ロゴ 東京都議会

Tokyo Metropolitan Assembly

公営企業委員会速記録第十三号

平成二十六年十一月二十日(木曜日)
第十委員会室
午後一時開議
出席委員 十三名
委員長大場やすのぶ君
副委員長田中 朝子君
副委員長新井ともはる君
理事橘  正剛君
理事畔上三和子君
理事崎山 知尚君
川松真一朗君
塩村あやか君
吉倉 正美君
北久保眞道君
宇田川聡史君
松村 友昭君
相川  博君

欠席委員 なし

出席説明員
下水道局局長松田 芳和君
技監渡辺志津男君
総務部長小山 哲司君
職員部長安藤  博君
経理部長熊谷  透君
計画調整部長坂根 良平君
施設管理部長神山  守君
建設部長中島 義成君
企画担当部長永野  実君
技術開発担当部長前田 淳一君
施設管理担当部長田中 宏治君
流域下水道本部本部長黒住 光浩君
管理部長関  雅広君

本日の会議に付した事件
下水道局関係
事務事業について(質疑)

○大場委員長 ただいまから公営企業委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、下水道局関係の事務事業に対する質疑を行います。
 これより下水道局関係に入ります。
 初めに、理事者の欠席について申し上げます。
 流域下水道本部の松島技術部長は、病気療養のため、本日の委員会に出席できない旨の申し出がありました。ご了承願います。
 事務事業に対する質疑を行います。
 本件については、既に説明を聴取しております。
 その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
 資料について理事者の説明を求めます。

○小山総務部長 さきの委員会でご要求のございました資料、四項目につきましてご説明申し上げます。
 お手元の公営企業委員会要求資料をごらんいただきたいと存じます。
 恐れ入りますが、一ページをお開き願います。下水道事業における公共雨水浸透ますの設置状況でございます。
 公共雨水浸透ますにつきまして、平成六年度から平成二十五年度までの設置個数をお示ししてございます。
 二ページをお開き願います。二十三区における主な浸水被害状況の推移でございます。
 平成二十二年度から二十六年度までの浸水棟数をお示ししてございます。二十六年度につきましては、十一月一日時点までの集計でございます。
 三ページをお開き願います。再生可能エネルギーによる主な発電設備の規模と発電量の実績の推移でございます。
 項目ごとに、設備の所在する施設名、施設規模及び平成二十四年度、二十五年度における年間発電電力量をお示ししてございます。
 四ページをお開き願います。下水道マンホールの総数と浮上抑制対策の計画と実績の推移でございます。
 区部における下水道マンホールの総数と、緊急輸送道路等における浮上抑制対策の計画と実績の推移をお示ししてございます。
 以上、簡単ではございますが、資料の説明とさせていただきます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○大場委員長 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含めまして、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

○川松委員 我が党は、下水道はナショナルミニマムであるとして、日本中で下水道の普及を進めていった時代から、国費などの財源の確保を初め、さまざまな取り組みを通じ、下水道事業を応援してまいりました。特に、その先頭に立ちまして献身的に下水道事業の重要性を訴えてきたのが、田村元元衆議院議長であり、私の尊敬する政治家の一人でありますが、今月一日、九十歳でお亡くなりになりました。謹んでお悔やみを申し上げますとともに、その下水道事業への功績を重く受けとめ、今の時代、そして、次世代への責任を考え、本日は、下水道管の再構築について質問をさせていただきます。
 さて、現在では、全国の汚水処理人口普及率は八九%と、全国的に下水道の普及も進んでおり、今や下水道は、人々が生活やさまざまな社会経済活動を営んでいく上で欠かせないものとなっております。ところが一方、下水道施設の老朽化が大きな問題となっております。国土交通省によれば、全国の下水道管の管路延長はおよそ四十五万キロメートルにも及び、さらに、今後は老朽化した下水道管が急増するとされております。
 道路の話になりますが、二年前、笹子トンネルでインフラの老朽化により、悲惨な事故が発生したことは誰しも記憶していることであると思います。この事故の後、インフラの老朽化対策の重要性が全国的に唱えられ、安倍内閣が上げた成果の一つである国土強靱化の推進においても、インフラの老朽化対策は重要な取り組みの一つとして進められているところであります。
 下水道についても、老朽化が進めば、破損した下水道管内に土砂が流入し、下水が流れなくなったりするだけでなく、道路陥没を引き起こし、安全・安心のこの都民生活に影響を与えることになります。特に、二〇二〇年オリンピック・パラリンピックを控えている都は、世界で一番安全で安心な都市東京の実現に向けて、この問題に取り組むことが求められております。
 また、早期に下水道が整備されてきた全国の大都市などでも、同様の悩みを抱えているとも聞いております。このことからも、都は、全国の自治体を先導し、この問題に先進的に取り組むべきだと考えております。そこで、これより具体的に何点か質問をいたします。
 まず最初に、初期に整備した施設は老朽化が進んでいると聞いておりますが、実際にはどれくらい老朽化が進んでいるのか気になります。
 そこで、老朽化した下水道管の現状と今後の見通しについてお聞かせください。

○坂根計画調整部長 区部における下水道管の延長は、現在一万六千キロメートルでございます。そのうち、法定耐用年数五十年を超えた下水道管は千五百キロメートルに達しており、加えて今後二十年間で新たに六千五百キロメートルの下水道管が法定耐用年数を超えていきます。
 仮に対策を講じなければ、二十年後には合計で八千キロメートル、全体で五割の下水道管が法定耐用年数を超える見込みでございます。

○川松委員 今後二十年間で、およそ半分の下水道管が法定耐用年数を迎えるということでありました。このままでは老朽化のスピードが速く、破損などが補修されないままとなり、日常生活や社会活動に重大な影響を及ぼすような事故の発生や下水道機能の停止を引き起こすことにもなりかねません。
 そこで、急増する下水道管の老朽化の進行に対し、どのように再構築を行っていくのかお伺いいたします。

○坂根計画調整部長 再構築事業の実施に当たりましては、施設の劣化状況を調査し、適切な維持管理を行うことで、法定耐用年数より三十年程度延命化し、経済的耐用年数である八十年程度で再構築するアセットマネジメント手法を活用することにより、計画的かつ効率的に進めております。
 その上で、整備年代により区部を三つのエリアに区分し、事業の平準化を図りつつ、まずは整備年代の古い都心四処理区一万六千三百ヘクタールを対象に、平成四十一年度までに再構築を完了させることとしております。
 このため、道路を掘削せず比較的短い工期で、かつ低コストで下水道管の長寿命化を図ることのできる更生工法の活用などによりまして、整備ペースをこれまでの年間四百ヘクタールから、約二倍の七百ヘクタールにスピードアップしてまいります。

○川松委員 老朽化の進展に対応するため、スピードアップし、再構築を進めていくということでありました。再構築事業を進めるに当たりまして、施設の劣化状況を調査するという答弁でありますが、膨大な延長の下水道管を調査することは大変ではないかと思います。
 そこで、この下水道管の調査の計画の考え方と手段をお伺いいたします。

○神山施設管理部長 下水道管の調査につきましては、下水道管の敷設年度、道路陥没の発生状況、道路交通量の状況などの情報に基づき優先順位を定め、計画的に実施しております。
 人が入れる比較的大きな口径の下水道管では、調査員が直接目視で確認し、小さな口径の下水道管では、劣化状況につきましてデジタル技術により撮影、診断、記録の各作業を一連で自動化できるミラー方式テレビカメラを活用するなどして、効率化や精度の向上を図りつつ、調査を実施しております。

○川松委員 下水道管の調査について、効率的に進めていることがわかりました。調査の次は対策の実施でありますが、老朽化の進み具合によって対策の方法もそれぞれ違ってくるものと思います。下水道管の再構築に当たり、膨大な施設のストックを対象とすることになりますから、効果的で効率的に対策を進めることが重要ではないかと思います。
 そこで、調査の結果に基づいて、どのように再構築を実施しているのかお伺いいたします。

○中島建設部長 お話のとおり、下水道管の再構築に当たりましては、効果的で効率的に対策を進めることが重要でございます。下水道管の再構築につきましては、老朽化の状況を確認し、老朽化の度合いに応じた工事を行い、工事費や工期を抑えつつ対策を進めることとしております。
 具体的には、まず、既設の下水道管内の調査を行い、健全度を評価いたします。そして、健全であればそのまま活用する、損傷が軽い場合は、既設の下水道管を利用し、更生工法により管内を樹脂などで被覆する、損傷が著しい場合は、下水道管を新しいものに取りかえるといったことを基本としまして、既設の下水道管の流下能力や施工条件等も考慮した上で、再構築工事を行っております。

○川松委員 下水道管の再構築に計画的かつ効率的に取り組んでおられるということでありました。都民の安全を守り、安心で快適な生活を支えるため、引き続き下水道管の再構築を着実に進めていただきたいと思います。
 そして、これまで説明のありました下水道管の再構築を推進するためには、工事の契約が成立し、確実にこの工事が進んでいくということが不可欠でありますが、全国では工事の契約が成立しない、いわゆる不調が広がっていると聞いております。
 そこで、下水道局における平成二十六年度上半期の不調の発生状況はどうなっているんでしょうか。また、その理由はどうなっているのかをお伺いいたします。

○熊谷経理部長 平成二十六年度上半期、下水道局におきまして入札に付した予定価格二百五十万円以上の工事案件は、全体で五百三十四件で、このうち申込業者が応札を辞退して契約が不成立となった不調の件数は七十一件で、その割合は一三・二%でございました。
 とりわけ下水道管の再構築工事、中でも都心部の工事で不調が顕著となっております。応札を辞退した業者へヒアリング等を実施いたしましたところ、多くの業者が積算金額と実勢価格の乖離や技術者の不足を辞退理由として挙げております。

○川松委員 この大切な下水道管の再構築工事におきまして、多くの不調が発生しているということがわかりました。これが実態なんだろうと思います。
 下水道局では、この実態を踏まえ、その対策に取り組んでいくことは重要でありますが、下水道管の再構築工事の不調に対して、どのような対策をとっているのかお伺いいたします。

○熊谷経理部長 下水道管の再構築工事の不調に対しましては、まず、積算金額と実勢価格の乖離に対する対策といたしまして、平成二十五年度に、二度にわたり労務単価の見直しを行っております。これに加えまして、現場実態を考慮した経費の割り増しを行っております。
 具体的には、本年四月から、繁華街など施工時間に制約の多い工事に対して、労務単価を割り増す時間制約割り増しを実施しております。
 また、本年十月からは、都心区での工事を対象に諸経費率の割り増しを行う都心区割り増しを導入しております。この都心区割り増しにより、工事の予定価格全体で三%から六%の増加が見込まれるところでございます。
 さらに、技術者不足に対する対策として、工事発注時期の平準化など、技術者を計画的に配置しやすくする取り組みを行っております。
 今後も、業者が入札に参加しやすい環境の整備を進め、不調の解消に努めてまいります。

○川松委員 下水道局では、不調に対してさまざまな対策を進めていることがわかりました。当然、同じ東京でも、それぞれの地域によって事情が異なるわけですから、今回の割り増しのお話も含めて、さまざまな取り組みを進めていただきたいと思いますけれども、そういった対策を行っても、工事を受注する業者に周知をされておりませんと、その効果というのは十分に発揮できないものだと思います。
 そこで、不調対策に関し、業者などへの周知はどのように現在行っているのかお伺いいたします。

○熊谷経理部長 下水道局では、現在、下水道工事に携わっている業者のみならず、それ以外の業者も広く下水道工事に呼び込むため、ホームページで当局の不調対策を紹介するとともに、関連業界紙等へのパブリシティー活動も展開しているところでございます。
 また、下水道工事に携わっている業界団体に対する不調対策の説明会を開催するとともに、当局主催の安全管理者講習会などの機会を捉えて不調対策を紹介し、下水道工事への積極的な参画を呼びかけております。
 今後も、多くの業者が下水道管の再構築を初めとする下水道工事に関心を持ち、入札に参加していただけるよう働きかけを行ってまいります。

○川松委員 下水道工事の契約不調対策の周知徹底の取り組みも、しっかり行われていることが確認できました。ただ、こういった取り組みも効果的であると思いますが、取り組みの成果を見きわめて、それでも不調が続くようであれば、さらなる調査、対策というのを、これ検討をもっともっとしていかなきゃいけないと思いますので、そういった対策を要望しておきます。
 これまで、下水道管の再構築や、その不調対策について伺ってまいりました。下水道管の老朽化が進行している中、再構築を着実に実施することは、東京の都市活動や都民生活を継続して支えるため、また、安全・安心で、かつ成熟した都市東京を世界中にアピールするためにも、なくてはならないものであります。
 そこで、最後になりますが、下水道管の再構築にどのように取り組んでいくのか、改めて下水道局長の決意をお伺いいたします。

○松田下水道局長 ただいま下水道管の再構築を中心にご質疑をいただいたところでございますけれども、東京の下水道の歴史は百三十年に及びまして、その間、都民の安全で快適な生活を支える役割を果たしてまいりましたが、その一方で、お話のように、下水道管の老朽化は毎年確実に進行しておりまして、対策に必要な下水道管は今後飛躍的に増大していくものでございます。
 仮に、老朽化した下水道管の再構築が一旦滞り、対策が仮に先送りされるようなことがあれば、対策が必要な老朽管は一層ふえていきまして、現実には対応が困難となりまして、都民生活にさまざまな影響が生じることも懸念されます。そういった事態を招かぬようアセットマネジメント手法を活用いたしまして、効果的で効率的な再構築の計画を立案するとともに、その計画を着実に進めることが何よりも重要だと考えております。
 現実には、調査、計画、設計、契約、工事実施に至るそれぞれの段階におきまして、現場条件による制約などの技術的な課題、あるいは、今ご質問がございましたけれども、工事契約の不調などの課題があります。しかし、そういった課題について、さまざま創意工夫によりまして克服し、再構築を着実に進めていく必要があると考えております。
 今後とも、あらゆる手だてを講じまして、計画的、効率的に再構築を進め、世界一の都市東京の実現に向けまして、都民生活と都市活動を全力で支えていく所存でございます。

○川松委員 局長の力強いお話をお伺いいたしました。世界で最高水準にある東京都の下水道は、局長のお話にありましたように、長い歴史の中で下水道技術者、事業者たちを中心に培われてまいりました。この文化を残していかないといけませんし、そもそも、今の社会に重要なライフラインです。健全な下水道なくして都民の健全な生活は成り立ちません。次代の東京、あるいは、その次代の東京のために再構築を進めていかれる下水道局の皆さんには、さらなるご活躍をお祈りいたしまして、私の質問を終わりとさせていただきます。

○吉倉委員 最初に、下水道局の事務事業の中で、特に下水道における震災への取り組みについて何点か質問いたします。
 私ども都議会公明党はこれまで、切迫する首都直下地震から都民生活を守るために、災害時のライフラインの確保の必要性を訴えてまいりました。とりわけ下水道については、震災により被害を受けて、その機能を失った場合、想像以上に都民生活に甚大な被害が発生いたします。先般の東日本大震災では、東北地方だけではなく、千葉県浦安市などでも、下水道がその機能を失い、トイレが使用できなくなるなど、多くの人々に影響が及びました。特に、避難所のトイレが使えないことから、衛生状態が悪化したり、水分の補給を控えざるを得なくなり、強いストレスで体調を崩す人もいたと聞いております。
 これは、下水道管とマンホールの接続部の破損が原因と見られておりますが、首都直下地震の発生が懸念される中、発災時にトイレが使用不能とならないように、接続部の耐震化を着実に推進すべきであります。新宿区内の取り組みも含めて見解を伺いたいと思います。

○中島建設部長 下水道局では、下水道管とマンホールの接続部の耐震化といたしまして、震災時に人が集まる避難所や災害拠点病院などの排水を受け入れる下水道管を対象に、下水道管とマンホールの接続部を地震時に破損しないような構造に変更する取り組みを平成十二年度から進めてまいりました。
 区部全体で、目標の二千五百カ所を上回る二千六百三十三カ所につきまして、当初計画の二十七年度より二年前倒しし、昨年度までに対策を完了いたしました。このうち新宿区内では、避難場所として指定されている新宿中央公園など百十三カ所を対象とし、目標を上回る百二十八カ所で対策を完了いたしました。その後、さらに、災害復旧拠点やターミナル駅など千カ所、このうち新宿区内では、新宿区役所本庁舎など五十八カ所に、それぞれ対象を拡大し、平成三十一年度までに完了させることとし、今年度は十八カ所で対策を進めているところでございます。

○吉倉委員 答弁にありましたが、区部全体で目標の二千五百カ所を上回る二千六百三十三カ所について、計画より二年前倒しをし、完了させたということであります。これを評価いたします。今後のさらなる拡大をぜひお願いしたいと思います。
 また、震災後においては早期に復旧、復興を進めるために、道路の交通機能の確保、特に救急、救援活動に必要な緊急輸送道路などの交通機能を確保することは極めて重要であります。ところが、東日本大震災の際、千葉県浦安市などの海沿いの地域では、マンホールが道路から浮上して交通の支障となる事態が発生したと聞いております。こうしたことは絶対に避けなければなりません。
 そこで、下水道局はマンホールの浮上抑制対策を着実に進めるべきと考えますが、新宿区内における取り組みも含めて見解を伺います。

○中島建設部長 ご指摘のとおり、東日本大震災などの大規模な地震の際、海沿いや埋立地域におきまして液状化現象が発生し、深刻な被害をもたらしました。
 下水道管につきましては、液状化現象に伴うマンホール周辺の地下水圧の上昇の影響でマンホールが道路上に浮上し、復旧時の道路交通の支障となりました。この対策といたしまして、当局では、液状化現象により地盤の内部の圧力が上昇した地下水をマンホール内に逃がす消散弁と呼ばれる装置をマンホールの壁面に設置し、マンホールの浮上を抑制する取り組みを進めております。
 これまでに液状化の危険性の高い地域にある緊急輸送道路など、区部全体で五百キロメートルにつきまして、平成二十年度から二十二年度までの三年間で対策を完了させました。
 その後、避難所などと緊急輸送道路を結ぶ道路七百キロメートルを新たな対象とし、平成三十一年度までに対策を完了させることを目標として取り組みを進めており、このうち昨年度までに四百キロメートルの対策を完了いたしました。新宿区内では、目標としている約二十五キロメートルに対し、昨年度までに二十二キロメートルの対策を完了いたしました。

○吉倉委員 マンホールの浮上抑制対策も着実に進んでいるということがよくわかりました。下水道管の耐震対策の一方で、震災からの復旧体制づくりも必要であり、発災時に確実に動ける体制を構築すべきであります。
 そこで、発災後の下水道管の復旧を具体的にどのような仕組みで進めていくのか伺います。

○坂根計画調整部長 下水道管の復旧につきましては、東京都地域防災計画に基づき、発災後三十日以内に最低限の下水道機能を確保することとしております。
 このため、下水道局では、事業継続計画、いわゆるBCPの考え方を取り入れた東京都下水道局地震対策マニュアルを策定し、発災時に優先して遂行する業務に対して、限られた人材や資機材などの資源を効率的に投入することとしております。
 このマニュアルでは、発災後の時間の経過により、緊急対応段階、暫定機能確保段階、機能確保段階の三段階に分け、それぞれの段階で状況に応じた現場調査と復旧活動を行うこととしております。

○吉倉委員 発災後の下水道の復旧については、地域防災計画に復旧目標の日数が示されており、さらに、地震対策マニュアルが策定をされ、発災後の時間経過に合わせて迅速に進むよう計画がつくられていると、このことがわかりました。
 そこで、次に、このマニュアルにおける各段階での下水道管の具体的な復旧手順を伺いたいと思います。

○坂根計画調整部長 下水道管の復旧手順でございますが、まず、発災直後からおおむね三日間を緊急対応段階として、通行者への二次災害を防止するため、マンホールや下水道管の状況などを地上から目視で緊急点検し、下水道管の破損に起因する道路陥没などが発生している場合は、道路陥没の埋め戻しや防護柵の設置など緊急措置を行います。
 次に、発災から三十日以内を暫定機能確保段階といたしまして、十日以内に施設の被害状況を点検した上で、下水道管の中に堆積した土砂の除去など、最低限の機能を確保するための応急復旧を三十日以内に行います。
 さらに、その後、機能確保段階として、本来の下水道機能を確保するために必要な調査と本格的な復旧を行うこととしております。

○吉倉委員 発災後の復旧手順について説明いただきました。答弁のとおり、発災後は、まず緊急的な対応を行い、とにかく下水道を使用できるようにしなければなりません。そのため、下水道局は緊急時に対応できる体制を確保すべきであります。しかしながら、区部の下水道管の延長は一万六千キロメートルと膨大であり、広域的に被害が生じた場合、下水道局だけで迅速に下水道機能を確保することが難しいと想定されます。
 そこで、都は、民間企業などと連携して緊急時の体制を強化すべきであり、さらに、災害時を想定した訓練を実施すべきであります。見解を伺います。

○神山施設管理部長 ご指摘のとおり、広域的な被害が発生した場合には、下水道局だけで迅速に復旧することは難しいと考えております。
 そこで、発災後、速やかに応急復旧ができるよう監理団体である東京都下水道サービス株式会社と覚書を締結しているほか、下水道の維持管理を専門に行っている民間協力団体である下水道メンテナンス協同組合や東京建設業協会、東京下水道設備協会、日本下水道施設管理業協会、東京都管工事工業協同組合の五団体と災害時に関する協定を締結しております。
 これらの覚書や協定では、被災した下水道施設の応急措置や応急復旧に関し、当局からの要請に基づく人員の出動や建設資機材の提供などについて取り決めておるところでございます。
 また、ご質問の訓練につきましては、防災訓練を定期的に共同で実施するなどの備えを講じておりまして、監理団体や民間協力団体と連携した訓練として、ことしの八月には、東京都・杉並区合同総合防災訓練を、九月には、局の防災訓練を実施しております。
 発災後の復旧が速やかに行えるよう、引き続き各団体と連携して防災訓練を実施してまいります。

○吉倉委員 ご答弁ありがとうございます。緊急時に対応できる体制を確保していることがわかりました。しかし、首都直下地震により東京が大規模で深刻な被害を受けることを想定すると、全国の自治体との連携を図り、応援をいただく体制を築くことが重要であります。
 実際に、東日本大震災のときには、下水道局は、仙台市や千葉県の浦安市や、あるいは香取市などに職員を派遣し、下水道管の被害状況の調査や下水道管内の清掃による機能回復などの支援を行い、早期の復旧に貢献したと聞いております。
 そこで、東京が震災被害を受けた場合を想定し、今度は、全国の自治体からの復旧、復興支援が得られるような連携体制を平常時から築くべきであります。見解を伺います。

○坂根計画調整部長 大規模な震災時に都だけでは対応が困難な場合に備え、全国の政令市との間で二十一大都市災害時相互応援に関する協定を締結しておりますが、これに加えて、下水道につきましては、下水道災害時における大都市間の連絡連携体制に関するルールを策定し、運用しております。
 さらに、都道府県等の下水道事業関係者との間で、下水道事業における災害時支援に関するルールを定めております。
 大規模な震災時には、これらのルールに基づきまして、被災状況や支援活動に関する情報連絡体制、被災都市への支援隊の派遣などを定めることにより、自治体間における災害時支援体制が組まれることとなります。
 実際に、東日本大震災などの大規模災害の際には、当局を初め、関係自治体の下水道部局が、被災地の下水道の復旧支援に当たってまいりました。
 また、平常時におきましても、大規模な震災が発生した際に迅速に対応できるよう、これら自治体間で情報連絡訓練や図上訓練を行うなど、連携を強化するよう取り組んでおります。

○吉倉委員 大規模な震災時に、全国の道府県や民間の下水道事業者との間で連携体制がとれているということがよくわかりました。引き続き、ハード、ソフトの両面で取り組みを強化していくことを強く要望しておきます。
 それでは、最後に、想定される首都直下地震に備えた危機管理について、下水道局長の決意を伺いたいと思います。

○松田下水道局長 政府の地震調査委員会によりますと、マグニチュード七クラスの首都直下地震が発生する可能性は三十年以内に七〇%とされておりまして、東京では大規模な地震がいつ発生してもおかしくない状況でございます。このような際に、震災による被害を最小限に食いとめるためにも、一刻も早く東京の下水道を震災に強いものにレベルアップをし、震災に備える対策を万全にしていくことが重要だと考えております。
 施設の耐震化などのハード対策につきましては、オリンピック・パラリンピック開催の前年度である平成三十一年度を一つの節目といたしまして、優先順位と目標年次を定めて、スピード感を持って確実に進めてまいります。
 また、復旧体制の充実などソフト対策につきましても、これまで培ってきました国や他の自治体など、下水道界全体での連携体制をもとにいたしまして、今後さらに情報の共有化や訓練内容の充実を図っていき、真に実効性を伴ったさらなる協力体制の構築を図ってまいります。
 これらのハード、ソフト両面での取り組みを進めることによりまして、災害に強い下水道を目指して全力で取り組んでいく所存でございます。

○畔上委員 資料の作成、ありがとうございました。私からも、まず、震災対策について伺いたいと思います。
 都民生活に関する世論調査でも、ここ数年、連続して第一位に都民の要望として上がっているのが防災対策でありますが、多くの都民が災害時のライフラインの停止に大きな不安を抱えているわけです。とりわけトイレの機能の復旧、これは大変切実な要望で、二〇一一年の三・一一の大震災の際にも、日常当たり前のように使っていた下水道が、いかに私たちの生活にとって重要な役割を果たしているのか痛感した人は多かったというふうに思います。
 下水道局としても耐震化にご努力されているわけですけれども、下水道施設の耐震化は待ったなしの課題だというふうに思います。
 都の新たな被害想定では、下水道の被害率は、区部、それからこれは多摩地域も含めておりましたけれども、二三%となっておりました。先ほどのご答弁の中では、発災から三十日間での復旧目標というお話でありましたが、下水道管とマンホールの接続部の耐震化が、来年度までの目標の二千九百カ所、これが完了すれば、区部において全ての避難所や災害拠点病院、ターミナル駅などでトイレの使用が可能ということなんでしょうか。
 下水道管とマンホールの接続部の耐震化の現状と、それから今後の見通しについて、まず伺います。

○坂根計画調整部長 お話の下水道管の被害想定の中には、ひび割れなど、応急復旧を必要としない軽微な損傷も含まれておりますが、下水道局では、大規模な破損など、応急復旧としての対応が必要なものについて、震災後三十日で復旧を図ることとしております。
 また、下水道管とマンホールの接続部の耐震化につきましては、震災時に人が集まる避難所や災害拠点病院などの排水を受け入れる下水道管を対象に、平成二十五年度までに、区部全体で目標の二千五百カ所を上回る二千六百三十三カ所の耐震化を完了させております。
 現在は、昨年策定いたしました経営計画二〇一三に基づき、ターミナル駅や区の庁舎など、災害復旧拠点千カ所を新たに対象として加え、平成三十一年度までの完了を目指して対策を進めております。このうち四百カ所と当初計画していた二千五百カ所とを合計した二千九百カ所につきましては、二十七年度までに完了させることとしております。

○畔上委員 つまり、二千九百カ所では全てのターミナル駅でトイレ使用可能とはいかないけれども、拡大する方向で進められているという理解でよろしいんでしょうか。飲料水は確保できたとしても、トイレの使用の制限は大きなストレスになりますし、生活の全体の復旧をおくらせてしまう障害になってしまいます。引き続き多くの駅舎や公共施設などでのトイレの使用が災害後も可能になるように、さらなる下水道管とマンホールの接続部の耐震化、進めていただきたいと思います。
 同時に、万一の災害に備えてなんですが、各区が今、避難所に携帯トイレと簡易トイレ、また仮設トイレの設備を位置づけているわけですが、区部で指定した仮設トイレの設置できるマンホールは五千六百カ所と伺っています。
 マンホールトイレについては、各区で設置して管理を行うんだという、そういうルールだということを伺っていますが、区とも連携して、下水道局としてもマンホールトイレの指定をさらに拡大していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○神山施設管理部長 下水道局では、避難所などの周辺におきましてマンホールトイレを設置できるマンホールの指定を進めているところでございます。
 マンホールトイレを設置できるマンホールにつきましては、避難所などの周辺において区から要請があった場合に、下水道管内にし尿が堆積しない程度の水量があり、道路交通や応急活動などの支障とならない場所を対象に指定しております。
 平成二十五年度までに、このようなマンホールを区部で約五千六百カ所指定しており、引き続き区と連携して取り組んでまいります。

○畔上委員 下水道局としてもご努力されているということは理解いたしましたが、確かに区などに聞いてみますと、簡易トイレの方が使い勝手がいいというところもあったりして、一概にはいえないと思うんですけれども、現在のマンホールトイレは、単純計算しますと約千六百人に一カ所ということになりますから、さらなる拡充が必要だというふうに思います。これは区に対して私たち自身が要望もしていかなきゃならないことだと思いますけれども、都としても、下水道局としても、ぜひ区側と連携して拡充する方向でよろしくお願いしたいと思います。
 水再生センターやポンプ所、この耐震化の到達状況と今後の耐震化の見通し、これについて教えていただきたいと思います。

○坂根計画調整部長 施設の耐震化につきましては、想定される最大級の地震動に対応すべく対策を進めており、水再生センター、ポンプ所のうち、建築物や広域避難所などに利用されている覆蓋の耐震化は既に完了しております。
 現在は、水をくみ上げる揚水のほか、簡易処理や消毒など、震災時においても必ず確保すべき機能を担う施設の耐震化を進めているところですが、平成二十五年度までに対象となる水再生センター、ポンプ所、計百八カ所のうち、八カ所で対応が完了しており、現在二十六カ所で対策を進めております。
 今後も引き続き取り組みを進め、平成三十一年度までに、これらの対策を完了させてまいります。

○畔上委員 東日本大震災では、東北地方で、内陸部に設置された施設の場合は、大きな被害が見られなかったけれども、海岸部に設置された施設は、津波による冠水、それから電源施設の水没などが復旧に時間を要したんだというお話も伺っています。
 被害想定で津波の影響を受ける地域の水再生センターやポンプ所の耐水化や非常用の電源設備、これの整備などの到達状況及び今後の見通しについて伺います。

○坂根計画調整部長 下水道局では、東京都防災会議で示された想定の最大津波高さに対して、電気設備などへの浸水を防ぐ耐水対策を進めております。
 具体的には、施設の地盤高さが低く、津波の影響を受けるおそれのある五つの水再生センターと二十九のポンプ所、合わせて三十四の施設を対象に平成二十八年度までに対策を完了させることとしており、二十五年度までに七カ所で対策を完了させ、現在十四カ所で対策を進めております。
 また、停電時などの非常時でも下水道機能を維持するため、ことし六月に策定いたしましたスマートプラン二〇一四に基づき、エネルギー危機管理対応の強化として、水再生センターやポンプ所への非常用発電設備の整備を進めております。二十五年度までに七割の施設でポンプ施設などの稼働に必要な容量を確保しており、引き続き取り組みを進めてまいります。

○畔上委員 ありがとうございました。非常用の電源、これは、設備についてはあと三割ということでありますが、非常時の下水道機能の維持は大変重要であります。しっかりと取り組んでいただくことを強く求めておきたいと思います。
 次に、下水道局の土地の有効活用について伺いたいと思います。
 事業所や施設の統廃合などによってその使用目的を終えた土地を売却したり、また、現在下水道局として使用していない土地を貸し付けたりしているというふうに伺っておりますが、まず、現在の下水道局が所管する普通財産の土地の箇所数、それから、そのうち五百平米を超える土地が何カ所あるのか教えてください。

○熊谷経理部長 当局が所管する普通財産の土地は、三十七カ所ございます。そのうち五百平米を超えるものは、十三カ所でございます。

○畔上委員 その中で、既に貸し付けている土地は何カ所あるんでしょうか。また、どのような方法で貸し付けているんでしょうか。そして、それはどのような用途に活用されているのかお示しください。

○熊谷経理部長 五百平米を超える土地のうち、現在、貸し付けを行っているのは七カ所でございます。貸し付けは主として公募により行っており、使用用途は商業施設や駐車場などでございます。

○畔上委員 十三カ所のうち七カ所という理解でよろしいんでしょうか。そういう点では、半分貸しているというような状況なわけですけれども、下水道局の場合、今は普通財産なんだけれども、今後、下水道局として使用予定の土地もあるんだというふうに伺いました。
 例えば世田谷の等々力にあります下水道局の土地、ここはずっと更地になっていまして、都民から、駅に非常に近いし、何とか活用できないだろうかという声が、我が党の都議団にも寄せられました。
 それで、私も現場を見てきたんですけれども、そこは下水道局として使用予定だというふうにお話を伺いました。つまり、今は普通財産だけれども、これから行政財産に変えて使うのだということなんですけれども、都民から見ると非常にわかりにくいというふうに思いました。
 現場、私が行ったときには、立入禁止というふうに札に書いてあるだけなんですね。使用予定というふうに書いてあれば、まだ都民も納得いくと思うんですけれども、立入禁止でずっと長い間空き地になっているというのは、非常に、どうなるんだろうと、これは活用できないものだろうかというふうに都民が思うのは、私、当然のことじゃないかというふうに思うんです。
 ぜひ、使用予定があるのであれば、やはり下水道局の使用予定地とか、できれば具体的に使用期間とか用途とか掲示をしていただきたいなというふうに思います。同時に、使用予定がないそういう土地の場合には、やはり都民の福祉の向上にとって有効な活用ができるようにお願いしたいと思います。
 また、現在、福祉関連のバス事業者が借りております下水道局の土地が江戸川区にありますが、近くの特別支援学校や福祉施設の送迎の大型バスが六十六台という大変大きな営業所でございます。ここはオリンピックの関係でどうなるかという土地なわけですけれども、契約が切れた場合には、非常に、特別支援学校また福祉施設との関係もあって、影響が大変大きいということで心配されているところであります。都の都合で契約を打ち切るようなことがある場合は、きちんと代替施設についても確保できるようにするなどの十分な配慮が必要であるというふうに思います。これは意見として申し上げておきたいと思います。
 今ある下水道局の土地の中で、福祉インフラ整備への活用が見込まれる、そういう土地はあるんでしょうか。

○熊谷経理部長 当局は、土地の情報につきましては、全庁の方針に従って財務局に提供しておりますが、その後、活用が見込めるかどうかというふうなことは、関係局や区市町村が判断することになるものというふうに考えております。

○畔上委員 必要な情報提供はしていますよということなんですが、ぜひ、地元で要望があったときには、福祉インフラに対する貸し付けの実施も、踏み出していただきたいというふうに思います。
 ことしの七月三十一日からは都有地の貸付条件の見直しが行われておりますが、この見直し方針では、現状の五〇%減額に加えて、地価が都内の平均平米単価が三十四万円を超える部分については、減額率を九〇%に拡大するというふうにしております。
 下水道局の固定資産事務規程、この減額や免除の規定を見たんですけれども、これは変わっていなかったんですが、下水道局の場合は、どういう対応になるんでしょうか。

○熊谷経理部長 下水道局固定資産事務規程では、地方公共団体などが公用または公共用に供するため使用するときなどは、使用料を減額または免除することができるというふうに定めております。
 この規定は、当局の土地の貸し付けなどにおきまして一定の条件に合致した場合に、使用料の減額または免除の可能性を定めたものでございます。
 当局の土地が福祉インフラ整備事業で実際に活用されることとなった場合は、財務局において財政上の必要な措置を講ずることとされておりますので、その際は、具体的に財務局との調整を行っていくことになります。

○畔上委員 つまり、下水道局の場合も、その都有地貸付条件の見直しの新制度の対象であるという理解でよろしいんですね。
 福祉インフラ整備のために、貸し付けと同時に売却の要求もありますけれども、現時点で売却を予定している土地はあるんでしょうか。

○熊谷経理部長 公園用地として売却の要望が出ていて検討している土地はございますが、それ以外には現時点ではございません。

○畔上委員 私の地元の江東区でも、保育園や特養ホーム、これをふやしたくても、土地がネックで増設が厳しいのが現状でありまして、都の都有地の貸付条件の見直しや、都営住宅、公社住宅の創出用地の活用などは、福祉施設建設に大きな力になるというふうに思っております。
 江東区では、ことしも実は大きな国有地があいたんですけれども、喉から手が出るほど欲しい土地だということだったんですが、価格の関係と、それから敷地面積の関係で断念せざるを得ませんでした。
 都内の場合は、やはりほかの自治体でも、福祉インフラ整備を進める上で土地問題が大きなネックになっているわけです。
 下水道局として、施設整備の更新のための敷地や資材置き場、こういった土地が将来的に必要になるだろうと、先ほども方針のお話がありましたが、そういうことは必要なんだなっていうことを私も認識しているんですが、なかなかそういう点では、下水道局の場合は容易ではないというふうに思いましたけれども、しかし、都として、都庁全体として、新しい福祉インフラ整備のための土地の活用方策、これを打ち出したのでありますから、下水道局としても、ぜひ積極的に対応していただきたいなというふうに思います。その意見を述べさせていただいて、私の質問を終わります。ありがとうございました。

○新井委員 まず、下水道の再構築についてお伺いします。
 都の下水道には、水再生センターやポンプ所が合わせて百八もあり、これらの膨大な施設や設備は、いつかは老朽化するわけで、その対策としての再構築には膨大な費用や時間がかかると思われます。一方、老朽化した設備の再構築を行うと最新の機器になることにより、効率がよくなり、省エネルギー化を図ることができるのではないかと考えております。
 聞くところによりますと、都内の電力使用量の約一%を下水道局が使用しているということでございます。膨大な電力を使用している下水道局が設備の再構築を推進し、その中で省エネルギー化などの機能向上を進めていくのはとても重要であります。
 そこで、このようなことを踏まえ、設備の再構築はどのように進めているのか、その考え方と進捗状況をお伺いします。

○坂根計画調整部長 水再生センターやポンプ所などの設備の再構築につきましては、設備の更新と合わせて雨水排除能力の増強や省エネルギー化などの機能向上を図っております。
 具体的に申し上げますと、昨年策定いたしました設備再構築基本計画に基づき、設備の計画的な補修などにより、法定耐用年数から二倍程度延命化し、一年当たりの建設費と維持管理費の合計の最小化を目指すアセットマネジメント手法を活用し、効率的かつ計画的に再構築を進めております。
 さらに、設備の更新に合わせて、例えば急激な雨水の流入にも対応できる機能を持つポンプや、省エネルギー型の汚泥脱水機を導入するなどの機能向上も図っております。
 進捗状況につきましては、区部の下水道施設にある四千台の主要設備のうち、平成二十五年度までに累計で千六百五十台の再構築を完了し、今年度は百十二台の再構築を進めているところでございます。

○新井委員 十月の下旬に、自分の母校の理工学部の学生八十名と砂町水再生センターを見学させていただきました。行くたびに新しい技術を発見するわけでございます。
 先ほど答弁でもございました急激な雨水の流入に対応できる機能を持つポンプ、これは先行待機型ポンプというものだと聞いております。ゲリラ豪雨があると、一気に水が流れ込んでくるんです。それで、このポンプを押し上げるタイミングというのがかなり重要で、水が来る前にポンプで水を上げると。しかしながら、従来のポンプですと、気中運転としまして、水が来ないのにポンプを回すと、軸と軸受けが熱を持って焼きついてしまうと。それを改善したのが、この先行待機型ポンプということで、水が来る前にポンプを回すことができるというものでございます。老朽度や機能面を考慮しつつ費用を削減しながら、計画的に設備の再構築を進めていただきたいと思います。
 ところで、機能向上としては雨水排除能力の増強や省エネルギー化が挙げられていましたが、これまでの標準的な下水処理では十分には除去できない窒素やリンの除去率の向上も、機能向上の一つだと思います。
 そこで、設備の再構築を実施するに当たって、窒素やリンの除去率向上にも取り組むべきと考えますが、見解をお伺いします。

○坂根計画調整部長 下水道局では、標準的な処理法と比べ窒素やリンを大幅に削減できる高度処理の導入を進めております。しかしながら、高度処理の導入には施設の新たな整備が必要で、導入に期間を要するとともに、標準的な処理法と比べて電力使用量が三割程度増加するという課題がございます。
 そこで、従来の高度処理に比べ窒素とリンの除去率が若干低いものの、電力使用量の増加がなく、設備再構築などの既存施設の改造と運転管理の工夫により、効率的に水質改善を図ることのできる準高度処理の導入を平成二十二年度より進めております。

○新井委員 準高度処理という方法を設備の再構築などに合わせて導入していることがあります。しかし、窒素とリンの除去率が若干低いということなので、窒素とリンの除去率をもっと向上させる取り組みが必要だと思います。
 ところで、先月、下水道局の新たな高度処理の技術が日経地球環境技術賞という賞を受賞しました。十月十七日付の日経新聞のこういった記事、ここにあります。この新たな高度処理技術は、準高度処理よりも窒素とリンの除去率を向上させる取り組みなのか、また、今後の導入予定もあわせてお伺いします。

○前田技術開発担当部長 準高度処理は、高度処理に比べまして窒素とリンの除去率が若干低いという課題がありますため、平成二十三年度から民間企業などと共同研究を進めまして、水質改善と省エネルギーの両立を図る新たな高度処理技術を二十五年度末に開発をいたしました。この技術は、従来の高度処理と同等の窒素、リンの除去率を確保するとともに、電力使用量を二割以上削減できるという特徴を持っております。
 この新たな高度処理は、既存の水槽を改造することで導入が可能でありますが、導入のためには、水処理に用いる水槽の深さが一定程度必要などの条件がありますため、この条件に合う水再生センターのうち、まず今年度、芝浦水再生センターへ、平成二十七年度は浅川、葛西の二つの水再生センターへ導入することとしております。

○新井委員 高度処理法というのは、従来の処理方法と比べますと、従来の処理方法の処理能力が窒素が一〇〇、リンが一〇〇だとすれば、高度処理だと窒素が六五、リンを四〇まで抑えることができる。しかしながら、電力使用量が三割も増加してしまう、なおかつ、施設の増設が必要だという課題がございました。
 電力量を標準的なものと同等にして、そして、既存の設備を改造することによって、早期に導入可能だったのが準高度処理なんですね。しかしながら、除去性能というのは、高度処理と比べますとちょっと落ちてしまうということでした。
 そして、このいいとこどりをしたのが、今回の二十五年度末に開発をしました新たな高度処理技術なんです。水槽の深さが一定程度確保できれば、こういったいいとこどりの設備を整えることができるので、ぜひ、こういった水の改善と省エネルギーの両立を図ることを、すばらしい取り組みなので、推進していただきたいと思います。水質改善と省エネルギーの両立のような取り組みは、ぜひ見える化して、わかりやすく示していただきたいと思っています。
 そこで、水質改善と省エネルギーの両立を見える化して示すことができないのかお伺いをします。

○神山施設管理部長 水質改善と省エネルギーの両立を図る取り組みといたしまして、二軸管理という手法を導入しております。二軸管理は、処理水質とエネルギー使用量の二つの指標を同時に用いて両者の関係をあらわす管理手法でございまして、省エネルギー機器の導入や運転管理の工夫などによる取り組みの効果を見える化することができる手法でございます。

○新井委員 下水は、地域の状況だったりとか、また、雨水が流れ込んでくるかという状況によって、大分入ってくる水の質というのが変動する。しかし、水を出すものについては、しっかり質の確保をしていかなくちゃいけないといいます。そんな中、水処理をする運転をしながら、質の確保とエネルギーの両立化を図っていくというのは大変だと思っています。そういったやり方は、かなりいろんな技術があって、今後は、この応用編も考えられると伺っています。ぜひ、こういった二、三年前からやっています二軸管理を推進するとともに、水質改善と省エネルギーの両立化に取り組んでいただきたいと思っています。
 次に、下水道の光ファイバーを活用した取り組みについてお伺いをします。
 東日本大震災の際、都内では電話がつながりにくくなるという問題が発生しました。大規模な地震等には、既存の通信網は使えなくなってしまう可能性がございます。一方、下水道局では、独自の光ファイバーを設備として持っています。この光ファイバーは、地上の電柱を使った配線に比べますと、地中に埋設されていますから地震には強いといわれております。
 そこで、この下水道の光ファイバーに着目した質問をさせていただきたいと思います。
 まず、この光ファイバー網を平常時にはどのように活用しているのかお伺いをします。

○神山施設管理部長 下水道局は、通信事業者に依存しない独自の通信網といたしまして、下水道管内に敷設した八百キロメートルに及ぶ光ファイバー通信網を構築しております。
 平常時には、この光ファイバー網を水再生センターやポンプ所などの遠方監視制御による維持管理の効率化や事業所間電話など、さまざまな情報ネットワークシステムに活用しているところでございます。

○新井委員 ポンプ所というのは、ほとんど無人化をしているとお伺いをしました。昔は大雨のときに、どういったタイミングでスイッチを入れるのかというのが職人さんの技術だったわけでございますが、今は遠方操作で、そういったポンプのスイッチを人の判断でやっているということです。東京アメッシュのデータを使いながら、上流でどのような雨が降っているのか、どの段階で、ポンプのあるところにどれだけの水が来るのかというのを予想しながら、そして、水位計を見ながら人の手でやっているということです。
 全てセンサーを使って自動化できないのかという話をちょっとお伺いしたんですけど、やはり最終的なものは、人の、技術者の力じゃないとなかなか難しいということでした。現場の方は本当に苦労されてやっているんだなと思っております。
 次に、災害時にも下水道の光ファイバー網を活用していくことを考えますが、見解をお伺いします。

○坂根計画調整部長 下水道管に敷設した光ファイバー通信網は、東日本大震災においても障害がなく、一般の電話回線がつながりにくい状況においても安定して活用できましたことから、災害時にも威力を発揮する高い信頼性が実証されております。そこで、このような状況を踏まえまして、下水道局では、耐震性にすぐれた下水道の光ファイバーを、平常時に加え、震災対策の強化にも活用していくこととしております。
 具体的には、津波発生時に下水道管内への逆流を防止する高潮防潮扉の操作につきまして、下水道管内の光ファイバー網を活用した遠方制御による自動化を図り、閉鎖の迅速化、安全性の確保をしてまいります。

○新井委員 首都直下地震は起きてほしくありませんが、発生してしまった場合には、ぜひ光ファイバーを活用して下水道機能や都民の安全性の確保に努めていただきたいと思います。
 私も議員になる前はシステムエンジニアをやって、いろいろなシステムを組んでいたんですけど、バックアップ回線、通信の二重化というのは常にやっていたんです。東京都の防災システムというのは、所管する担当の方が考慮すればいいものだと思っていますけど、せっかく震災に強い光ファイバー、まだ使える、貸し出しもしていますし、使おうと思ったら使えるようなものなので、ぜひ、東京都の防災システムの通信の二重化に下水道局の光ファイバーの活用も考えていただけたらなと思っています。
 以上、下水道の再構築や光ファイバーなどの活用、機能向上の取り組みについて確認させていただきました。都民生活や都市活動を安定的に支える下水道の役割は重要であり、今後も引き続き計画的、効率的に各取り組みを進めていただきたいことを要望しまして私の質問を終わりにします。

○田中委員 私からは、下水道の技術の国内外への展開について、ちょっとお伺いをいたします。
 東京の下水道というのは、今世界でも最高水準と思われます。これは、よくいろいろな方がおっしゃっていることですけれども、こういった高度な技術によって生み出された東京発の技術が、今では海外でも展開されていて、実績を上げているとお聞きをしています。
 私は、ことしの予算のここの委員会のときに、下水道の国際展開についてちょっとお伺いをいたしましたけれども、きょうは、その東京発の個別技術の海外での展開状況について、まずお伺いをいたします。

○永野企画担当部長 東京下水道では、現場の創意工夫から生まれ、高度な技術によって確立した東京発の個別技術の海外展開を推進しております。海外で展開している東京発の個別技術には、合流式下水道の改善を図る水面制御装置や下水道管の更生工法であるSPR工法、さらには、大地震の際、マンホールの浮上を抑制するフロートレス工法があります。中でもSPR工法は、十三カ国で約九万六千メートルの施工実績がございます。

○田中委員 下水道というのはやっぱり技術が高いということに尽きるということを、いろいろこれまでも教えていただきましたけれども、こういった下水道技術が海外で展開されて成果を上げているということが今のご答弁でよくわかります。
 東京下水道では、また、海外からの視察者、こういった方たちを積極的に受け入れていて、こういった機会を捉えて、技術を海外から来た方に紹介しているということもお聞きしていますけれども、海外からの視察者の受け入れ実績、これはどのようになっているでしょうか。

○永野企画担当部長 海外からの視察の受け入れ実績についてでございますが、平成二十五年度は、ニュージーランドの自治体職員を含む視察団が下水道の耐震化事業の視察に訪れるなど、海外二十七の国と地域から一千八百四十八名の受け入れを行いました。

○田中委員 ありがとうございます。平成二十五年度一年間で千八百四十八名というのも、本当にすごい数の方々が海外からいらしてるんだなということが本当によくわかりますけれども、ところで、下水道局では昨年、下水道技術専門の大規模な実習施設である下水道技術実習センターを開設なさったと思います。
 私も見せていただいて、下水道管みたいな中に入ったりとか、いろいろさせていただきましたけれども、これは、人材育成とか技術継承の中核を担ってきたいわゆるベテラン職員の大量退職が続いていて、技術や業務ノウハウの継承をしなければいけない、そういったことを効果的に、効率的に行うために設置したものだということを認識をしています。また、そのときにご説明も受けました。
 この施設を海外の研修生にも活用してもらって東京の技術を学んでもらうということは、人材育成とか技術交流の面での非常に大きな貢献につながると思いますけれども、今のところの下水道技術実習センターの海外研修生の活用実績についてお伺いをいたします。

○安藤職員部長 昨年十月に開設しました下水道技術実習センターにつきましては、国内の下水道事業関係者の人材育成と技術継承を推進するだけでなく、海外の研修生を受け入れ、人材育成や技術交流の場としても活用することとしております。
 海外からは、開設からこれまでの間、八件、七十名を実習等で受け入れており、今月に入ってからも、独立行政法人国際協力機構、JICA主催の下水道技術研修やアジア大都市ネットワーク21の共同事業を通じて、タイ・バンコク市の研修生の受け入れを行っているところでございます。

○田中委員 海外から多くの技術者の方々を受け入れて、こういった東京の高い技術を伝えていくということは非常に大切でありますし、また、これからもどんどん継続していっていただきたいと思います。この技術実習センター、この規模のセンターというのは、なかなかないということを聞いておりますので、ぜひ、より一層進めていっていただきたいと思います。
 ここまで海外の展開についてお伺いしてきましたけれども、一方、日本国内に目を向けても、東京下水道の技術力が求められる機会というのも非常に多くあると思います。特に、大震災ありましたけれども、こういった地震などの発災時には、日本の下水道事業をリードする東京都の下水道局として、日本国内のほかの自治体を支援するということも必要ではないかと思います。
 また、横浜市も、こういった海外展開とかよくやっていらっしゃるんですけれども、横浜市は、出資会社である横浜ウォーター株式会社というところがありますけれども、これとともに、宮城県の山元町というところの復興に向けた技術協力を行っているということを聞いております。
 東京都下水道局では、国内の自治体に対してはどういった支援を行っているんでしょうかお伺いをいたします。

○永野企画担当部長 下水道局はこれまで、東京下水道が有する技術力や組織力を生かしまして、被災地の下水道施設の復旧支援に迅速かつ積極的に取り組むという考えのもと、下水道事業における災害時支援に関するルールなどに基づいて、被災した自治体の応急復旧活動を支援してまいりました。
 東日本大震災のときも、まず、東北地方に二次にわたり支援隊を派遣し、被災状況を調査し、災害復旧事業に結びつけました。また、宮城県仙台市、石巻市に、災害復興に関する下水道業務の支援を行うため、延べ八名の職員を長期派遣してございます。さらに、千葉県浦安市や香取市におきまして、監理団体である東京都下水道サービス株式会社や協力団体と連携しまして、液状化等により閉塞した下水道管内を清掃して機能回復を図るなどの取り組みを行ってまいりました。
 今年度も、浦安市からの災害復旧の支援要請を受けまして、東京都下水道サービス株式会社と連携し、同市の下水道管の設計、施工管理業務の支援を行っております。

○田中委員 かなり国内のさまざまな自治体にも、いろいろな災害に関する復旧支援、行っていらっしゃるということがわかりました。被災された自治体に対するこういった復旧支援というのは、その自治体に東京の技術を伝えることにもなって大いに評価ができると思います。
 先ほど下水道技術実習センターの海外研修生の活用についての質問をさせていただきましたけれども、一方、この施設を被災地の自治体を含むほかの自治体職員に活用していただくということも、同時に、東京の技術を伝えて、それを国内で広めていくことになると思いますけれども、今、下水道技術実習センターのほかの自治体の活用実績についてお伺いをいたします。

○安藤職員部長 下水道技術実習センターの他自治体等の活用実績についてでございますが、昨年十月からこれまでの間、全国で二十七件、三百九十三名の方々に視察や研修でご利用いただいております。
 例えば、国土交通省主催の全国の自治体若手職員を対象としました研修会、下水道場では、被災地も含めました五道府県と二十四市の職員約六十名が実習を行っております。また、公益財団法人神奈川県下水道公社や茨城県下水道協会などが研修会等で活用しております。
 今後とも、この実習センターを活用し、人材育成と技術の継承に積極的に貢献してまいります。

○田中委員 東京だけでなくて、全国の自治体、また、民間事業者などに、こういったところを活用していただければ、下水道事業にかかわる人の育成、また、その技術の支援、大変役立つものになると思います。都の下水道局では、国内外において下水道事業の活性化につながる取り組みを本当にたくさん進めていらっしゃって、非常に評価できると思います。引き続きこれらの取り組みを積極的に進めて、東京下水道の価値を高めていってほしいと思います。
 そしてまた、私、先ほども申しましたように、ことしの予算のときに国際展開のことを申し上げたと同時に、国際展開、なかなかいろんな意味で難しいんだというご答弁もあったときに、それでは国内に目を向けて国内展開もお考えになってみてはいかがかということを意見として申し上げました。
 今、東京は、技術が世界でも一番ということは、もちろん日本でも一番といえると思います。下水道の普及率というのは、東京は非常に、もう九十何%、一〇〇%かな、になっていると思いますけれども、まだまだ人口が十万、二十万ぐらいのところというのは、普及率が五〇%以下という自治体も非常に数多い。こういったところに、被災地の支援からまたもう一歩進んで、下水道整備ができない自治体、財政状況が悪くて、人は少なくなるけど、水道、下水道をやめるわけにはいかないという、こういった自治体もたくさんあります。こういったところにも、一歩進んで支援を行っていくということも、今後、少しお考えいただければなというふうに思います。
 以上で、私の質問を終わります。

○橘委員 私からは、下水道事業における地域に根差した豪雨対策と下水道処理施設の耐震化について質問いたします。
 下水道は、都民生活や社会経済活動で生じた下水をきれいに処理して川や海へ戻したり、大雨や地震から都民を守るなどの重要な役割を担っている、極めて重要な部門だと私は認識しております。その下水道事業の分野でございますけれども、近年は、地域の状況に応じた現場密着の取り組みが求められるようになってきております。
 例えば、土地の低い地域では浸水が発生しやすいために優先的な対策が必要だとか、それから、早期に下水道が整備された地域では老朽化対策が必要などといったように、下水道には、それぞれの地域の状況に応じた取り組みが求められているように思います。この視点であるとか事業の工夫、これを怠りますと重大な事故を引き起こす大きな要因となってまいります。
 その観点から幾つか質問いたしますが、初めに、浸水対策についてであります。
 近年、東京を含めた全国各地で、豪雨による浸水被害が頻発していることは周知の事実でございます。浸水は、くぼ地とか、坂の下とか、それから、河川沿いの低地部などで発生しやすくなるわけでありますけれども、特にゲリラ豪雨などによって、被害も低地の部分等は大きくなる傾向にあるように思います。
 例えば、私の地元の板橋区でも見られるんですけれども、もともと川であったところ、そこを埋めて、そして、今は下水になっている、そういった場所で、しばしば浸水被害が起きているわけでございます。下水道局は、こういったかつて川であった土地の低い地域で、地域特性を踏まえた浸水対策を強化していくべき−−今までとは変わった形で、ただ単に整備すればいいというんではなくて、そういう地域特性を考慮した上で浸水対策を強化していくべきと考えますが、見解を伺います。

○坂根計画調整部長 ご指摘のかつての川を利用している浅く埋設された幹線の流域などでは、大雨により幹線の水位が上昇した場合、雨水が流れにくくなり、周辺の地盤の低いところで浸水被害が発生しております。
 このため、下水道局では、経営計画二〇一三におきまして、浸水被害の実績や地形、下水道や河川の整備状況など、地域の特性を踏まえ、かつての川を利用している浅く埋設された幹線の流域などを重点地区といたしまして、二十の地区を初めて選定し、浸水対策を強化することといたしました。
 対策に当たりましては、流出解析シミュレーションを活用し、このような地域の特性を考慮した対策内容を立案するとともに、既存の幹線の下に新たな幹線を整備したり、これまでに整備してきた貯留施設を活用するなど、効果的な対策を進めてまいります。

○橘委員 今の答弁では、地域の特性を踏まえて重点地区を選定し浸水対策に取り組んでいるとのことでございますけれども、これはまた大事な視点であると思います。
 それで、今、既存の幹線の下に新たな幹線を整備するという、こういう説明がございましたけれども、ちょっと具体的に、どういう構造にするのか説明願えますでしょうか。

○坂根計画調整部長 浸水対策のための新たな幹線につきましては、具体的な構造について、ただいま現在、検討中でございますけれども、一般的には、雨水を収容するための口径の大きな施設となることが多くなってございます。
 一方で、幹線を整備する道路の下には、既存の下水道管を初め多くの地下埋設物が既に設置されていますことから、新たな施設を整備するための空間を確保することは困難でございます。
 このため、既存の幹線の下などの空間を有効に活用して、コスト縮減や工期短縮などを図りながら、新たな幹線を整備することとしております。

○橘委員 今の下水道局さんの工夫というのは、地域の要望なんかも踏まえまして、非常に大事だと私は思いました。つまり簡単にいいますと、一般論ですけれども、今の敷設されている下水道管、この下のところに、また新たな幹線を敷設していくという、単純にいえばそういった構造だと思いますけれども、実は、こういう工事をしていきますと、幹線の敷設ですから、かなりの予算も、また、かなりの期間も必要になってくるわけです。そして、皆様一番よくご存じだと思いますけれども、近年は工事に伴って、地域住民の一部の住民でありますけれども、理解が得られなくて、そのために工事が途中で中断したり、また、工期が延びたりしたりする場合もあります。
 そういったことも踏まえますと、新たな浸水対策のため、また豪雨対策のために敷設する下水道管というのは、大事なんだけれども、地域の住民の理解が得られないと、十分な理解が得られないと、そういったトラブルが発生する、また工期に、また予算に関係する事態が結構多いというふうに聞いております。そうしたことも、たまに耳にしております。
 どうしたらいいのかということで、さまざまな工夫もされているようでありますけれども、大事なことは、この工事によって、この地域にこういったメリットがあるんだ、浸水被害を少なくできるんだという効果であるとか、それから、こういうやり方を工夫していますと、そして、それによって工期も短縮するし、予算も節減できるんですと、そういったことを事前に下水道局の皆さん方から地域住民の皆さんに十分理解をしていただくことによって、これはある程度スムーズに運ぶのではないかと私は思います。
 そしてまた、現在、途中でトラブルが起きたり、さまざまなことが起きたりして工事に影響が出ることもございますけれども、その点については、工事を請け負った事業者任せにするんではなくて、下水道局さんがやっぱり積極的に地域住民の理解を得ていくという、そういった工夫も必要であると私は思っております。どうか、この辺のことも現状を踏まえた上で検討された上で、スムーズに工事が進むように要望しておきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 そしてまた、先ほど重点地区二十を選定して浸水対策に取り組んでいるというお話がございましたけれども、板橋区内の取り組みも含めて、現状の進捗状況をちょっと説明願えますでしょうか。

○中島建設部長 浅く埋設された幹線の流域などの重点地区二十地区のうち、これまでに五地区で対策に着手し、取り組みを進めております。
 板橋区内に重点地区は、小茂根・向原地区、西台・徳丸地区、そして、成増地区の三地区がございます。これらの地区におきましては、いずれも平成二十五年度より調査設計を進めており、その中で、既存の下水道幹線の増強施設を整備することを検討しているところでございます。
 今後は、早期の対策実施に向けて、増強施設のより具体的な配置や整備手法などの検討を進めてまいります。

○橘委員 今、板橋区内の重点地区の地区名も答弁なさいましたけれども、この辺の地域は、やはりたびたび水害に襲われるところなんですね。この地域の住民にとっては水害が一番の悩みの種でございまして、一日も早くこれは改善を図ってもらいたいというふうに願っているところでございますので、ぜひ強力に推進して、また、スムーズに工事が進むように配慮をいただきたいと思います。
 次に、震災対策について伺います。
 大災害が発生しても下水道の機能を確保することは、避難所などにおいても都民が安心してトイレを使えるようにするために重要でございます。その対策として、下水道局は下水道管の耐震化を進めていることでございまして、下水道管の中を流れてきた下水は、震災時においても、きちんと処理した上で川などへ放流することが大切であるということはいうまでもございません。
 私、以前、阪神・淡路大震災の被害の状況を調べるため、検証するために、神戸市に行きまして、下水道の被害状況というのも神戸市から聞いてまいりました。そうしましたら、やはり一カ所の処理施設が破壊されると地域全体が全部だめになってしまう、それから、連携ルートがなかったためにまた被害が大きくなった、そのために市民が大変な苦労なさったという、そういったことも、まざまざと伺ってまいりました。そして、その後の被害状況を踏まえた復旧、復興対策、どうあるべきかということも学んでまいりました。
 また、東日本大震災のときも現地に視察に行きました折、これは本当に水の確保も大変だったんですけれども、この水の確保は、ある程度、被災地から少し離れたところでペットボトル等で水を確保すれば何とかなったけれども、下水だけは、これだけは本当に対応策がなくて、本当に困ったという印象を私も受けました。そしてまた、避難所に伺った際も、トイレの関係、この下水の関係が本当に悩みの種だということも、まざまざと脳裏にこびりついております。下水というものは、震災時において大変に重要な部門であるということを改めて認識した次第でございます。
 先ほどもやりとりがございましたけれども、下水を水再生センターへ送るためのポンプ所とか、それから、下水を処理するための水再生センターの耐震化、これは大事だということはいうまでもありませんけれども、例えば、板橋区内には、下水を処理する施設として新河岸水再生センターがございます。
 私は、この水再生センターを初めとしまして、幾つかの水再生センターを視察したことがございます。いずれもやっぱり施設の規模としては、かなり大規模な規模であります。新河岸の水再生センター一つとってみましても、かなりの配管がありますし、それから、施設も細部にわたって、ここ一カ所がだめになったら、これは大きな被害が出るだろうなという、素人目にも、そんな感じのところも多々ありまして、このメンテナンスといいますか、また、災害対策の面では大変だということがよくわかりました。
 一旦、被害を受けると復旧は大変だと思います。したがって、水再生センターやポンプ所についても、震災対策として、しっかりと耐震化を進めていく必要があるかと思います。
 そこで、水再生センターやポンプ所では、どのような考え方、どのような方針に基づいて施設の耐震化を進めているのか、これを伺います。

○坂根計画調整部長 区部の水再生センターやポンプ所につきましては、昭和の時代などから整備されてきたものが多く、当時の耐震基準に基づき整備されております。これらの耐震基準は、阪神・淡路大震災など大規模な震災の被害を踏まえて改定されてまいりました。
 下水道局が管理する水再生センターやポンプ所は計百八施設ございますが、このうち、これまでに建築物や広域避難場所などに利用されている覆蓋の耐震化は全て完了しておりますが、いまだ多くの土木施設が最新の耐震基準を満たさず、耐震化が必要でございます。
 このため、下水道局では、想定される最大級の地震動に対しまして、水再生センターやポンプ所における水をくみ上げる揚水、簡易処理、消毒など、震災時においても必ず確保すべき機能を担う土木施設の耐震化を進めておりまして、オリンピック・パラリンピック前の平成三十一年度までに対策を完了させるよう取り組んでおるところでございます。

○橘委員 今の、特に処理センター本体はかなり耐震化は進んでいて、細部のところまで大丈夫だという、そういった水準まで達しているというふうに私はお聞きしておりますけれども、いま一つ、まだ追いついていないのが土木部門ですね。
 今答弁にもございましたけれども、センターの中心の施設、その周辺にはさまざまな土木施設がございまして、新河岸の水再生センターの周りも細部にわたるとかなり老朽化した部分あるなという、私も実感してまいりました。そうした土木施設の耐震化というのはこれから重要になってまいりますし、これは早急に対策を講じなければ、ちょっと間に合わない事態にもなってくる。いざというときには、周辺の土木部門で機能しなくなるという可能性もなきにしもあらずと私は思いますので、この板橋区内の新河岸水再生センターも含めまして、現在の整備状況について伺っておきます。

○中島建設部長 水再生センターやポンプ所の土木施設の耐震化につきましては、計百八カ所のうち八カ所で平成二十五年度までに対策が完了しており、現在二十六カ所で対策を進めているところでございます。
 また、新河岸水再生センターは昭和四十九年より運転を開始した施設でありまして、当時の耐震基準に基づいて整備した施設であるため、耐震化が必要でございます。このうち建築物は耐震化が既に完了しておりますが、現在は、震災時においても必ず確保すべき機能を担う土木施設において、壁や床へのコンクリートの増し打ちや、鉄筋の増設などの耐震補強を進めております。
 工事の実施に当たりましては、稼働中の施設を一時停止する場合もありますことから、その間も良好な放流水質を維持するよう運転管理等の調整を綿密に行いつつ、平成三十一年度の完了を目指して対策を着実に進めてまいります。

○橘委員 現在の取り組み状況というのは理解できました。
 最後の質問になりますけれども、浸水対策や震災対策などの下水道事業の実施に当たっては、地域の特性を踏まえ、地域の課題を解決する取り組みが重要でございます。下水道局がそのような取り組みを積極的に進めていること、きょう理解できましたし、そういった取り組みについては評価したいと思います。
 先ほどの答弁でも、平成三十一年度までに土木施設も含めまして整備をすると、耐震化をするという答弁もございました。それは、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックの直前でございます。そうしますと、オリンピックを東京で開催するその時点では、まず、どんな地震が来ても安全だという一定の強化された施設になるわけでございます。そうしますと、それは、海外からいらっしゃる来場者、また観光客に対しても、非常に大きなアピールポイントにもなるかと思います。
 今東京で行っている事業もいろいろな分野がございますけれども、それぞれの分野が海外に向けて、オリンピック・パラリンピックを契機に日本にいらっしゃる海外の人たちに対してアピールポイントになる、その分野を今必死になって取り組んでいるわけでございますので、この下水道局に関しましても、きょう私が取り上げました地域に根差した下水道の取り組みについてというテーマと、また、それから同時に、オリンピックに対する下水道局さんの見える化、そういったことも含めまして、下水道局さんのこれからの事業の推進に期待したいと思います。
 そういった決意を込めまして、局長の決意を伺っておきたいと思います。

○松田下水道局長 下水道事業には、現在、老朽化対策や浸水対策、震災対策、それから水質改善など多くの課題がございますが、一方で、例えば浸水対策につきましても、先ほど来、理事からご指摘がございますように、各地域にはくぼ地や坂下など、地形の特徴や過去からの経緯など、さまざまな背景がございまして、地域のニーズも課題に応じそれぞれ多様であり、特色があるというふうに認識をしております。事業の実施のための財源は限られておりまして、その限られた財源を効果的に活用していくためには、地域の特性やニーズを十分に踏まえた上で、事業の優先順位を考えて取り組んでいくことが重要でございます。
 この間、下水道事業の運営におきましては、再構築や浸水対策、震災対策など、東京都全体を見据えた計画を立て、その計画の中に各地域の特性やニーズを適切に反映させて組み込んで、計画の着実な達成を図ってまいりました。今後とも、このことを事業運営の基本に据えまして、地域やお客様の理解を得ながら、期待に応えるべく取り組んでまいりたいと思います。
 また、オリンピック・パラリンピックを契機としたPR、アピール、発信についてご提言をいただきましたけれども、私どもも、オリンピック・パラリンピックは、東京の下水道のすぐれた状況を世界に向けて発信する非常によい機会だというふうに考えております。今、局の中でも検討組織をつくりまして、どのようなことができるか検討を始めたところでございます。
 いずれにしましても、オリンピック・パラリンピック前までに、震災対策も可能な限りスピード感を持って取り組みまして、その成功のための一助としたいというふうに考えております。

○大場委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○大場委員長 異議なしと認め、事務事業に対する質疑は終了いたしました。
 以上で下水道局関係を終わります。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後二時四十五分散会

ページ先頭に戻る