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Tokyo Metropolitan Assembly

公営企業委員会速記録第五号

令和二年三月十八日(水曜日)
第十委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長伊藤しょうこう君
副委員長田の上いくこ君
副委員長山口  拓君
理事大松あきら君
理事河野ゆりえ君
理事増田 一郎君
平  慶翔君
上田 令子君
川松真一朗君
佐野いくお君
中山ひろゆき君
とくとめ道信君
長橋 桂一君
鈴木 章浩君

欠席委員 なし

出席説明員
水道局局長中嶋 正宏君
技監相場 淳司君
理事総務部長事務取扱岡安 雅人君
職員部長木村 健治君
経理部長金子 弘文君
サービス推進部長小平 基晴君
浄水部長特命担当部長兼務尾根田 勝君
給水部長本荘谷勇一君
建設部長田中 慎一君
経営改革推進担当部長石井 英男君
企画調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務清水 英彦君
設備担当部長横谷  守君
多摩水道改革推進本部本部長鈴木  勝君
調整部長小山 伸樹君
施設部長今井  滋君
技術調整担当部長藤村 和彦君

本日の会議に付した事件
水道局関係
請願の審査
(1)二第一号 工業用水道料金の減免措置及び減免率の維持に関する請願
予算の調査(質疑)
・第二十六号議案 令和二年度東京都水道事業会計予算
・第二十七号議案 令和二年度東京都工業用水道事業会計予算
報告事項(質疑)
・持続可能な東京水道の実現に向けて 東京水道長期戦略構想二〇二〇(素案)について
・東京都水道局環境五か年計画(二〇二〇-二〇二四)(案)について
・東京都工業用水道事業の廃止に伴う取組について

○伊藤委員長 ただいまから公営企業委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、水道局関係の請願審査、予算の調査及び報告事項に対する質疑を行います。
 これより水道局関係に入ります。
 初めに、請願の審査を行います。
 二第一号、工業用水道料金の減免措置及び減免率の維持に関する請願を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○岡安理事 請願につきましてご説明申し上げます。
 お手元に配布してございます請願・陳情審査説明表をごらんいただきたいと存じます。
 この請願は、用水型皮革関連企業協議会会長の本田桂一さんから提出されたものでございます。
 請願の趣旨といたしましては、油脂・皮革関連企業に対する工業用水道料金の減免措置及び減免率を継続していただきたいというものでございます。
 この請願に関します現在の状況でございますが、油脂・皮革関連企業に対します工業用水道料金の減免措置につきましては、平成三十一年第一回東京都議会定例会における工業用水道料金の減免措置に関する決議の趣旨を尊重いたしまして、一般会計からの減収分の補填を前提に、独立採算制の原則及び負担の公平に対する例外的措置といたしまして、令和二年三月三十一日までを期間といたしまして、基本料金の一〇%を減免しているところでございます。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○伊藤委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○伊藤委員長 異議なしと認めます。よって、請願二第一号は趣旨採択と決定いたしました。
 以上で請願の審査を終わります。

○伊藤委員長 次に、予算の調査及び報告事項に対する質疑を行います。
 第二十六号議案、第二十七号議案及び報告事項、持続可能な東京水道の実現に向けて、東京水道長期戦略構想二〇二〇(素案)について外二件を一括して議題といたします。
 本案及び本件については、いずれも既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○岡安理事 さきの委員会におきまして要求のございました資料を取りまとめ、お手元に配布してございます。その概要につきましてご説明申し上げます。
 資料の表紙をおめくり願います。目次に記載のとおり、今回要求のございました資料は二十九件でございます。
 それでは、一ページをお開き願います。政策連携団体、事業協力団体の社員数、都派遣社員数、固有社員数及び都退職者数でございます。
 平成二十七年度から令和元年度までの社員数を、常勤、非常勤別に、また、常勤社員数のうち都派遣社員数、固有社員数及び都退職者数をお示ししてございます。
 二ページをお開き願います。定数及び職員数でございます。
 平成二十七年度から令和元年度までの局職員の条例定数及び事務、技術、技能の区分別の職員数をお示ししてございます。
 三ページをごらんください。障害者雇用率でございます。
 平成二十七年から令和元年までの障害者の実雇用率をお示ししてございます。
 四ページをお開き願います。政策連携団体への業務委託の委託先及びそれに伴う職員の削減数でございます。
 平成二十七年度から令和元年度までの政策連携団体への業務委託の委託先及びそれに伴う職員の削減数をお示ししてございます。
 五ページをごらんください。職員一人当たりの月平均超過勤務時間数及び月八十時間を超える超過勤務実績のある職員数でございます。
 平成二十六年度から三十年度までの職員一人当たりの月平均超過勤務時間数及び月八十時間を超える超過勤務実績のある職員数をお示ししてございます。
 六ページをお開き願います。水道局幹部職員の再就職における再就職者数と再就職先でございます。
 平成二十七年から令和元年にかけて公表されました再就職者数及び再就職先をお示ししてございます。
 七ページをごらんください。定期検針業務の委託単価でございます。
 平成二十七年度から令和元年度までの定期検針業務の委託単価をお示ししてございます。
 八ページをお開き願います。導水施設の二重化、送水管の二重化、ネットワーク化の事業費でございます。
 各事業における整備区間、総事業費をお示ししてございます。
 九ページをごらんください。一日当たり平均使用水量及び生活用水一人一日当たり平均使用水量でございます。
 平成二十六年度から三十年度までの一日当たり平均使用水量及び生活用水一人一日当たり平均使用水量をお示ししてございます。
 一〇ページをお開き願います。小河内ダムの余水吐き放流回数と放流量でございます。
 平成二十二年から令和元年までの余水吐き放流回数及び余水吐き放流量をそれぞれお示ししてございます。
 一一ページをごらんください。民有林の購入実績と購入した民有林の整備実績でございます。
 平成二十六年度から三十年度までの民有林の購入件数及び面積、また、購入した森林の整備実績を内容別にお示ししてございます。
 一二ページをお開き願います。局所有の未利用地でございます。
 局が所有している未利用地につきまして、地域区分別、面積区分別に、件数及び面積をお示ししてございます。
 一三ページをごらんください。政策連携団体、事業協力団体の都職員の現役出向人数と退職者の再就職の実績と、その役職区分でございます。
 一三ページに、政策連携団体等への退職派遣者数を平成二十七年度から令和元年度まで、各社ごと、役職ごとにお示ししてございます。
 一四ページに、政策連携団体等への再就職者数を同様にお示ししてございます。
 一五ページをごらんください。令和元年度の政策連携団体、事業協力団体における接遇改善の取り組み実績でございます。
 政策連携団体、事業協力団体の接遇改善につきまして、取り組み事項、実施時期、対象者及び取り組みの概要をお示ししてございます。
 一六ページをお開き願います。水道局職員が加入している労働組合をお示ししてございます。
 一七ページをごらんください。水道局所管施設における労働組合の使用場所、面積、賃料及び光熱水費等の徴収状況でございます。
 平成三十一年三月三十一日時点の使用場所、面積、賃料及び光熱水費等の徴収状況を所管部所ごとにお示ししてございます。
 一八ページをお開き願います。水道局所管施設における労働組合事務室の面積及び労働組合数でございます。
 平成二十六年度から三十年度までの労働組合事務室の面積及び労働組合数をお示ししてございます。
 一九ページをごらんください。企業債発行の考え方でございます。
 企業債の基本的な考え方、これまでの企業債発行の考え方及び今後の企業債発行の考え方をお示ししてございます。
 二〇ページをお開き願います。企業債発行額、償還額及び残高の推移でございます。
 新規債発行額、償還額及び残高を平成元年度から三十年度までお示ししてございます。
 二一ページをごらんください。東京水道サービス株式会社と株式会社PUCの合併の経緯と今後の手続をお示ししてございます。
 二二ページをお開き願います。令和二年四月一日発足予定の東京水道株式会社代表取締役社長の選定までの経緯をお示ししてございます。
 二三ページをごらんください。東京水道サービス株式会社現代表取締役社長の主な業務実績でございます。
 事項ごとに内容をお示ししてございます。
 二四ページをお開き願います。令和二年四月一日発足予定の東京水道株式会社代表取締役社長の報酬でございます。
 現時点では未定でございます。
 二五ページをごらんください。東京水道サービス株式会社及び株式会社PUCの交際費の月別支出状況でございます。
 東京水道サービス株式会社及び株式会社PUCそれぞれの交際費支出額を平成二十九年から令和元年までの月別にお示ししてございます。
 二六ページをお開き願います。東京水道サービス株式会社及び株式会社PUCの合併に伴い経営効率化が見込まれる事項でございます。
 事項別に内容をお示ししてございます。
 二七ページをごらんください。令和元年台風十五号及び台風十九号における水道施設の被害及び復旧状況でございます。
 台風十五号による被害はございません。台風十九号による被害は、奥多摩町、日の出町及び水道水源林における水道施設、地域別に被害内容、復旧状況をお示ししてございます。
 二八ページをお開き願います。水道局における委託費、人件費、固定費の決算額の推移でございます。
 委託費、人件費、固定費を平成二十六年度から三十年度までお示ししてございます。
 二九ページをごらんください。水道局における今後の少子高齢化及び人口減少に対する施策をお示ししてございます。
 三〇ページをお開き願います。水道局における施設の維持管理に係る委託契約は、民法上の委任契約であるかわかるものでございます。
 水道局における施設の維持管理に係る委託契約は、民法上の委任契約に該当いたしません。
 以上、大変簡単ではございますが、資料の説明を終わらせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○伊藤委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本案及び本件に対する質疑を行います。
 発言をお願いします。

○増田委員 そうしましたら、質問の前に、冒頭、新型コロナウイルス対策につきまして一言申し上げます。
 まさに全庁挙げてさらなる拡散防止に向けて取り組まれていることと思います。そして、水道局におかれましては、ライフラインの担い手ということで、ことのほかいろいろとご苦労が多いかと思います。まずは、日々の皆様の取り組みに対して心から敬意を表するとともに、いましばらくのご尽力をお願いしたいと思います。そのことを一言申し上げまして、質疑に入らせていただきます。
 まず、オールペーパーレス化の取り組みについてお伺いをいたします。
 今般示されました東京水道長期戦略構想二〇二〇の素案におきましては、新技術の活用と経営の効率化を図るため、ICTを活用した施策を進めるとされております。
 我が会派も昨年の第二定例会において、キャッシュレス決済の拡大を提言するなど、お客様サービス部門におけるICTの一層の活用は非常に重要なことと考えており、今回のこの取り組み、水道改革の一歩として評価できるものと考えております。
 そこでまず、施策の一つとして挙げられている水道局のオールペーパーレス化を実現させるために、今後どのような具体的な取り組みを進めていくのか、その時期と内容についてお伺いいたします。

○小平サービス推進部長 当局では、これまで紙で行ってきた口座振替申し込み手続、料金の請求書払い、検針票による検針結果等のお知らせを、ウエブを活用したサービスに順次切りかえてまいります。
 まず、口座振替申し込み手続は、今月中にウエブでの受け付けを開始いたします。また、料金の請求書は、来年度中に、希望するお客様に対して、スマートフォン等への請求情報の送信に切りかえます。さらに、検針票は、令和四年度からのスマートメーターの実証実験による自動検針導入を契機といたしまして、現在紙で提供している検針票の内容等につきましては、ウエブ上で確認できる東京水道マイネットの仕組みを活用した情報提供に順次切りかえてまいります。
 請求書と検針票のペーパーレス化に当たりましては、ICT事業者が持つ情報通信などに関する最新技術やノウハウの活用が必要と考えております。
 そのため、来年度は請求書について、公募等に応じた事業者と連携を図り、サービスの具体化を進めてまいります。
 こうした取り組みを着実に進めていくことで、オールペーパーレスの実現を図ってまいります。

○増田委員 ただいまのご説明で、現在紙を用いて行っている口座申し込み手続であるとか料金請求、そして検針の結果の通知など、都民に身近なサービスについて早期にペーパーレス化をしていくとのことです。いずれも、今の時代の趨勢にはかなうものかなと、このように思います。
 あわせて、次に、オールペーパーレス化の実現により、具体的にどのようなメリットがもたらされるのか、その点についてお伺いいたします。

○小平サービス推進部長 ペーパーレス化を進めることによるお客様のメリットでございますが、まず、口座振替をウエブで受け付けすることで、いつでもどこでも申し込むことが可能となること、また、手続期間も、これまで一カ月から二カ月程度要していたものが、一日から二日程度に短縮されることとなっております。
 次に、料金の請求情報のスマートフォン等への送信とキャッシュレス決済をあわせて行うことにより、いつでもどこでも料金の支払いができることとなっております。
 次に、検針情報をウエブで確認できるようにすることで、直近の水道使用量や料金の情報に加え、過去の情報もスマートフォン等で随時把握することができ、都民の節水行動につながることも期待できます。
 一方、当局のメリットにつきましては、請求書等の作成や郵送が不要となることや情報の入力等の業務処理が簡素化されることから、コストの削減や業務の効率化、情報セキュリティーの向上が見込まれます。
 また、トータルで年間約五千八百万枚もの紙が不要となることから、環境負荷の低減にも貢献することとなります。

○増田委員 水道局はこれまでも、料金のスマートフォン決済や、あるいはAIを業務に活用するなど、ICTを活用したお客様サービスの向上について率先して実現をさせておりまして、今後もペーパーレス化による都民サービスを着実に推進していただきたいと思います。
 一方で、ペーパーレスにつきましては、近年、都民の暮らしに浸透しつつはありますけれども、都民の中には、請求書など紙のサービスがなくなってしまうことへの不安を感じる人や、ウエブを基本としたサービスへの移行にやや抵抗を感じる方もいらっしゃるのは事実であります。ですので、都民が安心してサービスを利用できるよう、情報セキュリティーの確保でありますとか、マイネットを初めとするサービスの基本となる情報提供に努めていただくとともに、民間事業者のノウハウも十分に活用して、ペーパーレス化に向けて万全を期していただくようお願いしたいと思います。
 次に、持続可能な東京水道の実現に向けての素案の内容について、官民連携の形態について伺っていきたいと思います。
 今後、人口増加が頭打ちとなり、減少に転じることが予想されること、そして、水道事業のインフラの更新コストの増大が見込まれることから、水道事業を長く持続可能なもの、すなわちサステーナブルなものにするために、事業の一層の効率化を図っていくことは、これは急務であります。そして、その中で、官民連携のベストな形を模索していく努力も必要と考えます。
 一方で、水道事業という極めて重要な社会インフラを維持するために、東京都がきちんと最終的な責任を持つということを示すのも重要であると考えます。そして、それを両立させるためのベストな方法を考えていくというのが、今この時点での最重要のテーマと認識しております。
 今回示されました素案の中には、新たな性能発注方式による包括委託、あるいは水道の技術上の業務を委託する第三者委託を含めた新たな包括委託を性能発注方式というような表現がございます。その点に関連して、幾つかお伺いしたいと思います。
 まず、確認の意味で、官民連携について規定している水道法、これについて、東京都の事業と水道法の関係、つまり、どのように適用されるか、この点についてお伺いいたします。

○岡安理事 都の水道事業は、水道法に基づきまして、厚生労働大臣の認可を受けて経営しておりまして、水道法上の水道事業者についての規定は全て適用されます。

○増田委員 今、都の水道事業は、水道法に基づいて厚生労働大臣の認可を受けているという、その上で経営しているということ、そして、同法については、その規定は水道事業者について全て適用されるということを改めて確認させていただきました。
 次に、それも踏まえ、政策連携団体との連携の形態については、幾つか選択肢があるわけでありますけれども、昨年五月に出された東京都政策連携団体活用戦略の中では、これは例えばということで、ちょっと他局さんの話になりますけれども、直営や現在の業務委託も含め、包括的民間委託やコンセッション方式などさまざまな施設運営手法について、経済性だけでなく安定的なサービスの提供といった観点も重視し、幅広く検討をというような趣旨の記述がございます。
 同様に、水道事業においても、それぞれのメリット、デメリットというものを幅広く比較検討すべきと考えますが、現状どのように整理されているか、水道法の規定という視点も含めてお伺いいたします。

○石井経営改革推進担当部長 このたびの水道法改正を踏まえ、当局では、東京水道の経営基盤強化を図るため、外部有識者で構成する東京都水道事業運営戦略検討会議を通して、改めて、水道事業者として水道法の規定も踏まえ、グループ経営やコンセッションなどさまざまな官民連携の手法を比較検討してまいりました。
 検討に当たりましては、都の水道事業が、区部と多摩地区の管路のネットワークや利根川水系と多摩川水系の原水の相互融通など広域的な水道システムを構築していること、また、多摩地区の市町営水道の一元化により、都内の料金の統一化を図り、広域水道としての一体性を有していることなどを踏まえて検討いたしました。
 その結果ですが、コンセッションなど長期間にわたり民間事業者が事業運営を行う手法は、民間事業者のノウハウを活用する余地が大きいというメリットがあります。
 しかし、例えば、コンセッションの場合、一般的には二十年間以上の期間、運営権を民間事業者に譲渡して、その経営を含め全ての事務、事業運営を委ねることから、当局の水道事業に関するノウハウの継承が困難になるという可能性があり、将来とも、都が水道事業を牽引できる技術力や経営ノウハウのレベルを維持できるかといった問題があると考えております。
 また、一部を委ねた場合でも、都の広域水道としての一体性の喪失に加え、事故時等の責任の所在が曖昧になる可能性があるという課題もまたあります。
 これらを総合的に勘案するとともに、災害時の安定給水の確保、公共性と効率性の両立等の観点から、引き続き、都の広域水道としての一体性と責任を確保しつつ、当局がガバナンスをきかせた政策連携団体とそのグループ経営というような形、これで進めることが適切と考えております。
 一方で、このグループ経営における当局と団体との契約方式は、現在、仕様発注による個別の委託契約でして、創意工夫や業務改善が進みにくいといったデメリットもあることから、今後、水道法に規定される方式も含め、さまざまな官民連携のメリットを検証した上で、適切な契約方式に見直してまいります。

○増田委員 いろいろと検討をする中では、これが正解というのはないんだと思いますし、いってみれば、責任と自由度でありますとか、事前の、どれだけ事細かに規定するのか、あるいは創意工夫の余地を残すのか、そういったことをてんびんにかけて、いろんなことをてんびんにかけて、ベストの方法を模索していくことが必要と、このように考えます。
 そして、そのような中で、今回示された素案の中には、新たな性能発注方式による包括委託という言葉がございます。これまでの性能発注方式とは異なる新たな性能発注方式による包括委託とはいかなるものか、また、水道の技術上の業務を委託する第三者委託は性能発注方式でありますけれども、これを含めた、いわばプラスアルファの性能発注方式とはどのようなものか、その点についてお伺いいたします。

○石井経営改革推進担当部長 当局はこれまで、政策連携団体への業務委託の契約方式として実施方法等を詳細に指示する仕様発注により、業務の種類ごとに個別の委託契約を行ってまいりました。
 しかし、仕様発注は、定められた実施方法等を遵守しなければならず、また、個別の委託契約は、多数の事務手続が必要であるなど、団体の創意工夫が促進されにくく、業務が非効率になることなど課題がありました。
 このため、今後は、当局が求める安定給水に必要なサービス水準を団体に提示して、その水準を確保することを条件として、実施方法等の創意工夫を促すとともに、技術系業務と営業系業務をエリアごとに包括的に担わせる新たな性能発注方式による包括委託を導入することで、一層の効率性を発揮させていきたいというふうに考えております。
 また、水道の技術上の業務を委託する第三者委託は、契約方式にかかわらず、水道法の規定に基づき、水道法上の責任を含めて民間事業者等の第三者に業務を委託するものであります。この第三者委託は、受託者に責任を持たせて創意工夫を促す観点から、性能発注方式及び包括委託と組み合わせた契約としている事例が多く、現在検討を進めている新たな性能発注方式による包括委託においても、第三者委託の一部導入を検討してまいります。

○増田委員 先ほど申し上げましたとおり、いろんな検討をする中でも、これが正解というのはないわけでございまして、さまざまな要素をバランスさせる、そういったことで最終的な道を決めていくということかと思いますし、何といいましても、都民にとって、最終的に何が一番ベストなのかと、そのような視点で検討を重ねられることを希望いたします。
 次に、株式会社としての政策連携団体というものについて幾つかお伺いをしたいと思います。
 今後の水道事業を考える上で、政策連携団体との連携というものは一層重要なテーマになってくるものと思います。今回、長期計画の素案が示されたタイミングで、そもそも政策連携団体というのはどういうものなのかという点について確認するにはいいタイミングと思うわけであります。
 そこで、株式会社は、当然会社法に基づいて設立される、東京都とは人格を異にする法人であるわけですが、政策連携団体は、民間の経営ノウハウや資金調達能力を持った民間事業者なのか、それとも、民間の法人ではあるが都の行政組織の一部とみなされるべき法人なのか、確認の意味でお伺いをいたします。

○石井経営改革推進担当部長 都の政策連携団体の指導監督等に係る総合的な調整を行う総務局では、政策連携団体を、都と協働して事業等を執行し、または提案し、都と政策実現に向け連携するなど、特に都政との関連性が高い団体で、全庁的に指導監督を行う必要がある団体と定義をしております。
 また、政策連携団体の指導監督等に関する基準では、株式会社については、経営形態の利点を生かし、弾力的かつ効率的に事業を推進するよう努めることや民間からの資金などを積極的に活用するように努めることなどが規定をされております。
 これらのことから、政策連携団体を都庁グループの一員と捉えつつ、そのうち株式会社については、その特性を生かしながら、政策の実現に向けた事業運営の一翼を担うものと認識してございます。

○増田委員 行政機関だけで事業を行うことの限界を認識して、民間の株式会社という形態が持つ、いわば柔軟性であるとか、効率性であるとか、透明性といったものを積極的に活用して、都の事業の効率を高めて、ひいては都民の利益に資するようにする、こういうことかと考えるわけであります。
 次に、都による政策連携団体のガバナンスについて一つお伺いしたいんですけれども、政策連携団体としての拘束ですね。
 都は、株式会社との間で締結される協定書によるものでありますけれども、拘束はその協定書によるものでありますけれども、政策連携団体が協定書に違反をした場合、都は、その政策連携団体に対してどのような措置を講じることができるのか、お伺いいたます。

○石井経営改革推進担当部長 当局では、政策連携団体と一体的にグループ経営を推進していることから、グループ経営戦略会議を開催して、経営方針の共有化を図っているほか、現職の当局職員を取締役として派遣することや、経営目標評価制度により経営状況等の適正な評価を行うことを通じて、政策連携団体に対する当局のガバナンスを機能させております。
 しかし、万一、業務運営に関する協定書に定めた事項に違反する状態が生じた場合には、当局は、協定書に基づき、是正措置を講ずるよう強く指導を行うことになります。

○増田委員 今の質問は、都による政策連携団体へのかかわりの典型的な一つのパターンとしてお伺いをしたわけですけれども、重要なのは、ご答弁にもありましたとおり、その協定書に基づく、あるいは取締役会を通じてという適正な手続を経て行うというところではないかと思います。そうすることによって、都の責任を明確にしながらも、その団体の自立性、独立性というものが確保されるのかなと、このように考える次第であります。
 次に、人材育成と団体の独立性という点についてお伺いをいたします。
 今回の素案の中で、都の人事制度に基づき、さまざまな経験を積むことで、幅広い視野を持った職員を育成するとともに、水道局と政策連携団体の人材交流を拡大し、東京水道グループ一体となった人材育成を充実とあるんですけれども、このような人事交流は、一方では、当該団体の独立性を損なってしまうのではないかという面もあります。
 相反するその課題についてご見解をお伺いいたします。

○木村職員部長 水道局から政策連携団体への業務移転の進展に応じて、水道局と政策連携団体のそれぞれの役割に応じた人材の育成が重要と考えております。
 水道局職員には、現場に根差した総合的かつ柔軟な発想と広い視野が求められることから、若手職員を政策連携団体に派遣し、現場業務を学ぶことにより、現場力の維持向上を図ってまいります。
 また、水道事業の現場業務を担う政策連携団体の職員には、現場で働くプロフェッショナルとして、みずから考え行動する能力が求められるため、政策連携団体職員を水道局の企画部門や事業実施部門に受け入れ、政策形成過程や全体的な業務の流れを習得させ、その経験を政策連携団体にフィードバックし、マネジメント力や業務のレベルアップを図ってまいります。
 これらは、都の二〇二〇改革プランにおけます政策連携団体の人材育成促進の一環として当局が進めようとしている取り組みでございまして、水道局と政策連携団体が持つそれぞれの強みを生かした人材交流によって、相互の人材力が向上し、将来的には、政策連携団体の自立性を高めることにつながるものと考えております。

○増田委員 ありがとうございます。当然のことでありますけれども、水道事業に携わるさまざまな職員が、それぞれ多くの経験を積んで、一人一人がスキルアップをした上で、それをグループ内で蓄積させていくということは非常に重要だと思います。一方で、当該団体の自立性も尊重されなければならない、これもまたバランスの問題ということかと思います。
 ちょっとお役に立てばと思いまして申し上げるんですけれども、私も三十年近くおりました、金融業界におりましたけれども、そこに、アームズ・レングスという言葉がございます。アームズ・レングス・ルールですとか、アームズ・レングスな関係というようなそういう使われ方をするんですけれども、要は、親子間企業であるとかグループ企業、そういった緊密に連携する企業の間であっても、そこで行われる取引には、契約に基づく公平、公正な手続でありますとか、あるいは会計などのガバナンスも独立、公正なものにするというそういった概念でございまして、これはもう広く内外の金融機関、あるいは上場企業には浸透した概念だと思います。その語源は、いわゆるべたっとくっつくのではなくて、お互いが、この腕の長さ、こういったアームズ・レングス、この距離を保つというそういった意味なんですけれども、私もこの世界に入りまして、政策連携団体というものに携わるようになりまして、ずっと感じているのは、まさに都と政策連携団体の関係についても、こういったアームズ・レングスな関係というのを、この意識といいましょうか、アームズ・レングス・ルールというか、こういったものがまさに必要なのではないかなと。これちょっと所感でございますけれども、そのように思った次第であります。お役に立てばというところでございます。
 最後に、水道事業の改革、これを都民の理解を得ながら改革を進めていくということにつきましてお伺いをしたいと思います。
 申すまでもなく、水道事業は都民生活の根本であります。そして、東京の水道を持続可能にするためには、経営基盤の強化を進める必要があります。
 持続可能な東京水道の実現を目指す上では、都民の理解を得ながら事業を進めるべきと考えますけれども、最後に、局長のご見解をお伺いいたします。

○中嶋水道局長 水道事業の使命は、二十四時間三百六十五日、安全で高品質な水と最高のサービスをお客様にご提供することでございまして、そのための日々の業務が最も大切であること、これはいうまでもございません。
 同時に、冒頭、理事からお話ございましたように、この事業を将来にわたって持続可能なものとするための取り組みもまた重要でございます。特に、今日の東京水道におきましては、これまでの都市化の進展に伴う右肩上がりの傾向は、もうとっくに過ぎまして、これからは、人口減少や労働力不足などといいました全く新しい局面を迎えようとしているわけでございます。その中で、現在の水道事業のレベルを、この先二十年、三十年と維持向上させていくには、現状をしっかり分析し、将来をできる限り予測し、目指すべき目標を明確にし、その上で今何をなしていくかという長期的な視点に立った戦略が不可欠と考えております。
 そこで、水道局では、このたび、持続可能な東京水道の実現に向けて、東京水道が目指すべき将来の姿とその実現に向けた取り組みの方向性を明らかにし、今後の事業運営や全般についての基本的な方針として、今回の長期構想の素案をまとめました。素案の策定に当たりましては、外部有識者との検討を重ねますとともに、長期財政見通しを策定するなど、現時点で可能な限りのエビデンスを積み重ね、当局としての考え方を整理しております。
 しかし、今定例会での都議会でのご議論を初め、また、パブリックコメントも実施しております。こうした都民や都議会の皆様の貴重なご意見を今後反映させた上で、二〇四〇年代を見据えた東京水道の長期構想として策定させていただきます。
 今後、長期構想として策定した後は、二〇二一年度から五年ごとに策定いたします事業計画及び財政計画を定めた中期経営プランにおきまして、目標管理を徹底し、その効果を明確にすることで説明責任を果たし、都民や議会の皆様のご理解を得ながら、持続可能な東京水道の実現を目指してまいります。

○増田委員 ありがとうございます。都民や議会の理解を得ながら改革を進めていくという考えを改めて確認させていただきました。
 我々会派も、都民からの多くのご信用をいただいてここにいるわけでありまして、当然のその職責といたしまして、しっかりと事業内容に対するチェック機能を果たしてまいりたいと思いますし、また、必要な応援をさせていただきたいと考えているところであります。その点申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。

○長橋委員 それでは、私からも質疑をさせていただきます。
 新型コロナウイルス対策、さまざまな取り組みがされているわけでありますが、東京水道、手洗いの励行というのが大変重要になってきますし、また、しっかりとやっていこうというのが、今、若い子供たちからお年寄りまでいわれているわけでございまして、ぜひ東京水道によって手洗いをしていくことについて、さらにアピールをしていただければと思うわけでございます。
 それでは、私からは、東京水道の長期戦略構想、これについて質疑をさせていただきたいと思います。
 国は、将来の人口減少に伴う水道需要と料金収入の減少、それから、水道施設の老朽化、人材不足の深刻化などの直面する課題に対応して、水道の基盤整備を図るために水道法の改正が行われたわけでございます。
 主な水道法の内容は、関係者の責務の明確化、広域連携の推進、適切な資産管理の推進、官民連携の推進、いわゆるコンセンョン方式などでありますし、また、指定給水装置工事事業者制度の改善、いわゆる事業者の更新制の導入、こういうものが主な内容になっているわけであります。こうしたことを受けて、水道局がこの長期戦略構想素案を策定したわけでありまして、この目的は、あくまでも東京水道の目指すべき将来の姿と取り組みの方向性を明らかにしたということでありまして、これだけの長期戦略構想を私は今まで水道局からは特に聞いたことがなかったわけであります。
 この長期構想の中で、まず、確認しておきたいのは、東京水道をめぐる状況は、今後、激変し、かつて経験したことのない局面を迎えると、このように記載をされているわけなんですけれども、どういう局面を指しているのか、まずは伺いたいと思います。

○石井経営改革推進担当部長 都は、これまでに経験したことのない人口減少社会を迎えていきます。この人口の減少に伴い、水道事業においても、水道需要と給水収益が減少するとともに、さらには、水道を支える労働力人口の減少も見込まれます。
 中でも給水収益は、二〇六〇年には、二〇二〇年と比べて、約一二%減少する見込みであり、水道事業に不可欠な財源の不足につながっていきます。一口に、大体今、ざっくりいうと、給水収益三千億円というようなことであるわけなんですが、二〇六〇年になると、二千六百億円台になってしまうというようなところが見えております。
 一方で、高度経済成長期に整備した浄水場などの大規模施設の更新を初め、気候変動による環境危機への対応など、長期的に支出の増大が見込まれております。
 このように、都の水道事業は、これまでに経験したことのない新たな局面を迎えていることだと認識をしております。

○長橋委員 給水収益が一二%減少する、一割以上減少するということでありますし、もう一方で、人口減少でありますが、人口減少は、今同じ二〇六〇年には一六%減少すると、こういうことでありますから、ある面では大きな転換期に来ているんだろうと思うわけであります。
 このような新たな状況に対して、引き続き、水道事業、もちろん持続可能なものにしていかなければならないわけでありますけれども、そのためには、一方で、新しい発想で課題解決のための対策を進めると、このように書いてありますけれども、内容について伺いたいと思います。

○石井経営改革推進担当部長 水道を取り巻く状況の変化を、施設、執行体制、財政、それぞれの状況を、物、人、金の三点の新たな視点から捉え、長期的な視点に立って事業運営の基本的な考え方を取りまとめました。
 まず、長期的な財政状況を見据えた施設整備を推進し、安定給水を確保する。また、新技術を活用し、お客様サービスの向上と業務の効率化を進めます。さらに、当局と政策連携団体の人材交流の拡大などによる東京水道グループ一体となった人材の確保と育成により、東京水道グループの総合力を強化すると、こういうものでございます。
 長期構想では、こうした考え方に基づき、新たな発想のもと、東京水道が目指すべき将来の姿と取り組みの方向性を取りまとめました。例えば、浄水場の更新に当たっては、学識経験者の指導と助言を踏まえ、全浄水場の更新サイクルを、これまで法定耐用年数の約六十年、これを目安に設定していたんですが、これから新たに設定をした供用年数に基づき、約九十年に見直し、更新を平準化するということを試みています。
 また、管路についても、法定耐用年数の四十年を目途に更新していたものを、同様に、学識経験者の指導と助言をもとに、将来的には、供用年数を八十年から九十年と見込み、計画的な更新を進めることとしました。
 さらに、スマートメーターの導入については、これまで検針業務の効率化や見守りサービスの提供を前提としていたものを、新たに水道の管路、管路の維持管理にも活用するということで、また、当局が積極的に先行導入するとともに、他の水道事業体との連携により、このスマートメーターの市場形成を促進し、導入コストの低減を図って、早期に全戸導入を目指していくということを考えております。

○長橋委員 今ご答弁がありましたとおり、例えば、浄水場の更新もこの法定耐用年数六十年を九十年に見直しする。また、管路も、我々、よく管路の耐震化、このようにいってきたわけでありますし、水道局の管路は、大変、地球を何周もするみたいなわけでありますけれども、これも四十年を目途に八十年から九十年と、このようにやっていくと。ハードだけではなくて、スマートメーターを導入して、ソフトの面でも新たな発想でやっていこうと、こういうことでありますので、九十年とかといわれると、本当に大丈夫なのかということが、私なんか思うわけでありますけれども、そうしたことも新しい技術の中で提言されたんだろうと思うわけであります。
 そういう意味では、水道局では、そうした中から、今までは三年から五年の経営プラン、これを策定して事業を実施してきたわけでありますけれども、このような状況の変化を考えれば、五年ごとの視点ではなくて、こうした長期の基本方針を示すことは大変重要なことであろうかと思います。
 そしてまた、同じく東京都は、未来の東京戦略ビジョン、これを踏まえて、東京の将来、水道だけではなくて、東京の将来をどうしていくか、そうした分析もあるわけであります。
 この中で、この長期構想では、東京水道を取り巻く状況の変化として、例えば、先ほど申し上げた人口減少と給水収益の減少、それから水道需要の減少、浄水場更新時期の集中、こういったものを含めて、七項目がこの分析対象になっているわけでありますが、特に、この中小工事事業者の減少、ここの部分だけですね、全国の事業者の分析はあるのでありますけれども、東京の中小工事事業者の現状はどうなっているのか、記載がなかったものですからお伺いしたいと思います。

○本荘谷給水部長 水道施設工事業で東京都建設工事等競争入札参加資格に登録のある中小の工事事業者は、過去五年間で千七百三十九者から千六百二十八者と、六・三%減少している傾向にございます。
 また、こうした中小の工事事業者は、当局の水道工事契約件数の約九割を受注しており、局事業を支える重要な存在となっておりますが、業界団体からは、若手入職者の減少や後継者不足により、事業の継続が厳しい状況にある事業者もいると聞いております。

○長橋委員 東京では、過去五年間で六・三%減っていると、こういうことであります。
 この長期構想では、二〇〇五年から、十五年前から七%減っていると、こういうことなので、単位がちょっと違うんですね、過去五年間。国の方は過去十五年間。そう考えると、東京は六・三%、国の方は七%減っているということで、準じているのかと思うんですけれども、東京が十五年前からだと、母体としてはさらに減っているんじゃなかろうかと思うのですけれども、ちょっとわかりますかね。--わからない。はい、どうぞ。

○本荘谷給水部長 大変申しわけありません。詳しい統計は持っておりませんので、確たる数字は報告できません。申しわけございません。多分、もっと減っているような感じはしておりますが、ちょっと確たることは、申しわけありません。

○長橋委員 済みません、ちょっと急に聞いてみようかなと思ったわけでありますが、さらに減っている、確かに、中小工事事業者、水道工事事業者というのは、中小の方が大変多いわけでありますから、さらに減っているんだろうなと思うわけであります。
 そういう中で、改正水道法では、十年以上の収支の見通しを策定するとされているわけでありますし、また、未来の東京戦略ビジョンでは、二〇四〇年代に目指す東京の姿、ビジョンとその実現のために、二〇三〇年、十年後に向けた取り組みを戦略として示しているわけであります。
 今回の長期構想は、二〇四〇年代の目指すべき姿と、それから今、資料でもありましたけれども、二〇六〇年までの都の人口推計に合わせた水道需要や財政収支などの推計を示しているわけでありまして、こうしたことを考えると、今までかつてない長期構想でありますけれども、これだけ長いスパンにわたって長期構想を作成したのが初めてなんでしょうか、伺います。

○石井経営改革推進担当部長 水道事業を取り巻く状況では、改正水道法で、水道事業者は、十年以上を基準とした収支の見通しを作成し、三年から五年ごとに見直すよう努めることが規定をされました。
 都では、人口が二〇二五年をピークに減少すると推計されており、それに伴い、当局の給水収益も二〇六〇年には二〇二〇年と比べて約一二%減少する見込みであり、水道事業に不可欠な財源の不足につながるため、二〇六〇年までの財政収支を推計する必要がございました。
 こうした動きに加え、浄水場など大規模施設の更新を初め、気候変動による環境危機への対応、テクノロジーの急激な進展、水道法の改正を契機とした水道界の動きなど、東京水道を取り巻く状況は、今後も大きく変化をしてまいります。
 一方、当局では、これまで三年から五年ごとに経営プランを策定し、事業を進めてまいりましたが、東京水道が置かれたこうした立場を考えれば、先を見据えた長期の経営方針が必要であるとの結論に達しました。
 そのため、東京水道が目指すべき将来の姿と取り組みの方向性を明らかにし、長期の経営指標を設定した上で、財政収支を推計した長期構想を、このたび初めて策定いたしました。

○長橋委員 まさに二〇六〇年を見据えた長期構想を策定したということであります。
 先ほど申し上げましたけれども、浄水場の更新も六十年から九十年にしていこう、また、管路の更新も四十年の法定年数を八十年、九十年にしていこうと。違いますけれども、きのう下水道局と議論したんですけれども、いわゆるライフラインとして、下水も、もちろん水道も管路の更新、長期間の事業になるわけでありまして、そうした意味では、こうした長期構想、本来であれば、水道法の改正によってされたというふうに僕は思うんですけれども、やはり長期構想というのは大変重要な政策であろうと思っておりますので、しっかりと取り組んでいただきたいと思っております。
 その上で、目指すべき姿、取り組みとその方向性として、計画的な施設整備、これは七項目、新技術の活用と経営の効率化が三項目、水道グループの総合力発揮の四項目が掲げられているわけであります。
 それぞれ外部有識者の意見、さっき局長からもありましたけれども、外部有識者の意見がかなりの分量で採用されているわけでありますけれども、外部有識者による運営戦略検討会議、この議論の内容について伺いたいと思います。

○石井経営改革推進担当部長 東京都水道事業運営戦略検討会議は、水道事業を将来にわたり安定的かつ効率的に運営するため、外部有識者の幅広い見地から意見と助言を得ることを目的に、平成二十九年度に設置をされました。これまでに八回開催し、三百七件の意見をいただき、分野別に整理しますと、運営体制が三一%、財政、水道料金が二二%、施設整備九%、ICT九%などといった構成になっております。
 運営体制では、グループ経営が最も適当であるなどの意見。財政、料金では、今回の財政収支の見通しは、長期的視点に立って作成されており、妥当ではあるが、財政運営に大きな影響を与えるリスクを見込んでいない点があるといった意見。それから、施設整備では、法定耐用年数による更新から、物理的な耐用年数による更新への転換は、基本的によいなどの意見。また、ICTでは、スマートメーターで得られたデータ分析から得られる知見は、水道事業の効率的な運営のみならず、都民生活の利便性向上にもつながるのではないかなどの意見がございました。

○長橋委員 この運営戦略検討会議、これが平成二十九年に設置して以来、三百七件の意見をもらったと、こういうことでありますから、今紹介していただいたのも、ごく一部であるわけでありますけれども、そうした意味では、今後、パブリックコメントも寄せられてくるわけでありますから、しっかりとそうした意見を踏まえて取り組んでいただいていると思いますが、私も読ませていただきましたけれども、一日最大配水量の推計はエビデンスが必要、人口減少社会にあって、エビデンスが必要だということだと思います。また、その能力低下については、しっかりと都民に説明をしていくべきだとこういう意見もあったわけでありまして、ぜひ、この長期戦略構想についても、新しい局面ということについては、都民にもしっかり説明をしていただきたい。なかなか水道事業というのが見えないわけでありまして、特に東京水道、蛇口をひねれば、いつでもある面ではおいしい水、飲める水がということについて当たり前のようになっているところもあるんだと思いますけれども、こうした面では、長期的には、さらに技術を革新していかなきゃいけないということをしっかりと説明をしていただきたいと思っております。
 その上で、労働人口が減少する中で、東京水道として事業レベルを維持しつつサービスを向上させていくには、効率的な運営体制というのが必要になってくるわけであります。
 水道局では、官民連携手法による事業運営形態を検討し、グループ経営、またはコンセッション、民営化、比較検討した結果、グループ経営を推進するとして、運営戦略検討会議においても、グループ経営が妥当じゃないかとこのようにいっているわけでありまして、この資料には、コンセッション、これを採用すると、一度失った体制、二度ともとに戻すことはできない、このようにも記載されているわけでありますし、また、東京は、他の事業体と比べると、圧倒的に大規模な事業体でありますから、広域水道としての一体性というのが失われてしまうんじゃないか。さらには、東京水道の技術力というものをしっかりと維持していくためには、やはりグループ経営の中でしっかりと技術力をさらに高めていくことが必要であろうかと思うわけでありますけれども、そのためには、それぞれグループとして、東京水道グループとして人材確保、さらには育成が大変重要であります。
 まずは、東京水道グループが求める水道グループとしての人材像、さらには水道局としての人材像、また、政策連携団体が求める人材像、それぞれどのような人材像を求めているのか、伺いたいと思います。

○木村職員部長 東京水道グループでは、政策連携団体を含めた効率的な事業運営体制により事業を推進していくため、グループとして求める人材像を新たに設定するとともに、局と政策連携団体の役割分担に応じたそれぞれが求める人材像も設定しております。
 東京水道グループの求める人材像は、グループの一員として、将来にわたり安全でおいしい高品質な水を安定して提供するという根源的使命のもと、高いコンプライアンス意識を持ちながら、あらゆる局面に迅速かつ的確に対応し、お客様の信頼に応える人材でございます。
 その上で、局では、業務移転を進めていく中にあっても、総合的な実務運営能力によって現場に根差した柔軟な発想と広い視野を持って、施策の企画立案や適切な委託監理を行うことができる人材が求められます。
 また、政策連携団体では、主に現場業務を担うことから、最前線で働くプロフェッショナルとして、現場の幅広い経験と専門的な知識を活用しながら、さまざまな状況や変化に対して、みずから考え、主体的に行動できる人材が求められると考えております。

○長橋委員 それぞれ役割に応じた人材像というのを今ご答弁があったわけでありますけれども、それぞれ求める人材像はありますけれども、あわせて交流をしているわけでありますから、さらにその総合力をアップしていくためには、交流というのも必要だろうと、このように思っているわけでございます。
 その上で、この四月には、東京水道グループとして、局とともに重要な役割を担う政策連携団体、東京水道が統合して、国内外の水道事業体の課題解決へ貢献していこうということでございます。
 先ほど触れましたけれども、今回の水道法改正により、今後、国内の中小規模の水道事業の多くは、経営基盤を強化するために広域連携、さらにはコンセション方式の官民連携を検討するということが見込まれているわけであります。この機に、東京水道の強みを生かして、地方創生、さらには海外の水道事情の改善に寄与していくという姿勢は、私は重要なことだろうと思っております。
 そこで、東京水道グループとして、一つは、国内の水道事業の基盤強化に向けた支援はどのように行っていくのか。さらには、海外水道事業体への貢献はどのように取り組んでいくのか、伺いたいと思います。

○石井経営改革推進担当部長 全国の水道事業体の多くは中小事業体であり、人口減少に伴う給水収益の減少、水道施設の老朽化、技術力や人材不足等の課題を抱えております。これらの事業体では、今般の水道法改正により、経営基盤を強化するために、今後、広域連携や官民連携に取り組むことが見込まれております。
 こうした状況を受け、統合後の新団体、東京水道株式会社では、自主事業として、事業体が包括委託等を行う場合の受け皿としての支援や、事業体がコンセッション方式を導入した場合に行うべき受託者に対する監視への支援を検討し、国内水道事業体の基盤強化に貢献をしていきたいと考えております。
 また、アジアを初めとする途上国では、急激な経済成長や人口増加などに伴い、水不足や水質の悪化が顕在化しており、高い無収水率の改善や水道技術の維持向上などが課題となっております。
 そのため、海外からの研修受け入れや職員派遣などの人材育成の取り組みに加え、統合後の新団体とも連携しながら、無収水対策などの技術協力やインフラ整備を行い、途上国の水道事情の改善に貢献をしてまいりたいと考えております。
 こうした取り組みを通じて、東京水道が持つノウハウや強みを生かしながら、グループとしての国内外の水道事業体への支援を一層推進してまいります。

○長橋委員 今、都では、先ほど申し上げましたけれども、コンセッション方式は、その経営を含め全ての事業運営を委ねる、一旦委ねたら戻ってこない、こういう話でございましたので、水道事業に関するノウハウの継承が困難になる可能性があることから、グループ経営を推進していくと、このようにあったわけであります。
 一方で、今の答弁では、国内の他の事業体がコンセッション方式を導入した場合は、受託者に対する監視の支援を検討していくと。都はコンセッション方式を導入しない。にもかかわらず、他の事業体が行うコンセッション方式を導入する場合には、モニタリングなどの支援をする、このような答弁があったわけであります。
 コンセッション方式の導入を検討している事業体からの依頼を他の自治体では受けているのかどうか、まず伺いたいと思います。

○石井経営改革推進担当部長 コンセッション方式は、運営権を民間事業者に譲渡して、その経営を含め全ての事業運営を委ねる方式であり、水道事業体は、受託者に対し、業務の経理の状況等についてモニタリングを行うこととされております。
 コンセッション方式の導入を検討する事業体では、職員の減少等により、技術力やノウハウが不足していることなどから、水道事業の大半を民間事業者に委ねざるを得ない状況にあるケースが多くなってきております。
 こうしたことから、コンセッション方式による事業運営を開始した後のモニタリングについても、事業体みずからが適切に実施する技術力を有していないといったおそれ、課題もあります。
 このため、東京都の信用力を背景に、東京水道グループがこれまで培ってきた技術力を生かし、他の事業体の基盤強化に貢献するとともに、全国との共存共栄を図るため、事業体が行うモニタリングを支援していくこととしております。
 なお、お話のコンセッション方式の導入を検討している他の事業体からのオファーといいますか、具体的に依頼でございますが、現時点ではございません。

○長橋委員 コンセッション方式を採用した事業運営に対して、モニタリングなどの支援をしていくと、こういうことでありますけれども、私も資料をいただいたんですけれども、昨年の五月には、宮城県と水道事業の連携に関する合意というのを、お互い小池知事と宮城県の村井知事が合意をしているとこういうことでございますから、ある面では、東京水道の技術力といいますか、というものを、ぜひ宮城県でも教えてもらいたい、こういうことだろうと思いますし、連携の概要を見ると、災害の連携とかありますけれども、官民連携及び広域連携に係る都の技術力、ノウハウを提供してもらいたい、こういうことが合意に関する内容になっているわけでありますし、その上で、この三月には、宮城型ということで、宮城県が事業の一部をコンセッション方式を取り入れて官民連携で運営すると、こういうことであります。
 答弁では、今のところ他の事業体からは具体的な依頼はないということでありますけれども、これだけ知事同士が合意しているわけでありますから、そして、東京水道の技術、ノウハウを提供していく。そしてまた、東京水道でなければ、そうしたことができないということだと思うわけでありまして、そう考えると、水道局は東京水道だけじゃなくて、全国の自治体へ、ある面では、技術をしっかりと提供して、持続可能な、東京だけじゃなくて全国の持続可能な事業体に貢献をしていかなければならない、このように思うわけであります。
 その上で、そう考えると、やはりひとえにさまざまな課題があるからこそ、大きな局面になるからこそ、この長期構想を作成したわけでありますけれども、その一番の根幹は、人材の確保と育成だろうと思うわけであります。
 これが東京だけでなくて全国、場合によっては発展途上国の、そうした海外にも貢献をしていく、こういうことになると、ひとえに人材確保、育成、これは重要だと思いますが、どのように進めていくのか、局長に伺いたいと思います。

○中嶋水道局長 東京水道が将来にわたり持続可能な事業運営を行っていくためには、政策連携団体を含む効率的な運営体制を構築しますとともに、社員、職員合わせまして約六千名規模の東京水道グループ一体となった人材の確保、育成が重要でございます。
 特に、この六千名の規模の社員、職員の中の約千五百名を超える人たちが固有社員といわれている人たちでございまして、彼らは、東京の水道事業を行うために採用されてきた人材でございます。平均年齢が約三十五歳程度ということで、三十歳を中心に非常に若い層が多い人材でございますので、今後、長期的に、将来二十年、三十年ということを考えた場合に、その人材をどう育成していくのかということが、持続可能な東京水道を実現していく上では一つの大きな肝だというふうに思っています。これがまさに長期的な考えに基づいて、戦略的に進めるべき人材育成策だというふうに考えております。
 そのため、当局と政策連携団体が連携をしまして実施する共同研修によりまして、東京水道グループの理念や進むべき方向性、また、コンプライアンスの重要性を局職員と団体の社員に浸透を徹底させますとともに、団体社員を局の研修へ受け入れ、団体を含めたグループ一体となった人材育成を図ってまいります。
 また、二〇二〇改革におきまして、東京水道グループの総合力強化の観点から、人材交流によるマンパワーの強化を打ち出しておりまして、業務移転の進展に応じ、当局と政策連携団体との間で人材交流を拡大し、当局から政策連携団体への確実な技術継承を行いますとともに、局における現場力の維持や団体におけるマネジメント力の向上を図り、それぞれの組織力の求めるその組織力というものの育成の擁立を図っていきたいというふうに考えております。
 このように、局と政策連携団体が連携をしまして、それぞれの役割分担を踏まえた人材確保、育成に取り組んでいくことで、東京水道の根源的使命でございます安定給水を将来とも果たすために、国内外の水道事業体への貢献にも努めてまいります。

○鈴木委員 公営企業は、いうまでもなく、独立した企業経営のような経済性と、そして、その本来の目的である公共の福祉の増進こそが、経営の基本原則であるというふうに思います。
 そうした中で、都の水道事業は、明治三十一年に近代水道として通水を開始して以来、安全でおいしい高品質な水を安定して供給することによって、最も重要な基幹的なライフラインとして、都民生活と首都東京の都市活動を支えてきているわけであります。
 この経営の原資というのは、お客様である都民の水道料金収入であり、だからこそ、お客様からの信頼を一層確かなものにしていくことが重要になってくるわけであります。
 政策連携団体であり、本年四月に合併します東京水道株式会社も、先ほどの答弁にもありましたけれども、東京水道グループの一体的経営体制の中のまさにパートナーであり、お客様からの信頼なくしてその経営は成り立たないわけであります。
 しかしながら、そうした信頼を根本から覆す東京水道株式会社の前身である東京水道サービス株式会社に対する特別監察、また、一昨年発覚した情報漏えい事故にかかわる公正取引委員会からの改善措置要求等、たび重なる不祥事によって、この東京水道グループ全体の信頼は、私は、もう地に落ちたといっても過言ではないというふうに思っております。
 なぜ、そうしたことが何度も起こるのか。それは、不祥事が起きても、競争する事業者もなく、経営に不都合が生じることがないとする、まさに公営企業グループとしての負の側面がコンプライアンスに対する意識の希薄さを生むからであるというふうに私は思います。
 統合後の東京水道株式会社野田新社長の挨拶の中にも、信頼回復への決意というものが全く感じられませんでした。東京水道グループの一員としての日が浅く、経営者としての経験が少ない社長ですので、お客様の信頼がグループの経営にどれだけ重要か、理解がまだ及んでいないところもあるというふうに思いますけれども、信頼をいただけるようになるには時間が大変かかることであります。また、職員の処分を行い、コンプライアンス強化に向けた新たな体制を構築したから終わりというのではなく、そこにまさにグループ全体の公営企業としての社会的責任を果たしていくための覚悟がなくてはならないというふうに思います。そして、その覚悟のもとに、自主自律の精神で仕事に取り組んでいく中で、お客様から信頼をいただけるような社風が生まれてくるというふうに思います。
 公営企業が、その公共性に対する使命感、責任感を失ってしまっては、その存在する意義がなくなってしまうということを重く受けとめるべきであります。
 そうしたことを踏まえて、新会社が設立され、新しくなった東京水道グループの内部統制について幾つかお伺いいたします。
 私は、前回の委員会においても、この水道局における一連の不祥事に端を発した再発防止策として、特に利害関係者との接触に関する指針について取り上げさせていただき、職員への周知徹底とともに、指針を遵守しているかチェックする機能を充実させていくことが何よりも大切であるというふうに指摘をさせていただきました。
 中でも、政策連携団体については、水道局の職員がいろいろな形で派遣されている状況の中で、東京水道サービス株式会社は、社員に対しては細かく利害関係者との接触を禁止する指針を策定しましたけれども、役員に対しては同様の規定をつくっていないことについて、役員こそが率先して意識を高く持って、社員に対する範を示すべきであり、社員と同様の規定を設けるよう指摘をさせていただきました。
 現行の政策連携団体二社が統合して、四月から新たに業務を開始する東京水道株式会社において、経営理念として高いコンプライアンスのもとに社会に貢献していくことが掲げられておりますけれども、この件について伺います。
 この利害者との接触に関する指針について、新会社ではどのように運用していこうと考えているのか、お伺いいたします。

○石井経営改革推進担当部長 統合後の新団体、東京水道株式会社は、都の水道事業の一端を担うことから、その公共性に鑑み、高いコンプライアンスを維持しながら業務を運営していく必要がございます。
 そのため、統合に合わせて、団体のコンプライアンスに関する基本方針を改めて策定するなど、内部統制を強化してまいります。
 また、基本方針のもと、社員に関しては、利害関係者との接触に関する禁止条項を列挙した指針を策定するとともに、役員に関しましては、利害関係者との間で職務遂行の公平さを損ねる行為を禁止することを役員規程に定めることとしました。

○鈴木委員 役員に対しては役員規程に定める。利害関係者との接触に関する規定を定めたことは、社員に対する範を示す上では一定の前進があったのかなというふうにも感じます。
 しかし、規定を設けるだけでなく、不正を未然に防止するチェック体制を有効に機能させることが重要であり、社員に対して監査室においてチェックする仕組みが整えられていると思いますが、この社内での地位を有する役員に対しては、チェックが及ばないのではないかという懸念も持たざるを得ません。
 この役員の行状に対してこそ厳しいチェックが必要なわけでありますが、新会社では役員に対するチェックについて、どのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。

○石井経営改革推進担当部長 統合後の新団体、東京水道株式会社は、政策連携団体では初となる監査等委員会を設置し、この委員には、外部からの推薦及び公募によって定員の三名全員を新団体との間で利害関係を持たない独立社外取締役を選任する予定でございます。
 監査等委員は、株主総会において、取締役の選任、解任等の意見を述べることができるほか、取締役会においておのおのが議決権を行使するなど、監査役よりも幅広い権限を持ちながら、委員会として代表取締役社長も含めた取締役全員の職務執行を監査いたします。
 また、監査室については、従来、代表取締役社長の直属機関としておりましたが、新団体、東京水道株式会社においては、監査等委員会の直属とすることにより、業務を執行する取締役からの独立性を確保してございます。
 こうした組織体制を構築することで、監査室は、同委員会の指揮命令のもと、取締役の職務執行に対する監査を補佐してまいります。

○鈴木委員 答弁にありましたけれども、監査等委員会は、監査と執行の双方を取締役が担うために、客観性が担保されにくいというデメリットもあると指摘をされました。
 私もこれは前回でお話をさせていただきましたけれども、しかし、この資料に示されましたように、前回の私の質疑を通して、このレポーティングライン、企業の組織の中で、業務報告や意思疎通を行う際の系統なんですけれども、現状では、多くの企業においては、内部監査部門は社長直属だった。内部監査部門が社長の意向に反する指摘等をしにくくなるという弊害もあったわけですけれども、今回、監査等委員会の中の監査役会とすることで、内部監査部門の社長からの独立性も確保ができるようになったというふうになったわけですけれども、この監査室について、この監査等委員会の直属とすることによって、業務執行する取締役からの独立性を確保されたことは私も一歩前進であるというふうにも思います。
 何度もいいますけれども、社員のみならず役員に対するチェックについても、独立した監査等委員会を通じて担保していくというこの仕組みを確実に機能させて、会社としての強いガバナンスをきかせることによって、社内のコンプライアンスを徹底しなければ、この新会社は本当の意味で生まれ変わることはないということを強く指摘しておきます。
 次に、さきの本会議で、水道局は、東京水道グループの改革を進めて、経営基盤の強化を図り、安定給水を継続していくという答弁がありました。安定給水の継続に向けて、政策連携団体を活用していく方針自体を否定するものではありませんけれども、現在の東京水道グループのていたらくで、それが本当になし得るのか疑問でなりません。
 まず、東京水道グループの改革として、まさに今取り組むべきことは一体何であると考えているのか、お伺いいたします。

○石井経営改革推進担当部長 今回の団体の統合は、持続可能な東京水道を実現するための改革の第一歩と考えております。
 そのため、新団体、東京水道株式会社における監査等委員会の設置や、企業統治や内部統制に関する基本方針の策定など、新たな体制や方針を整備し、東京水道グループ全体のガバナンスやコンプライアンスを一層強化してまいります。
 また、長期構想の素案においては、効率的かつ効果的な業務運営体制を構築するため、政策連携団体へのさらなる業務移転や新たな性能発注方式による包括委託の導入を目指していくこととしております。
 さらに、政策連携団体の業務遂行能力を向上させるため、現場を担う人材を確保するとともに、当局が培ってきた水道事業に関する技術を職員派遣等によって着実に継承することで、東京水道グループ全体としての人材育成も強化をしてまいります。

○鈴木委員 東京水道の長期戦略構想二〇二〇の素案の中で、東京水道グループの経営基盤強化として、政策連携団体の経営の自主性を向上させるために、国内水道事業体が実施する包括委託等の受け皿としての事業展開をしていくというふうに掲げられているわけですけれども、東京水道の立て直しが必要な現状の中、本当にこのようなことを今語るべきなのかというふうに思われてしようがありません。まさに危機感がないのではないかというふうにも思います。
 これまで、お客様である都民の皆様からの信頼をいただけない状況の中で、他の団体が行っている事業体の受け皿になるなどの発言というのが、企業経営において、この信頼をいただけるようにするにはどれだけ難しいことなのかということが、本当に理解されているのかというふうに疑念を抱かざるを得ません。まさにグループとして、競争相手が存在しないことによる緩みであって、そのような意識でこの東京水道グループが本当に生まれ変わるのか、私はそのように感じます。
 来年度は、新たな経営計画策定に向けて準備しなくてはならないわけでありますけれども、そのためにも、東京水道グループの中で、さらなる業務移転が行われて、そして、経営の自主性を向上させ、新たな事業展開を行っていこうとする東京水道株式会社の野田数社長を当委員会にお呼びして、今後の経営戦略、そして内部統制について、そしてさらに、海外展開など具体的なお考えをお聞きすることが、この取り組みの妥当性を議論する上で重要であるというふうに私は考えますので、ぜひ委員長に、出席へのお取り計らいをよろしくお願いしたいというふうに思います。
 私は、今まさに取り組まなければならないのは、ガバナンス強化はもう当然のことなんですけれども、それ以上に、東京水道を担う人材育成こそ喫緊の課題であるというふうに思います。私は常々、ベテラン社員の大量退職を踏まえた技術継承、それを通じた人材の育成は不可欠であって、それに確実に取り組んで、水道局が培ってきた技術を失うことがないようにすべきと、再三、委員会でも指摘をさせていただきました。水道局がその指摘を踏まえて、真摯に向き合ってきたのか定かではありませんけれども、東京水道グループの現状を聞くと、対応が万全であったかは本当に疑問でなりません。
 特に、これから多くの現場業務を担っていくのは、政策連携団体でありますけれども、このTSSでは、多くの固有社員が存在しているにもかかわらず、管理監督者層の多くを水道局OB社員が占めて、キャリアアップに対するインセンティブが乏しくて、こうしたプライドやモチベーションの維持に苦慮していると聞いております。
 そこで、新たな政策連携団体では、固有社員のモチベーションの維持向上を図るため、具体的にどのような取り組みを行うのか、お伺いいたします。

○石井経営改革推進担当部長 東京水道サービス株式会社では、管理監督者の約九割を都からの派遣された職員や都のOBが占めており、固有社員のモチベーションが上がらなかったことが大きな課題と認識もしております。
 そのため、新団体では、人材育成方針を策定し、現場における幅広い経験と専門的な知識を活用して、広い視野と柔軟な発想を持って的確かつ主体的に対応することができることなどを目指すべき人材像と掲げて、OJTや研修等を通じて人材育成に取り組むこととしております。
 また、最短で、三十六歳で管理職となる課長職に任用し、最終的には社員としての最高職である本部長まで昇任できるようにするほか、専門性を備えた人材を管理職と同等に処遇する高度専門職を設置するなど、複線型の任用制度を運用してまいります。
 これらにより、新年度から、東京水道株式会社においては、固有社員の管理職としての活用が一層図られる見込みであります。
 こうした取り組みを通じて、新団体における固有社員のモチベーションの維持向上を図ってまいります。

○鈴木委員 今、答弁されましたこの社員ですね、最短で、三十六歳で管理職となる課長職に任用して、最終的には、社員としての最高職である本部長まで昇任できるようにするほか、専門性を備えた人材を管理職と同等に処遇するという複線型の任用制度を運用するということは、これは本当に私は有効であるというふうにも思います。
 この政策連携団体社員の求める人材像をしっかりと明確にした上で、それを目指した人材育成を行うとともに、人事制度を見直すことで、固有社員の意欲を高めていくとのことでありますけれども、しかしながら、局OB社員のみが中心となっていた体質というのは、そんなように簡単には、私は容易に改善するものではないというふうにも思います。
 局OBと固有の若手社員をつなぐ中間層の社員の育成が、そうした中では何よりも重要であるというふうに思います。
 水道局は、局と団体の人材交流を行っていくこととしておりますけれども、具体的に、どのような人材交流を行っていこうとしているのか、お考えをお伺いします。

○木村職員部長 当局ではこれまで、政策連携団体への円滑な業務移転を進める観点から、水道事業の知識やスキルを持つベテラン職員を団体に退職派遣し、計画策定などの社内マネジメントの支援や施設の点検、保全などに係る指導等を行ってまいりました。
 今後とも、業務移転に合わせて退職派遣を活用し、中間層の社員の育成も含め、団体への着実な技術の継承を図ってまいります。
 また、業務移転の進展に伴い、現場業務のフィールドが段階的に局から団体へ移行していくことから、そうした状況にあっても、局は現場業務をよく理解した上で、企画立案や委託監理を適切に行う必要があり、現場に根差した技術力を維持していかなければなりません。
 このことから、若手職員に現場業務を習得させることを目的とする政策連携団体への研修派遣を令和元年度より新たに導入したところであり、今後さらに拡充させてまいります。
 一方、政策連携団体につきましては、団体の統合を踏まえ、社員のマネジメント能力向上や業務のレベルアップを図るため、団体社員を水道局の事業部門に加え、企画部門へ受け入れる交流派遣を今年度から実施しております。
 今後は、局のコンプライアンス部門などへ受け入れも行い、そのノウハウや経験を団体の業務にも生かしてまいります。
 今後とも、業務移転の進展や、局と団体の役割分担を踏まえた相互の人材交流を拡大し、東京水道グループが一体となった人材育成を図ってまいります。

○鈴木委員 今、答弁いただきましたけれども、これから政策連携団体へさらに業務移転を進めていかなくてはならないという方針なわけですけれども、そのためにも、しっかりと着実な技術の継承というものを図っていく。そしてさらに、業務移転の進展に伴って、現場業務のフィールドを局から団体に段階的に移行していくわけでありますので、そうした面においてもしっかりと理解した上で、企画立案とか委託監理を適切に行う必要が出てくるわけでありまして、本当に、いうはやすし行うはかたしでありますので、しっかりとこの部分、取り組んでいただきたいなというふうに思います。
 グループ全体として育成を行って、そして、将来を担う若手の局職員や団体社員のモチベーションの維持向上に努めていただきたいわけでありますけれども、意欲ある若手の社員や職員を確保できたとしても、その人たちに適切な技術やノウハウが継承されなくては意味がないわけです。これまで、技術、ノウハウをデータベース化したナレッジバンクや技術エキスパート制度を構築して、さらに実務研修を充実してきたとおっしゃっておりますけれども、このような知識中心の取り組みだけでは十分な技術継承ができないことは明らかでありまして、今後はもっとOJTに力を入れるべきだというふうに思います。
 そこで、この技術やノウハウを引き継ぐために、OJTにどのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。

○木村職員部長 水道事業に関する技術を有するベテラン職員の大量退職や局在職年数の短縮化、漏水事故等の対応を直接経験する機会が減少してきたことから、OJTによって学ぶ機会が減少し、OJTの質の確保が課題となっておりました。
 そのため、ナレッジバンクや東京水道技術エキスパート制度により、制度の見える化や保存に努めてまいりましたが、委員ご指摘のとおり、十分な技術研修を行うためには、こうした知識を実践的に活用する場が必要でございます。
 そこで、局では、若手職員一人一人の育成に関するOJT計画書を策定した上で、現場業務を任せ、先輩職員が適切にサポートする形のきめ細かなOJTを実施しております。
 これにより、マニュアル等では伝達困難な技術やノウハウに加えまして、安定給水を担う責任感やモチベーションも含めて継承を図ってまいります。
 さらに、民間事業者と連携し、局が直営で実施してきた検針業務や簡易作業などの業務を習得できる場を設定するなど、幅広い業務で効果的なOJTを実践してまいります。
 統合後の新団体では、水道事業の現場を担う重要性に鑑み、それぞれの職場において、社員の中からOJTを推進する責任者及び指導者を選任する体制を構築し、経験が乏しい社員に対して、技術やノウハウをきめ細かく継承していく仕組みを構築してまいります。
 こうした実効性の高いOJTを進め、東京水道グループを担う人材の育成に努めてまいります。

○鈴木委員 技術やノウハウを引き継ぐということが、本当にこれからの東京水道グループの発展にとって一番大事な部分だというふうに私は思っております。今ご答弁ありましたけれども、これまでも、ベテラン社員の大量退職、そして、局在職年数が短縮化され、また、漏水事故等の対応を直接経験する機会が減少してきたという状況の中で、このナレッジバンクや東京水道技術エキスパート制度によってしっかりと補完してきたということは、本当に評価するわけでありますけれども、これから若手社員一人一人の育成に関してOJT計画書を策定する、そしてまた、そのことによって、この責任者や指導者を選任するという取り組みというのも、私は、これからも本当にしっかりと行っていただきたいなというふうに思います。
 ぜひ効果的なOJTを実践して、東京水道が持つかけがえのない技術やノウハウを確実に継承していってもらいたいというふうに思いますけれども、先ほど申し上げたとおり、これまでの取り組みが本当に有効であったか、強い疑念を持たざるを得ない状況の中で、今回の団体統合が最後のチャンスであるというふうにも思いますので、本気で今後、人材育成に取り組んでいただきたいことを強く指摘しておきます。
 また、これらの取り組みを推進していくためには、何よりもまず、東京水道グループの進むべき方向性というものを共有していく必要があるというふうに思います。それにもかかわらず、TSSの野田社長が水メジャー発言を繰り返すなど、目指すべき方向性が、局と団体が本当に共有できているのか、私は疑問でなりません。水メジャー、要するに海外展開というのがいけないというふうにいっているわけではないんですけれども、今やるべきことは一体何なのかということを職員と皆さんと、そして経営者の社長とがしっかりと共有できていて、そして、局と、そしてまた、この政策連携団体が共有できているのかということが大事ではないかなというふうに思います。
 例えば、先日、この新団体の社長を推薦するに当たって、水道局とTSS、PUCの三者で協議して決めたというふうに報道されているわけですけれども、いわゆる子会社の社長を決めるのに、当事者と協議するなど、グループのリーダーとして、また、株式の八割を保有する株主として、責任はどこにあるのかというふうに、疑問を抱かずにはおれません。
 この水道事業の重要な業務を担うことになる新団体の社長は、水道局トップの責任に基づいて、一人で決めるぐらいの気概を持たなければ、局長、元特別秘書という経歴を持つ子会社の社長を御して徹底した指導監督を行うなど、とても私は、これからできないというふうにも思いますよ。
 そこで、水道局長は、どのように団体への指導監督を今後行っていくのか、お伺いいたします。

○中嶋水道局長 当局は、新団体の株式の約八割を保有する予定でございまして、東京水道グループを束ねる立場から、新団体に対するガバナンスを機能させ、経営に対する監視を一層強化してまいります。
 具体的には、現在も行っておりますけれども、局長を初めとした当局幹部等、団体の代表取締役社長等で構成いたしますグループ経営戦略会議におきまして、意見交換を活発化させ、当局としての意思を明確に伝達しますことや、団体からの経営状況に関する報告を詳しく義務づけることなどによりまして、責任を持って団体の指導監督を徹底してまいります。
 これまで、統合準備に加えまして、いろいろなその局の事業方針、その他につきましても、この会議を通じまして、随時団体に対して、局の方からの情報提供、指導監督を徹底しておりますけれども、今後、統合後は、さらにお話の点も含めまして徹底していきたいというふうに考えております。
 また、新団体の非常勤取締役につきましては、当局の部長級職員三名が就任する予定でございまして、取締役会での議論を通じまして、団体の意思決定等に当局としても深く関与してまいります。
 さらに、新団体にも、局と同様に中期経営計画や年間計画を策定させますことで、当局と団体間の経営戦略を統一いたしまして、相互に強みを生かしながら連携して事業運営を行ってまいります。
 こうしたことにより、グループ経営に関する新たな枠組みの構築と実践を通しまして、日々の業務に邁進していくことで、持続可能な東京水道の実現と団体の指導監督の徹底を行ってまいります。

○鈴木委員 局長、今の答弁を聞かせていただきますと、このグループ経営、そしてまた、団体の代表取締役社長さんたちとしっかりと構成をして取り組んでいくという話なんですけれども、この東京水道グループの中で、じゃ、誰が一番責任を担っていかなくてはいけないのか。局長、どなたなんですか、最終的に責任をとらなきゃいけないのは。

○中嶋水道局長 東京水道グループを率いておりますのは東京都でございますので、当然、東京都水道局長が責任を持ちます。

○鈴木委員 当然です。
 私は、ぜひ水道局長には、東京水道グループのトップとしてのリーダーシップを発揮していただいて、しっかりと経営をしていただきたいなというふうに思います。やはり社員も、そしてまた、職員の方も大変いらっしゃる巨大な組織であるわけでありますから、いろんなことがあるというふうに思いますけれども、経営者がぶれたら、組織は成り立たないというふうに私は思います。
 私も、父の後、経営に携わってまいりましたけれども、やはり常にそういった部分というのは、決断しなくてはならない部分はたくさんありました。その中で、一番大切にしなきゃいけないのは、ぶれないということだというふうに思いますし、いいづらい、いうべきことは、いわなくてはならないことは、つらいことから先にいっていこうというふうに思って、私も取り組んでまいりましたけれども、ぜひ、このトップとしての自覚を持って、これからもしっかりと経営に携わっていただきたいなというふうに思います。
 これまで、団体の統合にかかわる議題を中心に質疑してまいりましたけれども、この令和二年度予算について若干伺わせていただきます。
 この令和二年度予算には、浄水場の整備から送配水管のネットワーク化、配水管の耐震継ぎ手化、また、私道内給水管の整備など、安定給水を確保する取り組みが盛り込まれており、来年度は、東京二〇二〇大会期間の工事調整がありますので、事業者としっかりと連携をして、着実にこのことを実施することをまず要望させていただきます。
 そして、加えて、長期中止中の給水管の漏水などに対応する取り組みをモデル事業として新たに実施することとしておりますけれども、このモデル事業において、さまざまな観点から課題を検証し、事業化にぜひ結びつけていただきたいというふうに思います。
 水道事業は、いずれにしましても、水道工事を担う工事業者の存在なくしては成り立たないわけであります。また、水道工事のほとんどを担っているのは中小の工事事業者であります。工事事業者からは、三K職場の解消による若手技術者の確保や役所仕事による非効率な業務など、今、働いている職場環境にさまざま課題があるというふうにも聞いております。そのため、局として、中小の工事事業者にとって、より働きやすい環境に改善していくことが必要であるというふうに思います。
 そこで、事業者にとって働きやすい環境を整備する取り組みについてお伺いいたします。

○田中建設部長 当局では、建設業の働き方改革の環境整備の一環として、これまでも、長時間労働の是正や生産性の向上に取り組んできております。
 まず、長時間労働の是正の取り組みとしましては、週休二日制確保モデル工事を平成三十一年一月から、年間土木工事件数の約一割を対象に実施しております。
 こうしたモデル工事の検証を踏まえまして、令和二年四月からは、原則全ての土木工事に対象を拡大し、週休二日制確保の取り組みを進めます。
 一方、生産性を向上させる取り組みとしましては、今年度、関係各局と連携し、受注者へ提出を求めている工事関係図書の削減や簡素化の検討を行い、対象書類を抽出しました。
 これを受けまして、令和二年度は、工事着手届等を提出不要とするなど、関係図書を削減、簡素化するモデル工事を実施し、実際の工事を通じて検証してまいります。
 当局では、これらの取り組みを行うことで、建設業の働き方改革を一層進めてまいります。

○鈴木委員 今の答弁の中で、工事着手届け出等の提出を不要にする、そして関係図書を削減、簡素化するモデル化も実施しながら、実際の工事を通じて、検証して、これに取り組んでいくということは、本当に私はこれは大切なことだというふうに思っておりますので、しっかりと取り組んでいただきたいなというふうに思います。
 建設業の働き方改革の一環として、週休二日制の確保というものをこれからしっかりとやっていくという話なんですけれども、大事なのは、やはり中小事業者が多い中で、民間受注にも、民間の仕事にも、やはりこういった取り組みが進んでいくような形で、ぜひ東京都が中心となって啓発をしていただきたいというふうに思います。そうして、事業者を支える取り組みというものもこれからも積極的に進めていただきたいというふうに思います。
 また、安定給水のためには、水源が重要なことはいうまでもありません。
 長期構想の素案では、水道水源林はもとより、荒廃が進む民有林についても、関係機関と連携して、鹿の捕獲事業や、水源林と民有林を効率的に保全するための林道の整備などに取り組むとしております。
 こうした取り組みというのは積極的に進めるべきでありますけれども、民有林については、所有者がわからないことが荒廃の進む原因の一つと聞いております。私はこれまで、産業労働局に対しましても、こうした所有者不明の森林に対する対策を講じるべきと、そして、水道局に対しても、民有林の積極購入を進めていることから、所有者の調査を進めて、もっともっと対応していただきたいというふうに要望をしてきております。
 そこで、この所有者が不明な森林調査の状況と今後の対応についてお伺いいたします。

○尾根田浄水部長特命担当部長兼務 水道局では、平成二十九年度から、小河内貯水池への影響が特に懸念されるエリアを重点購入地域と位置づけまして、登記簿に記載された所有者宛てに売却意向を確認する調査を行っております。
 これまでの三年間では、相続時に所有権が引き継がれず、そのまま放置されて所有者が不明となっている事例が約二百件ございました。現在、これらの事例ごとに所有者を特定するため、住民票等の調査を始め、現地確認や近隣の方々へ聞き取り等を順次進めております。
 今後、この調査により所有権が判明した森林につきましては、購入を働きかけてまいります。
 また、調査を経てもなお所有者がわからない森林につきましては、一定の手続を経ることにより市町村が管理することができる森林経営管理制度の活用を地元自治体へ働きかけてまいります。

○鈴木委員 これまで、荒廃が進む民有林への対応も再三要望してまいりました。
 しかし、ただいまの答弁のように、これまでの三年間で、相続時に所有権の引き継ぎがされず、そのまま放置されて所有者が不明な事例がまだ二百件もあるということであります。現在、事例ごとに所有者の特定と購入の働きかけをしているということでありますけれども、先ほどの要求資料にも示されておりましたけれども、なかなか民有林の購入実績にはつながっていないのかなというふうにも思います。
 新たにこの調査を経て、なお所有者のわからない森林については、先ほどの答弁のように、森林経営管理制度の活用で、地元自治体への働きかけをしていくという話でありますけれども、しっかりと進めていただいて、そういった中にも、この間にも荒廃がどんどん進んでいってしまうわけでございますので、ぜひこれからも積極的に関係機関と連携して取り組んでいただきたいことを強く要望しておきます。
 いずれにしましても、水道局の使命は、将来にわたる安定給水の確保であるということはいうまでもありません。水源から蛇口に至るまでの取り組みをしっかりと継続的に実施していくことを要望しておきます。
 最後に、我が会派としては、本日の答弁をもとに、新団体の業務運営上の健全性や東京水道グループとしての確実な人材育成について、今後も、これまで以上に厳しく注視していくことを表明して、質問を終わります。

○伊藤委員長 先ほど、鈴木委員から申し出がありました野田社長の参考人招致につきましては、後刻、理事会で協議をさせていただきたいと思います。

○河野委員 質問の前に、新型コロナウイルス感染拡大に関して、お願いを含めて申し上げておきます。
 新型コロナウイルス感染拡大が日本と世界を震撼させています。水道局は飲料水を供給しておりますから、細心の注意を払って感染防止へ努力されてきていると思います。終息の見通しはまだ遠いと感じる今なんですが、職員の方々の健康にも留意されながら、都民生活の安全へ、引き続きご尽力をいただくようにお願いをしておきます。
 では、質問に入ります。
 水道局は、ことし一月三十一日、二十年間の東京水道の長期構想、持続可能な東京水道の実現に向けて、東京水道の長期戦略構想二〇二〇素案を発表しました。水道事業全般にわたりますので、長期戦略構想にも関連しながら、順次質問をいたします。
 初めに、水道メーター検針の業務委託について伺います。
 水道局は、かつては都職員が行っていた水道メーターの検針を全面的に業務委託しています。
 我が党はこれまでも、検針員の賃金や労働環境の改善のために質問をしてきました。
 検針員は水道局の料金計算の仕組みに基づいて、検針の定例日というのが決められていて、大雪、台風など厳しい気象条件のもとでも必ず検針に出るというふうになっています。昨年の秋、大きな被害をもたらした台風十九号襲来のときも、検針のために外に出なくてはならない局面がありました。鉄道会社の計画運休が行われるなど過去最大級の大型台風だったため、不安を感じた現場労働者からの要請もあり、水道局は、業務委託会社に、最も風雨の激しい十月十二日正午以降、検針業務は不可との通知を出しました。これは、これまでかつてなかったことで、検針員の安全を考えれば正しい判断だったと思います。水道局の方針を受けて、委託会社も対応したようですが、会社によって、また、営業所によって、取り組み方がばらばらだったという問題も残りました。そのことについては、今後、委託会社との意見交換を十分にしていただくなど検針業務の安全確保に努力してくださることを要望しておきます。
 今回は、まず、都水道局のメーター検針の仕組みについてお聞きいたします。
 メーターの検針は二カ月に一回行われていますが、検針に行く定例日というものが設けられていると聞いています。どんな日割りで定例日が設けられているのか、それはどのような考え方によるものなのか、ご説明をください。

○小平サービス推進部長 メーター検針の定例日は、東京都給水条例第二十四条の二に基づき、料金算定の基準日として、月のうち一日から二十四日までの間に、地域ごとに合計十五日の定例日を設定しております。ただし、定例日が土曜、日曜、祝日等に該当する場合には、定例日以外に検針を行う場合もございます。
 このような定例日は、使用水量が多いほど単価が上昇する逓増料金制のもとで、お客様間の公平性を確保する必要があるために設けられております。

○河野委員 お客さんの、都民からの料金徴収を正確にするために、二カ月に一回、確実に決められた定例日に検針を行う必要があるようですが、昨年秋の台風時にも、定例日を守らなくてはいけないと、検針中止をためらう委託会社、そして検針員がいたようです。雨の日も、風の日も、雪の日も、決められた定例日を守らなくてはならないのですから、厳しい仕事です。定例日の検針を強く義務づけているのが東京都水道局のメーター検針の特徴ではないでしょうか。
 メーター検針について、私はもっと改善の余地があるのではないかと思い、他の自治体に問い合わせてみました。政令市の広島市です。ハンディーターミナルでメーターを読み、台風などで日付が変わっても、通常の業務と変わりなくできる。その日にできなくても、計画を変えて次の日にできるとのことでした。千葉市は、都心に近い十一市に給水していて、検針業務は委託されているとのことでしたが、台風などの災害時では、前後三日に定例日はずらすことができ、検針作業はいつもどおり行っていることに変わりはないといっていました。
 比較して、東京都水道局のメーター検針の定例日、決められた日に検針しなければならないとされているわけですが、こういうことから、どんな悪天候の日も検針に出ていく、それが検針員の実態です。東京都の定例日の決まり、厳し過ぎるのではないかと考えるのですけれども、いかがでしょうか。

○小平サービス推進部長 他事業体におきましても、さまざまな異なる検針制度を有していることは把握しておりますが、当局におきましては、お客様間の公平性を確保するため、定例日を基準に検針することとしております。
 ただし、検針委託業務による処理要領では、天候不順、検針従事者の事故、病気による突発的な欠員の発生等、真にやむを得ない事由により遅延を来すことが予測される場合は、受託会社と協議の上、検針日の変更を行うことができるとされております。例えば、昨年発生いたしました台風十九号接近の際にも、協議の上、事前に検針の中止を通知し、後日に検針を行ったところでございます。

○河野委員 ご答弁にありました天候不順とか検針従事者の事故、そういうときには、やむを得ない事由と認めて遅延を来すこと、これは認めているということでありましたし、台風十九号のときも、そのような対応をされたというご答弁でありました。でも、このときもなかなか、検針員の方々は不安を感じつつ、どうしたらいいのかというのを悩んでいたというのが現実であります。
 料金算定の基礎を一定期間にそろえる必要がある。そのことから、台風でも、大雪でも、検針に出る。それが今までの東京都の検針員の人たちの置かれている立場だったわけです。検針日の変更はよほどのことがない限り行われてこなかった、これが事実ではないかというふうに思っています。
 都内の民間企業にも聞きました。水道局と同じように、ライフラインを担っている東京ガスと東京電力です。
 東京ガスは、定例日はありました。家主がいなくても、メーターが見える位置にあれば、入って検針する。見えない位置にあるときは、不在票を入れておき、家主から希望検針日を連絡してもらい、その日に行くという方法だそうです。再検針でも、検針員がハンディーターミナルを持っているので、検針内容はすぐに出せる、手書きではない。悪天候で検針ができなかった場合は、お客さんに通知するようにしている、そのように聞きました。
 東京電力も、悪天候などで検針作業を翌日に繰り越しても、機械を使っての作業は通常と変わらないと話してくれました。
 水道局の検針業務は、正確な検針データが出るように、混乱が起きないようにと考えて、これまで取り組まれてきたと思うんですけれども、やはり検針員に大きな負担を感じさせるものになっていると、私はお話を聞きながら、検針員さんたちとお話をしたのですけれども、そのときに感じました。
 東京ガス、東京電力などとの比較で、こうした検針のあり方、比較的幅を持たせたりしている、そういうことについて、水道局は今どのようなお考えになっておられるか、お聞かせください。

○小平サービス推進部長 他企業との比較でございますが、東京電力では、一日から二十六日までの検針期間内に合計十九日の検針日、いわゆる当局でいうところの定例日を設定していると聞いております。
 また、東京ガスでは、同じく一日から月末までの検針期間内に、合計二十日の検針日を設定していると聞いております。
 いずれも当局と同様に、業務の効率性、お客様間の負担の公平性の観点から、毎月一定の期間内に定例日をあらかじめ定め、原則、当該日に検針を実施しております。

○河野委員 ご答弁いただきました。東京電力は定例日を決めていますが、一カ月のうちで合計十九日の検針日、そして、東京ガスが一カ月に合計二十日の検針日ということでありました。
 検針日の定例日は、他の自治体及び東京ガス、そして東京電力は、東京都の水道メーターの検針に比べて、ゆとりを持っているというのをここから感じ取れるんです。東京の検針員は一カ月十五日と決められていて、定例日の検針に行って留守だった場合、一日おくれると、手書きの請求書を出さなくてはならないこと、そして、定例日がずれた日数分の割り戻し計算と、はがきのお知らせも検針員の仕事になっているようです。
 負担を少しでも軽減できるよう、定例日の定め方や、そしてその運用の仕方については、今後、水道局として、さらに検討していただくことが、今、大事なことなんじゃないか、また必要なことなんじゃないかということを、私は検針員の皆さんのお話を聞きながら感じておりますので、ご検討ください。
 次に、都内でふえているオートロックマンションの検針についてお伺いをいたします。
 水道検針でオートロックマンションに入るのは容易ではなくて、以前から指摘してきましたけれども、検針員さんたちの悩みの種になっているんです。検針に入りたくても、なかなか入れてもらえない、入るには、管理人に頼んで暗証番号を教えてもらうんだけれども、会えない場合があるし、入居者に 聞く方法ももちろんあるけれども、プライバシー保護、人権意識の高い人ほど、私の責任では開けられないと断られるそうです。人権意識は、昨今では当たり前かなと検針員さんは思っているそうなんですけれども、何とかならないかと困っているのも実情であります。
 水道局は、委託会社などから、オートロックマンションのメーター検針について、その実情を聞いているのかどうか、このことについてご説明をいただきたいと思います。

○小平サービス推進部長 水道メーターは、給水条例施行規程第七条により、原則として検針が可能な場所に設置することとされております。
 近年増加しておりますオートロックマンションにつきましては、給水装置の設置基準を示す施行要領において、建築時に入館方法等を水道局へ通知することを義務づけております。しかし、建築後の所有者の変更などにより、入館方法が変わった場合には、検針を所管する各営業所が建物の所有者などと個別に交渉することにより、入館方法を取得しておりますが、ごく一部に取得が困難な場合があるとの報告を受けております。
 これらの事例に関しましては、局と検針受託会社との定期的な連絡会などを通じて実情を把握し、適正な検針に向けた改善に努めております。

○河野委員 マンションのオーナーがかわった場合など、中に入れてもらえない、そういうことになっている場合もあるようですし、このことについては、検針員の人たちが、定例日がきちんと決められて、ちゃんとその日にメーターを検針しなくちゃいけないのに、なかなかそのことを実施するのが難しいというふうに大変困っているわけです。
 そういうふうな事態が起きないように、私は、マンションのオーナーなどに厳格に水道局が対応していただく必要があるのではないかと考えておりますので、この点についてもよく実情を調べて、ご検討をいただきたいと思います。
 現実に起きていることを紹介したいと思います。給水条例では、メーターはいつでも見られるようになっているが、現実はそうなっていない、新築にするときは、メーターが見られるようにともなっているが、それも守られていない場合があるなどのことが聞かれます。
 現在、検針が困難なオートロックマンションが東京都の水道局が責任を持っておられる地域の中でどれぐらい存在するのか、局は把握されているか、お答えいただきたいと思います。

○小平サービス推進部長 検針が困難な事例といたしましては、例えば、入館方法が不明である場合のほか、管理人がいる曜日や時間に制限がある、管理者側が、通常の検針は認めるが、停水を前提とした検針は認めないなど、さまざまなケースがあり、共通の定義や範囲等を定めることが困難なため、全体としては把握しておりません。

○河野委員 検針員の人が検針に入れなければ、水道の使用量がわからないのではないですか。料金請求もできないことになって、水道局のおっしゃるお客様間の負担の公平性にもかかわってくるんだと思います。検針員さんたちの苦労にも心を寄せて、実情を把握し、そして、きちんとした対応策を考えていただけるように、改めて、引き続きのご努力をお願いしておきたいと思います。
 オートロックマンションには、管理人が常駐しているとは限りません。マンションの管理運営経費の削減の関係で、ごみ出しの日しか管理人が来ないというマンションもあります。最近ではエレベーターロックがあって、その階ごとに暗証番号などが必要になっているところもあるそうです。検針に入れないと、次の日に検針に行くことになります。その日の分と前の日の分を合わせた検針件数になって、労働の強化にもなっております。また、手書きの検針票を書かなくてはならず、その負担も大きいそうです。マンションの戸数が百戸あれば、全部手書き、後日はがきでお知らせもしなくてはならないなど、苦労されております。
 オートロックマンションの検針がスムーズに行えるよう、マンションの建設時に、オーナーや施工業者に、検針できる場所にメーターの設置基準、こうしたものを義務づけるなど、何らかの方策を講じていく必要があると考えるんですけれども、この点はいかがでしょうか。

○小平サービス推進部長 円滑な検針は、正確な料金算定のために不可欠でございますため、オートロックマンション建設時には、所有者に入館方法の提出を義務づけているところでございます。
 建築後に入館困難となる事案には、さまざまな場合があることから、局と受託会社との定期的な連絡会を通じて、実情を把握いたしますとともに、現場で慎重な交渉を重ね、適正な検針の確保に努めておりまして、今後もこうした取り組みを強化してまいります。

○河野委員 水道局も、検針がきちんとできるように、マンションのオーナーなどに働きかけをしているということは、今のご答弁でわかりました。また、受託会社との定期的な連絡会を開き、実情を把握されているのも大事なことだと思います。
 もう一つ努力していただきたいのは、前にも要望いたしましたが、現場で生の体験をしている検針員の人たちの意見を水道局が直接聞く、この努力をしていただくことです。ぜひこの点についてもご検討をいただきたいということを強く要望しておきます。
 ある政令市では、市がオートロックマンションの鍵を預かる方法などをとっているようです。もちろん、市が誓約書を書いて、法令違反の行為が、検針員がですね、そういう行為が起こらないように取り決めをしている、そういう工夫をされているようです。
 また、定例日についても、期間を緩やかに設定している自治体があるのは、水道局の先ほどの答弁でもわかりました。検針員の人たちが働きやすい環境づくりに向けて、柔軟に対応していただきたいということを提案しておきます。
 続いて、スマートメーターについてお聞きします。
 水道局は、二〇二五年度までにスマートメーターを十万戸に設置、二〇三〇年代をめどに全戸に設置との方針を都水道長期戦略構想素案でも明らかにしています。
 スマートメーターの価格、一個約一万五千円もすると聞いています。通常のメーターは二千円前後でありますから、大体、五、六倍になるのでしょうか、大変高額だと思います。
 メーター購入代は水道局が支払うのですから、大きな財政負担が伴います。この財政負担が大きいことについて、局はどのようにお考えでしょうか。

○清水企画調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 国内における水道スマートメーターの導入段階は、現在のところ、小規模な実証実験にとどまっており、普及が進んでいないことから、現行メーターと比べ、価格が高くなっております。
 そのため、当局では、国内最大規模となる約十万個のメーターを設置した実証実験を率先して行うことで、導入効果の検証のみならず、全国のスマートメーター導入の取り組みをリードしてまいります。
 また、現在、横浜市や大阪市と連携し、メーター仕様の標準化など、メーター導入拡大に向けた検討を進めており、今後さらにこの連携を全国の水道事業体にも広げてまいります。
 こうしたさまざまな取り組みにより、メーター市場の形成を促進し、全戸導入に向け、メーター価格の低下を図ってまいります。

○河野委員 技術の開発は進歩する、そのように思います。スマートメーターの量産ができるような状況がつくれれば、コストは当然下がっていくと思います。しかし、現段階では、確実にそうなるとはいえないと思います。コストがダウンすると積算した数字などがあれば、水道局からいずれかの機会に私たちに示していただきたいと思っています。
 今、晴海の五輪選手村に六千戸ですか、それからパイロットエリアに十万戸ということで、計画は示されておりますが、じゃあそのパイロットエリアは一体どこなのかと伺っても、余りはっきりとしたお答えが返ってこないというのも私たちが持っている情報の現実です。
 今の時点では、コストの低下ですか、それが近い将来できるだろうというご答弁だと思うんですけれども、希望的な観測も入っているということ、そういう印象を持つということをお伝えしておきたいと思います。
 スマートメーターは、水を使っていないと動きません。電気は冷蔵庫などの家電があったりしますから、絶えずメーターは動いています。水道の場合は、留守でスマートメーターが動かないということがデータセンターに使用状況として送られる、このことは究極のプライバシー侵害になるという批判があります。その方の生活の実態、生活の様式がスマートメーターの動きでわかってしまうからです。
 実際に、東京電力のスマートメーターについても、データから生活パターンが推測できるプライバシー情報なので、電力会社などに知られたくないと設置を拒否する意向の人が少なくないと聞いています。
 プライバシーの保護については、水道局はどのようにお考えでしょうか。

○小平サービス推進部長 スマートメーターを導入しますと、そのデータによりご家庭の水道使用状況を詳細に把握することが可能となるため、プライバシーの保護には、より一層の配慮が必要になると考えております。
 一方で、水道使用状況が詳細に把握できることで、例えば、漏水の早期発見や、離れた場所にいながら高齢者や子供の在宅状況を確認する見守りサービスに活用が可能となるなど、お客様にとって多くのメリットがございます。
 スマートメーターの導入に際しましては、プライバシーの保護について慎重に検討してまいります。

○河野委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 スマートメーターのことですが、その導入が進むと、検針員の仕事にも影響いたします。前から述べているように、委託会社と水道局の委託単価が下がり続けていることから、検針員の人たちの賃金が低く抑えられているのは、この間の質疑で明らかにしてきました。賃金が安く、労働もきついけれども、この仕事を続けているのは、東京都水道局、すなわち公の仕事に自分たちが携わっている、その誇りがあるからと検針員さんたちがいっていました。
 検針は公務労働です。高額なスマートメーターを急速に普及しようとしている水道局ですが、現在、水道局の事業を支えている検針員の方々の仕事がなくなってしまうような事態を招かない準備もあわせてお考えなのでしょうか、お聞きしておきます。

○小平サービス推進部長 スマートメーターは、お客様サービスの向上と検針業務を初めとする業務の効率化に資するものであり、局としても積極的に推進していく必要があると考えております。
 今後の検針業務のあり方につきましては、将来を見据えながら、局、政策連携団体、受託事業者、それぞれの役割も踏まえ、必要に応じて検討してまいります。

○河野委員 伺っていて、何となくぼやっともやがかかったようなご答弁と感じています。
 頑張って水道局の事業を支えている検針員の人たちが、今後、どのような仕事と生活の保障があるのか、今のご答弁では見えてきません。検針員の処遇の実態は、労働条件、低賃金、社会保険に加入していないなど、低いレベルの状況に置かれています。水道局が委託単価を切り下げ続けて、定例日の厳守やメーター検針のほかにも、各戸の見守りなど、仕事に負担をかけてきた今のあり方を改善の方向でぜひ見直していただくこと、検針員の生活が成り立たないような事態をつくらないように、十分な配慮、対策を要望しておきます。
 検針員は、メーターの動き具合で各家庭の見守りの役目も務めています。スマートメーターでは、いざというときの機敏な見守り、支援の役割を果たせない可能性が高いと感じています。東京都水道局は、スマートメーターの設置の方針が先にありきという姿勢ではなくて、都民生活を守り、プライバシー保護など、都民の声、実態に即した取り組みをしていただかなくてはならないと、このスマートメーター設置の方針を見て考えているところでありますので、努力を求めておきたいと思います。
 次に、耐震継ぎ手化についてお伺いします。
 災害時、命を守る水が各家庭に安定して供給される大切さを昨年十月の台風十九号で被害に遭った奥多摩町に行って痛感をいたしました。東京は、長期戦略構想二〇二〇素案にあるように、二つの首都直下型地震の切迫性が指摘されています。
 私が住んでいる江戸川区は、東京湾北部地震発生時は断水率六〇%を超え、そして、多摩直下型地震が起きた場合には、断水率が四〇%から六〇%の地域になっています。この持続可能な東京水道の実現に向けてという印刷物の四六ページに載っています。
 災害時にも給水を守る耐震継ぎ手化は、二〇二二年度までに、年間事業量として小管と本管合わせて三百六十六キロメートル、その次に、断水率五〇%を超える取りかえ優先地域の解消、三百七十一キロメートルを二〇二八年度までに実施すると書いてあります。
 九九・八%になっているダクタイル化は、一九六〇年から実に六十年間かけて取り組まれてきたことが、この長期戦略構想素案からわかるのですが、一九九八年から取り組みが始まった後発の耐震継ぎ手化は、四十数%の達成状況です。
 取りかえ優先地域が二〇二八年までに目標を達成できるのか、達成した場合、全体の耐震継ぎ手化は、何十%まで事業が進捗するのかをお伺いいたします。

○尾根田浄水部長特命担当部長兼務 水道局では、災害や漏水事故等の発生に万全を期すため、更新する管路につきましては、今後、優先順位を明確にして重点的かつ効率的に整備してまいります。
 今回の長期構想の素案では、令和五年度から取りかえ優先地域の管路の耐震継ぎ手化を重点的に推進することで、令和十年度までに断水率が五〇%を超える地域を解消することとしております。
 なお、この令和十年度末の管路の耐震継ぎ手率でございますけれども、六〇%となる見込みでございます。

○河野委員 令和十年度末で六〇%ですから、まだまだなかなかご努力の中でも大変だなと感じています。
 取りかえ優先地域は、豪雨のときに浸水する東部低地帯と重なっています。地震にも浸水にも弱い地域であるのは確実でありますから、取りかえ優先地域の耐震継ぎ手化の促進を強くお願いしておきます。
 続いて、東京水道長期戦略構想二〇二〇素案の諸事業のロードマップに関してお聞きしておきます。
 昨年十二月に、東京都政策企画局から出された未来の東京戦略ビジョンを読みました。
 水道局の耐震継ぎ手化がどのように位置づけられているか、確認してみました。二〇四〇年代の東京ビジョンの防災のページの記述ですが、こう書いてあります。首都直下型地震への備えも不可欠であり、道路の無電柱化や、重要な道路沿いの建物耐震化、木造住宅密集地域の不燃化、都市インフラの耐震化など、これまでの取り組みをさらに加速していくと書いてあります。都市インフラの耐震化の言葉の中に、水道管路の耐震継ぎ手化も含まれているのでしょうが、災害時の命の水への位置づけが極めて弱い、そうした戦略ビジョンだということを感じました。
 二〇三〇年に向けた戦略8の耐震化徹底プロジェクトには、被害想定において断水率が五〇%を超える地域の配水管の耐震化を推進の一行がありますが、具体的な取り組みについては、このビジョンでは明記されていません。
 水道局の長期戦略構想では、グラフで耐震継ぎ手化の到達や目標が載っていますが、先ほどお答えいただいたような目標年度は、詳細には、私たちにはこの長期戦略構想でも伝わってきません。
 東村山、金町の大規模浄水場の更新は一体何年度に完成なのか。特に、東京水道の大きな変化となる政策連携団体への業務移行問題など、具体的な取り組みや達成年度は漠としている、これを長期戦略構想を見て感じているところです。
 二〇四〇年度までの二十年間の取り組みが、誰にも理解できるように、ロードマップを明らかにしていただくことが望ましいと考えるんですが、水道局はどのようなご見解をお持ちでしょうか。

○石井経営改革推進担当部長 今回の長期構想は、今後、二〇四〇年代を見据えた東京水道が目指すべき姿とその実現に向けた取り組みの方向性について、現状分析と将来予測を行い、事業におけるさまざまな具体的目標を示してございます。
 例えば、大規模浄水場の更新については、東村山浄水場については二〇三〇年代、金町浄水場については二〇五〇年代に着手するとしております。
 また、管路の更新につきましては、現在進めている重要施設の供給ルートの耐震継ぎ手化及び取りかえ困難管の更新を二〇二二年度、取りかえ優先地域の解消を二〇二八年度までに完了させ、その後は、供用年数を踏まえた計画的な更新を行うこととしており、二〇四〇年度末の耐震継ぎ手率は約七割と見込んでおります。
 さらに、スマートメーターについては、二〇三〇年代を目途に全戸導入を目指すとしております。
 このように、長期にわたるさまざまな目標について、できる限り数値化をし、財政収支見通しに盛り込んでございます。

○河野委員 水道局は、長期戦略構想の素案について、三月十五日までパブリックコメントをされていました。
 今、示されている長期戦略構想の素案には、いただいているこの印刷物ですね、ここには有識者委員の意見が出ていますが、今後、パブリックコメントで都民の意見が寄せられてきたところが集約されていきますから、その内容も発表していただいて、私たちも注視しながら、事業全体の行方を見つめていきたいと考えています。
 最後に、要望も込めて意見を申し上げたいと思います。
 長期戦略構想素案には、今後の東京水道を取り巻く状況の変化として、人口減少、給水収益の減少、その推計グラフや施設の老朽化など、厳しい見通しが示されています。
 一方で、事業運営の基本的な考え方で、不断の経営努力や企業債の発行余力の活用を進め、料金水準をできるだけ維持し、長期的に持続可能な財政運営を行いますとしています。
 私は、東京の水道事業について厳しい見通しをされている中で、料金水準をできるだけ維持するとの考えが明らかにされていることを注目しています。水道法第一条は、水道は、清浄にして豊富低廉な水の供給を図り、もって公衆衛生の向上と生活環境の改善とに寄与すると定めてあります。命に直結する水だからこそ、料金も低廉にと法律で定めている理由があると思います。
 長期戦略構想素案には、政策連携団体への事業の移行が強く打ち出されていますが、誰もが安全な水を安定して供給を受けられるのが、基本的人権や生存権を保障する上でとても大切です。
 地方公営企業法の三条は、経営の原則として、企業の経済性発揮と公共の福祉を推進するとしています。公の責任で、東京都水道局の責任で公衆衛生を守り、清涼で豊潤低廉な水の供給に力を尽くされることをお願いいたしまして、質問を終わります。

○伊藤委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後三時二十六分休憩

   午後三時四十五分開議

○伊藤委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言をお願いします。

○山口委員 さて、皆様におかれましては、新型コロナの感染症対策ということで、本当に連日、さまざまな場面でご苦労を重ねられていることと思います。心身ともに疲労している中、こうして、委員会質疑、誠実にお答えをいただいていることに心から感謝とお礼を申し上げ、また、ともに闘っていくことを改めて表明をし、質疑をさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 さて、私からは、災害対策、ICT、さらに東京水道長期戦略構想の二〇二〇ということで、この三分野を中心に質問させていただきたいと、このように考えているところでございます。
 まずは、災害対策について幾つか伺わせていただきたいと思います。
 さて、ライフラインの中でも、水道というのは、当然のことながら供給停止が都民の命に直結するという面で、電気やガスよりも重要であるという位置づけでいいと私は考えているところでもございます。
 その中でも、応急給水であるとか、給水車について、これまでさまざまな質疑が重ねられてきたところでありますが、昨年の十月、台風十九号においては、奥多摩町で町の大半となる約二千七百戸、日の出町でも約五百戸の断水が発生いたしました。東京都水道局として初めて他の事業体に救援要請を行って、さいたま市水道局や千葉県企業局などから計六台の給水車による救援を受けたところでもございます。
 水道局は、給水車を現在十四台保有しているところでございますが、今年度新たに九台を購入するほか、来年度七台さらに購入し、合計三十台を保有することになるという予定だというふうに伺っているところでございます。
 まず、今回新たに給水車を配備することによって、災害時の応急給水の面でどのような効果が期待されるのかというところを伺いたいと思います。

○岡安理事 当局ではこれまで、給水車十四台を、区部では、杉並区にあります水道緊急隊に十台集中的に配備し、エリアが広い多摩地区では、四カ所の給水管理事務所に各一台配備するとともに、他都市等からの支援による給水体制を確保しております。
 今回、今年度に九台、来年度に七台、計十六台の給水車を新たに配備することによりまして、区部では、水道緊急隊に加え九カ所の支所等に分散して配備することで、例えば病院等、人命にかかわる現場への移動距離の短縮化が図られます。
 また、多摩地区では、既存の給水車に加えまして、必要に応じて水道緊急隊から給水車を派遣することが可能となりまして、バックアップ体制が充実することになります。
 こうした新たな給水車の配備によりまして、より多くの病院等への応急給水が可能となり、他都市等の救援部隊が到着するまでの災害発生初期において応急給水体制が充実強化されることになります。

○山口委員 今伺っただけでも、また、伺うまでもなかったのかもしれませんが、水道局における災害時の体制が強化されるということが改めて確認できたというふうに考えます。
 一方、給水車は、災害時だけではなくて、水道管の事故などの突発的な事故発生時にも有効に活用できるんだろうというふうに考えるわけでありますが、また、災害時に速やかに給水車を派遣するためには、日ごろから給水車を用いた訓練というのが非常に重要になってくるのではないかと考えるところであります。
 そこで、今回、新たに購入する給水車を含め、災害時以外において、給水車をどのように運用していくのか、伺いたいと思います。

○岡安理事 これまで給水車を配備しておりました水道緊急隊及び多摩水道改革推進本部では、水道管路の損傷等により突発的に断水や濁水が発生した際に、給水車を速やかに現場に出動させ、地域住民等への応急給水を実施しておりまして、今後もこうした対応は継続して実施をしてまいります。
 また、今回新たに配備する給水車を含め、給水車の操作を適切に行うことのできる職員を育成するため、給水車を実際に使用し、公道での運転や給水所等での充水作業等を行う訓練を、引き続き計画的に実施してまいります。
 さらに、災害時に優先的に応急給水を行う対象となる災害拠点病院に給水車を派遣し、現地で病院と連携した実地訓練を実施してきましたが、今後、こうした取り組みをさらに充実させてまいります。
 今後も、災害発生時以外においても、事故対応や職員の訓練などで、効果的な給水車の活用を図ってまいります。

○山口委員 給水車、いざというときに住民の皆様の命を支える重要なアイテムだということでありますから、今後も、局としての万全の対応をお願いしたいと思います。
 さて、もう一点訓練について伺いたいわけでありますが、昨年の事務事業における我が会派の質疑の中においても、水道局では、災害対策のソフト面の取り組みとして、年間五百回を超える訓練を実施し、その訓練を通じて明らかになった課題の検証を行う中で、対策の改善に生かしていると答弁をいただいたところでもございます。
 そこで、今回、今年度行った訓練によって、どのような課題が判明して、その後、対策にどのように生かしていかれるのかを伺いたいと思います。

○岡安理事 当局では、大規模災害やテロの発生など、さまざまな脅威に的確に対応するため、年間を通じて体系的かつ網羅的な訓練を実施するとともに、訓練実施後は、浮かび上がった課題を速やかに整理し、対策に反映させております。
 具体的には、今年度実施した訓練を通じまして、発災時の広報について、より都民目線に即した、わかりやすい発信が必要との観点から、発災時の断水や濁水の影響範囲、飲用の可否等をよりきめ細かく発信するよう、その公表様式を改善することといたしました。
 また、発災時に使用する震災情報システムの操作習熟の面で課題が見られましたことなどから、来年度、システム操作研修の充実を図ってまいります。
 今後も、訓練の計画から実施、検証、そして対策の見直しまでのPDCAサイクルを通じて、組織全体で危機対応力の向上を図ってまいります。

○山口委員 今お話をいただいたように、この訓練から、実際に都民目線でわかりやすい発信に心がけていく、具体的な改善を既にもう検討されているということで、非常に心強いと思いますし、そういった中から、こうした改善が図られていく体制に、非常に私たちも期待をしているところでもございます。
 先ほど給水車のお話もいたしました。ここに座っていらっしゃる理事者の中にも、いざというときには給水車を運転できるような訓練や、もう既に、そういう研修を受けられているという話も実は聞いています。そういった点では、皆様に係るところも非常に大きいと思いますし、そういった訓練が、よりいざというときに生かされるよう努めていただきますよう強く要望して、次の質問に移らせていただきたいと思います。
 続いて、ICTについて伺わせていただきたいと思います。
 局はこれまでも、水運用に必要な取水量や配水量、二カ月に一度の検針によるお客様の水道の使用料など、多岐にわたるデータを収集して事業に活用していると、これは理解をしています。
 一月末発表の長期構想素案において、局は、二〇三〇年代を目途に、都内全戸にスマートメーターを導入する考えを示したわけでありますが、このスマートメーターの導入によって、水道管内の水量、水圧に加えて、個人別のきめ細やかな水道の使用状況など、さらに多くのビッグデータが収集をされることとなるわけであります。
 局は、こうしたこのビッグデータであるとか、高速データ通信網、5Gを活用したお客様サービスの向上であるとか、業務の効率化を今後は目指していくんだというふうに示されているわけでありますが、一体これをどのように活用するのか、またどのように業務が改善されるのかというのは、水道局とこういったつながりというのがなかなかイメージしにくいので、その幾つかの具体的な項目について質問をしたいなというふうに思うんです。
 水道局は、まず、来年度の予算において、5Gやビッグデータの活用調査を実施するということにしていますが、どのような目的でこの調査を実施するのかを伺いたいと思います。

○清水企画調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 当局では、水源から蛇口に至るまで、日々稼働する数多くの施設等のデータや水運用に関するデータ、お客様からの声など、さまざまなデータを保有、蓄積しております。
 こうしたデータについて、従来の枠にとらわれない多様な活用を図り、ICTの進化に対応したお客様サービスの向上や業務の効率化を進めていくため、来年度、コンサルタントを活用した調査検討を予定しております。
 この調査検討では、まず、施設の点検データなど紙で蓄積されているデータを調査し、そのうち活用が見込めるものについて優先順位づけをした上で電子化を実施してまいります。
 また、システム等が有する各種データについて、互いのデータや今後スマートメーターから得られるデータ、行政、民間データ等との掛け合わせによる新たな活用策を検討いたします。
 さらに、高速大容量や多数同時接続等の特徴を有する5Gの普及により、新たなデータの取得や送受信が可能となることから、こうしたデータの活用についても検討を進めます。
 加えて、このようなデータのデジタル化や活用等を着実に継続するための仕組みについても調査検討を行ってまいります。

○山口委員 今お話をいただいたように、5Gとかビッグデータの活用に加えて、今後、労働力の人口が減少していく中で、このAIを活用した業務の効率化というのは非常に大変な、重要な意味を持つと思うんです。
 そこで、水道局では、今年度から、都民からの契約の申し込みであるとか、各種問い合わせを受けるお客様センターでAIを本格的に導入しているというふうに伺っているところでありますが、その内容について伺いたいと思います。

○小平サービス推進部長 当局のお客様センターでは、年間二百万件を超える問い合わせや要望、苦情等に対応するため約四百名のオペレーターが在籍しておりますが、近年、オペレーター確保の困難化やベテランオペレーターの減少といった課題に直面しております。
 こうした課題の解決を図るため、AIを活用したお客様対応を本年二月十九日から開始いたしました。
 具体的には、AI機能を搭載した端末機を設置し、AIがお客様とオペレーターとの会話や回答候補をタイムリーに画面表示し、オペレーターの対応を支援するものとなっております。
 これにより、経験年数の少ないオペレーターでも、AIの支援により、迅速かつ的確なお客様対応が可能になるとともに、対応時間の短縮による効率化も期待されます。
 引き続き、お客様サービスや業務効率の一層の向上を図るとともに、お客様の声のビッグデータ分析など、AIの活用拡大に取り組んでまいります。

○山口委員 AIがこういう形で活用されているんだということはよくわかりました。しかし、カスタマーの基本は、何といっても、お客様がしっかりと満足をされるのか、お客様が納得をされるのかというところが非常に大きい部分になると思いますので、余りここに頼り過ぎることなく、これまでの経験がしっかりと継続されていくように、また継承されていくように、そこにもしっかりと力を注いでいただきたい、このように考えるところでもございます。
 また、局から提供のあった予算の関連の資料を拝見しておりますと、来年度から、AIを活用した薬品注入量の最適化支援に向けた取り組みを行うというふうにもされているわけでありますが、これもどのような内容なのかを伺いたいと思います。

○尾根田浄水部長特命担当部長兼務 浄水場では、浄水処理を行うために、原水に対しまして凝集剤や消毒剤などの薬品を注入しております。
 薬品の注入量は、水質試験の結果のみで定まるものではなく、天候や水温等の変動を加味した調整が適宜必要であり、職員の経験則に基づく柔軟な対応が求められております。
 こうした経験則はマニュアル化することが難しく、経験の浅い職員への伝承が課題となっております。
 今回の取り組みは、原水の水質変化と薬品の注入量の実績をAIで分析することによりまして、将来的には、適切な注入量についての支援を行うことを目指すものでございます。
 この分析の精度が向上すれば、経験の浅い職員の支援になるほか、薬品の注入量を抑えた適切な例を示すことで薬品の使用量の削減も期待できます。
 令和二年度は、AI用のサーバーを設置し、分析対象となるデータの収集を開始いたします。

○山口委員 さまざまな場面で、このAIというものが前向きに、また効率的に活用されるという点ではすばらしいんだろうなとは思いますけれども、水道局は、さまざまな業務でICTの活用を実施していると、検討しているという部分については理解ができました。
 しかしながら、ICTの進化のスピードというのは、これまでになく、これまで以上にスピードアップしていくことはいうまでもないわけでありまして、水道事業においても、立ちどまることなく、このICTの活用をより積極的にスピード感を持って進めていく必要があるのではないかと考えるところであります。
 そこで、今後の水道局のICT活用に向けた取り組みの姿勢についても伺いたいと思います。

○清水企画調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 当局では、平成三十年一月に設置いたしましたICT戦略検討・活用推進委員会において、さまざまなICTの活用策を検討し、これまで、お客様センターへのAIの導入や施設管理へのドローンの活用などの取り組みを具体化してまいりましたが、今後は、当局が保有するデータのさらなる活用策などについても検討を進めてまいります。
 また、ICTの進化のスピードに的確に対応していくためには専門的な知見も必要であることから、来年度のコンサルタントを活用した調査検討に加え、四月からは、ICTに知見を有する外部登用の任期つき課長職ポストを新たに設けるなど、検討体制も強化いたします。
 さらに、平成三十一年三月に横浜市、大阪市と連携して設立した水道ICT情報連絡会において、各都市が抱える課題を共同で発信し、民間企業等が有するICT等の新技術をより効率的に収集する取り組みも進めます。
 引き続き、戦略政策情報推進本部などとも連携を図りながら、お客様サービスの向上や業務の効率化、水道事業の高度化に向け、積極的にICTの活用を推進してまいります。

○山口委員 せっかくある技術でありますから、使い方、そして、集積した情報の活用方法、ここが一番の肝でありますので、ぜひともしっかりと今ご答弁いただいたとおりに進めていただきますように、心からお願いをしておきたいと思います。
 続いて、長期戦略構想について伺っていきたいと思います。
 東京都民の生活に必要な飲料水などを今後もいかに確保していくのか、公営企業である東京都水道局の活動というものは大変重要な意味合いを持ってくるというふうに、今後はさらに思うところでもあります。
 一年余り前は、人口減などによって水道使用量が減る見込みであるとか、水道施設、水道管の維持更新などの費用をどのように確保していくのかなど、各自治体に効率化などを促す改正水道法の議論が国会でも行われました。
 東京都においても、安定した経営基盤による水道事業の運営が引き続き必要となってまいります。
 ことしの一月、水道局は、東京水道長期戦略構想二〇二〇を発表いたしました。この構想策定の発端は、一体どのようなことがきっかけになったのかをまずは伺いたいと思います。

○石井経営改革推進担当部長 日本の水道事業は、人口減少による料金収入の減少、水道施設の老朽化、事業を担う人材の不足など、多くの課題に直面をしております。
 国は、こうした課題に対応し、水道の基盤強化を図るため、平成三十年十二月に水道法を改正いたしました。
 この改正水道法では、水道事業者は、十年以上を基準とした収支の見通しを作成し、三年から五年ごとに見直すよう努めることが規定をされております。
 また、都においても、二〇二五年をピークに人口は減少に転じ、これに伴い、給水収益も減少していくとともに、高度経済成長期に集中的に整備した浄水場が一斉に更新時期を迎えるなど、他の水道事業体と同様に、水道事業を取り巻く状況の厳しさは増していくということになっていきます。
 こうした状況変化に対応し、東京水道を将来とも持続可能なものにしていくためには、長期的な視点に立った事業運営が不可欠であります。
 このため、今般、長期的な財政収支を見据えた計画的な施設整備、新技術の活用と経営の効率化、そして、水道事業を担う人材の確保、育成など、東京水道グループの総合力強化について、目指すべき将来の姿とその実現に向けた取り組みの方向性を体系的に取りまとめ、おおむね二十年間の事業運営を示す長期構想を策定することといたしました。

○山口委員 きっかけと、どのようなところを目指されているかというところのおおむねは、今の答弁からわかるところでもありますし、想像しているところでもあったわけでありますが、しかし、大事なところは、東京都水道局においては、持続可能な事業運営を行っていく上において、水道事業を技術とともに支えてくださっている人材の輩出というものが、今後とも必要となってくるはずであろうと思うわけであります。
 この点についてはどのようにお考えになられているか、伺いたいと思います。

○木村職員部長 都の水道事業を取り巻く環境は、人口減少に伴い、水道事業を担う人材の不足が避けられない一方で、一斉に更新時期を迎える大規模施設の整備や管路の維持耐震化に加え、環境危機やテクノロジーの急激な進展など、ますます複雑困難化する課題への対応という、かつて経験したことのない局面を迎えることになります。
 東京水道が将来にわたって持続可能な事業運営を行っていくためには、このような状況変化に柔軟に対応できる新しい発想力と確かな技術力を持って東京水道グループの事業を支えることができる人材の輩出が不可欠と考えております。
 そのため、局と政策連携団体の適切な役割分担のもと、連携を強化し、役割に応じた効率的、効果的な人材の確保、育成を推進してまいります。

○山口委員 今、答弁をいただきましたが、何といっても水道事業に関する技術の継承、これもすごく、私はとても重要だと思っているんですが、局としてはどのようにお考えになられているか、見解を伺いたいと思います。

○木村職員部長 ご指摘のとおり、人口減少に伴い事業を担う人材の不足が懸念される中、持続可能な東京水道を実現するためには、東京水道の有する技術を今後とも維持、継承していくことが不可欠でございます。
 そのためには、政策連携団体への業務移転を進める中で、局職員の技術力を維持しつつ、東京水道の技術を担う貴重な人材である団体の固有社員への技術継承を着実に行い、グループ全体として技術を継承していくことが極めて重要でございます。
 現在、当局では、職員が現場で必要とされる技術を習得できるよう、研修開発センターの実技フィールドを活用した実践的な研修を実施するとともに、職員のレベルに応じた計画的かつ継続的なOJTを推進するなど、ベテラン職員が持つ技術やノウハウを継承、活用し、後進指導につなげる取り組みを行っております。
 また、政策連携団体に対しましては、局からの業務移転の進展状況に応じ、豊富な経験や技術を持つベテラン職員を局から団体へ派遣し、実際の現場作業を通じて、局が培ってきた技術やノウハウの継承を行っております。
 今後は、局と政策連携団体相互の人材交流や共同研修をさらに拡大し、東京水道グループが一体となった人材育成を充実させていくことにより、技術力の維持、継承を図ってまいります。

○山口委員 新たな試みがスタートをし、政策連携団体との事業提携も新しい形でスタートしていく中において、やはりこういったところが絶対に埋没をしてはいけないわけでありますし、衰退、後退をすることがあってはならないというふうに思っております。
 今ご答弁にいただいたところを本当にしっかりと踏まえていただいた継承というもの、また、新たな試みも大事なんですけれども、しっかりとこういったところを継続していただくように強く要望しておきたいと、このように思うところでもございます。
 さて、東京水道長期戦略構想二〇二〇、これ素案でございますが、その策定においては、東京都水道事業運営戦略検討会議の外部有識者による議論も多く反映されていると考えます。
 幾つか挙げてみますと、経営基盤(業務運営体制)の強化に関する外部有識者の意見として、現場業務が政策連携団体に移行すると、現場を知らない水道局職員がふえてしまい、業務を進める上で懸念が残る。東京水道長期戦略構想二〇二〇、一一四ページのこの意見が、ここにまさに記載されているところでもありますが、さらに、人材確保、育成に関する現状、課題においては、水道局の現場力の維持向上が必要不可欠です。同じく一一五ページにも記載されています。
 これは私もまさにこの意見には賛同するところ、同感するところであるんですが、この見解を伺いたいと思います。

○木村職員部長 当局職員が、業務移転後においても、現場に根差した施策の企画や現場業務を担う政策連携団体に対する委託監理を適切に行うためには、職員の現場力を維持向上させていくことが必要不可欠でございます。
 局はこれまで、計画的かつきめ細かなOJTを実施するとともに、ベテラン職員が持つ技術やノウハウをデータベース化したナレッジバンクの活用や、高い技術を持つ経験豊富な職員を東京水道技術エキスパートに認定し、後進の実務指導に努めてまいりました。
 今後とも、業務移転の進展に応じ、局の若手職員を政策連携団体に派遣し、現場業務を習得する機会を与えることで、現場に根差した技術やノウハウの維持向上を図ってまいります。
 さらに、局と政策連携団体の共同研修におきまして、来年度から新たに、技術系の実務研修にVR機器を導入し、さまざまな事故を疑似体験させる手法を取り入れるなど、現場での実務に即した対応力の強化を図ってまいります。
 こうした取り組みを通じて、水道事業における技術、ノウハウを局職員に確実に継承し、現場力の維持向上を図ってまいります。

○山口委員 まさに有識者の方々も、ここに懸念を持たれているというのが、こういったご意見の中からもわかるところでもありますが、まさに本当に、ここに私も、危惧はしておりませんが、こういったところが本当に大丈夫かという懸念がありますので、ぜひとも留意をしていただき、また、しっかりとした経験ある職員の方を育成していくということは非常に重要な観点だと思いますので、そこにも力を注いでいただきたいと思います。
 また、技術開発は公的なイメージがあり、水道局が引き続き行うべきである。これも一一四ページにご意見があります。こういったことについてはどのように見解をお持ちか、伺いたいと思います。

○田中建設部長 当局ではこれまで、水道メーターの開発や浄水処理技術の調査など、業務に即した開発はもとより、多面的、将来的課題に対する研究開発や大学等との連携が必要な高度な研究開発を行ってきました。
 政策連携団体におきましても、漏水の有無を簡単に調査できる機器等、現場ニーズに即した技術開発を行ってきました。
 長期構想では、東京水道の経営基盤を強化する取り組みとして、新団体における技術開発推進を掲げており、民間企業ならではの柔軟性を生かし、他の民間事業者との連携による技術開発を積極的に進めていくこととしております。
 特に新団体は、統合により、東京水道サービス株式会社が有している水道事業の技術力と株式会社PUCが有しているICT技術を融合した技術開発が期待でき、東京水道のみならず、他の水道事業体が抱える課題に対して、新しい形での貢献ができると考えております。
 今後の技術開発は、水道局と新団体それぞれの強みを生かし、東京水道グループ全体として水道事業の課題の解決に向けた技術開発に取り組み、一層積極的に発信してまいります。

○山口委員 さて、昨年十二月に、都が、新たな都政改革ビジョンを策定いたしました。東京水道長期戦略構想との関係について伺いたいと思います。

○石井経営改革推進担当部長 新たな都政改革ビジョンは、東京の明るい未来を支える都庁へと一段の飛躍を遂げるため、二〇二〇改革の成果を土台に、さらに発展させ、次なるステージにおいて改革を進めるものでございます。
 当局がこれまで取り組んできた見える化改革や政策連携団体改革も、この二〇二〇改革の成果であり、今回の長期構想は、これらの成果も踏まえたものとなっております。

○山口委員 この関係性を聞いても、また先ほどの答弁を聞いていても、やはりこの政策連携団体の役割というものが非常に大きな意味合いを持つのであろうと。また、もっというと、これまで培ってきた東京都の持っているノウハウをさらに発展させていくためにも、やはりこの新しい構想というものの持つ意味合いというものが非常に大きな意味を持つんだろうというふうに考えるところなわけであります。
 それがゆえに、新しくスタートしていくこのときに、どういう人材がどのように活躍をされるとかというのは、私たちも非常に注目をしているところでありますし、言葉は選びますが、そういったところが本当に安心をして任せられるのかというところにしっかりと注目をしていかなければならない、また、必要な場面を通じて質疑をしていかなければならないと、このように考えるところでもあります。
 昨年五月に発表された東京都政策連携団体活用戦略においては、水道局は、政策連携団体の活用領域の拡大であるとか、団体の戦略的活用を踏まえた局と団体の役割分担、具体的な業務などの方向性を示しているわけであります。
 しかし、これらは水道局において、水道事業を支える人材の輩出と現場力の維持向上、技術の継承を踏まえた上での団体の活用戦略であると考えますが、その見解を伺いたいと思います。

○石井経営改革推進担当部長 当局では、水道事業における基幹的業務を、当局と政策連携団体が担う一体的事業運営体制を構築し、浄水場等の運転管理業務や営業所業務などを、順次、政策連携団体へ移転をしてきました。
 こうした業務移転により、東京水道の現場を担うこととなる政策連携団体の社員に対して当局職員の技術を継承していくことは重要であり、政策連携団体に対して組織マネジメントの支援や技術の継承などを目的として職員を派遣してきました。
 また、将来の中核人材の育成を目的に、政策連携団体社員の当局への派遣研修も実施をしております。
 こうした取り組みを踏まえた上で、当局では、令和元年五月に策定された東京都政策連携団体活用戦略の中で、団体への業務移転を着実に推進するとともに、より効率的で、お客様の視点に立った団体運営を行うことにより、東京水道の経営基盤を強化していくこととしております。

○山口委員 そうしますと、東京都水道局が継承してきた都民に安全・安心な水を供給するために必要ないわゆる技術を、現場事業の委託によってなくならずに維持できるようにすべきだと思います。
 東京都水道局と政策連携団体の人員がともに現場に配置をされて、水道局による管理のもと、適正な水道事業の運営が行われるようにするべきと考えるわけでありますが、見解を伺いたいと思います。

○石井経営改革推進担当部長 当局ではこれまで、政策連携団体とのグループ経営を推進し、公共性と効率性を両立させてきております。
 今回の長期構想の素案では、今後も引き続き、当局のガバナンスのもとでグループ経営を継続し、団体への業務移転を強化することで経営基盤の強化を図ることとしております。
 また、業務移転の進展に応じて、当局と団体との人材交流を拡大するとともに、団体の民間企業ならではの柔軟性を生かした社員の確保など、東京水道グループ一体となった人材確保、育成を充実させ、安定給水のために必要な技術を、当局と団体とで着実に継承してまいります。

○山口委員 新たにスタートしていく中で、やはり人材の確保、育成ということ、また、局の皆様がこれまで苦労されている、現場の皆さんが苦労されていることをどのように継承していくかということが大事ではないかと、そこに今回は的を絞って伺わせていただいたところであります。
 最後に、東京水道を支える水道も技術もでありますが、今お話をさせていただいた人材確保、育成に向けての決意を局長に伺いたいと思います。

○中嶋水道局長 人口減少などの社会経済情勢の変化に対応しながら、持続可能な東京水道を実現するためには、政策連携団体を含む東京水道グループが、広域水道としての一体性と責任を確保しつつ効率的な運営体制を構築していくことが必要でございまして、今後は、局と政策連携団体の役割を踏まえた上で、副委員長ご指摘の人材の確保、育成を、おのおの進めていくことが重要であると考えております。
 まず、局職員におきましては、現場のノウハウに加え、企画立案や委託監理など、総合的な実務運営能力が求められますことから、異なる分野間での積極的な人事配置や政策連携団体との人材交流を行いまして、さまざまな経験を積むことで現場に根差した柔軟な発想と広い視野を育んでまいります。
 一方、政策連携団体の社員は、水道の最前線で活躍するプロフェッショナルとして、みずから考え行動することが必要となりますことから、これまで局が培ってまいりました多様なスキルやノウハウを確実に継承することにより、専門的知識を持ってさまざまな状況変化に対して主体的に対応できる人材を育成してまいります。
 これらの取り組みを通じまして、東京水道グループ一体となった人材育成に継続的に取り組み、強固な人材基盤を構築してまいります。

○山口委員 水道事業の現場がわからないであるとか、技術がこれまで以上に細かく、わからないであるとか、水道局の職員の皆様による経営や企画は、こういったところではあり得ないし、成り立たなくなってくるようなことがあっては絶対にならないと思います。
 そういった意味では、水道局の経営基盤には、水道技術も含めて、やはり支える人材というものは必要不可欠になってくると思いますので、そういった視点からの質問でございました。ぜひ、質問の意図を留意していただきますように要望いたしまして、質問を終わりたいと思います。

○上田委員 多岐にわたります水道局事業を端的にお尋ねしていきたいと思います。
 まず、災害対策です。
 台風十五号、十九号を受けまして、資料26ですが、本予算にて補正予算も出たところですけれども、水道会計で完結できるとは思えない規模でございますので、一般会計からどの程度繰り入れ、総額どの程度となるのか、財源確保の考え方と方策について伺います。

○岡安理事 災害復旧に要します費用は、国から補助を受けられる場合がありますが、それに当たりましてはさまざまな要件が定められておりまして、今般の台風による被害の復旧につきましては、その要件に該当しておりません。
 また、国が毎年度定めております一般会計から公営企業会計への繰り出しの基準におきましても、災害復旧に要する経費は規定されておりません。
 こうしたことから、今般の台風による被害の復旧に要する費用につきましては、水道事業会計において負担することとしております。

○上田委員 また、台風十九号の接近前には、ツイッター、フェイスブックを活用し、給水ステーションの場所、水道水のくみ置きなど、災害時の備え方について情報発信を行い、ホームページアクセス数を見ると、台風接近時には約一万件のアクセスがあり、平常時の三千件と比較して三倍に増加したとのことです。
 ITに強い宮坂副知事も就任されたところで、SNS等、最新ICTを活用した災害情報の都民への提供についての新年度の考え方と具体的な施策について伺います。

○小平サービス推進部長 災害発生時の断水状況や応急給水に関する情報などについて、ICTを活用してお客様に広く迅速にお伝えすることは重要と認識しております。
 そのため、令和二年度は、災害時における断水状況等を区市町内の地域別に地図情報としてホームページに掲載するとともに、災害時給水ステーションの開設状況やGPSによる経路案内などを発信するスマートフォンアプリを開発いたします。
 こうした取り組みにより、災害時にお客様が必要とする情報を速やかに発信してまいります。

○上田委員 また、十五号では、想定外の強風により各地で多くの電柱が倒壊するなど、広範囲にわたり長期間停電が続いたことで、浄水場などが運用を停止、また、広い範囲で観測史上一位を記録する大雨となった十九号では、各地で河川が氾濫し水道施設の浸水被害が発生しております。
 都におきましても、奥多摩町で道路が崩落したことにより水道管が損傷し、町のほぼ全域にわたり断水、こうした事例を災害リスクとして捉え、今後十分に調査分析を行い、必要に応じて計画の見直しを検討するとのことですが、予算編成にあって、どのような具体的な検討となったか、伺います。

○尾根田浄水部長特命担当部長兼務 当局では、昨年の台風による被害状況を踏まえまして、管路や浄水場の機能維持やバックアップルートの確保等の観点から、風水害によるリスクを洗い出し、短期的及び中長期的な対策を検討いたしました。
 その結果、短期的な対策として、来年度、まず、台風十九号による道路崩落等で損傷を受けた水道管につきましては、道路復旧に合わせて抜け出し防止機能を有した耐震継ぎ手管で本格復旧をいたします。
 また、現地に行けず運用状況を迅速に確認できなかった配水池につきましては、水位を遠隔で監視する設備を整備いたします。
 さらに、土砂流入により取水が困難となった施設につきましては、豪雨時においても取水機能の確保が可能なスクリーンを順次設置してまいります。
 一方、中長期的な対策といたしまして、山間部の小規模浄水施設等への自家用発電設備の導入や、バックアップルートが確保されていない管路の多系統化などを順次進めてまいります。

○上田委員 災害対策の見直しについては単年度で終わらないと思いますので、長期計画への反映と予算の担保を都度お願いしたいと思います。
 その頼みとなる国庫補助金の要件を今回満たさなかったということですが、常に災害は未曾有の事態が起こるわけですので、国庫補助金がより水道事業に活用できるよう、国への働きかけを都議会とともにしていくことの必要性を感じた次第です。
 SNS発信については、アプリ利用者が広がることを期待しますが、多分、都民は有事の際にダウンロードすると思いますから、アプリが検索しやすいサイト構成、有事のときにはトップに配置するなどの創意工夫をお願いしたいと思います。
 直接給水です。
 施工業者についても、業界を通じ、随時募集を行い協力を求め、登録実施店リストとして四半期ごとに更新、見積もりサービスの受け付け時や給水管工事事務所の窓口で案内としていますが、特別監察にてTSSは、委託事業者と不適切な関係が指摘され、百十社と濃厚な関係があるのではないかと都民に疑われても仕方がないのではないかと事務事業質疑で指摘をしました。
 局としては、東京水道サービス株式会社、業界団体におきまして基本協定を締結し、これに基づき事業を実施しております。
 ついては、その協定の中で、見積もりサービス実施店登録につきまして、業界団体が東京都指定給水装置工事事業者を対象に広く見積もりサービス実施店を募集し、登録事務を行い、見積もりサービスの実施店リストを作成するようになっているようですけれども、この業界団体について、組織名、構成メンバー、合併後の東京水道との関係性など詳細をご説明ください。

○本荘谷給水部長 直結見積もりサービスに関する基本協定は、東京都水道局、東京水道サービス株式会社と業界団体である東京都管工事工業協同組合、三多摩管工事協同組合の二団体と合わせて、計四者で締結しております。
 このうち、東京都管工事工業協同組合は、区部で管工事業を営む指定給水装置工事事業者で構成されており、また、三多摩管工事協同組合は、多摩地区の指定給水装置工事事業者で構成されております。
 本協定につきましては、来年度、東京水道サービス株式会社と株式会社PUCの統合後に、新会社である東京水道株式会社と改めて協定を締結する予定でございます。

○上田委員 大いなる水道一家というふうに拝察いたしました。新しい加入者、家族をふやしていただきたいと思います。
 また、どのような協定を結んでいるのか、東京水道サービスの具体的な役割及び水道局サイドの当事者と決裁権者についても詳細をご説明ください。

○本荘谷給水部長 本協定は、直結切りかえ見積もりサービスを円滑にすることを目的として締結しております。
 具体的には、都営水道給水区域内の貯水槽水道設置者に対しまして、直結給水方式への切りかえ工事にかかわる見積もりサービスや無料相談サービスなどを実施するに当たりまして、当局、東京水道サービス株式会社、管工事組合、それぞれの役割等を規定しております。
 この中で、東京水道サービス株式会社の具体的な役割は、お客様に対しまして、本事業の内容を説明するとともに、申込書の受付などの業務を行うほか、お客様からの問い合わせがあった場合、見積もりサービス実施店が作成した見積もり書の内容や工事の施工に関する説明等を行うことでございます。
 また、本協定の締結手続は、直結切りかえ見積もりサービスを所管する給水部で行っており、東京都水道局長の決定を経て協定を締結しております。

○上田委員 お客様に対して見積もりのサービスを直接なさるというところでございますが、従前、その接遇と大きなトラブルになったことを私も指摘させていただきました。合併後につきましても、引き続き点検させていただきたいと思います。
 続きまして、超過勤務についてでございますが、事務事業の資料の20で取り寄せておりました。
 令和元年度においては、東京水道サービス株式会社に対する特別監察への対応、昨年発覚しました情報漏えい事故に係る公正取引委員会からの改善措置要求等への対応等、早急な改善が求められる業務が重なっており、超過勤務が増加、加えて、先日の台風の影響による応急給水や被害施設の復旧事務などの突発的に発生した業務への対応により、超過勤務の増加が見込まれると回答を事務事業で得ておりました。
 結果的にどうなったのか。新年度に向けまして、今回、幸か不幸か、コロナでテレワークが推奨、推進されたところでありますが、仕事の進め方の工夫による業務の平準化など、一層の効率的な業務運営はもとより、残業ゼロのさまざまな取り組みの推進と超過勤務の縮減を新年度に向けてどう取り組むのか、所見を伺います。

○木村職員部長 局では、今年度も、残業削減マラソンや二十時完全退庁などの残業ゼロに向けた全庁的な取り組みに加えまして、局独自に年二回のノー超勤ウイーク、毎週水曜日及び毎月給与支給日を一斉定時退庁日として設定するなど、超過勤務の縮減に向けた取り組みを進めてまいりました。
 しかし、コンプライアンス関係の対応等の業務に加え、十月の台風被害への応急給水や被害施設の復旧業務への対応により、昨年四月から十二月までの職員一人当たりの月平均の超過勤務時間数は十三・八時間と、三十年度の十三・二時間に比べ〇・六時間増加いたしました。
 来年度も引き続き、事前命令、事後確認による超過勤務の適切な運用や業務運営の効率的執行、残業ゼロに向けたこれまでの取り組みを徹底することで超過勤務の縮減に努めてまいります。

○上田委員 本庁の方は、ことしの一月にテレワークの設備が完了をしたということでありましたが、水道局の人事配置や、介護、子育て職員への配慮などのソフト面、そして、ICT環境と設備といったハード面のテレワークの進捗についても伺いたいと思います。

○木村職員部長 当局では、育児、介護を含む家庭事情がある職員については、本人の申し出や事前の調査等により、その内容を的確に把握し、超過勤務が発生する職場や交代制勤務等の特殊な勤務形態の職場への配置は極力避けております。
 また、超過勤務に関しましては、東京都水道局職員の勤務時間、休日、休暇等に関する規程によりまして、育児または介護を行う職員の請求に基づき、超過勤務や深夜勤務を免除または制限することとしております。
 一方、テレワークにつきましては、平成三十年度から在宅勤務が可能なモバイル端末を導入し、在宅勤務が実施しやすい環境整備を進めております。
 これまでに、管理職及び本庁職員を中心にモバイル端末を約千二百台配備しており、今後、順次配備を進め、令和三年度末までに全職員に配備する計画でございます。

○上田委員 公営企業でも進んでいることは大変すばらしいことだと思います。また、きょうは近畿財務局の課長職が自殺したとテレビで報道をされていて、私はそういった課長職とかはもちろんのこと、公務員自殺というものの背後には何かがあると、いつもチェックをさせていただいている次第でございます。
 事務事業の資料の19では、幸い、ここ三年、水道局では自殺者は出ていなかったところでございますが、メンタルヘルスについても取り組みは確認させていただいております。
 ただ、今年度、不祥事が続き、TSSは初めて水道局局長経験者といった現場実務経験のない人材が社長に就任し、水道局においては、時間的負担も増し、精神面でも追い込まれる職員がふえるのではないかと指摘しているところでもあります。
 このたびの合併に当たり、外郭団体においても、水道局に準じた適正な管理とメンタルサポートの必要性を感じております。
 取り組みと実績、新年度、特別に配慮する点を改めてご説明ください。

○石井経営改革推進担当部長 東京水道サービス株式会社及び株式会社PUCでは、労働安全衛生法に基づき、全社員を対象としたストレスチェックや長時間労働者がいた場合の医師の面接指導を適正に実施しております。
 また、安全衛生委員会を設置し、社員の危険、健康障害の防止及び健康の保持増進を図るための基本対策等を調査、審議し、メンタルヘルスに関する対策として、産業医による健康講話を今年度は各一回開催しております。
 さらに、東京水道サービス株式会社では、メンタルヘルス相談窓口として相談業務を外部委託し、面接、電話、メール相談と複数の手段を用意することで社員が利用しやすい環境を整備しており、今年度は一月末までに計三十六件の利用実績がございます。
 統合後の新団体、東京水道株式会社においては、統合による労働条件の変更が生活に影響を与えることに不安を覚える社員がいる可能性も、これ当然あると思います。こういったことも想定をしながら、より社員の心情に寄り添ったメンタルサポートを強力に推進してまいります。

○上田委員 統合による労働条件の変更が生活に影響を与えることに不安を覚える社員がいる可能性というのを最初から念頭に入れていることは高く評価させていただきたいと思います。
 かねてより私が評価してきました派遣社員と固有社員の給与、処遇格差から来る諸問題についてもフォローアップをお願いしたいと思います。
 公益通報についてですが、水道局においては、本制度におきましては、通報者等の秘密の保持に十分留意することはもちろん、通報者が通報したことを理由として不利益な取り扱いを受けないことが明確に定められております。加えて、制度に関する相談を受けた場合には、こうした通報者保護の原則を相談者に対して説明しています。さらに、今年度新たに設置したコンプライアンス推進担当を所管部署として、通報者の保護に常に留意しつつ調査を実施しているとのことです。
 改めまして、例えば外郭団体における不正を団体職員が水道局へ公益通報を試みた場合の取り扱いはどうなるのか、時系列でご説明ください。

○木村職員部長 都の公益通報制度におきましては、局の事務または事業に係る職員の行為が法令違反行為に該当すると思われる場合に、職員以外の都民等も通報できることとなっております。
 政策連携団体における不正に関して局に通報があった場合は、局の事務または事業に係る職員の行為に該当しないことから、そもそも都の公益通報制度としては対象外として取り扱われることになります。
 しかし、公益通報制度に限らず、何らかの形で政策連携団体の不正が疑われる情報を把握した場合には、局として調査等を行うなど適切に対応してまいります。

○上田委員 先ほど、政策連携団体全ての責任というか、リーダーシップは局長にあるということでありまして、東京都は、職員目安箱は知事直轄のがあるように、ぜひ局長目安箱のようなものを、政策連携団体、中ではいえないこと、ぜひ水道局の方で直接把握するような、そうした対応をお願いしたいと思います。
 次は情報システムです。
 TSSとPUCの統合に当たっては、サーバー等の機器類や通信回線の統合、PC端末の規格統一化のほか、会計、人事給与、勤怠、旅費等の事務系システムの統合など検討され、これらの統合について、新団体の業務開始から、おおむね二年以内に完了する見込みとのことですが、総額は幾らとなるのか、東京水道株式会社で全額負担するのか、水道会計等から何らかの形で公金が新たに投入されるのか、詳細をご説明ください。

○石井経営改革推進担当部長 東京水道サービス株式会社と株式会社PUCの統合に当たっては、事務系システムなどの統一に必要な経費については、約九千万円と見込んでおります。
 この経費は、団体において全額負担することとしており、当局から新たな支出を行うことは予定しておりません。
 なお、事務系システムなどの統一によってシステム運用経費を年約五千万円削減でき、統一に必要な経費を二年間で回収できる見込みとされております。

○上田委員 人材派遣です。
 積算業務に精通した本局職員が外郭団体に派遣され、本局との契約業務にかかわる不健全性について確認してまいりましたが、当局から政策連携団体二社へ派遣している職員は、社の経営管理に携わる部署や営業所等に配置され、各社の固有社員に対し、必要な技術、ノウハウの継承を行っている、本年度からは、局内において現場経験を積むためのフィールドがない業務を経験し、当該業務の技術力、ノウハウを確保することを目的に、当局職員を給水装置業務の現場などにも派遣をしておりますと。いずれにおいても、当局職員を積算業務や契約手続といった受発注業務を行う部署には配属しておりませんとの答弁を得ています。
 では、積算業務や契約手続はプロパー社員だけでやっているのでしょうか。利益相反や背任防止の観点から、その担保をどうしているのか、伺います。

○石井経営改革推進担当部長 東京水道サービス株式会社及び株式会社PUCでは、当局からの受託契約における積算業務や契約手続について、各社の固有社員が行っており、これらの業務を行う部署には都から派遣される職員は配置をしておりません。
 このことについてですが、派遣職員を配置していないということについて、各社から当局に職員派遣を要請する依頼文書に派遣職員の配属部署を明示するということをしておりまして、これで当局も、その配置のことを確認しているところでございます。

○上田委員 派遣職員を配置していないとのことですが、物理的に離れているのか、また、積算業務もやらない、現場は再委託、しかれば派遣職員は一体何をやっているのかなとも思わないでもないですね。ぜひ、管内視察して確認したいと思います。
 指名業者選定委員会なんですけれども、議事録では誰も発言されていないことから、資格確認、業者選定、随契承認が公正、公明に決定できているのか、内部統制が機能して契約の妥当性や不正の排除など検証が可能なのか確認していましたが、各委員による審議は、毎回活発に行われ、随契の理由については、審議の結果、差し戻しとなった事例もあり、委員ご指摘のように、誰も発言していない、実質的に機能していないといった実態ではございませんということですが、原案の修正、否決の事例は過去三年で何件あったか、お答えください。

○金子経理部長 東京都水道局指名業者選定委員会における否決の事例は、特命随意契約により発注を予定していた工事請負契約の事案につきまして、競争入札による発注が可能であるとして否決となったものが昨年度一件ございます。
 また、同委員会において、原案を修正した事例はございません。

○上田委員 否決は一件だけ、原案の修正の事例もない選定委員会も不思議に思います。
 存在意識が問われるところですが、委員の出席率はどうなっているのか、過去三年確認したいと思います。

○金子経理部長 東京都水道局指名業者選定委員会の過去三年における委員の出席率は、平均しますと約八二%でございます。

○上田委員 そして、出席率も八割とは不思議なんですよね。外部委員がいる場合は考えられるんですけれども、職員で構成されているわけですから、調整されるはずだと思います、日程。なぜ欠席者がいるのか理解しがたいので、定点観測させていただきたいと思います。
 物品契約の契約金額が毎年ふえており、平成三十年度における物品契約の金額は、二十六年度と比べ百九十一億増加。この主な原因は、浄水場などの大規模施設における電気の受給について、従前の東京電力から競争入札による契約に切りかえたために、新たに物品契約にカウントされることとなり、八十八億増加したとのことです。
 水道事業に係る電気料金は全て一般競争入札となっているのか、確認いたします。

○清水企画調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 当局では、従来、庁舎及び施設で使用する電気について、東京電力への申し込みにより供給を受けておりましたが、東日本大震災の影響による電気料金の上昇などを踏まえ、まず、平成二十五年度に区部の給水所二カ所を競争による契約に切りかえました。その後、順次対象施設を拡大し、今年度は庁舎など二十六カ所、浄水場や給水所などの施設百二十七カ所において競争入札により電気を購入しております。
 一方で、設備の改修工事等により、年度の途中で電気の使用状況が大きく変わり、電気の使用量が見込みにくいなど、競争入札に適さない施設については入札の対象外としております。

○上田委員 法改正によりまして導入可能になって、即、競争入札にした自治体もありましたが、東京都はようやくこれからといったところですね。総額は減っていくのかどうか、今後、確認させていただきたいと思います。
 徴収事務委託の一部の事案について、これまで単年度契約としていましたが、総合評価方式による五カ年の複数年契約に切りかえました。このため、三十年度の契約額に加え、令和元年度から令和四年度までの四カ年分の契約金額に相当する約五十八億円が増加したとのことですが、今後取り組むICT、IoT化に伴い、長期的には金額が縮減されるのか伺います。

○小平サービス推進部長 徴収事務委託につきましては、お話のとおり、これまで単年度契約としていたものを平成三十年度より総合評価方式による五カ年の複数年契約に順次切りかえております。
 このため、契約金総額は五年で約七十二億円となっておりますが、増加した約五十八億円は、五カ年のうち履行初年度を除いた残り四カ年分に相当するものでございまして、各年度に要する金額はこれまでとほぼ同程度の額となっております。
 さて、この委託経費につきましては、これまでも、検針困難箇所でのモバイル検針の導入など、新たな情報通信技術を積極的に活用することで、その縮減に取り組んでまいりました。
 局は、二〇三〇年代を目途にスマートメーターの全戸導入を目指しており、導入が進むことにより、使用水量や料金の見える化などのお客様サービス向上だけでなく、読針業務の効率化、検針票などのウエブ表示への切りかえによる検針コストの削減が期待されております。
 今後も、さまざまなICT、IoTを活用して、徴収事務のさらなる効率化に努め、委託経費の縮減に取り組んでまいります。

○上田委員 ICT、IoTにするときもコストがかかります。そちらも見ながら、財政効果について注視してまいりたいと思います。
 TSSの株式の割り当てですが、会社設立時におきまして、民間の持つ技術力やノウハウなど、民間活力を導入する観点から、水道管メーカーである株式会社クボタ及び株式会社栗本鐵工所を出資者とした経緯があるようです。
 民間には技術力を持った複数の企業もあったにもかかわらず、この二社になったのか。今後、変更、追加することなどはないか、伺いたいと思います。

○石井経営改革推進担当部長 当局では、東京水道サービス株式会社の設立時に、管路維持管理業務において、民間の持つ技術力やノウハウなど、民間活力を導入する観点から、管路に関する高度な技術、経験を有する水道管メーカーであり、管路診断に関する種々の研究や技術開発を先進的に進めていた株式会社クボタ及び株式会社栗本鐵工所の二社を出資者としました。
 東京水道サービス株式会社とこの二社の業務上の関係は、二社のみが扱う製品を発注した場合などであり、二社から出資を受けていることにコンプライアンス上の問題はないと認識をしております。
 しかし、このたびの統合を機に、東京水道サービス株式会社では、政策連携団体として、より透明性を確保する観点から、資本構成を見直し、水道管メーカー二社が保有する株式を昨年十二月に取得いたしました。このため、現在は、同社の株主は東京都及び金融機関のみとなっております。
 また、株式会社PUCの株主も、東京都及び金融機関のみということになっており、統合後の新団体、東京水道株式会社の株主構成は、それらを引き継ぐこととなる見込みでございます。

○上田委員 株式を二社から買い取ったということは、健全性への一歩ということで高く評価をさせていただきます。今後も不断の努力をお願いいたします。
 再発防止策、特別監察についてですけれども、これに着実に取り組むとともに、公正取引委員会の調査結果を前提として、関係職員への事情聴取など調査を実施し、事故の事実経過や背景を明らかにしていく上で、改めて必要な再発防止策の策定を進め、たび重なる不祥事を起こした局の体質について厳しくメスを入れ、当局の運営体制につきまして、これまでの仕事の進め方はもとより、組織や意思決定のあり方など局の構造的な課題をさらに掘り下げ、東京水道グループコンプライアンス有識者委員会における外部の広い視点からの検証を経て、抜本的な見直しを実施しているところですが、その後、どのような措置が講じられ、どのような新たな取り組みを新天地で行うのか、伺います。

○木村職員部長 昨年十一月に公表いたしました調査特別チーム最終報告書では、当局の運営体制など構造的な課題を踏まえた検証を行い、有識者委員会における意見も得ながら、新たな再発防止策を策定し、全ての取り組みについて順次実施してきております。
 来年度は、有識者委員会に再発防止策の実施状況を報告し、その有効性や実効性を検証していただき、必要に応じて取り組みの見直しやブラッシュアップを図ってまいります。
 また、今回の情報漏えい事故に限らず、不祥事はどのような状況でも起こる危険性があると捉え、有識者委員会における意見もいただきながら、あらゆるリスクを想定しつつ、さらに踏み込んだ構造的課題の検証も行ってまいります。
 こうした検証を通じて、不祥事を発生させないPDCAサイクルの構築に向けて取り組んでまいります。

○上田委員 さらに踏み込んだ構造的課題の検証と、その情報公開を期待いたしたいと思います。
 委託費でございます。
 水道局から政策連携団体二社へ支払われた委託料は、PUCが監理団体に指定された平成十八年が百五十六億円、平成二十三年度が二百四十二億円、二十八年度が三百億円、平成二十九年度は約二百八十五億円、三十年度は二百八十八億円ということで、平成三十年度は約半分が外郭団体の委託費となっております。
 合併後はどう想定しているのか、積算根拠も含めて伺います。

○石井経営改革推進担当部長 政策連携団体の統合により、団体側の経費の削減額として、二団体、統合当初の効果で、間接部門の人員削減、情報システムの統一化などにより年約二億円を見込んでおりますが、令和二年度における局から団体への委託費は、これまでと同程度と見込んでおります。
 今後は、東京水道の経営基盤強化を図るため、業務移転の推進により、委託費も増加をしていく傾向になります。
 一方で、性能発注方式による包括委託の導入など、団体との契約方式の見直しを通して、団体の創意工夫を発揮、スケールメリットを生かした柔軟な人事配置などにより、一層の経費削減を目指してまいります。

○上田委員 大きな方向性としては、都民生活に影響と負担を与えない民営化への一歩なのかなと思料はいたします。懸念しているのは、その間、だぶついている本局職員を雇用しつつも、業務移転で委託費もふえ、無用な支出がふえないか、それが実績となってしまい、民営化の主たる目的であるコストダウンにつながらないのではないかということを懸念しております。
 業務委託費がふえて何を減らすのか、経済性の担保は公営企業の本丸でございますから、局長を初め、東京水道株式会社社長も含めた全体の高度なガバナンス、経営手腕を今後も問うてまいりたいと思います。
 さて、再委託業務は、受託業務を実施する上で補助的な作業を同社の管理下で民間事業者が行うということで、効率化を図ることができる業務ということで位置づけているということでございます。
 九月十一日答弁では、TSSにおいて、昨年度の契約から定型的な業務を切り分け、再委託については、当局から民間事業者の直接発注に切りかえるとし、当局から東京水道サービス株式会社に発注し、同社から一部の業務を再委託して実施した配水小管附属設備調査につきまして、契約の透明性や公平性を確保する観点から、再委託による履行に課題があると考え、平成三十年度から現場作業を当局の直接発注に切りかえていると。今年度から、同様に配水本管附属設備調査についても、当局の直接発注に切りかえる予定だということでございます。
 新年度に当たっての直接発注の考え方、個別の判断基準と長期的目標をお示しいただきたいと思います。

○石井経営改革推進担当部長 当局では、契約の透明性や公平性を確保する観点から、これまで東京水道サービス株式会社へ委託していた管路維持管理業務のうち、高度な技術力や判断を必要としない定型的な現場作業等を切り分けて、民間事業者へ直接、局からの発注とすることにしました。
 配水小管附属設備調査につきましては平成三十年度から、配水本管附属設備調査につきましては令和元年度から、直接発注へ切りかえを順次行っており、令和二年度においても、引き続き、当局から民間事業者へ直接発注を継続いたします。
 今後、他の業務についても、効率性の発揮と契約の透明性、公平性を確保する観点から検証し、必要に応じて個別に判断をしていくことになると思います。
 なお、統合後の新団体、東京水道株式会社に対して、業務移転を進めるに当たっても、その業務の内容に応じて、団体への委託と民間事業者への直接発注を個別に判断していきたいと思っております。

○上田委員 ちなみに直接発注した三十年度は、二十九年度よりも十一億ふえておりますけれども、これについてもご説明いただきたいと思います。

○岡安理事 要求資料においてお示ししております委託費は、配水小管附属設備調査のみならず、工事の設計業務や情報システムの運用業務など、委託全般の経費の合計でございます。
 これらの委託の規模は、工事の進捗に応じた設計業務の着手時期の際や、年度ごとの事業内容によりまして、委託する業務量に増減が生じることなどによって、一件ごと、年度ごとに増減しますことから、平成二十九年度から三十年度の十一億円の増加は、そうした増減を全て合計したものでございます。

○上田委員 そして、再委託については、内容を確認した上で、発注部署の水道局の課長決定により再委託を認めているとのことですが、水道局が発注しているTSSが直接行っている業務は都からの委託費の何%なのか、また、再委託比率は何割なのかを確認させてください。

○石井経営改革推進担当部長 当局から東京水道サービス株式会社に平成三十年度発注した委託費は百六十三億円でございます。
 同社では、この委託費のうち、約七五%に当たる百二十三億円の業務を直営で行い、約二五%に当たる四十億円の業務を再委託しております。
 また、令和元年度は、同様に、委託費は百五十八億円であり、約七九%に当たる百二十五億円の業務を直営で行い、約二一%に当たる三十三億円の業務を再委託する見込みとなっております。

○上田委員 こちらの構想二〇二〇でも再委託については触れていたところでございますけれども、七九%が直営、二一%が再委託ということですが、利益を追求しなければならない株式会社がこの比率で経営が回るのか、公費が投入されている以上、最少経費による最大効果が求められている東京都政策連携団体としての社会的使命との兼ね合いにおいて難しい経営判断が問われますが、TSS社長の見解を伺いたいと思います。

○石井経営改革推進担当部長 済みません、担当部長答弁になります。
 東京水道サービス株式会社では、当局から受託した業務のうち、一部の補助的な作業については、効率性の観点から、同社の管理下で民間企業への再委託を行っております。この再委託はコンプライアンス有識者委員会の検証に基づく助言、提言を踏まえて、当局が認めているものであります。
 今後も引き続き再委託を行うとともに、コンプライアンス有識者委員会の検証に基づく助言、提言を踏まえて、必要に応じて見直しを図ってまいります。
 また、同社では契約手法を見直すなど必要な改善を行っており、引き続き、契約の透明性や公平性の確保、効率性の観点や人材確保や市場の動向などを考慮しながら、民間企業としての効率性、経済性を発揮しつつ健全な事業運営に取り組んでいくものと認識をしております。

○上田委員 政策連携団体は委託、再委託、直接発注と、そのバランスと経済効果は非常に重要なところでありまして、部長答弁ではよくわからない。やっぱり社長に聞かなければわからないと思うんですよ、委員長。
 引き続き再委託を行うとともに、コンプライアンス有識者委員会の検証に基づく助言、提案を踏まえて、必要に応じて見直しを図るとか、民間企業としての効率性、経済性を発揮しつつ健全な事業運営に取り組んでいくと認識というような内容ではございますけれども、これでは、じゃあ具体的にさっきのバランスについても説明がわからないんですよね、金額しか。そして、そのポリシーもわからない。直営と再委託の中長期的展望、それに基づく具体的な事業を説明していただかないと、私たち都民の代表として審査できないんですよ。
 本来は予算特別委員会審査でも招致が必要と思われる重大な合併がなされるわけですから、せめて公営企業委員会に、改めて野田社長の参考人招致を求めるものでございます。
 業務移転の考え方です。
 政策連携団体に業務移転を行う場合には、予算編成などにおきまして、一件ごとに個別に費用対効果の検証を行った上で実施し、これまでの業務移転に当たりまして、経済的効果が発揮されているところですが、費用対効果の検証結果の評価と、これまでの経済効果につき、具体的にお示しください。

○岡安理事 政策連携団体への業務移転に当たりましては、移転する業務内容や規模ごとに費用対効果の検証を行っておりまして、いずれも経済的効果が発揮されております。
 その経済的効果の主なものは、当局が直接業務を実施する場合の運営費と団体が業務を実施する場合の運営費の差額であります。
 現在の経営プランの計画期間内におけます平成二十九年度及び平成三十年度の業務移転によります経費の削減額は合わせて約九千万円でございます。

○上田委員 積算しないと予算は組めないわけですよね。
 合併の件についてですけれども、資料21ですが、選任過程において、局内においてどのような検討が行われたのか、行われなかったのか、確認させてください。

○石井経営改革推進担当部長 当局では、新団体の社長には、今後の東京水道が目指すべき改革の方向を的確に認識し着実に実務を遂行できる人物がふさわしいと考えてきました。
 このため、今回の統合作業を先導して進めるとともに、東京水道サービス株式会社の社長就任から短期間で特別監察結果に対する改善策を構築するなど、さまざまな実績を上げてきた野田氏を今後の東京水道の改革を進めていく上で必要な人材と評価し、二社とも協議した上で新団体、東京水道株式会社の社長に推薦をいたしました。

○上田委員 さまざまな実績、22にありますけど、どうなんでしょうかねとは思うんですけれども、では、歴代社長との業務の質、量、勤怠状態に違いは生じていないのか、伺いたいと思います。

○石井経営改革推進担当部長 現在の東京水道サービス株式会社の代表取締役社長は、社長としての職務を確実に遂行するとともに、要求資料にお示ししたとおり、歴代社長には見られなかったさまざまな取り組みを進め、実績を上げるなど、社長の役割を十分に果たしていると同時に、今後の新会社の抱える新たな課題に対応できる人材であると考えております。
 なお、代表取締役社長は、会社法で定める義務と責任のもとに自己の職務を執行するというふうにされており、従業員と同様の勤怠管理は行っておりません。

○上田委員 説明を聞いても、社長就任から短期間で特別監察結果に対する改善策を構築するなど、さまざまな実績を上げてきたとはちょっと思えないんですね。なぜなら、まず、公営企業委員会に来て説明を果たしていないからなんですよ。私たち都民の代表に、その実績を本人が説明するべきだと考えております。見ても聞いてもいない人の評価を我々がどうするのか、どう評価するのか、こちらこそ教えていただきたいと思います。
 コンプライアンス委員会です。
 事務事業質疑で情報開示請求をしまして、全部、議事録、資料を取り寄せたのでございますけれども、七つの知事のCのチェック、これがまさに弁当ではなくて、ノリ状態、ノリ弁どころかノリ状態であることを指摘させていただきました。
 議事録の全公開ができないもっともらしい理由は伺っております。六月に取り寄せた資料の22で委員のプロフィールの詳しいことも調べさせていただいております。幸田先生は非常に立派な弁護士ではありますけれども、行政側の方の諮問委員の方に深くかかわっておりまして、中西先生に至りましては、今、ICT先進都市・東京のあり方懇談会にも顔を出されておりまして、違うメンバーでいいのではないか、お手盛り委員会になっているのではないかと都民に指摘されてもおかしくないような人選状況だと思います。
 TSS、PUC、これから統合もいたします。知事が独断専行で決定した野田数氏が就任予定とのことですが、数々の不祥事がある中で、真に経営基盤ができる政策連携団体になるのかどうか、非常に重要な分岐点に私どもは立たされているところであり、このままのスタイルで続けていくのか、見直さないのか、局長の所見を伺います。

○中嶋水道局長 有識者委員会は、公営企業である当局や株式会社であります政策連携団体におけるコンプライアンスのあり方等について検証いただくことから、コンプライアンスのほか、自治体や大企業における内部統制、組織論など多角的な視点からの議論が必要となるため、法曹関係者、公認会計士、学識経験者の計四名の委員を局として選定いたしました。
 これまで、四名の委員からは、再発防止策を検証いただく過程で、不祥事を行おうとしてもできない仕組みづくりの必要性、不正のきっかけの段階での事業者対応の徹底、PDCAサイクルを回すことの重要性など、専門的かつ幅広い見地から有意義なご意見をいただいたものと認識しており、引き続き、グループ全体の事業を透明性や公平性の観点からチェックしていただきます。

○上田委員 局長から、不祥事を行おうとしてもできない仕組みづくりの必要性のお言葉をいただきましたけれども、これにつきまして、事例や制度設計など、詳細にご説明いただきたいと思います。

○木村職員部長 不祥事を行おうとしてもできない仕組みづくりの必要性につきましては、有識者委員からは、構造として不祥事が起きない仕組みづくりが重要であり、特にICTをどのように活用していくかが重要というご意見や、積算業務を施工管理部門から分離させるなど権限を分離させていくことが必要などのご意見をいただきました。
 局では、こうした委員のご意見等を踏まえ、不祥事を発生させないPDCAサイクルの構築や情報管理の徹底の観点から、委託の設計積算のシステム化、積算業務の現場業務からの分離等の取り組みについて、調査特別チーム最終報告書の中で、再発防止策として取りまとめたところでございます。

○上田委員 二十四年、二十六年、三十年と立て続けにいろいろ不祥事が起こっておりまして、いろいろご説明をいただきましたが、いろいろ聞いてもこのままのスタイルが正しい、このままでいつものメンバーで行くというようにしか私には残念ながら聞こえません。こちらも諦めず、このままではおかしいと、あしからず指摘させていただくことになるかと思います。引き続き点検させていただきたいと思います。
 入札です。
 辞退者が多い工事において、設備、施設の当初受注者及び過去十年間の受注事業者が同一であることが散見されていることをかねてより指摘しております。
 実質的な公正な競争が担保されているとはいえないのではないかという問題意識を持っているのか、局長のご所見を伺いたいと思います。

○中嶋水道局長 競争入札への参加は事業者の自由意思に基づくものであり、辞退者が多いことや受注している事業者が同一であることをもって、公正な競争が担保されていないとは考えておりません。
 一方、公正な競争を担保するために、技術水準や需給の状況等、市場環境を的確に把握するとともに、入札参加条件や発注仕様の見直しなど、発注内容の不断の見直しに努めております。特に、平成三十年十月に発覚いたしました排水処理施設運転管理作業委託における談合を受けまして、毎年実施しております業務委託で、過去五年間連続して同一事業者が受注している事案について総点検を行いますとともに、ホームページ上に情報を公開しております。
 また、新たに設置しました東京都水道局契約監視委員会におきまして、こうした事案の調査を継続していくこととしております。
 今後とも、こうした取り組みを徹底していくことで、競争入札における公正性及び競争性の確保に努めてまいります。

○上田委員 辞退者が多いことや受注している事業者が同一であることをもって、公正な競争が担保されていないとは考えていないという局長のお考えですけれども、これはその都度点検して、ゼロベースで考えていただきたいと思います。
 ただ、過去五年間連続して同一事業者が受注している事案について総点検され、ホームページ上に情報を公開したことは大変すばらしく評価させていただきたいと思います。引き続き、継続を要望しておきます。
 資料27ですが、別途、過去三十年分を担当者の方のご協力で取り寄せ、分析させていただきました。人件費が四割減少していますが、平成元年委託費は百二十四億だったのが、三十年間で四倍、四百九十二億までふえています。実質三百七十億ふえていて、人件費を減らしても委託費とコストがふえては経済性、公共性、住民福祉の実現を行う公営企業法三条に反するのではないかと考えるところです。
 この点につきましての見解を伺います。

○岡安理事 委託費の増加は、多摩地区の市町営水道の一元化の後、市町に委託しておりました業務を都に移行するに当たり、政策連携団体に順次移管したこと、また、区部の業務につきましても、同様に、団体へ業務移転を順次拡大してきた結果でございます。
 こうしたグループ経営の推進によりまして、公共性と効率性を両立させており、地方公営企業法第三条に規定する経営の基本原則に沿った効率的な経営を進めているものと認識しております。

○上田委員 行革で職員を減らすということは、一見いいことだと思うんですけれども、でもコストがふえちゃったらどうなのということをいっているんですね。利幅はもっとふやすべきだと思っております。これから質疑もしますが、企業債も発行し続けていますし、人口減少、少子高齢化で収入が減るのは目に見えているところで、今から無用なコストは圧縮しなければならないと思料するものですが、この観点から、グループ経営の推進によりどう公共性と効率性を両立するのか、公営企業法を踏まえて、いま一度ご説明ください。

○岡安理事 当局はこれまでも、地方公営企業法の経営の基本原則、企業の経済性の発揮を踏まえまして、不断の経営努力により健全な財政運営に努めてきたところでございます。
 将来の人口減少に伴い給水収益が減少する中にありましても、持続可能な財政運営を行うためには経営基盤の強化が不可欠でございます。
 このため、現在のグループ経営におけます政策連携団体との契約方式の見直しを進め、団体の民間企業ならではの技術力や経営ノウハウの活用、スケールメリットを生かした柔軟な人員配置などによりまして一層の効率性を発揮させ、コストの圧縮に努めてまいります。

○上田委員 一方、資料19を確認させていただきました。企業債、順調に残高を減らしていると評価いたします。ただ、この二千四百億残っているのでどう償還していくのか、よもやふえることはないのか、確認させてください。

○石井経営改革推進担当部長 水道施設の整備は、その事業効果が長期にわたることから、企業債を活用して整備費を賄い、長期間で償還していくことで世代間の負担の公平性を図っております。
 こうした考え方のもと、企業債を活用する一方で、将来の高度経済成長期に整備した施設の更新に備え、これまで、企業債の発行を抑制するとともに残高の圧縮に努め、企業債の発行余力を確保してまいりました。
 今後は、将来の人口減少により給水収益の減少が見込まれる中で、安定給水に必要な施設整備を着実に進めていくためには企業債の活用が不可欠と考えております。
 今回の長期構想における長期財政収支の見通しでは、施設整備に伴い企業債の発行額は増加するが、二〇四〇年代までの現行の料金水準を維持した健全な財政運営が可能であると見込んでおります。

○上田委員 二〇四〇年代までの現行の料金水準を維持した健全な財政運営が可能とされる根拠と具体策を、年次を追ってお示しください。

○石井経営改革推進担当部長 今後の財政運営に当たりましては、人口減少に伴う給水収益の減少が見込まれ、企業債の活用が不可欠であります。
 こうした中で、まず、施設設備については、管路の更新は二〇二九年度以降、供用年数を踏まえた平準化を行うとともに、浄水場の更新については平準化を図ってまいります。
 また、現時点での財政収支上見込んでいる業務移転に伴う経費の縮減につきましては、二〇三〇年度までは年一・五億円、二〇四〇年度まで年一億円です。
 なお、今後、性能発注による包括委託の導入によるスケールメリットを生かした経費削減について精査をしてまいります。
 さらに、スマートメーターの導入による管路維持に係る経費の縮減を、二〇四〇年代は年五十億円を見込んでおります。
 こうした支出の抑制と平準化を図るとともに企業債を適切に活用することで、今回の長期構想における財政収支見通しでは、二〇四〇年代まで給水収益に対する企業債元利償還金の割合を二〇%以下、五年ごとの累積資金収支の均衡、いずれの目標も達成をすると見込んでおりまして、健全な財政運営が可能であるというふうに考えております。

○上田委員 また、施設整備等々予算編成の中で、たびたび登場します損益勘定留保資金につきましてですが、毎年の傾向と補填の考え方についてご説明いただければと思います。

○岡安理事 平成二十六年度から平成三十年度の過去五年間の損益勘定留保資金は六百五十億円程度で推移をしております。
 この損益勘定留保資金は、資本的収支の差引不足額を補填するための財源としております。

○上田委員 長期構想にありますけれども、次は、少子化を見越した施設規模の資料28ですけれども、ダウンサイジングについてご説明いただければと思います。

○尾根田浄水部長特命担当部長兼務 今後、都の人口は二〇二五年をピークに減少に転じてまいります。これに伴いまして、水道需要も二〇六〇年度にはピーク時から約一三%減少する見込みでございます。
 こうした状況変化に合わせまして、浄水場などの水道施設を効率的に整備し維持管理していくためには、水道需要等に見合った適切な施設規模にダウンサイジングしていくことが必要でございます。
 このダウンサイジングは、安定給水に支障を来すことがないよう水道需要が減少した段階で施設の更新に合わせて実施してまいります。

○上田委員 ダウンサイジングについては、どの設備で進めていくかの計画を都度明らかにしていただきたいと思います。今後も注視させていただきたいと思います。
 人材確保、育成についてでございますが、幅広い視野やバランス感覚を持ったとあるんですけれども、具体的な説明をお願いしたいと思います。

○木村職員部長 今後の少子高齢化や人口減少など社会情勢が変化していく中で、効率的、効果的に水道事業を運営し、お客様のさまざまなニーズに対応していくためには、局と政策連携団体が役割分担を行い、東京水道グループ全体として求められる役割を担っていくための人材確保と育成が必要でございます。
 そのため、局では、特に現場に根差した総合的かつ柔軟な発想と広い視野を有し、さまざまな課題や事態に迅速かつ的確に対応でき、高いコンプライアンス意識とサービス精神に基づき、施策の企画立案や適切な委託監理を行うことのできる人材が求められます。
 こうした観点から、今後一層、水道事業における他の業務分野や都庁における人事交流、政策連携団体への派遣など、さまざまな業務経験の機会を職員に積極的に与えるなどの取り組みにより、幅広い視野やバランス感覚を持った職員を育成してまいります。

○上田委員 職員の質の構想については伺いました。
 一方、将来にわたる水道事業における人材構成のビジョンも知りたいんですね。
 東京水道におけます固有派遣の人数や比率、水道局全体の人数、その経年変化をどうされていくのか。もちろん業務移管とセットと思われますので、あわせてご説明ください。

○石井経営改革推進担当部長 将来、労働力人口が減少していく中、持続可能な東京水道を実現するためには、事業を支える人材の確保、育成に取り組んでいく必要がございます。
 今後、当局から、新団体、東京水道株式会社への業務移転を推進していくことを踏まえ、新団体の千五百名を超える固有社員は、水道の現場業務を担う貴重な人材として、当局との人材交流を通じた技術力の継承を行うなど、東京水道グループ全体での人材育成に努めてまいります。
 また、当局職員については、業務移転の進展により現場業務に携わる職員が減少していく中でも、施策の企画立案や団体の委託監理を適切に行うことができるよう、都の人事制度のもと、団体との人材交流を含め、現場業務を初めとしたさまざまな経験を積むことで、幅広い視野を持った職員の育成に努めてまいります。

○上田委員 では、政策連携団体に期待する民間企業としての柔軟性というのは何なのか、最後にご説明していただきたいと思います。

○石井経営改革推進担当部長 当局の政策連携団体は、株式会社としてさまざまな経営手法を取り入れて、迅速な意思決定のもと、社員の中途採用等や人材派遣の活用など、人材の確保、育成に向けた取り組みを柔軟に実施することが可能でございます。
 そのため、こうした柔軟性を生かすことにより、繁忙期等における業務量の増減などに応じて、業務の安定的な履行に必要な人材の確保、育成に臨機応変に対応してまいりたいと考えております。

○上田委員 具体的な数値的なものというのがまだちょっとわからないんですけれども、見てまいりたいと思います。
 水道事業をどうするか、民営化は時代の趨勢としても、独占、寡占化を防がなければならない課題もあり、また、公営企業として数々の不祥事、談合を繰り返してきた組織風土を改めずして民営化など進められるわけもありません。その一里塚となるTSSとPUCの合併に当たっては、都民の生活、健康に直結する公営企業事業の一端を担う重大な使命を持っているわけですから、市場のどの民間企業よりも高い透明性、高いコーポレートガバナンス力、マネジメント力、コンプライアンス力が問われるのであります。
 残念ながら、この予算調査では野田社長もおいでにならず、ご本人からの説明もありません。
 コンプライアンス委員会は、その内容は非公開、ブラックボックスで都民には開かれていない。指名委員会は出席率八割で、否決はたった一件で修正はゼロ、これでは、局長が都度説明されるような、民間に委ねられる業務は可能な限り民間に委託するとともに、これ今度の東京水道株のことなんだと思いますけれども、水道事業における基幹的業務につきましては、局と政策連携団体が担う一体的事業運営体制を構築し、公共性の確保と効率性の発揮を両立させながら事業を進めてきております。
 水道事業を取り巻く状況の変化としまして、都の水道事業は、今後、給水収益の減少や施設の老朽化による支出の増大が見込まれる中、将来にわたり持続可能な事業運営を実現するための経営基盤の強化を、これが実現できないのではないかなと思うわけでございます。
 政策連携団体の新社長は、都民の代表にきちんと説明する機会も設けず、むしろ、どうやってこの局長がいうところを実現するのか、非常に不思議、理解ができないんですね。
 改めまして、野田数社長の委員会招致と東京水道株式会社への管内視察を委員長に強く求めるものであります。これを最後に申し上げまして、私の質疑を終わります。

○伊藤委員長 参考人招致につきましては、先ほどと同様、後刻、理事会で協議をさせていただきます。
 それでは質疑を続行します。

○平委員 さきの予算特別委員会において、水道局の環境対策、施策について質疑を行い、局長から前向きな答弁をいただきました。
 水道局は、都内使用電力量の一%に相当する八億キロワット時の電力を消費し、また、施設の維持管理、営業業務と現場出動のため数多くの車両を保有しています。設備の新設、更新が必要な際にはエネルギー消費の少ない機器を設置、車両についてはゼロエミッションビークルへ切りかえ、CO2排出量を削減し、都が策定した二〇五〇年にCO2排出実質ゼロに貢献するゼロエミッション東京戦略の実現に向け取り組んでいただくことをこの常任委員会において改めて要望を行いまして、質疑に入らせていただきます。
 水道事業を取り巻く状況は、人口減少、老朽化が進行する施設への対応、環境危機やテクノロジーの急激な進展など大きく変化し、この変化に対応して将来にわたり安定給水を確保していくためには、これまで以上に新しい視点や柔軟な発想を持ち、必要となる施設整備とそれを賄う財源の確保のために、さらなる効率的な経営が必要となっています。
 水道局は、長期構想で、二〇四〇年度末には管路の耐震継ぎ手率を現在の約四割から約七割まで向上させることとしております。耐震継ぎ手率の向上が都民の暮らしにどのような効果をもたらすかが重要となります。
 そこで、耐震継ぎ手率の向上により都民にとって具体的にどのような効果があるのか、お伺いをいたします。

○尾根田浄水部長特命担当部長兼務 都の水道管路は、既に強度にすぐれたダクタイル鋳鉄管への取りかえをほぼ完了しておりまして、現在は、さらに災害時に備え、大規模地震の地震動にも耐え得る抜け出し防止機能を有した耐震継ぎ手管への更新を推進しております。
 今回公表した長期構想の素案では、現在進めている重要施設への供給ルートの耐震継ぎ手化に続きまして、地震による断水被害が大きいと想定される地域の重点的な更新、さらには供用年数を踏まえた管路の更新など、整備に当たっての優先順位を考慮しながら計画的に進めることで、二〇四〇年度には耐震継ぎ手率が現在の約四割から約七割に向上するとしております。
 これにより、断水の被害が広範囲にわたる地域が大幅に減少するとともに、断水箇所が限定されることで、都内全域の断水が復旧するまでの日数が短縮できることから、震災時の都民への給水安定性の向上が一層見込まれます。
 将来にわたり安定給水を確保するため、管路の耐震継ぎ手管への更新を計画的かつ継続的に推進してまいります。

○平委員 いつ起こるかわからない首都直下地震に備え、一刻も早い完成を求めます。
 都の浄水場は高度経済成長期に集中的に整備されており、今後一斉に更新時期が到来します。浄水場は安全・安心な水をつくる、まさに安定給水のかなめです。施設の劣化により、浄水場の機能停止が頻発するようなことがあってはなりません。浄水場の更新をどのように進めていくのか、お伺いいたします。

○尾根田浄水部長特命担当部長兼務 水道システムのかなめである浄水場の更新につきましては、学識経験者の指導と助言を踏まえまして、全浄水場の更新サイクルを、これまで法定耐用年数の約六十年を目安に設定していたものから、新たに設定した供用年数に基づき約九十年に見直し、更新を平準化することで年平均事業費を約六十億円抑制できる見込みでございます。
 こうした新たな更新の取り組みを通して長寿命化を図るためには、適切な管理により浄水場の健全性を維持していく必要がございます。
 そのため、施設の劣化や損傷が顕在化してから補修等を行う従来の対症療法型管理にかえまして、今後は、コンクリート構造物の劣化要因となる中性化やすり減りなどの劣化予測を行い、損傷が進行する前に対策を講じる予防保全型管理を推進してまいります。
 こうした浄水場の更新に係る具体的な計画につきましては、来年度に策定する施設整備計画に反映してまいります。

○平委員 さまざまな課題が山積する中にあって、安定給水に必要な施設整備を着実に推進していただくことを求めます。この際、大切なことは、水道事業の透明性を高めることである、そのことを強調しておきます。
 続いて、水道局の財政運営についても伺います。
 水道事業は地方公営企業であり、使用料収入によって健全な財政運営を維持する必要があります。そのポイントとなるのは、適切な目標設定を行い、進捗管理、分析などを継続的に行っていくことです。
 長期構想では、目標設定に活用する経営指標として、さまざまな経営指標とその数値目標が示されておりますが、どのような考えのもとで経営指標の選定と数値目標の設定を行われたのか、お伺いをいたします。

○石井経営改革推進担当部長 今後、人口減少により給水収益の減少が見込まれる中で、大規模浄水場の更新など安定給水のための施設整備を着実に推進するためには、これまで経営努力で生み出してきた企業債の発行余力を適切に活用しつつ、長期的な視点に立った財政運営が不可欠でございます。
 そのため、長期財政収支の見通しにおいては、企業債の適正な規模での発行が重要となることから、外部有識者委員の意見も踏まえ、給水収益に対する企業債元利償還金の割合については、健全経営の数値目標として二〇%以下と設定をさせていただきました。
 また、業務移転による経費の縮減効果を含めたさまざまな経営努力や水道管路、浄水場などの施設整備に関する目標を盛り込み、五カ年ごとの累積資金収支の均衡を図っております。
 加えて、この長期財政収支の見通しを踏まえて、今後策定する各中期経営プランにおいて活用する財政運営上の短期、中期の目標もあわせて設定をしております。

○平委員 人口減少の中、人材の確保はますます難しくなるため、ICTの導入によって効率化を高めるなど経営努力を行っていただくことを要望いたします。
 長期構想では、金利、工事コスト、物価変動などによる影響は盛り込まれておりません。また、気候変動による水質の悪化や災害など、水道事業の運営に大きな影響をもたらすさまざまなリスクも存在します。
 水道局は、金利や災害など、財政運営に大きな影響を及ぼす状況変化やリスクにどのように対応していくのか、お伺いいたします。

○石井経営改革推進担当部長 安定給水のための施設整備を着実に推進しながら、できる限り料金水準を維持し持続可能な財政運営を行うためには、その時々の状況変化やリスクに的確に対応していくことが重要と考えております。
 今回の長期構想における財政収支見通しのもと、今後策定する各中期経営プランにおいて、計画期間中の金利の動向を反映した適切な企業債の発行、市場の状況を踏まえたコストの算定など、状況変化に応じて財政収支を適切に見直してまいりたいと思っています。
 また、原水水質の悪化や災害など、長期構想では見込めなかったリスクが生じた場合は、この中期経営プランに対策を的確に反映するとともに、毎年度の予算、決算などを通じて目標管理を徹底し、必要な見直し改善を行ってまいります。
 このように、長期的な視点に立ちながら、社会経済情勢等の変化などにも柔軟に対応していくことで、将来とも持続可能な財政運営を実現してまいります。

○平委員 ありがとうございます。
 水道事業は地方公営企業や財務規定適用事業の中で唯一競合する民間企業がない事業です。また、地方公営企業法により、経済的な運営を図るため知事や議会の関与を少なくしています。だからこそ、水道事業については、監視の目が行き届くよう徹底を行っていただくことを要望いたしまして、私の質疑を終わります。ありがとうございました。

○大松委員 まず初めに、新型コロナウイルスの対応に日夜ご尽力をされていらっしゃいます職員の皆様方のご労苦に心より敬意を表し、感謝を申し上げるものでございます。一刻も早い問題の解決に向けて、私どもも全力で取り組んでまいりますので、ご協力を賜りますようにお願いを申し上げまして、質問に入らせていただきます。
 まず、水道局におけるCO2排出量削減に向けた取り組みについて質問をいたします。
 水道局には、東京都キャップ・アンド・トレード制度におけるCO2排出量削減義務、また、水道局の施設がある埼玉県の目標設定型排出量取引制度における排出量削減目標があります。そして、東京都は二〇一〇年度から、埼玉県は二〇一一年度から、ほぼ五年ごとに第一期、第二期と計画期間を刻み、それぞれの期間ごとに削減義務量、目標量を設定しCO2削減に取り組んでいます。そして、二〇二〇年度からは第三期計画期間が始まりますが、その期間のCO2排出量削減義務及び目標量が大幅に強化されることになっております。
 この削減義務、この目標をどう達成していくのか、私ども公明党は、昨年三月の第一回定例会の公営企業委員会で質問をいたしました。
 それに対しまして、都は、さらなるCO2排出削減策について、さまざまな視点から幅広く検討していくと答弁をしております。
 そして、その後の水道局の取り組みによりまして、二〇一五年度から今年度、二〇一九年度末までの第二期計画期間につきましては、排出量削減義務及び目標を達成できる見込みになっているとのことでございます。
 しかしながら、二〇二〇年度から始まります第三期計画期間におきましては、都の削減義務量は第二期の一五%から二五%に、また、埼玉県の削減目標は一三%から二〇%に大幅にアップすることになっております。これまでの取り組みの継続で達成できる削減義務量、目標量ではないわけでございます。
 そこで、水道局は、新たな五カ年の環境計画の策定を目指しまして、多面的なエネルギー施策により着実にCO2排出量を削減していくとしております。その中で最も重要になりますのが、CO2排出の最大の要因でありますポンプを初めといたします水道局の設備に、エネルギー効率のよいもの、再生可能エネルギーを導入していくことであると考えます。
 そこで、CO2排出量削減に向けた施設整備の取り組みにつきまして、都の所見を求めます。

○横谷設備担当部長 当局ではこれまでも、エネルギー損失の少ないインバータ制御方式のポンプ設備を導入してきましたが、こうした省エネ型ポンプ設備を今後五年間で二十台以上導入してまいります。
 また、太陽光や小水力発電設備につきましても、浄水場や給水所など、五年間で十施設以上に導入し、出力合計約一万二千五百キロワットに拡大いたします。
 さらに、エネルギー効率も考慮しながら災害時の安定給水を確保するため、排熱を有効利用するコージェネレーションシステムを採用した常用発電設備を大規模浄水場に導入しておりますが、今後は新たに、発電効率を従来の四〇%程度から約五〇%まで高めたガスエンジン方式の発電設備を採用し、令和六年度までに東村山浄水場など三施設に導入してまいります。
 その他、空調や照明等の効率化などを含め、エネルギー効率等に配慮した施設整備を実施することにより、みずからの施設におけるCO2排出量を確実に抑制してまいります。

○大松委員 来年度からのこの第三期計画期間におけるCO2の排出削減義務目標量、非常にハードルが高いものでございます。この施設整備における取り組みにつきまして今答弁をいただきましたけれども、それだけではなくて、都のキャップ・アンド・トレード制度などで認められているさまざまな仕組みを活用していくことも、削減義務目標の達成のためには必要になると考えます。
 そこで、キャップ・アンド・トレード制度の仕組みなどを活用したCO2排出削減の取り組みについて見解を求めます。

○清水企画調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 東京都及び埼玉県のCO2排出削減制度では、地球温暖化対策が特にすぐれた事業所を認定する仕組みがありまして、この認定を受けた場合、当該施設の削減義務率等が軽減されます。
 現在、当局では、給水所など六施設がこれを取得しておりますが、今後は、省エネ化の整備が大きく進み、認定水準に達した浄水場においても申請を行い、削減義務の軽減効果のさらなる増大を図ってまいります。
 また、当局が百二十年近くにわたり適切な管理を続けてきました水道水源林は、年間約二万トンのCO2を吸収する効果がございます。埼玉県のCO2排出削減目標制度においては、このCO2吸収量をクレジット化し、埼玉県内にある当局施設のCO2排出量の削減に活用が可能でありますことから、令和六年度までの次期のCO2削減計画期間において活用できるようクレジットの取得に向けた手続に来年度から着手いたします。
 このように、制度で認められた仕組みも十分に活用しながら、確実に排出量の削減義務等を達成してまいります。

○大松委員 水道局の事業に課せられている排出量削減義務、目標の達成に向けた取り組みについて、今答弁をいただきました。
 その上で、水道局は、みずからの事業における削減義務の達成を目指すとともに、環境に配慮した電気の調達をふやすなど、水道局の事業活動以外においてもCO2排出量削減を促進する取り組みが求められているところでございます。東京都の見解を求めます。

○清水企画調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長兼務 当局では、水道事業の特性を生かした社会やお客様などのCO2排出量削減につながる取り組みも推進してまいります。
 まず、都内使用電力の約一%に相当する大量の電気を使用している当局が、再生可能エネルギーの利用割合が高い電力などを率先して調達していくことで、社会における再生可能エネルギーの普及を促進してまいります。
 また、安全でおいしい高品質な水道水をお客様の蛇口へ直接お届けできる直結給水は、配水管内の圧力を有効に利用し、お客様の揚水ポンプの使用電力の削減にも寄与できますことから、これを一層普及させてまいります。
 さらに、当局は、現場業務のため多くの車両を保有しており、これをゼロエミッションビークルや電動バイクに積極的に切りかえることで、局自体の排出ガス抑制とともに、ゼロエミッションビークル等の普及に貢献することとし、来年度については、電気自動車またはプラグインハイブリッド車を四台、電動バイクを十二台導入いたします。
 これら多面的な対策を着実かつ積極的に推進し、水道事業以外の社会全体の脱炭素化の促進にも貢献してまいります。

○大松委員 次に、災害対策について質問します。
 近年の気候変動によりまして、首都直下型地震とともに、大規模水害の危険性が顕在化し、災害対策が東京水道の最重要課題の一つになっております。昨年発生した台風十九号におきましても、都内で土砂災害や浸水被害が発生したことにより、多くの住民の皆様方が水道を使えなくなりまして、また、断水状況などの情報不足により混乱も生じたわけでございます。
 公明党は、平成二十七年の第四回定例会の代表質問におきまして、災害発生時に、断水状況をインターネットを活用して視覚的にわかりやすく住民に提供することの重要性を指摘いたしました。
 これに対し、都は、断水地域や通水地域の状況を地図上で把握できる、いわゆる地図情報を水道局のホームページに掲載することを検討すると答弁し、その後、公表した水道経営プラン二〇一六で令和二年度より運用開始することを明記いたしました。
 そこで、災害発生時における断水状況の地図情報について、その具体的な内容を伺います。

○本荘谷給水部長 当局におきましては、平常時の水道工事におけます断水や濁り水などの情報を既に地図情報としてホームページ上に掲載しております。
 これに加えまして、災害時における断水状況につきましても、新たに地図情報としまして、本年五月から情報提供ができるようにいたします。
 この災害時の地図情報は、職員が現地で確認する水道管の被害状況やお客様から寄せられる道路漏水などの情報などに基づき作成し、復旧状況を反映させるなど随時更新を行いながら、お客様に最新の状況を提供してまいります。
 具体的には、お客様は、ホームページ上でまず区市町別に断水の有無を確認いたします。さらに、該当する区市町を選択することによりまして、区市町内の地域別の状況を確認いただけます。例えば新宿区であれば区内を配水系統により四つの地域に分割しまして、それぞれの地域での断水の有無や復旧状況などをご確認いただけます。
 これによりまして、災害時におきましてもお客様が知りたい地域の断水状況や復旧状況が一目でわかりまして、情報不足による混乱を防ぐことが可能となります。

○大松委員 どの地域で水が出ていないのか、どの地域が復旧して水が出ているのか、その正確な情報を住民の皆様方が得られるようにすることは、人々の不安感が増す災害時におきましては特に重要になります。また、こうした情報の発信は、消防の消火活動などにおいても大変に有効でございます。運用開始に向けて着実な推進をお願いしたいと思います。
 その上で、いかに重要な情報を発信しても、住民の皆様方がそれにアクセスし情報が広く行き届いていかなければ意味がありません。
 そこで、この地図情報をどう周知していくのか、都の所見を求めます。

○小平サービス推進部長 災害時におきまして、どこが断水し、どこが通水しているか、こういった情報は非常に重要なものでありますことから、断水状況が把握できる地図情報について、日ごろからPRするとともに、実際に災害が発生した際には、お客様が情報を容易に入手できる環境を整える必要があると認識しております。
 そのため、平常時におきましては、ホームページのほか、水道週間等のイベントや地域広報紙などさまざまな機会を通じて、この地図情報について周知を図ってまいります。
 一方、災害発生時には、ホームページのトップ画面に災害関連のバナーを配置し、地図情報に速やかにアクセスできるよう誘導いたします。
 あわせて、情報を拡散しやすいツイッターなどのSNSを有効に活用して広く発信してまいります。

○大松委員 断水状況の情報発信につきまして答弁をいただきましたけれども、災害時には、逆に、次はどこに行けば水が入手できるのかという、この応急給水に関する情報が大変重要になりまして、これをより迅速にきめ細かく伝えていく工夫が必要でございます。
 令和二年度予算案では、都は、スマートフォン用のアプリで、災害時給水ステーションに関する情報等を発信することとしております。住民がふだんから持ち歩く携帯端末に、それぞれの地域に応じた情報を発信することは非常に有効であると考えます。
 アプリを活用した応急給水情報の発信につきまして、今後の取り組みを伺います。

○小平サービス推進部長 災害発生時には、お客様に対し、災害時給水ステーションの開設状況や経路案内など、応急給水に関する情報を居住地域等に合わせて迅速にお知らせすることが重要と認識しております。
 このため、お客様が持ち歩くスマートフォンに応急給水等の情報を速やかに発信できるアプリを来年度早期に開発いたします。
 このアプリでは、お客様が事前に登録した居住地域等の情報をもとに、そのエリアに給水ステーションが開設された際、即時にお知らせするプッシュ通知を導入いたします。
 また、GPSによる位置情報機能を利用して、開設している災害時給水ステーションまでの経路案内も可能にいたします。
 これにより、応急給水に関する情報をお客様に迅速かつ、きめ細かく発信してまいります。

○大松委員 災害の発生時、この水は命をつなぐ重要な物資になるわけでございます。高齢化が進む中にありまして、多くの高齢者にとりましては、給水ステーションが開設されても、そこが自分の住居から遠ければ、実際には、なかなか水をとりに行くことができないわけでございます。
 この給水ステーションをよりきめ細かく設置していくとともに、それらの情報につきましても、アプリなどで、逐次発信をしていくような取り組みを要望いたしまして、私の質問を終わります。

○伊藤委員長 この際、議事の都合により、おおむね十五分間休憩いたします。
   午後五時五十分休憩

   午後六時五分開議

○伊藤委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言を願います。

○川松委員 私からは、まず冒頭、新型コロナウイルス感染症対策について一言申し上げます。
 これまでの間、水道局においては、さまざまな対策を講じておられるのはよく承知でございますが、今が正念場でありますので、引き続き、全力で取り組んでいただくようお願いをさせていただきます。
 そして、きのうは、同様のことを下水道局にも聞いたんですけれども、新型コロナウイルスの感染拡大に便乗した詐欺や悪質商法が全国各地で発生し、報告を受けています。その報告例を見てみると、水道管にコロナウイルスが入った、このウイルスを除去する作業費や、ウイルスが管に付着したので取りかえる必要があるんだといって支払いを要求しているということなんです。
 確認でありますけれども、東京都水道局では、こういった連絡や訪問などを行うことはないと私は思っていますけれども、都民に対して、いわゆる通常での水道料金徴収以外に請求行為を行うことはありませんよね。

○小平サービス推進部長 当局では、お客様に対しまして、水道料金以外の請求を行うことはございません。

○川松委員 ありがとうございます。
 この話が突然来ると、今、コロナウイルスに関しては、みんな敏感になっているときでございますので、各現場の皆さん方にも思いを共通にして、こういうことが来たら、何かあっても、すぐ相談してくださいと、そのまま業者の話に乗らないでくださいという広報活動に力を入れていただきたいと思います。
 なお、これまでも、今、質疑を聞いていると、ツイッターなどSNSを活用しているという話が出ていますけれども、SNSを活用できない人ほどこういう詐欺にひっかかってしまうので、アナログ的な手法も含めて、周知徹底をしていただくよう要望しておきます。
 さて、私は、去年の十月の公営企業委員会でも触れた有機フッ素化合物について質問させていただきます。
 水道水の安全・安心を守ることは、水道事業の最大の使命でありますが、最近たびたび報道されるようになりましたのが、今申し上げた有機フッ素化合物であります。これが、水道水の安全性を脅かすリスクが顕在化してきました。去年の事務事業質疑でも質問しましたけれども、この有機フッ素化合物、PFOS及びPFOAについて、都における検出状況や対応について、私は十月、質疑しました。このPFOS及びPFOAについては、国内はもとより、WHOでも基準値等が示されていないことから、水道局では、現在、世界で最も厳しいアメリカの勧告値、一リットル当たり七十ナノグラムを参考に管理し、多摩地区の一部の井戸水源を一時停止して対応していることを確認いたしました。
 こうした中、先月、厚生労働省が開催した専門家会議におきまして、本年四月から、暫定目標値として一リットル当たり五十ナノグラムを通知するという方向性が示されたわけであります。この値は、これまで参考としていたアメリカの基準より厳しいものとなりました。さらに、国から新たに示された濃度の測定方法は、これまでの方法より、よりシビアな検査結果が出る可能性が高いというふうに聞いています。
 水道局では、既に都内全域で、このPFOS及びPFOA濃度の測定を行い対応を済ませたと伺っておりますが、そこで、都内全域におけます測定結果と対応について伺います。

○藤村技術調整担当部長 当局では、来月から適用される暫定目標値にいち早く適切に対応するために、新たな検査方法を用いたPFOS及びPFOAの臨時調査を速やかに実施しました。
 この調査は、都内全域で稼働中の全ての浄水場、浄水所について、井戸水源九十八カ所、原水、浄水五十六カ所、給水栓百三十一カ所を対象に、二月から三月にかけて行いました。
 その結果、給水栓百三十一カ所のうち、多摩地区の府中武蔵台浄水所系配水区域など五区域の給水栓から暫定目標値である一リットル当たり五十ナノグラムを超過していることを確認しました。
 この給水栓における測定値が暫定目標値を超過した浄水所につきましては、直ちに井戸水源の一部または全部を停止する対策を実施しました。
 これにより、都内全ての給水栓において、PFOS及びPFOAの値が暫定目標値を大きく下回っていることを確認しております。

○川松委員 ありがとうございます。水道局においては、四月以降を見据えて、既に対応措置を講じているということを確認いたしました。
 しかし、水質検査の結果というのは、当然変動が予測されるわけでありますから、継続的な取り組みが重要になっていきます。
 そこで、PFOS及びPFOAの位置づけが変わる令和二年度以降、東京都水道局では、どのように対応していくのか、考え方を教えてください。

○藤村技術調整担当部長 PFOS及びPFOAは、これまで、国が要検討項目に位置づけ、情報収集に努めることとしていたため、定期的な水質検査は、一部の原水、浄水、給水栓を対象として実施してきました。
 これを、国は来年度から、水質管理目標設定項目に位置づけ水質基準に準じるものとしたことから、稼働中の全ての浄水場、浄水所における原水、浄水及び給水栓において年四回PFOS及びPFOAの濃度を測定し、ホームページで公表するとともに、給水栓における値が暫定目標値を下回るよう管理を徹底していきます。
 また、多摩地区の井戸を水源とする浄水所の多くは、河川水を原水とする東村山浄水場などから送水される水と混合して配水しており、混合するバランスが変動すれば、水質検査結果も変動することとなります。
 そのため、このバランス変化に伴う水質変動にも着目し、常に暫定目標値を下回るよう、管理精度の向上を図ってまいります。

○川松委員 水道水の安全・安心の確保は、全てに優先する最重要事項でありまして、水道局の対応は、都民の安全・安心のための措置として評価ができるわけであります。
 ただ、一方で、PFOS及びPFOAの対応においては、水道水の安全を確保するために井戸を停止するという答弁もありました。これまでも、さまざまな化学物質による汚染により長期間停止している井戸も少なくないと聞いています。
 将来にわたって安全・安心な水道水を安定供給するために、水質悪化など課題を抱える井戸を今後どうされていくのか、考え方を伺います。

○藤村技術調整担当部長 多摩地区の井戸水源は、身近にある貴重な水源として適切に活用するとともに、災害や事故時の備えとしても重要であると認識しております。
 しかし、多摩地区においては、今回のPFOS及びPFOA以外にも、トリクロロエチレンを初めとする有機塩素化合物等の濃度が高い井戸もあります。これらの井戸については、除去設備による対応で可能なものは、これを設置して水質の維持を図っており、それ以外のものは、今回のPFOS及びPFOAにおける対応と同様に使用停止しています。
 また、市町営水道時代に整備された井戸が多くを占め、設備の老朽化が進行している状況にあります。
 このため、井戸水源は、将来ともに貴重な水源であることから、施設の適切な維持管理補修を行いつつ、今後の多摩地区の井戸の活用について検討してまいります。

○川松委員 井戸は、貴重な水源として適切に活用する必要がある一方、停止している井戸も多く、井戸水源のあり方については早急に整理していただきたいと思います。
 化学物質は、私たちの生活を豊かにしてきたわけですが、井戸水源のみならず、河川水においても、一部の有害な化学物質が水質事故をたびたび引き起こし、我々の安全性を脅かしてきたわけであります。
 今は、このPFOS及びPFOAが問題視されていますけれども、将来にわたって、今後また新たな化学物質が問題となることも懸念されます。さらに、長期構想でも触れられているように、気候変動などにより水質の悪化も想定されるところであります。
 都民の安全・安心を第一に考え、水道局は万全な対応を講じるべきと考えますが、水道局における化学物質を初めとする水質事故に対する危機管理について伺います。

○尾根田浄水部長特命担当部長兼務 水道局では、WHOが提唱しているリスクマネジメントに関する水質管理手法で、水道水の高い安全性を確保することができる水安全計画を平成十九年度に策定し、運用しております。
 水安全計画では、水源から蛇口までに至る過程で、化学物質だけでなく、火山噴火等の自然災害などあらゆる水質事故を想定いたしまして、事故発生時の対応措置をあらかじめマニュアルとして整備しております。
 また、毎年局内で実施しているさまざまな水質事故訓練や、流域の水道事業体と国等の関係機関が連携して実施している合同事故訓練を踏まえてマニュアルの改善を図るなど、水安全計画の実効性を高める取り組みを進めております。
 さらに、今後も継続的に事故事例とその対応措置に関する最新の情報を国内外から収集し、水安全計画に反映していくことで、水質管理のより一層のレベルアップを図ってまいります。

○川松委員 ありがとうございます。ぜひとも、今後も新しいリスクに対してもアンテナを張って、万全な体制で対応していただきたいと考えます。
 また、化学物質に関しては不安に感じる都民も多いわけでありまして、都民の皆様の不安解消のためにも、引き続き、わかりやすい説明を続けていただきたいと思います。
 さて、管路の更新についてお話を伺いますが、令和二年度の予算では、配水管の取りかえは、取りかえ延長三百六十八キロメートル、およそ千二十億円、前年度と同程度を予定されています。
 平常時は当然のこと、震災時においても、都民に水を届けるためには、計画的に管路を更新し、その健全性を維持することが極めて重要であるのはいうまでもありません。
 我が党はこれまでも、首都直下地震に備えた水道管の耐震継ぎ手化を初め、取りかえ困難箇所に点在する布設年度の古い管路の解消にも早急に取り組んでいくべきだとずっと主張してまいりました。
 局が公表した長期構想では、今年度から取りかえ困難管の更新を重点的に進めて、令和四年度までに解消するとしています。
 そこで、取りかえ困難管の解消に向けた今年度の実績と、そして来年度の予定について伺います。

○田中建設部長 当局では、施工が困難な箇所に残存し、布設年度が古く、漏水発生のおそれがある管を取りかえ困難管と位置づけております。
 取りかえ困難管は、国道、都道などの交通量が多い幹線道路の交差点、鉄道との近接箇所、電気、ガス、下水道などの他企業の地下埋設物とふくそうする箇所等に点在しております。
 都内全域では、平成三十年度末現在、約三百四十カ所に約十八キロメートルの取りかえ困難管が残っております。
 この取りかえ困難管は、今年度六十三カ所、約一・三キロメートルの取りかえが完了する見込みであります。また、令和二年度は、約九十カ所、約四キロメートルの取りかえ工事を進めてまいります。

○川松委員 ありがとうございます。取りかえ困難管は、施工が難しい箇所に点在しているために、さまざまな課題があるということは、もう今の答弁でよくわかるんですが、難しいのはよくわかるんですけれども、布設年度も古くて漏水発生のおそれがあります。
 着実な更新が不可欠になりますけれども、この取りかえ困難管の解消に当たっての課題と対応について、改めて伺います。

○田中建設部長 取りかえ困難管は、幹線道路の交差点にあり、交通を遮断できないため掘削が困難な箇所や、他企業の地下埋設物がふくそうしていることから土どめの設置ができないなど、施工が困難な箇所に点在しております。
 そこで、工事に当たりましては、道路を掘削せずに取りかえが可能な推進工法に加えまして、既設管の中に新しい管を挿入するパイプ・イン・パイプ工法やステンレスの蛇腹管を挿入するSDF、ステンレス・ダイナミック・フレキ工法など、さまざまな工法を採用してまいります。
 さらに、取りかえ困難管の中でも管の口径が大きい配水本管は深い位置に埋設されており、その取りかえには大規模な仮設工事が必要となるなど、高い技術力が求められます。
 このため、工事事業者の技術の向上に取り組むとともに、受注できる工事事業者の拡大に努めてまいります。

○川松委員 ありがとうございます。さまざまな工夫を行って、取りかえ困難管の更新に取り組んでいくということを理解させていただきました。
 令和四年度までに、取りかえ困難管の更新とともに、重要施設への供給ルートの耐震継ぎ手化を完了させた後は、取りかえ優先地域の耐震継ぎ手化を重点的に実施していくということとなっていますが、この取りかえ優先地域の耐震継ぎ手化は、具体的にどういった地域で、どのように取り組んでいくのか、考え方を教えてください。

○尾根田浄水部長特命担当部長兼務 東京都防災会議の平成二十四年における首都直下地震等による東京の被害想定では、東京湾北部地震、立川断層帯地震などの四つの地震動における被害シミュレーションが行われております。このシミュレーション結果によりますと、都内には、液状化の可能性が高い区部東部地域や立川断層のある北多摩西部地域などに地震時の断水率が五〇%を超える地域が存在しております。
 今回の長期構想の素案では、こうした地域を取りかえ優先地域と位置づけ、令和五年度から重点的に管路の耐震継ぎ手化を推進いたしまして、令和十年度までに断水率が五〇%を超える地域を解消してまいります。

○川松委員 効果的に断水被害を軽減するために、しっかりと計画を立てた上で、取りかえ優先地域の耐震継ぎ手化に確実に取り組んでいただきたいと思います。
 また、長期構想では、今後、配水本管の更新にシフトしていくということが示されていまして、施工困難な工事が増大するのではないかということが想定されます。
 こうした工事を進めていくには、工事事業者の技術力の維持向上を図ることが重要であり、去年三月の公営企業委員会において、我が党は、工事事業者の施工能力を確保するためには、発注者として技術支援策を実行することが必要と質問をいたしました。
 これに対して、水道局から、平成三十一年度から技術支援策を実施するという答弁をいただいているわけでありますけれども、改めて、局は、発注者の技術支援の一環として、今年度、配水本管工事の技術支援研修を行ったと聞いているわけですが、その内容について詳しく教えてください。

○田中建設部長 配水本管工事の技術支援研修は、本年一月、本管工事への参入を希望する事業者などを対象に、実習フィールドを持つ局の研修施設を活用し、初めて開催しました。
 この研修では、工事事業者への事前調査で要望が多かった大規模な土どめの仮設工法などの講義に加えまして、実習フィールドで土どめや覆工の施工、その際の適切な防護など、実際の工事を模した講習も行いました。
 そして、この研修には約九十社の工事事業者に参加をいただき、そのうち七割が配水本管工事の契約実績が少ない事業者でありました。
 また、今後の研修をより効果的に行うために受講後にアンケートを実施したところ、配管工事における施工不良事例の説明がほしいとの意見や今後を担う若手社員に受講させたいなどの意見がございました。

○川松委員 ありがとうございます。研修に参加した約七割が配水本管工事の契約実績がほとんどない事業者であったということです。今回の取り組みは、新たな人材確保の面で有効であったといえるでしょう。
 こうした工事事業者の生の声を聞いて、今後、より一層技術支援策を充実させるべきであると考えますが、そこで、工事事業者への技術支援策の今後の取り組みについて伺います。

○田中建設部長 配水本管工事を受注できる工事事業者を一層確保するためには、事業者のニーズを的確に把握し、事業者の実情に即した技術支援が必要でございます。
 このため、研修の実施に先立ちまして、工事事業者や関係団体と定期的な意見交換を実施し、事業者のニーズを把握いたします。
 研修の実施に当たりましては、今回の研修でいただいた意見や今後実施する意見交換を踏まえ、配管工事における施工不良事例の説明を追加いたします。また、新たに非開削工法であるパイプ・イン・パイプ工法やSDF工法といった施工方法を講義するなど、研修内容を拡充してまいります。
 今後、さらに、配水本管工事の契約実績が少ない事業者や将来を担う若手社員への受講を促すなど幅広く研修参加者を募るとともに、実施時期や研修回数などを見直した上で、継続的に技術力の向上に資する研修を行い、技術支援を実施してまいります。

○川松委員 水道局は、工事事業者の技術支援に今後も継続的に取り組んでいくという答弁でありました。安定給水を確保していくため、水道局と工事事業者が協力し、管路の更新に取り組んでいただくことを改めて要望しておきます。
 政策連携団体についてです。
 水道局は、技術系業務と営業系業務を担う政策連携団体二社を統合して、水道業務を包括的に担うことができるようになる東京水道株式会社を四月に発足させて、この会社の社長にTSSの社長である野田数氏を推薦すると表明されました。新しい会社は、総社員数が二千六百人を超える大規模な会社となり、水道局からの受託事業のほかに、国内外の水道事業体への支援に関しても積極的に展開していくということであります。
 こうした会社のかじ取りが、水道事業の経験どころか、企業勤務の経験も乏しい野田数氏に務まるのか私は疑問でありますけれども、どう考えているのか、考え方を教えてください。

○石井経営改革推進担当部長 当局では、新団体、東京水道株式会社の社長には、今後の東京水道が目指すべき改革の方向を的確に認識し、着実に実務を遂行できる人物がふさわしいと考えてまいりました。
 このため、今回の統合作業を先導して進めるとともに、東京水道サービス株式会社の社長就任から短期間で特別監察結果に対する改善策を構築するなど、さまざまな実績を上げてきた野田氏を、今後の東京水道の改革を進めていく上で必要な人材と評価し、統合対象の二社とも協議をした上で、新団体の社長に推薦をいたしました。
 社長の役割は、経営の視点に立って会社全体を統括することであり、同氏の東京水道サービス株式会社社長としての経験や実績に鑑みれば、新団体、東京水道株式会社の社長として十分職責を果たせるものと認識をしております。

○川松委員 公式にこういう答弁が出てくるということは重いですよ。水道局としては、新団体の社長には、今後の東京水道が目指すべき改革の方向を的確に認識し、着実に実務を遂行できる人物がふさわしいと考えてきたという答弁だったわけですね。
 これまで、水道局の政策連携団体のトップは、水道事業に長く携わってきた局OBを配置してきました。いろんな一連の作業の中で改革していかなきゃいけない、だから外部だということで据えたのはわかりますけれども、経験の浅い野田氏を新会社の社長に据える理由が一体どこにあるのか。
 今の話だと、新会社の社長に野田氏がふさわしいという答弁でありまして、さまざまな実績を上げていたということですけれども、TSS社長としてどのような実績を上げているのか、きょういただいた資料にも出ていますが、果たしてこれが実績と呼べるのかわかりませんけれども、局の公式の見解を教えてください。

○石井経営改革推進担当部長 野田氏は、昨年五月に東京水道サービス株式会社の社長に就任後、速やかに同社のアクションプランとなる七十二項目の取り組みを盛り込んだ二〇一九年度の経営方針と目標を策定いたしました。
 これに基づき、八月までに、特別監察に対する改善報告書の取りまとめ、企業統治や内部統制に関する基本方針などのほか、指摘事項にあった協力会社からの出向社員の受け入れについての見直し計画を策定しております。
 また、初任給を増額し、管理職等昇進制度を見直して、固有社員を積極的に登用することで、そのモチベーションの向上を図るとともに、中途採用の通年実施などにより固有社員の採用者数を大幅にふやしております。
 さらに、若手社員によるPTを発足させ事業提案を行わせるなど、社内の活性化に努めているところでございます。

○川松委員 例えば、最近の都政新報に、野田数、東京水道株式会社社長候補に聞くと出ていますけれども、今おっしゃったような実績を述べているわけですよ。例えば、初任給を月額三万円アップしましたとか、これ具体的に見てみると、初任給三万円アップして--部長、例えば、ことしの新入社員は何人ですか、TSSというか、水道会社として新入社員。

○石井経営改革推進担当部長 ことしでよろしいですね。(川松委員「今度の」と呼ぶ)今度のですね。今度は五十三名ですかね。

○川松委員 例えば、五十三人の初任給を月額三万円上げたということは、年間で十二掛ければ三十六万円ずつ上げていくわけですね。
 これ二つ見方があって、皆さん方がこれを改革だというんだったら、よっぽどそれぞれの政策連携団体の現場を冷たく扱っていたということですよ。本局の皆さん方はOBを据えて、自分たちは殿様みたいなスタイルでいて、現場を無視していた、余りにも待遇が悪かったということ、皆さん方が、これを評価だ、実績だと評価するんだったら。
 私からすると、いろんな数字をはじくと、この一年間で、野田氏がTSSの社長になってきて、抜本的な改革をしたところって見えないんですよ。この、今いったような財源を確保するために、大胆な組織改革をしたかといったらそれが見えない。それを、何か寄せ集めていっぱいお金を集めてきて、初任給を上げましたみたいな、実績といわれても困ります。
 それと、今の部長の答弁で、実績の中に、二〇一九年度の経営方針と目標を一カ月で速やかに策定したといいますけれども、もともといろいろなトラブルがあって、準備していたんだから、社長に就任したタイミングがそこにあっただけで、ご本人が就任してゼロから始めたんですか、部長。いかがですか。新社長になってから初めて着手した作業なのか、それとも、もともと動いていたプランなのか、教えてください。

○石井経営改革推進担当部長 このプランなんですけれども、いわゆるその前向きのいろんな計画というものが、それまで四月--残念ながら、特別監察の結果、これの改善に追われていて、そこに手をつけられなかったところを、新社長になってから動かし始めたということは間違いなくいえると思います。下地の種になるようなものは幾つかあったものを、それを、要するに引き出すというところの努力を社長がなさったというような形になっています。

○川松委員 ごめんなさい、私の聞き方が悪かった。要は、いろんなことが、水道局が、こういう政策連携団体に問題があって、早くいろんな、対外的には報告なりプランを示す時期だったわけですよ。そのタイミングで、社長が改革だといって乗り込んできて、仮に一カ月でできたとしたら、それはそれで問題で、一カ月間、じゃあ石井部長、社長に就任してからプラン出すまでに、この野田社長ってそれだけ現場、細かく回ったんですか。一カ月で全部情報収集して。僕が聞いている話では、そんなに現場に行ったって聞いていないですよ。どういうことでこれ実績と評価するんですか。

○石井経営改革推進担当部長 このプランなんかも含めて、確かに野田社長が、就任からすぐに現場にも行きましたけれども、そんなに回数を重ねているわけではないです。ただ、何というんでしょうか、さっき引き出しといったんですけれども、社員からいろんなことを聞いて、それを取りまとめる推進役にはなってきたというようなことなので、その一つ一つの事象に関していえば、それぞれの所管部署の社員が頑張ってやってきたことだというふうには考えています。
 先ほどの原資、給料の話も、確かにこれまで、どういうんでしょうか、歴代の我々の先輩方、私も含めて、取締役という意味でいえば、勤めている方のことを本当に真摯に考えてきたのかというと、そこはちょっと怪しい部分はあるんですけれども、ただ、今、そういうことを一生懸命やりながら、例えば、この給料を上げるという部分についても、高齢期の方の社員の部分について、少し適正化を図るというようなことも含めた原資を生み出して、この初任給の引き上げを行ったというようなものになっています。

○川松委員 今いったその待遇改善というのは、別に野田新社長が行って初めて出てきた話ではないということを僕はいっているんですね。いろんなところでいっていました。議会でも、そういう話が出ていた、TSSの待遇を考えた方がいいんじゃないかと。それを受けて、これを実績といわれて、ご自身オリジナルのアイデアで、ばあんと大なたを振って改革したんだったら、もう僕らも認めますよ。
 そういっていくと、このきょうの資料でも挙げたような業務実績の中で、大学に回っているというのは、いろいろと裏どりとれていますが、それ以外は、僕はよくわからない。だから、水道事業の経験も企業勤務の経験も浅い野田氏を新会社の社長に推薦した水道局の責任の大きさというのは、僕は、はかり知れないということを指摘しておきます。
 そして、例えば、この都政新報だったり、以前からいわれているような、各メディアで外でしゃべるこの水メジャーだと、しゃべってきましたけれども、こういったことを野田社長というのは、社内で今まで公的な場で発言してきたんですか。いかがですか、部長。

○石井経営改革推進担当部長 公式な場での発言というのは、私は聞いていません。水メジャー発言があって、それはどういう意味なのかということのお話は、社長室に入っていろいろと社長と意見交換の中でお話を聞いております。

○川松委員 かつてここの委員会でも出てきました、これは志をあらわしたものだといっていましたけれども、これはもう、今いったということは、公式な場ではないということは、取締役会も含めてなかったと。ただ社長室で、部長と個人的に話したときに志だといっただけなんですか。とんでもない話ですよ、本当に。

○石井経営改革推進担当部長 公式の場というのは、取締役会ですとか、それからグループ経営戦略会議ですとか、そういう場ではお話をされてはいないということで、意見交換というのも、もちろん取締役として行っていますので、会社の方向性どうするか、どうのこうのということをやる場ではあるので、その場では聞いているということでございます。

○川松委員 これ僕わからないですけど、普通の、つまり今トップとしてふさわしいかという議論をしているからいいますけれども、内部で話していない、しかも、今いったように、取締役会とか重要決定機関で話もしていないことを、さもやるぞといったように外で発信していくというのは、これ社長として本当にふさわしいんですか。こういうことも含めて、三者で次の社長に決めたわけですよね。こういうことをちゃんと考慮していましたか、部長。

○石井経営改革推進担当部長 この水メジャー発言、ちょっと言葉の捉え方だと思うんですけれども、私も社長にその辺を、お話を聞きました。決して、例えば、世界の外資の水メジャーのように、丸ごと何か出張っていって何かとってくるというような、一九九〇年代に席巻したような、ああいうものをやろうという意識は全くないんです。ただ、PUCと、それからTSSが一つになることによって、まさに水源から蛇口までが一つになるというその大きさを水メジャーということで、だから日本版水メジャーということでお話をさせていただいているのは、それは差別化を図るために、彼としてはそういう発言をした。その大きさ、事業の大きさを水メジャーというような表現を使ってしまうということです。

○川松委員 何だかよくわからない話になっています。
 この都政新報の記事だと、我々は、リーダーシップとしていいのか、組織運営できるのかということについては疑問視しているわけですけれども、この都政新報にはこう書いてあるんですね。組織運営について、人に動いてもらいやすい環境をどうつくるかが重要だ、小池都政の立ち上げに携わり、特別秘書として都職員と都政改革を推進してきた、都民ファーストの会を設立し、軌道に乗せた、組織をゼロから立ち上げることや立て直しなどの実績があると、こういうことをいっているわけです。先ほど、都民ファーストの皆さんからやじも飛びましたけれども、こういうことを発言されているんだから、もしいうんだったら、やっぱりこの場でしっかりと説明してほしいんですよ。都民ファーストの会のこの軌道に乗せたことを実績に、ご自身語られているんです。これが現状なんですよ。それでも、ここに、委員会に呼ばないと決断するのは、僕は想像できません、何でなのか、理解できない。
 改めて聞きますが、東京水道の改革に向けて、水道局は、こういったリーダーがいる、こんな、僕からすると実績のないリーダーがいる政策連携団体とどうやってグループ経営を展開していくのか、考え方を教えてください。

○中嶋水道局長 今回の団体統合は、持続可能な東京水道を実現するための改革の第一歩でございまして、東京水道グループ全体のガバナンスとコンプライアンスを一層強化してまいります。
 具体的には、新団体に、政策連携団体としては初めて、会社法に基づく監査等委員会を設置しますとともに、東京水道グループコンプライアンス有識者委員会を強化し、グループ全体の事業の透明性や公平性をチェックしてまいります。まず、その中で、その代表取締役社長も含めた事業の運営、行動につきましても厳しくチェックしていくと、これはもう先ほどご答弁したところでございます。
 また、新団体の千五百名を超える固有社員につきましては、今後の東京水道の現場を支える貴重な人材でございまして、局が培ってきた技術力を継承するなど、グループ全体で人材育成に努めることで、団体の業務遂行能力を向上させてまいります。
 さらに、団体がみずからの責任と創意工夫のもと、効率的かつ効果的な業務運営を行う仕組みを構築することなどにより、引き続き、グループ経営を推進してまいります。
 先ほど、実績ということで、ご質疑いただきまして、こちらの方からも今いろいろとご答弁いたしましたけれども、先ほどの勤務条件に関する実績も一つの実績だということで挙げておりますが、私も、水道局に来て二年ちょっとなんですが、この間、これまでの東京水道サービスと、野田社長が来られてからの東京水道サービスの違いというのも、私は、客観的な面からでも肌で感じているところもございます。
 一つやはり大きいのは、固有社員の活躍というものをかなり引き出しているというのは大きいと思います。若手PTを立ち上げまして、そこでいろんな政策提言をさせていると。そういったものを局の方にも提案いたしまして、そういった形で東京水道サービスの職員からの発信をしている。例えば、東京水道の日というのを十二月一日に設けましたが、これはもともとは、東京水道サービスの野田社長発案のPTからの発案でございます。
 また、これからの環境配慮行動ということで、マイボトルとボトルディスペンサーによって水の飲料行動をしていこうというのを打ち上げておりますけれども、蛇口で飲めるのが都内のどこにあるのかというマップをつくろうというふうな提案をしましたのも、東京水道サービスの若手PTでございます。
 こういったいろんな発案をこの千五百名から成る若手の社員から現在引き出しているという行為一つとりましても、やっぱりこれまでとは違った、その社内環境といいますか、社内風土といいますか、そういったものができつつあるのではないかなというふうに思っております。
 ですから、そういった意味で、これから新会社になるに当たりまして、短い時間ではございますけれども、この統合準備に一緒にかかわった野田社長、また、若手社員の方のいろいろなその状況もよく知っている野田社長が、引き続き新社長として、まだ候補でございますけれども、新社長として活躍していただけることが、今後の水道改革、あるいは新会社の方向性に合致しているのではないかということで、水道局で推薦をして決めたということでございます。

○川松委員 済みません、今のを実績とされるのであれば、待遇の改善も含めて、よっぽどひどい組織だったんですよ。風通しも悪くて待遇も悪い、だからTSSということが、外部の民間の皆さんから見たら苦情ばっかり来るわけですよ。だから、今の実績というよりも、今プラマイゼロになるかならないかみたいなレベルの話なんですね。
 僕がいっているのは、もっと本質的な部分で東京水道ファミリーというのをどう考えていくかということを、ずっとこの委員会を通じていってきているわけです。その本質の改革が見えないから、果たしてこれでいいのかという話をしていて、水メジャーという発言が志をあらわしたものだと部長がいっているわけですよ。
 僕、もっと多くの人たちが本当に東京の水道は安全で安心だということを理解して、技術者の皆さんも含めて一つになるような本質の志が見えないからこんなことをいっているのであって、僕は今の局長の答弁では物足りません。
 改めて申し上げますが、私が考える水道局の重要課題の一つというのは、どう考えたって技術継承なんです。いろいろと新社長候補の野田氏を推薦される理由があるのはわかりましたが、何度もいうように、その適性は私には理解できません。これからもし社長になられて、いろんな改革をされるかもしれませんけれども、現状においては理解できません。
 そして、技術継承が課題であるにもかかわらず、技術職どころか、水道局経験がなく、まるで知識があるように見えない方が、この局面の社長になってリーダーとして課題解決できるかどうかと問われたときに、僕は困難なんじゃないかなと考えています。加えて、私が聞いて回った話ですと、午前中の短時間、訓示をして去ってしまうだけの局長がおられて、真に現場の実態を把握できるとは考えにくい。そして、社内で、今も議論でわかったように、公式に発言していない。漏れ伝わるところでは、もう今いったように月一回の取締役会でも全く発言しないという社長に、全くもって外部の私には意欲は見えません。
 社員のやる気というのは、何かありますかとただ聞くことが社員のやる気を引き出すことではなくて、上司のモチベーション保持と責任のとり方を見ているんだと僕は思いますよ。現況において、グループ改革がなし遂げられるとは到底思えない。これは、ほかの方もそうだと思います。もし、この私の指摘を否定される方がいるのであるならば、特に、東京水道の責任者だと語られる局長には、新社長には、この議会の場で、この場でみずからの疑念を払拭するよう、出てくるようにお願いしてください。
 そして、きょうも、ここまでの委員会への社長を招聘するという委員、鈴木委員や上田委員からもお話ありましたが、これまでこの問題は、約一年にわたって、この社長へ直接聞かなきゃわからない、しかも新会社があるんだから、本当にこのTSSの社長としてどんなことをやっているかわからないということをずっといってきましたけれども、この委員会で持ち越しをされてきました。きょう、ちょっとこの話を聞いただけでも、全く実態が見えないということがわかった以上、時期尚早とこれまでされてきた会派の皆さんもご協力いただいて、社長への質疑を決定してください。このことこそが、都民視点での水道を運営していく委員会での質疑、委員会運営になると私は考えています。
 ぜひ、委員長のみならず、副委員長初め理事の皆様には、野田社長候補の委員会招致をしていただくということを決定していただきたいということを強く要望しまして、質問を終わります。

○とくとめ委員 東京水道長期戦略構想二〇二〇素案にかかわって質問と、同時に、東京水道サービス株式会社TSSと株式会社PUCの二つの政策連携団体が統合し、四月から東京水道株式会社という新会社として業務運営がスタートすることにかかわって質問をさせていただきます。
 まず、長期戦略構想素案の中には、今後の新しい水道事業のあり方として、全国でも、東京でも、批判が強まり、矛盾も広がっている水道事業のコンセッションや民営化にかかわる問題について、素案の中の一〇二ページに紹介をされてありますけれども、その素案の中でも、この問題の評価は、現状は、コンセッションや民営化にはさまざまな課題がありますと、ちゃんと見出しで明記をされています。
 そこで、長期戦略構想素案の中で、コンセッションや民営化にはさまざまな問題があるとの指摘がありますけれども、具体的にはどういうことを指しているのか、お伺いします。

○石井経営改革推進担当部長 改正水道法に規定するコンセッションは、施設の所有権と給水責任を自治体に残したまま、水道施設の運営権を民間事業者に対して一般的には二十年間以上の期間設定をする手法であり、この間に失ったノウハウを再び東京都に戻すことは極めて困難であることや、一部地域を分割してのコンセッションを導入した場合であっても、東京水道の特徴である広域水道としての一体性が喪失され、責任が不明確になる懸念があることなどが課題として挙げられています。
 一方、民営化ですけれども、この民営化については、施設の所有権と給水責任を民間事業者が負い、事業の全てを民間事業者が運営する手法であり、現在、東京都の責任において一体的に運営する水道事業の枠組みを、そもそも抜本的に、根本的に変えるというものであり、水道事業に特に求められる公共性や公平性、都民の理解などの観点から、東京水道の現状に鑑みれば、現実的な選択肢ではないと考えています。
 都はこれまで、広域水道として一体性と責任を確保しながら、当局と政策連携団体によるグループ経営を推進し、健全経営を維持してきたところでございます。
 引き続き、同様のグループ経営で東京水道を支えていくことが適切であるとの結論に達しております。

○とくとめ委員 答弁は、コンセッションは、水道施設を二十年以上民間事業者が運営することになり、この間に失ったノウハウを再び東京都に取り戻すことは極めて困難ということ。そしてまた民営化は、水道事業に特に求められる公共性や公平性、都民の理解などの観点から現実的ではないと、そういう明確に批判的な立場からの重要な答弁だったと思います。
 それだけに、政策連携団体統合と水道局の連携による東京水道の四月からのスタートに当たって、改めて、公営水道事業の持つ原点、基本的な理念を明確にすべきだと思いますけれども、水道局としての認識を具体的にお伺いしたいと思います。

○石井経営改革推進担当部長 水道は、水道法で、清浄にして豊富低廉な水の供給を図り、もって公衆衛生の向上と生活環境の改善に寄与するものと規定されています。また、地方公営企業は、地方公営企業法の中で、常に企業の経済性を発揮するとともに、公共の福祉を増進するよう運営されなければならないと規定されております。
 当局では、この水道法及び地方公営企業法それぞれの法に基づく公共性と効率性の両立を図り、東京水道を取り巻く環境の変化も踏まえ、東京水道グループの総力を挙げて、持続可能な東京水道の実現に取り組んでいくこととしております。

○とくとめ委員 水道法と地方公営企業法の重要な理念である公衆衛生の向上と生活環境の改善に寄与する、公共の福祉を増進するように運営されなければならないと、これが二つの法律の一番の基本的な精神だと思います。そういう認識で、東京水道のスタートに当たるという答弁でした。
 こうした基本理念をしっかり踏まえた水道事業への取り組みこそが、全都民にとって不可欠の命の水を送り届けている水道局の職員とともに、統合した政策連携団体の職員の皆さんの本当に誇りと意欲に満ちた東京水道グループの発展のために頑張ろうという、そういうことにつながっていくのではないかと思います。
 そこで、次に、この間の水道局と政策連携団体のさまざまな不祥事の教訓を生かして、東京水道グループとして発展していくために、幹部の職員の皆さんを先頭にして、再発防止策を全職員に徹底していくことが重要だと考えます。
 今度こそ再発防止を実現するために、どのように取り組んでいくのか、伺います。

○木村職員部長 東京水道グループで発生した不祥事に対する再発防止につきましては、当局及び政策連携団体の経営層及び幹部にコンプライアンス意識を浸透させ、全職員、全社員に徹底を図る仕組みが重要でございます。
 当局では、公正取引委員会からの改善措置要求等を受け、職員に先駆けて、まず、トップである局長みずからがコンプライアンス経営宣言を行い、コンプライアンス重視の組織風土を醸成するとともに、上司と部下とのコミュニケーションを通してコンプライアンス意識の徹底を図っております。
 また、政策連携団体につきましては、東京水道サービス株式会社におきまして、内部統制やコンプライアンスの対応に関する優先度や実効性が必ずしも高くなかったことを踏まえ、企業統治や内部統制に関する基本方針等を策定し、全社員に対する研修等を通じて浸透を図っております。
 さらに、統合後の新団体では、こうした取り組みに加えまして、監査等委員会が取締役の職務執行に関する監査を行うほか、リスク管理委員会を設置し、事業活動に重大な影響を及ぼすリスクの発生の抑止等を行ってまいります。
 これらの取り組みを継続して機能させることにより、グループ全体として不祥事の再発防止を徹底させてまいります。

○とくとめ委員 この間の相次ぐ不祥事の教訓を生かして、必ず再発防止を実現しようという、そういう決意とともに、それを促進する体制を含めた取り組みの具体化がなされているように感じました。
 同時に、この間の不祥事をめぐる委員会の質疑に参加して痛感したことは、今の答弁の中でもありましたけど、四カ所コンプライアンスと出てくるんです。コンプライアンスって何なのと、何となく、管理で上から目線で抑えつけていくようなそういう感じがするんですね、コンプライアンスとかガバナンス。
 私は、今、東京水道グループにとって大事なのは、こういう大事な仕事を支えているというモチベーションを本当に高めてやる、そしてまた、そのモチベーションを支えるにふさわしい待遇を改善してやるということが一番大きな力になるのではないかなというふうに思っています。
 それにしても、職員全体を本当に大切にして、意欲ややりがいを引き出すための働く人たちの環境の改善によって、モチベーション、やる気、意欲、やりがい、こういうモチベーションを引き出す取り組みが極めて重要ではないかというふうに思います。それは去年以来のこの不祥事の質疑の中でもずっと感じていました。コンプライアンスとガバナンスはいっぱい出てくるけれども、一人一人のやる気をどうやって引き出すかという議論は余りなかったという気持ちです。
 不祥事を生み出した教訓について、全職員が自覚、意識していくことが再発防止の鍵になるだけではなくて、東京水道グループの新たな発展の活力になると思います。
 そこで質問ですけれども、外部の有識者が意見を表明しています。政策連携団体の上層部は水道局からの派遣社員である、ガバナンスの観点ではいいかもしれないけれども、団体職員の士気を上げることも考えるべきと述べています。
 社員のモチベーションを高めることが新しい水道事業の前進にとって極めて重要ですが、こうした意見をどう生かしていくことになりますか。

○石井経営改革推進担当部長 東京水道サービス株式会社では、管理監督者の約九割が都の関係者が占めていたということが固有社員の士気をいま一つ上げられなかったことにも起因するのかなというようなことで認識をしております。
 そのため、新団体、東京水道株式会社では、人材育成方針を策定して、現場における幅広い経験と専門的な知識を活用して、広い視野と柔軟な発想を持って的確かつ主体的に対応することができる、こういったことなどを目指すべき人材像として掲げて、OJTや研修等を通じて人材育成に取り組むこととしております。
 また、最短で三十六歳という若さですけど、そこで課長職にも任用する思い切った制度をしいて、最終的には、社員としての最高職である本部長にまで昇任できるようにするほか、専門性を備えた人材を管理職と同等に処遇する高度専門職を設置するなど、複線型の任用制度を運用していく予定でございます。
 これらの取り組みを通じて、新団体における固有社員のモチベーションの維持向上を図ってまいります。

○とくとめ委員 今、モチベーションという言葉が一番最後に出てきて、やっぱりこの言葉が非常に大事だと、一人一人の社員、職員を大事にするという、そういう立場で対応すると。だからコンプライアンスとかガバナンスって本当に上から目線で、何となくルールを守れというようなプレッシャーを感じるんです。ぜひTSS出身職員、PUC出身職員の両方がやりがいを持って働ける職場環境を実現していただくことを要望しておきます。
 次に、四月一日時点の水道局の職員数と、政策連携団体の統合後の四月一日時点の職員数の合計は何人になるでしょうか。
 そして、水道局の将来イメージとして紹介をされている三角形の頂点の部分に、水道局の職員数が三角形で書かれているんです。そこの人数と、統合した政策連携団体の職員数はどれぐらいを想定しているのか、水道局の職員数はこの三角形を右から左に行くとどんどんどんどん小さくはなっていますけれども、どれくらい減らすつもりなのか、伺いたいと思います。

○石井経営改革推進担当部長 令和二年四月一日の水道局の職員定数は三千八百六十三人、政策連携団体である東京水道株式会社における常勤社員の所要人員計画数は二千五十五人です。合計ですと五千九百十八人になりますが、これに政策連携団体の非常勤社員五百七十一名を加えると、総計で六千四百八十九人となります。
 長期戦略構想の素案では、東京水道の経営基盤を強化するため、現場業務については、政策連携団体、東京水道株式会社へ業務移転を推進するということになっておりますが、移転する業務の具体的な内容は今検討中であり、職員数の増減についても個別の事案ごとに今後検討してまいります。

○とくとめ委員 水道局の職員の人数の変化は検討中ということでしたけれども、いろいろ聞き取りの過程でそういう見通しを正直に紹介してくれる人もいるので、職員が相当減るのではないかと思っています。政策連携団体への業務移転を推進することにしていますけれども、移転する業務の具体的な内容は検討中だということでした。職員数の増減についても、個別の事案ごとに今後検討するということでした。
 しかし、戦略構想素案の一〇九ページには、経営基盤、業務経営体制の現在と将来のイメージが三角形で紹介されています。このイメージ図を見ると、先ほどもいいましたように、三角形の頂点を占めるコア業務の水道局の職員数がずっと減少することも明らかになっています。現在、水道局が直営で持っている業務を二十年間で新会社に移し、将来的には水道局の職員は千五百人程度と、半分以下に減るのではないかという話も聞いています。その分、三角形の真ん中の段の政策連携団体、つまり、四月から新会社は社員が大きく増加することが紹介をされています。特に心配するのは、公営企業としての役割と都の直営としての東京水道を維持発展させることがこれでできるのかどうかという問題です。
 そこで質問ですけれども、このことについては外部の有識者の意見でもちゃんと述べられています。今後、水道局職員が減少していく中で、都庁のほかの部門との人事異動を行うということになると、水道局で養ってきた経営能力、事業運営能力は先細っていく可能性がある、コアな人材については水道局の中で長期的に育てていくことが不可欠であるというふうに述べています。こうした意見をどう受けとめていらっしゃいますか。

○木村職員部長 水道事業をめぐる社会経済状況が大きく変化する中で、将来にわたり安定的な事業運営を継続していくためには、柔軟な発想と幅広い視野を持った人材とともに、局事業に精通し専門的知識を持った人材を育成していくことも不可欠でございます。
 そのため、求める人材像に応じた複線型の人材育成策を局としても推進してまいります。
 具体的には、施設整備の維持管理や徴収業務、水源林保全管理等、今後も局特有の高い専門性が求められ、人材確保が必要な分野における課長級の行政専門職制度を引き続き活用してまいります。
 また、用地取得や営業業務、広報等の分野におきましては、公募制度を引き続き活用し、広く局内外から意欲のある人材を確保してまいります。
 さらに、東京都の人事制度を活用しまして、若手職員を対象に、将来的に水道事業を担うべき戦力として広い視野と柔軟な発想力を有した人材を長期的に確保、育成してまいります。

○とくとめ委員 いたずらに水道局と他局の異動などを行うのではなくて、水道事業の各分野の専門性を持つ人材を確保、育成していくということです。必要なことだと思いますけれども、同時に、幾ら水道局にいたとしても水道局自身が現場を持たなくなれば職員は現場がわからなくなってしまう。
 実は、去年の不祥事の中に、現場の技術をいっぱい持っている業者の皆さんとやりとりができない都の職員がいるというのも指摘がありました。
 そこで質問ですけれども、これまた外部の有識者の意見です。現場業務が政策連携団体に移行すると、現場を知らない水道局職員がふえてしまい、業務を進める上で懸念が残るというふうに述べられています。こういう指摘をどのように受けて解決をされていくのですか。

○木村職員部長 局から政策連携団体への業務移転の進展に伴い、現場業務のフィールドが段階的に局から団体に移行していく中にあっても、局が企画立案や委託監理などを適切に行うためには、現場に根差した技術力の維持向上が必要不可欠でございます。
 このため、業務移転の進展に応じ、局の若手職員を政策連携団体に派遣し、現場業務を習得させる機会を与えることで、現場に根差した技術やノウハウを維持向上させてまいります。
 さらに、局と政策連携団体の共同研修において、来年度から新たに、技術系の実務研修にVR機器を導入し、さまざまな事故を疑似体験させる手法を取り入れるなど、現場での実務に即した対応力の強化を図ってまいります。
 このような取り組みにより、現場業務を踏まえた人材の確保、育成を図ってまいります。

○とくとめ委員 局職員の新会社への派遣などを考えていることはわかりました。
 しかし、現在、水道局が持っている水源管理や浄水から蛇口までの直営の水道事業を手放していくということでよいのかということが問われ、組織が違えば、どうしても現場は遠くなってしまうことは明らかです。公共性や災害時の対応、技術継承などを考えたときに、本当にこういうやり方でいいのか、真剣に問われているのではないかと思います。それだけに、再考をすべきだということを述べて、改めて強調しておきたいと思います。
 次に、二つの政策連携団体の統合に当たっては、二つの会社のさまざまな労働条件、仕事の仕方などの違いをどう乗り越えるかということが重要な課題になります。まとまり、団結、本当にこの仕事をみんなで力を合わせてやろうという、そういう気持ちが大事だというふうに思います。特に、社員、働いている方々の労働条件の引き下げなどは絶対にあってはならない。それだけでやる気が失われていくと思います。
 そこで質問ですが、二社の統合について、二つの会社の社員への説明については、誰が、どのような形で行ってこられたのですか。TSS、PUCのそれぞれについてお答えください。

○石井経営改革推進担当部長 東京水道サービス株式会社では、会社統合に係る人事諸制度変更に関する社員説明会を、本年一月十四日から二十二日までの間において、本社で七回、多摩事業本部で四回の計十一回開催し、本社の理事級及び部長級の社員が説明と質問への回答を行っております。
 また、株式会社PUCにおいても同様の社員説明会を、本年一月九日から二月十二日までの間において、本社で七回、立川事務所で八回、その他の二十二事業所で四十二回の計五十七回を開催し、所管部署の本部長級の社員が説明と質問への回答に当たっております。

○とくとめ委員 繰り返しの説明が二つの会社の社員にやられたということでした。
 この説明で最も重要なことは、社員に対して、統合後の四月一日以降の仕事のあり方、労働条件、労働環境について、トップダウンではなくて、意見も聞き、理解や納得してもらうことではないかというふうに思います。説明を受けての声の中には、聞こえてきている中には、例えば、住宅手当が下がってしまう、給与が下がってしまって今後の仕事のあり方が一体どうなっていくんだ、そういう不満の声も出たと聞いております。
 さらに、これは事前に水道局にも確認しましたけれども、PUCで、非常勤の職員を除く社員にしか説明がされていない、パート職員などには説明していなかったということです。パートだから説明しなくてよいということではないと思います。東京水道グループの一員なのに、こういうふうにしていったら本当に力が発揮できない。やっぱり、きちんとこういう方々にも説明の機会を持ち、また、意見を聞く機会を持つことを強く求めておきたいと思います。
 そこで質問ですけれども、給与水準については、外部有識者からも政策連携団体の給与水準が若干低いと指摘をされ、この先の人材確保や都庁職員との人事交流を進めるためには、団体職員の給与水準を引き上げていく必要があるのではないかと指摘をし、意見を述べておられます。こういう指摘や意見について、局はどのように解決をされていくのでしょうか。

○石井経営改革推進担当部長 将来的な労働力人口の減少が見込まれる中、東京水道の現場を支える政策連携団体の社員を確保していくことは大変重要であります。
 このため、東京水道サービス株式会社及び株式会社PUCが統合し、本年四月一日から業務を開始する東京水道株式会社においては、技術職の大卒初任給を東京水道サービス株式会社の現在の月額からは約二万円増額するなど、若手社員の給与水準を向上させていく予定でございます。

○とくとめ委員 無通告ですが、一つ追加質問させてください。
 今の答弁であった内容は、TSSのことだけでしたけれども、PUC社員の給与水準はどういうふうになっているのでしょうか。お答えください。

○石井経営改革推進担当部長 PUCの方の社員は、カスタマーサービス部門と、それからITということで職種がございます。例えばですけれども、手元にある資料でいえば、平成三十一年四月の時点では、CS、カスタマーサービス部門は十七万六千六百五十円でした。それから、ITについては十九万四百円というところになっています。これが令和二年四月、予定でございますが、CS部門は十九万九千四百円、IT部分は二十一万四千七百円ということで、ちょっと職種によって多少、仕事の内容によって違いますが、そういう形で引き上げを行ってございます。

○とくとめ委員 PUCでは、二社統合を控え、昨年の十月に住宅手当を引き下げるなどの給与改定が行われたと聞いております。そのほかにも労働条件の変更や切り下げがやられ、不満や不安の声が出ていると聞いております。
 二社統合で、TSS、PUCどちらの社員も、これまでの労働条件を引き下げることがあってはならないと思います。それだけで意欲をそぐことになっちゃうんじゃないか、統合に当たって前もって下げておくようなやり方は絶対やっちゃいけない姑息なやり方だと私は思います。
 そこで質問ですけれども、昨年の九月十一日の質疑に対して、両社の社員の意見に耳を傾け、社員が働きがいを実感できる新会社の設立に向けて取り組んでいくという答弁がありました。
 さらに、十月二十九日の私の質疑でも、社員の意見をどのように聞いているかを確認しました。
 今回の団体統合を四月一日に控えて、どのように社員の声を把握して、どのように対応されてきたのか、それについて伺います。

○石井経営改革推進担当部長 東京水道サービス株式会社及び株式会社PUCでは、会社統合に係る人事諸制度に関する社員向け説明会を、先ほどご答弁しましたが、本年一月から、回数にすると延べ六十八回ということになります、両社を合わせると。
 社員からは、新会社における業務分掌の変更点や業績評価の具体的な方法、それから、勤務時間の変更点や福利厚生等に関するさまざまな質問が寄せられております。その中でも、新団体、東京水道株式会社の人事配置に関し、職種の専門性を尊重した人事異動がなされるのだろうかと、あるいは現在の会社の職務を超えた人事異動の可能性について、社員が関心を寄せていたことがうかがわれます。
 統合後の東京水道株式会社においては、そういった社員一人一人の能力、適性、経歴等を踏まえ、働きがいを感じられるよう適材適所で適切な人員配置を行い、早期に二社統合の総合力を発揮させていくよう、今後とも、業務に邁進をしていく予定でございます。

○とくとめ委員 十分な説明を行い、前向きの意見が多かったかのような印象の答弁でしたけど、本当にそうなのかどうか。答弁でいわれた業務分掌の変更、業績評価の方法、勤務時間の変更、福利厚生、どれも労働者にとっては権利にかかわる大問題です。これらの質問が出たということですので、そうした質問、要望や意見に対して今後どう応えていくのかが、本当に今、重要だと思います。
 そこで、もう一問、無通告で追加質問ですけれども、社員の方とは今後も説明や話し合いの機会を持って、協議を持っていくことは極めて大事な当然のことだと思いますけれども、いかがですか。

○石井経営改革推進担当部長 ここでは取締役としての立場でお答えを申し上げます。
 もちろんそれは社員さん、労働組合さんもいろいろあるでしょうけれども、いろんな声を拾っていかなければならないというふうには考えています。その中で、当然できること、できないことというのは、これは出てくると思うんですが、そこのところはしっかりと説明をしながら、ある一定の妥協といいますか、到達点みたいなものを見出しながら、ともかくチームワークでやっていかないとこの難局は乗り切れないというふうに考えておりますので、とにかく丁寧に社員さんの声を拾いながら、できるものは実現させていくというようなところで幹部一同考えているところでございます。

○とくとめ委員 今、部長から答弁ありましたけど、先ほど紹介した昨年の私の質問に答えたのは部長なので、本当に社員の声を聞くことが大事だと、それが一番鍵だというところまでいわれました。ぜひ、二社双方の社員の意見をよく聞いて協議を尽くすこと、働く人たちの環境の引き下げは決して行わないで、激励する方向で対応していただきたいということを強調しておきます。
 最後の質問になりますけれども、契約社員、パート社員の人事制度の法的な変更について、四月一日以降はパートタイム・有期雇用労働法が施行になります。不合理な待遇差が禁止される中で、契約社員、パート社員の処遇を明らかにすべきです。これは労使交渉の問題ではなくて法律の具体化の問題ですから、ぜひ局の認識を伺いたいと思います。

○石井経営改革推進担当部長 パートタイム・有期雇用労働法への対応については、統合後の東京水道株式会社での適正な運用に向け、東京水道サービス株式会社及び株式会社PUCにおいて、契約社員やパート社員等の待遇に関し、正社員との間で不合理な待遇差を生じさせないよう制度設計を行っております。
 具体的には、夏季休暇、通勤手当を初めとした各種休暇及び給与制度等を、それぞれの趣旨、性格に照らして実態に違いがなければ正社員と同一の基準で導入するものとしております。当局としては、当該法令の趣旨に即して適切な対応が図られているものと認識をしております。

○とくとめ委員 今回の二つの政策連携団体の統合に当たっては、二つの会社の構成員一人一人が統合のあり方を納得して、給与などの労働条件を向上してもらって、意欲的に仕事ができるようになることが大事だと思います。
 これまでの統合を巡る公営企業委員会の質疑でも、我が党は繰り返し、正社員ではない方も含めて、二社の構成員の意見や疑問について丁寧に説明をし、納得を得ることが必要だといってまいりました。
 昨年九月の公営企業委員会の質疑では、両社の社員の意見には耳を傾けること、これが一番重要なこと、耳を傾けるという姿勢で社員の働きがいを実感できる新会社の設立に向けて頑張っていきたいといったのが石井部長なんですね。こういう姿勢で、ぜひ四月一日から、みんな新しい分野で意欲を持って東京水道のグループとして、都民から見ても、心配して、いろんな不祥事から心配していた人たちから見ても、都民にとっては絶対に不可欠な命の水を扱う、そういう東京水道グループが新生して前向きに動き出したと、そういう方向に、社員の皆さん、構成員の皆さんがなるように、二社の職員の方々の意見を聞き協議を尽くすことを重ねて求めて、質疑を終わります。

○佐野委員 それでは、私からは、多摩地区水道の再構築について幾つか質問させていただきたいと思います。
 私が生まれ育った多摩地域ですが、水道施設の管理は長らく市や町が行ってまいりました。私の市議会時代、平成二十一年ですけれども、都の水道局から市への事務委託が完全解消したことを覚えておりますが、これは小平市に限った話ではなく、ほとんどの市や町で同じ状況だったと聞いています。そのような整備背景から、配水区域の市や町の単位での最適化がなされて、小規模な配水区域が多いということから、水道局では、配水区域の再編成を進めているということでございます。
 このような多摩特有の配水区域の問題を解決し、広域水道としてのスケールメリットを発揮していくために再編事業は重要な取り組みであると理解はしております。
 今回公表されました持続可能な東京水道の実現に向けてと題しました長期構想の素案においても、多摩地区水道の現状と課題が整理され、目指すべき姿と取り組みの方向性として、地域特性に合わせ多摩地区を四つのエリアに分け、配水区域を再編していくという方向性が示されています。
 そこで、確認の意味で、この四つのエリアの方向性について、まずお伺いいたします。

○藤村技術調整担当部長 奥多摩町など多摩川上流地域は、高低差及び起伏が多い地形に合わせ、小規模な配水区域に再編し、維持管理性にすぐれた膜ろ過設備を順次導入します。青梅市など多摩川左岸西部地域は、一方向に傾斜のある地形に合わせ、中規模な配水区域に再編し、膜ろ過設備を順次導入します。小平市など多摩川左岸東部地域は、平たんな地形に合わせ、大規模な配水区域に再編します。八王子市など多摩川右岸地域は、起伏のある地形に合わせ、中規模な配水区域に再編します。
 これら四つのエリア全てにおいて、配水区域の拠点となる浄水所、給水所等を整備するほか、隣接する配水区域との連絡管を整備する等により、バックアップ機能を強化します。
 このように、地域特性に合わせた水道施設整備を行うことにより、全ての配水区域の給水安定性を向上させてまいります。

○佐野委員 事業者として整備を進めていくに当たっては、山間部から市街地まで幅広い多摩地区の多様性を踏まえ、四つのエリアに分けるという地域特性に応じて方向性を示していることは理解はできます。
 一方で、多摩地域の施設の多くは、昭和四十年代から五十年代にかけて築造されており、近い将来、一斉に更新時期が到来するため、更新時期の平準化を図る必要があると、この長期構想の中でも指摘されています。重要なのは、そうした方向性に基づき、計画的かつ着実に整備を進めていくことです。
 そのためには、老朽化の度合い、程度を数値化するなど、一定の基準で施設整備の優先順位を明確にすることが必要と考えますが、優先順位について、局の考え方を伺いたいと思います。

○藤村技術調整担当部長 多摩地区には、約二百もの小規模な浄水所や給水所等が広範囲に点在しており、その多くが市町営水道時代に整備されたものです。
 そこでまず、震災時においても給水を確保するために必要な耐震性の有無や、事故時等においても可能な限り給水を継続するために必要な配水池容量を評価し、施設の劣化度も考慮した上で、更新優先度を決定します。その上で、更新に当たっては施設を停止する必要があることから、バックアップルートの有無や部分的な停止の可否等を踏まえ、再編後の配水区域において拠点となる浄水所、給水所等の整備順位を決定します。
 今後、さらに定期的な点検や補修に基づく予防保全型管理を推進し、整備時期の平準化や費用の低減を図りながら整備を進めてまいります。

○佐野委員 実施に当たっては、施設の老朽化の程度や配水池容量等、重要度を踏まえて優先順位をつけるということでございます。
 その考えに基づいて、配水区域の再編について、現状どのように進めているのか、お伺いいたします。

○藤村技術調整担当部長 配水区域の再編に当たっては、まず、拠点となる浄水所や給水所等の再構築や配水池の耐震化を進めています。あわせて、配水区域内における配水本管のネットワーク化や隣接する配水区域との連絡管の整備を推進し、災害や事故時等にも給水を維持できるよう、バックアップ機能を強化していきます。
 現在、立川市の柴崎浄水所や清瀬市の多摩北部給水所(仮称)において整備工事を行っており、これら拠点となる施設の整備を踏まえ、配水区域の再編を着実に進めてまいります。

○佐野委員 水道局に確認をいたしましたところ、多摩地区の施設整備の費用は、予算ベースで、今年度、来年度ともに約五百億円程度ということを聞いています。
 この四つのエリアごとに見ていくと、多摩川の上流地域では、奥多摩町で平成三十年度に大丹波浄水所と小河内浄水所が完成し、左岸西部地域では青梅市の千ヶ瀬第二浄水所、右岸地域では八王子市の大船給水所など、各エリアで整備が進められています。
 私の地元小平市が含まれる多摩川左岸東部地域においても、ただいま答弁にありましたとおり、柴崎浄水所などで、老朽化に伴う更新工事が行われているほか、給水所の新設工事も行われております。
 この清瀬市で新設されている多摩北部給水所、仮称ですが、ここは、配水池容量三万立米と、完成すれば多摩地区の中でも大規模な給水所となると伺っています。また、自家用発電設備や災害時給水ステーションも整備される計画とのことであり、災害や事故に強くなるということが期待されます。
 そこで、この多摩北部給水所(仮称)の進捗状況についてお伺いいたします。

○今井施設部長 多摩北部給水所は、令和二年度の完成に向けて、平成二十八年度に整備を開始いたしました。
 しかし、築造に際し、掘削作業を行ったところ、地中に想定外の旧施設のコンクリート塊が残っており、土砂との分別作業に時間を要したことから、完成予定時期を一年延伸いたしました。
 今年度は、配水池、ポンプ棟の築造工事や送水管の新設工事などを行っております。来年度は、同様の工事に加え、電気設備やポンプ設備などの設備工事も行う予定であり、令和三年度の完成に向け、着実に整備を進めてまいります。

○佐野委員 ただいまの説明で、おくれているということでございますが、私も現場の経験がありまして、工事というのは整備を始めてみないとわからないところが多々あります。特に、地面の下は見えないので、掘削すると想定外の埋設物が見つかったり、その処理に時間がかかるということは理解できます。しかし、災害対応力を強化するためにも、早期の完成が望まれる中、完成時期が延伸したということは、まことに残念なことだと思っています。
 工事においては、以前の委員会でも主張しましたが、事業者の声も聞きながら、発注者、監督者、受注者が協力していくことは、円滑に水道工事を実施していく上で何よりも重要だと認識しております。この現場で、どのくらいのコンクリートの塊が残っていたかは知りませんけれども、必要であれば、設計変更を適宜行うなどの柔軟な対応や環境への配慮として、今回の報告事項にありますけれども、環境五カ年計画案の取り組み事項であります建設副産物のリサイクルの推進として、例えば、そのコンクリートを再生砕石として活用するなど、事業者の理解を得ながら、さまざまな工夫を行っていただくことを要望したいと思います。
 最後になりますが、多摩地区の水道事業は、その成り立ちから特有の課題がまだまだ残っているかと思いますが、事業者とコミュニケーションも大切にしながら、今後も、給水安定性の向上に向けて、しっかりと整備を進めていただきたいことを申し上げて、質問を終わります。

○伊藤委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案及び本件に対する質疑は、いずれもこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○伊藤委員長 異議なしと認め、予算案及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で水道局関係を終わります。
 なお、本日審査いたしました請願につきましては、執行機関に送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することにいたしますので、ご了承願います。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後七時三十三分散会

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