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Tokyo Metropolitan Assembly

東京都中央卸売市場築地市場の移転・再整備に関する特別委員会小委員会速記録第七号

平成二十二年九月二十六日(日曜日)
 第五委員会室
 午前九時三十分開議
 出席委員 九名
委員長西岡真一郎君
副委員長鈴木あきまさ君
副委員長長橋 桂一君
副委員長増子 博樹君
星 ひろ子君
高木 けい君
岡田眞理子君
伊藤 興一君
清水ひで子君

 欠席委員 なし

 出席説明員
知事本局市場再整備調査担当部長関  雅広君
中央卸売市場市場長岡田  至君
管理部長塩見 清仁君
事業部長横山  宏君
市場政策担当部長大朏 秀次君
調整担当部長森本 博行君
新市場担当部長野口 一紀君
新市場事業推進担当部長志村 昌孝君
新市場建設技術担当部長砂川 俊雄君
 委員外の出席者
参考人
東京都中央卸売市場買出人団体連合会会長大武  勇君
東京魚市場卸協同組合理事酒井  衛君
東京中央市場労働組合委員長羽根川 信君
築地市場青果連合事業協会会長福重 憲二君
特定非営利活動法人「市場を考える会」理事長山崎 治雄君
東京築地魚市場大物業会元会長渡辺桂一郎君
東京魚市場買参協同組合理事長二村 貞雄君
中皮腫・じん肺・アスベストセンター事務局長永倉 冬史君
築地市場関連事業者等協議会会長西念 晃司君
二十一世紀築地プロジェクトチーム事務局長小槻 義夫君
東京都鮨商生活衛生同業組合常任相談役中野里孝正君
全国青果卸売組合青年会連合会元会長築地市場青果卸売組合青年会元会長佐藤 龍雄君
東京都水産物卸売業者協会会長伊藤 裕康君
東京魚市場卸協同組合理事長伊藤 宏之君
築地市場青果連合事業協会副会長(特命担当)泉 未紀夫君

本日の会議に付した事件
 東京都中央卸売市場築地市場の移転・再整備に関する調査・検討を効率的かつ機動的に行う。
参考人からの意見聴取
・「築地現在地再整備計画に向けての検討事項案」について

○西岡委員長 ただいまから東京都中央卸売市場築地市場の移転・再整備に関する特別委員会小委員会を開会いたします。
 本日は日曜日でございますが、この小委員会開催に当たりまして、関係者すべての皆様方に御礼申し上げます。ご苦労さまでございます。
 傍聴人の数についてお諮りいたします。
 本委員会室の定員は三十二名でありますが、傍聴希望者が定員以上でございますので、さらに二十八名を追加したいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○西岡委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○西岡委員長 これより東京都中央卸売市場築地市場の移転・再整備に関する事項について調査検討を行います。
 築地現在地再整備計画に向けての検討事項案を議題といたします。
 参考人招致の詳細について申し上げます。
 過日の小委員会で打合会にご一任いただきました参考人招致の詳細につきましては、お手元配布の実施要領のとおり行うことを申し合わせました。ご了承願います。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、参考人からの意見聴取を行います。
 これより築地現在地再整備計画に向けての検討事項案について、参考人から順次意見を聴取いたします。
 それでは、大武参考人、ご発言席にご移動願います。
 参考人をご紹介いたします。
 東京都中央卸売市場買出人団体連合会会長の大武勇さんです。
 本日は、ご多忙のところ、小委員会にご出席いただきまして、まことにありがとうございます。小委員会を代表いたしまして御礼申し上げます。
 本日は、築地現在地再整備計画に向けての検討事項案について、ご意見をお伺いしたいと思います。
 なお、大武参考人には、ご着席のまま発言していただきたいと思います。
 それでは、よろしくお願いいたします。

○大武参考人 おはようございます。
 本日、築地再整備計画について参考人招致を受けて出席をいたしました買出人連合会の大武でございます。本日は、私の都合で一番初めの時間をとっていただいて、本当にありがとうございました。
 今回の築地再整備のいろいろ書類を、議会局あるいは東京都より届いておりますけども、築地の中で営業している、また営業活動している我々に対して、民主党さんや議会局からは何の説明もありませんでした。書類はいただいておりますけども、一番最後にいただいた書類が二十四日の日で、きょうは二十六日でございますので、目を通す時間もちょっとありませんで、細かいことはわからない部分もあると思いますけども、よろしくお願い申し上げます。
 築地再整備案は、十年以上も前に既に業界が一致して、いろいろと模索をしてまいりました。何年もかけて検討してきましたけども、当時でも、完成するまでには十五年とか二十年とかかかり、私ども買い出し人の荷物の保管所も数十カ所に分散され、仕入れ業務あるいは組合活動もままならない状態が起こることがわかりました。また、搬入、搬出がスムーズに行えず、市場の機能が麻痺して混乱が発生することもわかってまいりました。各方面から考えても再整備は無理との結論に至ったわけでございます。
 今回も築地再整備が再び計画として出てまいりましたけども、今回も完成までには十七年とも、またそれ以上になる場合もあるやに聞いております。どんなによい計画がありましても、年数がかかりましては、我々市場、業界の営業活動をしている者にとっても体力の限界があるのではないかなと、このように思っております。
 また、現在、市場を取り巻く状況は非常に厳しいものがあります。市場内の会社、営業所の経営は最悪であります。また、市場外流通や市場内外での競争も激しいものがあると思っております。このままほうっておきますと築地は衰退するのではないかと思っております。
 今の築地を救えるのは、二十六年開場予定をしている新市場への移転を一刻も早く実現をすることだと思っております。
 私どもは、市場での買い出しを前提に一〇〇%の取引をしております。消費者に新鮮な、そして安くおいしい魚を提供するには、衛生的で安心・安全が確保され、買い回りのよい、環境のいい市場を望んでいます。水産、青果が仮移転で別々の場所に分かれますと、青果でも買い出しをしている私どもは買い出し業務に支障が発生することもあります。また、水産の方でも、仮移転の場所あるいは築地と荷物が分かれまして、欲しい荷物は仮移転の方に行かなきゃならないというA案も考えたときに、買い出しに時間もかかりますし、また消費者の方々にも、いわゆる市場での仕入れの帰りが遅くなりますので、営業にもマイナスになるのではないかなと思っております。
 市場がよくなければ買い出し人もよくなりません。どうかできるだけ早く業界に負担の少ない方法を選んでいただきたいと思います。
 私が考えるにも、市場の機能を十分発揮するには、産地からのトラックの搬入、荷おろし、また買い出し人の車の交差がスムーズに行えるような十分なスペースが必要ではないかと思います。また、荷さばき場所も十分広い場所が必要でありますし、荷の引き取りの通路、動線の確保も必要であります。販売する店舗の十分なるスペース、配送する動線が上下、二階、地下とかそういうのではなく、平行に移動ができることが必要であります。買い出し人などの荷の保管の場所は、一階部分でトラックの出入りが十分にできるスペースが必要であります。また、周辺道路も混雑のないような機能を持ったものが必要だと。これが、私ども買い回り、買い回りと申しております市場での買い出しのことに関して、最低限度これらのことがクリアできなければ、我々としては非常に買い出ししにくい市場になるんではないのかなと、このように思っております。
 以上でございます。ありがとうございました。

○西岡委員長 ありがとうございました。
 大武参考人の発言は終わりました。
 次に、大武参考人に対する質疑を行います。
 なお、大武参考人に申し上げます。ご答弁の際は、手を挙げて、委員長の許可を得てからご発言していただきますようお願いいたします。
 それでは、発言を願います。

○鈴木委員 自由民主党の鈴木あきまさでございます。大武参考人におかれましては、きょうは早朝よりご出席をいただきまして、ありがとうございます。
 さて、ただいま大武参考人から、移転を一日も早くという切実な思いをいただきました。業界としても再整備を十年近くも模索されて、それがとんざをされた。そして、新しい市場については業界の負担のない方法で行ってほしい、本当に広い市場のスペースが必要なんだ、そういうようなことも今伺いました。
 実は私も、九月二十二日の小委員会の質疑で質問させていただきまして、特に、ごらんいただいたと思うんですが、B、C案、ローリング案というのは二十五年もかかるという、これは大変な工期がかかるということが明らかになったわけでございますが、私がきょう伺いたいのは、ローリング期間中や仮移転期間中に、買い出し人の皆さんの築地離れが起きてしまうのではないかというふうに考えるんですが、その点いかがでしょうか。

○大武参考人 先生のご指摘のとおり、ローリング案と申しますと、我々の保管所も種地が今までなかったわけです。今回はあるやに聞いておりますけども、工事の車あるいは買い出し人の車、産地からのトラックと、そういうトラックが交差するような、スムーズに行えるような場所が確保できるかどうか、それを心配しております。
 以前、築地で下水道の工事をやりましたときに、私どもの保管所の近くでかなりの規模で土地が、いわゆる工事用の車両あるいは地下を掘るということで、なくなりまして、買い出しの車とほかの営業の車と非常にスムーズな動線の確保ができなかったと、そういうことも目の当たりにしております。
 また、市場離れというお話でございますけども、私どもとしては、何十年もかかるような、そういうような工事をしている市場でスムーズな買い回りができるかどうか、それが一番心配でございまして、中には、他市場への買い出しに行かれる方は当然あることと考えております。よろしいでしょうか。

○伊藤委員 都議会公明党の伊藤興一でございます。本日は、大武参考人におかれましては、貴重なご意見を私たち伺えるということで、大変に心より感謝申し上げる次第でございます。
 私の方からは、築地がここ近年におきましても、昨年の十一月にはガラリが落下すると。また、一カ月後の十二月にはコンクリートが落ちてきたと。このたび、ことしの七月にはれんがが落下をして人身事故が起きたと、このように聞いておりますけれども、買い出し中に大変に不安だというふうに思います。こうした現状が続くと顧客離れにつながってしまうんじゃないかと大変に心配するところでありますけれども、この辺のところをどのように考えるか、伺いたいと思います。

○大武参考人 築地市場も七十五年とかいわれていまして、地震に対する補強は、土台の部分、いわゆる鉄骨の土台の部分は今補強がなされております。ただ、上の方はそのままの状態ということで、ちょっとした地震でも、あるいはそれ以外でも、そのような事故が今発生していると私も聞いております。
 足元の方の通路ですね、これも一部は今コンクリートになっておりますけど、以前の御影石を並べたようなでこぼこの通路もまだたくさんあります。そういうところを歩かなきゃならないということで、非常に買い回りしにくい市場になってきてはいます。
 それと、やはり市場の中の通路というものが十分に確保されていない。それぞれのお店が前へ前へ出すと。これは、七十数年も前の営業の状態そのままを使っているわけで、現在の荷物の、あるいは品ぞろえの多い営業をしている仲卸さんにとっては、狭い市場ということで、通路の方まで出されるのではないのかなと。それが我々としては非常に買い出ししにくい、歩きにくいと。中には、つまずいて荷物を落としたり転んだりということで、私も二回ほどけがをしたことがあります。
 そういうことを考えまして、やはり私どもは、特に私は個人的には、世田谷区の外れの二子玉川、自由が丘、あそこら辺で営業しておるんですけども、支部員の中には、川崎の北部の方が近いということで、既にあちらの方に行っている人もおります。それから、大田市場にも足を運んでいるという方もいらっしゃいます。現状はまだその程度でございますけども、これから何かあったときにはご心配のようなことも起こるのではないかと、このように思っております。

○岡田委員 都議会民主党の岡田でございます。本日は、早朝からありがとうございます。
 大武様には二点質問させていただきます。
 まず一点目ですけれども、今回、四つの案が示されまして、それに豊洲新市場計画案を加え、私たち都議会民主党としては、市場関係者の皆様方にご意見を伺いたいと思っております。単純なマル・バツだけのそういった意向調査ではなく、ご意見を本当に細かく伺いたいと思っております。
 その中で、豊洲移転に反対している理由が土壌汚染以外にどのようなものがあるのかとか、あるいは築地でできるなら築地でと考えている方がどの程度おられるのか、そういったことを皆様方にご意見を伺いたいと思っておりますけれども、このような意向調査を実施することはどのようにお考えでしょうか。

○大武参考人 お話の件でございますけども、意向調査は既に私どもも行っておりまして、一致した新市場豊洲移転ということで決まっております。むしろ、いろいろこういう問題が出てきて、また意向調査となると、我々の業界もいろいろ混乱するのではないのかなということでありますので、意向調査はしていただきたくありません。
 それから、豊洲への移転は、土壌汚染が出たということで、我々も消費者と直接、一番近いところにいますので、お客様の声は毎回、新聞とか雑誌とかテレビなんかで行われますと、いろいろとお客様の声が届くんでございますけども、我々としては、いわゆる土壌処理がきちっとされて、安全・安心が確認されれば、移転ということでお願いしてありますので、それは今でも変わっておりません。

○岡田委員 ありがとうございました。
 それでは二点目をお伺いいたします。
 大武様は、ことし三月十六日の経済・港湾委員会でも参考人としてお話をされ、そのときに、我が党の増子議員の質問に答えて予約相対のお話をされました。サンマを例に、競りの前には品物がなくなってしまう、公平な取引、透明性のある市場が望ましいということを発言されていらっしゃいましたけれども、そういった意味では、今回示されていますB案、C案は、転配送や大口向けの機能を築地とは別の敷地に設けて、いわゆる不透明な取引をなるべく排除しようというものになっていると考えておりますけれども、この転配送や大口向けの機能を別にすることについてのお考えをお伺いいたします。

○大武参考人 それは私の考えとしては反対でございます。というのは、今、我々は、量販店攻勢といいますか、小売としては大変厳しい営業を強いられているわけでございます。前回そのようにも発言させていただいたんですけども、今回は市場が全然別になっちゃうということで、産地から量販店向けの品物が全部そろってそちらの方に行っちゃうのではないかと。いわゆる欲しいサイズ、欲しい価格のものは、ほとんど量販店向けで産地から選別されていくのではないのかなと。これは定かではありませんけども、私の想像ではそういうふうに思っております。
 ですから、もしそういう品物を我々が欲しい場合には、一たん築地に来て、また晴海の方へ買い出しに行かなきゃならないと。そんなようなことも考えますと、やはりそういう分散されるような機能は好ましくないのではないのかなと、そのように考えます。

○清水委員 おはようございます。共産党の清水です。お願いいたします。
 先ほど土壌汚染の問題も触れておられましたけれども、この間行われた土壌浄化の実験について、私たちは、初期値の値が隠されたりとか、盛り土の搬入元が不明だったり、ずさんな実験が行われてきたというふうに考えているんですけれども、今の時点で、先ほどお話がありましたけども、安全・安心を確保できるというふうにお考えになっておられるのかということをお伺いしたいと思います。

○大武参考人 私どもといたしましては、先ほど申しましたように、お客様との直の、直結した商売をさせていただいておりますので、土壌の汚染とかそういうものは一番敏感に、もちろんほかの方もそうだと思いますけども、考えております。今までその処理あるいはそういうものに対しては、東京都から説明を受けておりまして、今の技術では可能だというふうに伺っておりますので、安心・安全を確保できるというふうに考えております。よろしいでしょうか。

○清水委員 もう一点お願いいたします。
 現在地再整備の議論がこの委員会で行われたわけなんですけれども、私たちは、その前提として、豊洲の新市場の規模も、それから今お示しした築地での現在地再整備の規模も、このままでは業者の負担が大変重くなるということで、一つは規模を見直すという、そういうことも必要だし、それから、都の支援ももっと行われなければいけないというふうに考えているんですけども、その点についてお伺いいたします。

○大武参考人 豊洲の方は、最初の計画から私も参加させていただいておりまして、大分縮小といいますか、設備の縮小とか、そういうものが行われてきて、なるべく建設費用のかからない市場ということで、最近は東京都さんもいろいろと計画されているというふうに考えております。
 それから、築地の方は、もしA案の方でされるならば、豊洲と同じような形の市場をつくるように聞いておりますけども、お話によりますと、築地市場の再整備をした場合の使用料が、今より、いわゆる計画よりはアップするんじゃないかと。むしろ豊洲の新市場の方が安い使用料で利用できるような話も聞いておりまして、我々としては、この再整備で、二十年前後かかるような市場での仕入れ、買い出し業務をするということは、とても耐えられないというふうに考えておりまして、最短である豊洲の市場がきちっとした処理のもとに安心・安全で建設されるということがあれば、そちらの方を望んでいる次第でございます。

○西岡委員長 他にございますか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○西岡委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 大武参考人からの意見聴取はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○西岡委員長 異議なしと認め、大武参考人からの意見聴取は終了いたしました。
 大武会長、本日は大変お忙しい中、貴重なご意見まことにありがとうございました。心より厚く御礼申し上げます。
 それではどうぞご退席ください。

○西岡委員長 参考人をご紹介いたします。
 東京魚市場卸協同組合理事の酒井衛さんです。
 本日は、ご多忙のところ、小委員会にご出席いただきまして、まことにありがとうございます。小委員会を代表いたしまして御礼申し上げます。
 本日は、築地現在地再整備計画に向けての検討事項案について、ご意見をお伺いしたいと思います。
 なお、酒井参考人には、ご着席のまま発言していただきたいと思います。
 それでは、よろしくお願いいたします。

○酒井参考人 こんにちは。
 酒井衛と申します。築地で仲卸をしており、東卸組合での新市場のワーキンググループのメンバーでもあります。このたびは、このような機会をいただき、まことにありがとうございます。
 私は、仲卸として毎日働いている立場から、主に市場の使い勝手という点から意見を述べさせていただきます。
 第一にワンフロアの重要性ということです。第二に青果が水産の上という点をお話しさせていただいて、第三に、将来の対応というか、展望ということをお話しさせていただきたいと思います。
 まず、ワンフロアで物を動かすことのできる重要性です。
 市場は、入ってきたものをいかに効率的に動かすかというのが最重要です。それも毎日イレギュラーなことばかり起こる市場です。頭で考えたように物は動きません。それを考えると、今回のA-2案こそ最良であると確信します。非常に簡単なことで、青果、水産それぞれのメーンの動きが同じ平面にあるということです。
 どんなにエレベーターなどのシステムを導入しようが何をしようが、ワンフロアであることが市場の命です。ほとんど毎日イレギュラーなことばかり起こる市場で、競り場と我々の店が隣接していること。また、混載でやってくる荷物を含めて、大口、転配送もワンフロアにあるということは、市場の物流としては非常に重要なことです。
 それを考えると、豊洲は致命的な問題があります。資料はいっていますか。資料の一ページから六ページをごらんください。これは都と業界の間でやりとりされている図面で、現在はこれでおおよそオーソライズされていると聞いています。水産卸に関しては何と三層になっています。
 そこで、私なりにA-2案と豊洲計画をわかりやすい絵にしてみました。資料七ページのカラーの絵を見てください。築地再整備A-2案、豊洲計画、こういうふうになっていますけれども、築地は狭いから、再整備するには多層だとか高層だとかいわれてきましたが、実は中身を見てみると、このように豊洲の方が多層になっています。
 市場に来るトラックは、一つのトラックにいろいろな荷物が混載されてきます。例えば二階にトラックが着くとします。その荷物は、競り場に行くもの、他市場に転送されるものも混載されてくるとします。どこかの階におろされた荷物は、上下階にエレベーターで運ばなければならない計画になっています。
 問題は、これをだれが整理して持っておりるかです。私はこれが皆目見当がつかないのです。ワーキンググループで卸との話し合いをした結果を聞きますと、卸側は、高速のエレベーターがあるから大丈夫と回答していると聞いています。さらに、スロープさえないので、仲卸は荷物をとりに行けないので卸が持っておりてきてくれるのを待つそうです。冗談じゃありません。
 荷物を運ぶ車を、人力のものを小車といいまして、電動のものをターレットといいますが、我々仲卸のターレットが九百台余り、小車が八百台余り、荷受けがターレットが百台余り、主に荷受けの荷物を運ぶ小揚げ会社がターレット三百台余り。何と水産だけで二千人以上の人間が身を粉にして毎日運んでいる量の荷物を多層階にわたって動かすエレベーターであるなら、そのエレベーターは、ターレットが一遍に五百台も乗れるような巨大なものでなければ実際に荷物は動きません。ましてやスロープがないなんて、停電にでもなったらサンマの一箱も流通しない、不備のある市場だなんて笑われてしまいます。
 ワンフロアであれば、小車でもターレットでも人海戦術でも幾らでも対応できるものが、三層では無理に決まっています。
 ご存じと思いますが、中央卸売市場が存在する意義の最大の価値は評価機能です。とれた魚の量と品質で生産者も生きていけ、消費者もなるべく安く買える適正な価格を決定すること、これが中央卸売市場の最大のポイントです。これは卸と我々仲卸が対峙した形の中で生まれてくるものです。競り物品は少なくなったものの、相対取引でもそのような機能は保たれています。時代の流れで、すべてが競りで行われることがなかなか難しくなった今でも、卸はなるべく高く売ろうとし、仲卸はなるべく安く買おうとする、この対峙こそが命です。
 この最も重要な観点からA-2案と豊洲案を比べてみますと、豊洲では、我々は一部のものを除き残り物を扱う処理係で、到底評価をして適正価格を出す機能を担うことができません。恐らく卸の仲卸化、仲卸の卸の下請化が進むでしょう。築地で働いていると、卸と仲卸が隣接し、きょうはどんなものがどれぐらい入って、どのような動きをしているかは働いているとわかります。しかし豊洲の二階は全くわからない。つまり、我々が現在でも頼っている感覚といいますか、当たりがつかないと思うのです。
 メーンの物流はワンフロアでなければならないと考えます。
 次に第二点、青果が上ということなんですが、以前の再整備計画案でも、青果が上に来るということで合意がとれたものの、その後、問題になったかと思います。
 今回、私も知り合いの青果の方々に意見を聞いてみました。A-2案で特にいいのは、上に上がったときに十分な面積があるので、豊洲で二階建てだった部分が全部入るということです。いい方を変えれば、坂の上にあるワンフロアの市場と同じで、現在築地で行われているすべての業務、競り場も荷受けも仲卸も駐車場も、ゆったりとした面積があるので可能です。スロープで詰まるということもないでしょう。
 さらに、青果の上には建物がないので、非常に柱が少ないということも、広く使える利点になっています。
 しかも築地で商売ができる、この点は青果仲卸の仲間は非常に喜んでくれています。
 次に、将来の対応です。我々の将来は前途多難です。市場の取扱量も減るかもしれないし、豊洲の場合には周辺のまちで吸収してくれる部分が少ないので、市場内に事務所も駐車場も配送センターも、何もかも含まれなくてはなりませんが、築地の場合には何せ一等地ですから、どんな状況になっても利用価値がある。しかもワンフロアで大きな空間がある。これがあれば自由にリフォームできると思います。豊洲のようにスリーフロアでは、将来の変化に対応しにくいと思います。
 もう一つ、築地で商売ができる場合の利点は、環境に優しい市場がつくれるということです。
 交通のアクセスがよいので、将来は、少ない仕入れながら買い出しに来られる、それこそミシュランの星を東京が一番多くとった、食文化の担い手ともいえるお客様たちに、大手運送会社と手を組んで、その人たちに電車で来ていただいて、タイムサービスもクール便も思いのままという仕入れ方法を選んでいただけるということも可能です。それができるのは交通アクセスのすぐれた築地ならではのことです。また、場外市場や銀座など周辺とにぎわいの市場をつくることができる。
 つまり、環境に優しく、にぎわいがあり、将来自由にリフォームできて、新しいことがいろいろできそうな市場、我々を含め多くの人が未来に希望が持てる市場が築地ならできると思います。
 以上、意見を申し上げさせていただきました。ありがとうございました。

○西岡委員長 ありがとうございました。
 酒井参考人の発言は終わりました。
 次に、酒井参考人に対する質疑を行います。
 なお、酒井参考人に申し上げます。ご答弁の際は、手を挙げて、委員長の許可を得てから発言していただきますようお願いいたします。
 それでは、発言を願います。

○岡田委員 都議会民主党の岡田でございます。本日は早朝からありがとうございます。
 ただいまの酒井様のお話で、同一フロアの重要性について非常によく理解できましたけれども、具体例を挙げて、もう少しその重要性をお話ししていただけますでしょうか。

○酒井参考人 市場というものは、百種類なら百種類のお魚を買ってお客さんが帰ると。それで、最後の一個、二個の種類の魚が間に合わないと帰れないわけです。例えば悪天候で雪になったとしますと、普通の一般の方は、北の荷物、北海道とか東北の荷物が支障があるんじゃないかと思われるかもしれませんけど、雪の場合は逆で、北のトラックはチェーンとかの整備ですとか、そういうものになれているので、どんどん入ってくるんです。それでも、西の荷物、東名なんか、関が原が雪だったりすると一回下におりて、どんどんおくれるんです。そういうのを延着というんですけれども、例えば三時には着いていなくちゃいけない荷物が七時に市場に着く、それでお客さんが七時半に帰る。そういう場合に本当に待ったなしという状況が日常茶飯事なんです。
 そういう場合に、ワンフロアだったら何とか走ってでも間に合わせられるけれども、どこに着いたかわからない、どこにあるんだ、どこにあるんだ、だれがおろすんだということになってきてしまうと、しかもトンネルの向こうにあるらしいと。それだったら実際にお客さんの便に立たないというんですか、間に合わなくなる可能性が非常に多いと思うんです。
 ですから、ワンフロアであるというのは非常に重要だと思います。

○岡田委員 ありがとうございました。同一フロアでの物流の重要性ということがよくわかりました。
 それから、今、資料でいただきました七ページ目のこれを見ますと、実質、豊洲だと八十メートルの三一五号線による距離があります。このことについてはどうお考えでしょうか。

○酒井参考人 我々のお店というのは、例えば、この半丸のスペースで、この部屋全体の荷物ぐらいの荷物を動かしているんです。それで、自分の店に全部魚が入るわけがないので、裏の競り場で買ったものを、競り場のままお客さんのところに届けるもの、店に持ってきて、かけ出して分けて売るもの、いろんなものが同時進行で起こっていますので、トンネル八十メーターというのは、今現在の僕の感覚では到底あり得ないし、多分世界の市場で、そんなばかげた地形の市場は、あったら教えていただきたいというふうに思っています。

○鈴木委員 今、酒井参考人から、ワンフロアで物を動かせる重要性というのを特に強調されてご意見を述べられまして、伺いましたが、それも豊洲との比較というようなことをおっしゃっていたわけなんですが、本来、中央卸売市場というのは、ワンフロアというものが私も基本だというふうに思っておりますし、今後の東京都がつくる市場はワンフロアでというものを基本としてやっていると。それは、今いろいろとお話を伺っていると、確かにそこでお仕事をされている方の現状での使い勝手、働き方の中でのいろいろな問題点ではないのかなというふうにも私は感じさせていただいたんですけれども。
 その中で、せんだっての私どもの小委員会の質疑で、公明党さんも質問して明らかになっているんですけれども、今度の案は、一つの構造物で柱がたくさんあるんですね。そういう中で、正直いって、酒井さんがおっしゃっているような、いってみれば非常に柱が多いわけですから、非常に使い勝手が悪いんじゃないかなというふうにも、事実そういうことが出てくると思うんですが、その点いかがお考えなのかということ。
 それから、再整備、要するにA-2案が最良であるというふうにおっしゃっておりましたけれども、私ども、先ほども参考人に質問させていただきましたように、再整備には非常に長い工期が必要である。二十年から二十五年かかるわけですね、現実として。そういった場合に、皆さん、卸の方からも仲卸の方からも、過去の歴史がそうであったように、やっぱり反対運動ということが、再整備をしようということに反対だという声が非常に起きてくると思うんです。そういった場合にどういうふうに対処をされていこうと思っているのか。再整備を進められると本当にお思いなのか。
 その点、二点お伺いをしたいと思っております。

○酒井参考人 まず柱の点ですね。柱の位置関係というものと通路の問題があると思います。それで、簡単にいってしまうと、今、築地のワンフロアで青果と水産が同時に働いている部分が、両方とも全部のフロアが使えるわけです。要するに青果が使っていた部分も水産が使える。その分、広く使えるということで、あとは道路づけの問題で、柱をかいくぐって上手に移動するような設計というのはできると思います。それは広いからですね。
 二つ目が、再整備と決まったときの反対運動ですか。築地の市場というものは、築地の場外の市場あるいは築地のまちと非常に密接な関係を持ってずっと発展してきたと思うんです。それで、できれば、何十年という工期を仮にワープして、さっと築地で市場が新しいものに切りかわってできれば、皆さん、場外のこともあるし、築地で商売を続けたいという思いはあると思うんです。ですから、再整備が困難かどうかという一点に、反対運動が起こるかもしれない部分というのはその一点に集約できると思うんです。
 ですから、僕なんかは、ローリングというのはえらい大変なので、それはよくないと思うんですけれども、一発で引っ越して一発で戻ってくると、そういうやり方であれば二十年なんていう工期が要らないと思います。二十年の工期の中に、業界調整とかわけのわからない、何でこれが何年なんだとわけのわからない試算が出ていますけど、その内容がとても短縮できないものではないと思うんです。市場をつくるのは二年もあればできます。
 それで、一回移転する仮市場をつくるのは営業中につくれますから、ロスタイムはゼロですね。そういうものを足し算していって、ほんの数年で行って帰ってくるということが、今の建築技術その他で不可能だと思えません。だから、それは二十年が間違っていると思います。
 意見を終わります。

○伊藤委員 都議会公明党の伊藤でございます。本日は大変にありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 では私の方から、とにかく市場というのは、新鮮な食材、そして品ぞろえが豊富であるということが命であると思います。また一方では、市場の評判というものも非常に大事なことだというふうに思いますけれども、今回の現在地再整備であると、ローリング工事をするときにアスベストが飛散するという風評が立った場合に、私は商売に大変な影響があるというふうに思うんですけれども、その辺を一点伺いたい。
 もう一つは、再整備したときに、先ほど参考人の図も見せていただいたとおり、一つの建物で大変巨大な建物になるわけであります。これは委員会の中でも先日、私やらせていただきましたけれども、ほぼ正方形で、東京ドーム二・五個分の広さがあるということであります。
 確かにワンフロアかもしれないけれども、私は一点、防災上の心配があると思います。この築地再整備、ワンフロアであるわけでありますけども、もしこの中心のあたりから火災等が発生したときに、どっちの方向に向いていっても約二百メーターぐらい距離があるわけです。
 そうした場合に、私は、市場が開場してみれば、それこそ荷物もあれば、ターレもあれば、フォークリフトもあれば、大変な荷物の中、そういう巨大建物の中で何か起きたとき、先ほど参考人も何が起きるかわからないというお話をされていましたけれども、もしこうした災害が起きたときの防災上の心配についていかがかというふうに思います。
 この二点、伺いたいと思います。

○酒井参考人 一点目、アスベストの問題とか工期の問題とか、いろいろなことが生じるので、私はローリングに反対です、これは個人的な意見ですけれども。ですから、一回よそに移って、できたら戻ってくるという方法が一番いいと思います。
 あと、巨大な建物の中の防災ですね。それは今回の、これはきょうの話と外れるかもしれませんけれども、もともと魚屋としては閉鎖型というのに反対なんです。それで、豊洲の計画でも、天井の低いフロアがだあっと一万坪ぐらいあるわけです。今度のA-2案もやっぱり同じような、もっと大きな部分であるので、僕も防災上非常に不安だなと思っているんですけれども、実際に東京都の方に火災が起きたらどうするんだという話を聞きましたら、未来型の市場ですから、スプリンクラーで大きな事故にはならないというふうなお答えをいただきました。それは実際にはどうかわからないですけれども、きょうの話とは別ですけど、私は閉鎖型というのは反対です。そういうことです。

○星委員 生活者ネットワーク・みらいの星ひろ子です。よろしくお願いいたします。
 私からは一点お聞きしたいんですけれども、この間、市場移転あるいは現地再整備、長く議論がかかっておりますけれども、何よりも私は、当事者の皆様方のお一人お一人のご意向がとても大事だと思いますけれども、そういった意味におきまして、このご意向の調査をお一人お一人にさせていただくという、こういったことが大事ではないかと思いますけれども、そのことにつきましてはどのようなお考えでいらっしゃいますでしょうか。

○酒井参考人 我々の仲卸が今七百五十ぐらいありまして、青果が百二十ぐらいあるのかな。市場の中に会社が幾つあるか、数えたことがないのでわからないんですけれども、築地市場の中で商売をなさっている方、それぞれいろんな思いがあると思うので、それは、例えば荷受けは大きいから意見が通るとか、仲卸は小さいから意見が通らないとかということじゃなくて、我々も父親、祖父から受け継いできた店ですから、未来永劫に自分の店があるのが自分の希望でありますから、そういったことで考えると、八百屋と魚屋だけは自分の我が身のことなんですよ。荷受けの上場会社の方々は、いってみれば自分の家じゃなくて、世襲制ではないものですから、要するに企業の社長さんですよね。ですから収益を上げればいいんです。でも我々は、父親とか祖父から受け継いだものを未来になって自分の代でつぶすというのが非常に嫌なものですから、そういう意味で、自分としては、小さい仲卸ながらも十分に一つの意見を、どちらでやりたいかという意見を通していただく価値があると思っています。それでいいでしょうか。

○西岡委員長 他にございますか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○西岡委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 酒井参考人からの意見聴取はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○西岡委員長 異議なしと認め、酒井参考人からの意見聴取は終了いたしました。
 酒井理事、本日は大変お忙しい中、貴重なご意見をまことにありがとうございました。心より厚く御礼申し上げます。
 それではどうぞご退席ください。

○西岡委員長 参考人をご紹介いたします。
 東京中央市場労働組合委員長の羽根川信さんです。
 本日は、ご多忙のところ、小委員会にご出席いただきまして、まことにありがとうございます。小委員会を代表いたしまして御礼申し上げます。
 本日は、築地現在地再整備計画に向けての検討事項案について、ご意見をお伺いしたいと思います。
 なお、羽根川参考人には、ご着席のまま発言していただきたいと思います。
 それでは、よろしくお願いいたします。

○羽根川参考人 羽根川です。よろしく。
 都議会の方から、現在地再整備計画に向けての検討事項案についての意見ということなので、これに関連して最初に話をしたいと。
 一つは、現在地再整備の話になっているんですが、早期に豊洲新市場計画をまず中止してほしいと、そして現在地再整備に話を戻して考える必要があるんだろうと私は考えています。
 委員の方々の方に資料として渡っていると思うんですが、東京都の方で豊洲新市場計画をするに当たって「疑問解消BOOK」というのをつくって配布しました。その「疑問解消BOOK」の一番最後のところに築地市場移転決定に至る経緯というのがありまして、その経緯の部分のコピーを配布していただいております。
 これを見てもわかるとおり、平成十年、一九九八年ですが、豊洲新市場計画、要は築地市場の移転、再整備ということなんですが、それまで現在地再整備を進めるに当たっていろんなやりとりがされてきていました。当時、東卸協同組合、東京魚市場卸協同組合といいますが、そこの団体でも現在地再整備にするのか豊洲移転するのか論議があって、当時、東京都の方では六団体連名で結論を出してもらいたいと。全組合員投票を東卸でやったわけですが、その当時の宮城市場長は、投票時に、一団体たりとも反対であれば豊洲には絶対行きませんと、そういう明言をされていました。実際に東卸で全組合員投票した結果、現在地再整備については四百九十五、豊洲については三百七十六ということで、東卸協同組合では移転反対を組織決定しました。
 そのほかにも、魚商組合は、理事会決定だと思ったんですが、反対するということで、六団体連名でという形で進めてきたのが、四団体は移転、二団体は現在地再整備ということで、六団体の意見が分かれると。それまで六団体連名でといっていたのが、その資料を見てわかるとおり、平成十一年、移転を進めるに当たって、団体じゃなくて六委員と。団体の長、東卸の理事長が交代になって、移転推進派の方が理事長になったということで、団体では組織決定し、委員ということで賛成の立場で進めてきていると。豊洲新市場計画については、このように進め方がまず強引な進め方、最初に移転ありきのような進め方をしている。
 それから、合意形成も不十分な中で、とにかく豊洲新市場を進めるんだという形でやってきている。合意形成の部分でいえば、二〇〇七年に市場を考える会が水産仲卸の意向調査をとりました。その意向調査では、七三%の方が現在地再整備なんだと、移転については反対だと、そういう意思表示をしている。二〇〇七年五月に当該労働組合でも青果の仲卸さんのアンケートをとりました。そのアンケートでは、八五%の青果の仲卸さんが築地での営業を希望すると、そういう結果が出ています。このことについては東京都の方にも話してありますし、国会でも農水の方にも話して、合意形成が不十分なんだと、そういう形になっています。
 今、この豊洲新市場計画については、不十分な合意形成の中で、かつ強引な形で進められているということで、ここの部分をはっきりさせる意味でも、都の責任で意向調査を青果についても水産についてもとっていただきたい。
 特に青果の方でいえば、これまで卸会社が二社でした。それが今一社になっているということで、青果の仲卸さんに対して卸売会社から相当圧力がかかっている。そういう面では、意向調査をとるに当たって、そういう面での注意を払った意向調査を都の責任でまずとっていただきたい。
 それから、再整備の方なんですが、民主党の方から三案出されておりますが、まず、現在地再整備を考えるに当たって、今、卸売市場がどういう現状になっているのか、その部分からやっぱり見る必要があるんじゃないか。
 まず食品流通を見た場合に、今、産地と消費地、それを結ぶ中央卸売市場の関係の中で、産地、農業についても漁業についても大変疲弊する事態になっている。消費地でいえば、シャッター通りができたり、買い物難民が騒がれたり、そういう事態になっている。中央卸売市場でいえば、ここ数年、十年来ですけども、年間取扱数量、年間取扱金額、市場経由率、それから全国の中央卸売市場の数についても、右肩下がりで相当大変な事態を迎えている。そういう面では、そういう事態が起きているのに対して、どういう原因でそういう事態になっているのか、その辺の分析もしないと、本当の意味での現在地再整備にならないんじゃないかと私は思います。
 農水とも話をしたんですが、中央卸売市場中心の流通形態は一九七〇年、八〇年代あたりまでで、それ以降については市場外流通の率が相当数ふえていると。農水でいっているのは、食品流通で見た場合に、中央卸売市場の経由率、それから市場外流通については、反比例の関係になっていると。それは当然そうですけども、そういう面では、今、市場外流通が、卸売市場制度、築地市場に対して相当な影響を及ぼしている。それが衰退につながっているわけで、現在地再整備するに当たってその部分からも検証しながら、どういう再整備にしたら中央卸売市場を活性化できるのか、そういう再整備を考えてもらいたい。
 農水とも話してきたんですが、一九九九年と二〇〇四年に、二回にわたって卸売市場法を改正しました。その改正理由については、産地と消費地、川上から川下、要は流通形態が市場法に比べて乖離していると、大幅に変わってきていると。それから、中央卸売市場が衰退してきているので活性化させるために市場法を改正するんだと、二度にわたって改正しました。
 農水から聞きましたら、結果的に市場法改正によって中央卸売市場は活性化したのかと。いや衰退しましたと。原因は何か。これだという回答は返ってきませんでしたが、市場外流通が中央卸売市場に対する大幅な圧力になる中で、そういう事態が生じているということは明確なわけで、現在地再整備するに当たっても、その部分での現在地再整備を考えていく必要があるんじゃないか。
 「疑問解消BOOK」にも出ておりましたけども、中央卸売市場については首都圏という形で、豊洲新市場については首都圏という位置づけ、それから、これまでは東京都民の台所ということで築地市場を位置づけしてきたわけです。それが、「疑問解消BOOK」でも明確に書いてありますけども、方向が東京都から首都圏に変更させられると、そういう部分についても現在地再整備の中で考えていく必要があるんじゃないか。
 今出されている三案について、どれがいいとかという発言はしませんけども、現在地再整備を進めるに当たって、現場の声を反映させた形の現在地再整備をぜひ進めていただきたい。
 以上、発言にかえます。

○西岡委員長 ありがとうございました。
 羽根川参考人の発言は終わりました。
 次に、羽根川参考人に対する質疑を行います。
 なお、羽根川参考人に申し上げます。ご答弁の際は、手を挙げて、委員長の許可を得てから発言していただきますようお願いいたします。
 それでは、発言を願います。

○清水委員 ご苦労さまです。共産党の清水です。
 今、最初にお話がありましたけれども、現在地再整備を進める場合に、土壌汚染を取り除くことができない豊洲への移転はまずきっぱりやめること、このことが大事なんだというふうにいわれましたけども、私もそう思うんですが、市場で働く人たちの立場でこれまで、今お示しいただいたような経過なども把握されている中で、出されている三案についての言及というのは避けられましたけれども、議論されていた築地案を、もっといろんな方の意見を入れながら、東京都が責任持って業者負担を少なくするとか、工期を短くするとか、よりよいものにしていけば、築地での現在地再整備が可能だというふうに、今まで長い間見てこられて、そういうふうに合意をすることができると思われていますか。そのことをお聞きしたいと思います。

○羽根川参考人 今、清水委員から質問があったわけですけども、今回民主党さんから三案出されていると。それに向けて、民主党さんの方で公募しまして四十五集まっています。それも見せていただいたんですが、すべて現在地で再整備ができるんだと、そういう具体的な案が出されているわけで、一部から、現在地再整備についてはできないとか、先日、九月二十二日の委員会で野口新市場担当部長が、業界の豊洲移転を望む声は強く、現在地再整備に戻った場合、収拾がつかなくなると、そういう答弁をこの委員会でされていたと思うんですけども、逆に、収拾がつかなくなるという話をしていますが、そういう形を進めてきたのは東京都なんです。現在地再整備については当時から、先ほどの経緯の中にも載っているとおり、いろんな論議を重ねて、どうやったらいいのかということで進めてきたわけです。それについても事実経過の中ではっきりあるわけで、現在地再整備が不可能だから豊洲新市場計画を進めるという形でこなかったわけです。
 途中から、六団体合意というのを六団体の六委員ということに名前を変えながら、とにかく最初に移転ありきと、豊洲新市場計画を強引に進めるんだという形でやってきた東京都の責任であり、野口さんがそういうことをいっているんですが、それは収拾がつかなくなる云々じゃなくて、行政がやってきたことがそういう事態を招いているわけで、そこは逆に真摯に、都民の声は、豊洲新市場ではなくて築地市場の現在地再整備を進めるべきだという声になっているわけで、そういう面では、今、清水さんがいわれたように、十分可能なわけですから、ぜひ早期に現在地再整備を進めていただきたいと、そう思っています。

○岡田委員 都議会民主党の岡田でございます。本日はありがとうございます。
 先ほどの羽根川さんのお言葉の中に、合意形成が不十分なまま移転が進められようとしているということで、都の責任で意向調査を要望するという強いご発言がありました。私ども都議会民主党でも、やはり市場関係者の皆様から個々にご意見を伺いたいと思っているわけでございますけれども、かつて東中労では青果の仲卸に対するアンケートを実施し、九割が移転反対であるという結果をまとめられておりました。
 最近では、意向調査に関して東京都の方に要望されたということは、労働組合としてはおありでしょうか。

○羽根川参考人 労働組合ですから、農水省とも東京都市場当局とも話し合いを申し入れて、年に一、二回はずっとやってきています。そういう都の交渉のときについても、豊洲新市場計画については合意形成そのものが不十分で、やはり意向調査を、今、水産についても青果についても最大の団体ですから、そこの中で十分な意向調査をとって、みんながどういう方向を考えておられるのか、そういう合意形成をしないで強引に進めるならば必ず問題が出るよという、合意形成を進めるためにも意向調査を都の責任でとってほしいという要望は、交渉の中で再三している。ところが、それについてはするともしないとも回答はしないと。要請はしてきています。

○岡田委員 もう一点お願いいたします。
 今回の再整備案では、特にA-2案では、青果の仲卸、卸、大口ピッキング、加工パッケージ機能をワンフロアに集約しており、また、水産物部についても、加工パッケージ施設を除き一階フロアに集約されていることが特徴として書かれておりますけれども、一方、豊洲ですと、水産、青果の敷地は平面でつながっていますけれども、それぞれ遠く、水産は水産で縦方向の移動が強いられております。物を動かす配達人のお立場として、どちらの方がお仕事はしやすいでしょうか。

○羽根川参考人 具体的な現在地再整備の話になると思うんですけども、先ほど紹介されたとおり、東京中央市場労働組合の委員長をやっているわけですが、市場の中に築地市場労組従組連絡協議会というのがあります。略称で市労連といっているわけですけども、その労働組合の中には、現場でやっている東京中央市場小揚労働組合、小揚げさんの人たちがいます。それから当該労働組合も入っていますし、卸の東市労働組合、東水労働組合、それから青果の東京シティ青果労働組合、それに都庁職の中央卸売市場支部ということで、六つの労働組合が市労連に結集しています。
 市労連の中でも、豊洲新市場については市労連の総会決議で、豊洲新市場については反対だと、現在地再整備を進めるということを総会でも決議して、例年、泊まり込みの学習会等をやっていまして、小揚労働組合の方からは、平面でないと困ると。逆に、今回の民主党さんの案で平面という形が出されているので、そこの部分については、仕事のやり勝手といいますか、やりやすい形なので、そういう形の案については小揚労働組合としては賛成だと、そういう意見は寄せられています。

○鈴木委員 自民党の鈴木あきまさでございます。きょうはご苦労さまでございます。
 きょうは、羽根川参考人、東京中央市場労働組合の委員長さんというお立場でご発言をいただいているわけだと理解をしておりますけれども、私も、中央卸売市場の運協の委員として、羽根川さんの持論は何度かお伺いをしているところでございます。
 その中で、市場外流通の中央卸売市場に与えている影響、そんなようなことを伺っておりますし、築地に関しても、市場外流通がふえているということが、市場でご商売をされている方の衰退の一因があるんだというようなことを述べられているというふうにも理解をしているんですが、再三、羽根川さんが「疑問解消BOOK」を読まれて、それできょうの発言をされているということなんですけれども、豊洲はそもそも首都圏をエリアに入れて建て直すんだと。今のご意見を伺いますと、築地というのは都内の、都民の食のための市場なんだと。そもそもそういう観点が違うから、今回の豊洲への移転、建てかえというものは、おかしいよというふうにも私はお伺いをしているんですが、半面、今の市場が衰退をしている現状を打開するキーワードというのは、豊洲に新市場を建設して、拠点市場のネットワークによって今の沈滞している取引を活性化していく、そういったような要素が今回あるんだということがあろうかと思うんです。
 私はそういう持論を持っておりますが、その中で質問をさせていただきますけれども、ごらんいただいているとおり、豊洲の新市場の事業費は四千三百十六億円かかるわけでございます。用地費二千三百七十億円、基盤整備費三百七十億円、土壌汚染対策費、しっかりやって五百八十六億円、建築費に九百九十億円、こういったものの中で、もしも現在地再整備をやっていくとすれば、どうしても財源に不足が生じてくる。「疑問解消BOOK」をごらんになっていただいていると思いますが、試算によれば一千八百五十六億円の財源が不足をしてくるということなんですね。
 これを使用料で補うとした場合に、それは長期にわたって、従業員、皆さんの生活を支えるお給料にも関係してくるというふうに思うんです。安定した会社の経営があってこそ社員、従業員の皆さんに安心して働いていただける、お給料も払えるんだろうなというふうに思っているんですが、こういった長期にわたって現在地再整備の中で二十年も二十五年もかかってくるとするならば、皆さんの生活をも脅かすことになってくるんじゃないかと思うんですが、そういったことに皆さん我慢できるのか、この点をお伺いしたいと思っております。

○羽根川参考人 鈴木委員から話があったんですが、その部分については、私も、長期にわたる部分、あるいは財源負担の使用料にはね返ってくる部分、いろいろ危惧はあると思っています。だからこそ、私が先ほどいったとおり、三案についてどれがいいとかという形はいわないんですが、現在地再整備については十分可能なわけで、ただ、現在地再整備に向けていろいろ検討する事項として、工期の問題や予算の問題とか、それはいろいろクリアしなきゃならない問題として、当然出てくる問題だと思います。
 実際に、現在地再整備については、豊洲新市場計画が決まる前までは現在地再整備でいろんな論議をしてきたわけです。工期の問題についても工法の問題についても、それから財源の問題についてもやってきました。ただ、それがまとまらなかったから、じゃ豊洲しかないという形にはならないんだろうと。
 私は、具体的な現在地再整備については、川崎北部で既存施設の積極活用という形の再整備もやられていると。もちろん、今、築地市場は老朽化の問題がありますから、積極活用だけではしようがないので、耐震対策とかいろいろやらなきゃならないんですけども、そういう再整備についても、余りお金のかからない、とはいって補強するところは補強する、そういう再整備もあるので、再整備の仕方についてはいろんなやり方があると思うので、そこは現場の営業されている方、働いている方、皆さんの意見を集約して、現在地再整備を進めるに当たっても合意形成が大事なわけですから、より多くの方の意見を集約して、先ほどいったとおり、民主党さんの方で公募されて四十五の案件も出されているので、その辺についても精査しながら、よりよい、みんなが安心して現在地再整備できるような案については、時間をかけながらやる必要があるんじゃないかと、そういうふうに考えております。

○伊藤委員 都議会公明党の伊藤でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、私からも質問させていただきますけれども、労組の委員長ということでございますので、働く者の代表としての意見をちょっとお願いできればというふうに思っております。
 そこでまず、働く者にとって効率的に仕事をするということは非常に大事なことだと思います。先ほども岡田委員の方からもちょっと質問、触れておりましたけれども、物を上下に動かすということは、平面で移動させることと比べた場合、どちらが効率的かということを考えたときに、先ほど組合員の方の声は聞きましたけれども、委員長の考えをお聞きしたいということが一つ。
 もう一つは、先ほども財源の話がありました。再整備をした場合に、整備コストに加えて、これも私たち、この特別委員会で大阪の市場も見てまいりました。このときに現地の方がおっしゃっていたのは、重層構造の市場は絶対やめた方がいいと。そのときにはいろんなご意見をいっておりましたけれども、それは一つは、エレベーターだとか、あるいは排気だとか、非常に余分なコストがかかる、こうしたランニングコストが後になってかかるんだという話を伺いました。こうした使用料が、これが直結して使用料に上がっていくことになると思いますけども、これは本当に組合員の方々にとって、経営、そしてまた生活に直結するというふうに私は思いますけれども、この辺の合意形成は得られるのかどうか、その辺の考えを伺いたいと思います。

○羽根川参考人 まず効率という話なんですが、「疑問解消BOOK」でも効率の話は出されているんです。今、伊藤委員から出されているのは、その意味での効率じゃなくて、現場の労働の中の効率ということだと思うんで、平面がいいか上下がいいか、そこについては、まず一つの考え方としては、平面が普通にいいはずなんです。ただ、荷物の量とか、それから上下するやり方、エレベーターもあるでしょうし、スロープで上がる形もあるでしょうし、やり方によって、そこの効率については、上下がいいか平面がいいかという話になることであって、一般的には平面の方が現場の働いている労働者としてはやりやすいですよね。
 要は、機械で上下させるのと人間が上下させるのとは違うんです。機械で上下させる場合については、それだけのエレベーターとかシステムがないとできない。逆に、上下でやる場合については、それだけのコストがかかるわけですから、効率という部分からいうと余りいい効率ではないなと。平面の場合は、平面移動ですから、上下に比べれば平面の方が効率的にはいいだろうと思います。
 それから財源の問題についても、それまで進めていた現在地再整備の中でも、財源の部分についてはずっと論議されていた問題です。そういう面では、重層化した大規模拠点市場をつくるということになれば、それなりの予算負担も出てくるでしょうし、それが経営を脅かすということにもなるでしょうから、そういう面では、そういう部分といかに経費を削減した再整備にするのか、それは別問題として、十分時間をかけて検討すれば、クリアできる問題じゃないかなというふうに思っています。

○西岡委員長 他にございますか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○西岡委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 羽根川参考人からの意見聴取はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○西岡委員長 異議なしと認め、羽根川参考人からの意見聴取は終了いたしました。
 羽根川委員長、本日は大変お忙しい中、貴重なご意見まことにありがとうございました。心より厚く御礼申し上げます。
 それではどうぞご退席ください。

○西岡委員長 参考人をご紹介いたします。
 築地市場青果連合事業協会会長の福重憲二さんです。
 本日は、ご多忙のところ、小委員会にご出席いただきまして、まことにありがとうございます。小委員会を代表いたしまして御礼申し上げます。
 本日は、築地現在地再整備計画に向けての検討事項案について、ご意見をお伺いしたいと思います。
 なお、福重参考人にはご着席のまま発言していただきたいと思います。
 それでは、よろしくお願いいたします。

○福重参考人 東京築地の青果連合事業協会の福重でございます。
 まず皆様方に、非常に古いことでございますけれども、我々は築地の青果部門におきましては、非常に早い時期から一体となってそういうような行動を起こしてまいりました。
 まず、昭和六十三年でございますけれども、二十二年前になります、そのときに、築地で再整備が行われるということになりまして、前の再整備でございますけれども、その当時、青果部は苦渋の選択をいたしました。水産物部の方から、ローリングは水産部のエリアで行って、青果部の方には迷惑かけないから、青果部は二階に移転してくれないかというようなお話がございました。そういうことで青果部は真っ二つに割れました。
 しかしながら、非常に待ち望んでいた再整備であるからというようなことで、その灯を消すわけにはいかないというような、そういう築地青果部の判断がございまして、反対を押し切って二階案でまとめたということがございます。
 そういうことで今回も、後から申しますけれども、四階に新しく移るとか、晴海に行くとかいうようなことが書いてございますけれども、それはまた後ほどお話をしたいと思います。
 それと、築地はどういうようなことだったかと申しますと、青果部はですね、平成十年十二月七日に築地市場青果連合事業協会の臨時総会で、青果部四社、現在は青果部は三社になっておりますけれども、仲卸二団体、小売買参五団体で移転合意。と申しますのは、豊洲に行くんだということを決議いたしました。そういうことにのっとりまして、以来、一致して青果部におきましては、豊洲移転の推進に取り組んできたわけでございます。
 よくご質問がございますけれども、いつ青果部はそういうようなことで、どういうような形で築地移転ということをやったんだということでございますけれども、ここにその当時の新聞がございます。これは「日刊食料」でございます。これは平成十年の十二月三日の新聞でございますけれども、ここに、七日の日に全員で決議して豊洲に行くんだと、これからの時代の流れの中で、時代におくれちゃいけないということで、行くということで、正副長会議で決定したという、こういうことでございますから、築地の青果部におきましては、終始一貫それぞれの団体が、事業協会で一貫した同じ考え方で現在まで進んできております。そういうようなことで、そこら辺をよく理解していただきたいと思います。
 今回、新しい築地の再整備の案が三案ほど出まして、つい先日、A案のA-2案が出てまいりました。しかしながら我々としましては、この案を見させていただきまして、非常に大ざっぱな案であるという気がしてなりません。
 と申しますのは、はっきり申しまして、それぞれの工期を入れてございますけれども、いろいろよく見てまいりますと、はっきりいって、とにかく最後につけ加えられましたのは中央区が持っている場所でございますし、また、仮移転の場所が提示してございますけれども、向こうの方の晴海を活用するということでございますけれども、今からそういうようなアクセスなり、そういうことを皆さん方と図っていって、果たして、この出ている資料の中で、この期間で工事が始まって完了するということは、とてもじゃないけどですね、だれが考えても、ちょっと腑に落ちない資料をもらっております。
 はっきり申しまして、我々はもう二十五年間、再整備、それがとんざする、そして豊洲に行くということで、二十五年間もこの問題で振り回されております。その間におきまして、我々業界におきましても非常に厳しい状況が続いておりまして、これが、こんな工期が、ここに書いてある工期でも長いと思っておりますのに、そのほかに、じゃ、築地で新しく建てかえをやるといったら、土壌汚染の問題も出てくるかもしれません。じゃ、遺物じゃないですけれども、そういうような埋蔵文化財が出てきて、皆さん方もご承知のように、あの汐留で、あれだって相当な期間がたっております。そういうことでありますと、我々業界、恐らく経営ができなくなる時期が来るんじゃないかと思います。できるだけ早く新しい豊洲に行って、今の時代の流れに合ったようなですね、そういうようなハードをつくり、そしてソフトで非常に使い勝手のいい、効率性のいい市場をつくっていくということがなされなければ、我らとしましては、全職員を抱えて、また全組合員を抱えて、非常に大変な時代が到来するんじゃないかということで、この三案ですね、A-2案が出ましたから四案でございますけれども、これは非常に受けがたい。早急にできる問題でなければ、我々疲弊しちゃって、行く体力もなくなっていくんじゃないかというのが我々の意見でございます。
 そういうようなことで、これは、先ほど申しましたように、青果の部におきましては、みんなそういうような考え方でいろいろやってきておりますから、そこら辺を十分認識して、なるたけ早く皆さん方の議会の中で先生方が決議されて、新しい方向を、短い期間でできる方向を早急に決定していただいてやっていただかなければ、我々の業界は、はっきりいって存続できないというのが、私の、また業界の考え方でございます。
 以上でございます。

○西岡委員長 ありがとうございました。
 福重参考人の発言は終わりました。
 次に、福重参考人に対する質疑を行います。
 なお、福重参考人に申し上げます。ご答弁の際は手を挙げて、委員長の許可を得てから発言していただきますようお願いいたします。
 それでは、発言を願います。

○長橋委員 公明党の長橋でございます。福重会長におかれましては、大変お忙しい中、貴重なご意見を賜る機会をいただきました。ありがとうございます。
 また、今ご意見をいただいている中で、福重会長の大変なご苦労、そしてまたその思いを力強く語っていただいたと思っております。
 私も、この築地市場、昭和十年にできて七十五年がたっている。一刻も早く移転、再整備をしなきゃならない、こういう思いでありますけれども、まさに現場におかれて、さまざまなご意見の中で苦渋の決断をされたり、また、二十五年にわたっての思いを語っていただきました。福重会長の会は、青果は一致して、一致して豊洲へ移転決議をしているんだと、こういうお話もいただきました。
 今回出された、小委員会で検討した三案、A、B、C案プラスA-2案もございますけれども、すべて晴海を活用してでの案でございます。晴海についても、我々はさまざまな課題があることをこの委員会で明らかにしてまいりました。移転に当たって、本来の晴海での活用が損なう、また晴海の近隣の方々の対策も必要である、こんなこともありましたけれども、改めて福重会長から、晴海の仮移転、現実にできるのかどうか、どのように思っていらっしゃるのか、お伺いいたします。

○福重参考人 この晴海案が出てまいりましたときに、非常に我々が残念でならないのは、もう少し市場の取引の中で考えていただきたいことがあるということでございます。
 築地は、青果は一社に、晴海に向けて平成十四年の十月に、体力をつけておかなければいけないということで、二社ありました青果の卸会社が平成十四年の十月に統合いたしました。そういうことで、それにつきましては、仲卸の皆様方、買参の皆様方の非常な協力があって統合ができたわけです。その統合というものは、これだけ厳しい中でも、現状どうにかこうにか全国ナンバーツーの会社になっているということは、仲卸、買参の方が非常に協力していただいたということでございます。
 そういうことで、今度晴海に移って、じゃ、築地の青果だけ晴海にまず、期間が非常に長うございますけれども--そういうようなことでは、はっきりいって我々の築地の、今まで青果と魚と一緒にやってまいりました、こういうつながりというのがぽつんと切れて、果たしてそういうようなことで我々の営業が順調にできるのかというようなこと。ましてや、そういうところに行きます関係で、恐らくいろんな問題がございます。一回向こうに行って、また帰ってくるなんていうような二度のローリングでも、我々青果は、恐らく営業ができるような体力はないと思っております。
 ましてや、ここにこの前いただきましたA案、A-2案、B案、C案、これを見ましても、工期がA、A-2案は十一年九カ月、B、C案は十七年一カ月というようなことを書いてございますけれども、また晴海あたりにおきましても、地域のですね、非常に重要な、いろんな施設もあの周辺にあるようでございますけれども、そういうことを解決して、そして行くとなれば、その解決する間の、簡単に、晴海に行けば即市場用地として確保ができて、即市場用地として利用できるというような、実現できるというような受けとめ方を報告されておりますけれども、実際冷静になって考えていただけば、これは非常に難しいことじゃないかと。そういうようなことで、これでまた五年ここにプラスされますと、二十年近くも市場は移転できないということでありますと、我々の業界は恐らくだれも生き残っていけないんじゃないかと。もうあと、豊洲にここに書いてございますような期間で行っても、非常に厳しい現状でございます。そういうようなこともよく勘案して、早急に議会の中でそういう結論を出していただいて、こういうようなことが果たしてできるのかということをよく検討していただきたいと思います。
 以上でございます。

○長橋委員 ありがとうございます。晴海を使っての案、機能が分散をする、また新たな工期の延長等がある、今、お話では、福重会長は、晴海を使うのであれば我々は生き残っていけない、このようにいわれたところでありますので、まさに思いがよく伝わったところでございます。
 あわせて、晴海を使ったとしても、この現在地は重層化せざるを得ない。青果が上と、こういうことになっておりますが、重層化についてどのように考えるのか。コストが上がるだろうと思いますけれども、ご意見を賜りたいと思います。

○福重参考人 最初に私は申し上げました。昭和六十三年の二十二年前に、我々としましては、青果部が二階に上がるのは非常に苦渋があって、水産部から、ローリングしながら水産部を使ったエリアでやりますから、どうかというようなことでありまして、先ほど申し上げましたように、苦渋の選択で、真っ二つに割れたものを統合しましてというお話を申し上げました。
 はっきり申しまして、豊洲新市場への移行につきましても、平地でないと、一階で、それも低い面におろさないとだめだということで、やっとそういうような意見をかち取って、それも何年かかりましたか、青果は平面でなければ、高さがあってもだめだということで、それをやっとそういうことで認めていただいたというようなことがありまして、それをまたもとに戻すとか、そういう高層のところでやるということは、我々としては、非常に営業ができないというような懸念を持っておりますから、そういうようなことでですね。ただ、恐らくまた質問があると思いますけれども、新市場におきましても、二階については、今各社でやっております特定の事業に使おうと、普通の買参、毎日来て買っていただける方に、そういうような二階の、使用するんじゃなくて、同じところの二階で、特化した、そういう大型荷さばきとか、特定のことでやろうということで、二階に上がるという意義は、今おっしゃいました高層のそれとは豊洲のことでは違うということで、我々はいつも説明を申し上げております。

○鈴木委員 自民党の鈴木あきまさでございます。きょうはありがとうございます。
 歴史は繰り返すというふうに申しますが、この再整備工事に着手をされた昭和六十一年、二年からの流れを今お伺いしておりまして、非常に苦渋の選択をされたその当時の、何か悪夢が今またよみがえっているのではないかなと。今、大変なお気持ちでいらっしゃるんだろうというふうに思っております。
 しかしながら、私どもは皆さんと一致するところは、歴史から学ばなければいけない、皆様がご苦労された今までのとうとい二十二年間を何とか生かして、都民のためにこれを形にしていかなければいけない。その思いは一致しているところでございます。
 そういう中で、六十三年に水産部を一階、青果部を二階、このように屋上に駐車場を配置した立体構造を受け入れた苦渋の選択、こういうようなものを、私どもは本当にどちらが一階、水産が一階で青果が二階だと、青果が一階で水産が二階だ、こういうようなですね、本来であれば市場はつくっちゃいけないんだと思うんですよ。私はそういうような思いで、絶対に時計の針を戻しちゃいけないと思っております。
 そういうような中で、仮に青果が晴海に移転した場合に、取扱量や営業に対する影響は本当に大変だと思うんですが、どのようになるとお思いか、率直にご意見をお伺いしたいと思います。

○福重参考人 晴海に移りまして、一応いろんな、ここに書いてございますけれども、まだいろいろ細かいことは十分熟知していない面がありまして、質問があるかもしれませんけれども、はっきり申しまして、今市場は、大口のものを晴海に持っていけば便利じゃないかとか、そういうことでございますけれども、大型を買っている人を晴海に持っていったり、一部そういうことをしましても、はっきりいって、どの方も競りで買うというようなことがありますから、今の予約相対だけで、そういうことで晴海で、そういうものはそっちでやればいいじゃないかとか、そういうようなことじゃなくて、築地というものは多種多様なものが入ってきておりますから、量販店におきましても、大口の買い出し人におきましても、それぞれまとめて大きなものだけ買うんじゃございませんから、そういうようなことで買い勝手が非常に悪いと。
 また、我々としましても、二カ所にそういうようなことがありますと、我々の事業協会のメンバーとしましても、大変なコスト高になるという可能性がありますし、お客さんも減るんじゃないかという、非常にそういうような懸念もございますから、このことにつきましては、ましてやこの案が出てくるまで、我々には、はっきり申しまして、こういうような晴海の活用なんていうようなことも一つも、そういうような情報があるのであれば、そういうようなことを発表されました方からでも、ある程度ご説明があってもよかったんじゃないかという気がしておりますが、何も知らないでぽんと出てきたものが、最後になりましたA-2、B、Cですね、ここにぽんと出てきたということは、非常に我々青果としては遺憾に思っております。
 以上でございます。

○岡田委員 民主党の岡田でございます。よろしくお願いいたします。
 ただいまお話を伺いまして、私たち都議会民主党では、今新しく出された現地再整備案の四案と、それに加えて、豊洲の新市場計画案を加えた上での意向調査をするべきではないかと思っております。やはりそれぞれの置かれている経営状況や、築地、そして豊洲へのご意見やいろいろ要望なども、個々の事業主の皆様方のご意見が大事だと思うのですね。私のところにも、青果の方で、築地を出なくちゃならないなら、豊洲じゃなく大田に行ってもいいかな、などといった声も伺ったりしておりますので、そういった意味でも、やはり意向調査が大事だと思われますけれども、その点に関して意向調査についていかがでしょうか。

○福重参考人 青果部におきましては、そういうことで今まで全員一致で、大きな組織というものは豊洲移転ということで決まっております。しかしながら、こういうような意向調査をやるというようなことでいわれておりますけれども、実際いって、その意向調査が、事業体というのも、物すごい事業体があるわけでございます、はっきり申しまして。そういうものの意向調査を正確にどういうふうにやれるかということが、まず一つ問題になってまいります。築地の中でも、はっきりいって青果の中でも、自分一代で築地に来たんだけれども、うちには後継者がいないということで、やむなくやめられる方もいらっしゃるかもしれません。
 それですから、そういうこともやらないでいて、意向調査をですね、いったら、そういう人に意向調査をしたら、完全に、いや、私のところは行かないよといわれるのは当然であって、それぞれの立場が違うわけですから、はっきりいって。そして、今、意向調査をされますけれども、このスケジュールどおり、書いてございますけれども、A案、A-2案、B、C案、こういうものが果たしていつできるかということも確実に担保されないでいて、そういうような意向調査をして、はっきりした意見が出るとお考えだということであれば、ちょっと腑に落ちないと私は思っております。
 はっきりいって、それぞれですね、あるところでも意向調査をされた方が青果のところに来ていらっしゃいますけれども、その意向調査でこういうような結果が出たよと、とんでもないようなことを発表される方もおいででございますけれども、実際もちまして、そこの店主にきちっと会って話をしたのか。そういうような意向調査がなかなかできかねない意向調査で、はっきりいってその意向調査がそのまま、いや、反対が多かったと。店にいる年とったそこの店員さんだったら、おれはもうあと二年ぐらいでやめないといけない、六十五になるからと。そういう方は、聞いたら、いやもう行かないよ、こういうようなことをいうことで、非常に、この意向調査を今さらやる必要はないと思います。
 以上でございます。

○清水委員 共産党の清水でございます。よろしくお願いいたします。
 過去の経過の教訓を見ても、青果の皆さんへの配慮というものが、東京都として非常に不足していたというふうに思います。他市場が整備に成功したその原因としては、やはり青果などの問題を非常に重視してやっておられたということも聞いてまいりました。
 そこで、再整備において青果業界への東京都の支援、財政支援というものは非常に重要だと考えております。今お話がありましたような業者の負担軽減の責任というものが、私は都にあると思うわけですけれども、仮にですけれども、東京都が工期の間とか、それから上層階への移転とか、そういう間の支援、東京都が手厚い支援を決断した場合、どのようにお考えになりますか。

○福重参考人 非常にありがたいお言葉でございます。はっきり申しまして、現状、築地市場の青果部におきましては、まだ私、頭の痛いことがございますけれども、十一月から非常に秋冬果実というものがふえてまいりますし、入荷量が多くなってまいります。ところが、雨にぬらすわけにいきませんから、我々としましては、毎年十一、十二、一という三カ月間、場外に雨にぬれないように荷物を置く保管場所というやつを、それは卸が中心になって、またその引き取りなんかにつきましては、場内のものでありませんから、仲卸、買参の方が苦労しながら場外に品物を置かざるを得ないというのが、もうずっと続いている状態でございます。その費用としましても、三カ月間で、はっきり申しまして一千万程度の出費があるわけでございます。そういうことも非常に苦慮しながらやってまいりました。
 やっぱり全国の産地から汗水垂らしたものが市場に来まして、雨にぬれて箱がぐちゃぐちゃ、そういうような状態であると、産地の生産者に非常に申しわけないということで、前もこの委員会でも申し上げましたけれども、そういうような現状でございます。それで、はっきり申しまして、我々としましては、東京都が、今は東京都の方でもそういうようなことで、仲卸さんを中心に、そういうようなことで、こういうような資金を貸す制度があるよとか、そういうようなことも始まっているというふうに聞いたことでございますから、実際それがなされているかわかりませんけれども、そういうような動き方も、非常に低利でそういうような資金を融資していただけるとか、そういうようなことも東京都の方で今やっていらっしゃるということも聞いておりますけれども、我々としましてはできるだけ、非常に体力の弱い我々業界でございますから、そこら辺、できることであれば、はっきり、そういうご協力をしていただくことを望んでおります。
 以上でございます。

○西岡委員長 他にございますか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○西岡委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 福重参考人からの意見聴取はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○西岡委員長 異議なしと認め、福重参考人からの意見聴取は終了いたしました。
 福重会長、本日は大変お忙しい中、貴重なご意見まことにありがとうございました。心より厚く御礼申し上げます。
 それではどうぞご退席ください。

○西岡委員長 参考人をご紹介いたします。
 特定非営利活動法人「市場を考える会」理事長の山崎治雄さんです。
 本日は、ご多忙のところ、小委員会にご出席いただきまして、まことにありがとうございます。小委員会を代表いたしまして御礼申し上げます。
 本日は、築地現在地再整備計画に向けての検討事項案について、ご意見をお伺いしたいと思います。
 なお、山崎参考人には、ご着席のまま発言していただきたいと思います。
 それでは、よろしくお願いいたします。

○山崎参考人 ただいまご紹介いただきました築地の仲卸の山治、そしてNPO法人「市場を考える会」理事長を務めます山崎治雄でございます。きょうは大変にお忙しい中、このように委員会を開いていただきまして、私の意見を述べる機会をいただきましたことを厚く御礼を申し上げます。これから述べますので、よろしくお願いいたします。
 豊洲土壌汚染問題とは、東京都以外のほとんどすべての人が、あの土地は生鮮食料品の市場には適しないと不安を訴えているにもかかわらず、東京都だけが大丈夫だと、問題はないといい続けている問題でございます。
 経緯を振り返ってみたいと思います。
 二〇〇一年一月、東京ガスは、築地移転候補地からベンゼン、シアン、水銀、砒素、鉛、六価クロムなどなど高濃度で検出されたことを発表いたしました。その際、都は、二〇〇〇年六月の東京ガスからの書類で土地の汚染を知っていながら、工事で土地をきれいにできるのだから大丈夫だというようなコメントをされました。その裏で、東京ガスは、豊洲の用地は汚染されているために、この土地は市場用地に適さないと都に申し立てたことは隠されておりました。豊洲用地を強引に市場用地としたのは、東京都自身でございます。
 当時、都再整備担当部長は、仮に豊洲への市場移転が決まれば、土壌汚染のないことが土地購入の条件になると議会で答弁をしております。今となっては、全くの虚偽答弁でございまして、都は、対策に七百億円近いお金がかかる汚染された土地を購入しなければならない状況であります。
 二〇〇一年十二月、豊洲の土壌汚染が解決されないまま、都は豊洲への移転を正式に決定。当時、都の強引なやり方に、市場関係者と地域住民は頭越しに決められたと反発、中央区の区長も、都の姿勢に疑問と憤りを禁じ得ないとのコメントを出しております。
 以来、我々は都に何度も土壌汚染の危険性を訴え、土壌汚染調査を求めてきました。しかし、都は、東ガスの調査、対策は十分だと拒否をされました。そこで我々は、考える会を結成、デモなどの運動を通じて豊洲の土壌汚染の危険性を直接世間に訴えました。
 二〇〇七年五月、我々の要望を聞き入れたということではなく、豊洲土壌汚染問題を軽く扱うと東京都知事選挙に不利になることから、知事は専門家会議を設置。二〇〇七年七月、専門家会議は六十六地点でボーリング調査を決定、これに対して我々は全く不十分な調査だとし、土壌汚染対策法に基づき、三千五百地点の調査と別団体によるクロスチェックの実施を要求しました。都は、依然として拒否をされました。
 ところが、調査の結果、環境基準一千倍を超えるベンゼンが、東京ガスの対策済みの地点から検出をされました。都は、この事実を約二カ月近く議会に報告をせず。それほど不測の事態であったと考えられます。
 二〇〇八年五月、再調査によって環境基準の四万三千倍を超えるベンゼンが検出、知事はこのとき、ショッキングなデータだとコメントをいたしております。私たちからすれば、当然の結果だというふうに考えております。その後も、再調査によって基準値を超えるベンゼンが検出された地点は五百六十一カ所、地下水の汚染では、やはり五百六十一カ所、また猛毒のシアン化合物は、土壌で九十カ所、地下水においては九百六十六カ所を超えた、おぞましいまでの豊洲用地の汚染状況でございます。かつて猪瀬副知事に、非科学的な一部の原理主義者といわれたと我々の主張は、都自身の調査によって、その正しさが科学的に裏づけられたわけでございます。
 その後、都によって隠ぺいされてきた事実が次々と明らかになりました。二〇〇九年一月、朝日新聞のスクープ記事により、都は、豊洲用地から極めて強い発がん性物質が公表値の百十五倍の濃度で検出されたにもかかわらず、専門家会議に報告していなかったことが判明をいたしました。専門家会議の座長は、情報隠しと受け取られかねないとして、都に情報開示の改善を求めました。
 さて、都が市場予定地全体に連続していると説明をしてきた粘性土層が一部で確認されていなかった事実を専門家会議に報告してこなかったことが判明いたしました。都は、これまで、粘性土層は水をほとんど通さず、その下に汚染が進む可能性は低いと議会で答弁を繰り返していました。この記事に対して、都は、確認できなかったのは二点だけで、公表の必要はないと判断をしているとコメントをいたしましたが、専門家会議の座長は、信頼関係を築くのはデータしかない、都は不信感を持たれない情報の出し方をしてほしいと、都の姿勢を批判をいたしました。
 二〇一〇年七月、汚染濃度四万三千倍無害化と発表した実験のサンプルが、実は二・七倍のサンプルにすぎなかったことが判明をいたしました。我々は、実際、実験当初からサンプルの初期値を隠しているのはおかしいと要望をしてきました。にもかかわらず、都は実験の成功だけをアピールし、初期値を隠し続けてきたことは、ほぼ詐欺行為に等しいといわざるを得ません。
 さらに、汚染を封じ込めるための盛り土そのものが汚染されているという事実が新聞報道され、判明をいたしました。都は、二〇〇七年の調査で、盛り土がシアンや砒素、鉛で汚染されていることを確認していたにもかかわらず、その盛り土を、汚染のない健全土として新市場の土壌に利用しようとしていた。都は、汚染は地下水位の上昇によるものだとコメントいたしましたが、今度はその盛り土が、搬入する際に業者に課せられている汚染の調査を守らせてこなかったことが判明。ここまで来ると、既に泥沼状態でございます。技術者会議の座長は、内規を守らないのは安全に対する緊張感が足らないと、都の安全に対する責任感の欠如を指摘。我々からすれば、何を今さらという感でいっぱいでございます。
 さらに、搬出元においても書類が不備だった案件が次々と判明。一体、この悪夢のような状況は何なのか。都は、我々市場関係者に対して、再三、豊洲の土地は安全だと説明をしてきた。時には、安全宣言チラシを我々に、場内に配布することまでいたしました。こういった一連の都の行為は、一体何に裏づけられたものだったのか。仮に我々が訴えてこなかったら、世界一といわれた築地市場は取りつぶされ、ベンゼンやシアンが高濃度に放置された土地に生鮮食料品市場が建設されてしまっていたのは明らかでございます。そう考えたとき、都の今までの隠ぺい行為は犯罪的ですらあると思っております。我々は、安全と安心という最低限の義務だけは捨ててはならないという一心で、都と戦ってきました。残念なことに、いまだに豊洲計画は存在し、それを支持する政党すらある。この異常さをどう理解したらいいのか。都民の生命に直結する食に対するこの無責任な都の対応が、なぜ許されるのか。
 最後の願いとして、我々の声を直接聞く機会を与えてほしい。こんなばかげた計画を、市場関係者の多くが望んでいないことを明らかにしたいと思います。豊洲の土壌汚染は問題ないといい続けている、結局のところ最初からきょうに至るまで東京都だけだ。良識を、そして常識を持って、このあり得ない計画に幕を引き、現在地再整備に力を傾注していただきたいと純粋に市場人として願っております。よろしくお願いをいたします。きょうはありがとうございます。

○西岡委員長 ありがとうございました。
 山崎参考人の発言は終わりました。
 次に、山崎参考人に対する質疑を行います。
 なお、山崎参考人に申し上げます。ご答弁の際は、手を挙げて、委員長の許可を得てから発言していただきますようお願いいたします。
 それでは、発言願います。

○清水委員 共産党の清水でございます。
 時間もないんですけれども、あと三分ぐらい、つけ足すことがありましたら、私の質問はそういうことでお願いしたいと思います。

○山崎参考人 今、先生から指摘のとおりですね、まだまだ思いのたけはいっぱいありますが、やはり時間が限られておりますので、先生方の質問を受けて、それに答えられることがあれば答えていきたいなというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。

○清水委員 技術会議が終了した後に、山崎さんの息子さんを初め、本当に皆さん怒っていられたわけですけれども、そのときの気持ちというのをお聞かせいただきたいと思います。

○山崎参考人 私があの場にいまして感じたことは、本当に、もう事前にできたシナリオがそのとおり進められていったというふうに感じておりますし、それが今日までの行政のやられてきたことの象徴的な、僕は場面だったと思っております。
 以上です。

○岡田委員 民主党の岡田でございます。本日はありがとうございます。
 ただいま山崎さんのお話にも多々ありましたように、豊洲のこの土壌汚染という問題は、本当に大きな問題であると思います。課題はまだまだたくさんありますので、これから本当にどう解決されていくのか、私たち都民はしっかりと見ていかなくてはならないと思います。
 と同時に、都民の台所である市場の食の安心・安全というものが本当にしっかりと担保されていかなくてはならないと思っておりますので、私たち民主党としましては、市場で働く皆様方の個々の意見をやはりしっかりとこれから調査をしていかなくてはならないのではないかと思っておりますけれども、そういった意味でこれまでの、今挙がっています現在地再整備案四案に加えまして、豊洲市場の計画案も含めて、皆様方がどういうお考えをお持ちかを意向調査をさせていただけたらと思っておりますけれども、そういった意向調査に関してはいかがお考えでしょうか。

○山崎参考人 今、岡田先生から意向調査をもう一度やられたらどうかというお話だと思うんですが、私たちは常に、これだけ土壌汚染が開示された豊洲の問題について、意向調査はもう一度やるべきだと思っております。
 と申しますのも、一番最初に行われた、十一年ぐらい前ですかね、意向調査のときは、とにかく大変に耳ざわりのいいキャッチフレーズで、我々のお店に行政がパンフレットを配っていただきました。それは、やはり豊洲は築地よりも五万坪も多い非常に広い土地である、そこで千客万来の市場を皆さんでつくりましょう、そしてお店の規模も広くなりますよというような感じのチラシが、我々の仲卸の店に配布されたわけですよね。そのときのやはり状況が、先ほど労働委員長の羽根川さんが申し上げましたとおり、結果的には、そのすばらしい、その豊洲の開示された中でも、今築地で働いている方々がノーといった。それに対して、私がいいたいのは、今、理事長をしております伊藤さんがですね、伊藤理事長が、少数派にも権利があるんだと、わけのわからないようなことをいって、それをねじ曲げたんですよ。そのねじ曲げた結果が今日まで来ているということを皆さん方、覚えておいてください。それが本当の姿ですから。そうでしょう。
 先ほどもいいましたね。六団体、今度は六人の委員でやる。それも行政が変えてきたんじゃないですか。そのように、自分たちが有利に有利にそういうことを運ぶようなことができるような仕組みに行政はしてきたんですよ。そういうことが許されますか。ましてや食の安心・安全は、党派を超えて、皆さんのお口に入る、そういうものを扱う大切な市場なんですよ。その市場を、土壌汚染が改良されたと、最新式の、土壌汚染でやっているんだと知事が申しました。どういうところが最新式なんですか。最良の検査なんですか。どこかでそれが立証されたんですか。そういうことも明確にしないまま、ただ言葉で、最新式だ、そういうことをいうということは、ますます一般市民を巻き込んで不信感を募らせる結果になっていると僕は思っております。
 以上です。

○鈴木委員 自民党の鈴木あきまさでございます。
 中秋の名月でございまして、私も瀬戸内のタコが好きでして、地酒で、あれはてんぷらにするのもうまいですね。そういうような食材が、本当に即座に私どもの家庭に届くような市場であってほしい。それをお互いにつくっていかなきゃいけないというふうに思っております。
 今、山崎さんが行政に対する、都に対する不信、それは土壌改良していく上でのデータの問題、それから意向調査に当たっての不信、二点お話があったんですが、そんな中で私があえてお伺いをしたいのは、山崎さんは、築地の市場は世界一なんだというふうにおっしゃっているんですが、築地の何が世界一なのか。そしてですね、であるならば、待ったなしの老朽化の現状を山治さんはどういうふうに考えていらっしゃるのか、あるいは築地ブランドとは何なのか、この辺のことをまずお伺いをしたいと思います。
 そして、意向調査の問題に絡めてなんですが、確かに経営者の立場、働かれている立場、いろいろあろうかと思います。しかしながら、その両者が一体となって今の現状に対処していかなければいけないというのが現実だと思うんですけれども、山崎さん自身ですね、この築地市場の移転か再整備かということに対して、現実に一万数千人もそこで働いている方がいらっしゃる、この現実。その市場業者、関係者の方がね、全員が一致しなければこの問題というのは解決できないのかというか、そんなことがあり得るのか。私は、あえて大変厳しい質問させていただくんですけれども、全員が一致しなければならないのか、その点お伺いをしたいと思います。

○山崎参考人 私は、最初ちょっと聞き漏れしましてあれなんですけど、最後の、全員が一致しなければならないのかという、大変にこれは難しい問題だと思いますけど、これはあくまでも、やはり今の民主主義の中で多数決で決めていく、これがルールだと思っているんですね。ですから、我々の組合が、先ほど申し上げましたとおり現在地でやる人が多いのに、なぜ移転賛成の少ないところへ今の理事長が推していったのか。本来はやめるべきじゃないですか。それがトップのとるべき道じゃないでしょうか。何で少数派を推し、そして意向調査に、我々が命から二番目の実印まで押したんですよ。そういう大事な結論を、そういう担当の人が移転賛成であるならば、僕はそのとき、理事長はやめるべきであったと。それが普通の民主主義のルールじゃないですか--だと僕は思っています。
 それと、築地ブランドということなんですけど、これはあくまでも七十数年にわたって私たちの先人が築いてきた、すばらしい市場に仕立て上げていった、それが築地ブランドだと。築地だけじゃなくて、その周辺を取り巻く場外市場、そしてその周辺にあるいろいろな建物、これはあくまでも築地であるから、そこにすばらしい市場構成ができてきたんじゃないかな。それは一朝一夕ではできない、食文化のやはり、何といいますかね、構成があったんじゃないかなというふうに僕は思っております。(「老朽化について」と呼ぶ者あり)
 老朽化については当たり前のことですね。これは我々住んでいるうちも、七十年たてば、そろそろ建てかえようかという感じが当たり前のことです、これはね。ですから、できることなら、私は今の施設をですね、もちろん今いろいろと再整備、きれいにしようよという動きと同時に、場合によってはリフォームもいいんじゃないかと。そんなに財源がないんだったら、リフォームでも結構じゃないかと。今の市場で我々働いていて、余り不都合って僕は感じていないと思うんですよね。なぜ、何でもかんでもやらなきゃいけないのかなというふうな感さえしますね。今のすばらしい市場の建物、これはなかなか、文化人によれば本当に文化遺産だと、できることならこのまま残したい、そういう意見さえある市場の状況だと思っていますね。

○長橋委員 公明党の長橋でございます。山崎理事長、本当にご苦労さまでございます。
 大変お元気できょうも発言をされておりまして、私も直接何回もお話を今まで聞いてまいりまして、市場を愛するといいますか、なかんずく築地市場を何としても存続させたいという思いは、もう何回も強く聞いてまいったところでございます。
 その上で、きょうの小委員会は、恐らくこの築地の移転、再整備、もっと議論を活発にしようと、こういうことできょうは九回目でございます。八月も、きょうは後ろに理事者の皆さんもいますけれども、ご苦労して一緒に議論を重ねてまいりました。
 また、先ほど山崎参考人は、理事長は、土壌汚染の問題についても本当に心配をされている。これについても、先月、築地特別委員会と経済・港湾委員会、一緒になって連合審査会をやりまして、ここでも活発な議論をいたしまして、そこで明らかにしてまいりました。
 また、恐らくきょう山崎参考人がいらっしゃる前の最初の参考人、買い出し人の連合会の方は、土壌汚染については、一番我々は現場に直結していると、消費者の方と直結している立場からいっても、この土壌汚染の問題については安心なものと確信していると、こんな発言もあったこともお伝えをしておきたいと思います。
 その上で、山崎参考人、ことしの一月にも経済・港湾委員会で参考人としてご出席をいただきました。そのときの発言に、使用料のことについてご発言がありました。使用料について、そのときにはこの民主党が出された三案、検討事項案、A、B、C案は出されておりませんでした。そういう中で、何で豊洲が一・五倍になるんだと、ちっとも中身がわからないと、こういう話をしながらですね、我々は築地で働いて使用料でつぶされたというようなことがないようお願いしたいと、こういうふうに発言されました。まさに使用料については、山崎参考人のグループだけではなくて、大変関心を持っておられるんだろうなと、このように思うわけでございます。
 今回、A、B、C案を含めて小委員会で検討してまいりました。このA、B、C案については、A-2案もありますけれども、外部のコンサルタントに委託をして、より詳細に検討していただきました。そこで、東京都が出した案なんですけれども、調査したのは外部委託でありまして、そこで明らかになったのが、今度、築地A、B、C案については、一・六倍から一・三倍--豊洲に移転した場合、築地よりも豊洲の方が上がるだろうと、このように使用料はいわれているわけでありますけれども、それよりもさらに上がる、豊洲よりも一・六倍から一・三倍、このようになるだろうということでございました。それも明らかになったわけでありまして、この小委員会で、先ほど申し上げたとおり九回目でございますけれども、そのことも議論をさせていただきました。
 そこで、使用料の増加というのは、ひとえに建設費の増大、工期の長期化、これに伴って連動してくる話でありますから、なおかつですね、使用料が大幅にふえるだろうと、このように私は思うわけでありますけど、それはこの前の委員会で明らかになったんですけれども、あわせて引っ越しもせざるを得ない。これは大変、一番の問題は、皆さん方市場業者の負担がどれだけ抑えられるか、こういうことだと思いますけれども、明らかにこの移転、再整備のA、B、C案、豊洲に比べると大幅に業者の負担がふえると、こういうことが明らかになったわけでありますけれども、そこで山崎さんは、東卸組合の全員の方がですね、皆さんがこれを受け入れられるのかどうか、これについてご答弁をお願いします。

○山崎参考人 今、先生の方から使用料ということでお話がありました。これは一番大事なことだと思っております。この使用料というのは、日々我々に負担としてのしかかってくる問題でございますので、これは大変な問題ですので、我々としても関心は持っているところでございます。
 ですから、やはり築地でやるということであるならば、私は行政としても、今までのように見過ごさないように、要するに築地を通過するそういったものに対しても、やはりそういう使用料を負担していただく。全体が使用料を負担した中で、我々の使用料を少しでも軽減する努力は大事かなと。そのぐらい築地では、場所がいいということもあります、どうにでも僕はできると思うんですよ、ちょっと考えを出せばですね。そのくらい築地の場所というのは、皆さんが考えられている以上に、僕はすばらしい場所だと。ですから、使用料の負担、要するにかかったものに対して負担じゃなくて、その築地という場所からですね、使用料を少しでも安くする努力を行政の皆さんができればしていただきたいなというふうに考えていますけど。

○西岡委員長 他にございますか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○西岡委員長 ほかに発言なければ、お諮りいたします。
 山崎参考人からの意見聴取はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○西岡委員長 異議なしと認め、山崎参考人からの意見聴取は終了いたしました。
 山崎理事長、本日は大変お忙しい中、貴重なご意見をまことにありがとうございました。心より厚く御礼申し上げます。
 それではどうぞご退席ください。
 この際、議事の都合により、おおむね六十分間休憩いたします。
   午後零時一分休憩

 午後一時開議

○西岡委員長 休憩前に引き続き小委員会を開きます。皆さんお疲れさまでございます。
 参考人をご紹介いたします。
 東京築地魚市場大物業会元会長の渡辺桂一郎さんです。
 本日は、ご多忙のところ、小委員会にご出席いただきまして、まことにありがとうございます。小委員会を代表いたしまして御礼申し上げます。
 本日は、築地現在地再整備計画に向けての検討事項案について、ご意見をお伺いしたいと思います。
 なお、渡辺参考人には、ご着席のまま発言していただきたいと思います。
 それでは、よろしくお願いいたします。

○渡辺参考人 よろしくお願いします。
 まず、私の紹介の中で東京築地魚市場大物業会、大物というのはマグロのことをいっております。それから関西の方では、特に大阪市場では、このマグロのことを太物といっております。まずその辺を、大したことないんですけど、承知していただきたいと思います。
 私は、今、お昼からの第一番目でございますが、午前中のご意見、傍聴しました。その中で、いろいろ再整備に関して、移転問題に対していろんな意見が出ましたんで、私としては、重複するような感じでは先生方のためにもならないと思うんで、私は現在の東卸組合、東卸組合の現状を先生方にお話ししたい。あるいは今日までの成り立ちといいますか、そういうものを先生方にお話しして、ご理解を深めていただきたいなと、こんなふうに思って発言させていただきます。
 まず平成三年ですが、築地で市場をつくろうということで、まず手始めに正門の仮設工事が始まりました。そして続けていったんですが、平成五年、後半ですが、なぜか工事が中断されたといいますか、そういう形で一時ストップした形であったんです。それまでどのぐらいの費用がかかったかといいますと、一応予備のこともあったでありましょうし、下調べもあったでしょうから、金額をちょっとお聞きしたところ、それまでにいろいろ使ったおあしは四百億をつぎ込んだというお話を聞きました。これらは先生方、後で調べればよくわかると思うんですが、大体その辺で、平成五年で中断されたと。
 その後、間を置いてですが、平成八年に、再度工事をするといいますか、都の方で発表されたのが健全な財政計画案ということで、計画が見直されたということで、つまり豊洲移転の方に振り向かれていったと。平成八年、それから始まったんだと、そういうふうに私は聞いておりますし、その辺から私もいろいろ組合のことに関係してまいりました。
 そして平成十年に都の要請がございまして、始めるに当たって、午前中の話にも出ていましたが、組合の意向調査をしてくれと。これは東京都の方から組合に要請があったわけでございます。私どもは、これは大事なことなんだな、組合員の一人一人の意見、意思をちゃんと決めなくてはいけない。先ほどだれか申し上げましたが、印鑑、実印を持って、私たちの意思表明を組合としてしたわけでございます。
 そしてその結果、簡単にいいますと四分六といいますか、五・幾つ、あるいは四・五となったわけですが、簡単にいいますと四分六で、組合員の六〇%の人が築地で頑張ろうよと。その中で四〇%の人が豊洲移転でもよかろうと、そういう意見がまとまって、組合では把握したわけでございます。
 その中で最終的に移転と変わっていったのはどういうわけかなと、いろいろ不思議なことが多かったんですが、東京都の要請のもとに行われた豊洲移転問題に関しての意向調査が、組合では、ここで頑張るんだ、築地で頑張るんだということでまとまったんですが、その中で、組合員の先頭に立っているのが理事長でございます。名前を申し上げればわかっているとおり、伊藤宏之理事長でございますが、組合の意向調査が築地で頑張るんだというふうに反映されたんですから、決定づけられたんですから、その先頭に立つのが理事長の役目であろうし、組合員の意思を反映していくのが理事長の務めであると私は思っております。
 その理事長が、どうしたことか、少ない方の豊洲移転の方々の方へ傾いていった。つまり東京都の方に傾いていったんです。東京都は豊洲移転の方をいっていますから、もちろん理事長が豊洲移転の方へ力を入れてくれればこんな大きなことはないですよね。
 ですから、築地市場の組合の中では二つに分かれたわけです。当たり前です。築地で頑張ろうってみんなが意見統一したわけですから、その方の先頭に立つのが理事長の役目だと、皆さんそう思っていたにもかかわらず、理事長は、移転を勧めている四十名の、我々組合員の中の四十名の移転の方へ傾いていったわけです。
 だから現在もここまで続いているんですが、理事長は困ると。どうにか理事長をかえなくてはこれはだめかなと。今、我々の組合の中ではほとんどの組合員がそんなふうに感じていると、私は認識しております。
 そういう中で、理事長はまだ、もちろんその理事長の職を務めて、正直、理事長はそれなりに一生懸命やっていると思いますが、実際組合員の中では、本当に困ったものだと。我々がここで頑張るのに、一つもそれを理解していただけないということで今、不満が組合員の中には募っているわけでございます。
 そこで理事長、最近の新聞では、意向調査をやらなくてもいいということをいっています。なぜやらなくていいのか。今、午前中も何人かの方が意向調査の必要性を論じておりましたが、中ではいろんなことをいっていた人がいますが、意向調査というのは本当に大事だと思うんですよね。
 例えばうちを建てるのに、自分たちが住むところの意見を、当人の、住む人の意見を聞かなくてはうちは建てられないわけですよね。私はそう思っているんです。幾ら有名な、あるいは力のある設計士がいても、その設計士に設計させても、上に立っている人の意見ばかり聞いたって、そこに実際に住む人の意見を聞かなくては、立派なうちはできないと思うんです。築地市場もそうです。どんな建築士に行政がお頼みしているかわかりませんけれども、本当に市場のことを思っている我々にしては、まず現地、市場の人に相談してから設計する方は設計してもらいたいなと、こんなふうに感じているんです。
 だから築地市場では、ここで市場できないとかできるとかっていろんな話がありますけど、そういう大事なことをやらないで、ただ、有名な設計者がいるから、有名な人がいるからその人に設計してもらえばって、現地もわかんないで設計できるわけがないし、私はそれを強く先生方にお訴えしたいと、こんなふうに思っております。
 最終的には、理事長選挙がございまして、理事長が最終の選挙も何とか自分がクリアして理事長に--十五対十五というのがその理事の人数でございますが、どうしても決着がつかなかったんです。十五対十五の理事の中で、理事長選挙、理事が決定できなかったんですが、何とか理事長が当選することができたんで、自分がまた今回もやっているわけなんですけれども、一番私たちが懸念しているのは、いろんな不備があるのに、これだけの多くの人が反対しているのに、移転問題が向こうへ、豊洲に決着をされるんではないかと、そういう心配をしているわけです。
 私は、そういうことを今、皆さんの前で披露申し上げるわけでございますけど、今、私たちの東卸組合は、そういうわけで二分されております。そんな中で、仕事は仕事を一生懸命皆さんやっておりますが、困った問題だなと今危惧しているところでございます。私は、いろんなことを申し上げるよりか、こういうことを皆さんに理解していただいて参考にしていただきたいなと。
 以上でございます。

○西岡委員長 ありがとうございました。
 渡辺参考人の発言は終わりました。
 次に、渡辺参考人に対する質疑を行います。
 なお、渡辺参考人に申し上げます。ご答弁の際は、手を挙げて、委員長の許可を得てから発言していただきますようお願いいたします。
 それでは、発言を願います。

○岡田委員 民主党の岡田でございます。本日はありがとうございます。
 まず、私たち都議会民主党では、今回の出されました四つの案に加えまして、現在の豊洲新市場計画案を加えた上で、市場関係者に対する意向調査を実現したいと思っておりますけれども、しかし業界内には、いいかげんな意向調査をやったら組合の民意がねじれる、一番怖いのは東卸の中が豊洲に行きたい人と行きたくない人で二分されて分裂してしまうことだという意見もあるようです。しかし、東卸の機関決定と今の東卸の動きこそがねじれており、それが今の分裂状態を招いているのではないかというご指摘もあります。意向調査による仲卸組合の分裂についてはどのようにお考えでしょうか。ご意見をお聞かせください。

○西岡委員長 岡田委員、もう一度お願いします。

○岡田委員 東卸の機関決定と、今の東卸の動きこそがねじれていて、それが今の分裂状態を招いているのではないかという指摘もあるようです。意向調査による仲卸組合の分裂についてはどのようにお考えでしょうか。

○渡辺参考人 組合の分裂状態というのは、手本を示したのは、現在の伊藤理事長が手本を示したんです。分裂状態を招いたのは伊藤理事長なんです。
 最初の意向調査で六十対四十で、六〇%と四〇%ですよ。組合は意向調査をやって、六十人が築地で頑張るんだと意思を示した。その先頭に立つのが理事長ですから。その組合員の意向を反映して頑張るのが理事長であり、また執行部の方々ですが、相反して四〇%の豊洲へ移転する方へ傾いていった。
 岡田先生が今おっしゃったことは、手本を示したのは理事長ですから、それはそれで理解していただかなくてはならないと思うんですが、意向調査をもう一度私たちはやっていただきたいと、前から理事長にお願いしております。そして理事長が理事長選挙に臨んだときの公約、議員の先生方も公約ってことは大事にしていると思うんですが、二つ挙げました。一つは財政再建、もう一つは意向調査。必ず意向調査をやってちゃんと示すと。そういう二つを挙げて理事長に再当選したわけです。それは新聞記者の記者会見でも述べておりますから間違いないです。それが今日のねじれ現象をまた濃くしているわけですよね。
 ですからもう一度意向調査をやって、意向調査をやった結果、豊洲へ移転する人が多ければそっちへ--私は豊洲へ移転するの反対ですよ、反対ですが、もし豊洲へ移転する人が多かったら、私は、やむを得ないといういい方になると大変ですが、それは多い方へいくのが当たり前のことですよ。それが民主主義のルールではないかと、こんなふうに思っています。
 以上です。

○岡田委員 今、伊藤理事長がその公約で意向調査をするということをお話しされていたということはよくわかりました。
 次に、先日の八月三十一日付の「都政新報」の記事の中で、水産仲卸の今の伊藤理事長が、反対運動をする人たちの中には、反対することで補償を多く取りたいという人たちがいると述べられておりますけれども、大物業界を初めとする水産仲卸の中に、反対することで補償を多く取りたいという人たちというのはいらっしゃるのでしょうか。実態はどうなのかをお知らせください。

○渡辺参考人 この発言は、理事長が発言するような言葉じゃないですよ。最低の言葉ですよ、これは、私にしてみれば。
 組合員は皆怒っていますよ。だれがそんなことを発言していると。私たちは自分の気持ちの中で、東京都の台所を預かってるんだと。東京都民のために台所を預かっているんだという自負を持っているんですよ。
 我々の先頭に立つ理事長がそんな発言をすると、私たちは本当に悲しいなと。涙が出てくるぐらい悲しいですよ。我々の理事長がそんな発言をするんでは、即理事長をおりてもらいたい。そんな気持ちでいっぱいです。

○鈴木委員 自民党の鈴木あきまさでございます。
 参考人の今のご意見ですね、移転反対ということを明確におっしゃっているわけでございますけれども、私どものきょうの参考人招致は、A案、B案、C案、A-2案というA案を修正した案に対して、それぞれの参考人からご意見をお伺いしたいというのが趣旨でございまして、まず、このそれぞれの案についてはどのようなお考えをお持ちですか。

○渡辺参考人 簡単にいいますと、同じ仲卸組合の組合員の一人であります、たしか二番目に発言したと思うんですが、酒井衛君ですかね、たしかあの方が発言していましたけど、あの方と同じでございます。私はあの意見に賛成です。

○鈴木委員 そうしますと、A-2案を軸にというようなことなんだろうと思うんですが、その中で私がぜひお伺いをしておきたいのは、やはり晴海を種地というふうに考えた場合に、晴海のエリアにも住んでいる方が大勢いらっしゃるわけですね。晴海への市場の仮移転は、地元住民との間で大変議論を呼ぶというか、またそこでも反対が、そこに住んでいる方の反対も出てくるというふうに思いますけれども、仮に晴海地区の住民が仮移転反対運動というようなものを起こした場合に、それでも、強引にといったらいいんでしょうか、それでも晴海への移転を強引に進められるとお思いでしょうか。その点についてお伺いしたいと思います。

○渡辺参考人 先生のお言葉の中で、強引にということはどの程度が強引だかわかりませんけれども、私たちは、晴海地区にも築地で働く業者もいますし、あるいはいろいろ働いている人もいますから、その方々に説得するような自信はあります。あるいは、会合を開いていろいろ説得をするような形になると思うんですけど。
 幸いにして、オリンピックの誘致が石原知事が失敗した、はっきりいって。それでこういうことが、仮設を晴海につくって築地をきれいな市場にできるという方法が出てきたんで、私はそれを十分に生かして、知事の失敗を生かすという言葉になっちゃうと大変失礼ですけど、そういうのを生かして、私は、きめ細かく住民に理解をいただいて、皆さんの台所を預かる私たちなんだということも含めて理解をしていただきたいなと、こんなふうに思って、もしそうなった場合は、それを一生懸命、汗を垂らしてもやるつもりでいます。

○長橋委員 公明党の長橋でございます。きょうはご苦労さまでございます。
 渡辺前会長から意向調査のお話がございました。ぜひやってもらいたいと。また、伊藤理事長もそういうふうにいっておられたと、こういうことでございました。
 この小委員会でも、その意向調査については議論を重ねてまいりました。伊藤理事長が再選されたという時点と、その後、この現在やっている小委員会で明らかになったことは、第三者機関に委託をして、A案、A-2案、B案、C案、それぞれどのぐらい工期がかかるのかということは、最低でもこれぐらいかかると。例えばA案、A-2案では十一年九カ月かかる。また、B、C案では十七年一カ月。また、晴海を使うと若干ですけれども短縮できる。こういうことであったんですけれども、さらに議論をした結果、いわゆる築地の土壌汚染対策も当然必要になってくるでしょう。それから、あれだけ広大な土地で歴史のあるところでありますから、埋蔵文化財、この調査も必要になってくるでしょう。そうするとさらに工期が延びるということになるわけでありまして、こうしたことが条件として明らかになっていないわけです。
 また、業者の方々も、じゃ、どれぐらいかかるのかということは、現時点では相当な期間になるということがありますけれども、それが明確に一番最長の十七年一カ月にプラス、あと十年かかるのかどうなのかということが明らかになっていない時点で、それに対して豊洲については、二十六年開場、これで目指しているわけでありまして、そういう対比ができない中で意向調査をすることがどうかなと私は思うんですけれども、工期の長期化、そしてまた、それに伴って当然、市場業者の負担につながる建設費の高騰、これはイコール使用料にもつながるわけでありますけれども、それでも意向調査はするべきなのかどうか。今やるべきなのかどうか。そこら辺明らかにご答弁いただきたいと思います。

○渡辺参考人 結論から申し上げますと、今やるべきだと思います。
 なぜかということになりますけど、今、話の中にありましたように、豊洲は土壌汚染がすごいですよね。専門家の先生方も、調べたら相当な汚染がされていると。ベンゼンとかシアンとか。もう絶対にあそこへ行くべきでないと。東京ガスの社員の方々も、何で市場がこんなところに来るんだ、そういう人の話は何度も聞きました。社員といっても正直、中核にいる人たちですよ。そういう人の話を随分聞きました、おかしい、何でこんなところへ来るんだろうと。
 そういう話も聞きましたり、現在でも、この間も先生方のお話を聞きましたよ。たしかここでやったと思うんですけれども、土壌汚染に詳しい先生方が集まって、最終的な話を聞きましたが、本当にあんなところへは行くべきじゃないなと思っておるのは間違いないんですが、ああいう土壌の汚染されたところへ行くべきじゃないというのが第一点、豊洲へ。ですから築地でやるってことになっているんですけど。そのくらいでよろしいですかね、先生にお答えとしては。もう一度これはどうなんだってことをいっていただければ。もう一点お願いします。

○長橋委員 ありがとうございます。
 意向調査ですね、今やるべきだと、渡辺元会長はやるべきだと。
 そうしますと渡辺元会長はA-2案を支持すると、こういうことでございますけれども、今、豊洲には土壌汚染があるから、それが大きな話だと、こういう話でありますけれども、それでは、築地においても土壌汚染は当然調査されるべき内容でありますし、その内容によっては汚染が明らかになると思いますし、また工期の延長、これは今お示ししたのはA-2案では十一年九カ月ですけれども、さらに土壌汚染調査もこの期間に入っておりませんし、埋蔵文化財の調査も入っておりませんし、当然工期は延びるわけですが、その点についてはいかがでしょうか。

○渡辺参考人 まず、豊洲の土壌汚染についてですが、あそこは東京ガスが所有しておりましたよね。東京ガスはあそこへ、私は見たわけではございませんけど、東京ガスの古い社員に聞いたり、近所に住んできた方々が今、八十何歳になっていますけど、その人たちの若いころ、あるいは子どものころ、あそこがすごい、何本もくいを埋めたとか、汚いコークスとか、土壌の中にそういう汚いコークスとか、あるいはくいですね、くいも何万本とか埋めたとかって、いろんな話を聞いております。
 しかるに、築地では全然わからないんですよね、実際の話、土壌調べてみなくては。江戸時代からのことですからわかりません。だけど、少なくとも今現在、築地でもって営業していて、世界の築地ということになっていますから、あるいはブランドといいますか、ブランド名といいますか、世界の築地なんですよ、あそこは。私たちは守っていきたい、そういう気持ちがいっぱいあって、築地からは移転したくないというのが本当の気持ちなんです。質問に答えているかどうか。
 それから、あとはたしか、店舗料含めて私たちが支払いできるのか、店舗料を払えるのかということを心配しているような話だったと思うんですけど、それは、今、築地市場の中では、通過物、通過荷物、それが自由に抜けていっているんですよ。それがいっぱいあるんです。東京都の人たちが、大変でしょうけど、それを一つ一つチェックして料金をいただければ相当な金額になります、間違いなく。ですからそういう点で、東京都ではやり方によって大きな収入があるんです。それを皆さん見逃しているというか、気のつかないところもあるだろうと思うんですけど、いっぱいありますから、それは再検討すればご心配ないと私たちは確信しております。

○星委員 生活者ネットワーク・みらいの星ひろ子です。よろしくお願いいたします。
 意向調査の件をお聞きしようと思いましたけれども、十分間のご意見の中で、今、まずその意向調査が必要だという参考人のご意見をいただきましたので、確認をさせていただきたいことがありまして、そちらの方を質問させていただきます。
 今回四案示された中で、晴海の活用というところの中では、晴海の地域の周辺の住民の方たちから反対運動が起こる、いわゆる環境悪化があるんではないかというようなことで、いろいろな声が巻き起こるだろうということ。あるいは、前の実績でも、業界の中のさまざまな調整に四、五年かかったと。ですから、今計画をされている中の最短でも十一年、B、C案だと十七年という工期がありますけれども、それよりもさらに四、五年かかるというようなことも、課題として実は今回挙げられているんですけれども、渡辺参考人の先ほどのご意見の中に、晴海地区の地域の周辺の住民の方たちと、ご協議に対して十分ご努力がいただける、あるいは業界の中のさまざまな調整の部分で、本当にそんなに四、五年も時間がかからないように、さまざまなご努力をいただけるということ、これをお願いをさせていただいて、そのことについてもしご意見がございましたらば、いっていただければと思います。
 少しでも工期が短縮を、長期間かからないように、業界の中のさまざまな取りまとめにご尽力がいただけるかどうかというところの部分で、もしご意見があればお願いいたします。

○渡辺参考人 もちろんでございますけど、精いっぱい努力します。それはもう間違いないです。私の仲間もいますから。仲間といっても何百人といるんですよ。一生懸命みんなでやります、それは。
 せんだって、一週間前、土壌汚染について、この間土壌汚染の委員会ありましたね、教授の先生方が六人か七人の。開きましたけど、東京都がその結果を皆さんにご説明しますということで、組合を二つに分けて、約七百人近くいますから、三百五十人、あるいは、六百人としても三百人と三百人に分けて説明会を開きますと、皆さんに通知を配布しました。
 まず、第一回目の三百人の方集まってくださいと、東京都が説明しますから、そういう会を開きました、東京都の講堂で。三百人いる中で行ったのは大体五十名いなかったかどうか。そんな状態なんですよ。
 何で行かなかったって、だって、土壌汚染のとこへ行かないっていうんだもの、我々行かないっていう覚悟でいるんだから。いい方をちょっとオーバーにすれば、死んでも行かないといってるんだから、そんなもん聞く必要ねえじゃねえか。私たちは簡単にいえば、魚を扱っている。わかりやすく魚屋ですからね、魚屋の一人ですから。もう仲間たちは、何いってるんだよ、行かないって、土壌の汚染されたところは行かないって覚悟を決めているんだから、そんなこと聞く必要ねえじゃねえか。
 それじゃ、じゃもう三百人に聞きましょう。もう三百人に通知をあげて、東京都の講堂へ行って東京都から詳しく説明を聞いてくださいと、私はいいました、皆さんにも。何人行ったと思いますか。約三百人の中で十六人ですよ。同じです、意見は。行ってもしようがないと、我々は築地で頑張るんだから。土壌汚染されているところでは生鮮食料品はやってはならないんだと。あそこでもし市場ができて、神戸の震災のような地震が起きたら一発で終わり。どこへ行こうったって行きようがない。東京都の台所を預かっている我々はどうしたらいいんだ。我々は戸惑う。あるいは、我々だけならいいけど、東京都の台所を預かっている我々が東京都民の皆さんにどのくらい迷惑をかけるか。そういう意見が多かったわけで、その説明会には行かなかった、そういう状態なんです、組合は今現在。
 先生方にはそういう状態だということをよく理解していただきたいと思って、細かい話は、自民党の鈴木先生から話がございましたけど、その点については詳しく説明しませんでしたけど、組合の状態がそういう状態なんだってことだけはぎっちり理解していただきたいと、こんなふうに思っております。

○西岡委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 渡辺参考人からの意見聴取はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○西岡委員長 異議なしと認め、渡辺参考人からの意見聴取は終了いたしました。
 渡辺元会長、本日は大変お忙しい中、貴重なご意見まことにありがとうございました。心より厚く御礼申し上げます。
 それではどうぞご退席ください。

○西岡委員長 参考人をご紹介いたします。
 東京魚市場買参協同組合理事長の二村貞雄さんです。
 本日は、ご多忙のところ、小委員会にご出席いただきまして、まことにありがとうございます。小委員会を代表いたしまして御礼申し上げます。
 本日は、築地現在地再整備計画に向けての検討事項について、ご意見をお伺いしたいと思います。
 なお、二村参考人には、ご着席のまま発言していただきたいと思います。
 それでは、よろしくお願いいたします。

○二村参考人 紹介いただきました二村でございます。
 私どもの立場として、こちらから示されました再整備案につきましては、前に都の方にもお願いしてございました要望書について、私たち新市場建設推進協議会というところから、新市場へ移転するという、そういうことでまいりましたので、いろんな資料をいただきましたけれども、A案、A-2案、B、C案については絶対反対という立場でございます。
 どうしてといいますと、これは、再整備を始めますと、私たち絶対に、よくいわれる伝統とブランドというような言葉がありますけれども、確かに伝統は守っていかなければなりません。ただし、ブランドは守っていけません。どういう意味かと申しますと、荷受けの体力が衰える、仲卸の体力が衰える、そして市場が分散することによって機能が二重にも三重にもなると、そういう立場でございます。そうするとブランド力なんてのは維持できません。よく観光資源がどうのこうのとかっていわれますけれども、観光のために市場があるわけじゃないんです。
 またちょっと話が飛びますけども、きょうちょっと、大正十二年、関東大震災のときに、たまたまヨーロッパの市場、北米市場を視察していた小網源太郎さんの本を読んできました。彼はたまたまパリに滞在中に震災という話を聞いて、それで彼は日本へ帰ってそれを発表して、非常に衛生的だと。小さな市場だけど非常に衛生的だというような記述がございました。彼自身の言葉の中に、やっぱり衛生的で新しい市場をつくらなきゃいけないというようなことを彼はいっておりました。たまたま運悪くすぐに亡くなってしまいまして、あと田口、安倍だとかという人たちに受け継がれていったのでございますけれども、それでも彼は、築地移転に大多数の人たちの賛成を得て、日本橋の伝統を受け継いだわけです。そういう先人たちの苦労を思うと、ここでいたずらに二十年も三十年も--何年かかるかわかりません、非常にこの案は不確定要素が多いんです。この不確定要素が多い、そういうプランを私たちは絶対に受け入れることはできません。
 まして築地ブランドといわれるんだったら、築地ブランドというのはみんなで協力して築地ブランドを築き上げてきたんです。それは青果も水産も関連も、みんなが協力してつくってきたものなんです。それ自身が守られないんです。ましてや二度三度市場が移転したりローリングしたりしている間には、何年かかるかわかりません。ぜひ、本日この委員会でその辺のところを理解していただいて、新市場移転お願いしたいと、そんなふうに思っております。
 新市場が何でいけないかという問題じゃ、これは例の汚染の問題があると。ただし今は更地になっているんです。どこの市場を見ましても更地があれば、汚染の問題は、私は技術力で解決できると、そんなふうに思っております。
 私が市場に入った昭和三十年、非常に汚かったです。あの当時から汚かったです。そしてある船主さんが、何で我々が命がけでとった魚をこんなとこに並べるんだというようなことで非常におしかりを受けたことがあるんです。というのは、当時は、下水は流れている、雨は降る。それで並べるところは薄いむしろですね。本当にむしろといってて、縄が絡んでいるだけのようなむしろのところに並べて売っていたんです。
 そういうときからいろんなことを見てまいりまして、きのうも実は、晴海も見ましたし、それから市場の冷蔵庫、こちらも全部見てまいりました。皆さんもデータがあるから知っていらっしゃると思いますけど、一番危ないのは冷蔵庫なんです。もちろんその中のあれも危ないんですけれども、一つは、七つある冷蔵庫が、昭和二十七年、二十八年、二十九年、三十四年、三十七年、一番新しくても四十一年です。もう耐用年数来てます。ことしみたいに暑ければ、それこそ温度差八十度。超低温もございますから九十度にもなるかもしれません。そういうところにも鉄筋がむき出しになって、それを落ちないようにはがしてペンキで塗ってあるような状態なんです。だからぜひ、ここの賢明なる市場の皆さん、あるいはこの委員会の皆さん、絶対に新市場にと思っております。
 私の発言するところはそれだけです。

○西岡委員長 ありがとうございました。
 二村参考人の発言は終わりました。
 次に、二村参考人に対する質疑を行います。
 なお、二村参考人に申し上げます。ご答弁の際は、手を挙げて、委員長の許可を得てから発言していただきますようお願いいたします。
 それでは、発言を願います。

○鈴木委員 自民党の鈴木あきまさでございます。きょうは大変お疲れのところを、日曜日にもかかわらずありがとうございます。
 今、参考人のお話から、絶対にもう新市場へ移転するしかないんだと、我々の選択する余地は。それは今回示されたA案、B案、C案、A案の修正案には余りにも不確定要素が多過ぎる。そういったものに今さら期待できないというような思いを今お伝えいただきました。加えて、築地市場の開設当時は、まだまだ不衛生要素というか、いろいろな問題があって、それを市場を使っている皆さんが、さまざまな工夫をしながら乗り越えてご商売をなさってきたということもお伺いをいたしました。
 そんな中で、現在この小委員会で議論をしているそれぞれの案は、要するに皆さんにお使いをいただくためには非常に年月がかかる。A案、A-2案では二十年、B案、C案では二十五年もかかってしまう、こういったような現実。まさにもう二十年以上先じゃないと解決しないんだと、業界の皆さんはこういった市場に本当に希望が持てるのかどうか、その点を再度、ご意見をお伺いをさせていただきたいと思います。

○二村参考人 先生からいわれたことですけれども、私どもは一貫して、どこの組合よりも早く、この新市場移転ということを述べてきまして、現在でも一貫している、そういうつもりでおります。
 といいますのも、私どもの組合自体は、昭和四十六年、一九七一年に条例改正になりまして、それから承認されまして入ってきた組合でございます。メンバーでございます。その人たちの駐車場もない。一回、こういう形でローリングでも始まったら、一番被害を受けるのは私ども東京水産物買参卸売協同組合じゃないかと思うんですけれども、いずれにしても、私どもは現在は、買荷保管組合だとかそういうところに、多額といったら失礼になるかもしれないけど、それ相当の使用料を払ってみんなが駐車しているんです。このローリングでも始まると、まず第一に我々の駐車場もないと。現在でも一応法令上は、条例第八十八条第二項といいましたか、そこには、売買参加者は駐車場はないんだと、事務所もいけないんだと、組合事務所だけはいいんだという形で許可されているんです。それが最近は、余裕スペースがあれば都の方も許可をしていただいて、駐車するスペースもあるんですけれども、まだ多くの人たちは、その買荷保管組合の人たちに手数料を払ってとめているような状態です。
 これからも流通の変化がございます。そのときには我々買参人としてどうしていくかというようなことで、皆さんそれ相応の工夫をして活力を見出していかなきゃいけないということで、非常に、市場の今度は依存度が低くなるんじゃないかと、そういうあれなんです。
 それで先生のいわれましたように、今までこの二十年間ですね、昭和六十年から始まっていることですけれども、まだまだ二十年たっても何もできていないと。そして、それはやっぱり更地がないからです。それで、まして築地だって汚染されているというような問題も聞いておられると思うんですけれども、そういうことがローリング中でも起これば、また五年とか六年とかという年月が、その工事中でもストップするという可能性があるわけです。これはこちらの先生たちの方が詳しいと思うけれども、埋蔵文化財だとか、前にも私自身が見聞きしたところでも、掘っている最中にれんがづくりのものの遺跡が出てきたり、ああいうものが出てきて、果たして汐留の二の舞を見るのか。その辺のところは非常に危惧がございます。
 以上です。

○岡田委員 民主党の岡田でございます。本日はありがとうございます。
 今、二村様のお話をお伺いしておりましても、二村様のように豊洲移転を推進されるお考えの皆様、それからあと、築地でできるのならば築地でやっていきたいという、いろいろなお考えもあるということがよくわかっております。そういった意味でも、私たち民主党では、これまでの豊洲市場の新計画案と、それから現在地再整備の、今回出されました四つの案を比べながら、皆様方のご意見を、意向調査をしたらどうかと考えておりますけれども、その意向調査についてはどのようにお考えでしょうか。お示しください。

○二村参考人 私どもの組合は現在二百九十社ございます。一貫してという意味は、そういうふうに市場の使用する、駐車するところもないということで、皆さんの意見が一致しているんです。岡田先生がよく回られる場外にだって店舗を出している人もいます。そして上場会社なので置くっていう組合員もおります。ただ、はっきりしていることは、二百九十の中で二十八名の理事が出てきておりまして、いつも細かな情報を提供して、それについて全員の賛同を得て、そして総会で決議しております。
 以上です。

○清水委員 共産党の清水です。よろしくお願いいたします。
 まず初めに、都民の声は、食の安心や安全を守る立場から豊洲移転は認められないという声が多くあるわけです。しかし、この間、土壌対策処理の有効性を確認するという実験が行われたことはご存じかと思いますが、初期値の問題、それから盛り土の搬入元などもすべて明らかになっていない。それから、もともと有楽町層以下の汚染状況なども把握されていないというような、私たちからいわせれば本当にずさんなものだったわけです。
 こういうことを繰り返して、豊洲への移転を東京都は強引に進めようとしているわけですけれども、この間のそうした、いろんなさまざまな報道など、土壌汚染問題の報道などを見られて、そういう都の態度とか、それから、その実態とか、やはりご心配になられていると思いますけれども、それはどういうふうに感じておられましたか。

○二村参考人 私どももその点については、心配がないといえばうそになりますけど、心配です。現実にその汚染されたところへ行って、汚染だ汚染だといってスーパーで売れるかというようなことをいった人もございます。
 でも、専門家会議をずっと傍聴したりしてきましたけれども、私は、それは百人が百人賛成するかどうかはわかりませんけれども、現在の一流の先生たちが判断されたことでございますし、ましてや技術会議でもそうですけれども、それについては、やっぱり信用していくべきじゃないか。
 というのは、私たちにしても、ある日突然、ある新聞社が新聞に発表して翌日知るというような、情報開示がおくれた面はあります。今でもそれは心配するところでございますし、この盛り土の問題にしましても、前に都の技術の担当の人に盛り土は心配ないのかというような話を聞きましたら、心配ないというような話だったんです。それが汚染されているということになれば、これはまた私たちを裏切ったことになるんで、これはぜひとも、今度の技術会議の先生たちにも検討していただいたけれども、安全にしていただきたいと、そんなふうに思っております。
 以上です。

○清水委員 もう一点です。
 現在地再整備案についていろいろ審議をしてまいりましたが、その前提となる規模の問題ですね。規模の問題について業者負担との関係ですけれども、今、豊洲新市場の機能をそのまま築地で再整備することで議論が進められてきたわけですけれども、私たちはこれではなかなか再整備、業者の皆さんの合意を得るのは大変だというふうに思っていますし、巨大な拠点市場構想はやはり見直して、市場のあり方を検討するという点が必要だというふうに思います。
 その上で業者負担について、先ほど冷蔵庫の問題もお話にありましたけれども、A案にすると冷蔵庫も全部晴海に持ってこなきゃいけないという問題なども含めて、都としてやはり支援のあり方がまだ明確になっていないんですね。やはりそれを明確にして、再整備を前に進めることが必要だというふうに考えていますし、それから、実際に頑張っておられるかもしれませんけれども、取扱量が減少したり、技術も進歩しているわけで、きちんと必要な予算をつけて最新技術を結集した案を取りまとめれば、皆さんと合意をとって現在地の再整備が進められるんではないかなというふうに思うわけですけれども、どういうふうにお考えでしょうか。

○二村参考人 私どもの組合としては、メンバーとしては、東京都に使用料を払っているという形ではないわけです。ある意味では、買った品物を外から車を持ってきてまた加工場へ持っていって、そしてまた市場の中に、ピッキング場、仕分けするところもないのでまた持ってきて、運送業者に頼むというような二度手間をしているわけです。
 それで、先ほどいわれました費用分担については、私も、こちらでも勉強された方はあると思いますけれども、大阪みたいに種地があってああいうふうに再整備しても、何倍にもなってしまうということは本当に心配だし、ましてや、あんな高層ビルみたいなところにトラックが上がっていけば、排気ガスなんかも二倍も三倍も出るんですよね。それが毎日毎日、何十年も繰り返されるということであれば、それはやっぱり平らなところがいいし、まして、先ほどいわれました費用の問題についても、現在、東京都が使っちゃいけないというようなことをいえば、昭和二十七年とか二十八年にできた冷蔵庫なんか本当に古くてね、危ないんですよ。だからああいうものについては、もうぜひ補助してやっていただきたいし、そして使用料についても、仲卸さんがおられますけれども、その人たちについても、せいぜいかかっても、前の比留間市場長がいわれた一・五倍というような数字にしなくてはいけないなというふうな形で、それについては、移転については、その費用分担はぜひ都にもお願いしたいと、そんなふうに思っております。
 以上です。

○西岡委員長 他にございますか。--ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 二村参考人からの意見聴取はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○西岡委員長 異議なしと認め、二村参考人からの意見聴取は終了いたしました。
 二村理事長、本日は大変お忙しい中、貴重なご意見まことにありがとうございました。心より厚く御礼申し上げます。
 それではどうぞご退席ください。

○西岡委員長 参考人をご紹介いたします。
 中皮腫・じん肺・アスベストセンター事務局長の永倉冬史さんです。
 本日は、ご多忙のところ、小委員会にご出席いただきまして、まことにありがとうございます。小委員会を代表いたしまして御礼申し上げます。
 本日は、築地現在地再整備計画に向けての検討事項について、ご意見をお伺いしたいと思います。
 なお、永倉参考人には、ご着席のまま発言していただきたいと思います。
 それでは、よろしくお願いいたします。

○永倉参考人 ただいまご紹介いただきました、中皮腫・じん肺・アスベストセンターの事務局長をしております永倉と申します。
 私は事務局で働いていると同時に、築地市場でも早朝から働いておりまして、仲卸に在籍しております。その中でアスベスト問題ということで、長年築地市場のアスベスト問題について取り扱ってまいりました。具体的には、労働組合を運営していたということもあって、築地市場内の労働環境の問題ということでアスベスト問題に携わってきたわけでありますが、大体一九九二年のころからその問題に取り組んできております。
 基本的には九三年以降ですが、築地市場のアスベスト除去関係、改築工事、解体工事については、かなりリスクコミュニケーションが十分に機能して、安全な除去工事が行われてきております。その点については、日本じゅうの他のアスベストの除去工事、改修、解体工事などよりも、十分に安全な工事が築地市場では行われてきておるというふうに考えております。
 そのリスクコミュニケーションの実態でありますけれども、それについては、まず私たち労働者や築地市場の関係者、またはアスベスト根絶ネットワークというNPOなどが、築地市場当局と、まず工事が発注される前の段階でアスベストの、改修工事についての説明会を受けます。そこで、この工事はどのようなところが問題点であるかということを抽出して、それから発注が行われる。つまり特記仕様の内容がそこで検討されるわけであります。次に、入札があって業者が決まりますと、その業者が施工計画書に基づいて、また我々、または築地市場同席の上で工事説明会を行う。そういうことを毎回の工事で行ってまいりました。そこで形成されたのがリスクコミュニケーションということであります。毎回の工事が終わると、その工事報告についても、また業者から築地市場当局、または私たちが工事の説明を受けて、その中で工事が安全に行われたということを確認してまいったわけであります。それは九三年以降、現在まで続いております。
 そういう意味で申し上げますと、築地市場のアスベスト問題というのは非常に安全に現在まで行われてきている。これは日本じゅうほかの工事現場を上回るものであります。
 それがなぜ安全に行われたかと申し上げますと、それはアスベストの工事に関して、さまざまな法規制があるわけでありますが、その法規制がきちんと行われたかどうかということについては、非常に重要な点がリスクコミュニケーション、つまり、そこに参画する業者、行政、またはそこで働く人々、近隣の住民、そういった人たちの中のコミュニケーションが成立して初めて安全な工事が確立するということであります。
 ですから、築地市場から人がいなくなって、そこで例えばアスベスト除去工事が行われるとして、それが安全な工事になるという保証はありません。というよりも、安全な工事にならないことの方が現実的には非常に多い。
 最近の事例で申し上げれば、ことしに入ってからの工事で、環境省がホームページで紹介していますが、名古屋の非常に大きなビルについて、まさにそこのテナント、住民たち、皆さん移動した後、解体工事が行われて失敗工事が行われている。養生外で数千本のアスベスト繊維が確認されたというような失敗工事が現実に今でも行われています。そういった工事を防止するためには、先ほど来申し上げているリスクコミュニケーション、つまりそこで働く人たち、NPO、行政などが、リスクに関するコミュニケーションを十分に議論することによって初めて安全な工事ができるということであります。
 その点で、豊洲に移転してからアスベスト除去工事を行うというのはより安全だという話については、これは全くの幻想です。現実はそうはなっておりません。
 それから、アスベストの除去に関しては、移転の有無にかかわらず、またその再整備というようなことにかかわらず、これは順次安全に除去されていかなければならない全く別次元の話でして、そこを移転論の中の一つとして位置づけることは全くの間違いであります。
 現に、現在もアスベストが非常に劣化した場所、実はきのう行って市場内を歩いて見てきたんですが、そういう箇所があります。もしそれがアスベストであるならば、早急に、今年度中にも除去しなければならない。その下で働く労働者や、そこから飛散したアスベストが近隣の学校や病院を絶えず汚染し続けているという現状は、いまだにある可能性があります。そういう意味では、これは移転論、つまりあと何年か、四年ぐらいですかね、それを待った上で除去作業をするというのは、非常に危険な考え方の一つであります。
 しかも、今まで築地市場ではアスベストの除去工事、改修工事、解体工事が順次行われてきたわけでありますので、その工事そのものが危険であるという認識であるのであれば、東京都そのものが、その危険性についてきちんと調査、検査をして、その安全性保証についてきちんと議論をすべきだろうと私は思っております。
 それから、土壌汚染について私は詳しくはわかりませんが、アスベストの除去に関しては、手法、工法はもう確立しております。それがきちんとされるかどうかというところがアスベストのリスクの最大のメルクマールです。それがきちんと行われるための要件が法を守ることであって、またもう一つについては、リスクコミュニケーションが形成されるということにほかなりません。
 それと、もう一つ非常に懸念しておりますのは、豊洲に現在土壌の入れかえ工事が行われているというふうに伺っておりますけれども、ここのところ、再生砕石の問題というのが持ち上がっております。
 それはどういうことかと申し上げると、各解体工事現場でさまざまな建材が粉砕され、その再生された砕石がまた販売され、流通に乗り、さまざまな空き地とか工事現場に敷かれてくるということであります。その際に解体工事現場で、アスベスト建材というのは再生に適さない、リサイクルに適さない建材でありますから、そこは建設リサイクル法という法律に基づいてきちんと分別をされて、工事現場で分別をされて、再生されないようなルートに乗せなければならないことになっております。ところが現状は、そこで十分な分別が行われないままに、そのアスベスト建材が再生のルートに乗ってしまうというのが現実に起こっております。
 それが埼玉県で、相当の件数、私が知っている範囲で百件以上の、主に公共工事現場の土の中にアスベストの細かい建材が入り込んでいるという現状があります。これは埼玉県だけではなくて、ほかに横浜市であったり神奈川県であったり、茨城県などでも今確認されております。
 そういうことで申し上げると、そういった再生砕石をその豊洲の市場の工事現場にかなりな量持ち込んでいるのではないか。私は現場を検査していませんから、これは想像の範囲を出ませんけれども、そういった可能性は十分にあると考えております。
 そうしますと、埼玉県が、その再生砕石、三千平米程度のものを除去するのに、地面にテントを張って中を負圧にして、中を削り取ってという作業で一億数千万円の工事をやっているわけですけれども、それの何十倍か、何百倍か、何千倍かの費用のかかる再生砕石除去工事というものが発生する可能性があると考えております。
 これは非常にゆゆしき問題でありまして、この問題を避けてこの議論を通るわけにはいかぬだろうというふうに思います。豊洲に再生砕石が持ち込まれておるとすれば、どの業者からいつ、どのくらいの量が持ち込まれてきたかというリストを早急につくって、そのリストに基づいて調査を行うべきだろうと私は思っておるところであります。
 築地のアスベストの問題につきまして申し上げると、いろいろ資料も拝見しました。その資料を見ると、私たちがリスクコミュニケーションの中で東京都の市場当局から説明を受けているものと大分内容が違うものもあります。そういったことについても再度、再調査を行って、これは工事とは全く別にですね、人の命にかかわる問題ですから、早急に取り組んでいただきたいというふうに思っております。
 大体以上でございます。

○西岡委員長 ありがとうございました。
 永倉参考人の発言は終わりました。
 次に、永倉参考人に対する質疑を行います。
 なお、永倉参考人に申し上げます。ご答弁の際は、手を挙げて、委員長の許可を得てから発言していただきますようお願いいたします。
 それでは、発言を願います。

○星委員 生活者ネットワーク・みらいの星ひろ子です。本日は、お忙しい中、我々小委員会の参考人招致に応じていただきましてありがとうございます。
 今、ご意見をお伺いいたしまして改めて、やはりこのアスベストの問題は、いわゆる移転、再整備にかかわらず、直ちに対処すべき問題ではないかという思いを改めて強くしたところですが、今回の現地再整備案でも、検討課題というところの中で、一番大きな問題としてアスベストについては挙げられております。
 特に残存状況ですが、吹きつけ、成形の合計で約三万六千平米とされています。これは、アスベスト含有建材が使用されている箇所の床面積を示しているもので、実際のところはどれくらいの量があるのかわからないというのが実態です。
 東京都は、市場のアスベスト対策については解体、改修時に行うこととしており、今のままでは、具体的にどのくらい量があるのかの実態把握も、除去工事の具体化をするときにならないとわからないということになります。現在の方針でいくと豊洲へ行く四年後ということになりますので、私はとてもこれは問題だというふうに思っています。ご意見の中にもありましたけれども、実態の把握、対策は私は急ぐべきだというふうに考えております。
 これまで永倉さんは、市場におきまして営業しながら除去工事を行ってきた実績がおありです。また、今もリスクコミュニケーションの大切さを主張されております。その永倉さんにとって、今のこの状況はどういうように思われますでしょうか。お考えをお聞かせいただきたいと思います。

○永倉参考人 今のお話にありましたように、アスベストについては実態調査が非常に重要だろうと思います。築地市場の実態調査はかなり進んでいると私は思っておりますが、先ほど申し上げましたように、まだ、例えば露出して外の空気と非常に出入りをするところの吹きつけアスベストが、非常に劣化した状態で放置されているという現場がまだあります。
 それとあと、資料を見せていただいた立体駐車場の吹きつけアスベストについては、東京都の説明、私が受けた説明では、敷地面積全部ではなくて、そのはりの一部分だけに吹きつけアスベストが使われているというふうにいってましたので、平米数はかなりそこでは減少されるのではないかと思います。
 それとあと、アスベストの含有建材、これは先ほど申し上げたように、再生砕石にリサイクルされてしまう可能性のあるものですが、それについては、仲卸棟の屋根のスレート板が一部アスベスト含有となっておりましたが、実は全部入っているはずです。それはいろいろ理屈といいますか、今までの経過があるんですけれども、ノンアスベストの波形スレート板というものを張りかえたというふうに市場当局はいっているんですが、そのノンアスベストの波形スレート板というものにアスベストが実は入っています。それはなぜノンアスといっているかというと、その当時のアスベスト含有についての法律的な規制が五%以内だったということで、五%以内のアスベストが含有されているものをノンアス製品として使っています。ですから、これについては、全仲卸棟の屋根については全部が含有製品ということになります。
 そのほかにも珪酸カルシウム板というようなものであったり、壁材に使われているものであったり、かなりな分量がありますので、それは早急に調査をしてリストアップしておく必要がある。ただ、除去に関しては、優先順位の高いもの、例えば劣化が激しい吹きつけアスベストというようなものを先にやるべきでして、それについては、私たちとまさにリスクコミュニケーションしながら、私たちも指摘をし、工事の遂行について協力していきたいというふうに考えておるところであります。

○星委員 先ほど午前中の参考人の方のご意見の中にも、やっぱりこのアスベストの問題はとても不安だということで、営業しながらアスベストを除去するということに関しては、とても困難ではないかというようなご意見もあるわけです。ですから、改修、解体というところの中の部分で撤去していくという方針なわけですけれども、営業しながら除去するということの可能性というか、それについてはどのように……。可能なのでしょうかというか、大変だとは思いますけれども、既にもうかなり多くの部分、そういうやり方でやられてきたわけですけれども、残っている部分に関しての実態調査、あるいは除去工事、営業をしながら対策をしていくということは可能なのでしょうか。

○永倉参考人 それにつきましても、事実上そういった工事が、九三年以前の工事で、かなりひどい工事があったのは事実です。ただ、九三年以降、リスクコミュニケーションを高めていくことで、実際にその営業をしているところで、例えば営業が比較的少なくなる午後とか、休みの日をうまく利用しながら、十七年以上もそういった工事を続けてきている実績があるわけですから、今になってそれが危険だというのは、全く移転に絡めたあざとい議論だなと私は考えております。
 それは事実上できるはずですし、先ほど申し上げましたように、アスベストの除去工事というのは、非常に重要なのは法規制ではなくて、その法をどういうふうに監視し守るかというリスクコミュニケーションであります。これで、築地市場からすべての営業者が撤退した後に除去工事が行われるとすれば、リスクコミュニケーションの成立はかなり難しくなりますし、むしろ私はアスベストに関していうと危ない、危険な工事が行われる可能性が高いと思っております。そういった事例を私は実にいっぱい見ております。
 それともう一つは、地震がいつ起こるかわからないということがあります。地震の際には、やはり被災地がアスベストまみれになる。それも、地震直後だけではなくて、その地震の後、復興時期にいろんな建物が改修、解体される中でアスベスト粉じんが発生して、その中に被災者が置かれるという状況も、阪神・淡路大震災以降、中越地震、中越沖地震、能登半島沖地震などの現場を見て歩いて痛感しております。そういう意味でも、できる限り早急に、できる範囲でリスクコミュニケーションに基づいた安全な除去を、移転の議論とは全く別次元で進めるべきだというふうに私は思っております。
 以上です。

○星委員 市場の敷地内には、都の施設というものだけではなくて、民間の業界の方が所有している建設物というか、施設というものもかなりあるのではないかというふうに私は認識するんですが、この点について、私も今後行政の方に改めて確認をしていきたいなと思いますけど、その存在について永倉さんはご存じでしょうか。

○永倉参考人 その点につきましては、築地市場当局と何度か、リスクコミュニケーションの中で話し合いをしております。
 築地市場の敷地内の民間建物、特に冷蔵庫施設、冷凍庫施設、これはビルの数階建てに相当するような大きなものですが、その中には、エレベーターシャフトなどを含めてアスベストがあることが一部確認されておって、また、その冷蔵庫棟が建造された時期が、ちょうどアスベストが多用された昭和四十年代くらいにかかるということがありまして、そういう指摘もしております。
 これも早急に調査をする、まず調査をしなければいけないと思います。これは民間の建物ですから東京都の市場調査が及ばないということではなくて、まさに敷地内にある建物ですから、アスベスト調査については市場当局が行うべき。その調査に基づいて優先順位の高いものから、これも移転いかんにかかわらず早急に除去していくという基本的な戦略的な方針というものが非常に重要だろうというふうに思います。

○星委員 最後に、今、東京都と業界の関係者が、この市場のアスベスト対策ということでしなければならない最も重要なことというのは何だとお考えになられますでしょうか。

○永倉参考人 それは先ほど来申し上げておりますように、まずその悉皆調査だろうと思います。アスベストに関する悉皆調査を行っておく。それと、優先順位の高い吹きつけアスベストなどに関しては、もう今年度中くらいから工事計画を立てて、リスクコミュニケーションを行って、順次除去していくということを粛々と進める。
 これは移転の議論と絡めてはいけないと思います。そのことによって時期がずれたり、より安い工事になったり、より期間の短い工事になるということは、アスベスト除去に関しては有害性に直結する問題です。そのことによって非常に多くの、労働者だけではなくて、近隣の病院とか、学校の子どもたちが、長期の低濃度暴露状態に陥る可能性があるというふうに私は考えております。
 以上です。

○岡田委員 民主党の岡田でございます。本日はありがとうございました。
 ただいまお話を伺っていまして、今の築地でも、すぐにアスベスト対策をしなくてはいけないということや、豊洲の土壌の入れかえに関しても、再生砕石ですか、そういう中に含まれてしまうということ、とても大事なことだということがよくわかりました。
 それから、永倉様は仲卸に在籍されているということから、私どもはこの現地再整備案四案と、それプラス豊洲の計画案ということで今検討を進めているわけですけれども、このアスベストの件も、業者の方たち皆様方には周知することが大事だと思われますし、そういった意味で、この意向調査が必要ではないかと考えているわけですけれども、それに関してはいかがでしょうか。

○永倉参考人 おっしゃるとおりだと思います。
 このことはやはり、皆さんで周知することが重要ですし、東京都の市場当局、築地市場当局さんの方も、設備課さんの方は若い職員さんの方が非常に熱心にアスベストのことを研究して、リスクコミュニケーションに参画してきているという、それも実績としてあります。
 ただ、それがきちんと引き継がれているかどうか、全庁的に検討されているかどうか、東京都全体の問題として、実は築地市場だけではなくて、ほかのいろいろな施設に関しても同じことがいえるわけですが、そういった共有した議論がまず東京都に十分にされていない。もっと申し上げれば、都議会自身にもそういった議論が私は少ないのではないかというふうに思っております。
 そういう意味で、築地市場が九三年以降行ってきたリスクコミュニケーションというのは、非常に大きな実績とともに、参考になるはずなんです。二〇〇五年に施行されました石綿障害予防規則という、労働安全衛生法上の規則がありますが、その中の多くの部分は、実は築地市場のアスベスト除去工事で培ったいろいろな手法が取り入れられていまして、私たちアスベストセンターとして、当時の厚生労働省の政策担当官にその話は直接しております。ですから、そういう意味では、その二〇〇五年以前にずっと十何年か、十五、六年間、築地市場が行ってきたことの延長上に今、アスベストの除去工事が位置づけられているわけですから、そのことについては、東京都の方も都議会さんの方も、きちんと内容を把握していただいて、それを普遍化していってほしいというふうに私は思っているところです。
 以上です。

○増子委員 民主党の増子でございます。
 民主党の時間がちょっとありますので、一つだけお聞きしたいんですが、今の永倉さんのお話の中で、資料を見たところ、資料というのはこの四案の資料だと思うんですが、都の説明と異なるところがあるとお感じになられたというふうにちょっと私、聞こえたんですが、それがもし間違いでなければ、どういったところが違うなと思われたのか、一つでも二つでもお聞かせいただければありがたいと思います。

○永倉参考人 一つは、先ほどちょっと申し上げましたけれども、仲卸棟の屋根のアスベスト建材の部分です。あれはこう扇形になっている部分の一部分がアスベスト含有となっていましたが、実は全部がアスベスト含有です。まずその点が一つ。
 それと駐車場ですね、東の方にあった駐車場が、四階から七階の天井に吹きつけられているものが、全部その敷地面積として挙げられていましたが、その部分については、私が東京都から聞いている説明は、その天井のはりの部分だけと聞いておりますので、その面積がまず違うと思います。
 それと、あと含有建材について申し上げると、あの図示されているものは仲卸棟の天井部分だけでありましたけれども、実際にはもっとあるはずですので、それが丸々抜けているというふうに考えております。
 以上ですね。大体そのくらいです。

○西岡委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 永倉参考人からの意見聴取はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○西岡委員長 異議なしと認め、永倉参考人からの意見聴取は終了いたしました。
 永倉事務局長、本日は大変お忙しい中、貴重なご意見まことにありがとうございました。心より厚く御礼申し上げます。
 それではどうぞご退席ください。

○西岡委員長 参考人をご紹介いたします。
 築地市場関連事業者等協議会会長の西念晃司さんです。
 本日は、ご多忙のところ、小委員会にご出席いただきまして、まことにありがとうございます。小委員会を代表いたしまして御礼申し上げます。
 本日は、築地現在地再整備計画に向けての検討事項案について、ご意見をお伺いしたいと思います。
 なお、西念参考人には、ご着席のまま発言していただきたいと思います。
 それでは、よろしくお願いいたします。

○西念参考人 西念です。よろしくお願いします。
 現在の築地市場の設置は昭和十年でありまして、当時の入荷手段はその九〇%が国鉄の貨車であり、市場内に東京市場駅が設置されました。その後のモータリゼーションの波に立ち向かえず、昭和六十二年に貨物駅が廃止され、以後はトラック輸送による入荷が一〇〇%であります。貨車からトラックへの入荷手段の変更があったにもかかわらず、卸売り場、仲卸売り場、買い荷保管所等の主要施設の配置がほとんど昭和十年開設時のままに今日に至っており、市場内の日々の流通動線の混雑さは、まさに目に余るものがあります。
 よわい七十五歳の施設の老朽化は甚だしく、危険度が高まるばかりであり、最近では天井の鉄枠の一部やコンクリート片まで落下し、大変危険な状態になっており、市場業務を維持する上で現在の施設状況はまさに限界にあるというように思います。狭隘化も限度を超えております。
 こうした中で、豊洲地区への移転が計画され、四年後の平成二十六年十二月には豊洲市場が実現されるべく事業推進の今日、突然にストップがかかってしまったのであります。
 今回、築地現在地再整備に向けての検討事案についての調査報告書が出されました。報告書によれば、整備タイプA、A-2、B、Cの四案とも、一時移転の青果、完全移転の積みかえ品、大口向け、いずれもその敷地として晴海地区を活用することになっております。
 工期は、A、A-2が十一年九カ月、B、Cが十七年一カ月を要します。しかし、これらの工期には、いずれも土壌汚染対策、埋蔵文化財発掘調査期間は算入されておりません。土壌汚染対策、埋蔵文化財、さらには市場整備計画策定に至るまでの業界との合意、晴海地区の地元調整に要する期間等を考慮するならば、十一年九カ月、十七年一カ月に加えて、さらに十数年の期間を必要とするのではないか、このように思慮いたします。現築地市場の老朽化、狭隘化に悩まされている私たちにとって、今後恐らく二十五年を超すことになる長い年月を必要とする今回の築地現在地再整備計画、A、A-2、B、Cの四案のいずれにも、とても賛意を示すことはできません。
 報告書においても、江戸幕府の老中松平定信など大名屋敷の敷地跡からの埋蔵文化財の出土は可能性が高いこと、汐留遺跡においては発掘調査に十年もかかったことが指摘されております。
 土壌汚染についても、戦後の米軍のランドリー工場、昭和二十九年水爆被災船の積み荷の埋立処理等が指摘されております。
 仮設敷地としての晴海地区の活用についての地元調整も非常に重いものがある、このように思います。A案による仮移転の三年半の間、夜間から早朝にかけ三万三千台程度の車両の運行、清掃工場関係車との錯綜等による混雑問題、さらに公園、野球場等の代替地の確保等についての地元住民との合意形成、これらの地元との調整には非常に重いものがある、このように考えられます。
 次に、私たち業界は、再整備後の築地市場の使用料についても大きな関心を持っております。東京都は、豊洲新市場の使用料について、現築地市場の約一・五倍程度になるだろうと今日まで申してきました。今回の四案を見てみますと、その豊洲新市場の使用料の、Aは一・六二倍、A-2は一・五七倍、B、Cは一・三三倍だとお聞きしました。豊洲新市場の使用料に対し、さらに今回のアップ率は非常に厳しいなあと、このように感じております。しかも、このアップ率にはランニングコストについては考慮されていないとも聞きました。高層施設の昇降機の設置等を考えるならば、ランニングコストのアップは必然だというように考えます。したがって、このアップ率はさらに厳しいものになるのではないでしょうか。こんなに高い使用料では、私たち関連業者の経営は果たして大丈夫なのだろうかと危惧いたします。
 ローリングによる再整備B、C案についても課題が多過ぎるというように思います。ローリングによる整備が、種地として活用する青果の仮移転跡地及び積みかえ品、大口向けの晴海への完全移転跡地を利用するとしても、過去の現在地再整備事業が平成八年にストップした経験を踏まえるならば、青果以外の全事業の営業を継続しながらの整備工事が果たして本当に可能なのか、どうしても疑問をぬぐえません。例えば、ローリング整備のフェーズ0において、埋蔵文化財、土壌汚染等が発見されたならば、以後の工程に大きな狂いが生じてしまうのではないのでしょうか。
 次に、B案のツインマーケット方式にも問題があります。他市場等への転送品の積みかえ機能を晴海地区に完全に移転することになっておりますが、混載荷物のうち築地市場への出荷物については、新たに晴海から築地への出荷者負担の運送料、市場内ではこれを横持ち料といっておりますが、新たに晴海から築地への出荷者負担の運送料を発生させることになるのです。集荷の拡大が築地市場の最大の課題である今日、出荷者の新たな経費負担の増は集荷そのものを減少させることにつながらないかと心配をいたします。
 次に、B、C案における仮設買い荷保管所の位置及び二階建て運用についても多くの問題を抱えていると思います。まず二階建てですが、平成八年にストップした築地現在地の再整備においても、仮設買い荷保管所は高層施設の活用が計画されましたが、買い出し人の皆さん方の賛意が得られなかったことにより、以後のすべての計画のストップにつながった苦い経験が今回も考慮されていないというように思います。設置位置につきましても、仲卸店舗からの距離、仮設買い荷保管所一帯の混雑の発生、特に青果門周辺の混雑は目に余るものが予想されると思います。
 次に、A-2案において、物販等の関連店舗は地下一階の配置となっております。物販、飲食店舗の地下階における経営は、集客面一つをとってみても営業成績を上げることが非常に難しくなると、このように危惧いたします。また防災面からいっても、飲食店の地下階の配置には疑問もあります。
 以上、恐らく今後二十五年を超える年月を必要とするであろう築地現在地再整備案には、とても賛同することはできません。築地市場の老朽化、そして狭隘化がいかに厳しい状況に置かれているのかを改めて再認識していただきたく、ぜひとも先生方には、再度、築地市場の現状を視察していただきたいと、このようにも思っております。
 今の市場に求められているのは、産地、顧客両者のニーズに対応した品質管理が可能な施設整備が求められているんです。コールドチェーン管理が市場でストップしてしまわないこと、低温管理施設、閉鎖型施設でございます。二十五年も待てません。一日も早い豊洲市場への移転について、ぜひともご理解をいただきたいと、このように思います。
 以上です。

○西岡委員長 ありがとうございました。
 西念参考人の発言は終わりました。
 次に、西念参考人に対する質疑を行います。
 なお、西念参考人に申し上げます。ご答弁の際は、手を挙げて、委員長の許可を得てから発言していただきますようお願いいたします。
 それでは、発言を願います。

○鈴木委員 自民党の鈴木あきまさでございます。
 日曜日の午後というところでお疲れのところを、本日はご出席をいただきまして、本当にありがとうございます。
 ただいま築地市場関連事業者等協議会の会長さんとしての、貨車からトラックに変わってきたと、そういう中での歴史的変遷、あるいは今の状況に築地のまさに内容が対応できてないというようなところをお話をいただいた上で、さまざまな問題点をご指摘をいただきました。特に、工期の問題、これはAやA-2やB、C案にしても、本当に今までよりも工期が延びてしまう。二十年、あるいは二十五年、この中には、埋蔵文化財の発掘等々の不確定要素、また米軍のランドリー工場や、あるいはビキニ環礁から持ってこられて廃棄されたマグロの問題等々、こういったことがある。この築地現市場の土壌汚染の改良をしていかなければいけない問題等々、ご指摘をいただいたわけでございます。
 こういったさまざまな問題を抱えながら、なおかつこの現在地再整備ということに収れんをしていくとなった場合に、関連事業者の協議会のお立場から、業界のお立場から、本当に現在地再整備ということでまとまっていくのかどうか、その辺についてぜひご意見をお伺いしたいと思います。

○西念参考人 業界の同意が得られないにもかかわらず、東京都が現地での再整備を進めることは、私は事実上できないのではないかと、このように思います。業界の同意が得られないにもかかわらず現地再整備ができるというようなことは、ちょっと不可能なんではないかと、このように思っております。もし仮に、それでも現在地での再整備が決定された場合にも、豊洲市場への移転推進を目指している私たち築地市場内の業者、業界のほとんどが結束した新市場建設推進協議会のまとまりは、より強固なものになっており、断固現在地再整備を否定していくんではないか、このように私は思います。

○長橋委員 公明党の長橋でございます。きょうは本当にお疲れのところ、またお忙しい中、ありがとうございます。
 今、西念会長から、一日も早く市場移転をと、こういうお話をいただきました。施設の狭隘化、老朽化、恐らく西念会長は築地に携わって長年にわたって見てこられた実感であろうかと思います。また、発言の中に、突然のストップというようなご発言もありました。本来であればもっと早くということであろうかと思いますけれども、そういう中で、A、B、C案、A-2案も含めて、すべて晴海を活用しての案であります。仮移転、もしくはツインマーケットと、こういうことになるわけでありますけれども、そうしますと、西念会長の関連の皆様方は、築地と晴海を両方見なければならないということもあろうかと思いますし、また場合によっては行ったり来たりということもあるんではなかろうかと思いますけれども、もしそういうことになれば、西念会長のところはどういうような支障があるのか、また、それに対してどういう動きをしなきゃいけないのか、ちょっと教えていただきたいと思います。

○西念参考人 ツインマーケットの場合に、A案では全部が行って全部が帰ってくるわけでございますので、私ども関連も全部晴海に行くというようなことで、ツインになった場合には、B、C案では、青果が行って、それでこちらができ上がると帰ってくる。しかしながら、B案では、転送品を含む荷さばき場については、あちらに恒久に置くんだ。C案は、加えて大口取引もあちらに恒久的に置くというような、こういうような案になっておりますですね。したがって、今先生のご質問のあれでいくならば、関連が二つに分かれるという場合はB案、C案でございますが、あちらに行くボリュームに応じてしかるべき店舗が動くというように思うんでございますが、実際にはこれなかなか難しいですね。どういうふうに分けるかというような形が非常に難しいというように思います。

○長橋委員 ありがとうございます。どういうふうに分けるか難しい、分断されるというようなこともあろうかと思います。
 また、ご発言の中に、地下に店舗を設けると、これは非常に困るといいますか、営業的にも低下をするおそれがあると、こういうことでございますけれども、さまざまな意味で卸、仲卸と連動しているところであるでしょうから、地下に設けるということについてはどういう支障があるのか、再度詳しくご答弁いただきたいと思います。

○西念参考人 先ほど地下は困るというような発言をさせていただきましたが、関連店舗、A案では、新大橋通りに面した一階のいうならばフロント、一番いいところに位置づけられておりましたですね。ですから、私はそれについては、賛成はしていませんが、A案での関連の位置づけというのはいいなというふうに見ていたんですが、A-2案において、突然地下の駐車場の隣に位置づけられたわけです。物販というのは、仲卸業務を補完をするものでもあるんですね。例えば、鮮魚を仕入れた買い出し人が、さらにつま物を、ノリを、かつおぶしを、昆布を、卵焼きを購入していくという、こういうようなわけでありますから、そういうような意味合いからいうならば、買い回りからいけば、仲卸店舗からすぐ近くに関連店舗があることがよりベターであります。しかしながら、仲卸店舗が一階で関連店舗地下の位置づけそのものをもって即関連業の機能がなされなくなってしまうとはいえないとは思います。しかしながら、ベターではないでしょう。しかし、買い出し人にとっての買い回りの不便さというものを考え、しかも、関連自身にとっては、先ほども述べさせていただきましたように、集客能力に欠ける面が生じてくることが当然に懸念されます。

○岡田委員 民主党の岡田でございます。本日はありがとうございます。
 今回のこの小委員会といいますものは、現在地再整備の四案と豊洲のこの計画案を比較検討するためにあるわけですが、どの案にも、AからCまでの案、それから豊洲の計画案にもメリットとデメリットがあるわけでございますから、比較をするために、まず一番大事なのは、現場で働いていらっしゃる業界の方々の個々のご意見だと思うんですね。そうした個々の方々のご意見をまず尊重することが大事だと思われますけれども、そういった意味で私たち民主党では意向調査をしたいと思っておりますけれども、その意向調査に関してはどのようなお考えをお持ちでしょうか。

○西念参考人 関連事業の意向調査についておまえはどう思っているのか、こういうふうにとらせていただいてよろしいんですか。

○岡田委員 もう一度お伺いいたします。築地で働いていらっしゃる皆様という意味で含めてです。業者の方すべての方々にという考えです。意向調査をしたいということです。前にも意向調査をされているということで、また伊藤理事長も前回の当選後には意向調査をするんだという公約をされていたということを伺っておりますけれども、その公約に関してです。意向調査です。

○西念参考人 意向調査の問題は、私たち業界にとっても各業界ごとにいろいろ違う意見があるというように思うんです。したがって、私自身が業界すべての意向調査はこう考えるというようなお答えはできないと思います。ただ、我が関連にとって、おまえ意向調査どう思うんだということについてはお答えをさせていただきたいというふうに思います。
 平成十三年十二月に、市場の業界全体の総意に近い意向のもとに豊洲の移転を決定して以来、今日まで経過してきたわけですけれども、私たち関連協ですね、移転後の豊洲での取り組みはどうあるべきかという、豊洲での取り組み状況をどうあるべきかについての課題を、協議を継続してきたところでありまして、関連協一同、現在においても一日も早く移転できることを強く望んでいると、こういう状況にありますので、関連協としては現時点において改めて会員に対する意向調査の必要性は感じておらないですね。

○清水委員 共産党の清水です。よろしくお願いします。
 先ほども最初のお話の中にありましたが、使用料についてとても懸念をしているというような話もありました。一月の参考人の質疑のときにも、業界の代表の方が、過度な建設費がかかった場合、業界の負担にかかっては困るというようなお話をされておられました。豊洲の新市場も今回調査している幾つかの案の現在地再整備についても、そのどちらも、規模というのは、現行の取扱高からいっても、水産では一九八八年当時の再整備構想のときと比較しても上回っているわけなんですけれども、そしてまた高度な品質管理ができる閉鎖型の低温施設などについては、先ほどもお話がありましたランニングコストが経営に大きな影響を与え、取扱高は伸びたけれども、利益については横ばい状態だったり、結局利益が出ずに、別の会社に吸収合併されているケースなどを、都内でも、他県などでも私は見てまいりました。
 ですから、この現在地再整備についての検討というのは、その前提となる規模、スペックが取扱高から乖離をしてはならないと思いますし、市場業者の負担を考えても、過大施設の見直しなどが必要ではないかなと。そうすれば、実際に出されている案をもう少しよりよくして、その上で業者負担を極力抑えて、東京都は都と民間の負担区分の見直しだっていって民間の負担がふえているわけですけれども、やはり過去の現在地再整備に都がすべて整備をするというような姿勢なども参考にしながら、都としてどのような支援をしていくのかということを検討しながら現在地再整備を可能にしていくということで、業者の皆さんの懸念を取り払うというような方向にはならないでしょうか。

○西念参考人 今回のA案からA-2、B、Cの案のもとになっているのは、スペックが豊洲と同じものだというような形で構成されてつくり出されているわけですね。私たちは、当然に今は豊洲と同じ規模を望んであれができ上がってきているわけですから、今私たちの立場として、築地ができるときには、あれだけのスペックは要らないんだ、あれだけの規模は要らないんだというようなことは主張できないと思うんですね、今、豊洲の案で進んでくれというふうに申し上げているわけですから。例えば、私どもの関連でいうならば、物販の店舗は、今十三・二平米、約四坪しかないわけですね。これではとても営業は続けられないから、豊洲に行ったならば、それの三倍、約四十平米欲しいということで、今あっちのスペックができているわけですね。したがって、今度はこっちに来るときには、やはりもっと小さくていいというようなことを望むわけではないんですね。したがって、先生の今全体でいうスペックが取扱量から考えると大き過ぎるということの問題を前提に私どもは築地がいい、どっちがいいということを考えているわけではないんです。ただ、全体的な論議の中で、豊洲のスペックが大き過ぎるというようなことで事柄が論議されていくとなると、これはまた別問題ではないか、このように思います。

○西岡委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 西念参考人からの意見聴取はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○西岡委員長 異議なしと認め、西念参考人からの意見聴取は終了いたしました。
 西念会長、本日は大変お忙しい中、貴重なご意見まことにありがとうございました。心より厚く御礼申し上げます。
 それではどうぞご退席ください。

○西岡委員長 参考人をご紹介いたします。
 二十一世紀築地プロジェクトチーム事務局長の小槻義夫さんです。
 本日は、ご多忙のところ、小委員会にご出席いただきまして、まことにありがとうございます。小委員会を代表いたしまして御礼申し上げます。
 本日は、築地現在地再整備計画に向けての検討事項案について、ご意見をお伺いしたいと思います。
 なお、小槻参考人には、ご着席のまま発言していただきたいと思います。
 それでは、よろしくお願いいたします。

○小槻参考人 二十一世紀築地プロジェクトチームの小槻と申します。築地市場で水産の仲卸業、株式会社大政本店というタコの専門店を経営しております。
 まず今回、我々二十一世紀築地プロジェクトチームが本年二月十八日に発表させていただいた築地市場再開発計画案を発端といたしまして、築地市場再開発計画と豊洲計画との比較が検討される段階まで発展していただいたことに関しまして、東京都並びに東京都議団各位のご尽力に大変感謝いたします。ありがとうございます。
 まず初めに、我々がなぜこのような運動を起こしたかをお話しさせていただいてから、今回の再整備案について所見を述べさせていただきます。
 ご存じのとおり、築地市場の現在地再整備は昭和六十一年十二月の第四次卸売市場整備計画で決定し、平成三年十一月の第五次卸売市場整備計画で、水産一階、青果二階、地下と屋上駐車場の立体配置が決定し、スタートいたしました。
 我々仲卸もその決定に従い、市場内店舗の抽せん、移動、それによる影響等を踏まえた対策を講じ、都に全面的に協力する形で工事に着工してまいりました。このとき、各業界との合意形成は都の責任によってとられていました。とられていなければ、工事計画が着工されるはずはないと考えております。
 ところが、スタートした計画が平成五年、番所場長のときに財政上の問題で突然ストップいたします。その後、東京都により、水産部、青果部を分けての整備という計画の変更がなされてから雲行きが怪しくなってまいりました。
 そして、宮城場長のときですね、宮城場長にかわってから市場関係者に配布された築地と臨海部(豊洲)とを比較した書面として、資料1でお渡ししてあります築地の優位性が示されてまいりましたが、この最後の一ページにもあるとおり、冷蔵庫棟の場外移転など、水産卸売が築地での再開発に難色を示すような案に変更されたのです。このころから市場の合意形成が崩れてき始めました。
 遅々として進まない変更計画に業を煮やし、平成十年四月に業界六団体が、移転の可能性があるのかないのかを都に回答を求めるため、臨海部移転についての検討要請を都に提出しました。
 この検討要請に対して、都は、その六月に、現時点での移転の可能性の見きわめは困難であり、判断するには業界団体の一致した意思の確認が必要と回答し、十二月までに文書での意思確認を業界に求めました。お渡ししてある資料2をごらんいただきたいと思います。
 その中に、築地市場業界各団体が一致した意思を明らかにすることはもとより、主体的に場外市場関係者並びに関係区等の理解と協力を得るべく最大限努力していく必要があるということが明記されていました。つまり、一団体でも反対なら移転はあり得ないということです。
 その結果は、ご存じのとおり、水産仲卸、水産買い出し人の二団体は築地での再開発、水産卸、水産買参、青果、関連の四団体は移転と、業界の意見が分かれました。
 一団体でも移転に反対なら築地での再開発であると明言していた都は、この後、平成十一年一月から十一月まで築地市場の再開発見直し案を検討、協議しましたが、その当時、我々仲卸は、独自の再開発案を組合で作成し、協力をしてまいりました。
 しかしながら、都は、審議は尽くしたが、築地での再開発は合意形成がとれないとし、平成十三年十二月の第七次卸売市場計画で築地市場の再開発から豊洲への移転に大きくかじを切ったのです。
 このときには、豊洲の土壌汚染の問題、環状三一五号が市場の真ん中を通るロケーションなど豊洲における問題点はもう既にあったにもかかわらず、それに考慮せずに現在も推し進めてきています。つまり、豊洲の移転計画と築地の再開発計画の両案が比較検討されるということはなく豊洲移転にかじを切ったのです。
 今回の移転については、業界が望むから都はやむなく移転に踏み切ったかのように虚言を申されておりますが、豊洲移転に関しては、現在も我々仲卸は、平成十年に行った組合員投票での築地市場再開発を覆しておりません。いまだ移転に反対なのです。この状態で豊洲の移転に対して業界調整がとれているといえるのでしょうか。このような経緯でなされた移転計画にもろ手を挙げて賛成しろというのでしょうか。
 都は、仲卸の一部の者だけが移転に反対しているだけといっておりますが、それなら、仲卸や市場関係者に対し、全員の意向調査をしてみていただきたいと思います。
 築地市場再開発案と豊洲移転案ができた段階で、早急にその調査を実施していただきたいと思います。
 このような経過を踏まえて我々が築地市場再開発案を出させていただいたことをご理解いただき、今後の市場、地域を見据えた上で、今回出てきた築地市場再開発案を真摯に検討していただき、豊洲移転案と比較していただきたいと思います。
 それでは、今回拝見させていただいた築地市場再開発案について所見を述べさせていただきます。
 今回いただいた案の中で、A-2案は我々が発表したものを高度に発展させていただいた案になっていると感じます。外周道路の設置等を奇抜になされ、何より水産部の卸売り場と仲卸売り場が一体化していること、鮮魚も青果も一平面で市場内の物流ができる点もよいと思います。以前、平成三年の再整備案と比べ、比較にならないくらいよい案ができ上がっていると思います。
 また、豊洲の市場では、道路に挟まれて鮮魚、青果の買い回りに支障を来すと考えられますが、この案では鮮魚、青果の買い回りも問題がないと思います。
 しかしながら、工事期間の長さ、建設費用については、我々が発表した案とは乖離があります。築地全面移転案、A-2案について比較してみますと、我々の試算では、一時移転先の晴海での建設に一年七カ月、築地の解体に約五カ月、築地での再整備に二年七カ月、合計四年七カ月となりますが、都の試算では、整備期間として十一年九カ月、築地の再整備に三年三カ月となっております。
 建設費用も同様です。我々の案では、建設費に千三百三十億、基盤整備に五十億、総額千三百八十億と試算していますが、都の試算では、建設費用として千七百十億、そのうち築地の本設工事に千百十億円となっております。
 この根拠は一体何なのかをお尋ねしたいと思います。我々が発表させていただいたときにも申しましたが、我々も大手ゼネコンの手をかり、工事期間、建設費用を出しました。また、豊洲の積算根拠を挙げていただければ、それに合わせた積算を再度検討しますとも申し上げております。実際の積算の根拠をはっきりとした形で提示していただきたいと思います。
 先ほども申し上げましたが、今後の市場、地域を見据えた上で今回出てきた築地市場再開発案を真摯に検討し、豊洲移転案と比較していただき、その後、ぜひ市場に携わる関係者全員に意向調査をしていただきたいと思います。
 私からの所見は以上でございます。

○西岡委員長 ありがとうございました。
 小槻参考人の発言は終わりました。
 次に、小槻参考人に対する質疑を行います。
 なお、小槻参考人に申し上げます。ご答弁の際は、手を挙げて、委員長の許可を得てから発言していただきますようお願いいたします。
 それでは、発言を願います。

○岡田委員 民主党の岡田でございます。本日はありがとうございます。
 先ほど買い回りに関してのメリットのお話がございましたけれども、豊洲案では移動距離が長くなって荷の場内搬送の面で課題がありますが、A案、A-2案でも、立体化ということによって買い回りをする人は建物内を上下に移動するだけでよく、直線距離での動線は短くなるのが特徴と書かれていながら、またその利便性に課題があるということも書かれております。もう一度、豊洲とA案、A-2案を比べての買い回りについてお考えをお聞かせください。

○小槻参考人 これはデパートの例をとって、失礼かもしれませんけど、エレベーターが二階、三階、四階と買い回りはどなたでもしていらっしゃいますし、その辺を考えると、買い回りについては普通の買い出し人の方も問題ないのではないかというふうに私は考えております。済みません、築地A-2案の方ではですね。
 豊洲におきましては、かなりの距離を移動しなくてはいけないということ、それは徒歩で移動できるのかということ、この問題点を考えますと、豊洲と築地の案では雲泥の差があるのではないかと、そういうふうに感じております。

○岡田委員 ありがとうございました。
 それでは次の質問ですけれども、ただいまお配りされて、またお話の中にもありました築地市場の現在地での再整備についてという平成九年十月付の資料がございますけれども、この存在は私たちも以前から話を伺っていて、東京都の中央卸売市場に確認したところ、東京都にはこれは存在していないという回答をいただいております。これは本当に中央卸売市場が配ったものなのでしょうか、市場関係者の皆さんはこれをお持ちなのでしょうか、ちょっと教えてください。

○小槻参考人 この資料に関しましては、平成九年十月に組合員並びに市場関係者に配布されていると思います。これをもとに、その後の意向調査等にこれを活用させていただいた記憶が私にはございます。

○高木委員 自民党の高木です。
 築地市場にはいろいろな方がいらっしゃる、いろんな事業を営んでいらっしゃる方がいて、小槻参考人は先ほど自己紹介でタコをお売りになられていらっしゃると。先ほど来、そんな皆さんのご意見を聞かせていただいて、中にはサザエ屋さんがいたり、冷凍マグロの方がいたり、いろんな方がいらっしゃる。そういう大きな市場ですから、いろいろな問題が出てくるんだろうと思っています。
 小槻参考人は、きょうは二十一世紀築地プロジェクトチームの事務局長というお立場で来られているわけですから、まずそのあたりから伺いたいと思っておりますが、皆さんが二十一世紀プロジェクトとして、記者会見をして出された案があったと思っています。その案が実は今回の民主党さんから四案、三案プラス一というんですかね、それで出されるのかなと私は思っておりましたが、その案が出されることはありませんでした。先ほどA-2案は我々の案を発展させたものというふうにおっしゃられておりましたけれども、私は何となくいまいちそういう印象を持っておりません。さらにいうならば、民主党はこの二十一世紀プロジェクトの皆さんが出されたその案の後に公募をされている。皆さんの案が当然私は基礎になって出てくるんだろうと思っておりましたし、その研究もさせていただいたし、期待をしていた部分もあるんですが、そういった公募をされて今回こういう案にまとまったということを二十一世紀プロジェクトとしてはどのようにお考えになっていらっしゃいますか。

○小槻参考人 私どもは、まず築地でできるということ。それから、あと我々にとっていい市場をつくっていただくことが、これは一番の願いですので、公募をかけていただいて、いろんなところからの公募の中でいい案をつくっていただいたと感じております。

○高木委員 そういうご認識であれば、今回の案がたたき台として検討に値すると。そういうことなんだろうと思います。
 中身の話ですが、先ほど買い回りについては問題がないだろうというような--A-2案についておっしゃられておりましたけども、買い回り以外の部分で、例えば荷物の搬入、あるいは移動、そういうことについての重層化の問題というのはどのようにお考えですか。

○小槻参考人 まず、鮮魚部の方の売り場等を考えていただきますと、豊洲案では市場--仲卸売り場と卸売り場に三一五号線が入りまして、ここの乖離が非常に大きいと。あと卸売り場の方が一階、二階、三階の転配送センターを含めて重層構造になっていると。これに比べますと、今のA-2案の方はそれが平面で一体化されている。特に仲卸売り場と鮮魚の卸売り場が一体化しているという点に関しては、築地の整備案の方が数段進んでいると考えております。

○高木委員 最後に伺います。
 A-2案ということを先ほど例に出されておりましたけれども、仮にこのA-2案が、業界の中で六団体ということになるんでしょうけれども、合意がとれるとお考えでしょうか。

○小槻参考人 合意形成の問題につきましては、先ほども所見の中で述べさせていただいたとおり、豊洲の移転案と築地での再開発案、これをやはり両案並べていただきまして、これが業界にとってどちらがいいのかということをきちっと検証させていただく、そういう過程を通して、ぜひ皆様にご判断いただきたいと、そういうふうに私は願っております。

○伊藤委員 都議会公明党の伊藤でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 私の方からは、先ほども小槻事務局長がA-2案が希望にかなっているというお話、また買い回りについては問題がないということ、また工期の試算についても新しいお話もちょっと伺いました。この辺のところからお話を伺えればというふうに思っております。
 一つは、今回の特にA-2案でありますけれども、一見すると非常に広く、使い勝手がよさそうに、私も一見したときはそう思ったわけですけれども、この車の一方通行のこの道、スロープになっておりますけれども、こういう道からトラックが、要するにバースにつけるとき柱が邪魔になったりとか、さまざまな課題がある。これも委員会でちょっとやらせていただきましたけれども、例えば、荷物を産地から積んできたトラックが、一つ入り口を間違えてしまうと、また一周回んなきゃいけない、約一・六キロ回んなきゃいけないということだとか、あるいは、この中の構造上の問題でもありますけれども、一階の水産仲卸の方が、仲卸の方、卸の方というのは加工パッケージを使うことが多いと思いますけれども、このA-2案でいくと、一階の仲卸の一番遠い方からいうと、二階に上がって、別棟の加工パッケージに行くわけですけれども、相当の量を持って運ぶときにも大変な移動距離になる、私はそんなふうに思うわけであります。
 それからまたターレを取りに行くのにも、二百メートル以上離れているところもある、こんなところがあるわけでありますけれども、この動線の確保、あるいは使い勝手の面から私は課題が多々あるんではないかというふうに思いますけれども、事務局長、この辺の課題についてどう思われるか、あるいは事務局長の方から見て、A-2はいいけれども、この辺がちょっと課題だなというようなところがあれば教えていただければと思います。

○小槻参考人 今回の築地での再開発案については、豊洲のスペックを尊重してというようなお話でつくられたと耳にしております。築地では築地のやり方がございますので、その辺のところはこの委員会、小委員会の皆さん方、ぜひ柔軟な対応をしていただきたい。
 それと、先ほどの加工パッケージセンターのお話ですけれども、豊洲の加工パッケージセンターは別棟にできたりとか、築地に比べると相当離れております。それに比べますと、築地の方が数段利便性がいいのではないかと、私はそういうふうに感じております。
 それからもう一点は何か……。その二点でよろしかったですか。

○伊藤委員 A-2案は希望にかなっているものに近いということでありますけど、もし課題を、こういうところはもう課題だよというところがあれば教えていただければと思います。

○小槻参考人 大変申しわけございませんけれども、私も数日間の短い時間でこの膨大な資料を全部拝見させていただけるわけではございませんでしたので、その点に関しましては、今後資料をきちっと拝読させていただきましてから、また、こちらの方から要望等を出させていただきたいと、そういうふうに考えております。

○伊藤委員 ありがとうございます。
 先ほど事務局長のお話の中で工期のことがございました。このA-2案については、十一年何カ月かかるというものでありますけれども、四年数カ月でという、私の聞き間違いでなければそうおっしゃったと思います。この四年数カ月という中には、もちろん土壌汚染に対する調査だとか対策、あるいは埋蔵文化財、あるいはA-2案をやるにしても晴海を使うわけでありますので、特に私は晴海の地域の方々の合意に非常に時間がかかるというふうに思いますけれども、この四年数カ月とさっき事務局長がおっしゃったほかに、こういったところを含めて、どのぐらい時間かかるとお考えでしょうか。伺えればと思います。

○小槻参考人 今の晴海の件に関しましては、オリンピックが開催されるとするとあそこに競技場ができるというご予定でありましたけれども、それのときにはどういうふうな住民との対応をお図りになったのか、その辺を参考にしていただいて。これは、築地市場というのは、一都六県の鮮魚の方の市場を全部賄えるような市場でございますので、そこのところを皆さんに十分ご理解いただいて、これは非常に都としても重要なものだと思いますので、きちっと説明をさせて--私たちも、それはいろいろ協力させてはいただきますけれども、きちっとご説明をしながら了解を得ていきたい、そういうふうに感じております。

○星委員 生活者ネットワーク・みらいの星ひろ子でございます。よろしくお願いいたします。
 以前、二十一世紀プロジェクトがまとめた三つの案についてご説明をいただいたことがありまして、今回小委員会で審議をしているこの四つのパターンなんですが、私もごくごく近いものだなというような感想を持ちながら、今検討させていただいております。
 以前、そちらのチームの方のいわゆる晴海の活用の中で、ツインマーケット方式というのかしら、分離型の。あれに関して、一定興味を抱きまして、いわゆる築地の敷地が狭い狭いというようなところがあったので、こういう方式もできるんだということで、ある程度評価をしていた時期もあるんです。しかしながら、いろんな審議を重ねていく中で、あるいは業界の方のさまざまご意見を聞く中で、やっぱり機能が分離をするということは、非常に営業とか事業に支障を来すと、一体型が望ましいんだというようなご意見も聞きながら、私どもも今ご評価が割に高かったA-2というところの中で一体型でできれば、なおそれはいいだろうなというふうに思いますが、B案、C案、いわゆる晴海とのツインマーケット方式というものをご提案の中にもあったんですけれども、その辺の評価というのは今の時点ではどのようになっていらっしゃいますでしょうか。

○小槻参考人 B案、C案についても検討する余地はあるのではないかなと私は感じております。ただ、この件に関しましては、現状の市場の取引の中で通過物、転送物、いろいろと市場の中の取引が法律、条例に基づいてきちっと行われているのか、行われていないのか、その部分の判断、調査等もやはり必要だと思いますので、その辺のところを東京都の市場関係者の方々がきちっとした数字で数値で示していただいて、もしかして仮に、通過物等、転送物等を外に出せる--外に出せるといういい方は失礼ですけれども、別のところに移動できるのでしたらば、その案についてもいろいろとお話はさせていただきたいと思っております。現状の段階では、まだ通過物はあるとは、お話はあったと思いますが、それがどの程度あるのか、その辺についてのご回答がまだ東京都の方からはないと思いますので、その回答待ちの結果というふうな形だと思います。

○西岡委員長 ほかに発言がなければ、お諮りをいたします。
 小槻参考人からの意見聴取はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○西岡委員長 異議なしと認め、小槻参考人からの意見聴取は終了いたしました。
 小槻事務局長、本日は大変お忙しい中、貴重なご意見まことにありがとうございました。心より厚く御礼申し上げます。
 それではどうぞご退席ください。
 この際、議事の都合によりおおむね四十分間休憩いたします。
   午後三時十八分休憩

   午後三時五十九分開議

○西岡委員長 休憩前に引き続き小委員会を開きます。
 参考人をご紹介いたします。
 東京都鮨商生活衛生同業組合常任相談役の中野里孝正さんです。
 本日は、ご多忙のところ、小委員会にご出席いただきまして、まことにありがとうございます。小委員会を代表いたしまして御礼申し上げます。
 本日は、築地現在地再整備計画に向けての検討事項案について、ご意見をお伺いしたいと思います。
 なお、中野里参考人には、ご着席のまま発言していただきたいと思います。
 それでは、よろしくお願いいたします。

○中野里参考人 ただいまご紹介いただきました、私はすし屋のおやじですけれども、中野里孝正と申します。よろしくお願いします。
 この中央卸売市場の築地移転再整備特別小委員会ということで、私がこの席で発言させていただきます。大変光栄に思っております。また、この準備のために大変分厚い膨大な資料をいただきました。私はあれを見て、大変な作業をやっていただいているんだなということを改めて感謝申し上げたいと思います。ありがとうございました。
 私は、築地生まれ、築地育ち、今でも築地で商売をさせていただいております。ですから、築地市場を含めて、地元築地を愛する一人として、築地市場を大変大事に思っておるというふうに思っております。
 この問題を深く重く受けとめたのは、実は、最初に大井移転の問題があったときは、人ごとだと思って、市場の中の人たちの問題だというふうに私は軽く見ていたんですが、築地再整備が進んだ後、たしか平成八年ですか、見直しということで、築地の市場が臨海部に移転すると、そういう話を聞いたものですから、私はこれは大変なことになるなと思って、それから大変関心を持って、私の立場としては、すし屋として、市場を移転されちゃ困る、築地で再整備してほしいという強い思いを持っております。
 きょうは時間も限られておりますので、三つの視点から、築地で、なぜ築地市場かというのを考えてみました。
 一つは、世界一の魚市場を守るということが一つ。二つ目が、食文化、これは私はすし屋ですから、特にすし文化を守る。それから三つ目は、ちょっとオーバーないい方ですけれども、日本国、国民を守るという、三つの守るというキーワードで、ちょっと私の考えを述べさせていただきたいというふうに思います。
 まず、世界一の魚市場ということはもう皆さんも承知のとおりですけれども、何も世界一というのは規模だけじゃないんですよね。もちろん水産物の扱い高とか、あるいはすごく種類があるという、そういうことももちろん大切なことですけれども、築地の市場で、今世界一というのは、世界じゅうのどなたも認めているところです。
 それは私が感じるのは、実は私、海外にも行くことがあるんですよね。海外に行きますと、すしブームなんですよ。最初、アメリカあたりがずっとすしであれしたのが、だんだんだんだんもう東南アジアもヨーロッパもみんな、どこに行ってもすし屋はあります。だけれども、すしのナンバーワン、世界一は日本だということはだれでもそういうふうに思っているわけです。
 最近、ものづくりで日本が世界でナンバーワンといわれていたのがだんだんちょっと怪しくなってきた状況が、いろいろ聞きますけれども、すしは絶対にそれがないという自信を持っておるのは、ただ技術、すしを握るだけの技術じゃないということをご理解いただきたい。おすしを握る技術だけだったら、すぐまねて、中国でも、東南アジアでも、ヨーロッパでも立派なすし屋ができます。ところが、それをつくる前の段階で、魚というものを取り扱うのも人なんですよね。その魚を取り扱う心というか、それが文化だと思うんですけれども、日本人というのは、私もそうでしたけれども、魚はもう大事に、大事に、大事に、大事に扱うように習ってきたわけです。そういうことをやっておりまして、そういうものの積み重ねが、私は今のすしが世界一である、またこれからも世界一であり得る。
 ところが、それを守ってやれるのが今の市場の仲買、仲卸さんの役割なんですね、仕事なんです。仲卸さんのお仕事というのはいろいろありますけれども、結局、荷を分荷、荷物を小分けにしますよね。もちろんそれだけじゃありません。魚には一品一品みんな質もあるし、鮮度もあるし、その日の入荷の状況とか需給関係で違うわけですね。毎日毎日違うんです。その値段を適切に決めている者が仲買さんなんですね。
 日本には、ご存じのとおり、三つ星のおすし屋さんもあります。今、回転ずしというのが非常にブームになっていますけれども、回転ずしもあります。また、私どもみたいにその中間を行くお店もあります。それぞれ、みんな繁盛しているんですよね。その場その場で繁盛しているんです。これがすしの文化じゃないかというふうに私は思っております。もし万が一、世の中が回転ずしだけになったらどうでしょうか。こんな寂しい世の中にしたら、これはもうおすし屋はなくなりますよ。私もばかばかしくてすし屋やりたくなくなると思っているぐらい、今のシステムがあるから、ある段階ですべてがうまくいっているのがこの市場のシステムなんです。
 それで、もう一つは、観光という視点で、今、築地の市場へ行きますと、もう外国人がいっぱい来ております。これはそんなに昔はなかったんですよね。なぜ来ているか。これはそういう要素があるということだと思うんですね。
 新成長戦略の中に三Kという、民主党が出しましたね。これは健康、環境、観光、そのうちの観光が一つの大きな柱になっているんですね。ですから、その世界一の目玉がある築地を簡単になくしていいんでしょうか。これは私は日本の宝物だと思っております。そう簡単に世界一というのはつくれません。長い間の蓄積があって初めて築地の市場は世界一というふうに認められたし、それに付随する食べ物屋とかいろいろなものがあって、それで初めて世界の国々の人が認めてくれる。
 その絶好の大切な場所を、これがもし豊洲の方に行ったらどうなるか。僕は、それはもう観光地としてはまず無理です。これは、ある意味では、観光地というのは銀座と連結して一キロ以内の非常に範囲の狭い中で、こんなにいろいろなものがあるのは私は日本の観光の目玉になる、もっともっといろいろ、もちろん観光の条件はあります。安全とか安心とか、にぎわいとか、あるいは地元の行政、あるいは地域の商店の人たち、そういう協力がなかったらできませんけども、それはすべてそろっているんですよね。しかも、ちょうどいい距離の一キロ以内に銀座と隣接しているから、お客様は楽しいと思いますよ。築地に来て競りを見たり、あるいはおいしいものを食べて、買い物は銀座に行くなんていったら、もう絶好の日本の観光地の宝物だと私は信じております。
 世界一の大事さというのは、最近よく感じることがあるんです。それはスカイツリーですね。あれスカイツリーが世界一だっていうから皆さん、みんな注目してくれているんだ。あれが世界二番だったらそんなことないと思います。ぜひ世界一の魚市場を築地とマッチさせて守っていただきたいと願っておるわけです。
 時間が参ったようです。よろしくお願いします。

○西岡委員長 ありがとうございました。
 中野里参考人の発言は終わりました。
 次に、中野里参考人に対する質疑を行います。
 なお、中野里参考人に申し上げます。ご答弁の際は、手を挙げて、委員長の許可を得てから発言していただきますようお願いいたします。
 それでは、発言を願います。

○岡田委員 本日、お休みのところをおいでいただきましてありがとうございます。よろしくお願いいたします。
 以前、鮨商では、築地と豊洲との比較でアンケート調査を実施したと聞いておりますけれども、その内容について教えてください。

○中野里参考人 今、私の組合でアンケートをとった質問をいただきました。実は私、ここへ来る前に現在の理事長とお話をしてまいりました。そのときに、理事長からもそういう話を伺いました。ただ、アンケートをとったのは、先ほどいった臨海部に移転するかどうかの時代、今調べたら平成九年ですか、ちょっと前の話なんですけれども、理事長がおっしゃっていました。七七%が築地で再整備するという、あと二三%はそれじゃ豊洲かと。そうじゃないんですね。二三%の人のほとんどは無関心の人が多いんです。というのは、築地市場に何も仕入れに来ない組合員の人もいます。だから、そういうのを含めると、そうですね、ほぼ九〇%以上は築地でという話になるんじゃないかなと、私はそう感じております。
 それから、きょう、資料を調べておりましたら、去年の十一月二十日の産経新聞の記事があるんですけれども、これ、よろしいですか、ちょっと。産経新聞に出ている二〇〇九年十一月二十日のアンケートで、現地で再整備七割と書いてあります。市場の移転は必要か、イエス--市場の移転は必要か、要するに移転は必要かというのは、イエスが三一%、ノーが六九%。それから、築地再整備をすべきか、イエスが六九%、ノーが三一%。豊洲の土壌汚染は不安か、イエスが七二%、ノーが二八%。その後いろいろなものが書いてありますけれども、数字だけ申し上げます。そういうことで、大体七割以上がそういうことを望んでいるんじゃないかなというふうに思います。

○岡田委員 ありがとうございました。
 次の質問ですけれども、中野里さんは地元築地でおすし屋さんを長く営まれ、また代々築地にお住まいになられているなど、まさに地元のことについては精通していらっしゃることと思います。
 今回の現在地再整備については、晴海に仮設市場をつくることになっておりますけれども、晴海の仮設市場は、近隣住民の合意形成が大きな課題であるとの指摘がございます。晴海住民の合意がとても大事ですけれども、しかし、それ以上に、築地市場が移転することについては、地元住民を初め近隣の銀座を含めた町会や商工会、そして何より地元の自治体である中央区の理解が得られないのではないかと考えておりますけれども、中野里さんのお考えをお聞かせください。

○中野里参考人 何かやると、全部賛成ということはあり得ないし、反対が必ずあります。それは地元でもあると思うんですね。しかし、この問題というのは、私も先ほど申し上げたとおり、私たち一業者の利益とか関係者の利益だけを見ている発言をしておるわけじゃなくて、本当に中長期的に見た、長期的に見たときに、この築地に市場があった方がいいのか、あるいは移転した方がいいのかという、そういう観点から考えると、私の立場、私の考えとしては、先ほど申しましたとおり、中央区築地の市場は、日本の宝物だと考えております。
 ですから、日本の宝物を日本人国民のために守ることは私は当然だというふうに思っておりますので、地域のそういういろいろな問題があっても、それを乗り越えた上で、幸いにして、地元の中央区については築地再整備ということに対してご理解いただいていると私は聞いております。
 それから、地元の場外市場というのがありますね。場外市場の皆さん、あれも大切な地域ですけれども、その場外市場の人たちのご意見も、皆さん、私が聞いた範囲はほとんどここにいてほしいというんですね。
 ただ、立場上、いろいろよくわからないけども、表立って反対できない人もいるようですけども、私は皆さんのそういう話を総合的に判断したときに、そういう問題ですから、何としても力強く、築地で再整備をお願いしたいというふうな気持ちでおります。

○高木委員 自民党の高木と申します。どうぞよろしくお願いします。
 中野里参考人のお話、大変感銘を受けて聞いておりました。私はおおむね、おっしゃられた、この世界一を守るとか、食文化を守る、日本を守る、大変大賛成でございまして、その部分では非常に共鳴することがたくさんございます。
 その世界一を守ってほしいということは大事なことでございまして、何で二番じゃいけないのかといった民主党の国会議員がいましたけれども、ぜひ民主党にいってほしいんですよ、世界一というのは大事なんだと。ぜひお願いをしたいと思っております。
 ところで、世界一を守る、それから食文化を守る、日本国を守る。私はこの守るというキーワードは一番大事だと思っていまして、今、我が国が大変危機的な状況になっております。ですから、この守る、守るために何をやるのか、このことが実は問われているんだと思っておりまして、まさにこの築地市場の問題も、参考人がお書きになられたこのことを守っていくためにどうするのか、ここがテーマだというふうに思います。
 私たちは、ですから、守るために改革をすべきなんだというふうに思っているんです。改革をするというのは、実は改革をすることが目的じゃなくて、私は、例えば国政でいえば、日本国を守るためにやはり改革が必要なんだし、築地市場も、まさにそのブランド力や、あるいは築地という今まで培ってきたさまざまなものを守っていくということをやっていかなきゃいけないんだろうというふうに思っていまして、そのためにやっぱり改革をすることは必要なんだというふうに思います。
 ですから、この守るということは非常に大事なことでございまして、先ほどおっしゃられた、築地は日本の宝なんだ、まさにそうだと思います。私もそう思っている。ただ、じゃ築地の日本国の宝というのは何なのか。私は、そこはちょっと違うのかもしれませんけれども、地名ではないような気がしますね。地名ではない。地名ではない。
 つまり、先ほど来午前中からずっと参考人招致をしてきましたが、築地で例えば現在地再整備を行った場合には、その伝統というものは守れるかもしれない。しかしながら、ここでずっとやっていくことは、ブランド力が守れないんじゃないか、そういうお話がありました。大変これも感銘を受けました。つまり、築地のブランド力というのは、前々から議論になっていますけれども、それはやはり仲卸さんを中心にした、いい魚を売っていくという目ききの力だというふうに思っておりまして、そういう意味では、この築地のブランド力を守っていくために私たちは改革が必要なんだという立場に今立っております。
 そこで、参考人にお伺いをいたしたいと思います。
 現在地再整備を行った場合には、今回、四つのプランが示されました。そのすべてのプランで、恐らく最低でも二十年ぐらいの年月がかかるだろうというふうにいわれております。このことにもいろいろ議論がありますが、しかし、常識的に見て、合意形成から、あるいは土壌汚染の調査とか、あるいは埋蔵文化財の調査だとか、いろいろ考えてみると、やはり少なくても十数年の年月、最低でも二十年かかっちゃうんだというふうに思っているんです。
 そのかかる年月と、今の築地市場を考えたときに、参考人はおすし屋さんというお立場だと思いますから、そういうおすし屋さんを営んでいるというお立場の中で、この現在地再整備、二十年間ということをいわれたときにどのようにお感じになられるか、率直にお答えいただきたいと思います。

○中野里参考人 今、高木先生から、現在地再整備するには二十年年月がかかるというお話を伺いました。私はそれについてははっきりいってわかりません。二十年かかるのか、何年かかるのか、それに対してお答えはできません。
 ただ、私は経営者ですから、経営者の感覚でちょっと申し上げさせていただきます。
 というのは、もちろん伝統を守るとかには改革は必要です。ところが、改革をするべきことと、それから守るべきことの二つあるということを両方やらなくちゃいけないんです。改革さえすれば何でもいいというものじゃないですね。守るべきことはちゃんと守って、しかも改革すべきことはやると、この二つをちゃんと分けて、両方やる必要があると僕はまず思うわけです。
 それと、私は経営者感覚で一番社員に対していうことは、やればできるというんですよ。やればできる、そういうふうにいっているんです。それは自分の会社ですからね。一番問題は、やる気がない、できないと思うとできない理由がずらずらずらっと出てくるんですよ。それは、社員にそんなこといったら喜んで--だから、私は信じたい。できるというんだから、できるというふうに、二十年かかると思わないで、もっと短期間でやるという意見が出たら、私はそっちを聞きたいですけれども。だから、二十年かかるかどうかというんじゃなくて、できると思ってやればもっと短期間でできると私は信じたいと思っています。そういうことです。
   〔「委員長、ちょっと一分」と呼ぶ者あり〕

○鈴木委員 高木委員の時間が一分あると思いますので、ご質問させていただきたいんですが、私は先日、三宿の、これはおすし屋さんじゃなくてイタリアンのレストラン、たまたま友人と食事をしてきたんですが、そこのご主人は経営者として、新鮮なお魚類を、魚介類も築地の方に買い出しに行っているということで、そこで、たまたま私の仕事も知っていて、築地の市場の移転どうなっちゃっているんだというような質問が出まして、かなわないなと。もうトイレに入るのも汚くて、衛生上も本当に、自分もイタリアンのレストランを経営しているから、フランスとかイタリアとかいろいろ市場に行っているけれども、こんな汚い市場現状ないよと。世界一汚いよといったら語弊があるかもしれない。そんな一位で世界一であっても困ると思うんですね。その点、衛生上の問題はいかがお考えか、お聞かせください。

○中野里参考人 私もそのとおりに思っています。もちろん、今のままでいいといっているわけではなくて、今のそういう直すところはきれいに直さなきゃ、これはまず論外ですよね。それから、先ほどいったように、安全で安心して信頼できる市場じゃなかったら困るわけです。それにはそういうところをそのままにしてというんじゃなくて、もちろん、築地で再整備、きれいに直すのは当たり前の話だと、私はそういうふうに思っていますから、今の現状がそのままあるんじゃなくて、ぜひそういうところはきれいに直してもらって、世界一きれいなトイレにしていただきたいなと私は思っております。

○長橋委員 公明党の長橋でございます。中野里参考人におかれましては貴重なご意見を賜りました。
 私も、守るというキーワードとあわせて、観光、また食文化をぜひ守っていきたいと。特にすしを、世界一おいしいすし、これはだれよりもその思いが強いのが中野里参考人だろうと、このように思うわけでありまして、私も、日本の観光の柱はやはり食、どこでも安心して食べられる。また、どういう店でもおいしく食べられる。ですから、今、日本の食が世界じゅうで注目をされておりますし、その代表がおすしでもあろうということで、本当にそのとおりであろうかと思います。そういう中で、日本の将来を考えてそういうご発言だと思います。
 私もその意味では全く同じでありますが、ものづくりの話をされました。日本は世界一だったのが少しおくれてきているんじゃないかと、こういう話もありました。まさにそのとおりで、日本はかつて二十数年前は、国際競争力、ものづくりだけではなくて、さまざまな、教育も含めて、技術力も含めて世界一でありました。
 今はどうだといいますと、どんどんと低下をしているわけであります。毎年発表になるんですけれども、一位だったのが、今はもう二十何番目というような低下をしてきている。これはなぜかというと、その大きな要因が、技術力があるにもかかわらず、その更新が遅いというのが日本の国際競争力の低下につながっていると。本来は早く更新をしなければならないものを、そういうことでおくれてきているということであります。
 特に築地市場は、待ったなし、七十五年がたっているわけで、一日も早い更新が必要なわけであります。それは一致しているところだと思います。そこで、まず将来の市場のあり方、築地にどうしてもという思いがあるのはよくわかりますけれども、将来の市場を考えると、築地で再整備をするならば、今ご発言があったとおり、間違いなく二十数年かかるだろう。そうすると更新がおくれるわけですよね。そういうことを含めて、将来、おすし屋さんとして、経営者として、この市場に将来どういうふうになってもらいたいのか、そこら辺のお話を聞きたいと思います。

○中野里参考人 長橋先生のご意見、そのとおりだと思います。じゃ築地でも、あっちでも同じだというふうに、向こうに行けば、新しくなってきれいになってというふうに、そう思われるかもしれませんけれども、私の考えは、ただ新しくなって、あるいは流通センター的に、魚が何でも安く、大きな、スーパーさんを初めとして、そういうところが中心になるような考え方の市場になると、私はやっぱりせっかくおいしいすし屋、こういうすし屋で食べられて、それぞれの立場の人たちがいうあれがなかなか難しくなると思っています。
 ですから、今の市場のシステムはぜひそのままにしてもらいたい。それで、豊洲に行ったときに、それがそのまま残るかというと、私はそれは物すごく疑問に思っているところなんです。それを説明するのには時間がありませんけれども、私の思いはそういうところにあるということですね。
 それから、先ほどいった二十年しかできないというのは、どなたの意見か僕はわかりませんけれども、もっと早くやるんだという気概を持った方がおられればありがたいんですね。十年でやるよといっていただければ、私は大変ありがたいし、何も二十年でしかできないんだと決めつけるのは私はちょっと不思議な気がいたします。

○星委員 生活者ネットワークの星です。よろしくお願いいたします。
 今、お話の中に、平成九年に臨海に移行というときに鮨商の中でアンケートをとられたと。そのときに、数字的には、七七%が築地に残りたい、二三%が、これは反対ということではなくて、そのことに対して余り関心というところの中の部分でお答えにならなかった。恐らく、皮膚感覚では九割以上の方たちが残りたいんだろうというような参考人のご意見をお伺いをいたしました。
 かなり時間もたっておりますし、本当に築地現地再整備ではなかなか難しいんだ、豊洲案でいくんだという流れの中でこの間ずっと来ましたけれども、ここのところで、現地再整備案が四パターン示されたわけです。豊洲の土壌汚染の問題もるる論議が続いておりますけれども、このような状況の変化の中で、私は、今こそ市場関係者の方たちに改めて意向調査を行うべきだというふうに考えますけれども、そのことについてご意見をお伺いしたいと思います。

○中野里参考人 どうもありがとうございました。全く私もそのとおりに思っています。
 今、いろいろな問題で、できないことも理由に挙がりますし、いろいろありますけれども、今おっしゃった汚染の問題も含めて、今の築地再整備で可能だという結論が出たら、私は思い切ってやっていただきたいなというふうに思っておりますし、それは、当面の十年、二十年というのは決して短い時間じゃありませんけれども、もっと日本の国の、それこそ五十年、百年先まで考えたときに、本当にこのまま流通センターでいいのか、築地みたいな市場はもう二度とつくれないんじゃないかという危惧をしております。築地のような、今のような市場を失ったら二度とつくれない。それだったら、将来に悔いの残るような市場じゃなくて、今、時間をかけても私はいいんではないかと。
 それから、すし屋の業界としても、当然ながら、それだけの大仕事をするんですから、今は我慢するしかないなと。これは市場の問題で我慢するんじゃないです。日本の経済がこんな状況ですから、大変なんですよ、もっとね。だけど、それはやっぱり耐えていかなくちゃいけない。そういうことを含めて、将来に夢を持つ、将来に希望を持つ、そういうような国づくりまで考えた案にしていただければ、私は大変ありがたいというふうにお願いしたいと思います。
 これは、私のあれですが、築地市場は日本の宝だと思っております。ぜひ、目先のことも大事ですけれども、百年の計を考えたときにどっちがいいんだと、それぐらいの気持ちで先生方のご判断をいただきたい。よろしくお願いします。

○西岡委員長 他にございますか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○西岡委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 中野里参考人からの意見聴取はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○西岡委員長 異議なしと認め、中野里参考人からの意見聴取は終了いたしました。
 中野里常任相談役、本日は大変お忙しい中、貴重なご意見まことにありがとうございました。心より厚く御礼申し上げます。
 それではどうぞご退席ください。

○西岡委員長 参考人をご紹介いたします。
 全国青果卸売組合青年会連合会元会長で、築地市場青果卸売組合青年会元会長の佐藤龍雄さんです。
 本日は、ご多忙のところ、小委員会にご出席いただきまして、まことにありがとうございます。小委員会を代表いたしまして御礼申し上げます。
 本日は、築地現在地再整備計画に向けての検討事項案について、ご意見をお伺いしたいと思います。
 なお、佐藤参考人には、ご着席のまま発言していただきたいと思います。
 それでは、よろしくお願いいたします。

○佐藤参考人 参考人の佐藤龍雄です。きょうは意見をいう機会を与えていただき、ありがとうございます。
 時間との関係で、私の資料を読んでいきますので、それを発言にかえたいと思います。よろしくお願いいたします。
 私は、学校を卒業すると同時に、父親の家業である築地市場青果仲卸に従事しました。築地市場には、取り扱う品目により蔬菜部会と果実部会があり、私は蔬菜部会の第一部長として、取引懇談会や産地視察など、定年でリタイアする少し前まで活動してまいりました。リタイア後は、農業の生産者団体本部から声がかかり、市場流通対策や食の安全・安心などのテーマにかかわり、八年近く仕事してきました。
 現在、築地市場見学ツアーなるものをやっておりまして、その案内役としてボランティア活動もしています。その中で感じることですが、外国人観光客が本当に多いことに驚いています。観光案内書には、日本では京都と築地市場がビッグスポットとして紹介されているのもあるそうです。まさに築地市場の名は超有名ブランドです。
 さて、豊洲移転問題について特に重要なこと、それは食の安全・安心についてです。O157やBSE、そして口蹄疫など、食についての危険性は、日本だけではなくて、世界的な問題に瞬時に波及して、大きなリスクを背負うことになります。生鮮食品を扱う市場は、食の安全・安心、それを脅かす一点の曇りもあってはならないことです。これが基本中の基本だと思います。同時に、多くの都民の声、国民の声、世界の常識であります。汚染対策のデータもしっかり示さない豊洲移転地は問題外です。
 築地現在地再整備について述べます。
 今から二十四年前、一九八六年一月、東京都首脳部会議において、築地市場の現在地再整備を決定し、東京都卸売市場審議会において、立体化、すなわち一階部分を水産、二階部分を青果とするなどの方向が示されました。これに向けて、九一年、仮設工事着工、九二年、本格工事着工、九三年、市場再整備の起工式行われる、九三年六月、正門仮設駐車場B棟を完成、勝どき門立体駐車場完成など約四百億円近くも投入してきました。ここまでは、水産も青果も、関係者は一丸となって築地市場再整備に向かって進んできたのです。
 ところが、九六年十一月、第六次東京都卸売市場整備計画が策定され、基本計画の変更が出されました。その一つは、一階水産、二階青果という立体的、一体的配置を変更し、それぞれ分けて平面的に整備する。二つ目、建築年次の比較的新しい施設は原則継続使用する。これは八一年十月完成された青果仲卸の売り場店舗が含まれていたのかどうかは定かでありませんが、何しろ今までの計画、内容、経過を無視し、否定するものが出てきたのです。
 もともと、築地現在地再整備は、卸、仲卸、小売商、買い出し人等の現状が保障され、その上に築地市場の土地を立体的に機能的に有効活用することによって、より活気ある市場に、そして生産者、産地、地域、地元にとってもますます大事な役割を果たす市場になってほしいという願いから出発したのではないでしょうか。
 豊洲新市場の構想にうかがえるような巨大な拠点市場、集配流通センターなど大手中心の大型シフトの市場にすることは想像していなかったのです。この九六年の変更案は、それにつながる布石だったのではないでしょうか。
 移転を余儀なくされた状況の中、さらに九九年九月、石原新都知事の築地市場視察で、古い、狭い、危ないによって、豊洲移転が強烈に示唆されました。しかし、それに対しても、二カ月後の十一月には、市場の業界、中央区の行政、議会、町会が、築地市場移転に断固反対する会を設立し、移転反対署名、何と十万六千名、決起集会には九百名が参加するなど、大きなうねりを起こしたのです。移転先の土壌、地下水が高濃度で汚染されていることを知らされていない状況下でも、このように一丸となって心意気を示し、決起したのです。
 築地市場再整備が決定してから既に二十数年、いまだ実現していない東京都の責任は重大だと感じます。昨年の都議会議員選挙、ことしの国政選挙では、豊洲移転反対、現在地再整備の方向が、都民の声、国民の声としてはっきり示されました。今こそ、この方向に沿って、業界、行政がしっかりまとまり、一歩足を踏み出し、二度と後戻りしないで進んでほしいと思います。築地の市場人は、威勢よく、潔く、一丸となって今まで何度も進んできたのです。すばらしい築地市場を再現できる力があります。汚染が発覚してから五回も大きなデモを成功させた力もあります。
 私は、毎月築地市場に行って、仲卸、小売商の人たちから話を聞きますが、圧倒的多くの人たちが現在地での再整備を望んでいます。青果の仲卸業者の九二%が現在地を望んでいるというアンケートの結果は、実態に即していると思います。
 先週、国連では、貧困の半減に取り組むサミットが開かれました。飢餓に直面している人が世界で九億人ともいわれています。日本が食料を六〇%も外国に依存していることはまさに異常です。日本は、自然も豊かで、生産技術も高く、国が食料、農業を重視し、生産者を大切にしていけば、国内の自給率は上がり、飢餓に苦しんでいる国にも食料援助ができるのではないでしょうか。
 地産地消がいわれている今日、日本の食、食文化を守り、はぐくんできた市場を、小さいから、弱いからといって切り捨て、大きい強いところだけを残す今の国の方針は見直すべきです。拠点市場や集配流通センターの巨大化は、地方、中央問わず、各地の卸売市場に大きな打撃を与えることは必至です。
 市場の役割、機能で大事な一つに、価格形成、すなわち評価機能があります。もともと競りで価格を形成していましたが、一九七一年市場法改正以降、先取り、相対取引が導入され、現在ではスーパーに対応するためにも相対取引が中心です。現在の市場には、卸や、特に仲卸、小売商などの買い出し人が多種多様な分野で目ききの専門家、プロとしてまだまだ大勢存在し、役割を果たしています。これによって価格が成り立っていると思います。大きな力を有する少数のものだけで価格を決定できないことは、市場関係者だったら容易にわかることです。大手中心、大型シフトの新市場は、価格形成、評価機能の点でも非常に懸念されます。
 今、仲卸、小売商がピンチの状況にあります。かつて三十五人もいた仲間も、今、毎日買い出しに来ているのはたった二人だけと築地市場の八百屋さんが嘆いていました。ほとんどの仲卸、小売商は売り上げが激減しています。その中でも頑張っている仲卸、小売商が、築地市場があるから続けられる、移転なら命綱が切られてしまうと話します。いち早く築地現在地再整備を実現し、生き生き仕事できる新しい築地市場になってほしいと多くの仲卸、小売商、買い出し人が望んでいます。市場関係者だけではなくて、地元も消費者も、大手のための巨大化された市場ではなく、活気ある、使い勝手のいい庶民の市場を望んでいるのではないでしょうか。
 日本の食を守り、食文化を守り発展させてきた築地市場は、まさに都民の、日本の、世界の誇りだと思います。
 以上です。

○西岡委員長 ありがとうございました。
 佐藤参考人の発言は終わりました。
 次に、佐藤参考人に対する質疑を行います。
 なお、佐藤参考人に申し上げます。ご答弁の際は、手を挙げて、委員長の許可を得てから発言していただきますようお願いいたします。
 それでは、発言を願います。

○清水委員 共産党の清水です。よろしくお願いします。
 今、ご発言の最後のところで、仲卸、小売商などの皆さんの実情が少し話されたと思いますけれども、日ごろそういうところを回っておられて、そのほかの皆さんの声が何か届いていることがあるでしょうか。お聞きしたいと思います。

○佐藤参考人 先ほど、アンケートの調査では、仲卸業者の数字を挙げたんですけれど、これはもう日ごろ私もたびたび市場の方に伺っていろんな話を聞いて、実感はしているんですが、小売屋さんの方にもう少し生々しい、幅広い意見を聞きたいと思って、本当に直前なんですけど、きのう朝早く行って、できる限り、もう手当たり次第というか、そういうことで、小売屋さん二十六名の方に聞いてきました。
 ほとんどというか全員が、もちろん今は経営が厳しいですから、お店の人を雇うとかそういうあれがないですから、ほとんど店主、みんな店主です。お店でパートの方を入れている方もいらっしゃると思うんですけれども。最初に聞いた人が、築地の再整備、築地を望んでいるのか、それともやはりこの際豊洲に移転したらいいのか、そういう質問について、わからないというところから始まりまして、これはいろいろな意見があるなと思って、その後、ずらずらっと聞きました。それはすべて、二十五人残りの全員が築地を望んでいるという結果が出ました。
 これはもう本当に、いろいろこのところ築地市場の問題が出て、そして皆さんの気持ちもそれに揺れている場合もあると思うんですけれど、そういう点でははっきり築地ということで、小売屋さんの方は全員出ております。
 その後、実態を少し聞いてみました。この移転問題が出てきた二十数年前と比べて、営業の方はどうなんですかと聞きましたら、ほとんどが、半減五〇%、三三%、中には二二%、二五%。本当にいろんな方に聞いてみたんですけど、平均でやっぱり半減しているということがわかりました。
 同時に、もう一つ、毎日買い出しに来ている方たちがどういう状態であるのかということもその方たちに聞きましたらば、やはりこれも、同じ二十数年前と比べて、二五%だとか、いいところでは八〇%、五〇%とありますけど、本当に三分の一、四分の一、こういう状態の中で、小売屋さんの方も頑張って今出てきているわけですね。その築地がなくなってしまったらもうやめるという八百屋さんが本当に大勢いるのにはびっくりしました。
 そういうことで、仲卸の方と小売屋さんで、私がただ何となくということではなくて、しっかりメモをして、きちっと相手の、だれのだれかっていうことも、四十年近くいましたもので、全部そういう点では顔見知りなんでわかりますけど、こういう結果が出ております。
 以上です。

○清水委員 そういう大変厳しい状況の中で、再整備し、新市場ができても、続けていくとなると、業者の方の負担の軽減というのは非常に重要なことだということで、朝からその議論もされていたわけです。
 私たちが、今、本当に大事なことは、仲卸の方にしても、それから卸の方にしても、その再整備、新市場のための負担をできるだけ少なくするということが必要だということで、やはり豊洲の規模を、現在地再整備の場合も、築地のスペックをそのまま当てはめるのではなくて、実情に合わせた規模、そして、業者の負担に応じた、そして東京都がきちんと以前のような形で支援をするということによって、かなりの負担の軽減というものができるのではないかというふうに私たちは思っているわけですけども、そういうことをするには、市場の中だけの枠の中でするのではなくて、東京都全体のこの位置づけの中で、食文化とか、それから観光とか、食育とか、そういう大きな視野で東京都が市場の再整備を考えることが必要だというふうに考えているわけですけれども、どうでしょうか。

○佐藤参考人 先ほどもいいましたように、本来私たちも、ずっと私もそのときにはいましたけれども、この再整備ということについては想像していなかった、そういう拠点市場としてだとか流通センター、そういうことはほとんどなかったという点では、本当によりいい市場になってもらいたい、安全な市場になってもらいたいというところから出発していろいろやってきたんですけど、確かに今いわれているように、業者を取り巻く状況は大変厳しい状況があります。
 そういう点では、より多くの負担ということは、例えば施設使用料の、二倍、三倍の値上げになった場合にはもうほとんどやっていけないという実態があると思うんです、今我慢している人でも。しっかりそういう点では負担を軽減するなり、そして今おっしゃられたように、市場の中だけの枠ではなくて、本当にこれは、国を挙げて、自治体を挙げて、しっかりこの市場を守るということ。先ほど私、最後の方で、市場の大事な役割で、価格形成、機能評価を守るということ、これが大きく、巨大市場になって、そして大手中心のところでやると、価格はもうほとんど一方的な形で--それは時には生産者に、産地に、そして買い手に、これは本当にきめ細かい、今やっている中でもまだまだ問題はありますけど、しかし、根底的に土台が崩れてしまうという点では、業者を守っていくということが大変私は重要ではないかなと。今、本当に守っている人たちを少しでもやめさせないようにというか、やめてもらっては困るということで、本当にそういう点ではやらないと、今いろんなところに、新宿だとか、ここもそうですし、六本木だとか、大資本が経済をつくっているような感じで何かやってますけど、しかし全国の中でも、ああいう築地市場、ほかの市場もあると思うんですけどね、小さな人たち、いわゆる庶民が集まって大きな力を生んでいる、中央区だけでも築地市場の存在は年二兆円という経済効果を生んでいるそうですけど、そういう本当に身近なところで庶民が一緒になってやる、そういう経済というのは私はこれからすごく大事な--先ほど市場の問題、地方の市場がどんどん今、難しい状況にいるということも含めて、そこも立て直ししながら、ぜひ国レベルというか大きな枠の中でひとつとらえてもらいたいというふうに思います。
 以上です。

○岡田委員 本日はありがとうございます。民主党の岡田でございます。
 私はきょう参考人のほとんどの方々に、業界の方々の業者のお一人お一人に意向調査をする必要があるのではないかということでお尋ねしているわけなんですけれども、今、佐藤様のお話を伺いまして、青果の仲卸の九二%の方が築地でやりたいというふうにおっしゃっているということ、それから、きのうもそうして小売屋さんを歩かれて、お一人お一人のお話を伺ってきたということを伺いまして、何団体のうちの幾つの団体が反対している、賛成しているといったようなことではなく、やはり働いているお一人お一人のご意向というものを調査することが必要だなということを改めて思っております。
 私たち都議会民主党としましても、これまでのA案からC案までの現在地再整備案と豊洲での計画案両方を皆様に検討していただいて、そして、どういうお考えか、どういうご要望があるのかといったところまでご意見を聞く必要があると思っておりますけれども、確認させていただきます。佐藤様のご意見もお願いいたします。

○佐藤参考人 私もこの三案についていろいろ勉強してきましたが、ずばり一〇〇%いいというのがないというか、やはりそれぞれが問題があるんで、最初からそこだけの入り口で、三つの入り口でやるということは、今の段階では、まだ業界だとか行政がしっかりまとまっていない点では、私はちょっと急ぎ過ぎているんじゃないかなというような懸念があるんですね。
 もう本当に築地をしっかり再整備する、それを本決まりにして、先ほど私もいいましたけど、後には戻らない、その中で具体的にこういう案、こういう案というのをぶつけていけば、今までもそういうふうに、いろんな難関を乗り越えてきた市場の人たちですから、それはそんなに時間はかからないで私はできると思います。ただ、今もそういう点では、心のところというかいろんな違いがあるという点で、その三案について、どれがいいかとなると、大変私は難しいというふうに思います。
 以上です。

○岡田委員 済みません。私の質問の仕方が悪かったのかもしれませんけれども、その現在地再整備案と豊洲の計画案を、それを改めて並べながら業界の皆様方お一人お一人の意向調査をしたいと思っているわけなんですけれども、それについてのお考えをお願いいたします。

○佐藤参考人 私もそういうところまで踏み込んでまだまだ、仲卸さんの方にも、それから小売屋さんの方にも聞いていないんでわかりませんが、何しろまだまだ動揺している、そういう業界の中では、何回もいっているように、まず現在地再整備ということを、もうくどいようですけど、しっかり固めるということが重要ではないかなというふうに思います。
 晴海の問題だとか、それから豊洲、特に今、民主党案は晴海という、そういう種地や何かについての具体的な問題が出ているので、そこも含めて私は、やはりまだまだ業界の人たちが案を出せる、そういう機会があれば、そこら辺は解決できる問題というのも出てくると思うんですけどね。
 済みません、同じことになりますけど、まず一本にまとまることがすごく大事じゃないかなというふうに思いました。
 以上です。

○西岡委員長 他にございますか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○西岡委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 佐藤参考人からの意見聴取はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○西岡委員長 異議なしと認め、佐藤参考人からの意見聴取は終了いたしました。
 佐藤元会長、本日は大変お忙しい中、貴重なご意見まことにありがとうございました。心より厚く御礼申し上げます。
 それではどうぞご退席ください。

○西岡委員長 参考人をご紹介いたします。
 東京都水産物卸売業者協会会長の伊藤裕康さんです。
 本日は、ご多忙のところ、小委員会にご出席いただきまして、まことにありがとうございます。小委員会を代表いたしまして御礼申し上げます。
 本日は、築地現在地再整備計画に向けての検討事項案について、ご意見をお伺いしたいと思います。
 なお、伊藤参考人には、ご着席のまま発言していただきたいと思います。
 それでは、よろしくお願いいたします。

○伊藤(裕)参考人 ただいまご紹介いただきました、築地の市場において水産物の卸売業者、七つの会社でございますが、そこで構成されております卸売業者協会の会長をしております伊藤でございます。
 私は、今回ご提案のございました築地再整備の案、結局六つの案でございますか、これをざっと拝見いたしました。そこで、まず私が申し上げたいのは、何度も申し上げているんでございますが、この築地再整備ということを課題にして、そうして私どもが実際に今までやってきたわけです。そして、それができなかったと、挫折したということをはっきり申し上げたい。その教訓を何で生かせられないんだということを、これこそ私、痛切に今思う思いです。本当に心が痛んでおります。
 きょう皆様にお届けした資料がございますけれども、それの一番最初に、カラー刷りのもので、今までの経過を簡単に私どもの立場でまとめた資料が、たしか四部ですか、四枚そろってございます。
 今まで振り返ってみますと、昭和六十年、ちょうど数えてみますと今から二十五年前でございますが、この昭和六十年に本願寺大会というのがございました。ここにはほぼ市場の関係者、ほとんどがそれも責任者でございます、この人たちが出席して、約三千人といわれておりますけれども、本当に市場の総意で、市場の業界総意で、これは築地再整備しかないと、我々、ここでやってくれということを強く発言いたしまして、東京都を初め各所に、このことを意見として強烈に打ち出したのが昭和六十年でございます。それの記録すべき新聞の切り抜きを今皆様のお手元にお届けしてございますけれども、ちょっと古くなって恐縮なんですが、これはまさにそのときの記録でございます。
 それから、その翌年、東京都さんは、築地再整備でいこうということを決定されまして、そうして整備計画にこれを盛り込まれたということでございました。これが昭和六十一年でございます。ここで方針が、そういうふうに決まったわけでございます。
 ところが、それから現実にどうやって築地再整備をやるんだということで、約五年間かかっておるんですよ。そうして平成三年でございますね、そこで、いわゆるローリング方式でこれをやっていこうということで、やり方が決まりました。いろいろ設計ができました。六つに分けて、それぞれの街区から徐々に直していこうと。そうして最終的な絵はこういうことになるんだということで、やっていこうじゃないかということで決まり、業界もこれを受けて、そうして、ここに書いてございますように、平成三年、つまりそこまで、やろうというところから計画が全部まとまるまでに五年かかっています。そうして、その五年のことを経てスタートしたのが平成三年でございます。平成三年、一九九一年になります。今から十九年前ですよ。そうして、これがスタートしてやり始めたんだけれども、おっとどっこい、うまくそのとおり運ばなかったと。
 なぜ運ばなかったんだということは、このお届けした資料に縦書きで書いてある部分がございますけれども、そこに書いてございますが、例が四つほど書いてございます。どうしてつっかえたんだと。
 それは全部原因は、民でございます。官の方はすべて、例えば立体駐車場を建てる、あるいは大きな勝鬨橋に面した、いわゆる厚生会館というビルがございますけれども、これをわざわざ全部、このビルを浮かして、そうして後ろへずらすという大きな作業をいたしました、何年もかけて。しかも、大変な経費をかけてやりました。これは、そうしないと通路が確保できないということから、そこまでやっているんです。
 あるいは、川から資材を持ち込まないと、現実に商売をしながら、仕事をしながらの再整備は無理だということで、そして、川から資材を運び込む構台までつくりました。我々の競り場も徐々に直していこうということで、仮設を幾つかつくって、それは現在もなお、仮設のままで我々は使っております、やむを得ず。我々の仲間の会社では、事務所を引っ越せということで引っ越しまでしました。そして、それも仮住まいで、また変わるよということで、その前提で今なおそこに入っております。ここまでやったんです。官が全部やったんです。
 やってくれたんだけれども、民でつかえたと。その代表的なのは、今皆様のお手元にお届けした資料として二つございますけれども、一つは、平成七年の十月に、業界の三団体、いわゆる卸、仲卸、小売、この三団体の長がそろって、平成七年に至って、平成三年からスタートしているんだけれども、どうもちゃんとはかどらない、もっとしっかり早くやってくださいということを要望申し上げた。
 ところが、それから一月もたたない間に、小売の会長、この方と、そして茶屋組合、買い荷保管所、こういう方々が連名で、おっと待ってくださいと。こういう条件をのんでいただかなければ、我々はこの再整備の命令に従えませんと、これに乗れませんと。そうでなければ、これはもう我々一切協力しませんと。ストップしますと。こういうことでした。
 残念ながら、この茶屋のところが第一工区なんですよ。第一工区でストップがかかっちゃった。しかも、これは四年目でですよ。それで、それから以後、いわゆる再整備は全部とまっちゃったんです。民でとまったんです。しかもその前提は、業界が全部一致してやろうということで決議までして、みんなが大勢で集まって、そしてすべての責任者が集まって、いこうといって決めたのにかかわらず、こうやってこの四カ所のそれぞれの問題が出てきて、そうして、とまっちゃった。東京都がとめたんじゃありません。実際に現実に商売をしながらやっていくわけですから、いろんな不便があるんです。みんなが我慢していかなければ、みんなの総意が集まらなければ、うまくいかないんです。それなのに、一カ所、二カ所、三カ所、四カ所、みんなつっかえちゃった。五年もかけて練った計画がですよ、それが全部とまっちゃったんです。それで、これじゃあしようがないということで、見直しということになりました。
 今の文書のやりとりがあったのが平成七年ですけれども、平成八年、一九九六年になりますね、今から十四年前になりますか、十四年前に至ってストップと、そうして見直しと。じゃあどうするんだということの中で、豊洲地区という話が出てきて、そうしてそれへの移転という話が出てまいりました。
 私どももまた、こうやってこれだけ、僕らにしてみれば本当に血のにじむような努力をしたわけですよ、みんなが犠牲を払いながら。それでもだめだったんです。そのときに、いわゆる青果が二階に行くということで、そこへ上るためのスロープまでつくってあった、スロープの入り口が。我々はそれをジャンプ台と称していました。そうして、そのスロープをしようがなくて最後に撤去しました。この撤去をするときにだれが反対しましたか。だれも、ああ、邪魔なものがなくなってよかった、でしたよ。それぐらい自然に築地再整備は無理なんだと、幾らやったって無理なんだということが私たち身にしみてわかったんです。その教訓が、なぜ今生きていないんですか。僕らは体を張ってやってきたんですよ。みんな不便を忍んで、それでもだめだったんです。また同じことをやろうというんですか。
 今の案は、三つにくくられた案ですが、暫定的に、一時的に引っ越して、またもとへ戻ってくるという案、あるいは、一部だけ移転をして、そうして仮設にして、そうしてローリングでやろうという三つの案でございますが、しかし、それにしても年数が最低で見ても十数年かかる。そこにいろんな問題が出てくれば、じわじわ年数はかかります。
 今の情勢の中で、今の市場環境の中で、そういうことが許されるんでしょうか。都民の方々への安定供給、あるいは出荷者の方々から日々荷物をお受けして、そしてそれを公正な取引の中で、私たちはやってきております。その仕事が十数年、あるいはさらに二十何年も、仮設だ、仮設だと、仮の姿だといいながら、不便を忍んでやっていく我々も大変です。しかし、それ以上にお客様に迷惑をかける。それから出荷者に迷惑をかける。流通に迷惑をかける。そういうことで、本当にこれが成り立つんでしょうか。
 今、どれくらいの期間で、どの程度のお調べか、私はよくわかりませんけれども、この築地再整備と聞いただけで、我々は身をもってこれが無理だということを知っているわけですよ。体験しているわけですよ。それをまた同じことを、ここにテーマとしてお出しになること自身が、私はこれは無理なことだということをあえて、何度も申し上げざるを得ない。きょうここに改めて、そのことを申し上げたいと思います。
 何よりも、最終的に市場ができ上がるまでに、仮移転なり何なりがあって、A案、A-2案、B案、C案ですか、それができても最終的にできるまでの期間が長過ぎる、あるいはそれによって恐らく市場会計でいけばかなりの経費がかかるでしょう。そして、それが私たちの使用料にはね返る。使用料が、私どもは何回も申し上げているんですが、現行の使用料で手いっぱい、これ以上、上げられては困るんです。それを何度も東京都さんには私どもも申し上げています。
 そういうことも含めて築地再整備という課題でこれをお決めになることは全く無理だと。しかも、業界の意思をしっかりお受けとめいただきたいということを申し上げて、私の意見を申し上げます。これでよろしいでしょうか。

○西岡委員長 ありがとうございました。
 伊藤参考人の発言は終わりました。
 次に、伊藤参考人に対する質疑を行います。
 なお、伊藤参考人に申し上げます。ご答弁の際は、手を挙げて、委員長の許可を得てから発言していただきますようお願いいたします。
 それでは、発言を願います。

○長橋委員 公明党の長橋でございます。伊藤会長におかれましては、今思いを語っていただきました。我が会派にもたびたび来ていただきまして、移転推進、豊洲へと思いを聞かせていただきました。きょう改めて、伊藤会長のほとばしる思いを聞かせていただきました。
 築地再整備、破綻したにもかかわらず、その教訓がなぜ生きないのか、こういうことでご発言がございました。にもかかわらず、この小委員会、現在地再整備の可能性について、きょうで小委員会九回目でございます。夏休みをかけてやってまいりました。その中で、きょうたびたび民主党の委員からも発言がございました。再び意向調査をするべきだ、こういうご発言がありました。いわゆる、この意向調査をするには前提が必要であろうかと思います。今、伊藤会長がお話ししたとおり、工期についても、この出てきたA、B、C案、最低でも十年ですけれども、十一年、また長いのは十七年、さらに延びる可能性がある、どれだけ延びるかわからない、こういうことであります。どれだけ工期がかかるかわからない。伊藤会長は、現在地再整備がとんざしたときも、工期は大幅に延びるということでとんざしたわけです。業界の合意が得られなかったと、こういうことであります。
 また、伊藤会長が一番最後に申されておりました使用料、これは建設費が、事業費がどれだけかかるか、これについても示された案は工事費であります。それ以外の土壌汚染、やったらどうなるのか、また埋蔵文化財はどうなるか。この間、委員会でそれについても明らかにしましたら、示された千七百億、千八百億、千三百億、三千億円になるんじゃなかろうかと、これもわからない。
 先ほど、現在地でぜひ整備してもらいたい、こういう方もおりましたけれども、その方も、じゃあ工期はどれぐらいかはわからない、こういうふうにいっているわけです。そういう時点で、使用料が上がるのは間違いない、財源不足が生じるわけでありますから。そういう意味で伊藤会長、もし意向調査をやる、お受けになるのか、また、意向調査を今することは、私は今やることによって混乱を招くと、このように思うわけでありますけれども、伊藤会長のご意見を伺います。

○伊藤(裕)参考人 意向調査については、今、先生もおっしゃいましたけれども、もっと具体的に、今お話が出ましたように、どういう形で築地再整備をやるのか、今のこの程度の案ではだめなんです。もっと詳しく、きちんとして、そして仮設の場合はこうだと、仮設に関する設備はこうだと、お金はこのぐらいかかるんだと、そして問題は、工期なんですけれども、最終的に完成するまでこのぐらいかかると。条件はこうだと。あるいはこういうことが、もし今おっしゃるようないろんな課題が出てくれば、またさらにそれが延びるのか、どうなのか。
 私は少なくとも、例えば業界調整だけでも、ここにプランをつくるだけで五年かかっているわけですから、かつて。同じぐらいのものがかかるんだろうと思うんですね。そうすると、最低でも十一年ですから、それに五年はかかっちゃうと。それに、ほかの要素がある。例えば土壌汚染だとか、あるいは文化財の埋蔵があったりしたら、一体何年たつんですか。我々が生きている間には、とても新しい市場に入ることすらできませんよね。それで、そんなことが、そういうことをきちんとした絵をお示しくださって、そうして、それと今の豊洲移転のプラン、ある程度は具体化しております、それらと比較してどうなんだということでお聞きになるなら、まだ前提があるかと思いますけれども、今のような中途半端な段階でお尋ねになっても、それは意味がないと。
 ただ豊洲へ引っ越した方がいいのか、築地がそのままでいいのかと聞かれれば、だれだってそれは動きたくないですよね。お金も使いたくないですよ。ですから、それはただ単に、それじゃあだめなんです。きちんとした条件をお示しいただいて、そうして意向調査をやるんならやると。そういうことでなければ意味がない。
 それからもう一つは、例えば私どもの業界の場合には、私たちはたった七人で済んじゃいます。これはすべて経営の判断です。ですから、我々の場合は極めて簡単でありますけれども、しかし、市場の中には大勢の、たくさんの業界もございますので、それらをどうなさるかというのは、もっときちんと、中身がもっと具体化してきちんとした中でのお尋ねでなければやっても意味がないと。単なる問いかけに終わって、答えも、それなりの意味を持ったきちんとした答えは出てこないだろうというふうに思います。
 なおかつ、もう一つつけ加えておきたいのは、市場というのは、都民のものなんです。都民に対して物を安定供給していくという、このことが市場の一番の役割なんですね。そのことが、じゃあ業界だけのその意思だけで決められるのかということもございます。そういうことも含めて、単なる、現時点でお話が出ているような意向調査というのは、私は大変疑問に存じております。意味がないと思います。

○長橋委員 今、意向調査について意味がないと、こういうご発言で、私もそのように思います。伊藤会長はかつて、ことしの経済・港湾委員会の参考人にもお忙しい中ご出席をいただきました。そのときに、使用料がうんとかさむようでは、とてもじゃないけど、そこで仕事をすることはできませんと、このようにいわれました。今同じ発言もまたお話をいただきました。今いった話の、またさらに多層化になれば、重層化になれば、ランニングコストはさらにかさむわけでございます。
 先日、特別委員会として大阪に行ってまいりましたけれども、当初の使用料がさらにアップした、このようにもいっておりました。今回の案でも、豊洲に移転して一・五倍以下と、こんな話も聞いていると思いますけれども、さらにそれの一・六倍から一・三倍になる、このようにいわれているわけでありまして、例えば卸では、会長のところもそうでしたけれども、大変大きな情報システム、コンピューターですね、これを導入して市場の仕事に取り組んでおられるんですけれども、これを移転するとなると、これも大変な費用がかかる、相当な負担がかかるんだと思いますけれども、こういうことが可能なんでしょうか、お伺いします。

○伊藤(裕)参考人 今、コンピューターのお話が出ましたけれども、コンピューターに限らず私どもの場合には一日も休むことが許されない、そういう状況ですから、きょうまでここでやると、前のところでやると、そして、あしたからは新しいところでやるという状態にしなきゃいけません。コンピューターだけではございません。事務所から、すべてです。したがって、いわゆる二重の投資が必要になると思います。
 しかも、現在の案で伺えば、A-2、B、Cすべてですが、私ども卸は二回引っ越さなきゃいけない。そうすると二回その手間を使わなきゃいけない。経費がまた莫大ですよね。もちろん、これは東京都さんに持っていただかなきゃ困るんですけれども、ただその経費を持っていただくだけじゃなくて、我々自身の心理的な負担、それからいわゆる人間の使い方、あるいはその人たちの採用の仕方、これらも含めて、その絵がかけない。
 したがって、今、このA-2案、B案、C案では、いずれにしても、私どもはこれに耐えることはできない、そう思っております。

○鈴木委員 自民党の鈴木あきまさでございます。きょうはありがとうございます。
 今まさに最後のお言葉、提案をされているこの現在地再整備案、すべて受け入れることができない、もたない、まさに業界はもたないんだというお話をいただきました。現在地再整備と取り組みながら、それがうまくいかなかった原因は、まさに民にあったんだと。営業を続けながら建て直していく、ローリングをしてでも、晴海という種地を使ってでも建て直していく、現在地で建て直していくということは、これは今まで議論してきてうまくいかなかったという歴史から学んでほしいんだということを、改めて今重く受けとめさせていただきました。
 それで、今までの参考人の方々からのお話も、ひょっとしたら伊藤会長も聞いていらっしゃったのかもしれませんけれども、私も一つ疑問に思いましたのは、工期の問題にしても、それから、使用料がもうとにかく高くなるんだという問題も、何とかなるんじゃないか、やればできるんじゃないか、こんなような、結局皆さんおっしゃっている結論がそこにあるわけなんですね。
 ところが、現実的にいって、今回のA案、B案、C案、A-2案にしても、日本を代表する設計事務所が、本当に短時間の間に、ある程度、要するに豊洲という皆さんが理想に描くこの施設のスペックというものを考えながら置き込むにはどうしたらいいのかということを図面に置き込んで、それで十七年だ、二十年だ、二十五年だ、かかるんだと、こういう事実をお話をしているにもかかわらず、やればできるんだ、五年でできるんじゃないか、十年でできるんじゃないかというようにおっしゃっている。非常に私も矛盾に思うわけでございます。
 そういうような長期にわたる再整備というものを強いられる状況の中で、この現在地再整備を行う場合に、これはもうできないんだとおっしゃっている伊藤会長に聞くのは大変失礼だと思いますが、一番重要になることは何なんでしょうか、お伺いをしたいと思います。

○伊藤(裕)参考人 とりあえず私、冒頭申し上げましたように、築地再整備の現在のお話を伺って、私どもが一番困ることは、まず期間の長いこと、読めないこと、いつになったらでき上がるんだかわからないこと。そして、仮設の期間が長いこと。今、我々市場の取引は、もう常に安心・安全が要求され、そして消費者の方は非常に敏感であります。そういう中で、いわゆる仮設の状態の中で、本当に安心・安全な取り扱いができるのかと、それだけの設備がきちんと整うのかと、仮設という条件の中で、それだけの設備投資ができるのかと。これも第一、私の心配でございます。
 さらに、その上に、冒頭申し上げておりますように、経費が増嵩することによって、私どもの実際に負担する使用料がさらにさらに高くなるということは、全く我々自身が仕事ができないと、ここに入っていってやることすらできないということでございますので、とにかくこの二点だけでも、私はこれに反対でございます。

○鈴木委員 今お伺いをしましたように、この現在地再整備をこれからやっていこうということは、その業界団体が受け入れることが本当にできるんだろうかという危惧を持っているわけなんですが、本当にこういったもので業界団体がまとまっていくんでしょうか。その点についてご意見を伺いたいと思います。

○伊藤(裕)参考人 私は今、築地の市場協会の会長もしております。全部の団体がここに入っております。それの会長もしておりますし、また一方では、新市場建設推進協議会の会長もしておりますけれども、そうした業界のいろいろな方々、責任者の方々、そういう方々といろんな機会にいろんなお話が出ますけれども、この中でも、築地再整備がいいんだというお話は私、ついぞ聞いたことがない。一部では、もちろん民主党さんを初め一部の方々で、もう移転はできない、築地でというお話があるのは存じておりますけれども、私たちの重立った団体の幹部の方々と幾らお話ししても、築地再整備というお話、全くそういう話は出てまいりません。
 私どもは、もし仮に築地で再整備するとなれば、これは大変な事業です。しかも何十年とかかる、これこそが業界の総意でやらなければ絶対にできません。業界の総意で始まったやつですら、二十五年前にこれだけやって、それですらとんざしたんですから、今からやるとなればなおなお大変です。これだけのことが、みんなの意思がそれだけ結集できるかといったら、私は全く自信がございません。それは無理です。

○岡田委員 民主党の岡田でございます。本日は、夕方、この日曜日にありがとうございます。一つ土壌汚染のことで質問させていただきます。
 伊藤様の豊洲市場への移転ということのご賛成のお気持ちは、よくわかりました。それで、仮に豊洲新市場の移転というのが明らかになったとしても、豊洲の土壌汚染対策というのは引き続き万全を期していくことが私は大事だと考えております。しかし、東京都の対応を見ていると、新たに豊洲の盛り土から汚染物質が検出されるなど、おぼつかないものがございます、ご存じのとおりだと思いますけれども。ことしの予算議会において、東京都は、豊洲新市場を開場させるに当たって、汚染された土壌が無害化され、安全な状態になっていることが前提だと答えていますが、伊藤会長も豊洲新市場への移転に当たっては、汚染された土壌が無害化され、安全な状態になっていることが前提だとお考えでいらっしゃるでしょうか、その点お聞かせください。

○伊藤(裕)参考人 今、岡田先生のおっしゃるとおりでございます。私どもは、もちろん安心・安全が第一前提でございますので、土地が、いわゆる汚染されているものが完全に取り除かれて、そうして安心して私どもがそこで仕事ができるという環境を整えていただくこと、これが第一前提でございます。これはもう全く、同じ意見でございます。その思いは私ども全員が、我々協会も、各社長共通しての意思でございます。

○清水委員 共産党の清水です。よろしくお願いします。
 先ほど土壌汚染の問題がありましたけれども、今都民が一番、豊洲への移転はやめてほしいと願うのは、この土壌汚染の最近の実験でも、東京都が、中身はもう時間がないからいいませんけど、ご承知のようにずさんな実験をしてきたと、さまざまなデータ隠しをしてきたというようなことで、一体何を信用したらいいのかわからないというような感想を持って、ますます豊洲の土壌汚染問題というのは深刻化しているなというふうに都民が考えているということで、私たちもさらにそれを思うわけです。
 それで、先ほどこの間の業界の経過をお話しになりましたけれども、私も昨年、築地市場はなぜだめになったのかという審議が特別委員会でされたときに、東京都への要望とか業界団体の方の要望を全部出してくれといいましたら、段ボールに二箱も三箱もあるんだというようなことで、本当に長い間たくさんの要望が出されてきたということを知りましたし、それから、じゃあ、それらの要望がどうなっているかという会議録なども全部見ました。そうすると、やっぱり結論だけをいいますと、私は、教訓を生かしてほしいといわれましたけれども、このとんざした原因というのは、東京都自身にあると思うんですよね。
 ですから、それを今生かさなければいけないということで、これからの再整備に当たっても、やはり豊洲ではもう土壌汚染がきれいにならないんだから築地でということで、工期、費用の問題、負担の問題、それをやはり当時の教訓を生かして、東京都が当時以上に支援をして進めることが必要だというふうに思うわけですが、いかがですか。

○伊藤(裕)参考人 私はこの前、委員会の議事録を拝見し、なおかつ傍聴に二回ほどこちらへ伺ったときに、同じように先生がご発言になっているのを伺いました。そして、とんざした原因は東京都にあるとおっしゃっておられて、あれさえなければ、あのときにやめていなければ、今ごろもうすっかりいい市場ができていたんじゃないかというお話まで私は伺いました。
 しかし、それは違うんです。違うからきょう、あえてそのことを意識してまで、この資料をお持ちして私はご説明しているんです。とんざしたのは、民なんです。官じゃないんです。みんなとまっちゃったんです。みんな反対したんです。全部じゃありませんよ。僕らみたいに一生懸命協力して、犠牲を払ってやってきたところもいっぱいあるんです。しかし、てこでも動かないと。これで動けといわれたって無理だと。おれたち食っていけないじゃないかと。そうして反対したところが、強烈なやつが一番代表的なのは、今、資料にお届けしてありますけれども、そういう団体が連名で反対だと。しかも移転まで考えろと、その時点からいっているんですよ、その人たちは。そういうことがあったんです。
 決して東京都がとめたんじゃありません。民がとめたんです。再整備の声も業界が一致して、やってくれと、築地しかないんだということを挙げたのも業界です。そして実際に、東京都はそれに伴ってやっていただいた。しかもプランまで練って、練りに練って、練ったやつが、みんなこれでいこうよといって合意したやつが、それが実際には始めてみたら、とんざしちゃったと。そのとんざした原因は、すべて民です。
 ここに四つの例があえて書いてございますけれども、それは先生、どういうふうにお調べになったかわかりませんけれども、私が身をもって体験しています。そして、具体的な資料は、こういうことがあるんですよということをお示しするために、きょうお持ちしたんです。それをよくごらんいただきたいと思います。

○西岡委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 伊藤参考人からの意見聴取はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○西岡委員長 異議なしと認め、伊藤参考人からの意見聴取は終了いたしました。
 伊藤会長、本日は大変お忙しい中、貴重なご意見まことにありがとうございました。心より厚く御礼申し上げます。
 それではどうぞご退席ください。

○西岡委員長 参考人をご紹介いたします。
 東京魚市場卸協同組合理事長の伊藤宏之さんです。
 本日は、ご多忙のところ、小委員会にご出席いただきまして、まことにありがとうございます。小委員会を代表いたしまして御礼申し上げます。
 本日は、築地現在地再整備計画に向けての検討事項について、ご意見をお伺いしたいと思います。
 なお、伊藤参考人には、ご着席のまま発言していただきたいと思います。
 それでは、よろしくお願いいたします。

○伊藤(宏)参考人 東京魚市場卸協同組合の理事長をいたしております伊藤宏之と申します。前の発言者が伊藤裕康さんですので、お間違えのないようにひとつよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、私の意見を述べさせていただきたいと思います。
 私、今回の市場の移転問題に関しましては、まず第一に考えなければならないのは、どういう市場を今後つくっていかなければいけないのか、これが大前提にあるはずでございます。私ども業界は、これからの市場のあり方、これについては、現状の経由率の低下の原因でありますとか、現在市場においでになっているお客様の分析でありますとか、あるいは市場に入った荷物がどのようなお客様に多く渡っているのか、こういった分析をもとにして今後の市場のあり方を語るべきであろうと私は考えております。
 現行、仲卸を経由しております魚の過半数、半数以上のものは、やはり量販の皆さんであるとか、あるいは外食産業であるとか、大型の消費者の方にその荷物は流れている。しかも、それを取り扱っている仲卸、これは上位、どうでしょう、二〇から三〇%の仲卸がその荷物を取り扱っている。したがって、大型の仲卸業者が大型のお客様に対して市場に入った魚のかなりの部分を流通している、これを前提としなければいけないんではないでしょうか。とすると、築地市場の将来は、大規模な拠点市場という位置づけの中で今後の再整備をしていくのが常識論であろうというふうに考えます。
 それから、築地市場は、やはりお客様を考えた場合には、当然のことながら、総合市場として機能するべきであると考えます。したがって、青果、水産の機能を分けるとか、市場に入ったものを流通する拠点を二つに分けるとか、こういった理論は成り立つべきではないと考えております。それから、市場の構造は、当然のことながら立体的構造であってはならない、できる限り平面の中で物流を考えるべきであろうというふうにも考えます。
 したがって、そういったものをすべて取り込んだ今後の市場機能を大いに発揮できる場所はどこであるのか、どういう土地が求められているのか、これはいうまでもないというのが私の持論でございます。そして、今回の、きょうの議案といいますか、私どもに求められている内容というのは、今回示された四案、これに対する是非であるかというふうにも考えてこの席に参りました。
 今回の四案については、私どもは設計者からの説明は受けておりません。与えられた図面を見る限り、また文言で書かれた内容を見る限り、やはり今私が申し上げた将来の目指す市場として適当な案だとは考えられません。
 まず晴海に全面仮移転をして築地へ戻るという案、それから、B、C案については、一部機能を晴海に残して、いわゆるツインマーケットという発想の中で機能を分散しての生き残り策、これについては私はなかなか賛同いたしかねるわけでございます。それは、前段で申し上げた理由の中から判断をいたしました。
 それから、市場へのアクセス手段、これが環境対策を含めてという議論もおありかと思いますけれども、いわゆる公共交通機関をこれからの大拠点市場である築地市場の機能を高めるための施策としてこれを選択するというのは、大きな間違いでございます。これからのそういった機能を発揮していくためには、やはり道路網の整理、それから入退場のスムーズ化、そして駐車場その他のお客様に対する、あるいは出荷者の皆さんに対するケアを取り込んだ市場をつくるべきであろうというふうに考えます。
 したがって、豊洲の案がどうであろうかということよりも、土壌汚染の問題、これは私も非常に大きな関心事でございますから、この結果については、開設者である東京都が責任を持って、この処理でほぼ間違いのない処理が済んだという宣言だけは、ぜひしていただきたいと思います。
 それから、今回のA並びにA-2案でございますけれども、工期は確かに十一年、あるいは十七年という期間を示されておりますけれども、その前に来る、いわゆる晴海の住民の方々との合意形成、あるいは環境アセスの問題、さらには築地市場の中での業界との合意形成、あるいは土壌対策法の対象になる土地なのかそうでないのか、あるいはそういった対象になったときの調査の期間がどのくらいかかるのか、費用がどのくらいかかるのか、そういったものをきちっと前提として出していただかないと、今回の現在地の再整備の完成するまでの期間がどのぐらいなのか、判断が全くつきません。
 私ども仲卸は、前回の参考人招致のときにも私は申し上げましたけれども、この十年間に、三割の仲卸は数を減らしております。これがA-2案で示された十一年で市場が完成するとして、今いった住民との合意形成、業界の合意形成、あるいは土壌汚染処理の調査、あるいはそれに改良時間がかかるとしたならば、私は六十三年の基本計画の例を見ても、建設期間にプラス十年は必ずかかると思っています。
 私どもは、二十年という期間、仲卸が今の環境の中で生き残れる自信はございません。もう我が組合は、組合員の意見を一致させて、そして、今後の私どもの生き残るための対策を卸さんと一緒に、また開設者も含めて、市場の生き残り策を真剣に考えるところに来ているわけでございます。したがって、二十年、その期間を置いての私どもの生活、営業は、本当にどうしようもない状況に入ってしまうのではないか、そういう危惧をいたしております。
 そして、最後に申し上げたいのは、私ども、この市場のあり方というのは、本来は市場の業界人が話し合って決めるべき性格のものであると感じております。しかし、数回にわたる国政並びに地方選挙の中で、この問題を取り上げられて、築地に市場を置くべきではないという論を展開された中で、本日のように、この議会の席にこの決定権をゆだねたということに対しては、私は非常に残念に思いますし、また出た結果が万が一途中でとんざをしたときに、どなたが責任をとっていただけるんでしょうか。
 この二十年間にわたっての再整備の期間に廃業を余儀なくされた仲卸、あるいは営業上いろんな支障を来す仲卸に対して、議会として責任をとっていただけるんでしょうか。また、現在地再整備をするに当たって、足りない予算の部分、これは一般会計から導入をされるのか、起債をされるのか知りませんけれども、都の年間の予算を組まれるのも当然のことながら都議会であると私は思っておりますので、そういったものに対する責任は、この議会がきちっと負ってくださるんでしょうか。これをぜひ、そうなる前にお願いをし、その確約をとる前にこの問題に踏み込むということはなかなか難しい問題ではないかというふうにも考えております。
 時間がちょうどなりましたので、まだいろいろと申し上げたい件がございますけれども、以上をもって私の意見開陳とさせていただきたいと思います。よろしくお願いをいたします。

○西岡委員長 ありがとうございました。伊藤参考人の発言は終わりました。
 次に、伊藤参考人に対する質疑を行います。
 なお、伊藤参考人に申し上げます。ご答弁の際は、手を挙げて、委員長の許可を得てから発言していただきますようお願いいたします。
 それでは、発言を願います。

○伊藤委員 都議会公明党の伊藤興一でございます。よろしくお願いいたします。
 今、理事長の方から非常に重い、また深いお言葉をいただきました。議会として、この判断をしていく責任、こうしたことも私たちはしっかりと肝に銘じて、これからも議論を進めていかなきゃいけない、また早期にこの検討結果を出さなくちゃいけない、このように改めて決意をしたところでございます。
 改めまして、私たちのこの小委員会、今特別委員会のまた小委員会として、ここでこのように開かせていただいているところですけれども、この小委員会の最大の目的、これは、再整備の可能性を検討する、再整備の可能性があるのかどうかということを検討するのがこの小委員会でございます。その意味で、本日参考人としてお越しをいただいているわけですけれども、短期間ではありましたけれども、本当に当局に頑張っていただきまして設計案を出していただきました。この案を見ると、今申し上げたように再整備の可能性があるのか、要するに建てることができるのかできないのかと、これを設計図を見ると、私は建てることはできるんだというふうに思いました。ただし、どのように建てるのか、どのように建てたのか、これこそが私は大事である、このように思いました。
 今、理事長の話の中にもありました。どのように建てるのか、この建てる期間の間、どのようなことが起きるのか、工期については大変に重要な、もう死活問題の大きな課題になると思います。今も理事長からるるお話がありましたけれども、余りにも長い工期であります。一年二年ではできないわけです。この工期が与えるダメージ、それぞれの皆様に与えるダメージ、このダメージを考えると、実際に二十年たってできてみたけれども、だれもいなかった、これじゃもう市場にならないわけであります。
 そこで改めて伺いますけれども、この工期について、長ければ長くなるほどダメージがあるということですけれども、具体的にどういうダメージになっていくのか、この辺ちょっと伺いたいと思います。

○伊藤(宏)参考人 私は、昭和六十三年の基本計画以来、現在地再整備の担当委員長として、平成八年の基本計画変更まで現在地再整備を懸命に考えてきた一人でございます。その中で、工期の長い間には、いろんな問題が起こります。
 まず工区の工事の仕上がり方、これは過去の例をとるならば、一つとして予定を縮めてできた工事はございません。それから、必ずその工事の間で、業界人の方からいろんな注文が出ます。これを調整するのに、その工事に入る前に大変な時間を要しました。そして、途中で、六十三年の基本計画はとんざいたしましたが、今回もし現在地で再整備を完工できたとして、その間にかかった経費は、減価償却費という形になるんでしょうか、私ども業界に対して、施設使用料という形ではね返ってくるわけでございます。
 今回も豊洲の案に対して、A案を取り上げるならば一・六倍という数字が出ておりました。これを現行に換算しますと二倍、二・四倍になります。B、C案にしても一・三三倍という数字が出ておりました。これを換算すると約二倍になります。これに耐えられるんでしょうか。さらに、工事の期間中に、工事区間に営業動線をどう組み込むか。これはさんざん苦労した問題でありました。この工区の中の営業動線を確保できないと、出荷者からの荷物、また卸から仲卸の荷物の物流、仲卸から買い荷保管所、あるいは買い出しの方々に対する物流のアクセス、これが予想以上に難しいんです。こういった問題は、もうまさに末端であります消費者の方々と接点におります仲卸に、もろにかぶってまいります。
 したがって、先ほども申し上げましたが、十年間で三割の仲卸業者が廃業に追い込まれた、この現象がどこまで進むのか、非常に私は心配であります。したがって、今回のこの長い工期にわたる現在地再整備については、できることはできると思いますよ、前回でもできたはずです。しかし、でき上がったときに、私どもがどれだけ残っていられるのか、また最初に申し上げたように、これからの市場の流通に値するものができ上がるのか、二十年間の間には、物流構造もまたまた大幅に変わりますから、そういったものに適応できるのか、非常に心配であります。

○伊藤委員 ありがとうございます。
 先ほども冒頭申し上げたとおり、この小委員会の目的は、再整備の可能性を検討すると。この可能性というのはさっき申し上げたとおり、建つのか建たないのかということよりも、これから先、将来のことを考えて、この市場のあるべき姿、可能性を秘めた市場であるのかどうか、これが私たちが検討していく上で一番大事なことだ、このように私は思っております。
 今回の出された再整備への案でありますけれども、そういった観点から、今後五十年先まで責任ある市場として可能性がある市場なのかどうか、端的にお答えいただければと思います。

○伊藤(宏)参考人 五十年というスパンは非常に長いですね。ですから、その間に今申し上げたように、環境の変化は、かなり大きな変化があると思います。
 したがって、今度つくる市場は、そういった環境の変化に備えられる市場をつくるべきだと思うんですね。できることならばオープンスペースをたくさん持った市場、それから、施設の構造は、そんなに強固なものでなくてもいいんではないでしょうか。現状をクリアできるもの、特に衛生面ですね、これをクリアできる施設をつくっていただきたい。そして、その後の環境の変化に対応できる部分を残せる市場、これは豊洲であっても築地であってもですが、そういった市場をつくっていただきたい。ぎりぎり面積を全部使った、そしてもう、これ以上何もできない、今つくったものが先生今おっしゃったように、これから先、五十年通用しなければならないものをつくる必要はないというふうに私は考えます。

○高木委員 自民党の高木です。よろしくお願いいたします。
 伊藤参考人におかれましては、本当に何度も都議会に足を運んでいただいて、大変貴重なご意見いただいております。本当にありがとうございます。
 きょうは、現在地再整備の可能性の検討ということで、先ほど来お話が出ておりますが、その時間とお金、それから時間に対するコスト、あるいはそのリスク、そういうものを度外視すれば何でもできちゃうんですよ、できるとすれば。それはやればできるっちゃできるんですよ。だけれども、そういう話じゃなくて、伊藤参考人がおっしゃられたように、恐らく二十年というスパンで考えたときに、十年で三割の仲卸の方が廃業されていった、それを二十年にすれば、十年十年で区切ればちょうど半分ぐらいになってしまうという、そういうお話だと思うんですね。ですから、私たちはその時間に対するコストとリスクというのをしっかり考えながら、実は平成二十六年の開場に向けてどうすべきかということを議論をしているんだと思っています。
 ですから、この時点で議論をすべきことは、そういうことをすべて含めた上で、じゃあ現在地再整備の可能性というのは本当にあったろうかということなんだろうと思っています。
 先ほど伊藤裕康参考人からは、今回のような中途半端な案では考えられないと、すべてを比較をすることもできないし、そういうことはできないんだというご意見もありました。
 そこで、お伺いしたいんですが、つい数カ月前ぐらいからだと思いますけれども、意向調査、つまり個別の店舗、業者さんに対して意向調査をすべきだというご意見が都議会の中でも一部会派から出されております。
 私はこのことは、業界を飛び越えて、だれがどのような責任でやるかという問題も含めてなんですけれども、意向調査をやれやれといっている方がいるんですが、これはやっぱり非現実的だというふうに私は思っていますが、伊藤参考人はどのように思われますか。

○伊藤(宏)参考人 この件は、私どもの組合の中でも、非常に大きく声が上がっております。私がなぜそれをやらないのか、できないのか、それは現在地で再整備ができる。これは今、高木先生がおっしゃるとおりです。やればできるんです。ただ、その前の、先ほども申し上げましたけれども、もろもろの合意形成をどうとるのか、現在地の築地市場の跡地が土壌対策法の調査対象になるのかならないのか、なったとすればどういう形でその調査をするのか、その期間にどのぐらいかかるのか。
 また、そういったものを全部クリアして、できたものの施設はどういうものなのか。例えば仲卸売り場の、マンションではありませんが、間取りはどういう間取りになるのか、そういったものは何も示されてないんですね。
 ただ、工期は最短距離で十一年でできますよ、こういう手法を講じればここでもできますよ、それだけで議論をするならば、全く将来自分たちがどういう状況に置かれるかの議論なくして民意を問うことになりますから、これは非常に危険な答えになると私は感じております。
 ちょうど平成十年に、私どもは宮城市場長のもとで意向調査をやりました。そのときは全く逆でありまして、豊洲というものの具体性は何もない中で、豊洲か築地かの議論をしました。そして、我が組合は四分六の割合で現在地再整備に決まったわけです。その後のねじれが今の理事会にも続いているんですよ。今でもそのときのしこりが残って、賛成、反対の数がそれで左右される場面があるんですよ。
 それをもう一度やれとおっしゃるのか、それとも、十分なそういう広報の期間を置いて、すべてが整った上でやるのか。やるとすれば、準備期間が非常にかかります。先ほど申し上げたように、二十年でももたないといっている。さらにそこにプラスされるわけですから、その余裕は私はない。
 それから、今やっと新しい築地での再整備案が四案出ました。先ほど申し上げたように、設計者からの説明を受けなければなりません。その上で、築地でやるとすればこういう案ですよ、前後にはこういう問題が残ります、使用料はこうなりますよということを全部整備して意向調査をするなら、よろしいんじゃないでしょうか。今の状況の中でそれを実行するということは、まさに強引な移転を反対されたのと同じで、強引な意向調査に入るということに対しては、私は非常に大きな危惧を持っております。
 以上でございます。

○高木委員 先ほど都議会にげたを預けられたというようなお話がございましたけれども、都議会のこの委員会は、現在地再整備の可能性を今調査をしているわけでありまして、いろんな意見がありますけれども、私は先ほどいったように、お金の問題、財政の問題点、それから時間、そしてそれに対するリスクとコスト、そういうことを総合的に考えると、やはりしかるべき結論が一定の時期に出るだろうというふうに信じて疑いません。その部分におきましては、伊藤理事長はいろいろといいたいこともあるでしょうし、先ほど来の参考人招致のほかの委員の方の発言も聞いていらっしゃったと思いますので、あえて私は申し上げませんが、いろいろいいたいこともあると思いますが、ひとつ今後とも私たち一生懸命都議会も頑張っていきますので、よろしくお願いしたいと思います。
 以上です。

○岡田委員 民主党の岡田でございます。本日はありがとうございます。
 伊藤理事長は、八月三十一日付の「都政新報」のインタビューにお答えになられ、反対運動をする人たちの中には反対することで補償を多く取りたいという人たちがいると述べていらっしゃいますけれども、理事長でもある伊藤さんのこのような発言に驚いていらっしゃる仲卸の方も多いようでございます。水産仲卸の中に反対することで補償を多く取りたいという人たちがどの程度いるとお考えでしょうか、お聞かせください。

○伊藤(宏)参考人 具体的には、私は個々の組合員と話をしておりませんから、それがどのくらいいらっしゃるかということは、存じておりません。ただ、反対なさる方の中には、行きたいけど行けない方、後継者がいないから、もう行かないという方、それから、もう自分一代で、ここで骨を埋めたいから、築地に愛着があるから、ここで再整備をしたいという方、そういう方はいろいろいらっしゃいます。
 あのときの「都政新報」からの取材の中で、今反対をなさっている方の中にどういう方々がいるかという質問がありました。それで、今のことを答えたわけです。ただ、その中には、今ここで骨を埋めたいという方々のためには、私は組合の理事長として、その方々は営業権を放棄するわけですから、それに対して、それなりの補償をしてあげる道が求められているんではないだろうか、それを一つのセーフティーネットとして私は東京都さんに求めたい。だけども、移転という問題をはっきり決着をつけて、移転という方向を向かないうちに、そういったものに手を出すことはできませんという議論の中で、そういう一つの表現をいたしました。
 したがって、そういう方が私のところに直接、おれは補償が欲しいから反対するんだといっている方は、今のところいらっしゃいませんが、私はそういう表現の中で申し上げたことでありまして、それを記事の中ではきちっと出てきた、私も読んでおりますから。そういうふうにとらえていただければよろしいかと思います。

○岡田委員 わかりました。ありがとうございました。
 それから、次に市場機能についてお伺いしたいんですけれども、今回出されましたA-2案では、加工パッケージを除き、卸と仲卸、大口荷さばき場、転配送センターが一階フロアに集約され、豊洲案と違うのは、補助三一五号線がない分、その分競り場と仲卸売り場が隣接していることが特徴となっておりますけど、これは水産仲卸としてのお仕事として見た場合、純粋にこのような配置についてはどのように思われますでしょうか。

○伊藤(宏)参考人 今、岡田先生がおっしゃったとおり、卸、仲卸は、隣接するのが最高の理想の考え方でございます。
 ただ、問題は、豊洲の三一五の下の動線、あれをトンネルと解釈するか、通路として解釈するか、市場の一部分として解釈するか、これによって理論が変わってまいります。
 当初、七街区、六街区の接続アクセスは、延べ九十メートルでした。私、猛烈にこれに対して異論を唱えまして、現在百二十メートル、さらにその百二十メートルに加えて、二十メートルのもう一つの、高さは低いですけれども、動線が確保できるということになっております。
 私、七街区、卸から六街区、仲卸に荷物を横持ちする通路として四十メートルの幅のアクセスは三本も必要ないと考えております。あの中の半分あれば十分です。で、残ったものに何をつくるか、橋の下に施設はできないという議論があるようですが、そこをうまく利用することによって、卸売り場と仲卸売り場の接点は、非常に逆の意味で有効利用ができると考えております。
 したがって、改めて豊洲の設計に入った段階で、私はその理論を十分に申し上げて、導入していただくように考えております。それを実現することによって、卸、仲卸売り場の要するに距離、これは十二分に解消できると思うし、それをうまく利用することによって、逆にいい効果が生まれるんではないか、そういうふうに私なりには考えております。

○清水委員 共産党の清水です。よろしくお願いします。
 きょうは何人もの方から、業者負担をどうやって減らしているのかということについてもお聞きしているんですけれども、一つは、先ほど新市場の機能、あり方については、いろいろご披露されておりまして、ちょっと私たちとは考えが違うんですけれども、それはさておいて、違うところはさておいて、過去の現在地再整備と今度の新市場、豊洲にしろ、築地にしろ、これを見ると、業者の負担が独自に定められているわけですね。過去の現在地再整備のときは、この間の委員会で東京都が答弁していましたけれども、東京都が整備をするということだったんです。ところが、今度は民間と公との負担区分をするんだということで、民間が負担をするところがふえたので、私たちとしては、そこをやはりもう一回改めなければ、業者負担がふえていくんではないかということも申し上げたんですね。
 それで、さらに、やはり過去の現在地再整備の先ほどのお話がありましたけど、要求がたくさん出ると、業者の方からいろいろ要求が出るということになれば、東京都の支援が本当にそこで、全部とはいわなくても、ある程度それを受け入れなければ前に進んでいかないという点で、私は東京都のこれからの負担、先ほどもちょっとお話しになりましたけれども、非常に重要だと思うんですけれども、その点だけお伺いしたいと思います。

○伊藤(宏)参考人 今回の市場づくり、今清水先生おっしゃったように公費と民間と組み合わせた建築費用になるという認識は、私は持っておりません。豊洲は当初PFIでやるといっていたものが、その後東京都の経費で建てるというふうに変更したというふうに私は認識をいたしております。
 したがって、今回もし現在地での再整備に変更になったときも、改めてそれを議論するんでしょうか、それとも、PFIは考えの外に置いて、東京都が東京都の費用で建てる、そういうことになるんでしょうか、私はそこら辺の認識がちょっと薄いのか、間違っているのか、わかりませんので、的確にお答えするわけにはいかない部分があるんですけれども、いずれにしても基本計画、今回示された図案というのは、恐らく基本計画相当に達しているかどうか、その段階だと思うんですね。そうすると、あの案を、前回もそうでしたけれども、我々仲卸の売り場については、いろいろな不備な点を訂正していただく作業がかなりの時間かかったんですね。そういったものを積み上げたときに、私は今回示された費用では間に合わないというふうに考えます。
 したがって、そのときのいわゆる工事費といいますか、これはさらに増大するだろう。これは大阪の例を見ても、それから築地の現在地再整備が途中でとんざしたあの経緯を見ても、すべてかなりの経費が膨らんでいるわけですから、そういったものに対する、それこそ先ほどの議論ではないですけれども、議会としての対応をどのようにしてくださるのか、これも非常に関心のある部分であります。そんな程度しか答えられませんが、よろしくお願いいたします。

○西岡委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 伊藤参考人からの意見聴取はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○西岡委員長 異議なしと認め、伊藤参考人からの意見聴取は終了いたしました。
 伊藤理事長、本日は大変お忙しい中、貴重なご意見まことにありがとうございました。心より厚く御礼申し上げます。
 それではどうぞご退席ください。

○西岡委員長 参考人をご紹介いたします。
 築地市場青果連合事業協会副会長で特命担当の泉未紀夫さんです。
 本日は、ご多忙のところ、小委員会にご出席いただきまして、まことにありがとうございます。小委員会を代表いたしまして御礼申し上げます。
 本日は、築地現在地再整備計画に向けての検討事項案について、ご意見をお伺いしたいと思います。
 なお、泉参考人には、ご着席のまま発言していただきたいと思います。
 それでは、よろしくお願いいたします。

○泉参考人 ご紹介いただきました青果部の泉でございます。
 少々自分のことを紹介をさせていただきたいと思います。
 私、特命担当副会長という肩書をちょうだいしておりますが、昭和五十三年、母体である八百屋の組合の理事を拝命して、そのときから実は当時の大井市場担当役員ということでかかわってまいりました。
 その間、副理事長を経て、六十一年、ちょうど再整備協議会の始まった年に理事長を拝命しまして、今日二十五年目に当たっております。その間、昭和六十一年から十六年間、事業協会の会長も兼務をいたしまして、そして移転の方向が出た段階で、通常業務から離れて、このことだけに特化するという意味で、特命担当副会長を拝命して今日に及んでいるわけでございます。
 本論に入ります前に、きょうは幸いにして、九時半から全員の参考人の方のご意見を聞くことができました。少々ばてて、声もおかしくなっておりますが、幾つかの点で勉強になったと同時に、事実誤認があることについてだけは訂正をさせていただきたいと思います。
 まず、一点、午前の中で、青果部の卸が仲卸に対して圧力をかけたというご発言がありましたが、これは卸の社長、仲卸の両理事長、きょうお三方とも来ておりますが、全員に確認をして、事実ございません。むしろ逆はあるかもしれませんけれども、卸さんから仲卸さんに圧力をかけると、あるいは我々買参に圧力をかけるというようなことは一切ございません。
 それから、意向調査について、青果部についての発言が幾つかございましたが、これは私どもの福重会長が申し上げたとおり、従業員に持っていって、はい、回答、そして書かせて持っていったものも含めたことでありまして、果たしてどれほど信憑性のある調査であったかということについては、我々は当時から疑問視いたしております。
 九二%の反対ということは、その間どうやって理事会なり総会が持ってきたのか、全部仲卸さんもクリアをしてきているわけですから、あり得ない数字であります。そのあたりをちょっと訂正をさせていただきたいことと、先ほど終わられました、伊藤会長、伊藤理事長と重複を恐れずに、もう一点だけ、この再整備がどうしてだめになったかというあたりを、私、六十一年当時の会からいた唯一の現職として申し上げたいと存じます。
 伊藤会長がおっしゃったように、とんざは行政の責任ではありません。というよりは、行政に業界調整をすることができなかったんであります。今回の築地問題というのは、すべて業界同士が真摯に、そして誠実に話し合いをしながら積み上げてきたものであります。
 後ほど申し上げますが、特に青果の二階案というのは、全く行政の関与しない中で、水産物卸売業者協会、伊藤会長の二代前の加藤会長が、当時事業協会の会長でありました私のところに来て、いろいろあるけど、青果はどうだろう、二階に上がってくれないかというご依頼をいただいて、そして青果部が十分に議論をして答えを出すまで、加藤会長は一切外に持ち出すことなく、黙っておったわけですね。
 私は議会のことはよくわかりませんが、議会も肝になる議案や問題について、いきなり表に出してということはないと思うんです。今回の例でいえば、前回の参考人招致でも私は申し上げましたが、青果は二階に上がってくれというなら、なぜあらかじめ電話一本ないのですかと。かつての業界のやりとりの中で、こんなばかなことは一度も起こりません。
 それはなぜかといいますと、嫌なことを他人に強いるわけですから、まずその意向をちゃんと聞いて--当時のことを思い返せば、私もなりたての会長でありましたから、弱冠三十六歳でなって七歳のとき仲卸全店集会というのをやりました。もうこぶしを握って、私自身いつ殴りかかるかわからないぐらい罵倒もされましたし、さんざん嫌な思いもしながらやってきたわけですが、最終的に五十対五十に近いような、採決をしたわけではありませんが、執行部一任を取りつけて、築地市場の再整備の灯を消すなと、上がりましょうとなったわけです。
 なぜ上がらなきゃいけなかったかということを先に申し上げなきゃいけないんですが、当時の再整備案というのは、水産は水産のエリア、青果は青果のエリアでローリングでやろうとしたわけです。前回も申し上げましたけれども、当然ながら面積は広がりません。道路をとれば逆に詰まります。そして、もう半年もしないうちに行き詰まって、加藤会長がどうだろうかという打診をされてきたわけです。
 そして、先ほど伊藤会長が申し上げたように、この六十一年の会議の中で、それは進めたい方が犠牲を払っていく、しようがないことですね。ある理事長さん、胸をたたいて、私どもが真っ先に犠牲になりますから、ここから第一工区を始めてくださいと、ご立派だなと、なかなかいい切れない。自分の組合員をどうやって説得するのかと、私なんかも本当に敬服をして聞いておりました。
 わずか半年後にはできないと。これはこの方の指導力だけの問題じゃなくて、業界固有の問題があります。自分の店のエリア、あるいは自分が仕事をしているエリアに線を引かれて、ここだよといわれるまで、ほとんどの方は興味を示してくださらないんです。青果部についていえば、私どもの組合はビデオ情報提供事業というのをずっとしてまいりましたから、私が出る、ビデオに出演をする、あるいはペーパーを配る、理事会は昭和六十一年二月から、常に第一議題は築地再整備、今は新市場建設、変わりません、二十数年間。そして、定時総会、そして春の新年総代会、必ずこの築地問題の報告をしてまいりました。
 それでも、理事者であろうと、総代の中であろうと、十分な理解が得られていないというのが現実でありますので、先ほど青果の一部参考人から、買参人はみんな移転は嫌だよというような発言をきのう聞いてきたとおっしゃいますが、いかがでしょうか。あんな汚染している豊洲に行きたいかって聞いて、はいという人はいますか。一体彼がどういう聞き方をしたかが実は問題なのであって、私どももこの豊洲に対する移転を誘導したことは一度もないわけで、私どもの組合では、全員投票もいたしております。それも無記名でなくて、我々はバッジを持ってますから、記名投票して八三%の移転意向を取りつけた上で、今日まで進んできているわけです。
 それでも、果たしてこの八三%の方が全員理解して移転を推進、賛成してくれたかということは不安でありますから、常にビデオを流す、書類を流すことをやめずにやってきたわけですね。
 そういう前提がございます。
 さて、ご下問の件ですが、今回のすべての案については受け入れがたいという結論だけ先に申し上げます。
 まず、第一点、仮移転、晴海仮移転という問題ですが、これはもう再三伊藤会長初め、私どもの同志がお話ししたとおり、仮移転というのは非常に言葉はいいけど、これは移転です。晴海に行くということは、移転を一回してまた返ってくる、また移転するんです。
 かつて鈴木俊一都知事が汐留問題があったときに、私ども幹部とじっくり話をしたことがあります。皆さん、東京都は二つ市場をつくる予算的な余裕がありませんと明確におっしゃいました。仮移転といったって、まさかバラックで、水道も下水もないようなところへ行けるはずがない、生鮮食料品ですから。当然、市場を二つつくることになります。当然、我々も二回移転することになります。これはとてもではありませんが、体力的に無理です。
 もう一点、私、京橋法人会という組織の総務委員長を拝命しておりますが、既に晴海地区の幹部から、おい、泉、知らせろよ、おまえら、まさか来ないだろうな、はっきりそういわれています。いずれ反対運動が起こると思います。これ以上築地問題で周辺に賛成だ、反対だという、皆さんが預かられる都民を二つに割ったり、三つに割ったりするような事態は避けていただくのが議会のあるべき姿ではないかと、生意気なことを申し上げます。
 青果の立体案、これもさっき申し上げたように、もしどうしても青果に上がれというのであれば、きちんとした手続を踏むべきです。いきなり、はい、あんたたち二階です、四階です。出しておいて、こうもしました、ああもしました、だからいいじゃないか。違うんじゃないでしょうか。
 では、逆に水産の皆さんが、おまえら二階といきなりいわれたら怒りますよ、それは。ここら辺の機微をぜひご理解もいただきたいし、議会運営の中で恐らく先生方は非常に気を使いながらおやりになっている部分かと思いますので、あえて生意気なことを申し上げました。
 そして、最大の問題は時間です。
 今まで私自身が理事長二十五年目です。三十六歳で拝命して、もう還暦過ぎました。これから十年待て、十五年待て、二十年待て、無理です。とてもじゃないですが、受け入れがたい話ですし、もちろん私自身がそこまで理事長をやっているつもりもありませんし、こんな流通の環境の変化の激しいときに、二十五年も足踏みして、さらにまた十年、二十年の足踏みを強いるという発想に私は理解ができないということであります。
 そして、さっき申し上げた業界合意形成のあり方、かなり問題があるわけで、今までの水産、青果、関連のやり方というのは、紳士的にやってきました。六団体という報告をしていますが、青果は三団体なんです、本当は。仲卸、卸、小売、ちゃんとあるんです、団体が。ですが、あえて一にしているのは、伝統的に青果は常に卸、仲卸、小売が一体になれるということがあるのが一つと、もう一つは兄貴分たる水産に対する配慮です。数だけで青果三、水産四で関連入れて八とやって、青果の分が三あるから、これで多数じゃないか、そういうやり方をしたくない。少数意見も十分聞かなきゃいけない。ですから、最初から青果は一という形でやってきたわけですね。ここらあたりも、ぜひご理解をいただきたいと思っております。
 伊藤理事長もおっしゃっていましたけれども、最後に、B、C案のような、総合市場を破壊するような、あるいは市場としての機能をわざわざ分散してだめな市場を二つつくるというような案には全く同調することはできません。
 以上のような理由から、受け入れがたいということを申し上げてきたわけですが、少し時間が経過して申しわけないんですが、多分意見を述べさせていただく最後の機会だと思いますので、もうしばらくお話を聞いていただきたいのでありますが、ここまで業界団体をまとめてくるには、多くの方がこのさなかにお亡くなりになったり、そして職をかわられたりして今日まで来ています。
 このことをもし議会がひっくり返すとおっしゃるのであれば、私個人でいえば、とてもこれから、また現在地再整備について、仲間を説得し、組合員に理解を求めるなどという気持ちもありませんし、気力もございません。
 どうしてもこの問題を議会として進めていかれるというのであれば、先ほど伊藤理事長もおっしゃっておられましたけれども、東京都が業界調整をすることは不可能なことは、二十数年間経過しておわかりのとおりで、先ほど一部委員から、東京都は責任を持ってやりなさいとおっしゃいましたけれども、業界調整というのは書いて字のごとしで、業界同士が調整するから業界調整なのであって、行政が絡めばそれは命令です。そんなことはあり得ないんです。
 そして、日々仕事をしながら建てかえるという問題になれば、例えば神田の例を出しますが、神田も大変な騒ぎをして大田に行きました。ですが、大田市場は神田で毎日営業する人がだれも見ていないところで工事をやったんです。ですから、あれだけ反対があってもできたんです。しかし、現在地再整備は、例えば私が反対に回ったら、毎日私は反対運動します、そこで。どうやって工事するんでしょうか、ぜひそこら辺の機微をご理解いただきたいのと、神田のああいう苦しい戦いを、都も、議会の先生方も大変お苦しみになったと思います、生かしていただきたいと思います。
 そして、結果です。築地ブランド、きょうもいっぱい出てきましたけれども、今世界じゅうで神田市場という人は一人もいません。日本の野菜のメッカは大田、海外でも大田です。市場業界でも一人も神田をいいません。もう十年も経てからずっとそうなんです。私は伝統を守るべきだと思いますが、一方で伝統はつくっていくべきものであると。
 我々の先輩諸氏が苦労してつくって、我々がどうにかここまで守り抜いて、今大変築地は取り扱いも落っこってひどい状態にあります。一部きょうの発言の中でも、規模を詰めてやればいいじゃないか、冗談じゃありません。次の世代に希望を残すために、我々はいい市場をつくりたい、いいステージを残したい、やってきたわけですね。今沈んだ規模のまま、これでいいじゃないかとつくったら、我々の次の世代はどうやってジャンプアップするんでしょうか。ぜひ、これだけ沈滞化した日本の経済の中でも、築地はまだ頑張ってやっている若い者が大勢いるんです。その人たちが本当に希望を持って、その彼らの次の世代に築地をつないでいくための明るい夢を議会の皆さんに与えていただきたいと思っています。
 いずれにしても、早急なご結論を出していただかないと、時間切れになると思います。
 長時間済みません。

○西岡委員長 ありがとうございました。
 泉参考人の発言は終わりました。
 次に、泉参考人に対する質疑を行います。
 なお、泉参考人に申し上げます。ご答弁の際は、手を挙げて、委員長の許可を得てから発言していただきますようお願いいたします。
 それでは、発言を願います。

○伊藤委員 都議会公明党の伊藤興一でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 私の方から、まず今回この小委員会において、民主党の発案によって、A案、A-2案、B、C案、こういう案が出てきたわけですけれども、見て私も本当に唖然としましたけれども、いずれも青果がやれ晴海に行けとか、三階に行けとか、四階に行けとか、本当に計画の中で一番負担が大きくなっているのは、私は青果だと思います。
 先ほども副会長がおっしゃっておりましたけれども、きょう朝ずっと副会長、後ろから全部一部始終この質疑を聞いてくださっておりましたけれども、民主党さんは一貫して、意向調査を行うべきだといっておりました。
 私は逆に、きょう副会長にぜひ聞きたいのは、この案をつくるに当たって、負担が一番大きくかかる青果に対して、少しでもいいから、そういう意向調査はあったのかどうか、意向を聞く、そういうことがあったのかどうか、そこを改めて伺いたいのと、出てきたこの設計について、率直にいって魅力ある市場なのか、あるいは実現性がある市場なのか、この辺を伺えればと思います。

○泉参考人 三点ご下問にお答えします。
 もちろん民主党さんからも一切、青果は二階に上がっていいのか、あるいは青果は上の案でいくよということは電話一本ございませんでした。
 それから、設計でございますが、これは細かくいえば切りのないことであります。B、C案については、全く論ずる気もありません。なぜかというと、市場機能を分断させる、あるいは水産、青果の総合性を損なう。
 皆さんいいというA-2案ですが、私は非常におもしろい現象だと思ったんですが、当時、我々は東大工学部の風洞研究所まで行って、換気という問題について勉強しました。なぜかというと、当初の案では、二階に上がった青果の上に、四十メートル角の換気口を六つ建てるというんです。この部屋近いものを六つ建てられたら、死角だらけの市場になっちゃうわけですね。これについては、即座に引っ込めていただいて、勉強に行きました。簡単な話、床面積と高さが正比例して自然換気は能力を発揮すると、非常に簡単にお教えいただきました。
 さて、このA-2案です。
 地下に駐車場をつくりますよね。どんなにアイドリングストップかけたって、入っていってとめるまではみんなエンジンがかかっています。しかも関連事業者の店舗があります。食堂があります。どのように換気をするんでしょうか。一階から、これはもし自然換気なら青果の天井まで通さなきゃいけないという換気になります。
 もし強制換気であれば、中心からどこへいくのも二百メートルですから、これは高速道路並みの強制換気をつけないとできません。前回もそれは私ども勉強しましたし、現在朝日新聞の下で地下の駐車場を運営しておりますので、いかに照明と換気にお金がかかるかということは、あの規模ですら大変な額になっているわけですから、今度のあの規模でこれを達成するとすれば、莫大なランニングコストを覚悟しなければならない。
 しかも豊洲汚染で問題になっているベンゼンでありますが、排気ガスからたっぷり出るわけです。これをどのように排除していくんでしょうか。ベンゼンが嫌で築地に戻って、またベンゼンの塊の地下をつくって、換気も十分にしない。まことに不思議な案だと。しかも青果は二階に屋根がないから、とてもいいじゃないか。冗談じゃありません。せっかく豊洲に行って、雨の中で作業をしていたものを屋根かけして、ようやく我々の仲間が雨にぬれずに荷物を積めるとなったのが、また雨ざらしで積むんでしょうか、私どもは。まことに配慮のない案だといわざるを得ないと思います。そして、実現性はもちろん不可能だと考えています。

○伊藤委員 ありがとうございます。
 前回、泉参考人に来ていただいたときにも、過去の現在地再整備、これが本当に大変だった。何が大変だったか。合意形成をつくるのに本当に大変だったというご苦労を伺いました。しかし、始めてみたらやっぱりだめだった、こうおっしゃってました。今回、こういう再整備案で三階にということでもありますし、この内容で合意をとっていく可能性はあるのかどうか、それが一つと。
 もう一つまとめてお聞きしますけれども、この工期については十一年とも、二十年とも、それ以上ともいわれておりますけれども、青果にとってこの長期の工事期間というのは、具体的にどういうダメージになるのか、伺いたいと思います。

○泉参考人 初めに、工事期間の方をお答えしますと、私の個人的な例を申し上げます。
 私の会社の営業が、私は納入業を中心にしている八百屋ですから、営業をかけました。給食関係の会社です。真っ先にいわれたのは、きちんと密閉されて温度管理された部屋で帽子をかぶってピッキングしてくれますね。残念ながら、うちの企業規模では、一件、二件のお客様にそこまでの重装備はできないんです。ですが、今回は豊洲の二階に、あえて二階に青果平面流通プラス二階をつけているのは、そういった特化した流通、これはなぜ移転するかという我々の肝になる部分ですが、そういうものを卸さんがいろいろ考えて、零細な我々でも平米で借りて、そういう施設を使っていける。要するに、大手資本と競合して納入業を続けていけるという肝をつくっています。
 ところが、これがもし現在地再整備で十五年、二十年、お客さんは待ってくれません。うちの営業担当は、ずうずうしくもこういって帰ってきました。五年待ってください。豊洲へ行ったらうちはできます。それは私が常に社内でいっているからなんであります。
 これは一例でありますけれども、五年でも限度です。ここまで二十五年かかっているんですから、大井市場から考えれば、もう四十年になっちゃう話なわけですから、ここはこの工事期間というのは、受け入れがたいということになろうと思います。
 もう一点は、もしこの現在地再整備をまとめろといわれれば、私は即座に理事長をおりたいと思います。ぜひ先生に理事長をかわっていただきたいと思います。

○高木委員 自民党の高木です。
 泉参考人におかれましても、たびたび都議会にお越しいただいてありがとうございます。
 振り返ってみますと、かつての参考人招致のときに、青果、晴海に行ったっていいじゃないかということがきっかけになって、今回また二階に上げる案だとか、そういうことが議論をされるようになったのかな。そのときに、泉参考人は、私の記憶が確かならば、傍聴されて、大変お怒りになられて帰られたと聞きました。そのときの発言者は山崎治雄さんだったと記憶をいたしております。
 だれに連絡もなくというか、それぞれの立場がある中で、おまえ、あっち行けよみたいな話というのは、これはやっぱりよくない話だと思うし、また総合市場という観点から考えても、当然青果と水産、これは一体であるということが原則だと思います。
 ですから、今回四つの案が示されて、中には一回行って帰ってくる案、また行ったきりの案というのはあるわけですけれども、そういう意味では泉参考人にお伺いをするまでもなく、そういうものについては論外だということだと私は思っています。
 そういう中で、私は端的に泉参考人に一点だけ伺いたいと思います。
 東京都は、仮に現在地再整備という方針に、私は戻らないと信じておりますけれども、戻った場合に、それは泉参考人含めて、業界の皆さん、どのように考えられるんでしょうか。

○泉参考人 一言でいえば悪夢です。また二十数年前に戻って、あれをこの年になってから繰り返す気はとてもありません。私は個人的にいえば、今度は私が反対の立場に回ることになろうと思います。

○高木委員 私は泉参考人から、この間の参考人招致を通じて、いろいろと市場の実情ですとか、あるいは気持ちを含めて、業界の皆さんのお気持ちを含めて、いろいろなことを教えていただいたような気がいたしております。
 その中で、非常に印象に残っておりますのは、やはり希望の持てる市場をつくりたいんだと、希望の持てる市場をつくって、次の世代に夢と希望を持って事業をやってもらいたいんだ。そういう意向が先般の参考人招致でも示されておりますし、きょうもそういうことにお触れになられておりますけれども、まさにそのことが私たちの責務だと思っています。
 ですから、希望の持てる市場という意味では、やはり総合市場であるということと、そして使い勝手がいい、あるいは先ほど排ガスの問題も指摘をされました。空調の問題も指摘をされました。そういうものをもろもろ考えた上で、やはりしっかりとした将来性のある市場をつくっていくということが必要なんだろうなと思います。
 それと、もう一つ先ほどの質問とも関連をしているんですが、前にもかつて、東京都の方針が現在地再整備に戻った場合には、業界に対しては死ねというに等しいというように発言をされていたような気がいたしております。そういうことも含めて、このたびのこの参考人招致において、いい足りないことがまだきっとおありになるんだろうと思いますので、私たちは現在地再整備には決して戻らないという気持ちで、私ども都議会自民党も含めて、今やっておりますが、ぜひまた一言決意を含めて、泉参考人のお気持ちを聞かせていただければと思います。

○泉参考人 大変ありがたいご下問です。
 一言でいえば、とにかく頑張ってやってきたことを貫きたい。そして、少なくとも、何年かして私どもが市場を去り、地上を去ったときに、次の世代が、あいつら、大変だったろう、よく残してくれた、この市場をと豊洲でいっていただきたいと思っています。

○岡田委員 民主党の岡田でございます。本日はありがとうございます。
 豊洲に移転ということで、ご希望ということですけれども、この間土壌汚染が発覚して、そしてまたまた盛り土の汚染まで出ておりますけれども、そういった事実が次々に明るみに出ることによって、どのようにお考えになっていらっしゃるでしょうか、お気持ちをお知らせください。

○泉参考人 これも先ほど伊藤会長が申し上げたとおりで、私どもも当然ながら、八百屋という商売ですから、毎日組合員が買い物に来たお客様から、主婦の皆さんは新聞、テレビしかご存じありません、我々のような情報を持っていませんから、その範囲で、あんな危ないところに行って大丈夫なのといわれているそうです。それも日々聞いています。
 私どもは、東京都に対しては、決して何でもいいよなどという態度では臨んできておりませんで、きちんと汚染を除去してください。そして、汚染を除去する時間、経費、その他を考えれば、現在地でやることを考えるよりもはるかに短い期間で答えが出るでしょうと。
 前回も私は申し上げましたが、東京都営市場でなりわいを立てる私どもが最終的に東京都を信じられなかったら、どのように営業していいのか、よくわかりません。そして、もし行政がきちんと対応してくださらない状況があれば、先生方がしっかり厳しく監視をしていただければ、十分それで私どもはそれを担保に安心して入場できると思っています。

○清水委員 共産党の清水です。よろしくお願いします。
 案をつくった側ではないんですけれども、青果の方の晴海移転だとか、それから上層部への移転だとかという問題については、議会で、この小委員会でいろいろ議論して、他県の状況なども見まして、それで青果の方にかなりの支援をしなければ、整備はうまくいかないというような議論もしたことだけは、ご承知いただきたいというふうに思います。
 それから、一点だけ確認をさせてください。
 PFIについて、東京都は中止したわけですけれども、負担の割合について、先ほど伊藤さんは、認識というのは、負担はもとへ戻ったんだと、つまり東京都が建設費、全部整備するんだという認識にあったといったのかな--このPFIが中止になった場合に、負担のことについてお聞きしたいと、どういう認識でおられるかということだけお聞かせください。

○泉参考人 PFIは大変わかりづらい手法でございまして、私どももなれるまでに相当勉強して、十分な理解ができないままにPFIはやめたということになっちゃったわけですが、この業界負担の部分についていえば、一般論としてお聞きいただきたいと思いますが、私どもの仲間の市場、例えば足立市場が北足立へ、神田市場、荏原市場が大田市場へ移転したときに、どういう手法がとられたか。
 それは、業界に卸売り場何平米必要ですか、仲卸の店舗の規模はどのぐらい必要ですかという聞き方をしました。それは、ユニットプライスが変わらないからです。ですから、業界は自分のところで払える目いっぱいの面積を要求して、あるいは将来の伸びも含めてかもしれません、大田へ入場し、北足立へ入場したわけですね。
 私どもも当然ながらこのことについては、再三数代前の市場長とかなりのやり合いをしながら、どうしてもこのユニットプライスについては簡単に出ないということでありましたから、では、我々は今の使用料体系の中で払える目いっぱいの面積を要求しますと、多分伊藤会長もそういうニュアンスでおっしゃったんだろうと思いますし、私もそういう認識でおりますので、これは今後、現在使用料あり方検討委員会という委員会がございまして、私どもも委員になっておりますので、その中でじっくりと話し合いをしてまいりたいと思っております。

○西岡委員長 他にございますか。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○西岡委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 泉参考人からの意見聴取はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○西岡委員長 異議なしと認め、泉参考人からの意見聴取は終了いたしました。
 泉副会長、本日は大変お忙しい中、貴重なご意見まことにありがとうございました。心より厚く御礼申し上げます。
 それではどうぞご退席ください。
 以上で参考人の意見聴取を終わります。
 以上をもちまして本日の小委員会を閉会いたします。
   午後六時四十三分散会