ロゴ 東京都議会

Tokyo Metropolitan Assembly

都市整備委員会速記録第二号

平成十八年三月三日(金曜日)
第五委員会室
   午後一時二分開議
 出席委員 十三名
委員長高橋かずみ君
副委員長伊藤まさき君
副委員長長橋 桂一君
理事立石 晴康君
理事花輪ともふみ君
大松  成君
高橋 信博君
たぞえ民夫君
植木こうじ君
きたしろ勝彦君
小沢 昌也君
川井しげお君
中村 明彦君

 欠席委員 一名

 出席説明員
都市整備局局長梶山  修君
次長村松  満君
技監小林 崇男君
技監依田 俊治君
総務部長安藤  明君
都市づくり政策部長福島 七郎君
住宅政策推進部長矢島 達郎君
都市基盤部長成田 隆一君
市街地整備部長石井 恒利君
市街地建築部長野本 孝三君
都営住宅経営部長小林 計代君
住宅政策担当部長水流潤太郎君
航空政策担当部長小山  隆君
多摩ニュータウン事業担当部長酒井 洋一君
都市景観担当部長安井 順一君
経営改革担当部長石井 一夫君
再編整備推進担当部長庄司 静夫君
参事北村 俊文君
参事飯尾  豊君
参事金子 敏夫君
参事中沢 弘行君
参事山室 善博君
参事山口  明君
参事渡辺  滋君
参事今井  光君
参事宇多田裕久君

本日の会議に付した事件
 都市整備局関係
契約議案の調査
・第百二十号議案 都営住宅十七H-一〇六東(百人町四丁目第五)工事請負契約
・第百二十一号議案 都営住宅十七H-一〇五東(高松三丁目第四)工事請負契約
・第百二十二号議案 都営住宅十七H-一〇一東(新宿六丁目)工事請負契約
・第百二十三号議案 都営住宅十七CH-一〇八東(江戸川二丁目・江戸川区施設)工事請負契約
付託議案の審査(質疑)
・第百三十五号議案 平成十七年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出 都市整備局所管分
・第百三十八号議案 平成十七年度東京都都市再開発事業会計補正予算(第一号)
報告事項(説明・質疑)
・「構造計算書偽装問題への対応について」
付託議案の審査(決定)
・第百三十五号議案 平成十七年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出 都市整備委員会所管分
・第百三十八号議案 平成十七年度東京都都市再開発事業会計補正予算(第一号)

○高橋(か)委員長 ただいまから都市整備委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、都市整備局関係の契約議案の調査及び付託議案の審査、並びに報告事項に対する説明聴取及び質疑を行います。
 契約議案について申し上げます。
 契約議案は財政委員会に付託されておりますが、本委員会所管分について議長から調査依頼がありました。
 本件については、調査結果を財政委員長に報告することになっております。
 公文の写しは、お手元に配布してあります。
 朗読は省略いたします。

平成十八年三月二日
東京都議会議長 川島 忠一
都市整備委員長 高橋かずみ殿
   契約議案の調査について(依頼)
 左記の議案について調査し、財政委員長にご報告願います。
     記
1 調査議案
第百二十号議案 都営住宅十七H-一〇六東(百人町四丁目第五)工事請負契約
第百二十一号議案 都営住宅十七H-一〇五東(高松三丁目第四)工事請負契約
第百二十二号議案 都営住宅十七H-一〇一東(新宿六丁目)工事請負契約
第百二十三号議案 都営住宅十七CH-一〇八東(江戸川二丁目・江戸川区施設)工事請負契約
2 提出期限 平成十八年三月三日(金)

○高橋(か)委員長 これより都市整備局関係に入ります。
 初めに、契約議案の調査を行います。
 第百二十号議案から第百二十三号議案までを一括して議題といたします。
 本案については既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○高橋(か)委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本案に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高橋(か)委員長 異議なしと認め、本案に対する質疑は終了いたしました。
 お諮りいたします。
 本案につきましては、いずれも異議のない旨、財政委員長に報告いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高橋(か)委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 以上で契約議案の調査を終わります。

○高橋(か)委員長 次に、付託議案の審査並びに報告事項に対する説明聴取及び質疑を行います。
 第百三十五号議案、平成十七年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、都市整備局所管分及び第百三十八号議案、並びに報告事項、構造計算書偽装問題への対応についてを一括して議題といたします。
 初めに、理事者から報告の申し出がありますので、これを聴取いたします。

○野本市街地建築部長 お手元に配布しております資料、構造計算書偽装問題への対応につきましてご説明いたします。
 まず、1の建築物の調査でございますけれども、都は、区市と協力して構造計算書の偽造の有無を調査してまいりました。
 (1)は、姉歯元建築士が構造計算を行った計八十三件の調査結果でございます。
 その内訳は、構造計算書に偽装が判明したものが三十三件、偽装がなかったものが四十一件、計画中止で確認申請がなされていないものが六件、現在再計算を行っているものが二件、その他が一件となっております。
 (2)は、上記以外で株式会社ヒューザー、平成設計株式会社、木村建設株式会社、株式会社総合経営研究所の四者が関与した計九十五件の調査結果でございます。
 その内訳でございますけれども、構造計算書に偽装が判明したものはございません。偽装がなかったものが五十件、計画取りやめとなったものが一件、現在再計算を行っているものが四十四件となっております。
 2の元請設計事務所、宅建業者への対応でございますけれども、姉歯建築設計事務所に構造計算を下請に出していた、東京都に登録されている元請設計事務所六者につきまして、二月九日、建築士事務所の登録取り消し処分を行っております。
 また、都知事免許の宅地建物取引業者二者につきましても、二月二十二日、免許取り消し処分を行いました。
 3の公的支援についてでございますが、耐震性に著しい問題のある分譲マンション居住者に対しましては、昨年十二月十六日に、家賃、移転費助成を行う旨を発表いたしました。現在、解体、建てかえも含め、国、関係自治体と連携しながら居住者への支援を進めております。
 なお、稲城市の分譲マンションにつきましては、都が直接支援を行うこととしております。
 以上、簡単ではございますけれども、説明を終わらせていただきます。

○高橋(か)委員長 報告は終わりました。
 付託議案については既に説明を聴取しておりますので、これより本案及び本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○立石委員 姉歯案件による構造偽装事件が昨年の十一月十七日に発見というのでしょうか、されて以来、大変な社会問題としてきょうまで来ているわけですけれども、そこで我々、当該委員会で視察いたしました三物件、港区のワンルームマンションでございましたか、浜松町のそばの、名前はちょっと忘れましたけれども(「ステージ大門」と呼ぶ者あり)ステージ大門ですね、これとプレッソイン茅場町、それからグランドステージ茅場町でしたか、この三件を我々視察したわけですけれども、きょう現在、どういうような状況になっているか、初めに質問したいと思います。

○野本市街地建築部長 中央区の京王プレッソイン茅場町につきましては、二月十三日から解体に着手しておりまして、十月までに完了する予定でございます。ただ、解体に当たりましては、建物を補強しなければ解体工事に着手できないため、現在は補強工事を行っております。実際に建物を解体し始めるのは四月からになる予定です。
 それから、視察に行った芝大門二丁目の賃貸マンションでございますけれども、一月十日から解体に着手しておりまして、四月いっぱいに完了する予定でございます。手作業で解体を行っておりまして、これまでに九階部分の解体を終え、現在は八階部分の解体を行っております。
〔「グランドステージ茅場町、ほか……。」と呼ぶ者あり〕

○中沢参事 グランドステージ茅場町の居住者の転出状況でございますけれども、二月八日までには全員転出をいたしております。
 以上でございます。

○野本市街地建築部長 転出状況はただいま説明したとおりでございますけれども、解体については、まだこれからということでございます。

○立石委員 グランドステージ茅場町についてですが、完全に皆さん転出されたということだと思いますが、どういうようなところに、例えば公社とか公団とか民間とか親戚とか、いろいろな場面があるかと思いますが、わからなければいいですけれども、わかりましたら教えていただきたい。どんな状況で--まず、これを事例というかサンプリングとして類推したいという意味で聞いているんですけれども。

○中沢参事 大変申しわけございません。
 グランドステージ茅場町につきましては、中央区の方で再生機構の住宅を借り上げてございまして、そちらにほぼ移転をしていただきました。あと、一部、民間のマンションの方に移転をされたというように承知しております。

○立石委員 いよいよ解体されて、建てかえ、グランドステージ茅場町の事例で見ていますが、解体ということで進んでいくんだろうと思いますが、都市再生機構が中心になってこれから進められていくと思いますが、私、視察した段階で見た感じでは、右側の建物も、皆さんも一緒にいらっしゃった方はわかっていると思いますけれども、俗にいう、一九八一年、新耐震設計以前の建物だったと記憶しておりますし、また裏の方も、いわゆる四メートル道路の車線制限で一九八一年以前の建物だったと思いますが、こういう場合には、都市機構を中心にした管理組合との話し合いの中で、何らかの形で、災いを転じて福となすという意味で、つくったばかりでショックも大きいでしょうけれども、まちづくりに新たな、何かそういう手法みたいなものは聞いていますでしょうか。
 そんなことは答えられないかもしれませんけれども、質問という形よりも、そういう意味で、茅場町の例に限らず住吉でもそうでしたけれども、景観法上の考え方とか、これを建てた以後にできた法律もあります。そういうふうなことで、機会あるごとに東京都の都市整備局としてもぜひ、災いを転じて福となすことは難しいかもしれないけれども、いろんな意味でいい計画、いいまちづくりになるように、ひとつ要望をしておきたいと思います。
 具体的にはどんな建てかえのスキームで都市機構と話されているのか、状況がわかりましたら教えてほしいと思います。

○山室参事 建てかえに向けたスキームでございますが、昨年十二月に国から示されましたスキーム例では、自治体が都市再生機構の技術的な支援を受け、居住者の合意形成を図りながら、その後、都市再生機構が自治体との受委託契約により、自治体名義で居住者のマンション及び土地を購入した上で解体し再建するというようなスキームで検討しております。
 また、茅場町、住吉につきましては、これまでに二回ないし三回、ワーキングで検討しておりまして、その中では、先生ご指摘のとおり、隣地との共同化とか、それから住吉につきましては総合設計制度とか、そういった住民からの発意による仕組みについても検討している、こういう状況でございます。

○立石委員 最後に、初め石原知事は、公的支援の方法について、国と戦うというような姿勢を示されておりましたけれども、現況、こういう状況のこの現実の中でどう都民の生活を守るかという形から、積極的に支援するという方向に変わってきたと思いますが、その間の経緯、結果としてこういうふうな費用分担で支援していくんだというふうになったか、きょうここで改めて質問したいと思います。

○矢島住宅政策推進部長 構造計算書偽造問題、とりわけマンション居住者にかかわる支援対策の経過ということでご質問をいただきました。
 昨年来、十二月の段階で、知事から住宅のあっせんを通して支援をしていくということで、当初、都としての支援を開始したわけでございますけれども、その後、耐震のレベルが著しく低いマンションということが明らかになるにつれて、住民の生命を守るという観点から緊急の対応が必要であるということで、移転費、家賃の支援をして仮住居への移転ということをこの間東京都として実現してきたというふうに考えてございます。
 また、最近に至っては、国との協議の中で、公的支援についての法的根拠、あるいは国と自治体との負担の問題、そういったものについて一定の前進を得た中で、建てかえを含めた総合的な公的支援スキームを実施していくということで、現在取り組みを開始しているという段階でございます。

○立石委員 ケース・バイ・ケースによっていろんな形になるかと思うんですが、結果として、視察した新川の例でいえば、引っ越し、解体、買い取り、そして再建、こういう形になるかと思うんですが、これは難しいだろうけれども、どのくらいの精神的な不安--これはもう当たり前ですね。私も近所なので、また友人も住んでいたのでお邪魔しましたけれども、本当に激しい口調で、こういう不安のある家に住まわされる悲哀ということで、余計なことかもしれませんけれども、だれか真の犯人が決まれば、そういうところに留置されたらいい、どのくらい不安であるかなんて、冗談ともつかず真顔でいっておられました。
 大変お気の毒であると同時に、この間視察した福岡の玄界島と比較して、いろんな意味で、あるべき自然災害とのかかわりの中でいろいろ思いがあります。されど、現実にどのくらい個人的な出費があるものだろうか、そんなような話を、もしわかりましたら聞いておきたいと思います。

○山室参事 昨年十二月に都市再生機構から示されました試案では、現在の居住面積を二割低減した八十平米で再建すると仮定しますと、約二千万程度の費用がかかるというふうにいわれております。
 こういった試案が出されたわけですが、当然のことながら、その試案については現在再見直しをしておりまして、今後再建計画を検討していく中で、さまざまな工夫を凝らしながら費用負担の軽減を図っていくことが必要というふうに考えております。

○立石委員 わかりました。結構です。

○伊藤委員 この事件が起こって以来、私たちとして、まずこの事件の全貌の解明、そして再発の防止、そして住民の救済という形で求めさせていただいておりましたが、先ほどのご報告にもありましたように、この委員会としても強く求めていた家賃やまた移転費の助成を行うということなど、東京都としてもやるべき住民支援策をとっていただいているというふうに思っております。また、現在、解体や建てかえ、これが非常に難しい問題であるというふうには思っておりますけれども、国や他の自治体と連携をしながら、住民の救済についての枠組みはしっかりとできつつあるのかなというふうに思っておりますが、やはり残された問題として、再発の防止というところにそろそろ視点を置いていかなければいけないのかなというふうに私は思っておりますので、この点に絞りまして何点か質問させていただきたいと思います。
 先ほど、このA4一枚の紙でご報告をいただきましたけれども、1の建築物の調査というふうになっておりますが、まず、再計算を行っている物件がかなり残っておりますけれども、この再計算がいつごろ終了されるのか、見込みをお伺いしたいと思います。

○野本市街地建築部長 現在、各特定行政庁が再計算を行っておりますけれども、姉歯元建築士が関与した物件につきましては、再計算中のものが二件ありまして、本年度中に結果が出る見込みでございます。
 それから、ヒューザー、平成設計、木村建設、総合経営研究所が関与した物件で再計算中の四十四件につきましても、同様に、本年度中に結果を出すように依頼しているところでございます。

○伊藤委員 部長も大分お疲れのようで、本当にこの事件の皆さんのご苦労というのはよくわかっておるつもりでございますので、ぜひとも前向きに答弁をしていただきたいと思います。
 それでは、私たちが今回の事件に対して大きな問題があったなというのは、検査の過程でどのような問題があって、このような事件に発展をしてしまったのかということだと思います。東京都の出先機関で確認を行った物件にも偽装が見つかっておりましたけれども、東京都指定の二つの確認検査機関がございますが、立入検査の結果についてお伺いをしたいと思います。

○野本市街地建築部長 都指定の確認検査機関は、財団法人東京都防災・建築まちづくりセンターと財団法人世田谷区都市整備公社の二機関でございます。
 昨年十二月一日に東京都防災・建築まちづくりセンターに、それから、二日に世田谷区都市整備公社に立入検査を行っております。主に構造計算書の審査方法等について、比較的規模の大きい建築物を抽出しまして、構造担当者のヒアリングを実施し、改ざんの有無を重点的に検査しました。この結果、両機関とも適切に処理されていると認められております。
 そういうことで、同年、昨年の十二月二十一日に国土交通省にその旨報告しております。

○伊藤委員 ありがとうございます。
 十二月九日の質疑で強く求めておきましたけれども、国に対して、東京都及び関係自治体がしっかりと申し入れをするべきだというふうに強く申し入れをさせていただいておりましたけれども、その後、国に対してどのような要望を行ってきたのか、そして、その経過についてお示しをいただきたいと思います。

○野本市街地建築部長 まず、申し入れの経緯でございますけれども、国は昨年十二月十九日に、社会資本整備審議会建築分科会に基本制度部会を設置いたしました。都は国に対して、まず昨年の十二月十四日に、知事から国土交通大臣あてに要求書を提出しております。それから、本年の二月十日には、都、二十三区、八市から国に意見書を提出しております。それから、本年の二月十七日には、五都県市の知事、市長とともに国に要求書を提出しております。そのほか、事務局としても五回の要望を行っております。
 それから、要望を行った内容でございます。国、特定行政庁及び指定確認検査機関の役割と責任を明確化していただきたい。それから、構造計算書等の第三者によるチェックを考えていただきたい。それから、特定行政庁の指定確認検査機関に対する立入検査権限を考えていただきたい。改ざんが困難な信頼性の高い構造計算プログラムの開発を考えていただきたい。それから建築士制度の見直し。こんなことの申し入れを行ってきております。

○伊藤委員 これも、十一月三十日また十二月九日の本委員会の質疑において、区市とともに指定確認検査機関制度等についての検証、見直しの要望に関する協議会を設置したという質疑、やりとりがございましたけれども、この協議会における協議の経過と内容についてお伺いいたします。

○野本市街地建築部長 都は昨年、区市に呼びかけまして、指定確認検査機関等についての検証、見直しを検討する場として協議会を設けております。
 まず、実態調査に関しまして、昨年は十一月二十四日、それから二十八日に協議会を開催しております。それから、制度改正の検討に関しましては、昨年十二月から現在まで七回にわたり開催しております。その改正の検討の内容については、先ほど申し上げたとおりでございます。

○伊藤委員 本会議の一般質問に対しましても、梶山都市整備局長から、国の制度改正を待つことなく、東京都は独自に建築物の安全向上に努めていくというような大変前向きな答弁もございましたし、その点は評価をしたいというふうに思いますが、まだまだ全容解明と再発防止ということに関しましては未解決であるというふうに認識をしております。特に民間の検査機関の責任の明確化、そういう課題に目を置きますと、国との見解の差が大分あるように感じてございます。
 ぜひとも、現場を持つ東京都として、しっかりと国に対して物を申していただきたいというふうに思いますし、その点、しっかりとリーダーシップをとって、一日も早くこの問題が本当の意味で解決をするように引き続き努力をしていただきたく要望を申し上げまして、質問を終わります。

○長橋委員 構造計算書偽装問題、既にこの問題が発覚をして三カ月が過ぎたわけでございますが、東京はございませんが、非姉歯物件にまで広がる、そういう様相の中で、まだまだ住民の不安というのが高まっている。そろそろこの偽装問題も決着をつけなきゃいけないにもかかわらず、不安は広がって、さらに、今、伊藤副委員長からありましたけれども、再計算を行っているものも非姉歯ではかなりの数がある。広がる様相も示しているわけであります。
 きょうは、私の方からも、再発防止に向けて何点かお伺いをしたいと思います。
 まず、部長からご説明がありました調査結果、その中で偽装が判明したもの、ホテル、マンション、三十三棟あったとあります。調べますと、全国で、姉歯物件で九十七件、非姉歯で三件、合計百件。そのうち三十三棟は東京であるわけであります。この三十三件、ホテルも入っているわけでありますが、今お答えがあった、転居が済んで建てかえに入るというところもあれば、また、転居先が決まらないで、いまだに不安を抱えたままの方もいらっしゃる。また、訴訟などで責任を問う、こういう動きもあるわけであります。
 まずそこで、この三十三棟の建てかえ、または補修の物件もあると思います。三十三棟の状況についてお伺いをいたします。

○野本市街地建築部長 姉歯元建築士が関与した都内の八十三件のうち、構造計算書の偽装が判明したものは三十三件でございます。このうち、解体や建てかえ予定のものが十三件、それから補強を行う予定のもの六件、耐震性を有することが確認されたものが四件、確認申請を取り下げたものが三件、今後の予定が定まっていないものが七件となってございます。

○長橋委員 今、三十三件の状況を聞きましたが、予定が定まっていないものも七件ある。新聞の報道によりましても、この二カ月間、先の見えない日々を過ごしてきた男性は、今地震が起きたら家にいる家族はどうなるのか、ストレスがたまって、うちにいるときも家が揺れるような錯覚を何回も起こしたと。こういう不安があるわけで、それがまだぬぐえていない、こういう状況もあるかと思います。
 既に何回かお答えになっているかと思いますが、改めて、そういった方々への住民支援策、国の支援策はどのような状況なのか、そして、特に分譲マンションの住民の方々に対する都としての支援策、改めてお伺いをいたします。

○矢島住宅政策推進部長 今回の事件に係るマンション住民への支援についてでございますけれども、国の支援策といたしまして、国は、耐震性に著しく問題があるとして使用禁止命令等の出された分譲マンションの居住者を対象として、家賃、移転費、さらに解体から建てかえまでの費用について、地域住宅交付金を活用して支援を行うとしてございます。
 都といたしましても、都民の生命の安全と居住の安定を確保するという観点から、国が示したこの支援策を受け入れまして、直接支援を行う基礎的自治体と十分調整、連携を図りつつ、居住者への支援に取り組んでいるところでございます。
 なお、稲城市につきましては、稲城市が支援を行わないということでございます。都として直接支援を行うとして、現在折衝を開始しているところでございます。

○長橋委員 ぜひ都として、国の支援策を受け入れてと、こういうことでございましたけれども、もちろん費用の負担も大きな課題であるかと思いますが、やはり支援についてはきちっと進めていただきたい。
 先ほど、稲城市については全面的に都が負担すると。稲城市は特定行政庁じゃないというようなこともあって、本来であれば稲城市と東京都が折半しなきゃいけないのをやる、都としてこういった判断も私は評価をしたいと思います。
 しかしながら、三十三件判明して、またこの二カ月間で七棟も増加をしている、こういう状況であります。ともかく一日も早く、今後マンションの取得に当たって--一部お伺いしますと、不動産業界等は、まだまだこの解決が済まない、そういう中で景気にも大きく影響してくるのではないか、こういう話もあるわけであります。
 マンションの取得や、そしてまたホテルの利用、これが本当に安心してできるよう、今後、制度の見直し、そしてまた補償問題についても、都は急いでいるかと思いますけれども、さらに国に先駆けて急いでいただきたいとお願いをするわけであります。
 そこで、現場を持っている都として、国に対して再発防止に向けた取り組みについて、今若干お話もいただきましたけれども、改めてその要望--要望は聞きました。要望と意見とどう違うかというのは難しいんですけれども、正式な要望と、それから、知事名じゃなくて事務的にも制度の見直し等を含めて要望してきたと思います。特にそういった部分についてお伺いをいたします。

○野本市街地建築部長 事務局としても、当然国に要望を行ってきております。回数とすれば五回ほど行ってきているわけですけれども、やはり知事等から申し出をした内容と大分重なるところがございますけれども、内容的には、指定確認検査機関の役割と責任の明確化であるとか、あるいは、構造計算書を第三者にチェックさせることによってより厳格な審査をすること、あるいは特定行政庁が指定機関等に立ち入りできるようにすること、それから、改ざんができない構造計算プログラムを開発すること、こんなことを申し入れしてきてございます。

○長橋委員 事務方としても、具体的な提案といいますか、さらに強化の対策について意見をいってきたということであります。
 そこで、私の手元に、国交省の中の社会資本整備審議会建築分科会が出しました「建築物の安全性確保のための建築行政のあり方について 中間報告」がございます。これはまさに偽装問題の再発防止に向けて、冒頭には、「一日も早く国民が安心して住宅の取得や建築物の利用ができるよう、建築基準法、建築士法及び住宅の品質確保の促進等に関する法律にかかる建築行政上の諸課題を検証し、制度の見直しに早急に取り組む」、お役人の文章なので長いんですけれども、そういったことで中間報告が先月の二月二十四日に出されました。
 お伺いをしますと、梶山局長もその委員の一人であるということでございます。ですから、この中間報告のまとめ、中間報告ですから、この後、最終報告が出るのであろうかと思いますが、このまとめに当たって東京都も、委員のメンバーを見ますと、地方公共団体からは東京と大阪、この二名が参加をして、現場を持つ立場からこの取りまとめに当たっていただいたかと思います。
 そこでまず、この中間報告の内容についてお伺いをいたします。

○野本市街地建築部長 中間報告の内容でございますけれども、国は社会資本整備審議会建築分科会に基本制度部会を置きまして、都は、建築行政の現場に携わる、こういう立場で参加してきました。昨年の十二月十九日に設置されて以来、五回にわたって開催されましたけれども、先ほどご指摘がありましたように、二月二十四日に、国は社会資本整備審議会建築分科会の中間報告として発表しております。
 その内容でございますけれども、建築物の安全性確保のために早急に講ずべき施策としまして、一つ、構造計算書の第三者によるチェックなど審査方法を厳格化すること、それからもう一つ、指定確認検査機関に対する立入検査など監督を強化すること、それ以外に七項目ほど示されております。
 それから、施策の実現に向けて今後引き続き検討すべき課題としまして、建築士制度に係る課題など三項目が示されております。

○長橋委員 私もこの中間報告を読ませていただきました。制度の見直し、また罰則の強化、こういったことが大きな課題として、また早急に取り組まなきゃいけない。また、今後の課題としても、建築士制度、そういったことの見直しについて触れられているわけでありますが、この中に、私が持っている一二ページには、指定確認検査機関に対する監督の強化、こういう項目があって、これは一番のポイントであろうかと思います。そういう中に「監督方法の見直し」、こういう項目がございます。それによりますと、立入検査を行う場合には、審査体制や公正中立性の要件の検査を行うだけではなくて、確認申請書の内容のサンプル検査の実施による個々の建築確認、検査内容の適法性の検査もあわせて行ったらどうかというようなことがあります。
 それに対して、早速、このサンプル調査について横浜市が批判をしているわけであります。サンプルをするということは盛り込まれたけれども、これは自治体がダブルチェックしろということで、民間開放の趣旨にそぐわないのではないか、こういうご意見もあったように報道されております。
 サンプル調査をするということは、これまた大変なことであろうと思います。行政改革が進む中で、人員に余裕があるわけじゃありません。これをやるとなると、これまた、国はいうのは簡単ですけれども、やる方は大変だろう、こういうことでございますので、こういったことが盛り込まれたことに対してどういうふうにご意見をお持ちでしょうか、お伺いします。

○野本市街地建築部長 中間報告の内容の中の、指定権者等が立入検査等を行う場合は、審査体制や公正中立性等の要件審査だけでなく、サンプル調査が実施できるという内容でございますけれども、これが実現した場合には、そのサンプルの例えばとり方というのでしょうか、そういった数量の問題もあろうかと思いますけれども、やり方次第では有効に活用することができるんじゃなかろうか、そんなふうに考えております。

○長橋委員 中間報告でございますので、受けて、どうこれをまた精査していくかということであろうかと思います。この内容については、部長も含めてしっかりと精査をしているかと思います。
 次に、これもこういう報道がありました。都市再生機構、話題になっておりましたし、また、偽装問題の建てかえについても役割を果たすこの都市再生機構が、偽装問題が表面化した後、構造計算書の開示を求める住民が大勢あった、その要請が八十四件寄せられたのに対して三十四件だけしか応じられなかった。機構の内規では、計算書は永久保存が義務づけられている。旧公団からだと思いますが、五十件が紛失、行方不明になっている、こういう報道があったわけであります。本来は耐震偽装がないであろうということの確認をするために問い合わせした結果、八十四件のうち五十件ですから、過半数以上が紛失してしまっているというようなことでございます。
 構造計算書の保管、これは都市再生機構でございますけれども、構造計算書の保管については、法的に、またどういう仕組みになっているのか、お伺いをいたします。

○野本市街地建築部長 建築確認申請書類は正副二冊作成されますけれども、確認申請後は、正本は、確認処分をした特定行政庁または民間の指定機関に保管されます。そこでは保存年限が過ぎれば廃棄される、そういうことになっております。
 もう一つの副本の方は、建築主が保管するということになっております。都市再生機構は建築主でありまして、建築基準法での保管年限の定めはございません。ただ、売り主としては、その保存には責任を持って対応すべきかと考えております。

○長橋委員 特定行政庁ですか、行政の方は保管年限が決められている、正本の方。副本の方は建築主が保管をする。ただし、それについては、法的には何ら定めが建築基準法にはない、こういうことであります。
 都市再生機構は内規としてそういうことを決めていた。にもかかわらず紛失していたということで、ある面では、都市再生機構、公的機関であります。こういったところがこういう状況では、これは住民の不安は広がるだろうと思います。
 構造計算書、これは一般のうちでもあると思うんですけれども、私のうちにもあるかと思いますが、探さないと出てこないかもしれませんけれども、これがきちっと定めがないということも大きな課題ではなかろうかな、こういうふうに思いますので、意見にとどめておきます。
 それからもう一点は、構造計算書の審査についてであります。
 これも報道によりますし、また、国交省が調査をして発表した内容があります。鉄筋建築物などの構造計算書の審査ができる全国の自治体のうち、全国の二百七十一自治体を対象に国交省が調査を行った。その結果、構造審査担当の建築主事を置く自治体はわずか一四%、二百七十一自治体のうち三十七だけしかなかったという報道がありました。確かに構造計算は高度な審査技量が求められて、国交省としては、専門の担当者を置くべきではないか、このようにいっているというふうにお伺いしております。報道には、一般職員の構造審査担当者数が最も多かったのは横浜市、次が広島、次が東京、次いで東京の大田区も多い、こういうふうにあります。
 一四%にすぎなかったということで、やはり東京都は優秀な人材がおりますし、全国でも--十人いるということでありますから、職員として対応できるというふうに思います。前回の質疑の中では、それでも足らないんじゃないか、こんな話がありましたが、ほかの自治体に行くと、報道によると、いない自治体といいますか、というぐらいですから、まさにこれも大きな課題であろうかと思うわけであります。ぜひこういったことに対してプロが必要ではなかろうか。
 新宿では、早速十八年度から構造計算のプロを採用して進めていく。今後、民間よりも特定行政庁に--民間に対する、指定確認検査機関が不信また不安である、特定行政庁の方の審査が多くなるのではなかろうか、こういうこともあり、また偽装に対する再計算などもしなけりゃならない、大変だろうということで、新宿では新たに建築士二人を採用する、こういうふうにも出ているわけであります。
 ぜひこういったことも、東京都は現場を持っているわけですから、チェックをし確認し、特定行政庁ですから同じ立場だと思うのですけれども、指導していかなければならぬのかな、こういうふうに思うわけであります。
 そして、さらに驚くことに、建築確認の検査マニュアル、本会議で梶山局長が国に先駆けてやると答弁がございましたけれども、検査マニュアルを整備している自治体は、同じく二百七十一自治体のうち百五、三九%にすぎない、こういうことでございます。過半数の自治体に審査マニュアルがない、こういうことも判明しました。これは大変驚くべきことであります。
 都としてどう認識しているのか、そしてまた都内の審査状況はどうなのか、今後の取り組みについてあわせてお伺いをいたします。

○野本市街地建築部長 二点についてお尋ねがございましたけれども、まず、構造審査担当の建築主事が少ないんじゃなかろうかということでございます。
 建築主事というのは、ご存じのとおり、建築確認をする際に最終的に決裁する責任者ということでございまして、意匠、構造、設備というすべて総体のチェックをした上で最終的に決裁する責任者ということになっていまして、構造審査担当もそういうものを持っているにこしたことはないんですけれども、ある面でいうと、専門家の養成ということでいうと、構造の審査の所管のところだけであれば、主事の資格を持っていなくても専門的な判断もできるのかなと、そんなふうには思っています。
 ただ、いずれにしても、構造審査の担当者もより専門性を高めて信頼性を高めるということは大事かと思っていますので、そういう意味では、今後とも職員の育成、養成ということを区や市と連携して取り組んでいきたい、こんなふうに考えております。
 それから、もう一つの審査マニュアルでございます。
 審査マニュアルは、審査の公正性あるいは職員の育成という点で必要であると認識しております。このため、東京都では、構造審査に当たりまして、従来から審査要領というのを作成しまして活用しております。今回の構造計算書偽装問題を受けまして、審査要領改正などにより確認審査の一層の充実を図っていきたいと思います。
 なお、この審査要領につきましても、各区、市に提供し活用を促していきたい、こんなふうに考えております。

○長橋委員 建築主事ということは、一つの特定行政庁にいないはずがないわけですから、ただ、専門家の養成を急ぐというご答弁がありましたし、また都としてマニュアル、各自治体にもそれを見せていく、こういうことでございますので、ぜひ急いでやっていただきたいと思います。
 最後に、今まで、中間報告等について、またいろんな報道についてお話を聞いてまいりました。最終報告が今後これからされるわけでありますけれども、ぜひ東京都として、梶山局長は、ともかく先駆けてこの施策を、取り組みについては急いでやる、こういうことでございます。
 法的な手続について、国が自治体に、各都道府県に指針を出した、こういうことでございます。建築確認を必要としない改修工事でも、自治体が改修計画の審査や工事完了の確認を行った上で所有者に通知することなどを求めているというようなことで、国交省、国として各都道府県に指針を出した、こういうふうなことがございます。
 都としても再発防止に向けて、いまだに責任の所在というのがはっきりしない。それぞれ責任がある。特定行政庁にももちろん責任があるし、また建築士、もちろん、最終的に瑕疵担保責任がある事業主は責任があるわけですけれども、東京を預かる都として、例えば建築士事務所協会、そしてまた事業主とか、それからまた各基礎的自治体に対して、再発防止に向けた指針といいますか、通知といいますか、指導といいますか、こういうことを行っていくべきではなかろうかな、こう思いますし、専門家の集団でもあるわけであります。ぜひお願いをしたいと思います。
 最後に、この中間報告について、局内で都として検討して、さっきお話がありましたとおり、国に対しても要望を行っているわけですが、まだ足らないところがあるんじゃなかろうかと。都として、もっとこういったことを現場を預かる立場としていわなきゃいけない、強く要望しなきゃいけない、これをいいたいのではなかろうか、こう思うわけでございます。再発防止に向けて、今いったことを含めて、ぜひ局長にご答弁をお願いしたいと思います。

○梶山都市整備局長 これまで都の支援策、これは一〇〇%満足したものじゃないかもしれませんが、私を初め次長、そして両技監、部長、そして課長、それぞれの持っている役割をもって、国土交通省とそういう形で一生懸命やってきて、一〇〇%満足いかないけれども、進んできました。
 しかし、責任の問題、再発防止に関しては、今般の社会資本整備審議会建築部会の中間答申で見られるように、国だとか特定行政庁、民間指定確認機関それぞれの役割と責任を明確にするという部分については何ら触れられていないんです。したがいまして、きょう、今回の議会でも、私ご答弁させていただきましたけれども、これが都の要請が通るように、あらゆる機会をとらえて、そして局の総力を挙げて国に働きかけてまいります。
 またもう一つ、今先生がご指摘になっている都としての新しい取り組みでございますけれども、これは、事件の再発防止には事業者や自治体との連携協力が欠かせない。このため、都といたしましては、再発防止についての指導指針を策定して、設計事務所等に対して指導を強化していきます。
 と同時に、構造計算ソフトの活用、これはソフトを買いましたから、そういった活用や構造計算審査マニュアルの作成などにより確認審査の充実を図って、建築物の安全の向上に努めてまいります。
 このように、国への働きかけ、都独自の取り組みの両面にわたって再発防止に向けた取り組みを全力で行い、今後とも都民の安全と信頼される建築行政の確立を図ってまいります。

○長橋委員 今、梶山局長から、本当に思いあふるるご答弁をいただきました。そしてまた、都独自の取り組みとして指導指針も作成をする。また国に対して、国はわかっていないんだと。わかっていないんだといいますか、国に対して、もっと明確にするよう力強くやるということでございます。
 我々議会も一緒になってこの問題に取り組んでまいりますので、局長を中心に、議会も一体となって、また局全体としてさらなる取り組みを心からお願いしまして、質問を終わります。

○植木委員 先ほど来の説明の中で、マンション被害者住民の皆さんの現状についての幾つか事例が出されましたけれども、都内の区市町村にも当たる被害住民の皆さんの引っ越しだとか、そういった状況がどういうふうになっているのか、まず全体として教えていただきたいと思います。

○中沢参事 今回問題になっております分譲マンションの退去状況でございますけれども、昨年十二月中に退去の勧告をされた、六棟ございますけれども、そのうち五棟につきましては、先ほどもお答えいたしましたように居住者が全員退去いたしましたが、世田谷区のグランドステージ千歳烏山というのがございますが、そこでは三戸まだ残っております。それから、二月十一日に退去勧告を出されたばかりのグランドステージ池上では、退去がまだほとんど進んでいないという状況でございます。

○植木委員 これからのところはまだまだ大変だと思うんですけれども、一たん引っ越しが完了されて、そうしますと、六カ月以内に建てかえ計画を全員で決議を上げる、こういうことになっていると思うんですけれども、現時点で考えますと、まだ日にちも浅いということもあるんですけれども、住民の皆さんは、六カ月というのはどうなるかというのは非常に心配だと思うんですね。
 現段階での合意の状況について、あるいは見通しの状況について、どのようにとらえておられるのか、ご説明をお願いします。

○山室参事 現在の状況と今後の見通しでございますが、現在、構造計算偽装による耐震強度〇・五未満の分譲マンションは都内に七カ所ございます。が、昨年中に偽装が判明しました六カ所につきましては、二月までに各地区で、昨年十二月に国から示されましたスキーム例を管理組合に対して説明している状況でございます。
 また、本年に入りまして判明しました大田区のマンションにつきましては、区がコンサルタントに依頼しまして作成しましたスキーム例で説明を行っております。
 現在、このスキームで地元区と管理組合によってさまざまな検討が行われておりますが、まだ検討が始まったばかりでありまして、現時点で具体的な方策が決まっているところではございません。

○植木委員 現時点では説明が終わった段階だというんですが、特に東京都が特定行政庁になっている稲城市、これもグランドステージという名前がついているんですけれども、都として説明を行ったというのは、先ほどの中に多分入っているんだろうと思うんですけれども、話し合いの状況について、住民の皆さんの反応といったらおかしいんですけれども、ご意見というのでしょうか、そういう点はどんなふうな状況になっていますでしょうか。

○山室参事 都がグランドステージ稲城の建てかえ支援を担当することになりました二月二十一日に、管理組合の建てかえを担当する方々に、昨年国から示されましたスキーム例や都市再生機構の試算の結果を説明しております。
 管理組合では、二月二十六日に住民全体の集会において、この都から行いました情報提供について周知をしているというふうに聞いております。
 二月二十一日での、これは第一回の話し合いですので、必ずしも総意ではありませんが、そこで出ているのは、やはり同じ面積で復元をしたいというような意向、それから、八〇%と狭くなって二千万の負担となるということは非常に重いというようなことを聞いております。

○植木委員 今説明の中で、やっぱり面積問題、それから二千万の負担の問題というふうになっておられるということなんですけれども、行政の側としては、これを六カ月以内に合意を図っていくという上で何が課題になっているのか。住民の要望の内容や運営上の内容について、その課題について整理してお願いしたいと思います。

○山室参事 今後六カ月以内に合意形成へ向けて皆さんと話し合っていかなければいけないわけですが、住民側の課題としましては、繰り返しになりますが、既に多額のローンを抱えているということで非常に負担が重いということ、それから、もとの面積に強いこだわりを持っているということでございます。
 また、事業を進めていく上では、非常に住宅戸数が少ないということで、国の例でいきますと保留床が生じるわけですが、生じた場合、それを事業費として充てる場合の販売の見通しが非常に厳しいというようなこと、それから、この程度の建築工事を請け負う業者を選定するということも制約があるというようなことを聞いております。

○植木委員 住民側と事業者の側の問題点が出たのですが、マスコミ等でも相当それぞれの住民の皆さんと接触して、いろんな報道がされていますけれども、やっぱり新たな負担の二千万、二重ローン、これが一番の、今最終的な見通しをつける上で越えていかなきゃならないネックになっているかというふうに思うんですね。私は、現状のままこういくと、一人一人の生活実態というのはいろいろありますけれども、生活破壊だとか、それから極端な例でいえば自己破産さえ予想される、こういう方もおられるわけですよね。
 そういう意味で私は、行政として金融機関との話し合いといいましょうか、金融機関への要請といいましょうか、それをきちっとやるべきではないかという思いがあるんですね。例えば既存のローンの元利の減免だとか、それから、これから新たに発生するローンは低利にしてもらうとか、こういう金融機関への協力を求めていく必要があるのではないかというふうに思うんですね。
 大胆なことをいう方は、既存の建物のローンは、もうこれで一たん全部倒すわけですから、そういう意味では資産価値がなくなったんだから、思い切って五〇%、既存の住宅の元利そのものを免除していくような方向を訴えている方もおられるわけですね。二分の一負担にしていくと。
 そういうことも含めて、国の方もどういう検討をされているかわかりませんけれども、都としてそういった検討がなされているのか、あるいは国に対して、そういうことについて話し合いを行っているのか、そういった点についてお示し願いたいというふうに思います。

○矢島住宅政策推進部長 ローン借り受け者への配慮ということに関してでございますけれども、これまでに国を通じた要請によりまして、全国銀行協会におきまして、ローン債務者の現状に配慮して、本件にかかわる例えば返済期間の延長とか返済据置期間中の金利の引き下げ、そういったローン債権の弁済への配慮について申し合わせがなされたというふうに承知をしてございます。(「申し合わせがなされた」と呼ぶ者あり)はい。申し合わせがなされているというふうに承知をしてございます。

○植木委員 まだちょっと、念のためお聞きしたいんですけれども、申し合わせがなされているということは、そういうスキームといいましょうか、元利を減免するとか低利にするということを確定するという方向性が出たということですか、ちょっと確認のため。

○矢島住宅政策推進部長 お答えをさせていただいたつもりなんですが、返済期間の延長であるとか、返済据置期間中の金利の引き下げなどについて配慮をしようということで、全国銀行協会の申し合わせがあるということでございます。

○植木委員 私は、金利を引き下げるというだけじゃなくて、もともとの元利についてもきちっと要請していくということが必要じゃないかと。というのは、これが見通し立たないと、なかなか次へ進めない、住民の皆さんのところでは。そういう意味で、ぜひこれは引き続き改善を図っていただきたいというふうに思います。
 それから、今からいうのは早いかもしれないんだけれども、六カ月というのは、ある意味じゃ、一月の初めに引っ越された方は、もう六月には一定の期間が来るわけですよね。その間に住民集会も、散らばっていますから、年じゅう開けないということですし、それから都市再生機構の提案についても、いろいろやりとりがまだまだあると思うんですよね。
 そういったもろもろのことを考えると、極めて短い期間だというふうに私どものところにも訴えは来ますし、現実的に見てもそうではないかなというふうに思うので、当然親身になって話し合いを進めていくわけですけれども、もちろん長引けばいいということでもないんですけれども、機械的にこれに対応するということはないようにしていただきたいというふうに思うんですが、この点はいかがでしょうか。

○中沢参事 今回の支援策につきましては、居住者並びに周辺住民の方の安全の確保ということが第一というふうに考えて実施するものでございます。六カ月以内の建てかえ決議というのを条件にいたしましたのは、早期に建物の除却ですとか建てかえを促すことを目的としておりまして、現在、各マンションにおきまして、建てかえに向けた検討が始まったばかりでございますが、六カ月以内に合意が形成できるよう、居住者の方々もご努力いただきたいし、私どももそれに対して支援をしてまいりたいと考えております。

○植木委員 周辺住民の皆さんも心配していることも事実ですから、むやみやたらに長くなればいいということじゃ、もちろんないんですけれども、そこのところは状況を中間で見て、機械的に対応しないように改めて求めておきたいというふうに思っています。
 ところで、先ほどもちょっとお話が出ましたけれども、今度のスキームにかかわっている都市再生機構の問題が出されました。八十四件の開示請求があって、構造計算書が五十通、紛失あるいは不明だということがマスコミなどで報道されていますけれども、都としてはどのように事実関係を把握されておるのか、お示しいただきたいというふうに思います。

○福島都市づくり政策部長 都市再生機構との包括的な連絡調整役をしている立場からご答弁申し上げますけれども、紛失に関しまして、二月二十八日、北側国土交通大臣が会見で、極めて遺憾な話、不明なものがまだあるようだ、しっかり調査をして早急にその結果を出してもらいたい旨の発言をしたと聞いております。
 東京都といたしましては、現在把握している内容は以上でございます。

○植木委員 国の方で遺憾であるという表現の見解が出されているようですけれども、やっぱりこういう仕事というのは、姉歯偽装事件から信頼が失われたところから出発しちゃっているものですから、一つ一つの信頼をきちっとかち取っていくということは非常に大事だと思うんですね。構造計算書の紛失が明らかになってきたということも、この偽装事件から求めてきた人たちがいるわけですよね。
 それともう一つは、既にもう二年ぐらい前だろうと思うんですけれども、都市再生機構が建設した住宅で、鉄筋不足などが指摘されたり、それからコンクリートの厚さ不足だとか、壁の内部が気泡ができてぼろぼろだ、こういうことで二十件建てかえ工事をやっている。こういうことも過去にあっただけに、そうした関心が非常に強いわけですね。
 もちろん工事の責任というのは請負企業の責任だろうと思うんですけれども、やはり建て主である管理監督責任は免れないということで、こういった点も当時、随分それぞれの関係自治体あるいはマスコミでも取り上げられたりして議論がされたわけですけれども、そういったことを考えても、建てかえるということは、いわば強度〇・五以下に近いということも考えられるわけですよね。そういう意味で、本当に都市再生機構がこのスキームにかかわるという意味で、指導的な立場に立つという意味で、信頼回復する必要があると思うんですよ。
 そういう意味で、都市再生機構の信頼回復のために、都として国に適切な対処を求めるとか、あるいは直接都市再生機構にそういった点を求めるとか、そういうことをすべきではないかというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

○福島都市づくり政策部長 現在、都市再生機構が実態調査中というふうに聞いてございまして、しかるべき時期に結果をまとめることになっているというふうにも聞いてございます。その結果を踏まえまして、都市再生機構みずからがどう対処するのか、また、内容によりましては、国が指導監督権を行使するなどして対処すべきことと考えてございまして、現時点で要請するという考えは持ってございません。

○植木委員 内容によって、国や都市再生機構がどうするかということはあると思うんですけれども、一定の調査が時間がかかるでしょうから、そういった推移を見て、都としても、その内容によっては改めて働きかけるとか、そういうこともやっていただきたいということを今の時点では求めておきたいというふうに思っております。
 いずれにしても、再発防止をこれからやっていかなきゃいけない、それから改ざんを見逃さない、安全向上のために頑張るんだということで、現時点での中間のまとめで、これからどうなるかわかりませんけれども、それぞれの自治体がいろいろ努力をされてきていると思うんですけれども、まず東京都として、昨年のここでの質疑の中で、支援体制を組んでやっている、だから大丈夫だというお話がありました。どういう支援体制を組んでこられたのか、あるいはこういった再発防止に向けて、体制上あるいは実務的も含めて、どのような改善を進めておられるのかをお示しいただきたいというふうに思います。

○野本市街地建築部長 都におきましては、構造計算書偽造問題対策本部を立ち上げまして、全局を挙げて対策に取り組んでおります。
 また、構造計算ソフトを活用したチェック体制を都独自の取り組みとして始めておりますけれども、新年度からの活用に向け、構造計算審査マニュアルの作成にも現在鋭意取り組んでおります。

○植木委員 今の話だと、体制の拡充というのはなかったということだろうと思うんですね。去年そういっていましたから、多分そういう形でやっているんだろうと思うんですけれども、いずれにしても、東京都の場合はそうはいっても、区市町村から比べれば、まだまだ一定の人数がいるということはわかります。しかし、去年の事件発覚以来、問い合わせやいろんな相談が来ているということも事実なので、これはぜひ引き続き改善を求めていきたいというふうに思っています。
 それから、区市町村は本当に体制が大変な中で、例えば中央区などでは、過去五年間行った確認検査について八十八件全部再審査をやるということで、職員を六人増員したとか、あるいは民間の検査機関にも仕事を頼んでやるとか、ありとあらゆる努力をしてやるとか、それから職員を増員したところは、幾つか区でもあります。もちろん計算ソフトの購入、東京都は今回購入したようですけれども、購入するとか、いろんな努力を行っているわけですけれども、やっぱり都から比べたら体制は弱いですよ。
 そういう意味で、都として、そうしたところに対しての援助が必要かというふうに思うんですけれども、どんなことを考えて、あるいは実行されているのか、お示し願いたいと思います。

○野本市街地建築部長 区市に対する支援でございますけれども、都は区市と協力しまして、建築構造に関して東京都建築構造行政連絡会というものを設置しております。その中で、情報の共有であるとか、あるいは構造審査要領の作成、そんなことをやっているところでございます。
 今後とも区市との連携を強化しまして、先ほどもちょっと申しましたけれども、都が独自に作成する構造計算審査マニュアル、こういったものの活用を通じて審査体制の充実、支援をしていきたいと考えております。

○植木委員 ぜひ援助を引き続きお願いしたいというふうに思います。
 再発防止に向けて、国が、先ほどもお話ありましたけれども、安全性確保のための建築行政のあり方についての中間報告が出されておりますが、まだまだ、引き続き検討すべき課題というのが幾つか出されております。
 そういう意味で、個々の問題を全部挙げるつもりは全くありませんけれども、きのうも若干触れましたけれども、検査を徹底するということ、検査の内容を改善するということも非常に大事なんだけれども、一つは構造設計をやっておられる方々の、同じ設計士の中での地位というのが非常に低いということから、この検討すべき課題の中でも、専門分野別の建築士制度の導入ということも書かれていますけれども、私は、やっぱり信頼される構造設計が基礎でないと、幾ら審査体制だけ強化しても、もとが脆弱であればいけないというふうに思うので、そういう意味でこれは非常に大事だということで、昨日もちょっと述べましたけれども、ぜひ最終に向けて、局長も入っておられるということですから、改めて私は強調したいというのが第一点であります。
 それから、審査に法的な責任、あるいは審査体制の強化という文言はあるんですが、なかなかこれが具体的にどういうことなのかというのがわからない。それで、かつて建築確認の中では審査会というのがあって、行政の側と専門家の方と、評価委員会の審査を行ってきたというのがあったと思うんですね。それは建築士制度が非常に初期の段階ではあったわけですけれども、そうはいっても、やっぱりこれだけ大きな問題になり、これから新しいいろんな建物が出ていく場合に、単にソフトを通ってそれを確認するとか、そういうだけじゃなくて、けんけんがくがく論議をして、そして安全なものをつくっていくという仕組み、これは人間がつくる建物であり、人間がつくる制度ですから、いろいろ体制を整えてもできない場合は、こういう評価委員会あるいは審査会という第三者機関をきちっと設けていくことが一つの保証になるというふうに私は思うんですね。
 そういう意味で提案したつもりなんですが、そういった点について、ぜひ最終的な報告の中にも反映させていただければありがたいというふうに思いますし、それから昨年末には、六項目について、建築確認検査体制あるいは検査をする人たちへの講習、あるいは瑕疵を認めた場合にその報告義務とか、六点の提案をいたしましたけれども、そういうことも含めて最終報告に反映させていただければありがたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。

○野本市街地建築部長 何点かのご指摘があったわけですけれども、建築士の地位向上であるとか、あるいは審査体制強化については、先ほどから説明しておりますように、これまでの検討経緯の中でもありましたし、今後とも要望していきたいと考えております。
 それから、建築士審査会の活用ということでございますけれども、これは建築士のあり方について基本的なことをいろいろ論議する場でもありますし、試験などについても検討する場でもございます。専門家の方もおられますので、今後とも、そういった方と相談しながら、適切な建築士制度の運用というのですか、そういうことについて相談してまいりたいと思っています。

○植木委員 るる質問いたしましたけれども、最終的には、現在起きている被害者の方々へのネックとなっている問題を一刻も早く取り除いて、周りの住民の方の安全も含めて信頼をきちっと回復してやっていただくということ、それから再発防止に向けてあらゆる努力をしていただきたいということを重ねて要望し、強調して終わりにしたいと思います。

○きたしろ委員 構造計算書偽装問題についてお伺いをいたしますけれども、中間報告に関してダブりがあったらお許しをいただきたいと思います。
 昨年の十二月の委員会の場でも、当事者たちに対して刑事告発をするべきであるとか、あるいは倒産や破産で、その担保責任について逃げ得を許すなとか、そういうことを申し述べたところですけれども、今回の構造計算書偽装事件の根底には、偽装に関与した建築士を初め建築関係者のモラルの欠如があることは明らかだと思っています。
 そういった意味でも、社会全体にモラルの崩壊があるわけですけれども、これは戦後教育に問題があるというふうに私は思っているんですけれども、きょうはそこまでは当然入れませんので、建築士のモラル、倫理を向上させるための具体策はないのかとの見解、局長あたりからお答えいただければありがたいなと思います。

○梶山都市整備局長 教育の専門家じゃございませんけれども、若干触れさせていただきたいなと、私の思いをいきたいと思います。
 今回の事件というものは、ものづくりの原点である安全、そういうものを無視されたと。私も土木でありますし、後ろにいるのは建築で皆さんいるわけで、そもそもものづくりというのは、まず基本的に安全という問題からスタートして、その中からコスト縮減をいろいろ考えていく。これは知恵なんですよ、知恵。鉄筋を抜くなんていうのは知恵じゃない。私はまずそういうふうに思いますが、もうかればよい、そういう元一級建築士のモラルの欠如、これは先生おっしゃるとおりで明らかだと思いますね。
 そういう中で、国家資格を持つ建築士の故意の偽装というのは、これまた法律も性善説になっていますから、こういう形になったんだというふうに思いますが、職業倫理のみじんも感じられない、まさに許しがたい、そういう行為だと思います。その根底には、これまで日本人の持っている志がどこかへすっ飛んでいってしまっているという、そういった今日の社会と深く関係しているんじゃないかなというふうに私思います。
 こうした状況を改善するためには、先ほど先生、教育というお話がございましたけれども、まず私は家庭、そして学校、地域、そして地域全体で心の問題というか、そういう問題に取り組んでいく、これが私は基本だと思います。そういうふうに思います。
 ところで、ご質問の人の命にかかわる業務を担う建築士には、ひときわ高い使命感が求められております。少し角度を変えて申し上げますと、一つは、社会的地位の向上のために、構造専門の建築士、そういうものを創設したらどうかとか、あるいは生活の安定のために設計報酬基準を改定したらどうかなど、そういった制度の見直しがあるかなと思います。
 それから、先ほどお話ししたとおり、ものづくりの原点は安全です。これをもう一度、大学教育の中で充実してもらいたい。特に、高校までは一般教育ということで、まさにそういった人間としての根底がある程度育成されてきますけれども、大学で専門的にやっていくわけですから、もう一度、大学教育の充実、そういうものを図っていっていただけないかなというふうに思います。
 建築行政の現場をあずかる立場として、建築士のモラルの向上に取り組み、今回のような問題の再発防止を図っていくよう、局を挙げて取り組んでまいります。

○きたしろ委員 今局長が、局を挙げてというようなお話がありました。心強い限りだと思うんですけれども、やはり今の風潮は、自分さえよければいいとか、もうかればいいというような風潮になってしまっているのが現実だと思うんです。でも、現実にあるけれども、安全を守るために皆さん方がまたいるわけですから、その辺のところは十分に心得てやっていただければなと思います。
 そしてまた、国がつくった建築確認制度が今回は有効に機能しなかったという意味では、国の責任はやはり大きいなというふうに私も思っているんです。そういった意味で、先ごろ、国の社会資本整備審議会の基本制度部会が再発防止策に関する中間報告をまとめて、発表されました。
 都はこれに先立って、特定行政庁や確認検査機関の役割と責任の明確化などを求める要望書を出しておりますけれども、これがダブって申しわけないんですけれども、その背景及び要望の実現に向けて今後どのように国に対して働きかけていくのか、お伺いをいたします。

○野本市街地建築部長 都は、建築行政の現場に携わる立場から、国に対し徹底的な見直しを強く要請してきております。その結果、今回の中間報告では、信頼性の高い構造計算プログラムの開発などが盛り込まれております。
 しかしながら、先ほど局長からも答弁申し上げましたように、指定確認検査機関が行った確認について、特定行政庁は関与できないにもかかわらず、当該機関が行った確認について法的責任が問われかねない、こういった不合理な仕組みについて何ら対策が講じられておりません。根本的な問題は解決されていないという状況かと思います。このため、都が率先して呼びかけ、五都県市の連名で国に要請したところです。
 都は引き続き、社会資本整備審議会の基本制度部会など、あらゆる機会を通じまして国に強く働きかけていきたい、こんなふうに考えております。

○きたしろ委員 今回は、構造という極めて専門性が高い分野における国家資格を持った建築士の故意の偽造という、法律も想定していない事態が発生したわけです。まさに建築確認制度の根幹を揺るがすものと思わざるを得ないんですが、そこで、国は、規制緩和、地方分権の流れの中で、平成十一年に民間の指定確認検査機関制度を創設し建築確認の民間開放を進めてきたわけです。
 その方向性自体は正しいとしても、建築物の安全性の確保という住民の生命にかかわる問題については、行政がチェック体制を強化するなど、しっかりした制度を確立して住民を守っていくことが大変重要だと思うんですけれども、都のお考えをお伺いいたします。

○野本市街地建築部長 建築物の安全性は最優先に確保すべき機能でありまして、行政は責任を持って対応すべきであると認識しております。
 都はこれまで、国に対しまして、構造計算書等の第三者によるチェックであるとか、あるいは改ざんが困難な信頼性の高い構造計算プログラムの開発、こんなことにつきまして制度見直しの提案を行ってきております。
 都独自の取り組みとしては、構造審査マニュアルの作成あるいは構造計算ソフトの活用などによりまして確認審査の充実を図りまして、建築物の安全性の確保に努めてまいります。

○きたしろ委員 今回、中間報告を読ませていただいたんですけれども、この社会資本整備審議会の中間報告は、まだ単なる対症療法にすぎないというふうな印象を私は持っているんですよ。今回の事件を真摯に受けとめて、建築確認制度全体を徹底的に見直して、二度とこうした事件が起きることのないようにすべきだと私は考えているんです。
 今回の事件を踏まえ、建築行政の現場にかかわる東京都として、本来建築確認制度はどうあるべきか、またどのように変えていくべきと考えているのか、お伺いをいたします。

○野本市街地建築部長 建築物の安全性の確保はものづくりの原点でありまして、建築確認制度は、本来、国家資格のある建築士が責任を持って構造設計を行い、確認申請し、建築主事または指定確認検査機関がその内容をチェックする、そういう仕組みだと考えております。
 都はこれまで、申請された個々の建築物について、地域のまちづくりあるいは市街地環境とどのようになじむか、どちらかというと集団規定にかかわる規定を中心として審査を行ってきたという面があろうかと思います。しかし、今回のような偽装事件を二度と起こさないようにするためには、構造審査、検査過程、全般にわたる徹底的な検証と見直し、これが必要かと考えております。
 建築行政の現場に携わる都としましても、検証の結果を踏まえて、具体的な制度改正について国に対し強く要請していくとともに、再発防止に取り組んでまいります。

○きたしろ委員 国に対して再発防止のための見直し等々のお話もお伺いしたわけですけれども、ある意味で、こういう偽装事件ということにとらわれることなく--昭和二十五年にできた建築基準法というもの自体が、大きな改正は余り行われていないように感じているんです。都は建築行政を担ってきたという豊富な経験の蓄積があるわけですから、この際、社会経済状況の変化に伴い、そしてまた、今の時代にそぐわなくなっている制度や仕組みもほかにあるんじゃないかなと私は思っているんですよ。そうした意味で、こうした点も考慮して、もう一歩踏み込んだ具体的な提言を行うべきであると思うんですけれども、その辺のところはどのようにお考えでしょうか。

○野本市街地建築部長 都は、建築行政の現場を担った者としまして、国に対し積極的に制度の見直しについて提案すべきであると認識しております。
 例えば、今ご指摘になった基準法は昭和二十五年につくられたわけですけれども、当時は低層建築物が中心でございました。ただ、現在では中高層の建築物が多くなってきております。建築規模拡大に伴いまして、二十一日で確認するという、その審査期間については延長が必要じゃないのかなと、そんなふうに考えております。
 それから、建築物設計が複雑化してきておりまして、先ほど意匠、構造、設備と申しましたけれども、こういった各分野それぞれに専門分化した建築士の制度も必要なのかなと、こんなふうにも考えております。
 これらの状況を踏まえまして、建築士制度など実態にそぐわなくなっている制度の改正について具体的に国に提言してまいります。

○きたしろ委員 制度は制度として正すべきは正していく、あるいは今の時代にそぐわないものは今の時代に合うように見直していくというのは当然なんですけれども、一番最初に局長にお伺いした、ものづくりは心だ、志だと。その辺のところも、我々自身もいま一度考え直さなきゃいけないんじゃないかなというふうに、反省ということじゃないんですけれども、みずからが社会的な職業倫理というのか、そういう職責あるいは使命感みたいなのを持って、ぜひ国民というか都民の生命と安全のために大いに努力をしていっていただいて、結果的にそういう制度を変えるために東京都から発信をする、こういうことをぜひお願いをしておきたいというふうに思って、私の質問を終わります。

○たぞえ委員 私からは、一般会計補正予算について何点か伺いたいと思います。
 今議論がありました、構造計算書の偽装により建設された分譲マンションにかかわる居住者の移転費用や転居先家賃、支援が三億三千百万円計上されておりまして、私ども日本共産党は大いに賛成をしている部分であります。
 しかし、一方、首都高速道路株式会社が行う中央環状新宿線整備事業の貸付金や、環状二号線新橋・虎ノ門地区の都市再開発事業会計に対する支出金などが盛り込まれています。とりわけ首都高速道路株式会社への出資の財源内訳は、借金である都債で六十二億七千四百万円、税金である一般財源の六億九千八百万円を中央環状新宿線工事に充てるもので、しかも無利子というおまけまでついている、こういう支出であります。
 今、国民の所得が落ち込んで、一月の毎日新聞の調査でも、七割の人が、税金や社会保障制度で、豊かな人から貧しい人へ所得の再配分を強めるべきじゃないかという答えが明らかにされました。
 こうした都民の切望に対して、残念ながら、きのう衆議院の本会議では、所得税法と地方税の改正が行われ、与党の多数によって定率減税がついに廃止になりました。これによる都民の影響は五百五十万人、一千八十八億円の新たな負担のレールが敷かれたわけであります。したがって、地方公共団体である東京都が都民の生活を守らなきゃいけない、まさにそういう状況に待ったなしで置かれていると私は思います。
 そこで、この出資等について伺いますが、首都高速道路整備には東京都から多額の出資金や貸付金が出資されていますが、この三年間の出資、貸し付けを合わせた当初予算額と補正予算額を数字で示してください。

○成田都市基盤部長 首都高速道路の整備に対する出資金と貸付金でございますけれども、この目的は、建設資金コストを下げまして、渋滞解消効果が大きい路線の早期整備を図ることと、都が整備いたします都市計画道路、首都高速道路の関連街路として一体的に整備できる、そのほか貸付金は早期に返還されるというメリットがございます。
 そこで、出資金、貸付金でございますけれども、平成十四年度は当初予算百七十三億円、補正予算額で百四十九億円、平成十五年度は当初予算二百七十五億円、補正予算百十四億円、平成十六年度は当初予算額二百二十億円、補正予算額が六十八億円となってございます。

○たぞえ委員 これまで出資が行われてきたトータルは、五千七百九十三億円という膨大なお金がつぎ込まれています。特にこの三年間で見てみますと、合わせて七百三十一億円。今部長から答弁がありましたように、十四年度の当初予算との対比では八五%増し、十五年度が四〇%増し、十六年度が三〇%増し、今年度、この補正で三〇%増し。ちょっと前にいきますが、十二年度に至っては、当初予算が百七十一億に、補正が二百十一億と。
 都市基盤の整備自体は必要なんですが、私が伺うのは、当初予算が余りにもずさんというのでしょうか、予算をしっかり組んでも、それを上回る補正をしなきゃいけないという、これが毎年行われるこういう仕組み、これはどういうことから発しているんですか。

○成田都市基盤部長 当初予算につきましては、都財政を取り巻く厳しい財政状況を踏まえながら、当該年度に予定されております工事のうち、年度内に執行が見込まれているものを計上してございます。
 しかし、出資、貸し付けの対象となっておる路線につきましては、主に都心部での地下工事のため、地下埋設物による支障の不確定要素を含んでございます。このため、事業進捗に応じた事業費の過不足が見込まれる場合には補正予算で対応するというふうなことにしてございます。
 いずれにしましても、私どもは適切な予算の見積もり、計上をさせていただいております。

○たぞえ委員 事業の進捗に合わせて補正予算を組むというお話ですが、東京都はこの予算議会で、翌年度の予算とほぼ同時に補正予算を組んでいるわけです。事業は連続しているわけですから、翌年度はどのぐらい工事が進むのか、必要な額はどれくらいなのかと、かなり正確に把握できるはずです。
 事業の進捗管理や事業計画について、出資する立場としての査定が私は甘いのではないかと。公団や国からいわれることそのまま丸のみで、都として厳格で、また厳正な査定が行われるべきだというふうに思いますが、これをどのような立場で行っていますか。

○成田都市基盤部長 出資や無利子貸付の予算の算定に当たりましては、事業の必要性、それから事業の内容、算出根拠などにつきましては十分に精査いたしておりますし、事業に必要な費用を確保してございます。
 しかしながら、先ほども申し上げましたように、地下には電気、ガスなどのライフラインが埋設されておりますし、これは、都民の日常生活を確保しながら地下埋設物を移設すること、さらには用地補償の進捗状況や沿道住民の合意形成に伴います環境対策や工事中の安全対策が必要となるなど、不確定要素を多く含んでございます。そのため、計画どおりに事業が進むとは限らない場合の状況もございますし、予定以上に進捗するような場合もございます。
 いずれにいたしましても、都といたしましては、さまざまな資料を会社に提出させますし、それから説明を求め、その内容をチェックし、厳正に対応してございます。

○たぞえ委員 私も素人だから、地面の中を穴を掘ったことがないんですけれども、今度のように、シールド工法で池袋から目黒まで掘っていく。途中にガス管があった、さあ困ったなと。途中で水道管が出てきた、さあ困ったな。これは大変と、方向転換するわけにいかないし、いろいろお金がかかってしまうと。それは理屈はわかるんですよ。ただ、こういうでかい公共事業は、穴を掘ってみたら、そこに何かがあって、地盤がかたかった、やわらかかった、そういう品物ではないはずだと思うんですよ。もっと計画は緻密であり、しかも、来年はここを掘るんだから、こういう箇所、こういう部分があって、だからこれだけ金がかかるんだと、それが公共事業じゃないですか。既に毎年こうやって補正予算で当初予算を上回る金額が計上されるというのは、私は余り科学的じゃないなというふうにいわざるを得ません。
 そこで、昨年の十月に首都高速道路公団が民営化されたわけで、この補正予算はまさに民営化第一号の税金と借金の投入です。この出資金は、日本高速道路保有・債務返済機構というのができ上がって、ここに無利子貸付で、新会社にお金がどんと流れていくわけですね。このうち出資金については、新機構が公団の方にどんとお金を流す。流し合いっこをするわけです。
 しかし、新機構や今度の株式会社の定款を読みますと、出資することができるという規定になっていまして、出資する義務があるというふうには書いていません。なのに、なぜ東京都は出資を義務づけられるような支出を続けるのでしょうか。

○成田都市基盤部長 首都高速道路の整備に関しましては、首都圏の人や物の流れを円滑にいたしまして、都市再生を図る上で重要でございますし、また一日も早い高速ネットワークの構築が求められておるわけでございます。そのため、有料道路制度は、利用者に料金を負担してもらうことによりまして早期に供用するものでございまして、公団であれ民間会社であれ、その趣旨は変わらないわけでございます。
 都といたしましては、このため、今後ともコストの引き下げを図りながら、利用者の利便性や快適な都民生活を確保するために、引き続き出資を行い、事業の促進を図ってまいりたいと思います。

○たぞえ委員 先ほどいいましたように、定款を読みますと、あくまでもできる規定。できる規定ですから、必ずやらなければならない、そういう義務づけはないわけです。あくまでも、これまでの慣例でやっていらっしゃるわけです。
 国と民間企業が話し合って、国からの要請を東京都は受け入れるわけですが、こうなりますと、東京都という地方公共団体が国のいいなりになっているのではないか。だから、結果的には出来高払いで、こうして毎年補正を組まざるを得ない。
 しかも、この民営化に当たりまして、四十五年以内にその債務をすべて返済するということになっていますが、しかし、これから四十五年先の東京の財政が、今のような増収が続くとかいうことは想像できないわけです。もしかしたら、道路株式会社が取り返しのつかないような事態になった場合に、返済の仕組みづくりが壊れてしまう、こういうことだって、ないとは断言できないと思います。
 間もなく審議される来年度予算でも、この首都高速株式会社に対する出資、貸し付けは三百二十七億です。現金で二百十二億、都債、借金で百十五億。これまでも財政が厳しいといいながら、こうしてずっと続いてきたこのような貸し付け、出資のあり方、私は、こういう都財政を圧迫するようなやり方、こういうレールを、引き続き慣例だといって進めていいのかどうか、改めて疑問を持つものであります。
 今回提案されました百三十五号議案と百三十八号議案については、こうした都民の生活実態から見ても、多額な、膨大な資金を投入するあり方について基本的に反対する立場で、意見も含めて質問を終わります。

○高橋(か)委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案及び本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○高橋(か)委員長 異議なしと認め、付託議案及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で都市整備局関係を終わります。

○高橋(か)委員長 これより付託議案の審査を行います。
 第百三十五号議案、平成十七年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、都市整備委員会所管分及び第百三十八号議案を一括して議題といたします。
 本案につきましては、既に質疑を終了しております。
 これより採決を行います。
 第百三十五号議案、平成十七年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、都市整備委員会所管分及び第百三十八号議案を一括して採決いたします。
 本案は、起立により採決いたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

○高橋(か)委員長 起立多数と認めます。よって、第百三十五号議案、平成十七年度東京都一般会計補正予算(第二号)中、歳出、都市整備委員会所管分及び第百三十八号議案は、いずれも原案のとおり決定いたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時五十七分散会

ページ先頭に戻る