま残るわけでございますから、ハードの部分とそして景観とが、本当に東京ならではの、オリンピックを目指した整備をしていただきたいと思います。
 やはりオリンピックとなれば、多くの外国の方が東京にお見えになるわけであります。外国の方が来て東京のまちを見て、東京が大きく変わった、それだけじゃなくて、大変すばらしい、美しい、こういうふうにいわれるような整備をぜひともお願いしたいと思うわけでございますが、特に道路整備に合わせた沿道のまちづくり、オリンピックに向けて、局長、どう取り組むのか、ご答弁をお願いいたします。

○柿堺都市整備局長 ただいま副委員長の方からご質問にもありましたように、幹線道路というのは、都市景観に占める重要性というのはまことに大きいものがあるんだというふうに思っております。その幹線道路については、道路本体と沿道の土地利用が相まって、地域の景観を特徴づけるというのが大きな要素かなというふうに思っているわけでございますけれども、このためには、道路整備において、沿道の地権者と一体となりまして、良好な景観形成に取り組んでいくことが大変重要だというふうに思っております。
 先ほどの担当部長からの答弁にもございましたけれども、これまで残念ながら、東京の道路整備の事業過程におきまして、道路空間と沿道一帯を一体としてとらえるという仕組みが乏しかったために、せっかく沿道の地権者が生活再建をする際にも、建築物の色彩だとか形態が、なかなか統一できないというような課題もございました。今後、ご質問にもございました沿道一体型道路整備事業の中で、区市町村にも働きかけまして、整備が一体として進むように地域の取り組みを支援してまいりたいなというふうに考えているところでございます。
 また、都みずからも、二〇一六年のオリンピックを踏まえまして、東京を代表するような幹線道路につきましては、風格あるいはにぎわい、統一感が感じられるような景観形成ができるように、道路管理者あるいは区市町村と積極的に連携しながら取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。

○たぞえ委員 屋外広告物条例の改正にかかわって、幾つか質問いたします。
 先ほど来から質問が出ておりますように、まちの至るところの建物の壁面や屋上に広告物が置かれて、また、広告、標識が雑然と立ち並び、車や電車などの交通機関、電柱にもけばけばしい色で商品広告物がはんらんして、美しい東京どころか、ほど遠い光景が東京の姿だということを実感しています。都営や民鉄バスの車体広告が今全面広告になっているために、ある視力障害者の方は、車体が都営かどうか認識できない、本来都営バスに乗るところを民鉄バスに乗ってしまったなどというお話も聞いたことがありました。
 先日、新宿西口で、私、一時間ほど立って車両の様子を見ました。他県から流入してくる大型バスの後部座席のガラスは、ほとんどのバスが広告が全面張られており、しかし、東京での許可を受けているバスは、それらはない。高速バスのあそこの発着場に立っておりますと、次から次へと広告バスが入ってくる。この屋外広告物条例の適用がないバスとあるバス、こういう営利目的のバスが都心部に集中してくる、こういう実態も見ることができました。
 各区の区役所や多摩建築指導事務所、十六年度の広告等許可申請数は、一年間で千二百九十五件だそうです。電柱の利用は八十六件の申請でありますが、利用本数は二十二万四千八百五十八本。毎年大量の営利目的広告物が設置されているのがこの東京の姿です。
 こうした広告物が無秩序に大量に表示されると、自然や風致、そしてまちの美しさを損なって、都民生活にも大きな影響を与えかねないというふうに痛感をしておるわけですが、景観上望ましくない営利目的屋外広告物について、都民から苦情や意見が東京都に寄せられているんじゃないでしょうか、どうでしょうか。

○安井都市景観担当部長 都に寄せられた広告物の苦情や意見、要望などについてでございますけれども、例えば建物の屋上にあるネオンの広告について、港の景観が損なわれるといったことだとか、庭園の中から見える屋上広告物について、美観が損なわれている、あるいは看板を規制して美しい街並みを形成してほしいという要望、こういったものがございます。

○たぞえ委員 現在の車両広告についても、車両にある車軸と車輪は車体の部分に入らないということで、営利目的広告物の規制などには入っていませんけれども、今回の条例改正では、車輪を含む外見全面が規制の対象になる、このように説明を受けました。
 しかし、車両の中でも、電車の窓ガラスについていえば、条例では、外側から張る、いわば屋外からの広告は規制していても、中から張るものは自由気ままであります。
 先日、山手線に乗って調べてみましたら、確かに、窓ガラスに張ってはならないという都の条例に照らすと、かなり張ってある。外側からさわってみると張っていない。しかし、車両の中でさわると、ぴたっとシール的に張られている。こういうふうに、都内各所でも、外と内という概念の違いだけでも、条例の適用外と内があるということに、大変実態として驚くものがあります。
 また、ビルを眺めてみますと、窓ガラスの内側から広告が張られて、美観を損なう光景も見られます。内側から張る広告物は広告物条例の規制の対象外になっていますけれども、実態としては、内側でも外側でも広告物として目にとまる。
 こういう広告物は、条例に照らして適正なのかどうか、規制のラインを超えていないのか、識別の見分けがしにくい事態について都はどのように認識されているのでしょうか。

○安井都市景観担当部長 ガラスなどの内側から張られた広告物についてのご質問でございますけれども、建物の内側からガラスなどを通して外に向けて表示された広告物は、周辺の景観に影響を及ぼすという面では、建物の壁に表示された広告物と全く同じであるというふうに思います。しかしながら、法律上は、屋外の広告物に該当しないということから、条例の規制が及ばないことになってございます。
 具体的な規制につきましては、表現の自由との兼ね合いもございまして、法的な整理が必要であるというふうに受けとめてございます。

○たぞえ委員 確かにそのようなことが考えられるというふうに思います。
 広告物が良好な景観を侵害していないのか、こういうことを心配する都民も少なくないわけであります。都が盛んに今いっている成熟都市東京という方向であるならば、やはり今の都民の多くの心配にしっかり目線を置いて、良好な都市づくりに力を尽くさなきゃいけないというふうに思います。
 今回の広告物条例の改正案では、非営利広告物の規定の改正を盛り込んでいます。引き続き表示または設置することができる非営利目的の広告物とはどのようなものなのか、確認をしたいと思います。

○安井都市景観担当部長 屋外広告物条例では、第一に、収益を目的としない宣伝、集会、行事及び催し物など、また第二に、政党その他の政治団体、労働組合などの団体及び個人が政治活動または労働運動として行う宣伝、集会、行事、催し物などを表示するものを非営利広告物と定めてございます。
 具体的な広告媒体でございますけれども、条例では、張り紙、張り札など、広告旗、立て看板など、広告幕、アドバルーンを規定してございます。

○たぞえ委員 今いわれた張り紙や張り札、広告旗などですが、これらの非営利広告物はどのような禁止区域で引き続き表示ができるのか、改正案第六条の各号で示していただきたいと思います。

○安井都市景観担当部長 非営利広告物の表示でございますけれども、非営利の広告物につきましては、広告物の禁止区域である住居系の地域であるとか道路上であっても表示が可能となってございます。
 具体的には、条例の第六条の第四号と第五号に基づきまして、文化財庭園などの周辺地域を広告物の禁止区域と指定した場合についても、引き続き非営利広告物を表示できるようにしてございます。
 また、同じ条文の十二号に基づきまして、良好な景観を形成するため、屋外広告物の表示を禁止する地域を指定した場合におきましても、同様に表示できるようにしてございます。

○たぞえ委員 そうすると、禁止区域を定めた中でも、住宅や文化財庭園、良好な景観を形成する幾つかの地域については、非営利の広告物については禁止区域としないということだと思います。
 今お話がありました文化財庭園の周囲など、新たな禁止区域で非営利広告物が引き続き設置できるように規定を追加した考え方について伺いたいと思います。

○安井都市景観担当部長 今回の改正案では、景観計画の中で屋外広告物の規制区域を定めた場合に、これに即して、屋外広告物条例に基づく規制を行えるような規定を追加してございます。これは、禁止区域では原則として広告物の表示はできませんけれども、非営利広告物については、社会生活の実情などを考慮いたしまして、商業広告とは異なる取り扱いを認めるものでございます。
 なお、たとえ表示が可能であったといたしましても、周辺の景観に配慮し、節度を持って表示することは当然必要である、このように考えてございます。

○たぞえ委員 地域の美観を損なう営利目的の無秩序な広告物を取り締まることは必要だと私も思います。
 一九八三年の二月二十一日に、江東民主商工会が税金の確定申告に向けて税金相談の看板を出したところ、東京都屋外広告物条例違反で商工会の会員が逮捕されるという事件がありました。翌日釈放されましたが、この事件は、非営利の市民活動が不当に規制されたものです。憲法で保障された政治活動の自由、基本的人権としての表現の自由、思想信条の自由などが美観の名のもとで侵害されてはいけないというのは当然であり、最も重要だと私は考えるものです。
 今後、この条例が、営利を目的としない政治活動の自由を侵害してはならない、このことを強く要望して、質問を終わります。

○きたしろ委員 昨日、私も一般質問で、環境に優しいまちづくりという視点で質問したところですけれども、まさにこの東京都景観条例というものは、これからの東京のまちづくりのベースになるべき条例ではないのかなというふうに感じているわけです。今までの建物というのは、経済性や効率性や、本当にいろんな意味でそろばんをはじくばかりで、それぞれの個人個人の利害関係で建てられてきた。そういう中で、東京都のまちづくりという観点から、この景観条例がこれから先、機能していくように、ぜひ頑張っていただきたいなということをまず最初にお願いしておきたいと思います。
 環境に優しいということと安全・安心なまちづくりということは、まさに二〇一六年の東京オリンピックに向けての東京のまちづくりになくてはならないものだと私は思っているわけです。
 私も長い間、区議会議員として港区でやってきたわけですけれども、そのときには、顔に似合わず、花と緑のきたしろですということで、緑をふやそうよ、こういうことを本当に多くやってきたわけです。花と緑とやり出すと、私の声が変わる、トーンも変わるというふうにいわれてきたわけです。でも、そういう視点が東京都のまちづくりにも必要ではないのかなというふうに思っているわけです。今までは、そうした意味での経済性や効率性ばかりが優先されてきたけれども、これからは、環境やあるいは景観というものが、まちづくりについて最重点でなければならないというふうに思っているわけです。
 そこで、民間による大規模開発というのは、街並みへの影響が非常に大きいと思うんですよね。そういう意味で、今回の景観条例では大規模建築物の事前協議制度が提案されているわけですけれども、従来の景観条例による届け出制度との違い、そして効果についてお伺いをいたします。

○安井都市景観担当部長 現行の景観条例では、一定規模以上の建築物について、建築確認申請の三十日前までに届け出ることを義務づけております。しかしながら、都市計画決定などに基づき建築される建築物につきましては、その届け出の時点においては、既にさまざまな法令上の手続を経て施設の配置や規模などが確定していることから、この段階では実質的な景観誘導が図られないというのが現実でございました。
 一方、今回提案した景観条例では、景観への影響が大きい大規模な民間開発を対象といたしまして、都市計画決定などの手続に先立つ事前協議制度を導入することにしたわけでございます。
 これによりまして、都は事業者に対しまして、計画の早い段階から景観配慮の考え方を示すことができまして、また事業者も、これを受けて、景観に配慮しながら計画を進めていくということが可能となります。こうしたことによって実効性のある誘導が期待できるものでございます。

○きたしろ委員 そういった意味では、今後は景観に配慮してやっていくと。大規模な建築物というのは数年の時間をかけて事業化されるものが多いわけですから、企画段階からの協議は、開発事業者にとってもメリットがあるのではないのかなというふうにも感じます。そしてまた、受け入れやすいのではないのかなというふうにも思います。
 協議を円滑に進めるためには、あらかじめ景観配慮の基準が示されることが大切じゃないのかなというふうに思うわけですけれども、一方で、一律の基準によらずに、例えば地域特性に応じて、公開空地の緑化を重視したり、水辺環境を生かすということで、よりよい景観が形成できる場合もあると思うんです。
 そういった意味で、事前協議制度の運用に当たり、こうした課題にどのように対処していくのか、お考えをお伺いいたします。

○安井都市景観担当部長 事前協議制度の運用についてでございますけれども、今後、地域特性を踏まえた良好な景観を誘導するためには、条例改正を受けまして策定する景観計画の中で、大規模建築物などを誘導するための基準を定めてまいります。
 また、ただいまお話ございました文化財庭園や水辺の周辺など、東京における良好な景観形成を推進する上で特に重点的に取り組む地域につきましては、地域特性を踏まえ、よりきめ細かな基準を設定する考えでございます。
 さらに、必要に応じまして東京都景観審議会の意見を求めることができるとしておりまして、大規模建築物の事業化にあわせまして、地域の特性を踏まえた景観形成を適切に行ってまいります。

○きたしろ委員 景観審議会の意見を参考にするということですけれども、景観形成特別地区など地域特性を踏まえた対応や、景観審議会の活用も妥当だと思っております。運用面も検討しているというふうにも理解ができました。
 さらに、敷地単位で許可を行う総合設計制度に関しては、こういう総合設計制度で建てられた建物というのがまさに地域の街並みにそぐわないことも間々あるんですよ、特に港区では。そういった意味で、総合設計制度による大規模建築物の景観誘導についてはどのようにお考えなのか、お伺いをいたします。

○安井都市景観担当部長 都は、総合設計制度につきまして、地域特性に応じた景観誘導を図るために、建築物の高さ、隣棟間隔、屋外広告物表示などについての指針を定めまして、ことしの四月から実施しております。
 また、総合設計の許可に際し、建築審査会の同意が必要でございますけれども、その構成員の中に、新たに景観の専門家を追加してございます。
 なお、今回ご提案の条例改正案では、こうした総合設計に基づく建築計画につきましても事前協議の対象と位置づけてございます。

○きたしろ委員 総合設計制度の許可に当たり、同意の権限を持つ建築審査会に景観の専門家二名を追加するということは、まさに当を得たことだなというふうに思います。また、今回の条例改正に、総合設計制度を含む大規模建築物等の事前協議制度も創設をしたということで、ぜひそれらをうまく活用していただきたいなというふうに思います。
 そうしたことで、まちづくりの本体といいますか、都市整備の皆さん方が、景観あるいは環境ということをいつも念頭に置きながら、これからの東京のまちづくりに努力をしていっていただきたいというふうに思います。
 最後にですけれども、今回提案の景観条例を受け、先ほどの長橋副委員長のお話とも共通するかもわかりませんけれども、今後、都は景観計画を策定することになるわけです。この計画では、景観上重要な道路などの公共施設を位置づけ、景観に配慮した整備や管理が可能となると思います。
 実は、私の地元の青山通りでは、この青山ストリートという冊子があるんですけれども、これは国交省と青山通りと街並みの景観を考える会が発行しているものですけれども、この人たちが地元の青山通りの景観向上に取り組んでいるわけです。聞くところによりますと、東京国道事務所も、この通りが景観重要道路になれば、一般よりグレードの高い整備が可能になるというふうに聞いているわけです。
 そういった意味で、ぜひ今後、都が景観計画を策定する中で、青山通りを景観重要道路と位置づけることを--これは質問していいのかしら--お伺いいたします。

○安井都市景観担当部長 先ほどの副委員長のお話と同様に、副委員長は沿道でございましたけれども、やはり道路自体もきれいにしていくということは大変重要でございまして、今お話ございました青山通りにつきましては、東京国道事務所も景観重要道路の位置づけを前向きに検討しているということなので、今後、国あるいは地元の沿道の地権者などとよく調整をしまして、適切に対応してまいりたいと考えてございます。

○きたしろ委員 道路と建物を一体的に考えていかなければ、やはり景観というものはうまく機能しないと思うんです。そういった意味で、ぜひ実効性ある景観行政をスタートさせることが、必ず将来に生きてくると思うんです。そして、本当に東京に来てよかったなというような人たちが--憩いがあったり潤いがあったり、それこそ青山通りが緑の散歩道になれば一番いいなというふうに思っているわけです。
 そういった意味で、しっかり取り組んでいただきたいということを要望して、終わります。

○植木委員 今定例会の案件では、景観条例に対して非常に関心が高いわけですね。マスコミでも、都景観条例、ビルの高さ、色規制、全面改正へ、こういう見出しも出たりして、非常に関心の高さがあらわれていると思うんです。
 これまで都市の景観というのは、どちらかというと軽んじられてきた気がするんですね。事前の話し合いも、もちろん今まではないし、どちらかというと経済発展というのが優先されて、国際都市ということで、むやみやたらに超高層ビルが密集する。どちらかというと、景観が後回しにされてきたやに私は思っています。
 日本橋のようなところの負の景観の問題も今大きな論議になっていますけれども、これも最近の論議を聞いていますと、日本橋から高速道路を取り外す、周辺の容積率を別のところで加える、こういうことになると、部分的には景観がよくなっても、じゃ、一体、全体としてどうなのかというような思いもあります。
 私は、街並みというのは、そこに住んでいる、また、そこで活動している住民の皆さんの環境や良好な景観というものを大事にする、そういう立場を優先するというのが景観条例で非常に大事な点ではないかなというふうに思っています。
 今回、東京都が景観条例にかかわる問題で、景観計画にかかわる規定を設けたり、それから、景観計画に基づいて、景観づくり基準、色彩などの誘導指針を設けるとか、あるいは大規模建築物については、これまでの都市計画を行う過程で事前協議を行っていくとか、設計段階からの誘導指針に基づくそうした事前協議が新たに提案されている等々、いろいろ出ておりますが、今回条例が、説明を受けたときはそう感じなかったんですけれども、全部改定だという意味合いをよく見ていなかったんですけれども、やっぱりここで、全部改定であるからには、その基本理念を含めて考えていかなければいけないという思いです。
 そこでお聞きしますけれども、現行条例では前文がありまして、良好な景観は生活に快適さと潤いをもたらすもの、その実現のためには、自然や街並みの美しさに対する感性を高め、まちづくりに反映する仕組みが必要。また、こういうこともいっていますね。良好な景観が都民の貴重な共有財産であることを自覚し、みずからのまちをみずから創造するという意識を持ち、積極的に景観づくりに努めなければならない。景観に関する都民の意識の向上と施策への反映に努め、景観条例の位置づけと共有財産を守ることに努めるという責務を明確にしてきているわけです。
 この文言を見てみますと、非常に重要な文言だと思うんですけれども、今回提案されている条例案ではこれがなくなっているんですけれども、これはどういうわけでしょうか。

○安井都市景観担当部長 今回の改正は景観法の制定を受けたものでございまして、景観法では、基本理念として、良好な景観は、国民共通の資産として、現在及び将来の国民がその恵沢を享受できるよう、その整備及び保全が図られなければならないと定めてございます。
 今回提案している条例案は景観法の一部委任条例であることから、ただいま申し上げました法に定める基本理念は、当然、条例案の基本理念となるものでございます。
 また、生活に快適さと潤いをもたらすという記述につきましても、今回、条例の第一条の目的のところで、都民が潤いのある豊かな生活を営むことができる社会の実現ということで冒頭に明記してございます。

○植木委員 上位法律で規定してあるということなんだけれども、やっぱり条例というのは、でき上がりますと、これがひとり歩きしますよね、どうしても。一々国の法律と引き合わせてというふうになかなかならないですから、条例そのものの解釈がどうだったかということにいずれはなってくるわけです、具体的な運用になってくるとね。
 そういう意味では、誤解のないように、この前文の理念というのをやっぱりきちっと、都独自のものであれば、あるいは、これまでの条例の精神を受け継いでいるのだとすれば、明確に入れるべきだというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。

○安井都市景観担当部長 そのようなご懸念があるといけませんので、基本理念以下、第四条、都の責務以降が実質的な規定になるわけでございますけれども、その第四条の冒頭のところで、景観法第二条に定める基本理念及び前条に定める基本理念、これをこの条例全体の基本理念とするというふうにはっきり明記しているところでございます。

○植木委員 非常にわかりにくいですよね。目的のところで、先ほど一部、前文の条項の部分がこういうふうに反映されているというお話がありましたけれども、この条例提案の基本理念のところには三つ出ているんですが、これを読むと、なかなかそう読み取れないんですよ。部長のお気持ちは説明があったんだけれども、どうも読み取れないという気がする。つまり、景観が後追いになっているような気がするんです。
 念のためお聞きしますけれども、ここでいっている、活力ある都市の発展につながるよう、その整備、保全が図られなければならない、これも、景観が基本という今までのと、国もそうですけれども、ちょっとニュアンスが違うように感じます。
 それから、都市としての価値を高めていくことを旨として行わなければならない、こういうふうになっているんですけれども、これはどういう意味を持っているというふうに、つくった側の見解はいかがなのでしょうか。

○安井都市景観担当部長 基本理念の中の表現でございますけれども、まず一点目の活力ある都市の発展ということでございますけれども、良好な景観形成が、にぎわいがあり、魅力あふれる質の高い都市空間の形成につながり、そこで都民や企業など多様な主体が生き生きと活動している、そういう東京の姿を表現しているわけでございます。
 また、二点目の都市としての価値を高めていくということは、良好な景観の形成を通じて、自然、歴史、文化など、都市の魅力が向上いたしまして、その結果、東京のような都市に住みたいであるとか、ここを訪れたいであるとか、事業所を立地させたい、そう思われるような状況を表現しているものでございます。

○植木委員 基本理念というのは非常に、これでひとり歩きするものですから、そこまでおっしゃるなら、今の文言をちゃんと加えて書けば誤解がないと思うんですよ。これだと、うがっていえば、都市再生や開発が優先だ、良好な景観というのはその後追いだと。きのうもちょっと出ていましたけれども、開発優先主義だとか、そういうふうになってはならないんじゃないか、そういう意見もあるんです。
 だから、そういう開発優先主義ではない、景観が後追いにならない、そういうふうにいい切れますか。

○安井都市景観担当部長 活力ある都市であるとか、都市としての価値というのは、先ほどご説明したとおりの内容でございまして、都市開発が良好な景観形成より優先しているとの指摘は当たらないと考えてございます。
 また、良好な景観形成と都市開発は、そもそも優劣を問うような、対立する概念ではないというのが都の立場でございます。

○植木委員 良好な景観と都市再生といったんでしたっけ、都市開発といったんでしたっけ……(「都市開発」と呼ぶ者あり)都市開発。優劣を伴うものではないと。
 優劣というのはどういうことなのか、突然今聞いたのでわかりませんけれども、少なくとも条例の文章を見てみますと、良好な景観は生活に快適さや潤いをもたらす、そのために確保しなきゃならないと、順序がそうなっているんですよね。もちろん、私たち、まちで生活しているわけですから、まちづくりというのと連動するとは思いますけれども、都市開発というものと優劣というふうにいわれると、ちょっと突然聞いたのでよくわかりにくいんですけれども、いずれにしても、そういう誤解を生むような文言になっているんだと思いますよ。だから、そういうわからない話になってくるんですね。
 それで、先ほど第四条のところで、基本理念というのは、国の基本理念、それから都の基本理念、これをあわせてという表現があったんですけれども、上位法といわれる法律があって、そして、それに基づいてつくられる。もちろん都の独自性というのはあるでしょうけれども、そういう点では、法にのっとっていなきゃいけないという基本が前提にある。それから、従来の都独自条例としてつくってきた条例の前文は丁寧に書いてあるんですけれども、そういう精神がはっきりしていない条例というふうにいわざるを得ないと思うんですけれども、その第四条のところをもう少し詳しく教えていただきたいと思います。

○安井都市景観担当部長 条例案の第四条でございますけれども、これは都の責務を定めている規定でございますけれども、都は、法第二条--これは景観法でございます--に定める基本理念及び前条に定める基本理念--これは今、条例案でいろいろご指摘があった基本理念でございますけれども--以下これらを基本理念というと。第四条以下は最後まで、この二つをあわせて基本理念というというふうになっております。
 国の方の基本理念を少しご紹介いたしますと、先ほどお話ししましたように、国民共通の資産であるということ。それから、これは都の条例にも少し重なっているところがございますけれども、地域の自然、歴史、文化と人々の生活、経済活動との調和により形成されるものであることにかんがみて、適正な制限のもとに調和した土地利用がなされることを通じて、その整備及び保全が図られなければならない。また、良好な景観は、地域住民の意向を踏まえ、それぞれの地域の個性及び特色の伸長に資するよう、その多様な形成が図られなければならない。また、四点目といたしまして、観光その他の地域間の交流の促進に大きな役割を担うものであるというようなこと。さらに、最後、五点目として、現にある良好な景観を保全することのみならず、新たに景観を創出することを含むものであることを旨として行われなければいけないと書いてございまして、こういったこともすべて含めまして都の条例案の基本理念としているところでございます。

○植木委員 景観法を丁寧に述べていただきましたけれども、景観法は全国ですから、非常に幅広い意味合いを持ってはいると思いますけれども、やっぱり基本的な点は共通していなきゃいけないというふうに思うんです。そういう意味では、わざわざ景観法を一々引かなければわからないというところに私は問題を感じるんですね。
 同時に、この良好な景観というのは、だれも反対しない大事なことなんです。ただ、具体的になってくると、それがいろいろとらえ方が違ってきたり、それから、その過程の段階で、例えば、さっきも出ていましたけれども、事前協議の段階と全部計画ができ上がってからの段階では、なかなか物のいい方や見方が違ってくる場合もあると思うんですよね。それから、立場立場、あるいはそこに直接影響を受ける方とか、いろんなことがかかわってくると思うんです。そういう意味で、やはり誤解のない条例にしていかなければならないのではないかなというふうに私は考えています。
 今までもちょっとお話がありましたけれども、銀座なんかの例では、銀座の景観問題について、独自の統一感ある景観をということで銀座ルールというのがあって、たしか銀座松坂屋が高層計画を立てたものを、一定程度、全体に合わせてもらったと。地域で、あるいは地元区でそういうルールをつくる。あるいは新宿の神楽坂でも、良好な街並み、景観を守ろうということで、十四階建てのマンションの計画に対して、自分たちで街並みをつくるということで運動して、景観問題それから地区計画という都市計画の問題にまで発展してつくるようになってきたとか、府中でも、自主的に自分たちで行政に提案して、街並みを守ってほしい、そういう働きかけを行ってきた。そういう流れも私はあると思うんですよね。
 自分たちで、あるいは地域で、みんなで景観を守っていこう、その旗頭としての条例ですから、非常に僕は大事だと思うんです。そういう意味で、先ほど来指摘した基本理念についての正確さというものを、一層の改善が必要ではないかということがいいたかったわけなんです。
 今もいったように、地域の住民や地元でいろいろ意見具申をして変わった例もお話ししましたけれども、第四条の中にはこういうことも述べています。都民及び事業者の意見を反映することができるよう必要な措置を講ずると。
 都民という言葉がいろんなところでこの条例の中に出てきます。大事なことだと思うんですよね、都民を位置づけるという意味では。しかし、実際に、住民からの意見具申というのが、具体的にどのような段階で反映できる仕組みにこの条例ではなっているのでしょうか。
   〔委員長退席、伊藤副委員長着席〕

○安井都市景観担当部長 住民からの意見についてでございますけれども、今後、景観計画の検討過程におきましてパブリックコメントを実施し、広報紙やインターネットなどで計画案を公開いたしまして、広く都民などの意見募集を行います。
 また、提案している条例では、景観法に規定している手続に加えまして、都民代表を含む景観審議会からの意見聴取を義務づけることとしております。
 さらに、景観法では、一定の要件を満たした土地について、住民などが景観計画の策定や変更を提案できる制度が定められてございます。このような制度の活用も都民の参加を促すものと考えてございます。

○植木委員 検討過程とか、それから、景観法に定める提案制度や変更というお話がありましたけれども、なかなか市民から提案するというのは実際は難しいですよね。国立のように、裁判になって最高裁まで争われるというふうな事例もありますけれども、実際にそこまでやられるというのは、なかなか一般の住民にはできない。
 ですから、審議会の役割というのは非常に重要なんですけれども、同時に都として、国が設けているからということだけじゃなくて、都の責務の中に、これは条例に持ち込むのか、あるいは規則に入れるのかわかりませんけれども、市民参加の提案制度や、それから、まちづくりに対して物をいえる場というのはこういうところにあるんだよということを具体的に明記するということが僕は本当に必要じゃないかなというふうに思うんですね。
 先ほどの神楽坂の例なんかは、本当に住民が、計画が提示されてから、それこそ今まであったまちづくり、景観の規則だけじゃこれは無理だ、新しく景観とあわせて都市計画の地区計画という手法も考えようというふうにみずからなっていったんですけれども、そういうのを啓発したり、参加できるような仕組みを、条例そのものか規則かわかりませんけれども、明確に反映されるように私は検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○安井都市景観担当部長 再度、もう一度、この条例の理念と都の責務に戻りますけれども、都の責務の中で、先ほど申しました理念のもとに、都は、基本理念にのっとり、良好な景観の形成を推進するために、都民、区市町村などと相互に有機的な連携を図ることができるよう必要な措置を講ずるというふうに書いてございます。こういったことに基づきまして、先ほど副委員長からもお話がございましたように、沿道の景観づくりを具体的に支援したり、そういうことに取り組んでいく、このように考えてございます。

○植木委員 措置を講ずるもの、確かに書いてあるんです。ただ、やっぱりこれだけでは、住民から見ればわかりにくいですよ。だから、もし条例そのものでそこまで踏み込むことができないのであれば、やはり規則の中できちっと、ある程度、もうちょっと都民にわかりやすく、都民をこれだけ位置づけているわけですから、必要ではないかなというふうに思います。
 それから、大規模建築物と景観形成についてですけれども、これは先ほど来質問がありましたので、細かい点は省略しますが、一応、念のために、大規模建築物等の建築について、これから形成指針というものをつくって、それに基づいて色彩等の景観への配慮を求めていくということになっていますけれども、街並みにどういう影響を与えるのか。高さや位置や配置、こういったものにもきちっと規制を可能にしておく必要があると思うんですけれども、その辺はこれでできるのでしょうか。

○安井都市景観担当部長 景観法に基づく景観計画では、建築物に関する行為の制限のうち、色彩やデザインについては変更命令の対象とできますけれども、高さの最高限度などについては、都市計画として定めなければ実効性のある規制はできないことになってございます。これは景観法と都市計画法などの関係でございます。
 このため、今回提案している条例案では、大規模建築物などの事前協議制度を創設し、都市計画の許認可などと連動させて、高さや配置などについても事前協議の対象にしていきたいというふうに考えてございます。

○植木委員 実効性ある規制は都市計画、だけれども、事前協議の中で連動してそれも規制の対象にするということだと思うんですけれども、そういう点では、事前協議制ですから、非常に大事な位置にあると思うんです。だから、それだけ審議会の役割、それから行政の方々のタッチする役割、非常に重要だと私は思うんですよね。しっかりとこれはやっていただきたいというふうに思っています。
 それで、もう一つは公共事業の問題なんですけれども、今までは公共事業の景観づくり指針というのがあって、これを読ませてもらいましたけれども、非常に漠としていて、これで本当に良好な景観に資するというところが担保されるんだろうかという思いを持って見たんですけれども、いろんな建築の説明を受けるときには、よっぽど周りから意見がないときは、景観についての説明というのはほとんどない、聞いたことがないという点で、本当に徹底されてきているのかわかりません。
 それから、文言を読んでいますと、配慮するとか、考えられるとか、工夫するとかという、努力義務にも思えないような、義務にもないような、そんな文言になっていると思うんですよ。これだけ景観問題について、民も含めてしっかり考えていこうということであるならば、公共事業景観形成指針というのをここで位置づけるというふうに書いてありますけれども、もっと明確なものにする必要があると思いますし、現時点でどのような内容を考えているのか、もし具体的にありましたらお示しいただきたいと思います。

○安井都市景観担当部長 公共事業につきましても、良好な景観形成に配慮しながら進めていくのは当然でございまして、現在、この指針をどうこうするということはまだ考えてございませんけれども、いずれにせよ、この指針の取り扱いを含めまして、公共事業を進める際に景観をより重視していくような、そういう仕組みを検討していくことは我々の課題であるというふうに考えてございます。

○植木委員 より重視していく仕組みをつくると。ぜひこれまで以上に行政が先導的な役割を果たさないと、民間にいろいろいっていて、行政でやっているのは違うじゃないかというふうに、そういうことがないようにしていかなきゃいけないと思うんです。
 それで、念のため、ちょっとお聞きしますけれども、大規模建築物等の建築物にかかわる規制、これは公共事業についても同様な事前協議を行う。もちろん対象の事例が書いてありますけれども、その対象になる場合は同じに扱われるというふうにこの文言から読み取れるんですけれども、そこは間違いないでしょうか。

○安井都市景観担当部長 今回のご提案では、その施行者あるいは計画する者がだれであるという規定のことで定めてございませんで、条例に定める対象になれば、それは事前協議の対象になるというふうに考えてございます。

○植木委員 ぜひ、公共事業が範を垂れる、景観に配慮した計画を進めていただきたいと思うんです。
 前回、環状二号線のお話もしましたけれども、あそこには隅田川の勝鬨橋、浜離宮等がある、そこに道路ができる。河口から見れば勝鬨橋が見えなくなってしまうというような、いろんな問題で私、指摘をしましたけれども、そういうことも含めて、やはりきちっと公共が景観について重視していく必要があるというふうに思うんです。
 それから、もう一つの角度、これは新しい角度ですけれども、国立の裁判を見ていて、景観に対する考え方というのも少しずつ発展してきているのかなという思いがあるんですけれども、国立市の大学通り景観裁判があって、ここでは何が争われたのかということです。判決の中では、市民の景観利益とか、良好な景観の恵沢を享受する利益は法的保護に値するとかというふうに認めた判決だと思うんですけれども、都としてはどのような評価をされているのでしょうか。

○安井都市景観担当部長 いわゆる国立マンション訴訟では、近隣住民が景観権を有することの確認を求めておりましたけれども、最高裁では、高裁判決のとおり、マンションは景観利益を違法に侵害するとはいえないとして、住民側の上告を棄却してございます。
 具体的には、良好な景観に近接する地域内に居住し、その恵沢を日常的に享受している者が有する良好な景観の恵沢を享受する利益、これを景観利益と判決の中で呼んでございますけれども、これは法律上保護に値すると解するのが相当としております。
 その一方で、景観利益の内容は、景観の性質、態様などによって異なり得るものであり、社会の変化に伴って変化する可能性があることから、現時点においては、私法上の権利といい得るような明確な実体を有するものとは認められず、景観利益を超えて、景観権という権利を有するものを認めることはできないと判断しております。
 都も同様に受けとめてございます。

○植木委員 裁判の結果は、住民は敗訴になったんですけれども、実際には、その後、国立市で、その過程で地区計画がなされたということや、それから、景観まちづくり条例の中で、住民の皆さんがまちづくりに対して、あるいは景観に対して、提案制度だとか、手法を幾つも並べて提案しているんですよね。そういうふうに具体的になってきている。
 そういう点では非常に意義のある裁判だというふうに思いますし、特に住民の景観利益というのを認めて、法の保護に値すると。しかしそれは、権利とまでいうのはちょっといかないよという制限はもちろんかかっていますけれども、しかし、景観利益ということについては十分認めて--それが法的に、あるいは制度的にどうかということはもちろんあるわけですから、その言葉だけですべてがはかられるということは、そんな乱暴なことはいいませんけれども、少なくとも住民の景観利益につながる考え方というのを、これは新しい問題ですから今後の提起になると思いますけれども、景観利益というのをきちっと位置づけられる、そういうすばらしい条例づくりに向けて今後努力する必要があるんじゃないかというふうに、提案されたばかりの条例についてですけれども、今後の課題として明確にいっておきたいと思いますが、どのような見解をお持ちでしょうか。
   〔伊藤副委員長退席、委員長着席〕

○安井都市景観担当部長 景観利益というものにつきましては、この裁判の中にありましたように、性質だとか態様だとかによって異なり得るものでありまして、社会の変化に伴って変化する可能性があるというふうに判断してございます。
 したがって、景観というものを都の行政の中で取り組んでいくためには、その利益が特定の者だけのものということではなくて、それが広く都民や、また国の内外から訪問する者にとっても共通の利益であるというものを対象に展開していく必要があるというふうに考えてございます。

○植木委員 もちろん、条例やいろんな公的なものをつくる場合は、特定の人の利益のためであってはならないわけですから、表現だとか成熟度というのでしょうか、論議の過程というのはいろいろあると思うんです。十分な論議がなされないまま、言葉だけ遊んでいても仕方ない問題ですから、今すぐ入れろという乱暴なことをいっているわけではない。そういう論議を積み重ねて、きちっとした共通の認識が形成されて、景観の利益というものが公的に認められていく、制度的にも認められていく、そういう内容を確立していただきたいということを重ねて強調したいというふうに思っています。
 改めて、今回、大規模建築物等の事前協議制だとか、良好な景観をつくるために一定のルールというものを確立していく、それから景観法の趣旨、こういうものを明確に条例に反映させる、そういう改善が必要だということを、今幾つかの分野にわたって私は主張しましたし、また、住民からの意見表明も、もっともっとわかりやすく改善する必要がある、それから、行政としての先導的な、良好な景観をつくるにふさわしい積極的な役割を持つ上でもきちっとしてほしいということを幾つか述べました。
 景観利益の問題は今後の問題ということで述べましたけれども、いずれにしても、そういった点で、私は前の委員会でも、成熟都市というのは、ただ開発を進めるんじゃなくて、住民が住みやすい環境や景観を重視して、そして同時に、そういう中で納得の得るまちづくりを進めていくことが重要だということを、ロンドンプランなどを例に挙げて述べたことがありますけれども、そういう意味で、まさに今日は都市景観重視の時代になってきているというふうに思います。そういう意味で、今回、条例の論議、全部改定ですので、問題点を指摘させていただきました。
 以上で私の質問を終わりにします。

○立石委員 今、皆さんからいろいろな質疑がありましたので、ダブらないように何点か質問をいたしたいと思っております。
 正月に日枝神社にお参りに行きました。日枝神社の待合室に、山王坂に国会の議員会館と議員会館をつなぐ地上の模型ができておりまして、つまり渡り廊下です。その渡り廊下がダブルデッキでできている。これは、神主さんを初めとする神社側の皆さんが、こんなものがつくられたらえらいこっちゃということで、大反対運動をしていらっしゃいました。なるほど、これはだれが見ても、常識的に、模型を見て、ひどいなという感じがいたしまして、これはやめるべきだと思っておりましたらば、国会の中で変更されたようで、地下道になりまして、地上のダブルデッキが地下化して、すっきりした形で解決して、これはよかったなと。
 何年か前に、景観法という最も短い三字の法律ができて、それ以前から既にあった東京都の条例、そして新しく全面改正する条例改正の中で、一言でいうと、何がどう変わるのか。私も何遍も読みましたけれども、それなりに理解しているつもりですが、改めてお聞きしたいと思います。

○安井都市景観担当部長 これまでの景観条例は、規制の根拠となる法律を持たない、いわゆる自主条例でございました。その最大の課題は、条例が目指す志は高いものの、財産権との兼ね合いで行政指導以上の規制を行えないということにあったと思います。
 今回の条例案では、景観法を活用するための規定を整備してございまして、今後、この法律に基づく景観計画を策定することで、一定の強制力を持って景観誘導を行うことが可能となります。
 また、景観計画の中で屋外広告物の規制区域などを定めることによりまして、これを受けて、屋外広告物条例で具体的な広告物の規制を行うことができる、そのような改正を提案してございます。

○立石委員 結構なことだと思いますが、強制力を持って事前に打ち合わせるというか、できるわけですから、東京のまちがかなりきれいになるだろう。今ほかの委員さんからもお話ございましたように、青山通りにしても、先ほどの松坂屋の、名前をいっちゃいけないかもしれませんけれども、計画があって、銀座ルールができたり、あるいは日本橋の上空のかつての高架道路ができたり、だれが見ても不都合で、本当に都会議員として何十年も情けない思いで、何でこんなものができちゃったのかというような思いでいっぱいだったわけですけれども、これでかなり前進するだろうと思われます。
 よって、この条例改正に至るまでの、当該の利益というか、利害人というかな、当事者というか、そういう人たちの意見はどんな形で聞かれてきたのか、またどんな意見が出たのか、ちょっと聞かせていただきたいと思います。

○安井都市景観担当部長 都は、ことしの一月に出されました景観審議会の内容を踏まえまして、これまで、民間開発事業者と業界団体などを通じて、新しい施策の方向であるとか具体的な取り組みについて意見交換を行ってまいりました。
 およそ二十社の主要事業者が参加した、ことし七月の意見交換の場でのご意見でございますけれども、例えば、日本橋と六本木が同じようにならないように、地域特性を踏まえた景観誘導が可能となる制度にしてほしいであるとか、新しい革新的な美を生み出すものを評価することも必要である、それから、色彩、広告規制とともに電線の地中化を進めれば東京もかなりよくなる、こういった意見が出されてございます。
 今後、景観計画の検討過程におきましても、こうした業界団体等との意見交換を重ねまして、開発事業者の理解と協力も得て、良好な景観形成に取り組んでまいりたいと考えてございます。

○立石委員 そういうことでわかるんですけれども、最後に、きのう、実は日本橋の--小泉前総理が高架道路、首都高の地下化をということで、九月十五日に、青空を取り戻そうということで有識者会議の結論が出て、前総理に提言されたということでございまして、これに基づいて、地元の日本橋ルネッサンス百年委員会や名橋「日本橋」保存会とか町内会とか、そういう地元の方々が集まって協議会をつくりました。どう実現していくか。簡単にいえば、青空を取り戻して景観をよくしていきたいために、民意といいますか、民間といいますか、民意でつくっていこうという、たまたま区が幹事といいますか、事務局をやるわけですけれども、できました。
 これに対して、今度の条例改正とともに局長にお聞きしたいんですけれども、どんな感想をお持ちになっておられるか、お聞きしたいと思います。

○柿堺都市整備局長 日本橋の上空の首都高の問題でございますけれども、私も、今、立石理事からご質問ございましたルネッサンス百年委員会に何回か出させていただきまして、その中でも申し上げておりましたけれども、あそこの首都高速は東京の環状線の一番内側に入っているわけでございまして、その外側に中央環状線、外かく環状線、それから圏央道とあるわけで、実際に首都高速を取り除くのは皆さん望むことでございます。その前にやることがあるんだというのは、順番があるだろうという知事の発言がありますけれども、そんなことが一つあるのかなというふうに思っております。
 ただ、今回の答申の中では、まちづくりが先行、再開発が先行して用地をあけるというようなことで、積極的に地元の方々が再開発も進めるということでございますので、そういう動きも注視しながら、都としても協力をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。

○高橋(か)委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高橋(か)委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 以上で都市整備局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後三時十六分散会

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