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Tokyo Metropolitan Assembly

公営企業委員会・財政委員会連合審査会速記録第二号

平成三十年九月二十八日(金曜日)
第十二委員会室
午前十時開議
出席委員 二十八名
公営企業委員会
委員長清水 孝治君
副委員長藤井とものり君
副委員長本橋ひろたか君
理事村松 一希君
理事とや英津子君
理事中山 信行君
加藤 雅之君
もり  愛君
おときた駿君
川松真一朗君
斉藤まりこ君
あかねがくぼかよ子君
三宅 茂樹君
山内  晃君
財政委員会
委員長まつば多美子君
副委員長小松 大祐君
副委員長石川 良一君
理事おじま紘平君
理事上田 令子君
理事曽根はじめ君
藤井あきら君
伊藤しょうこう君
うすい浩一君
清水やすこ君
増田 一郎君
宇田川聡史君
長橋 桂一君
清水ひで子君

欠席委員 なし

出席説明員
水道局局長中嶋 正宏君
総務部長松丸 俊之君
サービス推進部長小山 伸樹君
浄水部長青木 秀幸君
給水部長尾根田 勝君
経営改革推進担当部長石井 英男君
下水道局局長小山 哲司君
技監神山  守君
総務部長安藤  博君
経理部長久我 英男君
施設管理担当部長井上 佳昭君
財務局局長武市  敬君
経理部長財政企画担当部長
オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務
初宿 和夫君
主計部長山田 忠輝君
産業労働局局長藤田 裕司君
総務部長寺崎 久明君
商工部長坂本 雅彦君
環境局局長和賀井克夫君
総務部長谷上  裕君
自然環境部長須藤  栄君

委員外の出席者
参考人 工業用水道事業のあり方に関する有識者委員会委員長 井手 秀樹君

本日の会議に付した事件
付託議案の審査(参考人からの意見聴取)
・第百七十六号議案 東京都工業用水道条例を廃止する等の条例
報告事項(参考人からの意見聴取)
・工業用水道事業の廃止及び支援計画(案)について
・東京都工業用水道条例を廃止する等の条例について
付託議案の審査(質疑)
・第百七十六号議案 東京都工業用水道条例を廃止する等の条例
報告事項(質疑)
・工業用水道事業の廃止及び支援計画(案)について
・東京都工業用水道条例を廃止する等の条例について

○清水(孝)委員長 ただいまから公営企業委員会・財政委員会連合審査会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、第百七十六号議案、東京都工業用水道条例を廃止する等の条例、報告事項、工業用水道事業の廃止及び支援計画(案)について及び報告事項、東京都工業用水道条例を廃止する等の条例についての参考人からの意見聴取、議案の審査及び報告事項に対する質疑を行います。
 初めに、参考人からの意見聴取を行います。
 参考人招致の詳細について申し上げます。
 昨日の連合審査会で打合会にご一任いただきました参考人招致の詳細につきましては、お手元配布の参考人からの意見聴取実施要領のとおり行うことといたしました。ご了承願います。
 これより、井手秀樹参考人からの意見聴取を行います。
 それでは、井手参考人、発言席にご移動願います。
 ご紹介いたします。
 工業用水道事業のあり方に関する有識者委員会の井手秀樹さんです。
 本日は、ご多忙のところ、連合審査会にご出席いただきまして、まことにありがとうございます。連合審査会を代表いたしまして、御礼申し上げます。
 初めに、井手参考人のご意見をお伺いいたします。
 なお、井手参考人には、ご着席のままご発言していただきたいと思います。ご了承願います。
 それでは、よろしくお願いいたします。

○井手参考人 冒頭、こういった機会をいただきまして大変ありがとうございます。私は現在、慶應大学で名誉教授をしております井手と申します。
 ご紹介がございましたけれども、工業用水の有識者委員会というのを平成二十六年の十二月に立ち上げました。その間に、地下水等のあり方ということもありまして、若干、平成二十八年、期間は空いたのですが、平成二十六年から五回、審議をいたしまして、有識者委員会として報告書を平成三十年の六月にまとめました。
 有識者委員会としては、弁護士、公認会計士、それから水道事業に造詣の深い先生方を含めて八名の委員会で結論を出しました。
 ご承知のとおり、有識者委員会での結論としては、工業用水を廃止すべきということであります。
 それからもう一点は、廃止するにしても、支援策というのをどうすべきかということについて、委員の間でいろんな議論をさせていただきました。それからその結論に至るまでの経緯について、後ほど説明をさせていただきたいと思います。
 それから、地下水のあり方ということについては、地下水を利用すべきだという議論も当然ありますけれども、やはり、これはいろんなモニタリングをしながら慎重に引き続き検討すべきということで、工業用水について、今回、結論をまとめさせていただきました。座って、その理由について述べさせていただきたいと思います。
 ご承知のとおり、工業の発展に伴って、地下水というのがどんどんくみ上げられて、地盤沈下というのが深刻化してきた。その地盤沈下については昭和五十年代にほぼ鎮静化しているわけですけれども、一方で、行政施策として、地下水にかわるべきものとして、工業用水というものを供給するという施策を講じました。
 しかしながら、工業用水は、需要家件数もどんどん減っております。ピーク時からすると、三分の一ぐらいに減っている。
 それから、供給の基本水量自体も、ピーク時に比べると十七分の一ぐらいまでに減少しているという、こういう状態で、供給はどうかというと、供給設備自体は、これは経済の発展に伴って布設したものですから、五十年、六十年経過しているというものが大半でございます。したがって、更新時期を迎えている。
 更新時期を迎えているので、更新投資をしなければいけない。この額は一体どのぐらいなのかと、我々の委員会としても推計いたしました。ご承知のとおり、約二千三百億円という非常に巨額なものであります。
 これを、二千三百億円の投資をやって、そのまま料金は据え置くというわけにはいかないわけで、料金で回収しなければいけない。料金で回収するということになりますと、一気に現在の工業用水の料金から、今七十八円ぐらいですけれども、それが八倍ぐらいになる。これは非常に現実的ではない。
 しかしながら、徐々に値上げをするということも考えられます。私としては、こういった工業用水、もっと早い段階で施策をしておくべきではなかったかという、これをずっと先送りしてきたことも都の側にも責任もあると思いますけれども、これ、一つは料金値上げをするという方法がありました。
 ところが、これは国の補助金でやっておりますので、国の基準料金を超える改定というのはできないということですので、料金改定というのがなかなか難しい状況であったということで、工業用水については低位な料金になっている。
 しかしながら、国の基準料金については平成二十七年三月に撤廃されましたので、これから料金の改定はできるわけですけれども、先ほど申し上げましたように、供給設備が大変老朽化しているということであります。
 それと同時に、先ほど申し上げましたように、需要家件数も減り、それから基本水量も減少しているという状況、非常に赤字が長期的に発生している、一般会計からの繰入金というのでこういう工業用水を支えているという状況であります。
 したがって、工業用水についてはさまざまな問題がふくそうしておりますので、やはり都としても抜本的な改革をやらないといけないだろうというふうに私も考えております。したがって、事業を廃止するか、あるいは事業を継続するにしても、その財源等をどうするのかということも踏まえて、この委員会で結論を出して、廃止をすべきということになりました。
 その理由の一つは、先ほどいいましたように、継続をするということになりますと、二千三百億円の更新投資が発生する。それを料金で回収するとなると、非常に料金が上がるということ。
 一方、廃止をするという選択肢は当然出てくるわけで、廃止をするとなると、今の既存設備、浄水施設であるとか、あるいは配水管、こういうのを撤去しなければいけない。それから、国から補助金をもらっていますから、耐用年数に満たないものについては国庫に返還しなければいけない。そういうものを踏まえると、約九百億円、発生いたします。
 それだけで済めばいいんですけれども、やはり廃止をするとなると、それによってユーザーが大きな影響を受けるということになります。そのユーザーの影響をどのぐらい小さくするかというのが委員会で議論されました、支援策として何をすべきかと。
 一つは、料金が値上げに--工業用水から上水道に切りかわるということですから、当然料金が、平均で約七十八円だったものが、上水道にかえると二百十何円に上昇します。したがって、まず料金の補填をしてあげるということが必要になるだろうと。
 それから、上水道に切りかわることによって、さまざまな施設を切りかえないといけない。上水道は塩素が含まれていますから塩素を除くとか、あるいは受水タンクを設置するとか、こういったものを支援するということ。それから、先ほどいったように、料金の補填をするということ。委員会としては、これで合わせて最大百二十億ぐらいだというふうに推定。
 したがって、既存の設備を撤去し、それから、さまざまな支援策をやるにしても、合計で一千二百億ぐらい必要なのかなという試算をいたしました。
 したがって、継続をするよりも廃止をするべきだということに結論としてなったわけです。
 次に、支援策ですけれども、支援策として、料金の補填という点が問題になります。
 これ、永久に補填をするのかというと、これはやはり問題である。私は公益事業全般のことについて研究をしていますけれども、やはり負担の公平性という問題があります。
 今回の工業用水を使っている業種さんにも、やはり区部の東部以外のところで、大田区とかで零細企業として事業をやっている人もいます。彼らは上水道で事業をやっているわけで、一方は、工業用水で、安い料金で生産を行っている。これはやはり、競争の公平性からすると問題がある。
 したがって、激変緩和措置というのをとるにしても期限を区切るべきだということで約十二年、平均で約十年間、補填をしていくということの結論に至りました。
 あわせて、さまざまな設備の切りかえについての援助をする。それからもう一つは、やはり中小企業が多いので、技術的な支援をする。それから、あわせて経営的な面での支援もする。こういったことを手厚くやるべきだというのが、今回の有識者委員会での報告の案でございます。
 したがって、冒頭に申し上げましたように、地下水という選択肢もありますけれども、これについては引き続き慎重に検討をするということで、有識者委員会での結論を、この六月にまとめた次第でございます。
 私の方からは以上でございます。

○清水(孝)委員長 ありがとうございました。
 井手参考人の発言は終わりました。
 次に、井手参考人に対する質疑を行います。
 なお、井手参考人に申し上げます。答弁する際は、手を挙げて、委員長の許可を得てから発言していただきますようお願いいたします。
 それでは、発言を願います。

○本橋委員 都民ファーストの会東京都議団の本橋ひろたかでございます。
 委員長のご挨拶にもありましたけれども、このたびは、参考人からの意見聴取ということで、都議会にまでわざわざお越しいただきまして、まことにありがとうございます。
 私の方からは、三点ばかりお尋ねしたいと思っております。そして、今、井手先生の方からお話がありましたことと大分重なることがあるかと思いますけれども、ひとつご容赦願いたいと思います。
 さて、先生のお話の中にもございました。井手先生におかれましては、公益事業に関しますご高名な専門家であると伺っております。
 そこで、そもそもこのたびのような事業廃止というような事柄、これが一般的に公益事業においても起こり得ることなのかどうかについてお尋ねさせていただきたいと思います。

○井手参考人 ありがとうございます。座ったまま答弁させていただきます。
 公益事業全般についてということですけれども、私は、東京都の上水道についても事業問題ということで長年やってきました。
 東京都の場合は、上水道について、財務計画、それから投資計画というのはきちんと計画されて、更新投資についても計画的に行われている。ところが、千九百ぐらいある地方自治体の上水道については、財務計画も、それから投資計画もないという状況で事業を行っている。
 したがって、公共料金は電気、ガス、電気通信、さまざまな分野がございますけれども、水道というのは公共料金においては劣等生なんです。なぜかというと、ずっと値上げを続けているという状況です。値上げをすることによって、投資をやる、更新投資の財源を求めるということをやっているわけで、そういう意味では、地方自治体においては、値上げを恐れないということを明言する、公言する地方自治体もあります。値上げをしないとやっていけないという状況が公益事業と。
 ご質問の公益事業全般にあるのかというと、やはり規制緩和をやりますと、当然、恩恵を受ける事業者がございます。それとともに、痛みを受ける事業者も当然いるわけで、それをどうやってバランスをとりながら進めていくか。今回、こういった痛みを感じる中小企業、工業用水を使っている中小企業が八〇%ございますので、その人たちに対して激変緩和措置をどうやって講じていくのかということをやはり慎重に議論していかないと、あわせて、そういった政策を同時にやっていくということが必要だと。
 したがって、そういう意味では、今回の工業用水だけが特殊なものではないということであります。

○本橋委員 公益事業の廃止という局面では、ソフトランディングというのが非常に難しいものなんだなということを、ちょっと先生のお話で感じたところでございます。
 次の質問に移らせていただきます。
 このたび、井手先生が委員長をお務めになられました工業用水道事業のあり方に関する有識者委員会、まさに先生の先ほどのお話でもありました。この委員会におきましては、都の工業用水道事業について、廃止すべきであるというふうな形で提言書にも載っておりました。
 そこで、ここはちょっとまた重複するかと思いますが、この提言に当たって重要視した点について、お伺いいたしたいと思っております。

○清水(孝)委員長 許可を得てからお願いいたします。済みません、恐縮です。

○井手参考人 重要視した点というのは、一つは、こういった小規模零細企業がたくさん存在している中で、地域産業というのがなくなってしまうという危険性があります。
 工業用水を使っているのは、大企業は二〇%ぐらいですけど、それ以外は中小企業なので、そういった中小企業というのは地域産業である。その地域産業が消えていくということは、やはり慎重に考えていかないといけない。そういう意味では、どうやって支援をしていくかということに焦点が絞られた。
 それからもう一つは、今回、ユーザーに対するアンケートをこの有識者委員会で実施いたしました。きめ細かなユーザーの声を聞く、それからアンケートだけではなくて、直接、個別訪問等もやりながら意見を聞くという、委員会としては極めて時間をかけてユーザーの意見を聞いたということ。
 その中で、やはり支援をしてほしいということで、この支援策に重点を置いて議論がされた。まずは、更新投資の額を考えると、やっぱり廃止をすべきという前提は崩さないで、支援策をいかに実施していくかというところに議論が集中されました。

○本橋委員 今、先生のお話を聞いて、活字上は廃止すべきであるという、そういった提言が書かれておりますけれども、その背景には、地域産業を支える中小企業を守るというか、その火を消さないという、そういったぬくもりある姿勢を感じ取ったところでございます。ありがとうございます。
 最後の質問でございます。
 今回、先生の先ほどのお話の中にも--有識者委員会を構成する方々も、先生のように名誉教授の先生がいらしたり、また、弁護士さん、公認会計士さん、そうそうたるメンバーがいらっしゃったわけでございます。そうした中で、こうしたさまざまな分野の専門家の方々でありますから、このたびの報告書を取りまとめるに当たりましてもいろいろとご苦労があったかと思います。
 そこで、有識者委員会の委員長を務められ、議論を振り返ってみて、今どのようなご感想なりご意見をお持ちなのか、最後に、その辺のところを聞かせていただきまして、質問を終えたいと思います。

○井手参考人 私、冒頭に申し上げましたけど、上水道をずっと研究もしておりまして、工業用水については、これはやはり東京都は揚水規制という状況、それから工場というのが都心からどんどんなくなっていくという状況で、工業用水のあり方としては、私個人的にはやはりもう少し早く手を打つべきだったと。それは、正直申しまして、都の怠慢であったのではないかと。それは、やはり中小企業というものをいかに保護して、それから、工業用水を廃止するというのは東京都の都合でございますから、これを一方的に中小企業の方に押しつけるというのは問題であると。
 ところが、そういうことを永久に続けていると、やはりこれは都民の税金も入っているわけですから、負担の公平性ということを先ほど申し上げましたけれども、やはり期限を切るべきであると。これは非常に厳しいいい方かもしれませんけれども、企業というのは、そういう激変緩和措置をとっていただきながら、経営環境というのは非常に厳しくなる状況もあるわけで、これに対応していく企業というのがやっぱり必要であるというふうに思っておりますので、工業用水を使っている人も、時間が経過することによって対応していく、そういったことが私は必要なのではないかと。
 そういう意味で、今回の報告書というのは、最大限、委員会としての支援策だというふうに私は申し上げたいと思います。
 以上でございます。

○本橋委員 私からは、以上三点お話をお聞かせいただいたところでございます。先生からいただいた今のお話を、早速午後から質疑がございますが、私どもの会派の質疑に最大限生かしてまいりたいと思います。
 本日はありがとうございました。

○小松委員 井手先生におかれましては、きょうは大変お忙しい中、ありがとうございます。
 私の方から幾つか質問をさせていただきたいと思います。
 井手先生の方からも、今のご説明の中に、ユーザーに対する配慮、中小企業に対する配慮について、十分委員会の議論の中でも考慮されてきた経緯がご説明ありました。
 そこで伺いますが、この委員会のメンバーの方々というのは、直接、ユーザーの方々にお話を伺う機会というのはあったんでしょうか。

○井手参考人 アンケートの結果は、我々情報は共有しておりますけれども、ユーザーに対するヒアリングについては、都の職員の方が出かけていって、そのヒアリングの結果についても我々は情報共有しておりますので、直接、ユーザーに面談をしたということはございません。

○小松委員 個別訪問等も十分にやられたというお話もあったので、先生方も直接触れたことがあったのかなと思って、気になってちょっとお話を伺ったんですが、都の職員がアンケートないしは個別訪問の報告をされていたということだと思います。
 同時に、この報告書も、過去五回分議事録等を読ませていただくと、都の事務局の方から、事業継続した場合にかかる費用ですとか、逆に廃止をした場合の施設撤去等の費用ですとか、そうした具体的な数字が出てきているわけですが、こうした推計とか試算については、このロジックとかというのは誰が考えたのかなと思いまして、これは東京都の事務局の方から示されてきたのか、それとも委員の皆さんの中で試算をするためのロジックを構築されて、それをもとに都の方が出してきたのか、いずれなのかなというのを、ちょっと気になったものですから教えてください。

○井手参考人 試算については、どういう項目で試算をするかということについて、委員会で議論をいたしました。したがって、それをもとに試算結果というのが出ておりますけれども、個人的に、私が素人的に考えたときに、工業用水の配水管、これを撤去する費用というのはかかるわけですけれども、撤去しないでそのまま、埋めたままで上水管を引くということもあり得るのではないか。そういったことを、いろんな疑問点を挙げながら、試算というのを都の方で計算していただきました。

○小松委員 続いて、支援策についてですが、井手先生の方からも再三ユーザーに対する十分な配慮についても言及がありました。手厚くやるべきだというふうな話がございました。
 この有識者委員会の第五回までの取りまとめは、ことし六月ぐらいにレポートをいただきまして、そのベースとなっているのは、工業用水のユーザーですけど、切りかえ期間四年、激変緩和期間が八年というような形で示されてきたと思います。
 先生の報告の中で一つポイントというのか、負担の公平性であったり、競争の公平性の観点から、やはりある一定の期間を設けるべきという考え方をお持ちであったように思いますし、そのことに私も共感するところがありますが、先生もご案内だと思いますが、九月に東京都が出したこの廃止及び支援計画によりますと、切りかえ措置の期間に四年、据置期間に六年、そして激変緩和期間に十年と合計で約二十年になるわけでありまして、有識者委員会が示された合計十二年を約倍化した支援策が示されたわけですが、率直に、負担の公平性等の観点から、先生のご感想をいただきたいと思います。

○井手参考人 今まで工業用水を使っていた人が上水に切りかえた場合に、平均で五倍程度、最大で十二倍の料金が値上がりをするという。平均で五倍で、最大で十二倍。これを、都の手数料とか利用料の上限一・二倍というのを考えると、妥当な線としては八年という数字、据置期間を四年置いて、それから十二年ということが出てくるわけで、しかしながら、平均として、激変緩和措置というのは十年ぐらいが妥当というか、その間に企業が適応するべきだというふうに私は個人的には思っているわけです。
 しかしながら、詳細は承知しておりませんけど、都の計画の中では二十年ということでございまして、約倍になっているわけです。これはユーザーの方の声を聞くと、短過ぎる、あるいは支援が不十分であるという声が過半数を占めているという状況を反映して、こういった長期間になっているんだろうと思います。
 私がもし中小企業であれば、助けてくれるのはいつまでも助けてくれる方が、無期限で助けてくれる方がありがたいわけですけれども、やはりそれは、企業として環境の変化に適応していくということも私は必要だと思いますし、先ほど申し上げたように、上水道で中小企業で生産を行っている事業者もいるわけで、その人たちと平等な、公平な競争を展開するという観点からすると、十年ぐらいが妥当なのではないか。そういう意味では、二十年というのは少し長過ぎるのではないかというふうに思います。

○小松委員 もう一つのポイントとして、ユーザーへの十分な支援策を講じる必要について、この報告書でも言及があったと思います。
 先生もおっしゃっていましたけれど、東京都の行政施策として開始されたという経緯を踏まえて、廃止に当たってはユーザーの事業経営等への影響を最小限にとどめられるように十分な配慮、支援策を講じるべきということで、支援策の基本的な考え方も五点、挙げられていらっしゃいます。
 私どもで懸念するのは、料金の差額補償の支援についてはさまざま具体各論であるような気がするんですが、先生の中でもありましたけど、経営支援とか技術支援などのきめ細やかな支援策については、この九月に示された支援計画というのは少し言及が弱いような気がしておりまして、井手先生の考える十分な支援策というものがどういうものなのか、改めて先生のお考え方を示していただければと思います。

○井手参考人 技術的な支援、あるいは経営的な支援という、これは都の財源とは直接には関係してこないものですけれども、中小企業にとっては非常に重要である。当然、いろんな切りかえに伴って設備も、それから、上水道に切りかわることによって、さまざまな問題というのが技術的にも出てくるだろうと。それを支援する。
 それから、経営支援というのは、激変緩和措置をとられているものの、やはり中小企業の診断士とか、経営について指導をするという、こういったことを想定して、具体的にはこの中身については書いておりませんけれども、そういったことを金額以外のことで支援をするという、それが一つは手厚い支援策なのかなということで書かせていただきました。

○小松委員 先生が委員長を務められた有識者委員会というのは、設置されて当初は、恐らく約一年程度の中で四回ないし五回ぐらい開催予定だったというふうに第一回目の会議の議事録の中にもありましたが、結果的には三年かかったわけであります。
 まず、なぜ三年かかったのかなということと、第二回目から第三回目の間がちょうど丸二年、丸々あいていまして、この間、東京都の方から何らかの考えや方針というのは具体的に示されたことがあるのか、そのことについて伺いたいと思います。

○井手参考人 設置されたのが平成二十六年十二月で、三月に第一回目が実施されたと記憶しております。その中で、議員さんが今ご指摘のように、ある程度、短期間で結論を得るということがありました。
 ところが、やはりその中で、我々、施設も見学させていただきましたし、先ほどの冒頭にも少し申し上げましたけれども、地下水のあり方について議論が国の方で行われていると。だから、東京都も地下水のあり方について考えるということを前提とすると、工業用水を廃止する、あるいは継続するという、拙速に結論を得るということは控えた方がいいだろうということで、期間が延長されたという経緯がございます。
 それと同時に、なぜこれだけ期間があいたかということについて、当然、水道局の方からもご説明が各委員の方々に、一体どうなっているんだということだろうと思いますけれども、それについては、ご説明を我々は受けております。

○清水(孝)委員長 そろそろ時間が近づいておりますのでおまとめください。

○小松委員 じゃあ最後に、今、地下水のお話が出てまいりました。
 有識者委員会の方で、地下水に対しては具体的に調査研究とか、議論、検討というのはなされたのか、また、その場合、どういうような議論がされたのか、最後、教えていただければと思います。

○井手参考人 地下水については、ここでは議論をいたしませんでした。
 ところが、私も地下水についても検討をする機会があって、地下水は、所有権は誰のものかということもあり、工業用水を廃止するに当たって地下水を使うべきだという議論がありますけれども、やはり、適度に地下水を管理するということが必要になってくるので、地下水についてはモニタリングをしながら慎重に検討をするということにとどめて、今回はそこまで、委員会では議論をいたしませんでした。

○小松委員 ここまでありがとうございました。率直かつ的確にご答弁いただきまして、ありがとうございました。
 以上をもって私の質問を閉じさせていただきます。

○うすい委員 公明党のうすい浩一でございます。
 井手先生におかれましては、本日は大変お忙しい中、都議会にお越しをいただきまして、また、先ほどは貴重なご意見も拝聴させていただきまして、大変にありがとうございます。
 私から、幾つかご質問をさせていただきます。
 質問に入る前に、まず、公共、公益企業経営の第一人者でもありまして、また、都の水道事業の経営事業にも精通をしておられる井手先生の、東京の水道についての思いを、ぜひお聞かせいただきたいと思います。

○井手参考人 水道の思いというのは、私は東京都で水道事業を、いろいろと座長をやりながら見識を広めていったわけですけれども、地方自治体が、やはり水道事業を抱えている問題というのはあると。
 私は、内閣府とかでも水道事業のあり方、あるいは公営事業のあり方について、委員として検討してきましたけれども、やはり課題としては民営化、あるいは公営化というのが将来的な課題としてはあるんだろうと。
 ただ、上水道については、民営化というのは、なかなか、これを民間事業者に委ねるというのは難しいのではないかというのが、各地方自治体の水道事業者の声であるというのは、多分、確かだろうと思います。
 本来であれば、公営事業というのは規制緩和に伴って競争導入とかやらなければいけないわけですけれども、水道事業については競争がない中で、以前、水道事業が高いことによって地下水でビジネスをするという事業者がたくさん出てきました。ところが、東京都は地下水の揚水規制がございますので、できない。水道料金が高過ぎるというのが今回の工業用水とは別にあって、やはりこれを何とかしなければいけない。
 地下水を利用して、大きな病院であるとか、あるいはホテルであるとかで高度浄水処理機器を置いて、高い水道料金をやめていくという、そういった事業者も出てきているわけで、これは東京都が、多分、率先して工業用水、あるいは上水道について、地方自治体にいろんなモデルを示していく、これが大事だろうと私は思っています。
 東京都はこれだけのことをやっているという姿勢を見せていくというのが--日本全体の中で非常に東京都の役割というのは大きい、私はそういう意味では、東京都というのは世界に誇れる水道事業だというふうに思っておりますので、ぜひ、その点はご理解いただきたいと。

○うすい委員 先生の水道に対する、世界に誇れる東京の水道ということで思いを語っていただきまして、ありがとうございました。
 それでは、何点か伺いたいと思います。
 先生もご案内のとおり、都の工業用水道を利用するユーザーの多くは経済力の弱い中小企業であり、また、多くの集合住宅においてもトイレの用水として利用されているのが現状でございます。一たび工業用水道を廃止するとなれば、こうしたユーザーへの影響は極めて重大であることは、先生も十分ご理解された上でのご提言であったと考えております。
 廃止についての決定について、先生も先ほど詳しくお話をいただいたところでございますが、ピーク時から減ったことや、水量の点もるるございました。これは、先生に申し上げるまでもないことでございますが、都の工業用水道は地下水揚水規制の代替水として給水が開始をされております。そのため、ユーザーの中には、みずからが投資してつくった井戸から強制転換を余儀なくされた方々も少なくありません。
 こうした特別な経緯のある都の工業用水道事業について、先ほど継続、廃止という話があったわけでございますけれども、ほかの選択肢がなかったのか。例えば、民営化など、そうしたことがあるとすればどういう選択肢があったのか、お伺いできればと思います。

○井手参考人 選択肢としては、都の工業用水の経営の抜本的な改革をするということを前提にいたしますと、継続か廃止かという二者の選択になります。
 ところが、公営事業ですから、ほかの事例でもあるように、他の選択肢、議員がご指摘のように民営化という選択肢もございます。工業用水だけ民営化をするという、これは多分、選択肢としてはあるとは思います。
 上水道は民営化するのはなかなか難しいんですけど、下水については民営化をするということも、外資系の企業が入って下水についてやるということもあるわけですけど、工業用水で民営化という選択肢は、この委員会では議論をされませんでした。
 私としては、個人的には民営化したときにそれを引き受ける人がいるのかというと、工業用水については多分いないだろうと。というのは、設備が五十年、六十年で老朽化しておりますので、引き受けた人が更新投資をしなければいけない。管がぼろぼろの中で、これを引き受ける人が、民営化したときに出てくるかというと非常に問題で、そういう意味では、選択肢としては、この委員会では先ほど申し上げた二つしかないというふうに想定いたしました。

○うすい委員 ありがとうございます。現実的に廃止以外にとり得る選択肢がなかったということを理解させていただきました。
 引き続き、支援策についてお伺いをさせていただきます。
 まず、先生からご提言をいただいた支援策についてでありますが、支援策の検討に当たって最も重視をされた部分はどういった部分なのでしょうか。もちろん、廃止に伴い影響を受けるユーザーであることは間違いないでしょうけれども、それ以外の部分で最も重視をされた点、ご留意をされた点について、お伺いをしたいと思います。

○井手参考人 最もということについて、非常に難しいですけれども、考えられる支援策がどういうものがあるのかというのを、まず列挙するということですね。それから、都民ファーストの議員さんの質問でもありましたけれども、民営化したときに、あるいは規制緩和したときに全員が恩恵を受けるわけではない。痛みを伴う改革であるということは、これは事実でございます。
 したがって、工業用水を廃止するという決断というのは大変重い決断であるという、これについては、支援策以上にやめるということについての責任というのは非常に感じたわけで、支援策について、じゃあ具体的にどういうものが考えられるかというのを委員の間で議論をし、そして、今回の報告書にあるように結論を得たということでございます。
 今回のこの支援策をやるについて、やはり税金を投入していくわけですから、いかに効率的にやるか、どこまで支援をしていくのか、それから、廃止をするにしても、廃止をすることに伴う遊休資産をいろんな形で活用しながら、少しでも経営効率化をしながら、都の税金等について多くの負担をかけないやり方で支援というのを考えるべきだというのが、今回の有識者委員会での結論でございました。

○うすい委員 ありがとうございました。
 最後の質問とさせていただきますが、今般、都が取りまとめた支援計画案についてでございますが、都の支援策を見ますと、先生からご提言をいただいた支援策をベースとしつつ、利用者の意見や要望などを踏まえながら全般的に充実を図ったと理解をしております。
 中でも、最も大きく充実したメニューが料金差額補填の期間であります。先生からご提言をいただいた支援期間、先ほどの話と重複しますけれども、料金の据え置きと、段階的な引き上げを含めて約十年程度とされております。最長でも据え置き四年、段階的引き上げ八年の計十二年とされております。
 一方で、都の工業用水ユーザーに対する料金差額補填は据え置き十年、段階的引き上げ十年のトータル二十年としております。
 先ほど、先生から若干長いんじゃないかというお話がありましたけれども、現場を歩いておりますと、やっぱり、ユーザーにとってのこの期間については強い要望がございます。
 そうした意味でも、今回の都の料金差額補填も含めて、ぜひユーザーの皆様に対する、中小零細経営者の皆様ですから、この方たちに対して何かメッセージをいただければ幸いでございます。よろしくお願いします。

○井手参考人 期間については八年から十二年ということで、約十年ぐらいだろうということで報告書には提言として書かせていただきました。
 都の支援計画については、その倍の期間でございます。普通の公益事業で支援をするというときに、激変緩和措置というのは、通常は三年と五年ぐらいです。この間に何とかしろということですけれども、ただ、これはいろんな取り巻く経営環境の変化というのもございますでしょうし、二十年というのは、非常に長過ぎる感は正直いたします。
 とはいえ、こういった業態が変化していくこの期間の間に、別のことを取り組むとか、何かしら経営努力というのを、中小企業といえどもやっていただきたいなと。
 例えば、まちの金融機関というのがたくさん出てきたときに、質屋さんというのがどんどんなくなっていきました。これに対して何か支援をしたかというと、これは新たな業態を自分で考えるか、廃業するか、いろんなことを考えてやるわけで、そういう意味では、保護するということも当然必要ですけれども、一方で、やっぱりそこに、支援に投入されるのは税金だということを考えていただいて、私は正直いって十年と二十年だったら、落としどころとして、じゃあ十五年かという、そういったことも議会として慎重に議論していただきたいなというふうに考えております。

○うすい委員 大変にありがとうございました。きょう伺ったことを参考にしながら、また今後の議論に生かしていきたいと思います。
 本日は大変にありがとうございました。終わります。

○曽根委員 日本共産党の曽根はじめです。
 本日は、急な要請にもかかわらず参考人をお引き受けいただき、ありがとうございました。
 私も有識者委員会の報告とともに、五回にわたる委員会の議事録を読ませていただきましたが、第一回目から各委員の皆さんが、東京都の工業用水のこれまでと今後のあり方について非常に詳しく把握され、また、三園浄水場の視察も含めて、非常に熱心に具体的なことも質問され、また、今回の大変複雑で困難な課題に真正面から取り組んでこられたことに深く感銘を受けました。
 平成二十六年からことしの四月まで、足かけ五年にわたるご尽力に対して心からの敬意と感謝を申し上げたいと思います。
 そこで、私がお聞きしたい第一の点は、有識者委員会の検討経過の中で、さまざまな検討を行う材料がきちんと提供されていたのかなという点なんです。
 第一回目の議事録では、ある委員の方から事務局に対して、継続するときに本当にここに書かれているストーリーでいいのか、もっととり得る方策はないのか、また、さまざまなストーリーをつくって、そのときの収入と費用はどれぐらいかかるのか、例えば工業用水道の配管施設とかを取りかえるに当たって、ここに企業を呼び込むことなど、さまざまなストーリーを考えてコストがどうなるのかなどを示してほしいという意見が出ておりました。
 それに応える形の資料提供が事務局、つまり東京都の側からあったのかどうかというのは、ちょっと議事録だけではわからないんですけれども、その辺のところをお聞きしたい。
 つまり、廃止か、今の事業規模や内容のままで存続かの二者択一以外の、料金値上げをお願いするなども含めた第三、第四の道を検討することが、実際は材料がなかったんじゃないかなという、ちょっと懸念があるものですから、その点をお聞きしたいんですが、よろしくお願いします。

○井手参考人 今回の有識者委員会、わずか五回でこういった結論を得たということで、十分な議論が、あるいは十分な資料というのが提供されたのかということですけれども、それについては、東京都から事前の説明、あるいは事前に資料を提示していただきまして、報告書に書かれている以外のいろんな選択肢についても、当然、委員の間では検討いたしました。
 したがって、データとして、今回廃止をするとなると何千億円、一千億円とか二千億円という金額、これをやはり出してもらわないことには--このまま継続をすると二千三百億円の更新投資が必要だと、廃止をすると九百億円の撤去費用が必要で、さらに支援策がそれに上乗せされるという数字をきちんと出していただかないと議論ができないということで、その根拠となる数字、それから、その数字が出てくる背景については十分説明を受け、そして、委員会で議論をさせていただきました。

○曽根委員 わかりました。その上で、報告書の四〇ページのところには委員会としての廃止の提案がされておりますが、私どもはその場合、廃止する場合には、これは個々のユーザーの責任ではありませんので、都の責任において決めることですから、利用者には極力負担を押しつけることのないようにすべきだという立場で議論してまいりましたが、この点について、ほかの委員の方の質問とダブるかもしれませんが、井手先生のお考えをお聞きしたいと思います。

○井手参考人 今、議員がご指摘したとおりでございまして、極力、個別のユーザーの意見を聞き、それから、要望も聞きながら、影響を最小限にするという大前提で今回の報告書の提言を取りまとめたという経緯がございます。

○曽根委員 ありがとうございます。その中で、同時に中小企業が多い東京都の工業用水道のユーザーに対して、経営や技術面できめ細かい支援の必要性というのを報告書の中でも提案しております。
 同時に、ここのところで上水道利用の企業とのバランスも考慮する必要があるということも指摘されております。
 この両面をクリアできる方策として、具体的にはどのような支援のあり方が考えられるかということで、もしお考えがあればお聞きしたいと思います。

○井手参考人 ご質問の趣旨に合っているかどうかわかりませんけど、上水道を使うということになると、料金が今よりも何倍にも、八倍にも値上がりしてしまうということを考えたときに、やはり、支援策として考えられるのは、一番の支援策というのは激変緩和措置だろうということで、繰り返しになりますけど、激変緩和措置というのがどのぐらいが適当なのか、これは先ほどの質問にも重なりますけど、通常は激変緩和措置というと数年間というのが一般的な公益事業である。
 ところが、対象が中小企業であるということを考えて、今回、十年という、最大限の支援策だろうというふうに、個人的には思っております。委員の間でも十年間というのが妥当だろうという、そういった金額的な支援というのが、今回の一つの焦点になったということでございます。

○曽根委員 ありがとうございます。今回、東京都が工業用水事業を廃止するということになりますと、全国的に見ても、大体三割程度を占める工業用水会計が赤字の自治体に、かなりの影響を与えるのではないかと思っております。また、東京都による利用者への支援策は、今後への一つの前例として、他の自治体に影響を与えざるを得ないのではないかというふうに思います。
 その点で、今回、東京都の示した対策というのは、有識者委員会の提言をさらに上回るトータル二十年の据え置きと激変緩和の期間を設定するなど、かなり大幅に拡大されたわけですけれども、全国への影響、また、国の方からも、いろいろこの点については見解が示されているというふうに聞いていますが、これとの関係でどう受けとめたらよいのかというふうな点で、いかがでしょうか。

○井手参考人 これについては、先ほどから東京都が一つの先駆的なモデルに今回なるということで、廃止をするという選択肢を他の地方自治体でとるのかというと、地下水が利用できるところについては、別の選択肢が出てくるだろうと思います。
 それから、料金についての支援策ですけれども、これについては工業用水の支援ということで、平成二十八年でも一般会計からの繰入金で八億円ぐらいですか、あるわけで、これは東京都だからできることであって、各地方自治体でこれができるかというと、多分できない。
 そういうときに、廃止といったときに巨額な支援というのをやれるかというと、やはりこれも東京都だからできることで、これは財政計画とか投資計画がしっかりしている東京都だからできることで、そうでないところで、こういった工業用水を廃止をするという選択肢をとったときに、どこまで支援をするのかということについては、やっぱり慎重に議論をしていかないといけない。
 それから、先ほどの二十年という期間というのは、二十年先、小規模零細の地域産業というのがどうなっているかというのも、これはなかなか簡単には想定できないことではあるんですが、これはユーザーの声をしっかりと聞いた上で、そういった支援期間という、激変緩和措置の期間というのを、やっぱり慎重に検討していくべきだろうというふうに私は思います。

○曽根委員 質問させていただいてありがとうございました。
 私どもは、今回、かなり長期の激変緩和期間並びに据置期間を設定したことで、東京都の今後の中小零細企業、特に工業用水を利用してきた企業に対する責任は一層重くなっている、長期にわたって責任を本当にとらなければならない、そういう今回のスキームがつくられつつあるなというふうに思っております。
 その中で私たちも、今後も、ユーザーから今度上水利用者に変わっていく、企業や個人の利用者に対する東京都のさまざまな対策を、要望に応じて組んでいけるように提案もしていきたいというふうに考えております。
 きょうは、五年にわたる有識者委員会のご尽力を踏まえてのご意見をいただきまして、ありがとうございました。終わります。

○藤井(と)委員 都議会立憲民主党・民主クラブの藤井とものりと申します。
 井手先生におかれましては、本日は参考人招致の方、お忙しい中、応じていただきまして、まことにありがとうございます。
 先生からお話がございました工業用水道の廃止並びに現ユーザーさんに対する支援と、この二本立てでやっていくというお話、私どもの会派も同様の意見を持っております。
 先ほど来、先生からお話があった中で、早い段階で何とかすべきだったと、経営改革を抜本的に進めるべきであったと、お話の中で、これは都の怠慢ではないかというような大変厳しいご意見もいただいたところなんですけれども、先生は公営企業ないしは公益事業の専門家でいらっしゃいまして、一般的には、一般の企業であればやっぱり競争原理が働いて、どんどん競争していかなきゃいけないというところで、こういった、平成十六年度でしたか、外部監査で指摘を受けながら十何年間なかなか結論が出ないみたいな、スピード感を欠いた対応というのは、なかなかないのかなというふうに思うわけなんです。
 公益企業なり公営企業のガバナンスという観点で、今回の工業用水道も含めて、どのような課題があるというふうにお感じになられているのか、ちょっとお聞かせをいただきたいと思います。

○井手参考人 公益事業の中で工業用水というのは多分特殊であって、国の補助金を得ている中で簡単に料金の値上げができないという状況の中で、工業用水というのがずっと実施されてきたという経緯がございます。
 したがって、経営効率化をするにも限度があるという--本来であれば、公益事業というのは経営効率化をしながら料金の低廉化に努めるということが一つあるわけですけれども、それが十分に機能しなかった工業用水ということで、少し言葉がきつかったかもしれませんけど、もっと早く工業用水について改革を、抜本的な改革をすべきだったと。
 そういう意味では、これを先延ばしするということについては、私個人的には反対で、他の地方自治体の手本にもなることでありますので、なるべく早い段階で結論を得て、支援策、あるいは地場産業、地域産業の活性化につながるような形で都の政策を行うということが望ましいだろうと。
 お答えになっていないかもしれませんけど、以上でございます。

○藤井(と)委員 ありがとうございます。ガバナンスといっても、抜本的経営改革という意味では、なかなか策が出せなかったというお話だったというふうに思います。
 先ほど来、他会派さんからもお話ありましたけれども、いわゆるユーザーさんに対する支援策のところで、有識者委員会が出されたご提言というのは、十二年で、金額ベースでいうと二百二十九億円と。今回、東京都が出した提案は、二十年で三百八十六億ということでございまして、先ほど来の先生のお話の中で、一つ私、キーワードがあったなと思っていましたのは、企業の適応力というお話がございました。
 ともすれば、私ども行政だとか議会というのは、支援を手厚くというふうに考えがちですけれども、その手厚過ぎる支援によって、かえって企業が競争力を失ってしまうのではないか、成長力を失ってしまうのではないかというような嫌いというか、そういったふうに私は受けとめさせていただいたんですけれども、率直に、その金額が大き過ぎるとか、あと、支援の年数が長過ぎるだとか、そういった点について、改めて先生のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

○井手参考人 今、議員さんがご指摘のとおりでございまして、こういった支援策というのは当然必要であるというのは、これは誰もが反対しないことだろうと思います。
 ところが一方で、同業種の事業者が上水道を使いながら製品を生産していると。同じ製品というものを、市場で競争しているわけですからコストが安い方がいいわけで、その点では、繰り返しになりますけど、競争という観点からすると、他の地域で同業の事業者からすると、当然手厚過ぎるという意見は出てくるわけで、そこの落としどころを何年にするかというところが、やはり知恵を絞らないといけないだろうというふうに思います。
 逆に、そういった手厚くすることによって、これはちょっと厳しいいい方になりますけど、本来潰れるべき企業というのが、国の補助金あるいは国の支援によって生き延びたことによって、過剰な企業、いわゆる過当競争といわれますけど、過剰な企業というのが出現してしまうと。本来、効率的な企業が生き残るべきなのに、手厚く保護することによって、経営効率化をしないまま生き残ってしまうというのも、これは問題だと思います。
 今回それが当てはまるかというと、そうではない。一生懸命、中小企業等は経営努力をしていると思いますけれども、一方で、やはり工業用水を廃止するというのは東京都の都合で廃止をするわけですから、そういう意味でユーザーの立場からすると、適切な支援というのをやっていただきたいというのは、これは当然の声だと思います。
 そういう意味では、他の公益事業というのは、なかなか今回、これといって適切に当てはまるケースというのはないわけで、そういう意味では、今回の工業用水で東京都の方に知恵を絞って適切な支援策というのを出していただきたいというのが私の個人的な意見でございます。

○藤井(と)委員 全部の支援パッケージというのは三百八十六億なんですけど、そのうち料金差額補填二百七十四億ということでございまして、そのうち工業用水と雑用水とあって、工業用水については二百五億ということでございます。件数が百八十一件ということでございまして、一件当たりの費用に直しますと一億円を超えてくる金額ということでございまして、一方では手厚い支援をするということなんですが、その一方では都民や納税者に対する、これからしっかり東京都ないしは都議会としてもやっぱり説明責任を果たしていくということが、これから重要な--もし廃止というふうに決定をされれば、この支援スキームが決定をされればそういった段階に入ってくるのかなと思うんですけれども、この説明責任を果たしていく、ないしはディスクロージャーを進めていくという意味において、何か先生のアドバイスがございましたら、ぜひお聞かせをいただきたいと思います。

○井手参考人 今回の対象のユーザーというのは百八十一件で、規模的には非常に小さいわけですから、説明責任というと、一方で、ユーザーに対してはきめ細かな支援策について説明をし、経営不安というのを持たないような形で適切にやっていくということが必要だろうと。
 一方で、議員がご指摘のように、巨額な支援策になるわけですから、これは東京都民に対してきちんと、工業用水の廃止に伴う課題について、ホームページあるいはいろんな都議会ニュース等々で説明をしていく、これがやっぱり、説明責任というのがいろんな業界で問題になっておりますし、それから公益事業でも説明責任、消費者に対して十分理解が得られるような説明というのが必要になってくる。
 その点では、今回の有識者委員会の報告で、廃止するとこれだけの金額、継続するとこれだけの金額、しかしながら、中小企業を支援する、あるいは地域産業というのを活性化させるためにはこういった支援が必要ですというのを、きめ細かに都民に説明していくということが必要だろうというふうに思います。

○藤井(と)委員 井手先生、ありがとうございました。お忙しいところ参考人招致に応じていただきまして、ありがとうございます。
 午後からの、私ども立憲民主党・民主クラブの審査に生かしてまいりたいと思いますので、ありがとうございました。

○おときた委員 井手先生、本日は都議会にお越しいただきましてまことにありがとうございます。
 かがやけTokyo、都議会議員のおときた駿と申します。私が最後の質問者となりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 井手先生が取りまとめていただいた報告書は極めて合理的で、すぐれた報告書であったと私は考えておりまして、その点は当委員会でもこれまで意見表明をさせていただきました。
 一方で、東京都が出された廃止及び支援計画は、措置期間という期間が新たに設けられたこと及び激変緩和期間の長さにおいて大きく報告書と異なっております。
 また、根拠とするヒアリングの手法や数も有識者委員会で用いられているものと異なっている点が特徴的です。具体的には、有識者委員会では工業用水ユーザー及び雑用水ユーザーの合計三百十五件を対象に調査を実施し、二百七十五件の回答を得たとしています。
 一方で、東京都は本年七月に利用者を個別訪問し、訪問済み百六十三件中、回答があった八十二件の回答に基づいて、今回の廃止及び支援計画を立てております。この差異が有識者委員会での案との違いとなっているとも考えられますが、有識者委員会よりも少ない意見によって報告書の内容が大幅に変更されたことについて、どのように受けとめていらっしゃるのか、この受けとめをまず伺いたいと思います。

○井手参考人 今回の東京都が出した支援計画について、正直なところ、その内容については十分に承知をしておりません。二十年という期間になったことについて、これについては、確かに議員がご指摘のとおりに、対象が違うということもあります。
 したがって、正直な印象では、二十年もやるということについて、これは東京都の支援ということですので、財政負担というのが問題ないのであれば、あるいは都民の理解が得られるのであれば、私はそれはやむを得ないというふうに思っておりますけれども、有識者委員会としては、十二年とか十年というのが多分最大の年限だろうというふうに、妥当な年月だろうというふうに私は、委員会としてはそういう結論でありました。

○おときた委員 率直なところを述べていただきましてまことにありがとうございます。
 まさに都の案においては、有識者委員会では一切出てこなかった措置期間という新しい言葉が出てまいりました。これは切りかえ期間と激変緩和期間の間に新たに設けられた期間であります。これが六年間設けられたわけですけれども、こうした措置期間というような期間について、こうしたもの、あるいは類似のものを設けるという発想や議論は委員会の中であったのかどうか、この点を念のためお伺いいたします。

○井手参考人 切りかえの措置期間、あるいは据置期間という議論というのは、切りかえの措置期間自体は、四年というのは当初から出ておりました。
 それに対して据置期間という概念というのは、私どもとしては、委員会としては議論をしておりません。四年の据え置きの後に段階的に値上げをしていって、上水道の料金に合わせるという形で、十年間という形で試算をさせていただきました。

○おときた委員 ありがとうございます。この措置期間というのが有識者委員会では全く議論されていなかった新しい概念であるということが確認できました。
 この措置期間があることで、ユーザーには明確なメリットがある一方で、このような期間を設けることで、都や都民、あるいは、この工業用水道を利用しない同業者などには不公平や負担が生じることが予測されます。
 この新たに設けられた措置期間という手法について、井手先生の評価をお伺いできればと思います。(「据え置きだよ」と呼ぶ者あり)済みません、据置期間です。

○井手参考人 据置期間というのは、工業用水を使い続けるのと一緒ですよという期間ですから、そういう意味では、工業用水を廃止したけれども、工業用水と同じ値段を十年間続けて、それから、その後に激変緩和で、十年間で上水道に合わせるという手法ですので、手法自体は問題はないと思います。
 ただ、据置期間を六年というふうに設けること自体、この期間がどうなのかということは、多分、議論が必要だろうというふうに思います。
 そういう意味では、委員会でこの据置期間というのは、先ほど申しましたように議論をしておりませんし、新たな形での支援策ということですので、このところについては、期間について、他の公益事業では、繰り返しになりますけど、こういった手法というのはありますけれども、この六年間というのが適切かどうかというのは、十分議論が必要だろうと思います。

○おときた委員 ありがとうございます。
 済みません、先ほどの発言の中で措置期間と誤っておりました。据置期間の間違いでしたので訂正させていただきます。ご指摘ありがとうございました。
 次に、激変緩和期間についてお伺いいたします。
 激変緩和期間については、報告書では八年間が、先ほどから議論に出てくるように最長でありました。都の案では、これが十年となっておりますが、委員会においては、このように、八年じゃなくてもっと長くというような意見が出てきて議論するというようなことはあったのかどうか、この点について確認のためお伺いいたします。

○井手参考人 委員会では、上水道に比べて、切りかえ後、平均で五倍程度、それから、一部では十二倍ぐらいの料金値上げになるということで、切りかえ期間というのを含めて八年から十二年という試算をいたしました。
 したがって、切りかえ期間が四年で、残りのところで一・二倍ぐらいで、ずっとその期間を計算して、約十年ぐらいという形で結論を得たわけでございます。

○おときた委員 ありがとうございます。議論の過程もよくわかりまして、委員会の中ではそういった議論があったわけですが、報告書にはなかった据置期間の設置と激変緩和期間、これが結果としては延長されたことによって、報告書ではユーザーに十年程度の支援としていたものが二十年にまで延長されることになりました。この財政負担というのは決して小さくないものだと思われます。
 工業用水道を供給していない地域では、従来から、上水道を利用しながら事業を展開する事業者が多数存在し、その公平性を勘案する必要性がこの報告書にはしっかりと明記をされています。
 しかしながら、今回の都の案においては、工業用水道非ユーザーの同業者との公平性については、その重要度が有識者委員会の報告書より著しく下げられているように私は感じております。
 この点についての所見は、先ほどから他の委員も井手先生に伺っておりますので、私からは最後に、仮に現行の東京都の支援になったとしても、この据置期間中のあるタイミングや、あるいは激変緩和中に経済状況や事業者の動向によって、期間の縮小あるいは見直しをして、計画を再策定するということが果たして可能なものなのか、そういったこともできるのかどうかという点について、井手先生の見解をお伺いしたいと思います。

○井手参考人 通常は、公益事業等々で三年後に見直すとかというのが一般的に行われている手法です。ある施策をやって、その効果を見ながら三年後に見直す、またさらに三年後ということですけれども、今回の支援策というのは、金額が伴って企業の経営に大きな影響を与えるわけですから、これはやはり期限を切って、そして途中で見直すということではなくて期限をきちっと切って、そこの中で中小企業の経営のあり方、経営の方針、企業努力というのを期待して適用していただくという、私はそれが適切で、期間を十年あるいは二十年というふうにした場合に、途中でやめるということについては、やはり東京都の都合で中小企業に大きな影響を与えるということは避けた方がいいと。
 そういう意味では、きちんと工程表を示した上で、今回の有識者委員会では十年、あるいは都の計画では二十年というのを、どういう形でやるかというのを明示した上で説明をきちんとやるということが必要だろうというふうに思います。

○おときた委員 ありがとうございました。議論のプロセスがよくわかり、また、今後の計画策定にもアドバイスをいただきまして、大変参考になりました。午後の質疑に生かしてまいりたいと思います。
 本日はまことにありがとうございました。終わります。

○清水(孝)委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 井手参考人からの意見聴取はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○清水(孝)委員長 異議なしと認め、井手参考人からの意見聴取は終了いたしました。
 井手参考人、本日は貴重なご意見を賜り、また、丁寧にご答弁をいただきまして、まことにありがとうございました。心から厚く御礼を申し上げたいと思います。
 それでは、どうぞご退席ください。
 この際、議事の都合により、暫時休憩いたします。
   午前十一時三十分休憩

   午後一時開議

○清水(孝)委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 第百七十六号議案、東京都工業用水道条例を廃止する等の条例の審査及び報告事項、工業用水道事業の廃止及び支援計画(案)について外一件に対する質疑を行います。
 初めに、本日出席いただいている水道局長、下水道局長及び財務局長からそれぞれ挨拶並びに幹部職員の紹介があります。

○中嶋水道局長 水道局長の中嶋正宏でございます。
 清水委員長初め委員の皆様方には、日ごろから当局事業につきましてご理解とご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。
 本日出席しております幹部職員を紹介させていただきます。
 総務部長の松丸俊之でございます。サービス推進部長の小山伸樹でございます。浄水部長の青木秀幸でございます。給水部長の尾根田勝でございます。経営改革推進担当部長の石井英男でございます。当審査会との連絡に当たらせていただきます総務課長の芹沢孝明でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
   〔理事者挨拶〕

○小山下水道局長 下水道局長の小山哲司でございます。
 清水委員長を初め委員の皆様方には、日ごろから当局の事務事業につきましてご指導を賜りまして、まことにありがとうございます。
 本日出席しております当局の幹部職員をご紹介させていただきます。
 技監の神山守でございます。総務部長の安藤博でございます。経理部長の久我英男でございます。施設管理担当部長の井上佳昭でございます。続きまして、当審査会との連絡に当たります総務課長の池島英稔でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
   〔理事者挨拶〕

○武市財務局長 財務局長の武市敬でございます。
 清水委員長初め委員の皆様方には、日ごろから当局の事務事業につきましてご指導を賜り、まことにありがとうございます。
 本日出席の財務局幹部職員をご紹介させていただきます。
 経理部長で財政企画担当部長及びオリンピック・パラリンピック調整担当部長を兼務いたします初宿和夫でございます。主計部長の山田忠輝でございます。最後に、当審査会との連絡に当たらせていただきます担当部長で総務課長事務取扱の菅原雅康でございます。
 以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
   〔理事者挨拶〕

○清水(孝)委員長 挨拶並びに紹介は終わりました。

○清水(孝)委員長 次に、所管外の理事者の出席について申し上げます。
 第百七十六号議案の審査及び報告事項に対する質疑に関係する所管外の理事者として、産業労働局の藤田局長、寺崎総務部長、坂本商工部長、環境局の和賀井局長、谷上総務部長、須藤自然環境部長にご出席いただいております。ご了承願います。
 第百七十六号議案及び報告事項、工業用水道事業の廃止及び支援計画(案)について外一件を議題といたします。
 本案及び本件につきましては、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○松丸水道局総務部長 さきの委員会におきまして要求のございました資料を取りまとめ、お手元に配布してございます。その概要につきましてご説明申し上げます。
 一ページをお開きください。工業用水道事業の抜本的な経営改革に関する検討の経過でございます。
 平成十六年度からこれまでの経営改革に関する検討について、包括外部監査等、検討会議、利用者対応に分けてお示ししております。
 七ページをお開き願います。平成二十九年以降実施した利用者への説明及びアンケート調査等についてでございます。
 平成二十九年十月以降、利用者に対して行った説明等について、その実施時期、項目、対象、実施方法及び内容をお示ししております。
 別紙1から別紙10として添付しております資料は、利用者への説明及びアンケート調査等で使用したものです。後ほどごらんください。
 八ページをお開き願います。工業用水道利用者の区別・業種別件数でございます。
 平成三十年三月三十一日時点の各区における業種別工業用水道利用者の供給件数をお示ししています。
 なお、下段にご参考として、都内製造業事業所数をお示ししております。
 九ページをお開き願います。集合住宅ごとの供給戸数でございます。
 平成三十年三月三十一日時点の各区における集合住宅ごとの供給戸数をお示ししてございます。
 以上で要求のございました資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議いただきますようお願い申し上げます。
 続きまして、さきの委員会におきまして、工業用水道事業の廃止及び支援計画(案)について、お客様を個別に訪問し、ご説明しているところである旨ご報告いたしましたが、その結果が取りまとまりましたので、経営改革推進担当部長の石井からご報告いたします。

○石井水道局経営改革推進担当部長 お手元に配布してございます工業用水道事業の廃止及び支援計画(案)に対する意見をごらんください。
 お客様に対しましては、本年七月から八月にかけて、工業用水道事業のあり方に関する有識者委員会報告書による支援策について、個別訪問し、ご説明を行ってまいりました。
 その際いただきました料金差額補填に対するご意見を反映した工業用水道事業の廃止及び支援計画(案)について、九月に入りまして、再度お客様を個別に訪問し、ご説明をするとともに、支援計画に対するお客様のご意見をアンケート形式で伺ってまいりました。
 このたび、九月二十一日までにお客様から寄せられましたご意見をお手元の資料のとおり取りまとめましたので、ご報告いたします。
 資料上段の円グラフをごらんください。工業用水をご利用のお客様からいただいた料金差額補填に対する意見の内訳を示してございます。
 支援計画案でお示しをした工業用水利用者に対する料金差額補填は、上水道への切りかえ期間四年の後、据置期間六年を加えた十年間について、工業用水道料金と同額に据え置くこととしております。その後、激変緩和期間を十年間とし、合計で二十年間の支援としております。
 左側の円グラフが示すとおり、切りかえ期間及び据置期間に対しましては、ご意見をいただいた百二十九件のうち、適正との意見が六七%、短いとの意見が三一%でございました。
 また、右側の円グラフが示すとおり、激変緩和期間に対しましては、同じくご意見を頂戴した百二十九件のうち、適正との意見が六六%、短いとの意見が三二%でした。
 次に、資料下段の円グラフをごらんください。雑用水をご利用のお客様からいただいた料金差額補填に対する意見の内訳を示してございます。
 支援計画案でお示しをした雑用水利用者に対する料金差額補填は、上水道への切りかえ期間四年の後、据置期間三年を加えた七年間について、工業用水道料金と同額に据え置くこととしております。その後、激変緩和期間を五年間とし、合計で十二年間の支援としております。
 左側の円グラフが示すとおり、切りかえ期間及び据置期間に対しましては、ご意見をいただいた七十九件のうち、適正との意見が八一%、短いとの意見が一九%でございました。
 また、右側の円グラフが示すとおり、激変緩和期間に対しましては、同じくご意見をいただいた七十九件のうち、適正との意見が八二%、短いとの意見が一八%でございました。
 説明は以上になります。今後、この支援計画案を踏まえ、利用者の皆様への支援をきめ細かく進めてまいりたいと思っております。
 以上、ご報告を終わります。よろしくお願いいたします。

○初宿財務局経理部長財政企画担当部長
オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 財務局から追加して提出させていただきました財政委員会資料についてご報告申し上げます。
 お手元の資料第1号、工業用水道事業の廃止及び支援計画(案)に対する意見(平成三十年九月調査実施)をごらんください。
 こちらは、先般の財政委員会において、会期中の財政委員会でご報告いたします旨を申し上げたものでございます。
 公営企業委員会の資料として、お手元に水道局から配布いたしましたものと同じ内容の資料となっております。私からの説明につきましては、水道局からご説明申し上げました内容と重複いたしますので、省略させていただきます。
 次に、先日の財政委員会におきまして要求のございました資料についてご説明申し上げます。
 お手元に配布してございます財政委員会要求資料をごらんください。
 表紙をおめくりいただき、目次をごらんください。今回要求のございました資料は、要求資料第1号から第6号までの六件でございます。
 一ページをお開き願います。要求資料第1号、工業用水道事業に関する打ち合わせ等一覧でございます。
 こちらは、一ページから五ページにわたり、平成二十五年度以降の工業用水道事業に関する打ち合わせ等について、時系列に沿って、年度、日付、内容、出席者等を一覧でお示ししたものでございます。
 恐れ入りますが、六ページをお開き願います。要求資料第2号、「工業用水道事業のあり方に関する有識者委員会報告書」と「工業用水道事業の廃止及び支援計画(案)」の費用比較でございます。
 こちらは、有識者委員会報告書と支援計画案の費用の差額について項目ごとにお示ししたものでございます。
 七ページをお開き願います。要求資料第3号、工業用水道を利用している公共施設のある特別区に対する説明状況(平成二十八年度以降)でございます。
 こちらは、都職員が区役所を訪問し、説明等を実施した状況について、訪問時期、説明概要、配布資料等をお示ししたものでございます。
 八ページをお開き願います。要求資料第4号、工業用水道事業の廃止に係る支援策の年度別費用内訳(試算)でございます。
 こちらは、工業用水道事業の廃止にかかわる支援策の費用について、年度別にその内訳をお示ししたものでございます。
 九ページをお開き願います。要求資料第5号、工業用水道に係る職員数の変化でございます。
 こちらは、工業用水道にかかわる職員数について、年度別にお示ししたものでございます。
 一〇ページをお開き願います。要求資料第6号、工業用水道事業の廃止に係る国庫補助金等返還額の試算内訳及び返還に係る調整状況でございます。
 こちらは、一〇ページから一二ページにわたり、国庫補助金等返還額の試算を、一二ページ下段に補助金返還に関する国との調整状況をお示ししたものでございます。
 資料の説明は以上でございます。よろしくお願い申し上げます。

○清水(孝)委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案及び本件に対する質疑を一括して行います。
 発言を願います。

○あかねがくぼ委員 都民ファーストの会東京都議団のあかねがくぼでございます。連合審査会質疑を担当させていただきます。よろしくお願いいたします。
 第二回定例会で、知事が工業用水道事業について廃止に向けた動きを進めていくと表明されました。工業用水道事業については、平成十六年に包括外部監査において廃止すべきとの指摘を受けたにもかかわらず、実に十四年もの長期にわたり懸案事項でありました。
 包括外部監査での指摘を受けてからの十四年間、都としてどのような取り組みを行ってきたのか、お伺いします。

○石井水道局経営改革推進担当部長 平成十六年度包括外部監査の工業用水道事業の廃止などを含めた抜本的な経営改革を検討すべきとの意見を受け、これまで関係各局で検討してまいりました。また、工業用水道利用者に対するアンケートを複数回実施し、個々の使用水量の見込みや意見、要望を把握し、検討に活用したところでございます。
 加えて、平成二十六年十二月には、専門家の経験と見識を活用して検討を進めるため、さまざまな分野の有識者で構成された工業用水道事業のあり方に関する有識者委員会を設置し、専門的かつ中立的な立場から多角的に検討いただいてきたところでございます。
 こうした検討を積み重ねた上で、有識者委員会から廃止すべきとの提言を受け、都として工業用水道事業の廃止をすることになりました。

○あかねがくぼ委員 専門的、中立的立場の方からさまざまな検討がされた上で、今回ようやく廃止に向けて一定の方向性を示せたということは、都政改革を推進する我が会派としては評価をいたします。
 工業用水道は墨田区、江東区、北区、荒川区、板橋区、足立区、葛飾区、江戸川区の八区と、練馬区の一部にユーザーが存在しています。皮革業、メッキ業などの水を大量に利用する業種のユーザーにとっては、工業用水道は地下水にかわる、上水道より安価に利用できる経営資源でありました。
 一方で、工業用水道が供給されていない地域で経営を営む同業者とは、水道料金に差額が生じている実態がございました。ユーザー数や利用量が激減をしており、近年では毎年七億円の赤字となっており、一般会計からの繰り入れがなくては成り立たない。独立採算の原則は崩壊してしまっているという点も見過ごせない課題であります。
 さらに、廃止を先送りすることは、損益赤字の補填のみならず、老朽化施設の更新のためにさらに二千三百億円のコストが必要となることでございます。仮に価格に転嫁をすれば、約八倍の値上げとなりまして、上水道を上回る水準であります。
 一方で、一部ユーザーからは存続を望む声も強く、苦慮の末の決断であるという点は十分な受けとめが必要であると認識をしております。
 我が会派では、第二回定例会で、事業の廃止に向けて、ユーザーに対して丁寧な説明をするとともに、激変緩和に向けた支援が必要であると主張し、知事への要望書を提出したところであります。
 これに対して都は、ユーザーからの幅広い声により一層耳を傾けながら、きめ細かく対応していく、また、個々のユーザーの声を反映させて、多様な支援策を検討するとのことでありました。
 その一つの取り組みとして、相談や問い合わせに対して一元的な窓口を設置し、きめ細かく対応するということでありましたが、その対応状況についてお伺いします。

○青木水道局浄水部長 本年六月に知事が事業廃止の方針を表明したことを受け、利用者からの相談に丁寧に対応する相談窓口を七月に設置いたしました。この相談窓口には、今月二十七日までに二十社から合計四十件の問い合わせや要望が寄せられたところでございます。
 その主な内容でございますが、支援策の詳細な内容や、上水道に切りかえた場合の料金、現在使用している設備への影響など多岐にわたってございまして、これらの問い合わせや要望に対しては職員が直接伺うなど丁寧に対応してございます。
 今後も、財務局、環境局及び産業労働局など関係各局と連携し、きめ細かく対応してまいります。

○あかねがくぼ委員 ユーザーに丁寧に対応していただくということが、この事業の廃止の理解につながることであろうと改めて申し上げたいと思います。
 そして、もう一つの取り組みとして、第二回定例会後の七月には、水道局初め関係局がユーザーを個別に訪問し、有識者委員会報告書の支援策に対する意見、要望を聞き取り、その声を踏まえ、支援計画案を策定いたしました。知事も関係各種団体の長の方と直接お会いになり、意見を伺ったと代表質問での答弁がありました。
 都は、こうした取り組みを行った上で、本定例会には工業用水道事業を廃止する条例を提案するとともに、支援計画案を示しているところです。
 そこで、まず、支援計画の策定に当たりまして、ユーザーの声をどのように反映してきたのか、改めてお伺いします。

○青木水道局浄水部長 支援計画案の策定に当たり、本年七月から利用者を個別に訪問いたしまして、有識者委員会報告書の支援策につきまして意見をお伺いいたしました。
 その結果、工業用水利用者では、切りかえ期間四年については五六%、激変緩和期間八年につきましては五五%が短いとの回答でございまして、そのほか、井戸使用の支援をしていただきたい、節水機器、節水設備への支援をしていただきたいなどの要望がございました。
 こうした利用者からの意見等を踏まえ、支援計画案では、有識者委員会報告書の支援策を拡充いたしまして、上水道への切りかえ期間四年の後、新たに料金据置期間六年を加え、その後の利用者の料金負担の激変を緩和する期間を十年とし、合計二十年間の支援としたところでございます。
 また、節水対策に資する設備の設置を支援するなど、利用者の負担を軽減するための支援を追加したところでございます。

○あかねがくぼ委員 ありがとうございます。そして、この支援計画案について、ユーザーはどのような評価をしているのでしょうか、お伺いします。

○青木水道局浄水部長 今回の支援計画案について、本年九月に職員が利用者を個別に訪問し、意見をお伺いしましたところ、工業用水利用者では、切りかえ期間については六七%、激変緩和期間につきましては六六%が適正との意見でございました。
 同じく雑用水利用者では、切りかえ期間について八一%、激変緩和期間について八二%が適正との意見となっております。
 また、上水道への切りかえ工事を初めとするその他の支援策につきましては、工業用水及び雑用水利用者全体で七六%が十分またはやむを得ないとのご意見でございました。
 こうした意見から、差額補填期間及びその他の支援策については、利用者から一定の理解を得られていると考えてございます。

○あかねがくぼ委員 都の支援計画案が、有識者委員会報告書に対する評価と比べますと、七割以上という多くのユーザーから適正だと評価されているということです。
 しかし、支援計画案の料金差額補填期間については賛否両論でありまして、約三割のユーザーは、まだ期間が短いとしているようです。
 一方で、ある業界団体の方からは、逆に期間が長いという声も我が会派には届いており、立場によっては意見が異なっているという点で、廃止していく上で留意いただきたいと考えております。
 そこで、支援計画案について詳しくお伺いしていきたいと思います。
 有識者委員会では、工業用水について、切りかえ据置期間四年、激変緩和期間八年が適正であるという報告をいただいておりましたが、都の計画案では、それよりも長い切りかえ据置期間四年、据置期間が六年、激変緩和期間十年としております。
 まず、切りかえ据置期間については、工業用水道から上水道への切りかえ工事を行う期間として設けられたものです。切りかえ順序によって不公平が生じないように、上水道に切りかえた全てのお客様の料金を工業用水道料金の水準に据え置くということであります。
 切りかえ据置期間は工業用水、雑用水ともに四年ということでありますが、この期間は、全ユーザーの切りかえを実施する上で十分な期間となっているのでしょうか、お伺いします。

○尾根田水道局給水部長 工業用水道から上水道への切りかえを着実に実施していくため、その期間は適切に設定していかなければなりません。設定に当たりましては、企業活動に影響がないよう、工事に伴う断水時間や周辺地域への影響を最小限にとどめる必要がございますことから、切りかえに要する作業日数に加えまして、利用者との調整や道路管理者との協議などが必要でございます。
 切りかえ作業期間と工事の施工体制を勘案いたしますと、年間の工事件数は百五十件程度と見込まれまして、工業用水道の給水栓総数六百十九件に対しまして、切りかえを完了させるには四年間が必要と考えております。

○あかねがくぼ委員 適切な期間として、切りかえ据置期間四年というふうに設定されているということで理解しました。
 次に、据置期間が工業用水で六年、雑用水で三年と設定されておりますが、この据置期間というものは何の目的で設定されているのか、また、工業用水では六年、雑用水では三年とした算定の根拠をお伺いします。

○石井水道局経営改革推進担当部長 工業用水道事業を廃止した場合、工業用水道から上水道への切りかえ後には平均で五倍程度の料金の値上がりが想定されております。有識者委員会では、上水道への切りかえに伴う利用者の経済的負担の軽減策として、料金差額補填について提言がございました。
 据置期間は、料金差額補填期間の延長を求めるご利用者のご意見等も踏まえ、ご利用者の経営等への影響を最小限にとどめるため、新たに都の支援策として追加したものでございます。
 工業用水道利用者につきましては、切りかえ、据置期間を合わせて十年間を工業用水道料金と同額に据え置くとしております。これは、上水道への切りかえ期間四年の後、据置期間六年を加えたものであり、都の中小企業制度融資が十年程度であることや、新たな設備投資をした場合でも減価償却、借入金返済が完了する期間であることなどを参考に設定をいたしました。
 雑用水利用者につきましては、施設の余剰能力を活用して供給しているという経緯等を考慮し、委員会報告書の提言においても工業用水道利用者の半分の期間とされていることなどを踏まえ、据置期間を三年間と設定いたしました。

○あかねがくぼ委員 据置期間というものは、ユーザーの経済的負担の軽減策として新たに都として設定をしたということですね。
 次に、激変緩和期間については、文字どおり料金の激変を緩和するために設定されていると思いますが、有識者委員会で示された期間よりも長い期間である工業用水で十年、雑用水で五年と設定されております。この根拠についてもお伺いします。

○石井水道局経営改革推進担当部長 有識者委員会では、工業用水道利用者に対して最長八年間の激変緩和期間という提言をいただいております。本年七月から八月にかけて、工業用水道の各ご利用者を訪問し、報告書の支援策についてご意見を伺ったところ、回答者の過半数の方から料金差額補填の期間が短いとのご意見や、期間の延長を求める声が寄せられたところでございます。
 こうしたご意見等も踏まえ、支援計画案では、激変緩和期間について十年間に延長してございます。これは、都の料金及び手数料の改定上限を参考に、料金差額倍率の最大値約十二倍に着目して、六回に分けて料金の引き上げを行うものとして設定いたしました。
 雑用水利用者については、施設の余剰能力を活用して供給しているという経緯を考慮し、委員会報告書の提言において工業用水利用者の半分の期間とされていることなどを踏まえ、五年間という設定をしております。

○あかねがくぼ委員 ありがとうございます。ユーザーの経済的負担に相当配慮したという支援案になっているということを理解しました。
 上水道との料金差額補填については、工業用水道を利用している企業と、していない企業、つまりユーザーと非ユーザーに分かれているような業界もありますことから、行政として公平な判断が必要であると考えます。
 そこで、どのように公平性を確保できていると考えておられるかをお伺いしたいと思います。

○石井水道局経営改革推進担当部長 工業用水道事業の廃止に伴う支援は、利用者の経営等への影響を最小限にとどめるために必要と考えております。一方で、工業用水道利用者と上水道を利用している同業種との公平性や負担のバランスなどに留意した内容であることが不可欠だとも考えております。
 このため、有識者委員会の提言では、料金差額補填の期間を有期としてございます。これを受けて、支援計画案においても料金差額補填の期間を二十年間の有期としたところでございます。

○あかねがくぼ委員 ユーザーの中には、恒久支援を料金差額補填という意味では望んでいらっしゃる方、そういった声もあったというふうに聞いておりますが、今回、料金差額の補填期間を有期にするといったところで、公平性という意味で対応したということでご答弁いただきました。
 次に、工業用水道廃止による料金補填が行われたとしても、中小零細企業のユーザーが多くおられる、そういった企業様には経営面でのさまざまな影響があると考えられます。
 都として、料金補填に加えまして、産業支援の側面からはどのような対応をされようとしているのか、お伺いしたいと思います。

○坂本産業労働局商工部長 都では現在、中小企業の事業運営をサポートするため、経営改善に向けた専門家の派遣や、販路拡大につながる展示会への出展の支援のほか、新技術の開発等の後押しなどを行っております。
 今回の工業用水道の廃止に当たり、そのユーザーの中には中小企業が多く、経営面で生じるさまざまな課題に対応することが必要になると見込まれております。
 都では、そうした中小企業に関して、今後、工業用水道の供給区域内に無料で相談対応を行う窓口を設置して、きめの細かい支援を行ってまいります。

○あかねがくぼ委員 ありがとうございます。ぜひ産業支援の側面から、今後、いろんな課題、相談があるかと思いますが、しっかりと丁寧に対応していただきたいと思います。
 さて、我が会派が要望しておりましたが、工業用水道の廃止を契機に事業経営を終了される、そういった企業については、工業用水道の給水管の撤去費用を都が負担すべきであると考えていますが、見解をお伺いします。

○石井水道局経営改革推進担当部長 工業用水道事業の廃止は、ご利用者の都合ではなく、都の判断で廃止するものでございます。そのため、ご利用者に過度な負担を強いることができないことから、給水装置の撤去に係る費用は都が基本的に負担をすることとしております。
 ただし、敷地内の給水管や附属設備などはご利用者に負担をしていただくことになると思います。

○あかねがくぼ委員 基本的には都が負担をするが、一部はユーザー負担も残るということでございました。こういった問題は混乱が生じないように、しっかりと整理をしていただく必要があると思いますので、その点をご留意いただきたいと思います。
 改めての確認になりますが、支援計画案が適用されるのはいつからになりますでしょうか。

○石井水道局経営改革推進担当部長 支援計画案は、事業廃止に伴うご利用者の経営等への影響を最小限にとどめることを目的としております。そのため、支援計画案の適用時期は、工業用水道条例の廃止と同時期である平成三十一年四月一日となっております。
 また、事業廃止後の利用者の経営等への影響を最小限にとどめることを目的としているため、遡及適用することは考えてございません。

○あかねがくぼ委員 支援策の適用時期は平成三十一年の四月一日であり、遡及適用はしないということでありました。補助金など遡及適用はしないということが通常ですから、公平の観点からも当然であると考えます。
 一方で、事業廃止に伴うこうした支援は税金で賄うことになります。そこで、こうした支援経費も含めて、工業用水道事業を廃止するための全体の経費は幾らになると見込んでおられるのか、内訳も含めてお伺いします。

○石井水道局経営改革推進担当部長 利用者支援に要する経費は、料金差額補填が二百七十四億円、切りかえ工事費用百十二億円で、合計で三百八十六億円となります。また、配水管撤去等に要する経費が八百四十九億円、合わせて一千二百三十五億円となります。
 一方、既存資産の有効利用等による経費の縮減を二百七十億円と試算しており、差し引きで廃止にかかわる経費を総額九百六十五億円と見込んでございます。

○あかねがくぼ委員 ありがとうございます。廃止費用は九百六十五億円ということで、多額の費用を税金で賄うことになりますので、工業用水道のユーザーだけでなく、一般の都民に対しても十分な説明ができるということが必要であると思います。
 このように多額の費用を要しても、支援を含め工業用水道事業を廃止すると判断に至った考えを、改めましてお伺いします。

○石井水道局経営改革推進担当部長 工業用水道事業の廃止に伴う経費ですが、支援に係る経費や配水管の撤去費などで、総額で約一千億円になります。一方、事業を継続する場合は、老朽施設の更新経費など約二千三百億円と、廃止に係る経費の二倍以上となります。
 また、このまま事業を継続した場合、一般会計からの補助金は、現状でも年十億円程度を要しているが、老朽施設の更新を行った場合には、さらに多額となることが見込まれます。
 さらに、利用者に対して経営への影響を最小限にとどめる施策、支援策を講じ、工業用水道事業の廃止について理解を得ることが何よりも重要かと考えております。
 こうしたことから、有識者委員会の提言も踏まえ、経費比較だけではなく、支援の内容、利用者の理解などを総合的に考慮し、事業の廃止を判断するに至りました。
 なお、廃止経費につきましては、施設の撤去費用の縮減を追求するとともに、既存資産を最大限活用するなど経費の縮減にも努めてまいります。

○あかねがくぼ委員 ありがとうございます。廃止費用については、事業を継続する場合の半分以下であるという、そういった経費の面の判断、さらに、それだけではなく、支援策等々を講じることにより、ご納得いただけるということで、やろうということで廃止を判断されたということで理解しました。
 支援計画案には、長期的な観点から、事業廃止後も支援の内容や対象について検証を重ねてまいりますとありますが、この検証見直しに当たっては、ワイズスペンディングの観点から一層のコスト縮減を図るべきと考えますが、見解を伺います。

○尾根田水道局給水部長 撤去費用の大部分を占める配水管につきましては、道路管理者と協議の上、まずは不用になった工業用水道管の中に新しい水道管を挿入し、上水道管に転用することを検討してまいります。また、他のライフライン事業者に対しましても、工業用水道管の活用を働きかけるなど、他用途への再利用を図ってまいります。
 一方、再利用できない配水管も並行して埋設されている上水道管の更新に合わせた撤去や、他のライフライン事業者との共同施工等による撤去を効率的に行ってまいります。
 こうした取り組みによりまして、配水管の撤去費用の縮減を幅広く検討してまいります。

○あかねがくぼ委員 ぜひ、廃止に係る費用の縮減、また、既存資産の最大限の活用を要望させていただきます。
 さて、地下水の問題についてご質問したいと思います。
 そもそも工業用水道は戦後、地下水の揚水量が増大したことにより、区部東部地域の地盤沈下が深刻化したというところから始まった事業であります。
 昭和三十一年、地下水揚水を規制する工業用水法が制定され、この規制に伴い、都内の地盤沈下量は減少をしてきており、昭和五十年以降には工業用水道が供給されている地域においては、地盤沈下は鎮静化をしているということであります。
 そこで、現在の地下水くみ上げに関する規制の内容について改めてお伺いします。

○須藤環境局自然環境部長 都内では、工業用水法及びビル用水法による規制に加え、環境確保条例による揚水規制を実施しているところでございます。
 工業用水法では、区部の八区において、工業用の地下水を、吐出口断面積が六平方センチメートルを超え、二十一平方センチメートル以下の井戸で揚水する場合、一定深度より深い場所に制限をしております。
 ビル用水法では、二十三区において、建物用の地下水を、吐出口断面積が六平方センチメートルを超え、二十一平方センチメートル以下で揚水をする場合、一定深度より深い場所に制限をしております。
 環境確保条例では、吐出口断面積が六平方センチメートルを超え、二十一平方センチメートル以下の場合は、法と同様に、吐出口断面積が六平方センチメートル以下の場合は、一日の揚水量を月平均十立方メートルまでに制限をしております。
 また、工業用水法、ビル用水法、環境確保条例のいずれも、吐出口断面積が二十一平方センチメートルを超える井戸の設置を禁止しているところでございます。

○あかねがくぼ委員 ありがとうございました。そのような現在の規制に関してなんですが、一部の工業用水道ユーザーからは、揚水規制を緩和してほしい、そういった声が上がっているようであります。
 現時点で規制を緩和していくという考えはおありでしょうか。

○須藤環境局自然環境部長 過去、都内において著しい地盤沈下が進行したことから、都では、法の規制に加え、条例による独自の揚水規制を行ってきており、近年、地盤沈下は鎮静化をしております。
 地盤沈下は不可逆的な現象であり、過剰な揚水が行われれば、再び地盤沈下が進行する可能性があることから、現時点においては、現行の揚水規制が不可欠であると考えております。

○あかねがくぼ委員 ありがとうございます。地盤沈下の危険性という点で考えていきますと、現在の揚水規制を緩和していくべきではないということは当然であろうかと思います。
 さて、最後になりますが、今まで工業用水道についてご答弁をいただいてきました。客観的事実等々を踏まえますと、速やか、かつ丁寧に廃止に向けてプロセスを進めていただきたいと考えております。
 工業用水道事業の廃止に伴います利害関係者につきましては、工業用水ユーザーだけではございません。ユーザーへの配慮が必要ということはいうまでもありませんが、同業者で上水道を利用されている企業、また、地下水問題については、地盤沈下の危険性のある地域にお住まいの住民の方など配慮が必要な方がいらっしゃいます。
 そういった意味で、行政としての公平性、そしてバランスのとれた対応を改めてお願いいたしまして、私の質問を終了いたします。
 ありがとうございました。

○宇田川委員 地下水揚水による地盤沈下の防止のため、工業用水道事業が行政施策として開始された。私はこの間、何度も委員会、本会議でこの話をしてまいりました。工業用水道と地下水は切っても切れない議論であります。先ほども話がありましたから、ユーザーからも、廃止するならば揚水規制を緩和せよと、多くの声が寄せられています。
 まずは、大前提である地下水のあり方について環境局に伺ってまいります。
 環境局は、地下水保全と適正利用の検討を長年にわたって行ってきております。また、地下水対策検討委員会が開催をされて議論されているとも聞いております。災害拠点病院でのモニタリング、データ不足を補うための工水事業者への協力要請、観測井、井戸ですね、このデータの解析、こうしたことをもとに検証していくことになっておりますが、モニタリング等の実施はどのように行われてきたのか、まずお伺いします。

○須藤環境局自然環境部長 都は、地下水の実態把握の取り組みの一つとして、地下水揚水モニタリングを検討してまいりました。これは、病院の敷地に観測用の井戸などを設置し、現行揚水規制の上限を超えて地下水をくみ上げた場合の地下水位などを長期的に観測することを目的としたものでございます。
 計画では、まず公益性を有する都立、公社病院で実施し、その後、地下水対策検討委員会での検証を経て、工水ユーザーも含めた民間事業者へ拡大していく予定でございました。
 しかし、これを工業用水法の指定を受けている八区に説明したところ、地下水の実態把握の必要性については理解が得られたものの、民間事業者への拡大については慎重な意見が示されました。
 その後、都立、公社病院での実施を進めるに際しての地元調整において、区部低地部での揚水モニタリングの実施について、一部の区から改めて強い反対意見が示されたため、区部低地部の病院での実施は見合わせております。

○宇田川委員 理由はどうあれ、予定したとおりに進んでいないということであります。
 ことしの七月に先ほど申し上げた地下水対策検討委員会が開かれて、ここにおいてモニタリングデータの検証を行う予定となっていたと聞いております。その検証結果をお示しいただきたいと思います。

○須藤環境局自然環境部長 当初の計画では、二十九年度から都立、公社病院での揚水モニタリングを開始し、約一年間で得られたデータを三十年七月に地下水対策検討委員会で検証する計画でございました。
 しかし、現在、区部低地部での揚水モニタリングを見合わせており、データが十分ではないことから、検証を行うには至っておりません。

○宇田川委員 一問目と二問目と聞いてきましたけれども、残念ながら計画どおりに進んでいなかったために、検証も行われずにここまで来てしまったというご答弁がございました。
 当然、引き続きモニタリング調査を行ったり、それをもとにしたデータの解析や検証を行っていくことだと思いますけれども、現状において、今後の地下水揚水のあり方、すなわち地下水規制、揚水規制ですね、継続されるのかどうか、局長にご答弁いただきたいと思います。

○和賀井環境局長 地下水は国民共有の貴重な資源でございまして、古くから生活用水や農業用水に利用され、日本の各地の産業を支えるなど、社会と密接にかかわってまいりました。
 一方、都においては、地下水利用は水循環や地盤に大きな影響を及ぼし、特に区部低地部においては過去に甚大な地盤沈下を引き起こしたため、昭和三十年代から揚水規制が実施され、現在では地盤沈下は鎮静化し、地下水位も回復しつつありますが、局所的には地盤収縮などの課題が残っております。
 このような地下水利用の恩恵とその影響に向き合い、甚大な地盤沈下を経験した過去の経緯と持続可能な地下水の保全と利用という今日的要請を踏まえ、地域住民や自治体、事業者など関係者の理解と納得を得ながら、地下水の保全と適正利用の調和を図っていくことが重要だと認識しております。
 このため、今後とも現行の揚水規制を継続しながら、まずは未解明な部分の多い地下水の実態把握に努めてまいります。

○宇田川委員 今、最後に、未解明な部分の多いと、地下水の実態のお話がありました。
 先の話で恐縮なんですが、それでは、どういった解析をして、どのような検証結果が得られたならば、規制緩和がされていく予定なのか。つもりのお話で結構ですが、どういう検証結果が得られれば規制緩和されるのか、見解をお伺いします。

○須藤環境局自然環境部長 国の水循環基本計画においては、水が国民共有の貴重な財産であり、公共性の高いものとして、地域における合意形成を図りつつ持続可能な地下水保全と利用を推進するためには、地下水の利用や挙動の実態把握などから始める必要があると示されております。
 地下水の存在する地下構造は多様性に富んでおり、特に東京の地形、地質は複雑であるため、地下水の実態は未解明な部分が多くございます。
 そのため、まずは、さまざまな科学的データを収集、蓄積し、地下水の多様な実態を把握していくとともに、有識者で構成される地下水対策検討委員会に諮りながら、十分に時間をかけて丁寧な検証を行ってまいります。
 その上で、地域の多様な関係者と時間をかけて議論を重ね、地下水の保全と適正利用に向けた合意形成を図っていく必要があると認識をしております。

○宇田川委員 今、科学的データの収集が足りないのでなかなか検証に至らないと、こういう話があったんですが、仮にデータが蓄積しました、集まりました、そうした中で、現在我々が持っている人間の科学的知見において、これをもってして、どこまで実態把握が可能となるのか、ちょっと私にはよくわかりません。
 つまり、将来に向かって、どういう予想がなし得るのか、予想がつくのかどうなのか、ちょっと教えていただきたいと思います。

○須藤環境局自然環境部長 都は平成二十九年度から、地下水の揚水が地下水位や地盤に与える影響について、環境科学研究所や学術機関とも連携し、都内四十二カ所で継続して観測している地下水位と地盤変動のデータや都内の揚水量のデータなどを用いて研究を進めているところでございます。
 しかし、東京の地下水の実態は未解明な部分が多いことから、さまざまな実態把握を積み重ねていく必要があり、現時点において将来予想について明言することはできない状況でございます。

○宇田川委員 先ほど来いろいろお話を聞いていて、未解明な部分が多いというところが非常に出てきて、冒頭に申し上げたんですが、工業用水道事業と地下水というのは切っても切れない、表裏一体みたいな関係だと私は思っているんです。
 それで、先ほど午前中に先生に来ていただいて、やりとりをしていただいて、大変貴重なご意見をいただいたと思っていますが、その委員会に何で地下水の専門家が入らずに検討ができたのか、私は不思議でなりません。どういう理由で、地下水の専門家、水文学だとか、地政学だとか、いろいろあると思いますが、水道局の見解をお伺いします。

○中嶋水道局長 二十六年の包括外部監査を受けまして、この有識者委員会というものができたわけですけれども、そのときには包括外部監査の指摘が、経営状況が非常に思わしくないということで、直ちにこの存廃というものを含めて検討すべきだという指摘を受けたことから、有識者委員会が立ち上がったというふうにしておりますので、その背景の中で経営状況ということを主に検討するという目的で、有識者委員会の検討メンバーが選ばれたのではないかというふうに考えております。

○宇田川委員 今、局長が平成二十六年の外部監査を受けてという話があった、その十年前に既に受けていて、何もやっていなかった。先ほど参考人の先生がおっしゃった、何もやっていないじゃないかという議論、後でさせていただきますので、環境の話をまず整理をさせていただきたいと思います。
 地下水の関係の中で、国とか法律との関係も、当然、整合性を持って環境局としては対応していただいていることだと思っています。
 工業用水法第一条の目的には、工業の健全な発達と地盤沈下の防止に資する、こう明記されています。また、指定地域が定められております。工業用水道の廃止が指定地域の解除につながるのではないか、私は下町の人間なので、非常にそれを危惧しているわけでございますが、環境局の見解をお示しください。

○須藤環境局自然環境部長 工業用水法では、地域指定の要件は定められておりますが、解除の要件は定められておりません。
 ただし、工業用水法第三条第三項では、国が地域指定の改廃をしようとする場合には、対象でなくなる地域の都道府県及び区市町村長の意見を聞かなければならないとされております。
 また、環境省の担当者からは、区部低地部について引き続き地盤沈下のリスクがあるという検証結果がある以上、沈下しないというエビデンスがない中では、直ちに地域指定の解除という考え方はとりにくいとの意見を聞いております。
 都としては、工業用水道を廃止する場合にも、引き続き地域指定を継続するよう、国と調整をしてまいります。

○宇田川委員 今、部長の答弁の最後に、国と調整をしていくと、こういう話がございました。この工業用水道廃止の方向性が示されたのは、はっきり示されたのは、さっきいった平成十六年の包括外部監査の時点だと思っています。
 そこから十四年たっているんですけれども、この間、環境局として、環境省等々、国などの関係省庁と協議をしたことはあるんでしょうか。先ほど国と調整をしていくというご答弁があったので、ぜひこのこともお聞かせください。

○須藤環境局自然環境部長 昨年の十月以降、事業を廃止する場合の工業用水法の地域指定の取り扱いなどについて、所管省庁である環境省と相談はしてきております。この中で、都としては、地域指定を継続してほしいとの考えを伝えているところでございます。

○宇田川委員 先ほど申し上げましたが、この工業用水道事業が仮に廃止されたときに、地域指定を外れるということを私は大変重く受けとめているし、そうなってほしくないと思っています。
 国の法律と、都の条例と、いろんな位置づけがあると思いますけれども、国の網かけが全く外れた中で、都条例があるからいいじゃないか、そういう議論では私はないと思っているので、ぜひしっかりと調整をしていただいた中で、地域指定が守られるように努力をしていただくことをお願いを申し上げたいと思います。
 今、環境局とやりとりを続けさせていただきました。現在から、そして将来にわたっての地下水の状況とか、動向とか、規制緩和に向けた動きであるとか、今、法との整合性、そして、国との協議、いろいろ伺ってきたんですが、大体が不明確、不確定、流動的と、こういう結論で、ましてや先行きというのは全くわからないということが--わからないということがよくわかりました。
 さっき、井手先生からも、地下水のあり方が大前提で検討したと、こういう話もございました。不明であることが前提になっているということは、私自身は甚だ疑問に感じているところでございます。
 さて、そのわからないことがわかった前提の上に立って、水道局を中心に伺っていきたいと思っております。
 第二回定例会で知事が所信表明を行いました。第三回定例会で条例案が提出をされたわけでございます。東京都は一体いつ、誰がこの廃止の決定をなされたのか。もし何かの会議体で結論を出されたのなら、そのことも含めてお答えを明快にいただきたいと思います。

○中嶋水道局長 平成三十年六月、工業用水道事業のあり方に関する有識者委員会から廃止の提言がなされたことを踏まえまして、ただいまお話がありましたように、第二回定例会におきまして事業の廃止に向けた動きを進めることを表明いたしました。
 その後、関係局により構成される庁内検討会での検討を重ねた上で、八月の三十日、要求資料の中にもございますけれども、担当の長谷川副知事、また私、水道局長、また武市財務局長、また両局の担当部長を交えまして、知事のもとで事業の廃止及び支援計画の素案について説明を行い、知事が決定をいたしました。
 さらに、この支援計画の素案に基づきまして、個々の工業用水道利用者へ一件一件個別に説明を行い、利用者からの意見を踏まえた上で、九月十二日、工業用水道事業の廃止及び支援計画(案)を取りまとめ、公表したところでございます。

○宇田川委員 三十日にその会議があって、そこで副知事を先頭に決定をし、知事の了承を得たということで、これは八月三十日に知事が決定をされたということでよろしいんですね。ノーなら答弁は要りません。逆だ。ノーなら答弁をください。イエスなら要りません。八月三十日に知事が決定したということでよろしいですね。--はい。
 八月三十日に決定をし、二週間後の十二日に支援計画を決めた。九月十二日って、第三回定例会の告示日ですよ。何が何でも三定で上げなきゃいけないんだと、こういう思いがひしひしと伝わってくるんですけれども、私には、どうしてこんなに焦ってやっているのか理解ができません。
 知事の所信表明でも触れられていた、先ほどお見えいただきましたが、有識者委員会でありますが、その報告の内容とは異なる支援策となりました。四、四、四、八が、四、六、十と変わってきたということでありますね。委員会報告をどの程度生かされているのか、どの程度尊重されていたとお考えなのか、お答えください。

○中嶋水道局長 有識者委員会の報告につきましては、老朽化した施設の更新のコスト負担ということと、あと、その経営状況が非常に厳しいと、収入が非常に減ってきているということを踏まえまして、存続か廃止かということを決断するべきだという背景の中で、更新した場合の経費、また、廃止した場合の経費などを比較考量しまして、これは廃止すべきだという提言をいただいたところでございます。
 東京都としましては、この廃止をすべきという提言に基づきまして、その支援策の考え方、その料金補填の期間の考え方、工業用水のユーザーをどうすべきか、あるいは雑用水のユーザーをどうすべきかという考え方を踏まえまして、この有識者委員会の報告に基づいて、ユーザーのもとを一件一件回りまして、ご意見を拝聴したところでございます。
 その結果、先ほどご説明がありましたように、この支援期間では短いというような意見が過半数を占めましたので、ユーザー、利用者の方の支援というものを第一に考えまして、今回このような支援策を有識者委員会の提言の延長よりも長い支援計画を提示させていただいたところでございます。

○宇田川委員 さっき、あかねがくぼ委員からのご質問で、何で十年なんですかといったときに、何で十年かという根拠は、石井部長は答えられませんでした。なぜかよくわかりません。
 代表質問答弁、さきの我々の第三回定例会、幹事長の代表質問が行われましたが、この答弁の中では、指定地域の取り扱いについては、今後協議していくとの答弁がありました。つまり、今まだ、これから先に協議していくということは、つまり現状では不確定であるということでよろしいんですか。

○中嶋水道局長 先ほどの環境局の答弁にもございましたように、現在の工業用水法、工業用水道事業法におきましては、工業用水道事業を廃止した場合に指定解除がどうなるかという明文の規定がございません。
 そのため、国の方も、都が廃止の決定をした後、これにつきましては正式に協議をしようということで見解を得ておりまして、そのようなご答弁をさせていただいたところでございます。

○宇田川委員 環境局と同じお話を伺ったんですが、両方ともまだ不確定であるということがわかりました。
 水道局にも法とのかかわりについてお尋ねをさせていただきます。
 工業用水法第一条、その地域における工業の健全な発達に資すると書いてあります。工業用水道事業法第一条、工業用水の豊富低廉な供給を図り、もって工業の健全な発達に寄与する、こう明文化されています。工業用水法も、工業用水道事業法も、その第一条の目的において、工業の健全な発達、こう明記をされているわけであります。
 主にこの二つの法に基づいて整備されたのが、この工業用水道事業でありまして、だからこそ、この二つの法に基づいて、既に百十七億円もの国庫補助金を受領しております。これ、計画どおりに廃止をしたら、十七億だったかな、返還すると載っておりましたけれども、現在、既に百十七億円の国庫補助金をこの法に基づいて受領している、これは事実であります。
 しかし、今申し上げた法の目的、趣旨、私は外れることになるのではないかと心配しています。有識者委員会においても、経営支援、技術支援も含め影響を最小限にとどめるべく十分な支援をすべきと、提言がうたわれたわけであります。示された支援策では、事業継続できないという声が多数あります。
 工業用水道事業の廃止は、法に定める工業の健全な発達、私は妨げになっている、そう感じています。法との整合性について水道局の見解を伺います。

○石井水道局経営改革推進担当部長 工業用水道事業は、工業用水法及び工業用水道事業法の二つの法に基づき実施されております。工業用水法は、工業の健全な発展と地盤沈下の防止に資するため、また、工業用水道事業法は、工業用水の豊富低廉な供給を図り、工業の健全な発展に寄与するため、制定されております。
 こうした目的を踏まえ、都では、地盤沈下の抑制に向けた、地下水揚水規制に伴う行政施策として、工業用水道の供給を開始したところでございます。
 都の工業用水道事業の廃止に当たりましては、両法が規定する工業の健全な発達を十分に踏まえ、上水道への切りかえにより、利用者が必要とする水量を十分に確保するとともに、切りかえによる利用者の経営等への影響を最小限にとどめるため、利用者の声を一件一件聞いた上で、今回、都としての支援計画案を取りまとめたところでございます。その意味から、法の趣旨には反していないものと考えております。

○宇田川委員 今、部長の答弁の中で、私がいったことが繰り返されて述べられました。経営等への影響を最小限にとどめるためとおっしゃいました。私はさっき、このことが起こったときに、廃業せざるを得ない業者が多数あるという意見があるということを耳にしております。
 この継続できないユーザーがいることも踏まえて、経営等への影響を最小限に抑えている、そんな認識があるとしたら、とんでもない話ですよ、これは。
 次に、他都市、他団体との比較を行ってまいりたいと思っております。
 現在、工業用水道事業を運営している団体は全国で百十五、そのうち地盤沈下防止の代替策として、工業用水道事業を始めたのが十三団体あると聞いております。
 総務省の資料によりますと、地盤沈下対策として工業用水道を開始した十三団体のうち、経営戦略を策定済みが八件、取り組み中、もしくは未着手ではあるが策定予定が決まっているというのが四件、つまり十三のうち十二はそうなっている。東京都以外は経営戦略を立てて、今後の対応をしていくこととなっているんです。
 都は、どういった戦略のもとに今後の対応をなすつもりだったのか、水道局の見解を伺います。

○石井水道局経営改革推進担当部長 都の工業用水道事業は、工業用水の給水件数が大幅に減少するなど事業環境が悪化する中、浄水場を四カ所から一カ所に統廃合、職員数をピーク時の二百十三名から七名に削減、四回にわたる料金の増額改定など、不断の経営努力を継続的に実施してまいりました。
 また、平成九年度からは、三年または四年を期間とする財政計画を定期的に策定し、計画的な事業運営を行ってきたところでございます。
 平成十六年度に包括外部監査からの意見を受け、事業の廃止などを含めた抜本的な経営改革について、庁内検討会や外部有識者による委員会での検討を進めているところであったため、この間につきましては、経営戦略を策定する状況になく、その旨は総務省にも報告しているところでございます。

○宇田川委員 今、答弁を聞いていると、いろんな対策を我々はしてきたと、こんなふうに聞こえました。
 その上で、平成十六年度の包括外部監査を受けて、事業の廃止などを含めた抜本的な経営改革について云々ってお話がありましたけれども、先ほど委員長の井手先生は、抜本的な改革はなされていない、先送りしただけ、こうおっしゃっていました。どっちが正しいのか知りませんが、私はそっちを信じております。
 施設の老朽化対策については、どの団体でも頭を痛めていることだと思いますよ。東京都においても、水道の中でも上水道、下水道管、都営地下鉄もそうでしょうし、例えば、道路とか橋梁とかいろんなところで、都市インフラも含めて、当然に老朽化対策というのはどこでもやってきているはずですよ。取り組んできています。
 工業用水道事業を運営している、先ほど申し上げた東京都を除いた十二団体、地下水揚水防止のために工業用水道事業を開始した十二団体、その他都市での取り組み状況をお示しください。

○石井水道局経営改革推進担当部長 手元の資料によりますと、委員からの事業体数と若干異なるところがあるんですが、全国の工業用水道事業を経営する百五十五の事業体において、他会計からの補助金を除いた損益収支が黒字であるのは百十一事業体、収支均衡が二事業体、赤字が四十二事業体でございます。
 また、利用者の内訳としては、都の工業用水道事業では、工業用水利用者が三四%、雑用水利用者が六六%である一方、有識者委員会報告書で比較が行われている他都市のうち、埼玉県、大阪府、大阪市では、工業用水利用者は約七割、雑用水利用者が三割程度となっております。

○宇田川委員 私は他都市での施設更新等々の取り組みの実例を示してくれといったんだよ。全然答弁が違うよ。時間戻してほしいよ。お願いします。

○中嶋水道局長 失礼いたしました。地盤沈下の防止を目的として工業用水道事業を開始した横浜市や大阪市など十二の事業体のうち、十一の事業体が施設の更新計画等を策定しております。
 これらの事業体では、施設の老朽化の状況などを確認しながら、適切な維持管理と計画的な更新を実施しております。

○宇田川委員 十一の自治体が維持管理と計画的な更新を実施していると。局長答弁になるとは思いませんでしたが、大阪などでは、赤字をきちっと見据えた中で、この更新に着手しているんですよ。都と明らかに対策が違っているということなんですね。
 では、東京都は事業継続のための施策は何か行ってこられたのか伺います。

○石井水道局経営改革推進担当部長 都の工業用水道は、広範なエリアに利用者が点在し、配水管の管理延長が長いなど、他都市と比較しても構造的に厳しい経営状況にございました。
 さらに、工業用水の給水件数が大幅に減少するなど事業環境が悪化する中、浄水場を四カ所から一カ所に統廃合、職員数をピーク時の二百十三名から七名に削減、四回にわたる料金の増額改定など、不断の経営努力を継続的に実施してまいりました。
 また、平成九年度からは、三年または四年を期間とする財政計画を定期的に策定し、計画的な事業運営を行ってきたところでございます。
 平成十六年度に包括外部監査からの意見を受け、事業の廃止などを含めた抜本的な経営改革について、庁内検討会や外部有識者による委員会で検討を進めてきたところでございます。

○宇田川委員 さっきと全く同じ答弁で、自分たちはしっかり取り組んできているんだと、そういうことがいいたいんでしょうかね。
 料金収入の減少、老朽化は、きのうきょうわかったことじゃないんですよ。施設新設の時点から、もうその次の日から老朽化は始まるんです。昭和四十九年、日量三十四万九千立米のピーク、でも、この七年後の昭和五十六年にはピークの二分の一になっているんです。今から四十年以上前に、その傾向は明らかにわかっていたんですよ。
 先ほども、井手先生も、なぜ手を打ってこなかった、こういう話をなされました。無策といわざるを得ない。
 改めて伺います。なぜ過去から今に至るまで更新計画等がなされていなかったのか、改めて伺います。

○中嶋水道局長 まず、工業用水道の老朽管についての更新につきましては、水道管のような年次計画というものをきっちり立てましてつくるというよりは、老朽化によりまして、かなり漏水の危険があるというところにつきましては、これまでも、その都度その都度、更新の事業をしてきたところでございます。
 そういったものを積み重ねまして、これまで老朽化した老朽管につきましての維持管理、安定的な運営に努めてきたところでございます。
 また、先ほど部長がご答弁しましたが、そういった中でさまざまな経営努力を行いまして、今日までこの事業を運営してきているという状況でございます。
 東京都の工業用水道の特徴といいますのは、ご案内のように、かなり広範なエリアの中で事業者が点在していらっしゃると。また、地下水の揚水規制もあるかもしれませんけれども、やはり工業の立地規制というものもございまして、いろいろ工場が都外に移転していったというような背景で、そもそも利用者の方々がそういった理由でどんどん都外に出ていったというような状況もございます。
 一方で、他の自治体の多くは、やはり工業団地という集積したところに工業用水道事業を実施いたしまして、かなり効率的に行っている、環境で行っている自治体も多いということもございますので、東京都の工業用水道事業のもともとの特殊性というものも、その特殊性に全て責任を帰すわけではないんですけれども、そういったところから出発しまして、今日まで五十余年にわたりまして運営してきたという点につきましては、ぜひご理解いただければというふうに考えております。

○宇田川委員 局長がいろいろ一生懸命答弁されたので、一部はご理解を申し上げます。
 じゃあ更新の計画は、そういういろんな事情がある、延長距離が長いだとか、今、工場が減ってきたとかいう理由はわかりました。だからこそ、更新には至ることができない--百歩譲ってですよ。じゃあ無理だとわかっていたなら、廃止に向かうつもりだったのならですよ、いいですか、よく聞いてくださいね。だとすれば、廃止後の施設撤去費用、さっき八百億円余りというお話がありましたが、水道局は、この八百億円の留保に努めるべきだったんじゃないんですか。
 しかし、このことも一切行われることなく、計画されることもなくですよ、このたび一般会計で処理するというのは、私は都民が納得することだとは思えません。一千億に及ぶ税金ですよ。特別会計そのものにまで私は疑問を生じざるを得ない。先ほど都の怠慢だという話がございました。なぜ今まで留保することもなく、無策のまま放っておかれたのか、局長に伺います。

○中嶋水道局長 お話しの留保といいますのは、工業用水道事業会計の中での留保財源の確保という努力を怠ってきたのではないかというような形で受けとめさせていただきますけれども、ご案内のような、かなり毎年赤字経営ということで、一般財源の補填がなくしては成り立たないという状況が長年続いてまいりましたので、その留保財源の確保というところまでの余裕はなかったという経緯は確かにございます。
 そういった意味で、平成十六年、二十六年、二度にわたりまして包括外部監査の指摘を受けて今日に至っているわけでございますけれども、やはりそういった存廃についての経営判断というものを早急にすべきだという中で、今回の有識者委員会の提言ですとか、これまでもユーザーのアンケートというものを行ってまいりましたが、我々としましては、廃止に向けた動き、これを具体的にどうしたらいいのかと。そのためには、やはり支援策というものをどう充実すべきかという点にある程度かじを切りまして、今日までこの工業用水についてどうするかということを検討してきた状況でございます。

○宇田川委員 いろいろご答弁されましたけれども、今まで私が聞いてきたトータルを考えて、そういうことを聞いているんじゃないんですよ。平成十六年以前も全く手をつけず、それ以降の十四年も全く手放しで、放りっ放してきたんですよ。その結果が今いった話になっているんじゃないですか。
 平成十六年以降、何をしたとか、そういう話じゃないんですよ。工業用水道事業が始まった時点から、こういう計画というのはつくっていくのは当然のことでしょうよ。そうじゃないんですか。水道事業もそうでしょう。工業用水道事業だって同じですよ。その尻拭いで一般財源を入れるということですよ。
 この無策で今まで来たことを都民やユーザーに転嫁するつもりですか。そんなことは許されませんよ。そういう批判も今後出てきますよ。地下水のあり方とともに、工水のあり方を検討してきたはずなのに、現状、先ほど来、答弁を聞いていますが、不明確なことばっかりで、なぜこの結論が出せたのか、私は不思議でなりません。
 廃止と更新の二択で、廃止の方が費用がかからないから、これ、そんな単純な話じゃないんです。ユーザーの理解、了解もしっかりと得られないまま、国との協議もまだまだ結論が出ていない状態で、先が見えずに廃止だけ決定して、真の議論はただ先送りにする、そういうふうに私には見えます。
 こうした無責任な対応は、行政も政治も許されるものではないと私は思っています。まだまだ議論は尽きないんですけれども、私に与えられた時間が過ぎてしまったので、改めて財政委員会でも、この続きのやりとりをさせていただきます。
 以上です。

○中山委員 初めに、先ほどございました参考人質疑を踏まえての感想を若干いわせていただきたいと思います。
 一つは、公平性、競争の原理というお話がございました。とても大事な視点であったかと思っております。
 ただ、団体でまとまって工業用水を使っている、そういうユーザーの団体もございますし、その団体が工業用水を使えなくなってしまうということは、その団体そのものが、業種がなくなってしまうという危惧につながるわけでございまして、全ての業種が工業用水のユーザーと、そうじゃないユーザーから成っているというわけではございません。
 また、質屋さんの話もございました。例えば皮革というような業種は--質屋さんはほかに金融業というのがございますから、残念なことですけれども、質屋さんがもし廃業されていくということになれば、ほかの金融業でも可能かもしれませんけれども、皮革というところは皮革全体として工業用水を使っていますので、そこがなくなってしまうということは、他に代替がきかないということもございます。
 兵庫県では、皮革関係の工業ユーザーに対して補助金を出しておりますけれども、東京都は不交付団体ですから、不交付団体ということで、そういう補助金を使うこともできない状況にある。それは皮革団体、皮革のユーザーとは関係のない話なんですが、そういう状況にございます。
 全国的に見た場合に、やはり何をもって公平性とするかとか、何をもって競争原理とするかというのは、単純なことではいえないんだろうと思います。
 また、工業用水を廃止する際に、ユーザーとそうじゃない方との公平性とか、お話がございました。しかし、もともと赤字だから、今回廃止の話が出てきたわけですけれども、赤字でなければ、今後も存続していたわけですよね。そうなってきたときには、工業用水を使うユーザーと工業用水を使わないユーザーとの問題というのがずっと存在していたわけであって、廃止することになって支援策を考えるから、急に出てきた話ではないわけです。
 そういう面では、根本的な、工業用水を使わないユーザーの方々のご理解とか、そういうことは考えなければいけないけれども、工業用水を誕生させたときには考えなかったそういう公平性の話を、支援のスキームを考えるときにだけ持ち出してきて、少し金額を渋るみたいな話は、非常にご都合主義的なところもあるのかなという気がいたします。
 それからあと、更新費用の上乗せの問題ですけれども、全体的な議論として、仮にですけれども、今後もやっていく場合には、ユーザーの負担に上乗せすると。それで、平均で五倍であるとか、八倍であるとか、最高十数倍であるとか、そういうようなお話もございました。
 けれども、そもそも初期費用の段階では、ユーザー負担ということで考えて割り返していたら、工業用水の利用料金というのは物すごい高い金額になっていたんだろうと思います。更新のときにだけそれを持ち出してくるというのは、これはいかがなものかなと。
 もちろん、全体としてのバランスというものは考えなければなりませんけれども、初期費用に比較して更新費用は安いという前提というのはほとんど成り立たない。かなり、更新費用というのはいろいろなものでもかかるわけでございまして、それをどう組み立てていくのかということは、やはりトータルの問題として考えなければいけない話だろうと思います。
 それから、据置期間や、あるいは切りかえ期間、あるいはその後の差額支援の期間についての期間の問題もございました。通常は三年、五年だけれども、有識者委員会では四年と八年にするということでございました。
 八年と、東京都の案で出てきた十年と、私はそんなに差がないような気がするんですけれども、そもそも、じゃあ、三年、五年とか、四年、八年というのは、どういったところの算定根拠なのかなというと、お話としては、余り科学的な算定根拠のお話は参考人からお伺いできなかったと思っております。
 過去の例として三年、五年が通常ですよとか、せいぜい頑張ってもこれぐらいでしょうみたいなお話で、中には、有識者委員会で出した十年と、東京都が出した二十年と、間をとって十五年ぐらいでどうでしょうかみたいな話もございましたけれども、非常に、いってみれば、失礼かもしれませんけれども、大ざっぱな話なんだなというふうに思いました。
 もちろん、この算定根拠をきちっと出せることが一番望ましいかもしれませんけれども、最終的には、ユーザーの方々や都民の方々に理解をいただいて、ご納得をいただけるためのものでありまして、そういう面では、これからしっかりとさらに議論を交わしていきたいというふうに思っております。
 それから、抜本的な改革を早目にやっていればもっとよかったんだという話もございました。すばらしいご意見だなと思いましたけれども、じゃあ早目の段階で抜本的な改革は何ができたのかということについてのご示唆はちょっといただけなかったので、料金の話もございましたけれども、国の規制があってなかなか料金は難しいんだというお話は頂戴しましたけれども、できれば、抜本的な改革というのはどういうことなのかと、どういう選択肢があったのかということをお伺いしたかったところではございます。
 さらに、都民の理解ということでございますけれども、都民の理解という点では、やはり一番大事なことは、存続をしていくのか、廃止に向けて、支援は伴うけれどもやっていくのか、この二つについて、やはり都民の理解をいただかないといけないと。
 支援そのものについてということになると、なかなか理解していただくということも大変かもしれませんけれども、もちろんそこも大事なことです、ただ、それ以前に、存続していくのか、支援に向かっていくのかということについて、都民の理解を得ていくということは非常に大事な視点であって、それを都としては強調してやっていくべきだというふうに思っております。
 その上で、井手先生からは、現時点では、廃止か存続の二者択一しかないというお話も頂戴しました。また、待ったなしの状況であるというようなお話もいただきました。そして、一度打ち出した支援計画といいますか、そういうスキームは、途中で見直すべきではない、切りかえるべきではないというお話も頂戴しました。また、差額補填だけではなくて、経営改革に向けた、企業の、ユーザーの経営体質の改革に向けた指導も必要であると、お話も頂戴しました。そして、地域の産業がなくなってしまうというのはだめであると。中小企業が八〇%を超えている工業用水のユーザーの視点というものも強調してございましたし、また、工業用水を廃止した場合に、地下水に戻せる地域と戻せない地域の間においては、支援のあり方の内容はおのずと変わってくるという意味でのお話も頂戴したところだと思います。
 いずれにしても、しっかりとした、先生方が議論していただいて、たたき台となる有識者委員会の案をつくっていただいたということを改めて確認できたわけでありますけれども、そうした事柄を踏まえて、私、これから、若干でございますが、質疑をしてまいりたいと思っております。
 まず一つは、東京富裕論がある中で、赤字だから廃止というだけでは、なかなか都民も周辺の方々も納得していただけない。そういうことについて、どういうふうに説明していくのか、ご答弁いただきたいと思います。

○初宿財務局経理部長財政企画担当部長
オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 いわゆる東京富裕論は、東京の大都市特有の膨大な財政需要などを一切顧みることなく、税収規模などの一面だけを取り上げ、東京が富裕であるとの主張を展開する極めて乱暴な理論でございます。
 こうした中、工業用水道事業については、工場の都外移転等に伴う需要の落ち込みに伴い、料金収入は長期的に減少傾向にあり、工業用水道事業の経営を安定的に維持していくためには、毎年度、一般会計からの繰入金を必要とする厳しい経営状況にございます。
 さらに、事業開始から既に五十年以上が経過している都の工業用水道は、施設の老朽化への対応は待ったなしの段階にあり、平成三十年代に入り、急速に漏水の危険性が高まる状況にございます。
 加えて、広範なエリアに利用者が点在し、配水管の管理延長が長いことなどから、老朽施設の更新には約二千三百億円にも上る膨大な費用を要する見込みでございます。
 このように厳しい事業運営上の課題が顕在化してきたことから、利用者の皆様の声を丁寧にお伺いしながら取りまとめた支援計画案の策定とあわせて廃止することといたしました。
 このたび、事業廃止に伴い九百億円を超える額を要する見込みでございますが、都は、このほかにも、少子高齢、人口減少社会の到来への対応や大規模災害への備えなど、避けることのできない膨大な財政需要を抱えております。
 国は、こうした東京の事情をしんしゃくせず、平成三十一年度税制改正において、地方法人課税の新たな偏在是正措置を講じようとしておりますが、都民生活を脅かす国の動きに対しては、しっかりと都の主張を展開してまいります。

○中山委員 その上で赤字を改善するための最善の努力をどう工夫してきたかお伺いする予定でしたけれども、既に答弁がございましたので、時間もありません、私、長々としゃべりましたので、時間もなくなってまいりましたから、飛ばさせていただきます。
 後で局長にお伺いしますけれども、なぜ今、廃止をしなければならないのか、この点について水道局長にお伺いしますが、その前に、工業用水利用者のうち、実は工業用水道との契約を打ち切りたいなと望んでいながら、そうできない事情を抱えていた方々がいると私たちは聞いております。
 打ち切りたいのに打ち切れないでいる、その方々の理由とその数というものについてお伺いをしたいというふうに思います。

○青木水道局浄水部長 通常の手続におきまして、工業用水道の使用を取りやめる届け出が利用者から提出される以外には、工業用水道の取りやめの意向を把握することはできません。
 なお、利用者の中には、実使用水量をもとに試算をいたしますと、上水道に切りかえることによりまして料金が安くなる利用者が存在をいたします。こうした利用者が必ずしも工業用水道の使用の取りやめを望んでいるかは不明でございますが、その数は、工業用水利用者が三十九件、雑用水の利用者が七十三件、合計で百十二件となってございます。

○中山委員 そういう方々にとってみると、廃止という決定を早目にしていただければ--自分で廃止する場合には、管路の撤去費用とかも自分で出さなきゃいけません。契約打ち切りする場合には、管路の撤去費用を自分で出さなければいけないけれども、東京都が工業用水の廃止方針を打ち出すのであれば、その支援の可能性も出てくるという、その期待はあるんだろうと思います。
 ただ、そうした方々への対応を先にやっておけばいいんじゃないかというお話もあると思うんですけれども、そうした方々が契約を打ち切った場合にどういう収入減になっていくのか、教えていただきたいと思います。

○石井水道局経営改革推進担当部長 上水道に切りかえた方が料金が安くなると見込まれる利用者からの工業用水道料金収入は、年間で約三千四百万円でございます。切りかえ初年度にもし全件切りかえ工事を実施した場合には、この分が減収となるということになります。

○中山委員 廃止決定をせず、そういった方々への対応だけしたとすると、どんどんまた、じり貧の状態が続いていくということだと思います。
 そもそも、一般の都内の中小企業におかれても、経営者の交代とか、そういった時期というのは、経営者の高年齢化とかさまざまな事情からございます。そうした事柄もあって、先ほど来出ている工業用水道の利用者の減少というのが続いているんだと思うんですけれども、近年の工業用水道利用者数の傾向を踏まえますと、料金収入に与える影響は今後どうなっていくのか、その辺を教えていただきたいと思います。

○石井水道局経営改革推進担当部長 平成二十四年度末から二十九年度末までの五年間における工業用水利用者の増減を平均しますと、年間六件の減少となっております。
 仮に、同様の傾向で工業用水利用者数が推移すると試算しますと、料金収入は年間で約千二百万円減少することになります。

○中山委員 トータルで六件ずつということですけれども、内訳として、出入りが普通はあるはずですから、新規の利用者、加入者というのは最近どのぐらいあるのか教えていただけますか。

○青木水道局浄水部長 工業用水道事業におきまして、過去五年間で給水管を新設した新規の申し込みは三件でございました。

○中山委員 全くゼロではないというところが驚きな気もしますけれども、実際には加入者と廃業、やめていく方々との差というのがずっと続いているという状況で、じり貧の状況にあることは、お伺いしたとおりだと思います。
 そうした状況の中で、先ほど井手先生からも、本来、もっと早い段階で抜本的に手を打つべきだったというお話があって、ただ、抜本的な手の中身というのは教えていただけなかったですけれども、今となってはもう待ったなしだというお話もございました。
 改めて、水道局長にお伺いしますけれども、なぜ今この廃止をしなければならないのか、それが来年や再来年ではだめなのか、そのことについてお伺いをしたいというふうに思います。

○中嶋水道局長 工業用水道事業につきましては、先ほどもちょっとご答弁した経緯がございますけれども、これまで工場の都外移転等に伴う需要の落ち込み、またそれにより料金収入が減少傾向にあると。また、一方で、高度成長期につくりました施設というものは老朽化して、更新時期を迎えているというような形で、毎年度、一般会計からの繰入金を必要とする、これがなければ厳しい経営状況になるという現状が続いてきたわけでございます。
 また、五十年以上が経過しておりますので、平成の三十年代に入りますと、平成三十二年ごろから、配水の小管という部分になりますけれども、かなり漏水危険が高まる、耐用年数を過ぎる時期が来てまいります。かなりそれが高い割合でこれから出てまいりますので、そういったリスクを考えますと、やはり早いうちに廃止の決定をして、速やかに上水の方に移行していただくということが、利用者の方の今後の経営にとりましても最善の策であるということから、今回、有識者の提言を踏まえまして、この三定で条例案を提案させていただいたところでございます。
 私どもとしましては、現在お使いいただいております利用者の方が今後とも安定的に経営を続けていただくという観点から、一刻も早くこの廃止につきましては決定をいただき、それに向けての具体的な手続に入ることができればというふうに考えているところでございます。

○中山委員 先ほど来、毎年毎年赤字だったから、本来、抜本的対策になるかどうかわかりませんけれども、留保したりとか、そうした費用として充てておく、積み立てしておくべきところも積み立てできなかったという旨のお話もございましたけれども、そうしたことから、今回どういう判断が最終的に都議会として下るかわかりませんけれども、どういう判断を下すにしても、都民の方々へそういう説明をきちっとしていけないと、やはり私はご理解をいただくことはできないというふうに思いますし、仮に、長い期間にわたって支援計画を立てていく必要があるとしても、それに対する理解というものをよりよくいただけるように努めていただきたいというふうに思っております。
 続きまして、先ほど来ございましたけれども、産業支援策としての工業用水という視点に注目しておきたいと思います。
 まず、工業用水は、当時、ユーザーの経営断念を防ぐ上で役に立ったというふうに自信を持って語れるのかどうか、そのことについてお伺いしておきたいと思います。

○石井水道局経営改革推進担当部長 昭和三十三年に制定されました工業用水道事業法の目的は、工業用水の豊富低廉な供給を図り、もって工業の健全な発達に寄与するものというふうにされております。
 当時の各企業の経営状況は不明でございますが、地下水の代替水の供給により、事業目的からも、事業用水の確保によって健全な経営の確保に役立ってきたのではないかと推察をしております。

○中山委員 自信を持って語ってほしかったんですけれどもね。これから仮に支援策をやるにしても、都民の税金ですから、それが投入されてどうなったのかということは、きちっと説明できないとだめです。だからやっぱりそういう面で、これからのことについてもきちっと用意しておいていただきたい、そういうおつもりでいただきたいというふうに思います。
 それで、先ほど来お話ございました、重複しますけれども、全国に地盤沈下が懸念されていない地域でも工業用水は展開されていますけれども、その工業用水の目的というのは、産業支援が目的であるということでよろしいですか。

○石井水道局経営改革推進担当部長 総務省の調査資料によりますと、平成二十八年度の工業用水道事業者数は二百五十八であり、うち十三は地盤沈下対策事業、二百六は基盤整備事業、三十九はその他の事業でありまして、その主な目的は、工業団地等に給水する基盤整備事業と考えられております。

○中山委員 私が申し上げてきましたのは、これから展開する支援というのは、工業用水を廃止することを正当化するというか納得していただくための支援という側面ではなくて、工業用水というのは産業支援として大事な事業だったんだと。それを廃止する以上、そのかわる産業支援策というのが都として打ち出せていけるのかどうかということは非常に大事な視点だというふうに思うからであります。
 代表質問で、支援策検討に関する都庁の横串体制について確認をさせていただきました。東京都として、工業用水にかわる新たな産業支援策が必要であるという認識でよいのかどうか、お伺いしたいと思います。

○坂本産業労働局商工部長 今回の支援計画案は、工業用水道の廃止に伴って、利用者への影響を最小限にとどめる必要があることから作成をしたものでございます。
 利用者に対する支援は、今後、長期にわたり実施していくものでございまして、利用者に寄り添いながら、着実かつ円滑に進めていくためには、関係各局が連携して対応していくことが重要でございます。
 このため、長期的な観点から支援の内容や対象について、利用者の声を聞きながら、社会経済状況などを踏まえ、中小企業の経営断念につながらないよう、庁内横断的な体制によりまして検証を重ね、よりきめ細かく対応していくこととしております。

○中山委員 今の答弁、非常に大事な答弁でして、その横串体制の中で、都庁全体として新たな産業支援策というものを打ち出していける、そういうものになっていかなくてはならないというふうに思います。
 もともと工業用水を存続させていくという選択をする場合には、工水による産業支援策というのはほぼ無期限であるわけです。しかし、工水廃止に伴う産業支援策は有期限というのは、ある面では、これは変な話であります。
 上水との差額支援は、水道料金を通しての産業支援策としての位置づけもあるべきだということを認めるべきでありまして、今後の支援策の詳細の詰めは、代表質問の答弁にありましたけれども、社会経済の動向とか経営環境の変化とか見きわめて決定する必要があっても、やはり上水と同じ金額では経営は成り立たないというものが、十年後、二十年後、ユーザーの中にあるのであれば、それは恒常的な支援策としての視点を持って、都庁の横串の体制での支援策検討をしていくべきだというふうに思いますけれども、それに対する見解をお伺いいたします。

○石井水道局経営改革推進担当部長 工業用水道事業の廃止に当たりましては、利用者の経営等に与える影響を最小限にとどめることが必要であるとこれまでも申してきました。
 支援策につきましては、事業廃止後も長期的な観点から、支援内容や対象について利用者の声を聞きながら、社会経済状況等を踏まえ、経営断念につながらないよう、関係各局で連携して検証を重ねていきたいと思います。

○中山委員 同じ答弁の繰り返しなんですけれども、ただ、経営断念につながらないようにしていくという答弁の重みはすごく大事ですので、そのことを留意してお取り組みいただきたいというふうに思います。
 それから、仮に廃止した場合ですが、廃止後の支援策というのは、水道料金の減免というツール、手だてだけで行っていくのか、それとも、そのほかの局が所管する事業を通じて行う面も加味していくのか、その方針についてお伺いしたいと思います。

○石井水道局経営改革推進担当部長 工業用水道事業の廃止に当たりましては、利用者の経営等に与える影響を最小限にとどめることが必要でございます。
 今回の支援計画案では、料金差額補填だけではなく、節水対策に資する設備の設置を支援するなど、ご利用者の負担を軽減するための支援策を充実させてまいりました。事業廃止後も、長期的な視点から、支援内容や対象について利用者の声を聞きながら、社会経済状況等を踏まえ、経営断念につながらないよう、関係各局で連携して検証を重ねてまいりたいと思います。

○中山委員 この答弁も、私としては大事な答弁だと思っています。水道局の部長さんがお答えになりましたけれども、各局それでよろしいですか。局長が答えたんじゃないからだめだとか、そういうことはないですね。反論があるんだったら、ちょっといってみてください、今。各局が水道料金以外の事柄で、自分の局の事業を通じて支援策を打ち出していくということで、一丸となって取り組んでいただきたいというふうに思います。
 ユーザーに配布された支援策の冊子、この中では絵図として、先ほど申し上げましたけれども、やがて上水と一緒にしていくということが描かれています。また、一方、代表質問の中では私どもの質問に対して、経営断念につながらない支援と、先ほど来繰り返されている言葉ですけれども、それが出てまいりました。そういうものに向けて検証を重ねていくということでございました。
 この差異は、二十年間にわたる支援策を打ち出し直した後のユーザーからの要望を踏まえたものということで認識してよろしいでしょうか。

○石井水道局経営改革推進担当部長 工業用水道事業の廃止に当たりましては、先ほど来ご説明しておりますが、利用者の経営等に与える影響を最小限にとどめることが必要でございます。支援計画案を公表する前の素案段階で各ご利用者を個別に訪問し、二十年間の料金差額補填等についてご説明したところ、さらなる支援の充実を求める意見も寄せられております。
 こうした意見などを踏まえ、支援策につきましては、事業廃止後も、長期的な観点から、支援内容や対象につきまして、これもご答弁差し上げておりますが、利用者の声を聞きながら、社会経済状況等を踏まえ、経営断念につながらないような検証を重ねていくとしております。

○中山委員 その一方で、やはり工業用水を使っていない非ユーザーの同業他社の理解というのも非常に大事です。やはり不公平であるという声も頂戴しているし、長い間、減免が変わっていないということでのお話も頂戴しております。
 さっきお配りしていただいたものが減免として行われているデータでございます。その上で、こうした工業用水を使っていない同業他社の方々というのが、どういう意味で工業用水を使わないという選択をしたのかというのは、今となっては聞き取りの回答とかのものも残っておりませんのでわかりませんが、基本的には、本管に近いところの企業さんは、どんどん工業用水を使えたと思います。ただ、本管が布設されたところから遠い企業の方々は、本管から自分のところに引き込む管の設置は自分の費用でなければならなかったので、全体的には費用的な面から諦めたのではないかと、推測ですけれども、私は思っております。
 本来は、より多くの方々が使いたかったと。そうした方々が存在しているということの経緯も踏まえて、非工水ユーザーの方々は関係ないんだということではなくて、そうした方々への減免のあり方や、そうした方々への料金以外の支援策の検討も含めて、今後、支援策検討に向けて都庁の中で立ち上げていかれる横串体制の中で検討すべきと思いますが、見解をお伺いしたいと思います。

○初宿財務局経理部長財政企画担当部長
オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 工業用水ユーザーに対する支援につきましては、まずは利用者の皆様の声を丁寧にお聞きしながら、取りまとめました支援計画案に基づき、着実かつ円滑に進めていくことが何よりも重要でございます。
 その上で、社会経済状況等を踏まえ、利用者の経営断念につながらないよう、工業用水ユーザーの声を伺いながら、長期的な観点に立ち、支援の内容や対象について検証を重ねていくことが不可欠でございます。こうした検証に当たりましては、都内の産業振興も踏まえ、工業用水を利用していない同業種の方々などを取り巻く環境なども勘案しながら、多面的な視点を持って取り組むことも重要でございます。
 このため、工業用水ユーザーに対する支援策については、従来から上水道を利用しながら事業を展開する企業にも留意しつつ、庁内横断的な検証を重ねてまいります。

○中山委員 続きまして、節水型の機器への交換を図ることは、今回の企業、ユーザー向けの支援の中で含められているのかお伺いしたいというふうに思います。

○石井水道局経営改革推進担当部長 工業用水道事業の廃止に伴う支援の検討に当たりましては、利用者の声や経営等への影響を把握することが重要であるため、本年七月から各利用者を個別に訪問し、有識者委員会報告書の支援策についてご意見をお伺いしました。
 その結果、上水道への切りかえに伴う料金変動の影響を軽減するための節水設備の導入など、有識者委員会報告書の支援策に加え、さらなる拡充を求める意見が寄せられております。
 そのため、水の循環、冷却等の節水対策に資する設備の設置を支援するなど、利用者の負担を軽減するための支援を追加してございます。

○中山委員 井手先生からも経営指導という話がございましたけれども、当然、会社の経営者は、コスト削減ですとか、そういうことについては努力をしていらっしゃいます。ただ、中小企業の方々というのは、なかなかさまざまな情報が届きにくい。産業労働局等の支援策等もなかなかお手元に届かない場合が多い。そうした事柄を私どももさきの代表質問で取り上げさせていただいたところでございますけれども、そうした方々に向けて、この節水設備というのは非常に大事な点でございます。
 ただ、その節水設備をどういうふうに活用していけばいいのかということについても専門知識がないというのが実態であるかと思いますので、資金の提供で、これで買ってくださいというだけではなくて、どういうふうにそれを活用していけばいいのかと、中小企業、零細企業の現実にしっかり目くばせをして、設備導入を丁寧にサポートすべきと考えますが、見解を伺います。

○坂本産業労働局商工部長 節水設備の導入に当たり、中小企業が専門的な知識や機種を選ぶノウハウを必要とする場合、工業用水道の供給区域内に設ける窓口で相談を受けて対応を実施いたします。
 例えば、窓口で相談内容を聞いて助言を行うほか、よりきめ細かな対応が必要な際には、都が現在も実施している専門家派遣の活用を図ることといたします。

○中山委員 私は、団地の雑用水としての使い方をしているユーザーに対しても、本来はトイレなどの節水型の機器への交換をユーザー支援として含めていくべきだと考えております。
 そうした意味も含めて、今後、都庁で立ち上げていかれる横串の支援に向けての検討体制の中には都市整備局も含めていくべきだと考えますが、見解を伺います。

○初宿財務局経理部長財政企画担当部長
オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 都の工業用水道は、工業用水として利用する企業ユーザーだけでなく、雑用水としても約三万五千戸の集合住宅に供給してございます。
 このため、事業の廃止に伴います利用者への支援策につきましては、住宅政策全般を所管いたします都市整備局も一員といたしました庁内検討会を通じて検討を行い、今回、支援計画案を取りまとめたところでございます。
 事業廃止後も集合住宅への対応は重要でございまして、今後、順次実施していくトイレ配管の切りかえ工事等について、円滑かつ着実に進めていくため、引き続き、水道局はもとより、都市整備局も含めた庁内横断的な体制を整備してまいります。

○中山委員 それから、節水設備については、節水や節電など、生産コストを抑えるための努力というのは、中小企業にとっての販売力強化に役立つわけであります。
 この点、産業労働局においては、設備投資助成制度というのがあって、高付加価値の製品を生み出していけるとか、競争力、役立つような新たな生産設備の導入に向けて、補助金、助成金制度がございますけれども、こうした節水型の生産設備への転換を図ることは助成対象に含まれるのか、ご見解をお伺いしたいと思います。

○坂本産業労働局商工部長 都は、中小企業がコストの引き下げなどによりまして、競争力の強化を図るため、最新の機械設備を導入する場合に必要となる経費に助成を行っているところでございます。
 節水によりコストを削減し、競争力を高める最新の節水型の生産設備を導入する取り組みは、この事業の助成対象としているところでございます。

○中山委員 ちょっと私の持ち時間をオーバーしますが、ご理解をいただいて--ご理解いただくのは私の会派の関係者ですが、進めさせていただきたいというふうに思います。
 加えて、先ほど来、非ユーザーの同業他社への支援、また理解というものも大事だということでお話ししましたが、質問に当たって配布した資料を見ていただきたいんですが、存続させた場合の費用負担と廃止に伴う費用負担の比較が都民に対する大きな理解促進の大事なポイントですよということを冒頭申し上げましたが、存続の場合は更新費用が二千三百億円、これを仮に五十年ごとに更新を行うとして、一年当たりの費用規模というのは、割り返しますと四十六億円ほど、非常に雑駁な割り方ですけれども、そうなります。
 一方、水道料金の減額に伴い、現行発生している費用は、お配りしたごらんのとおりの資料でございます。その中で、その他というところの減免額、二十九年度でいえば、ここに出ておりますけれども、私がお伺いした数字では、うち皮革関係は七百七十六万一千円、それからメッキ関係は二千五百九十五万一千円と、そういうふうに内数としてはお伺いしているところでございますが、今後、詳細検討の中で詰められていくことになると思いますけれども、今後行う工水ユーザーへの減額、そして場合によっては、非工水同業他社の減額の上乗せも図るものとして、この延長上の金額になっていくというふうに、一つの目安として思うところであります。
 一年間で四十六億円の更新費用をかけて存続させていくのか、そして、ある程度の支援というものを全体のご理解をいただく中で整えていくのか、その費用規模の比較の問題だと思っております。
 水道料金差額支援以外の工水廃止に伴う支援規模の総額の現状をどう考えているのか、また今後、どう見定めていくのかということについて、今お答えできる点があれば、財務局長、お答えしていただきたいというふうに思います。

○武市財務局長 私ども分析をしておりますように、今後継続する場合は、委員からもお話ございましたように、二千三百億円の費用がかかってしまうという状況があります。一方で、廃止をした場合に、廃止に係る経費は九百億円余であるという状況がございます。
 そうした差額なども含めまして、有識者の方々からも廃止をすべきというご意見をいただき、今、私ども廃止をすべきという決断をするに至った状況がございます。
 その中で、今後どういった支援をさまざまな方にしていくのかという点につきましては、ただいまいろいろご議論いただき、ご意見もいただいているような形で、東京都といたしましても、全庁的な体制を組んで支援をしていくということが必要であるというふうに考えております。
 その支援の中身につきましては、既に決まっているような形で今回の支援計画案に示しているものを実行していくことに加えまして、社会状況の変化でございますとか、あるいは、いろんな技術革新なども生じてくるものというふうに考えられます。
 そういった点などを考慮しながら、その時点時点で見直すべき点があれば見直していくという対応をとっていくことが必要なのかなと考えているところでございます。

○中山委員 あと二問だけで終わりたいと思います。
 一つは、支援策が不十分で経営断念というのが発生してもらっては困るというのが私たちの立場ですけれども、前にも申し上げたように、そもそも経営者の年齢とか、さまざまな経営分析から、この機会に廃業しようと、あるいは、事業承継を図ったけれども、後継者が見つからずに断念していかざるを得ないと、これは工業用水ユーザーに限らずの問題ですけれども、そうした事柄がこれから工業用水ユーザーについても発生してまいります。
 廃止、廃業とか事業承継の断念とか、そうした事柄に関して、東京都として支援できることはないのか、それをお伺いしたいと思います。

○坂本産業労働局商工部長 中小企業が廃業せざるを得ない場合、これまで都は、中小企業振興公社を通じまして、専門家が会社の整理を円滑に進めるさまざまな手法を検討して、最も適切な進め方を助言するサポートを行ってまいりました。
 工業用水道の廃止により事業の継続が困難となった中小企業につきましては、工業用水道の供給区域内に設置をする窓口で相談対応を行うほか、現在の専門家によるサポートの仕組みを紹介して、円滑に廃業を進めることのできるよう支援を行ってまいります。

○中山委員 最後の質問になります。
 仮に廃止を決定した場合、三百四十キロにわたる工業用水道管を一気に撤去はできないというふうに先ほどもお話がございましたけれども、一気にはできない。工事中、あるいはその工事が終わった後、やはり私どもは、私どもの上野議員が前々から、設備の更新をしないで放置することを道路の陥没とか安全性の問題として非常に危惧しておりました。平成十六年以降、外部監査の指摘を受けてから、国の助成金も申請しないでいる状況が続く中で、この間、老朽化はどんどん進んでいるんだと思います。工事中、工事後の安全確保に向けた取り組みについてお伺いしたいと思います。

○尾根田水道局給水部長 都の工業用水道事業は、事業開始から既に五十三年以上が経過しておりまして、施設の老朽化が進行しております。配水管の破損等による道路陥没の被害を防止するためには、安全対策が不可欠であると認識しております。
 このため、上水道への切りかえ期間中は、継続的かつ適切な維持管理を行うとともに、切りかえが完了し、不用となった配水管は、その内側に新たな管を挿入するなど、強度を確保した上で、可能な限り上水道等への、他用途への転用や撤去を進めてまいります。また、撤去完了までには一定の期間が必要となるため、暫定的な陥没防止対策を実施いたします。
 さらに、工業用水道の供給停止後に実施する配水管の転用や撤去スケジュール等に関する計画につきましては、道路管理者と協議を行い、コスト面にも配慮しながら、切りかえ期間中に策定し、配水管の転用や撤去を着実に進めてまいります。
 また、配水管の撤去等に当たりましては、道路陥没を起こさないよう、掘削後の埋め戻しを入念に行う等、供給停止後においても安全対策に万全を期してまいります。

○とや委員 よろしくお願いします。
 きょう午前中の質疑を聞かせていただきました。さらに、他会派さんの質疑を聞いていて、予定していた質疑に入る前に少しお聞きしたいことがあります。
 午前中は、井手先生から、都が怠慢であるという批判がございました。さらに、これまでの質疑の中でも、東京都は打つべき手を本当に打ってこなかったんじゃないか、そういった批判もございました。私も、企業ユーザーさんから私どもお話を伺ってくる中で、実は十年も前から東京都は廃止を前提にしていた、そんな印象を受けると、そういった声を聞いております。
 東京都は、この間、本気で存続ができるかどうか、その努力をしてきたのか非常に疑問であります。ユーザーさんに対してどういうスタンスで臨んできたのか、そして存続に向けて本気で努力をしてきたのか、まずそこから伺います。

○石井水道局経営改革推進担当部長 都では、工業用水道料金を国が定める基準料金の枠内、範囲内で設定しなければならないという条件の中で、工業用水道事業を安定的に運営していくため、これまで需要の拡大や経営改善には取り組んできております。需要の拡大につきましては、施設の余剰能力を活用し、昭和四十八年度から雑用水の供給を開始し、昭和五十一年度からは集合住宅のトイレ用水の供給も開始をしております。
 また、経営面におきましては、平成九年度の工業用水道事業経営改善計画に基づき、江東地区と城北地区の二事業を統合するとともに、浄水場は南千住浄水場と江北浄水場とを廃止し、三園浄水場へ一元化するなど、事業のスリム化にも着手をしました。
 また、平成十二年度に施設の維持管理業務を、平成十六年度には料金徴収業務をそれぞれ水道事業に委託するなど、業務執行体制の効率化にも取り組んでまいりました。こうした事業のスリム化や業務執行体制の効率化などの取り組みにより、これまで約二百人以上いた職員を七人まで削減しております。
 さらに、事業を取り巻く環境の変化などに対応し、昭和五十年度以降、四回の料金の増額改定もさせていただいたところでございます。資産の利活用や不用となった事業用地の売却なども行い、収入の確保も努めてまいりました。
 このような企業努力を行った上でも、需要の減少に伴う料金収入の減少が続く中、抜本的な施設の更新ができない状況が残念ながらございました。平成十六年度包括外部監査の工業用水道事業の廃止などを含めた抜本的な経営改革を検討すべきとの意見を受け、これまで関係各局で検討を進めてきたところでございます。

○とや委員 今のご説明を聞いていますと、本当に事業をそぎ落としてきたというか、対症療法、本当に抜本的に、この事業がユーザーさんが減るのを防ぎ、そして、本当に生き生きと商売ができるような形での対策だったのかなと大変疑問であります。
 そこで質問したいんですけれども、工業用水については、第二回定例会で都知事が所信表明で廃止の方向性を明言したわけですけれども、先ほど来出ていますように、工業用水事業は地盤沈下対策として導入された東京都の事業です。特に地下水を利用されてきた工業用水の企業ユーザーの皆さんは、都の事業に協力をしてきたわけです。
 ユーザーは中小企業の皆さんが大変多く、この間、大企業が都外に移転してしまう中でも、地元で頑張って東京の経済を支えてきました。今回廃止をするというのも東京都の都合です。東京都の都合で始まって東京都の都合で廃止をするという方針が打ち出されているわけです。それだけに都の責任は大変重たいと、重大だと思っています。
 そこで、都として今回、廃止の決断をせざるを得なかった、その責任をどう認識しているのか、そしてユーザーの皆さんに極力迷惑をかけないという決意を伺います。

○中嶋水道局長 都の工業用水道事業が地下水揚水規制から始まって、今まで地下水をお使いの方々がその工業用水をお使いになってきたという、まさにご指摘のように、都の事情で工業用水道の利用者になってきたという背景は、もちろんそのとおりでございまして、今回も都の事情で、主に老朽化という関係、経営的な関係から、廃止の決断をしたと、廃止の条例提案をさせていただいたという背景もまた、まさに都の責任でございます。
 したがいまして、都の責任ということで、都の責務としましては、やはりこれまでご利用いただきましたお客様、経営者の皆様の今後の経営への影響というものを最小限にとどめるということをまず第一という観点から、有識者委員会の提言をいただきましたが、さらにそれを踏まえた上でユーザー一件一件のご意見をお聞きしまして、有識者委員会の提言よりもさらに長期に踏み込んだ支援策をご提案させていただいたところでございます。
 こういった形でこれを進めることによりまして、都としての工業用水道廃止に向けた利用者の皆様への責任というものを果たしていければというふうに考えております。

○とや委員 答弁ありがとうございます。私どもは、前定例会になりますが、有識者委員会の報告、提言が出た際、工業用水利用者への支援として、工水給水管の撤去、上水給水管の設置、受水タンクの設置、塩素除去装置の設置などが提案されてきたわけですけれども、これまで地盤沈下の抑制のために協力していただいた事業者の皆さんの負担とならないように、仮に廃止する場合でも、これらの支援を一〇〇%東京都の支援として行うことを要請しました。
 また、報告書にありました提案だけにとどまらずに、料金の据置期間を、切りかえのための四年間だけでなく、十年間の据え置きとして、激変緩和期間をその先にも設けてもらうという支援についても検討してほしいと要望をしました。
 今回、水道局として、ユーザーの皆さんから意見を伺う中で新たな支援策が示され、廃止に伴う設備支援を一〇〇%東京都の負担で行うこと、切りかえ期間の四年間に加えて六年間の料金据置期間と激変緩和期間が十年間とされ、さらに節水対策、経営、技術支援が盛り込まれました。当初よりも支援が手厚くなって、この点については歓迎したいと思っております。
 そこで、先ほども出ていますが、まずこの間の取り組みなんですけれども、工業用水ユーザーに対して、東京都が経営改革の検討を始めて以降の訪問やアンケートなどの取り組み状況を、済みません、簡潔にお願いします。

○青木水道局浄水部長 平成十八年度に事業廃止を含めた抜本的な経営改革の検討を始めて以降、平成十九年度、二十六年度及び二十九年度に利用者を個別に訪問させていただきまして、検討状況を丁寧にご説明させていただいた上で、聞き取り形式でアンケートを実施してまいりました。
 本年四月には、有識者委員会における検討に資するため、利用者へ検討状況を情報提供させていただきながら意見を伺ったところでございます。また、五月から六月には、有識者委員会報告書案につきまして、個別訪問してご説明をさせていただきました。
 さらに、七月には、知事が廃止表明を行ったことを受けまして、切りかえに伴う配管や設備の設置場所等について、技術的な調査に加えまして、報告書の支援策に基づいた個々の料金の推移について丁寧にご説明し、意見を聴取いたしました。
 さらに、今月の九月でございますが、利用者の意見や報告書等を踏まえ、都が策定、整理をさせていただきました工業用水道事業の廃止及び支援計画(素案)をご説明申し上げ、再度意見を伺ったところでございます。

○とや委員 訪問やお知らせ、アンケートについて、事業ユーザーの皆さんには、かなり丁寧に対応してこられたと思います。今回、新たな支援策が示されて、現在、個別訪問もされて、きょうも新しい資料が出て、納得されているという意見が少しふえたのかなと思っております。
 私ども会派としても、この間、事業ユーザーの皆さんから直接お話を伺ってきました。都の姿勢が、先ほども申し上げたように、廃止ありきである点は不満ながらも、支援策については丁寧にやってもらっているという声も届いております。
 一方、残りの約三〇%の方々については、納得されていないわけです。これらの三〇%の方々がどういうお考えでいらっしゃるのか、その理由についても今後丁寧に聞き取っていただいて、今後も検証をお願いしたいと思います。
 また、新たな支援策が出て、私たちがユーザーさんにお聞きをする中でも、今後の事業経営に大変不安を抱えていることがわかりました。一番の不安は、やっぱり今後、自分たちの負担がどうなっていくのかということです。支援はありがたいが、最後は何もなくなってしまう、支援案は出してもらったけれども、実際、廃止によってどれくらい事業に影響するのかわからないなどの声もございます。
 都として、仮に廃止した場合の影響額は試算されているのでしょうか。そして、その試算を個々のユーザーの皆さんに説明はされているのでしょうか。お答えください。

○青木水道局浄水部長 七月の調査の際は、個々の利用者ごとに有識者委員会報告書に基づく料金差額補填期間での料金シミュレーションを行いまして、丁寧にご説明を申し上げました。

○とや委員 七月の段階で各ユーザーには試算を示されているようですけれども、事業者の皆さんにとって、上水にもし切りかわってしまうと、激変緩和期間も含めて、どのように負担がふえていくのか、経営にかかわる大変重要な問題として捉えております。新たな支援策が示されたわけですから、その条件でシミュレーションしていくことが重要だと思っています。
 私たちが聞き取りをした人の中には、どのくらいの負担になるのか知りたいとおっしゃっているユーザーさんもいたのですけれども、今回の計画案に基づく料金シミュレーションを行って、個々の利用者に説明をすべきと考えますが、いかがですか。

○青木水道局浄水部長 今回の支援計画案につきましては、七月の調査の際にご説明をいたしました個々の料金シミュレーションから、さらに支援策を拡充いたしまして、負担を軽減させていただいておりますことから、改めて説明することは考えてございませんが、支援計画案に基づく料金シミュレーションも含めまして、ご利用者の皆様からご希望がございましたら、今後とも丁寧に対応してまいります。

○とや委員 引き続き、要望にはきめ細かく対応していただきたいと思っております。
 次に、支援策について伺っていきたいんですが、今回の計画案の中には新たに、水の循環、冷却等の設備の設置という支援策が盛り込まれております。主に冷却のために工業用水を使用するユーザーさんが、水を循環し、再利用する際に冷却する必要があるということでした。また、今は洗浄などに使用した後に捨てられる水を再利用したいという声も伺っています。
 節水の役割も果たすこれらの設備ですが、活用したいという声に応えて、今回盛り込まれた対応だと思いますが、計画案を見ますと、対象設備を初めとする補助要件の詳細は、料金据置期間中に決定するとなっております。これはどういう意味でしょうか。東京都の指定する設備以外は認めないということなのかどうか教えてください。

○石井水道局経営改革推進担当部長 工業用水道事業の廃止に伴う利用者への支援策は、利用者の事業経営等への影響を最小限にとどめるために実施するものでございまして、このうち、今お尋ねの節水対策としての水の循環、冷却等の設備の設置に対する支援は、上水道への切りかえに伴い、料金の上昇が予想されるため、節水により料金上昇への対策を行うとする利用者を支援するものの一形態でございます。
 支援の詳細につきましてですが、現在検討中であり、設備設置が必要となる料金据置期間が終了するまでに決定を行ってまいります。

○とや委員 資料によりますと、工業用水を冷却目的で使用しているユーザーの皆さんは全体の三三%だというふうにありました。少し価格を調べてみたんですけれども、ピンキリというか、十万円台から八十万円近いものまで幅広く販売されているというふうにありました。
 やっぱり事業者さんからよく要望を聞いていただいて、せっかく設けた新たな支援策が要望とかみ合わないようなことがないようにしてほしいと思っていますが、補助要件についての考え方について確認をさせてください。

○石井水道局経営改革推進担当部長 主に節水対策へのご支援ですけれども、本年七月に利用者を直接訪問して意見をお伺いした際に、節水設備や水の再利用ができる循環装置、冷却装置などの導入について、支援の要望が寄せられたということで、今回お示ししました支援計画案に盛り込まれたものでございます。
 委員ご指摘のとおり、いろいろと幅のある機械も、大きなものから小さなものまであるというようなことでございますし、ご利用者の水の使用実態とか、当該設備の導入による費用対効果などは、また現地も含め調査をし、補助要件の詳細を検討していきたいというふうに考えております。

○とや委員 補助要件については今後の検討事項となっているだけに、ユーザーの皆さんにとっては不安材料になります。節水は、料金の負担増を抑える有力な手段だと思います。十分な支援をしていただくことを要望しておきます。
 次に、減免制度について伺いたいんですが、今もお話あったわけですけれども、仮に工業用水が廃止された場合、上水道を使わざるを得ないということになります。
 上水利用者の減免制度について教えていただきたいと思います。また、工業用水ユーザーが対象になっている業種があるのかどうか教えてください。

○青木水道局浄水部長 工業用水道料金の減免についてでございますが、旧江東地区におきまして、化製場等に関する法律第一条第二項に規定する施設及び染革をなりわいとする施設を対象といたしまして、基本料金の一〇%を減額してございます。
 減免適用の利用者は、平成二十九年度末時点で五十六件となってございます。

○とや委員 済みません、私、今お聞きしたのは、工業用水のことを聞こうと思ったんですけれども、やめて、上水の減免について、申しわけないです、ちょっと確認をさせてください。

○小山水道局サービス推進部長 上水道における減免でございますが、低所得者世帯、それから社会福祉施設、公衆浴場などのほか、用水型皮革関連企業、メッキ業などが対象となっております。このため、工業用水道で減免対象となっている、この用水型皮革関連企業についても、上水道切りかえ後に上水道の減免措置が適用されることとなります。
 さらに、メッキ業の工業用水ユーザーについては、上水道に切りかえた後に新たに上水道の減免措置を受けることが可能となります。
 なお、詳しく申し上げますと、上水道における用水型皮革関連企業に対する減免措置は、一月当たり百立方メートルを超える使用水量に係る従量料金の二〇%を減免するものとなっております。
 それから、メッキ業に対する減免措置でございますが、一月当たり百五十立方メートルを超える使用水量に係る従量料金の一〇%を減免するというものとなっております。

○とや委員 現在の減免制度は、いただいた資料によると、上水の減免条件として、皮革関連でいえば、一カ月当たりの上水の使用量が百立方を超えるものであると。メッキについては、百五十立方を超えないと対象になりません。つまり、大口のユーザーに限られているということであります。
 ちょっと今、どれだけのユーザーが減免を受けられているのかというのが正確にはわからないんですけれども、業種がやっぱり限られているのかなと思います。そして、いろいろ経過はあると思うんですけれども、今後、工業用水利用の有無を問わず、減免対象業種の拡大だとか、小口ユーザーでも減免となるような基準の見直しを、私からも、検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。

○小山水道局サービス推進部長 ただいま件数のお話がございました。皮革関連企業につきましては、平成二十九年度末現在で六十六件、それからメッキ業につきましては、同じく二十九年度末現在で三百十六件というふうになっております。
 続いてのご質問についてでございますが、水道事業につきましては、受益者負担を基本原則として経営しておりまして、料金の減免措置については、水道使用者間の公平確保の観点から、慎重かつ限定して実施する必要がございます。
 こうした観点から、減免の実施については、都議会の決議等を踏まえまして、減収分を一般会計が負担することを前提に、公益性、客観性、合理性等の要素が認められる場合に限定して行っているものでございます。
 このため、ご指摘の対象範囲の拡大や小口ユーザーへの拡充などにつきましては、工業用水道の廃止に伴う支援を差額補填によって対応するという中で、特に考えてはございません。

○とや委員 水道利用者間の公平の確保とか、公益性、客観性、合理性等の要素が認められる場合に限定して一般会計から負担するということですが、この間の減免は、議会の決議を受けての減免実施でした。
 今回の工業用水の廃止に当たって、東京都は事業が継続できるようにとさまざまな支援策を検討してきたわけですけれども、いずれ本来の上水道料金を徴収されることになるわけです。
 私たちの聞き取りの中でも、この段階でも、工業用水の廃止に伴って、もう事業をやめるしかないという人もいらっしゃいました。上水の切りかえの影響は大変大きいのです。だからこそ、全庁で支援策を検討してきたのではないでしょうか。
 激変緩和を過ぎて効果的なのが減免制度の拡充です。これまで上水を利用してきたユーザーとのバランスを考える点でも、ぜひ減免については耳を傾けていただきたいと思っております。
 事業者が経営を継続していく、持続していくという点で、新たに盛り込まれた支援策の中には、経営、技術支援となっていて、無料相談窓口の設置、中小企業診断士等の専門家派遣などが盛り込まれているわけですけれども、これらの支援は現在産業労働局で行っている支援とどう違うんでしょうか、教えてください。

○坂本産業労働局商工部長 都では現在、中小企業の経営をサポートするため、その改善に向けた専門家派遣や販路拡大につながる展示会への出展の支援のほか、新技術の開発などの後押しを行っているところでございます。
 今回の工業用水道の廃止に当たりましては、そのユーザーの中には中小企業が多く、その経営や技術開発などの面で生じる課題に対応できるよう、工業用水道の供給区域内に無料で相談対応を行う窓口を設けることとしております。

○とや委員 新たに盛り込まれた支援策というからには、工業用水ユーザーへの独自の支援を検討すべきだと思っております。
 今までなかったもので新しく盛り込まれたのは、無料相談窓口の設置だけなんですよね。これまでの支援を横引きしたというのでは、これは新たな支援に入るのかなと私は思っております。ぜひここについても声を聞いていただきたい。
 さらに、上水道に仮に本格的に切りかわった場合、十年後、二十年後に不安がまたさらに出てくるという声も聞きました。長期間にわたる支援体制が必要かと考えますが、いかがでしょうか。

○坂本産業労働局商工部長 今回の工業用水道の廃止に当たっては、利用者の経営等への影響を最小限にとどめるための支援計画案を取りまとめてございます。
 今後は、利用者の声を聞きながら、社会経済状況等を踏まえ、中小企業の経営の存続に向け、長期的な観点から、計画案の支援の内容や対象について検証を重ねてまいります。

○とや委員 ぜひご検討をお願いします。
 次に、地下水、井戸について伺います。
 私どもが事業ユーザーの皆さんからお話を伺う中で、先ほど来も出ていましたが、新たに井戸を掘りたい、あるいは過去に複数の井戸を持っていたけれども、この間、工業用水に切りかえざるを得なくて、一本のみの使用としているけれども、今後の負担の大きさを考えると、もう一本井戸を使いたいという意見もありました。
 現在、地下水の揚水規制は、先ほどおっしゃっていました環境確保条例、工業用水法、ビル用水法などで規制されていますが、平成十三年に規制が強化されております。そこから十七年がたつわけですけれども、現在の規制は適切なものとお考えかどうか、簡潔にお答えください。

○須藤環境局自然環境部長 都では、昭和四十七年から、工業用水法及びビル用水法による規制に加え、条例による揚水規制を開始しております。法は、二十三区内で指定した地域において、工業用途及びビル用途で使用する揚水施設で、吐出口断面積が六平方センチメートルを超えるものを規制の対象としておりますが、条例により、法の指定地域以外の区部及び多摩地域の一部にも同じ内容で規制をしております。
 平成十三年の環境確保条例の改正において、規制対象を全ての用途の揚水施設に拡大するとともに、吐出口が六平方センチメートル以下の小規模な揚水施設も規制の対象に加えております。また、規制対象地域を奥多摩町、檜原村、島しょ地域を除く都内の全ての地域に拡大をしております。
 規制対象地域の拡大は、技術の進歩により、口径が小さい揚水施設でも大量の揚水ができるようになったことや、工業用途やビル用途以外でのくみ上げが多くなったことへの対応でございます。また、地域の拡大は、揚水施設がふえてきたことによる地盤沈下を防止するためのものでございます。
 こうした揚水規制を実施した結果、現在、地盤沈下は鎮静化しております。

○とや委員 この間の揚水規制によって、地盤沈下が鎮静化してきたというのは理解できます。ただ、東京都が規制を強化した平成十三年は、地下水位が四十年前と比較して、最大で六十メートルも上昇していたということが東京都の調査でも明らかになっています。地下の構造物についても漏水などのトラブルが急増して、首都高の延伸工事に影響しているとの報道もありました。
 東京都の土木技術支援・人材育成センターが調査している二十三区内の観測井戸は四十八カ所あって、最も深いものは約三百五十メートルです。東日本大震災の影響がない二〇一〇年の水位と、東京都がくみ上げ規制を始めた一九七〇年の記録が残る十九地点で水位を比較したところ、全地点で十五メートル以上も上昇したといわれております。
 地下水は、先ほどもおっしゃっていましたが、未解明な部分が多いといわれていますから、水位の上昇イコール規制緩和につなげるものではないと思っておりますが、地盤沈下を防ぎ、環境を守るという大前提のもとで、今後、揚水規制については見直しができるのかどうか検証が必要と考えますが、いかがですか。

○須藤環境局自然環境部長 地盤沈下は不可逆的な現象であり、過剰な揚水が行われれば、再度地盤沈下が進行する可能性があることから、都内での揚水には慎重な対応が必要でございます。
 このため、都としては、まずは現行の揚水規制を継続しながら、研究機関との連携を深め、さまざまな科学的データを収集、蓄積し、地下水の実態把握を進めてまいります。あわせて、有識者にも諮りながら、十分に時間をかけて丁寧に検証をしてまいります。

○とや委員 ぜひ丁寧に検証をお願いします。
 最後に意見を申し上げたいと思います。
 議論をする中で、新たな課題も浮き彫りになったと思います。工業用水事業は、先ほども申し上げましたが、地盤沈下対策で開始された事業ですが、有識者の検討委員会では、他の都市と比較しても、基本水量の少ないユーザー、つまり圧倒的に中小企業が多いと。その上にユーザーが広範囲に点在しているため、経営効率性の低い事業構造だといっています。
 しかし、都の事業は、雑用水ユーザーとして集合住宅にも範囲を広げ、東京都の東側に位置する練馬区にも配水するなど、東京都の判断でどんどん総延長を広げてきたという経緯もあります。
 その結果、例えば配水管の長さは埼玉県の基本水量一立方当たり一メートルと比較しても、東京都は九倍の九メートルにもなっていて、効率が悪くなっているのです。しかも、現在、ユーザーは百八十件、ピーク時の約四分の一に激減し、赤字が加速しています。
 でも、ここまで激減してしまったのは、この間の工場等の立地の規制、それから新増設に対する規制が強化されたこともありますが、東京都は、事業継続への支援をどのくらいしてきたでしょうか。私どもは、事業者さんからお話を聞く中で、先ほどもお話ししましたが、十年前から廃止ありきで話をしてきたといわれました。
 工業用水事業を開始する際、国は、地域における工業の健全な発達と地盤沈下の防止に資することを目的として、工業用水法を制定しています。その後に制定された工業用水道事業法も同趣旨となっています。都の事業として始めた工業用水事業を持続可能なものとするため、どれだけの努力がされてきたのか、改めて疑問に思いました。
 さらに、今回のこの問題は、工業用水ユーザーの経営支援をどうするかということ。井戸や、あるいは今後の水道の事業の運営にとどまるものではないと思っております。東京で長く事業を営んできた町工場や中小企業の営業や暮らしをどう守っていくのかという大変重大な課題を突きつけられているのではないでしょうか。
 景気の悪化は後継者不足も招き、何代も続いてきた工場が閉鎖するという事態が広がっています。誰にも負けない高い技術力が、最近では後継者不足によって、その伝承もうまくいっていない。もう一度、製造業に元気を取り戻したいと、若い人たちに物をつくる楽しさを伝えたいという声が寄せられております。
 誇りを持って仕事をしてきた中小企業応援の立場をしっかりと東京都全体で共有していただき、地域に根を張って仕事をされている皆さんを支援していただきたいと強く要望して、私からの質問を終わります。

○清水(孝)委員長 この際、議事の都合により、おおむね二十分間休憩いたします。
   午後三時五十六分休憩

   午後四時十五分開議

○清水(孝)委員長 休憩前に引き続き連合審査会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○藤井(と)委員 それでは、よろしくお願いいたします。まず、全体的なことからお伺いをしたいと思います。
 このたび東京都が発表されました、工業用水道は廃止をする、しかしながら、現ユーザーに対する支援はしっかり行うという方針を、我が会派としても基本的には支持をしたいと思っております。
 ただ、先ほど来、各会派さんのご議論がありましたとおり、やはり問われるべきはタイミングなのかなというふうに思っていまして、我が会派としては、もっと早いタイミングで決断ができなかったのかなということを率直に感じる次第でございます。
 平成十六年の外部監査で指摘を受けて以来、あと、井手先生からも、抜本的改革がなされてこなかったんじゃないかというようなお話がありまして、都の怠慢だという話まで出ております。
 この間、継続をするのか廃止にするのかという、都としても明確な方針を持たないまま十何年間、やってきてしまったのではないかなと率直に思うわけでございますけれども、東京都としての反省点も含めての総括というか、評価をまずお聞かせいただきたいと思います。

○初宿財務局経理部長財政企画担当部長
オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 工業用水道事業のあり方に関する有識者委員会の委員長であります井手委員長のご指摘は、大変重たく受けとめております。
 同時に、開始の経緯、それから中小企業が大半というユーザーの状況、地下水の取り扱いの判断などにより時間がかかった点について、一定のご理解をいただきますようお願いを申し上げます。
 そのような中で、有識者のご意見をいただき、時間がかかりましたが、ようやく執行機関として一つの結論、重い判断をしたところでございます。そうした状況を受けとめていただいた上でご審議をお願い申し上げます。

○藤井(と)委員 遅きに失したとはいえ、決断を一定されたということは私たちの会派も評価をしたいというふうに思っています。
 その上で、個別の問題についてお伺いしたいと思いますけれども、この工業用水道事業会計の決算書を拝見いたしました。こちらのバランスシート、貸借対照表なんですけれども、工業用水道会計は、資産合計で三百十三億という状況でございまして、そのうち構築物が二百十一億円で、現預金が七十三億円、計二百八十四億円ということで、この二つで全体の九〇%を占めている状況でございます。
 私たちの会派から指摘をさせていただきたいのは、この構築物の二百十一億円の方でございまして、この二百十一億円の内訳を申し上げますと、取得原価が四百三十八億円で、減価償却の累計額がマイナス二百二十七億ということでございまして、この減価償却の額がその取得価額に対して五二%ということでございまして、もう廃止にするといっている一方で、この数字だけ見ると、約半数程度しか償却が進んでいないということが数字上あらわれていて、先ほど来、計画的な修繕に努めてこなかったのではないかなどというさまざまなご議論あったと思うんですけれども、貸借対照表に載っているこの構築物の数字について、簡単に状況をご説明いただきたいと思います。

○石井水道局経営改革推進担当部長 委員お尋ねの償却が残っているのではないかというのは、恐らくこれは、平成九年に経営改善計画を立てまして、国庫補助金を受けながら、その時点でやはり老朽化があった配管などが結構ございまして、そういったものを、取りかえを一部実施したというものでございます。こちらの方がその主な中身になっております。

○藤井(と)委員 ただいまのご説明、よくわからなかったんですけれども、こちらは当初、取得をして何十年か、五十年とか六十年だと思うんですけれども、償却をかけていくということだと思うんです。償却を十分進めていけていないのに、他の用途なりに転用したりだとか、やめちゃうというのは非常にもったいないというか、ちぐはぐな印象を受けるんですけれども、これはどうやって読み取ったらいいのか、もう少しわかりやすくお話をいただけたらと思います。先ほどの説明以上のものが、今わからないということであれば、また後ほどでも結構です。

○石井水道局経営改革推進担当部長 現時点で利用できる、例えば配水管等につきましては他用途への転用とか、そういうもので補っていきたいというふうには考えております。

○藤井(と)委員 今のご答弁でありますと、転用するということは価値がまだ残っている状況なのかなと思うんですけれども、今の話とちょっと関連をするんですが、事業廃止に係る費用圧縮策として資産の売却というものが挙げられているかと思います。
 その中で二百七十億円という数字が挙がっているんですけれども、これは具体的にどんな内容を想定されて、この数字を挙げられているのかお伺いをしたいと思います。わかりますか、わかる範囲で教えてください。

○石井水道局経営改革推進担当部長 費用圧縮の二百七十億円の内訳でございますが、土地建物、施設利用権等の百九十二億円と、それから累積剰余金の七十八億円というのが中身になってございます。

○藤井(と)委員 今、剰余金の七十八億というのは、現預金だと思います、わかるんですが、この百九十二億円の方は、具体的に何か外部に売却をするという予定をされているのか、それか何か有償所管がえだとかそういったものによって何らかの数字が挙がっているのか、わかりますか。

○石井水道局経営改革推進担当部長 先ほどの百九十二億円のうちの大きなものとしては、三園、これは浄水場関係の売却ですけれども、それから南千住浄水場等の売却についてのところが百四十三億円ということで一番大きいものになっております。
 いずれにしましても、工業用水道につきましては、上水道への切りかえ期間が終了する平成三十五年三月三十一日まで工業用水の供給が継続するため、工業用水道事業会計も継続していくということになりまして、この切りかえ期間中に供給休止となる配水管を順次撤去するとともに、処分できる資産は売却するなど必要な整理は行ってまいります。
 具体的には、三園浄水場の土地建物、機械及び装置など、水道事業と工業用水道事業が共有で使用している資産につきましては、水道事業会計に有償所管がえするということをベースに検討を進めていきたいと考えております。
 また、配水管のうち水道事業で有効に活用できる配水管についても、水道事業会計に移管するとともに、残る資産については他用途への活用や売却など、処分方法を幅広く検討していきたいというふうに考えておりまして、こうした取り組みを行い、廃止に伴う経費の縮減につなげてまいりたいと思います。

○藤井(と)委員 資産売却によって得られる百九十二億、一言でいっても、第三者に売る場合もあるでしょうし、有償所管がえという場合もあるでしょうし、例えば、工業用水道会計から水道会計に売るとするならば、工業用水道会計としては当然高く売りたい。そのことによって一般会計からの繰り入れによる清算作業というか、清算の額を低くしたいというのがあるでしょうし、水道会計がもし買うということになれば、できるだけ安く買いたいということになろうかと思うんですけれども、これは、今回の議論だけにかかわらない話だと思うんです。
 先ほどの構築物でいえば二百十一億円という、今、工業用水道における簿価が載っていると思うんですけれども、これをそのまま、じゃあ例えば水道会計に売るとしても、水道会計にとっての価値ってまた違うんでしょうし、これは今後どういった、時価で評価されるものなのか、また、東京都として一定のルールがあろうかと思うんですけれども、それをちょっと教えていただけますでしょうか。

○武市財務局長 会計間の所管がえについてでございますけれども、とりあえず申しわけございません、一般論で申し上げさせていただきますが、両方の会計、今、副委員長のお話ありましたように、今回の場合でいいますと、工業用水道会計からしてみれば高く売りたい、一方、水道会計からしてみれば安く買いたいというのは、ほかの会計間でも当然ございます。やはりそうした中で、原理原則としましては、適正な価格、適正な時価というところになってまいりますので、例えば、土地を所管がえしていく場合に、通常の民間での取引などで発生するであろう適正な価格というのが一つの目安になってまいります。ですからその意味で、ある意味、簿価ではなく時価という意味でのそういう適正な価格ということになろうかと考えております。

○藤井(と)委員 適正な価格というお話でありましたけれども、外部で売れるところがあれば、それが一番、第三者にということですけれども--じゃあ、例えば三園浄水場の一部の用地を売ろうとしても、多分、外部の人もなかなか簡単に買ってくれないでしょうし、これはもう多分、第三者の委員会なり入れて適正な価格を決めると思いますけれども、工業用水道会計としては、しっかり高く売って一般会計からの持ち出しを減らしていくということが基本方針だと思いますので、その点、しっかりいろいろさまざま準備をしていただきたいと思います。
 次に、現ユーザーに対する支援についてお伺いしたいと思います。
 先ほど来、産業の支援、中小企業の支援というお話でありまして、まさにそのとおりだと思うんですけれども、一方で、見える化改革に載っていた数字なんですけれども、二〇一六年末の数字で工業用水道のユーザーさん百八十五件のうち大企業が三十七件と書いてありまして、私、中小企業の支援をするというのは大切なことだと思いますし、しっかり下支えをしていくべきだというふうに思っているんですけれども、大企業に関しては、比較的自立してやっていただくということがやっぱり基本なのかなと思います。
 もちろん井戸水から転換をしていただいた、東京都からのお願いに、依頼に基づいてやっていただいたということがあるにせよ、基本的には大企業さんに関しては自立をしてやっていただいて、この二百五億円の支援金のうち、じゃあ大企業に対する支援がどれだけあるのかわかりませんけれども、できるだけ中小企業のために使ってほしいなということを率直に思うわけであります。
 この大企業に対する支援ということに関しては、東京都としては何らかの理屈というか、考え方はどういうふうに整理をされていらっしゃるんでしょうか。

○石井水道局経営改革推進担当部長 大企業、中小企業にかかわらず、料金の切りかえ期間四年と、六年のいわゆる工業用水道料金と同額に置くという据置期間、それから段階的にまた十年かけて激変緩和を行っていくというところは変わりはございません。
 その他、この支援計画の中には、個々のユーザー、ご訪問なりしてこれから決めていくんでしょうけれども、どういった支援ができるのかというところは、多種多様になってくると思います。
 そういう中で、大企業さんであっても中小企業さんであっても、なるほどここはやはりご支援しないといけないなという中身があれば、そこは膝詰めで、協議といいますか打ち合わせをしまして、個々のユーザーさんに寄り添って、できる限りの支援策はとっていきたいなというふうに考えてございます。

○藤井(と)委員 大企業の中でも経営苦しいところもあると思います。一律的に資本金だとか、売り上げの額で判断すべきかどうかはわかりませんけれども、一般的にはやっぱり中小企業に対して支援をしていくというのは東京都のあるべき姿だと思いますので、この辺は二百五億円の支援金のうちどれだけ大企業に対する支援が含まれているのかは、ちょっと私、詳細に把握はしていませんけれども、ぜひこの点は合理的にご判断をいただければなと思います。
 次に、配水管の撤去費用なんですけれども、こちら、先ほど来ご議論ありましたとおり八百四十九億ということで、撤退をこれからしていくにしても、これはもう大変な、莫大なコストということで、この数字だけ聞いていても非常に私は驚きを感じるわけでありますけれども、これ何とか、例えば、国の補助金を活用していくなり、八百四十九億かかるから、そのままじゃあ一般財源使ってやるみたいな話だと余りよくないのかなと思いますので、この点、何か工夫ができる点はないんでしょうか。

○石井水道局経営改革推進担当部長 工業用水道事業の供給区域は、ご案内のとおり八区に及び、昭和三十九年の給水開始以来、浄水場や配水管等の膨大な施設を整備してきており、配水管の延長は約三百五十キロメートルにも及んでおります。事業廃止に伴い、これら全ての施設の撤去が必要となります。
 撤去に要する経費は、直近の工事実績単価やモデル工事の単価等を用いて算出しますと、今、委員のご指摘のとおり、合計で八百四十九億円というふうに見込んでおります。
 この施設の撤去に当たりましては、既設配水管の有効利用や工事費用の抑制等を行うことで、可能な限り撤去経費の縮減に努めてまいります。

○藤井(と)委員 ぜひいろいろ工夫をして取り組んでいただきたいと思います。本当に大きな金額ですので、ぜひよろしくお願いいたします。
 仮に事業廃止をするにしても、この八百数十億も含めて一千億円余の一般会計からの投入が必要だということでございます。これは他会派さんからのご議論でもありましたけれども、一千億円かかるんだったら、なぜしっかり積み立ててこなかったのかというようなご指摘もございました。
 これから、例えば配水管の撤去をするにしても、何十年という時間をかけていくことになろうかと思いますので、その結果としては、野方図な支出につながってはいけないのではないかと、私、思いまして、例えば、まずは何らかのプールをする、それが会計の中の何か一部かはわかりませんけれども、しっかりと積み立てをして、そして例えば一千億円なら一千億円の中で、さまざまな事業廃止に係るコストを捻出していくなり、何らかのしっかり管理をしていく、コスト管理をするためのあり方というんですか、それを東京都として、ぜひ都民の側にも見える形でやっていただきたいなと思うわけであります。
 こういった管理というんですか、野方図にならないように取り組む何らかの方法について、都として何か考えておられましたらお聞かせください。

○石井水道局経営改革推進担当部長 工業用水道事業会計におきましては、工業用水道事業が工業用水の供給を停止し、廃止する、平成三十五年三月三十一日をもって廃止することとなります。この切りかえ期間中は、工業用水の供給が継続するために、工業用水道事業会計も存続をして、この期間に供給休止となる配水管の撤去を進めていくとともに、処分できる資産は売却するなど整理は進めていきたいというふうに考えています。
 会計の手続につきましては、工業用水道事業会計を廃止する時点で、同会計が所有する資産、負債全てを他の会計に移管して、移管された会計において配水管の撤去等を進め、全ての資産の整理を行う方向で、これは関係各局で検討していきたいというふうに考えております。

○藤井(と)委員 会計をかえて、これは一般的な企業では時価会計になるのかはわかりませんけれども、しっかり会計の中で取り組んでいただけるという話でありましたので、ぜひお願いをしたいと思います。
 私の質疑、七十分と申し上げていたんですけれども、あと一問で終わらせていただきますので、よろしくお願いいたします。いろいろ重なりましたので--ということでやらせていただきたいと思います。
 最後に、先ほどの有識者の方にもお伺いしたことなんですけれども、今後、納税者と都民に対して説明責任をいかに果たしていくのかというのは、本当に大切だというふうに思っています。
 工業用水ユーザーさん百八十一件あって、総額二百五億円の支援ということで、一社当たりに直すと一億円を超える支援ということでもございますので、支援を手厚くすればその分、東京都民全体の負担にもつながっていくということでもあろうかと思います。
 当初、井手先生の、都の怠慢だと、反省しっかりすべきだみたいなお話もありましたけれども、そういったことも含めて、ぜひ都のこれまでの総括なり、反省点なり、考え方なりということも含めて、しっかりホームページのどこか載っけるみたいなレベルの話じゃなくて、やっぱり都民に対して、これだけの支援をするわけですから、清算に係る経費をかけるわけですから、ぜひこれは説明責任を果たす何らかの取り組みを求めたいと思います。
 最後に、東京都の決意を伺いまして、私からの質問を終わらせていただきます。

○中嶋水道局長 工業用水道事業廃止に伴う都の責務ということでございますけれども、工業用水道事業の利用者の方は、地下水揚水規制という経緯の中で、今回、ご利用になっていると。また、この工業用水道事業の施設の老朽化、また、経営状況の悪化ということで廃止はやむを得ないということで今、条例提案をさせていただいているわけですが、これが可決いただきましたら、そういったことで動いていくわけですけれども、その際のユーザーの、利用者の方々の経営、これはやはり経営に与える影響を最小限に抑えていくということが我々の責務でございますので、有識者の提言よりも長期の支援策の案をご提示しているところでございます。
 今後、これらの廃止後も、利用者の方に丁寧に寄り添いながら進めていくということが私どもの、この事業の廃止後の一番の責務ではないかというふうに考えておりますので、今後とも、廃止決定後も関係各局連携しながら、利用者の方々には真摯に向き合いながら丁寧に対応していきたいというふうに考えております。

○藤井(と)委員 今、最後、ユーザーのお話されて、ユーザーさんに対する説明は当然のこととして、その上でやっぱり都民、納税者にはしっかりご説明をいただきたいということを求めまして、私からの質疑は終らせていただきます。
 ありがとうございました。

○おときた委員 私からは、主に工業用水道廃止に伴う支援策、特にその支援の期間の長さ、内容についての公平性、妥当性についての質問を行います。
 東京都の支援計画案によりますと、料金差額補填として、切りかえ期間四年、据置期間六年、激変緩和期間十年の合計二十年を支援内容としております。もちろん一定の支援が必要であることに論をまちませんが、工業用水道を使わない同業者との公平性及び都の財政の健全性に鑑みれば、これは非常に長いものではないかといった指摘も一方では相次いでおります。
 実際、有識者委員会で報告された案においては、この期間も内容も異なり、最長のものですら都の案より短いものでありました。
 そこで第一に、切りかえ期間の四年、これが適切な期間であるのか、一件当たり切りかえに何日かかるのかの根拠を含めて、都の所見をお伺いいたします。

○尾根田水道局給水部長 工業用水道から上水道への切りかえを着実に実施していくためには、その期間は適切に設定していかなければならないと考えております。設定するに当たりましては、企業活動に影響がないよう、工事に伴う断水時間や周辺地域への影響を最小限にとどめる必要がございますため、切りかえに係る利用者との調整や道路管理者との協議などに一カ月間を想定してございます。
 また、一件当たりの切りかえ作業日数でございますが、上水道給水管の新設や工業用水道給水管の撤去に五日から七日、受水タンクの設置に三日、さらに舗装復旧などを加えた実作業日数として、おおむね十五日から十九日と想定してございます。そして、一件当たりの切りかえ期間につきましては一カ月半から二カ月間と見込んでございます。
 こうした切りかえの作業期間と工事の施工体制を勘案いたしますと、年間の工事件数が百五十件程度と見込まれまして、工業用水道の給水栓総数六百十九件に対しまして、切りかえを完了させるには四カ年が必要と考えてございます。

○おときた委員 細かな数字を出していただきまして、切りかえ期間に関しましては、四年という期間が有識者委員会の報告書でも明示されておりまして、ただいまのご答弁での数字と合わせましても、おおむね妥当な期間であるということがわかりました。もっとも、工事期間の短縮が可能であれば臨機応変に対応していただきたいと思います。
 では次に、据置期間について質問いたします。
 この据置期間については、こうした用語も、存在も、有識者委員会の報告書にはないものでした。
 この据置期間はどのような趣旨で設けられたものなのか。また、据置期間六年の長さは工業用水道を使わない同業者との公平性に鑑みても適切なものと考えているのかどうか、また、どのような根拠で六年としたのか、都の所見をお伺いいたします。

○石井水道局経営改革推進担当部長 事業廃止に当たりましては、何よりもまず、利用者の経営等への影響を最小限にとどめることが重要であることから、本年七月より利用者の声を伺ったところ、回答者の過半数の方から、料金差額補填の期間が短いとのご意見や期間の延長を求める声が寄せられました。
 無論、上水道をお使いの同業種の方へのバランスということもございますので、もちろん有期ということにはなるんですが、料金差額補填期間の設定に当たりましては、工業用水道から上水道へ切りかえるために、新たな設備投資をした場合における減価償却、または借入金の返済が完了するまでの期間を考慮する必要も、一方ではあるかというふうに考えております。
 この期間において、料金負担を現行の水準に維持するために、都の中小企業制度融資の返済期限が十年程度であることを参考にして、上水道への切りかえ期間四年の後、新たな料金の据置期間六年というものを加え、料金据置期間は合計で十年ということにいたしております。

○おときた委員 据置期間は、中小企業支援、そういった意味合いもあって設けたとのことですが、もちろん、こうした視点は有識者委員会でも重要な観点として入っていたわけであります。そして、中小企業制度融資の返済期限が最長十年というご答弁もありましたけれども、この後、激変緩和期間を合わせると二十年になるということは冒頭に申し上げたとおりです。
 こうした支援につきましては、参考人の井手先生も、最大限としても合計十年程度であるということを午前中の参考人招致で繰り返し述べられていたところであります。にもかかわらず、有識者報告書を上回る期間として、新たに据置期間が設置されたことは、長期にわたる支援を望む現ユーザーの意向が強かったためと、先ほどから繰り返しご答弁があります。
 そうであるならば、この現ユーザーの本当の意向の捉え方、すなわち、ヒアリングの調査手法が重要となってくると考えます。
 都の支援案によりますと、お客様からの、ユーザーからの意見、要望として、切りかえ期間等の長さについて短いが多かったという結果を得られたとしていますが、このような質問の仕方であれば、短いになるのは合理的な選択として当然のことであります。これでは結論ありきの質問ではないかとも思えてしまいますし、有識者委員会が行ったアンケートの結果とも乖離があります。
 これはどのように聞き取りを行ったのか、具体的な経過を改めてお伺いいたします。

○青木水道局浄水部長 知事の廃止方針表明を受けまして、本年七月に職員が利用者を個別に訪問をいたしまして、給水装置の設置状況など技術的な調査に加え、工業用水道事業を廃止した場合の個々の影響につきまして、丁寧にご説明を実施いたしました。
 具体的には、有識者委員会報告書に記載されている切りかえ期間四年、激変緩和期間八年で、個々の利用者におけます各年の影響額を試算いたしましてご説明を申し上げたところでございます。その上で、補填期間に関しまして、全体的な傾向を把握するため、なるべく簡素な、長い、適正、短いの三択で意見聴取を行ったものでございまして、訪問調査をいたしました百六十三件のうち八十二件から回答があったものでございます。

○おときた委員 有識者委員会の報告書においては、二百七十五件の回答を得て、案をまとめた一方で、都は、八十二件の回答でこの支援案をまとめたということであります。
 また、質問の仕方も、有識者委員会におけるものは事業経営への影響が大きいかという、外部からも測定可能な客観的な回答が期待できる質問の仕方である一方、都の案における質問は、支援期間が長いか短いかという主観的な回答で済ませられる質問となっております。
 回答者も多く客観的な質問である有識者委員会の報告書におけるアンケートを重視せず、回答者が少なく主観的な質問を重要視して、支援案を新たに策定したということには、私は非常に強い違和感を覚えております。
 また、私のもとには、工業用水道を使わない同業種の方からもさまざまな意見が届いております。工業用水道に多額の都税が投入されていることを考えれば、都民や工業用水道を使用しない同業種の方々もステークホルダーであると考えます。
 特に、公平性の観点から考えれば、工業用水道の非ユーザー事業者にも、支援内容についての意見を聞くべきだと考えますが、彼らに対しては、都はヒアリングを行ったのかどうか、お伺いをいたします。

○石井水道局経営改革推進担当部長 委員お尋ねの工業用水道の非ユーザー事業者、直接にということでのヒアリングは行ってございません。
 工業用水道事業の抜本的な経営改革に当たりましては、さまざまな分野の有識者で構成された工業用水道事業のあり方に関する有識者委員会を設置し、ここで中立的な立場から多角的に検討をいただいたものでございます。
 この委員会では、当然、工業用水道を使用しない同業者の視点も含めた検討ということも行いながら、本年六月に、都の工業用水道事業を廃止すべきであるが、利用者の事業経営等への影響を最小限にとどめられるよう十分な支援策を講じるべきとの提言を頂戴しております。

○おときた委員 有識者委員会が中立し、独立した委員会であるということは、私も重々承知をしております。そして、私の質問に対する回答といたしましては、事実上、工業用水道の非ユーザー事業者、これらの事業者の多くも中小企業なわけでありますが、そうした零細の事業者に対しては、残念ながら全くヒアリングが行われず、その意向はスルー、無視をされて支援案が作成されているということがわかりました。
 先ほども申し上げましたように、工業用水道の非ユーザーである同業者からは、自分たちも厳しい環境で事業を行ってきた、これ以上支援を続けて、上水道ですら料金差が生じるのは不公平であるという声も届いております。歴史的経緯があるとはいえ、こうした声にも十分に耳を傾けて、公平性を担保するのも行政の一つの重要な役割であります。
 現状の支援計画は、こうした声や公平性に配慮されたものといいがたい部分もあると感じておりますが、工業用水道非ユーザーとの公平性について、都の見解をお伺いいたします。

○石井水道局経営改革推進担当部長 事業廃止に伴う支援策は、利用者の経営等への影響を最小限にとどめることが重要であるとともに、工業用水道を利用していない同業者との公平性、そういったところを図ることが不可欠であるという認識は持っております。
 有識者委員会からも、工業用水道を供給していない地域で従来から上水道を利用しながら事業を展開する事業者との公平性を勘案し、料金差額支援期間は一定期間とすべきとの提言も受けました。
 私どもといたしましては、この提言を踏まえて、今回公表した支援計画案では、料金差額補填の期間について、上水道への切りかえ期間四年の後、新たな料金の据置期間六年を加え、その後、利用者の料金負担の激変を緩和する期間十年を設けましたが、合計で二十年というふうなことになりますけれども、有期の支援というところで、公平性というバランスを保っているというふうに考えております。

○おときた委員 部長は誠実にご答弁いただいていると思うんですけれども、有識者委員会の報告書を重視したと、勘案したといいながらも、実際、出てきた案は有識者委員会が出しているものとは似ても似つかないものになっているわけであります。
 今、答弁であったように、有期であるという一点だけは共通していますけれども、委員会では影も形もなかった据置期間であるとか、あるいは激変緩和措置の延長というのが設定されているわけでありまして、こうした都の支援策は、やはり現ユーザーの声だけに焦点を当てたものに偏っているように私には思えてなりません。
 この半数以上が期間が短いとの意見ということで、それで支援策を取りまとめたということを何度もおっしゃっておりますけれども、先ほど私も申し上げたように、七月の意見は結果として八十二件しか回答が得られておらず、支援期間が短いと回答しているのは半数以上と曖昧に答弁されていますけれども、正確には五六%です。
 一方で、有識者委員会の回答数は二百七十五件、さらにそのうちの約七割が上水道切りかえによる料金差額が事業経営に与える影響については、影響はない、あるいは影響は大きいが対応できると答えているわけです。数としてはその半数以下の声で、支援策を有識者委員会の案から大幅に変えるというのは、やはりこれは私は疑問が残る点であります。
 改めて伺います。有識者委員会では、平成二十九年十月のアンケート結果、有効回答二百七十五件をもとに判断する一方で、今回の支援計画は七月の訪問調査、回答わずか八十二件をもとに判断しています。有識者委員会とは視点が異なり、主観的で母数も少ないユーザーの意見をもとに恣意的に判断している都の手法は正しくない、あるいは問題が少なからずあると考えますが、この点についての都の所見をお伺いいたします。

○石井水道局経営改革推進担当部長 有識者委員会の提言では、事業廃止に当たっては、工業用水道利用者の事業経営への影響を最小限にとどめられるよう十分な支援策を講じるべきとしております。
 また、工業用水道を供給していない地域で、従来から上水道を利用しながら事業を展開する事業者との公平性を勘案し、料金差額補填は、恒久的な支援ではなくて有期なものにすべきということを提言されております。
 有識者委員会の提言で示された支援策について、本年七月から利用者の声を伺ったところ、回答者の過半数の方から料金差額補填の期間が短いとの意見や、期間の延長を求める声が寄せられました。これまでもご答弁申し上げているところなんですが、そこで、こうした意見等々、有識者委員会提言の趣旨を踏まえて、今回、公表した支援計画案では、合計二十年の有期の支援という決断に至ったわけでございます。

○おときた委員 これ以上は押し問答みたいな感じになりますけれども、ですから、その有識者委員会が提案した有期の支援についても、都が、いわば一方的に報告書にはない長期の長さまで延ばしているわけですよね。それなのに、あたかも有識者委員会の提言には従っていますと、従っているように答弁されるという姿勢は、私はちょっと不誠実なものなのではないかなというふうに指摘をさせていただきます。
 有識者報告書では、工業用水道を供給していない地域では、従来から上水道を利用しながら事業を展開する事業者が多数存在し、その公平性を勘案する必要があるという旨が明確に記載されているにもかかわらず、都が新たに策定した支援策は、この提言をあえて無視しているのではないかという点は、改めてここで指摘をしておきます。
 繰り返しになりますが、有識者委員会のヒアリングと都のヒアリングとでは回答数に大きな差があり、都のヒアリングの方が少なく、主観的ともいえるわけです。そのことについての言及のないご答弁には、やはり私は強い懸念を抱きます。
 有識者委員会の報告書は一体何であったのか、その意義が根本から覆されているようにも感じられます。よって、今回の都の案は、ヒアリングの回答数の少なさや主観的な聞き取り方法によって、もちろん事業者の声は大事ですが、一部の声の大きな事業者の声を重視した不公平な案となってしまっていると私は判断せざるを得ないと感じております。
 現時点においては、有識者委員会の報告書の案に沿った支援案に変更するのが真っ当な行政の手続のあり方ではないでしょうか。あるいは、ヒアリングの仕方について、回答数を向上させ、質問の仕方も変更し、工業用水道を使わない同業者にまで対象者を広げるなど見直しをして、その結果に基づいて再度支援案を作成するということを私は強く求めます。
 また、現時点ですぐに支援案の変更や再考が難しいとしても、十年単位の支援策を実施する中で、見直すタイミングを設けることは可能ではないかとも考えられます。
 これまで指摘してきた論点も踏まえれば、二十年の支援内容には強い疑問が残っております。経済変動や切りかえ工事の進捗状況、個々の業者の経営規模の変動等を勘案しながら、一定の時期に支援策の見直しを行う機会を設ける考えはあるかどうか、この点について都のお考えを伺います。

○石井水道局経営改革推進担当部長 繰り返しで恐縮ですが、事業廃止に伴う支援策は、利用者の経営等への影響を最小限にとどめることが重要であるとともに、委員ご指摘のとおり、工業用水道を利用しない同業者との公平性を図ることも不可欠ということで考えております。
 このため、有期の支援策としているわけでございますが、この工業用水道事業が仮に廃止と決定された以降も、中長期的な観点から、支援内容や対象については、その社会経済状況等も踏まえて検証を重ねてまいりたいと考えております。

○おときた委員 何か両論併記ともとれるような曖昧な答弁に感じますけれども、事業廃止後も支援の内容や対象について検証を重ねるというのは、将来的な見直しを否定しないということだと理解をいたします。
 ただ一方で、午前に行われた井手先生の参考人招致では、こうした支援計画の中途見直しには否定的な見解もいただきました。また、有識者報告書で十年、都の提案で二十年であれば、落としどころで十五年ということも議会が探ってほしいというような趣旨の発言もございました。工業用水道廃止が決定される前に、やっぱりこの点についてはもっとしっかり議論を深めて、今と違った結論を出すべきではないでしょうか。
 きょうは、また新たな報告事項で、案についてのアンケートを発表されましたけれども、適正と答えた方が六七%ですか、短いと答えた方が五六%でしたから、一〇%理解が進んだというか、雑駁に考えればそういうことだと思うんですけれども、それに対して、年間約十億円、そういった金額が支出されてきて、それが十年間延びた。それは果たして妥当なのかどうかというのは厳しいいい方ですけれども、やっぱり誰かがドライに数字で見なきゃいけないんだろうなということも私は感じております。
 さて、こういった料金面以外の支援策に目を向けさせていただきまして、有識者委員会の報告書同様、相談窓口という形での支援策が都の案でも明記をされております。中小企業支援として、コンサルタント的な経営サポートも期待できる支援案と考えます。
 そこで、相談窓口には、どんな人員がどれくらい割かれる予定か、また、経営に関して専門的な知識を持ち、顧客の要望に応えられる人材を配置できるのかどうか、この点をお伺いいたします。

○坂本産業労働局商工部長 今回の工業用水道の廃止に伴い、そのユーザーとして影響を受ける中小企業の経営や技術に関する相談の内容や件数について、適切な対応のできる体制を整備いたします。
 具体的な相談体制につきましては、今後、検討を進めてまいります。

○おときた委員 肝心の相談体制については検討中ということでございますが、では、相談窓口にて経営をアドバイスした場合の効果について、現時点の都の所見をお伺いいたします。

○坂本産業労働局商工部長 今回の工業用水道の廃止に伴い、そのユーザーである中小企業の直面する状況はさまざまでございまして、それらの内容を相談を通じ把握して、経営の改善などの効果的な後押しにつなげてまいります。

○おときた委員 確かに、中小企業の直面する状況はさまざまでありますけれども、その効果的な後押しというのが一体何なのか、現時点は判明しないわけであります。
 では、特に経営の効率化や業態転換など、プロの経営コンサルタントの指南で据置期間などを圧縮できる可能性、そういったものはあるのでしょうか。そういった効果について都の所見をお伺いいたします。

○石井水道局経営改革推進担当部長 料金差額補填期間は、利用者の意見を踏まえるとともに、公平性に考慮し、料金据置期間十年と激変緩和期間十年の合計二十年の有期の支援策としております。
 また、技術的助言や経営相談の実施を求める利用者の意見を踏まえ、無料の相談窓口の設置を行うこととしており、現在、工業用水道を利用している中小企業における経営改善に向けた取り組みや販路拡大に向けた支援、新製品、新技術開発に向けた支援を実施していくということで取り組んでいきたいと考えております。
 これらの経営、技術支援による効果は、それぞれ利用者ごとに多様ではございますが、事業廃止に伴う利用者への経営等への影響を最小限にとどめるという支援策の趣旨を踏まえると、料金差額補填期間を短縮するということは困難であると認識しております。

○おときた委員 今、矢継ぎ早に三つほど確認をさせていただきましたが、総じてこの相談窓口の体制については、ほとんどが検討中であって、効果も不透明なまま進んでいるんではないかと、そういった印象を強く持ちました。都の姿勢及び策定した支援案に大きな疑問を覚えるのは、支援が曖昧な点にもあります。
 以上を踏まえて、最後に意見を述べさせていただきます。
 本来であれば、相談窓口の体制をどうするのか、どのような目的で設置するのか、そして具体的にどういう目標を立てて運営していくか、こういった計画を全て出した上で最終的な廃止案をまとめるというのが、工業用水道を使用する業者からも、一般都民からも求められているのではないでしょうか。支援期間をいたずらに長くするのではなくて、経営相談の充実などで、できるだけ早く工業用水道廃止の影響から脱却していただく、こうした本来の目的に沿ったサポート体制を整えることこそが最も大切なはずなのに、そこが完全におろそかになっており、ただただユーザーの声に対処するために料金減免の支援のみが長期化しているように感じられます。こうした都の姿勢と支援策に私は極めて強い危惧を抱いています。
 私は、工業用水道の廃止には賛成です。時代の流れや更新費用などを考えれば、合理的で、ある面ではやむを得ない対応だとも思います。
 一方で、有識者報告書が示した合理性、公平性の観点を軽んじて、無為無策のまま支援が長期化する懸念が払拭できない現在の都の支援案には、全面的に賛成することはできません。とりわけ、百億単位の税を負担する将来世代にもわたる都民や、工業用水道の非ユーザーの声が反映されていないことには非常に大きな懸念を覚えます。
 ここまでるる指摘した問題点に鑑み、長期支援計画については、直ちに見直しが図られることを再度強く要望いたしまして、私の質問を終わります。

○おじま委員 私、積み残しも含めて三十五分あるようなんですけれども、十五分と申告しているので、できるだけ簡潔にまとめられるようにしたいと思います。
 この工水の議論について、きょう、るるあったんですけれども、主に二つに分けて、今を軸としたら、過去の議論とこれからの未来の議論になると思います。きょうも、これまで東京都は一体何をやってきたんだとか、あと、遅きに失したんじゃないかとか、そういうのもたくさんあったんですけれども、例えば、包括外部監査から十四年間たっていて、この十四年間の間にも都議会もあったわけですから、これはちょっと、いえばいうほどブーメランになるんじゃないかと、それも私も感じています。我々も、この十四年間に関する責めはあるという前提で、これは議論しなきゃならないのじゃないかと私は思っています。
 これから先のことというのはやはり議論をしなきゃならないわけでありますけれども、とはいえ、経緯というのも大事です。これまでの反省というのも大事だと思いますので、まずは、最初にありました地下水の議論について触れていきたいと思います。
 この工業用水道事業というのは、地下水のくみ上げ、揚水規制の代替ということで供給が開始をされたわけであります。その経緯というのは、もうこの連合審査会でも共有をされたと思います。この前提議論として、地下水の話があるというのもしかるべきなんですけれども、一方で、代表質問でもあったし、一般質問でもあったし、きょうも再三、環境局から答弁があったんですけれども、現状、地下水に関しては実態把握ができていないと、未解明であるということでありました。
 平成十七年に地下水対策検討委員会というのが立ち上げられていて、そこでもさまざま検証が進められてきたということなんですけれども、二十八年の七月に発表されたこれが最新の報告になっているんですけれども、そこでも、現行規制を継続しながらさまざまな角度からデータ分析を行うことで、地下水の実態を浮き彫りにし、時間をかけて丁寧な検証に取り組んでいく必要があるということで、ここでもまだわからないということでありました。国としても、この議論を、推移を見守っていくといっているようであります。
 これ仮に、わからないということがきょうもあったんですけれども、例えば五年後でも十年後でも、あるいは二十年後でもいいんですけれども、この検証結果、出せる見通しは、都としてあるのかどうかお伺いします。

○須藤環境局自然環境部長 都は平成二十九年度から、地下水の揚水が地下水位や地盤に与える影響について、環境科学研究所や学術機関とも連携し、都内四十二カ所で継続して観測している地下水位と地盤変動のデータと、都内の揚水量のデータなどを用いて研究を進めているところでございます。
 東京の地下水の実態は未解明な部分が多いことから、さまざまな実態把握を積み重ねていく必要があり、現時点において将来予想について明言することはできない状況でございます。

○おじま委員 明言することはできないという改めての答弁だったわけですけれども、じゃあ例えば、この検証結果が判明するまで、これを先送りできるようなそういう問題だったらいいんですけれども、この工業用水道というのはそうじゃないと思います。
 老朽化であったり、施設の更新時期による財政事情というのもこれはもう明確に示されていて、そのデッドラインが目の前に控えているということで、管路も継ぎかえながら延命してここまで来たわけであります。もう限界だと見るべきだと私は思います。
 都としても、この存廃の判断については、これ以上先送りをできないという認識でよいのかどうか、改めて水道局に伺います。

○青木水道局浄水部長 工業用水道事業は昭和三十九年度に給水を開始して以来、五十年以上が経過し、浄水場や配水管等の老朽化が進行しております。三園浄水場におきましては、設置からの経過年数が法定耐用年数を上回っている設備も多く、中には、浄水場の運用を開始した昭和四十六年度から五十年近くも使用しているものも存在をいたしております。
 局の調査結果では、配水小管は布設から五十二年、配水本管は六十七年を超えると管体の腐食によりまして漏水の危険性が上昇するということから、平成三十年代以降は、著しくその危険性が増大をしてまいります。
 仮に、漏水が発生をいたしますと、道路陥没や浸水被害などの二次災害が危惧されるとともに、管路のバックアップが脆弱でありますことから、利用者へ断水などの多大な影響も懸念されるところでございます。
 このように、利用者や社会への影響を考慮いたしますと、工業用水道の施設や設備の更新を先延ばしすることが困難であると考えてございます。

○おじま委員 先延ばしは困難であるというご答弁をいただきましたけれども、この老朽化の問題というのも一つ判断材料だとして、もう一つ先送りをできない、してはいけないという理由があると思います。
 本来であれば、この工業用水道事業会計というのは独立採算でやっていくという原則があると思います。料金収入で全て費用を賄っていって、そこで完結をするという前提があるものの、何億という一般会計からの繰り入れを毎年毎年、長年にわたって続けてきたという状態が今あるわけですよね。経営の観点からも、もうどうしようもない状態であるということは、これは火を見るよりも明らかだと思います。
 仮に、例えば、最初に申し上げた地下水の検証結果というのを出てからその後の議論をしましょうとやるとして、そういう当てのない先送りというのをこれからもやっていくとすれば、そこに毎年毎年、赤字補填を続けていくということになるわけで、その総額というのはだんだんこれからも膨らんでいくと。そこに投入しているのは、答弁にもありましたけれども、都民の血税であるわけであります。
 仮に、包括外部監査で意見があった平成十六年度で決断をしていればどうだったかという過去の議論もあると思いますけれども、少なくとも累積ベースで一般会計からの赤字補填というのが、そこで少額でおさまったかもしれないということもあると思います。
 平成十六年度以降続いてきた一般会計からの繰入額について、財務局としてはどう捉えているのか、その答弁をお願いします。

○初宿財務局経理部長財政企画担当部長
オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 包括外部監査におきまして、廃止などを含めた抜本的な経営改革を検討すべきとの意見がございました平成十六年度以降、直近となります平成二十九年度決算までの一般会計繰入金の総額は約六十五億円でございます。このうち、事業の経営を安定的に維持していくための一般会計繰入金は、平成十六年度時点では約二億円でございましたが、平成二十九年度におきましては約七億円となってございます。

○おじま委員 この十四年間、先送りにしてきたということで、少なくとも六十五億円がそこにかかってしまったということがわかるわけであります。近年は、労務単価とか資材の価格というのも高騰してきていますから、これを先送りすれば廃止に伴うコストそのもの、先ほど九百六十五億という話もあったけれども、それもまた膨らむかもしれない、撤去経費も高くなるかもしれないということであります。
 この事業廃止の判断というものを引き延ばせば引き延ばすほど、都民が払うコストというのは増大する構造を免れないということは、この議論を通してもわかってきたわけであります。だからこそ廃止という判断をしなければ、これは今やらないと、これからもそこに税金が投入されていくわけであります。
 平成十六年度の包括外部監査で、抜本的な経営改革の検討というのが提言されていますけれども、既にそこに十四年費やしてきて、これをもし今、再びここで議会が廃止を検討中ということにして先送りにしたら、それこそユーザーの皆さんにも混乱を招きますし、都民もそこに置き去りにしていくことになるんじゃないかと思います。かえって、そこで不安と心配をあおるようなことがあるのであれば、確かに、今まだ定まっていないこともいっぱいありますけれども、都は、先ほどの答弁にあったとおり、長期的な観点から今後も支援内容は検証していくと。これは見直しも含めて議論をしていくということを否定していないわけですから、もう全体の都民益を考えても、ユーザーのことを考えても、ここで立ちどまるという結論を出すんじゃなくて、一定の結論を出して先に進めないといけないと思います。
 むしろ、廃止後どうしていくかということが重要になってくると思うんですけれども、例えば、廃止すれば、いろんな影響がユーザーさん初め出てきて、そこでまた新たに出てくる課題もあるかもしれないし、それが出てきたら予算措置だって考えなきゃならない、そしてそこでまたそれについては議会にかかってくるというプロセスを経るわけですから、そういう先に向けてのロードマップというのを示してあげることというのが、これが東京都であり、議会の責任なんじゃないかと思います。それがユーザーのためにもなると思います。
 そこで、今後のスケジュールについて、今の段階で決まっていることについてご答弁ください。

○石井水道局経営改革推進担当部長 工業用水道事業の廃止が決定した後ですけれども、計画的に上水道へ切りかえを進めてまいります。平成三十年度内は、改めて利用者を個別訪問し、上水道への切りかえに向けた説明を行い、詳細なスケジュール等、利用者の意向を確認していきたいと考えております。
 平成三十一年度から平成三十四年度まで、利用者の意向を踏まえながら、計画的に上水道への切りかえを年百五十件程度進めていきます。この四年間で、工業用水道の給水栓全数六百十九件の切りかえを完了させたいと考えております。
 平成三十五年度以降は、上水道や他の用途での活用を進めるとともに、他の用途での活用ができない配水管等については、速やかに撤去を進めていきたいと考えております。
 一方、利用者へのご支援ですけれども、料金差額補填の期間を上水道への切りかえ期間四年の後、料金据置期間の六年、さらに料金負担の激変を緩和する期間を十年ということで、合計二十年間とする支援計画案を取りまとめたところですが、これに対しましても丁寧にきめ細かく対応してまいりたいと存じます。

○おじま委員 最後になりますけれども、今、今後についても適宜、検証や議論をやっていくということでありましたし、局横断的にやるというふうに、代表の質問のときに答弁あったと思いますけれども、これも大変重要なことだと思います。
 ここで改めて申し上げますけれども、これまでの過去の経緯だとか反省というのももちろん重要なんですけれども、これから先の話というのが、こっちの方が重要で、これについて議論を深めていくというのがこの連合審査会の責任だと思います。
 そのことを最後に申し上げて、私からの質問を終わらせていただきます。

○川松委員 済みません、いろんな確認もさせていただきたいんですが、まず、支援計画について、素案を私たちは見ていました。それがある日突然、案になったわけですが、この案になったときは、どういう会議を経て、どういう理屈で素案が案になったのか、僕からするとブラックボックスの中で決められたわけですが、それをまず教えていただきたいと思います。

○石井水道局経営改革推進担当部長 委員お尋ねの素案から案に変わっていくところでございますけれども、まず有識者委員会の報告書が出まして、それをもとに、この夏、個別にユーザーを回りまして、いろいろとユーザーの方からご意見をいただいたということで、これまでご答弁申し上げたように、それだけでは短いのではないかというようなお話がございました。
 そういったお話がありましたので、八月に入り、庁内検討会、それから知事への説明の中で、現在のユーザーの反応というものを、こんなような状況だということをご説明申し上げて、さらに、この支援期間、有期というのは変わらないんですが、短いという方々がまだ半数以上いらっしゃったものですから、料金の差額補填期間というのが一番ポイントになっておりましたので、そこを延長するという案で、先ほどからのご答弁にありますように二十年という期間を決めて、そういったことで素案という形で、その計画案を有識者委員会の報告書をもとに作成をしてきた経緯がございます。

○川松委員 済みません、僕、時間も限られているので、素案が案になったのは、いつ、どのタイミングでなったんですかと単純な話で、前提の話は聞いていません。

○清水(孝)委員長 簡潔にご答弁願います。

○石井水道局経営改革推進担当部長 申しわけございません。素案が案になったのは、公表をする九月十二日に計画案ということで固めました。

○川松委員 それは誰が九月十二日に素案を案として固めたのですか。

○清水(孝)委員長 答弁できませんか。

○中嶋水道局長 素案ということで、いろいろとユーザーの方、お回りしましたけれども、東京都として正式に支援計画の中身として提出するという段階で、これは案という形で変えさせていただきまして公表したところでございます。
 したがいまして、公表のために案と変えたということで捉えていただければというふうに思います。

○川松委員 今の局長の説明だと、公表のために素案が案になって、名前だけが変わったような説明ですけれども、中身も変わったわけですよ。公表のために中身も変えたという理解になりますけれども、それでよろしいんですか、局長。

○中嶋水道局長 素案の段階で、ユーザーの方、利用者の方にいろいろとご意見をお聞きしまして、それを反映した上で、幾つか修正を加えて公表させていただいたと、案として公表させていただいたということでございます。

○川松委員 それと、もう一点、僕がちょっと疑問なのは、今、僕らが話し合っているのは、この支援計画案なんです。支援計画案は、いつ案が取れるんですか。

○中嶋水道局長 これにつきましては、議会の条例が、お認めいただきまして、支援計画として議会として認めていただいた暁に支援計画として決めていく、決定するということで私どもとしては解釈をしております。

○川松委員 済みません、この支援計画案については、報告事項で我々入っているんです。ということは、今、何のために委員長、我々会議しているのか教えてください。

○清水(孝)委員長 委員長に聞かないで--局長、答えられますか。何のために今、計画案という、報告事項なのに案がついているということなので、それが前提になってしまっているんですが、何のためにこれ、我々は集まってやっているのかという。

○中嶋水道局長 条例につきましては、議決事項でございますので、そういった手続で現在お諮りしているということでございます。
 支援計画につきましては、この条例を議決いただく際の、一番重要になる案件でございますので、この支援計画の是非を議論していただくということを通してこの条例の議決というものをご議論いただくということで、私どもとしては条例の上程と、あと、それに基づきます支援計画の案というものを同時に議会の方に、一方は議決事項、一方は報告事項でございますが、お諮りをして、現在ご質疑をいただいているというふうに考えております。

○川松委員 これは、僕は変にへ理屈をこねているのではなくて、すごく大切な話をしていまして、一千億円近いお金の話をしているわけですが、議会の議決事項に入っていないんですよ、支援計画は。で、しかも素案は発表したら案に変えられるって、変えられたわけですよね。この責任は誰が持つんですか。
 今、報告事項で挙げているけど、じゃあ条例が通ったら、この支援計画の案は取れますよっていう事前の説明もありませんでした。
 そのこと、この責任、議決があるんだったら我々議員としての議決の責任がありますけど、この一千億円の責任を誰が持っているのかっていう前提の議論がないままきょうは朝から進んでいるんです。僕は疑問に思っているから。一言で答えられると思います。これで五分もたってしまいました。教えてください。

○武市財務局長 現在、条例につきまして条例案ということで審議事項ということでご審議をいただいております。それに密接不可分なものといたしまして支援計画の案をお示しさせていただいておりまして、両者は表裏一体なものというふうに私ども考えております。
 ただ、その中で最終的には、支援計画につきましては予算を伴うものでございますので、予算審議の場で、私どもここでのご議論を踏まえた形で支援計画案として、支援計画として予算審議に提出させていただくように考えておりますが、その予算審議を経ることで最終的に確定すると。もう一段、予算を審議いただく中でのご議論、ご決定があるものというふうに私ども考えております。

○川松委員 だったら、今三定に、議会の告示日にぱっと出すような、これ出さなきゃいけないから、素案に、案に変えたといった、多くのユーザーの人たちも知らないような案を審議してくださいって出したって、この前提は何なんですか、意図は。余りにも乱暴じゃないですか。教えてください。

○中嶋水道局長 乱暴だというご指摘がございましたけれども、私どもとしては、これまでの経緯、怠慢だというお話ございましたけれども、これまでの経緯を踏まえますと、やっぱり一刻も早く、これは有識者の提言を受ければ、都として決断すべきだということで、二定で廃止表明をしていただきまして、そこでも議会でご議論いただいた上で、直近の三定で、今回お諮りをしているわけでございます。
 いずれにしましても、支援策につきましては、先ほど財務局長が答弁しましたように、最終的には予算の議決の中で、議会の方にお認めいただくようなスケジュールになってございますので、そういった意味では、今回は条例案というものを出しまして、支援策というものをもとにしてご議論いただくということで、一番直近の三定でお諮りをしているということでございます。

○川松委員 済みません、ちょっとここのパート、確認にしますけど、ということは、ここから予算議会にかけるまでに支援計画の案は変わっていくという可能性があるということですね。

○武市財務局長 私どもとしては、現行の支援計画案をベースに、それをそのまま出して
いく、予算案としては出していく予定で考えております。

○川松委員 ということで、じゃあお聞きしますが、きょうも朝からずっと参考人の先生とお話ししてきましたけど、四年、六年、十年、計二十年という支援計画は、誰がどこで考えて、そして決めた案なんでしょうか。

○中嶋水道局長 有識者委員会の提言で、基本的な支援の、料金補填の考え方、まず切りかえ期間四年、切りかえ期間があって激変緩和期間があるという基本的な考え方をいただいたわけです。その後、そのトータルが十二年ということなんですが、これで利用者の方を回りますと、過半数の方がこれでは足りないというようなご意見があったということで、私どもとして、これをどうにかしなければいけないというふうに考えた末に、やはり据置期間ということを置いて、このトータル十年間、工業用水道料金、そのままで置くという期間を置くことによりまして、より経営者の方の安定的な上水への移行というものがご支援できるだろうということで、新たに六年の据置期間を置かせていただいたと。
 切りかえ期間四年と、六年のトータルの十年というのは、先ほど部長の答弁がございましたが、中小企業の制度融資の際の返済期限というものも参考にしながら、設備投資のときの返済の期間というものを参考にしながら、十年という設定をさせていただいたわけでございます。
 また、激変緩和期間のさらなる延長につきましても、当初の提言につきましては、平均五倍ということで、通常の手数料の二年間で一・五倍ずつ上げていくということを踏まえて、平均五倍をモデルケースにしてやったわけですけれども、最大で十二・五倍という方がいらっしゃいますので、そのユーザーの方全体の不利益というものがないようにカバーするということが大事だろうということで、その十二・五倍の方に合わせたような激変緩和期間の期間延長をさせていただいた。それを、トータルを合わせますと、トータルで二十年間というような中身になりましたので、それをお示しさせていただいたわけでございます。

○川松委員 済みません。私が聞いたのは、どこで誰が決めたのかとお話ししました。
 八月三十日の時点で、知事が廃止に向けた決定をしましたよと。今、中嶋局長からも武市局長からも、この条例と支援計画はセットですよと。今は報告事項で入っていますよということは、知事が決めたんですか、四、六、十というのは。

○中嶋水道局長 先ほどもご答弁いたしましたが、八月三十日に、担当副知事と私どもと担当部長とで、知事の方に説明いたしまして、そのときに今申し上げました支援策、これにつきましてもご説明した上で知事の決定をいただいたわけでございます。

○川松委員 ただその後、変わっちゃったわけですよね。この時点で、八月三十日の時点で四、六、十は決まっていたんですか。

○中嶋水道局長 その時点で九月十二日の案というものを、四、六、十といいますかね、現在お示ししている案の中身については、知事に対して上げまして、そこで決定をいただきました。

○川松委員 ということは、八月三十日の時点で、知事がこの四年、六年、十年という二十年の支援策を決めたということが確認できましたと。
 そうすると、さっきの宇田川委員とのやりとりの中で、環境局が国とのやりとりを去年の十月ごろから始めていたという答弁があったわけですが、環境局の皆さんが国とのやりとりを始めた、去年の十月に始めたきっかけというか理由は何だったんでしょう。

○須藤環境局自然環境部長 先ほどご答弁いたしました国とのやりとりが昨年の十月からという件に関してでございますけれども、私どもの方で万一、工水を廃止した場合、工水についてはかねてから見直しの議論あったんですけれども、工水を廃止した場合にどうなるかということを関係局との話の中で出てまいりましたので、その段階で所管省庁に相談したところでございます。

○川松委員 ということは、この十月ごろに関係局との間で話が出てきたということなんですか。

○清水(孝)委員長 答弁願います。

○川松委員 まさに国とのやりとりを始めようといったころに、このやりとりしなきゃいけないなということがスタートしたんですか。

○清水(孝)委員長 どなたですか。

○須藤環境局自然環境部長 昨年、平成二十九年の八月には、都庁マネジメント本部も開催されまして、その中で工業用水道事業の見直しについても議論がされておりますので、そういった流れを受けて、地域指定の問題などもありましたので所管省庁に相談したところでございます。

○川松委員 八月にマネジメント本部で議論が出るということは、もうその以前のときから、工業用水道について話し合いが都庁内で行われる、都政改革本部も含めて行われるというのが水道局の中であったんでしょうか、八月二十一日の前に。

○石井水道局経営改革推進担当部長 工業用水道の廃止か存続かというのは、平成十六年で外部監査をいただいて、また、二十六年にもご指摘を受けておりますので、その間の庁内検討会という持ち方も含めて、いろいろなところで関係各局が知恵を出し合いといいますか、そういうことで、どうしたらいいんだろうということを進めてきている。その結果として、環境局さんの方も、国への相談というようなことが、そういう場面があったんだというふうに認識しております。

○川松委員 ここで、僕はちょっと水道局、あるいはほかの局の皆さんの考え方をお聞きしたいんですが、墨田区にあるマンションが工業用水を使っているわけですよ。自分のところの用水の配管の工事を去年の七月に二千万円かけてやったわけです。事前の打ち合わせの中で、水道局からそういう工水が廃止されるかもしれないという話がなくて、自分たちは配管工事ずっと五十年間ほったらかしておいて、民間の人たちが民間のお金でやるという二千万円に関しては、水道局から廃止するかもしれないよという言葉もなかったと。これはユーザーに寄り添ったというか、都民の皆さんに寄り添った水道局の姿勢なのかというの私は疑問でならないんですが、水道局として、二千万円、民間の方たちは使ってしまって、じゃあこれ廃止されちゃうんだったら、何のために新設したのというふうに嘆いている方がいるわけですけれども、水道局としてどう対応していくのか、お考えを教えてください。

○中嶋水道局長 ただいまのご指摘のありました件でございますけれども、本件のこの該当のマンションの関係でございますが、本件につきましては、受水タンクというのがございますが、それより先の給水設備の工事でありましたために、これはいわゆる届け出の義務がないということで、担当の江東給水管工事事務所には、当該マンションの改造工事等の届け出に関する記録は、ちょっと現在残っておりませんので、私ども本局の方で状況を把握することはできなかったわけでございます。残念でございますが。
 そのため、初めて知りましたのは、有識者委員会等での議論に活用するため、平成二十九年十月に現地を訪問いたしまして、工業用水道事業のあり方の検討状況をご説明した際に、先方の管理組合の方から、実は工事をしたということをお話を伺いまして、初めて私ども本局の方としては知った次第でございます。
 これにつきましては、事前に、その当時に適切なアドバイスができなかったことにつきましては、非常に私どもとしても申しわけなく思っております。
 ただ、この支援につきましては、先ほどもありましたように、今後の廃止に伴います利用者の方の激変緩和ということで、将来にわたっていくものでございますので、今の支援策そのものを特例的に該当の方に適用するというのは、これは難しいとは思うんですけれども、いずれにしましても、現地のマンションは、これは廃止、この条例の、議会のあれが終わった後になりますけれども、訪問させていただきまして、実際の配管状況ですとか、どういった形で設備を設置されたのかということも踏まえまして、どういった形で対応できるのかというのは丁寧に、これは事後になりますけれども、対応させていただきたいというふうに思っております。

○川松委員 これはもう本当に、つい最近二千万円かけてつくって、もうすぐ使わなくなるという話ですから、これ水道局の皆さんと現場、話をしていたといっておりますので、しっかり対応していただきたいと思います。
 一方で、平成十六年から廃止に向けた作業をしていました、作業をしていましたという割には、現場では、こういうギャップがあるわけですよ。本当に、そのマンションの皆さんと向き合っている人たちが廃止に向けた動きを知らなかったんじゃないかという、ということは動いていなかったんじゃないかというふうにもとれてしまいますので、もう一度この件に関しては、場面を変えて、水道局の皆さんに要望もさせていただきまして議論もさせていただきたいと思うんです。
 下水道局にお聞きしたいんですが、現在、東京都下水道局の下水の排水基準というのはどのように定められているんでしょうか。

○井上下水道局施設管理担当部長 下水排除基準は、公共用水域の水質保全及び下水道施設を保護するために定められておりまして、下水道を使用する事業者は、この基準を遵守しなければなりません。
 下水排除基準には処理可能項目と処理困難物質があり、例えばシアンや重金属などの水再生センターで処理が困難な物質については、それぞれ濃度により規制をしております。

○川松委員 つまり、今の下水の排水基準というのは濃度なわけですね。そうすると、これ考え方とすれば、水をいっぱい使って薄めれば排水基準をクリアできちゃうわけですよ。濃度なんです。だから、安いお水、特に一番もともとを考えれば、地下水で無料の水を使っていて、薄めちゃえば排水基準はクリアできちゃうと。でも、実際にはそういうわけにはいきませんから、みんな苦労しながらここに来ています。
 それぞれの工場でやっている人たちも、東京で仕事をやるということに関しては、自分たちで排水設備にお金をかけて下水と向き合っているわけですけれども、実際に下水道料金というのは何に使っているんですか。

○安藤下水道局総務部長 下水道料金の使い道は、主に汚水の処理に係る施設の建設費と維持管理費でございます。
 具体的には、家庭や事業所などから排出される汚水を下水道管やポンプ所を使って水再生センターまで運び、水再生センターで処理した上で、川や海などの公共用水域に放流する維持管理費と、それらの施設の建設費でございます。

○川松委員 つまり、下水道料金というのは汚水処理に使われているんです。それぞれの工場は自分たちで設備投資をして汚水が出ないように努力しているわけですね。そうすると、これ下水道料金を、今回の工水廃止に伴っては、今でも下水を減免している部分はあると思うんですけれども、今後、先ほどいっていた、いわゆる上水ユーザーと工水ユーザーの乖離、これも含めて下水の減免というのは考えた方がいいんじゃないかと思うんですけれども、今の下水道局の見解はいかがでしょうか。

○安藤下水道局総務部長 下水道は、法令等の排水基準を満たす汚水を受け入れ、それを処理するということを前提としておりまして、この基準を遵守していただくため必要な排水規制を行っているところでございます。
 また、汚水処理というサービスの点や、その処理に要する経費を負担いただくという点では、上水道使用者、工業用水道の利用者の差はございません。このため、工業用水利用者が上水道利用者に切りかわりましても、その切りかえ前後で下水道料金に差は生じないものでございます。また、工業用水を利用する事業者のうち、既に料金減免を受けておられる方は、切りかえ後も引き続き減免を受けられるものでございます。
 今後、庁内横断的な検討体制のもと、長期的観点から支援内容や対象について検証していくこととされておりまして、お話の料金減免につきましては、下水道の使用者間の負担の公平や公営企業の独立採算の原則のもとで慎重に検討すべきものと考えます。

○川松委員 ただ、この件はしっかりと、今後できる検討体制の中で考えていただきたいと思います。要望しておきます。
 産業労働局にお聞きしますけど、先ほどから、いろんな皆さん方の質疑の中で、水道局は、経営断念につながらないようにサポートするといっています。僕のところにいろいろとお話来ている人たちは、もし工水から上水に切りかわったら、もう値段がちょっとでも上がった時点で、ぎりぎりのところでやっているのに、値段が上がったらやっていけないよといっているわけです。
 その場合に、産業を東京から外に行こうということをいっている人たちもいるんですが、経営断念につながらないために外に行こうという人たちに対しても、産業労働局は支援するというのは、これ筋が通る話なのか、見解を教えてください。

○坂本産業労働局商工部長 東京の商工業振興に当たりましては、基本的には都内の商工業者は、都内において安心して事業展開をできる、そうした取り組みをサポートするということを前提として、さまざまな諸施策を展開しているところでございます。
 したがいまして、他の地域へ転出するということをサポートするような施策というものは、基本的には私どものとる施策とは相入れないものであろうというような、そういった考え方に立つ、そういうような支援になろうというふうに考えているところでございます。

○川松委員 とすると、経営断念につながらない支援、そして東京の地場産業を守るということに関しては、しっかりとそれぞれのユーザーの皆さんに対して、東京都は手厚いサポートをしていただかなければならないということです。
 この東京というところだからこそ育ってきた産業を--いろんな業界があります、いろんな工場、いろんな経営者いますけれども、その人たちがこの切りかえによって経営断念しないように、それは都内でしっかりと続けられるように、皆さん方の支援を要望しておきます。
 時間もないので--まだありますね、委員長ね。--ちなみに、この支援計画案では、コスト九百六十五億円、およそ九百六十五億円になっていますけれども、この財源はどこから拠出するのか、そしてこの財源のめどは立っているのか教えてください。

○初宿財務局経理部長財政企画担当部長
オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 工業用水道の事業廃止に伴います経費につきましては、配水管等の撤去費用の縮減を図りますとともに、土地や建物、施設利用権等の既存資産を最大限活用し、その圧縮に努めることとしております。今後、さらなる費用縮減を追求してまいります。
 その上で、事業評価の取り組みなどを通じまして、無駄の排除を徹底するなど、財政対応力の堅持に向けた取り組みをしっかりと進めてまいります。
 なお、このたびの事業廃止に伴い要します九百六十五億円のうち、工業用水ユーザーに対します料金差額支援は二十年間にわたって実施するものでございます。また、配水管等の撤去等につきましても、道路管理者との協議の上、順次実施していくものであり、経費は標準化される見込みと考えております。

○川松委員 今のやりとりの中で、今回の、この支援の計画の内容というのは予算にかけるということになりましたので、ぜひ、この支援計画に関しては、この三定で終わらせずに、次の定例会、あるいはその予算というところも含めて継続して審議していただく、あるいはまた参考人、ユーザーの皆さん、呼んでいただくということを委員長に要望して質問を終わります。

○清水(孝)委員長 はい。
 この際、議事の都合により、概ね二十分間休憩いたします。
   午後五時五十一分休憩

   午後六時十五分開議

○清水(孝)委員長 休憩前に引き続き連合審査会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○うすい委員 今回の都の案で示された配水管等の撤去コストは、有識者委員会報告書と比較して一定程度の縮減が図られているものの、あらゆる創意工夫を行い、さらなる経費の圧縮を目指すべきだと思います。
 そのためにも忘れてはならないのが、現在の工業用水道事業が保有する資産の取り扱いでございます。今回の廃止に伴い、曲がりなりにも貴重な税金を活用する以上、廃止総額の縮減に向けて、既存の工業用水道事業が有する資産の活用などを含めて、都はどう取り組んでいく考えをお持ちか、お伺いしたいと思います。

○石井水道局経営改革推進担当部長 三園浄水場の土地建物、機械及び装置など、水道事業と工業用水道事業が共有で使用している資産については、水道事業会計に有償移管すると。また、工業用水道の配水管のうち、水道事業においても有効に活用できる配水管については、水道事業会計に有償移管をしたいと考えております。
 さらに、浄水場跡地の活用や、配水管のさまざまな用途への転用など、可能な限り資産の有効活用を図り、廃止経費の縮減を進めてまいりたいと考えております。

○うすい委員 いずれにしましても、撤去経費のさらなる圧縮に向けて、あらゆる可能性を追求していただきたいと思います。
 それから、確認でお伺いしますけれども、今回の案件である工業用水道事業の廃止は、全国でも例が少なく、都が事業を廃止することになれば、地盤沈下対策として事業を行っている事業体の中で初めての例となるとのことでございます。それゆえに、今もこうして議論をしておりますけれども、検討すべき課題も多く、確認が必要なことや調整をすることも多々あると思います。さらに、廃止した前例が少ないとなれば、検討段階から実施段階まで、各時点で確認や調整を慎重に進める必要があると思います。
 事業を廃止する手続の中で、許認可など法的な手続等は重要でございます。工業用水道事業が規定されている工業用水法と工業用水道事業法に関する手続を改めて確認をしたいと思います。
 工業用水法に基づく地域指定の問題が整理される前に、工業用水道事業を廃止することはできるのかどうか伺います。

○石井水道局経営改革推進担当部長 工業用水法では、工業用水道事業の廃止された場合の指定地域の取り扱いについて、具体的な定めが現在ございません。国に事業廃止に当たり法的手続等について確認をしたところ、指定地域の取り扱いについては、都における工業用水道事業の廃止が決定した以降協議をしていきたいと、こういうお話をいただいております。
 また、指定地域の問題にかかわらず、工業用水道事業法に基づく事業廃止の届け出については行うことができるという見解も得ております。
 このため、本年第二回定例会において、事業の廃止に向けた動きを進めることとした以降、利用者の声を丁寧にお伺いし、都としての支援計画案を取りまとめた上で、本定例会に廃止に関する条例案をご提出したところでございます。
 工業用水道事業の廃止が決定した後は、国と速やかに協議を進めてまいりたいと考えております。

○うすい委員 今後とも、国としっかりと調整をしていただいて進めていただきたいと思いますので、要望して終わります。
 以上です。

○斉藤委員 よろしくお願いします。
 改めてですけれども、これまで工業用水道事業は、地盤沈下の抑制と、そして中小企業、地場産業を支えるという、公共の福祉に資する大切な役割をこの東京都で果たしてきました。そして、そのユーザーの方々は、事業用、雑用水の利用者を問わず、東京都のその施策に協力をしてきた、してくれてきた方々です。
 廃止の検討と、そして支援に当たっては、非ユーザーとのバランスとか、使っていない都民からの理解ということが強調されることもありますが、そうした対立をつくるのではなく、この事業が担ってきた大切な役割というのを、東京都、そして議会でもいま一度理解をして、その立場からユーザーへの支援、そして中小企業への支援ということを、全庁的に考えていくことが重要ではないかというふうに思っております。
 私の方からは、集合住宅での雑用水の利用者について伺います。
 まず、今回の東京都の新しい案では、事業用利用者に対しては、利用者の負担をより抑制する方向が示されたことは本当によかったというふうに感謝をいたしております。一方で、一般雑用水ユーザーに対しては、今回の案でも料金の据置期間と激変緩和期間、それぞれ事業用利用者の半分の期間になっています。特に、集合住宅での利用者の方々に対しては、廃止の検討のお知らせが本格的に始まったのはごく最近で、支援策が決まる前に意向調査などは行われていません。
 工業用水道事業の廃止を決定するに当たっては、これから特に丁寧な対応が求められてくると思います。
 この集合住宅での利用者に対しては、ことしの四月の末から、今回の事業廃止の検討のお知らせが始まっていますが、現在の問い合わせ件数と問い合わせ内容について伺います。

○小山水道局サービス推進部長 集合住宅で雑用水を使用されている約三万五千戸の利用者からの問い合わせでございますが、本年四月から九月二十七日までの間で約三百件寄せられております。
 問い合わせの主な内容でございますが、上水道への切りかえ後の水道料金はどうなるのか、それから、廃止に向けた具体的なスケジュールはどうなっているのか、あるいは、廃止となった場合、上水道に切りかえるためにどのような工事を行うのか、室内での工事はあるのかなどが主な内容となっております。
 問い合わせに対しましては、本年七月十七日より窓口を局内に設置いたしまして、きめ細かく対応しているところでございます。

○斉藤委員 七月から窓口を設けて、きめ細かく対応しているということですが、現在、問い合わせの件数は約三百件ということで、まだこれからもさまざまな声やご要望が上がってくることも考えられると思います。
 集合住宅での利用者に対しては、まずは管理組合や自治会にお知らせをするということでしたが、六月の質疑の際には、方針決定前の情報提供は、かえって住民に混乱が生じるため郵送不要との意向が一部の自治会から示されたという答弁がありました。こうした団地への住民の方々へのお知らせは、今どのようになっているのでしょうか。お知らせが配布できていない戸数はどのくらいあるのでしょうか。

○青木水道局浄水部長 本年四月に、集合住宅の各居住者に対しまして工業用水道事業のあり方検討の状況につきまして情報提供する際に、あらかじめ自治会や管理組合に協議を実施させていただきました。
 その際、管理組合から、郵送不要との意思が示された団地につきましては、その意向を尊重し、郵送を控え、その戸数は集合住宅全体の約五%、約千五百戸となってございます。
 なお、自治会や管理組合に対しましては、各居住者に提供した情報に加えまして、有識者委員会報告書(案)や支援計画素案などにつきまして、情報提供を行ってきているところでございます。

○斉藤委員 いまだお知らせが届けられていないところが一千五百戸あるということです。管理組合の意向でお知らせがされていなくても、住民の方々には検討の過程のお知らせがなく、決定の通知が突然来るということになれば、余計に混乱が生じるという可能性もあると思います。今後も、個別の相談や住民説明会等でしっかりと対応していただきたいと思います。
 六月の第二回定例議会の質疑、委員会では、住民説明会について、求めに応じて積極的に行ってほしいという私からの要望に対して、必要に応じ、住民説明会の開催や利用者への情報提供、建物所有者や自治会等とも相談しながら丁寧に対応してまいりますとご答弁をいただきました。
 その後、住民説明会または理事会への説明会などは行われたのでしょうか。

○青木水道局浄水部長 知事が工業用水道事業の廃止方針を表明した六月以降、集合住宅の管理組合等から住民説明会を求められたことはございませんが、理事会等への説明は二件のご要望がございまして、それぞれ丁寧に対応したところでございます。

○斉藤委員 理事会への説明を求められたのが二件ということです。住民説明会については、先日も要望書を持ってこられた方々がいたと思いますので、ご確認をいただきたいと思います。
 六月の質疑の答弁に基づいて説明会していただいたということについて感謝を申し上げるとともに、今後も引き続き、丁寧な対応と要望を伺うということを積み重ねていただきたいというふうに思います。
 理事会に対する説明が二件あったということですが、そのうち一件が墨田区の東白鬚第一マンションだったと思います。理事会の方々に直接伺いました。このマンションは分譲型のマンションであるため、共用部分についても自分たちで設備更新をしなければなりません。先ほど川松委員の方からもお話がありましたが、ここでは、工業用水道の事業の廃止の検討があることが管理組合にきちんと知らされず、昨年、工業用水道の受水タンクや給水管の更新工事を行っていたということは、六月の議会で私も明らかにしたとおりです。
 同様に、ほかの分譲型マンションでも起こり得ることだと思いますので確認をしたいのですが、工業用水を利用している五十二の集合住宅のうち、都営住宅、公社、公団、分譲など、所有者別の内訳について教えてください。また、分譲住宅での工業用水の設備更新の状況について把握されているのかどうか、二つあわせてお答えください。

○青木水道局浄水部長 工業用水をトイレ洗浄用水として供給してございます五十二団地のうち、都営住宅が十九団地、東京都住宅供給公社が六団地、UR都市機構が十七団地、分譲住宅が七団地、その他が三団地となってございます。
 次に、設備更新の状況でございますが、工業用水を供給してございます分譲住宅は、ただいま答弁させていただきましたとおり七団地、約四千六百戸となってございます。それらの設備更新の状況につきましては、工業用水事業のあり方検討の状況をご説明をさせていただくため、平成二十九年十月に、全ての分譲住宅の管理組合等を個別に訪問してございまして、その際に状況を把握しているところでございます。

○斉藤委員 分譲住宅は七団地ということでした。昨年十月には個別訪問をしてきて、そのときに設備更新状況は確認したということです。
 しかし、把握をしているといっても、この間のやりとりの中では、記録を確認したらありましたという状況で、どこまで問題意識を持って対応していただいているのか、心もとない状況です。
 さらに、訪問をしたといっても、管理会社に伝わっていただけで、実際には住民である管理組合には伝わっていないというケースも、この間にはありました。きちんと水道局と、そして住民の方々の意思疎通が図られるところまで確認をして、丁寧に対応をしていただきたいというふうに思います。
 そして、東白鬚第一マンションのことについてもう一つ確認をしたいのですが、このマンションでは、二〇一六年、おととしの八月に上水と工業用水の設備更新の工事の届け出をするために、江東給水事務所に打ち合わせに、このマンションの工事の担当の方が行っていて、ここで相談されている内容が、マンションの管理組合の記録に残っています。ここには工業用水のことも記載をされていますので、設備更新を行うことをちゃんと江東給水事務所に伝えてあることがわかります。
 先ほどの質問とも少し重なりますが、なぜこのときに、少なくとも工業用水道の廃止の検討があることを伝えなかったのか、大変疑問なんですが、水道局の出先機関である給水事務所には、工業用水道の廃止の検討があることについて、情報共有や認識の統一などはなかったのでしょうか。

○尾根田水道局給水部長 委員お話しの平成二十八年八月の時点では、工業用水道事業の経営改革につきまして、存続、廃止の両面から検討が行われておりまして、都としての方向性が定まっていない状況でございました。
 このため、江東給水管工事事務所の業務を受託している東京水道サービス株式会社は、工業用水道の経営改革について、検討されていることは認識してございましたが、その時点において、水道局からは存続や廃止に関する検討の状況につきまして、伝えてはおりませんでした。
 本件につきましては、工業用水道の受水タンクから先の給水設備の更新であることから、東京都工業用水道条例に基づく届け出が不要でございまして、お客様に対しましては、存続や廃止の情報を含めまして、具体的な相談に応じることができませんでした。
 今後とも、受付窓口との連携を密にいたしまして、正確な情報の共有と調整を実施してまいりたいと考えております。

○斉藤委員 工業用水の工事については、東京都への申請が不要となっているということは、私も承知をしております。しかし、この記録の中には、工水の申請は不要という言葉が記載されていて、少なくとも、管理組合側から事務所に対して工業用水の設備の更新をするということを伝えていることは明らかなんです。
 今のご答弁では、このとき江東給水事務所が業務委託をしていたTSS、東京水道サービス株式会社には検討の状況を伝えていなかったということでした。この時点では、工業用水道事業の方向性が不明だったということですが、この時点で、既に事業用ユーザーに対しては、少なくとも三回も訪問をして、廃止の検討があるということを伝えて、アンケート調査も行っているんです。方向性が決定していなくても、事業用ユーザーと同様に、廃止の検討があることを伝えることはできたのではないでしょうか。
 江東給水事務所が業務委託をされていたTSSには伝えていなかったということですから、設備更新の可能性のある分譲住宅に対しての意識、配慮が抜け落ちていたのではないかということ、指摘しなければなりません。
 二〇〇四年に工業用水道事業についての廃止の検討が始まって以来、事業用利用者に対しては、二〇〇七年に二回、そして二〇一四年にも個別訪問を行い、アンケート調査を繰り返し行った上で、その声を反映した支援策が提案されていますが、一方で、集合住宅での雑用水の利用者に対しては、まだお知らせが届いていないところもあるという状況です。
 集合住宅での利用者の方々に対して、丁寧で誠実な対応がなされていないといわざるを得ない状況ですが、水道局の認識を伺います。

○石井水道局経営改革推進担当部長 集合住宅の雑用水利用者の方々に対しましては、平成二十年及び二十九年に、建物所有または管理組合等を訪問し、廃止を含めた検討を行っていることについての情報提供をしてございます。また、平成三十年三月及び七月には、集合住宅の居住者に対しましても、検討状況と廃止にする場合の影響について、郵送により情報の提供を行いました。
 このように、集合住宅における利用者に対しても、丁寧な対応を心がけていると認識はしております。
 なお、事業者と比べ、集合住宅の雑用水利用者に対して、やはり誠実な対応がなされていないのではないかというご指摘をいただいております。工業用水使用をしている事業者の方は、地下水の揚水規制の代替として給水を開始した経緯があることや、工業用水道の存廃が事業経営に大きな影響を与えるということで、特に入念な対応に努めていたという経緯はございます。

○斉藤委員 特に事業用ユーザーに丁寧に対応していたというのはいいことだと思うんですが、一方で、この抜け落ちていたというところは真摯に反省していかなければならないのではないかと思います。
 今、お答えいただいていたとおりですけれども、集合住宅に対しては二〇〇八年、十年前にお知らせして以来、去年までほぼ十年間、音沙汰がなかったわけです。しかも、この東白鬚第一マンションではお知らせが送付されたのみで、その後にアポイントなしでの訪問が行われたということですが、その際に管理組合の方には会えなかったということを伺いました。訪問を重ねてきた事業用ユーザーと対応は大きく違っているということは明らかです。
 十二月の質疑の際に、アンケート調査について、事業の存廃が企業経営に直結し、社会的影響が大きいユーザーを対象として、集合住宅は対象としていないというご答弁もあり、そして、先ほどのご答弁もありましたが、しかし、東京都がユーザーを東京都の目線で区別をしたとしても、利用している方々にとっては、事業であれ家計であれ、負担がかかるということは同じことです。
 この間の経緯を踏まえて、今後は集合住宅の方々に対しても丁寧な説明と要望の聞きとりなどを行っていただくように強く求めます。
 次に、その雑用水ユーザーの方々への支援策について伺います。
 今回の新しい支援の案の中には、事業用ユーザーに対して節水対策の支援を行うことが盛り込まれています。先ほど別の質疑でもありましたが、私も集合住宅の方々にも、この節水のための支援というのを検討するべきではないかというふうに思っています。
 工業用水を利用している集合住宅は古い団地が多いため、節水型のトイレかどうかということは、料金の上昇に大きく影響してくる要因にもなると思います。
 先ほど所有者別の内訳を教えていただきましたが、賃貸だと都営住宅が十九、そして公社が六、URが十七というのが主な内訳でした。それぞれの所管の都市整備局と公社、公団にも伺いましたが、古い住宅だと昭和五十年代に建てられていて、このころのトイレの排水量は一回につき十二リットルから十三リットル、昭和六十年代に建てられた団地だと、当時節水型といわれていたものですが、これでも排水量は一回で九リットルの使用がほとんどだということでした。
 今の最新の節水型では、一回の排水量は四リットルぐらいですから、こうした賃貸ではトイレの仕様を変えることが自分ではできないという事情もあります。こういう方々のためにも、この支援を検討していただきたいと思いますが、先ほどの質疑の中で、都市整備局も含めた局横断的な対応をしていくということが、財務局からのご答弁がありました。支援しないということにとどまるのではなくて、全庁的にこちらも対応を検討していっていただきたいというふうに、私からも強く要望をいたします。
 そして、賃貸の集合住宅、今、述べましたとおり、自分たちで節水型にすることはできないということもありますので、その上でも、料金の据置期間と激変緩和の支援も重要になってくると思います。
 東白鬚第一マンションの方々、要望書をこの間、各会派にも回って渡したということですので、皆さんもごらんになっているかというふうに思いますが、この要望書でも、料金の据置期間と激変緩和期間について、事業用ユーザーと同じにしてほしいということを要望されています。一〇〇%応えられるかどうか、難しいところではあるかもしれませんが、少なくとも、なぜ半分なのか、もう少し延ばすことができないか、これを検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○石井水道局経営改革推進担当部長 都の工業用水道事業は、地盤沈下対策として地下水揚水規制の代替水を、工場の操業等を行う企業に対して供給をするために給水を開始いたしました。
 一方で、雑用水の利用者の方々には、工業用水道施設の余剰能力を活用して供給を開始したものであり、使用実績等の点でも工業用水利用者とは異なるため、有識者委員会の提言においても、料金差額補填期間については、工業用水利用者の半分程度の一定期間とすべきとの提言を受けているところでございます。
 こうした供給開始の経緯や利用実態の違い、有識者委員会の提言を踏まえ、工業用水利用者及び雑用水利用者、それぞれの支援内容を設定したというところでございます。

○斉藤委員 雑用水利用者の使用水量は工業用水利用者の半分以下ということもいわれましたけれども、雑用水の利用者でも、使用量によっては家計への負担が発生するわけです。特に、集合住宅の方々には、これまでに支援策についての意見聴取はなかったので、勝手に決められてしまったという感もあるということ、そういう声も届いております。なぜ半分なのか、もう少し延ばせないのかという要望を、私も幾つか聞いております。
 最後になりますが、東京都の新しい支援計画案では、今後の方針として、長期的な観点から、事業廃止後も支援の内容や対象について検証を重ねていくという項目が追加されましたが、これは事業用ユーザーだけでなく、集合住宅の個人ユーザーにも当てはまるという認識でいいでしょうか。

○石井水道局経営改革推進担当部長 ご指摘の今後の方針につきましては、工業用水道事業廃止後の社会経済状況や不測の事態等を踏まえ、利用者の声を聞きながら、支援の内容や対象について、検証を継続していくという方針を示したものでございます。
 その観点でいいますと、検証は、工業用水の利用者だけではなくて、雑用水の利用者への支援策を含めて実施をしていくものと考えております。

○斉藤委員 工業用水利用者だけでなく、事業用利用者だけでなく、雑用水利用者への支援策も含め、検証を重ねていくというお答えでした。集合住宅での利用者に対しては、ようやく廃止の検討のお知らせが始まったところで、今後の問い合わせや要望などもまだ多く出てくる可能性があります。ぜひ丁寧に、真摯に、それぞれの事情に寄り添って対応し、支援策を含めて検証を続けていただくことを重ねて要望いたします。
 これまで、集合住宅でのユーザーについてのお話、質問をさせていただきました。最後に、中小企業への支援ということで一言意見を申し上げたいと思うんですが、これまで工業用水道、この事業は、地盤沈下の抑制、それだけでなく、中小企業、そして地場産業を支えていくという大切な役割を担ってきました。これが廃止になるということは、東京都の中小企業支援の柱の大きな一つがなくなるということになるわけです。
 その意味では、本当にこのままで、支援策もこのままということではなく、新たな中小企業への支援策というのは、まさに全庁的に考えていく必要があるという認識を、改めて皆さんと共有したいと思っております。
 知事は、今度の第四回定例議会に中小企業振興条例というのを上程するということもいわれております。そうした中では、この事業が廃止になるということを重く受けとめて、その引き継ぎとなるような新たな中小企業への支援策、全庁一丸となって考えていただきたいというふうに強く申し上げまして、お願いを申し上げまして、私からの質疑を終わりにします。

○上田委員 大分、時間も夕方になってまいりました。お疲れのところでございますので、端的に参りたいと思います。
 私は、財政委員ということもございますので、コスト面の方から、ちょっと確認をさせていただきたいと思います。
 お手元の財政委員会の要求資料の5号、こちらぜひ、ちょっと皆さんにごらんいただければと思います。
 工業用水が開始された昭和三十九年より、最高二百十三名の職員を充ててきました。平成十六年度以降は一桁台で推移しております。現在の職員数は七名で、事業の現状の必要性、必要数を充足しているのか、確認したいと思います。
 今後は廃止の方向に行くということで、人員体制はどのように変化していくのか、お示しいただければと思います。

○青木水道局浄水部長 工業用水道事業に従事をします職員数についてでございますが、四カ所ありました浄水場を一カ所に集約したことや、浄水場の運転管理業務、配水施設維持管理業務や受け付け、徴収業務を水道事業に委託するなど、効率的な経営に努めてまいりました結果として削減できたものでございまして、現在、事業運営に支障はございません。
 今後、廃止となった場合の人員体制につきましては、現在検討を進めているところでございます。

○上田委員 料金差額補填の金額ばかりに目が行きますけれども、事務方の経費というのもやっぱり看過できないと思います。ついては、それに係る直近の人件費など、経費に係る今後の見通しを、数字を踏まえてお示しください。また、仮に廃止をしなかった場合の人件費、負担額等もお示しいただければと思います。

○青木水道局浄水部長 工業用水道事業が廃止となった場合に必要となる人件費等の経費につきましては、現在検討を進めているところでございます。また、仮に廃止をしなかった場合の人件費等につきましては、具体的な試算は実施してございませんが、事業運営を継続するために必要な人員体制に加えまして、老朽化した施設を更新するための人員体制が新たに必要になると想定をされます。
 なお、平成二十九年度東京都人事行政の運営等の状況に記載されてございます、平成二十八年度の工業用水道事業の職員給与費でございますが、約六千万円でございます。

○上田委員 毎年六千万で、また、廃止するにしても、この人件費というのは、少し増減はあったとしても出ていくということを確認させていただきました。
 激変緩和措置のために約四百億円が投入されるということで、本日も議論が進んでいますが、二十年後となりますと、いわゆる二〇二五年問題も抱え、財政も大変厳しくなることが、超少子高齢化、ブラックボックスが開いて想定されるところでございます。
 改めまして、法的に差額補填をしなければならない期間は何年かあるのかないのか、確認させてください。仮にその年数で対応した場合は、緩和措置の負担額は幾らになるのかを改めて問いたいと思います。

○石井水道局経営改革推進担当部長 工業用水道事業の廃止に伴う支援策は、事業廃止に伴う利用者の経営等への影響を最小限にとどめるため、都が定めたものでございます。支援策の一つである料金差額補填の期間についても、都議会、それから工業用水道利用者のご意見やご要望を踏まえて設定した期間であり、法令に基づいて定めた期間ではございません。
 なお、今回お示しした支援計画案における利用者への支援策の経費は、二十年間で約三百八十六億円と試算してございます。

○上田委員 三百八十六億円のうち、料金差額補填が二百七十四億円、上水道への切りかえ工事が九十二億円、受水タンクの設置十億円、塩素除去装置の設置が十億円ということで間違いはないのかなというふうに思っております。
 今、本当に北海道でも大変な震災等ございましたけれども、この緩和措置の期間内に、災害対応も含めた、皆さん、今マンションでも団地でも、新たに設備投資をしちゃってどうするんだなんて話もありますけれども、災害が起こったときの、やめると決まっているのに、また設備投資は行うことになるのかならないのか、確認をさせていただければと思います。

○青木水道局浄水部長 上水道への切りかえ措置期間中は、引き続き工業用水道を安定的に供給するため、適切に施設設備の維持管理を行うことが必要でございます。
 このため、新たな施設整備や配水管の新設は行わないものの、漏水の発生や施設設備の点検で異常が確認された場合など、必要に応じて配水管の取りかえや設備の補修等を実施してまいります。
   〔清水(孝)委員長退席、まつば委員長着席〕

○上田委員 やはり二十年ともなると、有事のことがあると思います。そのときはやはり、またさらにコストが出る可能性があるということを確認させていただきました。
 このコストについては、また要求資料4号で、二十年間の支出の流れというのを資料を取り寄せているので、委員の皆様、ぜひ共有させてください。
 それとあと、この有識者委員会の報告書案の概要の四ページの、国庫負担金というんですか、国庫補助金の返還、十七億ということなんですけれども、返還の法的根拠を確認したいんですけれども、国等からの補助金、助成金について、返還しなければならない事由について、根拠法令をもって確認させてください。

○石井水道局経営改革推進担当部長 補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律第二十二条では、補助事業により取得した財産を、各省の長の承認を受けずに、補助金等の交付の目的に反して処分してはならないとの規定がございます。
 この承認を行う場合には、平成十六年六月十日付の国の通達により、補助金相当額を国庫に納付することを条件に付さなければならないと定めてございます。
 一方、同法施行令第十四条に基づき、補助金の交付目的や財産の耐用年数を勘案して、各省の長が定める期間を経過している場合には、補助事業者は、各省の長の承認を受けずに財産を処分することが認められております。
 事業を廃止することによる財産の取り扱いにつきましては、こうした法令等を踏まえ、国と協議を行い、適切に対応してまいりたいと考えております。

○上田委員 財産については、処分のあり方については、ほかの委員も着目されているところでございます。
 適正化法第十八条第三項において、同法第十七条第二項に基づく決定の取り消しがあった場合でやむを得ない事情があると認めるときは、政令で定めるところにより、返還の命令の全部もしくは一部を取り消すことができると規定されていると聞きますけれども、本件については該当しないのか、理由を含めて伺いたいと思います。

○石井水道局経営改革推進担当部長 補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律第十七条第二項では、国から直接補助金の交付を受けた補助事業者を通じて、間接的に助成を受けて事業を実施する間接補助事業者が補助金を他の用途へ使用した場合など、法令に違反した場合に、国が補助事業者に対して交付決定を取り消す規定でございます。
 この場合、交付決定の取り消しを受けた補助事業者が、当該補助金を国に返還しなければならないが、補助事業者が善良な管理者の注意を払っていたにもかかわらず間接補助事業者が違反行為等を行った場合には、同法第十八条第三項の規定により、返還命令等の取り消しができるものとされております。
 都の工業用水道事業は、国から直接補助金を、この交付を受けているとともに、法令に違反する事実はないため、この規定は該当しないものと考えてございます。

○上田委員 私、ぱっと考えると、事業を廃止して新たな公費負担を防ぐものであるので、返還免除を求めることはできるのではないのかなと思うところでございますが、局長の所見を伺いたいと思います。

○中嶋水道局長 廃止に要する経費の圧縮は、都民の負担を減らす観点から重要でございますが、工業用水道事業が交付を受けた国庫補助金につきましては、返還の免除に関する法令の規定がなく、実現は困難であると認識しております。
 補助金の返還に当たりましては、国などと今後協議しながら適切に対応してまいります。また、資産の売却などの費用縮減策を講じますことで、廃止に要する経費の圧縮を可能な限り実施してまいります。

○上田委員 水道事業は公営企業でございまして、どうしても一般会計からも財源が行くものでございますので、可能な限り支出は抑えていただきたいという思いでございます。
 赤字部分を一般会計より負担することは、公営企業法十七条にも定められているところではあるんですけれども、これはあくまでもできる規定であります。繰入金に甘んじ、経営努力や意識が低下すれば、都民が減ることのない債務の負担者となります。
 公営企業法第三条は、地方公営企業は常に企業の経済性を発揮するとともに、その本来の目的である公共の福祉を増進するように運営されなければならないとする理念に立ち返るべきと考えております。かような見地からして、工業用水は高度成長期の遺物と我が会派は考えざるを得ず、高度成長期、中小事業者の水源確保には一定の役割を果たしてきましたが、産業構造すら変化してきております。
 受益と負担の公平性を確保しつつ移行していくことが確認できると同時に、廃止に向けて覚悟を持って、実行プラン二〇二〇のもと、リーダーシップを持って進める知事の姿勢を高く評価するものではありましたが、本当に両委員長の、本当にご苦労によりまして、この連合審査会で、各立場で深い議論をさせていただきまして、また、各委員の非常に鋭い質疑にも当たりまして、当方のおときた都議も、コンサルの相談窓口の効果が不明であるところ、ユーザーではない方々の声も反映されないまま、二十年にわたる長期支援策が示され、それも素案がいつ案になったのかというところの、ほかの委員の指摘もありました。
 その策定の経緯も余り明らかでもないし、段階的なことも、我々委員も知らされていなかったということが、今般、連合審査会で明らかになったところでございます。
 改めまして、この二十年にわたります長期支援策につきましては、当会派も重々--その決め方につきましては、また、今後の議決態度に関しましても考えさせていただきたいなというところに達した次第でございます。
 なお、国庫補助金の十七億円の返還に当たっては、財産の転用ではなく、不採算事業の廃止に伴うものと、まだ諦めずに思っておりますので、都民負担を最小化すべく、粘り強く国との交渉を臨むよう重ねてお願いしまして、かがやけTokyo上田の質疑を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。

○加藤委員 それでは、初めに地下水のことについて質問したいと思います。
 工業用水道事業が、地域における工業の健全な発展と地盤沈下防止を目的に布設され、当時の井戸利用者が工業用水道に転換した経緯を考えれば、改めて地下水に関する確認ということをやらなければならないと。そして、地下水が大量にくみ上げられ、地盤沈下が深刻化したのが昭和三十年代のことでありますが、今は地盤沈下は鎮静化し、地下水位も回復傾向であると伺っています。
 また、最近は、地下水位の回復に伴って、あちらこちらの地下構造物で地下水が漏れ出たという話を聞いております。施設管理者にとっては非常に頭の痛い問題であると思います。
 そこで、東京駅や上野駅では、地下水位の回復による影響を抑えるために特別な対策を施していると聞いておりますが、これについて伺いたいと思います。

○須藤環境局自然環境部長 東京駅や上野駅は、過剰な揚水によって都内の地下水位が著しく低下していた時期に設計、施工された構造物でございます。
 これらの地下駅では、地下水位が回復していく中で、地下駅にかかる水圧が強くなり、浮力に耐え切れず浮き上がるという現象が生じました。これは、施工時に地下水位回復の想定がなかったことに加え、駅の構造が、上部に重量物のない船型構造であったことから生じた特殊な事例でございます。
 現在、東京駅や上野駅では、地中にアンカーを打つことや構内におもりを敷くことで、地下駅の浮上を防止しております。

○加藤委員 東京駅などで浮上を防止する対策を講じられているということは、都内の地下水位が回復しているというあかしではないかと、そのように思います。
 次に、地下水のくみ上げ等による地盤沈下についてなんですが、先ほどからもいろいろありましたが、地盤沈下は鎮静化傾向というんですけれども、これは現状どうなのかということをもう一度確認したいと思います。

○須藤環境局自然環境部長 工業用水法、ビル用水法及び東京都の条例による揚水規制などの結果、昭和五十年代以降、地盤沈下は鎮静化傾向でございます。しかしながら、地下水対策検討委員会の検証では、東京の低地部は軟弱な沖積層が厚く広がっていることから、揚水による地盤沈下のリスクが相対的に高いことが判明しております。
 また、直近五年間の地盤変動量を見ると、全体としては安定した状況ではございますが、一部の地域においてわずかに沈下が観測されているところでございます。

○加藤委員 地盤沈下がここまで鎮静化してきた背景には、法令に基づく揚水規制だけではなく、工業用水ユーザーの協力があること、かつて地下水を使用していた数多くのユーザーが、都の施策に協力して工業用水に転換したということを忘れてはいけないというふうに思います。
 そうした中で、東京は地盤沈下に見舞われてきたという歴史があると。私の墨田区も同様に、この地盤沈下の経験で苦労しているということであります。
 一方で、こういう事態になっている中で、この工業用水道のユーザーからは、以前のような水の使い方をしないんだから、そんなにいっぱい使うわけじゃないんだから、揚水規制を緩和できるんではないかといった意見も出ております。
 そこで、地盤沈下が激しかった時代と今とを比べまして、揚水量と、井戸を設置している事業者数がどのように変化しているのか、これを伺います。

○須藤環境局自然環境部長 東京都では、昭和四十六年から揚水施設の設置者に対して、揚水量の報告を義務づけております。
 昭和四十六年の報告では、千九百十八の事業所により、一日当たり約百四十四万立方メートルの地下水が揚水されておりました。平成二十八年の報告では、二千九百六十二の事業所により、一日当たり約四十一万立方メートルが揚水されております。
 なお、事業所数が増加しているのは、平成十三年の条例改正により、報告対象を吐出口断面積六平方センチメートル以下の井戸にまで拡大したことによるものでございます。

○加藤委員 今答弁あったように、揚水量は三分の一に減っていると。でも、条例改正によって事業者は一・五倍に増加しているということであります。
 次に、今回の中で工水ユーザーが約百八十件ぐらいだということでありますが、今回の支援策の中でも、一日十立方メートルはオーケーということが書いてありますけれども、仮にこの約百八十件のユーザーが一日十立方メートルの揚水を行っても大丈夫なのかどうかを、念のため確認したいと思います。
   〔まつば委員長退席、清水(孝)委員長着席〕

○須藤環境局自然環境部長 基本的には、規制の範囲内のくみ上げであるということであれば、使用を妨げるものではないと考えております。

○加藤委員 工業用水ユーザー百八十件のうち、平均使用水量が一日十立方メートル以下のユーザーが、今、私が聞いているところでは、七十九件というふうに聞いております。割合でいくと約四四%。一日一立方メートル未満が十五件、合わせて八十四件になるんですね。合わせて四七%ぐらいだと思うんですけれども、約半数が、いわゆる現行で対応できるのではないかなと、そのようにも思います。
 また、この百八十ユーザーのうち、井戸水から転換したところ、これが約八十。ただ、この八十のうち、一日十立方メートルを超えるユーザーがどれだけあるのかというのは、ちょっと私はわからないんですけれども、例えばここをターゲットに揚水規制の緩和の検討ということも、考える一つの視点ではないかなと、そのように思うところでございます。
 そこで、先ほどからも出ていましたけれども、この平成十六年と二十六年に包括外部監査の指摘を受けていたんだけれども、なぜそのときに地下水の調査を始めなかったのかという点について聞きたいと思います。

○須藤環境局自然環境部長 平成十八年の地下水対策検討委員会のまとめでは、現行の揚水規制を緩和すれば地盤沈下が再発するおそれがありますので、揚水規制を継続し、現状の地下水揚水量を超える揚水を行わないことが必要であると検証されております。
 また、従前から、都内の揚水量及び地下水位等の調査データを収集しておりましたけれども、これについても、現在の地盤沈下と地下水の状況を適正に保つために、引き続き蓄積していくことが望ましいとされております。
 一方、平成二十六年度に水循環基本法が制定され、平成二十七年度には水循環基本計画が策定されております。この中で、地下水の持続可能な保全と利用を推進することが求められております。
 また、平成二十八年度の地下水対策検討委員会の報告書においても、地下水の保全と適正な利用の調和を図るため、今後は、地下水揚水モニタリングにより、揚水と地下水位などの関係性を長期的に分析するなど、地下水の多様な実態を把握する取り組みを推進する必要があるとされております。
 こうしたことを受けて、平成二十九年度から、既存のデータなども活用しながら、環境科学研究所や学術機関とも連携し、中長期的な観点から、最新の研究手法による、より精度の高い地下水の実態把握に取り組んでいるところでございます。

○加藤委員 これから地下水の調査をやるという答弁がいろいろありましたけれども、この地下水の調査にどれぐらいの年月がかかるのかということについて伺いたいと思います。

○須藤環境局自然環境部長 都は平成二十九年度から、地下水の揚水が地下水位や地盤に与える影響について、環境科学研究所や学術機関とも連携し、都内四十二カ所で継続して観測している地下水位と地盤変動のデータ及び都内の揚水量のデータなどを用いて研究を進めているところでございます。
 東京の地下水の実態は未解明な部分が多いことから、さまざまな実態把握を積み重ねていく必要があり、現時点において将来予想について明言することはできない状況でございます。

○加藤委員 今の答弁、わかりますけれども、要望としては、切りかえ、据え置きの期間が十年となっているわけですから、この十年以内に詳細なデータに基づく判断ができるように、ぜひしてもらいたいというふうに思います。
 最後になりますけれども、先ほどの参考人質疑の中で、工水の使用している、していないというのがあると思いますけれども、同業種との公平性という点も考えなきゃいけないという話はありました。
 先ほど中山理事の方からもありましたけれども、同じ業種によっても、生産工程の流れの中で違うと思うんですね。例えば製造過程なのか、加工過程なのか、同じ業種でもやっぱりこれは違う。それから、水を大量に使うところもあれば、同じ業種でも使わないところもあるということだと思うんですね。そうした点も、支援策を考える上で大事になってくるのではないかと、そのように思います。
 この工業用水のエリアには、皮革産業を初め、メッキや染色など水を使うものづくり企業が多く集積しております。こうした地場産業は、東京ひいては我が国の産業に欠かせない存在であります。
 例えば皮革産業のように、なくなってしまったら困る産業もあるわけですね。今、芝浦の食肉市場がありますけれども、そこでと畜した後、それを最後まで全部利用すると。そういう機関がなくなったらそれはどうするんだと。食べるところはいいけれども、食べられないところはどう処理するんだと、こういう問題もあるわけです。
 一方で、こうした企業の多くは中小零細が大多数であり、非常に厳しい経営環境に置かれております。利幅は薄く、少しのコスト増でも利益のダメージは大きいと。
 そこで、確認ですけれども、こうした皮革産業を含む地場産業の重要性について、認識を伺います。

○坂本産業労働局商工部長 都内のさまざまな業種の中小企業により構成される地場産業は、東京の経済を支える重要な役割を果たしております。こうした地場産業を取り巻く環境は厳しい状況が続いており、その維持と発展に向けた適切なサポートは必要と考えているところでございます。
 このため、都が現在実施をしているさまざまな施策に加え、今回取りまとめた支援策を効果的に実施し、地場産業の振興を進めてまいります。

○加藤委員 今答弁ありましたように、地場産業は東京の経済を支える重要な役割をしております。そうした観点から、今後も全庁挙げて、工業用水の廃止に当たっては万全の支援をやっていくということが必要不可欠だというふうに思いますので、全庁を挙げての支援策の検討をお願いしまして、質問を終わります。

○清水(孝)委員長 先ほど川松委員から、質疑の継続について打合会で協議してほしい旨の発言が、委員長までありました。
 連合審査会を暫時休憩し、打合会でご協議願いたいと思います。
 この際、議事の都合により、暫時休憩いたします。
   午後七時十六分休憩

   午後七時四十六分開議

○清水(孝)委員長 休憩前に引き続き連合審査会を開きます。
 先ほどの川松委員からの委員長に対するご要望は、連合審査会の委員長として、公営企業委員長に申し伝えます。
 お諮りいたします。
 本案及び本件に対する連合審査会での質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○清水(孝)委員長 異議なしと認め、本案及び本件に対する連合審査会での質疑は終了いたしました。
 これをもちまして公営企業委員会・財政委員会連合審査会を閉会いたします。
   午後七時四十七分散会

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