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Tokyo Metropolitan Assembly

公営企業委員会速記録第三号

平成二十二年三月十八日(木曜日)
第十委員会室
   午後一時開議
 出席委員 十四名
委員長神林  茂君
副委員長くまき美奈子君
副委員長木内 良明君
理事山内れい子君
理事たきぐち学君
理事樺山たかし君
桜井 浩之君
鈴木 章浩君
田の上いくこ君
松葉多美子君
高橋 信博君
泉谷つよし君
花輪ともふみ君
相川  博君

 欠席委員 なし

 出席説明員
水道局局長尾崎  勝君
次長小山  隆君
総務部長森 祐二郎君
職員部長坂内 顕宏君
経理部長猪熊 純子君
サービス推進部長内海 正彰君
浄水部長吉田  永君
給水部長酒井  晃君
建設部長今井 茂樹君
企画担当部長高原 俊幸君
設備担当部長吉田  進君
参事松丸 俊之君
多摩水道改革推進本部本部長増子  敦君
調整部長大平 晃司君
施設部長野口 芳男君
参事木村 康則君
下水道局局長松田 二郎君
技監小川 健一君
総務部長細野 友希君
職員部長佐藤 仁貞君
経理部長須田  潔君
計画調整部長宇田川孝之君
技術開発担当部長東郷  展君
施設管理部長黒住 光浩君
建設部長松浦 將行君
参事小山 哲司君
参事尾崎 篤司君
流域下水道本部本部長山本 洋一君
管理部長梶原  明君
技術部長高相 恒人君

本日の会議に付した事件
 水道局関係
請願の審査
(1)二二第三号 上・下水道料金と工業用水道料金の減免措置及び減免率の維持に関する請願
予算の調査(質疑)
・第二十七号議案 平成二十二年度東京都水道事業会計予算
・第二十八号議案 平成二十二年度東京都工業用水道事業会計予算
報告事項(質疑)
・東京水道経営プラン二〇一〇について
 下水道局関係
請願の審査
(1)二二第三号 上・下水道料金と工業用水道料金の減免措置及び減免率の維持に関する請願
予算の調査(質疑)
・第二十九号議案 平成二十二年度東京都下水道事業会計予算
付託議案の審査(質疑)
・第九十号議案 東京都公営企業職員の給与の種類及び基準に関する条例の一部を改正する条例
報告事項(質疑)
・東京都下水道事業経営計画二〇一〇について
・地球温暖化防止計画アースプラン二〇一〇について

○神林委員長 ただいまから公営企業委員会を開会いたします。
 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、水道局及び下水道局関係の請願審査、平成二十二年度予算の調査、並びに報告事項に対する質疑及び下水道局関係の付託議案の審査を行います。
 これより水道局関係に入ります。
 初めに、請願の審査を行います。
 二二第三号、上・下水道料金と工業用水道料金の減免措置及び減免率の維持に関する請願を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○森総務部長 請願につきましてご説明申し上げます。
 お手元にお配りしてございます請願・陳情審査説明表をごらんいただきたいと存じます。
 この請願は、用水型皮革関連企業協議会会長の本田桂一さんから提出されたものでございます。
 請願の趣旨といたしましては、水道局所管分でございますが、油脂・皮革関連企業に対する水道料金と工業用水道料金の減免措置及び減免率を継続していただきたいというものでございます。
 この請願に関する現在の状況でございますが、油脂・皮革関連企業に対する水道料金の減免措置につきましては、平成十九年第一回都議会定例会における水道料金の減免措置に関する決議の趣旨を尊重し、一般会計からの減収分の補てんを前提に、独立採算制の原則及び負担の公平に対する例外措置といたしまして、平成二十二年三月三十一日まで、一月当たり百立方メートルを超える従量料金の二〇%を減免しているところでございます。
 また、工業用水道料金の減免措置につきましては、平成二十一年第一回都議会定例会における工業用水道料金の減免措置に関する決議の趣旨を尊重し、一般会計からの減収分の補てんを前提に、独立採算制の原則及び負担の公平に対する例外措置といたしまして、平成二十二年三月三十一日まで、基本料金の一〇%を減免しているところでございます。
 説明は以上でございます。よろしくご審議くださいますようお願い申し上げます。

○神林委員長 説明は終わりました。
 本件について発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○神林委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、下水道局所管分もございますので、決定は下水道局所管分の審査の際に行い、ただいまのところは継続審査といたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○神林委員長 異議なしと認め、よって、請願二二第三号は継続審査といたします。
 以上で請願の審査を終わります。

○神林委員長 次に、予算の調査及び報告事項に対する質疑を行います。
 第二十七号議案及び第二十八号議案並びに報告事項、東京水道経営プラン二〇一〇について一括議題といたします。
 予算及び報告事項につきましては、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言をお願いいたします。

○田の上委員 今までにも、花輪委員初め水需要予測についての質問が多々されていますが、改めて伺いたいと思います。
 今回の東京水道経営プラン二〇一〇には、人口増加と経済成長によって水需要が増加するとあります。人口は、全国的には減少傾向にありますが、東京では社会増により増加を続けていることを上げています。平成八年から平成二十年までの十三年間、年平均でプラス〇・七%と、東京の人口は確かに増加を続けています。政府が昨年十二月に発表した新成長戦略に示された目標経済成長率、すなわち平成三十二年度までの目標名目三%、実質二%を基本にして、今後も都内の経済成長は続くとしています。
 ちなみに、この実質経済成長率二%は、現行の水需要予測時の設定と同じ数字になっています。その上で、一日最大配水量が六百万立米は、同様の考え方で算出したとしています。しかしながら、一日最大配水量は、平成十六年の五百二十一万九千立米から、明らかに毎年減少傾向にあります。この減少の要因を明らかにすることも含め、直近のデータを使って将来の水需要予測を改めて見直すべきと考えますが、ご所見を伺います。

○高原企画担当部長 水道需要予測は、現下の経済状況など短期的な動向だけではなく、長期的な視点を持って行うべきものであり、現在の予測は、平成十五年度に長期的な将来を見据えて行ったものでございます。
 予測の基礎となる一日平均使用水量は、その約七割を占める生活用水が長期的に増加を続けており、現時点で実績と予測の間に大きな乖離は生じてございません。
 また、委員お話しのとおり、水道需要を取り巻く社会経済状況も、都の人口は社会増により増加が続いており、経済については、政府の新成長戦略が実質二%を上回る成長を目指すとしていることなどから、現行予測で想定するように、使用水量は引き続き増加傾向を示すものと考えてございます。したがって、現在のところ、水道需要を見直す状況にはなく、今後も水道需要と関連のある社会経済動向等を注視してまいります。

○田の上委員 現行の水需要予測方法については、統計学的、工学的に妥当な方法ですが、過去にも政府が発表している成長戦略的なものは幾つもあり、今回だけ唐突に出てきた印象です。
 社会経済動向だけ最新のものを使い、平成三十二年までの成長戦略である一方、現行予測で用いられるデータは、平成十五年に、十年という長期的な予測で平成二十五年をめどにつくられています。主な説明変数である給水人口、個人所得や平均世帯人員、使用水量などについては、平成十二年度までの十五年間のデータが用いられています。これに対して、直近のデータとしては、人口、一日平均配水量、有収率、負荷率はそれぞれ二十年度末、平均世帯人員については平成十七年の国勢調査結果など、新たなデータの蓄積があるわけです。
 また、例えば人口については、現行予測では平成二十二年度にピークに達し、以後、減少に転じると見込まれていますが、現在では、平成二十七年度でピークに達し、その後、減少に転じる予測がなされているといった状況の変化もあります。
 先ほどは、新たな水需要予測について、水道局としては見直す必要がないという見解のようで、その理由についてご答弁をされましたが、今度は、必要ない理由ではなく、やらない理由、新しい水需要予測を出さない理由について伺います。

○高原企画担当部長 先ほどの答弁の中でも述べましたとおり、予測のベースである使用水量において予測と実績に大きな乖離は生じていないこと、都の人口統計は、政府の目指す経済成長などに伴い、現行予測の想定と同様、使用水量の増加が見込まれることから、現時点で見直す状況にはないというふうに申し上げたところでございます。引き続き社会経済の動向等も注視してまいります。

○田の上委員 同じご答弁をいただいたところです。
 それでは、水道局長にお伺いをいたします。
 水道事業の経営の根幹にかかわる重要な基礎指標である水需要予測を、何年も前の古いデータに基づいたまま放置しておくことは、公営企業の姿勢としてどうなのかと考えますが、本当に、このような経営姿勢は適正とお考えなのかどうか、ぜひ局長、ご所見を伺います。

○高原企画担当部長 使用データについてお話があるようですけれども、繰り返し申し上げていますとおり、予測と実績の間に使用水量において大きな乖離がないということでございますから、現時点では見直す状況にはないというふうに考えているものでありまして、決して、これを放置しているわけでも何でもございません。したがいまして、今後とも経済状況等を注視してまいります。

○田の上委員 局長からご所見いただけないようなんですが、局長は、これに対して何のお考えもないということでよろしいんでしょうか。

○尾崎水道局長 ただいま企画担当部長が答弁したとおりでございます。

○田の上委員 実績と予測との間に大きな乖離はないとのことですけれども、グラフで見ると、水源量と一日最大配水量の差はどんどん開いています。正しいデータで予測した結果を改めて示し、平成十五年に算出した水需要予測が本当に妥当なのか確かめればいいことではないでしょうか。適宜適切に、いろいろなことを行っているというようなお話もございますが、平成十二年までの十五年間のデータは、昭和六十一年からのものです。実に二十数年前のデータまで抽出していることになります。また、当時、長期予測として出した十年後の平成二十五年は、もう既に三年後でございます。水道局として、なぜ長期予測を持たないままなのか、甚だ疑問に思います。意見を述べて、次の質問に移ります。
 四月から、奥多摩町水道事業が都営一元化し新たにスタートします。東京水道経営プラン二〇一〇によると、多摩地区水道については、二十二年度から二十三年度で、全二十五市町の事務委託解消となっています。多摩地区では、現在も地下水を取水していると思いますが、多摩地区における地下水の直近の取水実績をお示しください。
 また、多摩の地下水は、平成十五年末に認可水源になっていますが、今後、水道施設の集中管理を行うに当たって水源計画に位置づけるべきと考えますが、ご所見を伺います。

○高原企画担当部長 まず、平成二十年度の多摩地区におけます地下水の取水実績でございますが、統合二十五市町ベースで一日最大取水量が日量二十八万七千立方メートル、一日平均取水量が日量二十四万六千立方メートルとなってございます。
 また、多摩の地下水を保有水源に位置づけるべきではないかというお尋ねでございますけれども、昨年七月の平成二十年地盤沈下調査報告書では、地盤沈下につきまして、揚水規制の効果による地下水位の上昇がほぼ頭打ちの状況にあることは明らかであり、地域によっては地盤沈下の進行が予測されるとしてございます。
 また、水質につきましても、トリクロロエチレン、一・四−ジオキサンなどが検出されたことから、一部の井戸の使用を休止してきた経過がございます。
 したがいまして、多摩地区の地下水は、平常時はもとより震災や渇水時においても、身近に利用できる水源として可能な限り活用はしてまいりますが、これら地盤沈下や水質の面から見て、将来にわたる水源として位置づけることは困難であるというふうに考えてございます。

○田の上委員 今、地盤沈下や水質の問題のお話がございました。
 利根川水系も原水の水質が悪いといわれていますが、金町浄水場、三郷、朝霞、東村山など、毎年、二百億円以上の巨額の費用をかけて高度浄水処理施設を建設しています。一方で、多摩の地下水においては、地盤沈下、水質が挙げられて、水源としてはカウントされていません。今後も活用を続けるということなんですが、問題があるのなら、都の保有水源の中にある課題を抱える水源に、なぜ入れないのでしょうか、理由をお伺いいたします。

○高原企画担当部長 中川・江戸川緊急暫定水利などのいわゆる課題を抱える水源は、国と関係機関との調整を行うことにより、将来安定水源に位置づけられるよう課題の解決を目指すものでございます。これに対して、多摩地区の地下水は、先ほど答弁申し上げましたとおり、地盤沈下や水質の面から見て、将来にわたる安定的な水源として位置づけることは困難であると考えているものでございます。

○田の上委員 同じように課題を抱えているわけなんですが、おっしゃった課題を抱える水源に挙げられているそのほかのものとの違いがよくわかりません、説明をしてください。

○高原企画担当部長 地下水につきましては、今申し上げましたとおり、地盤沈下、水質といった、いわば物質的な理由で位置づけることが困難というところでございますが、一方、現在、都が保有してございます水源量、日量六百三十万立方メートルの中には、砧、砧下浄水場の水源、中川・江戸川緊急暫定水利、相模川分水といったいわゆる課題を抱える水源が合わせて日量八十二万立方メートル、率にして保有水源の約一三%含まれてございます。
 具体的に申し上げますと、砧、砧下浄水場の水源は、多摩川の伏流水を取水しているものでございますが、河床の低下により、水利権量に見合う十分な取水が困難な状況にございます。
 また、中川・江戸川緊急暫定水利は、新たな水源が講じられるまでの緊急かつ暫定的な措置として、一年ごとの水利権として許可を受けているものでございます。
 さらに、相模川分水は、神奈川県及び川崎市から一年ごとの協定により分水を受けており、その取水の安定性は、神奈川県内の水事情に影響されるといったような内容のものでございます。
 これらの課題の水源の解消に向けては、現在、国との協議によって、砧浄水場で取水施設の機能回復状況を確認するための工事を実施しているなど、今後も、引き続き国と関係機関と調整を図っていくとしているものでございます。

○田の上委員 私は、課題の解決が可能なものというのは、水源施設が完成していない霞ヶ浦導水のように不安定水源に入るのかと思っていました。取水は続けるのに都の保有水源に入らない、二十八万も取水しているのに外からは見えない、取水量があるのにわからなくしていることは不可解としかいえません。しかしながら、答弁によると、課題を抱える水源に示されたものは、課題の解決が可能であるというふうに聞き取れます。ぜひ、関係機関と調整していただき、安定水源にしていただきたいと思っております。
 水需要予測は、正確なデータをもって本当にこれだけの量が必要なんだと示していただければ、だれもが納得できるものになるのではないでしょうか。霞ヶ浦導水のように施設が完成していないものは不安定水源だけれども、八ッ場ダムの暫定水利は安定水源の一部、非常にわかりにくいです。疑問を呈して、次の質問に移ります。
 東京水道経営プラン二〇一〇では、水道水源林の機能に着目し、二十二年度から五年程度で、荒廃の進んだ民有林のモデル購入をすることになっています。具体的には、どのように進められるのでしょうか。

○吉田浄水部長 民有林のモデル購入を行うに当たりましては、公平性の確保の観点が必要でございます。このため、小河内貯水池上流域の民有林につきまして、公募により広く売却の申し込みを募ることとし、初年度となります平成二十二年度は、第一・四半期に公募いたします。公募に続きまして、受け付け案件について現地での調査を行った上で、山林評価や土地売買の知識を持つ専門家などによる具体的な審査を実施し、購入する山林を決定していく予定でございます。

○田の上委員 水道水源林について林野庁に問い合わせてみました。森林の再生という意味でしか認識しておらず、水道水源林という考え方は自治体によるものだとお答えをいただいております。厚生労働省においても、余り理解していると思えませんでした。東京都としての水道水源林の必要性についてお聞かせください。

○吉田浄水部長 健全な状態の森林には、主に三つの機能がございます。一つ目は、水を土壌の中に十分蓄えることにより、洪水や渇水を防ぐ水源涵養機能、二つ目は、樹木の根が山の土をしっかりと押さえることにより、土壌の侵食や山崩れを防ぐ土砂流出防止機能でございます。三つ目は、水が土の中を浸透する間に不純物を取り除く水質浄化機能でございます。こうした森林の持つ機能は、小河内貯水池や流入河川の保全に重要な役割を果たすこととなります。
 一方で、近年は、こうした森林の持つ機能が十分に発揮されず、小河内貯水池に影響を与える事例が発生してございます。平成十九年九月に発生いたしました台風九号におきましては、流入河川水が既往最大となり、大量の土砂と流木が貯水池に流入いたしました。この濁りの影響は、その後、翌年の四月まで影響が及ぶといったような状況になってございます。
 こうしたことから、私ども東京水道といたしましては、水道水源林をこれまで同様、健全な形で維持保全していく必要があるというふうに考えてございます。

○田の上委員 来年度の予算計上はないようですが、五年間の事業では積立金対応と聞いています。もともと多摩川の上流域には、都が管理している水道水源林があり、その面積は二万一千六百三十一ヘクタール、区部面積の三五%相当ということで、百年以上も管理していると聞いております。ここでは小河内ダムが対象になりますが、今後、水道水源林を一体どのくらい購入するつもりなのでしょうか、積立金の金額とあわせて教えてください。

○吉田浄水部長 モデル購入では、小河内貯水池上流の人工民有林のうち、管理が不十分で山林所有者が手放す意向を持つ山林を購入対象といたします。山林の購入に当たりましては、先ほどご説明差し上げましたが、公募により申し込みを広く募り、その上で荒廃度をもとに購入の優先度を審査し、購入する山林を決定してまいります。
 平成二十二年度の取り組みは、購入する山林を決定するための現地調査などであることから、購入に係る費用は生じません。
 また、モデル購入期間の事業費につきましては、公募を行う前でございますので、申し込み件数を見込むことが難しい状況にございます。現段階で具体的な金額を示すことは、困難な状況にございます。

○田の上委員 二十二年度は費用が発生しないということです。金額については、お答えできないということだったんですが、積立金の金額についてのお答えもありませんでした。新規水源開発基金の中から捻出するという認識でよろしいでしょうか。
 それから、もちろん購入できるかどうか、申し込み前なのでわからないということなんでしょうが、最終的にどれだけ必要なのか、水道局のめどとしての広さも未定なのでしょうか。
 また、あわせて、先ほど公募で募るということでしたが、どんな方法で募集するのかを教えてください。

○森総務部長 前段のご質問でございますが、小河内貯水池上流域の民有林購入資金につきましては、新規水源地域の地域整備や関係住民の生活再建事業等に対する負担金を積み立てております新規水源開発基金制度を活用してまいります。
 具体的な金額につきましては、先ほど浄水部長からもお答えしたとおり、公募を行った状況などを踏まえ、今後検討してまいります。

○吉田浄水部長 モデル購入の広さということでございます。モデル購入期間におけます購入面積につきましては、先ほどご答弁差し上げましたとおり公募を行って、その募集を受けるということでございます。申し込み件数を見込むことが難しいということと、どのぐらいの売却意向のある方がいるかということも、モデル事業を通して見きわめていくということでございますので、モデル事業を始める前のこの段階では、なかなかご答弁することが難しいという状況でございます。
 また、公募の方法ということでございますが、山林所有者への事業内容を周知していくためには、公募に当たりまして、ホームページへの掲載やリーフレットの作成などを考えているところでございます。

○田の上委員 結果として、どれぐらいの広さになるというのはわからないと思いますけれども、水道局として、どれぐらいを見込んでいるのかということをお尋ねしたわけです。お話を聞いていますと、水道局として、水道水源林が必要なのか、それとも、申し込みを待つだけの受け身なのかという、ちょっとはっきりしないところがあります。
 先ほど台風のお話もございましたけれども、小河内ダムは堆砂率も低く、三%ぐらいだと聞いておりますが、基本的には水道水源林の効果が出ているダムです。水道局が水道水源林として、どこまで負担するべきものなのか疑問が生じるところです。今後の購入に当たっては、なぜ購入しようとしているのか、必要性を広く十分に説明していただきたいと思います。特に今回、モデル事業というお言葉が何回も出てきました。モデル事業として五年が設定されているわけですが、検証をしっかりと行っていただきたいと要望をいたします。
 それから、水道水源林の必要性が高いと考えれば、森林を保持しない限りダムの維持は難しいというふうにも聞き取れます。一方で、水源開発として森林を伐採し自然を破壊していくわけですが、一度ダムができると森林を管理し費用をかけていかなくてはいけないとは、非常に不思議な話でございます。自然との共存がいかに大切かということも考えながら、新しい水源開発については慎重になるべきであると意見をいって、終わらせていただきます。

○高橋委員 それでは、私の方からは、民有林のモデル購入と奥多摩町の一元化に絞って質問をさせていただきます。
 都民の散策や憩いの場として親しまれる史跡玉川上水の中流部におきまして、さきの本会議では、二十二年度から十年間の整備保全に着手していくという力強い答弁を水道局長からいただきました。そこでも述べさせていただきましたが、水路の保全、名勝小金井桜のモデル整備を初めとする事業の着実な推進に向け、地元住民や都民に向けての周知をしっかりやっていただき、広く賛同を得ながら進めていっていただきたいと思います。この事業が豊かに実を結び、地元住民、都民が誇れる史跡玉川上水が後世に継承されていくことに大きく期待をしているものでございます。
 さて、この玉川上水の源、多摩川の上流に目を転じますと、山梨県から奥多摩町にまたがる広大な水道水源林が広がっております。この水道水源林は、玉川上水とともに、水道事業者として守り続けてきた東京水道の貴重な財産でもあります。一方、多摩川上流域には荒廃が進む民有林が多く存在し、非常に危惧しているところであります。こうした民有林を水道水源林と同様に、豊かな水をはぐくむ森林に生まれかわらせることは、水源地域の恵みを受ける都民の一人として重要な取り組みであると思っております。
 水道局は、東京水道経営プラン二〇一〇におきまして、平成二十二年度より民有林のモデル購入を行うことを公表し、さきの予算特別委員会では、我が会派からの質問に対し、境界が不明確な山林や転売による地価高騰など、さまざまな課題への対応と検証を行うことについて答弁がありました。モデル購入におきまして検証を進めていくためには、限られた事業期間内で、水道局が山林購入の知識や技術を着実に蓄積していくことが重要であると思います。
 先ほど公募により事業を実施するとの話がありました。そこで、受け付けから購入までの購入作業全体の流れと、モデル購入で山林購入の知識や技術を蓄積するための効果的な作業の仕組みについて伺います。

○吉田浄水部長 モデル購入におけます購入作業は、一年目に、公募による受け付けを開始し、申し込まれた案件についての現地調査及び購入する山林の審査を行います。続きまして、次年度以降、審査を通過した山林について、境界の確定、測量及び契約手続などを進めていく予定であります。
 この一連の購入作業には、境界の確定などに多くの作業量が見込まれることなどから、二年余りの期間がかかると想定しております。このため、初年度案件の購入手続の終了を待って次回の公募受け付けを開始するのではなく、平成二十二年度に続き、平成二十三年度、平成二十四年度と、毎年度、受け付けを行い、受け付け年度の異なる購入手続を並行して進めていくこととしております。こうした取り組みにより、限られた期間内で効率的に山林購入の知識や技術を蓄積してまいります。

○高橋委員 山林の購入には数年かかるということでございますが、境界の確定等は、適正な売買を行うために必要であり、確実に行っていただきたいと思います。
 また、先ほどの質疑でもありましたが、モデル購入では、ホームページやリーフレットにより公募をし、申し込みを広く募るとのことでございますが、山林購入を円滑に進め、より高い成果を上げていくためには、山林所有者に対して、きめ細かいPRをしていくことが必要不可欠であると思います。山林には、他の区市町村に居住する不在地主が多いことや、所有者の高齢化が進んでいることなどの事情があると思います。
 そこで、事業をPRしていくに当たって、地元の自治体や関係団体と連携して行うことが重要であると考えますが、見解を伺います。

○吉田浄水部長 モデル購入事業を円滑に推進するためには、事業目的や、公募により広く申し込みを募ることなどについて、効果的にPRしていくことが不可欠であります。
 一方、モデル購入を進める対象地域には、不在地主が多いことや高齢者が多いなど、山林地域特有の事情がございます。ご指摘のとおり、こうした事情に精通している地元自治体や、森林所有者などで構成されます森林組合と連携したPRは、非常に効果的な手法であると考えられます。このため、公募に際しましては、地元自治体や森林組合に対し積極的に情報提供するとともに、これら団体からの協力も得られるよう、わかりやすいリーフレットを作成配布するなど、さまざまな面で連携しながら効果的なPRに努めてまいります。

○高橋委員 適切なPRによりまして、施策をより実りのあるものにしていただきたいと思います。
 さて、水道水源林によって良好な状態に保たれてきた小河内貯水池を抱える奥多摩町の水道事業が、いよいよ四月から都営水道に一元化をされます。振り返りますと、昨年二月の第一回定例会におきまして、我が会派の質問に対し、局長より、奥多摩町の水道事業について、平成二十二年四月の都営一元化を目指していくとの答弁をいただきましたところでございます。それから、間もなく、五月十三日には、石原都知事と河村町長との間で基本協定締結式が行われ、都営一元化に向け大きく一歩を踏み出しました。そして、いよいよ町民の長年の悲願でありました一元化の日を迎えようとしております。都営一元化の早期実現に、奥多摩町民も大変喜んでいると聞いております。
 四月一日から、実際に都が事業を行うこととなりますが、お客様サービスについても、窓口が変わるなど、いろいろな変化があるだろうと思います。そこで、具体的に変更となるお客様サービスについて伺います。

○大平調整部長 都営一元化によりまして、水道料金の支払い窓口は、都内のほぼすべての金融機関に拡大するとともに、新たにコンビニエンスストアでの支払いができるようになります。
 また、クレジットカード払いも可能となるなど、利便性が大幅に向上いたします。
 水道料金につきましては、大きな変更はないものの、都の料金表が適用されるようになります。その際、検針日、請求日については変更を行い、また、これまで別請求であった下水道料金を合わせて請求することとなります。
 水道使用の開始等の届け出や各種問い合わせの受け付けにつきましては、これまでの町役場の窓口にかわりまして、多摩お客さまセンターで取り扱うこととなります。

○高橋委員 料金の支払い手段が多様化するなどのお客様サービス向上は、町民にとりまして利便性が向上し、大変結構なことであると思います。しかしながら、窓口の変更などを知らずに、お客様が誤って町役場に行くなど、混乱が起きないよう、しっかりと町民の方への周知を行う必要があるだろうと思います。
 そこで、町民の方には、繰り返し工夫しながら周知することが重要だと思いますが、具体的な取り組みについて伺います。

○大平調整部長 都営水道に一元化することや、多摩お客さまセンター等の窓口についての広報は、既に町の広報紙に三回にわたって特集を組むとともに、当局の「水道ニュース」を特別に各戸配布して周知を図っております。
 また、検針日や請求日の変更、水道料金と下水道料金の合算請求など、サービスの詳細につきましては、ポスターを町役場の窓口等に掲示するとともに、お知らせビラを各戸配布して対応しております。
 今後、料金計算の方法などのお知らせビラを各戸配布する予定です。
 また、お客様ごとの検針日や口座振替日等については、はがきにより個別にお知らせいたします。
 さらに、本年六月の水道週間では、JR奥多摩駅前でイベントを開催して、広報活動を行う計画でございます。
 以上のような取り組みによりまして、新たなお客様となる町民の方々へ周知徹底を図っております。

○高橋委員 各戸にビラを配布するなど、きめの細かい対応をしていただいているとのことでございますが、引き続き町民の方が戸惑うことのないよう、しっかりと取り組んでもらいたいと思います。
 ところで、奥多摩町の水源は、原水、水質の悪化や、老朽化などの問題に加え、小規模の水道施設が起伏の多い山間部に点在するなど、さまざまな特性があると思われます。そこで、まず、さまざまな特性を持つ奥多摩町水道の現状について伺います。

○木村参事 奥多摩町の水道は、急峻な谷合いの沢を水源としております。近年、シカ食害と思われる森林の荒廃などにより、降雨時には土砂が沢に流入し、濁りが急にひどくなります。奥多摩町の六カ所の浄水場のうち、四カ所については、砂のみでゆっくりろ過する緩速ろ過という処理を行っております。このため、濁りがひどいときには取水を停止しなければならないなど、水処理に課題がございます。
 また、取水施設では、流入した土砂や落ち葉の堆積により取水が困難になる場合もございます。
 こうした浄水所や取水施設に加えまして、小規模な配水所などが山間部の広範囲に点在していることから、効率的に管理を行うことが困難となっております。

○高橋委員 ただいまの答弁で、特に取水及び浄水施設が、原水水質の変化に対応し切れないという課題もあるということが、よくわかりました。
 これまでも町民の暮らしを支えてきた水道施設でありますが、都営一元化を機に、さらに水準の高い水道を目指していくべきであり、そのためにも早期に整備を進めることが重要であると考えます。
 このような課題の解決に向けた今後の施設整備の考えを伺います。

○木村参事 都営水道一元化後は、すべての取水施設におきまして維持管理が容易にできる構造に改良いたします。
 また、老朽化している浄水所などについて、順次更新を行っていきます。
 なお、浄水所の更新に当たっては、濁りのある水を処理することができ、運転や維持管理が容易な膜ろ過方式を導入してまいります。
 これらの施設の整備にあわせまして、施設管理を効率的に行うため、遠方監視制御設備を整備いたします。
 奥多摩町の施設の現状を考えますと、委員ご指摘のとおり、早期に整備することは非常に重要であると認識しております。そのため、一元化後、速やかに地質調査や設計に着手できるよう、現在、準備を進めているところでございます。

○高橋委員 さまざまな特性を持つ水道施設の現状と、それを踏まえた施設整備について答弁がありました。山間部の厳しい条件の中での施設整備となりますが、町民の方への安定給水のため、着実に実施をしてもらいたいと思います。
 最後に、新年度から奥多摩町水道事業を引き継ぎ事業運営することについて、局長の決意を改めて伺います。

○尾崎水道局長 都民の貴重な水がめである小河内ダムを守ってきていただいている奥多摩町との間で、昨年五月、水道事業の都営一元化の基本協定を締結いたしました。それ以降、町と連携を密にして、本年四月の統合に向けて精力的に準備を進めてきたところでございます。
 現在、業務の円滑な移行に向けて最後の調整を進めるとともに、町民の方々への広報も積極的に展開しております。統合後は、これまで局が培ってきた技術とノウハウを駆使して、取水施設から浄水施設に至る基幹施設などの更新改良を計画的に実施してまいります。こうした取り組みにより給水安定性を高めるなど、一層質の高いサービス提供に努め、町民の方々にご満足いただける水道の実現を目指してまいります。

○高橋委員 これまで水道局が培ってきました技術とノウハウを駆使して、一層質の高い水道サービスを提供すると大変力強い言葉をいただきました。奥多摩町民が都営水道になって本当によかったと実感していただけるよう、万全を期して対応していただきたいと思います。
 以上で私の質問を終わります。

○松葉委員 水道局の次世代を担う子どもたちに対する取り組みについて伺います。
 東京水道経営プラン二〇一〇において、次世代を見据えた施策の推進が掲げられております。その中に、こうあります。世界の主要都市において、水道施設は整っていても直接蛇口から水を飲める都市は非常に少なく、蛇口から安心して水を飲めることは世界に誇れる日本の文化です。こうした文化を次世代に対して確実に引き継いでいくことが重要です。私も非常に大切なことだと考えております。
 そこで、まず、水道局のPR施設の一つであり、現在、リニューアルのために閉館中の水の科学館について、設立目的や運営状況について改めて伺います。

○松丸参事 水の科学館は、科学の視点から水の不思議さや大切さを楽しみながら知ってもらうことを通し、当局事業への親しみを深めてもらうことを目的に平成九年に開館いたしました。開館以来、多くの小中学生に利用され、稼働中の有明給水所を見学するアクア・ツアーや、普通の水道水が真空状態で劇的に変化する実験などが好評で、ファミリーや団体の見学、特に小学校の社会科見学の施設として活用いただいており、これまで百六十四万人もの方に見学していただいてまいりました。
 しかしながら、開館以来十三年が経過し、展示内容が社会状況の変化等に対し陳腐化してきたことから、人気の高いこの施設をより魅力あるものにするため、最新の情報と技術を取り入れた施設として全面的にリニューアルするため、現在は閉館しております。
 なお、改修工事は順調に進んでおり、本年六月にリニューアルオープンする予定でございます。

○松葉委員 私も、水の科学館を訪れて体験をいたしましたけれども、水の科学館は、次世代を担う子どもたちに、水の大切さや水と環境を伝えていくのに大変有意義な施設であると感じました。そうした思いもあり、私は、平成二十年第一回定例会本会議で、リニューアルの際には環境の視点を取り入れ展示の充実を図るべきと指摘いたしました。局長より、子どもたちが水について学ぶ中で、地球環境の大切さも認識し、実感できるものとなるよう検討していくという答弁をいただいたところです。
 そこで、今回のリニューアルに際し、そのことが展示内容にどのように反映されているのか伺います。

○松丸参事 展示内容につきましては、三階に新しく水道水源林コーナーを設けて、水源林の働きやCO2吸収機能などを見学するところからスタートし、そこから順路に従って各コーナーを楽しみながらおりてくると、映像やゲーム、クイズなどで、体系的に環境の大切さが学べるように工夫いたしました。
 また、そのほかにも、最新の映像技術を取り入れて、お客様の前面、床、天井、そして両壁面を包み込むように配置したスクリーンとマルチ音響を駆使することで、あたかも、お客様自身が水中や空中に放り出されたような臨場感を得ながら、水の大循環を体感できる水の旅シアターを新設したり、水や環境に関する展示や装置を館内各所にさまざまな形式で配置して、子どもが楽しみながら水の不思議さや大切さを学べる参加体験型施設としての充実を図っております。

○松葉委員 環境問題をしっかりとらえていただいたことは、とても大切なことだと思います。水の科学館が、展示内容を一新するだけでなく、参加体験型コーナーを充実させ、また、環境に関する展示も加えることを評価いたします。そういったリニューアルの内容を周知し、より一層活用を図るべきであり、本年六月のオープン前に広く周知する必要があると思います。
 具体的には、これまで見学に来た小中学校に個別にPRするなど、さまざまなアプローチを検討してみてはいかがでしょうか、見解を伺います。

○松丸参事 リニューアル前のPRについてでございますが、まず、リニューアル内容をチラシなどで、各教育委員会を通じて各小学校に配布し周知を図ります。次に、これまで見学にいらしていただいた団体、特に社会科見学や遠足でいらしていただいた都内の小学校には、ぜひお得意様になっていただきたいと考えておりますので、委員からご提案があったとおり、まず、電話でリニューアル内容を説明し、必要があれば直接訪問するなど、個別にアプローチしてまいります。
 また、あわせて、水道局の広報媒体であるホームページや、五月発行の「水道ニュース」においても、積極的なPRを展開していくとともに、各小学校へ訪問する水道キャラバンの機会をとらえたPRも実施してまいります。

○松葉委員 今、水道局から私の提案を踏まえた具体的な答弁をいただきました。ぜひ積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 リニューアルに際して、もう一点、要望したいことがあります。
 館の運営について、これまでは局の職員中心であったと聞いております。今後、リニューアル後の最新の設備を生かし、かつ、来館者のニーズに的確にこたえていくためには、民間の柔軟な発想を取り入れた、より効果的な手法も求められます。新年度からは、館の運営を一括して民間業者に委託すると聞いていますが、委託に際しては、民間の発想を生かした運営をより一層進めるべきだと考えますが、見解を伺います。

○松丸参事 従前は、案内業務のみを委託しておりましたが、リニューアルに合わせまして、平成二十二年度から運営全体を民間に三年間の複数年で委託する予定でございます。これにより、複数年にわたる運営業務全般の検証及び分析が可能となります。この分析結果を民間の柔軟な発想により運営面に迅速に反映させることで、アテンダントが行う実験や説明内容を向上させるなどして、より一層、来館者に楽しんで学んでいただくとともに、運営全体の効率化が図れるなど、お客様サービスを向上させることができると考えております。

○松葉委員 リニューアルに際しまして、環境に関する展示など、しっかり目的を持った展示を展開するとともに、さまざまな運営上の工夫がなされていることがわかりました。
 子どものころの体験は非常に心に残るものであり、興味、関心を抱いたことは、知恵への探求にもつながります。多くの子どもたちに、この施設を利用してもらい、日常生活ではなかなか体験できないことをぜひ体験し、貴重な学習をしてほしいと思います。そういった意味でも、水の科学館のリニューアルオープンに大いに期待をしております。
 次に、水道事業の訪問事業である水道キャラバンについて伺います。
 水道局では、次世代を担う子どもたちのために、平成十八年度から、都内の小学校などを対象に、水道に関する訪問事業を行う水道キャラバンを実施しています。この中で、水道水をつくる仕組みや、限られた資源である水の大切さを認識してもらうことが、非常に意義のある取り組みと評価しております。
 そこで、これまでの取り組み状況と、実施した学校での反応を伺います。

○松丸参事 水道キャラバンは、小学四年生を主な対象として、水の大切さはもちろん、水道水の安全性、おいしさへの取り組みなどに理解を深めてもらうことを目的に、都営水道区域内の小学校など、約千三百七十校を対象として実施しております。
 平成十八年度からの事業開始以降、毎年、目標を上回る規模の申し込みをいただいており、平成二十一年度は、多いときでは一日三十校を超える規模となるなど、対象校の約八割に迫る千六十六校で実施することができました。
 実施後のアンケートでは、ある先生のコメントですが、本を使っての学習ではわかりにくい難しい内容も、劇や実験、大きな画面を利用して、大変わかりやすく教えていただきました。何といっても、目の前で大きく変化する実験は、子どもたちの印象に残りました。このようなコメントが多数寄せられ、九割を超える先生方、子どもたちから、高い評価を得ております。
 なお、平成二十二年度の申し込み状況でございますが、千百校の実施を目標に現在取り組んでおりますが、二月の申し込み開始から昨日時点で、既に五百七十二校から申し込みを受け付けております。

○松葉委員 水道局は、水に関するエキスパートでいらっしゃいます。その水道局から、子どもたちが水道水をつくる仕組みや水の大切さを聞くことは、大変すばらしいことだと思います。
 また、今、答弁を伺っておりまして、大変評判がよいということですけれども、その要因について伺います。

○松丸参事 水道キャラバンは、子どもたちの学習効果を高めるため、若い劇団員の話術やアクションたっぷりの演劇による進行で、より興味を引きつける構成となっております。
 また、水源林の管理や高度浄水などの取り組みに対して、職員の作業風景や仕事への思いなどの話を交え、映像により、わかりやすく紹介することで、普段の授業ではできない、水道事業者ならではの特徴ある内容となっております。
 授業の中では特に実験が人気で、濁り水に子どもたちが凝集剤を入れると、目の前で澄んだ水と汚濁物が分離していくと、子どもたちは、まるで手品でも見ているかのように驚きながら目を輝かせております。
 また、これらの内容が、小学校が求めるニーズに合致したこと、また、教育委員会や校長会及び私学団体などを通じて、きめ細かく効果的なPRを展開してきたことが効果を発揮したと認識しております。

○松葉委員 若い劇団員の方の活用や、また、実験など、内容や方法について工夫をしているということで高い評価を得ているということだと認識をいたしました。
 このような取り組みは、継続して実施することで、より大きな効果が得られると思います。そのためにも、今後とも一層の内容の充実を図っていくべきであると考えます。
 例えば水をつくる仕組みなどについて水道キャラバンで学習した子どもが、ホームページなどを利用して、家に帰ってからも家族と一緒に学べるようにしてみてはいかがでしょうか、見解を伺います。

○松丸参事 平成二十二年度の水道キャラバンでは、平成二十一年度実施した際の先生方のご意見などを参考に、子どもたちが行う実験の拡大や、職員が水道の仕事やその大切さについて語る映像をふやすなど、内容の充実を図っております。
 また、家庭で保護者と一緒になって学習することができる特設ホームページを開設することにより、水道キャラバン実施後も継続して水道に対する興味を持ってもらうとともに、子どもたちを通じて保護者層にも浸透していくための工夫を加えております。

○松葉委員 今後、水道キャラバンが、子どもたちを通じて保護者層へも浸透を目指していることは、大変興味深いことだと思います。
 先般、教育委員会において、小学校における土曜日の授業を広く後押しする運用指針を通知をしています。父母などに対する公開授業が主なものであり、そこで水道キャラバンを実施することは大変効果があることと考えます。
 そこで、今後、授業参観など、土曜日の授業に水道キャラバンを実施することを積極的にPRすべきと考えますが、見解を伺います。

○松丸参事 土曜日に行われる授業において水道キャラバンを実施することは、保護者層に直接水道に対する理解を深めてもらう場として大変意義のあるものであり、実施規模の拡大を図る上でも効果的であると認識しております。
 委員のご指摘を踏まえ、平成二十二年度の実施に当たりましては、土曜日の実施を好機ととらえ、それに対応できるように実施体制を柔軟に見直すとともに、保護者にも一緒になって水道キャラバンに自然に参加してもらうようなシナリオに改善するなど、一層の効果を発揮させるよう努力してまいります。
 さらに、小学校に対する実施内容、実施案内などの際に、積極的に土曜日の実施についてPRを行い、小学校側への浸透も図ってまいります。
 今後とも、小学校の個別事情に即して実施内容を一部カスタマイズするなど、柔軟な発想を持って対応してまいります。

○松葉委員 土曜日の実施要望に対応できるようにするということでございますので、一校でも多くの学校でキャラバンを実施することを期待をしております。
 ところで、昨年は新型インフルエンザが大流行しましたが、私の地元である杉並区内で、水飲栓の直結給水化に合わせて、歯磨き励行のために洗面施設を新しくきれいにした小学校二校において、新型インフルエンザの罹患率が低かったと聞きました。区内小学校の児童の新型インフルエンザにかかった平均が一五・四%であるのに対し、この二校では、それぞれ六%、八・七%で、大変低くなりました。学級閉鎖率も、平均が五九%なのに対しまして、この二校では二〇%、三〇%だったということでした。この二校では、学校歯科医が協力をして、歯磨き、うがい、手洗いの励行を行っていると聞いております。衛生面など、日常生活に大変に水道水は役立つものであるということについても、もっとPRすべきと考えます。
 水道キャラバンは訪問事業です。このため、うがい、手洗いの励行を積極的に呼びかけていくなど、学校や児童に対して、時節をとらえたきめ細やかな対応が可能です。このような訪問事業の特性を生かした取り組みも、ぜひ必要と考えます。
 また、水道局では、うがい、手洗いを励行する水滴くんをあしらったシールをつくっていると聞いております。こういったグッズは、子どもたちにも大変人気があるのではないかと思いますが、このシールを水道キャラバンなどの場を活用して学校に配るのはどうでしょうか、見解を伺います。

○松丸参事 水道キャラバンでは、水道水ができるまでの取り組みなどのほかに、水と健康との関係についてもシナリオに取り込んであります。その中で、うがい、手洗いの必要性を、実施効果を交えて演劇によりわかりやすく学べるように工夫しております。
 また、食中毒が多い梅雨時や、水分補給がより意識される夏、そして、委員ご指摘のインフルエンザ流行時などの際には、うがい、手洗いの必要性を強調して説明するなど、臨機応変に対応しております。
 今後も、時節やその時々のニュースなどの話題を水道キャラバンの中で積極的に取り入れて、子どもたちが、うがい、手洗いの大切さを理解し、進んで実行できるよう対応してまいります。
 なお、ご提案のシールの配布につきましては、今後検討してまいります。

○松葉委員 ぜひ積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 水道水のよさはいうまでもなく、うがい、手洗いの励行だけではなく、例えば熱中症対策として身近な蛇口からの水分補給など重要であります。
 新しいプランの中では、公立小中学校の水飲栓直結給水化モデル事業の推進も施策として打ち出されていますが、この事業も、次世代を担う子どもたちに、おいしく水を飲んでもらうというすばらしい取り組みであります。区市町との調整も大変だと思いますが、より一層推進していただきたいと思います。見解を伺います。

○酒井給水部長 公立小中学校の水飲栓直結給水化モデル事業につきましては、蛇口から水を飲むという水道文化を次世代を担う子どもたちに継承することを目的として、平成十九年度から、区市町との連携が可能な公立小学校を対象に実施してまいりました。
 これまでに、百九十八校の公立小学校で事業が実施され、児童からは、水が冷たくなり水道水が好きになった、学校の水が家と同じようにおいしく飲みやすくなった、また、先生からは、児童の水に関する興味が高まってきた、保護者の方からは、直結給水なので安心など、直結給水化に対して高い評価をいただいております。
 平成二十二年度からは、公立中学校に事業対象を拡大するなど、今後とも、本モデル事業の趣旨を踏まえ、積極的に推進してまいります。

○松葉委員 ただいま力強い答弁をいただきました。子どもたちのためにも、積極的な推進を期待しております。
 今後とも、蛇口から水を飲むという日本が世界に誇る水道文化を次世代に継承するために、これらの取り組みは重要な意義があると評価しております。
 最後に、局長に今後の次世代への水道文化継承に向けたご決意を伺い、質問を終わります。

○尾崎水道局長 世界の主要都市において、直接蛇口から水を飲める都市は非常に少なく、蛇口から安心して水を飲めることは世界に誇れる日本の文化であります。東京水道経営プラン二〇一〇では、この水道文化の継承を局事業の重要な課題として主要施策に掲げております。
 具体的には、高度浄水処理の着実な導入など、安全でおいしい水の供給に向けた各施策を引き続き積極的に推進することにより、日本が世界に誇れる水道文化を守り、次世代へ確実に継承してまいります。
 また、次世代を担う子どもたちに、水道キャラバンやPRカーによる広報のほか、公立小中学校水飲栓直結給水化モデル事業や浄水場見学などのさまざまな取り組みにより、水道水のおいしさや水づくりの実際を体感してもらい、水の大切さや、それを守る施策への理解が、より一層深まるよう努めてまいります。

○山内委員 質問させていただきます。
 先月発表された東京水道経営プラン二〇一〇では、小河内貯水池上流の水源地域にある荒廃した民有林を再生する取り組みとして、平成二十二年度から試験的に民有林を購入していくとのことです。そこで本日は、水道局が水源林で行っている取り組みについて何点か伺いたいと思います。
 森林には、水源の涵養や土砂の流出防止、水質浄化のほか、二酸化炭素の吸収といった多くの機能があります。そこで、改めて水道局が所有する水源林の面積を伺います。
 また、あわせて、この面積が、多摩川流域でどのぐらいの割合を占めているのか伺います。

○吉田浄水部長 水道局では、東京都区部の面積の約三五%に相当いたします約二万二千ヘクタールの水源林を所有しております。この面積は、多摩川の水を取り入れております羽村取水堰上流の流域面積、約四万九千ヘクタールの四四%に相当しております。

○山内委員 水道局では、こうした広大な水道水源林を長期にわたりどのように管理してきたのか伺います。
 また、どのような森林を目指しているのか伺います。

○吉田浄水部長 水道局では、おおむね十年を計画期間とする水道水源林管理計画を策定し、明治末期から計画的に森林管理を行っております。
 現在は、平成十八年三月に策定いたしました平成十八年度から平成二十七年度までを計画期間といたします第十次水道水源林管理計画に基づきまして、森林の適正な保全管理、山地災害の予防や崩壊地の復旧などを行い、引き続き良好な水源林の保護育成に努めているところであります。
 水道局では、土壌と森林の安定化を図り、水源涵養機能を高度に発揮させるために、森林の種類や立地条件に応じた森林の手入れを行っているところでございます。
 天然林につきましては、自然の推移にゆだね、みずからの力で安定した森林に移行させることにより、長期的には、その土地で最も安定した森林の形成を目指しております。
 また、人工林につきましては、立地条件に応じまして二種類の森林に分けて手入れを行っております。
 まず、林道から離れている奥地などの立地条件の悪い人工林につきましては、間伐によって生じた空間に広葉樹の導入を図ることにより、限りなく天然林に近い森林を誘導してまいります。
 一方、林道に近いなど、立地条件のよい人工林につきましては、山地崩壊に対する抵抗力を高めるため、複層林化するとともに、自然に入り込んだ広葉樹を適宜残し、水源涵養機能の高い針広混交の複層林を誘導してまいります。

○山内委員 東京の水源を守るため、長期的な計画に基づいて、適切に管理しているとお聞きしました。
 私の会派では、かねてから、管理しづらい奥山の人工林については、針葉樹から広葉樹にかえて自然に近い森林へ誘導すべきと主張しております。私は、こうした森づくりを進めることによって、森林が持つ多くの機能を発揮することができ、菌類や微生物がいて、小動物から大型動物まで自然の生態系を崩さず、生物の多様性が保たれた豊かな森林を形成することができると考えています。探検家のC・W・ニコルさんも、東京近代水道百周年の記念講演で、東京の水源林を見たとき、すごく感動した、あの森はすごくいい水をつくってくれているといっておられます。引き続き、森林の保全管理を着実に実施していただくことを要望いたします。
 一方で、民有林については、荒廃が進行していると聞いています。日本の林業は、近年の木材価格の低迷や後継者不足の問題により、長期的に不振が続いています。このため、水源地域の多くの民有林では間伐が十分に行われず、樹木の過密化が進み、太陽の光が差し込まず、下草も生えない暗い森になっています。
 また、伐採が行われた後に植林をされずに、そのまま放棄された山があるなど、事態は深刻です。
 そこで、水道局が現在把握している民有林の状況についてお伺いいたします。

○吉田浄水部長 水源への影響が大きい小河内貯水池の上流域では、全森林面積、約二万五千ヘクタールのうち、約四割に当たります一万ヘクタールを民有林が占めております。
 この一万ヘクタールのうち、四割に当たります四千ヘクタールが民有人工林であり、その多くは、林業の不振や間伐などの手入れが行き届いていないことが原因となり、荒廃が進んでいる状況にございます。

○山内委員 かなり広い地域で荒廃が進んでいるようです。荒廃が進むと表土が流れ出し、水も蓄えなくなり、貴重な水源への影響が心配されます。
 こうした中、水道局では、民有林に対する取り組みとして、平成十四年度から、多摩川水源森林隊を設立して活動を行っています。この多摩川水源森林隊では、水源水質の保全の重要性を啓発するための取り組みも進めているとのことです。
 そこで、多摩川水源森林隊の具体的な活動内容について伺います。

○吉田浄水部長 多摩川水源森林隊ではボランティアを主体とし、下刈り、間伐などといった森林保全活動を行っております。
 また、森林保全作業の見学や植栽の体験などの学習活動を実施し、参加者に水源地におけます森林保全の重要性を理解していただいているところでございます。

○山内委員 都民が参加するボランティアの活用という面から、大変有意義な取り組みだと思います。
 多摩川水源森林隊における現在のボランティア登録状況と、これまでの活動実績について伺います。

○吉田浄水部長 平成十四年度の設立以来、ボランティアは着実に増加しており、平成二十二年二月時点で八百七十四名の方に登録をしていただいております。
 多摩川水源森林隊では、毎週木曜日、土曜日、日曜日の週三回、保全活動を実施しており、年間の活動回数は百四十回に及んでおります。
 また、学習活動は、年に三回程度実施しており、参加者に森づくりに対する理解を深めていただくだけではなく、新たなボランティアの獲得にもつながるよう努めております。

○山内委員 私は、この普及啓発という取り組みは非常に重要だと考えています。
 最近、林業を営んでいる方々や設計者などの有志が集まり、東京・森の学校という取り組みが行われています。これは、多くの人たちに東京に森があることを知ってもらい、森の恵みを感じ、理解してもらうことを目的として、まちの人たちに、実際に森林に入り、さまざまな体験をしてもらうという取り組みです。東京の森が豊かな森になるように、市民の活動も始まっています。こうした市民の活動を支援していく仕組みを、ぜひとも進めていただきたいと思います。
 このように、草の根レベルの普及啓発活動も行われていますが、水道局では、普及啓発として、多摩川水源森林隊のほかにどのような取り組みを行っているのか伺います。

○吉田浄水部長 水源地域への来訪者に、水源地や水源林の大切さを理解していただけるよう、水源林内に整備いたしました水源地ふれあいのみちを活用いたしまして、夏と秋の年二回、水源林ふれあいウオークを開催しております。
 また、学校への講師の派遣や教材の提供など、水源地や水源林の学習活動への支援も行っております。
 さらに、水源林の保全管理で発生いたします除伐、間伐材から製作しましたベンチやグッズを多くの方々の目に触れる場所で活用し、木材の有用性についてもPRしているところであります。

○山内委員 都会に住む人は、自分たちの水がどこから来ているのかということに、余り関心を持っていません。水源や森林を保全していくことがどれだけ大変かをわかってもらうためにも、啓発活動は重要だと思いますので、今後、さらに積極的に行っていただきたいと考えます。
 一方、これまで多摩川水源森林隊の事業を実施する中で、課題も見えてきたのではないでしょうか。そこで、多摩川水源森林隊が、荒廃した民有林の保全活動を行う上での活動について伺います。

○吉田浄水部長 多摩川水源森林隊の活動を実施するには、活動のフィールドとして森林を提供していただける森林所有者の同意が必要となります。また、森林隊ではボランティアが主体の活動であるため、活動の範囲や活動量に限界があるなどの課題がございます。

○山内委員 多摩川水源森林隊の活動は、すぐれた施策である一方で、活動の規模に限界があるとのことです。
 荒廃した民有林の再生の仕組みとして、経営プランでは、民有林のモデル購入が上げられています。購入した場合は維持管理をきちんとしていかなければ、民有林を購入する意味がないと考えます。
 そこで、購入した場合は、どのように管理を行っていくのか伺います。

○吉田浄水部長 購入しました民有林につきましては、まず、水道局みずからが速やかに必要な保全措置を実施し、森林再生に向けた取り組みを実施してまいります。その後、既存の水道水源林と同様に、長期的な計画のもとで良好な森林として管理し続けてまいります。

○山内委員 林業が低迷する中、荒廃した民有林が、すぐに改善することは望めない状況ですが、五十年、百年、二百年と、将来を見据えた計画を実行していく必要があります。水源を守るという立場でも、東京の森林を豊かな森に再生できるような取り組みを要望して、質問を終わります。

○桜井委員 どうぞよろしくお願いいたします。
 まず最初に、国際貢献について意見を述べさせていただきます。
 東京水道は、千三百万の都民に給水する世界有数の水道事業体であり、長い年月にわたって蓄積した高いレベルの技術とすぐれた人材、これを有しております。例えば漏水率を三・一%まで低減させてきた漏水防止技術や水質管理技術は、まさに東京水道の強みだと思うわけであります。世界には発展途上国を中心に、衛生的な水を利用できない人々が十一億人もおりますとの国連の報告があり、東京水道への期待は高まっていると仄聞するところであります。
 我が党は、先日の本会議予算特別委員会で、東京水道サービスを活用した新たな国際貢献の取り組みについて取り上げさせていただきました。その中で、知事からは、日本経済の活性化のためにも東京の技術力を世界に示すという力強い言葉があり、また、水道局長からも、幅広い視点で検討しながら新たな国際貢献への取り組みを積極的に推進していくとの答弁がありました。この取り組みは、私としても力強く応援したいと考えておりまして、関係者の総力を挙げて推し進めていただきたいと意見を申し上げておきます。
 次に、貯水槽対策についてお伺いいたします。
 冒頭に申し上げましたが、東京水道の持つ技術、ノウハウは極めて高いレベルにあり、高度浄水処理は、その一つであると考えます。私の地元墨田区では、平成四年度から一部高度浄水が導入されており、地元の方から、水道水がおいしくなったとの声が多く聞かれております。一方で、中高層の建物に設置されている貯水槽の中には、清掃や点検が適切に行われていない事例もあると聞き、これでは、せっかくの高度浄水も蛇口まで届かないことになるわけであります。水道局では、直結給水化の取り組みを進めておりますが、貯水槽の適正な管理、これがやはり重要だと思います。我が党は、これまであらゆる場面で、貯水槽水道対策の重要性について述べてまいりました。
 そこで、まず、これまでの貯水槽水道対策についての取り組みと、その課題についてお伺いをいたします。

○酒井給水部長 当局では、平成十四年の水道法改正施行に伴い、貯水槽水道の適正管理の指導助言を実施するとともに、直結給水の普及促進を図ってまいりました。このため、貯水槽水道方式から直結給水方式への切りかえ条件の緩和や、工事費の無料見積もりサービスなどを実施してまいりました。
 貯水槽水道の設置者に対しましては、貯水槽を適正に管理していくことが重要なことから、クリーンアップ貯水槽と銘打ち、約十六万件を対象に、平成十六年度から、管理状況や設置環境、水質などの点検調査を行ってまいりました。これまで約十万件の調査を実施し、設備や管理に不備のあった施設に対しては、設置者等に指導、助言を行うとともに、水質に問題のあった施設には、保健所と連携して迅速に対応をしてまいりました。
 また、改善が必要な約一万件の施設に対しましては、改善状況の確認のためのフォローアップ調査を実施し、調査したものの約七割の施設で改善が図られました。これらの取り組みの結果、貯水槽設置者の管理に対する意識向上などの効果が得られたと考えております。
 一方、今回の調査で、点検調査を拒否した施設や所有者が特定できなかった施設、約六万件が現場調査未実施となっております。
 さらに、貯水槽内での水の滞留時間が長いため、残留塩素の消費が大きい貯水槽が存在することも明らかとなってきております。

○桜井委員 今の答弁にありました課題や対応方法については、神林委員長が昨年の第四回定例会で意見を申し上げさせていただきました。それに対し、水道局長からは、残留塩素を消費しやすい貯水槽に対して要因を把握し改善策を提案すること、そしてまた、点検を拒否された貯水槽の設置者に対しては、改めて協力を求めていくことの二点について、前向きな答弁をいただいたところであります。今回発表された東京水道経営プラン二〇一〇では、この取り組みがしっかりと三カ年の施策として盛り込まれております。
 そこで、具体的にどのような取り組みを行っていくのか、お伺いをいたします。

○酒井給水部長 今回策定いたしました東京水道経営プラン二〇一〇では、安全でおいしい水をお客様に供給するために、新たに貯水槽水道内での残留塩素消費量に着目し、約八万六千件を対象とした貯水槽水道の適正管理に向けた取り組みを実施することといたしました。
 具体的には、貯水槽の容量に比べて水の使用量が少ないなど、貯水槽内での水の滞留時間が長く残留塩素消費量が多いと推定される貯水槽水道を抽出し、残留塩素消費の原因を把握するための詳細な調査を実施いたします。
 その結果、残留塩素の消費が大きな施設に対しましては、貯水槽の水位調整や、直結給水化、施設の更新に合わせた貯水槽の規模縮小など、原因に応じた適切なアドバイスを実施してまいります。
 また、クリーンアップ貯水槽において、調査拒否や所有者が特定できなかったなどの理由により点検調査が未実施の貯水槽についても、改めて調査を実施してまいります。

○桜井委員 今ご答弁にもありましたとおり、こうした取り組みは非常によいと思いますが、これまでの点検調査では、点検を拒否された貯水槽が多いと私も仄聞しているところであります。これは、設置者が貯水槽の現状を見られたくないと考えたり、しっかり管理をしているので局に見てもらう必要はないと勝手に判断するなど、さまざまなケースがあるのではないかと考えます。場合によっては、衛生行政と連携することも必要と思われます。さらに、平日の昼間は皆忙しい、不在がちとなり、設置者がなかなか立ち会えないことが理由にあるのではないかと思います。
 そこで、私は、なるべく多くの貯水槽について点検調査を実施するため、パンフレットなどにより、取り組みの必要性をわかりやすく説明すること、あるいは、土日や夜間に調査等を実施するなど、さらなる工夫をすべきと考えるところであります。そこで、これまで点検調査をできていない貯水槽に対し、どのように取り組んでいくのか、考えをお伺いいたします。

○酒井給水部長 クリーンアップ貯水槽において、点検調査に協力を得られなかった所有者などに対しましては、貯水槽の適正管理の目的や重要性をわかりやすく記載したパンフレットを用いて丁寧に説明するなどし、点検調査への協力を求めてまいります。
 ご指摘のとおり、所有者等の要望に柔軟に応じ、点検調査の実施日を土日にも拡大するなど、協力を得られるよう工夫を図ってまいります。さらに、所有者が特定できず、点検調査を実施できなかった貯水槽につきましては、不動産登記情報の活用や居住者などからの聞き取り調査をきめ細やかに実施してまいります。これらの取り組みを着実に行うとともに、法令に基づく権限を有する衛生行政と連携し、貯水槽水道の適正管理の徹底を図ってまいります。

○桜井委員 今のご答弁にもありましたとおり、水道局が貯水層の適正な管理に向け、そこまで取り組んでいくというお話は本当に評価をするところであります。
 都内には大変な数の貯水槽があります。小まめな対応が必要でありますので、ぜひ、一人でも多くの都民に、安全でおいしい水を届けることができるよう、積極的な取り組みをお願いいたしておきます。
 次に、財政運営についてお伺いをいたします。
 ここまで貯水槽水道対策について取り上げさせていただきました。このほかに水道局の進める大規模浄水場の更新や震災対策の充実などは、今後の安定給水に欠かせない大事な取り組みであります。例えば、震災対策でいえば、私の地元である墨田区では、震災時の断水率が極めて高いと予測されており、我が党といたしましても、かねてから地盤の脆弱な区部東部地区の震災対策の充実を求めてまいったところであります。
 先ほど申し上げた水道局の経営プランの中で、私が特に注目しているのが、水道管路の耐震強化であります。新潟県中越地震の被災者アンケートの結果では、ライフラインの機能停止により困難を感じた第一位は水道でした。また、用途別の困難度では、ふろ、洗濯、トイレが上位を占めており、水道は何より生活に欠かせないものであり、もし震災が発生したならば、被災住民の悲鳴を上げる姿が目に浮かぶところであります。
 水道局では、今後十年間で集中的に投資を行うことにより、震災時に被害を受けやすい継ぎ手部分の耐震化を進めていくとのことでありますが、先日の本会議における我が会派との質疑で、水道局長から、本事業を進めることで、この十年間で、震災時の平常給水への復旧日数を、これまでの三十日以内から二十日以内へと大幅に短縮できるとの答弁をいただいたところであります。
 しかし、これまで実施してきた事業に加えて、十年間で集中的な投資を行うということになると、相当の財政的なインパクトがあると考えるところであります。そこでこの十カ年事業の計画化に当たっての背景、そして考え方をお伺いいたします。

○森総務部長 当局では、管路の耐震継ぎ手化に着実に取り組んでまいりましたが、大規模地震発生の切迫性が指摘される中、震災対策に対する都民のニーズはますます高まっておりまして、取り組みの一層の強化が求められております。
 そこで、震災時における断水率の低減と復旧日数の短縮を図るため、耐震継ぎ手管への取りかえを大幅に前倒しして実施することといたしました。
 事業の計画化に当たりましては、まず、利根川水系の高度浄水施設の建設が、平成二十五年度に終了する見込みであること。また、大規模浄水場の集中更新の開始がおおむね十年後となること。さらに、企業債の発行抑制に努めた結果、償還額の減少が図られるとともに、修繕引当金を計画的に計上するなど、財政対応力が向上していること。などを総合的に勘案いたしまして、計画期間を十カ年とし、総事業費は、既定のベースと比較して約三千億円の増となる約五千億円として計画することとしたものでございます。

○桜井委員 今の答弁にありました十年間で五千億の事業費となれば、決して財政負担は少なくありません。ましてや平成三十年代以降一兆円に達する大規模浄水場の更新に備える必要があると考えます。そこで今後の中長期的な財政運営については、なかなか答えにくいと思いますが、もし、お考えがあればお伺いをいたします。

○森総務部長 水道事業には、公共性とともに、独立採算で事業を運営する地方公営企業として、経済性の発揮が求められていることから、これまでも職員定数の削減や既定経費の節減、資産の有効活用など、徹底した企業努力を行ってまいりました。
 一方、基幹施設の整備の見通しといたしましては、大規模浄水場の本格的な更新時期を迎えるともに、水道施設の耐震強化が急務となっていることから、今後、多額の財政需要が見込まれます。
 こうした状況下におきましては、拡張期のような企業債に頼る財政運営では、有利子負債が増加し、財政の硬直化を招くおそれがございます。したがいまして、投資資金の一部を、大規模浄水場更新積立金として積み立てるほか、アセットマネジメント手法の活用によります事業の平準化や、工事コストの一層の縮減に取り組むことによりまして、可能な限り有利子負債を増加させない財政運営を行っていくことが重要であると考えております。

○桜井委員 ぜひ、今後ともよろしくお願いをしたいと思います。
 水道は、膨大な設備産業であります。この膨大な設備をつくり、動かし、そして管理していくためには、人、物、金といった経営資源を最大限に、これを有効活用することが重要だと考えておるところであります。
 首都東京は、高度経済成長期に発展を遂げてまいりました。その首都東京の発展とともに、地方は追従して成長してきたわけであります。したがって、やがて地方は、東京と同じ問題に必ず直面すると考えます。ぜひこの取り組みを東京モデルとして、全国のリーディングケースとなるよう発信すべきと考えます。
 今回策定された経営プランを拝見しましたが、経営方針には、安心・安定、広域・国際、お客様サービス、次世代、経営基盤という五つのキーワードがあります。まさにこのキーワードを見れば、水道事業の隅々まで目配りの行き届いた計画だと考えるわけであります。このプランを実現してこそ、都民の負託にこたえられると私は考えるわけですが、最後に、経営プラン二〇一〇の実現に向けた水道局長の決意を伺って私の質問を終わります。

○尾崎水道局長 これまで当局は、高度浄水施設の建設を推進するとともに、安定水源の確保、施設の耐震強化、水質管理の徹底、直結給水方式の普及拡大など、さまざまな事業を着実に実施してまいりました。
 しかし、大きな変化を迎えつつある今日、首都東京の都市インフラとしての使命を果たし続けるためには、将来を視野に入れた新しいステージを展開していくことが必要であります。
 このたび策定した新しい経営プランにおきましては、耐震化のスピードアップ、一歩踏み込んだ国際貢献、低炭素型システムへの転換など、さまざまな施策において高い目標を掲げております。このプランを着実に達成していくため、施策、財政、体制の三つの視点を踏まえながら、当局の持つ経営資源を最大限に活用し、不退転の決意を持って取り組んでまいります。さらに、東京が直面する課題を解決し、処方せんを示すことで、我が国の水道事業の発展に貢献していきたいと考えております。

○神林委員長 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本案及び報告事項に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○神林委員長 異議なしと認め、予算及び報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で水道局関係を終わります。

○神林委員長 これより下水道局関係に入ります。
 初めに、請願の審査を行います。
 二二第三号、上・下水道料金と工業用水道料金の減免措置及び減免率の維持に関する請願を議題といたします。
 理事者の説明を求めます。

○細野総務部長 それでは、請願二二第三号につきましてご説明申し上げます。
 お手元の資料、請願・陳情審査説明表をお開き願います。
 この請願は、用水型皮革関連企業協議会会長の本田桂一さんから提出されたものでございます。
 請願の趣旨は、平成二十一年度末をもって終了予定の油脂・皮革関連企業に対する下水道料金の減免措置及び減免率を継続していただきたいという内容でございます。
 現在の状況でございますが、用水型皮革関連企業に対する下水道料金の減免措置は、平成十九年第一回都議会定例会における決議の趣旨を尊重し、一般会計からの減収分の補てんを前提に、独立採算の原則及び負担の公平の原則に対する例外措置として、平成二十二年三月三十一日まで実施しているところでございます。
 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

○神林委員長 説明は終わりました。
 念のため申し上げます。本件中、水道局所管分に対する質疑は既に終了しております。
 本件について発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕

○神林委員長 発言がなければ、お諮りいたします。
 本件は、趣旨採択とすることにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○神林委員長 異議なしと認めます。よって、請願二二第三号は趣旨採択と決定いたしました。
 以上で請願の審査を終わります。

○神林委員長 次に予算の調査、付託議案の審査及び二件の報告事項に対する質疑を行います。
 第二十九号議案及び第九十号議案並びに報告事項、東京都下水道事業経営計画二〇一〇及び地球温暖化防止計画アースプラン二〇一〇について一括して議題といたします。
 予算及び付託議案並びに報告事項につきましては、いずれも既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
 発言を願います。

○くまき委員 私からは、下水道事業の温暖化対策についてお伺いいたします。
 下水道局は、このたびアースプラン二〇一〇を策定し、二〇二〇年度までに、下水道事業から排出される温室効果ガスを、二〇〇〇年度比で二五%以上削減することを明らかにされました。
 一方、ことしの四月、もう来月ですが、環境確保条例によりまして、都内の工場やビルなど大規模な事業所に対して、温室効果ガスの排出総量削減が義務化されるとともに、排出量取引制度が導入をされます。この条例では、事業所ごとに、二〇一〇年度から二〇一四年度の五年間、六%の削減を義務づけています。都民に温室効果ガス削減義務を課すのであれば、まず都の事業所がみずから率先して削減の取り組みを行うべきではないでしょうか。
 下水道局は、水再生センターなど大規模な事業所を有しており、このことから環境確保条例の削減義務の対象になる事業所も多いかと思います。まず、この条例によって下水道局ではどのような削減義務を負うのか伺います。

○宇田川計画調整部長 この条例では、燃料、熱及び電気の使用量が原油換算で年間千五百キロリットル以上の事業所が対象になり、削減義務の対象となる温室効果ガスはCO2のみでございます。下水道局で対象となる事業所は、すべての水再生センター及び汚泥を処理するプラント、さらに、大規模な三カ所のポンプ所の計二十四事業所となります。これらの事業所に対しまして、CO2を六%削減することが義務づけられます。

○くまき委員 水再生センターなど二十四事業所が条例の対象施設となるとのことですけれども、それでは、対象となる事業所の温室効果ガスの排出状況について伺います。

○宇田川計画調整部長 下水道事業から排出される温室効果ガスには、燃料や電力の使用に伴って発生するCO2と、水処理や汚泥焼却の過程で発生するCO2の三百十倍の温室効果を持つN2O、一酸化二窒素があります。対象となる二十四事業所の温室効果ガス排出量の合計は、二〇〇八年度の実績で約八十一万トンでございまして、このうち条例の削減義務の対象となりますCO2は、排出量の半分に相当する約四十一万トンでございます。

○くまき委員 下水道施設では、条例の対象となるCO2四十一万トンと、大量に排出していることがわかりました。そのような大量のCO2の具体的な排出状況について、今後の排出見通しも含め、お伺いいたします。

○宇田川計画調整部長 下水道局では、一日に、東京ドーム約五杯分に相当いたします五百九十万立方メートルの下水を処理しておりまして、その過程で、電力や燃料などを多く使用しております。
 電力につきましては、まちを浸水から守るためのポンプ設備や、下水を処理するための反応槽へ空気を送り込む送風機、汚泥を焼却するため、汚泥に含まれる水分を減少させるための脱水機などで多く使用しております。
 また、燃料につきましては、汚泥の焼却に必要な都市ガスや非常用発電設備を運転するために必要な灯油などで多くを使用しております。今後も、浸水対策や合流式下水道の改善、高度処理などの施策を進めることに伴いまして、電力や燃料の使用量がふえ、CO2の排出量は増加する見込みでございます。

○くまき委員 今後もCO2の排出は増加する傾向にあるとのことですが、条例の対象となる水再生センターなどにおいて、どのようにCO2の削減に取り組んでいくのか伺います。

○宇田川計画調整部長 下水道局では、アースプラン二〇〇四によりまして、省エネ機器の導入や小水力発電、バイオマス発電などを進め、電力使用量の削減に努めてまいりました。このたび新たにアースプラン二〇一〇を策定いたしまして、これまで以上に温室効果ガスの削減に取り組むことといたしました。
 電力の削減につきましては、省エネ機器の導入など、個々の機器による従来からの対策に加えまして、水処理などの処理工程全体に着目し、省エネ機器を最適に組み合わせたシステム化も図ってまいります。
 燃料の削減につきましては、汚泥の水分をより一層減少させて燃えやすくするなど、汚泥処理の工夫を行ってまいります。
 これらの取り組みによりまして、条例で定めるCO2削減義務を、局全体で達成できる見込みでございます。

○くまき委員 省エネ機器の導入に加えて、さまざまな工夫をすることで積極的にCO2削減に取り組み、削減義務を達成できる見込みであるということがわかりました。
 しかし、都庁の一員である下水道局は、自身の削減目標を達成することで満足するのではなく、さらに少しでもCO2削減量をふやし、排出量取引制度などを活用して、民間事業と共同して、東京都全体でのCO2削減を促進していくことが肝要かと考えます。
 四月からの制度の導入を見据え、民間と連携して温室効果ガス削減へ向けた取り組みをすべきかと思いますが、いかがでしょうか。

○宇田川計画調整部長 当局は、これまで、バイオマス発電や小水力発電で得られるCO2削減の環境価値を、グリーン電力証書制度によりまして、民間事業者へ販売を進め、昨年度は約一千三百万キロワットアワーを販売いたしました。これは、約五千トンのCO2削減効果に相当いたしまして、これを購入した民間事業者は、みずからがCO2の削減をしたものとみなすことができます。
 また、下水の持つ熱エネルギーを地域冷暖房事業として民間事業者へ供給するなど、民間と連携した温室効果ガスの削減へ向けた取り組みを実施してまいりました。
 アースプラン二〇一〇では、グリーン電力証書制度の活用や、芝浦水再生センターの再構築に伴って建設される民間の上部ビルに対しまして、冷暖房用に下水処理水を活用した熱供給事業を予定しておりまして、民間事業者と連携した温室効果ガスの削減も進めてまいります。

○くまき委員 削減義務量が未達成の場合には罰則規定がございます。民間の模範となるべき下水道局が、知事から措置命令を受けるというようなことにならないようにぜひお願いをいたします。
 下水道局は、都庁の事務事業活動で排出される温室効果ガスの約四割を排出しているとのことでありまして、その削減は容易なことではないと思いますが、ぜひ環境確保条例の削減義務を達成するとともに、民間事業者や都民と協力して、確実に温室効果ガス対策を進めていただきたいと思います。
 また下水道事業は、都民生活とも直結をしており、生活者である私たち都民も、地球温暖化防止をしっかりと意識しまして、下水道事業に協力していくことが必要だというふうに思います。
 「油・断・快適!下水道」キャンペーンで、下水道に油を流さないでくださいなどと、もう既に普及啓発されておりますけれども、そういった都民に協力を求めていくことを、さらに積極的に行っていくことも必要ではないでしょうか。
 いずれにいたしましても、次世代を担う子どもたちの未来のために、地球温暖化防止に向けて、あらゆる対策に取り組んでいただくことを強く要望いたしまして、私の質問を終わります。

○神林委員長 この際、議事の都合によりおおむね十五分間休憩をいたします。
   午後二時四十九分休憩

   午後三時五分開議

○神林委員長 休憩前に引き続き委員会を開きます。
 質疑を続行いたします。
 発言をお願いいたします。

○鈴木委員 それでは、私の方からも、経営計画二〇一〇について、今後の取り組みへのエールを込めてお伺いをさせていだきます。
 下水道事業は、ご承知のように、毎日の生活や生産活動によって生じる汚水や雨水を速やかに排除して、生活環境の改善をするほか、公共用水域の水質保全を図るとともに、近年では、下水処理水を初め下水汚泥や下水道施設の有効活用をするなど、循環型社会にも対応する施設として、なくてはならない社会資本であります。その歴史は、我が国の近代化とともに歩んできたわけでありますが、今日の経済発展、快適な生活がその光とすれば、そこから生じるさまざまな社会問題化した影の部分に対し、しっかりと対応してこられたのが下水道事業であると思っております。
 特に都においては、現在、下水道局が管理する下水道管の総延長は、東京とシドニーを往復する距離に相当する一万六千キロにも及び、また都における二十カ所の水再生センターでは、毎日高い技術を駆使して、東京ドーム約五杯分に相当する五百九十万立米の下水を処理し、この膨大な施設をいっときも停止させることなく、日々適切に維持管理されております。
 今日、東京の公衆衛生のレベルの高さは世界一であると、うれしい話が内外の多くの方々から聞かれるようになりましたが、それはまさに、日本の首都東京の大きな魅力の一つにまで高められてこられた下水道局を初め関係各位のご努力によるものと思います。
 明治十七年に整備された神田下水約四キロをスタートとして、関東大震災、戦後の復興、高度成長期を経て今日に至るまでの人知れずのご苦労に心から敬意と感謝を表します。
 私は、こうしたことを踏まえ、今回出されました新たな経営計画を拝見させていただきますと、さらに都市化が進み、環境に対する高い要望、また防災への要望等、新たな都民ニーズをしっかりと受けとめ、そうした課題に積極的にチャレンジしていこうとする熱い思いが感じられます。また都民の、住みよい、そして安心で快適な環境は、自分たちがつくり出していくんだという強い意思が伝わってくるものと思っております。
 この新たな経営計画に込められた局としての思いや決意は、最後にお伺いいたしますが、初めに、この経営計画全体の具体的な内容について幾つかお伺いしてまいります。
 まず、この経営計画には、冒頭に経営方針が示されております。都民からすれば、これから下水道局がどういった方向で仕事をしようとしているのか、まずここで見ることができるわけでありますから、明確な経営方針を示し、これから局が行っていこうとしていること、やるべきことを、わかりやすく都民に説明し、ご理解いただくことは大変重要なことであります。
 今回の経営方針は、お客様の安全を守り安心で快適な生活を支える、良好な水環境と環境負荷の少ない都市を実現する、最少の経費で最良のサービスを提供する、の三点でありますが、この経営方針が、お客様である都民の皆様への約束であるということも書かれております。このことは、事業実施にかける下水道局の意気込みも感じられるところであります。
 そこでまず、今般の経済情勢などの事業環境が不透明な中、今回、経営計画を策定した趣旨、そして意義についてお伺いいたします。

○細野総務部長 ご指摘のように、景気の先行き不安など、下水道事業を取り巻く環境は予断を許さず、経営面においても、下水道料金収入が減少傾向であること、施設の増加により維持管理経費が増加することが見込まれること、企業債の償還額が、当面、高水準で推移することなど、大変厳しい状況にあります。
 しかし、東京の下水道は、整備普及から長い年月を経て老朽化した施設が急速にふえる一方、社会的な関心が高い東京湾の水質改善や温室効果ガスの削減など、新たな要請も高まっております。こうした首都東京が抱える喫緊の課題や、下水道に対する高度化した要請に着実にこたえていくため、三カ年の経営計画を策定したものであります。
 今回の経営計画では、下水道事業のこれまでの到達点をもとに、中長期的な目標を明らかにするとともに、その達成に向け、事業の優先順位を明確にし、取り組みを重点化いたしました。これに基づき、基幹施設の整備等、抜本的対策に本格的に取り組んでまいります。

○鈴木委員 このような厳しい状況にもかかわらず、明確で、そして高い目標を掲げることは大切なことであると思います。何事もまず志を立てる、目標を立てることから始まるわけでありますので、どうぞ、その実現に向けて頑張っていただきたいと思っております。
 下水道は、都民生活や都市活動を行う上で、今、いっときたりともなくては済まされないものであります。そしてより快適で豊かな都民生活の未来に向け、下水道のサービスを向上させていかなければならないと考えます。
 下水道のようなインフラの整備には非常に長い時間がかかります。しかし、施設の多くが地下にあることもあって、一般の方々の理解は必ずしも十分とはいえません。経営計画の中で、三カ年で行う具体的な工事箇所などを明示することはもちろん大事なことでありますが、下水道のサービスが、将来、何を目指すのか。そのために何をしていくのかを明らかにすることが副題にある。東京の今を支え、あすをつくる下水道にかなうものだと思います。
 経営計画は、こうした中長期的な事業の進め方などについても、都民にPRしていく絶好の機会であると思いますが、そのためには、都民にわかりやすい計画であることがまず大事であります。今回の経営計画において、どのような工夫をされたのか、お伺いいたします。

○細野総務部長 下水道は地下にあって見えにくい上に、施設の計画、建設、維持管理まで、非常に長い時間を要することから、目標としているサービスの内容がどのようなものなのか、あるいはそのサービスのレベルがいつできるのか、そして今、どの段階なのか、こういったことが都民の皆様にはなかなかわかりにくい面がございます。
 そこで、今回策定した経営計画では、再構築や合流式下水道の改善など、主要施策について、計画期間の三年間で実施する内容はもちろんのこと、中長期的な目標も明らかにしました。それと同時に、まず、これまでの取り組みと到達点をお示しし、現在での課題を明らかにし、その上で、その課題に対する三カ年の取り組みと到達目標、事業効果をお示しすることといたしました。こうした工夫をすることによって、都民の皆様にわかりやすい計画としたものでございます。

○鈴木委員 サービスの質の向上を、都民の方々に理解していただくことは、行政が忘れてはならない大切な事項であると思っております。ぜひとも、都民の方々にご理解いただけるような計画、そしてPRに努めていただきたいと要望いたします。
 それでは次に、今回の経営計画二〇一〇に掲げられた主な取り組みの中で、区部の取り組みについて、私の地元の大田区での取り組みを含め何点かお伺いしていきたいと思います。
 まず、経営方針の柱の一つであります都民の安全・安心を守るための取り組みについてお伺いいたします。下水道管の再構築や浸水対策にどう取り組むのか、まずお伺いいたします。

○宇田川計画調整部長 下水道管の再構築につきましては、古くに整備した地域であります都心四処理区一万六千三百ヘクタールを対象に実施してまいりました。今年度までに、このうち三千三百ヘクタールを超える再構築を完了いたします。
 今後は、高度経済成長期に整備した下水道管が一斉に更新期を迎えるため、これまでの整備ペースを二割アップいたしまして、三年間で千二百ヘクタールの再構築を実施し、平成四十一年度までに、都心四処理区での完了を目指します。
 また、浸水対策につきましては、これまで、できるところからできるだけの対策を行うという方針で、下水道幹線の一部を先行して整備し、貯留管として活用するといった対策などを行う雨水整備クイックプランを実施してまいりまして、事業効果の早期発現を目指してきました。
 しかし、頻発する豪雨による浸水被害を踏まえまして、雨水排除能力を抜本的に向上させるため、対策促進地区二十地区に重点化いたしまして、下水道幹線やポンプ所などの基幹施設を整備してまいります。三年後には、このうち九地区を完了させまして、平成二十九年度までに二十地区を完了させることを目指してまいります。

○鈴木委員 力強いご答弁いただきまして、本当にうれしく思っております。
 都内の下水道管は、高度成長期に集中的に整備した経緯から、老朽化により道路陥没の原因になるなど、都民生活にも多大な影響が生じます。また都市化の進展に当たり、下水道への雨水流入量が、高度成長期以前の一・六倍に増加しており、整備された地域でも、雨水排除能力が不足しており、また近年の局所的な集中豪雨の発生など、喫緊の課題として全速力で取り組んでいただきたいと要望いたします。
 また、私は、昨年この委員会で、下水道の震災対策について質問し、局長から、災害に強い下水道を目指し、局を挙げて全力で取り組むとの答弁をいただきました。震災対策について、経営計画ではどのように進めようとしているのか、お伺いいたします。

○宇田川計画調整部長 震災対策につきましては、震災時の交通機能を確保するため、地盤の液状化によるマンホールの浮上を抑制するための対策を進めてきておりまして、第一京浜国道などの緊急輸送道路約五百キロメートルにおきまして、平成二十二年度までに完了させるとともに、さらにその後は、避難所へのアクセス道路につきましても対策を拡大してまいります。
 また、震災時のトイレ機能を確保するため、避難所などの排水を受け入れる下水道管の耐震化を進めてきておりまして、三年後までに二千百二十カ所を完成させまして、平成二十七年度までには、大田区内の百二カ所を含めた約二千五百カ所のすべての避難所において完了させる予定でございます。

○鈴木委員 答弁にもありましたが、震災時には、下水道管の破損やマンホールの浮上などにより、下水道が使えなくなるだけでなく、緊急車両の通行にも支障を来す懸念があります。阪神大震災の折は、私も現地にボランティアとして行きましたが、トイレ機能の確保は大変重要な問題でありました。ぜひ、いつきてもおかしくない震災に対して万全の備えをしていただきますよう、これもまた事業の重点化を図るなど、これも全速力で取り組んでいただきますよう要望いたします。
 次に、経営方針の二つ目の柱である良好な水環境の実現に向けた取り組みについてお伺いいたします。
 幾つかの施策が取り上げられておりますが、その中で、私が以前から注目している合流式下水道の改善について伺いたいと思います。
 合流式下水道では、晴天時には、汚水が水再生センターへ流れ、処理されておりますが、いざ大雨が降ると、汚水まじりの雨水が河川などに流出する難点があるわけであります。しかし、都市における河川は、住民の憩いの場であり、オアシスであるべきです。都民は河川に潤いのある水辺空間を求めているのであります。
 私の地元大田区の呑川や内川などでも、合流式下水道の改善事業が行われる予定となっており、その効果には非常に期待をしているところでありますが、合流式下水道の改善についてどのように取り組んでいくのかお伺いいたします。また、この取り組みにより、どのような効果が得られるのか、あわせてお伺いいたします。

○宇田川計画調整部長 合流式下水道の改善対策といたしまして、まず、雨水吐け口におけますごみなどの流出抑制対策を、平成二十二年度までにおおむね完了させます。さらに、降雨初期の汚れた下水を貯留いたしまして、晴天時に水再生センターに送水して処理するための貯留施設などの整備を行ってまいります。
 大田区内にあります内川や呑川など、流れが少なくよどんでいることで水質が悪化しやすい河川区間など、十四の水域で貯留施設などを重点整備することとしておりまして、平成四十一年度までに百九十万立方メートルの貯留施設の整備の完了を目指しまして、三年間で百二万立方メートルまで整備いたします。
 二十三区内では、将来的に三百六十万立方メートル、東京ドーム三つ分に相当する貯留施設を整備することとしておりまして、その効果は、一年間に放流される総汚濁負荷量を分流式下水道と同程度とすることを目指しております。

○鈴木委員 合流式下水道の改善を図るため、膨大な量を貯留する施設を整備し、しかも、ためた下水を晴天時に水再生センターで処理して川に流すという計画であります。このような手法で合流式下水道の機能を強化していくことは、良好な水辺空間の創出につながるものであり、ひいては、都が目指す東京湾の水質改善にも大きく寄与するものと期待しております。
 これまで伺ってきたことから明らかなように、再構築や浸水対策について、事業のスピードアップを図り、また、合流式下水道の改善など、水質改善対策を推進していくというのが経営計画の事業内容であると思っております。
 一方、こうした施策を進めていくに当たっては、事業費の問題もあると思います。今回の経営計画における事業費についてどのようにお考えなのか、お伺いいたします。

○細野総務部長 経営計画二〇一〇では、再構築、合流式下水道の改善、地球温暖化対策など、都が直面する喫緊の課題、あるいは各地域が抱える課題に着実に対応していくため、施設整備を加速することといたしました。そのため、三カ年の建設投資額を、現行の経営計画二〇〇七と比較いたしまして、区部では、三千七百五十億円から四千百五十億円へと、四百億円増額いたしました。また、流域下水道においても、四百三十二億円から四百七十三億円へと四十一億円増額しております。

○鈴木委員 事業費を増額して取り組むということですが、事業を着実に進め、都民の安全・安心を守り、良好な環境を次世代へも引き継いでいくよう、積極的に取り組んでいただきたいと思います。
 しかし一方で、先日の予算特別委員会で、我が党の質問に対して答弁がありましたが、国の補助金の交付金化が行われるなど、事業の裏づけとなる財源の確保が確実にされるのか不透明さが増しております。ひもつき財源といわれる補助金が、自治体の裁量で取り組める財源になることは、地方分権が叫ばれる今日、大切な視点でありますが、単なる地方交付金の一部となると、不交付団体の住民には大変な不利益であり、看過できないものであります。万が一、こうした暴挙が行われるようになると、事業費の増は下水道財政を圧迫し、下水道料金にはね返り、この厳しい経済状況において、都民の負担がふえるのではないかとの心配もしております。
 今日の現政権の住民を無視した政治姿勢から考えると、こうした心配は、必ずしも杞憂とはいえないと思っております。というのも、ただでさえ都財政はこれまでにない最大規模の税収減という極めて厳しい状況に直面しており、下水道財政も楽観できないものではないかと思うからであります。事業費の増額については、裏づけとなる財源の確保や都民負担を懸念しますが、これについてお考えをお伺いいたします。

○細野総務部長 まず財源の確保でございますが、建設事業費の主要な財源であります国庫補助金については、仮称でありますが、社会資本整備総合交付金になるといった制度変更が予定されております。
 これについては、例えば、平成二十二年度の取り扱いに関して、既存の補助金で実施してきた事業については、年度当初からの速やかな執行を図る観点から、手続面において経過措置を設ける、といったことなどが示されておりますが、平成二十三年以降については、いまだに制度の詳細は明らかになっておりません。交付金化されるといっても、下水道事業の必要性は何ら変わるものではありません。国への提案要求などの働きかけを積極的に行うことにより、必要な財源の確保に努めてまいります。
 次に、財政運営についてですが、引き続き企業努力の取り組みを推進して、経営基盤の強化を図るとともに、料金収入や企業債残高の推移、経済情勢などを注視しながら、計画的に事業を進めることによって、都民負担の増加を招かないように努めてまいります。
 今回の経営計画では、こうした努力をすることで、都民の皆様に新たな負担をお願いすることなく事業を実施できる見込みでございます。この結果、区部の下水道料金については、平成十年度から十五年間の据え置きとなり、流域下水道の維持管理負担金については、昭和五十七年度から三十一年間の据え置きとなります。

○鈴木委員 力強いご答弁をいただき、ともに頑張らせていただこうという思いにさせていただきました。経済情勢が依然として先行き不透明な中、都の責任として事業を推進していくためには、まず足元の経営基盤を強固なものとすることが大事であると思います。企業努力の手綱を緩めることなく、しっかりと取り組んでいかれることを要望しておきます。
 繰り返しになりますが、経営計画二〇一〇に掲げた事業は、いずれも、安全で安心、快適な都民生活に必要不可欠であり、したがって、完全達成が求められるものであります。経営計画の目指すところに向けて、事業の面でも、経営の面でも、下水道局が一丸となって取り組んでいくことが重要であります。そこで、冒頭述べさせていだきました、このたびの経営計画に込められた思い、また、経営計画の目標実現に向けた局長の決意を伺って質問を終わります。

○松田下水道局長 ただいま、下水道事業に携わる者にとって大変心強いご意見をいただきました。
 下水道事業では、老朽化する施設が急増する一方、料金の収入は減少傾向が続くなど、経営環境は大変厳しさを増していきます。
 下水道事業は、下水道管の耐用年数が五十年ということに見られますように、長期的な視点に立った経営、事業展開が必要でございます。にもかかわらず、下水道事業の財源につきましては、ただいまご指摘ありましたが、国の見通しが大変不透明、ただいま答弁させていただきましたけれども、二十三年度以降極めて不透明であります。国の都への補助金は毎年四百億円以上きておりますが、その影響は大変大きいものがございます。しかし、そういったことに振り回されることなく、経営計画に基づき、着実に事業を進めてまいります。
 また経営計画では、都の下水道事業として十年先、二十年先、さらに、将来を見据えてなすべきことを体系的にお示ししてございます。これは私たちだけではなくて、多くの下水道関係者にとっても一つの目標になると考えております。
 経営計画の目標達成に向けまして、先進的なすぐれた技術、運営能力、資産のポテンシャルなどを最大限に活用し、お客様サービスのより一層の向上を目指し、徹底した経営効率化を通じて経営基盤を強化して、積極的な事業展開を図ってまいります。そして、委員ご指摘のように、長い歴史を持つ東京の下水道、積み重ねてきたこの成果、これをさらに発展をさせまして、新たな課題にも挑戦し、これからも東京の下水道が、日本の下水道をリードしていけるよう、私自身、先頭に立って全力を挙げてまいります。

○木内委員 さっき休憩時間のときに、ベテランの樺山理事から、審議促進についての極めて重要なご指摘がありました。したがって、今お二方が質疑に立ったわけですけれども、この内容の重複を避けて、端的に何点か伺いたいと、こう思いますのでいかがでしょうか。
 局が今回策定した経営計画二〇一〇でありますけれども、都民の安全・安心を守るという観点で、下水道管の老朽化対策、特に身近にありますこの下水道管が原因となって発生している道路陥没の問題、まず触れたいと思います。
 道路陥没は、いうまでもなく、都民に心情的に非常に不安を与える、規模の大きさにもよるわけでありますけれども。車両の渋滞や歩行者の通行の支障になるなど、都民生活やその機能に大きな、実は影響を与えるわけでありまして、大げさにいえば、社会資本の損失につながる、そんなこともあるのではないかと懸念をしているわけであります。
 経営計画の資料を拝見すると、年間約一千件起こっているそうでありますけれども、時系列的に、かつての時代から比べて、どんな推移をたどってきているか、端的にお答えを願います。

○黒住施設管理部長 下水道管に起因する道路陥没は、家庭などからの下水を下水道管につなぐ口径の小さな陶器製の取りつけ管において発生する場合が多く、発生原因の約八割を占めております。
 道路陥没の主な原因は、老朽化や衝撃による損傷でこの取りつけ管が破損し、周りの土が管の中へ流れ込むことで、道路の下に空洞が発生することによるものと考えられます。なお、取りつけ管は、道路陥没の対策済みの四十七万カ所を含めて百八十七万カ所ございます。
 道路陥没の発生件数は、平成十一年度の一千四百九十九件に対しまして、取りつけ管の取りかえなどの対策を行いましたことで、平成二十年度には八百三十三件と、大幅に減少しておりますが、過去五年間の平均では、まだ、年間一千件程度発生しております。

○木内委員 今ご報告のように、十年前は約千五百件だった。最近は一千件程度と三分の二に減ってきている。しかし、まだ十分な対策とはなっていない。今後進めていく必要があると思います。
 これまで局は、老朽化した下水道管の再構築に取り組んできている。こうした大規模な工事だけじゃなくて、今もお話ちょっと触れておられたけれども、原因の多くを占めるこの百八十七万カ所というのですね、この膨大な数の取りつけ管における対策を効率よく進めていかなくてはいけない。特に瀬戸物はだめだっていうんだね、陶器製の物。そういう話でしょう、わかりやすくいえば。この取りつけ管が原因の道路陥没を減らすための取り組みを精力的に進めていただきたいと思うんだけれども、どうでしょうか。

○黒住施設管理部長 平成十二年度に策定いたしました再構築クイックプランでは、過去の道路陥没実績と下水道管の老朽度から、道路陥没多発地区として、千代田区富士見、九段北など十三地区、二百七十三ヘクタールを選定し、再構築による道路陥没対策を実施してまいりました。
 また平成十六年度に策定しました新・再構築クイックプランでは、取りつけ管に特化した対策を行うこととし、道路陥没が多発している中央区銀座など六地区、二百七十六ヘクタールを対象に、道路陥没対策を実施してまいりました。
 この取りつけ管の対策につきましては、陶器製の取りつけ管をより衝撃に強い硬質塩化ビニール製の管に取りかえることとしております。これらの対策によりまして、取りつけ管に起因する道路陥没は着実に減少しております。

○木内委員 これは答弁要りませんけれども、道路陥没多発地区というのは、古いまち並みというか、都心部でも随分散見できるという今の話ですね。千代田区富士見、九段北、中央区銀座ということでありますから。しかし取りつけ管に起因する道路陥没が着実に減少してきているということでありますが、これは根絶に向けてさらに努力をお願いしたいと思うし、取り組みを前倒しして、ぜひ、さっき鈴木委員は、全速力と何度もいわれたけれども、全力でやはり精力的に取り組みを要望したいんですが、どうでしょうか。

○黒住施設管理部長 取りつけ管に起因する道路陥没につきましては、道路陥没が多く発生している地区から、計画的にすべての陶器製の取りつけ管を硬質塩化ビニール管のビニール製の管へ取りかえることとしております。
 先ほどご答弁申し上げました新・再構築クイックプランでは、道路陥没の多い地区に特化した取りつけ管対策を行ってまいりましたが、その効果が確認されましたことから、今後も、この重点地区を拡大し、効果的な対策を進めてまいります。これによりまして、取りつけ管を硬質塩化ビニール製に取りかえた割合を、経営計画期間中の三年間で、六ポイント上げまして、平成二十四年度末には三一%とする計画でございます。今後とも、道路陥没の発生抑制に努め、お客様の生活の安全・安心を確保してまいります。

○木内委員 次に、先ほども、どなたか触れておられたので、角度をちょっと変えてお尋ねをしなきゃいけないんですけれども。合流式下水道の改善という課題であります。
 下水道が目指す良好な水環境の実現という観点から、合流式下水道、この整備というのは急がれるわけでありますけれども、区部ではその八割の地域が、今、合流式下水道整備になっている。これは一本の管を整備することと汚水と雨水を同時に排除することができるため、早期に下水道が普及し、水環境の改善や浸水被害の軽減等に大きく寄与してきたことも事実であります。
 例えば、江東区内でも、江東区内部河川と呼ばれる約三十近い河川が縦横に流れているんですけれども、これまでと比べて、もう見違えるほど水質改善が図られてきておりまして、この合流式下水道というのは大事なんだなということを感じるんです。
 最近、私はよく自転車で区内を回るわけですけれどもね、川のほとりに立って水面を見ると、もうこの季節だんだんクラゲが浮かんでいたり、ボラが泳いでいたり、あるいは親水公園なんかによっては、ザリガニなんかがいろいろまだ生息しているようなことでありまして、地味ではあるけれども、確実に、この水質改善が働いてきている。これは大きな都政の成果だと思っているわけでありまして、その結果、河川沿いの遊歩道や公園が、やはり都民の憩いの場になって、非常に水辺と人のつながりというものが密接になってきているという実態もある、これを大きく評価したいと思うんです。
 しかし、この合流式下水道では、さっきもいっておられたけれども、大雨が降ると、汚水がまざった雨水が河川や海に流出して、江東内部河川、今申し上げておりますけれども、これを含めて公共用水域の水質に影響を与えてしまっていることも課題になっている。そこで、分流式下水道に変えることも対策として考えられるわけでありますけれども、道路が狭く、地下にはガスや電気などが整備されている中で、もう一本の下水道管を整備するということは、またこれ大変困難さが伴うということになる。そのため、雨の日の水質改善対策として、区部では、合流式下水道の改善対策を、今鋭意進めていると思いますけれども、その状況と、それから申し上げたことも含めて理由、メリット、これについて改めてご説明を願います。

○宇田川計画調整部長 先生お話しのように、合流式下水道では、大雨の際には、汚水まじりの雨水が河川などへ放流されるというデメリットがある反面、弱い雨の場合には、地面や道路の汚れを含む雨水を河川などへ放流することなく水再生センターで処理することができるというメリットがございます。
 一方、分流式下水道では、合流式下水道のように、汚水まじりの雨水が河川へ放流されることはありませんが、雨水はすべて河川などへ直接放流されるため、地面や道路の汚れ、ごみなどが雨水とともに河川などへ流出してしまうというデメリットもございます。
 区部では、多くの地区が合流式下水道で既に整備されておりますが、ご指摘のとおり、幅員が狭い道路下には埋設物がふくそうしている状況などから、新たにもう一本の下水道管を整備して、全地域を分流することは困難でございます。
 また、汚水と雨水を分離するためには、下水道管の分流化だけではなく、これまで合流式で整備されたお客様の宅地内の排水設備につきましても、お客様のご負担により分流しなければなりません。そこで、弱い雨の場合には、地面や道路の汚れを含む雨水を河川などへ放流することなく水再生センターで処理することができる合流式下水道のメリットを生かしながら、雨天時に河川などへ放流する汚濁の量をさらに削減する合流式下水道の改善対策を行っております。

○木内委員 物すごくわかりやすい説明で、私も、もう一度納得しました。要するに、正反合なんですね。非常にメリットもあるけれども、デメリットもある。これをいかに知恵と工夫を凝らして、効果的なシステムにしていくかということが求められると思うんです。そこで、この合流式下水道の改善対策のために、今行っている施策、今後の対策、これを明らかにしてください。

○松浦建設部長 合流式下水道の改善対策でございますが、雨天時において、河川などに放流される汚水まじりの雨水の量を減らし、水再生センターでの処理量をふやすための下水道の幹線の増強や、吐け口におけるごみやオイルボールの流出を抑制するための施設の改善、降雨初期の汚れた下水を貯留し、処理する貯留池の整備などに取り組んでまいりました。
 水再生センターでの処理量をふやすための幹線の増強については、全体で百五十六キロメートルが必要となりますが、おおむね完成してございます。
 また、吐け口における施設の改善についても、全体で七百三十三カ所の吐け口がありますが、低コスト、短期間でできる水面制御装置を開発し、整備を進めてきました結果、来年度末にはおおむね完了する予定でございます。
 貯留池につきましては、全体で三百六十万立方メートルの容量が必要でありますが、これまでに約八十三万立方メートルが稼働しているという状況でございます。

○木内委員 答弁の大宗部分については、新たにきょう答弁をいただく内容でありますが、一部、先ほどの鈴木委員の質疑と重複していること、樺山理事に大変恐縮でございます。ご報告を申し上げてまいりたい、こういうふうに思います。
 それから水再生センターに送水するための幹線の整備、これはほぼ完了して、吐け口対策については、費用が安く整備ができる水面制御装置も開発して、スピーディーに取り組んでいるのと比べて、貯留施設の進捗率は低いようですけれども、この貯留施設の整備に当たっての課題となっていること、これも明らかにしてください。

○松浦建設部長 貯留施設の整備は、大規模な施設整備が中心であるため、効果の発現までに長い年月と多大な費用が必要となります。また、区部では市街化が進んでいることなどから、貯留施設の整備に必要な広い用地の確保が困難といった課題がございます。

○木内委員 今課題についてご説明いただきましたけれども、水質改善には、それすらも克服をしていかなければならないということだと思うんです。したがって、今後、どのように貯留施設の整備を進めていくかということが知恵の絞りどころということになると思うのです。その方針についてご報告願います。

○宇田川計画調整部長 今回策定いたしました経営計画二〇一〇では、二十三区内にある河川や運河のうち、江東内部河川や砂町運河といった流れが少なくよどんでいることで、水質が悪化しやすい河川区間などの十四の水域を選定いたしまして、対策を重点化して、貯留施設の整備などを実施していくことにいたしました。
 また、これまで貯留施設は、そのほとんどを水再生センターやポンプ所の敷地内で整備してまいりましたが、目標達成のためには、今後、下水道用地以外の公園や道路などの地下の活用や、用地買収も含めた対応が必要でございます。このため、地元の区や関係局から協力を得て、貯留施設の整備を進め、合流式下水道の機能の強化に努めてまいります。

○木内委員 いろいろお尋ねしましたけれども、ぜひこの良好な水環境の創出ですね、まさに文字どおり創出ということになると思いますけれども、積極的に取り組んでいただきたい、このことを強く求めておきます。
 次に、下水道事業の温暖化対策、これも重複を避けてお尋ねをします。
 下水道局は、この事務事業活動を、都における各部門がある中で、温室効果ガス排出量の四〇%という議論が先ほどありました。このことを踏まえて、いち早く、下水道事業における地球温暖化防止計画のアースプラン二〇〇四、これを策定して、先進的な温暖化対策に取り組んできたことをまず評価をいたします。
 東京都では、二〇〇〇年を基準として、二〇二〇年までに二五%の温室効果ガスの削減を目標としたカーボンマイナス東京十年プロジェクトを推進して、事業者や都民に対して排出規制の強化や、支援策の充実を図っている。都庁が率先して、この対策の先頭に立っていく必要がある。
 きのうも、交通局との審議の中で、私はそのことを申し上げたところでありますが、競うようにして、この運動の先頭に各局が立ってもらいたい、こういうわけでありますが、その中で特に刮目して、あるいは特筆すべきは、下水道局において、さらなる温暖化対策を進めるために、アースプラン二〇一〇を策定をしたということが非常に私は大事なことだと思っているわけでありまして。この前の、本会議におきましても、我が党の代表質問で、この問題についてただしたわけでありますが、下水道における温暖化対策の具体的な内容について、まず、お尋ねするわけでありますが、このアースプラン二〇〇四の取り組み内容とこれまでの成果、きょうの議論で答弁してない部分があればしてください。全部答えたというのなら必要ありません。

○宇田川計画調整部長 下水道局は、アースプラン二〇〇四を、平成十六年度に策定いたしまして、京都議定書に掲げます温室効果ガスの排出量を六%以上削減することを目標としまして、汚泥処理の工程において発生いたしますCO2の三百十倍の温室効果を持つN2O、一酸化二窒素や、電力の使用に伴うCO2などの削減を行ってまいりました。
 汚泥処理の工程で発生するN2Oにつきましては、汚泥を焼却する際の温度の高温化や、汚泥を蒸し焼きにして、火力発電所で使用する石炭の代替燃料となる炭化物を製造する汚泥炭化炉を導入するなどの対策により削減してまいりました。
 また、電力の使用に伴うCO2につきましては、省エネルギー型機器の導入や、汚泥消化ガスを活用したバイオマス発電などにより削減を行ってまいりました。その結果、今年度末までのアースプランの削減目標は既に達成しております。

○木内委員 汚泥を焼却するときの温度の高温化によりまして、CO2の三百十倍の温室効果を持つN2O、先ほど来、触れられていますけれども、これを大幅に削減するなど、効果的に温室効果ガスの削減に取り組んでいることはわかったんだけれども、実は下水道局が取り組もうとしている新たな事業、また、異なる分野への取り組みもする、こうしたことによって、新たに課題になることもあると思うんですね。それも克服しなきゃいけない、二律背反みたいなところが実にあるわけですね。
 例えば、焼却炉の今いったように高温化によって燃料の使用量が増加する。あるいは浸水対策や、さっき触れた合流式下水道の改善や、高度処理などの施策を進めていくことで、電力使用量や汚泥処理量がふえる、こういう現象も起きてくるわけでありまして、そこに私は局の取り組みの難しさと、これを、何といいますか、克服する知恵がなきゃいけないと思うんですけれども。今後さらに、今申し上げた視点からですね、温暖化対策に取り組んでいくための課題、これへの対応についてご報告願います。

○宇田川計画調整部長 さらに温暖化対策に取り組んでいくための、まず課題でございますが、アースプラン二〇〇四では、汚泥焼却の高温化によるN2Oの削減を中心に温室効果ガスを削減してまいりました。今後さらにN2Oを削減していくためには、新たな技術が必要になっていくこと。
 二点目は、温室効果ガス全体では、アースプランの削減目標を達成いたしましたが、焼却炉の高温化によりまして燃料の使用量が増加したことや、新たな施設が稼働したことによりまして、CO2について見てみますと、今年度は、一九九〇年度と比べまして五万トン増加しております。これが第二点目の課題です。
 第三点目の課題としまして、今後、浸水対策や合流式下水道の改善、高度処理などの施策を進めていくことに伴いまして、電力使用量や汚泥処理量がふえるなど、CO2やN2Oの排出量の増加が見込まれること、これらが課題になっております。
 今後どう取り組むかということでございますけれども、アースプラン二〇一〇では、下水道事業から排出される温室効果ガスを、二〇〇〇年度比で、二〇二〇年度までに二五%削減することを目標としております。
 この目標を達成するため、N2Oの削減につきましては、汚泥炭化炉の増設、汚泥を蒸し焼きにしてガスを生成し、発電に有効活用する汚泥ガス化炉、燃料の使用量を抑えることでCO2もあわせて削減できる新たに開発した多層型流動焼却炉等を導入してまいります。
 CO2の削減につきましては、汚泥の水分を効率よく減少させ、電力使用量を削減できる汚泥脱水機など、省エネ型機器の積極的な導入や、下水道施設の上部空間の有効活用により、太陽光発電設備を導入するなど、未利用、再生可能なエネルギーの活用にも努めてまいります。

○木内委員 大変丁寧な報告だったわけですけれども、いわば下水道機能の向上、効率的運用を図りながら、なお、こうした削減を進めていくという工夫の内容が今明らかになりましたので、了としたいと思うのですね。
 例えば、多層型流動焼却炉の導入ですとか、省エネ型機器の積極的な導入ですとか、あるいは下水道施設の上部空間の有効活用による太陽光発電設備の導入など、非常に先進的な取り組みが求められるわけでありまして、しっかりまたご努力願いたいと思うわけであります。
 そこで、今話が出ました太陽光発電にも触れていくわけでありますけれども、今お答えがあったことも含めて、水力発電や風力発電などの未利用、再生可能エネルギーの活用というものは、今後ますます重要になってくるというのは、何度もいうとおりであります。
 この前、下水道局の葛西水再生センター、大変ご多忙のところでしたが、現地をお尋ねして、しっかり拝見もし、勉強をさせていただきました。初めて、下水道局の施設の上部空間に、広大な面積に多数のパネルが設備されている光景を目の当たりにしまして、感動を深くしたわけでありますが、シリコンの量がたったの百分の一で済む新型の太陽光パネルを使った発電設備が、本当に広大な、葛西水再生センターのごく一部ですけれども、この建屋の上にずらりと並んでいた、極めて壮観なものでありまして、聞いてみると、太陽の動きに合わせてパネルの向きを変えていくっていう、一軸追尾方式の大規模な導入は、我が国で初めてだった。これが四月ですか、稼働をスタートするというふうに聞いているわけですが、なぜ、この一軸追尾方式を導入をしたのか、まずご報告ください。

○東郷技術開発担当部長 一般的に用いられている固定式パネルを水処理施設上部に設置いたしますと、日常点検や作業などに必要な開口部を覆ってしまうため、維持管理面の問題が生じることになります。そこで、点検や作業などの支障とならない方法を検討いたしまして、パネルを垂直に立てることができる一軸追尾方式として開発することといたしました。
 この方式は、太陽の動きに合わせてパネルを回転させることで、発電量の増加も期待できますため、平成二十年度には、これらの機能を検証することを目的といたしまして、民間企業との共同研究を、葛西水再生センターにおいて実施し、発電効率の向上などの性能を確認したところでございます。その結果を踏まえまして、今年度、葛西水再生センターに一般家庭約百六十世帯分の消費電力を賄える四百九十キロワットの太陽光発電設備を導入し、四月以降に稼働いたします。

○木内委員 今の答弁にあったように、太陽光発電を設備するにしても、導入の段階でいろいろな維持管理など要件をクリアしなければならない、明らかになったわけであります。
 都内各地にある水再生センターというのは、各家庭や工場、事業所から送られてくる下水をきれいにして、川や水に、海に戻すためですね、私も何カ所かこれまで回ってきていますけれども、非常に広い敷地で、大規模な施設を持っているというのが共通していることですよね。こういうスペースを有効活用すれば、さらに太陽光発電設備の設置も可能だと思われるし、時代の最先端で、本当に国家的課題、環境対応の具体的な、こういう象徴的な事業というものがさらに進んでいくんだということを思うわけであります。
 今後、下水道局として、申し上げた視点から、他のセンターにおいても、ぜひ、太陽光発電を積極的に導入をすべきだと思うわけでありまして、例えば、葛西に隣接する砂町水再生センター、これは下水道局の中でも有数の広さを持っておりまして、この導入の可能性としても検討に値するのではないか。砂町水再生センターに太陽光発電設備を、今後、導入すべきだと、私は提案もし、考えているわけでありますが、所見を伺います。

○宇田川計画調整部長 太陽光発電設備の導入には、設置スペースの制約があるとともにコストなどの課題もございます。砂町水再生センターにおきましては、施設の配置や、公園などとしての施設の上部利用などの条件はございますが、太陽光発電設備で発電した電力は、クリーンな電力として活用できることから、ご提案を踏まえまして、導入に向けて検討してまいります。

○木内委員 提案を踏まえて導入に向けて検討をしていくということでありますから、一日も早く、具体的検討と導入方へのご努力をお願いしたい、こう思います。
 現在、都では−−その前に、これ答弁結構ですけれどもね。各地域の学校あるいは住民の方々に幅広く、こういう太陽光発電等の、下水道局の施設が行っている事業、環境対応へのご努力がわかるようにPRをしたり、あるいはいろんな行事で、大勢の方々においでをいただいて現場を見てもらう。こういう行事も今後幅広く検討をして、内容についても充実をされていかれるよう強く要望しておきます。これは答弁は不必要です。
 現在、都では臨海部メガワットソーラープロジェクトとして、臨海地域における太陽光発電施設の先導的な導入を進めています。下水道局においても、この取り組みに貢献していくため、太陽光発電の積極的な導入というものが、きょうの質疑で非常に具体的になりましたので、了としたいと思います。
 ところで、話は若干横道にそれますけれども、これまで何点か質問してまいりました。下水道局は本当にいろいろなことに一生懸命取り組んでおられるということを実感しておりました。しかもそれは、私たち都民の身の回りの生活環境から地球環境に至るまで、実に幅広いものがあります。こういう局の事業というものを知ってもらう必要がある。何か答弁ご用意いただいていれば報告願いたいけれども、環境意識を浸透させたり、下水道事業をPRするためですね、さまざまなこういう施設等も含めた活用を行ってPRすべきだと思うんですが、答弁できますか−−総務部長ができる。

○細野総務部長 先生お話しのとおり、都民の方に、下水道の役割や機能を理解していただくためには、実際の施設を活用してPRすることが、下水道事業や局の取り組みについて理解を深めていただく有効な手段であると考えております。
 このことから、毎年、下水道ふれあいフェアや、あるいは桜と施設見学会といったイベントを各水再生センターやポンプ所などで開催し、その際、施設を地域の住民の方々に開放し、見学していただいております。このほか水再生センターなどの施設には、環境学習の一環として来館する小学生を初め、年間で六万人を超える多くの見学者を受け入れております。
 この四月に稼働する葛西水再生センターの太陽光発電施設についても、見学ルートに組み入れ、環境学習の支援を図るとともに、局が推進している地球温暖化対策について積極的にPRしてまいります。

○木内委員 最後のお尋ねになりますけれども、いろいろなやりとりの中で、特に東京都の地球温暖化対策における下水道局の存在というか、ポテンシャルって非常に大きなものがあるんですね。きょうの質疑を聞いておられて、松田局長の温暖化対策に取り組む率直な所見、これを最後にお伺いしたいと思います。

○松田下水道局長 ご指摘をいただきましたように、下水道局は、都の事業活動の温室効果ガスの四割を排出をしておりまして、これを削減する重い責任がございます。しかし、責任を感ずるだけではなく、むしろ、都の温暖化対策の主役は、私たち下水道局であるという誇りを持って取り組んでまいりたいと思っております。
 明治時代から始まった東京の下水道の、先人たちが築き上げてきました多くの成果の上に、新たな科学技術、実践の中からつくり上げてきたこの創意工夫などを活用しまして、このたび実用化をすることとなった汚泥処理のための多層型流動焼却炉、また、ガス化炉、そして、今ご議論いただきました一軸追尾方式の太陽光パネル、これらに見られますように、日本初となる機器や設備を積極的に開発、導入して、温暖化対策の先導的役割を果たして、アースプランで掲げた目標を達成をさせていきます。
 さらに、温室効果ガスの削減にとどまることなく、良好な水環境の創出など、地球環境保全への取り組みを広げていくために、下水道局の持つすぐれた技術、現在でも、二百五十に及ぶ特許などを有しておりますが、これは都庁内でも群を抜いた件数でございますが、これらを環境技術としても広く発信をいたしまして、日本の下水道事業を牽引し、快適な地球環境を次世代に確実に継承していくために、局一丸となって全力を挙げてまいります。

○木内委員 質疑終わるつもりだったんですけれども、局長の、歴史を振り返り、また自分の命に刻むような思いで、熱意と情念にあふれた答弁、これは決してしゃくし定規な答弁ではなかったと私は思います。局長の心を局の心として、また全幹部職員の方が、きょうの議論等を踏まえて、さらにご努力をされるよう、強く求めて私の質疑を終わります。

○山内委員 質問させていただきます。
 私たちが日常的に使う水は、下水道を通じて水再生センターできれいに処理され、多摩川などへ放流されています。生活者ネットワーク・みらいでは、各家庭でも雨水貯留タンクなどを設置し、自然の恵みである雨水を有効活用することを勧めていますが、各家庭から集められ、きれいになった下水処理水についても、都市の貴重な水資源として位置づけていくことが重要です。
 下水道局では、処理水量を再生水として有効利用していますが、まず初めに、下水の処理水はどのような用途に、どのぐらい再利用されているのか伺います。

○宇田川計画調整部長 都の水再生センターでは、一日に東京ドーム約五杯分に相当いたします五百九十万立方メートルの下水を処理しておりまして、このほとんどが、河川などへの公共用水域へ放流され、良好な水循環の形成に重要な役割を果たしております。
 処理水の再利用につきましては、主に、局内の水再生センター、ポンプ所で、洗浄用水あるいは冷却水などに利用しております。また、処理水をさらに高度に処理した再生水は、清流復活用水といたしまして、玉川上水を初め、野火止用水、千川上水、さらに渋谷川、古川などの城南三河川に供給するとともに、ビルのトイレ用水、ヒートアイランド対策としての道路への散水などにも供給しております。
 平成二十年度におきます再生水を含む処理水の利用状況は、一日当たり約五十二万立方メートルでございまして、すべての処理水の約九%となっております。

○山内委員 処理水は、水再生センター内での洗浄用水や河川の清流復活用水など、いろいろな用途に再利用されていることがわかりました。しかし、トイレ用水などとして再利用されている再生水は、河川などに戻す処理水よりもさらに高度に処理したものだとお答えいただきました。高度に処理するということは、エネルギー使用がふえ、温暖化のもととなるCO2の排出量の増加も考えられます。
 水のリサイクルには、ほかに、ビルで使われた排水を建物内で処理して再利用する個別循環方式と呼ばれる方法もあるようです。そこで、この個別循環方式と比べると、下水再生水の温室効果ガス排出量は多いのかどうか伺います。

○宇田川計画調整部長 先生お話しの個別循環方式に対しまして、都で行っている下水再生水の利用につきましては、広域循環方式といいまして、再生水を特定の地区に供給いたしまして、地区内でトイレの洗浄用水などとして利用しております。
 ご質問の温室効果ガスの排出量でございますけれども、一日当たり再生水を百立方メートル使用するビルの場合、これは一日当たり百十五立方メートルの再生水を利用しております都庁の第二庁舎の規模におおむね相当いたしますけれども、個別循環方式と比べますと、年間で六十九トン少ないと試算されます。

○山内委員 ご答弁から、下水再生水は、温暖化対策の面でも有利だということです。しかし最初のお答えにあったように、処理水の利用率は一割にも達していません。
 下水道局では、下水処理水のさらなる活用に向けて、再生水の供給先を拡大するとともに、良好な水質を確保しながら安定的に供給することを課題としていますが、どのように取り組むのか伺います。

○宇田川計画調整部長 再生水の供給につきましては、これまで、大規模な開発地域などを対象といたしまして、都庁のある西新宿地区を皮切りに、汐留、霞が関地区など七地区へ拡大してまいりました。また、既存の供給地区におきましても、ビル所有者に再生水の利用を要請するなどいたしまして、供給先の拡大に努めてまいりました。
 これによりまして、供給先は、三年後には、現在より十七カ所ふえまして、百七十五カ所とする予定で、再生水の利用量につきましては、三年後には、現在よりも四千立方メートルふえて、一万三千立方メートルとなる見込みでございます。
 さらに、良好な水質の再生水を安価に安定して供給するための技術開発も行っておりまして、この四月には、寿命が長く、経済性にすぐれましたセラミックフィルターを活用した新たな、膜ろ過施設が芝浦水再生センターで稼働する予定になっております。

○山内委員 一方で、下水をきれいに処理する過程では、汚泥が大量に発生しており、埋立処分場には限りがあることから、下水道局では、資源化に取り組まれていると聞いております。そこで、下水汚泥のリサイクルの状況を伺います。

○宇田川計画調整部長 平成二十年度におきます下水の処理過程で発生する脱水汚泥の発生量は、一日当たり三千四百トンでございます。脱水汚泥につきましては、この量の減量化を図るため、焼却して灰にしておりまして、灰の七割以上をセメント材、セメントの原料や、アスファルト舗装の材料などとして有効活用しております。
 また、脱水汚泥の一部につきましては、蒸し焼きにした炭化物を石炭の代替燃料として活用する新たな取り組みも行っております。これらを合わせますと、都全体で資源化率は七四%となっております。また、多摩地域の流域下水道におきましては、平成九年度に、資源化率一〇〇%を達成いたしまして、以降継続しております。

○山内委員 今のご答弁から、汚泥の七割以上を資源化しており、私の住む多摩川地域の流域下水道では、下水汚泥の一〇〇%資源化ゼロエミッションを続けているということです。資源化のために汚泥を焼却していますが、先ほど来お話がありましたが、汚泥を焼却すると、二酸化炭素、CO2の三百十倍温室効果を持つ一酸化二窒素、N2Oを排出しています。環境負荷の低減と資源化を両立させるのは非常に難しいところだと思います。
 ところで、その汚泥の焼却にかわる新たな手法として、炭化物を燃料として再利用する取り組みも行っているとのことです。そこで、汚泥の炭化による資源化の今後の取り組みについて伺います。

○宇田川計画調整部長 汚泥の炭化につきましては、汚泥を蒸し焼きにいたしまして、炭化物にして有効利用することで、下水汚泥の資源化率を向上させるとともに、従来の焼却炉と比べましてCO2の三百十倍の温室効果を持つ一酸化二窒素、N2Oを大幅に削減できる効果があります。江東区にある東部スラッジプラントにおきまして、平成十九年度から炭化施設を稼働させております。
 汚泥の炭化につきましては、長期的、安定的に炭化物を燃料として利用するため、施設の建設、維持管理、運営を民間事業者に一括して委託しており、製造された炭化物につきましては、福島県の火力発電所で活用しております。今後、一層の資源化を進めるため、同プラント内に、汚泥炭化施設を増設することといたしまして、平成二十五年度からの稼働に向け、現在、事業者を公募しているところでございます。

○山内委員 下水処理で大量に発生する処理水や汚泥が有効活用されていることがわかりました。資源に乏しい我が国では、ごみをごみとして出さず、あるものを可能な限り使い、環境と調和した持続可能な都市として、次世代の子どもたちに引き継いでいくことが私たちの責任と考えます。技術立国ともいわれる日本の特徴を生かし、環境負荷の少ない資源循環を促進していくべきと考えます。下水道局において、これまで開発してきた技術と今後の技術開発の取り組みについて伺います。

○東郷技術開発担当部長 これまでもオゾン耐性膜やセラミック膜などを活用した再生水造水技術の開発を行うとともに、汚泥資源化技術では、汚泥焼却灰を土木資材として使用できる材料などとして開発し、焼却灰の資源化メニューの拡大を図ってまいりました。さらに、汚泥焼却灰に含まれる燐などを取り除き、資源化しやすい灰にするとともに、回収した燐を活用する技術開発も現在取り組んでいるところでございます。
 新たな技術を開発するためには、新しい発想と幅広い知識、経験が不可欠でありまして、最先端の技術を持つ産業界や基礎的研究の担い手である学界との連携強化を図ることが重要であります。そのため昨年度、砂町水再生センター内に下水道技術研究開発センターを研究開発の拠点として整備したほか、民間企業や大学などとの技術交流を促進する仕組みづくりを行っております。
 今後も産学公の連携などを通じ、資源化の拡大に向けた技術開発などに積極的に取り組み、環境負荷の少ない都市を実現してまいります。

○山内委員 下水道局では、今回の経営計画で、環境負荷の少ない都市の実現に貢献するということを経営方針の一つとして挙げていらっしゃいます。再生水や下水汚泥の再利用など、環境貢献の取り組みをさらに推し進めていくことを期待して私の質問を終わります。

○高橋委員 それでは、私の方からは、流域下水道における効率的な事業の推進についてお尋ねをいたします。
 昨年七月に、奥多摩町の公共下水道が接続されたことで、多摩地域三十市町村すべてで流域下水道による下水処理が可能となりました。高度成長期に水質が極めて悪化した多摩川でも、下水道の普及とともに水質が大幅に改善されてきており、多摩地域の水環境の向上に果たした流域下水道の役割を大きく評価するところであります。
 一方、流域下水道は、昭和四十三年にスタートしておりますが、平成元年に稼働した北多摩二号水再生センターでも、およそ四割の設備が耐用年数を超えて使用している状況と聞いており、計画的な施設の老朽化対策が必要であると考えます。
 このような施設の老朽化対策に加え、高度処理や合流式下水道の改善などによるさらなる水質改善や地球温暖化対策など、喫緊の課題に着実に取り組んでいくためには、厳しい財政状況の中で、事業をこれまで以上に、効率的、効果的に推進していくことが不可欠であります。
 下水道局が、先月公表いたしました経営計画二〇一〇によると、効率的な事業運営を図っていくための施策が挙げられております。その一つに、流域下水道事業では、多摩川を挟んで対面する二つの水再生センターを連絡管で結ぶとのことでありますが、現在の連絡管の取り組み状況について伺います。

○高相技術部長 流域下水道本部では、効率的な施設整備や維持管理を実現するとともに、故障や災害などの緊急時におけるバックアップ機能を確保し、危機管理対応を強化するため、多摩川の両岸に位置します二つの水再生センターを結ぶ連絡管の整備事業を推進しております。
 平成十八年度に、多摩川上流・八王子水再生センター間連絡管を稼働させたことに加えまして、平成二十年度から、北多摩一号・南多摩水再生センター間連絡管の整備を進めており、経営計画二〇一〇の計画期間内の完成に向けまして、来年度までにトンネル工事を完成させる運びであります。

○高橋委員 最初の連絡管につきましては、稼働から既に四年近く経過しているとのことであり、効果が既にあらわれていることと思います。これまでの多摩川上流、そして八王子水再生センター間連絡管の効果についてどのような効果があったのか伺います。

○高相技術部長 多摩川上流水再生センターの汚泥焼却炉の更新に当たりましては、この連絡管の活用により、八王子水再生センターの予備施設に一時的に送泥することで、多摩川上流水再生センターに四つございました焼却炉のうち、老朽化した二つの焼却炉を同時に廃止し、そのスペースに大型化した一つの焼却炉を更新することができました。これによりまして、約十三億円のコスト縮減が図られたところでございます。
 このほか、連絡管に敷設しました光ファイバーケーブルを活用し、八王子水再生センターを、多摩川上流水再生センター側から遠方監視制御することで人件費の縮減を、また、両センターを一体的に運用することによりまして、電力費、燃料費などの維持管理費の低減を図っておるところでございます。

○高橋委員 流域下水道事業を、連絡管により効率的に進めていくことはわかりました。多摩地域では、都と市町村が連携し、流域下水道という仕組みで事業を進めてまいりました。市町村は、今後も公共下水道の整備や維持管理に取り組んでいくことになるため、限られた人員の中、技術力の維持が課題となっております。このため、豊富な事業運営の経験とノウハウを持つ流域下水道本部と市町村との連携がより一層必要と考えます。そこで、流域下水道本部は、市町村に対してどのような支援を行っていくのか伺います。

○高相技術部長 これまで流域下水道本部では、市町村との共同といたしまして、市町村の公共下水道計画の改定や下水道台帳システムの構築などを通しまして、さまざまな技術支援を行うとともに、局が実施する職員研修に市町村の職員を受け入れるなど、積極的にノウハウの提供を行ってまいりました。これらに加え、都と市町村がそれぞれ行ってきた水質検査を共同実施するとともに、市町村が行う事業場への排水指導に対する技術的な助言なども行ってまいりました。
 水質検査の共同実施は、平成二十一年度に、調布市、狛江市が加わり、二十市町で実施しております。平成二十二年度は、新たに流域下水道に接続された奥多摩町でも実施してまいります。今後、市町村が浸水の危険度を住民に周知するハザードマップの作成に向けまして、流域下水道本部は、浸水予想区域図を作成し、情報の提供をしてまいります。さらに、災害時における相互支援のための連絡体制や、し尿の受け入れに関する体制を整備し、危機管理対応を強化してまいります。

○高橋委員 公共下水道の管理は、市町村の役割であることは理解しておりますが、多摩地域の水環境の維持のため、市町村が維持管理や更新を適切に行えるよう、また、災害時においても、下水道機能に支障が出ないように、流域下水道本部は、市町村への技術支援を積極的にお願いしたいと思います。
 経営計画二〇一〇では、市町村との連携をより強化するため、八王子市、立川市、三鷹市の単独処理区を流域下水道へ編入するとしております。改めて、この目的について伺います。

○高相技術部長 八王子市、立川市、三鷹市の一部では、流域下水道が整備される以前から、市単独で公共下水道事業を実施している中、施設の老朽化が進んでおります。その更新が現在急務となっております。
 しかし、これらの単独処理場は、狭隘な敷地条件のため、施設の更新に制約が多い上に、高度処理などへの対応が困難となっております。そこで、これら三市の単独処理区を流域下水道に編入することにより、都と市町村が共同して、多摩地域の水環境の向上と、下水道事業運営の効率化を図ってまいります。

○高橋委員 多摩地域の水環境の向上のためには、単独処理区の編入が必要とのことでありますが、それを実現するためには、さまざまな課題があると考えます。単独処理区に編入するためのそれらの課題について、どのように考えているのか伺います。

○高相技術部長 単独処理区の編入に当たりましては、単独処理場の廃止に伴い、放流先河川を変更するため、従来の放流先である河川の水量に変化が生じます。これらの放流河川は、下水処理水が多くを占めることから、河川水量のあり方を検討する必要があります。また、合流式下水道を採用している単独処理区を、分流式の流域下水道に編入する際の対応策なども検討する必要がございます。
 さらに、単独処理区の汚水を受け入れるために必要となる施設などの費用負担のあり方について、流域関連公共下水道の関係市町村や関係機関と協議を進めていくことなどが課題として挙げられます。
 編入に当たり、関係市の主体的な取り組みが必要ですが、流域下水道本部は、関係市と連携を図り、それらの課題を解決するとともに、編入に必要な法手続の協議などを関係機関と進めてまいります。

○高橋委員 単独処理区の編入に当たりましては、課題も多いとのことでありますが、流域下水道本部は、実現に向け、必要な調整を関係機関とともに進めてほしいと思います。
 今回、連絡管による水再生センター間の相互融通や市町村との共同した維持管理、単独処理区の編入といった市町村との連携をより強化することで、下水道事業の効率化を図っていくべきことがわかりました。
 市町村の下水道事業も、施設の更新、再構築といった節目の時期を迎えております。そのため市町村や関係機関と連携する中、流域下水道本部は、従来にも増して期待される役割が増大してきていると思います。そこで、今後の多摩地域の下水道事業運営に対する流域下水道本部長の決意を伺って私の質問を終わります。

○山本流域下水道本部長 今回策定いたしました経営計画二〇一〇でお示したとおり、流域下水道では、多摩地域の良好な水環境を形成するため、高度処理や合流式下水道の改善などを着実に進めていくとともに、地球温暖化対策にも積極的に取り組んでまいります。
 また、下水道施設の維持管理を予防保全型で実施するとともに、計画的な更新や震災対策などにより、下水道機能をより一層の維持向上させてまいります。さらに、ご指摘のとおり、市町村との連携をより強化することで、多摩地域の下水道サービスを充実し、お客様の安全を守り、安心で快適な生活を支えてまいります。

○桜井委員 どうぞよろしくお願いします。
 先ほどご答弁というかご質問がありました、木内副委員長の質問と非常に深く関連するところがありますが、どうぞよろしくお願いいたします。

○木内委員 いいです。それは桜井先生のやる質問なのだから、ダブっていいのです。どうぞ自由濶達にやってください。

○桜井委員 よろしくお願いします。
 私の方から、下水道の高度処理について質問させていただきます。
 私は、さきの予算特別委員会で、隅田川ルネサンスについて質問をさせていただいたところです。私の地元を流れる隅田川は、急激に都市化が進展した高度成長の時代には、それまで行われていた花火大会や早慶レガッタが中止になるほど水質悪化が進み、ある意味死の川という形で呼ばれておりました。しかし、その後は、下水道の整備により水質が大幅に改善され、現在では、護岸にはテラス整備が進み、人々も、川を散策したり、現在は水上バスも運行されて、水辺に接する機運が増しているところであります。昭和五十三年に再開された隅田川花火大会や、桜の開花時期には、現在大勢の人々が隅田川周辺に観光に訪れているところであります。
 私は、下水道局を初めさまざまな方面での努力により、この水質改善がなされたということで、この隅田川ルネサンスという取り組みが進められるに至ったというふうに感じているところであります。
 または隅田川が流れ注ぐ東京湾においても、お台場海浜公園が観光スポットとなっており、人々が東京の水辺で楽しむことができる環境が整いつつあると思っております。そこで、区部におけるこれまでの下水道局の取り組みによる隅田川や東京湾の水質改善状況について、最初にお伺いいたします。

○宇田川計画調整部長 昭和四十年代中ごろでは、区部でも隅田川の上流側の地域におきまして、下水道普及率は四〇%程度にすぎませんでした。昭和四十六年度には、両国橋付近での汚れの指標でありますBODは、一リットル当たり一四ミリグラムと、魚がすめる限界といわれる一リットル当たり五ミリグラムを大きく超えておりました。その後、下水道の普及によりまして、隅田川の水質改善が進み、BODにつきましては、昭和六十年代以降は、アユが生息できるといわれる三ミリグラム程度まで改善してきております。
 東京湾につきましても、河川の浄化が進んだことで、流入する汚濁の量は大きく減少した一方で、近年、赤潮の発生日数は、年間九十日程度と、ほぼ横ばいの状況にあります。

○桜井委員 今、ご答弁ありましたとおり、下水道を整備したことで、隅田川のBODは大きく改善したと思いますが、東京湾では、河川の水質が改善されたにもかかわらず、現在も海面が赤褐色に染まる赤潮の発生日数は減っていないということであります。それでは赤潮の発生は、どんなことが原因になっていて、下水道としては、どんな取り組みがあるのかお伺いをいたします。

○宇田川計画調整部長 赤潮は、窒素や燐の濃度が高くなり、富栄養化が進みますと、これらを栄養源とするプランクトンが大量に発生することにより起きる現象でございます。東京湾の水質は、富栄養化の指標でございます窒素と燐については、いずれも長期的には、緩やかな改善傾向にありますものの、近年は横ばいで推移しております。これは、東京湾が閉鎖性水域でございまして、堆積した汚れが速やかに外洋に拡散しないことが原因の一つといわれております。
 赤潮発生の抑制に向けた下水道の対策といたしましては、下水道から東京湾に流入する窒素と燐の総量を削減する必要がございます。そのため、他県も含めて下水道が普及していない地域につきましては、普及を進めるとともに、下水道の普及が終わった地域におきましても、より一層窒素と燐を削減するために、高度処理施設を導入する対策などが必要でございます。

○桜井委員 東京湾での赤潮の発生原因である窒素と燐を削減するためには、下水道の普及や、先ほどもご答弁があった高度処理施設の導入が必要ということでありますが、それでは、窒素や燐を削減するため、現在、区部ではどのような取り組みを実施しているのか、お伺いをいたします。

○松浦建設部長 下水道局では、平成八年七月から、窒素や燐を同時に除去できる高度処理施設を整備してきており、平成二十年度末までに、区部全域で一日当たり約三十五万立方メートルの高度処理施設が完成、稼働しているところでございます。これは、平成二十年度の区部における一日当たりの下水処理量である四百九十万立方メートルの約七%に相当いたします。
 今後も、浮間水再生センターでは、平成二十三年度までに一日当たり六万立方メートル、砂町水再生センターでは、平成二十四年度までに一日当たり六万立方メートル、合わせて十二万立方メートルの高度処理施設の整備を進めてまいります。

○桜井委員 今のご答弁にもありましたとおり、窒素や燐の削減のために、これまで、高度処理施設の整備を進めてきたということでありますが、一日当たり三十五万立方メートルという量は、割合では全体の七%と、まだまだ対策が不足していると考えます。東京湾の水質改善を推進するためには、施設整備ももっと急ぐべきと考えますが、整備に当たっての課題についてお伺いをいたします。

○松浦建設部長 高度処理施設の整備に当たりましては、これまでも既存施設の有効活用や、省用地型の高度処理方法を採用するなどの工夫を行いながら、効率的、効果的な整備を進めてまいりました。
 しかしながら、高度処理施設は規模が大きく、新たな整備に費用や時間がかかるため、事業効果の発現までには長い期間が必要となります。また、施設整備の期間中におきましても、既存施設の処理能力を保持する必要があることから、センター内の限られた敷地を活用して、新しい施設を整備、完成させた後に、既存施設の一部を撤去し、その敷地に次の施設を整備していくという手順を繰り返しながら、段階的に進めていかなければならないという課題がございます。

○桜井委員 高度処理の整備に、今ご答弁もありましたとおり、時間がかかるといった課題があることは本当によくわかりました。このままのペースでは、東京湾の水質改善は、遅々として進まないではないかということで大変危惧をしているところでありますが、高度処理施設は、今後も可能な限り整備していくとしても、そのほかに、窒素や燐を早期に削減していくための工夫を行うと聞いておりますが、具体的な対策についてお伺いをいたします。

○宇田川計画調整部長 これまで窒素と燐を同時に除去する高度処理施設を整備することを基本としてまいりましたが、東京湾へ流入する窒素や燐の量を早期に削減させるため、それぞれの水再生センターの状況に合わせまして、可能な限り窒素または燐、どちらかでも削減する高度処理に準じた準高度処理を、このたび策定いたしました経営計画二〇一〇において新たに導入することといたしました。
 これは、下水に吹き込む空気量の調節など、日常の運転管理で培ってきた職員のノウハウと、既存の施設での設備の改良などを組み合わせた処理法でございます。この方法は、構造的に改良が可能な水再生センターへの導入に限られますが、高度処理に比べ、短期間かつ低コストでの導入が可能であるという特徴がございます。
 平成二十四年度までに、三河島水再生センターを初めといたしまして、六カ所の水再生センターにおいて、合計で一日当たり約六十九万立方メートルを処理できる準高度処理を導入する予定でございます。
 先ほど建設部長が答弁いたしましたけれども、砂町及び浮間水再生センターにおきます高度処理施設の整備も合わせますと、平成二十四年度末には、合計で一日当たり百十六万立方メートルを処理できる施設が整備されることになりまして、一日当たりの平均処理水量に対する窒素や燐を除去できる水量の割合は七%から二四%へと大幅に増加いたします。今後も、隅田川や東京湾などの水質改善のため、窒素や燐の削減対策に取り組んでまいります。

○桜井委員 今ご答弁をいただきました、準高度処理、この新たな取り組みは、先ほどもお話がありましたとおり低コストで短期間に実施ができるという非常に有効な方法というふうに思います。ぜひ積極的に進めていただきたいと思います。
 また、こうした対策とあわせ、合流式下水道の改善対策も推進していただいて、隅田川や東京湾のさらなる水質改善に取り組み、快適で潤いのある水辺環境づくりに今後も貢献していただくことを強く要望いたしまして、私の質問を終わらさせていただきます。

○神林委員長 ほかに発言がなければ、お諮りをいたします。
 予算及び付託議案並びに報告事項に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

○神林委員長 異議なしと認め、予算及び付託議案並びに報告事項に対する質疑は終了いたしました。
 以上で下水道局関係を終わります。
 なお本日審査いたしました請願につきましては、執行機関に送付し、その処理の経過及び結果について報告を請求することにいたしますので、ご了承願います。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。
   午後四時四十四分散会

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