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Tokyo Metropolitan Assembly

東京都中央卸売市場築地市場の移転・再整備に関する特別委員会小委員会速記録第八号

平成二十二年十月一日(金曜日)
 第五委員会室
 午後三時開議
 出席委員 八名
委員長西岡真一郎君
副委員長鈴木あきまさ君
副委員長長橋 桂一君
副委員長増子 博樹君
星 ひろ子君
岡田眞理子君
伊藤 興一君
清水ひで子君

 欠席委員 一名

 出席説明員
知事本局市場再整備調査担当部長関  雅広君
中央卸売市場市場長岡田  至君
管理部長塩見 清仁君
事業部長横山  宏君
市場政策担当部長大朏 秀次君
調整担当部長森本 博行君
新市場担当部長野口 一紀君
新市場事業推進担当部長志村 昌孝君
新市場建設技術担当部長砂川 俊雄君

本日の会議に付した事件
 東京都中央卸売市場築地市場の移転・再整備に関する調査・検討を効率的かつ機動的に行う。
 「築地現在地再整備計画に向けての検討事項案」について(意見開陳)

○西岡委員長 ただいまから東京都中央卸売市場築地市場の移転・再整備に関する特別委員会小委員会を開会いたします。
 初めに、理事者から発言の申し出がありますので、これを許します。

○関知事本局市場再整備調査担当部長 九月二十二日の小委員会における自民党の高木委員の質問に対する私の答弁につきまして、その趣旨を説明いたします。
 業界のご意見を聞いてからとなるが、今回の案について業界の要望どおりの案ではないかというように錯覚すると思いがちなところがありますが、よくよく考えてみると、それはちょっと幻想に近くてという旨の答弁をいたしました。
 答弁の趣旨について説明いたしますと、判断は業界の意見を聞いてみないとわからないが、今回の案について、業界の合意でまとまった豊洲新市場のスペック、機能を、築地という場所に配置しているので、業界の要望どおりの案というように考えることもできますが、この案については、業界意見を踏まえて作成したものではないため、現時点では、業界の思いが反映されたものではないと考えられるという趣旨を述べようとしたものでございます。
 また、参考人の発言を前に、課題のみを取り上げて答弁するなど、一方に偏った印象を与えてしまいました。中立的、専門的に議会の検討に協力するというチームの設立趣旨、また、都民に対してわかりやすく説明する議会という場での答弁ということを踏まえますと、誤解を招きかねない表現も含まれており、慎重かつ適切に発言すべきであったと受けとめております。

○西岡委員長 発言は終わりました。

○西岡委員長 これより東京都中央卸売市場築地市場の移転・再整備に関する事項について調査検討を行います。
 築地現在地再整備計画に向けての検討事項案を議題といたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、築地現在地再整備計画に向けての検討事項案に対する意見開陳を行います。
 これより意見の開陳を行います。
 順次発言を願います。

○岡田委員 私は、都議会民主党を代表して、築地現在地再整備計画に向けての検討事項案に対する意見の開陳を行います。
 このたび、知事本局チーム、議会局チームにおかれましては、限られた時間の中で検証していただきましたことに改めて感謝申し上げます。
 小委員会で示された現在地再整備案につきましては、課題もあるとは思いますが、この間、できない、無理だ、不可能だといわれてきた現在地再整備案がやればできるということが証明され、それがさらに現実へと近づいたと実感しているところです。
 特に、A-2案については、最初に示されたA案と同じスペック、コンセプトの中で、都議会民主党で行ったアイデア公募での結果を踏まえ、修正をお願いしてきました。その内容は、建物上部も敷地全体に空間を広げるとともに、各階を緩やかなスロープでつなぐことなどでしたが、修正の結果、水産、青果、それぞれの物流動線が平面となり、買い回りにもすぐれたものになったと考えています。
 九月二十六日の参考人のお話では、現在の豊洲の七街区、水産卸の計画は、一階が競り品、三階が荷置きと荷さばき場、四階が転配送センターとなるなど、縦方向に大量のものを動かさなければならない構造になっているとのことでした。これこそ豊洲の方が多層構造になっています。
 豊洲案は広い広いといいますが、水産の物流は一階から四階に、青果でも二層に分断されているのです。これでは、今の築地よりも施設内物流は確実に効率が悪化します。垂直の物流は水平の物流の十倍大変だという方もいます。さらに豊洲は、卸と仲卸が三一五補助線で分断され、青果と水産も分断されていますので、物流動線は不必要に長くなってしまっています。このことは、豊洲移転に賛成する参考人の方からも、同様の指摘がありました。
 一方、同じ多層ではあっても、A-2案は、水産も青果もそれぞれ主な機能はすべて同じフロアに配置されています。同時に、敷地全体を多層化したことで、狭隘というデメリットを克服し、その結果、豊洲と同等の機能とスペックを有しているように思います。
 また、買い回りについては、豊洲案は車や徒歩での移動距離が長く、荷の場内搬送の面で課題がありますが、A-2案では、水産物と青果物を立体化して配置することにより、買い回りをする人は建物内を上下に移動するだけでよく、直線距離での動線は短くなるのが特徴です。このことは、東京都の中間報告書案にもメリットとして記されているところであり、先日の参考人からも同様のお話がありました。
 市場機能という視点で見た場合、A-2案については、むしろ現在の豊洲案と比較してもすぐれた点が多いように思われます。
 また、東京都の中間報告書案には、築地市場が築地にあることの魅力についても盛り込まれています。築地の地域は、市場を中心として形成されてきた歴史があり、その周辺には五百店舗から成る巨大な商店街である場外も含め、築地の機能を補う施設が集積をしています。
 そういった意味では、築地の広さは決してその敷地二十三ヘクタールにおさまるものではありません。加工所、事務所、冷蔵庫、本社機能などさまざまな機能が築地の周辺で市場とともに地域に根を張り、同じ養分を吸い、ともに呼吸をしています。築地市場は、場外市場や周辺地域と一体となることで相乗効果を生み出し、地域の振興に大いに役立っているのです。
 築地市場は、銀座の中心部から直線距離で約九百メートルの近傍にあり、七十年以上にわたり築いてきた顧客との関係やブランドの継承は、築地だからこそなされているのです。
 先日の参考人からも、銀座と連結して一キロ以内にある築地市場は、世界一の観光の目玉だ。長い間の蓄積があって初めて築地市場は世界一と認められた。豊洲に行ったら世界一は無理だといった発言がありましたが、私も全くそのとおりだと考えています。
 さらに、築地の立地の強みは、公共交通機関とのアクセスのよさです。JR新橋駅や大江戸線築地市場、日比谷線築地駅など、豊洲とは比べ物にならないほど利便性がよいため、例えば、現在、積載率が極めて低い買い出し人用自動車の利用抑制などについては、築地ならではの新たな試みも可能ではないかと考えます。
 また、立地の強みは、集客型施設を誘致しやすいという強みにもなります。築地での現在地再整備案では余剰容積率が三〇〇%前後もあり、これを活用することで市場会計の収益向上を図ることができれば、市場業者の負担を軽減していくことも可能なのではないでしょうか。
 一方、東京都の中間報告書案では、現在地再整備の課題についても触れ、特に、開場までの想定スケジュールについては、当初の中間報告書案では示されていなかった業界との調整等にかかる期間として約五年を新たに加えています。
 この約五年については、東京都は、過去、平成七年に中断した再整備工事が平成八年十一月の第六次整備計画で見直しが決まり、平成十三年十二月の第七次整備計画で豊洲移転を決定するまで約五年かかったことなどを理由にしています。
 しかし、この五年というのは全く根拠が感じられません。豊洲移転を容認する市場関係者の中にも、築地で可能ならば築地でと思っている人たちは多く、豊洲移転にかじを切ったときほど期間を要するとは到底思えないのです。
 また、工期についても、晴海で三年しか使わない仮設市場をつくるために六年もの手続期間が必要なのか。そもそも、二〇一六年の東京オリンピック招致の際、同じく晴海に予定していた十万人もの観客を収容するメーンスタジアムのスケジュールはどうだったのか。同じ晴海五丁目という場所に巨大で恒久的な建築物を建てるのに、オリンピックで想定していた各種行政手続や地元住民との合意形成のあり方などを参考にすれば、課題は解決されるはずです。
 さらに、事業費についても、例えば、私たちはA案での晴海の仮設市場において、周辺の土地活用を求めたり、あるいはB案、C案では、中央区が所有する築地の隣接地を使うことを求めましたが、結果として、A案での晴海の仮設は約二十四億円のコストが削減でき、B案、C案でも工事期間が八カ月短縮されたほか、三十億円のコスト削減が可能になりました。
 このように、素人なりのアイデアを申し上げただけでも、工期も事業費も短縮、縮減できたことを踏まえれば、東京オリンピック招致を初め、東京都で培ったさまざまなノウハウやアイデアを活用するなどして、現在地再整備の可能性をさらに高めていくことは可能であると考えます。
 その上で、今回の現在地再整備案と豊洲移転案とがそれぞれ公平公正に評価されることを前提に、市場関係者に対する意向調査を実施し、都議会として最終的な方向性を結論づけていくべきだと考えます。
 九月二十六日の参考人招致では、市場関係者から意向調査の実施を求める要望が出されました。私たちも、大方の事業者の意向を把握するために、ただ単に移転か、再整備かを問うといった単純なものではなく、移転、再整備の特徴や課題、その解決策を示した上での意向調査が必要であると考えています。
 代表質問でも申し上げましたが、今後、特別委員会における意向調査の議論を踏まえた上で、私たちは、平成二十二年度予算に計上されている豊洲関連予算の考え方について明らかにしていきたいと思います。
 以上で、私の意見開陳を終わります。

○鈴木委員 東京都議会自由民主党を代表いたしまして、当小委員会で調査検討を行ってきた東京都中央卸売市場築地市場の移転・再整備に関する報告書案について意見を申し上げます。
 本委員会では、民主党が提案した現在地再整備案をもとに、議会局がA案、A-2案、B案、C案という四つの案を作成し、理事者側の市場再整備検討チームが整理した報告書案を踏まえ、特徴や課題について調査検討を行ってまいりましたが、本報告書案にはこうした検討の内容や経過などが的確に記載されており、特別委員会へ報告することについて賛成いたします。
 その上で、再整備案について、我が党の意見を表明させていただきます。
 我が党といたしましては、いずれの案も技術的には可能であるが、その実現は不可能であると判断いたします。
 その理由の一番目は、長期にわたる工期です。
 築地市場の現状を見ますと、鉄骨やコンクリート塊の落下事故などが現実に頻発しているように、その老朽化は限界であり、一刻の猶予もないことは明らかであります。
 そのような状況の中にあって、再整備案の工期は、長いもので十七年一カ月、短いものでも十一年九カ月とされています。しかし、これらの工期には、再整備に至るまでの業界調整や晴海地区の地元調整の期間が含まれていないとともに、築地において、その可能性のある土壌汚染対策や埋蔵文化財発掘調査の期間も含まれておりません。また、大阪市中央卸売市場本場の例を見ても、ローリングにより工事を行えば、営業中の業界からさまざまな要望が出て、工期が延伸することは必至です。
 これらのことを考慮すると、再整備工事が完了するのは二十年から二十五年以上も先になってしまいます。豊洲新市場が二十六年度中に開場できることと比較しても、再整備が全く現実的なものでないことは明らかです。
 参考人招致でのご意見でも明らかになったように、このように長期にわたる先の見えないプランに業界は希望を見出せず、経営状況の厳しい中、体力はとても持たず、水産仲卸業者はこの十年で三割も減っているので、二十年もたつと、半数近くの方が営業が続けられなくなる事態ともなりかねません。
 理由の二番目は、建設費と使用料の問題です。
 再整備案の建設費は一千四百十億円から一千七百八十億円と、豊洲の九百九十億円に比べて高額となっています。しかし、築地において可能性のある土壌汚染対策や埋蔵文化財発掘調査の費用や業界要望を受けた施設整備費の増加分などは含まれておらず、建設費はさらに増加する可能性があるわけです。建設費の増加は施設使用料に直結し、使用料も豊洲と比べて一・三から一・六倍となっているため、現行の使用料と比較すると約二倍以上となってしまいます。使用料の大幅な増加は、ただでさえ厳しい業界の経営を立ち行かなくするものです。
 理由の三番目は、現在地再整備で業界がまとまることが不可能であるということです。
 再整備は、昭和六十三年に基本計画を定め、業界の総意で取り組んでみたものの、実際に工事を進めるとさまざまな課題に直面し、中止せざるを得ませんでした。とめたのは東京都ではなく、民、つまり業界だと参考人招致で業界代表の方が発言されているように、業界調整が難航したのです。それだけ、現在地再整備という道のりは困難きわまりないものです。それなのに、なぜ過去の教訓を生かさないのか、私はいぶかしく思っておりました。
 過去の例では、再整備が行き詰まり、先には進めないにもかかわらず、豊洲移転を決定するまでに五年もの歳月を要しております。豊洲移転でまとまっている業界に対して、仮に現在地再整備を突きつけた場合に、容易に合意ができるはずはありません。参考人招致でも、仮に現在地再整備に決まった場合、明確に反対をするといった発言をした団体もありました。
 その他、A案、A-2案は、全面移転といっても、実際には二回引っ越すことになります。このことについては、経費だけではなく、営業面での支障など、多大な影響があります。先ほども申し上げましたが、こうした負担に体力が失われていきます。また、売り場が重層化することによる荷の搬送の非効率化、営業しながらのローリング期間におけるさまざまな課題、環状二号線の地下化に伴う諸問題など、再整備が実現不可能な理由を挙げれば枚挙にいとまがありません。
 七十五年経過した築地は、安全面で危機的状況であり、産地、顧客のニーズに対応したコールドチェーンなどの品質管理などで課題を抱え、あと二十五年たつと流通市場から見放されることでしょう。再整備案は、長年の苦労を重ねて豊洲しかないのだとしている業界のまとまりを壊しかねないものであります。この案を見て、もう一度現在地でやってみようと、未来を託すに値するものとなっているとは到底思えません。
 以上、申し上げたことから、現在地再整備案は、いずれも全く現実感のない、実現不可能な机上の空論というべきものであると考えます。
 これらのことは、報告書案や小委員会での質疑を通じて、我が党が明らかにしただけではなく、市場の将来を真摯に考えている業界の代表者の方々も、参考人招致において次々と述べられておられました。
 一部の政党から、業界の意向調査を実施すべきだとの考えが表明されていますが、業界団体の代表の方々は、参考人招致で明確に意向調査に反対しています。業界団体の協力なくして意向調査ができるわけがありません。意向調査には反対であります。
 築地市場の老朽化の現状を見ると、一刻も早い新市場の開場が望まれています。業界団体の希望が詰まった豊洲新市場の二十六年度中開場を可能とする二十二年度予算が計上されています。必要な諸手続等を含めて、執行できるまでの期限に議会として検討結果をまとめ、知事の執行にゆだねることが議会としての責任であります。そのためにも、議会での再整備の可能性の議論は終わりにし、速やかに結果を取りまとめるべきであることを申し添えて、我が党の意見開陳といたします。

○伊藤委員 私は、都議会公明党を代表して、当小委員会に付託された東京都中央卸売市場築地市場の移転・再整備に関する調査検討について意見開陳を行います。
 議会局調査部及び知事本局市場再整備検討チームの報告書は、民主党の提案された各案について、整備の概略、整備に要する期間、整備費に加え、その特徴と課題が整理され、的確にまとめられておりました。また、当小委員会では、検討事項案の内容に対する参考人意見聴取も行いました。
 こうした議論、検討を踏まえ、現在地再整備の各案について、都議会公明党は、どの案にも賛成することはできません。
 その第一の理由として、報告書や参考人招致での意見でも明らかになったように、建設費が高く、ランニングコストの影響なども含めると、施設使用料が膨大なものとなることであります。
 建設費は、A案、A-2案では千七百億円台、B、C案は千四百億円台となっております。かつての現在地再整備の三千四百億円と比較して半分になったとの報道がありましたが、それは大きな間違いであり、この建設費には、土壌汚染対策費、埋蔵文化財調査費、民間施行分などが含まれておらず、仮にこれらを試算した場合には、かつての試算額三千四百億円と同程度になることが明らかになりました。
 今回の案は、いずれも豊洲に比べて建設費は割高であり、それは施設使用料の値上がりにつながり、業界にとって、とても耐えられるものではありません。
 報告書では、使用料が一・三倍から一・六倍とされておりますが、これは、豊洲新市場と比較したものであり、現行と比較した場合には、いずれの案も二倍程度となります。さらに、多層構造であることから、エレベーターや消火設備を数多く設置する必要があり、排気ガス対策や照明にコストがかかる地下駐車場であり、さらに、建物全体が巨大建築物であるため、どうしてもランニングコストは増加し、使用料をさらに押し上げる要因になることも明らかになりました。
 第二の理由は、民主党が追加提案したA-2案の課題の多さであります。
 一つ、駐車場などに柱が十二メートルごとに林立し、転配送センターのバースでは、車の走行や切り返しなどの面で大きな支障があるなど、構造上の課題があること、二つ、外周道路は一方通行で、一周一・六キロメートルもある上、一たび通り過ぎてしまえば、バックもUターンもできない周回道路であること、三つ、東京ドーム二・五個分の広さがある巨大建築物であるため、火災発生時に避難することに困難があり、災害時に人の生命にかかわる課題があること、四つ、買い回りや荷物の移動などの場内動線がふくそうしかねないことなどなど、多くの課題も明らかになりました。
 第三の理由は、こうしたことに加え、開場から七十五年を経過して、老朽化の著しい現状を踏まえると、現在地再整備にあと二十年、二十五年以上もかかるとなると、中央市場の存在そのものが危ぶまれます。
 また、過去の現在地再整備がとんざした後に、十年以上もかけて議論を重ねた上で、ようやく豊洲移転方針という現実的な対応策をまとめてきた業界団体にとって、もう一度現在地再整備に時計の針を戻すことは到底容認できません。こうした諸課題も数多く明らかになったわけであります。
 参考人からも、なぜ過去の教訓が生かされないのか、早急に結論を出してほしいとの強い切実なる要望もありました。
 本小委員会では、現在地再整備の可能性を検討してきたわけですが、都議会公明党としては、その可能性はないものと断言せざるを得ません。
 これまで、二カ月以上の期間にわたり、本日も含めると小委員会八回、打合会十一回も開催し、議会として精力的に検討してまいりました。付帯決議では、大方の事業者の合意形成に向け検討し、一定期間内に検討結果をまとめるものとする。知事は、議会における検討結果を尊重することとされております。
 私たち議会の責任は、早期にこの検討結果をまとめ上げることであります。それを踏まえ、首都圏三千三百万人の食を支えるにふさわしい新市場を早期に整備する必要があることから、二十二年度予算を速やかに実行すべきと考えます。
 あわせて、一部の会派から、業界の意見聴取を行うべきとの指摘もありますが、参考人招致でも明らかになったように、業界団体は、特に工期については、土壌汚染対策、埋蔵文化財の発掘など、始めて見なければわからない不確定要素が余りに多く、比較しようのない条件のもと行われる意向調査に反対でありました。
 我が党としましても、業界のまとまりを壊しかねない意向調査には絶対反対であることを申し上げて、意見開陳といたします。

○清水委員 まず最初に、豊洲新市場計画についてですが、都民にとって根幹的ともいうべき二つの重大問題があることが明らかになったことを指摘するものです。
 第一に、深刻な土壌汚染があり、都の対策では食の安全・安心を確保できないということです。だからこそ、都が幾ら安全だといっても、参考人から豊洲新市場移転の中止を求める声が強く上がっていたのです。
 第二に、豊洲新市場計画そのものにも重大な問題があるということです。
 本委員会でも、業者の方々は、水産、青果がそれぞれで重層化してしまうこと、市場全体が街区ごとに三地域に分離されてしまうため、各部門で荷の動きが非効率になることを批判されていました。
 第一の問題である豊洲新市場予定地の都の土壌汚染対策については、私たち日本共産党は、今定例会の本会議でも、特にその対策の有効性を確認したという適用実験に欠陥があったことをただしました。その結果、ことし一月末から行われてきた適用実験、すなわち現地の高濃度汚染や土質状況に即した実際の汚染処理技術が有効といえるものかどうか確かめるための実験は、失敗して目的を果たさなかった、欠陥実験だったということが明らかになりました。
 例えば第一に、四万三千倍の土壌での実験が環境基準以下になったかのように発表していた実験は、実はわずか二・七倍という低濃度の初期値だった土壌を処理した実験でしかなかったということです。都は、四万三千倍の値を示した土壌も含まれていたかどうかということについて、ベンゼンが検出された区画の土壌を採取したとしかいえませんでした。つまり、四万三千倍のベンゼンを含む土壌の処理実験ではなかったということです。
 だから、二十万倍の土壌を人口的につくって、追加実験をせざるを得なかったわけですが、その実験も、実は一度処理されたきれいな土壌にベンゼンを振りかけて、室内で実験しただけのものでした。つまり、現地での四万三千倍などという高濃度汚染や土質状況に即した適用実験は実施されなかったということです。
 第二に、地下水実験も、当初、環境基準以下の水を環境基準以下にしただけでした。これでは通らないと追加実験したものの、それもベンゼンはせいぜい三十九倍の濃度にすぎず、当初計画していた五百二十倍の高濃度汚染処理実験はやらなかった。地下水も実験の目的を果たしていなかったのです。
 このほか、ベンゼンの濃度低下が微生物によるものか、気化によるものかの科学的証明もされず、ベンゼンの洗浄処理もまだ実験段階の技術で、わずか一立米の土壌を室内実験しただけでゴーサインを出すというずさんなものにすぎなかったのです。このような欠陥実験でゴーサインを出すことは絶対許されません。
 もともと、都の土壌汚染対策というのは、都が水を通さないと称している有楽町層より深い部分は汚染されていないと調査もしないで断定したり、地下水の流れなどの解明もせずに地下水の管理ができるなどとする非科学的なものです。このため、専門家から絵にかいたもちと酷評されてきたのです。
 しかも、今回の実験を通して、豊洲新市場予定地の汚染の特徴として、一、土壌汚染では、中高濃度の局地的なものが全体に広く散らばっているということ、二、地下水の汚染についても、これまでは、都は専門家会議では、地下水はほとんど動いていないとの見解をとり、汚染の広がりを否定してきましたが、適用実験後の技術会議は、地下水は、既往調査から実験初期値の状態に変化したと報告しました。すなわち、これまでの既往調査では、汚染の有無を判断できないということを裏づけるものです。大体、この問題では、都は一貫して汚染問題の真実を隠ぺいする態度をとり続けてきました。
 枚挙にいとまがないほどでありますが、最近問題となった盛り土の汚染についていえば、二年前の詳細調査で三十カ所の汚染が確認されていたにもかかわらず、都は健全な土だといい張ってきました。しかも、盛り土をどこから運んできたのか、ようやく場所だけは示したものの、それらの土地がこれまで何に使われてきたのかという履歴や汚染のデータの全容はいまだに明らかにしません。
 我が党が明らかにしたように、毒ガスを製造、保有していた旧陸軍の技術研究所に隣接し、毒ガスの実験場となっていたという戸山ケ原跡地から持ち込まれたものもあります。しかも、その土地で基準を上回るダイオキシンが検出されているのです。都は、ダイオキシンが検出された部分は運び込まなかったから安全だといいますが、土壌の調査は不十分である上、都の内規すら守らなかったのです。だれが信用できるでしょうか。しかも、毒ガス弾にかかわる危険な履歴があるのです。こんな危険な土地の土壌を食の安全を最も重視すべき市場予定地に持っていくこと自体、あってはならないことです。
 ガス工場跡地に市場を建設しようとすること自体が誤りであったことを本小委員会の意見とし、現在地再整備にかじを切りかえることを明確にした報告書としてまとめるよう強く主張しておくものです。
 現在地再整備については、三月の経済・港湾委員会の参考人質疑で、豊洲推進の業界代表の方々も、今までの伝統ある築地で再整備したい気持ちはだれも持っている、築地を去りたくて去る者は一人もいないと、その思いを訴えていました。したがって、よりよい計画ができるなら、必ずや全体の合意を得られると確信するものです。
 小委員会では、晴海に全面仮移転する案や、市場の一部機能を恒久的に晴海に移す案などが前提となった調査報告書に基づいて議論してきました。
 私たち日本共産党は、これらの案には大きな問題点があることを指摘するとともに、現在地再整備を前に進めるためには、三つの課題を解決する必要があるということを主張するものです。
 第一に、首都圏の拠点市場化を目指すことや、大型量販店対応型整備をやめること、膨れ上がった施設整備費については適正なものに正すことが必要だということです。それによって業者負担も軽減できます。
 第二に、建設費の相当部分を民間事業者に負わせることは行うべきではないということです。一九八八年からの現在地再整備計画では、建設費は民間に負担を負わせないものだったのです。例えば、全面仮移転の場合、七百十億円にも達する部分を民間に負担させることになる試算を東京都は説明しましたが、これでは業者の方々は負担できるはずがありません。無理難題を押しつけたといっても過言ではありません。
 第三に、仮移転を行う場合など、引っ越し、仮設費用などについて都が負担したり、魚と青果を分離させるような仮移転を避けるため、市場の上部に人工地盤をつくることなどの改善が必要なことです。
 こうした改善のための財源は、オリンピック基金の四千億円の一部を使うことでできるということを強く主張するものです。
 二十六日の小委員会の参考人招致の意見でも、一、なるべく建設費用のかからないようにすることはもちろん、業者への負担をできる限り軽減すること、二、移転費用、仮設費用については都に求めること、三、工事期間はできる限り短縮すること、四、青果、水産は一体の市場として、それぞれで平面にしてワンフロアで荷を動かせること、五、仲卸の評価機能を保障した市場であること、六、少ない仕入れのお店でも、量販店でも公平公正に荷を買うことができる市場であること、七、小売店にとっても築地での再整備が死活問題であること、八、再整備の方法については既存施設の積極活用など含め、さまざまな方法が考えられることが口々に述べられました。
 このように、現在地再整備案を進める上で重要なことは、三案にこだわらず、欠陥は正し、弱点は補い、業者も合意できるよりよい現在地再整備案を一日も早く、業者も参加してつくっていくことが必要です。そのために、都が責任を持って、必要な対価も支払って現在地再整備計画を速やかにつくることが必要不可欠です。
 このようにして進めていけば、築地での現在地再整備は前に進みます。今こそ、この十数年間にわたって再整備をおくらせ、業者、都民に苦労させてきた責任を都自身がとるという立場に立った積極的対応を強く求めるものです。
 次に、意向調査についてですが、現在地再整備がよいのか、豊洲移転で進めるのがよいのか、業者の全体の意向を調査することは必要です。
 ただし、現在出されている現在地再整備案をもとにして、どちらがよいかという調査を行うべきではありません。なぜなら、二十六日の参考人招致でも多くの方々が主張しておりましたが、現在出されている案には問題があり、それらの案をもとにした意向調査では、業者の真意をつかむことはできないからです。今、必要なことは、一日も早く、業者の意向を踏まえたよりよい現在地再整備案をつくることです。
 なお、現在の築地市場の老朽化の問題を取り上げて、築地ではだめだとする主張も聞かれました。しかし、市場内のトイレをきれいにすることはもとより、青果部での雨にぬれない保管場所の確保、市場の売り場内への雨漏り、鉄枠、コンクリート片の落下防止対策、冷蔵庫のむき出し配管の安全対策、築地市場の民間部分のアスベストについては、直ちに必要な対策をとればよいことです。このことを小委員会の総意として報告書にまとめるよう強く主張するものです。
 以上、日本共産党としての東京都中央卸売市場築地市場の移転・再整備に関する特別委員会小委員会への意見開陳とするものです。

○星委員 築地現在地再整備計画に向けての検討事項案について、生活者ネットワーク・みらいを代表して意見を述べさせていただきます。
 初めに、築地市場の移転、再整備という都政の重要課題において、特別委員会のもと小委員会が設置され、この間幾度となく丁寧に審議を重ねてきました。
 地方分権で求められている議会調査機能の充実や情報公開など、議会の活性化に向けて都議会が先陣を切ったことにつながります。この間、西岡委員長を初めとして各会派委員の皆様、所管局、知事本局調査チーム、議会局、関係者の皆様のご努力に敬意を表します。
 生活者ネットワークでは、築地市場の移転問題について、我が国を代表する生鮮食料品の流通拠点であることから、いかに食の安全性が確保されるかについて大きな関心を寄せてきました。
 現在の築地は、施設が老朽狭隘化し、屋外で荷さばきなどの作業が行われているなど、品質管理や衛生管理の面で問題を抱えており、抜本的な施設改善が必要なことから、一たんは豊洲への移転に賛成いたしましたが、豊洲新市場予定地の深刻な土壌汚染が明らかになり、食の安全・安心を第一とした上で、将来を見据えた最善の選択が必要との立場から検討してまいりました。
 安全性の高い汚染対策を実施するとしても、一般消費者の不安は払拭できるのか、土壌汚染対策に多額の費用をかけてまで移転することが最善の選択肢となるのか、取引量の減少、スーパーの直接買い付けやインターネットによる取引きなどで市場を通さない流通がふえている現在、新市場の建設に四十ヘクタールもの敷地が本当に必要なのか、以上の観点から、豊洲新市場への移転についてはやむなく反対の立場を表明をいたしました。
 何よりも、生活者ネットワークが重んじる判断上の要因は、食の安全・安心です。豊洲の土壌汚染対策は、解決を図っている途中にも次々に新たな問題が持ち上がり、既に都民の信頼を回復できる限度を超えています。どんな困難も克服して、豊洲以外に市場整備を図ることを覚悟すべきと考えます。
 小委員会で議論してきた現在地再整備の三案プラス追加案についての評価と課題について申し上げます。
 まず、評価としては、晴海の活用により、以前にとんざしたローリングによる再整備の課題は克服できることがわかりました。豊洲のスペックに相当する過大規模の再整備であっても不可能ではないことがわかったことは、大きな成果です。
 最大のメリットとして、大消費地である都心部の商圏、交通の利便性は、消費者の立場で考えても優位性が高いと思います。場外市場と呼ばれる商店街の形成も、一般客や海外の観光客にとっても、さらなる魅力的な観光スポットとなる可能性を持っています。
 特に、A-2案については、敷地を活用できる面積が広がったこと、緩やかな勾配の確保による二方向アクセス可能なランプウエーなどの点も評価できます。
 次に、課題ですが、九月二十六日に行われた各会派推薦の十五人の参考人の意見で、業界団体のこれまでの意向及び主張は全く変わらず、平行線でした。このことから、今後の移転、再整備において欠くことのできない業界の合意、協力の面について改めて困難さを確認するとともに、築地関係者の間で市場整備の方向性についての一致がそもそも図られていないことが明白となりました。
 次に、現在地再整備に関しては、工期の長さ、コスト、仮移転先の合意などの課題が指摘されました。
 生活者ネットワーク・みらいの見解について申し上げます。
 これまで現地再整備は二十年以上かかるといわれており、今回の案でも工期に入る前の合意形成や関係者などとの調整はもとより、土壌汚染や埋蔵文化財発掘調査期間など、不測の事態が発生すれば、さらに年数がかかるという意見も出されていますが、晴海を活用するという新しい考え方により、最低で十一年九カ月、最長で十六年五カ月とあらわされました。
 仮移転先の中央区は、既に現在地再整備を歓迎しており、晴海地区の地元住民への対応にも相当の協力が期待できること、また、近くに市場ができることは迷惑とばかりはいえず、地域の活性化や利便に資する可能性もあります。
 工期の短縮のため、土壌汚染、発掘調査等は工事と同時進行に行う工夫ができること、これまでも行ってきたアスベスト対策は、すぐにでもできるところは別途対策を講じることで、工期の短縮は可能と考えます。豊洲の土壌汚染への決着がいつまでかかるか定かでないことを考えると、工期の点での対抗性は十分にあると考えます。
 工期の長期化により関係者に負担を強いることになるためにとんざしてしまったローリング方式による現地整備は、晴海を種地に活用することで大きく展望が開けたと考えます。晴海を最大限活用し、仮移転先とはいえ、一定の期間使用することになるわけですから、使いやすい市場として晴海市場を整備し、これからの市場のあり方の議論のもとに、市場整備の青写真を見直す機会として前向きにとらえることもできるのではないかと思います。
 建設費コストとして、現在地再整備案は、千七百八十億円から千四百三十億円と試算され、豊洲新市場は建設費が九百九十億円となっていますが、豊洲の土壌汚染対策費用についてはまだ、幾らかかっていくのか、めどが立っていないことなど、現時点でのコストの大小は判断材料とはなりません。
 よって、生活者ネットワーク・みらいは、現地再整備は解決すべき課題があるものの、豊洲より優位性があると考えます。
 そもそも、今回の民主党提案の案は、豊洲のスペックをそのまま築地の敷地に当てはめた計画案であることから、基本計画等を策定する中で、今後の経済状況や市場を取り巻く動向も検討されるべきと考えます。
 参考人招致を行ってつくづく思いを深くしたのは、業界関係者一人一人が置かれている立場のつらさや市場にかける思いの深さです。このことから、私はやはり一人でも多くの業界関係者の意向調査を行うべきと考えます。
 調査の中身ですが、単純に豊洲か築地かではなく、今後の市場機能に何を求めているのか、そのためにどういう仕組みや設備が必要か、聞き取りをするべきと考えます。
 今後の経済状況や市場を取り巻く動向が目まぐるしく変化する中で、将来の市場はどうあるべきかの議論は広範に行われるべきです。整備の方向性についても、市場関係者や都民の意向を見定めることが重要であると考えます。
 そのためにも、都は、これまで情報不足や説明不足のために市民の不信を招く結果になったことへの反省に立ち、すべての豊洲の土壌汚染対策の展望や課題、現地整備の可能性や課題についての情報をわかりやすく都民に説明する責任があると申し上げて、生活者ネットワーク・みらいの意見開陳といたします。

○西岡委員長 以上で築地現在地再整備計画に向けての検討事項案に対する意見開陳を終わります。
 以上をもちまして本日の小委員会を閉会いたします。
   午後三時四十七分散会