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Tokyo Metropolitan Assembly

公営企業委員会速記録第十三号

平成二十九年十二月十一日(月曜日)
第十委員会室
午後一時開議
出席委員 十四名
委員長清水 孝治君
副委員長藤井とものり君
副委員長本橋ひろたか君
理事加藤 雅之君
理事とや英津子君
理事菅原 直志君
大場やすのぶ君
村松 一希君
おときた駿君
斉藤まりこ君
もり  愛君
あかねがくぼかよ子君
中山 信行君
三宅 茂樹君

欠席委員 なし

出席説明員
交通局局長山手  斉君
総務部長土岐 勝広君
水道局局長中嶋 正宏君
技監田村 聡志君
理事総務部長事務取扱黒沼  靖君
職員部長筧   直君
経理部長志村 昌孝君
サービス推進部長小山 伸樹君
浄水部長青木 秀幸君
給水部長尾根田 勝君
建設部長特命担当部長兼務牧田 嘉人君
経営管理担当部長坂井 吉憲君
企画調整担当部長オリンピック・パラリンピック調整担当部長
IWA世界会議準備担当部長兼務
小平 基晴君
特命担当部長石井 正明君
設備担当部長横谷  守君
多摩水道改革推進本部本部長岸本 良一君
調整部長金子 弘文君
施設部長今井  滋君
技術調整担当部長本荘谷勇一君
下水道局局長渡辺志津男君
次長津国 保夫君
総務部長安藤  博君

本日の会議に付した事件
意見書について
水道局関係
報告事項(質疑)
・東京都工業用水道事業の現状と課題等について
請願陳情の継続審査について
特定事件の継続調査について

○清水委員長 ただいまから公営企業委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 委員から、お手元配布のとおり、意見書一件を提出したい旨の申し出がありました。
 本件については、本日の理事会において協議の結果、調整がつかなかった旨、議長に報告すべきであるとの結論になりました。
 お諮りいたします。
 本件については、理事会の協議結果のとおりにすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○清水委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。

○清水委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、水道局関係の報告事項に対する質疑並びに請願陳情及び特定事件の閉会中の継続審査及び調査の申し出の決定を行います。
 これより水道局関係に入ります。
 報告事項、東京都工業用水道事業の現状と課題等についてに対する質疑を行います。
 本件については、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○もり委員 工業用水道事業について質問させていただきます。
 東京都の工業用水道事業については、リーマンショックや東日本大震災等さまざまな環境変化がある中で、東京都として、地域経済の中核を担う製造業の操業環境を支援する施策は、都の役割としても大変重要であると考えます。
 東京都の工業用水道事業は、地盤沈下を防止するための地下水揚水規制の代替措置として、昭和三十九年に江東地区、昭和四十六年に城北地区、計八区で供給を開始した事業であります。
 東京都の事業として、都内全体から見ると、ごく限られた地域でありますが、他の地域では地盤沈下のおそれはなかったのか、改めて、このエリアに限って導入された経緯をお伺いいたします。

○坂井経営管理担当部長 墨田区を初めといたしました江東地区と、北区を初めといたしました城北地区の合計八区におきましては、高度成長に伴います工業の発展によりまして地下水揚水が増大いたしました。この結果、地盤沈下が深刻化したというような状況がございます。
 こうした中、東京都では、地盤沈下対策審議会を設置いたしまして地盤沈下調査を行うとともに、抜本的対策の検討を進めまして、庁議決定を経て、これらの八区において、工業用水道事業を実施することといたしたものでございます。

○もり委員 ありがとうございます。地元大田区にも、数多くの製造業の集積があることから、改めてこの事業が地盤沈下対策であることを確認させていただきました。
 昭和五十年代には地盤沈下はほぼ鎮静化し、事業導入時の目的は達成されたとの状況が示されております。また、工業用水の基本水量は、昭和四十九年をピークに減少を続け、ピーク時の日量約三十五万立方メートルが、十七分の一を下回る日量約二万立方メートルまで減少しており、料金収入においても、ピークの四分の一まで減少しており、一般会計補助金がなければ支出超過となっている厳しい経営環境にある現状があります。
 事業の目的が達成をされ、一方で、使用料の収入も厳しい現状において、東京都として抜本的な解決策を検討する時期にあると考えます。都のご見解をお伺いいたします。

○坂井経営管理担当部長 都の工業用水道事業でございますけれども、先ほどお話ございましたように、地盤沈下防止を目的といたしまして供給を開始いたしましたけれども、深刻な地盤沈下はほぼ鎮静化するなど、所期の目的は達成されているところでございます。
 しかしながら、契約水量でございます基本水量につきましては、ただいま委員ご指摘のように、ピーク時の十七分の一以下まで減少しているという状況がございます。
 当局では、こうした需要の減少に対しまして、あらゆる経営の合理化を図ってまいりましたけれども、将来的にも需要の減少は続くものと見込まれまして、工業用水道事業の経営は極めて厳しい状況でございます。
 その一方、事業開始から五十年以上が経過いたしましたので、工業用水道施設は老朽化が進んでおりまして、更新に多額の経費を必要とする、こういう状況に直面してございます。
 こうしましたことから、今後、事業の廃止を含めました抜本的な経営改革につきまして、関係各局と連携して検討を進めてまいります。

○もり委員 ありがとうございます。一方で、現に工業用水道を利用しているユーザーもいる中で、浄水施設、管路ともに老朽化が進んでおり、喫緊の課題となっております。
 三園浄水場の工業用水道施設は、竣工から四十年以上が経過しており、配水管においては漏水の危険性も高いと指摘をされ、多くの配水管が更新期に来ている現状があります。こうした状況において、事業継続の場合、浄水場や配水管の更新経費として約二千三百億円が必要となるとの試算があり、仮に事業を廃止する場合にも、配水管等の撤去費用として約九百億円と、地域産業の血液といわれる工業用水が将来にわたってどうあるべきか厳しい決断を迫られております。
 現に工業用水道を利用しているユーザーもいる中で、どちらにしても、ユーザーに対しては丁寧な対応が必要であると考えます。東京都の見解をお伺いいたします。

○青木浄水部長 工業用水道事業のあり方の検討に当たりましては、ユーザーの経営状況や意向を十分に把握することが重要と認識してございます。そのため、これまでアンケートを四回、直近では、ことし十月に実施をいたしました。
 今回のアンケートでは、ユーザーに工業用水道事業の現状や経営改革の検討状況をご理解いただくため、リーフレットを作成して、わかりやすく丁寧に説明を行ったところでございます。
 また、調査の方法につきましては、ユーザーの企業規模や業種、使用用途などが多様でございますため、職員がユーザーを直接訪問し、対面して聞き取る方式で実施をいたしました。
 これによりまして、ユーザーのご意見やご要望、ご不安など、きめ細かく聴取することができたものと考えております。今後も、工業用水道事業の存廃にかかわらず、ユーザーに対して丁寧に対応してまいります。

○もり委員 利用者アンケートも拝見いたしました。経営状況も含めて、各利用者から意向を伺い、きめ細やかな対応をいただいております。
 調査の回答では、事業継続を希望される方が六六%いる一方で、更新においては大幅な料金の値上げが予想されており、値上げをした場合には使用しない四四%、わからない三一%、値上げをしても使い続けたい方は七%となっております。
 いずれにしても、利用者が操業を続けられるよう丁寧な対応と支援策が必要であり、仮に廃止という結論になった場合、十分な支援策が必要であると考えます。都の見解をお伺いいたします。

○坂井経営管理担当部長 工業用水道事業につきましては、存続の場合でも、廃止の場合でも、さまざまな課題がございまして、今後のあり方につきましては、現在、関係各局と連携いたしまして、多角的な視点から検討を行っております。
 仮に工業用水道から上水道に切りかえた場合、ユーザーの業種あるいは使用用途によっては、生産工程等に何らかの影響が発生する場合もございます。また、ユーザーには中小企業が多いため、急激な経営環境の悪化を招かぬよう配慮する必要がございます。
 このように、工業用水道事業が廃止された場合の影響は多岐にわたることが予想されております。このため、仮に廃止という結論になった場合には、こうした点にも留意しながら庁内関係各局と連携し、きめ細かな支援策を検討していくことが重要であるというふうに考えてございます。

○もり委員 ありがとうございます。アンケート調査の回答では、差額補助や切りかえ工事の支援等の声が上がっております。工業用水道の急激な値上げが経営に大きな影響を与える業種もあります。利用されている事業所ごとに、きめ細やかな丁寧な対応と支援を要望して質問を終わらせます。
 ありがとうございました。

○加藤委員 それでは、質問させていただきます。
 高度経済成長に伴う東京の地盤沈下を背景に整備された工業用水道は、前回の東京オリンピック・パラリンピックが開催された昭和三十九年から給水を開始しました。以後、半世紀にわたり、地盤沈下防止に効果を発揮するとともに、東京の産業を支え続けてきた一方で、施設の老朽化は刻々と進み、ユーザー件数の減少などにより、基本水量はピーク時の昭和四十九年に比べ十七分の一と激減しています。こうした背景から、廃止などを含めた抜本的な経営改革について、二度にわたる包括外部監査の意見があり、水道局を初め関係各局において事業のあり方を検討しております。
 一方、我が党は、工業用水道事業の存廃にかかわらず、工業用水道配水管の老朽化対策を実施すべきと、さきの本会議代表質問において主張し、水道局からは、二〇二〇年東京大会の会場周辺における老朽管の取りかえを実施していくとの答弁がありました。
 そこでまず、二〇二〇年東京大会開催に向けた工業用水道配水管の取りかえについて、具体的にどう行っていくのか伺います。

○青木浄水部長 二〇二〇年東京大会の会場周辺に埋設されました工業用水道配水管でございますが、古いものでは、事業開始の昭和三十九年以前から布設されてございまして、既に五十年以上が経過してございます。
 そこで、漏水事故等により大会運営に支障を及ぼすことがないよう、布設年度が古く漏水の危険性が高い管路約二キロメートルにつきまして、平成二十八年度から取りかえに着手しており、これまでに約〇・六キロメートルを完了してございます。
 今後は、江東区夢の島や有明周辺などにおきまして、大会の前年度に当たります平成三十一年度までに、残りの約一・四キロメートルの取りかえを完了いたします。

○加藤委員 首都直下地震や南海トラフ地震の切迫性が指摘されている中、工業用水道配水管の老朽化対策は待ったなしであります。着実に進めていただきたいと思います。
 二〇二〇年東京大会の期間中はもちろん、漏水事故が起きないことが一番ですが、仮に漏水事故等が起きた場合でも、速やかに対応できるような取り組みも重要と認識しています。
 そこで、二〇二〇年東京大会の開催期間中に、会場周辺で漏水事故が発生した場合に備え、具体的な取り組みを伺います。

○青木浄水部長 老朽管の取りかえによる漏水事故等の未然防止はもとより、万一、漏水が発生した際の対応も重要と認識してございます。そこで、漏水が発生した際、迅速に断水や復旧作業を行うため、会場周辺の配水管に附属する弁類などの点検、動作確認を行い、必要に応じて補修作業を実施しております。
 また、大会期間中には、これまでの緊急資材置き場での備蓄に加えまして、会場近傍の局施設におきましても、復旧に必要な資材を保管するとともに、局職員を初め、漏水修繕の工事業者による即応体制につきましても強化することとしてございます。こうした取り組みを重層的に行うことによりまして、万一の漏水事故にも迅速に対応できるよう、万全を期してまいります。

○加藤委員 管の取りかえなどハードの取り組みに加え、体制の強化などソフトの取り組みにも着手していくとのことで、事故への備えを徹底していただき、開催まで一千日を切った二〇二〇年東京大会に万全を期していただきたいと思います。
 次に、ユーザーアンケートについて伺います。
 これまで触れてまいりましたとおり、工業用水道事業は、今まさに岐路に立っております。存続するにせよ、廃止するにせよ、さまざまな課題があることが、先日の委員会説明でも明らかになりました。
 工業用水道事業のあり方を検討するに当たり、何よりも大切なことは、これまで工業用水を使うことで、東京の産業を支えてきた利用者の方々の意見に真摯に耳を傾けることだと思います。
 先日の局からの説明では、ユーザーアンケートの結果、工業用水道事業の継続を希望するユーザーは、全体の三分の二に当たる六六%にも上る一方、事業継続のため大幅な料金値上げを実施した場合の工水の使用意向については、使用しないが四四%となりました。また、仮に上水道に切りかえた場合、約七割のユーザーが対応可能との回答でしたが、前提として料金差額補填等の支援策を要望しているとのことです。こうした全体の意見はもとより、ユーザーの要望を多角的に分析することにより、きめ細かい対応ができるようになるのではないかと考えております。
 工業用水道のユーザーには、冷却や洗浄など工業用に使っている方と、トイレ用水など雑用に使っている方がいらっしゃいます。
 そこでまず、工業用水ユーザーと雑用水ユーザーのアンケート結果について、主にどのような違いがあるのか伺います。

○青木浄水部長 本年十月に実施をいたしましたアンケート結果では、工業用水のユーザーと雑用水のユーザーとの主な相違点は二点ございます。
 一点目は、工業用水道事業の廃止も含めた抜本的な経営改革が求められる中で、事業継続の是非の設問に対しまして、事業継続を希望すると回答した割合でございます。工業用水のユーザーが七五%であるのに対しまして、雑用水のユーザーは五三%であり、工業用水のユーザーの方が約二〇ポイント高い結果となっております。
 二点目でございますが、上水道に切りかえた場合に、工業用水道との料金差額が事業経営に与える影響についての設問に対しまして、移転や廃業を検討せざるを得ないほど事業経営への影響が大きいと回答した割合であります。工業用水のユーザーが四〇%であるのに対しまして、雑用水のユーザーは九%でございまして、四倍以上の乖離がございます。

○加藤委員 工場で大量の工業用水を使用する工水ユーザーほど事業廃止時の影響が大きいと、今のご答弁で考えられます。工水を使用する業態は、皮革産業やメッキ業、食品加工業など多岐にわたっているとともに、その経営規模も大小さまざまです。
 私の地元の墨田区では、工業用水ユーザーの中でも特に中小企業が集積しており、大企業と比べ、仮に廃止に至った場合の影響が大きいのではないかと懸念をしております。
 そこで、工業用水ユーザーのうち、特に中小企業について、大企業と比較してどのような意見があるのか伺います。

○青木浄水部長 先ほど答弁させていただきました工業用水道事業の継続の是非に関する設問につきまして、事業継続を希望する割合を大企業と中小企業の比較で見ますと、大企業が七一%であるのに対しまして、中小企業は七六%となってございまして、中小企業の方が五ポイント高い結果となっております。
 また、上水道への切りかえによる料金差額が、移転や廃業を検討せざるを得ないほど事業経営への影響が大きいと回答した割合でございますが、大企業が二二%であるのに対しまして、中小企業は四四%となってございまして、二倍の乖離がございます。

○加藤委員 工水の事業継続については、経営規模にかかわらず希望する企業が多い一方、特に中小企業におきましては、上水切りかえによる事業経営への影響が非常に大きいとの声が多く、廃止に対する懸念が大企業と比べ一層強いことが浮き彫りになりました。
 アンケートの実施に当たりましては、水道局の職員が直接ユーザーを訪問し、対面して聞き取る方法で聴取したとのことですが、こうした現場の声は非常に貴重です。
 私も先日、地元墨田区で、中小企業の方々から直接意見を聞いてまいりました。特に皮革産業の方々は、工業用水廃止となれば影響は大きいと心配をされておりました。
 先ほども申し上げましたが、工水は、皮革のほか、メッキや食品、染色、化学など幅広い業種で利用されています。各業種によって工水の使われ方もさまざまで、経営に与える影響などにも違いが出るのではないかと思います。
 そこで、ユーザーアンケートについて、例えば、上水道への切りかえによる料金差額について、移転や廃業を検討せざるを得ないほど事業経営への影響が大きいと回答した割合が高い業種はどこなのか伺います。

○青木浄水部長 上水道への切りかえによる料金差額が、移転や廃業を検討せざるを得ないほど事業経営への影響が大きいと回答した割合については、先ほども答弁させていただきましたが、工業用水ユーザー全体で約四〇%となってございます。これを上回る業種は、染色が約八六%、鉄鋼が六〇%、皮革が約五八%、食品が五〇%、金属が約四二%の五業種となってございます。

○加藤委員 今の答弁によりますと、染色、鉄鋼、皮革、食品といった業種は、上水道への切りかえによる料金差額が、移転や廃業を検討せざるを得ないほど事業経営への影響が大きいと回答した割合が五割を超えています。そしてこのうち、皮革、食品、染色の各業種は、墨田区にユーザーが集中しております。経営に多大な影響が出ると考えていらっしゃるユーザーが多いということを意味しております。
 工業用水道事業を取り巻く環境が非常に厳しいことは理解しておりますが、中小企業を初め多くの業種、多くの企業が、この工業用水道が廃止された場合には、今後の経営がどうなるのか大きな不安を抱えていらっしゃいます。
 そこで、仮に事業を廃止する場合であっても、水道局だけでなく、庁内各局と連携し、ユーザーアンケートの結果も踏まえ、十分な支援策を検討すべきと考えますが、見解を伺います。

○坂井経営管理担当部長 工業用水道事業につきましては、存続、廃止、いずれの場合におきましても多岐にわたる政策課題がございまして、今後のあり方につきましては、こうしたさまざまな課題を踏まえまして、現在、庁内横断的に多角的な視点で検討しているところでございます。
 こうした中で、仮に事業廃止となった場合には、これまで工業用水道をご使用いただいているユーザーに対しまして、さまざまな支援が必要になると認識してございます。ただいまご質問ございましたユーザーアンケートにおけるご意見でも、一定期間の差額支援や、上水道への切りかえ工事費の支援などを求める声が寄せられております。
 このため、これまでのアンケート結果も踏まえながら、仮に事業を廃止した際の支援策につきましても、関係各局と連携して検討を進めてまいります。

○加藤委員 工業用水を使用する大企業、大工場はもとより、地場産業を支える多くの中小企業も、安心して事業に打ち込める環境を早期に整えていただきたいと思います。
 また、こうした工業用水のユーザーの多くは製造業に属しておりまして、アジア諸国などとの厳しい国際競争にさらされております。
 経済産業省の資料によりますと、特に韓国では、政府が年間数千億円の補助金を出しており、アジア諸国の中でも突出して安い工業用水道料金となっております。一立方メートル約二十円から四十円ぐらいが普通なんですけれども、韓国は一円以下と、国策として国際競争に臨んでいるように思います。
 各国とも、水質や水量、仕組みがそれぞれ異なっているようなので単純に比較することはできませんけれども、都だけでなく国も巻き込んで、ぜひとも多くの関係者と連携し、支援のあり方を検討していただきたいと思います。
 都の工業用水道は、前回オリンピックが開催された昭和三十九年に産声を上げ、これまで五十年以上にわたり、東京の地盤と産業を支え続けてまいりました。その間で、さまざまな課題が生じ、現在、事業のあり方を検討するに至っております。事業を存続する場合でも、廃止する場合でも、工業用水道を使い続けてきたユーザーの意見をしっかりと受けとめていただくことを要望いたします。
 これまで、工業用水道のうち、まさに工業用途に使用される工業用水に焦点を当てて質疑を重ねてまいりましたが、工業用水道は、冒頭にも申し上げましたが、その他の用途として、トイレ用水や洗車用水などに使用する雑用水も供給しております。
 工業用水の供給は、都の地盤沈下対策に端を発しておりますが、それでは、この雑用水の供給については、どのような経緯で開始されたのか伺います。

○青木浄水部長 雑用水の供給でございますが、既存の工業用水道の供給区域におきまして、施設の余剰能力を有効活用し、経営の安定化を図るための需要拡大策として、昭和四十八年度から、洗車用水などとして供給を開始したものでございます。
 さらに、昭和五十一年度からは、集合住宅のトイレ用水の供給を開始してございます。

○加藤委員 雑用水の供給については、工業用水道事業の経営安定化を目的に開始したとのことです。
 この雑用水は、今の答弁にございましたように、洗車用水などのほか、工水の供給エリアにある集合住宅のトイレ用水などにも使われております。例えば、地元の墨田区においては、白鬚東アパートなど大規模な集合住宅にも供給されておりまして、現在では、全体で約三万五千戸にわたり供給しているとのことです。
 工業用水道事業のあり方については、現在、関係局でさまざまな検討を行っていますが、仮に事業廃止となった場合は、こうした雑用水の供給を受けている集合住宅の住人にも当然影響を与えることになります。
 そこで、仮に工業用水道から上水道へ切りかえることになった場合に、一世帯一カ月当たりの料金で、どの程度の影響があるのか伺います。

○青木浄水部長 口径二十ミリで、一般家庭におけます標準的な使用水量でございます一カ月当たり二十四立方メートルの使用と想定し、そのうち、トイレ洗浄用に四立方メートル、それ以外に二十立方メートル使用している場合をモデルケースとして試算をいたしました。
 四立方メートルを工業用水道料金で、二十立方メートルを水道料金とした一カ月の合計料金でございますが、二千八百八十九円となり、全量を上水道で使用した場合の水道料金三千四百六十八円との差額は五百七十九円でございます。

○加藤委員 雑用水を使用していない一般的なご家庭であれば、トイレ用水についても上水道を使用しているわけでありますが、この雑用水を使用している集合住宅は、一般的なご家庭でも低廉な料金で使用することができていると。そういう意味におきましては、仮に工業用水道事業が廃止になった場合は、上水道を使用している他の大多数の一般家庭と同様の料金となり、公平性が確保されるという面がある一方で、今の答弁にありましたとおり、少なからず影響が出るということも認識していただきたいと思います。一カ月五百七十九円、これ一年間にすると、ある程度の額になって大きな影響を受けると思います。
 さらに、これまでトイレ用水として雑用水を給水していた管から、上水道を使用するための管への切りかえが必要になると思いますが、こうした切りかえ工事に伴う負担についても課題があると思います。
 ぜひともこうした点も踏まえ、雑用水につきましても、引き続き都庁横断的に検討を進めていただくことを要望して質問を終わります。

○三宅委員 東京都の工業用水道事業は、高度経済成長期に深刻化した地盤沈下への対策として、当時の首都整備局を中心に調査が進められ、都庁の庁議決定を経て行政施策として開始されました。本日は、その内容も含め、歴史的背景や経緯を踏まえた上で現在の状況を確認していきたいと思います。
 まず、昭和三十年代当時を振り返ると、東京における産業の目覚ましい発展に伴い、工場による地下水の使用量が大きく増加していました。そのため、区部東部地域では地盤沈下量が急激に増加し、最も激しい場所では一・七メートルも地盤が沈下しました。
 一方で、東京の人口も増加を続け、これに伴う水道需要の増加に供給が追いつかず、毎年のように渇水が発生し、新聞紙上では、東京砂漠とやゆされる状況でした。
 このため、工業用水道の水源を河川に求めることができず、三河島下水処理場等の下水処理水を水源として供給せざるを得ませんでした。これが、昭和三十九年に供給を開始した江東地区の工業用水道事業の成り立ちです。
 現在では、水源を全て河川水で賄っておりますが、当時は、たとえ下水処理水であっても工業用水道を供給することで、何とか地盤沈下を食いとめなければならない状況だったことは決して忘れてはいけません。
 また、当時、地下水を利用していたユーザーが、工業用水道への転換を余儀なくされたことは、決して看過できない歴史的な事実です。こうした経緯を経て、昭和五十年代には地盤沈下がようやく鎮静化し、事業の所期の目的は達成されました。
 その後、工場の都外転出などによりユーザー数が減少したことに伴い、料金収入も減少してきました。この間、水道局では、さまざまな経営改善の取り組みを行うとともに、需要拡大に向けた雑用水の供給などを行ってきましたが、自助努力だけで収支を黒字化することは難しい状況であり、平成十六年度には、包括外部監査において、廃止を含めた抜本的な経営改革の検討が必要であるとの意見が出されました。この意見を受け、都では現在、事業のあり方に関する検討を行っています。
 都は、事業開始の際に、ユーザーに地下水からの利用転換について協力をいただいているこの事実を踏まえ、責任を持って、今後の事業のあり方の検討を進めていくことが必要であると考えます。
 本日は、ユーザーの状況を含め、工業用水道事業が置かれている課題について一つ一つ確認していきたいと思います。
 そこでまず、工業用水道事業の経営状況について伺います。

○坂井経営管理担当部長 平成二十八年度の工業用水道事業におけます収益的収支のうち、料金収入につきましては約七億円となってございまして、ピークでございました昭和五十八年度の約二十九億円と比較して、四分の一の水準まで減少してございます。
 一方で、平成二十八年度における施設の維持管理等に要した収益的支出は約十七億円となってございまして、一般会計からの繰り入れを除く収益的収支につきましては赤字の状況となってございます。こうしたことから、当局におきましては、配水施設の不採算部分を対象といたしまして、一般会計からの繰り入れを受けているということでございます。
 具体的には、配水施設能力と基本水量の乖離を不採算率といたしまして、配水施設を維持するための諸経費を乗じて算出した約六億円を、平成二十八年度一般会計補助金として繰り入れているところでございます。

○三宅委員 収支の状況から、大変厳しい経営状況にあることが確認できました。料金収入が減少していることからもわかるように、需要の減少が事業経営の悪化に大きく影響しているものと推測できます。
 また、工業用水道事業は、都だけで実施されているわけではなく、全国の他の自治体でも実施されています。都の工業用水道事業は、他の自治体の工業用水道事業と何が違うのか伺います。

○坂井経営管理担当部長 他の自治体におきます工業用水道事業の大多数は、産業基盤として整備されたものでございまして、主に製造業が集積いたしております工業団地等の整備とあわせて普及してきたものでございます。
 一方、都の工業用水につきましては、先ほどお話をいただきましたように、都全体で取り組むべき行政施策として、地盤沈下の防止を目的に、地下水揚水規制に伴う代替水として供給しているところでございます。このため、広範なエリアにユーザーが点在してございまして、基本水量一立方メートル当たりの配水管延長が他の自治体と比較して大変長うなっている状況でございます。
 また、基本水量の少ないユーザーが多数を占めているということから、ユーザー一件当たりの料金収入が他の自治体と比較して少ない状況となってございます。

○三宅委員 都の工業用水道事業は、地盤沈下防止を目的とした地下水の揚水規制に伴う代替水を供給する行政施策として開始しており、こうした経緯からも、他の自治体と比較して経営効率が悪い構造であることがわかりました。
 加えて、施設の老朽化も重大な課題です。工業用水道事業は、開始から既に五十年以上が経過しており、施設の老朽化が進行し、更新時期が到来しております。
 さきの委員会資料によれば、事業を継続して施設を更新する場合、仮に事業を廃止する場合のいずれも多額の費用が必要とのことです。事業を継続して施設更新した場合の費用及び仮に廃止した場合に施設の撤去等に要する費用は、それぞれどのように見込んでいるか、その内訳も含め具体的に伺います。

○坂井経営管理担当部長 工業用水道施設は、浄水場の電気、機械設備などの浄水施設、配水管等の配水施設ともに老朽化が進行してございます。
 このため、事業を存続することとした場合、これらの施設の更新に約二千三百三十億円が必要となると試算してございます。具体的には、その内訳といたしまして、三園浄水場の浄水施設の更新に約七十億、それから配水管等の更新に約二千二百六十億円と算定してございます。
 一方、仮に事業を廃止することとした場合でございますけれども、立て坑等の撤去に約五十億円、配水管の撤去に約八百二十億円を要するなど、施設撤去の経費といたしましては、合計で約九百億円が必要になると試算してございます。

○三宅委員 事業の存廃に伴って必要となる経費について、それぞれ詳しく説明していただきました。
 事業を継続していく場合、施設更新に約二千三百三十億円もの費用が必要であり、そのうち特に配水管等の更新に約二千二百六十億円という巨額の費用がかかることがわかりました。
 そこで、必要経費の大部分を占める配水管の老朽化状況について伺います。

○青木浄水部長 工業用水道の配水管につきましては、四十年の法定耐用年数を超えた割合が、平成二十八年度末時点で全体の約六割となっており、老朽化が進行しております。
 一方、漏水の危険性につきましては、法定耐用年数の経過のみで判断せず、管路の腐食に関する定量的な分析結果をもとに評価してございます。
 具体的には、管路の取りかえに際して、その腐食状況を計測した約一千五百件の調査データをもとに、配水小管は布設から五十二年、配水本管は六十七年を超えると漏水の危険性が高まると分析してございます。
 こうした分析結果を踏まえ、管路全体の約七割を占める配水小管では、平成三十二年度以降、漏水の危険性が高い管路が、毎年度約十キロメートルの規模で発生する見込みとなっております。

○三宅委員 今後、管路の老朽化が進み、社会的影響の大きい漏水が発生するリスクが高まる時期が迫っていることがわかりました。こうした工業用水道施設の老朽化の進行に加え、ユーザーに目を向けると、ユーザーが所有している設備も老朽化が進行し、更新を考えているユーザーもいるのではないでしょうか。
 ユーザーが使用している設備の状況と今後の更新予定について伺います。

○青木浄水部長 本年十月に実施をいたしましたユーザーアンケートの結果では、工業用水を使用するに当たり、六五%のユーザーが、受水タンクやポンプ、ろ過装置などの設備を設置しております。その中で、今後、設備の更新を計画しているユーザーは二四%、そのうち七四%のユーザーは五年以内に更新するとの回答でございました。

○三宅委員 多くのユーザーが、近々に設備更新を予定していることがわかりました。アンケート結果からもわかるように、事業の方向性の結論を引き延ばすことは、ユーザーが今後行う設備の投資判断へ影響を及ぼすことが懸念されます。
 一方で、ユーザーの事業経営面に着目すると、今後、仮に工業用水道事業を廃止して上水道で代替することとなった場合には、料金負担への影響も気になるところです。
 そこで、仮に工業用水道事業を廃止した場合、工業用水道から上水道への切りかえによる料金負担の増加に伴うユーザーへの影響について伺います。

○坂井経営管理担当部長 仮に工業用水道事業を廃止いたしまして、現在、工業用水道を使用しているユーザーが上水道へ切りかえた場合、現在、お支払いいただいております工業用水道料金と比較いたしまして、切りかえ後の上水料金が何倍となっているか、平成二十八年度の使用実績を用いて試算してございます。
 その結果によりますと、各ユーザーの使用水量によってばらつきはございますけれども、ユーザー一件当たりの平均につきましては約五倍となる見込みでございます。

○三宅委員 これだけ負担が大きくなるのであれば、ユーザーの経営にも多大な影響が生じるものと考えます。また、工業用水ユーザーは中小企業が多く、経営者の高齢化も進んでいることから、今後の事業承継の問題で苦慮されることも予想されます。こうしたユーザーの中には、業種転換を行うことが望ましいところもあるため、産業労働局などと連携して、創業支援を含めた幅広い支援を検討することが必要であると考えます。
 このように、工業用水道事業のあり方の方向性によっては、設備投資や料金負担のほか、事業承継など、ユーザーへのさまざまな影響が生じることとなります。こうしたことからも、ユーザーの意見を受けとめた上で行政として方向性を決定するべきと考えます。
 今後、事業の方向性を都として定めるに当たって、事業運営を担う水道局としてはどのように臨むか、局長の見解を伺います。

○中嶋水道局長 都の工業用水道事業は、地下水揚水規制の代替水を供給する行政施策として開始いたしました。このため、ユーザーが広範に点在する一方で、中小企業が多いことから、ユーザー一件当たりの料金収入が少ないなど厳しい経営構造となっております。
 こうした中、当局では、業務の見直しや職員数の削減など経営改善の取り組みを行ってまいりましたが、工場の都外転出などにより料金収入は減少を続けております。
 また、事業開始から半世紀が経過し、施設の老朽化が進行するなど、事業運営上さまざまな課題に直面しております。
 以上の経緯や背景につきましては、これまで担当部長の方から、るるご答弁を申し上げてまいりました。
 一方で、工業用水道のユーザーは、いずれも高度成長期に都の経済を支えてきた東京の産業の一翼を担う重要な存在でございます。ただいまの質疑でもご指摘がありましたように、事業の方向性によりましては、ユーザーの設備投資や経営面、さらには事業承継にも影響を及ぼすことから、事業運営主体であります当局としましては、工業用水道事業の方向性につきまして、ユーザーの意見に真摯に向き合いながら、有識者委員会での議論も踏まえ、関係各局と連携し、積極的に検討を進めてまいります。

○三宅委員 最終的に有識者の意見も踏まえて関係各局で検討を進めていくことがわかりました。
 私も、局長からの答弁にあったように、事業運営を担う局として、ユーザーと真摯に向き合いながら進めていくことが何よりも重要であると考えています。今後の事業の方向性の決定が後ろ倒しになることで最も困るのは、ほかでもないユーザーです。
 このことを踏まえ、都として責任を持って結論を出していくことを希望して私の質問を終わります。

○斉藤委員 私からも、幾つか質問をいたします。
 今お話にありましたように、東京都の工業用水道事業は、地下水のくみ上げによる地盤沈下を防止するため、地下水の揚水規制に伴って代替水を供給する施策として、一九六四年に給水を始めて以来、地盤沈下の防止の役割を果たしてきました。一九七〇年代の後半には、地盤沈下はほぼ鎮静化したということです。
 一方、工業用水道事業は、地盤沈下の抑制だけでなく、供給地域の町工場や中小企業を支えて、東部地域の産業の発展にも重要な役割を果たしています。また、節水の促進や施設と水資源の有効利用を図るため、一九七三年からは一部を雑用水として、さらに一九七六年からは、集合住宅のトイレの洗浄用水としても供給を行っています。
 地盤沈下を抑えるという目的は達成され、ユーザーも減ってきているということですが、今も工場などの事業を続けている方々を支え、また、水資源の有効活用という点でもその役割を担い続けています。
 十月に水道局が行ったユーザーへのアンケート調査では、工業用水道事業の継続の是非について、百八十件、六六%の事業者の方々が継続を希望しています。また、廃止になった場合に、移転や廃業を検討せざるを得ないほど事業経営への影響が大きいとする方々が二七%と少なからずいらっしゃる状況です。
 慎重に検討をしていかなければならないですし、廃止にするという場合でも、こうした方々のなりわいや地域産業の力を損なうようなことになってはならないと思います。こうしたユーザーの視点に立って、先日の報告の内容を精査しながら、課題を明らかにしていきたいと思います。
 まず、先日の報告で配られた資料、東京都工業用水道事業の現状と課題等、この中では、今後、事業を継続した場合、更新経費の二千三百億円を賄うため、水道料金を上回るほどの大幅な値上げが必要となる可能性があるとされています。
 しかし、浄水場や配水管設備は、全て料金収入で賄わなければならないということではないと思うんですが、国庫負担など、現行制度ではどのようになっているのか伺います。

○坂井経営管理担当部長 都の工業用水道事業でございますけれども、地方公営企業法の適用を受けているため、独立採算の原則に基づきまして、事業運営に必要な経費は、自己財源でございます料金で賄うということになってございます。このため、施設を更新する財源につきましては、料金収入で賄うことが原則でございますけれども、現在、都の工業用水道事業につきましては、配水施設の補修や改良に要する経費の不採算部分につきまして、一般会計からの繰り入れを受けているところでございます。
 また、工業用水道施設の建設、改良に係る経費の一部につきましては、これまで国庫補助を受けてきた経緯はございますが、現在の工業用水道事業に係る国庫補助の財源につきまして、国の平成二十九年度予算を見ますと、約二十億程度となってございます。こうしたことを踏まえまして、仮に事業を継続することとなった場合には、その財源につきましては、関係各局と連携して検討していくことになるものでございます。

○斉藤委員 地方公営企業法の適用を受けるため、独立採算の原則に基づきというお答えがありましたが、この地方公営企業法に照らしますと、公営企業は、本来の目的である公共の福祉を増進するように運営されなければならないものです。この点で、公共の福祉の増進に寄与してきたこの工業用水道事業において、特に配管や施設の建設改良に国庫補助や一般会計からの繰り入れがあることは、ある意味当然のことではないかと思います。
 先ほどもいいましたが、この資料の一六ページのアンケートの部分に、事業継続に当たり更新経費の約二千三百億円を賄うために、水道料金を上回るほどの大幅な料金値上げが必要となる可能性があるが、その場合、工業用水道を使用するか、しないかの記載があります。全てを料金に転嫁するというような印象を与えかねない説明は、ちょっと行き過ぎなのではないかと思うんですが、こういう説明を事業者の方々にしているのかとちょっと疑問に思いました。こういうことは誤解のないように説明をしていただきたいというふうに思います。
 次に、地下水揚水規制について伺います。
 都の工業用水が供給されている地域については、地下水揚水規制が行われていますが、それはどのような根拠に基づくものでしょうか。

○坂井経営管理担当部長 地下水揚水規制につきましては、工業用水法及び東京都におきます環境確保条例に基づくものと認識してございます。

○斉藤委員 国の定める工業用水法と、そして東京都の環境確保条例があるとのことです。工業用水法は、工業用水道事業が行われているということを前提に、地下水のくみ上げについて、深さやポンプの大きさに制限をつけることで規制をかけていますが、国では、この規制を地盤沈下の激しかった東部地域の足立区、荒川区、墨田区、葛飾区、江東区、江戸川区、北区、板橋区の八区に指定をしています。工業用水道事業が廃止になった場合は、この規制はどうなるのか環境省に伺いましたが、法律には、事業廃止になった場合の規定がないということで、今後、東京都と話し合いをしていくことになるだろうというお話でした。
 また、ご答弁のとおり、東京都でも、環境確保条例のもと、井戸の深さやポンプの大きさに制限をつけることで、都内全域に地下水揚水規制をかけていますが、それが東部低地帯においては、より厳しい制限になっています。十一月二十八日に行われた都政改革本部の会議の中で、川澄副知事も発言されていましたが、あくまでも今の揚水規制を前提とした廃止の検討だということだと思います。
 環境局が出している都内の地下水揚水の実態という資料がありますが、この中では、業種別の地下水揚水量が示されております。この中では、東部地域で、工業用水を利用している主な業種である食料品製造業、繊維染色工業、印刷業、化学工場、皮革産業、窯業、鉄鋼業やメッキ金属製造業などの事業者が、いわゆる山の手や台地といわれる地域や多摩地域では、地下水を多く利用していることがわかります。
 しかし、東部低地帯では、工業用水道事業が廃止になっても地下水揚水の規制がなくなるわけではありません。環境局が二〇一六年の七月に発表している地下水対策検討委員会のまとめによれば、地盤沈下が起きるポテンシャルが依然として存在し、特に区部低地帯は相対的に高い値であったと、まだ地盤沈下の可能性があり、もう地盤沈下しないといえる状況ではないということを示しています。
 工業用水が廃止になれば、この地域の方々は、やはり上水への切りかえをするという選択肢しかないというのが現実になってきます。そういう点でも、ユーザーの皆さんに不利益が生じないよう、また廃業ということにならないように支援をしっかりと考えなければならないと思います。
 先日の報告の際に配られた現状と課題の中で、事業を廃止する場合について、上水道へ切りかえた場合は、ユーザーの負担が増加することを踏まえて、ユーザー支援策の検討が必要と記されています。特に水道料金の大幅な値上げが予想され、支援策に関するアンケートでも、料金差額への支援を求める意見が七六%、上水道への切りかえ工事についても、その費用負担の支援を求める意見が八九%に上っています。
 私は、先日、町工場の方にお話を伺ってきました。工業用水の廃止の検討があることは、事業の死活問題にかかわることとして、多くの業者さんたちの間で不安の声が上がっているということでした。先ほどの試算、平均だと五倍の水道料金値上げになるだろうということもありましたが、中では、年間で百万の工業用水を支払っている業者さんが、上水に変わったら年間の支払いは十倍の一千万円にもなるという見込みをしている方もいるということでした。
 事業者さんたちを廃業に追い込んでしまうようなことはあってはなりません。料金差額や切りかえ工事に係る費用負担の支援について、都としてはどの程度の支援を考えているのか伺います。

○坂井経営管理担当部長 工業用水道事業につきましては、継続、廃止いずれの場合におきましても、さまざまな課題がございまして、今後のあり方につきましては、現在、庁内横断的に多角的な視点で検討をしているところでございます。
 こうした中で、仮に事業廃止となった場合には、ユーザーに対しまして、適切な支援が必要となると認識してございまして、関係各局と連携して検討を進めてまいります。

○斉藤委員 ユーザーに対して適切な支援が必要となると認識しているということなので、ここの支援、期待をしておりますが、どの程度の支援になるかはまだお答えがないということでしたが、これまで申し上げてきたとおり、工業用水のユーザーの方々は、今現実には、地下水を利用するという選択肢はとれません。上水道の料金を支払って当たり前ということではなく、支援をしなければならないのが当然だと思います。ユーザーの方々が求める支援に対してきちんと応じていただくことを改めて求めたいと思います。
 次に、雑用水について伺います。
 工業用水は、工業事業者だけでなく、雑用水としてさまざまな事業所、官公庁、集合住宅にも使われていて、用途は、洗車や洗浄、散水や水洗トイレとさまざまであることが、水道局で発行している東京の工業用水道にも書かれています。特に集合住宅では、トイレの洗浄用に工業用水の一部を雑用水として使っています。
 そこで、工業用水をトイレの洗浄用に使っている集合住宅は全部で幾つあるのか、先ほどの質疑にも一部重なる部分がありますが、この団地数と戸数の総数、所在する区について伺います。

○青木浄水部長 工業用水をトイレ洗浄用に供給してございます集合住宅でございますが、平成二十八年度末時点で、五十二団地、約三万五千戸となってございます。これらの団地は、工業用水の現在の供給区域でございます九区に所在してございます。

○斉藤委員 供給区域である九区にあるとのことです。先ほど申し上げた八区に加えて、練馬区の九つの区に全部で五十二団地、約三万五千戸に供給されているということです。アンケートでは、雑用水のユーザー百三十二件を対象に意見を聞いているということですが、集合住宅の方々は、アンケートの対象になっているのでしょうか。

○青木浄水部長 本年十月のアンケートでございますが、工業用水道事業のあり方の検討を進めるに当たり、ユーザーの経営状況や、今後の使用水量の見通し、仮に事業を廃止した場合に、ユーザーの企業経営に与える影響などを把握する目的で実施したものでございます。
 このため、アンケートの対象は、事業の存廃が企業経営に直結し、社会的影響が大きいユーザーといたしまして、工業用水をトイレ洗浄用で使用しております集合住宅は対象としてございません。

○斉藤委員 トイレの洗浄用で使用している方については、社会的影響が大きくないという認識なのかなと思いますが、水道料金が上がることは、家庭にとっても大きな問題です。水道局からお知らせや説明をしなくていいということではないと思います。
 また、支援についてもしっかり検討しなければならないことです。今後、集合住宅の方々に意見や要望を聞く予定はないのでしょうか。

○青木浄水部長 先ほどもご答弁させていただきましたが、今回のアンケート調査は、ユーザーの経営状況や、仮に事業廃止した場合の企業経営に与える影響などを把握するために実施したものでございますことから、集合住宅は対象としてございません。
 なお、集合住宅につきましては、これまでも建物所有者等に対し、事業のあり方の検討状況を説明してきてございまして、今後もこうした取り組みを継続するとともに、検討結果につきましても、全てのユーザーに速やかに説明する機会を設けることとしております。

○斉藤委員 私は、今回、実際に工業用水をトイレの洗浄用に使っている、先ほどもお話ありましたが、墨田区の白鬚東地区のマンションにお住まいの方にお話を聞いてきました。
 確かに、工業用水道事業がなくなるようだということを、建物所有者の管理事業者からは聞いているけれども、水道局からの詳しい説明のようなものは何もないということでした。実際には、工業用水の廃止が検討されていることを知らない団地の方々の方が多いのではないかと思います。同じく工業用水を使っている足立区の新田二丁目団地と扇一丁目団地、大谷田一丁目団地にお住まいの方々、やはり知らないということでした。
 東京の工業用水道という冊子によれば、集合住宅では、一世帯で月に四立方メートルの工業用水をトイレの排水に使うとみなして一律に料金を徴収しているとされています。私も、上水に切りかえることで料金がどのように影響が出るのか、その試算を教えていただきたいと思いましたが、先ほどの質疑の中でお答えがありました。二十立方メートルを水道料金とした一カ月の合計金額は二千八百八十九円となり、全量を上水道で使用した場合の水道料金三千四百六十八円との差額が五百七十九円だというご答弁でした。水道料金は二カ月分で支払いをしているので、一度の請求で約千二百円ほどの値上がりになるということだと思います。
 これはあくまでもモデルの試算だというふうに思いますが、家庭で使うトイレの排水量は、それぞれの条件もあって、その影響については幅もあると思います。実際に工業用水から上水に切りかえをしたマンションでは、もっと大幅な値上げになったという声があります。
 先ほど申し上げた墨田区の東白鬚第一マンションと第二マンション、これはそれぞれ一九八二年と一九八一年に竣工しましたが、このときの東京都の施策の中で、トイレの洗浄用に工業用水を利用する仕様で建てられました。そのうち第二マンションでは、今から約十五年前に上水に切りかえたということですが、このときに水道料金がはね上がって大変な思いをしたというお話を伺いました。
 第一マンションの方々は、この第二マンションでのことを聞いて、理事会での話し合いで、そんな値上げになるなら工業用水の使用を続けようという話し合いの結果になったということです。この東白鬚マンションでのいきさつなど都水道局では把握されていたのでしょうか。

○青木浄水部長 今お尋ねございました東白鬚第二マンションにつきましては、平成十一年二月に、当該マンションの管理組合から、工業用水の使用取りやめ申出書の提出を受けてございます。使用取りやめ後は、トイレ洗浄用水の使用料についても上水道料金が適用されますことから、従前、適用されてきました工業用水道料金との間に一定の差額を生じますが、管理組合がみずから使用取りやめの意向を申し出たものでございます。このため、当局としては、個々の所有者等の意向は確認してございません。

○斉藤委員 差額が生じるが管理組合がみずから使用取りやめの意向を申し出たものというお答えでした。上水に切りかえた第二マンションの方は、料金についての詳しい説明などは水道局からなかったといっています。
 そういう中で、管理組合がみずから決めたものと突き放すのは、私はちょっと冷たいのではないかと思います。知らせずに決めてしまったり、支援策もないままでは、この五十二の集合住宅では大変なことになるのではないかと私は思います。
 工業用水を使っている方々は、節水やユーザーの拡大、施設や水資源の有効利用という東京都の施策に協力してきた方たちでもあります。事業者さんだけでなくご家庭で使用されている方々にもアンケート調査等を行って、必要な支援について要望を伺う必要があると思います。
 少なくとも、それぞれの団地単位で説明会を開いて意見や要望を伺い、事業者さんと同様に手だてをしていくことが必要だと思います。この点を強く要望させていただきます。
 最後の質問ですが、十一月二十八日に行われた都政改革本部での会議では、上山特別顧問が早急にこの事業の継続、廃止にするかどうかについての結論を出すべきと発言をされています。水道局では、いつごろ結論を出すのか伺います。

○坂井経営管理担当部長 当局では、先日開催されました都政改革本部会議におきまして、工業用水道事業の現状や課題等について報告を行ったものでございます。
 工業用水道事業につきましては、平成十六年度の包括外部監査におきまして、工業用水道事業の廃止などを含めた抜本的な経営改革につきまして、関係各局とより具体的な検討を進めるべきとの意見を受けてございます。
 また、これまでご答弁申し上げましたように、現在、需要の減少や施設の老朽化など、先送りできない課題が山積している状況となってございます。このため、事業の運営主体でございます当局といたしましては、ユーザーの意見に真摯に向き合いながら、有識者委員会での議論も踏まえまして、今後、関係各局と連携して検討を進めてまいります。

○斉藤委員 いつごろ結論を出すのかということには明確なお答えはありませんでしたが、先送りできない課題ということなので、早々にも結論を出されるのかなという受けとめをしました。
 今申し上げてきたとおり、廃止と決める前に検討していかなければいけない課題はたくさんあります。ユーザーの意見に真摯に向き合いというご答弁もありました。
 小池都知事も、都政改革本部会議の中で、利用者も現在いる中で、そこをどう担保してケアしていくのかということも重要なことだと発言をしています。まさに都民ファーストを掲げる都政において、事業者さんも、そして個人のユーザーの方へも、丁寧に説明して意見や要望を伺って答えていただきながら、慎重に検討を進めていくことを再度強くお願いをいたします。私からは以上です。
 ありがとうございました。

○おときた委員 私からは、工業用水道事業に関する報告について簡単に意見表明をさせていただきます。
 過度な地下水の揚水、くみ上げによって地盤沈下をもたらしていた状況を打開しようと整備された工業用水道は、昭和三十九年八月に、江東地区で給水が開始され、昭和四十六年四月には、私の地元北区を含めた城北地区においても給水が開始されました。導入前は、年間十センチメートル前後にも上る地殻変動が発生していたと聞いておりますが、昭和五十年代には既に鎮静化をしたということで、当初の政策目的は達成されたわけであります。
 そもそも工業用水道の需要の減少傾向は今日の問題ではありません。昭和三十四年以降の工場等制限法の規制によって、特別区における工場等の新設や増設が厳しく制限されたことや、各種公害規制の強化による工場の都外への転出が相まって都内の工場数は減少の一途をたどったことが需要の減少の大きな要因になっています。
 しかしながら、既存ユーザーにとって、安価で供給される工業用水道への継続ニーズは、その後も根強く存在し、広大に布設された水道管などの設備とともに、この事業は維持され続けることになります。
 その結果というわけではありませんが、現状を振り返ってみますと、平成二十八年度の工業用水道事業における供給件数は五百三十九件であり、公園や緑地等の修景用水、集合住宅のトイレ洗浄用水等の雑用水を除いた純粋な工業用水の供給件数は、わずか百八十五件となっています。供給水量で見ても、ピーク時のおよそ十七分の一まで下がっているのが現状です。
 こうした実情に鑑みた上で、これまでも浄水場施設の統廃合や業務委託化等の経営合理化に向けた取り組みを行ってきたものの、一般会計からの補助金がなければ収支は赤字となる状況であること、今後も事業を継続しようとすると二千三百億円ものコストがかかることなど、論点が整理され、さきの第十二回都政改革本部において、事業の廃止を含めた抜本的な経営改革について関係局で検討を進めるという旨の言及がなされました。
 一般に、インクリメンタリズム、漸増主義などと指摘がなされているように、既存政策の延長線上で事業継続が基本となりがちな行政活動において、事業の廃止という検討がなされたことは、都政改革の成果として高く評価をするところです。
 まだ検討段階であるとのことですが、最終的に廃止という決断を行うことが、全体としての都民益につながる可能性が高いと考え、本件の廃止に向けた議論、検証のスピードアップを期待するところであります。
 また、少なからず廃止の影響を受けることとなる、現在も継続利用をしている事業者に対する支援策、緩和策については、移行の影響が少なくなった段階で、その見直しが適切になされるよう、年限の設定を含めた支援措置の検討を要望いたします。
 以上、廃止に向けた議論のスピードアップと年限つきの支援策、緩和策の検討要望の二点を私からの意見とさせていただきます。
 以上です。

○清水委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○清水委員長 異議なしと認め、報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で水道局関係を終わります。

○清水委員長 次に、請願陳情及び特定事件についてお諮りいたします。
 本日まで決定を見ていない請願陳情並びにお手元配布の特定事件調査事項については、それぞれ閉会中の継続審査及び調査の申し出をいたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○清水委員長 異議なしと認め、そのように決定いたしました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時十七分散会

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